本区職員に対しての研修は、OJT、OFFJT、自己啓発など、階層別、役職別などで行っていると伺っております。それら研修の中で、障がい者に関する研修については、現状、どのように実施されているのか。
また、来年度、新たな取り組みが行われるのか、お知らせください。
◎大渕
研修担当課長 区職員向けの障がい者に関する研修でございますが、
福祉体験研修、また、障がい
者差別解消法研修をはじめ、各種研修を実施しております。
福祉体験研修は、平成18年度から採用後2年目の職員を対象に、継続して実施しております。具体的には、障がい
者総合サポートセンターの役割を学ぶとともに、福祉施設での介助体験、車椅子や白じょうを使用したまち歩きによる疑似体験などを通して、障がい者の視点を体験から学ぶカリキュラムとなっております。
また、障がい
者差別解消法研修は、昨年4月の法施行を受け、法の趣旨、区職員に求められる役割等を学ぶことを目的に、新たに実施したところでございます。
これらの実施状況を踏まえ、必要なカリキュラムの見直しや効果的な実施方法の検討を進めていく予定でございます。
◆田島 委員 私は、先日、
ブラインドサッカーの
個人向け体験プログラムに参加してまいりました。
タブレット資料1の1ページ目をご覧ください。
昨日の小峰委員は、ゴールボールを紹介しておりましたけれども、
ブラインドサッカーとは、目隠しをして行うフットサルで、全盲の視覚障がい者と健常者が、カラカラと音が鳴るボールを使ってプレーをします。
タブレットの資料1の2ページから7ページをご覧ください。
体験プログラムとはいっても、実際は、サッカーをするわけではなく、ゲームを中心とした内容になっています。一例を挙げると、全員が目隠しをした状態でばらばらに立っているところに、リーダーから、血液型ごとに集まるようにという指示が出ます。
そこで、目隠しをした参加者は、声を出して同じ血液型で集まろうとしますが、うまくいかず、四苦八苦します。目が見えないために恐る恐る手探りで動き、めいめいが大きな声を出して自分自身の血液型を叫んでも、声が重なってしまってうまく聞こえず、どこに集まってよいのか戸惑ってしまい、ふだんは簡単にできることでも、目が見えなくなるとこんなに難しくなるのかと実感できます。
人間が外から得る情報の7割から8割は、目から入る視覚情報と言われております。目隠しをして視覚を奪うと、
コミュニケーションの方法としては、声を出すことや手で触れることに限られます。目が見えていれば当たり前で簡単だと思われることを、声だけで伝えようとするには、工夫が必要です。思いどおりにいかない場面に直面したとき、なぜできないのかと相手を非難する考えが、どうすればできるようになるだろうと変化し、そのためには、どのようにすれば相手に伝わるだろうかと考え、試行錯誤するようになります。
体験プログラムに参加して、そのように変化したことが一番大きな収穫でした。障がい理解はもちろんのこと、
コミュニケーションや
チームビルディングを文字どおり体で体験することができ、研修効果は高いと感じました。
プログラムが終わるころには、初対面の参加者同士が笑顔で握手をするまでに打ち解け合いました。これは、婚活にも活用できるのではないかと個人的に感じました。このプログラムを研修に取り入れている大手企業や社員の採用試験に取り入れている企業もあるとのことです。
これまで、
ブラインドサッカーを一例に挙げましたが、今後、職員研修に新しい取り組みも取り入れてみてはいかがでしょうか。見解を伺います。
◎大渕
研修担当課長 見えない状態でチームワークを発揮しなければならない
ブラインドサッカーの
体験プログラム研修は、障がい者に対する理解を深めるだけでなく、職場における
コミュニケーション力向上やチームの信頼感を高めることにつながる研修として、民間等においても取り入れられているとのことでございます。
現在、職員研修におきましては、
コミュニケーションやチームワークの向上、さらには、障がいへの理解を深めるなど、計画的に能力強化を図るため、職層ごとに様々なカリキュラムを取り入れ、実施しているところでございます。
委員ご提案の
ブラインドサッカー体験研修プログラムの効果、有効性などにつきまして研究してまいります。
◆田島 委員 一方、本区の教育現場においても、
ブラインドサッカーの
体験プログラムを取り入れていると伺っております。現在までに何校が実施しているかお知らせください。
◎増田 指導課長 委員のお話にあるような本格的な研修ではありませんが、
区立小中学校全校で実施しているオリンピック・
パラリンピック教育の中で、障がい者スポーツの一つとして
ブラインドサッカーを紹介しております。これまでに小学校4校、中学校1校で
ブラインドサッカーを実施しております。
◆田島 委員 ぜひ、他の学校にも取り組みを紹介されてはと思いますが、見解をお示しください。
◎増田 指導課長 子どもたちの
ブラインドサッカー体験は、視覚障がいへの理解を深めるとともに、視覚に頼らない
コミュニケーションの難しさや工夫があることに気づき、
子どもたち自身の
コミュニケーション力の向上につながる意義深い体験となっていると考えます。
ブラインドサッカーを体験した児童からは、「選手は、ボールが見えているかのように動いていて、すごかった」と果敢に挑戦する視覚障がいの選手の姿に感銘を受けた様子が見られました。
また、「もっと
ブラインドサッカーをやってみたい、知りたい」との感想が聞かれました。教育委員会では、
ブラインドサッカーをはじめとして、障がい者スポーツの紹介や啓発に積極的に取り組んでまいります。
