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平成30年 3月  予算特別委員会−03月08日-01号

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  1. 大田区議会 2018-03-08
    平成30年 3月  予算特別委員会−03月08日-01号


    取得元: 大田区議会公式サイト
    最終取得日: 2021-10-03
    平成30年 3月  予算特別委員会−03月08日-01号平成30年 3月  予算特別委員会 平成30年3月8日                午前10時00分開会 ○深川 委員長 ただいまから、予算特別委員会を開会いたします。  第1号議案 平成30年度大田区一般会計予算ほか3件を、一括して議題といたします。  申し合わせ事項により、総括質疑につきましては、各会派の持ち時間のうち60分以内を原則とし、通知のあった時間を電光表示いたします。  なお、電光表示が0になりましても、各会派の款別質疑の持ち時間を消化し、質疑は継続いたしますのでご了承願います。  また、款別質疑につきましては各会派の持ち時間を、しめくくり総括質疑については20分を、それぞれ限度として行い、残り時間を電光表示いたします。  なお、会派の呼称は略称とさせていただきます。  また、理事者の皆様に申し上げます。質疑時間には答弁も含まれますので、簡潔な答弁をお願いいたします。答弁の際には、その都度、自己の職名をはっきりと告げた上で答弁していただきますよう、お願いいたします。  それでは、総括質疑に入ります。  自民の質疑に入りますが、塩野目委員の質疑に際しまして、資料の使用を許可し、タブレット型端末に配信いたしましたので、ご了承願います。  自民、質疑願います。 ◆塩野目 委員 自由民主党大田区民連合を代表して、総括質疑を行います。まず、財政について伺います。  平成30年度の予算案は、2,787億8,000万円となっております。平成29年度は2,618億5,000万円でしたから、約169億円もの増額であります。もちろん過去最大規模でありますし、力強い積極予算であると思います。  各種の財政指標について伺います。自治体の財務体質を科学的、客観的にあらわし、財政の早期健全化や再生の必要性を判断するために、財政健全化法が義務づけた実質赤字比率、連結実質赤字比率実質公債費比率、将来負担比率といった指標がありますが、大田区ではいかがでしょうか。 ◎市野 企画経営部長 平成28年度決算の各種指標について、順次ご説明を申し上げます。  実質赤字比率は、一般会計等を対象とした、実質赤字額の標準財政規模に対する比率であり、平成28年度は黒字でございます。  連結実質赤字比率は、一般会計等の実質赤字額に国民健康保険等の公営事業会計の資金不足額の合計を加えた、連結実質赤字額の標準財政規模に対する比率であり、平成28年度は黒字でございます。
     実質公債費比率は、特別区債の元利償還金及び準元利償還金の標準財政規模に対する比率であり、平成28年度はマイナス2.5%となってございます。  将来負担比率は、特別区債現在高、債務負担行為に基づく支出予定額、退職手当負担見込額、設立法人の負債額等負担見込額など、将来負担すべき実質的な負債の標準財政規模に対する比率です。平成28年度の将来負担比率はマイナス122.4%でございます。  以上、いずれの指標におきましても、区財政の健全性は維持されているものと考えてございます。 ◆塩野目 委員 問題ない立派な指標だと、数字だと思います。  財政の健全性を見る上で、最も重要な指標の一つとして経常収支比率があります。私もずっと注目してまいりました。経常収支比率とは、財政構造の弾力性を判断する指標であり、比率が低いほど弾力性が大きいことを示します。人件費、扶助費、公債費といった、必ず支出しなければならない固定費としての経常的経費が占める割合で、比率が高いほど、自由に使えるお金の割合が減っていくというものであります。  目安として、70から80%未満が妥当であると言われておりますが、大田区の経常収支比率はどのくらいになるのでしょうか。 ◎市野 企画経営部長 経常収支比率につきましては、経常的な一般財源の総額が前年度とほぼ同水準である一方、歳出面においては、情報システムの運営や保育園運営経費などが増加したことから、平成28年度における経常収支比率は81.1%となりました。  一般的には、70%から80%が適正水準といわれておりますが、これは、インフラの集中的な整備が求められた時代に、旧自治省が設定した数値であり、現在のように、インフラの整備が一定程度進んだ中では、その水準は現状にそぐわないという意見もあるところでございます。そのため区では、おおた未来プラン10年(後期)での経常収支比率の目標を、80%台の維持と掲げており、適正な範囲内であると認識をしてございます。  中長期的な将来を見据えると、待機児童対策や超高齢社会への備え、公共施設の更新など、対応すべき行政課題が山積をしてございます。  こうした諸課題にも、的確かつ柔軟に対応していけるよう、今後も引き続き、経常的経費の縮減に努め、健全な財政運営を推進してまいります。 ◆塩野目 委員 81.1%、立派な数字であると思います。  大田区の実質的な蓄えについて伺います。財政基金、減債基金、公共施設整備、羽田空港対策、新空港線整備といった積立基金現在高から特別区債現在高を差し引いて、大田区の実質的な蓄えを導き出すと、現在、どのような状況になっているのでしょうか。このところ数年間の推移はどうなっているのか、そして現在の状況はどうなっているのか、これからはどうなるのか。要するに、大田区の貯金はどうなのかということでございます。お伺いいたします。 ◎市野 企画経営部長 いかなる景気状況におきましても、安定的な区民サービスを提供できるよう、区は、これまで、基金の計画的な積み立てと区債の発行抑制を進めてきたところでございます。その結果、財政基金や公共施設基金などの積立基金残高から、特別区債残高を差し引いた実質的な蓄えは年々増加しており、平成29年度末見込みで1,003億円と試算をしてございます。  また、平成30年度予算におきましては、財政基金や公共施設基金の繰り入れ、特別区債の発行額が増加したことから、実質的な蓄えは821億円に減少をいたしますが、将来にわたって安定的に施策を展開していくために、十分な規模を確保しているものと認識をしてございます。  今後は、景気の変動や国における税源偏在是正措置が懸念される中、扶助費や投資的経費が増加することに伴い、実質的な蓄えは減少することも想定をされますが、引き続き、継続的かつ安定的な区民サービスの提供と、基金や区債とのバランスを留意しつつ、健全で持続可能な行財政運営を進めてまいります。 ◆塩野目 委員 全くもって、大田区の財政は健全であるということは明らかとなりました。  それでは、投資的経費について伺います。これこそ、私がこだわりをもってずっと注目してきたところであります。健全な財政を実現し、強固な財政基盤をもってしてこそ、積極予算を打ち出せるわけであります。これはまさに、投資的経費にあらわれてくるものであります。  また、かつて厳しい時代もありました。たとえ厳しい時代においても、代表質問等でずっと提言してきたのは、しっかりこのお金の使い道、財政をしっかり見ながらも、やはり使うべきは使いましょうと。だからこそ、投資的経費が大切なのだということをずっと言わせていただいてきたつもりであります。厳しくても、貯金だけしなければいけないということではなくて、大事なことには思い切って使いましょうということを、ずっと言わせていただいてまいりました。  平成30年度予算案によりますと、投資的経費は394億円。前年度276億円から、何と118億円増であります。ざっくり言えば約1.5倍も増えました。安心して子どもを産み、育てられる環境をつくるため、保育サービス基盤の拡充を行うということ。これだけで53億3,000万円。分野別では最大であります。そして、老朽化した学校施設の改築やスポーツ施設等の整備。スポーツ施設の整備とは、新スポーツ健康ゾーンのことで、この後、質問させていただきますが、この整備を進めるなど、公共施設の維持・更新を計画的に行うということ。こういった政策から導き出される数字であると思います。  そもそも、これこそまさに、健全財政に裏打ちされた積極予算の成果のたまものであると、私は思います。そこで、投資的経費について所見をお伺いいたします。 ◎市野 企画経営部長 投資的経費につきまして、公共施設の更新費用については、平成28年度から20年間で3,300億円余を見込んでおり、今後、一つの大きな山を迎えます。そのため、区は、これまで計画的に基金を積み立てるとともに、区債の発行抑制と償還を着実に進めてまいりました。  平成30年度予算につきましては、これまで蓄えてきた基金や区債の発行余力を活用し、学校改築に81億円余を計上するなど、教育環境改善や区民サービス向上に資する公共施設整備に積極的に対応いたしました。  引き続き、計画的な公共施設の更新を進めることで、区民サービスのさらなる向上を図ってまいります。 ◆塩野目 委員 今後の財政運営を鑑みるに、やはり義務的経費の圧縮、行政のスリム化には力強く取り組んでいくべきものと考えます。平成30年度の義務的経費は2.6%、35億円の増に抑えられています。人件費に至っては3億円減であります。投資的経費と比べれば明らかであります。努力の成果があらわれているものと思います。  私たちは、それでもなお、やはり、様々な角度から大田区の財政状況を検証しなければなりません。投資的経費、義務的経費の視点もその一環であります。財布のひもをしっかりと締め、身を削って財政運営に対応していくのは極めて大切であります。それでも、なお一層、大田区の財政状況は本当に大丈夫なのか、常に厳しい姿勢で監視していく慎重さが必要でありましょう。そのためには、新しい会計制度に取り組んでいくことも大切であると考えます。  私が平成23年第3回定例会代表質問で、以下のとおり提言させていただいております。以下そのまま読みます。  「会計手法が単年度会計、単式簿記になっているところ、すなわちある種のわかりにくさにも起因するものと考えられます。民間の企業は、複式簿記や貸借対照表、連結決算という会計手法を使っています。しかし、我が国の公会計は単式簿記で行われています。だから、会計を見てもお金の流れ(フロー)と財政(ストック)の増減が連動していないので、全体で幾らの資産と負債があるのかよくわかりません。  東京都は、全国で初めて、平成18年度に、従来の官庁会計に一般的な複式簿記・発生主義会計の考え方を加えた新たな公会計制度を導入しました。日々の会計処理の際に、1件1件、複式簿記の仕訳を行うことにより、多様な財務諸表を迅速かつ正確に作成することが可能となったそうです。  平成19年9月には、その新制度による初の財務諸表を公表しました。大田区もわかりやすい公会計制度を研究していく必要はあるかと思います」と提言しております。  この複式簿記・発生主義会計について、所見をお伺いいたします。 ◎市野 企画経営部長 区は、平成28年度決算につきまして、複式簿記・発生主義会計を基本とする、総務省が示す統一的な基準に基づく財務書類を作成いたしました。これまでの現金主義会計に加え、複式簿記・発生主義会計を導入することで、より正確な行政コストや資産、負債の総体を把握することができることから、行財政運営の透明性の一層の向上と区民に対する説明責任の強化につなげることができます。  また、統一的な基準に基づく財務書類を作成することで、他団体との比較が可能となるとともに、事業別の行政コストを把握することで、各施策や事業の検証・評価に活用することも期待できます。  新たな公会計制度を導入したことにより、今後は、区民目線に立った施策・事務事業の再構築につながるよう、他団体の動向も踏まえながら、具体的な活用方法について検討してまいります。 ◆塩野目 委員 透明性のある、わかりやすい会計制度で、これからも健全な財政を実現していただきたいと思います。  様々な努力によって、大田区は健全な財政を実現してきているところであります。それゆえに、このところ、新年度予算はずっと過去最大規模の右肩上がりともなっております。そして平成30年度も、過去最大規模の、まさに積極予算となっているわけであります。  しかし、これからの膨大な行政需要が待ち構えている状況を踏まえると、今後の財政見通しをどう考え、どのように対応していくのか、リーダーの高度な政治判断が最も大切であると考えます。そこで財政の質問の締めくくりとして、最後に松原区長のお考えをお伺いしたいと思います。 ◎松原 区長 区財政の今後の見通しということでございますが、歳入面につきましては、海外経済の不確実性や金融資本市場の変動等により、景気の先行きは不確実な状況であります。  また、国における税源偏在是正措置の拡大につきましても、今後の大きな懸念要素となっております。  一方で、歳出につきましては、待機児童対策や超高齢社会への対応に伴う、扶助費や公共施設の更新に伴う投資的経費の増などが想定されております。結果として、財源不足が生じることが想定されます。こうした厳しい状況におきましても、区民の暮らし向上につながる事業は、着実に推進していかなければならないと思っています。  そのため、私は、平成30年度は、選択と集中の考え方を基本にして、事業の見直し、再構築に取り組むとともに、これまで積み立てた基金や、発行余力を蓄えてきた特別区債を積極的に活用する、攻めの予算を編成したところでございます。  本予算をもとに、平成30年度も引き続き、おおた未来プラン10年(後期)の目標達成に向けた取り組みを、強力に進めてまいりたいと思います。 ◆塩野目 委員 大変力強い答弁をいただきました。大田区の輝く未来のため、これからも財政の健全化を含めて、みんなで一丸となって取り組んでまいりたいと思います。  介護保険制度の改正について伺います。2025年に向けて介護ニーズも増大することが想定される中で、区民一人ひとりが住みなれた地域で安心して暮らし続けられるよう、地域包括ケアシステムを各地域の実情に応じて構築していくためには、必要となる財源や制度維持も重要な課題であります。  国の試算では、2025年の介護給付費は21兆円、保険料は8,200円とも言われる中で、平成29年の介護保険制度改正では、地域包括ケアシステムを深化・推進していく観点から、医療・介護の連携、地域共生社会の実現に向けた取り組みなどが推進されることとなりました。  大田区の第7期における介護保険料基準額は6,000円、保険料段階は第6期計画と同じ17段階であり、段階そのものの変更はありませんが、所得1,000万円以上の高所得層への負担増をお願いするものであります。  一方で、介護給付費準備基金を約18億円取り崩し、保険料上昇を抑制する決断をいたしました。まさに健全財政に支えられているがゆえの、区民への配慮であります。財政の均衡を図り、介護保険事業の安定的な運営に資する英断であると考えます。  そこでお伺いいたします。本年度末の基金残高の見込みは約30億円であります。そのうち、ほとんどを使い切ってしまうのはもちろん非現実的ではありますが、3割、4割、5割でもなく、大きく踏み出して約6割にあたる取り崩しを行うこととしたわけでありますが、一体どのような考え方をとったのでしょうか。 ◎中原 福祉部長 今回、基金30億円のうち6割の約18億円を取り崩し、約12億円を残しました。主な理由は、介護保険サービスの給付費が、何らかの要因で大幅に増えた場合、計画で見込んでいた保険料だけでは、必要額が確保されなくなるおそれに対応するためでございます。  見込みと実績が乖離する可能性は、様々な要因が考えられますが、例えば、平成31年10月の消費税改定に対応して、予定されている介護職員処遇改善に関する所要額や、介護医療院への転換動向が不透明であることなどでございます。  こうしたことも踏まえ、第7期計画の3年間の給付総額見込み1,560億円の約1%程度を確保し、介護保険財政の健全性を保持するとともに、保険料の上昇を可能な限り抑制したいと考え、18億円の取り崩しを行うことにしたものでございます。 ◆塩野目 委員 やはり、強固な財政基盤があるから、こういった英断もできるわけであります。ただこれからも、粛々と備えていくことは、忘れてはならないと思います。  また、この低所得者層への配慮として、認知症高齢者グループホームの区独自の利用料支援制度の創設などを盛り込むなどの、工夫も評価いたします。当該利用料支援制度は、月額利用料が高額となる認知症高齢者グループホームの利用支援に、一定の効果が期待できるものの、その費用は、介護保険特別会計における地域支援事業として拠出するものであります。地域支援事業は、国の交付金事業として、上限管理がなされるものである中、介護予防、日常生活支援総合事業をはじめ、地域包括支援センターの運営、在宅医療、介護連携の推進、認知症施策など、今後も必要となる多くの事業費を計上する事業が含まれ、新たに認知症高齢者グループホームの、区独自の利用料支援制度を実施することは、区の英断であると考えます。  一方、区財政への影響に鑑みたとき、本事業の今後の動向や事業効果を十分検証し、適宜見直しを行うとともに、介護保険制度にある低所得施設利用者の食費、居住費を補填する補足給付のあり方を国に提言することも含め、今後、慎重に対応することを要望しておきます。  介護保険は、介護が必要になった方の尊厳を保持し、その有する能力に応じ、自立した日常生活を営むことができるよう、必要なサービスを提供することがその目的であり、提供されるサービスは、要介護状態等の軽減または悪化の防止に資するものである必要があります。  現代に生きる私たちは、子や孫の社会に責任を持ち、高まる一方の医療・介護サービスを賄えるだけの税制、そして財政構造の構築を喫緊の課題として、真剣に検討しなければなりません。財政の均衡を図りつつ、そもそも介護保険を受けない元気シニアの方々が増えていくことが大切であります。  介護保険制度を持続可能なものとするために、第7期介護保険事業計画を進めるにあたって、大田区の見解を伺います。 ◎中原 福祉部長 介護保険制度はその創設から17年がたち、区内のサービス利用者は制度創設時の3倍を超えて2万5,000人に達しており、介護サービスの提供事業所も着実に増加し、介護が必要な高齢者の生活の支えとして定着しております。  その一方で、区の平成28年度の標準給付費も、制度創設時から約3倍強の約450億円になるとともに、介護保険料も2025年には8,000円を超えることが見込まれています。  このように、介護保険制度を取り巻く状況が大きく変化していく中で、昨年、改正された介護保険法では、高齢者がその有する能力に応じ、自立した日常生活を営むことができるように支援するといった制度の理念を堅持していくこと、また、質が高く必要なサービスを提供していくと同時に、財源と人材とをより重点的・効率的に活用する仕組みを構築することにより、制度の持続可能性を確保していくことが重要であるとされました。  これを踏まえ、区は第7期介護保険事業計画においては、生活支援・介護予防サービスの推進、在宅医療・介護連携の推進、認知症施策の推進など、七つの重点項目を中心に、自立支援・重度化防止に向けた取り組みを進め、地域包括ケアシステムを深化、推進してまいります。  あわせて、ケアプラン点検等を中心とした介護給付の適正化について、取り組んでまいります。こうした第7期計画を着実に推進することが、区民の介護保険制度に対する信頼を高めるとともに、持続可能な介護保険制度の構築に資することになると考えてございます。 ◆塩野目 委員 私どもの4定代表質問でも提言があったように、「健康で長生き」に向けても、しっかりと取り組んでまいりたいと思います。  大森西地区公共施設の再編について伺います。先日、常任委員会で説明がありましたが、これは、公共施設の再編に向け、大田区公共施設等総合管理計画に基づき、周辺の施設状況や行政需要、地域ごとの将来のまちづくりを見据えながら、持続可能な公共施設の整備を進めていくものであります。  この大森西地区、さらに言えば沢田地域でありますが、近い範囲内に大森西特別出張所があり、こらぼ大森があり、大森西区民センターがあります。老朽化に伴い再編するのであれば、これを機に思い切って集約・複合化を行い、よりよいものをつくっていくべきものと考えます。  大田区としても画期的な、また全ての常任委員会に報告するほどの横断的な構想、計画であります。きっと、大森西地区のランドマークになるような、大田区のランドマークになるようなものができるものと、大いに期待するものであります。  大森西地区公共施設の再編について所見をお伺いいたします。ちなみに先日、緊急自治会・町会長会議があったそうですが、どのような意見があったかということも、あわせてお伺いをいたします。 ◎市野 企画経営部長 社会情勢の変化や区民ニーズの多様化・高度化に対応した、効果的で効率的な施設整備を進め、区民サービスの維持向上を図ることは大変重要であると認識をしてございます。  こうした中、大田区公共施設等総合管理計画に基づき、大森西地区公共施設の再編に向けた取り組みを進めているところでございます。施設整備の方向性といたしましては、施設機能の再編による新たな地域拠点の形成、施設の集約・複合化による利便性の向上、防災機能の強化、コスト縮減などによる効率的な施設整備の4点でございます。  公共施設の集約、複合化によりまして、多世代の方が集う新たな地域拠点を整備することで、利便性の向上や、地域力のさらなる向上を目指してまいりたいと考えてございます。  また、先日開催いたしました臨時自治会・町会長会議におきましては、関係者からの様々な意見や考えを、丁寧に聞いて取り組んでほしいとのご意見をいただいたところでございます。今後、庁内関係部局との連携はもとより、関係者との合意形成に努め、基本構想、基本計画策定に向けて検討を進めてまいります。 ◆塩野目 委員 私もスポーツジムで毎日泳いでいるのですが、ここに屋内プールができたら、全ての区民の健康づくりに資するものになるのではないかとか、様々なアイデアが浮かんでまいります。今後とも、地域の皆様に、報告・相談をしながら、関係部局で連携し、地域・行政・議会が力を合わせて、すばらしいものができるようにしてまいりたいと思います。  新スポーツ健康ゾーンについて伺います。空港・臨海部の開発整備は大田区にとって極めて重要な政策であります。大田区の生命線であるといっても決して過言ではないと思います。松原区長が打ち出したスクエアのまちづくりで言えば、大森・蒲田・羽田空港・臨海部という4本柱のうち、二つに相当するわけでありますから、本当に重要だということだと思います。また、私にとっては、まさに風の道のまちづくりとなるものでもあります。すなわち、ずっとライフワークとして取り組んでまいったところであります。  おかげさまで、大森ふるさとの浜辺公園を中心に整備が進み、水辺の散策路ができ、大森東水辺スポーツ広場として、ビーチバレーコート多目的スポーツ広場、フットサルコート、防災船着場、レストハウスができました。ビーチ遊び、散策、散歩、ジョギング、健康体操など、身近な楽しみ方から本格的なスポーツまで、魅力的な海辺・水辺に生まれ変わったわけであります。  2020東京オリンピック・パラリンピックに向け、ブラジル選手団の事前キャンプも決まり、区民の皆さんの関心も高まっていくものと考えております。そのような中で、新年度予算では、大田スタジアム、平和島ユースセンターの改修をはじめ、昭和島や森ケ崎公園のスポーツ施設の整備予算が計上されております。羽田空港第2ゾーンに隣接する多摩川護岸には散策路の整備が進み、大田区で進める第1ゾーンの多摩川護岸も散策路を整備する予定と伺っております。  海老取川、京浜運河沿いのウオーターフロントには、水門を廃止し、連続した散策路整備が進み、流通センターまで結ばれるという壮大な計画が、着実に進められております。スポーツ健康ゾーンと呼ぶにふさわしい、スポーツ施設、公園などが整備され、本当に魅力的な海辺・水辺ができ上がるわけであります。私からしてみれば、少なくとも風の道の入り口部分が完成することになるわけであります。  そこでお伺いいたします。大田区は平成30年度予算案に30億円余の予算を計上し、新スポーツ健康ゾーンの整備に取り組みますが、これらの整備は、ソフト・ハードの組織が、互いにその目的、必要性などについて十分理解し、連携した取り組みが欠かせないと思います。このような整備にあたっての意気込みは、どのようなものなのでしょうか。 ◎松原 区長 平成30年度は、ソフト面といたしまして、大森ふるさとの浜辺公園に隣接するビーチバレー場を活用したスポーツ教室の開催や新スポーツ健康ゾーン内を面的に捉え、スポーツ施設や公園、文化施設などとの連動イベントを実施し、ゾーンの認知度向上や回遊性の向上を図り、区民が身近な場所でスポーツを通じた健康づくりに取り組めるエリアとしてまいります。  ハード面におきましては、平和島ユースセンターの増築、大規模改修工事に加えて、平和島公園の改修工事を実施し、大田スタジアムでは施設全体の改修工事に加えて、ユニバーサルデザインや多目的利用も見据えた改修工事を実施いたします。さらに、昭和島には、人工芝のテニスコートを整備し、森ケ崎公園には少年少女用のサッカーコートや駐車場の整備、管理事務所の改修など、スポーツ施設の拡充を進めてまいります。  引き続き、面的かつ部局横断的な施設展開を精力的に進め、さらなる新スポーツ健康ゾーンの機能強化を図ってまいります。 ◆塩野目 委員 まさに区長の英断が大きいと思います。私も本当にありがたいなと思っております。元気シニア、若者、女性、男性、全ての区民はもちろんですが、羽田空港を利用する方、大田区を訪れ、また宿泊いただく皆さんが、臨海部、海辺、水辺の魅力を感じていただけるように、ぜひ力強く取り組んでいただきたいと思います。  大田区の人口構成の推計を見ますと、しばらくの間は人口が増加するとのことであります。同時に、高齢者人口も増加するわけであります。現在、大田区の医療費や薬剤費が高どまりしていると聞いておりますが、高齢になれば、それだけ病気になるリスク、介護を受けなければならないリスクが増えてしまうことは避けられません。  しかし、行政はもちろん、区民の皆さん一人ひとりが努力することによって、それを最小限に抑えることは可能なのではないでしょうか。スポーツと健康は、まさに表裏一体であると思います。そこで、新スポーツ健康ゾーンや魅力的な空港臨海部にお越しいただき、それぞれ思い思いに楽しんだり、活用したりしていただきたいと思います。また、健康の視点からも多くの皆さんにお越しいただけるように、積極的にアピールすべきであると思います。新スポーツ健康ゾーン、臨海部、魅力的な海辺、水辺を大いにアピールし、みんなにお越しいただいて、健康になっていただきたい。  また、介護予防をにらみつつ、元気シニアの皆さんにこそ、どんどんお越しいただきたいと思うわけであります。これはもう立派な福祉政策ではないでしょうか。こうしたエリアの魅力をアピールする中で健康への取り組み・啓発を部局間で連携して行っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 ◎町田 スポーツ・文化担当部長 区では、スポーツ健康都市宣言において、スポーツを継続して実施することで健康増進を図るとうたっており、委員お話しのとおり、生活習慣病の予防や高齢者のフレイル予防などにおいて、医療、福祉分野との連携が大変重要であると認識しております。  新スポーツ健康ゾーンでは、様々なスポーツに触れ、体を動かすことの楽しさを感じ、興味を持ったスポーツを継続して実施できる環境づくりをハード、ソフトの両面から充実してまいります。  同時に、スポーツを実施することが健康寿命の延伸や介護予防にとって有効であることの啓発や、健康教室へのスポーツプログラムの提供など、施策の一体的な展開に向けた仕組みづくりを関係部局とさらなる連携のもと進め、区民の皆様の健康増進につなげてまいります。 ◆塩野目 委員 新スポーツ、まさに健康、健康ゾーンになるよう、しっかり取り組んでいただきたいと思います。新スポーツ健康ゾーンには、拠点としてのスポーツ施設や公園があります。これらの拠点を遊歩道や公共交通といったネットワークでつなぐことは、魅力をより高めるために非常に重要であると考えております。あらゆる年齢層が行き交い、利用するゾーンとなるわけであります。  ここで一つ提言させていただきますが、これらの拠点には、ぜひAEDを設置していただきたいと思います。スポーツ施設や公園でも管理事務所がある場所などは設置されていると思いますが、昭和島公園など内陸部から離れたところにこそAEDの設置がより求められるのではないでしょうか。  野球、サッカー、テニス、相撲、弓道、カヌー、フットサル、ビーチバレーといったスポーツやウォーキング、ジョギングで万一心臓発作が起きた場合、AEDは命をつなぐための重要な設備だと考えております。つきましては、残念ながら設置されていない昭和島運動場にAEDを設置できないでしょうか。また、遊歩道やスポーツ施設など、新スポーツ健康ゾーンに案内サインを整備する際、AEDの設置箇所を表示していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 ◎齋藤 都市基盤整備部長 AEDの設置は大変重要であると考えてございまして、委員お話しのとおり、公園事務所がある施設では、区として配備を進めてございます。ただし、昭和島運動場など公園事務所のない屋外施設につきましては、盗難、それからいたずら等への対策が必要と考えております。  今後は昭和島運動場を含め、こうした管理上の課題を解決しまして、AED設置により積極的に取り組むとともに、案内サインに設置箇所を明記するなど、委員お話しのとおり、きめ細かい配慮をしてまいりたいと考えてございます。 ◆塩野目 委員 やはり利用している方々から、例えば昭和島などは、やはりAEDがないと、どうしたらいいのですかというご相談なども受けたりしますので、何とか工夫していただきたいと思います。  先ほど水門の廃止について触れましたが、貴船水門の工事はおおむね終わり、埋め立てたところに比較的大きな土地ができております。これ資料で配信しております。ふるさとの浜辺公園の美しい写真と、あと水門の写真です。あと、ここのところに大きな土地が、これはもう水門の工事が東京都、11億円予算をつけていただいて、貴船水門、呑川水門、この防潮堤の工事はおおむね、まだ締め切り後が残っておりますが、終わっておりまして、貴船水門のほうは半分近くを、船は今までどおりとめれるのですが、必要ない部分は埋めるということで、半分近くを埋めました。  そこに、ご覧のとおり比較的大きな土地ができております。これどのぐらいの土地が生じ、誰が所有することになるのか、まず確認させていただきます。いかがでしょうか。 ◎齋藤 都市基盤整備部長 区は、海老取川から平和島運河周辺などにかけまして、空港臨海部の水と緑の拠点を結ぶネットワークを形成するため、海辺の散策路整備に取り組んでございます。現在は、貴船堀、旧呑川、南前堀におきまして、東京都港湾局が進める防潮堤整備にあわせて散策路整備に向けた埋め立て等の公共溝きょの整備を実施してございます。  貴船堀につきましては、公共溝きょの整備として平成27年度から設計を進めまして、平成28年度に船舶の係留施設の整備と埋め立て整備を実施したことにより約1,600平米の用地が創出され、区が所有しているところでございます。  平成30年度には埋め立て部端部の護岸等整備を進め、今後、東京都が実施する水門撤去の後に海辺の散策路として整備を進めていく予定でございます。 ◆塩野目 委員 大田区が所有できる土地ということでありますが、地域にとって、区民にとって最適となるよう有効活用を図っていただきたいと思います。先ほどから申し上げているとおり、まさにスクエアのまちづくりであります。大田区の大きな柱の一つが臨海部なのであります。そこに新スポーツ健康ゾーンを重ねることにより、これまでなかなか区民の皆さんに知られていなかった臨海部も注目を浴びることになります。実際、地域の皆さんも非常に関心を持っていただけるようになりました。この新たにできた土地は、せっかくできた土地ですから、地域の皆さんの意見を十分お聞きいただき、大森西地区の公共施設の再編のように、柔軟かつ複合的な活用も視野に入れた検討をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 ◎市野 企画経営部長 待機児童解消や高齢社会の進展への対応、区内産業のさらなる発展など、大田区が抱える課題の解決を図る上で、新たな土地は貴重な行政資源でございます。特に、臨海部の土地につきましては、羽田空港を通じて世界とつながる高いポテンシャルを有してございます。  水路の埋め立てなどにより新たに生じた土地につきましては、周辺地域にお住まいの皆様のご意見を十分にお聞きしながら、当該土地の用途地域や人口動態、新たな行政需要、近隣の公共施設の状況など、エリア全体をふかんしながら、庁内連携による機能の複合化や、公民連携手法の導入など、柔軟かつ多様な検討を行い、地域課題の解決や国際都市おおたの発展に寄与する利活用の方策を考えてまいります。
