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平成29年 3月  予算特別委員会−03月08日-01号

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  1. 大田区議会 2017-03-08
    平成29年 3月  予算特別委員会−03月08日-01号


    取得元: 大田区議会公式サイト
    最終取得日: 2021-10-03
    平成29年 3月  予算特別委員会−03月08日-01号平成29年 3月  予算特別委員会 平成29年3月8日                午前10時00分開会 ○田中 委員長 ただいまから、予算特別委員会を開会いたします。  第1号議案 平成29年度大田区一般会計予算ほか3件を一括して議題といたします。  申し合わせ事項により、総括質疑につきましては、各会派のもち時間のうち60分以内を原則とし、通知のあった時間を電光表示いたします。  なお、電光表示が0になりましても、各会派の款別質疑のもち時間を消化し、質疑は継続いたしますのでご了承願います。  また、款別質疑については各会派のもち時間を、しめくくり総括質疑については20分を、それぞれ限度として行い、残り時間を電光表示いたします。  なお、会派の呼称は、略称とさせていただきます。  また、理事者の皆様に申し上げます。  質疑時間には、答弁も含まれますので、簡潔な答弁をお願いいたします。  答弁の際には、その都度、自己の職名をはっきりと告げた上で答弁していただきますよう、お願いいたします。  それでは、総括質疑に入ります。  自民、質疑願います。 ◆高瀬 委員 自由民主党の高瀬でございます。総括質疑でありますので、このポイントだけは外せないという点に絞って質疑をいたしたいと思っております。  理事者の皆様には、区の基本的な考え方や方向性についてお示しくださいますようお願いいたします。  平成29年度予算についてであります。まず、平成29年度予算全体についてです。総額2,619億円、前年度当初予算額に比べ、約45億円、1.7%の増となり、この額はこれまでにない最高規模であります。  他の区の予算案を見ますと、8区で縮小しております。一概に比較は難しいのですが、少子高齢化や扶助費の伸びが増加傾向であるのは、他区においても同じです。予算規模を縮小する区もある中で、大田区が積極予算を編成するからには予算特別委員会として基本的な点で共通認識が必要だと思いますので、以下、基本的な部分だけを伺います。  まず、この最高規模に達するということの意義についてです。一つには、期待したいという点から申し上げれば、区の抱える多くの課題解決のために積極的に取り組み、必要不可欠な事業費を積み上げた結果であり、これで長年の課題が解決に至るという姿勢であれば、これは積極的に評価したいと思っております。
     ただ、姿勢という抽象的なことではなく、これだけの予算額を投入して、成果がどこに、どのように見込めるのか、目標の達成見込みを具体的にお示しいただくことが重要ではないかと思います。  平成29年度は、未来プランの後期計画の4年目にあたります。計画期間5年のうち4年目、つまり年次計画の計算上は5分の4ですから、目標の8割方を達成するために、必要な経費を計上されました。  この最大規模の予算投入によって、長期基本計画で記載された全36の施策について、それぞれのめざす姿が8割方は達成できるということになるという理解でよろしいのでしょうか、お伺いいたします。 ◎川野 企画経営部長 大田区の長期基本計画である「おおた未来プラン10年(後期)」では36の施策ごとに、プランの最終年度である平成30年度において実現したい大田区の姿を、区民の皆様の視点で示した「5年後のめざす姿」を掲げてございます。  未来プランでは、このめざす姿にどれだけ近づいたかをはかる、「モノサシ指標」を全部で76設定いたしまして、その最新値につきましては毎年4月に発行してございます「OTAシティ・マネジメントレポート」にてご報告しているところでございます。  現時点で目標値を既に達成している指標もございますが、8割方という、おおむね達成が見込まれるもの、また、より一層の取り組みが必要なものも様々ございます。  いずれにいたしましても、平成30年度までの残りの2年間のめざす姿の実現に向けまして、しっかりと事業の選択と集中に取り組んだ新年度予算案とさせていただきました。  区では、人口構成や社会状況の変化等に的確に対応するため、今年度末を目途に、大田区実施計画を策定しており、平成29年度より3カ年で、区がより重点的に取り組む事業を具体的にお示ししながら、施策を着実に進めていくところでございます。  大田区基本構想が掲げる区の将来像「地域力が区民の暮らしを支え、未来へ躍動する国際都市おおた」の実現を目指しまして、今後とも、未来プランが掲げる各施策をより一層、強く推し進めてまいります。 ◆高瀬 委員 次に、歳入についてです。前年度比45億円の増を賄うための一つは、税収増で11億円、ところが東京都などからの特別区交付金、利子割交付金、配当割交付金、株式等譲渡所得交付金は15億円も減少が見込まれるということですから、差し引きマイナス4億円、そこで都合49億円を基金から取り崩すか区債を発行して借金を増額することで、賄う仕組みであるということになります。  貯金をおろすか、借金を増やすかは財政政策上、一大問題です。基金総額は平成28年12月末現在で1,254億円余り、区債の現在高は、平成28年度末見込みで301億円余です。新年度予算では、ここから基金繰入で142億円、区債で44億円を歳入に充てるとのことですが、基金が1,254億円ありながら区債を平成29年度には307億円に増やすというのは、中長期的に見てどのような資金管理計画を想定されているのでしょうか。  ついでのことながら、基金運用も総額1,254億円もあれば、相当な運用益が見込まれます。予算書の計上額は7,024万円余りですが、基金額が同規模の平成27年度予算では1億6,700万円でした。半減しています。昨年1月の日銀のマイナス金利導入以来、利回りの低下はわかりますが、運用の工夫努力を要望いたします。  予算編成に話を戻しますが、平成29年度予算編成方針では、選択と集中を強化するとのことでした。今回の最高額予算となった背景をたどっていくと、限られた財源をどこに振り向け、あるいは削減したのでしょうか。区は平成29年度予算案の中で、どこに集中と選択をしたという認識をもっているかをお伺いいたします。 ◎川野 企画経営部長 平成29年度は、大田区実施計画に掲載する事業を着実に実施していくことで、「おおた未来プラン10年(後期)」に掲げた施策をさらに推進していく重要な年となります。  また、新空港線や羽田空港跡地の整備といった長期的な重要課題につきましても、その具現化に向け、重要な局面を迎えつつあります。  あわせて、今後、中長期的には、様々な行政課題や扶助費の増大、公共施設の更新経費等が見込まれるとともに、昨今の経済状況から基幹財源である特別区民税の見通しは不透明であり、特別区交付金も法人住民税の一部国税化の影響も受けることなどから、一般財源の大幅な増は期待できない状況にございます。  なお、平成29年度予算におけます義務的経費、投資的経費、政策的経費、その他経費の区分別増減を見ますと、「おおた未来プラン10年(後期)」や大田区実施計画を具現化するための政策的経費は、前年度当初予算比で71億円の増といたしました。  一方で、人件費等と合わせた義務的経費全体では7億円の減、計画事業以外の事業経費など、その他経費では8億円の減など経費を圧縮しており、行政資源の選択と集中を図っているところでございます。 ◆高瀬 委員 一方で、区が力を入れる事業は、重点事業個別説明書27ページから48ページに記載してあります。震災対策の強化、防犯対策の強化、オリンピックを控えて平和島ユースセンターの整備、勝海舟記念館の整備、子どもの学習支援、新製品・新技術開発支援、新スポーツ健康ゾーンの整備、耐震診断・改修助成、不燃化まちづくりへの取り組みなどといった事業は、区民生活の安全と安心を支え、今後の発展を期待できる事業には大いに期待するものであります。  そうした中で、次の新規事業について、これまで所管委員会などで説明があったのかもしれませんが、多くの方々の共通認識には至っていないと思われますので2点だけ伺います。  その一つは、新空港線の整備主体の設立1億8,000万円、これは新空港線の整備に向けての具体的な最初の支出というべきものと考えます。この事業は、大田区の行く末を決める大事業です。この整備主体の構成メンバーやその選定方法、財源の充当方法や支出内容などは、いずれも重要課題であり、それらを今後どのような道筋で決めていくのか、内容とスケジュールをお示しください。 ◎黒澤 まちづくり推進部長 新空港線につきましては、関係者間で確認した最新のデータをもとに、改めて需要予測、収支採算性、費用便益などを現在、精査しており、今年度末を目途に課題の整理が図られるよう鋭意取り組んでおります。  課題が整理された後は、費用負担のあり方などについて、合意形成を図る段階となってまいります。  したがいまして、来年度は都市計画交付金や財調の活用などあらゆる可能性を模索し、財源確保に向けた協議も進めてまいります。  委員お話の整備主体の構成や財源の充当などは、整備主体を設立する上で重要な事項ですので、財源確保の取り組みとあわせて検討・整理を図ってまいります。  これらの準備を円滑に進め、来年度の適切な時期に、整備主体を立ち上げられるよう取り組んでまいります。 ◆高瀬 委員 二つ目は、予算資料93ページに交付先団体別各種分担金・補助金が掲載されております。補助金の見直しを行う時期に来ていると思いますが、言うまでもなく、補助するからには相当の公益性があり、歴史的にもそれぞれに経過があるわけです。  特に、地域力あふれる都市づくりを掲げている大田区にあっては区民活動団体はじめ、町会・自治会への補助金なども一律に見直し対象とするのは、政策的な見地から慎重に行うべきと考えます。補助金見直しの視点や方策と判断基準、審議の方法をお伺いいたします。 ◎川野 企画経営部長 現在、より適正かつ効果的な補助金制度の構築を目指しまして、大田区補助金適正化方針、いわゆる、補助金に対する区の一定の考え方に沿った検証・見直しを行っておりますが、委員お話しのとおり、その補助の目的や対象などにより方針の原則になじみにくいものがあり、その判断は慎重に行うべきであると認識しております。  そのため、例えば区政を推進する上で強く奨励すべきと判断されるものについて、原則、2分の1を超える高率補助を認めるなどの例外規定を設けております。  このような原則になじみにくいものにつきましては、必要性や妥当性を十分検証し、理由を明確にすることとしております。  引き続き、各部と企画経営部の連携のもと、これらの検証を慎重に行い、必要な見直しを進めてまいります。 ◆高瀬 委員 中央防波堤埋立地の帰属問題について、お伺いいたします。  中央防波堤埋立地の帰属問題について、そもそも広大な埋立地の帰属が何十年も決まらない、つまり、基礎的自治体のどこの行政区域内にも入らない土地であり続けるというのは、はっきり言って、これは行政の権限と責任の放置だというべきではないでしょうか。帰属したら何かよいことがあるのか、ないのか、といった損得勘定ではなく、基礎的な自治体が担うべき当然の責務と考えます。  一方、一度、境界が決まってしまったら、未来永ごう、これを変えていくことは基本的にはできません。我々は、何十年後かの区民から、「昔の関係者が、中央防波堤埋立地の帰属問題にしっかりと取り組んでくれて、大田区はもとより東京、首都圏のさらなる発展の基礎となった」と評価されるようでなければなりません。  つまり、申し上げたいのは、他の区政課題は、いろいろあることでしょう。それは分かりますが、他の当面の課題とは、全く次元が違うということであります。境界を決める帰属問題は、5年、10年といった短いスパンで捉えるのではなく、国家百年の計がごとく、しっかりと未来を見据えて取り組むべき重要課題であります。大田区の未来に、大きなレガシーを残せるように取り組むべきです。帰属問題こそ、オール大田となって頑張ろうではありませんか。  松原区長は、この10年間、オール大田の先頭に立ち、強いリーダーシップを発揮され、正しい解決を目指してこられました。この埋立地は、もう埋め立て開始後43年間もたってしまいました。その長い歴史において、初めて正式協議というものが実現しました。