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平成30年 3月  予算特別委員会−03月15日-01号

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  1. 大田区議会 2018-03-15
    平成30年 3月  予算特別委員会−03月15日-01号


    取得元: 大田区議会公式サイト
    最終取得日: 2021-10-03
    平成30年 3月  予算特別委員会−03月15日-01号平成30年 3月  予算特別委員会 平成30年3月15日                午後1時00分開会 ○深川 委員長 ただいまから、予算特別委員会を開会いたします。 昨日に引き続き、第1号議案 平成30年度大田区一般会計予算、歳出の款別審査を行います。  第7款都市整備費の審査を続けます。  ネット、質疑願います。 ◆北澤 委員 大田・生活者ネットワークの北澤潤子です。ひとり親家庭への居住支援を中心にお聞きします。  以前、40代の夫を突然亡くした女性から相談がありました。夫が亡くなったので社宅から出なくてはならず、公営住宅の申し込みをしたいとのことでした。高校生の子どもが二人なので、あまり狭い家というわけにもいかない。パート収入が年120万円程度。貯金はほとんどなく、遺族年金と生命保険だけ。残念ながら、申し込み時期がずれていたので公営住宅には入れず、経済的に厳しい中で、かなり無理をして賃貸住宅で暮らしています。  先日、議員研修会で阿部彩氏の講演会を聞きました。大田区の生活困難層が21%。中でも、母子家庭の生活困難層の率は45.6%と約半分です。平成28年度ひとり親世帯等調査によると、母子家庭の母親の就労率は81.8%と高いものの、非正規で働く人が43.8%、平均年間所得は243万円。これは児童のいる一般世帯の平均所得を100として比較すると49.2です。特に就労収入は低く、母親自身の就労収入は平均200万円。最も多い層が100万円から200万円の層です。ひとり親家庭の困難さがわかります。  そこで今日は、ひとり親への居住支援についてお聞きしたいと思います。  住宅課の窓口には、「居住支援施策のご案内、対象:高齢者・障がい者・ひとり親等」というパンフレットがありますが、これはひとり親に対しては、どこでどのように手渡していますか。 ◎榎田 住宅担当課長 委員お話しの、居住支援のご案内というパンフレットは、今年度新たに作成したものでございます。ひとり親家庭に対しては子育て支援課建築調整課住宅担当、各生活福祉課及び特別出張所で配布しております。  また、住宅担当と各生活福祉課では、ご本人に、直接、説明を行っております。住宅探しを行う場合は、ご本人が不動産店で直接ご相談していただいたほうが、物件が早く見つかるため、説明を行う際には、協力不動産店リストも一緒にお渡ししております。 ◆北澤 委員 できるだけいろいろな窓口で、目に触れるようになっていることが好ましいと思います。  協力不動産店は、どのような基準で選ばれていますか。一般の不動産店とどういう違いがありますか。 ◎榎田 住宅担当課長 区では、東京都宅地建物取引業協会大田区支部と協定を結び、高齢者やひとり親世帯などの住宅探しの支援を行っております。  協力不動産店は、高齢者やひとり親世帯等からの相談に親身に対応していただける不動産店を、宅建協会大田支部が会員の中から59店舗選定しております。協力不動産店は、高齢者やひとり親世帯等に空き物件を紹介するほか、大田区が提携する保証会社との契約を取り扱っております。  区は、この契約に基づきまして、一定の条件を満たした方に保証料等の助成を行っております。
    ◆北澤 委員 お聞きします。この案内によって、住宅担当には年間何件のひとり親家庭の相談があり、この支援により住宅を見つけることのできた人は何人で、どのような成功例がありましたか。  また、ひとり親世帯への居住支援施策の効果を把握していますか。 ◎榎田 住宅担当課長 ひとり親世帯の相談件数は、建築調整課住宅担当だけで年間約40件でございます。ひとり親世帯の相談者は、お若い方が多いため、なるべく協力不動産店リストを見て、最寄りの不動産店にご自分で行っていただくようにお願いしております。事情があって不動産店に行けない方や広く区内で物件を探したい方の場合は、宅建協会を通じて物件照会を行っております。  物件照会を行った件数は、平成28年度が3件で、平成29年度が1件でございますが、4件とも物件が見つかって転居されております。物件照会を行わない相談事案の成約状況については、現在、確認できておりませんが、日本賃貸住宅管理協会の平成26年の調査によりますと、ひとり親世帯の入居を制限している家主は全体の2.1%であり、ひとり親であることが理由で、物件が見つからないという事例は少ないと考えます。  しかし、ひとり親家庭の大多数が所得が低く、物件探しに苦労されていると思われますので、物件照会を行わない相談事案についても、今後、状況を把握できるよう、検討してまいります。 ◆北澤 委員 あまり成功事例は少ないようなので、もっともっと施策の強化を進めていく必要があるのではないかと思います。  低収入のためになかなか家が見つからない。また、離婚したばかりで、これから職を見つけるという場合。無職であるために家を借りることができない。また家がなくては職にもつけないという、八方ふさがりの状況に陥る場合もあります。しかも不動産業者も、ひとり親だと生活が不安定で家賃がちゃんと払えないのではないか、子どもの世話ができないことで問題を起こすのではないか、保証人がいないなどの理由で貸し渋りがあることも聞きます。何軒も断られて力を落とす母親もあると聞きます。ただでさえ専門的な知識がない中で、物件探しから交渉や契約をたった一人でしなければなりません。安心できる不動産店ばかりとも限りません。子どもの世話ばかりか親の介護を抱えている女性もいるのです。居住に関しては中間支援の必要性を感じます。  高齢者への住宅支援は有隣協会が、高齢福祉課から委託を受けて行っています。高齢者の相談を受けて課題を整理し、必要に応じて不動産店に付き添います。結果、2017年6月から住宅確保の申請が37件で、成立が5件だと聞きました。契約が成立した後も、地域包括支援センターや地域資源と結びつけるなど、住宅相談を入り口に自立を維持できるように、継続的な寄り添い型の支援をしています。一つ一つのケースは違うので、丁寧に課題を整理していき、必要な支援につなげていくことが、結局は成果を生み出しているということを、この高齢福祉課の施策からは知ることができました。  杉並区にあるリトルワンズというNPO法人ひとり親家庭を支援している団体で、相談窓口や親子カフェの運営、様々な情報提供をする活動をしています。居住支援も行っており、住宅のマッチング、サブリース、リフォーム、シェアハウスへの入居紹介など、不動産についての専門知識をもって、コーディネート、見守りまで行っています。  豊島区居住支援協議会は、この団体を含む四つのNPO法人を登録団体にして、連携体制をとっています。行政との連携やフォロー体制があることで、不動産業者からの信頼も得て、住宅の確保がスムーズになっているということです。  しかし、居住支援協議会がなくても、このような居住支援を行っている団体と連携を組むことは可能ですし、改正住宅セーフティネット法により、事業者が条件を満たした物件を登録すれば、借り主の所得によっては、最大月4万円の家賃補助を受けることもできるはずです。  お聞きします。大田区はひとり親家庭に対しての居住支援を、今後、どのように進めていきますか。福祉的な観点、また、住宅に関する専門的な知識を伴うきめ細かなコーディネートのできる居住支援団体を開拓するつもりはありませんか。 ◎榎田 住宅担当課長 先ほどもご答弁いたしましたように、所得の低い方は物件探しに苦労されていると考えておりますので、今後立ち上げる予定の居住支援協議会において、所得の少ないひとり親家庭がスムーズに賃貸住宅に入居できるよう、検討してまいります。  また、改正住宅セーフティネット法では、家賃債務保証や賃貸住宅の情報提供、相談、見守りなどの生活支援を行う法人を、都道府県が居住支援法人として指定する制度が定められており、国は居住支援法人の活動に対して補助を行っております。  区といたしましても、居住支援法人の活動は有益であると認識しておりますので、今後そのような団体の活動が活性化することを期待して、居住支援協議会において検討してまいります。 ◆北澤 委員 よろしくお願いいたします。平成28年度ひとり親世帯等調査によると、公的制度の利用状況に関して、母子家庭の約4割が行政の支援を知らないという結果になっています。必要なところに支援がしっかり届くような目配り、心配りが必要です。  離婚届を出す戸籍住民課は、ひとり親としての生活の始まりにおける、行政とのつながりの最初の貴重な機会です。離婚届には、養育費の取り決めをしましたかというチェック項目がありますが、平成28年の調査では、取り決めをしているのが42.9%です。しかし、子どもの育つ環境に経済は大きく影響してきますから、戸籍住民課には取り決めの確認を、ぜひ促してほしいと思います。  お聞きします。養育費の取り決めに関して、区はどのように支援をしていますか。 ◎杉村 戸籍住民課長 協議離婚の際には、民法766条の規定により、面会交流及び養育費分担の取り決めを定めるとされております。そのため、届出書には、子の利益を損なうことのないよう、取り決めがなされているか否かを記入する欄が設けられております。  戸籍住民課及び特別出張所の窓口では、この欄を確認し、未記入の場合には、取り決めの有無をお尋ねするとともに、子どもの利益を最も優先して、取り決めをしていただくことが必要であることを、丁寧にご説明しております。  また、取り決めをすることが難しいとのお話をいただいた場合には、法務省が発行する、子どもの養育に関する合意書作成の手引きを差し上げるとともに、養育費相談支援センターなどの相談窓口を案内し、専門家の支援につなげております。 ◆北澤 委員 これからもぜひ、強力に進めていただきたいと思います。  さて、平成28年全国ひとり親世帯調査によると、ひとり親の母親で相談相手がいないと答えた割合が20%、相談する人が欲しいと答えた人は60%です。SOSを発信しやすい、またしっかり受けとめる環境づくりが必要です。  子育てハンドブックは、妊娠届をしたときに妊婦がもらえる、大田区の子育て支援に関する情報が詰まっている冊子ですが、この子育てハンドブックをさらに充実させて、ひとり親になったときにも、大田区からはどのような応援があるのかわかりやすく記しておき、戸籍住民課の窓口にも置いておくとよいと考えます。行政サービスはもちろん、子ども食堂や子育てひろばなど、地域の情報も加えておくと、さらに有効だと思います。  行政は申請主義ですが、貧困や孤立を予防するにはアウトリーチも大切です。例えば児童扶養手当を申請に来た人に対して、今度、連絡を取ってもいいですかという、連絡の許可を同時に取り、新たな企画が始まるときなどにお知らせをするなど、アウトリーチの道もつくっておくことはできないでしょうか。  大田区は他の自治体に先駆けて、子どもの生活実態調査を行い、おおた子どもの生活応援プランをつくりました。また地域資源調査ということで、地域の子育て支援をしている団体の実態調査も行いました。  お聞きします。この調査を今後、どのように生かしていきますか。 ◎石川 子ども生活応援担当課長 区は、子どもの貧困を地域共通の課題と捉え、区民をはじめとする地域の多様な主体との連携により、おおた子どもの生活応援プランを推進していくこととしております。  社会資源調査は、地域における区民団体の現在の活動状況や、今後の展望などを、子どもの貧困対策の視点から調査したものです。調査対象は、大田区区民活動情報サイト登録団体及び大田区社会福祉法人協議会の参加法人とし、本プランに資する87の活動を把握することができました。こうした区民活動の実態を踏まえ、平成30年度から、子どもとその家庭が抱える多様な課題を、地域力をもって解決することを目的とした、地域とつくる支援の輪プロジェクトに取り組みます。子どもと保護者が自分らしく過ごせる居場所が暮らしの身近にあることで、小さなSOSにも気づき、支援につなげることができます。  そのために、区は、プラン推進に資する団体の個々の活動に対し、相談対応や情報提供などを行いながら、各団体が持つ強みを生かし、互いの連携を促進し、活動のさらなる活性化に向け支援してまいります。  また、本調査結果を活用した課題分析を行い、新たな活動の発掘などにも取り組んでまいります。 ◆北澤 委員 大田区は、社会的包摂が大事だと言っています。複雑な課題に寄り添っている地域の団体の継続性を、今度は行政がサポートしながら、みんなでエンパワメントしていける大田区になることが、持続可能な社会づくりになるのではないでしょうか。  また、区役所のどの窓口も、法定受託事務をこなせばいいというのではなく、社会的包摂の大事な一翼を担っているという意識を持ちながら、業務にあたっていただきたいと願います。 ○深川 委員長 次に、自民、質疑願います。 ◆松原〔秀〕 委員 私からは、都市整備費のうち、事項別明細書の207ページ、地域拠点駅周辺のまちづくりの池上地区について質問いたします。  この件につきましては、黒川議員も一般質問の中で触れておりましたが、視点を変えて質問いたしますので、ご答弁のほど、よろしくお願いいたします。  現在、池上地区では、鉄道事業者による池上駅舎改良が平成32年度(2020年度)の完成を目指して行われております。駅舎改良では、構内踏切の解消や新たな南口が整備されることで、これまでの駅周辺の課題が解決されるなど、多くの効果が期待されています。  また、区が国や鉄道事業者と、昨年8月に策定した事業計画によると、新たな駅舎は駅利用者にとって安全で快適な使いやすい駅となるほか、地域生活者にとって利便性の高い新たなまちの生活拠点となる予定です。そのため、新たな駅は駅舎のみならず、生活支援施設や公共施設が一体整備されるなど、これまでのような商業ビルだけでないものとなっています。  具体的には、池上図書館の移設や保育園などの設置が予定され、地区の新たな拠点として様々な役割を果たすことが期待されています。さらに、鉄道事業者による駅舎のイメージ図を見ると、池上本門寺をはじめとする門前町の歴史性を踏まえたデザインとなっており、池上地区にふさわしい駅舎に整備されるとのことです。  池上地区では、ここ数年でわずかではありますが、人口も増加傾向にある上、池上駅の乗降客数についても、人口と連動して年々増加しております。  このように、多くの区民が利用する駅に、これまでと違った機能が集積し、安全で安心な駅に生まれ変わることについては、地元でも非常に関心が高いものとなっています。  その駅舎改良工事は現在、仮の駅舎が整備されるとともに、工事ヤードには白い板囲いが設置されています。また、改札口も移設されるなど、日々工事が進捗している様子がうかがえます。しかしながら、工期は平成32年度中ごろを予定しており、まだまだ時間がかかるものと考えられます。  そこで伺います。現在の駅舎改良工事の進捗状況は、どのようになっているのでしょうか。 ◎近江 地域整備担当課長 池上駅舎改良は、委員お話しのとおり、平成32年度(2020年度)の完成に向けて工事が進められているところです。鉄道事業者によりますと、昨年11月の仮駅舎への移転後、既存駅舎の解体も完了し、今後は、地盤改良や基礎ぐいの打設等を行っていく予定と聞いています。工事車両の運行や騒音等により、鉄道利用者及び近隣住民にご迷惑がかからないように、万全を期して安全に工事を進めていくとのことでございます。  区としましても、大田区鉄道駅総合改善事業の活用を通じて、駅舎改良が安全にかつ円滑に進むよう支援してまいります。 ◆松原〔秀〕 委員 とにかく、工事の事故がないよう、安全かつ円滑な進捗を望みます。  次に、このたびの駅舎改良によって駅そのものがリニューアルされ、安全性、利便性が高まることは大変よいことだと思いますが、その一方で、駅周辺はバスや歩行者の動線が錯綜している状況にあります。駅が安全・安心で便利になると、利用者がさらに増加することも予想されます。今まで以上に駅周辺の交通負荷がかかってくることが想定されます。そのため、駅周辺の交通環境の改善も、あわせて検討していくことが必要であると考えています。  そこで伺います。このたびの駅舎改良に伴う地域への影響や駅周辺の交通環境の改善について、区はどのように考えているのでしょうか。 ◎近江 地域整備担当課長 このたびの駅舎改良により橋上駅舎化されるとともに、新たに南口が設置されますが、これにより区内で唯一残った構内踏切が廃止され、バリアフリー機能を備えた南北自由通路が整備されます。南口の新設と南北自由通路の整備によって、池上駅前の南北バス通り上にある池上1号踏切の横断歩行者数が減少するなど、踏切負荷の低減が期待されているところでございます。  また、公共施設や生活支援施設とあわせて整備することで、駅利用者だけでなく、近隣住民の利便性も向上し、池上駅周辺のまちの機能改善や魅力向上に資するものになると考えてございます。  一方、駅周辺の歩行者空間や交通環境は、改善する余地があると認識しています。交通環境を改善するためには、将来的には都市計画道路の整備をする必要があると考えています。  区としては、未整備となっている都市計画道路の整備検討とあわせて、駅前空間における交通環境の改善について、地域の方のご要望やご意見、関係機関との協議を踏まえながら検討してまいります。 ◆松原〔秀〕 委員 駅前にはバスターミナルがあるのですが、以前そのバスターミナルで、女性高齢者の方の死亡事故がありました。安全対策には万全を期していただきたいと思います。  次に、駅に移転される池上図書館について伺います。池上図書館は、昭和31年に大田区で最初の図書館としてオープンし、昭和63年に現在の場所に移転してはいますが、オープンして62年と、大変、歴史のある図書館となっています。現在の蔵書数は、平成28年現在で約10万冊であり、池上本門寺をはじめとする寺社仏閣が集積していることもあり、宗教や哲学関連の資料が充実するなど、地域に根差した図書館となっております。私も大分利用させていただきました。  その一方で、建物は老朽化しており、建物の2階、3階に図書館機能が分散するなど、誰もが利用しやすい図書館と言える状況ではないように感じられます。  ほかの自治体の事例を見ますと、駅に直結する、あるいは駅近に図書館を設置する事例が多くなっています。そのような図書館については、利用者の増加や図書の貸出数が従前と比較して多くなるなどしております。例えば、民間事業者が発表している「住みたいまちランキング」でも、近年、上位にランキングされることが多い武蔵小杉駅についても、駅に直結するビルに川崎市の中原図書館が移転されました。  その中原図書館では、平成25年に図書館が移転されていますが、移転前と比較して、貸出者数や貸出冊数がともに増加するなど、平日でも大変多くの方が利用されています。もちろん、このような効果は移転だけによるものでなく、図書館自体の開館時間の延長や独自性を打ち出すなど、様々な工夫をしている結果であると推察されます。  そこで伺います。新たに駅ビル内に移設される池上図書館について、移設開館時期やどのような図書館となるのか、これまでわかっている範囲内でご教示をお願いいたします。 ◎山中 大田図書館長 委員お話しのとおり、池上図書館は昭和31年に最初の区立図書館として、当時の区民会館で開館いたしました。このたび、池上駅ビル内に設置することについて、平成29年12月6日、東京急行電鉄株式会社と覚書を締結いたしました。  