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  1. 大田区議会 2018-11-29
    平成30年 第4回 定例会−11月29日-02号


    取得元: 大田区議会公式サイト
    最終取得日: 2021-10-03
    平成30年 第4回 定例会−11月29日-02号平成30年 第4回 定例会 平成30年第4回定例会 大田区議会会議録 第15号 11月29日(木曜日)  出席議員(48名)   1 番 田中一吉       2 番 松原秀典       3 番 高瀬三徳   4 番 安藤 充       5 番 岸田哲治       6 番 大森昭彦   7 番 松原茂登樹      8 番 伊藤和弘       9 番 塩野目正樹   10 番 押見隆太       11 番 鈴木隆之       12 番 伊佐治 剛   13 番 深川幹祐       14 番 長野元祐       15 番 渡司 幸   16 番 高山雄一       17 番 松本洋之       18 番 岡元由美   19 番 勝亦 聡       20 番 広川恵美子      21 番 秋成 靖   22 番 玉川英俊       23 番 田村英樹       24 番 大橋武司   25 番 小峰由枝       26 番 椿 真一       27 番 田島和雄   28 番 末安広明       29 番 大竹辰治       30 番 清水菊美   31 番 藤原幸雄       33 番 菅谷郁恵       34 番 黒沼良光   35 番 金子悦子       36 番 福井亮二       37 番 荒尾大介   38 番 山崎勝広       39 番 黒川 仁       41 番 松原 元   42 番 岡 高志       43 番 荻野 稔       44 番 三沢清太郎   45 番 犬伏秀一       46 番 野呂恵子       47 番 奈須利江   48 番 湯本良太郎      49 番 北澤潤子       50 番 馬橋靖世
                   ――――――――――――――――――――  欠  番   32 番  40 番                ――――――――――――――――――――  出席説明員   区長            松原忠義    副区長           川野正博                         企画経営部長   副区長           清水耕次    未来創造研究室長兼務    市野由香里   総務部長          玉川一二    危機管理室長        井上隆義   地域力推進部長       小泉貴一    観光・国際都市部長     木田早苗   スポーツ・文化担当部長   町田達彦    区民部長          浜口和彦   産業経済部長        飯嶋清市    福祉部長          今岡正道                         障がい者総合サポートセンター所長   福祉支援担当部長      西山正人                  青木 毅   健康政策部長        今井健太郎   保健所長          西田みちよ   こども家庭部長       水井 靖    まちづくり推進部長     齋藤浩一   都市開発担当部長      青木重樹    空港まちづくり本部長    白鳥信也   都市基盤整備部長      久保輝幸    環境清掃部長        落合邦男   会計管理者         近藤倫生    企画経営部企画課長     山田良司   企画経営部財政課長     梅崎修二    総務部総務課長       中澤 昇   教育長           小黒仁史    教育総務部長        後藤 清   教育総務部教育総務課長   森岡 剛                ――――――――――――――――――――  出席事務局職員   局長       鴨志田 隆        次長       三上浩史   議事担当係長   矢作研治 議事日程第2号  平成30年11月29日  午前10時開議  第1   30第19号 前の浦(大森南図書館前)京急バス停(上り)の改善を求める陳情  第2   第 97号議案 仮称大田区田園調布せせらぎ公園文化施設新築工事請負契約について   第 98号議案 大田区立志茂田小学校及び大田区立志茂田中学校ほか3施設外構その他工事(U期)請負契約について   第 99号議案 仮称大田区多摩川清掃事務所新築工事請負契約について   第100号議案 大田区立男女平等推進センターの指定管理者の指定について   第108号議案 大田区長の在任期間に関する条例を廃止する条例   報告第 32号 民事訴訟の提起に係る専決処分の報告について   報告第 33号 訴え提起前の和解に係る専決処分の報告について   報告第 34号 区の義務に属する損害賠償額決定に係る専決処分の報告について   報告第 35号 仮称大田区羽田一丁目複合施設改築工事請負契約の専決処分の報告について   報告第 36号 大田区立六郷保育園及び大田区立六郷図書館改築工事(第U期)請負契約の専決処分の報告について   報告第 37号 大田区立仲六郷保育園改築工事請負契約の専決処分の報告について   報告第 38号 仮称大田区京浜島地区備蓄倉庫新築工事請負契約の専決処分の報告について   報告第 39号 仮称大田区羽田一丁目複合施設改築電気設備工事請負契約の専決処分の報告について  第3   第101号議案 臨海部広域斎場組合規約の一部を変更する規約に関する協議について   第102号議案 大田区休養村とうぶの指定管理者の指定について   第103号議案 大田区営アロマ地下駐車場の指定管理者の指定について  第4   第104号議案 大田区営シルバーピアの指定管理者の指定について   第105号議案 大田区立シルバーピアの指定管理者の指定について   第106号議案 大田区高齢者アパートの指定管理者の指定について   第107号議案 大田区立障害者福祉施設の指定管理者の指定について  第5   第 96号議案 大田区学童保育の実施等に関する条例の一部を改正する条例  第6   議員提出第13号議案 大田区議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する条例  第7   議員提出第14号議案 大田区マタニティパス条例  第8   議員提出第15号議案 大田区保育施設等職員応援手当条例  第9   議員提出第16号議案 商店街お休み処活性化補助金交付条例  第10   30第58号 協議会で区が求めた適切な対応をとるまでリニアの工事に着工しないことを求める陳情   30第59号 リニアの大深度地下使用認可に関して国交大臣とJR東海に対応を求める陳情   30第65号 リニア地下トンネル工事で地上へ影響がないことを確認するため、調査を求める陳情   30第66号 国土交通大臣にリニア新幹線大深度地下使用認可処分の取り消し要請を求める陳情  第11   30第53号 羽田空港の「沖合展開」開始当初の約束を将来にわたって遵守させる陳情   30第55号 羽田空港における騒音に関する陳情   30第60号 大田区HPに「あのときの、羽田」仮囲い壁面展示の内容をすべて掲載して欲しい陳情   30第62号 騒音、震動、大気汚染、危険で影響が大きすぎるB滑走路西向き離陸案を心配する陳情   30第63号 大森、糀谷、羽田の市街地方向に近づいて離陸するB滑走路西向き離陸案を心配する陳情   30第64号 新飛行ルート案で横田空域の民間旅客機通過が日本の管制に及ぼす影響を看視願う陳情               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜                     午前10時開議 ○勝亦 副議長 議長にかわり、副議長が議長の職務を行います。  ただいまから本日の会議を開きます。               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○勝亦 副議長 事務局長に諸般の報告をさせます。                     〔鴨志田事務局長朗読〕 1 議案の追加送付について                ――――――――――――――――――――                                        30総総発第11724号                                        平成30年11月29日   大田区議会議長 岸 田 哲 治  様                                 大田区長  松 原 忠 義                   議案の追加送付について  平成30年第4回大田区議会定例会に付議する次の議案を別紙のとおり追加送付します。  第108号議案 大田区長の在任期間に関する条例を廃止する条例               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○勝亦 副議長 昨日に引き続き質問を行います。  まず、42番岡 高志議員。                  〔42番岡 高志議員登壇〕(拍手) ◆42番(岡高志 議員) 皆さん、おはようございます。たちあがれ・維新・無印の会、岡 高志でございます。  思えば、私は今期は4回目の代表質問でございます。ここにいらっしゃる議会の皆様、会派の皆様のご協力とご理解をいただいて4年連続で代表質問をさせていただける、本当に感謝を申し上げるところでございます。おかげさまで4回、区長とこうやって議論させていただける。松原区長が進めていらっしゃる安定した大田区のまちづくりであったり、やっぱり福祉の面で大変堅実な経営をされているなって評価しています。ただ、やはり変えていかなければいけないところはあって、そうした点について常に新しい可能性を提案させていただいております。今回も30分ばかり質問の時間をいただいております。どうぞよろしくお願いします。  私は、今年から大学院でまちづくりを学んでいます。東京大学の大学院工学研究科で都市工学の修士号取得を目指しています。この大学院にほかの自治体の職員も在籍されていて、大学院で得た知見を業務に活かされており、敬意を表します。大田区でも職員の大学院通学を応援してはいかがでしょうか。若手職員に限らず、管理職層にも新しい知見を得る意義があります。区長も大学院で災害対策やBCP(業務継続計画)について知見を深められており、区政に反映されたものと存じます。  職員は入庁後、昇任試験などの機会に法律科目とかペーパー上の一般常識などを勉強します。しかし、それで地域社会に対応できる多様なスキルが身につくわけではないと思っています。職員の様々な学びを応援するべきです。
     質問です。例えば大学院の修士号取得で昇任試験は免除するなどの応援策を導入してはいかがでしょうか。  新規採用に当たっては、皆、公務員試験というペーパー試験をパスしてくる統一的なスペックの人材とも言えます。職員のダイバーシティを重視するならば、公務員試験ルート以外で正規職員を採用してはいかがでしょうか。例えばオリンピック・パラリンピックに出場された人は無試験、面接のみで区の正規職員になれるなどのご検討もお願いしたい。  議員はある程度の年齢で引退されますよ。自民党、公明党、共産党、生活者ネットワークも、組織の相応の考え方があると思います。先輩方が引退されるのは少し寂しい気持ちもあります。ただ、先輩議員が前はこうだったよとか諭してくれるのは大変ありがたい。なぜなら、それは事実なのでそれに従えるわけです。だから、若い区長であっても、歴史的なことを知らなかったとしても容易に補えるんだと思います。区役所の組織は基本的には60歳以下の職員で構成されます。区長が歳を重ねていくことは、区役所組織との年代バランスにゆがみが生じていくことになります。  質問です。そうした組織経営における年代バランスをどう捉えるのか、お聞かせください。  次に、O+α Re-innovationについてお伺いします。これは大田区のアルファベットのOプラスアルファと書いてありまして、大田区で創造的なまちづくりを進めていこうということを意味しております。昨日の松原区長の冒頭ご挨拶で、変化の時代において区政に求められていることは、これまでの考え方にとらわれない柔軟な発想を持ち、日々進歩する最新の技術や仕組みなどを可能な限り施策推進に活かしていくことであるとビジョンを示されておりまして、私も共感いたします。  まちづくりにおいて、区役所のある蒲田周辺は少し変化が見られてきました。京急蒲田駅西口は再開発組合が組織され、駅前の高度利用が図られています。あすと商店街も街並み誘導型地区計画が導入されて、1階は商店、事務所に限定、セットバックによって歩行者空間も広がっています。引き続き進展するよう区はサポートしていただきたい。京急蒲田駅東口は、第一京浜を隔てたバスロータリーがありますよね。大変寂しい状態だと私は感じています。高度な利用ができないでしょうか。ちょうど隣に産業プラザPiOがありまして、今後の大田区産業を盛り上げる拡張利用用地にふさわしいと思いませんか。  バスロータリーというのは都市計画上、道路です。ただ、道路も移動手段のためだけでなく、憩いの場、空間としての活用が試されています。道路法に立体道路というのがありまして、道路の上に建物を建てることもできます。今年改正された都市再生特別措置法でもその適用対象は拡大していまして、都市の高密度利用の社会的要請があると言えます。  そこで、提案です。京急蒲田駅東口のバスロータリーの上空に立体道路制度を活用して高密度利用を推進し、大田区の産業振興に資する施設整備を推し進めることを提案したい。そうやって蒲田地区のポテンシャルを引き出すまちづくりを進めてまいりましょう。  今回、質問としては、東京の玄関口として強い宿泊需要のある蒲田の高度利用として、駅前に今よりも質感のあるシティホテルを誘導してはどうでしょうか。立地誘導のための容積緩和を盛り込んだ総合設計制度を導入してはいかがでしょうか。  23区のほかの自治体では、地区計画を積極的に活用しています。千代田区には34の地区計画、中央区は16個、世田谷区は63個も地区計画がある。面積が最大の大田区で地区計画の数が八つしかないというのは物足りないと思います。少し話が戻りますが、京急蒲田駅あすと商店街における街並み誘導型地区計画は、建物利用が1階が商店、事務所に限定して、0.5メートルセットバックをして容積率60%の上乗せを行っています。ややもすれば、マンションに建てかわってしまうかもしれない商店街の魅力向上のためのまちづくり策として評価できます。今後、こうした街並み誘導型地区計画を大田区のほかの商店街に提案したらいいでしょう。  町工場が多く存在する、これも大田区のまちの魅力です。大田区産業振興基本戦略2009、これを読み返しますと、準工業地域では操業環境の維持を図る。工業専用地域・工業地域は、用地再開発や産業支援施設整備により立地誘導を図ると記載されています。大田区では、住居系地域に限らず、商業地域、準工業地域、工業系地域に満遍なく住宅が立地している。大田区の個性と言ってしまえばそれまでですが、都市計画に沿わない形で住宅地化が無秩序に進んでいくのはいかがなものでしょうか。産業のまちという個性があるにもかかわらず、個性のない住宅地化してしまうのは、住民が望んだ結果なんでしょうか。  準工業地域では、住工混在のまち、これは居住環境に課題があると言われます。今改善されてきたとはいえ、騒音やにおいの問題があって、運搬のトラックが引き起こす交通問題もあります。工業者もわかっているので、工場が海外や郊外に移転したり、建て替えてマンションの地下に工場を入れるケースもあります。そうやって民間ベースで工夫しながら工場って生き残っています。工業地域は、用地再開発や産業支援施設整備により立地誘導を図るとしていますが、住居が建築可能であるがゆえに工業の利便増進が図られていないのが実情であります。  東京の不動産流通市場において、住宅系需要は潤沢に存在しているため取引成立はスムーズで、準工業地域も工業地域も工場の移転、撤退の際には住宅用途で売却されています。私ごとですけれども、20年も前ですけど、私は新入社員のとき蒲田の銀行で働いていまして、中小企業融資の実績を積み上げるべく、地域の不動産業者が工場の跡地を住宅開発する、そんな資金を融資していたこともあります。中小企業育成、中小企業支援といって、いわゆる製造業にお金が回るのではなくて、結局は不動産業者にお金が回っていく、それが日本の金融の仕組みである、そんなふうにも感じます。  そんなこともあってか、2002年に大田区で工業地域・準工業地域における集団住宅等の建設に係わる事務処理基準が策定されています。工業集積の維持、増進を目的の一つとして、開発区域内に一定の貸し工場を整備するよう業者に求めている、そんな基準でありますが、実効性はあまりないのが現状でございます。  でも、この20年の大田区の土地価格の推移を見ますと、工業専用地域、この土地価格は必ずしもパフォーマンスが悪くない、そうした実態があります。工場から住宅に移行するのが当然だと思うのではなくて、工場から工場へとの不動産取引も可能である。私は思います。工業に特化したまちづくりを進めていくことも容易だと考えています。  そこで、まちづくりの視点から、大田区が主導する製造業の競争力を引き出すための都市政策を提案いたしたい。それがO+α Re-innovationのダイナモです。工場誘導型の地区計画を導入してはいかがでしょうか。  産業政策の枠組みでは、工場立地の補助金制度も既に存在していますし、現行の工場アパート立地助成を特定地区限定で拡充させる。工場が撤退する場合には、区が買い上げて工場アパートやまちづくりの種地としていく。  そこで質問ですけれども、産業政策を総動員して、工業地域での工業の利便の増進を図ることに加えて、工場誘導型の地区計画を特に地域を限定した形で導入してはいかがでしょうか。  次に、都市計画道路についてお聞きしますが、70年も前に定めた都市計画に縛られるのでなく、大田区に必要な政策を都市計画に落とし込んで、その計画に基づいて前に進んでいることを示すのが政治のアカウンタビリティーであると思います。都市計画道路は、事業が完成すれば交通の利便性が改善される。しかし、計画だけで事業実施されなければ、計画道路上の住民は堅固な建物が原則建てられないなど、構造上の制約がある。大田区の都市計画道路の整備率は23区最下位の水準なんです。環七、環八、第一京浜、産業道路、中原街道といった幹線は整備されたけれども、戦後すぐの1940年代に計画された補助道路、補助線が手つかずですよ。地域的な道路ですから、区の主体性が求められる。折しも、都市計画道路の見直し方針を東京都が今年示しています。概成道路における拡幅整備の有効性、交差部の交差方式等、計画重複等、地域的な道路及び既存道路による代替可能性について計画内容を検討しているとある。この機会に見直すことのできる都市計画道路を見直して整備率を改善していただきたい。  変化の時代において区政に求められていることは、これまでの考え方にとらわれない柔軟な発想だと松原区長もわかっていらっしゃる。3期12年も区長を務められて、大田区の都市計画道路の整備率は23区最下位、そうした不名誉を甘受したいのでしょうか。もしくは、昭和、平成の棚卸しとして都市計画道路を大幅に見直して次世代にバトンをつなぐことが賢明だと思います。  質問します。大田区における都市計画道路の見直し方針をお示しいただけますか。  次に行きます。次は区役所のICT活用とスマートワークについて伺います。  大田区は大きな自治体なので、庁内LANにかかるシステム経費が膨大です。電子計算事務費に係る実態調査を23区でやっていまして、大田区の情報を入手しましたところ、ネットワーク維持に関する費用が顕著に増加していて、今年度は昨年度から倍増の2億円かかっている。区民情報系基盤システムは単年度3.5億円の大型契約だし、統合運用管理業務委託も2.5億円の大型契約、内部情報系基盤システムは単年度で2億円から5億円の大型契約になっている。情報システムの汎用端末の契約も増加しているんです。これぐらいシステム経費ってかかっているんですよ。  だけれども、議員として理解しがたいのが、これだけシステム発注があるんだけれども、個別案件として議会が議決することも委員会で報告されることもない。しかも、ほとんどが随意契約であって、このシステム契約に関する価格競争は機能していないと感じます。大田区契約事務規則第43条によれば、「契約担当者等は、随意契約によろうとするときは、契約条項、その他見積に必要な事項を示して、なるべく2人以上から見積書を提出させなければならない。」、いわゆる相みつをとろうということですね。  質問ですけれども、区長ご自身はシステム契約の実態を把握されているんですか。ちゃんと複数の見積もりをとった上で契約されているのか。また、個別にシステム投資の効果や意義について、議会、そして区民に説明するおつもりはございますでしょうか、お聞かせください。  実は、委託契約の決定権限は部長以下です。委託契約案件が多くなった昨今、委託契約についても規定できる公契約条例の制定が待たれます。公契約条例の検討をよろしくお願いしたい。  システムはそうやって充実したうえで、区民も手続きがインターネット等で完結するようにしてほしいと思います。現状、電子申請可能な手続きは、児童手当関連や飼い犬の死亡届、窓口での受け取りが求められる税・住民票関連手続きなど十数の手続きに限定されます。児童手当現況届、社会教育団体の申請など、電子申請になじむ手続きは多いんです。  質問します。東京都の電子申請をもっと活用するべきではないでしょうか。その上で、電子署名やICカードリーダーなどを不要にして簡素化を図るべきですが、いかがでしょうか。もちろん、電子申請が苦手な人は従来どおり窓口対応で、時間がかかってもきめ細やかな対応をお願いしたいです。  スマートワークの取り組みについて伺います。  私が20年前、銀行で働いていたころは、稟議書って紙でつくって上司の判こをついて決裁していたものですが、この10年、コンピューターシステムでデータをアップして電子署名して決裁する、そんなシステムに変わってきています。データを共有保存することで案件の情報共有が容易になり、便利なシステムです。  質問ですが、区行政でも電子決裁を取り入れてはいますが、その進捗をお聞かせください。  ご承知のとおり、この議会でもICT化の取り組みが進んでおり、議案、委員会説明資料の全てがタブレット端末に配信され、役所のご説明をいただくことになっています。議会という形式を重んじる場でさえも、紙という媒体へのこだわりを持たずに、中身のある議論を進めております。行政においても、電子決裁を活用した事務のスマート化を進めていただきたい。  これからの区政課題について伺ってまいります。  昨日、松原区長はおきて破りの4選出馬表明をされた。その際に、「これまでの歩みを振り返り、今後取り組まなければならないことを熟考してきた。多くの区民の皆様から、私に対してここで立ちどまるべきではないとの声をいただいている。私に対する大きな思いをひしひしと感じている。これら諸処熟慮に熟慮を重ねた結果、私は引き続き区政に対して責任を果たすべきとの思いに立ち至った」、そのようなご答弁をされていまして、大変強い違和感を覚えました。私たち政治に携わる者は、公と私の峻別こそ、おのれに問うべきだと思います。松原区長の昨日のご発言は、主語が私であることから見て、論拠が極めて不明瞭と言わざるを得ない。国家百年の計ならぬ大田区百年の計を思うとき、次世代へのスムーズな承継こそ、首長にあった者の責任ではないでしょうか。松原区長の矜持をここに問いたい。  さて、区長は毎年、資産公開を義務づけられていて、公開しています。総務課に情報公開をお願いしたところ、3点不明瞭な点を見つけましたので、ひとつ伺います。区長はご自身の公約を翻し、おきて破りの4選出馬表明をされており、人としての信頼感が揺らいでいる。ご自身の資産形成について、区長ご自身の言葉でご説明いただきたい。  質問ですけれども、4年の任期終了ごとに区長は多額の退職金を受け取っています。過去2回退職金を受領されたが、資産公開の資産のところに退職金相当の金額が計上されていないんです。このことをどう説明するのか、誠実にお答えいただきたい。  今年の決算特別委員会で、区民税を減税してはどうか、昨年度は当初予算から164億円も余っているんだから、おおむね区民税700億円であれば20%減税することだってできるのではないかということを申し上げています。昨日、財政基金を積み過ぎると国に狙い撃ちされて召し上げられるよというような警鐘を自民党の代表質問で鳴らされていまして、その答弁で、引き続き基金を積み続ける、そんな答弁でございました。区民のお金が有意義に活用されないで国に召し上げられてしまうかもしれない。そんな中で、区民のお金をただただ余らせてため込んでいくなど許されません。区民の代表たる区長は、余った住民税を区民にお返しするべきです。松原区長にはぜひとも我々と同じ方向性に立っていただきたかった。答弁原稿じゃなくて、松原区長自身の思いで最後の一問にお答えください。  昨日、松原区長はおきて破りの4選出馬表明をこの場でされて、4年前は3選表明をやはり代表質問の答弁でされましたけれども、そこで拍手が湧き起こっていました。でも、きのうはそうした期待感や高揚感が見えなかった。松原区長の12年間をおおむね評価していますが、次の4年間も松原区長でなければならない理由を感じません。例えば、もしも私、岡 高志が区長だったならば、松原区長の12年のよいところをつないでさらに魅力的な大田区をつくっていけるだろうか。私の力だけでなく、ここにおられる議員の皆様、職員の皆様、そして区民の皆様のお知恵と情熱を集めていただければできる。そして、松原区長が区政に求められた、これまでの考え方にとらわれない柔軟な発想を持ち、日々進歩する最新の技術や仕組みなどを可能な限り施策推進に活かしていくことができます。今さらながら、ICTの活用は民主主義を進化させます。より多くの区民の声を集めて分析して、全ての区民の思いを反映した、みんなが誇れる大田区をつくることができます。  質問です。それでも松原区長が4期目も区長にとどまらなければいけないと考える理由は何でしょうか、お聞かせください。  次、最後は学校経営について伺います。  学校教育の充実こそが区政最大の課題であります。子どもたち一人ひとりへのきめ細やかなサポートを含めた教育の質の向上が必要です。施設整備に少しずつ光が当たってきました。指導力の向上は次の課題で、学力低位校にはすぐれた教員を重点配備するような即効性のある対応をお願いしたい。学校ごとに自律的に指導力を向上することも大切です。学校教育法施行規則に基づき、各学校で学校評価というのを作成しています。大田区では、学力向上、豊かな心、体力向上、教育環境、家庭・地域との連携といった各分野の目標がどのように達成されるかを示しています。学校におけるPDCAの有効なツールです。残念ながら、各校の学校評価を見ると、評価尺度がまちまちである上にロジックツリーもいま一つです。もっと分析的に作成するべきだと思います。  そこで質問しますが、学校現場で評価手法が確立できないならば、教育委員会で標準的な評価尺度を設定するべきだと思います。いかがでしょうか。  学校のウェブサイトでの公開の状況もまちまちなので、しっかり公開されるように教育委員会の指導を求めます。  教育委員会の指導課は教員経験者、先生の経験者で固められていますが、教員としてのセンスだけでは教員指導や計画策定、学校経営に十分に対応できるんだろうか。そうしたスキルはどのように養成していくのかと思います。  質問ですが、最後の質問です。教育長も就任されて1年になります。教育委員会として学校経営をどのように支援していかれるのか、ご見解をお聞かせください。  以上で私、岡 高志から会派を代表しての質問を終わります。ご清聴まことにありがとうございました。(拍手) ○勝亦 副議長 理事者の答弁を求めます。 ◎松原 区長 岡議員の代表質問に順次お答えをさせていただきます。  まず、昇任選考に関するご質問でございますが、管理職の選考は23区統一で特別区人事委員会が実施し、その他の選考は、特別区人事委員会から権限の委任を受けて区が実施しております。これらの選考は、23区共通の任用資格基準に従い実施する必要がございます。このことから、大学院修士号取得という事実をもって昇任試験を免除することはできませんが、修士号取得に限らず、専門性の高い知識、技術を主体的に習得している職員につきましては、その能力を最大限に活かせるよう配置管理の中で活用しております。  次に、組織経営における年代バランスに関するご質問でございますが、区長は、行政の長としての顔、政治家としての顔、区民の代表としての顔という三つの顔があり、直接選挙で選ばれ、年齢の制限はありません。私は、区政運営に当たり、トップマネジメントとして最も必要なことは、首長と職員との間の年代バランスということではなく、組織としての価値観や信条、方向性などを明確に示し、全職員が共通認識を持って目的の達成に向けて邁進できる環境をつくることであるというふうに考えております。区職員は、その能力と英知を結集し、区民目線に立ち、区の将来像の実現に向け全力で取り組んでおります。私は、有権者から選ばれた区長として、職員とともに大田区一丸となって、多様化、複雑化する行政課題の解決に邁進してまいります。  次に、質感のあるシティホテルの誘導に関するご質問でございますが、容積緩和の手法としては、議員お話しの総合設計などがあり、新しい都市づくりのための都市開発諸制度活用方針に基づき、統一的な運用が図られております。この方針の活用により、宿泊施設を誘導するため、容積率の緩和を行うことは可能であります。一方で、質感のあるシティホテルの誘導についてのみ容積率緩和等の優遇策を講じることは、事業性や他の用途の建築計画を考える事業者への影響などもあることから、慎重に判断する必要があると考えております。  次に、工業に特化したまちづくりに関するご質問ですが、大田区のものづくり産業は、1960年ごろから小規模工場が急速に増加する中で発展し、大森南から糀谷、東蒲田から六郷、矢口から下丸子などの地域に工場集積が形成されました。これらの地域には商店街や銭湯があり、工場で働く人たちの暮らしを支え、さらなる活気を生み出しました。工場や住宅、商店などが共存するまちは、大田区の特徴とも言えます。こうした特徴を踏まえ、区は工場と住宅が調和する住工調和策を進めております。職住近接の操業環境は、高品質・短納期対応を可能とし、また、近隣に暮らす人々のものづくり産業への理解を深めたり、雇用を生み出すという利点もあり、工業専用地域もある中で、工場誘導型の地区計画によるまちづくりは現時点では考えておりません。  次に、都市計画道路の整備見直しに関するご質問ですが、東京都と区及び市、町は、事業化計画を過去4回にわたり策定し、適宜見直しを実施しております。平成28年3月に策定した第四次事業化計画では、都市計画道路の果たす様々な役割や機能を考慮し、大田区だけではなく東京都全体の将来都市計画道路ネットワークの検証を行い、必要性を確認いたしました。現在、東京都における都市計画道路の在り方に関する基本方針において、新たに都市計画道路のつなぎ方、構造等に関する検証項目を設け、これらの計画内容を検討しております。  次に、システム調達に関するご質問でございますが、区が定めるシステム調達・委託ガイドラインに従い、公平性や競争性を担保したうえで価格を考慮し、適正なシステム調達を行っております。ICT技術の活用は、効率的で効果的な行政経営の推進において欠かせないものです。今後も、機会を捉えて、ICT技術の活用によるシステム投資の効果や意義についてお知らせしてまいります。  都の電子申請についてのご質問でございますが、現在、国は行政手続きのオンライン化の徹底に取り組んでおり、行政手続きの電子化への対応は、区としても重要なことであります。都の電子申請は平成17年1月から区市町村が共同利用しているサービスで、本区においても利用しております。手続きの例といたしましては、公文書開示請求のほか、両親学級の申し込みなど、平成29年度においては47種類でご利用いただいており、電子署名やICカードリーダーを用いることなくご利用いただくことができます。区といたしましては、国、他自治体の動向も参考としながら、電子申請の一層の拡充に努めてまいりたいと思います。  次に、区における電子決裁の進捗状況についてのご質問ですが、区では、平成18年度に文書管理システムを導入し、文書の電子化と電子決裁を進めてまいりました。現在におきましては、電子決裁率はほぼ100%となっております。引き続き、電子決裁を用いた迅速な事案決定を行うことで、業務の効率化を図り、区民サービスの向上につなげてまいります。  次に、資産公開についてのご質問ですが、区では、政治倫理の確立のための大田区長の資産等の公開に関する条例により、資産等報告書の作成が義務づけられており、施行規則において必要な事項が定められ、毎年、資産等報告書を作成しなければならないとされております。この条例第2条第1項第4号において、預金、貯金については当座預金及び普通預金は除くと規定されております。さらに、この条例施行規則第5条では、所得等報告書へ記載する所得の金額は、退職所得の金額は除くと規定されており、それらの規定に基づいて適切に報告書を作成しております。  次に、決算剰余金に関するご質問ですが、平成29年度決算において、実質収支のうち約48億円を繰り越すため、第3次補正予算において繰越金を約28億円増額しており、一方で、補正後の既定予算においても、財政基金からの繰入額は93億9000万円余となっております。前年度決算の分析に当たっては、単年度の決算剰余金に着目するだけでなく、現年度の予算及び執行状況、中長期の見通しを踏まえ、多角的な視点を持って財政運営に反映させていくことが不可欠であります。今後も、将来の公共施設の改築、改修ラッシュに備え、公共施設整備資金積立基金の積み立てを検討するなど、社会・経済状況、財政状況を踏まえ、決算剰余金を活用することで安定的で質の高い行財政運営を進めてまいります。  なお、4選について突然ご質問いただきましたが、これらは大変、諸処熟慮に熟慮を重ねた結果、次の世代にしっかりと引き継げる社会をつくることを何よりも優先したいという形でございます。私からは以上でございます。 ◎小黒 教育長 私からは、学校評価についてのご質問にお答えいたします。  学校運営の評価は学校教育法に義務づけられており、評価結果に基づき必要な措置を講じ、教育水準の向上に努めることは大変重要であります。教育委員会といたしましては、おおた教育振興プラン2014の六つのアクションプランの目標ごとに取り組み内容を定め、全校で統一した取組指標を設定しております。また、これとは別に、学校独自で取組指標を設定することができるようにして、校長による自律的な学校運営を促しているところでございます。  次に、学校運営をどう支援すべきかについてのご質問にお答えします。  私は、本年第1回の区議会定例会におきまして、「公教育の使命を果たすためには、学校が元気で、活力のある教育の専門的な組織として機能することが必要である」と述べました。教育委員会として学校経営を積極的に支援していくことは重要であり、就任以来そのことに取り組んでまいりました。具体的には、校長が管理職として必要な実務を身につけ、学校経営の改善、充実に資するように研修を行っております。本区で管理職となる者に対しては、経営課題について指導するとともに、6月には自律的な学校経営に必要なスキル等を育成する校長研修を実施しております。また、全校長に対して年間4回、学校経営のPDCAサイクルに基づいてヒアリングを行い、個別に指導を行っているところでございます。さらに、年間30校の指導訪問を実施し、具体的に助言するなどの支援を行っております。今後も、学校管理職の経営能力を高め、新学習指導要領に新たに示された「社会に開かれた教育課程」、これが各学校において実現できるように学校経営を積極的に支援してまいります。 ○勝亦 副議長 次に、28番末安広明議員。                  〔28番末安広明議員登壇〕(拍手) ◆28番(末安広明 議員) 大田区議会公明党の末安広明でございます。本日は、三つのテーマについて取り上げさせていただきます。  初めに、高齢者の見守りという視点で伺っていきたいと思います。  自宅に1人でいる際に、もし転倒や急病で動けなくなってしまったら、そのことを考えると不安になってしまうとのお声を多くいただきます。地域包括ケアシステムを構築していく上で、自宅で住み続けることはその根幹に当たります。しかしながら、加齢とともに、高齢者のみで構成された世帯が自宅で住み続けることは大きなリスクを抱えている点も目をそらしてはいけない事実であります。高齢者のみ世帯の社会的孤立を防ぎ、本区から孤独死をなくしていくためにも、見守りをどのように行っていくかは重要な課題となります。  本区の高齢者のひとり暮らしや夫婦のみといった、いわゆる高齢者のみで構成される世帯は、平成27年段階で約6万8000世帯、全体に占める割合は18.6%に当たります。それが10年後の平成37年には世帯数で約9万6000世帯となり、10年間で2万8000世帯増える計算となります。全体に占める割合も21.3%になり、急激に増えていくことが想定されております。さらには、同居家族が働き、日中だけは1人になってしまう世帯の数なども含めれば、高齢者のみで構成される世帯の比率は大変高く、そうした中で何らかの見守りを必要としている方も多くなっていることが予測されます。  また、それぞれの世帯で状況は大きく異なります。身体的な不自由もなく社交的な方は、外で自然にご友人とのつながりを持ち、それが結果的に見守りに結びついているケースもあれば、身体的に不自由があり自宅での生活を余儀なくされる方、人づき合いを苦手とする方などは、一日中誰とも話さないまま過ごされるケースもあります。認知症の方であれば徘回の可能性もあり、一口に見守りと言っても、そのあり方はケースによって様々な対応が求められます。個人や家庭における見守りへの備えという認識の面では課題もあり、まだまだ大丈夫だろうといった意識や、事が起こるまで家族で話し合う機会を持たれないケースも多いことが想定され、見守りへの備えに対する区民意識を高めていくことも今後の大きな課題であると感じます。  本区では、大田区見守りネットワーク事業として様々な取り組みが既に実施されております。見守り関連の取り組みの代表的なものとして、見守りキーホルダーを作成し、あらかじめ緊急連絡先や医療情報などを区に登録し、外出先で突然の変調により救急搬送、保護された際に、医療機関や警察からの照会に対し、24時間体制で迅速に情報提供できる体制がとられております。  様々なサービスが本区でも提供されていますが、十分な見守りが必要な方に届けられているのかという視点ではまだまだ課題も多いと思われます。見守りという視点で深掘りし、限られた財源の中でどう効果的に、あるべき見守りにつなげていくべきか。本区の見守りのあり方を検討すべき時期に来ているのではないかと考えます。全体像をどのように捉えているのか、ご見解をお示しください。  ぜひ既存の仕組みについても、行政だけに限らず民間で提供されるサービスなども含めて、メニューを体系化し、つながりを持たせ、地域包括支援センターが中心となって、より効果を高めていくことなどの工夫も重要ではないかと考えます。  見守りに関する課題としては、個人情報の活用の問題、地域の人間関係の希薄化、民生委員や地域住民の高齢化に伴う見守り活動への協力者の不足といった点も挙げられます。マンションでは、セキュリティーの面から、つながることすら困難となるケースもあります。そんな中、最近では、機器を用いた見守り関連の技術は目覚ましい進歩を遂げており、ICT機器やセンサー、さらにはロボットを使った仕組みなど、様々開発されてきております。今後もさらに技術革新が進んでいくことが予測され、機器を用いた見守りには大きな可能性があると言えます。  本区では機器を用いた見守りの仕組みとして緊急通報システムを提案されておりますが、あまり普及していない現状があります。認知度や実費負担の面、運用面での課題があると考えますが、どう評価されていますか。あわせて、機器による見守りの必要性について、区としての見解をお示しください。  