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令和 2年 3月  予算特別委員会−03月10日-01号

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  1. 大田区議会 2020-03-10
    令和 2年 3月  予算特別委員会−03月10日-01号


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    最終取得日: 2021-10-03
    令和 2年 3月  予算特別委員会−03月10日-01号令和 2年 3月  予算特別委員会 令和2年3月10日                午後1時00分開会 ○渡司 委員長 ただいまから、予算特別委員会を開会いたします。  この際、謹んで申し上げます。  本日、3月10日は、第30回東京都平和の日です。昭和20年の東京大空襲をはじめ、戦災で亡くなられた方々のご冥福を祈り、ただいまから、1分間の黙とうをささげたいと思います。  皆様、ご起立をお願いいたします。  黙とう。  (黙とう) ○渡司 委員長 黙とうを終わります。  皆様、ご着席願います。ご協力、ありがとうございました。  次に、このたびの新型コロナウイルス感染症拡大を受け、傍聴人が激しくせき込むなどの体調不良の症状が見られた場合、周囲への影響を鑑み、感染症拡大防止の観点から、委員長の判断により、傍聴人には退場いただくことをお願いする場合があります。  今般の社会情勢に鑑み、ご理解いただきますとともに、あらかじめご了承願います。  それでは、昨日に引き続き、第1号議案 令和2年度大田区一般会計予算、歳出の款別審査を行います。  第2款総務費の審査を続けます。  質疑に入る前に、理事者の皆様に申し上げます。質疑時間には答弁も含まれますので、簡潔な答弁をお願いいたします。また、答弁の際には、その都度、自己の職名をはっきりと告げていただきますよう、お願いいたします。  それでは自民の質疑に入ります。  岸田委員の質疑に際しまして、資料の使用を許可いたしましたので、ご了承願います。 ◆岸田 委員 今日は、先ほどの委員長がおっしゃっていたとおり、3月10日ということで、東京大空襲、約10万人の方が亡くなったということで、本当に痛ましい、戦争という大変痛ましい事件があったということなのですけれども、やはり私たちは国ではないのですけれども、地域を預かっている人たちにとってはやはりどういう政策をとっていくかというのが、やはり問われるということだと思いますけれども、今、75年前、それからやはり77年前の明治初めに江戸のまちを、当時としては救ったという勝海舟の記念館が、昨年9月に全国で初、大田区にできました。行ってみると、大変すばらしい資料がいっぱい並んではおりますけれども、もう少し見に来ていただける方が多いといいかなと、そのようなことを感じております。2月の後半の土曜日に行きまして、土曜日だから入館者がいっぱいきているかなと思ったのですけれども、無料で音声ガイドを貸してくれるのです。これも知らなかったのですけれども、行ったら、これは無料ですよと、ただです、ただで貸していただけると。大体40分ぐらいかかりますということを言われたので、お昼前に行ったので、約1時間いました。じっくり聞かせていただきましたけれども、その間に多分10人ぐらいしかお見えになっていなかったのですよ。すごい宣伝をしたり、PRをしてはいるのですけれども、土曜日にそのぐらい、午前中でしたけれどもそのぐらい。お天気もそんなに悪くなかったのですけれどもそのぐらいということで、今現在の入館者、そして寄附を募っていますけれども、どの程度集まっているのか、どの程度お見えになっているのか、まずお伺いいたしたいと思います。
    ◎丹野 観光・国際都市部副参事〔文化施設担当〕 勝海舟記念館は、昨年9月に開館以来、区内外より多くのお客様にご来館いただいております。来館者数につきましては、令和2年3月1日現在、2万2,400人、勝海舟基金へのご寄附につきましては、令和2年2月末現在、約4,530万円となっております。  ご来館者の中には、地方から来られる歴史ファンの方々や、団体でお見えになる方々もおり、土日、祝日の天気のよい日は、特に来館者数が多い状況でございます。 ◆岸田 委員 この入館者数、区はどのように考えているのか。もっといろいろな、多分取り組みをしていると思うのですけれども、どのような取り組みをしているのか、お伺いしたいと思います。 ◎丹野 観光・国際都市部副参事〔文化施設担当〕 開館後約半年がたち、多くの方々に知られてきているところですが、歴史などに関心の薄い層には、十分周知されていない面もあるようです。そのため、記念館をご存じない方々に対しては、広聴広報課が進めているシティプロモーション戦略と連携するなど、区内はもとより広く全国の方に向けて情報発信を強化してまいります。  また、既にご来館いただいたお客様に向けては、本年がちょうど勝海舟が威臨丸でサンフランシスコに渡ってから160周年を迎えることから、海外に目を向けた海舟の先見性を示す展示をアピールするほか、定期的な展示がえや、新規資料により興味を喚起するなど、何度も訪れたくなるような話題を提供し、リピーターの確保に努めてまいります。また、これまでの来館者の中心となる層は中高年層であることから、若年層の集客も増やしていきたいと考えており、特に子どもたちに関心を持ってもらえるように、子ども向けのわかりやすいパンフレットを作成し広く周知いたします。  このように、様々な来館者に沿った広報、周知をすることで、集客に結びつけてまいりたいと考えております。 ◆岸田 委員 いろいろ努力をされているのですけれども、同じような施設で、同じような施設と言い方は違うかもしれませんけれども、日本オリンピックミュージアム国立競技場のそばにできた、多分行かれた方も何人かおいでだと思いますけれども、そこの入館者、できたのが大田区の勝海舟記念館よりも1週間後のオープンが9月14日ということで、たしか12月中に10万人を突破したということも伺っております。これをどのようにお考えなのか、お伺いいたします。 ◎丹野 観光・国際都市部副参事〔文化施設担当〕 委員お話し日本オリンピックミュージアムに、私も見学に行ってまいりました。家族連れや、観光バスでの団体客の来館など、大勢のお客様でにぎわっておりました。展示につきましては、今まで開催された全てのオリンピック大会聖火トーチの展示や、過去の感動的な場面を映像で追体験できるなど、魅力的なコンテンツで構成されており、いずれの世代の方々にも興味深く飽きさせない展示がなされていると感じました。  勝海舟記念館と比較いたしますと、その規模やコンセプト、立地条件などの違いがありますが、希少性のある展示物、映像の活用、体験を伴う展示方法など、日本オリンピックミュージアムのよいエッセンスを勝海舟記念館の展示の参考にしてまいりたいと思っております。 ◆岸田 委員 ぜひ、さらに努力していただきたいと思いますし、多分、皆さんご存じだったと思いますが、東京都の広報東京都、3月1日号にやはり勝海舟記念館洗足池公園勝海舟記念館、大田区のPRが出ているのですけれども、これは区のほうからお願いして出していただいたのでしょうか。 ◎丹野 観光・国際都市部副参事〔文化施設担当〕 区では、勝海舟記念館の開館前後を通じまして、これまでに様々な媒体を活用したPRを行ってまいりました。その効果もあって、開館以来、新聞、雑誌、広報誌などから多くの取材の依頼をいただいており、話題性のある施設であるとの評判が広がり、委員お話しの広報東京都に掲載したいとのご依頼をいただきました。都の広報により、都内全域へ勝海舟記念館が知られる機会となるため、広く来館につながるものと思っております。そのほかにも、最近ではJALグループの機内誌3月号や書店に並ぶ大田区のムック本、雑誌等などについても取材があり、記念館として積極的に協力しております。  今後も話題の提供、情報発信を継続し、さらに様々な媒体で取り上げていただけるよう広報に努めてまいります。 ◆岸田 委員 ぜひ、いろいろなところに、こちらのほうから、区のほうから積極的に呼びかけていただきたいと思います。  それからもう一つ、今、東急池上線とか、多摩川線の駅にも多分貼ってあるのだろうと思いますけれども、「景勝地洗足池へ、いざ出発進行!」という、こういうガイドがあるのですけれども、これも大田区はやはり関係があるのでしょうか。駅ですと、もう貼っていないのかな、結構大きなポスターが各駅に多分貼ってあるのだろうと思うのですけれども、どのようにこれとかかわっているのか、お伺いしたいと思います。 ◎丹野 観光・国際都市部副参事〔文化施設担当〕 委員お話し景勝地洗足池ガイドにつきましては、産業振興課の商店街・個店グループモデル事業において支援対象エリアである長原・洗足池商店街周辺を取り上げた冊子で、大田区商店街連合会及び東急電鉄株式会社勝海舟記念館が協力して作成されたものでございます。  昨年度は、江戸無血開城150年の特別企画として、創作した「勝丼」、「せご丼」を楽しむ、「どんと来い!幕末・明治プロジェクト」の際にも公民連携により事業が行われました。複数部局の連携及び民間事業者等の協力により、文化振興課産業振興課が単独で行うのと比べ、相乗効果が見込まれると考えております。このような事業を通じて、実際の来客増に結びつくよう、引き続き連携を強化してまいりたいと思っております。 ◆岸田 委員 本当に、せっかくいいものをつくっていただいて、つくっただけではなく後できちんとやっていただきたいと思いますし、またいろいろな努力はされているのですけれども。ちょっと場所も狭いしということでどうなのかなというのがミュージアムショップ、単なる陳列棚みたいな感じで、売っているのか売っていないのかわからないような、本当に勝海舟に関するものだけなのです。できれば、いろいろなものを売っていただきたいなと。たまたま、これは東京都の展望室で時間があったので行ったら、おもしろそうだなというものでタブレットにも配信しましたが、こういう、これは北斎なのですけれども、洗足池はやはり川瀬巴水とか、広重とかという、そういう方々も随分関係しておりますし、今年度、来年度の企画で博物館とか記念館でやはり北斎、巴水がやりますよね。それとうまく連携しながら、例えば洗足池だけではなく、やはり大田区全部とか、例えばこういうはねぴょんバッジを売るとか、いろいろなものを考えながらやってもいいのかなと思うのですけれども、ぜひやっていただきたいのですけれども、どう考えているのか、お伺いしたいと思います。 ◎丹野 観光・国際都市部副参事〔文化施設担当〕 これまでのミュージァムグッズの販売数ですが、図録735部、クリアファイル976枚、ポストカード640枚などでございます。  本年2月には、新たに勝海舟の名言入り鉛筆を販売いたしました。委員ご紹介の葛飾北斎の富嶽三十六景のフレーム画を立体的に組み立てる3Dの模型やパズルなどは、購入後、鑑賞した作品をレプリカとしてつくることであり、自宅で手づくりできるおもしろさや記念館を思い出すきっかけとなる要素を持つ商品かと思いました。記念館においても、クリアファイルの絵柄にも使用している勝海舟の印章は、来館者の関心が高く、先日、記念館1階のロッカーにも印章のデザインをラッピングしたところ、クリアファイルの販売数も伸びております。  このように鑑賞した内容と商品とが結びつくことで、来館者の購買意欲が高まるものと思っております。委員をはじめ、記念館に来館された皆様からのご意見、アイデアなどを参考に商品開発を進め、ミュージアムショップ商品の充実を図ってまいります。 ◆岸田 委員 ぜひ、いろいろな手を尽くしてやっていただきたいなと思います。  それから、あそこの勝海舟記念館、勝海舟はなぜあそこにお墓をつくったか。どういう理由でお墓をつくったのか、中には富士を見ながら土に入りたいという言葉があるのですけれども、まさにそのとおりのなのか。ただ、今の時期、ちょうど私、写真を撮ってきまして、タブレットに配信していますけれども、ちょうど富士山が見えるのです。ところがお墓の前からですと、今の時期なら見える、よく見ると、天気のいい澄んでいる朝、また夜もシルエットで見えますけれども、朝、夕方などは見えるのですけれども、これは木が茂ってくると見えなくなってしまうのです。これをどう思っているのか。できれば木を切ってしまっていただき、年中、勝さんがお墓から富士山が見えるようにしていただきたいのですけれども、どのように感じているのか、お伺いしたいと思います。 ◎保下 都市基盤管理課長 勝海舟に関する文献によりますと、海舟夫婦が眠っているあたりは、区立大森第六中学校の敷地を含めて海舟の所有であったと示されております。また、富士を見ながら土に入りたいという言葉につきましては、海舟がかねがね側近にそのように遺言として言っていたこと、また御松庵の住職様にも頼んでいたことなどが伝承として伝えられております。墓所につきましては、東京都から区へ所有権が移り、現在の洗足池公園に至ってございます。  また、洗足池公園は、近景、遠景が整った公園として、東京都指定名勝となり、勝海舟のお墓から富士山を眺める景観も重要な視点と認識してございます。  四季の移りかわりの中で、公園にある木々に新たな緑が芽吹き、生き生きと青葉が育ち、紅葉、落葉していく中で富士山が見え隠れすることも一つの自然がもたらす風情ある景観であると思ってございます。  区としましては、近景、遠景の整った洗足池公園を今後も保全、活用するため、下枝を剪定するなど適正な樹木の維持管理の中で、眺望にも配慮した公園管理に努めてまいります。 ◆岸田 委員 やはり、冬場だけではなく、夏場というか、もうぜひ天気のいい日は見えるようにしていただきたいと思います。また、ちょうど西を向いているわけです、富士山のほうを。建築の、やはり建物の高さ制限などもきちんとやっていただきたいと思いますけれども、どのようにお考えなのかをお伺いしたいと思います。 ◎保下 都市基盤管理課長 洗足池公園周辺地域は、南側の中原街道沿道の地域を除いて、第一種低層住居専用地域に指定されており、建築物の高さの限度が10メートルと定められております。加えて、風致地区にも指定されているため、現在も良好な低層の住宅地が形成されております。さらに、大田区景観計画におきましても、洗足池公園勝海舟記念館は、景観形成上重要な景観資源として指定されていることから、引き続き周辺地域の良好な景観形成の誘導に努めてまいります。 ◆岸田 委員 やはり、ぜひ、勝海舟の富士を見ながらという、この言葉にきちんと対応していただきたいと思います。  それから、タブレットに写真を配信していますけれども、お墓の前に岩があるのですけれども、これはどこから来た、何の岩なのだか教えていただきたいと思います。 ◎丹野 観光・国際都市部副参事〔文化施設担当〕 勝海舟夫妻のお墓の前の岩につきましては、平成30年度、勝海舟記念館の開館に向けて墓所周辺を整備するにあたり、設置されたものです。1860年に勝海舟が威臨丸で太平洋を航海し、サンフランシスコに渡ったことは有名です。岩のモチーフは、太平洋に浮かぶ島ということで、それは、まさに日本をイメージしているものと思っております。勝海舟記念館へ来られたお客様には、隣接する墓所への案内表示をしていることもあって、墓所を訪れる方が多くおり、この岩のデザインや洗足池を紹介することで、この地区全体の魅力を引き出すことにつながり、記念館来館の思い出が膨らむものと思っております。 ◆岸田 委員 全然、私はわからなかった。ここ、この岩、ひょっとして勝さんが腰かけた岩かなと思っていたのです。やはりちょっとおもしろおかしく、おかしくという言い方はあれですけれども。やはりそういうある程度言い伝えではないことも使いながら、ここは勝海舟が腰かけた岩だということをちょこっとどこかに書くとか、そういうこともおもしろいのかな。そういうことを利用しながら、やはり話題性をつくって皆さんに来ていただけるというのも、一つの方法だろうと思います。ぜひ、考えていただきたいと思いますし、今、先ほどおっしゃっていたようないきさつはどこにも書いていないのです。来た人は単なる岩が置いてある、それしかわからないし、何だろうなで終わってしまう。そうではなく、やはりちょっと、やはりもっと丁寧に、本当のことを書くのもいいですし、ちょっと変わったことを書くのも話題性をつくる面ではいいなと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。  それから、やはりもう一つ、今日もお天気がよければ庁舎の前に日の丸が揚がって、国旗が揚がっていたのだとも思いますけれども、やはり勝海舟記念館、やはり国旗を揚げていただきたいなと思います。ちょっと寂しいなと、せっかく私たちのこの東京のまちを救ってきた方に対する礼儀として、ぜひ国旗を揚げていただきたいと思います。よろしくお願い申し上げます。 ○渡司 委員長 次に、長野委員の質疑に際しまして、資料の使用を許可いたしましたので、ご了承願います。 ◆長野 委員 平成14年度予算についてお話をさせていただきます。  平成14年度当初予算額は1,862億7,593万4,000円となっています。これは質問ではありませんが、この予算額について何か皆様お気づきになることはありますでしょうか。ぜひ、ちょっとこの予算額、数字をメモにとっていただきたいのですけれども、1,862億7,593万4,000円。  (「2,000ではないの。」と呼ぶ者あり) ◆長野 委員 いや、1,000です。1,862億7,593万4,000円。  平成14年、2002年は、学校完全週休2日制がスタート、千代田区では全国に先駆けて歩きたばこ完全禁止が条例化され、大田区では多摩川にあらわれたアザラシの「たまちゃん」が話題となった年です。実質的な予算編成業務を行っていた2001年は、9月に同時多発テロが起き、失業率が5%を超え、年間倒産件数が2万件に迫るなど、日本経済も低調にあえいでおりました。  この予算額1,862億7,593万4,000円は、同じ数字を二度使うことなく、全て違う数字で構成をされています。平成以降の全ての予算案の数字を見てみましたがこれは、この年のみにあらわれている非常に珍しい現象です。これは、一説には、マージャン好きで知られた西野区長が、当時の暗い世相や停滞した経済状況の中で、あえて一気通貫、打破しよういう心意気のあらわれではないかと、公式に認められたわけではありませんが、推察するところでございます。  国も1953年から96年までの間は、一般予算の語呂合わせをやっておりましたが、当時の西野区長のちょっとしたちゃめっ気と言いますか、ご本人のキャラクターが予算額の数字に隠されていたということで、これ自体は、区政や区民に何か影響を及ぼすような類いのことではないのですが、ドライになりがちな行政の事業や業務に何となく血が通っているような、温かみを感じるいたずら心のように思います。ただ与えられた業務をこなす中でも、少し知恵を絞り工夫をする余地があるだけで、その業務、または事業に個性が生まれ、仕事への愛着が育まれるようになります。物事にはハードとソフトがあるように、働き方改革では勤務時間、就労環境の効率化という量的側面の改革と、内容、働きがい、やりがいという質的な側面の改革が必要です。