移転後の図書館の具体的な計画につきましては、今後、検討していくことになりますが、駅の直上という利便性を最大限に生かし、知の拠点として区立図書館の基本的な機能は維持しつつ、区民に身近な図書館として、気軽に利用できる雰囲気や機能を備えた図書館にしてまいりたいと考えております。  また、生涯学習講座や地域文化団体活動などの集会行事を通じて、地域の人と人とを結びつけ、地域力を醸成する場となり、本や情報を介して多くの区民が集えるような、これまでにない魅力ある図書館を目指してまいります。  なお、開館の時期につきましては、現時点では、駅ビル竣工予定の平成32年度、2020年度を想定しております。 ◆松原〔秀〕 委員 池上図書館につきましては、先ほど申しましたように、私も学生のころかなり使わせていただきました。そこで友達に会ったり、沢木耕太郎という作家がまだ学生のころ、一緒にいろいろ使った覚えもあります。ぜひ使い勝手のよい、魅力的な図書館になるよう要望いたします。  次に、移転した後の、現在の池上図書館の跡地利用についても伺います。先ほど申し上げましたとおり、現在の池上図書館は、もともと当時の大田区民会館にあったものを、昭和63年に現在のところに移転した後、平成19年に区が当時の所有者より土地・建物を買い取り、現在に至っております。現在の建物は昭和12年に建設されており、建物自体は耐震化していると聞いておりますが、建築後約80年以上が経過するなど、老朽化が目立っております。  池上図書館が現在の地より駅ビル内に移転することで、安全で利便性の高い図書館に生まれ変わることになりますが、一方で、現在の池上図書館の建物や土地の利活用については、地元でも心配する声や関心が高まってきております。  そこで伺います。現池上図書館移転後の土地や建物の利活用について、区としてはどのように考えているのでしょうか。ご見解をお伺いいたします。 ◎近江 地域整備担当課長 現在の池上図書館の建物については、委員お話しのとおり築80年以上が経過し、耐震化への対応は完了しているものの、時代の変化に対応するために、また今後の社会情勢等を見据えて、地域課題の解決に資する機能更新が求められているものと考えております。  また、敷地の一部は都市計画道路補助線街路第43号線の計画線に接している状況でございます。こうしたことを踏まえ、現在の池上図書館の建物及び土地の活用につきましては、周辺地域の状況もふかんしながら、総合的に検討していく必要があると考えております。  今後、区は、大田区公共施設適正配置方針の考え方に基づき、関連部局がしっかりと連携して、地元のまちづくり協議会をはじめとする地域のご意見やご要望をお聞きしながら、貴重な行政財産として、様々な角度からその活用策について検討してまいります。 ◆松原〔秀〕 委員 最後になりますが、現図書館の敷地内には、図書館以外にも町会の防災倉庫をはじめとして、地域にとって重要な設備や機能が置き込まれております。例えば適応指導教室つばさや福祉バスの駐車場などです。これらの役割が損なわれないよう、再配置の検討にあたっては、十分配慮することを要望いたしまして、私の質問を終わります。 ○深川 委員長 以上で、第7款都市整備費の審査を終結いたします。  第8款環境清掃費の審査を行います。  理事者の説明を求めます。 ◎谷口 財政課長 それでは、事項別明細書214ページをご覧ください。  第8款環境清掃費でございます。本年度103憶6,043万8,000円で、3,860万6,000円の増です。  第1項環境保全費、本年度7億3,074万8,000円で、1億8,334万5,000円の減です。第1目環境保全総務費、本年度3億6,894万1,000円で、1億3,286万4,000円の増です。第2目環境対策費、本年度2億4,669万円で、3億5,684万2,000円の減です。主なものは、217ページ、8番、環境対策課事務費で、3億7,588万円の減です。  216ページでございます。第3目緑化推進費、本年度1億1,511万7,000円で、4,063万3,000円の増です。主なものは、右側217ページ、1番、緑の基本計画で4,082万2,000円の増です。  第1項環境保全費は以上でございます。  続いて、218ページです。第2項清掃管理費、本年度33億1,531万3,000円で、2,729万6,000円の減です。第1目清掃総務費、本年度28億3,170万8,000円で、2億812万8,000円の減です。主なものは、右側219ページ、1番、職員人件費で、1億8,246万2,000円の減です。  220ページです。第2目安全衛生費、本年度1,783万2,000円で、4万5,000円の減です。第3目普及調査費、本年度179万6,000円で、5万円の増です。第4目指導費、本年度273万6,000円で、155万2,000円の増です。第5目事務所事業所費、本年度1億1,028万9,000円で、1億2,478万5,000円の減です。主なものは、右側221ページ、1番、清掃事務所等の管理の(2)清掃事務所等建物維持で1億2,394万1,000円の減です。  222ページです。第6目清掃事務所施設建設費、本年度3億5,095万2,000円で、3億406万円の増です。  第2項清掃管理費は以上でございます。  続いて、224ページです。第3項廃棄物対策費、本年度63億1,437万7,000円で、2億4,924万7,000円の増です。第1目廃棄物対策管理費、本年度23億8,480万1,000円で、560万6,000円の減です。第2目ごみ収集費、本年度24億511万9,000円で、2億2,519万6,000円の増です。主なものは、右側225ページ、1番、ごみ収集作業の(1)車両雇上費で、9,974万5,000円の増、また(3)作業運営費で1億3,457万6,000円の増です。  続いて、226ページです。第3目リサイクル対策費、本年度15億2,086万6,000円で、2,996万5,000円の増です。  第4目動物死体処理費、本年度359万1,000円で、30万8,000円の減です。  第8款環境清掃費は以上でございます。 ○深川 委員長 この款には、自民、公明、緑から質疑の通知がありますので、順次、これを許します。  それでは、質疑に入ります。  自民、質疑願います。 ◆高山 委員 自由民主党大田区民連合の高山雄一です。環境清掃費について、幾つか質問させていただきます。  まずは、ごみの自己持ち込みについて質問いたします。自宅で出た粗大ごみの処分の方法としては、電話でお願いして引き取り日を決め、粗大ごみ処理券を購入して粗大ごみに貼り、自宅まで回収に来てもらう方法と自分で持ち込む方法があります。  自己持ち込みについては、事前予約の上、京浜島中継所において、受け入れを行っています。持ち込んだ場合にも処分料は必要ですが、自宅まで回収に来てもらうよりは安く引き取ってもらうことができます。  平成28年4月からは、日曜日だけでなく月曜日から土曜日までの午後も受け入れを開始したので、とても便利になっております。  平成28年第4回定例会の一般質問において、引っ越しなどの臨時に出る可燃ごみについても、粗大ごみと同様に自己持ち込みができないものかとの質問をさせていただきました。そのときは、鋭意検討されるとの答弁をいただきました。検討していただいていることと思いますが、その後の進捗状況についてお聞かせください。 ◎喜多 清掃事業課長 廃棄物の取扱いにつきましては、様々な課題がございます。それらを整理いたしまして、現在、可燃ごみ扱いとしている品目のうち、京浜島中継所への自己持ち込みとして、受け入れ可能な品目を検討いたしました。  その結果、引っ越しに伴い排出される廃棄物の中で、占める割合が比較的多く、かさばる物である衣服に着目し、来年度中に受け入れを開始する予定としております。 ◆高山 委員 その受け入れの時期と、衣服を持ち込んだ際の料金についてはいかがでしょうか。 ◎喜多 清掃事業課長 まず、受け入れ時期についてでございますが、衣服等を受け入れるためには、輸送コストの関係上、一定量確保しなければならず、また、雨などによる水分を含まない状態で一時保管する必要があります。そのスペースを確保するため、平成30年度に、京浜島中継所の建屋の一部改修工事を予定しておりまして、受け入れにつきましては、本年秋以降になる予定でございます。  また、持ち込んだ際の手数料につきましては、受け入れ開始までに要綱等を整備し、粗大ごみの持ち込み制度に減免措置があることを踏まえ、設定させていただきます。  区民の皆様には、受け入れ時期をはじめ、受け入れに関する詳細について、決まり次第、周知してまいります。
    ◆高山 委員 引っ越しなどの際には、どうしても大量のごみが出てしまいます。何度か引っ越しで出たと思われるごみが集積所に置き去りとなってルール違反のシールが貼られているのを目にしたことがあります。  衣類の持ち込みを受け入れることは、収集ごみ量の削減、そして不適正なごみの排出防止の観点からも一歩前進したと考えます。現在、可燃ごみとして出した場合には、衣類は無料でごみを出せることになっていますので、その点も考慮して持ち込んだ際の料金を設定していただきたいと考えます。  そして、引き続き、他の品目についても検討していただきたいと考えますが、その点はいかがでしょうか。 ◎喜多 清掃事業課長 引っ越しなどで排出される臨時ごみの自己持ち込みを受け入れることは、可燃、不燃に限らず、収集体制のさらなる効率化につながることに加え、処分に困った方が集積所へ不適正排出することを防止するなどの効果が期待できるものと考えております。  今後も引き続き、廃棄物を処理する上での課題を整理し、区民の利便性の向上に向け、受け入れ可能な品目について、検討してまいります。 ◆高山 委員 ぜひ、ご検討をよろしくお願いいたします。  次に、資源持ち去り防止パトロールについて質問いたします。  区民の皆さんが分別し、区の収集所に排出した新聞や雑誌、ビン・缶・ペットボトルなどの資源物を第三者が無断で持ち去る行為が後を絶ちません。資源の持ち去りは、ごみの減量や資源のリサイクルを推進する意欲をそぐ許しがたい行為であります。  区では平成29年度から、資源持ち去り防止パトロールを1台体制から3台体制に強化いたしました。さらに、今まで注意ビラの手渡しと口頭注意しか行えなかった民間パトロールの委託事業者に、警告書を交付できるようにいたしました。  区の対応としては、集積所での資源持ち去り行為の現場を確認した場合は警告を行い、そして警告を受けた者が再度同様の違反行為を行った場合は、禁止命令を行っています。そして、さらに禁止命令を受けた者が命令違反に該当する行為を行った場合は、警察に告発するということにしておりますが、現状での成果についてお聞かせください。 ◎喜多 清掃事業課長 平成28年度の資源持ち去り者に対する警告書交付件数は3件、命令書交付件数は3件でございました。パトロールを1台体制から3台体制に強化した平成29年度でございますが、平成30年2月末時点における警告書交付件数は63件、命令書交付件数は5件となっております。  また、平成29年12月には、警視庁田園調布警察署生活安全課のご協力のもと、区職員との早朝合同パトロールを実施し、区の禁止命令に違反する常習者2名の資源持ち去りを現認し、書類送検していただきました。 ◆高山 委員 今、お話しいただいたように、効果があらわれているということですので、引き続きしっかりとパトロールをお願いしたいと思います。  隣の世田谷区では、資源の持ち去り者の多くは禁止命令に従わず、20万円以下の罰金を科されても持ち去り行為をやめようとしないとのことであります。そこで、平成29年第4回定例会において、世田谷区清掃リサイクル条例の一部を改正する条例を議決し、持ち去りを常習的に行う者に科する罰金が、現在の大田区と同じ20万円以下から50万円以下に引き上げられ、平成30年4月1日から施行されるとのことです。  4月以降、世田谷区での資源持ち去りの常習者が、処分の軽い大田区へ流れてくることも想像できます。大田区も資源持ち去りの常習者に対しては、厳罰に処分すべきだと考えますが、いかがでしょうか。 ◎喜多 清掃事業課長 区内で、警告書や命令書を交付した者のそのほとんどが常習的に持ち去りを行っている者でございます。その中には、世田谷区などの他自治体での持ち去り行為において、以前に罰金を科せられたことがある者も含まれております。  これら常習者に対する罰則強化等、今後の対応につきましては、4月1日以降の区内パトロールの実施報告をもとに、状況等を分析し、対策を検討してまいります。 ◆高山 委員 資源の持ち去りパトロールを強化することや罰則を厳しくすることも大切だと考えますが、犯行に及んだ後に科せられる罰則を強化することを検討していただくと同時に、犯行を未然に防ぐことを検討することも重要だと考えます。その点に関しましては、いかがでしょうか。 ◎喜多 清掃事業課長 資源の持ち去り者は、行政回収の曜日を把握し、その日を狙って集積所にあらわれます。このことから、区は、行政回収とは別日に、集積所とはできるだけ別の場所で資源を回収していただく、リサイクル活動グループによる集団回収活動を奨励しております。  各グループには、資源の回収量に合わせて報奨金をお支払いすることで、グループの活動資金の一助としていただいており、現在自治会・町会をはじめとする約700もの団体の皆様が活動されております。  今後も、資源持ち去り者への対応強化の検討とともに、区民のリサイクル意識の向上と資源持ち去り防止対策の観点から、リサイクル活動グループによる集団回収活動を奨励してまいります。 ◆高山 委員 集団回収は区民の協力が不可欠ではありますが、資源の持ち去りを防止し、リサイクルを推進するためにも、さらに広めていただきたいと要望いたします。  次に、不燃ごみの適正処理及び資源化事業について質問いたします。  不燃ごみは燃やして灰にできないため、できるだけ細かく破砕して埋め立てることしかできません。そのことからすれば、ごみ量の削減と資源循環の観点から、不燃ごみの資源化は可燃ごみの資源化以上に重要であると考えます。  そこでお伺いいたします。不燃ごみの資源化について、現在の状況と今後の課題についてお答えください。 ◎喜多 清掃事業課長 区は、現在、収集した不燃ごみから、誤って分別されずに排出されました使用済み小型家電や、鉄類などの有価物をピックアップし、資源化しています。今までの資源回収量でございますが、大森清掃事務所管轄の約2分の1の地域で本事業を開始しました、平成28年度には、2,322キログラ。、大森清掃事務所、調布清掃事務所管轄の全地域に拡大した本年度におけます、平成29年12月末現在の回収量は、42万3,256キログラムで着実に伸びており、蒲田清掃事務所管轄地域を含む大田区全域に拡大を予定する平成30年度には、さらなる資源化が期待されます。  今後の課題といたしましては、ピックアップによる資源化は、不燃ごみ全体の約3割程度であり、いまだ約7割が廃棄されている状態であります。その廃棄されている約7割のうち、約4割を陶器類が占めることから、ごみ量の削減に向けてそれらの有効活用について検討してまいります。 ◆高山 委員 不燃ごみの3割を資源化できているのは高く評価できますが、不燃ごみのさらなる有効活用についても、引き続き検討していただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  小型家電等の資源化事業については、区では昨年5月から、区の施設42か所に設置している回収ボックスで回収された携帯電話などの使用済み小型家電から取り出した金・銀・銅などの貴金属を材料として、東京2020大会の入賞メダルを作成するという、公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会が主催する「都市鉱山から作る!みんなのメダルプロジェクト」に参画しています。  東京2020大会の気運醸成、資源循環型社会の構築を推進するためにもすばらしい取り組みだと思いますが、このプロジェクトについての現在の状況と課題についてお聞かせください。 ◎喜多 清掃事業課長 区が本プロジェクトに参画いたしました昨年5月から12月までの42拠点における使用済み小型家電の回収量でございますが、2012年ロンドン大会のメダルを参考に換算いたしますと、銅メダルにして約142個分の材料が集まっております。  課題といたしましては、1位及び2位のメダルの材料であります銀の回収が進んでおりません。メダルの規定により、1位及び2位のメダルは銀製で、1位のメダルは、少なくとも6グラム以上の純金による金張りが施されていなければならないとされており、このことから、金張りにする金については、約10個分集まっておりますが、土台となる銀につきましてはメダル1個の7割、つまり3割が欠けた状態の材料しか集まっておりません。  大田区から一つでも多くのメダルの材料が提供できるよう、今後とも引き続き、皆様からのご協力をよろしくお願いいたします。 ◆高山 委員 銅メダル142個分に対して金は10個分。銀に至ってはまだ1個分にも達していないということでありますが、そもそもメダルは全部で何個必要なのでしょうか。また、金や銀は、例えば携帯電話一つにはどのくらいの量が含まれているのか教えてください。 ◎喜多 清掃事業課長 公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会が想定しておりますメダルの制作数は、オリンピック・パラリンピックの両大会の全てのメダルを合わせて、合計5,000個分を想定しております。これを単純に3で割ると、金、銀、銅メダル各1,666個となります。  携帯電話における貴金属の含有量でございますが、製造メーカや機種により様々ですが、ある折り畳み式携帯電話の一つを例にとりますと、携帯電話1台80グラムとして計算した場合、銅が15.2グラム、銀が0.1グラム、金が0.027グラム含有されているほか、23種類ものレアメタルが含有されているとの分析結果が示されております。  2012年ロンドン大会時のメダル製造工程における材料ロスを考慮に入れ、この携帯電話でメダルを制作すると仮定いたしますと、銅メダル1個を制作するためには103個必要で、金メダルまたは銀メダル1個につきましては1万4,800個必要となります。 ◆高山 委員 銅メダルに比べ、金メダルと銀メダルは、今のお話ですと、1個つくるのに携帯電話1万4,800個必要とは、集めるのも大変なことだということがわかりました。  このみんなのメダルプロジェクトは、大田区だけではなく、日本全国で行っている取り組みではありますが、大田区から一つでも多くのメダルを提供できるように、引き続きPRしていただきたいと思います。  以上で質問を終わります。 ○深川 委員長 次に、伊佐治委員の質疑に際しまして、資料の使用を許可し、タブレット型端末に配信いたしましたので、ご了承願います。 ◆伊佐治 委員 今日は、環境清掃費ということで、事項別明細書217ページ、環境対策費、環境美化対策に関連をいたしまして、清潔で美しい大田区をつくる条例についてお聞きいたします。  この条例は、平成9年に公明党の溝口元議員、そして我々自民党の張替元議員が中心となって、議員提案で提出をされた条例であります。  当初、やはり環境美化に対して様々な課題が生まれてきている中で、何とかしなければならないという、そうした強い思いのもと生まれてきた条例であります。ただ、いろいろその後、平成16年には区長提案でこの条例の改正がなされまして、区内で歩行喫煙をしないように区民等の責務、そして路上喫煙禁止地区の指定、違反者に対する過料の設定が、これは区長提案のほうで改正をされたわけであります。これが、全てのこれまでの大田区の路上喫煙対策の根拠となってきた条例です。  しかし、昨今、先ほどお話ししたとおり、様々な状況変化の中で、いま一度、この条例のあり方については見直していかなければならないというところではありまして、その中で本日は、環境美化審議会と条例に対する見解、それをお伺いしたいと思います。  