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令和 2年 第2回 定例会−06月12日-02号

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  1. 大田区議会 2020-06-12
    令和 2年 第2回 定例会−06月12日-02号


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    令和 2年 第2回 定例会−06月12日-02号令和 2年 第2回 定例会 令和2年第2回定例会 大田区議会会議録 第9号 6月12日(金曜日)  出席議員(50名)   1 番 田中一吉       2 番 松原秀典       3 番 高瀬三徳   4 番 岸田哲治       5 番 大森昭彦       6 番 塩野目正樹   7 番 押見隆太       8 番 鈴木隆之       9 番 湯本良太郎   10 番 伊佐治 剛      11 番 深川幹祐       12 番 長野元祐   13 番 渡司 幸       14 番 高山雄一       15 番 海老澤圭介   16 番 松本洋之       17 番 岡元由美       18 番 勝亦 聡   19 番 広川恵美子      20 番 秋成 靖       21 番 玉川英俊   22 番 田村英樹       23 番 大橋武司       24 番 小峰由枝   25 番 椿 真一       26 番 田島和雄       27 番 末安広明   28 番 大竹辰治       29 番 清水菊美       30 番 黒沼良光   31 番 佐藤 伸       32 番 菅谷郁恵       33 番 福井亮二   34 番 荒尾大介       35 番 杉山公一       36 番 荒木秀樹   37 番 犬伏秀一       38 番 三沢清太郎      39 番 松原 元   40 番 須藤英児       41 番 植田智一       42 番 野呂恵子   43 番 北澤潤子       44 番 小川あずさ      45 番 庄嶋孝広   46 番 平野春望       47 番 奈須利江       48 番 馬橋靖世
      49 番 荻野 稔       50 番 奥本有里                ――――――――――――――――――――  出席説明員   区長            松原忠義    副区長           川野正博   副区長           清水耕次    企画経営部長        市野由香里   総務部長          後藤 清    危機管理室長        須川孝芳   地域力推進部長       今井健太郎   観光・国際都市部長     飯嶋清市   スポーツ・文化担当部長   町田達彦    区民部長          小泉貴一   産業経済部長        山田良司    福祉部長          今岡正道                         障がい者総合サポートセンター所長   福祉支援担当部長      張間秀成                  森岡 剛   健康政策部長        木田早苗    保健所長          伊津野 孝                         まちづくり推進部長                         新空港線・まちづくり調整準備室長兼務   こども家庭部長       浜口和彦                  齋藤浩一   都市開発担当部長      青木重樹    空港まちづくり本部長    白鳥信也   都市基盤整備部長      久保輝幸    環境清掃部長        落合邦男   会計管理者         鴨志田 隆   企画経営部企画課長     杉山良樹   企画経営部財政課長     田村彰一郎   総務部総務課長       中澤 昇   教育長           小黒仁史    教育総務部長        玉川一二   教育総務部教育総務課長   政木純也                ――――――――――――――――――――  出席事務局職員   局長       井上隆義         次長       古川雅章   議事担当係長   矢作研治 議事日程第2号  令和2年6月12日  午前10時開議  第1   第60号議案 大田区手数料条例の一部を改正する条例   第61号議案 大田区印鑑条例の一部を改正する条例   第62号議案 大田区特別区税条例等の一部を改正する条例   第66号議案 包括外部監査契約の締結について   第67号議案 久根橋外1橋構造改良工事請負契約について   第68号議案 仮称大田区南六郷創業支援施設内部改修その他工事請負契約について   第69号議案 呑川合流改善貯留施設立坑設置に伴う用地整備工事請負契約について   第70号議案 令和2年度大田区一般会計補正予算(第3次)   報告第15号 令和元年度大田区繰越明許費繰越計算書   報告第16号 令和元年度大田区事故繰越し繰越計算書   報告第17号 大田区土地開発公社の経営状況に関する書類の提出について   報告第18号 一般財団法人国際都市おおた協会の経営状況に関する書類の提出について   報告第19号 公益財団法人大田区文化振興協会の経営状況に関する書類の提出について   報告第20号 公益財団法人大田区スポーツ協会の経営状況に関する書類の提出について   報告第21号 公益財団法人大田区産業振興協会の経営状況に関する書類の提出について   報告第22号 株式会社大田まちづくり公社の経営状況に関する書類の提出について   報告第23号 一般財団法人大田区環境公社の経営状況に関する書類の提出について   報告第24号 民事訴訟の提起に係る専決処分の報告について   報告第25号 区の義務に属する損害賠償額決定に係る専決処分の報告について  第2   第63号議案 大田区高齢者アパート条例の一部を改正する条例   第64号議案 大田区介護保険条例の一部を改正する条例   第65号議案 大田区住宅宿泊事業法施行条例の一部を改正する条例  第3   2第 24号 3月26日に区長が国土交通大臣に提出した要望を後押しする区議会決議等を求める陳情   2第 51号 羽田空港国際線増便の目的消失による、航空機の新飛行経路の飛行停止を国に望む陳情   2第 53号 コロナ禍で減便の今、増便目的の羽田新ルートの中止を国に要望して欲しいと願う陳情   2第 55号 空港まちづくり本部の「機能強化」を求める陳情   2第 56号 コンビナート上空飛行をやめてもB滑走路離陸を都心北上ルートにしないよう求める陳情   2第 57号 羽田空港周辺の正確な騒音コンター図の公表を要望する陳情   2第 60号 新経路の運用開始で京浜島の騒音が倍加する状況への対策を講じてほしい陳情   2第107号 空港周辺住民の環境を考えず国策優先の時代をくり返すことのないようお願いする陳情   2第108号 横田基地の空域削減の状況について知らせる事を求める陳情  第4   2第 33号 区外にある大田区の施設設置自治体との協定等を見直してほしい陳情               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜                     午前10時開議 ○広川 副議長 ただいまから本日の会議を開きます。               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○広川 副議長 昨日に引き続き質問を行います。  まず、39番松原 元議員。                  〔39番松原 元議員登壇〕(拍手) ◆39番(松原元 議員) 令和大田区議団の松原 元でございます。本日は会派を代表して質問を行います。よろしくお願いいたします。  まず、新型コロナウイルス感染症によりお亡くなりになった方々にお悔やみを申し上げるとともに、ご療養中の方々にお見舞いを申し上げます。また、この間、日々、身を削りながら、新型コロナウイルス感染症との闘いに身を置く医療従事者の方々に対し、心から敬意を表するとともに、感謝を申し上げます。  現在も世界規模で感染拡大が進む新型コロナウイルス感染症は、我が日本国において当初、流行していた中国・武漢発のウイルスが収束した3月以降、海外からの旅行者や帰国者らによる欧州発のウイルスが猛威を振るっております。3月2日の安倍首相による全国小中高学校の臨時休校要請からも感染者数は拡大をし、3月24日に東京オリンピック・パラリンピックの1年の延期が決まり、翌日には小池東京都知事から「感染爆発の重大局面」との発言がありました。その後、著名人の訃報が伝わる中、4月7日には政府が「新型インフルエンザ等対策特別措置法」に基づく緊急事態宣言を宣言いたしました。1日の感染者数のピークは、現在の集計で最も大きかったものは、4月12日、743名に達し、5月初旬までは連日100名以上の新規感染者が確認される状況が続きました。緊急事態宣言が5月25日に全面的な解除となりましたが、東京都においては、6月2日に東京アラートを発令し、昨日、6月11日まで警戒が呼びかけられていました。新たな行動様式が求められている状況であります。まさしく、いまだ国難、浮世であります。  この間、区は、議会新型コロナウイルス感染症対策本部会議を通して、各議員の発言に真摯に耳を傾け、区民の生活を守るべく尽力されてきたと考えております。第1回定例会後、先月の臨時会までの期間、議会が招集をされず、本事態に対応した施策の多数が区長の専決処分となったことには当然議論はございますが、本事態に対応した現況下では致し方ないと考えます。戦時に類する事態であります。何より、この非常事態においては、議会と区行政の目指すものは同じであると信じております。多くの人々、区民を脅かすこの惨苦を乗り切るべく、議会と区はまさしく「車の両輪」として、建設的な議論が進められることを願ってやみません。  では、新型コロナウイルス対策に関連した質問を2問行います。  区は特別定額給付金の郵送申込みの申請書を6月1日に順次発送を開始いたしました。他の23区と比較して、若干スピードに欠ける感が否めません。収入源を失い、急速に困窮する区民の方々にとって、給付時期は一刻も早いことが望まれます。どうか給付金の振込においては、結果として、区民が他区との格差を感じないように、迅速な給付にご尽力いただきますようお願いを申し上げます。  また、隣の品川区が全区民に対する生活支援策を行うとの報道がありました。これに対して、一部の大田区の区民より羨む声が聞かれております。しかし、まず、現行ある支援策を確実に迅速に進めていただきたいことを強く要望いたします。  このような中、懸念されることは、事態が長期化した際、現在の区のイレギュラーな人的な配置を続けていくことが今後もできるかという点であります。これまで区は、新型コロナウイルス感染症に関連した新たな施策を行うため、区民部や産経部、福祉部等の業務量が格段に増加した部署に対して、職員の集中を行っていると理解しております。この間、一部の部署において、支援制度申請者が大挙して早朝より区役所に集まり、図らずも避けるべき3密が発生してしまったこともあり、職員の集中は当然の処置であったと考えております。しかし、事態が長期化すれば、今後、通常の業務に支障が発生しないかと危惧するところであります。  では、伺います。コロナの災厄の中、本年、これから先、いかにして乗り切るおつもりなのか、区長の決意をご答弁願います。  現在、区は8月末までの区関連行事の中止、延期を公表しております。近年、大田区内には、区関連行事以外にも、地域の区民団体等が催す大小様々な催事が行われてまいりました。これらは、まさしく松原大田区長が長年この大田区において高めてきた「地域力」のたまものであります。  今、現場では、夏から秋に向けて催事の準備を進めるか否かの判断に苦慮しております。自治会、商店街、シニアクラブ、特にシニアクラブの方々は、今楽しみが本当に奪われている状況であります。その他、様々な大田区の地域力を形成している団体が悩みを深め、時には、催事実施の可否についての議論において、人間関係を損ねる事態ともなっております。国の緊急事態宣言から、東京都の活動再開ロードマップ、スリーステップというものです、東京アラート等の様々な情報が今、入り乱れております。本来であれば、「新しい日常」の中でも進めることができることができなくなる、逆に「新しい日常」からすれば、非常識とも言える決定がなされることも今、起こり得る状況です。どうか大田区は、これまで10年余りの長きにわたり地域力を高めてきた松原大田区長がリーダーシップをとり、催事開催に対する統一の基準をお示しいただきたいと思いますが、ご答弁を願います。  次に、学校施設に関連したコロナ対策について伺います。  3月2日から3か月間継続した休校が明け、区内小中学校では分散登校が始まり、給食も再開されました。しかし、東京都では、連日、新規感染者が発生しております。いまだ先の見通せない状況において、区教育委員会をはじめ、学校の教職員、関係者の方々のご労苦は並々ならない水準に達していると考えます。この間のご努力が本年度の教育行政再起への礎になることを願ってやみません。  現在、今年度中の区立小中学校への1人1台のタブレットの配備が決まり、ネット授業に向けた環境整備が進められている状況でありますが、整備がなされるのは来年度以降であり、本年度は新型コロナウイルス感染症対策を整え、学校内でクラスターを発生させずに学校を開校し続け、カリキュラムをいかに進めていくかが目下の重要課題であると考えます。  区立学校の長期間の休校は様々なゆがみをもたらしました。父兄への影響はもちろん、日中、自宅にいた子どもたちの少なからずが生活リズムを崩し、心身を共に害しました。学校の開校とその維持は極めて重要であると考えます。また、学校は、勉学、勉強だけでなく、同世代と人間性を育み、人格を完成させていく場であります。感染症対策の徹底を継続しつつ、子どもたちにとって、本年度の残りの期間が同学の士らとよき体験、よき思い出をつくれることを願ってやみません。  文部科学省は、「学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル」を作成し、「新しい生活様式」を踏まえた学校の行動基準を示しています。これらは学校内での行動様式を詳細に定めております。特に集団感染のリスク対応について、密閉の回避、密集の回避、密接の場面での対応を記述されており、これらを厳密に実施すると、例えば同級生同士のコミュニケーションにも支障が出るのではないかと危惧するところであります。特に最高学年において、ソーシャルディスタンスを徹底するあまり、新学期、新たなクラスメイトの顔を覚えることもできずに卒業するといった環境にならないか危惧するところであります。  では、伺います。本年度、区内小中学校の開校をいかに維持し、児童・生徒の健全育成に資していくか、ご答弁を願います。  次に、昨年の台風19号に関連した質問を3問いたします。  昨年の台風19号において、大田区各所で浸水被害が発生いたしました。特に田園調布の丸子川付近では、身の丈を越えるほどの浸水被害が発災し、729件もの家屋が床上・床下浸水、損壊などの被害を出し、人命被害はありませんでしたが、消防、警察、自衛隊の協力により、孤立していた方16名が救助されるなど、一つのボタンの掛け違い、状況の変動があれば、さらに深刻な結果になっていたと容易に想像ができます。  大田区は昨年度中にこの浸水被害の原因究明を行うとしておりましたが、先月、5月開催のまちづくり環境委員会にて、新型コロナウイルス感染症拡大防止の取組のため、原因究明の取りまとめに遅延が生じているとの報告がありました。致し方ないことかもしれませんが、大変残念です。本来なら、大田区、世田谷区、東京都下水道局の共通の検証報告を出発点として、今後の浸水対策が練られていくと考えておりました。大変厳しい状況下であると思いますが、どうか一刻も早くお取りまとめいただきますよう、強く要望をいたします。  大田区は、この間、田園調布の浸水地区で土のう置場を増設、また、マイ・タイムラインの普及啓発、刷新した大田区ハザードマップを作成し、配布する等の取組を実施してまいりました。これらの取組を大変高く評価いたします。ぜひこのような取組は、なお一層継続されていくべきものであると考えます。  考えるに、今回の浸水被害の拡大の一因は、昨年10月の浸水と、それ以前の浸水との期間が空き、本地域が本来であれば水害に備えていなければならない土地柄であるという認識を地域として継続することができなかったからではないでしょうか。田園調布四・五丁目を見渡しても、かさ上げはおろか、半地下の家屋が多数あり、地続きの世田谷区と比較しても、水害に対応したまちとは言い難い状況でありました。  今現在、この地域に住まう方々は、今回の浸水被害から多くの教訓を得ましたが、これから移り住んでくる、今回の浸水被害を体験していない方々に対して、特に自助の啓発を継続していかなければなりません。例えば隣の川崎市では、浸水予想地域に避難誘導のサインを設置しております。大田区も同様に、避難誘導だけでなく、例えば浸水地点を指し示す標識などの視覚的に自助を啓発する取組を考えるべきではないでしょうか。また、過去の浸水被害を取りまとめ、後学のため、冊子等の資料にまとめ、啓発することも有効ではないかと考えます。  では、伺います。本件を風化させることなく、自助を育み、啓発するための取組を継続していただきたいと考えますが、区のお考えをお聞かせください。  さて、本年も台風シーズン、出水期を迎えました。昨年のような大型台風が来襲するのではないかと危惧するところであります。当会派では、昨年の浸水被害後、各定例会にて絶えず世田谷区をはじめとする広域的な防災への取組の重要性を申し上げ、そして、求めてまいりました。これについて伺います。これまでの進捗、成果をご答弁願います。  先月27日、国より各都道府県防災担当者に向け、「避難所における新型コロナウイルス感染症への対応に要する経費について」と題する通知があり、この中で、「避難所としてのホテル・旅館、研修所その他の施設等活用支援事業」、また、「避難所における感染防止対策用物資・資材の備蓄支援事業」の紹介がされています。これらは積極的に活用し、段ボールベッドやパーテーション、非接触型体温計の設置等をなし、感染症防止対策の対応が可能な避難所整備に取り組んでいただきたいと強く要望をいたします。  そして、これから先、激甚化する風水害に加え、感染症対策も念頭に入れた対策が求められてまいります。さらなる関係機関との連携、連帯が必要とされています。先の浸水被害においても、孤立した16名の区民を救出する際、大きな助けとなったのは、消防、警察、自衛隊の方々でありました。こうしたことからも、東京都、警察、消防、自衛隊との連携をなお一層進めていく必要があると感じます。区のお考えをお聞かせください。  最後に、ウィズコロナにおける多文化共生に関連して1問伺います。  大田区は、これまで国際都市おおたを標榜し、多文化共生を進めてまいりました。74万区民のうち2万人以上が外国籍の方であり、羽田空港より、国内、国外を問わず、あまたの人々が往来する当区は、まさしく国際都市にふさわしい要素を備えておりました。国際都市おおた宣言を一昨年行ったことは記憶に新しいかと存じます。しかし、現状、羽田空港に海外からの客足は途絶えました。国際交流拠点都市と多文化共生都市を目指す「国際都市おおた」のありようが今、試されていると考えます。これはまさしく「『国際都市おおた』多文化共生推進プラン」の柱である、外国人区民の方々へのコミュニケーション支援と、外国人区民も暮らしやすい生活環境の整備、国際理解、国際交流をいかに維持していくかに集約されると考えます。
     新型コロナウイルス感染症と共存する社会の仕組みを組み立てつつも、同時に、国際都市おおたの維持発展に努めていかなければなりません。例えば外国人区民などの情報弱者を生み出してはなりません。外国人区民が今後も様々な支援策を知り、理解し、利用するまでのスキームを区が維持していくことができるか、また、今、ネット環境が劇的に進化し、従来のフェイス・ツー・フェイスに限らず、交流を進めていくことができます。区が率先して、新たな国際交流の環境整備に乗り出すべきであると考えますが、いかがお考えでしょうか、ご答弁を願います。  新しい生活様式の行動変容が迫られている、まさしく国難において、この大田区がこれまで歩んできた道のりを否定することなく、区民の生命、財産、幸福を守るべく、松原区長を筆頭に、総力を挙げて区政運営に取り組んでいただきますよう、最後にお願い申し上げまして、私の質問を終えます。ありがとうございます。(拍手) ○広川 副議長 理事者の答弁を求めます。 ◎松原 区長 松原議員の代表質問に順次お答えをさせていただきたいと思います。  まず、新型コロナウイルス感染症への対応についてのご質問でございますが、区は、これまで区民の皆様の生命と財産を守るため、喫緊の課題である「感染拡大防止」、「区民生活支援」、「区内経済対策」を中心として、支援・実施体制の構築や事務事業の見直し再構築、事業実施に必要な予算措置などを進めてまいりました。例えば支援・実施体制の維持構築の取組といたしましては、区民生活に大きな影響を及ぼす業務や、迅速に対応すべき業務を着実に推進するため、業務継続計画に基づき、事務事業の休止、縮小を実施したうえで、感染症対策や融資及び給付金業務などに職員の異動や兼務発令を行い、対応してまいりました。また、緊急あるいは臨時的に事務が集中する場合に、迅速かつ適切な事務執行ができるよう、部局内及び部局間における職員の応援体制に関する規程を整備し、全庁挙げての応援体制により、給付金事業に取り組んでおります。一方、緊急事態宣言の解除に伴い、再開する社会経済活動に併せ、区は、常に感染拡大の予防を優先しつつ、段階的に休止事業を再開するとともに、感染症対策、生活再建・経済復興対策等を加速度的に推進していく必要があります。そのためには、徹底した事務事業の見直しや、安全かつ利便性の高い非接触型区民サービスを提供するためのICTの活用のほか、テレワークの推進などによる働き方改革等に積極的に取り組みます。今後も、これまで以上に選択と集中を図り、優先度の高い施策に行政資源を集中的に投下して、この難局を乗り越えてまいります。  次に、催事開催に対する統一の基準のことでございますが、区は、緊急事態宣言の発令を踏まえて、速やかに緊急対応の方針を打ち出し、その中で、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、区主催の各種イベント等を8月末日まで原則として中止する旨を決定いたしました。また、区民の皆様に対しましても、同様の観点から、各種活動の自粛について依頼し、ご協力をいただいたところです。国の緊急事態宣言が解除されて以降、国や都は、屋内外のイベント実施について、段階的なガイドライン等を示しておりますが、「東京アラート」が発動される等、先が見通せない状況でもあります。このような状況の中で、区主催の各種イベント等はもちろん、地域におけるお祭りなどの様々な活動においても、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、その実施の可否や方法について、慎重な判断が求められております。一方で、これまで区民の皆様が築いてこられた地域社会、あるいは社会活動への影響も考慮しなければなりません。区といたしましては、国や都のガイドライン等に準拠し、感染症対策を十分に講じたうえで、区民の皆様の安全・安心を第一にしながら、地域共生の新たな仕組みづくりも視野に、今後の各種イベント等開催の方向性について決定してまいります。  次に、自助の育みを啓発するための取組についてですが、昨年の台風19号の教訓を踏まえ、自助の大切さを区民の皆様にお伝えする必要性を改めて再認識しました。区民一人ひとりが「自分の命と安全は自分で守る」という意識のもと、自ら積極的な防災対策を講じることが大切です。本年度は、風水害に対する自助の育みを啓発するための取組として改訂したハザードマップの全戸配布と、8月にはマイ・タイムライン講習会を予定しております。ハザードマップは、自分のお住まいの地域の災害リスクを知っていただく、自助の取組の基礎となるものです。また、マイ・タイムライン講習会は、参加者自らが水害リスクに真正面から向き合い、「行動する人」への変化を促す取組です。こうした普及事業を継続実施することで、自助の取組をより一層加速していきたいと考えております。今年は新型コロナウイルス感染症の発生により、普及活動に一定の制約が伴いますが、周知方法を工夫し、一人でも多くの区民に浸透するよう呼びかけてまいります。また、区では、自宅を風水害から守る対策として、区内23か所に土のう置場を設置しています。これを田園調布地区に3か所増設し、26か所とする予定です。大切なご自宅を浸水被害から守るためには、梅雨や台風が来る前に土のうを準備しておくことが重要です。この土のう置場の拡充により、浸水被害が想定される区域にお住まいの方々の「自ら備える」取組を支援してまいります。引き続き区民の皆様の自助を育むための啓発に全力で取り組んでまいります。  次に、広域的な防災の取組の進捗と成果についてでございますが、これまでも国が主催する多摩川流域大規模減災協議会に本区も参加して、国や多摩川流域の都県、市区町村と連携を図ってまいりました。本協議会では、昨年の台風19号により、多摩川流域で甚大な被害が発生したことを受け、河道の土砂掘削や樹木の伐採による流下能力向上等のハード対策と、マイ・タイムラインの取組推進等のソフト対策が一体となった「多摩川緊急治水対策プロジェクト」を今後おおむね5年から10年間で進めていくこととなりました。今年度は5月に書面会議を開催し、減災に係る取組方針を改定して、取組事項を拡充したほか、多摩川タイムラインの確認や、京浜河川事務所管内等における主な取組内容の共有を行いました。そして、この間、本区をはじめ、協議会を構成する自治体が、国土交通省が実施した洪水予警報の情報伝達訓練に参加し、都県を介した洪水予警報の受信や、区の活動体制や活動状況の発信等に取り組みました。また、本年5月下旬に本区と川崎市、世田谷区の3市区が打合せを行い、昨年の台風19号の教訓を踏まえたそれぞれの風水害対策の強化方針を共有するとともに、避難情報を発令するタイミングや方法等について協議しました。喫緊の課題であります避難場所等における感染症対策についても、取組状況について意見交換を行い、対策に反映しました。今後も、多摩川の流域また下流部で共通の課題に取り組む国や都県、自治体等との相互連携を図りながら、区の風水害対策の強化に取り組んでまいります。  次に、関係機関との連携についてでございますが、東京都をはじめ、警察、消防、自衛隊などの防災関係機関とは、いざというときに円滑な協力連携がなされるように、平時から計画の作成や訓練を通じて相互に理解を深め、情報交換などをしておくことが必要でございます。これらの関係機関との連携が区民の生命を守るうえで極めて重要であることは、台風19号での救助活動などを通じ、改めて実感したところでございます。こうしたことから、今年1月に実施した災害対策本部運営訓練を兼ねた国民保護図上訓練では、警察、消防、自衛隊にも参加をしていただき、関係機関との連携要領などを訓練しました。この訓練は大規模集客施設へのテロという想定でしたが、現地対策本部において、観客や住民の避難・誘導に関する関係機関との調整などを訓練することができ、大きな成果があったものと考えております。今後、災害の発生が差し迫っている場合には、区内の警察署や消防署に加えて、本区を担当する自衛隊の部隊や東京都からも連絡員を区の災害対策本部に配置していただくなど、さらなる連携体制の強化を図ってまいります。また、状況の進展に応じ、関係機関と的確に連携していくためには、状況分析や対策の立案、調整などに関し、区の災害対策本部の力量を向上させることが必要です。今後、ますます激甚化の傾向にある災害から区民の生命を守るため、区の災害対策本部の強化に取り組んでまいります。  次に、「国際都市おおた」維持発展のため、外国人区民への支援策を維持し、新たな国際交流の環境整備に乗り出すべきとのご質問でございますが、区は、平成22年3月に「大田区多文化共生推進プラン」を策定し、大田区基本構想で区の将来像として掲げた「国際都市おおた」の実現に向け、多文化共生のまちづくりを推進してまいりました。議員お話しのとおり、区は平成29年3月に「国際都市おおた宣言」を行い、平成31年3月には、従来の多文化共生推進に加え、国際交流、国際理解の要素も盛り込んだ「『国際都市おおた』多文化共生推進プラン」を新たに策定し、多文化共生とともに、国際交流・国際理解施策を着実に進めてまいりました。この間、平成29年12月には「一般財団法人国際都市おおた協会」を設立し、「国際都市おおた宣言」の中で表現された、観光の魅力、多文化共生の大切さ、産業の力強さを伸長させることを目的に、平成30年4月から活動しております。現在、新型コロナウイルスの影響により、海外との交流は縮小していますが、区として、まず外国人区民の情報格差解消を図ることを最優先と捉え、都内自治体の中でいち早く多言語による新型コロナウイルス関連情報のツイッター配信を開始しました。micsおおたでの多言語相談窓口につきましても、緊急事態宣言が発出されていたさなかにおいて、感染防止に配慮しながら、電話、メールを中心とした相談業務を継続しており、今後も外国人区民への支援策を推進してまいります。また、新型コロナウイルス感染拡大が収束に向かう中で、海外との交流も活発化していくことが想定され、収束後においては、従前のフェイス・ツー・フェイスの交流にとどまらない、新たな交流の可能性は十分にあります。昨今の情報通信技術の進化に合わせた新たな国際交流の在り方について、鋭意研究を進めてまいります。私からは以上でございます。 ◎小黒 教育長 区立小中学校の開校をいかに維持していくかについてのご質問ですが、学校が今月から再開され、待ちわびていた新学期が始まり、児童・生徒からは、友達や先生に会うのはうれしいなど、学校のある生活を取り戻した喜びの声を聞くことができました。学校再開に当たりましては、児童・生徒を感染から守ることが最優先課題といたしました。教育委員会といたしましては、密閉、密集、密接の「3密」を避けること、家庭での検温や体調確認、マスクの着用、手洗いの励行など、感染症対策を徹底するよう学校へ通知し、ご家庭に協力をお願いいたしました。一昨日から開始した給食につきましても、配膳や食べる際の留意事項を指導しております。また、感染症対策用品として、アルコール消毒液や非接触型体温計などを準備し、全ての学校に配付したほか、国や東京都から示された衛生管理マニュアルやガイドラインを学校に提供するなど、感染予防に関する情報を周知いたしました。現時点におきましては、分散登校しており、感染症の完全な収束には至らない状況にあります。引き続き、新型コロナウイルス感染症に係る学校の衛生管理を適切に行い、子どもたちが学校において健やかに成長、発達することができる教育環境をつくってまいります。 ○広川 副議長 次に、45番庄嶋孝広議員。                  〔45番庄嶋孝広議員登壇〕(拍手) ◆45番(庄嶋孝広 議員) エールおおた区議団幹事長の庄嶋孝広です。まずは、このたびの新型コロナウイルス感染症により亡くなられた皆様に哀悼の意を表し、現在も治療中の皆様の回復をお祈り申し上げます。  さて、今回、我が会派として初めての代表質問に立ちます。このたび、5月1日に、大田区議会緑の党、野呂恵子議員、大田・生活者ネットワーク、北澤潤子議員、立憲民主党大田区議団、小川あずさ議員、平野春望議員、そして、私、庄嶋孝広の5人で新会派「エールおおた区議団」を結成しました。新型コロナウイルス感染拡大という未曽有の事態をきっかけに交渉会派となり、これまで以上に責任を持って議会活動に取り組んでいきたいと考えました。新型コロナウイルス感染症がもたらす影響は、様々な社会の課題、特に弱い立場にある方々の課題を顕在化させています。一人ひとりの人権を尊重し、寄り添う姿勢で、誰かの支えになりたいと思う人たちとも手を携えながら、議会活動に臨んでいきたいと思います。  今回の初の代表質問も、新型コロナウイルス感染症に関連して、7点にわたり質問してまいります。  1点目は、新基本計画策定の延期に関連した質問です。  私は、昨年の初当選直後、令和元年第1回臨時会における連合審査会で、新基本計画の策定について質疑を行いました。本来であれば、前の基本計画である「おおた未来プラン10年」が昨年3月で計画期間を終えるのに合わせ、新たな基本計画がスタートすべきところでしたが、答弁では、令和元年から2年にかけて、「おおた未来プラン10年」を検証しながら、令和3年スタートの新基本計画を策定するスケジュールとのことでした。しかし、新型コロナウイルス感染拡大により、新基本計画の策定が延期となりました。今年4月に予定されていた新基本計画策定懇談会の開催が中止となるなど、策定スケジュールに変更が生じること、また、新型コロナウイルス感染拡大の前と後では区民ニーズも大きく変わっていると考えられるため、延期となったことは理解するところです。  その分、当面は、新型コロナウイルス感染症の影響から区民生活や区内産業を回復させるための区政運営が必要になると考えます。昨日の区長の答弁にも(仮称)緊急計画の話がありましたが、基本計画に代わる緊急計画をつくり、優先順位をつけて、行財政の資源を投入する必要があると考えます。一過性の対策ではなく、区民生活や区内産業が数か月にわたり徹底的に痛めつけられた状態から、一定期間をかけて回復させていくものでなくてはなりません。そのためには、優先順位をつけて取り組むことが必要になります。  「おおた未来プラン10年」の後半は、平成29年の大田区制70周年記念式典で行われた「国際都市おおた宣言」に象徴されるように、「国際都市」に力を入れていたと認識しています。しかし、新型コロナウイルスの世界的大流行、パンデミックの中で入国も制限され、今年4月の訪日客数は何と前年同月比99.9%減の僅か2900人。統計を取り始めたのは昭和39年、つまり、1964年、奇しくも前回の東京オリンピックの年でしたが、それ以来最少の数字となりました。  伺います。松原区政の二枚看板であり、大田区基本構想にも掲げられる「地域力」と「国際都市」は、新型コロナウイルスからの回復を図る時期の区政運営において、どのような位置づけで取り組まれることになるでしょうか。  2点目は、区内産業への影響把握についてです。  今後、優先順位をつけて行財政の資源を投入していくうえでは、状況を把握することが大事になります。感染防止のための休業や自粛により、全国的に経済活動が大きく停滞しました。帝国データバンクによると、昨日、6月11日までの新型コロナウイルス関連倒産の累計が全国で240社となっています。  大田区では、もともと事業主が高齢であることなどで廃業が増えつつある状況に対して、事業承継協議会を立ち上げ、事業承継を支援する事業を始めたところでした。私も商店街の中に事務所を構えており、これまで高齢の事業主が廃業なさる様子を見てきましたが、飲食店、物販店、サービス業を問わず、現在あるお店についても、このたびの外出自粛により、来店者や納入先の注文が減ったとの声を聞きました。新型コロナウイルス感染症の影響で廃業の動きが加速することを憂慮します。  国、東京都、大田区の無利子融資や給付金、協力金などで何とか持ちこたえてきた区内産業のためにも、まだまだ多くの経済対策が必要です。今定例会に提出されている一般会計補正予算(第3次)では、商店街活性化のためのプレミアム付商品券事業が盛り込まれており、自粛期間中に停滞していた消費が地域で促進されることを期待しています。  伺います。区長も第1回臨時会でのご挨拶で、区内産業の緊急実態調査の実施を表明されていますが、経済対策を行うためにも、商業、工業をはじめとする様々な業種について、新型コロナウイルス感染拡大の区内産業への影響を正確に把握する調査を行う必要があります。改めてその覚悟をお聞かせください。  3点目は、業務継続計画についてです。  平成25年4月に新型インフルエンザ等対策特別措置法が施行されましたが、実際に感染症が拡大していく中での行政サービスの継続は、大田区役所にとっても初めての経験であったと考えます。  今年2月3日に区長を本部長として、大田区新型コロナウイルス感染症対策本部が立ち上がり、今年3月14日には特措法の改正法が施行され、新型コロナウイルス感染症が特措法の適用対象となりました。