さきの西野前区長の遊び心による予算額のからくりは、時間としてはわずかかもしれませんが、本来かけなくても済む時間と労力を増やしました。しかし、これに携わった職員の方々の記憶に残る平成14年度予算を産んだわけです。  こういった遊び心は一見無駄な労力に思えるかもしれませんが、こういう余力や余裕を常に一定程度持っておくことが、緊急時の対応などにおいての余力となります。公務員と言えども人間であり、一度しかない人生をこの仕事にささげているわけですから、自分がそこにいた痕跡を区政の中にわずかな形にでも残すことができるような、言いかえればその人の情熱や個性が生かされる仕事ができるような行政風土をつくっていただきたいと思います。  区政の硬直性や無機質性、柔軟性、躍動性の欠如が指摘されることはしょっちゅうであり、法と条例に定められた事務を執行するという行政としての性質上仕方ない部分、守らなくてはいけない一線はあると思いますが、今の大田区政のあり方がこのままでよいのかと危機感や閉塞感を感じているのはここにいる議員だけでなく、職員、区民の間でも渦巻いているのが事実であります。大田区行政の躍動感のなさの原因の一つは、乱立している各種計画、プラン、ビジョンの類いの作成と、多過ぎる協議会、審議会、推進会議などにあります。  現在、本区には大田区基本構想をはじめとして、幾つの計画、プラン、ビジョンなどがあるのでしょうか。 ◎鈴木 企画調整担当課長 区では、大田区基本構想を頂点として、各行政分野の課題解決を図り、計画的に事業を推進するため、各種計画やビジョン、方針等を策定しております。3月1日現在、定期的に見直し、改定を行う計画等、進捗管理を行っている計画等は91件ございます。 ◆長野 委員 もちろん法定で定めなくてはいけない計画や、区政運営上必要不可欠なものも多数あるのは承知しておりますが、これだけ多くの計画の類いが存在していて、それを全て冊子化し、定期的に進捗状況の報告をつくって自己評価し、物によっては期間の折り返しがくれば見直し計画を立て、終わりが近づけば次の計画の策定作業に入る、となれば、計画作成に費やされる事務負担は非常に膨大で加重なものであると言わざると得ません。  例えば、5年ごとに改定を行っている大田区文化振興プランを例にとり、計画の策定経過、推進協議会の運営、中間の評価や見直し、次期計画の準備に至るスケジュールとコストをお示しください。 ◎北村 文化振興課長 平成31年3月に策定した文化振興プランですが、プラン策定に先立ち基礎資料となる区民向け、団体向けの大田区文化振興のためのアンケート調査を平成29年度に実施しております。その結果を踏まえ、平成29年10月に、文化振興施策を推進するにあたり必要な事項を検討するため、学識経験者区議会議員区民公募委員などを委員とした大田区文化振興推進協議会を組織するとともに、第1回目の会議を開催し、その後、平成31年2月まで6回開催しているところでございます。  作成に要したコストについては、委員報酬費アンケート、策定支援の委託費など、2年間で約1,200万円を執行いたしました。計画策定に携わった人員は、アンケート調査には係長1名、計画策定には主査1名が主に担当いたしました。現プランでは、検証のために毎年事業を選択し評価を行っていく予定でございます。  また、次期プランは、現プランの計画期間終了前に会議体を立ち上げ策定することになると思います。 ◆長野 委員 後ほど、文化振興プランについては改めて取り上げますが、5年間のプランの策定に2年間1,200万円のコストがかかっています。この膨大な労力と時間に並んで大きな問題だと感じるのは、これらの計画に追われながらの業務が常態化することの弊害として、今現在でできそうなこと、ルーティンでやることが決まっていることばかりを計画に書くようになり、結果的にチャレンジする余地が失われ飛躍や変革が生まれないようになっているのではないかということでございます。  現実に、各種事業の達成度評価や進捗状況などを見ても1や2の低評価が極端に少ないのは、堅実に定められた業務をこなしている一方で、先進的な取り組み、野心的な取り組みが少ない証拠でもあります。そうは言っても、達成度が低いとあなたたち議員が噛みついてくるではないですかと言われるかもしれませんが、議員が低達成度のものに噛みつくのは、できるものしか載せていないのに、やらなくてはいけないことしか載せていないのになぜできないのかという内心の不満があるからでして、難易度の高い目標を掲げての挑戦が苦戦をしていれば、喜んで一緒にブレイクスルーを考えるはずですし、まさにその解決方法を議論するのが各委員会だと思っております。ぜひ、各種計画類の1割程度は、現状では達成難易度の高いチャレンジ枠の目標を立て、それを克服するためのブレイクスルーを行った職員や、それを助けた幹部職員が評価される行政文化を確立していただきたいと思います。  また、計画策定に携わるのは優秀な職員が多いのでしょうから、計画の期間を4年から5年などではなく、6年から8年程度とできるだけ長くとり、作成、評価業務の負担を軽減し、計画作成ではなく目標達成にしっかり腰を据えて注力できるよう人事の柔軟化と職員リソースの有効活用に取り組んでいただくようにお願いいたします。  続きまして、各種協議会、審議会、推進協議会についてですが、現在、これらの会議体は全部で幾つ存在するのでしょうか。 ◎中澤 総務課長 区では、公正で開かれた区政運営を図るとともに、専門的な知見を得るため、法令または条例の定めるところにより、区の附属機関として審議会等を設置しております。こうした各部局が所管する審議会等は、その設置目的に基づき、個人情報の保護に関するものから都市計画に関するものまで多岐にわたっており、現在条例に基づき設置する審議会等につきましては35の会議体がございます。  また、これとは別に区政運営や諸計画の策定にあたって区民、有識者、また関係団体等の意見を聴取するために設けているものとして、毎年度、変動はございますが、昨年度末でおおむね41ございます。 ◆長野 委員 各種会議体の構成委員についてですが、選定のプロセスはどのようになっているのか、専門性の担保などはどのように判断されているのかお聞かせください。 ◎中澤 総務課長 構成委員の選定にあたりましては、一般的に審議内容の専門性を踏まえ、公募の可否を判断しているところでございます。  公募によらない場合においては、自治会・町会等の地域団体や区と連携を取っている関係機関、団体等から推薦を受けるなど、公平性を担保しつつ公正な選定を行っております。委員構成につきましても、男女共同参画の視点を踏まえるようにしているところでございます。  また、専門性の担保につきましては、大田区政に対する高い関心があることを大前提に、会議体それぞれの設置目的に沿った知見や資格を備えるとともに、その分野における経験や経歴などを総合的に勘案し、判断しているところでございます ◆長野 委員 これらのものも、もちろん法令上必要なものや有意義に機能しているものもありますが、やはり職員の業務に充てる労力の配分を考えると負担感も多く、整理できるものについては検討が必要ではないかと感じます。多くの場合、その会議体の座長になることが多く、議論の方向性に大きく影響を与える有識者選定のプロセスも、事前に所管委員会での議論に付すなど、透明性、説得力を確保するための検討をお願いいたします。  また、その会議体での議論の内容が議会での議論にどれだけの影響力があるものなのか、議会で質問した内容に対して、現在行っている諮問会議の結論を待ってからといった答弁を耳にすることもありますが、これらの協議体の合議内容が議会での議論に優越するものなのか、そのあたりの整理について見解をお答えください。 ◎中澤 総務課長 委員お話しの諮問会議等につきましては、一部の審査請求における裁決権を有するものなどを除きまして、執行機関が事業実施等における意思決定の過程において区民の意思を十分反映させるとともに、専門的知見等を得るため意見を求める会議体でございます。  区では、こうした諮問会議等からの意見や答申を参考として、行政内部の意思決定を行っているところでございます。  諮問の事案が条例案の策定や改正など、議会のご審議に付される場合につきましては、議会へご提案させていただき、ご議論、ご決定をいただくことになるものでございます。 ◆長野 委員 今回は詳しく触れることはしませんが、各種表彰事業についても、それが本当の、本来の区の施策目標達成のために必要なものなのか、表彰自体がルーティン化して陳腐化していたり、特定の個人、事業者の満足に終わっていないか、よく検証するとともに、どうしてもやるというのであれば数を絞り、施策目標を明確に定め、その目的にかなうものにしない限りは、それにかける労力、時間等のコストに見合わないと感じますので、一度立ちどまり、見直しと精査をしていただくことを求めます。  美術品の収蔵保管場所についてお伺いいたします。  次年度予算案には、絵画等保管拠点の維持管理として9,931万8,000円が計上されています。この区の収蔵保管する絵画等美術品の保管庫については、現在保管しているふれあいはすぬまの設備更新により新しい保管場所を探す必要が生じたとして、当初製造業等の誘致を目的として産業支援施設である三井不動産インダストリアルパーク羽田の一区画を占有して保管庫とする話が、地域産業委員会にも報告をされました。私は当初よりこの考えには明確に反対しておりましたが、ふれあいはすぬまの建て替えが迫っているとして、やむを得ない判断であると説明を受けておりました。  しかしながら、先日の委員会では、この三井不動産インダストリアルパーク羽田への移転は撤回するとの報告を受けました。この経緯について、ご説明を願います。 ◎北村 文化振興課長 絵画等の収蔵庫に必要な条件は、一定の広さが確保できること、大型の絵画もあることから天井高が高く、大型のエレベーターがあること、適切な温湿度管理ができることが必要と考えました。三井不動産インダストリアルパーク羽田は、工業系利用施設として新設され、倉庫としての要件も満たしていたことから整備の検討に入りました。その上で、収蔵を第一義的にしながら、区民還元として可能な範囲で美術品を見せられる機能についても検討を進めてまいりましたが、区民への還元策がどうしても制限的になることや、施設を活用して展開できる文化事業などを総合的に判断し、この施設での整備は見送る判断をいたしました。 ◆長野 委員 予算事項別明細書の123ページには、先ほど述べましたとおり絵画等保管拠点の維持管理として約1億円の予算計上がなされておりますが、この金額は三井不動産インダストリアルパーク羽田への移転経費でしょうか。 ◎北村 文化振興課長 予算は、収蔵庫に必要な条件を満たす施設として、東京モノレール整備場駅近くの民間の倉庫を想定し、整備に必要な予算を計上いたしました。 ◆長野 委員 お答えにあった整備場駅付近の民間施設が候補地となった経過、理由をお示しください。また、いつ契約をして、何年間この場所、または三井不動産インダストリアルパーク羽田を利用する予定であったか、人員は常駐させるのか、今後の収蔵計画はどのようにする予定であるか、お答えください。 ◎北村 文化振興課長 絵画等の収蔵に必要な広さや天井の高さ、大型エレベーターなどハード面での条件や、用途地区の制限など文化事業の展開のしやすさというソフト面を検討し、想定施設として令和2年度に必要な額を計上いたしました。  施設の使用期間は、現時点であらかじめ期限を定めているわけではございません。また、施設を借りる場合の一般的な契約は、予算成立後、契約手続きを進め契約することになります。  今後の収蔵計画ですが、区が所蔵する寄贈絵画等の適切な収蔵、保管環境を確保することを一義的にしながら、可能な範囲で区民の鑑賞機会等の区民還元を考慮してまいりたいと考えております。運営方法などは、施設整備について多角的に検討する中で、人員なども具体的に固めていくことになると考えております。 ◆長野 委員 私も、1期目当初より大田区の文化芸術施策については何度も質問をしておりましたが、今回出てきました美術品の一般への一部公開という話は非常に唐突のように感じます。  それ自体は悪いことだとは思いませんが、どこで、どのような議論を経て、どのようなレベルのものを想定しているのか、経緯と想定している公開方法、規模等についてお教え下さい。 ◎北村 文化振興課長 昨年の春ごろ、三井不動産インダストリアルパーク羽田の計画があり検討を始めたところでございます。  また、整備に一定の費用をかける中で、区民に絵画を見ていただくなどで可能な範囲ではありますが、どのような区民還元を行うかなどを検討してまいりました。寄贈絵画等の公開方法は、基本的には区民ホールアプリコや大田区民プラザの展示室など既存施設等を想定しておりますが、整備施設内においても可能な範囲で公開することを検討してまいります。 ◆長野 委員 新しい取り組みをすることは、私としては大歓迎です。大いに応援したいと思いますが、それはその事業に対して十分な情熱と目的意識を持った上で発案されていなくては単なる思いつきと行き当たりばったりにしかなりません。特に今回の美術品保管庫については、大田区の文化芸術施策の大きな柱にならなくてはならない重要な案件でありまして、この迷走ぶり、適当ぶりには当選当初より文化施策について繰り返し質問もし、関心を払ってきた私としては看過しがたいものがあります。  文化振興プランでは、基本目標1の施策方針1、文化活動の基盤の整備で出前型の文化・芸術事業や講演を充実させることや、区が保有する芸術作品を一時的に民間施設に貸し出すことで、文化活動の機会と文化を享受する機会の両方を満たすことができますとし、基本目標2の施策方針2でも、展示スペースと展示機会の拡充の項目の中で、区施設の合築、複合化、再編などによる余剰スペースの活用や、民間施設の活用をあげていますが、今回の方針との整合性について、どのようにお考えでしょうか。 ◎北村 文化振興課長 文化振興プラン策定時において、大田区所蔵美術品の活用が十分でないとの認識が出発点にあり、大きくは確実な収蔵と展示機能の充実を図る必要があると考え方針に掲げました。実際の施策を進める中で、全く文化振興プランのとおりというわけではございませんが、区が保有している美術品の様々な展示機会の方法を示しており、収蔵と展示をバランスよく展開するというプランの考え方に沿って計画を進めていると考えております。 ◆長野 委員 収蔵と展示をバランスよくという大きなくくりの話であれば、その中におさまるのでしょうが、各項目から見てとれるのは分散展示であり、私は絵画保管拠点の新規整備は逆の方向性であると思います。  展示、公開を事業目標の中に含むのであれば、集客施設としの活用も考慮すべきだと考えますが、三井不動産インダストリアルパーク羽田にしても、整備場駅付近の施設にしても、非常に一般の方が訪れにくい立地であると思います。プランの基本目標3の推進施策3で文化施設の回遊性の創出をプラン全体の中でも特に重点施策と定めておりますが、既存の各種記念館、郷土博物館や民間の文化関連施設などとの回遊性、動線については考慮されているのでしょうか。 ◎北村 文化振興課長 収蔵庫に適した広さや天井高などの条件を備えた倉庫等の施設は、区の内陸部にはなかなか捜すことが困難であり、収蔵条件を満たす施設の選択を優先しておりました。そのため、既存施設や民間施設などとの回遊性や動線などの検討は、十分満たせない部分もあるかと思います。 ◆長野 委員 美術品管理のために1億円の寄付金があったはずですが、これについて教えてください。 ◎北村 文化振興課長 昨年12月に、絵画等の保管環境が十分でないことをご存じの区内在住の美術関係者から、絵画収蔵環境の整備に活用してほしいと1億円のご寄付をいただきました。寄付金は基金として積み立て、寄付者の意思を尊重した活用を行ってまいりたいと思っております。 ◆長野 委員 想定された整備場駅近く施設の賃借料が年間約3,000万円で、5年間たてば1億5,000万円、今回予算計上されているメンテナンスセンターへの初期費用が約1億円、これに美術品の保管環境保持のために寄せられた寄付金1億円を加えれば、それだけで3億5,000万円で、新規に美術品収蔵、展示施設をもっと利便性のよいところに建てることもできると思いますが、いかが考えられましょうか。 ◎北村 文化振興課長 絵画等の収蔵環境がよいとは言えないため、早期に収蔵環境を整えたいとの思いで整備に関する検討を行ってまいりましたが、今回、一度立ちどまり、さらに多角的な検討を行うために、三井不動産インダストリアルパーク羽田での整備を見送りました。  具体的には、立地や整備期間、絵画鑑賞の機会の創出の有無、賃借する場合と新設する場合の比較検討、将来の状況変化への対応など様々な要素の検討、精査を行い、できるだけ最適となるよう計画を進めてまいる覚悟でございます。 ◆長野 委員 大田区の文化芸術施策において多額の予算がかかり、今後においても長期的に大きな影響を及ぼすようなことが、文化振興プラン作成の時点で全く想定されていなかったということになります。現プランの発行日は、平成31年3月です。昨年の3月です。これではあまりにも行き当たりばったりで、プランの意義すら問われる事態であると考えます。プランにないことをしてはいけないとは全く思いませんし、変革やチャレンジはよいと思うのですが、周到な計画と文化施策に対する情熱、熱意が全く感じられません。大田区の文化芸術施策はそれでよいとお考えでしょうか。 ◎北村 文化振興課長 収蔵や展示をどこで行うかというハードの分野にシフトした検討が重視され、収蔵作品を区民にいかに鑑賞してもらい、作品の本質的な価値を引き出す工夫など区民に向けた熱意が伝えられなかったものと思っております。  今後、展示や作品の活用については、誰に向けて見せるのか、魅力的に作品を見せる方法はどのように行うか、作品に触れた方の感性をどのように引き出させるかなど、美術品の本来の活用についても検討を加えてまいります。 ◆長野 委員 実のところを言いますと、私もこの文化振興推進協議会の委員として、現行プランの策定に関わっておりました。ただ、地域産業委員会の副委員長の充て職として、前任の高山委員からの引き継ぎで後半3回のみの出席であり、引き継いで2回目の協議会では既に素案が取りまとめられている状態でしたので、実質的には区民説明やパブリックコメントなど、公表プロセスに関わる部分での参加でしかありませんでした。  本協議会の開催は、平成29年10月30日に始まり平成31年2月8日までの1年3か月の間に議会選出議員の交代を挟みながらわずかに6回、それと並行し学識経験者2名と区関係者7名が参加する文化施設のあり方分科会という謎の会議が、協議会とは別に3回ほど行われています。この分科会での議論の内容は承知しておりませんでしたが、これを推進協議会の議論と切り分けて行う理由についてお教え下さい。 ◎北村 文化振興課長 文化振興プランをつくる上で、現状の施設の状況を確認しておくことや、今後の文化施設のあり方を検討しておく必要がございました。分科会では、大田区の文化を振興する上で、ホール系、展示系、区民活動系ごとに施設が目指すべき方向などを議論していただきました。その結果は、本会である大田区文化振興推進協議会にフィードバックし、全体の論議に反映いたしました。 ◆長野 委員 まさに今回問題になっている文化施設のあり方をそこで話し合っていたわけで、発展的な展望や、こういった大きな動きを想定して盛り込むことができなかったということになります。  素案も行政が作成する上、実質の重要な議論を別のところで、職員のみで行うのであれば、なおさらこの協議会自体何のために行うのか、意義が問われますがいかがお考えでしょうか。 ◎北村 文化振興課長 職員は、長期計画や各プランとの整合性や、事務事業の継続性を担保するなどの役割を果たすために、区職員の参加は必要と思っております。一方で、委員お話のように、職員が実際に芸術や美術の現場に携わる方や、美術・芸術に造詣の深い方から、文化・美術の潮流や現状などの率直な意見をいただくことも重要であり、新たな面、現代の動きを捉えた文化の提言などが得られるものと考えられます。
