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  1. 大田区議会 2021-02-25
    令和 3年 第1回 定例会−02月25日-03号


    取得元: 大田区議会公式サイト
    最終取得日: 2021-10-03
    令和 3年 第1回 定例会−02月25日-03号令和 3年 第1回 定例会 令和3年第1回定例会 大田区議会会議録 第3号 2月25日(木曜日)  出席議員(50名)   1 番 田中一吉       2 番 松原秀典       3 番 高瀬三徳   4 番 岸田哲治       5 番 大森昭彦       6 番 塩野目正樹   7 番 押見隆太       8 番 鈴木隆之       9 番 湯本良太郎   10 番 伊佐治 剛      11 番 深川幹祐       12 番 長野元祐   13 番 渡司 幸       14 番 高山雄一       15 番 海老澤圭介   16 番 松本洋之       17 番 岡元由美       18 番 勝亦 聡   19 番 広川恵美子      20 番 秋成 靖       21 番 玉川英俊   22 番 田村英樹       23 番 大橋武司       24 番 小峰由枝   25 番 椿 真一       26 番 田島和雄       27 番 末安広明   28 番 大竹辰治       29 番 清水菊美       30 番 黒沼良光   31 番 佐藤 伸       32 番 菅谷郁恵       33 番 福井亮二   34 番 荒尾大介       35 番 杉山公一       36 番 荒木秀樹   37 番 犬伏秀一       38 番 三沢清太郎      39 番 松原 元   40 番 須藤英児       41 番 植田智一       42 番 野呂恵子   43 番 北澤潤子       44 番 小川あずさ      45 番 庄嶋孝広   46 番 平野春望       47 番 奈須利江       48 番 馬橋靖世
      49 番 荻野 稔       50 番 奥本有里                ――――――――――――――――――――  出席説明員   区長            松原忠義    副区長           川野正博   副区長           清水耕次    企画経営部長        市野由香里   総務部長          後藤 清    危機管理室長        須川孝芳   地域力推進部長       今井健太郎   観光・国際都市部長     飯嶋清   スポーツ・文化担当部長   町田達彦    区民部長          小泉貴一   産業経済部長        山田良司    福祉部長          今岡正道                         障がい者総合サポートセンター所長   福祉支援担当部長      張間秀成                  森岡 剛   健康政策部長        木田早苗    保健所長          伊津野 孝                         まちづくり推進部長                         新空港線・まちづくり調整準備室長兼務   こども家庭部長       浜口和彦                  齋藤浩一   都市開発担当部長      青木重樹    空港まちづくり本部長    白鳥信也   都市基盤整備部長      久保輝幸    環境清掃部長        落合邦男   会計管理者         鴨志田 隆   企画経営部企画課長     杉山良樹   企画経営部財政課長     田村彰一郎   総務部総務課長       中澤 昇   教育長           小黒仁史    教育総務部長        玉川一二   教育総務部教育総務課長   政木純也                ――――――――――――――――――――  出席事務局職員   局長       井上隆義         次長       古川雅章   議事担当係長   矢作研治 議事日程第3号  令和3年2月25日  午前10時開議  第1   第5号議案 令和2年度大田区一般会計補正予算(第8次)   第6号議案 令和2年度大田区国民健康保険事業特別会計補正予算(第3次)   第7号議案 令和2年度大田区後期高齢者医療特別会計補正予算(第2次)   第8号議案 令和2年度大田区介護保険特別会計補正予算(第2次)   第9号議案 大田区組織条例の一部を改正する条例   第10号議案 大田区職員定数条例の一部を改正する条例   第11号議案 大田区情報公開・個人情報保護審査会条例の一部を改正する条例   第12号議案 大田区特別職報酬等審議会条例の一部を改正する条例   第13号議案 大田区外部監査契約に基づく監査に関する条例の一部を改正する条例   第14号議案 大田区積立基金条例の一部を改正する条例   第15号議案 大田区手数料条例の一部を改正する条例   第16号議案 選挙長等の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例   第27号議案 大田区産業プラザ特定天井改修その他工事請負契約について   第29号議案 職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例   報告第1号 区の義務に属する損害賠償額決定に係る専決処分の報告について   報告第2号 仮称大田区新蒲田一丁目複合施設新築工事請負契約の専決処分の報告について   報告第3号 大田区立大森第七中学校校舎改築その他工事(T期)請負契約の専決処分の報告について   報告第4号 仮称大田区南六郷創業支援施設内部改修その他工事請負契約の専決処分の報告について   報告第5号 仮称大田区新蒲田一丁目複合施設新築電気設備工事請負契約の専決処分の報告について   報告第6号 大田区立大森第七中学校校舎改築その他電気設備工事(T期)請負契約の専決処分の報告について   報告第7号 仮称大田区新蒲田一丁目複合施設新築機械設備工事請負契約の専決処分の報告について   報告第8号 大田区立大森第七中学校校舎改築その他機械設備工事(T期)請負契約の専決処分の報告について  第2   第17号議案 大田区区民活動支援施設条例の一部を改正する条例   第18号議案 大田区特別出張所設置条例の一部を改正する条例   第19号議案 大田区産業プラザ条例の施設の一部の供用停止に関する条例   第20号議案 大田区産業連携支援施設条例の一部を改正する条例   第28号議案 建物明渡し等の請求に関する民事訴訟の提起について  第3   第30号議案 大田区介護保険条例の一部を改正する条例   第31号議案 大田区指定地域密着型サービスの事業の人員、設備、運営等に関する基準を定める条例の一部を改正する条例   第32号議案 大田区指定地域密着型介護予防サービスの事業の人員、設備、運営等及び指定地域密着型介護予防サービスに係る介護予防のための効果的な支援の方法に関する基準を定める条例の一部を改正する条例   第33号議案 大田区指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例   第34号議案 大田区指定介護予防支援等の事業の人員及び運営並びに指定介護予防支援等に係る介護予防のための効果的な支援の方法の基準等に関する条例の一部を改正する条例  第4   第21号議案 大田区立従前居住者用賃貸住宅条例   第22号議案 大田区特別区道の構造等に関する条例の一部を改正する条例  第5   第23号議案 大田区立保育園条例の一部を改正する条例   第24号議案 大田区立学校設置条例の一部を改正する条例   第25号議案 大田区立学校校外施設設置条例の一部を改正する条例   第26号議案 大田区いじめ防止対策推進条例  第6   第1号議案 令和3年度大田区一般会計予算   第2号議案 令和3年度大田区国民健康保険事業特別会計予算   第3号議案 令和3年度大田区後期高齢者医療特別会計予算   第4号議案 令和3年度大田区介護保険特別会計予算  第7   委員会提出第1号議案 大田区議会会議規則の一部を改正する規則  第8   3第16号 大深度法に基づくリニア新幹線のシールド工事に関する陳情   3第17号 リニア新幹線工事に関する陳情   3第26号 東急多摩川線・池上線の日中減便による区内での影響調査と申し入れを議会に求める陳情  第9   3第19号 新飛行ルート騒音の追加拠点の継続調査を国に要望することを求める陳情   3第22号 羽田空港増便・新飛行ルート被害想定に関する陳情               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜                     午前10時開議 ○広川 副議長 ただいまから本日の会議を開きます。               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○広川 副議長 昨日に引き続き質問を行います。  まず、42番野呂恵子議員。                  〔42番野呂恵子議員登壇〕(拍手) ◆42番(野呂恵子 議員) エールおおた区議団の野呂恵子です。会派を代表して質問を行います。  2021年度予算は、歳入では、特別区民税が前年度比16億5600万円の減、特別区交付金が28億9000万円の減と、厳しい船出です。松原区長は3年で580億円のマイナスと訴えてきましたが、その範囲に収まらないほどの厳しい情勢と国による不合理な税制改正の影響、感染症の拡大が減収を加速してきました。松原区長、私は危機を乗り越えるとき、地域で困難を抱える人々を支援している様々な団体や区民、そして区職員が区長の財産だと思います。それは区長が、これまでの区長が経験したことのない危機のときの区長だからです。昨年度の人事白書によれば、休職者に占めるメンタル不全の割合は依然として高いと報告され、2019年度、86件のうち、メンタル不全は57件でした。職員がいきいきと区民のために働く職場づくり、職場のパワハラなど、ハラスメント対策や研修、指導を含め、元気で働ける環境整備は最優先です。コロナ禍で税収が落ち込むときこそ、行政と区民が連携・協働し、区民に適正な税の再分配がなされることを願い、質問いたします。  初めに、監査委員について伺います。  内閣府の審議会で長年議論が続けられた第29次地方制度調査会の答申が2009年に出されました。内容は、地方分権の進展に伴い、地方公共団体の処理すべき事務は今後さらに高度化、多様化するため、監査能力の向上を図る必要がある。そのためには、監査委員の専門性を重視し、弁護士、公認会計士、税理士の資格を有する者、会計検査や監査の実務に精通している者などの積極的な登用を促進していく必要がある。議員の中から選任される、いわゆる議選委員は、財務会計の専門家ではない上、短期で交代する例が多いことや、地方公共団体の内部に属する者であり、その監査が形式的になりがちである。また、自治体の長とともに議会も監査の対象であり、監査委員は自治体の長からだけでなく、議会からも独立した存在とする必要があることから、議選委員を廃止し、議会は行政全般にわたって幅広い見地から執行機関をチェックするという本来の機能を果たしていくべきであるとする重要な答申でした。  続く第31次調査会の答申では、議会は議会としての監査機能に特化していくという考え方もあることから、各地方公共団体の判断により、監査委員は専門性のある識見監査委員に委ね、議選監査委員を置かないことを選択肢として設けるべきであると踏み込んだのです。  二つの答申を受け、2017年6月、地方自治法の一部改正が行われ、第196条では、監査委員について特に、「ただし、条例で議員のうちから監査委員を選任しないことができる。」とただし書が付されました。その後、23区では、杉並区が2名の議選委員を1名とし、識見監査委員を3名に増加しました。大田区監査委員が識見委員として元区部長、公認会計士、議選委員として区議会議員2名の4名で構成され、各々が職責を果たしていることは承知しております。しかし、法改正から4年、コロナ禍での財政運営の重要性、行政の適正性の確保とチェック体制の強化など、監査の独立性、専門性、さらに透明性が求められていきます。  本来、滋賀県大津市議会のように、議会が議選委員の是非を考える協議会を設置し、発議すべきなのかもしれませんが、今回は、新たな日常を予算のテーマに掲げた区に、法改正に応える新たな道筋を求め、伺います。  人口減少社会への対応、財政の健全化の意味からも、法改正を受け、大田区においても議員選出監査委員の廃止を検討すべきと考えます。区の見解をお答えください。
     続いて、新型コロナウイルス感染症関係について伺います。  昨年来の新型コロナウイルス感染症で多くの方々がお亡くなりになり、心からご冥福をお祈り申し上げます。私の知人も今年、家族にみとられることもなく、遺骨で自宅へ帰りました。人生の最後さえ奪われるコロナ禍の日々が早く収束することを願い、質問いたします。  新型コロナウイルス感染症対策として国が期待を寄せるコロナワクチンの接種が日本でも始まりました。アメリカやイギリスを中心に治験が進められたワクチンは予防効果が高いと報道されていますが、一方、治験の期間が1年程度と短いこと、人間の免疫には人種により差がありますが、日本人の治験が大変少ないなど、懸念材料もありました。日本が基本契約を結んだ米英3社のワクチンでは、ファイザー社とモデルナでは、遺伝子の設計図である核酸を接種し、ウイルスと同様の機能を人の体内でつくらせます。イギリスのアストラゼネカ社のワクチンは、新型コロナの一部遺伝子の設計図を体内に打ち込み、チンパンジーアデノウイルスを体内のどこかの細胞に感染させるという、チンパンジーアデノウイルスベクターワクチンです。これまでと全く仕組みの異なるワクチンのため、接種後の経過観察、様々な副反応の事実を積み上げ、速やかな情報公開が重要です。直近の世論調査では、ワクチンを心待ちにしている国民7割、接種をためらう国民3割と報告されていますが、接種しないことへの差別などに対して十分な対策も必要です。コロナワクチン接種が努力義務であり、16歳以上全ての国民へ接種を勧めていることを考え、接種判断をするための安全性と有効性の検証、十分な情報が求められます。伺います。  このたびのコロナワクチンは努力義務であり、区民がワクチンを接種する、しないの自己決定権を保障することが重要と考えます。区の見解をお答えください。  また国会では、アナフィラキシーショックのようなアレルギー症状等への対処として、接種会場に医師を確保し、救急処置ができる医療機器や医薬品も置くよう自治体にお願いをさせていただくと、大臣の答弁がありました。大田区では、地域のクリニックでの接種ではなく会場を設営しての接種であり、接種後30分は会場にとどまり、反応を見定めることが求められます。  そこで伺います。接種会場に確実に医師が確保され、接種だけではなく、応急処置ができる体制が整えられるのか、さらに、帰宅後の副反応に対して対応策を丁寧に示していただけるのか、お答えください。  私は2013年6月議会で、区内の少女がサーバリックスの子宮頸がんワクチン接種後、重篤な副反応の結果、障害を抱えたことを取り上げました。3月予算委員会では、ワクチン接種で重篤な副反応が出たときの区の対応を質疑し、健康被害の事例があった場合は、いずれの場合も、健康被害に遭われた方の立場に立って支援に取り組んでまいりたいとご答弁がありました。自治体総合賠償責任保険では、ワクチンによる予防接種事故については、予防接種法に基づき、生命もしくは身体を害した場合が対象となりますと明記されているのです。また、副反応を申請する独立行政法人医薬品医療機器総合機構、通称PMDAは、ワクチン接種との因果関係をなかなか認めず、その壁はあまりに高いのです。これまで全国でワクチン接種との因果関係が認められた少女たちは少数で、いまだ63名の裁判が続いています。  コロナワクチンについて国は、副反応など健康被害について、国の健康被害救済制度により迅速に被害を救済すると通知しており、厚生労働大臣が健康被害を認定したときに給付される仕組みですが、ワクチン接種の因果関係については確実な認定が必要です。  そこで伺います。区は、区民を守る立場から、仮に健康被害が出たとき、国に対して副反応による因果関係が適正に認定されるよう、情報公開と責任ある対処を求めるべきですが、区のお考えをお答えください。  さらに、区としても情報公開と、責任ある対処を行うための相談体制の整備が求められますが、その点についてもお答えください。  全ての人が一日も早くコロナ禍の中から脱却して、コロナが収束することを願い、次の質問へ移らせていただきます。  児童相談所設置と子育て支援について伺います。  児童相談所設置に至る道のりは、日常的な子育てなど、地域の課題と丁寧に向き合うことから始まると考えます。その意味でも昨年6月、蒲田で3歳児が亡くなった事件を通して、各部局で今までより迅速に動き始めたと区民から意見が届いていることはうれしい一面です。もう一方、地域にはまだまだ課題がございます。  昨年末、私もちょうど居合わせたNPOを一人の女性が訪ねてきました。話を聞くと、親子で大田区に転入し、ギャンブル依存症の夫とは別居しています。しかし、児童手当は父親の通帳に振り込まれ、母の手元に届かず、彼女の貯蓄を切り崩して2人の子育てをしてきました。コロナ禍の子育ては限界で、上の子を部屋に閉じ込め、下の子の口をふさいでしまい、このままでは殺してしまうと思った瞬間正気に返り、子ども家庭支援センターに連絡し、NPOを紹介されました。その日は2人の子どもをNPOに一泊させました。そして、お母さんはゆっくり休んだそうです。翌日、宿泊先を確保するため、子ども家庭支援センターに対応を求めましたが、年末は母子生活支援施設も満杯なのです。最終的に母は入院、子どもたちは児童相談所へ預けました。第3回定例会款別質疑で私は、緊急一時預かりのため、母子生活支援施設だけではなく、NPOや子育て団体への宿泊委託を質疑しましたが、コロナ禍で一層困難を抱える親子がいるのです。  伺います。困難を抱えた家庭をできるだけ地域の身近な施設で支援するため、ショートステイ事業等、子育て短期支援事業を母子生活支援施設だけではなく、区民団体にも委託し、子どもたちをより身近な施設で安心して支える体制づくりが必要です。区の見解をお答えください。  さて、昨年、社会福祉協議会では、3度目の「めざせ!こども1000人アンケート!!!」を行い、その結果が今年ホームページに掲載されましたが、小中高校生3124名の子どもたちの生の声を皆様はご覧になったでしょうか。このまちで暮らす子どもたちがコロナ禍で困ったことや、コロナ禍であっても見つけたすてきなこと、大人に言いたいこと、してほしいことを訴えているのです。  大田区へ、ボール遊びができるようにして、子どもが使える会議室をつくって。学校へ、給食アンケートをやって。大人へ、歩きたばこをやめて、もっと子どもを信じてほしい。国へ、格差社会をなくして。たくさんの訴えがありましたが、それぞれの子どもたちの生活がかいま見え、改めて考えさせられました。私たちが政策をつくるとき、大人の視点中心でつくってはいないか。未来を担う子どもの生の声を聞き、政策に反映しているかと。3年に及ぶこのアンケートの取組に関わった区民、学校、大田区社会福祉協議会の皆さんが子どもから聞いた声には、忖度のない鋭い目があることが伝わります。  そこで伺います。区は、子どもたちの問いかけにどう応えるのか。児童相談所を設置することは、小さな声を見過ごさず受け止めていくことから始まりますが、子どもたちの声をそのままにせず、区は対応策を講ずるべきと考えます。区の見解をお答えください。  区は2024年、児童相談所設置を目指し、2018年3月に策定した大田区児童相談所基本構想・基本計画を昨年一部修正し、発表しました。子どもたちを養護するためには、所長の人選とともに、子どもの権利を守る基本理念が必要なことは言うまでもありません。福岡児童相談所は子どもの権利を中心とした福岡モデルで全国に知られていますが、松原区長は子どもの未来をどのように描き、児童相談所を設置するのでしょうか。お考えをお聞かせください。  2019年に児童相談所一時保護所第三者委員から東京都に提出された調査内容によれば、都の一時保護期間は全国平均29.6日を大幅に上回る41.3日と長期間に及んでおり、子どもの権利を守るためにも、一時保護所の運営方針が何より大事です。その一時保護所は、保護の最初に当たって、子どもが傷ついた心と体を癒やす一番最初の居場所のはずですが、東京都では私語禁止等の規制、お互いにお話をしてはいけない、男女接触禁止、すれ違ったときに男子通りますと一言言うなど、本当に細かいルールがあり、一時保護所ごとのそうした細かなルールで運営されています。  そこで伺います。大田区は、そのような方針をそのまま掲げるのでしょうか。それとも、区の計画で子どもの権利擁護を第一とするとうたっているように、大田区独自の在り方を児相設置に当たって提示するのでしょうか。区の見解をお答えください。  さらに、児童相談所の運営では、子どもたちの保護、養護施設での養育とともに、里親委託の充実が欠かせませんが、日本は欧米と異なり、なかなか里親委託が広がりません。一時保護所は定員を超えることが、東京都では特に日常化しております。児相運営の鍵を握る里親委託の充実に向けた区の方針をお答えください。  児童相談所の運営は大変困難が待ち受けている仕事です。その精神は、子どもの権利擁護を第一とすることにあります。区は、児相運営の理念として、その裏づけの条例等についてどのような議論をしているのか、お答えください。  今、世界中で、このコロナ禍で、逆に格差の拡大が広がり、歯止めがかかっておりません。失業者が増加し、特に非正規労働者の困難は本当に大変な状況です。国内では、DV、児童虐待は過去最多となりました。昨年、虐待疑いで児相に通告された子どもたちは10万6960人、子どもの自殺も過去最多の479人でした。最も未来があって楽しいはずの子どもたちが自ら命を絶たなければならない、そんな悲しい国があるでしょうか。その子どもたち一人ひとりに私たちが目を配っていく、そのとき、大田区の未来が開けていくのではないでしょうか。困難なときほど、子どもなど最も弱い立場の人に心を配り、子どもの最善の利益につながる政策を提示する。大田区が自治の本旨を持ち、そこに私の期待を込め、エールおおた区議団の代表質問といたします。ありがとうございました。(拍手) ○広川 副議長 理事者の答弁を求めます。 ◎松原 区長 野呂議員の代表質問に順次お答えをさせていただきます。  まず、議員選出監査委員の廃止についてのご質問ですが、監査委員の選任につきましては、地方自治法第196条第1項にて、人格が高潔で、普通地方公共団体の財務管理、事業の経営管理その他行政運営に関し優れた識見を有する者及び議員のうちから選任すると規定されております。また、平成29年6月9日に公布されました地方自治法等の一部を改正する法律により、条例で議員のうちから監査委員を選任しないことができると、当該条項に追加規定されました。  この趣旨といたしましては、監査委員の独立性や専門性を発揮し、監査制度の充実強化を図るため、地方公共団体の判断により議員選出監査委員、いわゆる議選監査委員を選任しないことも選択肢として認めるものと承知しております。議選監査委員を選任するメリットとして、議員活動を通じた知見や見識等を有しており、区民の代表としての目線を活かし、実効性のある監査を行うことができると評価しております。  当区におきましては、法制度の趣旨に沿って適任者を選任していることや、選任された議員が監査委員の立場で執行機関を監視することで、これまで同様、実効性のある監査を行う必要があることから、議選監査委員の選任を続ける考えでございます。  次に、ワクチン接種の自己決定権の保障に関するご質問ですが、昨年12月に施行されました改正予防接種法において、新型コロナワクチンの接種は国民の努力義務とされましたが、他の予防接種と同様に、接種するかしないかは区民みずからの意思に委ねられております。接種の前に問診を行う医師が、感染症予防の効果と副反応のリスク双方について、接種を受ける方に説明し、接種を受ける方が理解し同意がある場合に限り、接種を行います。そのため、区民に分かりやすい接種についてのご案内をしてまいります。あわせて、接種していない方に対しての差別やいじめのほか、職場などにおいて不利益な取扱いなどが起こらないよう、啓発をしてまいります。  次に、集団接種会場での応急対応に関するご質問ですが、接種会場内で被接種者に重篤な副反応が見られた際に、速やかに応急治療を実施するため、救急処置用品などを用意しております。また、実際に発生した場合、発症者を医療機関へ速やかに治療し搬送するため、接種委託事業者と適切な連携体制を確保してまいります。さらに、接種会場内では、副反応による予防接種健康被害救済制度等について、被接種者に適切に説明を行うとともに、帰宅後の副反応が心配な方はかかりつけ医等に相談するよう案内をいたします。このことについては、区報、ホームページ等でも啓発してまいります。  次に、新型コロナワクチン接種に伴う健康被害に関するご質問ですが、ワクチンの接種は感染症を防ぐために重要なものですが、新型コロナワクチンに限らず、極めてまれに健康被害の発生が見られます。区は、ほかの予防接種と同様に、感染症対策課で相談を受ける体制を取っております。区は、万が一、新型コロナワクチンの被接種者に接種を受けたことによると考えられる健康被害が生じた場合には、健康被害救済給付の申請を受け付け、必要な調査等を行います。厚生労働省は、提出された資料に基づき調査し、厚生労働大臣が認定したときに救済給付が行われます。区は、区の調査結果について国へ進達を行う際、正確な情報を提供してまいります。また、情報公開につきましては、国や東京都の方針に基づき、連携して対応してまいります。  次に、子育て短期支援事業の委託に関するご質問ですが、区では、保護者の傷病や育児不安などで児童の養育が一時的に困難なときに対応する、子育て短期支援事業を実施しており、区内の母子生活支援施設である、ひまわり苑とコスモス苑の2か所で利用を受け付けております。特に昨年末は、利用の申込みが多くなったことから利用枠が埋まることもありましたが、家族構成などの利用状況を丁寧に聞き取るなど、緊急性の高い方に優先して利用していただきました。今後は、困難を抱えて子育てをしている家庭においても、安心して子育てできる環境を整備するために、NPOを含む区内団体の活動状況を把握するなど、検討をしてまいります。  次に、子どもの声を活かした児童相談所の設置に関するご質問ですが、大田区社会福祉協議会が実施したこれまでのアンケートでは、就きたい職業や大人に言いたいこと、大人にしてほしいことなど、多くの希望が述べられております。これまでも区及び教育委員会では、子どもに寄り添うよう努めてまいりましたが、児童相談所の開設に当たりましても、アンケートにあった、子どもの気持ちを考えてほしい、どならないでほしいなどの切実な意見を見逃さず、一人ひとりの状況に応じた支援をするため、より一層の工夫が必要と考えております。そのためには何よりも子どもたちの気持ちを受け止め、信頼関係を築き、子どもたちが心身ともに健やかに育成されるよう、最善の利益を守るための支援を目指してまいります。  次に、子どもの未来を描いた児童相談所の設置に関するご質問ですが、子どもたちがそれぞれの事情にかかわらず、豊かな人間性を育み、能力を最大限に伸ばし、未来を創る力を身につけていただきたいと思います。その支援をするための施設の一つ、(仮称)大田区子ども家庭総合支援センターでは、子ども家庭支援センターが培ってきた在宅子育て支援と、一時保護を含む児童相談所の機能を一元化し、様々な子どもに関わる迅速な対応、孤立化する親子への支援、虐待の未然防止に努めます。現在、センターの機能を十分に発揮できるよう、様々な自治体へ職員を派遣し、対応能力の向上を図っております。また、センター長についても、子どもの権利を守る熱意に満ちた人材を配置できるよう努め、子どもと家庭を総合的に支援する体制の構築を目指してまいります。  次に、一時保護所の運営方針に関するご質問ですが、児童の安全を迅速に確保し、適切に保護するため、センターに一時保護所を併設いたします。その設置に向けましては、年齢や保護を要する背景を踏まえるなど、子どもの個々の状況に応じて適切に保護を行える体制を整えてまいります。また、家庭における養育に近い環境で、本人の意思や人格を尊重し、保護や養育を行うことも重要であります。こうした視点に立ち、例えば個室の確保や生活の過ごし方を選択できるような日課を用意するなど、子どもの権利擁護を第一に考えた大田区ならではの充実した施設整備と支援体制の検討を進めてまいります。  次に、里親委託の充実に向けた区の方針に関するご質問ですが、親の病気や離婚、虐待などの様々な事情により、親と一緒に暮らすことができない子どもたちには、養護施設での養育だけではなく、家庭や家庭と同様の養育環境においても、状況に応じたケアが必要となります。このため区では里親制度を推進するため、品川児童相談所里親委託等推進委員会に参加して、里親委託等の状況や課題を共有するなど、関係機関と連携をしているところです。区が児童相談所を開設するに当たりましては、里親委託の充実も重要な課題であると捉え、より一層強化すべく取り組んでまいります。  最後に、児童相談所の運営の理念に関するご質問ですが、区は、全ての子どもが尊重され、愛情に包まれて健やかに育つことを応援する、大田区独自の児童相談所の整備に取り組んでおります。既に開設しました世田谷区をはじめとする3区、児童養護施設、里親等の関係機関や関係部局と連携をして、子どもの権利条約による基本的人権と特別な保護や配慮が必要な子どもの権利を保障するための議論を進めております。具体的に申し上げれば、安全・安心に過ごせる環境の整備と併せて、子どもの年齢や理解に応じた説明を行うことや、自らの意見を適切に表明できるように配慮するなど、ソフト面につきましても検討を重ねているところでございます。今後も大田の子どもの権利を最大限に擁護できる、大田区ならではの児童相談所の設置に向けた準備を進めてまいります。以上でございます。 ○広川 副議長 次に、27番末安広明議員。                  〔27番末安広明議員登壇〕(拍手) ◆27番(末安広明 議員) おはようございます。大田区議会公明党の末安広明でございます。本日は二つのテーマで質問させていただきたいと思います。  初めに、社会課題の解決に向けた民間力の活用についてというテーマでご質問いたします。日本国内で初めて新型コロナウイルス感染者が確認されてから約1年が経過し、これまで当たり前だった人々の生活、日常は大きく変化しました。ようやく進み始めたワクチン接種が一刻も早い収束の決定打になってくれることを期待するばかりです。  この間、区内の産業界も大きな打撃を受けております。これまで国や都による各種支援策、加えて区も一定の支援策を講じてきた中で、昨年1年間の区内産業の倒産件数は、現段階では前年を下回っているとの調査結果も出ており、失業率についても、昨年12月時点で2.9%と、諸外国と比較しますと、何とか低水準にとどまっている状況と言えます。しかしながら、今後、より深刻な影響を及ぼすことも予測されます。まさに今、国を挙げてコロナの危機に立ち向かっているさなかではありますが、必ずこのコロナ禍を乗り越え、次なる成長のステージに進んでいくものと私は信じております。そして、コロナ禍を乗り越えた先、ますます変化のスピードは増し、社会の仕組みや価値観が大きく変わることも予測され、我々には一層多様化、複雑化が進む地域課題に対応していかなければいけない新たなステージが待っていると言えます。  こうした社会に本区としてどう適応していくのか。その鍵となるのは行政とともに、様々な知見を有する専門家、企業、団体などがより一層連携を深め、一枚岩となって課題に当たれるかどうかということに尽きるのではないかと考えます。幸いにも昨今、SDGsをはじめとする様々な社会貢献活動への取組が、企業に対する評価においても重要視されるようになってきていることも好機であり、この動きは今後さらに加速していくものとされております。  そこで伺いますが、本区においても、民間事業者と連携した取組が広がりつつありますが、今後さらにその裾野を広げ、地域課題の解決に積極的に取り組んでいくことが重要と考えます。この点について、区の見解をお聞かせください。  これまではどちらかといえば、行政が課題を抱え込み、行政主導で課題の解決に当たろうとする側面が強かったように感じますが、今後はもっと積極的に、こんな課題に困っているということを発信して、課題解決に民間事業者などのアイデアを広く求めていくことは重要ではないでしょうか。大企業だけでなく、スタートアップ企業やベンチャー企業などにもすばらしいアイデアを有している企業はいるはずです。  例えば、こうした考え方を実践している一つの事例として、兵庫県神戸では、が抱える行政課題の解決につながる取組を民間事業者などから公募し、費用の一部を支援する民間提案型事業促進制度を実施されております。令和2年度の募集では、が指定した具体的な課題について事業提案をする課題指定タイプや、ウィズコロナ社会に対応しの創生に資する事業提案を広く募集する地方創生タイプ、ほかにも、中学生以下を対象とした創造的学びのプログラムを募集する子ども創造タイプなどが設けられております。その評価の基準は、公益性が高いこと、の行政課題の解決に資すること、年度末までに具体的な成果を期待できること、事業計画及び事業費の見積りが適正であること、これら全ての条件を満たすかが評価されるそうです。今年度は既に2回の募集が行われ、市内外の企業、団体、大学などによる計20件の取組が採択を受けており、最大で200万円が補助される仕組みになっております。本区でもこうした提案制度を通じた公民連携による社会課題解決に、より一層積極的に取り組んでいくべきと考えます。  今まさに必要なのは、課題解決への柔軟なアイデアではないでしょうか。それらを有している企業などに手を挙げてもらい事業化の後押しを進めていく、そして区内の事業者にもその効果を広げていく、こうした流れを構築していくことが重要と考えます。今回の令和3年度予算案では、産業支援施策において、ハネダピオをハブとした新産業創造・発信エコシステムの構築として、モデル事業の選定を進めていくとの方針が示されており、大変期待する取組の一つであると見ております。  そこで伺いますが、今回の施策の目的とともに、提案制度を通じた公民連携による社会課題の解決に向けた取組を進めていくことについて、区の所見をお聞かせください。  今後予測される困難な社会課題の解決に向け、さらには区内産業の活性化や雇用の確保などの面においても、必要不可欠となる民間事業者との連携をこれまで以上に積極的に進め、コロナで打撃を受けた区民生活の向上に結びつけていただくことを期待しまして、次の質問に移ります。  続いて、温暖化対策についてお聞きします。  近年、世界各地を記録的な熱波が襲い、大規模な森林火災やハリケーン、洪水など、各地に未曽有の被害をもたらしております。我が国でも、災害級の猛暑や熱中症によって搬送者・死亡者数が増加しているほか、数十年に一度と言われる台風、豪雨が毎年のように発生し、深刻な被害をもたらしております。本区でも、一昨年の台風19号による浸水被害が記憶に新しいところです。こうした影響は地球温暖化による原因が大きなものと考えられております。  世界各国が脱炭素社会への取組を加速する中、いよいよ我が国でも昨年10月、菅政権の目玉政策の一つとして、2050年までに温室効果ガス排出実質ゼロを目指すカーボンニュートラル宣言を実施しました。菅総理は、もはや環境対策は経済の制約ではなく、社会経済を大きく変革し、投資を促し、生産性を向上させ、産業構造の大転換と力強い成長を生み出す、その鍵となるものであり、まずは政府が環境投資で大きな一歩を踏み出すとし、過去に例のない2兆円の基金を創設することを明言しました。これは本当に大きな第一歩であり、早速これを受け、国内でも民間企業や国民の意識が高まりつつあります。  こうした中、本区では、大田区環境基本計画(後期)が令和3年度末で終了するため、令和4年度から6年度までの3か年を見据えた大田区環境アクションプランを策定するべく、来年度、計画策定を実施するものと認識しております。  そこで伺いますが、現在、本区が新たに策定するアクションプランとはどのような方向性を描いているのか、区の見解をお聞きします。  2050年に向けて、これから様々な社会の仕組みが劇的に変化することが予測されております。2050年と聞けば、まだまだ残された時間は一定程度あるように感じますが、このハードルはとても高いものであり、まずは2030年に向けた10年が極めて重要とされ、世界ではこの10年が将来に向けての大きな分岐点になるとさえ言われております。  そうした中で、基礎的自治体である本区としてどのような取組を進めていくべきか。