4月2日の第12回大田区新型コロナウイルス感染症対策本部会議では、大田区業務継続計画〈新型インフルエンザ等編〉、いわゆるBCPの見直しが議題となっています。特措法に基づく4月7日の緊急事態宣言の発令を前に業務継続計画が見直されたと理解しています。その後、職員の2交代制が取られるようになりましたので、自宅勤務が導入される中でも行政サービスを継続できるよう、新たに発生する業務、継続する業務、縮小する業務、休止する業務の内容の見直しが行われることで、優先される業務への人員配置をするための備えがなされたと考えます。  伺います。新型コロナウイルス感染拡大という前例のない事態に対し、平成27年3月に策定した従来の業務継続計画のどのような点を主に見直しましたか。また、業務継続計画を見直したことで、今回の事態にどのように対応できましたか。  4点目は、非常時における区政判断についてです。  業務継続計画があるとはいえ、新型コロナウイルス感染拡大という非常時ゆえに、難しい判断に迫られる場面もあったのではないかと考えます。特に区立小中学校の入学式前後の対応は、文字どおり二転三転し、小学校の入学式は校庭で実施したものの、中学校の入学式は土壇場で延期する結果となりました。また、保育園の登園自粛か休園かの対応、保育園の育児休業に伴う復職日延長の対応なども難しい判断があったのではないかと想像します。  判断が難しくなっている要因には、区民等の意見がSNS等のネット空間で展開され、そこでの情報を基に、電話やメールで大量の意見が寄せられることにあります。我々議員の元にも、学校や保育園に関し、ツイッター等で多くの意見が寄せられました。ただし、多くといっても一方の意見、例えば「休校と言いながら分散登校させるべきではない」といった意見が多く寄せられたのが特徴です。そのため、私は、実際に知っている人たちにも意見を求め、総合的に判断するようにしました。  ツイッター等で寄せられる意見は匿名で表明されるものが一般的です。匿名ゆえに攻撃的な意見や、相手を傷つける言葉を使った意見も寄せられるのは、激しい誹謗中傷を受けて亡くなった女子プロレスラーの木村花さんの事件でも見られたことです。この事件における投稿を分析した専門家は、10回以上の投稿を行った人は僅か1.3%にもかかわらず、投稿数では14.7%を占め、一部の人の意見があたかも多くの人の意見であるかのように見えていたと指摘しています。  意見表明のハードルが下がることは、区民参加において決して悪いことではありませんが、例えば大田区区民意見公募手続き、いわゆるパブリックコメントでは、氏名や住所を明らかにしたうえで意見を表明することになっています。また、区議会の請願・陳情でも、氏名や住所を明らかにして行うことになっています。氏名を明らかにし、自分の発言に責任を持つことが区民参加のルールとされてきたとも言えます。  伺います。非常時の区政判断において、ネット空間で展開され、区に寄せられる意見をどのように扱っていくべきと考えますか。  5点目は、学校の臨時休業に伴う対応についてです。  3月2日の全国一斉休校から始まった区立小中学校と館山さざなみ学校の臨時休業は、新型コロナウイルス感染拡大の影響を象徴するものとなりました。6月に入り、ようやく学校再開となりましたが、約3か月に及ぶ臨時休業は様々な課題を残したと考えます。  一つは、当然ながら、学習面の課題です。児童・生徒は学校に通う機会がなくなりましたが、在宅で学習する機会は十分に設けられていたでしょうか。3月、4月は在宅学習の課題の出し方も十分ではなく、学校によるばらつきもあったと聞きますし、私自身、小中学生の子どもを持つ親としてもそのように感じました。一般会計補正予算(第2次)では、タブレット型端末の追加購入が予算化され、小中学生ほぼ1人1台に当たる台数が年度内にそろうことになりましたが、実際に使えるようになるのは来年度です。オンライン学習に限らず、再び臨時休業となる事態に備えて、いつでも在宅学習に切り替えられるよう、準備をしておく必要があります。また、憂慮されていた、学校再開を苦にしたと考えられる子どもの自殺が報じられており、不登校の子どもたちに対しては、心のケアはもちろん、在宅でもできる学びの保障をこの機会に進めていただきたいと思います。  もう一つは、給食がなくなったことでの食事面の課題です。ここ数年、子どもの貧困問題が言われる中で、学校給食が子どもたちの大事な栄養源となっていることが注目されてきました。「おおた子どもの生活応援プラン」にも、「適切な栄養の摂取による健康の保持増進、望ましい食習慣の定着、食に関する様々な理解と児童・生徒の心身の健全な発展のために給食を提供します」とあります。5月31日の朝日新聞に掲載された、同社が道府県庁所在市、政令指定市、東京23区の合計74市区を対象に行った調査では、給食に代わる対応として、約3割に当たる24市区で就学援助受給世帯に昼食代の支給を行ったとありました。中には、学校で給食や簡易給食を提供した市区が四つあったことも紹介されていました。  教育長に伺います。区立小中学校の臨時休業を振り返り、学校教育の観点から、在宅学習での学びの保障、給食に代わる食事の確保の課題について、どう総括し、今後にどう備えますか。  6点目は、その食事の確保への対応で見られた区民活動との連携、協働についてです。  大田区では、区立小中学校の臨時休業による食事の課題については、福祉的な対応で三つのことが行われたと理解しています。1番目は、3月に「子どもの長期休暇応援プロジェクト」として、大田区社会福祉協議会を通じて、子ども食堂連絡会参加団体に協力を呼びかけ、6か所の子ども食堂がお弁当を提供する事業に対して資金面の支援を行ったことです。2番目は、新年度に入って、緊急対応の第1弾として、予備費を活用し、中学3年生以下の子どもがいる生活保護受給世帯にレトルト食品等を提供したことです。3番目は、5月と6月の2期にわたり、大田区社会福祉協議会の取組として「子どもの昼食応援事業」を行い、区内の子ども食堂、学習支援団体などの区民活動団体、教育センター、民生委員などの相談支援機関が、食料を必要としていると判断した家庭の子どもに対して食料支援を行ったことです。レンジ等で調理できる食品やお菓子などが梱包され、配送されました。  このうち2番目は、生活保護受給世帯を対象としたもので、行政が把握している情報を基にアプローチする方法です。生活保護受給世帯にとどまらず、ひとり親世帯や就学援助の準要保護世帯などにも支援が必要ではないかと考えます。一方、1番目と3番目は、区民活動団体などが日頃の活動等を通じて培ってきた情報やつながりも活用してアプローチする方法です。「おおた子どもの生活応援プラン」による「地域とつくる支援の輪プロジェクト」に沿った取組とも言えます。  区民活動は自発的な活動ですので、1番目の「子どもの長期休暇応援プロジェクト」では、お弁当を提供した子ども食堂のある地域のみでの対応となりました。また、緊急事態宣言が出ている中では、お弁当作りの活動自体がしづらい状況となり、人が集えない状況下での区民活動の課題も見えたと思われます。もっとも、そんな中でもできることを行ったのが、3番目の「子どもの昼食応援事業」でした。大田区社会福祉協議会に取材したところ、保護者アンケートで、「給食がなく、3食作るのはかなりつらい」、「レンジで作れるものばかりなので、その分、子どもたちの宿題を見たり、一緒に遊んであげたりできた」、「仕事が減り、収入が減ったので、食料支援は助かる」などの声が寄せられていることが分かり、胸が熱くなりました。人が集えない状況の中でも、区民活動団体の持つ情報やつながりが生きたことで実現した事業と言えます。  伺います。「子どもの長期休暇応援プロジェクト」など、学校の臨時休業に伴う子どもの食事の課題への取組で、区民活動団体が果たした役割をどのように評価し、今後に活かしますか。  最後7点目は、感染症リスクがある中で、社会機能の維持のために働いてくださった方々への感謝についてです。  新型コロナウイルス感染症に対しては、医療従事者や介護・障がい福祉従事者をはじめ、エッセンシャルワーカーと呼ばれる職業の方々が、感染リスクにさらされながらも、感染者の治療に当たり、介護、介助に当たりました。本日成立予定の国の第二次補正予算案には、これらの職業の方々へ慰労金を出すことが含まれています。大田区においても、「医療・福祉従事者をはじめ、私たちの命を支えてくださっている皆様に心から感謝申し上げます 大田区」とのメッセージが区役所本庁舎前の懸垂幕塔に6月2日から掲げられ、感謝とねぎらいの気持ちが示されています。本当に感謝の気持ちに堪えません。  ただ、このように注目されている医療従事者や介護・障がい福祉従事者に比べ、登園や登室の自粛が出されながらも、それでも保育を必要とする子どもたちを預かり、子どもたちを感染させない、自分も感染しないとの大変な緊張感の中で、保育園や学童保育施設で従事した皆さんへの注目が弱いと考えます。先に述べた懸垂幕にある「福祉従事者」という表現の中に保育従事者も含まれていると解釈できなくはないですが、先に述べた慰労金のこともあり、一般の感覚として、保育従事者のことを想像する人は少ないのではないかと思います。  伺います。医療・福祉従事者の皆さんが命を守る仕事に従事できたのも、保育従事者の皆さんがいたからこそと言えます。これら保育や学童保育の事業に責任を持つ区市町村の大田区だからこそ、保育従事者にも感謝とねぎらいの気持ちを示し、たたえる方法を講ずべきと考えますが、いかがでしょうか。  質問は以上となりますが、最後に述べた、人に接するケアワークに携わった方々はもちろんですが、人と人の接触が難しくなっていく中で、それでもできることを考え、誰かの支えになろうとしてきた全ての皆さんに、この場をお借りし、感謝とねぎらいの気持ちを表させていただきたいと思います。本当にありがとうございます。  以上でエールおおた区議団の代表質問を終わります。(拍手) ○広川 副議長 理事者の答弁を求めます。 ◎松原 区長 庄嶋議員の代表質問に順次お答えをさせていただきます。  まず、新型コロナウイルスからの回復期の区政運営における「地域力」と「国際都市」の位置づけについてのご質問でございますが、平成20年に基本構想を策定して以来、将来像として掲げた「地域力が区民の暮らしを支え、未来へ躍動する国際都市 おおた」を実現するため、「地域力」と「国際都市」を区政の推進力として、施策を展開してまいりました。策定を延期させていただいた新たな基本計画におきましても、この「地域力」と「国際都市」を策定の視点の中心に据えてございました。新型コロナウイルスの感染拡大により、区民生活や区内経済が危機に直面している情勢下においては、引き続き、この二つの区政の推進力を最大限に活かしつつ、何よりも優先して区民の生命と財産を守ることに全力を注がなければならないと確信しております。そのため、「感染症拡大防止策」、「大規模自然災害対策」、「生活支援策」、「経済活動支援策」、「学びの保障」、「自治体経営改革」を柱とする(仮称)緊急計画を策定し、柱に該当する事業を重点事業として捉え、優先的に取り組んでまいります。また、感染症への対応は、感染拡大期、収束期等の局面に応じ、最適な施策を効果的なタイミングで展開する必要がございます。このことから、緊急計画では、いくつかの局面を想定することで、時期を逃すことなく、的確に施策を展開し、一日も早い事態の収束と区民生活及び区内経済の回復を図ってまいります。  次に、新型コロナウイルス感染症の区内産業への影響調査に関するご質問でございますが、議員のお話にありました、新型コロナウイルスの影響で倒産した企業は、6月8日までに全国規模で227社であり、負債総額については1573億円余と報告されており、多くの中小企業、小規模事業者を抱える本区といたしましても、大変危惧をしているところでございます。区内事業者の皆様がアフターコロナやウィズコロナに向けて、落ち込んだ操業環境を早期に回復させ、再び成長軌道を描けるよう、必要な産業支援策を実行していくために、区内産業を対象とした緊急実態調査を今後速やかに行ってまいります。感染拡大、外出自粛などの影響により、困難な経営状況に置かれている区内中小企業、小規模事業者の皆様の声をしっかりと受け止め、政策の企画立案につなげ、事業者の皆様に寄り添った、機動的な支援に結びつけてまいりたいと思います。  次に、業務継続計画についてのご質問ですが、中国で新型コロナウイルス関連肺炎が報告され、国内にも感染例が発生する中、区は、新型コロナウイルス感染症対策本部を、東京都の対策本部開設後、速やかに設置しました。区民の生命と健康を守るための取組に集中する一方、区は、区民にとって最も身近な基礎自治体であることから、区民生活に必要不可欠な行政サービスを継続して提供し、社会経済を破綻させないための対策も講じなければなりません。そこで、これまでの大田区業務継続計画を見直し、新型コロナウイルス感染症に関する相談窓口業務や、中小企業への緊急経済対策業務を新たに加えるとともに、これまで「継続する業務」としていたものを「縮小する業務」に変更するなど、整理をいたしました。4月7日の緊急事態宣言以降、区民生活及び経済活動に及ぼす影響を最小限にするため、修正した業務継続計画などに基づき、事務事業の休止、縮小を実施したうえで、新たに発生した相談業務や給付金の支給業務等にも、全庁をあげた応援体制を整備し、取り組んでまいりました。  次に、非常時の区政判断における、区民から寄せられる意見の対応についてのご質問ですが、区では、この間、感染症拡大防止、区民生活支援、区内経済対策に全庁をあげて取り組んでまいりました。区立小中学校や保育園をはじめとする、区民の皆様が利用される区施設につきましては、国からの通知や東京都の動向等に準拠し、区内での感染症拡大防止を最大の使命とする一方で、区民の皆様から電話やSNSなどで寄せられるご意見に耳を傾けながら、影響を最小限にする方法を慎重に検討し、臨時休業、登園自粛、利用休止等、各施設の実情に合わせた様々な対応を行ってまいりました。緊急事態宣言が解除されたものの、新型コロナウイルス感染症は収束を迎えたわけではなく、今後、第2波の発生が懸念されております。区といたしましては、引き続き、区民の皆様から寄せられる声を受け止めながら、国や都の動向を注視しつつ、区内における感染症対策に全力で取り組んでまいります。  次に、区民活動団体が子どもたちの食事の課題において果たした役割と今後についてのご質問ですが、子どもを取り巻く問題は、総じて外からは見えにくく、感染症拡大により、一層、子どもたちが集いの場で支援を受けることが難しい環境となりました。そのような状況の中でも、子ども食堂や学習支援団体等の区民活動団体は、日頃のつながりを活かして、助けが必要な子どもや家庭に対して、配食などの支援をしてくださいました。このことは、大田区が目指す、地域の力で多様な課題を解決し、魅力ある地域を創造していくことにつながると捉えております。区は、これまでも「地域とつくる支援の輪プロジェクト」など、こうした団体間の連携による子どもを見守る体制づくりを推進してまいりました。引き続き、区民活動団体と連携し、子どもたちが夢と希望を持って未来を切り拓いていける地域社会の実現を目指してまいります。  次に、保育所、学童保育施設の従事者への感謝やねぎらいについてのご質問ですが、新型コロナウイルス感染拡大防止の対策として、保育所や学童保育施設では、登園、登室の自粛のお願いをし、同時に、医療や社会福祉等の社会インフラに従事されている方々には、適切な保育サービスの提供を行ってまいりました。これまで、これらの施設では、感染が拡大することもなく、自粛にご協力いただいた保護者の皆様や、子どもの命と健康を守るために従事する保育所や学童保育施設の皆様には大変感謝をしているところでございます。懸垂幕は、新型コロナウイルス感染症と闘い、私たちの命を支えてくださっている全ての皆様への感謝の気持ちを表明しております。引き続き安心して子育てできる環境の確保に取り組んでまいる予定でございます。私からは以上です。 ◎小黒 教育長 学校の臨時休業中の在宅での学びの保障や、給食に代わる食事の確保に関するご質問です。  学校教育は、児童・生徒が登校して学習することを前提としてきた歴史がございまして、臨時休業を振り返りますと、各学校は、家庭でできる児童・生徒の取り組むべき課題づくりに努め、創意工夫した実績はあるものの、さらなる在宅での学習環境の充実が必要であると改めて認識いたしました。今後、家庭での学習環境の準備が急務であると考えております。そのため、オンライン授業の実践等をはじめ、ICTを活用した、学校、家庭を通じた学習環境の整備に全力で取り組んでまいります。また、理科の実験など、学校で行うことが望ましい学習と、読書活動など、家庭においても可能な学習とを明らかにし、家庭での主体的な学習の定着を図ってまいります。引き続き、今後の感染症流行の際の学習支援の準備を着実に進めるとともに、食事に関する課題につきましては、福祉部と連携して取り組んでまいります。 ○広川 副議長 次に、27番末安広明議員。                  〔27番末安広明議員登壇〕(拍手) ◆27番(末安広明 議員) 大田区議会公明党の末安広明です。  新型コロナウイルスの危機によって見えてきた課題というテーマで質問させていただきます。明快なご答弁をよろしくお願いいたします。  初めに、ICT化の推進についてお尋ねします。  緊急事態宣言が解除となり、徐々にではありますが、社会活動の波が戻りつつあります。新型コロナウイルスの危機により、デジタル革命と呼ばれる大きな社会変革が起きるとされ、なかなか進まなかったテレワークも急速な勢いで導入が進み、オンラインでの会議や打合せも当たり前のように行われるようになってきました。強いられた環境の下とはいえ、今後も社会全体でオンライン化は急速に進んでいくとされます。  ICT化の推進には、長期的なビジョンを持って進める部分と、早期に解決すべき課題があるものと考えます。第2波の感染拡大の懸念も拭えない中で、そこに備えるためにも、本日は特に短期的な課題を中心に触れさせていただきます。  一つ目は、民間とのコミュニケーションにおいても必須のツールとなりつつあるオンライン会議への対応についてです。区の事業に携わる民間の方からも、また、PTAの方からも、今後の運営について打合せをするために、職員の方に対し、オンラインでの打合せを申し出たところ、オンライン会議には参加できないと断られたそうであります。こうした非常時に行政が一番仕事をしにくい相手になってしまってはならないと考えます。  そこで、初めに伺いますが、オンラインでの会議や打合せについて、本区として現状で対応できるのか、その実情と、これまでの取組状況をお聞かせください。  また、各学校や出張所なども含め、全部署に対して、マニュアルや研修でオンライン会議の手法について普及すること、まずは慣れるためにも、様々な部署で実際取り組んでみることを提案したいと思います。あわせて、端末や通信環境など、必要となるハードの整備についても要望します。区の所見をお聞きします。  次に、本年の第1回定例会において、我が会派の松本議員が、RPAやAIの活用による行政手続きのオンライン化、作業の効率化、AIによる相談業務対応などについて、様々な角度から提言を行いました。今回のコロナウイルスの災禍では、本当に多くの問合せが関係部署に殺到し、その対応に職員の皆様が追われたものと思います。中でも、定額給付金の手続きや、新型コロナウイルス対策特別資金の手続きなどは、事前に想定できる質問や回答が多かったのではないでしょうか。また、各対応に当たられる際には、事前にQ&Aを作られているものと思います。であるならば、そうした問合せの業務などに、文字入力で自動的に回答を行うことができるチャットボットの技術なども活用すれば、飛躍的な業務改善につながる可能性があります。  そこで伺いますが、問合せ対応などの業務にぜひともチャットボットなどの技術を早急に導入してみることを提案しますが、ご見解はいかがでしょうか。  第1波が一旦収束し、第2波までに与えられたこのときを、十分な備えに充てる期間として活かせるよう、できるところから、やれるところから、チャレンジを積極的に行ってもらいたいと思います。本区でも今年度、情報化政策強化に向けての計画を取りまとめるとされておりましたが、コロナの危機によって、そのステージは大きく変わったと考えます。人員なども拡充し、なるべく早期に本区の実施計画を策定し、実行に移していただきたいと要望し、次の質問に移らせていただきます。  次に、オンライン学習について伺います。  今回のコロナウイルスの災禍は、教育現場にも大きな影響を与えました。現在も分散登校を強いられる状況の中、現場では感染症対策を行いつつ、子どもたちの心のケアや、遅れている授業をいかに取り戻すかという点に注力しながら、最大限ご尽力をいただいていると思います。それだけでも手いっぱいの状況かと思いますが、もう一方で、第2波の感染拡大に備え、その準備にも当たる必要があると言えます。  その対策の一つとして、オンライン学習があります。ここに取り組むか取り組まないかで、今後大きな差が生じてくると言え、いきなり成功させることを期待するのではなく、少しでも早く取りかかり、課題を潰していくことが求められております。本区では、1人1台のタブレット端末の確保に向け、大胆な投資を決定し、今その準備に当たられておりますが、全国的な需要の高まりもあり、実際の機器が手元に届くのは来年1月以降になると伺っております。その中で、まずは受験を控える中学3年生で、家庭に端末がない生徒を対象としたタブレット端末の貸出しを開始することについては高く評価いたします。  そこで伺いますが、受験を控えている中学3年生で、通信環境がない生徒にさらに踏み込んで、Wi−Fiモバイルルーターの貸出しを行うことを求めますが、いかがでしょうか。また、今後の家庭学習の体制をさらに拡充させるうえで、ぜひとも全小中学生の各家庭において、ICT機器の所有やネットワーク環境の有無といった状況について、詳細な実態調査を行うことを求めますが、区の所見をお聞かせ願います。  もう1点お伺いいたします。オンライン学習の充実のためには、ハードの整備とともに、ソフト面での体制整備も重要となります。第2波の感染拡大に備え、その場合には、在宅学習にスムーズに移行できるよう、今から準備を進めていくことが求められます。今回のコロナ危機の中でも、各自治体が様々な工夫によって、オンライン学習の形を模索しております。学習メニューなども、自治体独自で共通の学習メニューを作成し、ユーチューブで公開するといった大変柔軟な対応なども取られていました。各学校や各先生の自主性やスキルに委ねるだけでなく、今から区全体で効果的なオンライン学習の在り方、資料作成の手法や映像の撮り方なども含め、ソフト対策を研究していくことも重要ではないでしょうか。  そこで、提案となりますが、効果的なオンライン学習の在り方や、その作成方法について、対策チームなどを組んで、今から研究していくことを求めます。今後のオンライン学習等への備えについて、区の所見を伺います。  ICT教育の環境整備、オンライン学習などについては、その重要性は今後ますます高まっていく中、決して片手間でできる仕事ではありません。区として大型投資をし、ICT教育の拡充を図っていくことを決断された以上、可能な限り早期にその仕組みが活かせるよう、人員や予算の十分な拡充なども含めご検討いただくことを要望し、次の質問に移らせていただきます。  次に、データの活用についてという視点で伺います。  今回の新型コロナウイルスの危機は、100年に1度ともされる、誰も経験したことのない事態であり、こうした事態に立ち向かっていくためには、まず起きている状況を詳細につかむこと、そこから様々な対策を的確に講じていくことが求められます。また、こうした緊急事態には、区民に対して行政が信頼を得るためにも、少しでも安心してもらうためにも、正しい情報を公開して、事態を共有することが大切ではないでしょうか。しかしながら、本区において、例えば感染者数の情報を取ってみても、全体の感染者数は示されていたものの、退院者数や感染者の属性については、なかなか示されませんでした。他区の例などと比較しても、本区として、データを効果的に開示していくとの姿勢がいささか弱いように感じました。  ここで一つの事例を紹介したいと思います。兵庫神戸市では、ホームページに専用のデータ解析サイトを立ち上げ、感染者数の詳細データの開示をはじめ、民間企業とも連携し、ビッグデータを活用して、主要駅の乗客数や主要道路の通行車両数、繁華街の人の流れなどをデータ化し、グラフなどを用いて、分かりやすく発信しております。こうしたデータから市民の行動変容を可視化することで、ステイホーム期間も市民に一緒になって闘ってもらいたいとのメッセージがよりダイレクトに伝わってきます。こうしたデータの重要度は今後ますます高まってくると言えます。  先般、厚生労働省から新型コロナウイルス関連の解雇や雇い止めが5月20日時点で9569名に上ることが示され、うち5798名が5月の数字となっていることからも、まさにこれから各方面で深刻な数字が顕在化してくるものと予測されます。本区として、様々なところにアンテナを張り巡らし、できる限り早く効果的なデータを集め、可視化して、必要な対策に結びつけてもらいたいと考えます。  また、今回の危機に対して、健康政策部や保健所の皆様は最前線でその対応にご尽力いただいていたわけですが、ピークのときなどは目の前の仕事をこなすことだけで精いっぱいであり、何のために、どのようなデータが必要となるのか、それを集めるために新たな業務負荷をかけるのかといったことが課題となり、平時ならともかく、危機対応時には当然困難となることが予測されます。  先の神戸市では、緊急事態宣言の発令と同時のタイミングで、データ解析チームと広報特命班の二つのチームを発足させ、各10名の人員をあてがっております。そうした人員体制を整えたからこそ、丁寧な情報発信が素早くできるのであり、それだけデータの重要性を重んじていると言えます。  そこで伺いますが、本区の情報発信の現状をどのように認識しているのか、また、データの収集や活用について、今後、より積極的に、戦略的に区政運営に導入していくことを求めます。加えて、必要なデータを選択、収集し、全体を俯瞰して対応していくためには、各部署にそれらを任せるだけではなく、一時的にでもその役割に専門的に従事する人やチームが必要と考えます。広報との連携も含め、本区としての体制の整備を求めますが、ご所見をお聞きします。  もう1点、神戸市のデータ解析サイトには、外出状況調査や、子どもの生活に関する調査、買物、公園への外出状況調査とその解析について、資料が開示されておりました。この危機のさなか、なぜそうした調査を可能としたのか。それは、平成27年からアプリを活用したモニターアンケートの仕組みを導入しており、普段から各種アンケートに定期的に答えてもらい、70%以上の回答率の方には1000円分、30%以上の回答率の方には500円分の図書カードを渡す仕組みを取っているそうです。この仕組みが今回、短期間で一定の調査を実施することを可能にし、方針策定に大きく役立ったそうであります。本区でも様々な区民アンケートなどを定期的に実施しており、こうした手法については大いに参考になると考えます。  そこで伺いますが、こうしたICTツールを活用したアンケート調査について、今後、本区でも具体的に検討していくことを求めたいと思いますが、いかがでしょうか。  データの活用について、今後の区政運営に積極的に取り入れていただくことを強く求め、次の質問に移らせていただきます。  次に、水害時緊急避難場所について伺います。  これからも本格的な梅雨、そして、台風シーズンを迎えます。昨年の台風19号では、本区にも甚大な被害が及んだため、風水害対策の強化を実施すべく、各種方針が取りまとめられました。中でも、水害時緊急避難場所に関して、周知の不足、受入れスペースの不足や、運営体制の不十分さなどが大きな課題としてあげられ、その対策として、設置数を89か所と大幅に増やし、運営については、震災時の学校防災活動拠点組織の力も借りて、体制強化を図ることが示されました。  そうした中、新たに避難場所における感染症対策や、避難体制の構築についても急務の課題となっております。せっかく大幅に増やした水害時緊急避難場所も、コロナ禍の状況を鑑みると、収容数は大きく減ることが予測され、そうした点を区としてどのように想定しているのかが、区民にとっても大変気になるところであります。  そこで伺いますが、感染拡大防止の観点から、1避難場所当たりの収容数は何割程度減少すると見込んでいるのか、また、開設数を89か所に大幅に増やしたものの、1か所当たりの収容数が減ってしまう現状を踏まえ、全体で避難所受入れの許容量は昨年と比較してどのような状況になるのか、区の所見をお聞きします。  もともと避難場所で全ての地域住民を受け入れることは不可能な中で、こうした感染症のリスクが迫った今こそ、リアルな実態を示し、避難場所には極力来ないよう、分散避難の周知や、避難場所に来る方へは自身で感染症対策の準備をしたうえで避難してもらうことなどについても強く訴えていただきたいと思います。  もう一つの懸念は、1避難場所当たりの収容数が減少することで、早い段階で受入れが困難になってしまう事態も想定されます。昨年も暴風雨の中、別の避難場所に移動してもらう状況が発生しましたが、こうしたことだけは絶対に避けねばなりません。そのためには避難場所ごとの情報発信が重要となります。区は現在、総合防災情報システムの検討を進めていることは承知しておりますが、本年の稼働には間に合わないと聞いております。しかしながら、各避難場所の受入れ状況が、正確な数字でなくとも、どれだけいっぱいに近づいているのか、レベル感だけでも一定時間ごとに把握できる仕組みについては、何としても本年の台風シーズンに向け準備していけるよう、こだわっていただきたいと思います。  そこで伺いますが、開発を進める総合防災情報システムについて、どのような仕組みを検討しているのかお示し願います。また、システムの稼働が整わない本年の台風シーズンに向けては、簡易な仕組みであったとしても、各避難場所の受入れ状況を発信する体制をつくっていただきたいと強く求めますが、ご見解をお示しください。  昨年の台風19号の際に避難場所を調査した折、家庭ごとにプライベートなスペースを確保するために、なるべく隅のほうから人が埋まっていき、各家庭との間には一定の通路程度の距離が保たれていました。こうしたことから、思ったより少ない人数しか実際には入らない実情を目の当たりにしました。その際に感じたことは、簡易のものでも間仕切りなどがあれば、もっと詰めた間隔で座ってもらうことができるのではないかという点です。
     そこで伺いますが、避難場所の感染症対策として、また、収容人数を増やすためにも、一部の自治体でも採用され始めている段ボール間仕切りの備蓄について検討することを求めたいと思いますが、区の所見をお聞かせください。  最後に、防災行政無線について触れさせていただきます。  情報発信の観点で大きな役割を担うのが防災行政無線です。しかしながら、放送内容が聞き取りにくく、特に暴風雨の際などには、なかなかその効果を期待しにくい現状がある中、私が平成30年の決算特別委員会における款別質疑において、「サイレン音などの伝わりやすい効果的な音で、命に関わる危険が迫っていることを区民に伝えるよう求めた」のに対して、区からは「サイレン音による注意喚起を含め、区民の皆様が放送の重要性や緊急性を把握できるよう努める」との答弁がありました。  そこで、改めて伺いますが、本年の風水害に備え、サイレンを使用した避難情報の発令、注意喚起を求めますが、区の所見を伺います。  今年も出水期は間近に迫っており、待ったなしの対策が求められます。本区には残された時間で万全の備えにつなげていただくよう要望し、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○広川 副議長 理事者の答弁を求めます。 ◎市野 企画経営部長 私からは、ICTの推進、情報発信、データ活用などに関する4問の質問にお答えをさせていただきます。  まず、オンライン会議に関するご質問でございますが、人口構成の変化に伴う生産年齢人口の減少が見込まれる中、多様化、高度化する行政ニーズに対応する取組の一つとして、また、働き方改革を推進するためにも、オンライン会議をはじめとするICT活用は重要と認識してございます。また、新型コロナウイルスとの共存を前提にした社会において、安全かつ利便性の高い非接触型区民サービスの提供や、新しい生活様式を踏まえた行政経営が求められる中、その需要はさらに高まってございます。区は緊急事態宣言発令以降、オンライン会議の暫定利用を開始いたしました。現在、庁内や東京都などの関係機関、外部事業者との会議など、機会を捉えて活用し、その有効性、課題などについて検証を行ってございます。今後は、検証結果を踏まえるとともに、国や東京都、他の自治体の先進事例を参考に、全庁的な普及や導入に向けたコミュニケーション環境の整備などについて検討を進めてまいります。  次に、チャットボットの活用に関する今後の取組についてのご質問でございますが、全国的には、ここ数年、問合せへの自動応答サービス、いわゆるチャットボットの導入が進んでおり、実証実験も含めて、様々な自治体で検討が進んでおります。現在、区におきましては、家庭ごみの分別に関するお問合せにつきまして、「ごみ分別辞典サイト」を通じたご案内を行ってございます。チャットボットは、24時間365日、お問合せに対応できるなど、新しい行政サービスとして高い効果があるものと考えてございます。一方で、多種多様な問合せが想定されるため、必要に応じて職員の適切な案内につなげるなど、円滑な引継ぎ体制の構築も重要です。今後は、区民の利便性向上を第一に、「非接触型」の新たな行政サービスの提供方法として、さらなる導入の検討を進めてまいります。  次に、区の情報発信及び区政運営におけるデータの収集、活用に関するご質問でございますが、まず、区の新型コロナウイルス感染症に関する情報発信につきましては、区民の皆様、区内事業者の皆様に少しでも早く正しい情報を提供することができるよう、国や東京都などから発信される情報を収集、整理し、ホームページに設けた特設ページや、区報臨時号の発行などを通じて発信してございます。感染拡大防止に関する区の対応や、感染者数などの動向のほか、相談窓口や各種支援策のご案内などを分かりやすく提供できますよう努めているところでございます。区民の皆様が安全・安心に生活し、区政への信頼を高めていただくためにも、今後は、既存の広報媒体に加え、コミュニケーションツールを活用するなど、より一層工夫した情報発信を行ってまいります。積極的、戦略的なデータの活用につきましては、多様化、複雑化する地域課題の解決に欠かせないものと考えてございます。そのため、今年度策定を予定しております「情報化推進計画」において、官民データ活用推進基本法に基づくオープンデータなどにつきまして、具体的な施策を盛り込む予定でございます。また、データの収集、分析、活用を的確に行うためには、専門的な知識やノウハウも必要になることから、人材の育成、確保をはじめとする体制の整備を検討してまいります。  最後に、ICTツールを活用したアンケート機能の導入についてのご質問でございますが、パソコンやスマートフォンユーザーが利用するツールを活用し、アンケートを実施することは、短期間で区民ニーズを把握するうえで非常に有効であると認識してございます。区では現在、子育て情報ツール「きずなメール」におきまして、アプリを活用した登録者向けアンケートを実施し、子育てに関する区民ニーズを直接的かつ迅速に把握してございます。議員お話しのとおり、こうしたアプリやコミュニケーションツールは処理スピードも速く、業務の効率化につながるものと考えてございます。ICTツールを活用したアンケート調査は、区民と区をつなぐ新たな手法の一つであることから、実施の拡充について検討を進めてまいります。私からは以上でございます。 ◎須川 危機管理室長 水害時緊急避難場所の収容人数についてのご質問でございます。感染症を考慮しますと、避難所の間隔を広く取るため、1人当たりの面積は今までの約2倍の面積が必要となります。さらに、発熱などの症状がある方専用のスペース確保を含めますと、全体で避難者受入れ数は、これまでの約40%になると想定してございます。この場合でも、89か所に水害時緊急避難場所を増設するため、区全体の収容力は、昨年の台風19号と同規模の避難者数には十分対応し得ると考えてございます。また、さらに多くの避難者数にも対応できるよう、これまで補完避難所として位置づけていた施設を避難場所として位置づけできるよう、協力を求めております。  次に、総合防災情報システムと本年の出水期の対応についてのご質問でございますが、総合防災情報システムにつきましては、災害対策本部運営の効率化を目的に、被害情報や避難情報などの各種情報を一元管理できるよう検討しております。