    ◆塩野目 委員 ぜひともよろしくお願いいたします。先ほどから言っておりますが、臨海部の整備、あるいは風の道ということも含めて、海辺の整備もそうです。ずっと私は、しつこいぐらい議会で取り上げて、こういった提言をさせていただいてまいりました。そういったことが、こうしてどんどん実現しつつある、進んでいるというのは本当にありがたいなと思いますし、今回のこの新しい土地は、もうまさに地域の皆さん、住んでいる方にとって目の前に土地が新たにあらわれている、誕生しているわけです。これは本当にいいことというか、ありがたいことなので、これをどう使っていくかというのは、やはり生活している皆さんにとっては関心が高いと思いますので、ぜひいいものを一緒につくってまいりたいと思っております。  ここで、ちょっと自転車について伺います。もちろん交通アクセスは大切ですし、自転車、今、大田区もコミュニティサイクルを非常に進めておりますが、この自転車のことで、ちょっと1点質問させていただきます。  平成30年第1回東京都議会定例会において、都民による事業提案制度により、災害時の活用など多様な課題を解決するための自転車整備支援事業、1.2億円が議決されようとしています。東京全体でたった1.2億円ですけども、その一部分を活用して、事業を推進してほしいと東京都から大田区へ依頼が来るものと思われます。大田区においても、災害に強く、安全で安心なまちづくりの確立は重要であり、災害時において自転車は非常に有効な移動手段であると考えます。せっかくだからというのもありますが、災害時に備えて、この支援事業をいかに活用し対策を講じていくのか、大田区の考えをお伺いいたします。 ◎齋藤 都市基盤整備部長 委員お話しの都民提案制度による東京都の整備支援事業につきましては、区としても把握をしてございます。大震災発災時には、交通網の遮断が想定される中、自転車は単に機動的な移動手段のみならず、様々な用途で利活用される乗り物として脚光を浴びておりまして、平成29年5月には、自転車活用推進法が施行しまして、災害時における自転車の有効活用に資する体制の整備が明記されるなど、地方公共団体は区域の実情に応じた自転車施策の推進も責務とされてございます。  区では、こうした動きを受け、これまでも継続的にホームページや交通安全のイベント等を利用し、自転車向け保険のTSマークの推進や自転車の安全利用を普及啓発してまいりました。今後は来年度に策定される国の自転車活用推進計画の動向に注視するとともに、東京都の支援事業の内容を十分聴取、精査した上で、各団体や関係機関のご協力もいただきながら、災害時の区民の自転車利用について、より実践的な取り組みを検討してまいります。 ◆塩野目 委員 かなり悩ましいところもありますが、何とか進めていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。  続きまして、MICEについて伺います。MICEとは、多くの集客が見込めるビジネスイベントの総称及びそのための機能を備えた複合施設のことであります。Meeting、会議やセミナー、Incentive tour、報奨旅行、Convention、ないしはConference、学会、国際会議、Exhibition、Event、展示会、各種イベントの頭文字を組み合わせたものであります。開催地域にとっては、単に場所の提供にとどまらず、経済波及効果が大きく、ビジネス・イノベーションの機会を創造し、競争力を向上させる効果があるとされています。シンガポール、上海、香港などアジア各地には大規模展示会場を核としたMICEがあり、海外からの観光客誘致、国際会議誘致に成功しております。  しかしながら、日本は最大規模の東京国際展示場(東京ビッグサイト、江東区有明)でも展示会場面積は世界68位、これは2012年の調査みたいですが、低いですね。国際空港との接続も悪いことから、競争力を失ってしまっています。その点、大田区はまさに、ならではの、大田区ならではの魅力・利点を強調できるわけであります。  MICEにより、主催者、参加者、出展者の消費支出も大いに期待できるもので、会議開催、宿泊、飲食、観光など地域経済にも効果があると言われています。すなわち、MICEは多くの集客、交流が見込まれる国際規模のビジネスイベントを招致することで、経済の活性化を促していく戦略的行動となるものであります。  実際にアジア太平洋ロボットコンテストが大田区総合体育館、クロスミントンジャパンオープンが大森スポーツセンター、自動車サービス技術コンテスト世界大会が大田区産業プラザPiOで開催されたと聞いております。これらは、いずれも空港臨海部・新スポーツ健康ゾーンということになります。都内初で唯一の常設ビーチバレーコートだってあるわけであります。羽田空港の利点を大いに生かすべきでもあります。私たちは、MICE推進により地域への経済効果も高めることができるものと大いに期待するところであります。  そこでお伺いいたします。大田区は、MICEの現状をどのように捉えているのでしょうか。 ◎近藤 観光・国際都市部長 委員お話しのとおり、MICEは経済活性化策であり、一般的な観光とは異なるものと考えております。ビジネスを対象としたものであることから、羽田空港や産業のまちという強みを生かして誘客に努め、地域へ還元という好循環による経済波及効果についての理解を共有していくことが重要であると思っております。  観光庁による訪日外国人消費動向調査による1人当たりの旅行消費額でございますが、15万円。一方、三大都市圏における国際会議の外国人参加者による平均消費額は、1人当たり約30万円と推計されています。MICE開催は、数年前に計画をされ景気の変動を受けにくいという特質もございます。委員お話しの区において開催されたMICE事例のとおり、引き続き、開催招致は国際的にも国内的にもほかを抑えて大田区が選ばれるために、国際都市おおたはビジネスしやすい都市として海外に発信していく必要があると考えております。  そのための条件整備やオール大田で一丸となる機運を促進するため、現在、MICE庁内検討会議で部局間の情報共有を図っております。また、あわせまして、区内の宿泊施設やコンベンションの利用を伴うMICE開催に対しまして、インセンティブを与える支援制度のモデル的導入も、30年度の予算でお願いしているところでございます。  いずれにいたしましても、観光統計・マーケティング調査の結果を踏まえまして、新たな観光振興プランの中でMICEの重要性を位置づけ、具体的な施策立案を検討してまいりたいと考えております。 ◆塩野目 委員 先ほどから、やはり空港臨海部・新スポーツ健康ゾーンの話が出てきてしまいます。四つの核のうち二つですから、自然なことだと思いますが。やはりソフト・ハードを含めて、大きな可能性を持った資源、魅力があるということでもあるのではないかと思います。よって、もっともっと整備を進め、回遊性を高め、ぜひともこれらの施設やネットワークを観光施策として生かすべきであると考えます。  お伺いいたします。MICEはもちろん、観光資源として見た空港臨海部について、どのようにお考えでしょうか。 ◎近藤 観光・国際都市部長 空港臨海部は、羽田空港跡地がある空港エリア、新スポーツ健康ゾーンに連なる各スポーツ施設に始まりまして、東京港野鳥公園、それから大田市場、その他大型公園などがある臨海部エリア、ともに観光資源として強みが集積する場所と捉えております。そのため、区は、大田区観光推進連絡協議会事業や水辺のにぎわい創出事業、大田区・川崎市連携事業などで、空港及び臨海部のさらなる活性化に向けた取り組みや仕掛けを、民間事業者などと連携し進めているところです。  さらに、舟運に関しての実証実験やモデル事業としてのクルーズなどでは、舟景と言われる船からの景観も非日常的な魅力を醸し出すものとして捉えています。新スポーツ健康ゾーン及び羽田空港跡地の整備により、羽田空港から隣接したイベントやコンベンションの会場となり得る施設は、MICE誘致においても他都市と差別化できる区ならではの魅力を有し、強みをさらに生み出していくものになると考えております。  こうしたことから、空港臨海部は観光資源として、将来に向けてさらに大きな可能性があると考えております。 ◆塩野目 委員 可能性は、どんどん広がっていくのだと思っております。空港臨海部に当たり前に私たちが感じていた魅力、それはもちろんのこと、眠っていた魅力、あるいは新たに発見されるというか気づいていく魅力、そういうものをやはり内外に発信していくこと、それはとても大切であると思います。  先日の決特でもお話ししましたが、昨年は水辺の観光フェスタというのが開催されました。花火大会はもちろんのこと、ああいったすばらしいイベントも開催できればいいなと大いに期待するところであります。  大田区におけるものづくりの新しい展開について伺います。大田区のものづくり企業は、極めて高い技術力を持つとともに、課題解決力や提案力、また対応スピードの速さなどの特徴を持っており、こうした点はまさに大田区の強みと言えるものであります。この強みは海外の市場においても必要とされており、私は議会において、これまで繰り返し大田区のものづくり企業の海外展開における優位性を述べてまいりました。  先日、ドイツの方で企業のマッチングコンサルティングに取り組んでいらっしゃる方とお会いしました。その方と話をする中で、大田区のものづくり企業とドイツ企業との親和性の高さと両国の企業間連携の可能性に大いなる期待感を抱きました。大田区は、これまでもドイツ、スイスなどの親和性の高い諸国における区内企業の取引拡大に向けた取り組みを支援してきましたが、改めて、区内企業の海外展開支援の取り組み状況はどうなっているか、お聞かせください。 ◎川上 産業経済部長 区内企業の海外展開支援につきましては、海外取引相談事業により区内企業の国際化を推進するとともに、海外見本市への出展支援により区内企業の持つすぐれた製品・技術等を国際的にアピールし、市場開拓につなげております。  ドイツへの展開につきましては、区内企業の取引拡大に向けまして、ドイツ国内の展示会への出展を支援しているところでございます。今年度は医療機器展示会「COMPAMED」に区内企業4社が出展しました。来年度は、ロボティクスをはじめとします、自動化関連の展示会「AUTOMATICA」へ出展を計画しているところでございます。  また、区は、今年度から日本貿易振興機構、JETROへ職員を派遣しました。さらなるネットワークの拡大に努めてまいります。  アジア市場に対しましては、中国、台湾、タイにおける展示会や商談会を実施し、受注獲得を支援しているところでございます。今後も引き続き、区内企業の取引拡大に向けた支援を継続してまいります。 ◆塩野目 委員 引き続き、支援のほどをお願いいたします。本当に頑張っていただきたいと思いますし、また、ちょっと今のドイツの方の話の中で、ちょっと例えですけども、お話ししますと、そういう大きな展示場はもちろんすばらしいのですけども、例えばドイツなどでは小さなまちや村でも展示会を結構たくさんやっているらしいのです。そういうところにも、ドイツの優秀なものづくりの関係の方々がいらっしゃって。そういうところ、逆に小さければ小さいほど大田区のものづくり企業、この日本のすばらしい技術というものは、小さいところの展示会ほど、逆に比較的目立つというか注目を大きく浴びるということもあるのではないかというお話もおっしゃっていました。大きな展示会はもちろん頑張ってほしいですし、小さいところにも、もし目を向けられていければ、そういうこともちょっと視野に入れていくといいのではないかなと思います。よろしくお願いいたします。  国内の産業政策に目を移します。昨年12月、経済産業省は地域未来牽引企業を全国で2,148社選定し、公表しました。今回選定された地域未来牽引企業は、地域の特性を生かして高い付加価値を創出し、地域の事業者等に対する経済的波及効果を及ぼすことにより、地域の経済成長を力強く牽引する事業を展開することが期待される企業とされています。大田区からも18社の製造業が選出されました。これは都内で最も多く、改めて大田区の製造業の力強さを感じさせられるとともに、頼もしく感じました。  2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向け、地域未来牽引企業をはじめとする区内ものづくり企業が、遺憾なくその技術力を発揮し、地域経済が発展していく姿も想像できます。そのためには、大田区をはじめとする自治体の支援も必要不可欠であると考えます。  そこでお伺いいたします。国による地域未来牽引企業の公表を受けて、大田区はどのような施策を展開するお考えでしょうか。 ◎川上 産業経済部長 委員お話しのとおり、地域未来牽引企業は昨年7月の地域未来投資促進法の制定にあわせ、地域経済のバリューチェーンの中心的な担い手候補としまして、経済産業省が公表したものでございます。  区はこの公表を受け、地域未来投資促進法に基づく企業支援につきまして、検討を始めました。同法に基づく企業支援は、国が定めた基本方針に基づき、地方公共団体が基本計画を策定し、地域未来牽引企業をはじめとする事業者が、この基本計画を踏まえ、作成する地域経済牽引事業計画について、都道府県知事から承認されれば、この事業者は補助金や税制などによる支援措置を集中的に得ることができるというものでございます。  この地方公共団体が策定する基本計画は、都内ではまだ策定されておりません。区としましては、都内自治体の先陣を切り、東京都と連携しながら、国による基本計画の同意に向けて検討を進めているところでございます。今後も引き続き、区内企業の状況に留意しながら、国等の政策動向を踏まえた施策を展開し、首都東京のものづくりを牽引してまいります。 ◆塩野目 委員 新たな施策のもと、大田区のものづくり企業が日本経済の牽引役としてさらに活躍することを願います。  さて、政府が昨年12月に閣議決定した、平成30年度税制改正の大綱では、デフレ脱却と経済再生に向け、中小企業の設備投資を促進するための税制上の措置を盛り込みました。具体的には、2月9日に閣議決定され、今国会に提出される、生産性向上特別措置法案の制定を前提に、市町村が主体的に作成した計画に基づき平成33年3月31日までに行われた中小企業の一定設備投資について、固定資産税の課税標準を最初の3年間、ゼロ以上2分の1以下とする特例措置を創設するということであります。成長を目指す区内製造業にとって非常に魅力的な制度ではないかと思いますが、固定資産税は都税であるなど、東京都との連携も重要になります。  そこでお伺いいたします。大田区はこのような中小企業に対する政府の支援策について、どのようにお考えでしょうか。 ◎川上 産業経済部長 昨年12月に閣議決定されました、中小企業の設備投資を促進するための税制上の措置につきましては、区内製造業にとってメリットの大きい特例であると考えております。区による基本計画の策定に加え、企業が先端設備等導入計画を策定し、区の認定を受ける必要がございますが、こうした条件が整えば、老朽した設備を抱える区内企業において、生産性の高い設備投資を促進する効果が期待されます。  さらに、固定資産税の課税標準をゼロとする都条例が制定される場合、国の「ものづくり・商業・サービス経営力向上支援事業」いわゆる「もの補助」などについて優先採択を受けることができます。大田区は、もの補助の採択数が都内で最も多く、都条例により課税標準がゼロとなった場合には、さらに多くの区内企業の生産向上につながるものと考えております。 ◆塩野目 委員 今後の取り組みに期待を申し上げます。  政府は、平成29年3月に、Connected Industriesを発表し、ものに加え、人、技術、組織等が様々につながり、新たな価値創出を実現する産業社会の構築を目指しております。そのためには、データをつなぐツールの一つであるIoTを様々な生産活動の中に適切に取り入れていくことが重要であり、中小企業においても積極的なIoT導入が求められています。  こうした状況の中、ものづくりのまちである大田区では、国の動きを先取りするように、平成28年度からIoTに関する事業を推進しております。この事業は、大田区のものづくりの特色である、仲間まわしにIoT技術を導入することで、これまで以上に仲間内での連携を強化して生産性を向上させることにより、多くの製造需要を取り込むことを目標に進められています。  昨年6月には、所管委員会において平成28年度実績報告が行われ、あわせて本年度の事業継続も説明されております。また、平成30年度予算案においても、事業継続の予算が計上されています。国際的な経済状況を見ましても、区内企業がIoT技術等を積極的に導入、活用し、生産性を高める環境を整えることは急務であると言えます。  そこでお伺いいたします。IoTを活用した生産性向上プロジェクト調査に関する進捗状況と今後の展開についてのお考えをお聞かせください。 ◎川上 産業経済部長 IoTを活用した中小企業の生産性向上プロジェクトは、昨年度の調査等を経て、将来像を策定しました。今年度は実際の受注を獲得し、仲間まわしで情報の動きを確認する実証実験に取り組みました。  実験により、IoTの導入は複数企業によるリアルタイムの工程管理を可能とし、生産性向上に寄与できることが確認できました。また、参加した企業が効果を実感できることも成果の一つでございます。来年度は、さらに技術開発やネットワーク強化を図り、プロジェクトへの多くの企業参画を促してまいります。なお、本事業に参画した企業が、みずから新たな法人の立ち上げを考え始めていることも成果の一つであると考えております。 ◆塩野目 委員 生産性向上のための環境整備の着実な推進をお願いいたします。  最後に、産業支援施設について伺います。大田区のものづくり産業の強みは、一つ一つの企業の秀逸さとともに、そうした企業が集積しているところにあります。区内の工場アパートをはじめとする産業支援施設は、ものづくり産業の集積を維持・強化する施策の柱として、現在では高い人気を得ており、成果を上げていると認識しています。  ここで、これからの産業支援施設について考えてみたいと思います。私は昨年の第3回定例会の一般質問で、京急線の高架下を活用した、地域による「ものづくりのまち」づくりについて、その可能性と期待を述べ、区の見解を伺いました。京急線高架下の活用については、京浜急行電鉄を中心に新しいものづくりによるまちづくりと高架下利用をテーマに、ラウンドテーブルが始まったと聞いています。高架下を活用した新たな産業支援施設の誕生に、期待を寄せるところです。何とかうまくまとまっていただきたいと思います。  そのほかにも、羽田旭町開発区域においては、区の産業施策を総合的に勘案し、区有地を活用した産業支援施設としての整備を検討しているとのことでした。既存の産業支援施設では、工場アパートの使用期間満了に伴う入居企業の移転問題があります。統合後の旧学校施設を暫定利用した創業支援施設ビッグあさひや、産学連携支援施設については、暫定活用の終了に向け、次期活用計画を策定することとなっています。  こうしてみると、区内の産業支援施設の形は、今後大きく変化していくことが予想されます。区は、産業支援施設の今後のあり方について、検討を進めていると聞いていますが、私は入居企業の皆様の立場に立った付加価値の感じられるような取り組みも、あわせて実施していくことで、区の産業支援施設の高い需要を維持していくことも必要ではないかと考えております。  昨年12月、区内工場の見学ツアーなどが行われる、おおたオープンファクトリーが開催され、私もテクノフロント森ケ崎に行ってみました。すると、隣接する多目的広場において、アートカーを集めたイベントが開催されていました。こうしたイベントは、京急線高架下で検討が始まった、新しいものづくりによるまちづくりに通ずるものであり、臨海部の回遊性を生かした産業支援施設のさらなる活性化につながるのではないか、と感じたところです。  そこで伺います。産業支援施設の一層の活性化に向け、大田区はどのような取り組みを進めていくお考えでしょうか、お聞かせください。 ◎川上 産業経済部長 区の産業支援施設は、操業環境の確保から入居企業の成長支援などへと目的を広げながら設置してまいりました。区としましては、施設の今後のあり方を検討するとともに、新たな展開についても着手したところでございます。  取り組みの一例としましては、区は産業支援施設の入居企業とハードウェア・スタートアップとのマッチングイベントを実施し、また、テクノフロント森ケ崎では、委員お話しの多目的広場でのアートイベントを契機に、敷地の有効活用を通じて、近隣の方々に工場アパートを利用して、身近に感じていただく取り組みを始めました。区内外の企業や地元地域の皆様と連携を深めながら、新たなビジネスチャンスの創出に努めてまいります。 ◆塩野目 委員 施設整備だけでなく、企業の視点に立った取り組みについても、今後の展開について期待いたします。  いろいろと伺いましたが、強固な財政基盤のもと、全ての年齢層の区民の皆様が安全・安心、大いに健康で景気がいい大田区をつくってまいりたいと思います。 ○深川 委員長 次に、公明の質疑に入りますが、広川委員の質疑に際しまして資料の使用を許可し、タブレット型端末に配信いたしましたので、ご了承願います。  それでは、公明、質疑願います。 ◆広川 委員 大田区議会公明党の広川恵美子です。  会派を代表し、総括質疑をさせていただきます。よろしくお願いいたします。  平成30年度一般会計予算総額2,787億7,647万3,000円は、今年度比6%増と大田区の課題と未来に取り組む松原区政の意欲があらわれた積極予算と評価いたします。  大田区議会公明党は、昨年10月に多くの区民の皆様から寄せられた要望を含めた、301項目の予算要望書を松原区長に提出させていただきました。中でも、特に緊急性の高い6項目を重点項目と指定し、新年度予算への反映をお願いしてきました。  その中の一つである、認知症対応型共同生活介護事業所の家賃助成事業、いわゆる認知症グループホームの利用料助成が、新年度予算に計上されたことを高く評価いたします。区内の認知症グループホームの利用金額は、月額平均14万8,220円と聞いています。23区でも先進的なこの制度で、利用者の方々の負担軽減になればと考えます。  今回の総括質疑は、おおた未来プラン10年(後期)の総仕上げとして、未来に向け力強い一歩を踏み出すとされた予算のうち、新規事業の幾つかを取り上げて質疑させていただきたいと思っています。  勉強不足や理解が足りない点もあると思いますので、一区民に説明するつもりでご答弁いただければ幸いです。  初めに、福祉費からお伺いします。平成30年度政府予算案では、診療報酬、介護報酬、障がい福祉サービス等報酬も改定が行われることとなっています。まず、高齢者福祉についてお伺いします。  この冬、インフルエンザが猛威を振るいました。あるひとり暮らしのご高齢の方から、「インフルエンザにかかって高熱が出たので病院に行った。看病してくれる人もいないので入院させてくれと言ったが断られた」と言われました。肺炎を発症した別の方も、自宅療養をするよう言われたそうです。感染症が流行すれば、医療機関としても院内感染を警戒し、特に高齢者の入院を断る傾向にあるようです。  いたし方ないとは思いますが、ひとり暮らしの方が最も不安になるのが、病気やけがをして動けなくなったときだといいます。今シーズンは特に際立っていましたが、高齢者の方ならなおさらです。食事や買い物や身の回りのことが思うに任せない状態は、不安なだけでなく、重症化してしまいかねません。せっかくお元気で暮らしていた方が、病気やけがなどをきっかけに急激に体が弱くなり、要介護になってしまう方もいらっしゃいます。予算概要には、地域包括支援センターの機能強化として、大田区地域支え合い推進事業の予算が計上され、(仮称)地域支え合い強化推進委員を配置するとあります。  また、地域ぐるみのフレイル予防には、生活支援サービス養成講座を開講し、大田区絆サービスの担い手(地域ボランティア)を養成するとありますが、介護を必要としないひとり暮らしの高齢者の方でも、ちょっと困ったというときに安心して頼ることができるようになるのでしょうか、お聞かせください。 ◎中原 福祉部長 ひとり暮らしの元気な高齢者が、一時的に生活に助けが必要になったときの緊急時の相談は、地域包括支援センターが担っております。地域包括支援センターは、ご本人の状況に応じて、介護保険、日常生活支援総合サービス、緊急ショートステイといった様々なサービスのコーディネートを行います。  一方で、緊急時には、近隣の友人など、ご本人を以前からよく知っている身近な方に助けを求めることも重要と思っております。そのために、元気な高齢者の方々は様々なコミュニティに参画し、できるだけ多くの人やグループと、いざというときにお互いに助け合える関係をつくっていくことが重要です。区民一人ひとりが地域の出来事を我が事として捉え、世代や分野を超えて丸ごとつながり、支え合うことができる地域づくりを進めてまいります。 ◆広川 委員 地域ぐるみのフレイル予防といっても、人のつながりが根底にあってこそ、効果が期待できると考えます。本区の目指す地域包括ケアシステムは、誰のことも置き去りにしないシステムとなるよう期待しています。  続いて、障がい福祉サービス等の報酬改定率は0.47%の増になるそうですが、この改定の意図を本区はどのように酌み取っておられるか、またこの改定の意図を鑑みての本区の課題をお示しください。 ◎中原 福祉部長 平成30年度の障がい福祉サービス等報酬改定は、医療的ケア児の対応、就労支援サービスの質の向上などの課題に対応したもので、障がい福祉サービス等の持続可能性の確保と、効率的かつ効果的にサービス提供を行うために実施されています。  区は、今回の報酬改定は、医療的ケア児等、重い障がいのある方に焦点を当て、障がい者の高齢化への対応にも重きを置いたものと捉えております。課題としましては、事業所のサービスの質の向上と人材育成のさらなる充実が挙げられます。これらの課題に対し、引き続き事業所が適切なサービスを提供できるよう、必要な情報提供や訪問による指導など重層的な事業者への支援を行い、質の向上を図ってまいります。  また、障がい者総合サポートセンターを中心とした研修の実施により、人材の育成も図ってまいります。 ◆広川 委員 さぽーとぴあ新館の運営開始のための予算が、二つの事業を合わせて3億6,044万7,000円となっています。この予算の内訳をお示しください。 ◎青木 障がい者総合サポートセンター所長 二つの事業でございますが、一つが医療的ケアを必要とする重症心身障がい児・者の利用を中心とした短期入所事業で、2億4,900万円余。二つ目が学齢期の発達障がい児支援事業で、1億1,100万円余。合計で3億6,000万円でございます。それぞれ運営予定の社会福祉法人が開設準備を行うための委託費用、医療機器等を含む初度調弁費用等を計上してございます。  増築部分は、平成31年3月下旬の開設を予定しております。それまでの準備期間中から、命をお預かりする事業であることをしっかりと認識し、必要な医療職、福祉職等の人材確保、適切なサービスを提供するための人材育成等を着実に実施してまいります。 ◆広川 委員 続いて、(仮称)医療的ケア児・者支援関係機関会議の設置とありますが、この会議の構成メンバーや、この協議会で検討される内容について、お聞かせください。 ◎中原 福祉部長 平成28年6月に改正された児童福祉法では、地方公共団体は、医療を必要とする障がい児が、その心身の状況に応じた適切な支援を受けられる体制構築に努めるよう定められました。これを受けまして、区は、次期おおた障がい施策推進プランにおいて、医療的ケア児の支援にかかわる関係機関の連携を図るなどの協議の場を設置することといたしました。  構成メンバーについては、医療的ケア児の生活を支えるには多方面の関係機関がかかわることが想定され、学識、保健・医療、福祉、保育、教育等の幅広い方々の参画を検討しております。  会議運営に関しましては、医療的ケア児の支援にかかわる関係機関の間の情報共有、連絡調整、また課題の抽出・整理等を行い、関係機関が有機的な連携のもとで支援できる体制づくりに取り組んでまいります。 ◆広川 委員 切望されていた、医療的ケアを必要とする重症心身障がい児・者の利用を中心とした短期入所事業が、いよいよ始まることに感慨深い思いがいたします。まずは、第一歩を踏み出したというところですので、今後の運用の中で起こる課題についても十分に精査し、利用者目線で柔軟に対応していただくことを要望いたします。  ところで、今回の改定では、障がいの程度が重い児童へのサービスについての報酬が比較的高く設定されています。一方で、放課後等デイサービスの基本報酬は引き下げられています。療育に力を注いでいる事業者と、預かりだけを行っている事業者の質の違いをどう評価していくのか。今回の報酬改定は、今後大田区が障がいを持つ子どもたちの成長を支えていく上での大事な局面と考えます。  サポートルームの設置も相まって、発達障がいが認知されるに伴い、年々増加傾向にある発達障がい児支援については、たびたび取り上げさせていただいていますが、新年度予算では、次のステップを目指す特別支援教育として、中学校での特別支援教室モデル事業の実施準備経費が計上されています。小学校でサポートを受けていた子どもたちが支援を受け続けられるためにも、中学校でのモデル事業の成果に期待しています。  そこでお伺いします。これまで実施してきた小学校でのサポートルームの成果と切れ目ない支援という点で、どのようなことが行われているのでしょうか、お聞かせください。 ◎水井 教育総務部長 昨年度から実施してまいりましたサポートルームは、教員が巡回して指導を行うことにより、サポートルーム指導教員が学級担任から対象児童の学習状況や日常の様子などを詳しく聞き取ってサポートルームでの指導に生かしたり、また、学級担任がサポートルーム指導教員から、当該児童の発達障がい等の特性に合わせた指導方法や接し方の助言を得て、通常授業の指導に生かす等の相互連携により、児童が落ちついて学習に取り組むなどの成果が上がってきております。  具体的な成果としては、適切な声の大きさで発表することが困難な児童について、自分が発表する様子を撮影した映像を見せて考えさせることをサポートルーム指導教員が学級担任に提案して実施した結果、適切な声の大きさで発表できるようになったという例や、サポートルームで友達とトラブルになった際の行動を選択する学習を重ねた結果、在籍学級で周囲の児童と仲よく過ごせるようになったという例などが報告されてございます。  今後も、サポートルーム指導教員と学級担任との連携を強化することで、子どもたち一人ひとりの特性に合わせた指導を推進してまいります。  また、切れ目のない支援についてでございますが、小学校就学時には、学校ごとに保幼小地域連携協議会を開催し、保育園保育士、幼稚園教諭から気がかりな子どもの成長・発達の様子や必要な配慮などの引き継ぎを受けております。小学校では、提供を受けた情報をもとに校内委員会で入学後の支援について検討をし、個別指導計画を作成する際の参考にしております。中学校就学時にも同様に、学校生活支援シートなどにより必要な情報を引き継ぐとともに、小学校と中学校の関係教員が面談を行って、人間関係が複雑化する思春期を迎える中学校生活において、不登校などに至らぬよう一人ひとりの教育ニーズに応じたきめ細かな指導を期しております。  今後は、サポートルーム指導教員が引き継ぎに加わることで、特別支援教育の視点から、さらにきめ細かな対応が可能になるものと期待しているところでございます。 ◆広川 委員 学校は子どもたちにとって大切な居場所です。学校や児童、生徒、保護者をサポートする教育センターをはじめとした、面的な連携による支援を強化していただくことを求めます。  発達障がいを持つ児童・生徒については、特に就学前の早い段階から成長段階を踏まえ、将来の自立への道を見きわめた切れ目ない支援が必要です。そこで、さぽーとぴあ(新館)のもう一つの目玉である、学齢期の発達障がい児支援事業が果たすべき使命は重大と考えます。これにより、本区の発達障がい児への支援体制がどのように充実していくのか、お聞かせください。 ◎中原 福祉部長 現在、区は、発達障がい児に対して、幼児期から学齢期に移行する際の情報の共有、児童館での要支援児の受け入れ、全ての小学校でのサポートルームの設置など様々な支援を行っておりますが、切れ目のない支援の視点からは、各療育機関が相互に連携していくことが重要と考えております。  障がい者総合サポートセンターでは、学齢期の発達障がい児を対象に、専門相談や計画相談、医師による診察から療育のほか、地域支援事業の実施に向けて準備をしております。具体的には、児童館や学校等、本人が日常生活を送る場において、適切な支援が行き届くよう、専門家を派遣しての発達障がいに関する研修、支援に関するアドバイス、関係機関会議などに取り組みます。これらの取り組みにより、支援する側の力が高まり、各機関が役割に応じた本人への支援を行うことで、生活の安定と成長・発達を促すことができると考えております。  区は、本人の生活する全ての場面において、その方が望む豊かな生活が送れるよう支援してまいります。 ◆広川 委員 ぜひともよろしくお願いをいたします。学齢期という点で言えば、本区では中学卒業後の支援はどこが担っていくのか。特別支援学校に進学すれば、その先の就労までの道を支援する体制は整っていますが、発達障がいを持つ生徒が全て特別支援学校に進学するわけではありません。多くの生徒は普通高校に進学したり、私立のサポート校などを頼っていくことになります。場合によっては、進学したくてもできないほど苦しんでいる子どももいます。将来の社会参加に向けた相談や支援策をお聞かせください。