まず、条例第9条には、環境美化審議会が定められていますが、これまでどのような役割を果たしてきたのか、お答えください。 ◎長谷川 環境対策課長 清潔で美しい大田区をつくる条例では、環境美化を促進し、区民の生活環境の向上を図る目的を達成するために、区長の付属機関として環境美化審議会を設置することとなっております。  これまで、環境美化審議会においては、「敷地内及び周辺道路における廃棄物の堆積事例について」と「路上喫煙の禁止等について」をご審議いただき、「環境美化改善措置に関する提言」と「路上喫煙の禁止等について」の答申をいただいたところでございます。 ◆伊佐治 委員 今、ご答弁をいただきました路上喫煙の禁止等の答申をいただいたのが、平成15年11月17日、これが環境美化審議会が最後に行われたときでありますが、それ以降、区長が諮問する事項がなかったということでよろしいでしょうか。 ◎長谷川 環境対策課長 環境美化を促進していく中で、様々な課題や要望がございまして、また、議会でも取り上げていただいております。喫煙マナー向上の周知・啓発も含め、それらに対応するために、地域や関係団体の皆様のご意見をお聞きしながら、様々な取り組みを実施してまいりました。 ◆伊佐治 委員 今、ご答弁をお聞きする限りでは、区長の諮問機関として、条例上、明記をされていても、その役割がどこまでのものであるのかというのは、明確にはなっていないのかというところを感じるわけであります。  それでは、こうした諮問機関が出しました答申内容について確認をさせていただきたいと思います。  平成15年12月11日、路上喫煙の禁止などについての答申が出されました。内容としては、さきに述べた路上喫煙の禁止等であり、路上喫煙禁止の実効性の確保についての意見として、「路上喫煙禁止等の実効性を確保するため、罰則をもって取り締まることはやむを得ない選択であろう、しかし、罰則の適用、特に違反者から直接、過料を徴収することは困難を伴い、トラブルに発展することも予想されるので、十分な準備・対策のもとに行うべきである。」と書かれています。  環境美化審議会が言う、十分な対策・準備とはどういったことでしょうか。 ◎長谷川 環境対策課長 これまで区は、喫煙する方々の意識・マナー向上を周知徹底するため、啓発指導員の配置及び強化をしてまいりました。  また、路面シートやポスター・ステッカーなどの啓発物の掲示・配布、多くの地域の方々の協力を得て、大田区クリーンキャンペーンの実施などの取り組み、吸い殻のポイ捨てがなくなるよう、幾つかの喫煙所も整備してまいりました。  今年度は、JR蒲田駅東西口の路上喫煙禁止地区において、啓発指導員による巡回指導を開始いたしました。  来年度につきましては、JR蒲田駅周辺と京急蒲田駅西口周辺へ、啓発指導のエリアの拡大を図るための予算案を計上させていただいているところでございます。 ◆伊佐治 委員 大田区が罰則の適用に向け、様々な準備を進めていただいているということは十分に理解をさせていただきました。  それでは、答申に戻りまして、まとめとして、「こうした社会情勢を考えると、最終的な手段としての罰則規定として、いわゆる秩序罰である過料の規定を設けることも時代の要請と言える。しかしながら、繰り返し述べるが、基本的にはある期間徹底的な啓発活動を行い、喫煙者の意識改革を図ることに重点を置いた施策を先行すべきである」と書かれておりますが、区としては、この審議会を言う「ある期間」というのはどれぐらいの期間でしょうか。 ◎長谷川 環境対策課長 審議会の答申のまとめでは、「まちの環境美化は自治体の施策だけで到底なし得ない問題であり、区民、事業者また大田区内に勤務する就業者等の理解と協力をどのように得るかといった点も重要な課題と言える」とも述べられております。  「ある期間」とは、喫煙を取り巻く問題について、社会的な機運や区民の皆様の意識の変化を踏まえながら、喫煙する方々にマナーを守る意識が浸透し、理解や協力が得られるような状況をつくる期間と認識しており、喫煙マナー向上の周知徹底の取り組みを粘り強く実施しているところでございます。 ◆伊佐治 委員 私は、区がこれまで行ってきた努力を否定することもありませんし、むしろ様々な努力をされてきたと思っています。今、こうした路上喫煙においての問題が発生をしている原因は、やはり喫煙者である区民等の方々のマナーの悪さが一番の課題であると思っていますが、まさか審議会も答申を出してから15年たった今、まだ罰則の適用をしていないなどということは、多分、当時は考えもしなかったと思っています。  これだけの期間がたちながら、第14条の罰則規定を適用しなかった理由は何でしょうか。 ◎長谷川 環境対策課長 罰則規定の運用については、環境美化審議会の「喫煙者の意識改革を図ることに重点を置いた施策を先行させるべき」、また「区民、事業者また大田区内に勤務する就業者等の理解と協力をどのように得るかといった点も重要な課題」との答申を踏まえ、喫煙する方々のマナーの向上を図るとともに、区民、事業者、大田区内に勤務する就業者の皆様の理解、協力を得る取り組みを進めてきているところでございます。 ◆伊佐治 委員 答弁の内容としては、間違ってはいないと思うのですけど、今のお話を聞くと、本来、答申の中では罰則規定を適用することを前段として、そうした対策をしなさいということが書かれてあるわけでありますから、実際、そこだけをやっていればいいということではないということは、答申を見ていただければわかることかと思います。  そして、もう1個、期間について書かれているものとして、大田区のホームページの「歩きたばこ・路上喫煙対策」というページがあります。  清潔で美しい大田区をつくる条例Q&Aとして、まず問6、「路上禁煙地区で違反した場合の罰則はありますか」。それに対する答えは、「罰則規定はあります。違反者から、過料1,000円を徴収すると定めています。しかし、罰則を適用するのが目的ではないので、当面はこの条例を多くの方々に知っていただき、ご理解を得るよう努めます」と書かれています。「当面」とは、どのような期間を指すのでしょうか。 ◎長谷川 環境対策課長 繰り返しになりますが、喫煙する方々のマナーの向上を図るとともに、区民、事業者、大田区内に勤務する就業者の皆様の理解、協力を得られるようになるまでの期間と考えております。 ◆伊佐治 委員 そういう答えになってしまうのは大変残念なのですが、そもそも罰則規定を定めたのは行政側なのです。区長提案で当時出されて、議決をされたわけでありますが、当時は西野前区長でありますから、今の松原区長時代ではないです。  ただ、14年もたって、行政が決めたこと、行政がやりたいと言って議会に提出したことを実際に形にできないというのは、まさに行政自体が自分たちのやりたいことを否定していることになると私は思いますので、その点はしっかりと考えていただきたいと思います。  それで、せっかく今、区のホームページに触れさせていただきましたので、もう一つ解釈を確認させていただきたいのですが、問7、「路上禁煙地区内では、車の中でもたばこを吸ってはいけないのでしょうか」。答え、「車の中は自由な空間なので、喫煙も自由です。もちろん吸い殻を車外に捨ててはいけません」と回答されています。車の中は、どうしても自由な空間という認識が強い中から、やはりこうした路上喫煙に対する問題とは別物と考えられるわけでありますが、例えば路上喫煙禁止区域内において、車が走りながら窓をあけてたばこを吸った場合はどうなるのか。例えば、たばこを窓の外に出して走行していた場合はどういう扱いになりますか。 ◎長谷川 環境対策課長 清潔で美しい大田区をつくる条例は、環境美化を促進することを目的としており、吸い殻のポイ捨て禁止、歩きたばこはしないように努めることと定めております。  窓をあけて吸った場合や窓からたばこを出して吸った場合は、火の危険や吸い殻を落とす危険性があると考えております。今後、ホームページのQ&Aの本内容については、修正を検討いたします。 ◆伊佐治 委員 修正を検討いただきまして、ありがとうございます。  それで、まさに今、お話ししているとおり、解釈を求めれば求めるほど、抜け穴がいっぱいあるというのも事実なものでありまして、例えばこの条例上、定義の定めがあるのですが、その定義には喫煙という言葉はないです。だから、条例上、喫煙というのがどういう意味なのかというのは書かれていないわけであります。  例えば、今、よくグローとか、何でしたか、アイコスとか、プルーム・テックとか、加熱式たばこがあると思うのですが、これを吸った場合は、この条例の規制の対象になりますか。 ◎長谷川 環境対策課長 本条例は、環境美化を促進するための条例で、電子たばこ、紙巻きたばこ、カートリッジなど、吸い殻などが捨てられる可能性があるため、対象と考えております。 ◆伊佐治 委員 実際、地域でいろいろ話を聞いていると、喫煙者の中には、加熱式たばこは対象ではないからいいのだよみたいなことを言う方がいらっしゃると思うのですけど、ぜひ、今、この映像を見ている方々には、そうした認識をしっかりと持っていただきたいと思います。  次に、条例第8条に定める、路上喫煙禁止地区についてお聞きいたします。  現在、路上喫煙禁止地区に指定されているのは、JR蒲田東西口の駅前広場のみになります。条例が改正された平成16年当時の議事録を拝見させていただくと、当時の環境保全課長がこのようにお答えをしています。「まず、一番乗降客の多い蒲田駅から始めようということで、そこでの成果を見て、また考えていきたいと計画をしているところでございます」と答弁をされているわけであります。ただ、あれから10年以上がたって何も変化はありません。これまで、この路上喫煙禁止地区が広がらなかった理由は何でしょうか。 ◎長谷川 環境対策課長 喫煙につきましては、国や東京都で議論もある中でございます。路上喫煙禁止について、区民や事業者の方々から様々なご意見が寄せられてまいりました。そうした中で、喫煙する方々のマナー向上を図ることが重要であると考えております。  特に、春と秋に区内主要駅等で実施している大田区クリーンキャンペーンは、各地域の町会・自治会、商店街等の各団体、事業者等の皆様と協働で取り組んでおり、本年度は、春は4駅で延べ326人、秋は19駅で、延べ609人のご参加をいただいて、喫煙マナーの向上と放置自転車の防止の呼びかけを行っております。  引き続き、こうした喫煙マナー向上の啓発の取り組みの充実を図っているところでございます。 ◆伊佐治 委員 私も聞いて、ちょっと苦しい答弁かというところであると思いますが、私は、まさにこの路上喫煙禁止区域が広がらない理由は、条例上の条文に問題があるからと考えているところであります。  この条例第8条第1項には、路上喫煙禁止地区を定めるためには、人の往来が激しくたばこの吸い殻の散乱が著しいため、特に環境美化の促進を図る必要がある地区でなければ指定をすることができないと書いてあります。  ここで皆さんには、ぜひタブレット端末の資料1の写真を見ていただきたいと思いますが、この写真は私の大好きな地元、雑色であります。雑色の一歩裏手に入った道になるわけでありますが、写真を見ていただければわかるとおり、すごいたばこの吸い殻が散乱をしている状況であります。常時このような状態になっていまして、結局、ここはポイ捨ては多いのですけど、人はほとんど通りません。たまに、我々とか、とある議員が一緒に酔っぱらって歩いたりはしている場所なのですけど、まさに本当に人通りがないのに、たばこのポイ捨てだけは多い場所、こういう場所があるわけでありますが、条例上では二つの要件が併記をされているということは、両方とも達成をされていなければ、路上喫煙禁止区域として定めることができないわけであります。  実際、こうした状況を見ていく中で、人の往来が激しい場所とたばこの吸い殻が多い場所はイコールではないとは思いませんか。 ◎長谷川 環境対策課長 人の往来が激しい駅などにおいて、区民の皆様の意識の高まりや社会的情勢の変化等により、駅前などでたばこのポイ捨ての吸い殻は減少したと認識しております。  一方で、駅周辺においては、逆に吸い殻が増えている場所も見られるようになったと認識してございます。 ◆伊佐治 委員 まさに今、ご答弁いただいたとおりでありまして、人の往来が激しくたばこの吸い殻の散乱が著しいため、特に環境美化の促進を図る必要がある地区でなければ、指定をすることができない路上喫煙禁止地区指定の根拠規定については、現実的には妥当性はないと思いませんか。いかがでしょうか。 ◎長谷川 環境対策課長 今後、現状を踏まえて、指定の根拠は、区民の皆様にわかりやすいものにする必要があると考えております。現行の路上喫煙禁止地区の要件規定が適切かどうかについて、検討する必要があると認識しております。  しかしながら、路上喫煙禁止地区の指定は、喫煙を制限する規定となります。したがって、当該地区の区民等のご意見をお聞きしながら、ご理解を得られるよう慎重に進めていく必要があると考えております。 ◆伊佐治 委員 ちなみに、これまで路上喫煙禁止区域、それを拡大しようと検討した地区はないのでしょうか。 ◎長谷川 環境対策課長 路上喫煙禁止区域の拡大につきましては、区内の鉄道の乗降客数の多い駅、例えばJR大森駅や京急蒲田駅等、検討した地域はございますが、喫煙の制限の問題もございまして、様々な議論の結果、「清潔で美しい大田区をつくる条例」第8条3項に規定する当該地区の区民等の意見をお聞きするまでには至らず、喫煙マナーの向上の啓発、指導強化を図ってきた経過がございます。  現在、国や東京都の施策の方向性も見えてきており、喫煙者も含めた区民の方々の関心、理解も高まる中で、区といたしましては、区民等のご意見をお聞きしながら、路上喫煙禁止地区について拡大も含めた検討が必要であると考えております。 ◆伊佐治 委員 喫煙の制限でその検討が最後まで進まなかったというのは、とても残念なことであります。たばこを吸う権利があれば、やはりたばこの煙を吸いたくないという権利も両方ともあるわけでありまして、我々自由民主党大田区民連合としては、基本的に吸う方の権利も守りたいし、吸わない方の権利も守りたいという概念から、完全分煙を目指していくというのが一つの方向性でありまして、その完全分煙を目指す上でも、路上喫煙の禁止区域を定めることができれば、適正な場所に喫煙所をつくることができるようになるわけでありますから、ぜひこの点については、別途改めて提案をさせていただきたいと思います。もちろん路上喫煙禁止地区を指定する上で、課題がないとは私は思っていません。  例えば、ある地域に路上喫煙禁止地区を定めた場合に、どのような行政としてのプロセスが発生すると思いますか。 ◎長谷川 環境対策課長 路上喫煙禁止地区の拡大及び指定につきましては、当該地区の区民等のご意見を丁寧にお聞きする必要があります。過去の経過を踏まえると、環境美化審議会でご議論いただくことも検討する必要があると考えております。  厚生労働省の調査等によれば、減少はしておりますが、喫煙する方が多数いらっしゃり、残念ながら吸い殻のポイ捨ても、いまだかなり見られることなどから、喫煙所の整備等についても、そのあり方や方法をあわせて検討していかなければならないと考えております。また、十分な周知期間を設ける必要もございます。
     喫煙に関する取り組みにつきましては、喫煙する方々も含め、多くの区民の方々が関心を寄せており、国や東京都の動向も踏まえ、関係部局と連携して、関係団体・機関とも十分調整しながら、環境美化の施策を推進してまいりたいと考えております。 ◆伊佐治 委員 昨日の款別質疑の中でも触れられていたと思いますが、私は基本的に屋内規制をメインにした東京都や国の動向は、伺う必要は今のところないと考えているところであります。  やはり、これから先、例えば店舗であれば、以前も我が会派の伊藤議員も代表質問の中で触れさせていただいたのですが、やはり飲食店であれば、選ぶ権利は使う側にあるのです。ただ、公共の場所において、例えばたばこを吸っている人がいるから、その道を避けて歩いていかなければならないというのは、どう考えても権利としておかしい話でありますから、私たちとしては、まさに今日いただきました答弁、この根拠をもとに、今後、具体的なアクションを起こしていきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。  以上で、質問を終わります。 ○深川 委員長 次に、公明の質疑に入りますが、椿委員の質疑に際しまして、資料の使用を許可し、タブレット型端末に配信いたしましたので、ご了承願います。  公明、質疑願います。 ◆椿 委員 大田区議会公明党の椿真一です。通告に従い、順次質問をさせていただきます。理事者におかれましては、明快な答弁をよろしくお願いいたします。  平成30年度事項別明細書214ページ、第8款環境清掃費についてお聞きします。  先月17日、「地球温暖化が今のペースで進めば2040年代には、世界の平均気温が1.5度の上昇に達する」との特別報告書の素案を国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)がまとめたことがわかりました。  今後、この素案をもとに各国が協議を重ね、恐らく10月に予定されているIPCC総会で採択される見込みでございます。  今回の素案では1.5度の上昇でも極端な日照りや集中豪雨による洪水、海面温度の上昇により勢力の強いスーパー台風の発生など、災害のリスクも増大すると分析されております。  また、先月20日、国内においても、こうした気候変動による災害や感染症の増加、農作物の不作、漁業域の変化といった温暖化による被害に備えるため、国や自治体、国民が果たすべき役割を規定した、気候変動適用法案が閣議決定されました。  要するに、地球温暖化を抑制する今までの努力と、抑制しても塞ぎ切れない温暖化の影響に対し、新しい気候条件を活用する努力も必要とした法案であり、全国の自治体にも適応計画を策定する努力義務が課せられました。  質問します。本区においても、農業や漁業もございます。まして、気候が変わると自然災害などへの対応も変わってくると考えられます。現時点での本区の考える適応計画についてお聞かせください。 ◎中澤 環境計画課長 地球温暖化に伴う気候変動の影響は、気温の上昇のみならず、大雨の頻度の増加や農作物の品質低下、熱中症や感染症のリスクの増加など、区民の皆様の生活に深くかかわる課題となっております。  第196回通常国会に提出された、気候変動適応法案は、気候変動の影響による被害を回避・軽減するための適応策を法的に位置づけ、これを地球温暖化対策推進法が定める温室効果ガス排出量削減策とともに推進し、国民の生命・財産を将来にわたって守り、持続可能な社会を形成しようとするものでございます。  区といたしましては、区民の皆様の安全で快適な暮らしを実現するため、区が掲げる温室効果ガス排出削減目標を着実に達成するとともに、引き続き国・東京都の動向を注視しながら、対応を検討してまいりたいと考えております。 ◆椿 委員 よろしくお願いします。  次に、平成30年度大田区予算案概要72ページ、地産地消型未利用食品の有効活用に向けた需給調査について質問します。  脱炭素エネルギーの確立や、省エネの推進と同様、温暖化防止のため、あらゆる面から環境問題を考え、その一つに食品ロスの削減も身近にできる対策として力を入れなくてはなりません。  今年も2月3日の節分が終わり、全国のコンビニやスーパーで売れ残った大量の恵方巻きが廃棄処分されましたが、今年は別の意味で恵方巻きが注目されました。  タブレットをご覧ください。広告を出したのは、兵庫県姫路市を中心に展開するヤマダストア、2月1日に出した節分用のチラシに、ここ数年、恵方巻きの売り上げは右肩上がりなのに対し、つくり過ぎた恵方巻きの大量廃棄も大きな問題となり、従業員から「このままでいいのか」という声が自然に発生。結果、前年の実績の生産となったそうです。  