新たなシステムが様々な企業から提案されてきている中、いま1度、新システムの効果検証を行い、機器を用いた見守りのあり方、対象者の設定や条件、助成範囲なども含めて検討すべきと要望しておきます。  また、見守りを行っていく上で、もう一つ大きな効果を期待できるのが企業との連携ではないでしょうか。公民連携が本区でも徐々に進んできている中、企業との連携による見守りについては、内容を拡充させていくべきと考えます。本区でも高齢者見守り推進事業所の登録事業として現在約40社との連携を図っておられますが、さらに連携を強化していくことが求められていると考えます。コンビニや配達・宅食、警備に関する企業など様々なサービス主体が考えられる中、自然発生的に協力企業として手を挙げていただき、緩やかな見守り先を増やしていく動きとともに、一定の企業とはタッグを組み、民間のアイデアを活かしながら理想的な見守りの体制を構築していくような動きも大切と考えます。他の自治体でも様々な取り組みが生まれております。  企業との連携についてはもっと深掘りし、幅広い企業と場合によってはより密度の濃い協定を締結するなど、積極的にしかけていくべきと考えますが、現状の取り組みや今後の本区の見解をお聞かせください。  見守りといっても、限られた財源の中でできるサービスには限りがあります。見守りを考える上で、ボランティアの存在も欠かせないものです。また、地域での見守りを考えていくことは、それだけにとどまらず、希薄化した地域をいま1度つなぎ合わせていく可能性にもつながります。地域住民の中からその主体者を育成していくことは、難しい側面もありますが、たとえ緩やかな見守りの仕組みであったとしても、構築していくための努力を続けていくことは重要です。まさにそれこそが地域力の醸成であり、まちづくりであると言えます。  地域住民の中から主体者を募り、訪問や電話などによる見守りの体制づくりについて、区として今後力を入れて取り組んでいくべきと考えますが、ご見解をお示しください。  安心して自宅で生活が営める環境づくりに向けて、見守り関連の取り組みを様々な面から議論し、あるべき見守りの体制に結びつけていただきたいと要望しておきます。また、見守り関連の取り組みを充実することは、民間賃貸住宅の貸し渋り対策にも大きな効果をもたらします。その点からも、いま1度その重要性を捉え直し、本区の見守りネットワークをさらに強固なものとしていただくよう要望して、次の質問に移らせていただきます。  次に、住宅確保要配慮者への支援という視点で質問させていただきます。  これまでも住宅確保要配慮者に対する民間賃貸住宅への入居支援については議会の場で取り上げてまいりました。中でも、今後の支援策を検討するうえで、まずはそのスタート段階となる、関係団体が連携し、協議していくための組織体である居住支援協議会について、その立ち上げが重要となります。平成29年第3回定例会の公明党の代表質問に対し、松原区長は「居住支援協議会を設置するため、取り組みを進めてまいります」と答弁されております。  そこで、居住支援協議会設置に向けた現在の進捗状況及び今後のスケジュールについてお示しください。あわせて、具体的に賃貸住宅の入居支援策としてどのような検討を行っていくつもりなのか、今後のビジョンをお示しください。  住宅確保要配慮者には、高齢者や障がい者、ひとり親家庭といった世帯が含まれます。現在も住宅課においては住宅確保支援事業として支援メニューが用意されておりますが、現状では十分な成果につながっていない状況がございます。その中で、高齢者の住宅確保については、東京都の制度も活用し、福祉部として平成29年度から取り組まれている生活支援付すまい確保事業がスタートし、委託業者による物件探しの支援、入居後の安否確認、家主からの相談対応などが行われ、一定の成果が出ているものと認識しています。しかしながら、障がい者やひとり親家庭の世帯に対する支援については対象となっておらず、引き続き住宅探しに困難な状況が生じております。居住支援協議会がこれから設置され、制度設計が整うまでには引き続き時間を要します。  そこでお伺いいたしますが、障がい者やひとり親家庭の世帯の皆様にもより丁寧なフォローアップができる体制づくりを早期にご検討いただくよう要望しますが、ご見解をお示しください。  低所得者向けの住宅確保については、本区でも重要な課題であります。居住支援協議会を早期に立ち上げ、国や都の支援メニューも十分に活用しながら、家主に協力していただきやすい仕組みをつくり、受け入れ住宅の整備が大きく拡充されることを期待いたしまして、次の質問に移らせていただきます。  最後に、がん検診についてお伺いいたします。  がん検診の目的は、早期発見により死亡率を減少させることにあります。特にがんによる早過ぎる死を防ぐことが求められていると感じます。行政の使命として、区民の命を守ることは最も注力すべきテーマであり、だからこそ、防げる死を防ぐことにもつながるがん検診は何よりも重要な取り組みの一つであると考えます。  本区の国民健康保険第2期データヘルス計画によりますと、医療費や調剤費が23区中トップクラスであり、医療費については総額で565億8000万円、1人当たり34万6000円かかっているとされ、年々その額は上昇傾向にあります。また、医療費総額の中でがん治療が占める割合は約14%になっています。金額にすると、国保の被保険者だけで約80億円が治療費としてかかっている計算になります。医療費の削減を目指す上でも、がん検診の受診率を高めていくことは大きな効果が期待できると考えます。  主要な五つのがん検診の受診率は、国が目標値を50%と設定している中で、公表されている直近のデータである平成27年度におきましては、肺がん検診11.0%、大腸がん検診15.8%、胃がん検診6.8%、乳がん検診16.5%、子宮頸がん検診19.6%となっており、国の目標からは大きな開きがあります。今年度はおおた健康プラン(第三次)の策定時期に当たります。策定に向けてアンケート調査が昨年実施されておりますが、がん検診の受診率は、前回調査時から比較して総じて増加しているものの、その伸び率は微増となっている状況です。  そこでお伺いいたします。がん検診の受診率向上に向けた取り組みとその結果についてどのように評価をしているのか、ご見解をお示しください。また、おおた健康プラン(第三次)において、がん検診受診率向上の対策について、位置づけをさらに高め、各種施策に注力していくべきと考えますが、いかがでしょうか。  全国の自治体においても、様々な受診率向上に向けた取り組みが実施されております。中でも、大阪の堺市では、本年、2年限定で全てのがん検診を無料化する施策を打ち出したことが話題となりました。無料の是非はありますが、申し上げたいのは、それだけがん検診を重要視している自治体もあるということです。本区においても、受診率向上に向けて、いま1歩踏み込んだ具体的な施策が必要であると考えます。がん検診のメニュー拡充を図ることや、わかりやすい広報など、今後の対策について区のビジョンをお示しください。  受診率が向上しない理由の一つとして、検診受診者の固定化についても大きな課題として挙げられると思います。そこに向けた対策をどのように考えるかは、今後のポイントになるのではないでしょうか。がん検診を受けていない層に対し、がんは早期発見、早期治療で多くが治せる病気であるということについて、まずは関心を持ってもらうこと、その上で、手軽に検診を受けやすい環境をいかに整えていくかが重要と考えます。  そのような視点から提案したい取り組みとして、胃がんリスク検診を改めて提案させていただきます。胃がんリスク検診とは、胃がんを見つけるためのがん検診ではありませんが、採血などの簡単な手法でピロリ菌の有無と胃粘膜の萎縮の程度を調べ、胃がんのリスク判定をする検査です。ピロリ菌については、除することで胃がんの発生を大きく抑制することが可能であるとされ、医学的には世界の常識となっています。2013年からは、慢性胃炎に対するピロリ菌の除治療に対して保険が適用されることにもなっています。がん検診を受けていない層に対して、予防のための動機づけの意味や胃がん検診受診のきっかけになるほか、除治療によって胃がん自体を予防することにつながることからも、大変効果的な検診であると考えます。  おおた健康プラン(第二次)においても、ピロリ菌が胃がんの発症とも関連があること、また、ピロリ菌が及ぼす影響の認知度を高めていくことが取り組むべき課題として掲げられており、その結果、昨年度のアンケート調査においては、ピロリ菌と胃がんとの関連性について知っていると答えた方の比率は72.6%と、何と5年前より16.8%も増加しております。ピロリ菌と胃がんとの関連性について、区民の認識が大きく向上していると言えます。これを活かさない手はないと考えます。  23区でも胃がんリスク検診を導入している区は11に及んでおります。また、平成28年度からは、本区の職員に対する検診の中でピロリ菌検査が新たに導入され、16.8%、721名もの方が陽性の判定となり、その後、約75%の540名の方が除等の対応を既に行ったと伺っております。加えて、本区の医師会からも、今年度初めて、中学生に対する胃がんリスク検診の導入に関して、正式な要望が上げられております。これまでも公明党として胃がんリスク検診については議会で何度も取り上げてまいりました。胃がんリスク検診の導入の気運は大きく高まっているものと考えます。強調したいのは、がん検診を受けていない意識の低い方に対して、がんの早期発見、早期治療の重要性を認識していただくための対策として、胃がんリスク検診は大きな効果をもたらすのではないかという点であります。  一つの事例でありますが、大阪の泉大津市立病院において、日曜早朝集団がん検診と銘打った取り組みが行われているそうです。平成29年度に年3回、各回100名の定員として、40歳以上を対象として、朝7時半から10時の時間帯に予約制で行われたそうです。結果、大きな反響があり、100名の定員は3回ともすぐに埋まり、平成30年度も継続して実施することになったそうです。検診内容は、胃がんリスク検診を行うものであり、それと同時に、予約のあった方全てに対し大腸がん検診の検査容器を同封し、当日持参する仕組みにしているそうであります。どちらの検診も自己負担額は500円となっています。この事例からは、がん検診を受診しにくい層を意識しての仕組みが見てとれます。日曜の早朝という時間への配慮、簡単に調べることができる検査に特化している点、費用負担の軽減などの面です。本区においてぜひとも参考とすべき事例であると思います。そうした具体的な対策こそ、がん検診の受診率向上には必要であると考えます。  そこでお伺いいたします。胃がんリスク検診の導入と、それを活用したがん検診受診率の向上に向けた対策を合わせわざで実施していくべきと提案しますが、本区のご見解をお示しください。  がん検診受診率向上対策にこれまで以上に本気となって、本腰を入れて取り組んでいただくことを要望し、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
    ○勝亦 副議長 理事者の答弁を求めます。 ◎今岡 福祉部長 私からは、高齢者の見守りに関する4点のご質問にお答えをいたします。  まず、高齢者の見守りの全体像についてのご質問ですが、区は、高齢化や核家族化に伴い、単身高齢者や高齢夫婦のみのいわゆる老老世帯の増加により、見守りの必要性が高まってくると見込んでおります。議員お話しの見守りの全体像としては、大きく三つの視点から捉えております。まず、高齢者自身で元気なうちから仲間や友人をつくるほか、24時間365日、緊急時に対応する見守りキーホルダー事業やひとり暮らし高齢者支援事業に登録いただくなど、みずから備える視点です。次に、医療、介護のサービスや民間サービスなど様々な支援等を組み合わせて、高齢者の在宅生活を支える体制の整備です。そして、民生委員、自治会・町会、NPO団体、事業者と地域包括支援センター等が連携し、戸別訪問から専門的な支援まで、異変に気づき、命を守る見守りネットワークの構築です。区としては、大田区社会福祉協議会や関係機関等と連携し、地域づくりを進め、見守りの必要な方に支援が行き届くよう努めてまいります。  次に、機器を用いた高齢者の見守りについてのご質問ですが、現在、見守り機器のシステムは、区の高齢者緊急通報システムと大田区社会福祉協議会の緊急通報サービス紹介事業があり、いずれも在宅の高齢者の緊急事態における安全を確保し、その不安を解消する目的で実施しております。いずれの事業においても、携帯型の無線発報器は常に身につけ持ち歩くことが難しいことなど、課題もあると捉えております。他自治体の見守り機器としては、自宅にセンサーを設置し、親族にメールで知らせるサービスや、トイレのドアに設置するライフリズム感知サービスなど、様々把握しております。高齢者の見守りに際しましては、心身の状態や生活環境など、様々な状況に応じた機器の活用方法を模索してまいります。  次に、区と企業との連携についてのご質問ですが、見守りを進める上で、民間事業者の力は重要な地域資源の一つと考えております。現在、大田区高齢者見守り推進事業者に交通事業者や金融機関、新聞販売店などが登録し、日々の業務の中で高齢者の見守りに協力をいただいております。一例としては、登録事業者から地域包括支援センターに連絡が入り、戸別訪問し、緊急搬送などで医療機関につなげた事例がございます。また、昨年度開始した高齢者見守りメールの協力員にも登録され、行方不明高齢者の早期発見、保護にご尽力をいただいております。さらに、本年6月に締結したセブン&アイ・ホールディングスとの包括連携協定では、高齢者の支援、健康づくり、子育て支援など多岐にわたる協力をいただいております。セブン−イレブンは、区内に多数の店舗を持つ強みを活かし、見守り登録事業者として地域包括支援センターと具体的な連携の調整を図っております。イトーヨーカドー大森店では、区が認知症サポーター養成講座や介護予防事業を開催し、連携・協力の取り組みを実施しております。区は、今後も民間事業者との連携を推進し、高齢者を見守る地域づくりに取り組んでまいります。  最後に、地域住民による見守り体制づくりについてのご質問ですが、議員お話しの訪問や電話等による見守り活動は、見守り・支え合いの体制において重要な取り組みです。このような区民の主体的な取り組みには、現在100を超える団体が登録しており、区の活動事例集やホームページで好事例を紹介し、広く周知しております。また、区民から生活支援サービスの担い手を募る事業も行い、見守り・支え合い活動への参加を促進しております。区は、今後も見守り・支え合いの地域づくりに向け、大田区社会福祉協議会と連携し、ボランティア、NPO団体、事業者とともに、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らせるまちづくりを推進してまいります。私からは以上でございます。 ◎西田 保健所長 私からは、がん検診に関するご質問について順次お答えいたします。  初めに、がん検診の受診率向上に関するご質問ですが、区は、これまで、がん検診受診率の向上に向けて、実施期間を延長するとともに、主要な五つのがん検診の受診者数の上限を撤廃し、期間内であれば人数にかかわらず受診できるようにしたほか、子宮頸がん及び乳がんについては、個別医療機関以外に土日など休日を中心に女性スタッフによる集団検診を実施するなど、受診者の受診環境の改善に努めてまいりました。その結果、平成27年度には受診者数が増となり、受診率も向上しましたが、その後、横ばいまたは低下傾向にあります。こうした状況から、現在策定中のおおた健康プラン(第三次)の中でがん対策を重点分野として位置づけ、がん対策の強化に取り組んでまいります。現在策定中のおおた健康プラン(第三次)では、柱の一つに地域や企業との連携の推進を掲げる予定であり、地域や企業と連携することでがん検診の受診勧奨を効果的に実施できるよう取り組む考えです。今後も広報や検査方法などを含め、がん検診受診率向上に努めてまいります。  次に、がん検診受診率向上に向けた今後の対策についてのご質問ですが、がんに関する科学的根拠に基づく正しい知識の普及啓発を効果的に進めることで意識啓発を促し、行動変容につなげていくことは重要です。今年度、区内企業の協力を得て、がん検診の受診勧奨チラシやリーフレットなどの配布や掲出を進めるなど、啓発活動に取り組んでおります。今後も、他自治体の事例も参考に啓発内容を見直し、区民にとってわかりやすく、かつ、心に響く効果的な周知方法を工夫してまいります。検査方法についても、胃がん検診では、従来のエックス線検査に加え、国のがん検診指針の変更により新たに推奨された内視鏡検査の早期導入に向けて関係団体と検討を重ねております。  最後に、胃がんリスク検診の導入についてのご質問です。自治体が住民を対象に広く実施する対策型検診は、厚生労働省が定めるがん予防重点教育及びがん検診実施のための指針に基づき、死亡率減少効果が科学的に証明され、不利益を最小限に抑えた検診を実施することが推奨されております。現在、胃がん検診の実施方法として国の指針で推奨されているものは、エックス線検査及び内視鏡検査に限られております。胃がんリスク検診は、厚生労働省研究班による有効性評価に基づく胃がん検診ガイドラインの評価では、対策型検診としては推奨しないとされております。一方で、胃がんのリスク因子であるピロリ菌感染と血中のペプシノーゲンの値で判別する萎縮性胃炎の有無の組み合わせにより胃がんのリスクを調べる、いわゆる胃がんリスク検査は、個人の将来の胃がんリスクを予測する方法としては、ある程度エビデンスが蓄積しつつあります。今後、区として、胃がんリスク検査の実施について関係機関と協議してまいります。私からは以上です。 ◎齋藤 まちづくり推進部長 私からは、住宅確保要配慮者に対する支援についてお答えをさせていただきます。  居住支援協議会設置についてのご質問でございますが、これまで、まちづくり推進部、福祉部など、関係各部による検討会を延べ8回開催いたしまして、設置に向けて準備を行ってまいりました。あわせて、不動産関係団体、社会福祉法人などに趣旨をご説明してご理解をいただき、来年1月下旬に設立準備会を開催する予定でございます。その後、設立準備会をもう1回開催し、来年度中に居住支援協議会を設置したいと考えてございます。今後検討する入居支援策といたしましては、まず、現在実施している高齢者等住宅確保支援事業を見直し、住宅探しの支援の充実を図ってまいります。また、高齢者など住宅確保要配慮者が住宅探しに苦労する状況を改善するため、関係者間の連携、協力により、孤独死、家財処分、家賃の滞納などを防ぐ仕組みづくりを居住支援協議会において検討いたします。このことにより、家主の不安を解消し、住宅確保要配慮者の入居可能な物件が増えるよう努力してまいります。  次に、障がい者やひとり親家庭への支援体制に関するご質問でございますが、今後は、高齢者等住宅確保支援事業のほか、居住支援法人と連携して、障がい者やひとり親家庭の皆様も含めた住宅探しの支援を行ってまいります。居住支援法人は、現在、14法人が東京都の指定を受けまして、国からの補助を受けて支援事業を実施してございます。住宅探し、シェアハウス、見守り活動など、法人によって様々な活動を行っておりますが、大田区を活動エリアとしている法人との連携を今後、より具体的に進めてまいります。私からは以上でございます。 ○勝亦 副議長 次に、20番広川恵美子議員。                  〔20番広川恵美子議員登壇〕(拍手) ◆20番(広川恵美子 議員) 大田区議会公明党の広川恵美子です。通告に従い質問をさせていただきます。よろしくお願いいたします。  情報通信技術が社会インフラとして不可欠なものとなった現在、国は行政手続きの電子化など、電子政府の構築を着々と進めるとともに、複雑化、高度化する社会課題の解決と国際競争力を高めるために、ICTをフル活用すべく、スマート・ジャパンICT戦略等を推し進めています。国はまた、その先の日本の姿として、昨日、松原区長もご挨拶で触れられていましたソサエティ 5.0を提唱しています。こうした流れは、いずれ地方自治体に波及してくることは必至です。  そこで、その一環として、先の決算特別委員会でも質問させていただいたオープンデータの活用推進について、重ねて質問させていただきます。  先の決算特別委員会において、国は官民データ活用推進基本法に基づく世界最先端IT国家創造宣言・官民データ活用推進基本計画において、2018年度までに地方公共団体のオープンデータ取組率100%を目標としていることから、本区においても取り組みを進めていくとのご答弁がありました。さらに、先日の総務財政委員会では、オープンデータ利活用に関する区の取り組みとして、オープンデータ化する情報の検討整理を行い、公開可能な情報については東京都のオープンデータカタログサイトへ掲載するとした今年度の取り組みについての報告があったと伺いました。二次加工を可能とする行政情報のオープンデータ化は、企業や住民が有効活用することで、民間活力による地域の課題の解決や経済の活性化が期待されると言われています。また、地域課題が共通する自治体と組み合わせて利活用することで相乗的な効果も期待されているようです。  平成26年に地方公共団体に対して実施したオープンデータに関するアンケートでは、地域課題の上位は、「人口減少・少子高齢化」、「防災・災害対策」、「まちづくり・産業雇用創出」が上位だったそうです。さらに、この結果を人口規模に関連して見ると、人口30万人未満の自治体では、「人口減少・少子高齢化」が地域課題の上位だそうですが、人口30万人以上の自治体では、「防災」や「まちづくり・産業雇用創出」、「子育て支援」も同程度で上位を占めているそうです。また、同じく住民に対して行ったアンケート結果では、「医療、福祉」、「税金、くらし」、「防災」、「交通情報」となっているそうです。こうした状況を踏まえると、地域課題に資する利活用を考慮したときに、画一的なデータの公表のみでよしとしていいのかとも考えます。本区としてのオープンデータ化する情報の選択について、方向性をお聞かせください。  ところで、オープンデータを経済活動に利活用したい民間事業者としては、より精緻な情報を求める中で、提供する行政側としては、個人を特定できない情報であることが重要です。オープンデータではありませんが、まちづくり推進部で公開されている建築確認をもとにした建築物の構造情報は、住所を入力するとその建築物の情報が閲覧、取得できるようになっています。この情報と法務局で登記簿を取得し照らし合わせれば、個人の不動産の資産状況がわかる人にはわかるようになっています。ちなみに、こうした情報を巧みに利用した大きな不動産詐欺事件が起こったことは記憶に新しいところです。オープンデータに関しては、経済活動にも自由に利活用できるようになるわけですが、情報という個人の財産を公が危険にさらすことがないよう、十分な対処がなされることを望みます。個人が特定できないようなオープンデータの公表の仕方について、本区のお考えをお聞かせください。  内閣官房情報通信技術(IT)総合戦略室が作成した地方公共団体オープンデータ推進ガイドラインによれば、課題の抽出、体制の構築、国・他の自治体・民間団体・海外との連携、公開のルール・セキュリティー、情報の更新についてのアウトラインが示されています。本区においても、こうした手順を押さえながらオープンデータ化を進めていかれると思いますが、公共データの活用については、基本的な本区の考え方を示し、計画的に進めていくことが肝要と考えます。政府は官民データ活用推進計画を策定していますし、都道府県にも策定を義務づけています。市町村については努力義務となっていますが、本区も今後の推進に当たっては、目的が迷走することなく進捗管理が行えるよう推進計画を策定するべきと考えますが、本区のお考えをお聞かせください。  オープンデータの利活用については、区民の生活が豊かになったと実感できるものであっていただきたいという点からも、今後は公共データの特質を理解した人材の育成が何より優先されるべきと考えます。職員の育成についての区のお考えをお示しください。  また、利活用されたデータが区民生活の向上に有用であれば、区政にフィードバックされることが望ましいのではないでしょうか。東京都のカタログサイトでは、オープンデータを活用したアプリのコンクールの結果が掲載されています。受賞した作品の中には、車椅子を利用する人のためのスポット情報に加え、スマホを持っているだけで車椅子で通れた道のりが記録できるようになっていて、他の車椅子利用者にとっても行動範囲を拡大するきっかけになるようつくられたアプリがありました。行政ではつくり得ない、きめ細かな情報を届けることができるオープンデータの可能性を感じる作品だと思いました。  大田区に特化した地域課題もあろうかと思います。課題解決につながるオープンデータの利活用を推進するうえで、今後、区の課題解決をテーマにしたコンクールなども広報の一環として実施してもよいのではないでしょうか。また、情報は生き物で、鮮度が大事だとも言われます。必要な情報の更新については、庁内の連携を密に適宜行っていただくことを要望しておきます。  障がい者総合支援センターさぽーとぴあの増築工事が間もなく完成し、待望の学齢期の発達障害児支援事業が始まります。これにより、子どもから大人まで切れ目ない支援の体制が整うこととなりました。最近では、発達障害が認知され、メディアでも様々取り上げられることが増えています。本人や家族の生きづらさや育てにくさが障害とわからず、周囲の理解もなかったころからすれば、隔世の感があります。大変期待されている施設でもありますので、その機能について質問並びに要望させていただきます。  予算概要によれば、さぽーとぴあで行う学齢期の発達障害児支援事業では、指定障害児支援事業と放課後等デイサービス事業並びに地域支援事業を実施とありますが、具体的にどのような支援を行っていただけるのか、支援内容とその規模についてお聞かせください。  発達障害は、個々の障害の特性について周囲の理解と適切な支援があれば、就労を含めた日常生活を送ることができます。反面、障害特性が理解されないことで生きづらさを抱え、様々なストレスから情緒障害を引き起こすことがあります。情緒障害を発症すると、対人関係などのトラブルや自傷行為など、日常生活に支障をきたします。こうしたケースの支援には困難が伴います。そのため、発達障害は早期発見、早期療育が重要と言われます。しかし、幼児期に発見される場合と、小学校や中学校など成長するにつれて顕在化する場合もあり、思春期の子どもたちにとっては、自分が発達障害であるということの自覚や受け入れができないまま不登校などに至るケースも少なからずあると聞きます。  そこでお伺いいたします。本区において学齢期での早期発見を可能にする体制についてお聞かせください。  障害の受容や理解については、家族も同様です。支援の対象は本人だけではなく、家族に広げることが重要です。発達障害と診断されたことで、子どもの育てにくさの原因が親にあるのではないことがわかってほっとしたと言われる保護者は多くいますが、その上で、子どもとの接し方や学校生活や将来についての具体的なアドバイスが受けられないと悩んでいる親御さんもたくさんいらっしゃいます。受容できない保護者への支援はさらに重要です。こうした家族ごとの支援について、場合によっては生活丸ごとの支援を必要としている家庭もあります。子どもを取り巻く問題を察知し、適切な支援につなげることができる体制も整えていただきたいと考えます。区の見解をお聞かせください。  発達障害を持つ子どもたちであっても、自身の困難さを理解しつつ、将来を切り開くための支援を行うためには、時宜にかなったアセスメントを行うことも重要です。その上で、子どもの成長に応じ、将来を見据えた具体的な療育についての支援計画の作成とともに、その成果を把握し、適切な支援が行われているか検証していくことも必要と考えます。  これまでも、発達障がい児の療育については、放課後等デイサービス事業として、本区でも多くの事業者が参入し、定着しています。大変な努力で療育に取り組んでくださっている事業者もあれば、ビデオやゲームを与えるだけの事業者もあると聞きます。厚生労働省は、放課後等デイサービスは療育だと明確にしていますので、そうした事業者と療育を行っている事業者との区別は明確にしていただきたいと考えます。その上で、保護者の多くは学校と療育機関との連携を望んでおられます。さぽーとぴあがその橋渡し役を担っていただくことも期待するところです。こうしたことを踏まえて、本区としての発達障がい児者の支援のあり方を明確に示していただきながら、療育の質の向上のイニシアチブをとっていただきたいと考えます。区のお考えをお聞かせください。  本年の予算特別委員会のしめくくり総括質疑で、発達障がい児の将来の社会参加に向けた支援策をお聞きしたところ、松原区長は、「障がいのある方がみずからの意思が尊重され、地域の一員として自分らしい暮らしができることが大切だと考えております。そのため区では、次期おおた障がい施策推進プランを策定し、生まれたときから入学、就労、親亡き後の生活まで切れ目のない支援を行ってまいります。その具体化を進める一つであります障がい者総合サポートセンターは、相談支援や就労など、各支援のネットワークの中核的な役割を果たしていきます。さらに、今後、医療的ケアのある方、重い障がいのある方にも対応した短期入所機能と学齢期の発達障がい児の支援機能を加え、重層的な支援に取り組みます。区はこれらの取り組みにより、どんな障がいがある方も社会に参加できるよう、本人の育ちに寄り添う支援体制を構築してまいります」とご答弁くださいました。障害の有無にかかわらず、社会で自分を見失わずに生きることはなかなか難しい時代です。その一方で、国は、障がい者を含めた誰もが希望や能力を活かした就労を可能とする「働き方改革」を進めるとしています。区長のご決意が実を結んでいただくことを期待して、次の質問に移ります。  3年前の秋、大田区議会の欧州視察でILO、国際労働機関を訪問しました。ILOは世界で最も古い国際機関で、「世界の永続する平和は、社会正義を基礎としてのみ確立することができる」という理念のもと、世界平和を脅かす社会不安、貧困や搾取などといった労働条件の改善を目的として設立されました。ILOは全ての人にディーセント・ワークを実現することを活動の主目標としています。ディーセント・ワークとは、働きがいのある人間らしい仕事のことで、人間としての尊厳を保てる生産的な仕事と定義されています。ILOは、ディーセント・ワークの実現のための労働条件の改善分野として、1日及び1週の最長労働時間の設定を含む労働時間の規制、労働力供給の調整、失業の防止、妥当な生活賃金の支給、児童・若年者・婦人の保護、同一価値の労働に対する同一報酬の原則の承認など、8項目を掲げています。ILOが他の国際機関と大きく違うことは、政策決定において政労使の3者の代表が議論の場に集い、それぞれが平等の立場で政策決定の権利を有していることです。日本は、ILOの設立当時から主要な理事国として様々な労働条件の改善のために貢献してきているとのことでした。労働という視点で、世界平和のための国際的な問題解決に取り組む国際機関を目の当たりにし、その空気を感じられたこととともに、労働に対する思索を深められる機会を得られた大変貴重な体験でした。  加えて、ILOは、来年2019年に創設100周年を迎えるに当たり、変化し続ける仕事の世界を理解し、今後、社会が決める政策を議論するために、仕事の未来イニシアチブを立ち上げ、加盟国は「仕事と社会」、「働きがいのある、人間らしい、明日の仕事とは」、「仕事の組織」、「仕事のガバナンス」の四つのテーマに沿って国内対話を行っています。日本においては、厚生労働省が有識者による働き方の未来2035についての議論が行われ、その成果が報告書としてまとめられました。加えて、日本では働き方改革の実現のため、労使のトップや有識者により、働き方改革実現会議で議論を進め、働き方改革実行計画を作成し、取り組みを進めていることから、日本における議論や経験がILOの仕事の未来イニシアチブに貢献していくことが期待されているのだそうです。  前段が長くなりましたが、労働に対する世界の趨勢の中で、本年6月29日、働き方改革関連法が成立しました。日本の経済成長が思うように進まない大きな要因は、少子高齢化、生産年齢人口の減少といった人口構造的問題と技術革新の欠如による生産性の低迷、技術革新への投資不足と言われています。政府は、日本経済再生を実現するためには、投資やイノベーションの促進を通じた付加価値生産性の向上と労働参加率の向上を図る必要があるとしています。そこで、誰もが生きがいを持って、持てる能力を最大限に発揮できる一億総活躍社会をつくることが、様々な課題克服を可能とするとし、そのための最大のチャレンジが働き方改革であるとしています。  国は、働き方改革の基本的考え方を、「働く人の視点に立って、労働制度の抜本改革を行い、企業文化や風土も含めて変えようとするもので、働く人一人ひとりがよりよい将来の展望を持てるようにする働き方改革こそが労働生産性を改善するための最善の手段であり、生産性向上の成果を働く人に分配することで、『成長と分配の好循環』が構築される。雇用情勢が好転している今こそ、『働き方改革』は政労使が一体となって取り組む必要があり、それにより中間層が厚みを増し、消費を押し上げることが可能となる。その結果、心豊かな家庭を持てるようになる」としています。前段に述べたILOの掲げる理念の実現も含めて、働き方改革の挑戦によって日本が大きく変わろうとしていることは間違いありません。  働き方改革関連法では、時間外労働の上限規制の導入、年次有給休暇の確実な取得、正規雇用労働者と非正規雇用労働者の間の不合理な待遇差の禁止などについて、罰則を盛り込んだ改革を法制化しています。この働き方改革が話題になったときから、知り合いの何人かの経営者の方から心配の声がありました。もとより、働き方改革の大前提は労働、つまり働く場が確保されていることです。企業が安定して存続し続けることが根底になければなりません。ところが、特に建設業関連や広告関連の会社の経営者の方は、罰則つきの残業時間の上限規制に不安を隠せないようでした。  例えば建設業者であれば、現場の作業時間以外にも、現場への往復時間や作業工程の変更などに左右されることがあるだけでなく、現場責任者は、現場から戻ると、元請業者への提出書類の作成など、さらに事務作業に追われるのだそうです。また、クライアントの希望にかなう成果物が求められる広告業界では、形になるものをつくるだけが仕事ではなく、アイデアを考えるなど、プライベートとの区切りが明確でなかったり、例えば店舗の装飾などの場合は営業時間外の夜間に作業するなど、時間外労働の上限を超えることが常態化しているのだそうです。また、小規模事業者の場合は、生産性向上と言ってIT化を進めようにも、導入資金や技術など、とても自力で取り組む体力がないといった声でした。一方で、既に働き方改革に着手していると言われた経営者の方にどのような改革に取り組まれているかお聞きしたところ、勤怠管理の強化を行ったということでした。そして、勤怠管理を強化したら残業が減ったなど、社内の実情が見えたと言われていました。また、雇用されている方にもお話を伺ったところ、人手不足なのに次々と仕事が振られて、働き方改革などどこの話なのかと思っている、効率化を提案しようにも聞く耳を持っていないという厳しい声もありました。このように様々な声を伺っています。  一事業者の努力だけでは改革し得ない構造的な課題を有していることもあり、改革に着手できないどころか、現実味を帯びていない事業者も少なくないのではないかとも感じました。とはいえ、ただでさえ人手不足の中で働き方改革に対応できない企業は、ますます人材確保に苦慮されることになるのではないかとの懸念は拭えません。このまま施行されてしまえば、国が目指す働き方改革の行く末が案じられます。そうした意味からも、「働き方改革」の実現には経営者の意識改革は必至です。  厚生労働省のホームページを見てみると、働き方改革支援ハンドブックや中小企業・小規模事業者人手不足対応ガイドラインなど、支援をうたった資料が掲載されています。中には、経営者の意識改革で効率化や労働環境の改善に取り組んだ成功例なども例示されていて、参考になるものではあります。が、小規模事業者の経営者の方が自分でそのホームページを見て自社の改革に取り組むのは容易ではありません。  そこでお伺いします。大田区内事業者については、働き方改革の意義や具体策などの支援を行っていただくことが必要と考えます。区の見解をお聞かせください。  働き方改革の実現に向けて、国は様々な支援メニューを列挙しています。東京都でも相談センターを開設するなど支援体制をつくっていますが、事業者にとって本当に必要な支援はどういうことなのか、大田区では、事業者に寄り添った支援を行っていただきたいと考えます。例えば働き方改革の前提として、企業の強みや弱みといった経営課題の抽出を行い、その課題改善に向けた支援策の効果的な活用方法や、労使の話し合いが必要な事業者には、前向きにスムーズな話し合いが進むようなアドバイスなど、個々の課題に対する柔軟なサポートを期待します。そのためにも、本区がこれまで培ってきた様々な支援メニューを組み合わせて、働き方改革が労働環境の改善とともに、事業者の競争力を強めるチャンスと捉えて取り組んでいただけるような支援策に期待をいたします。区の見解をお聞かせください。  日本が取り組む働き方改革は、労働基準法が制定されて70年の歴史の中で歴史的な大改革であり、日本の企業文化、日本人のライフスタイル、働くということに対する考え方そのものを変革するものだと言われています。こうした理想が実現するかどうかはともかく、大田区の区内事業者が結果として改革できてよかったと実感できるような支援をお願いいたします。  区民の思いに応える大田区の施策に期待をいたしまして、全ての質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○勝亦 副議長 理事者の答弁を求めます。 ◎市野 企画経営部長 私からは、オープンデータに関する3問のご質問にお答えをいたします。  まず、オープンデータ化する情報の選択に関するご質問でございますが、平成28年12月に施行された官民データ活用推進基本法において、国や地方自治体が保有する官民データについて、国民がインターネットなどを通じて容易に利用できるよう措置することが義務づけられました。こうした中、内閣官房IT総合戦略室では、オープンデータに取り組む地方自治体の参考となるように、その対象として適切と考えられるデータを推奨データセットとして取りまとめております。これは、既に複数の自治体での活用事例があるデータを整理し、示されたもので、例えば公共施設情報や公衆無線LANアクセスポイント一覧、AED設置場所一覧などがございます。これらのデータは民間事業者からも提供を求める声が多いと聞いており、全国規模で活用が見込まれるものもあるとのことでございます。区といたしましては、当面は推奨データセットを参考にしつつ、区ホームページで既に掲載している情報のオープンデータ化を進めてまいります。なお、議員お話しの区における地域課題の解決に資するデータの提供につきましても、国や他自治体の動向を踏まえ、庁内関係部局と連携しながら検討を進めてまいります。  次に、個人情報保護に配慮したオープンデータの公開に関するご質問でございますが、区では、区民の皆様の様々な個人情報を管理しており、その中には、戸籍、税務情報、マイナンバーなども含まれることから、引き続き厳格な個人情報の取り扱いが大変重要であると認識してございます。一方、区の持つ情報の中には、区民の共有の財産という観点から、公共に資するため、積極的なオープンデータ化に取り組んでいく必要があるものもございます。国が定めた地方公共団体オープンデータ推進ガイドラインにおいては、個人情報が含まれるもの、公共の安全、秩序の維持に支障を及ぼすおそれがあるもの、法人や個人の権利、利益を害するおそれのあるものについては、オープンデータとして公開することが適当でないとされてございます。また、公開可能な情報であっても、他の情報との関連づけなどにより個人を特定し得る情報が含まれている可能性もございます。こうしたことから、オープンデータの取り組みを今後進めていく中で、その取り扱いにつきましては適切に対応してまいります。  次に、官民データ活用推進計画の策定に関するご質問でございますが、国では、官民データ活用推進基本法における基本施策として、世界最先端デジタル国家創造宣言・官民データ活用推進基本計画を平成30年6月に閣議決定しております。