確かに、エネルギー調達などの面において相当な部分で技術革新が起きていかなければ、温室効果ガスの飛躍的な削減を目指すことは厳しいと言えるかもしれませんが、何よりもまず、区民及び区内企業の意識啓発という点が、時間もかかり、重要になろうかと思います。今なぜこうした問題に取り組まなければいけないのか、生活の中でできることとしてどのようなことに取り組んでもらいたいのか、まずは関心を持っていただくことが重要です。  そこで伺いますが、温暖化対策を進めていく上でまずは重要となる、区民や区内企業の意識啓発について、具体的にどのような取組計画であるのか、区の所見をお示しください。  一方で、温暖化対策というと、どうしてもネガティブに捉えられがちな課題であり、これまでは限られた層にしか届いていない現状があります。また、差し迫った課題として認識されにくい面や、対策のためには大きなコスト負担を要する側面もあり、今般のコロナ禍において、ただでさえ厳しい財政運営を求められる中で、区の施策としても後回しにされがちな傾向はどうしてもあるように感じます。こうした課題を克服するためにも、この温暖化対策に力強く取り組んでいく姿勢を明確に打ち出すことは重要になると考えます。  近年、自治体としても、2050年二酸化炭素排出量実質ゼロを目指すゼロカーボンシティという宣言をする先が増えており、2月現在で全国には235あります。1年前には100に満たなかったものが、この1年でも急速に増えてきております。東京都をはじめ、特別区では世田谷区、葛飾区が宣言を表明しております。環境省としても、そうした表明を各自治体に促しております。  そこで伺いますが、他の自治体で進められているゼロカーボンシティ宣言について、その効果を区はどのように評価していますでしょうか。  また、温暖化対策は地球規模で解決していかなければいけない課題であります。そうした課題に対し、国際都市を標榜する大田区がリードしていくとの気概を持って、もう一段階位置づけを上げ、次期アクションプランの策定に取り組んでいただきたいと考えますが、区の所見を伺います。  今後、時機を見定め、ぜひともこうした宣言についても具体的に検討することを求めておきたいと思います。  気候変動は地球上の人間社会の存続を脅かすものであり、この非常事態を座視すれば、未来を担う世代に持続可能な社会を引き継ぐことはできないとの強い危機感を持って当たらなければいけないテーマであると言えます。本区として、コロナ禍における対策に目下集中しなければいけない時期ではありますが、決して後回しにできない課題であるとの危機感を持って、本区の対策を推し進めていただきたいと要望しまして、私の質問を終わります。ありがとうございます。(拍手) ○広川 副議長 理事者の答弁を求めます。 ◎山田 産業経済部長 私からは、産業経済に関する二つのご質問についてお答えさせていただきます。  まず、行政と民間事業者がより一層連携して社会課題の解決に取り組むべきとのご質問でございますが、区といたしましてもまさに同様の認識を持っているところでございます。区では、平成31年1月に大田区公民連携基本指針を策定し、区と民間企業等との連携を明確に定めました。社会状況が大きく変化する中、従来の手法や取組では区民満足度の向上は図れません。公民連携を推進することで、区民、企業、行政のそれぞれにメリットがある三方よしの連携を目指すこととしております。  区が行う産業振興施策は、まさにこうした中で相乗効果を発揮していかなければならないと考えます。民間企業等の技術やノウハウが、行政と連携することで様々な形で地域課題の解決に寄与するとともに、民間企業等との対話を通じて地域の活性化、企業価値の向上が図られ、区内産業のさらなる発展につながっていく。こうした上昇スパイラルをつくり出していくきっかけを産業施策として展開していくことが、アフターコロナ時代に求められる行政の役割であると考えてございます。  続きまして、提案制度を通じた社会課題解決に関するご質問でございます。  区は、公民連携基本指針の下、大田区公民連携デスクを設置し、民間企業等との包括的な連携事業に取り組んでおります。こうした中、産業経済部では、都立産業技術研究センターやアバターイン株式会社との連携協定の窓口となって、積極的に公民連携を推進しております。議員お話しの神戸の民間提案型事業促進制度は、提案制度を通じた公民連携による社会課題解決に資するものであり、これからの公民連携推進における先行事例として参考になると考えてございます。  来年度にはハネダピオをハブとしたモデル事業を公募により選定をし、その実装に向けた取組を推進する新産業創造・発信エコシステムの構築事業の実施を予定してございます。神戸の取組と同様に、具体な分野や進め方などは指定をせず、民間企業の提案力、実行力、ネットワークなどのリソースを有効活用することを考えてございます。産業経済部では、こうした座組みを活用しながら産業面からの公民連携を今後一層推進し、区内産業の支援、さらには地域課題の解決に取り組んでまいります。私からは以上でございます。 ◎落合 環境清掃部長 私からは、地球温暖化対策に関する三つのご質問に順にお答えいたします。  初めに、(仮称)大田区環境アクションプランの方向性についてのご質問ですが、現在、地球温暖化対策推進法の改正が予定されるなど、環境政策が大きな転換期にあると認識しております。(仮称)大田区環境アクションプランは、次期大田区基本計画に対応する第2次環境基本計画策定までの期間、大きく変動する社会情勢に柔軟かつ適切に対応できるよう幅を持たせた計画とする予定でございます。本計画は、大田区環境基本条例が掲げる環境の保全に関する基本理念の実現に向けた五つの基本目標と気候変動適応計画で構成し、SDGsへの貢献も目指した計画としてまいります。環境施策の推進には、区民や事業者の皆様のご理解とご協力が不可欠であるため、多くの皆様に手に取ってご覧いただけるよう、親しみやすく読みやすい計画としてまいりたいと考えております。  次に、区民や区内企業の環境意識の啓発についてのご質問ですが、地球温暖化対策は、区民や事業者の皆様が当事者意識を持って具体的な行動をしていただくことが重要でございます。本計画では、取組の1番目の柱にSDGsが掲げるゴール17の「パートナーシップで目標を達成しよう」を掲げ、区民、事業者の皆様に共に行動を起こすことを主眼に取組を進めてまいります。地球温暖化対策の分野につきましては、SDGsゴール12の「つくる責任、つかう責任」と、ゴール13の「気候変動に具体的な対策を」を合わせて取組の柱に据え、区民や事業者の皆様に情報や学習機会の提供など、積極的な働きかけを行っていくことが重要と考えております。  OECD(経済協力開発機構)は、各ご家庭や企業などが省エネに取り組み、エネルギー効率を改善することで、CO2排出量を約37%削減可能との推計を公表しております。地球温暖化対策を自分事と考え行動する区民、事業者を増やすおおたクールアクションの取組を拡大するため、対象者の世代や属性に応じて多様な手法や媒体を活用し、行動変容につながる普及啓発を推進してまいります。  3点目のゼロカーボンシティ宣言についての評価と温暖化対策への意気込みについてでございますが、自治体がゼロカーボンシティを宣言することにより、地球温暖化や気候変動への取組の目標や方向性を住民や事業者等と共有することができれば、大きな効果が期待できると考えております。環境政策の大きな転換期である現在においては、将来のカーボンニュートラルの実現に向け、土台をしっかりと固めることが重要であると認識しております。自治体の温暖化対策は、既存の技術やエネルギー使用を前提としたエネルギー効率改善や再生可能エネルギー等の活用の拡大から、今後開発が期待される新技術や新エネルギー等を活用する施策へと段階的に進める必要がございます。このため、現在の公民連携の温暖化対策であるおおたクールアクションや、再生可能エネルギーの導入など、CO2削減に向けた施策を強力に進めてまいります。同時に、新計画の策定は国や都の動きを注視しつつ、先進自治体の取組等を参考にしながら、鋭意検討を進めてまいります。  区は引き続き、持続可能で豊かな社会を次の世代につないでいくという決意の下、区民や区内事業者の皆様との連携協力をより一層推進するとともに、先頭に立って地球温暖化対策を推進してまいります。私からは以上です。 ○広川 副議長 次に、23番大橋武司議員。                  〔23番大橋武司議員登壇〕(拍手) ◆23番(大橋武司 議員) 大田区議会公明党の大橋武司です。  まず初めに、新型コロナウイルス感染症の後遺症についてお伺いをいたします。  新型コロナウイルスに感染し、回復した後も後遺症に悩まされて、日常を取り戻すことが難しい方々が相当数いることが分かってきております。症状としては、倦怠感、気分の落ち込み、息苦しさ、胸の痛み・違和感、せき、微熱、嗅覚・味覚障害、聴覚異常、全身の筋力低下、脳の機能低下、手足のしびれ、脱毛、不眠症など、体中に様々な症状が発生しており、感染症の症状が軽症だった人にも多くの後遺症が現れ、仕事もできないなど、日常生活に支障が起きており、コロナウイルス感染症の後遺症の患者を積極的に受け入れておられる医師からは、ものすごくつらい思いをされている、想像を絶するつらさを抱え後遺症が長期に及んでいる人もいる、また、現場の医師たちもどう対応すべきか分からないのが実情とも言われております。現在、国としても後遺症の実態調査を厚生労働省が昨年の8月から調査を進め、12月から大規模な実態調査を開始されているとのことですが、後遺症の認識はあまり大きく取り上げられず、国内では医療機関であっても理解が進んでいないと言われております。  現在、感染拡大防止の相談窓口はあり、ワクチン接種の副反応についての相談窓口は、国では先週コールセンターが開設され、東京都も開設する方針を示されておりますが、後遺症に苦しむ方への相談窓口はない状況です。状況は深刻であり、医療機関やリハビリ機関におつなぎし、生活、仕事、学業、そしてメンタルにおいてもご相談に応じ、関係機関におつなぎできる仕組みが必要です。実際に、何度も病院に通ったが理由は分からないままという状況や、明らかに体調がおかしいが何の病気とも診断されないため、公的保険の傷病手当も受けられない、仕事も続けられず退職も検討せざるを得ないなど、体調が優れず、同時に生活も困窮し、これからの体と生活に不安の毎日を送り、また差別を恐れ、患者が声を上げにくく孤立してしまう可能性も十分あります。後遺症が増えれば社会への影響も大きく、職場復帰できるまでの暮らしなども含め、今後サポートが必要です。  日本感染症学会の理事長で東邦大学の舘田一博教授は、メカニズムはまだよく分からないものの、呼吸が苦しい、頭が痛い、微熱が続くといった後遺症で苦しむ人がかなりの数見られていて、注意しなければいけないと指摘されております。本区では、区民の命と生活を守るため、医学的知見を有する東邦大学と連携し、地域連携感染制御学講座を開設し、取組みを開始されたことにとても期待をいたしておりますが、コロナウイルス感染症の課題が次々と発生し、多くの課題が山積する今、本講座に取り組む意気込みをお聞かせください。  また、あわせて、寄付講座の中に新型コロナウイルス感染症の後遺症についてもテーマにしていただき、現実に後遺症で苦しまれている症状や状況の実態を把握、集約し、医師会とも連携を取りながら国をも動かしていく取組を期待するとともに、後遺症で苦しまれている方への相談体制も要望いたします。この取組は、全国で後遺症に苦しむ方々にとって希望の取組になります。  次に、がん対策についてお伺いをいたします。  日本では毎年、およそ102万人の方が新たにがんと診断され、38万人程度の方ががんで亡くなられており、国立がん研究センターの新しいデータからは、具体的に男性が3人に2人、女性が2人に1人ががんになると言われております。そうした中、現在コロナ禍のため、院内感染を恐れて病院に受診に行くことを控えることにより重症化するリスクが高まります。また、日本人間ドック学会が昨年5月発表の緊急事態宣言中に全国で健診を中止した施設は54%に上ると発表がありました。自覚症状が出にくい生活習慣病や、がんも、定期的にチェックすることで早期発見ができ、重症化の前に治療が開始できます。  また、コロナ禍で在宅勤務が進み、通勤がなくなることで長時間座り続ける方も多く、長時間座り続けることで発がんが増えるという研究結果も出ており、シドニー大学などオーストラリアの研究機関の調査では、日本はコロナ禍になる前から座っている時間が調査対象の20か国中、最長と発表されております。日本を代表する放射線医学の専門家からは、がんの早期発見について多くの日本人が、身体にわずかでも異変を感じたらすぐに病院に行くといった誤ったイメージを持っています。現実には、よほど進行しない限りはがんは症状が出にくい病気ですと言われており、特に早期のがんでは、ほとんどの場合症状を伴いません。早期発見には症状の有無によらない定期的な検診、つまり、がん検診は必要です。がんで命を落とさないための特効薬は、生活習慣とがん検診だと言われております。  そうした中、本区で実施しておりますがん検診ですが、健康づくり課と医師会との連携により、コロナ禍でも受診率は下がることなく、逆に増加傾向にあるとお聞きしております。その対策には、例えば区からお送りするがん検診のご案内資料、封筒、文字を大きくし、誰もが見やすく、インパクトのある案内に改善されるなど、区民が意識して見ることができる取組として高く評価できるものです。また、病院に来られた患者さんに医師からがん検診の呼びかけをされるなど、そうした取組が検診増加につながっていると感じます。今後、我が会派の松本洋之議員が以前提案いたしました、検診がセット化された選択の手間がない方式、オプトアウト方式を取り入れるなど、積極的ながん検診への取組、定期健康診断の呼びかけと実施を要望いたします。  また、以前から提案、要望させていただいております、がんを患ったご本人、そしてご家族の抱える様々な不安やご心配の相談ができる支援体制をお願いするとともに、現在東京都のがん診療連携拠点病院約30か所に設置されているがん相談センターや、日本対がん協会が行う相談ホットラインなどを広くお知らせしていただくことも重要であり要望いたしますが、区の見解をお答え願います。  次に、高齢者の体力健康維持、フレイル予防についてお伺いをいたします。  新型コロナウイルス感染症による自粛生活が長期化する中で、人や地域社会とのつながりが減り、特に高齢者の方々の外出や運動の機会が減少したことにより、心や体の機能が低下し、おっくうになる、疲れやすくなるといった状態から、さらに動かないようになる悪循環を生じさせてしまう新たな問題が懸念されております。高齢者はたった2週間の寝たきりによって、7年間に失われるのと同じ量の筋肉が失われると言われており、いかに心と体を健康に保つかが重要な課題です。  外出自粛が高齢者に及ぼす影響やフレイルの予防法について、フレイル研究の第一人者、飯島勝矢教授いわく、高齢化率の高い団地で外出自粛の長期化に伴う悪影響を調べたところ、孤立、生活不活発、食の偏りという問題が見えてきました。約40%以上の人で外出頻度が顕著に低下しており、運動できない、会話量が減っているというお声が多く聞かれたほか、高齢者の約13%は外出頻度が週1回未満に低下し、閉じ籠もり傾向になっており、食事を簡単に済ませる、食事を抜くなど、食にも影響が出ていることが分かったとされ、フレイル予防の三つの柱である身体活動、栄養、社会参加について、身体活動では動かない時間を減らし、テレビのコマーシャル中に足踏みやつま先立ちやラジオ体操など、自宅でできるちょっとした運動をお勧めします。屋外の日の当たる場所での運動をお勧めしますが、人混み、3密は避けること。栄養では、こんなときこそ3食しっかり食べて栄養をつけ、バランスよい食事を心がけることが大切です。身体、特に筋肉を維持するために大切な栄養素である良質なたんぱく質やビタミンDのほか、免疫力を維持するため、発酵食品、ニンニクやショウガなどの薬味、ビタミン豊富な野菜や果物を積極的に食べることなど、コロナ禍で取り組んでいただきたいことを具体的に発信されており、さらに、こうした状況だからこそ、家族や友人との支え合いが大切です。近くにいる者同士、また、電話やインターネットを使って、人との交流を維持し、孤立してしまうことを防ぎましょうと発信されております。  つながりが減り、会話が減少することで、認知症へと進展していくことも懸念されます。ウィズコロナ社会の中、心でつながり、絆を感じることができる手軽なツールの普及開発など、新たなコミュニケーションツールの導入を求められているところでありますが、本区では新年度予算案に高齢者オンライン交流促進事業を掲げられており、このコロナ禍でも安心して、また楽しく社会とのつながりを目指しての取組に、健康維持、フレイル予防だけではなく、見守りにもつながるなど、期待もできます。しかし、スマートフォンやパソコンをご自身で持ち活用していくことは、そう簡単なことではありません。オンライン交流には広がりにも時間を要します。そうした中、どう高齢者の方々を支えていくかが重要な取組になります。  そこでお伺いをいたします。コロナ禍においてイベントや集まることも困難な中での、高齢者の健康維持、フレイル予防について、区の取組についてお答え願います。  最後に、奨学金制度についてお伺いをいたします。  学ぶ意欲のある若者が経済的理由で進学を断念することがないよう、公明党は奨学金制度の拡充について国、都、区と要望し、訴え、取組を推進しております。現在、このコロナ禍においては、今までになく生活が困窮されているご家庭も多く、今後もさらなる支援が必要と考えます。そうした中、本区では今年度補正予算も組み、臨時の給付型奨学金の実施や、来年度はさらに新たなクラウドファンディングを活用した寄付を募っての給付型奨学金事業の取組もお示しされており、高く評価をいたします。  この大田区独自の取組について私がとても感動いたしましたのは、松原大田区長が、学ぶ意欲のある若い方々が経済面で心配することなく安心して学べるよう、支援をしっかり行っていく熱い思いを示されていることをお聞きし、胸が熱くなりました。どうか大田区長、そして関係理事者の皆様、今年は昨年以上に、生活が困窮される学生、ご家庭が増える可能性がございます。今年度の奨学金制度の取組で改善しなくてはならない部分も見えていると思います。勉強をしたくてもコロナ禍で勉強が思うように進まない、期末試験等も途中で延期になったり、家で落ち着いて勉強できない環境のご家庭も、このコロナ禍で多くあるはずです。その中で、学生は一生懸命に葛藤しながら頑張っております。高等学校等給付型奨学金については、3年間の平均成績が3.0以上となっておりますが、学校生活や態度、すばらしい学生はたくさんおります。高校への進学を意識して、中学2年生、3年生になってからさらに努力する生徒もいると思います。  そこで要望ですが、成績基準の判定を含めた運用の在り方について、配慮ある対応を求めます。その上で、奨学金制度の広報をしっかり行っていただくことと、寄付においても広く積極的に取組をお願いいたしますが、お答え願います。  将来に向けて学びたい、学校に行きたい若い方々が安心して学ぶことができるよう、大田区の大切な大切な未来の人材であるお一人お一人の道が開けるよう、本当にきめ細かく現状を把握しながら、支援が行き届く奨学金制度の在り方と取組を強く要望と期待をし、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
    ○広川 副議長 理事者の答弁を求めます。 ◎市野 企画経営部長 私からは、東邦大学との連携に関するご質問にお答えをさせていただきます。  東邦大学との地域連携感染制御学講座を昨年11月に立ち上げて以来、東邦大学とは密に情報を交換し、時機を捉えた取組を共に行い、区民に発信してまいりました。例えば、年末に向けて実施した飲食店における感染症対策や新型コロナウイルス感染症に関する区民向け公開講座などは、大変ご好評をいただきました。コロナ禍の中、感染の防止など、区民が安心して生活できるよう全力で取り組むことが基礎自治体としての責務であると考えてございます。  このため、医学的な知見を有する東邦大学との取組をより一層強化し、専門的知見に基づく区内感染状況の把握を通した政策形成や、区民や事業者に向けた感染対策などの広報・啓発、職員全体の感染症リテラシーの向上などの取組による新たな行財政運営モデル、大田区モデルを確立してまいりたいと考えてございます。新たな課題につきましても的確に把握し、引き続き関係機関との連携を図りながら、東邦大学とともに本講座を積極的に推進し、区民の生命と生活を守ってまいります。私からは以上でございます。 ◎今岡 福祉部長 私からは、コロナ禍における高齢者の健康維持、フレイル予防に関するご質問にお答えいたします。  区はこれまで、参加型のイベントなどを通じて高齢者の外出を促し、運動の機会の確保や人との交流を促進してまいりました。しかしながら、議員お話しのとおり、高齢者が家に籠もりがちになることによる心身への影響は大きな課題となっており、さらなる創意工夫が求められております。こうした中、区では自宅でできるフレイル対策の周知啓発や十分な感染対策を講じた上で一般介護予防事業を再開するなど、取組を進めております。また、地域では、自治会・町会や地域包括支援センターなどが中心となり、子どもたちから高齢者まで多くの方々が願いを込めて折った約2万羽の折り鶴を飾り、展示するなど、離れていてもつながりを感じられる新しい形の取組も生まれております。  区としましては、地域力を活かしたフレイル予防の継続に努めるとともに、高齢の方々に情報通信技術を少しずつでも身近に感じ、体験していただけるような機会を創出し、高齢者の心身の健康維持に向け、取り組んでまいります。私からは以上でございます。 ◎張間 福祉支援担当部長 私からは、奨学金に関するご質問にお答えいたします。  区は、コロナ禍も含め、厳しい経済事情の中でも勉学などに励み、努力を続ける学生、生徒の思いをしっかり受け止めてまいります。議員お話しのとおり、奨学金制度の情報を対象となる方々に確実に届けることが重要です。今後は、これまでの取組に加え、高等学校等給付型奨学金の対象となり得る世帯に向けて、中学1年生の段階から毎年、子どもと地域をつなぐ応援事業を活用して直接制度案内等をお送りすることで、奨学金制度の周知だけでなく、学習意欲の向上にも努めてまいります。また、新たに設置する予定の大学等進学応援基金へのご寄付のお願いにつきましては、ふるさと納税サイトの活用のほか、区奨学金を完納した方やご協力くださる各種団体などへ個別に案内チラシを配付することで、区外にお住まいの方も含めた多くの方にご賛同いただけるよう進めてまいります。  引き続き、奨学生のアンケート調査結果などを基に、効果的な広報等に取り組んでまいります。私からは以上です。 ◎伊津野 保健所長 がんと診断された方やそのご家族への支援として、がんに関する相談支援窓口を周知することについてのご質問ですが、区としましても、がんと診断された場合でも、その後の相談支援の窓口等があることを知って、少しでも安心して検診を受けていただくことは大変重要であると考えています。そのため、相談支援の窓口に関する情報について、区民に毎年個別発送しているがん検診のご案内冊子へ掲載することを検討しております。今後も、さらに検診受診率向上の取組を進めるとともに、がんと診断されたご本人やご家族への支援を強化し、切れ目のないがん対策の一層の充実を図ってまいります。 ○広川 副議長 次に、16番松本洋之議員。                  〔16番松本洋之議員登壇〕(拍手) ◆16番(松本洋之 議員) 区議会公明党の松本洋之でございます。私からは、求められる図書館の在り方について質問をさせていただきます。理事者の皆様の明快な答弁をよろしくお願いいたします。  先月オープンした田園調布せせらぎ館では、区立図書館資料の予約、受取、返却などができる図書サービスコーナーが区で初めて設置され、大変好評であります。また、間もなくオープンする予定の池上図書館では、ICタグ化による自動貸出機等の設置や、駅ビルに設置することから、夜9時までの開館時間の延長などを予定しており、利用者サービスの向上が期待されております。  また、「歴史ある門前町の未来が始まる知の拠点」をテーマに、池上地域の特性を活かした情報コーナーが設けられ、特色のある地域資料の展示を行っていくと伺っています。さらに、様々なテーマで実施する読書会や地域交流、グループ学習などで利用できる多目的室を設ける予定で、この多目的室で実施した事業を関係部局や関係団体と連携し、生涯学習につなげ、区民のライフワークとなるような取組をしていくということで、大いに期待するところであります。  図書館に対するニーズは、社会情勢、時代変化の中で多様化してきており、今後の図書館の在り方として、機能別に分けた図書館整備が必要と考えます。今後の地域図書館は、ただ本を貸し出すだけでなく、例えばパソコンを持ち込んだときの電源の整備、Wi−Fiといったネット環境をより整備し、閲覧席が充実している図書館、また、コンベンションホールや美術館など、文化施設とコラボレーションした図書館、また、カフェを併設し、コーヒーを飲みながら本を読むことができる図書館というように、その地域に合わせて、機能別に特色のある図書館を整備し、区民の皆様が休日に時間を気にすることなく、一日中のんびりと余暇を過ごすことができるような癒やしの空間を提供する滞在型図書館をより一層充実すべきと考えます。  現在の環境整備の状況と今後の地域図書館に対する区の見解を伺います。  さて、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、昨年4月8日から1か月半以上もの間、他の公共施設同様、区立図書館は休館となり、図書の予約はできるものの受け取れない、貸出しを受けられない状況となるなど、区民に対して公共図書館としての役割が十分に果たせない事態となりました。  昨年9月、私も区立図書館を利用した際、私以外どなたもいらっしゃいませんでしたけれども、閲覧席では30分しか滞在できませんとの貼り紙を見て、これも致し方ないと思いまして25分で帰りましたけれども、大変残念な思いをいたしました。  今回の経験から見えてきた課題、また、新しい生活様式への対応の観点からも、今後の区立図書館のサービスについては、非接触型のサービスを充実させるなど、これまでの利用者の来館や滞在だけを前提とした機能の見直しを図っていく必要があると考えます。  そこで、課題を整理する意味で、6月22日に閲覧室の利用再開ができるようになるまでの間、休館中に中央図書館、地域図書館がどのような業務を行っていたのか、お伺いをいたします。  また、新型コロナウイルス感染症に対して現在どのような対策を行っているのか、お伺いをいたします。  本区の令和2年3月31日現在の図書館登録者数は17万1261人、そのうち、全登録者に対しておおよそ93%の方が区民の方です。ここ数年、区民1人当たりの貸出冊数は7.5冊から7.8冊程度を推移しているとのことでありますけれども、令和2年度はコロナ禍の影響により、6冊を若干下回る見込みになると予測されています。世帯の一部の方の登録で全家族が利用されている方もいらっしゃると思います。公共的な立場からすると、区民全ての方に広く門戸が開かれている必要があるのではないかと思います。  今回のコロナ禍において、図書館はその役割を果たしていたと思われるでしょうか、所見をお伺いいたします。  このコロナ禍の中で注目を集めたのが電子書籍であります。電子書籍は、図書館に足を運ぶことなく、スマートフォンやタブレット端末などを利用して、ネットを通じて貸出し、返却ができることから、非来館型のサービスとして、これからの図書館に欠かせないものであると考えます。蔵書スペースを気にしなくていいので、はるかにたくさんの書籍を保管できる、また、劣化の心配もないので貴重な歴史資料などの保存、維持もできる、紛失や延滞防止にもなる、障がい者への配慮もできるなどのメリットがあります。一方デメリットとしては、出版社の理解も必要で、全ての本が必ずしも電子化できるわけではないといったことが挙げられます。しかしながら、図書館流通センターの調査によりますと、同社が提供する電子図書館サービスを導入する78自治体の公共図書館での昨年4月の電子書籍貸出実績は、前年同月比4.23倍の6万7700件、5月は5.26倍の8万5392件となるなど、電子書籍貸出サービスを導入している全国の図書館では、利用が大幅に増えているとのことであります。また、ある有名小説家が、新型コロナをきっかけに電子書籍の販売を許可したことが昨年話題になりました。外出を控えている今、電子書籍の価値が再認識されています。デジタル化は、これまで本に縁のなかった人々に文字情報への扉を開いてきました。知の循環構造の中で、次の時代をつくる人材が生まれ、次世代が起こすイノベーションによってさらに便利で優しい社会へと変わっていくことでしょう。  このたびの令和3年度予算に電子図書館の電子書籍貸出サービス事業として1053万9000円が計上されましたことを高く評価するものであります。新しい生活様式に対応するという観点からも、ぜひこの機会を逃さず、早期に進めていただきたいと要望しておきます。  また、本区の歴史や文化を後世に伝えるための重要な資料を多くの方にご覧いただくためにも、そして長期保存するためにも、アーカイブ化をする必要があると思います。アーカイブ化をすることによりまして、過去の豊かな知的資産の管理、そして死蔵書籍も日の目を見る形にすることも可能であります。今後、電子書籍貸出サービスに加えて、地域資料室の蔵書のアーカイブ化をして、公開をしていくこともぜひ前向きに検討していただくことを要望しておきます。  電子図書館の導入をすることにより、稼働の多い書籍は紙と電子書籍の両方を用意する。稼働の低い書籍は電子書籍のみで用意する。そうすることによりまして、多くの蔵書を区民に提供することが可能ではないでしょうか。また、電子図書館では、スマートフォンやタブレット端末でダウンロードをして読むことが可能であります。貸出期限が来れば自動的に返却がされ、スマホ、タブレットにダウンロードした書籍は読めなくなり、著作権の問題や管理をする手間がかからなくなります。電子書籍を導入することにより、様々な方にメリットが出ます。子育て中の方は、外出をしなくても図書館を利用することができ、子育て支援につながると思います。障がい者の方に対しては、障害者差別解消法の観点からいっても、行政が行う合理的な理由になるのではないでしょうか。ページ拡大が自由自在で、音声読み上げもできるので、弱視や視覚障がいの子どもたちも楽しむことができます。視覚障がい者は図書館に行くこと自体が難しいので、来館せず貸出サービスを利用できることは大きいと考えます。将来的には電子書籍の自動音声読み上げが新刊図書でも可能となれば、録音図書の完成を待たずに済みますし、ボランティアに頼らず、自分の好きなときに聞くこともできます。  また、外国人向けのサービスも始まっております。浜松市立図書館では、定住しているフィリピン人向けに英語やタガログ語の電子図書がタブレットで借りられるようになりました。利用者は大変に感激されていたようであります。フィリピンの人々にとって図書館は今まで遠い存在でありましたけれども、電子書籍によって本に触れる機会が生まれ、簡単に使えるようになったわけであります。さらに、定住外国人が情報を発信することもできる、まさに社会変革と言える大きな変化です。さらには、小中学校の授業におきましても、パソコンやタブレットを使っての授業を行っております。今後、本区の小中学生などにタブレットなどが普及されれば電子書籍も活用でき、読書がより身近になると考えますが、所見をお伺いいたします。  多くの区民の方に図書館の利用を促進し、活字離れを食い止める意味でも導入する意義があるのではないでしょうか。新しい生活様式に対応した電子図書館の推進と今後の図書館サービスについての見解をお聞きいたします。  教育委員会では、平成30年4月に「大田区立図書館の今後のあり方について」を策定し、その中で図書館に求められる機能として、図書館資料の収集、整理、保存による地域の情報拠点機能、地域や区民の課題解決を支援する機能、誰もが身近な地域で生涯学習に取り組むことができ、人と人とが出会い、地域力を育む機能がうたわれております。今後の在り方については、図書館に対するニーズも、社会情勢も、時代も大きく変化し多様化している中で、再度検討される必要性を感じます。図書館は、区民が持っている課題を解決する情報センターとなる図書館、現在の標準に合わせるのではなく、イノベーションを起こすような図書館となることを期待しまして、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。(拍手) ○広川 副議長 理事者の答弁を求めます。 ◎玉川 教育総務部長 図書館に関するご質問に順次お答えいたします。  まず、現在の環境整備の状況と今後の地域図書館についてのご質問でございます。  今年度、区は図書館へのICタグシステム導入工事の時期に合わせまして、より快適、安全にご利用いただくために、各地域図書館で例年よりも規模の大きい改修工事を行っております。例えば、洗足池図書館では、屋上防水改修などの工事に加えまして、外壁塗装においては、周辺の環境との調和を大切にするなど、地域や利用者の声を反映した整備に取り組みました。また、池上図書館では、地域情報コーナーの常設や開館時間の延長に加え、一部の座席に個別電源をつけるなどの工夫を取り入れてございます。このほか、他の図書館におきましても、特徴ある図書館づくりに取り組んでおります。今後とも、中央館機能を担う大田図書館におきまして、各館の状況を取りまとめ、新型コロナウイルス感染症拡大防止を徹底しながら、地域特性に応じて、区民の要望に沿った利用ができるよう、図書館の環境整備と運営を進めてまいります。  次に、臨時休館中の業務と現在の新型コロナウイルス感染症対策についてのご質問です。  区は、休館中におきましても、図書資料の収集、整理、保存について、開館時と変わりなく継続して業務を行ってまいりました。また、いずれ図書館を再開することを想定し、資料貸出しによる家庭内での読書機会の提供に重点を置き、開館準備業務に取り組んでまいりました。さらに、感染症拡大防止対策として、全館の受付カウンターにビニールカーテンを設置するなどの準備に取り組んだ上で、5月27日から予約済資料の貸出を先行して行うなど、段階的にサービスを再開しております。再開後は、資料を借りていかれる方などに、全館に設置した図書除菌機のご利用を案内しているほか、ICタグシステムの利用により、カウンターに行かなくても資料の貸出し、返却ができる非接触型サービスを開始しております。閲覧席等の利用におきましては、座席間隔を空けるとともに、換気に努め、館内の混雑状況等に応じて、短時間でのご利用をお願いしております。  なお、各館ごとの自主事業や親子おはなし会などについては、現在、緊急事態宣言が発出されているため、原則として休止とさせていただいております。  次に、コロナ禍におきまして図書館の果たした役割についてのご質問でございます。  図書館に求められます地域、区民の課題解決を支援する機能や、人と人とが出会い地域力を育む機能等については、3密を避ける観点から限定的に行わざるを得ませんでした。一方、図書資料の収集と整理、保存については、通年にわたって滞りなく業務を行い、地域の情報拠点、区の読書文化を維持する役割を果たすことができたと考えております。  また、資料貸出業務に力点を置き、取り組んでまいりました。特にこのコロナ禍におきましては、図書館ホームページを使って資料を予約し、近隣の図書館で受け取れる形態がさらに増加し、家庭内での読書機会の提供につながったのではないかと考えております。この点については、今後効果検証を深め、より多くの区民に図書館をご利用いただけるよう、ホームページの改善に努めてまいります。  次に、小中学生に対するタブレットの普及と電子書籍貸出サービスに関するご質問です。  これによる相乗効果は期待できるものと考えております。電子書籍貸出サービスの導入に向けての検討では、配信予定の電子書籍には、児童書や参考書等のコンテンツもあり、小中学生に配備するタブレットを活用することにより、サービスを利用することができます。電子書籍貸出サービスを導入することとなった場合には、区内小中学校に配置している読書学習司書も活用するなどして、サービスを周知し、読書を通じた学びや人間性の育成を支援してまいります。  最後に、今後の図書館サービスについてのご質問です。  電子書籍貸出サービスは、新たな非来館型のサービスとして試行的に開始したいと考えております。また、従来の来館型サービスとしては、ICタグシステムによる予約、貸出しの簡便化や資料に関する問合せに答える職員のレファレンス力の向上などの充実を図ってまいります。さらに、子どもたちの好奇心を涵養するおはなし会のほか、静かに過ごしたい、自宅のようにくつろぎたいなど、様々な区民の要望に沿った利用ができるよう、感染症拡大防止対策とバランスを取りながら、地域特性に応じた図書館運営を進めてまいります。  3月下旬に開館予定の池上図書館では、都内で初となります予約本自動受取機を導入しまして、通勤や通学の途中でも図書資料を受け取ることができます。