    ◎松原 区長 障がいのある方がみずからの意思が尊重され、地域の一員として自分らしい暮らしができることが大切だと考えております。  そのため区では、次期おおた障がい施策推進プランを策定し、生まれたときから入学、就労、親なき後の生活まで切れ目のない支援を行ってまいります。その具体化を進める一つであります、障がい者総合サポートセンターは、相談支援や就労など、各支援のネットワークの中核的な役割を果たしていきます。さらに、今後、医療的ケアのある方、重い障がいのある方にも対応した短期入所機能と学齢期の発達障がい児の支援機能を加え、重層的な支援に取り組みます。  区は、これらの取り組みにより、どんな障がいがある方も社会に参加できるよう、本人の育ちに寄り添う支援体制を構築してまいります。 ◆広川 委員 区長のご決意をお聞きいたしましたことで、大変心強く思っております。  支援で最も重要なのは、量的にも質的にもマンパワーです。これまで以上に真摯に取り組んでいただくよう、お願いいたします。  次に、部局連携の子育て支援策について、要望を含めお伺いいたします。新年度予算でも、保育所等新規開設整備費、保育士人材確保支援事業、区立保育園の改築だけでも総額53億3,667万8,000円にのぼる待機児童解消に向けた本区の真剣な取り組みは、予算概要27ページ、保育サービス定員と保育所整備率の推移からも見てとれます。不断の努力に敬意を表します。  国は幼児教育の無償化を進めています。無償化による保育需要の変化についての所見をお聞かせください。 ◎後藤 こども家庭部長 国が検討している幼児教育・保育の無償化につきましては、現時点で国から正式な情報提供はございませんが、新聞報道等によりますと、0から2歳児については、対象が住民税非課税世帯に限定されております。現在、0から2歳児の非課税世帯の国基準保育料は月額9,000円となっておりますが、区では、同世帯の保育料を1人目が月額1,000円、2人目以降は無料としているため、このことによる大きな影響は出ないものと考えております。  ただし、今後、対象世帯の範囲が拡大される場合は、相当な影響が出るものと予想しております。  また、3から5歳児については、幼稚園、保育園ともに、所得を問わず全ての世帯が対象となりますが、昨年4月の幼稚園と保育園の利用率は、それぞれ幼稚園が53.8%、保育園が44.9%で合計就園率は98.7%となります。そのため、無償化による保育需要への影響は限定的になるものと考えております。 ◆広川 委員 私の子育て時代、20年ほど前のことですが、近くの公園には同世代の子どもたちが常時20人くらいで遊んでいましたが、子どもが2歳になるころ、母親の就労による保育園入園で10人くらいが来なくなりました。私も含めて、当時は在宅育児が大勢でしたが、多くは核家族で子育ての負担を減らしたいと、幼稚園は3年保育の私立幼稚園を選択しているお母さんがほとんどでした。  その影響で2年保育の区立幼稚園の園児数は激減し、数年を待たずに区立幼稚園はなくなりました。若い子育て世代のニーズは、時流に大きく左右されます。安倍政権は、2020年には25歳から44歳までの女性の就業率目標を73%としていますし、無償化とともに保育基盤も充足していけば、子育て世代のニーズは認定こども園のように多様な働き方や育て方に柔軟に対応してくれる施設へと移っていくことも想像にかたくないところです。  ところで、保育園に加え幼稚園の選択肢が増える3歳児の状況について、3歳児の認可保育園へ内定した世帯と保留になった世帯の基準指数の平均をお示しください。 ◎後藤 こども家庭部長 2月の一次利用調整の段階の状況でありますが、認可保育園の3歳児クラスには619名の申請がございました。そのうち452名が内定しており、内定した世帯の基準指数の平均は23点でありました。  一方、保留となった世帯は167名で、基準指数の平均は19点となっております。 ◆広川 委員 3歳の壁と言われてきましたが、本区においては着実にその壁も低くなってきているようです。しかし、仕事を探すために保育園に入れたいと考えている保護者も含めて、自宅兼仕事場や時間に拘束されない仕事をされている保護者など点数が低くなりがちな世帯にとっては、保育園のハードルはまだ高いようです。保育需要がある間は、まだしばらく基盤整備に力を注がざるを得ないでしょうが、今後は需要と供給のバランスをとることも重要となってくるでしょう。  一方で、保護者の中には、子どもの手が離れたらフルタイムで働きたいが、子どもが小さいうちはなるべく自分で育てたいという保護者も少なからずいらっしゃいます。そういう家庭は幼稚園を選択されますが、在宅で子育てしていても、経済的理由で子育てに影響しない程度の短時間なら働きたいという方もいらっしゃいます。しかし、幼稚園には夏休みなどの長期休暇があるため、働くことを選択し保育園に入れるためには、正社員もしくは週40時間以上就労しなければ、まず選考の土俵に上がれないのが現状です。結局、保育園に入れるために子どもと離れて働かなければならないというジレンマになってしまいます。  本区では、私立幼稚園に対して、延長保育や預かり保育の推進に取り組んでいただいていますが、対応にばらつきがあることは否めません。いっそフルタイムで働きたい保護者は保育園、子どもが小さい間は自分で育てたいけど、短時間でも仕事がしたいという保護者のためには幼稚園とすみ分けができればよいのではないでしょうか。ところが、先ほど述べたように、課題は夏休みや春休みなどの長期休暇中の保育です。  そこで、私立幼稚園には長期休暇中の預かり保育を取り入れて、子育てと緩やかな働き方を支えていただけるよう、区としても働きかけていただくことを要望します。所管の教育委員会の見解をお聞かせください。 ◎水井 教育総務部長 現在、区内私立幼稚園では、48園のうち46園で通常の教育時間のほかに預かり保育事業を実施しております。保育時間は園によって異なりますが、おおむね午前8時から午後5時ごろまでで実施されている一方で、春休み、夏休み、冬休みの長期休業期間中に預かり保育事業を実施する幼稚園は、21園にとどまっている状況がございます。  区では、保育需要の高まりに応えて、私立幼稚園の通常の預かり保育事業に加えて、定員に余裕のある園を想定し、長期休業期間中も含めて長時間の預かり保育を実施する、長時間預かり保育事業を実施しております。平成30年度からは、この取り組みをさらに充実させ、保育園に入園できなかった幼児に限定していた対象要件を撤廃するほか、必要な幼稚園教諭の確保を支援するため、3年間または定員に達するまでの期間、月額27万1,000円の人件費助成を行うなど、働いている保護者が利用しやすく、また、私立幼稚園が事業参入しやすい事業となるよう改善してまいります。  委員お話しの、通常の預かり保育においても長期休業期間中に事業を実施することは、短時間でも継続的に働きたいという保護者のニーズに応える効果的な手法であると考えております。長時間預かり保育の推進とともに、通常の預かり保育事業におきましても、より多くの私立幼稚園が長期休業期間中に継続して預かり保育を実施するよう、これまで以上に丁寧に粘り強く働きかけを行ってまいります。 ◆広川 委員 新年度予算には、事業所内保育施設開設補助費2,300万円が計上されています。ほかにも企業主導型保育所を整備している企業も増えていると伺いました。区内の事業所内保育施設や企業主導型保育所の整備状況をお聞かせください。 ◎後藤 こども家庭部長 区における事業所内保育所は、平成29年度に2施設、平成30年4月に1施設が開設される予定で計3施設、全体の定員としては50名。うち、地域枠は17名となります。  また、平成29年4月時点で3施設であった企業主導型保育所につきましては、新たに14施設が開設され計17施設、全体の定員としては326名。うち、地域枠は51名となります。  引き続き、地域型保育事業である事業所内保育所とともに、手続に区の関与を不要とする企業主導型保育事業につきましても、関係部局と連携しながら事業者による設置の動きをつかみ、積極的な相談、支援に努めてまいります。 ◆広川 委員 女性の社会進出が進んでいるとはいえ、労働力不足は深刻です。人材確保や企業のイメージ戦略の面からも、子育てしながら働ける環境整備に取り組む企業が増えています。保育園入園のご相談を受けた方で、生まれたばかりの赤ちゃんを職場に連れていっているという方がいました。社長の奥さんや同僚も赤ちゃんを見てくれているのだそうです。職場であっても家庭的な雰囲気の中で子どもと一緒に働けるのであれば、それはそれで子育てのあり方なのではないかと感じました。  そこで提案ですが、希望する事業所等に必要に応じた育児スペースを確保するための改修費用に補助を出すことはできませんでしょうか。多様な働き方の一環として育児と仕事の両立を可能にする職場づくりを支援することは、労働力確保策にもつながると思いますが、産業経済部の見解をお聞かせください。 ◎川上 産業経済部長 委員お話しのとおり、区内企業における人材不足は経営上の問題点として顕著になっており、人材確保の取り組みが課題となっているところでございます。企業が採用しようとする人材は、業務内容や経営方針などにより様々でございます。求める人材に対しまして、ここで働きたいと感じられるような就労条件を提示することは重要な要素でございます。  区では、ものづくり工場立地助成を実施していますが、その助成制度を活用して働きやすい環境整備、さらに育児や介護など時間に制約のある人でも働ける雇用形態を取り入れることで、様々な人材を確保し、生産性向上をさせている企業もございます。こうした状況を踏まえ、ものづくり企業が行う就労環境の整備に対する区の支援が、育児と仕事の両立する職場づくりにもつながるよう検討してまいります。 ◆広川 委員 いつまでも、その事業所の中で育児をするというわけではないとは思います。わずかな短期間であれば、事業所も受け入れていただける可能性もあると思いますので、ぜひとも進めていただければと思います。  女性の活躍を応援するという意味では、最近は起業を考えている女性も増えているようです。こうした女性が子育てしながらでも起業ができるような支援策など、大田区で子育てできてよかったと感じていただけるような、部局を横断した施策の実現に、引き続き取り組んでいただくようお願いいたします。  国際都市おおた協会について、お伺いをいたします。昨年末に行われた国際都市シンポジウムで、松原区長は国際都市おおた協会設立の意義として、民間交流が世界平和実現の基礎となる、そのための協会設立であるという趣旨のご発言をされていました。私は、国際都市おおた協会の設立の理念は、この区長の言葉に凝縮されていると感銘を受け、協会の設立と発展に期待をしている1人です。  区報2月11日号の一面に、国際交流及び国際協力の活動支援や国際人材の育成の推進を目的とした、一般社団法人国際都市おおた協会設立の記事が掲載され、多くの区民が知るところとなりました。2月中旬には職員選考の面接も行われたようですので、4月からの事業開始が待たれるところです。  さて、予算案の概要には、運営費補助5,132万9,000円及び事業費補助2,711万6,000円となっています。これまで区在住外国人に対しては、多文化共生推進センター(micsおおた)が、多文化共生推進プランに基づいた直接的な支援事業を担ってきたわけですが、今後はそうした業務は国際都市おおた協会に委託するという形になるのでしょうか。  また、多文化共生推進プラン(改訂版)は平成30年度で終了を迎えるため、区は次のプラン策定の準備に取りかかっているかと思いますが、次期プラン策定にあたり、多文化共生推進センター(micsおおた)と、国際都市おおた協会の位置づけはどうなるのでしょうか、お聞かせください。 ◎近藤 観光・国際都市部長 多文化共生推進センターでございますが、平成22年9月に開設し、外国人が地域の中で安心して暮らせるように、外国人区民に対し交流や学習機会を提供するとともに、多言語対応の相談窓口の運営、行政情報の翻訳、区施設への通訳派遣などを行ってまいりました。平成30年度から、これらの多文化共生推進センターで行っている機能については、国際都市おおた協会に引き継ぐこととしております。多文化共生推進センターは、これまで外国人区民への日常生活上のサポート体制を充実させ、大田区の多文化共生推進の拠点として役割を十分担ってきたと認識しております。  次期プランにおいても、地域の安心づくりのために多文化共生推進センターの役割は重要と考えております。国際都市おおた協会が進める外国人区民などの力、いわば多文化パワーをつなぐコーディネート力に着目して、引き続き多文化共生社会の充実を目指してまいります。 ◆広川 委員 国際都市おおた協会も、区が出資している文化振興協会、産業振興協会、体育協会同様、公益法人化を目指しておられると聞いています。多文化共生推進や多言語対応や日本語習得支援などは、日常的な支援としての公益性を十二分に満たしていると考えます。そこで国際人材育成や国際協力に関する公益的な事業展開について、国立研究開発法人科学技術振興機構が実施しているアジア青少年サイエンス交流事業、通称さくらサイエンスプランへの参画を積極的に行ってはいかがかと提案させていただきます。  同機構の事業概要によれば、「科学技術はこれからのアジア地域の未来を切り開くものであり、未来を担うアジア地域と日本の青少年が科学技術の分野で交流を深めることは、これからのアジア地域と日本の未来にとって極めて重要なことです。日本・アジア青少年サイエンス交流事業は、産学官の緊密な連携により、優秀なアジア地域の青少年が日本を短期に訪問し、未来を担うアジア地域と日本の青少年が科学技術の分野で交流を深めることを目指します。そしてアジア地域の青少年が日本の最先端の科学技術への関心を高め、日本の大学・研究機関や企業が必要とする海外からの優秀な人材の育成を進め、もってアジア地域と日本の科学技術の発展に貢献することを目的としています」とあります。  ホームページに掲載されている活動報告によれば、平成26年以降、一般とハイスクールコースをあわせ、毎年300件から400件を超える報告が掲載されています。事業目的を鑑みても、大田区にこそふさわしい事業だと考えますが、こうした国際交流事業への参画について、区の見解をお聞かせください。 ◎近藤 観光・国際都市部長 さくらサイエンスプランは、委員お話しのとおり、国立研究開発法人でございます科学技術振興機構が、未来を担うアジア地域と日本の青少年が科学技術のかけ橋となるような人材を育成することを目的に事業を行っています。  招へい対象者となるのは、主に高校生、大学生などで、原則として日本に初めて滞在することになる40歳以下の青少年です。近隣地域では品川区が実施しており、モンゴル国の高専との科学技術交流を図るとともに、技術者不足に悩む区内製造業の人材の確保、技術者の育成につながると伺っております。  このように産業の伸長に結びつき、学生の異文化理解や語学力のスキルアップにつながるような事業は、国際都市おおた協会の役割でもある国際人材育成や国際協力の観点からも有効と考えられますので、産業経済部とも連携して検討をしてまいります。 ◆広川 委員 若い方たちが異文化な国の中で親切にしていただいた、そういう思い出をつくることは、本当に世界平和の礎になると思いますので、ぜひ大田区でも積極的に実施をしていただければとお願いいたします。  間もなく東日本大震災から7年目の3.11を迎えます。復興半ばの被災地に思いを寄せるとともに、こうした災害の教訓を未来の防災に生かす重要性を改めて感じています。そこで区の災害対応について、お伺いします。  災害対応の強化として、来年度、歯科医療救護所の充実が新規事業として計上されています。災害時の歯科医療の重要性について、お聞かせください。 ◎杉坂 健康政策部長 過去の災害におきましては、十分な水が確保できないことや歯ブラシがないことなどによって口腔内のケアができないため、口腔内で増殖した細菌が唾液などとともに気管に入り、誤えん性肺炎を発症して命を落とす高齢者、あるいは歯の痛みが原因で十分な栄養がとれずに体調を崩す避難者が多数発生をしてございます。これらを予防するためには、災害時の歯科医療は極めて重要だと認識をしてございます。  そこで来年度、区内歯科医師会等と連携して歯科医療救護所の充実を図り、被災時に満足な口腔ケアができないことによる体調の悪化や災害関連死の予防に努めてまいります。 ◆広川 委員 災害時の歯科といえば、犠牲者の身元確認ばかりに目が向いていましたが、被災者の口腔衛生の重要性に気づかされました。ご協力いただける歯科医師の皆様にも感謝をいたします。  ところで、区民にとってまだまだ学校は避難所という認識が根強いと感じます。地域でも子どもが通っている小学校と指定されている学校避難所が違うことに、なかなか納得できないという声も耳にします。本区では学校防災活動拠点の整備が進められています。学校避難所と学校防災活動拠点の違いをお示しください。 ◎井上 危機管理室長 学校避難所は、災害から逃げ込む場所として住む家を失った被災者が一時的に滞在するための施設であり、主に避難者の生活支援活動などを行います。  学校防災活動拠点は、災害に立ち向かう場所として、これまでの学校避難所機能に情報収集・伝達などの情報拠点機能、救出・救助、地域の見守りなど地域活動拠点機能を拡充したものであり、地域全体での防災活動、防犯活動、在宅被災者の支援活動、地域の復旧活動などを行うものです。  こうした機能拡充は、阪神・淡路大震災でわかった地域活動の重要性や東日本大震災におけるスムーズな情報の収集・伝達の重要性など、過去の震災からの教訓をもとにしております。  なお、区は平成24年度から平成28年度までの5か年で91か所の小中学校などを避難所から学校防災活動拠点へと整備いたしました。 ◆広川 委員 今後、学校防災活動拠点、これの整備を進める上で、自分が住んでいる地域の情報は、指定された学校避難所に集約される体制であるということを丁寧に周知してくことが必要だと考えます。  また、小学校のPTA役員として学校防災活動拠点の活動員になっているが、学校避難所は中学校を指定されているという方がいました。矛盾を感じながらも、人がいないということで活動に参加されているそうです。運営に人員が必要なことは理解できますが、万が一災害が発生し、避難を余儀なくされた場合、このご家族は恐らく指定された中学校ではなく、小学校に避難されるでしょう。その場合、先ほどのご説明では、このご家族は必要な情報が入手できない可能性があります。学校防災活動拠点の体制を組む際には、配慮が必要だということを認識していただくことも必要だと思います。  それとともに提案ですが、発災時の活動人員確保については、保護者の協力を仰いではいかがでしょうか。お子さんが在校している間に万が一のことがあった場合、学校防災活動拠点で必要な活動を列記し、できる範囲で手伝っていただけるような、緩やかでも確実な共助の体制を築くことはできないでしょうか。見解をお聞かせください。 ◎井上 危機管理室長 保護者の皆様が災害時に活動する際は、まず子どもたちの安全を確認した上で、自宅が被災していないなど活動していただける状況が整ってから、ご協力いただくことが重要でございます。その上で、自治会・町会のみならず、PTAなどの団体にも可能な範囲で学校防災活動拠点に参画していただきたいと考えております。  現時点におきましても、幾つかの学校防災活動拠点におきまして、保護者の皆様が活動に加わっているところもございます。今後は、委員お話しのとおり、PTAなど幅広い世代の皆さんが学校防災活動拠点に参加しやすい仕組みづくりについて検討するなど、学校防災活動拠点事業の充実に向け、取り組む必要があると考えております。 ◆広川 委員 小学校、中学校、保護者の方というのは、当然もう現役でばりばり働いていらっしゃる世代の方が多いと思いますので、こういう活動に専従をするというのはなかなか難しいかとは思いますが、少しずつでも力をかしていただくということで、手数が増えるというそういうメリットを生かしていただければと思います。  もちろんお願いする以上は、区も学校としても大事な子どもたちの安全を守り抜くという姿勢を常に忘れてはいけないと思います。そこで学校の防災対策の強化について、お伺いします。  平成25年の予算特別委員会の款別質疑で、我が会派の岡元委員は、小学校へのヘルメットの配備について、議場に折り畳みヘルメットを持参して要望しています。以来5年が経過していますが、小学校へのヘルメットの配備には至っていません。防災頭巾が火災に有用であり、様々考慮して防災頭巾を推奨してこられた経緯は十分理解していますが、現在の学校の耐火性は向上しており、火災より落下物から頭部を守ることのほうが、より現実的な対策と考えます。ある保護者の方にお聞きしたところ、防災頭巾は使い勝手がいいと思っているけれど、命を守るためなら断然ヘルメットがいいと言われていました。これまでの経緯はあろうかと思いますが、状況の変化を見誤ることなく、より有効な防災対策を柔軟に行っていただきたいと考えます。教育委員会のお考えをお聞かせください ◎水井 教育総務部長 災害発生時にどのように子どもの命を守り、安全を確保していくかは、最も重要な課題でございます。  教育委員会では、災害時の落下物対策として、体育館のつり天井の落下防止対策のほか、校舎の耐震補強や大規模改修時に校庭側サッシを強化ガラスに交換するなどのハード面の整備を推進するとともに、年11回以上防災訓練を実施し、その際には、机の下に身を隠して安全を確保する、命を守る三動作を繰り返し子どもたちに行わせることで、万一の場合の安全確保に備えてまいりました。  防災頭巾は落下物に対しても一定の衝撃吸収効果があるほか、耐熱・耐火性や火の粉を防ぐ効果もあるなど汎用性が高いため、保護者の方に用意していただいているところでございます。  なお、中学生にはヘルメットを貸与しておりますが、これは中学生も災害時に活動の支援を行えるようにすることを想定しております。  最近では、様々な防災に対するノウハウの提案や、折り畳み式ヘルメットなど新たな防災用具の開発が活発に行われており、これらを踏まえて、発災時の子どもたちの安全確保について、改めて検討してまいりたいと存じます。 ◆広川 委員 非構造部材の耐震化や防災教育は、我が会派も常々要望していることで、それに対応していただいていることには感謝をいたします。さらに子どもたちの安全のために努力をお願いしたいと思います。  7年前の東日本大震災のとき、当時高校1年だった娘は小平の学校にいました。その日は一晩学校に宿泊し、翌日動き始めた電車で無事に帰宅しました。帰宅に際しては、学校から非常袋を一人ひとりに渡されたそうです。タブレットにそのときの非常袋の中身を配信させていただいております。その中に、あとはペットボトルが一つ入っていたという感じです。中には防災マップや防災マニュアルと何種類かの避難グッズが入っていました。余震など下校途中の生徒の安全に配慮した学校の対応に感謝したことを覚えています。  ほかにも、ある私立小学校では入学時に、米軍が採用している3日分のサバイバルグッズが入ったバックを児童に配布。非常食の期限3年が経過すると試食して、新しいものと取りかえ、卒業時には何事もなくてよかったねとバックを渡しているそうです。一概に私立と同じことをするべきというわけではありませんが、子どもたちを守る学校の真剣さを伝えることで、保護者との協力体制の構築にも効果があると考えます。  本区は、中学生には学校防災活動拠点の戦力としての活躍を期待してヘルメットを配備していますが、戦力として期待をする前に、児童・生徒の命を守ることが最優先であるという姿勢を形にすることに、今後さらに取り組んでいただくことを期待いたします。  ところで、東京都は「東京防災」の別冊として、女性の視点を生かした「東京くらし防災」を作成しました。こういうものです。皆さんもお手元にございますでしょうか。この内容について、簡単にご紹介ください。 ◎井上 危機管理室長 「東京くらし防災」は、東京都が女性の防災への参画を促すとともに、一層きめ細やかな災害の備えを促進することを目的として、女性の視点から作成されたものと聞いております。  内容といたしましては、日常生活の中で暮らしにあわせて無理なく取り組める防災対策や、災害時、避難所で過ごすための環境づくりなど、被災生活の様々な課題への対処方法が掲載されています。例えば、寝室に置くインテリア雑貨などの小物は割れない素材を選ぶなど日ごろの行動や習慣の中に工夫や発想を加えるだけで、防災対策が可能となることなどわかりやすいものとなっております。  また、在宅避難での食事や避難所では防犯のため複数の人数で行動して身を守るなど、これまでの震災の課題の解決に向け、被災者の体験談も盛り込んだ内容で、より防災への関心が高められるものと考えております。 ◆広川 委員 配布に関しては、全戸配布だった「東京防災」とは違い、公共施設や駅や民間事業者の店舗などでフリーペーパー風に自由にとっていただくことになっています。交通事業者や民間事業者については、東京都が設置希望事業者を募集し、発送まで行っているそうですが、公共施設については各自治体に任されていると聞いています。本区としては何冊程度確保し、区内施設のどこに設置されていますでしょうか。選んだ理由を含めてお聞かせください。 ◎井上 危機管理室長 区は、「東京くらし防災」を有効活用することにより、さらなる防災意識の向上が図られるものと考えております。  冊子の確保状況ですが、東京都からの配布協力依頼に基づきまして、約1万1,000冊を確保いたしました。また、配布場所として約200か所を選定しております。  具体的な配布場所と選定理由でございますが、防災訓練や防災講話などへの参加が難しい子育て世代の方への普及啓発を図るため、区内の保育園や児童館などで配布してございます。  また、本庁舎、特別出張所、図書館などをはじめ、区民ホールアプリコなど集客施設にも置き、区民に広く「東京くらし防災」が届くような場所といたしました。 ◆広川 委員 目的にかなった的確な設置をしていただいていることを評価いたします。既に大変好評で、東京都では増刷を検討しているようにも伺っております。災害時の懸命な行動は、多くの命を守ることができます。「東京くらし防災」は、日常の小さな工夫の積み重ねが防災力の強化になることを教えてくれています。「東京くらし防災」は、「東京防災」や「災害時モード」とセットで東京都防災アプリとしてダウンロードできるようになっています。画面をちょっとタブレットに配信をさせていただきました。  また、電子書籍でも無料でダウンロードできるなど、東京都の本気度が伝わります。本区としても、より多くの区民に手にとり、見ていただくためにも、ホームページや区報など様々な媒体で広報していただくことは可能でしょうか、お聞かせください。 ◎井上 危機管理室長 震災対策は、区民一人ひとりが、日ごろから災害に備え、みずから家具の転倒防止や備蓄などしっかり対応することが重要と考えております。あわせて、若年層をはじめ、幅広い世代に、特に子育て世代の方々に防災への関心を持っていただくことが大事であると認識しております。  区における「東京くらし防災」の配置場所一覧につきましては、東京都のホームページに掲載されております。区は、さらに区民の防災意識を向上させるため、「東京くらし防災」を、より多くの方に知っていただくことは有意義だと考えまして、区のホームページを活用して周知してまいります。  また、区民への周知をより広げていくためのさらなる方策につきましても、今後、関係部局と協議し、検討してまいります。 ◆広川 委員 よろしくお願いいたします。女性の防災力を高めることは、社会の防災力向上につながります。3月3日に行われた防災市民組織等感謝状贈呈式の後の防災講習会では、元横浜市消防局指導課長、秦好子氏が、過去の災害支援の経験をもとに女性ならではの減災レシピを紹介してくださり、大変参考になりました。東京都は災害時の女性のニーズにきめ細かく対応するため、女性の視点を防災活動に反映できる女性防災人材の育成に向けた事業として、「防災ウーマンセミナー」や、リーダー的人材を育てる「防災コーディネーター育成研修会」を実施するそうです。女性の視点という意味では、エセナおおたでは防災に関する様々な講座を開催しています。東京都の事業も参考に連携して、大田区版の防災ウーマンの育成に取り組んでいただきたいと考えます。区の所見をお聞かせください。 ◎井上 危機管理室長 東日本大震災以降、女性も含めた幅広い世代の方々に、防災への関心を今まで以上に持っていただくための普及啓発は重要であると認識してございます。  本年度は、マンション居住者向け講習会において、女性目線を踏まえたマンションの防災対策に主眼を置いた講習を実施いたしました。また、子ども家庭支援センターや女性が中心として活動している団体などから保護者や女性を対象とした防災講話の要望をいただき、防災意識の向上のための支援を実施しております。  東京都では、女性を対象とした人材育成に加え、女性が気軽に防災の講習会やセミナーに参加しやすくなるような工夫をし、女性の防災人材育成事業を開始していくと聞いております。区は、今後も引き続き、防災への女性のかかわりについて、国や都の動向を踏まえながら対応してまいります。 ◆広川 委員 おっしゃるように、防災力の向上に資する事業と考えますので、ぜひとも検討をお願いいたします。  次に、産業経済費について、お伺いいたします。  新規事業の商店街エリアサポーター事業についてお尋ねします。この事業エリアとはどの範囲か、専門家集団とはどういう方々なのかお聞かせください。 ◎川上 産業経済部長 商店街エリアサポーターの事業エリアにつきましては、池上線沿線で行っているイベントなどの地域特性に加え、地域の活性化に密接にかかわる沿線の鉄道も考慮し、エリアの範囲を検討してまいりたいと考えております。  また、専門家集団につきましては、現行のコーディネーター相談業務に加え、地域ごとの課題を解決できる企業や人材を想定しているところでございます。各エリアや各個店グループの課題にもよりますが、実際には、その分野に精通している即戦力が期待される人材等を活用していきたいと考えております。 ◆広川 委員 区長は、大田区中小企業同友会の主催するセミナーで講師をされると伺いました。同会は、大田区のポテンシャルを自分たちの仕事に生かしたいと、このセミナーを企画されたそうです。時期を捉えた事業展開を考えることは、経営の基本だと考えます。その意味で商店街エリアサポーターの専門家集団には、大田区内にある地域の魅力や特性についてのマーケティングをもとに、支援対象の個店に対し、商品開発や仕入れやディスプレイなど地域の魅力を生かすようアドバイスしていただいて、大田区の魅力アップと商店街の活性化の相乗効果を期待しますが、区のお考えをお聞かせください。 ◎川上 産業経済部長 専門家集団においては、委員お話しのとおり、地域の魅力や特性の認知、それに基づく商いの方向性や工夫の仕方などを個店にアドバイスいただくことが重要だと考えております。  具体的な事例といたしましては、子育て世代が多い地域では、世代にあわせた店づくりを提案するほか、観光などの魅力ある資源を持つ地域であれば、観光の観点からアドバイスをする。高齢者を対象とした商いであれば、配達をメインとした事業展開を助言するなどが想定されます。新しいサービスのあり方や市場価値を生み出す動きを加速するような支援をすることが、結果として区の魅力を引き出す商いにつながり、区と商店街が、最大の相乗効果を発揮する関係となるように努めてまいります。 ◆広川 委員 区の行うブランディング・シティプロモーションの事業の目的にもかなったものとなっていただければと思っております。  さて、区内製造業の方に話を伺うと、去年の10月ごろから目に見えて忙しくなってきているそうです。うれしい声とともに、機械が古くなっているので設備更新しようと思ったが、助成金の使い勝手がよくないため、設備更新が難しいと言われていました。先端産業に取り組む企業に対する支援は国をはじめ華やかですが、先端産業を下支えする区内企業に対する支援はどのような状況になっていますでしょうか、お聞かせください。
