◆北澤 委員 お聞きします。この案内によって、住宅担当には年間何件の
ひとり親家庭の相談があり、この支援により住宅を見つけることのできた人は何人で、どのような成功例がありましたか。
また、
ひとり親世帯への
居住支援施策の効果を把握していますか。
◎榎田
住宅担当課長 ひとり親世帯の相談件数は、
建築調整課住宅担当だけで年間約40件でございます。
ひとり親世帯の相談者は、お若い方が多いため、なるべく
協力不動産店リストを見て、最寄りの不動産店にご自分で行っていただくようにお願いしております。事情があって不動産店に行けない方や広く区内で物件を探したい方の場合は、宅建協会を通じて物件照会を行っております。
物件照会を行った件数は、平成28年度が3件で、平成29年度が1件でございますが、4件とも物件が見つかって転居されております。物件照会を行わない相談事案の成約状況については、現在、確認できておりませんが、
日本賃貸住宅管理協会の平成26年の調査によりますと、
ひとり親世帯の入居を制限している家主は全体の2.1%であり、ひとり親であることが理由で、物件が見つからないという事例は少ないと考えます。
しかし、
ひとり親家庭の大多数が所得が低く、物件探しに苦労されていると思われますので、物件照会を行わない相談事案についても、今後、状況を把握できるよう、検討してまいります。
◆北澤 委員 あまり成功事例は少ないようなので、もっともっと施策の強化を進めていく必要があるのではないかと思います。
低収入のためになかなか家が見つからない。また、離婚したばかりで、これから職を見つけるという場合。無職であるために家を借りることができない。また家がなくては職にもつけないという、八方ふさがりの状況に陥る場合もあります。しかも
不動産業者も、ひとり親だと生活が不安定で家賃がちゃんと払えないのではないか、子どもの世話ができないことで問題を起こすのではないか、保証人がいないなどの理由で貸し渋りがあることも聞きます。何軒も断られて力を落とす母親もあると聞きます。ただでさえ専門的な知識がない中で、物件探しから交渉や契約をたった一人でしなければなりません。安心できる不動産店ばかりとも限りません。子どもの世話ばかりか親の介護を抱えている女性もいるのです。居住に関しては中間支援の必要性を感じます。
高齢者への住宅支援は有隣協会が、
高齢福祉課から委託を受けて行っています。高齢者の相談を受けて課題を整理し、必要に応じて不動産店に付き添います。結果、2017年6月から住宅確保の申請が37件で、成立が5件だと聞きました。契約が成立した後も、
地域包括支援センターや地域資源と結びつけるなど、住宅相談を入り口に自立を維持できるように、継続的な寄り添い型の支援をしています。一つ一つのケースは違うので、丁寧に課題を整理していき、必要な支援につなげていくことが、結局は成果を生み出しているということを、この
高齢福祉課の施策からは知ることができました。
杉並区にあるリトルワンズという
NPO法人は
ひとり親家庭を支援している団体で、相談窓口や親子カフェの運営、様々な情報提供をする活動をしています。居住支援も行っており、住宅のマッチング、サブリース、リフォーム、
シェアハウスへの入居紹介など、不動産についての専門知識をもって、
コーディネート、見守りまで行っています。
豊島区
居住支援協議会は、この団体を含む四つの
NPO法人を登録団体にして、連携体制をとっています。行政との連携や
フォロー体制があることで、
不動産業者からの信頼も得て、住宅の確保がスムーズになっているということです。
しかし、
居住支援協議会がなくても、このような居住支援を行っている団体と連携を組むことは可能ですし、
改正住宅セーフティネット法により、事業者が条件を満たした物件を登録すれば、借り主の所得によっては、最大月4万円の家賃補助を受けることもできるはずです。
お聞きします。大田区は
ひとり親家庭に対しての居住支援を、今後、どのように進めていきますか。福祉的な観点、また、住宅に関する専門的な知識を伴うきめ細かな
コーディネートのできる
居住支援団体を開拓するつもりはありませんか。
◎榎田
住宅担当課長 先ほどもご答弁いたしましたように、所得の低い方は物件探しに苦労されていると考えておりますので、今後立ち上げる予定の
居住支援協議会において、所得の少ない
ひとり親家庭がスムーズに賃貸住宅に入居できるよう、検討してまいります。
また、
改正住宅セーフティネット法では、
家賃債務保証や賃貸住宅の情報提供、相談、見守りなどの生活支援を行う法人を、都道府県が
居住支援法人として指定する制度が定められており、国は
居住支援法人の活動に対して補助を行っております。
区といたしましても、
居住支援法人の活動は有益であると認識しておりますので、今後そのような団体の活動が活性化することを期待して、
居住支援協議会において検討してまいります。
◆北澤 委員 よろしくお願いいたします。平成28年度
ひとり親世帯等調査によると、公的制度の利用状況に関して、母子家庭の約4割が行政の支援を知らないという結果になっています。必要なところに支援がしっかり届くような目配り、心配りが必要です。
離婚届を出す
戸籍住民課は、ひとり親としての生活の始まりにおける、行政とのつながりの最初の貴重な機会です。離婚届には、養育費の取り決めをしましたかという
チェック項目がありますが、平成28年の調査では、取り決めをしているのが42.9%です。しかし、子どもの育つ環境に経済は大きく影響してきますから、
戸籍住民課には取り決めの確認を、ぜひ促してほしいと思います。
お聞きします。養育費の取り決めに関して、区はどのように支援をしていますか。
◎杉村
戸籍住民課長 協議離婚の際には、民法766条の規定により、面会交流及び
養育費分担の取り決めを定めるとされております。そのため、届出書には、子の利益を損なうことのないよう、取り決めがなされているか否かを記入する欄が設けられております。
戸籍住民課及び
特別出張所の窓口では、この欄を確認し、未記入の場合には、取り決めの有無をお尋ねするとともに、子どもの利益を最も優先して、取り決めをしていただくことが必要であることを、丁寧にご説明しております。
