大田区議会 2018-09-26
平成30年 第3回 定例会−09月26日-03号
平成30年 第3回 定例会−09月26日-03号平成30年 第3回 定例会
平成30年第3回定例会 大田区議会会議録 第12号
9月26日(水曜日)
出席議員(47名)
1 番 田中一吉 2 番 松原秀典 3 番 高瀬三徳
4 番 安藤 充 5 番 岸田哲治 6 番 大森昭彦
7 番 松原茂登樹 8 番 伊藤和弘 9 番 塩野目正樹
10 番 押見隆太 11 番 鈴木隆之 12 番 伊佐治 剛
13 番 深川幹祐 14 番 長野元祐 15 番 渡司 幸
16 番 高山雄一 17 番 松本洋之 18 番 岡元由美
19 番 勝亦 聡 20 番 広川恵美子 21 番 秋成 靖
22 番 玉川英俊 23 番 田村英樹 24 番 大橋武司
25 番 小峰由枝 26 番 椿 真一 27 番 田島和雄
28 番 末安広明 29 番 大竹辰治 30 番 清水菊美
31 番 藤原幸雄 33 番 菅谷郁恵 34 番 黒沼良光
35 番 金子悦子 36 番 福井亮二 37 番 荒尾大介
38 番 山崎勝広 39 番 黒川 仁 42 番 岡 高志
43 番 荻野 稔 44 番 三沢清太郎 45 番 犬伏秀一
46 番 野呂恵子 47 番 奈須利江 48 番 湯本良太郎
49 番 北澤潤子 50 番 馬橋靖世
│第75号議案 平成30年度大田区
国民健康保険事業特別会計補正予算(第1次)
│ │
│第76号議案 平成30年度大田区
後期高齢者医療特別会計補正予算(第1次)
│ │
│第77号議案 平成30年度大田区
介護保険特別会計補正予算(第1次)
│ │
│第78号議案 大田区手数料条例の一部を改正する条例
│ │
│第93号議案
大田区営大森西一丁目第2アパート及び大田区立お
おもり園耐震補強 │ │
│ その他
工事請負契約について
│ │
│第94号議案
大田区立大森第七中学校校舎取壊し
工事請負契約について
│ │
└───────────────────────────────────────┴────────┘
――
――――――――――――――――――
○岸田 議長
総務財政委員長の報告を求めます。
〔12番伊佐治 剛議員登壇〕(拍手)
◎12番(伊佐治剛 議員) ただいま上程されました第74号議案 平成30年度大田区
一般会計補正予算(第3次)ほか6件につきまして、
所管総務財政委員会における審査経過並びに結果のご報告を申し上げます。
初めに、各議案の主な質疑について申し上げます。
まず、第74号議案 平成30年度大田区
一般会計補正予算(第3次)について。今回、歳入予算に28億円余の繰越金が計上されているが、繰越金の考え方について伺いたいとの質疑に対し、平成29年度決算の実質収支が約96億円であり、
財政基金条例に基づき、その2分の1に当たる約48億円の積み立てを行った。当初予算の20億円を差し引いた28億円余を今回の補正予算の財源とした。繰越金については、当該年度で活用するとの原則もあるが、継続的に実施をしている事業や社会状況の変化に対応した様々なサービスの提供、台風や大雨などの災害時の財源とすることを考えているとの答弁がありました。
次に、
産業経済費、
羽田空港跡地における
産業交流拠点の形成について。受発注主体の構築検証に係る経費について伺いたいとの質疑に対し、産業経済部と
産業振興協会では、2020年に予定している
羽田空港跡地の
産業交流施設の開設に向け、空港跡地の活性化のみならず、区内企業に対していかに波及効果を生み出すことが大きな課題であると捉えている。
産業交流施設が完成した段階において受発注を増やすべく、今回予算計上したものであるとの答弁がありました。
また、受発注主体の
構築検証経費については、区が事業運営用として約4000平米を事業者から賃借する部分の運営についてのみを対象としているのかとの質疑に対し、この4000平米の運営にかかわるものだけでなく、区内の製造業を中心とした中小企業の取引機会の増大に向けた検証を行うための経費であるとの答弁がありました。
次に、教育費、給食費補助及び
学用品費補助等について。対象者数の増とのことであるが、その理由を伺いたいとの質疑に対し、これまでの実績により、準要保護者は減少傾向にあると把握していたが、準要保護者数の減少傾向が当初の見込みよりも緩やかであった。このため、結果として対象者数の増となったものである。今後は社会状況の変化なども踏まえて対象者数を適切に見込んだ上で予算計上していきたいとの答弁がありました。
次に、第77号議案 平成30年度大田区
介護保険特別会計補正予算(第1次)について。平成29年度で第6期
介護保険事業計画が終了したが、
介護給付費準備基金の積立額について伺いたいとの質疑に対し、介護保険料の考え方は、3年間の計画期間を通じて財政の均衡を保たなければならないことから安定した財源確保が必要である。このため、平成30年度から32年度の第7期を見込んで、今年度当初予算として6億9000万円余を積み立てている。また、今回、29年度決算に伴い、5億1000万円余を積み立てるものである。今回の補正後の現在高は42億3000万円余となるとの答弁がありました。
次に、第78号議案 大田区手数料条例の一部を改正する条例について。区は、仮設興行場の仮設建築物の設置期間の特例に該当するような物件について把握をしているのか、また、この特例を受ける際の手数料について伺いたいとの質疑に対し、現状、区では対象となり得る仮設建築物についての具体的な情報は把握していない。手数料の根拠としては、
申請受け付けや書類審査を行うための職員人件費が主なものである。オリンピック・パラリンピックのプレ大会や、その準備等に必要となる大規模な仮設建築物が対象となるため、許可事務の増大が見込まれることに鑑み、19万5000円の手数料を設定したとの答弁がありました。
建築基準法の改正に伴い、接道規制の適用除外に係る手続きを合理化するとのことでありますが、4メートル以上の道路との接道が2メートルに満たない土地の建築物に関しては何か変更されるのかとの質疑に対し、今回の改正は、4メートル以上の農道や区有通路等との接道が原則2メートル以上で、かつ200平米以下の一戸建ての住宅については建築審査会の同意を不要とするものである。道路等との接道が2メートル未満の場合には、従来どおり、建築審査会の同意が必要となることに変わりはないとの答弁がありました。
以上の後、討論を行いましたところ、第75号議案、第76議案及び第77号議案について、反対、賛成の態度表明がありました。
その際、反対の立場から、第75号議案について、事業主体が都になったものの、保険料の是正が行われていない。今年度も保険料の引き上げが行われ、さらに6年間値上げとなるレールを引いたことになる。
第77号議案について、制度改悪により
介護サービスが利用しにくい。今回、
介護給付費準備基金をさらに積み立てるが、保険あって介護なしの状況と言わざるを得ない。
一方、賛成の立場から、第75号議案から第77号議案の各
特別会計補正予算は、平成29年度決算確定に伴う精算などを行うための事業執行上必要な予算であるとの意見がありました。
次に、第74号議案、第78号議案、第93号議案及び第94号議案については、全員賛成の態度表明がありました。
その際、第74号議案について、区民の生命、財産を守る観点からも、
ブロック塀等改修工事助成の早期実施について高く評価する。
産業交流施設における受発注主体の構築検証に係る経費については、今後の中小企業の活性化に向けた取り組みとして期待している。病後児保育施設1か所の整備、小中学校の
学用品費等補助単価増など評価できる。昨年度の決算に基づき今年度の繰越金を増額するのであれば、積極的に活用して
区民サービスの充実につなげることを望む。
第94号議案について、JVによる1者入札が不調となり、不落随契になったものである。競争性、透明性の観点から、1者入札とならないように入札要件の緩和や混合入札の検証を求めるとの意見・要望がありました。
以上の後、採決を行いましたところ、第75号議案、第76号議案及び第77号議案については、賛成者多数で
原案どおり決定をいたしました。
次に、第74号議案、第78号議案、第93号議案及び第94号議案については、全員異議なく
原案どおり決定をいたしました。
以上、
所管総務財政委員会における審査経過並びに結果のご報告とさせていただきます。(拍手)
○岸田 議長 討論に入ります。
本案については、
荒尾大介議員、
奈須利江議員から通告がありますので、順次これを許します。
まず、37番
荒尾大介議員。
〔37番
荒尾大介議員登壇〕(拍手)
◆37番(荒尾大介 議員)
日本共産党大田区議団は、第77号議案 平成30年度大田区
介護保険特別会計補正予算(第1次)に反対、第74号議案 平成30年度大田区
一般会計補正予算(第3次)に賛成の立場から討論を行います。
第77号議案
介護保険特別会計補正予算について、第6期
介護保険事業計画の最終年度に
介護給付費準備基金の残高は過去最高の約30億円余となりました。第7期事業を見込んで今年度予算で約7億円余を積み立て、2017年度決算でさらに約5億円余の積み増しで、合計残高42億3000万円余となったことの考えられる主な理由は、保険料が高かったこととか、
サービス給付抑制を行ったことになります。制度が変わるたびにサービスが利用しづらくなる状況に拍車がかかっています。給付を減らして基金の積み増しはやめ、介護が必要な人がサービスを受けやすくし、保険料の引き下げをやるべきであり、反対です。
第74号議案は、2017年(平成29年)度決算に基づくもので、歳入では決算年度の実質収支の半分を繰越金として計上し、残り半分は財政基金に積み立て、歳出では各款の
過年度分実績確定に伴い、国と都に返還したものが主な中身となっています。
歳出の
産業経済費、
羽田空港跡地における
産業交流拠点の形成について、
産業交流施設における受発注主体の構築検証に係るコンサルタントへの委託経費3629万3000円が計上されました。委員会質疑の中で、区は、2020年まで
羽田空港跡地第1ゾーン第一期事業が進められ、それを契機に
区内中小企業への新たな販路拡大の機会を模索するための業務委託と説明をしましたが、
区内中小企業とのマッチングを図るためとして、空港跡地第1ゾーン土地購入165億円を投入し、1平米当たり6000円で賃貸し、月額2400万円、年間2億8800万円、合計で144億円の財政投入となりますが、この財政投入と委託経費との関係性が理解できません。また、今回の補正により半年かけて検証し、その後、対応について検討するとのことですが、今後さらなる委託費が発生をしかねません。
しかし、耐震診断・改修助成で
ブロック塀等改修工事助成、病後
児保育事業新規整備1か所、
小中学校就学援助金の
学用品費補助の単価増大などは評価できるものであり、賛成とします。
以上で討論を終わります。(拍手)
○岸田 議長 次に、47番
奈須利江議員。
〔47番
奈須利江議員登壇〕(拍手)
◆47番(奈須利江 議員) フェアな民主主義、奈須利江です。
第74号議案、第78号議案について、反対の立場から討論いたします。
第74号議案 平成30年度大田区
一般会計補正予算(第3次)につきまして、反対の立場から討論します。
第2回定例会で大田区は、羽田空港が沖合に移転した後にできた
羽田空港跡地5.9ヘクタールを、鹿島建設を筆頭に9社でつくる羽田みらい開発に50年間、1平方メートル当たり600円で貸し出すために165億円で買う議案を議決し、その後、購入しています。
今回の補正予算は、この羽田空港の跡地に羽田みらい開発が建設するビルに入居する企業と大田区内の企業が受発注できるようにするための
仕組みづくりを検証するのにかかる経費3629万3000円です。跡地に羽田みらい開発が建築する建物の総床面積は12万5400平米で、そのうちの
先端産業事業スペース9万2600平米の中の大田区が借り上げる4000平米にかかわらず、入居事業者と区内産業を結びつけ、受発注につなげるための仕組みや、ネット上のサイトをつくるための経費で、コンサルに委託する予定だそうです。
大田区が国から購入したこの土地5.9ヘクタール、165億円という価格は時価だそうですが、その理由は、国の定める減免規定に合っていないからです。国は、保育園や介護施設ほか、公共性が認められる目的で使用するときに土地の取得の減免を認めています。大田区がこの跡地を購入した後、50年の
定期借地権方式で貸し出すというのは、国の定める減免基準に合っていないということです。実際、この跡地は普通財産として大田区が貸し付けます。地方自治体の持っている財産は公有財産と呼ばれ、これは行政財産と普通財産とに分けられます。行政財産とは、
普通地方公共団体において公用または公共用の目的で使う財産で、普通財産とは、行政財産以外の公有財産を言います。跡地は公用でも公共用でもない目的で使用されているということで、跡地も羽田みらい開発が営利活動のために使えるということです。
大田区は、この5.9ヘクタールを大田区が使うより、民間事業者が大田区と国とで決めた使い方で使ったほうが目的を達成できると判断して事業者募集しました。行政がやるより
民間事業者がみずからの資金とノウハウで実施する事業のほうがすぐれたアイデアがあると判断したのです。実際、大田区は、事業者が提案した波及効果、
区内ものづくり企業の
既存ビジネスのチャンスを拡大するとともに新たな産業分野への参入機会を増大させる、区内産業の活性に寄与するという項目を評価して、鹿島建設を代表企業とする
提案グループ構成員8事業者、協力会社20事業者でつくる羽田みらい開発を選考しています。
羽田みらい開発は、波及効果として
区内ものづくり企業の
既存ビジネスのチャンスを拡大するとともに新たな産業分野への参入機会を増大させる、区内産業の活性に寄与すると提案しているのです。それなのに、コンサルに3629万円も支払って、さらに区内企業と連携させる仕組みをつくる必要があるでしょうか。
そもそも、民間の提案がなければ区内企業との連携ができない大田区が、羽田みらい開発から床を4000平米借りて
区施策スペースを運営する意味はどこにあるのでしょう。建物は民間に建設させ、運営の提案は民間のコンサルに任せるなら、大田区は中身のない
テナント貸し出し業としての役割しか担っていないのではないでしょうか。
議案質疑で、大田区がコンサルに3629万円支払って受発注主体の構築を検証させなければ、跡地の
産業交流施設の中の、入居する企業と大田区内の企業との連携はとれないのか。今回の調査は、羽田みらい開発の提案が不十分で、効果が期待できないから行うということか。大田区がコンサルに調査させる区内産業との連携の仕組み構築と羽田みらい開発が提案する内容はどこがどう違うのか。3点を伺いましたが、質疑に際し、答弁を大田区はできませんでした。羽田みらいが
区内ものづくり企業の
既存ビジネスのチャンスを拡大するとともに新たな産業分野への参入機会を増大させる、区内産業の活性化に寄与すると言っているのですから、今回の補正予算の調査を認めることは、羽田みらいの提案が不十分なのか、同じ提案にさらに3629万円もの支払いをすることになり、無駄になるわけです。だから違いを説明することもできません。説明のできない使途に区民の税金を投入する必要はありません。