◆田島 委員 ぜひ、児童・生徒の思いやりの心を育む意味でも、ぜひ、取り組みの強化をよろしくお願いしたいと思います。
東京2020オリンピック・
パラリンピック競技大会に向け、様々な取り組みが行われております。
パラリンピックの「パラ」とは、ギリシャ語で「並んで立つ」、「対等」という意味ですが、本区における
パラリンピックの精神を生かした職員研修や教育の充実を要望いたします。
次に、事項別明細書の102ページの防災対策費のうち、災害発生時における広報についてお伺いいたします。
本区においては、昨年11月から、
防災行政無線電話応答サービスが開始されました。
防災行政無線(放送塔)からの放送を聞き取れなかった場合にも、電話で放送内容を確認することができるすばらしいサービスであると思います。
はじめに、このサービスにかかる予算額をお知らせください。
◎落合
防災危機管理課長 防災行政無線電話応答サービスの経費は、導入時に
無線放送機器の改修や回線工事など、99万7,000円を支出しております。
平成29年度予算では、毎月の
ランニングコストとして、応答装置のリース代が年間51万9,000円、音声応答のテレドームサービスが、年間68万3,000円となっております。
◆田島 委員
防災行政無線電話応答サービスは、始まったばかりですが、「電話番号が長くて覚えられない」、「電話番号を知らない」などのお声もあり、区民への広報をさらに強化する必要があるかと思います。
例えば、電話番号を
マグネットプレートに印刷して配布し、ふだんは冷蔵庫などに張ってもらい、いざというときに使ってもらうようにするなど、様々な方法を検討されてはいかがかと思いますが、ご見解をお示しください。
◎落合
防災危機管理課長 昨年、11月からの
防災行政無線電話応答サービスの開始に伴い、これまで大田区報やホームページをはじめ、区設掲示板の統合ポスターへ2回の掲載を行い、また、区民向けの周知チラシを作成し、自治会・町会への回覧や職員による講話等での配布など、区民の方々にこのサービスを知っていただくための広報に努めているところです。
委員のお話にある
マグネットプレートも含め、今後も、様々な区民への周知方法を検討し、より一層の周知に努めてまいります。
◆田島 委員
防災行政無線や
電話サービスから放送される内容の多言語対応についてお伺いいたします。
現在は、日本語のみですが、多言語で放送することについて、見解をお示しください。
◎落合
防災危機管理課長 日本語にふなれな外国人に対して、それぞれの母国語による多言語での放送が有効な手段となることは承知しております。
静岡県掛川市では、ポルトガル語、英語が堪能な職員が、災害時の想定放送案文を事前に翻訳するなどし、また、ニセコを抱える北海道倶知安町では、
防災行政無線の附帯機能としての
自動翻訳ソフトと
音声合成ソフトを用い、専門職員のチェックを行った上、運用しているとのことでございます。
大田区に在住・在来する外国人の方の国籍は様々で、使用する母国語も多岐にわたります。災害発生時の情報発信は、迅速性が求められ、災害情報を多言語で対応するには、それぞれの言語の専門職員の確保など、様々な課題があります。
災害時の情報発信は迅速性が求められるため、
防災行政無線からの多言語放送については、現時点では、難しいと考えておりますが、今後の研究課題とさせていただきたいと思います。
◆田島 委員 いまだに12万3,000名余りの方が避難しておられる
東日本大震災から、明日でちょうど6年がたちます。
東日本大震災で被災した外国人の国籍数は、160か国にのぼりました。災害が発生した場合、被害を受ける割合は、日本人よりも外国人の方が多いというデータがあります。
タブレット資料2の1ページ目をご覧ください。阪神・淡路大震災のとき、100人余りの割合で見ると、死者は、外国人が日本人の1.8倍、負傷者は、外国人が日本人の約2.4倍でした。このデータを見ると、障がい者、高齢者、子ども、妊産婦だけでなく、外国人も災害弱者であるということが言えるのではないでしょうか。
外国人の被災を減らすために、災害情報を伝える手段の一つとして、
防災行政無線も大きな役割を果たす可能性が高いことから、どのように伝えていくのかということが課題になります。
先ほどご答弁いただいたとおり、災害発生時に放送の多言語化が困難であるならば、日本語でわかりやすく伝えていくことを検討してみてはいかがでしょうか。日本語であれば、行政の負担になりません。
では、果たして日本語で伝えて外国人が理解できるのかという疑問が湧きます。それに関しては、弘前大学の佐藤教授などが、やさしい日本語の研究を行っています。
やさしい日本語とは、約2,000語を12の規則に沿って伝える、災害発生後72時間のための日本語です。これまでに検証実験を繰り返し、80%以上の外国人の理解を担保している、エビデンスに基づいた言語表現です。
タブレット資料2の2ページ目をご覧ください。上の(A)は、阪神・淡路大震災の時に実際に放送されたニュースの文章です。「けさ、5時46分ごろ、兵庫県の淡路島付近を中心に広い範囲で強い地震がありました。気象庁では、今後も、しばらく余震が続く上、やや規模の大きな余震が起きるおそれもあるとして、地震の揺れで壁に亀裂が入ったりしている建物には、近づかないようにするなど、余震に対して十分に注意してほしいと呼びかけています」。
そして、下の(B)は、(A)の通常のニュース分をやさしい日本語に言いかえた文章です。「今日、朝、5時46分、兵庫、大阪などで大きい地震がありました。余震、後で来る地震に注意してください。地震で壊れた建物に注意してください」。