この計画などでは、オープンデータの推進に加え、行政手続きにおける電子化の徹底や業務改善に関しても掲げており、住民及び事業者の利便性向上のほか、行政職員の事務負担軽減に寄与することなどについての考え方が示されてございます。こうした中、国と地方公共団体との間で施策の整合性が確保されるよう、都道府県に対しては官民データ活用推進計画の策定が義務づけられており、特別区を含む区市町村につきましては、議員お話しのとおり努力義務とされてございます。区といたしましては、今後の情報政策を推進していくうえで当該計画の策定は重要なことと考えてございまして、各種計画との整合性も図りながら、オープンデータの取り組みを含む官民データ活用推進計画の策定について引き続き検討してまいります。私からは以上でございます。 ◎玉川 総務部長 私からは、公共データに関連した職員の育成についてお答えいたします。  オープンデータの活用を官民協働の推進及び区政の透明性、信頼性向上につなげるためには、議員お話しのとおり、公共データの特質を理解できる人材の育成が不可欠でございます。現在、区では、職員に対して情報システム関連の知識と技術の習得及びITリテラシー向上のための研修を実施しております。今後、ますますオープンデータの利活用が重要となることを踏まえ、中長期的な視点を持ちながら、研修の実施やマニュアルの作成等の方策を検討し、公共データを的確に分析、活用できる人材を育成してまいります。 ◎飯嶋 産業経済部長 私からは、働き方改革に関する2問のご質問にお答えをさせていただきます。  まず、区内企業への働き方改革支援についてのご質問でございますが、議員お話しのとおり、本年6月、いわゆる働き方改革関連法が成立をし、区内中小企業にとって、人手不足が叫ばれる中、その対応は大変重い課題であると受け止めております。区といたしましては、これまで取り組んできたワーク・ライフ・バランスの施策の推進をはじめ、毎年セミナーを開催しているところです。今後も庁内連携を図り、今回の働き方改革関連法のポイントやその対応を解説した事業者向けセミナーの拡充を検討してまいります。また、いつでもどこでも気軽に相談でき、事業者の皆様が安心して働き方改革に取り組めるよう、区内中小事業者に寄り添った支援メニューを充実させてまいります。  次に、事業者の競争力を強める働き方改革の支援策についてのご質問でございます。働き方改革について、政府は働き方改革実現会議を開催し、非正規雇用の処遇改善、賃金引き上げと労働生産性向上、長時間労働の是正及び柔軟な働き方がしやすい環境整備など九つの分野ごとに具体的なロードマップが示されました。厚生労働省では、各事業者が抱える就業上の課題解決のため、都道府県ごとに働き方改革推進支援センターを開設しております。さらに、公的機関である産業保健総合支援センター、よろず支援拠点、また、商工会議所及びハローワークなどでも相談に対応する体制を整備しております。これらの窓口の紹介に加え、大田区では、中小企業をはじめとする事業者に寄り添った相談窓口として、大田区産業振興協会が行っているビジネスサポート事業がございます。当該事業では、登録された社会保険労務士6名が、国の専門相談では相談が困難な、具体的な対応策の策定などにもきめ細かく対応しております。なお、このビジネスサポート事業は、相談者のご都合に合わせ、休日や夜間でも、サポーターである社会保険労務士などの専門家と時間調整をしたうえで相談対応が可能でございます。今後の働き方改革の動向を踏まえ、産業振興協会の相談メニューの中に働き方改革にかかわる相談も掲げ、PRをしてまいります。私からは以上でございます。 ◎今岡 福祉部長 私からは、発達支援に関する3点のご質問にお答えいたします。  まず、発達障害の早期発見を可能にする体制についてのご質問ですが、幼児期の場合、地域健康課における健診からこども発達センターわかばの家への相談につなぎ、療育を実施しています。学齢期の場合、小学校における児童実態把握票や発達障がいの可能性のある児童を把握するための多層指導モデルの活用により、通常の学級やサポートルームでの指導を実施しております。また、教育センターでの教育相談において発達障害が疑われる場合は、医療機関の紹介等も行っております。こうした取り組みに加えて、障がい者総合サポートセンターでは地域支援事業を実施し、教育関係者等が発達障害の知識を深め、早期発見につながるよう適切な支援を行ってまいります。  次に、家族への支援に関するご質問ですが、子どもの育ちに不安を抱えた家族を支援することは重要なことと考えております。区は、発達支援応援フェアを開催し、療育や放課後活動等、必要な情報をお伝えするとともに、相談を通じて適切な支援につなげております。また、支援のあり方を考える発達障がいシンポジウムを開催し、毎回多くのご家族や支援者の参加のもと、発達障害に関する地域の理解を深める取り組みも進めております。さらに、こども発達センターわかばの家では、親子通所や外来訓練等の事業において、乳幼児期の育て方や今後の進路等の相談を受けております。これらに加え、障がい者総合サポートセンターでは、学齢期の診察・療育による個別支援を通じて、ご家族に対し、本人とのかかわり方や育て方についてのアドバイスを行ってまいります。  最後に、発達障がい児者の支援のあり方についてのご質問ですが、切れ目のない継続的な支援のためには、関係機関のネットワーク化を進め、連携して支援を行うことが重要です。区は、放課後等デイサービスなど、事業所の参加のもと児童発達支援地域ネットワーク会議を開催し、研修や事例検討を実施し、現場での支援に活かす取り組みを行っております。今後は、障がい者総合サポートセンターが学齢期発達障がい児の中核的施設として、専門医、専門職の知見、支援スキルを活かし、事業所が専門的な視点を持ち、支援ができるよう質の向上を目指してまいります。これらの取り組みを通して、関係機関等によるネットワーク全体の支援力を高め、発達障がい児者を支える体制を強化してまいります。私からは以上でございます。 ◎青木 障がい者総合サポートセンター所長 私からは、障がい者総合サポートセンター、「さぽーとぴあ」での発達障がい児支援事業の具体的な内容と規模についてのご質問にお答えいたします。  さぽーとぴあでは、専門的な診察・療育による個別支援と、地域で生活する発達障がい児が安定して過ごせるよう、地域の関係機関を支援する地域支援事業を主な事業として実施いたします。ご利用に当たっては、まず、医師の診察、各種の検査等を行い、その上で個々に合った今後の療育等につなげてまいります。診察は予約制とし、当面は小学校のサポートルーム在籍児童のうち、集団行動面で課題があり、家庭、学校もさらなる療育の必要性を感じている方を対象に受け付け、1日2枠を想定してございます。療育は、臨床心理士、作業療法士等による個別外来訓練を1日6名、放課後等デイサービス事業において障害特性を考慮したグループごとの指導を半年ごとに10グループ、1日10名を想定してございます。地域支援事業では、福祉、心理等の専門家がチームを組み、学校等を訪問し、巡回相談を実施し、年間100回程度の訪問を想定してございます。それに加えて、各支援機関職員向けの発達障害に関する専門研修も年間24回ほどの実施を想定してございます。さぽーとぴあは、これらの事業を着実に実施し、学齢期の発達障がい児支援を推進する中核機関として、ライフステージに応じた切れ目のない支援を推進してまいります。 ○勝亦 副議長 次に、44番三沢清太郎議員。                  〔44番三沢清太郎議員登壇〕(拍手) ◆44番(三沢清太郎 議員) たちあがれ・維新・無印の会の三沢清太郎です。今回、私からは大きく分けて三つの質問をさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。  まず最初に、約1年ぶりに民泊についてお伺いいたします。  大田区は全国に先駆けて、平成28年1月29日から特区民泊を開始し、この間、着実な歩みを進めてこられたものと認識をしております。特に最低滞在日数が6泊7日以上から2泊3日以上に緩和したことは、特区民泊条例制定前も制定後も一貫して最低滞在日数緩和を求めてきた者として、大いに歓迎をしているところでございます。しかし、これまでの本区の民泊に対する歩みが全てうまくいっていたかというと、必ずしもそうとは言えない点もあると私は考えております。  今年6月に施行された新法民泊には、特区民泊と同じ網をかぶせ、住居専用地域での民泊運営が一切禁止されました。その結果、大田区で新法民泊を実施するメリットが乏しくなり、思うように数を増やせていないのが現状ではないでしょうか。この規制については、昨年12月8日、第4回大田区議会定例会において、私は反対の立場から民泊推進のアクセルとブレーキを両方踏むようなことのないようにお願いをいたしました。そして、この規制は、国からも好ましくないとの意見があったと聞いております。  私は、新法民泊も力強く推進するために住居専用地域での民泊運営を一部認める必要があると考えておりますが、理事者の見解はいかがでしょうか。これまでの新法民泊の届出数及び受理件数とあわせて、現状の認識と今後の方針を教えてください。  また、新法民泊が思ったほどに届出数が増えないもう一つの要因は、自治体の不適切な運用にあるとも言われております。観光庁は本年11月22日、住宅宿泊事業の届出に係る実態調査結果等を公表しました。ヒアリング結果、一部自治体による、国の方針を逸脱した民泊事業届出時の嫌がらせとも言える不適切な運用があったそうです。もし本区で指摘事項を受けておりましたら、その内容を教えていただくとともに、その後の対応状況を教えてください。  ここまで新法民泊の規制緩和と適切な運用についてお聞きをいたしましたが、規制緩和と適切な運用と同時に非常に重要になってくるのが、宿泊者にも近隣住民にも民泊を安心・安全にご利用いただくための違法民泊取り締まりです。大阪市では「違法民泊を許さない」と宣言し、今年4月に違法民泊撲滅チームを立ち上げ、6月に警察OB含む実行部隊を組成しました。現在は総勢68名が指導に当たっており、わずか4か月で2000件以上を指導、1800件以上が閉鎖、残りは合法民泊へ移行いたしました。そして、今後も強力に実行していくと吉村大阪市長はおっしゃっております。  翻って本区の状況はいかがでしょうか。大田区は平成29年12月20日から平成30年3月30日までの間、平成29年度民泊施設調査業務委託結果について発表しておりますが、これまでの調査対象件数、うち指導件数、閉鎖件数、合法民泊への移行件数について教えてください。大阪市のように厳格にルールづくりを行い、取り締まり活動をすることで違法民泊をなくし、安全な民泊を推進することは大田区の持続的発展にも寄与するものと考えておりますので、早急にさらなる対応をよろしくお願いいたします。  次に、本区の随意契約についてお聞きいたします。  自治体は契約を結ぶに当たり、公平性と透明性を担保するために競争入札にかけることが基本とされております。しかし、実際には様々な理由から随意契約となっている案件が複数ございます。随意契約のそのほとんどが契約の性質または目的が競争入札に適していなかったり、緊急の必要により競争入札に付することができない案件であることは承知しており、私は随意契約そのものを否定するものではございません。しかし、中には競争入札やプロポーザルに付するほうが適切であるにもかかわらず随意契約を続けているケースも少なからずございます。  例えば、約3000万円強の某随意契約案件は、約10年にわたり同一事業者がサービスを提供してきました。その理由を担当者にお聞きしたところ、ほかの事業者に同様のサービスを提供するところがない、サービス利用者の満足度が高いので、他事業者にかえる必然性がないというものでした。しかし、よくよく調べてみると、同様のサービスを提供している事業者は存在しており、その事業者のサービスは他区で評判がよいものでした。また、他区では一般競争入札やプロポーザルが導入されており、健全な競争が行われた結果、サービスの質を落とすことなく、本区よりも時間当たりのサービス提供価格を抑えることに成功していました。また、健全な競争の結果、大田区と同じ事業者がサービスを継続している区もありましたし、別の事業者が参入したケースもありました。このことを担当者にお伝えすると、今年度は間に合わないものの、来年度は一般競争入札かプロポーザルを検討すると前向きのお答えをいただくに至りました。かように随意契約の中には、見直せば一般競争入札やプロポーザルにしたほうがふさわしい場合がまだまだあるのではないでしょうか。  そこでお聞きいたします。今回のケースを理事者はどのようにお考えでしょうか。また、このようなケースを踏まえ、どのような対策が必要とお考えでしょうか。私は、複数年随意契約が続いている案件はその妥当性を一層厳しくチェックする必要があると感じておりますが、理事者の見解をお聞かせ願います。  次に、特別区人事委員会勧告による職員の給与引き下げ勧告に従わず、給与据え置きとした件についてお伺いをいたします。  今回の大幅引き下げ勧告の原因は、特別区人事委員会が職層再編と給料表統合に対応した公民比較方法の見直しをしなかったことと、旧3級の職員全員を新2級にすればよかったのに、人事委員会が「選考」を勧告したため、約1割の旧3級が新1級を選ぶこととなり、その職員は、新2級の給料でありながら新1級の職層のため、総じて新1級の給与が公民比較で高くなってしまったことが挙げられます。私どもの会派は、旧3級から新1級を選んだ職員だけでなく、残りの職員や臨時職員も含めて平均2.46%の月例給引き下げになることは問題があると認識をいたします。しかし、これまで民間との格差をなくすという人事院勧告の錦の御旗をかざして給与引き上げに従ってきたにもかかわらず、給与引き下げ勧告のときには従わないというのは、有権者の理解を得られるのでしょうか。特別区長会の決定に従わず、勧告どおり引き下げることを求めますが、見解を伺います。  最後に、臨海部周辺対策についてお聞きをいたします。一口に臨海部周辺対策と言っても、その内容は多岐にわたりますが、今回は音とにおいについてお聞きいたします。  まず、音についてです。以前、私は東扇島でのナイトフェスやウーハー族が発する重低音の騒音問題を議会で取り上げさせていただきました。おかげさまで、東扇島のナイトフェスが発する重低音については、今年は苦情がほとんど報告されなかったのですが、相変わらず週末深夜を中心にして重低音騒音被害の相談は多数受けております。その相談範囲は広く、羽田、蒲田、大森、馬込、山王、糀谷、久が原など多岐にわたっております。騒音元はウーハー族からとも飲食店からともライブハウスからとも言われておりますが、共通しているのは、暴走族等が発生する一時的な爆音ではなく、どこから聞こえてくるのかわからないが地面から響くような重低音であるということです。騒音元の一つとして可能性のあるウーハー族については、大黒ふ頭や東扇島の取り締まりが厳しくなった結果、大田区臨海部に一部流れ込んでいるのではないかといううわさもありますが、真相は定かではありません。何とか安眠できる環境を取り戻したいと願っているのですが、本区に寄せられている相談や対策などありましたら教えていただけますでしょうか。  最後に、においについてお聞きいたします。羽田空港海老取川周辺は、以前から合流式下水道と航空機汚水処理施設(SDプラント)から発する異臭に頭を悩ませてきました。合流式下水道はインフラ再整備に膨大な費用と時間がかかることから、一両日中に対応することは困難であることは承知しておりますが、航空機汚水処理施設に関しては、沖合移転などすれば、においは相当軽減できるものと考えており、これまでも委員会などを通じて適切な対応をお願いしてまいりました。2020年にはいよいよ東京オリンピック・パラリンピックが開催され、同時に羽田空港跡地第1ゾーンには先端産業拠点・クールジャパン発信拠点が先行施設開業いたします。何とかその前に航空機汚水処理施設の沖合移転をお願いしたいのですが、状況についてお知らせください。  以上をもちまして質問を終えさせていただきます。ありがとうございました。(拍手) ○勝亦 副議長 理事者の答弁を求めます。 ◎玉川 総務部長 私からは、総務部が所管いたします二つのご質問にお答えいたします。  まず、随意契約についてのご質問でございます。随意契約を行う際には、部局からの相談を受け、その理由が地方自治法施行令に限定列挙で規定しております要件に該当することや、契約の相手方として妥当であることを確認し、真に必要と認められる場合に限り決定しております。しかし、業務の履行状況や当該契約を取り巻く社会環境の変化によっては、同一の事業者と随意契約を継続する必要性が薄れていくケースもございます。今後も、随意契約の運用に当たりましては、十分な精査を行い、必要に応じて入札またはプロポーザルの実施を含めた見直しを検討するとともに、全部局に対する研修、周知等を通じ、適正な履行に一層努めてまいります。  次に、職員の給与改定にかかわるご質問でございます。今回、特別区人事委員会勧告の実施を見送ったわけでございますが、特別区長会からは、本年4月に実施いたしました行政系人事・給与制度の改正が今後、実効性のあるものとすることや、国や他の地方公共団体との職員給与の均衡を逸した結果、人材確保の困難性が増すことによって区民サービスへの影響への懸念が残ることなどを鑑み、区長会としまして異例の対応であることをコメントしてございます。職員の給料表につきましては、特別区職員の任用及び給与等に関する共通基準といたしまして、特別区全体で足並みをそろえた取り扱いでございますので、区単独で引き下げるということは困難でございます。本来であれば、特別区人事委員会勧告は尊重することが基本でございますが、慎重に検討したうえでの判断でございます。私からは以上でございます。 ◎今井 健康政策部長 私からは、民泊に関するご質問にお答えいたします。  まず、住宅宿泊事業法に基づくいわゆる新法民泊の住居専用地域での運営や現状認識と今後の方針についてのご質問です。大田区住宅宿泊事業施行条例では、施行後2年以内の検討及び措置を行うこととなっておりますが、施行後まだ半年を経過していない現状では、見直しなどの検討には時期尚早であり、推移を見守っていく必要があると考えております。新法民泊の実績につきましては、届出数、届出受理数ともに、6月15日の法施行から約半年を経過した現在、52件となっております。特区民泊を開始した当初の同時期の認定17件を上回っており、順調に推移していると認識しております。今後の方針については、実績等の推移を見守り、安全・安心な民泊の推進という観点から判断してまいります。  次に、国からの指摘に関するご質問ですが、観光庁から、区のホームページにおいて事前相談が必須であると誤解を与えるような内容があると指摘がありました。現在、他の自治体の例を参考に、よりわかりやすいホームページへと修正するよう対応しているところです。  最後に、平成29年度大田区民泊施設調査業務委託結果についてのお尋ねです。対象としてウェブサイト上の627件を調査し、うち違法の疑いがある物件は370件でした。違法の疑いがあり、建物が特定できた228件のうち、1物件が複数のサイトに重複して掲載されたもの等を除いた45施設に対して指導をしました。指導の結果、28施設が廃止し、17施設が合法民泊へ移行済みとなっています。区の民泊制度は大きなトラブルもなく順調に推移しておりますが、今後も安全・安心な民泊を推進するため、しっかりと対応してまいります。私からは以上です。 ◎白鳥 空港まちづくり本部長 空港島内にある航空機汚水処理施設について、区では、施設所有者と協議を進めていたところ、このたび、施設移転に向け移転先確保や諸手続きが整い、工事に着手したとの報告を受けたところです。新施設は空港島東部に位置する給油地区に2019年度中の竣工予定とされておりますので、2020年の跡地第1ゾーンのまち開き時には施設が稼働している見込みでございます。私からは以上でございます。 ◎落合 環境清掃部長 私からは、重低音騒音被害についてのご質問にお答えいたします。  川崎市臨海部東扇島からの重低音については、区から川崎市に強く要請を行い、市がイベント主催者に指導し、区内の重低音騒音の解消が図られました。また、東扇島におけるウーハー族による重低音騒音については、市が昨年末から毎週末、臨港道路を立入禁止にする対策を継続中とのことです。議員お話しのとおり、本年9月から10月にかけても重低音騒音被害のご相談が区に寄せられております。警察署にも多く寄せられており、警察が通報現場を調査していますが、発生元を特定するには至っておりません。引き続き周辺自治体や関係機関と連携・協力して、発生元の特定に努め、対策や指導につなげてまいります。 ○勝亦 副議長 会議が長くなりましたので、しばらく休憩といたします。                      午前11時59分休憩                ――――――――――――――――――――                      午後1時開議 ○岸田 議長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質問を続けます。4番安藤 充議員。                  〔4番安藤 充議員登壇〕(拍手) ◆4番(安藤充 議員) 自民党の安藤です。昼食後の質問なので、眠くならないように頑張りますのでよろしくお願いいたします。何を質問していいか忘れてしまわないように書面を見ながら続けさせていただきたいと思います。
     東京2020オリンピック・パラリンピック開催まで残すところ約600日となりました。様々な場面で盛り上がりを見せてきており、海外からの観光客も年々増加しております。私の地元である羽田におきましても、我が国の玄関口となる羽田空港におり立つ外国人の方々は、今後さらに多くなることが確実視されております。そして、日本にお越しになった海外の方々がまず目にする日本のまちの様子が羽田であり、そうした点で申せば、羽田のまちづくりは大田区におけるまちづくりではありますが、我が国にとっても大変重要かつ積極的に行っていかなければならないと思っております。  こうした点から、羽田のまちづくりを中心に、まずは地域の拠点となる公共施設の役割についてお聞きしてまいります。  東京国際空港、羽田空港は、国際空港評議会(ACI)の発表によりますと、2017年世界の空港旅客数ランキングにおいて約8541万人となり、アメリカのロサンゼルス国際空港の約8456万人を抜き、世界第4位となりました。羽田地域は臨海部の特性を活かして各種の流通手段にもすぐれており、そのポテンシャルの高さから、国内はもとより、国外からも今後の利活用、発展に熱い視線が注がれております。  こうした背景のもと、羽田地域におきましては、オリンピック・パラリンピック競技大会の開催決定と前後するように、過去の歴史を大切にしながら未来を見据えた新しいまちづくりへの取り組みが官民、大小を問わず、様々な場面で整備、再開発が進められています。その中でも、特に公共施設は地域の中心的な存在として、また、地域課題を解決していくための拠点として、その整備は大変重要なことであり、行政内部だけではなく、地元の意向もしっかりと踏まえながら進めていくことが重要と考えます。  このような中、今般、羽田地区における新たな地域力の拠点、また、新たな子育て支援の拠点として羽田地域力推進センターと羽田保育園等の複合施設の整備が進められ、今週月曜日の26日から羽田一丁目と羽田四丁目のそれぞれの地におきまして新たな施設が開所し、業務開始となりました。開所式とそれに先立って行われた内覧会では、両施設の開所を楽しみに待ちわびた地元の方々や利用者が多数訪れ、羽田地域の新しいシンボル、また、ランドマークとなる最新の公共施設の完成に、どちらの施設においても喜びと感謝の声が上がっておりました。特に今週25日の日曜日に行われた一丁目の施設の開所式では、晴天の下、六間堀通りを通行どめにして、みこしが担がれ、ダンスが披露されるなど様々な催しが行われ、実に大勢の方々が参加され、地域を挙げて新しい区の施設の完成を祝いました。  両施設の整備につきましては、ともに築年数がかなり経過していたことから機能更新の時期を迎えており、地域の状況も踏まえながら建て替えの計画が進められておりました。そのような折、平成28年3月に区が示した大田区公共施設適正配置方針も踏まえながら具体的な設計が行われ、羽田地域力推進センター、四丁目複合施設とともに、区政推進の柱の一つである地域力の一層の推進、向上への拠点となるべく完成したと認識しております。高く評価をしているところであります。  未来に向かってスタートを切った羽田地域力推進センターは、複数の所管部局がかかわる複合施設として、地域課題の解決やコミュニティの拠点、さらには羽田にお越しになる様々な方々をサポートしていく上で、その利活用について地域の住民は大変注目をしているとともに、大きな期待を寄せております。今後ますます多様化する行政ニーズの解決に向け、民間企業を含めた多様な団体との積極的な連携構築なども視野に入れながら、10年、20年ではなく50年先までも見据えた新たな取り組みが期待されているところであります。  そこでお伺いいたします。羽田地域の地域力推進の新たな拠点となるこの羽田地域力推進センターの役割について、区はどのようにお考えを持っていらっしゃるのか、お聞かせください。  次に、まちづくりに関してお伺いいたします。  私は、平成22年から羽田地区の防災まちづくりの勉強会をスタートさせてまいりました。その後、平成23年には、地元町会長などを中心とする羽田の防災まちづくりの会が正式に発足し、今年の9月3日の会合で30回目となりました。これまでに検討した内容が、区の羽田の防災まちづくり整備計画として実現したほか、平成28年5月には、防災まちづくりの会が区長に提出したまちづくりルールに関する提言書の内容についても、区が実現に向けて取り組んでいるところです。この件に関しまして、平成30年9月18、19日のまちづくり環境委員会では、羽田地区防災街区整備地区計画(原案)の策定について報告がありました。このときの報告では、策定した原案に関する説明会を行い、公告・縦覧や意見書の受け付けをするということでした。  そこで伺います。説明会ではどんな意見が出され、その意見を踏まえ、燃えないまちづくりにつながるこの地区計画の実現に向けて、今後区はどのように取り組んでいかれるのか、お聞かせください。  次に、羽田地区で平成27年度から用地取得をしている3本の重点整備路線の拡幅事業ですが、平成29年度からは、東京都都市づくり公社との協定に基づき用地取得交渉業務を委託しております。平成29年7月3日からは、地区内の相談窓口を設け、188区画ある地権者一人ひとりの個別の事情に応じた丁寧な相談業務を行っていることと思います。こうした努力が実を結びつつあります。これまでに188区画のうち11件の契約につながったとも伺っております。  取得した道路拡幅用地の中には、鴎稲荷神社の前の部分において、残地を含めて取得していただき、現在、暫定的に整備がなされております。今後は広場状に整備されるということですが、燃え広がりを防ぐ防災上の効果だけでなく、交差点の見通しがよくなり、交通安全の観点からも安心できるようになりました。今後、広場に活用されるということであり、地域の方の憩いの場として皆様から大変期待されていると思います。羽田の防災まちづくり整備計画では、3本の重点整備路線とともに、こうした広場・公園についても整備するとしています。  平成30年9月27日のまちづくり環境委員会の報告では、道路拡幅や広場・公園整備のための代替地に利用することを想定して、防災まちづくり事業用地を取得したとの報告がありました。今後、事業協力者にこうした土地を紹介し、一層事業が進むよう取り組んでいただきたいと思います。  これまで区の様々な取り組みにより、道路については事業の周知が進み、協力していただける方も増えております。一方で、広場・公園なども今後は今まで以上に積極的に用地を取得し、整備を進めてもらいたいと考えております。しかし、羽田地区では狭い小さな公園が多いことや、その周囲の一般の宅地も狭い敷地が多く、一時避難などに活用できる広場や公園の用地を確保するのは容易ではありません。こうした地区で公園整備をするには、土地交換などの手法も活用しながら用地取得を進める必要があります。区では、このような密集市街地整備に関する実績が豊富なUR都市機構とも協定を結び、技術的支援を受けることとしています。  そこで提案があります。UR都市機構などと協力して、公園周囲の用地を積極的に取得し、希望者には代替地などを提供するなどしながら、大きな敷地を確保することが可能になると考えますが、いかがでしょうか。お尋ねします。  次に、穴守稲荷駅の駅舎改修についてお聞きします。  昨今、羽田地域の再開発が進むにつれて、地域の状況が変わりつつあります。また、この地域を利用する交通手段の中心の一つに京急穴守稲荷駅があります。まちづくりの影響もあって、利用客数は年々増加傾向にあります。しかし、この駅のホームは現状、羽田空港方面については全長の約半分が拡幅されていますが、京急蒲田駅方面については約1.6メートルと非常に狭く、国土交通省の基準である最小幅員の1.5メートルをわずかに満たしている状況です。そのため、車椅子利用者はもとより、朝夕の混雑時には大変危険な状態で、過去には車椅子での利用者がホームから転落する重大事故も起きています。これに対し、京急電鉄は緊急処置として転落防護柵を設置いたしましたが、これはあくまでも緊急処置であり、抜本的な対策とは言えない状況です。駅利用者が安全・安心に利用できるとともに、隣接する商店街との利便性も向上し、地域全体が活性化につながることが羽田地区全体の願いです。その一つの方法がホームの拡幅などの改良工事だと私は考えています。  そこでお聞きします。区は穴守稲荷駅のこのような状況をどのように考えていますか、お尋ねいたします。  次に、羽田バス通りについて伺います。  羽田バス通りは空港行き路線バスが走っており、羽田地域力推進センターが面する地域の主要道路であり、区の景観計画重点地区にも位置づけられております。羽田小学校も近くにあり、地元の方々の日々の生活に不可欠な生活道路であることはもちろん、今後、多くの来訪者の方々がご利用される羽田地区にとっては大変重要な路線であります。  そこでお伺いいたします。先ほど申し上げた地域の防災機能の向上のほかに、景観整備も含め、バス通りの整備に関する区のご見解をお聞かせください。  次に、旧羽田旭小学校についてお聞きします。  旧羽田旭小学校については、学校としての役割を終え、平成16年4月から、統合後の校舎活用の一環として、暫定的に地域における区民の文化、健康及び社会的活動を促進することにより、地域の振興に寄与する目的で体育館がコミュニティセンター羽田旭として利用されております。また、校舎につきましては、ものづくりのまち大田の一例として、創業支援施設として創業支援施設BICあさひが開設され、これまでにも多くの創業者が施設を卒業し、区内で活躍する企業も輩出しております。聞くところによりますと、大田区産業振興協会事業である新製品・新技術コンクールの今年度入賞企業の中には、このBICあさひを卒業した企業もあるとのことです。羽田の地から新たな企業が生まれ、区内で、そして行く行くは海外で大きく羽ばたき活躍していただきたいと切に願うとともに、既にそのような動きが起きつつあるということを誇りに思います。  一方で、旧羽田旭小学校の暫定活用期間については、おおむね10年から15年とされており、現在、既に次の新たな活用について具体的検討時期になっていると思います。BICあさひが担ってきた創業支援機能は、今後は現在の六郷図書館の土地と建物を活用していくことが決まっています。そうしますと、旧羽田旭小学校の校舎部分を今後どのように活用していくかが大きな課題であると認識しています。また、校庭及び体育館は地域コミュニティの場として現在活用されており、避難場所機能としても位置づけられています。  伺います。大きなポテンシャルを秘めた臨海部に位置するこの旧羽田旭小学校の今後の活用について、現在、区はどのようなお考えを持っているのかお聞きします。  次に、空港関連についてお伺いします。  まず、羽田空港跡地の名称の検討状況についてです。羽田空港跡地第1ゾーン整備事業は、無事に第一期事業の起工式を終え、工事に着手しました。私も起工式に出席させていただきましたが、羽田を地元とする議員として、過去に三つの町があったこの羽田空港の跡地に新たなまちづくりが始まることに対し、大変感慨深いものがございます。今後は、本事業が24時間国際拠点空港である羽田空港のポテンシャルを活かし、区内をはじめとする地域経済活性化の起爆剤となり、周辺地域とともに発展できるまちとなるよう、2020年のまち開きに向け事業をしっかりと進めていただきたいと考えています。  こうした状況ではありますが、以前、平成29年決算特別委員会で我が会派が羽田空港跡地にかわる名称について質問し、ご答弁をいただきましたが、その後の取り組み状況はどのようになっているのでしょうか、お尋ねいたします。  次に、跡地の緩衝緑地についてお伺いします。「羽田空港跡地等に、区民生活の安全と快適な生活環境の確保や、騒音の緩衝帯や緑地の機能は存在しないと区は答弁している」と主張している議員がおりますが、私は羽田空港跡地及び周辺にそういう機能が生じるものと考えておりますが、改めて区のご見解を確認させていただきたいと思います。  次に、航空機運航乗務員の飲酒問題について、航空機の安全運航の観点から質問いたします。  このところ、パイロットなど航空従事者による飲酒問題が相次いで明らかになり、多くの報道がされております。パイロットのみならず、航空機の運航の安全に携わる者が飲酒の影響を受けて業務を行うことはあってはならないことであり、航空の安全に関する国民の信頼を損ないかねない重大な事態であると考えております。報道によると、日本航空と全日空が問題の経緯や再発防止策をまとめ報告書を国に提出したとのことですが、飲酒問題に係る事実関係とこの間の取り組み状況とともに、空港が所在する自治体として、この件について区のご見解をお伺いいたします。  最後に、活力ある魅力的なまちづくりのために欠かせない重要な取り組みの一つである商業振興について、特にプレミアム商品券について触れさせていただきます。  現在開会中の臨時国会において、安倍総理から「発行に向け具体的検討に入る」旨の答弁があり、一部報道でも、政府・与党は来年10月に消費税率を10%に引き上げることに備えた景気の下支え策として、額面を上回る買い物ができるプレミアム商品券を発行する検討に入ったという記事があります。プレミアム商品券については、内閣府資料に「従来の消費喚起事業とは異なり、地域の創意工夫を直接的に引き出す機会とすることで地方創生に貢献する」という趣旨が明記されております。地域経済に大きな効果を生むことが期待できるものです。大田区でも過去に同様の商品券を発行した経過がありますが、これからますます勢いをつけていかなければならない羽田のまちづくりにおいても、そして、大田区全体のまちづくりを俯瞰しても、日々の生活に直結する商業振興政策は大変重要なことだと思います。まちのにぎわいを創出するほかに、商店街の活性化にも貢献するものだと思います。実施方法についても、区による単独実施以外に、例えば区商連との連携によって様々な取り組みも考えられます。まさに創意工夫により大田区ならではの取り組みが可能だと考えています。そこで、プレミアム商品券発行に対する区のご見解をお聞かせください。  羽田から大田区を、そして東京、さらには日本全国を元気にしていきたいという観点から質問をいたしました。引き続き、羽田のまちづくりにしっかりと取り組んでいただきたいことを強く要望し、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○岸田 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎市野 企画経営部長 私からは、旧羽田旭小学校の今後の活用に関するご質問についてお答えをさせていただきます。  空港臨海部に位置する旧羽田旭小学校は、創業支援施設としての暫定活用期間終了を機に、今後の活用方法の検討が必要となってございます。検討に当たりましては、空港臨海部の立地特性を活かした区内全域へ高い経済波及効果を促進する企業集積拠点となる産業施設、また、将来のまちづくりを見据えた避難所、地域コミュニティの拠点などの視点から、施設機能のあり方について多角的に検討を行ってまいります。また、民間事業者と連携することで利便性の一層の向上や多様な活用が見込める場合には、公民連携手法についての検討も行ってまいります。少子高齢化、人口減少に伴う国内市場の減少と生産年齢人口の減少、労働力不足が一層懸念されている中、ものづくり産業の基盤を区内に維持し、付加価値の高い製品の生産につなげるなど、区内産業の活性化を図ることは重要であり、空港臨海部に位置する旧羽田旭小学校は大きなポテンシャルを秘めているものと認識をしてございます。今後、そうした立地特性を活かし、区内経済の維持・発展を図るとともに、地域の発展にも資する施設の整備につきまして検討してまいります。私からは以上でございます。 ◎小泉 地域力推進部長 私からは、羽田地域力推進センターの役割についてのご質問にお答えをいたします。  羽田地域力推進センターは、特別出張所、地域包括支援センター、中高生ひろば、文化センターなど複数所管から成る複合施設であり、子どもから高齢者まで多世代が集う場所でございます。まちの魅力づくり、高齢者の総合相談・介護予防、青少年世代への支援、地域活動の促進など、より一層多様化する地域課題を解決し、魅力ある地域を創造していく役割が求められています。区は、地域力推進センターを地域力の拠点とし、センター内の各施設が連携しながら迅速かつ的確なサービスを提供するとともに、事業の充実を図ってまいります。また、区民、各種団体、事業者など、地域を構成する様々な主体による多世代間の交流を進め、地域力の向上へつなげてまいります。同時に、地域力推進センターへ設置した地域情報コーナーにおいて、羽田や大田区の魅力を発信し、国際都市おおたの実現へ向けた取り組みも積極的に担ってまいります。私からは以上でございます。 ◎飯嶋 産業経済部長 私からは、プレミアム付き商品券についてのご質問についてお答えをさせていただきます。  区では、平成21年度から、消費喚起並びに緊急経済対策の一環、あるいは消費税率引き上げ後の緊急支援策など、必要に応じプレミアム付き商品券を発行してきたところです。また、平成22年度には、羽田空港国際化記念として夢Ota区内共通商品券を区内全域で発行いたしました。それらの結果、地域のにぎわいの創出及び商店街の活性化に効果があったものと考えております。平成31年度には、議員お話しのとおり、政府が消費税率10%に引き上げへの対応として、プレミアム付き商品券を発行する検討に入ったとの報道を区も承知しております。区といたしましては、国の動向を注視するとともに、実施の際には、商店街の創意工夫で地域経済が活性化され、商店街のにぎわいが継続されるよう、大田区商店街連合会と連携し、機敏に対応してまいります。 ◎齋藤 まちづくり推進部長 私からは、穴守稲荷駅のホーム拡幅に関するご質問にお答えをいたします。  区は、穴守稲荷駅におけるホームの状態を把握してございまして、駅のホームの拡幅などの改良工事につきまして、抜本的な安全対策を行うよう区からも指導や提案をするなど、京急電鉄に働きかけているところでございます。京急電鉄に現在の状況を確認しましたところ、穴守稲荷駅の京急蒲田方面のホームにつきましては、まずは羽田空港方面のホームと同程度の範囲まで拡幅ができるよう隣地の地権者と調整を行っているとの報告を受けてございます。区といたしましても、引き続き穴守稲荷駅のホームの拡幅、改良の実現に向け最大限に取り組み、京急電鉄に働きかけるとともに、ともに汗をかいてまいりたいと考えております。私からは以上でございます。 ◎青木 都市開発担当部長 私からは、羽田地区の防災まちづくりに関するご質問にお答えをいたします。  初めに、羽田地区における地区計画に関するご質問でございますが、区で策定いたしました地区計画原案に関する説明会を10月に2回、延べ59名の方々にご参加をいただいたところでございます。ご参加いただいた方からは、燃えないまちづくりにつながる地区計画の趣旨につきましてご賛同いただくとともに、区で進める道路や公園整備に際しては、関係者に対する丁寧な説明を求める意見もいただきました。また、同時期に受け付けした意見書では、地区計画の早期制度化の意見や、バス通りなど特定のエリアに建物高さなどのルールを導入する場合は、助成金等による支援策を設けるよう要望いただいたところでございます。