このように、今後は新しい生活様式の枠組みの中で、区民の知的探求を支える役割とともに、多くの人が集まるという図書館の特性を活かして、人と人とをつなげるなどの役割をしっかりと果たしてまいります。以上でございます。 ○広川 副議長 次に、4番岸田哲治議員。                  〔4番岸田哲治議員登壇〕(拍手) ◆4番(岸田哲治 議員) 13日前の2月13日土曜日午後11時8分、マグニチュード7.3、最大震度6強の地震が福島県沖で発生しました。東京23区でも震度4を記録した区もあり、大田区では震度3の揺れでしたが、大変大きな揺れで、寝ていたんですけれども、びっくりしました。起きてしまいました。被害に遭われた方々にお見舞いを申し上げます。  この地震は、10年前の東日本地震の余震とのこと。10年過ぎても、このように大きな規模の地震が起こるもので、地震はいつどこで、どの程度の大きさで起きるか分かりません。常に地震に対しての備えをしておく必要があります。世界の616都市の中で、巨大地震の被害を受ける可能性が一番高いと言われている東京。1923年、大正12年9月1日、マグニチュード8.2の関東地震から今年で98年。マグニチュード8クラスの海溝型地震の発生頻度は200年から300年程度とされていますが、関東地方では、海溝型地震の100年ほど前からマグニチュード7クラスの直下型地震が多発するとされております。また、紀伊半島から四国沖にかけてのプレート境界付近で起こるとされる南海トラフ地震も首都圏に影響をすると言われております。  地震が起きると様々な周期の地震動が発生します。東日本大震災のような規模の大きな地震が発生すると、木造家屋等に被害を及ぼす短周期地震動だけではなく、高層建築物等にも影響が出る長い周期を含む地震動も同時に発生いたします。300キロ以上離れた場所で発生した東日本大震災時に、東京の高層建築物等にも被害が出ました。しっかりとした地震対策をしておく必要があります。  10年前の東日本地震が発生した3月11日午後2時46分には、東京都に約352万人、神奈川県に約67万人、千葉県に約52万人、埼玉県に約33万人、茨城県南部に約10万人、計約515万人が自宅外にいたとされております。金曜日で、多くの人が帰宅しました。しかし、鉄道が止まり、車は大渋滞、多くの人々が長い時間歩いて家に向かいました。歩道がいっぱいで車道にまで広がり、大変混乱していました。蒲田駅周辺においては、東日本大震災の前年の平成22年に滞留者対策推進協議会が発足し、同年協議会を中心に発災対応型の訓練が実施され、徒歩帰宅者への対応をしていました。国、東京都、大田区は事業者等に対して、発災後の従業員等の一斉帰宅行動を抑制する事業所等での帰宅困難者対策への取組に努めるように求めています。しかし、調査によると約半数の人が、家族のことが心配で帰宅すると答えております。多くの方々が帰宅すると思います。  そこで、帰宅困難者の支援対策についてお伺いいたします。  3月11日の東日本大震災時に、前年の蒲田駅周辺訓練の成果が活かされ、発災後、すぐに一時滞在場所を設ける等の対応がなされ、徒歩帰宅者に安全・安心を与えていました。他の駅や郊外に向かう鉄道、道路の周辺でも多くの方々が徒歩で帰宅していました。大田区では、帰宅支援対象道路が第一京浜、第二京浜、中原街道、環状七号線、環状八号線です。東京都は、都立の一時滞在施設、都ステーションや赤十字ステーション等の設置情報、交通情報などを帰宅者に提供し、徒歩帰宅者への支援をしています。都施設は、大田区内ではJR線より南側が多く、JR線北側、第二京浜、中原街道、東急大井町線、目黒線、池上線沿線には少ないようです。区ではどのように徒歩帰宅者に支援をしていくのか、お伺いいたします。  大井町線、目黒線、そして池上線が走っているこの鉄道線を目印に、東日本大震災当時、多くの人々が歩いて自宅を目指していました。中原街道も多くの人が徒歩で帰宅していました。大岡山駅は東京駅から約12キロ、大井町駅から約4.8キロ、目黒駅から約4.5キロ、そして、二子玉川駅までは大岡山駅から約6キロの距離です。中原街道は洗足池まで、五反田駅から約4キロ、五反田駅から丸子橋まで約7キロ、綱島駅まで約14キロ。幹線道路は多くの場合、道に迷うことはないと思いますが、鉄道沿線に関しては、沿って歩くのはやや難しいと思います。しっかりとした帰宅者の支援をしていただきたいと思います。  東京のように固い岩盤の上に柔らかい土が堆積してできた地盤では、遠方で発生した長周期地震動が増幅され、さらに大きく長く揺れるとされています。南海トラフ沿いの巨大地震では、数分から10分近く揺れるそうです。平成12年5月以前に建築された高層建築物等は、南海トラフ沿いの巨大地震による長周期地震動の影響を受けるおそれがあるとされております。特に影響が大きいのは、60メートルを超える建築物、または4階以上の免震建築物になります。こうした建築物は区内には少ないと思いますが、国の助成制度もありますので、国や東京都と連携し、助成制度を啓発して耐震化を進めていただきたいと思います。  首都直下型地震での2012年、平成24年、大田区の被害想定では、火災が3万2218棟、揺れ及び液状化で1万1108棟、死者1073人、負傷者1万412人、避難所生活者23万7135人、帰宅困難者約16万人。そして、ライフラインの被害想定では、電気は都内全般が17.6%、大田区内は36.8%、通信は都内全般が7.6%、区内は23.9%、ガス、都内全般が26.8%から74.2%、区内は21.6%から100%、上水道は都内全般が34.5%、区内は67.9%、下水道は都内全般が23.0%、区内は30.3%の被害だそうです。大きい地震が発生した場合、想定のような被害を受け、被災された方々が避難生活を送る大田区内の避難所の受入れ人数は、東京都の避難所管理運営の指針で、3.3平方メートル当たり2名で計算すると、約14万人しか受け入れられません。避難所生活者約23万人の約6割しか受け入れられないことになります。そして今日、新型コロナウイルス感染症の蔓延で社会的距離を取るとなると、避難所の感染症対策を強化するとともに、避難場所の人数の見直しや避難所の増設などもしなくてはならないと思います。  このように、避難所の収容力に課題がある中、感染症の影響でさらに深刻化する避難所の対策について、区はどのように取り組んでいるのか、お伺いいたします。  災害時に感染症の蔓延の危険性がある場合、指定の避難所に行かないことを選択する方々もいますし、親戚・知人宅等、安全が確保できる場所への分散避難も検討するように国等も求めています。指定避難所には、飲料水、食料等、生活するのに必要な物資がある程度そろっていますが、指定避難所以外の場所に避難された方々のところには、生活するのに必要な物資があまりないと考えられます。分散避難を選択された区民の皆様が、物資が不足したり、情報が不足したりすることにより大きな不安を抱えて過ごすことがないようにするため、区はどのように取り組んでいくのかお伺いいたします。全ての人に支援の手が届くように願います。  避難所の運営は、指定避難所では学校防災活動拠点が運営するようになっていますし、訓練も行われていますが、災害時に機能するものなのか、地域の力が弱くなっていると考えます。高齢化が進み、動ける人が少なくなっています。平時の訓練では参加協力ができても、非常時にどのぐらいの人が動けるのか、あまり期待できないものと考えて計画を立てておくことが必要と考えます。  災害発生時にまず行わなければならないことは何なのか。大田区では、倒壊すると予想される建築物約1万1000棟の下に取り残された約1万人と思われる方々の救助・救出活動ではないでしょうか。それができるのは誰か。26年前の阪神・淡路大震災、人的被害は死者6434人、行方不明者3人、負傷者4万3792人でした。そして、消防、自衛隊、警察などによって救出された方が約8000人いると言われております。一方、約2万7000人が地元の人たちによって救出されています。そして、地元の人たちによって救出された方々の生存率が高かったとのことです。それは近くにいて、発災直後の時間の経過がないときに生きて救出されたことによるとされています。阪神・淡路大震災の記録では、救出された方の生存率は、初日が7割、2日目が2割、3日目が1割と下がっています。いかに地域の人の協力が必要であるかがうかがわれますが、当時は、地震の発生が早朝の5時46分で、多くの方が自宅にいました。そして、阪神・淡路大震災の1995年、平成7年は、日本の人口は約1億2557万人、年齢構成は、0歳から14歳が18.2%、15歳から64歳が69.4%、65歳以上が14.5%です。そして、2019年、令和元年は人口1億2644万人、年齢構成は0歳から14歳が12.1%、15歳から64歳が59.5%、65歳以上が28.4%と、動ける世代が阪神・淡路大震災時よりも約1割減り、元気な方もおられますが、動けない、援助を受ける必要があると思われる方が約2倍に増えています。確実に地域の力が弱くなってきています。多くの人が協力して災害に対応するように、多くの方に現状を伝え、知ってもらう、そして、小さいうちから考えてもらうことが重要であると考えます。  そこで、小中学校、高校、大学等での防災学習に避難訓練、消火器の使用訓練、人工呼吸、AEDの訓練に救出救助訓練も取り入れて、将来の担い手の育成を図ってはと思いますが、お考えをお伺いいたします。  地震はいつどこで発生するか、今はまだ分かりません。しかし、発生しても建物の倒壊がなければ、家具の転倒の被害が少なければ死者も少なく、けが人も少なくなります。そして、大田区のライフラインの被害率が高くなければ、避難しなくてもよくなります。復興・復旧も早くなります。復興・復旧費用も少なくて済みます。今想定している避難所生活者が首都直下型地震で約23万人、大田区外に出る疎開者が約12万人と予想されております。復興・復旧に長い時間がかかれば、疎開された方々が大田区に戻ってくる割合が少なくなり、大田区の活力がそがれ、にぎわいや活気のあるまちになるのに時間がかかります。大田区が発展するためにも、まず壊れないまちであることが大切です。大田区のライフラインの被害想定も大きいことから、ライフラインの管理主体に対して管路の耐震化などの取組をしっかりと進めていただくよう、引き続き働きかけていただきたいと思います。  その上で、大田区がしっかりと進めるべき倒れないまちづくりについて質問いたします。震災被害の抑制に最も重要な建築物の耐震化ですが、区では耐震改修促進計画の中で住宅の耐震化率を今年度末までに95%にすることを目標に掲げています。達成に向けて、区の取組状況と現状の進捗をお伺いいたします。また、国や大田区が目標としている耐震化率95%を達成した際には、どの程度被害を抑えることができるのか、お伺いいたします。  区民の命を地震災害から守るには、円滑な避難を実現するソフト対策と建築物の耐震化などのハード対策の両面の取組が欠かせません。大田区の積極的な取組により、地震災害に対して安全で安心して住める大田区であることを願って質問を終わりといたします。ありがとうございました。(拍手) ○広川 副議長 理事者の答弁を求めます。 ◎須川 危機管理室長 初めに、避難所の収容力不足に関するご質問にお答えいたします。  区は、災害時の避難所として小中学校など91か所を指定しております。そして、災害の状況に応じまして、補完避難所などを追加で開設して、必要な避難スペースを確保するように検討しております。今般の感染症の発生を受けまして、それぞれの避難所の収容力が減少します。そうしたことから、避難対策の見直し、充実を通じまして、その対応に取り組んでまいりました。  初めに、区民の皆様への周知啓発でございますが、避難所は過密状態になりますので、避難所以外への避難行動を検討していただくこととし、このことを区報やホームページなどを通じて継続的に呼びかけております。次に、各避難所の収容力を増やす対策としまして、間仕切りを活用することとしました。各避難所にテント型間仕切りを配備したほか、段ボール事業者と協定を締結して、災害発生後、速やかに間仕切りを配備できるようにしております。  そのほか、新たな避難所の確保にも取り組んでまいりました。昨年は、福祉施設や大学、区内のホテルとの協定を締結することができました。現在も区内民間施設などと協定締結に向けた協議を継続的に進めているところでございます。  また、今年度末には防災アプリを導入しますが、これにより避難所の混雑状況を区民の皆様に分かりやすくお知らせすることができるようにいたします。このアプリの機能の活用を進めていくことで、比較的すいている避難所へ避難者を誘導し、混雑の軽減を図るとともに、感染拡大の防止にもつなげていく効果を期待しております。こうした様々な対策を通じまして、避難所の収容力の課題解消に向け、引き続き取り組んでまいります。  次に、分散避難されている方への支援についてのご質問にお答えいたします。  近年は、耐火性や耐震性の高い住宅が増えており、震災後も自宅での居住継続、また親戚・知人宅での避難生活ができるご家庭も多くあるかと想定しております。そこで区は、区民の皆様に、まずは家庭内備蓄などを、区報やハザードマップの全戸配布など、あらゆる手段、機会を通じて呼びかけています。災害の後、自宅などで最低でも3日間は生活できるだけの水や食料、これをローリングストックにより備蓄することに加え、トイレの備え、非常持ち出し品の準備、家具転倒防止器具の設置などについても継続して普及啓発しております。  一方、区内91か所に開設します学校防災活動拠点でございますが、その役割として、見回り活動などを通じて、地域の情報収集や在宅避難者への情報提供をする仕組みがつくられています。一昨年の台風19号の災害では、国から、在宅で避難生活を送っている被災者に対しても物資、情報等については、避難所に取りに来られた場合は配付する旨の通知が出されております。区では、保健師を含む区職員のチームが浸水した地域のお宅を訪問し、被災者の健康状態を確認するとともに、情報の提供や支援ニーズの把握に努めたところでございます。  災害発生時に在宅や分散避難されている方の状況を的確に把握し、これらの方への支援が有効に行われるよう、訓練等を通じて、より一層の体制強化を図ってまいります。私からは以上でございます。 ◎今井 地域力推進部長 私からは、今後の避難所運営の担い手の育成に関するご質問にお答えします。  災害から区民の生命や財産を守るためには、行政の対策としての公助だけではなく、一人ひとりの自助の取組、多様な主体による共助の取組が重要です。一方、自助や共助を担ってきた地域は、少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少などの問題を抱えており、新たな地域防災の担い手の育成が大きな課題となっています。このため、若い時期からの防災教育等により、高い防災意識を持ち、災害発生の仕組みや地域特性、さらには避難所となる学校を熟知している担い手の育成が今後ますます重要となります。区は、地域と連携した訓練や小中学校における防災に関する授業の実施、災害現場で活動する人から直接児童・生徒が話を聞く機会を設けるなど、若年期から防災意識を醸成し、災害への対処方法を学べるよう、様々な機会を通じて啓発に努めております。今後は、こうした世代が習得してきた知識や経験を災害現場で活かし、将来、即戦力となる人材を育成していく必要があります。そこで、区内の小中学校はもとより、高校や大学、大田区社会福祉協議会や事業所など、地域の様々な主体と協力しながら救出救護などの応急対応や避難所運営体験など、実践的な取組をしてまいります。  また、いくつかの特別出張所では、ゲーム形式で避難所運営を体験できる訓練、例えば静岡県が発案したカード型避難所運営ゲーム、HUG訓練など、参加者が楽しみながらノウハウを得られる訓練を地域とともに行っており、好評をいただいております。今後はこうした取組を地域と協働してさらに進めることで、若い世代が自助・共助の意識を高め、主体的に防災活動に参加していただけるよう啓発してまいります。区は、地域防災力のさらなる向上のため、引き続き地域防災の担い手づくりを充実させてまいります。私からは以上です。 ◎小泉 区民部長 私からは、徒歩帰宅者への支援に関するご質問にお答えをいたします。  区の地域防災計画では、徒歩帰宅者に対して都及び関係機関と連携を取り、安全な経路で目的地に向かえるよう、道路交通状況や支援情報を提供することとしております。蒲田駅周辺では、蒲田駅周辺滞留者対策推進協議会と連携し、帰宅困難者への情報提供や誘導、一時滞在施設の開設、運営による支援を行うこととしており、今年度は訓練のシミュレーション映像を収めたDVDを作成するなど、平時からの体制を強化しております。  議員お話しの帰宅支援対象道路沿線のうち、第一京浜国道については、品川区が運営する国道15号徒歩帰宅者支援対策協議会と連携し、一時滞在施設などにおいて情報提供や物資提供、誘導支援を行います。また、第二京浜国道周辺では、都立大田桜台高校が一時滞在施設として指定されており、一時的な滞留場所の提供のほか、水、トイレ、交通情報などの提供を行います。中原街道周辺では、都が災害時帰宅者支援ステーションと位置づけている区内10校の都立学校のうち、都立田園調布高等学校と都立田園調布特別支援学校があり、一時滞在施設と同様に水などの提供を行います。そのほか、区内では、同じ役割を担うコンビニエンスストア、飲食店チェーン、ガソリンスタンドが約500か所あり、可能な範囲でこれらの提供を行います。  区は引き続き、都及び関係機関と連携を密にし、徒歩帰宅者への支援に取り組んでまいります。私からは以上でございます。 ◎青木 都市開発担当部長 建物の耐震化に関する2問にお答えいたします。  まず、建築物の耐震化に関するご質問です。  区では、老朽化した木造住宅を除却、建て替えにより耐震化を図るため、令和元年度から木造住宅除却工事助成を開始しました。さらに、今年度から簡易の耐震診断と耐震化の相談を無料で行うコンサル制度を設け、円滑な制度利用につなげています。制度拡充した木造住宅向けの耐震化助成について、区内の対象となる住宅約2万1000戸の所有者に対し、個別に周知をいたしました。啓発に努めた結果、令和元年4月から令和3年1月末までの約2年間で耐震改修と除却工事、合わせて251件の助成申請を受け付けております。こうした取組により、区内の住宅の耐震化率は平成26年度末の85%から毎年1ポイント程度着実に上昇しており、最新の数値は現在算定中でございますが、令和元年度末で90%程度と推測されます。  続きまして、耐震化の目標達成時の被害に関するご質問です。  国は、建築物の耐震診断及び耐震改修の促進を図るための基本方針の中で耐震化率の目標を定めており、平成17年当時に想定された巨大地震の被害を10年後の平成27年に半減させることを目指し、住宅の耐震化率を90%に向上させることを目標としました。その後、平成25年には国が基本方針を改正し、耐震化率の目標は、令和2年度までに95%となっています。また国は、耐震化率と南海トラフ地震における被害想定の関連性も検討しており、平成20年の耐震化率79%が90%に向上すると、建築物の倒壊による死者数が3万8000人から2万1000人へと約半分程度に減少するとしています。国の推計値を基に区の状況を推測すると、区の耐震化率は平成21年度の79%から、令和元年度までに90%程度に向上したと見込まれており、この間に建築物の倒壊による被害も半分程度に低減したものと推定されます。  また、国の推計では、耐震化率が90%から95%に向上することで、さらに被害が3分の2に減少するとしており、区でも目標値とする95%を達成することで、同様に被害を低減できると考えられます。引き続き、耐震化率の目標達成に向けて、助成制度の利用促進に努め、倒れないまちづくりを進めてまいります。私からは以上でございます。 ○広川 副議長 会議が長くなりましたので、しばらく休憩といたします。                      午後0時4分休憩                ――――――――――――――――――――                      午後1時開議 ○塩野目 議長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質問を続けます。10番伊佐治 剛議員。                  〔10番伊佐治 剛議員登壇〕(拍手) ◆10番(伊佐治剛 議員) 自由民主党大田区民連合の伊佐治 剛でございます。まず、館山さざなみ学校についてお聞きいたします。  令和2年第4回定例会におきまして、我が会派の田中一吉議員から、館山さざなみ学校の必要性、在り方についての質問がなされたところでありますが、その際の答弁及び私自身、平成31年第1回定例会で質問をし、答弁をいただいておりますので、それを踏まえて質問をさせていただきたいと思います。  館山さざなみ学校については存続させ、活用すべきというのが私の基本的考え方です。これまでの答弁には、館山さざなみ学校の廃止に向けた文言が節々に含まれており、平成31年第1回定例会での教育総務部長の答弁では、在籍児童の受け皿の在り方について検討していくと、廃止に向けてかじを切っていること、これを大変危惧しているところでございます。以前も質問の中で触れさせていただきましたが、館山さざなみ学校同様、区立病弱特別支援学校である板橋区立天津わかしお学校について、板橋区の教育委員会は、天津わかしお学校での教育の重要性を認識しており、今後も天津わかしお学校の運営を継続的にしていきたいと答弁をしています。この温度差は一体何なのでしょうか。  確かに、この間、大田区では発達障がいのある児童を対象とした特別支援教育、サポートルームの全校設置、特別支援学級の増設、(仮称)大田区子ども家庭総合支援センターと学校教育との連携など、様々な課題を抱える児童がこの大田区でも安心して生活を継続していくことができるよう、教育を受けることができるよう取り組んできたことは大変評価をしているところでございます。
     しかしながら、田中議員の質問の中でも触れられていましたが、開校当時とは違い、健康課題のみで入校する児童は少なく、不規則な生活習慣、コミュニケーションの問題等、館山さざなみ学校という環境だからこそ改善できる課題もあります。また、ネグレクトを含む児童虐待件数は10年前から比較をすれば15倍近くに増加をしており、今子どもたちを守るためには、こうした課題を抱える子どもたちへの支援だけでなく、親への支援を含めた多様な環境を確保することが必要と考えます。大田区立館山さざなみ学校の今後の在り方検討委員会の最終報告書が出されたのは平成25年4月。既に10年近い年月がたっており、これまでの答弁でも示されているとおり、報告書が出された時点とは大きく環境も変化してきています。改めて、館山さざなみ学校の在り方については在り方検討委員会で議論をし直すべきだと考えます。  また、館山さざなみ学校の議論をすると必ずテーマとなるのが、コストの問題です。私は、子どもたちの健康を守る上で今のコストが高いとは思いませんが、そこまでコストを気にするのであれば、他区との共同運営についても議論をすべきと考えます。例えば、先に述べた板橋区立天津わかしお学校では、他区でのニーズがあった場合の受入れについても検討がなされています。館山さざなみ学校の在り方については、他区の児童の受入れ、他区との共同運営についても検討すべきと考えますが、区の見解をお示しください。  次に、見た目問題についてお聞きいたします。  見た目問題の当事者とは、人目に触れる部分に生じている特徴的に目立つ症状によって様々な社会的困難を抱える人たちのことを言い、公的な調査はなされていませんが、主な症状の国内の患者数を足しただけでも、日本には約100万人の当事者がいると言われています。あざや傷、アルビノ、やけど等外見に症状があることにより、学校や就職、結婚での差別等を受けていても、相談先もなく、孤独感で苦しんでいる当事者も少なくありません。見た目問題という言葉はNPO法人マイフェイス・マイスタイルが提唱しているものですが、現在ではまだ法律や条例等による定義づけはされていません。  平成30年には全国で初めて、見た目問題への対応を国に求める意見書が墨田区議会において全会一致で議決されましたが、残念ながら国において具体的な議論が進んでいない状況があります。見た目問題については法的な根拠がなく、例えば見た目問題を障害と捉えることができるのかというと、障害はあくまでも心身の機能の障害を障害と捉えるものであり、障害者差別解消法や東京都障害者差別解消条例の対象とはなりません。障害という概念として捉えることができれば、不当な差別的取扱いを受けた際、障害者差別解消支援地域協議会において、事例の共有や具体的な対応について検討することができます。現時点では人権問題として捉えるのが一般的と言えますが、残念ながら問題の解決に向けた具体的対応という視点から考えると、課題が多いと言えます。  ウィリアム・シェークスピアは、人の傷を笑うのは傷の痛みを感じたことのないやつだという言葉を残しています。世の中のほとんど全ての人が知らないから避けてきたのがこの問題であり、子どもにはじろじろ見ないのと教えたり、まるで触れてはいけない問題のように扱われてきました。今自治体としてまずやるべきことは、この見た目問題を区民の皆さんに知ってもらうことです。そして現状を把握し、当事者がどのような支援を必要としているのか、その声に耳を傾けることです。ぜひとも大田区として、見た目問題の解消に取り組んでいただきたいと考えますが、区民への意識啓発、現状調査についての区の見解を求めます。  次に、施設整備と管理の在り方について2点お聞きいたします。  大田区では現在、築30年以上の公共施設が65%を超えており、特に全体の49%を占める学校施設は、その大半が既に築40年以上を経過、建て替えや長寿命化改修が急務となっています。こうした課題を抱える中、大田区では、公共施設等総合管理計画を定め、効果的、効率的な施設マネジメントを推進しています。大田区公共施設白書策定時の試算では、公共施設等に係る更新費用の将来見通しは、2021年に約255億円とピークを迎えるとされていますが、新型コロナ対策の多額の予算が必要な中においても、切れ目のない区民サービスの提供のため、公共施設については計画どおり進めていくことが必要です。  今後45年間で要する公共施設の更新費用は約6047億円。必要な財源を確保する上で、施設の削減、効率化によるコストの削減、ライフサイクルコストの削減、施設の活用における収益の増加など、様々な手法を検討していかなければなりません。しかしながら、施設削減は様々な調整が必要で、短期的に成果が出るものではありませんし、長寿命化は短期的なコスト面での効果は得にくい、収益の増加についてはそれができる施設も限られている、このような状況を考えると、行政内部の合意だけで進めていくことができる、効率化によるコスト削減を目指すべきと考えます。  その手法の一つが、施設包括管理です。施設包括管理は、公共施設に係る保守管理業務や日常修繕業務を包括的に委託する手法で、保守管理業務全体のコストは大きく変わらないものの、その業務のために必要な仕様書の作成や入札、検査、支払い事務といった契約事務コストの低減に大きく資するものです。現在、全国で導入している自治体は少ないものの、実際導入をした自治体においては事務的コストのカットだけでなく、施設の安全性の向上、各施設横断的に管理運営することで、施設の詳細な情報が一元管理され、修繕や改築、最適配置などの優先順位の整理を行うことができています。公共ファシリティマネジメントの推進につながっているとのことでした。逆に批判的な意見として、施設包括管理の導入により、地元事業者の仕事が奪われるとの意見もありますが、実際導入をした自治体においては、再委託時の地元事業者優先を規定に盛り込むなど、導入前後で変わらない発注額を確保することができています。施設包括管理は、公共施設の管理にかかる莫大な事務コストの削減と、公共施設の情報集約による現実的な公共施設の再編につなげていくための効果的な手法です。公共施設のファシリティマネジメントをさらに推進する視点から、施設包括管理の導入を検討すべきと考えますが、区の見解を求めます。  次に、介護施設の整備の総量規制についてでありますが、介護保険法第70条第6項には、都道府県知事は、特定施設入居者生活介護等の指定をしようとするときは、関係区市町村長に対し意見を求めなければならないと書かれています。  昨年、神奈川県高齢者福祉施設協議会が県内全域の介護保険施設と居住系サービスの定数を調査したところ、神奈川県が定める介護保険事業計画での計画量を大きく上回る施設が整備されていることが明らかになりました。施設及び居住系サービスの定員総数は10万8365人、それに対して、計画上で想定していた利用者数は9万5688人、既に1万2677人分の計画を上回る施設を整備していたことになります。これは大田区にも言えることですが、これまで特別養護老人ホームの待機者問題を掲げて施設の不足が叫ばれてきましたが、住宅型の有料老人ホームやサービス付き高齢者住宅等の民間施設の整備が進み、住まいと介護サービスを持った機能は充実している傾向にあります。需要以上の施設が整備されることは深刻な介護人材不足に拍車をかけるものであり、施設の機能分化を明確にした上で、その整備方針については一定の見直しが必要であると考えます。  過剰に整備された施設については、従来の施設への転用、居住系施設の活用、用途変更等で特別養護老人ホームの待機者用に活用すべきと考えます。施設・居住系サービスの定数と需要との関係について、区として分析をすべきときに来ています。第8期の介護保険事業計画期間において施設系サービスの整備の在り方について調査を進めていくべきと考えます。また、調査結果の下、施設整備の総量規制についても積極的に東京都に求めていくべきと考えますが、区の見解を求めます。  次に、後期高齢者医療の保険料についてお聞きいたします。  1月28日に行われた東京都後期高齢者医療広域連合議会において、保険料における均等割額の軽減特例の廃止に伴う条例改正に賛成をいたしました。後期高齢者医療制度発足時に、時限的に8.5割の軽減が導入され、この間、本則の7割軽減に移行するため、順次特例措置を縮小し、現在は7.75割の軽減がなされています。今回の条例改正は、本則の7割軽減適用のための条例改正であります。今回の改正のような保険料の負担増を喜ぶ人は誰もいません。保険料はできる限り低額に設定したいというのは、誰しもが同じです。しかしこれは、後期高齢者医療制度が無理なく維持できるのであればという前提があってのことです。2022年からは団塊世代が後期高齢者となり、医療費の急増が間違いなくやってきますし、高齢者医療の支え手である現役世代は減少していき、その負担額は増加し続けていきます。今回の条例改正は必要な改正であったと言えます。  広域連合議会の中でも、廃止された特例措置分を広域連合独自でという意見を出す方々もいらっしゃいましたが、保険料以外の自主財源のない広域連合において、軽減措置を独自で実施するということは、その財源の負担を区市町村に追加で実施をすることになります。既に、ここ2年間で217億円を負担している区市町村に対し、さらに一般財源から費用負担をお願いすることになり、現実的ではありません。また、東京都の保険料は高いと思われている方も多いかもしれませんが、確かに全国での順位で言えば、月額保険料は平均8421円で1位です。しかしながら、実際は保険料限度額の64万円を負担している被保険者が約5万人と、高所得層の被保険者が多く、その方々が多く負担をしている状況から、結果として保険料の平均額が高くなっています。均等割額だけで計算をすると全国で32位、所得割額で考えると29位で、決して東京都が高額ということではありません。また、今回の軽減特例廃止により影響を受ける低所得者に対しては、全国平均より低額に抑えられているといった実態があります。これから先、医療費の窓口負担2割化についても様々な議論がなされることと思いますが、偏った情報が独り歩きしてしまい、正しい情報が伝わらない、間違った議論がなされる可能性があります。区民の皆様にも納得をいただき、保険料を納めていただくことができるように、こうした正しい情報を、かんたんガイドや保険料の納付通知等を活用し、積極的に周知すべきと考えますが、区の見解を求めます。  これは後期高齢者医療制度に限らず、国民健康保険や介護保険等、様々な制度にも共通することです。区民の皆様が理解しやすく、そして正しい情報の発信に努めていただきたいと思います。  次に、アート思考のもたらす価値についてお聞きします。  本屋さんをのぞくと、ビジネス書の棚にアートがビジネスに大きな影響を与えるとの書籍が並んでいるのを拝見し、新たな発見、気づきを得ました。先日、東京青年会議所OBの経営者の方とお話しする機会がありましたが、経営者の中でアートに関するセミナーの人気があり、書籍も多く出ていることをお聞きしました。ものづくりの世界でも、家電スタートアップ企業のバルミューダ社などは、デザイン性に優れた製品をつくり、人気を得ています。アートデザイン思考が経営のベースにあり、自分なりのこだわり、戦略を持っているものと実感します。  先日、「13歳からのアート思考」という本を手にしました。この中では、中学生が嫌いになる教科の第1位が美術と書かれていました。13歳を分岐点に試験のための美術になり、試験前に美術史や技術手法を学ぶだけで、この本の中では、自分だけの物の見方、考え方を喪失していることにすら気づいていないとコメントされています。SNSやネットで様々なことを知った気分になり、LINEで人と会話した気分になり、ネットの高評価のお店はおいしい料理を提供すると信じたり、そこに自分なりの視点が欠落し始めていると書かれていました。このような危機感を背景に、大人の学びの世界でもアート思考が問われ、ビジネスの世界でも模索されていると書かれています。はっとする自分がありました。  振り返り、松原区長の選挙公約、地域の歴史・文化・芸術を育む観光・国際都市の中で、次のことが示されています。一つ目は、多様な文化芸術活動を展開するとともに、教育、福祉、産業、まちづくりの分野への活用。そして二つ目は、貴重な区民寄贈絵画を収蔵し、展示機能も整備することで芸術作品に気軽に触れることができる環境を整備する。区長の公約を拝読すると、子どもたちやビジネスマンなど多くの方々にアート思考を醸成し、まちの成熟度を高めるための未来のまちづくりを目指しておられることを改めて実感したところであります。地域の歴史・文化・芸術を育む観光・国際都市実現のために、特に区長の目指しておられる教育、福祉、産業、まちづくりなど様々な分野での文化芸術活動の展開で重要なことは、私はアート思考を育む視点だと考えます。  このような視点を区の様々なプランや具体的な事業展開等に活かすべきと考えますが、区の見解を求めます。また、アート思考を育む環境は、次世代においても求められているものです。今後の環境整備について、区の考えをお示しください。  最後に、路上喫煙対策における区の考え方についてお聞きいたします。  昨年4月に大田区屋外における喫煙マナー等に関する条例が施行され、間もなく1年がたちます。条例施行から半年が過ぎた令和2年第3回定例会では、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の中、十分な区民周知を図ることができていない現状を踏まえ、たばこ販売事業者に、たばこの購入者に対する条例の周知に協力をいただけるよう働きかけを行うことを求め、実施することになりました。私自身、最近ランニングが趣味でして、たまにパトロールランニングと称して、地元の道をくまなく走っていますが、必ずと言っていいほど歩きたばこをしている方、自転車に乗ってたばこを吸っている方、たばこを捨てる方の姿を目にします。もちろん見かければ、大田区屋外における喫煙マナー等に関する条例第5条を根拠に注意し、やめさせますが、中には無視して歩きたばこを続ける方、逆ギレをしてくるような人たちもいます。  以前から何度もお話をしているとおり、私は喫煙をすること自体を悪だとは思っていません。嗜好品ですから、人に迷惑をかけなければ自由に吸われたらよいと思います。ただ、マナーを守らない喫煙者に対しては厳しく対応すべきだと考えています。特に、歩きたばこは他人にやけどをさせる可能性もありますし、たばこの煙を拡散させ、受動喫煙をさせる可能性もあります。他の区民にたばこの煙を吸わせることは、条例の第4条区民等の責務にも違反する行為です。また、ポイ捨ては環境美化の観点からだけでなく、火災のリスクもあります。  これまで区に対しては、歩きたばことポイ捨てについて、区内全域で罰則を設けるべきだと提案をしてきました。喫煙禁止重点対策地区だけが罰則の対象であっても意味がないのです。子どもが歩く横を歩きたばこをする人が通り過ぎていく状況を何度も見てきました。子どもたちがけがをしてからでは遅いのです。なぜ大田区は、区内全域において、歩きたばこ、たばこのポイ捨てに罰則を科すことができないのか、その根底にある考え方についてお答えください。以上で質問を終わります。(拍手) ○塩野目 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎市野 企画経営部長 私からは、公共施設の管理に関するご質問にお答えをさせていただきます。  