    ◎川上 産業経済部長 政府は、アベノミクスの新しい成長戦略を推進し、日本経済の再生やデフレからの脱却を図ることとしています。平成25年には、産業競争力強化法が制定され、産業競争力の観点から様々な支援措置が用意されました。  区は、こうした産業施策の流れの中において、整合を図りながら区内企業の支援施策に取り組んでいるところでございます。そうした支援だけではなく、区では幅広い区内中小企業の資金調達を支援する、融資あっせん制度を実施しているところでございます。区内ものづくり企業の設備投資においては、一定の要件のもと、区が低利の融資を金融機関にあっせんし、利子の一部または全部を負担しております。  さらに国や都の設備投資に係る補助金の申請には、ビジネスサポートサービスにおいて専門家によるアドバイスを受けることもできます。区としましては、こうした事業を区内のものづくり企業の皆様に活用していただくため、周知を図るとともに、職員が今まで以上に企業の皆様の声にしっかりと耳を傾け、経営の向上に資するよう努めてまいります。 ◆広川 委員 次に、区の事業を統括する内部統制について、お伺いをいたします。本区は、平成28年度決算において、新公会計制度による統一的基準に基づいた財務書類を作成し、OTAシティマネジメントレポートに掲載されました。将来にわたる安定した財政運営のためには、これまでの普通会計決算情報に加えて公会計情報が加わることで、政策判断の精度が増していくことが期待されます。  こうした地方自治体の公会計制度の整備を待って、政府は地方自治体の事務執行の適正を確保するため、平成32年4月より、都道府県及び指定都市の長に対し、内部統制に関する方針を定めて、必要な体制を整備し、その評価報告書を議会に報告することを義務づけました。ちなみに市町村については、努力義務となっています。  まず、内部統制とはいかなるものであり、導入の有無について、本区の考えをお聞かせください。 ◎玉川 総務部長 内部統制につきましては、住民の福祉の増進を図るという地方公共団体の組織目的が効率的に達成されるよう、行政サービスの提供等の事務上のリスクを評価及びコントロールし、事務の適正な執行を確保することでございます。  今後、人口構成が変化する中におきまして、必要とされる行政サービスは多様なニーズに対し、よりきめ細やかな対応が求められております。同時に、これらの行政サービスを支える制度は複雑化しており、リスクが拡大することが見込まれます。  そのため、様々なリスクを想定し、それらの未然防止、早期発見、発生時の損害拡大の防止をシステム的に管理し、区の財産を適切に管理しつつ、行政事務の適正かつ効率的実施を図るための仕組みが求められております。区としても、内部統制の導入に向けて検討してまいります。 ◆広川 委員 地方公共団体における内部統制のあり方に関する研究会の報告書によれば、内部統制の整備・運用を行うことによる効果について三つの点を挙げておりますが、内部統制というと、様々なルールでがんじがらめにされるようなイメージがあります。実際、民間企業では、過剰な内部統制のため、企業活動が窮屈になっているということを耳にします。行き過ぎた管理強化は、職員に多くの負担を与え、職場の活力を奪いかねません。内部統制の名のもとに管理体制づくりに過剰なまでに反応し、現場の負担を増やすこととなっては逆効果です。内部統制は職員のプラスとなり、前向きにはつらつと働ける環境づくりに寄与するべきものであり、体制づくりに際しては、事業目的達成のためのパフォーマンスを上げるチャンスと捉えて取り組んでいただきたいと願っています。  ただし、体制づくりを全ての事業について一度に行うことは、到底困難でしょう。まずは、幾つかの事業をピックアップしつつ、必要に応じ徐々に拡大していくことが現実的と考えます。  そこで、本区が内部統制を導入するに際しての考えをお聞かせください。 ◎玉川 総務部長 内部統制の導入につきましては、全く新しい仕組みを構築するというものではなく、これまでも既に実施している制度を活用しつつ、今まで明確でなかった仕組みや、まだ十分でない点も含めて整理し、構築することと捉えております。  財務会計上のリスクや人事・服務に関するもの、個人情報保護にかかわるものなどについては、既に内部統制に取り組んでまいりましたが、業務プロセスの見える化やPDCAサイクルの構築など改善の余地もございます。  区としてはできることから始めて、段階的に整備し、リスク対応とともに事務の効率化にもつながるよう取り組んでまいります。 ◆広川 委員 内部統制による評価報告は、区長のマネジメントの重要な判断材料となるだけでなく、決算報告とともに監査や議会に提示することになります。我々議会も、この情報を参考にしながら審査を行うことになりますし、区民に公開することで、政策判断が客観的な指標で行われているという説明責任を果たすこともできます。  繰り返しになりますが、内部統制とは事業目的達成のパフォーマンスを向上させることであり、その結果は区民サービスの向上につながるものでなければなりません。体制づくりは大変な作業ではありますが、本区の取り組みを期待をしておきます。  最後に、庁舎の安全管理について、お伺いをいたします。ちょっと時間があまりありませんので、質問を飛ばさせていただいて、2月の土曜日のお昼前後でしたが、控室で仕事をしようとエレベーターを待っていたところ、中央の入り口から1人の男性が真っすぐにエレベーターに向かってこられました。区民の方が駐車場に行かれるのかと思っていたら、私と一緒に上に向かうエレベーターに乗ったので、休日出勤の職員かなと思いました。ところが、10階まで上がってきて、ためらうことなく議会に入ろうとされたので、思わず「こちらに入られるのですか」と聞くと「○○さんのところ」と、ある議員の名前を言われ、私の横をすり抜けて入っていかれました。  その議員にとっては大切な支持者の方でしょうが、正直私にとっては、そのときまでその方は不審者でした。私たち議員も職員も、休日や時間外の出入りは警備室を通り、所属や入退庁のチェックがされます。この方がどうということではなく、エレベーターの前には、タブレットに配信していますように注意喚起のボードが置かれているにもかかわらず、一般区民の方が何のチェックもなく10階まで上がれる現在の庁舎の安全管理体制に不安を感じました。休日等の庁舎の安全管理について、何らかの改善の必要性を求めます。区の見解をお聞かせください。 ◎玉川 総務部長 区役所の庁舎は、ご利用される方が行政サービスを迅速、的確に受けることができる機能はもちろん、親しみやすさや快適性を備えていることが重要です。  しかし、その前提として、庁舎のセキュリティの確保とともに、その不断の見直しが必要でございます。今後は、本庁舎内の立入禁止区域に許可なく入ることのないよう、立入禁止などの案内表示を工夫するとともに、利用者の導線を区分するためのベルトパーテーションの設置に加え、受付での入退庁確認など、より効果的な安全管理対策を検討してまいります。 ◆広川 委員 この点では、我々議員のモラルも問われていると考えます。昨今、思いがけない事件も起こっていますので、危機管理という意味では、ぜひとも早急に取り組んでいただくことを要望いたします。  先ほどの産業経済費の設備投資に係る支援のところで、ちょっと申し述べ忘れたのですが、国は中小企業の声を受けて、設備投資に係る新たな固定資産税減免の特例措置を創設し、中小企業の設備投資を後押しするようです。実績や継続性などを考慮することはもちろんですが、先端技術を下支えする区内企業が真に必要とする支援策を含め、区民の皆様の満足度を高める事業をこれからも進めていただくことを要望して、広川恵美子の質疑を終了させていただきます。 ○深川 委員長 会議が長時間にわたりましたので、しばらく休憩いたします。                午後 0時04分休憩                午後 1時00分再開 ○深川 委員長 ただいまから、予算特別委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、総括質疑を行います。  共産の質疑に入りますが、黒沼委員の質疑に際しまして、資料の使用を許可するとともに、タブレット型端末に配信いたしましたので、ご了承を願います。  共産、質疑願います。 ◆黒沼 委員 日本共産党大田区議団、黒沼良光です。団を代表して、総括質疑を行います。  まず、平和都市宣言に基づく歴史認識を伺います。来年度予算は史上最高額の予算となっています。史上最高額の予算には、区内を潤す地域密着型公共工事ではない大型開発にかかわる予算が区民の生活を圧迫しようとしています。本定例会での区長挨拶で、明治150年を表明しました。まさか区長は明治の富国強兵の強い明治にあやかって、大田区をも強い大田区にしようとしているのでしょうか。安倍晋三内閣が官邸主導で明治150年関連施策を推進していますが、政府は明治の精神に学び、日本の強みを再認識することは大変重要であると強調しています。キーワードは明治の精神、日本の強みです。  通常国会での安倍首相の施政方針演説では、明治という新しい時代が育て上げたあまたの人材が、技術優位の欧米諸国が迫る国難とも呼ぶべき危機の中で、我が国が急速に近代化を遂げる原動力となりましたと力説していますが、区長の挨拶は、まさにうり二つと言ってもいいほど似ています。薩摩・長州出身者に代表される維新の当事者たちを実際以上に高く評価し、明治の精神なるものを標榜し、日本の近代を特定の立場から一方的に明るい歴史として考えていこうとする政府や区長の方向には、強い違和感があります。  明治維新は自由民権運動を抑圧し、明治憲法や教育勅語を制定し、全権限を天皇が握る専制政治を確立し、富国強兵の名のもとに日清・日露戦争、韓国併合、中国への侵略戦争、そしてアジア・太平洋戦争と、戦争の70年間でした。明治150年の全般はこのような時代です。そうした歴史に目をふさぎ、戦前と戦後の違いを無視して、明治の精神、日本の強みを一面的に強調するのは時代錯誤の歴史観というほかありません。  もし松原区長が、この歴史認識に立って来年度の史上最高額の予算を組んだとしたら、大田区の中小企業の多くが戦前、軍需産業に組み込まれた歴史を学んで、戦後の憲法9条に守られながら、大田区の中小企業が平和な日本と経済発展のために果たしてきた役割を、今後ともはげましていく政治に全力を尽くすべきです。大田区の平和都市宣言は、ここに真髄があると思います。羽田空港跡地の開発に示されるように大企業のための先端技術の道に進むための予算を組む区長の姿勢は、改めるよう求めます。平和都市宣言の立場に、区長はしっかりと立って進まれるよう求めます。お答えください。 ◎市野 企画経営部長 今から150年前の1868年に江戸から明治へと時代が移り変わったことは、日本の近代化の端緒となったものと認識をしてございます。この間の出来事について様々な評価があることは承知をしてございますが、区長が施政方針の冒頭におきまして述べた意図は、委員ご質問のような趣旨ではございません。  区長は、この中におきまして、「平成の世となってから既に30年がたち、人口減少社会の到来やITの高度化による社会・産業構造の変化、頻発する自然災害への対応など、我々がこれまで維持し続けてきた仕組みと価値観では立ち行かない、新たな時代が訪れています」と発言をしてございますように、持続可能な行政運営に向けて、日ごろの情報収集に努め、多角的な視点で課題を捉えるとともに、みずから変革できる力が区政には必要と考えているところでございます。  平和への希求はもちろんのこと、区民の皆様の暮らしがよりよくなりますよう、引き続き様々な行政課題の解決に向けて取り組んでまいります。 ◆黒沼 委員 せっかくのご答弁でございますが、ならば戦前の70年と平和憲法の区別をして言うべきでした。今のき弁としか言いようのない言い方には、もう少し勉強して、平和憲法に基づく精神をぜひ捉えてもらいたいと思います。  もう一つ申し上げます。もう一つは、安倍総理大臣にうり二つと言ったことは、やはり国に言いなりの色濃い答弁と言わざるを得ません。憲法に定められている地方自治は、住民みずから意思と責任において政治を行うことを言います。明治憲法では、地方自治に関する規定はなく、下請機関でございました。よもや明治150年地方自治も、明治になろうというのではないですかと危惧する次第でございます。  次に移ります。次に、待機児童について伺います。大田区まち・ひと・しごと創生総合戦略は、人口減少の歯どめを挙げながら、看板だけで、低賃金、不安定、長時間労働での雇用破壊をそのままにし、中小企業のいじめの政策がどれだけ若者の未来の希望を奪い、少子化を加速させてしまったのかを無視して進めているのが、アベノミクスです。待機児克服の方針もあります。しかし、これも看板だけで、今なぜ人口減少社会なのかの分析がありません。  この分析がないと、克服の道を示せないと思います。今年の東京土建組合での新年会での会話からも、あるいは先日のPiOでの工業フェアに出展した歴史ある企業でも、人手不足は深刻だと語っています。帝国データバンクが定期的に行っている、人手不足に対する企業の動向調査によると、2017年1月の調査では、過去10年間で最高になり、企業の43.9%が正社員不足になるとしています。なぜそうなるかというと、これからの日本で少子化が進むという政府の見方は、人口投影という方法を使っていることによります。人口投影というのは、過去の統計を基礎に仮定しているので、今の政治的、経済的要因がほとんど変わらないとして、延長するとして成り立っています。これでは、減るしかないではありませんか。  逆にその原因を変えられれば、少子化は克服できるということになります。そういう仕組みであると考えます。大田区の人口推計も内閣からの助言を得て作成していますので、人口は今後約40年間は維持するが、その後は減っていくとしたのではないでしょうか、お答えください。 ◎須藤 未来創造研究室長 人口推計の立場から、お答えをさせていただきます。国の総人口は、平成22年の1億2,806万人がピークとなっておりまして、その5年後の平成27年の国勢調査から、戦後初めて減少に転じ、人口の減少が始まっております。  一方、大田区の人口につきましては、国勢調査によりますと、過去20年間増え続けております。こうした傾向を踏まえて、区が平成28年3月に専門的な見地から作成しました大田区人口ビジョンでは、大田区の人口は今後も引き続き増加傾向が続くものと推計をしております。  また、15歳未満の子どもの人口、いわゆる年少人口も、平成12年の国勢調査から直近の平成27年の国勢調査までの15年間、2,700人あまり増加してきております。年少人口の将来的な推計におきましても、2060年までの間、年少人口は6万人台後半から7万人台の水準を維持するものと推計をしてございます。 ◆黒沼 委員 ならば、そこに基づいて大田区独自の政策を示すべきであり、国の言いなりになる必要はありません。少子化が続く原因は、主に二つ挙げられると思います。一つは、政府が保育料や教育費の値上げ、社会保障制度改悪など、長年にわたって続けてきたことです。待機児解消には財源を惜しみ、引き延ばしてきたことは、まさにその象徴です。  二つは、そうした政治のもとで起こっている未婚率の急上昇という深刻さです。1970年には男女とも1から3%だったのが、2015年には男性は23.37%、女性は14.06%になりました。2035年には、男性約29%、女性約19%にまで上昇すると予測されていることです。最新の2016年、出生動向基本調査によると、いずれは結婚したいと考える18歳から34歳の未婚者は、男性が85.7%、女性が89.3%となっています。若い人は結婚したいのに、現実には結婚資金や住宅、出産・子育て、安定した雇用、長時間労働が若者の異性との出会いの機会を難しくしていることなどの条件が障害となっていることです。これは自然現象ではありません。改善は可能です。  区は少子化の原因を、主にこの2点にあるとお認めになりますか、お答えください。 ◎須藤 未来創造研究室長 少子化の状況につきましては、ドイツ、イタリア等の諸外国におきましても、日本と同様の状態にございます。その原因は、我が国固有のものとは考えにくいと考えております。原因は、社会の成熟化によるライフスタイルの変化ですとか、あるいは価値観の多様化など様々な要因が影響しているものと考えてございます。  区は、これらの状況に対応し、安心して出産、育児ができる環境づくりを進めるため、引き続き、福祉、保健、医療はもとより、就労、住宅、教育、地域における支援体制の構築など、あらゆる分野の施策を総合的、かつ計画的に推進してまいります。 ◆黒沼 委員 ただいま答弁いただいた価値観等のことは、土台によって決められます。つまり経済です。今回予算審議ですから、待機児解消も少子化克服もやはり憲法25条に基づく財政の組み方の基本、つまり予算は社会保障を基本に組むのが道理で、残りを公共事業等に使うことが当たり前です。ところが大田区は、来年度の予算は、代表質問でも指摘したとおり、大型公共事業を中心で、残りを社会保障として使うという組み立てになっています。ここを改めてこそ、待機児解消も少子化克服もできることを指摘しておきます。  しかし大田区は、今後約40年間、今答弁にもありましたが、人口は現在の71万人から73万人にやや増えるとしています。タブレットをご覧ください。グラフも指し示します。これは今後40年間、大田区の人口が高齢化社会は確実に進行し、約71万人から73万人になりますが、人口減にも少子化にもなりません。40年後には、再び公共施設の建て替えもやってくるのではありませんか。そうであれば、安倍政権の言いなりになるのではなく、人口増にふさわしく低年齢児維持にふさわしく、大田区政を進めるべきではないでしょうか。  しかも2015年9月の国連総会で採択された持続可能な開発目標を、日本政府も推進しています。完全なジェンダー平等の実現、母性保護、ワーク・ライフ・バランスの保障、そのための経済的、社会的、政治的条件を整備すれば、少子化は克服の道に進むのではないでしょうか。大田区の人口分析にも、この2点が欠けているから、少子化の進行を当然としているのではないでしょうか。改善されるよう要望しておきます。  そこでお聞きします。大田区は、まち・ひと・しごと創生総合戦略で、保育所入所率95.0%を100%としています。みずから掲げた目標は区民との約束です。ここ数年、認可保育園増設など努力している区の姿は評価できるのですが、なぜ待機児克服できないのか、お答えください。 ◎後藤 こども家庭部長 現在、待機児童解消に向けた取り組みが、国を挙げて進められておりますが、女性の就業率の上昇などを背景に、特に大都市圏において整備計画を上回る保育ニーズが続いており、今年度、国は待機児童解消年度を、当初の平成29年度末から平成32年、2020年度末に繰り下げております。  区においても、就学前人口は横ばいないし微増傾向ですが、認可保育園への申請数は、毎年前年度を上回る状況が続いております。国と同様に、区の待機児解消は大変厳しい状況ではございますが、新年度予算では、これまでの待機児童数に加え、新たな申請数の伸びも加味した整備計画としております。引き続き、当初の計画目標の達成に向けて、全力を挙げて取り組んでまいります。 ◆黒沼 委員 ただいまの答弁内容に、待機児解消いたしますと明言しないのです。なぜ決めておいて、今特に答弁がないのですか、お答えください。 ◎後藤 こども家庭部長 まずは、実施計画や来年度予算でお示ししている整備計画を全力で取り組み、その結果を踏まえて、まち・ひと・しごと創生総合戦略の目標年度である平成31年度末の目標達成を目指してまいります。 ◆黒沼 委員 そのことを最初から言ってくれればいいのです。全力でやりますということは、誰だって言えるのです。ただ、やり切ることが大事なのです。その姿勢が、今度の予算で見えるかどうか、見えないのです、まだ。ぜひ見えるように予算を組みかえてもいただきたいことを要望しておきます。  次に、中小企業と空港跡地について伺います。  地域未来投資促進法で政府と財界は、観光、航空部品など成長性の高い新たな分野に挑戦する取り組みとして、IoT、AI、人工頭脳、医療機器、航空機部品、新素材などに支援策をとっています。大田区は、来年度の予算にこれらの一部を取り入れました。実は内閣府が成長分野の実現として提唱しているのが、Society5.0です。  特徴は、これまでの人が行う能力には限界があり、それをIoTで全ての人とものがつながり、人間の能力を超えた人工知能、AIが解析し、その結果がロボットなどを通じてフィードバックされることで、これまでにできなかった新たな価値が産業や社会にももたらされることになるというものです。  このように、内閣府主導のSociety5.0は、財界と政府が協働で行っているもので、区内中小企業のためではなく、グローバル企業のものであるということを示しています。羽田空港跡地の開発にかかわる鹿島とトヨタは、Society5.0の三つのワーキンググループに所属しており、そのリーダーシップをとっているメンバーです。タブレットの資料をご覧ください。パネルはこれです。  鹿島は、羽田空港跡地でトヨタとともにAIによる無人自動車を開発しようとしています。まさにSociety5.0の具体化をしているようです。  そこでお聞きします。重点項目になっているIoTプロジェクトは、本当に区内中小企業の取引拡大になるのでしょうか、お聞きいたします。 ◎川上 産業経済部長 区内ものづくりの中小企業は、委員ご存じのとおり、産業の空洞化や後継者不足などにより減少傾向にあり、大田区製造業の特徴である工場間の仲間まわしの機能低下を招きかねない状況にあります。  また、区内企業が急激な産業構造の変化に対処して、区内の産業集積を維持し、ネットワーク強化を実現するためには、効率的な企業間の連携が不可欠となっているところでございます。このような背景のもとに取り組みを開始した、IoTを活用した中小企業の生産性向上プロジェクトは、仲間まわしにIoT技術を導入することで生産性の向上を実現して、区内ものづくり産業の発展に寄与することを目指しているところでございます。  昨年度は基礎調査等を実施しまして、将来像を設定し、活動計画を策定しました。これを受けまして今年度は、将来像の実現に向けた実証実験を中心に業務を進めてまいりました。実証実験には、実際に受注を獲得して、その中で将来像を想定しながら、人、モノ、情報の動きを確認することが大きなポイントであり、結果として多くの成果を得ることができました。  成果の一つをご説明いたしますと、IoTの導入により複数の企業が情報共有することによるリアルタイムの工程管理を可能とし、その結果、生産性向上を寄与できることが確認できたところでございます。また、実証実験に参加した区内企業が、この効果を実感できたことも大きな成果の一つでございます。来年度はさらに確証を得るために、高度な技術開発やネットワークの強化を図り、このプロジェクトへのより多くの企業の主体的な参画を促し、価値創造に向けた各企業の変革を誘導してまいります。  なお、本事業に参画した複数の企業が、新たな付加価値を生み出し、受注機会を広げるために、みずから新たな法人の立ち上げを考え始めていることも、このプロジェクトの可能性に区内企業が手応えを感じていただいているあらわれだと感じております。  区では、引き続き、地域の民間企業主導の動きとともに、しっかりと連携して本プロジェクトを推進し、区内企業が生産性を向上させるとともに、取引拡大ができるよう努めてまいります。 ◆黒沼 委員 大変長い答弁でしたが、答弁の内容は複数の企業だけではないですか。3,500社にわたる展望は語られませんでした。今、全ての企業をインターネットで結びつけるというものですが、これまでの大田区は、例えば金型加工やメッキ、多くは部品加工であって、先日発表された大田区景況にも、古い機械の買いかえもままならないという声にも応えられておらず、このIoTを導入する力は、大田区にはほとんどないのが実態です。そのことが語られず、夢物語で幾ら答弁されても、展望は見えてきません。  そこで、お聞きします。タブレットの予算概要です、120ページをご覧ください。パネルも掲示しています。この絵が成り立たないと考えます。この絵の中の製品企画者と営業活動者が従来型の左の絵より増えているわけですが、これがそろっている仲間まわしをしている町工場はどこにあるのでしょうか、ほとんどないです。これが足りないから、大田区も困っているわけです。ほとんどいないことは、産業経済部で把握しているはずです。IoTプロジェクト10億円の説明には、それが見当たりません。  また、資金不足の中小企業、町工場への資金保障もないままIoTに取り組めと言われても、無理があります。そうすると、これまた空港跡地の鹿島との関係で考えているとしか考えられません。大企業がもうけるだけです。マスコミで報道されたように、鹿島グループが540億円も投資するわけですが、利益の見通しがなければ、このような巨額の資金投入はあり得ません。まさに区内中小企業のためではなく、グローバル企業が海外から企業を呼び込もうとする思惑が見え見えです。  大田区の中小企業が仕事を奪われたのは、日本の産業空洞化です。空洞化しておいて、空港跡地に海外からの産業呼び込み型にしようとしても、呼び込みに成功するはずがないではありませんか。大田区が、この鹿島グループのために羽田空港積立金172億円を使って、空港跡地をわざわざ購入するという構図が見えてきます。鹿島などグループ企業のためではなく、区内中小企業のために使うべきです。  大田区の中小企業の発展を考えるときに、こうしたグローバル企業のための計画ではなく、区内中小企業がこれまた大田区が積み上げてきた産業集積を生かした開発型方式になるように、区の産業政策を思い切って転換し、地域経済活性化の方向に強化していくことではないでしょうか。  ものづくり基盤技術振興基本法でも、産業集積の必要性がうたわれました。2014年に制定された小規模企業振興基本法にも、産業集積に光を当てています。政府も表向きは、中小企業、小規模企業と産業集積を修正せざるを得なくなってきています。ならば、大田区として、この方向に力を尽くすべきです。大田区では、産業空洞化の中でも、地域経済を支えてきた産業集積を振興することで、真の地域経済環境を整え、持続的発展につながると考えます。  2014年の実態調査は、大田区の中小企業が依然として持っている基盤技術は、これまでのナショナルテクノポリスを依然として果たしながら、21世紀の世界の母工場都市の転換を図っていく力を持っているということを示しています。世界と取引できる大田区になります。つまり一人ひとりグローバル化はできなくても、ネットワークと集積を生かし、これまでの主に部品加工から、自分たちで開発型の完成品製造企業に転換していくという公共財としての役割を位置づけ、母工場都市機能としての政策を力強く進めることが、大田区の仕事です。  特徴は次のとおりです。汎用型の技能は自由自在の応用が可能です。マザーマシンなわけです。現場での工夫・改良に基づくプロセス・イノベーションは、試作品製作で養われたもので、新製品開発に不可欠の要素を兼ね備えています。機械の精度以上の精度を持たせるマザーマシンの法則への対応が可能なことで、精度を保証する強みがあります。大田区の技術は大企業内のような企業内に閉じ込められた私有財ではなく、社会に開かれた公共財として存在しています。しかも従前の部品加工でも、難加工をこなす小ロボットの技術を特徴とすることで、生き残ることができます。  大企業の身勝手による海外移転などで生産が減っても、量産品の発注は減っていくにしても、下請ものづくり機能はなくならないからです。開発型の企業に転換する分野は、小型風力発電など、自然エネルギー分野、医療機器、メスなどの道具の医療分野、農機具の開発、水産加工業の生産設備など農業水産分野です。その立場で大田区に対する政策を提言させていただきました。  これは、具体的には大田区の2014年に実施した実態調査の結果の方向性に応えたものです。ところが、区も既に行っているといいますが、産業経済部にいただいた資料には、この点が徹底的に不足しています。タブレット、今後の方向性をご覧ください。  今後の方向性、6点ですが、主立ったものを申し上げます。  1、未然に廃業を防ぐための対策は、仕事確保、後継者育成の抜本的施策がほんのわずかです。  2、廃業・移転後の工場に対する政策は、廃業社の従業員、機械のM&A施策がありません。  3、協力先とのマッチングでは、産業集積型のネットワークコーディネーターが位置づけられていません。  4、新製品・新技術開発支援事業では、農業から再生エネルギーまで初期段階にすぎません。  これらの施策を見ると、不足しているのは歴然です。  お聞きします。こうした産業集積を生かし、あたかも公共財としての機能を位置づけ、母工場都市機能で区内産業を発展させることだと思いますが、ぜひ区内中小企業の発展のために、これらの提案を真摯に受けとめていただき、具体化されますよう検討を求めます。お答えください。 ◎川上 産業経済部長 平成26年度に実施しました大田区ものづくり産業等実態調査では、調査結果を踏まえ、六つの「今後の方向性」を示すとともに、区はそれに対応する事業を実施してきたところでございます。今後も引き続き、必要性を見きわめながら、それらの事業を実施してまいります。  一方、近年の産業界における環境変化は目まぐるしいものがございます。また、想像もしなかった変化も生じていると認識しております。平成26年度調査の方向性だけでは対応できない、新たな課題が生まれているところでございます。  例えば、人材確保につきましては、将来の担い手の不足ということだけではなくて、現在の人手が足りないという状況にまで広がっているところでございます。  後継者不足による廃業は、経営上問題のない黒字企業の廃業にまで広がっているところでございます。さらに、老朽化した設備の更新については、ロボットによる生産性向上やIoTなど、新たな技術分野の導入にまで広がっているところでございます。  こうした変化を的確に捉えるためには、専門家や民間団体などとともに連携し、グローバルな視点も含めて区内産業を分析することが必要でございます。また、区外や海外の企業の立地を誘導し、変化に対応可能な新たな産業集積を形成していくことも検討する必要があると考えているところでございます。  区としましては、平成26年度の実態調査における方向性にとどまらず、新たな変化に対応可能な施策の展開にも、検討を広げてまいります。 ◆黒沼 委員 全く変わっていない答弁です。ロボットの導入にしても、先ほど申し上げた二つの人手不足、人口減少、そして少子化問題の原因を申し述べましたが、誰がつくったのか。財界と大企業ではありませんか。これを受けた自民党政治です。  これを餌にしてロボットを導入しやすくなったとしているのですよ。だから、少子化克服をしようとしないで、それを原因としてロボットを導入して労働力にしようと。これ、人類に希望はありますか。  少子化克服をして、従業員不足を立て直すことこそ必要なわけです。私たちも今回、1人雇用したら、奨励金制度を出させていただきましたが、それさえ、よしやるぞと言わないではないですか。  そうすると、目まぐるしい変化といいますが、目まぐるしい変化を捉えている中で、今日、申し上げた大田区の持っている産業集積、母工場都市機能化、そしてトヨタとか、大きな会社は内在化している技術や能力を大田区はぐっと広げて、どなたでも使えるようにしている。この公共財的な要素、これがドイツよりもすばらしいわけですよ。ドイツに行っている皆さんはたくさんいますけど。  一つ一つはグローバル化できなくても、集積すれば大工場になるのですよ、巨大工場に。しかも、すばらしい技術を持つのです。そこに、気づいてほしいと言っているのです。今の答弁は気づいていないではないですか。ぜひ、気づいてもらいたい。
     人材確保も、六郷工科高校などのことを申し上げましたが、なぜ人材確保が困難になるかというと、やはり労働条件の低下ですよ。そのことに目を開かないで、もっと保育士は1万円上げるとか、一つ、向上は始まっておりますけど、介護士はまだだし、ましてや中小企業の皆さんにはほとんどなしに等しいと。  そういうところに目を当てて、やってくれないと、今、答弁された人材確保も開かれてこないと思います。  ロボットの導入もしてもいいのですけれども、人口減の原因を放ったらかしておいてやったって、人類の未来はないと思います。  グローバルな視点といいます。もう一度言いますが、空洞化をみずからつくっておいて、もう1回呼んでこようというのですよ。手前勝手も、身勝手もいいではないですか。だったら全部戻せと言いたいぐらいですよ。出ていった人たちをね。  そして、日本を守れと言いたいぐらいなのですが、勝手に出させておいて、また呼んでくる、何なのですか。来ると思いますか。なぜ出ていったかというと、市場があるからですよ。税制の優遇などではないのです。  そうすると、不景気で投資先もなくて、GDPの伸びない日本に誰が来ますか。それを、さも夢を描いて、この答弁をしているようでは、日本の未来と大田区の未来はないと思いますよ。何かありましたら、おっしゃってください。 ◎川上 産業経済部長 ただいま答弁したとおりでございます。 ◆黒沼 委員 ぜひ、そのかたくなな狭い根性から抜け出して、グローバルと言っているのですから、グローバルな視点でこの大田区の技術を見直して、どう世界に羽ばたかせるのか、鹿島建設に頼るのではなくて、中小がやるべきですよ、申し上げておきます。次に移ります。  次に、区の住宅政策について伺います。我が党の一般質問の「住宅は人権」との質問に対して、住宅基本法よりも住宅セーフティネットワーク法に基づいて行うと答えられました。しかし、セーフティネットワーク法は空き家対策です。区内の空き家は有効なのが3万9,000戸と言います。なぜ、空き家になっているか区の説明はありませんでした。  ここに5年ごとに行われる総務省の住宅・土地統計調査による、区内賃貸住宅家賃調査の表があります。区営住宅、都営住宅の家賃は約2万円前後です。この金額で、民間住宅の家賃分布を見ますと、家賃が1か月2万円以下で、6畳一間から12畳までの住宅に住んでいる借家人は2,220室です。なので、全体17万4,430室の1.2%にしかなりません。いかに、公営住宅家賃程度の住宅が少ないかがわかります。  区営住宅申込状況は、平成27年度募集戸数21戸、申込者1,345人、平成29年度募集戸数25、申込者1,159人です。毎年、ほぼ1,000名が入れないわけです。  お聞きします。これらの区民に、区は空き家を活用してくださいというわけですから、この1,000名近い落選者が、これらの値段で民間空き家を借りるにはどうすればいいのでしょうか、お答えください。 ◎黒澤 まちづくり推進部長 委員お話の平成25年の国の住宅・土地統計調査によりますと、現に居住している世帯の家賃が公表されてございます。  それによりますと、区内入居中の賃貸住宅は17万4,430戸でありまして、そのうち家賃2万円以下の住宅に居住している世帯が1万2,990世帯で全体の7.4%、また、同4万円以下につきましては2万8,520世帯で全体の16.4%となってございます。  空き家の家賃につきましては調査対象外で統計数値がございませんので、ただいま申し上げました、入居中の賃貸住宅の家賃を参考に推定いたしますと、区内の空き家で破損等のない賃貸住宅は3万9,240戸でございます。これに、先ほど申し上げた4万円以下の住宅に居住している世帯割合16.4%を掛けますと6,435戸となります。したがいまして、家賃4万円以下の空き家賃貸住宅が相当数存在すると考えております。  一方、区営住宅の申し込みが可能な所得は、月額15万8,000円以下でございますが、所得ゼロの方から15万8,000円の方まで、様々な所得階層の方がいらっしゃいます。区の現在の数字といたしましては、2万円以下の方が49%、6万円以下の家賃の方が88%となってございます。  昨年10月に施行された改正住宅セーフティネット法に基づき登録されます、住宅確保要配慮者専用の賃貸住宅では、所得に応じて月額4万円までの家賃助成が受けられることとなっております。このような新たな制度の周知を図りながら、適切な支援を行ってまいりたいと考えております。 ◆黒沼 委員 今の答弁の最大の欠点は、率を掛けて6,435戸あるとしたことです。これは、もうこれ以上ないことを考えられるのですよ。全部借りて、これ以上の値段がないから、3万9,000戸の中にこの比率があったら借りているはずです。  だから、こういう推計ではなくて、調査してください。区がみずからありますよと証明して、この1,000名の方にどうぞ入ってくださいと言ってください。これ、できませんか。 ◎黒澤 まちづくり推進部長 空き家についての家賃調査を現在、区として行う考えはございません。 ◆黒沼 委員 そしたら、そういう答弁をしないでくださいよ、無責任です。入れと、使えと言いながら、証明もできないで、ただあるらしいというだけで、何と無責任なことを言うのですか。  調査なしに、区民に使えと言えませんよ、調査してください。 ◎黒澤 まちづくり推進部長 最初にご答弁した趣旨をもう一度繰り返しますと、4万円以下、2万円以下の比較的安い家賃の空き家賃貸住宅がまだまだたくさんあると、この活用を一つは必要であるということと。  また、これだけでは受け皿になり得ない低所得の方々につきましては、国の新たな制度でございます、改正住宅セーフティネット法に基づく低所得者への家賃補助、助成、この制度の活用、この二つを捉えて取り組んでいきたいと考えております。 ◆黒沼 委員 まだまだあるというのは、何を根拠におっしゃるのですか。 ◎黒澤 まちづくり推進部長 繰り返しになりますが、国の統計、東京都の統計においては、残念ながら空き家に関する賃貸住宅の数値がございませんので、仮の推定といたしまして、先ほど申し上げたような、現在入居している賃貸住宅の率を掛けて、一つの目安としてお示しさせていただいたということでございます。 ◆黒沼 委員 では、まだまだあるらしいという答弁はわかりますよ。まだまだあると断定されたではないですか、撤回してください、では、この言葉。 ◎黒澤 まちづくり推進部長 比較的、低家賃の空き家賃貸物件が相当数、まだあると思われます。 ◆黒沼 委員 撤回されましたが、その撤回の。  (「していないよ」と呼ぶ者あり) ◆黒沼 委員 思われますと言ったではないですか。  しかし、もうないのですよ。実際ないのです。ないから、借りられないのですよ。それを調べもしないで、3万9,000戸活用というのは、もうやめてください。根拠のある言い方をしてください。今後ともよろしくお願いします。  区は、空き家を活用してくださいというわけですから、やはり区は区民は借りられると見ているわけです。私たちを納得させるには、区が独自に空き家の家賃実態調査を行い、ほら、あるではないですかと1,000名近い区民に住める空き家をホームページ等で紹介すべきです。