全体として多くの皆様から地区計画原案への賛成意見をいただいたことを踏まえて、本年12月18日の都市計画審議会に付議し、原案についてのご審議をいただく予定でございます。その後、都市計画審議会での審査結果やこれまでに寄せられた意見をもとに、区で地区計画案を策定いたします。策定した地区計画案については、説明会などにより、改めて地区の皆様に内容をお知らせするとともに、意見書の受け付けなども行います。こうした法定手続きを着実に進め、今年度中の都市計画決定を目指してまいります。  次に、羽田地区における公園整備に関するご質問ですが、区では、重点整備路線の拡幅事業を進める際に、主要な交差点付近で歩行者の待避スペースに利用できるなど、防災上の効果が見込める場合には、地権者に残地部分の取得も打診し、広場等に活用できる用地の取得につなげてまいりました。一方で、羽田地区の防災上の課題の改善には、重点整備路線の沿道に限らず、延焼火災の防止に効果の高い規模の大きな公園の整備も必要でございます。しかし、小さくて狭い敷地の多い羽田地区では、土地交換などの手法もあわせて、今まで以上に積極的に用地取得を進める必要があると認識しております。議員お話しのUR都市機構は、密集市街地において、道路・公園などの整備実績を豊富に有しており、平成28年12月21日に羽田地区の防災まちづくりに関して大田区と協定を締結しております。この協定に基づき、敷地が狭く未接道が多い羽田地区において、防災効果の高い公園の整備や共同化等の可能性について検討してまいりました。UR都市機構では、羽田地区のように防災上の課題が多いエリアにおいて、土地を機動的に取得し、道路や公園等の公共施設や事業協力者への代替地に活用することで、密集市街地の改善を進める事業を実施しております。こうした手法の導入も視野に入れ、今まで以上に用地取得を積極的に進めることで、広場公園の整備を加速できるよう、羽田地区の防災まちづくりに鋭意取り組んでまいります。私からは以上でございます。 ◎白鳥 空港まちづくり本部長 私からは、3点の質問についてお答えいたします。  羽田空港跡地にかわる名称の検討状況についてのご質問ですが、新たな名称については、羽田空港沖合展開事業によって発生した土地といった過去の経緯をあらわす「跡地」から、今後のまちづくりに向け、当地を未来に向けて国内外に広く発信する名称とするため、当地の地権者である国土交通省及び区を中心に、街区の事業者である羽田みらい開発株式会社及び羽田エアポート都市開発株式会社等の関係者とともに検討を開始いたしました。今後は、所要の手続きを踏まえて、羽田空港跡地にかわる新名称を決定する運びとなっております。羽田空港跡地第1ゾーン、第2ゾーンについては、新名称も含め関係者が連携して、相乗効果が発揮できるよう、様々な手法によりPRにも積極的に取り組み、まちづくりのさらなる推進につなげてまいります。  空港跡地等における緩衝帯に関するご質問ですが、これまでに羽田空港対策特別委員会において何回かこの件について質問があり、その都度答弁してまいりました。改めて申し上げますと、跡地面積が200ヘクタールとされていた平成2年に、区では将来における羽田空港跡地利用の検討に向けた一つの提案として「羽田エアフロントシティ21」構想をまとめ、跡地に導入する機能として、羽田空港との間に跡地と隣接する緩衝緑地を設けるという考え方をお示ししておりました。その後、跡地面積が53ヘクタールとなりましたが、三者協による平成20年の羽田空港跡地利用基本計画や後続する平成22年の羽田空港跡地まちづくり推進計画において、跡地における環境との共生についての視点を示し、これらの先行計画を踏まえて、平成27年に「羽田空港跡地第1ゾーン整備方針を策定しており、緩衝機能は小さくなるものの、建築物や公園、緑地等を適切に整備することにより、市街地への影響低減に資する効果は期待できるものと考えております。また、環境保全や緩衝緑地の機能という観点から、旧整備場地区における緑地の整備も、区は国に対してかねがね要望しているところでございます。区は、引き続き、区民生活の安全と快適な環境を確保するため、様々な取り組みに努めてまいります。  航空従事者の飲酒に関するトラブルについてのご質問ですが、議員お話しのとおり、国内の航空会社で運航乗務員の飲酒に起因するトラブルが相次いで発生しております。日本の航空法では現在、第70条にアルコール飲料等に関する規定があり、違反には罰則も科されます。運航規定等の審査要領では、運航乗務員や客室乗務員に対して乗務開始前8時間以内の飲酒を禁止することとなっており、各航空会社が社内規定で乗務開始前の飲酒禁止時間を定めております。ただし、乗務前のアルコール検査は義務づけられておらず、アルコール濃度の基準値も航空会社の自主的な設定に委ねられております。国土交通省は11月1日、航空会社に対し、飲酒に関する航空法等の遵守の徹底や講じた措置の報告を求めたほか、有識者検討会を設置し、国内における飲酒に関する基準の検討を行うこととし、11月20日に初会合を開催しております。今後は本検討会において運航乗務員の飲酒に関し、新たな基準等の検討を行い、年内には中間的な取りまとめが得られるよう取り組むとのことです。区といたしましては、航空機の安全を守ることは、空港所在自治体である当区の安全・安心の確保にもつながるものと考えております。今後の検討の経過を注視しつつ、国、航空会社等関係機関に安全対策のさらなる徹底を図るよう引き続き求めてまいります。私からは以上でございます。 ◎久保 都市基盤整備部長 私からは、羽田バス通りの整備に関するご質問に対してお答えいたします。  羽田バス通りは、羽田空港からの玄関口であり、羽田地域にとって重要な路線と認識しております。そのため、このバス通りには羽田地域の防災機能の向上や良好な景観の形成に資する無電柱化事業に着手しており、今年度は羽田地域力推進センターの建築工事にあわせて、一部区間の電線共同溝本体を整備いたしました。来年度以降も、切れ目ない整備の推進とあわせて、地上機器の設置スペースの確保や新技術によるコンパクト化、地域に配慮したデザイン性の高い街路灯設置などを検討し、羽田地域のさらなる発展、にぎわいにつながる景観に配慮した道路整備を進めてまいります。私からは以上でございます。 ○岸田 議長 次に、9番塩野目正樹議員。                  〔9番塩野目正樹議員登壇〕(拍手) ◆9番(塩野目正樹 議員) 大田区における私が描いたビジョンであり、もはやライフワークとなりました風の道のまちづくりを通じた持続可能な大田区の発展について質問します。  風の道のまちづくりという考え方を核として、あるいは一本筋を通して、風の道のまちづくりが環境だけではなく、1 安全・安心に資する、2 健康づくり、すなわち福祉に資する、3 教育に資する、4 経済発展に資するという多角的な視点から質問させていただきます。  風の道とは、郊外から都市部へ風を誘導する風の通り道をつくり、都市部の気温の上昇を抑えようという都市計画の考え方や手法のことで、都市中心部の気温が郊外に比べて高くなるヒートアイランド現象の緩和に特に効果があるものであります。大田区では、1 呑川、内川等に沿って木を植え、緑の回廊をめぐらせます、2 東京湾の風を導きます、3 光合成等の作用で風が爽やかなまま吹き抜けますということになります。ちなみに、未来プラン10年によると、風の道は、呑川沿いにおいて、環境や景観に配慮した道路の舗装や街路樹の整備、さらには護岸の壁面緑化を行うことで、潤いと安らぎを感じる水と緑のネットワーク化を図る道のことと解説しています。  そもそも、大田区は、海、河川、池、豊かな緑等、すばらしい資源に恵まれています。特に海、河川、池等の水辺に接している地域が大半であると考えることができるものであります。これを大田区の自治会連合会ごとに見てみますと、大森東地区、海と呑川。大森西地区、海と内川。入新井地区、海と京浜運河。池上地区、呑川。新井宿地区、内川。嶺町地区、多摩川と六郷用水。田園調布地区、多摩川と丸子川。鵜の木地区、多摩川。久が原地区、呑川。雪谷地区、呑川。千束地区、呑川と洗足池。糀谷地区、海老取川と呑川。羽田地区、海と海老取川と多摩川。六郷地区、多摩川。矢口地区、多摩川。蒲田西地区、呑川。蒲田東地区、呑川に接しており、18地区のうち17地区が海辺、水辺に接しており、大田区の大きな魅力になっています。その海辺や河川の護岸を整備し、樹木を植え、水の回廊、緑の回廊を張りめぐらせるための整備をしていくことが風の道のまちづくりであり、また、そのための様々な施策や事業はまさに区民の幸せに資すると考えるものであります。そして、その大前提でもある海辺及び河川の整備は、今日に至るまで、国、東京都、大田区が精力的に取り組んできたところでもあります。それはもちろん、全ての人にとって安全・安心に資する、すなわち防災対策であり、治安対策となるものでもあります。  そこでまず、安全・安心について質問します。海辺の整備が大変進展しました。護岸の整備、水門の廃止、海辺の散策路の整備であります。これら事業は、まずは津波・高潮対策と捉えられるものと考えます。そこでお伺いします。大田区の津波・高潮対策は万全でしょうか。  貴船水門、呑川水門のところの防潮堤ですが、締め切り護岸の完成をもって終了しました。いまだ残る両水門は既に役割を終えたところでありますが、やはり撤去になるものと考えます。貴船水門、呑川水門の廃止はどうなるのでしょうか。  両水門の廃止後、大田区が橋をかけて海辺の散策路を整備する予定になっているはずでありますが、いかがでしょうか。  近年、豪雨による被害が拡大しています。大田区においても多摩川で大きな被害がありました。多摩川、呑川の豪雨対策は大丈夫でしょうか。  防災に関連して、防火水槽についてお伺いします。私の地元地域でもこのところ大きな火災があり、大変痛ましいことでありました。いざというときのために万全な消火活動ができるようにしっかりと準備しておく必要があろうかと思います。しかし、学校校舎や区の建物と同様に防火水槽も劣化しているのではないでしょうか。  そこで、防火水槽を点検し、場合によってはリニューアルする必要があるものと考えます。いかがでしょうか。  風の道にとって東京湾の風を導きますという観点からすれば、臨海部の再開発は導入部としてのとても大切な要素であります。実際、大田区は臨海部を大森、蒲田、羽田空港と並ぶ拠点に位置づけ、スクエアのまちづくりとして力強く進めているところであります。よって、海老取川から平和島運河周辺などにかけて、空港臨海部の水と緑の拠点を結ぶネットワークを形成するため、関係機関と協力しながら、散策路や公共溝渠の整備を進めるとする海辺の散策路整備は、空港臨海部の整備としてスクエア、すなわち4本柱のうちの二つをなす大変重要なまちづくりであると考えられます。  この海老取川から平和島運河周辺などにかけての壮大な計画としての海辺の散策路について、大田区はいかがお考えでしょうか。  大田区は臨海部を新スポーツ健康ゾーンと位置づけ、大田区の特色である水辺を活かすべく、大森ふるさとの浜辺公園を中心にして大森東水辺スポーツ広場を整備し、昨年4月に華々しくオープンしたところであります。おかげさまで、ビーチバレー場、多目的スポーツ広場、フットサル場、レストハウス、船着場ができました。年代や性別を超えて老若男女誰でもスポーツを楽しんでいただける、また、健康になっていただけるすばらしい水辺のレクリエーション拠点であると私も確信しております。ビーチ遊び、散策、散歩、ジョギング、健康体操など身近な楽しみ方から本格的なスポーツまで、魅力的な海辺、水辺に生まれ変わったわけであります。2020東京オリンピック・パラリンピックに向け、ブラジル選手団の事前キャンプも決まっています。区民の皆さんの関心もますます高まっていくものと考えております。  そこでお伺いします。完成して1年半が経過しました大森東水辺スポーツ広場への区民満足度を大田区はどのようにお考えでしょうか。今後とも魅力的な海辺・水辺づくりを力強く推進していくべきものと考えます。  平成30年度ライトアップ事業の取り組みについてお伺いします。  大田区の基本方針によると、大田区は、潤いと安らぎのあふれる国際都市を目指して、四季折々の自然の移ろいを感じ、地域の歴史や文化に触れられる魅力ある公園づくりを進めています。そこで、大森ふるさとの浜辺公園及び池上梅園観梅期にライトアップを行い、区民の皆様はもとより、国内外からの来訪者に向けて大田区の夜間景観の魅力を発信しますとあります。まずは、大森ふるさとの浜辺公園で11月3日、4日のOTAふれあいフェスタ開催日に行われました。実際、私も見てきましたが、本当にきれいで魅力的な実証実験であったと思います。  そもそも、海辺・水辺や公園の魅力を高め、ライトアップを行ったり、にぎわいを創出することは、地域活性化はもちろん、治安対策にも資するものと考えますが、いかがでしょうか。大田区の見解をお伺いします。  詳しくは予算特別委員会で質問しますが、このようなライトアップ事業によって夜間景観の魅力も高めていく、最終的には区民の皆様はもちろん、国内外の多くの方々に来ていただいて、地域経済が発展していくことは本当にすばらしいことであります。まさにライトアップ事業こそ魅力的な海辺・水辺づくりであります。ライトアップ事業の取り組みについて、大田区の見解をお示しください。  風の道のまちづくりへと至り、様々な成果をもたらすであろうライトアップ事業に大いに期待するものであります。  羽田空港第1ゾーン整備事業がいよいよ着工されました。大田区の経済発展のためには、羽田空港第1ゾーン整備事業の成功が不可欠であります。先日も3000人規模のライブハウス「Zepp Haneda」のオープンも発表されました。大いに歓迎すべき、華やかな、テナントとしては核となっていくものと思います。  ただし、大田区としてはこれまでどおり、中小企業と多様な主体との協創により新製品・新技術を創出すべく首尾一貫して進めてきた新産業創造・発信拠点こそが羽田空港第1ゾーン整備事業の核となるように確実につくり上げるべきであります。大田区の決意をお示しください。  おおた未来プラン10年(後期)に次のようにあります。第3部、目標実現に向けた取り組み。基本目標2、まちの魅力と産業が世界に向けて輝く都市(都市基盤・空港臨海部・産業領域)。個別目標1、水と緑を大切にし、すべての人に安全で潤いのある暮らしを実現します。施策3、潤いとやすらぎのあるまちをつくります。3、水と緑の回廊づくり。「公園や緑地・広場などを、さわやかな水と緑の輝きや四季の変化を楽しみながら散策できる緑道や散策路で結ぶことにより、区内全域に水と緑を縦横にめぐらせ、都市環境を和らげる風の道を創出するとともに、まちに潤いとやすらぎのある空間を広げます」。主な事業として、呑川緑道の整備(風の道のまちづくり)、桜のプロムナードの整備、海辺の散策路整備の三つを掲げています。呑川緑道の整備こそ、風の道のまちづくりの中心として私が強く提言したものであります。未来プランにおいても、大田区は次のようにうたっています。「呑川は水と緑の環境軸として、川沿いの道路や護岸の緑化、景観と環境に配慮した舗装などの散策路整備を進めます。呑川の歴史や自然環境など地域資源を活かして、観光の視点を取り入れたサイン整備を引き続き進めます」。  そこでお伺いします。大田区はこれまで呑川緑道の整備をどれだけ予算化してきたのか、また、今後どのように進めていくのか、お示しください。  次に、桜のプロムナードの整備ですが、大田区は次のようにうたっています。「水と緑のネットワークの充実を図るため、かつての内川の流れや洗足流れ、馬込桜並木に至る散策路整備を進めます。散策路沿いの歴史や自然環境など地域資源を活かして、観光の視点を取り入れたサイン整備を進めます」。このうち特に内川の整備についてお伺いします。  おかげさまで、内川の散策路はすばらしい整備がなされましたが、大田区はどのような見解をお持ちでしょうか。臨海部にはまだまだ伸び代があると思われます。そもそも、余地があることに加えて、新しい土地も生まれています。貴船水門の廃止による防潮堤の整備によって生まれた土地のことであります。この土地の活用について、大田区の見解をお示しください。  船着場についてお伺いします。  空港臨海部に二つの船着場があります。羽田空港天空橋船着場と大森ふるさとの浜辺公園船着場であります。両船着場とも、災害時に人や緊急物資を運ぶための水上輸送拠点として活用するものであります。また、平常時は観光振興を目的として、水上バスやクルーズツアーなどの舟運事業等に使用できるとなっております。魅力的な海辺・水辺づくりのためにも、船着場の平常時の活用が不可欠と考えるが、大田区の見解をお示しください。  平成30年、予算特別委員会の自民党総括質疑で、私は以下のように質問させていただきました。「大田区の人口構成の推計を見ますと、しばらくの間は人口が増加するとのことであります。同時に、高齢者人口も増加するわけであります。現在、大田区の医療費や薬剤費が高どまりをしていると聞いておりますが、高齢になれば、それだけ病気になるリスク、介護を受けなければならないリスクが増えてしまうことは避けられません。しかし、行政はもちろん、区民の皆さん一人ひとりが努力することによって、それを最小限に抑えることは可能なのではないでしょうか。スポーツと健康は、まさに表裏一体であると思います。そこで、新スポーツ健康ゾーンや魅力的な空港臨海部にお越しいただき、それぞれ思い思いに楽しんだり、活用したりしていただきたいと思います。また、健康の視点からも多くの皆さんにお越しいただけるように、積極的にアピールすべきであると思います。新スポーツ健康ゾーン、臨海部、魅力的な海辺・水辺を大いにアピールし、みんなにお越しいただいて、健康になっていただきたい。また、介護予防をにらみつつ、元気シニアの皆さんにこそ、どんどんお越しいただきたいと思うわけであります。これはもう立派な福祉政策ではないでしょうか。こうしたエリアの魅力をアピールする中で健康への取り組み・啓発を部局間で連携して行っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。新スポーツ、まさに健康、健康ゾーンになるよう、しっかり取り組んでいただきたいと思います」。  以上を踏まえて質問します。風の道たる呑川緑道を区民の皆さんに行き交っていただきます。散策、散歩、ジョギングを楽しんでいただくのです。呑川の散策路も同様であります。美しく生まれ変わりつつある多摩川でも、きっとたまリバー50キロ命名記念・RUN&WALKのおかげでもあると思いますが、今まで同様、あるいはそれ以上にRUN&WALKしていただいたり、自転車で走っていただいたりしていただきたいと思います。慌てず、急がず、無理せず、途中経過も楽しんでいただきたいと思います。その際は、ぜひ地元のお店で飲んだり食べたりお茶したり、活性化や経済効果も生み出していただきたいと思います。そして、ぜひとも魅力的な海辺・水辺を目指していただきたいと思います。せっかく新スポーツ健康ゾーンとして整備しているのですから。そこでは、ぜひとも健康体操、ヨガ、スポーツといった様々なレクリエーションに打ち込んでいただきたいと思います。もちろん、目的地が逆でもいいかと思います。空港臨海部から多摩川をさかのぼっていく、呑川緑道をさかのぼって池上本門寺を目指す、そういったことを通じて、区民の皆さんにまさに健康になっていただきたいのであります。  そこでお伺いします。風の道におけるSDGsとしての健康づくりについて、大田区の見解についてお示しください。  東京都が中央防波堤内側埋立地で海の森プロジェクトを進めています。高さ30メートルに及ぶごみの山に苗木を植え、美しい森に生まれ変わらせるという計画です。平成20年から植樹が始まっています。苗木は募金によって購入するほか、小学生や苗木づくりボランティアの方々がドングリから育てています。東京都のホームページにおける安藤忠雄氏のメッセージによると、「『海の森』を起点として、新たな風が海から東京の街へ吹き込んでくるはずです。その風は、街だけではなく、我々日本人の生活、そして市民の心にも、豊かな自然をもたらしてくれるでしょう」とあります。ホームページでは、石原慎太郎元東京都知事やノーベル平和賞のワンガリ・マータイさんらのメッセージを見ることができます。我が松原区長も「力を合わせて森づくり」と寄せています。  一方、私も、平成20年第4回定例会の自民党代表質問において、「緑は教育、子どもたちと海の森を築き、子どもたちと緑の回廊をめぐらせ、大田区から風の道を開こう」とうたい、「ぜひとも学校の授業の一環として子どもたちが植樹を行うようにするのがよいかと考えますが、いかがでしょうか」と提言させていただきました。  そこで、改めてお伺いします。教育の一環として、海辺・水辺に子どもたちに木を植えてもらったり、魅力を高めてもらうことに参加していただいたらどうかと思うが、大田区はいかがお考えでしょうか。  以上、多数質問させていただきましたが、風の道たる河川・緑道を通じて多くの区民を海辺・水辺に導いて、年代や性別を超えて、老若男女誰でも安全・安心で健康に楽しんでいただき、経済も発展していくような魅力的な海辺・水辺づくりはこれからも力強く推進していくべきであります。そして、それは中央防波堤埋立地の帰属問題においても追い風となるものと考えます。スクエアのまちづくりとして、あえて臨海部を大田区の4本柱の一つとして捉えた、ほかならぬ松原区長にとっては、魅力的な海辺・水辺づくりこそは、まさにやり残した大きな政策のうちの一つなのではないでしょうか。  そこで、最後に松原区長にお伺いします。4期目の松原区政において持続可能な大田区の発展として魅力的な海辺・水辺を花開かせるべく、その決意をお示しください。  これからも様々な政策を実現させて、大田区の未来が輝くものとなるよう強く願いまして、質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○岸田 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎松原 区長 私からは、臨海部のまちづくりについてお答えします。  区は、平成29年3月に策定したおおた都市づくりビジョンで臨海部をスクエアのまちづくりの新たな拠点として位置づけております。スポーツ・健康・観光都市の形成に向け、大森、蒲田、羽田空港周辺と臨海部の有機的な連携を高め、四つの拠点が相乗効果を発揮し、にぎわいと活力を生み出し、より大きな拠点性を発揮するまちづくりを進めております。その中で、臨海部は世界を魅了する産業・スポーツ・憩いの拠点をまちの将来像とし、新たな産業集積拠点の整備とともに、新スポーツ健康ゾーンを代表する大森ふるさとの浜辺公園や大田スタジアムをはじめとしたスポーツ関連施設の整備・充実などに努めてまいりました。また、東京2020オリンピック・パラリンピックの開催を契機として、国内外からの注目や区を訪れる方々の増加も見込まれ、東京圏における臨海部の重要性はますます高まっております。区は、誰もが安心で持続的に発展するまちを実現するため、環境に配慮した潤いのある魅力的な海辺づくりや豊かな自然が感じられる風の道の形成など、にぎわいやアメニティー機能が充実した魅力ある臨海部のまちづくりに引き続き取り組んでまいります。以上です。 ◎市野 企画経営部長 私からは、貴船水門の整備によって生じた土地の活用に関するご質問にお答えをさせていただきます。  人口構成の変化などにより、地域行政のあり方が改めて問われている今日におきまして、限られた経営資源をいかに効果的かつ重点的に投入していくかが区政の喫緊の課題となってございます。こうした中、貴船水門の整備によって生まれた土地は区民の貴重な財産でございまして、その活用に当たりましては、将来のまちづくりを見据えた検討を行っていきたいと考えてございます。今後、多様化、高度化する区民ニーズを的確に把握し、分析したうえで、地域と調和した有効な土地活用による区民サービスの一層の向上に取り組んでまいります。私からは以上でございます。 ◎井上 危機管理室長 私からは、防災・防犯に関する二つの質問にお答えいたします。  初めに、防火水槽に関するご質問ですが、防火水槽は消火栓と同様に、火災発生時に消火活動に使用することとなっております。現在、消火栓が使用することができない水道管事故、広域な断水時の火災に対応するため、民間や東京消防庁などでは40トン以上の防火水槽を約1900基整備しております。防火水槽は国の消防水利の基準をもとに、街区の状況や地域の特性に応じて公共施設や民有地に設置しております。また、新たに集合住宅や一定規模の建設を行う開発事業者に対しては、大田区開発指導要綱に基づき、管轄の消防署と協議し、必要に応じて設置を義務づけることとしております。区独自には、市民消火隊の消火用と既存の防火水槽の増強、補完を目的として5トンの防火水槽を児童公園などに設置しております。議員お話しのとおり、50年以上経過している防火水槽もございますが、各防火水槽の設置状況、水量、標識の状況について定期的な点検を実施しております。点検時に破損や故障が判明した場合には速やかに対応し、災害時に十分機能するよう、万全の備えをしております。  次に、海辺のにぎわい創出による治安への影響についてのご質問でございます。一般的に人の目が行き届かない公園などにつきましては、トイレなどの損壊、自転車等の盗難などの犯罪が発生しやすい環境となる危険性が高いと言われております。議員お話しのライトアップの効果につきましては、公園内の見通しがよくなることにより犯罪が発生しにくい場所になるものと考えます。また、来園者が増加することは、公園内に人の目が増え、犯罪抑止の効果もあると考えられます。このように、にぎわいの創出は治安対策としても期待できるものと考えます。私からは以上です。 ◎飯嶋 産業経済部長 私からは、区が進めてきました新産業創造・発信拠点に関するご質問についてお答えをさせていただきます。
     区は、羽田空港跡地第1ゾーン整備事業につきまして、高度なものづくり技術を有する中小企業等の集積地であり、かつ、空港の近接地であるという区が持つポテンシャルを最大限活用し、多様な国内外の交流から新たなビジネスを生み出すことを目指しまして、事業者と連携しながら取り組んでおります。現在、2020年のまち開き、2022年の全施設開業に向けて事業を進めているところでございますが、議員お話しのとおり、世界と地域をつなぐゲートウェイを形成して、区内中小企業をはじめとする地域経済への波及効果を着実に生み出していくことが重要であり、さらにこうした取り組みを強力に進めてまいります。私からは以上でございます。 ◎今井 健康政策部長 私からは、風の道における健康づくりについてのご質問にお答えいたします。  議員お話しのSDGsの健康に関する理念は、大田区基本構想の個別目標「誰もが自分らしく、健康で生きがいをもって暮らせるまちをつくります」という理念と合致するものです。健康づくりには適度な運動などが有効ですが、それに加えて、社会参加、健康という視点からのまちづくりなど、保健医療分野だけでなく、ハード・ソフト両面にわたる様々な分野の連携した取り組みが重要です。スポーツ健康ゾーンや空港臨海部を中心としたエリアには、緑や水辺が豊かにある公園や散策路も多く、ウォーキングやジョギング、サイクリングにも適しており、まさに楽しみながら健康づくりに取り組むにふさわしい場所と認識しております。平成28年度に区が作成したウォーキングマップには、ふるさとの浜辺やいわゆる風の道としての呑川、内川の緑道、洗足流れや桜のプロムナードなどを区内の魅力あるルートとしてご紹介しており、観光・国際都市部や都市基盤整備部と連携して取り組んでいるところです。今後も、こうした水と緑のネットワークでつながる大田区の魅力を最大限発揮した健康づくりを全庁的な連携のもと、より一層工夫しながら取り組んでいく考えです。私からは以上です。 ◎齋藤 まちづくり推進部長 私からは、海辺・水辺づくりに関する二つのご質問にお答えをいたします。  まず、海辺の散策路についての区の考え方に関するご質問でございますが、大田区の水辺空間を活用した海辺の散策路は、空港臨海部グランドビジョン2030やおおた都市づくりビジョンに水辺のにぎわいを創出する重要なプロジェクトとして位置づけております。議員がご指摘のとおり、臨海部が有する魅力ある地域資源を多摩川や羽田空港へとつながる水と緑の散策路により回遊性を持たせることで、水辺の魅力、活力がさらに向上いたします。これまで、このような散策路の整備を関係機関や民間開発事業者と連携して進めてまいりました。今後も引き続き、周辺自治体や関係機関と連携し、魅力ある水辺空間の創出に向けて、海辺の散策路を活かしたまちづくりを積極的に推進してまいります。  続きまして、防災船着場の平常時活用についてのご質問でございますが、海辺・水辺空間のにぎわい創出・魅力の発信におきまして、防災船着場の活用は大変重要と捉えております。区では、平成28年度から30年度まで、大森ふるさとの浜辺公園及び天空橋の防災船着場を活用した舟運の社会実験を実施いたしまして、参加者から満足度の高い結果を得ることができてございます。この社会実験の結果を踏まえまして、民間事業者に具体的な提案を行いまして、現在、民間事業者は区の防災船着場を活用した定期航路申請に向けて関係機関等と調整をしておりまして、来年度以降の定期便就航を目指してございます。今後も区は、関係者や近隣商店街等との協力を進めまして、臨海部のにぎわい創出に向けた環境づくりなど、魅力的な海辺・水辺づくりに、より前向きに取り組んでまいります。私からは以上でございます。 ◎久保 都市基盤整備部長 私からは、風の道関連の八つの質問に対してお答えさせていただきます。  まず、津波・高潮対策に対するご質問ですが、東京都では、想定される最大級の地震が発生した場合においても、防潮堤や護岸、水門等の機能を確保し、津波等による浸水を防ぐことを目的として、平成24年に地震・津波に伴う水害対策に関する整備計画を策定し、各施設の整備を進めております。区では、津波に伴う潮位変動が発表された際は、速やかに臨海部の公園等の利用者に対し、園内立入禁止や注意喚起を行い、区民の安全・安心を最優先とした対応を実施しております。今後も東京都と連携を図り、防潮堤の耐震対策や水門の廃止に向けた防潮堤の整備などを進めてまいります。  次に、貴船水門、呑川水門の廃止に関するご質問ですが、東京都が平成27年度から貴船、呑川水門の廃止に向けた新たな防潮堤の建設工事に着手しました。これにあわせて、大田区は平成28年度から29年度にかけて貴船、旧呑川の2か所で係留施設の工事を行い、本年10月末に締め切り護岸工事を完了いたしました。東京都では、現在、水門廃止に向けて貴船水門、呑川水門の撤去工事の準備を進めているところでございます。  次に、橋をかけて海辺の散策路を整備する予定に関するご質問ですが、東京都が水門を撤去した後に大田区が橋をかけて海辺の散策路として整備をする予定でございます。区では、現在、貴船堀に関する歩道橋の設計を進めております。これまで同様、東京都と連絡調整を密に行い、東京都が水門を撤去した後に区が速やかに歩道橋整備を行えるよう進めてまいります。  次に、豪雨対策に関するご質問ですが、東京都では、近年増加する集中豪雨を踏まえまして、平成26年に東京都豪雨対策基本方針を改定するなど、呑川流域における豪雨対策の目標を1時間75ミリ降雨に強化しているところでございます。また、上池台地区では、新たな下水道施設の整備を進めているところでございます。区では、雨水浸透ますや透水性舗装の整備など、雨水の流出抑制や排水能力の確保に努めてまいります。また、呑川6地点で9台の監視カメラを設置いたしまして、水防体制時に河川の状況変化を監視、チェックしているところでございます。また、国土交通省では、多摩川下流域の羽田空港跡地第1ゾーン及び第2ゾーンにおいて高潮堤防整備を進めておるところでございます。今後も、国、東京都、警察、消防などの関係機関と連携し、豪雨対策を進めてまいります。  次に、大森東水辺スポーツ広場の区民満足度に関するご質問ですが、平成29年4月に施設が開園してからビーチバレー場の認知度も向上いたしまして、施設の予約状況も、土日祝日では8割を超えることが多くなりました。ビーチバレーの全国大会もたびたび開催され、多くの参加者、観客でにぎわいを創出しているところでございます。また、区が主催する各種ビーチスポーツの体験教室に参加した区民からは、非常に満足したという意見を多くいただいているところでございます。これまでにない水辺を活かした新たなスポーツ施設として区民満足度が高いというふうに考えております。今後もスポーツを通じた健康的で豊かな生活と、さらなる水辺にぎわいの創出に向けて全力で取り組んでまいります。  次に、ライトアップ事業の取り組みについてのご質問でございますが、区は、議員お話しのとおり、潤いと安らぎのあふれる国際都市を目指し、魅力ある公園づくりを進めております。OTAふれあいフェスタの際、大森ふるさとの浜辺公園の浜辺橋周辺で行われたライトアップ実証実験では、周辺の区民から、水面に映るきらきら輝く光の様子がとてもきれいだったとの声を数多く聞きました。区としては、今後も良好な夜景空間を創出することで、観光拠点としての都市公園の魅力を高め、区内の地域資源の活用と発信に取り組んでまいります。  次に、呑川緑道軸の風のまちづくりに関するご質問ですが、呑川緑道は、水と緑の環境軸として捉え、緑のネットワークづくりを目指しております。平成29年度末までの整備実績は、延長4.6キロメートルとなっているところでございます。また、おおむね500メートル間隔で潤いや安らぎの休憩、語らいの場のふれあい拠点を24か所整備いたしました。今後も、呑川緑道の整備につきましては、道路や護岸の緑化、景観や環境に配慮した舗装など、水と緑を楽しみながら快適に歩ける散策路として整備を進めてまいります。  最後に、内川散策路の整備のご質問につきまして、区は、内川沿いを桜のプロムナードとして位置づけ、桜と水をテーマに、区民や観光で大田区を訪れる方が快適に回遊できる散策路として整備をしております。平成29年度末現在、再整備箇所を含めまして7.7キロメートルの整備が完了いたしまして、地域景観の向上や歩きやすく安全な歩行空間づくりを進めてまいりました。今後は、散策路の案内サインを整備し、さらに回遊性の向上を努めてまいります。私からは以上でございます。 ◎後藤 教育総務部長 私からは、海辺・水辺での植樹についてのご質問にお答えいたします。  東京湾や多摩川に接する区にとって、海辺や水辺などの地域資源を活用した環境意識を高める取り組みを推進することは、次代を担う子どもたちの必要な学びとして大変重要であると考えております。区では、これまでも、多くの小学校が大森海苔のふるさと館を活用した海苔づくりに関する学習を行ったり、大森第一小学校など、大森ふるさとの浜辺公園に近接する学校が昨年度から水辺の観光フェスタにおいてたくさんの風車を公園に飾る取り組みに協力するなど、地域の特色を活かした様々な活動を通して子どもたちの環境に対する意識を高めているところです。今後も関係部局との連携を図り、将来、持続可能な社会の担い手となる子どもたちの成長に資する、お話しの海辺・水辺での植樹のような地域資源を活用した取り組みに積極的に参加してまいります。私からは以上です。 ○岸田 議長 次に、11番鈴木隆之議員。                  〔11番鈴木隆之議員登壇〕(拍手) ◆11番(鈴木隆之 議員) 自由民主党大田区民連合の鈴木隆之でございます。  本日は、今後の発展が望まれる空港臨海部のこれからと、夢を持ち、輝かしい未来が期待される本区の子どもたちの将来に関し、奨学金の観点から意見を述べ、ご見解をお聞きしたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。  まず、空港臨海部グランドビジョンについてお聞きします。  区は、平成22年10月の羽田空港再国際化を目前に控えた同年3月、「空港臨海部グランドビジョン2030」を発表しました。羽田空港をめぐる様々な動向が羽田空港とその周辺の地域にもたらす影響を見極め、その課題を探り、講じるべきプロジェクトを明確にし、2030年の羽田空港とその周辺の地域における目指すべき将来像を定めるとの松原区長の空港臨海部に対する強い思いで策定をされたものであります。策定から来年で8年が経過をするわけでありますが、その間に羽田空港は4本目となるD滑走路とともに、新たな国際線ターミナルが完成し、東京の新たな空の玄関口として世界から注目を浴び、今日に至っております。  交通網に関しても、国道357号線の延伸計画の推進や空港アクセスの向上など、計画の中で確実に前進できたものは数多くあります。また、2020年には東京オリンピック・パラリンピックの開催も策定後に決定し、当時を取り巻く環境も大きく変わったことと思います。しかし、短期では難しい課題や様々な状況の変化等に伴い、当初の計画どおりに展開できない事業があるのも事実です。明確なビジョンのもとに計画された政策も、社会情勢や状況の変化に鑑み、柔軟に計画を立て直すことも重要と考えます。  グランドビジョン2030の中期に差しかかる今、改めてこれまでの成果や進捗状況を振り返り、さらなる政策達成に向けて、改定も含め様々な角度から検証し直すことは非常に重要と考えますが、見解をお聞きします。  先般、内閣府が自動運転の実証実験を東京臨海部で実施する旨を公表しました。ここで言う東京臨海部は、羽田空港、臨海副都心、さらにはその両者を結ぶ首都高速道路のこととされております。区内には優秀なものづくり企業が集積しており、空港跡地は現在整備中でありますが、今後の展開を考えると、この実証実験は様々な意味で重要な取り組みだと考えます。  ところで、羽田空港周辺地域では、東京都自動走行サンドボックス分科会が設置されており、特区制度の構築に向けた取り組みが進められているところですが、具体的な動きはあまり伝わってこないのが現状です。そのせいか、サンドボックス制度のもとでは規制が取っ払われるですとか、何をやってもいいなどという誤解をする人も出てきかねません。  先日、偶然手にした奈須議員の活動報告で、サンドボックスに対して何でもありとも読み取れる、区民の不安をあおりかねない記事が見受けられました。誤った情報が蔓延し、そのような誤解が新たなことにチャレンジしようという区内企業の足を引っ張るようなことになっては決していけませんし、正しい情報の発信と共有は非常に重要であると考えます。我々は実態をしっかり把握するとともに、常に正しい情報の中で適切に取り組みを推進していかなくてはならない立場であります。  それらを踏まえ、今回の実証実験と分科会の関係及びサンドボックス制度の意義を改めて確認をさせていただきます。  明日の日本の産業振興を思うとき、実証実験はもちろん重要なことで、今後の技術革新に向けて、安全面において十分な配慮をしながら適切に実施されることが望ましいと考えます。跡地第1ゾーン第一期事業においても、先端モビリティセンターで自動運転技術の開発・実証が提案されており、今回の内閣府の取り組みとうまく絡めば、相乗効果で羽田空港跡地が自動運転の重要な拠点となり、さらにポテンシャルが高まるはずと考えます。  ものづくりのまちとして日本の産業を支えている大田区にとって、本区内における施策、取り組みに関しては、その効果が最大限大田区にもたらされるよう研究がされるべきと考えます。これからも区が積極的にかかわり、区内ものづくり企業への波及につなげていただきたいと考えますが、いかがお考えでしょうか。  次に、将来負担に目を向けた奨学金制度について質問します。  本年6月、国の人生100年時代構想会議が発表した人づくり革命基本構想では、人生100年時代を迎え、全ての国民に活躍の場があり、元気に活躍し続けられる社会の実現に向けて、重要な鍵を握る課題を人材への投資と位置づけ、八つの重点課題を提示しました。この重点課題には、幼児教育無償化や待機児童問題も盛り込まれておりますが、教育の機会均等を実現し、次世代を担う創造的な人材育成に寄与し得る高等教育無償化や私立高等学校授業料の実質無償化について、私は関心を持っております。  今日の小学生や中学生が社会の中心となるこの先10年、20年後の未来は、グローバル化や情報通信技術が進展し、ヒト・モノ・カネ・情報や文化・価値観が国境を越えて流動化し、あらゆることが劇的に変化する社会になっていると想定しますが、こうした近未来に活躍できる人材育成は、現代社会に責任を持つ我々の務めであると考えます。  