また、取り決めをすることが難しいとのお話をいただいた場合には、法務省が発行する、子どもの養育に関する合意書作成の手引きを差し上げるとともに、
養育費相談支援センターなどの相談窓口を案内し、専門家の支援につなげております。
◆北澤 委員 これからもぜひ、強力に進めていただきたいと思います。
さて、平成28年
全国ひとり親世帯調査によると、ひとり親の母親で相談相手がいないと答えた割合が20%、相談する人が欲しいと答えた人は60%です。SOSを発信しやすい、またしっかり受けとめる
環境づくりが必要です。
子育てハンドブックは、妊娠届をしたときに妊婦がもらえる、大田区の
子育て支援に関する情報が詰まっている冊子ですが、この
子育てハンドブックをさらに充実させて、ひとり親になったときにも、大田区からはどのような応援があるのかわかりやすく記しておき、
戸籍住民課の窓口にも置いておくとよいと考えます。
行政サービスはもちろん、子ども食堂や
子育てひろばなど、地域の情報も加えておくと、さらに有効だと思います。
行政は申請主義ですが、貧困や孤立を予防するには
アウトリーチも大切です。例えば
児童扶養手当を申請に来た人に対して、今度、連絡を取ってもいいですかという、連絡の許可を同時に取り、新たな企画が始まるときなどにお知らせをするなど、
アウトリーチの道もつくっておくことはできないでしょうか。
大田区は他の自治体に先駆けて、子どもの
生活実態調査を行い、おおた子どもの
生活応援プランをつくりました。また
地域資源調査ということで、地域の
子育て支援をしている団体の実態調査も行いました。
お聞きします。この調査を今後、どのように生かしていきますか。
◎石川
子ども生活応援担当課長 区は、子どもの貧困を地域共通の課題と捉え、区民をはじめとする地域の多様な主体との連携により、おおた子どもの
生活応援プランを推進していくこととしております。
社会資源調査は、地域における区民団体の現在の活動状況や、今後の展望などを、子どもの貧困対策の視点から調査したものです。調査対象は、大田区
区民活動情報サイト登録団体及び大田区
社会福祉法人協議会の参加法人とし、本プランに資する87の活動を把握することができました。こうした区民活動の実態を踏まえ、平成30年度から、子どもとその家庭が抱える多様な課題を、地域力をもって解決することを目的とした、地域とつくる支援の
輪プロジェクトに取り組みます。子どもと保護者が自分らしく過ごせる居場所が暮らしの身近にあることで、小さなSOSにも気づき、支援につなげることができます。
そのために、区は、プラン推進に資する団体の個々の活動に対し、相談対応や情報提供などを行いながら、各団体が持つ強みを生かし、互いの連携を促進し、活動のさらなる活性化に向け支援してまいります。
また、本調査結果を活用した課題分析を行い、新たな活動の発掘などにも取り組んでまいります。
◆北澤 委員 大田区は、
社会的包摂が大事だと言っています。複雑な課題に寄り添っている地域の団体の継続性を、今度は行政がサポートしながら、みんなでエンパワメントしていける大田区になることが、持続可能な
社会づくりになるのではないでしょうか。
また、区役所のどの窓口も、
法定受託事務をこなせばいいというのではなく、
社会的包摂の大事な一翼を担っているという意識を持ちながら、業務にあたっていただきたいと願います。
○深川 委員長 次に、自民、質疑願います。
◆松原〔秀〕 委員 私からは、
都市整備費のうち、
事項別明細書の207ページ、地域拠点駅周辺の
まちづくりの池上地区について質問いたします。
この件につきましては、黒川議員も一般質問の中で触れておりましたが、視点を変えて質問いたしますので、ご答弁のほど、よろしくお願いいたします。
現在、池上地区では、
鉄道事業者による
池上駅舎改良が平成32年度(2020年度)の完成を目指して行われております。駅舎改良では、構内踏切の解消や新たな南口が整備されることで、これまでの駅周辺の課題が解決されるなど、多くの効果が期待されています。
また、区が国や
鉄道事業者と、昨年8月に策定した事業計画によると、新たな駅舎は駅利用者にとって安全で快適な使いやすい駅となるほか、
地域生活者にとって利便性の高い新たなまちの生活拠点となる予定です。そのため、新たな駅は駅舎のみならず、
生活支援施設や公共施設が一体整備されるなど、これまでのような商業ビルだけでないものとなっています。
具体的には、
池上図書館の移設や保育園などの設置が予定され、地区の新たな拠点として様々な役割を果たすことが期待されています。さらに、
鉄道事業者による駅舎のイメージ図を見ると、池上本門寺をはじめとする門前町の歴史性を踏まえたデザインとなっており、池上地区にふさわしい駅舎に整備されるとのことです。
池上地区では、ここ数年でわずかではありますが、人口も増加傾向にある上、池上駅の乗降客数についても、人口と連動して年々増加しております。
このように、多くの区民が利用する駅に、これまでと違った機能が集積し、安全で安心な駅に生まれ変わることについては、地元でも非常に関心が高いものとなっています。
その
駅舎改良工事は現在、仮の駅舎が整備されるとともに、工事ヤードには白い板囲いが設置されています。また、改札口も移設されるなど、日々工事が進捗している様子がうかがえます。しかしながら、工期は平成32年度中ごろを予定しており、まだまだ時間がかかるものと考えられます。
そこで伺います。現在の
駅舎改良工事の進捗状況は、どのようになっているのでしょうか。
◎近江
地域整備担当課長 池上駅舎改良は、
委員お話しのとおり、平成32年度(2020年度)の完成に向けて工事が進められているところです。
鉄道事業者によりますと、昨年11月の仮駅舎への移転後、既存駅舎の解体も完了し、今後は、地盤改良や
基礎ぐいの打設等を行っていく予定と聞いています。工事車両の運行や騒音等により、
鉄道利用者及び近隣住民にご迷惑がかからないように、万全を期して安全に工事を進めていくとのことでございます。