松原区長は、歴代の関係者ができなかったことを、見事になし遂げられたわけです。  これをしないと、次に進むことはできなかったという意味で画期的でした。そういう意味で、とても大事な正式協議において、江東区側がこれまで広報紙や江東区議会で展開されてきた主張と大田区の主張を比べたら、大田区には圧倒的に論理的整合性と説得力があります。最高裁判所が示している「行政境界を確定させる基準」というものを適用してみると、この埋立地は、しっかりと大田区に帰属させることが正しいということを理解できます。  その根拠として、膨大な資料をひもとき、調べ上げることによって判明した、中央防波堤埋立地に刻み込まれた大田区民の奥深い歴史的沿革があります。正論が、我々大田区側にあることを世に知らしめた区長の取り組みは、未来の区民からも評価されると確信しております。  我々、区議会の考えも全く同様であります。一年前、この定例会で「中央防波堤埋立地の大田区への全島帰属を求める決議」を議決した我々は、松原区長とともに立ち向かっていく覚悟であります。密室での政治的な駆け引きに取り込まれることのないように、心から願っております。  松原区長、機は熟してきているのではないでしょうか。難しい局面もあろうかと思いますが、可能な限り早い時期の定例会において、調停申請議案の提出に踏み切るべきと考えておりますが、いかがでしょうか。松原区長のご決意を再度お伺いいたします。 ◎松原 区長 ちょうど折しも、中央防波堤の問題ですが、一年前の今日にあります。私みずからが江東区長を訪問したことによりまして、両区の正式協議を始めることができたと思っております。帰属問題は、今年で43年が経過し、長い折衝の中で初めて正式協議を行い得たことは非常に意義深いことであります。  しかし、その正式協議においても、両区の主張は、依然として平行線のまま相入れない状況にあります。私は、最高裁判所が示した境界決定の基準に基づき解決すべきことを、初めて世に問い、中央防波堤埋立地となった海面における歴史的沿革を詳細に明らかにしてまいりました。今や、大田区の主張こそ、法的正当性と客観的妥当性があると考えております。  両区の自主的な協議が平行線のままであれば、法に定められた手続による適切な対応が必要となります。中央防波堤埋立地を大田区に帰属させ、東京、ひいては日本の国際競争力の強化を図りたいとの、私の確固たる決意をなし遂げるために、今後、最良のタイミングで最善の判断を行いたいと考えております。  次のステージに進むにあたっては、まさにオール大田で、区議会の皆様と、しっかりとスクラムを組み、着実に前進していかなければならないと思います。引き続き、区議会の皆様のご理解と強力なご支援をお願いいたしたいと思います。 ◆高瀬 委員 次に移ります。産業についてであります。  大田のものづくりは存亡の危機にある、といっても過言ではないという言い方は言い過ぎかもしれませんけれども、この30年余りで約7割も減っています。統計のとり方によりますけれども、区内製造業の出荷額は、最高1兆5,373億円もあったものが今では1兆円以上も減って5,306億円です。工場数も9,190から3,788に、雇用数も9万5,000人余りを数えたのに今では3万人を切っております。町工場で働いて、帰り道にあたる蒲田駅の周辺で一杯飲むという人々の数も減るわけですから、この蒲田周辺の街の明かりが寂しく感じられるのも数字の上から明らかです。  製造業は、全産業の中でも基盤をなす産業という意味で特別な意味をもっています。つまり人間の暮らしやすさのために必要なものは、製造業から生まれます。生産されたものを輸送する、販売する、それらをつなぐ金融業も不可欠ですが、製造業が全ての産業の出発点であることは間違いありません。  さらに重要なのは、生産活動というものは、金属加工を例にとってみても、熱や圧力を加えて変形させる成形、削ったり穴を開ける切削、旋盤加工、研磨、メッキなど各種にわたり、これらの全てが科学の粋をきわめ、何ミクロンといった精密な技術を必要とします。一旦この技術が途切れたら継承することは望めません。  一方で、自動車製造の環境が大きく変わり、中国や韓国、台湾への海外流出や自動車自体の構造変化、例えば今までのガソリンを燃やしてエンジンを回転させるレシプロエンジンが電気自動車に変わろうとしております。部品数で言えば、これまで約3万点を必要とした自動車が電気自動車だと約1万点で済んでしまう、つまり2万点前後もの部品が必要とされなくなる時代もそう遠くはないと言われております。  大田区の中小企業とそのもてる技術を維持し、発展させていくには、これまでと次元の違う施策を展開していくべきだと考えます。  その一つの方向は、昨年、我が会派の塩野目正樹議員がさきがけとなる質疑をしました。医療機器製造に進出する重要性を説き、区長から「資金面を含め、区内ものづくり企業が積極的にチャレンジできる環境整備を進めていく」との答弁をいただいております。  また、松本議員が先の代表質問で、国が革新的医療機器の開発体制をオールジャパンで進めていることを踏まえ、区がどのような対応をすべきかとの質疑には、区長は「ファンドの組成などを含め、大田ブランドを力強く発信していく」との答弁がされております。  医療機器は、車などの部品製造と違い、旧・薬事法、今は医療機器法というのだそうですけれども、安全性や有効性を確保するために、特別な製造販売業の許可業者が必要であり、これには多額の経費が求められ、しかも医療機器の製造販売が全て成功するとの保証はないことから、単独の中小企業がチャレンジするのは大変難しいとされています。逆に、先進的な取り組みを行い、これを乗り越えれば、他の地域にはまねのできない優先的なビジネスチャンスを獲得できます。  大田のものづくりの力と東工大などの、地元に存在する特許など知的財産権の有効活用によって、医療機器をはじめとする全国初の道を切り開く必要があります。大事なことは、経済活動にかかわることでありますので、迅速な対応が必要であります。今、早急に手を打たねば、他の地域に先行され、せっかくのビジネスチャンスを失ってしまいかねません。大田のものづくりとそのブランドの活性化に向け、公的ファンドの組成を含めた具体的な対応に着手すべきと考えます。区長のご見解をお聞かせ願います。 ◎松原 区長 医工連携によります医療機器等の開発についてのご質問でございますけれども、今後の成長分野の一つとして、区といたしましては期待を寄せているところでございます。また、委員お話のとおり、製品の開発・販売は経済活動にかかわるものであり、迅速な対応が重要であると考えております。  区内の産業界では、中小企業が医療機器等の開発から製品化、販売までを積極的に行えるよう、仕組みに関する検討が始まっております。医療機器等の開発や販売には、資金面での課題とともに、製造・販売に係る認可などの課題もございますが、これらの課題に対応するため、ファンドの組成などを含めた総合的な仕組みの構築も検討されております。  区といたしましては、こうした民間による積極的な取り組みを見つつ、大田のものづくりブランド振興の視点から、公共性・公平性に配慮して仕組みの構築について、スピード感をもって取り組んでまいりたいと思っています。 ◆高瀬 委員 続きまして、保育のあり方についてお伺いします。  家庭の保育機能を守りつつ、社会資源の効率的な活用を図るという観点から0歳児と1歳児については、保育園でなく家庭における保育を可能にするような制度、つまり産休・育児休業制度と休業中の所得補償制度を拡充し、2歳以上は保育園と幼稚園の延長保育制度も活用して待機児を生まないようにするという観点から、児童福祉について質疑をいたします。  平成29年度予算案における児童福祉費の額は、557億4,294万4,000円となっております。この額は、5年前の平成24年度の額と比べますと、144億円余りも増えております。他の費目にはない増え方です。  それだけの予算を毎年増やして待機児問題が解消できる見込みはまだ立っていません。上の兄弟姉妹が入れているのに下の子が入れない、やっと入れたと思ったら違う保育園になってしまい、別々の保育園に送り迎えする毎日だとの悲鳴も聞こえております。別々の保育園になっている世帯は、実際にはどのくらいの数、割合になるのか伺います。できるだけ同じ保育園にしてあげられることができる方策と、何年後ぐらいからそうした悩みを解消できるか、その見込みをお聞かせください。 ◎後藤 こども家庭部長 平成28年4月時点で、ご兄弟で保育園を利用している世帯は1,704世帯いらっしゃいます。この内、別々の保育園を利用されている世帯は259世帯あり、兄弟で利用されている世帯の15.2%となっております。  区では、申し込み児童以外に、兄弟が在園または同時に保育園を申し込む場合に、就労状況などに対してつける選考基準指数に、調整指数として加点することで、兄弟で同じ保育園をご利用できるよう利用調整を行っているところでございますが、残念ながら全てのご希望にお応えできていない状況であります。  引き続き、大田区子ども・子育て支援事業計画でお示ししました、平成31年度末までを目標とした待機児童解消に向けた取り組みを進める中で兄弟がそろって同じ保育園をご利用できるよう努めるとともに、現行の加点制度の改善やその他の仕組みにつきましても研究してまいります。 ◆高瀬 委員 研究して早目にやっていただけるよう、よろしくお願いいたします。  さらに、年少人口は、直近の人口予測においては、平成32年ごろまで増え続け、0歳から6歳までの就学前人口は、最高3万2,000人余りになるとの予測です。  各家庭が果たすべき保育機能と、保育園などを用いる公的保育機能はどのように分担するべきとお考えなのか、その基本的なあり方についてどのような原理原則をおもちか、お伺いいたします。 ◎後藤 こども家庭部長 児童福祉法の第2条では、児童を心身ともに健やかに育成することについての第一義的責任は保護者にあるとした上で、国や地方公共団体は、児童の保護者とともに、児童を心身ともに健やかに育成する責任を負うとされております。  また、公的保育である保育所に関しては、児童福祉法の第24条におきまして、市町村は、保護者が保育を必要とする場合において、当該児童を保育所において保育しなければならない、必要な保育を確保するための措置を講じなけばならないと定められております。  このような考えを踏まえ、区では、保育ニーズの高い低年齢児のうち、0歳児については、育児休業の取得が可能な方には、ご家庭において親子のきずなをしっかりと築く大切な時間として過ごしていただきたいと考えております。  現在、育児休業明けに安心して預けられる1歳児の保育定員の拡充を重点的に進めており、認可保育園の新規開設にあたりましては、1歳児園、または0歳児よりも1歳児の定員を厚くした内容で整備を進めております。  このような取り組みによりまして、平成29年4月時点の区の認可保育園116施設のうち、1歳児園は44施設、38%となっております。  なお、0歳児からの保育が必要な方には、既存の認可保育園をはじめ小規模保育所、認証保育所、定期利用保育などの多様な保育を組み合わせて実施してまいります。また、在宅での子育て支援といたしましては、児童館や子ども家庭支援センターなどでの子育ての悩みや相談にきめ細かく対応できる相談事業の充実や、乳幼児親子が気軽に集える居場所づくりなどにも取り組んでいるところであります。 ◆高瀬 委員 かつては、児童福祉法により原則として保育に欠ける場合に、福祉的な観点から公的保育によるものとされてきました。平成24年の改正で、保育を必要とする場合と規定が変わりました。家庭が必要とする場合には、公的な保育を積極的に行うのが法律改正の趣旨だと思われますが、その負担も結局は区民の税金によります。資源が無限にあるわけではありません。  優先的な利用、つまり虐待や障害を有する場合などは別ですが、0歳と1歳は家庭における保育を原則とし、2歳児からは公的な保育の体制を十分に整える、という考え方を検討してもよいのではないでしょうか。  理由は、0歳、1歳は産休・育児休業制度と育児休業給付金制度が充実してきたことです。育児休業開始後180日間は、育児休業給付金で所得の67%が支給されます。安心して親子のきずなを育める大切な時間を確保できます。これまでは、おおむね1歳半までということですが、現在、国会においても育児休業法の改正案が出され、2年まで延長できるということが審議されております。  乳幼児を預かるほうの保育士の配置は、0歳児が3人に保育士が1人、1歳児だと5人に保育士が1人を充てることとされております。母親が育児休業中には、満2歳まで育児休業給付金を支給することにより、0歳児と1歳児のために配置している保育士を2歳児以上の子どもの保育に振り充てることができます。  