政府の人づくり革命の重点課題のうち、第3の真に支援が必要な所得が低い家庭の子どもたちに限り、大学などの高等教育無償化、第4の介護離職ゼロに向けた介護人材確保のため、介護職員のさらなる処遇改善、第5の家庭の経済状況にかかわらず、幅広く教育を受けられるようにする観点から、年収590万円未満世帯を対象とした私立高等学校授業料の実質無償化の3点の視点も踏まえ、今回の質問を行います。  現在、日本学生支援機構により運営されている国の貸付型奨学金制度の利用者数は約134万人、大学等の学生の約2.6人に1人が利用する制度となっております。高校卒業後の7割以上が大学、専門学校などに進学し、高等教育における学費負担が大きい現代社会では、公的な奨学金制度の意義は大きなものとなっております。本年6月に公表された「平成28年度奨学事業に関する実態調査報告書」には、国の制度はもちろん、地方公共団体や各学校、公益団体などの奨学金制度の実態を明らかにする興味深い調査結果が掲載されております。例えば、奨学金制度を有している団体は、前回調査を実施した3年前と比較して約3割増の5000団体余に上る状況となったこと、また、3か月以上の滞納者は約4%に上るものの、その数自体は減少傾向にあること、滞納が生じる理由は家計の収入減が約7割、家計の支出増が約4割となっていることなどがまとめられております。  こうした背景の中、区の奨学金貸付事業は、有用な人材を育成する目的で昭和49年から実施しており、授業料のほか、入学金や学用品費など学生生活に必要となる費用を対象に、安心して通学できるよう支援を継続してきております。私はこれまで、学びたいという学生の意欲をしっかりと支え、学生にとって安心して利用できるものとなるよう制度的な改善や工夫を求めてまいりましたが、こうした経過も経て、対象とする範囲や予算規模、貸付水準などのほか、返還期間の長期設定や連帯保証人の住所要件など、他区と比較しても優位な制度として現在に至っております。  さらに、より多くの学生を支援するため、今後の事業運営を見据えて、制度の原資となる返還金を適切に管理することも求めてまいりましたが、返還開始時における意識づけの強化をはじめ、返還方法の周知、個々の状況に応じた電話対応など様々な工夫も見られており、区の姿勢は評価できるものと考えております。  そこで、改めて確認いたしますが、奨学金貸付事業を実施する基本的な考え方をどのように捉えているか、見解をお尋ねいたします。  ここで我が国の奨学金制度の歴史を振り返りたいと思います。国や東京都では、昨今、給付型の制度が創設されましたが、我が国の奨学金は、これまで70年以上もの間、貸付型を中心に実施されてきました。私があえて制度創設期からの歴史的経過や制度的意義を振り返るのは、温故知新の精神から、これまでなされてきた政治的意思決定プロセスも十分踏まえ、今後も安定的に運用できる制度を検討する必要があると考えるからであります。  まず、明治・大正期にさかのぼりますが、このころの私立学校は、公立学校との学生獲得競争の観点から授業料を低く抑えていたため、国による奨学金制度を整備する必要性は乏しく、専ら民間団体によって担われてきました。これは旧藩士の子弟が教育を受けるための出資団体や、同窓会などの出資団体が中心でありましたが、こうした団体の量的な拡大が進み、全国的な広がりを見せていくことになります。  その後、昭和恐慌を背景とした財政難によって、育英資金そのものの減少や、篤志家の寄付金の減少など民間の育英団体による事業継続が困難となる状況が生じ、昭和18年には国家規模の育英団体として大日本育英会が創設されました。これが現代の日本学生支援機構の原点となります。  大日本育英会の創設は、当時の帝国議会において、教育問題に関心を持つ議員による国民教育振興議員連盟が中心になって政府に要請し実現したものであります。議連が要請した制度の具体像は、日本古来の家族制度の尊重の立場に立ち、親の子を教育する責務を援助するものとの意味において、また、国からの支出を最小限にとどめる意図から貸与制をとるとして、貸付型と給付型の制度を検討した上で、財政上の理由ではなく、多くの学生を対象とすることを優先する視点から貸付型とされ、それ以降、我が国の奨学金制度は無利子貸付制度として存続していきます。  その後、戦後の経済状況の中、学生生活の逼迫という課題が生じ、その対策として、学生生活の安定と負担の軽減を目的に、当時、良質な人材確保が求められていた教員に一定期間従事した場合に奨学金の返還を免除することなどが求められ、昭和28年、大日本育英会から日本育英会と名称を変更するとともに、特定職業への就職者への返還免除制度が導入されました。無利子貸付制度と返還減免制度の創設によって、限りある財源の中、幅広い学生を支援することと、人材育成を実現することの二つを両立する、我が国の奨学金制度の根幹となる制度的特性が、このとき形成されました。  その後も無利子貸付制度を中心に運用されてきましたが、バブル崩壊をきっかけとして、貸付人数の量的拡大を図る必要に応えるため、「きぼう21プラン」を定め、財政投融資の活用による有利子貸し付けが拡大されていきました。この財政投融資は、政府の信用に基づき調達した資金を財源に、特殊法人等に対して有償資金を供給し、その事業の回収金によって資金を返済するという金融的手法として租税負担を伴わない政策手段のメリットはあるものの、受益者負担の要請が大変強いため、有利子とする制度設計となったものです。  こうした中、当時の大蔵省財政制度審議会が求める行政改革の一環として、国の特殊法人合理化において、日本育英会そのものが見直しの対象となり、運営組織の見直しとともに、返還免除制度が廃止されました。有利子貸付制度の量的な拡大と返還免除制度の廃止は、歴史的産物として我が国の知恵を結集した、それまでの奨学金制度の特性が、このとき消失してしまったものと理解しております。  私は、一昨年、平成28年第4回定例会の一般質問において、地域課題における人材確保・育成の観点から、奨学金事業の減免制度の活用について提案をいたしました。少子高齢化が進む中、今年、後期高齢者の人数は前期高齢者の人数を上回る状況となり、介護サービス基盤の一層の充実が求められております。介護分野の慢性的な人手不足に関しては我々も様々な取り組みを考えております。例えば、本年10月22日から26日までの日程で行った北京市朝陽区・大連公式訪問団において、広く福祉分野での課題の情報共有や人員の相互補完などに関して具体的な政策協議を行いました。  毎年行っている親善訪問も、回数を重ねるごとに親善だけにとどまらず、信頼関係をもとにした両市・両国が抱える様々な問題の解決に向け、熱心な協議が進められております。この問題に関しては、我が会派の伊佐治議員を中心にここ数年取り組まれ、具体的な政策として形にすることを目標としております。  この課題に関して、本区の現状と照らし合わせて考えますと、まず区内の指定居宅サービス事業者数を見ると、介護保険制度が創設された平成12年度と比較し、事業所数は約650事業所の増で約900事業所に上る中で、ハローワーク大森における介護サービス産業の有効求人倍率は本年9月の時点で5.17倍に上るなど、介護人材の確保・育成は区の地域的課題となっております。  大学等の高等教育における奨学金のニーズは依然として高いことから、高等教育を対象とした奨学金貸付事業は今後も適切に運用しつつ、まずは区内の介護サービス事業所の介護職として一定期間従事した方を対象に、奨学金返還を一部免除する制度を創設し、将来負担の軽減による学生の支援と地域社会の活性化の両立を可能とする政策を進めるべきと考えますが、見解を伺います。  区の奨学金貸付事業は、大学や専門学校などの高等教育を対象としたものと、高等学校や高等専門学校を対象としたものがありますが、後者、つまり高校生等への修学支援は、平成22年度と昨年度を比較しますと、高等学校等の対象人口そのものは約10%程度増加しているものの、区の奨学金貸付実績は約6割程度もの減少となっております。奨学金貸付事業の実績が減少していることのほか、経済的理由で私立高校を中退する生徒も減少していることは、授業料を対象とした高等学校等就学支援金制度や、授業料以外の教育費負担を軽減する奨学給付金といった国の制度のほか、特に東京都においては、私立学校等の授業料を助成する私立高等学校等授業料軽減助成金など、充実した経済的負担軽減策が影響しているものと理解しております。  こうした実態を踏まえますと、高等学校等を対象とした区の奨学金貸付事業は再構築する時期にあると考えます。そもそも高等学校においては、諸外国では多くの国で後期中等教育を既に無償としており、経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約に中等教育における無償教育の漸進的な導入が規定されているなど、高等学校の無償化は国際的な状況に照らして一般的なものと考えます。  こうした国際的状況も踏まえ、まず国が施策化しました。具体的には、公立高等学校は原則として授業料を徴収しないこととし、これに伴う経費は地方交付税などで財政措置をし、一方、私立高等学校等は、就学支援金として授業料に充てるために一定額を学校に支給する内容であります。  さらに、日本学生支援機構の創立時に貸付型奨学金事業を都道府県事務に移管した経過から、現在では各都道府県が国から引き継ぐ形で手厚い支援を実施しております。ここ東京都では、私学財団による無利子の東京都育英資金貸付事業を実施しているほか、平成29年度からは私立学校等の授業料助成制度も設け、大変充実した内容となっております。  こうした様々な状況を踏まえ、高校生等を対象とした区の奨学金事業を見ますと、現行の貸し付けを維持する必要性が乏しいようにも感じます。現代社会では、経済的に厳しい状況に置かれた学生に限られた問題ではなく、奨学金を利用することなしには大学など高等教育への進学が難しい実態を踏まえますと、高校、大学の両方で奨学金貸付事業を利用した場合の将来負担の増加に対し、何らかの対策を講じる必要があるのではないでしょうか。  区の奨学金の返還年数は最大20年間ですが、就職後数年経過した30歳前後には結婚、出産、子育てなど重要なライフイベントの時期を迎えることとなり、毎月誠実に返還を継続している方は、独身時代と比較し、人生の成熟期にその負担が重くなることも考えられるからであります。そもそも今日の高等学校は、その進学率が約98%に達し、国民的な教育機関となっており、全ての高校生が教育に要する費用を心配することなく、安心して勉学に打ち込める一助となるような施策の充実が求められております。  こうした意味では、高等学校への進学予定者を対象に奨学金を給付することは、国や東京都にとどまらず、基礎自治体として区も踏み出すことが許容される時代となったのではないでしょうか。我が会派は全ての分野において、何においても補助や無償ありきという考えに関しては一貫して厳しい立場をとっております。重要なのは緊急性や将来性など、総合的に勘案して判断をする冷静な視点であると考えます。必要なものは慎重に検討を開始しなければなりません。それらを考慮し申し上げれば、今日の高等学校は、その進学率が約98%に達し、国民的な教育機関となっており、全ての高校生が教育に要する費用を心配することなく、安心して勉学に打ち込める一助となるような施策の充実が求められており、このような意味では、高等学校への進学予定者を対象に奨学金を給付することは、国や東京都にとどまらず、区としても議論を深める時代となったのではないでしょうか。  効率的な予算執行の観点から、給付対象を特に厳しい世帯に絞ること、国や東京都の施策の対象とならない経費に絞ることなど、制度設計上の厳格な前提条件を設けなければなりませんが、高等学校等への進学予定者を対象とした奨学金を従来の貸付型から給付型への展開について、現在の区の見解をお聞かせください。  以上、これからの大田区の未来に関して、まちづくり、人づくりの観点で質問いたしました。これからの大田区に希望が持てるご答弁を期待し、以上で私の質問を終わります。(拍手) ○岸田 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎西山 福祉支援担当部長 私からは、奨学金に関するご質問3問についてお答えしてまいります。  まず、奨学金貸付事業の基本的な考え方についてのご質問ですが、本事業は、意欲ある学生が安心して学ぶことができるよう支援することにより、将来の有用な人材を育成するとともに、学生の学ぶ意欲の涵養にも資するものと捉えております。事業実施に向けては、議員お話しのように、将来において過度な負担とならないよう制度設計すること、無理のない返済のための支援策を適切に講じること、奨学金制度に関する正しい理解を促進することが重要となります。さらに、区の重要な福祉施策として、より多くの学生を支援していくため、次世代の学生への貸付原資となる返還金を適正に管理することも含め、これらを総合的に進めていくことを基本的な考え方に据えております。今後とも、こうした基本的な考え方を軸にしつつ、利用者にとって一層利用しやすいものとなるよう尽力してまいります。  次に、奨学金の返還免除に関するご質問ですが、地域課題の解決に向けて返還免除を活用した人材確保策は、学生の支援と地域活性化の双方を実現する有効な手法の一つと捉えております。高等教育の受益が単に学生本人の利益にとどまることなく、就労等を通じて広く社会に還元される効果も期待できるなど、地域社会の発展につながるものと考えます。近年では、定住や就業のインセンティブとして、奨学金返還のための手当を支給する企業や地方公共団体も見られ、その取り組みへの期待が集まっていることも承知しております。一方、返還免除には、関係法令の適切な運用のほか、公平性などの課題もございます。区としましては、議員ご提案の趣旨も十分に踏まえ、新たな制度の設計に向けて具体的な検討を進めてまいります。  最後に、高校等への進学予定者を対象とした奨学金給付に関するご質問ですが、ご家庭の経済状況にかかわらず、誰もが安心して教育を受け、将来の地域社会の担い手として広く活躍できるよう、教育費の負担軽減を図ることは重要な施策と捉えております。現在、国や東京都の給付制度につきましては、教育の社会的便益に鑑み、広域的な行政主体として安定的な財源措置がなされた上で実施されているものと理解しております。現行の区の制度におきましては、高校、大学を通じて奨学金貸し付けをご利用いただいた場合でも、過度な負担とならないよう月額の返済額を抑えつつ、一人でも多くの学生を支援できるよう制度設計を講じております。給付型奨学金につきましては、制度の意義や必要な財源措置について区民の理解を促していくことが課題となるほか、学生の学習意欲を一層向上させる必要があります。区は、今後とも教育費負担や、国や東京都の施策動向にも十分留意しながら、奨学金制度を適正に維持していくことを軸に、さらに効果的な制度となるよう模索してまいります。私からは以上でございます。 ◎齋藤 まちづくり推進部長 私からは、「空港臨海部グランドビジョン2030」に関するご質問についてお答えをさせていただきます。  「空港臨海部グランドビジョン2030」は、平成22年3月に空港臨海部のさらなる発展を目指しまして策定したものでございます。この「空港臨海部グランドビジョン2030」では、2030年を目標にいたしまして、産業振興、交通等の分野で六つの将来像を掲げまして、その実現に向けて取り組みを進めてきたところでございます。その主なものとしまして、平成22年にJR蒲田駅を発着する羽田空港へのシャトルバスが運行開始となってございます。また、環状八号線大鳥居交差点の改良や国道357号多摩川トンネルの整備に向けた基本設計等が着手されるなど、広域幹線道路網の再構築に向けまして事業が進捗しているところでございます。  一方、このグランドビジョンに掲げましたプロジェクトのうち、進捗が停滞をしている事業や、社会状況の変化によりまして方向性の再検討が必要な事業等があると認識しているところでございます。また、グランドビジョンの策定後、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催決定など、空港臨海部を取り巻く環境は大きく変化しているというところは議員お話しのとおりでございまして、まさに私どももそのように認識してございます。  このことから、区としては来年度、グランドビジョンの改定に着手する方針でございます。その主な改定骨子は、策定後の達成状況や残された課題等を整理いたしまして、今後の社会変化を的確に捉えた新たな将来像を定めるものでございます。このたび行う予定の改定にあわせまして、計画の目標年次や名称等についても整理してまいりたいと考えてございます。今後は、様々な機会を通じまして区民並びに議会の皆様のご意見を賜りながら、グランドビジョンの改定を着実に進め、引き続き空港臨海部のさらなる発展を目指しまして取り組んでまいりたいと考えてございます。私からは以上でございます。 ◎白鳥 空港まちづくり本部長 私からは、自動運転、サンドボックス等に関する3点のご質問にお答えさせていただきます。  初めに、実証実験と分科会の関係についてのご質問ですが、議員お話しのとおり、国家戦略特区においては、東京都を中心に東京都自動走行サンドボックス分科会の取り組みを進めており、平成29年3月の分科会において羽田空港周辺地域を実証想定道路として位置づけております。分科会は、その後開催されておりませんが、こうした動きも踏まえ、今般の実証実験のエリアとして羽田空港地域が位置づけられたものと認識しております。  次に、サンドボックス制度の意義についてのご質問ですが、まず、その対象について申し上げますと、国家戦略特別区域法によるサンドボックス制度は、その附則において、政府に対し、「自動車の自動運転、小型無人機の実証事業が積極的に行われるよう、施行後1年以内を目途として、規制の見直し等の施策を検討し、必要な措置を講ずる」ことを規定しており、その対象は限定されております。したがって、ご指摘の議員が発行するニュースにおいて、区民の税金で買った土地がサンドボックスに指定されているため、法的・社会的な合意を得られていないAI武器やゲノムなどの研究開発も可能な何でもできる場所等との記載をしておりますが、そのようなことはございません。  また、地域限定型規制のサンドボックス制度の創設を含む国家戦略特別区域法の一部を改正する法律は、そもそも現在のところ成立しておりません。その上で、規制の考え方について申し上げますと、内閣府が平成29年12月15日に示した「国家戦略特区における規制のサンドボックス制度について」によれば、同制度においては、監視・評価体制を設けて事後チェックを強化し、そのかわり事前規制は最小化するものとされております。さらに、現在検討中ですが、実証実験開始前に、国家戦略特別区域会議において実証事業の内容及び安全確保等事業実施に当たって遵守すべき基準を定めることが想定されております。したがいまして、特区におけるサンドボックス制度については、範囲が限定され、一定のチェック機能が盛り込まれるものであると理解しております。申し上げるまでもないことではございますが、私どもは、正確な情報の収集に基づき、事実に即して様々な課題解決に当たり、適時適切に議会にご報告しながら、引き続き取り組みを進めてまいります。  自動運転技術の区内ものづくり企業への波及についてのご質問ですが、跡地第1ゾーン第一期事業においても自動運転に関する提案がされるなど、自動運転に関して羽田空港跡地のポテンシャルが高まってきているものと捉えております。先日、自動車部品の国内最大手の株式会社デンソーが、第一期事業において自動運転のテストコースを整備するなど、当地を含む東京エリアで研究、試作開発、実証を完結することを目指しているとのプレスリリースがございました。同社は、当区のものづくり企業の技術力と連携し、試作開発、実証に取り組むとしております。内閣府が実施する自動運転の実証実験の詳細については、現時点では明らかではありませんが、今回の先進的な取り組みが区内で実施されることは、第一期事業全体にも相乗効果をもたらし、将来的には区内ものづくり企業への波及など様々な効果が期待されることから、区としても可能な限り協力してまいりたいと考えております。私からは以上でございます。 ○岸田 議長 会議が長くなりましたので、おおむね20分程度休憩といたします。                      午後2時57分休憩                ――――――――――――――――――――                      午後3時20分開議 ○岸田 議長 休憩前に引き続き会議を開きます。  この際、会議時間を延長しておきます。  質問を続けます。49番北澤潤子議員。                  〔49番北澤潤子議員登壇〕(拍手) ◆49番(北澤潤子 議員) 大田・生活者ネットワーク、北澤潤子です。  児童虐待の予防について質問いたします。  先日、虐待を受けて育った方々の話を聞く会がありました。ある青年は5歳のころ、両親が離婚し、3歳の弟と一緒に父に引き取られ、身体的な虐待を受け続けました。殴る、蹴るは当たり前、弟は殴られて風呂に沈められて命を落としたそうです。やがて父の再婚相手からも虐待を受け、殴る、蹴るのほかにアイロンを押しつけられたり、冬に裸で外に出されたそうです。そのせいか暴力的な性格になり、転校が多かったので学校では友達ができませんでしたが、ふとしたことで自分の家とよその家との違いに気がつき、なぜこんな家に生まれたのかと自暴自棄になって、6年生で自殺を図ったこともあるそうです。それでも親に認められたくて、テストを頑張れば認められると考え、努力をし、100点をとったこともありましたが、無視をされたそうです。ご飯をつくってもらえないので万引きをし、中学では不登校と非行、警察に補導されて一時保護所に連れていかれますが、家に戻されそうになるので、帰りたくないと訴えたそうですが、家に戻されるということが中2まで繰り返され、とうとう何回目かに「家に帰すなら人殺しをしてきます」と言って、やっと児童養護施設に入れてもらえたそうです。現在は人間関係をつくりにくい、金銭感覚がないなど、生きづらさを抱えているとのことです。  また、母親の再婚相手から性的虐待を受け続けた女性は、大人になった今、自己肯定感がなく、生きていく価値を見出せず、自信がない、ずっと抑圧されていたことから、心の中の怒りのコップが常に満タンで、ちょっとのことですぐ怒ってしまうそうです。男性への敵視、蔑視があるものの、寂しさから結婚をして子どもをもうけたものの、常に自分の子どもに虐待をしそうになるなど、生きづらさを抱えているとの話でした。  彼らに「子どものころ、どうしてほしかったか」と聞きました。すると、「自分の家が特別で、虐待のある家だと気がついたのは中学生になってからなので、もっと早く子どもに虐待というものの存在、それが間違っていることだと知らせてほしかった。助けを求める手だてをつくるようにしてほしい。周りの大人にはできるだけ声をかけてほしい」と話されていました。なるほど、その家庭しか知らずに育てば、子どもは家とはこういうものだと思って諦めてしまうかもしれません。  このときの報告でもう一つ知ったことは、虐待をしているという自覚がなく、しつけだと思い込み、子どもの意見など聞く必要がないと考えている親もいるということです。子どもにも人権があるという人権意識を文化として根づかせる必要性を感じました。  また、性的虐待は精神の殺人と言われるほど生涯にわたるダメージを残し、しかも身内からの被害が多く、黙っていろと言われることもあるので、なかなか発見されません。貴重な当事者の言葉から必要な施策を考えたいと思います。  お聞きします。虐待を受けている子どもは、よその家と比較ができないので、虐待を受けていることを訴えることができない可能性があります。そこで、できるだけ早いうち、幼稚園、保育園の年長、あるいは小学校の低学年のうちから、守られるべき人権についての学習と同時に、自分の体の大切さ、プライベートゾーンは人にはさわらせてはならないなど、自分が人権侵害を受けていたら、それに気がつくような教育をするべきだと考えますが、いかがですか。  また、これから親になる人が、子どもにも人格があり、その意思や意見を尊重すべきだという認識を持つことは非常に大事です。現在、大田区においては、母子手帳に児童憲章が掲載されていますが、児童憲章は大人による保護という側面が強いのに対して、子どもの権利条約は子どもも社会の構成員として意思や意見が尊重されるという、権利を有する人という側面が明確にされています。子どもであっても固有の人格があり、尊重されるべき存在であるという人権尊重の精神をあらわすことは、生まれてくる子どもにとってもすばらしいプレゼントになるのではないでしょうか。近隣の区でも小学生の声で掲載が復活した母子手帳に子どもの権利条約の条文を載せることができませんか。  子ども自身が逃げ込む場所についてお聞きします。  2016年、相模原市の児童相談所に家庭での虐待が原因で保護してほしいと訴えたにもかかわらず保護してもらえず、中学2年生が自殺した事件がありましたが、区内には子どもが虐待から逃げたいと思ったときに逃げ込める場所があるでしょうか。私は、今ある四つの子ども家庭支援センターが24時間365日、子どもを保護する機能を持つべきではないか、場合によってはシェルターと連携をとることも必要ではないかと考えます。子どもが虐待だと知って助けを求めた場合、その受け皿ができるだけ近いところにあることと、その周知、虐待を未然に防ぐための力も地域が持つことができるようにすべきではないかと考えます。  お聞きします。大田区においては、虐待の相談件数は年々増えています。現在、区内において、虐待を受けた子どもが自覚し、家から逃げた場合、安心して助けを求め、逃げ込める場所はありますか。  大田区は児童相談所を開設しようとしていますが、同時に虐待を予防する体制を強化する必要があります。大田区では、保護者の傷病や育児不安、出産など、子どもの養育が困難なときに、児童福祉施設で一時的に2歳から15歳を対象とした児童を養育するショートステイ、トワイライトステイ、休日デイサービス事業を行っております。年々利用者が増えており、ショートステイにおいては、2015年487人の利用が2017年には806人と大幅な伸びがあり、需要が高いことがわかります。  ショートステイ、トワイライトステイ等を利用することで乗り越えられる局面があることを思うとき、最も虐待の多い2歳未満にも支援の手を伸ばすことができないでしょうか。明石市は1回7日以内のショートステイもトワイライトステイも0歳から受け入れており、ショートステイにおいては、児童福祉施設以外にも登録里親家庭もこの事業に協力しています。また、母子家庭や父子家庭は安価で利用できるように配慮がなされています。中野区ではファミリーサポート会員に呼びかけ、このショートステイ協力会員を増やしていると聞きましたが、中野区の場合は3歳から17歳までの子どもを1回につき3日以内、渋谷区は2歳から12歳までの子どもをやはりショートステイ協力家庭が6泊7日以内、江東区は1歳から中学3年生まで、1回につき6泊7日まで預かるシステムをつくっています。  大田区の行っているファミリーサポートシステムは大変すぐれた仕組みです。しっかりした研修制度を持ち、会員登録制で、提供会員が4か月から12歳までの子どもを対象に自宅で預かる制度ですが、保育園の送り迎えや仕事が遅くなってしまう人の場合、夕飯まで預かってもらうこともあります。子育ての先輩から多くの励ましももらいながらの家庭的な育児サポートの仕組みです。切れ目のない子育て支援という中で、2歳以下のショートステイがないことを埋めるために、ファミリーサポートのお泊まり版、ショートステイを創設することはできませんか。  お聞きします。子どもには家庭的なぬくもりが必要です。児童福祉法が改正になり、今後、社会的養護においては、家庭的養護を増やしていくという方向性が打ち出されています。里親への予備軍としてもファミリーサポートシステムの機能を拡大して、ショートステイ協力家庭を募り、家庭を支えるための重層的なサポート体制を構築することはできませんか。児童相談所の登録里親とも連携をとれないでしょうか。  虐待を受けても、ほとんどの子どもたちは実親を慕い、強い愛情を持っているものです。虐待した親の回復更生支援がいかに重要かがわかります。虐待をしてしまう親自身が虐待を受けてきた過去があり、自分の気持ちをコントロールできなかったり、情緒不安定だったりする場合があります。また、うつなど精神疾患を患っている場合もあるでしょう。そのような場合、親自身が癒やされないと根本的な解決には至りません。  子ども家庭支援センターには、カウンセリングや傾聴、自己回復プログラムなど、自分で課題解決ができるような支援、家族関係の修復的支援の導入、研究を望みます。また、地域においては、多くの区民が人の心に寄り添う聞き方、傾聴を学び、家族間でも地域の中でも共感的な会話の中で、心が軽くなったり癒やされたりする体験をすることが重要です。育児の安定性とゆとりが何より児童虐待の予防になると考えます。  その観点からは、一時保育の低料金化と拡充で育児を日常的にサポートすることも重要です。母子家庭や父子家庭など休む暇なく働いている人や、保育園に入れず収入が減り、昼間は子育てがあるので夜に仕事に出かけている人など、疲れ切った中での子育てには余裕がなくなります。また、家族の時間を奪う長時間労働や男性の育児参加が少ないことなども、母親の過労やストレスが精神の安定を欠くことにつながります。育休取得や生活時間に配慮した労働時間は子どもの権利の視点で今後考えられるべきです。
     ほかにも、不安定雇用と低収入という中での経済的ストレス、関連して劣悪な狭い住居、孤立した育児で子育てのロールモデルがないこと、子どもの障がいに対しての不安など、育児の安定性とゆとりを奪う要因が少なくない社会だとは言えないでしょうか。  厚生労働省の2015年の児童虐待による死亡事件のうち、3分の1が心中です。心中以外の虐待死の4割以上が0歳で亡くなっています。行き詰まって母親が子どもを殺してしまうケースもあるのです。性や出産に関する知識がないままに妊娠し、誰にも相談できずに出産してしまうなど、妊娠や出産への援助や学校教育の中での性教育なども問われます。  こう考えると、虐待問題は子育て施策にとどまらず、学校教育、母子保健、労働問題、住宅問題、まちづくり、地域振興、産業振興、もちろん社会保障のあり方、生活にかかわる全てが虐待につながっていると言えないでしょうか。虐待は子どもの権利が著しく剥奪されることですが、そこに至るまでの親自身の権利は守られていたかという視点も必要だと考えます。  虐待は世代間にまたがる長い複雑な問題をはらみ、個人の力ではどうしようもなかった側面もあると考えます。しかし、連鎖は何とか立ち切らなくてはなりません。どの時点でどういう公的支援が届いていなかったのか、相談をしようと思った親に対して行政窓口は親切に対応できていたのか、全ての部署がそれぞれに真摯に検証、分析し、人権の視点からの行政施策、社会インフラの整備を目指す人権尊重都市、大田であってほしいと願います。  以上で質問を終わります。(拍手) ○岸田 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎玉川 総務部長 私からは、子どもを対象にしました人権教育についてご質問にお答えいたします。  守られる人権の学習につきましては、園や学校でのあらゆる機会を捉えて行うべきことでございます。例えば、毎日の集団生活の中でトラブルになることがあります。嫌なことをされたり、暴力されたりしたときに、やめるようにと直接相手に言葉で伝えるであるとか、解決しなければ先生や他の大人に助けを求めるなどの行動ができるよう指導しております。しかし、実態としましては、子ども自身が自分の親から虐待を受けていることを訴えることは難しいケースもございます。今後も、教育委員会やこども家庭部と連携しながら、子どもの人権教育について取り組んでまいります。 ◎西田 保健所長 母子健康手帳に子どもの権利条約を掲載するご提案についてのご質問にお答えいたします。  現在、母子健康手帳には、日本国憲法の精神に従い、全ての児童の幸福を図る権利宣言とした児童憲章を掲載しております。この児童憲章は、その実現のための社会の義務と責任を明記し、日本の児童福祉の基本理念をなしております。一方、議員ご提案の子どもの権利条約は、子どもが保護を受ける立場から、権利を主体的に行使する立場へと変え、子どもたちの意見を聞き物事を決めていくことを主軸とする内容になっております。どちらも子どもの健やかな成長を保障することを目指している点で共通しております。  区は、これまで多様な手法を通じて人権意識の啓発に努めてまいりました。区の公式ホームページで子どもの権利条約を解説している中で、子どもにとって最も大切な四つの権利として、生きる権利、育つ権利、守られる権利、参加する権利を紹介しています。また、子どもの人権に特化したものではございませんが、小学5年生を対象として配布している人権啓発冊子「大切なこと」では、区別と差別、男女、高齢者、障がい者など様々な人権問題を、4コマ漫画を使いながら、わかりやすく解説しております。今後、この子どもの権利条約を当事者である子どもや保護者に効果的に伝える方法なども含め、関係部署と連携し工夫してまいります。 ◎水井 こども家庭部長 私からは、まず虐待を受けた子どもの逃げ場所についてのご質問にお答えいたします。  平成29年度に子ども家庭支援センターに寄せられた児童虐待に関する相談は952件と年々増加しており、様々な状況を想定した児童虐待への対処方法を事前に検討しておくことが重要となっております。虐待を受けた子どもがみずから助けを求める際の受け皿として現在考えられるのは、子ども家庭支援センター、児童相談所、警察や交番などでございます。これら関係機関に子どもが助けを求めてきた際には、関係機関から児童相談所に送致し、送致を受けた児童相談所は、子どもを一時保護所で保護しながら、児童養護施設への入所等も含めた処遇の決定を行っております。  子ども家庭支援センターでは、児童相談所、学校、幼稚園、保育園、警察等の関係機関から構成される要保護児童対策地域協議会の場などを活用し、子どもが助けを求めに来た場合など、不測の事態が発生した場合の手順を繰り返し確認し、迅速に対処できるよう努めているところでございます。また、区では、万一の際に子どもたちがみずから助けを求めることができるよう、関係機関の連絡先を知らせるためにパンフレットや周知啓発グッズなどを機会あるごとに配布しております。特に、子どもが身の回りのことが自分でできるようになる年齢と言われている小学校第3学年の区立小学校全児童を対象に、子ども家庭支援センターの電話番号を明記したクリアファイルの配布を行い、周知を強化しているところでございます。今後、子ども自身が子どもの権利に対する理解を深める中で、みずから助けを求めるケースも想定されることから、万全の体制を図ることができるよう、なお一層関係機関との連携を深めてまいります。  次に、ファミリーサポート事業の充実に関するご質問ですが、本区の宿泊を伴う子どもの一時預かり事業としてはショートステイ事業があり、保護者の傷病、育児不安、出産、看護、介護、冠婚葬祭、出張等の理由で児童の養育が一時的に困難を生じた場合に、区内2か所の児童福祉施設において児童を預かるもので、対象を2歳から中学生までの児童としております。ショートステイ事業の延べ利用者数は大きく増加しており、頼る相手が少なく、仕事と育児の両立に悩むひとり親家庭をはじめとした家庭への養育支援として大変重要な事業となっていると認識をしております。また、ファミリーサポート事業は、育児の手伝いをしてほしい方と育児の手伝いをしたい方を引き合わせ、育児支援に結びつける事業で、活動内容は、保育園の送迎及び預かり、学校の放課後、学童保育終了後の預かり等で、対象となる児童の年齢は生後4か月以上からおおむね12歳までとしております。  議員のお話のとおり、国は、虐待や何らかの事情で実の親が育てられない子ども等の社会的養育においては、施設から里親等の在宅での支援に軸足を移す「新しい社会的養育ビジョン」を平成29年に公表しております。乳幼児を含めた宿泊を伴う一時預かりについても、ファミリーサポート事業や里親等の活用が可能となれば、保護者への子育て支援となるだけではなく、子どもにとっても家庭的な環境の中で生活できるメリットがございます。しかしながら、協力家庭での宿泊を伴う一時預かりについては、万一の場合の責任の問題や、特に対象を乳幼児に拡大した場合には、夜間の授乳や乳幼児突然死症候群の予防等、様々な課題がございます。区としては、国、都の動向なども含め、その実現可能性について研究をしてまいります。 ○岸田 議長 次に、47番奈須利江議員。                  〔47番奈須利江議員登壇〕(拍手) ◆47番(奈須利江 議員) フェアな民主主義、奈須利江です。  基礎自治体は、行政は一体何をするところなのかと大田区に問い直したくなる場面が増えています。大田区が社会保障の責任主体としての役割を忘れ、区民生活をどうやって支えようかなど考えていないように見えるからです。  松原区長が就任する前後から一気に公共施設の指定管理者制度や利用料金制が導入され、福祉の分野を営利企業が担う民営化が進み、特区による規制緩和や地方分権による裁量権の拡大の影響が大きくなります。松原区長が就任後、土地の売買が増え、体育館やLuz大森などの事業計画が大幅に変更され、規模の大きな建設工事が目立つようになります。大田体育館は設計変更して大田総合体育館になり、するスポーツからみるスポーツで収容人数が3000人から4000人に増え、地下1階地上2階が地下2階地上2階の建物に変わりました。今、大田総合体育館は興行のための施設の色合いが強くなっています。  大森北一丁目の土地は、行政目的でなければできない土地交換までして手に入れましたが、行政財産から普通財産に変えて50年の定期借地権でSPCに貸し出し、駅前のどこにもあるようなLuz大森という雑居ビルになりました。図書館は以前に比べ非常に狭くなっています。伊豆高原学園は15年間のPFI、羽田の跡地は50年の定期借地でSPCに貸し出します。認可保育園は株式会社が増え、保育士の低賃金が問題になりますが、民営化の効果の検証は一向に行われません。  地方分権で首長の裁量権は広がりましたが、大田区は、民間企業に公共市場を開放してお金もうけの手助けをするのがその仕事ではなく、住民福祉を支える社会保障の責任主体です。大田区のような都市部は、アベノミクスや大田区の投資家のための経済政策で潤う富裕層がいる一方、規制緩和で非正規雇用や派遣、請負労働などの不安定・低所得者層が増えており、大田区が社会保障で区民生活を支えるセーフティーネットを張りめぐらさなければ生活が困窮する区民がいます。  東京の豊かな財源は、私たちが働き消費をすることで支えています。豊かな経済から生み出される財源は、地縁や血縁の薄い都心部に暮らす区民の子育てや介護や障害や住宅や医療などの社会保障や教育などに優先的に使われるべきなのです。国から富裕団体と言われながら、大田区は認可保育園も特別養護老人ホームも足りず、住宅に困窮する人も国民健康保険に入っていない無保険者もいます。平成26年度末のおよその試算ですが、大田区に7万5044人いた75歳以上の高齢者のうち、無保険者はおよそ2839人、3.8%でした。  第2回定例会で、私、奈須利江が、「大田区が足りない認可保育園、特別養護老人ホーム、障害サービスなどより、跡地や蒲蒲線、イベントなどを優先するのはなぜですか」と質問したところ、大田区は、「にぎわいの創出、区民の利便性向上、大田区のみならず我が国の経済成長に寄与するまちづくりを目指して取り組んでいく」と答弁しています。  そこで伺います。社会保障は富の再分配機能を持ちますが、放置されれば区民生活が困窮し、格差が拡大することになります。社会保障の責任主体の大田区は、それを承知で羽田空港跡地に165億円投入しながら、市場価格の9割引きで投資グループに50年も貸し出し、社会保障に使わないのですか。  大田区から安い地代で土地を借り受けて経済活動する投資グループ羽田みらい開発は、高い利益を上げることができるでしょう。有利なお金もうけができる投資家と区民との格差を大田区がつくったということです。それでは、取り崩した165億円の羽田空港対策基金はどうやって積み立てたのでしょう。60億円積み立てたのが松原区長が就任した2007年、80億円積み立てたのが翌年の2008年、これらは地方分権で保育が自治事務になったことにより、その権限に見合う財源確保のために2007年に住民税の定率化があり、また同じ年に都区財政調整制度における特別区交付金割合が52%から55%に引き上げられたので、大田区の歳入が大幅に増えた年です。大田区は保育のための増税増収分を羽田空港対策積立基金に積み立ててしまったのです。  