区としましても、大田区鉄道駅
総合改善事業の活用を通じて、駅舎改良が安全にかつ円滑に進むよう支援してまいります。
◆松原〔秀〕 委員 とにかく、工事の事故がないよう、安全かつ円滑な進捗を望みます。
次に、このたびの駅舎改良によって駅そのものがリニューアルされ、安全性、利便性が高まることは大変よいことだと思いますが、その一方で、駅周辺はバスや歩行者の動線が錯綜している状況にあります。駅が安全・安心で便利になると、利用者がさらに増加することも予想されます。今まで以上に駅周辺の交通負荷がかかってくることが想定されます。そのため、駅周辺の交通環境の改善も、あわせて検討していくことが必要であると考えています。
そこで伺います。このたびの駅舎改良に伴う地域への影響や駅周辺の交通環境の改善について、区はどのように考えているのでしょうか。
◎近江
地域整備担当課長 このたびの駅舎改良により橋上駅舎化されるとともに、新たに南口が設置されますが、これにより区内で唯一残った構内踏切が廃止され、
バリアフリー機能を備えた
南北自由通路が整備されます。南口の新設と
南北自由通路の整備によって、池上駅前の
南北バス通り上にある池上1号踏切の
横断歩行者数が減少するなど、踏切負荷の低減が期待されているところでございます。
また、公共施設や
生活支援施設とあわせて整備することで、駅利用者だけでなく、近隣住民の利便性も向上し、池上駅周辺のまちの機能改善や魅力向上に資するものになると考えてございます。
一方、駅周辺の
歩行者空間や交通環境は、改善する余地があると認識しています。交通環境を改善するためには、将来的には
都市計画道路の整備をする必要があると考えています。
区としては、未整備となっている
都市計画道路の整備検討とあわせて、駅前空間における交通環境の改善について、地域の方のご要望やご意見、関係機関との協議を踏まえながら検討してまいります。
◆松原〔秀〕 委員 駅前には
バスターミナルがあるのですが、以前その
バスターミナルで、
女性高齢者の方の死亡事故がありました。安全対策には万全を期していただきたいと思います。
次に、駅に移転される
池上図書館について伺います。
池上図書館は、昭和31年に大田区で最初の図書館としてオープンし、昭和63年に現在の場所に移転してはいますが、オープンして62年と、大変、歴史のある図書館となっています。現在の蔵書数は、平成28年現在で約10万冊であり、池上本門寺をはじめとする寺社仏閣が集積していることもあり、宗教や哲学関連の資料が充実するなど、地域に根差した図書館となっております。私も大分利用させていただきました。
その一方で、建物は老朽化しており、建物の2階、3階に
図書館機能が分散するなど、誰もが利用しやすい図書館と言える状況ではないように感じられます。
ほかの自治体の事例を見ますと、駅に直結する、あるいは駅近に図書館を設置する事例が多くなっています。そのような図書館については、利用者の増加や図書の貸出数が従前と比較して多くなるなどしております。例えば、
民間事業者が発表している「住みたい
まちランキング」でも、近年、上位にランキングされることが多い武蔵小杉駅についても、駅に直結するビルに川崎市の
中原図書館が移転されました。
その
中原図書館では、平成25年に図書館が移転されていますが、移転前と比較して、貸出者数や貸出冊数がともに増加するなど、平日でも大変多くの方が利用されています。もちろん、このような効果は移転だけによるものでなく、
図書館自体の開館時間の延長や独自性を打ち出すなど、様々な工夫をしている結果であると推察されます。
そこで伺います。新たに駅ビル内に移設される
池上図書館について、移設開館時期やどのような図書館となるのか、これまでわかっている範囲内でご教示をお願いいたします。
◎山中
大田図書館長 委員お話しのとおり、
池上図書館は昭和31年に最初の
区立図書館として、当時の区民会館で開館いたしました。このたび、池上駅ビル内に設置することについて、平成29年12月6日、
東京急行電鉄株式会社と覚書を締結いたしました。
移転後の図書館の具体的な計画につきましては、今後、検討していくことになりますが、駅の直上という利便性を最大限に生かし、知の拠点として
区立図書館の基本的な機能は維持しつつ、区民に身近な図書館として、気軽に利用できる雰囲気や機能を備えた図書館にしてまいりたいと考えております。
また、生涯学習講座や
地域文化団体活動などの集会行事を通じて、地域の人と人とを結びつけ、地域力を醸成する場となり、本や情報を介して多くの区民が集えるような、これまでにない魅力ある図書館を目指してまいります。
なお、開館の時期につきましては、現時点では、
駅ビル竣工予定の平成32年度、2020年度を想定しております。
◆松原〔秀〕 委員
池上図書館につきましては、先ほど申しましたように、私も学生のころかなり使わせていただきました。そこで友達に会ったり、沢木耕太郎という作家がまだ学生のころ、一緒にいろいろ使った覚えもあります。ぜひ使い勝手のよい、魅力的な図書館になるよう要望いたします。
次に、移転した後の、現在の
池上図書館の跡地利用についても伺います。先ほど申し上げましたとおり、現在の
池上図書館は、もともと当時の
大田区民会館にあったものを、昭和63年に現在のところに移転した後、平成19年に区が当時の所有者より土地・建物を買い取り、現在に至っております。現在の建物は昭和12年に建設されており、建物自体は耐震化していると聞いておりますが、建築後約80年以上が経過するなど、老朽化が目立っております。
池上図書館が現在の地より駅ビル内に移転することで、安全で利便性の高い図書館に生まれ変わることになりますが、一方で、現在の
池上図書館の建物や土地の利活用については、地元でも心配する声や関心が高まってきております。
そこで伺います。現
池上図書館移転後の土地や建物の利活用について、区としてはどのように考えているのでしょうか。ご見解をお伺いいたします。
◎近江
地域整備担当課長 現在の
池上図書館の建物については、
委員お話しのとおり築80年以上が経過し、耐震化への対応は完了しているものの、時代の変化に対応するために、また今後の