収集した情報は地図や表で分かりやすく表示し、災対各部や出先事業所で必要な情報をダウンロードして活用できるよう、各機能の充実を図りたいと考えております。また、区民への情報提供は即時性と利便性を高めたいと考えております。例えば避難者の受入れ状況をホームページやスマートフォンなどでリアルタイムに確認いただき、避難所までのルートを案内できるようにいたします。さらに、1回の操作で複数の広報媒体に迅速に情報が発信できるようにしたいと考えております。今年の出水期、台風シーズンの対応でございますが、水害時緊急避難場所の受入れ状況等の情報発信につきましては、既存ツールの有効な活用などにより、課題解決に取り組んでまいります。  次に、避難場所における間仕切りについてのご質問ですが、間仕切りを設置することにより、約2メートル四方の間仕切りの枠内に2人収容することができ、避難所の収容力改善に一定の効果がございます。また、間仕切りの設置により、プライバシーの保護と避難者の感染防止を図ることができます。このようなことから、間仕切りをあらかじめ配備しておく必要性は高いものと考えております。段ボール製間仕切りの耐久性、備蓄スペースの確保などを考慮しながら、今後、数量や材質、配備先などについて検討してまいります。  次に、サイレンを使用した避難情報の発令、注意喚起についてでございます。防災行政無線は、緊急情報を区全域に音声で伝達できる唯一の仕組みであり、災害時の重要な情報伝達手段でございます。しかし、風雨や周辺の騒音などの影響を受けやすく、複雑な内容を伝えるには困難な状況がございます。これを踏まえ、広範囲に届くサイレン音を使用した避難情報の発令や注意喚起は有効な伝達方法であると考えます。現在、本区におきましては、避難勧告と避難指示の発令にあたり、サイレン音を用いて情報発信できるよう、区民の皆様への事前周知、啓発などを含めて準備を進めているところでございます。 ◎玉川 教育総務部長 私からは、教育委員会に関する二つの質問にお答えいたします。  まず、児童・生徒の家庭におけるICT環境の調査をすべきとのご質問ですが、オンラインを活用した持ち帰り学習を行うためには、各家庭におけるICT環境の調査を行う必要があります。そのための準備といたしまして、パソコン、タブレット端末等の保有確認や、自宅でのインターネットの利用状況などについての詳細な調査を早期に実施いたします。また、議員お話しのモバイルルーターにつきましては、緊急対応として、7月を目途に、ICT環境が整っていない中学3年生を対象に貸出しを開始するとともに、学習用コンテンツの自宅からの利用もできるよう、準備を進めております。今後は、調査結果を踏まえまして、具体的な活用を加速させてまいります。  次に、今後のオンライン学習等への備えについてのご質問でございます。緊急時の家庭におけるオンライン学習の実現は喫緊の課題でございます。教育委員会では、教育長が直轄する検討チームを立ち上げまして、方針策定に向けた具体的な検討に着手いたします。この検討チームでは、オンライン学習における学習内容の示し方や、児童・生徒同士の意見交換の仕方、考えを表現する方法など、オンライン学習を有効に活用し、学びを深めるための方策について検討いたします。また、モデル校を設定いたしまして、オンライン授業を試行実施して、具体的な効果検証も行う予定でございます。こうした取組を通じまして、全ての児童・生徒が効果的に学ぶことができる環境を整備してまいります。私からは以上でございます。 ○広川 副議長 次に、21番玉川英俊議員。                  〔21番玉川英俊議員登壇〕(拍手) ◆21番(玉川英俊 議員) 大田区議会公明党の玉川英俊でございます。今期、そして、令和に入って初めて登壇しての一般質問となります。どうぞよろしくお願いいたします。  平成最後の2年前の夏は、誰もが忘れることのできない激しい暑さ。また、昨年の秋は、台風15号、19号による風水害。そして、本年、令和2年になって、現在も直面している新型コロナウイルスという未知なる脅威の全世界規模による感染拡大と、想像もできなかった猛威に振るわされています。  今回の新型コロナの脅威が続く中、フランスの作家、アルベール・カミュの代表作の一つである「ペスト」がよく読まれ、話題となっています。フランスの植民地である北アフリカの港湾都市が伝染病ペストに襲われ、感染拡大、都市封鎖といった極限状態に陥ります。カミュは人間の置かれた理不尽な状況を「不条理」と呼び、この筋が通らず、理解不能な不条理とどう向き合い、どう生きていけばよいのか、この「ペスト」の中で、医師である主人公の言葉で私たちに教えてくれています。「毎日の仕事の中にこそ確実なものがある。その余のものは、取るに足らぬつながりと衝動に左右されているのであり、そんなものに足をとどめてはいられない。肝要なことは自分の職務を果たすことだ」、「病疫が現に目の前にある以上は、それと闘うためになすべきことをなさねばならぬ」、「ペストと闘う唯一の方法は誠実さということです」と、このように語り、誠実に働く医師である主人公をはじめ、周囲の様々な職種、立場の人たちも協力し始め、異を唱えていた人までも手伝いを始め、助け合い、英雄ではない普通の人たちが自分の職務を果たしながら奮闘する姿が記録として描かれたものです。  例年続いている自然災害、今回の新型コロナといった困難な状況が続く中、大田区民の生命、財産、暮らしを守るために、本区は突き進んでいかねばなりませんが、大田区行政だけの力にも限界があり、地域社会や区民と力を合わせ、皆で支え合いながら乗り越えていくことが大事ではないかと思います。  そこでお伺いしますが、今回の新型コロナウイルス感染拡大や、その脅威に立ち向かう中で、国際都市おおたの特徴として力を注いできた、町工場による技術や、商店街、地域力、多文化共生など、この状況を乗り越えていくために、それぞれどのような力が発揮されましたでしょうか、お聞かせください。  先月、5月29日、医療従事者への敬意と感謝を示すためにと、航空自衛隊アクロバット飛行チーム「ブルーインパルス」が都心の上空を飛行しました。その姿は多くの動画や写真でSNSに投稿され、大田区では荏原病院の上空を通過したこともあり、地元の人からも多くの喜びと感動の声が届いてきました。私も大田区役所10階のエレベーターホールから6機並んで旋回飛行するブルーインパルスの姿を見て、大変感動いたしました。また、このブルーインパルスは宮城の松島基地に所属することから、大田区の友好都市である東松島市のシンボルでもあり、その飛行する姿から、現地での支援活動のことや、市民の皆様との交流など、数多くの今までの思い出が脳裏によみがえってきて、さらに感動いたしました。  東日本大震災から早くも9年の歳月が流れましたが、あのときはちょうど大田区議会議員になる直前でもあり、私の議員活動としての原点にもなっています。大田区はすぐに被災地支援ボランティア調整センターを立ち上げ、東松島市へ現地ボランティアを派遣し、この復興支援活動には延べ1万2600人を超える人たちが参加してきました。この参加をきっかけに地元の消防団へ入団、地域の市民消火隊へ入隊、防災学習のNPO団体を設立、東松島市と大田区の音楽祭開催など、熱い思いを持たれたメンバーにより、様々な活動が展開されてきたことを目にしてきましたが、平成28年11月に東松島市は大田区の友好都市となりました。これは、地道な市民交流が重ねられ、友好の輪が広がっていく中で、区民、市民の力によってもたらされた結果だと実感しております。  東北での災害ボランティア活動経験のある大田区の有志は、その間も、伊豆大島の土砂災害や、鬼怒川決壊による洪水被害をはじめ、岡山、山形、熊本、福岡など、全国各地の災害支援ボランティアに参加してきていますが、昨年3月には、大田区と大田区社会福祉協議会、そして、地域パートナーシップ支援センターの3者間で大規模災害発生時における円滑なボランティア活動への連携・協力協定が締結されました。そして、昨年の台風19号による田園調布地域での浸水被害発生時には、この3者が連携して、田園調布高齢者在宅サービスセンターに被災者支援のボランティアセンターが開設され、先のボランティア有志も含んでの支援活動が行われました。  この3者間での協定では、「平時より連携して研修や訓練などを行うことで、互いの関係強化を図り、より効率的に災害ボランティアセンターを運営していける体制構築を目指していく」とのことで、その連携・協力が発揮されたものと考えられますが、この大田区、大田区社会福祉協議会、地域パートナーシップ支援センターという3者のそれぞれの役割についてお聞かせください。  また、今回の新型コロナウイルスの感染拡大防止による施設使用の自粛等のさなかで、地震や風水害といった災害が発生したときには、3者間でどのような動きをしていくことになりますでしょうか。3密を防ぐといった活動が制限される中で、災害ボランティアの活動はどのような動きになるのでしょうか、お聞かせください。  田園調布地域での災害支援活動は、10月16日から11日間、家財の搬出などの支援件数は85件、参加したボランティアの人数は延べ172人とのことです。延べ1万人を超える東松島でのボランティア経験者は、先の有志のように、現在も意欲的に活動されているコアなメンバーから、既に区外に転出された人たちまで、現在、区内にどれくらいいるか分かりませんが、これまで災害ボランティアを経験された人材を今後どう活かしていくか、また、新たなボランティア人材をどのように集めていくかが重要な課題であると思います。  災害が発生し、災害ボランティアセンターの開設とともにボランティアを募るのではなく、事前に災害ボランティア参加経験のあるメンバーを確保しておいて、災害発生時には一斉メールなどで招集できる体制づくりが必要ではないでしょうか。本区の考えをお聞かせください。  被災地や災害ボランティア経験者から学び、ボランティアを養成する講座として、防災塾や大田ボランティア塾があります。これらは、災害に備え、立ち向かうための高度な専門知識を習得するイメージがあります。一方、昨年度より各特別出張所単位で開催されるようになったマイ・タイムライン講習会は、一区民の皆様それぞれ、各個人ごとの環境での行動計画を普及啓発するものであると思いますが、これまで開催されてきた防災塾や大田ボランティア塾における成果は、地域の防災訓練や、マイ・タイムライン講習会にどのように連動し、どのように活かされていくでしょうか、お聞かせください。  現在、コロナ禍の中で、地域の方から「これをしてほしい」、また、「これをしてあげられる」といった、ちょっとしたボランティアの要望の声をいただきます。ボランティア団体での活動といった大がかりなものではなく、地域の清掃、お買物や犬の散歩の代行、銭湯入浴時の幼児の見守り、自転車走行や駐輪マナーの注意喚起、分散登校・下校時の見守りなど、「ほんのちょっと何かしてもらえないかな」、「こんなことだったらしてあげられるのに」といった内容のものです。そのような簡易サービスはないものかと調べてみたところ、大田区シルバー人材センターによる「ちょこっとサービス」、大田区社会福祉協議会おおた地域共生ボランティアセンターの絆サポーターによる「絆サポート」といったものがありました。しかし、これらのサービス対象者は、65歳以上のシルバーの方に限られたものでした。  また、最近、区設掲示板で目にしたのですが、先ほどの社協の絆サポーターによる「単発でのサポートを必要とする方」を提供対象とした「助っ人サービス」があることを知りました。「資格、年齢、経験、一切問いません。短時間でも活動できる方でも申込みは随時受付しています。皆さんが安心して活動できるよう、社会福祉協議会が全力でサポートします」と書かれていました。この社協の絆サポーターによる「助っ人サービス」につきまして、登録からサービス提供を行うまで、具体的にどのようなプロセスになるものなのか、詳しくお聞かせください。  個人で空いた時間に何かお手伝いしたい、役に立つことをしたいといった方は、潜在的に多くいるのではないかと思いますが、そのような方が気軽にボランティアの活動に参加できる環境づくりが大事ではないでしょうか。大岡山駅前では、毎月1回、地元の商店街、地域住民、都市基盤整備部、NPO法人、そして、大森第六中学校の生徒と引率の教職員、数十名の参加による、ロータリーの花壇のメンテナンス作業が行われております。東急電鉄の職員や東京工業大学の学生さんの参加などもあります。私も地域住民として参加していますが、事前の登録も不要で、当日、その場に来れば、誰でも参加ができるボランティア活動として定着しています。ここでは、中学生から大人まで、多世代にわたって活動が行われています。  そこで提案なのですが、シルバー人材センターなどのベテランボランティア、社協の絆サポーターなどの経験者と若い世代のボランティアや新規メンバーと世代間交流をして、絆サポーターや助っ人サービスといった担い手づくりにつなげていくような、初心者向けの取組を各地域で実施してみてはいかがでしょうか。  また、この大岡山駅花壇の作業では、NPOの人たちはおそろいのブルゾンを着用し、大森六中生は学校指定のジャージ姿で、ビブスを着用して活動に参加しています。災害ボランティアでもそうですが、このビブスを着用した姿というのは、ボランティア活動をしているのだなと多くの人に認識されるものではないかと思いますが、例えば各地域で登録することでビブスを配付し、個人レベルでもビブス着用などで気軽に地域でボランティア活動ができる風土をつくっていってはいかがでしょうか。本区の考えをお聞かせください。  ステイホームが続いた運動不足により、多摩川土手、ふるさとの浜辺公園、内川沿い、呑川沿い、池上本門寺周辺、洗足池公園といった区内スポットでランニングをする人が増えてきていますが、一部で、フィジカルディスタンスもなく、マスクを着用せず、息も荒く走っている人がいて、「エチケットを守ってほしい」、「注意喚起をしてほしい」といった声をいただきます。このような対策にも、ビブスや何かメッセージの書かれたものを着用したランナーの参加で、マナー向上の意識啓発のボランティアができるのではないかと思います。また、ランナーによるボランティアの事例として、川崎市のあるボクシングジムでは、「防犯ロードワーク」といって、所属選手や練習生が防犯パトロールのロゴ入りビブスを着て、ロードワークを兼ねた見回り活動を長年行っており、昨年10月には地元警察署と不審者などの情報提供に関する協定が結ばれています。  マナー向上とともに、大田区内のボクシングジムなどと提携して、地域の見回り、危険箇所の情報提供といった防犯活動に協力してもらうこともできるのではないでしょうか。本区の考えをお聞かせください。  最後に、昨年11月より試行運用を開始された大田区道路損傷等通報アプリケーション「おおたみちパト」について質問いたします。  これまで道路の損傷や街路灯が消えているなど、地域で不具合を見つけられた方から修繕要望のご連絡をいただき、対応させていただくことがありましたが、「おおたみちパト」アプリのおかげで、現場に足を運ぶこともなく、写真をメールで送っていただいたり、また、こちらのアプリを紹介することで区民の方が直接通報されたりと、非常に便利なツールとして活用させていただいております。  そこでお伺いしますが、このおおたみちパトを導入されて、現場の業務にどのような変化が見られましたでしょうか。通報傾向、分析、本格稼働に向けての手順の見直し、項目の増減等、今後の展開についてお聞かせください。  このような区民参加型の通報アプリを通じて、自分たちの力で自分たちの住むまちをよくしていこうという区民の意欲が高まっていくことを今後も期待しております。  結びに、冒頭に引用しました小説「ペスト」の中で、この物語の語り手が残した言葉を紹介いたします。「天災のさなかで教えられること、すなわち、人間の中には、軽蔑すべきものよりも賛美すべきもののほうが多くあるということ」とカミュはつづられました。まだまだ続く新型コロナウイルスとの闘いに、そして、今後、また訪れるかもしれない難局を乗り越えていくために、「誠実さ」、「自分の職務を果たすこと」で希望の光を区民に届けていかれることを願いまして、私の質問を終わります。(拍手) ○広川 副議長 理事者の答弁を求めます。 ◎市野 企画経営部長 私からは、大田区道路損傷等通報アプリケーション「おおたみちパト」に関するご質問にお答えをさせていただきます。  当該事業につきましては、関係部局との連携のもと、昨年11月から試行運用を開始いたしました。本年5月末までの実績といたしまして、アプリケーションのダウンロード件数は累計531件、通報件数は合計88件となってございます。通報件数につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う緊急事態宣言や外出自粛なども少なからず影響しているものと考えてございまして、通報内容といたしましては、道路の損傷やカーブミラーの傾きに関するものが多い傾向にございます。具体的な対応に当たります道路管理の部局からは、電話での通報に比べて道路損傷の状況や場所の確認が容易となったため、処理時間の短縮につながっているとの報告を受けてございます。また、夜間や土日、祝日などの通報が約7割を占めていることから、区民の方にとりましても、開庁時間以外でも通報できるため、利便性の向上につながっているものと認識してございます。今後の展開につきましては、地域力を活かした安全・安心なまちづくりを進めるという観点から、他の自治体の動向も注視しつつ、引き続き、区民の皆様に使いやすいアプリとなるよう、関係部局と協議を重ねてまいりたいと考えてございます。私からは以上でございます。 ◎須川 危機管理室長 新型コロナウイルス感染拡大やその脅威に立ち向かう中で、国際都市おおたの力はどのように発揮されたのかについてのご質問でございます。  新型コロナウイルス感染症による、いまだ先の見えない不安の中ではありますが、脅威に立ち向かう様々な取組が見られました。産業分野では、「ものづくりのまち」の強みを活かし、区内のものづくり企業が、飛沫防止パネル、フェイスガード、足踏み式消毒スタンドを製造するなど、新分野進出の可能性を期待させる取組が実現しております。商店街につきましては、飲食店の入客数が大幅に減少いたしましたが、テイクアウトやデリバリーなど、新たなサービスを開始した店舗が見られ、大田区商店街連合会では、こうしたテイクアウトやデリバリーを展開している店舗を募り、ホームページ等で広く周知する取組が見られたところでございます。また、多文化共生の取組では、国際都市おおた大使にご協力いただき、新型コロナウイルスの影響に関する生活調査を行いました。外国人区民の置かれている状況やニーズを的確に把握したうえで、緊急事態宣言の下での多言語による広報や、SNSでの情報発信を行い、外国人区民への情報格差解消に努めました。また、国際交流団体の皆様には、区の新型コロナに関する情報を、団体に関係する外国人区民の皆様に広めていただくとともに、日本語を学習する皆様には、自宅学習用として、オンラインサービスの情報提供を行うなど、新しい日常における日本語学習の環境づくりにもご尽力いただきました。さらに、地域力でございますが、地域で予定されていた会議や事業などについて、自粛や規模を縮小するなど、感染拡大の防止に取り組んでいただいております。活動再開にあたっては、まずは地域の課題となっている地域防災力の向上や高齢者の見守り活動に優先的に取り組んでいただくなど、困難に立ち向かう力強さを感じております。こうした感染を抑制するための地域の取組や、区民一人ひとりの行動が、結果として緊急事態宣言の解除につながったものと思います。区といたしましても、今後も引き続き地域の力と共にこの状況を乗り越えていく覚悟でございます。私からは以上でございます。 ◎今井 地域力推進部長 私からは、ボランティアに関する六つの質問にお答えします。  初めに、大田区災害ボランティアセンターの円滑な運営に向けた関係機関の役割についてのご質問です。区、大田区社会福祉協議会、地域パートナーシップ支援センターの3者間の協定により、平時からの準備について、それぞれの役割が位置づけられています。区は、災害ボランティアの裾野を拡充する役割を持ち、普及啓発とともに、災害時のリーダーを育成するなど、人材育成に取り組んでいます。大田区社会福祉協議会は、災害ボランティア活動への助成等に加え、被災地へのボランティア派遣を通じて、災害ボランティアセンター運営のノウハウを蓄積するとともに、ボランティアを登録するなど、人材確保機能を担っています。地域パートナーシップ支援センターは、東松島市での被災地ボランティアを経験した多くの区民の方のネットワークを維持しながら、最前線のリーダーとなる人材を育成しています。今後も3者で連携・協力し、災害ボランティア活動を円滑に行うことができる体制を強化してまいります。  次に、感染症対策によって活動が制限される中での災害ボランティア活動についてのご質問です。議員お話しのとおり、新型コロナウイルスの影響下で大規模な災害が発生した場合には、これまでの災害支援で推奨されていた、迅速に現地に駆けつけ、被災者と対話しながら進めるといった支援の在り方を見直す必要に迫られます。「支援者が感染を広げないこと」や「支援者の安全を確保すること」を守りつつ、感染拡大防止に配慮したルールを検討するなど、新型コロナウイルスの影響下におけるボランティア活動の在り方を関係機関と認識を共有し、この難しい課題に対応してまいります。  次に、ボランティア経験のある人材を確保し、災害発生時に迅速に招集できる体制づくりについてのご質問です。大田区社会福祉協議会は今年度から被災地支援ボランティア派遣助成事業及び災害ボランティアバンク事業を開始いたします。助成事業を通じ人材を育成するとともに、人材をバンク登録することで、災害ボランティアセンター運営への協力者を確保します。区は、この災害ボランティアバンクを機能させるため、人材育成や地域防災への意識醸成の取組により、災害ボランティアの裾野の拡充に取り組んでいます。今後も、大田区社会福祉協議会との連携を一層強化し、幅広い分野での人材確保とリーダー育成に取り組み、いざというときにボランティアバンクに登録した担い手が迅速に参集し、活動できるよう努めてまいります。  次に、防災塾などの成果として、地域の防災訓練や、マイ・タイムライン講習会にどのように活かされるかについてのご質問です。昨年度に防災塾と防災訓練を連動させた取組として、蒲田西地区において、「災害ボランティアセンターについて学ぶこと」をテーマに、東松島市での宿泊研修、災害ボランティアセンターの設置・運営訓練、事後学習として、ワークショップといった内容で、11月から1月までの間に計4回実施しました。今年度は大森東地区、大森西地区の2地区において実施しますが、今後、テーマや課題に応じて、大田ボランティア塾の被災地支援経験者にも参加してもらうなど、効果的な訓練になるよう、詳細を詰めてまいります。防災塾や大田ボランティア塾でも区のハザードマップなどを活用し、意識醸成をしながら、できるだけ多くの方のマイ・タイムライン作成が進み、実践的な防災対策につながるよう取り組んでまいります。  次に、ビブスの着用などで、個人レベルでも気軽にボランティア活動ができる風土づくりについてのご質問です。単独でボランティア活動にご参加いただく場合、議員お話しのとおり、ビブスの着用などにより、ボランティア活動中であることが一目で分かることは、個人でボランティアに参加する方も活動しやすくなり、支援を必要とする方々にとっても、お声がけしやすい雰囲気がつくり出されるものと考えます。身近な地域で個人が単独でも気軽にボランティアに参加できる環境づくりについては、ボランティア活動に伴う責任を踏まえ、議員のご提案も参考に検討してまいります。  最後に、地域の防犯活動に関するご質問ですが、区内の各地域では、自治会・町会を主体とした地域安全・安心パトロール活動が活発に行われてきました。区は、自治会・町会等に対する経費助成や区民安全・安心メールサービスを活用した情報提供を行うなど、地域パトロール活動の強化に向けて支援してまいりました。一方、少子高齢化に伴う担い手不足や、活動主体の高齢化が進む中では、地域社会の安全・安心を支える人的資源の確保が大きな課題であり、今後、議員ご提案の区内ボクシングジム等と連携した地域防犯パトロール活動をはじめ、地域の様々な人材、団体との連携・協働について、地域や警察、消防等の意見を踏まえながら、安全・安心な地域づくりにつながる取組を検討してまいります。私からは以上です。 ◎今岡 福祉部長 私からは、福祉関係のボランティア等に関する2点についてお答えいたします。  まず、大田区社会福祉協議会の助っ人サービスに関するご質問ですが、このサービスは、多くの地域の皆さんが世代を超えて支援の輪に参加していただくことで、地域共生社会の実現に向けて、今年度新たにスタートした事業です。具体的には、1回20分程度の日常の困り事の支援を住民同士で助け合うサービスです。現在、その担い手となる「絆サポーター」の募集ポスターを区設掲示板にも掲示し、広く区民の方にPRを行っており、徐々に登録者、利用者ともに増えてきている状況です。「絆サポーター」への登録後は、お困り事のある利用希望者とのマッチングを行います。マッチングの結果、利用者のニーズに合致した場合に、大田区社会福祉協議会から、絆サポーター、利用者の双方にご連絡し、活動につなげております。  次に、地域の担い手づくりに関するご質問ですが、ボランティア活動の普及や世代間の交流は、支援と共生の地域づくりに向けた重要な取組です。区は、大田区社会福祉協議会と連携し、絆サポート事業の担い手として、ボランティア活動に関わっていただける方を通年で募集し、地域庁舎、特別出張所、シニアステーション等を会場として、区内各地区で登録説明会を開催しております。この説明会では、「ほほえみ訪問」など、大田区社会福祉協議会が実施する様々なボランティア活動についてもご案内し、選択肢を増やすことで、より複層的な活動につなげています。また、ボランティア同士の交流につきましては、毎年、大田区社会福祉協議会主催による研修交流会を開催し、ボランティアのスキルアップやモチベーションの維持、向上を支援しております。今後も、こうした取組を通して、初めて活動に参加する際の不安を解消するとともに、ボランティアの基礎的知識の習得を進め、新規登録の促進が図られるよう、より一層、取組を拡充してまいります。私からは以上でございます。 ○広川 副議長 会議が長くなりましたので、しばらく休憩といたします。                      午後0時5分休憩                ――――――――――――――――――――                      午後1時開議 ○塩野目 議長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質問を続けます。7番押見隆太議員。                  〔7番押見隆太議員登壇〕(拍手) ◆7番(押見隆太 議員) 自由民主党大田区民連合の押見隆太です。今期初めての質問でありまして、一般質問は何と3年ぶりでございます。皆様、覚えていらっしゃらないかもしれませんが、バーチャルリアリティーではなくて、バーチャンリアリティーについてお聞きしたとき以来です。  さて、100年に1度の得体の知れない化け物ウイルスが世界中を恐怖に陥れました。1月のときは、まだ人から人へはうつらないと言われていたのですが、徐々に、あれもやばい、これもやばいになって、国民も1億総パニックになっておりました。その中で、政府は、持続化給付金、定額給付金、家賃の補助等、200兆円を超える規模の緊急経済対策を行い、そして、緊急事態宣言を全国にかけながら、死者数で言うと1000人に満たず、先進国の中ではかなり低く抑え込んでいるなど、得体の知れないウイルスへの対応としては、何点か問題点もありましたが、おおむね評価をしております。  そして、東京都はというと、小池都知事が非常にうまく立ち回っているなという印象を皆さんお持ちだと思います。ロックダウンが、クラスターが、オーバーシュートがと横文字連発であおりながら、一方で、「密です」というような分かりやすいフレーズも多用しながら、連日のように報道陣の前に姿を現す。都の経済対策に関しても、感染拡大防止協力金をはじめ、影響を受けた事業者や都民に対して、ある程度有効なサポートができたのかなと思っています。これはリーダーシップという点でも高評価でした。ただ、経済対策で既に1兆円近くを使ってしまい、1兆円あった財政基金がほぼなくなってしまうことになりました。これは、また来るのが確実な第2波に直面したとき、財源がほぼ残っていないという状況になり、適切な経済対策が打てなくなる可能性が高いのではないかと危惧しております。大田区にとっても、今後、都の補助が期待できなくなる事業が必ず出てくることや、都区財調制度にも手を突っ込んでくる可能性もあるのかなと危機感を持って注視しております。  さて、大田区政は、今回の新型コロナウイルスへの対応についてどうだったのでしょうか。私はまず、今回、最前線で頑張ってくれた保健所、特に感染症対策課の皆様方には改めて敬意を表したいと思います。なかなか区役所の公務員で、あそこまでリスクを負う作業をすることはほとんどないでしょうし、大田区は、区民への対応に加え、羽田空港で武漢からのチャーター機の邦人帰国者の検疫にも携わったということですし、夜中に寝ているところを起こされて、陽性患者の入院対応を行っていたということも耳にしております。後ほど深川議員からも質問があると思いますが、第2波に備え、保健師さんの増強などの対策をしっかりとお願いいたします。  ただ、一つ、保健所に不満を持っていることがありまして、それは都と区の保健局、保健所の連携であります。報道でも大々的に報じられましたとおり、5月11日、21日に都の陽性患者数の修正が行われ、合計169名の集計漏れが発表されました。都区の連携不足が原因だとのことでしたが、これは、区が陽性患者を把握した際、システムで管理を行うが、その後、手書きで都の保健局へファクスで報告を行うという、どこもまねのできない、アナログを駆使した画期的な方法で行っていたということであります。  そこで質問いたします。保健所が忙しいのは大変よく分かりますが、事案発生後の都区の保健局、保健所の連携について、どう改善されたのか、改善状況を教えてください。  大田区政全般の新型コロナウイルスへの対応、対策を見ますと、何といっても、新型コロナウイルス対策特別資金融資をいち早く行い、500万円で足りないと見るや、すぐに上限5000万円まで拡充し、利子は9年間全額、区が区の単独予算で補充をしてくれるということで、総額50億円近くの区単独経済対策となるなど、評価をする施策も多い一方、PCR検査自体は、5月3日には区単独で行っていたそうではありますが、PCRセンターの設置を見れば、23区中最後と報道されてしまうなど、スピード感のなさを露呈してしまいました。  今回、各自治体の対応を見てみると、首長が前面に出て陣頭指揮を執る自治体、また、若手や女性が中心となって、様々な支援策を提案する自治体が目立ちました。言い換えれば、上からのトップダウンも有効だったし、下からのボトムアップも有効であったと思います。我が大田区は、私の見ている限り、スピード感がなく、また、トップダウン型でもなく、ボトムアップ型でもなくという印象でございます。  今回のコロナの件にせよ、通常の区政運営にせよ、若手の課長さんたちにもう少し頑張っていただきたいなと要望させていただくと同時に、彼ら若手を伸ばすのは、区長、副区長、部長の皆さん方たちです。この部分ももう少し頑張っていただきたいと強くお願いいたします。  そこで質問します。今回の大田区の新型コロナウイルス対策では、スピード感のなさが露呈したなと実感しておりますが、区としては、今後どのようにスピード感を持ってコロナウイルスに打ち勝つ政策決定をしていくおつもりなのかお聞かせください。  続いて、区内経済の景気対策についてお聞きします。  先ほど新型コロナウイルス対策特別融資を区単独で行ったことに関して、評価をいたしました。大体、区が行っている新型コロナウイルスの対策は、国や都の政策にひもづけされて行われています。例えば定額給付金は746億円余が区の予算にのりましたが、全額国が国庫支出金として出してくれます。私は、国や都が大規模な対策を打ってくれている中で、区単独の予算による対策は産業支援と子どもたちへと集中するべきだと考えます。  大田区の象徴でもある町工場や、都内最多の数を誇る商店街、飲食店から悲鳴が上がっております。中小の町工場を見てみますと、この数か月、ほとんど稼働していませんでした。大田区の中小町工場は自動車産業の下請企業が非常に多い中で、自動車生産、販売がうまく回らなかった点など、大きな打撃を受けました。これから先、しばらく自動車産業は厳しい局面が来るのが確実視されていますし、また、製造業全体を見ても、ごく一部を除いては、打撃をこれからも被ることになります。そういった中で、大田区には様々な規模の町工場がある中で、社長1人でやっているところや、俗に言う父ちゃん・母ちゃん工場などの超零細企業にとっては、今回の国や都のサポートは非常に効果的なものですが、会社の規模によるサポートの格差が著しく、従業員を5人以上とか、ある程度抱えているものづくり企業にとっては、国や都のサポートが足りていないのが明らかです。この部分に区のお金を投入し、イノベーションを起こしていくことを考えなければいけません。  大田区では、産業振興協会で新製品・新技術開発支援事業も行って、助成金を出しておりますが、こちらの方も、今年度、かなりの需要があるような状況だと聞いております。  そこで質問をいたします。中小ものづくり企業への大田区独自のサポート、例えば、リーマンショック後に大田区が行った経営革新事業や、現在、産業振興協会で行っている新製品・新技術開発支援事業の拡充など、返さなくてよい資金を産業界に投入する形などを考えているのか教えてください。  今回、国民全員に定額給付金10万円が支給されます。その使い道ですが、景気対策に使ってあげたいという人が結構いらっしゃいます。その中でも、商店街や飲食店に使ってあげなければねという声も多いのが事実です。そこで、そういう需要と、今回、大きなダメージを受けた商店街や特に飲食店の供給側とをしっかりとつないでいく施策が必要になってくると思います。そこで、ぜひ大田区でもプレミアム付商品券を発行したらいかがかと質問する予定でした。臨時議会や会期延長、場合によっては専決処分でも構わないから、いかなる方法を使ってでも、早急に行うべきくらい考えておりました。うれしい悲鳴とはこのことでございまして、産経部がスピード感を持って取り組んでいただいて、まさか第2回定例会初日の補正予算にのるとは思わず、3年ぶりの一般質問のメインテーマでございましたが、このスピード感ある取組を評価しつつ、詳細について質問いたします。  プレミアム付商品券の発売ですが、できる限り定額給付金のマーケットをターゲットにしていただきたいが、どのようなスケジュールを考えているのか教えてください。  また、近隣自治体もプレミアム付商品券を発行しますが、今回は30%を超えるようなプレミアムをつけるような自治体が多いです。大田区では、どのようなプレミアムになる予定なのか教えてください。スピード感を忘れずにお願いいたします。  もう一つ、我が大田区のアピールポイントとしてはいろいろあると思いますが、蒲田や大森の夜の繁華街というのが昭和の時代からの名物だと思います。この蒲田、大森の夜の繁華街も相当な影響を受けたのかなと思います。私も非常事態宣言下の蒲田、大森の夜の状況というのは分からないのですが、現在でも、夜早い時間の蒲田の人出を見ても、がらがらなので、夜の接待を伴う飲食店、居酒屋のダメージは大きいと思いますし、今日から東京都の緩和がステップスリーに進み、来週19日には夜の接待を伴う店への自粛要請も解けますが、感染リスク等を考えると、再開したとしても、見通しは明るくありません。このままだと、蒲田、大森の繁華街は今の形で残ることはまず不可能かなと思います。  そこで質問します。大田区として、このような繁華街の景気状況を調査、分析できているのか、また、今後、適切な施策を行えるのかどうか教えてください。  新しい日常を考えると、確かに今の形での存続というのは厳しいのかもしれませんが、サポートするにせよ、しないにせよ、状況をしっかりと把握していくことは重要だと考えます。  続いて、ICTの活用、オンライン授業、オンライン学習の導入について質問をいたします。  ほとんどの学校で休業が続いている緊急事態宣言の中、去る5月11日に、文部科学省がユーチューブを使い、学校のICT活用、オンライン授業の導入など、情報環境整備に関する説明会が開かれ、新型コロナウイルスの影響による学校休業時のICT活用について、文部科学省の強い意気込みが伝わってまいりました。  はっきり言って、今の一般社会から見たら、教育のICT環境はものすごく遅れています。コンピューターを使って宿題をする、コンピューターを使って学校の勉強をするなど、コンピューターを使って学習することに関して、OECDの中で日本は大きく取り残されてしまっています。一方で、家庭内での子どものコンピューター使用率はOECDトップと言われています。このようなICT教育環境にしてしまったのは大人たちです。私たちや教育関係者や、今の大人たちが学びにICTを使おうとしてこなかった、これを何とかしていかなければいけません。  従来の学校や教育委員会の考え方であれば、5%の子どもが無理なのだから、インターネットにつながらないのだから諦めようという発想でした。しかし、95%の子どもたちはやっている、残り5%の子どもたちについてはどういう手当てができるのか、全力で考えようというような発想に変えていきましょう。あらゆる創意工夫をやって、5%の子どもができないからできないのではなくて、5%の子どもたちをどうしたらできるようになるか、そういった発想を持って取り組んでいただきたいと思います。  使えるものは何でも使いましょう。家庭のパソコン、それから、子ども本人のパソコンでなくても、家族のスマホを使う。各携帯会社は、子どもの利用者のデータ料金に関して、優遇措置まで取ってくれています。あるものを使いましょう。それをできることから、できる人から使いましょう。緊急時ですから、一律にやる必要はありません。既存のルールにとらわれず、臨機応変に。また、先生たちも在宅でできるので、テレワークの推進にもつながります。  ICTを使おうとしない自治体に、これからは説明責任が生じてきます。多くの子どもたちに、なぜ使わないのかという説明責任が生じていくというのをしっかりと認識していただきたい。やろうとしないということが一番子どもに対しての罪だと思います。  もちろん対面の授業に勝るものはありません。ですが、対面授業ができないというような状況において、ICTの活用というものは、紙を配って、何月何日までに宿題を持ってきてください、それも一つの方法ではありますが、それよりも、毎朝子どもたちと対面できる、双方向での授業ができる、子どもの元気な顔を少しでも見る、こういうことをしっかりと取り組む学校現場にしていただく必要があります。  結構激しいことを言わせていただきましたが、これは全て説明会のときに文部科学省初等中等教育局の高谷浩樹情報教育・外国語教育課長が述べられた言葉であり、資料にもなっております。このように、国、文部科学省では、このような状況下の中で、オンライン授業の導入を強く求めております。  そこで質問します。大田区立の小中学校で早急にオンライン授業を導入すべきだと思います。この冬には大きな波が来ることが確実視され、学校も再度休業に陥るような可能性も大いにあります。来年に向けて検討するではなく、やらなければいけないこととして、今年度中にオンライン授業を導入していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。  今回、この質問をしようとしたきっかけは、まさに当事者である子どもたちからの声でした。大田区ではなぜオンライン授業をやってくれないのですか、家にいても勉強ができないので、オンライン授業をやってほしいなど、意見をもらいました。議員を長くやっていますが、子どもたちからのこういった直接的な要望を聞いたのは初めてで、心に響きました。これは、やったほうがいいことではなく、やらなければいけないことと捉えていただきたいと思います。  もう1問、ICTについてお聞きします。  昨年の9月20日に民間出身の宮坂学さんが東京都副知事に就任しました。宮坂さんはとても有名な方でして、ICTのプロ中のプロという方でございます。ヤフーの社長だった方と言えば分かりやすいかもしれません。東京都では宮坂氏を副知事に据えたということは、東京都のICT化を加速させることは間違いないことであります。早速、ICT専門職を多く採用したり、2月には三つの柱のスマート東京実施戦略を発表しました。都がICTの加速化戦略を打ち出したことにより、うまく連携を行えば、大田区のICT化にも非常に有利に働いていくことになります。