     職員だけでは気づかないご意見をいただくことも可能となるため、次期プラン策定の際には、幅広い視点や多くの意見を取り入れられるようつなげてまいります。 ◆長野 委員 広範な意見を聞くことが大切なのは改めて言うまでもありませんが、その意見を取捨選択しながら何を優先づけて実行していくか、行政に与えられた役割であり、大きな目的達成、ビジョンの実現という最終目標へどのように近づいていくかを示すのが各種計画やプランになると思います。  昨今の大田区の行政を見ていると、計画が乱立している割には、腰の定まらない案件が増えているように感じます。今回、美術品収蔵庫の問題を殊さら取り上げましたのは、ご答弁いただいた北村課長には大変申しわけありませんでしたが、あくまで一例として取り上げたにすぎません。区として、方針として打ち出しているのであれば、優秀な職員たちのフレッシュな発想と情熱を生かせる環境をまず整えて、見識と意識を持った方々が自由な議論のできる協議会を用意し、真剣で綿密な話し合いを経て、明確な理想とそのプロセスを打ち出すようにしていただきたい。その上で、自信を持って強力な体制を組み、全力で施策実行にあたる、途中でふらふらせず、目標実現を目指す。そこのところの信頼性に欠けると、様々な場面で迷走を招いております。柔軟なのはよいことですが、優柔不断では困るのです。  計画が骨格なら、予算は血液です。計画の実効性、遂行能力に疑念が生じる状態では、予算案にもろ手を挙げて賛成することはちゅうちょせざるを得ません。区長。区長、私が何を申し上げているかおわかりになると思います。私は、腹をくくっております。しっかりと行動で示していただけるよう、よろしくお願いいたします。  今回は、私としましても、ここまで申し上げた手前、次期文化振興プランに反映できるよう、もしくは大田区の文化芸術振興の環境整備と推進力になるよう、提言なり条例案なりを、この場にいらっしゃいます議員の皆さん、使命感を持った行政職員、区内外の文化活動に携わる方々と勉強会を立ち上げ、調査研究を重ね形にしていきたいと思いますので、何とぞ皆様にもご協力をいただけますようお願い申し上げます。  最後に申し添えたいのは、この文化振興プラン、見ていただければわかると思いますけれども、非常に装丁が美しくて中身も見やすいのです。これはプランの機能だけを考えれば、余計な手間とコストなのでしょうが、誰の目にもこれが文化振興のためにつくられた冊子であるということが伝わります。冒頭の西野区長時代の予算の話に通じますが、これも一つの個性であり、作成に当たられた職員のこだわり、心意気を感じます。この気概はぜひ大切にしていっていただきたいと思います。  苦言ばかりになりまして、後味が悪くなりましたので、最後に口直しで勝海舟ととんかつについて質問をいたします。  現在新型肺炎の感染拡大を防止するため、観光関係の業務は大幅に制限を受けていると思いますが、このタイミングをうまく有効活用して、人の動きが再開したタイミングで次に一手を打てるように知恵を出し合い、準備する時間に充ててほしいと思います。  大田区は蒲田を中心に、近年、急にとんかつのまちとして注目されるようになりましたが、この機を捉え、「かつ」つながりで全区的なプロモーションと雰囲気づくりをしていってはいかがかと考えます。洗足周辺は勝海舟記念館の知名度もあり雰囲気づくりもできてきているとは思いますが、まだ全区的な盛り上がりや認知度向上にはいま一つのように感じます。同時にとんかつという大田区に新しく根づき始めたグルメのプロモーションも同時に展開することで、定着しなかった餃子のまち蒲田を挽回してほしいと思いますがいかがでしょうか。 ◎吉川 観光課長 委員お話しのとおり、大田区は蒲田を中心にとんかつのお店が注目されてございます。そのような中、大田区におきまして外国人観光客の方を対象にガイドツアーを実施したところ、とんかつを軸にしたときの誘客率が、その他のコンテンツに比べて高いことがわかりました。特にブランド豚を使用したとんかつに興味がある外国人観光客が多く、区内の回遊の際にとんかつを召し上がることで満足度が上がり、友人、家族に勧めたいという声もいただいてございます。  また、区内のホテル関係者を対象に、勝海舟記念館や池上本門寺などの観光コンテンツの周知を目的にツアーを行いまして、とんかつの試食を行いましたところ、ほとんどの参加者が積極的に宿泊者にとんかつを勧めたいとのご意見をいただいてございます。  このような高評価があるとんかつの魅力を、グルメパンフレットや大田区公式観光サイトなどで発信し、商店街及びホテル等の観光事業者の協力を得るとともに、シティプロモーション担当とも連携いたしまして、区内の観光客回遊促進につなげてまいります。 ◆長野 委員 非常に先見性に富んだ、もう既にとんかつについて取り組んでおられたということで、非常に吉川課長のやはりそういった個性が光っているのかなと思って、私は非常にうれしく思います。  海舟は幕臣でありながらその類いまれなる先見性と生来の面倒見のよさから、多くの商人や実業家とも交流がありましたが、勝を慕った実業家の一人に新潟県上越高田の米農家、川上善兵衛がいます。川上善兵衛は、当時河川氾濫や豪雪で思うようにならない米農家の生活の糧を模索している折りに、海舟の勧めでワイン用のブドウ栽培に取り組み、品種改良を重ねて日本初の国産ワイン用品種の開発、栽培に成功いたしました。川上善兵衛の始めた岩の原葡萄園は現在も上越市で営農しており、平成27年には日本ワインコンクールにおいて金賞二つを含む8部門での受賞に輝くなど高い評価を受けております。勝海舟ゆかりのワインを区内飲食店で販売し、とんかつ、ワインという勝海舟をキーワードととした観光、情報の発信をしてみてはいかがでしょうか。 ◎吉川 観光課長 観光客の回遊を向上させ、滞在時の満足度を高めるためには、食は重要なポイントであると認識してございます。今後は、商店街の方々と協力し、連日行列ができるような集客力のあるとんかつを軸に、勝海舟とのエピソードを交えながら、食とは切っても切れないワインなどのお酒を楽しめる具体的な情報を発信し、区商店街連合会等と連携いたしまして、観光客の消費向上につなげてまいります。 ◆長野 委員 先ほどの岸田委員のご質問でもありましたけれども、なかなか勝海舟記念館のお土産コーナーを充実するというのは、私も非常に手こずって難航しておりますので、ぜひ、その別のところでやっていただけるのであればやっていただいていいと思います。何度も勝海舟記念館のお土産も質問をして、やっとエンピツがそろったということで、非常に私も喜んでおりますので。  大政奉還後、江戸幕府は終えんを迎え、海舟が仕えた15代将軍徳川慶喜は、駿河の国、いまの静岡県に転封となりました。400万石を誇った天領は70万石へと大幅な減俸となり、慶喜につき従って駿河の国に移った幕臣たちは窮乏を余儀なくされました。このかつての幕臣たちの窮状を救うべく勝海舟のアドバイスで開墾を始めたのが、現在は日本一の生産量を誇る牧之原台地の緑茶生産です。勝海舟、西郷隆盛も意外にもほとんどお酒を飲まない下戸同士だったと言われますが、お酒を飲まない方に対しては、海舟ゆかりの緑茶を勝茶などという縁起物のお土産として、区内各所で販売してみてはいかがかと思います。  これは別にお茶やワインを売ることが目的ではなく、あくまで区のプロモーションツールとしての活用し、盛り上げていく素材としていくことができないかという提案です。今年は感染症対策として洗足池の桜の時期という絶好のプロモーション機会を逃してしまいましたので、ぜひ今の時間を使ってご検討いただけたらと思います。  「行蔵は我に存す、毀誉は他人の主張、我に与らず」、自分の行いはみずからの信念によるものである。けなしたりほめたりするのは人の勝手であるという勝海舟の最も有名な一言です。信念と自信を持って行動し、他人の評判などに振り回されず確固たる意志を貫き通す、それにはそれだけの準備と覚悟が必要です。しかし、その中には一筋の血が通い個性といいますか、人間臭さが感じられないと単なる計画のための無機質で機械的な行政になってしまいます。ぜひとも、勝海舟に倣い、揺るぎない自信とかたい信念、そして個性の光る行政に生まれ変わっていただくことを願って質問を終わります。 ◆深川 委員 自由民主党大田区民連合の深川幹祐でございます。総務費、少し長目かと思いますが、おつき合いいただければと思います。  まず、初めに新型コロナウイルスが大きく影響しまして、昨日もダウが大きく下がる、そして日経平均は今日半落のところから戻って、少し今戻ったというところでございますが、日本経済にとっても予断を許さないという状況が続いているところでございます。区内の飲食店をはじめとする様々なところに影響が出ているということは、私も実感をしているところでありますので、この後、議会のコロナ対策本部からの要請も含めて、ぜひ、全庁として引き続きの新しい策も含めて検討をいただいて、万全を期していただきたいと思います。  まず、毎年4月に行われております大田区子どもガーデンパーティーが中止となったと聞いておりますが、その経緯について、まずお聞かせいただきたいと思います。 ◎金子 青少年健全育成担当課長 子どもガーデンパーティーの開催にあたり、毎年ご尽カを賜っております皆様方には、この場をおかりいたしまして厚く御礼を申し上げます。  令和2年4月26日に開催予定をしておりました第69回大田区子どもガーデンパーティーは、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、青少年対策地区委員会会長会との協議の結果、やむなく中止とさせていただくことになりました。  主な中止の理由は、新型コロナウイルスの収束見通しが立っていない中、各会場の実行委員会などの準備のための会議が中止、または縮小となっており、十分に準備を進めることができないこと。さらには、協力団体の皆様から開催に対する不安の声が多く寄せられていることでございます。 ◆深川 委員 今、ガーデンパーティーを例にいたしましたけれど、様々なイベント行事等が今休止に追い込まれている、その事前の会議ができないというところが、今の現状なのかと思っております。そういった意味で、今、なかなか皆さんで集まって会議というのは難しいかもしれませんけれども、今年度、そして来年度という部分で、振り返りも含めて、イベントを大きく見直す時期に来ているのではないかと思っております。特にガーデンパーティーについては始まってから70年以上経過をしておりまして、当初の趣旨は大いに賛同するところでありますが、現在のニーズにマッチしていない部分が多く見受けられると思っています。この点、この大田区議会で視察に行ったドイツのミュンヘンにおけるミニ・ミュンヘンの取り組み、そして同趣旨で開催されている平成27年に地域産業委員会で視察をしました土佐市のとさっ子タウン事業、それと私と渡司議員が視察したミニいちかわの取り組みにつきましては、この大田区議会でも提案をさせていただいております。そういった意味も踏まえて、今までどおりに開催するのではなく、一度立ちどまるときと考えます。また、テレワーク、スマートワークの取り組みもこの新型コロナウイルス対策によって注目を浴びております。  今般の新型コロナウイルスの感染拡大防止の対策の一つとして、大田区職員の時差出勤制度を拡充するとの報告を受けましたが、その実施状況について伺いたいと思います。 ◎須川 人事課長 出勤、退勤時の混雑する公共交通機関の利用を回避することを目的に、今月から、職員の時差出勤を拡充し勧奨しております。内容としましては、通勤手段として公共交通機関を利用している職員を対象にしまして、出退勤時間を前後1時間30分までずらすことができるものでございます。これにより、午前7時から午後3時45分まで、また午前10時から午後6時45分までの時間帯の勤務が可能となります。  実施状況でございますが、3月6日までの1週間で実施者数は320名となってございます。 ◆深川 委員 こうした課題については、迅速に取り組み、課題を抽出することが理想の労働形態の実現というべき公務員のあるべき姿であると思っております。しかしながら、無理強いをしてやらせる必要はなく、真に必要と思われる方々には積極的に活用していただきたいと思っております。  続いて、行政系人事任用制度改正による統括課長ポストの指定について伺います。  行政系人事任用制度改正前は、統括課長が職務の級として存在していたものの、制度改正後は、課長級に統合され、職務の級も同じ5級職と指定されました。そして、重要かつ困難な事務を処理する課長の職として統括課長のポストが指定され、そのポストについた課長が統括課長を担うこととされました。しかし、大田区では、今年度の7月1日付けの異動により、経理管財課長が新たな統括課長ポストとして指定をされました。これは、もともと統括課長であった管理職員が異動したことによりそのポストに統括課長という指定をしたものと思われます。  そこで伺います。実態として旧制度のまま、職員が異動した先を統括課長ポストとするとすれば、なぜ各区事項としなかったのでしょうか。お答えください。 ◎須川 人事課長 平成30年4月1日の行政系人事任用制度の改正により、課長級ポストのうち、区長が別に定める重要かつ困難な事務を処理する課長の職として、いわゆる統括課長を指定することになりました。この重要かつ困難な事務を処理する課長の職を指定する判断基準としましては、特別区統一で定められておりまして、次の3点がございます。  一つは、区政全般にわたる企画、調整または管理を行う課長の職に該当するかどうか。二つ目は、部等において課相互間の調整など、困難な連絡調整を行う課長の職に該当するかどうか。三つ目は、豊富な経験、より高度な専門知識等に基づき重要、困難な事務を担当する課長の職に該当するかどうかという点でございます。  これらいずれかに該当すると認める場合に、特別区人事委員会の承認を得て、職の改廃ができるものとされております。委員ご質問のポストにおきましても、当該ポストに要求される達成目標等を総合的に勘案した結果、重要かつ困難な事務を処理する職として指定したものでございます。 ◆深川 委員 これは絶対におかしいと思うのです。急に4月1日から重要ポストになるというのは理解できないです。これであれば、まさに人的符号であります。区長会がこの行政系人事任用制度の改正時に、この制度を採用した理念はどこにいってしまったのでしょうか。このような考え方で人事を行うのであれば、大田区だけこの部分について離脱をし、各区事項として今までの人的符合に戻すべきであると考えます。勝手に制度を変えて、もとの制度での実質的な運用をすることにより迷惑をするのは、その当事者の課長であります。この指摘をしている課長に全く罪も何もありません。文句も、私もこれっぽっちもないです。ただ、こういったことを行うという人事は、各区でやれるのであるから、各区事項にするべきだったということをしっかりと申し上げて、この点を早期に解決されることを求めておきます。  次に、各部の部長向けマネジメント研修の状況について伺いたいと思います。 ◎岸本 研修担当課長 部長は、部の責任者として経営資源である人、モノ、予算、情報、時間を適切に管理、調整することが求められています。そのため、区は、全ての部長を対象として、自治体経営や組織戦略に関する研修を実施し、組織連携の重要性の理解とともに、職責に求められる能力の向上を図ってまいりました。今後、さらに、部局間の円滑な連携につながるカリキュラムを導入するなど、研修内容を強化してまいります。 ◆深川 委員 部長研修については、以前議会の質問でも本当に必要なのかという話もさせていただきました。ここで課題となりますのは、各部間の連携であります。この後、話を進めますはねぴょん健康ポイント事業についても象徴的な課題と考えますので、検討をまずお願いしておきたいと思います。後ほど話をさせていただきます。  続いて、4級職の課長補佐職について伺います。制度改正以前から、毎年度25名以内の合格者を出していると伺っておりますが、3級職とは異なり、現在、定数管理を行っていません。このまま課長補佐職が無制限に増加をし続ければ、人件費の高騰を招くだけであります。  そこで伺います。管理職選考合格による課長補佐職への昇任を除いて、係長職から課長補佐職へ昇任する場合の旧制度と制度の変更点や、課長補佐のこれまでの人数構成、今後の方向性について教えていただきたいと思います。 ◎須川 人事課長 課長補佐職でございますが、係長職の中でも特に重要な役割を担うとともに、課長級を補佐する職でございます。  課長補佐職の昇任方法につきましては、平成30年4月1日の行政系人事任用制度の改正により、3級職の係長職と同様に、本人申し込みに基づく選考方式を廃止し、勤務評定による能力実証方式に変更しております。平成31年4月1日時点での大田区の課長補佐職の職員数でございますが186名おります。全体の職員数に占める割合は、約5.3%、係長ポストに占める割合は、約19%でございます。  職員規模が近似する他区の平均値では、職員数に占める課長補佐職の割合は約5.6%、係長ポストに占める割合は約23%となっております。  課長補佐職の合格者数算定にあたりましては、退職者数や管理職昇任者数等を見込みながら、毎年度一定数の昇任者を確保しております。複雑、高度化する区政課題に対応できる組織力の向上を目指し、経験豊富な課長補佐職昇任者の確保に努めてまいります。 ◆深川 委員 現在では、毎年25名程度の昇任となっています。しかし、これは今の制度だからであります。制度では、主任試験に合格をし、一定期間を経過すれば、所属長などの判断により主査、係長となるわけであります。つまり、執行部側が能力を評価し、昇任させる制度に変わったわけであります。そういった職員が、同じく年数を経過し、Aさんは課長補佐へ、Bさんはそのまま係長へといったように収入に直結する人事評価がなされた場合に、どうなるかは一目瞭然で、評価をされなかったBさんは腐って、仕事の最大値、つまり地方自治法2条14項、地方公共団体はその事務を処理するにあたっては住民の福祉の増進に努めるとともに、最小の経費で最大の効果を上げるようにしなければならない、このような文言が、有名な条文でありますけれども、という地方自治法の本旨から離れてしまう懸念があります。上限規制をするつもりがないという答弁でありましたので、であれば、課長補佐の上限定数条例も視野に検討していきたいと思っています。  