社会情勢等を見据えて、地域課題の解決に資する機能更新が求められているものと考えております。
また、敷地の一部は
都市計画道路補助線街路第43号線の計画線に接している状況でございます。こうしたことを踏まえ、現在の
池上図書館の建物及び土地の活用につきましては、周辺地域の状況もふかんしながら、総合的に検討していく必要があると考えております。
今後、区は、大田区
公共施設適正配置方針の考え方に基づき、関連部局がしっかりと連携して、地元の
まちづくり協議会をはじめとする地域のご意見やご要望をお聞きしながら、貴重な行政財産として、様々な角度からその活用策について検討してまいります。
◆松原〔秀〕 委員 最後になりますが、現図書館の敷地内には、図書館以外にも町会の防災倉庫をはじめとして、地域にとって重要な設備や機能が置き込まれております。例えば
適応指導教室つばさや福祉バスの駐車場などです。これらの役割が損なわれないよう、再配置の検討にあたっては、十分配慮することを要望いたしまして、私の質問を終わります。
○深川 委員長 以上で、第7
款都市整備費の審査を終結いたします。
第8
款環境清掃費の審査を行います。
理事者の説明を求めます。
◎谷口 財政課長 それでは、
事項別明細書214ページをご覧ください。
第8
款環境清掃費でございます。本年度103憶6,043万8,000円で、3,860万6,000円の増です。
第1項
環境保全費、本年度7億3,074万8,000円で、1億8,334万5,000円の減です。第1目
環境保全総務費、本年度3億6,894万1,000円で、1億3,286万4,000円の増です。第2目
環境対策費、本年度2億4,669万円で、3億5,684万2,000円の減です。主なものは、217ページ、8番、環境対策課事務費で、3億7,588万円の減です。
216ページでございます。第3目緑化推進費、本年度1億1,511万7,000円で、4,063万3,000円の増です。主なものは、右側217ページ、1番、緑の基本計画で4,082万2,000円の増です。
第1項
環境保全費は以上でございます。
続いて、218ページです。第2項清掃管理費、本年度33億1,531万3,000円で、2,729万6,000円の減です。第1目清掃総務費、本年度28億3,170万8,000円で、2億812万8,000円の減です。主なものは、右側219ページ、1番、職員人件費で、1億8,246万2,000円の減です。
220ページです。第2目安全衛生費、本年度1,783万2,000円で、4万5,000円の減です。第3目普及調査費、本年度179万6,000円で、5万円の増です。第4目指導費、本年度273万6,000円で、155万2,000円の増です。第5目事務所事業所費、本年度1億1,028万9,000円で、1億2,478万5,000円の減です。主なものは、右側221ページ、1番、清掃事務所等の管理の(2)清掃事務所等建物維持で1億2,394万1,000円の減です。
222ページです。第6目清掃事務所施設建設費、本年度3億5,095万2,000円で、3億406万円の増です。
第2項清掃管理費は以上でございます。
続いて、224ページです。第3項廃棄物対策費、本年度63億1,437万7,000円で、2億4,924万7,000円の増です。第1目廃棄物対策管理費、本年度23億8,480万1,000円で、560万6,000円の減です。第2目ごみ収集費、本年度24億511万9,000円で、2億2,519万6,000円の増です。主なものは、右側225ページ、1番、ごみ収集作業の(1)車両雇上費で、9,974万5,000円の増、また(3)作業運営費で1億3,457万6,000円の増です。
続いて、226ページです。第3目リサイクル対策費、本年度15億2,086万6,000円で、2,996万5,000円の増です。
第4目動物死体処理費、本年度359万1,000円で、30万8,000円の減です。
第8
款環境清掃費は以上でございます。
○深川 委員長 この款には、自民、公明、緑から質疑の通知がありますので、順次、これを許します。
それでは、質疑に入ります。
自民、質疑願います。
◆高山 委員 自由民主党大田区民連合の高山雄一です。環境清掃費について、幾つか質問させていただきます。
まずは、ごみの自己持ち込みについて質問いたします。自宅で出た粗大ごみの処分の方法としては、電話でお願いして引き取り日を決め、粗大ごみ処理券を購入して粗大ごみに貼り、自宅まで回収に来てもらう方法と自分で持ち込む方法があります。
自己持ち込みについては、事前予約の上、京浜島中継所において、受け入れを行っています。持ち込んだ場合にも処分料は必要ですが、自宅まで回収に来てもらうよりは安く引き取ってもらうことができます。
平成28年4月からは、日曜日だけでなく月曜日から土曜日までの午後も受け入れを開始したので、とても便利になっております。
平成28年第4回定例会の一般質問において、引っ越しなどの臨時に出る可燃ごみについても、粗大ごみと同様に自己持ち込みができないものかとの質問をさせていただきました。そのときは、鋭意検討されるとの答弁をいただきました。検討していただいていることと思いますが、その後の進捗状況についてお聞かせください。
◎喜多 清掃事業課長 廃棄物の取扱いにつきましては、様々な課題がございます。それらを整理いたしまして、現在、可燃ごみ扱いとしている品目のうち、京浜島中継所への自己持ち込みとして、受け入れ可能な品目を検討いたしました。
その結果、引っ越しに伴い排出される廃棄物の中で、占める割合が比較的多く、かさばる物である衣服に着目し、来年度中に受け入れを開始する予定としております。
◆高山 委員 その受け入れの時期と、衣服を持ち込んだ際の料金についてはいかがでしょうか。
◎喜多 清掃事業課長 まず、受け入れ時期についてでございますが、衣服等を受け入れるためには、輸送コストの関係上、一定量確保しなければならず、また、雨などによる水分を含まない状態で一時保管する必要があります。そのスペースを確保するため、平成30年度に、京浜島中継所の建屋の一部改修工事を予定しておりまして、受け入れにつきましては、本年秋以降になる予定でございます。