しかも、この跡地は国家戦略特区に指定されているとともに、昨年、サンドボックスに指定されました。指定された昨年3月、空港まちづくり部にサンドボックスとはどういう仕組みで、どのようなことが大田区に起きるのか聞きましたが、大田区は説明できず、答えられませんでした。それもそのはずで、制度は現在国会で継続審査中です。内容もわかっていない、法案も通っていない、それなのに松原忠義区長は、昨年、平成29年3月11日に小池百合子都知事と国家戦略特区の東京圏の自動走行サンドボックス分科会に出席して、「規制緩和の流れが社会を変えていくということを全国に先駆けて経験してきた自治体でございます。自動走行という世界的に見ても大変重要な課題について、小池百合子東京都知事のご提案によりまして、この羽田から始まろうとしていることに大変感激をしている」と発言した後、
羽田空港跡地第1ゾーンのまちづくりと関連づけ、整備事業者を公募、決定しているというふうにふれています。
日本経済新聞のサンドボックスの説明には、「現行法の規制を一時的に止めて特区内で新技術を検証できる制度。ドローン飛行や自動運転といった先端技術の実証実験を円滑に進めることができる。政府は同制度の創設を盛った国家戦略特区法改正案を今国会に提出している」と書かれていました。区長は規制緩和をよいものだと思っているようですが、その影響について検証したことがあるのでしょうか。現行法の規制を一時的にとめて、先端技術の実証実験を円滑に進めることの恐ろしさがどこまで実感できているのでしょう。現行法をとめるのがよいことなら、なぜ構造改革や規制緩和以前、それまで法を守り、実験といえども法規制や倫理観を守って技術開発が進められてきたのでしょう。法は私たちを守ってきたのです。遺伝子操作は何でも許されるわけではない、いくらもうかるからといっても武器や化学兵器の開発は行わないといった規制がありましたが、これさえもサンドボックスという制度は取り払おうとしています。
今回の調査を認めると、サンドボックス制度が成立してしまえば、区内企業と特区内の実証試験企業との積極的な連携システムができてしまいます。大田区はそこに関与し、区民への責任がとれるとは到底思えません。この調査は、曲がりなりにも特区内にとどめている現行法の規制を一時的にとめることを区外にまで広げかねない心配があり、反対です。
第78号議案 大田区手数料条例の一部を改正する条例について、反対の立場から討論いたします。
この条例改正は、国の建築規制の合理化のために行われる建築基準法の一部改正に伴う改正ですが、そもそも建築基準法の改正に問題があり、反対といたします。
今は建築物の接道要件として4メートル以上の道路に原則2メートルの接道を求めていて、これを建築審査会の同意がある場合に建築などが認められています。これは、現行の接道要件2メートルは本来不十分だが、地権者の権利を守るための措置として存在している、こうした位置づけであると思いますが、これが建築審査会の同意を不要にすれば、4メートル以上の道路に2メートル以上接道している土地は自動的に建設できることになってしまいます。そうなると、今後は、こうした接道要件2メートルは特例的な措置ではなく最低基準になってしまい、今後の接道要件は実質2メートルで運用されることになります。今後、土地の分割なども接道要件2メートルで行われる可能性があり、この改正を認めることは環境が悪くなる方向への誘導にもなりかねず、反対です。
また、仮設興行場などの仮設建築物の設置期間の特例ですが、仮設の建物は避難、安全などの規制が通常の建築物に比べ緩くなっています。例えば、私たち大田区に隣接する大井町駅近くにある劇団の建物や、そこに隣接して娯楽施設などもありますが、こうした建物も規制緩和の対象になる可能性があります。仮設の建物を認める期間の上限がないため、利用が長期化する可能性もありますし、たとえ短期でも大勢が使用する可能性がある建物や、集中的に使用する可能性がある場合など、必ずしも安全や避難の規制を一律で緩めることが適当とは言えないと思います。仮設を理由に建築規制逃れが進む心配があり、反対です。(拍手)
○岸田 議長 以上をもって討論を終結いたします。
採決に入ります。
まず、本案中、第75号議案 平成30年度大田区
国民健康保険事業特別会計補正予算(第1次)、第76号議案 平成30年度大田区
後期高齢者医療特別会計補正予算(第1次)及び第77号議案 平成30年度大田区
介護保険特別会計補正予算(第1次)の3件を一括して起立により採決いたします。
本案に対する委員長の報告はいずれも原案可決であります。本案は委員長報告のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
〔賛成者起立〕
○岸田 議長 起立多数であります。よって本案はいずれも委員長報告のとおり決定いたしました。
次に、第74号議案 平成30年度大田区
一般会計補正予算(第3次)及び第78号議案 大田区手数料条例の一部を改正する条例の2件を一括して起立により採決いたします。
本案に対する委員長の報告はいずれも原案可決であります。本案は委員長報告のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
〔賛成者起立〕
○岸田 議長 起立多数であります。よって本案はいずれも委員長報告のとおり決定いたしました。
次に、第93号議案
大田区営大森西一丁目第2アパート及び大田区立お
おもり園耐震補強その他
工事請負契約についてほか1件を一括して採決いたします。
本案に対する委員長の報告はいずれも原案可決であります。本案は委員長報告のとおり決定することにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○岸田 議長 ご異議なしと認めます。よって本案はいずれも委員長報告のとおり決定いたしました。
〜
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
○岸田 議長 日程第2を議題とします。
〔
鴨志田事務局長朗読〕
△日程第2
第79号議案 大田区
青少年交流センター条例 ほか4件(
委員会審査報告)
――
――――――――――――――――――
地域産業
委員会審査報告書
本委員会に付託された議案は、審査の結果、下記のとおり決定したので報告する。
平成30年9月26日
大田区議会議長 岸 田 哲 治 様
地域産業委員長 大 橋 武 司
記
┌───────────────────────────────────────┬────────┐
│議 案 名 │結 果 │
├───────────────────────────────────────┼────────┤
│第79号議案 大田区
青少年交流センター条例 │原案可決 │
│第80号議案 大田区
コミュニティセンター羽田旭条例の一部を改正する条例
│ │
│第81号議案
大田区立勝海舟記念館条例 │ │
│第82号議案
大田スタジアム条例 │ │
│第95号議案 区の義務に属する損害賠償の額の決定について
│ │
└───────────────────────────────────────┴────────┘
――
――――――――――――――――――
○岸田 議長 地域産業委員長の報告を求めます。
〔24番大橋武司議員登壇〕(拍手)
◎24番(大橋武司 議員) ただいま上程されました第79号議案 大田区
青少年交流センター条例ほか4件につきまして、所管地域産業委員会における審査経過並びに結果のご報告を申し上げます。
初めに、主な質疑について申し上げます。
まず、第79号議案 大田区
青少年交流センター条例につきまして、公共施設は人件費や減価償却費を使用料に転嫁すべきではなく、電気代、水道代、清掃代等、最小限度の使用料とすべきと考えるがいかがかとの質疑に対し、本施設は昭和60年の建設以来、使用料の見直しを行っていない。受益者負担の適正化を図るため、恒常的経費、一時的経費、減価償却費等を踏まえ、施設使用料算定基準の考えをもとに、近隣の民間及び公共施設との料金比較も行い使用料を算出しているとの答弁がなされました。
また、ユニバーサルデザインなど、障がい者への配慮が必要と思うが、どのように考えているか伺いたいとの質疑に対し、全室の入り口で基準以上の幅を確保しているほか、バリアフリー法に基づき、聴覚障がい者向けに光の点滅による火災報知器等の設置を進めるなど、ユニバーサルデザインに配慮した施設として機能できるよう整備している。整備に当たっては、ユニバーサルデザインパートナー会議において、障がい者の方からも意見を伺いながら検討しているとの答弁がなされました。
次に、第80号議案 大田区
コミュニティセンター羽田旭条例の一部を改正する条例につきまして、羽田旭町は交通の不便な地域であり、住民にとっては環境が整っているとは言えないような場所で使用料金を設けるのはいかがかとの質疑に対し、児童館及び適応指導教室の仮設施設としての運営が終了するに当たり、もともと使用料を設定していたふれあいルームの運営を再開するものである。使用料については、平成29年4月1日の料金改定と同様の計算方法により見直しているとの答弁がなされました。
次に、第81号議案
大田区立勝海舟記念館条例につきまして、池上梅園や龍子記念館などは6歳未満と65歳以上、また障がい者も入館料を無料としており、シニアや障がい者に対する配慮も必要と思うがいかがかとの質疑に対し、規則の中で高齢者や障がい者への減免規定を考えており、また、利用しやすいような割引、年間パスなども検討しているとの答弁がなされました。
次に、第82号議案
大田スタジアム条例につきまして、スポーツ以外の使用としてイベント等が考えられる。例えば、夜間のイベント後、早朝に野球があるといったスケジュールの場合、グラウンドの整備も大変になるなどの懸念があるが、どのように考えているのか伺いたいとの質疑に対し、多目的な使用を促進しつつも、野球場としての使用に支障があってはならないため、整備については指定管理者に指導をしていくとともに、実際に使う際には養生をしてもらうなどのルールを今後詰めていきたいと考えているとの答弁がなされました。
次に、第95号議案 区の義務に属する損害賠償の額の決定につきまして、今回のような事象があった際、どういう根拠に基づき、どちらが負担するというのが決まっているのか伺いたいとの質疑に対し、朝陽区とは20年以上友好交流を継続しており、日中青少年相互交流事業実施要綱に基づき、派遣側は渡航費用を負担し、受け入れ側は滞在費用を負担しているとの答弁がなされました。
以上の後、討論を行いましたところ、第79号議案、第80号議案及び第82号議案につきまして、反対、賛成の態度がそれぞれ表明されました。
その際、反対の立場から、第79号議案につきまして、人件費は区民に負担させる経費ではなく、また、減価償却費は民間の考え方である。公共施設は世代間の負担の公平を図るべきで、利用者に負担を負わせる考えを撤回することを求める。
第80号議案につきましては、ふれあいルームのみが値上げとなり、体育室及び集会室は値上げになっていないが、交通も不便で、環境も必ずしもよくない地域であることから、無料または廃止前の料金とすべきであり、反対する。
第82号議案につきましては、本来の目的である野球使用を優先する規定等がなく、現在の大田区総合体育館のように区民が締め出され、営利目的の企業、団体が中心になりかねないため、反対するとの意見・要望がありました。
一方、賛成の立場から、第79号議案につきまして、利用者の安全確保については、指定管理者はもちろん、区としても細心の注意を払い、事件・事故の防止、不健全な利用の抑制に努めるよう要望する。設置目的でもある国際交流を推進する拠点となるよう、教育委員会や国際都市・多文化共生推進課などの各所管との連携を深め、施設運営の充実を図るよう要望する。
第82号議案につきまして、旧スタジアムと比較し、利用時間の拡大と多目的利用の促進という大きな変更があり、利用者の利便性と地域の魅力向上に資するものであると考え、賛成するとの意見・要望がありました。
次に、第81号議案及び第95号議案につきましては、全員賛成の態度が表明されました。
その際、第81号議案につきまして、池上梅園や龍子記念館など、他の区有施設と同様に、未就学児童や高齢者、さらに障がい者への減免措置もあわせて検討するよう要望する。基金等、会館建設に協力された資金提供者に対しての入館料の設定などの見直し、改善を要望する。区立という枠も超えて、小中学生だけではなく高校生に向けた取り組みについても今後考えるよう要望する。
第95号議案につきまして、今後も継続して行われる本事業のさらなる発展のため、今回の事象の諸事情をしっかりと精査した上で、再発防止に取り組んでもらうよう要望するとの要望がありました。
以上の後、採決を行いましたところ、第79号議案、第80号議案及び第82号議案につきましては、賛成者多数で
原案どおり決定をいたしました。
また、第81号議案及び第95号議案につきましては、全員異議なく
原案どおり決定をいたしました。
以上、所管地域産業委員会における審査経過並びに結果のご報告とさせていただきます。(拍手)
○岸田 議長 討論に入ります。
本案については、黒沼良光議員、
奈須利江議員から通告がありますので、順次これを許します。
まず、34番黒沼良光議員。
〔34番黒沼良光議員登壇〕(拍手)
◆34番(黒沼良光 議員) ただいま上程されました第79号議案 大田区
青少年交流センター条例に
日本共産党大田区議団は反対します。
反対の第1の理由は、条例の一旦廃止する際の理由に、長期間なのでという理由でした。名称も変わり、平和島ユースセンターの目的に地域交流と国際交流の二つの目的が加わり三つの目的となるなど、長期間なのでという理由ではなかったということです。もう一つの
大田スタジアム条例が条例名称が変わらないのを見ても不適切でした。
反対の第2の理由は、使用料の値上げの理由に、人件費と減価償却を加えたことです。一人でも多くの区民に利用してもらう立場の地方自治法の公共施設としてではなく、受益者負担という税金を取らないで採算が合うか否かで使用料を決める民間方式で値上げしていることです。減価償却は事実上、施設の建設にかかった費用を回収するというものです。区民の税金で建てた施設に、なぜ納税者の区民がこの分も加算された使用料としてお金を払うのか、全く説明がつきません。委員会でこの立場からの態度表明が日本共産党区議団以外なかったことは残念です。
地方自治法では、住民の福祉の増進の目的をもってその利用に供するための施設を公の施設としています。区の施設は、住民自治と住民生活の向上に役立つものとして多くの区民に利用されてこそ、その目的が達成されると言えます。したがって、誰もが利用できるように無料であるか安い料金であることが必須条件です。そのことを度外視して、公共性と区民の自主的、自発的な活動を民間の考え、受益者負担という基準に変身させてしまい、利用者に負担をかぶせるなどはおよそ自治体行政のやるべき姿勢ではありません。よって、反対です。