待機児童数は2007年から144人、2008年242人、2009年314人、2010年402人と毎年増え続けました。待機児402人だった2010年の認可保育園の定員8570人の運営経費総額が、くしくも165億円です。どれだけ大きな金額が積み立てられたかわかると思います。この基金は社会保障のために取り崩されることなく確保され、先日、跡地購入のために使われました。  大田区は、この社会保障のための増税増収分がありながら、民間保育園で待機児を解消すれば補助金を受けられる国の誘導策に乗って一般財源を縮減し、保育園の民営化を進めてきました。保育園を営利目的で運営したことの弊害も、今、次々と明らかになっています。  こうした投資家に有利な形で区民生活に影響を及ぼすのは、羽田空港の跡地購入問題だけではありません。リニア中央新幹線が大田区上池台一・二丁目、東雪谷一丁目、石川町二丁目、田園調布二・三・四丁目の地下を通る計画です。このリニア中央新幹線も、当時、国が言ったように、投資家から見ると、土地代不要、安い工事費の非常に有利な投資案件ですが、沿線住民は地下トンネル掘削工事や鉄道の走行が及ぼす影響を心配しています。そもそも、環境アセスメントが不十分で具体的な方策が示されていない上、知られていない活断層も存在するため、掘削することで地震を誘発するのではないかと指摘する専門家もいます。  国立国会図書館調査及び立法考査局が、リニアの大深度地下使用の認可直後の今年10月20日に刊行したレファレンス「リニア新幹線の整備促進の課題−トンネル工事が抱える開業遅延リスク−」には、過去に御徒町のトンネル工事でも春日通りが陥没するなど、地下トンネル工事がそれほど簡単なものではなく、リニア新幹線のルート決定時の調査が十分だったかどうかは一概に結論づけられないと指摘しています。  私も公聴会で、「JR東海は株主利益という私益を追求する株式会社なので、大深度地下使用が認められる公共利益のための事業にならないのではないか」と発言しています。リニアのための3兆円の財政投融資が行われていますが、JR東海の設備投資残高は5000億円に過ぎません。公共の利益と言いながら、財政投融資3兆円をリニア中央新幹線建設とは関係のない利殖に使い、株主に多大な利益を与えている可能性はないでしょうか。公共の利益のための事業と言うなら、私益をどれぐらいまで許すのかなど、国は基準を示すべきです。  多くの区民がリニアの影響を心配して大田区や大田区議会に働きかけたこともあり、大田区が大深度地下の認可にかかわる協議会で次のように発言しています。「区民の中央新幹線の路線上の基礎自治体として、区民の安全・安心で快適な生活を保障することが第一であるため、説明会や公聴会等で区民が懸念している環境への配慮、沿線住民及び地権者に対して適切な対応を求めさせていただきます」。ところが、協議会での大田区の意見に対して、JR東海はそれまでと同じ説明を繰り返し、その後も住民の要望する説明会も開催せず、説明もしていません。  そこで伺います。大田区が指摘している説明会や公聴会等で区民が懸念している環境への配慮、沿線住民及び地権者に対しての適切な対応が行われていないまま、国土交通大臣が大深度地下使用の認可をおろしていることについて、大田区はよしとしていますか、大田区は国交大臣に認可の不当を申し入れるべきではないですか、それとも、協議会での発言は区民へのパフォーマンスで、区民への適切な対応は本気で求めていなかったのでしょうか。  羽田の飛行ルート変更案も経済利益から始まった事業です。住民を蚊帳の外に、国交省の関係研究機関、運輸政策研究機構が2010年に検討結果を取りまとめ、ほぼその内容をもとに都心低空飛行を始めようとしていますが、内陸飛行してでも増便して便利にしてほしいという区民の声は聞いたことがありません。現在の羽田空港の飛行ルートは一朝一夕でできたものではなく、戦前戦後を通じた長い歴史の中で、区民と区議会と大田区とがつくり上げてきたものです。航空機事故があり、敗戦に伴うGHQによる空港とその周辺の接収、48時間強制退去、その後の騒音、大気汚染、空港移転、ここから海から着陸して海へ離陸する、モノレールの内陸側は飛ばないといった原則を大田区民が勝ち取ったのです。  オリンピック、再国際化、横田空域返還、経済発展などの言葉により、私たち大田区民が求めてきた本質を忘れかけさせた部分もありますが、羽田空港からの区民生活の安全と騒音含めた環境は侵されるべきではなく、私たち大田区民が守るべき最低限の権利です。  羽田空港の供用を変えるには、大田区との協議が必要であるという国交省と大田区の文書が残っています。歴史的経緯から見ても、大田区長の発言が、区民生活はもとより、首都圏、日本国民に与える影響は非常に大きいのです。区長は、この羽田空港飛行ルート変更による都心低空飛行問題でも、区民の生命や住環境より企業の利益ほかを優先するのでしょうか。  そこで伺います。新飛行ルート案における大田区長の責任が非常に大きいことは文書によって明らかです。ところが、大田区長はその責任から逃げるかのように、その立場を明らかにしていません。しかし、仮に新飛行ルート案が決まったとなれば、大田区長が協議に合意したということですし、今のまま態度を表明しなければ、松原区長が反対しなかったから都心低空飛行が始まったことになります。隣の品川区長は反対を表明したというふうに聞いています。松原忠義大田区長は新飛行ルート案による都心低空飛行について賛成ですか、反対ですか、その立場を明らかにしてください。態度を表明しなければ、賛成側に立っていると区民からはとられるでしょう。区長の判断が、区民のみならず、都民、国民への将来にわたり大きく影響するという責任、役割を自覚した上でお答えください。  水道はじめ、世界は民営化ではなく、再公営化に舵を切っています。民営化が企業利益という無駄なコストを税金や利用料金で負担しなければならないことや、企業は利益を大きくするために人件費はじめコストを下げてサービスの質を低下させてきたことが明らかになってきたからです。  ところが、大田区は、今でも公の財産や仕組みにより一部の投資家や企業が利益を得られる事例を増やしているのに、公民連携基本指針をつくってさらに民営化を進めようとしています。指針案には、「公的機関か民間企業かを問わず、社会課題の解決に向け、それぞれの強みを活かし、連携することは、国際社会の潮流であると言える」と断言していますが、世界は再公営化の流れになってきています。何を根拠に言っているのでしょうか。  指針案のとおり、具体化したらおもしろいようなことまで前向きな姿勢で取り組んだり、国際的な目標の実現まで大田区に課せば、企業は次々新規参入分野を見つけ、ビジネスチャンスを広げることができるでしょう。そうなれば、私たち区民はさらに税負担を強いられたり、私たち区民の財産が特定の企業のお金もうけに提供されたりすることになります。  指針案どおりになれば、民営化した分野の企業の情報は不透明で、区民や議会からはさらに見えなくなりますが、区の情報は公平性、透明性を求められ、企業は自由に行政情報を入手してビジネス参入のために使うでしょう。ところが、一旦企業が手に入れた情報やノウハウが企業のものになってしまう場面が増えています。しかも、企業が担った事業は、企業がリスクを負わずに利益を確実に上げられるようにしようとしています。ちょうど今、参議院で審議されている水道法の改正案のようです。  その上、PFI法の改正や、セブン&アイ・ホールディングスとの包括契約のように、国も大田区も議会制民主主義の意思決定における地方議会の役割を縮小させ、首長と企業との協議で予算の承認以外できるように変えてきています。しかし、経済活動においては、リスクを負う者が利益を得るというのが原則です。  土地や施設を使っていながら、賃料、地代を払わず、あるいは破格な値段で借りて商売できる区民がどれだけいるでしょう。認可保育園、駐車場、羽田空港跡地、Luz大森の大森北一丁目開発、体育館、伊豆高原学園、プールなど、それが今、民営化で増えています。こうして有利なお金もうけができる株主や投資家と私たちの格差が拡大しています。みんなのことで誰か特定の人がお金もうけをすることを私たちの社会はよしとしてきませんでした。だから、誰もが生きる上で欠かせない水道や子育てや介護や教育や医療などのサービスは、株式会社などの営利セクターではなく、公や非営利セクターで行ってきたのです。  そこで伺います。大田区は民営化の効果と課題について検証すると言いながら検証もしていません。むしろコストは下がらず、現場の人件費は下がり、区民の代表である議会が意思決定に関与できなくなる官民連携を大田区はさらに進めるのですか。(拍手) ○岸田 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎市野 企画経営部長 私からは、2問の質問にお答えをいたします。  まず、税の使途に関するご質問ですが、区は大田区基本構想において、地域の課題として防犯・防災、福祉、子育て、教育、産業、国際交流、まちの魅力づくりなどを挙げております。こうした課題を踏まえ、「おおた未来プラン10年(後期)」では、基本目標の一つに「生涯を健やかに安心していきいきと暮らせるまち」を掲げ、平成30年度予算は、「次代を担う子どもたちの育ちを、切れ目なく応援する取り組み」、「生涯を通して誰もが健やかに、安心して暮らせるまちづくり」を重点課題に設定し、子育てや保健、福祉などの施策を着実に推進しているところです。また、基本目標「まちの魅力と産業が世界に向けて輝く都市」の一環として、空港跡地を中心とする地区が、国際都市にふさわしいにぎわいのある拠点、大田区の産業を世界に発信する拠点とするために、事業提案に対する審査と手続きを経て、羽田みらい開発株式会社との事業契約に基づき、まちづくりを進めております。  区の将来像の実現に当たっての課題は多岐にわたり、区民一人ひとりが抱える課題についても様々な課題があるものと認識をしております。これらの課題に対応するためには、ハード・ソフト両面から限られた財源をバランスよく配分することが重要です。こうした認識のもと、基本構想が掲げる将来像の実現に向け、必要な施策を着実かつ的確に推進してまいります。  続きまして、公民連携の推進に関するご質問でございますが、まず民営化につきましては、福祉サービス第三者評価やモニタリングなどにより事業の検証、見直しを行い、安定して質の高いサービスの提供を確保しているところでございます。その上で、区は今後、地域課題を共有でき、課題の解決に貢献していただける民間企業との連携を今まで以上に強化してまいりたいと考えてございます。区は現在、公民連携に係る基本的な考え方を取りまとめた「(仮称)大田区公民連携基本指針」の策定に向けた取り組みを進めております。公民連携を進める上で、公平性、透明性の確保は極めて重要であると考えており、現在パブリックコメントを行っているところです。大田区基本構想において地域力の主体の一つと位置づけている民間企業との連携・協働をさらに強化していくことにより、持続可能なまちづくりを目指してまいります。私からは以上でございます。 ◎齋藤 まちづくり推進部長 私からは、中央新幹線に関するご質問にお答えをいたします。  区は、平成30年8月23日開催の第8回首都圏大深度地下使用協議会に中央新幹線のルート上にある関係自治体といたしまして出席し、事業者であるJR東海へ区が懸念している環境への配慮、沿線住民等への丁寧な説明の対応を求めております。これに対してJR東海は、協議会の中で、「今後、ルート沿線の皆様には、工事内容やスケジュールについてお知らせをする予定」、また、「ご質問があれば適切に対応する」と回答しております。このJR東海の回答に対して、協議会に参加された多くの関係者からも異論はなかったため、区としては、協議会での協議事項は調ったものと考えております。これ以前にも、国土交通省では、事業者による使用認可に関する説明会の開催、縦覧期間における利害関係者の意見聴取、公聴会の開催、学識経験者の意見聴取など、大深度地下の公共的使用に関する特別措置法に沿った手続きを行っていることから、国土交通省が中央新幹線の大深度地下使用に関する認可をおろしたことに対して、区としては問題ないと考えております。また、大深度地下使用認可後も、地域の方から中央新幹線に対してご要望をいただいたときは、速やかにJR東海などに要請して適切な対応を求めているところでございます。引き続き、JR東海には適切な対応を求めてまいります。私からは以上です。(傍聴席から発言する者あり) ◎白鳥 空港まちづくり本部長 ただいまのご質問にありました跡地に関するご指摘と、空港等に関するご質問についてお答えします。  まず、奈須議員は跡地について、「市場価格の9割引きで投資グループに50年も貸し出し」と発言されましたが、そのような事実はございません。  次に、空港等に関してご質問にお答えします。これまでに様々な場面で繰り返しご説明してまいりましたが、航空機の飛行経路設定やその変更は国家としての航空政策の一環であり、しかるべき手順を踏み、国の責任において判断するものと理解しており、区として賛否は表明してございません。一方、区では、羽田空港の滑走路運用に関して国と確認書を取り交わし、区に関連する部分を変更する場合については協議することとしております。機能強化提案に関しては、国は提案当初から2020年の東京オリンピック・パラリンピックまでの実現を目指しております。区としては、この提案を重大なものと受け止め、広く区民の皆さんに正確な情報を知っていただきたいと考え、国に対し機会を捉えて丁寧な説明の実施を求めてまいりました。引き続き、様々な手法を活用した情報提供を国に求めてまいります。また、現在でもゴーアラウンド等により区内上空を比較的低空で通過する場合があり、区民の皆さんにご心配をおかけしていることから、現行課題についても引き続き国に適切な対応を要請してまいります。私からは以上でございます。 ○岸田 議長 傍聴人の皆さんにお願いいたします。傍聴規則をきちんと守って傍聴していただきたいと思います。  次に、38番山崎勝広議員。                  〔38番山崎勝広議員登壇〕(拍手) ◆38番(山崎勝広 議員) 穏やかに質問を始めたいと思います。  大田区10か年基本計画「おおた未来プラン10年」が今年度で計画期間を終了いたします。「地域力が区民の暮らしを支え、未来へ躍動する国際都市 おおた」、基本構想で掲げた区の将来像に向けた取り組みが10年間でどれだけ進んだのか、本日はこの地域力のほうに着目をして伺ってまいりたいと思います。  地域力は大田区の区政運営のキーワードとなる言葉であります。大田区はこの10年間、地域の多様な主体の力を活用し、また連携しながら地域課題の解決に取り組んできました。私の知る限りでも、今では防犯・防災分野はもちろん、福祉、子育て、教育、産業、環境、国際交流、まちの魅力づくりなど、様々な行政分野に地域力の視点が取り入れられ、その活用が広がっております。  まず初めに伺います。区は地域力を活かした取り組みを進めるため、未来プランに沿って地域活動、区民活動への様々な支援を行ってきました。18ある特別出張所の地域力拠点としての位置づけ、新しい助成支援などの施策は、地域に自治会・町会を中心とした新しい連携・協働の取り組みを生み出しました。地域課題が多様化、困難化する中で、こうした連携は極めて重要であります。地域内での団体間の連携への支援体制、さらなる強化を区に期待をいたしますが、取り組みについてお聞かせを願いたいと思います。  地域が取り組むべき課題はますます大きくなり、地域力への期待も高まるばかりでありますが、課題解決に貢献し活動している団体の中には、担い手である役員の高齢化や若い世代の参加が少ないことなどが課題となっております。中でも、自治会・町会で起きている役員のなり手不足は深刻な状況も見受けられます。社会環境やライフスタイルの変化に伴って、地域での結びつきが希薄になっていることはしばしば指摘されているところでありますが、プライベートを重視し、コンビニとSNSがあれば隣人とのつき合いは不要と思っておられる住民も増えております。  日々の仕事や生活に追われる中で、直接関係のあること以外はなるべくかかわりたくないし、かかわる余裕もないという方が多いこともよくわかるのですが、地域力を高めるためには、こうした住民も含めて地域に目を向ける区民を増やし、地域の担い手づくりを進めなくてはなりません。区はこれまで、活動のきっかけとなる情報や体験の機会の提供、講座や研修・交流会などを開催するなどして、新たな活動の担い手の発掘・育成に努めてまいりました。しかし、残念ながら、こうした取り組みも自治会・町会の新しい担い手づくりにはなかなかつながっていないのが、町会活動に役員として参加をしている私の率直な感想であります。  地域活動を活発化していく上で、活動の担い手づくりは最も重要であり、かつ、最も即効的解決が難しい課題であると思います。一朝一夕に成果が見える担い手づくりの方策を得ることは困難なわけでありますが、自治会・町会の新しい担い手づくりに向け、地域、行政はそれぞれどのように取り組んでいくべきなのでしょうか。区のお考えをお聞かせいただきたいと思います。  地域の中には、自治会・町会活動に無関心な方ばかりではありません。多くの住民は自治会・町会が防犯・防災やリサイクル活動など大切な活動を行っており、役員が大変であることも知っています。だからこそ、役員だけは引き受けたくないからと自治会に加入しない人も少なくありません。つまり、町会が抱える仕事が多過ぎることが、役員が敬遠される理由にもなっております。新しい役員の引き受け手がいなければ、現在の役員の負担はますます過重になってまいります。多くの自治会・町会が今そんな悪循環に陥っています。  その意味では、自治会・町会の活動の負担を減らすことが担い手不足を解消する近道のようにも思います。町会の活動には区から依頼されて行われているものが多く、行政が町会に頼り過ぎていると感じている役員も少なくありません。行政からの配布物や回覧・掲示依頼、会議の数など、工夫によってもっと効率的、合理化を進め、自治会・町会の負担軽減につなげていただきたいと思っているのですが、いかがでしょうか。  次に、介護予防・日常生活支援総合事業について伺います。  地域力には国も大きな期待を寄せております。厚生労働省が設置した地域力強化検討会は、「我が事・丸ごと」をキーワードに、少子高齢化の時代の人々の暮らしをどう守るかを論議、昨年9月に最終報告をまとめております。私は、その地域力強化の流れを先取りする形となったのが、この介護保険の総合事業だと認識をしております。  中でも、介護予防・日常生活支援総合事業においての住民主体型のサービスは、国の目指す地域力そのものであります。この事業、大田区では訪問型サービスB型が絆サービスとして昨年4月から実施をされています。開始当初から大田区シルバー人材センターなどにより150名を超える担い手が確保され、事業が継続されている大田区、多くの自治体でこの事業への参入がいまだに進まないでいることを考えると、私は、これこそこれまでの大田区の地域力向上の取り組みの成果ではないかと思っております。  B型はもとより地域づくりであります。時間をかけてつくり上げていくものという認識を持っておりますが、絆サービスのこれまでのサービスの供給実績、見えてきた課題等についてお聞かせをいただきたいと思います。  さて、担い手不足の地域力、その新しい担い手として、私は民間企業に期待をしています。近年、企業と自治体が連携して社会問題の解決に取り組む包括連携協定が全国で急速に広がっております。大田区においても、地域の活性化、住民サービスの向上、持続可能なまちづくりを目指して、今年6月にセブン&アイグループとの包括連携協定が締結をされました。また、この秋、新たに大森西にオープンした商業施設「マチノマ大森」におきましては、大田区と連携をして可能な限りの地域貢献、まちのにぎわいを創出してもらうという目的で、当該事業を整備する三菱商事都市開発株式会社との連携・協力協定を締結いたしました。  従来、自治体は特定企業との協力関係を結ぶことについて、公共性、公平性等を理由として限定的な対応を行ってきたわけでありますが、公共的な課題をビジネスやボランティア活動に転換し解決を図る活動は、今や国際社会の潮流であり、地域力の概念とも重なると私は思います。私は、地域経済の活性化や地域福祉の向上の推進力につながる公民の連携に大いに期待をしております。  今回、区が包括連携協定を結んだセブン&アイグループ、中でも既に70以上の自治体と協定を結んでいるセブン−イレブン・ジャパンは、高齢者の見守りサービスや高齢者雇用など豊富な先行事例を持っています。その資源、ネットワーク、ノウハウ等を活かしながら、今後、防災や子育てをはじめ、幅広い分野での連携事業が進むことに期待をしております。具体的な事業展開について、例えばAED設置など要望もいたしておりますが、進捗は見られましたでしょうか、お聞かせをください。  今月、今お話があったとおり、「大田区公民連携基本指針(素案)」が公表されました。この指針は、近年の民間企業の社会課題の解決に向けた連携機運の高まりを踏まえ、区と民間企業との連携について、より具体化を目指し、連携・協働のさらなる推進、地域力の強化を目指したものでありますが、これまでの区の様々な計画とは一味違う、発想の変化を感じさせる内容となっております。例えば、理念には「新たな可能性へのチャレンジ」が掲げられ、「『前例が無いからやらない』という姿勢ではなく、課題解決に向けた新たな可能性を柔軟に検討し『本当に実現したら面白い』という前向きな姿勢で公民連携に取り組む」とあります。ぜひ、その前向きな姿勢で、質の高い行政サービスの提供、地域課題の解決、地域の活性化が実現し、区民、民間、行政、三方よしの連携が深まることに期待をしております。  この分野で先行している横浜市では、民間事業者から公民連携に関する相談・提案を受け取る窓口として共創フロントを開設、受け取った提案は、共創推進室が提案者と市役所各部署との橋渡し役になり、実現に向けた検討や調整を行っております。地図のゼンリンの資産と技術を活かした公共インフラ管理の効率化や、ポケモンキャラクターの魅力でのにぎわい創出、あるいは環境と調和した社会を目指したIKEA港北との連携協定など、この共創フロント発の新しい取り組みが様々に行われているようであります。  大田区公民連携基本指針では、公民連携を推進するための体制整備として、横浜市のこの共創フロントと同じような機能を持つワンストップ窓口「(仮称)公民連携デスク」を設置するとありますが、開設はいつごろを予定していらっしゃるのか、お聞かせいただきたいと思います。  この共創フロントが入る横浜市の公民連携窓口部署の政策局共創推進室は、扱っている案件が多いこともあり、部署の規模もそれに合わせた大きな体制となっておりますが、区の公民連携デスクの体制はどのようなものになるのか、イメージをお聞かせください。  以上で質問を終わります。(拍手) ○岸田 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎市野 企画経営部長 私からは、公民連携に関する2問のご質問にお答えをいたします。  セブン&アイグループ4社との連携に基づく事業の進捗に関するご質問でございますが、このうちセブン−イレブン・ジャパンと連携した取り組みといたしましては、セブン−イレブンの店舗におきまして、区民の皆様へ野菜摂取を啓発する事業を行ったほか、区政情報の発信として、おおたウエルカムボランティアの募集チラシを配架するといった取り組みを実施してございます。また、各店舗が高齢者見守り推進事業者に登録し、高齢者の見守りに積極的にご協力をいただいております。さらに、AEDの設置や区報の常設設置、各種の啓発事業などにつきましても、現在、セブン−イレブン側と協議を進めているところでございます。引き続き、本包括連携協定の目的である一層の地域活性化及び区民サービスの向上を目指し、連携事業を推進してまいります。  次に、「(仮称)公民連携デスク」に関するご質問でございますが、現時点におきましては、企画課がこのデスクの機能を担い、民間企業と各部局との調整、橋渡しを行っているところでございます。近年の民間企業による社会課題の解決に向けた機運の高まりを勘案いたしますと、今後、これまで以上に民間企業の皆様から積極的なご提案などをお伺いすることが想定され、あわせて区側からも課題を発信していくこととなります。これらのことにスピード感を持って的確に対応し、地域課題を解決していくためには、公民連携に係るノウハウを蓄積していくことが重要となってまいります。議員ご質問の公民連携デスクの時期や体制などにつきましては、現在策定中の「(仮称)公民連携基本指針」に基づき取り組みを進める中で、その時々の状況を踏まえ、適切な執行体制となりますよう検討してまいります。私からは以上でございます。 ◎小泉 地域力推進部長 私からは、地域活動に関する3点のご質問にお答えをいたします。  まず、地域内での団体間の連携への支援に関するご質問ですが、区はこれまで、自治会・町会と地域の区民活動団体などが協力して行う事業に助成金を交付し、地域力を活かした連携・協働の取り組みを支援してまいりました。平成29年度からは交付金の内容を見直し、大田区地域力推進活動負担金の交付を開始しております。平成29年度の実績では、自治会・町会が連携している団体は2130団体であり、ふる浜まつりや六郷ふれあいフェスタなどの事業や地域美化活動などが行われております。また、地域力の要となる特別出張所は、地域協働協力員などを活用し、地域コーディネーター的役割として連携・協働に取り組んでまいりました。地域イベントの開催におきましては、顔の見える関係での人材を自治会・町会活動へつなげていくことも意識しながら支援をしております。今後も、各取り組みを検証しながら、効果的な支援策を検討してまいります。  次に、自治会・町会の新しい担い手づくりについてのご質問ですが、区は、平成24年度に大田区自治会連合会内に設置されたあり方検討会と連携し、自治会・町会の人材の確保について検討を進めてまいりました。これまで、ボランティア募集の基本書式の作成や、法人向け・個人向けの加入促進チラシを作成するなど、対応策を具体化し、特別出張所の窓口で転入者などへご案内をするとともに、地域のイベントなどでもチラシを配布し、区と自治会・町会とが協力して取り組みを進めております。また、東日本大震災の復興支援に携わった被災地ボランティアが自治会・町会の防災訓練に参加するなど、新しい担い手の発掘につながる取り組みもございました。議員お話しのとおり、活動の担い手づくりは即効的解決が難しい課題ではありますが、区としては、今後も自治会・町会と連携し、自治会・町会の加入率の向上、新たな担い手づくりに積極的に支援をしてまいります。  次に、自治会・町会の負担軽減策についてのご質問ですが、自治会・町会の皆様には、大田区はもちろん、各関係団体など幅広い分野でご協力いただき、感謝をしております。区では、昨年度、区から自治会・町会へ依頼している業務について全庁で調査し、業務量軽減について検討いたしました。その結果、区からの回覧物の依頼につきましては、その都度地域力推進部と該当部局で協議し、区設掲示板への掲示に代えるなど、配布業務の軽減に努めております。また、献血と赤十字奉仕団の会議の合同開催や、各種統計調査における登録調査員のさらなる活用など、会議や事業の実施方法についても改善を進めております。区としては、今後も関係部局で調整し、自治会・町会のさらなる負担軽減に努めてまいります。私からは以上でございます。 ◎今岡 福祉部長 私からは、大田区介護予防・日常生活支援総合事業における絆サービスについてお答えをいたします。  絆サービスは、支え合いの地域づくりに向け、身近な地域のボランティアが高齢者の自立した生活をサポートするものとして重要です。サービスの供給実績につきましては、平成29年度1年間で延べ649件であったところ、平成30年度は上半期だけで既に延べ598件と大幅に増加しています。課題といたしましては、担い手となるボランティアの活動できる時間帯や地理的な制約があること、サービスを利用する高齢者のニーズとのマッチングが難しいことなどがあります。区としては、担い手の登録者を増やしていくために、制度の一層の周知を図るとともに、各基本圏域における生活支援の担い手養成講座に重点を置き、絆サービスの充実に努めてまいります。私からは以上でございます。 ○岸田 議長 次に、33番菅谷郁恵議員。                  〔33番菅谷郁恵議員登壇〕(拍手) ◆33番(菅谷郁恵 議員) まず、障害者権利条約に基づく就労支援等について質問します。  今、中央省庁や自治体による障がい者雇用水増しは大きな社会問題です。障がいのある人の権利が守られていないことは許されないことです。障害者権利条約は、世界中の障がいのある人の権利を守るために、2006年の国連総会でつくられ、「私たち抜きに私たちのことを決めないで」がこの条約の合い言葉、2014年1月には全ての国会議員が賛成して、日本はこの条約を守ると約束しました。  しかし、日本政府が権利条約を批准してからもうすぐ5年になりますが、今年は旧優生保護法による強制不妊手術に対する裁判、5月には雇用契約を結んで障がい者の就労支援を行う就労継続支援A型事業所に営利企業が参入し、経営の破綻で障がい者の雇用が奪われるなど、障がい者ビジネスの問題なども起こっています。  そこで、まず雇用の問題についてです。障害者雇用促進法では、雇用率を一般企業は2.2%、国や自治体は2.5%以上ですが、ドイツ5%、フランス6%であり、日本はその半分、それ以下で、障害者権利条約からしても低過ぎます。  大田区の障がい者採用は特別区職員採用募集で行っていますが、大田区人事白書によると、2008年ではまだ3.35%あった雇用率は、2013年は2.41%に低下しています。その後、この5年間で2.71%に回復傾向かと思えば、昨年2.61%、計106人が今年は2.55%、84人と下がっています。  働いて生計を立てたい、自分の力を活かしたいと願う人たちの働く機会を保障するため、通勤支援や、長く勤務できない人などに対して短時間勤務が認められるなど、それぞれの障害に合わせて働く時間を考えたり、休憩時間を長くしたり、スロープや車椅子トイレをつくったり、障がいのある人が働ける場や条件を障がいのある人の立場から整備していくなど、合理的配慮を国や東京都に求め、また大田区も独自に行うこと、さらに特別区の目標3.0%に早く到達し、それ以上の雇用率にすることです。お答えください。  次に、区が雇用の場を確保することについてです。大田区の施設縮小によって働く場所が縮小されていることです。例えば、21か所あった老人いこいの家が、羽田老人いこいの家を含め4館廃止されました。存続の希望が出されていた西糀谷老人いこいの家は老朽化で廃止になり、そこでも視覚に障がいのある人がマッサージをしていました。区は福祉目的の敬老マッサージとしても、視覚に障がいのある方々にとっては、自分の力を活かし働く場所、社会参加の場所になっていました。糀谷シニアステーションでは畳の部屋がなく、マッサージをする場所がなくなったのです。また、マッサージを楽しみにしていた高齢者の楽しみも奪われてしまいました。そのような老人いこいの家は廃止してはなりません。  区は単なる福祉目的の敬老マッサージの位置づけとしても、障がいのある人にとっては活躍できて働く場所ではないでしょうか。区として障がいのある人が働くことを支える仕組みづくりを検討し、広く働く場所を確保、支援することが求められています。お答えください。  次に、来年の予算編成に当たって、障がい者・児団体の方からたくさんの要望をいただき、先日、区長に党区議団から提出しました。来年度の予算に実現してください。
     10月18日、区民ホールアプリコ展示室にて、区南部圏域高次脳機能障害支援者普及事業「専門的リハビリテーションの充実事業」講演会主催者に中途失聴難聴者の方が情報保障をお願いしましたが、磁気ループの用意ができていない、手話通訳の派遣もできない、一番前で聞いてくださいとの返事で、一番前に座ったけれども、聞き取れませんでした。  2015年に2億8080万円かけて区民ホール・アプリコ音響設備改修のときに、どうして区民ホール・アプリコ内の全貸出施設に埋め込み式のループなど設置しなかったのか、そのような考えがないのが残念です。今後、施設改修のときには全て設置すること、また、学びの機会が奪われることがないよう、何年も改善を求めている今ある大田区障害福祉課の磁気ループを貸出用にし、機会あるごとに主催者に知らせていくことが必要です。障がい者サポートセンターをつくった松原区長ですから、障がい者の合理的配慮に基づく、例えば権利を守る視点の発揮を求めるものです。お答えください。  さらに、大田区が民間委託したところで障がいのある人の雇用促進が行われているか、バリアフリーなど社会的に守られているかチェックするとともに、大田区として公契約条例を一日も早くつくることを求めておきます。  次に、子育て支援策について質問します。  2019年10月から実施予定の3歳以上の幼児教育・保育の無償について、14日、全国市長会は、国が求める新たな費用負担に対して反対を表明しました。政府は昨年の衆院選の際、無償化を打ち出したのに、消費税増税で地方も収入が増えることから、幼稚園・保育所の運営費は国が2分の1、都道府県と市町村が各4分の1、公立保育所・幼稚園は市町村が全額という今の負担を無償化後も維持するというものです。また、給食費については、現行の負担方法を見直して無償化の対象にしない方針です。  幼児教育・保育関係者や保護者から、「給食は教育・保育活動の一環。どの施設でも給食費は無償化すべき」との声が上がっています。幼稚園との公平性を理由に保育所の給食費も実費徴収とされて、給食費が無償化対象から外されることですが、戦後、子どもには食が一番大事ということで、児童福祉法に基づいて保育所には調理室を設置し、給食は保育の一環とされてきました。  この歴史的経過を見れば、当然、給食費は無償化の対象とするべきです。また、今保育料が減免されている低所得者の子どもが、保育料が無償化されても給食費を払うことになり、兄弟姉妹が多ければさらなる負担増になります。深刻化する子どもの貧困の対策として、給食の役割はますます大きくなっており、幼稚園でも保育所でも、どの施設であっても給食は無償化することが求められています。大田区は国に対して給食費の実費徴収をしないよう求めること、また、国が行わないときは大田区が実費徴収にならないよう助成することです。お答えください。  今年も保育園募集要項が配布され、11月30日に申し込み締め切りです。区役所3階にはたくさんの保護者の方が申請に来ています。党区議団は、年々申請締め切りが早くならないことを求めるものです。また、若い子育て世代がお子さんを安心して産み育てやすい大田区にするために、これまで一貫して待機児童ゼロにすること、待機児解消は区民の願いである認可保育園の増設で行うことを求め、今期は、今後開設予定を含め約56園分、定員約3400人を拡充しました。この1年間だけでも21園1073人分の定員増となり、これは世論と運動の成果です。  しかし、今年度開設した認可保育園は全て株式会社、営利企業です。これまで保育は人が人を育てる事業で、もうけを生み出す営利企業は参入できないとしていたのを、安倍政権では営利企業の参入ができるようにしました。保育は運営費の約7割から8割を人件費が占めると言われ、これだけ営利企業が参入することは、国や自治体から出る補助金と人件費を安くすることでもうけが出るからです。その中で、低賃金で保育士が集まらない、定着しないという実態が浮き彫りになりましたが、その影響を一番受けるのは保育される子どもたちです。営利企業の参入を認め、待機児童解消を区立保育園の増設で進めてこなかった大田区の責任は重大です。  さらに、国は、2017年から待機児童解消を認可保育園でなく、無認可の企業主導型保育所で進めようとし、大田区では既に18か所まで増えています。先日、世田谷区では、今春開設した企業主導型保育所で保育士5人全員が10月末に一斉退職し、11月から休園していることが問題になりました。企業主導型保育所は、基準を満たせば内閣府の委託で助成金を支給する児童育成協会からの運営費支給があり、例えば開設費用の4分の3相当の助成金があり、認可保育所より保育士の資格保有者は半分でよいなど人員配置基準が緩い、市区町村の指導がないなど問題があります。認可外施設は利用者と施設の直接契約であり、待機児童解消を認可外保育施設を増やして図ろうとする国の方針は問題です。  大田区では以前、平和島にある認証保育所の保育士不足が解消できず廃園になり、その子どもたちを区立保育園で急遽受け入れるなどの対応をしました。また、無認可保育施設で痛ましい死亡事故が起きていますから、これ以上、大田区の権限のない無認可保育所設置はやめることを国に求めることです。また、企業主導型保育所開設募集を大田区のホームページで案内しているのですから、18か所ある大田区の実態を調査することを求めるものです。お答えください。  本来ならば、子どもの権利を優先するとした児童福祉法の立場に立って環境の整備をしなければならないのに、都市部では土地の確保が難しく園庭がなくてもいい、東京都は窓が保育室になくてもよいとするなど規制緩和を進めています。  また、平成16年に始まった大田区の民間委託から14年たちます。当時、西蒲田保育園の民間委託では、「先生、明日も来るの」と子どもたちが不安定になっていることが雑誌にも掲載されました。今や、2018年4月現在、私立95園、うち株式会社49園、区立43園です。大田区が民間委託した保育園では保育士が集まらないため、保育士を紹介する会社に約1人に対して100万円、計1900万円を支払うそうです。区立保育園の募集には六、七倍の応募の人が集まるのに、民間では保育士確保のために余分なお金を払わなければならず、保育士を紹介する会社がもうかる状況までつくっています。  これらのことは、国が営利企業の参入を認め、保育予算を一般財源化して削減したことが大もとにありますが、その中で、国に翻弄されず、しっかりした施策を持つのが大田区の責任です。今こそ、保育士が定着し、子どもたちによりよい保育が行われるために、民間委託は中止し、もとに戻すこと、待機児童解消は区立保育園の増設で行うことです。お答えください。  さて、党区議団は、洗心保育園の問題を第3回定例議会代表質問し、区長は「できることは支援する」と表明しました。7月に来年度0歳児募集停止を表明、5年後には廃園と急な法人の提案に、洗心保育園を存続してほしいという思いの一点で署名をはじめ、様々な運動が起きていたところ、また急展開、法人は保育園を譲渡するということを保護者に説明したとのことです。保護者の方から、「今、先生たちは、この保育園で働き続けられるのかどうかわからない不安な思いで自分の子どもたちの保育を一生懸命やってくれている。先生たちのことが心配」という声も出ています。このような中で一番影響を受けるのは子どもたちです。  法人が存続できず譲渡するならば、選定で一番いいのは子どもたちのことをよく知っている現在の保育士、職員がそのまま子どもたちの保育ができることです。通常の民間同士の譲渡では片づかないことと思いますが、以前、おひさま保育園のときには大田区がプロポーザルを行い、保育士がそのまま引き継がれました。保育園の運営や建て替え工事には国、都、大田区等の補助金、公費が使われますし、法人のこととしても子どもは大田区の子どもであり、保護者は大田区の区民です。大田区に責任があるのです。  仮に譲渡するとしても、選定には公平性、透明性が必要です。保護者は今保育をしている保育士、職員での存続を望んでいますから、大田区はそのことに力を尽くすべきです。お答えください。  次に、会計年度任用制度についてです。区立保育園や児童館、学童保育において、重要な支え手が非常勤職員の皆さんであり、正規職員と同じ仕事を担っています。しかし、この非常勤職員について、昨年5月、地方公務員法及び地方自治法の改正で、会計年度任用職員の職を創設することとなり、2020年度から実施されます。総務省の調べでも、地方自治体で働く臨時・非常勤の職員は65万、大田区では、今年1月、東京春闘会議による調査で、非常勤は2070人、臨時職員140人、正規職員4184人ですから、非正規雇用は3人に1人となっています。法の改正で常勤の職員と同じ仕事をしている非常勤職員に期末手当の支給の改善点があるものの、1年雇用の不安定雇用は変わらず、毎年1か月の試用期間が導入されます。特別区では、給料表、諸手当、退職手当などを統一とし、雇用問題、賃金の具体化などは各区で決めることとなりました。  