現状において、0歳と1歳児の保育に配置されている保育士は何人でしょうか。その人数を2歳児以上に振り分けたら2歳児以上の待機児はどのくらい減らせる計算になるのでしょうか。増え続ける児童福祉予算に区切りをつけるとともに、2歳児以降は希望者が入りやすい十分な体制をとることを提案したいのですが、ご見解をお伺いいたします。 ◎後藤 こども家庭部長 平成28年4月時点における、区立と私立を合わせた認可保育園108園ございます。これに配置されている保育士のうち、0歳児及び1歳児を担当している保育士は、合わせて625名います。  この625名の保育士を、法で定められている保育士配置基準を加味して、2歳児から5歳児までの各年齢枠に振り分けますと、各年齢とも約2,000名の定員増となります。これを既存の保育定員と合計いたしますと約4,000名となり、区の就学前人口に占める充足率は、どの年齢とも7割を超えます。計算上でありますが、全ての2歳児以上の保育ニーズに応えることができます。  ただし、実際の定員の設定では、保育士の配置基準のほか、年齢ごとに設けられている面積基準があるため、実際の配置は難しいものと考えております。  区としては、先ほども申し上げましたが、低年齢児の保育の中でも、特に待機児童が多い1歳児の保育サービス定員の拡充を重点的に取り組んでまいります。  また、区では初めてとなりますが、平成30年4月から育児休業取得者を対象にした入園予約制度をモデル的に実施する予定であります。今後、国において議論されている改正育児・介護休業法の動向も注視いたしながら、仕事と家庭の両立支援ができる環境整備に努めてまいります。 ◆高瀬 委員 いろいろな話が出ておりましたけれども、何とか創意工夫して待機児を減らすということをしていただきたいと思っております。  次に、児童相談所の設置についてお伺いいたします。23区の中で先行する自治体は、平成32年4月から設置するというところもあると聞いております。71万区民を擁する大規模自治体として、独自の児童相談所がないというのは、健やかな児童育成を目指す上では大きな障害になります。大田区は、まだその児童相談所の建物の場所の候補地も決まっておりません。適地を全体的な見地から、早急に決めていく必要があると考えますが、ご見解をお伺いいたします。 ◎後藤 こども家庭部長 児童相談所の設置にあたりましては、施設整備と人材確保は大きな課題であります。  施設整備を行う場所の選定につきましては、区の人口規模を考慮いたしますと、一時保護所と一体として整備するためには、最低3,500平方メートル以上の延床面積の確保が必要となります。また、地域の関係機関との連携や、利用に際しての利便性にすぐれた場所など、様々な角度から検討する必要がございます。  一方で、法施行後5年を目途として設置するためには、早急に場所を選定することが必要であるため、現在、関係部局で構成する大田区児童相談所移管推進本部会議におきまして、全庁的な体制のもと、検討を進めているところでございます。  なお、この間、本部会議での取り組みといたしまして、近隣の児童相談所設置市への視察や政令指定都市、中核市への聞き取り調査などを実施しておりまして、今後、これらの情報も参考にしながら、適切な場所の選定に努めてまいります。 ◆高瀬 委員 一方で、設置か移管かという議論も東京都と起きているようです。大田区が設置した場合には、児童福祉司という中心的な人材の確保が一番の課題であります。一朝一夕には、人材は育てられません。待っていても東京都から継続的に派遣してくれる保障はどこにもありません。  確かに国は、今回の法改正で改正後5年を目途に児童相談所を設置するということができるよう必要な支援を講ずるとしていますので、これを目標とすることは当然のことと思いますが、5年という枠にこだわることなく、大田区民のためになる児童相談所の設置に向けてじっくりと検討し、着実に体制を整えることが必要だと考えます。大田区が児童相談所を設置するならば、人材確保の道筋を立てるのが先決だと考えますがお考えをお伺いいたします。 ◎後藤 こども家庭部長 児童相談所の設置にあたりましては、安定した運営を担う、人材の確保と育成が大変重要であります。  児童相談所に配置する児童福祉司や児童心理司には、人口規模に基づいた配置基準があり、児童福祉司は人口4万人に1人、児童心理司は児童福祉司の2分の1の配置となっています。  そのため、71万区民を抱える大田区では、最低、児童福祉司が18人、児童心理司が9人必要となります。  区では、児童福祉司を育成するため、約150人いる福祉職を中心に、平成21年度から、品川児童相談所に延べ7名を派遣しており、来年度は、派遣人数を3名に増員する予定でございます。  一方、児童心理司につきましては、現在、区の心理職が、管理職を含めまして2名のため、来年度から特別区人事委員会が実施する心理職の統一採用におきまして、必要となる人材を計画的に確保する予定でございます。  児童相談所では、児童虐待のほか、保健、障害、非行、育成相談など幅広い事業に対応しており、区の児童相談所を担う人材には、これらの各分野における区民ニーズに、迅速、的確に対応していくことが求められます。  今後、区民に身近な場所で、区民の期待に応えることのできる児童相談所の設置を目指して、必要な人材を計画的に確保し、その育成にしっかりと取り組んでまいります。 ◆高瀬 委員 それでは、次に、スポーツを活用した地域の活性化についてをお伺いいたします。
     東京オリンピックが3年後の夏にやってきます。スポーツがもつポテンシャルはとても大きなものがあり、スポーツを一つの軸にして地域力を増強していく取り組み、すなわちスポーツツーリズムが国でも大きく取り上げられるようになってきました。大田区は、羽田空港に最も近く、スポーツツーリズムが地域活性化に有効だと考えます。具体的な取り組みに着手すべき、との考えから質問いたします。  2020年の東京オリンピックは一つの契機にすぎないもので、肝心なのはその前、その後を通じて、スポーツを活用した地域の活性化です。具体的にスポーツがもつ効果には、次のような多面的なものが期待されております。  それを大きく分けると、インナー志向、つまり地域内でこれまでのスポーツ愛好家の方々によるスポーツ振興、健康増進、例えば青少年が幼いころから心身を鍛え、社会性を育み、また、高齢化社会を迎え、元気な高齢者にスポーツの場所と機会を確保し、元気で長生きする身体作りを定着できるといった区域内の効果です。  横浜市では、横浜市の体育協会が運営しているようなスポーツ医科学センターという整形外科専門の医院を運営し、スポーツで傷めた腰痛、ひじなどの関節痛など整形外科的なけがや病を先進的な治療で回復させ、健康維持に役立てるといった事業も期待されております。  もう一つは、アウター効果と呼ばれるものです。区域外からスポーツ観戦や対戦などのために、地域の外から来訪する日本人、外国の人々を増やして観光振興や地域商業・産業振興の効果を上げようとするもの。スポーツ大会の誘致と、この観客を開催地周辺の商店や宿泊施設の経済活性化に生かすことが期待できます。こうしたスポーツの多面的な効用を計画的、総合的に活用していくには、スポーツコミッションの設置が必要であると考えます。  スポーツコミッションの設置を、専門的に取り組む部署を設けるべきだと考えます。もちろん、区役所だけではスポーツツーリズムは進みません。旅館、ホテル、交通機関、旅行会社、飲食店、商店などの関係する企業やスポーツ活動団体が枠を超えて連携・協働してゆく必要があります。  スポーツコミッションは、そうした民間業者、団体との共同設置が望ましいと考えます。そうした組織を立ち上げるために、日本スポーツツーリズム推進機構などからアドバイザーなどの派遣を受けて専門的に検討していくことが最も近道ではないでしょうか。千葉県や栃木県、北海道などの市でそのような取り組みを始めている例が増えております。大田区も、しかるべき所管課がスポーツコミッションを立ち上げることを促進するよう提案をしたいと考えますが、ご見解をお示し願います。 ◎茂呂 スポーツ・文化担当部長 スポーツコミッションは、スポーツイベントの開催や大会の誘致のほか、宿泊場所の手配など運営の支援等を行い、これにより地域経済への波及効果や地域住民との交流などを図る組織として期待されております。  このコミッションを立ち上げるためには、庁内各部署、地域のスポーツ団体等々、幅広い連携が必要となります。  一方で、区は区内のスポーツコミッションに発展する組織の情報を十分に把握していないほか、庁内においてもノウハウの蓄積が不十分な状況でございます。  つきましては、スポーツ推進課を中心に、お話のありました先進自治体や日本スポーツツーリズム機構などの取り組みを調査研究した上で、検討してまいりたいと思います。 ◆高瀬 委員 5年とありましたけれども、その中で、やはりスポーツツーリズムというのは、スポーツ振興課中心ということもあるでしょうけれども、やはり新たなというか、考えていただきたいと思っておりますけれども、これは何かといいますと、やはりスポーツだけのことではないのです。インナーとアウターという言葉を使わせていただきましたけれども、ホテルだったり旅館だったり、例えば通訳の話があったり、商店だったり、何かおもち帰りの物品を販売することだって、いろいろな様々なことが絡み合うということで、いうのがスポーツコミッションだと思いますので、そのところに伺いたいということで、これは遠藤副区長に聞いてみたいと思います。よろしくお願いいたします。 ◎遠藤 副区長 すみません、突然ご指名をいただきまして、この議場に入る直前に質問をする時間があればするかもしれないということで、質問を通告いただいておりますけれども、何分にも議場に来る直前でございまして、準備がきちんとできていないという状況でございますので、答弁も的確にできるかどうか恐縮でございますけれども、その点を容赦いただきながら、現在の私のほうで答弁できる内容についてお答えをさせていただきたいと思いますが。  今、部長のほうでお答えをさせていただいている答弁につきましても、私のほうともお話をさせていただいて、どのように今後していくことがいいのかということで、まだ調整もということは、調整をした上で答弁しているのですが、要は考え方の全体の区における今後の取り組みについて、どのような方向で進めるかというのは、非常に委員のご質問をいただいたように、スポーツコミッションというのが、ではどういうことなのかということで、私も勉強をさせていただいている最中でございまして、私が現在の状況の中で勉強をさせていただいている中での状況で、お話をさせていただきますと、やはりスポーツコミッションは地域を活性化していくために、まちづくりや産業や委員がおっしゃっていただいているように、文字どおり全てのことが絡んでスポーツを活用して地域の活性化を推進していこうと、こういう趣旨だと考えてございます。  そのような意味でいきますと、委員からのご質問でコミッションの設置を専門的に取り組む部署を設けたらどうかというご提案もご意見をいただいてございますので、今後、そのようなことを踏まえながら、民間のほうでスポーツを活用した中身を推進するということもあわせて、やはり進めていただきながら様々な団体とも連携しながら詰めていかないと、進むことが進みにくいということになりますので、そのようなことで答弁とさせていただきます。よろしくお願いします。 ◆高瀬 委員 よろしくお願いします。  質問において、何事もいろいろな言葉で早期にという言葉を使わせていただきましたけれども、しかし、政策を執行するにあたり、的確に行うことがやはり一番大切だと思っております。  政策判断は、区長の判断で行うということであります。そして、政策においては、やはりそれを支えている働いてもらうのは職員であります。幸い、大田区は優秀な職員、人材が豊富でありますので、区長はその人材を適材適所、いかに使うか、使えるか、やる気をもって十分、十二分に働いてもらうか、そのことができれば鬼に金棒、他区の自治体にも負けることがないと思っております。  時間でございますので、議会もその点を一生懸命補助しながら、区長とともにこの大田区をよくして、その思いで頑張ってまいりますので、よろしくお願いいたします。 ○田中 委員長 次に、公明、質疑願います。 ◆玉川 委員 大田区議会公明党の玉川英俊でございます。会派を代表いたしまして、総括質疑をさせていただきます。よろしくお願いいたします。  はじめに、平成29年度予算について伺います。