また、持ち込んだ際の手数料につきましては、受け入れ開始までに要綱等を整備し、粗大ごみの持ち込み制度に減免措置があることを踏まえ、設定させていただきます。
区民の皆様には、受け入れ時期をはじめ、受け入れに関する詳細について、決まり次第、周知してまいります。
この化学物質過敏症は、例えば、花火の煙や虫よけスプレーの薬剤を吸い込むことでも症状があらわれる方もいるなど、多種多様ですけれども、ここのところ、原因の一つとして、合成香料がマスコミ等取り上げられるようになりました。
日本人の清潔好きはつとに有名ですけれども、清潔さにとどまらず、においにも気を使うため、香水やシャンプー、コンディショナー、洗剤、柔軟剤、制汗剤と、様々な香りに囲まれるようになりました。いい香りであることを売りにする洗剤や柔軟剤のテレビコマーシャルも数多く目にします。そうしたにおいは、合成香料であることが多く、過敏症の原因物質として苦しんでいる方もいらっしゃいます。
学校においても、この合成香料で過敏症が悪化してしまう事例もあるようです。給食当番の児童・生徒が着用する白衣を、次の当番に渡す際、前の当番の保護者は、気を使って洗剤と柔軟剤等をふだんより多目に使用して洗うそうです。そのふんだんに洗剤などが使われた白衣は、においがきつく、そのため化学物質過敏症を悪化させてしまう児童がいるとのお話を保護者から伺いました。
そのような香料による化学物質過敏症対策として、当然、個別的な対応をとることに加え、教職員の理解を深め、組織的な対応を図るための研修も重要ではないかと考えます。その教職員には、養護の先生も含めてはいかがかと思います。
本区の学校における化学物質過敏症のソフト面での対策についてお伺いいたします。
◎杉山 学務課長 学校では、直接、児童・生徒の健康状態を把握するとともに、健康診断の際に用いる保健調査票を年度当初に保護者から提出いただき、過敏症など健康上配慮することをお知らせいただいております。
化学物質過敏症のお子さんについては、その旨を保健調査票の「学校に知らせておきたいこと」の項目にご記入いただくよう、改めて保護者にお知らせしてまいります。また、調査票の既往歴をお尋ねする質問項目に、「化学物質過敏症」を新たに追加することも検討してまいります。
申し出のありました内容につきましては、教職員間で情報共有するとともに、必要な配慮ができるよう周知徹底を図ってまいります。
さらに、毎年開催しているアレルギーに関する研修会や学校保健会の講演会に、化学物質過敏症をテーマの一つとして組み込み、化学物質過敏症の知識や対応方法などについて、保護者や教職員に啓発を行ってまいります。
◆田島 委員 アレルギーや過敏症は、患者でないとそのつらさは理解しづらいものです。私も過敏症で、ちょうど今の時期は杉花粉のピークだそうで、大変つらい時期ですけれども、花粉症でない方にはなかなかそのつらさは理解していただけません。
同じように、化学物質過敏症の患者が原因物質を遠ざけるために、ときにはつらい思いをしていることを理解し、配慮していかなければならないと考えます。化学物質過敏症について、医学領域での今後の研究の進展が待たれるところですけれども、今後の研究動向を注視し、エビデンスが積み上がってきた際には、健康政策部をはじめ庁内で連携をして、ぜひ対策を打っていただきたいことを要望し、質問を終わります。
○深川 委員長 次に、共産の質疑に入りますが、金子委員の質疑に際しまして、資料の使用を許可し、タブレット型端末に配信いたしましたので、ご了承願います。
共産、質疑願います。
◆金子 委員 日本共産党の金子悦子です。少人数学級について質問します。
小学1・2年、中学1年に限って行われている35人以下学級ですが、小学3年生になるとき、中学に上がるときに学校によって違う対応をすることになります。
まず、小2、小3との違いについて、タブレットをご覧ください。
4番の開桜小、2年と3年は同じ112名で、2年生は4クラス、28人、3年生は3クラス、37人、37人、38人となります。11番の馬込小は、2年が106名で4クラス、3年は104名で3クラスです。13番の馬込第三小は、2年106名で4クラス、3年108名で3クラスです。24番の嶺町小、2年は129名で4クラス、3年生は120名で3クラスになります。仮に、この3年生が121名ですと、4クラスになるのです。40番の中萩中小学校、2年は78名で3クラス、3年以上は90人以上になり、みんな3クラスになります。
それで、26人から32人で、これは影響が少ない例で、53番の矢口東小学校は、2年生の2クラスで、この間、人数が変わらなければ、3年になったら1クラスになってしまいます。
これから言えることは、40人というのは大変不安定であるということです。35人以下でも多い、30人以下学級にすべきところですが、少なくとも3年次までは、40人になるようなクラスには、35人以下学級にする手だてを取るべきです。以前に、3年次も35人以下学級でという陳情がありました。ぜひこれに応えていただきたいと思います。お答えください。
◎杉山 学務課長 公立小中学校の学級編制は、国が義務教育の全国的水準の維持・向上を図るため、公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律で、1学級の児童・生徒数の標準を定め、これに基づき都道府県教育委員会が基準を定めることとされております。
法律では、小学校第1学年のみ35人編制と定め、都道府県教育委員会が国の基準を下回る数の基準を定めることを可能としております。
現在、東京都教育委員会では、小学校第1学年を35人編制とし、小学校第2学年及び中学校第1学年については、35人学級を原則とするが、各校の実情により基準である40人の範囲での編制もできることを各学校に通知し、必要な教員を配置しております。
本区をはじめとする特別区の教職員の給与は、市町村立学校職員給与負担法に基づき東京都が負担することとされており、財源配分もそれに基づいて行われております。