第82号議案
大田スタジアム条例に日本共産党区議団は反対します。
反対の理由は、青少年交流センターと同様、利用料の値上げです。一言申し上げます。これまでの大田スタジアムの利用条件を中心にすべきで、多目的使用に阻害されることのないよう運営されることを要望しておきます。
次に、第80号議案 大田区
コミュニティセンター羽田旭条例の一部改正について反対です。
今回の一部改正について、一時閉鎖していたふれあいルームの使用再開するための改正で、ふれあいルームの使用再開は賛成ですが、再開するに当たり、ふれあいルームの使用料値上げがあり反対です。廃止前の料金は午前、午後が600円、夜間が750円でしたが、それぞれ740円、920円で140円、170円の値上げです。体育館、集会室は廃止前料金と変わらないのに、なぜふれあいルームだけが値上げなのでしょうか、説明がつきません。同じく廃止前の料金にすべきです。以上です。(拍手)
○岸田 議長 次に、47番
奈須利江議員。
〔47番
奈須利江議員登壇〕(拍手)
◆47番(奈須利江 議員) フェアな民主主義、奈須利江です。
第79号議案 大田区
青少年交流センター条例、第80号議案 大田区
コミュニティセンター羽田旭条例の一部を改正する条例、第81号議案
大田区立勝海舟記念館条例、第82号議案
大田スタジアム条例について、反対の立場から討論します。
第79号議案 大田区
青少年交流センター条例、第80号議案 大田区
コミュニティセンター羽田旭条例の一部を改正する条例、第81号議案
大田区立勝海舟記念館条例は、施設の新設、改築に伴い、公共施設の設置条例を新たに制定、改定するための議案です。ところが、条例には施行日が記されておらず、施行日を規則に委ねています。議案の質疑の際に、施行日を規則で委ね、条例に明記しない理由を伺いましたが、ちゃんと答弁されませんでした。また、条例に施行日を明記しなければ、施行日が大幅に延びたり、施設の機能別に施行日を変えることも可能ですが、条例を定めてから施行までの期日の目安について質疑しましたが、こちらについても答弁はありませんでした。
過去の施設設置条例を見ると、施行日は条例に定めてきました。こうして施行日を議決が不要で行政内部で決める規則に委ねるのは最近になってからです。そこで、以前のように条例で施行日を規定しなくなってきているのはなぜか聞きましたが、これも答弁がありませんでした。確かに建築工事において不確定な要素があることは理解しますが、それでも過去にはきちんと工期を見極め、議案の提出時には条例に施設設置条例の施行日を定めてきました。ただでさえ不確定な要素のある建築行為において、行政の裁量に施行日を委ねれば、官も民も期日に対する期限を守ろうとする力が弱まり、行政も事業者も緊張感が失われるのではないかと心配です。今はそれでも行政が事業者に指導ができていますが、今後、行政から建築の専門性などがさらに失われれば、期日を守らず工事が行われても、それがやむを得ないものなのか、事業者の怠慢かさえわからなくなる日が来るでしょう。大田区は契約なので、契約不履行になるから大丈夫と言いますが、なら施行日は条例に記載すべきです。条例は区民との約束で、議会がそれを区民に担保する効力を持ちますが、施行日が決まらなければ約束は確定しません。
今年5月の第196国会ではPFI法が改正され、公の施設の建設管理運営が、施設設置条例で実質利用料金制や運営権の移転の許可、指定管理者の指定にかかわり、一定金額以内で施設設置条例に定めがあれば議決が不要で事後承認でよくなるなど、行政の裁量権が大きくなり、議会が決めることがどんどんと小さく少なくなっています。行政の裁量権が大きくなっている上に、法改正でこうした権限を大きくすれば、相対的に議会の力は小さくなります。区民の代表で代弁者である議会の方が小さくなることは、区民の権限が小さくなるということにほかなりません。議会は行政に白紙委任すべきではなく、反対です。
特に、青少年センター条例は、隣接するホテル棟をオリンピックまでは大田区では使えないのではないかといったうわさも流れています。こうした区民の不安に対して、条例に施行日を書き込むことこそが、うわさが事実無根だということの証明にほかなりません。
また、青少年センター条例ですが、ホテル棟の使用料の上限を6600円にしています。先ほど指摘したPFI法の改定に伴い、指定管理者制度の利用料金は、条例で上限が定められているとき、事業者の裁量で変えられるようになりました。6600円の上限は民間のホテル並みのコストです。青少年センターがこうして利用料金の上限を条例で書き込めば、指定管理者制度の利用料金制で運営されれば、事業者は議決なく事後報告で区外利用の料金を空き室の利用促進事業として、指定管理者が上限6600円の範囲で自由に料金改定でき、区民の財産でつくった施設で実質ホテル運営できる可能性が出てきています。区民利用はコストを指定管理料で負担させる仕組みなので、事業者である青少年センターの指定管理者は、指定管理料の設定金額と利用料金によっては莫大な利益を上げることが可能です。実際、大田区の伊豆高原学園のPFIと利用料金制では、コスト計算がずさんで事業者のコスト負担を大きく設定しているため、指定管理者の指定管理料が多めに計算されていて、区民負担が大きく、指定管理者は楽にもうけられるコスト計算になっていました。
平和島ユースセンターは社会教育施設でしたが、青少年センターは社会教育施設ではなくなりました。社会教育施設ではなくなったことも反対の理由です。その上、隣にホテル棟を建設し、料金設定も青少年利用ではない区民利用どころか、空き室の利用促進事業として自主事業を前面に打ち出し、区外利用に重きを置いた料金設定です。空き室の利用促進事業を設定し、事業者の金もうけを前提にした施設を区民の税金で建設したことは大問題で、反対です。
大田スタジアム条例は利用料金の改定も同時に行っています。既に施設使用料を引き上げている他施設同様の改定額ですが、そもそも施設使用料を引き上げるべきではないと考え、施設使用料改定時にも反対していることから、反対いたします。(拍手)
○岸田 議長 以上をもって討論を終結いたします。
採決に入ります。
まず、本案中、第79号議案 大田区
青少年交流センター条例、第80号議案 大田区
コミュニティセンター羽田旭条例の一部を改正する条例及び第82号議案
大田スタジアム条例の3件を一括して起立により採決いたします。
本案に対する委員長の報告はいずれも原案可決であります。本案は委員長報告のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
〔賛成者起立〕
○岸田 議長 起立多数であります。よって本案はいずれも委員長報告のとおり決定いたしました。
次に、第81号議案
大田区立勝海舟記念館条例を起立により採決いたします。
本案に対する委員長の報告は原案可決であります。本案は委員長報告のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
〔賛成者起立〕
○岸田 議長 起立多数であります。よって本案は委員長報告のとおり決定いたしました。
次に、第95号議案 区の義務に属する損害賠償の額の決定についてを採決いたします。
本案に対する委員長の報告は原案可決であります。本案は委員長報告のとおり決定することにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○岸田 議長 ご異議なしと認めます。よって本案は委員長報告のとおり決定いたしました。
〜
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
○岸田 議長 日程第3を議題とします。
〔
鴨志田事務局長朗読〕
△日程第3
第83号議案
大田区立高齢者在宅サービスセンター条例の一部を改正する条例 ほか6件(
委員会審査報告)
――
――――――――――――――――――
健康福祉
委員会審査報告書
本委員会に付託された議案は、審査の結果、下記のとおり決定したので報告する。
平成30年9月26日
大田区議会議長 岸 田 哲 治 様
健康福祉委員長 渡 司 幸
記
┌───────────────────────────────────────┬────────┐
│議 案 名 │結 果 │
├───────────────────────────────────────┼────────┤
│第83号議案
大田区立高齢者在宅サービスセンター条例の一部を改正する条例
│原案可決 │
│第84号議案 大田区
介護保険条例の一部を改正する条例
│ │
│第85号議案
大田区立心身障害児通所施設条例の一部を改正する条例
│ │
│第86号議案 大田区
立志茂田福祉センター条例の一部を改正する条例
│ │
│第87号議案
大田区立上池台障害者福祉会館条例の一部を改正する条例
│ │
│第88号議案 大田区立障がい
者総合サポートセンター条例の一部を改正する条例
│ │
├───────────────────────────────────────┼────────┤
│議員提出第11号議案 大田区
心身障害者福祉手当条例の一部を改正する条例 │原案否決 │
└───────────────────────────────────────┴────────┘
――
――――――――――――――――――
○岸田 議長 健康福祉委員長の報告を求めます。
〔15番渡司 幸議員登壇〕(拍手)
◎15番(渡司幸 議員) ただいま上程されました第83号議案
大田区立高齢者在宅サービスセンター条例の一部を改正する条例ほか6件につきまして、所管健康福祉委員会における審査経過並びに結果のご報告を申し上げます。
初めに、主な質疑について申し上げます。
まず、第83号議案
大田区立高齢者在宅サービスセンター条例の一部を改正する条例につきまして、介護保険制度が制度化される以前、高齢者の在宅支援は区の役割であったと考えるが、現在、区の役割はどのように変化したのかとの質疑に対し、介護保険制度が制度化された当初、通所介護事業所は23事業所のみであったが、現在は238事業所に増加している。区としては、民間の介護事業所の増加等の状況を踏まえ、より区民ニーズの高いサービスの確保に努めていくとの答弁がなされました。
また、区立高齢者在宅サービスセンターの活用について今後の方向性を伺いたいとの質疑に対し、今後については、区立高齢者在宅サービスセンターを一律に廃止していくということではなく、各施設の利用状況や地域の実情を考慮し、施設ごと個別に検討するとの答弁がなされました。
次に、第87号議案
大田区立上池台障害者福祉会館条例の一部を改正する条例につきまして、自立訓練事業の廃止に際し、現在の利用者に対してはどのような対応をするのか伺いたいとの質疑に対し、自立訓練の継続を希望する利用者については、本人の意向や場所が移動することによる利便性などを踏まえ、障がい者総合サポートセンターや志茂田福祉センターでの受け入れを検討するとの答弁がなされました。
また、区における生活介護事業所の今後の整備方針について伺いたいとの質疑に対し、「おおた障がい施策推進プラン」では、日中活動の場の整備方策として、区立障害者施設の機能の見直し等も検討項目としている。整備に当たっては、
民間事業者への整備支援等を踏まえた様々な検討を行っていくとの答弁がなされました。
次に、第88号議案 大田区立障がい
者総合サポートセンター条例の一部を改正する条例につきまして、障がい者総合サポートセンターにおいても放課後等デイサービス事業を実施するとのことであるが、障がい者総合サポートセンターならではの特徴はあるのかとの質疑に対し、障がい者総合サポートセンターの放課後等デイサービス事業は、医師の診察を行い、療育が必要であると診断された児童に対して実施することに加え、発達障がいのある児童に特化し、障害の特性ごとにグループをつくり、療育を行う。また、児童の送迎は行わず、センターに通うことも一つの訓練と捉え事業を実施していくとの答弁がなされました。
次に、議員提出第11号議案 大田区
心身障害者福祉手当条例の一部を改正する条例につきまして、条例改正により支給対象となる人数や年間予算額について伺いたいとの質疑に対し、平成30年3月31日現在、区内の精神障がい者のうち、障害等級1級の方が245人、2級の方が2174人であり、合計2419人が支給対象となると想定している。また、予算としては年間4億8700万円程度を上限として試算しているとの答弁がなされました。
また、他区の支給状況について理事者に伺いたいとの発言に対し、精神障がい者の方に対しては、大田区を含め23区中7区で手当を支給している。また、支給対象については、いずれの区においても障害等級が1級の方のみであるとの説明がなされました。
以上の後、討論を行いましたところ、第83号議案、第87号議案及び議員提出第11号議案につきまして、反対、賛成の態度がそれぞれ表明されました。
その際、反対の立場から、第83号議案につきまして、大田区が高齢者福祉事業の指導、監督をするためには、区立高齢者在宅サービスセンターの役割は必要であり、残すべきと考えるため、反対する。
また、第87号議案につきまして、今後、医療の発展に伴い、自立訓練や生活介護事業の利用者は増加すると想定される。そのため、事業を廃止するのではなく、事業自体の枠を広げることが大切であると考え、反対する。
また、議員提出第11号議案につきまして、精神障害の状況や他区における手当の支給実態、後年度の財政負担に鑑み、現時点で支給対象の拡大を図ることは適切ではないと判断し、反対する。精神障がいのある方に対する支援については、まず社会参加への支援を進めることが重要であると考える。区は、チャレンジ雇用に取り組むなど、障がい者が最大限に活躍できるような支援を行っており、こうした施策のさらなる拡充を図ることが必要であると考え、反対するとの意見が述べられました。
一方、賛成の立場から、第83号議案につきまして、現在の利用状況及び地域の
介護サービス事業所の状況なども把握した上での廃止であり、賛成する。今後も地域の状況や他の不足しているサービス等とのバランスなども考慮し、効果的で包括的な高齢者支援を推進することを要望する。
また、第87号議案につきまして、自立訓練事業の廃止に伴い、現在の利用者に寄り添った丁寧な説明を行うことを要望する。
また、議員提出第11号議案につきまして、現在、精神障がい者への手当は障害等級1級の方のみであるが、経済的な基盤の確保が難しい2級の方の社会参加を促すための支援が必要と考え、賛成する。身体障がい者の場合は、既に障害等級2級の方まで手当が支給されており、公平に手当を支給すべきと考え、賛成するとの意見・要望が述べられました。
次に、第84号議案、第85号議案、第86号議案及び第88号議案につきましては、全員賛成の態度が表明されました。
その際、第84号議案、第85号議案、第86号議案につきまして、法改正に伴う規定の整備等であるため、賛成する。