そうすれば、喜んで紹介します。  さらに、公営住宅家賃より高い場合は、家賃助成を含め保障して、ぜひとも住宅を確保するようにしてください。この家賃助成の考えはありませんか、よろしくお願いします。 ◎黒澤 まちづくり推進部長 国の新たな住宅セーフティネット制度では、都道府県が住宅確保要配慮者の入居を拒まない住宅の登録を受け付けており、入居希望者の方々は登録データをインターネットで閲覧できるようになってございます。また、先ほども申し上げましたが、住宅確保要配慮者専用の住宅につきましては、所得に応じて4万円までの家賃助成が受けられ、入居者は公募・抽せん、その他公正な方法により選定されることとなっております。  また、一方、入居者を募集している賃貸住宅でも、家賃滞納や孤独死などの懸念から、住宅確保要配慮者の入居を拒んでいる大家がいらっしゃいます。このような大家の不安を解消して、住宅確保要配慮者の入居を促進する対策が必要と考えております。区は、今後、関係者、関係団体の皆様と協力して、居住支援協議会を立ち上げ、これらの対策にしっかりと取り組んでまいります。 ◆黒沼 委員 区営住宅、高齢者住宅、シルバーピア、区内都営住宅の空き部屋状況はというと、次のとおりです。区営住宅では、空き家50部屋中、耐震補強工事中11戸、修繕中12戸、法的措置等12戸、退去したばかり、これからリフォーム15戸という内容で、今後の展望は20戸前後しかありません。  区営・区立シルバーピア・高齢者アパートも入居手続中を除けば空き家ゼロです。区営住宅はもとより、シルバーピアは空き家ゼロです。公営住宅建設は、区内経済活性化にも大きな効果があります。住宅建設は畳屋、ガラス屋、空調屋など36種類の区内業者に仕事の発注ができると聞いています。住宅リフォーム制度と同じです。税金の無駄遣いにはなりません。  都営住宅は6,453戸中空き家が485戸、うち予約済みが268戸のほかに建て替えのための仮住まい用が138戸もあります。  この建て替え用住宅は、それこそ大田区が言っている一時的ですから、東京都が区内空き家を家賃助成して活用してはいかがでしょうか。そうすると、もっと入れるのですよ。この138戸が入れることになります。200戸も募集できることになります。都に要望していただきたいのですが、お聞きします。お答えください。 ◎黒澤 まちづくり推進部長 委員お話のとおり、東京都は計画的に現在、都営住宅の建て替えを順次行っております。東京都からは、建て替えをスムーズに進めるために、都営住宅の空き家に仮住まいで転居していただくことが、物件の確保の容易であること、入居者の条件に合う物件を手配しやすいことなどから、手続、コスト、入居者の負担などの面で最良の方法であると考えているとのことでございます。  また、住宅の建て替え工事終了後、仮住まい用住宅は入居希望者に提供していると聞いてございます。 ◆黒沼 委員 区内の空き家3万9,000戸のときもそうでしたが、この都営住宅の建て替えのための確保の戸数138戸、今の答弁もそうでしたけれども、風害も同じなのですけど、説明責任は区にあるのですよ。それを今の答弁でいきますと、区民に努力して探しなさいというのと同じなのです。これは逆転しているではないですか。区の責任を果たしていないですよ。何のために部長がいて、何のために課長が、何のために職員がいるのですか。この仕事をすべきですよ。そして区民に提供すべきです、情報。しかも、この138戸は貴重ですよ。  なぜ貴重かというと、石原都政以来、都営住宅も区営住宅もほとんど増えていないからです。ならば、ある建物をうんと工夫して住めるようにする、それの努力は見えていいでしょう。この努力はしたほうがいいですよ。空き家はいっぱいあるのですから、大田区内に、いかがでしょうか。 ◎黒澤 まちづくり推進部長 ただいま答弁申し上げましたように、東京都としての考え方は先ほど申し述べたとおりでございます。 ◆黒沼 委員 大田区も自治体ですから、全体の奉仕者です。民間経営ではありません。税金も受け取っています。その全体の奉仕者としての区の役割を、住まいは人権です。一般質問でも言いましたが。この立場が足りないのではないでしょうか。  そして、区の責任は説明責任をとるべきですよ。使えと言うのだから、3万9,000戸。これは、このように使えますよと、何もしないで、ありますよ、ありますよというだけだと、仕事をしていないのと同じではないですか。  高い家賃のものは幾らあったってないのと同じなのですよ、入れないのですから。そのことを申し上げておきたいと思います。早く、全体の奉仕者として、憲法どおりの自治体、地方自治法のとおりの自治体に戻っていただいて、民間の経営学ではなくて、地方自治法に基づく、住宅は人権の行政に戻ってもらいたい、要望しておきます。  次に、新空港線に関して伺います。第三セクターにかかわる予算が使われずに、来年度に1億8,000万円そっくり予算化されています。  都政新報2月13日付には、「当初は今年度中の設立を計画していたが、協議が来年度にずれ込む見通しになったため来年度予算に再び計上した」という記事が載りました。  伺います。今年の新年の集いで区長は、「最終調整に入った」と言われたはずですが、なぜ進まなかったのでしょうか、お聞きします。 ◎黒澤 まちづくり推進部長 既にご報告申し上げているとおり、昨年9月13日に、18区市長連名によりまして、新空港線の早期整備着手に関する要望書を東京都知事に直接手渡しました。その際、都知事からは、「皆様方のご意見をしっかり受けとめて課題を解決するよう検討を進めていきたい」とのコメントがございました。  この知事要望を受けまして、昨年10月から都区の協議が本格的に行われてまいりました。この間の協議課題はこの間申し上げているとおり、補助対象事業範囲と地方負担分の都区費用負担割合などでございます。  東京都とはこの間、精力的に話し合いを行っており、現在は、残された最後の課題であります都区費用負担割合について、鋭意協議してございます。 ◆黒沼 委員 その質問ではなくて、第三セクターに関する質問ですよ。第三セクターというのは、第一セクターから第六セクターまであるそうですが、第三セクターというのは行政と民間です。ですから、今の質問に答えるためには、相手がいるのです、民間。これがどこまではっきりしたのか、なぜ進まなかったか答えてください。 ◎黒澤 まちづくり推進部長 整備の方法、主体にかかわるご質問と思いますので、申し上げます。新空港線の整備につきましては、この間もご案内しておりますように、都市鉄道等利便増進法に基づいての整備を想定しております。  この法律に基づくスキームの場合、整備すべき主体は公的主体であると定められておりまして、これは鉄道運輸機構、または地方公共団体が主体となる第三セクター方式と定められております。  鉄道運輸機構につきましては、全国の整備新幹線の建設に注力していて余裕がないとの回答をいただきましたので、私どもとしては地方公共団体が主体となる第三セクターを立ち上げ、これを整備主体とする考えでございます。なお、これにつきましては、大田区及び営業主体になると思われる鉄道事業者が、主要な出資者となる予定でございます。 ◆黒沼 委員 答弁は簡潔にお願いします。全般、何も聞いていないですよ。第三セクターを聞いたのです。第三セクターというのは、民活法に基づいて行われてきましたが、その基本は何かといいますと、民間の収益のためなのですよ。民活法をよく読んでもらうとわかりますが、収益のためであって、基本的な公共の責任は放棄です。  つまり、区は進んで民間の収益性のために、第三セクターをつくろうとしています。ここからは、地方自治の本旨を逸脱し、株式会社化しているのではないかと指摘せざるを得ません。  もう一度伺います。なぜ、区長が最終調整に入ったと言ったのに、今回、進まなかったのかお聞きします。 ◎黒澤 まちづくり推進部長 先ほども申し上げましたが、都区との協議課題の複数の課題のうち、幾つかが解決し、今、一番最後の都区費用負担割合の協議に進んでいるということをもって、私どもとしてはこの間、10月以来の協議については進捗してきていると考えております。 ◆黒沼 委員 第三セクターの相手は、どこまで明確になっているのですか。 ◎黒澤 まちづくり推進部長 まだ、整備主体の設立の段階に至っておりませんので、確定的には申し上げられませんが、想定する主体としては大田区と鉄道事業者でございます。 ◆黒沼 委員 鉄道事業者は、第1期工事ですから、第2期工事になると違うと思いますが、第1期工事ですと東急しか考えられません。鉄道事業者といったでしょう。これが第1期工事ですから、これはもう明らかではないですか。  その鉄道事業者としか言えないのでしょうか、そこで終わりですか。 ◎黒澤 まちづくり推進部長 第1期工事分につきましては、京急蒲田地下駅までの延伸でございますので、営業主体として想定される東急電鉄株式会社が整備主体として参画する予定でございます。 ◆黒沼 委員 最初からそう言ってくれればいいのですよ。  それでお聞きします。東京都は、国との関係で5路線から6路線にし、新空港線が組み込まれたとの報告がありましたが、都の予算案には鉄道新線建設等準備基金(仮称)の創設650億円も提案されています。  それでは、都市鉄道利便増進事業費補助金で、現在の概算事業費1,260億円のうち、東京都と大田区の合わせて3分の1と言われてきた負担割合は、幾らになるのかお聞きします。 ◎黒澤 まちづくり推進部長 昨年の促進協議会で発表申し上げました1,260億円、これに対して整備スキームは、国、地方、整備主体がそれぞれ3分の1という法令になっておりますので、これの3分の1ということで、420億円となります。 ◆黒沼 委員 420億円、都と大田区で負担し合うのでしょう。これを聞いたのですよ。 ◎黒澤 まちづくり推進部長 利便増進スキームの3分の1ずつの負担割合に基づきまして、都、区等を合わせた地方の負担分が1,260億円の3分の1ですから、420億円と申し上げております。 ◆黒沼 委員 そうすると、東京都の予算に基金はできましたけれども、この割合も決まらず、区長が言った最終調査に入ったというのは撤回ですか。 ◎黒澤 まちづくり推進部長 先ほど申し上げたように、都区の協議が一定程度前進してきております。そのことをもって、先ほどお答えしたところでございます。なお、東京都の予算の計上につきましては、私どもも東京都が重要な路線につきまして、実現に向けた一歩を大きく踏み出したものと捉えております。  したがいまして、この間の都区協議も今後、さらに前進していくものと考えております。 ◆黒沼 委員 では、今の話を聞くと、最終段階ではない、初期段階ではないですか、と受けとめておきます。  最後にお聞きします。次に、第1期工事は京急蒲田地下駅までとしていますが、それでは、完成したときに第2期工事は見通しがないのですよ。普通は、第2期工事の見通しがあって第1期工事があるのですけど、今回、珍しく、第2期工事はわけもわからずに第1期工事を始めてしまうということなのです。これが非常に無謀だと思います。  最後にお聞きしたいのは、ならば、第2期工事はどうなるかわからないとすると、第1期工事はできたとしても、完成した暁に、例えば雑色駅から東急線を利用するために京急蒲田駅まで行き、深い地下におりて新空港線に乗りかえて、JR蒲田駅まで来て、地下4階からどんどん上ってきて東急線に乗りかえた場合と、バスでJR蒲田駅まで来た場合と比較すると、バスのほうが使いやすいのではないでしょうか。京急蒲田で乗りかえる場合は、埼玉方面、神奈川方面からの利便性も生まれません。生まれないのですよ。  第2期工事の見通しがないままに、第1期工事を進めるのはなぜでしょうか、最後にお聞きします。 ◎黒澤 まちづくり推進部長 一昨年の国の答申におきまして、第1期工事区間の整備のみでも、「矢口渡から京急蒲田までの先行整備により、蒲田駅と京急蒲田駅間の未接続を解消し、早期の事業効果の発現が可能」と評価されております。  第1期工事区間の整備では、京急蒲田駅は地下駅から地上駅への乗りかえとなりますが、この整備による費用便益比は1.5と、基準値の1.0を大きく上回っております。様々な駅から羽田空港までの所要時間が短縮されることは、第1期工事区間の実現でも達成されるわけでありまして、以上により、社会的経済的に有意義な事業であることを確認させていただいております。  繰り返しになりますが、このように、第1期工事の整備だけでも効果が早期に実現すると考えております。区内東西交通分断の解消に向けて、第1期工事区間の早期整備着手を図りながら、第2期工事区間につきましても、乗り入れに係る技術的な課題、フリーゲージトレイン、三線軌条など、様々な方法につきまして引き続き検討してまいります。 ◆黒沼 委員 この新空港線の場合は、第2期工事が完成して初めて成り立つのですよ。何も成り立たない第1期工事で終わってしまったら、その新空港線の価値は見えないではないですか。半分新空港線ですよ。  そうすると、第1期工事が終わったとして、第2期工事の見通しが10年、20年かかるかわからないのですよ。第2期工事の見通しがないままに、なぜ始めるのですかと、もう一度おっしゃってください。 ◎黒澤 まちづくり推進部長 ただいま申し上げましたように、一昨年の国の答申においても、また私どもが東京都とともに算定した評価結果から言っても、京急蒲田地下駅まで整備して、地上駅へ乗りかえる、この第1期工事整備実現によりましても、十分に社会経済上、有意義な事業であることが確認されております。  そういう趣旨で、第1期工事の先行整備、しかし、第2期工事を悲願化するということではありませんので、これの空港までの乗り入れにつきましても、同時に並行して検討してまいりたいと考えております。 ◆黒沼 委員 ただいま申し上げた第2期工事、フリーゲージトレインを含めて、私は国土交通省に確認に行きました。もし、新空港線の有利性を出すとするならフリーゲージトレイン以外にないでしょうねとおっしゃっておりました。島で乗りかえなどあり得ないというのですよ。  ということは、第1期工事だけ考えるということは、乗りかえですから、有利性はあり得ないのですよ、1期工事を考えて。  そうすると、しかも言っていました。長崎新幹線で、今、失敗してやめたわけですが、もし成功したにしても、あれは新幹線ですから、在来線の東急線と京急線に関しては、改めて実験が必要でしょうね、そのまま導入できないというのですよ。  そうすると、その第2期工事を何もしないでやろうとすることに、私は技術者の端くれでありますから、これがあり得ないのですよ。鹿島だってどこだってやらないですよ、こんなの、見通しのないところ。  東急がなぜやるかというと、自分がいいからですよ。京急に乗り入れたいわけなのですよ。そんな利益のため、なぜ大田区が巨額な金を出すのか、区民の利便のためではない、だったら、利便のためで私たちは反対ですけれども、せめて第2期工事のフリーゲージトレイン等も含めて、それからダイヤの改正ですよ。京急のラッシュアワーに乗り込むわけですから、京急は半分ダイヤを削らなくてはいけないのですよ。そんなことをしますか。使えないでしょう、今のも入り込めるわけがないではないですか。  そういうことを考えると、もっとプロをいっぱい出して、職員も置いて、全ての技術系もクリアして進めていただかないと、うまくいかないのではないかと、もう一度お答えください。 ◎黒澤 まちづくり推進部長 ただいまも申し上げましたように、第1期工事整備を先に着手するわけでございますが、第2期工事区間の部分も含めまして、空港アクセス線としての新空港線の完成のための技術的な検討は行ってまいりたいと考えております。 ◆黒沼 委員 最後にお聞きしますが、京急蒲田でとまったツールと、新空港線ではないのですよ。空港まで行かないのですから。これは、将来新空港線と言いながら、これは京急蒲田までの第1期工事は、何と命名されるのですか、教えてください。 ◎黒澤 まちづくり推進部長 本整備事業につきましては、新空港線(蒲蒲線)と私どもはネーミングしてございます。 ◆黒沼 委員 最後になりますが、京急蒲田ストップ線ですよ。空港まで見通しのない線路ですよ。正式に言えば、新空港線は京急蒲田ストップ線、そして京急蒲田から空港までは見通しのない線、こんなことはまずやめるべきだと述べて終わります。 ○深川 委員長 次に、無印、質疑願います。 ◆荻野 委員 たちあがれ・維新・無印の会の荻野稔でございます。会派を代表して、平成30年度予算案についての総括質疑を行わせていただきます。簡潔なご答弁をよろしくお願いいたします。  平成30年度予算案のスローガンは昨年と同じく、「暮らしてよし、訪れてよし、地域力あふれる国際都市おおたを実現するために」です。今期は、未来プランの後期計画の総仕上げの年となり、予算規模は一般会計で2,787億7,000万円余、前年度比で169億円、6,5%の増となります。
     歳出は今年度は、特に施設の改築や整備、保育サービス基盤拡充において多額の予算が計上されていることが読み取れますが、一方で、児童・高齢者・障がい者・生活困窮者支援などのための経費である扶助費を見ると、平成29年当初予算の826億円から46億円増の872億円となり、5.6%増となっています。  扶助費は、平成19年度から毎年増加しておりますが、今後の少子高齢化や多様化する区民ニーズ、課題を考えるとさらに続くことが予想されます。  大田区介護保険条例の改正によって、月額基準4,000円の保険料の増額が決定しました。また、国民健康保険も、都が算定した2018年度の標準保険料が、都内平均で1人当たり年間14万8,916円と、平成29年度に比べて26%上昇、最大で6割近く上がる自治体もあると報道がされました。  社会保障は必要な方に適切に行き届くことが大切ですが、扶助費の増加は様々な形で区民の負担へとはね返ってくることも考えなければなりません。  こうした負担増を少しでも抑えるためには、予防的措置や自立支援などの観点からの施策推進とともに、その効果検証も必要です。今回の予算編成にあたってのお考えをお聞かせください。 ◎市野 企画経営部長 区におきましては、社会経済状況や人口構成の変化などにより、中長期的に、扶助費及び一般会計から他会計への繰出金の増加が見込まれております。特に、子育てや高齢福祉関係の経費が増加傾向にあることから、今後の財政運営上の課題の一つと捉えているところでございます。  区はこれまでも、生活保護受給者を対象として、ハローワーク大森との連携や、就労専門相談員による個別支援など、就労支援プログラムをはじめとした様々な取り組みを進めてまいりました。  さらに、生活保護に至る前の段階の自立支援といたしまして、生活再建・就労サポートセンターJOBOTAにおいて、自立相談支援事業・就労準備支援事業などを実施し、生活困窮者を対象とした各種支援を行ってまいりました。  さらに、広く区民生活の質の向上を図りつつ、持続可能な介護及び医療制度の確保に資するための取り組みして、大田区元気シニア・プロジェクトをはじめとした元気高齢者対策や国保データヘルス計画を推進してまいりました。  平成30年度予算編成にあたりましては、これらの事業に加え、老人いこいの家を中心とした介護予防事業の拡充や、かかりつけ医の検査データ活用による特定健診の実施などに係る経費を計上いたしました。  今後も引き続き、区民生活のより一層の向上と健全な財政運営の両立に努めてまいります。 ◆荻野 委員 扶助費に関連し、順次質問していきます。  本年、4月1日からは法定雇用率の計算式に精神障がい者が加わり、また、民間企業で障がい者雇用2.2%、国、地方公共団体等で2.5%に引き上げとなります。障がい者を雇用しなければならない民間企業の事業主の範囲も、従業員50人以上から45.5人以上に拡大し、これにより、国においても障がい者、特に精神障がい者の社会参加、就労の支援を強化していくことが考えられます。大田区においても、平成30年度予算案では様々な施策が示されております。  精神障がい者の方や、あるいはもう少し広く定義をとれば、精神に疾患を抱えた方、困難を抱えた方の就労、社会参加は、今後の日本社会で欠かすことのできないテーマとなります。区内においての現状をお聞かせください。 ◎中原 福祉部長 区は、次期「おおた障がい施策推進プラン」を策定するにあたり、必要な基礎データを集計しております。  精神障害者保健福祉手帳の所持者は、平成28年度末現在4,191人で、5年前から比べますと約1,100人増加しております。  精神障がいにより精神科病院等に通院している方の医療費を軽減する制度、いわゆる自立支援医療の申請者数は、平成28年度末現在で1万3,522人で、5年前に比べまして約2,000人増加してございます。 ◆荻野 委員 大田区の現状はわかりました。それでは、現在の状況、また社会情勢の変化の中で平成30年度は、区はどのような取り組みを行っていくのでしょうか、お答えください。 ◎中原 福祉部長 国は、障害福祉計画等の策定に関する基本指針において、精神障害者が地域の一員として安心して自分らしい暮らしができるよう、医療、障害福祉・介護、住まい、就労等が包括的に確保された「精神障害者にも対応した地域包括ケアシステム」の構築を目指すとしております。  その実現のために、国は、地域基盤の整備とともに重層的な支援体制を構築するための協議の場の設置を定めておりまして、区としましても、次期「おおた障がい施策推進プラン」において、協議の場を設置することといたしました。  また、今日まで障がい者総合サポートセンター等を中心に取り組んでおります職場体験実習に加え、就労訓練の場を提供し、企業就労へ円滑に移行できるよう、区の臨時職員として雇用するチャレンジ雇用事業を平成30年度からモデル実施いたします。  こうした取り組みを着実に進め、精神障がいがある方の地域生活を支援してまいります。 ◆荻野 委員 続きまして、健康プランに関連して、会派としても予算要望いたしました、自殺対策について伺います。  3月は、自殺対策強化月間です。私も昨日、蒲田駅前ではねぴょんが活動しているのを見かけました。  さて、平成30年度予算では、自殺対策について29年度との違いが見られました。平成29年度の事項別明細書では、自殺対策についての記載がなく、関係するのは精神保健福祉相談の項目にある、予算額は584万円の部分です。説明部分に、「自殺」の文字の記載はございませんでした。  平成30年度の事項別明細書、177ページをご覧ください。今年度の事項別明細書には、「精神保健福祉相談」の中に、自殺総合対策の項目の記載があり、130万5,000円ですが予算の計上がされております。  質問します。今年度はなぜ、自殺総合対策についての記載が行われたのでしょうか。 ◎渡邉 保健所長 区は、これまでも、一人ひとりの状況に応じた相談、自殺予防に関する啓発、身近な人の自殺サインに気づき支援につなげる、ゲートキーパーの養成研修などに取り組んでまいりました。  平成30年度においては、誰も自殺に追い込まれることのない社会の実現に向け、大田区として、大田区自殺対策計画を策定するとともに、地域の実情に応じた効果的な対策をこれまで以上に講じていくなど、自殺対策の強化を図ることから、予算事項別明細書上の項目を分けたものでございます。 ◆荻野 委員 大田区の自殺対策計画策定においては、区の実態、特徴を把握することが必要になります。大田区は、自殺総合対策協議会を開催してくるなど、自殺対策のための情報収集や議論を重ねてきました。計画策定に向けて、大田区内の自殺の特徴や傾向等を把握しておれば、お答えください。 ◎渡邉 保健所長 大田区の自殺者数については、平成24年は131人、平成28年は117人であり、依然として年間100人を超えてはいるものの、減少傾向となっております。  また、平成28年までの5年間の合計数で性別・年代別に見ますと、性別では男性が約7割、年代別では40歳代が20%、50歳代が18%であるなど、中高年の男性の割合が多い状況です。ただし、中高年の男性の自殺による死亡率は減少傾向にございます。  一方、10代及び20代における自殺による死亡率はやや増加傾向にある上、10代から30代の死因の第1位は自殺であることなど、若年層への自殺対策が大きな課題となっております。 ◆荻野 委員 特徴にも挙げられた、若者の自殺について伺います。  自殺対策基本法は、2006年10月に施行、2016年に改正されました。関係する様々な機関や民間の方々のご尽力により、日本全国で一時、年間3万人を超えていた年間の自殺者数は減少傾向が続いています。  自殺者の大きなボリュームゾーンを占めていた中高年層が、全体の比率の中でも大田区の比率の中でも減少してきたことは望ましいことではありますが、全国、大田区の特徴として若者の自殺は減少せず、大きな課題となっております。  自殺既遂者の遺族や未遂者、その家族等に対して東京都が行った調査をまとめた「若年層自殺実態把握調査報告書」によると、自殺企図に至る前に何らかの相談をしていた人は、全体の84.9%、そのうち、企図の1か月以内に何らかの相談をしていた人は31人、全体の58.5%でした。一度は相談しようとしたものの、企図までの1か月以内に相談行動をとらなかった理由としては、「周囲の大人への不信感」「ひきこもりの状態にあり、自殺企図の前は支援者とつながりにくい状態だった」、「本人の病識がなく、定期的な受診ができていない状態だった」等があるとのことでした。  未遂者に対し、自殺未遂直後に、「死ななかった」と気づいたとき、どう思ったかを聞いたところ、死ねなかったことを後悔する声が最も多く、次いで、「死ねないものなのだな」という受容的な回答だったとありますが、それから時間のたった「現在は、どう思っているか」との問いに対しては、死ななかったことを、生き残ったことをですね、肯定的に受けとめている声が最も多く、半数に上ったそうです。  適切な支援や相談相手を得たり、置かれている困難から解放されたりすれば、死ななくてよかったと肯定的に考える人が多いということは、すなわち適切な支援、信頼できる相談相手の確保によって、みずから死を選ぶ人を減らせることを示唆しています。この事実は、自殺対策に取り組む者にとって、本当に救いのある調査結果であると言えますが、さて、若者の自殺について考えたとき、社会経験の浅い若者は、地域や行政の相談機関とのつながりも薄く、啓発や支援の手が届きにくい傾向にあると予想できます。  2月16日の朝日新聞によると、足立区ではインターネットゲートキーパーという事業を予算に盛り込んだことが報道をされました。政府も無料通信アプリ「LINE」などを使ったSNSでの自殺相談事業を3月から開始をしました。  では、本区は平成30年度、どのような対策を行いますか、お答えください。 ◎渡邉 保健所長 委員お話のとおり、若者の自殺率が減少していない現状を踏まえ、若者に対する自殺対策を強化する必要がございます。  このため、平成30年度においては、新たに区内の大学と連携し、学生向けに心の健康づくりやゲートキーパーに関する講座を開催するとともに、今後の対策の参考とする学生に対しての意識調査を行うほか、学生自身による討議の場を設ける予定でございます。  あわせて、各種相談窓口やゲートキーパーの役割について、区報だけでなく、若者により身近なSNSを活用し広く周知するなど、若者に対する普及啓発を充実してまいります。 ◆荻野 委員 関連して、精神疾患について伺います。自殺対策基本法や自殺総合対策大綱においても指摘されているとおり、自殺には多様かつ複合的な原因・背景がありますが、厚生労働省の自殺対策白書によれば、自殺の中でも、「病気の悩み・影響(鬱病)」を原因・動機とする自殺は、減少傾向にあるものの健康問題の中で最も多く、平成27年においては、原因・動機が特定されている自殺の約3割を占めています。  自殺そのものだけではなく、見た目でも判別がしづらい鬱病や精神疾患などは、周囲になじめず、挫折感や自尊感情の低下などを生み、ひきこもりや精神疾患の重篤化、併発など様々な要因を生んでいきます。  文部科学省の子どもの自殺等の実態分析によると、中高生の児童・生徒の自殺が大きく学校的、家庭的、個人的背景と分けられる中で、個人的背景に属する精神科通院歴をもった方が13.5%、内閣府・警察庁の自殺統計でも、遺書などから判断できる要因として精神疾患にかかる、うつ、統合失調症、その他精神疾患は全体の15.6%です。  複数の省庁がそれぞれ行った調査でも、自殺と精神疾患が切っても切り離せない課題であることは明らかになっております。  さて、昨年末、大阪の民家で、衰弱死していた33歳の女性が発見された、痛ましい事件があったことは記憶にも新しいことと思います。精神疾患にかかっていたとされるこの女性は、15年以上にわたって家族の住む家の敷地内に監禁されていました。疾患名は統合失調症だったとの報道もあります。同級生が、異変に気づき何度も担任に訴えていたともされており、再発防止策とともに、精神疾患への理解と偏見が入りまじっている昨今、社会の様々な場面で、適切な相談、啓発、情報提供体制の整備の必要性が認識されました。  私も「もっと子どものころに自分の特性を理解していたら、違った人生があったかもしれない」という当事者のお話を何度もお聞きします。早い段階で自身の特性を受け入れ、理解する事が必要です。精神疾患の早期理解についての見解をお示しください。 ◎渡邉 保健所長 区は、これまでも個別に保健師による健康相談や精神科医師による専門相談を実施するとともに、精神疾患についての正しい知識の普及啓発を行ってきたところです。  統合失調症や鬱病などの精神疾患については、誰でもかかり得るものです。発症予防や重症化予防、社会復帰の観点から、早期発見・早期治療並びに治療の継続が大切です。  また、思春期は精神疾患を発症しやすい年代であることから、若者やその周囲の人に対する啓発が特に重要と考えています。  このため、平成30年度においては、これまでの取り組みに加え、若者、保護者及び教員を主な対象に、精神疾患の早期発見・早期治療をテーマとする講演会を新たに実施いたします。 ◆荻野 委員 また、この事件に関連して、教育についてもお伺いいたしますが、この事件が明らかにしたことからも、大田区は長期にわたって本人と連絡のとれない児童・生徒に対して、どのような対応を現在、行っていますでしょうか。お答えください。 ◎水井 教育総務部長 まず、区立小中学校に在籍する長期欠席の児童・生徒につきましては、学級担任をはじめ、校長、副校長、学年主任、生活指導主任、養護教諭、スクールカウンセラーがチームで本人や家庭と連絡や面談を行って解決を図るほか、必要に応じてスクールソーシャルワーカーが家庭訪問を行っており、全てのケースについて把握ができております。  住民登録があっても区立小中学校に就学しない児童・生徒につきましては、文書、電話による照会、自宅訪問及び関係機関への照会により、確認を行っております。  このうち、小学校就学年齢児については、多くが住民登録を残したまま海外転出をした児童であり、入国管理局の協力が得られるようになった平成26年度以降は、全ての児童の状況が確認できております。  また、中学校就学においては、ほとんどが、私立中学校に入学する場合に必要な教育委員会への届け出を怠っているケースであったことが判明しておりますが、繰り返し働きかけを行ってもご連絡いただけないままとなっているケースがわずかにございます。  今後は、中学生につきましても、全件把握に向けて、さらに取り組みを強化し、問題があるケースが発見された場合には、医療機関等にしっかりとつないでまいりたいと、このように考えております。 ◆荻野 委員 続きまして、地域での高齢者の支援について伺います。  私自身、所属する町会でのお餅つき大会での敬老祝いでお餅配りを行っておりまして、実際に80歳以上のご高齢の方のお宅にお餅をお配りさせていただく中で、のどに詰まらないように気をつけて食べてくださいということは、もちろん申し添えてやるのですけれども、体に不自由を抱えて単身、または高齢者2人だとしても、とても不自由な中、大変な中で暮らす方の多さを改めて認識いたしました。  また、このお餅配りは、地域の中で町会の皆さんで割り振って、それぞれ班に分けて配っていくのですけれども、その担い手が高齢化していると、自分の名前がそのリストに入っているのですね、80歳以上の方ということで、配る方たちが。そういったこともあって、大変だということもあって、昨年でこれが廃止されてしまったということから、地域を支える原動力であった自治会や町会を構成する方々の高齢化も激しく、このままでは地域社会の担い手も不足し、高齢者を取り巻く社会的環境も悪化していくだろうことを肌で感じました。  地域社会の維持あるいは介護予防などの観点から、今まで地域団体とのかかわりの薄かった方などにも、地域の中で様々な人とのかかわり合いを築き、とりわけ高齢者を支えていただくような取り組みが急務であると考えます。大田区は、平成30年度はどのように取り組んでいきますか。 ◎中原 福祉部長 超高齢社会が進行し、福祉ニーズが多様化、複雑化する中、国におきましては、世代を超えて支え合う、「我が事」「丸ごと」の地域共生社会の実現に取り組んでおります。  この現状を踏まえ、区は支え合いの地域づくりに向けて、担い手の発掘・育成と、自主的活動の支援が重要と考えております。  このため、平成30年度では、元気高齢者の方々のみならず、若い世代の方も受講している「生活支援サービス養成講座」を拡充し、区内四つの基本圏域にて開催します。講座の受講生は、大田区絆サービスの担い手として高齢者を支えていきます。  また、「大田区元気シニア・プロジェクト」では、地域ぐるみのフレイル予防にむけまして、コミュニティ会議を開催するにあたり、若い人も含めて、地域で活躍する様々な方々に参加していただけるよう、取り組んでまいります。  シニアステーションでは、事業開始以降、利用者数が顕著に増加しているなどの実績と強みを生かしまして、介護予防自主グループの育成に取り組んでまいります。  区は、引き続き地域包括支援センター、社会福祉協議会、大田区シルバー人材センターなどの関係各機関と連携を強化しまして、地域資源である人材を発掘・育成して、高齢者を支える取り組みを推進してまいります。 ◆荻野 委員 地域の担い手として、多くの方に参加していただけるような制度の構築となるよう求めます。  さて、ボランティアなど、地域の方によって地域の中で高齢者を支えていただくことも大切ですが、事業者や企業、経済団体などとの連携も必要不可欠です。  私の祖母も、昨年、介護疲れを苦に命を絶ってしまいましたが、高齢者の二人世帯や家族介護についての実態把握、課題解決も必要不可欠だと、改めて感じました。  