公共施設の維持管理など、公共施設マネジメントにつきましては、社会情勢の変化や財政状況を踏まえ、今後も適切に取組を進めていく必要がございます。こうした中、区におきましては、施設保全システムを導入し、各施設の基礎情報や工事履歴に係る情報を一元化することで、計画的な建物の維持管理に取り組んでまいりました。また、施設の保守管理業務のうち、建築基準法に基づく公共施設の定期点検につきましては、今年度から段階的に業務委託を進めており、休日や夜間など、区施設の利用状況に合わせた対応が可能となりました。公共施設包括管理につきましては、公共施設の維持管理手法の一つとして、導入している他自治体の事例も参考にしながら、様々な角度から調査研究を進めてまいります。私からは以上でございます。 ◎後藤 総務部長 私からは、見た目問題に関するご質問にお答えいたします。  見た目問題は、一般的に病気や事故が原因で顔の変形やあざなど、外見上の見た目に特徴的な症状のある人たちが、学校生活や恋愛、就職活動などの日常生活で直面する問題と言われております。現在、見た目問題に関しては社会学や心理学などの様々な分野でまだ研究途中であり、正式な定義はございません。また、東京都においても人権施策推進指針に含まれておらず、具体的な取組が行われていない状況です。しかしながら、機能障害や治療の緊急性などがない場合は公的な支援も受けられず、周囲からの差別や偏見により、生きづらさを抱えて暮らしている人たちは少なくないといった現状をマスコミでも取り上げられております。区では、一人ひとりが尊重され自分らしく幸せに生きていくために、誰もが互いを認め合う社会の実現に取り組んでおります。今後、見た目問題に関して、墨田区や先進自治体の取組を参考に、効果的な区民への意識啓発や現状調査について研究してまいります。私からは以上です。 ◎町田 スポーツ・文化担当部長 アート思考を育む視点での区の考えに関するご質問にお答えをいたします。  現行の大田区文化振興プランでは、文化活動が新たな発想を生み出し、感性や創造性を刺激し、教育、福祉、観光や産業にもよい影響が期待できるものと定め、推進施策の中で、アート思考の視点をうたっております。このアート思考を育む観点で、大田区文化振興協会が実施した事業として第一に、子どもたちを対象に龍子記念館等で開催している対話型鑑賞のワークショップ、第二に、出前型で小中学校にラテンジャズ音楽や狂言等を届け、子どもたちとともに活動するアウトリーチ事業、第三に、現代アート作家により洗足池に装飾を施し、池と一体となった空間を体験するインスタレーションなどにより、創造性を育む機会を提供しております。このようなアート思考を醸成する取組を進めていくためには、区民が文化施設だけでなく、身近なところでもアートに親しむ機会を増やしていくことが必要と考えております。  さらに、議員お話しの次世代に求められる環境整備として、大田区が所蔵する多くの美術品の保管拠点を整備し、展示機能の拡充やデジタル技術を活用した鑑賞機会の創出など、身近に文化芸術に親しむ機会を増やしていくことで、アート思考を育み、教育、福祉、産業などの分野で価値の向上につなげてまいります。 ◎小泉 区民部長 私からは、後期高齢者医療制度に関するご質問にお答えをいたします。  本制度は、費用の約9割を公費や現役世代の支援金で賄い、約1割を被保険者全体でご負担いただく仕組みになっております。保険料は均等割額と所得割額を合計し、個人単位で計算しており、区の1人当たりの保険料は昨年7月の本賦課時点で約10万4600円ですが、被保険者の所得により賦課額は異なっており、7割近くの方が平均額を下回っております。また、東京都後期高齢者医療広域連合では、保険料の上昇を抑えるため、独自の特別対策などを62区市町村の合意の下に継続実施し、低所得者へも配慮した保険料を設定しております。  議員お話しのとおり、こうした制度の内容をご理解いただくことは、保険料の金額や医療費の負担をご納得いただくために重要であると考えております。区といたしましては、制度の意義、特徴、仕組みなどを分かりやすく周知するため、今後も様々な広報媒体を活用し、より効果的できめ細かな広報となるよう積極的に取り組んでまいります。私からは以上でございます。 ◎今岡 福祉部長 私からは、介護施設の整備に関するご質問にお答えをいたします。  特定施設である有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅等の開設が、特別養護老人ホームの整備より速いスピードで進んでおります。介護保険事業計画を策定する上で、その動向を的確に把握する時期に来ていると認識しております。  議員からお話がありましたとおり、第8期介護保険事業計画の中でしっかり分析をしてまいります。また、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅などの総量につきましては、東京都が各期の介護保険事業支援計画の中で策定することとなっています。区としましては、各施設全体の充足度を見極めて、必要に応じて施設整備に対する区としての考えを明確にし、東京都への意見の具申などを通じ、的確に伝えてまいります。第8期介護保険事業計画の中で、2025年問題を見据え、その先につながる準備についてしっかり対応してまいります。私からは以上でございます。 ◎落合 環境清掃部長 私からは路上喫煙対策についてのご質問にお答えいたします。  大田区屋外における喫煙マナー等に関する条例は、喫煙する人としない人の共存を目指し、喫煙マナーの向上を図り、屋外の喫煙対策を推進することを目的としております。屋外の喫煙対策につきましては、令和3年3月に新たに4か所の公衆喫煙所の供用を開始する予定でございます。一方、喫煙マナーの向上につきましても、先日ご提案いただきましたたばこの販売店等における条例周知の協力依頼も含めた様々な取組を進めております。過料徴収につきましては、喫煙マナーの向上が目的であり、違反を繰り返すものに対して効果的な周知や取締りを行うため、喫煙禁止重点対策地区内に限定しております。条例の施行から1年が経過することから、今後は悪質な違反者に対してはより一層厳しい対応を取っていく予定でございます。  なお、公衆喫煙所を設置したところにつきましては、地域の要望や実情等を把握した上で、喫煙禁止重点対策地区の拡大について検討するとともに、段階を踏んで喫煙マナーの一層の向上を図ってまいります。私からは以上です。 ◎玉川 教育総務部長 私からは、館山さざなみ学校についてのご質問にお答えいたします。  館山さざなみ学校の今後の在り方につきましては、平成25年に検討委員会報告書をまとめたところでございます。本校には、2月1日現在、小学校3年生から6年生の児童24名が在籍し、健康課題の改善に取り組んでいるところでございます。令和2年は新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、3か月にわたる臨時休業のほか、年2回行ってきた体験入校が中止となるなど、コロナ禍において、新たな生活様式を踏まえた学校運営を行っております。館山さざなみ学校のように、自然環境の豊かな地で、健康上の課題を抱えた児童が寄宿生活を送りながら課題の解決を目指す学校は、特別区では大田区のほか、3区が設置してございます。そのうち2区は房総半島に設置されております。このような施設との共同運営を含めまして、他区の状況等を調査研究してまいります。以上でございます。 ○塩野目 議長 次に、15番海老澤圭介議員。                  〔15番海老澤圭介議員登壇〕(拍手) ◆15番(海老澤圭介 議員) 自由民主党大田区民連合の海老澤圭介です。質問通告に従い質問をさせていただきます。  現在、新型コロナウイルス感染症に関し、2度目となる緊急事態宣言下の中、コロナの脅威と闘っている皆様、そして献身的に区民の生命を守るため働いていただいている医療従事者の皆様に改めて敬意と感謝を申し上げます。しかし、まだ新型コロナウイルス感染症が収束するには時間がかかることや、この後もウィズコロナとしての生活が余儀なくされることも予想されている中、先行接種が始まったワクチン接種ですが、大田区でも今後は準備、個別の対策に合わせ、行政としての役割は大変重要であります。今後も、国や東京都からの対策に合わせ、東邦大学病院との連携、ご指導の下、大田区モデルとしての取組を進めていただきたいことを冒頭に申し上げ、ポストコロナに向けての思いとして質問に入りたいと思います。  まずは、観光と産業の連携ということに対して質問をさせていただきます。  まずは観光と産業の連携、スポーツに対しての質問でございますけれども、私が関心を持っている二つの事例をお話しさせていただきます。区の組織論という感じでの質問となりますので、私は今年度、所管の委員ではありますが、組織編成的な視点での質問とさせていただきますので、内容が少し出てきますが、ご了承ください。  一つ目の事例として、観光ということを考える上で、産業は切っても切れない取組が多く、来街者に対し、宿泊、飲食、買物など、大田区にあるお店や施設でお金を使ってもらうなどのパッケージを考えていく上で、産業との連携は不可欠であると思います。本来なら昨年の夏には東京オリパラ大会が開催され、全国各地、また世界各地より多くの来街者が大田区のまちを訪れるはずだったわけですが、新型コロナウイルスの影響で区内の観光、産業の様子を一変させてしまいました。  大田区では、大変厳しい言い方をすれば、浅草や横浜みなとみらいのようなパンチ力のある、いわゆる観光名所というものはほとんどないことから、来街者には区内を回遊してもらうための材料、他のまちとの差別化ができるものは、何といっても産業だと思います。ものづくりの聖地とも言える町工場の集積だけでなく、都内で最も数の多い商店街や黒湯が楽しめる銭湯など、我々大田区民にとっては当たり前の光景が、まさに来街者にアピールする宝物であり、インバウンドをはじめとする大観光客群が見込めなくなった今、マイクロツーリズムによる観光が脚光を浴びつつある中で、まさに大田区の持つ宝物がより一層輝きを放つチャンスであると考えます。  そうした状況において、先日、田村議員の代表質問に対して、区長は、観光施策を推進していくとの答弁がありました。大田区では、観光施策は観光課、産業施策は産業振興課と組織が分かれています。このことは大きな機会損失なのではないかと考えており、産業施策によって輝きを増す企業、商店街を来街者に見てもらうことで成立するマイクロツーリズムを本区において本格的に取り組んでいくのであれば、観光課と産業振興課は一つの組織であるべきと考えます。  次の事例は、観光・国際都市部におけるスポーツ推進課、東京オリパラ担当の大会後についてであります。現在、皆様がご存じのとおり、大田区のスポーツを担当するのは観光・国際都市部であります。スポーツに関する部署は以前、教育から分かれ区長室に預けられるような形になり、その後、東京オリンピック・パラリンピック招致活動の頃から観光・国際都市部と一緒になりました。この組織編成は、スポーツツーリズムなどの観点からも、延期はしているものの世界最大のスポーツの祭典である東京オリパラ大会や、そのほか競技大会の国際大会など、日本や東京開催による大田区への会場誘致や大田区の施設を利用した大会開催を考えると、国際都市、観光、スポーツが一緒であることも一理あります。しかし、スポーツとしては他の部局との連携も大変重要であり、単独でスポーツ推進部が必要であると自分自身の質問で何度も訴えてまいりました。  特に現在、全庁連携のハブとしての役割を担っています健康政策部によるはねぴょん健康ポイントアプリなど、激しく動くスポーツではなく、健康に体を動かすという取組から健康な体づくりを目指し、いろいろなコンテンツを提供していただいております。しかし、前にも申し上げましたが、このような取組は、本来、スポーツ推進の延長で立ち上げていただきたかったわけです。  それから、ランニングステーションがオープンしたときの話をさせていただきます。我が会派の伊佐治議員や高山議員も体験しにこの場所に訪れたとき、コースの地図が置いてあるものの、ランニングコース自体の表示や距離表示がないことで難儀したというような話もしておりました。私は、コースは分かりますけれども、土地勘のない人への配慮が足りなかったのではないかなと思いました。この表示の問題は、事前に取組の立案をしたときに、スポーツ推進課が施設を担当する都市基盤との連携をしなければならないわけで、委員会でも申し上げましたけれども、連携不足や縦割りの弊害が出てしまったのではないかと思っております。  全庁的に、あれは何部、これは何部と所管があるのは当然です。議員や役所の職員の皆様の中にも、組織編成にいろいろな可能性、ご意見があると思います。現在、オリパラ大会が開催できるように取組を続けていますし、開催してほしいと思っておりますので、終了した後のスポーツ推進課、オリパラ担当などをどのように考えていますか。私は、スポーツだけでも取り組む施策は多く、例えば、次世代の子どもたちに対するオリンピアンの育成教育、各競技大会の会場誘致、区民のお年寄りから子どもまでが取り組むスポーツの情報の集約、配信、ちょっと考えただけでも山積みであると考えております。スポーツ推進部をつくる、これこそが大田区が掲げるスポーツ健康都市宣言に見合う施策に近づくのではないでしょうか。  ちなみに、現在、東京23区では、お隣の世田谷区さんがスポーツの専門の部署があると聞いています。その点についても、また別の機会で調査研究して訴えてまいります。  そこで伺います。今申し上げました二つの事例から、今後、大きく変わる社会状況を踏まえつつ、施策の充実に向けた今後の区の組織の在り方に関するお考えをお聞かせください。  次に、大田区の広報について伺います。  現在、大田区には、ホームページ、シティプロモーションであるユニークおおた、ツイッター、ユーチューブ、フェイスブック、LINE、はねぴょん健康ポイントアプリなど、様々なデジタル媒体を利用して広報、情報配信、取組をしております。このSNSやデジタル情報配信は今や当たり前になってきていますが、受け手側の区民に、このデジタルツールを利用することや利用方法などを含め、全ての人が操作に明るいわけではありません。ペーパーレスを含め、このたびの予算編成にもありましたように、デジタル申請、支払いのキャッシュレス化、小中学生1人1台のタブレット端末の配備、施設や学校、公共施設でのWi−Fi環境の整備や強化などを含めた推進をしていきますので、この環境とユーザーをつなげていかなければなりません。  このように、大田区配信のデジタルコンテンツは、各部各課いろいろなコンテンツをお持ちで、皆さん一生懸命に取り組んでいただいていることとは思います。私自身もデジタルのスペシャリストではありませんが、ある程度使いこなしていると思うのです。しかし、大田区の情報やデジタルコンテンツの中にたどり着けないこともたまにあります。同じような思いをしている区民の方も多いと思います。  そこで、大田区のホームページの情報配信は、各種手続きの方法や、開始、終了、問合せ先などに統一して、イベントやシティプロモーション、各部各課での取組を配信して伝えたいことなど、まさにユニークな内容は、最近サイトとしての内容も充実してきましたユニークおおたに統一すること、そのことで大田区ホームページとの色分けをすると、目的によりアクセスしやすくなることや、お互いのページへの行き来が有効に働くのではないかと考えます。そして、シティプロモーションであるユニークおおたのサイトで、各部各課のデジタル情報配信、紹介が同じページにあれば、相乗効果で視聴数が増加するのではないでしょうか。担当部署や職員の皆様には、この登録者数や視聴回数の増加をさせるための努力は怠らず、入り口が同じ場所になることを利点として考えていただきたいと思います。  そこで伺います。広報として各部各課でのユニークな取組を、ユニークおおたのページでリンク、バナーなどを集約することで、デジタルのワンストップを進めていくことがよいと考えますが、区の見解をお聞かせください。  そして、今後、ユニークおおたとしての取組が、大田区独自の大田区による大田区民のための動画配信サービスとなるネット放送局の開局などにもつなげていきたいと考えていますし、民間との連携で工学院の学生さんたちとのコラボも考えられますので、よろしくお願いいたします。  次に、大田区制70周年記念で誕生した公式キャラクター「はねぴょん」のアピール推進について伺います。  大田区の公式キャラクターとしての認知度は、区外はおろか区内でも知らない人がいるのはアピール不足であり、はねぴょんにもっと知名度を上げるための有効的な仕事をしてもらいたいと思っております。しかし、これは応援する思いであることを先に申し上げます。現在、はねぴょんは観光が所管しているわけですが、現在のはねぴょんのお仕事は、本人自らがイベントに参加すること、ツイッターでつぶやく、広報宣伝活動や各種はねぴょんグッズの販売などがあり、それから何度も引き合いに出して申し訳ありませんが、健康ポイントアプリなどがあります。アプリの登録者数も2万人を超えてきましたが、やはりもっと増やしていきたいと思っております。  このなかなか浸透し切れないはねぴょんを公式キャラクターであるとした大田区自体が、ヘビーユースしていかなければいけないと思います。皆さんで盛り上げていただきたい。そのために、登場する場面、登場の仕方、回数、発信方法なども考えなければなりません。例えば、取組で記憶に新しいのは、委員会報告もされましたが、京急線のはねぴょんラッピングであります。では、この次に何を考えるのか。では、各施設にある自動販売機にはねぴょんのラッピングをするとか、大田区の公園にあるはねぴょんのスイング遊具を増やすとかも考えてほしいと思います。  このスイング遊具に関して少し申し上げますと、大田区内の544ある公園の中で、スイング遊具がある公園が113公園181基あります。その中で、はねぴょんのスイング遊具が設置されている公園は29公園31基であります。今後、新たにスイング遊具を設置するとか改修するようなときは、ぜひはねぴょんの広報周知の観点から、公園を管理する都市基盤との連携でオーダーを入れてほしいと思います。現在、通常のスイング遊具と比べ、はねぴょんのスイング遊具は、設置費込みで20万円程度高くなります。都度注文していれば単体での製作になりますので、仕方がありません。このはねぴょんのスイング遊具の製作は区内業者さんに発注しているため、区内企業を応援する意味も含め、公園遊具の改修、整備をある程度計画的に数を決め、複数年契約で発注するような仕事創出の確約を値段に還元してもらうようなことは交渉できないものでしょうか。  逆に、今、はねぴょん遊具が少数であることをレア感として捉えて、健康ポイントアプリとの連携で、区民のまち歩きで、その公園に行ったらはねぴょんスタンプがゲットできるなど、健康政策部との連携も考えられます。  このような取組に併せ、各施設の紹介動画にもはねぴょんが登場しているのも拝見しました。観光が所管するのであれば、はねぴょんが大田区にどんどん出て、大田区を散歩する動画、広報としてもユニークおおたの中ではねぴょんにいろいろなチャレンジ動画を撮ってもらったり、話し出したらいろいろと、はねぴょん自体もですけれども、大田区をアピールする各部連携で取り組んでいけるようなことはたくさんあります。  そこで伺います。広報として、はねぴょんという公式キャラクターのアピールを活用した今後の大田区シティプロモーションをどのように考えていますか、広報としての見解をお聞かせください。  この広報についての質問もまだ入り口の質問であります。今後、調査、研究、検討を繰り返さなければならないというのは分かっております。一歩ずつ段階を踏んで、今後も提案と質問をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。  次に、子どもたちの遊び場について伺います。  この質問も何度も取り上げて訴えてまいりましたが、大田区に子どもたちの遊び場を増やしていく、いきたいと思っております。本来、子どもたちの遊び場というものは、自分が、自分たちが、遊びたいとき、遊びたい場所を探すことができる子どもを増やしていくことが望ましいわけです。私も本音ではそう思っております。しかし、現在の都心の住宅事情やまちの構成からすると、地方のような自然豊かな土地が多くあるわけではありませんので、区内の遊び場で重要な役割を担うのが公園や広場であります。  その公園や広場には制限もあります。ボール遊びは限られた施設に限定される。もちろん、ボール遊びだけが遊びではないことは当然ですけれども、例えば、公園や広場で野球少年がバットの素振りをする、サッカー少年がボールでリフティングをする。これは、バットを振る行為は危ないですから駄目ですし、リフティングはボールを使いますので制限が出てきます。以前、子どもと親が周りに気を配りながら家の前で素振りをしていたら警察官が来て、近隣から危ないという通報が入りましたので、やめてくださいと言われたとの話を聞きました。でも、これは公道でやっていることでありますので仕方ないことです。いいじゃないかと言うつもりはございません。であるならば、子どもたちが自由にいろいろなことができる遊び場をつくってあげたいと、いつも思っております。  教育では、放課後居場所づくりとしての小学校の校庭を利用した開放も始まり、遊び場としての役割も担っていただいております。しかし、今回着目したいのは、区のスポーツ施設や文化施設の、従来、区民が使用料を支払い利用している場所であります。現在、大田区では、地域の区民センターや文化センター、区民プラザ、池上会館、文化の森、大田区総合体育館、大森スポーツセンターなどの屋内施設、屋外運動施設では野球場、サッカー場、テニスコート、フットサル場、ビーチバレーボール場、多目的広場、グラウンドなどがあります。ここでは、屋外運動施設のキャンプ場を除いた施設が利用できる121面を例に出してお話をいたします。  施設の貸出枠数は平日約7万であります。利用枠数は約3万で、利用率は40%、休日の貸出枠数は約3万4000で、利用枠数は約3万で、利用率は90%であります。現在はコロナの影響を受けているでしょうから、平時のときには利用率は今よりも上がります。しかし、平日の利用率が低いわけですので、この枠を利用して子どもたちの遊び場を考えてはいけないでしょうか。例えば、午後3時から5時の2時間を子どもたちの遊び場開放することはできないでしょうか。平日の空いている枠は今でも使用料の収入はないわけですから、子どもたちが使うことに使用料を取らなくてもマイナスではないと思います。これには施設の準備や整備、そして周知などの経費は入れておりませんのでご了承ください。あわせて、屋内施設でのスポーツや文化的な遊び場もつくれるのではないでしょうか。  そこで伺います。子どもたちの教育、子育ての観点から、施設所管に対して無料開放で子どもたちの遊び場をつくることを考えていただきたい。施策としては大田区全部でやっていただきたいと思いますけれども、今はまずは決まった曜日、時間で無料開放の遊び場をつくる。まずは各地区で試験的に開設をしていただきたいと思いますが、教育委員会の見解をお聞かせください。  今後も、中高生ひろばやゆいっつなどで推進している居場所づくりとしての取組も大田区の子どもたちを育てる大事な施策でありますので、関係各部の連携にて進めていただきたいことを要望しておきます。  今回の質問では、全庁連携や各部連携と何度も申し上げてきました。それは現在ができていないということではなく、もっと深く、もっと広く、新たな連携もできるのではないかとの思いで伺いました。今後の連携強化と推進に期待をしております。  そして、組織と併せて重要なのが職員力であります。どんなに組織を改革しても、その機能を発揮させるもさせないも、最後は職員次第であります。さらに申せば、1人での仕事には限界もあるので、チームワーク、連携といった職員同士の緊密なつながりがあってこそ、組織としての本来の機能を発揮することが可能となります。これまで区は、組織は人なり、職員は宝といった答弁を幾度となく繰り返してきたわけですし、その職員力を高めるためには、将来を見据えた戦力的な人材育成の方針と、計画的で具体性を持った実行プランが必要であり、そして、その検証も重要となります。全体に対する集合研修から、職員一人ひとりに対してきめ細かい育成プランを提供する個人研修レベルまで、いろいろな角度で制度設計の確立が今こそ求められます。こうした制度の下で研修が実施されることにより、職員力が高まり、施策立案をして実行できる職員を増やすことが重要であり、各種事業の展開を下支えする最重要な屋台骨になるのではないでしょうか。  このような視点で見たとき、この間、松原区政における人材育成はどのように重要な課題として捉え、取り組まれてきましたでしょうか。生意気な言い方をして申し訳ございませんが、残念ながら、最近、様々な事案を通して職員力の低下を感じざるを得ない場面も少なからず見られます。議会と行政は両輪であると、よく言われます。でも、組織と職員力もまさに車の両輪と同じであり、どちらかが欠けても区政は進みません。区政の停滞は、最終的には区民にしわ寄せが来るのです。本日は時間の関係でこれ以上は申しませんが、住民生活に一番身近な行政である区政が持続可能なものとなるため、ポストコロナを見据えた組織改革と戦略的で計画的な人材育成の実施は区政の喫緊の課題であり、いま一度申し上げますが、組織と人材育成は区政運営における最重要課題であります。このことを改めて区としてご認識いただき、今後の取組を進めていただきますよう強く要望して、質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○塩野目 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎市野 企画経営部長 私からは、企画経営部所管の3問のご質問にお答えをいたします。  まず、施策の充実に向けた区の組織の在り方についてのご質問ですが、区は、現在策定中の令和3年度版新おおた重点プログラムにおきまして、区民の生命、財産を守ることを最優先課題として、各施策の推進・強化を図ってございます。具体的には、計画の六つの柱である各施策を着実かつ強力に推進するとともに、実施体制の整備を進めてまいります。また、ポストコロナの社会におきましては、デジタル化の推進など社会構造の変化が進んでいくことが想定され、これまで以上に各部局の緊密な連携が効果的な施策推進につながるものと認識をしてございます。産業施策と観光施策においては、日本有数の集積を誇る町工場や商店街、銭湯などの地域産業を来訪者に楽しんでいただくマイクロツーリズムの実践が、地域産業の活性化や魅力あるまちの形成につながり、区民が愛着と誇りを持てるまちづくりに発展するものと捉えております。また、スポーツ施策においては、スポーツ施設の利活用による健康増進、スポーツを通じた共生社会の推進など、各部局連携による施策の充実が今後さらに重要になると考えております。今後も、ポストコロナにおける社会情勢の変化に適切に対応し、区民サービスの向上に資する施策を効果的に推進するための組織の整備に努めてまいります。  続きまして、シティプロモーションサイト「ユニークおおた」に関するご質問ですが、区では、区の認知度向上、区民のシビックプライドの醸成などを目的に、区が持つ多様な魅力や地域資源の情報を、多様なメディアを活用し、戦略的に発信しております。サイトでは、行政が関係する事業のみならず、区の魅力に関する情報であれば、事業者、団体などが実施する事業の情報についても発信しております。また、そのバナーから閲覧できるページ内には関連した情報のリンクを掲載しており、関係部局のデジタルコンテンツへアクセスを促すなど、相乗効果が図れるような仕組みづくりを進めております。来年度は、アクションプラン第1期の後継プランの策定を計画しており、より戦略的かつ効果的に区の多様な魅力を発信するため、区一丸となってシティプロモーションの取組を一層推進していく必要があると認識をしております。そのため、関係部局をはじめ、事業者、団体などとも情報共有を図る体制を整え、シティプロモーション推進のさらなる連携強化に取り組んでまいります。今後も、大田区ならではの多様な魅力を集約し、より効果的、効率的に情報発信を行ってまいります。  最後に、はねぴょんを活用したシティプロモーションに関するご質問でございますが、地域の象徴を親しみやすくデザインされたご当地キャラクターは、子どもから高齢者まで幅広い層に愛着を持っていただけることに加え、区内外の方に向け、区の魅力を効果的にアピールすることが可能となります。さらに、地域の特色を活かした商業製品や工業製品などとコラボレーションし、オリジナルグッズとして販売することによりまして、産業振興や観光振興における経済効果が期待されるなど、地域の活性化におきまして大きな役割を担っていると認識をしてございます。区の公式PRキャラクター、観光PR特使であるはねぴょんは、地域愛に満ちあふれたメッセージ性を持ち、これまでも区報をはじめとする様々な広報媒体に登場し、区のイメージや事業などをアピールしてまいりました。また、ツイッターでの発信、オリジナルグッズ販売、健康ポイントアプリ、公園遊具、ラッピング電車など、多方面にわたって活躍をしているところであります。  このように、はねぴょんを通じ、行政はもとより、地域の皆様や民間企業など関係する方々がまちの魅力を再認識し、共通認識の下で情報発信をしていくことは、シビックプライドの醸成や認知度向上などを目的とするシティプロモーションの取組に相乗的な効果をもたらすものと考えてございます。今後は、引き続き、はねぴょんやユニークおおたのロゴマークなどを活用し、大田の魅力や地域資源を区内外の方たちに分かりやすく情報発信するとともに、多様な主体が連携して新たなアピール方法を生み出せる体制づくりを進めてまいります。私からは以上でございます。 ◎玉川 教育総務部長 私からは、子どもたちの遊び場の確保に関するご質問にお答えいたします。  子どもたちの遊び場の確保につきましては、教育委員会といたしましても大変重要であると考えております。令和元年度に策定いたしましたおおた教育ビジョンにおきましては、「知・徳・体」の調和のとれた成長を図り、豊かな人間性を涵養することをビジョンの一つに掲げております。特に「体」につきましては、体力の向上と健康の増進を重点的に進め、生涯にわたってたくましく生きるための体力の向上に積極的に取り組んでおります。また、このコロナ禍におきましても、各学校にて体育の授業の充実や外遊びの励行、校庭開放等を行い、子どもたちの体力維持及び心身のストレス軽減等に取り組んでまいりました。  各施設の有効利用につきましては、子どもたちが自由に遊べる場の広がりが体力向上や健康増進につながり、他の学年の子どもたちとも交流を図れるというメリットがございます。一方、各施設への行き帰りにおける交通安全の確保に配慮する必要がございます。教育委員会といたしましては、今後、区の組織力、そして職員力をこれまで以上に活かしまして、各施設を所管する部局とも連携し、子どもたちの遊び場の確保に向けて検討してまいります。以上でございます。 ○塩野目 議長 次に、49番荻野 稔議員。                  〔49番荻野 稔議員登壇〕(拍手) ◆49番(荻野稔 議員) 東京政策フォーラムの荻野 稔です。  まず、産業経済について質問させていただきます。  羽田イノベーションシティの一部が昨年7月に先行オープンいたしました。コロナ禍という大変な状況の中、当初の予定に比べて企業の出展なども苦戦をされているとも聞いておりますが、大変ご努力をされ運営していただいていると聞き及んでいます。羽田イノベーションシティは、早期の社会実装が見込まれる官民協働の事業として、国土交通省のスマートシティモデルプロジェクトの令和2年度先行モデルプロジェクト7事業に選ばれました。国土交通省のホームページでは、取組の概要として、「空港跡地のグリーンフィールドである街全体を対象として、BIMを活用したデータの統合・可視化・分析が可能な『空間情報データ連携基盤』を整備し、先端的技術の協調領域とすることで、実証的取組に適したテストベッドを形成し、大田区の課題解決に資する取組みを展開し、早期のサービス実装を目指す」。令和2年度は、「@最先端モビリティの導入、統合管制実証、A最先端ロボットの導入、統合管制、ロボットと建物機能との連携によるサービス高度化実証、BAI観光案内ロボットと空間情報連携基盤の連携、アバターロボットによる観光客誘客、データ活用エリアマネジメント実証に取り組む」とあります。  昨年、今後の見通しが発表されておりましたが、2020年開業予定の施設、また2022年開業予定のエリアの準備は計画どおり進んでいるかについて、懸念を持つ区民の方もいると思います。特に、大田区の活用する区画についての進捗について確認いたします。  また、交流施設として、羽田空港に隣接するエリアを活かして、ポストコロナの国際人流の回復に向けて、日本文化やアート、電子やVRなど先端技術を用いた文化体験施設、交流施設を活用して誘客につなげていくことが、地域社会、経済にとっても重要と考えます。VRについては、ニュースにもなりましたが、コロナ禍で開催できないさっぽろ雪まつりや成人式が、仮想現実であるVR上で開催されることなどが取り上げられました。大田区でもバーチャル美術館「ユニークおおたバーチャルミュージアム」の開業が発表されました。