     そこで質問します。東京都が2月に「スマート東京実施戦略」を発表しましたが、区はどのようにこの戦略を活用していくつもりなのかお聞かせください。  続いて、令和元年東日本台風と命名された昨年の台風19号において、多摩川上流部の大雨や小河内ダムの放流の影響で水位が上昇したことにより、多摩川沿線では多くの浸水被害が発生しました。大田区におきましては、田園調布四・五丁目、田園調布南の一部地区などで550件を超える浸水被害が発生し、田園調布の上沼部排水樋管付近では、警察、消防、自衛隊、そして、区の職員が、危険な状況の中で、ぎりぎりまで排水対策に取り組んでいただきました。  地球規模で気候変動が進み、大型台風や線状降水帯の発生などによる水害は今後増えると予想されております。地震や台風などは防ぐことはできません。しかし、災害は、行政、区民が日頃から準備することで被害を最小限に抑えることができます。  このたび、区では、風水害編のハザードマップを8000部作成していただきました。できるだけ早く区民の皆さんに情報提供していただくとともに、いつのタイミングで、どのように避難すべきか、タイムラインの作成や、実際の避難経路の確認なども、区民の皆さん一人ひとりが取り組んでいただけるような支援が欠かせないと思いますし、今回、田園調布四・五丁目の被害に遭われた皆様方には、今後の対策のうえでも、しっかりと皆さんに聞き取り調査を行って、今後に活かしていただく必要もあると思います。こういったソフト面の対策については、すぐにでも取り組むことが可能であります。  さて、今回の質問は、どちらかというと、ハード面の対策についてであります。区はもちろんのこと、区民の水防対策の取組を強化するためにも、水防活動のための拠点を多摩川沿線には設けていただくべきだと考えております。  そこで質問します。水防の強化のために、区として今後の取組について教えてください。  今回の東日本台風において、田園調布四・五丁目では550件を超える浸水被害があり、多くの住民より、さらなる水防強化を求める強い要望がございます。仲六郷水防資機材センターに続き、田園調布四・五丁目にも防災拠点を拡充させていくことが防災力の強化に直結すると考えます。  質問します。田園調布四丁目、五丁目に特化した水防強化の今後の取組について、区の考えをお聞かせください。以上で質問を終わります。(拍手) ○塩野目 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎市野 企画経営部長 私からは、政策決定及びICTの推進に関する2問の質問にお答えをさせていただきます。  まず、新型コロナウイルスに打ち勝つためのスピード感を持った政策決定に関するご質問でございますが、区では、このたびの新型コロナウイルス感染症によるパンデミックという未曽有の緊急事態に際し、庁内一丸となって対策に当たるため、他自治体に先駆けて、2月3日に新型コロナウイルス感染症対策本部を立ち上げ、迅速な情報共有を図りながら、対応方針や各種対策の検討を行ってまいりました。未知のウイルスと闘い勝つためには、迅速に効果的な政策を立案し、実施していくことが大変重要でございます。また一方では、情報の収集、共有、分析を的確に行い、優先順位をつけながら、最も効果的、効率的な対策を取っていく必要もございます。緊急事態宣言が解除となり、区は今後、感染拡大防止を最優先としつつ、新しい生活様式に対応した区民サービスを提供していくことが求められます。引き続き、感染症の状況、国や東京都の動向などを見据えながら、従来の区政運営から1歩進んだ取組を着実かつスピード感を持って推進し、区民の皆様の安全・安心な生活と区内経済の向上に向けて邁進してまいります。  続きまして、東京都が発表した「スマート東京実施戦略」についてのご質問でございますが、東京都は、「スマート東京実施戦略」の取組方針といたしまして、「電波の道」で「つながる東京」、公共施設や都民サービスのデジタルシフト、都庁のデジタルシフトを三つの柱としており、東京を誰もが快適な生活を送ることができる、活力に満ちた「スマート東京」へと進化させることを目指しております。区におきましては、今年度、情報化推進計画の策定を予定してございます。本計画は、区民ニーズに即した行政サービスの提供や、透明性、持続性を担保した組織運営などについて、新たな行政経営に向けた視点などを踏まえ、具体的な施策や取組を体系的に整理した計画でございます。区は、これまでもRPAの試行導入など、情報化推進に取り組んでまいりましたが、今般の新型コロナウイルス感染症拡大防止への対応を機に、部局間の情報連携、テレワークの推進、会議の在り方など、区における情報化推進の重要性を改めて認識したところでございます。今後は、東京都の「スマート東京実施戦略」の趣旨も踏まえ、東京都と連携しながら、区としての情報化推進に積極的に取り組んでまいります。私からは以上でございます。 ◎山田 産業経済部長 私からは、産業経済に関する三つのご質問にお答えいたします。  まず、中小ものづくり企業への区独自サポートに関するご質問ですが、区は、これまでも新製品の開発などを行う区内中小ものづくり企業に対しまして、補助金の交付や新製品のPRなどを支援してまいりました。新製品・新技術開発への取組は、新たな取引機会の創出のみならず、企業の技術力や企画力の向上、さらには、企業間ネットワークの構築など、企業の価値を高める様々な効果を期待できます。新型コロナウイルス感染症によって、多くの企業が厳しい経営環境に置かれている今、新たな取組を力強く進めようとする企業に対しまして、先ほど申し上げました開発支援事業の拡充も含め、今後も様々な支援策を検討してまいります。将来の区内産業全体の底上げと一層の活性化につながるよう取り組んでまいります。  次に、プレミアム付地域商品券の実施時期や規模感についてのご質問でございます。補正予算案で計上したプレミアム付地域商品券補助事業は、取り組まれる商店街が創意工夫することにより、地元地域で買物や飲食にご利用いただくことで、地域内での消費活動が活性化されることを目的としてございます。また、近隣の複数の商店街が共同して商品券を発行することも可能とするなど、地域の実情や特性に合わせて、柔軟にご対応いただける制度といたします。時期につきましては、特別定額給付金の支給に合わせて、また、夏の売出しなどにもご活用いただけるよう、ご議決いただきましたら、速やかに実施をしてまいります。実施に当たりましては、大田区商店街連合会とも緊密に連携をしながら、円滑な手続きに向けたサポートを通じまして、多くの区民の皆様にご利用いただけるよう取り組んでまいります。  次に、繁華街の景気状況調査や施策に関するご質問ですが、蒲田や大森に代表される区内の繁華街は、東京都による休業要請などもあり、多くの店舗で売上げが減少しており、特に飲食店につきましては、厳しい経営状況にあると認識してございます。引き続き経営状況の把握に努めてまいります。新型コロナウイルス感染症の影響は、しばらくは続くものと想定されますので、今後、時機を捉えて、商店街をはじめとする区内産業の景況に関する区独自の緊急調査を行ってまいります。また、大田区商店街連合会と情報交換、連携などを継続していく中で、必要な施策を検討していくとともに、新しい生活スタイルに対応した店舗改修などへの支援につきましては、大田区産業振興協会の「繁盛店創出事業」を拡充して、緊急経済対策を進めてまいります。私からは以上でございます。 ◎木田 健康政策部長 新型コロナウイルス感染症の対策に関する都区の連携についてのご質問でございますが、感染症法で定められた疾患であると医師が診断した場合は、疾患ごとに決められた症状や患者情報を保健所へ報告することとなっております。新型コロナウイルス感染症は令和2年2月1日に指定感染症となり、医療機関より報告された患者情報を、保健所は全国共通システムへ入力した後、東京都福祉保健局へファクスにて報告をしておりました。集計の結果、感染者数の変動が出るなどの混乱がございました。今後は、ファクスは使用せず、厚生労働省の開発しました新しいシステムにより、保健所が入力した情報を都や国でも同時に共有できる予定になっております。引き続き情報共有等について適切に行ってまいります。 ◎久保 都市基盤整備部長 私からは、多摩川水防強化の二つの質問に対してお答えいたします。  まず、水防強化における今後の取組についてのご質問ですが、区では、昨年の台風19号の際に、1万2000袋の土のうを用意し、約400軒の区民の皆様へ配布いたしました。今後も同様の対応を行えるよう、水防資機材を備蓄し、水害に備えてまいります。また、多摩川流域での迅速な水防活動の拠点として、(仮称)仲六郷水防資機材センターの整備を計画しております。この資機材センターでは、区民の皆様に配布するための土のうや、多摩川の堤防を補強するための大型土のうの備蓄、排水ポンプ車を配備するなど、治水対策、水防態勢の強化をしてまいります。なお、資機材センターの整備工事につきましては、今年度11月頃に着手し、令和3年度の完成を目指しております。  次に、田園調布四・五丁目に特化した水防強化についてのご質問にお答えします。区は、上沼部排水樋管のゲートポンプにおける排水能力の増強、継続的排水を可能にするための施設の耐水化や、停電時の電源確保を東京都下水道局に要望するなど、関係機関と連携して、田園調布四・五丁目の水防強化に取り組んでおります。また、田園調布四・五丁目地区に防災拠点を設けることで、洪水時における円滑かつ効率的な水防活動などへの活用が可能となるため、用地の確保につきましても、水防強化の一環として検討してまいりたいと考えております。私からは以上でございます。 ◎玉川 教育総務部長 私からは、区立小中学校におけますオンライン授業に関するご質問にお答えいたします。  新型コロナウイルスなどの感染症に備えるため、持ち帰り学習やオンライン授業への対応を早急に進めなければなりません。まず、現在、学校内で利用している学習用コンテンツを来月から自宅でも利用できるようにいたします。これに加えまして、家庭でのICT環境の整っていない中学3年生の学習を支援するため、タブレット端末及びモバイルルーターの貸出しを実施いたします。また、9月からは、中学校1、2校をモデル校としまして、オンライン授業を試行実施して、課題などの洗い出しを行い、来年度からの本格実施を目指してまいります。まずはこのような取組を通じて、ICT環境の整備を推進してまいります。私からは以上でございます。 ○塩野目 議長 次に、13番渡司 幸議員。                  〔13番渡司 幸議員登壇〕(拍手) ◆13番(渡司幸 議員) 自由民主党大田区民連合、渡司 幸でございます。  自治会・町会支援など、地域力向上について伺います。  区内のとある町会掲示板に「大切なお知らせです。コロナの影響でなかなか集まることができません。子どもたちの描いた絵や大人の方の俳句など、回覧して、みんなで楽しみたいと思います。作品をお寄せください」との掲示を見つけました。ご近所で元気を分け合おうという気遣いが感じられ、通りすがりの私まで気持ちが温かくなりました。  グローバル化、デジタル化が進む時代になってもなお、自治会・町会など、生活の場である地域コミュニティ機能の重要性については、以前にも増して注目をされてきております。様々な自治体で自治会・町会への加入促進の条例化や、活動の電子化などの動きがあることからも、自治会・町会の活性化や持続可能な活動を模索する動きは全国的なものとなっております。  地域コミュニティの活性化について悩む多くの自治体が皆同じように、町会・自治会への加入率の低下について悩んでおります。防犯・防災活動など、地域活動に関わる様々なコミュニティ機能を活性化するためにも、人材活用の面でも、加入率の低下は大きな課題となっております。  町会活動に興味関心を持つ場合、いくつかのタイミングがあるように考えます。最初のタイミングは、転入時、初めてその土地で暮らすとき、その地域の行事や環境、そして、活動の内容を知りたいと感じる人は少なくないと思います。次のタイミングは子育ての時期ではないかと思います。公園や学校、医療機関など、地域の情報が気になる時期であると考えます。そして、定年後、改めて地域の活動に関心を持つ方が多いように感じます。そして、昨年のような災害時にも、町会活動に関する関心が高まる傾向があると考えます。  加入率向上に関しては、タイミングを見て、適切な情報提供をしつつ、加入促進のための活動を行う必要や、行事などの機会に加入促進を行う方法もあるかと思いますが、一人暮らしの方や、ずっとそこに住むわけではないと考えている方たちへのアプローチに関しては、さらに難しさを感じます。特に防犯・防災・美化活動などに関しては、会員である、なしに関わらず、全ての方たちに関係のあることであり、行政から一定の支援がなければ、持続可能な活動は難しいと考えます。  そこで伺います。これからの自治会・町会活動への支援として、町会活動の活性化は地域力向上の王道であるということを強く意識し、適切なタイミングでの情報提供や支援をお願いしたいと思いますし、単独町会での実施が難しい活動に関しては、他町会との合同で活動できるよう、ご支援をいただきたいと考えますが、区の見解をお示しください。  平成7年の阪神・淡路大震災、平成23年の東日本大震災の際にも、地域コミュニティの機能と役割の重要性は再認識されました。大田区においても、昨年の台風19号の際に、地域の実情に合った避難計画や情報伝達の重要性が今後の課題として認識されました。  大規模な避難訓練や説明会などの実施がままならない現状の中、計画が見直された風水害避難計画などを地域で情報共有し、機能させるために、町会長に説明すればそれでよいということにはならないと考えます。台風19号時の自治会・町会の動きに関する課題を丁寧に聞いていただくことを要望するとともに、今後の地域の災害対応についてどのように理解を促すのか、区の見解をお示しください。  次に、町会・自治会の大きな悩みの一つとして、マンションなどの集合住宅や、事業所などの企業との連携の進め方に苦慮しているとの声が多く寄せられています。古くから住民自治の精神が根強く、学校教育に関しても、コミュニティ・スクールの取組が進んでいる京都市においても、町会・自治会への加入率は約70%まで落ち込み、「京都市地域コミュニティ活性化推進条例」のもと、マンション居住者と地域との交流を促進するための「転入者地域交流支援制度」を昨年度から始めるなど、コミュニティ活性化に危機感を持って取り組んでおります。  マンションや企業は単独で防災組織や備蓄品を持っている場合もありますが、発災時、避難時、復旧時など、それぞれの段階で地域と情報を共有するべきこと、協力できることは少なくないと考えます。規模の小さな会社や事業所においても、社会貢献活動として、町会の美化活動や見守り活動に参加していただけないか、会社就業中に発災した場合に、町会と協力できるところはないかなど、町会活動との接点を探る必要があると考えますが、単独の町会の役員さんには、なかなかそこまでの折衝をお願いできるものではありません。それらマンションや企業、事業所などと町会の連携の仕方について、行政として、研究、支援をしていただきたいと思います。区の所見をお聞かせください。  災害時や緊急事態宣言下などには、隣近所でお互いのことを気にかけたり、自分にできることがあれば、困った人を助けたいという気運が高まるとともに、助けてもらいたいという声も上がってきます。個人情報に配慮した要援護者支援に関しても課題とされています。現状では、町会・自治会組織が自らの発想の転換を行い、活性化に向けたチャレンジを行うことは大変難しいことと理解していただき、戦略的な支援をお願いしたいと思います。地域コミュニティの再生や活性化を専攻とする大学の学部も増えつつあります。官学連携も視野に入れ、義務ではなく、権利としての地域活動を支えていただきたいと考えます。  これからも地域の中で町会・自治会が包括的な組織であり、行政との接点を持つ組織として、共助の要となりますよう、活動支援の道筋をつけていただきたいと要望し、次の質問に移ります。  次に、MICE誘致について伺います。  「大田区におけるMICE誘致の戦略とあり方」を読ませていただきました。MICEというと、規模の大きなものを想像しがちですが、何百人・何千人規模の学会などではなく、大田区でMICEができる規模について伺いたいと思います。  新たに加わった羽田イノベーションシティなども含め、区内でのMICEの適正規模はどのくらいとお考えなのか、区の考えをお聞かせください。  今回、新型コロナウイルス感染症の影響下においては、人が集まることのリスク管理、そもそも人が集まることの必要性についても新しい視点が示されました。一方では、人と人が空間と時間を共有すること、リアルな体験への渇望も決してなくならないということも強く感じました。今後、各地から羽田空港に降り、集い、話し合うからには、それなりにリアルな成果が期待できるということが重要であると思います。安全に参加できる会場や宿泊施設の情報提供も大切ですが、大田区ならではのリアルを体験できるコンテンツの紹介も不可欠だと思います。例えば、「ギョーザでMICE」、「豚カツ会議」、「秘密が漏れない屋形船会議」、「心を正すお寺でMICE」など、大田区ならではのユニークべニューの開発や、お土産100選、おおたの逸品など、産業経済部や産業振興協会と連携することが重要になってまいります。  今後、区内の宿泊施設、飲食業、物流、企画会社などとコンテンツの開発や情報連携など、また、誘致活動などを進めていくのは、具体的に、どこが、どのように行うのかお聞かせください。  そして、MICE誘致のターゲットについてですが、できるだけ具体的なターゲットに向けて、戦略的に働きかけていく必要があるのではないかと考えます。大田区らしいMICEのターゲットとして、あえてニッチでディープな業界をターゲットとしていただくのも一つの考えかと思います。  私が子どもの頃、父がレース鳩を飼っていた関係で、家には「愛鳩の友」というレース鳩愛好家のための雑誌がありました。鳩の血統やレース入賞歴などが書かれたマニアックな雑誌の発行を父が心待ちにしていたことを思い出し、業界誌や専門誌を調べてみますと、たくさんのニッチでディープな業界を見つけることができました。趣味の分野では、石をめでる「月刊愛石」、爬虫類愛好家の「ビバリウムガイド」、武術愛好家の「月刊秘伝」など、業界誌では僧侶の4人に1人が購読しているとも言われる「月刊住職」、油脂加工に特化した「月刊油脂」、そのほかにも、「パンニュース」、「ゴムタイムス」、「溶接ニュース」など、その存在を初めて知る雑誌や業界誌が数多くありました。  それら趣味や職能団体などをターゲットに絞ることで、業界内のネットワークを活用でき、話題性もあり、メディアで取り上げられることも期待できるのではないかというふうに考えます。MICEを機会に、パンや油脂、ゴムなどであれば加工機械製造業とのマッチングが、爬虫類や観賞魚であればアクリル樹脂加工業と、石であれば造園業などの販路拡大の一助になるような仕組みづくりに期待したいところです。宿泊業や飲食業への波及効果だけでなく、施設設備や人や物の運搬などに関して、区内のイベント企画会社、設備会社、物流会社、印刷業など、区内業者の景気回復に役に立つ取組にしていただきたいと考えます。  今までもコスプレやコミケなどで話題の多かった大田区でございますが、多種多様な区内業界を巻き込んでいくためにも、産経部と連携し、より具体的な業界への働きかけを進めていただきたいと思います。区の考えをお聞かせください。  観光振興やMICE誘致など、基礎自治体が行うことではないという声があることも承知していますし、経済がダメージを受けているときに優先順位は低いという意見も理解できます。しかしながら、これから借入金の返済や業績の改善に取り組んでいかなければならない区内業者を守るためにも、本気で取り組んでいただきたいと要望し、次の質問に移ります。  学校教育について伺います。  今回の区立小中学校の臨時休校に際し、新学期に移行するタイミングを含んでいたため、学習の進め方には先生方も大変苦慮されたことと思います。自宅での学習に際し、既に家庭に配布された教科書などの教材に沿って、家庭で自習をしようとした場合、学習教材や動画などのコンテンツに関して、各教科書会社により大きな違いが見られました。自宅学習に適した教材や動画を出版社独自で提供しているところや、デジタル教科書用のみに対応している出版社などがあり、臨時休業中に自主的に学習を進めたいという意欲に応えるものであったかということは検証が必要であるように感じます。  本来であれば、学習指導要領に沿って、先生方のご指導のもと、学習できることが望ましいのですが、それがかなわない今回のような場合では、まずは教科書に沿った流れで予習や復習をしたいと考える子どもたちは少なくありません。  現在、令和3年度使用の中学校教科用図書の採択に向けた教科書展示期間中でもあり、私も見させていただきました。QRコードなどで音声教材や副教材的な情報を得ることができる教科書も多くあり、今回のように、図書館も休業している場合などには、調べ学習の入り口として、家庭学習の場面でも、様々な教科において期待できる機能を教科書が備えつつあると感じました。  今回の臨時休業中は、各家庭によりICT環境が様々であったため、学校配布の学習プリントを中心に家庭学習を組み立てざるを得ませんでしたが、今後、タブレットの配備が進んだ場合、ICTを最大限に活用し、かつ、大田区の子どもたちに適した教科用図書を選んでいただきたいと考えますが、いかがでしょうか。  次に、学校ホームページなどの情報発信について伺います。  各区立学校のホームページに期待される役割、果たす役割についても様々な意見があり、今回の臨時休業中には、各校のホームページの情報更新が今までになく活発に行われ、学校のホームページへアクセスしたご家庭も多かったと聞いております。各校のホームページでは、教育長のご挨拶など、全校統一で配信される動画以外では、学校間で大きな違いが見られました。学校独自で現職の先生からのメッセージ動画や授業動画などを配信された学校以外にも、文科省の「子供の学び応援サイト」や、東京都教委の「学びの支援サイト」、NHK「おうちで学ぼう!」などや、民間の教育情報サイトなどの情報を載せている学校もありました。  また、都道府県各教育委員会や、他区の教育委員会のホームページでの情報発信も様々でございました。大田区教育委員会、東京都教育委員会とも、提供された教材は小学生対象のものが多く、中学生に対応した教材が少なかったことが多少残念に感じられました。学校や教育委員会ごとの個性は大いに認めるべきだと思いますが、あまりにも情報量に差があることは避けなければならないと思います。  そこで伺います。今回の臨時休業の対応の中で、教育委員会や各学校が行うべきことが明確になってきたと思われます。教育委員会が一定水準以上の学習支援を行えば、各学校も大いに助かるのではないかとも考えます。今回の経験を踏まえ、今後、新型コロナウイルス感染症と同様の事態が発生した場合には、子どもたちの学習支援のため、教育委員会がどのようなことを行うべきかお答えください。  今回、臨時休業中、経験したことのない非常事態の中、教育委員会並びに学校関係者の皆様には、難しい判断や調整等が重なり、ご苦労されたことと思います。学校が再開しましたが、まだまだ感染症拡大防止に配慮しながらの苦労も多く、楽しみにしていた子どもたちに行事の中止や日程の変更などを伝えなければならないなど、心中はいかばかりかと思います。  様々な配慮、自粛などに忍耐強く取り組まれた学校関係者、保護者や子どもたち、そして、全ての皆様に敬意を表するとともに、少しでも早く元気な日常が戻ることを願って、質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○塩野目 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎今井 地域力推進部長 私からは、地域力向上に関する三つの質問にお答えします。  まず初めに、これからの自治会・町会への支援についてのご質問ですが、自治会・町会は、福祉・防犯・防災活動など、幅広い分野で地域の身近な課題に自主的に取り組んでおり、安全・安心のまちづくりに欠かすことのできない地域コミュニティの中心的な組織です。一方で、少子高齢化や核家族化などの影響により、自治会・町会の加入世帯数の減少や担い手不足が問題となっており、持続可能な活動が課題となっております。議員お話しのとおり、転入された方、子育て世代など、区民の置かれている状況に応じた情報や、誰もが切実に関心を持つ災害対策などの情報を効果的に織り交ぜて発信することが、地域や自治会・町会に関心を持ってもらううえで重要です。今後は、目的やテーマ、対象とする年齢層やライフステージに応じて、関心の高い情報を、紙媒体や掲示板に加え、ホームページやSNSなどのICTを効果的に活用しながら、若い世代や自治会・町会になじみのない方にも興味を持っていただき、地域全体が有機的に結びつくような支援を検討してまいります。  次に、地域の災害対応への理解促進についてのご質問です。いわゆるコロナ禍においても、大規模な災害が発生するリスクがあり、日頃から災害に対する備えを講じておくことは大変重要です。災害対策上必要な訓練等につきましては、十分な感染症対策を講じたうえで、可能であれば実施していただきたいと考えております。昨年の台風19号の教訓を踏まえた風水害対策の見直しにつきましては、今年度4月から地域への説明に取り組んでいるところです。コロナ禍の中でも感染症対策に十分留意しながら、自治会・町会長へのきめ細やかな説明はもとより、区報やホームページなど、様々な手法により、広く地域に伝わるよう努めております。今後は、こうした取組に加え、マイ・タイムライン講習会や普及啓発物の全戸配布等により、地域の被災リスクや避難行動計画の必要性など、地域全体のさらなる防災意識向上につながるよう、自治会・町会をはじめとした地域への普及啓発に取り組んでまいります。  次に、マンションや企業、事業所と自治会・町会との防災面での連携に関するご質問ですが、地域防災力の向上という観点から、自治会・町会とマンション、企業等との連携は大変重要であると考えます。区は、家庭内の備蓄や家具転倒防止対策の居住継続のための各自の備えや、顔の見える関係づくりの重要性を理解してもらうべく、平成24年度から毎年度、マンション居住者を対象とした防災講習会を実施しております。特にここ数年は、自治会・町会の役員等、マンション居住者でない方にもご参加いただいて、ワークショップを開催するなど、地域とマンションの協力体制構築の一助となる取組も進めているところです。また、企業、事業所などと自治会・町会との連携につきましては、災害時の協力協定の締結や、地域の事業所も参加した防災訓練の実施など、日頃から双方が交流し、有事に備えた連携、協力体制を構築できるよう取り組んでいるところです。引き続き、各種訓練等の機会を捉えて、マンション居住者や企業等を含めた地域住民同士の助け合い、すなわち、共助の関係づくりを支援してまいります。私からは以上です。 ◎飯嶋 観光・国際都市部長 私からは、MICEに関する三つのご質問に順次お答えをいたします。  初めに、区内でのMICEの適正規模に関するご質問でございますが、MICEには、国際会議やモーターショーなどの大規模なものから、ミーティングや企業の研修旅行といった小規模なものまでございます。現在、区内では、大規模なMICE開催に適した会場は限られておりますが、100席以下の会議室は比較的充実しており、中小規模の多様な会議に対応できるほか、ホテルや飲食店も多いため、MICE開催に伴う区内での宿泊、飲食等への誘導も可能でございます。そのほか、他都市で開催される大規模な国際会議などとも連携し、区内の中小規模の会場をアフターMICEとしてご利用いただけるような取組も行う予定でございます。将来的には、羽田イノベーションシティとの連携等、空港周辺での大規模MICEの区内開催も目指しつつ、まずは小回りが利き、様々なニーズに対応したMICEメニューをご用意し、「大田区を選んでよかった」と評価していただけるよう、新型コロナウイルス感染収束に合わせ、中小規模のMICE誘致を働きかけてまいります。  次に、MICEに係るコンテンツ開発や情報連携、誘致活動などを誰がどのように行うのかとのご質問でございますが、区内には、産業や自然、文化など、多様な地域資源と魅力が存在をしております。これらをコンテンツとして開発し、関係者等へ提供し、連携を図っていくことは、MICE誘致に向けた重要な取組であり、まずは観光・国際都市部の職員が知恵を絞り、汗を流して、産業経済部をはじめとする庁内各部署と緊密に連携し、推進してまいります。一方で、調査データの解析や国内外に向けた発信、また、実際の営業活動などには、専門的な業務経験や幅広いネットワークが必要であり、区の職員だけで対応することは困難な部分もございます。そこで、区は、MICE推進体制を構築するための助言機関として設置され、外部有識者や観光関係団体を構成員とする「大田区MICE誘致準備会」からの助言を得ながら、新型コロナウイルス感染収束後を見据え取組を進めてまいります。具体的には、区及びMICE誘致準備会のコントロールのもと、営業・広報活動や、航空券、宿泊先の手配等、専門性の高い業務を支援する事業者を実行組織として活用し、より効果的で実践的なMICE誘致へとつなげ、区内経済活性化に資する取組としてまいります。  最後に、産業経済部と連携し、より具体的に多種多様な業界への働きかけを行うべきとのご質問でございますが、新型コロナウイルス感染が拡大する前、区内の施設等では、多くの来場者でにぎわうイベントや会議等が多数開催をされており、新型コロナウイルス収束後には復活が期待をされております。そのため、まずはそのような催しをMICEの原石として磨き上げてまいります。あわせて、議員お話しのとおり、我が国では多種多様な専門誌や業界誌が発行、購入されていることから、多数の愛好家や職能団体の存在が確認をされており、それらの方々、団体は、小規模MICE誘致の有望な顧客になり得るものと考えております。そのため、既存の催しをMICEへと高めていくとともに、愛好家や職能団体なども有力なMICE誘致のターゲットと捉えることで、直接的な経済効果のみならず、様々な産業分野へも効果が及ぶよう働きかけてまいります。MICE誘致に向け、関連業界との連携強化を図り、区内消費の拡充、ビジネスチャンスの創出等、MICEの波及効果が最大限発揮される仕組みを、産業経済部をはじめとする関係部局、関係団体と共に構築し、区内経済活性化に向け、全力で取り組んでまいります。私からは以上でございます。 ◎玉川 教育総務部長 私からは、教育委員会に関する二つのご質問にお答えいたします。  まず、教科用図書の採択に関するご質問でございます。教科用図書の採択に当たりましては、要綱に基づきまして、公正かつ適正な手順に十分配慮して採択しております。教員で構成された資料作成委員会が教科ごとに必要な情報を収集、整理し、さらに、学識経験者、区民代表、学校関係者で構成された教科用図書調査委員会が研究し、調査報告書を作成いたします。この報告書を基に、本区で整備されておりますスライドレール式黒板の機能を活かすことができるか、タブレット端末を活用した具体的な学習活動が示されているか、教科用図書内に示されているQRコードやURLによって、ウェブサービスが利用できるように工夫されているかなど、教育委員がICTの活用を含めた様々な角度から全ての教科用図書を十分に吟味したうえで、採択について審議いたします。教育委員会は、ICTの活用も含め、公正かつ適正な採択の手順を丁寧に積み上げ、大田区の児童・生徒にとりまして最もふさわしい教科用図書を選定いたします。  次に、今後の感染症流行の際の学習支援として教育委員会が行うべきことに関するご質問でございます。今回のような長期間にわたる臨時休業中におきまして、教育委員会が率先して子どもたちの学習支援を行うことは大変重要でございます。今後、新型コロナウイルス感染症のような流行が見られた際は、学校の負担を軽減するよう、教育委員会として、ICTをさらに活用し、充実した学習支援を行っていきたいと考えております。具体的には、これまで以上に家庭学習に役立つホームページなどを紹介してまいります。また、双方向のオンライン授業等も視野に入れまして、不測の事態の際のICTを活用した学習支援の準備を進めてまいります。このほか、タブレットで算数・数学ステップ学習をはじめ、漢字の書き取りや英語のスペルなど、各種学習コンテンツが活用できるようにいたします。今後の感染症流行の際に、学校の負担を軽減し、充実した学習支援が行えるよう、教育委員会が行うべきことを迅速に進めてまいります。私からは以上でございます。 ○塩野目 議長 次に、11番深川幹祐議員。                  