大田区の事業所や商店街などとの連携についての所見をお示しください。 ◎中原 福祉部長 高齢者が住みなれた地域で安心して暮らし続ける、地域包括ケアシステムの構築には、区民、NPO団体、ボランティアはもとより、事業者や商店街等の様々な主体の参加が必要です。  このため、区は、高齢者を見守り、支え合う自主的な活動を行っている事業所や民間事業者と連携する仕組みであります、高齢者見守り推進事業に取り組みまして、JR蒲田・大森駅、バス会社、金融機関、薬局、商店街等、39の事業者が参加し、地域包括支援センターとの顔の見える関係を築いております。  また、高齢者の課題解決を行う地域ケア会議には、高齢者の生活に密着している医療機関や介護事業所等が出席しており、ケースの状況に応じては、商店街やスーパーの参加協力も得ております。  さらに、「元気シニア・プロジェクト」では、モデル地区の商店街やスーパー等と連携し、フレイル予防の取り組みを進めております。  こうした連携を深めるために、次期「おおた高齢者施策推進プラン」では、日常生活圏域を、特別出張所18地区に改め、特別出張所と地域包括支援センターとの連携をより強化し、「地域包括ケアシステム」の深化・推進を目指してまいります。 ◆荻野 委員 続いて、保育サービスについて伺います。  保育サービス基盤整備にも区は大きく予算を割いており、保育所等新規開設整備費として、今年度は28億7,343万円を計上、1,000名の定員増を見込んでおります。夫婦共働き世帯が大半を占め、ライフスタイルも多様化してきた昨今、保育サービスの一つとして保育園も大切な施策でありますが、一方で区としてどれだけの保育園を整備し、ほかのサービスと組み合わせ、全体の保育体制をどうつくっていくのかを区民に示していくことも必要です。  就学前人口と保育定員を割った保育所整備率は、来年度の目標である1,000名サービス定員拡充をもって49%になると予算概要には示されておりますが、区としてどのように目標を設定しておりますでしょうか。  また、我が会派には、保育園よりも在宅子育て支援充実を訴える議員もいますが、給与体系、育休などの取り組み方も区民の皆様は皆、違うのですから、認証園、保育ママほか様々なサービスも複合して、保育サービスを受けられるよう、バランスよく整備を行っていくことも肝要ではないでしょうか。お答えください。 ◎後藤 こども家庭部長 委員お話しいただいたとおり、来年度、新たに約1,000名の保育サービス定員を拡充いたしますと、平成31年4月時点での就学前人口に占める保育サービス定員は約49%になると見込んでおります。  この保育所整備率は、今後の待機児童数の状況にもよりますが、現在の保育園の利用状況等を踏まえますと、50%が一つの目安になるのではないかと考えております。  なお、東京都におきましても、平成28年9月の「待機児童解消に向けた緊急対策」の中で、平成31年、2019年度末までの保育サービス利用定員の整備目標を、就学前人口の50%としております。  また、認可保育園の申請におきましては、フルタイム就労者の申請が増えており、一次申請の段階ですが、基準値数が22点を超える申請は、昨年度が71.8%、今年度は73.6%と年々増加しております。  このような保護者の働き方の変化などに合わせ、今後の保育サービス基盤の整備にあたりましては、認可保育園のほか、認証保育所などの多様な保育サービスをバランスよく組み合わせた取り組みを進めてまいります。  引き続き、保育申請のご相談に来られる保護者に対して、それぞれのご家庭の保育ニーズに合った多様な保育サービスの提供に努めてまいります。 ◆荻野 委員 区の目玉事業として、大幅な定員増、施設整備も行うのですから、事業所とも協力して、住民、地域への説明、合意をより丁寧に行っていただきたいと、これは要望して、次に行きます。  続きまして、若者の感染症対策について伺います。  都内では、梅毒の患者数が激増、10年間で10倍以上に感染者が増えており、男性では1,218人、女性455人と国内患者数の37%を都内で占めています。妊娠中の感染による先天梅毒で子どもが生まれる症例も発見されており、都は平成30年度から感染拡大防止のための対策に本腰を入れる方針を示しましたが、大田区としても無視のできない問題です。  さて、大田区内在住の20歳以上の男女4,000人に行った第三次健康プランについてのアンケートでは、今回新たに追加された項目として、「性感染症への認知度」があります。  梅毒以外にもクラミジア感染症、淋病等の知識、また、コンドームの有効性について知っているという設問に対して、知っていると答えた方は9割いる中で、区の保健所での無料検診について知っている方は16%にとどまっています。  同アンケートで追加されたHIV、エイズの認知度についても、血液検査による発見やコンドームの有効性を知っている方は9割いる中で、早期に発見すれば普通の生活ができることを知っているは6割、保健所の無料検診を知っていることについては4割強と存在そのものの認知度と、実生活における対策法やサービスの存在についての認知度が大きく異なります。  感染症の名前についての認知度がありながら、実態や検診については知らないと、このような結果が出ている背景には、病気のことは知っていても、過去のこと、または自分自身からは遠いことのように思ってしまう方が多いのではないかというように推測できます。  区としましては、これは先ほどの自殺対策についてのことと同様ですが、性感染症についても若者への啓発を強化するべきではないでしょうか。お答えください。 ◎渡邉 保健所長 大田区では、HIVや梅毒等の性感染症検査を毎月無料匿名で実施しており、受検者数は増加傾向にございます。また、1時間程度で結果が判明するHIV即日検査は年1回実施しておりましたが、平成29年度より年2回とし、受検者数も増加しております。  無料検査の周知方法としては、区報、デジタルサイネージ、ツイッター、ホームページの複数の媒体を使用しております。また、若年層を対象として、エイズ予防月間での蒲田駅周辺におけるパンフレット配布、成人のつどいでのパンフレット配布も行っております。  さらに、中学生を対象とした性感染症予防に関する出張授業については、校長会でも周知をしており、今後対象を高校生などへ広げるかも含め、検討してまいります。
    ◆荻野 委員 続きまして、蒲蒲線、新空港線について伺います。  新空港線については、我が会派でも昨年より何度も質問を重ねてきました。大田区は、新空港線整備資金積立基金として、平成30年度予算でも引き続き10億円の積み立てを行い、新空港線の整備主体の設立のための出資金として、約1億8,000万円を計上しています。この出資金は、平成29年度も計上されておりますが、関係者間の合意に至らなかったため、本年度も再び計上がなされたものです。  新空港線は、大きく分けて区が整備案を既に示している、矢口渡駅の先から京急蒲田駅の地下まで整備をする1期工事と、そこから空港までをつなげる2期工事に分かれています。  平成30年大田区議会第一回定例会での、我が会派の三沢議員の代表質問への松原区長の回答にあるように、2期工事は技術的課題もあり時期は未定となっているため、2期工事の展望とは関係なく、まず1期工事に着手することになります。  しかしながら1期工事での整備では、以前のフリーゲージトレインによる乗りかえなしでの羽田空港への直通運転ではなく、京急蒲田駅の地下から地上2階、3階の京急線への乗りかえが必要となるだけではなく、東急線においても蒲田駅で多摩川線と池上線の地上、地下での乗りかえが必要になることも予想されます。この、地下からの乗りかえが必要になることを区はどのように周知をしていきますか。お答えください。 ◎黒澤 まちづくり推進部長 新空港線の整備概要につきましては、蒲田駅及び京急蒲田駅につきまして、地下駅から地上駅への乗りかえとなってございます。この両駅での乗りかえの形につきましては、これまでも区のホームページ、大田区新空港線整備促進区民協議会、そして各種地域イベントなどにおいて、第1期工事区間の整備イメージ図によりまして、区民の皆様に情報提供してまいりました。  委員お話のとおり、駅乗りかえの利便性は重要な課題であり、利用者にとって、より利用しやすい駅施設にする必要があると考えております。  したがいまして、バリアフリー化はもとより、最適な導線の検討が求められております。この課題につきましては、整備主体の設立後、具体的な整備計画を定めていく段階において、より詳細に検討していくこととなりますので、区は整備主体とともに、丁寧に情報提供を行ってまいります。今後も、整備実現に向けて、区民の皆様のより一層のご理解・ご協力がいただけるよう、取り組んでまいります。 ◆荻野 委員 続いて、利用者便益について質問します。  大田区は、新空港線の費用便益比は1.5と、基準値の1.0を大きく上回り、社会経済的に有意義な事業と評価できるものとしています。  費用便益比とは、具体的には目的地までにかかる時間短縮効果を「走行時間短縮便益」、事故が減少する効果を「交通事故減少便益」、燃費向上効果を「走行経費減少便益」として、それぞれを金額に換算して合算し「便益」とします。  一方、事業に要する工事費、維持管理費などの費用の合計を「費用」とし、「便益」を「費用」で割ったものを「費用便益比」とします。この便益費ですが、特に恩恵が大きいのは、頻繁に鉄道を利用する方々であり、現在懸念の声が上がっているのは、整備することによって、踏切遮断や乗りかえ等での移動の時間増加、人の移動の変化による商店街への影響など、多摩川線沿線や蒲田近辺などの整備区間に近い地域にお住まいの方々や事業を営む方々であると考えます。  区内へのメリットも示されているものの、区外の広範囲にメリットがあるという本計画に対して、大田区の税金が使われることにこうした方々は疑問があり、自分たちの生活が変わることへの懸念があるのではないでしょうか。区の認識をお聞かせください。 ◎黒澤 まちづくり推進部長 新空港線は、区内東西交通の移動利便性の向上はもとより、広域的な鉄道ネットワークが強化されるほか、災害時の代替ルートの役割も担うものでございます。  新空港線整備はこのように、区外に広範な利便性の向上を及ぼし、都市の防災性の向上にも寄与するものであることから、現在、東京都と適切な費用負担割合となるよう話し合いを進めております。  また、委員お話の地域の方々の懸念についてでございますが、新空港線整備による踏切遮断時間への影響などは重要な課題であり、今後整備を進めるにあたっては、これらの課題について、懸念を払拭していく必要があると認識してございます。  現在、多摩川線につきましては、既に改正踏切道改良促進法に指定された改良すべき踏切もございますので、これらの地域の課題をしっかり捉えながら進めてまいります。  おおた都市づくりビジョンに示すとおり、新空港線を軸として、まちづくりを一体的に行い、より安全で魅力的なまちになるよう、取り組んでまいります。なお、沿線の皆様には、今後の計画策定に向けてより丁寧な説明、情報提供を行ってまいります。 ◆荻野 委員 続いて、観光について伺います。  大田区は、平成26年に観光マーケティング調査を行いました。この調査の中では、様々なことがわかりましたが、その中で、残念ながら特に観光・インバウンドの視点から見ると、大田区は交通の拠点ではあるが、ただしそれ以上ではなく、単なる通過点となってしまっていることが判明しました。  大田区は昨年、国際都市宣言を行い、今回の予算でも来訪者受け入れ環境の整備関連、観光まちづくりの支援関連、おおたの観光魅力発信事業、観光情報センター等の運営、今、読み上げただけで2億円余の予算を計上していますが、インバウンド、外国や他地域から積極的に人を招き入れられるだけの大田区内の観光資源というと、なかなか厳しいものもあると思います。  区民の方が生活を豊かにするための区内観光ということとは異なり、また大きな視点で考える必要があるのではないでしょうか。つまり、大田区単体で完結する観光施策ではなく、首都圏の中での立地や交通状況、周囲からのイメージ、他区と比較した場合の強みなどを考慮した大きな枠組みで施策を考えていくべきだと考えますが、見解を伺います。 ◎近藤 観光・国際都市部長 大きな枠組みで観光施策を考えてみてはというお尋ねでございますが、他区と比較した場合、大田区の最大の強みでございますが、交通結節点の豊富さはもとより、羽田空港との近接性にあると考えております。この強みは、23区だけでなく首都圏においても唯一であると感じております。  また、地理的な優位性だけでなく、全国に先駆けて導入した特区民泊をはじめ、ホテル・旅館等、多様な宿泊施設と滞在環境を選択できることも大きな強みであります。  例えば、羽田空港を起点とした空港跡地、さらに臨海部に広がる水辺は、都心部とつながる魅力的なエリアであり、他自治体やこのエリアにかかわる多様な団体、事業者などと新しい取り組みを始めております。  こうした中での広域的な事業展開は、都心部のみならず、川崎や横浜をはじめ周辺エリアとのつながりにも可能性が期待できます。このような広域的展開で、本区のメリットを最大限にアピールし、蒲田・大森・羽田など区内の各エリアが、来訪者にまず「滞在地として選ばれること」が重要であると考えております。  一方、区の強みや魅力を既に認知いたしまして、宿泊地として区内を選んでいただいている来訪者には、それぞれの目的地を周遊する拠点としての利便性を実感していただき、区内での消費促進につながる活動を喚起するための取り組みを検討したいと思います。  これらを踏まえ、今年度に観光統計のマーケティング調査を実施しておりますので、この結果から見える区の状況を検証・分析し、他分野の各種計画やブランディング・シティプロモーションなど、他部局との連携を図り新たな観光振興プランを策定し、区における観光施策を着実に実施してまいりたいと思います。 ◆荻野 委員 続いて、文化振興についてお聞きします。  大田区の文化振興課は、スポーツ推進課と同様に平成28年4月1日付で設置されたばかりの新しい部局ですが、今回、文化振興プランの全面改定が行われるとお聞きしています。  区内で以前から様々な文化振興策を行ってきた文化振興協会との関係や、国際都市宣言をしたことなどもございますが、今回のプラン改定は、どのような考えで行うのでしょうか。お答えください。 ◎町田 スポーツ・文化担当部長 現在の大田区文化振興プランは、平成27年3月に策定され、計画期間は、平成30年度までとなっており改定の時期を迎えております。  プランの基本方針では、「区民の皆様が、文化活動を通じて地域への愛着と誇りを持ち、にぎわいのある暮らしを創造していくための取り組みを展開する」としております。  現行プラン策定後に、区は「国際都市おおた宣言」をし、本年度「大田区伝統工芸士」の認定も行いました。また、2年後には、スポーツの祭典であるとともに文化の祭典である東京2020オリンピック・パラリンピック大会が開催をされます。  そのような動きの中で区は、改定に向け現行プランの成果を検証し、策定後に生じた変化に対応するため、新たなプランの策定に着手をしてございます。  現在、区は本年度行いました区民や文化団体からのアンケート調査をまとめ、大田区文化振興推進協議会で課題の整理や検討を重ねているところでございます。  文化は、区民に生きがいや充実感を与えてくれるほか、観光、産業、福祉、まちづくり、教育などに幅広い効果をもたらし、まちの魅力を向上させる効果がございます。  区の新たな文化の指針となるよう、広く文化を捉え、大田区らしい、文化振興プランの策定を目指し、鋭意検討を進めてまいります。 ◆荻野 委員 最後に、防災についてお聞きします。  先日の大雪の際、私は道路交通網が麻痺している中、馬込から下丸子まで徒歩で帰宅をしました。帰宅まで1時間以上を要しましたが、自分が実際に歩くことで感じたことがありましたので、そのことも踏まえて、帰宅困難者対策や帰宅時の安全対策についてお聞きします。  区は大規模災害時の帰宅困難者向けの一時滞在施設の設置を行っており、都では対策としてコンビニエンスストアなどとの連携、条例において、乗降客数の30万人以上の大きな駅での協議会の設置も行っており、区内では蒲田駅が該当します。  こうした対策で対応できるよう、とどまってくれることには、こしたことがないのですが、都市部ならではの課題でありますが、多くの方が徒歩での帰宅を余儀なくされる場合も発生すると考えられます。  大きな災害が起きた場合、どのような公的支援を受けることができるのでしょうか。 ◎井上 危機管理室長 東日本大震災の際には、都内公共交通機関が一斉に運転を見合わせました。都心にいた人々が一斉に帰宅行動をとったことにより、緊急道路ネットワークの通行障害が発生するなど憂慮する事態に見舞われました。  こうした教訓から発災直後は、事業者の責任におきまして一斉帰宅を抑制することを原則としています。区は、帰宅困難者の安全のために、一時滞在施設の確保を進めており、現在、大田区民ホール、大田区産業プラザ、片柳学園等の12か所を指定してございます。  また、京急高架下倉庫には、帰宅困難者用を含めた毛布、食糧、飲料水などを備蓄しております。  一方、やむを得ず、徒歩で帰宅する場合の支援として、東京都が都立高校や協定を締結している主要道路沿いのコンビニエンスストア、ガソリンスタンド、レストラン等の事業所を帰宅支援ステーションとして設置してございます。これらの施設において徒歩帰宅者へ、飲料水、トイレ、帰宅支援情報などを提供することとしております。  区といたしましては、都と連携いたしまして、区内の徒歩帰宅者に対し、帰宅支援ステーションなどの設置場所の情報などを提供してまいります。 ◆荻野 委員 大規模災害時は事業所や大学などとも協力し、緊密な連携のもとで対処することが必要です。安全面では、事業者や店舗には従業員や顧客の帰宅抑制、一時的な滞在という点も考慮していただかなければなりません。  大変ではありますが、すぐに帰宅をするのではなく、被災時の災害対策、協力としてお店をあけてもらい、事業を継続していただかなければなりません。  また、悪天候や事故に対する都内の交通インフラの脆弱性なども指摘されています。公共交通への依存度の高い首都圏では、半日ないし数時間単位で公共交通が大きく影響を受ける場合には、暫定的に事業所や学校などにとどまってもらう必要性がありますが、先ほどのとおり、徒歩での帰宅を選択される方もいるかと思います。その場合、多くの方がなれない裏道などではなく、幹線道路沿いに目的地を目指すと予想されます。  災害時の幹線道路上の経路安全対策、一時滞在施設の増設も必要です。区として、大規模災害時の帰宅抑制や徒歩帰宅者の安全対策についてどのようにお考えでしょうか。お答えください。 ◎井上 危機管理室長 災害時の帰宅抑制や徒歩帰宅者の安全対策は、区の行政エリアを超えるため、国や都をはじめ、隣接自治体、警察、消防、事業者との協力・連携のもと、安全を確保していくことが重要でございます。例えば、警察は交通規制や公共の安全と秩序の維持にあたり、また消防は、火災情報等の伝達などを行い、徒歩帰宅者の安全を確保します。  先ほど申し上げたとおり、災害時の徒歩帰宅は延焼火災や治安の悪化などにより犯罪に巻き込まれる危険が想定されるため、むやみに移動させないことが安全対策の基本となります。やむを得ず災害直後に徒歩帰宅者が発生した場合、区は、都や警察・消防など、関係機関と連携し、徒歩帰宅者の安全を確保してまいります。  また、区は平時においても、災害時の従業員の帰宅抑制など、事業者向けのハンドブック作成や講演会を実施し、事業者の責任について啓発を行っております。 ◆荻野 委員 以上で、質問を終わります。 ○深川 委員長 以上で、総括質疑を終結いたします。  次に、第1号議案 平成30年度大田区一般予算、歳入の審査を行います。  なお、説明及び質疑につきましては、全ての款を一括してお願いしたいと思いますので、ご承知願います。  理事者の説明を求めます。 ◎谷口 財政課長 それでは、大田区各会計予算事項別明細書、こちらでございます。こちらで説明させていただきます。  38ページをご覧ください。一般会計の歳入でございます。  第1款特別区税、平成30年度728億4,967万6,000円で、前年度比24億568万4,000円の増です。  第1項特別区民税、本年度677億8,348万円で、27億5,883万9,000円の増です。  第2項軽自動車税、本年度3億1,236万8,000円で、1,217万2,000円の増です。  第3項特別区たばこ税、本年度47億3,975万6,000円で、3億6,499万2,000円の減です。  40ページでございます。第4項鉱産税、本年度1,000円で、前年度と同額でございます。  第5項入湯税、本年度1,407万1,000円で、33万5,000円の減です。  第2款地方譲与税、本年度20億2,700万1,000円で、1,400万円の増です。  第1項自動車重量譲与税、本年度6億7,400万円で、2,200万円の減です。  第2項地方道路譲与税、本年度1,000円で、前年度と同額でございます。  第3項航空機燃料譲与税、本年度10億7,100万円で、4,000万円の増です。  第5項地方揮発油贈与税、本年度2億8,200万円で、400万円の減です。  第3款利子割交付金、本年度2億3,800万円で、9,500万円の減です。  第4款配当割交付金、本年度11億1,300万円で、1億4,200万円の減です。  第5款株式等譲渡所得割交付金、本年度7億7,500万円で、9,200万円の減です。  42ページでございます。第6款地方消費税交付金、本年度132億700万円で、26億2,300万円の減です。  第7款自動車取得税交付金、本年度6億4,500万1,000円で、9,399万9,000円の増です。  第8款地方特例交付金、本年度4億5,600万円で、4,100万円の増です。  第9款特別区交付金、本年度730億3,400万円で、42億8,200万円の増です。  第10款交通安全対策特別交付金、本年度6,200万円で、800万円の減です。  第11款分担金及び負担金、本年度29億3,429万円で、3億9,211万4,000円の増です。  44ページでございます。第12款使用料及び手数料、本年度89億2,222万8,000円で、2億3,505万2,000円の増です。  第1項使用料、第1目総務使用料から50ページの第8目教育使用料まで合わせまして、本年度77億6,671万7,000円で、2億1,885万9,000円の増です。  52ページでございます。第2項手数料、第1目総務手数料から56ページの第7目教育手数料まで合わせまして、本年度11億5,551万1,000円で、1,619万3,000円の増です。  第13款国庫支出金、本年度492億2,959万7,000円で、19億4,091万8,000円の増です。  第1項国庫負担金、第1目福祉費負担金から第3目教育費負担金まで合わせまして、本年度445億1,247万6,000円で、10億7,933万9,000円の増です。  第2項国庫補助金、第1目福祉費補助金から60ページの第9目環境清掃費補助金まで合わせまして、本年度47億591万8,000円で、8億6,215万1,000円の増です。  第3項国庫委託金、第1目総務費委託金から第3目衛生費委託金まで合わせまして、本年度1,120万3,000円で、57万2,000円の減です。  第14款都支出金、本年度194億6,057万5,000円で、32億8,029万7,000円の増です。  第1項都負担金、第1目福祉費負担金から62ページの第4目教育費負担金まで合わせまして、本年度96億7,407万4,000円で、9億6,806万8,000円の増です。  第2項都補助金、第1目総務費補助金から66ページの第8目環境清掃費補助金まで合わせまして、本年度83億6,686万2,000円で、25億1,541万2,000円の増です。  第3項都委託金、第1目総務費委託金から68ページの第6目教育費委託金まで合わせまして、本年度14億1,963万9,000円で、2億318万3,000円の減です。  第15款財産収入、本年度3億4,205万1,000円で、950万9,000円の増です。  第1項財産運用収入、第1目財産貸付収入から70ページの第3目基金運用収入まで合わせまして、本年度3億4,202万1,000円で、1,404万2,000円の増です。  第2項財産売払収入、第1目不動産売払収入と第3目物品売払収入を合わせまして、本年度3万円で、453万3,000円の減です。  第16款寄附金、本年度2億9,178万7,000円で、3,464万9,000円の減です。  第17款繰入金、本年度189億5,710万9,000円で、46億9,217万6,000円の増です。  第1項基金繰入金、第1目財政基金繰入金から72ページ、第29目国民健康保険出産費資金貸付基金繰入金まで合わせまして、本年度189億5,710万8,000円で、46億9,217万6,000円の増です。  財政基金繰入金は、本年度115億1,830万7,000円で、43億8,217万6,000円の増です。
     第2項特別会計繰入金、本年度1,000円で、前年度と同額でございます。  第18款繰越金、本年度20億円で前年度と同額でございます。  74ページでございます。第19款諸収入、本年度56億3,215万8,000円で、3億2,543万6,000円の増です。  第1項延滞金、加算金及び過料、本年度2億7,631万円で、2,709万6,000円の減です。  第2項特別区預金利子、本年度56万3,000円で、1,000円の増です。  第3項貸付金元利収入、第2目土地開発公社貸付金収入から第15目大森赤十字病院改築支援貸付金元利収入まで合わせまして、本年度15億2,801万2,000円で、4,654万1,000円の増です。  第4項受託事業収入、76ページ第1目福祉費受託収入から第8目総務費受託収入まで合わせまして、本年度13億568万6,000円で、5,342万8,000円の増です。  第5項収益事業収入、本年度1億円で、1,500万円の増です。  第6項事務処理特例交付金、本年度8億5,700万円で2億700万円の増です。  78ページでございます。第7項雑入、第1目滞納処分費から80ページの第14目雑入まで合わせまして、本年度、15億6,458万7,000円で、3,056万2,000円の増でございます。  82ページでございます。第20款特別区債、第1項特別区債、第1目福祉債から第8目環境清掃債まで合わせまして、本年度66億円で、22億円の増です。  以上で、一般会計歳入の説明は終わります。 ○深川 委員長 歳入には、質疑の通知がありませんので、歳入の審査を終結いたします。  次に、一般会計予算歳出の款別審査に入ります。  初めに、第1款議会費の審査に入ります。  理事者の説明を求めます。 ◎谷口 財政課長 それでは、事項別明細書、84ページでございます。一般会計の歳出です。  第1款議会費でございます。本年度10億7,530万1,000円で、3,215万円の減です。  第1項議会費は、款と同額でございます。第1目議会費、本年度9億824万4,000円で、2,221万3,000円の減です。主なものは、右側85ページ、1番、議員人件費で、1,487万8,000円の減です。  第2目事務局費、本年度1億6,705万7,000円で、993万7,000円の減です。ただいま、議員人件費について触れましたので、人件費全体についてご説明いたします。  264ページをご覧ください。給与費明細書のうち、特別職でございます。一番左側の区分欄をご覧いただきますと、年度の欄がございまして、次に、長等、議員、その他、計となってございます。それぞれに右に移りますと、職員数、給与費、共済費となってございます。給与費及び共済費を合わせますと、本年度の額は合計で44億1,495万6,000円でございます。前年度との比較では、一番下の欄、合計で2億935万3,000円の減となってございます。  266ページをご覧ください。一般職でございます。上段の総括でございますが、本年度の欄、職員数3,851人、60人の減でございます。右側267ページの合計は、給与費と共済費を合わせまして374億9,243万円で、5,141万9,000円の増でございます。  その下の表は、職員手当等の内訳でございます。268ページからは、給料及び職員手当等の増減額の明細等について触れてございます。後ほど、ご覧いただければと思います。  第1款議会費の説明は、以上でございます。 ○深川 委員長 この款には、質疑の通知がありませんので、第1款議会費の審査を終結いたします。  次に、第2款総務費の審査を行います。  理事者の説明を求めます。 ◎谷口 財政課長 それでは、事項別明細書、88ページでございます。  第2款総務費でございます。本年度407億9,537万2,000円で、48億7,081万9,000円の増です。第1項総務管理費、本年度238億1,847万1,000円で、24億4,916万6,000円の増です。第1目一般管理費、本年度85億4,799万5,000円で、2,376万9,000円の増です。  90ページでございます。第2目人事厚生費、本年度32億6,602万4,000円で1億1,664万1,000円の減です。主なものは、右側91ページ、9番、再任用職員の雇用で、1億922万6,000円の減です。  92ページでございます。第3目庁舎管理費、本年度21億1,313万円で、6億2,704万2,000円の減です。主なものは、右側93ページ、1番、本庁舎関係の(1)本庁舎(分室等を含む)で、6億5,376万3,000円の減です。第4目広報広聴費、本年度2億7,229万9,000円で、1,175万9,000円の増です  94ページでございます。第5目財政管理費、本年度394万円で、22万9,000円の増です。第6目会計管理費、本年度7,066万5,000円で、683万4,000円の増です。  96ページでございます。第7目財産管理費、本年度3億2,031万5,000円で、6億1,988万3,000円の減です。主なものは、右側97ページ、2番、普通財産撤去工事で、6億1,888万5,000円の減です。  96ページに戻っていただきまして、第8目土地対策費、本年度53億8,627万4,000円で、26億6,446万円の増です。主なものは、右側97ページ、1番、土地開発公社関係費の(2)土地開発公社貸付金で、26億5,891万9,000円の増です。  96ページでございます。第9目企画経営費、本年度7,746万9,000円で、1,357万7,000円の増です。  98ページでございます。第10目電子計算費、本年度25億9,809万4,000円で、7億1,678万1,000円の増です。主なものは、右側99ページ、2番、情報システムの運営で、6億6,866万4,000円の増です。  98ページの第11目施設管理費でございます。本年度1億2,886万6,000円で、4,487万円の増です。主なものは、右側99ページ、1番、大田区公共施設整備計画の推進で、4,214万2,000円の増です。  100ページでございます。第12目防災対策費、本年度10億3,340万円で、3億3,045万3,000円の増です。主なものは、右側101ページ、13番、備蓄倉庫管理で、3億4,552万6,000円の増です。  第1項総務管理費は、以上でございます。  続いて、104ページでございます。第2項地域振興費でございます。本年度79億4,397万3,000円で、21億3,432万1,000円の増です。第1目地域振興総務費、本年度27億5,319万5,000円で、2,111万2,000円の減です。  106ページでございます。第2目区民施設費、本年度6億22万7,000円で、4,967万3,000円の増です。主なものは、右側107ページ、2番、公共施設利用システムの運用管理で、6,299万4,000円の増です。  106ページでございます。第3目消費行政費、本年度4,685万2,000円で、11万円の増です。  108ページでございます。第4目区民協働費、本年度10億9,940万1,000円で、8億1,875万円の増です。主なものは、右側109ページ、8番、平和島ユースセンター管理運営費で、8億1,632万4,000円の増です。  110ページでございます。第5目特別出張所費、本年度13億7,445万4,000円で、8,290万9,000円の減です。主なものは、右側111ページ、2番、区民センター管理運営費で、1億4,653万8,000円の減です。  112ページでございます。第8目複合施設建設費、本年度20億6,984万4,000円で、13億6,980万9,000円の増です。主なものは、右側113ページ、1番、羽田地区公共施設の整備で、7億6,879万7,000円の増です。  第2項地域振興費は、以上でございます。  続いて、114ページでございます。第3項観光国際費でございます。本年度54億2,519万6,000円で、3億2,930万4,000円の増です。第1目観光国際総務費、本年度6億7,747万1,000円で、9,592万7,000円の増です。第2目観光振興費、本年度、2億1,371万3,000円で、293万円の増です。主なものは、右側115ページ、2番、おおたの観光魅力発信事業で、998万1,000円の増です。  116ページでございます。第3目文化国際費、本年度18億2,618万7,000円で、7,039万1,000円の減です。主なものは、右側117ページ、10番、文化施設管理運営費で、1億8,429万5,000円の減です。  118ページでございます。第4目スポーツ振興費、本年度24億8,456万2,000円で、4億6,669万7,000円の増です。主なものは、121ページ、20番、大田スタジアム維持管理で、6億440万円の増です。  122ページ、第5目文化施設建設費、本年度2億2,326万3,000円で、1億6,585万9,000円の減です。  第3項観光国際費は、以上でございます。  続きまして、124ページ、第4項区民費でございます。本年度14億3,205万1,000円で、1億5,865万5,000円の増です。第1目区民総務費、本年度6億693万円で、332万5,000円の減です。第2目戸籍住民費、本年度8億2,512万1,000円で、1億6,198万円の増です。主なものは、右側125ページ、3番、住民基本台帳、印鑑証明等事務経費で、1億7,301万3,000円の増です。  第4項区民費は、以上でございます。  