     羽田空港を抱える大田区は日本の玄関でありますが、VR、仮想現実の世界への入り口、玄関としても活躍してほしいと思っております。最先端の交流技術、電子技術の活用についての見解を伺います。  続きまして、教育について伺います。  新型コロナウイルス感染症拡大の下で、子どもを取り巻く環境が大きく変化しています。文部科学省が2月15日に明らかにした結果によりますと、2020年の全国の小中学生と高校生の自殺者数は、前年比140人、41.3%増の479人、これは暫定値です。となり、過去最多を更新しました。その内訳を見ますと、校種別では、小学生14人、前年比8人増、中学生136人、同40人増、高校生329人、同92人増、高校生では特に女子が前年の約2倍の138人と急増し、月別で見ると、8月が前年比35人増の64人で最も多く、例年、夏休み明け前後は子どもの自殺が増えるという統計データがありますが、昨年はコロナ禍による休校があり、学習の遅れを取り戻すために夏休みを縮め、8月中に授業を再開する地域が多かったことが影響したと見られています。学校が本格的に再開された6月以降は、毎月、自殺者が前年を大きく上回る状況が続いているとのことで、様々な要因が子どもへの負担となっている。また、コロナ禍で家庭訪問などの連絡が取りにくく、虐待など家庭内での課題の早期発見が難しい面もあるでしょう。  また、国立成育医療研究センターの調査では、高校生の30%、中学生の24%、小学生の15%に中等度以上のうつ症状があるとの結果も出ており、外出自粛や感染症対策で病気や事故の死亡者が減る一方、メンタルに不調を抱える方が増えていることが明らかになりました。同様の調査で、保護者の約3600人への調査では、29%にうつ症状が確認されました。保護者の状態は子どもにも大きく影響します。  自殺対策基本法が改正された中で、子どもの生きる力の総合的な支援として、教育の面でもSOSの出し方などを指導しています。学校では、子どもをめぐる環境、子どもの変化を早期に発見し対策をする、そうしたことを先生個人の属人的な力量に任せるのではなく、システム的に対応していくことが大切です。区内の小中学校では、メンタルヘルス、子ども個人の抱える不安や悩みを調査する学校生活調査と、学級ごとに子どもたちのクラスでの満足度、意欲などを調査する学級集団調査を行っていると聞いています。こうした調査について、学校ごとに把握をしていると聞いていますが、教育委員会として把握をし、学校、大田区内の全体的な課題共有、対策に役立てている面は薄いとも聞いています。こうした情報はしっかりと役立てていくべきではないでしょうか。  大田区として、新型コロナウイルス感染症拡大下での子どもの健康、メンタル面での課題の把握と対策について見解をお示しください。  以上で質問を終わります。ありがとうございます。(拍手) ○塩野目 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎山田 産業経済部長 私からは、羽田イノベーションシティに関する二つのご質問につきましてお答えさせていただきます。  まず、コロナ禍における羽田イノベーションシティの企業参入状況についてのご質問でございます。新型コロナウイルス感染症の影響により、選定した企業が辞退するなど厳しい局面もございましたが、昨年7月のまち開き以降、メディアで取り上げられたり、誘致活動を一層強化したことなどから、区外の企業を中心にお問合せ、内覧などが大変多くなっております。現在、コロナ禍にありますけれども、全17区画中、5事業者8区画の入居が決まっております。このほか、現在も入居に向けて協議している企業が複数あるなど、コロナ禍の厳しい不動産市況の中にあっても確かな手応えを感じております。この先も、ハネダピオが有する優れたポテンシャルをしっかりとPRし、活かしていくことで誘致活動に引き続き取り組むとともに、最新の入居状況などは、これまでどおり適宜所管委員会に報告してまいります。  次に、先端技術を活用した羽田イノベーションシティの活用についてのご質問でございます。一例でございますが、区は、昨年12月、アバターロボット分野で先駆的な取組を行い、多方面から注目されているアバターイン株式会社との間で、デジタルトランスフォーメーションの推進に関する連携基本協定を締結いたしました。同社が技術開発している遠隔操作ロボットを活用することで、例えば、自宅から会議や展示会場などへの移動に伴う時間が一切かからずに一瞬にして参加することができ、かつ、現地でもパソコンのリモート会議と異なり自由に動くことができます。また、外出困難な障がい者の方々の就労への支援など、地域が抱える様々な社会課題の解決につながることが期待されます。  今後、羽田イノベーションシティをこうした先端技術の実証実験の場として積極的に活用していくことは、この地が、国が進めるスマートシティモデルの先行モデルプロジェクトに選定されていることにも大きく関わっております。区は、この地での先端的な取組の成果を区内産業と様々な角度から結びつけ、地域経済の発展につなげていくことができるよう、今後もしっかりと取組を進めてまいります。私から以上でございます。 ◎玉川 教育総務部長 私からは、子どものメンタル面での課題の把握と対策についてのご質問にお答えいたします。  学校では、子どもたちのメンタル面の状況把握のために、学校生活調査や学級集団調査を実施しております。学校生活調査では、頭痛、腹痛、だるさなどの身体反応や、抑うつ、不安、無力感などのストレス症状が見られた子どもに対し、担任教員が面談を行います。ストレスの原因が複雑なケースについては、スクールカウンセラーが子どもと改めて面談を行いまして、心理的ストレスや不安などを解消しております。さらに、職員会議などで子どもの情報を教員間で共有し、組織的に取り組むとともに、必要に応じて保護者との面談や関係機関との連携を図っております。また、学級集団調査では、子どもの学校生活における満足度や意欲を把握することにより、集団の中で個人の居場所がどこにあるのかを知ることができることから、子ども一人ひとりのメンタル面の不調や、深刻化する前の心の状態の早期発見に役立てております。コロナ禍で子どもたちが不安や悩みを抱えやすい状況が続いており、一人ひとりの心の状態に応じた組織的なサポートは重要です。今後とも、子どもたちの心のケアについては、学校、保護者、地域、関係機関と連携して対応するなど、組織的に対策を講じてまいります。以上でございます。 ○塩野目 議長 次に、30番黒沼良光議員。                  〔30番黒沼良光議員登壇〕(拍手) ◆30番(黒沼良光 議員) 日本共産党大田区議団の黒沼良光です。一般質問を行います。  まず、大田区政のデジタル化についてです。  松原区長は、予算案発表の挨拶でも、「利便性の向上と感染症拡大防止のためのデジタル化推進に力を注いでまいります」と、感染拡大防止をデジタル化で解決できるかのように述べています。これは、日本の財界と菅政権が述べている、技術革新によってバラ色の未来が待っているという生産手段の発展のみ一面的に描き出し、コロナ禍をもデジタル化で乗り切れるかのように言いながら、真の狙いは、マイナンバーを用いたデジタル化で個人データの管理を強め、社会保障の削減をし、財界の巨大な利益を上げようとする狙いに菅政権が応えるものです。大田区の予算も政府と同様に組み立てられていると言えます。  それは、菅政権が今国会で成立させようとしているデジタル関連6法案の中で大きいのは、個人情報保護法を改変しようとしていることです。これまで個人情報保護法と行政機関の個人情報保護に関する法律、独立行政法人保有の個人情報保護に関する法律の三つに分かれていますが、統合が狙われています。マイナンバーを基軸にあらゆる個人情報が統合されようとしています。今は、個人情報は国、地方公共団体、医療機関などが分離管理されていますが、個人情報が集約されれば、行政機関があらゆる個人情報にアクセスできるようになる可能性があります。現在、行政が保有する個人情報は、国の個人情報保護法と地方公共団体の個人情報保護条例の二重構造で保護されています。今回は、これを統一化、標準化して、情報管理システムも統一化しようとするものです。  私たち国民は、個人情報を把握されている、行動を監視されていると感じれば、自由な発言や調査研究をすることができなくなります。ひいては自由な議論を前提とする民主主義も破壊されかねません。しかし、これだけを押し出すと国民の合意が得にくいので、持続可能な地域や都市をつくる、環境や貧困、医療、福祉の持続のためのSDGsと言って正当化を図ろうとするものです。しかし、SDGsの17番目が官民連携です。環境破壊や貧困を引き起こした張本人の多国籍企業がパートナーシップとすることで正体が見えてきます。今回のように、資本主義的に使用されると技術革新の成果が財界に所有され、悪用され、正反対に人間に悪影響を及ぼすことになります。  大田区の今年度の予算編成の重点課題の一つに「『新たな日常』を意識したデジタル化の一層の推進」とあります。新型コロナウイルス感染拡大の危機を克服した先にどういう日本をつくるかは、こうした財界の求めるデジタル化により、社会保障を切り捨て、自己責任を押しつけてきた新自由主義を終わりにして、人々が支え合う社会、連帯を大切にする社会をつくることだと考えます。特に、第一の教訓として、ケアに手厚い社会をつくることです。コロナは社会保障体制の脆弱さを浮き彫りにしました。歴代政権が医療、公衆衛生、介護、障害福祉、保育などの分野で人手不足の慢性化に見られるように、ケア労働を粗末にしてきました。こうしたことで、危機が起これば今回の縮小してきた保健所体制のように崩壊寸前になるのは当然です。  そこでお聞きします。コロナ禍の最大の教訓は、非常時に対応できる余力と備えを基本とする、人間が生きていくのに必要な制度は常時備えるケアに強い社会ではないでしょうか。デジタル化はその手段にすべきです。お答えください。  行政のデジタル化の問題点は何でしょうか。一つは、多様で多面的な区民のニーズに応えられないということです。まず、高齢者や障がい者など利用できない困難な環境や条件にある人は置いてきぼりになります。政府はサポートセンターなどでデジタルを習熟せよと求めるだけです。また、マイナンバーカードを使用しない人も排除されます。  二つ目は、2025年までにシステムの統一・標準化を目指すと言っていますが、システムの統一で自治体クラウドを使用することになり、区独自のシステムのカスタマイズはできなくなります。次のような例があります。ひとり親家庭は粗大ごみの手数料免除の対象ですが、東京都環境公社の共通システムでは、手数料減免申請をインターネットでは申込みができず、電話による申込みしかできないシステムになっています。これが本当に通じないのです。諦めさせてしまいかねません。不便極まりない制度です。まさにデジタル化の全国統一は、こういう例がたくさん生まれる危険が出てきます。  そこで質問します。こういう人の救済策こそが必要です。お答えください。  三つ目は、ICT化する業務が増えれば関連予算が増加するのは当然のことです。GIGAスクール政策で区が目玉の一つにしている(仮称)ICT教育推進専門員の新規配置予算765万2000円などはその典型です。社会保障、税、災害対策の3分野は現在分散して管理されていますが、分散管理による安全性を揺るがしかねません。このように個人情報漏れの危険も増大します。利便性の高さはセキュリティレベルの低さと表裏一体なんです。ドコモ口座の不正引き出しであらわになりました。  大田区のデジタル化は、手続きの便利さだけを強調し、真の目的を隠す菅政権の言いなりになるのではなく、自治体の本来の役割を果たすことです。それには、地方自治法第1条の住民の福祉の向上、憲法15条の公務員は全体の奉仕者であるという2点をしっかり位置づけた区政です。我が党は、この二つの立場から、地方政治を住民が主人公と位置づけ、住民、大田区では区民ですが、区民の利益への奉仕を最優先の課題とすることを求めています。デジタル化では、手続きの便利さだけでなく、原則は全体の奉仕者として、区職員と区民との対応と相談は対面原則にすべきです。コンビニやスマホ原則では全体の奉仕者の役割も果たせず、区民と直接接触しないで福祉の増進もありません。技術の進歩は、本来ならば働く人の負担を軽減しながら、生産力を上げ、人間社会を発展させる条件を築いていく積極的な意味を持っています。デジタル化で残業をなくし、労働時間を一気に短縮することにより、区民サービスをよりよいものにする方向こそ求められます。  そこでお聞きします。行政サービスは対面サービスを基本に区民の相談にも乗れるようにし、そのために職員の労働軽減にもなり、利便性を追求する手段として誰でも区政を活用できるようにデジタルを活用すべきです。お答えください。  次に、産業政策について質問します。  東京商工リサーチによると、負債1000万円未満の2020年の倒産は630件と、前年に比べ23%増加し、2000年以降で最高となりました。消費税増税とコロナ禍による個人消費の低迷が直撃していることは明らかです。倒産の原因は「販売不振」が7割以上を占めます。「運転資金の欠乏」も昨年に比べ30.7%増えました。零細企業には資金繰り支援などの支援が十分届かなかったと見られます。  一方、資本金10億円以上の大企業の内部留保は2019年度の459億円と、2018年度から10億円も増え、過去最高を更新しました。大手電機各社は黒字でもリストラを強行し、内部留保を積み増ししました。財務大臣は「もう少し給与に回ってしかるべきではないか」と述べるほどです。  ところが、今、国会で審議されている来年度予算案で、産業経済関係は、先端半導体の製造基盤強化、ポスト5Gの開発、AI開発、自動走行、ロボットなど、特定の大企業に役立つ開発を推進しながら、中小企業の再編、淘汰に踏み出す構えです。合併・買収のM&Aを一層重視した事業承継の総合的な支援に95億円を盛り込みながら、設備投資を支援するものづくり補助金は昨年度とほぼ同額の10.4億円しか計上していません。地方公共団体による小規模事業者支援推進事業は減額という冷たさです。  菅政権の下で改組された成長戦略会議に、「日本の生産性が低いのは中小企業が多過ぎるからだ」を持論とするデービッド・アトキンソン氏が有識者として意見を表明しましたが、その意向を酌んだ予算となっています。生産性のない中小企業が日本経済の成長を止めている原因で、淘汰以外にないというのは間違いです。名古屋経済大学教授など歴任した坂本雅子氏が、製造業の海外移転と海外生産のみの拡大が日本経済に大きなダメージを与えてきたのであって、中小企業が生産性がないということではなく、これらの意味するところは産業空洞化の進行です。産業空洞化とは、直接投資を通じて生産部門が海外に移転し、国内の製造業部門が縮小・弱体化することであるが、それに加えて、雇用機会の減少、技術水準、イノベーションの停滞・低下をもたらしたが、これを政府と財界は中小企業のせいにするのです。こうして政府が進めるのは、ただイノベーション構想とデジタル化です。大田区も従っています。その典型が羽田イノベーションシティ構想だと言わなければなりません。空洞化促進政策と言えます。これを進めることは、大田区の産業がますます空洞化することになります。  そこでお聞きします。2020年7月、大田区のものづくり産業等実態調査によると、「廃業」20.4%、「承継考えていない」34%です。合わせて54.4%です。このままでは大田区のものづくりが消えていくと見られます。大田区は、種々やっている、小規模基本法も先んじて行ってきたので改めてやることはないと、これまで答弁してきましたが、政策が不十分と言わざるを得ません。お認めになるでしょうか、お答えください。  次に、提案です。施策を生み出すには、大田区が事実上捨て去った貴重な政策があります。実は1995年(平成7年)の大田区産業ビジョン「OTA戦略」にいま一度立ち戻ることが重要です。OTAビジョンには、昨今、産業のソフトの側面だけ重視され、ものづくりの実際面が軽視される傾向が見られるとして、産業集積の機能の重要さを改めて強調しています。大事なのは、大田区の産業が系列などにとらわれることなく、自由に仕事を受注し、仲間回しと呼ばれる連携生産で注文をこなしてきた歴史を持っています。これは、技術の水準は高いが単機能生産しか持ち得ていないにもかかわらず、大田区全体が一つの工場を形成していると言ってよく、これをあたかも公共財と位置づけ、21世紀の産業集積都市を目指すとしていましたが、最近はこうした立場を捨てて、IoT推進とグローバル企業中心の羽田イノベーション構想を進めてきたことが、仲間回し育成できなかったと見ざるを得ません。  そこでお聞きします。これからは中小企業を守り発展させ、雇用を改善し、国内需要に応えられる大田区の発展を目指すべきです。そのためにも、技術の水準は高いが単機能生産しか持ち得ていないにもかかわらず、大田区全体が一つの工場を形成しているという母工場都市機能として大田区が位置づけ、後継者育成、自然エネルギー再生分野、障がい者などの福祉の分野や農業分野、災害分野への取組に転換すべきです。お答えください。以上です。(拍手) ○塩野目 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎市野 企画経営部長 私からは、デジタル化に関する3問の質問にお答えをさせていただきます。  まず、非常時に対応できる強い社会づくりに関するご質問でございますが、非常時に喫緊の課題に対応するためには、限りある行政資源を効果的、効率的に投じることが重要でございます。いわゆるデジタルトランスフォーメーションによる行政手続きのオンライン化や、行政サービスをデジタルで完結させる取組は、区民の利便性の向上にとどまらず、行政の業務効率化が図られることにより、新たな行政資源を生み出すことにつながります。こうして生み出された行政資源は、災害などの非常時の対応も含めた、さらなる行政サービスの向上に資するものとなると考えてございます。区といたしましては、(仮称)大田区情報化推進計画を策定し、新型コロナウイルスとの共存を前提とした新たな日常を踏まえながら、区民生活に寄与するデジタル化に引き続き積極的に取り組んでまいります。  続きまして、デジタル技術の利用が困難な環境にある方への対応などに関するご質問でございますが、国は、令和2年12月に示した将来像「デジタルの活用により、誰一人取り残さない、人に優しいデジタル化」に向けて、行政サービスの利便性向上のため、地域社会のデジタル化、デジタルデバイドに取り組むとしております。こうした国の動きや社会的背景を踏まえ、現在策定を進めております(仮称)大田区情報化推進計画において、区民のICT活用の支援を主要な取組の一つとして位置づけてございます。具体的には、情報通信機器の活用について基礎から学ぶ区民向け講座の開催により、デジタルデバイドの解消を進めてまいります。また、窓口におきましては、聴覚障がいのある方のための遠隔通訳サービスや外国人向けに多言語通訳サービスの提供など、窓口サービスの拡充を図ってまいります。区は、これまで行ってきた紙媒体による積極的な情報発信や、対面による窓口サービスの向上はもとより、ICT機器を活用することで、いつでも、どこでも、誰でも気軽に利用できる区民サービスを引き続き展開してまいります。  なお、国が進める自治体のシステム標準化・共通化につきましては、区民サービスの維持向上の観点を踏まえ、適切に対応してまいります。  最後に、デジタルの活用に関するご質問でございますが、新型コロナウイルス感染症との共存を前提とした新たな日常において、非接触化など、安全かつ利便性の高い人に優しいデジタル技術の導入は必要であると考えてございます。区が進める情報化推進の視点には、区民ニーズに即した行政サービスの提供、ICT活用による職員能力の最大化を掲げており、既存の窓口業務においても、区民一人ひとりのニーズに合わせた対面でのきめ細やかな配慮に加え、ICT機器を活用することで迅速かつ効果的な行政サービスを提供することが可能になります。特に、RPAを活用した業務の自動処理化については、実証実験の結果、大幅な省力効果が図られており、職員の貴重なマンパワーを新たな課題へ振り向けることで、さらなる区民サービスの向上につながってございます。区は、デジタル社会の実現を通じて、区民の多様なニーズに対し、区民に寄り添った行政サービスを展開することで、誰一人取り残すことのない地域社会の実現を目指してまいります。私からは以上でございます。 ◎山田 産業経済部長 私からは、産業経済に関する二つのご質問についてお答えさせていただきます。  まず、区の産業政策についてのご質問でございますが、中小企業政策を取り巻く社会変化と政策的対応について、国は、足元で進みつつある社会変化といたしまして、少子高齢化と人口減少、雇用システムの変革、テクノロジーの進化の三つを挙げてございます。また、中小企業の現状として、大企業と中小企業の生産性格差は拡大傾向にあること、さらには生産性の低迷や企業年齢が若いほど成長率が高いことなどを示しております。  こうした中、産業のまち大田におきまして、その担い手である中小企業がアフターコロナにおいても持続可能な発展を遂げられるように、また、各事業者の声に的確に対応できるように、区は産業振興協会と緊密に連携して様々な角度から重点的かつ効果的な取組を展開してまいりました。さらに、今般開設しました羽田イノベーションシティにおけるハネダピオの機能を活用していくことで、これまで実現できなかった新たな支援策の提供や受発注環境の一層の拡充など、さらなる産業政策の強化を図ることが可能となります。区は引き続き、区内企業に寄り添いながら産業のまち大田の発展に取り組んでまいります。  次に、区内企業の生産性、取組分野に関するご質問でございます。大半が中小企業である本区のものづくり産業の実態を踏まえますと、企業間連携を一層進め、生産効率性を高めていくことは大変重要な産業課題と認識しており、区はこれまで、区産業振興協会との役割分担の下、国や東京都などとも緊密に連携しながら様々な施策を展開してまいりました。一般的に企業は、社会的ニーズや世の中の潮流を捉え、継続的かつ計画的な経営判断の下に参入分野を見極めております。独立した経済的団体である企業が、ポストコロナ、ウィズコロナ時代の経済社会の変化に対応していくためには、企業が取り組む事業再構築を支援していくことが、これからの産業政策においては重要課題の一つと考えてございます。  国においては、今般、中小企業等事業再構築促進事業が予算化され、新分野展開や業態転換を目指す企業等に対して新たなメニューが用意をされました。これは、まさに羽田イノベーションシティにおいて、新たな産業創造と発信に向けて取り組んでいる本区の経済政策が先駆的であることの証だとも考えております。区は引き続き、企業の独自性を尊重しながら、区内産業の発展とその先にある持続可能な地域社会の実現に向けて取り組んでまいります。私からは以上でございます。 ○塩野目 議長 会議が長くなりましたので、しばらく休憩といたします。                      午後2時33分休憩                ――――――――――――――――――――                      午後2時55分開議 ○塩野目 議長 休憩前に引き続き会議を開きます。  この際、会議時間を延長しておきます。  質問を続けます。46番平野春望議員。                  〔46番平野春望議員登壇〕(拍手) ◆46番(平野春望 議員) エールおおた区議団、平野春望です。  今日は障がい者の雇用や就労について質問したいと思います。内閣府の「障害者白書」によれば、日本における障がいを持つ人の数は1035万人ほどで、単純計算で見れば、その数字は国民の7.6%に当たります。つまり、13人に1人が何らかの障害を持っていることになります。意外と大きな比率であると驚く方もいるでしょう。  厚生労働省の発表によると、2020年6月1日の時点で、民間企業で働く障がい者の数は57万8292人、前年から3.2%の増加で、17年連続過去最多です。対象企業の従業員に占める割合である雇用率も2.15%で、過去最高を更新しています。一方で、障害者雇用促進法に基づく法定雇用率の2.2%には届いていないという現実もあります。この法定雇用率を達成した企業は、全体の48.6%に当たる4万9956社です。公的機関では、都道府県は雇用率が前年の0.12ポイント上昇の2.73%、市町村が横ばいの2.41%でした。令和3年3月より、民間の法定雇用率は2.3%に、国と自治体が2.6%に引上げになると聞いております。  質問します。区として障がい者雇用に力を入れていると認識をしていますが、大田区職員もその数値を超える目標を設定しているのか、現状の実雇用率とともに、来年に向けての採用予定人数をお答えください。  次に、令和3年度から新しく始まる障がいのある人を対象とした会計年度任用職員(オフィス・サポーター)についてですが、今回4名募集されており、A職は1日6時間、週5日の週30時間勤務、B職は1日6時間、週4日の週24時間勤務と聞いております。様々な障がいのある人にとって、多様な勤務形態を用意することは重要だと思います。ただ、任用期間が次の年度の職の採用選考に4回を限度に申し込むことができますとあります。その後の公募に申し込むことを妨げるものではないともありますが、せっかく仕事に慣れてきて5年働いた人が、職場で働けなくなるのではないかという一抹の不安も感じます。初めての制度ですので、様子を見ながら、働く人が継続して仕事が続けられるように柔軟な運用を求めます。  質問します。大田区として、この制度を導入した狙い、今後の課題、また区職員の障がい者雇用の今後の展望について、区のご見解をお示しください。  私も採用の現場の話を聞く中で、法定雇用率を達成するためには様々な問題があると聞いております。現場のご苦労があるかとは思いますが、様々な知恵を出していただき、多くの方が働ける環境をつくるために、ぜひ数値目標達成のために奮励努力していただきたいと要望いたします。  先日、大田区にある志茂田福祉センターに行って、毎週水曜日に売っているパンを買って、就労継続支援B型の施設を見学させていただきました。区内企業などから仕事を受注している話を聞きましたが、現在はコロナのために作業が減っているということでした。高知県には、長年障がい者の就労支援をしているNPO法人ワークスみらい高知代表の竹村利通さんという方がいらっしゃいます。日本の障がい者がきちんと働いて納税できる、そんな社会にしたいと奮闘されています。障がい者が働くカフェは、今では高知の再生に大きく貢献をしています。  この竹村さんは、ある講演でこんな話をしていました。「皆様は障がい者雇用の現実をご存じでしょうか。多い人でたかだか10万円、でも、それは就労継続支援A型事業所に勤めている約5万人の話です。ほとんどの人は就労継続支援B型事業所に通っていて、こちらは月額1万5295円しかもらっていないのです。約25万人がこのB型事業所に通っています。この障がい当事者は、月に1万5295円しか事業所にもらっていないのに、その10倍くらいの公費が国、自治体から作業所に支払われています」とおっしゃっていました。竹村さんは、こういった現状から、障がい者イコール低工賃を変える、一般就労、法定最低賃金にこだわる活動をされています。  私は、大田区の就労支援ネットワーク事業を高く評価しております。他区になく、むしろ全国にも名だたるネットワークだと聞いております。それを踏まえての提案です。ぜひ障がい者の一般就労を増やしていただきたいと思います。障がい者も一般の人と同じか、それに近しい給与をいかに得られるか、知恵を絞っていただきたいと思います。  質問します。コロナ禍で大田区の障がい者の一般就労の雇用はどうなっているのか、一般就労について把握している現状と課題をお答えください。  先ほどの高知のケーキ工房の例ですが、障がい者の能力を引き出すために環境改善に日々取り組んでいらっしゃいます。例えば、ホールケーキを切るときに10等分とか12等分をするのですが、障がい者はそれをうまく切れません。そのために、900万円の機械を導入して、ホール、10、トルテのボタンを押すと、きれいにカットしてくれます。また、精神障がいや発達障がいの方には、就労定着のために、伴走型で相談に乗りながら仕事をフォローしてくれる人、サポーターのような方がいると大分違うと聞いております。また、仕事もそれぞれの特性に合わせて得意なことをしてもらう。一つの仕事を細かく切り分けたり、適切な職場環境や休憩を取ってもらうことで働きやすくなると聞いております。現在の就労支援も大事ですが、IT、ロボティクス、仕事の切り分け、経験などから、そういったアドバイスを職場にできるサポーターなど、既存の仕事を障がい者にしてもらうのではなくて、仕事が続くように、仕事ができるように、どう環境を整えるかが必要ではないでしょうか。  昨年の10月になりますが、障がい者雇用の現場をスカイマーク株式会社のダイバーシティ推進グループにお伺いをして視察をさせていただきました。この部署で働いている障がい者は14人、サポートスタッフは5人。以前は各部署に配属されていましたが、途中退職される方もいて、勤務が長続きしないケースが多く、障がい者が一緒に働くチームが必要という話があり、ダイバーシティ推進チームが発足、現在この体制になって2年目です。うち4人のサポートスタッフは社内公募で、社内にノウハウがなかったので、研修に参加したり、現場でそういったノウハウを蓄積されています。なお、この部署が発足するまでに途中退職された方は精神障がいの方が多く、聴覚障がいの方も苦労していたそうです。  作業については、コロナ禍で仕事は減っていて、サポートスタッフは仕事の調整、開拓などをしながら、密にならないように各現場に行って作業することもあります。具体的な作業内容は、オフィスの業務は入力作業が多く、現場で紙に記載した給油実績をデータ入力する、資料をPDF化する、紙で折り紙のようにして乗客に配るチケットホルダーをつくって新千歳空港限定で配布などをしています。あとは各部署が出した書類をシュレッダーする業務、また郵便物を各部署に配る作業、本社オフィスの清掃も長年、障がい者スタッフが担っています。また、アンケートの入力作業もしており、速やかに社内共有するために内容のカテゴリー分けをしています。空港や機内などの苦情やお褒め、1日100件、3日で300件を超えることもあるそうです。  なお、この成果もあり、スカイマークは定時出発率3年連続日本一に加え、今回、航空会社で顧客満足度日本一になれたそうです。そして、コロナ禍で見送ってはいるものの、就労支援機関より就労実習者を受け入れ、お互いによければ採用していたり、就労学習目的の実習は区内の都立田園調布特別支援学校からも受け入れています。こういった区内企業の取組が障がい者が働く場所を増やしていただいていることについて、大変感謝をしております。  これを踏まえて質問します。区の就労支援事業でも、スカイマーク社のように障がい者の雇用をしている企業や、障がい者に対してサポートをしていると聞いております。区としてどのようなサポートをしているのか、お答えください。  また、就労に関して、大田区障がい者就労促進担当者会議があると聞いておりますが、情報共有をスムーズにするために、ざっくばらんな座談会、就労支援事業者と受入れ企業の気軽に話せる情報共有ができる場があると、よりよい連携が取れるというご意見がありました。今はコロナ禍ですので、オンライン会議などから始めてはいかがでしょうか。そういった座談会や、それに伴う情報共有の仕方について、障がいのある方が働きやすくなる、その環境を提供する事業者や受入れ企業が雇用を増やせる環境づくりについて、区のご見解をお聞かせください。  以上、障がい者の就労支援についての質問をさせていただきました。障がいをお持ちの方が働きやすい、そして尊厳を持って生きられる待遇や給与がもらえる社会、障がい者が誰かに支えられる社会から、自立できる、さらには誰かを支えられる社会を目指して、そしてそれは全ての人が働きやすい環境づくりということにもつながると考えます。令和3年度予算編成の重点課題にも「誰ひとり取り残さない包摂的な地域づくりの実現に向けた取組み」とあります。ぜひ障がいのある方の働く場所の環境を整えることを区に強く要望し、以上で質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○塩野目 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎後藤 総務部長 私からは、障がいのある職員の雇用に関する2問にお答えいたします。  初めに、区の雇用目標、実雇用率、来年度の採用予定人数についてのご質問ですが、障害者雇用促進法の一部改正を受け、区では今年度、大田区障がい者活躍推進計画を策定し、障がいのある職員の活躍の場を拡大する取組を推進しております。区の計画における5年後の目標雇用率は、法定雇用率を上回る3%と設定し、長期的な視点を持ち取り組んでまいります。  なお、今年度から一般職として整理された会計年度任用職員が法定雇用率の算定対象に含まれることとなったため、令和2年6月時点の区における障がい者の実雇用率は2.32%と法定雇用率を下回る状況となっております。このような状況から、これまで以上の取組が必要と考えており、来年度の障がい者を対象とする職員採用選考では、今年度と同規模の5名を採用するほか、新たに会計年度任用職員(オフィス・サポーター)を4名程度採用する予定でございます。  次に、オフィス・サポーターの導入の狙い、今後の課題についてのご質問ですが、直近5年間に区が採用した障がいのある職員の令和2年4月1日時点の職場定着率は86.7%となっており、1割強の方が離職されている状況にあります。離職理由は様々ですが、職場環境の問題やフルタイムでの勤務が難しいといった声がございます。こうした実態を踏まえ、区では、多様な働き方を提供するため、これまでのフルタイム勤務に加え、勤務時間が短い会計年度任用職員としてオフィス・サポーターを設置いたしました。また、オフィス・サポーターの専用の執務室を本庁舎内に設け、職務に集中できる職場環境を整えるとともに、新たに仕事の段取りなどの指導・助言を行う障がい者支援員を配置し、障害の特性に応じた支援を図ってまいります。今後、オフィス・サポーターとして働いた経験を活かして、特別区が実施する障害者採用選考への受験につなげたり、民間企業の常勤職員として活躍いただくことも期待しております。今後も、障がいのある職員の活躍を推進する環境づくりにより一層努めてまいります。私からは以上です。 ◎森岡 障がい者総合サポートセンター所長 私からは、コロナ禍における障がい者就労に関する2点のご質問にお答えいたします。  初めに、障がい者の一般就労の雇用状況についてのご質問です。令和2年6月時点で全国の民間企業に雇用されている障がい者数、実雇用率は、議員お話しのとおり、いずれも過去最高を記録しております。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の影響により、新規求人数、就職件数、就職率は前年同期と比べて減少傾向が続いており、本区の雇用状況も同様の傾向にあると考えております。また、コロナ禍における障がい者就労の課題といたしましては、就労に至るプロセスの変化などがございます。具体的には、職場実習の中止により企業と求職者双方のマッチングが難しくなることや、オンライン面接に対応できない方がいることなどが課題となっております。このほか、既に就労している方については、在宅勤務に伴い生活リズムを乱してしまうなどの影響もございました。これらの課題につきましては、関係機関と連携しながら、就労促進、就労定着に向けて支援してまいります。  次に、障がい者に対する就労支援についてのご質問です。就労支援においては、雇用する企業が本人の障害特性をよく理解し、業務に活かすことが大切です。区では、就労定着支援事業として、就労後も引き続き、企業が求める業務内容について、本人も交えて検討するほか、本人の職場に対する要望を企業担当者に伝えるといった支援を行っております。また、企業と就労支援事業所の情報交換の場として、就労促進懇談会を年1回開催しており、令和元年度は47社の企業が参加いたしました。懇談会では、気軽に交流できるよう休憩中にコーヒーブレイクの時間を設けるなどの工夫をしてございます。今年度は新型コロナウイルス感染症の影響により中止となりましたが、今後の情報交換の在り方については、オンライン開催も含めて検討してまいります。  令和3年3月からは障がい者の法定雇用率が引き上げられます。事業者に対して法定雇用率の達成を働きかけるとともに、障害の有無に関係なく、誰もが職業を通じた社会参加ができるよう、区内企業が障がい者雇用を進めやすい環境整備に取り組んでまいります。以上でございます。 ○塩野目 議長 次に、47番奈須利江議員。                  〔47番奈須利江議員登壇〕 ◆47番(奈須利江 議員) フェアな民主主義、奈須利江です。  新型コロナウイルスは1年の期限つきで指定感染症に指定され、エボラ出血熱、ペスト、ラッサ熱などより厳しい措置が可能になっていました。今回、感染症法や新型インフルエンザ等対策特別措置法などが改正され、指定感染症の指定が上限の2年に延長されただけでなく、今後は期限の定めなく必要な対策を講じられるようになりました。また、入院の拒否や濃厚接触者を特定するために保健所が行う疫学調査の拒否、緊急事態宣言下で都道府県知事からの営業時間の短縮の命令に応じない場合、過料という行政罰が科せられることになりました。私たちは今、感染防止策に協力すれば免疫ができる、弱毒化するなど、収まると信じて頑張っていますが、国の法改正は、この状況が恒久的に続くことを見越しているようです。  私は、早い段階から国連専門家の「国家は緊急対策の濫用で人権を抑圧してはならない」という声明を取り上げ、コロナを理由に過度な人権の制限にならないよう警鐘を鳴らしてきました。法改正に際して開かれた1月15日の厚生科学審議会の感染症部会に出された意見を見ても、必ずしも無条件でこの法改正が行われたわけでなかったことが分かります。  全国保健所長会は、新型コロナウイルス感染症を法律上、新型インフルエンザウイルス等感染症に位置づけることで、病原性、感染性の高いかなり恐怖を抱かせる疾患であるという概念が、一般市民の方々のみならず医療従事者にも誤解を募らせる懸念がある。特別な病気としたイメージが広がり、診療拒否や受診控えや地域医療体制のバランスを崩すことになりかねない。保健所は住民に寄り添い、住民の健康と命を守る使命を持って業務を行っているが、もし罰則を振りかざした脅しを行うことにより住民の私権を制限することになればアンビバレンスと言わざるを得ず、職員の気概も失われ、住民からの信頼関係を築くことは困難になり、住民目線の支援に支障をきたすおそれがある。感染症の拡大防止の効果につながるよう慎重に検討いただきたい。悪質で感染拡大に関わるような実害が及ぶ行為においては、感染症法を用いるのではなく、公務執行妨害や傷害罪という既存の別の法律で対応すべきではないかなどの意見を出しています。  新型コロナを法律上、新型インフルエンザウイルス等感染症に位置づけることで、病原性、感染性の高いかなり恐怖を抱かせる疾患であるという概念が、一般市民、医療従事者に誤解を募らせる懸念があるというのは、裏を返せば、実態より病原性、感染性が高いと印象づけられる懸念を指摘しているのだと思います。この印象は、法律上、新型インフルエンザウイルス等感染症に位置づけることに加えて、マスコミほか情報にもあると思います。特別な病気としたイメージが広がり、診療拒否や受診控えや地域医療体制のバランスを崩すことになりかねないという意見も重要で、今の医療現場における受診控えなどにより診療所の経営が厳しくなっていると聞いています。  WHOは、難民や避難民のためのパンデミック・インフルエンザに対する備えと緩和という文書で、医療資源の乏しいコミュニティにおいてソーシャルディスタンスを推奨しています。世界でも医療資源の豊かな日本で、医療資源の乏しいコミュニティに推奨されるソーシャルディスタンスを取ることや、マスコミ報道などで特別な病気としたイメージが広がったことによる診療拒否や受診控えなどが地域医療体制のバランスを崩し、逆に医療資源を乏しくすることになりつつあります。  ところが、こうした保健所の声はなかなか届かず、マスコミ報道やネットなどの情報が世論となり、多くの人が影響されて、根拠となる法などがないにもかかわらず、同調圧力などで結果として自己選択のない強制になる事例が目につきます。区民生活において、必要以上の自粛や、例えばマスクの着用などが行われ、生きる上で必要な人との対話やコミュニケーションをはじめ、基本的人権が失われるのは問題だと思います。  先日、大田区立小学校の就学前健診で、グループで健診を受ける際にマスクをつけずに入った方が注意され、歩いてポケットからマスクを出しながら進むと、先生がその方の後ろを歩いていた方たちを止めて、後ろの方に「前の方がマスクをしないと、ここから先へはご案内できません」というふうに言われたと聞きました。学校に確認中ですが、その方は、ご自身ではなく、後ろの方が止められて言われたことがショックだったそうです。私は、マスコミほかがつくり上げる空気感が法的根拠のない強制や状況を容認していることが、さらなる人権侵害につながるのではないかと恐れています。  ところが、行政内部でもそうしたことの積み重ねによる空気がどんどんと広がっているようなのです。補正予算にも当初予算にもワクチンの予算が計上されています。接種を望む方もいれば、どうしようか悩んでいる方もいると思います。ワクチン接種に法的強制はなく任意で、保健所にもそのように確認しています。  そこで伺います。大田区として、ワクチン接種は強制ではないことを含め、コロナ感染防止策において正確な情報を伝えるべきだと思いますが、いかがですか。  全国保健所長会の意見がある一方、感染症法等の改正でおおむね賛成しているのが経団連で、自宅待機の徹底やCOCOAのインストール、移動履歴の確認などを求めています。経営側からの意見に対して、労働者側からの意見はといえば、連合は、罰則規定を創設することは私権の制限につながることから慎重な議論を求めていて、他の感染症がもたらす患者数や致死率と比較して、新型コロナウイルス感染症についての罰則が適正であるかについても丁寧な議論が必要と言うなど、人権に視点を置いた意見を出しています。  保健所、日本の代表的な企業1444社ほかから構成されている経団連、労働者の組合、連合など、コロナの対応策への見方は、どういう立場かにより少しずつ違っていることが分かります。  さらに、今、私が心配しているのは、コロナ感染防止策による社会、経済、政治などの変化に伴う区民生活への影響です。感染拡大に伴い、今、飲食店では夜の8時以降の営業時短が行われています。少し古いのですが、平成19年、大田区産業に関する実態調査に来店客のピーク時間という調査があって、小売業で約4%、生活関連サービス業で約6%ですが、一般飲食店は約37%がピーク時間を20時以降としていて、20時以降の時短が飲食店にどれだけ大きな影響を及ぼしているのかが分かります。  しかも、この調査で飲食店の来店客のピークが、12時から14時、18時から20時、20時以降とほぼ同じぐらいの三つの大きな山に分かれていて、抱える顧客層や業態により被る被害も違うことが分かります。イギリスから来た友人が蒲田のまちを見て、イギリスのロックダウンはほぼ人通りがないのに対し、緊急事態なのに人通りがあることに驚いていました。私はまちが寂しくなったと思っていたのですが、一律ロックダウンと違い、20時以降の時短は、大きな影響を受ける店とそうでもない店があるということです。調査は、プラザ合意を契機に1980年代後半から産業活動の国際化が本格化したと産業構造を分析していて、当時、既に飲食店は同業者や大型チェーン店との競争が激化していたことが分かります。グローバル化、競争が激化しているところへ、来店時のピークの一つ、20時以降を過料つきで制限するのですから死活問題です。  ところが、今回の営業時間の短縮は、店の規模や営業時間、業態によらず、一律1日6万円です。飲食店の経営者から、6万円では店舗面積30坪以上だと厳しく、20から25坪の店でとんとんぐらい、約4割はやっていけるが、6割が厳しいのではないかと、およその目安を教えていただきました。それでは、4割はやっていけるからよいかといえば、4割が時短や休業すると、その分、仕入れが減って、仲卸や納め屋さんの売上げが減ります。ところが、協力金は、仕入れ先の売上げが減っている仲卸や納め屋さんは対象になりません。この仲卸や納め屋さんは、大田区には大田市場がありますから切っても切り離せません。青果部、花き部は日本一の取扱い規模を誇っており、大田市場での決定価格は日本全国の市場の指標となっています。