〔11番深川幹祐議員登壇〕(拍手) ◆11番(深川幹祐 議員) 自由民主党大田区民連合の深川幹祐でございます。今回の一般質問のテーマはパラダイム転換であります。今までの価値観を全て否定はしませんが、改善するきっかけとして活用すべきという観点から質問を行います。  まず、予備費の活用についてです。  今年度予算として3億円、臨時会で成立した2次補正7億円、合計10億円、また、昨年度は当初3億円、台風被害復旧などのために4次補正予算で5億円、合計8億円としました。今回の新型コロナウイルス対策については、感染防止対策物品購入など、年度が始まって2か月の現段階で約2億円の予備費の充当があり、昨年の台風などがあることを想定すると、ちょうど収まるサイズとなっております。我々自民党は、区長部局と歩調を合わせ様々な施策を進めております。今年度の流用についても、全てが新型コロナ対策関連費用であること、また、その多くが議会新型コロナ対策本部という全議員が要望できる会議体であり、そこから議長名で区長に要望していた内容であります。このように、緊急事態だからこそ各党各会派を超えて意見集約をし、行政に速やかに動いてもらう必要がありました。  現在は収束期になり、いっときの大混乱から非常時の中の巡航速度に入っていると思われます。6月1日からは乳幼児健診などが再開され、子どもたちへのサポートをようやく再開することができました。また、本庁に詰めていた保健師の兼務職員も各地域福祉課などの原隊に復帰し、業務遂行を行ってくださっております。そのような状況下であれば、最前線にいた職員を一旦後衛に回し、予備役たるOB職員や元その職場にいた職員などを兼務するなどして、第2波に備えた休養を取らせるべきと考えます。  また、医療機関と先日意見交換をしてきましたが、医療物資の不足は現在もまだ解消していない課題であります。病院といえども民間であり、原則的に自分たち自身で物資を調達し、自費で購入すべきであります。しかし、今は緊急事態であります。また、医療物資の高騰は全世界的に避けることができません。少なくとも、この高騰した部分をしっかりと支えるべきと考えます。  そのためにも予備費を活用すべきと考えますし、この先の進捗状況によりますが、再増額も検討し、しっかりと不測の事態に対応すべきと考えますが、いかがでしょうか。  また併せて、新型コロナの影響が病院経営に如実に出ることにより赤字を抱えることとなったことから、一部の医療従事者の中には、激務にもかかわらずボーナスがカットされる懸念があるとも伝えられております。また、大田区では、コロナ患者を受け入れてくれた基幹病院、医師会などへ支援を行う方向が示されました。まず一義的にはそこですが、救急指定病院や療養型病院、介護・福祉事業所などでもコロナの感染リスクの中で業務を遂行しております。  こういった観点から、金額では言い表せませんが、一定額の支援金も検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。この点しっかりと関係各所との意見交換を行い、支援策を検討することをお願いしておきます。  新型コロナ対策について、この間、不要不急ということが多く言われました。なかなか不要というものはありませんが、不急なもの、また、感染症対策をはじめ、しっかりと準備をしなければならないもの、優先順位としてまず人の命であることなど、今までの常識をまず一旦消して再考した期間であったと思います。そこから仕事に行けなかったとしても感染爆発、医療崩壊を防ぐ必要がありました。  ここからですが、大田区のイベントについても考えなくてはいけません。新しい生活様式に合わせたイベントにすべく、立ち止まって再考すべきと考えます。イベントというと1か所に大勢の人数を集め開催しておりました。それが全て間違っているということは当然ありません。しかし、今年、そして来年早々までは少なくとも開催できるとは思えません。ウェブを活用したもの、配送も区でサポートするなど新しい形を模索すべきです。つまり、今から考える新しい形態について誰も正解の知見はありません。だからこそ、失敗を恐れず、課題を抽出するための決断をすべきと考えます。区などの行政が行うイベントは、失敗してはいけない、人数はかき集めてでも開催するというテーゼがありました。しかし、そうでしょうか。目的があって、行為に基づく手段があるわけであります。公が一般企業では背負うことのできないリスクを取り、多角的に検討すべきものと考えます。まず、この目的から精査をすべきと考えますが、いかがでしょうか。  また、医療用マスクやガウンは今回のコロナで国防そのものであることが分かりました。そういった観点からすると国内での生産を目指すべきで、政府も補助金をかけ進めております。この点、大田区の得意分野がありました。それがフェイスシールドであります。大田区産業振興協会、大田区産業振興課で把握しているだけでも7社が開発をしております。それぞれに特徴があり、使う方々のニーズによってということであります。この開発を進めるとともに、日本でできるものは日本でとなります。しかし、原材料費、人件費を考えると、中国がやはり安いのです。  しかし、ここについてもパラダイム転換をすべきと考えます。大田区では30年ほど前からタイとの連携、出展支援をしております。現状でタイでも中国からマスクを輸入しているということでした。一定水準の衛生環境、原材料の確保といった観点からすると、タイでも内製化より輸入のほうが安いと捉えているそうであります。しかし、多角的な視野でこれらについても考える必要があります。  また、国内では東御市、美郷町、東松島市、長井市などと防災連携も進めております。例えば、マスクやガウンをつくってもらえないか、共同開発できないかなどの医工連携を各地に拡大すべきと考えますが、いかがでしょうか。  また、先日、C級ポンプの契約が可決をされました。多くの自治会・町会では市民消火隊を組織し、訓練に励んでいただいております。しかし、このC級やD級ポンプで火が消えるのでしょうか。火災が発生との通報があると、東京消防庁では10台の消防車が駆けつけます。そのうちの6台がポンプ車であります。このポンプ車の1台の送水能力を1とすると、C級で6分の1、D級で15分の1であります。つまり、これで火を消すことはまずできないのであります。  では、どうするか。まず一番に守るべき学校避難所に配備をし、初期消火で対応するということであります。例えば、小学生に取扱いの容易なD級ポンプの取扱いを体験させる。中学ではC級ポンプを同じく体験させれば、学校避難所の運営を手伝っている中学生が万が一のときに活躍できるということになります。また、市民消火隊のなり手不足解消にもつながり、実践的防火教育につながり得るということから検討すべきと考えます。  また、間もなく風水害による増水も懸念される時期が迫ってきます。そこで活躍するのがC級・D級ポンプであります。半地下のガレージや低地帯の増水時に、排水にこのポンプを使うのであります。他の区ではこういった訓練を行っているところがありますが、大田区ではポンプは火を消すものだと思っている人がほとんどであります。とすると、自分自身の家が防災ハザードマップ上でリスクの高い地域の方こそ、この取扱い訓練を受け、万が一のときに活用できる体制を取らなくてはなりません。これもパラダイム転換であります。防災訓練の際に活用すべきと考えますが、いかがでしょうか。  次に、災害時に情報発信をするのは行政本体とマスコミというのが従前の位置づけでありました。しかし、今は違います。ソーシャルメディアを使えば1人でも情報発信ができる時代となりました。大手マスコミは人的・物的資源が豊かで、様々な取組をすることができましたが、SNSを使っている人はそうではありません。例えば、区役所本庁舎内は撮影が原則的に禁止をされており、許可が必要であります。この場合、保護されるべきは本題と関係なく写り込んでしまう人などの問題があります。また、許可を申請された行政機関側も、各部署に確認をとコストがかかるわけであります。区として申請が来るだろうと思われるものには広報課がオフィシャルに撮影をする、そして利用については事前申請が不要で、フリー素材としてホームページ等にアップしておけばよいと考えます。これもパラダイム転換で、待つのではなく用意をしておくということであります。そして原則、このコンテンツを使ってもらうことにすれば、他に代替するものがあるわけで、どうしても撮影したい事由があれば許可をするというふうに変えられるわけであります。  また、広報課のみが大田区の広報をするのではなく、みんなにしてもらったほうが効果的と考えます。いかがでしょうか。  続いて、職員の活用について伺います。  このコロナ対策として、政府の方針のとおり、今までの時差出勤制度を拡充し、3月1日から午前7時からの勤務を新設しました。このことは通勤時の満員電車による感染リスクを減らすことが一義でありますが、同時に、昨今進められている働き方改革に沿う多様な労働形態を認めるものとして評価をします。この点、5月1日からは、育児または介護等を行う職員の早出遅出勤務を認めることとしました。また、5月11日から、電車通勤者に限らず、自転車等、徒歩通勤者にも拡大をしました。緊急事態宣言が解除をされ、一旦の収束が見られる現在も、大田区では時差出勤の励行、週休日の振替の活用、在宅勤務の奨励など、多様な労働形態を維持する施策であることは大いに評価をいたします。  私は、かねてより多様な労働形態を広く認めるべきであるとし、平成29年3月の予算特別委員会においても質疑をさせていただきました。また、60歳の定年を迎えられた後も、仕事をしたいが、家族で旅行もしたいといった場合、4月から6月の第1四半期は仕事をし、第2四半期はお休み、第3四半期は仕事、第4四半期はお休みということも考えられるわけであります。  また、町会や商店街、医師会などとの会合は夜に行われるわけで、出勤時間を12時にするなど、職員が8時半から勤務を一律に開始しなくてもよいようにすべきであります。こういった制度が平成31年4月19日の人事課長から所属長宛てに発出されておりますが、庁内の周知に課題があり、これについて多くの職員が制度を知らない状況となっております。周知徹底を求めます。  また、今回のコロナの関係で、ずれ勤を活用した職員などから今後も活用したいとの声が多く聞かれました。あわせて、週休日の振替、在宅勤務については、このコロナが収束したとしても継続すべきと考えます。見解を伺います。  次に、超過勤務対策についてです。  今までの日本は働くこと至上主義、残業が善、定時退勤が悪といった風潮がありました。しかし、密を避けるとすれば、このような考え方から転換しなくてはなりません。コロナ禍の保健所、健康政策部のように、業務量が増大し、応援職員を大幅に増員したとしても対応し切れない場合や、昨年の台風の際の防災危機管理課、都市基盤整備部のようなものは、夜通しとなれば超過勤務は避けられません。しかし、業務が1人の職員にかかり、集中している場合、上司たる部長、課長が対応すべきでありますが、残念ながらできていない場合があります。  この超勤を日単位で、週単位でアラートが鳴るスキームをつくり、対策すべきと考えます。こういった状況から、産業医が入るまで放っておくのではなく、人事課は積極的に職員に寄り添うべきと考えます。この点の見解を伺います。  第2波、第3波に備えて前線にいる職員を休ませ、予備役を招集すべきと考えます。これが行政学上の人事異動の意義と考えます。しかし、今回のコロナでは、保健所には各地域福祉課から保健師を兼務とし、健康政策部につい3月まで在籍した事務職員を4月中旬に兼務をかけ、また機動的に全体を統括するため企画課の職員を防災危機管理課に兼務をするなど、遊軍としての機能も果たしております。
     また、兼務という形式に捉われず、発令しなくても所属長などの判断により業務量が多い部署に手伝いに入るなど、人事課の活躍が目立っており、一般区民の皆さんには分かりにくいところでありますが、とても重要な変化がなされたものであります。まずもって感謝を申し上げます。この場合のスキルが人事異動により出てくるわけであります。  こういった人材活用をより一層進めるとともに、OB職員に今のうちから声をかけ、第2波、第3波に備えるべきと考えますが、いかがでしょうか。  最後に、経済対策について伺います。  ここ数年の議会質問において、景気上昇局面における学校をはじめとする公共施設の建て替えについて、抑制的に進めることをお願いし、2020オリンピック不況に備えて準備をしていただきたいとしておりました。オリンピックが一旦来年に延期になると同時に、コロナで景気が悪いというレベルと違う状況になっております。今までのように単に不景気だから公共工事をというわけにいかず、工事現場での3密の防止、世界的な資材不足など、多角的な検討と配慮が必要です。また、工期についても今までどおりにいかない部分もあると思います。  オリンピック不況後に行うべきとしていた公共工事について見直すとともに、区内企業支援の観点から、できることから早急にすべきと考えますが、いかがでしょうか。  以上で質問を終わります。(拍手) ○塩野目 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎市野 企画経営部長 私からは、財政経済対策、情報発信などに関する4問の質問にお答えをさせていただきます。  まず、予備費に関するご質問でございますが、予備費は、自然災害や感染症など不測の事態が生じた際、柔軟で機動的な財政運営を行うために必要な予算であると認識をしてございます。今般の新型コロナウイルス感染症対策では、区民生活や区内経済活動への支援などの喫緊の課題に対し、予備費の活用などにより迅速に取り組んでございます。今後想定される新型コロナウイルス感染拡大第2波などへの備えや、自然災害などが発生した場合にも的確に対応できるよう、区議会第1回臨時会におきまして予備費の増額を含む補正予算を議決いただいたところでございます。今後も、財政規律の確保に留意しつつ、時機を失することなく必要な施策を講じるため、適切に対応してまいります。  続きまして、新しい生活様式に合わせたイベントの開催に関するご質問でございますが、新型コロナウイルス感染症の拡大防止を図るため、区が主催するイベントにつきましては、現段階で8月末まで実施しないこととしてございます。また、9月以降に計画されておりますイベントにつきましては、区民の皆様の安全・安心な生活と区内における経済活動の支援という視点から、感染拡大防止を最も重要な課題と捉えた上で、延期、休止などについて適切な判断をする必要がございます。イベント開催に関する判断をするに当たりましては、疫学的な視点も取り入れつつ、当該イベントの目的まで立ち返り精査する必要がございます。また、熟慮の結果、イベントを開催する場合には、国や東京都が示しておりますガイドラインなども参考にしながら、開催の規模や手法を最適なものとし、感染拡大防止を徹底していくことが重要であると考えてございます。新しい生活様式を踏まえ、ICT技術を活用した非接触型のイベント開催など、新たな手法の導入も視野に入れながら取り組んでまいります。  次に、区の広報写真の活用に関するご質問でございますが、現在は誰もがソーシャルメディアなどを通じて情報発信することができる時代となり、こうした時代の変化に伴い、区が所有する写真を効果的に活用することは重要であると認識をしてございます。これまで区では、区のPRなどを目的に、ホームページ上で「おおたWeb写真館」を開設し、区が管理する記録写真を公開しているほか、区の広報用として撮影した写真なども申請があった方に対し提供してまいりました。今後は、区の取組や魅力をより多くの方に発信できるよう、区が保有する写真の効果的な提供方法の在り方について検討してまいります。  最後に、経済対策としての公共工事の発注の在り方に関するご質問でございますが、区は、「大田区公共施設等総合管理計画」に基づき、地域ごとの将来のまちづくりを見据えた公共施設の整備を推進し、効果的・効率的なマネジメントを図ってございます。一方、新型コロナウイルスの感染が拡大し、緊急事態宣言が発令されたことにより、国内の景気は急激に悪化し、区内の経済も多大なる影響を受けているものと考えてございます。区は、このような事態に対応するため、区内経済支援策の一環といたしまして、各部局が今年度施行を予定している工事について、感染拡大防止を最優先としつつ、工期の設定にも配慮しながら、可能な限り早急な発注に努めているところでございます。また、区内企業全般に対する支援につきましても、緊急事態宣言下における経済活動の自粛や取引の減少により大きな影響を受けた中小企業、小規模事業者などに対しまして、資金融資のあっせんや相談体制の強化など積極的な支援を行ってございます。このたびのパンデミックという未曽有の事態に対し、今後も引き続き状況の変化を見据えながら、区民生活及び区内経済活動を支える施策を迅速かつ的確に展開してまいります。私からは以上でございます。 ◎後藤 総務部長 私からは、職員の活用に関する三つのご質問に順次お答えいたします。  初めに、時差出勤制度の拡充についてのご質問ですが、区では、職員の柔軟で多様な働き方のさらなる促進及び超過勤務時間の縮減を目的に、昨年5月から時差出勤制度を拡大し、夜間の会議などにも対応できるよう午後からの勤務を可能としております。制度拡大後、約1年間の実績といたしましては、19の所属において計56名、延べ261回の制度活用が行われております。引き続き、このような活用が促進されるよう、拡大された時差出勤制度について改めて庁内へ周知してまいります。  また、コロナ禍における職場の三つの密と職員の罹患リスクを回避するため、同一週内を前提とした週休日の振替や在宅勤務につきましても、当面の間、職場の状況に応じて継続してまいります。今後は、新型コロナウイルスの再度の感染拡大に備えるとともに、職員の柔軟で多様な働き方の促進のため、効果的なテレワークの導入なども取り入れた服務制度の見直しを検討してまいります。  次に、職員の時間外勤務に関するご質問ですが、時間外勤務は、事前の命令申請及び事後速やかな実施申請を原則としており、各所属に対して徹底するよう求めております。昨年度は、時間外勤務の上限規制が導入されたことに伴い、各職員がシステム上で時間外勤務を申請する際及び係長、課長が決裁する際に、当該職員の時間外勤務の累積時間を表示し、職員個々の超過勤務の実態を確認しやすい仕組みに変更いたしました。引き続き、上限規制に該当する前にシステム上で警告を発するなど、所属長が時間外勤務の状況を的確に把握できる仕組みを検討してまいります。また、今後は、産業医面談の対象となる前に、人事課と当該職員の所属長が勤務状況や健康状態などの情報共有を図り、職員に寄り添った支援ができるよう努めてまいります。  最後に、人材活用の推進とOB職員の活用についてのご質問ですが、現在、区では、入庁後おおむね10年間を能力育成期として、それ以降は能力拡充・発揮期として、本人の希望や適性、これまでの経験等を踏まえた人事配置による人材育成に努めております。今後も、人事異動により職員の様々な経験値を高め、今回のような緊急時における組織補強の際に活躍できる人材育成と強固な組織づくりに努めてまいります。  また、OB職員の活用についてですが、区では退職後、約8割の職員が再任用制度などにより、これまで培った知識や経験を活かし、様々な職場で活躍されております。今後は、議員お話しのように、新型コロナウイルスの第2波、第3波に備え、緊急的に業務量が増加した際に、定年前職員に加えて、退職職員の豊富な知識、経験を活かせる応援の仕組みについても検討してまいります。私からは以上です。 ◎須川 危機管理室長 私から可搬消防ポンプの活用についてのご質問についてお答え申し上げます。  可搬消防ポンプは、震災時の初期消火と避難道路周辺の延焼防止を目的に配備をしております。議員ご指摘のとおり、排水設備がない半地下車庫などの浸水被害の防止・軽減にも一定の効果を発揮できるものでございます。大田区でも、平成25年の台風26号で家屋の床下浸水が発生した際、区職員が可搬消防ポンプによる排水活動を実施しております。また、大田区水防訓練では、平成26年から市民消火隊等による可搬消防ポンプを使用した排水活動を実施しており、参加した方々からは、消火以外の活用法を知り、今後の活動の参考になったとの感想をいただいているところでございます。こうした活用方法は、故障や二次災害が発生するおそれもある方法ですので、あらかじめ訓練を通じて留意事項等を確認しておくことは非常に有意義であると考えます。今後も訓練の機会を通じて活用方法を周知してまいります。  これまでの防災対策は震災対策を基本に構成されておりましたが、震災対策として培ってきたものの中には、水害をはじめとするその他の災害でも活用可能なものがありますので、保有する機能を有効に活用して地域の防災力向上に努めてまいります。今後も、各方面と連携し、様々な分野で抜本的な見直しを含めた検討を行ってまいります。 ◎山田 産業経済部長 私からは、医工連携による共同開発と自治体間連携に関するご質問につきましてお答えをさせていただきます。  これまでの産業連携により、区内産業界では、研究開発の促進や受注機会の増加など多くの成果が出ており、こうした連携は区内産業の発展に寄与していると分析をしております。産業連携は、本区の産業が今後より一層多様性に富み、力強く発展していくためにも、引き続き取り組んでいかなければならないと認識をしてございます。また、これまでに例を見ない今回の感染症対策の経験を踏まえますと、議員お話しの本区と防災連携の関係にある自治体などとの産業連携の可能性につきまして検討していくことは有意義であると考えます。産業連携において必要なことは、連携先における地域産業の特徴を把握することはもちろん、地理的環境や本区産業への波及効果の分析など多岐にわたります。産業政策の企画立案を担う部局として、他自治体との産業連携の在り方につきましては、大田区産業振興協会をはじめ、関係組織とも十分調整しながら検討を重ねてまいります。私からは以上でございます。 ◎木田 健康政策部長 救急指定病院などへの支援に関するご質問でございます。これまで区は、救急指定病院等に対しましては、医師会を通じて医療用マスクや医療用手袋など医療物資の提供を行ってまいりました。さらに今回、新型コロナウイルスの再度の流行に備え、医師会等を通じて医療機関の環境整備を目的としたマスク等の医療衛生資器材の購入支援や、さらに新型コロナウイルス感染症患者の入院を受け入れた病院に対しまして、入院患者1名に対し10万円の支給を目的としました補正予算案を今回の定例会にご提案をしております。しかしながら、現在、新型コロナウイルスの緊急事態宣言が解除され、人々の活動が徐々に回復してきており、さらなる感染も危惧されるところでございます。区としましては、今後の状況を踏まえまして、区内医療機関や福祉サービス事業所等に対する支援について、また考えてまいりたいと思います。以上でございます。 ○塩野目 議長 次に、50番奥本有里議員。                  〔50番奥本有里議員登壇〕(拍手) ◆50番(奥本有里 議員) 東京政策フォーラム、奥本有里です。6月より新会派、東京政策フォーラムを立ち上げました。ツイッターフォロワー6万3000人、バーチャルユーチューバーとしても活動されている無所属の荻野 稔議員と都民ファーストの会の私が組んでおります。若い人たちに政治を分かりやすく伝えたい、女性の政治参加を促したい、ICT戦略の推進にも共に取り組んでいきたいと思っております。私はこれまで、大田区議会都民ファーストの会として東京都と連携した区議会活動を行ってまいりました。理事者の皆様には、真摯なご対応をされ、前向きなご答弁をいただきましたことを心より御礼申し上げます。今後も、東京都と大田区のさらなる連携を図り、着実に政策を進めてまいりたいと思います。  では、早速質問に入らせていただきます。  東京都は、新型コロナウイルス緊急対策として総額約9000億円を計上いたしました。都内中小事業者への感染拡大防止協力金の創設や、小中学校のオンライン学習の環境整備、飲食店への業態転換支援事業などが含まれています。しかし、区民からは、自分が支援の対象なのか、どうしたら支援を受けられるのか分かりにくいという声も伺っています。せっかくつくった支援策も必要としている区民に届かなければ全く意味がありません。大田区には、都と区の連携がうまく図れず、進展していない事業がたびたび見受けられます。区民が区と都、国の三つの支援策を着実に受けられるよう、区は国や東京都とより一層連携を図るよう強く要望いたします。  緊急事態宣言が発動され、新型コロナウイルス感染防止策として多くの飲食店は自粛を余儀なくされ、苦境に立たされました。今は段階的に解除されていますが、以前のような状態に完全に戻るにはまだまだ時間がかかります。さらなる第2波に備え、たとえコロナ禍であっても売上げを確保できるよう、多くの飲食店は業態転換を迫られています。東京都は、都内中小飲食事業者向けに業態転換支援事業として、テイクアウト、宅配、移動販売を新たなサービスとして始める方へ支援策を打ち出しています。都内飲食店がテイクアウト、宅配、移動販売を開始する際の車両費などにかかる初期費用を100万円まで助成するというものです。ぜひこの支援策を区内飲食店にも活用していただきたいと思っております。  そこで伺います。コロナ禍でも区内商店街や飲食店を守るために、今後、区はどのような取組を行っていくのか、区の見解をお知らせください。  東京都は、都営住宅における買物弱者支援事業も推進しています。この事業は、東京都が都営住宅敷地内で日用品や食料品、お弁当などの移動販売事業を可能にするものです。平成29年12月に多摩市の多摩ニュータウン愛宕団地で始まり、世田谷区、港区、八王子市、葛飾区、町田市でも実施され、現在、都内10団地の都営住宅で行われている事業です。当初は買い物弱者を支援するための取組として始まりましたが、この数か月間はコロナ禍の新たなビジネス形態としてメディアでも取り上げられ、注目されつつあります。この事業を検討し、導入しようとする都営住宅は増加傾向にあると伺っています。  昨年、私がこの事業を区にご提案したところ、この事業を担当している部局はなく、近隣の商店街の反発に遭うのでは、事業者が利益を上げられず、事業を継続することが難しいのではといった意見が上がりました。それから半年ほどが過ぎ、新型コロナウイルスが流行することとなり、区民の生活様式は大きく変わりました。飲食店の自粛期間中も区内スーパーには混雑が見受けられました。屋外の移動販売を行うことで3密を避け、買い物客を分散させ、スーパーの混雑緩和にもなります。  現在、区内にある48か所の都営住宅の中には、近隣に飲食店やスーパーなどがない大規模都営住宅が複数存在します。例えば、大森東一丁目アパートは管理戸数725戸、東糀谷六丁目アパートは687戸、矢口二丁目アパートは594戸という大規模な都営住宅です。世帯数が多いにもかかわらず、商店街や駅からも離れています。都営住宅は体の不自由な方や高齢者も多く住んでおり、年々高齢化が進み、買い物弱者も増えています。インターネットを活用できず、通販やデリバリーをうまく利用できない人たちもいます。高齢者だけでなく、ファミリー世帯や単身者にとっても日用品の買い物や食料品の調達ができ、飲食店の移動販売が近隣に来てくれることはありがたく、実際に取り入れた団地では、住民の買い物支援にとどまらず、日常生活の利便性の向上や住民同士の交流が生まれ、コミュニティの活性化にもつながっていると伺いました。  都営住宅の敷地を活用することで場所を提供し、業態転換支援事業の活用で事業者側が移動販売を始める際の負担を軽減することができます。今こそ大田区でも都営住宅敷地内移動販売事業を検討していただきたいと考えますが、区の見解を伺います。  東京都は大規模な支援策を発表しました。しかし、このような大規模な予算を何度も編成することはできません。第2波、第3波は確実に来ると言われています。コロナ禍のような緊急事態であっても事業が存続でき、事業者が生き抜いていけるよう、区は広くサポートをし、ビジネスの可能性を広げ、地域経済を衰退させないよう取り組んでいただきますよう要望し、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○塩野目 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎山田 産業経済部長 奥本議員の産業経済に関する二つのご質問にお答えをさせていただきます。  まず、コロナ禍における商店街や飲食店への取組についてのご質問ですが、区内商店街や飲食店は今般の感染症により大きな影響を受けており、販路拡大に向けて新たにテイクアウトやデリバリーなどを展開されている飲食店事業者もおられます。この間、区は、広く区内の事業者の皆様に対しまして、当面の資金繰りを支援するため、緊急の融資あっせんを行ってございます。また、緊急経済対策に関する補正予算案を本定例会でご審議いただくこととしてございます。今後も、感染症の動向が区内産業に及ぼす影響を見極めながら、必要な対策について時機を逸することなく着実に実行してまいります。  次に、都営住宅移動販売事業に関するご質問でございます。本事業は、都営住宅にお住まいで、日常の買い物が困難な方々への支援として、東京都と連携する区市町において、買物弱者支援事業として実施をされてございます。都によりますと、移動販売は都営住宅居住者の日常生活の利便性向上や地域コミュニティの活性化を図る上で重要とのことでございます。様々な理由により日常の買い物が困難となっている方々への支援は、地域における消費活動支援や産業活性化の面からも重要でございます。一方、本区は都内でも商店街が一番多い自治体であり、これら商店街は地域の皆様の日々の生活を広く支えていただいているものと認識をしてございます。区は、このたびの補正予算案において、プレミアム付地域商品券の発行やテイクアウト、デリバリー等による販路拡大の取組を支援するなどの予算を計上させていただいております。議員お話しの移動販売などにつきましては、引き続き東京都の取組を注視しながら、本区において実施した場合の課題の整理などについて研究をしてまいります。私からは以上でございます。 ○塩野目 議長 次に、49番荻野 稔議員。                  〔49番荻野 稔議員登壇〕(拍手) ◆49番(荻野稔 議員) 東京政策フォーラムの荻野 稔です。6月1日より先ほど質問されました奥本有里区議と新会派を結成いたしました。よろしくお願いいたします。  今回は教育、子どもに関わる事柄について質問を行います。  昨年、おかしな校則問題がメディアで取り上げられました。現在の公立の中学校や高校では、時代や価値観の変化に沿わない校則、不合理で理不尽とも言える事細かなルールがあるということが問題視されました。同じ23区でも、こうした公立中学校で校則があると報道されました。その事例では、前髪は目にかからない、横は耳にかからない、後ろは襟にかからない、女の子は長い場合は髪を束ねる、リボンは禁止、シャツや下着の色は白にする、給食の牛乳はしっかり飲むこと、学年ごとに決まったトイレを使うことなどが決められていました。国籍、人種、体質、様々な方が入り乱れている中で、社会の変化の中でその校則は本当に合理的なのか、必要なのか、そもそもそのルールに何の意味があるのか考えることも大切です。髪の色やファッション、スタイルに関することは、場合によっては人権侵害にもつながります。  今回のコロナウイルスを巡る騒動で、今回もたくさんの方が質問されていましたけれども、オンライン授業ということも話題になりましたが、仮に自宅で授業を受ける場合は、自宅で授業を受けるときの服装なども議論になったことでしょう。学校の自治の問題でもありますが、常に時代に合った決まりで、文章についても、文章を見るのが行政の皆さんではなくて保護者の方や生徒の方ですから、誤解を招かない分かりやすい内容にするとともに、校則について学校も生徒も保護者も考えられ、必要に応じてしっかりと変えていける環境が必要ではないでしょうか。区の見解を伺います。  続いて、新型コロナウイルス騒動なども含めて、社会環境の大幅な変化や先行きの見えなさなど、日々ストレスにさいなまれ、体調を崩す方も増えていると聞いています。昨日も公明党の岡元議員が代表質問で触れていましたが、そうした中、大人の社会の変化が子どもたちにも大きく影響を与えることも多々あると思います。実際に、これはコロナの本格化する前ですけれども、3月12日の朝日新聞によれば、児童虐待の摘発事例が全国でも同月比で4割増加していると報道されました。改正された国の自殺対策基本法の中で、子どもたちの生きる力、助けを求める力の醸成について取り組むようにも記されていますが、外出もできない、友達と遊ぶこともできない、運動も自粛を強いられ、強いストレス下にさらされた子どもたちや、また現場で、この間も私のほうも多く議論をいただきまして、いろいろと皆さんも触れていましたけれども、働く教職員の皆様の置かれた環境についても特に注意が必要です。感染症から守るだけではなくて、心身の不調や強いストレスからも子どもや職員を守らなければなりません。区はどのように対応しておりますか、見解を伺います。  最後に、自立援助ホームについて伺います。  全国自立援助ホーム協議会のホームページによれば、自立援助ホームとは、何らかの理由で家庭にいられなくなり、働かざるを得なくなった原則として15歳から20歳までの、状況によっては22歳までの子どもたちに暮らしの場を与える施設です。働かざるを得なくなったという意味は、本人に十分な意欲と能力が備わっているか否かにかかわらず、家族も含め他の援助を受けることができない状況で、自立を強いられた状況を指します。しかし、ほとんどの場合、15歳の義務教育修了時点で施設や家庭から出て働かなければならない子どもたちは、意欲や能力の面で十分1人で生活できる状況にあるとは言い難いのが現状です。それにもかかわらず自立させられた場合、職場や生活場面でも困難を抱え、社会適応ができません。そのような子どもたちに対して、社会的援助が必要だと感じた関係者のボランティア活動によって創設されたのが、現在の自立援助ホームの始まりです。法律的には、児童福祉法第6条の3、児童福祉法第33条の6、児童自立生活援助事業として第2種社会福祉事業に位置づけられます。  大田区は令和6年以降に児童相談所の設置に向けて取り組んでいます。私自身、区内外を問わず相談を受けて、実際に区内にある自立援助ホームにもお伺いし、お話を聞くとともに、実際に児童を入居させていただくことがありました。児童相談所などの一時保護所だけではなくて、15歳以上で学びながら働きながら暮らす自立援助ホームですが、都の児童相談所とは連携をしていますが、区との連携は弱いと聞いています。私も実際に児童を預かってもらった場合は品川児相のほうに相談に行って、そこから紹介を受けて児童を預かっていただきました。  実際に普段から連携や相談をしていることが少なく、最近では児相開設に向けての区の説明会で一度ご連絡をしたと聞いていますが、それ以外のやり取りは少ないと聞いています。区内の施設であり、入居者の方たちは区内に住んでいる方たちです。保険証など公的書類の発行の問題もありますが、例えば今回の特別定額給付金を巡る騒動では、DVの被害者や路上生活者の方の課題も取り沙汰されました。こうした方たちも恐らく課題を抱えていると思います。  ほかにも、災害時など困ったときに連絡をするのは東京都ではなくて、生活に密着した自治体である大田区です。児相に連絡するわけではありません。区と連携ができなければ初動が遅れ、適切な支援が遅れる可能性もあります。区内の自立援助ホームとの連携が必要です。見解を伺います。  以上で終わります。ありがとうございます。(拍手) ○塩野目 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎浜口 こども家庭部長 私からは、自立援助ホームとの連携についてお答えします。  自立援助ホームでは、児童相談所が窓口となり、本人の申込みを受け、自立のための援助や生活指導、就職先の開拓、日常生活上の相談援助を行っております。入所児童の情報でございますが、個人情報のため区には提供されておらず、入所児童に関して区が施設に直接連絡する状況にはございません。現在、区では、平成30年3月に「大田区児童相談所基本構想・基本計画」を策定し、地域に根差した区ならではの新たな児童相談所の設置に向けて準備を進めてございます。こうした中、児童養護施設や里親、自立援助ホームを含む関係機関との意見交換を通して、入所児童に関わる機関との連携強化に引き続き努めてまいります。 ◎玉川 教育総務部長 私からは、教育に関する二つの質問にお答えいたします。  まず、区立中学校のいわゆる校則と呼ばれる学校のきまりに関するご質問でございます。教育委員会では、昨年度、各中学校に対しまして、生活のきまりを再点検し、時代にそぐわないものは見直すように依頼してございます。