続きまして、128ページ、第5項徴税費でございます。本年度19億94万5,000円で、1,910万1,000円の減です。第1目税務総務費、本年度13億5,334万3,000円で、1,844万2,000円の減です。第2目賦課徴収費、本年度5億4,760万2,000円で、65万9,000円の減です。  第5項徴税費は、以上でございます。  続いて、132ページでございます。第6項選挙費でございます。本年度1億4,140万8,000円で、2億991万7,000円の減です。第1目選挙管理委員会費、本年度1億2,199万6,000円で、1,612万8,000円の減です。  134ページでございます。第2目選挙啓発費、本年度185万9,000円で、2万8,000円の増です。第3目選挙執行費、本年度1,755万3,000円で、1億9,381万7,000円の減です。  第6項選挙費は、以上でございます。  続いて、136ページでございます。第7項監査委員費でございます。本年度1億3,332万8,000円で、2,839万1,000円の増です。第1目監査委員費は、項と同額でございます。  第7項監査委員費は、以上でございます。  以上で、第2款総務費の説明を終わります。 ○深川 委員長 会議が長時間にわたりましたので、しばらく休憩いたします。                午後 3時01分休憩                午後 3時30分再開 ○深川 委員長 ただいまから、予算特別委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、第2款総務費の審査を行います。この款には、自民、公明、共産、無印、民進、フェア民、改革、無所属から通知がありますので、順次これを許します。  それでは、自民の質疑に入りますが、伊佐治委員の質疑に際しまして、資料の使用を許可するとともに、タブレット型端末に配信いたしましたので、ご了承願います。  それでは、自民、質疑願います。 ◆伊佐治 委員 自由民主党大田区民連合の伊佐治剛でございます。平成30年度大田区予算案概要の附属資料、予算編成過程の公表、皆さんは、タブレット端末でご覧をいただきたいと思うのですが、一般会計当初要求時の歳入と歳出の乖離が約208億円、企画経営部長査定後要求額時については、乖離が約174億円、そして、この予算案では、115億円が財政基金から繰入額となり、見た目上は、選択と集中が徹底されて、緊急性、必要性、経費の妥当性を検討して、予算が圧縮されたと見ることもできます。  しかし、財政基金繰入金分を除いた歳入額は、当初要求時点から53億円増加としているわけですから、財政基金繰入金115億円と53億円をプラスすると168億円となりまして、予算編成過程における実際の予算の圧縮額については、当初要求時から40億円程度であったということが見てわかると思います。  また、歳出を部局別に見ていきますと、これも予算編成過程の中で、136ページに書いてあるものですが、18部局のうち、12部局は、予算として増額となっております。これは、昨年に比較をしてです。それで、地域力推進部、福祉部、こども家庭部、まちづくり推進部につきましては、当初要求時の予算と比較をすると、区長査定時、予算案ができた時点では、予算が、そもそもの当初要求時よりも大きく増加をしている状況にあるわけです。  もちろん待機児童対策であったり、障がい、そして、介護の部分で充実をしていかなければならないということは、もちろんわかるわけでありますが、しかしながら、本来であれば、この大田区の予算案概要13ページには、今後の区の財政の見通しと区の取り組みとして、このように書かれています。  地方税の不合理な偏在是正措置が拡大され、引き続き社会保障関連経費は、高い水準で推移、公共施設の更新時期の集中が区財政に大きな影響を及ぼす。それに対する対策として、財政規律の維持、公共サービスの効率化など、三つの視点、経常経費削減や行政評価に基づく事務事業の見直しを進め、持続可能で安定的な行財政運営を行うと書いています。  今回の予算編成におきまして、まさにこうした方向性に従った予算編成ができたのかどうか、お答えください。 ◎谷口 財政課長 平成30年度の予算編成にあたりましては、おおた未来プラン10年(後期)の総仕上げの年となることですとか、また、公共施設の更新経費が集中する時期を迎えていること。  また、待機児童対策としての私立認可保育園の運営費など、社会保障経費の増などによりまして、当初要求以前から歳出予算の大幅な伸びを想定してございました。  このような状況を踏まえまして、予算編成における財政規律の維持、資源配分の効率化、公共サービスの効率的な供給、この三つの視点を強く意識することが、予算編成方針で示されまして、予算査定におきましては、それらの視点の反映状況を確認の上、予算査定を進めてまいったところでございます。  具体的には、財政規律の維持の観点では、特定財源の確保を徹底いたしまして、当初要求段階から一般財源の所要額を大幅に削減してまいりました。  また、資源配分の効率化という観点では、前年度決算額を踏まえた経費の精査ですとか、各委託内容の見直し、また、29年度末で廃止になる施設の備品の有効活用など、経常経費の精査も進めてまいりました。  公共サービスの効率的な供給の観点では、外部サイトである子育てナビの区のホームページへの統合ですとか、まちづくり推進部の各課が管理しておりますまちづくりに関する情報を一元化しまして、窓口を閲覧コーナーとして統合するなどの経営改革にも取り組みました。  さらに、施策評価では、おおた未来プラン10年(後期)の施策の成果を総点検した上で、重要施策の区長ヒアリングの指示事項等につきまして、予算要求の段階から的確に予算に反映させたところでございます。  このように、予算要求段階、査定段階、それぞれにおきまして、全庁を挙げて予算編成方針に基づく歳出削減や歳入確保の努力を進めまして、予算編成をしたところでございます。 ◆伊佐治 委員 今のご答弁をいただいた中では、事例として大小は、気にしないにしても、そもそも考えていた三つの大きな柱のもと、予算編成ができたということで、ご理解をさせていただきたいと思います。  それでは、今いただいた答弁をもとに、大田区における事業の廃止削減、そして、補助金のあり方について質問をさせていただきたいと思います。  予算特別委員会資料財政関係35ページ、財政関係、これも皆さんのタブレット端末に入っていると思いますので、こちら、35ページをご覧いただきたいと思います。  この中では、平成30年度予算で、廃止・縮小等により見直した事業について書かれておりまして、ここに記載がある事業は、昨年の答弁でもお聞きをしたとおり、年度途中で廃止をしたものであったり、事業の一部を廃止したものについては、基本的にここには掲載されていないということでご答弁をいただいております。  ただ、予算の適正性を判断する上で、年度途中の事業の縮小・廃止についても、やはりこうした資料には、明確に記載をしていただきたいのですが、いかがでしょうか。 ◎谷口 財政課長 予算管理におけます事業単位につきましては、それぞれの事業の目的ですとか、効果を踏まえまして整理をしているところでございます。  なお、現状におきましては、この予算特別委員会資料におきましては、50%以上予算額を縮小した事業についても、お示ししているところでございますが、委員お話のとおり、年度途中での事業廃止、また、事業を構成する中での一部廃止などを明らかにすることは、予算編成の透明性の向上にもつながりますことから、予算管理上の事業単位のあり方を含めまして、今後の検討課題と認識しております。 ◆伊佐治 委員 どんな予算を組んだだけではなくて、やはり、どれくらい予算を削減できたのか、どういう事業を見直すことができたのかというのは、予算審議の中で重要な審議事項になってきますので、今、答弁の中でご検討をいただけるということでお話をいただいたわけですから、適切な対応をいただきたいと思います。  それで、この財政関係資料にある廃止・縮小全65事業を理由別に分類をさせていただきました。事業の終了・完成に伴う廃止・縮小が26件、事業の組みかえ移行が8件、その他、工事料削減による補助金の減、金額調整の年のため、また、施設の休館など個別の事由による廃止縮小が19件など、担当部局の努力というよりも必然的にこの廃止削減をされたもののほうが、多い印象を受けるわけであります。  もちろん中には、駅前滞留者対策の時間外手当の精査による削減18万円、寿ハイキングの実施回数の削減208万円、産業支援事業の民間への自主事業への変更389万円、新空港線整備促進事業の広報経費見直しで237万円余と、担当の努力を感じる部分もあるわけでありますが、どこまでこの「選択と集中」という言葉を考えながら、適正な事業のあり方を検討していくことができたのかということを考えていきたいと思います。  年度途中で廃止をした事業を含め、部局の努力によって幾らの予算が削減されたのか、お答えください。 ◎谷口 財政課長 予算要求時点におきます部局内での予算見積もりの精査は、多岐にわたっておりますことから、各部局の努力による予算削減額を総額としてお示しするということは、困難なところでございますが、要求のあった予算につきましては、部局ごとに予算編成方針との整合性を確認しているところでございます。  具体的には、要求段階での経費圧縮の例といたしましては、街路灯等のLED化による光熱水費の圧縮など、比較的規模の大きなものから、消耗品の数量の精査など、規模の小さなものまで、各部局が精査していることを要求時点で確認しているところでございます。  これらの各部局の要求段階での努力を前提といたしまして、さきにご説明させていただいたとおり、この行政需要の大幅な増によって、29年度当初予算額と比較して、210億円余の増となった当初予算要求についてでございますが、こちらを各部局と財政当局が双方の協議によって査定を進めた結果として、歳出要求額については、約41億円の減としているところでございます。  したがいまして、少なくともこの約41億円と予算要求以前に部局において削減をした金額を合わせたものが、部局の努力による予算削減額であると捉えております。 ◆伊佐治 委員 今、ご説明の中でもありましたとおり、単純計算をしても約40億円という削減額が、実際、数字として出てくるわけでありますが、ただ、昨年度の当初予算、2,619億円から比較、また、今、お話しいただいた具体例から考えても、まだまだ削減効果というものが、十分形として示せていないのかなというところを感じるわけであります。  同じような視点で、今度は、毎年、その取り組みを精査させていただいている補助金等についてでありますが、また、先ほどの予特資料財政関係の41ページ、補助金を含む各種分担金を見ていただきたいと思うのですが、皆さんは、お手元にあるタブレットの資料1をご覧いただきたいと思います。  それで、デジタルサイネージをご覧の皆さんは、きっと見えないと思いますので、こちらパネルを準備いたしましたので、こちらをご覧いただければ幸いに存じます。
     それで、一部臨時福祉給付金であったり、選挙関係費用、福祉施設の整備補助金などを除いて考えさせていただきました。これを入れてしまうと、その時々の状況によって大きく数字が変化をしてしまうので、そうした点で除かせていただいたものであります。  このうち、予算の増減がなかったのが229件、平成29年度予算と比較して、減額となった項目106件、これは、括弧の中は昨年の数値であります。  それで、廃止となった項目が21件、平成29年度予算と比較して、増額となった項目が112件、平成30年度予算の新規項目23件、増額分と新規分を足した全体としての増額が12億1,000万円、減額分が5億8,000万円程度であります。  正直言うと、私は、手計算で去年と同じく計算をしておりますので、多少、計算ミスとかがあるかもしれませんが、大体大枠として状況がつかめるかと思います。  これは、分担金もそれ以外の例えば、負担金を含むわけでありますから、これだけのデータを見ただけで、補助金の改革が進んでいないということは、言うつもりはないわけでありますが、増え続けるこの補助金を含む分担金等の状況について、区としては、どのような分析をされているのか、お答えください。 ◎谷口 財政課長 社会経済状況の変化を背景に、区民ニーズの多様化が進んでいる現状でございます。こうした中、区といたしましては、限られた財源を有効に活用しまして、区民サービスのさらなる向上とコストの縮減を図る必要がございます。  このため、民間にできることは、民間に委ねるということを基本にしまして、多様な主体で区民ニーズに応える仕組みづくりを区は進めてございまして、補助金は、民間に委ねる事業手法の一つの有効なツールとなっているところでございます。  一方で、公益的な成果が、補助金を受けた団体等の行動に委ねられるなどの補助金特有の性質から、他の事業とは異なる観点からの検証が必要であるため、平成28年3月に策定した大田区補助金適正化方針に基づいて、適正化に向けた取り組みを進めているところでございます。  今後も、補助金につきましては、多様化・複雑化する区政課題解決に向けた事業執行の一手法といたしまして、活用される傾向にあると認識してございますが、引き続き補助事業の適正化に向けた不断の取り組みを進めていくことで、効率的かつ効果的な事業執行を実現してまいります。 ◆伊佐治 委員 もちろん民間にできることを民間に移行する上で補助金を使いましょうということについては、十分理解をさせていただいているところでありますが、昨年も両副区長名で予算編成に関しての方針が出されている中で、その中でも、新規事業をやる場合には、基本的にこれまでの事業を見直して予算を捻出しましょうというルール決めをしていたわけであります。  なおかつ、補助金適正化方針に従って取り組みをこれまでも進めてきたのに、なぜ補助金の額がこんなに増えてしまうのかということを見ていくと、本当に適正化が進んでいるのかということに疑問を感じざるを得ないわけであります。  それで、ここで幾つかピックアップをして見ていきたいと思います。予算編成過程という観点で説明をいただきたいのですが、予算資料、先ほど、財政関係47ページになるのですね。  47ページ、総務費、国際都市おおたフェスティバルin「空の日」羽田事業の補助金について、これは、昨年は、約1,000万円程度の予算で実施をしていたと思いますが、今年度、この補助金事業を見ていきますと、2,282万円余が計上されています。予算編成過程の公表の中でも、個別事業としての明示がないわけでありますが、それぞれの査定過程の中で、どのような判断がなされたか、お答えください。 ◎谷口 財政課長 国際都市おおたフェスティバルin「空の日」羽田事業につきましては、国際都市おおたの実現に向けまして、区民のおもてなし機運及び国際感覚の醸成を図り、官民が一体となった国際都市おおたの魅力及び存在感の発信を目的としてございます。  当初要求の段階では、こちらは、会場の見込みが立っていなかったことから、具体的な積算ができず、要求保留となってございました。企画経営部長査定の段階におきまして、国土交通省の協力によって、複数の会場候補地の提案を受けて検討に入り、諸条件の調整を行いましたが、具体的な積算には至らず、引き続き要求保留となっていたものでございます。  その後、区長査定の段階において会場の見込みがついたことから、見積もり条件を精査の上、必要額を予算計上いたしました。  なお、会場につきましては、平成29年度及び来年度、30年度ともに羽田空港旧整備場地区での開催を予定してございますが、今年度の開催にあたって寄せられた意見を踏まえまして、車椅子やベビーカーでの移動にあたって整地が必要であると判断したことですとか、また、食品衛生における設備要件として、大型給排水設備の設置が必要となったということから、平成30年度予算は、前年度比で増額となっている状況でございます。 ◆伊佐治 委員 今年度、減額された予算の中でも、とてもいいイベントだったと私は思うのです、見せていただいて。  ただ、今いただいた理由だけで1,200万円も予算が増額になるというのを、本当に区民の皆さんが理解をできるのかというところを、しっかりと考えていかなければならないと私は思っています。  もう少し事例を出していきたいと思うのですけれども、50ページの社会福祉センター共益費等の増785万円余。59ページ、公益財団法人大田区産業振興協会運営費、事業費補助の合計で、1,880万円余の増額。同じく独立行政法人日本貿易振興機構海外研修費で134万円余の新規事業。62ページ、日本工学院地下自転車等駐車場負担金の518万円増。70ページ、教育費の外国人学校保護者補助金に、237万円余の増について、その理由を説明してください。 ◎谷口 財政課長 各部局からの増額要求にあたりましては、その内容を十分精査した上で予算計上してございますが、委員お話しの部分につきましては、それぞれ、今から申し上げます理由で増額となっているところでございます。  社会福祉センター共益費等の負担金につきましては、降圧ケーブル更新工事やLED化工事等の特別修繕にかかる経費が計上されていることから増額となってございます。  産業振興協会運営費、事業費補助につきましては、繁盛店創出事業ですとか、国内見本市への出展支援に係る助成金の増などの影響で増額となっているところでございます。  また、日本貿易振興機構海外研修費につきましては、日本貿易振興機構に派遣されております区職員の海外研修分につきまして増額となっているところでございます。  また、工学院地下自転車駐車場負担金につきましては、自転車駐車場管理機器の更新の予定がございますことから、その部分で増額となっているものでございます。  最後に、外国人学校保護者補助金につきましては、外国人学校に在籍する児童・生徒等の人数が増えたため、増額となっているものでございます。 ◆伊佐治 委員 今、こうやって理由を聞いてみると、確かに、増えざるを得ない状況なのだなとわかるものも幾つかあるわけであります。  だからこそ、逆に言えば、何で補助金が増えたのか、減ったのかというのは、もっと明確にこの予算委員会には示していただきたいというところで、先ほど述べました廃止・縮小の事業の部分に関しては、基本的にこれは、一覧で何で廃止・縮小をしたかということが全部書かれているのです。  それに対して、補助金については、基本的に根拠となる要綱については触れられているのですが、何で減ったか、何で増えたか、全くわからないのです。  だからこそ、やはりこの予算委員会に出される資料については、基本的に、要綱は調べればわかることですから、何で減ったのか、何で増えたのかというのをしっかりとちょっとこの資料上、明示をいただきたいと思います。  それでは、時間も大分押しては来ましたが、幾つかの補助金について、年度での予算の変化を見ていきたいと思います。  それで、再度、ちょっとパネルを出させていただくのですが、皆さんは、お手元のタブレット端末の資料2をご覧いただきたいと思います。  この資料を見ていただくと、何を言いたいかと言いますと、まず、地域安全安心パトロール活動助成金は、平成28年度が当初予算230万円、29年度当初も230万円、それで、平成28年度の決算を行ったところ、128万円余、執行率56.0%で、最終的に平成30年度の予算は、215万円に減額をされているわけであります。普通に見れば、執行率は低いし、これまで実績もそんなになかったものであったから、最終的に減額予算を組むというのが、本来のこの補助金の姿としても当然の姿であると思うのですが、実は、逆のパターンもいっぱいありまして、例えば、公益財団法人大田区文化振興協会事業費補助につきましては、8,742万円、平成28年度当初計上されていたのが、29年度には、8,517万円、平成28年度決算時には、7,635万円余、執行率87.3%であるにもかかわらず、平成30年度には、予算案として8,718万円余が計上されています。  同様に、新・元気を出せ!商店街事業補助金についても、28年度は、2億7,537万円余で、29年度も、2億8,491万円余。それで、28年度の決算を行ったところ、執行率は、たった56.3%で、1億5,507万円余なのに、当初予算については、3億1,484万円計上されているわけであります。  この公益財団法人大田区体育協会の運営費補助については、同様に見ていただければ結構であるわけでありますが、本来、考えてみれば、執行率が低ければ、ある程度、年度経過を見ながら補助金を減らすというのは、当然の姿であると思います。  例えば、補助金の中でも、リフォーム助成に関しては、年度で使い切って、補正予算を組んで増やしているわけでありますから、やはり増やすこともできるわけであります。  ぜひ、今後、予算編成をしていく中にあたって、執行率が低いこの補助金の事業については、減額予算を組んでいただきたいのですが、それを組んでいない今の状況は、どういった理由でしょうか。 ◎谷口 財政課長 各事業におけます予算編成にあたりましては、十分に執行見込を精査の上、事業目的の達成のために必要な経費を計上しているところでございます。  一方で、補助金を事業手法に組み込んだ事業につきましても、補助金の交付先の状況の変化が生じることで、結果として予算と決算に差異が生じることがございます。  特に、このような事業の予算編成につきましては、過去の決算状況ですとか、事業の目的・効果といったところを慎重に分析いたしまして、所要額を精査の上、予算計上をしているところでございます。 ◆伊佐治 委員 執行見込みを精査をいたしましても、執行率が低い補助金事業は、多々あるわけであります。こうした事業については、より使いやすい事業に変えるか、予算を削減するか、その二つしか方法はないと思います。  結果として足りなくなれば、先ほどお話ししたとおり、リフォーム助成のように補正予算を組めば、議会としてもそれは、承認をせざるを得ないわけですから、必要であれば。そうした手法をとっていく上で、私は、当初予算については、やはり前年度、前々年度の執行率をしっかりと評価をしながら、予算組みにそれを生かしていただく予算編成をお願いをさせていただきたいと思います。  もう時間が参りましたので、最後に一つだけお聞きいたします。ここ数年、補助金の適正化について主に取り上げさせていただきましたが、先ほど、お話ししたとおり、この一覧には、補助金だけではなくて、それ以外にも、例えば、分担金、負担金、交付金なども含まれているわけであります。  同様に、やはり執行率が低い決算の資料を見てみると、低いものも幾つも存在をするわけでありますが、分担金や負担金、交付金の精査は、されているのかお答えください。 ◎谷口 財政課長 分担金や負担金、交付金につきましては、事業の開始時点におきまして、分担先や交付先などと金額や負担割合を取り決めている事例が大半でございますため、区の裁量で変更しがたいのが実情でございますが、例えば、跨線橋の耐震補強工事などでは、新規の事業着手の際に、積算内容を精査の上、関係者と協議するとともに、事業終了時には、精算を精緻に行っている状況でございます。  また、継続事業であっても相手方との協議などを踏まえて、可能な事業については、負担軽減に努めているところでございます。  また、このほかに、清掃一部事務組合の分担金につきましては、分担金について裁量はございませんが、区のごみの量を減らすことで、分担金の割合を減らすことは可能でありますことから、ごみ減量に向けた施策を通して、政策目的の達成とともに、間接的に分担金の軽減にも取り組んでいるところでございます。  このように補助金に限らず、全ての経費について予算編成段階はもとより、予算執行段階におきましても、全庁一丸となって、より効率的で効果的な事業執行に努めているところでございます。 ◆伊佐治 委員 財政課におきましては、様々な部局の意見がある中で、それを全てにおいて削減をしていくというのは、簡単なことではないかと思うわけではありますが、今、ご答弁の中でも、全ての経費について見直しを進めて、適切な予算執行に努めてということもお話をいただいておりますので、ぜひそうした思いのもと、今年度予算も適切な執行に努めていただきたいと思います。  以上で、質問を終わります。 ◆鈴木 委員 続きまして、鈴木隆之でございます。私は、事項別明細書105ページの地域振興費の中の臨海部広域斎場組合負担金の中で、臨海斎場について何点かお聞きしたいと思います。  私は、臨海斎場を利用する葬祭業者ですとか、会葬者も含めまして、なぜか臨海斎場に関する問い合わせが、私に来ることが非常に多くて、そのたびに、臨海斎場の事務局長といろいろ相談をしながら、いろいろと改善をしていただいております。  臨海斎場の事務局長は、品川区と本区とでそれぞれ派遣をして、今は、大田区の方が行っておられますけれども、本当に日々様々な問題があってもいろいろと丁寧に、そして、早く対応してくださっているので、非常に感謝をしております。  何年か前、2年もたっていないですかね、同じこの款別質疑の中で、火葬炉の改修計画についてお伺いをいたしました。当時は、火葬炉が二つ隣同士にあっても、配管のダクト一つを共有しているということで、2機同時に稼働することはできなくて、交代、交代で回さなくてはいけないということで、それを順次、同時に回せるように、火葬能力を上げる改修計画があるということを当時、款別のときにご回答いただきました。  その後、今、現状とこれからの改修計画に関しまして、まずは、こちらから伺いいたします。 ◎小泉 地域力推進課長 臨海斎場は、平成16年1月に火葬炉8基で運営を始めました。  平成23年度に新型の火葬炉2基を導入し、10基体制とし、平成26年度、28年度、29年度に火葬炉を2基ずつ新型の火葬炉に入れかえてございます。  改修前と比較いたしますと、1日の火葬受付件数は、25件から30件に増加することができ、来年度は、さらに32件に増加する予定でございます。  新型の火葬炉導入前の平成22年度は、年間火葬件数5,712件でございました。新型の火葬炉の入れかえが進んだ平成29年度は、年間火葬件数が、7,200件を超える見込みであり、約1,500件の火葬件数の増加に対応が可能となっております。  今後の計画でございますが、来年度に火葬炉2基を新型に入れかえ、改修計画を完了いたします。引き続き、火葬炉のメンテナンスを進め、適切な火葬能力を保持してまいります。 ◆鈴木 委員 1,500件の増加ということは、これは、非常に飛躍的に伸びて、本当に段階的に計画を立てていってくださっているなと思っております。  なぜ、これをお聞きするかと申しますと、当然、少子高齢化の流れの中で、絶対的に件数が増えていくわけで、それに対応していかなくてはならないのはもちろんなのですけれども、やはり大震災が起きたときの遺体の処理、火葬というのも、これは、非常に問題になっております。以前の阪神・淡路大震災のときに、被災自治体で当然火葬能力が追いつかず、近隣自治体に協力を要請しました。  そのときに、広域火葬計画の重要性ということが、非常に課題となりまして、それを受けて、当時の厚生省が、平成9年に、広域火葬計画の策定についてというのを47都道府県に通知を出したところであります。これを受けて、東京都は、平成11年3月に、東京都広域火葬実施計画というものを策定したそうです。これによりますと、遺体の保存等に係る資機材等の確保、遺体の搬送、火葬の協力について、関係団体等と協定を締結し、発災時における円滑な広域火葬体制の整備を行うとされており、現在に至っております。  東日本の震災のときも、非常に大変な被害、そして、犠牲者を出しました。当然、早急に火葬しなくてはいけない状況でありますし、衛生的にも、非常に問題があります。大変悲しい作業ではありますけれども、それを着実に進めていくために、東京都は、当時、806体のご遺体を受け入れたと聞いております。東京都の瑞江斎場を中心に、桐ヶ谷斎場ですとか、代々幡斎場を運営している民間の東京博善株式会社。そして、こちらの臨海斎場。こちらも協力して、貢献したと聞いております。  やはり冒頭申し上げました、少子高齢化の流れの中の絶対数の増加の対応はもちろんなのですけれども、もし、そうした迫りくる震災があったときに、そうした処理能力をしっかりと確保するためにも、これは、一つの重要なインフラであるという位置づけの中で、例えば、大震災があっても、簡単には壊れない堅牢な整備ですとか、メンテナンスも含めまして、現在の火葬炉のさらなる増強・強化も含めまして、これからも検討を進めていっていただきたいと思っております。  次に、葬儀場の式場の話なのですけれども、最近、核家族化が進みまして、近隣とのお付き合いもだんだん希薄化になっていく中で、どんどん葬儀が縮小傾向にある中で、今は、お通夜をやらない葬儀というのが結構増えて、業界では、1日葬ですとか、ワンデイとか言うのですけれども、金銭的な問題にもかかわってきまして、当然、このワンデイでお通夜なしにやると、会葬者の通夜振る舞いのお通夜の料理もいらないわけですよね。そうすると、金額的にも非常に縮減できる。だけれども、本来、ご葬儀というものは、故人を偲んで、故人のためのご葬儀であるのですけれども、最近は、やはり送る側、ご遺族側の都合というものが非常に重いテーマになってきております。  当然、経済的な問題もあるのですけれども、そうした中で、やはり数名の小規模の葬儀というのが、非常に多くなってきております。臨海斎場は、間口が4間もあって、非常に立派な式場でして、この同等の施設を都内の民間の斎場で借りようと思うと、大体40万円から50万円くらいするのですね。それを大田区は、広域の組合の中の組織区民として使わせてもらうと、5万6,000円という非常に安い価格で使わせていただくことができます。ですけれども、実際に4、5名の小さい葬儀の中であの広い中でやると、さみしい葬儀がさらにさみしくて、本当にぽつんと葬儀をすることになります。  そうすると、本当に小さな式場のニーズというのが、日々高まってきておりまして、地方ですと、葬儀業者が葬祭ホールを持っているのが当たり前なのですけれども、当然、東京は土地が高いので、自社のホールを構えている葬祭業者というのはほんのごくわずかであります。  そうしたときには、民間の斎場、お寺の会館ですとか、こうした公営の斎場に頼らざるを得なくなってきており、これからもそうした小規模葬に対する式場のニーズというものは高まってきておりますけれども、臨海斎場に関しましては、このような対応に関して、何かご検討はいただけますでしょうか。 ◎小泉 地域力推進課長 臨海斎場の四つある式場は、70人程度の方が利用できる広さとなっております。小規模な葬儀の場合、葬儀業者が祭壇の作り方や椅子の並べ方を工夫いたしまして、コンパクトな形でご利用いただいております。最近、家族葬など小規模な葬儀が増えてきているなど、葬儀内容が多様化してきていることを認識しております。  臨海斎場の施設整備基本方針につきまして、組織区5区及び事務局で検討を進めており、その中で、小規模な葬儀に対応できる式場の整備についても議論をしてまいります。 ◆鈴木 委員 こちらは、ぜひとも前向きに検討を進めていっていただきたいと思っております。  それで、今日、最後の質問ですけれども、これ以前に、款別のこの場で質問いたしました、予約システムのことに関してなのですけれども、以前は、臨海斎場の予約状況を見るときに、随分と人気があるので埋まっているのですけれども、1週間、10日前から埋まって、なぜか、例えば、明日だとしたら、明日葬儀をしたいとなったら、今日ですとか、昨日とか、その直近のが空いているのですね。  結局原因は何かといいますと、葬祭業者は、本来、葬儀の仕事を請け負って、それから、当然、お寺とかご家族の都合を聞いて斎場を押さえるのですけれども、とにかく施行の予定もないのに押さえてしまえと。それで、キャンセルする分にはお金がかからないので、実際に施行の注文がないとそれを放出するので、随分前はいっぱいでも直前が空いているという、いびつな予約状況というのが、当時発生しておりました。  これに関して改善をしていっていただきたいと要望をしたところなのですけれども、その後、変化はございましたでしょうか。 ◎小泉 地域力推進課長 臨海斎場は、予約後の取り消しを予約システムにより行っておりました。不適切な予約を防止するため、平成29年3月25日から予約システムからの取り消しはできないようにシステム改修を行いました。これによりまして、予約取り消しをする際は、臨海斎場へ電話連絡の上、業者名、担当者名及び取り消し理由を明記した書類をファクス送付していただく方法に変更となりました。  葬儀業者の皆様にはお手数をおかけすることになりますが、十分にご理解・ご協力をいただきまして、不適切な予約取り消しは縮減されている状況でございます。 ◆鈴木 委員 随分改善をされたということで、非常にありがたく思っております。  なぜこういうことを聞くかと申しますと、当時の質問のときにも申し上げたのですけれども、やはり正直に商売をされている業者、そして、本当に亡くなってすぐにでもご葬儀をあげたいと思っている本当に困っている区民の皆さんが、これで、本当に損をしないように、一部の業者は、内々に、「うちは、実は臨海斎場をちょっと枠を持っているのですよ」なんて営業をしているところが、実際にあったのですね。これが、書面で残っているわけではないので、どことは言えませんけれども、そうやって口頭で営業していた悪質な業者も実際にいたのです。  なので、正直にやっている方、本当に困っている方が損をしないためにも、そうした監視体制というのは、これからも強化をしていっていただきたいですし、これは、臨海斎場とは別になりますが、前にもこの場で申し上げました、あるお葬儀社のチラシを見ると、生活保護でも、こんな立派な葬儀ができますというチラシを実際に配っていたところがあったのです。当然、生活保護の方だって葬儀をあげなくてはいけませんし、当然の権利ですから、しっかりと故人を見送らなくてはいけません。だけれども、それを使って、当社ではこんなに立派なものができるのだと、さも自分の会社の販売促進、営業の材料にするようなモラルに欠いた業者もいっぱいいるわけでありまして、そうしたところに対しましては、斎場としても毅然とした態度で監視を強めっていっていただくとともに、大田区をはじめ近隣区民の皆さんのよりよい、さらに、施設になるようにご努力をいただくことを要望いたしまして、私の質問を終わります。 ◆押見 委員 続きまして、自民党、押見隆太でございます。鈴木委員の十八番の質疑の後で大変やりづらい部分もあるのですけれども、本日は、選挙費について質問をさせていただきたいと思います。  