また、第88号議案につきまして、医療的ケアの必要な障がいの重い方の短期入所や学齢期の発達障がい児支援のための新たな事業であり、医療、福祉、教育のさらなる連携を図る中核的な施設として本事業を力強く牽引していただくことを要望するとの意見・要望が述べられました。
以上の後、採決を行いましたところ、議員提出第11号議案につきましては、賛成者少数で否決されました。
また、第83号議案及び第87号議案につきましては、賛成者多数で
原案どおり決定いたしました。
また、第84号議案、第85号議案、第86号議案及び第88号議案につきましては、全員異議なく
原案どおり決定いたしました。
以上、所管健康福祉委員会における審査経過並びに結果のご報告とさせていただきます。(拍手)
○岸田 議長 討論に入ります。
本案については、福井亮二議員から通告がありますので、これを許します。
〔36番福井亮二議員登壇〕(拍手)
◆36番(福井亮二 議員)
日本共産党大田区議団は、第83号議案、第87号議案に反対し、議員提出第11号議案に賛成をします。以下、理由を述べます。
第83号議案
大田区立高齢者在宅サービスセンター条例の一部を改正する条例は、南馬込在宅サービスセンターを廃止するための改正です。質疑の中で、利用率が42%であり、
民間事業者でフォローできる旨の答弁がありました。廃止するのではなく、どうすれば利用率を上げるべきかを考えることこそ必要です。大田区が高齢者福祉事業の指導、監督をするためには区立高齢者在宅センターの役割は必要であり、残すべきであり、反対します。
第87号議案
大田区立上池台障害者福祉会館条例の一部を改正する条例は、改正理由の中に自立訓練(機能訓練)事業を廃止し、生活介護事業の定員増を図るためとあります。東京都重症心身障害児(者)通所事業の定員増を図ることは、今後ニーズは増えていくことが予想される中で必要なことであり、やるべきことだと認識をしています。しかし、問題なのは別の事業を廃止することです。自立訓練(機能訓練)は地域にあることが大切だと考えます。現在の上池台福祉会館の自立訓練利用者は、今後、さぽーとぴあ、志茂田福祉センターに振り分けられることになります。このことにより、訓練に行けない利用者が出ることが懸念されます。今後、医療が発展することに伴い、自立訓練(機能訓練)や生活介護事業の利用者が増える方向です。我が党は全体の事業自体の枠を広げることが大切であり、廃止すべきではないと考え、その立場から反対します。
議員提出第11号議案 大田区
心身障害者福祉手当条例の一部を改正する条例は賛成をいたします。2016年に大田区心身障害者福祉手当の支給対象者に精神障がい者の手帳取得者1級の人を加える条例改正が行われました。今回の条例案は、2級の人も支給対象にするために行うものです。厚生労働省の調査では、身体障がい者児は392万人、知的障がい者は74万人、精神障がい者は392万人であり、人口1000人当たり身体障がい者は31人、知的障がい者は6人、精神障がい者は31人となります。精神手帳1級は245人に対し、手当が支給されている方は半分以下の93人になっています。この差は、入院されている方に支給されないからです。精神障がいの方々が実際に地域での活動を支援するためには2級の方に手当を広げることが必要だと考えます。身体、知的、脳性麻痺の方々には20歳以上、20歳未満として手当が支給されていますので、精神障害もこの例に従い、1級及び2級の20歳以上の人に1万7500円、20歳未満の人に4500円を支給する改正です。実際に当事者と家族の方のご苦労に報いるには、この金額をもって十分とは言えませんが、せめてほかの障害と同等にして、社会参加を助長するためにどうしても必要です。ほかの会派の中で、違う施策に振り向けるべきではないかとの意見もありました。このような福祉施策はどちらかを選ぶのではなく一緒に行い、福祉施策のボトムアップこそ必要だと考えます。ほかの障害との均衡を図ることによって差別を解消することも検討すべき時期になっていると考え、賛成討論といたします。以上です。(拍手)
○岸田 議長 以上をもって討論を終結いたします。
採決に入ります。
まず、本案中、議員提出第11号議案 大田区
心身障害者福祉手当条例の一部を改正する条例を起立により採決いたします。
本案に対する委員長の報告は否決でありますので、原案について採決いたします。本案は原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
〔賛成者起立〕
○岸田 議長 起立少数であります。よって本案は否決されました。
次に、第83号議案
大田区立高齢者在宅サービスセンター条例の一部を改正する条例及び第87号議案
大田区立上池台障害者福祉会館条例の一部を改正する条例の2件を一括して起立により採決いたします。
本案に対する委員長の報告はいずれも原案可決であります。本案は委員長報告のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
〔賛成者起立〕
○岸田 議長 起立多数であります。よって本案はいずれも委員長報告のとおり決定いたしました。
次に、第84号議案 大田区
介護保険条例の一部を改正する条例ほか3件を一括して採決いたします。
本案に対する委員長の報告はいずれも原案可決であります。本案は委員長報告のとおり決定することにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○岸田 議長 ご異議なしと認めます。よって本案はいずれも委員長報告のとおり決定いたしました。
〜
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
○岸田 議長 日程第4を議題とします。
〔
鴨志田事務局長朗読〕
△日程第4
第89号議案 大田区
被災市街地復興整備条例(
委員会審査報告)
――
――――――――――――――――――
まちづくり環境
委員会審査報告書
本委員会に付託された議案は、審査の結果、下記のとおり決定したので報告する。
平成30年9月26日
大田区議会議長 岸 田 哲 治 様
まちづくり環境委員長 深 川 幹 祐
記
┌───────────────────────────────────────┬────────┐
│議 案 名 │結 果 │
├───────────────────────────────────────┼────────┤
│第89号議案 大田区
被災市街地復興整備条例 │原案可決 │
└───────────────────────────────────────┴────────┘
――
――――――――――――――――――
○岸田 議長 まちづくり環境委員長の報告を求めます。
〔13番深川幹祐議員登壇〕(拍手)
◎13番(深川幹祐 議員) ただいま上程されました第89号議案 大田区
被災市街地復興整備条例につきまして、所管まちづくり環境委員会における審査経過並びに結果のご報告をさせていただきます。
初めに、主な質疑について申し上げます。
本案は、既に他の13区で条例制定されているとのことだが、本区においては、この時期の提案となった理由について伺いたいとの質疑に対し、これまで東京都の標準条例に基づき、条例制定するよう都から指導があった中、平成25年に国の法律が制定されたことを受け、大田区
災害復興本部条例案とともに検討し、この時期の提案となったとの答弁がなされました。
区民等への意識啓発については、まちづくり協議会や自治会・町会での議論のみでなく、災害が起きる前にもっと努力することが求められると考えるが、具体的な策はあるのか伺いたいとの質疑に対し、区民等への意識啓発については、防災対策を行うことで相乗効果が期待できると考えている。防災危機管理課において既に実施している普及啓発や出前講座とあわせ、本案の普及啓発を図ることで区民等の意識をより高めていきたいと考えているとの答弁がなされました。
本案による最長2年間の建築制限の実施について、具体的な制限内容を伺いたいとの質疑に対し、被災市街地復興推進地域に指定された場合、被災市街地特別措置法に基づき、土地の形質の変更または建築物の新築、改築などの建築行為に制限をかけるものである。再び災害が起きても被災しないまちづくりのため、事業などの導入が必要な区域を指定し、復興を速やかに行うことを目的としている。また、区域指定後の区域変更も可能であるとの答弁がなされました。
以上の後、討論を行いましたところ、第89号議案につきまして、賛成、反対の態度がそれぞれ表明されました。
その際、反対の立場から、本案は重点復興地区、復興促進地区に指定する基準を規則で定めるとし、個人の権利にかかわる重大な合意形成が区長の裁量に委ねられる問題があり、反対するとの意見が述べられました。
一方、賛成の立場から、大規模な地震等による被害を受けた際、被災市街地の整備にかかわる対策を総合的かつ計画的に推進するために必要な条例であり、賛成する。今後、ホームページや区報による情報提供はもとより、まちづくり協議会や自治会・町会などの会議を活用するなど、機会を捉え区民等に対して防災や震災後の都市復興に対する意識を深めてもらえるような継続的な取り組みを行うことを要望する。本案の根幹は、復興において区と区民等と事業者の間で協働という概念が共有されることであり、本条例の制定に当たっては、平常時におけるよりよい協働体制を区の責務において構築することを要望する。本条例の意義について、区民一人ひとりに理解を求めることは区の責任である。広報活動や職員の行動準備のためにも担当課の充実、有資格者の増員を求めるとの意見・要望が述べられました。
以上の後、採決を行いましたところ、第89号議案につきましては、賛成者多数で
原案どおり決定いたしました。
以上、所管まちづくり環境委員会における審査経過並びに結果のご報告とさせていただきます。(拍手)
○岸田 議長 討論に入ります。
本案については、
奈須利江議員、清水菊美議員から通告がありますので、順次これを許します。
まず、47番
奈須利江議員。
〔47番
奈須利江議員登壇〕(拍手)
◆47番(奈須利江 議員) フェアな民主主義、奈須利江です。
第89号議案 大田区
被災市街地復興整備条例について、反対の立場から討論いたします。
この条例は、災害等により重大な被害を受けた市街地の復興に際し、被災市街地の計画的な整備について必要な事項を定め、大田区、区民等及び事業者が協働して、被災市街地の整備に係る対策を総合的かつ計画的に推進することにより、災害に強い活力ある市街地の形成を図り、もって安全・安心な区民生活の実現を図ることを目的とするための条例です。早く言えば、災害後、早く復興させるための条例です。
確かに災害後、速やかに日常生活に戻れることは誰もが願うことです。しかし、規模の大きな災害になればなるほど、復旧・復興は簡単ではありませんし、復旧・復興を急げばそれでいいといった単純なものでもありません。復興、中でもこの条例が対象としている住宅含めた建築物の復興には、個人の財産や暮らしや思いが密接にかかわってくるからです。この条例の目的は速やかな復興、つまり、壊れた建物などの街区をもとのように復興させること、あるいはさらに復興させることです。復旧ではありませんので、もとどおりに戻すのではありません。
この条例を読み、不明な点を議案上程時に質疑し、委員会での審議にも加わりましたが、どうしても理解できない部分がありました。委員会審議の後、東京都に電話して、ようやくこの条例の意図するところの全容が見えてきました。議案質疑の際に、なぜ区長が重点復興地区、復興促進地区、復興誘導地区を指定できるとし、区長に復興地区の優先順位を決めることを委ねるのか聞きましたが、大田区はそれには答えず、この条例が東京都に倣ってつくった条例であることを答弁から知りました。東京都が標準条例をつくったということです。東京都がなぜこうした標準条例をつくったか、東京都市街地整備部企画課にお電話して教えていただいたところ、標準条例をつくったのは次のような目的だということがわかりました。大地震などの災害後、建物が倒壊した後、時間がかからないよう、まちを短い時間に復興させること、木造密集地域など、もとのまちに戻さないよう防災に強いまちづくりができるよう、この二つの目的をかなえるためにこの標準条例をつくったのだそうです。
その際に参考にした事例が、阪神・淡路大震災のときの長田区などの復興だったそうです。阪神・淡路大震災のとき、復興が速やかに行われたのは、神戸市においてまちづくり協議会の活動が行われていたからで、神戸市まちづくり条例に基づく協議会の多くは復興に向けた取り組みへの立ち上がりが早く、日ごろのまちづくり活動の重要性が再認識されることになったのだそうです。
具体的には、震災後に、主に区画整理や再開発などの都市計画事業地区を中心にして、まちづくり協議会の活動が活発化し、100以上のまちづくり協議会が被災地につくられ、住民のまちづくり意向を集約し、行政に提案する機関として重要な役割を果たしたそうです。こうした神戸市長田区などのまちづくり協議会がまちづくり条例に盛り込まれていたことを参考にして、復興の手順を示したのが、今回東京都がつくっていて大田区が条例提案に至っている、そのもととなっている標準条例だそうです。
一般に、地区計画や区画整理事業など都市計画を進める際には、地権者あるいは地域のまちの人たちが集まり、勉強会を行い、アンケートを重ねて、まちの問題意識を共有した上で、一定割合以上の地権者の合意のもと、住民提案でまちづくりの素案を行政に提出し、それをもとに大田区の都市計画の素案ができて、地権者の合意形成を行ったり、パブリックコメントを行って都市計画決定をしていくことになります。
素案提案前までのこの合意形成に時間がかかるわけですが、仮に東京都のこの標準条例に倣って今回の被災市街地復興条例を大田区がつくると、区長が重点復興地区などを指定すると、区域のまちづくりの素案をつくるまでの住民の合意形成の部分が省略され、区長の指定が合意形成の根拠となって都市計画を進められるという形になっているのだそうです。東京都の市街地整備部企画課が言っているように、木造密集地域などが、震災後もとに戻すのではなく、防災力を高める形で建て替えられるようにできる、そのための復興条例なのだそうです。
この条例を使って復興させるということは、災害後に防災機能の低い密集している地域や防災構造になっていない地域に、そのことを理由にして都市計画の網がかかり、道路幅が広がったり、公園などの空間がつくられたりしながら、防災に強いまちとしての復興が事前の住民の合意形成なく始まることになります。区画整理事業や都市再開発を行いたくない地域でも、区長が重点復興地区に指定すると、大田区が区画整理事業や都市計画の案をつくり、合意形成を始めてしまうということです。反対者が多く、再開発や区画整理の難しいと思われる地域も、行政権限でスタートさせることができるわけです。始まってから反対することはできますが、区域の住民は仮設住宅に住んでいて、それが長期化するかもしれないときに、必ずしも全員が反対にはなりにくいでしょう。自分の家が道路にとられてしまい移転を余儀なくされる人もいれば、よい区画へ移転できる人もいるかもしれませんし、新しい集合住宅に入れることを希望する人もいれば、月々の管理費や共益費の負担ができず移転をしなければならない人も出てくるでしょう。しかも、実際に反対の権限を持つのが議会で、都市計画の合意形成の要件が一般に8割から9割という印象を持ちますので、それに比べれば過半数で決められます。発災を機によいまちをつくることは悪いことではありませんが、もとに戻すのではなく、通常行えば何年も、場合によっては10年単位で時間をかける合意形成を、災害だからと区長の地区の指定で合意形成を省略するやり方は心配です。東京都が成功事例として挙げてくださった神戸市長田区の復興では、復興は早かったかもしれませんが、多くの方たちがもとのまちに戻れなかったと聞いています。