タブレット資料2の3ページ目をご覧ください。佐藤教授の研究によれば、ニュースで読み上げる通常の文章を聞いたグループでは、27%しか理解できないのに対し、やさしい日本語のニュース文を聞いたグループでは、91%が理解できたとのことです。
一つページを飛ばしまして、
タブレット資料2の5ページ目をご覧ください。やさしい日本語は、話し言葉だけでなく、書き言葉やイラストに関する研究も進んでおり、実際に、青森県弘前市では、
避難所誘導標識に、中越地震の際には、外国人向けのポスターに導入している例があります。
タブレット資料2の6ページ目をご覧ください。本区においては、外国人向けに発行している情報紙「Ota City Navigation」をわかる日本語としても発行しております。ふだんの生活シーンもさることながら、緊急性が高い災害時こそ導入するべきと考えます。地域防災計画などでやさしい日本語を外国人用の情報伝達言語に位置づける自治体も増えてきました。
そこで、災害発生時の外国人にもわかりやすい放送や表現方法について見解をお伺いいたします。
◎落合
防災危機管理課長 防災無線による放送は、屋外での
ホーン型スピーカーからの音声となるため、現在でもセンテンスを区切り、ゆっくり読み上げるなど、聞き取りやすい放送となるよう実施しているところです。
委員のお話しのとおり、やさしい日本語の活用は、災害時に簡潔に、外国人にも理解しやすい表現方法として有効であると認識しております。
区でも、近年の震災や水害での教訓をもとに、現在、災害時に
防災行政無線から放送する想定放送文案の見直しを進めています。簡潔に、わかりやすく、正確に情報が伝わるよう改定を進めておりますが、その中でやさしい日本語の視点を導入しています。
今後も、読み方のスピードも考慮するなど、誰もがわかりやすい放送に努めてまいります。
また、避難所で使用する掲示物等についても、極力わかりやすい表記となるよう、
学校防災活動拠点会議等の資料などで情報提供し、地域に対しても、やさしい日本語の活用を推奨してまいります。
◆田島 委員 一般的に災害発生から72時間は、行政による十分な支援は期待できないとされており、その72時間のうちに外国人に対して適切な情報を伝え、安全な行動が確実に起こせれば、被害は避けることができ、大きな被害のなかった外国人は、助ける側に回ることもできます。「国際都市おおた」として災害時における外国人の減災対策も、さらに充実されることを要望いたします。
次に、事項別明細書118ページ、文化国際費に関連して質問いたします。
はじめに、本区において、区民による創作や発表などの芸術振興に対する取り組みについて、どのようなことを行っているか伺います。
◎白根
文化振興課長 区は、区民による文化・芸術活動の発表、鑑賞そして交流の機会を設けるものとして、大田区文化祭を行っております。
大田区文化祭は、例年10月から12月の期間に、絵画・写真、動画上映、書道など12の部門が、区の各施設を会場に日ごろの活動の成果を発表するもので、今年度は、8,619人の来場者がございました。
このほか、専門家による出展では、
区内在住作家美術展を例年11月にアプリコで開催し、今年度は、5,735人の来場者に、絵画や彫刻などを鑑賞していただいております。
◆田島 委員 続いて、障がい者の作品に対する取り組みについて、本区は、どのようなことを行っているか、伺います。
◎白根
文化振興課長 障がいをお持ちの方の作品発表の主要な場として、しょうがい者文化展が10月に区役所本庁舎3階にて行われております。
この文化展には、400人を超える皆様がつくられた、絵画、書、手芸、彫刻といった様々な作品を展示しております。
また、障がい
者総合サポートセンターでも、各施設の通所者による作品展示を行い、来館者にご覧いただいております。
◆田島 委員 一般的に、健常者が制作した作品と障がい者が制作した作品を立て分けて取り扱うことが多く、そして、芸術性に気づかれないまま廃棄されている障がい者作品が数多くあるのではないかと推察されます。
近年、「
アール・ブリュット」という言葉を多く目にするようになりました。
タブレット資料3の1ページ目をご覧ください。
アール・ブリュットとは、フランスの芸術家であるジャン・デュビュッフェによって考案された言葉です。「アール」とは芸術、「ブリュット」とは加工されていない、宝石などが磨かれていないという意味で、日本語には「生(き)の芸術」などと訳され、英語には、「アウトサイダー・アート」などと訳されています。
意味としては、伝統や流行、教育などに左右されず、自身の内側から湧き上がる衝動のままに表現した独創的な芸術と解釈されています。そこには、「障がい者」という言葉はあらわれません。これは、福祉的な観点から芸術的な観点への転換を促すもので、障がい者が制作したことの前に、アートとしての芸術性を評価するものです。
先日、東京都が公表した平成29年度予算案の中に、「
アール・ブリュットの普及啓発」のための予算が盛り込まれました。都のギャラリーの
トーキョーワンダーサイト渋谷を再整備し、
アール・ブリュットに特化した展示拠点を設けるとのことで、小池都知事は、新しい芸術文化を創造し、発信していく、幅広い現代美術の展開を進めると説明しています。
そうした
アール・ブリュットの分野で先進的な取り組みを行っているのは、滋賀県です。滋賀県は、
アール・ブリュット発信検討委員会を設置し、滋賀をアジアの
アール・ブリュットの運動拠点にすることを目標にして、様々な角度から推進しています。
発信拠点の整備、展覧会の定期開催や出張展示、大人や子どもへの啓発活動、制作支援や作品を見出し、魅力を発信していくためのネットワークの構築、相談と情報提供窓口の設置、旅館の中に作品を展示してもらう美術旅館の推進など、多岐にわたっています。