現在の学級編制は法令を順守して適正に実施されており、区として独自に財源を捻出して教員を採用し、少人数学級を推進する考えはございません。
◆金子 委員 これをやらないということですが、この問題は、2年から3年に上がるときに大変だという状況をぜひ考えていただきたいと思います。
それで、1年から6年までずっと同じ学級数のところもありますが、学級数の多い・少ないなど、同じ学級数ではない学校は42校ありますので、これは、教室として使えるところはあるのではないかと思います。ぜひ調査をしていただきたいのですが、いかがでしょうか。
◎杉山 学務課長 少人数学級を実施する予定はございませんので、そのような調査を行う考えはございません。
◆金子 委員 この大規模小学校の特有の問題もありますが、特に小学校では、500人を超える学校には、やはり特別の手だてが必要だと思います。
次に、中学校で2番目をご覧ください。35人以上の1年生のクラスをマーカーで示しています。8校と書きましたが、これは7校でした。これも通う子どもの身に置きかえると大変理不尽な話です。24番の御園中は81人で3クラス、1クラス27人です。28番の蒲田中は79人で2クラス、39人、40人です。中1の場合、学校ごとに複数担任か35人以下学級を選択したと聞いていますが、ここは間違いありませんね。
◎杉山 学務課長 現在、東京都教育委員会では、小学校第1学年を35人編制とし、小学校第2学年及び中学校第1学年については35人学級を原則とするが、各校の実例により、基準である40人の範囲での編制もできることとしております。
したがいまして、区立中学校第1学年については、1学級を35人以下にするか、またはチーム・ティーチングによる教科指導とするかを選択できるようにしております。
◆金子 委員 教室が足りないなどの学校施設の問題もあったと聞きましたが、まず第一義的に、教育環境を整えるというのが大田区の役割ではなかったかと思います。
また、地域の複数の小学校から入学してきますので、特に、新1年生には、35人以下学級が必要です。学校に判断してもらうという段階で、一度は、実施した中1の35人以下学級がついえてしまったのは大変残念なことです。この7校には複数担任がいるわけですから、ぜひ対策をすべきです。お答えください。
◎杉山 学務課長 平成29年度にチーム・ティーチングを選択した学校のうち、教室の不足を理由に挙げた学校が3校、複数指導によるメリットを挙げた学校が4校ございます。
学校現場では、必ずしも少人数学級がメリットと感じていない学校もあり、教育委員会としては、生徒の実態を把握している各学校の判断に任せていく方針でございます。
◆金子 委員 この学校現場に、その判断を委ねたのは、やはりまずかったと思います。
特に、中学校は、300人を超えれば、もう大規模校です。この300人以下の学校は少ないという意味では、中学校は、その3学年で小学校より多い子どもを抱えるとなることを直視しなければいけないと思います。
それで、次に、今予算案で目玉の副校長補佐の採用についてです。副校長の過重労働が心配されていますので、大変歓迎されています。
事項別明細書239ページ、小学校費、学校職員等事務費に副校長補佐、学校事務補助、読書学習司書分として2億2,718万円になっていますが、この副校長補佐の方の人数、給与、健康保険、共済費についてお答えください。
◎鈴木 学校職員担当課長 小学校採用予定の(仮称)副校長補佐の人数でございますが、59人でございます。報酬ですが、1日5時間、月16日勤務で月12万5,600円でございます。
健康保険については、各自で加入していただくことになります。
また、共済費は、労災保険として区が負担することになります。
◆金子 委員 それから、247ページ、中学校費についても、副校長補佐の方の給与について同じようにお答えください。
◎鈴木 学校職員担当課長 中学校採用予定の(仮称)副校長補佐の人数は、28人でございます。
報酬につきましては、小学校と同じでございますが、1日5時間、月16日勤務で月12万5,600円でございます。
◆金子 委員 小中学校に講師や職員として出入りする人は、かなり多い。教員の時差勤務や出張、講師をはじめ、介添員、読書学習司書をはじめ、最後に、シルバー人材センターの人が鍵を閉めるまで、全ての出勤簿を管理しているのが副校長です。
せめてタイムカードを設置することを求めますが、いかがでしょうか。
◎鈴木 学校職員担当課長 教員の勤務状況につきましては、校長や副校長からのヒアリングやアンケートなどを通じまして把握しているところでございます。
なお、(仮称)副校長補佐の職務には、副校長の指導・監督のもと、出勤簿管理を補助することを含めて考えております。
◆金子 委員 副校長や教職員の勤務の軽減は急務であります。しかし、この副校長補佐の身分は大変不安定で、しかも、賃金は高いとは言えません。常勤で採用するところまで区としても頑張るべきですが、このことについては、答弁はいりません。
そこで、副校長も、言ってみれば学校の先生です。子どもたちと触れ合いたくて教師の職についた人たちです。そのための時間を保障することが求められているのではないでしょうか。少人数学級を実現することが、この点でも必要です。どちらにしても、この35人以下学級を政府が始めてしまったのです。
それで、来るべき新しい政権は、やり残した仕事として、残りの学年を35人以下学級にすることを自治体に要請すると思います。そのための準備をすることを求めます。
それから、この時代を担う子どもたちの育ちをというところで、全ての子が学校生活を楽しめる環境を整えますと言っています。これは、当然、不登校だけではなく、普通の児童・生徒に求められることだと、これも区の仕事であるということを申し上げて終わります。
○深川 委員長 次に、福井委員の質疑に際しまして、資料の掲示を許可するとともに、タブレット型端末に配信いたしましたので、ご了承願います。
◆福井 委員 日本共産党の福井亮二です。子どもの貧困対策の観点から教育費について伺います。