昨年、学童保育の民間委託により、翌年も働く意思があった非常勤職員の雇用が切られるという問題もありました。2020年から施行される会計年度任用制度で働くことを希望する非常勤職員を全員雇用すること、これを機に民間委託に置きかえないこと、賃金の引き下げをしないなど雇用をよくすることです。お答えください。  次に、こらぼ大森・子ども交流センターについて質問します。  11月11日、開設15周年記念ポレポレECOまつりが開催され、子どもから高齢者まで延べで4000人以上、昨年と比べて800人増の参加でにぎわっていました。ポレポレECOまつりは、地域大人の団体、子ども交流センターと学童保育室の子どもたち、出店希望の有志小中学生(食べ事、美術、大森探検隊、ダンス)の子どもたちが参加、運営しており、15年かけて子ども交流センターと地域の方々がともに育ててきていることを感じる内容でした。  このこらぼ大森は15年の暫定使用期間の終了、こらぼ大森に大森西出張所、大森西保育園、大森西区民センターなどの機能が一つの建物の中に入る大森西地域再編計画が示されています。この子ども交流センターは、ファミリールームを卒業した保護者が様々なサークルをつくり、例えばピアノ、フルートなど楽器を演奏できるママさんたちが子ども交流センターのファミリールームでミニコンサートを開いたり、また、別グループは「ぞうぐみさん」をつくって学童の手伝いをしたり、ここがいいと引っ越してきた人もいるなど、子育ての拠点としての居場所です。芝生があって、とても気持ちがいいなどの心地よい場所となってしまい、「ここがどうなってしまうのか」という声が出されています。  子ども交流センターで行っている学童保育は、これまでこらぼ大森の教室で広々と行っていましたが、近隣にマンションができ、子どもの数も増えているのに教室が足りるのか心配です。また、先日、開桜小学校の中で行っている放課後教室を参観させていただきましたが、トイレまで遠いので、時間を区切って子どもたちを案内していました。トイレに行きたいときに行けるよう、改善はすぐにでもできます。  今回の4000人を集めたポレポレECOまつりを含め、こらぼ大森・子ども交流センターは、子どもを真ん中にして地域の皆さんとともに育ててきたものです。これが大田区が進める地域力ではないでしょうか。こらぼ大森・子ども交流センターは現在の規模と場所でそのまま残すことです。お答えください。  また、学童だけが開桜小学校に移った場合でも、児童館と学童の運営が一体に行われることを求めます。  次に、現在様々な事業が行われています。それをそのまま存続できるのか。また、現在でも体育館や芝生校庭の使用に当たっては、年2回の抽選会は多目的室がいっぱいになるほど混み合っています。これが校庭狭くなる、芝生もどうなるかわからない、体育施設も複合化によって少なくなりますから、ますます地域の方々を含め利用しづらくなります。さらに、一体誰が運営するのか、子どもから高齢者までの施設が入るとされていますが、このままでは貸し館施設になり、子育て中心核というこれまでの積み重ねが継続できなくなります。  18日、羽田保育園の内覧会に行きました。子育てひろばと体育館、つばさ教室との合築です。羽田保育園は広くて、だれでもトイレも設置され、とてもかわいらしく、木のぬくもりのあるきれいな施設ですが、大規模のために部屋の中に大きな柱があり、死角ができていました。1歳児から5歳児それぞれ30人、計150人の大規模保育園です。それにしても園庭がもとの保育園の半分くらい、プールもなく、夏場になると簡易式のプールをつくるのだそうです。結局、子どもたちの遊ぶ場所が狭まれ、子ども中心の設計ではないと思いました。まさにこれが複合化のしわ寄せであり、我が党の指摘どおりになりました。  大森西保育園では、現在、タイヤを園庭にたくさん並べて子どもたち全員で遊ぶ園庭遊びの保育研究が行われ、この体験が始まってから、当時、子どものけがが年間19件あったのが1件に減ったこと、それは子どもたちの体幹がしっかりしてきたことの報告もされています。大森西保育園を建て替えるにはプレハブを建てるなど、お金がかかると理由を述べていますが、子どもの育ちをお金ではかるのでなく、どれだけ豊かな経験ができるか、保育の質からぜひ考えていただきたいと求めるものです。  私は、公共施設の複合化は、結局、区民の使える施設の縮小になるものと考えています。大森西保育園については、平成4年に大規模改修工事は終わっていますので、複合化計画は中止し、長寿命化の視点で今壊す必要はありません。大森西保育園は今ある場所での継続を求めるものです。お答えください。  以上で質問を終わります。(拍手) ○岸田 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎市野 企画経営部長 私からは、会計年度任用職員制度に関するご質問にお答えをいたします。  会計年度任用職員制度につきましては、地方公務員法の改正により、平成32年度・2020年度から制度の導入が可能となります。現在、区におきましては、その詳細を検討しているところでございます。また、会計年度任用職員制度の導入のいかんを問わず、行政サービスにつきましては、適切なアウトソーシングを推進することがさらなる区民サービス向上のために必要な不断の取り組みであると考えているところでございます。今後とも、会計年度任用職員制度につきましては、総務部と緊密な連携のもと、他の地方公共団体の動向なども十分に注視しつつ、勤務条件の整備など適時適切に対応してまいります。私からは以上でございます。 ◎玉川 総務部長 私からは、障がい者雇用に関するご質問にお答えいたします。  障がい者の雇用機会を広げることは、障がい者が安定的に自立し、社会に参画することに通じます。特別区では、雇用促進の観点から、雇用率の目標を3%と設定しております。区は、特別区人事委員会が実施します23区共通の一般採用選考により計画的な採用を実施しており、一定の雇用率を確保してまいりました。また、今年度の選考から受験資格が見直されまして、新たに精神障がい者と知的障がい者も受験できることとなりました。目標雇用率達成に向けて、計画的かつ積極的な採用に努めてまいります。  また、障がい者雇用の促進とあわせまして、雇用後の支援も重要な課題でございます。障がいを有する職員が働きやすい職場環境を整備し、均等な機会や待遇の確保、さらには能力発揮に向けた合理的配慮に努めることは区の責務でございます。今後も引き続き、関係部局との連携を図りながら、就労支援に関する取り組みをさらに進め、障害の種類や程度にかかわらず、障がい者が有する意欲や能力を発揮して円滑に職務を遂行できるよう環境整備に努めてまいります。私からは以上でございます。 ◎今岡 福祉部長 私からは、2点のご質問にお答えします。  障がいのある方の働く場所の確保に関するご質問ですが、障がいのある方の個々の状況に応じて活躍できる環境を整備することは重要と考えております。区は、障がいのある方の就労を支援するため、就労支援機関、企業等とのネットワークを構築し、多くの就労者を企業等へ送り出し、定着する取り組みを続けております。この中には、区内の特別養護老人ホームやデイサービス等の高齢者施設の職員として就労されている方々もおられます。また、精神障がいのある方を区の臨時職員として雇用し、企業就労等へつなげるチャレンジ雇用事業を今年度から開始しております。これらの取り組みを着実に進め、障がいのある方の活躍を支えてまいります。  なお、議員お話しの敬老マッサージについては、高齢者の健康増進の観点から、今後適切に対応してまいります。  次に、障がいのある方への合理的配慮に関するご質問ですが、障がいのある方もない方も、ともに生きる社会の実現に向けて、平成28年4月から障害者差別解消法が施行されております。この法には、障がいのある方から配慮を求められた場合に、過重な負担にならない範囲で社会的な障壁を取り除くための合理的配慮の提供が定められております。区は、障がいのある方に職員が適切に対応を図れるよう、職員対応要領の策定や研修を継続的に実施し、区民サービスの向上を図っております。また、聴覚に障がいのある方への磁気ループを含むコミュニケーション機器の貸し出しに関する情報につきましては、区が毎年発行している「障がい者福祉のあらまし」に記載をしております。区は引き続き、合理的配慮の提供に向けて適切に取り組んでまいります。私からは以上でございます。 ◎水井 こども家庭部長 私からは、まず幼児教育の無償化に伴う保育所等の食材費の徴収に関するご質問にお答えをいたします。  本年6月に「経済財政運営と改革の基本方針2018」、いわゆる骨太の方針が閣議決定され、その中で幼児教育の無償化を一気に加速するとの方針が示されたことに伴い、現在、内閣府、文部科学省、厚生労働省により、幼児教育の無償化の制度設計についての議論が行われております。有識者らによる内閣府の子ども・子育て会議の本年11月22日の会議において、国は、「幼稚園、保育所、認定こども園以外の無償化措置の対象範囲等に関する検討会報告書」の内容として、「保護者から実費として徴収している通園送迎費、食材料費、行事費などの経費については、無償化の対象から除くことを原則とすべきである」との見解を示し、一般世帯の場合は、主食、副食ともに保護者の自己負担とし、それぞれ主食費3000円、副食費4500円を徴収する案を示しました。  国は当初、幼児教育の無償化に係る費用について、各地方公共団体がその一部を負担することとしておりましたが、11月21日に開催された国と全国知事会、全国市長会、全国町村会との協議の場において、実施初年度に要する経費は全額国費の負担とするという方針を示しました。食材料費の負担についても案の段階でありますので、今後このような議論の中で新たな提案がなされることも想定され、現時点においては国の動向を注視していくべき段階にあると考えております。  次に、認可外保育所に関するご質問ですが、国は、認可外保育施設の利用が、待機児童問題により認可保育所に入ることができない子どもに対する代替的な措置であることを踏まえ、これらの施設を条件つきで幼児教育の無償化の対象にすることを検討しております。認可外保育施設は子育て支援において一定の役割を果たしていると捉えております。企業主導型保育所については、既に東京都と連携し、開設情報をもとに、保育サービスアドバイザーが施設を訪問して保育実態の把握を行っているほか、最近他区において発生した企業主導型保育所の保育士が大量退職した事例を受けて、大田区内の18の企業主導型保育所に聞き取り調査を行って、良好な職員関係のもとに運営が行われているか確認をしております。区としては、引き続き企業主導型保育所を含む認可外保育施設について情報の把握に努めるとともに、東京都と連携をしながら、保育の質の向上を図ってまいります。  次に、区立保育園の民営化の中止と、区立直営保育園の増設についてのご質問ですが、区では、保育士の宿舎借り上げ支援事業や保育士応援手当により、各私立保育園における保育士の定着を図っているところでございます。また、民営化した保育園の中には、英語教育やサッカー教室、リトミックなど特徴あるプログラムを実施し、質の高い保育を達成している園も出てきております。平成30年度から保育園も幼児教育施設と位置づけられたことに伴い、さらに教育面での充実を検討している園もあり、各民間事業者の特色を活かした保育が定着しつつあります。区では、多様なニーズに応え、保育サービスの充実に向けた取り組みを行うために、平成16年度から区立保育園の民営化を実施しておりますが、方針策定時の目標は達成されつつあり、民営化を推進していく方針に変更はございません。  次に、洗心保育園の存続についてのご質問ですが、洗心保育園については、事業を引き継いでもよいとする事業者があらわれ、現在協議を行っているとの報告を受けております。議員のお話にあったおひさま保育園の事業引き継ぎの際には、土地及び建物が区の所有であることから、区が事業者選定を行ったものです。洗心保育園は民立民営の私立保育園であり、土地・建物も法人の所有であるため、引き継ぎ先業者について区が当事者として選定を行うことはできませんが、事業計画等について説明を求め、必要に応じて助言、支援を行っていくことが必要であると考えております。また、現在の保育士や職員の雇用についても、民間事業者の問題であり、区は介入できませんが、現在の保育士や職員と十分な話し合いをするよう申し入れを行っております。洗心保育園の存続については、今後も運営法人等と緊密に連絡をとりながら対応してまいります。  次に、こらぼ大森・子ども交流センターに関するご質問ですが、こらぼ大森・子ども交流センターは、平成15年の設立以来、長きにわたり地域のNPO法人として様々な活動を展開しております。ポレポレECOまつりや食育としての料理教室、キャンプなどの多彩な活動は、子どもたちの興味や関心を引き出し、体力を育むなど、地域の力が発揮された子どもの健全育成活動として、区としても高く評価しているところでございます。現在、大森西地区公共施設の再編計画が決定され、こらぼ大森・子ども交流センターを含む(仮称)大森西二丁目複合施設の基本計画を検討しているところです。これまでの活動を新たな施設でどのように継承・発展させていくかについては、運営法人と十分に話し合い、活動に必要な施設規模を検討してまいります。  最後に、大森西保育園の改築に関するご質問ですが、大森西保育園の改築については、大森西地区公共施設の再編計画の中で、(仮称)大森西二丁目複合施設に置き込むこととしております。この改築計画のメリットとしては、複合施設を利用する高齢者や地域住民との交流を行うことで、子どもたちの健全な発達にもよい影響が期待されること、仮設園舎が不要であり、園児は園庭が一時的に使えなくなるなどの制限を受けることなく、新園舎での保育にスムーズに移行できること等がございます。また、良好な保育環境となるよう、面積についても検討を進めており、園児にとっても保護者にとってもメリットの多い計画であると考えております。 ○岸田 議長 傍聴の皆様に申し上げます。傍聴規則に沿って傍聴を願いたいと思います。万が一、規則に沿わない場合には、地方自治法第130条第1項の規定により退場していただく場合がありますので、よろしくお願い申し上げます。  次に、39番黒川 仁議員。                  〔39番黒川 仁議員登壇〕(拍手) ◆39番(黒川仁 議員) おおた国民民主党の黒川 仁です。  ちょうど1年前の4定でも明石家さんまさんのロングインタビューを取り上げました。「人にすごく腹が立つことがあるのか」との問いに対して、さんまさんは、「ないないない。人に対して嫉妬心がないから。自分を過信していないし、人に腹立つやつってあほ」と言われ、「そう思えば腹が立たないのか」との問いに対して、「腹を立てられる器でもない。そんなに偉くない。腹を立てて怒りたい人は自分を偉いと思っている」とおっしゃいました。非常に示唆に富んだ対話だと思いますので、今後何度も取り上げてまいります。  私も地域で様々な組織に属していますが、会合などでその場にいない人の悪口を言う場面に遭遇することがあります。議員になってまだ11年ですが、一部の声の大きな方の力で政策が実現することも以前より増えております。それはそれで大変結構なことだと思いますが、その方にも区民に対する重い説明責任があることはご認識いただいていることと思います。  話が飛びました。携帯電話の影響もあり、人間の視野が非常に狭くなっています。携帯電話を見ながら下を向いて歩く若者の群れや、ファミレスで下を向いて無言のまま対峙する若いカップルなどを見ると、新しい地球外生命体に見えることがあります。異様な光景であります。自分の中の狭い世界で完結することなく、より広い世界の中で、より広い視野を持って、受け入れがたい考えをまず受け止める勇気と想像力が必要です。個人的に尊敬する元区議の永井さんや河津さんのように、弱い立場の者に対する寛容さ、懐の深さが押見幹事長にはあると思いますので、期待を寄せております。  そんな思いから、職員の働き方改革、人事交流、教育などについて質問いたします。  「ワークライフバランスからワークアズライフの時代が来ている」と筑波大准教授の落合陽一氏は言われております。時間が人の労働単位という考え方から、今後は全ての時間がワークかつライフとなります。生きることによって価値を稼ぎ、価値を高める時代には、ストレスフルな仕事と、ストレスフルでない仕事をどうバランスするかが大切です。残業を禁止して働く時間を短くしても、ストレスをためていたら精神衛生上よくありません。逆に、ストレスを感じなければ残業はいくらでもできるのです。一日中、仕事やアクティビティを重視していても、遊びの要素などを取り入れて心身のストレスをコントロールできればいいと言います。  そこで、行政のこれまでとこれからについて、働き方改革に絡めながら、ストレスコントロールと職員力向上などの取り組みについて質問いたします。  大田区も職員へのストレスチェックを行い、ケースによっては産業医につなげる取り組みをしています。しかし、ストレスを抱えた人がこれによって改善したという話はあまり聞きません。そこで、これまでのメンタルヘルスの成果と課題、そして、ストレスマネジメントとアンガーコントロールについてどう認識しているのかを質問いたします。  ストレスの原因、ストレッサーは人によって異なるので、難しい面もあると思います。ストレスを吐き出しやすい環境は、産業医への相談だけではなく、人事労務担当の部署が中心となって、匿名で相談を受け付ける窓口をつくるなど、できることから始めて、ストレスとアンガー、怒りのマネジメントを本気で取り組んでいただくことを要望いたします。  次に、「(仮称)大田区公民連携基本指針」に関連して何点か質問いたします。  数年前から息子が公務員になりました。非常に職場環境は温かく良好でありますが、公務員独自の文化、慣習があり、少し閉鎖的な面に問題を感じました。官官、官民が強力に連携して人事交流など数日でもいいからすることによって視野を広くすることが必要であります。  大田区では全日空との人事交流を行ってきたと聞いています。この交流ができた経緯と成果、そして見えてきた課題について質問いたします。  全日空との交流は今年度で終わると聞いておりますが、空港関連企業との継続的な人事交流は非常に大切であります。「(仮称)大田区公民連携基本指針」の基本的プロセスによると、今後はパートナーの決定など連携の可能性を探り、人事交流を継続させることを強く要望いたします。  次に、先日、海外親善訪問調査をした中国大連市にある外務省の在瀋陽日本国総領事館在大連領事事務所には、京都府舞鶴市の職員が常駐されておりました。詳細は現在調査中ですが、友好交流36年の舞鶴市では、外務省本省と現地に2年ずつ外務実務研修員制度を活用して出向しているようであります。  そこで、大田区の職員の海外への派遣について、これまでの実績と成果について質問いたします。  そして、これまでの職員力向上の取り組みの総括と、これからの行政に求められる職員像についてお聞かせください。  今年、数年ぶりに中国親善訪問調査をしてまいりました。先ほど鈴木さんも言われておりましたけれども、お互いの課題解決に向けた相互の訪問が非常に意義深いことを改めて実感いたしました。海外親善訪問調査に批判をしながら、中国からの議会訪問に出られる方もおられますけれども、この長年の継続的かつ直接的な対話がどれだけ大切かを少し想像していただきたいと思います。わからなかったら結構です。  次に、AI時代の行政について質問いたします。  民間企業においてAIの活用が進む中、ほかの自治体においてもAIを活用した実証実験が行われています。大田区におけるAIの活用について見解を伺います。  そして、IoT事業のこれまでの膨大な予算に見合った成果と今後の展開について質問いたします。  IoT事業と行政の効率化は一見すると無関係ですが、ぜひ事業を応用して行政の効率化を図っていただくことを要望します。そして、大田区の町工場に職員を数日でも派遣して研修を行うこともぜひ検討していただきたいと思います。  私の地元に限ったことかもしれませんが、特別出張所に元気がありません。(「そんなことないよ」と呼ぶ者あり)サイネージが終わっております。行くといつも薄暗く、職員が必要以上に多いのではという声を耳にします。同僚の松原 元さんの地元でも同じような声を聞いているようですので、改善が必要であります。  これからのAIの時代には、ホワイトカラーの効率化が進展し、オフィスでエクセルを打っている人たちが機械にかわります。そして、何か具体的なものをつくり出せる人や、百姓のようにいろいろなことができる人が求められると先ほどの落合陽一氏は言われています。ここで言う百姓とは、百のなりわいを持って多角的に時代を見つめ、潮流をつかむ人のことをいいます。百姓は、ひもをよっていることもあれば、わらじをつくっていることもある。稲を刈っていることもある。最近のはやりの言葉で言うと、多動力が行政職員にも求められております。百姓が集まる特別出張所にぜひ変えていただきたいと思います。  最後に、教育についてであります。  昨年の第1回定例会でも同じ質問をいたしましたが、子どもたちの人間力を育むことが重要であります。人間力を育むためにも、大田の特性を活かしたキャリア教育の今後の展開について、改めて区のお考えを伺います。  先日も池上で毎年恒例の地域ふれあいコンサートが行われました。大森四中のように、すばらしい顧問の先生がいる中学校は別にして、ある中学校の吹奏楽部では指導者がなく困っているという話を聞きます。  そこで、昨年から始まった大田区JHSウインドオーケストラですが、今後さらに多くの中学生に音楽の楽しさを広めていくことが必要であると考えますが、大田区の見解を伺います。  最後に、大田区に一人でも多くの百姓が生まれることを求めて質問を終わります。以上です。(拍手) ○岸田 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎市野 企画経営部長 私からは、AIの活用についてのご質問にお答えをいたします。  国は、平成30年6月に「世界最先端デジタル国家創造宣言・官民データ活用推進基本計画」を閣議決定し、政府みずからが徹底的にデジタル化に取り組み、国民が安全で安心して暮らせ、豊かさを実感できる社会の実現を目指しております。その実現のための基盤技術として、人工知能、いわゆるAIやクラウドなどの先端技術が取り上げられています。民間企業から始まったAI技術の社会実装が昨今急速に進む中、地方自治体でもその活用へ向けた動きが見られ、例えば、保育所利用調整業務の省力化や多言語対応の自動翻訳システムなどの実証実験がございます。区におきましても、今後の人口構成の変化や、それに伴う地域課題を解決する手段の一つとして、AI等の活用については注視してございます。また、働き方改革の観点からも、限られた経営資源で、より効果的かつ効率的な区民サービスを展開できるよう、これら先端技術の活用につきましては引き続き検討してまいります。私からは以上でございます。 ◎玉川 総務部長 私からは、総務部が所管いたします三つのご質問にお答えいたします。  まず、メンタルヘルスにつきましてのご質問です。迅速、的確に区民サービスを提供するためには、業務に携わる職員が心身ともに健康であることが不可欠でございます。予防対策として、管理監督者を含む職員を対象に、みずからのストレス予防のためのセルフケアと、周囲の職員の不調に気づくためのポイント等の研修を実施しております。また、アンガーコントロールにつきましては、強い感情である怒りをあらわすことによりまして不要な衝突を引き起こし、職員間の人間関係を損なうことや区民サービスの低下を招くことから、自分の感情をマネジメントする能力が求められております。そこで区では、特別区が実施しておりますアンガーマネジメントに関する講座に職員を派遣しております。今後も引き続き、職員が健康で働きやすい職場環境整備に努めてまいります。  次に、全日本空輸株式会社との人事交流に関するご質問でございます。まず、経緯といたしましては、同社が理念としておりますグローバルな視点と顧客視点を持った経営ビジョンや、組織パフォーマンスを最大限活かすための人材育成システムを習得し、区に還元することにより、組織の活性化を図ることを期待しまして、平成28年4月から同社への行政実務派遣研修を開始いたしました。この派遣を通じまして同社の人材育成に関する先進的な取り組みや考え方を学び、今後の区政の中で活かすことを期待しております。一方で、課題といたしましては、派遣する職員の確保や選定に苦慮することが挙げられます。今後、派遣の効果などを総合的に勘案しながら検討してまいります。  最後に、職員の海外への派遣に関するご質問でございます。国際・経済交流等の専門領域を深め、区の国際化の進展に寄与することを目的に、平成20年度から自治体国際化協会に、平成29年度から日本貿易振興機構に行政実務派遣研修として若手職員を派遣し、現在、シンガポールとドイツで公務に当たっております。帰国後は観光・国際都市や産業経済の分野において、海外で培った経験を存分に活かしているところでございます。こうした派遣研修の実施状況等を踏まえながら、グローバルな視点・視野を持った職員を育成してまいります。私からは以上でございます。 ◎飯嶋 産業経済部長 私からは、IoT事業についてのご質問についてお答えをいたします。  区では平成28年度から、国の地方創生交付金を活用し、「IoTを活用した仲間まわしによる中小企業の生産性向上プロジェクト」を実施しております。このプロジェクトは、区内企業の連携にIoT技術を活用し、付加価値の高い新たなものづくりの提供を目指しております。今年度は、区内企業の3社が共同出資で合同会社を設立することにより、実際にビジネス案件での実証実験が可能となりました。当該プロジェクトは国の交付金を活用しているため、数値目標が設定されており、平成29年度の計画値は、売上総額2000万円、参加企業40社でした。当該プロジェクトに参加する区内企業の皆様に魅力を感じていただく枠組み設計に時間がかかり、目標の達成には至りませんでしたが、事業効果検証委員会において、「目標は未達であったが、実証実験やパイロット事業の実施について具体的な検討が進められている点は評価に値する」とされ、一定の評価をいただいております。今後、より多くの区内企業に参加していただけるよう魅力発信を着実に進めるとともに、受託加工型から設計も手がける企画提案型への転換が図れるよう支援に努めてまいります。私からは以上でございます。 ◎後藤 教育総務部長 私からは、教育に関する二つの質問にお答えいたします。  初めに、人間力を育むためのキャリア教育についてのご質問です。区では、この人間力の視点から、キャリア教育において、社会を醸成し、運営するための基盤となる能力や態度を育む取り組みを進めております。現在、中学校2年生で行う職場体験のほか、毎年1月に大田区産業プラザにおいて、ものづくり教育・学習フォーラムを開催しております。17回目となる今年度は、日本工学院専門学校と都立六郷工科高等学校において、ものづくりの体験コーナーを新規開設していただき、さらなる充実を図っていく予定です。今後も、区の特色であるものづくりのまち大田の地域人材や、企業・団体、教育機関などの地域力の連携により、望ましい勤労観や職業観の育成に努め、次代を担う子どもたちの人間力を育んでまいります。 ○岸田 議長 定時になりましたので。  以上で質問を終結いたします。               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○岸田 議長 会議が長くなりましたので、おおむね20分程度休憩といたします。                      午後5時11分休憩                ――――――――――――――――――――                      午後5時35分開議 ○岸田 議長 休憩前に引き続き会議を開きます。               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○岸田 議長 本日の日程に入ります。
     日程第1を議題とします。                     〔鴨志田事務局長朗読〕 △日程第1  30第19号 前の浦(大森南図書館前)京急バス停(上り)の改善を求める陳情(委員会審査報告)                ――――――――――――――――――――                まちづくり環境委員会請願・陳情審査報告書  本委員会に付託された請願・陳情は、審査の結果、下記のとおり決定したので報告する。     平成30年11月28日   大田区議会議長 岸 田 哲 治  様                             まちづくり環境委員長  深 川 幹 祐                         記  ┌─────────────────────────────┬─────────────────┐  │                             │   審査結果(決定月日)    │  │受理番号及び件名                     │   意見または理由       │  │                             │   送   付   先     │  ├─────────────────────────────┼─────────────────┤  │30第19号 前の浦(大森南図書館前)京急バス停(上り)の改 │不 採 択 (10.15)        │  │     善を求める陳情                 │願意にそいがたい         │  └─────────────────────────────┴─────────────────┘                ―――――――――――――――――――― ○岸田 議長 討論に入ります。  本件については、清水菊美議員から通告がありますので、これを許します。                  〔30番清水菊美議員登壇〕(拍手) ◆30番(清水菊美 議員) 日本共産党区議団を代表いたしまして、30第19号 前の浦(大森南図書館前)京急バス停(上り)の改善を求める陳情を願意にそいがたいと不採択とした委員長報告に反対の討論を行います。  本陳情の趣旨は、前の浦(大森南図書館前)上り京急バス停は、手前の大森第四小学校前、上りバス停が廃止になってから殊に利用者が増大し、朝は大森行き、蒲田行きの利用者で大変混雑している。バス停車時にバスと電柱とポールの間が狭くて通れず、バスが来ているのに乗れない状態で転倒する人もおり、危険であるので改善してほしい。また、図書館の玄関先にイチョウの木とセメントのドーナツ状囲い、公衆電話ボックスがあり、混雑するのでイチョウの木を伐採するなどの改善をしてほしいという陳情です。  バス停のある区道は産業道路から労災病院までですが、道路幅が大変狭く、上りと下りのバスがすれ違うのもやっとです。自転車安全走行のためのナビラインも設置できていません。道路幅が狭いことが大きな理由で手前のバス停も廃止になっています。大森第四小学校や保育園が周辺にあり、交通事故から子どもたちを守る安全対策のために、電柱の地下化などをしてほしいという要望の陳情が、以前、議会に出されました。陳情は委員会で審議され、継続となりましたが、区は京急バスと協議し、京急バスは2018年7月17日より乗降時のバスの停止位置を進行方向に2メートル移動しました。このことによりバスの車体後部と電柱との重複が改善され、乗りやすくなったと利用者からは喜ばれており、願意は達成されています。  しかし、陳情者は、図書館前のスペースの改善も望んでいます。委員会において、区担当課は混雑していないと判断し、委員も図書館利用者と譲り合ってもらえれば問題はないのではないかという意見が出され、また、貴重な緑であるイチョウの木を切るのは環境面からいかがなものか、ドーナツ状のセメント製の囲いはバス待ちの方々が椅子がわりに使っているなどの意見があり、これらの点から願意にそえないと不採択になりました。  陳情者の願いである前の浦(大森南図書館前)上り京急バス停の安全対策のため、大森南図書館の設置者である区は、バス待ちをする区民の声や図書館利用者の声を聞き、イチョウの木や囲いを整備し、安全な部分に花壇や植栽をするなど、快適で安全なスペースを確保する検討を行うことはできるはずです。  さらに、京急バスには、ベンチと屋根付きのバス停の設置を他地域で設置しているように前の浦バス停にも設置することを求めることもできるはずです。いずれも実現性があり、30第19号 前の浦(大森南図書館前)京急バス停(上り)の改善を求める陳情を、大田区議会は安全で安心なまちづくりのために採択することを求めます。  以上で不採択とした委員長報告に反対の討論を終わります。(拍手) ○岸田 議長 以上をもって討論を終結いたします。                    〔47番奈須利江議員棄権〕 ○岸田 議長 採決に入ります。本件を起立により採決いたします。  本件に対する当該委員長からの審査報告書は不採択であります。当該委員長からの審査報告書のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。                      〔賛成者起立〕 ○岸田 議長 起立多数であります。よって本件は当該委員長からの審査報告書のとおり決定いたしました。                    〔47番奈須利江議員入場〕               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○岸田 議長 日程第2を議題とします。                     〔鴨志田事務局長朗読〕 △日程第2  第97号議案 仮称大田区田園調布せせらぎ公園文化施設新築工事請負契約について ほか12件                ―――――――――――――――――――― ○岸田 議長 理事者の説明を求めます。 ◎川野 副区長 ただいま上程されました各議案についてご説明申し上げます。  第97号議案は、仮称大田区田園調布せせらぎ公園文化施設新築工事請負契約についてで、契約の相手方はサンユー・三ツ木・三美建設工事共同企業体、契約金額は15億282万円でございます。  第98号議案は、大田区立志茂田小学校及び大田区立志茂田中学校ほか3施設外構その他工事(U期)請負契約についてで、契約の相手方は松井・醍醐建設工事共同企業体、契約金額は5億3028万円でございます。  第99号議案は、仮称大田区多摩川清掃事務所新築工事請負契約についてで、契約の相手方は幸建設株式会社、契約金額は4億8600万円でございます。  第100号議案は、大田区立男女平等推進センターの指定管理者の指定についてで、大田区立男女平等推進センターについて、平成31年4月1日から平成36年3月31日まで、特定非営利活動法人男女共同参画おおたを指定管理者に指定するものでございます。  第108号議案は、大田区長の在任期間に関する条例を廃止する条例で、大田区長の在任期間に関する定めを廃止するため条例を廃止するものでございます。  報告第32号は、民事訴訟の提起に係る専決処分の報告についてで、建物明渡し等を求める訴えの提起について報告するものでございます。  報告第33号は、訴え提起前の和解に係る専決処分の報告についてで、使用料等の支払いを求める訴え提起前の和解について報告するものでございます。  報告第34号は、区の義務に属する損害賠償額決定に係る専決処分の報告についてで、野球ボールの飛球による建物損傷事故ほか2件について報告するものでございます。  報告第35号は、仮称大田区羽田一丁目複合施設改築工事請負契約の専決処分の報告についてで、契約金額を当初の10億8000万円から10億8419万400円に変更いたしました。  報告第36号は、大田区立六郷保育園及び大田区立六郷図書館改築工事(第U期)請負契約の専決処分の報告についてで、契約金額を当初の6億4750万1040円から6億5440万4400円に変更いたしました。  報告第37号は、大田区立仲六郷保育園改築工事請負契約の専決処分の報告についてで、契約金額を当初の6億1560万円から6億1108万5600円に変更いたしました。  報告第38号は、仮称大田区京浜島地区備蓄倉庫新築工事請負契約の専決処分の報告についてで、契約金額を当初の2億5812万円から2億6043万1200円に変更いたしました。  報告第39号は、仮称大田区羽田一丁目複合施設改築電気設備工事請負契約の専決処分の報告についてで、契約金額を当初の1億8813万6000円から1億8797万4000円に変更いたしました。  以上、よろしくご審議の上、ご決定賜りますようお願い申し上げます。 ○岸田 議長 質疑に入ります。  この際、議員の皆様に申し上げます。本会議での議員の発言につきましては、会議規則第53条で「発言はすべて簡明にするものとし、議題外にわたり、又はその範囲をこえてはならない。」と規定され、また、質疑についても「自己の意見を述べることができない」と明記されております。したがいまして、議員の皆様には、発言に当たっては、規則で定められたルールに従って行うよう、ご留意のほどお願いしておきます。  本案については、田中一吉議員、松本洋之議員、福井亮二議員、野呂恵子議員、奈須利江議員、北澤潤子議員から通告がありますので、順次これを許します。  まず、1番田中一吉議員。                  〔1番田中一吉議員登壇〕(拍手) ◆1番(田中一吉 議員) 自由民主党大田区民連合の田中一吉でございます。  第108号議案 大田区長の在任期間に関する条例を廃止する条例に関し、質疑を行います。  松原区長は、昨日の本会議において、我が会派の押見議員の代表質問の中の来春の区長選挙への対応についてお伺いした答弁の中で、「これら諸処熟慮に熟慮を重ねた結果、私は引き続き区政に対し責任を果たすべきとの思いに立ち至りました」と出馬の決意を力強く表明されました。その際、平成19年にみずからが提案され、議決・施行された大田区長の在任期間に関する条例について、速やかに廃止する条例を提案したいとのことで、本日この議案が提出されております。  そこで、この際、2点ほど区長に確認をしたいと存じます。まず1点目は、この条例の提案理由については、「大田区長の在任期間に関する定めを廃止する必要があるので、この案を提出する」とありますが、その提案理由について、改めて松原区長のお考えをお伺いします。  次に、昨日の答弁で、松原区長は「熟慮に熟慮を重ねた結果」とおっしゃっておられますが、この熟慮の内容について、平成19年の条例制定時に憂慮されていた多選の弊害についてのお考えを含め、改めてお伺いできればと存じます。以上です。(拍手) ○岸田 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎松原 区長 田中議員の第108号議案について、通告がありました2点の質疑にお答えをいたします。  1点目の提案理由につきましては、昨日の代表質問に対して、4期目を目指す旨の答弁を行いました。私は3期を超える任期を自粛する本条例の提案者として、本条例を廃止する議案を提出する責務があると考え、提案をさせていただきました。  また、2点目の熟慮の内容と多選の弊害につきましては、平成19年第3回定例会におきまして、私が大田区長の在任期間に関する条例の制定を提案し、ご議決いただきました。提案理由は、同一の者が長期にわたり区長の地位に就くことに伴う弊害の発生のおそれを未然に防止し、区政のより一層の活性化を図るためです。この条例は非常に重いものであり、この条例どおりにすることも考えました。一方、道半ばの重要課題も山積しており、多くの区民の皆様からいただいた、ここで立ち止まるべきではないとの声もまた、とても重いものと受け止めております。  幅広い所管分野に関する権限が集中する首長の地位に同一の者が長期にわたり就くことにより弊害が生じるおそれがあることについての認識は変わりません。この条例の意図するところは、首長は、持っている権限を謙虚に受け止め、区民の負託に誠実に応えていくことにあります。私は、区長就任1期目の初心、そして民間人、挑戦者としての思いはいささかも変わるところはありません。区民のため、地域のため、そして次の世代のためにしっかりと引き継げる地域社会をつくることを優先したいと考えました。こうした点を熟慮して判断をいたしました。以上でございます。 ○岸田 議長 次に、17番松本洋之議員。                  