タブレット資料3の2ページ目をご覧ください。私は、先日、滋賀県近江八幡市にある、
ボーダレス・アートミュージアムNO−MAでの展示会を鑑賞しました。建物は、築80年の古民家を改築したもので、展覧会や調査研究の拠点として、
社会福祉法人が運営する
ミュージアムです。ボーダレスには、障がい者と健常者をはじめ、様々なボーダー(境界)を超えていくとの意味が込めてあり、障がい者と健常者の作品を分け隔てなく、ともに並列して見せることで、人のもつ普遍的な表現の力を感じることができるようになっているとのことです。
タブレット資料3の3ページから5ページをご覧ください。写真は、健常者と障がい者の作品が並んで展示されている様子です。このミュージアムでは、近隣の施設と連携してイベントを開催することもあり、近隣と
ミュージアムの垣根も取り払い、町おこしにも一役買っているようです。この
ミュージアムは、本格的な取り組みではありますが、本区としても、こうした先駆的な取り組みを行っている滋賀県や東京都とも連携し、
アール・ブリュットの普及啓発と魅力を発信してはと考えますが、見解をお示しください。
◎白根
文化振興課長 アール・ブリュットを推進している自治体の事例を見ますと、内なる衝動から生み出される芸術の創作を通じて作品を発信しているものや、障がい者の潜在的な能力を開花させることを目的としているもの、まちなかに障がい者の芸術作品を展示することで、ノーマライゼーションの浸透、まち興しにつなげているものなど、様々な例がございます。
大田区においては、誰もが作品を発表できる場として文化祭や
区民ギャラリーがございます。
つきましては、地域に潜在する芸術の発掘に先駆的に取り組んでいる滋賀県や東京都の事例を情報収集するとともに、文化祭の参加団体等と協力し、障がい者の芸術作品の発表の機会の提供に取り組んでまいります。
◆田島 委員 具体的な例として、落書きや経年劣化で汚れている護岸などに、全国から公募した障がい者や健常者に絵を描いてもらい、水辺に彩りを添え、舟からも楽しめるという方法もあるかと思います。見解を伺います。
◎白根
文化振興課長 良好な都市空間の創出と地域の活性化を目的に、住民が、アートのまちづくりに参加している取り組みとして、横浜市では、落書きを消した壁をその後も落書きされないよう、市民団体と協働でモザイク壁面に改良したり、電車の高架下の壁をキャンバスとしてアーティストに開放した事例がございます。
一方、その実現には、庁内はもとより、地域、企業、関係機関での合意形成に相当な時間を要したほか、事業の継続性をどのように担保していくか、その仕組みづくりに大変なご苦労があったとも伺っております。
大田区におきましても、こうした自治体の経験やノウハウをどのように取り入れることができるか、庁内連携を図りつつ、情報収集し、調査・研究してまいります。
◆田島 委員 本区が策定した現在の大田区
文化振興プランは、計画期間が平成30年度までとなっています。現行のプランに盛り込まれていない福祉部門との連携や
アール・ブリュットの振興を新しいプランに盛り込むべきと考えますが、見解をお示しください。
◎白根
文化振興課長 平成30年度までを計画期間としている現行の
文化振興プランでは、区民の自主的な文化活動の支援と人材育成、地域の中に潜在する文化資源の発掘等を基本目標に掲げております。
委員のお話にある、障がい者の創作する芸術作品も地域に潜在する文化資源の一つです。
アール・ブリュットの振興は、これまであまり知られることのなかった障がい者の芸術作品に様々な人が触れることで、区民が多様性を認め合い、そして、地域力の推進にもつながるものと考えられます。
つきましては、
次期文化振興プランの策定にあたりましては、このような視点をもって作業に取り組んでまいります。
◆田島 委員 障がい者を「かわいそう。気の毒だ」と言う人が、いまだにいます。ある
社会福祉法人の理事長は、「福祉施策は、弱者に何かをしてあげることではなく、弱者を弱者でなくしていくプロセスである」と語りました。お互いに多様性を認め合うことで様々な個性が共存し、可能性を発見しながら、それぞれの力を存分に発揮していくことがこれからの社会にとって重要です。人々を離れさせていく分断から、結びつける結合へ、一緒に生きていく共生へと向かわせる力が芸術にはあります。
障がいという壁は、社会の側にあるからこそ、障がい者と健常者のボーダーを超えていく
アール・ブリュットの本格的な取り組みを本区に求め、質問を終わります。
○田中 委員長 次に、自民、質疑願います。
◆松原〔茂〕 委員 松原茂登樹でございます。前向きな答弁をお願いいたしまして、質問いたします。
3月になりますと、6年がたった今でも、明日、3月11日の
東日本大震災の大津波による未曽有の大災害が、この間のことのように思い出されます。
先月、2月28日、午後4時45分にも、宮城・福島でマグニチュード5.7、震度5弱の地震が発生しました。震災後6年目ということでありますが、余震ということでございました。
そして、昨年の熊本地震からは、来月で1年を迎えます。熊本の被災地では、現在、避難所は閉鎖し、被災した人たちは、皆、仮設住宅へ移ったとのことであります。
しかしながら、復旧には、まだまだかかる状況で、工事を行う人手不足とお金の問題があるとのことでございます。