条例は、復興の手順を示し、まちづくりの合意形成に当たるまちづくりの根拠を区長に与えるもので、合意形成の省略にほかなりません。木造密集地域はじめ、被災後もとのまちに戻すべきでないと現時点で大田区や東京都が考えている地域は既にわかっているはずです。こうした条例をつくるなら、今からもとのまちに戻すことが好ましくない対象区域はわかっているのですから、条例をつくるに際し、災害後は区長の強権で、大田区が強制的に都市計画の網をかけますよと公表すべきではないでしょうか。パブリックコメントの際にそうした説明はできていませんでした。
そもそも、東京都が標準条例をつくったのはかなり前と聞いています。そのときから区長に情報提供し、合意を積み重ねることもできたのではないでしょうか。あるいはそうした強制的な都市計画の網をかけられるのが嫌なら、今から防災に強いまちづくりが必要ですと働きかけるべきです。災害に乗じる形で合意形成を省略して、日ごろはできない防災のまちをつくるというのは、個人の権利を災害時なら省略していいということになり、問題です。
東京都も神戸市の復興とまちづくり条例を評価するなら、課題はあるものの、まだ神戸市に倣い、まちづくり協議会にこうした防災時のまちづくりを委ねるほうがいいのではないでしょうか。ところが、今回の条例提案ではあえてそれをせず、区長という個人に委ねさせる東京都の標準条例も問題ですが、それにそのまま倣う大田区の自治意識の低さにも落胆します。大田区や東京都は、一方で一極集中を促す都市計画を放置し、大田区内をさらに密集させています。本気で防災に強い大田区をつくるなら、人口を集中させない、人口密度を下げることこそが重要です。
災害が起きて、区民に再開発や区画整理が進んでから、なぜこうした強権的な条例をつくってしまったのかと必ず大きな問題になります。ところが、こうして住民の合意形成なく提案された復興事業に、区民は責務として協力せよという条例になっていて、声さえ上げにくくする、さらに問題のある条例です。どの程度の被害が重大で、重点地区、復興促進地区になるかは規則で委ねられるため、区長の裁量に個人の権利にかかわる重大な合意形成が委ねられる問題があり、反対といたします。(拍手)
○岸田 議長 次に、30番清水菊美議員。
〔30番清水菊美議員登壇〕(拍手)
◆30番(清水菊美 議員) 日本共産党区議団を代表いたしまして、ただいま上程されました第89号議案 大田区
被災市街地復興整備条例について、賛成の討論を行います。
今後30年間に大規模な地震が発生する可能性は高く、また、温暖化等による環境の変化による大型台風や、いわゆるゲリラ豪雨等の発生による被害も心配されております。災害に見舞われた際の復興整備の条例は重要です。他の13区では既にできていたのに、大田区は未整備でした。国の施策が進み、東京都が枠組みをつくったからと説明されましたが、事前から十分な準備がされたのか、区民に理解が得られているのかが問われております。
復興対策は被災後に区民生活の復興を進めることによって心の復興を実現し、被災後も安心して住み続けられ、生業も続けることができるまちづくりを進めることです。首長が災害復興という名目で大企業、大型開発、大型公共事業最優先で推し進め、被災者の切実な住まい、命の課題が置き去りにされるようなことがあっては決してなりません。
本議案の目的は、第1条において、「震災等により重大な被害を受けた市街地の復興に際し、計画的な整備について必要な事項を定め、区民等及び事業者が協働して、被災市街地の整備に係る対策を総合的かつ計画的に推進することにより、災害に強い活力のある市街地の形成を図り、もって安全・安心な区民生活の実現を図る」となっています。区長は、被害状況に応じて大田区都市復興基本計画を策定して、災害復興事業に当たるとなっていますが、第8条において、「区長は、区民等及び事業者の意見を聴く」となっており、さらに第9条において、「その意見が十分に反映されるよう必要な措置を講ずる」、災害に強いまちづくりを協働して行うよう努めなければならないと区長の責任を明確にしています。
重要なことは、復興基本計画の策定に当たっては、区民に強引に押しつけてはならないことです。区民の生活、住まいの権利、財産の確保、生業の確保が保障されることです。災害復興事業が住民の合意の上にあることです。
また、区と区長は、条例にあるように、平常時から災害が起きた際の減災のための施策、例えば危険な崖対策やブロック塀対策、家具転倒防止器具の取りつけや感震ブレーカー、耐震対策等への支援策を十分にすることです。区民の財産にかかわるなどとちゅうちょせず、申請を待つのではなく、積極的に防災まちづくりを進めることです。
最後に、区の責任として、本条例の意義を一人ひとりの区民に周知徹底するために、区報やホームページの掲載に終わらせず、全てのまちに区民とともにまちづくり協議会を設置するなど、あらゆる努力をすることを求めて賛成討論といたします。(拍手)
○岸田 議長 以上をもって討論を終結いたします。
採決に入ります。
本案を起立により採決いたします。
本案に対する委員長の報告は原案可決であります。本案は委員長報告のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
〔賛成者起立〕
○岸田 議長 起立多数であります。よって本案は委員長報告のとおり決定いたしました。
〜
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
○岸田 議長 日程第5を議題とします。
〔
鴨志田事務局長朗読〕
△日程第5
第90号議案
大田区立学校設置条例の一部を改正する条例 ほか2件(
委員会審査報告)
――
――――――――――――――――――
こども文教
委員会審査報告書
本委員会に付託された議案は、審査の結果、下記のとおり決定したので報告する。
平成30年9月26日
大田区議会議長 岸 田 哲 治 様
こども文教委員長 岡 元 由 美
記
┌───────────────────────────────────────┬────────┐
│議 案 名 │結 果 │
├───────────────────────────────────────┼────────┤
│第90号議案
大田区立学校設置条例の一部を改正する条例
│原案可決 │
│第91号議案
大田区立図書館設置条例の一部を改正する条例
│ │
├───────────────────────────────────────┼────────┤
│議員提出第12号議案 大田区
入学祝金支給条例 │原案否決 │
└───────────────────────────────────────┴────────┘
――
――――――――――――――――――
○岸田 議長 こども文教委員長の報告を求めます。
〔18番岡元由美議員登壇〕(拍手)
◎18番(岡元由美 議員) ただいま上程されました第90号議案
大田区立学校設置条例の一部を改正する条例ほか2件につきまして、所管こども文教委員会における審査経過並びに結果のご報告を申し上げます。
初めに、主な質疑について申し上げます。
まず、第90号議案
大田区立学校設置条例の一部を改正する条例につきまして、大森第七中学校の改築に伴う仮設校舎への移転に際し、運動会等様々な影響が出ることが想定される。そのための方策について伺いたいとの質疑に対し、今年の運動会は東京高校のグラウンドを借りて行った。また、部活動については、多摩川河川敷及び東調布公園のグラウンド等を代替として使用しているとの答弁がなされました。
仮設校舎を建設する分、余計なコストがかかるが、本校に限らず、仮設以外の方法を検討したのか伺いたいとの質疑に対し、仮設校舎を建設する方式は経費がより多くかかるため、他の方法を教育委員会としても検討しているところではある。仮設校舎をほかの学校で転用するという方式もあるが、学校の規模や敷地の形状等の条件が異なるため、採用が難しい状況であるとの答弁がなされました。
次に、第91号議案
大田区立図書館設置条例の一部を改正する条例につきまして、六郷図書館の竣工予定は当初、平成29年度末であったが、竣工が遅れた理由を伺いたいとの質疑に対し、土地に土壌汚染が見つかったことにより、土壌改良を行ったため竣工が遅れたものであるとの答弁がなされました。
バリアフリーという視点で、どのような改善を行ったのか伺いたいとの質疑に対し、車椅子やベビーカーも入れる、だれでもトイレを全フロアに設置した。また、エレベーターの設置や段差をなくし、バリアフリー化を図ったとの答弁がなされました。
六郷図書館にはどのような特色を持たせていくのか伺いたいとの質疑に対し、改築時でなければ設置が難しい授乳室や対面朗読室などのスペースを確保したほか、子ども室のコーナーには声が外に漏れないような小部屋を設置した。また、今後、跡地が創業支援施設になる予定であるので、そのような情報を捉えながら六郷図書館の運営に特色を持たせていきたいと考えるとの答弁がなされました。
次に、議員提出第12号議案 大田区
入学祝金支給条例につきまして、予算規模について伺いたいとの質疑に対し、支給対象者の人数から2億5962万円と推計しているとの答弁がなされました。
入学祝金の支給額の根拠について伺いたいとの質疑に対し、祝金という趣旨から、年齢差も考慮し、小学校入学時に2万円、中学校入学時に3万円という支給額が妥当と考えたとの答弁がなされました。
以上の後、討論を行いましたところ、議員提出第12号議案につきまして、反対、賛成の態度がそれぞれ表明されました。
その際、反対の立場から、小学校入学時、中学校入学時の支給額の差について、お年玉を参考にするなど根拠が乏しい。また、支給に当たっての事務手続きなどが不明瞭であり、十分な検討が尽くされたと考えられないため、反対する。就学援助や給食費の課題など、現在行われている制度をよりよくすることを優先すべきと考え、反対するとの意見が述べられました。
一方、賛成の立場から、児童・生徒が成長し、入学を祝う条例であり、賛成する。入学時は新たに学用品を買いそろえるなど出費が増える。子育て世代を応援することは受益者の大田区愛を醸成し、ひいては本区への定住促進に期待が持てると考え、賛成するとの意見が述べられました。
次に、第90号議案及び第91号議案につきましては、全員賛成の態度が表明されました。
その際、第90号議案につきまして、大森第七中学校の一時移転に伴う条例改正であり、賛成する。生徒が受ける工事の影響を最小限にとどめ、十分な環境整備に配慮することを要望し、賛成する。
第91号議案につきまして、仮設からの移行も含め、利用者の利便性をしっかりと確保した施設移行を要望し、賛成する。住民の学習権を保障する図書館として、区がしっかりとした考えを持つことを要望し、賛成する。施設のバリアフリー、授乳室や子ども室の配置など、子育て世帯への配慮がなされた図書館とのことであり、地域に愛され、一層利用者が増えることを願い、賛成する。区立小中学校との連携や障がい者も利用できる視聴覚設備の充実など、地域住民が利用しやすい運営や丁寧なレファレンスを要望するとの意見・要望が述べられました。
以上の後、採決を行いましたところ、議員提出第12号議案につきましては、賛成者少数で否決されました。
また、第90号議案及び第91号議案につきましては、全員異議なく
原案どおり決定いたしました。
以上、所管こども文教委員会における審査経過並びに結果のご報告とさせていただきます。(拍手)
○岸田 議長 討論に入ります。
本案については、菅谷郁恵議員から通告がありますので、これを許します。
〔33番菅谷郁恵議員登壇〕(拍手)
◆33番(菅谷郁恵 議員) 私は、議員提出第12号議案 大田区
入学祝金支給条例に賛成の討論を行います。
本条例は、小学校、中学校並びに特別支援学校等に入学する児童・生徒の入学を祝い、支給対象となる児童・生徒を扶養している保護者に対し、小学生2万円、中学生3万円を支給するものです。
現在、大田区では、妊娠時に1万円相当のカタログギフト、88歳のお祝い3000円、100歳5万円、108歳5万円、最高齢5万円でお祝いをしています。未来を担う子どもたちは大田区の宝です。おおた子ども・子育てかがやきプラン、第3期大田区次世代育成支援行動計画では、基本理念で「未来を担う子どもを育み子育てをみんなで支えるまちにします」と述べています。この基本理念に沿った施策が必要です。夢と希望、期待に胸膨らませる子どもたちを応援するための施策として提案したものです。
また、少子化対策の一助という考えもあります。少子化に歯止めがかからないのは、その大きな要因が教育費など経済的な負担の重さがあります。小中学の入学準備に必要なお金は平均約10万円以上と言われ、ランドセルでも4万円前後です。中学生になると決められた制服、運動着、靴、かばんなど絶対に必要なものに加え、文化・スポーツ部活動に必要な教材やユニホーム、靴など費用が必要になります。今、30歳から50歳の子育て世代の収入は約320万円から390万円で、実質賃金は下がり続けています。入学祝金はほんの一部ですが、軽減を図り、支援するものです。
委員会質疑では、「給食や教材など、ほかの経済的支援があるのではないか」、「親としてお金は欲しいが、検討が浅過ぎる」、「お年玉を参考にするとは」などのたくさんの意見が出ました。また、「支給に当たっての事務手続きが不明瞭であるなど十分な検討がなされていない」については、条例制定後に規則などで定めます。賛成のご意見もいただきました。党区議団は、お祝いする思いが一致できるのであれば、さらに充実させていく思いです。
子どもを持つ親たちは、経済的な問題に加えて、子どもの将来への不安など多くの悩みを抱えながらも頑張っています。こうした中で、
入学祝金支給条例は、大田区として子どもたちの成長を祝福し、さらなる成長を願う気持ちをあらわし、励ますものとなるのではないでしょうか。
以上、議員提出第12号議案 大田区
入学祝金支給条例の賛成討論とします。(拍手)
○岸田 議長 以上をもって討論を終結します。
〔45番犬伏秀一議員棄権〕
○岸田 議長 採決に入ります。
まず、本案中、議員提出第12号議案 大田区
入学祝金支給条例を起立により採決いたします。
本案に対する委員長の報告は否決でありますので、原案について採決いたします。
本案は原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
〔賛成者起立〕