〔17番松本洋之議員登壇〕(拍手) ◆17番(松本洋之 議員) 第108号議案 大田区長の在任期間に関する条例を廃止する条例について、会派を代表して質疑いたします。  昨日の松原区長の大田区長選挙への出馬表明は、平成19年の区長就任からこれまで、大田区発展のために力を注がれてきたことを間近で見てきた我が大田区議会公明党といたしましても重く受け止めさせていただきました。一方で、松原区長は、平成19年就任当時、任期は3期までとするという公約を掲げ、また、その公約を実行するとして本条例を提案されました。  そこで、今回の条例提案は、みずから提案し、議会が認めた条例について、みずからの公約とは異なる態度をとられることになります。また、平成19年第1回臨時会施政方針演説におきまして、任期は3期までとするとしたことについて、どのように説明されるのか、この点についてどのようにお考えなのか、お伺いをいたします。  また、そもそもの条例は、「連続して3期を超えて在任することのないよう努めるものとする」とあるように、努力義務でありますので、この条例を廃止しなくても4期目を目指すことは可能でありますけれども、あえて条例廃止の議案を出されたのはどういう思いからなのか、お伺いをいたします。  以上、2点伺います。(拍手) ○岸田 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎松原 区長 松本議員の第108号議案について、通告がありました2点の質疑にお答えをいたします。  まず、1点目の公約とは異なる態度となることにつきましては、私が11年前、区民の皆様の審判を受けた際、多選自粛を公約としたのは、区政のより一層の活性化のためには、多選による弊害を未然に防止するためでありました。その意図するところは、首長は、持っている権限を謙虚に受け止め、区民の負託に誠実に応えていくことにあります。私自身、区民本位の区政を旨とする初当選当時の気持ちは変わりません。むしろ区長としての経験を通じて身についたものもあります。区民の皆様にもそう思っていただけるよう、清新で活力のある区政を目指して、一層気を引き締めて区政運営に当たる決意であります。なお、ご批判につきましては真摯に受け止めたいと思っております。  2点目のあえて条例廃止の議案を提案した理由につきましては、条例についてのお考えは様々かと思います。私は、条例制定時におきまして、多選による弊害を強く意識しており、その防止策として、一定の制限をする必要があると考えておりました。現在も基本的な考えに変わりはありませんが、現にこうして4期目を目指す意思を示した以上、本条例を廃止することが適切と考え、提案をさせていただきました。 ○岸田 議長 次に、36番福井亮二議員。                  〔36番福井亮二議員登壇〕(拍手) ◆36番(福井亮二 議員) 日本共産党の福井亮二です。  第108号議案に関して質疑を行いたいと思います。先ほどの自民党、公明党の方と重複する部分もありますが、質疑を通告していますので、よろしくお願いいたします。  そもそも、大田区長の任期に関する条例は区長の公約の一つでもあり、区長みずから提案をしたものです。平成19年の9月議会で様々な議論、討論が行われました。自民党は討論の中で、「区長の見識の高さを示すものであり、大いに評価する」と述べています。公明党は質疑の中で、「自分の公約を担保するという意味では、非常にこれは区長の強い意思表明のあらわれと、このように受け取りたいと思います」、また、「4期目は3期目の選挙が終わった時点で、次は出馬しないだろうということが明らかになってしまうことが区政においてどんな影響を与えるのだろうなと非常に心配な部分がある」と、こういった危惧する意見もありました。このような議論と討論が行われ、賛成多数で条例ができました。この条例を今回廃止するという提案です。  つまり、これは区長自身の言動を変えたことになります。そこには大きな決断があると思います。この決断をされた理由をお答えください。  2つ目は、平成19年9月18日の総務財政委員会での条例提案の説明では、同一の者が長期にわたり区長の地位に就くことに伴う弊害のおそれを未然に防止する、これが目的ということで説明されています。今回この条例を廃止されることによって、この懸念についてどのように払拭をするのか、お答えください。以上です。よろしくお願いします。(拍手) ○岸田 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎松原 区長 福井議員の第108号議案について、通告がありました2点の質疑にお答えをいたします。  1点目の大田区長の在任期間に関する条例を廃止する条例の提案を決断した理由につきましては、3期目の任期の終わりが近づく中、これまでの歩みを振り返り、羽田空港跡地まちづくりのほか、新空港線の整備、中央防波堤埋立地の帰属問題など、まさに正念場にある課題がございます。加えて、少子化・高齢社会への対応や公共施設の機能更新及び区民の暮らしを守る防災対策などの喫緊の重要課題もございます。私たちの子や孫の世代のために、希望にあふれ、持続可能な地域社会をつくり上げていかなければなりません。また、これまで区政にお力添えをいただいた多くの区民の皆様からも、私に対してここで立ち止まるべきではないとの声をいただいております。これらのことは、私にとりましては非常に重いものでございます。これら諸処熟慮に熟慮を重ねた結果、私は引き続き区政に対し責任を果たすべきとの思いに立ち至りました。そして、次の世代にしっかりと引き継げる地域社会をつくることを何よりも優先したいと考えました。  2点目の長期にわたり区長の地位に就くことによる弊害のおそれをどのように払拭するかにつきましては、私は、そういう弊害が起きないように区政のかじ取りを行ってまいります。重要なのは、首長が持つ権限を謙虚に受け止め、区民の負託に誠実に応えていくことだと思っております。また、情報公開など透明性のある区政をさらに推進するとともに、区民の声を広く聞く機会にも留意をしてまいります。以上です。 ○岸田 議長 次に、46番野呂恵子議員。                  〔46番野呂恵子議員登壇〕(拍手) ◆46番(野呂恵子 議員) 私、野呂恵子は、ただいま上程されました第108号議案 大田区長の在任期間に関する条例を廃止する条例について質疑させていただきます。重複する部分もあるかと思いますけれども、よろしくお願いいたします。  思い起こせば、平成19年5月臨時議会の施政方針において、松原区長は区民とお約束した六つの公約について進めていくということで、その最後に、区長の任期について3期までとし、多選の自粛をしたい旨述べられ、4か月後の第3回定例区議会においては区長の在任期間に関する条例を上程いたしました。議会運営委員会の席上、区長みずからが、「同一の者が長期にわたり区長の地位に就くことに伴う弊害の発生のおそれを未然に防止し、区政のより一層の活性化を図るための条例を制定する」とご説明されました。区長の並々ならぬ決意をこの中で示しておられました。続く議案質疑では、多選自粛宣言にとどめることなく条例とすることについて、「区民に対する約束の履行を担保するための条例を制定する」と明言され、「議会の決定をいただく条例という形をとることによって、確定的にこれを定めることができる」とご説明があったのです。まさに松原区長の信念の条例、政治理念に基づく条例と受け止めました。
     そこで伺います。条例制定に当たって、平成19年5月の施政方針での宣言、そして4か月後の議案送付と、長い期間をかけ、区民にも見える形で取り組まれておりましたけれども、今般、昨日の自民党幹事長の質問を受け、追加議案として本日送付されました。区民への公約という大変重い条例でありながら、これほど短い期間で、区民に十分周知する期間もなく、ましてや議会の審議期間も非常に短く、これでは議会軽視とも受け取られかねませんが、この点についてどのようにお考えになり提案をされたのでしょうか。  2点目、先に制定した条例の第1条では、「長期にわたり就くことにより生じるおそれのある弊害を防止する」と、その目的にありましたように、区長みずからもその弊害について防止したい旨述べておられました。今回、条例を廃止するということは、目的に掲げた弊害はないというご判断なのでしょうか。  第3点目、区長の公約を受けて、第2条在任期間に「連続して3期を超えて在任することのないよう努める」と在任期間を定めましたけれども、今般、廃止に当たって、区民への公約をほごにするわけでございますけれども、この公約ということについてどのようにお考えなのか、この3点について質疑させていただきます。(拍手) ○岸田 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎松原 区長 野呂議員の第108号議案について、通告がありました3点のご質疑にお答えをいたします。  1点目のなぜ追加議案なのかにつきましては、来年4月の3期目の任期を迎えるに当たり、これまでを振り返り、今後の取り組みについて、ぎりぎりまで熟慮に熟慮を重ねてきた結果、このタイミングとなりました。ご批判につきましては真摯に受け止めたいと思います。よろしくご審議を賜りたいと存じます。  2点目の条例廃止による弊害はないという判断かにつきましては、私は、そうした弊害が起きないように区政のかじ取りを行います。重要なのは、首長が持つ権限を謙虚に受け止め、区民の負託に誠実に応えていくことだと思っております。また、情報公開など透明性のある区政をさらに推進するとともに、区民の声を広く聞く機会にも留意をしてまいります。  3点目の廃止に当たって区民への公約についてどう考えるかにつきましては、私が11年前、区民の皆様の審判を受けた際、多選自粛を公約としたのは、区政のより一層の活性化のためには、多選による弊害を未然に防止するためであり、この公約は重く受け止めております。同時に、多選自粛が意図するところは、首長は、持っている権限を謙虚に受け止め、区民の負託に誠実に応えていくことにあります。私は、区長就任1期目の初心、そして民間人、挑戦者としての思いはいささかも変わるところはありません。むしろ区長としての経験を通して身についたものもあります。区民の皆様に私の思いをご理解いただけるよう、清新で活力ある区政を目指して、一層気を引き締めて区政運営に当たる決意でございます。以上でございます。 ○岸田 議長 次に、47番奈須利江議員。                    〔47番奈須利江議員登壇〕 ◆47番(奈須利江 議員) フェアな民主主義、奈須利江です。  第97号議案 仮称大田区田園調布せせらぎ公園文化施設新築工事請負契約について質疑します。  この工事契約は、現在せせらぎ公園内にあるクラブハウスを壊して、その西側に隈研吾事務所の設計で、延べ床面積2246.48平米の鉄骨の建物を建設するための請負工事契約議案です。契約金額は15億282万円で、制限付き一般競争入札に付しましたが、落札者がいないため随意契約になったものです。  そこで伺います。1 この契約については、区民から再三およその予算を示してほしいと言われてきていますが、大田区は示してきませんでした。予算規模がわかった時期、設計の発注時期など、およその予算がわかった時期に区民に示すことができなかったのはなぜですか。議会に出して初めて区民におよその予算規模、金額が示せるやり方でいいと思いますか。2 この計画について、地元町会長に非公式も含め、知らせたり協議し始めたのはいつからですか。3 この契約は、大田区の設計変更のガイドライン、もしくは公共工事標準請負契約約款の設計変更の対象となる具体的な事例を十分に精査した後の契約ですか。  次の質疑です。報告第35号から39号までの専決処分の報告について質疑いたします。  地方自治法第180条、「普通地方公共団体の議会の権限に属する軽易な事項で、その議決により特に指定したものは、普通地方公共団体の長において、これを専決処分にすることができる。」とあり、大田区議会は条例により、予定価格1億5000万円以上の工事または製造の請負契約について、区長が必要と認めれば議決なく5%以内の契約金額の増額または減額ができることを認めています。  過去に行った、私、奈須利江の質疑で、「区は5%以内の増減なら何をしてもよいと考えているのでしょうか。また、現状の専決処分の数について問題がないと考えているのでしょうか。その認識についてお聞かせください。また、専決処分の理由だけでなく、この間、大田区として専決処分を少なくするためにどのような方策を採用し、それによりどのような効果があったのかをお示しいただけるのでしょうか、お答えください」という質疑に対して、大田区は、「専決処分でございますけれども、専決処分に当たりましては、当初議決をいただいてございます契約目的を損なうことなく、必要やむを得ない理由による場合について行われるべきものであると考えております。しかし、なお当初想定することのできなかった状態が生じたため変更しているものでございまして、個々の専決処分につきましては、委任をされました範囲内で、長の権限、責任において、その必要性を判断して行ってございます。決して議会軽視ということではないと考えてございます。契約変更につきましては、工事請負契約約款の中で設計変更の規定を行っているところでございます。今後は、費用対効果を踏まえた事前調査のあり方や、標準約款に定める契約変更の適切な運用を図るため、設計変更ガイドラインの策定に向けた検討を始めるなど、これまで以上に適正な施工管理に努めていきたいと考えてございます」と答弁しています。  再三伺っておりますが、報告に当たり質疑いたします。1 設計変更ガイドラインをつくると答弁しましたが、ガイドラインはいつつくりましたか。議会に報告されましたか。2 平成20年度から22年度の3年間の予定価格1億5000万円以上の工事契約40件中、設計変更、専決処分が行われたのは34件、85%にも及ぶと以前の質疑で答弁していただいています。そこで、平成27年度から29年度の3年間の予定価格1億5000万円の工事契約が何件あったか、設計変更による専決処分はそのうち何件か、お答えください。また、落札契約と不落随契になった契約に分けて、専決処分した契約数についてそれぞれお答えください。3 ガイドラインをつくったと聞いておりますが、ガイドラインをつくってから契約変更による専決処分の数や割合は減りましたか、増えましたか。  第100号議案 大田区立男女平等推進センターの指定管理者の指定についてについて質疑いたします。  前回の指定におきまして、運営体制含めた検討を行うとして、それまで5年だった期間を3年にしています。今回の指定は、その検討結果に基づいて行われ、男女共同参画おおたが指定されたものと説明を受けました。男女平等推進センターの運営体制含めた施設のあり方についての検討内容とその結果について、報告書などお示しいただけますでしょうか。  第108号議案 大田区長の在任期間に関する条例を廃止する条例について質疑いたします。  昨日は大勢の傍聴者の前で、区長が次の期も引き続き区長の任に就く意思を明らかにし、ご自身で提案した多選自粛条例を廃止する発言がありました。多選をよしとしなかったにもかかわらず、なぜ継続すると決めたのか、多くの人から推されたからということではなく、上程時にお考えだった多選の弊害はあるのか、間違いだったのか、なくなったのか、なくなったとするとなぜなくなったのか、多選の弊害がなくなったことを示すことができるのか、お答えください。2番目、仮に4期目になった場合、条例が想定している多選の弊害をどのようになくすのですか。3番目、区長は、ご自身が提案した多選自粛に関する条例の存在をご存じのはずですが、どうして計画的に条例廃止の準備をして発送せず、議会2日目に突然出されたのですか。4番目、今回の多選自粛の廃止条例のこの突然の送付は議会の私的使用には当たりませんか。  以上、4点質疑いたします。 ○岸田 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎松原 区長 奈須議員の第108号議案について、通告がありました4点の質疑にお答えいたします。  まず、1点目の多選をよしとしなかったにもかかわらず、なぜ継続すると決めたのか、多選の弊害がなくなったことを示すことができるのか、2点目の条例が想定している多選の弊害をどのようになくすのかにつきましては、幅広い事務に関する権限が集中する長の地位に同一の者が長期にわたり就くことで弊害が生じるおそれがあるとの考えに変わりはありません。また、公約を形にするものでもあり、本条例の制定を誤ったものとは考えておりません。しかしながら、これまで11年余り区長として果たしてきた仕事の成果や各事業の進捗状況などを振り返りますと、道半ばの重要課題も山積しております。私自身、区民本位の区政を旨とする初当選当時の気持ちに変わりはないことから、このたびの判断をさせていただきました。この条例の意図するところは、首長は、持っている権限を謙虚に受け止め、区民の負託に誠実に応えていくことにあります。先ほども答弁いたしましたが、私は、区長就任1期目の初心、そして民間人、挑戦者としての思いはいささかも変わることはありません。区民のため、地域のため、そして次の世代のためにしっかりと引き継げる地域社会をつくることを優先したいと考えております。情報公開など透明性のある区政をさらに推進するとともに、区民の声を広く聞く機会にも留意をしてまいります。  3点目のなぜ議会2日目に廃止条例を出したのかにつきましては、来年4月の3期目の任期を終えるに当たり、これまでを振り返り、今後の取り組みについて、ぎりぎりまで熟慮に熟慮を重ねてきた結果、このタイミングとなりました。  最後に、4点目の議会の私的使用に当たらないのかにつきましては、清新で活力に満ちた区政の運営を確保するためという思いで条例化し、このたび当該条例を廃止する条例を提案するに際しても、その思いは変わることはありません。このため、ご指摘には当たらないものと考えております。以上です。 ◎川野 副区長 私からは、最初に第97号議案について、通告のありました質疑にお答え申し上げます。  設計変更ガイドライン等における対象となる具体的な事例を十分精査した後の契約かにつきましてでございますが、本工事は、事前の調査を含めまして、十分な精査の上、設計・見積もりを行い、契約をしてございます。なお、施工中でございますが、設計段階で予期することができない特別な状況が生じた際には、大田区工事請負契約設計変更ガイドライン等に沿いまして適正に対応してまいります。  続きまして、第100号議案について、通告がありました2点のご質疑にお答え申し上げます。  1点目の検討内容と検討結果につきましては、検討の結果、喫緊の課題である配偶者間の暴力への対応について、区直営で行うことといたしました。また、今後、(仮称)大森北四丁目複合施設へ男女平等推進センターが移転することを踏まえまして、指定管理者制度を継続することといたしました。  2点目の報告書につきましては、作成をしてございません。  次に、報告第35号から報告第39号について、通告がございました3点のご質疑にお答え申し上げます。  1点目の設計変更ガイドラインは作成したか、議会に報告したかにつきましては、平成25年3月に大田区工事請負契約設計変更ガイドラインを作成いたしまして、平成25年4月15日に開催の総務財政委員会並びに都市・環境委員会においてご報告をさせていただいております。  2点目の平成27年度から29年度の3年間における予定価格1億5000万円以上の工事契約の件数につきましては35件で、このうち契約変更の専決処分を行ったものは現時点で25件でございます。また、専決処分を行った案件のうち不落随意契約は1件、残り24件は落札による契約でございます。  3点目の設計変更ガイドライン作成後の専決処分の増減でございますが、2点目でお話のございました平成20年度から平成22年度の3年間と平成27年度から29年度の3年間の比較で申し上げますと、件数で9件、割合では85%から71%と14ポイント減少となってございます。私からは以上でございます。 ○岸田 議長 奈須議員、再質疑ですか。奈須議員、演壇にて再質疑を許可いたします。                    〔47番奈須利江議員登壇〕 ◆47番(奈須利江 議員) 第97号議案のせせらぎ公園の契約について、議会に出して初めて区民におよその予算規模が示せるやり方でいいのかということについてのご答弁はいただけておりますでしょうか。また、地元町会長に非公式も含め、知らせたり協議し始めたのはいつからというのも、すみません、私が聞き漏らしていたら申しわけないんですが、お答えいただけていないように思うので、このところは繰り返してもう1度ご答弁いただければというふうに思います。 ○岸田 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎川野 副区長 ただいま再質疑いただきました。もしかすると、私、答弁を漏らしたかもしれませんので、答弁をさせていただきます。  予算規模がわかった時期や設計の発注時期など、およその予算がわかった時期に区民に示すことができなかったのはなぜか、議会に出して初めて区民におよその金額を示すやり方でいいと思うかということと、また2点目、この計画について地元町会長に非公式を含め、知らせたり協議をし始めたのはいつかということと、一括してお答えをさせていただきます。  計画について、地元町会長には、地元説明会に先立ちまして、平成28年10月19日にお知らせをいたしました。予算につきましては、住民説明会の段階ではまだ予算の概要が確定しておりませんので、お示しができませんでした。予算の概要につきましては、平成30年2月に大田区平成30年度予算案を議会にお示しした後に区民の皆様に公表しており、適切に対応したというふうに考えているところでございます。以上でございます。 ○岸田 議長 奈須議員、先ほど私が言ったのは、再質疑ですかということで言いました。会議規則第54条の規定により、質疑は原則2回までと規定されており、本件においては3回目の発言の許可はいたしません。  議事を続けます。  次に、49番北澤潤子議員。                  〔49番北澤潤子議員登壇〕(拍手) ◆49番(北澤潤子 議員) 大田・生活者ネットワーク、北澤潤子です。  第108号議案 大田区長の在任期間に関する条例を廃止する条例について質疑いたします。  区民にとっては、区政のリーダーである区長の進退は大変重要な問題です。ですから、広く区民に表明されている在任期間を3期と定めた条例も、それを廃止するという議案も大変重みのあるものです。しかし、今回、追加議案のため、大田区のホームページ、第4回定例会開廷のお知らせの中での上程議案としての周知もできていません。議会は区民の代表としての議決機関であり、条例をつくることも廃止することも区民のためです。なぜこの重要議案を議会開始とともに区民に周知できない、このタイミングで提出されたのでしょうか。(拍手) ○岸田 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎松原 区長 北澤議員の第108号議案について、通告がありました質疑にお答えをいたします。  先ほども答弁いたしましたが、来年4月の3期目の任期を終えるに当たり、これまでを振り返り、今後の取り組みについて、ぎりぎりまで熟慮に熟慮を重ねてきた結果、このタイミングとなりました。そのため、結果として今現在においては区議会のホームページには掲載されておりません。よろしくご審議を賜りたいと存じます。以上です。 ○岸田 議長 以上をもって質疑を終結いたします。  本案については、報告第32号から報告第39号に至る8件を除き、いずれも所管総務財政委員会に付託します。               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○岸田 議長 日程第3を議題とします。                     〔鴨志田事務局長朗読〕 △日程第3  第101号議案 臨海部広域斎場組合規約の一部を変更する規約に関する協議について ほか2件                ―――――――――――――――――――― ○岸田 議長 理事者の説明を求めます。 ◎川野 副区長 ただいま上程されました各議案についてご説明申し上げます。  第101号議案は、臨海部広域斎場組合規約の一部を変更する規約に関する協議についてで、臨海部広域斎場組合規約の一部変更について協議を行うに当たり、地方自治法第290条の規定に基づき、この案を提出するものでございます。  第102号議案は、大田区休養村とうぶの指定管理者の指定についてで、大田区休養村とうぶについて、平成31年4月1日から平成36年3月31日まで、株式会社信州東御市振興公社を指定管理者に指定するものでございます。  第103号議案は、大田区営アロマ地下駐車場の指定管理者の指定についてで、大田区営アロマ地下駐車場について、平成31年4月1日から平成36年3月31日まで、タイムズ24株式会社・タイムズサービス株式会社グループを指定管理者に指定するものでございます。  以上、よろしくご審議の上、ご決定賜りますようお願い申し上げます。 ○岸田 議長 本案については質疑の通告がありませんので、いずれも所管地域産業委員会に付託します。               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○岸田 議長 日程第4を議題とします。                     〔鴨志田事務局長朗読〕 △日程第4  第104号議案 大田区営シルバーピアの指定管理者の指定について ほか3件                ―――――――――――――――――――― ○岸田 議長 理事者の説明を求めます。 ◎川野 副区長 ただいま上程されました各議案についてご説明申し上げます。  第104号議案は、大田区営シルバーピアの指定管理者の指定についてで、大田区営シルバーピア大森本町ほか12施設について、平成31年4月1日から平成36年3月31日まで、株式会社大田まちづくり公社を指定管理者に指定するものでございます。  第105号議案は、大田区立シルバーピアの指定管理者の指定についてで、大田区立シルバーピア南馬込のほか6施設について、平成31年4月1日から平成36年3月31日まで、株式会社大田まちづくり公社を指定管理者に指定するものでございます。  第106号議案は、大田区高齢者アパートの指定管理者の指定についてで、第二クスノキ荘ほか9施設について、平成31年4月1日から平成36年3月31日まで、株式会社大田まちづくり公社を指定管理者に指定するものでございます。  第107号議案は、大田区立障害者福祉施設の指定管理者の指定についてで、大田区立南六郷福祉園ほか1施設については社会福祉法人東京都手をつなぐ育成会を指定管理者に、大田区立大田生活実習所については社会福祉法人睦月会を指定管理者に、平成31年4月1日から平成36年3月31日まで、それぞれ指定するものでございます。  以上、よろしくご審議の上、ご決定賜りますようお願い申し上げます。 ○岸田 議長 本案については質疑の通告がありませんので、いずれも所管健康福祉委員会に付託します。               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○岸田 議長 日程第5を議題とします。                     〔鴨志田事務局長朗読〕 △日程第5  第96号議案 大田区学童保育の実施等に関する条例の一部を改正する条例                ―――――――――――――――――――― ○岸田 議長 理事者の説明を求めます。 ◎川野 副区長 ただいま上程されました第96号議案は、大田区学童保育の実施等に関する条例の一部を改正する条例で、学童保育の再延長保育の実施に伴い、必要な保育料等を定めるため改正するものでございます。  以上、よろしくご審議の上、ご決定賜りますようお願い申し上げます。 ○岸田 議長 質疑に入ります。  本案については、奈須利江議員から通告がありますので、これを許します。                    〔47番奈須利江議員登壇〕 ◆47番(奈須利江 議員) 第96号議案 大田区学童保育の実施等に関する条例の一部を改正する条例について質疑いたします。  この条例改正は、6時から7時までの学童保育の再延長を可能にするとともに、その利用料金を定めるものです。料金徴収は保育料、介護保険料など同様、区民から徴収する税に相当する処分です。  そこで伺います。1 区立の学童保育は条例による議会の議決で再延長と利用料金を定めますが、委託の学童保育は大田区との協議で自主事業により再延長事業を行い、事業者が直接利用料金を議決なく徴収しています。指定管理者制度においても、利用料金の徴収は条例に定め、議決によって事業者の収入とさせることができますが、この児童館の民間委託だと議決なく再延長料金を徴収できるのはなぜですか。2 今回再延長するのは志茂田小学校だけだと聞いています。条例で規定しながら、区立の学童に再延長するところとしないところをつくるのはなぜですか。区民への公平性の観点からお答えください。 ○岸田 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎川野 副区長 ただいま奈須議員から第96号議案について、通告がありました2点のご質疑にお答え申し上げます。
     1点目の児童館の民間委託だと議決なく再延長料金を徴収できるのはなぜかにつきましては、事業者の自主事業として事業者と利用児童の保護者とが直接契約しているためでございます。  2点目の区立の学童に再延長するところとしないところをつくるのはなぜかにつきましては、区直営の放課後ひろばにおいて、このたび新たに区のモデル事業として再延長保育を実施するためでございます。私からは以上でございます。 ○岸田 議長 奈須議員、再質疑ですか。奈須議員、演壇にて再質疑を許可いたします。                    〔47番奈須利江議員登壇〕 ◆47番(奈須利江 議員) 事業者の直接契約なので料金を徴収できるというご答弁でしたが、指定管理者制度における利用料金でも、利用者と事業者が直接契約をすれば利用料金を徴収できることになってしまうので、私が質疑をしていることにお答えいただけていないように思うのですが、そこの違いを明確にお示しいただけませんでしょうか。 ○岸田 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎水井 こども家庭部長 発言通告された内容についての基本的な考え方は、先ほど川野副区長が申し上げたとおりですので、答弁は控えさせていただきます。 ○岸田 議長 以上をもって質疑を終結いたします。  本案については、所管こども文教委員会に付託します。               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○岸田 議長 日程第6を議題とします。                     〔鴨志田事務局長朗読〕 △日程第6  議員提出第13号議案 大田区議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する条例                ―――――――――――――――――――― ○岸田 議長 提出者の説明を求めます。                  〔37番荒尾大介議員登壇〕(拍手) ◎37番(荒尾大介 議員) 議員提出第13号議案 大田区議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する条例について、提出者を代表して提案理由説明を行います。  この議案は、議会改革の一環として、現在3000円となっている日額旅費を経済的かつ合理的に見直すために提出をするものです。  よろしくご審議の上、ご決定くださいますようよろしくお願いいたします。  以上で提案理由説明を終わります。(拍手) ○岸田 議長 本案については質疑の通告がありませんので、所管総務財政委員会に付託します。               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○岸田 議長 日程第7を議題とします。                     〔鴨志田事務局長朗読〕 △日程第7  議員提出第14号議案 大田区マタニティパス条例                ―――――――――――――――――――― ○岸田 議長 提出者の説明を求めます。                    〔36番福井亮二議員登壇〕 ◎36番(福井亮二 議員) ただいま上程されました議員提出第14号議案 大田区マタニティパス条例について、提案理由の説明を行います。  妊婦等の負担軽減を図り、通院及び日常生活における妊婦等の外出を支援するため、条例を制定する必要があるので、この提案をいたします。  よろしくお願いいたします。以上です。(拍手) ○岸田 議長 本案については質疑の通告がありませんので、所管健康福祉委員会に付託します。               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○岸田 議長 日程第8を議題とします。                     〔鴨志田事務局長朗読〕 △日程第8  議員提出第15号議案 大田区保育施設等職員応援手当条例                ―――――――――――――――――――― ○岸田 議長 提出者の説明を求めます。                    〔33番菅谷郁恵議員登壇〕 ◎33番(菅谷郁恵 議員) 議員提出第15号議案 大田区保育施設等職員応援手当条例の提案理由を提出者を代表して説明します。  区内の保育施設に勤務する職員の処遇改善を図り、安定的な保育の質の向上に寄与するため、条例を制定する必要があるので、この案を提出するものです。  ご審議いただき、ご決定いただきますようお願いするものです。(拍手) ○岸田 議長 本案については質疑の通告がありませんので、所管こども文教委員会に付託します。               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○岸田 議長 日程第9を議題とします。                     〔鴨志田事務局長朗読〕 △日程第9  議員提出第16号議案 商店街お休み処活性化補助金交付条例                ―――――――――――――――――――― ○岸田 議長 提出者の説明を求めます。                  〔34番黒沼良光議員登壇〕(拍手) ◎34番(黒沼良光 議員) ただいま上程されました議員提出第16号議案 商店街お休み処活性化補助金交付条例を提出者を代表して提案理由を申し上げます。  これまで要綱で行われていた事業を改善し、スタート事業ではなく、あたかも地域の公共財として位置づけ、提案するものです。  2014年に実施した大田区商店街調査報告書の調査結果によれば、今後の商店街での空き店舗対策の項で、「商店街のイベントや休憩スペースとして活用」が上位から3番目となっています。この要望に応える施策の一つがお休み処活用化事業です。しかし、実態は、区内およそ100を超える商店会のうち、8お休み処に過ぎません。最初は2009年の長原、雑色、矢口の渡商店街に始まって、2010年に日の出銀座、2011年に大森柳本通り、その後、6年の間を置いて、2017年に水門通り、今年2018年においで通り糀谷、8商店会です。  問題は、とてもよい事業なのに、なぜ実施商店会が増えていかないのかということです。各商店会にお聞きしたところ、開け閉めに1時間、各1000円、残りの開放時間の掃除に1000円で計3000円、あるいは開け閉めだけに各900円で計1800円、また維持費に1000円で計2000円、また理事長だけや役員だけで、ほとんど無料奉仕の形で維持しているところなど、今の1日1000円の交付金では、ほとんどが商店会の持ち出しになって維持しています。もうやめようかと思っているとの声を3か所から伺いました。  こうした状況にもかかわらず、区は、自立してもらうための支援制度ということで、要綱では1年の間となっています。商店会は単発的、短期的な取り組みでは準公共財な機能、社会的資本としての機能は向上できるはずがありません。条例では、長期的に事業が維持・発展可能な体制を構築する必要があるとの立場から提案させていただきました。過大なコストでもありません。  ご賛同いただき、ご決定いただきますよう、よろしくお願いいたします。(拍手) ○岸田 議長 本案については質疑の通告がありませんので、所管地域産業委員会に付託します。               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○岸田 議長 日程第10を議題とします。                     〔鴨志田事務局長朗読〕 △日程第10  30第58号 協議会で区が求めた適切な対応をとるまでリニアの工事に着工しないことを求める陳情 ほか3件                ―――――――――――――――――――― ○岸田 議長 お諮りいたします。本件については、いずれも交通臨海部活性化特別委員会に付託したいと思います。これにご異議ありませんか。                   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○岸田 議長 ご異議なしと認め、そのように決定いたしました。               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○岸田 議長 日程第11を議題とします。                     〔鴨志田事務局長朗読〕 △日程第11  30第53号 羽田空港の「沖合展開」開始当初の約束を将来にわたって遵守させる陳情 ほか5件                ―――――――――――――――――――― ○岸田 議長 お諮りいたします。本件については、いずれも羽田空港対策特別委員会に付託したいと思います。これにご異議ありませんか。                   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○岸田 議長 ご異議なしと認め、そのように決定いたしました。               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○岸田 議長 次に、請願・陳情の付託について申し上げます。  今回受理しました請願・陳情は、ただいま特別委員会に付託しました10件を除き、お手元に配付の付託表のとおり、それぞれ所管常任委員会に付託します。                ――――――――――――――――――――                平成30年第4回定例会 請願・陳情付託表                                        平成30年11月29日付託 総務財政委員会  30第52号 大田区立男女平等推進センター「エセナおおた」の長寿命化改修を求める陳情  30第61号 国に対し「消費税増税中止を求める意見書」の提出を求める請願  30第67号 1947年日本国憲法に関する陳情 健康福祉委員会  30第56号 三歳児(眼科)健診で専用機器を使った屈折検査の導入を求める陳情 こども文教委員会  30第54号 大田区認可外保育園に通う保護者に保育料補助を求める陳情  30第57号 すべての子どもがすこやかにそだつ大田区をめざす為の請願               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○岸田 議長 以上をもって本日の日程全部を終了いたしました。  お諮りいたします。明11月30日から12月6日までは委員会審査のため休会とし、来る12月7日午後1時に会議を開きたいと思います。これにご異議ありませんか。                   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○岸田 議長 ご異議なしと認め、そのように決定いたしました。  ただいまご着席の方々には改めて通知はいたしませんので、そのようにご了承願います。
     本日はこれをもって散会いたします。                     午後6時44分散会...