生活のきまりの見直しを図る際には、生徒会など自治的な取組の中で、生徒自らがその必要性を考えていくことを通じて、規律に対する理解を深め、自分たちのものとして守っていこうとする態度を養うことが重要でございます。引き続き、学校を取り巻く社会環境や生徒の状況を踏まえまして、生活のきまりの見直しを生徒の主体性を培う場として活用することを学校へ周知してまいります。  続きまして、学校におけます児童・生徒や教職員の新型コロナウイルスなどによるストレスへの対応についてのご質問でございます。児童・生徒への対応につきましては、今月中に小学4年生から中学3年生の全児童・生徒を対象に学校生活調査を実施いたします。このメンタルヘルスチェックでは、ストレス症状、ストレスの原因、ソーシャルサポートについて把握し、必要に応じて個別面談を行います。また、7月には小学3年生・4年生と中学校全生徒を対象にしまして学級集団調査を実施し、学級集団の中におけますストレス状態を把握して生活指導に活かしてまいります。さらに、夏休み前までを目途に、スクールカウンセラーによる全員面接を小学5年生と中学1年生を対象に実施いたします。  それから、教職員への対応でございます。毎月1回、指定日に保健師による健康相談を実施しております。また、11月には全教職員へのストレスチェックを行い、高ストレスと判定された教職員には、希望により医師による面接指導を実施しまして心のケアを行ってまいります。私からは以上でございます。 ○塩野目 議長 会議が長くなりましたので、おおむね20分程度休憩といたします。                      午後2時52分休憩                ――――――――――――――――――――                      午後3時15分開議 ○塩野目 議長 休憩前に引き続き会議を開きます。  この際、会議時間を延長しておきます。  質問を続けます。28番大竹辰治議員。                  〔28番大竹辰治議員登壇〕(拍手) ◆28番(大竹辰治 議員) まず、コロナ感染症から区民の命と健康を守る医療・介護について質問します。  日本共産党は今月4日、「医療・検査の抜本的強化、くらしと営業を守り抜くために――感染抑止と経済・社会活動の再開を一体にすすめるための提言」を発表しました。新型コロナウイルス感染症の緊急事態宣言が解除されましたが、経済・社会活動の再開は、感染防止をしながら段階的に進めていかなければなりません。感染拡大を抑止するための医療・検査体制を抜本的に強化して、安心して経済・社会活動の再開に取り組めるようにすることと、「自粛と一体の補償を」の立場で、大打撃を受けている暮らしと営業を支えることを一体に進めることを強く求めます。  特に、感染流行の第2波に備え、医療と検査体制を抜本的に強化することが求められます。安心して経済・社会活動を再開していくうえで、感染者を早期に発見し、症状に応じた医療と隔離を行う必要があります。そのためには検査の在り方を根本から見直し、大規模に行える体制を整えることが必要です。日本の人口当たりPCR検査数は、韓国は日本の8倍、米国は14倍、欧州諸国は20から30倍と、諸外国に比べて桁違いの少なさです。発熱など強い症状がある人だけを対象にしてきたこれまでのやり方と発想を根本から転換して、受動的検査から積極的検査への戦略的転換を政府が宣言するよう求めます。  PCR検査センターは、当区でも医師会の協力により、先月21日から週2回、40人程度の検査が区内1か所で行われていますが、さらなる拡充が必要です。杉並区は3か所、世田谷区は4か所設置しています。東京都医師会の感染症担当、角田 徹副会長は、東京都医師会では都内の47の地区医師会に対し、地域の行政と医師会が一体となったPCRセンター設置への働きかけを行ったと4月17日に会見しています。広島、岩手、愛知など18道県の知事が、感染拡大を防止しながら経済・社会活動を正常化する緊急提言を発表し、これまでの受動的検査から感染者の早期発見、調査、入院等による積極的感染拡大防止戦略への転換を提言しています。  区内には三医師会があるわけですから、3か所のPCRセンターをつくるよう、国や都の支援を受けながら医師会と協力してつくることを求めます。お答えください。  日本医師会の有識者会議が、PCR検査が進まなかった最大の理由は、国から財源が全く投下されていないことだと指摘し、PCR検査センターの設置・維持に必要な予算を4694億円と試算しています。ところが、安倍政権の第2次補正予算は366億円と1桁違います。  PCR検査を医師会とも協力して進めるため、国に数千億円規模の予算を確保して、設置費用の全額を国が責任を持つよう求めるべきです。お答えください。  次に、削減された保健所体制の強化に踏み出すことについてです。  この間、エボラ出血熱、エイズ、SARS、MERS、新型コロナウイルスなど、毎年のように新興感染症が発見されています。感染症への取組の強化は人類的な課題です。ところが、自民党政治のもとで、医療費削減、社会保障費抑制が続けられ、我が国の保険・公衆衛生の体制は大きく弱体化してしまいました。保健所はこの30年間で半分に減り、職員定数は7000人も減らされました。地方衛生研究所の予算、人員も連続的に削減されました。大田区でも1990年度まで蒲田、糀谷、大森、雪谷の4か所で、その後、1か所に削減されました。新型インフルエンザを総括した2010年の政府報告書では、国立感染症研究所や検疫所、地方自治体の保健所や地方衛生研究所を含めた感染症対策に関わる危機管理を専門に担う組織や人員体制の大幅な強化が提言されましたが、実際には公務員削減を優先し、正反対のことをやってしまっています。  政府報告書のとおり、大田区でも保健所の予算を増やし、人員体制を緊急に補強するとともに、定員増に踏み出すことを求めます。お答えください。  次に、公社荏原病院の病院独立法人化についてです。  新型コロナウイルス感染が拡大する中、都立の墨東病院と駒込病院、都保健医療公社の荏原病院と豊島病院の4病院は、都内にある厚生労働省感染症指定医療機関の指定病床数の68%を占めています。4病院は、ウイルスが外に拡散しないよう保つ陰圧病床を設置し、病床も余裕を持たせ、感染症対応経験を持つ医師、看護師を配置しています。感染症や周産期医療、緊急医療、島しょ医療など、専門性が高く採算が困難な行政的医療を担っているのが都立コロナ・公社病院です。  ところが、小池知事は昨年12月の都議会本会議で、全ての都立・公社病院の独立法人化を突如表明しました。独立法人化は、公共性が高い分野でも民間手法を取り入れて効率化、独立採算を優先する手法です。この方針素案には都民から1511件の意見が寄せられ、多くが独立法人化に反対するものでした。3月には、独立法人化の準備をやめ、直営の堅持を求める署名3万人分以上が都議会に提出されました。しかし、都は、2022年度内をめどに独立法人を設立する方針を3月末に決定しました。  独立法人化された各地の公立病院では、一般会計からの繰入金が削られ、多額の欠損を出すなど経営危機に陥っていることが明らかになっています。独立法人設立から10年を迎えた神奈川県立病院機構は、2018年度25億円の経常損失を出し、繰越欠損金は94億円に達しました。神奈川の財政支援が独立法人化前の2009年度の132億円から2017年度は99億円に削られました。  公社荏原病院等の独立法人化はやめ、都立に戻すよう都に意見を上げてください。お答えください。  次に、危険手当の新設についてです。  医療従事者や新型コロナウイルス感染症対策でご苦労されている方々に敬意と感謝をと、5月29日はブルーインパルスが、6月1日は花火が全国で打ち上げられましたが、感染リスクの高い医療、介護、障害福祉サービス等業務の職員に対して、手当や支援金を実施することこそ急務です。実施する自治体も増えてきました。杉並区は区職員への特殊勤務手当の支給を、新型コロナウイルス感染者受入れ先等において、区民等の生命及び健康を保持するために緊急に行われた措置に係る一定の業務について、日額4000円を超えない範囲内で、特例の防疫等の業務手当を支給するため、4月30日の区議会臨時会で議決しました。品川区では、介護・障害福祉サービス業務継続支援金交付事業を行うことを発表しました。申請額の基準は事業所ごと、勤務に従事した職員数(常勤換算)の合計数に4万円を乗じた額です。  厚生労働省は5月15日、「新型コロナウイルス感染症に係る介護サービス事業等に対するサービス継続支援事業の実施について」を発表しました。新型コロナウイルスの感染者が発生した特別養護老人ホームなどの職員に対して手当を助成する事業を創設することになりました。危険手当に相当するもので、施設の消毒やマスクを購入する際の費用も盛り込まれています。厚生労働省によると、12日時点で全国の介護施設・事務所で新型コロナに感染した入所者や職員は少なくても446人おり、うち39人が死亡しています。同事業は2020年度第1次補正予算で対応する方針で、総事業費は103億円、国が3分の2、都道府県などが3分の1を負担します。また、国の第2次補正予算でも、医師や看護師らに最大20万円の慰労金が計上されました。  国の第2次補正予算や新型コロナウイルス感染症に係る介護サービス事業等に対するサービス継続支援事業等を使って、医療、介護、障害福祉サービス等業務の職員に対して、手当や支援金として区の独自の上乗せした危険手当の新設を求めます。お答えください。  次に、第8期介護保険事業計画についてです。  来年度から第8期介護保険事業計画が始まります。まず、第8期介護保険事業計画では、サービスの後退は許されません。私は今年の第1回定例会予算特別委員会で総合事業について質問しました。要支援1・2の高齢者の可能な限り住み慣れた地域で自立した生活を送り続けることができるよう、元気な高齢者を増やしていくことを目的としているのが総合事業(地域支援事業)です。第7期事業では、期間を1年間と決めてサービスが削減されました。その結果、見込額と予算額の合計差引額は、地域支援事業費で9億円余、標準給付費の見込額で20億円余となります。合計で予算上からも約30億円の剰余金が出ることになります。  介護保険料は3年ごとに見直しのたびに値上がりし、保険料の基準月額は、介護保険制度が始まった2000年3070円から第7期事業で6000円に、18年間で約2倍になり、2024年の第9期事業では8300円と予想されており、負担能力の限界が予想されています。  第7期の余剰金である介護給付費準備基金の全額を使って2021年度から始まる第8期事業の保険料引下げを行うべきです。お答えください。  次に、コロナ禍だからこそ安心・安全の羽田空港の運用についてです。  新型コロナ感染症の影響で航空需要が激減し、羽田を発着する航空機、国際線で95%減、国内線80%減などとなっています。こうした中で、増便のための都心上空ルートが運用されています。今年のゴールデンウィーク後の1週間では、平均の発着回数は1時間当たり17便です。計画は1時間当たり90便ですので、2割弱にとどまっています。  国は3月25日の参議院予算委員会で、「減便で余裕が生じている期間を助走期間と捉えて、騒音測定結果データの蓄積、分析などを行う」と答え、「助走期間については、新型コロナウイルスの影響により減少している需要が回復するまでの期間を助走期間として、必要なデータの蓄積等を行ってまいりたいと考えております」とも答えています。それは極めて不誠実な態度であり、助走期間がいつ終わるか分かりません。党区議団は増便・新ルートそのものに反対ですが、増便のためならやむを得ない、こう考えてきた人たちにとっても、それでは何のために我慢するのか分からないということになります。  また、データ集積のためと言いながら、この間、データというのは公開されていません。国は、3月29日以降の運用データの公開については、「現在集積をしておりますので、まだ取りまとめ中でございます。どのような形で公表するかは、関係自治体等とも相談しながら対応してまいりたいと思います」と述べています。  関係自治体として国に公表するよう求めるべきです。お答えください。  新型コロナで外出自粛が要請されて、多くの方が自宅にいる中を、減便している中で飛行機が上を飛んでいくと、これに耐え難いという声が起こっています。今、緊急事態宣言が一部解除された中でも、東京との移動というのは控えるように政府としても呼びかけています。政府が求めている新しい生活様式では、帰省や出張は控えるべきだとも言っています。IATA(国際航空運送協会)が、国際線の2019年レベルの回復は2024年だと予想しています。また、旅行社の調査では、「58%は最初の旅行は国内にしようと考えている。86%は旅先での隔離を心配している。国際線に乗るという需要はなかなか回復しない」と述べられています。今、コロナでいろいろな影響を受けて、航空会社の経営すら危ぶまれています。  この増便・新ルートだけはコロナと関係なしに進めていくのでしょうか。国会の答弁では千葉との確認書を理由にしていますが、昨年12月25日で、コロナ感染症が流行した前で理由になりません。増便・新ルートが必要なほどの需要回復というのは残念ながら当分望めない。その間、少なくとも中止するよう身近な自治体として国に求めるべきです。お答えください。  以上で質問を終わります。(拍手) ○塩野目 議長 理事者の答弁を求めます。
    ◎今岡 福祉部長 私からは、福祉・介護関連の2点についてお答えいたします。  新型コロナウイルス感染症の手当に関するご質問ですが、政府は、令和2年度補正予算で新型コロナウイルス感染症の流行に伴う各種支援事業を打ち出しました。国の第2次補正予算の中で、新たに介護、障害施設などの事業所職員を新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金の事業対象としました。当該事業では、感染症や濃厚接触者に対応した事業所に勤務し、利用者と接した職員に20万円、それ以外の事業所で勤務し、利用者と接した職員に5万円を給付することとしており、職員に対して適切な支援が国から行われていると考えています。こうしたことから、区としましては、今のところ職員を対象とした単独支援を行う考えはありません。事業対象者が国の包括支援事業等の制度を利用する場合は、適切な相談や助言を行ってまいります。  次に、第8期介護保険事業計画に対するご質問ですが、介護保険事業計画は3年間ごとに計画を策定し、その中で保険料算定の基礎となる指標などを示しております。実際の保険料算定に当たっては、計画期間で進展する高齢化、賃金や物価の上昇などを加味した介護サービス需要を推計、3年間で収支が均衡するよう保険料を設定する必要があります。一方、今般の新型コロナウイルスの流行に伴う急激な景気後退など、予測し難い社会情勢の変化にも被保険者に特別の負担を強いることなく、区として対応していく責務があります。区民に安定したサービス提供を継続することは区としての大きな務めで、介護給付費準備基金の使途、介護保険料の決定につきましては、関係法令を遵守し、今後、適切に対応してまいります。私からは以上でございます。 ◎木田 健康政策部長 まず初めに、新型コロナウイルス感染症のPCR検査センターに関する質問ですが、現在運営している大田区地域外来・検査センターについては、区は、区内三医師会とご相談させていただいた上で1か所開設し、PCR検査を行っております。また、大田区地域外来・検査センター以外にも医療機関での専門外来も継続しており、検査体制は確保されております。さらに、6月より唾液によるPCR検査も可能になりました。鼻や口から検査をする方法に比べて医療従事者が検査時に感染するリスクも減るため、このような検査方法も今後普及していくかと思われます。検査方法は日々変化をしておりまして、今後も感染拡大の状況を見ながら検査体制について判断をしてまいります。  続きまして、PCR検査センターの設置費用についてのご質問でございますが、先ほど申し上げましたとおり、現在、PCR検査は大田区地域外来・検査センターのほかに、専門外来を設置している医療機関でも十分対応をしております。また、検査方法の種類も増えております。区は、現状の制度の中で必要な検査ができる体制を維持し、感染拡大防止対策を実施していきたいと考えております。  次に、保健所の予算や人員、体制についてのご質問でございます。区は、平成9年4月に、それまで4か所に分散していた保健所を1か所に集約した後、平成28年度に効果的な感染症対策を推進するため、地域健康課の感染症対策業務を新設した感染症対策課に集約をいたしました。この指揮命令系統の一元化によりまして、感染症など広域的で緊急な課題に迅速に対応するとともに、その基盤となる情報を一元管理し、健康危機管理機能を強化いたしました。今回の新型コロナウイルス感染症対策において、保健所は帰国者・接触者相談センターの運営、検体搬送、病院との間の受診・入院調整、軽症者等の健康状態把握、東京都との連絡調整など、急激に増大した業務量に直面をいたしました。この事態に対し、部内の保健師のみならず、福祉部の保健師も含めて兼務発令をし、動員したほか、電話相談業務の委託を行い、人員、体制を緊急に強化いたしました。現在、新規感染者数が減少したことを受けて、この応援体制の規模を徐々に縮小しているところでございます。  保健所の人員については、今回のような感染症拡大の局面に合わせて平時から配置するのではなく、感染症発生時に全庁を挙げた職員応援体制の実施、外部委託の導入など、一時的に急増する業務に機動的に対応できるよう、区対策本部の指揮下で対処をしてまいります。その体制の中で、保健所における所要人員及び予算について考えてまいります。  最後に、都立病院の独立行政法人化に関するご質問でございますが、都が今年3月に策定しました都立病院を地方独立行政法人化する目的は、超高齢社会の本格的な医療の担い手不足など、医療課題がさらに深刻化していく中でも、都立病院の役割である行政的医療の安定的・継続的な提供を引き続き確実に果たしていくためと説明をしております。都立病院の運営には都民の税金が投入されていることから、最少の経費で最大のサービスを提供することは現在の経営形態であっても同様であり、これまでも不断の経営改善努力を行ってきているということでございます。都立病院の独立行政法人化は、そのメリットを活かした人材の機動的な確保のほか、柔軟な契約手法の導入などにより、新たなニーズへの対応や、さらなる行政的医療等の一層の充実を図り、都民の医療ニーズに確実に対応し、将来にわたって誰もが質の高い医療を受けられ、安心して暮らせる東京を実現するためと説明をしております。区は、今後も都立病院として求められる行政的医療の提供、地域医療を支える病院としての役割を果たしていくものと期待をしております。以上でございます。 ◎白鳥 空港まちづくり本部長 私からは、空港対策に関する2問のご質問にお答えいたします。  最初に、羽田空港の新飛行経路の運用に関わるデータの公表に関するご質問でございますが、新飛行経路の南風運用は4月3日から運航が開始されております。新型コロナウイルス感染症の影響により減便が継続していることから、国においては引き続き、これまで示してきた騒音測定の推計平均値を大きく上回る数値が測定された場合の原因究明を行うとともに、必要に応じたさらなる騒音対策の検討のため、データの蓄積、分析をさらに進めているとのことです。  一方、区はこの間、新飛行経路の南風運用の騒音測定状況などの情報提供、航空に関わる情報公開を国へ要望してきたところでございます。これにつきましては、既にご報告しているとおり、新飛行経路運用開始直前の本年3月26日、区長自ら国土交通省に参り、要望書を手交しております。区としましては、国に対し、新飛行経路に関わるデータについて、区はもとより区民の皆様へ情報提供するとともに、新飛行経路の運用に関わるデータのみならず、現行運航におけるゴーアラウンドやイレギュラー運航、大気汚染その他航空に関する情報を適切かつ確実に公開するよう引き続き求めてまいります。  次に、新型コロナウイルスの影響を踏まえた新飛行経路運用に関するご質問でございますが、減便している中における新飛行経路の運用につきましては、国においては、データの蓄積、分析、助走期間以外に、管制・運航者双方の熟度を高めるためなどとしております。また、千葉では、これまで県内において長年にわたり羽田空港の騒音を負担してきたことから、千葉県内における騒音軽減を求め続けてきた経過もございます。このことから、新飛行経路運用開始の決定を受け、国と千葉は文書により機能強化後の千葉下の騒音影響軽減について確認したものと理解しております。新飛行経路の運用は千葉県内における騒音影響の軽減も含めた施策であるとも考えられることから、区でも千葉の歴史的な背景に関しましては重く受け止めております。区としましては、区内における騒音影響の軽減措置など、必要な対策につきまして引き続き国に求めてまいります。私からは以上でございます。 ○塩野目 議長 次に、41番植田智一議員。                  〔41番植田智一議員登壇〕(拍手) ◆41番(植田智一 議員) 令和大田区議団、植田智一です。通告に従いまして、新型コロナウイルス関連について幾つか質問をさせていただきます。  質問に先立ちまして、いまだ収束が見えない新型コロナウイルス感染症でお亡くなりになられた方々のご冥福を心よりお祈り申し上げます。そして、今も最前線で働く医療従事者の皆様、保健所の皆様、本当にありがとうございます。  緊急事態宣言解除から3週間が過ぎた現在も、感染者の確認が毎日続いています。東京都は、先月の22日、休業要請や自粛の緩和に向けた行程表、新型コロナウイルス感染症を乗り越えるためのロードマップを公表しました。現在は緩和の初期段階ステップ1から休業要請の一部緩和ステップ2、そして昨日、小池都知事は、カラオケやパチンコ店などを対象に緩和するステップ3に移行すると発表しました。都内では、1日の感染者が2桁を超える日が続くなど、感染拡大につながるおそれがあるとして、先日、初めて東京アラートが発動されましたが、本日、ステップ3に移行したと同時に東京アラートも解除されました。私は前回の第1回定例会でもコロナ関連の質問をさせていただきましたので、少し重複いたしますが、理事者の熱意ある答弁をよろしくお願いいたします。  昨年の12月に中国の武漢から原因不明の肺炎患者が確認されて以来、日本国内では1月にダイヤモンド・プリンセス号の集団感染に始まり、4月には瞬く間に国内の感染者が1万人を突破しました。その間、全国の学校が臨時休校となり、東京オリンピック・パラリンピックも1年の延期となりました。衝撃的なニュースでは、タレントの志村けんさんがお亡くなりになられたのも記憶に新しいことと思います。  そして、外出自粛要請や、特定の事業者には休業要請が出されるなど、コロナによって多くの国民、区民の暮らしは一変しました。そんな中、やはり私のところにも区民の方々から様々なコロナに関する相談の声が寄せられています。新聞やテレビのワイドショーでコロナ関連のニュースを連日報道されていますが、改めて日々の生活に直結する基礎自治体である大田区の対応をお伺いします。  今年の夏は猛暑であるとされていますが、マスクをしての外出は熱中症のおそれがあるなどリスクが伴います。とはいえ、感染拡大防止や衛生面からもマスクなしでは外出できません。そこで、いまさら感は否めませんが、政府が無料配布している、いわゆるアベノマスクについてお伺いします。  全国的には大分マスクが行き届いているようですが、外出や買い物を控えている方々からは感謝の声もたくさん聞かれる中、いまだ届かないという話も一部では聞きます。そこで、区内における配布の進捗状況などについてお聞かせください。  続いて、家計に直結する一律10万円の特別定額給付金について伺います。現在は大田区でも郵送申請が始まりました。オンライン申請がスタートした当時は、マイナンバーカードがあればスマホで簡単に申請ができると期待されていましたが、アプリをインストールしたり、2個のパスワードを入力しなければならないなど、操作が不慣れな方には難しい作業です。結果として、パスワードを忘れたり、入力ミスなどにより再登録に来られる区民の方々で区役所は3密状態になってしまいました。今は区役所の方の努力のかいもあり、大分落ち着いてきたように感じます。  しかし、肝心の給付に関しては、いまだ全国的には3割の給付率だということですが、既に9割以上の世帯に給付を終えた自治体もあるといいます。区の職員の方も毎日大変ですが、区民の要望に応えるべく、さらなるスピード感を持って対応していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。  次に、お隣の品川区が実施する(仮称)しながわ活力応援給付金を踏まえた区の対応についてお聞きします。品川区では、国の給付金とは別に、品川区民約40万6000人を対象に3万円ないし5万円の給付をするとのことです。コロナによって生活に困窮している方々の実情を思うと、大田区においても早急に支援策を講ずるべきと考えますが、区の見解をお聞きします。  最後になりますが、いわゆるステイホームの影響を受け、商店街への客足の減少が今も続いています。特に、飲食店の多い繁華街、蒲田や大森などはいまだ先行きが見えず、疲弊しています。国や都の支援事業で持続化給付金や東京都感染拡大防止協力金などの支援策がありますが、このような窮地に区としても何か支援すべきと考えますが、いかがでしょうか。  疲弊した商店や飲食店が少しでも売上げを上げようと、店先でお弁当のテイクアウト販売をしている姿を目にします。聞くところによりますと、区もこのような店舗を支援するため独自の取組をしているとのことですが、お聞かせください。  以上となりますが、コロナ対策によって経済活動を制限され、窮地に立っている企業や商店も少なくありません。また、職を失い、生活保護の受給申請も増えていると聞きます。国難とも言えるこの状況に、一日も早く日常の生活を取り戻し、コロナの収束を願いまして質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○塩野目 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎市野 企画経営部長 私からは、給付金に関するご質問にお答えをさせていただきます。  区は、新型コロナウイルス感染症への対応といたしまして、感染拡大防止、区民生活支援、区内経済対策などに全庁をあげて取り組んでいるところでございます。具体的には、特別定額給付金や子育て世帯への臨時特別給付金の支給など、一日でも早く必要な支援が届くよう取組を進めているところでございます。また、大田区社会福祉協議会や大田区生活再建・就労サポートセンターJOBOTAなどの各種の相談窓口の体制を拡充するなど、区民の皆様に寄り添った支援を行っているところでございます。区は、現時点におきましては、品川区と同様の給付金事業を実施する予定はございませんが、今後もあらゆる角度から区民の皆様の生活を積極的に支援してまいります。私からは以上でございます。 ◎須川 危機管理室長 私からは、国が配布しています布製マスクの区内における配布状況についてお答えいたします。  国が緊急経済対策に基づき、全国の世帯に向けて、一住所当たり2枚ずつ配布する布製マスクを配布いただけることになっております。この布製マスクの配布状況についてでございますが、厚生労働省のホームページに配布状況が掲載されておりまして、東京の配布状況を見ますと、5月27日現在でおおむね配布完了という状況となっております。以上でございます。 ◎小泉 区民部長 私からは、特別定額給付金についてのご質問にお答えをいたします。  区では、5月1日からオンライン申請の受付を開始し、5月申請分の約2万5000件については本日で給付をほぼ終了いたしました。また、6月3日から郵送申請の受付を開始し、6月10日時点で約20万件の申請をいただいております。なお、高齢者や障がいのある方などのために特別出張所において申請の補助を行い、円滑な申請手続に努めております。  現在、申請書が届いた順に作業を進めており、業者委託に加え兼務発令など、全庁体制で審査などの手続を行うことにより、振込開始予定であった6月下旬から本日に前倒しすることができました。今後も、1日でも早く区民の皆様に給付金をお届けできるよう、迅速かつ的確な給付に向けて全力で取り組んでまいります。以上でございます。 ◎山田 産業経済部長 私からは、産業経済に関する二つのご質問にお答えをいたします。  まず、飲食店の多い繁華街への区の支援に関するご質問でございます。新型コロナウイルス感染症の拡大による緊急事態宣言と緊急事態措置などを受けまして、商店街などにおきましては、生活必需物品を取り扱う店舗を除いて営業の休止、さらに飲食店に向けては営業時間の短縮が要請をされました。現在、緊急事態宣言が解除され、店舗への自粛要請も一部を除いて緩和をされておりますが、現在も新規感染者が毎日確認されていることなどから、感染拡大前のような状況には戻っておらず、今後は新たな生活様式に対応するための店舗の改善が必要と言われております。  こうした状況のもと、区は緊急経済対策として、このたび、プレミアム付地域商品券補助事業のほか、販路拡大等を目的とする商店街への支援補助金を新設し、補正予算案に計上しております。また、大田区産業振興協会が行っている繁盛店創出事業を拡充することで、新規販路拡大や新しい生活様式に向けた店舗改修などにも対応してまいります。今後も区内経済全体への波及効果を見据えた新たな経済循環を誘導する支援策について考えてまいります。  次に、弁当販売を行う店舗に対するご質問でございます。感染症拡大防止の観点から営業時間の短縮などが要請された飲食店の中には、新たにテイクアウトやデリバリーを始めた店舗もあり、大田区商店街連合会のホームページにおいて紹介をされております。また、区の職員に向けて、これらの店舗のテイクアウト情報を配信することで、ランチなどにおける利用を促す取組を現在も続けております。商店街から配達をされるおいしいお弁当をいただき、午後の活力の源になった職員も大勢いると思ってございます。所属ごとに取りまとめて注文させていただくなど、微力ではございますが、地域貢献として取り組ませていただいてございます。私からは以上でございます。 ○塩野目 議長 次に、38番三沢清太郎議員。                  〔38番三沢清太郎議員登壇〕(拍手) ◆38番(三沢清太郎 議員) 令和大田区議団の三沢清太郎です。このたび、私ども令和大田区議団は、超現場主義、走る何でも相談室、大先輩の荒木秀樹議員をお迎えし、6人構成で活動することになりました。老・壮・青バランスの取れたこの人員で、これまで以上に大田区民の皆様の安心・安全のために頑張っていきたいと思います。よろしくお願いいたします。  まず冒頭、北朝鮮に拉致された愛娘との再会を果たすことなくお亡くなりになった横田 滋様の訃報に接し、心から哀悼の意を表したいと思います。めぐみさんと会える日を心の底から待ち焦がれていた故人の気持ちを思うと、私も娘を持つ親として心が張り裂けそうになります。北朝鮮による拉致問題は我が国における未解決の大問題であることを改めて肝に銘じ、我が会派の犬伏議員をはじめ、問題意識を共有する同僚議員とともに、残る拉致被害者の一日も早い帰国実現のために、私も微力ながら力を尽くしていきたいと思います。  さて、私からは新型コロナウイルス対応について3点質問をいたします。  まず最初に、保育士の給与についてお聞きいたします。  新型コロナウイルスの影響で、当たり前と思っていた日常生活は音を立てて崩壊し、私たちは、新型コロナウイルスは身近にあるものとして、3密を避け、手洗い、うがい、マスクをするなどの新たな生活様式を取り入れなくてはならなくなりました。  そのような時代の転換期の中、社会インフラを支える医療従事者などの職の方々は、日々、私たちの命を守るために最前線で懸命に働いてくださっています。その医療従事者の皆様が安心して働けるのは、就業時間中にお子様をお預かりする保育士の皆様の献身的な保育のおかげであることも考えると、医療従事者と同じくらい保育士の皆様に感謝の気持ちでいっぱいになります。心から御礼を申し上げます。  大田区は、新型コロナウイルスの感染予防のため、保護者が在宅で、かつ、ご自宅にて保育が可能な場合及び親族等による家庭保育が可能な場合においては、お子様の登園をお控えいただくようお願いをしております。そのことにより登園を自粛する児童が増えたため、保育園側から特別休暇を取るように求めるケースがあるようです。しかし、特別休暇を取るように求められた保育士の中には、給与がカットされている方がいらっしゃるようです。  そこで質問をいたします。保育園が休園や登園自粛で児童数が減っても、保育園に支払われている委託費などの運営費は通常どおり支払われているため、保育園は労働者に対して給与を全額支払う必要があると私は認識しているのですが、大田区の見解はいかがでしょうか。また、大田区でも起こっているこの問題を本区はどこまで実態をつかんでおり、今後どのように対処するお考えがあるのか、お聞かせください。  保育士の中には、立場の弱いパート職であるがために給与カットの問題を園長に何も言い出せず、給与カットを甘んじて受け、厳しい生活環境に追い込まれている方々がいらっしゃいます。人件費を含む委託費が行政から100%出ているのであれば、正規・非正規を問わず、きちんと休業中の補償をするのは当然のことだと思いますし、何なら感染リスクにさらされながらも社会インフラを動かす要となってくださっている保育士に対して、大田区独自に危険手当を検証する必要性すらあると考えております。よろしくご検討いただきますようお願い申し上げます。  続いて、区役所のテレワーク推進についてお聞きいたします。  私は平成30年9月の決算特別委員会において、アクティビティ・ベースド・ワーキングという概念を区役所でも導入すべきと訴えさせていただきました。アクティビティ・ベースド・ワーキングとは、働く人々がオフィスに限らず、自由に場所を選択して働けるようにすることで、よりクリエイティブな成果を促す仕組みのことを指します。私は、前職で勤めていた企業がアクティビティ・ベースド・ワーキングに近い環境を2000年代初頭に整備したことで、年間約3億円の電気代を節減し、約80億円の不動産関連経費を抑え、ペーパーレスにも寄与したことをこの議場でお伝えしました。しかし、私の質問に対する本区の回答は、「先進的な仕組みを導入している民間企業やほかの自治体における成果などについても調査し、参考としながら、引き続き区民サービスのさらなる向上と職員のワーク・ライフ・バランスの実現を目指し、働き方改革に取り組む」という玉虫色のいささか歯切れの悪いものでした。  その後、3年の月日が流れ、私たちの取り巻く環境は大きくさま変わりしました。新型コロナウイルスの感染拡大により、在宅勤務や時差通勤を余儀なくされる方が多く発生する事態となりました。5月25日、緊急事態宣言は解除されましたが、今日でも国や自治体は新型コロナウイルス感染拡大前の日常生活にそのまま戻るのではなく、3密を避け、マスクや手洗いやうがいを徹底し、できるだけ在宅での勤務を推奨する新たな生活様式の継続を求めています。大田区役所も登庁する職員数を減らして在宅勤務に切り替える等の対応を行っているとお聞きしております。  そこでお伺いいたします。私が3年前にアクティビティ・ベースド・ワーキング環境の導入、今風に言い換えればテレワークやリモートワークの導入について、このような状況だからこそ改めて検討すべきだと考えますが、本区の見解をお聞かせください。また、3年前の答弁で先進事例の調査はするとお答えいただきましたが、どこまで調査が進み、どのような見解に至ったのかも併せてお聞かせください。  令和2年4月30日、総務省は、「地方議会の委員会をいわゆるオンライン会議により開催することは差し支えないか」との問いに対し、「新型コロナウイルス感染症のまん延防止措置の観点等から委員会の開催場所への参集が困難と判断される実情がある場合に、映像と音声の送受信により相手の状態を相互に認識しながら通話をすることができる方法を活用することで委員会を開催することは差し支えないと考えられる」と通達を発信しました。この通達を受け、大阪市会ではオンライン委員会の推進に向けていち早く動き出しています。  また、国会で答弁調整を行うに当たり、理事者と議員が事前レクの場を持つ際にも、理事者は議員の元を訪れるのではなく、オンライン会議でやり取りするケースも出始めています。私たち大田区も、職場が異なる者同士の会議はオンラインの利活用をもっと進めるべきと要望し、最後の質問に移ります。  最後は、新型コロナウイルスと共存した新しい飲食店の営業の在り方についてお聞きいたします。  大田区は東京23区の中でも5本の指に入るほど飲食店舗数が多い土地柄です。