一般職員が定年・勧奨退職した後の雇用形態として、現行制度では本人の希望や健康状態等を踏まえ、選考を通じて再任用、再雇用職員として任用しています。この制度の趣旨について伺いたいと思います。 ◎須川 人事課長 現行制度では、一般職の再任用職員と特別職の再雇用非常勤職員について、退職する職員の経験、知識、能力を引き続き活用すること、また、年金の支給開始年齢が段階的に引き上げられることに伴いまして、雇用と年金の接続を図ることを趣旨としまして、任用しております。 ◆深川 委員 では、続いて再任用職員の職の位置づけと今後のあり方について教えてください。 ◎須川 人事課長 再任用職員の職の位置づけとしましては、地方公務員法第28条の4及び第28条の5に定められています。同法では、定年退職者等を従前の勤務実績等に基づく選考により、1年を超えない範囲内で任期を定め、常時勤務を要する職、または短時間勤務の職に採用することができると規定されており、区は、これに基づき採用資格基準、任用形態等を条例で定めております。複雑、多様化する区政課題を効率的に解決するためには、長年培った能力や知識を持った高齢層職員の活用が不可欠でございます。  再任用職員の配置につきましても、こうした豊かな行政経験を生かす観点から、これまでの勤務実績等を十分精査して行っております。また、国家公務員の定年延長や役職定年制の導入など関連法案が検討されており、こうした国の動きにも十分注視してまいります。今後も、職員個々の職務適性や経験、実績等を踏まえ、適材適所の人事管理に努めるとともに、再任用職員を含めた全職員が一丸となって目的達成に向けて邁進できるよう取り組んでまいります。 ◆深川 委員 新たな任用制度であります会計年度任用職員制度については、昨年の第3回定例会において関連条例が可決をされました。  いよいよこの4月から施行されるわけでありますが、昨年の決算特別委員会でも質問させていただきましたように、基本的に5パターンで運用を開始するものの、各区事項として調整できることから、各部、各課にヒアリングをかけ、状況をしっかりと把握した上で制度運用をしていただきたいと要望をしたわけであります。  必要なところに必要な人材を、また定年退職から再任用・再雇用であれば、現在は5年間という制限がありましたけれども、再雇用職員が廃止され、会計年度任用職員の職として新たに設置される行政サービス支援員に移行することで、そのまま働きたいというニーズや働いてもらいたいニーズにも添えるよう配慮していただけるようになったと伺いました。  そこで伺います。これまで再雇用職員と行政サービス支援員の違いについて教えていただきたいと思います。 ◎須川 人事課長 会計年度任用職員の職でございます行政サービス支援員は、地方公務員法上の一般職となり、勤務条件は条例及び規則で定める必要があることから、他の会計年度任用職員の職も含めて統一的な取扱いとなることや、期末手当を支給することができることなど、現行の再雇用職員とは取扱いが異なります。  職責におきましても、単に事務の補助ということにとどまらず、定型的な業務の起案、文書作成などにも携わっていただき、持っている知識、経験を生かせるよう制度設計をいたしました。  また、任用の対象を区の退職者に限っていた再雇用職員とは異なり、行政サービス支援員は、平等取扱いの原則が適用され、公募となることから、区の退職者以外の選考申し込みを可能としており、来年度は、公募を含めて必要な人数を採用できる見込みでございます。  さらに、この公募には年齢の資格要件はないため、5年間勤務していただいた後も公募を経て活躍いただくことが可能な制度となっております。  このように、外部の方や意欲のある方など多様な人材を登用することで、様々な課題に柔軟に対応できるよう、環境整備に努めてまいります。 ◆深川 委員 本当にこの制度は、大きく公務員制度というものが変わるきっかけになると思っております。経験者採用というものもあって、新しい動きだったわけでありますけれども、いわゆる定年後と言われる人たちが定年というものがなくて、そういう概念がなくなってきて、ご高齢になられたとしても、能力があって働きたい方、働ける能力がある方、働いてほしい方には引き続き働いてもらうなり、新しく働いてもらうということができますので、大きな一歩だと思っています。  再雇用職員が担っていた業務が行政サービス支援員により対応することは伺いましたが、再任用職員については、制度の改正はありません。  そこで伺います。再任用職員として任用される職の種類についてお答えをいただきたいと思います。 ◎須川 人事課長 再任用職員を任用する職務の級は、部長級、課長級、係長級、主任、係員の五つで、職務内容に応じて任命権者が決定いたします。  再任用職員は、定年前職員と同様の職務に従事することとなりますので、これまで培ってきた知識・経験を最大限に活用するため、退職時に任用されていた職務分類基準による任用上の職務の級と同等以下の級に任用することとしております。 ◆深川 委員 次に、係長職昇任能力実証について伺います。行政系人事任用制度の改正により、大田区では、主任職から係長職への昇任能力実証の実施にあたり、職員から育児、介護、疾病等のために一定期間の昇任待機を希望することなどの意向を申し出る機会を設けました。そして、これらの職員については、昇任にあたり面談を活用して、それぞれの事情に配慮する旨、区長からも答弁もいただきました。  しかし、今年度の係長職能力実証については、このような配慮を要する職員に対しても、その同意なしに合格をさせております。このことについて、区の見解を伺います。 ◎須川 人事課長 行政系人事任用制度の改正により、主任職は係長職への昇任を前提とした職に切りかわりました。  しかし、係長職は、職務・職責が重くなることから、主任から係長への昇任時期や配置先などについては、職員個々のライフイベント等の状況にも配慮することが必要です。  今年度の係長職能力実証におきましては、係長職の負担を軽減するという行政系人事任用制度改正の趣旨を踏まえ、申出書の提出があった職員についても、一定数の合格者を出さざるを得ない結果でございました。  申出書提出者につきましては、何らかの事情を抱えている状況を承知しておりますので、係長への任用時期については、本人、所属長の意見を聞きながら十分な配慮をしてまいります。  職員の状況に応じた柔軟な任用を行い、職員の意欲や能力を最大限に発揮できる環境づくりに取り組んでまいります。 ◆深川 委員 今、一定数の合格者という答弁がありましたけれども、数十人ですから、一定数、2、3人とか、5、6人というわけではありません。今の答弁ということでありますけれども、この事象発生時に玉川部長、そして須川課長には抗議をしました。納得できるものではありません。  つまり、以前の私の議会質問の際に、本制度の改正は旧制度残置としないことが地方公務員法違反の疑義が生じること、本人同意のない職員の昇任が現代的な不利益処分になるということは、何度も指摘したわけであります。  本来は、係長に無理やりさせることが目的にはなく、係長としての職責を全うし、もって住民、区民の福利厚生のために行われる人事制度だったはずであります。  であれば、自主的な答弁撤回は議会軽視にほかならず、私自身への背信行為と断じざるを得ません。  また、理由に掲げた一定数の合格者を出さざるを得ない状況をつくったのも、大田区当局そのものであります。これを自作自演と言わずに何と言えましょうか。  働く職員を軽視させた区に断固抗議するとともに、来年度以降、このようなことが再び起きないようにしっかりと改めて求めておきます。  この点についても、このような答弁が続く状態であれば、この点について拘束する条例も視野に入れて考えていきたいと思っております。猛省を求めておきます。  次に、平成30年4月1日の行政系人事任用制度の改正により、3級職のうち、係長職ではない主査の再任用も可能になったと伺っています。  現在の再任用主査は何名いらっしゃいますか。また、実質的な降任になるかと思いますが、主査として配置している理由についてお答えください。 ◎須川 人事課長 現在、再任用主査として配置している職員は3名おります。  平成30年4月1日の行政系人事任用制度の改正により、ライン係長の負担軽減及び職員が持つ多様な経験や専門性の活用を図る観点から、従来の係内主査が廃止され、各区の実情に応じて柔軟に配置できるスタッフ職として、新たな主査が創設されました。  係長経験の豊富な再任用職員を主査として任用し、その能力・経験や専門性を生かすことが制度創設の趣旨として期待されております。  今後とも、こうした制度趣旨を十分に踏まえるとともに、職場の状況や職員の意向、特性、経験及び専門性を考慮しながら、組織力の強化につなげてまいります。 ◆深川 委員 私、再任用の主査の運用については、やはりこれも課題があると思っております。係長として60歳の定年まで勤めていただいた方なので、能力は十分にあることは認識しております。  しかし、係内主査の運用は、制度が始まって期間が短いということ。また、その効果検証には時間を要すること。また、担当係長制の運用変更を経営改革担当課長と協議をすれば、この運用変更することの必要はなかったと、実質的にはなかったと思える場合もあります。しっかりと検討をお願いしたいと思います。  続いて、平成29年度の特別区統一交渉の結果、平成30年度から担当技能長が大田区でも設置されたと伺っております。この職が設置された経緯とその意義について伺います。 ◎須川 人事課長 平成29年度の特別区統一交渉の結果を踏まえ、平成30年4月1日の技能・業務系人事任用制度が改正され、豊富な知識・経験を有する人材をこれまで以上に活用し、より柔軟な任用管理を可能とするため、技能長職の職責等を見直し、新たに担当技能長職を設置することが可能となりました。  この職は、上司の命を受け業務に従事するとともに、技能長と協力・連携し、技能・業務系職場において、豊富な知識・経験を要する業務を処理し、業務の安全及び能率的運営を維持するよう努めることをその職責としております。  区では、こうした制度趣旨を踏まえ、平成30年度から清掃事業課に担当技能長を配置し、主に資源物持ち去り防止対策の強化、充実等を図るため、その豊富な知識・経験を活用している状況でございます。  さらに今年度からは、清掃事務所においても可燃ごみ収集業務委託地域における指導業務の強化等を図るため、担当技能長を配置しております。 ◆深川 委員 職をつくる必要性があったのかというところも、ちょっと課題があります。今後、研究してまた質問させていただきたいと思います。  次に、行政需要の増加を踏まえた職員定数の増加というものが考えられるわけであります。行政を取り巻く状況は団体ごとに千差万別でありますから、一律に行政需要の変化を捉えることはできませんが、他団体の動向も注視しつつ時代の潮流を捉えていくことは必要であります。  例えば、東京都の職員定数について、今の現状、動向はどのようになっておりますでしょうか。また、現在開会中の第1回都議会定例会において、関係条例が原案可決された場合について、どのようになるかお答えください。 ◎堀江 経営改革担当課長 委員お示しの場合におきましては、東京都の職員定数は、任命権者合計で7年連続の増となる運びと承知をしております。 ◆深川 委員 東京都の場合は、警察や消防などがいますので、必ずしも直ちに比較というのはできないかと思います。こうした消防や警察などの、大田区にはない分野を除いた場合の傾向について分析されていればお答えください。 ◎堀江 経営改革担当課長 完全に同一条件で比較することは困難でございますが、一例といたしまして、警視庁、東京消防庁、学校及び公営企業に係る定数を除いた場合でも6年連続の増となる運びと承知をしております。 ◆深川 委員 同じ条件ではないにしても、東京都は今、定数というものが全体として増えているという現状があります。
     大田区においても、現在、人口が増え続けていると思っております。大田区全体の定数、そして議会事務局も当然含めてどのように考えているかお答えください。 ◎堀江 経営改革担当課長 区政運営におきましては、限られた行政資源を有効活用いたしまして最少の経費で最大の効果を上げるため、職員定数の適正な管理が厳しく求められてまいります。  一方で、昨今の社会情勢を鑑みますと、災害対策や危機管理などの重要課題へのさらなる対応も求められてまいります。将来的には、例えば児童相談所の設置など新たな行政需要への対応も見据えていかなければなりません。  また、委員のお話にございました議会の事務局につきましては、一般的には各自治体とも小規模の定数となっている傾向がうかがえます。当該事務局を取り巻く情勢を的確に捉えた定数算定が、改めて求められてくるものと考えてございます。  こうした点を踏まえまして、引き続き、様々な内部努力を講じるとともに、定数基本計画の策定時には想定されなかった社会情勢や行政需要の変化による業務量の増大に対しましては、必要に応じた職員定数の増も視野に入れつつ、適切な定数算定を行ってまいります。 ◆深川 委員 大田区では、現在、国や東京都、地方自治体をはじめ多くの関係部署に職員の派遣を行っております。国内にとどまらず、ドイツのデュッセルドルフのJETROやシンガポールのCLAIRにも派遣を行っております。  職員がこうした国内外に派遣される場合に、その家族が帯同されるケースも当然に考えられると思います。その際の家族の飛行機代や電車代など旅費について、どのように支払われているか伺いたいと思います。 ◎須川 人事課長 国内外の出張を要する旅費につきましては、職員の旅費に関する条例などの規定に基づき、該当する職員に支給しております。  現行の規定では、海外へ出張する職員には、海外生活での経済的な負担を補うため、旅行雑費、宿泊料、食卓料及び支度料を支給しておりまして、支給額につきましては、単身で出張する場合と家族帯同で出張する場合と区分して支給しております。 ◆深川 委員 今まで派遣といいますと、若手の単身者が多く派遣されておりまして、スキームもそのとおりになっていたのかと思います。これから妻帯者の方とか、20代ではなくて30代、40代の方が派遣でいろいろな知見を得てくるということもあると思いますので、今後の課題として捉えていただきたいと思います。  次に、現在の課長、担当課長、副参事ポストを見ますと、建築職が望ましいと思われるところ8か所、土木職が望ましいと思われるところ14か所、どちらかの職が望ましいと思われるところ3か所となっております。これ、私が試算というか算定をしました。  現在、土木職が16名、建築職が7名であります。  また、再任用で退職される方も含まれるため、どの年次で区切るか課題はありますが、管理職試験合格者を含めると、土木職23名、建築職9名、分析しますと、建築職はぎりぎりですが、土木職には余裕があります。この土木職がつくべきところに事務職がついているところがあります。  こうした技術職種の管理職員について、必要とする配置数についてどのように想定しているでしょうか。  仮に、現在の配置数が想定配置数を超えるのであれば、特別区の共有財産として合格させている趣旨を踏まえ、特別区間での人事交流等を活用し、供給が不足する他区へ転出させることも必要であると考えます。特に、土木や衛生監視、機械などについての職種について検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。 ◎須川 人事課長 管理職の選考は、一般事務職と土木、建築、保健師などの技術職と分けて選考しており、ご質問の技術職につきましては、今年度は8名が合格をいたしました。  管理職員は人事委員会の一般基準により、職種による任用管理を行っておりませんので、職種ごとの配置数は定めておりません。  管理職員が配置される役職に専門的な知識や経験が求められる場合は、技術職の合格者を積極的に登用するなど、区組織全体の状況を総合的に勘案して配置を行っております。  急速に進展する少子高齢化やグローバル化など、区政を取り巻く環境が目まぐるしく変化する中で、多様化、複雑化している様々な課題を解決していくため、専門職など多種多様な人材を様々な職務に効果的に配置してまいります。 ◆深川 委員 ちょっと関連するところは後ほど述べさせていただきます。  以前より専門職員の活用について話をしてまいりました。福祉職の増員については、平成28年の決算特別委員会での指摘を近年の状況を含めて福祉職の増員を引き続きすべきと考えますが、いかがでしょうか。 ◎須川 人事課長 近年の福祉職の採用状況といたしましては、平成29年4月に福祉T類採用を14人、平成30年4月に福祉T類採用を17人、経験者採用を1人、平成31年4月に福祉T類採用を16人、経験者採用を1人採用しております。  本年4月の採用者数につきましては、特別区統一での採用試験・選考でございますので、現時点では、具体的な採用予定者数をお示しすることはできませんが、福祉分野の行政需要の増大を見据え、来年度は今年度よりも多い数の採用を見込んでおります。  今後、児童相談所移管に向けた対応に加え、多様化する区政課題に対応するため、各職場の状況や今後の需要動向等を総合的に判断し、引き続き計画的な採用に努めてまいります。  また、福祉職の職域のあり方や人材育成などにつきましては、福祉部とも連携しながら、事務職との職種振替、先輩からの指導やフォローを受けられる体制づくりを行うなど、職員の能力向上を図るための環境整備を行っております。  区民ニーズの高度化・複雑化に伴い、福祉職が担う役割はより一層重要となってきていることから、今後も、職種相互の連携を進めるとともに、職員の能力、適性を見きわめた配置管理に努めてまいります。 ◆深川 委員 予算の半分を占めると言われる福祉費ですので、全てが福祉職が行う仕事ではないと考えておりますが、やはり福祉の専門家である福祉職の職員をしっかり採用していくことが、より一層困った区民の方に寄り添うというようにつながると思いますので、この福祉職の採用については引き続き求めておきたいと思います。  児相の話が先ほど出ました。関連して、経験者の心理職採用が始まりましたが、当初から制度設計に問題があると考えておりました。経緯説明及び今後の特別区人事委員会の動きについて説明をお願いいたします。 ◎須川 人事課長 喫緊の課題でございます、児童相談所開設に向けた人材や安定的運営を確保するため、今年度から児童心理の経験者採用試験・選考が新たに実施されました。  この選考では、児童相談所や一時保護所などでの勤務経験者を対象としたこともあり、応募者が少なく、合格者は特別区全体で3名でございました。これを受け、特別区は、今後に向けた受験資格や周知のあり方の見直しを特別区人事厚生・事務組合に対し要望しているところでございます。  引き続き、特別区全体の動向を注視しながら、複雑・多様化する区民ニーズに対応できるよう、豊富な経験を持つ職員確保に努めてまいります。 ◆深川 委員 この募集要項を見たときに、児童相談所や一時保護所での勤務経験がある人とそもそもなっていて、どこかの市なり、区なり、都なりから引き抜いてくるとしかできないような考え方というのは、そもそも無理だろうと思ってあけてみたら、3名しかいなかったと。  実は、経験者で非常勤で心理職という方はいっぱいいるのです。