おおた子どもの
生活応援プランでは、三つの柱で組み立てられています。経験・学力、生活・健康、居場所・包摂となっています。
まず、学力の面では、小5アンケートにおいて、「学校の授業がわかるか」の問いに対して「わからない」と答えた割合が、非
生活困難層では5.8%に対して、
生活困難層は2倍以上の14%になっています。「授業以外に勉強するのか」の問いに対して「30分より少ない」と答えた割合は、非
生活困難層が11.6%に対して、
生活困難層は23.2%になっています。
ここで、
生活応援プランの冊子の中で、「学習支援の現場から」とレポートがありますのでご紹介をします。
通ってくる子どもの多くは、家庭での学習習慣が身についておらず、学力の定着に課題を持っています。授業の形式はとらず、まず、この場に来てくれるのが大事な1歩ですので、来てくれればよく来たねと受け入れます。その日にやることを自分で決めて学習に取りかかります。この自分で決めることは、みずから考えて行動する機会として、必ず実行するという決まりごとにしています。
勉強を支援するのではなく、寄り添い支援することに徹底している。継続して支援することにより、自主的な行動が身につき、意欲にもつながっていくとのことでした。
私は、この取り組みは、小学校の早い段階から行うことが必要だと考えています。今、小学校では、放課後子ども教室を行っています。この事業をより発展させて、友達と一緒に宿題・学習ができる
環境づくりに、ぜひ取り組んでいただきたいと思います。
学習支援事業は、困った人、貧困の人が行くところと間違った目で見る方もいるのも事実です。そうならないように放課後子ども教室に、例えば、宿題タイムみたいなものをつくり、誰でもそこに行けば、一緒に勉強ができる場所になることを求めます。お答えください。
◎北村 教育総務部副参事〔教育政策担当〕 放課後子ども教室では、子どもが学習に取り組みやすい静かな場所を用意したり、指導員が適切な声かけをするなど、子どもの学習意欲を引き出す
環境づくりを行っております。
放課後子ども教室を利用する多くの子どもたちは、入室後、まず、宿題にそろって取りかかり、宿題を終え、すっきりしたところで、自由な活動を楽しんでおります。このことが習慣化し、放課後子ども教室を利用する児童は宿題を忘れることが少なくなっていると聞いております。
引き続き、放課後子ども教室において、子どもたちが勉強しやすい環境の整備に取り組み、子どもたちの学習習慣の定着を図ってまいりたいと存じます。
◆福井 委員 今、答弁いただいたように、そういった方向に、今、向かっているということなので、ぜひしっかりやっていただきたいと思っています。
ソニー生命保険株式会社では、子どもの教育資金に関する調査2018を発表しました。その中で、子どもの教育費の負担が重いと答えている割合は、7割強に上ります。習いごとや塾など、学校以外の教育費は年々増加し、月平均支出1万4,260円となっています。子どもの進学費用の準備として、平均で月1万5,437円になっています。しかし、一番多いのは、約30%が「準備できていない」の0円となっているのです。
やはり教育費が重くのしかかっており、一日も早い高校授業料の完全無償化や大学学費引き下げ、給付型奨学金の拡充が必要だと考えています。
この調査の中で、子どもの学力や学歴は教育費次第と考える人が65%に上っています。子どもの学力と親の経済力の関係に因果関係があるといったデータもあります。つまり、子どもの学力を学校教育以外で補う、簡単に言えば、塾に通うということになっているわけです。そのことによって、親の経済力と子どもの学力が比例をしていくと。このようにつながっていると思います。つまり、学校でしっかり勉強が学べて、そして、補習・補講体制がとれることが必要なのではないでしょうか。
先ほど、金子委員が言いましたけれども、少人数学級を実施して、しっかりと生徒と教師の間をもっともっととれる時間を増やしていくといったことが必要だと考えています。
今、中学生の放課後教室支援として、子どもの学習支援事業を行っています。区内4か所で行って、対象者は、就学援助、生活保護、
児童扶養手当、いずれかを受給している世帯の子どもで、昨年度の実績は、中学3年生で76人全員が進学をしています。私は対象を絞らずに、全ての学校でこういった取り組みをやっていただきたいと思っています。
現在、東京都が、校内寺子屋制度を設けています。学力の底上げを目的に、高校に教員OBらによる校内寺子屋制度を設け、高校1年生を対象に、放課後や休日、長期休業期間中に学び直し学習をしています。
当初、10校で始まったこの事業は東京都も効果を認めて、新年度予算に30校に拡大しています。ぜひ、区内中学校でも、このような方法に取り組み、塾に通わなくてもしっかりと学べる
環境づくりに取り組んでいただきたいと思いますがいかがでしょうか。
◎増田 指導課長 大田区教育委員会では、学力向上を図る上で、まず第一に、日々の授業が重要と考え、その充実に取り組んでおります。
今年度、強化した取り組みとしては、習熟度別少人数指導において、1クラスが平均して25人を超える学年に講師を増員し、特に、基礎クラスが多人数にならないように配慮し、一人ひとりの子どもに指導が行き届くようにしております。
また、中学校に理科教育指導員を配置し、理科教員の実験や観察のスキルの向上を図るとともに、生徒に様々な実験を体験させることで、理科の学力向上を目指しております。
第二に、学力に課題を抱える児童・生徒を対象に、放課後や土曜日における補習教室を実施しております。学校の状況に応じて年間140時間から420時間、補習教室を担当する学習指導講師の配置を行っております。特に、中学校では、420時間配置とする学校数を昨年度の13校から21校に増やし、学習のつまずきを克服する指導の強化を図りました。
これらの取り組みにより、おおた教育振興プラン2014において、学力向上アクションプランの成果指標である、大田区学習効果測定における中学校第3学年数学の期待正答率を超えた生徒の割合が、今年度65.0%となり、平成30年度目標とした62.0%を3ポイント上回る成果が上がっております。