○岸田 議長 起立少数であります。よって本案は否決されました。
〔45番犬伏秀一議員入場〕
○岸田 議長 次に、第90号議案
大田区立学校設置条例の一部を改正する条例ほか1件を一括して採決いたします。
本案に対する委員長の報告はいずれも原案可決であります。本案は委員長報告のとおり決定することにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○岸田 議長 ご異議なしと認めます。よって本案はいずれも委員長報告のとおり決定いたしました。
〜
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
○岸田 議長 日程第6を議題とします。
〔
鴨志田事務局長朗読〕
△日程第6
第92号議案 大田区
災害復興本部条例(
委員会審査報告)
――
――――――――――――――――――
防災安全対策特別
委員会審査報告書
本委員会に付託された議案は、審査の結果、下記のとおり決定したので報告する。
平成30年9月26日
大田区議会議長 岸 田 哲 治 様
防災安全対策特別委員長 岡 高 志
記
┌───────────────────────────────────────┬────────┐
│議 案 名 │結 果 │
├───────────────────────────────────────┼────────┤
│第92号議案 大田区
災害復興本部条例 │原案可決 │
└───────────────────────────────────────┴────────┘
――
――――――――――――――――――
○岸田 議長 防災安全対策特別委員長の報告を求めます。
〔42番岡 高志議員登壇〕(拍手)
◎42番(岡高志 議員) ただいま上程されました第92号議案 大田区
災害復興本部条例につきまして、防災安全対策特別委員会における審査経過並びに結果のご報告を申し上げます。
初めに、主な質疑について申し上げます。
災害対策本部と災害復興本部との関係性はどうなっているのかとの質疑に対し、災害対策本部は、災害対策基本法に基づき、災害が発生、または災害の発生するおそれがある場合において、防災の推進を図る必要があると認めるときに設置する。一方、災害復興本部は、本条例に基づき、震災等により重大な被害を受けた場合において、被災地の復興並びに区民生活の再建及び安定に関する事業を速やかに、かつ、計画的に実施するために必要があると認めるときに設置する。それぞれ目的や根拠法令が異なっており、大規模な災害時は、災害対策本部と災害復興本部はそれぞれの役割を担うこととなるとの答弁がなされました。
また、災害復興本部は議会との連携が重要と考えるが、災害復興本部と議会との連携による復興に向けた取り組みについて伺いたいとの質疑に対し、災害時における復興本部と議会の連携は非常に重要だと認識している。具体的な連携のあり方について、今後しっかりと協議を進めていく必要があると考えているとの答弁がなされました。
また、災害復興本部を速やかに立ち上げ、なおかつ区民の生活が戻るよう、長期間にわたって取り組んでいただきたいと思うが、考えを伺いたいとの質疑に対し、東京都では、首都として特に迅速な復興が求められることから、発災後約1週間での復興本部設置を計画している。都の復興体制に遅れることのないよう、復興体制を整えていくことが重要だと考え、約1週間から1か月を復興本部設置の目途とし、復興事業が完遂するまでは復興本部体制を維持していくものであるとの答弁がなされました。
また、平成23年の東日本大震災が起きたときにこの条例を制定した区もある中、かなりの時間が経過したこのタイミングで出してきた理由を教えていただきたいとの質疑に対し、これまで復興体制について検討を進めてきた中で、熊本地震の発生を受け、発災自治体の情報や国の動きを加味するなど、最新の情報を踏まえて作成したため、この時期となったとの答弁がなされました。
以上の後、討論を行いましたところ、第92号議案につきまして、全員賛成の態度が表明されました。
その際、本条例は、長期化する震災復興において、事業を速やかに計画的に行うために必要な本部組織を設置し、全庁を挙げて取り組む上で必要であるが、本部に関する事項の多くが規則に委ねられている。規則の整理後には、適切な場面で改めて復興本部の事業について明確に示すべきと考える。災害対応と同様に、復興においても区議会との連携を密にするよう要望する。震災で被害を受けたまちを復興させるため、既に制定されている様々な条例を相互に活かし、住民と丁寧な協議をするためにも、災害復興本部を設置することで可及的に対処できるため、賛成するとの意見・要望がありました。
以上の後、採決を行いましたところ、第92号議案 大田区
災害復興本部条例につきましては、全員異議なく
原案どおり決定いたしました。
以上、防災安全対策特別委員会における審査経過並びに結果のご報告とさせていただきます。(拍手)
○岸田 議長 討論に入ります。
本案については、
奈須利江議員から通告がありますので、これを許します。
〔47番
奈須利江議員登壇〕(拍手)
◆47番(奈須利江 議員) フェアな民主主義、奈須利江です。
第92号議案 大田区災害本部復興条例について、反対の立場から討論いたします。
この条例は、大田区災害復興本部を置くために必要な事項を定める条例です。災害等により重大な被害を受けた場合に、被災地の復興並びに区民生活の再建及び安定に関する事業を速やかに、かつ、計画的に実施するために必要があるときに区長が設置できることとされています。
しかし、具体的に災害復興本部が何をする機関なのか、その目的や役割がありません。第5条には廃止の条項もありますが、目的が達成されたと認めるときに本部を廃止するとしていますが、どんな目的をどの程度達成されたら災害復興本部を廃止するのかわかりません。そこで、条例に目的が明示されていないのはなぜか質疑したところ、第2条の「設置」という項目に書かれている。「大田区が震災等により重大な被害を受けた場合において、被災地の復興並びに区民生活の再建及び安定に関する事業、災害復興事業を速やかに、かつ、計画的に実施するため必要があると認めるとき、本部を設置する」部分をもって目的が書いてあると答弁しました。しかし、これは目的として定められているわけではありません。
本来、条例では、例えば第89号議案の被災市街地復興条例が、第1条で目的、第2条で用語の定義をするように、条文で明確に規定されていますが、そうした目的や定義がありません。被災地の復興並びに区民生活の再建及び安定に関する事業、災害復興事業だとするなら、災害復興事業は誰が決めるどんなものか、本部は何を決められるものかも曖昧です。この条例が示しているのは、区長が災害復興本部長になっていろんなことを決められるという指揮命令系統だけです。目的も定義されていない条例が区長に権限を委ね、しかも、それがいつまで続くかわからない条例で、ここでも大切なことは規則で委ねることになっています。
ワイマール憲法は、当時、最も民主的と言われた憲法です。そこから独裁者ヒトラーは生まれます。1933年3月24日に成立した、いわゆる全権委任法が生まれたことが、ヒトラーの独裁政府を生むことになったのです。当時、議会の立法権は完全に廃止されたわけではありませんでしたが、有名無実なものとなっていたようです。今も全権委任法という議会政治の廃止を議会自身が議決するというようなことがなぜ可能だったのだろうかと言われています。
私は、こうした歴史に学ぶべきであると感じています。国は、PFI法改正により、実質地方自治体における利用料金やPFIの議決を不要にしています。地方自治の侵害です。しかし、大田区議会の本議会においても、施設施行日を条例に委ねる、被災市街地の復興を名目に住民との合意形成部分を区長に委ねるなど、議会みずからが議会の権限を狭め、あるいは首長に権限を委ね、相対的に首長の権限を大きくしています。私たち大田区議会は歴史に学び、三権分立の立法府にいる者として、区民の声を代弁して区民に負託された立法権を堅持するために、首長への権限集中をチェックしなければなりません。そのために、この条例の条文構成はあまりにも不十分で、区長へのいたずらな権限の付与の増大になり、反対いたします。(拍手)
○岸田 議長 以上をもって討論を終結いたします。
採決に入ります。
本案を起立により採決いたします。
本案に対する委員長の報告は原案可決であります。本案は委員長報告のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
〔賛成者起立〕
○岸田 議長 起立多数であります。よって本案は委員長報告のとおり決定いたしました。
〜
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
○岸田 議長 会議が長くなりましたので、おおむね20分程度休憩といたします。
午後2時45分休憩
――
――――――――――――――――――
午後3時10分開議
○岸田 議長 休憩前に引き続き会議を開きます。
〜
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
○岸田 議長 日程第7を議題とします。
〔
鴨志田事務局長朗読〕
△日程第7
30第39号
国民健康保険料に係る子どもへの均等割の抜本的軽減を求める陳情 ほか8件(
委員会審査報告)
――
――――――――――――――――――
総務財政委員会請願・陳情審査報告書
本委員会に付託された請願・陳情は、審査の結果、下記のとおり決定したので報告する。
平成30年9月26日
大田区議会議長 岸 田 哲 治 様
総務財政委員長 伊佐治 剛
記
┌─────────────────────────────┬────────────────┐
│受理番号及び件名 │ 審査結果(決定月日) │
│ │ 意見または理由 │
│ │ 送 付 先 │
├─────────────────────────────┼────────────────┤
│30第39号
国民健康保険料に係る子どもへの均等割の抜本的軽 │不採択 (9.19) │
│ 減を求める陳情 │願意にそいがたい │
├─────────────────────────────┼────────────────┤
│30第41号 固定資産税及び
都市計画税の軽減措置の継続につい │採択 (9.19) │
│ て意見書の提出に関する陳情 │(意見書提出) │
├─────────────────────────────┼────────────────┤
│30第42号 固定資産税及び
都市計画税の軽減措置の継続につい │採択 (9.19) │
│ て意見書の提出に関する陳情 │(意見書提出) │
├─────────────────────────────┼────────────────┤
│30第43号 固定資産税及び
都市計画税の軽減措置の継続につい │採択 (9.19) │
│ て意見書の提出に関する陳情 │(意見書提出) │
└─────────────────────────────┴────────────────┘
――
――――――――――――――――――
地域産業委員会請願・陳情審査報告書
本委員会に付託された請願・陳情は、審査の結果、下記のとおり決定したので報告する。
平成30年9月26日
大田区議会議長 岸 田 哲 治 様
地域産業委員長 大 橋 武 司
記
┌─────────────────────────────┬────────────────┐
│受理番号及び件名 │ 審査結果(決定月日) │
│ │ 意見または理由 │
│ │ 送 付 先 │
├─────────────────────────────┼────────────────┤
│30第38号 被爆者が訴える
核兵器廃絶国際署名への賛同を求め │不採択 (9.19) │
│ る陳情 │願意にそいがたい │
└─────────────────────────────┴────────────────┘
――
――――――――――――――――――
健康福祉委員会請願・陳情審査報告書
本委員会に付託された請願・陳情は、審査の結果、下記のとおり決定したので報告する。
平成30年9月26日
大田区議会議長 岸 田 哲 治 様
健康福祉委員長 渡 司 幸
記
┌─────────────────────────────┬────────────────┐
│受理番号及び件名 │ 審査結果(決定月日) │
│ │ 意見または理由 │
│ │ 送 付 先 │
├─────────────────────────────┼────────────────┤
│30第40号 大田区新総合事業の充実と周知を求める陳情 │不採択 (9.19) │
│ │願意にそいがたい │
└─────────────────────────────┴────────────────┘
――
――――――――――――――――――
羽田空港対策特別委員会請願・陳情審査報告書
本委員会に付託された請願・陳情は、審査の結果、下記のとおり決定したので報告する。
平成30年9月26日
大田区議会議長 岸 田 哲 治 様
羽田空港対策特別委員長 安 藤 充
記
┌─────────────────────────────┬────────────────┐
│受理番号及び件名 │ 審査結果(決定月日) │
│ │ 意見または理由 │
│ │ 送 付 先 │
├─────────────────────────────┼────────────────┤
│30第35号 効果の無い国の落下物対策で、新飛行ルートを大田 │不採択 (9.21) │
│ 区は認めないでほしいと願う陳情 │願意にそいがたい │
└─────────────────────────────┴────────────────┘
――
――――――――――――――――――
交通臨海部活性化特別委員会請願・陳情審査報告書
本委員会に付託された請願・陳情は、審査の結果、下記のとおり決定したので報告する。
平成30年9月26日
大田区議会議長 岸 田 哲 治 様
交通臨海部活性化特別委員長 高 山 雄 一
記
┌─────────────────────────────┬────────────────┐
│受理番号及び件名 │ 審査結果(決定月日) │
│ │ 意見または理由 │
│ │ 送 付 先 │
├─────────────────────────────┼────────────────┤
│30第36号
リニア新幹線の説明会開催と認可に関する陳情 │不採択 (9.21) │
│ │願意にそいがたい │
├─────────────────────────────┼────────────────┤
│30第37号
リニア中央新幹線に関する陳情 │不採択 (9.21) │
│ │願意にそいがたい │
└─────────────────────────────┴────────────────┘
――
――――――――――――――――――
○岸田 議長 討論に入ります。
本件については、金子悦子議員、