業績が落ちない限り、通常、前年比何%UPで予算を組むのが小売業ですが、今回の展開には驚きました。食品ロスに対する市場の変化を感じます。  食品ロスは大まかに分類すると、家庭系と事業系に分かれ、家庭系においては、昨年、消費者生活センターで行われた「おおた生活展」において、初めてフードドライブを行うなど、本区においても新たな挑戦が開始され、高く評価いたします。今後ともよろしくお願いいたします。  次に、事業系の食品ロスの削減についてですが、今回の地産地消型未利用食品の有効活用は、事業系からの食品ロスを主な対象と理解しています。  質問です。本区内には、事業系からの食品ロスは年間何トンぐらい発生しているのか、推定で結構です。わかる範囲でお答えください。 ◎中澤 環境計画課長 平成25年度に東京都が実施した、事業系廃棄物の排出実態等調査から推計した事業系食品廃棄物の発生量によりますと、食品卸売業、食品小売業、外食産業の事業系食品廃棄物は年間約84万トン発生しており、そのうち約14万トンが食品ロスであるとされております。  これらの業種について、都内の事業所総数における、区の事業所の占める割合を見ると4.6%であり、この値から推計した場合、区内では年間約6,400トンの事業系の食品ロスが発生しているものと考えられます。  事業系食品ロスの量については、食品ロス削減を推進する上で基本となるものであることから、未利用食品の有効活用事業において精査を進めていくとともに、今後の廃棄物削減に向けた計画策定等に活用していく予定でございます。 ◆椿 委員 よろしくお願いします。  事業系の食品ロスの有効活用についてですが、自治体におけるSDGsの観点からも福祉的な活用を行う上で、子ども食堂など地域に根差した団体に対する支援は有効でありますが、どのような団体へ支援を想定されているのかも気になるところです。  質問します。消費する団体をどのように選択するのか。また、食品ロスを提供していただく業者をどのような形で募集されるのか、本区の考えをお聞かせください。 ◎中澤 環境計画課長 平成30年度に調査を実施する予定の未利用食品の有効活用事業は、昨年10月の決算特別委員会で委員お話しの内容を踏まえ、新たな視点から、これまでのフードドライブの効果に加え、二つのメリットもあわせてつくり出すことを目指しています。  一つ目は、区内完結型の効率的で環境負荷の少ない未利用食品の活用システムの構築、二つ目としては、区やフードバンクを介さずタイムロスの少ない簡易なシステムによる事業実施を目指しています。このシステム構築に向けて、平成30年度当初は、区内の食品卸売業などの未利用食品を排出する事業者と区内の福祉法人やNPOなど、未利用食品を必要とする事業者等が抱えるニーズの調査をまず進めていく予定でございます。  こうした事業者、NPO等のニーズや課題をお聞きしていく中で、同事業を周知するとともに、参加の勧奨を進めていく予定でございます。 ◆椿 委員 よろしくお願いいたします。  再来年度の本格実施へ向け、心から期待し次の質問に移ります。  事業系の食品ロスの削減の中で、同時進行していただきたいのが外食系の取り組みです。外食系の食品ロスの削減は、都内はもちろん北海道から沖縄県まで多くの自治体が取り組んでおり、着実にその成果も上がっております。  まず、食べ切れずに残した場合の取り組みについて伺います。農水省のホームページに、「我が国の食品産業のうち、外食産業から多くの食品ロスが発生しています。まずは食べ切りに努め、食べ残す場合には、飲食店側と相談の上、料理の持ち帰りを検討しましょう」との一文が掲載されました。  この文章の後に、具体的なことが書いてあります。このように農水省も、食べ残しの持ち帰りの推奨を始めたわけですが、最近レストランで食べ残しを持ち帰っている光景を見たことがありません。若い方など抵抗を感じるのではないでしょうか。  そこで、ドギーバッグですが、欧米諸国では当たり前として広く浸透した食文化です。  タブレットをご覧ください。これがそのドギーバッグの現物です。このように通常はコンパクトに折り畳んで持ち歩き、食べ切れない場合には、これをご覧のように、これを組み上げてバッグに入れて持ち帰るということです。  我が国には、世界に誇る「もったいない」という文化があり、以前であればタッパーに詰めて持って帰る風景はごく当たり前に行われてきましたが、食の安全性と店側の責任や、持ち帰りが恥ずかしいという最近の風潮でほとんど見なくなりました。  そこで、実際にレストランなどでドギーバッグを使った調査を行いました。場所は、蒲田・池上・五反田の3地域、5店舗においてチャレンジしてきました。結果、全ての店の店長から賛同され、高い評価をいただきました。おうちに持ち帰って、家族で楽しくいただきました。  国際都市おおたを宣言した本区において、外国の食文化に対してもできるだけ柔軟な対応は必要と考えますし、このドギーバッグを使っていて、まだ改善点はかなりありました。大田のものづくりと絡めることにより、すばらしいドギーバッグができるのではないかと期待も膨らみます。  そこで提案ですが、はねぴょんやオーちゃん、アオスジアゲハなど大田ブランドのドギーバッグをつくり、広く食品ロスの啓発を子どもを中心に図ってはいかがでしょうか。区の見解をお聞かせください。 ◎中澤 環境計画課長 飲食店等における食べ残し対策については、農林水産省、環境省などから示されている留意事項によりますと、食べ残しは、消費者、飲食店、それぞれの立場から食べきりの促進を行った上で、自己責任の範囲で持ち帰りを行うこととしております。  また、食品ロスを出さない生活については、大田区一般廃棄物処理基本計画が基本方針とする、リデュース、リユース、リサイクルの3Rの考え方においても、使えるものを再利用するリユースとともに、ごみの排出を抑制するリデュースを最優先の事項としております。  こうしたことから、食品ロス削減に向けた普及啓発については、持ち帰りについても食べ残し対策の一つの手法であると認識しておりますが、まずは排出抑制に係る事業をはじめとした段階的な事業実施を図ってまいります。 ◆椿 委員 次に、外食系の食品ロスの削減で、残さず食べる、食べきり協力店の推進について伺います。  タブレットをご覧ください。横浜市が推進している、食べきり協力店の推進は2013年8月から始まり、現在は約800店まで拡大されました。昨年、食べきり協力店を対象とした調査を行った結果、約80%の店舗が「食べ残しの削減効果があった」と答えられております。  また、松本市が発端となり全国に広がった「残さず食べよう!3010運動」は、外食系の中で食品ロスが一番多い結婚式や宴会などで推進しやすい方法など、非常に工夫されております。  既に本区においても、飲食店によっては女性向きのメニューとして、ご飯の小盛り、大盛りの逆ですね。小盛りをメニューに取り入れ、通常価格から10円引きしている店舗など、私が知っている限りでも数店確認できます。  質問します。本区においても、区が主体となって、外食系の食品ロスの削減に向け、その推進に取り組むべきと考えますが、区の考えをお聞かせください。 ◎中澤 環境計画課長 区は、大田区一般廃棄物処理基本計画において、廃棄物の発生抑制の観点から、食品ロスの削減に向けて普及啓発に取り組むとともに、区民に対しては、食べられる量だけ注文すること、食べ残しをしないこと。事業者に対しては、小盛りメニューの導入などを行動計画として掲げているところです。  こうしたことを踏まえ、さらなるごみ量の削減を図るため、今年度実施した、他自治体へのヒアリングの結果も参考に、委員お話の外食産業などにおける、食べ残しを減らす取り組みとして、会食開始後の30分と終了前の10分は席を立たずに料理を楽しむ時間とする「3010運動」や「小盛りメニューの提供」などの導入に向けた効果的な普及啓発事業の検討を進めてまいります。 ◆椿 委員 ぜひ、よろしくお願いいたします。  先日、おなづか小学校で行われた「エコフェスタワンダーランド」に伺いました。手づくり和紙や触れる地球儀による地球温暖化の学習など、見て、聞いて、触り、子どもたちと一緒に楽しく学ばせていただきました。中でも、食品ロスマジックショーは大好評で、大人から子どもまで体育館に入り切れないほどのご家族が集まったのには大変驚きました。  子どもに対する環境学習は、その子の行動が変わり、周りの大人の行動も変わっていきます。来年度、臨海部の新スポーツ健康ゾーンの整備など積極的な予算づけがされておりますが、そのフィールドは環境です。  今後も環境に優しい大田を目指して、私の質問を終わります。 ○深川 委員長 次に、緑の質疑に入りますが、野呂委員の質疑に際しまして、資料の掲示を許可いたしましたので、ご了承願います。  緑、質疑願います。 ◆野呂 委員 環境保全について伺います。  戦後の経済発展の中で、公害が問題となり、大田区のものづくり工業も、京浜島や城南島、東海と新しくできた島に移転を余儀なくされ、そこで操業を続けてきました。  1993年に、環境基本法ができて、その中で7公害、大気汚染、土壌汚染、そして水質汚濁、騒音、振動、地盤沈下、悪臭。この七つの公害が規定されて、基準を守るように指導が繰り返されてきましたけれども、実は工業専用地域は騒音や、それから振動の規制法の対象外なので、様々な課題がありましたけれども、この規制外ではあっても、そこで働く従業員の健康や敷地外への被害を防止するために、大田区長は事業者と環境保全に関する協定を結んでいます。  この協定では、悪臭対策や、それからばい煙、有害物質等が盛り込まれる8項目から10項目の中身で取り交わしています。  例えば、屋外で公害を発生させない低振動型機械を使用するなど、各事業所が大田区と自主規制値を定めて協定を結んでいますけれども、この協定を何社と結んでいるか。そして、城南島等ではどのくらいの企業と結んでいるか、お尋ねします。 ◎長谷川 環境対策課長 区は、主に埋立地の事業所と環境保全等に関する協定を31組合、132事業所と結んでおります。内訳でございますが、京浜島で15組合と55事業所、城南島で12組合と36事業所、東海で4組合と40事業所となっております。 ◆野呂 委員 工業専用地域でありながら、区ときちんと公害対策の協定を結んで。しかも31組合、132事業所ということで、それぞれの方たちが非常に努力をしていることは評価すべきことだと思うのです。  城南島で操業を続けているある事業者の協定書を私はいただきましたけれども、やはりその中に、工場で使用する機械は低騒音型機械を使用する。建物は騒音を低減させる構造とするなど、区長との協定を盛り込んで努力しています。しかし、上空では、ばんばん飛行機が飛んでいる。この間も行きましたけれども、屋内で声が聞こえない状況になってしまいました。  先般、12月、川崎市が体感型飛行テストですか、試験をやりましたけれども、その上空を想定したB滑走路西向きの体感飛行で、小型機E−170ですけれども、それでも85デシベルも計測されました。  大田区上空は、現在、南風のときに既に飛んでいますよね。ですから、その現状を把握して、確かな騒音のデータを持つことが、やはりとても大事だと思うのです。  国は、航空機の騒音測定に幾つか決まりがありますけど、短期測定というものがあって、それは連続7日間測定しなさいということなのですけれども、これをぜひ城南島で実施していただけませんか。 ◎長谷川 環境対策課長 城南島の団体、企業が公害発生防止のため努力されていることは、十分理解をしているところでございます。  区は、空港周辺の航空機騒音の発生状況を把握するために、固定した測定局を3か所に設置し、年間を通じて常時24時間の連続測定を行っております。  また、大田区の内陸部を飛行する航空機騒音の影響を把握するため、毎年12月に短期測定を5か所で行っております。  さらに、昨年度実施しました、空港近接地の住環境への航空機騒音の影響を把握するための短期測定を、来年度も4か所で予定し、そのための予算案を計上させていただいているところでございます。  今後も継続して航空機の騒音を測定し、空港の管理運用者である国土交通省航空局に結果を伝えていくとともに、区民の皆様に正確な情報を提供してまいりたいと考えております。 ◆野呂 委員 昨年8月だったと思いますが、新たに4地点ということで、東糀谷の防災公園や、それからテクノFRONT森ケ崎等を測定地点にしました。この4か所のうちの二つが工業専用地域ですよね。ですから、本当は基準値はないけれども、周辺住居の数値62デシベル以下という基準値をちゃんと区が設けて測定している、これは環境対策課が努力を重ねていることだと思います。  しかし、今現在、城南島はひどい状況。私は、13日の夜に大田区の環境対策課から測定器を借りて測定してきました。6時台です。その日はちょうど南南西の風で、風速5.9m毎秒でした。6時台で一番ひどかったのが、福岡発羽田着JAL322便でしたね。90デシベルを超えているのです。  着陸するときの逆噴射はもっとひどい。その状況が2分おきに続く中で、もちろんたくさんの機種がありましたので、それを全部測定してきましたけれども、その城南島の南風のときの運用比率というのは40%なのです。それをずっと聞かなければいけない。  今後、B滑走路西向きの飛行が始まるときに、どのように区民を守っていくのかということのために、やはり区長がデータを持つことが、私は国にきちんと物を申すことだと思うのです。  京浜島が東洋一の工業専用地域だと言って、美濃部元知事は、あそこに皆さんを移動させました。しかし、そこは飛行機は飛ばないのだということで移転したのです。  ですから、東鉄の皆さん、Bブロックの皆さんは裁判を起こした。その裁判を起こしたときに、国は新A滑走路において北側の離着陸はしないという文書を裁判所に提示したのです。そのとき、まだ今より、国はもう少し親切だったと思うのです。どういう飛行ルートを飛ぶかということをきちんと示して、そして、この真下の企業が、やはりどのような影響を受けるかということを丁寧に示して、今、そこまで国に迫っていく必要があると思いますし、それをぜひ大田区長は区民の健康を守るために頑張っていただきたいと思います。 ○深川 委員長 次に、自民の質疑に入りますが、岸田委員の質疑に際しまして、資料の使用を許可し、タブレット型端末に配信いたしましたので、ご了承願います。  自民、質疑願います。 ◆岸田 委員 私は環境の調査及び啓発についてということで、お伺いいたしたいと思います。  先日の玉川議員の洗足池の自然環境についての質問で、区は環境基本計画の取り組みの方向性の中で、生物多様性の社会への浸透や人と自然の関係の再構築を挙げています。環境基本計画(後期)の重点プロジェクトで、生物多様性の保全・再生があり、目指す環境像の基本目標Dでも、自然共生社会の構築が必要でありますとなっておりますけれども、まず、生物多様性の社会への浸透や人と自然の関係の再構築とはどのようなものなのか、お伺いいたしたいと思います。 ◎長谷川 環境対策課長 大田区環境基本計画において、生物多様性の社会への浸透とは、生物多様性が生活や経済の基盤となる重要な存在であるにもかかわらず、その用語の認知度は依然として低い状況であり、それを広く社会に浸透させる必要があるとしているところでございます。  また、人と自然の関係の再構築とは、同計画において、自然と離れた都市型の暮らしが定着する中で、人と自然との関係が希薄になりつつあることから、自然と共生する暮らしへの理解を深め、お互いの関係の再構築を図る必要があるということでございます。  これらの取り組みを推進していくために、具体的な取り組みとしまして、洗足池において、昨年7月9日と本年1月14日の2回、NPO法人に講師を委託し、区民の皆様と生き物調査を実施いたしました。いずれの回も、ご高齢の方から小学生まで幅広い世代の方々が集い、季節に応じた洗足池の豊かな自然環境に触れながら、楽しく生き物調査を行うことができました。  調査の結果は、今後、パンフレットを作成し、区施設等で配布するとともに、調査の内容をホームページで紹介し、区民の皆様に区内の貴重な自然環境や生物などの実態を知っていただくよう努めてまいりたいと考えております。 ◆岸田 委員 前回の玉川議員の質問で、カワセミの話が出ましたけど、タブレットに写真を配信しました。本来は、最新の写真をお持ちしたかったのですけれども、あまりいないのですよね。いないというのは、変な言い方ですけれども、いるときには、すごいカメラマンの方が30人ぐらい周りを囲んで写真を撮っている。  ふだんはいない。なぜかなと思っていて。池がきれいになってカワセミが来るようになりましたということで、私はそれだと思っていたのですけれども、どうも餌をまいているのです。池に餌になる魚があまりいないので、カメラマンの方々がよそからとってきた餌をまいている。こういう状態がまず一つあります。  それから、カルガモがひなを昨年、産んだのですね、7匹ぐらい産んだ。たまたま通ったときに、今、かえったばかりですよということを言われて、ちょろちょろしていました。かわいいなと思っていたのですけれども、二、三日すると3匹ぐらいになって、1週間するといなくなってしまった。ゼロになってしまった。なぜかな、ひょっとすると食べられてしまったのだろうとは思います。  その中で、例えば、蛇に食べられたとか、カラスに食べられたとかという話がありますけれども、何に食べられたかは見ていないからわかりませんけれども、こういう状態がいいのかどうか。ひょっとして、外来種に食べられてしまったのではないかということを考えております。  もし、外来種に食べられたとするならば、やはりそれを駆除していただきたいと思うのですけれども、どのようにお考えなのか、お伺いいたしたいと思います。 ◎長谷川 環境対策課長 外来種につきましては、もともとはその地域にいなかったのに人間によって他の地域から持ち込まれた生物のことであり、アメリカザリガニやウシガエル、モンシロチョウなど、身近なところにも外来種は生息・生育しております。  こうした外来種の中には、生態系に特に大きな影響を与え、生物の多様性を著しく損なうものも存在します。地域の生態系を構成している在来生物を食べてしまうなど、在来生物の減少や絶滅をもたらすといった問題が発生していることから、好ましくないものと認識してございます。  こうした外来種のうち、特に生態系への被害が認められるものにつきましては、いわゆる外来生物法に基づき、特定外来生物として指定され、飼育や栽培、保管、運搬等が原則として禁止されております。