そういった方々に門戸を広げてしっかりと働き方の経験者、経験を持った方の対応をよくして、子どもたちのために働いてもらうという観点から、見直しを引き続き特別区人事委員会等と協議をしていただきたいと要望しておきたいと思います。  次に、係長のなり手不足解消のため、また経験不足の課長級の研修も考えて必要に応じて、副参事とし、係長を兼務することを検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。 ◎須川 人事課長 課長級が係長を兼務するのは、年度途中の一時的な係長ポストの欠員に対応するためのあくまで暫定的な取扱いとしております。  また、係長職のなり手不足に関しましては、行政系人事任用制度改正により新たに設置されたスタッフ職としての主査の活用など、個々の職員が意欲ややりがいを持って職務に取り組める柔軟な職場づくりに努めてまいります。 ◆深川 委員 この提案自体が裏技なのはよくわかっています。しかし、管理職に何であの人が受かってしまったのだろうという話はいっぱいあるのです。働きぶりを見ても、どう考えても課長級の仕事ができない。もっと言うと、課長級として決裁をすることによって部長が迷惑をこうむっている。そういったことも、まま散見されるわけであります。  であれば、決裁権がなくなる副参事にして、係長の事務取りをすれば、庶務担課長が決裁できるわけですから、部長が課長の仕事をしなくて済むということで、やはりまずそういった意味で、管理職試験を特別区でやっているというところ自体も含めて、どのように考えていくかということを考えていかないと、部長、そして課長たちに無駄な仕事が増えていくということから、しっかりと検討していただきたいと思います。  人事系の話は最後になりますが、四つのまちなみ維持課というものが廃止をされまして、二つの地域基盤整備課になりました。しかし、現在、副参事を配置しているということがありまして、この点について問題点を以前から指摘をしております。解消に向けた取り組みについて、どのようにお考えか、お答えください。 ◎須川 人事課長 平成28年度の組織改正により、大森、調布、蒲田、糀谷・羽田の4所のまちなみ維持課を廃止し、地域基盤整備第一課及び第二課に編成をしております。  その上で、調布地域及び糀谷・羽田地域の基盤整備に係る調整業務を担うため、都市基盤整備部に副参事ポストを設置したところでございます。  今後のポスト配置につきましては、管理職全体の需給状況や職場の業務実態を総合的に勘案しながら、業務が停滞することがないよう適切な配置管理を行ってまいります。 ◆深川 委員 ここもずっと指摘している部分であります。総務部長がいますので、総務部が言っていることが正しいのであれば、4人配置に、企画経営部がポストした部分をつくるべきだと思いますし、企画経営部の言い分が正しいのであれば、ポストどおりに2人の配置をして副参事をつくるべきではないわけであります。  どっちかの言い分が正しくて、どっちかの言い分が正しくないという話だと思いますので、任命権者は区長でありますから、ぜひこれはどちらかに決めていただきたいと思います。4人必要ないと言っているのではないのです。2人でいいと言っているのではないです。それは区長部局が決めていただいて構わないので、どちらか、4のポストをつくるのであれば、4のポストをつくって4人の配置をする。2のポストだったら、2でよければ2人しか配置しない。  そうしていかないと、企画経営部がつくったプランを人事が勝手に変えているということになるので、これでは裁量という話とこの話はイコールではありませんので、ぜひこういう課題は改善を求めておきたいと思います。  ということで、人事の質問は以上にして、若干時間がぎりぎりでありますが、続けたいと思います。  先日、大田の観光春号というものを見ました。今日、すみません、資料の掲示を申請していませんので、見せることができないのですが、観光協会が出しているものです。ネットで、ユーチューブで、後ほどご覧の方はインターネットで大田の観光協会を検索していただければと思います。  ここには、大田区内にある石碑が取り上げられております。歴史好きな私としては、とても興味深い内容でありました。当然のことながら、ここに取り上げられている石碑だけではなく、もっと多くのものがあります。例えば、大森山王口にみずほ銀行がありますが、ここには清浦さんの坂、清浦坂があって、その坂の途中には清浦奎吾第23代内閣総理大臣、枢密院議長のご自宅がありました。  こういったこともあって、新井宿にある村社春日神社という石碑があるのですが、この石碑も清浦奎吾内閣総理大臣の揮毫と残っております。  また、大森西に鎮座している諏訪神社には、陸軍大将、荒木貞夫文部大臣が揮毫した石碑があります。どちらも今回の大田の観光春号には掲載されていません。こういった部分にも、ぜひ目を向けていただきたいと思っていますし、ぜひ第二弾を期待するところであります。  また、この掲載されている内容につきましては、ぜひ文面、何が書いてあるか、コケが張ってしまって、もしくは地震で倒壊してしまうと文字が読めなくなってしまうということがあるので、コストがかかると思います。学芸員の方に行ってもらったりということがあると思いますが、貴重な財産だと思いますので、読み取りということもぜひ検討していただきたいと思います。  ただ残念なのは、この石碑を歩いてめぐれば、現在、景品応募期間中のはねぴょん健康ポイントが歩数としてカウントされるわけであります。また、この石碑がはねぴょんのスタンプポイントになっていれば、より一層回る機会になりますし、この石碑をめぐりたいコアファンという方が健康ポイントの参加者にもなるということがあり得るわけであります。  そういった意味で、このチラシに健康ポイントの施策の案内が載っていればよりよかったと思っています。  先日の第1回定例会、我が党の海老澤圭介議員の質問に対して、今井健康政策部長は、今後もさらに関係部局との事業連携を具体化し、健康というキーワードを横串にしたハード・ソフト両面にわたる健康まちづくり事業として進めていくとの答弁をされておりました。  今後どのように関係部局で連携をして行くか、意気込みをお聞かせいただきたいと思います。 ◎関 健康政策部副参事〔地域保健担当〕 現在、地域力推進部、観光・国際都市部、区民部、産業経済部、福祉部、空港まちづくり本部、都市基盤整備部と連携した推進体制を進めております。また、このような関係部局とは随時連携はもちろん、昨年12月、今年2月にも連携会議を開催しております。  そこでは各部局が共通認識を持ち、それぞれが実施する様々な事業やイベントと、はねぴょん健康ポイントを連動させ、事業周知が広がり、イベント参加者が増えるなどの相乗効果が得られるよう、取り組みの方法を確認しました。  具体例としましては、関係部局に事前調査し回答を得た令和2年度はねぴょん健康ポイント対象イベントについて、チラシの広報媒体に、はねぴょんのデザインを共通マークとして使用することを予定しております。  加えて、関係部局が開催するイベント情報は、スマートフォンのアプリケーションを活用して配信することも考えています。  はねぴょんスタンプスポットの増設につきましては、年間を通して各部局から相談を受け、対応について検討してまいります。  連携の結果としましては、ポイント対象の取り組みに観光・文化やフレイル、介護予防事業などを加え、対象事業の種類は12事業増やす予定です。  また、はねぴょんスタンプスポットは、当初300か所程度でスタートいたしましたが、既に2月に健康遊具が設置されている公園21か所を加え、羽田イノベーションシティなど、さらに50か所程度増やすことを検討しております。  今後は、具体的な事業連携が進み、関係部局が広がることを想定しながら、さらに推進体制を強化してまいります。 ◆深川 委員 これも繰り返しになりますけれども、うちの区が横串にとよく言っていたのですけど、本当にこれ横串になった事業は多分初めてなのではないかと思うぐらい、健康ポイントの話はおもしろいと思っております。  とにかく歩こうというわかりやすい話ですし、今、ツイッターにもはねぴょんが階段を上がっている動画が載っておりますけれども、本当にこの階段を上るだけ、おりるだけでも健康につながるというのは、役所の職員でも我々でもできるということで、ある意味わかりやすいと思っておりますので、ぜひこれを各部局の今日いらっしゃる部長たちも、うちの部は関係ないではなくて、うちの部で何が協力できるかという観点で、この施策について進めていただきたいと思います。  次に、山王会館について、地元新井宿について伺いたいと思います。  山王会館の昨年度の利用実績について、お答えをいただきたいと思います。 ◎若林 新井宿特別出張所長 山王会館の昨年度の利用実績ですが、まず、1階の文化活動や会議等にお使いいただく集会室は418件、馬込文士村資料展示室の入場者数は830人でした。  次に、2階の社会教育関係団体等が交流のためにお使いいただく地域交流室には373件の利用があり、大田区ギャラリーは46人の見学がありました。  また、3階の国際交流施設は、団体が実施する会議や日本語学習の会場として1,415件の利用がありました。  4階は、こども日本語教室のほか、主に姉妹都市・友好都市の関係者などにご利用いただいており、383件の利用となっております。 ◆深川 委員 続いて、山王会館の今後の活用について、どのようにお考えかお答えください。 ◎若林 新井宿特別出張所長 山王会館の特色である、高台ならではのすばらしい景観や、複合的施設としてのポテンシャルを生かすことで、満足度と利用率の向上を目指してまいります。  具体的な方策としましては、例えば馬込文士村資料展示室の見学者に、区所蔵の絵画を展示している大田区ギャラリーをご案内したり、各利用者がそれぞれの活動へ相互に参加するためのマッチングを行うなど、一つの建物で様々な体験ができるよう、所管する三つの課が連携し創意工夫をしてまいります。  また、部屋の貸し出しにつきましても、比較的空いている夜間枠のPRを強化し、利用率の向上を図ってまいります。  一方、4階は、姉妹都市・友好都市の利用をメインとしつつ、様々な国と地域の方々が、区や区民と行う交流事業にも、対象範囲を拡げていくことを検討してまいります。 ◆深川 委員 今、答弁いただきましたけれども、山王会館については残念ながら、なかなか活用が進んでいないという現状があります。先ほど、資料展示室が1年間で来場した人が830人、多分、知る人ぞ知るで知らないのですよ、だから行かないということがあって、やはりここはもうちょっと活用というか、考えていかなくてはならない。  また、スペースがいろいろ空いているということも事実として、まず一旦、指摘をしておきたいと思います。続きは後ほどということで。  では、次に、大田文化の森があります。大田文化の森のはす向かいにあります、池上通り沿い、中央四丁目32番には駐車場があります。タイムズという駐車場です。その土地は、平成20年に施設整備用地として大田区土地開発公社が購入しています。この用地の活用計画はありますでしょうか、お答えください。 ◎河原田 施設整備課長 本用地の活用につきましては、地域全体の将来を見据えながら検討を進めていくことが必要と考えておりますが、現在のところ、具体的な活用計画は未定でございます。 ◆深川 委員 では、本用地の用途地域はどのように指定されており、土地の大きさやどのくらいの建物が建つか、教えていただきたいと思います。 ◎河原田 施設整備課長 土地の面積は約350平方メートルで、近隣商業地域に指定されております。  建ぺい率80%、容積率300%で一部に計画道路が入ってございます。  建築基準法上、建築することができる限界値で、ワンフロアは約260平方メートル、4階建てで延床面積約900から1,000平方メートル程度建てられると想定しております。 ◆深川 委員 ありがとうございます。ここにも、こういった土地があるということを認識しました。  次に、文化の拠点は、文化の森であります。大田文化の森を文化の拠点として活性化させるべきだと考えますが、いかがでしょうか。 ◎北村 文化振興課長 大田文化の森は、「文化活動を通して、区民自らが学び、演じ、交流し合い、区民相互の輪を広げ、区民文化の創造活動を培っていくこと」を創設理念とする施設でございます。  この理念を実現するために、区民が主体となる大田文化の森運営協議会が組織され、運営協議会に区民や団体が事業企画を提案し、協議会からその企画のサポートを受けながら実施するという、自律的な方法で運営がなされております。  さらに、区民が事業企画を提案しやすくするために企画相談会を充実するとともに、文化、福祉、医療施設が集積している新井宿地区の利点を生かし、イベント開催時には関係団体が一層連携を深めながら事業を展開してまいります。  このような活動を一層活性化し大田文化の森の活動が、広く区内に広がり、今以上に親しんでいただける文化拠点となるよう尽力してまいります。 ◆深川 委員 先ほど、長野委員の質疑の中で、約1億円の美術品を収蔵するうんぬんの話がありました。絵画等の収蔵や展示機能を整備するのであれば、文化振興プランを改定する必要があると考えますが、いかがでしょうか。 ◎北村 文化振興課長 平成31年3月に策定された文化振興プランでは、大田区所蔵美術作品の活用を掲げ、収蔵方針・基準を確立し文化資源を確実に収集・保管することや、展示スペースと展示機会の拡充として区施設の余剰スペースや民間施設の活用などを挙げているところでございます。  絵画等の収蔵や展示に関しましては、検討を深めた上で事業を推進してまいります。 ◆深川 委員 今、何人かの課長に答弁していただいたように、文化の拠点は文化の森です。大田区の文化の拠点は文化の森です。これは当たり前過ぎて言う必要がないと思いますが、当たり前だと思いますが、新井宿地区には建ぺい容積等に余裕のある施設、そして未利用地があるわけです。山王会館もまだまだ余裕があります。  そして、先ほど申し上げた、新井宿出張所の横、文化の森の前には、900から1,000平米のものが建てられるものがあるわけです。これ、ざっくりと試算をすると3億円あれば建つのですよ。  先ほど、長野委員の質疑を聞いていただけましたか。1億円の来年度予算と、それからご寄附をいただいた方が1億円と、5年間のランニングコストを考えたら3億5,000万円ですよ。これ、建つではないですか。何で、こういったことを検討していないのですか。どこかを借りてではなくて、急ぎやるのだったら、まず山王会館に収蔵すればいいではないですか。エアコンもきいているし、換気もできますよね。  そういったことをちゃんと議論した上で提案をしていただかないと、我々は納得できないと繰り返し申し上げているわけであります。  先ほどあったような羽田にこういった施設を急につくるという案には、断固反対をいたします。賛成できません。しっかりと文化の拠点なのだから、文化の森をやってくださいよ。それが地元に対する責任ではないですか。区役所の跡地をどう活用するか、文化の拠点にすると言ったではないですか。何でそこから全然離れた羽田なのですか。  羽田に新しいのをつくるならいいですよ。だったら、全部の計画をつくってくださいよ。急に思いつきのようにこういう意見を出してくるというのは、我々としては納得できないと思います。  それでは、一風変わって違う話をさせていただいて、3問で終わりたいと思います。
     ちょっと熱を帯びてまいりましたが、昨年を思い出してください。昨年、大変暑かったと思います。覚えているでしょうか。大田区として三つの公園水泳場があります。特に、昨年は猛暑、熱暑というほどの暑い夏でありました。  猛暑日が記録される日が早まっている中、夏季プールの開設期間が短いと考えております。令和元年度は、7月13日から夏季プールが開設をされましたが、前倒しで営業開始を要望しておきたいと思います。  また、残暑が厳しいため、9月も開設可能な時期があれば、開設すべきと考えますが、理事者の見解を伺いたいと思います。 ◎石井 公園施設担当課長 最近の傾向としましては、4月に夏日が、5月には真夏日が記録されるなど、屋外のプールが夏季前でも営業可能と判断できる日がありました。  令和2年度は試行として、7月4日、5日及び9月5日、6日を屋外プール開設日として増やす予定でございます。  試行としました背景でございますが、屋外のプールは、当日の天候により、入場者数が大きく左右されることが危惧されます。  また運営面では、必要な人員の確保や温水期から夏季営業、さらに温水期への切りかえのための期間の確保や平和島公園水泳場では、恒例となっている区民水泳競技大会が9月に行われるなど区イベント等との日程調整の結果、一律での設定が困難であったことが挙げられます。  そのため、令和2年度は区内3か所の水泳場ごとに営業期間をずらすなどの措置をとりながら、営業期間の延長を図ってまいります。 ◆深川 委員 活用期間が短い夏のプールということでありますので、ぜひこういったことを今後どうしていくかという議論もしながら、現在あるものについては、より一層の活用をすべきと考えます。  次に、台風関連について伺います。今回の台風における被害においては、復旧のめどがやっと立ってきたという状況であります。多摩川周辺から区から被害を与えてしまったところへの補償、保険適用なども順調に進んでいると伺いました。  また、以前の質問で区長には大田区初のソフトボール専用グラウンドというものが、今回の多摩川グラウンド復旧工事に伴い、3月末から運用が開始をされるわけであります。この専用球場には、本当にソフトボールの方々から長年の要望、悲願と先日の記念式典でも述べられ、区長もその会場にいらっしゃっていると思っております。  これも議論を続けてまいりましたが、多摩川緑地公社で管理している河川敷の駐車場ですが、学校の長期休暇中も平日開放すべきと考えますが、いかがでしょうか。 ◎石井 公園施設担当課長 河川敷駐車場につきましては、これまで学校の長期休暇中についても、その他の期間と同様に土曜、日曜、休日のみの開設としております。  河川敷駐車場は平成11年に開設した後、需要の高まりから二度、駐車場の台数を増やしております。  増設した際、河川上の問題もあることから河川管理者である国との協議の中で、多くの利用が見込まれる土曜、日曜、休日に限り、開設する旨の協議を行っております。  基本的には、公社事務所敷地の駐車場を利用していただくこととしており、積極的な利用の促進は行っておりませんでした。  しかしながら、委員ご指摘のように利用者からの要望も多く、サービス提供時期を拡充することで、利用者の利便性向上につながると判断し、平日の利用開始に向け、予算を措置したほか、具体的な検討を行い、国との協議も整いました。  令和2年度は試行として、夏季休暇期間の平日に駐車場を開設し、解決すべき課題の抽出や利用者のご意見、利用動向等を見きわめながら検証してまいります。 ◆深川 委員 ありがとうございました。  では、最後に、保育ママについて伺います。大田区民の保育における様々なニーズがあることから、保育ママへの制度の充実、また保育ママへの支援について議論をしていました。  今般、予算化を図っていただいたと伺いましたので、内容の説明をお願いします。 ◎間 保育サービス推進担当課長 本区が待機児童解消を進める中で、0歳から2歳の子どもの保育を担う家庭福祉員、いわゆる保育ママの役割は非常に重要であると位置づけております。  現在の保育ママ制度では、日常の保育において、例えば食事やお散歩の際等、保育ママ1人では手薄になりがちな時間帯でも、きちんと目の行き届いた保育が実践されるよう、保育ママが補助者を雇用することを推奨し、必要な経費に対して補助を行っております。  この保育補助者雇用経費補助額は、現在、日額7,490円を年間30日利用するものとし、保育ママ1人当たり年額22万4,700円を上限としております。令和2年度予算案では、保育ママの実情を改めて確認し、補助者を1日4時間、月20日で通年雇用できるよう、年額51万3,600円を上限とする増額改定を行う経費を計上させていただいております。  また、子ども・子育て支援法に基づく家庭的保育事業に移行することで、さらなる保育の充実が図られることから、制度について丁寧に説明し、不安なく移行できるよう、手続きの支援等を行ってまいります。  今後も待機児童の解消と保護者の多様な保育ニーズに応えるために、保育ママをはじめとした保育環境の整備や制度の充実にしっかり取り組んでまいりたいと思います。 ◆深川 委員 自主的な実態に即した制度改正をしていただいて、そして予算を増額していただいたということに感謝を申し上げて質問を終わります。 ○渡司 委員長 以上で、第2款総務費の審査を終結いたします。  会議が長時間にわたりましたので、しばらく休憩いたします。                午後2時58分休憩                午後3時37分再開 ○渡司 委員長 ただいまから、予算特別委員会を再開いたします。  第3款福祉費の審査に入ります。  理事者の説明を求めます。 ◎梅崎 財政課長 それでは、再び事項別明細書のほうをご覧いただきたいと思います。  事項別明細書140ページになります。第3款福祉費でございます。  本年度1,552億5,848万3,000円で18億6,169万6,000円の増です。第1項社会福祉費、本年度128億4,505万4,000円で、3億8,143万8,000円の減です。第1目社会福祉総務費、本年度128億4,131万7,000円で、3億8,206万7,000円の減です。主なものは、143ページ、19番、国民健康保険事業特別会計への繰出金で、3億8,205万8,000円の減でございます。  第2目災害応急費、本年度、373万7,000円で、62万9,000円の増です。  第1項社会福祉費は以上でございます。  続きまして、144ページ、第2項障害福祉費、本年度182億8,540万1,000円で、1億2,892万2,000円の増です。第1目障害福祉総務費、本年度1億8,905万7,000円で、2,320万1,000円の減です。第2目障害福祉費、本年度154億6,120万円で、1億1,745万8,000円の減です。主なものは、1番、障害者自立支援給付費で、9,513万3,000円の減です。  148ページに参ります。第3目障害福祉施設費、本年度26億3,514万4,000円で、2億6,958万1,000円の増です。主なものは、151ページ、16番、障害福祉施設維持管理で、2億8,471万1,000円の増でございます。  第2項障害福祉費は、以上です。  152ページに参ります。第3項高齢福祉費、本年度209億9,365万5,000円で、1億4,402万9,000円の減です。第1目高齢福祉総務費、本年度、180億9,420万2,000円で、4億8,912万8,000円の増です。主なものは、11番、介護保険特別会計への繰出金で、5億5,162万4,000円の増でございます。第2目高齢福祉費、本年度15億8,816万5,000円で、1億8,004万1,000円の減です。主なものは、157ページ、19番、地域包括支援センターで、1億4,537万5,000円の減です。第3目高齢福祉施設費、本年度13億1,128万8,000円で、4億5,311万6,000円の減です。主なものは、7番、高齢福祉施設維持管理で、4億5,119万9,000円の減です。  第3項高齢福祉費は、以上でございます。  続きまして、158ページ、第4項児童福祉費、本年度684億3,194万6,000円で、25億7,908万3,000円の増です。第1目児童福祉総務費、本年度、233億9,502万円で、4億369万5,000円の増です。主なものは、15番、認可外保育施設等利用給付で、皆増でございます。  160ページに参ります。第2目児童福祉施設費、本年度94億256万9,000円で、6億8,269万4,000円の増です。主なものは、1番、保育園管理運営費で、1億9,547万4,000円の増。  163ページ、6番、障害児通所施設開設準備で皆増。7番、児童館等管理運営費で2億9,204万6,000円の増でございます。第3目、児童措置費、本年度353億4,292万1,000円で、15億2,748万5,000円の増です。主なものは、165ページ、7番、保育園入所者運営費等の(2)民間保育所に対する法外援護で、13億3,596万7,000円の増でございます。第4目家庭福祉費、本年度2億6,313万4,000円で、542万2,000円の減です。  166ページに参ります。第5目児童福祉施設建設費、本年度2,830万2,000円で、2,936万9,000円の減です。  第4項児童福祉費は、以上でございます。  続きまして、168ページ、第5項生活保護費、本年度347億242万7,000円で、3億2,084万2,000円の減です。第1目生活保護総務費、本年度3億2,874万9,000円で、662万4,000円の増です。  第2目扶助費、本年度343億7,367万8,000円で、3億2,746万6,000円の減です。主なものは、4番、生活保護法に基づく援護で、3億2,264万1,000円の減です。  第5項、生活保護費は、以上です。  第3款福祉費の説明は、以上でございます。 ○渡司 委員長 この款には、公明、共産、令和、立憲から通知がありますので、順次、これを許します。  それでは、公明の質疑に入ります。  松本委員の質疑に際しまして、資料の使用を許可いたしましたので、ご了承願います。 ◆松本 委員 区議会公明党、松本洋之でございます。  区内小規模保育園の欠員問題について質問をいたします。これは、我が会派の代表質問でも触れておりますが、より細かく質問させていただきますので、よろしくお願いをいたします。  まずは、皆様のタブレット端末に配信をさせていただいております、資料1をご覧いただければと思います。左側の表をご覧ください。これは、大田区内の待機児童数、そして保育サービス利用数に対しての割合、既存施設の稼働率、認可施設以外、いわゆる認証園の稼働数の現状値であります。  平成31年4月1日時点での待機児童数は116名。クラス別の内訳で見ますと、0歳児が42名、1歳児62名、2歳児12名、3歳から5歳児は0でございます。前年より134名、待機児童数が減っているものの、施設定員稼働率は低く、保育ニーズと供給数とのバランスがとれていない、こういった印象でございます。  この大田区の欠員状況・待機児童数・施設定員稼働率を隣の品川区と、そしてまた大田区同様、敷地面積が広く、区内を四方に幹線道路が通っており地理的要素が非常に類似し、かつ保育サービス利用人口もほぼ同数の練馬区と比較検証してみました。  まず品川区でございます。右側上段の表とあわせて、また資料2の施設数の推移についてもご覧になっていただければと思います。  品川については、待機児童数は12名。待機児童がほぼゼロに近い数値ながらも、既存施設をしっかりと最大限に利用しており、稼働率は非常に高い状態にあります。次年度の開園予定施設は9施設、総定員数は603名分とのことであります。保育サービス利用増減数が685名ということで、しっかりと折り合いをつけての整備予定となっています。  次に練馬区でございますけれども、待機児童数14名。待機児童がほぼゼロに近い数値ながらも、既存施設はしっかりと、定員枠を最大限に利用しており、稼働率が非常に高い状態にあります。500名前後の受け皿がある認証園も、高い稼働率を維持している状況であります。これだけ既存施設が稼働しながらも、待機児童数がほぼゼロといった状況であります。面積が広く、複数路線の乗り入れ地区やバス便エリアが多いことから、利用ニーズの把握が難しい自治体でありながらも、細やかなプロットでの調査を入念に行い、非常にバランスのとれた数値になっております。  このように両区とも認可、認証園の既存施設の稼働率は極めて高い状況にあります。定員に空きがない状態で待機児童が多ければどうしようもありませんけれども、実数値及び待機児童は保育サービス利用人口の割合値で見ても、大田区よりはるかに少なく、新規の開設と保育ニーズとのバランスが見事にとれていることがわかります。  そこでお伺いをいたしますけれども、保育園の新規開設を行っていく上で、いつ・どこに・何名規模の施設をと整備するには、必ず判断基準となる数値や計算式があるかと思います。  例えば、距離1キロのプロットを作成し、調査項目のベンチマークとなるデータ基準値を上回れば整備をしていく、下回れば見送るなどでございます。整備をする方向となった場合については、何名規模にするのかをさらに詳細な検証をして決めていくものだと思いますけれども、本区における施設整備を行う基準についてお知らせいただければと思います。 ◎早田 こども家庭部副参事〔保育基盤整備担当〕 整備施設数の決定にあたっては、待機児童が解消している地域と依然として多数の待機児童が発生している地域との二極化傾向が見られることから、地域別に需要予測を行っております。しかしながら、予測する区域をあまり小さくいたしますと、誤差が累積して、かえって実態とかい離してしまうことから、特別出張所単位で予測を行うこととしております。  令和2年度予算案における認可保育所の施設整備予算額の算定にあたりましては、まず、妊娠届出時に行っている妊婦に対する就労意向調査においてパート・アルバイトを含め、就労意向があると答えた割合が毎年増加していることから、保育需要が2パーセント増加すると想定いたしました。  この増加予測のもと、特別出張所単位で昨年度の申請割合から保育利用調整指数22点以上の世帯の児童数を算出し、令和3年4月の年齢別保育サービス定員数を差し引いて、出張所別、年齢別の保育サービス定員の不足数を予測いたしました。  この結果、大森西、入新井、馬込、久が原、雪谷、六郷、矢口の7地域で保育定員が大きく不足すると予測されたことから、12園700名の保育サービス定員を拡充する計画としたものでございます。  委員は1キロ範囲での予測を例として挙げられましたが、これを特別出張所単位で行ったという違いはございますが、考え方については同じであると認識しております。 ◆松本 委員 保育事業者からの情報を収集する部署、そして保育ニーズと供給バランスのデータを収集する部署、その両部署と連携を図って新規に保育園をいつ、どこのエリアに、どういった規模でということが決まっていくものと考えます。  この保育サービス課の開設担当と運営担当とのこういった施設整備を行う基準について、本区の稼働率、保育のニーズを供給のバランスが大きく崩れていることを見る限り、共有されていないのではないかと、このように感じざるを得ませんけれども、このことについて、所見をお伺いいたします。 ◎早田 こども家庭部副参事〔保育基盤整備担当〕 認可保育所の整備計画は、保育サービス基盤開設担当が運営担当、利用支援担当から提供される年齢別、地域別の申請件数や保育サービス定員数に基づき策定しており、保育サービス課内での情報共有は適切に行われております。  なお、保育ニーズの供給バランスの問題でございますが、直近3年間での保育所の施設整備数を他区と比較いたしますと品川区が38施設、練馬区が30施設に対しまして大田区は54施設と新設数が多いという特徴がございます。  一方、平成27年度と平成31年度の本区における保育所入所申請数を年齢別で比較しますと、いずれの年齢においても増加している上、特に0歳児は413名の増、1歳児は706名の増と低年齢児での増加が際立っております。  本区の欠員は、新設園の3歳児から5歳児の年長のクラスにおいて多数発生しておりますので、今後、利用児童数の多い0歳から2歳までの低年齢児の持ち上がりによって、年長クラスの欠員は順次縮小していくと予想しております。 ◆松本 委員 さて、区内の小規模保育園の定員数は、事業所内保育を除いて457名分、施設数は25園であります。そして、平均の定員数は18.3人であります。稼働率が1歳と2歳あわせて87%でありますので、各園の平均在園数は15.9人となります。  また、これは後ほど申し上げますけれども、2歳児クラスだけで考えると、稼働率は極めて低い数値となっています。欠員が多く生じている小規模保育園の現状でありますけれども、共通意見としては次の意見が言われております。  一つには、2歳児クラスの子どもが少ないために、クラス別活動ができない。そのため、1歳、2歳で常に合同保育となっている。  2点目、職員が自分たちの雇用は守られるのかと心配し、モチベーションが低下している。  3点目、稼働数に対しての運営費支給のため、欠員補填はいただいているものの、到底追いつかない。そのために、玩具や運動器具等購入を見送っている。  4点目、同じクラスにお友達がいない。卒園式も3人だけ。  5点目、保護者同士の情報交換も希薄になってしまう。  こういった意見が私どもにも届いてきております。現実、この区内の小規模保育園にはこういった園が複数あるのが現状であります。こういった現状にある中で、本区としてどういう対応をしているのかと思いましたら、ある事業者のところへ「定員規模を縮小してはどうか」、こう持ちかけられたとのことでありました。そして、その話はこう続きます。「19名の定員から13名、もしくは14名へ規模を縮小すれば、配置する保育士の数も1名分減らせるから、人件費も浮くので事業者も負担が減るのでは。そういったことも検討してみてはどうか」、この話を聞きまして、本当に驚きました。全くもって何の解決にもならないだけでなく、この問題をこの程度にしか考えていない区の姿勢に憤りさえ感じたわけでございます。  19名受け入れができる面積を確保し、内装整備を行い、その定員に対しての職員の雇用も行い、今まで運営をしてこられたわけでございます。区は保育士を1名減らせると簡単に言いますけれども、それではその1名を解雇しろと、こう言っているわけであります。とんでもない話であります。まずもって、こういった話を小規模事業者に持ちかけたことは事実でしょうか。 ◎間 保育サービス推進担当課長 区が、欠員が多く生じております小規模保育所の事業者に対しまして、定員規模の縮小を働きかけたということはございません。  区では、毎年4月と10月に「入園申し込みのしおり」を作成しておりまして、このしおりには、各園の募集定員を記載しております。しおりの作成にあたりまして、各園に募集定員を確認した際に、「欠員対策として、定員を減らすことは可能か」というご質問をいただいたことから、制度上は可能である旨を回答したことはございます。  このときの説明が不十分であり、事業者に誤解を与えたことにつきましてはおわびを申し上げ、今後、機会を捉えて説明を尽くしてまいりたいと存じます。 ◆松本 委員 本当にしっかりお願いしたいと思います。この欠員問題については、以前に岡本議員が議会で取り上げまして、欠員補填がスタートしましたけれども、本来であれば、その時点で課内でニーズと供給のバランスの再調査、新規開設の見直しをしっかりと行っていくべきだったと思います。  しかしながら、そういった再調査や新規開設の見直しを行わないまま、平成31年4月も前年と同数の24施設が開園。今年の4月には18施設が開園いたします。さらに、再来年度の令和3年4月には12施設が開園予定とのことでございます。  区内の小規模園は25施設、認可園と比べても大手保育法人と呼ばれる規模の運営事業者は多くありません。大手法人に比べまして、事業展開のペースは速くありませんけれども、事業規模の小さな事業者でも当然、今後新しい園をつくっていくことを検討していると思います。  ほぼ全ての自治体で新規開園の公募に申し込むにあたりまして、法人に次の要件が課せられます。それは、「三期連続して赤字を計上していないこと」、「財務表が債務超過でないこと」、小規模保育事業は、正直、収益性の高い事業ではございません。大田区にある運営施設がある事業者で欠員が多く生じ、法人内の他の運営施設の収益を相殺して赤字となってしまうと、その法人は無効3年間一切新規開園ができなくなってしまいます。大変厳しい中での運営ということが伺われます。  保育事業は、公定価格などの補助金によって運営費が支給されています。しかし、この運営費は、実際の受け入れ人数によって変動します。  1、2歳児共通して、公定価格月額園児一人当たり22万2,140円プラス、東京都キャリアアップ補助金17,780円、合計23万9,920円が支給されます。  それに対し、現在支給されている欠員補填費は、月額8万7,910円。在園していれば、支給される額の36.6%にしか過ぎません。一時的に欠員が出てしのぐ場合には、事業者負担で対応できますけれども、これだけ長期的に、しかもこれだけの人数となっては、とてもこの金額ではどうにもならないのが現状だと考えられます。  現在、小規模園だけ0歳児の受け入れができていません。法外援護費が認可園だけが優遇されているのはなぜでしょうか。小規模園の中でも手を挙げて、0歳児の受け入れを行いたいという事業者に対しては、法外援護費を認め、0歳児の受け入れを拡充すべきと考えますけれども、いかがでしょうか。所見を伺います。 ◎間 保育サービス推進担当課長 生まれて間もない0歳児の保育は、調乳設備などに高度な衛生管理が求められますほか、保育士の配置基準や看護師の配置など安全な保育のために厳格な基準のもとで行う必要がございます。  一方、小規模保育事業は、定員を6名から19名以下と規模を抑制することで、認可保育所に比べて緩やかな基準で、機動的に整備を進められるということがメリットの一つであると認識しております。