奈須利江議員から通告がありますので、順次これを許します。
まず、35番金子悦子議員。
〔35番金子悦子議員登壇〕(拍手)
◆35番(金子悦子 議員) 日本共産党の金子悦子です。
私は日本共産党区議団を代表して、ただいま上程されました30第35号 効果の無い国の落下物対策で、新飛行ルートを大田区は認めないでほしいと願う陳情、30第36号
リニア新幹線の説明会開催と認可に関する陳情、30第37号
リニア中央新幹線に関する陳情、30第38号 被爆者が訴える
核兵器廃絶国際署名への賛同を求める陳情、30第39号
国民健康保険料に係る子どもへの均等割の抜本的軽減を求める陳情及び30第40号 大田区新総合事業の充実と周知を求める陳情の採択を求め、不採択とした委員長報告に反対する討論を行います。
まず、30第35号についてです。
国土交通省は今年の3月、落下物対策の強化策を発表し、落下物対策総合パッケージを公表し、世界に類を見ない落下物対策としています。国内外の航空会社や航空機メーカーに事業計画を提出させることとなっていますが、国土交通大臣が落下物のゼロを目指すとしていることからも、ゼロにすることは限りなく難しいことを意味しています。たとえ落下物が発生したとしても、海上であれば被害は最小限で済みます。しかし、2020年からの羽田空港機能拡充計画では、国際便の便数を倍加させるために、人口密集地域の都心、川崎のコンビナート、区内では城南島、京浜島上空を低空飛行することになり、危険性は増大します。
委員会の審議の中で、「効果があるかないか検証できない。落下物対策の強化策はこれからなので、今後の状況を見ないとわからないのではないか」等々の意見がありましたが、今でも事故を起こさないために必死の努力がされているはずです。しかし、5月24日、熊本空港を離陸した羽田行き日本航空ボーイング767−300型のエンジンの不具合による損傷部品が熊本県益城町中心部の病院や民家等に落下し、建物に被害を与えました。不幸中の幸いとして人命の犠牲は出ていませんが、一歩間違えれば大惨事になるところでした。氷の塊の落下についても、陳情に書かれているように、ゼロにすることは困難です。
また、一自治体が飛行ルートを決めることはできないと、国に区民の思いを伝えることも無理な話との意見がありました。しかし、特別区議会議長会が羽田空港の機能拡充に係る飛行経路について、これまで以上に騒音、落下物や事故その他の生活環境への影響が懸念されると、環境影響評価の実施を含んだ要望を提出しています。影響がある地域の区民に理解されていないことをあらわしており、安倍首相が施政方針演説で羽田増便問題について「地元の理解を得て」と言っていることからも、大田区は国に新飛行ルート、都心低空飛行を懸念が払拭できぬままで認めないでほしいと要望することです。
次に、30第36号、30第37号は、いずれも
リニア中央新幹線に関連して提出されたもので、30第36号の陳情は、JR東海が国土交通省に許可申請を出したことについて、区として申請内容についての説明会開催を国土交通大臣に要望し、住民が納得できるまで国交大臣に許可しないことを求めるもの、30第37号の陳情は、国に説明会を求め、JR東海に対し大深度地下使用認可をしないことを国に求める内容です。
JR東海による大深度地下法に基づく住民説明会は、大田区内で5月に1度開かれただけで、それ以外には開催されていません。この事実が広く住民に周知されているとは言えない状況です。大深度地下の工事の問題については、外環道工事で既に明らかとなっています。世田谷区野川で5月から6月にかけて地下水の流出や、酸素濃度が1.5%から6.4%の致死量に至る危険な酸欠気泡が発生し、工事が中断する事態が発生しています。
リニア新幹線工事でもこのような事態が起きる可能性がないとは言えません。
その際、国交省は酸素濃度について、世田谷区長や区職員が工事現場を視察しているにもかかわらず、世田谷区には知らせず、安全を軽視しているとの批判もありました。住民の生活を守り支える大田区として、住民の意思をくんで国交省及び国交大臣に要望することは必要です。大深度地下法では、認可の条件として安全の確保、環境の保全など基本方針を守るよう事業者に義務づけており、この義務に違反した場合、最も重い処分は認可取り消しということになります。補償についても、事後補償で告示から1年以内という期限つきというもので、住民側にとって不利益となるとの指摘もあります。
また、工事中に重大事態が発生した際は、「区としてJR東海に申し入れをする」との答弁でしたが、区はJR東海に対し事前にも説明を求めるべきです。
リニア中央新幹線は政府が国家的プロジェクトとして、総事業費9兆円のうち、財政投融資として3兆円の公的資金を投入して進められる事業です。形としてはJR東海という一民間企業の事業ということになっていますが、公的資金が投入されているということから国の責任は重大です。区民の命と財産を守るという立場に立って、陳情は採択すべきです。
30第38号は、陳情の趣旨と理由に「平和都市宣言をしている大田区として、
核兵器廃絶国際署名に賛同を。昨年、国連で核兵器禁止条約が採択され、今年は米朝会談が行われ、世界中から核兵器をなくすことが現実のものとなる情勢になってきました」とあります。平和の祭典に招待された長崎市長はじめ国際署名に賛同している自治体、首長は、20人の県知事含め1155首長が賛同し、全国1788自治体の64.59%を占めます。東京都では23区で8区、三多摩で14市と広がりを示しています。
人類史上初めて核兵器を違法化する核兵器禁止条約が、193の国連加盟国中3分の2に当たる122か国の賛成で採択されたのは歴史的な壮挙です。その国連会議で発言者から共通して強調されたのは、広島、長崎の被爆者が核兵器の非人道性を不屈に訴えてきたことへの感謝でした。条約の中身も最良のものです。核兵器の開発、実験、生産、製造、取得、保存、貯蔵が禁止され、また議論の途中で盛り込まれたのが他国を核兵器で脅し、みずからの支配を押しつける核抑止論の禁止です。これら禁止される行動を援助し、奨励し、または勧誘することも禁止されています。日本のように核の傘に入り、みずからの安全保障を図ろうとすることも禁止されています。日本政府は抵抗していますが、このように条約は抜け穴を全てなくすものとなっています。これらを全て違法化する内容の条約は、大田区平和都市宣言の内容にぴったりと一致します。採択を求めます。
30第39号
国民健康保険料に係る子どもへの均等割の抜本的軽減を求める陳情について、区は国保の構造的な問題についての認識を持っていますが、今年度から都道府県が財政運営の主体となり、段階的に法定外繰り入れを解消していくという方針から、今後の保険料の値上がりを心配する声が区民から上がっています。党区議団は先の第2回定例会で第2子以降の均等割額を免除することを求め、大田区国民健康保険条例の一部を改正する条例案を提出しました。陳情にもあるように、子どもの均等割は子どものいる世帯にとって重い負担となっています。所得区分に関係なく一律に負担を強いる均等割は、構造的問題を指摘されている国保制度の中で特に抜本的に手を打たなければいけないものであり、全国市長会からも要望が出されています。
委員会の質疑の中で、「区は低所得者対策として7割、5割、2割の独自の減免策を導入している」と繰り返し答弁していますが、それにもかかわらず滞納世帯が3割にも上る状況は、低所得者対策が不十分であることを示しており、早急に改善しなければいけません。国庫負担率を上げるよう国に要望するのとあわせて、区独自の均等割負担軽減策を講じる必要があり、陳情は採択するべきです。
30第40号は、2018年4月から本格実施された新総合事業について、利用者に寄り添ったきめ細やかなサービスと、多様な形と場所での受け皿の充実と、区民に届く普及広報活動を要望するものです。そもそも、第7期に当たって、要支援1・2を介護保険事業から地域の絆事業などに委ねるという介護外しは、要介護者の重度化を招くと反対の声が多かったのに政府が強行したことです。
陳情者は、要支援1・2の方からアンケートをとり、その中で特に困った事例の改善を求めていますが、骨折で退院後、週5回の通院が必要なのに週2回のヘルパーさんの派遣が減らされた例、大腿骨骨折で起き上がり困難なのに週2回のデイサービスの入浴中止になり、銭湯にも通えない例、めまいでふらつき右手首を骨折し、退院後要支援になり、ヘルパー派遣も受けられず、4か月ケアマネの訪問もなかった例など、身体状況の変化にもかかわらず必要なサービスが受けられなかったというものです。週5回の通院が必要な人は、改めて医師に意見書を書いてもらって是正されたということですが、新総合事業に移行した人への実態把握は緊急の課題ではないでしょうか。
絆サービスなどの案内や、肝心の区民に届く普及広報活動は、費用負担の変更も含め、要支援1・2の介護保険サービスから外れた人には重度化を防ぐために重要な課題であり、制度の移行期には特に注意が必要です。ケアマネによって方針が違うなどの意見もあるため、地域包括支援センターだけに責任を押しつけるのではなく、区も利用者に寄り添って問題解決に当たるよう求めます。
以上、委員長報告に反対する討論を終わります。(拍手)
○岸田 議長 次に、47番
奈須利江議員。
〔47番
奈須利江議員登壇〕
◆47番(奈須利江 議員) フェアな民主主義、奈須利江です。
陳情30第35、36、37の委員長報告不採択に反対の立場から討論いたします。
30第35号 効果の無い国の落下物対策で、新飛行ルートを大田区は認めないでほしいと願う陳情につきまして、委員長報告に反対、採択すべき立場から討論いたします。
大田区議会の議長、岸田哲治議長をはじめ、23区議会議長会が東京国際空港(羽田空港)の機能強化に係る飛行経路について要望書を出しました。現在国が示している案によると、ルートが特別区の区域の広範にわたり、これまで以上に騒音等の区民の生活環境への影響が懸念されるところであるとして、国土交通大臣に、平成28年7月の第4回首都圏空港機能強化の具体策に向けた協議会において示された羽田空港機能強化に係る環境影響等に配慮した方策について、依然として住民の生活環境に対する懸念は解消されていないことから、これらの趣旨を踏まえて、次の事項についての要望書を出しています。
1 新飛行ルート案の検討に当たっては、関係自治体と十分に協議すること。2 新飛行ルート案について、騒音、落下物やその他の事故の可能性など地域住民への影響を明らかにすること。また、環境への影響について、環境影響評価やそれに準じたものを実施すること。3 第4回首都圏空港機能強化の具体化に向けた協議会で示された羽田空港機能強化に係る環境影響等に配慮した方策及び新飛行ルート案により地域住民に与える影響等について、教室型説明会を含む多様な手法により、具体的かつ丁寧に地域住民に説明すること。議長会が国交大臣に提出したこれらの要望書の内容は、いずれも大田区民はじめ首都圏の住民が望んできたことで、区議会への陳情含めた要望が繰り返されてきており、岸田哲治大田区議会議長はじめ、特別区議会議長会の要望書の提出に心より感謝申し上げます。
本陳情は、この議長会の要望と何ら矛盾したところのない要望であり、否決すれば議長と区議会との意思の不徹底を区民に知らしめることにすらなるのではないかと心配するところです。委員会では、大田区も議員の中にも、本件は自治体と相談して決めることではなく、基本的に国が決めることといった論調で発言が行われたようですが、決定権がどこにあっても大田区は区民の声を代弁して発言することはできますし、実際23区の議長会でもこうして要望書は出しています。国や都が決めることだから、大田区も大田区長も大田区議会も沈黙したなら、そもそも羽田空港沖合移転はなかったことでしょう。
しかも、「国の施策を効果のない施策と決めつけてはいけない」と言いますが、国が示した方策はこれまでも行ってきた項目がほとんどで、それでも落下物は防げませんでした。陳情にある効果のない落下物対策ですが、実際平成30年3月に出された落下物防止等に係る総合対策推進会議の報告書にも、国交省、空港会社、航空機メーカー等が取り組んできたとあります。それを取りまとめ、過去に行ってきたことを外国航空会社にも活用しやすいよう英語版を作成したということが新たな内容になっています。何ら新たな防止策は書かれていません。
しかも、補償を充実させるというふうに書いてあるわけですが、これは防止策ではありません。逆に落下物が予想されることを国が認めているということで、非常に怖くなりました。しかも、それでも補償されるのかと思ったら、全ての航空機運航者の加入が義務づけられるわけでもなく、義務づけを検討することを決めただけの内容でした。これで効果のある落下物対策と言えるでしょうか。こんな落下物対策が効果があると大田区は認めてよいのでしょうか。こんな効果のない旧態依然とした落下物対策で、新飛行ルート案、都心上空低空飛行を認めるわけにはいきません。採択を求めます。
陳情30第36号
リニア新幹線の説明会開催と認可に関する陳情、30第37号
リニア中央新幹線に関する陳情について、委員長報告不採択に反対し、採択の立場から討論いたします。
これら二つの陳情は、リニアの計画経路である田園調布と上池台に住む住民から提出された陳情で、地元区民の署名、田園調布242筆、上池台70筆の署名者の思いとともに提出されている陳情です。いずれも説明会開催と、説明会を開催するまでは認可をおろさないよう求める内容になっています。
大深度地下使用にかかわる特別措置法は、第19条で「国土交通大臣又は都道府県知事は、使用の認可に関する処分を行おうとする場合において必要があると認めるときは、申請に係る事業者に対し、事業区域に係る土地及びその付近の住民に、説明会の開催等使用認可申請書及びその添付の書類の内容を周知させるために必要な措置を講ずるよう求めることができる。」とあります。国交大臣は、必要だと思えばJR東海に「大田区民に対し説明会をせよ」と言えるのです。JR東海は計画経路上の地権者と住民全てに説明しているでしょうか。リニアが通ることをJR東海や大田区の広報手段で知らされていなかったという人は、上池台にも田園調布にも少なくないそうです。
しかも、先日、野川では地下工事の影響で気泡が出ました。酸素濃度をはかったら致死量を超えている6%未満でした。密閉されているから大丈夫と説明してきたシールド工法ですが、一見かたく見える土も、無機質なコンクリートではありませんから、水も空気も通しても少しもおかしくありません。JR東海は、住民説明会など公式の大勢の前や国交省など許認可権者の前では、「言われたらいつでも説明します」と弁舌さわやかに言いますが、要望書を受け取ることも受け取りのサインをすることも拒否したりします。JR東海に説明会開催を求めましたが、田園調布、上池台の住民の皆さんともに拒否されたそうです。