教育委員会といたしましても、今後もわかる授業の充実と土曜日や放課後の個に応じた補習教室を両輪として、児童・生徒が塾に通わなくても、しっかりと学べる
環境づくりを推進してまいります。
◆福井 委員 ぜひ、今、答えていただいた方向でしっかりやっていただきたいのですが、今、答弁の中で、やはり少人数学級の重要性を言われたのですよ。やはり認めているのだから、この中学校、小学校でもやっていただきたいと再度要望したいと思います。
次に、就学援助について伺いたいと思います。昨年、第1回定例会の代表質問で、就学援助に部活動費用を盛り込んでほしいと質問したところ、教育長は必修ではないと。また、現時点では、部活動費を盛り込むことは、公平性の問題や具体的な金額の選定方法など、様々な問題があると考えていますとの答弁でした。
しかし、生活保護費の学習支援費は、部活動費にも活用できるようになっています。生活保護費は部活動費を認めていて、これに準じる就学援助では認めないということは、私は納得できません。
昨年、就学援助受給世帯の子どもが区内の某運動部に入部しましたが、ユニフォームがなくて、ずっとジャージ姿で部活動をしていました。このことによって、なぜ、おまえは、ユニフォームを買えないのだということでいじめに遭って、退部してしまったのです。シングルマザーの家庭で、生活が大変なのが自分でもわかると。だから、親に対して、ユニフォームを買ってくれと言えなかったそうです。そのことを知った母親が、私に泣きながら話してくれました。
家庭の経済的事情でクラブ活動、部活動が制限されてよいのでしょうか。子どもは、敏感です。親に迷惑をかけたくない。うちは、お金がないからしようがない。私が我慢すればよいと考えます。小中学生から諦めること、我慢を強いられて成長することが、子どもの健全な発達につながるでしょうか。私は、二度とこのようなことは、起こってほしくはありません。生活保護受給の場合は、教育費補助の学習支援費があり、支給金額は、中学生で月5,150円。就学援助費に部活動費を盛り込み、月5,150円を上限に、実費支給するように求めます。お答えください。
◎杉山 学務課長 就学援助費は、生活保護基準の1.2倍までの所得の世帯を対象としており、生活保護基準を上回る所得の世帯もございます。したがいまして、部活動費については、生活保護世帯と異なる取扱いになっていることにつきましては、一定の合理性があると考えております。
委員のお話にありましたとおり、中学校の部活動につきましては必修ではないこと、部によって費用が大きく異なることやその実費を算定することが困難であることから、現時点で部活動費を盛り込むことは、公平性など様々な課題があると考えております。
◆福井 委員 今の答弁だと、先ほどのお子さんは救えないのですよね。ぜひ認めていただいて、こういったことがないように対応していただきたいと思っています。
それで、次に、就学援助の中で、新入学用品費について伺います。大田区も努力をされて、支給日が早まったことには感謝をしています。そもそもこの新入学用品費は、何を想定して、金額は幾らでしょうか。中学の場合を教えてください。
◎杉山 学務課長 中学生の新入学用品費の使用目途は、制服・通学かばんなどを想定してございます。金額は2万6,120円となっております。
◆福井 委員 今、教えていただきました新入学用品費は制服やかばんでしたと、金額は2万6,120円という回答がありました。その中で資料を用意したので、タブレットを見てください。
これは、区立の中学校の今年4月に入学する保護者の方からいただいた資料です。標準服のご案内ということで、男子服、上着2万500円、ズボン1万300円、これだけで2万6,000円を超えているわけですね。あと、かばんでは5,000円と。そのほかにネクタイや長ズボンと。冬服も夏服も買わなければいけないので、こういったものを区立の中学校からもらってきました。
そして、その保護者が実際に買ったときの領収書がこちらです。実際に幾らかかったのかということなのですね。ここで書いてあるのが、金額9万1,000円なのですよ。夏服・冬服を買った、かばんとシャツ、そして上履き、こういった金額を全て合わせると9万1,000円かかっているのですね。
それで、今、課長から答弁をいただいた2万6,120円とは大きくかけ離れています。やはり早急に実態に合った新入学用品費の見直しを求めたいと思いますが、いかがでしょうか。
◎杉山 学務課長 支給額の増額等につきましては、平成29年3月の
予算特別委員会並びに本定例会の代表質問でもお答えをさせていただきましたが、景気動向や社会経済状況、加えて都区財政調整制度における積算単価などを踏まえながら、適切に判断してまいります。
◆福井 委員 もう一つ、ちょっとこの新入学用品費を適切に見直していくということなので、実際に、2万6,120円と新入学の際に支払うお金は乖離しているという事実はお認めになりますか。
◎杉山 学務課長 今、お示しをいただいたものだけでは判断しかねます。
◆福井 委員 この領収書を別にして、区立中学校が出している資料ですよ。これで、上着は2万500円、ズボンは1万300円で、これで3万円を超えているわけですから。これは私がつくった資料ではなくて、区立中学校からもらった資料ですので、ぜひ事実とかけ離れている。これだけは認識をしていただかないと対応できないのですよ、乖離しているということを。もう1回、確認しますけれども、この資料です。区立中学校の。確認してください。
◎杉山 学務課長 その資料だけでということでお答えさせていただきますと、乖離があるものかと考えます。
◆福井 委員 はい、わかりました。
それで、この制服というのは、やはり買いかえ等を成長に伴って行っていくので、この区内のある中学校では、PTAの中でいらなくなった制服を回収し、再利用をしているというケースがあると聞きました。
大田区として、このようなPTA活動を支援して、区内での制服の回収・再利用をぜひ努力をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。