     したがいまして、小規模保育所において、0歳児の受け入れを始めるためには、より厳格な基準を設ける必要があり、このメリットが失われるおそれがあることから、これまで受け入れを認めては参りませんでした。  現在、待機児童が解消に向かっている地域におきましては、待機児童が点在する傾向となっておりまして、一時に多数の定員を確保する認可保育園の開設では欠員が大量に生じてしまうことから、少人数の受け入れ枠をあちこちに確保していくということが有効でございます。  小規模保育所での0歳児受け入れは、この要請にこたえるものとなる可能性があることから、その可能性について検討をしてまいります。  また、法外援護費の支援項目が認可保育所に比べて少なくなっているのは、認可保育所のような厳格な基準が適用されないためでございますけれども、令和2年度予算案の編成にあたりましては、項目ごとに検討を行いまして、産休等代替職員費を新たに補助項目に加えることとし、必要な額を計上してございます。  今後も、認可保育所との差異を踏まえながら、運営事業者に対する適切な支援となるように留意してまいります。 ◆松本 委員 ぜひ、適切な支援をよろしくお願いしたいと思います。  先ほど申し上げた欠員補填費の金額、本来支給される額に対しての割合でございますけれども、その差額は月額一人当たり15万2,010円になります。つまり、在園時の支給額23万9,920円、マイナス欠員補填費8万7,910円、その差額が15万2,010円となります。  一時申し込み後の欠員数は現時点ではわかりませんけれども、直近の公表欠員数は区内小規模園全体で59名でございました。  仮に欠員補填費を全員分1年間満額支給したと試算しますと、15万2,010円掛ける59名掛ける12か月、それは1億762万3,080円となります。80名規模の認可園を1園新設すると、施設整備補助費が約1億円、運営費も約1億円、合計2億円かかります。  当然、今後の施設整備の見直しを検討していかなければならないわけでございますけれども、令和3年4月開園予定分が12施設と伺っている中で、たった1施設見直しをしただけで、小規模園の欠員数全員分の満額補填費が2年間支給できる計算になります。  どんなウルトラCの施策を打っても、急に子どもは増えません。保育ニーズ・供給数とのバランスを図り、欠員問題が解決するには相応の時間がかかります。このままの状態では閉園する施設も実際に出てまいります。  新規施設整備のための予算を既存施設の立て直しに分配し、まずは計画の見直し、正確な保育ニーズの把握、既存施設の有効活用などの取り組みが急務と考えます。小規模保育園の欠員補填費を拡充する考えはないかお伺いをいたします。 ◎間 保育サービス推進担当課長 小規模保育所に対する欠員対策費は、欠員一人当たりの単価に欠員数を乗じた額を交付しております。1歳児の児童と保育士の割合は5対1となっておりますので、欠員一人当たりの単価は以前東京都が給付しておりました保育所運営費補助要綱の中で示された保育士一人当たりの人件費想定額、これを5で割った額としておりまして、認可保育所と同等の金額となってございます。  したがいまして、欠員対策費の増額については考えてございませんが、小規模保育所において欠員が生じている主な要因といたしまして、保育所を2歳で卒園した後の3歳以降の保育が保障されていないことが挙げられていることから、欠員対策といたしましては、小規模保育所を卒園した後に必ず認可保育所等に入園できるよう、その受け皿となる連携園の確保に取り組んでおります。  現在、区内の小規模保育所25園のうち、9園が連携園を確保しており、連携園を確保した保育所のうち、6園が欠員0、残りの3園についても欠員は3名以下という状況になってございます。  区といたしましては、令和3年度末までに全ての小規模保育所が連携園を確保できるよう、認可保育園との調整に積極的に関与しておりまして、連携園の確保によって、小規模保育所の定員の有効活用を図ることで、安定的な運営を達成してまいります。 ◆松本 委員 小規模園を卒園時に、進級先を探すいわゆる保活をする際に、加点がつく自治体は多くあります。その条件は、「加点基準日2歳児クラスの9月1日時点で在園かつ卒園が条件」、ほぼ全ての自治体ではこの条件で加点を付与しております。  ところが、大田区では、基準日や卒園などの条件がなく、1歳児クラスでも加点が付与されています。当然保護者の方はその加点をもって認可保育園への転園希望を出しておられます。  このことのよりまして、どういったことが起こっているか。1歳児クラスの子どもの半数が2歳児クラスへ進級せず、認可園へ転園してしまい、そして翌年2歳児クラスの定員があいたまま年度が始まり、年度内では2歳児クラスの途中入園が皆無のために、1年を通して小規模園の2歳児クラスが欠員だらけといった状態がパターン化しております。これは、残念ながら、小規模園制度が導入されてから今に至るまで、1歳児クラスでの加点が付与されておりました。  このように、1歳から加点付与をしていたら、持ち上がりの進級をしなくなってしまうと誰もがそう思うのに、本区ではどうしてこのような扱いをしているのでしょうか。見直すべきではないでしょうか、所見をお伺いいたします。 ◎津本 保育サービス課長 小規模保育所利用児童を対象といたしました利用調整指数の加点制度につきましては、委員のお話しのような弊害があることから廃止を検討しております。  しかしながら、この加点を期待して小規模保育所を選択している保護者もいることから、混乱を回避するために周知期間を設けて実施する必要がございます。  令和3年4月には、全ての小規模保育所で連携園を確保できる見通しで、卒園後の不安がなくなることから、この時期が候補の一つとなると考えております。 ◆松本 委員 速やかに、加点をなくすこと、そして連携園をしっかりと確保することを求めておきます。ほかの保護者の方にとっても、不平等感が生じてしまいますし、事業者にとっても欠員が生じ、よいことは何一つありません。当たり前に考えればわかることが行われていなかったことは非常に残念に感じます。  このように、やみくもな施設整備、そしてあわせて1歳児でのこの加点付与が小規模園の欠員がここまで生じてしまった原因だと思わざるを得ません。  この欠員問題に伴う施設整備見直し策、予算の分配案等もまたよりよい形で行われ、区内施設の保育の質の向上や設備の充実につながっていけるよう努力をしていただければと思います。どうかよろしくお願いいたします。 ○渡司 委員長 次に、共産の質疑に入ります。黒沼委員の質疑に際しまして、資料の使用を許可いたしましたので、ご了承願います。 ◆黒沼 委員 黒沼です。生活保護事業の改善を求めて質問をいたします。安倍政権は、この6年間で二度にわたる生活保護費の切り下げをし、申請者や利用者の人権と暮らしを破壊する制度改悪を連打しています。  保護の水準は、国民生活の最低基準を具体化しているものとされます。それを切り下げすることは、憲法が保障した人権を国民から奪い取り、あらゆる福祉制度を後退させる攻撃にほかなりません。国連の社会権規約委員会は、スティグマ、恥辱のために生活保護の申請が抑制されている日本の現状に懸念を表明し、申請者が尊厳をもって扱われることを確保する、生活保護につきまとう恥辱を解消する手だてをとることを日本政府に勧告しました。これを今取り組む改革をすることです。  ところが、大田区はこのことに逆行することをやっているように思われます。厚労省が2013年の生活保護法改定で資産申請書を出させるよう各地方自治体に通達を出しました。改定法は利用者と福祉事務所が協力して、金銭管理の適正化を図るとしているだけで、共用の根拠とはなりません。しかし、大田区は実行しています。  これを受け取った受給者から、恥辱を覚えた、改善してほしいという要求を私は受けました。日本共産党は、この生活保護法の趣旨に反する資産申告書をやめるよう、要求します。  そこで質問します。タブレットにも示しましたが、資産申告書の記載内容が、さらに恥辱を味わう内容です。丸々日までに福祉事務所に提出してください。提出されないときは、保護の審査の却下、廃止、または停止されることがありますとあります。大田区では、このことで保護の停止、廃止を行った事例がありますか。お答えください。 ◎佐藤 自立支援促進担当課長 生活保護は法定受託事務でございまして、区は国の通知等に基づき、適切に事務を行うという必要がございます。資産の申告は書面をもって行わせるよう、国から通知が発出されており、申告の時期は12か月ごととされております。  区では、平成28年から毎年全ての被保護世帯の皆様に提出をお願いしております。大田区では、資産申告書が提出されないことだけを理由に、停止または廃止を行った事例はございません。  適正で、適切な事務を進めるために、国の通知に基づき、資産申告書を提出いただけるよう、今後も丁寧な説明に努めてまいりたいと存じます。 ◆黒沼 委員 ただいま答弁いただいたように、この資産申告書に基づく却下及び廃止はなかったとのことです。つまり、効果が出ていないのです。意味のないことを書いていると言わざるを得ません。提出されないときは、保護の申請の却下、廃止または停止されることがありますと、受け取った区民が脅迫に近い不信を持たないよう、削除すべきです。お答えください。 ◎佐藤 自立支援促進担当課長 資産の活用につきましては、生活保護法第4条におきまして、保護の要件とされており、保護の決定を行うためには、被保護者の資産の把握は極めて重要でございます。保有する資産を的確に把握するため、資産申告書の文面は国の細則やほかの自治体の文面を参考にしております。  今後も、的確な資産の把握のため、適切でわかりやすい文面となるよう、工夫、検討してまいりたいと存じます。 ◆黒沼 委員 2013年の前にも、この4条に基づく資産の報告はあったのですよ。ですからやられていました。でも、やられているときは、相談しながらやっていたのです。こういう指示ではありませんでした。通達は以前、定例議会で私は言いましたが、区営住宅のことも含めて、保証人はいらないことを通達を出しましたが、そのとき従う区、従わない区があるではないですか。これについても、従うか、従わないかは自主的に判断していいわけです。しかも文面も違っていいわけです。何も国に従う必要はありません。厚労省は生活保護の不正受給は支給総額の0.5%前後に過ぎないと言います。99.5%が正しいのです。それなのに、不正受給だけというバッシングもあり、生活に困窮しているのに申請をためらい、孤立死や心中に至るなどの悲惨が全国に起きています。また、収入が最低生活費以下の人が生活保護を受けている割合、捕捉率があまりにも低いことを以前に私も、また我が会派の福井区議もたびたび取り上げてまいりました。日本の生活保護制度の捕捉率は2ないし3割と言われています。OECD基準ですが、ドイツは6割、イギリスは5から6割、フランスは9割、大田区は1万6,345人、平成30年7月現在が利用していますので、これが2割とすると、8万1,715人以上の区民が要保護状態にもかかわらず、生活保護から漏れているということになります。この方たちは、生活保護基準より低い消費で生活をしていると思われます。国連からの指摘も真摯に受け取らなければなりません。  約半年前、ご主人に先立たれ、年金も減少した女性が生活保護を受けることができましたが、窓口に相談に行くたびに複雑な手続きと人生を傷つけられるような扱いに耐えられず、制度を返上してしまいました。とても真面目な方でしたが、二度とあんな目に遭いたくないとのことでした。大田区は、恥辱解消に努め、尊厳をもって扱うことを心がけなければなりません。定期的に捕捉率の調査を行い、公表し、捕捉率の向上を図る目標値をもつことです。  そこで質問します。捕捉率に満たない約8割の8万人以上の方の生活向上のため、申請主義だからと放置しないで、自治体としての役割を発揮してください。あなたは需給の権利があります。ぜひ法の活用を考えてみてくださいなどの通知を考えてもらいたいのですが、お答えください。 ◎佐藤 自立支援促進担当課長 生活保護の捕捉率の推計につきましては、保有する資産の評価額、また稼働能力の有無といった保護の要件や、親族からの扶養の可能性などといった必要な情報がデータからはわからないという技術的な問題がございまして、捕捉率の推計は困難であるとの見解を国のほうでは示しているようでございます。  生活保護の制度のご案内については、国や東京都、区のホームページで行っておりまして、また、様々な機関の窓口においても、生活にお困りの方は生活保護の窓口へつないでいただいております。  そうした中で、区としては、相談しやすく、かつ丁寧でわかりやすいご案内ができるよう、窓口運営を行う、そうしたことが重要であると考えておりまして、研修等を通じて、職員のスキルアップを図っております。  生活保護の申請書は窓口に置いてございます。また、生活保護のしおりはどなたにも渡せるように、常に用意してございます。  区では、生活に困窮されている方に応じて、大田区生活再建・就労サポートセンターJOBOTAや生活福祉課の窓口で相談を受けておりますが、引き続き、区のほかの相談窓口、大田区社会福祉協議会やハローワークと連携しながら、安心して相談できる窓口づくりに努めてまいりたいと存じます。 ◆黒沼 委員 今の答弁は申請主義なのですよ。日本共産党は名称を権利であることを明確にするために、生活保護法を生活保障法とすべきと提案しています。生活保障なのです。6野党会派で生活底上げ法案を提出しました。小田原事件の「保護なめんな」ジャンパー事件は、生活保護世帯の増加に職員の増加が追いつかない脆弱さが原因だったと言われています。この脆弱さが捕捉率の計算を困難にしているのですよ。これを充足すれば、捕捉率はできるのです。その恥辱さの解消と捕捉率の努力を怠っているのが今の答弁だと思います。  ぜひ、生活保護の保護のしおりを改善し、業務内容も徹底的に見直して、憲法に基づく生活保障としての生活保護法を改善し、大田区民のために行政が改善することを求めて、質問を終わります。 ○渡司 委員長 それでは、令和、質疑願います。 ◆須藤 委員 令和大田区議団、須藤英児です。昨年11月、大田区議会区政施策調査団(令和元年欧州方面)にて、高福祉国家スウェーデンの一般的なシニア住宅(コレクティブハウス)を視察してきました。そこでは、1940年代の建物を改築し、子どもを持たない50名(平均年齢70歳、男性が25%、女性が75%)が、当番制で夕食をつくったり、音楽会やお楽しみ会を開催したりと、生き生きと共同生活をしていました。すてきな出会いもあり、カップルも誕生するとのことです。そこで見て、感じたことは、高齢者の自立した生き方と暮らし方です。  令和2年2月の大田区の人口、73万4,460人、39万6,922世帯で、令和2年1月時点の65歳以上高齢者人口16万6,110人、単身世帯高齢者人口は約5万8,000人です。65歳以上高齢者率は約22.62%、高齢者の3人に一人の34.92%は単身者です。  大田区内でも高齢化率は上がり、単身高齢者の占める割合も上がると見込まれます。その上で、高齢者が元気で生き生きと暮らせる大田区を目指し、高齢者一人ひとりが自助として、元気の維持や介護が必要になったときのために備えることが求められています。  より多くの高齢者が支えられる側から支える側になり、多くの地域資源を活用しながら、互いに支え合える互助の地域の形成が必要です。  また、高齢者が生き生きと生きるために欠かせないのは、社会の中でのつながりや役割を感じられる環境づくりだと思います。大田区内において、地域パトロールや清掃活動など、高齢者が地域を支える現場を数多く見てきました。区として、高齢者が地域を支える取り組みについて支援していることは何かありますか。 ◎長岡 元気高齢者担当課長 高齢者による地域を支える取り組みは多様にありますが、一例として、大田区シルバー人材センターの会員の皆様は、地域の支え手として、様々な職種で活躍しているほか、地域イベントなどにおける社会奉仕活動にも積極的に参加しています。区は、同センターの円滑な事業運営のために助成を行っています。  また、大田区シニアクラブ連合会では、見守りや社会奉仕活動に取り組んでいます。区は、シニアクラブ及び大田区シニアクラブ連合会に対して、運営費の助成を行うとともに、シニアクラブ連合会理事会の事務局活動の支援にも取り組んでおります。 ◆須藤 委員 それでは、大田区において会員数が3,000名を超えるシルバー人材センターでは、会員相互の交流はありますか。1万5,000人を超えるシニアクラブでは、要介護の状態にならないための取り組みとしてどのようなことをしていますか。 ◎長岡 元気高齢者担当課長 シルバー人材センターでは、区内拠点施設3か所においてシルバーサロンを週1回、本部においても月1回開催し、会員相互や地域の高齢者との交流の場づくりに取り組んでいます。  また、地域の中で高齢者がいつまでも元気に暮らしていくためには、高齢者自身が地域貢献を意識しながら暮らしていくことが重要と考え、会員や役員などがみずから知人、友人などに働きかける入会促進に取り組んでいます。  シニアクラブ連合会では、「明るく楽しく元気よく」をスローガンに、大田区民謡大会やゲートボール大会、旅クラブなど、生きがいづくりや外出機会の創出を通して、健康や介護予防に資する多彩な取り組みを展開しております。  一例を挙げますと、11月に大田区民プラザで開催された第33回文芸作品展には、シニアクラブの会員の方々から写真、絵画、書道、手芸品など2,234点の作品が寄せられ、多くの来場者でにぎわいました。 ◆須藤 委員 高齢者になっても学び、自分を磨くことは重要で、高齢者ご自身にとっても喜びになると思います。シルバー人材センターやシニアクラブでは学びや研修にどのように取り組んでいますでしょうか。 ◎長岡 元気高齢者担当課長 シルバー人材センターでは、接遇・安全や技能・技術の研修に加え、新たな就業にマッチングするための能力開発研修に取り組んでいます。また、入会時に資格や経歴などのスキルの申告をいただき、就業におけるマッチングに活用しており、知識や特技を活用した就業機会の提供として、老人いこいの家の講座の講師として従事いただいている例もあります。さらに、英会話講座も実施して、来るべきオリンピック・パラリンピックにおける来訪者へのおもてなしなども含め、気運を高めております。  シニアクラブでは、社会奉仕活動の一環として、防犯や防災活動の研修に取り組んでいます。また、各種の学習会や教養講座、文化伝承などに取り組み、生きがいを高める文化活動を進めております。  区は、今後、シニアクラブ連合会と連携し、発災時のマイ・タイムラインやスマートフォンのアプリケーション活用の研修など、これからの高齢者の生活に密接にかかわる支援を進めてまいります。 ◆須藤 委員 私がよく利用する大森駅西口前、以前はたばこの吸い殻が散乱していましたが、シルバー会員の活躍でたばこの吸い殻を捨てる人が激減し、感謝しております。  また、私は大田区の高齢者が日本各地の災害現場で復旧・復興支援活動に従事し、各自の知識や経験、技術や能力を生かした活躍を数多く見てきました。「自分の命は自分で守る」、自助の強化として、高齢者に向けたマイ・タイムラインに関する研修などの支援もぜひ実現していただきたいと熱望しています。  平成24年度高年齢者就職確保実態調査調査報告書によりますと、シルバー会員が入会後、ふだんの生活に変化があったか否かの質問に対しての回答は、健康が増進した、16%、生きがいがあった、充実した生活が送れるようになった、35%、地域社会の貢献に関心を持つようになった、11%、生活全般に意欲的になった、9%で、生活が前向きに改善されたことを意味する4項目で、合計71%を占めています。  大田区内にも、豊富な知識、経験、技能を持ち、利用者に喜ばれ、社会に貢献したいと思うシルバーの方々は多数いらっしゃいます。  実際、シルバー会員による仕事は、臨時の仕事、早朝の仕事、若年層や主婦ができない仕事など、多くの利用者から喜ばれていると聞きます。  さらに、シルバー会員は就業することにより、生活リズムを維持し、健康増進・介護予防にもなり、金銭的にも余裕ができ、社会参加・社会貢献を行っている実感が得られ、生きがいを感じることができると伺っています。  また、シルバー会員が元気に働く姿は大田区を元気にしています。