東日本大震災を教訓に、熊本地震では、全国から職員を派遣するなどの支援をしておりますが、3月6日の参議院予算委員会の質問で、震災による地方自治体の機能低下の改善を図るために、職員派遣を行ったが、派遣先で各人員が円滑に機能を発揮するために、国、都、地方の各自治体同士の顔と顔が見える体制というものを構築してほしいという質問がありました。
安倍総理も、防災財政は、「人の命と財産を守るために、隅ずみまで行き渡る予算であるべき」、「事前予防、応急対応、復旧・復興と、対応にあたってはあらゆる団体、組織と連携して行わなくてはならない」と言われておりました。
大田区も
東日本大震災では、東松島市への支援・交流を深め、首都直下型大震災時への対応訓練を通し、昨年11月に友好都市協定を結びました。起こり得る首都直下型地震が未曽有の災害でも、想定内での対応が可能な防災への取り組みを地域、区、学校、事業者などが連携して取り組んできたことと思います。
私自身も町会長として、地域の一員として、中学校における学校防災活動拠点訓練の副本部長という立場で取り組んでおりますが、地域防災がいかに大事かということがよくわかります。糀谷中学校の学校防災活動拠点訓練では、本部長を中心にようやく訓練準備、実施などが地域だけで完結可能な段階にめどがついてきました。
大田区では、平成28年度末をもって、全ての学校防災活動拠点の拠点化を完了する目標を掲げていますが、これまで
東日本大震災以降、学校防災活動拠点化にかけた経費についてお聞かせください。
◆岡元 委員 平成28年度まで、保育園負担金として計上されていた予算が、法改正によって保育園負担金と保育園使用料に分かれたことは、わかりました。
しかし、私たち議員は、この予算書をもとに審査するわけですので、説明を求めなければ判断できないような記載ではなく、例えば、負担金(私立保育園分)とか、51ページ参照といった配慮があればと思います。福祉費に限ったことではありませんので、このような変更があった場合、読み手側に立った記載の工夫をお願いいたします。
さて、本日、2次募集の締め切りとなる認可保育園の平成29年度の待機児童の状況は、どのようになっていますでしょうか。
◎近藤 待機児担当課長 本日まで受け付けている認可保育園の2次選考の結果発表は、3月16日となっております。
3月19日、日曜日には、保育サービスアドバイザーが中心となり、保留児童の保護者を対象にして、電話により入所可能な区内の保育施設などを情報提供し、入所先が未定の児童と入所可能な保育施設のマッチングを図る予定です。
これを3月末まで続け、1人でも多くの保育サービスの提供につなげてまいります。
なお、平成29年度の待機児童については、3月末までの利用調整後に精査いたします。
◆岡元 委員 一次選考の発表のあった2月17日の後の日曜日も、保育サービス課の窓口を開け、保育サービスアドバイザーが相談に乗ってくださいましたが、2次選考後も相談者に寄り添い、丁寧な対応であらゆる方策を探っていただくよう要望いたします。
また、行き先がなく、待機児童となってしまった場合も、その後のフォローができるよう積極的につながっていく努力をお願いいたします。
平成29年度予算案の概要では、認可保育園11園の600名を中心に、グループ保育室、認証保育所、小規模保育所等の整備により、700名の定員拡充が示されています。
また、大田区実施計画案では、平成30年、平成31年も同様の目標となっています。
しかし、今年度664名の定員増を図られたにもかかわらず、大幅な待機児童が見込まれる状況です。この傾向は、今後の人口構成の推計や、女性の活躍推進の流れからも継続し、むしろ顕著になると考えられます。このような状況に対する見解を伺います。
◎近藤 待機児担当課長 東京都は、待機児童解消に向けた緊急対策の中で、平成31年度末までに、就学前人口の50%の保育定員の確保を目指しています。
このことも踏まえ、区の平成32年の就学前人口推計約3万2,600名の半数を整備するには、3か年で約2,100名分の保育サービス定員を拡充する必要があります。
平成29年度予算及び3か年の実施計画(案)は、それを反映した目標値となっております。
平成29年度の待機児童の解消については、今年度の保育サービス定員を700名以上拡充できる見込みではありますが、想定を上回る入所申し込みがあり、厳しい状況でございます。
◆岡元 委員 国も、2017年度末までに、待機児ゼロとしていた目標を延期せざるを得ない状況にあります。
今回の1次募集で内定の得られなかったお母さんから、本当は、もう1人子どもが欲しいと思ったが、産休をとるとポイントが下がるから、上のお子さんが入りにくくなると言われ、断念したとの話を伺いました。本当に残念なことです。
このようなことでは、少子化の歯どめはかかりません。700名の定員増は、最低の目標として、でき得る限り前倒しで待機児童解消に取り組んでいただくよう強く要望いたしますが、いかがでしょう。
◎近藤 待機児担当課長 先ほども申し上げましたが、平成29年4月の待機児童数については、3月末までの取り組みの後、精査いたします。
今後、確定した待機児童の入所申し込み情報から年齢ごとの地域分布や、あるいは入所選考指数などを分析してまいります。
その分析結果を踏まえ、次年度以降の保育サービス基盤整備については、改めて検証をしてまいります。
◆岡元 委員 おっしゃるとおりのいつも2定ぐらいで確定をした数字が出るのだとは思いますけれども、それにしても、毎年、毎年、残念ながら、待機児童数が増えているのも事実でございますので、そういう意味では、確定してからということではなくて、もう常に、先を読むという形で拡大をしていただきたいと思います。