今回、事項別明細書を見ると、もう大田区議会議員選挙執行事務費とかが計上されておりまして、私たちの免許更新が、もう1年後に迫っているのだなとどきどきしてまいりますし、また、これからこの1年に写真撮影から始まって、いろいろ大変な思いをするのかなと思いますけれども、皆様、頑張ってまいりましょう。  今日、実は、質問するのが、昨年、平成29年10月に行われました衆議院選挙のことでございます。昨年、衆議院選挙の区割りが変更になりました。私ども、大田区でも、主に鵜の木地区が、今まで3区だったのが、7町会ありまして、そのうちの5町会が、3区から新4区へと移る形となりました。  それで、昨年は、都議会議員選挙もあった関係で、都議選が終わった後に、新しい新4区の皆さんに周知をしようということで、選挙管理委員会も考えていたと思うのですけれども、すぐ衆議院選挙も決まってしまいまして、何か選挙区が変わったらしいぞぐらいな形で、衆議院選挙に突入をいたしました。  そこで、鵜の木出張所管内は、一つ特徴的なことがございまして、鵜の木出張所管内だけ3区と4区が、並立するエリアになってしまったのですけれども、期日前投票を見てみますと、実は、新しく4区になった鵜の木出張所管内の東調布第三小学校管区と千鳥小学校の投票区は、鵜の木出張所で期日前投票をすることができました。  一方で、今までどおり3区として残っていた嶺町小学校投票区が、鵜の木出張所で今までは、期日前投票ができていたのですけれども、鵜の木出張所では、期日前投票ができなくなってしまって、大田区役所に来てくれとか、なかなか難しい状況に陥ってしまいまして、正直、鵜の木出張所では、連日、期日前投票に鵜の木の住所の人たちが訪れて、結構混乱が生じてしまったというのがほぼ毎日のように発生しまして、選挙期間中も、私や公明党の末安議員も4定で質問しましたけれども、すごい要求が来たのは、事実でございます。  ちょっと数字の上で見てみますと、嶺町小学校の投票区と、これは、すぐお隣の東調布第一小学校の投票区、あと、すぐ隣の嶺町特別出張所の投票区があるのですけれども、期日前投票の人の数を比較してみたいと思います。投票に行った方の中で、期日前投票をした人の割合が、東調布第一小学校で言うと、5,178人投票に行かれていて、2,662人が期日前投票をしている。割合が、51.4%。  それで、嶺町特別出張所も、5,168人投票に行かれていて、そのうち、期日前投票が、2,640人、51%の方々が、期日前投票に行かれております。隣の投票区では、50%を超えておりますけれども、嶺町小学校の投票区で見てみますと、5,788人の方が合計で投票に行かれたのですが、期日前投票の方が、1,791名、およそ1,000名ぐらい少ないのです。割合にすると、期日前投票をした人が30.9%、一方では、50%を超えていて、嶺町小学校は、やはり期日前投票所がないという大きな原因があるのですけれども、30.9%という数字が出ております。  これは、やはり根拠としては、かなり非常に重要な部分でございまして、これから先、嶺町小学校投票区に期日前投票所を設置することを強く求めるのですけれども、選挙管理委員会の見解を伺います。 ◎佐藤 選挙管理委員会事務局長 ただいまの委員のお話にございましたように、昨年の10月22日の衆議院議員選挙から小選挙区区割りの変更がございまして、鵜の木出張所は、東京第4区の地域となりました。このため同じ出張所管内でありながら、東京第3区に残った嶺町小学校投票区の方々には、鵜の木出張所で期日前投票ができずに、大変なご負担をおかけするということになってしまいました。  幸い、当日投票所に大勢の方がお運びいただいたために、投票率自体には大きな減少を生じなかったことにつきましては、心から感謝を申し上げたいと思っております。  この投票区の方々には、次の衆議院選挙においては、従来どおり、鵜の木特別出張所での期日前投票ができるように、東京第3区の期日前投票所が、鵜の木出張所に設置できるように検討してまいりたいと、そのように考えているところでございます。 ◆押見 委員 力強いご答弁をありがとうございます。  今、鵜の木特別出張所で投票できるようにしたいという、大変ありがたいお言葉を頂戴したのですけれども、実は、この嶺町小学校の投票区は、鵜の木特別出張所まで一山半ぐらい超えていかなければいけない、非常に大変なエリアでございまして、おまけに、鵜の木特別出張所で3区と4区、両方の期日前投票をやるという、非常にまた、混乱を招くおそれがあるリスクもありますので、できたら、この嶺町小学校の投票区、例えば、鵜の木老人いこいの家とか、鵜の木児童館とかが、このエリアの中心にございますので、そういったところに期日前投票を行うとか、投票しやすい環境づくりを、ぜひつくって検討していただきたいと要望をさせていただきます。  もう1問だけ聞きます。期日前投票所は、費用が実は、すごくかかるという話も、うん千万円かかるという話も聞いていたのですけれども、いろいろ議員の話とかを聞くと、他自治体では一桁少ないぐらいの金額でできる話も聞いておりますので、この辺も研究していっていただきたいのですけれども、こうやって期日前投票をぜひ盛り上げていくために、駅前とか、駅中で期日前投票のキャンペーンを張って盛り上げることも必要だと思いますけれども、いかがでしょうか。 ◎佐藤 選挙管理委員会事務局長 大田区における駅前に近接した期日前投票所につきましては、蒲田駅前につきましては区役所の本庁舎を、また、大森駅前につきましてはLuz大森ビル内の入新井特別出張所をご利用いただければと考えているところでございます。  今回ございました様々な課題を、私どもとして重く受けとめておりまして、投票の安全性を確保しつつ、ほかの自治体の実例や考え方なども踏まえて、検討を進めてまいりたいと考えております。 ◆押見 委員 衆議院選挙はいつあるかわかりませんので、ぜひ早目に、スピーディーな検討をよろしくお願い申し上げまして、質問を終わります。 ○深川 委員長 次に、公明、質疑願います。 ◆松本 委員 区議会公明党の松本洋之でございます。この総務費におきまして、マイナンバーカードへのインセンティブを高めましょうというところで、お話をさせていただきたいと思います。
     本題に先立ちまして、まず、個人番号通知カード、いわゆるマイナンバーカードの交付の現状について、質問をさせていただきます。  一昨年、地方公共団体情報システム機構でのシステム障害の一因もありまして、マイナンバーカードの受付申請がなされてから、実際に区民の手元にわたるまで、約2か月待ち、または3か月待ちといった状況があったと伺っております。その状況は、現在、どのように改善されているのか、また、今後の見通しについても、お知らせください。 ◎杉村 戸籍住民課長 委員お話のとおり、平成28年のマイナンバーカード交付当初、2月から6月ごろにかけて、カード交付を委任している地方公共団体情報システム機構の全国的なシステム障害が発生したため、カードの交付までに最長で5か月程度お待ちいただく状況にありましたが、その後、システム障害は発生しておらず、現在は、申請から1か月程度で交付されております。  今後も、安定的なシステム運営と確実な交付事務を行い、交付まで1か月以上の期間とならないよう、万全の態勢で行ってまいります。  さらに、平成30年度は、マイナンバーカードセンターを大森まちづくり推進施設の1階に新たに設置し、マイナンバーカードの普及啓発の拠点として整備してまいります。センターでは、カードの申請補助を行い、マイナンバーカードの普及に努めてまいります。 ◆松本 委員 そういった状況が続いたことから、マイナンバーカードの交付申請を諦めたというお話も区民の方から伺っておりました。マイナンバーカード利用による公的個人認証を用いた電子確定申告というのを利用しようということで、マイナンバーカード申請に行った際に、すぐに必要なのに何か月もかかってしまうということで、結果的に申請できなかった、しなかったというお話も伺いました。  今年の3月1日現在のマイナンバーカードの交付数は、9万4,642枚、区民のマイナンバーカード交付率は、13.8%と聞いております。昨年と比べますと、2万5,250枚の増、3.41%の伸びでございます。区民部の今年度の目標に年度内に7万2,000枚のマイナンバーカードを交付する目標を達成するとありますが、まだまだ低い交付率だと私は思っております。  マイナンバーカードの普及促進のためには、何よりも率先垂範、やはり職員の方が、ほぼ全員が申請していてもおかしくないと、このように私は当然と考えておりますけれども、職員の交付率はどのように把握されているのかお伺いします。 ◎須川 人事課長 区職員のマイナンバーカードの交付率につきましては、現在、把握してございません。 ◆松本 委員 把握されてないということでございますけれども、現在、国家公務員の身分証にマイナンバーカードが利用されている状況があります。今後、区職員の職員証、いわゆる身分証であるとか、職員共済組合員証として、この個人番号カードを利用することを積極的に検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。 ◎須川 人事課長 マイナンバーカードの普及促進のためには、マイナンバーカードが持つ利便性を最大限活用することが大変重要であると考えています。  国の事例では、マイナンバーカードを国家公務員ICカード身分証として利用しております。具体的には、業務に不要な情報を隠し、所属を記載したカードケース等を用意することで、国家公務員であることを目視可能としております。さらに、マイナンバーカードのICチップ内の空き領域を活用して、各種職員情報や有効期限を登録することで、庁舎等の入退館証としても利用可能としております。また、他自治体では、職員の出退勤の管理や職員証として利用する事例もございます。  今後、このような事例も参考にしながら、区職員にマイナンバーカードへのインセンティブを持たせるために、どのような方法があるか検討してまいります。 ◆松本 委員 さて、豊島区では、区内の一部商店街で買い物する際に、マイナンバーカードをポイントカードとして利用できる実証実験を昨年11月から始めました。前回の質問の際にも、マイナンバーカードの普及促進と活用について取り上げさせていただきましたけれども、今回は、母子健康手帳に特化して質問させていただきます。  母子健康手帳は、昭和41年1月1日、母子保健法に規定された市区町村が交付する手帳で、妊娠届の提出によって自治体から交付されるものでございます。手帳には、必須の記載内容である全国統一様式といった部分と、各市区町村がおのおのの判断で記載内容を作成できる任意記載事項に分かれております。  全国統一様式の部分には、保護者、出生届出証明、妊婦の健康状態、職業、妊娠中の経過など、様々な部分で共通された部分がございます。そのほかに、その地域によって実績を考慮し、任意記載事項の部分には、各市区町村の特徴を生かした内容を記載することができます。  例えば、外国人の住民が多い市区町村では、具体的に例えば、横浜市、川崎市、浜松市といった自治体では、外国語版母子健康手帳を作成しているそうであります。この母子健康手帳の交付の元来の目的は、当時、日本の時代背景を鑑み、医師への定期的な受診の推奨と、そのことによる乳幼児死亡率を下げることにあり、この母子健康手帳の前身の制度、妊産婦手帳、母子手帳から引き継がれて、今日に続く制度でございます。  この母子健康手帳のおかげもあり、WHOの2015年度の統計発表によれば、日本で死亡する乳幼児の人数は、1,000人当たり2人と、50年前の日本と比べて約30分の1以下まで死亡率が下がったそうであります。この数字は世界でもトップクラスの水準であり、非常にすばらしいことだと思います。  そうしたことから、50年前の交付当時の目的は大分果たされてきたとはいえ、社会背景が変わった今日では、母子健康手帳が果たす役割も変化してきていて当然ではないでしょうか。具体的には健康状態、身体状態の経過、記録や予防接種、健診スケジュールの管理等の部分に、より今後の母子健康手帳が果たす役割としての重要性が求められていくものだと考えております。  近年では、健康管理意識の向上やICT技術の発展といった時代変化に伴い、健康記録の電子化が推し進められております。ウェアラブルデバイスと呼ばれる端末の開発や通信技術の改良によりまして、携帯電話、スマートフォンにも万歩計機能ですとか、身体健康記録の管理機能が標準で提供されているものも、今増えております。  そうした背景を踏まえまして、2014年には、日本産婦人科医師会が中心となりまして、電子母子健康手帳の普及推進を行う、電子母子健康手帳標準化委員会が設立されました。そこには、海外を代表する日本マイクロソフト、NTTドコモ、KDDI、博報堂、インテルなど、名だたる企業も参画しておりまして、その需要の高さが伺われます。  そうした中で、母子健康手帳のデジタル化について、先進的に取り組んでいる自治体もあります。その一つが、群馬県前橋市の取り組みでございます。前橋市は、ICTを活用したまちづくりに力を入れておりまして、今回の母子健康手帳のデジタル化にもかなり早い段階から検討を重ね、取り組んできたそうであります。特にこの母子健康手帳のデジタル化については、先進的な取り組みの一つに、マイナンバーカードを活用した行政情報との自動連携機能がございます。この前橋市が行っている電子母子手帳は、電子母子情報サービスサイト、すなわち、母子健康ポータルにてマイナンバーカードを通じて本人確認、認証の後、市の健診記録、予防接種記録が自動的に反映されるものとなっています。  具体的には、健診を受けた子どもの身長、体重、頭囲、胸囲、歯の数、虫歯の数といった情報はもとより、身体情報のほか、健診時の検査項目、予防接種の接種区分や何回接種しているのか、どの場所で受けたかなど、自動で記載されていくということで、記入漏れ、もしくは入力漏れがなく、非常にお母さんたちから喜ばれているそうであります。  そうした点から、前橋市では、サービス利用に必要なマイナンバーをより積極的に取得することによって、こういうサービスができるということを推奨しているそうであります。実際に、窓口の保健センターや妊婦さん、その旦那さんを対象としているために、パパママ教室でブースを設けるなど、それと同時にマイナンバーの受け付けも推奨しているそうであります。  ここ最近、民間の損害保険会社でマイナンバー漏えい保険が商品化されているなど、本来、国の施策で安全であることが当然にもかかわらず、このような民間企業から導入されているマイナンバーに関する不安の声があるのは当然のことだと思います。  そうした状況の中、実際に利用する局面もほとんどなく、取得まで時間がかかってしまうマイナンバーカードにメリットを本当に感じるでしょうか。積極的にこのカードをとろうと思う人が減っていくのではないでしょうか。そこら辺を危惧しているわけでございます。カードをつくれば100万円もらえるというのであれば、きっとカードをつくるのに殺到することでしょう。それぐらいの魅力をこのマイナンバーカードに持たせるべきだと考える次第でございます。  今回、取り上げた前橋市は、マイナンバーカードを利活用できる局面をみずからつくり、サービス利用と引きかえに、マイナンバーカードの作成を積極的にしてもらえるような施策を実施していると思います。  そこで、ネット環境に精通しているお母さん、お父さん世代にマイナンバーカードの利点を理解してもらい、今回のようなサービスを利用するメリットを周知していくことについて、本区としてはどのように考えていらっしゃるかについてお答えください。 ◎佐々木 健康づくり課長 マイナンバーカードの普及促進のためには、多くの区民にカードの利便性を実感いただくことが不可欠です。  前橋市のホームページによれば、母子健康にかかわる情報をインターネットを通して閲覧することのできるサービスの試験導入を開始し、サービス利用にあたっては、マイナンバーカードの公的個人認証を使い、インターネット上で本人確認及び申込手続を行うことが紹介されております。  乳幼児健診や予防接種など忘れてしまいがちな行政サービスのお知らせが、マイナンバーカードの公的個人認証機能を介して利用者のマイナポータルに届けられたり、健診や予防接種の記録を閲覧できたりする機能は、ネット環境に精通している若い父母の世代にとってお子さんの成長記録をいつでも照会できる安心感と行政との距離感が縮まるなど、利便性の高さを実感していただくことが期待できます。  区としましては、最近の若い父母世代のインターネットとの高い親和性に着目し、妊産婦等への情報配信事業「きずなメール」の無料通信アプリLINEを通した配信について、平成30年度予算案に盛り込んでおり、引き続きマイナンバーカードの利活用を視野に入れて、ICTの活用を推進してまいります。 ◆松本 委員 健診率向上、また、改善に対しても、正確な情報が記録され、そこから自分がみずから健診の情報や各個人に案内すべき行政情報としてお知らせすることができるからこそ、今後、このような取り組みがどんどん増えていくことは、間違いないと思っております。  マイナンバーと連動することによって、自動的にチェックできるようになれば、より区民にとっても利便性が高いものになると思いますけれども、この点につきましても、本区の見解と今後の見通しをお知らせください。 ◎佐々木 健康づくり課長 電子母子健康手帳や母子健康情報とマイナンバーとの連動につきましては、国も多くの国民にマイナンバーカードの利便性を実感いただくために、全国の自治体に取り組みを促しているところでございます。要素といたしましては、情報配信と個別の記録の閲覧と住民みずからの入力がございます。このうち、個別も含めた情報配信につきましては、既にきずなメールやSNSにより当区も一部実施しております。一方、記録の閲覧に関しては、予防接種においては既に記録を電子化しておりますが、4か月児健診、1歳6か月児健診、3歳児健診など、区が実施する乳幼児健診に係る母子健康情報の記録は、これまで電子化されておらず、全て手書きで記入する紙媒体の母子健康管理カードで記録・保管してまいりました。  こうした中、今年度、母子保健サービスの向上及び業務の効率化を図るため、母子健康情報を電子化する母子保健システムの構築を進めており、来月から仮稼働、6月から本稼働する予定でございます。  この母子保健システムが、マイナンバーカードを活用した母子健康情報サービスにつながる可能性があることから、母子保健システムの稼働状況を確認しつつ、国や他自治体の動向等を踏まえ、今後、事業のあり方を検討してまいります。 ◆松本 委員 より一層の推進を促して、質問を終わります。 ○深川 委員長 次に、共産、質疑願います。 ◆藤原 委員 事項別明細書の100ページ、防災対策費について質問します。  東日本大震災、東京電力福島原発事故から3月11日で7年を迎えるのですけれども、この間に、大田区も、また、他の区も含めて、大いに大震災から学ぶ点がありました。  私も、5年か6年前ですけれども、産業プラザの公衆電話が撤去されたという問題を質問しましたら、翌年に設置をしていただきました。ありがとうございました。  改めて、今、大田区には、この公衆電話は、行政側としては、何台設置されているのか、質問します。 ◎今井 総務課長 公衆電話が設置されている区の施設ですが、現在、区役所本庁舎、地域庁舎、特別出張所などの区施設に34台、公園に54台、教育委員会所管施設に15台ございまして、合計103台が設置されております。  それに加えまして、災害時用特設公衆電話を避難所等103か所に、合計523台を整備しており、災害時に安否確認などに利用できるように備えております。 ◆藤原 委員 平成22年度のときには、区長部局、公園、教育委員会、130台あったのですけれども、これが減らされたということですね。  それで、四つの地域庁舎、また、18の特別出張所のところには、公衆電話は、何台あるのですか。わからないなら、委員長、調べるのだったら、いいです。  四つの地域庁舎の中に、蒲田地域庁舎には1台ありますね。あとちょっとわからないのですけれども、糀谷のところにはありません。改めて私は思ったのですけれども、この特別出張所や地域庁舎には、やはり公衆電話をぜひ設置してもらいたいと思っています。  それで、私が住んでいる地域の問題ですけれども、東糀谷防災公園というのがあります。大変有名で、今、河津桜も咲いておりまして、昼間は保育園児とか、たくさん集まっていますけれども、ここにこの公衆電話がないという問題、萩中公園、ここにはプールがあったり、がらくた公園があったり、集会所があったりしますけれども、ここにも設置されていない。私は、昨日、回って調べました。  なぜ、ここに、この東糀谷防災公園と、萩中の交通公園にはないのか、お聞きします。 ◎吉田 都市基盤整備部副参事〔糀谷・羽田地域基盤整備担当〕 区は、糀谷地区からの防災に役立つ公園の設置要望を受け、平成22年に東糀谷防災公園として整備いたしました。ご質問である公衆電話の設置につきましては、東糀谷防災公園の整備当初より東日本電信電話株式会社からの設置申請がないため、設置はしておりません。  続きまして、萩中公園敷地内の公衆電話の設置状況でございますが、成人用野球場横の敷地に、東日本電信電話株式会社から公衆電話の設置のための占用申請を受け、区は、平成元年4月から占用許可を行い、現在も公衆電話を設置させていただいているところでございます。 ◆藤原 委員 では、私が、昨日、見間違えたのか、もう1回、改めて明日でも見てまいりますけれども、改めて、この東糀谷の防災公園という、名前も防災であり、また、この東日本大震災でも、公衆電話が大いに役立ったということが言われております。  ぜひこれは設置してもらいたいと思いますけれども、その考えはありますか。 ◎吉田 都市基盤整備部副参事〔糀谷・羽田地域基盤整備担当〕 新たな設置要望や設置箇所の継続につきましては、東日本電信電話株式会社の判断になると思います。 ◆藤原 委員 人命を守る、たった1人でも守るというのが、やはり行政の仕事でしょう。私は、改めて、業者のほうの意向ではなくて、大田区として瞬時に設置すると、これが大事なのですよ。だから、ぜひ、皆さんのほうでここは大事だからつけようと、まして、防災公園という名前もついているところにないなんていうのは、恥ずかしいではないですか。  もう1回、答弁を求めます。 ◎吉田 都市基盤整備部副参事〔糀谷・羽田地域基盤整備担当〕 公園に関する新たな設置要望や設置箇所の継続につきましては、東日本電信電話株式会社の判断になると考えています。 ◆藤原 委員 それで、防災力の強い大田区と言えるのでしょうかね。  では、もう一つ、区民ホールアプリコはどうですか、ありますか、公衆電話、この近くですけれども。 ◎上田 文化振興課長 区民ホールアプリコの館内には、現在、公衆電話はございません。区民ホール入り口という交差点付近に公衆電話がございます。 ◆藤原 委員 改めて、本当にあの教訓を生かして、行列ができて、公衆電話を利用したということもあるのですから、少なくともたくさん集まるところ、また、区民が利用しやすいところ、そういうところには、ぜひ区民ホールアプリコも含めて、また、東糀谷の防災公園も含めて設置するということを強く求めます。  もう一つ、特別養護老人ホームの例えば、西糀谷にあります糀谷特別養護老人ホームに、以前、公衆電話があったのですけれども、なぜ撤去したのですか。 ◎黄木 介護サービス推進担当課長 当該施設の公衆電話につきましては、設置主体でございますNTTが、利用状況等を鑑み、廃止の判断をしたものでございます。 ◆藤原 委員 特養で働いている人や、そこに入られた方を含めて、やはり職員も含めて、また、あそこに入室されている方も含めて、高齢者も含めて、携帯を使えないという人もいるのですよね。それで、結構使われていたと。それが、突然撤去されるというのは、相談もなく撤去されると、問題だと言っていました。  だから、改めて特養ホームなども含めて、大田区のそういう施設には積極的に設置するということを、私は、強く求めるのですけれども、改めて、この長寿園が管理運営している、例えば、糀谷の特養には設置する、そういう気持ちはありますか、ないですか。 ◎黄木 介護サービス推進担当課長 現在、新規に公衆電話を設置するという場合には、24時間誰でも使える屋外に設置するということが原則になっていると聞いてございます。したがいまして、施設の中に設置するということに関しましては、困難な部分もあるのかなと考えてございます。 ◆藤原 委員 あと、設置してある場所ですけれども、外になくて、施設の中にあるという場合、蒲田の地域庁舎は、わざわざステッカーを張ってありまして、中にありますよと、公衆電話をお使いくださいとありますけれども、産業プラザとか、そういうところは、中にあるのだけれども、あるかどうかを外から見た場合にはわからないと。そういう声もありました。やはり緊急の場合、必要だし、また、通行していて必要な場合もありますから、ぜひステッカーとかそういうものを、施設の中にあるものについては、入り口につけるという考えはありますか、ないですか。 ◎今井 総務課長 これまでは、大田区サイン基本計画に基づき、サイン整備をしてまいりました。例えば、本庁舎では、庁舎内ではありますが、ピクトグラムを表示して、公衆電話がある場所のご案内をしてございます。  委員お話しの福祉施設に設置されている公衆電話の案内表示につきましては、区全体のサイン整備を推進する中で整理してまいります。 ◆藤原 委員 最後に、要望ですけれども、東急線沿線にはかなり駅前に公衆電話は、多いのですけれども、京急線、特に、この高架事業をやった駅等、京急蒲田も含めて、糀谷とか大鳥居とか、そういうところには公衆電話はないのですけれども、ぜひこれは、行政のほうからもこの鉄道会社に要望して、やはり駅前にはつけるということを強く要望し、私からの質問を終わります。 ○深川 委員長 先ほど、藤原委員から質問があったものを総務課長が答弁していませんでしたので、総務課長から答弁をしてください。 ◎今井 総務課長 現在、地域庁舎につきましては、現在、二つの地域庁舎で設置されております。特別出張所につきましては、18特別出張所のうち、6特別出張所に公衆電話が設置されております。 ◆大竹 委員 大田区民センターについて、質問をさせていただきたいと思います。私も、この間も本会議で質問をしました。  そして、今月で大田区民センターは閉館になるということで、閉館が近づくにつれて、存続してほしいのだとか、あるいは731名の音楽ホールがなくなって大変なのだという多くの声が聞かれます。それと同時に、今定例会に陳情が挙げられました。そういう意味で、改めて、この問題を取り上げてお聞きしたいと思います。  改めてお聞きしたいのですが、(仮称)新蒲田一丁目複合施設は、どのような計画になっているのでしょうか。 ◎深川 施設整備課長 (仮称)新蒲田一丁目複合施設は、保育園や高齢者支援施設、区民利用施設等の複合化によるメリットを最大限に生かして、乳幼児から高齢者まで様々な世代が利用し、地域活動を支援する機能を集約した施設として整備してまいります。  新施設は、子どもの拠点、高齢者の拠点、地域力の拠点の3点がコンセプトです。  子どもの拠点につきましては、子どもの生活環境の向上を目指して、新蒲田保育園、子育て支援スペース、中高生の居場所を複合施設の機能として置き込むことを考えております。  高齢者の拠点は、切れ目のない支援を行う高齢者施設の充実を目指して、地域包括支援センター、高齢者利用施設を置き込む予定です。  地域力の拠点については、地域活性化につながる地域活動の場の充実を目指して、文化活動支援施設としての多目的ホール、区民活動施設として集会室、スタジオなどを置き込んでいく予定です。 ◆大竹 委員 その中で、とりわけ音楽ホールが、今度は多目的ホールという形になるということだそうなのですが、その多目的ホールは、どの程度の規模を想定しているでしょうか。 ◎荒浪 蒲田西特別出張所長 現在の大田区民センター音楽ホールの利用定員は、731名です。音楽ホールは、400名以下での利用が、平成27年度86%、平成28年度78%と全体の約8割を占めていることから、新たな施設の多目的ホールは、利用実績を踏まえた規模を想定しております。  蒲田地区には、大田区民ホールアプリコをはじめ、ホール施設が充実しております。大規模な音楽ホールを再建するのではなく、利用実績を踏まえた適切な規模の多目的ホールを整備していく考えです。 ◆大竹 委員 それで、今、言われているのですが、この間のご答弁でも、400名から500名ぐらいの規模だというご答弁があります。  それで、実際、大田区民ホールアプリコは、1,477席ですよね。アプリコを代替施設という考え方でいるようなのですが、一つは、その利用料金、今、大田区民センターは、音楽ホールは、平日で1万9,400円、午後ですね。そういう中で、アプリコ大ホール、午後は、平日で10万円、土日で12万円、夜間は15万円から、土日は18万円。  ですから、平日で言ってみるならば、午後ですと5倍から6倍ですよね。それとあと、夜間については、7.5倍から9倍になると。一挙にこうなってくるということは、本当に料金の問題がありますよね。  それから、やはりこの音楽ホールについて、実際、このアプリコで本当に利用できるのかと。この利用率は、どうなっているのですか、アプリコは。 ◎荒浪 蒲田西特別出張所長 大田区民ホールアプリコ大ホールの利用率は、平成27年度79%、平成28年度83%です。リハーサルを除く直近四半期の利用状況は、400名以上の利用が95%、800名以上の利用が72%、1,000名を超える利用が56%となっております。 ◆大竹 委員 それで、今言われたとおり、いわゆる400名から800名近くの人たちというのは、7割近くあると。  それで、やはりそういう意味では、その利用の枠というか、需要というのはあると思っている。それと同時に、実際問題、先ほどの区民センターについて、それこそ8割近くが400人以下という話をされていたのですが、そういう中で、実は、ホールにしても、大は小を兼ねるのですよ、実際問題。  それで、小は大を兼ねることはできませんから、そういう部分のいわゆる利用需要というのはあると思うのですが、そこら辺はどうですか。 ◎荒浪 蒲田西特別出張所長 大田区民センター音楽ホールの400名を超える利用は、平成28年度は52件で、うち研修会や説明会など、企業の利用が約半数を占めております。  一般の方の利用は、全体の利用件数の約1割となっておりまして、用途に応じて新たな施設とアプリコや区民プラザなど、既存の施設をご利用いただけるものと考えております。 ◆大竹 委員 本当にそういうことも含めてあるにしても、やはり利用についての一つ、私は、いろいろな方から言われるわけですよ。  そうは言っても、その1割、たとえ1割であっても、そういう区民の利用があるのではないかと。それと、もちろんこの興行も含めていろいろな使い方、使用があると思います。あるいはここの音楽ホールというのは、音響効果は、極めて高いということを含めてあると。  それで、そういう部分を含めてあるということと、今回、アプリコのほうに、今度は、700名近く、今のいわゆる区民センターを使っていた人たちが行くとなると、先ほどの83%ですか、今の利用率。こういう人たちが、本当にとれるのかどうかというのが一つあるということと、あと、大田区民センターの日曜日の音楽ホールの利用率は、日曜日の午後で、91.8%なのです。これは、私も質問しましたけれども、そういう曜日においての高い利用率をどうやって、本当にアプリコで吸収することができるのかと。実際問題、とれないのではないかと思うのですが、そこら辺はどうですか。 ◎荒浪 蒲田西特別出張所長 大田区民センター音楽ホールの400名を超える利用は、平成28年度は52件で、うち企業を除く一般の方の利用件数は24件です。  大田区民ホールアプリコは、平成28年度は休館期間がございますので、平成27年度を参考にしますと、大ホールの利用率は79%であり、最も稼働率の高い午後の枠において39件、午前・夜間の枠を合わせますと198件の空きがございます。このため、大田区民センター音楽ホールをご利用いただいている方々に、大田区民ホールアプリコをご利用いただく余地はあると考えております。  ただし、土日や祝日の利用は需要が高く、曜日や時間帯によっては、希望が集中するため、抽せんの結果、利用できない可能性もございます。
    ◆大竹 委員 今言われたとおり、やはり日にち、曜日によって、やはり区民の皆さんの利用というのは、土日に限るという話になってきたり、あと、行事をするにも、土日というのが集中してくると思っているのです。  だから、そういう部分で、実際、このアプリコはありますよといっても、とれないという状況も含めてあると。  それと、何といっても、やはり音響効果は、高い。  それで、各ホールそれぞれ区民ホールアプリコは1,477名でしょう。それから、大田区民センター音楽ホールは今の731名、それから、区民プラザ大ホールは509名、それと、文化の森ホールで259名、それぞれの規模のホールが、大田区にはあったわけですよ。  そういう中でのその731名の音楽ホール自体が、やはりそれぞれの規模において、いろいろな行事が進められていったということでは、本当にこの規模が必要なのではないかと。あるいは音響効果についても、実際、多目的ホールとなると、その一定の音響効果があるという答弁をされたけれども、実際、今までの音楽ホールと比べて、数段落ちるということを含めてあるということと、実際、今、音楽ホールは、ピアノが置いてあるわけですよね。  そういうことも含めて、決して、このアプリコでは代替施設にもならない。やはりその規模の、あるいは音響効果の高い今の区民センター規模のものを本当に求めたいと思っていますが、改めて聞きたいと思います。どうですか。 ◎荒浪 蒲田西特別出張所長 (仮称)新蒲田一丁目複合施設は保育園との複合施設であることから、音や振動に配慮した構造とすることが必要となっております。防音対策をとることから、地域団体の音楽発表会などにご利用いただける一定の音響効果が得られるものと考えております。 ◆大竹 委員 4月からいよいよ解体が始まるのですが、この間、その期間の間に、一定の計画が固まっていくと思っていますので、ぜひとも今、私が要望しました、そういう規模のことも含めて、ぜひご検討をしていただきたいということを要望しておきます。 ○深川 委員長 本日は、この程度をもって、予算特別委員会を閉会いたします。                午後 4時53分閉会...