一方で、働いている従業員数はそれほど多くなく、このことから大田区は自営もしくは小規模な店舗が多いことがうかがえます。そのような大田区の小規模な飲食店が新型コロナウイルスの影響で苦境に立たされています。国も東京都も大田区も様々な給付金や貸付金などの支援制度を用意しておりますが、緊急事態宣言が解除されて、まちに人が戻ってきた今日、新型コロナウイルスと共存した新しい飲食店の営業の在り方を模索する必要があると考えております。  その一つが軒先での飲食の提供です。私は、この質問を通告した後、保健所の担当者に対して食品衛生法に関する許可の要件を緩和できないか相談をしましたが、一定の要件を満たした場合を除き、屋外での調理したものを提供することは難しいとの回答でした。許認可や監視・指導を行っている立場としては、当たり前といえば当たり前の回答だと思います。正直この質問は取り下げることも検討していましたが、その後、国土交通省は、新型コロナウイルスの影響を受ける飲食店等への緊急措置として、店舗がテイクアウト提供や屋外テラスでの食事提供などのため、道路占用の許可基準を緩和し、道路占用料も免除することを発表したことにより、新たな局面を迎えたように感じております。  占用可能な場所の条件は、道路の構造や道路交通に著しい支障を及ぼさない場所であること、歩道上を利用する場合は、原則として十分な歩行空間を確保することが求められています。具体的には、交通量が多い場所では3.5メートル以上、その他の場所では2メートル以上を確保する必要があるようです。この条件に照らし合わせると、大田区内でもさかさ川通りだけにとどまらず、様々な場所で飲食の路上提供ができるようになります。一方で、静かな住宅街でも一様に飲食の路上提供を認めてしまうと、良好な住宅環境の衛生面や安全面が損なわれてしまう懸念がございます。  つきましては、例えば特区民泊の建築可能な地域なども参考にしながら、大田区ならではのガイドラインを早急に策定する必要があると思うのですが、理事者として国土交通省の通達をどのようにそしゃくし、大田区としてどのように対応しようとしているのか教えてください。  大田区の飲食店に少しでも勇気づけることのできる前向きな答弁を期待しまして、私からの質問を終わります。(拍手) ○塩野目 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎市野 企画経営部長 私からは、テレワークに関する2問の質問にお答えをさせていただきます。  まず、テレワークの導入に関するご質問でございますが、ICTを活用し、どこでも働ける環境を整備することは、業務効率を高め、区民サービスの向上にもつながることから、区では将来的なテレワークの本格実施を見据え、庁内無線LANの整備などに取り組んでいるところでございます。今般、新型コロナウイルス感染症の拡大を防止するため、緊急事態宣言下におきまして、多くの民間企業や官公庁などは在宅勤務を実施いたしました。区におきましても、三つの密を回避するための手段といたしまして、時差出勤の拡充や在宅勤務を試験的に導入させていただいているところでございます。区が行う業務につきましては、直接区民の皆様と対面して行う窓口サービスが多くなってございますので、このたびの試験的導入の結果を踏まえ、まずは調査研究など職場外でも遂行可能な業務を対象にテレワークの試行を重ね、課題の抽出や効果検証を行ってまいりたいと考えてございます。また、生産性の高い働き方とあわせて重要でございますのが、個人情報の保護を含む情報セキュリティの確保でございます。特に公務におきましては高度なセキュリティが求められます。今後も引き続き、多様な視点から検討・検証を行い、区民の皆様の信託に応えられる効果的・効率的な行政運営に取り組んでまいります。  続きまして、テレワーク等の調査、検討に関するご質問でございますが、区は、これまでに東京都をはじめとする他の自治体に加え、先進的な取組を行っている民間事業者を視察するなど調査を行ってまいりました。具体的には、庁内の環境整備の状況に加え、個人情報保護の観点から、テレワークになじむ事務の考え方や職員の意識改革への取組などの研究も行ってまいりました。今般の新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、事業所の1つとしての区の業務体制につきましては、テレワークのさらなる推進が喫緊の課題と認識をしてございます。専門家の助言を活用することなども視野に入れながら、テレワークの推進に努めてまいります。私からは以上でございます。 ◎浜口 こども家庭部長 私からは、登園自粛期間中の保育従事者に対する給与について、二つの質問にお答えします。  新型コロナウイルス感染症により非常事態が発生している中、医療や社会福祉等の社会生活を維持するうえで必要なサービスに従事されている方が安心して仕事をするために、保育所の果たしている役割は大変大きく、従事している職員に対して給与は適切に支払われるべきだと考えてございます。国は、臨時休園や職員を自宅待機させている場合において、公定価格を通常どおり給付することとしております。東京都においても通常どおり公定価格の給付が行われ、施設の収入が保証されることを踏まえて、人件費の支出について適切に対応するよう区を通じて周知しているところでございます。  次に、保育従事者に対する給与がどのように支払われているかの把握についてのご質問でございますが、保育所に勤務する保育士などの給与については、子ども・子育て支援法に基づく指導検査において、賃金台帳と出勤簿を突合させ、適正に支払われているかを確認しております。また、新型コロナウイルス感染症拡大防止のための登園自粛の期間においても、同様に訪問や書類により支払い状況について確認してまいります。なお、適正に支払われていないことが確認された場合の対応につきましては、他区の状況も把握しながら、適正に給与が支払われるよう指導してまいります。 ◎久保 都市基盤整備部長 私からは、新型コロナウイルス感染症の影響に対応するための沿道飲食店の路上利用に伴う道路占用の取扱いについてのご質問にお答えいたします。  今回の道路占用許可基準の緩和につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響を受ける飲食店などを支援するための暫定的な緊急措置でございます。区といたしましては、商店街やまちづくり協議会などからの要望に基づき、交通や歩行者の妨げにならないことや、清掃等の道路維持管理へのご協力をいただくことを条件に、占用料の免除も含め、交通管理者と協議の上、飲食店に対し柔軟に対応してまいりたいと考えております。私から以上でございます。 ○塩野目 議長 次に、48番馬橋靖世議員。                  〔48番馬橋靖世議員登壇〕(拍手) ◆48番(馬橋靖世 議員) 大田無所属の会の馬橋靖世でございます。一般質問させていただきたいと思います。  まず初めに、このたびの新型コロナウイルス感染症によって亡くなられた多くの方々に心から哀悼の意を表します。また、今なお闘っておられる全ての皆様に心からお見舞いを申し上げます。  本題に入る前に、昨夜ニュースを見ておりましたら、昨日の東京アラート解除、それから本日の東京都の要請緩和ステップ3への移行報道を受けて、長らく休業中だったライブハウスのオーナーさんがインタビューを受けておられました。この間、心ない誹謗中傷もされたりしてきたが、中には再開を心待ちにしているという温かいメッセージも届いており、「一人でも二人でも待っていてくれるお客さんがいるなら頑張りたい」と営業再開に向けた意気込みを語っておられました。  東京アラートは解除されましたが、昨日も22名の新規感染者の方が確認をされるなど油断はできない状況ではあります。何より大切なのは、国民、都民、そして区民の生命を守ることですが、同時に暮らしを営むための経済活動も守っていかなければなりません。報道では同時に、新型コロナウイルスに感染したものの、治療を受けて回復されたミュージシャンの方や大学生についても放送されましたが、一部の誤解によってネット上で犯罪者扱いされたり、保菌者扱いされたりといった被害に遭い、心に傷を負ってしまっている方がいるということにもクローズアップをしていました。コロナウイルスとの長期戦が見込まれ、ウィズコロナの時代などとも言われている今、社会としてどのように折り合いをつけて、本当の意味でコロナウイルスに打ち勝っていくのか、どう生き抜いていくのかが我々一人ひとりに問われています。  少し話がそれましたが、こうしたコロナ禍の中、6月10日にいよいよ東海、近畿、中国地方では梅雨入りが宣言をされ、さらに梅雨前線は北上しており、関東でも間もなく梅雨入りかという時期になりました。昨年、一昨年と風水害が頻発し、大田区ではそこから多くのことを学び、今後の風水害対策を講じていこうというタイミングで、コロナ禍に現在襲われております。昨年、田園調布地区を中心に甚大な被害を受けた台風19号による災禍についての検証にも遅れが生じ、具体的な対策について地域との連携もなかなか取れていない状況だと聞いております。コロナウイルス感染拡大防止は命を守る対策でありますが、シーズン入りした風水害対策についても生命と財産を守るための重要な課題であります。  こうした現在の状況下における大田区の地域防災について、以下4問について伺ってまいります。この間、各会派の代表質問、それから一般質問等で風水害対策については各議員が皆様伺っておられます。お話を伺っている中では、ほとんど質問が重なってしまったなという印象も受けますが、明快なご答弁のほど何とぞよろしくお願いを申し上げます。  まず1問目、これまでの被害状況について伺ってまいりたいと思います。  大田区では、これまで多くの風水害による損害を被ってきました。とりわけ、全国的にも被害があった平成30年7月豪雨をはじめ、線状降水帯などによる大雨や台風被害が多く発生した平成30年から、本区でも甚大な被害を受けた台風15号、19号が発生した令和元年については、委員会報告案件だけでも十数件に上るほど頻発し、風水害の恐ろしさについて記憶に大変新しいところであります。  そこで、まずは過去から学び、未来に活かすための振り返りとして、これまでの大田区における風水被害についての大田区の主な取りまとめを伺います。  次に、大田区の風水害対策の変遷について伺ってまいります。  これまでも大田区地域防災計画において、大田区としての地域特性を捉えた風水害対策が行われてまいりました。しかしながら、昨今の線状降水帯などによるゲリラ豪雨など突然の大雨や、大型・強力な台風の連発など、本区のみならず全国的にも風水害の威力、それから頻度の変化に見舞われているところであります。こうした中、本区では、東京都や警察、消防、自衛隊、関係協力機関や地域自治組織などと連携して水防態勢を強化してきましたが、例えば昨年の台風19号を思い起こしても様々な課題が浮き彫りになってきています。  この間の被害を受けて、区でも様々な形で対策を練り直し、実践してきていただいておりますが、改めて、この間の取組状況、風水害対策についての変遷を伺います。  3点目には水防態勢について、地域との連携について伺ってまいります。  先ほども引き合いに出しましたが、昨年の台風19号による被害は私の想像をはるかに超えておりました。当時は田園調布消防団員として、仲間の団員たちとともに24時間態勢で団本部に詰め、地域警戒パトロールなどを行っておりましたが、続々と入る無線での情報にただただ驚き、思考停止状態に陥っていました。我が分団からも冠水した田園調布地区に消防署員の方とともに逃げ遅れた方がいないかなどの捜索に参加をしましたが、本当に凄惨な状況でありました。被害に遭われた皆様におかれましては、改めて心からのお見舞いを申し上げる次第であります。同時に、同様の被害が起きないよう十分な検証と対策を練る必要性を改めて感じております。  幾度も取り上げられておりますが、台風19号発災に際して開設された緊急避難所について、様々な課題が浮き上がりました。まず、避難所開設・運営に努めていただいた区職員の皆様の献身的なご活躍には心から敬意を表する次第であります。そのうえででありますが、現場では、「開くはずの避難所が開かない」、「避難所に行っても満員で入場を断られてしまった」などのご意見が数多く見られました。誰が悪いということではなく、仕組み自体を考え直す必要がありました。  その上で、開設・運営に際しては様々な地域組織との連携・協働が非常に重要だと感じております。昨年の被災の際にも、自治会・町会の役員の皆さんが自発的に町会会館を開放したりしていらっしゃいました。地域には防災市民組織や学校防災活動拠点を運営する協議会、消火隊など様々な方々が日頃から活躍をしています。こうした方々との連携と日頃からの情報交換は、いざというときに必ず役に立つはずです。  区では新たに緊急避難所開設数を89か所に増やす計画を立て、学校防災活動拠点などとの協力体制を計画しておりますが、今後の連携強化に向けた取組について伺います。  コロナ禍による風水害対策への影響についても伺ってまいります。  昨今の新型コロナウイルス感染拡大防止のため、全国的に様々な活動が自粛となり、至るところでコミュニケーション障害が起きてきています。先に挙げているような昨年までの事例をもとに、大田区では、分かりやすい警戒レベルを導入したり、地域防災組織との連携を計画し推進したりと新しい取組を進めてきているところですが、年が明けてから地域の防災訓練や講習会その他、地域の区民同士が情報交換をする場についても、そのほとんどが失われている状況です。自治会・町会、商店街、敬老会や市民消火隊、青少対など、地域で積極的に地域活動に参加をする区民にとっては、こうした日頃の活動の場が貴重な情報交換の場であり、いざというときのための意識共有の場でもあります。また、こうした場において活躍をする方が地域の中で情報発信源となって、多くの区民に情報を拡散してくれているという側面もあります。こうした機会が全く失われてしまっている現在の状況において、先に挙げたような有事の際の行政との地域連携が機能するのかというと、非常に厳しいというふうに思っています。  また、新型コロナウイルス対策として、いわゆる密を避けなければならない中、風水害や震災などの被害に見舞われた場合、避難についてはどうすればいいのかといった不安の声も地域からは多く聞こえてまいります。大田区では、昨日の区長ご挨拶にもあったように、例えば緊急避難所については、体調不良者には別室を準備するなどの対策を計画しているとのことでありますが、こうした情報はまだまだ地域には十分に届いていない状況だというふうに感じています。  目前に出水期が迫り、今なお新型コロナウイルス対策でばたばたしている現状を、地域のボランティアの方々とともに、どのようにして乗り切るかが大変に大きな課題であります。目に見えない未知のウイルスとの闘いで大田区としても非常に厳しい局面であるとは存じますが、現状での対策について伺います。  最後に、地域活動などになかなか参加できないような方も含めた、大田区民全員に対する最新の風水害対策の広報について伺います。  これまでの教訓から、大田区でも東京都や関係機関と連携し、様々な新しい取組を実践していただいています。先月には新たな大田区ハザードマップも作成をされ、配布が始まっています。しかしながら、地域団体などと同様に、コロナ禍により本来想定していたような広報活動ができていないのではないかと憂慮しています。全戸配布されるとのことですが、最新版ハザードマップの配布状況や大田区公式ツイッターのフォロワー数、公式ホームページの閲覧数などを検証し、多角的に広報活動を充実させる必要があります。  以前、須川危機管理室長が防災課長時代にも質問を通してご提案、要望したことがありますが、コロナ禍のさなか、面と向かって、もしくは大人数で集まって講習会などを頻繁に開催することなどは推奨されない現状を鑑みると、例えば防災関連の講習ビデオなどを作成し、ホームページ上にアーカイブを作成してアップロードしておくなど、個人が必要なときに必要な情報を得られる環境の整備をぜひご検討いただきたいというふうに思っています。当時お願いしたのは、スタンドパイプや救急救命、それから可搬ポンプの操作手順などを収録したDVDなどを自治会等に配布してほしいというお願いをさせていただいた記憶があります。今で言えば、例えば先ほど申し上げた最新版のハザードマップの活用方法や読み解き方講座、また、マイ・タイムラインをテーマにしたロールプレイ動画などを作成、配信してみてはいかがでしょうか。最新の調査では、2019年現在のスマートフォン普及率は85%を超えているそうであります。区民にとって必要かつ有益な情報を視覚的に入りやすい動画コンテンツで届けていくことは大変有益だと考えております。  アフターコロナ、ウィズコロナ時代の新しい取組として、地域との連携も新しい形を模索していく必要性を感じています。また、重ねてでありますが、直近の出水期の備えについて、行政と区民の防災意識の共有は喫緊の課題と考えています。区民向け広報について、先ほどの4点目の質問と併せてお伺いをいたします。  以上、ご答弁のほどよろしくお願いいたしまして質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○塩野目 議長 理事者の答弁を求めます。
    ◎須川 危機管理室長 私から風水害対策に関するご質問にお答えをいたします。  区のこれまでの被害状況についてでございますが、ますます激甚化する災害から区民の命を守るためには、これまでの災害事例を検証し、そこから一つでも多くの教訓を得ることが重要でございます。近年は1時間降水量が50ミリを超すような大雨の発生頻度が増加傾向にあり、河川の氾濫や家屋の浸水、道路の冠水、土砂崩れ、地下室への水の流入など、数多くの被害が全国各地で発生しております。  そこで、これまでの区の風水被害を振り返りますと、平成30年度以降、昨年の台風以外に4回、風水被害を経験しております。平成30年8月27日の集中豪雨では、鵜の木地区で下水道管等の逆流による床上浸水が発生しています。同年9月18日の集中豪雨では、山王一丁目先の駐車場の土留めが約7メートルにわたり倒壊、また平成30年の台風24号、令和元年の台風15号では、倒木や建物損壊、電線の断線など強風による被害が多数発生しました。これらの被害は川の近くや低い土地、急傾斜地で数多く発生しておりますので、こうした特性を有する区域に対しては、特に重点的に風水害対策の重要性を強く呼びかけていく必要があると考えております。区は、土砂災害警戒区域であることを周知するためのチラシの配布を実施しておりますが、今後も、家屋倒壊等氾濫想定区域への周知やマイ・タイムライン講習会の実施など、被害の発生が強く懸念される区域に対する普及啓発事業を積極的に展開してまいります。  次に、風水害対策の取組状況と変遷に関するご質問でございます。区は、温暖化等の影響で被害が激甚化傾向にあることを重視し、庁内はもとより関係機関との連携強化を図り、対策を充実してまいりました。平成30年度に地域防災計画を修正し、超大型台風の接近、多摩川上下流域の豪雨、集中豪雨による区内中小河川等の氾濫、こうした三つの特性を踏まえて、区のタイムラインの見直し、水害時緊急避難場所の設置、ハザードマップの改定、マイ・タイムラインの普及啓発などの対応を行ってまいりました。そして、昨年の台風対応の教訓を踏まえて、本年3月に課題を整理しました。  今後の風水害対策の強化方針と具体的な対策を取りまとめましたが、まず避難対策としては、区立小中学校など89か所を水害時緊急避難場所に指定するとともに、震災時と同様に学校防災活動拠点組織の協力を得て運営してまいります。情報伝達としましては、災害情報や避難場所の混雑状況などの情報を適時適切かつ一元的に災害対策本部が入手するとともに、区民へ迅速に情報提供できるよう仕組みづくりの検討を進めてまいります。また、要配慮者対策では、福祉避難所の開設基準の見直し、要支援者受入れのための態勢整備、また、治水対策では、水防資機材センターの建設や排水ポンプ車の追加導入などに取り組んでまいります。こうした具体策を着実に実施するとともに、地域防災計画にも反映してまいります。  次に、コロナ禍による影響や風水害対策の広報についてのご質問でございます。区の新たな風水害対策は、地域や関係機関とともにその具体化を図りつつ、区民にも広く伝えていくことが必要です。現在、新型コロナウイルス感染症の影響により多人数での会議や訓練が制約される中であっても、様々な工夫をしながら台風シーズンの到来に向けて普及啓発に努めております。例えば自治会・町会等に対しては、会議を少人数に分割していただいたり、個別に訪問したりしながら、区の方針や水害時緊急避難場所の新たな運営要領などについて丁寧に説明をし、協力をお願いしております。大規模な訓練や講習会は、いまだ実施できる見込みは立っておりませんので、引き続き少人数での会議や講習会を実施するなど粘り強く周知してまいります。  一人ひとりの区民の皆様に向けましては、水害のシーズンを控えた6月1日の区報特集号で、警戒レベルや水害時緊急避難場所のルールなどについてお知らせしたところです。また、ホームページでは、新しいハザードマップやマイ・タイムラインの作成方法を掲載し、ご自宅などでもご覧いただけます。また、昨年の台風19号で大規模な浸水被害が発生した田園調布四丁目・五丁目の区域に向けては、新たに3か所の土のうステーションを整備したほか、当該区域にお住まいの皆様を中心にマイ・タイムライン講習会を地域内で開催する予定でございます。コロナ禍による制約がある中での取組となりますが、様々な手段や工夫で区民への普及啓発を進めてまいります。私からは以上でございます。 ◎今井 地域力推進部長 私からは、風水害対策における地域連携に関するご質問にお答えします。  昨年の台風19号の際の避難所運営では、震災時と風水害時で避難所が異なることや、避難所の受入スペースの問題、マンパワー不足などの問題点や課題が明らかになりました。こうした教訓を踏まえ、課題解決に向けて、風水害時の避難対策の見直しについて地域とも連携・協力しながら取組を進めているところです。主な取組としましては、先ほど危機管理室長からも触れましたが、水害時緊急避難場所の開設基準を明確化し、避難場所を計89か所開設することでより多くの避難スペースを確保いたします。また、日頃から地域と行政が一体となって訓練等を実施している学校防災活動拠点のノウハウを活かし、震災時と同様に風水害対策においても、自治会・町会を中心としつつ、議員お話しの防災市民組織や区内の高校や大学、事業所など地域の様々な主体と日頃から顔の見える関係をつくり、協力しながら避難場所の運営を進めてまいります。近年ますます激甚化する災害に備え、今後も区は、区民一人ひとりの力を結集することはもちろん、より一層地域との連携を強め、地域力を向上させながら区民の安全・安心を守る水防態勢を築いてまいります。私からは以上です。 ○塩野目 議長 次に、42番野呂恵子議員。                  〔42番野呂恵子議員登壇〕(拍手) ◆42番(野呂恵子 議員) エールおおた区議団の野呂恵子です。このたび新型コロナウイルス感染症でお亡くなりになられた方々に心より哀悼の意を表します。  新型コロナウイルス感染症の影響で、世界で15億人以上の子どもが学校に通えないという危機の時代を私は想像できませんでした。かつてカミュは、封鎖されたまちで音もなく忍び寄り、犠牲者を増やすペストを後世に残しましたが、21世紀に再び国境が封鎖され、人々の往来も経済も教育も停止してしまったのです。カミュは、医者が患者の治療のためにまちを離れるわけにはいかないと語らせていましたが、今も感染症の危険の中、治療を続ける医療従事者に助けられ命をつないできました。  自粛要請による事業の中止、受発注の停滞、失業し寮も追い出された派遣労働者、月20日働いても歩合制で収入が8万円だったタクシー運転手、親もアルバイトの大学生も仕事を解雇され、生活保護を求めた家族、自宅にひきこもった僅か3か月で夫に認知症の症状が出てきたと相談を寄せた高齢者など、区民の困難な状況は続いています。その中、JOBOTAへの相談は今後一層重要性を増します。学校休業で給食が中止され、就学援助の世帯の4月・5月分の給食費が7月末に振り込まれる予定だそうです。この間、社会福祉協議会が届けた昼食応援には、「仕事に育児に介護に家事も1人でやっているので死にそうです。給食がなく、3食つくるのはかなりつらい。食品支援ありがとうございます」と保護者から声が寄せられ、現場主義を徹底してきた社協と区民の協働が心にしみました。  医療機関でさえ受診抑制が続き融資を受け、あらゆる領域でリーマンショックを超える影響と、行政の事業の中断で日常生活のリズムが乱れ、ひとり暮らし高齢者が孤立、家庭内暴力の増加など、社会的弱者の孤立の深まりをどう克服するか、そのような視点での財政措置が求められていないでしょうか。  2020年度当初予算で計上されたイベントなど含め様々な事務事業を精査し、今後見直す事業の視点をどこに置くのか。昨日、松原区長が述べておられました区政始まって以来の難局は、これまでの既存の対策では乗り越えられず、2021年度予算編成の方針をどこに置き74万区民の生活を支えていくのか、大田区の見解を伺います。  この間、医療機関はもちろん、保健所はじめ児童館、保育所、福祉施設など人々と接し支える多くの職場で、感染リスクの不安を抱えつつ職務に励んでこられたことに心から敬意と感謝を申し上げます。職務継続のため2交代制を導入しましたが、2交代制が利かない職場もあり、今後、第2波へ備え業務を継続していくため質問いたします。  まず、感染症対策のため休む間もなく最前線で対応してくださった保健所です。保健所は多い日で約300件の電話相談もあり、なかなか通じない中、PCR検査までたどり着けない不安、入院できるのかという不安などの声がありました。通常救急隊員が確保する病院を、感染症では保健所が探し、1週間も待機した陽性者もいたほど膨大な業務量をこなす日々、しかも2交代制ができない職場でした。医師会との協議でPCR検査センターの開設にこぎ着けましたが、感染症の終わりは見えません。  日本の感染症対応の病院は全国で475病院と少なく、その約8割が日赤や公立病院です。特に陰圧隔離病棟は、1996年9716床でしたが、2019年には1758床まで減少し、さらにこの間の地域医療構想によって現場の医師や看護師の数も抑えられてきました。1994年、保健所法が地域保健法に改められ、健康づくりの推進に重点が置かれると同時に、公衆衛生や感染症を担う機能が徐々に低下し、そこへ新型コロナ感染症の急激な拡大と混乱が広がりました。現在、感染症対策課の保健師は10名のため、他の部局から保健師が兼務発令を受け頑張ってくれましたが、74万区民がいる大田区で感染症対策の保健師は決して多いとは言えず、ましてや羽田空港、コンテナ埠頭を持つ令和島と、世界中から訪れる人と物流の水際対策という大田区特有の課題もございます。  そこで伺います。大田区民を支える保健所機能を強化するため、保健師の拡充に取り組むべきと考えますが、いかがでしょうか。特別区が今年度採用を予定している保健師は23区全体で78名と決して多いとは言えず、100年に一度の困難から区民を守るよう求め、次の質問に移ります。  今般、自粛による在宅生活で家庭ごみが微増し、使い捨てマスクなど感染リスクのあるごみ収集は緊張が強いられました。神戸市須磨清掃事業所では17名の感染者が発生し、残る55名の職員を全員自宅待機とし事業所を閉鎖、地区のごみ収集は他の事業所職員が代行したそうです。大田区では、更衣室を密にさせないため、ごみ収集後は自宅研修の措置を取り、誰一人感染することもなく乗り切ってくれました。  環境省は5月1日、新型コロナウイルス感染症に係る廃棄物の円滑な処理について通知を出しました。2月1日に新型コロナウイルスを指定感染症に位置づけ、特定廃棄物として事業系ごみ収集事業者が収集・処理するはずが、今般の通知では、「軽症者が排出する感染性廃棄物は特定廃棄物にしない」とし、一方で、「実作業においては感染性廃棄物に準じて処理すること」と全く矛盾した通知を出す中のごみ収集でした。これから夏に向かい、マスクをしての収集は過酷で、熱中症などが懸念されます。職員は、ペットボトルのリサイクルを進めるため、ペットボトル再生ポリエステル繊維の暑い作業服を着用しています。  環境清掃部は、今年の夏は例年よりアルバイトを増やし、作業員の休息を確保できる体制を実施するそうですが、そもそも2交代制が利かない職場です。メッシュが入った夏用の作業着だけではなく、熱中症対策のため冷感マスクやアイスベストなど、さらなる対策を講じ、収集作業に取り組めるよう求めます。いかがでしょうか。  最後に、放課後健全育成事業について伺います。  コロナ不安の一番の大きさは子どもたちに押し寄せたのではないでしょうか。学校が休業の中、児童館、そして放課後ひろばでの受入れと、誰一人感染させず、この6月を迎えてくれました。大田区では町工場が多く、働く父母を支えるため、児童館を学校区ごとに建設してきた先進的な自治体でしたが、子どもの犯罪への巻き込みなど危機感に対処するため、様々な課題も含め放課後児童健全育成事業が拡充されました。学校内での放課後ひろば事業にこの間取り組んできましたが、受託した事業者の中には児童館等を店舗として紹介するところもあるなど、大変特色のある事業所も参入しています。  新制度の移行に伴い、大田区は運営者に「その運営の内容について、自ら評価を行い、その結果を公表するよう努めなければならない」と条例5条で規定し、全ての事業者が取り組まなければなりませんが、施設への掲示も含め確実に実施されているでしょうか。  また、事業者の自己検査に加え、児童福祉法34条では事業を行う者に対して必要と認める事項の報告を求め、事業を行う場所への立入検査等も規定しています。昨年、大田区は要綱でようやく第三者評価の実施を定めたようですが、議会へは要綱さえ公開されておらず、子どもたちの育ちを支えるため、職員の質の確保の検証を求め、今後その結果を公表するなど丁寧な周知を求めますが、いかがでしょうか。  学校が再開し、うれしかったことの一つに、適応指導教室つばさを利用していた子どもが登校していたといううれしい報告でした。そして今月7日、JALの職員の方々も参加し、自粛解除後初の子ども食堂が開かれ、多くの子ども連れの家族が訪れました。人は人中、人と語らい育ち合う日常生活の幸せをかいま見ました。私たちは今、これまで経験したことのない困難を抱える区民、社会的弱者が日常生活を取り戻すために生きていかなければなりません。そのために、まず大田区職員が元気で、今後抜本的な区民支援が進むことを願い、私の質問といたします。(拍手) ○塩野目 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎市野 企画経営部長 私からは、事務事業の見直しと予算編成に関するご質問にお答えをさせていただきます。  今後、特別区税や特別区交付金などの基幹財源の減収に加え、新型コロナウイルス感染拡大第2波への備えのほか、生活保護費などの増加が見込まれるなど、区の財政は厳しい局面を迎えることが想定されます。事務事業の見直しに当たりましては、区民の生命、財産、生活への影響度や緊急性、代替性の視点から必要性を判断してございます。令和3年度予算編成におきましては、こうした事務事業の見直しの結果を反映させ、限りある財源を効果的に配分し、区民の生活と区内経済活動を支える様々な施策を的確に講じてまいりたいと考えてございます。私からは以上でございます。 ◎木田 健康政策部長 保健師の拡充についてのご質問ですが、今回の新型コロナウイルス感染拡大の状況に対しまして、急増した業務に全庁をあげた保健師の動員や業務委託等により体制を整えて対応をしてまいりました。東京国際空港を区内に抱えており、今回のような感染症拡大等の非常時には、東京空港検疫所支所、感染症指定医療機関である荏原病院及び東京都等と連携し、迅速・的確な対応が求められます。今回も水際対策で、海外から入国された方々の自宅や宿泊施設での14日間の待機中の体調確認を毎日行うなどの、国際空港を区内に持つ大田区ならではの業務が発生しており、その対応を今も行っております。保健師は、このような非常時はもちろんのことですが、乳幼児から高齢者までのあらゆる年齢層の区民の健康保持増進と疾病予防に取り組むなど、区民の命を守る地域の看護師として重要な役割を担っております。今後も、保健師に求められる役割及び東京国際空港が立地する特性等を考慮しまして、保健師の適正な所要人員について考えてまいります。 ◎浜口 こども家庭部長 私からは、放課後児童健全育成事業についてお答えします。  質の高い保育を維持するため、事業者の第三者を含めた評価とその結果の公表は必要と考えてございます。区は毎年、利用者アンケートと施設長によるセルフチェックを実施しており、その集計結果を保護者に通知するとともに、一部施設内において掲示してございます。また、昨年度からはこども家庭部長を委員長とし、学識経験者、地域の福祉に関わる方、小学校運営関係者、利用者代表者、公認会計士で構成する評価委員会において、委託事業者の評価を実施してございます。これらの利用者アンケートや評価委員会の結果は、区のホームページにより公表することを予定しており、事業者のスキルアップを図り、児童の健やかな育成と安全・安心な保育の提供につなげてまいります。私からは以上です。 ◎落合 環境清掃部長 私からは、清掃事業従事職員の熱中症対策についてのご質問にお答えいたします。  区では、各清掃事務所の安全衛生委員会の重要な取組の一つとして熱中症対策を実施しております。具体的には、職員は十分な睡眠時間の確保、バランスの取れた栄養摂取に加え、作業の合間には十分な休息を取るとともに、水分補給と支給している塩あめ等による塩分補給を行うこととしております。作業着につきましては、職員の意見も踏まえ、夏の酷暑の中での作業に耐え得る素材を用いるとともに、メッシュを入れるなど通気性にも考慮した仕様としています。加えて、夏休等を利用して休養を取ることも熱中症予防対策の一つと考えており、例年、夏季期間に臨時職員を雇用し、職員が休暇を取りやすい環境を整えております。今年は、職員の新型コロナウイルス感染リスクを低減させる必要から、例年より雇用人数を増やし、職員の健康管理に配慮した体制を取っているところでございます。  なお、現在、作業終了後の職場内での3密を避けるため、清掃職員はフレキシブルな勤務体制を取っており、こうした取組も熱中症対策につながるものと考えております。夏場を迎えるに当たり、引き続き職員の健康管理に十分配慮し、熱中症対策に取り組んでまいります。私からは以上です。 ○塩野目 議長 次に、43番北澤潤子議員。                  〔43番北澤潤子議員登壇〕(拍手) ◆43番(北澤潤子 議員) エールおおた区議団、北澤潤子です。  新型コロナウイルス感染拡大の影響は多くの人の生活困窮を招いています。ひとり親世帯への居住支援を中心に質問いたします。  大田区が独自に2016年に調査した子どもの生活実態調査は、貧困対策に取り組む目的でなされたものです。調査の結果は、生活困難層が21%、中でもひとり親家庭の生活困難層の率は45.6%と約半分でした。子どもの養育費を受け取っていない人が76.5%です。ひとり親家庭の保護者の就労率は86.4%ですが、パート・アルバイトの人が40%、うち二つ以上の仕事を持っている人が9.9%です。  2016年度の厚生労働省のひとり親世帯等調査によると、平均年間所得は243万円、預貯金額は50万円未満が40%です。ひとり親家庭の生活の困難さが分かります。困っていることは、上位から家計、仕事、健康、住居となっています。今回は居住支援、家賃補助に特に着目していきたいと考えます。  さて、子どもの実態調査から4年がたちます。調査報告からは、生活困難、いわゆる貧困の影響は子どもの学習の理解度や自己肯定感にも関わること、子どもの成長にマイナスの影響を及ぼしかねないことが推察されました。有効な対策を立てることが大田の子どもの将来にも大きく関わります。  そこでお聞きします。住まいは生活する上での根幹であり、家賃補助などを含めて区の施策を期待したいところですが、調査に基づいてつくられた「おおた子どもの生活応援プラン」では、ひとり親家庭に対して有効な支援策が打てたのかどうか、まずはその成果と課題、また今後の施策をどう考えるのかをお答えください。  プランを立てて実践した後には、当事者を含めた第三者の評価や検証を基に、さらに全庁的な施策展開の拡充を求めるものです。  ここに来て、新型コロナウイルス感染拡大は経済や家庭生活に大きな影響を及ぼしています。ひとり親を支援している団体、NPO法人しんぐるまざあず・ふぉーらむが4月初めに、新型コロナでの影響、シングルマザー世帯への支援策に関するアンケートを行ったところ、最も必要とする支援として、すぐに現金給付が欲しいという人が78%でした。今日、明日の生活に困っている人が多いことが分かります。  