次ですが、また、器をつくっても保育士が確保できなければ、保育園の運営はできません。東京都は、これまで6年間としていた保育士宿舎借り上げ支援の家賃補助の在職期間を撤廃し、保育士の定着を図ることとしました。大田区も、私立保育園の常勤保育士に対する(仮称)保育士応援手当が新規に予算化されました。この事業の目的と効果について伺います。
◎近藤 待機児担当課長 (仮称)保育士応援手当は、区内の認可保育所、小規模保育所、認証保育所などの私立保育施設に6か月以上継続して勤務する保育士、約1,900名の処遇改善を図り、離職防止や勤続年数を高めることで、保育の質の向上を図るとともに、事業者の保育士確保を支援することを目的にしております。
月額1万円を年2回に分けて保育士個人の口座に直接振り込むことで、本人のモチベーションの維持向上に寄与するとともに、保育士の定着支援による区の保育の質の向上につながるものと期待しております。
◆岡元 委員 最後に、仮に東京都の補助金がなくなっても、大田区としては継続していただくよう要望しておきます。
大田区は、小規模保育所の整備を加速してきて、0歳児の定員が少ないと言われていますが、区の政策判断としてどのような保育環境を描かれていますでしょうか、伺います。
◎浜口 保育サービス課長 現在、区におきましては、育児休業明けに安心して預けられる1歳児の保育定員の拡充を重点的に進めており、認可保育園の新規開設にあたっては、1歳児園、または0歳児よりも1歳児の定員を厚くした内容で整備を進めております。
なお、0歳から保育が必要な方には、既存の認可保育園をはじめ、認証保育所、定期利用保育など多様な保育を組み合わせて実施しております。
また、育児休業明け入園予約制度について、平成30年4月から実施に向けて準備しているところでございます。
◆岡元 委員 入園予約制度をずっと私も、提案をさせていただきましたけれども、平成30年度から実施されるということで期待をしております。
安心して育児休業を取得するための認可保育園の入園予約は、大田区が考える1年間は、育児休業をとっていただき、1歳から保育園にとの姿に合致するものだと思います。
今後、どのように進めていかれるのか、伺います。
◎浜口 保育サービス課長 育児休業明け入園予約制度を実施する保育園でございますが、区立保育園12か所を予定してございます。申し込みの枠としましては、前期と後期に各1名、計24名を予定してございます。
申し込みの対象となるのは、保護者が申し込み児童の1歳の誕生日まで、育児休業・介護休業法等の法律に基づく育児休業を取得している方になります。
利用者の調整ですが、選考基準指数の最も高い方が複数になることを想定しており、公開による抽せんで決定する予定でございます。
平成30年度は、モデル事業としてスタートしますが、保護者の方々からの意見なども参考にしながら、本事業の内容の充実について検証してまいります。
◆岡元 委員 まずは、スタートすることが大事だと思いますので、よろしくお願いいたします。
次に、昨年の第3回定例会で3歳児の待機児対策として提案しました送迎保育ステーションについて伺います。
駅前に保育ステーションを設置し、送迎バスを利用して、区内の欠員がある認可保育園に子どもたちを送迎するサービスですが、まず、ニーズの把握のために保護者アンケートをお願いしまして、実施していただいたとのことですが、アンケート調査の内容及び結果についてお知らせください。
◎浜口 保育サービス課長 平成28年12月から平成29年1月にかけて、3歳の壁が課題となる小規模保育所在園児の保護者に対し、送迎保育ステーション事業についてのアンケートを実施しました。
アンケートでは、現在の交通手段、卒園後の入所先のほか、送迎保育ステーション事業があれば利用するかなどについて質問をしました。
結果として、在籍児童数の保護者372人のうち、293人の方から回答をいただきました。
まず、交通手段は、徒歩・自転車利用の方がほとんどでございました。卒園後の入所先としては、認可保育園を希望する方が78.8%、幼稚園を希望する方が15.1%でした。
送迎保育ステーション事業の利用希望については、連携施設が複数あるA型を希望する方が29.6%、連携する施設が1か所のB型を希望する方が47.5%の合わせて77.1%、どちらも希望しない方が22.9%という結果でございました。
◆岡元 委員 回収率78.8%は、非常に高い数値だと思います。
まずは、ご協力いただきました小規模保育所の職員及び回答いただきました保護者の皆様に感謝申し上げます。
送迎保育ステーションの利用希望者は、77.1%とのことですが、アンケートは、認可保育園の1次選考の結果が出る前の段階でも、利用希望が、利用しないの3倍を超えています。1次選考後の内定の出なかった保護者へのアンケートであれば、恐らく利用希望者は、さらに多くなっていたと予想されます。ニーズは、十分あることが確認できましたので、3歳児以上の待機児対策として、送迎保育サービス事業を推進すべきと考えますが、いかがでしょうか。
◎浜口 保育サービス課長 今回のアンケート結果を踏まえまして、小規模保育所卒園後の3歳の壁対策の一つである送迎保育ステーション事業については、待機児童の状況や従来の保育所整備の効果などを踏まえ、送迎ステーションの設置場所や移動バス内における保育のあり方など、様々な課題について引き続き詳細な調査・研究をしてまいります。
◆岡元 委員 よろしくお願いいたします。
最後に、認証保育所保護者負担軽減補助金について伺います。平成20年度まで認証保育所の保護者補助金は、月額1万円でしたが、平成21年度より、2人目以上の場合は、1人2万円に拡充され、今年度からは、世帯の所得に応じた四つの区分で1万円から3万円と大きく拡充されました。該当の保護者からは喜びの声をいただいております。