一般会計予算2,618億5,000万円余、前年度比1.7%増、金額にして約45億円増の積極的な予算編成であり、前年に引き続き、過去最大規模の一般会計予算となります。  予算編成にあたってのスローガンは、前年度と同じく「暮らしてよし、訪れてよし、地域力あふれる国際都市おおた」の実現を目指して、とありますが、予算案の概要では、「おおた未来プラン10年(後期)」における計画期間の折り返し点を過ぎた中で、目標達成に向け、さらに積極的、かつ具体的に取り組みを進める必要があり、現在策定を進めている大田区実施計画に基づき、施策を着実に展開していく重要な都市であると位置づけられています。  重点課題におきましても、「未来を拓く子どもたちや若者」、「誰もが」、「生活基盤の確立」、「国際都市おおたの成長を牽引する」といった具体的なターゲットや決着点、方向性が示されたものと評価いたします。その中で、少子高齢化の進行等による人口構成の変化への対応として、扶助費増加により、今後も予算規模の拡大傾向は続いていくのではないかと思いますが、どう認識されていますでしょうか。また、この課題に対する本区の今後の取り組みについてお聞かせください。 ◎松原 区長 区におきましては、今後、人口構成の変化に伴い、子育て支援や高齢者対策、生活保護などに係る扶助費や一般会計から他会計への繰出金が増加することなどから、予算規模については、拡大する方向に圧力がかかることが見込まれます。  扶助費及び他会計繰出金の増につきましては、平成29年度予算において、増加傾向を抑制すべく各種の取り組みを進めてまいりますが、そもそも人口構成の変化という社会状況に起因するものであることから、大幅に抑制することは困難であると考えております。  加えて、区は、子ども・子育てに係る環境整備や防犯・防災対策、魅力あるまちづくりなど、様々な行政需要にも的確に応えていかなければなりません。  区においては、引き続き限られた財源を効果的・効率的に活用すべく、事務事業の見直し・再構築や経常経費の節減、新たな財源の確保などの内部努力とともに、区民目線に立って必要な事業を見きわめる選択と集中の視点をより一層強化することで、区民サービスの向上と健全な財政運営の両立に努めてまいります。 ◆玉川 委員 本区の予算編成の根幹となっている、「おおた未来プラン10年」のスタートとなった平成21年度予算策定の際、新しい自治体の創造として、「地域力」と「国際都市」とのキーワードが掲げられました。この地域力に支えられた国際都市としての大田区の魅力と存在感を国内外に広くPRするため、このたび「国際都市おおた宣言」として策定され、今週末3月12日の区制70周年記念式典の中で、その宣言の記念セレモニーが行われますが、この国際都市おおた宣言を行うにあたっての区長の思いをお聞かせください。  また、この宣言により、期待される波及効果をお聞かせください。 ◎松原 区長 国際都市おおた宣言への思いでございますが、私は区の将来像として、「地域力が区民の暮らしを支え、未来へ躍動する国際都市おおた」を掲げ、これまで地域力と国際都市を区政の推進力として取り組んでまいったところでございます。  地域力の定義に続き、昨年6月には新たに国際都市の定義を決定いたしました。そしてこれらの定義をもとに、地域の担い手であります区民の皆様とともに、地域力を結集して新たな時代を切り開き、輝かしい未来に向かっていきたいという思いから、「地域力で世界にはばたく」というサブタイトルを付して、この宣言を策定いたしました。  区が目指す国際都市は、単なる海外との交流にとどまることなく、産業、観光、多文化共生など、地域力を生かして推進することで、区の魅力が高まり、それが大田区らしい国際都市の取り組みにつながっていくものと考えております。  そこで、平成29年度からこの宣言を広く周知するために、区報をはじめ様々な広報媒体を活用して発信するなど、多言語に翻訳して多くの外国の方々にも周知していきます。  宣言がきっかけとなって、区の魅力や存在感が広く発信することで、国内外の人々から大田区が注目されて、海外諸都市との交流も進み、誰もが安心して暮らせる多文化共生のまちづくりに波及していくことを期待しております。 ◆玉川 委員 続きまして、健康福祉についてお伺いします。  超高齢社会の中で、高齢者の心と体が虚弱になる状態、フレイルを予防し、健康寿命を延伸するため、東京都健康長寿医療センター研究所と共同で運動・栄養・社会参加の3要素を地域に働きかける「大田区元気シニア・プロジェクト」が進められております。  この中で、今回、研究所が作成する高齢者の健康づくりを応援するツールとして、大田区版の「健康手帳」の活用が挙げられています。このような手帳はコンパクトでもち運びやすいものが望まれますが、この健康手帳はどれくらいのサイズで、どのような内容のものでしょうか。 ◎中原 福祉部長 大田区元気シニア・プロジェクトで使用する予定の、いわゆる健康手帳のサイズでございますが、比較的もち運びしやすく、文字も見やすいB5サイズの判を予定しております。  また、内容につきましては、手帳をもつ方が、ご自分の運動・栄養・社会参加の取り組み状況について、セルフチェックをするような仕組みとなって考えております。 ◆玉川 委員 自分の手帳をもつということで、社会参加への楽しみが広がるのではないかと思いますが、この健康手帳の活用により、どのような展開を期待していますでしょうか。 ◎中原 福祉部長 元気シニア・プロジェクトの健康手帳の目的は、手帳を使用する方が、フレイル予防のため、ご自身のセルフチェックに役立てていただくことです。  区としましては、モデル地区における運動・栄養・社会参加の健康教室やボランティアの養成講座などを開催する中で、参加者がこの手帳を活用し、仲間とともにフレイル予防に取り組む意識の創出を考えてございます。 ◆玉川 委員 今回は、モデル地区となる嶺町・田園調布、糀谷地区でのスタートとのことですが、この2地区をモデル地区とした理由は、どのようなものなのでしょうか。 ◎中原 福祉部長 モデル地区としました理由につきましては、この事業が大都市では初めての試みとなるため、区内の地域特性や地形などが大きく異なること、人口規模などを鑑みて、東西の2地区を候補に挙げました。 ◆玉川 委員 将来的に、この対象地区をどのように広げていくと考えていますでしょうか。 ◎中原 福祉部長 将来的には、この大田区シニア健康長寿に向けた実態調査を行いましたが、この調査の報告に基づき、フレイルの割合の高低、あるいは地域の特性、実情を踏まえて広げてまいりたいと考えております。 ◆玉川 委員 高齢者の健康づくり、地域づくりを応援するツールとして、この健康手帳が活躍されていくことを期待しまして、次の質問に移ります。  データヘルス計画に基づく保健事業の健康ポイント事業について伺います。平成29年度は、モデル事業として、特定健診やがん検診等の各種健康診査、ウォーキングや健康体操等の日々の健康行動の記録に対し、健康ポイントを付与するものとのことですが、この健康ポイント事業の狙いについてお聞かせください。 ◎木田 区民部長 国保の被保険者の方の疾病構造でございますが、生活習慣病が中心となっております。生活習慣病の対策を進める場合には、生活習慣病のリスクが高い方に的を絞って行う場合と、被保険者全体の方に対して生活習慣病のリスクを減らすための働きかけをする方法があり、健康ポイント事業は後者の取り組みになります。  国保の被保険者の皆様一人ひとりが、みずからの健康はみずからつくるという意識をもち、具体的行動として一歩を踏み出していただくことが重要になります。  健康ポイント事業は、国保被保険者の皆様が、健康づくりのために主体的に行った行動に応じてポイントを付与し、ポイントが蓄積された段階で、例えば他区では区内共通商品券や健康グッズなどと交換をしておりますので、大田区らしいものを検討しておりまして、そのことで取り組みを進めてまいりたいと考えております。 ◆玉川 委員 このポイントは、具体的にどのようにためていくようになりますでしょうか。 ◎木田 区民部長 健康ポイントに参加する方法でございますが、委託事業者が開設しますウェブサイトで申し込みを行い、健康づくりのために主体的に行った行動や体重の変化などを記録しますと、ポイントが付与され、ポイントが蓄積された段階で、取り組みに対する報奨品が、参加者に還元をするというものでございます。  健康ポイントの付与についてでございますが、特定健診・特定保健指導、各種検診などの参加を評価する参加型、また、毎日のウォーキングや、体重・血圧、食事の記録の継続などを評価する努力型、体重の減少や検査値の改善を評価する成果型など三つを考えております。 ◆玉川 委員 先ほど、健康手帳について質問しましたが、それとこのポイントは連動するものなのでしょうか。 ◎木田 区民部長 国保の健康ポイント事業につきましては、平成29年度はモデル事業として実施をいたしますので、健康手帳との連動は、普及啓発の視点、また継続性を確保する視点で、今後の研究課題としてまいります。 ◆玉川 委員 健康ポイント事業によって、データヘルス計画の目的である医療費の適正化、医療費削減へどう結びついていきますでしょうか。 ◎木田 区民部長 健康ポイント事業の医療費削減等の効果については、単年度で目に見えてあらわれるということは厳しいと考えておりますけれども、ポイントというインセンティブを付与することによりまして、健康に関心が薄い方も含め、より多くの被保険者の方が健康づくりのために具体的な行動を始めていただくきっかけになり、中長期的には効果が期待できるものと考えております。  さらに、この事業を通しまして、アンケート調査なども行いまして、効果を検証し、被保険者の皆様の健康づくりにつなげていきたいと考えております。  この事業を広くPRし、多くの被保険者の皆様方に参加をしていただきまして、当事業を継続し実施しまして、ご本人の健康の維持・改善が、最大の報奨となることを念頭に置いて、被保険者の皆様の健康増進を進め、医療費の伸びの抑制につなげてまいります。 ◆玉川 委員 続いて、認知症高齢者の支援強化についてお伺いします。  本区は、今までも高齢者見守りキーホルダー登録、アイロンシール、認知症サポーター養成など、様々な手段で取り組みをされていることと思いますが、本区のこれまでのはいかい、行方不明問題に対する取り組み状況をお聞かせください。 ◎中原 福祉部長 これまで区は、行方不明問題などの対策としまして、高齢者見守りキーホルダー登録事業に取り組み、平成28年末現在、累計登録者数が3万6,000人を超え、高齢者の5人に1人が見守りキーホルダーを所持しております。  また、衣服につけるアイロンシールと、その他、身の回りのものにつけるシールを昨年8月から希望される方に配付をしているところでございます。 ◆玉川 委員 それに対する取り組みによる効果をお聞かせください。 ◎中原 福祉部長 対策の効果として、地域住民の間でも、このキーホルダー事業の認知度が高まりスムーズな対応につながっております。実際、帰宅困難な方を発見した通行人がシールを見つけ、記載の地域包括支援センターに連絡した結果、自宅に戻れたという事例の報告もあり、ご家族の安心感が高まる効果も生まれております。  さらに、平成29年度予算案に行方不明高齢者情報配信メールサービス事業というものを計上しているところです。この事業は、対象者のさらなる早期発見と保護に寄与するものと考えてございます。 ◆玉川 委員 東京都は、都内で広域的に活動する事業者・団体の協力により、高齢者等の異変に気づいた際の連絡や認知症の方を支える地域づくりを推進する、高齢者等を支える地域づくり協定に取り組んでおり、本年1月24日、東京都浴場組合や東急電鉄など新たに20事業者・団体とこの協定が締結されました。  締結式には、大田区観光PR特使でもある、東京都浴場組合の近藤理事長も出席されておりました。この協定では、営業活動中に高齢者の異変や消費者被害の兆候を察知したときに各自治体の担当窓口や消費生活センターなどの専門機関に連絡をとり、素早い対応ができるようにするというものです。  また、認知症サポーター養成講座の受講等により認知症の知識習得に努め、認知症の人やその家族が困っている場合には、可能な範囲で支援することも考えているとのことです。この協定は、平成28年3月に開始され、今回1月の締結で、計47事業者・団体と連携することとなり、東京都において、銭湯をはじめ、商店街、金融機関、郵便局など、5万を超える店舗・事業所、1万台を超える車両が高齢者の見守りに参加するというものですが、本区におきまして、この東京都の協定で締結された事業者・団体とどのようにかかわり、連携されていきますでしょうか。お聞かせください。 ◎中原 福祉部長 お話のこの協定ですけれども、協定によれば協定を締結した事業者及び団体は、日常業務において高齢者等の何らかの異変に気づいた場合には、区市町村の連絡先に状況を報告する旨努めることになっております。  協定の締結内容は、区市町村に包括的に適用されることとなっていることから、区としましては、地域福祉課や地域包括支援センターにこの協定内容を十分に周知するとともに、担当区域内における協定先の事業所及び団体との連携を深めてまいります。  加えて区は、独自取り組みとして、高齢者見守り推進事業者登録制度を実施しているところであり、この両制度を活用しまして、その相乗効果を得まして、今後も区の高齢者見守りネットワークの構築を引き続き進めてまいります。 ◆玉川 委員 この連絡を受ける側として、本区の体制の強化は必要になるのではないかと思いますが、どのようなお考えでいますでしょうか。 ◎中原 福祉部長 この協定が締結されたことにより、高齢者の日常生活でのささいな異変への気づきを相談につなぐことがより拡充されることになります。  区としても、予防的視点で早期対応を進めるとともに、地域包括支援センターなどの関係機関との連携により、体制の強化を図ってまいります。 ◆玉川 委員 私自身、家族の介護や見守りの経験はなく、実際に介護や見守りにかかわっている友人・知人からその悩みや状況をお聞きすることはありますが、本当に大変な部分、表に見えない部分はなかなか実感がつかめないというのが正直なところであります。  そのような中、現場をイメージし、問題意識を強くもつようになったきっかけは、フィクションではありますが、映画と演劇によるものでした。いずれも大田区で開催されたイベントで鑑賞したものになります。  まず一つ目は、大田区知的障害者育成会主催による映画、中国のアクション俳優ジェット・リー主演の「海洋天童」という作品でした。自身ががんに冒され、余命わずかな中、男手一つで育ててきた自閉症の子どもの入所できる施設探しに奔走する姿、残された時間で服の脱ぎ方やバスの乗り方などを教える姿と、なかなか言葉だけでは理解できない姿がそこに描かれていました。  もう一つは、昨年度のおおた福祉フェスで演劇公演された「ギンノキヲク」という作品です。介護現場を舞台にヘルパーの奮闘の姿や心のもち方、介護に携わる家族の苦労の様子がとてもリアルに描かれており、実際に介護現場で働いていた体験をもとに脚本を書かれたという、笑いあり涙ありの演劇でした。  そこで提案なのですが、高齢者、障がい者、認知症、介護といった福祉に関連する言葉を他人事と思うのではなく、我が事として少しでも関心をもっていただくきっかけづくりとして、このような映画や演劇などを通じて理解を図っていくのはいかがでしょうか。 ◎中原 福祉部長 区はこれまで、高齢や障がい、認知症などを区民に理解していただく様々な取り組みをしてまいりました。昨年度は、大田区在宅医療連携推進協議会が主催する区民公開講座「みんなで支える認知症」において、シンポジウムに加えまして、この協議会の会員が演者となって実施する寸劇も披露され、好評を博したところでございます。  今後も、パンフレットなどの配布やホームページでの周知、講演会や映画上演など効果が期待できるものも含めて、手法を工夫して、福祉に関する理解啓発に努めてまいります。 ◆玉川 委員 本区においては、ユニバーサルデザインの考え方を広く普及し理解を深めるために、18の特別出張所を単位として、ユニバーサルデザイン実践講座を開催しています。私も昨年度、雪谷で開催された講座を受講いたしました。区内の障がい者団体の方、地域にお住まいの障がい者・ご家族の方も参加され、それぞれ紹介があり、地域で見守るコミュニティの強化が図れるものでありました。さらに車椅子体験、視覚障がいの白杖体験もあり、大変に効果的な講座であると実感しましたが、このユニバーサルデザイン実践講座のこれまでの実施状況をお聞かせください。 ◎中原 福祉部長 地域におけるユニバーサルデザイン実践講座でございますが、平成26年度から、5か年計画で18の出張所管轄地区内全てで開催することといたしました。今年度を含めたこれまでの3年間で、11地区で開催をしております。 ◆玉川 委員 この講座による効果をどのように感じていますでしょうか。 ◎中原 福祉部長 実践講座に、これまで11地区で延べ約200名を超える方にご参加いただいております。例えば、車椅子や白杖の体験をすることで、段差や障害物についてなど、体験前には感じられなかった多くのことに気づいていただけると考えております。  この気づきが、同じ地域で生活する様々な方たちがお互いを理解するためには大切です。こうした考えが少しずつ地域に広がっていくことが重要であり、今後2年間で残りの7地区でも講座を開催する予定にしております。 ◆玉川 委員 この講座は大変効果があり、非常にすばらしいものであると思いますが、このユニバーサルデザイン実践講座をもっともっと積極的に数多く開催されていくことを要望しますが、本区の考えをお聞かせください。 ◎中原 福祉部長 ユニバーサルデザインのまちづくりは、区民一人ひとりが、互いの違いや個性などに気づき、理解し合うことから始まります。そのため、1人でも多くの区民に、このことを理解いただくことが重要と考えております。  講座の回数を増やしていくことは、重要な視点ではございますが、講師をお勤めいただく方々のご協力にも限りがあるなど課題もございます。今後、講座の進め方や内容の工夫をし、より多くの方々に参加いただけるよう検討してまいります。 ◆玉川 委員 防災にテーマを移します。  東京都は災害時の緊急輸送路確保のため、特定緊急輸送道路沿道建築物の所有者に対し耐震診断を義務づけ、耐震助成を行う区市町村に対する補助を行っております。本区もその動きを受け、平成23年10月に助成制度を開始しています。耐震改修の入り口となる耐震診断の実施率は、本年1月時点で東京全体では96.1%とのことですが、本区は既に平成27年度の段階で対象となる建築物全ての耐震診断を完了しているとのことであり、いち早く働きかけを行い耐震診断につなげてきたことは評価できます。  しかし、大事なことは最終的に倒れない建物にすることであり、東京オリンピック・パラリンピック開催までに耐震化率を90%にするとの目標達成に向けて、1軒、1軒、耐震改修につなげていかなければなりません。そこでお伺いいたしますが、大田区内の特定緊急輸送道路沿道の建物について対象は何棟あり、どの程度まで耐震化が進んでいるのでしょうか。 ◎町田 都市開発担当部長 平成23年3月に東京都の条例により、耐震診断が義務づけられた特定緊急輸送道路の沿道の建物は210棟でございました。このうち、33棟が区の助成制度を活用して今年度末までに耐震改修を終える予定です。  また、耐震診断により現行の基準を満たしていることが判明した建物や、自主的に除却を行った建物などを除くと、耐震化が必要な建物は、残り138棟でございます。 ◆玉川 委員 これは、あと何棟耐震化を進めることで、区内の沿道の耐震化率90%にできるのでしょうか。 ◎町田 都市開発担当部長 耐震化率を90%とするには、138棟のうち、54棟の耐震化を図る必要がございます。 ◆玉川 委員 本区だけではなく、東京都全体の人命救助や災害復旧・復興に不可欠な特定緊急輸送道路ですが、この重要な道路の機能を確保するために本区はどのように取り組んできたのでしょうか。
    ◎町田 都市開発担当部長 耐震化を進めるため、文書を全ての対象者に送付するほか、電話にて定期的に連絡をとるなど、個別に助成制度の普及啓発に努めてまいりました。  平成28年度、本年度からは、東京都と連携し、大田区の担当職員と東京都の派遣する建築士が同行し、建物所有者を直接訪問しております。訪問するときには、助成制度のPRだけでなく、所有者から耐震改修に踏み切れない理由なども聞き、資金に合わせた改修方法などの相談にも応じてございます。 ◆玉川 委員 今回、助成制度の拡充が必要と判断した理由をお聞かせください。 ◎町田 都市開発担当部長 所有者からの聞き取り調査の中から、規模が大きな建物では、改修費が高額となることから、なかなか工事に踏み切れないという意見をいただいております。  助成制度は、命を守るという重要な事業であり、制度を拡充することは、所有者からの声に応えるものとなります。その上で、大田区内の道路閉塞で救援物資が滞ることのないように、耐震化を強力に推進するための拡充が必要と判断いたしました。 ◆玉川 委員 この制度を拡充しても、今までのような所有者の働きかけだけでは、なかなか耐震化改修に踏み込んでもらうのは難しいのではないかと思いますが、実際にこの対象となる建物は、どのような特徴があるのでしょうか。 ◎町田 都市開発担当部長 沿道にある対象の建物は大規模なものが多く、その用途としては大きく二つに分けられます。一つは、会社や商業施設のような事業用の建物であり、もう一つは分譲マンション等の居住用の建物でございます。 ◆玉川 委員 特定緊急輸送道路沿道建築物の耐震化は、大田区民だけではなく、東京都民全体の命を守る重要な防災対策でありますので、沿道の建物の所有者に限り、大変有利な助成条件に改善された点に加え、大田区民だけではなく、東京都民全体の命を守る重要な防災対策であるとの重要性を訴えるなど、相手の事情に合わせて丁寧に協力をお願いしていくことで耐震化が進むのではないかと思いますが、目標達成に向けた所有者への働きかけについて、本区の考えをお聞かせください。 ◎町田 都市開発担当部長 委員お話のように、対象者に合わせて丁寧な働きかけをすることは重要と考えております。事業者の方は、費用面を重視することが多いため、助成制度に期限があることや、助成額が大幅にアップしたことで、優遇された条件で建物の機能更新を図れることを強く訴えてまいります。  一方、区分所有者間の合意形成に苦心している分譲マンションにおいては、代表者への説明だけでなく、理事会などに出席し、個人負担の大幅な軽減や、耐震化により得られる安心感、事業の公共的な役割の重要性を訴えるなどしてまいります。  加えて、改修プランの作成が無料でできる東京都のアドバイザー制度を紹介するなど、様々な方法を駆使して、倒れないまちづくりを進めてまいります。 ◆玉川 委員 続いて、防災塾について伺います。  これは、18特別出張所別に区民を対象として、大田区が復興支援を続けてきた、東松島市の現地視察を含む講座を実施して、地域の防災力を高めていくというものでありますが、今まで開催してきた防災塾の実績、参加人数についてお聞かせください。 ◎鴨志田 地域力推進部長 防災塾は、被災地でのボランティア経験のない区民を対象に、18の特別出張所地区別に区内での事前・事後学習と東松島市での宿泊研修を行い、区民の防災意識を高め、災害ボランティアの育成・拡充を図っていくものでございます。  平成26年度から開始した事業で、平成28年度までに11地区で事業を実施しました。これまで実施した防災塾では、延べ164名の参加者がありました。平成29年度は、6回実施するうち四つの特別出張所地区での開催を計画しております。 ◆玉川 委員 こうした多くの方が参加されてきた防災塾の効果について、本区はどのように捉えていますでしょうか。 ◎鴨志田 地域力推進部長 防災塾では、被害の大きかった東松島市におきまして、実際に被災された方のお話を聞くことで、体験をされた方でなければ語れないお話を聞くことができます。  参加者が、こうした被災の過酷さを学んだことで、地域に戻って、PTAや小学生などの参加者を得た、独自の企画で防災訓練に取り組む事例も出てきております。防災塾は、多くの区民の防災意識の向上、地域での防災対策の推進につながっているものと考えております。 ◆玉川 委員 防災塾という名前であると、ある程度、防災知識や関心がないと、今さら参加しづらかったり、ましてや現地に足を運ぶとなると、中途半端な気持ちでは参加できないといったプレッシャーを与えてしまうことはないでしょうか。  東松島市は大田区と友好都市になったこともありますので、防災塾の現地視察のあり方も友好を深めるといった色をもう少し出してみてはいかがでしょうか。  例えば、防災塾という名前の後に、「友好都市へ行ってみよう!」といったサブタイトルをつけてみたり、少し観光の要素も含めて、結果的に自然体で防災を学んでくるというものに変化されてもよいのではないでしょうか。 ◎鴨志田 地域力推進部長 ご提案ありがとうございます。東松島市と大田区の結びつきの経緯や東松島市の特産品を紹介するなど、親近感を高めるような要素を検討することですとか、初めて参加する方にも興味が湧くような事業も加えまして、多くの方に参加していただきやすい広報の仕方を工夫してまいります。 ◆玉川 委員 この東松島市と大田区との市民交流・友好の象徴として、ボランティアの有志たちによる「大田区&東松島市絆音楽祭」が震災の翌年から過去5回開催されてきました。毎年5月に日本工学院専門学校で開催され、東松島市の多くの方が大田区に足を運ばれ、音楽や歌や踊り、震災の時の語り部などを継続しています。  今年も第6回目として開催されることと思いますが、昨年11月に本区と友好都市になったことにより、この絆音楽祭の開催について支援のあり方をはじめ、バランスなどなにか変化するものはありますでしょうか。 ◎茂呂 スポーツ・文化担当部長 絆音楽祭は、これまで日本工学院専門学校で5回開催されております。大田区民と東松島市民で構成される実行委員会のノウハウも蓄積され、自立も進む中、現状、区としての支援は、会場利用における学校法人片柳学園との調整や広報が主となっております。  本音楽祭は、「東日本大震災を忘れない」ということを掲げて開催されてまいりました。この考えは踏襲しつつも、両都市のニーズを踏まえながら、友好都市となったことをきっかけにより一層、区民・市民の交流、音楽をはじめとする文化交流が深まるような支援を進めてまいります。 ◆玉川 委員 この5年間で積み上げてきた友好の象徴である絆音楽祭を、東松島市だけではなく大田区と他の友好都市も含めた友好交流の祭典にしていっては、いかがでしょうか。 ◎茂呂 スポーツ・文化担当部長 絆音楽祭は、毎年、学校や民間の多くの音楽団体に出演いただいており、大田区民と東松島市民の交流促進に大きな成果があったものと考えております。  東松島市と友好都市協定を締結したこの節目に、これまでの絆音楽祭のつながりを生かし、東御市や美郷町も交えた各都市の交流が促進されるよう、友好都市ふれあい広場やOTAふれあいフェスタといった場の活用も選択肢の一つに、絆音楽祭が一層発展するような支援の方法を関係の皆様とともに検討してまいりたいと思います。 ◆玉川 委員 区民の中から生まれてきた絆が、さらに大きな友好へと広がっていくことを願いまして、次の質問に移ります。  災害時防災対策の充実ということで、緊急医療救護所に傷病者を搬送する資器材、車輪つき多機能担架、マルチ・カートを区内中小企業と連携して開発を行い配備していくということで、非常に興味深いものがありますが、市販の物ではなく、区内中小企業で製作する意図をお聞かせください。 ◎杉坂 健康政策部長 市販の物もございますが、実際に実物を使ってみますと、組み立てに時間を要する上に非常に重くなっておりまして、安全性や使い勝手に課題があると感じたところでございます。  そこで、区内中小企業複数社に開発について打診をいたしましたところ、操作性や機能性にすぐれ、かつコストを抑えた物が開発できることがわかりました。  大田区のものづくりの高い技術力を生かして、地域の防災課題を解決するとともに、区内ものづくり企業のPRにも努めてまいりたいと考えております。 ◆玉川 委員 その試作品を使用していただいた区民からの意見を引き出すために、どのような訓練の実施を考えていますでしょうか。 ◎杉坂 健康政策部長 試作品は5月下旬から6月上旬に完成する予定でございますので、その後、配備地区の区民の皆さんにご参加いただく試作品評価会を開催するとともに、この間に実施される地域の防災訓練へ試作品をもち込みまして、実際に傷病者役の方を運んでいただく、このような予定でございます。 ◆玉川 委員 実際の災害現場において、必ずしも負傷する人は1人とは限らず、複数同時に発生することが多いのではないかと想定されますが、そのような状況の際、応急処置や搬送すべき優先度の判断は、誰がどのようにして行うことになるのでしょうか。 ◎杉坂 健康政策部長 首都直下地震などの大規模災害におきましては、厳しい災害現場の状況が想定されるところでございます。同時に複数の傷病者が発生した場合、現場での搬送の優先度の決定や応急処置は地域住民の皆様にご判断をいただき、実施いただくのもやむを得ないことと存じてございます。  なお、区民の皆様には、自立歩行ができれば軽症者とみなすなど、簡単な判断基準はお示しさせていただきたいと思っております。 ◆玉川 委員 これは防災訓練全般に言えることですが、訓練内容は事前に設定したシナリオに沿って問題なく行動するのではなく、想定外のことが発生した時にどのような判断、行動をとることができるのか、その対応を検証することに意味があると思います。  マルチ・カートの使用具合を検証する訓練とともに、その使用の有無や誰に対して使用するかといった優先度を判断する訓練そのものを行うことが重要だと思います。災害が起きた際、医療関係者は緊急医療救護所に行ってしまい、このマルチ・カートを使う場面にはいないことになります。そこでお伺いしますが、マルチ・カートの検証を行う訓練の場に医療関係者にも参加していただき、使用優先度を判断するポイントのアドバイスなど必要性を感じますが、どのようにお考えでしょうか。 ◎杉坂 健康政策部長 現在におきましても、医療関係者と地域住民の方にご参加をいただきまして、医療関係者には救護所での状況判断も含め訓練を行っているところでございます。地域住民の判断力や実践力を高めることも重要でございますので、事前に災害医療コーディネーター等の医師が具体的なアドバイスを行うことは大変有効でございます。今後の訓練のメニューとしての組み入れ、あるいは医師等が参加する地域講習会の開催等により、取り組んでまいりたいと考えております。 ◆玉川 委員 これからも、あらゆる災害の場面を想定して、防災、減災に努められていくことを願いまして、次の質問に移ります。  大田の魅力を国内外にPRする事業として、羽田空港跡地を活用した「空の日」イベントでは、中国の駐日大使夫人や、リトアニアの大使などが記念式典に来賓として参加されたりと、このイベントをはじめ、区内で開催された様々な国際交流イベントを通じて、多くの国や都市と交流されてきたことと思いますが、これらの諸外国との交流を通じて、どのような成果がありましたでしょうか。 ◎河野 観光・国際都市部長 「空の日」羽田フェスティバルは、第1回、1カ国、第2回17カ国、そして今回は44カ国と年々増加して、国、大使館の出展をいただいて、海外文化体験のほか、舞踊等のパフォーマンスなども行われ、ブースごとの個性を楽しんでいただける内容となりました。  区民や外国人など多くの方にご来場いただいて、国内外からヒト・モノが集まる羽田空港が大田区にあること、そして国際都市おおたを広くアピールできたものと思います。  また、OTAふれあいフェスタの国際交流ひろばでも、子どもたちをはじめ、多くの区民の異文化理解の促進につながったものと考えております。 ◆玉川 委員 また、今後も交流が続けられていくような信頼関係は築けましたでしょうか。 ◎河野 観光・国際都市部長 国際交流の形態が多様化している現在、基礎となるのは人と人との直接的な交流を通じて構築された信頼関係です。区内で開催された国際交流イベントは、お互いのことを知ることができ、信頼関係を築いていくきっかけになっていると思います。 ◆玉川 委員 毎年12月に、国際都市おおたシンポジウムが開催されています。ここでは、外国人の方や海外で活躍されている方を講師として招いて、基調講演が行われたり、その他のゲストを交えてのシンポジウムが行われてきましたが、このシンポジウムにおいて投げかけられた課題が、その後、どのように反映されてきましたでしょうか。 ◎河野 観光・国際都市部長 国際都市おおたシンポジウムは、平成22年度から開催しておりますが、平成25年度のシンポジウムでは、おもてなしによる国際化に取り組むことが重要とのご意見をいただき、今年度、「外国人おもてなし語学ボランティア」の育成を目的とした講座を開催し、来る今月26日にも第2回目を開催いたします。  平成26年度のシンポジウムでは、区の魅力を国内外にもっと積極的に情報発信し、PRするべきとのご意見がありました。新たに、外国人の視点を取り入れ編集した外国人向けリーフレット「Ota City」や羽田エンジョイパンフレットを作成するなど、大田区の認知度向上に努めているところです。 ◆玉川 委員 また、そのイベントでは、区内留学生が実施したアンケート調査の発表なども行われましたが、どのような成果がありましたでしょうか。 ◎河野 観光・国際都市部長 昨年度のシンポジウムでは、区内留学生の皆さんから、イベント情報が学生たちに届いていない、日本文化を体験できたり、日本人と会話できるイベントをもっと実施してほしいとの意見をいただきました。  今年度は、このようなご意見をもとに、担当課として、留学生が在籍する日本工学院や東京工業大学などの学校へ訪問して留学生と直接意見交換するなど、イベントなどの情報発信を行ってまいりました。 ◆玉川 委員 多文化共生イベントとして、ジャパンデイも開催されていますが、その成果はいかがでしょうか。 ◎河野 観光・国際都市部長 多文化交流会のジャパンデイでは、今まで小学校内で実施していましたが、4回目となる今回は、初めて池上梅園で開催いたしました。外国の方々に花見やお茶、羽根つきなど、日本文化を体験したり、梅まつりイベントや池上ガイドツアーにも参加できるようにして、イベント内容を工夫したことで外国人を含めた6,000人を超える来園者の方々にご来場いただきました。  今回のジャパンデイは、地域団体の池上まちおこしの会と連携した同時開催により、相乗効果を発揮できたことは成果として挙げられると思います。 ◆玉川 委員 これまでのその成果をつなげていって、大きな交流へとなっていくことを願います。  続きまして、大田区観光情報センターについてお伺いします。  開設して1年が経過しましたが、これまでのセンターへの来訪者の国籍の確認や感想、意見の聴取など、どのような形で行ってきましたでしょうか。  また、来訪者の国籍のデータ分析のその内容について、お聞かせください。 ◎河野 観光・国際都市部長 観光情報センターにおける来場者の感想・意見等の聴取ですけれども、アンケート用紙に記入する方法で聴取しており、国内・国外の別、性別、年齢、来場目的等に加えて、文化体験、展示、販売、対応、入りやすさ、価格等可能な限りご協力いただいております。あわせて、観光案内スタッフが国籍、滞在予定などを聞き取りも行っております。  次に、来訪者の国籍の割合ですけれども、オープンから本年1月までで、日本人約5万人、海外から約2,000人となっております。その内訳ですけれども、観光案内や相談など国籍を伺えるやりとりがあった海外からの768人における地域は、欧米豪諸国22の地域から362人で47%、アジア諸国18の地域から360人で47%、アフリカ・南米等11の地域から46人で6%でございます。世界中の国々と地域から、お越しいただいているところです。  このような来訪者の状況を振り返りますと、昨年の上半期と下半期では、月平均来訪者が5,350人と約2倍を超えております。これは、今年度から取り組んでいますセンターでの企画展示、ワークショップに加え、こういうもののプロモーション活動が効果を出していると考えております。  引き続き、センターをのぞくといつも何かやっている、そんなイメージを定着させて、皆様に楽しんでいただけるよう、取り組んでまいります。 ◆玉川 委員 このセンターへの区民からの評価だけではなく、公的な機関からの声はありますでしょうか。 ◎河野 観光・国際都市部長 観光情報センターは、オープン当初から外国人観光案内所としてJNTO(日本政府観光局)の認定を受けることを目指して取り組んできました。昨年9月、JNTO外国人観光案内所として、認定区分のカテゴリー2に認定されました。この認定外国人観光案内所は、国内に848か所ありますけれども、最上位のカテゴリー3が全体の6%、次いでカテゴリー2が全体の25%となっています。  この認定は、案内所の立地、機能、案内エリアのほか、スタッフの対応状況により審査されますので、一定の評価をいただいたものと思っております。 ◆玉川 委員 このセンターに来訪された外国人が、外貨の両替を希望された場合、どのような対応、サービスを行っていますでしょうか。 ◎河野 観光・国際都市部長 外貨両替を希望するお客様には、現金での取扱いを希望される方、行き先の移動中でしたい方、レートで判断したい方等、それぞれの要望があります。羽田空港、品川駅にある両替所や、クレジットカードの利用が可能であれば隣接のコンビニエンスストア、営業時間内であれば金融機関を、それぞれの状況に応じてご案内しているところです。 ◆玉川 委員 センターの来訪者が日本文化体験をされた際など、その姿の撮影した写真をセンター内のコルクボードに掲示していますが、センターの中で記念撮影された写真などをSNSに投稿する際に、タグづけをお願いする固定のタグをしめしておくことを提案いたします。  