     2019年の調査の大田区内付加価値額を産業別に見ると、最も付加価値を生み出していた産業は卸売・小売で7363億円、全産業の22.6%、次いでサービス業19.3%、町工場のまち大田区の製造業は3番目、5582億円、17.2%です。大田区は大田市場がありますから、飲食店の時短に伴う卸売縮小が区内経済に及ぼす影響は見過ごせません。仮に飲食店が協力金で支えられてこの数か月をしのげたとしても、仲卸や納め屋さんの経営が悪化して食材を調達できなくなれば、再開しても同じ価格、同じメニューではやっていけなくなるかもしれません。市場や仲卸、納め屋さんなどがつくる日本の流通の仕組みが、新鮮でおいしく、その割に安価、適正な価格で食材を調達できていることで、すし屋、居酒屋さんやかっぽうなど、世界遺産にもなった日本の食文化を支えているのです。国は、飲食店以外の中小企業へ最大60万円の一時金を決めましたが、赤字の規模と比較すればスズメの涙です。東京都の施設ですが、光熱水費の支払い猶予だけ、家賃免除ぐらいはすべきではないでしょうか。  個人事業者含めた会社数に占める日本の中小企業数は99.7%、支える雇用は全従業者の7割に及びます。付加価値の53%を中小企業が、47%を大企業が生み出しています。ところが、法人税収に占める中小企業と大企業の内訳について、東京都、経済産業省、中小企業庁、財務省に伺いましたが、統計を取っておらず、やっとたどり着いた国税庁の統計も資本金別でした。雇用や税収に大きく貢献している地域経済の要、中小企業を、国も都も大田区も本気で守ろうとしているのでしょうか。  一方、法人税総額12兆1637億7600万円に占める連結法人の支払い税額は1兆2842億円、10.5%、地方税6464億円に対し、連結法人の支払い税額は1176億円、18.2%です。グローバル化で導入された連結による納税額は年々増えています。連結による租税回避などで節税できるグローバル企業に対し、中小企業の納税割合は相対的に大きくなってきたと見るべきではないでしょうか。  そこで伺います。大田区は、自粛、時短を要請することが、こうした中小企業の廃業や雇用の減少、税収の減、区内経済循環、医療制度や診療体制ほかに影響することを予測し、知った上で要請していますか。影響について予測していませんか。影響はないと考えているのでしょうか。課題を予測しているなら、影響を減らすために何をしているのかお答えください。  大田区は、コロナウイルス感染症に係る区内産業への第4回影響調査(期間2月1日から15日)をウェブ形式でアンケートを行う予定だったにもかかわらず、コロナを理由に延期しています。延期すべきではなく、多くの区民や事業者の声を大田区は聞くべきだったと思います。  先日、海外調査団のジェトロ・デュッセルドルフとのZoom調査に参加させていただき、大変勉強になりました。ありがとうございました。指標が違うため正確ではありませんが、日本は、ドイツに比べ中小企業が全企業に占める企業数、従業員数ともに割合が高く、国全体に与える中小企業の影響は日本のほうが大きいと言えるそうです。ところが、日本より中小企業割合の小さなドイツでも、コロナ対策は、大企業には融資、中小企業へは企業規模や事業規模に応じた給付金、借入支援が行われていて、手続きの煩雑やなかなか給付されないなど個別の不満の声があるものの、ドイツの業界団体や経済研究所からはおおむね支持する声が発表されているそうです。  そもそも日本の感染防止策は、20時以降という一部の事業者に過大な負担を課しているにもかかわらず、給付は一律6万円で、体力のある大企業にも支援を始めたなど不公平です。大企業は店舗を集約させて、休業、廃業など選択と集中のより効率的な経営で乗り切ろうとしていますから、中程度の事業者は非常に厳しい状況にあると思います。ドイツに比べ、日本の中小企業のほうが社会経済や財政により大きく貢献しているにもかかわらず、日本のコロナ対策は、大資本、グローバル資本を優遇し、国内資本の中規模より小さな事業者を経営難、廃業、統廃合に追い込む構図になってはいないでしょうか。  そこで伺います。大田区は、こうした日本の支援策が海外に比べ中小企業に厳しい状況を把握していますか。漠然と国の施策を執行するのではなく、区民生活を守るため、大田区から国ほか関係者に対し声を上げるべきではないでしょうか。(拍手) ○塩野目 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎市野 企画経営部長 私からは、国の緊急事態宣言などに伴う自粛の影響に関するご質問にお答えをさせていただきます。  区は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止を最優先とし、国の緊急事態宣言や東京都の協力要請に基づき、区民の皆様への不要不急の外出自粛、区内事業者への営業時間短縮の協力を呼びかけてまいりました。同時に、新型コロナウイルスの感染拡大により区民生活へ様々な影響が生じていることから、区民の皆様の生活や区内経済を守るため、8次にわたって補正予算を編成してまいりました。これまでの間、感染拡大防止策はもちろん、ひとり親家庭への臨時給付金、住居確保給付金、応急小口資金貸付けなどの区民生活支援、中小企業向け融資あっせん制度などの区内経済対策、コロナ患者を受け入れた医療機関をはじめとする地域医療支援、小中学校へのタブレット端末の追加配備や学習指導サポーターの設置などによる学びの保障など、あらゆる施策を実施してまいりました。今後も、感染拡大防止と区民生活支援、区内経済対策などを両立させ、区民の皆様の命と生活を守る取組を進めてまいります。私からは以上でございます。 ◎山田 産業経済部長 私からは、コロナ禍における企業支援策に関するご質問についてお答えさせていただきます。  まず、自国の企業に対する経済政策でございますが、各国がそれぞれの実情に応じて行っているものと考えておりまして、単純に国際比較することは、経済情勢や金融政策も異なることから適切ではないと考えます。区は今年度、新型コロナウイルス感染症の拡大が区内産業に与えている影響を把握して、今後の適切な支援につなげることを目的に、緊急対応として影響調査を実施いたしました。この調査では、売上げへの影響のほか、感染症への対応策や行政による支援策の認知度、さらには事業承継、廃業に関する影響などについてお伺いをいたしまして、現在その分析を進めているところでございます。その中には、上限を5000万円とする本区独自で行う全額利子補給の融資あっせん制度のほか、国の持続化給付金、政府系金融機関の相談窓口や融資、さらには雇用調整助成金の特例措置などをご利用されたというお声が多数あることから、本区や国の支援策が中小企業・小規模事業者の皆様に寄り添ったものになっていると認識をしてございます。  また、国などに対して声を上げるべきというご質問につきましては、区民生活を守り、区内産業の支援のために、区は特別区長会を通じまして国や東京都に今年度既に4回にわたって経済・財政に関する要望を行っております。なお、総務省が公開している地方法人課税に関する検討会の資料における推計でございますが、この中では、地方法人2税の税収の約4割を中小企業が負担しているという記載があることを申し添えさせていただきます。私から以上でございます。 ◎木田 健康政策部長 私からは、コロナ感染防止策についての正確な情報提供についてのご質問についてお答えをさせていただきます。  新型コロナワクチン接種について申し上げれば、昨年12月に施行されました改正予防接種法で、接種は国民の努力義務とされ、この規定は、他の予防接種と同様に、接種するかしないかは区民自らの意思によるものであり、強制力はございません。よって、予防接種を受けていない者が社会生活を営む上で差別を受けることや、不利益を被ることはあってはならないと認識をしております。区は、区報やホームページなどを通じて、新型コロナワクチンの有効性や副反応など、正しい情報を適切にお伝えするとともに、区民が強制ではなく、自らの意思で接種するかしないかを判断できるよう、分かりやすい情報提供をしてまいります。また、予防接種を受けなかった区民に対して差別や不利益が起こらないよう、人権問題を担当する担当部局とも連携をしながら、区民に対する啓発活動を推進してまいります。区は引き続き、ワクチン接種を含めて、新型コロナウイルス感染防止策全体について、国や東京都と連携し、正確な情報を区民に伝えてまいります。以上でございます。 ○塩野目 議長 次に、50番奥本有里議員。                  〔50番奥本有里議員登壇〕(拍手) ◆50番(奥本有里 議員) こんにちは。東京政策フォーラム、奥本有里です。  まず、テレワークについて伺ってまいります。  新型コロナウイルスの感染拡大により、私たちの働き方は大きく変革しています。東京都は、出勤者数7割減を目標に掲げ、テレワークを推進するため、中小企業向けにテレワーク定着促進助成金を実施したり、サテライトオフィス利用キャンペーンを展開し、大田区内でもカラオケ店やホテルなどがご協力をいただいております。現在、都内企業のテレワーク導入率は6割程度となっています。鉄道各社は混雑状況の見える化など、時差出勤への取組も行っており、満員電車の混雑も少しずつ解消しています。緊急事態宣言後、飲食店の営業時間短縮のご協力もあり、夜間の滞留人口は大幅に減っていますが、昼間の人口はまだまだ増えており、より一層のテレワーク推進への取組が必要となっています。  そこで伺います。大田区も率先してテレワークや時差出勤などに取り組んでいられると思いますが、区の現状と取組についてお知らせください。  続いて、起業家支援について伺います。  新たな生活様式として定着しつつあるテレワークですが、自宅にいながら働くという生活スタイルは、感染症対策だけでなく、満員電車の苦痛から解放され、子育てや介護の時間を確保でき、家庭と仕事の両立ができるなど様々なメリットがあります。国も会社員の副業を支援しており、才能を活かし、活躍の場を広げ、独立したり、定年後も起業して働き続ける人たちも増えています。また、電通やタニタなど民間企業が社員を個人事業主化する動きも見られ、企業の雇用形態は終身雇用契約ではなく業務委託契約に変わってきています。  このように、テレワーク推進と雇用形態の変化により、自宅で起業する人たちが増え、自宅を住居兼事務所にしたい人たちが増えています。しかし、誰もが自宅ですぐに起業できるわけではなく、マンションの場合、管理規約の制限があり、居住用物件では、自宅に会社を登記したり、ネット上に住所を公開したり、ポストに法人名義の表札を掲げることはできません。自宅で起業するには、戸建ての持家か、もともと住居兼事務所の物件でない限りできません。  起業家にとって事務所の家賃は最も大きな負担となる経費です。不動産情報サイトアットホームに掲載されている賃貸事務所の数は、港区が3040件に対し、大田区は421件です。大田区内の賃貸事務所の数は少なく、住居兼事務所の数はさらに少なくなります。人口73万人の大田区で住みながら起業したいとなった場合に、あまりにも物件が少なく、優秀な起業家たちが区外へ出ていってしまうことも考えられます。これからは新しい生活様式に対応し、住まいが仕事場として、事務所としても利用できるかどうかは非常に大きな条件になります。区内でもテレワークスペースとして時間貸しを行うところが増えてきましたが、法人登記、住所、ポスト利用できるシェアオフィスは僅かです。  そこで、大田区でもベンチャー企業を育て、起業家たちの活動拠点を確保する取組が必要だと思います。個人の財産であるマンションの管理規約に区が介入することは難しいと思いますが、新たな生活様式に対応するため、例えば、区の施設にオフィスの住所を置けるようにしたり、区内に新しく建設するマンションは住居兼事務所を推奨したり、居住用マンションを事務所としても利用できるよう促したり、区が新たに施設をつくらなくても、区内に増えつつある空き家を住居兼事務所として活用するなど、スタートアップベンチャー企業が大田区で起業しやすく、働きやすく、住みやすいまちづくりへの転換が必要だと思います。  区は、羽田イノベーションシティや大田区南六郷創業支援施設を開設し、起業家への支援にも取り組むと伺っております。これらの施設では、起業家たちへの創業支援の取組はどのように行われる予定でしょうか。  東京都は、新型コロナを踏まえ、新たに改定した「『未来の東京』戦略」(案)を発表いたしました。その中で最も注目されるのが、東京ベイeSGプロジェクトです。大田区令和島を含む中央防波堤埋立地を中心に、100%クリーンエネルギーのまちづくりを進める大規模な開発計画を発表いたしました。この東京ベイeSGプロジェクトにより、ますます羽田イノベーションシティをはじめ、隣接する大田区がビジネスの拠点として注目されるようになると思います。  ワクチンの接種も始まり、新型コロナウイルスとの闘いは間もなく終わろうとしています。コロナ前の社会に戻るのではなく、コロナによって始まった新たな生活様式に柔軟に対応し、大田区から日本経済を牽引するベンチャー企業が生まれるよう、起業家たちの支援を強力に推し進めていただきたいと要望し、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○塩野目 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎市野 企画経営部長 私からは、テレワークなどの取組に関するご質問にお答えをさせていただきます。  テレワークや時差出勤は、新たな日常に対応した働き方であると同時に、職員の感染拡大防止、災害時における業務継続や業務効率化などに資する取組と考えてございます。新型コロナウイルス感染症の拡大による昨年4月の緊急事態宣言を契機として急速にテレワークが広まり、多くの企業においてもテレワークが実施されてございます。また、国や東京都におきましては、テレワークや時差出勤などの組合せによる出勤者数の7割削減を推進しているところでございます。  区では本年度、庁内横断型のプロジェクトチームを設置いたしまして、テレワークの導入に向けた制度設計や環境整備などに取り組み、昨年6月よりテレワークの試行を開始したところでございます。また、本年1月の緊急事態宣言再発出に伴いまして、テレワークの対象範囲を全部局に拡大をいたしました。これまでの検証を通して、通勤による負担の軽減や作業効率の向上が期待できるものと考えてございます。  一方で、時差出勤につきましては、育児または介護などを行う職員の早出遅出勤務、超過勤務縮減を理由とする正規の勤務時間の柔軟な変更及び新型コロナウイルス感染症拡大防止対策に係る時差出勤の3種類の時差出勤を試行実施しているところでございます。コロナ禍におきましても区民サービスを安定的、継続的に提供するため、引き続き、全庁を挙げてテレワークや時差出勤をはじめとした働き方改革に取り組み、区民サービスの一層の向上につなげてまいります。私からは以上でございます。 ◎山田 産業経済部長 私からは、今後の創業支援の取組についてお答えをさせていただきます。  議員お話しのうち南六郷創業支援施設につきましては、本年10月の開業を目指しまして、現在、整備の最終段階に入っております。これまで創業支援施設として稼働してきたBICあさひの機能を引き継ぐとともに、新たに交流拠点としての試作スペースやセミナールーム、コワーキングスペースなどを設置する予定でございます。あわせて、インキュベーションマネージャーによる創業相談を受け付けるほか、定期的なセミナーやイベントなどを開催し、大田区内に集積する中小町工場との連携機会を提供していく予定でございます。  また、大田区産業プラザPiOに開設されておりますビズ・ビーチ・コワーキングでは、フリーエリアとミーティングエリアが設置され、多様な用途での空間利用ができるとともに、会員利用者は郵便物保管サービスを受けることも可能でございます。このほかにも、大田区産業振興協会における創業者支援事業におきましては、専門の創業相談員がスタートアップにおける様々な課題を解決するため、起業者に寄り添う伴走型の支援を行うとともに、ベンチャーキャピタルなどからの出資、協業の機会を提供するような取組も行ってございます。アフターコロナを見据え、ニューノーマルに対応した新たな事業を立ち上げる方も今後ますます増えてくることが想定をされます。区といたしましては、昨年オープンいたしましたハネダピオの交流空間の活用も含めまして、ハード・ソフトの両面から様々な創業支援を行ってまいります。私からは以上でございます。 ○塩野目 議長 次に、44番小川あずさ議員。                  〔44番小川あずさ議員登壇〕(拍手) ◆44番(小川あずさ 議員) エールおおた区議団の小川あずさです。  新型コロナウイルス感染症が私たちの日常に影響を与え始めて約1年、いまだ世界中で人々が先の見えない不安な日々を送っています。コロナ感染症への不安だけでなく、コロナ起因の経済の停滞で生活基盤である仕事を失う人たちも増え、パート先から解雇された、仕事を失い次を探したが職がないなど、悲痛な声が徐々に大きく聞こえるようになってきました。コロナ禍であらわになったこのような方々への支援について質問したいと思います。  総務省の労働力調査によりますと、2019年における非正規雇用者数は全国で2165万人で、前年比45万人プラス、全労働者に対する比率は38.3%、つまり約4割は非正規雇用で、日本はこれだけ非正規雇用に支えられている社会なのかと再認識し、根本的な雇用形態について疑問を持つところでございます。平均年収はといえば、正規雇用が503万円に対し、何と非正規雇用はその半分以下の175万円という少なさです。その上、経済停滞で真っ先に影響を受けるのは、この非正規雇用の人たちです。  コロナ禍で仕事を失い明日から収入がない、蓄えもない、また蓄えも底をついたなどとなった結果どうするか。まずは親族や友人を頼りにするところですが、それも難しい場合もあります。そうなると、役所での相談ということになりますが、今まで相談なんかしたことがない、どうすればいいか分からないという人たちもたくさんいるのではないかと思います。まず、スマホなどを持っていれば検索してホームページで確認もできますが、パソコンやスマホに慣れていない高齢者や電子機器を持っていない人たちもいます。また、知ってはいるが、プライバシーなので知らない人に相談することに抵抗があり、役所の敷居は高いという人もいます。  そこでお尋ねですが、そんな人たちはどうやって各種相談を知り、相談窓口にたどり着けばよいのか、本当に支援の必要な方に広くアプローチできるように、役所で可能なことをお示しください。  つい先日のことですが、午後6時頃、住まいを失い、所持金も携帯もない若者が、しばらく食事をしていないと事務所の戸をたたき、座り込むということがありました。何日も食べていないとかで、フラフラで顔色も悪く、これは病院へ連れていかねばと思ったのですが、取りあえず食べると元気になり、やっとしゃべり始めました。仕事を失い、住まいも家賃が払えずに追われ、我慢して何日か路上で過ごしたが、限界で役所に行ったら閉まっていて途方に暮れたとのことでした。  人は不思議なもので、昼間何とか頑張っていても、夜になると不安になることはよくあることで、私の知り合いの24時間対応の相談を受け持つ人は、なぜか相談は夜が多いと話しておりました。もちろん、5時までに来れればいいのですが、閉庁後にこのような生活困窮者が、困った、今すぐ話を聞いてほしいとなった場合に、取りあえず一晩越すだけの資金や食料提供など区の対応が求められますが、それについてお答えください。  前述の若者のように住まいを既に失った場合、保証がないので携帯契約もできず、次の仕事へ向かう情報も得られません。かといって生活保護にとなると制限が多く、現在、政府が扶養照会の緩和を表明し始めているものの、すぐの実現も難しく、また、ほかにもハードルの高い条件があり、ちゅうちょするのも無理はないと思います。  その方もそうでしたが、できれば生活保護に頼らず、できるだけ自力でできるところまで頑張りたいと思っている人はたくさんいるのではないでしょうか。そんな人たちのための、まずは住居確保のため、一時的に短期に住む場所の提供など、区での支援策を具体的に考えていただくなどできますでしょうか。  住居とともに食に関しましても、年末年始の千代田区の教会での大人食堂や、池袋、新宿などでの食料配布などに非常に多くの人たちが訪れたと聞いており、コロナ禍で仕事を失った人たちの深刻な実態が現れています。片や、先日も恵方巻きが余って廃棄したという胸を痛めるニュースが毎年のようにあり、そのままおなかをすかせている人に回らないものだろうかと考えてしまいます。食料に関しては、飲食店も厳しい規制の下で経営していることで分かりますように、確かに保健の厳しい基準など大変難しい問題があり、余ったら「はい、どうぞ」というわけにはいかないのは重々承知しておりますが、このような食料支援を恒常的に何かしら信用度の高い役所が仲介することで、善意のある人たちと困窮者をつなぐことはできないものでしょうか。今後、そのような施策への考えはあるか、現状とともにお尋ねしたいと思います。よろしくお願いします。(拍手) ○塩野目 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎張間 福祉支援担当部長 ご質問いただいた4点についてお答えいたします。  初めに、電子情報を入手することが困難な方々などへの周知に関するご質問ですが、区としましては、生活困窮に陥ってしまった方々へ支援の情報を伝えることは重要であると考えております。路上生活を余儀なくされている方への周知に関しましては、蒲田生活福祉課で行う多摩川河川敷面談活動、都区共同事業の自立支援センターの巡回相談による声かけのほか、支援団体のご協力により、生活福祉課への相談を促す案内チラシを定期的に配布していただいております。また、年間を通じて、地域の民生委員や地域包括支援センターからの紹介で生活福祉課へ生活相談にいらっしゃる事例があり、こうした連携により支援が可能となる場合もあります。引き続き、区報やホームページを活用した広報はもちろんですが、チラシの配布や声かけ、関係機関との連携等、アナログ的な対応も地道に継続していきたいと考えております。  次に、区役所の閉庁時における相談者への対応についてのご質問ですが、区では、閉庁時においても区民や関係機関からの緊急連絡や相談に対応しております。緊急な対応が生じた場合は、本庁舎宿直室を通じて管轄の生活福祉課長に連絡が入り、必要に応じて課長や職員が直接相談者と対応しております。また、土曜日の日中であれば、大田区生活再建・就労サポートセンターJOBOTAが開いておりますので、相談をお受けすることが可能です。今後も相談者に必要な対応を行ってまいります。  次に、住まいの支援に関するご質問ですが、区では、令和元年度に大田区居住支援協議会を設立し、高齢者をはじめとした住宅確保要配慮者への支援を行っております。住居はあるものの、離職や失職、休業等により収入が減り、家賃の支払いが困難になってしまった方へは、大田区生活再建・就労サポートセンターJOBOTAで受け付ける住居確保給付金の制度がございます。収入や資産等の要件もございますが、住居を失ってしまう前に、ぜひご利用いただきたいと考えております。また、既に仕事も居所も失ってしまった方につきましては、都区共同事業である自立支援センターがあり、入所後は就労等の支援とともに住宅確保の支援も行われます。仕事はしているものの、不安定な生活を送られている方については、東京都の事業であるTOKYOチャレンジネットにおいて、住宅確保と生活支援が行われます。住まいは、単にハードとしての住宅・住居の役割にとどまらず、健康で文化的な生活を実現する上で不可欠な基盤です。引き続き、各種施策を活用することにより、生活困窮者への居住支援を進めてまいります。  次に、生活困窮者への食料支援に関するご質問ですが、現在、環境清掃部や大田区社会福祉協議会において、フードドライブ事業や地産地消型未利用食品のマッチング事業を実施しております。ご寄付いただいた食料品等は、区内の子ども食堂やNPOを通じて生活困窮世帯に提供しています。また、大田区社会福祉協議会では、フードパントリー事業として、食料支援を必要としているご家庭に、社協窓口、シニアステーション糀谷やJOBOTAにおいて直接食料品等を提供するとともに、生活上のお困り事などのご相談があれば、相談支援機関に適切につなげる活動を行っております。引き続き、食料支援を必要としている方々への支援について、大田区社会福祉協議会とともに検討してまいります。以上でございます。 ○塩野目 議長 次に、39番松原 元議員。                  〔39番松原 元議員登壇〕(拍手) ◆39番(松原元 議員) 令和大田区議団の松原 元でございます。本日は、3問の質問と、最後に会派の意見を少し述べさせていただければと思います。よろしくお願いいたします。  まず、行政のデジタル化に向けた取組についてお伺いをいたします。  昨年、コロナ禍における国の緊急経済対策として特別定額給付金が定められ、申請受付から実際の給付までの業務を区が行いました。一部で大田区は23区の中で給付率が遅れを取っているとの報道がなされましたが、40万世帯以上が対象であるこの事業を、短期間で執り行った戸籍住民課をはじめとする区職員の尽力は大きく評価されるべきであると考える次第であります。  今回の出来事から、マイナンバーカードの重要性を改めて注視する、そういった機運を大変大きく感じております。もしマイナンバーカードが全区民に行き渡り、また口座とのひもづけがなされていれば、区は多大な業務をさばく必要がなく、一方、区民の手にも迅速に給付金が届けられていたことは想像に難くありません。これは、おととし、非課税世帯と子育て世代を対象としたプレミアム付商品券においても、届けたい住民を選定して行う事業という意味では同様のことが言えると考えます。この際は産業振興課が多くの汗と涙を流しております。ゆえに区の課題としては、ひとまずマイナンバーカードの普及を急ぐことにあると考えております。  この質問を行う予定であった昨年の10月末の時点の交付率としては24.32%、17万9000件、本年令和3年1月末の時点では、交付率は28.12%、20万6000件とのことであります。まだまだ道半ばであります。戸籍住民課職員の皆様には、地域力推進部と連携してさらなるご努力を期待するところであります。  一方、国においては、行政のデジタル化を省庁横断で進めるデジタル庁の創設が予定されているとの報道がありました。隣国に比べ遅れを取っているデジタル分野を巻き返そうとするこの流れは、たとえ政権が交代したとしても変わることはないと考えます。現下において、区では、今後の自治体業務においてICTの利活用は必要不可欠として、大田区情報化推進計画を策定するとの報告が委員会でなされました。  マイナンバー制度やオープンデータなど自治体を起点としたデータ提供により、データ駆動型社会の定着を図るとする区の取組は大きく期待するとともに、この指針を示してから1年、この間、様々な状況の変化がありました。区は、いかにしてこれらの変化に対応し、他区に遅れを取ることなく、老若男女、区民の理解を得ながらデジタル化・情報化政策を強化していくのか、まずご答弁をいただきたくお願いをいたします。  次に、成人のつどい開催方式に関しまして伺います。  昨年の11月13日の地域産業委員会にて、成人のつどいの分散開催の報告がなされました。これは新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、会場は以前と同じく大田区総合体育館を使用しながら、開催時間を午前の部、午後の部に分け、開催時間を縮小、併せて動画の配信をするとのことでありました。しかし、感染状況の悪化から会場開催は中止となったことは皆様ご存じのことかと思います。残念です。私は、23区においても、いち早く会場開催中止の判断を行ったことは評価をいたします。ただ一方で、この予定されていた分散開催がなされた暁には、ぜひこれを継続、進化させていただきたいと考えておりました。そういった点で大変残念であります。  例年、大田区の成人のつどいでは、多くの新成人らがアトラクションを観覧せず、地上階にあふれ、交通の妨げとなっておりました。また、過激な行動を行い、周囲の注目を集めようとする新成人らも毎年必ずおりました。3年前の成人のつどい、私は新成人らに何らかの液体、恐らくアルコールだと思いますが、こちらをかけられ、コートと背広をクリーニング送りにされました。  その直後の定例会の質問において、二つの提案をいたしました。一つが、新成人に大田区の思いを込めた記念品を渡していただきたいとのこと。予算はかかれど、この無二の式典において、新成人らに郷土愛や区長の思いを形として受け渡せる機会を無為にすべきではないと考えたからです。  そして、もう一つが、混雑緩和のための式典の分散開催についてでした。他区の例を挙げさせていただければ、世田谷区、江戸川区は8000人規模の新成人を一堂に会さず、複数回に分けて式典を行います。大田区も複数回の開催を行い、混雑の緩和や新成人らの統制を厳に行うよう申し述べたことは皆様覚えていらっしゃいますでしょうか。しかしながら、本質問を行った後の数年間、成人のつどいのこの運営に関して大きな変化はなされなかったと感じております。記念品もであります。恐らく今も研究中なのだと理解をしております。  私は、今回、分散開催予定の成人のつどいが、会場開催されなかったものの、今回培われたノウハウを維持し、翌年以降に発展させていただきたいと考えております。新型コロナウイルス感染症との闘いがいつまで続くか不透明でありますが、それに左右されない開催の在り方を探求していただきたいのです。特に、民法改正により令和4年度から成人年齢の引下げがなされます。18歳から成人となります。これは大変大きな節目であります。例えば、もし3学年同時の成人式を1会場で執り行う場合、全人数を収容することは難しく、複数箇所での開催も考えていく必要性を感じます。  今回この質問をするに当たり、ちょうどその当年に18歳成人に該当する学生にヒアリングを行う機会がありました。その中で、成人式で着る晴れ着のレンタルを心配する声なども聞きました。こういったレンタルは2年前から始まっているということです。希望の晴れ着を着ることができるかどうかは既に切実な悩みでもあります。これは業者サイドに対しても同様であると考えます。区は早期に令和4年度における開催方式、該当年齢を公表すべきであると考えます。  では、伺います。区には、本年予定されていた成人のつどいの分散開催のノウハウを来年以降に継承し、ICTの活用を含めた新たな運営のノウハウを蓄積し、令和3年度以降においても継続して実施していただきたいと考えております。また、速やかに令和4年度における該当年齢の公表と告知を実施していただきたいと考えますが、区のお考えをお聞かせ願います。  次に、羽田イノベーションシティの地域貢献について伺いたいと思います。  昨年7月3日にまち開きをいたしました本施設は、新産業創造・発信拠点とされ、新空港線蒲蒲線と同様に、この大田区において大きな期待を背負った事業でありました。歴史的経緯を遡れば、羽田イノベーションシティの前身である羽田空港跡地第1ゾーンがあり、それより以前の昭和20年9月まで区民の営みがありました。憎きGHQにより、羽田江戸見町、羽田穴守町、羽田鈴木町の3町住民が排除され、羽田空港の一部となり、その後、跡地となったという痛恨の歴史があります。  この羽田イノベーションシティの最寄り駅の天空橋駅前交通広場には、これら3町会を記憶にとどめるため、羽田地区町会連合会をはじめ、鈴納会、公益財団法人伊東奨学会、東京羽田ライオンズクラブ、東京羽田ロータリークラブという羽田に地に足つけた地元団体のほか、空港関連の10企業が主体となった旧三町顕彰の碑が建立をされました。羽田イノベーションシティに向かう人々の足を止める、この碑に刻まれた「きみといたふるさとの匂い」、この一文を読めば、たとえ調布地区の住民であっても、旧3町における当時の情景に思いをはせることは容易であると考える次第であります。私もその一人です。ゆえに、この苦難の歴史的経緯から見ても、再びこの地に羽田イノベーションシティというまちが生まれたことは極めて重要な出来事であります。このまちが近隣地域の方々の思いに応える施設として運営されていくことを切に望みます。  では、伺います。以前、松原区長は、本事業の事業者募集の折に、地域におけるにぎわいの創出や、地域や地元企業等との連携について重視をされ、「区内企業や商店街など、地域から相乗効果が生まれる様々な取組を実施し、区内企業、商店街、空港跡地のそれぞれが発展していくことができる取組を進めていく」と宣言をされておりました。本事業が完成した今、羽田イノベーションシティがいかに区内企業、商店街など地域との相乗効果を生み出し、この地域の発展に資するためにどのような取組を行い、また今後予定をしているか、ご答弁を願います。  そして最後に、会派としての意見を簡潔に述べさせていただきます。  2月22日は竹島の日でありました。私たちの会派は、竹島の占拠を既成事実化しようとしている韓国の動きを非難するとともに、竹島を独島、尖閣諸島を釣魚島と併記し、日本固有の領土と認めていないかのような日本のマスコミを強く非難いたします。大田区羽田には広い太平洋の領海を守る第三管区海上保安本部があります。彼らの日頃の懸命な活動に心から敬意を表するとともに、空と海の玄関口である大田区からもしっかりと領土、主権を訴えていくことを切望し、私の質問と意見を終えさせていただきます。ありがとうございました。(拍手) ○塩野目 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎市野 企画経営部長 私からは、デジタル化・情報化政策に関するご質問にお答えをさせていただきます。  