平成29年度予算では、1万円が1万3,000円に、2万円が2万5,000円に、2万5,000円が3万2,000円に、3万円が4万円とさらに拡充されるとのことで、非常に評価できるところです。
これまでは、大田区単独の予算でしたが、来年度東京都の補助金を活用することで、大田区の負担はどのように変わるのでしょうか。
◎浜口 保育サービス課長 平成29年度は、認証保育所保護者補助事業に関して、区民税による補助区分ごとの補助月額をそれぞれ増額しております。
また、支給対象範囲に、区民税所得割課税額50万円未満の上限を設けました。
これにより、平成29年度予算額は、3億9,000万円余となります。本事業は、これまで区の単独事業でございましたが、東京都が新設した、認可外保育施設利用支援事業を活用することで、事業の拡充をするとともに、区の実質的な財政負担が半減することになりました。
◆岡元 委員 これまでは、所得制限を設けずに全ての保護者に1万円以上の補助金を支給してきましたが、今回、所得制限を設けて、区民税所得割課税額50万円未満とした理由は、何でしょうか。
◎浜口 保育サービス課長 認可保育園の保育料は、応能負担の考えに基づき、世帯の所得により保育料に階層が設けられております。
一方、認証保育所の保育料は、定額制で応益負担となっております。これらの均衡を図るため、平成28年度からは、保護者負担補助には、所得による区分を設けて実施してございます。
今回の見直しでは、現在の応能負担の考えをより明確にするため、所得制限を設けるとともに、各区分の補助額の増額を図っております。
なお、区民税所得割課税額50万円の世帯収入は、おおむね1千万円程度と想定しております。
◆岡元 委員 認可保育園の保育料の負担額との均衡といったことも考慮されたと考えますが、認可外である認証保育所は、保育料が各園一律ではありませんし、もちろん年齢によっても異なります。各区分の中で認可保育園の保育料を下回る可能性はないでしょうか。
◎浜口 保育サービス課長 認可保育園の保育料を下回るケースはございません。
◆岡元 委員 現在の補助金の支給方法をお知らせください。
◎浜口 保育サービス課長 現在は、4月から9月分を10月の末日、10月から3月分を4月末日に、保護者の金融機関の口座に振り込んでございます。
◆岡元 委員 補助金の増額は、保護者の負担を軽減するものですが、低年齢であれば補助金との差額分でも家計を圧迫いたします。当該年度の住民税額の決定が6月ですので、平成28年度の住民税の税額通知書、または、非課税証明書による確認作業を考えれば、1回目は7月くらいでも仕方ないのですが、その後は、9月、12月、3月と年4回くらいに振り込み回数を増やしていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。
◎浜口 保育サービス課長 支払の回数を増やすことは、保護者の負担軽減を図ることにもなり、支払回数や支払事務のあり方について検討してまいります。
今後とも長時間保育、駅近くの立地、英会話など特色のある保育など、認証保育所の魅力についてもご案内し、本制度の活用により、多くの方が利用しやすい環境整備に努めてまいります。
◆岡元 委員 半年分ですと月額4万円の補助で24万円と非常に多額になりますが、保護者にとって必要なのは、半年に一度のボーナスではなく、毎月々の保育料負担の補助金ですので、保護者の方に負担軽減を実感していただけるよう、よろしくお願いいたします。
若い世代の方々が暮らしてよしと感じていただける大田区の実現のためには、安心して産み育てられる環境が不可欠です。一日も早い待機児童ゼロの達成を期待し、質問を終わります。
◆大橋 委員 大田区議会公明党の大橋武司です。高齢者支援についてお伺いをいたします。高齢化がますます進む中、本区では、地域包括ケア体制に向けて高齢者の元気維持、介護予防から最適な介護サービスへの切れ目のない支援を提供するシニアステーション事業の取り組みが始まりましたが、その取り組み内容、また、今年度始まったばかりで、成果はこれからと思いますが、状況を広く区民の皆様に知っていただくためにも、ゆっくりとわかりやすくお聞かせください。
◎堀 福祉部副参事〔元気高齢者対策担当〕 シニアステーション事業は、平成28年4月、田園調布、嶺町の2地区において、計3施設で開始いたしました。高齢者の生活状況の把握から、最適な介護サービスへの切れ目のない支援につなげる役割を果たすとともに、高齢者の元気維持や介護予防のための事業、社会参加や交流を促進する事業を実施しています。
元気維持・介護予防のための事業では、職員や外部講師、地域のボランティアが行う体操やダンスなどの様々な講座のほか、生活総合機能改善のシステムを活用したプログラム等を実施しています。
これらに加え、男性向けのフィットネスジム形式の介護予防教室、シニアクラブのボランティアが運営するサロン、近隣の特別支援学校との交流など、シニアステーションごとに特徴のある取り組みを実施しております。
利用者数は増加傾向にあり、平成28年4月から平成29年1月末までの3施設の利用者数は、3万2,000人を超えました。この3施設が、老人いこいの家であった平成27年度の同じ期間の利用者数と比較すると、約8,000人、30%の増加となっています。
また、認知症が疑われる利用者を地域包括支援センターにつないだ事例、地域包括支援センターへの相談からシニアステーションの介護予防教室の利用につないだ事例など、切れ目のない支援が日常的に行われています。