固定したタグが定着することで、多くの人に大田区観光情報センターの情報を絞ってお届けするができるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。 ◎河野 観光・国際都市部長 センターを利用いただいている皆様には、文化体験、センター内で日本風情のあるシーンを撮影し、SNSによる情報発信をしていただくように呼びかけているところです。  委員お話のとおり、固定したタグを付して発信することで、興味・関心を寄せている方々に情報を絞って届けることが可能になると思います。これまで表記してきたURLや検索ワードとの違いや、効果的なタグづけ等運用面に創意工夫し、活用を検討してまいりたいと思います。 ◆玉川 委員 このセンターでの文化体験イベントなどのほかに、人材の活用として、例えば国際都市おおた大使の方の引率で、商店街をめぐり歩いてみるとか、銭湯に行ってみるとか、この大田区観光情報センターを拠点として、大田区民と外国人とが交流できる場もつくっていってはいかがでしょうか。 ◎河野 観光・国際都市部長 来訪者とひと・まちをつなぐ観光拠点である観光情報センターは、委員お話のように区民と外国人との交流の場になるような取り組みは、有益であると考えております。来〜る大田区大使の皆様には、区事業への参加協力のみならず、大使ご自身のフィールドで大田区の認知度向上に資するPR等を行っていただいており、それぞれの独自の取り組みによって大きく貢献していただいているところです。  区民と在住外国人である大使との交流が、外国人旅行者の目にとまることで、さらに交流の輪が広がるような機会を提供できます。多様な人材である来〜るおおた大使の皆様の意見や要望を踏まえて、運営事業者とも連携して、どのような交流が可能であるか調整していきたいと思います。 ◆玉川 委員 ぜひとも、大使の皆さんが眠っている人材とならぬよう、それぞれのもち味を生かせる活躍の場をつくっていっていただきたいと思います。  続きまして、(仮称)勝海舟記念館の整備について、運営整備資金の調達手段の一つとして、クラウドファンディングを活用されてみてはいかがでしょうか。この手法は、単に資金を集めるだけではなく、インターネットなどを通じて、この事業を多くの人に広めることができ、宣伝効果も期待できるものです。  また、支援する金額によって、それぞれのリターンメニューを設定することができるのが特徴ですが、例えばこのリターンメニューに勝海舟に関するものだけではなく、川瀬巴水の版画や大田のお土産100選、はねぴょんグッズなどを設定することで、大田区のモノをお届けするとともに、広範囲において大田区のPRをすることが可能になると考えられます。  このような広報宣伝にもつながるクラウドファンディングをはじめ、多種多様な運営整備資金の調達手段を取り入れてはいかがでしょうか。本区の考えをお聞かせください。 ◎茂呂 スポーツ・文化担当部長 クラウドファンディングの活用は、(仮称)勝海舟記念館整備事業に関する区内外の関心を高め、支援者を増やす広報官伝効果、及び返礼品で大田区をPRする効果が期待されるものと考えます。その一方で、自治体への寄附が税控除の対象となることによる税収の減などの課題も指摘されております。  こうした点を踏まえつつ、本整備事業にふさわしい資金調達手法について、引き続き、多様な手法を調査してまいります。 ◆玉川 委員 続いて、区内施設の通信環境についてお伺いいたします。  昨年10月、大田区民プラザで開催されたイベントに私、参加しました。そこでは、あるブースでスマートフォンでQRコードを読ませてサービスサイトにアクセスさせる、そのようなサービスを行っていたのですが、全く回線がつながらず、サービス提供ができなくてその担当者が大変に落胆されていました。  また、アプリコ地下においても待ち合わせなどで連絡がとりたくても、なかなか電波が入らなくて行き違いになってしまったトラブルを経験したことがあります。初めて大田区の会場に訪れてそのような経験をされた方は、相当残念な大田区での思い出が残ってしまうのではないかと思います。このような不具合は直ちに改善していただきたいところでありますが、大田区民プラザ、大田区民ホール・アプリコにおける通信の回線状況は、本区はどのように把握していますでしょうか。  また、この不具合をどのように改善していきますでしょうか、お聞かせください。 ◎茂呂 スポーツ・文化担当部長 区民プラザ、アプリコのいずれの建物も、OTA CITY FREE Wi−Fiによる公衆無線LANサービスを提供しておりますが、地下に電波が届きにくい構造上の性質がございます。このため、アプリコでは、使用機種や使用場所により、電波状況が安定しないとの報告を受けております。  また、区民プラザは、近年のモバイル機器への設備的な対応が十分でなく、回線がつながりにくいとのお声をいただいております。  区は、施設の管理者とともに、アンテナを増強していくなど、通信環境の改善を図り、ご利用の皆様の利便性向上に努めてまいります。 ◆玉川 委員 区内、区外、多くの人が利用される施設ですので、早期改善されることを強く要望しまして、次の質問に移ります。  下町ボブスレーがジャマイカ代表チームに採用され、来年2月の平昌冬季オリンピックへの出場を目指すことになりました。これと並行して応援キャンペーンを展開することで、大田区の産業振興をさらに推進するとのことですが、プロジェクトのメンバーは今までも大田区の様々なイベントに下町ボブスレーを展示して募金活動とともに、その開発に至るまでの経緯や大田区の町工場の技術の魅力について説明を行ったり、区内の小中学校や他の自治体などでも講演を行ったりと、自分の会社の仕事がある中で、手弁当でPR活動をされてきております。  また、下町ボブスレーのロゴを使用した製品やチョロQ、揚げパンなども応援商品として販売されてきた経緯がありますが、今回、下町ボブスレー応援キャンペーン事業と目的を絞った事業として450万円の計上がされましたが、具体的にどのような取り組みを考えていますでしょうか。 ◎近藤 産業経済部長 下町ボブスレー応援キャンペーン事業は、大田区のものづくり企業のプロモーションや、商店街等との連携を通じまして、大田区全体の産業活性化に寄与することを目的としております。  事業の内訳は、イベント会場等で配布いたします区内のものづくり企業の紹介冊子作成などを予定しております。今後、下町ボブスレーネットワークプロジェクト推進委員会と調整をしながら、大田区の産業界が一つになって応援組織を結成することを検討してまいります。  区といたしましては、下町ボブスレーネットワークプロジェクト推進委員会の取り組みを、大田区全体で後押しをするとともに、大田のものづくりの力を目に見える形で世界に発信する、第2、第3の下町ボブスレーが生まれるよう、取り組んでまいりたいと思います。 ◆玉川 委員 この応援を通じて大田区が一つに団結できる、そのようなキャンペーンになることを願います。  最後に、未来を開く子どもたちへの取り組みとしまして、教育についてお伺いいたします。  オリンピック・パラリンピックに出場経験のあるアスリートを地域イベントや小中学校に招いて、講演や交流などを行うオリ・パラ推進事業が行われています。児童生徒が一流のアスリートに触れて、夢を諦めないチャレンジ精神を学んだり、日本を代表して世界を舞台に活躍された姿から世界に目を向けるきっかけになったりと、国際都市おおたの意識向上にもつながるすばらしい取り組みであると思います。
     ただ、その一方、運動が苦手だったりする児童生徒にとっては、スポーツのジャンルになかなかなじめなかったり、興味をもてなかったりということはないでしょうか。  東京でのオリンピック・パラリンピック開催を契機に世界に目を向ける大きなチャンスであると思いますが、スポーツだけではなく、音楽や美術をはじめ、文化・芸術の分野においても世界に目を向けた国際交流が必要ではないかと思いますが、本区の考えをお聞かせください。 ◎水井 教育総務部長 本区は、羽田空港を有する国際都市として、今後ますます外国の方々との交流が増えていくものと考えております。その中にあって、大田の子どもたちを、海外の文化を理解し、相互理解を深めることのできる国際人として育てていくことが、教育委員会の重要な使命の一つであり、国際交流の重要性は、ますます高まってきていると感じております。  現在、全校で展開しているオリンピック・パラリンピック教育には、国際理解・交流プログラムも含まれており、そのうちの一つに「世界ともだちプロジェクト」がございます。  このプロジェクトは、各校に東京オリンピック・パラリンピックに参加する国や地域のうち五つを割り当て、その国や地域の言語、文化、歴史、スポーツなどを調べることを通して、単に知識を広げるだけではなく、世界の多様性を知り、様々な価値観を尊重することの重要性を学ばせるものです。  この取り組みの中で、直接、その国や地域の方と文化交流を行う機会が生まれてきております。  例えば、入新井第四小学校では、目本の伝統文化である茶道や書道などを紹介するビデオレターを作成し、フィンランド共和国の小学生に送ったり、大森第一中学校では、セネガル共和国とスロバキア共和国の大使館から大使や職員を招待し、それぞれの国についてお話を伺ったりするなどの、特色ある取り組みが行われました。  加えて、赤松小学校では、地域の方のご協力により、来月来日するチェコ共和国の少年合唱団を招いて、音楽を通した交流や、ともに給食を食べて親交を深めるプログラムを実施する予定でございます。  今後も引き続き、地域の力をおかりするなどの工夫により、本区ならではの国際文化交流を推進してまいりたいと考えております。 ◆玉川 委員 2015年9月、ニューヨーク国連本部で開催された「持続可能な開発サミット」において、150を超える加盟国首脳の参加のもと、よりよき将来を実現するために2016年から2030年の15年間で、極度の貧困、不平等・不正義をなくし、私たちの地球を守るための計画として、「持続可能な開発のための2030アジェンダ」が採択されました。  深刻化する環境課題など、17の目標と169のターゲットに全世界が取り組むことによって、誰も取り残されない世界を実現しようという壮大なチャレンジであり、この計画が持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)SDGsであります。  国際都市おおたとして、国連で提唱されたこのSDGsを世界のマスタープランと捉え、どう取り組むか考えるべきではないかと思います。このSDGsの17ある目標の中、目標4は「すべての人々に包摂的かつ公平で質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する」とあります。さらにその目標4のターゲット7では、「2030年までに、持続可能な開発のための教育及び持続可能なライフスタイル、人権、男女の平等、平和及び非暴力的文化の推進、グローバル・シチズンシップ、文化多様性と文化の持続可能な開発への貢献の理解の教育を通して、全ての学習者が、持続可能な開発を促進するために必要な知識及び技能を習得できるようにする。」とあります。  持続可能な開発のための教育、ESDは、ユネスコスクールとして区内の小中学校でも取り入れている学校がありますが、未来を担い未来を開く子どもたちに、このSDGsを理解してもらうために、ユネスコスクールの推進とともに、学校教育に取り入れていく必要があると思いますが、いかがでしょうか。 ◎水井 教育総務部長 文部科学省の見解では、「貧困の撲滅や平和の構築などを含むSDGs(持続可能な開発目標)、これにつきまして全体を学ぶこともESD(持続可能な開発のための教育)の一つの形態であるとの考え方に立って、各実施主体において、多様な取組の展開が期待される」としておりまして、全ての学校において未来の担い手である子どもたちが、その内容について学ぶことは大変意義のあることであると考えております。  ESDは、持続可能な社会の担い手を育むため、地球規模の課題を自分のこととして捉え、その解決に向けて自分で考え行動を起こす力を身につけるための教育のことを指しており、現行の学習指導要領においても、ESDの観点と重複するものも多く含まれていることから、その意味では、既に全校でESDの取り組みは行われているとも言えますが、とりわけユネスコスクールにおいては、ESDを教育活動の軸に据え、積極的かつ計画的に取り組んでいるところです。  現在、区内には大森第六中学校、馬込東中学校、赤松小学校が既にユネスコスクールに加盟しており、他に申請中の学校もございます。