国は、行政手続きの原則オンライン化や、行政サービスをデジタルで完結させる取組を推進しております。また、昨年12月に国が策定いたしました自治体DX推進計画においては、デジタル技術の活用により、住民の利便性及び行政サービスのさらなる向上に重点的に取り組むとともに、デジタル社会の恩恵を多くの住民が享受できる地域社会のデジタル化の集中的な推進のため、デジタル技術の活用支援などに取り組むべきとしてございます。区といたしましても、新型コロナウイルスとの共存を前提に、社会全体が大きな転換期を迎える中で、新たな日常を踏まえた区政のデジタル化の推進が重要であると考えてございます。  大田区情報化推進指針では、「区民ニーズに即した行政サービスの提供」、「多様な『ちから』を活かした公共の実現」、「透明性・持続性を担保した組織運営」、「ICT活用による職員能力の最大化」の四つの視点を定めてございます。現在、その視点に基づく具体的な目標と施策をまとめた(仮称)大田区情報化推進計画を策定しているところでございます。計画の策定に当たりましては、国、東京都の計画や動向、社会的な背景を踏まえ、ICTの活用により、区民ニーズへの対応、行政手続きの利便性向上、区における行政サービスのデジタル化を重点項目に位置づける予定でございます。区は、今後も、国や都の動向を的確に捉え、区民の利便性向上に資するデジタル化・情報化を積極的に推進してまいります。私からは以上でございます。 ◎今井 地域力推進部長 私からは、成人のつどいの開催方法と対象年齢に関するご質問にお答えします。  成人のつどいは、新成人の新たな門出を区として地域の皆様とお祝いするとともに、社会人としての自立と責任を改めて自覚し、大田区への愛着を深めていただくための重要な式典であると考えております。そのような成人にとって節目のセレモニーをコロナ禍にあっても実施できるよう、感染拡大防止対策を徹底し、式典を2回に分け、式典動画をオンライン配信し、状況により切替えができるよう早くから準備を進めておりました。昨年12月、東邦大学との連携協定に基づく専門的見地からの助言及び区内感染拡大状況を踏まえ、大田区は23区においていち早く会場開催中止を決断し、オンライン配信を含む代替策に切替えをしました。コロナ禍を契機に検討を進めてきた開催手法は、ICTの活用を含め、今後も活用できるものと考えております。また、区は、デジタル化推進時代における新たなニーズを捉え、新成人の皆様に楽しんでいただける成人式となるよう、分散開催も含め、新しいイベント実施の在り方について今後も検討を進めてまいります。  民法改正における成年年齢引下げに伴う成人のつどいの対象年齢についてですが、今年度、大田区在住の15歳から39歳を対象に区が実施したアンケート調査結果及び内閣府が実施した調査結果等を踏まえ、この3月の大田区青少年問題協議会において対象年齢についてのご意見を伺う予定です。民法改正後の成人のつどいの対象年齢につきましては、区民の皆様や青少年問題協議会におけるご意見等を踏まえ、次年度早期での決定、公表に向け検討してまいります。私からは以上です。 ◎白鳥 空港まちづくり本部長 羽田イノベーションシティと地域との連携による相乗効果についてのご質問ですが、このまちでは、先端産業、文化産業、共通事業の三つの事業を展開することで新産業創造・発信拠点を形成し、まちのにぎわいや区内への波及を創出することとしております。先端産業では、入居企業であるデンソーと区内企業が意見交換を行うなど、今後の連携に向けた取組を行っております。あわせて、スマートシティの構築におきましても、アイデアソンの開催などを通じ、独創的なアイデアを持つ事業者の積極的な交流による新たな産業、イノベーションを創出する拠点としての具体的な取組によるまちのPR、実証実験などでの区内企業との連携、社会実装による区が抱える地域課題の解決などの区内波及につなげていくこととしております。  テナントとして入居する店舗におきましては、大田のお土産100選に選ばれた商品を紹介や販売いただくコーナーを店内に設けていただくよう連携も取っており、多くの方々がものづくりの伝統や文化を身近に感じていただくことで、区の魅力を区内外にPRする機会を得ております。また、羽田みらい開発の構成企業である鉄道事業者が大田区商店街連合会と連携し、スタンプラリーを実施することで、このまちのにぎわいを地域経済の活性化や区内回遊などの相乗効果につなげる取組も行ってまいりました。区内回遊におきましては、はねぴょん健康ポイント事業において、区内中心部から羽田方面への新たな人の流れを生み出すべく庁内連携も進めております。引き続きこのような取組を推進することにより、区内企業や商店街など地域経済の活性化はもとより、健康や福祉など多岐にわたる分野において区民の皆様のより豊かな暮らしの実現に努めてまいります。私からは以上でございます。 ○塩野目 議長 次に、38番三沢清太郎議員。                  〔38番三沢清太郎議員登壇〕(拍手) ◆38番(三沢清太郎 議員) 令和大田区議団の三沢清太郎です。私からは4点質問させていただきます。  まず最初に、災害発生時の緊急医療救護所体制についてお聞きいたします。  2011年3月11日に発生した東日本大震災から間もなく10年たとうとする2月13日23時7分、福島県沖でマグニチュード7.3の地震が発生をいたしました。大田区も場所によっては震度4を記録し、10年前の記憶がよみがえった方も多くいらしたことと思います。私も改めて、災害はいつ何どき襲ってくるか分からないことを肝に銘じる必要があると実感しているところです。  そこで関連して質問いたします。大森の安田病院が昨年末に閉院し、牧田総合病院の中核機能が蒲田に移転することが決まっている中、大森地域の緊急医療救護所が一時的になくなろうとしております。私の住む地域では、災害時には安田病院にけが人等を緊急搬送することを想定して、日頃から訓練を積み重ねております。また、医者も安田病院に集まると聞いております。もし緊急医療救護所が変更されるのであれば速やかに情報共有をお願いしたいところですが、担当部署に先日お聞きした時点では、まだ決まっていないとの返事でした。今回の地震でも分かるように、災害は人間の都合は聞き入れてくれません。速やかに緊急医療救護所の再設定及び地域住民や医師会への周知を求めますが、理事者の見解をお聞かせ願います。  続いて、新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金の周知について質問いたします。  新型コロナウイルス感染拡大で困窮している国民を守るために、国や自治体は様々な支援策を用意しております。本区も産業振興課や社会福祉協議会のホームページ等で各種情報を公表しておりますが、困っている方に情報が行き届いているとは必ずしも言えない状況が続いております。その一つが、新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金です。野村総合研究所は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、パートやアルバイトとして働く女性1163万人のうち、少なくとも7.7%に当たる90万人が実質的な失業状態にあるとの推計結果を公表しました。また、4人に1人の女性が、コロナ以前と比べて、パートやアルバイトのシフトが減ったとも回答しています。しかし、シフトが減った方のうち、7割強の方が休業手当を受け取っておらず、さらには1日単位での休業だけでなく、シフト時間を短縮するような時短休業でも休業手当を受け取れることを半分以上の方が知らないそうです。実際、私の周りにも休業や時短休業を余儀なくされた方が多くおりますが、新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金を大半の方が知りませんでした。  そこで質問します。本区は、本区内のパートやアルバイトの方々の失業実態をどこまで把握しておりますでしょうか。また、国の事業である新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金の周知活動をどのように行い、今後の周知拡散をどのようにお考えになっているのか教えてください。  緊急小口資金や総合支援資金をご案内することも大切ですが、貸付けを行う前に、新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金によって、パートやアルバイトの方が休業手当を受け取れる制度があることをもっと広く知っていただきたいと思います。休業や時短休業で苦しんでいるパートやアルバイトの方々が本制度を利用することで一人でも多く救われることを願い、そして本区がこうした方々にしっかりと寄り添ってくれることを希望し、次の質問に移ります。  続いて、航空会社職員の採用について質問します。  新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、各国が入国規制を実施し、航空会社は壊滅的な打撃を受けております。世界中で経営破綻が相次ぎ、政府による資金注入や統合も見られる中、日本の航空会社2社も3000億円を超える巨額赤字を見込み、かつてないほどの苦境に立たされております。この問題は大田区にとっても他人事ではありません。羽田空港は直接・間接的に多くの大田区民の雇用を創出していることを考えると、私は、大田区でできることがあるのであれば可能な限り支援の手を差し伸べるべきと考えております。
     その一つが、航空会社職員の採用です。成田は、新型コロナウイルスの影響で経営状況が悪化しているANAグループから出向社員7人を任期付職員として採用すると発表しました。主に窓口業務や観光振興の部署に配属するそうです。成田側としては、高い接客スキルや観光振興のノウハウなどの専門的な知識が全体のサービス向上につながることを期待しているそうです。この動きは成田だけにとどまらず、三重、鳥取、佐賀県など全国各地の自治体でも社員を受け入れる動きが広がっております。  大田区としても、航空会社職員を任期付職員として採用することは、新型コロナウイルスの苦境をともに乗り越える意味にとどまらず、本区と航空会社のシナジーを発揮する意味でも有用な取組になると考えておりますが、理事者の見解をお聞かせ願います。  最後に、コロナ禍におけるブラジルチーム受入れ状況についてお尋ねをいたします。  東京2020オリンピック・パラリンピックまで残すところ5か月ほどとなりました。新型コロナウイルス感染症拡大に端を発し、様々な問題が起きておりますが、大田区としてはブラジルチームを万全の体制でお迎えしなくてはなりません。本区は昨年10月20日、オリパラ観光推進特別委員会の場において、東京2020大会における新型コロナウイルス感染症対策の検討状況及び事前キャンプ自治体の対応について報告がなされました。そこから4か月、ワクチン接種が可能となった今日、自治体の対応について変更点もあるかと思います。  そこで質問します。現在のブラジルチーム事前キャンプ受入れの対応と今後の友好促進の進め方について確認をさせてください。ブラジルでは今年に入ってから新型コロナウイルスの感染拡大のペースが加速しており、累計感染者数が1000万人を超えております。その中でも、アマゾンの熱帯雨林がある北部の州では変異ウイルスの感染が急速に広がっており、一部の区民からは変異ウイルスによる再流行を懸念する声も聞こえております。大田区民が一丸となってブラジルチームを心から歓迎し、両国の絆を一層深めるために、このような区民の不安を一掃する安心できる回答をいただけることを期待いたします。  質問はここまでですが、最後に一言申し上げます。  2月23日、天皇陛下は61歳の誕生日をお迎えになられました。ここに謹んでお祝いを申し上げます。常に国民を思い、国民に寄り添う天皇陛下の御心は、私たちも常日頃から心がけなくてはならない政治、行政の根幹です。様々な不安を抱えていらっしゃいます区民に優しく寄り添える大田区であることを心から切望し、私からの質問を終わります。(拍手) ○塩野目 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎後藤 総務部長 私からは、航空会社職員の任期付採用についてのご質問にお答えいたします。  新型コロナウイルス感染拡大の影響により、民間企業の多くが打撃を受けている中、とりわけ国内外の移動が制限されている航空業界の経営は大変厳しい状況にあると認識しております。任期付職員の採用につきましては、区では、法務や情報政策分野、防災計画などの特別な専門知識を有する方を採用した実績がありますが、任期付職員はフルタイムの正規職員であり、兼業することができないことから、現在、民間企業に雇用されている方を企業に在籍したまま受け入れることは困難と考えております。  なお、区は今年度、コロナ禍において雇用環境が深刻な問題になっている状況を捉えて、雇い止めや新規採用の内定取消しの方の雇用の確保の観点から、区内在住・在勤・在学者を対象に、緊急雇用対策として事務職の会計年度任用職員を公募し、4名の方を採用いたしました。航空会社の職員には英語や接遇などのスキルを有した方が多いと思われ、例えば窓口職場での事務補助員や研修講師、教育現場などで活躍する意義は大きなものがあると考えております。今後、各職場における人材活用の可能性を精査し、どのような分野で活躍できるか研究してまいります。私からは以上です。 ◎町田 スポーツ・文化担当部長 私からは、ブラジルチームの受入れの対応と今後の友好促進についての質問にお答えさせていただきます。  国が示しました大会における新型コロナウイルス感染症対策の対応方針において、事前キャンプ中、選手には宿泊先と練習会場など限られた範囲内で移動を可能とするという行動制限が課せられます。また、宿泊するホテル内においても、宿泊スペースやレストラン、移動の動線を分けることが求められております。現在、区では、これらの内容に加え、PCRの検査体制を整備することなどを盛り込んだ受入れマニュアルを作成しており、事前キャンプ中に選手、区民ともに感染者を発生させないよう入念に準備をすることはもちろんですが、その中でも選手が気持ちよく過ごせるよう配慮してまいります。  次に、友好促進についてですが、本年2月にブラジルの選手に向けて動画を作成し、大田区から応援の気持ちを伝えました。また、7月に予定しているキャンプの期間中には、安全を確保しつつ、公開練習やオンラインなどにより可能な限りの交流を実現し、友好を深め、レガシーとして掲げた区民の国際理解の促進につなげられるようしっかりと取り組んでまいります。 ◎張間 福祉支援担当部長 私からは、パートやアルバイトの方々の失業実態と、新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金の周知についてのご質問にお答えいたします。  新型コロナウイルス感染症の影響で職を失ってしまった方が、このような制度を活用して生活を立て直していただくことは重要なことだと認識しております。区内におけるパート、アルバイトの方々の失業の状況は把握できておりませんが、各生活福祉課や大田区生活再建・就労サポートセンターJOBOTAでのそうした相談は増えている傾向にございます。現在、制度の周知につきましては、JOBOTAにおいて必要な方に対して本事業のご案内を行っております。また、区のホームページでは、新型コロナウイルスの影響で生活困窮に陥った方々への支援策を掲載してございますが、今後、ホームページ上の整理を行い、国の事業である本制度を含め、個人の方への各種支援制度の案内がより分かりやすくなるよう対応してまいります。私からは以上です。 ◎木田 健康政策部長 私からは、大森地域の緊急医療救護所に関するご質問についてお答えをさせていただきます。  安田病院が昨年12月に閉院し、牧田総合病院も今月、蒲田へ移転いたしました。両病院が大森地域の緊急医療救護所機能を担っていたことから、大森地域にお住まいの皆様が不安に感じていると思っております。以前より、牧田総合病院の移転に伴う緊急医療救護所機能の補完について、安田病院での機能強化を考え、検討を進めていたところでございましたので、軌道修正が必要となりました。現在、大森医師会のほか、大田区災害医療コーディネーターと検討をしております。現時点において、災害で負傷者が出た場合には、大森赤十字病院に集中することが想定されますので、当病院の緊急医療救護所の人材を大きく強化することを含め、検討を進めております。新たな災害医療体制の構築につきましては、医師会等とも連携し、スピード感を持って対応を進めるとともに、地域区民への情報提供を速やかに行ってまいります。私からは以上です。 ○塩野目 議長 以上で質問を終結いたします。               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○塩野目 議長 会議が長くなりましたので、しばらく休憩といたします。                      午後4時28分休憩                ――――――――――――――――――――                      午後4時50分開議 ○塩野目 議長 休憩前に引き続き会議を開きます。               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○塩野目 議長 本日の日程に入ります。  日程第1を議題とします。                     〔井上事務局長朗読〕 △日程第1  第5号議案 令和2年度大田区一般会計補正予算(第8次) ほか21件                ―――――――――――――――――――― ○塩野目 議長 理事者の説明を求めます。 ◎川野 副区長 ただいま上程されました各議案についてご説明申し上げます。  第5号議案は、令和2年度大田区一般会計補正予算(第8次)で、今回の補正は、歳入歳出予算の総額から歳入歳出それぞれ59億4071万6000円を減額し、補正後の歳入歳出予算の総額は、それぞれ3628億1031万円となります。歳入で追加する内容は、国庫支出金、都支出金などでございます。減額する内容は、繰入金、特別区債などでございます。歳出で追加する内容は、衛生費、都市整備費などでございます。減額する内容は、福祉費、教育費などでございます。このほか、繰越明許費18件、債務負担行為の補正として追加2件、廃止6件、変更1件、地方債の補正として廃止1件、変更6件をお願いしております。  第6号議案は、令和2年度大田区国民健康保険事業特別会計補正予算(第3次)で、今回の補正は、歳入歳出予算の総額から歳入歳出それぞれ4億1538万1000円を減額し、補正後の歳入歳出予算の総額は、それぞれ663億240万6000円となります。歳入で追加する内容は、国庫支出金、諸収入などでございます。減額する内容は、国民健康保険料、都支出金でございます。歳出で追加する内容は、諸支出金でございます。減額する内容は、総務費、保険給付費などでございます。  第7号議案は、令和2年度大田区後期高齢者医療特別会計補正予算(第2次)で、今回の補正は、歳入歳出予算の総額から歳入歳出それぞれ6735万2000円を減額し、補正後の歳入歳出予算の総額は、それぞれ173億2852万8000円となります。歳入で追加する内容は、繰越金、諸収入などでございます。減額する内容は、後期高齢者医療保険料、繰入金でございます。歳出で追加する内容は、諸支出金でございます。減額する内容は、広域連合納付金でございます。  第8号議案は、令和2年度大田区介護保険特別会計補正予算(第2次)で、今回の補正は、歳入歳出予算の総額から歳入歳出それぞれ6億1316万9000円を減額し、補正後の歳入歳出予算の総額は、それぞれ591億3752万2000円となります。歳入で追加する内容は、国庫支出金でございます。減額する内容は、支払基金交付金、繰入金などでございます。歳出で減額する内容は、総務費、保険給付費などでございます。  第9号議案は、大田区組織条例の一部を改正する条例で、鉄道・都市づくり部を新設するため改正するものでございます。  第10号議案は、大田区職員定数条例の一部を改正する条例で、区長の事務部局の職員を13人増員し、教育委員会の事務部局の職員を10人増員し、教育委員会の所管に属する学校の事務部局の職員を23人減員するため改正するものでございます。  第11号議案は、大田区情報公開・個人情報保護審査会条例の一部を改正する条例で、審査会の調査権限の規定等を整備するため改正するものでございます。  第12号議案は、大田区特別職報酬等審議会条例の一部を改正する条例で、大田区特別職報酬等審議会の審議の対象として、期末手当の額を追加するため改正するものでございます。  第13号議案は、大田区外部監査契約に基づく監査に関する条例の一部を改正する条例で、地方自治法の改正に伴い、条例で定める会計年度において、包括外部監査契約を締結することが可能となったため改正するものでございます。  第14号議案は、大田区積立基金条例の一部を改正する条例で、大学等進学応援基金を設置するため改正するものでございます。  第15号議案は、大田区手数料条例の一部を改正する条例で、食品衛生法等の改正に伴い、必要な手数料を定めるほか、規定を整備するため改正するものでございます。  第16号議案は、選挙長等の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例で、投票管理者または投票立会人が、体調不良その他やむを得ない事由により、その職を交替した場合に支給する報酬額を明確にするため改正するものでございます。  第27号議案は、大田区産業プラザ特定天井改修その他工事請負契約についてで、契約の相手方は醍醐建設株式会社、契約金額は3億3550万円でございます。  第29号議案は、職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例で、新型コロナウイルス感染症を指定感染症として定める等の政令の廃止に伴い、規定を整理するため改正するものでございます。  報告第1号は、区の義務に属する損害賠償額決定に係る専決処分の報告についてで、庁有車による車両損傷事故ほか3件について報告するものでございます。  報告第2号は、仮称大田区新蒲田一丁目複合施設新築工事請負契約の専決処分の報告についてで、契約金額を当初の35億2000万円から36億4494万9000円に、工期を当初の令和3年6月15日から令和4年2月28日に変更いたしました。  報告第3号は、大田区立大森第七中学校校舎改築その他工事(T期)請負契約の専決処分の報告についてで、契約金額を当初の32億2300万円から32億3482万5000円に、工期を当初の令和3年2月26日から令和3年3月12日に変更いたしました。  報告第4号は、仮称大田区南六郷創業支援施設内部改修その他工事請負契約の専決処分の報告についてで、契約金額を当初の2億4860万円から2億5263万7000円に変更いたしました。  報告第5号は、仮称大田区新蒲田一丁目複合施設新築電気設備工事請負契約の専決処分の報告についてで、契約金額を当初の5億4120万円から5億4947万2000円に、工期を当初の令和3年6月15日から令和4年2月28日に変更いたしました。  報告第6号は、大田区立大森第七中学校校舎改築その他電気設備工事(T期)請負契約の専決処分の報告についてで、契約金額を当初の3億7730万円から3億8171万6700円に、工期を当初の令和3年2月26日から令和3年3月12日に変更いたしました。  報告第7号は、仮称大田区新蒲田一丁目複合施設新築機械設備工事請負契約の専決処分の報告についてで、契約金額を当初の5億5000万円から5億5760万1000円に、工期を当初の令和3年6月15日から令和4年2月28日に変更いたしました。  報告第8号は、大田区立大森第七中学校校舎改築その他機械設備工事(T期)請負契約の専決処分の報告についてで、契約金額を当初の5億1700万円から5億2910万円に、工期を当初の令和3年2月26日から令和3年3月12日に変更いたしました。  以上、よろしくご審議の上、ご決定賜りますようお願い申し上げます。 ○塩野目 議長 質疑に入ります。  この際、議員の皆様に申し上げます。本会議での議員の発言につきましては、会議規則第53条で「発言はすべて簡明にするものとし、議題外にわたり、又はその範囲をこえてはならない。」と規定され、また、質疑についても「自己の意見を述べることができない」と明記されております。したがいまして、議員の皆様には、発言に当たっては、規則で定められたルールに従って行うよう、ご留意のほどお願いしておきます。  本案については、福井亮二議員、奈須利江議員から通告がありますので、順次これを許します。  まず、33番福井亮二議員。                  〔33番福井亮二議員登壇〕(拍手) ◆33番(福井亮二 議員) 第9号議案 大田区組織条例の一部を改正する条例について質疑をさせていただきます。  1月15日、総務財政委員会で報告されました組織改正案の説明によると、鉄道・都市づくり部の新設の目的は、新空港線の整備促進及び鉄道沿線を含めた都市づくりを一体的に推進するとあります。国土交通省の鉄道沿線まちづくりガイドラインによれば、人口減少により若年層の減少を加速させ、負のスパイラルから抜け出すために、駅前に文化施設、拠点病院、商業施設などの整備を進める中身となっています。一方、大田区の実施計画では、2043年まで人口増、2043年以降も現在の人口を上回る水準を維持しますとあります。国が進める鉄道沿線のまちづくりの前提が異なります。さらに、コロナ禍の中で全事業見直しを行っています。まちづくりも見直しの対象です。その中で、組織を変えてまで一体的に進めるのはなぜでしょうか、その根拠をお答えください。  次に、都市開発担当部長及び新空港線・まちづくり調整準備室長を廃止する理由として、新空港線の整備促進と一体になった地域のまちづくりをさらに推進するとあります。新年度から、準備から推進に変わった根拠とは何かお答えください。以上です。(拍手) ○塩野目 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎川野 副区長 第9号議案につきまして、通告がありました1点目の鉄道沿線を含めた都市づくりを一体的に進める組織改正を行う根拠及び2点目の準備から推進に変わる根拠についてのご質問に併せてお答え申し上げます。  鉄道沿線のまちづくりは、大森駅、蒲田駅や私鉄主要駅等の交通結節点及び駅周辺街区の機能更新や交通利便性等を向上させるという視点に加え、国が示す新型コロナ危機を契機としたまちづくりにも合致したものでございます。また、こうしたまちづくりに取り組むことは、コロナ禍における出口戦略として、かつ、コロナ収束後の大田区の持続的な発展を目指した中長期的な視点から、都市政策としても重要であると考えてございます。現在、新空港線の早期整備に向け都と区の協議が行われていること、また、大森駅や蒲田駅等の交通結節点及びその周辺の都市基盤や街区の機能更新のための具体的な検討が進められてございます。今回の組織改正は、こうした新空港線の整備促進及び鉄道沿線を含めた都市づくりを一体的に進めるとともに、災害に備えた国土強靱化の取組の一環としても、着実にまちづくりを推進するために行うものでございます。以上でございます。 ○塩野目 議長 次に、47番奈須利江議員。                    〔47番奈須利江議員登壇〕 ◆47番(奈須利江 議員) フェアな民主主義、奈須利江です。  第5号議案 令和2年度大田区一般会計補正予算(第8次)について質疑いたします。  最終補正予算で余らせた予算を特定目的基金に積み立てることが繰り返されています。今回の補正予算にも、公共施設整備資金積立基金20億円、新空港線整備資金積立基金10億円が計上されています。  そこで3点伺います。第1点目です。昨年と今年とで、執行残が起きた理由、当初予算で計上せず、基金に積み立てた理由に違いはありますか。  2点目です。コロナを理由とする執行残とそれ以外の執行残を比べ、本年度において執行残を減らすよう予算編成、執行した改善の努力や効果はどこにありますか。  第3点目です。特に蒲蒲線など区長の政策的色合いの強い事業について、当初予算に入れない理由について、昨年の質疑で大田区は、「公共施設整備資金積立基金につきましては、今後の公共施設の機能更新の集中に対応するため、また、新空港線整備資金積立基金につきましては、新空港線事業の早期着手を目指すことから、令和2年度予算で計上予定だった一部を前倒しで積み立てるため、今年度の収支見込みなどを勘案いたしまして補正をさせていただくものでございます。基金の活用は、景気の影響に左右されることなく、区の一般会計への影響を抑えながら、将来の行政需要に的確に応えることができることがメリットと考えてございます」と答えています。  ところが、今、コロナで区内経済、区民生活は急激に悪化し、大田区でも財源の580億円の不足が言われています。将来の行政需要はコロナによる区民生活の悪化に対応すべきものではないかと思いますが、昨年同様、あえて区民生活と直結しない使途の限定された特定目的基金である公共施設整備基金、新空港線に積み立てるのはなぜですか。  第13号議案 大田区外部監査契約に基づく監査に関する条例の一部を改正する条例について質疑いたします。  大田区の包括外部監査は、遵守すべき法令や規則などの基準に照らし合わせた監査の視点での点検を、通常の議会活動では見ることのできない細部にわたり詳細に点検しており、非常に勉強になっています。現在、毎年行っている包括外部監査ですが、条例を改正して隔年の監査になれば、点検の分野がその分縮小し、外部の目が入りにくくなります。  そこで伺います。大田区はこれまでの包括外部監査をどのように評価していますか。大田区の事業全ての分野を監査するには何年かかると見込みますか。隔年になれば監査の目が及ばない事業や部署が増えることになりますが、監査が隔年になっても適正な執行を守ることを区民に示すため、大田区として何をしますか。  第14号議案 大田区積立基金条例の一部を改正する条例について質疑いたします。  奨学金の財源を寄付にすることで、財政民主主義や課税要件法定主義の原則を逸脱することになる可能性について伺います。大田区は財政民主主義や課税要件法定主義の原則を逸脱する可能性についての問題意識を持っていますか。寄付を財源に奨学金を設置することが、寄付の余裕のある区民とそうでない区民との間の負担の公平化のみならず、施策など区政への影響力の違いにつながることはありませんか。寄付を求めることが区民への強制にならないための方策、例えば、寄付の多寡にかかわらず匿名性を守り、金額は公表しないなどは考えていますか。  第15号議案 大田区手数料条例の一部を改正する条例について質疑いたします。  この条例改正の租税特別措置法の規定による第1号買換え特例措置の適用区域であることについて、証明申請手数料を定める規定について伺います。この適用区域には、人口、産業の過度の集中を防ぐことを目的とした工場等制限法を根拠に、城南島、京浜島、昭和島などの区域の事業者の買換え特例措置の適用が除外されていますが、既に法律は2002年に廃止となっています。この条例改正による城南島などの適用除外は、大田区の工業集積から見れば好ましいものの、業種により異なりますが、コロナによる影響で移転を考えている事業者がいるとすれば不利になります。  そこで伺います。この条例改正は区内産業にどのような効果や影響をもたらすと考えていますか。また、移転が相対的に不利になっている城南島などの区域とそこで操業する事業者に対し、大田区は今後、産業振興策を講じていきますか。  報告第2、第3、第5から第8号について伺います。  これらの専決処分は、主にコロナを理由に工期が延長されたことによる契約金額の増加です。コロナを理由に延期されれば後年度の財政負担の山が大きくなると思いますが、大丈夫でしょうか。こうした工期の変更は今後も起きる可能性があると思いますが、他の建設工事契約や事業を含め、一時期に財政負担が集中しないよう、単に工事を完了させるという視点だけでなく、財政、金融、インフレなど周辺事情も配慮し工期の管理をしていますか。以上です。(拍手) ○塩野目 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎川野 副区長 ただいまご質問いただきましたことに対しまして順次お答え申し上げます。  最初に、第5号議案につきまして、通告がございました3点の質問にお答え申し上げます。  1点目の昨年と今年とで執行残が起きた理由、当初予算で計上せず、基金に積み立てた理由の違いはあるかについてでございますが、まず、不用額、いわゆる執行残の昨年度と今年度の違いといたしましては、特に今年度は感染症の影響を受け、多くの事業が中止や延期、工期の変更などが生じたため、昨年度と比較してより多くの不用額が見込まれるものでございます。  次に、当初予算で計上せず、基金に積み立てた理由でございますが、基金の積立ては、区が推進する事業に必要な財源を確保するため、基金の設置目的に鑑み、原則として当初予算に計上してございます。その上で、その時々の予算の執行状況や財政状況を踏まえ、予算執行過程における歳出の精査や決算剰余金などで生み出された財源を活用し、補正予算においても適時適切に積立てを行うことが、強固で弾力的な財政基盤の構築につながるものと考えており、今年度も昨年度と同様に基金に積み立てることといたしました。  2点目のコロナを理由とする執行残とそれ以外の執行残を比べ、本年度において執行残を減らすよう予算編成、執行した改善の努力や効果はどこにあるかにつきましては、予算編成に当たりましては、最少の経費で最大の効果を上げるよう、事業費など必要額を適切に見積もるとともに、予算執行段階では、事務事業を着実に推進し、事業の目的、コスト、成果を意識するなど、不断の改善に取り組んでいるところでございます。その効果でございますが、不用額は、各事業における予算執行段階での節減努力や契約落差、事業実績の減などにより、毎年度、一定の額が生じますが、本区におきましては、予算現額に対する執行率といたしまして、令和元年度決算で95.6%となっておりまして、特別区全体の94.2%と比較し、適正な水準であるものと評価してございます。さらに、大田区の近年の執行率は上昇傾向にあり、改善の効果と捉えているところでございます。  3点目の将来の財政需要はコロナによる区民生活の悪化に対応すべきものではないかと思うが、あえて区民生活と直結しない公共施設整備資金積立基金、新空港線整備資金積立基金に積み立てるのはなぜかにつきましては、公共施設や公共交通の整備は、いずれも区民生活に欠かせない事業でございます。今後の公共施設等の維持更新は、平成28年度からの20年間で約3300億円と推計しており、将来に向けての区民生活に必要な経費でございます。新空港線は中長期的に区の発展の礎となる事業であり、いずれも区民生活に欠かせない事業として、必要な財源を確保するため、基金へ積立てを行うものでございます。  コロナ禍における緊急課題といたしましては、本年度は特に補正予算を適時編成し、感染症の拡大防止や区民生活、区内経済を支えるため、迅速かつ的確に対応してまいりました。その一方で、感染症の影響を受け、多くの事業において中止や延期、工期の変更などが生じ、年度末に向けて改めて予算執行の精査を行いました。また、感染症対策をはじめ喫緊の課題への迅速かつ適切な対応に向け、貴重な資源を再配分するため、全事務事業の見直し、再構築を行い、例年に増して予算執行の精査を行ったところでございます。こうした財政運営上の工夫を凝らし、財源を生み出し、今後必要となる財政需要への備えとして、今回、一般会計補正予算案(第8次)において、令和3年度予算に計上を予定しておりました公共施設整備資金積立基金及び新空港線整備資金積立基金への積立金を計上するものでございます。  続きまして、第13号議案について、通告がございました2点のご質問にお答えいたします。  1点目の大田区はこれまでの包括外部監査をどう評価しているかにつきましては、外部監査制度は平成9年の地方自治法改正で導入され、従来の監査委員制度に加えて、一定の資格等を有する専門家が監査を行うことによって、監査の独立性、専門性を強化するもので、その指摘、意見は、適正かつ効率的な行政運営に資する貴重なものだと評価してございます。各部局においては、事務改善の対象として、外部監査人からの指摘、意見に対する措置及び再発防止策を実施しており、区政の公正性、透明性をより一層確保するとともに、職員の意識向上にも寄与していると考えております。  2点目の全ての分野を監査するには何年かかると見込むか、監査が隔年になっても適切な執行を守ることを区民に示すため、大田区として何をするかにつきましては、区は、平成17年度から包括外部監査を実施しており、これまで国保、スポーツ推進、小学校、中学校等に関する事務など、部局の特定事業を対象とした場合と、補助金、資産、人件費等、部局共通のテーマが選ばれた場合がございます。包括外部監査においてどのようなテーマを選択するかは外部監査人に委ねられておりまして、全ての区政分野を順次監査することを目的にしている制度ではございません。  なお、包括外部監査が隔年になっても適切な執行を守るため、令和元年度から新たに設置された総務部内部統制推進担当が、監査の指摘、意見に関する各部局の取組状況を調査、確認するなどによりまして、2年かける改善のサイクルの中で適切に事務事業の見直しや再発防止策の実行を推進するなど、監査の効果を高めてまいります。また、事務事業の適正な執行をより確固たるものとするため、「コンプライアンスの推進」、「業務の効率的かつ効果的な遂行」、「財務に関する適切な事務の遂行」、「区民の大切な資産の適切な管理運用」を四つの柱とする大田区内部統制取組方針を着実に推進し、内部統制評価報告書を来年度から毎年区民に公表してまいります。  第14号議案について、通告がありました3点のご質問にお答えいたします。