このように、シニアステーション事業を通じ、高齢者の元気を維持するとともに、支援が必要になった際は、適切なサービスにつなげるなどの地道な取り組みにより、地域包括ケア体制の構築に向けた成果が、着実に出始めているものと考えております。
◆大橋 委員 この短期間で利用者が30%、人数にして、8,000人増加されたということは、本当にこの取り組みがよい取り組みだということだと思います。
また、認知症が疑われる、先ほど言われておりました、利用者を地域包括支援センターにつなげられたり、あと、地域包括支援センターから、シニアステーションの介護教室に利用の引き継ぎをされたり、そういったこの高齢者の元気維持、そして、支援が必要な方に適切なサービスにつなげられるなど、地域包括ケア体制構築に向けた、まさに取り組みであると思います。
シニア世代の方々が、元気で生き生きとされていることは、ご本人はもとより、ご家族も、本区においても大切であり、こういった健康で元気になる取り組みが重要と考えます。
お聞きするところによると、シニアステーションには、介護予防、機能訓練、健康増進を支援でき、転倒予防、口腔機能向上、さらに、認知症予防になる取り組みができる歌や音楽、体操、映像など様々なコンテンツがあるシステムがあり、そのシステムは、音楽療法や医学、体育学など、様々な学術的協力によって誕生し、現在、全国1万4,000か所の施設で使われ、需要が高く、とても活用できるシステムがあるとお聞きしました。
このシステム、いかがなものなのか、ちょっとご説明願います。
◎堀 福祉部副参事〔元気高齢者対策担当〕 生活総合機能改善のシステムは、音楽や体操、認知症に関する知識の講義などのプログラムを画面に映し、利用者が画面を見ながら体操などの活動を行うものです。
現在、シニアステーションでは、このシステムを介護予防事業に活用しています。
プログラムは、エビデンスに基づく多様なものがあり、体操の種類は、座って行うタイプや少し難易度の高いものまで、利用者のニーズに応じて実施しています。
そのほか、利用者のリクエスト曲をみんなで歌う合唱や、映像を使用した認知症予防ゲームなども行われています。定期的に新しいプログラムが配信されることもあり、利用者の興味を引きつけ、元気維持・介護予防につながっているものと考えます。
また、このほかに、新年度の介護予防事業として、認知症予防に効果的な、みんなで歌いながら脳トレやストレッチを行う歌声フィットネスをシニアステーションを含む区内5か所で開始する予定となっております。
区としては、シニアステーション事業を通して、地域の方とともに多彩な活動を行い、高齢者が楽しみながら介護予防や交流が図れるよう取り組みを進めていきます。
◆大橋 委員 皆さんが一緒に楽しく行われている様子が伝わってまいります。ぜひこういった多くの方々が、一緒に楽しく体を動かし、声を出し、歌を歌い、介護予防、機能訓練、健康増進につながる取り組みは、大田区全域に拡充すべきと思います。
ただ、全域となると、予算がかなり多くかかるシステムであれば、期間を決めて、ゆうゆうクラブ、区民センターなど、順番に回していくなど、多くのシニアの方々が活用できるよう取り組んでみてはいかがでしょうか。ぜひ強く要望いたします。よろしくお願いいたします。
少し話が変わりますが、団塊世代の方々は、時代をリードされてこられた世代であり、仕事を退職されても、当面は働きたいという希望が高く、地域活動にも興味をもっていらっしゃる方々も多いと思います。
現在、大田区シルバー人材センターは、地域社会に貢献する団体として、豊富な知識、経験、技能をもつシルバー世代の方々が、仕事や社会奉仕活動等に積極的に取り組んでくださっております。
シルバー人材センターの地域ブロックは、現在、15で編成されているということですが、より地域に根差した取り組みを目指し、改善をされるとお聞きいたしましたが、どのように改善されるのかお聞かせください。
◎堀 福祉部副参事〔元気高齢者対策担当〕 大田区シルバー人材センターは、地域社会に貢献する公益団体として、高齢者の就労支援や社会奉仕活動に積極的に取り組んでいます。
センターの会員組織については、現在、区内を15のブロックに分けておりますが、本年4月からは、特別出張所管轄と同様な地区編成を行い、18地区の地域呼称を使用し、住民からわかりやすい、親しみやすい会員組織の体制に整備します。
この改善により、自治会・町会や地域活動団体等と積極的に連携し、身近な地域の生活支援サービスの提供を促進し、各地域の特性を生かした地域貢献活動を実施してまいります。
区は、センターとの連携を強化し、地域団体等との協力による、地域に根差した取り組みを推進してまいります。
◆大橋 委員 区内特別出張所管轄に合わせて15から18ブロックになり、また、あと今まで1ブロック、2ブロック、3ブロックと呼んでいたのが、例えば、大森東ブロック、新井宿ブロック、蒲田西ブロックなど、そうなることは、各地域においてより各出張所、地域団体と連携がとれ、地域の方々にとっても、働かれる方々にとっても、より地域の取り組みができるとてもよい方向だと思います。ぜひともよろしくお願いいたします。これからの取り組み、非常に期待をいたしております。
お仕事を退職されてお元気な方々、しかし、ちょっと話は変わりますが、年齢とともにシルバー人材センターで働くことが、こういった頑張っている方の中でも、足が多少悪くなったりとか、いろいろ体のこともあり、働くことが難しくなり、登録を解除される方もいらっしゃると思いますが、そういった場合、今までやりがいと生きがいをもって外に出ていたのが、なかなか外出をしなくなったり、家にこもったりされる可能性もあると思うのです。