シルバー人材センターのシステムは利用者に喜ばれ、シルバー会員に喜ばれ、社会に喜ばれ、三方よしで公益性が高く、人生100年時代の社会をつくる上で不可欠な仕組みだと思います。  シルバー人材センターの会員の方々から出てくる多くの改善点などに耳を傾けて、取り組んでいただくことを強く要望し、質問を終わりにしたいと思います。 ◆三沢 委員 令和大田区議団の三沢清太郎です。私からは、ベビーシッター利用支援事業について質問をさせていただきます。  新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、安倍政権は3月2日から全国の小中高校で一斉休校を要請し、大田区でも多くの子どもたちが休みに入りました。この対策に対して賛否両論ありますが、感染拡大が緩やかになることで、感染医療機関の医療崩壊に歯どめをかけ、薬を開発したりするための時間稼ぎができることを大いに期待するところです。  しかし、そうは言っても、突然子どもたちを家で面倒を見るように言われて、お困りになっている家庭も多いのではないでしょうか。ベビーシッターや家事代行サービスを提供する「キッズライン」という企業が、小学生の子どもたちがいる親906人に対して緊急調査を実施した結果によれば、突然の休校に対して、75.2%もの人が困ると回答しているそうです。  そのようなときに役に立つのがベビーシッター利用支援事業です。大田区は、東京都のベビーシッター利用支援事業を実施しておりますが、利用状況と令和2年度の利用想定を教えてください。 ◎早田 こども家庭部副参事〔保育基盤整備担当〕 ベビーシッター利用支援事業の利用実績についてでございますが、直近では、令和元年12月の利用状況となりますが、30名の方が利用しておられます。  利用時間数の合計は、2,902時間になり、一人当たり平均では、月97時間のご利用でございます。  来年度は、対象を2歳児までに拡充することから、1か月一人当たり110時間で、30人の方の利用を見込んでおります。 ◆三沢 委員 東京都のベビーシッター利用支援事業は、大田区を含め、都内14区市が実施をしておりますが、大田区以外の区市は全て0歳児から2歳児の待機児童の保護者を対象としています。  大田区も今お話にありましたとおり、令和2年4月から2歳児まで対象を広げますが、これまで0歳児のみを対象とした理由、そして、4月から2歳児まで対象を広げる理由を教えてください。 ◎早田 こども家庭部副参事〔保育基盤整備担当〕 東京都のベビーシッター利用支援事業は、今年度より開始いたしました。事業開始にあたり、どれくらいの人数のベビーシッターが確保できるか不透明であり、混乱を避けるため、最も保育負担の大きな0歳児に対象を絞って事業を開始し、ベビーシッターの供給状況を確認しながら、順次年齢拡大を検討することといたしました。  今年度は、これまで順調に事業が推進されていることから、来年度は対象を2歳児まで拡大することとしたものでございます。  認可保育所整備による待機児童対策が進み、一部の地域を除いて待機児童は少数が点在する傾向となっておりますが、このような地域では、多数の定員をまとめて確保する認可保育所開設は、大量に欠員が発生してしまいます。そのため、ベビーシッター利用支援事業は、保育ママ事業とともに、有効な待機児童対策となるものと期待しております。 ◆三沢 委員 対象年齢を広げることで、一人でも多くの保護者にサービスをご利用いただけるようになることを願っております。  申請から利用開始までの期間についてもお聞きをいたします。現在、申請から利用開始までおおむね1か月程度かかっているようですが、これではサービス利用者にとって使い勝手が少々悪いように感じられます。もっと短期間でサービス利用ができるようにすべきと考えますが、理事者の見解をお聞かせください。 ◎早田 こども家庭部副参事〔保育基盤整備担当〕 ベビーシッター利用支援事業は、東京都が定めた手順によって行われます。利用開始にあたっては、保育所の利用申請で保留処分となったことが前提となるため、区が保留通知を受けた世帯を利用対象者に認定いたします。認定を受けた利用希望者は、東京都の指定するベビーシッター事業者と直接契約を結び、区がその契約を確認して東京都に報告し、さらに東京都がベビーシッター協会に利用対象者であることを通知いたします。通知を受けたベビーシッター協会は利用者IDを発行し、その利用者IDを使って利用開始となります。  多くの区では、保育所の利用申請に対する保留通知を行った後、改めて利用意向調査を行い、希望する方にベビーシッター事業対象者認定通知を行っておりますが、本区においては、利用意向調査を省略し、保留通知とあわせて利用対象者認定通知を行うことで、保留通知を受け取った時点で直ちに事業者と契約できるよう、手続きを簡素化しております。  手続きが複雑な上、区が工夫する余地が少なく、利用者にはお手数をおかけしておりますが、今後も開始までの時間が少しでも短縮できるよう、区として事務の簡素化を検討するとともに、東京都にも機会を捉えて事務の簡素化を求めてまいります。 ◆三沢 委員 他区と比べて、大田区なりの工夫を凝らしていることがわかりました。それでも、利用者の利便性向上のためにできるだけサービス申し込みからサービス開始までタイムラグの発生をしないように、引き続き検討をよろしくお願いいたします。  さて、先ほど大田区は、東京都のベビーシッター利用支援事業の対象年齢を令和2年4月から2歳児までと広げることについて話をしましたが、東京都は新型コロナウイルス感染症防止のための臨時休校の伴う小学生の居場所確保のための対策として、ベビーシッター利用支援事業の対象に小学生も追加をすると発表をしました。  具体的には、3月2日から小学校の春休み開始日の前日までの期間、臨時休校に伴い居場所の確保が必要な小学生を対象にしておりますが、大田区はこの事業の活用について、どのように考えておりますでしょうか。理事者の見解をお聞かせください。 ◎早田 こども家庭部副参事〔保育基盤整備担当〕 連日、新型コロナウイルス感染症対策としての休校に伴い、共働き世帯等が日中の子どもの預け先に困る状況が報道されております。  本区においては、夏休みなどの長期休業中においても、午前8時30分から児童館及び放課後ひろばにおいて学童保育を実施しており、このたびの休校は夏休みと同じ状況でございますので、通常どおり円滑に児童を預かることができております。  また、教育委員会の協力を得て、休止している放課後子ども教室の従事者及び教室を活用し、学童保育の一時利用の受け入れ定員を増やしており、余裕をもって運営することができております。  したがって、現時点では、休校を理由とする小学生を対象としたベビーシッター利用支援事業を実施しなくても支障はないという状況と言えますが、実施するかどうかにつきましては現在検討中でございます。 ◆三沢 委員 必要に応じて、柔軟な対応をよろしくお願いいたします。  次に、本事業の根本的な問題について取り上げたいと思います。それは、格安でベビーシッターサービスを受けることができたと喜んでいたら、翌年に所得税を課税されるという問題です。  東京都のベビーシッター利用支援事業を利用した場合、助成金分は個人の雑所得となります。学費や障害者給付などの助成金については、所得税法9条で定める課税の例外規定にあたるため、雑所得に計上されませんが、同規定には保育費用に関する定めはありません。よって、確定申告をする必要が生じてきます。
     例えば、子どもが二人いる年収400万円の家庭がベビーシッター助成をフルに年間300万円活用した場合、所得は増えていないにもかかわらず、所得税が35万円も増額されることになります。東京都も大田区もパンフレットやホームページなどでこうした事実を周知しておりますが、果たしてベビーシッター助成制度を利用検討されている方のうち、どれくらいの方が納税の義務が生じていることをご存じなのでしょうか。  特に、利用者の多くを占めるであろうサラリーマンは、基本的に確定申告をする必要がありませんから、気がつかない可能性が高いかもしれません。所得税法9条の改正論議については日本維新の会の音喜多駿参議院議員が昨年秋から国会で抜本的な議論を繰り広げておりますので、その進展を待ちたいところですが、大田区としてはサービス利用者に納税義務についてわかりやすく説明する必要があると考えております。理事者の見解をお聞かせください。 ◎早田 こども家庭部副参事〔保育基盤整備担当〕 福祉的な給付が所得税法上の雑所得とされ、課税される場合があるということは極めて例外的なことであり、一般の方々にとってはわかりにくい事柄であると考えております。  本区では、後になって利用者が予期していない税を負担することのないよう、利用者がベビーシッター事業者との契約を区に届け出た際などに確定申告の必要性や、モデルケースとなる税額表をお示しして、詳しく説明しております。  今後も、丁寧な説明を心がけ、ベビーシッター利用支援事業等を気持ちよくご利用いただけるよう、努力してまいります。 ◆三沢 委員 東京都のベビーシッター利用支援事業は、事業者や箱物にお金を渡すのではなく、本当に困っている方にお金を直接渡すという意味で画期的な取り組みです。解決しなくてはならない税法上の問題を抱えてはおりますが、現在はブラッシュアップの途中段階として前向きに捉え、大田区は基礎自治体として求められる役割をしっかりと果たすことを要望いたします。  今回取り上げたサービス以外にも、新型コロナウイルス感染症対策として、内閣府が推進しております企業主導型ベビーシッター利用支援事業というものもございます。こちらは、3月に限りベビーシッターを利用する際の補助金を1か月5万2,800円から最大26万4,000円まで引き上げるものです。しかも、この支援事業は時限的なものではありますが、非課税所得となることも発表されました。この対応が一つのきっかけとなり、保育費用の助成金については、所得税法9条で定める課税の例外規定とする機運醸成につながることを期待いたしまして、私からの質問を終わります。 ◆松原〔元〕 委員 令和大田区議団の松原元でございます。本日、最後の質問者やもしれませんが。  (「まだわからないよ」と呼ぶ者あり) ◆松原〔元〕 委員 大変失礼いたしました。福祉部のお時間をいただき、質問を行いたいと思っております。  事項別明細書の169ページの生活保護費に関する部分に関してお伺いをいたしたいと思います。内容は、1月30日に発表された区職員による生活保護費の横領に関することです。  事件概要は、1月30日にそれぞれ件名を「元職員の逮捕について」区議会議員各位宛とするメールが2点届けられていると思います。内容を要約して説明をいたします。  当時、福祉部糀谷・羽田生活福祉課主事であった29歳男性の区職員が、自身が担当していた生活保護受給者の生活保護費を業務上預かり保管中の預金通帳及びキャッシュカードを使用して、合計8万5,000円を引き出し、横領したとのことでありました。  メール文の後段には、「あってはならない不祥事を起こしたことを、区民の皆様及び関係各位に深くおわび申し上げます。二度とこのような事態が発生しないようにしっかりと再発防止策を講じてまいります」と記載をされております。  また、同日区のホームページにプレスリリースが発表されました。今申し上げた事件概要を伝えるとともに、現時点での対応として、福祉事務所における現預金の管理の体制やチェック機能を検証するとともに、管理状況の総点検を行い、新たな金銭等管理マニュアルを令和元年、昨年6月に改定をし、それを改めて職員全員に周知徹底、今後も定期的に研修等を行うことによって、福祉事務所全体で再発防止に努めるとしております。  最後に添えられた松原区長のコメントでは、任命権者としての責任を語られるとともに、区民の皆様方への信頼回復に向けての思いを語られております。これが先日の第45号議案大田区長等の給料の特例に関する条例によって、区長、副区長の給料月額100分の10減、1か月とする議案提出がなされたことにあらわれていると考えます。  本件は、ちょうど昨日、東京検察庁が不起訴とする報道がなされました。しかし、給与減の議案が提出される誘因となった本事件は、元区職員の起訴、不起訴にかかわらず、区政にとって大変大きな問題であり、検証し、区長のお言葉にあるように、二度とこのような事態が発生しないように、しっかりと再発防止策を講じていかなければならないと考えます。  本事件は、公表されている情報から時系列順に申し上げますと、昨年の1月に入所施設から代金が支払われていないと問い合わせがあり、4月に担当職員が退職をされ、そして6月に金銭等管理マニュアルを改定、そして、本年1月20日に告発状を提出し、28日、元区職員が逮捕され、30日、大田区と警察が発表され、そして、昨日、3月9日に東京都検察庁が不起訴処分との報道であります。  では、伺います。区が事実を認識をされ、1年も発表がなされなかった理由及び該当職員が退職をして、告発・公表に9か月間かかった理由をお聞かせください。入所施設から問い合わせがあってから、3か月間、区職員が退職という仕儀となった段階で何らかの発表はできなかったのでしょうか。ご答弁を願います。 ◎根本 糀谷・羽田生活福祉課長 まず、経過についてでございますが、施設から問い合わせがあった昨年1月以降、直ちに課内の内部点検を実施し、不明な金銭があることを確認いたしました。しかし、元区職員が出勤していなかったこともあり、詳細まではわかりませんでした。  元区職員とは幾度も接触を試み、3月末にようやく聞き取り調査を実施できましたが、元区職員からは正しく事務を行っていたとの回答で、確証を得ることができませんでした。  元区職員は、平成31年4月5日に退職いたしました。警察へは、具体的内容をお示しして相談をし、その後の捜査には、求めに応じてその都度丁寧に情報提供を行ってまいりました。  結果的に、相当の時間が経過いたしましたが、本年1月中旬になり、警察からご連絡をいただき、1月20日に業務上横領の容疑で告発状を提出し、1月28日の逮捕となった次第でございます。  その間の事案の公表につきましては、警察側から捜査のため非公表とするよう助言があったため、差し控えさせていただいたものでございます。 ◆松原〔元〕 委員 警察からのお話があったということでありますが、当初情報にあった横領金額が8万5,000円で、その後、横領金額が3月5日の所管委員会の報告にて修正をなされ、37万4,054円とされました。本件はそれ以外の横領はなかったのでしょうか。ご答弁を願います。 ◎根本 糀谷・羽田生活福祉課長 本年1月28日に、8万5,000円の業務上横領の容疑で逮捕されるとともに、2月18日に28万9,054円の同容疑で再逮捕されており、総額は37万4,054円となります。これは、大田区が本年1月20日に告発した内容と同額でございます。  なお、本件は継続中のことでもございますので、大変申しわけございませんが、これ以上はお答えを差し控えさせていただきます。 ◆松原〔元〕 委員 ちょっとこれ以上はご答弁いただけないということですので、次に伺います。  生活保護事業の金銭にかかわる作業は、担当のケースワーカーが一人で担当するということは考えられません。入所施設から連絡があるまで気づかなかったのはなぜなのでしょうか。組織として事前に防ぐ取り組みやダブルチェックのあり方などはなかったのか、ご答弁を願います。 ◎根本 糀谷・羽田生活福祉課長 生活保護費は、受給者本人の口座への振り込み、または現金の手渡しが原則でございますが、やむを得ない場合、ご本人からの依頼に基づき、金銭や預金通帳等をお預かりする場合がございます。施設利用料についても原則として地区担当職員が現金を取扱うことはございませんが、例外的に生活福祉課の経理担当から地区担当職員が代理受領し、当日中に現金書留で直接施設宛に郵送する場合がございます。  今回の事案でも、この方法をとっておりましたが、当日の郵送が行われず、その確認が不十分であったため、早期の発見ができませんでした。  区では、これまでも金銭管理マニュアルを策定し、金銭の受け払いや預金の引き出しの際にはその都度受払簿やケース記録等に記載し、係長や経理担当が確認をすることとしておりました。  今回の事案を受け、昨年6月にマニュアルの見直しを行い、複数の目での検査と確認を行うことの強化・徹底を図っているところでございます。 ◆松原〔元〕 委員 取り組みはあったものの不十分だり、今それを強化をされているということだったと思います。本当にこの課題は今後であります。昨年6月に金銭等管理マニュアルを改定し、改めて職員全員に周知徹底がなされたとのことですが、先ほど申し上げた時系列からして、このときはまだ本事件が公表なされていなかったわけであります。本件が公表された今、改めて今後の再発防止への組織的取り組みの必要性を大変強く感じるわけでございますが、いかがお考えでしょうか。ご答弁を願います。 ◎長谷川 福祉支援調整担当課長 再発防止のためには、職員一人ひとりが倫理観をもって、規定やマニュアルどおりに業務を履行し、特に現金等を取扱う際は、複数の職員の目で確認していくこと、上司が管理監督を確実に行うよう、継続して組織的に取り組んでいくことが必要不可欠でございます。  具体的には、大田区福祉事務所として、今後も次のような再発防止策を強化、充実してまいります。  第一に、職員研修の充実でございます。既に、係長による生活福祉課の人材育成に関する検討会を立ち上げ、従来の新任研修に加えて、今年度から2年目以上の職員に対して、現任研修を年に3回実施し、査察指導員と呼ばれる係長向けの研修も実施するようにいたしました。  これらの研修においては、不正防止や個人情報遵守の内容も盛り込んでおり、検討会での検証を経て、今後も内容を充実させ、専門性の向上と倫理観のより一層の醸成を図ってまいります。  第二に、来年度から金銭管理業務の一部を他の区で実績を上げ、高いノウハウをもつ事業者に順次委託していく予定でございます。職員の負担軽減を図りながら、業務の質を高めてまいります。  第三に、福祉事務所内の自己検査体制を構築してまいります。生活福祉課ごとに毎月末に行う金銭取扱簿の確認を福祉事務所長まで供覧するなどして、管理監督者の責任をより一層明確にしてまいります。  さらに、各課で行っている金銭管理状況の点検時に、他の生活福祉課職員を参画させる相互点検型の自己検査を定期的に行い、マニュアル等の確実な実施を担保するとともに、生活福祉課同士の相互研さんも図ってまいりたいと考えております。 ◆松原〔元〕 委員 大変、詳細な答弁をいただきありがとうございます。本当に、この場で質問したかいがございました。こちらは、今伺ったのは研修の強化と、あと、一部業務の金銭業務の委託をする。また、自己検査の徹底を行うことと、相互研さんの充実であったと今思います。金銭管理の一部を事業者に委託するということ、職員の負担と軽減とのバランスを注視をしていかなければならないのかなと考えているところであります。  今後、区が本件の総括をされるとともに、再発防止の取り組みをしっかりと前進されることを強く要望いたしまして、質問を終えさせていただきます。 ○渡司 委員長 本日は、この程度をもって、予算特別委員会を閉会いたします。                午後4時53分閉会...