     1点目の奨学金の財源を寄付にすることに関しての区の問題意識についてですが、財政民主主義に関しましては、今回の基金を今後活用する大学等進学時の給付型奨学金は、令和3年度大田区各会計予算事項別明細書にも、歳出予算として「積立基金を活用した給付型奨学金(585万円)」と記載させていただいているとおり、毎年度、区議会でご審議いただく内容となっておりますので、財政民主主義を逸脱するとは考えてございません。  次に、課税要件法定主義につきましては、寄付は徴収手続に権力的要素が強い租税負担とは性格が異なることから、お話の課税要件法定主義の原則を逸脱するものとは考えてございません。  2点目の寄付を財源とした奨学金の設置が、区民の区政への影響力の違いにつながるのではないかにつきましては、寄付をすることは強制されるものではなく、特定の目的に充てられることに賛同した方の善意により行うものであり、負担の公平性の視点に立つものではございません。また、奨学金の給付は、審議会の諮問により給付対象者を決定しており、寄付をする区民の方に区の施策上の利益がもたらされたり、恣意が反映されるものではありません。  3点目のご寄付いただいた方の氏名や金額の公表につきましては、寄付は社会貢献のためにお金を役立ててほしいという方の自発的な意思に基づくものであり、強制されるものではございませんので、他の寄付金の取扱いと同様、申込み時にご寄付いただいた方から公表・非公表のご希望を伺うなど、従前の対応をしてまいります。  第15号議案について、通告がございました2点の質疑にお答えいたします。  1点目の条例改正は区内産業にどのような効果や影響をもたらすと考えるかにつきましては、今回の条例改正は、租税特別措置法第37条及び第65条の7の規定に基づく1号買換え特例税制の改正に伴い改正するものでございますが、特例税制につきましては、既成市街地への産業及び過度な集中を抑制し、活力ある持続可能な都市の実現に向け、既成市街地内の土地、建物等の資産を譲渡し、既成市街地外に資産の買換えをすることで売買差益が生じた場合、その80%にかかる課税について課税繰延べの措置を適用する制度でございます。大田区ではこれまで、区内全域が特例税制の対象区域でございました。しかし、本来、工業の利便を増進すべきである京浜島、昭和島、城南島におきましては、おおむね工業専用地域であり、特例税制による既成市街地外への移転を推進すべきではないため、これら区域は特例税制の適用区域から外れてございます。このことにより、区内に特例措置適用を受ける場所と受けない場所が生じるため、本件特例税制の適用を受ける場合、税務署に対し適用区域であることの証明書を提出する必要があることから、今回この証明書の発行手数料を新たに制定するための条例の一部を改正するものでございます。したがいまして、条例改正そのものは区内産業における効果や影響を与えるものではございません。  2点目の当該区域とそこで操業する事業者に対し、今後、産業振興策を講じるかにつきましては、当該区域は大田区企業立地促進基本計画において重点立地推進エリアと指定していることなどからも、引き続き区として産業振興策を講じていくことには変わりございません。  報告第2号及び第3号、第5号から第8号について、通告がありました2点のご質問にお答えいたします。  1点目のコロナを理由とする工期延長で後年度の財政負担の山が大きくなると思うが、大丈夫かについてですが、仮称新蒲田一丁目複合施設新築工事、大田区立大森第七中学校校舎改築その他工事(T期)及びそれらの関連工事の工期延長につきましては、竣工年度の変更はなく、既に議会でご承認をいただいております債務負担の範囲内で対応してまいります。  2点目のこうした工期の変更は今後も起きる可能性があるが、財政等の周辺事情も配慮し工期の管理をしているかにつきましては、区が実施する工事は、当初設定した工期の遵守を前提として、適切な進捗管理の下で実施しております。工期の変更が必要となった場合は、物価変動など社会経済状況の急激な変化への対応を含め、契約約款に基づいて区と受託者が協議し、延長期間を最小限にとどめるなど、当該事業全体への影響が最低限となるよう適切に工期を設定しております。以上でございます。 ○塩野目 議長 以上をもって質疑を終結いたします。  本案については、報告第1号から報告第8号に至る8件を除き、いずれも所管総務財政委員会に付託します。  なお、本案中、第29号議案 職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例につきましては、地方公務員法第5条第2項の規定に基づき、あらかじめ特別区人事委員会の意見を聴いておきました。タブレット型端末に配信の写しのとおりですので、ご報告いたします。                ――――――――――――――――――――                                        02特人委給第677号                                        令和3年2月24日   大田区議会議長 塩野目 正 樹  様                         特別区人事委員会 委員長  中 山 弘 子         地方公務員法第5条第2項に基づく人事委員会の意見聴取について(回答)  令和3年2月19日付2大議発第10881号により意見聴取のあった下記条例案については、異議ありません。                         記  第29号議案 職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○塩野目 議長 日程第2を議題とします。                     〔井上事務局長朗読〕 △日程第2  第17号議案 大田区区民活動支援施設条例の一部を改正する条例 ほか4件                ―――――――――――――――――――― ○塩野目 議長 理事者の説明を求めます。 ◎川野 副区長 ただいま上程されました各議案についてご説明申し上げます。  第17号議案は、大田区区民活動支援施設条例の一部を改正する条例で、区民活動支援施設大森の共同事務室の区画数を改めるほか、規定を整備するため改正するものでございます。  第18号議案は、大田区特別出張所設置条例の一部を改正する条例で、大森西特別出張所の一時移転、田園調布特別出張所の移転及び蒲田西特別出張所の一時移転のため改正するものでございます。  第19号議案は、大田区産業プラザ条例の施設の一部の供用停止に関する条例で、大田区産業プラザのコンベンションホール及び大展示ホールの大規模な改修を行うに当たり、当該改修の期間、当該施設の供用を停止するため制定するものでございます。  第20号議案は、大田区産業連携支援施設条例の一部を改正する条例で、大田区産学連携施設を廃止するほか、規定を整備するため改正するものでございます。  第28号議案は、建物明渡し等の請求に関する民事訴訟の提起についてで、訴えを提起するため、地方自治法第96条第1項第12号の規定に基づき提出するものでございます。  以上、よろしくご審議の上、ご決定賜りますようお願い申し上げます。 ○塩野目 議長 本案については質疑の通告がありませんので、いずれも所管地域産業委員会に付託します。               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○塩野目 議長 日程第3を議題とします。                     〔井上事務局長朗読〕 △日程第3  第30号議案 大田区介護保険条例の一部を改正する条例 ほか4件                ―――――――――――――――――――― ○塩野目 議長 理事者の説明を求めます。 ◎川野 副区長 ただいま上程されました各議案についてご説明申し上げます。  第30号議案は、大田区介護保険条例の一部を改正する条例で、令和3年度から令和5年度までの保険料率を定めるほか、規定を整備するため改正するものでございます。  第31号議案は、大田区指定地域密着型サービスの事業の人員、設備、運営等に関する基準を定める条例の一部を改正する条例で、指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準の改正に伴い、感染症対策の強化の取組に係る事項を定めるほか、指定地域密着型サービスに関する基準を改めるため改正するものでございます。  第32号議案は、大田区指定地域密着型介護予防サービスの事業の人員、設備、運営等及び指定地域密着型介護予防サービスに係る介護予防のための効果的な支援の方法に関する基準を定める条例の一部を改正する条例で、指定地域密着型介護予防サービスの事業の人員、設備及び運営並びに指定地域密着型介護予防サービスに係る介護予防のための効果的な支援の方法に関する基準の改正に伴い、感染症対策の強化の取組に係る事項を定めるほか、指定地域密着型介護予防サービスに関する基準を改めるため改正するものでございます。  第33号議案は、大田区指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例で、指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準の改正に伴い、感染症対策の強化の取組に係る事項を定めるほか、指定居宅介護支援等に関する基準を改めるため改正するものでございます。  第34号議案は、大田区指定介護予防支援等の事業の人員及び運営並びに指定介護予防支援等に係る介護予防のための効果的な支援の方法の基準等に関する条例の一部を改正する条例で、指定介護予防支援等の事業の人員及び運営並びに指定介護予防支援等に係る介護予防のための効果的な支援の方法に関する基準の改正に伴い、感染症対策の強化の取組に係る事項を定めるほか、指定介護予防支援等に関する基準を改めるため改正するものでございます。  以上、よろしくご審議の上、ご決定賜りますようお願い申し上げます。 ○塩野目 議長 質疑に入ります。  本案については、奈須利江議員から通告がありますので、これを許します。                    〔47番奈須利江議員登壇〕 ◆47番(奈須利江 議員) フェアな民主主義、奈須利江です。  第30号議案 大田区介護保険条例の一部を改正する条例について質疑いたします。  今回の条例改正は、今後3年間の保険料率を定めるための改正です。現在約53億円ある基金から約25億円を使って保険料上昇を抑えます。  そこで伺います。基金は53億円から約29億円になると聞いています。基金を使い切った後、保険料はどうなると予測していますか。大田区としてどうしますか。 ○塩野目 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎川野 副区長 第30号議案について、通告がございました1点目の基金を使い切った後、介護保険料はどうなると予測していますか及び2点目の大田区としてどうしますかのご質問に併せてお答え申し上げます。  今回提案させていただきました大田区介護保険条例の一部を改正する条例案が規定している令和3年度から5年度の期間の中で、介護給付費準備基金を全て使い切る想定はしてございません。以上でございます。 ○塩野目 議長 奈須議員、再質疑ですか。奈須議員、演壇にて再質疑を許可します。                    〔47番奈須利江議員登壇〕 ◆47番(奈須利江 議員) 質疑をさせていただいたのは、今回、区民の保険料負担を考えて、基金を取り崩し、上昇を抑えるということなんですけれども、こうしたことが今後続くことによって基金がなくなることが今回の条例改正で見えてきたのではないかと思って、今回だけでなく今後も含めてお伺いをいたしました。ご答弁をお願いいたします。 ○塩野目 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎今岡 福祉部長 ただいま再質疑がありました介護給付費準備基金についてお答えいたします。  発言通告された内容についての基本的な考え方は先ほど川野副区長が申し上げたとおりでございますが、改めてご説明させていただきますと、今回、第30号議案にて提案した大田区介護保険条例の一部を改正する条例が規定している令和3年度から5年度の期間の中で、介護給付費準備基金を全て使い切る想定はございません。以上でございます。 ○塩野目 議長 以上をもって質疑を終結いたします。  本案については、いずれも所管健康福祉委員会に付託します。               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○塩野目 議長 日程第4を議題とします。                     〔井上事務局長朗読〕 △日程第4  第21号議案 大田区立従前居住者用賃貸住宅条例 ほか1件                ―――――――――――――――――――― ○塩野目 議長 理事者の説明を求めます。 ◎川野 副区長 ただいま上程されました各議案についてご説明申し上げます。  第21号議案は、大田区立従前居住者用賃貸住宅条例で、従前居住者用賃貸住宅の使用者の資格その他の規定を整備するため改正するものでございます。  第22号議案は、大田区特別区道の構造等に関する条例の一部を改正する条例で、道路構造令の改正に伴い、特別区道の構造の技術的基準について規定を整備するため改正するものでございます。  以上、よろしくご審議の上、ご決定賜りますようお願い申し上げます。 ○塩野目 議長 本案については質疑の通告がありませんので、いずれも所管まちづくり環境委員会に付託します。               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○塩野目 議長 日程第5を議題とします。                     〔井上事務局長朗読〕 △日程第5  第23号議案 大田区立保育園条例の一部を改正する条例 ほか3件                ―――――――――――――――――――― ○塩野目 議長 理事者の説明を求めます。 ◎川野 副区長 ただいま上程されました各議案についてご説明申し上げます。  第23号議案は、大田区立保育園条例の一部を改正する条例で、大田区立東六郷保育園を廃止するため改正するものでございます。  第24号議案は、大田区立学校設置条例の一部を改正する条例で、大田区立大森第七中学校の移転のため改正するものでございます。  第25号議案は、大田区立学校校外施設設置条例の一部を改正する条例で、大田区立野辺山学園を廃止するため改正するものでございます。  第26号議案は、大田区いじめ防止対策推進条例で、区におけるいじめの防止等のための対策を総合的かつ効果的に推進するため制定するものでございます。  以上、よろしくご審議の上、ご決定賜りますようお願い申し上げます。 ○塩野目 議長 質疑に入ります。  本案については、奈須利江議員から通告がありますので、これを許します。                    〔47番奈須利江議員登壇〕 ◆47番(奈須利江 議員) フェアな民主主義、奈須利江です。  第26号議案 大田区いじめ防止対策推進条例について質疑いたします。  この条例は、目的にいじめの未然防止、いじめの早期発見及びいじめへの対応など、いじめ防止等のための対策について、基本理念を定め、大田区、区立学校等の責務及び地域住民等の役割を明らかにすること、そして区の対策に関する基本的な事項を定めることにより、いじめの防止などのための対策を効果的に推進することを目的とすると書かれています。
     そこで伺います。この条例の区の責務であるいじめの防止等のための体制整備や「他の地方公共団体、区立学校、保護者、地域住民及び関係機関等と協力して、いじめの防止等のために必要かつ効果的な施策を策定し、及び実施する」は、子どもの環境に大きな影響を及ぼす保護者の経済・所得状況や雇用環境、医療制度や障害福祉、伸び伸び遊べる公園や自然環境、高等教育を受けられる権利ほか、子どもを取り巻く社会、経済、環境整備まで含まれますか。また、子どもを取り巻く社会、経済、環境整備などを担う大田区の各部署の政策的な関与が担保された条例ですか。 ○塩野目 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎川野 副区長 第26号議案について、通告がありました2点のご質問にお答え申し上げます。  1点目の条例の区の責務は、子どもを取り巻く様々な社会、経済、環境整備まで含まれているかについてでございますが、条例第3条では、基本理念として、いじめ防止等のための対策は、区立学校の内外を問わず、いじめが行われなくなるようにすることを旨として行わなければならないと規定しております。このため、いじめ防止等の対応に当たりましては、学校の教育環境に限定することなく、いじめを生む背景事情を幅広く捉え、必要かつ効果的な施策を策定し、実施してまいります。  次に、2点目の大田区の政策的な関与が担保された条例ですかにつきましては、条例第5条で区の責務として、「いじめの防止等のための体制を整備するとともに、必要かつ効果的な施策を策定し、及び実施する責務を有する」と規定しております。また、条例第17条で、区長及び教育委員会は、相互に連携し、いじめの重大事態への対処又は再発防止のために必要な措置を講ずる旨の義務づけを規定してございます。区といたしましては、関連部局が相互に連携・協力しながら、いじめ防止等に取り組んでまいります。以上でございます。 ○塩野目 議長 以上をもって質疑を終結いたします。  本案については、いずれも所管こども文教委員会に付託します。               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○塩野目 議長 日程第6を議題とします。                     〔井上事務局長朗読〕 △日程第6  第1号議案 令和3年度大田区一般会計予算 ほか3件                ―――――――――――――――――――― ○塩野目 議長 理事者の説明を求めます。 ◎川野 副区長 ただいま上程されました各議案についてご説明申し上げます。  第1号議案は、令和3年度大田区一般会計予算で、歳入歳出予算の総額は、歳入歳出それぞれ2937億7761万1000円となり、令和2年度当初予算に比べ2.2%の増となっております。  まず、歳入予算の主なものを申し上げます。特別区税754億5173万3000円、特別区交付金670億5600万円、国庫支出金578億1183万8000円、都支出金223億8672万1000円などとなっております。次に、歳出予算の款別の額とその主な内容を申し上げます。議会費は11億5377万9000円で、議会活動諸経費などとなっております。総務費は401億6608万9000円で、公民連携事業の推進やキャッシュレス決済の推進など新たな自治体経営へのシフトに係る経費、大森西、入新井、田園調布、千束、蒲田西地区の公共施設整備に係る経費などとなっております。福祉費は1584億613万8000円で、子どもの生活応援推進事業に係る経費、高齢者や障がい者への支援等の充実、保育園、児童館のICT化推進に係る経費などとなっております。衛生費は125億5954万6000円で、新型コロナウイルス感染症患者受入れ支援に係る経費、新型コロナウイルスワクチン接種事業に係る経費などとなっております。産業経済費は60億3046万9000円で、大田区南六郷創業支援施設開設に係る経費、オンラインを併用した受発注相談事業に係る経費などとなっております。土木費は227億4473万5000円で、(仮称)田園調布水防センターの設置等、水防活動拠点の整備に係る経費、公園・緑地の整備に係る経費などとなっております。都市整備費は68億4831万3000円で、羽田空港跡地のまちづくりに係る経費、鉄道・都市づくり関連事業の推進に係る経費、住宅リフォーム助成事業の拡充に係る経費などとなっております。環境清掃費は108億3475万9000円で、地球温暖化防止対策に係る経費、食品ロス削減プロジェクト推進に係る経費などとなっております。教育費は316億4858万3000円で、教科用システム等運用に係る経費、中学校への採点支援システムの導入に係る経費、不登校特例校分教室「みらい教室」の開室に係る経費などとなっております。そのほか、公債費24億4765万円、諸支出金2億3755万円、予備費7億円となっております。このほか、債務負担行為56件、地方債5件をお願いしております。  第2号議案は、令和3年度大田区国民健康保険事業特別会計予算で、歳入歳出予算の総額は、歳入歳出それぞれ662億855万1000円でございます。歳入予算の内容は、国民健康保険料、都支出金、繰入金などで、歳出予算の内容は、総務費、保険給付費、国民健康保険事業費納付金などとなっております。このほか、債務負担行為1件をお願いしております。  第3号議案は、令和3年度大田区後期高齢者医療特別会計予算で、歳入歳出予算の総額は、歳入歳出それぞれ174億2620万4000円でございます。歳入予算の内容は、後期高齢者医療保険料、繰入金などで、歳出予算の内容は、広域連合納付金、保健事業費などとなっております。  第4号議案は、令和3年度大田区介護保険特別会計予算で、歳入歳出予算の総額は、歳入歳出それぞれ596億801万6000円でございます。歳入予算の内容は、介護保険料、国庫支出金、支払基金交付金などで、歳出予算の内容は、総務費、保険給付費、地域支援事業費などとなっております。  以上、よろしくご審議の上、ご決定賜りますようお願い申し上げます。 ○塩野目 議長 本案については質疑の通告がありません。  お諮りいたします。本案については、予算特別委員会を設置し、これに付託の上、審査したいと思います。これにご異議ありませんか。                   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○塩野目 議長 ご異議なしと認め、そのように決定いたしました。  お諮りいたします。ただいま設置されました予算特別委員会の定数は49名とし、委員は、委員会条例第6条第1項の規定に基づき、タブレット型端末に配信しました予算特別委員名簿のとおり本職から指名したいと思います。これにご異議ありませんか。                   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○塩野目 議長 ご異議なしと認め、そのように決定いたしました。                ――――――――――――――――――――              予 算 特 別 委 員 名 簿   田 中 一 吉 委員   松 原 秀 典 委員   高 瀬 三 徳 委員   岸 田 哲 治 委員   大 森 昭 彦 委員   押 見 隆 太 委員   鈴 木 隆 之 委員   湯 本 良太郎 委員   伊佐治   剛 委員   深 川 幹 祐 委員   長 野 元 祐 委員   渡 司   幸 委員   高 山 雄 一 委員   海老澤 圭 介 委員   松 本 洋 之 委員   岡 元 由 美 委員   勝 亦   聡 委員   広 川 恵美子 委員   秋 成   靖 委員   玉 川 英 俊 委員   田 村 英 樹 委員   大 橋 武 司 委員   小 峰 由 枝 委員   椿   真 一 委員   田 島 和 雄 委員   末 安 広 明 委員   大 竹 辰 治 委員   清 水 菊 美 委員   黒 沼 良 光 委員   佐 藤   伸 委員   菅 谷 郁 恵 委員   福 井 亮 二 委員   荒 尾 大 介 委員   杉 山 公 一 委員   荒 木 秀 樹 委員   犬 伏 秀 一 委員   三 沢 清太郎 委員   松 原   元 委員   須 藤 英 児 委員   植 田 智 一 委員   野 呂 恵 子 委員   北 澤 潤 子 委員   小 川 あずさ 委員   庄 嶋 孝 広 委員   平 野 春 望 委員   奈 須 利 江 委員   馬 橋 靖 世 委員   荻 野   稔 委員   奥 本 有 里 委員                ―――――――――――――――――――― ○塩野目 議長 なお、本日の会議終了後、正副委員長互選のため、予算特別委員会を本議場において招集いたしますので、ご了承願います。               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○塩野目 議長 日程第7を議題とします。                     〔井上事務局長朗読〕 △日程第7  委員会提出第1号議案 大田区議会会議規則の一部を改正する規則                ―――――――――――――――――――― ○塩野目 議長 お諮りいたします。本案については、会議規則第38条第3項の規定に基づき、提出者の説明を省略したいと思います。これにご異議ありませんか。                   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○塩野目 議長 ご異議なしと認め、そのように決定いたしました。  質疑に入ります。  本案については、奈須利江議員から通告がありますので、これを許します。                    〔47番奈須利江議員登壇〕 ◆47番(奈須利江 議員) フェアな民主主義、奈須利江です。  委員会提出第1号議案 大田区議会会議規則の一部を改正する規則について質疑をいたします。  この改正は、これまで速記法によって速記していた記録を、録音機により記録に改めるための改正です。  そこで伺います。録音機という機材だけに頼るのではなく、その場で聞いて記録する速記との併用はなぜ考えなかったのですか。  2番目、録音機の記録だけになると、将来、自動文字起こしに頼るようになり、人の手を介在しない議事録をつくることも可能ですが、人の手を介在せず、チェックしない議事録をつくることも想定していますか。  3、録音機など機器を使用した議事録作成と速記が行う議事録作成で、経費的なことや雇用について提出者としてどのように考えていますか。 ○塩野目 議長 提出者の答弁を求めます。                    〔10番伊佐治 剛議員登壇〕 ◆10番(伊佐治剛 議員) 奈須議員、質問ありがとうございます。奈須議員から通告のありました3件の質問につきまして順次お答えをさせていただきます。  まず、速記との併用はなぜ考えなかったのかとのことですが、現在、地方議会で速記を廃止し、録音した音声データによる反訳を行う議会が増えており、特別区においては、大田区を除く22区のうち14区で録音機のみによる反訳を行っています。大田区議会でも昨年の第1回臨時会において、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、速記者を議場に入れない運用とするため、速記に替えて録音機により記録した上で、録音データによる反訳委託を実施しました。その結果、業者から提出された反訳データは、通常の速記と変わらない精度の高いものが上がってきたと報告を受けています。今後、音声データによる反訳を行う場合には、議会の会議録の反訳業務の請負実績を持つ業者を活用することで、引き続き精度の高い反訳原稿が提出されるものと考えています。また、現在では、ICレコーダーなどの録音機を複数台使い音声を録音しているほか、議会中継の映像につきましても複数台で録画しており、録音機が故障して音声記録が取れないような事象は起こっていません。以上のことから、新型コロナウイルス感染リスク、反訳原稿の精度などを総合的に判断した結果、速記を廃止し、録音機による記録とすることを提案するものでございます。  次に、将来、人の手を介在せず、チェックしない議事録をつくることも想定しているのかとのことですが、会議録の作成に当たっては、音声を文字にそのまま起こすだけにとどまらず、情景描写の記載や、また発言の取消し、修正があった場合の会議録の修正、このほか適正な修文作業を行う必要があります。また、それ以外にも、同音異義語の確認や大田区の事業名など行政用語の確認など、職員の目でチェックを行う必要があり、人の手を介在させずに会議録を作成することは想定をしておりません。  最後に、議事録作成についてですが、録音機など機器を使用した場合と速記が行う場合とで、経費的なことや雇用についてどのように考えているのかとのことですが、経費的には、速記を廃止し音声データによる反訳を委託することにより、経費が抑えられるものと想定しています。雇用につきましては、速記に替えて録音機により記録した音声データの反訳を委託することにより、雇用が発生するものと考えております。以上でございます。 ○塩野目 議長 以上をもって質疑を終結いたします。  本案については、会議規則第38条第2項の規定に基づき、委員会への付託を省略いたします。  討論に入ります。  本案については、奈須利江議員から通告がありますので、これを許します。                    〔47番奈須利江議員登壇〕 ◆47番(奈須利江 議員) 委員会提出第1号議案 大田区議会会議規則の一部を改正する規則について、反対の立場から討論いたします。  この規則改正は、これまで速記法により速記だった区議会の記録を、録音機により記録することに改めるものです。速記だけではありませんが、今の会議の記録でも誤りが時々見つかるように、正確な記録は簡単ではありません。今も実務上は速記と録音を併用していると思います。これを録音機によると変えれば、根拠法令がなくなりますから、人の手による速記による記録ができなくなります。チェックするとの説明をいただきましたが、速記とは違うと思います。過去に大田区議会の委員会で、録音機が二つとも壊れたことがあるのを私は経験しています。そのときは復旧したと後日言われましたが、そういったことはないとは言えないということです。  近年、利便性の高い機器が開発され、話し言葉を文字に変換するソフトも開発されています。精度も上がっており、かなり使えるようになってきています。今は録音でその後チェックするのだと思いますが、録音と記録が同時にできるようになり、機器だけの記録に頼るようになる日が来るのもそう遠い日ではないように思い、心配です。仮にコストから選ぶとしても、これまでコストで選んで、私たちがその分コスト削減による効果を実感できているものは、実は多くはありません。機器の不具合や誤変換などがないとは言えませんし、そのときに速記がよかったと思っても、速記という技術そのものがなくなってしまうかもしれません。他議会がやっているからや、コロナを理由に速記を外すことには問題があると思います。  議会の記録は、大田区の意思決定における最も重要な記録であり、区民への説明責任の根本だと思います。よって、速記を外し、録音機だけの記録とする改正に反対いたします。 ○塩野目 議長 以上をもって討論を終結いたします。  採決に入ります。  本案を起立により採決いたします。  この際、申し上げます。本会議における表決につきましては、会議規則第84条で「問題を可とする者を起立」させることが規定されておりますが、本定例会中、菅谷郁恵議員におかれましては、挙手によることを認めることといたしますので、ご了承願います。  本案は原案どおり決定することに賛成の方はご起立願います。                      〔賛成者起立〕 ○塩野目 議長 起立多数であります。よって本案は原案どおり決定いたしました。               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○塩野目 議長 日程第8を議題とします。                     〔井上事務局長朗読〕 △日程第8  3第16号 大深度法に基づくリニア新幹線のシールド工事に関する陳情 ほか2件                ―――――――――――――――――――― ○塩野目 議長 お諮りいたします。本件については、いずれも交通臨海部活性化特別委員会に付託したいと思います。これにご異議ありませんか。                   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○塩野目 議長 ご異議なしと認め、そのように決定いたしました。               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○塩野目 議長 日程第9を議題とします。
                        〔井上事務局長朗読〕 △日程第9  3第19号 新飛行ルート騒音の追加拠点の継続調査を国に要望することを求める陳情 ほか1件                ―――――――――――――――――――― ○塩野目 議長 お諮りいたします。本件については、いずれも羽田空港対策特別委員会に付託したいと思います。これにご異議ありませんか。                   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○塩野目 議長 ご異議なしと認め、そのように決定いたしました。               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○塩野目 議長 次に、請願・陳情の付託について申し上げます。今回受理しました請願・陳情は、ただいま特別委員会に付託しました5件を除き、お手元に配付の付託表のとおり、それぞれ所管常任委員会及び議会運営委員会に付託します。                ――――――――――――――――――――                令和3年第1回定例会 請願・陳情付託表                                      令和3年2月25日付託 総務財政委員会  3第20号 大田区の公共施設におけるWi−Fi環境を早急に整備することを求める陳情  3第24号 投票率向上のために投票所の増設を求める陳情 地域産業委員会  3第25号 田園調布せせらぎ公園の今後の整備に関して協議会の設置を求める陳情 健康福祉委員会  3第3号 生活保護制度をより豊かなものにするために政府への意見書提出を求める陳情  3第5号 新型コロナウイルス感染症拡大防止のためPCR検査の公費負担での実施を求める陳情  3第6号 新型コロナウイルス感染症対策の拡充を緊急に求める陳情  3第8号 安全・安心の医療・介護の実現と国民のいのちと健康を守るための陳情  3第9号 新型コロナウイルス感染症に係る自宅療養者への自宅療養支援セットの配布を求める陳情  3第11号 子どもや高齢者の感染防止のため、広範で定期的なPCR検査を求める陳情  3第23号 新型コロナ感染対策についての陳情 こども文教委員会  3第10号 「小中学校全学年の35人学級化」を国と都に働きかけることを求める陳情  3第12号 キッズゾーンの設置のための保育園等近辺の危険な道路調査を求める陳情  3第13号 保育園等近辺の危険な道路にキッズゾーンの設置を求める陳情  3第27号 すべての子どもがすこやかにそだつ大田区をめざす為の請願 議会運営委員会  3第7号 陳情の取扱いについて、従来通りの審議を区議会に求める陳情  3第18号 大田区議会のコロナ対策の改善を求める陳情  3第21号 陳情を今まで通り受付け、「区民の声を聴く」区議会を求める陳情               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○塩野目 議長 以上をもって本日の日程全部を終了いたしました。  お諮りいたします。明2月26日から3月4日までは委員会審査のため休会とし、来る3月5日午後1時に会議を開きたいと思います。これにご異議ありませんか。                   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○塩野目 議長 ご異議なしと認め、そのように決定いたしました。  ただいまご着席の方々には改めて通知はいたしませんので、そのようにご了承願います。  本日はこれをもって散会いたします。                     午後5時55分散会...