     大田区環境基本計画では、この特定外来生物の防除を掲げ、国や東京都との連携により特定外来生物の防除・駆除を進め、在来固有種の保護に努めることとしております。  具体的には、洗足池をはじめとした複数の公園に、外来生物を捨てたり、逃がしたりしないように呼びかけるポスターを掲示しております。さらに、東京都では、外来生物に対する注意とともに、正しい知識を楽しく学べるサイトを掲載したチラシを作成し、区内小学校や児童館に配布し、外来生物に対する周知啓発を図っております。  引き続き、区民の皆様との協働により、事業の推進に取り組んでまいりたいと考えています。 ◆岸田 委員 以前にもお話ししましたけれども、洗足池にもアリゲーターガーがいたということで、本当はこちらにお持ちしたかったのですけれども、亡くなってしまったということで、残念ながら大きいので持ってこられなかったと。  ただ、以前、私が洗足池を歩いていたのですけれども、そのときにはよく亀が見えたのですよね。和亀だと思うのですけど、日本の亀が。最近はほとんど見えません、日本の亀が。どのようにお考えなのか、お伺いしたいと思います。 ◎長谷川 環境対策課長 当時見られた亀は、在来の固有種の亀と思われます。現在、洗足池では至るところでミシシッピアカミミガメ、いわゆるミドリガメが生息しております。  自然環境研究センター発行の「日本の外来生物」によりますと、「ミドリガメは、日光浴の場所や食物などをめぐる競争などにより在来亀類を駆逐したり、捕食により在来生物に影響を及ぼしたりしているおそれがある」と紹介されております。  洗足池における生物調査のデータとしましては、平成23年に生物・植物調査を行っており、このときに行われた定点調査では、在来固有種のニホンイシガメは未確認という状況でございました。これらのことからも、委員お話のとおり、在来固有種の亀はあまり見かけなくなっております。  この原因については、様々な理由が考えられますが、外来種の影響もその一つと思われます。いずれにしましても、在来固有種が減っているということは、生物多様性の観点から好ましくないものと認識しております。  来年度も洗足池公園において、親子を対象とした自然観察会を行いますので、ミドリガメをはじめとした外来生物の影響も講義内容に盛り込みながら、参加者の理解を深め、在来の固有種を守る取り組みに努めてまいります。  区といたしましては、今年度から洗足池の水環境に関する基礎調査を行っており、来年度は、洗足池の生物の生息分布状況の把握などを目的とした、生物調査を通年かけて行うための予算案を計上させていただいております。  この調査により、亀をはじめとした在来の固有種や外来種の状況などが把握できると考えております。平成31年度以降、この結果を踏まえ、水質改善を含めた対応を検討していく予定でございます。 ◆岸田 委員 しっかりとした調査をお願いしたいと思います。やはり、今、池の水を抜こうというブームみたいになっていますので。抜いた後、結構、在来の生き物が戻ってきたとかという報告が各地から出ております。そして、外来種を駆除したということで、もちろん外来種を駆除したから戻ってきたのだろうと思いますので、ぜひきちんとした調査をしていただき、外来種をまず駆除していただきたいと思います。よろしくお願い申し上げます。  前回の質問の中で、田島委員のほうから、大森六中が環境大臣賞を受けたということが報告されましたけれども、まさに大森六中の生徒が池の水をきれいにしようということで、空芯菜というのを入れたいかだを浮かべたり、あと、蛍の再生に取り組んだり、生物の調査をしたり、周りの落ち葉を掃いたり、いろいろな環境対策をやっていただいているのですけど、それが評価されて環境教育活動部門というところで環境大臣賞をいただいたということなので、とてもいいことだと思います。  あと、近隣の赤松・洗足池・清水窪の小学生が毎年、どんな魚がいるのかなということで、夏休みの1日、午前中だけですけれども、調査をしていただいているのですけれども、いろいろな面で自然環境に、池の環境に皆さんが興味をどんどん高めていっているわけですから、ぜひいい環境のもとにそういう大田区の財産、大田区の財産というか、東京23区の財産になると思いますので、いい環境をつくっていただきたいと思います。  前回の玉川議員の質問の中で、かいぼりはどうですかというのを質問していただいたのですけれども、いいなと思います。かいぼりもいいのですけれども、しゅんせつをしていただきたいという思いなので。かいぼりは、あの面積ではなかなか水がたまらないということの中で、かいぼりは以前は毎年やっていた。かいぼりのためにやっていたわけではないのですけれども、昭和25年から大体44年ぐらいまで毎年やっていたということ。それはコイとかフナを売るために水を抜いただけで、かいぼりは目的ではないということを言っていましたけれども。  その中で、2回ほどしゅんせつをしているのですね。昭和33年と平成元年だったかな。2回ほどしているのですけれども、そのときに今、例えば池の水を抜いた場合に、水が返ってくるまでに相当な期間がいるということで、タブレットにも配信しましたけれども、古い地図で、ここに水洗い場がありますよ、ここに水源がありますよということで、今、ほとんど暗きょにしてしまって、多分、水源からも水が入ってこないのもあるのだろうと思いますけれども。  その中で、水を回復するのに、井戸を掘ったらどうかということなのですよね。ぜひ、井戸を掘っていただいて、足りない分を井戸水で補っていただきたいと思うのですけれども、区のご見解をお伺いしたいと思います。 ◎明立 都市基盤管理課長 洗足池の水源は、かつては清水窪やむじな窪、出穂山下、長原の湧水を主な水源とする水路でございました。  それらの水路は下水道の普及に伴い埋められてしまいましたが、清水窪の湧水は、水路跡に設置した送水管により、現在も洗足池に水を流してございます。  また、埋め立てられた水路周辺道路では、昭和59年以降、雨水の浸透ますや砕石集水路を設置するとともに、舗装を透水性にするなどの取り組みを継続的に進めるなど、かつての水路を活用しながら周辺の雨水や地下水を少しでも多く集める様々な工夫により、洗足池の水源確保に努めているところでございます。  井戸につきましては、公園内には現在2か所ございます。1か所は、勝海舟墓所前の広場付近でございます。深さが4メートル程度で、池の水位の影響を受ける浅井戸で、水源としての活用は困難かと考えてございます。  また、池の中の弁天島の中にも、かつては井戸があったと言われてございますが、現在は痕跡のみで活用されてございません。  井戸を新たに掘るには、東京都環境確保条例の規制により様々な制約があるとともに、多大な費用がかかります。また、くみ上げる量の制限もあるため、井戸による水源確保だけでは、大きな水質改善効果は見込めないと考えてございます。  区といたしましては、引き続き洗足池の集水域にあるかつての水路沿いなどで、雨水の浸透や集水による水源対策に努めてまいりますが、委員ご提案の井戸の活用につきましても、トータルな水質改善手法の一つとして検討してまいりたいと考えてございます。 ◆岸田 委員 ぜひ、前向きに検討していただきたいと思います。防災危機管理課のほうで、ちょっと調べていただいたら、災害時に協力、井戸水を使ってどうぞというところが、ちょうど家から北側のほうで約30軒ぐらいあるのですよね。例えば、そういうのも活用させていただくとか、何かいろいろ考えていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。 ○深川 委員長 以上で、第8款環境清掃費の審査を終結いたします。  会議が長時間にわたりましたので、しばらく休憩いたします。                午後2時46分休憩                午後3時15分再開 ○深川 委員長 ただいまから、予算特別委員会を再開いたします。  第9款教育費の審査を行います。  理事者の説明を求めます。 ◎谷口 財政課長 それでは、事項別明細書228ページをご覧ください。  第9款教育費でございます。本年度312億3,417万1,000円で、59億3,676万3,000円の増でございます。第1項教育総務費、本年度102億2,051万6,000円で、646万8,000円の減です。第1目教育委員会費、本年度1,704万9,000円で、71万3,000円の減です。第2目事務局費、本年度39億1,479万8,000円で、2億8,428万1,000円の減です。主なものは231ページ、16番、教科用システム等運用で、4億3,281万7,000円の減です。  230ページでございます。第3目教育指導費、本年度6億5,432万7,000円で、7,188万6,000円の増です。主なものは233ページ、1番、指導・調査研究の(5)外国人による英語指導で、3,555万6,000円の増です。  234ページでございます。第4目教育センター費、本年度4億8,026万6,000円で、1億6,886万3,000円の増です。主なものは右側235ページ、2番、教育センター管理運営費で、1億3,994万6,000円の増です。第5目幼児私学費、本年度30億315万9,000円で、1億3,241万7,000円の増です。主なものは237ページ、6番、私立幼稚園入所者支援給付費で、1億8,971万5,000円の増です。  236ページでございます。第6目図書館費、本年度16億224万1,000円で、2億2,993万円の減です。主なものは右側237ページ、2番、図書館電算システムで、1億1,195万1,000円の減です。  236ページです。第7目図書館建設費、本年度5億4,867万6,000円で、1億3,529万円の増です。  第1項教育総務費は以上でございます。  続いて、238ページでございます。第2項小学校費、本年度152億5,271万9,000円で、43億7,269万8,000円の増です。第1目学校管理費、本年度57億1,695万9,000円で、11億6,863万5,000円の増です。主なものは右側239ページ、7番、校舎造修等の(1)校舎造修で、8億4,815万6,000円の増です。  240ページでございます。第2目教育振興費、本年度3億8,886万6,000円で、883万9,000円の減です。第3目学校給食費、本年度18億2,513万5,000円で、1億8,270万9,000円の増です。主なものは右側241ページ、3番、学校給食調理業務等委託の(1)学校給食調理業務委託で、1億391万8,000円の増です。  242ページでございます。第4目学校保健費、本年度3億184万円で、1,074万3,000円の増です。第5目特別支援学校費、本年度7,963万2,000円で、31万2,000円の増です。  244ページでございます。第6目学校施設建設費、本年度69億4,028万7,000円で、30億1,913万8,000円の増です。主なものは右側245ページ、1番、校舎の改築・改修及び屋内運動場等の整備の(1)校舎の改築で、34億6,179万5,000円の増です。  第2項小学校費は以上でございます。  続いて、246ページでございます。第3項中学校費、本年度55億6,316万7,000円で、16億6,279万5,000円の増です。第1目学校管理費、本年度23億8,401万1,000円で、2億1,771万円の増です。主なものは右側247ページ、5番、校舎造修等の(1)校舎造修で、9,394万9,000円の増です。  248ページでございます。第2目教育振興費、本年度3億8,148万2,000円で、806万8,000円の減です。第3目学校給食費、本年度8億664万5,000円で、4,401万1,000円の増です。  250ページでございます。第4目学校保健費、本年度1億3,698万円で、474万8,000円の増です。第5目学校施設建設費、本年度18億5,404万9,000円で、14億439万4,000円の増です。主なものは右側251ページ、1番、校舎の改築・改修及び屋内運動場等の整備の(1)校舎の改築で、12億5,541万4,000円の増です。  第3項中学校費は以上でございます。  続いて、254ページでございます。第4項校外施設費、本年度1億9,776万9,000円で、9,226万2,000円の減です。第1目校外施設管理費は、項と同額でございます。主なものは右側255ページ、2番、野辺山学園管理運営の(2)管理運営費で、5,524万2,000円の減です。  第9款教育費は以上でございます。 ○深川 委員長 この款には、自民、公明、共産、無印、民進、改革、ネット、無所属から質疑の通知がありますので、順次、これを許します。  それでは、質疑に入ります。  自民、質疑願います。 ◆渡司 委員 自由民主党大田区民連合、渡司幸でございます。いつもしつこく聞かせていただいて、大変申しわけない気持ちもするのですが、また、キャリア教育について伺いたいと思います。  東京大学社会科学研究所とベネッセ教育総合研究所の共同研究で、2014年から行われている小学校1年生から高校3年生の約2万組の親子を対象とした、子どもの生活と学びに関する親子調査という大規模な調査がございます。その中で、「将来やりたい仕事がある」と回答した子どもの割合は、小学校5年生で約69%と最も高く、その後は学年が上がるほどに低下をし、中学校3年生で約44%と最も低い数字になっております。  また、高校生になると再び上昇をし、高校3年生では57%となっています。義務教育終了時点の中学校3年生で、自分の進路選択と職業が結びついていない子が多いということがわかります。  また「この1年くらいの間で自分の将来について深く考えた経験をしたか」との問いに対して、中学校3年生では61%、高校3年生では82%と、中2や高2と比較しても20ポイント以上の差をつけて多くの子どもが受験を控えた1年間で、将来について深く考えた経験があると答えています。  これらの結果からも、子どもたちがイメージできる将来とは、ごく近い将来、行きたい高校や行きたい大学など、職業というよりは進学先に関連していることが見てとれます。  大田区ではこれまで、区立中学校17校で行われていた職場体験が全校で2日間の実施となったのが平成18年度。翌19年度には全校で3日間の実施となり、平成20年度には文部科学省の「キャリア・スタート・ウィーク推進地域」として指定をされ「中学生ものづくり職場体験シンポジウム」を開催するなどして、中学校の職場体験活動を推進していただいてまいりました。  職場体験の全校実施から10年を経過し、改めまして中学校の職場体験に関して質問をさせていただきます。  将来、自立する自分をイメージすることや働くことの意味を考えることは、非常に重要な課題であると思いますが、中学生職場体験の目的の一つであります「しっかりとした職業観を養っていく」という観点で、どのような点に留意をされていますでしょうか。教えてください。 ◎増田 指導課長 職場体験は、仕事そのものの体験はもちろんですが、働いている人の仕事にかける思いや願いに触れ、働くことの意義を考えることができる貴重な機会となっております。  しっかりとした職業観を養うための配慮として、まず、職場体験に入る前に、社会の一員として生きるために必要な基本的事項を指導する必要があります。そこで、事前指導で社会人として必要な基本的マナー、言葉遣い、挨拶、安全等の基本事項の確認を中心とした指導とチームワークなど、社会的スキルやコミュニケーション能力を身につける指導を行います。  次に、体験期間中は、体験先から学校に戻った生徒が報告をするときに、職場の方の仕事ぶりを見て見習いたいことがあったか、仕事をして学んだことや感動したことは何かなど、感じたことや考えたことを日誌に記入したり、話したりしながら、1日の活動を振り返らせます。  職場体験後には、体験したことを模造紙にまとめたり、発表し合ったりする活動やお世話になった事業所にお礼状を書く活動を通して、働くために必要な力や働くことの意義などを考えることができるようにしております。  これらにより、しっかりとした職業観を養い、働くことの尊さを実感できる職場体験になるよう配慮しております。 ◆渡司 委員 職場体験以前に、小学校からの体系的な学びが基盤にあってこその職場体験活動であると思いますので、ぜひ小学校での学習との関連づけや連続性にも留意をしていただき、中学生には、働くこと、自立すること、今、勉強する理由などをぜひ考えてもらいたいと思います。  子どものころに勉強が大嫌いでありました私の知人は、算数や数学は社会に出たら使わないと思って、全く勉強しなかったという人がいます。ところが、大人になって町工場で働き始め、100分の1ミリや1,000分の1ミリの公差の中で製品をつくらなければならなくなり、図面を読むにも、検査表を書くにも、プラスとマイナス、小数点以下の足し算、引き算からやり直さなければならなかったと、そのころの苦労を話していらっしゃいました。  子どもの生活の学びに関する親子調査では、この1年間で「家族から仕事の楽しさや大変さを聞いた経験がある」、または、「将来の自分について深く考えた経験をした」と答えた子どもたちは、そうでない子どもたちと比較して、「将来やりたい仕事がある」と答えた比率が高いという結果が出ています。働く大人との対話や身近な人からの情報収集が、将来を考える助けになることが見てとれます。  例えば、子どもたちが職場体験のまとめ学習の段階で、身近な人や家族と仕事や職業について話し合ったことがある。なりたい職業がある。自分の将来のために必要だと感じる教科は何かなどの職業感に関するアンケート調査を行い、今後の区のキャリア教育に生かすことはできませんでしょうか。 ◎増田 指導課長 毎年、各学校から中学校生徒職場体験実践報告書の提出を求めて、各校の取り組みの実態を把握しております。  そこで、複数の中学校の生徒に対して、「自分が就きたい職業について考えた」、「自分の将来のために必要な力は何かを考えた」などの共通項目を設定したアンケート調査を実施し、その結果をものづくり教育・学習フォーラムで舞台発表するとともに、実践報告書の内容として報告させることを検討してまいります。これによって、教育委員会として課題を把握し、区としてのキャリア教育推進に生かすことができると考えております。 ◆渡司 委員 前段の親子調査においては、小中高にかかわらず、約5割の保護者が、「将来、子どもが自立できるか不安である」と答えています。キャリア教育においては、保護者も働く大人としての立場で協力できる部分も多いかと思いますので、ぜひ役立てていただきたいと思います。  職場体験活動は、区立中学校28校全校で取り組まれている事業ですので、ぜひ、大田の子どもたちの職業観の醸成や家庭における自立への意識づけなどの実態に関しても、何らかの形で調査・研究をしていただきたいと考えます。  中学校では、2年の学年で職場体験を実施している学校がほとんどであると思いますが、学校の中でも、その学年にほぼお任せの状態で、職場体験にかかわる先生の業務量は膨大な状況であり、特に、担当教諭や学年主任の先生は、受け入れ事業所へ事前の挨拶に回る、体験プログラムの打ち合わせに行くなど、半年間以上にわたり走り回っておられます。  各学校によって状況は様々であるとは思いますが、学校支援地域本部や地域の協力によって先生方の負担を減らす取り組みはございませんでしょうか。 ◎北村 教育総務部副参事〔教育政策担当〕 学校支援地域本部のコーディネーターが、受け入れ先の開拓や受け入れ人数の調整などを行っている学校では「スムーズに生徒を受け入れていただき助かった」などの声が多く、委員お話のように教員の負担軽減につながっております。  一方、職場体験の受け入れ先が確保されているなどの理由で、学校支援地域本部に職場体験に対する要望をしていない学校もございましたので、支援が必要な学校の調査を行うとともに、教員の負担軽減につながることを学校及び学校支援地域本部に周知したり、具体的な取り組みをモデルとして各学校に示したりすることで、活動が全校に広がるよう努めてまいります。 ◆渡司 委員 現在の職場体験受け入れ事業所などは、各学校の先生方が苦労をして開拓・継続されているところがほとんどであり、授業の一環であるという責任感からも、なかなか先生方も手放せない部分が多いというのは理解ができます。  それでも、受け入れ事業所とのやりとりや事務手続など、苦手な先生もいるでしょうし、外部の方にお願いしたほうがスムーズな部分などについては、学校支援地域本部の活用などを進めていただければと思います。  それから、職場体験の現状と課題などについて話し合われております区の職場体験連絡会は、どのくらいの頻度で開催され、どのようなメンバーでどのような内容が話し合われているのでしょうか。教えてください。 ◎増田 指導課長 大田区立中学校生徒職場体験連絡協議会は、毎年2月に年1回の開催をしています。出席者は、大田区内の職場体験受け入れ事業所等の9名の皆様、各学校で体験先と中学校をつなぐ4校の学校支援地域本部の皆様、2名の中学校長会進路指導担当校長、全28校の職場体験担当教諭と教育委員会担当者です。  2月1日に開催した本協議会では、2校の代表が職場体験の報告を行いました。その後、中学校生徒職場体験の円滑な実施について、学校と受け入れ事業所が7グループに分かれて意見交換をいたしました。  