大深度地下法は、誰も使っていない地下だからと土地を収用できる法律です。土地収用法は事前補償を前提にしていますが、大深度地下法は事前補償が不要で、告示日から1年以内なら事後補償するそうですが、今の状況では知らないままに1年が経過して時効になってしまう住民の方もいることでしょう。しかも、事後に何をどのように補償するかも明らかになっていません。地価が下がってもリニアで下がった分は補償をするのでしょうか。補償でしょうか、それとも損害賠償になるのでしょうか。陳情者の言うように説明も不十分で、制度もご存じない方が多いですから、1年以内の補償のことをご存じない方もいることでしょう。陳情者の申し出のとおり、説明会を開催するようJR東海に求めるとともに、住民が納得しないのであれば許可しないよう求めるべきです。
そもそも大深度地下法という法律はひどい法律です。当時の国土庁は、政府の広報誌で大深度地下法特集というのを組んで、法律制定の経緯や意味合いについて説明していますが、そこで、国民の権利を侵害するのだからということだと思うのですが、「十分な説明をする」と言っています。ところが、地権者の方たち、リニアの計画経路の真上に住む方たちなどにお話を伺うと、聞いていなかった、知らなかったという方が非常に多いのです。中には「亡くなったお父様に説明した」とJR東海に言われたという方もいます。法律制定のときに国が国民に言っていた十分な説明は行われたのでしょうか。
私はマンション紛争などで説明が行われたかどうか確認することがありますが、チラシをポストに入れて説明したことになっている場合が多く、気づかない方もたくさんいます。リニアが地下を通る問題については、大深度地下法の法の制定経緯や趣旨から、リニアが地下を通るとわかる資料が地権者に届いているか、意見募集や公聴会など意見表明の場はあったが、意見表明ができることを知り得たか、そもそも大深度地下法に基づく地下使用というのがどういう法的意味を持つか、住民に説明しているかなどについて説明が必要でしょう。
そこで、国土交通省にJR東海が誰にどのような説明をしたのか、時系列にわかる資料について情報公開請求をしてきましたが、非常に時間がかかっていて、ようやく先日、公開の案内が来たところなので、今回の本会議が終わるまでに公開資料をとりに行き、当該住民に本当に説明しているか確認するつもりです。説明を受けていないと言っている方へJRが説明したのかしないのかも確認しようと思います。
そもそも大深度地下法という法律には大きな問題があります。大深度地下法は、バブルのころに地価が異常に高騰して、地上部でのライフラインの用地確保が困難になったので、地下利用に注目したことから始まります。ところが、通常のインフラ整備における用地取得は地権者との合意を前提として行われますが、それだと一人ひとりの地権者を探し当て、特定して、個別に同意を得るのが前提で、土地一筆ごとの土地調書の作成も義務づけられるので、非常に手間も暇もかかるのだそうです。しかも、任意買収に応じてもらえなければ土地収用の手続きをとらなければいけませんが、これも非常に時間がかかります。
そこで、国の言うところの国民の権利保護に注目して、円滑に利用するため、つまりは手っ取り早く地下利用できるためのルールを確立する必要があるということで、検討してできたのがこの大深度地下法なのだそうです。大深度地下法は、インフラ整備の土地取引をスムーズに行わせるために、民法第207条「土地の所有権は、法令の制限内において、その土地の上下に及ぶ。」の土地の上下に及ぶ権利のうち、土地の下の私権が及ばないようにしたわけです。加えて、土地収用法の事前補償の原則を事後に請求して初めて補償されると変えてしまいました。
計画経路の真上に住んでいる方が家の下をリニアが通ることをご存じないのも、法律が意図していたことだったと知って非常に驚きました。今回のリニアの大深度地下利用について、国やJR東海、東京都及び大田区はじめとした地元自治体は、どこまで国民の権利保護に注意したのでしょうか。国民の権利保護は政府の公報の宣伝文句に過ぎず、当初から守るつもりはなかったのでしょうか。法の欠陥もあることから、区民が非常に困っています。不備のある仕組みで区民生活を乱さないよう認可するべきではありません。
今回の条例もそうですが、リニアが通る地域は、湧水にたたえられた洗足池や国分寺崖線など、大田区の中でも豊かな自然に守られた環境のよい地域です。湧水の問題は、大深度地下法を成立させた当時の国土庁局長にも言わせているように、地下水の問題がこの大深度地下使用において最も心配なのだそうです。静岡県知事も地下水の問題からリニアについて反対をしています。大深度地下は、人間が建築構造物を置いているといった使い方はしていませんが、自然循環の中で必要な空間で、そこを事業者の「早い、手間がかからない、安い」の金もうけの理屈で使わせてはならないのです。
リニア計画経路周辺の区民が、住民運動も政治的な活動もしたことがない慣れない中で、区や国やJR東海に対して声を上げています。そもそも大深度地下法は、特別措置法とあるように、企業の経済活動に対する特別措置という優遇策を与えている法律です。国民の権利や公平性や説明責任など、憲法と法の原理原則から外れた悪法なのです。陳情者の主張は全くそのとおりで、採択すべきです。(拍手)
○岸田 議長 以上をもって討論を終結いたします。
採決に入ります。
まず、本件中、30第39号、30第38号、30第40号、30第36号、30第37号及び30第35号の6件を一括して起立により採決いたします。
本件に対する当該委員長からの審査報告書はいずれも不採択であります。当該委員長からの審査報告書のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
〔賛成者起立〕
○岸田 議長 起立多数であります。よって本件はいずれも当該委員長からの審査報告書のとおり決定いたしました。
次に、30第41号、30第42号及び30第43号の3件を一括して採決いたします。
本件に対する当該委員長からの審査報告書はいずれも採択であります。本件は当該委員長からの審査報告書のとおり決定することにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○岸田 議長 ご異議なしと認めます。よって本件はいずれも当該委員長からの審査報告書のとおり決定いたしました。
〜
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
○岸田 議長 日程第8を議題とします。
〔
鴨志田事務局長朗読〕
△日程第8
委員会提出第2号議案 固定資産税及び
都市計画税の減免措置等の継続を求める意見書
――
――――――――――――――――――
○岸田 議長
総務財政委員長の説明を求めます。
〔12番伊佐治 剛議員登壇〕(拍手)
◎12番(伊佐治剛 議員) ただいま上程されました委員会提出第2号議案 固定資産税及び
都市計画税の減免措置等の継続を求める意見書につきまして、案文の朗読をもって提案理由の説明にかえさせていただきます。
――
――――――――――――――――――
固定資産税及び
都市計画税の減免措置等の継続を求める意見書
我が国の経済状況は、平成30年9月に内閣府が公表した月例経済報告における景気の基調判断において、「景気は、緩やかに回復している。」とされており、「企業収益は、改善している。企業の業況判断は、おおむね横ばいとなっている。」と報告されたところである。
一方、
区内中小企業を対象に景気動向を調査した、平成30年4月から6月期「大田区の景況」における業況では、製造業は前期並み、小売業、建設業及び運輸業は悪化傾向とあり、業種によっては、来期の業況についても悪化傾向が強まると報告されている。
生産拠点のグローバル化が進展した現在、景気持ち直しの動きは企業規模等により大きな相違があり、ただちに
区内中小企業の業績改善に結びつくとは言えない状況である。特に経営基盤が脆弱な小規模事業者は、後継者不足など様々な問題により厳しい経営を強いられている状況にある。
このような厳しい社会経済環境の中、東京都が従来から実施している小規模非住宅用地に対する固定資産税及び
都市計画税の減免措置等は、小規模事業者の事業継続や経営健全化に寄与し、また、多くの区民生活に対しても安定をもたらすものであり、欠くことのできない措置となっている。
こうした減免措置等について、東京都が廃止も視野に見直しを行おうとすれば、区内小規模事業者の経済的、心理的影響は極めて大きく、区内経済に与える悪影響が懸念されるところである。
よって、大田区議会は東京都に対し、以下の措置を平成31年度以後も継続することを求めるものである。
1 小規模住宅用地に対する
都市計画税を2分の1とする軽減措置
2 小規模非住宅用地に対する固定資産税及び
都市計画税を2割減額する減免措置
3 商業地等における固定資産税及び
都市計画税について、負担水準の上限を65%に引き下げる減額措置
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
年月日
東京都知事 宛
大田区議会議長名
――
――――――――――――――――――
以上でございます。ご賛同賜りますよう、よろしくお願いを申し上げます。(拍手)
○岸田 議長 質疑に入ります。
本案については、
奈須利江議員から通告がありますので、これを許します。
〔47番
奈須利江議員登壇〕
◆47番(奈須利江 議員) フェアな民主主義、奈須利江です。
この意見書提出に際しまして質疑させていただきます。大田区議会が東京都に意見書を出すことはどのような意義がありますか。また、どのような効果を期待しているでしょうか。
○岸田 議長 提出者の答弁を求めます。
〔12番伊佐治 剛議員登壇〕
◎12番(伊佐治剛 議員) ただいま奈須議員からの質疑につきまして、本意見書の案の中身というよりも、総論として意見書を出すことの意義と効果についてお聞きになっているものと私は判断をさせていただきました。常に経験、知識を豊富に示し、区議会で議論されている奈須議員が、このような内容を質疑されることは大変残念でありますが、お答えをさせていただきたいと思います。
大田区民の生活に重要なことでも、それが東京都の仕事であるため、大田区の力だけでは解決できないことがあります。このようなときに、区民の代表である議員の合議体である区議会の意思として意見書を東京都に提出し、世論形成、特定施策の助長を推し進めるということを意図的に行うことができます。これが意義であり、効果とも言えます。奈須議員はご存じないかもしれませんが、意見書の提出について、地方自治法第99条の「
普通地方公共団体の議会は、当該
普通地方公共団体の公益に関する事件につき意見書を国会又は関係行政庁に提出することができる。」との規定に基づくものであります。そこで、今回、意見書案につきましては、総務財政委員会での陳情審査を踏まえまして、区民等の公益に資するものと考え、提出をさせていただくことになりました。
以上で質疑に対する答弁とさせていただきます。(拍手)
○岸田 議長 以上をもって質疑を終結いたします。
本案については、会議規則第38条第2項の規定に基づき、委員会への付託を省略いたします。
討論に入ります。
本案については、
奈須利江議員から通告がありますので、これを許します。
〔47番
奈須利江議員登壇〕
◆47番(奈須利江 議員) フェアな民主主義、奈須利江です。
委員会提出第2号議案 固定資産税及び
都市計画税の減免措置等の継続を求める意見書に賛成の立場から討論いたします。
先ほどの質疑におきまして、意見書提出についての意義について改めて確認させていただきましたところ、意見書提出における本質的な内容につきまして委員長からはご答弁いただき、まことにありがとうございます。あえてこの場でこのような確認をさせていただいたのは、たとえ国や東京都の事務であっても、所管する法令であっても、そこに改善の余地や問題点が見つかれば、基礎自治体である大田区は住民福祉のために最大限の努力をすべきであり、そして今もそれを行っているということの確認をさせていただきました。
昨今、議会の審議において、特に大田区議会の審議において、国や都の決めることだからと議論を制限する動きがあります。しかし、たとえ国や都の所管であっても、大田区議会が区民の声を代弁し、制度の問題を議論し、明らかにすることは重要です。国や都の事業や制度を継続させ、廃止し、改正するなどを提案する、提言する、意見することで区民生活は改善できるわけです。大田区議会は、今回のこの意見書に限らず、住民に最も身近な自治体の住民の声を仕組みに反映させる立法府、議会として、今後も住民生活にかかわる様々な問題、課題の改善に取り組むことを求め、賛成討論とさせていただきます。(拍手)
○岸田 議長 以上をもって討論を終結いたします。
採決に入ります。
本案は
原案どおり決定することにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○岸田 議長 ご異議なしと認めます。よって本案は
原案どおり決定いたしました。
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○岸田 議長 日程第9を議題とします。
〔
鴨志田事務局長朗読〕
△日程第9
30第47号 バスの運行の充実を京浜急行に要請することを求める陳情 ほか1件
――
――――――――――――――――――
○岸田 議長 お諮りいたします。本件については、いずれも交通臨海部活性化特別委員会に付託したいと思います。これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○岸田 議長 ご異議なしと認め、そのように決定いたしました。
〜
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
○岸田 議長 次に、請願・陳情の付託について申し上げます。
今回受理しました請願・陳情は、ただいま特別委員会に付託しました2件を除き、お手元に配付の付託表のとおり、それぞれ所管常任委員会及び議会運営委員会に付託します。
――
――――――――――――――――――
平成30年第3回定例会 請願・陳情付託表【第2号】
平成30年9月26日付託
地域産業委員会
30第51号 公衆浴場の設置に関する陳情
健康福祉委員会
30第44号 臓器移植の環境整備に関する意見書の提出を求める陳情
こども文教委員会
30第46号 学校給食費を無料化することを求める陳情
30第48号 保育園民営化における運営事業者選定に関する陳情
議会運営委員会
30第50号 陳情者に委員会で説明する機会を設けて、区民の声をしっかり聞いてほしい陳情
〜
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
○岸田 議長 以上をもって本日の日程全部を終了いたしました。
お諮りいたします。明9月27日から10月10日までは委員会審査のため休会とし、来る10月11日午後1時に会議を開きたいと思います。これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○岸田 議長 ご異議なしと認め、そのように決定いたしました。
ただいまご着席の方々には改めて通知はいたしませんので、そのようにご了承願います。
本日はこれをもって散会いたします。
午後3時51分散会...