特別定額給付金に続いて、国の第2次補正予算での児童扶養手当が支給されているひとり親世帯への臨時特別給付金、減収から家賃に窮している人にとっては住居確保給付金なども当面の大きな助けになります。非常事態である今は、このように当面の生活資金は大変重要です。しかし、先ほど述べたように、もともとのひとり親の脆弱な生活基盤については改めて考える必要があります。一時的な給付金とは別に、長期的・継続的な生活支援が必要です。  生活の大きな基盤である居住支援について質問いたします。都内での家賃負担は大きいものです。所得が低い場合、区営住宅や都営住宅をまず希望しますが、都営住宅はファミリー向けで2018年は57倍、区営住宅では32倍でした。公的住宅が圧倒的に不足しており、低所得者にとって住宅を確保することがいかに難しいことかが分かります。また、申込み時期が限られており、すぐに住居が必要な場合には間に合いません。都内では、新宿区、文京区、千代田区、豊島区など幾つかの自治体が家賃補助の制度を持っていますが、例えば目黒区では、民間賃貸住宅の家賃補助、ファミリー世帯家賃補助制度があり、所得制限つきで、18歳未満の子を扶養し同居している、ひとり親世帯を含む世帯に月額2万円、最長3年間家賃補助を行っています。  大田区は昨年9月、居住支援協議会を立ち上げました。住居を確保することが難しい人が住宅を得やすくなるように、賃貸住宅の供給促進も目指されます。居住支援協議会の設置の根拠となる住宅セーフティネット法では、最大4万円の家賃補助という仕組みを持っていますが、高齢者をはじめとする住宅を確保しにくい人を拒まない登録住宅を使うことが条件です。しかし、登録にはバリアフリーなどハードルが高く、結局、区内には現在、登録住宅が1件もありません。不動産業界にこの制度の周知を進め、登録住宅を増やす努力が必要ですが、できるだけ早く困窮している家庭を支える仕組みを構築することも一方では必要です。  お聞きします。住宅セーフティネット法は住宅確保のために有効な施策ではありますが、登録住宅がない中では、国や都からの補助金はいつ得られるかは分かりません。制度の活用ができる環境が整うまでは、目黒区のように家賃補助制度をつくれませんか。  第1回の居住支援協議会の議事録を読むと、様々な話題の中で、日本少額短期保険協会の家賃債務保証の事故の報告では、多い中に高齢者の孤独死、40代、50代の急死、シングルマザーの自殺ということが話され、シングルマザーの生活を支えていくための福祉との絡みのことなどが話題になっていますが、大田区居住支援協議会としては、まず今後の支援事業を高齢者対象とし、そして障がい者、その後にひとり親、低所得者については令和4年度以降に取り上げるとしています。生活基盤に関わる住宅支援策において、なぜ対象に優先順位をつけてしまうのか疑問に思いました。高齢者にとって住宅が見つからないという事態は深刻ですが、しかし、だからといって簡単にほかの対象を後回しにしてよいとは思えません。  お聞きします。新型コロナウイルス感染拡大の影響で経済的に逼迫した人は多く、例えば会社が倒産したことで社宅から出なければならなくなった人など、日ごとに住宅の需要は高まっていきます。大田区居住支援協議会における支援対象者に順番をつけず、同時進行させることはできませんか。  2018年の予算特別委員会でも紹介させていただきましたが、ひとり親支援をしているNPO法人リトルワンズは、居住支援法人として豊島区居住支援協議会の登録団体になっており、居住のマッチング、サブリース、リフォーム、シェアハウスへの入居紹介、コーディネート、見守りまで行っています。行政との連携やフォロー体制のあることで不動産業者からの信頼も得て、住居の確保がスムーズになっているということを聞いています。丁寧に相談に乗りながら伴走型の支援体制、就労支援や子育て支援とのセットの居住支援は、特にひとり親家庭には必要です。  大田区はひとり親家庭への居住支援をどのように進めていきますか。居住支援法人の開拓は急いで進めていただきたいと考えますが、いかがでしょう。  何より子どもを健康に育てる環境、安心して暮らせる住まいは生きる基盤であり、人権と言えます。そして、子どもの成長は待ってくれません。社会的孤立を防ぐためにも、まずは住まい、ハウジングファーストです。  新型コロナウイルス感染拡大の影響で多くの人の生活困窮の度合いが増してきています。生活保護受給者の急激な増加に対して、対象額5万3700円で借りられる物件は23区内では不足しており、最低家賃額を引き上げないと借りられる物件がないと、支援者たちからの悲痛な報告を聞いています。区内には空き家が4万件あると聞いています。全ての人がまずは安心して住める住居を得ることができるように、例えば大田区が民間アパートを借り上げての准公営住宅化など様々な方法を研究していただき、大田区居住支援協議会がその実効性を発揮することを期待するものです。  様々な問題を生み、さらにコロナ禍によってあらわにされた社会制度のゆがみや不足を点検し、改善することが必要ですが、現状厳しい生活に置かれている人に寄り添った施策展開、特に住宅政策と福祉政策の強い連携を求めて、私の質問を終わります。(拍手) ○塩野目 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎張間 福祉支援担当部長 私からは、ひとり親家庭への支援策に関するご質問にお答えいたします。  区は、「おおた子どもの生活応援プラン」を策定し、全ての子どもたちが地域社会から切り離されないよう、社会的包摂の理念のもと、様々な施策に取り組んでまいりました。昨年度、生活にお困りの世帯の子どもに対する学習支援事業では、中学3年生の112人全員が高等学校に合格いたしました。また、離婚と養育費に関わる総合相談では、毎回定員を上回る申込みがあり、専門の弁護士が対応して相談者に的確な助言を行い、相談することで気持ちが楽になったなどの感想が複数ございました。このような成果はあったものの、貧困の連鎖を断ち切るためには、総合的な対策を推進する必要があります。引き続き、今年度実施する子どもの生活実態調査等において、ひとり親家庭の現状の把握や課題の抽出に努め、子どもに寄り添った支援策の展開を目指してまいります。私からは以上です。 ◎齋藤 まちづくり推進部長 私からは、住宅政策に関連するご質問にお答えいたします。  まず、家賃補助制度についてのご質問ですが、住宅セーフティネット制度に基づく家賃低廉化への補助の仕組みにつきましては、一般の賃貸住宅を住宅確保要配慮者に対する専用住宅として、家主が都道府県へ登録することが前提となっておりまして、その上、その専用住宅登録後、そこに空きが生じていても一般の方にご入居いただくことができなくなる制限が生じるなど、事業実施に向け多くの課題がございまして、法的制度があるものの、その運用が難しくて大変悩ましいという状況でございます。ただ、その一方で、このような困難性を踏まえつつ、既に区のホームページ上で公開している居住支援協議会の議事要旨に記載しているとおり、現在、事務局レベルで実施の可能性を探っているところでございます。今後は、不動産関係団体への説明会を実施するなど、住宅セーフティネット制度自体の周知機会の拡大を図るとともに、他自治体などの家賃助成に関する先進事例を調査するなど、クリアすべき課題を洗い出したいと考えてございます。  続きまして、居住支援協議会についてのご質問でございます。住宅確保要配慮者としての対象者数が多いことから、まず高齢者を最初のテーマとして取り上げてございます。ただし、障がい者、低所得者、子育て世帯の中のひとり親家庭などにつきましても、それぞれの状況や支援ニーズに応じたきめ細かい対応が必要と認識してございます。今後とも、関係部署、関係機関と連携しながら、各対象者ごとの支援策を適時・適切に検討して実践してまいります。  また、新たな居住支援法人についてのご質問でございますが、居住支援協議会には現在、大田区で活動する1法人に居住支援協議会の構成員としてご参加いただいてございます。ここに新たな法人を開拓し、ご参加いただくかにつきましては、住宅確保要配慮者の支援ニーズを詳細に把握いたしまして、居住支援協議会の中でも意見交換しながら、このメンバーの中で、ある意味ではチームワークでやっていかなければいけない部分がございますので、そうした中での議論を通じて必要に応じて議題としていきたいと考えてございます。私からは以上でございます。 ○塩野目 議長 以上で質問を終結いたします。               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○塩野目 議長 本日の日程に入ります。  日程第1を議題とします。                     〔井上事務局長朗読〕 △日程第1  第60号議案 大田区手数料条例の一部を改正する条例 ほか18件                ―――――――――――――――――――― ○塩野目 議長 理事者の説明を求めます。 ◎川野 副区長 ただいま上程されました各議案についてご説明申し上げます。  第60号議案は、大田区手数料条例の一部を改正する条例で、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律等の改正に伴い、規定を整備するため改正するものでございます。  第61号議案は、大田区印鑑条例の一部を改正する条例で、成年被後見人等の権利の制限に係る措置の適正化等を図るための関係法律の整備に関する法律の施行に伴い、成年被後見人に係る印鑑登録の制限の規定を改めるほか、規定を整備するため改正するものでございます。  第62号議案は、大田区特別区税条例等の一部を改正する条例で、地方税法等の改正に伴い、区民税の非課税範囲を見直すとともに、たばこ税に関して、葉巻たばこの課税方式を見直すほか、規定を整備するため改正するものでございます。  第66号議案は、包括外部監査契約の締結についてで、契約の相手方は公認会計士の大古場 雅氏、契約金額は1210万円を上限とする額でございます。  第67号議案は、久根橋外1橋構造改良工事請負契約についてで、契約の相手方は株式会社佐々木組、契約金額は4億6805万円でございます。  第68号議案は、仮称大田区南六郷創業支援施設内部改修その他工事請負契約についてで、契約の相手方は小川建設株式会社、契約金額は2億4860万円でございます。  第69号議案は、呑川合流改善貯留施設立坑設置に伴う用地整備工事請負契約についてで、契約の相手方はスポーツ施設株式会社、契約金額は2億7390万円でございます。  第70号議案は、令和2年度大田区一般会計補正予算(第3次)で、今回の補正は、歳入歳出予算の総額に歳入歳出それぞれ3億2742万7000円を追加し、補正後の歳入歳出予算の総額は、それぞれ3662億2262万8000円となります。歳入で追加する内容は、都支出金、繰入金でございます。歳出で追加する内容は、衛生費、産業経済費、教育費でございます。  報告第15号は、令和元年度大田区繰越明許費繰越計算書で、令和2年度への繰越額は、普通財産撤去工事など13事業を合わせまして合計10億1345万3500円となってございます。  報告第16号は、令和元年度大田区事故繰越し繰越計算書で、令和2年度への繰越額は、保育所等における感染拡大防止対策支援事業で1898万9000円となっております。  報告第17号から報告第23号は、地方自治法第243条の3第2項の規定に基づく、区が出資する法人の経営状況に関する書類の提出で、報告第17号は大田区土地開発公社、報告第18号は一般財団法人国際都市おおた協会、報告第19号は公益財団法人大田区文化振興協会、報告第20号は公益財団法人大田区スポーツ協会、報告第21号は公益財団法人大田区産業振興協会、報告第22号は株式会社大田まちづくり公社、報告第23号は一般財団法人大田区環境公社で、令和元年度の事業報告及び収支決算、令和2年度の事業計画及び収支予算に関するものでございます。  報告第24号は、民事訴訟の提起に係る専決処分の報告についてで、建物明渡し等を求める訴えの提起について報告するものでございます。  報告第25号は、区の義務に属する損害賠償額決定に係る専決処分の報告についてで、支払い遅延による損害金の発生事故について報告するものでございます。  以上、よろしくご審議の上、ご決定賜りますようお願い申し上げます。 ○塩野目 議長 質疑に入ります。  この際、議員の皆様に申し上げます。本会議での議員の発言につきましては、会議規則第53条で「発言はすべて簡明にするものとし、議題外にわたり、又はその範囲をこえてはならない。」と規定され、また、質疑についても「自己の意見を述べることができない」と明記されております。したがいまして、議員の皆様には、発言に当たっては規則で定められたルールに従って行うよう、ご留意のほどお願いしておきます。  本案については、奈須利江議員から通告がありますので、これを許します。                    〔47番奈須利江議員登壇〕 ◆47番(奈須利江 議員) フェアな民主主義、奈須利江です。  議案、報告について質疑をいたします。第67号議案 久根橋外1橋構造改良工事請負契約について、第68号議案 仮称大田区南六郷創業支援施設内部改修その他工事請負契約について、第69号議案 呑川合流改善貯留施設立坑設置に伴う用地整備工事請負契約について質疑いたします。  今回のこれらの三つの議案は、全て制限付一般競争入札です。そこで伺います。1 大田区の入札において、昨年1年間における建設工事の入札の件数と金額、及びその中の制限付一般競争入札の件数と金額及びその割合を教えてください。  2 制限付一般競争入札の中の大田区内に限定した入札件数と金額は何件、幾らで、割合は何%になりますか。  3 区内事業者を指名業者の要件としているのはなぜですか。  4 制限付競争入札の対象業者が明らかな法令違反を行っていることを大田区が確認した場合、大田区は入札の指名業者として指名しますか。  次に、報告第17号 大田区土地開発公社の経営状況に関する書類の提出について、報告第18号 一般財団法人国際都市おおた協会の経営状況に関する書類の提出について、報告第19号 公益財団法人大田区文化振興協会の経営状況に関する書類の提出について、報告第20号 公益財団法人大田区スポーツ協会の経営状況に関する書類の提出について、報告第21号 公益財団法人大田区産業振興協会の経営状況に関する書類の提出について、報告第22号 株式会社大田まちづくり公社の経営状況に関する書類の提出について、報告第23号 一般財団法人大田区環境公社の経営状況に関する書類の提出についての七つの外郭団体の経営状況に関する書類の提出について質疑いたします。
     これらは地方自治法第243条の3第2項の規定に基づき提出されています。大田区も「大田区外郭団体改革プラン」や「新大田区外郭団体等改革プラン」などを策定し、外郭団体の経営改善に向け努めてきています。私もこの間、様々な視点から外郭団体の経営状況に関する書類を評価し、また報告の在り方についても質疑させていただきました。特に近年では、大田区も新大田区外郭団体等改革プランの中で、「社会状況等の変化に加え、指定管理者制度の導入や民間事業者の公的サービスへの参入が増えるなど、外郭団体を取り巻く環境に変化が生じています。このような状況の下、より効率的かつ効果的に公的サービスを提供していくためには、外郭団体と区が自らの果たすべき役割やあるべき姿を改めて確認し、双方が一体となって改革を進めていく必要があります」と指摘しているとおり、進む規制緩和や地方分権により官と民の役割の線引きが曖昧になっていく中、民営化や民間委託だけでなく、包括連携協定や公民連携など、外部の事業者が大田区の事業を担う形はさらに多様化しています。  そうした中で、外郭団体に大田区の課題の一部を担わせる意義を明確にしなければ、安ければよい単なる民営化との差別化が曖昧になり、民営化に取って代わられることになる可能性もあります。税金投入の適否を判断するためにも、また単なる民営化ではない外郭団体の存在意義を明らかにするためにも、外郭団体の報告はより重要になっているということです。特にコロナ後の財政支出の在り方は、大田区内部にとどまらず、当然こうした外郭団体にも及びます。今回の書類はコロナの影響を踏まえ提出されていますので、そこも踏まえた答弁をお願いします。  そこで伺います。1 こうした状況の中、大田区が出資・出捐した外郭団体に事業を担わせることの意義やメリットについて、他の事業主体との違いからどのように評価していますか。  また、外郭団体の中には、大田区の職員と同様の仕事を担っていただきながら、大幅に処遇や人件費が違う中で働いている方たちがいます。今年の4月からは同一労働同一賃金が始まりました。外郭団体における不合理な待遇差を放置すれば、結果として外郭団体内にとどまらない大田区の全体の処遇にも影響します。  そこで伺います。大田区の正規雇用と外郭団体の正規雇用の間の処遇の差、大田区と外郭団体で働く方たちの中の待遇差など、外郭団体の同一労働同一賃金について大田区として今後どのように取り組みますか。  3 一方で、大田区が出資・出捐している外郭団体の中には、国債などで資産運用している団体も少なくありません。大田区は国債を原資にした国庫補助を受けていますが、外郭団体が億に及ぶ国債を保有しています。大田区が公債を発行しているにもかかわらず、外郭団体が他自治体が発行している公債を買ったりしています。  そこで伺います。大田区として、区民の税金の一部が外郭団体のこうした資産運用に使われることについてどのように評価していますか。  次に、第70号議案 令和2年度大田区一般会計補正予算(第3次)について質疑いたします。新型コロナウイルス感染拡大防止のための自粛により、区民生活に大きな影響が及ぶのは必至で、この間、総務財政委員会においても、また大田区新型コロナウイルス感染症対策本部への質問と要望でも、繰り返し予算や計画、事業の見直しをすべきであると提案してきました。昨日の区長の挨拶で、区長は新型コロナウイルス感染拡大防止のための自粛等により560億円の財源不足を想定していると指摘され、不要不急な事業の延期や廃止、事業の優先順位づけや新たな手法の検討など、全事務事業の聖域なき見直しを行うと発言しています。560億円の財源不足を想定しているということは、既に税収の見込みと新たな需要を想定していると思われます。  そこで、さらに踏み込んだ答弁を期待し質疑いたします。大田区は、今後の税収と社会保障需要とコロナ対応策の需要をどのように見込んでいますか。  補正予算は第3次になりますが、第3次補正予算提出まで事業の見直しは行われていません。昨日の挨拶を伺う前に質疑をつくり、通告しておりましたので伺います。  コロナ前に策定した計画や予算を見直しますか。見直さなくて大丈夫でしょうか。見直すとするならいつですか。また、見直さず予算は計画どおり行い、今回の補正予算のようにコロナの影響に対する対応費が増えた場合の今後の財政や区民生活への影響についてどのように見通していますか。以上です。 ○塩野目 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎川野 副区長 ただいまのご質疑に順次お答え申し上げます。  最初に、第67号議案から第69号議案について、通告がございました4点のご質問にお答え申し上げます。  1点目の区の入札における1年間の建設工事の入札件数と契約金額、制限付一般競争入札の件数と契約金額及びその割合につきましては、令和元年度の区の建設工事の入札件数が215件で、契約金額の合計は157億2748万8812円でございます。そのうち制限付一般競争入札は、原則として予定金額が500万円以上の案件で実施しておりますが、その件数は160件で、契約金額の合計は148億8801万8652円となってございます。なお、割合でございますが、件数が74.42%、金額が94.66%でございます。  2点目の制限付一般競争入札のうち、区内事業者に限定した入札件数と契約金額及び割合につきましては、入札件数が146件で、契約金額の合計は139億8733万6652円です。なお、割合でございますが、件数が91.25%、金額が93.95%となってございます。  3点目の区内事業者を指名の要件としている理由につきましては、区は、区内事業者の受注機会拡大を図るとともに、事業者の施工能力の向上や地域産業の育成、活性化に資するとの観点から、基本的に区内事業者優先の考え方に基づき発注を行っているところでございます。したがいまして、工事の入札のうち、区内事業者で競争性が担保できる案件につきましては、参加資格に区内・準区内事業者といった地域要件を設けております。引き続きこのような考え方に沿って契約事務を適切に執行してまいります。  4点目の制限付一般競争入札の対象事業者が明らかな法令違反を行っている場合の区の対応につきましては、入札の対象事業者が明らかな法令違反を行っていることを区が確認した場合は、当該事業者を入札に参加させることは好ましくないことだと考えているところでございます。そのような事例が発生した場合は、速やかに是正を求め、法令違反を解消することが重要であり、区といたしましては、当該事業者に対し改善指導を行ってまいります。それでも改善されない場合は、違反行為の内容や対応経過などを確認の上、入札参加の可否について個別に判断してまいります。  次に、報告第18号から報告第23号について、通告がございました3点のご質問にお答えいたします。  1点目の区が出資しております外郭団体に事業を担わせることの意義やメリットについてどのように評価しているかについてでございますが、外郭団体の役割は、団体の特性である柔軟性、機動性に加え、団体の有する専門性など長所を活かし、区の役割を補完し、区と連携して施策目的の実現に向けたサービスを提供することでございます。そのため、外郭団体は、他の事業主体と比べまして、区の政策と連動した公益性・公共性の高い事業を弾力的に推進しており、効果的・効率的な行政サービスの提供に寄与しているものと評価しているところでございます。区は、引き続き外郭団体との連携を強化し、行政サービスの向上を図ってまいります。  2点目の区の正規雇用と外郭団体の正規雇用の処遇の差についてどのように取り組むかについてでございますが、外郭団体を定義する法律上の規定はございませんが、本区におきましては、外郭団体とは、区の出資割合が50%以上の団体及び継続的に財政援助を行っている団体と、「新大田区外郭団体等改革プラン」に明確に定義をしており、区の内部団体の位置づけではございません。したがいまして、厚生労働省が示しております同一企業・団体内におけます正規雇用労働者と非正規雇用労働者の不合理な待遇差の解消を目指す同一労働同一賃金の考え方は適用されないものと考えております。区といたしましては、引き続き、地方自治法第243条の3第2項に基づく議会への報告等を通じ、団体の適正な経営をしっかりと担保してまいります。  3点目の大田区が出資している団体が資産運用することについてどのように評価しているかについてでございますが、外郭団体の運用財産の管理等に関しましては、公益財団法人及び一般財団法人は、定款及び財務等の規定に基づき、理事会に報告し、評議員会で承認されたうえで、また、株式会社は、取締役会及び株主総会の議決を経た上で、地方自治法第243条の3第2項に基づき、議会へ報告させていただいているところでございます。このように、各団体の定款及び規定などに基づいて適切に資産運用及び資産管理をしているものと評価しているところでございます。  次に、第70号議案につきまして、通告がございました3点の質問にお答え申し上げます。  1点目の今後の税収と社会保障関係経費などの財政需要の見込みについてでございますが、まず新型コロナウイルス感染拡大の影響による景況の悪化は、リーマンショックを上回ることが想定されまして、その際は3年間で約470億円もの一般財源が減少したことを鑑みますと、今後、区財政は大変厳しい局面を迎えるものと見込んでいるところでございます。税収面におきましては、徴収猶予などの影響による特別区税の減収や、経済活動の影響を特に大きく受ける特別区交付金の大幅な減収は避けられないものと考えているところでございます。また、社会保障関係経費につきましては、少子高齢化への対応や、増加傾向にございます生活保護費などをはじめとしまして、新型コロナウイルス感染症対策については、感染拡大第2波への万全な備えなど、財政需要の高まりが想定されます。  2点目の感染症拡大前に策定した計画や予算の見直しにつきましては、より効果的・効率的な行政経営の実現に取り組み、限られた経営資源を適正に配分する必要があることから、現在、事務事業の見直しを進めているところでございます。同時に、中・長期的な視点に基づく基本計画の策定を延期し、事務事業の見直しなどにより生み出した経営資源を、感染拡大防止や区民生活・経済への支援など優先して取り組むべき施策に集中投下させ、これらを反映する(仮称)緊急計画の策定を進めております。  3点目の見直さず予算どおり執行した場合の影響はどうかにつきましては、本区といたしましては既に見直しを進めているところでございまして、影響等につきましては、1点目、2点目でお答えしたとおりでございます。私からは以上でございます。 ○塩野目 議長 以上をもって質疑を終結いたします。  本案については、報告第15号から報告第25号に至る11件を除き、いずれも所管総務財政委員会に付託します。               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○塩野目 議長 日程第2を議題とします。                     〔井上事務局長朗読〕 △日程第2  第63号議案 大田区高齢者アパート条例の一部を改正する条例 ほか2件                ―――――――――――――――――――― ○塩野目 議長 理事者の説明を求めます。 ◎川野 副区長 ただいま上程されました各議案についてご説明申し上げます。  第63号議案は、大田区高齢者アパート条例の一部を改正する条例で、生活保護法による被保護者及び中国残留邦人等の円滑な帰国の促進並びに永住帰国した中国残留邦人等及び特定配偶者の自立の支援に関する法律による支援給付の受給者の使用料を改定するため改正するものでございます。  第64号議案は、大田区介護保険条例の一部を改正する条例で、第1号被保険者のうち、所得の低い第1段階から第3段階までの者について、令和2年度の保険料の減額賦課を行うため改正するものでございます。  第65号議案は、大田区住宅宿泊事業法施行条例の一部を改正する条例で、住宅宿泊事業者が届出住宅に居住して管理業務を行う住宅宿泊事業について、実施を制限する区域の適用を除外するほか、改善勧告及び公表に関する規定を整備するため改正するものでございます。  以上、よろしくご審議の上、ご決定賜りますようお願い申し上げます。 ○塩野目 議長 本案については質疑の通告がありませんので、いずれも所管健康福祉委員会に付託します。               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○塩野目 議長 日程第3を議題とします。                     〔井上事務局長朗読〕 △日程第3  2第24号 3月26日に区長が国土交通大臣に提出した要望を後押しする区議会決議等を求める陳情 ほか8件                ―――――――――――――――――――― ○塩野目 議長 お諮りいたします。本件については、いずれも羽田空港対策特別委員会に付託したいと思います。これにご異議ありませんか。                   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○塩野目 議長 ご異議なしと認め、そのように決定いたしました。               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○塩野目 議長 日程第4を議題とします。                     〔井上事務局長朗読〕 △日程第4  2第33号 区外にある大田区の施設設置自治体との協定等を見直してほしい陳情                ―――――――――――――――――――― ○塩野目 議長 お諮りいたします。本件については、防災安全対策特別委員会に付託したいと思います。これにご異議ありませんか。                   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○塩野目 議長 ご異議なしと認め、そのように決定いたしました。               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○塩野目 議長 次に、請願・陳情の付託について申し上げます。今回受理しました請願・陳情は、ただいま特別委員会に付託しました10件を除き、お手元に配付の付託表のとおり、それぞれ所管常任委員会及び議会運営委員会に付託します。                ――――――――――――――――――――                令和2年第2回定例会 請願・陳情付託表                                        令和2年6月12日付託 総務財政委員会  2第 25号 DV相談を電話だけではなく、面談相談も実施してほしい陳情  2第 26号 DV相談窓口の周知をしてほしい陳情  2第 45号 男性DV被害者の電話相談を改善してほしい陳情  2第 52号 新型コロナウイルス感染症対策の拡充を求める陳情  2第 64号 大田区のPRのためのVtuberをはじめてほしい陳情  2第 67号 大田区には税金を有効活用されるように考え使う感覚を取り入れてほしい陳情  2第 72号 総務省にNHKのスクランブル化を求める意見書の提出を求める陳情  2第 73号 大田区民全員を対象とした給付金を求める陳情  2第 75号 大田区はNHKからの住民票の請求で疎明資料をきちんと要求するよう求める陳情  2第 78号 NHK受信料の支払いを拒否してほしい陳情  2第 79号 大田区の保有するテレビ台数、NHK受信料内訳、総額などの調査を求める陳情  2第 84号 マイナンバーカードを図書館カードにできるようにしてほしい陳情  2第 85号 たんぽぽ相談の広報をしてほしい陳情  2第 97号 小池都知事のカイロ大学卒業証書の公開を求める意見書に関する陳情  2第 98号 あらゆる性暴力の根絶を目指す宣言を大田区は出してほしい陳情  2第106号 大田区のYoutubeチャンネルの名前などを変更してほしい陳情 地域産業委員会  2第 74号 ふるさと納税制度の博物館、美術館の関連返礼品拡充についての陳情  2第 76号 NHK訪問員による特殊詐欺被害事案を大田区民に広報し、注意喚起してほしい陳情  2第 94号 神奈川県知事に自粛要請は東京都と同じくするように求める意見書の提出に関する陳情  2第 95号 NHK訪問員トラブルに関する大田区消費者生活センターでの相談件数調査を求める陳情 健康福祉委員会  2第 22号 「都立病院・公社病院の地方独立行政法人化の中止を求める意見書」を都に提出する陳情  2第 27号 PCRセンターの23区設置完了のニュースについてとコロナ対策についての陳情 まちづくり環境委員会  2第 54号 蒲田駅西口道路上「島」廃止を求める陳情 こども文教委員会  2第 23号 別居・離婚後の親子の断絶を防止する運用・法整備を求める陳情  2第 28号 エアコン設置について、さざなみ学校対象外の理由の回答を求める陳情  2第 29号 さざなみ学校の体育館避難所指定を検討してほしい陳情  2第 49号 学校再開後の具体的対応策の公開およびICT環境の整備に関する陳情  2第 50号 新型コロナウイルスに関わる補償についての陳情  2第 58号 学校給食での食事環境の改善を要望する陳情  2第 65号 避難所利用が想定される小中学校体育館エアコン設置について再検討を望む陳情  2第 71号 大田区の小中学校のインターネットインフラの増強を求める陳情
     2第 81号 さざなみ学校の定員割の解消のために広報などをしてほしい陳情  2第 83号 図書館間配送作業者にアシストスーツを配備してほしい陳情  2第 87号 さざなみ学校の体育館にエアコンを設置することを求める陳情  2第 89号 図書館の指定管理者による運営をより改善するようにする方策を求める陳情  2第 92号 図書館の建て替え時の仮設図書館設置に関する陳情  2第 96号 小中学校の図書館にもほかの小中学校の図書館からの貸出ができるようにしてほしい陳情  2第 99号 中央図書館機能を持つ大田図書館の老朽化対策で新中央図書館の建設を要望する陳情  2第100号 大田区児童相談所開設に向けての計画の見直しを求める陳情  2第101号 大田区の図書館に読書通帳を導入してほしい陳情  2第102号 入新井図書館の読書通帳企画の効果調査を求める陳情  2第103号 小中学校教室にコロナ対策の空気清浄機などを配備してほしい陳情 議会運営委員会  2第 31号 議会、委員会資料を傍聴者のスマホで直接見れるようにしてほしい陳情  2第 34号 請願・陳情について転載する際の提出者掲載についての確認を求める陳情  2第 35号 請願・陳情の過去の公開分の提出者名を非公開にしてほしい陳情  2第 36号 請願・陳情の住所非開示願を簡略化してほしい陳情  2第 37号 請願・陳情の詳細をホームページに掲載をしてほしい陳情  2第 38号 請願・陳情の提出方法をコロナ禍での対策で再考することを要望する陳情  2第 39号 請願・陳情の文書表をHPに公開することで貸出分のペーパーレス化を求める陳情  2第 41号 大田区議会HPに区議の公式HPへのリンクをしてほしい陳情  2第 42号 大田区議会Vtuber会議をしてほしい陳情  2第 43号 大田区議会のYoutubeチャンネル名を変更してほしい陳情  2第 44号 大田区議会のYoutube映像配信の広報に力をいれてほしい陳情  2第 46号 陳情書の取り扱いについて審査除外基準を改めることを求める陳情  2第 47号 傍聴者資料を議会前日(月曜は前週金曜日)までに区議会HPへ掲載を希望する陳情  2第 48号 本会議、委員会の音声をPodcastで配信を望む陳情  2第 59号 委員会の傍聴者に会議資料を事前に配布してほしい陳情  2第 61号 委員会についても、Youtubeでの配信を求める陳情  2第 62号 議会でのやじを議長、委員長はきちんと注意するように求める陳情  2第 63号 請願・陳情の文字数制限を緩和してほしい陳情  2第 66号 請願・陳情に趣旨採択を導入してほしい陳情  2第 68号 日本一進んでいるインターネット中継議会を目指してほしい陳情  2第 69号 請願・陳情文書表を作成する無駄な経費を削減してほしい陳情  2第 70号 請願・陳情の提出者名を匿名可能にしてほしい陳情  2第 77号 大田区議会中継をYoutubeのライブにすることを求める陳情  2第 80号 議場に大型モニターを導入して、会議などで使えるようにしてほしい陳情  2第 82号 請願・陳情の提出に押印を求めることをやめることを求める陳情  2第 86号 請願・陳情の番号割り振りを西暦に変更を求める陳情  2第 88号 傍聴者にも委員会などの資料を閲覧するためのタブレットの貸出を求める陳情  2第 90号 請願・陳情の受付を書面のほかにデジタルデータでの提出も求める陳情  2第 91号 17第17号陳情書提出に関わる陳情についての陳情  2第 93号 大田区議会は情報セキュリティセミナーなどを定期的にすることを求める陳情  2第104号 請願・陳情の採択について一部採択を導入してほしい陳情  2第105号 請願・陳情の資料省略となっている資料もPDFで公開を求める陳情               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○塩野目 議長 以上をもって本日の日程全部を終了いたしました。  お諮りいたします。明6月13日から6月21日までは委員会審査のため休会とし、来る6月22日午後1時に会議を開きたいと思います。これにご異議ありませんか。                   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○塩野目 議長 ご異議なしと認め、そのように決定いたしました。  ただいまご着席の方々には改めて通知はいたしませんので、そのようにご了承願います。  本日はこれをもって散会いたします。                     午後5時36分散会...