協議会後の教員のアンケートでは、「受け入れ事業所の中学生を育てたいという熱い気持ちがわかった」、「地域で生徒を育てていくという姿勢を心強く感じた」などと書かれており、受け入れ事業所側の考えと学校側の考えを伝え合うことで、よりよい職場体験活動につながる協議となりました。  今後とも、職場体験の円滑な運営のために、本協議会を充実させてまいります。 ◆渡司 委員 職場体験連絡会の機会をより活用していただくためにも、受け入れ事業所ができるだけ複数の近隣校を受け入れることができる情報共有や各種団体との連携をより進めていただき、職場体験活動のブラッシュアップと先生方の負担軽減を図っていただける会となりますよう、ぜひよろしくお願いをいたします。  次に、職場体験と同様に、大田区のキャリア教育の一翼を担っている、ものづくり教育・学習フォーラムについて伺います。  小中学校の作品展示ですが、家庭科展や技術科展、図工展との差別化も意識をしていただき、夏休みの自由研究やおおたオープンファクトリーとの連携など、より大田のものづくりを意識した展示や発表を検討していただきたいのですが、いかがでしょうか。 ◎増田 指導課長 ものづくり教育・学習フォーラムにおいて、夏休みの自由研究等で取り組んだ理数にかかわる研究を、大田区における小学生科学展として展示しております。今年度は、28校の研究を展示いたしました。出展にあたり、ものづくりを意識した取り組みになるよう、提出を依頼する際、各学校に本フォーラムの趣旨等を伝えておりますが、さらに徹底を図り、子どもたちの研究の過程においても、ものづくりの楽しさが実感できるよう、工夫を促してまいります。  おおたオープンファクトリーとの連携については、このイベントに参加した児童・生徒が、そのときの体験を通して考えたこと、感じたことなどを本フォーラムで舞台発表することにより、「工場のまち大田」を体験的に学ぶ機会となることが期待されます。関係課と連携して、子どもたちがものづくりのすばらしさ、楽しさを実感できるように工夫してまいります。 ◆渡司 委員 先日の産業経済費の答弁の中でも、おおたオープンファクトリーでの仲間まわしラリーや大田工連に委託している次世代ものづくり人材育成事業の産業のまち発見隊の取り組みなどが、特徴のあるものづくり体験プログラムとして挙げられておりました。ぜひ、そのような取り組みをものづくり教育・学習フォーラムの中でも紹介をしていただき、教育の現場につないでいただきたいと要望いたします。  また、ものづくり教育・学習フォーラムの中で、職場体験受け入れ事業所リストを閲覧できる、または、フォーラムの経年の成果がわかる報告書をホームページなどで公開できる取り組みはできませんでしょうか。 ◎増田 指導課長 職場体験受け入れ事業所リストや、ものづくり教育・学習フォーラムの概要を広報することは、区民のキャリア教育への理解を深める大変よい機会となると考えております。これらを早期に公表できるよう、その内容も含めて検討し、準備を進めてまいります。 ◆渡司 委員 私も、第1回からものづくり教育・学習フォーラムに足を運ばせていただいている中で、大田区ならではのものづくり体験がよくわかる、発達段階に応じたものづくり学習が一度に見られるなどのメリットを感じております。ぜひ、産官民連携のイベントとして、その成果を積み上げていっていただきたいと感じております。  先日の産業経済費のところで、大田区の子どもたちに特に学んでほしい分野について伺ったところ、全国規模のロボットコンテストなどを誘致している大田区として、区内の子どもたちに、最先端技術を体験してもらうことで勉強してみたいという意欲を持ってもらいたいとの答弁がございました。  最後に、教育委員会から産業界に対し、何か支援していただきたいことがあれば教えてください。 ◎増田 指導課長 ものづくり教育・学習フォーラムでの企業・団体のご協力による体験コーナーでは、参加した子どもができ上がった作品をうれしそうに保護者に見せる姿を見ることができました。  小学校の生活科や社会科での見学や体験の場を提供していただき、教科としての狙いを達成することに加えて、郷土おおたに愛着を持つ子どもたちが育っています。  工業連合会をはじめとする1,200以上の事業所にご協力いただいている中学生の職場体験では、子どもたちの勤労観、職業観を実体験を通して育む絶好の機会となっております。
     本区のものづくり教育は、産業界の皆様に支えられております。おおたの子どもたちの体験や見学へのご協力や学習の場の提供などのご支援に心より感謝するとともに、ものづくりに対する思いを十分に語ってく場を含め、今後も継続・充実していただくことを産業界の皆様にお願い申し上げます。 ◆渡司 委員 子どもたちの教育のためということで、役に立ちたいと思わない大人はいないと思います。ぜひこういうことをしてもらいたい、こういうところで連携したいということがありましたら、積極的に相談・連携をしていっていただきたいと思います。  今回の質問に際し、久しぶりに作家の村上龍氏がまとめた「13歳のハローワーク」について調べてみました。2003年の初版本では、514の職種を取り上げ、多くの学校図書館などにも置かれた話題作でございますが、2010年には、新たに703の職種について取り上げ、再出版をされました。  現在は、ホームページも充実しており、子どもたちが興味のある分野を調べたり、自分なりのキャリアマップを作成したりすることができます。  ちなみに、先月、2月の段階のホームページでのなりたい職業第1位はプロスポーツ選手、保育士が5位、小学校の先生は13位、そして、公務員は22位、幼稚園教諭は33位、中学・高校の先生は59位となっておりました。  残念ながら、議員は100位以内には入っておりませんでしたけれども、ホームページで紹介をされています政治家の職業の説明がすこぶる秀逸でございまして、ぜひ皆様も、ご一読をされることをお勧めいたします。  今後、ますますキャリア教育をICT教育や読書教育などとも連動させていただくことを期待しております。  また、新学習指導要領のもとでは、児童・生徒が、みずからの学習プロセスを記述し、振り返ることのできる(仮称)キャリアパスポートの活用が、推奨されています。小学校から高校までのキャリア教育に関する学びの記録を一冊にとじ込み、有効に振り返ることのできる教材でありますが、ドイツなどでは、さらに適性検査の結果や試験の成績などもファイルできるようになっておりました。  今後も、教材の開発も含め、研究を進めていただきますようお願いをして、質問を終わります。 ◆鈴木 委員 続きまして、鈴木でございます。よろしくお願いいたします。  私は、今年度中に改定をされます新学習指導要領に備えて、プログラミング教育というところからお伺いをいたします。新学習指導要領の中で、2020年から小学校でプログラミング教育が必修科目となるという記事を見ました。全体的に見ますと、今後、IT産業の絶対的な人手不足も将来的にありまして、今後、数十万人規模のそのような技術者が、不足をするのではないかと言われております。  今回、このプログラミング教育なのですけれども、文科省の見解としましては、「児童がプログラミングを体験しながら、コンピューターに意図した処理を行わせるために、必要な論理的思考力を身につけるための学習活動」。これだとちょっとわかりづらいのですけれども、結局何かといいますと、プログラミング教育と言われて、私も初めにイメージしたのは、DOSのような画面でカタカタ打ち込んで、コンピューターに覚え込ませる。それ自体は、間違いではないかもしれないのですけれども、それだけの技術的な作業ではなくて、どのような記号をどういう組み合わせでコンピューターに指令を出したら、コンピューターは自分の思ったようにつくってくれるのか。やはりコンピューターに今、依存しているところが大きいのですけれども、やはりそのコンピューターそのものをつくるのも人間でありますし、コンピューターに指令を出すのも人間であります。これを結局プログラミング的思考という言葉があるらしいのですけれども、このプログラミング的思考の本質は、問題認識と問題解決となっておりまして、これは、非常に奥の深い事業だなと思いました。  ただ、今後、このプログラミング教育が進んでいく中で、これから教える人の絶対数が少ないということも問題視されているそうであります。  今、この分野に関しましては、企業等々と学校が連携しながら取り組んでいる事例もありまして、それを調べてみましたら、例えば、荒川区立第二日暮里小学校は、発達段階に応じた系統的な指導や適切な評価基準の作成等への支援を行い、研究を推進ということで、これは、有名な株式会社内田洋行と連携をしているそうであります。  それで、杉並区立天沼小学校は、企業連携の実績のある学校において、大学の知見を生かした授業支援を行い、研究を推進。これは、東京学芸大こども未来研究所というところと連携をしているそうであります。  本区はといいますと、うちもしっかりやっておりました。大田区立矢口西小学校、こちらは、教員研修、教材提供、授業づくり等総合的な支援を行い、全学年でプログラミング教育を推進というところで、ここも名門企業でありますインテル株式会社と連携をしているそうであります。  それで、ただ、非常に現場も重要視しているプログラミング教育なのですけれども、計画の中で教材の開発や教諭の研修のあり方、それと、どの科目にどのぐらいの時間を要すかというのも、それも学校が個々に任されているというところでありまして、そういうのも含めて学校の判断に委ねられているとされております。文科省が方向性を示している割には、実際の計画というものが、ちょっと見えづらい現状でありますけれども、本区は、このプログラミング教育を今後、どのように捉えているか。まず、こちらからお伺いいたします。 ◎増田 指導課長 小学校におけるプログラミング教育では、プログラム言語やプログラミングの技能を教えることだけではなく、児童の発達の段階に即して、プログラミング的思考を育成すること、コンピューターの働きを、よりよい人生や社会づくりに生かそうとする態度をかん養することが大切です。  教育委員会といたしましては、この狙いに沿って、学習活動の中でタブレットなどICT機器に親しませ、情報モラルの基本を学ばせるとともに、フローチャートなどを使って考えさせる学習活動などを通して、プログラミング的思考を身につけさせることが重要であると捉えております。  委員のお話にありました矢口西小学校については、平成29年度東京都情報教育推進校として企業等と連携し、指導内容についての研究を進めてまいりました。  具体的な取り組みとしては、プログラミング的思考を身につけさせるために、算数や理科だけでなく、例えば、国語科において、相手に伝わりやすくするために文章の順番を考え、並べかえることや、係活動や当番活動を効果的に行うために活動内容をフローチャートに起こし、プログラミング的思考を生かした活動の振り返りを行うなどの指導法が考案されております。  今後は、矢口西小学校の研究成果を他校に詳細に周知し、実践させるとともに、各校が実践を通じて改善した内容を教育委員会が取りまとめ、フィードバックを繰り返すことで、小学校における効果的なプログラミング教育のモデルを構築いたします。  今年度、校内LAN環境を整備し、全普通教室にスライドレール式電子黒板を設置するなどのICT環境を整えました。それらも十分に活用しながら、プログラミング教育を推進してまいります。 ◆鈴木 委員 私が、初めて授業としてコンピューターに触れたのが、大学のゼミでして、そのときにDOSの画面を言われたとおりに一生懸命、長く長く打ち込んだら、1個の円を描けたという、それぐらいの時代でありまして、それから20数年たった今、本当に目まぐるしく進歩しております。  今、幼稚園に入る前の子でも、画面を見ながらスワイプしているのを見ると、本当にこれからも教育現場としては、そういう時代に追いついていかなくてはいけないのかなと、重要性を認識しているところでございます。  先ほども申し上げましたけれども、ただ、この分野に関しましては、教える人がなかなか少ないというのが現状であります。今、ご紹介しました企業等との連携も非常に大事かもしれませんけれども、人材の宝庫でありますこの大田区の皆さん、この皆さんからぜひともそういった現場に出てきていただいて、そうした場でご指導をいただければと思っておりますけれども、この辺の人材の発掘という観点に関しては、いかがでしょうか。 ◎増田 指導課長 先ほどご答弁いたしましたとおり、小学校におけるプログラミング教育は新規の教科ではなく、既存の各教科等の中で実践していくという、カリキュラム・マネジメントにより行われるため負担は少ないとは考えておりますが、学習指導案の中に、プログラミング的思考の指導内容を盛り込んでいくためには、ICTが得意な方のサポートや専門家の助言や指導が必要であると捉えております。  児童の保護者の中には、IT企業で活躍され、ICTが得意な方が多くいらっしゃいます。各校に設置している学校支援地域本部を通じて、授業のサポートをしていただける方を発掘してまいります。  専門家の確保については、東京都教育委員会が企業、大学、NPO法人等と立ち上げた地域教育推進ネットワーク東京都協議会があり、その協議会から必要な人材を紹介していただける仕組みも活用しながら進めてまいります。  教育委員会といたしましては、地域の人材を生かして、プログラミング教育にかかわる研修会を実施したり、授業の中でICT機器の活用を働きかけたりしながら、教員がプログラミング教育を推進できる環境を整えてまいります。 ◆鈴木 委員 非常に心強いご答弁をいただきました。本当にその環境の整備は、喫緊の課題だと思っておりますので、お願いをいたします。  やはり教員の負担は少ない、新たな教科が増えるわけではなく、一つの教科の中でそのようなプログラムをするということでありますけれども、ただ、教員が、新たなスキルを身につけなくてはいけないという現状に変わることはありませんので、やはり負担は若干でも増えるのかなと。  それで、その先は、私も本会議の代表質問の中で述べましたけれども、働き方改革。教員の負担軽減も含めまして、これからは、教育現場の働き方改革ということについて質問を進めてまいります。  本区においても、スマートワーク宣言のもとに様々な取り組みがなされております。政府の計画のもと、その改革は多分野に及んでおりますが、教育現場も決して例外ではありません。文科省の2018年度予算案の中にも、新学習指導要領の円滑な実施と学校における働き方改革のための環境整備としまして、多分野にわたり予算計上をされております。  平成29年12月26日、文部科学大臣決定によります、学校における働き方改革に関する緊急対策というものを見ました。  しかし、その後、平成30年2月9日付けで、文部科学事務次官名で、「学校における働き方改革に関する緊急対策の策定並びに学校における業務改善及び勤務時間管理等に係る取組の徹底について」と非常に長いのですけれども、これが各都道府県教育委員会宛に送られていると聞きました。  まずは、東京都教育委員会に送られたこの文書でありますけれども、本区の教育委員会には伝わってきているのか。また、伝わってきているとしたら、本区の教育委員会としては、どのように分析をしているのかお聞かせください。 ◎鈴木 学校職員担当課長 ご質問の文書につきましては、平成30年2月21日付けで東京都から本区に通知されて、本通知は、昨年12月22日、中央教育審議会が取りまとめた「新しい時代の教育に向けた持続可能な学校指導、運営体制の構築のための学校における働き方改革に関する総合的な方策について(中間のまとめ)」を踏まえてなされたものでございます。  教育委員会といたしましては、学校における働き方改革を見直し、限られた時間の中で、教師の専門性を生かしつつ、授業やその準備に集中できる時間など、児童・生徒と向き合う時間を確保し、教師が児童・生徒に対し、効果的な教育活動ができるよう、必要な取り組みが求められていると考えています。  学校における業務改善につきましては、児童・生徒の一人ひとりと丁寧にかかわりながら、質の高い授業や個性に応じた学習指導や個に応じた学習指導を実現するためには、学校・教師が担う業務を改めて整理した上で、教員の専門性を踏まえ、各学校や地域の実情に応じて、役割分担と業務の適正化を図っていくことが必要であると考えています。  また、勤務時間管理などにつきましては、平成29年1月に定められました「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置」に関する厚生労働省のガイドラインに基づきまして、教職員の勤務時間などに関する制度の現状を踏まえて、勤務時間管理の徹底、適正な勤務時間の設定、働き方改革に関する意識改革などに取り組んでいかなければならないと考えています。 ◆鈴木 委員 そして、その中で、業務の役割分担、適正化を着実に実行するために教育委員会が取り組むべき方策について、例えば、業務改善方針・計画の策定及びフォローアップなど13項目にわたって書いております。  さらにこの中で、個別業務の役割分担及び適正化についてということで、3項目にわたって、「基本的には学校以外が担うべき業務」、これは、登下校に関する対応など4点ほど挙がっています。「学校の業務だが、必ずしも教師が担う必要のない業務」、これは、調査・統計等への回答等を含めて4項目ほど。それで、「教師の業務だが、負担軽減が可能な業務」の中で、給食時の対応、授業準備。ただ、学習評価や成績処理というのは、入っていますね。  ただ、当然、これは、マル・バツをつけて、それを全てアウトソーシングするという考えではもちろんないとは思うのです。外部にお願いをしても差しさわりのない範囲だと思っているのですけれども。例えば、子どもと向き合う教師、子どもの回答というのは、マル・バツだけでは図れないものもあると思います。  もちろんそれは、正解か不正解かなんですけれども、ただ、不正解の中にも、私たちがあっと驚くような不正解も存在するわけでありまして、それこそが、その子の個性であり、その子の見解、そして、まさに教師が着目すべきその児童の個性だと思っております。  なので、教師と生徒は、非常に距離感というか、密接な関係の中で学校業務を担っていただいているわけでありますけれども、やはり業務のアウトソーシングや簡素化は、もちろん大事なのですけれども、教育分野の働き方改革というのは、教職員の労働環境の整備だけでは解決をしない問題だと思っております。  今後の教育委員会として、働き方改革の見解について、最後、お伺いいたします。 ◎鈴木 学校職員担当課長 文部科学省の通知には、「教師の業務だが、負担軽減が可能な業務」として、学習評価や成績処理が挙げられておりますが、教師が一人ひとりの学習状況や成果を丁寧に見とり、評価・指導することは、大切なことであると考えています。  しかし、通知にあります学習評価や成績処理につきましては、従来、指導要録や通知表などの同じ内容を転記する書類作成が手書きで行われておりましたが、校務支援システムの導入によりまして、タイピングで迅速に記載ができるほか、容易に修正が可能となるなど、事務量の大幅な負担軽減につながりました。これらICTを活用した評価事務の負担軽減については、さらに進めてまいりたいと思います。  平成30年度の予算案には、(仮称)副校長補佐を各校1名配置する予算や部活動指導員を試行的に配置する予算を計上させていただいておりますが、これらのマンパワーの投入とともに、校長をはじめ教員等で構成される経営支援部を各校に設置して、校内の役割分担の明確化などをあわせて校務改善を行うこととしております。  委員お話しのとおり、教員の仕事は一人ひとりの子どもと向き合い、深く理解しようとすることが基本であり、業務の効率化や外部委託になじまない業務も多くございます。  教育の原点を見失うことなく、業務点検を推進することで、教員の長時間勤務の解消に向けた取り組みを着実に推進してまいります。 ◆鈴木 委員 そのようにご答弁をいただきまして、少し安心をいたしました。やはり、今、国を挙げて働き方改革に取り組んでおります。  例えば、ものを売ったり、サービスを提供する企業であれば、どんどん働き方改革をしていくかもしれません。  ただ、教育分野に関しましては、教育分野が扱っているのはまさに人であり、子どもなわけであります。生徒や児童に影響があってはいけません。私も、本会議の代表質問の中で、子どもたち本位の教育委員会のあり方につきまして、教育委員会のご見解をいただきました教科書の問題、こうした教育現場の問題、それぞれにおきまして、大人の都合、政局の都合などで子どもたちに影響があることは、断じて容認できない。それは、強く私も本会議の場でも申し上げました。  これからも、本来の学校の機能を見失うことなく、働き方改革、教師たちも時間的・精神的にゆとりが必要なのは十分わかっております。それは非常に難しい問題かと思いますけれども、ぜひとも取り組んでいただきますよう要望しまして、終わります。 ○深川 委員長 次に、公明、質疑願います。 ◆小峰 委員 大田区議会公明党の小峰由枝です。学校トイレについて質問をいたします。現在、日本国内の洋式トイレの普及率は、約9割と聞いております。洋式トイレは、明治時代にヨーロッパから伝わり、昭和30年代までは、ほとんどの家庭は和式トイレでした。各家庭に洋式トイレが普及したのは、上下水道や、それから、浄化槽の整備ができた昭和50年代のころと伺っております。  現在は、2020オリンピック・パラリンピックに向けて、公園トイレの洋式化が進んでいる中、学校トイレの洋式化は遅々として進んでいない状況です。本区の学校のトイレも、和式のトイレが多く、休み時間は、洋式トイレに列ができることが多いと伺っています。今なお、臭い、汚い、暗い、怖い、壊れているという5Kと言われているのが、和式トイレでございます。  学校で排便をしない児童・生徒は、4割とも5割とも言われており、その傾向は、学年が上がるにつれて強まり、子どもたちの便秘が増加しているとの報告があります。  さいたま市立病院、中野美和子小児外科部長は、「便秘が重症化すると集中力の低下や食欲をなくすなど、健康障害が起きてくる。便秘の要因として、食事の洋食化のほか、子どもたちが学校や習いごとの慌ただしい日々を送っており、規則的な排便の習慣づけができていない。また、家庭で洋式便器が普及する中、学校には老朽化した和式便器が多く、やむなくトイレを我慢するという子どもも多い。さらに、和式トイレには、大腸菌が多く検出されている調査結果もある。和式の清掃方法で多いトイレの床に水をまく湿式清掃が悪臭の原因にもなっている。子どもたちの健康を守るために、学校トイレの洋式化は必須で、自治体は、清潔で明るいトイレへの改善を心がけてほしい」と発信しています。  ほかにも、筋力がなく、なかなかしゃがむことができない子どもの便秘への懸念や、和式トイレでの排せつ物の飛び散る不衛生さを指摘する声も上がっております。  また、学校は、災害が発生したときは避難所にもなることから、トイレ洋式化の加速が望まれるところです。熊本地震の被災地では、筋力が弱く膝の疾患を抱えている高齢者が多いことから、地域の防災拠点となった学校に高齢者が避難した際に、和式トイレが使えないケースが散見され、学校トイレの洋式化が課題となっていたようです。  災害時で一番困るのが、トイレと水と言われています。以上のことから、健康面、衛生面、防災面では、トイレ洋式化の必要性が喫緊の課題であると受けとめております。本区の見解をお伺いいたします。 ◎布施 教育総務部副参事〔教育施設担当〕 一般家庭のトイレのほとんどが洋式となり、駅や商業施設などでも同様に洋式化が進み、私たちが生活の中で和式トイレを使う機会がほとんどなくなってきております。  一方、洋式トイレは、衛生面ですぐれるほか、学校が災害時の避難所として使用されることを考慮すると、足腰が弱った高齢者や身体に障がいのある方にも使いやすいというメリットがございます。  区立小中学校の多くは、昭和30年代から40年代に建築されており、和式トイレが多く残っております。教育委員会といたしましても、子どもたちの排せつは大切なものであり、家庭と同じように気持ちよく使える洋式トイレを整備していくことが重要であると考えており、校舎の改築の際に、洋式トイレを基本に整備しているほか、既存校舎についても、洋式トイレへの改修を推進しているところでございます。 ◆小峰 委員 既存校舎についても、洋式トイレの改修を推進しているところと伺いました。まだ、和式が多い現状の中、学校に通う障がいのある児童・生徒、また、特別支援学級の児童・生徒の中で、和式トイレを使うことが難しいお子さんもいらっしゃるかと思いますが、本区は、その点、どのように対応されているのかお聞かせください。 ◎布施 教育総務部副参事〔教育施設担当〕 障がいのある児童・生徒や特別支援学級においては、利用されるお子さんの状況に合わせて、設置する位置、個数等を十分考慮した上で、洋式化や車椅子対応のトイレ等に改修させていただいております。  また、校舎改築の際には、各階男女トイレにそれぞれ車椅子対応ブースを設置しているほか、車椅子使用者だけでなく、オストメイト設備等も備えた多目的トイレを整備させていただいております。 ◆小峰 委員 寄り添う対応をありがとうございます。  東京都は、公立学校トイレ整備として、30年度の予算に24億9,800万円を計上しており、2020年に向け、1校当たりにおけるトイレ洋式化率は80%を目指す。このように東京都は公表いたしました。  平成28年度予算特別委員会において、我が会派の田村委員が、トイレ洋式化の加速をと訴え、この問題を取り上げておりましたが、その後の本区の進捗状況をお聞かせください。 ◎布施 教育総務部副参事〔教育施設担当〕 平成29年度現在、区立小中学校全体でのトイレの洋式化率は47.8%でございます。  現在、学校改築の際に整備する諸室の種類や数及び設備の基準の改正作業を進めており、トイレの洋式化率についても検討中でございますが、東京都の目標値を上回る目標値を決定したいと考えているところでございます。 ◆小峰 委員 平成29年度現在、本区の区立小学校数は59校、区立中学校数は28校、特別支援学校1校、合計88校です。  現在の様式化率が47.8%と伺いましたが、全体のまだ半数で、80%またはそれ以上を目指していくには対策が必要と考えます。  洋式化の工事期間が約6か月と伺っていますが、かなり長期の工事期間と受けとめます。その状況下では、学校の改修工事は授業と並行して行わざるを得ないので、防音、または振動問題、それから、一部トイレが閉鎖することによるほかのトイレの集中利用問題など、思ったよりも大変で、学校側の受け入れも難しくなるなと察します。  学校トイレの工事期間短縮の方法はないのでしょうか。工事方法から検討していただく抜本的な改革も視野に入れ、学校が協力しやすいように、工事体制を見直すなどの対策が必要と考えます。区の見解をお示しください。 ◎布施 教育総務部副参事〔教育施設担当〕 トイレを洋式化する際には、便器を交換するだけではなく、老朽化した配管をはじめ、設備面の改修が必要となるほか、環境の改善を図るため、天井、床、壁、手洗い場、照明、換気扇等の改修も同時に実施しております。  抗菌性が高く臭いがたまりにくい仕上げ材や、明るい色合いに改修することによって、児童・生徒が利用しやすい、より快適な環境を目指しているところでございます。  また、学校設備の改修は、授業等、学校運営への配慮も必要であり、長期休業中などの時期を選ぶ必要がある等の課題がございますが、各校の改修計画の中で工期が最短となるよう、努力を重ねてまいります。 ◆小峰 委員 工事の技術面におきましては、日進月歩であらゆる技術が、今、進化を遂げているという時代です。どうかしっかりとした工事ができるよう、そして、最短でできるよう検討していただきたいと強く要望いたします。  本日は、学校トイレの洋式化について質問させていただきました。トイレをよりきれいにすることは、子どもたちの学校生活の不安がなくなり、健康面や集中力においても改善が見込まれ、安心して学習などができる効果があると言われています。学校トイレの改善を急いでいただくことを重ねて主張し、質問を終わります。 ○深川 委員長 次に、田島委員の質疑に際しまして、資料の使用を許可し、タブレット型端末に配信いたしましたので、ご了承願います。 ◆田島 委員 大田区議会公明党の田島和雄でございます。私からは、教育費のうち、学校施設建設費、学校保健費に関連して、シックスクールと化学物質過敏症についてお伺いいたします。タブレット資料をご覧ください。  近年、住宅の気密性が高まってきたことに伴い、室内の空気において建材などから発生するホルムアルデヒドなどの化学物質の濃度が高まることによって、目、鼻、喉などへの刺激や頭痛などの症状が生じるシックハウス症候群が、1990年代ごろから問題となりました。  また、このシックハウスに加えて、シックスクールという言葉も生まれました。校舎の室内空気の化学物質などが原因で起こるシックハウスが、シックスクールと呼ばれております。  文部科学省は、学校施設整備指針や学校環境衛生基準などを策定し、シックスクールの原因となる室内空気の化学物質の濃度低減のための方策や機械換気設備による換気などを示しております。  また、東京都が、都立学校における室内化学物質対策の手引きを作成しているのをはじめ、多くの自治体でマニュアルを策定しております。  そこで、お伺いいたします。本区において、区立小中学校の校舎を改築する際や既存校舎におけるシックスクールについて、どのような対策を立てられているのかお知らせください。 ◎布施 教育総務部副参事〔教育施設担当〕 児童・生徒にとって多くの時間を過ごす大切な生活空間である学校において、健康的かつ安全・安心な教育環境の確保は、大変重要であります。  いわゆるシックスクール症候群の発生要因としては、建材や内装材から出る揮発性有機化合物などの化学物質によるもののほか、温度・湿度などの温熱環境、照度・騒音・振動などの物理的環境因子や、花粉・ダニなどの生物学的因子によるものが考えられます。  大田区では、公共建築物の建設等において、ホルムアルデヒドなど、人の健康を損なう化学物質の低減を図るため、室内空気汚染対策指針を策定し、校舎改築や改修工事の際は、ホルムアルデヒドなどが基準値以下である資材の使用を徹底しております。  また、工事完了時には、室内空気中のホルムアルデヒドなどの濃度を測定し、基準値以下であることを確認した上で引き渡しを受けております。  既存校舎につきましては、学校保健安全法第6条に基づいて定められた学校環境衛生基準に基づき、年1回、一部の教室を抽出して、ホルムアルデヒドの測定検査を行っておりますが、いずれも基準値内におさまっております。  今後も検査を厳正に行って、良好な教育環境の確保に努めてまいります。 ◆田島 委員 そういった対策がとられているということでございますけれども、一方、このシックハウス、シックスクールのほかにも、化学物質などによる健康被害として、いわゆる化学物質過敏症が注目されております。化学物質過敏症は、今まででは考えられない極めて微量の身近な化学物質によって、頭痛、全身倦怠感、喉や目の痛み、吐き気など、様々な症状をあらわします。  その症状については個人差が大きく、また、中毒やアレルギーといった既存の疾病と混同されるなど、混乱しており、原因物質の特定、疾病の定義、診断基準の確立には至っておらず、医学的に確立した疾病の概念とはなっておりません。  しかしながら、厚生労働省が、平成16年2月に公表した、室内空気質健康影響研究会報告書では、環境中の種々の低濃度化学物質に反応し、非アレルギー性の過敏状態の発現により、精神、身体症状を示す患者が存在する可能性は否定できないとしております。
     この化学物質過敏症は、例えば、花火の煙や虫よけスプレーの薬剤を吸い込むことでも症状があらわれる方もいるなど、多種多様ですけれども、ここのところ、原因の一つとして、合成香料がマスコミ等取り上げられるようになりました。  日本人の清潔好きはつとに有名ですけれども、清潔さにとどまらず、においにも気を使うため、香水やシャンプー、コンディショナー、洗剤、柔軟剤、制汗剤と、様々な香りに囲まれるようになりました。いい香りであることを売りにする洗剤や柔軟剤のテレビコマーシャルも数多く目にします。そうしたにおいは、合成香料であることが多く、過敏症の原因物質として苦しんでいる方もいらっしゃいます。  学校においても、この合成香料で過敏症が悪化してしまう事例もあるようです。給食当番の児童・生徒が着用する白衣を、次の当番に渡す際、前の当番の保護者は、気を使って洗剤と柔軟剤等をふだんより多目に使用して洗うそうです。そのふんだんに洗剤などが使われた白衣は、においがきつく、そのため化学物質過敏症を悪化させてしまう児童がいるとのお話を保護者から伺いました。  そのような香料による化学物質過敏症対策として、当然、個別的な対応をとることに加え、教職員の理解を深め、組織的な対応を図るための研修も重要ではないかと考えます。その教職員には、養護の先生も含めてはいかがかと思います。  本区の学校における化学物質過敏症のソフト面での対策についてお伺いいたします。 ◎杉山 学務課長 学校では、直接、児童・生徒の健康状態を把握するとともに、健康診断の際に用いる保健調査票を年度当初に保護者から提出いただき、過敏症など健康上配慮することをお知らせいただいております。  化学物質過敏症のお子さんについては、その旨を保健調査票の「学校に知らせておきたいこと」の項目にご記入いただくよう、改めて保護者にお知らせしてまいります。また、調査票の既往歴をお尋ねする質問項目に、「化学物質過敏症」を新たに追加することも検討してまいります。  申し出のありました内容につきましては、教職員間で情報共有するとともに、必要な配慮ができるよう周知徹底を図ってまいります。  さらに、毎年開催しているアレルギーに関する研修会や学校保健会の講演会に、化学物質過敏症をテーマの一つとして組み込み、化学物質過敏症の知識や対応方法などについて、保護者や教職員に啓発を行ってまいります。 ◆田島 委員 アレルギーや過敏症は、患者でないとそのつらさは理解しづらいものです。私も過敏症で、ちょうど今の時期は杉花粉のピークだそうで、大変つらい時期ですけれども、花粉症でない方にはなかなかそのつらさは理解していただけません。  同じように、化学物質過敏症の患者が原因物質を遠ざけるために、ときにはつらい思いをしていることを理解し、配慮していかなければならないと考えます。化学物質過敏症について、医学領域での今後の研究の進展が待たれるところですけれども、今後の研究動向を注視し、エビデンスが積み上がってきた際には、健康政策部をはじめ庁内で連携をして、ぜひ対策を打っていただきたいことを要望し、質問を終わります。 ○深川 委員長 次に、共産の質疑に入りますが、金子委員の質疑に際しまして、資料の使用を許可し、タブレット型端末に配信いたしましたので、ご了承願います。  共産、質疑願います。 ◆金子 委員 日本共産党の金子悦子です。少人数学級について質問します。  小学1・2年、中学1年に限って行われている35人以下学級ですが、小学3年生になるとき、中学に上がるときに学校によって違う対応をすることになります。  まず、小2、小3との違いについて、タブレットをご覧ください。  4番の開桜小、2年と3年は同じ112名で、2年生は4クラス、28人、3年生は3クラス、37人、37人、38人となります。11番の馬込小は、2年が106名で4クラス、3年は104名で3クラスです。13番の馬込第三小は、2年106名で4クラス、3年108名で3クラスです。24番の嶺町小、2年は129名で4クラス、3年生は120名で3クラスになります。仮に、この3年生が121名ですと、4クラスになるのです。40番の中萩中小学校、2年は78名で3クラス、3年以上は90人以上になり、みんな3クラスになります。  それで、26人から32人で、これは影響が少ない例で、53番の矢口東小学校は、2年生の2クラスで、この間、人数が変わらなければ、3年になったら1クラスになってしまいます。  これから言えることは、40人というのは大変不安定であるということです。35人以下でも多い、30人以下学級にすべきところですが、少なくとも3年次までは、40人になるようなクラスには、35人以下学級にする手だてを取るべきです。以前に、3年次も35人以下学級でという陳情がありました。ぜひこれに応えていただきたいと思います。お答えください。 ◎杉山 学務課長 公立小中学校の学級編制は、国が義務教育の全国的水準の維持・向上を図るため、公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律で、1学級の児童・生徒数の標準を定め、これに基づき都道府県教育委員会が基準を定めることとされております。  法律では、小学校第1学年のみ35人編制と定め、都道府県教育委員会が国の基準を下回る数の基準を定めることを可能としております。  現在、東京都教育委員会では、小学校第1学年を35人編制とし、小学校第2学年及び中学校第1学年については、35人学級を原則とするが、各校の実情により基準である40人の範囲での編制もできることを各学校に通知し、必要な教員を配置しております。  本区をはじめとする特別区の教職員の給与は、市町村立学校職員給与負担法に基づき東京都が負担することとされており、財源配分もそれに基づいて行われております。  現在の学級編制は法令を順守して適正に実施されており、区として独自に財源を捻出して教員を採用し、少人数学級を推進する考えはございません。 ◆金子 委員 これをやらないということですが、この問題は、2年から3年に上がるときに大変だという状況をぜひ考えていただきたいと思います。  それで、1年から6年までずっと同じ学級数のところもありますが、学級数の多い・少ないなど、同じ学級数ではない学校は42校ありますので、これは、教室として使えるところはあるのではないかと思います。ぜひ調査をしていただきたいのですが、いかがでしょうか。 ◎杉山 学務課長 少人数学級を実施する予定はございませんので、そのような調査を行う考えはございません。 ◆金子 委員 この大規模小学校の特有の問題もありますが、特に小学校では、500人を超える学校には、やはり特別の手だてが必要だと思います。  次に、中学校で2番目をご覧ください。35人以上の1年生のクラスをマーカーで示しています。8校と書きましたが、これは7校でした。これも通う子どもの身に置きかえると大変理不尽な話です。24番の御園中は81人で3クラス、1クラス27人です。28番の蒲田中は79人で2クラス、39人、40人です。中1の場合、学校ごとに複数担任か35人以下学級を選択したと聞いていますが、ここは間違いありませんね。 ◎杉山 学務課長 現在、東京都教育委員会では、小学校第1学年を35人編制とし、小学校第2学年及び中学校第1学年については35人学級を原則とするが、各校の実例により、基準である40人の範囲での編制もできることとしております。  したがいまして、区立中学校第1学年については、1学級を35人以下にするか、またはチーム・ティーチングによる教科指導とするかを選択できるようにしております。 ◆金子 委員 教室が足りないなどの学校施設の問題もあったと聞きましたが、まず第一義的に、教育環境を整えるというのが大田区の役割ではなかったかと思います。  また、地域の複数の小学校から入学してきますので、特に、新1年生には、35人以下学級が必要です。学校に判断してもらうという段階で、一度は、実施した中1の35人以下学級がついえてしまったのは大変残念なことです。この7校には複数担任がいるわけですから、ぜひ対策をすべきです。お答えください。 ◎杉山 学務課長 平成29年度にチーム・ティーチングを選択した学校のうち、教室の不足を理由に挙げた学校が3校、複数指導によるメリットを挙げた学校が4校ございます。  学校現場では、必ずしも少人数学級がメリットと感じていない学校もあり、教育委員会としては、生徒の実態を把握している各学校の判断に任せていく方針でございます。 ◆金子 委員 この学校現場に、その判断を委ねたのは、やはりまずかったと思います。  特に、中学校は、300人を超えれば、もう大規模校です。この300人以下の学校は少ないという意味では、中学校は、その3学年で小学校より多い子どもを抱えるとなることを直視しなければいけないと思います。  それで、次に、今予算案で目玉の副校長補佐の採用についてです。副校長の過重労働が心配されていますので、大変歓迎されています。事項別明細書239ページ、小学校費、学校職員等事務費に副校長補佐、学校事務補助、読書学習司書分として2億2,718万円になっていますが、この副校長補佐の方の人数、給与、健康保険、共済費についてお答えください。 ◎鈴木 学校職員担当課長 小学校採用予定の(仮称)副校長補佐の人数でございますが、59人でございます。報酬ですが、1日5時間、月16日勤務で月12万5,600円でございます。  健康保険については、各自で加入していただくことになります。  また、共済費は、労災保険として区が負担することになります。 ◆金子 委員 それから、247ページ、中学校費についても、副校長補佐の方の給与について同じようにお答えください。 ◎鈴木 学校職員担当課長 中学校採用予定の(仮称)副校長補佐の人数は、28人でございます。  報酬につきましては、小学校と同じでございますが、1日5時間、月16日勤務で月12万5,600円でございます。 ◆金子 委員 小中学校に講師や職員として出入りする人は、かなり多い。教員の時差勤務や出張、講師をはじめ、介添員、読書学習司書をはじめ、最後に、シルバー人材センターの人が鍵を閉めるまで、全ての出勤簿を管理しているのが副校長です。  せめてタイムカードを設置することを求めますが、いかがでしょうか。 ◎鈴木 学校職員担当課長 教員の勤務状況につきましては、校長や副校長からのヒアリングやアンケートなどを通じまして把握しているところでございます。  なお、(仮称)副校長補佐の職務には、副校長の指導・監督のもと、出勤簿管理を補助することを含めて考えております。 ◆金子 委員 副校長や教職員の勤務の軽減は急務であります。しかし、この副校長補佐の身分は大変不安定で、しかも、賃金は高いとは言えません。常勤で採用するところまで区としても頑張るべきですが、このことについては、答弁はいりません。  そこで、副校長も、言ってみれば学校の先生です。子どもたちと触れ合いたくて教師の職についた人たちです。そのための時間を保障することが求められているのではないでしょうか。少人数学級を実現することが、この点でも必要です。どちらにしても、この35人以下学級を政府が始めてしまったのです。  それで、来るべき新しい政権は、やり残した仕事として、残りの学年を35人以下学級にすることを自治体に要請すると思います。そのための準備をすることを求めます。  それから、この時代を担う子どもたちの育ちをというところで、全ての子が学校生活を楽しめる環境を整えますと言っています。これは、当然、不登校だけではなく、普通の児童・生徒に求められることだと、これも区の仕事であるということを申し上げて終わります。 ○深川 委員長 次に、福井委員の質疑に際しまして、資料の掲示を許可するとともに、タブレット型端末に配信いたしましたので、ご了承願います。 ◆福井 委員 日本共産党の福井亮二です。子どもの貧困対策の観点から教育費について伺います。  おおた子どもの生活応援プランでは、三つの柱で組み立てられています。経験・学力、生活・健康、居場所・包摂となっています。  まず、学力の面では、小5アンケートにおいて、「学校の授業がわかるか」の問いに対して「わからない」と答えた割合が、非生活困難層では5.8%に対して、生活困難層は2倍以上の14%になっています。「授業以外に勉強するのか」の問いに対して「30分より少ない」と答えた割合は、非生活困難層が11.6%に対して、生活困難層は23.2%になっています。  ここで、生活応援プランの冊子の中で、「学習支援の現場から」とレポートがありますのでご紹介をします。  通ってくる子どもの多くは、家庭での学習習慣が身についておらず、学力の定着に課題を持っています。授業の形式はとらず、まず、この場に来てくれるのが大事な1歩ですので、来てくれればよく来たねと受け入れます。その日にやることを自分で決めて学習に取りかかります。この自分で決めることは、みずから考えて行動する機会として、必ず実行するという決まりごとにしています。  勉強を支援するのではなく、寄り添い支援することに徹底している。継続して支援することにより、自主的な行動が身につき、意欲にもつながっていくとのことでした。  私は、この取り組みは、小学校の早い段階から行うことが必要だと考えています。今、小学校では、放課後子ども教室を行っています。この事業をより発展させて、友達と一緒に宿題・学習ができる環境づくりに、ぜひ取り組んでいただきたいと思います。  学習支援事業は、困った人、貧困の人が行くところと間違った目で見る方もいるのも事実です。そうならないように放課後子ども教室に、例えば、宿題タイムみたいなものをつくり、誰でもそこに行けば、一緒に勉強ができる場所になることを求めます。お答えください。 ◎北村 教育総務部副参事〔教育政策担当〕 放課後子ども教室では、子どもが学習に取り組みやすい静かな場所を用意したり、指導員が適切な声かけをするなど、子どもの学習意欲を引き出す環境づくりを行っております。  放課後子ども教室を利用する多くの子どもたちは、入室後、まず、宿題にそろって取りかかり、宿題を終え、すっきりしたところで、自由な活動を楽しんでおります。このことが習慣化し、放課後子ども教室を利用する児童は宿題を忘れることが少なくなっていると聞いております。  引き続き、放課後子ども教室において、子どもたちが勉強しやすい環境の整備に取り組み、子どもたちの学習習慣の定着を図ってまいりたいと存じます。 ◆福井 委員 今、答弁いただいたように、そういった方向に、今、向かっているということなので、ぜひしっかりやっていただきたいと思っています。  ソニー生命保険株式会社では、子どもの教育資金に関する調査2018を発表しました。その中で、子どもの教育費の負担が重いと答えている割合は、7割強に上ります。習いごとや塾など、学校以外の教育費は年々増加し、月平均支出1万4,260円となっています。子どもの進学費用の準備として、平均で月1万5,437円になっています。しかし、一番多いのは、約30%が「準備できていない」の0円となっているのです。  やはり教育費が重くのしかかっており、一日も早い高校授業料の完全無償化や大学学費引き下げ、給付型奨学金の拡充が必要だと考えています。  この調査の中で、子どもの学力や学歴は教育費次第と考える人が65%に上っています。子どもの学力と親の経済力の関係に因果関係があるといったデータもあります。つまり、子どもの学力を学校教育以外で補う、簡単に言えば、塾に通うということになっているわけです。そのことによって、親の経済力と子どもの学力が比例をしていくと。このようにつながっていると思います。つまり、学校でしっかり勉強が学べて、そして、補習・補講体制がとれることが必要なのではないでしょうか。  先ほど、金子委員が言いましたけれども、少人数学級を実施して、しっかりと生徒と教師の間をもっともっととれる時間を増やしていくといったことが必要だと考えています。  今、中学生の放課後教室支援として、子どもの学習支援事業を行っています。区内4か所で行って、対象者は、就学援助、生活保護、児童扶養手当、いずれかを受給している世帯の子どもで、昨年度の実績は、中学3年生で76人全員が進学をしています。私は対象を絞らずに、全ての学校でこういった取り組みをやっていただきたいと思っています。  現在、東京都が、校内寺子屋制度を設けています。学力の底上げを目的に、高校に教員OBらによる校内寺子屋制度を設け、高校1年生を対象に、放課後や休日、長期休業期間中に学び直し学習をしています。  当初、10校で始まったこの事業は東京都も効果を認めて、新年度予算に30校に拡大しています。ぜひ、区内中学校でも、このような方法に取り組み、塾に通わなくてもしっかりと学べる環境づくりに取り組んでいただきたいと思いますがいかがでしょうか。 ◎増田 指導課長 大田区教育委員会では、学力向上を図る上で、まず第一に、日々の授業が重要と考え、その充実に取り組んでおります。  今年度、強化した取り組みとしては、習熟度別少人数指導において、1クラスが平均して25人を超える学年に講師を増員し、特に、基礎クラスが多人数にならないように配慮し、一人ひとりの子どもに指導が行き届くようにしております。  また、中学校に理科教育指導員を配置し、理科教員の実験や観察のスキルの向上を図るとともに、生徒に様々な実験を体験させることで、理科の学力向上を目指しております。  第二に、学力に課題を抱える児童・生徒を対象に、放課後や土曜日における補習教室を実施しております。学校の状況に応じて年間140時間から420時間、補習教室を担当する学習指導講師の配置を行っております。特に、中学校では、420時間配置とする学校数を昨年度の13校から21校に増やし、学習のつまずきを克服する指導の強化を図りました。  これらの取り組みにより、おおた教育振興プラン2014において、学力向上アクションプランの成果指標である、大田区学習効果測定における中学校第3学年数学の期待正答率を超えた生徒の割合が、今年度65.0%となり、平成30年度目標とした62.0%を3ポイント上回る成果が上がっております。  教育委員会といたしましても、今後もわかる授業の充実と土曜日や放課後の個に応じた補習教室を両輪として、児童・生徒が塾に通わなくても、しっかりと学べる環境づくりを推進してまいります。 ◆福井 委員 ぜひ、今、答えていただいた方向でしっかりやっていただきたいのですが、今、答弁の中で、やはり少人数学級の重要性を言われたのですよ。やはり認めているのだから、この中学校、小学校でもやっていただきたいと再度要望したいと思います。  次に、就学援助について伺いたいと思います。昨年、第1回定例会の代表質問で、就学援助に部活動費用を盛り込んでほしいと質問したところ、教育長は必修ではないと。また、現時点では、部活動費を盛り込むことは、公平性の問題や具体的な金額の選定方法など、様々な問題があると考えていますとの答弁でした。  しかし、生活保護費の学習支援費は、部活動費にも活用できるようになっています。生活保護費は部活動費を認めていて、これに準じる就学援助では認めないということは、私は納得できません。  昨年、就学援助受給世帯の子どもが区内の某運動部に入部しましたが、ユニフォームがなくて、ずっとジャージ姿で部活動をしていました。このことによって、なぜ、おまえは、ユニフォームを買えないのだということでいじめに遭って、退部してしまったのです。シングルマザーの家庭で、生活が大変なのが自分でもわかると。だから、親に対して、ユニフォームを買ってくれと言えなかったそうです。そのことを知った母親が、私に泣きながら話してくれました。  家庭の経済的事情でクラブ活動、部活動が制限されてよいのでしょうか。子どもは、敏感です。親に迷惑をかけたくない。うちは、お金がないからしようがない。私が我慢すればよいと考えます。小中学生から諦めること、我慢を強いられて成長することが、子どもの健全な発達につながるでしょうか。私は、二度とこのようなことは、起こってほしくはありません。生活保護受給の場合は、教育費補助の学習支援費があり、支給金額は、中学生で月5,150円。就学援助費に部活動費を盛り込み、月5,150円を上限に、実費支給するように求めます。お答えください。 ◎杉山 学務課長 就学援助費は、生活保護基準の1.2倍までの所得の世帯を対象としており、生活保護基準を上回る所得の世帯もございます。したがいまして、部活動費については、生活保護世帯と異なる取扱いになっていることにつきましては、一定の合理性があると考えております。  委員のお話にありましたとおり、中学校の部活動につきましては必修ではないこと、部によって費用が大きく異なることやその実費を算定することが困難であることから、現時点で部活動費を盛り込むことは、公平性など様々な課題があると考えております。 ◆福井 委員 今の答弁だと、先ほどのお子さんは救えないのですよね。ぜひ認めていただいて、こういったことがないように対応していただきたいと思っています。  それで、次に、就学援助の中で、新入学用品費について伺います。大田区も努力をされて、支給日が早まったことには感謝をしています。そもそもこの新入学用品費は、何を想定して、金額は幾らでしょうか。中学の場合を教えてください。 ◎杉山 学務課長 中学生の新入学用品費の使用目途は、制服・通学かばんなどを想定してございます。金額は2万6,120円となっております。 ◆福井 委員 今、教えていただきました新入学用品費は制服やかばんでしたと、金額は2万6,120円という回答がありました。その中で資料を用意したので、タブレットを見てください。  これは、区立の中学校の今年4月に入学する保護者の方からいただいた資料です。標準服のご案内ということで、男子服、上着2万500円、ズボン1万300円、これだけで2万6,000円を超えているわけですね。あと、かばんでは5,000円と。そのほかにネクタイや長ズボンと。冬服も夏服も買わなければいけないので、こういったものを区立の中学校からもらってきました。  そして、その保護者が実際に買ったときの領収書がこちらです。実際に幾らかかったのかということなのですね。ここで書いてあるのが、金額9万1,000円なのですよ。夏服・冬服を買った、かばんとシャツ、そして上履き、こういった金額を全て合わせると9万1,000円かかっているのですね。  それで、今、課長から答弁をいただいた2万6,120円とは大きくかけ離れています。やはり早急に実態に合った新入学用品費の見直しを求めたいと思いますが、いかがでしょうか。 ◎杉山 学務課長 支給額の増額等につきましては、平成29年3月の予算特別委員会並びに本定例会の代表質問でもお答えをさせていただきましたが、景気動向や社会経済状況、加えて都区財政調整制度における積算単価などを踏まえながら、適切に判断してまいります。 ◆福井 委員 もう一つ、ちょっとこの新入学用品費を適切に見直していくということなので、実際に、2万6,120円と新入学の際に支払うお金は乖離しているという事実はお認めになりますか。 ◎杉山 学務課長 今、お示しをいただいたものだけでは判断しかねます。 ◆福井 委員 この領収書を別にして、区立中学校が出している資料ですよ。これで、上着は2万500円、ズボンは1万300円で、これで3万円を超えているわけですから。これは私がつくった資料ではなくて、区立中学校からもらった資料ですので、ぜひ事実とかけ離れている。これだけは認識をしていただかないと対応できないのですよ、乖離しているということを。もう1回、確認しますけれども、この資料です。区立中学校の。確認してください。 ◎杉山 学務課長 その資料だけでということでお答えさせていただきますと、乖離があるものかと考えます。 ◆福井 委員 はい、わかりました。  それで、この制服というのは、やはり買いかえ等を成長に伴って行っていくので、この区内のある中学校では、PTAの中でいらなくなった制服を回収し、再利用をしているというケースがあると聞きました。  大田区として、このようなPTA活動を支援して、区内での制服の回収・再利用をぜひ努力をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
    ◎北村 教育総務部副参事〔教育政策担当〕 多くの中学校では、PTAの自主的な活動として、学校公開日や音楽祭などのイベント時に大きな回収箱を準備し、必要でなくなった制服や体操着などを回収し、それを50円、100円といった低額で保護者にお持ち帰りいただくなどの再利用に取り組んでいただいており、保護者に大変喜ばれていると聞いております。  このような活動は、保護者の経済的負担を軽減するだけではなく、成長期の生徒にとって体格に合った制服や体操着を着ることができるなど、保護者や生徒にとって有意義な活動だと認識しております。  また、物を大切にする精神のかん養にもつながるため、教育委員会では、この再利用が各校に広がるよう、活動の周知や未実施校への働きかけなどを既に検討しているところでございます。 ◆福井 委員 ぜひ進めていただきたいと思います。  次に、副教材費について伺いたいと思うのですが、副教材費というのは必須でしょうか。また、中学生の場合、金額を教えてください。 ◎増田 指導課長 副教材、つまり補助教材について、学校教育法において「教科用図書以外の図書その他の教材で、有益適切なものは、これを使用することができる」として、その使用が認められております。  また、補助教材の取扱いは教育委員会が定めるよう、地方教育行政の組織及び運営に関する法律に示されており、本区では、大田区立学校の管理運営に関する規則において、補助教材を使用する場合には、校長は教育委員会に届け出をすることを定め、適正に管理を行っております。  このことから、補助教材は、各学校の実態等に沿った教育活動を行う上で、児童・生徒に必要なものであると認識しております。  補助教材の選定にあたっては、平成27年文部科学省初等中等教育局長通知「学校における補助教材の適正な取り扱いについて」において、「補助教材の購入に関して保護者等に経済的負担が生じる場合はその負担が過重なものにならないよう留意すること」となっており、各学校はこのことも踏まえ、補助教材の選定を行っております。  なお、中学校の補助教材の平均額につきまして、平成29年度はおよそ1万4,000円となっております。 ◆福井 委員 今、課長が答弁されたように、副教材が必要であるということなのですね。  ですので、私たちは憲法に基づいて、義務教育は無償とするというのであれば、この副教材費も大田区が支給するべきだと思うのですね。無償とすると書いてあるなら。  ぜひ実現していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 ◎杉山 学務課長 平成29年第4回定例会の一般質問でもお答えさせていただきましたが、昭和39年の最高裁判決では、憲法第26条第2項の教育の無償についての規定は、授業料を無償にすることを意味し、教科書その他学用品などを一切無償にすることではないとされております。  その後、教科書については、教科書無償措置法等により、義務教育段階においては無償となりましたが、この考え方は現在まで継続しております。  教材費は、生活保護世帯には全額が生活保護制度により支給されており、就学援助事業においても、都区財政調整制度の積算単価をベースとして、所得に見合う額を支給しているところでございます。  したがいまして、現時点では、区として独自財源を持って教材費の負担軽減を拡大する予定はございません。 ◆福井 委員 今言われたのですが、子ども権利条約を1994年に批准しているのですけど、この中には、全てのものに対して無償のものとすると書いてあるのですね、締約国は。  ぜひ義務教育にかかる費用というのは、社会全体で支えるという概念のもとでやっていくべきだと思っていますので、ぜひ前向きに検討していただきたいということをお願いしまして、質問を終わります。 ○深川 委員長 本日は、この程度をもって、予算特別委員会を閉会いたします。                午後4時48分閉会...