引き続き、ユネスコスクールの拡大に取り組んでまいりたいと考えております。  SDGsを踏まえたESDの推進については、現在、大森第六中学校がSDGsの達成に向けたESDの取り組みの検討を行っているところであり、その成果を他校に周知し、意識啓発を行うことで普及を図ってまいりたいと存じます。 ◆玉川 委員 この区政70周年を節目に、新たな時代を切り開く国際都市おおたの世界への飛翔を願いまして、大田区議会公明党総括質疑を終了させていただきます。 ○田中 委員長 会議が長時間にわたりましたので、しばらく休憩いたします。                午後 0時02分休憩                午後 1時00分再開 ○田中 委員長 ただいまから、予算特別委員会を再開いたします。  それでは、休憩前に引き続き、総括質疑を行います。  共産、質疑願います。 ◆黒沼 委員 日本共産党大田区議団を代表して、総括質問を行います。  まず、第一に、暮らし第一の新年度予算に充実することを求めて質問いたします。  来年度の大田区予算は、値上げラッシュの予算と言えます。9月から、保育料値上げ分1億7,000万円、来月4月から、施設使用料値上げ2,000万円余、同4月から公立小中学校の給食費値上げ分1億4,000万円余、小学校低学年は3,800円を4,100円に、中学年は4,200円から4,500円、高学年は4,600円から4,950円、中学校は5,000円から5,350円に値上げ予定で、合計3億3,000万円余です。国保料も平均1万円近い大幅値上げの提案がされています。  給食費についてお聞きします。給食は家庭の事情にかかわらず、どの子も同じものを食することができるのが学校給食です。区の発表した「子どもの貧困」アンケートの生活困難層では、野菜を毎日食べる、肉か魚を毎日食べるが59%、52%と5割台、果物に至っては19%しかありません。  ここから見ても、学校給食の重要さがうかがえます。また、ヒアリングでは「学校で必要な教材や学用品等が購入できない」の声、また、暮らしの状況では「大変苦しい」、「やや苦しい」が実に37.6%もあります。給食費が助成されている就学援助受給者が、小学校で20.8%、中学校で32.1%と少なくない状況なのに、給食費助成を受けられない就学助成境界層の皆さんも給食費値上げは、さらに苦しませることになります。区は実態調査の結果から、教訓として、「暮らしに必要な環境を整え、子どもと保護者の健康を支え、貧困の連鎖を断ち切る力を育てることを目指します」とあります。  この立場に立てば、値上げなどしたら逆効果ではありませんか。公費助成による給食費値下げこそ、とるべき手だてではありませんか、お答えください。 ◎水井 教育総務部長 大田区では、学校給食費を平成21年に改定して以降、7年余りその額を据え置き、安全・安心で栄養バランスのとれた給食を提供する努力を懸命に続けてきたところでございます。  しかしながら、その間の消費税率の改定や諸物価の上昇などにより、食材選びや献立の工夫などだけでは、食材の上昇分を吸収し切れなくなっている状況にあります。  そこで、児童生徒の心身の健全な発達に資する栄養バランスのとれた学校給食を提供するために、4月以降の学校給食費を、小学校は1食当たり15円、中学校は1食当たり20円改定することといたしました。  学校給食に係る費用は、学校給食法第11条において、学校給食の設備、調理に関する費用は区が負担し、保護者は食材費相当分を負担することと定められております。そのため、本区では、学校給食に係る費用として給食設備の整備費や調理委託費として、平成29年度予算案において24億500万円を計上しております。  また、学校教育法第19条に基づき、経済的理由によって就学困難と認められる学齢児童生徒の保護者に対しては、就学援助制度により学校給食費を全額支給しており、その経費として4億2,200万円を予算案に計上しているところでございます。  このほか、学用品費などの給食費以外の就学援助費を合わせますと、全体で7億8,000万円を予算案に計上し、経済的に厳しい世帯に対する支援を行っております。  本区では、平成20年12月から平成21年3月末にかけて。  (「委員長、結構です、答弁」と呼ぶ者あり) ◆黒沼 委員 今の答弁は、実に不誠実です。私は、子どもの貧困アンケートから求めて質問したのに、アンケートの一言もないではありませんか。アンケートに対して、どうだという答弁をすべきですよ、いかがですか。 ◎水井 教育総務部長 学校教育法第19条に基づき、経済的に就学困難と認められる学齢児童生徒の保護者に対しては、就学援助制度により学校給食費を全額支給をしております。安全・安心な栄養バランスのとれた。  (「委員長、ストップ、いいです」と呼ぶ者あり) ◆黒沼 委員 答弁ないのだもの、結構です。アンケートに対する答弁をしてもらいたいのですよ。アンケートでは、暮らしに必要な環境を整えるとあるではないですか。子どもと保護者の健康を支えるとあるではないですか。貧困の連鎖を断ち切るとあるではないですか。  みずから調査して、みずから結論出して、みずから方向性を出して、なぜ答えないのですか。これを答えてください。 ◎水井 教育総務部長 アンケートについては、末尾でお答えするつもりでお話をさせていただいております。  低所得層につきましては、就学援助費において全額給食費を支給しているというところでございます。  安全・安心な栄養バランスのとれた学校給食を提供するために必要な食材費相当分を、学校給食法の趣旨に沿って保護者にご負担いただくものであること、また、就学援助制度により、先ほど申し上げたような支給をしておりますので、公費助成で給食費の値下げを行うことは考えておりません。 ◆黒沼 委員 改めて申し上げてますが、質問に答えてください。調査に基づく区制を行うことを求めておきます。  次は、保育料金の値上げについて伺います。  特に0歳児の保育料値上げは、23区でどこもやっていない異常なやり方です。この異常なやり方の根拠になっているのが、費用がかかるから負担は当然という受益者負担の考えです。  0歳児の家庭は、母親が産休などで家族の収入が減るのです。これは認める方もいます。しかし、区が見落としているのがこの点なのです。収入が減る家庭に、さらに値上げは住民の福祉を増進するという自治体の役割に反するのではないでしょうか。  子どもの貧困アンケートの結果にも反しているのです。受益者負担の考えは、人の一生を捉えていないことになります。人の一生というのは、医療、教育、高齢者福祉、住宅などと同じように、平均的な国民が日常必要とし、または生涯のある時期に必ず必要となる施策の一つであります。  公のサービスとして、どの国民に対してもなされることなのです。そのことによって、特別の利益を受けているとは言えません。  ですから、子育てで保育園は当然です。子育てで特養ホームは利用できません。高齢になって、特養ホームを活用するのは当然です。高齢になって保育園に入ることはできません。このことを無視して、人生の一部だけを取り上げて受益者負担と称して区民に押しつけるのは誤りです。  憲法の人権保障の一環として考えるべきです。一生で公平になるのです。お答えください。 ◎後藤 こども家庭部長 保育所につきましては、児童福祉法第24条で「市町村は保護者の労働又は疾病その他事由により、その監護すべき児童について保育を必要とする場合、保育所において保育しなければならない」とあります。  したがいまして、保護者からの保育園希望に対しては区の責務として保育サービスの提供に努めるとともに、現在、待機児童解消に向けた保育所整備に全力を挙げて取り組んでいるところであります。  一方、保育料の改定にあたりましては、昨年度、大田区保育園・学童保育保育料検討委員会における公平性、受益と負担の関係性、少子化対策、子どもの貧困対策、保育の質の確保の五つの視点の議論の方向性を踏まえ、区で改定案をまとめた後、パブリックコメント、区民説明会を経て、平成28年第3回区議会定例会において議決をいただいたところであります。  なお、0歳児保育料につきましては、0歳児の園児1人当たりの保育運営費が他の年齢児に比べて高額となっていることから、単独での設定とするものですが、設定にあたりましては、子の年齢、世帯の所得状況により階層別に設定されている3歳未満児の国基準保育料の範囲内で、設定しております。  また、今回の保育料改定では、低所得階層への様々な負担軽減策を実施していますが、新たに設定する0歳児保育料につきましても、C−10階層以下の低所得階層のうち、七つの階層区分におきまして、現行保育料よりも低減しております。  このほか、全階層の第2子に対する保育料も6割減するなどの対応もあわせて実施しておりまして、家計への影響に配慮し、顕著に高くならないよう見直しを行ったものでございます。 ◆黒沼 委員 質問は、一生で公平になりますという質問に答えていますか、どうですか。 ◎後藤 こども家庭部長 保育の提供につきましては、自治体の責務として提供してまいります。ただし、保育料の設定につきましては、国基準の階層別、年齢別の基準がございます。この範囲内で自治体で設定しているところです。  ですから、この範囲内で今回、見直したものでございますので、質問の公平という中で国の制度の中で見直したものでございますので、問題ないと認識しております。 ◆黒沼 委員 理事者の側からは、受益者負担という言葉を使っています。ですから、この言葉を使わないということには答えてくれますか。 ◎後藤 こども家庭部長 受益と負担の関係性につきましては、検討会の中でこういう議論がございまして、ご案内のとおり、0、1、2歳の保育料については、現行、同じ料金でございます。これは国基準の保育者配置基準等々もございますが、それぞれ0歳児保育にかかる運営費が1歳、2歳に比べて高いということで今回、その部分を単独設定とさせていただいたものでございます。  また、23区では初めてでございますが、他の自治体でこのような取扱いをしているところはございます。 ◆黒沼 委員 一生なれば、誰もが通る道なのですよ。そのことを欠如しているのです。0歳児は特別、金がかかるということを取り出して、人が通るべき道にそれぞれの年代に応じて、行政がそれをやらなければならないという考えが欠落していることは申し述べておきます。ぜひ、改善してください。  次に、次の立場が大事なのです。0歳児保育園を利用する区民が、区税を多く使うという見方ではなくて、保育によって働きに出た親が区税を納める納税者になるということがあるのです。よいことではありませんか。認めない答弁なのです、これを。違うのです。区民が幸せを望んでいることさえ立たないからなのです、これは。  そういう一生のうちに公平として見ることが、区民税の向上にとって効果を出すことを見失っていると言わざるを得ません。悪循環を好循環に変える認識を、ぜひもっていただこうと要望しておきます。  そこで、新年度予算案の歳入面では、特別区民税が12億3,600万円余、地方消費税交付金が2億7,900万円余と増収、計15億1,500万円余です。さらに、地方消費税の約71億円、これは社会保障に使わなければならないことになっています。  自由財源である財政基金534億円余の見込みと合わせて、こんなにあるではありませんか。値上げを防ぐために活用すべきです。お答えください。 ◎川野 企画経営部長 財源については、基金等も有効に活用しながら、予算運営にあたったところでございます。 ◆黒沼 委員 租税とは何でしょうか。有名な憲法25条の、健康で文化的な生活水準で生活保護を改善させた朝日訴訟という裁判をご存じかと思います。それは、その時々の予算の配分によって左右されるべきではないということなのです。  つまり、最低限度の保障は、決して相対的なものではないのです。いつでも守らなければならないものです。全的に保障されないとならないというのが裁判の判決です。この判決は、ご存じだと思います。  具体的には、区民の社会保障、憲法に基づく保障をした上で残りの財源で区政を行いなさいということなのです。そういうやり方と思えない今回の値上げなのです。ぜひ改めることを求めておきます。  その立場で、これまでも大規模開発よりも、区民の生活保障にと求めて日本共産党はやってまいりました。その典型的な例が、新空港線計画です。  新空港線計画は、改めて申し上げておきますが、新空港線は技術的にフリーゲージトレインが完成しない限り、ノンストップができずメリットを大きく失い実現が危ぶまれています。  そして、大田区内の駅がほとんど素通りなのも変わりありません。かえって開かずの踏切とともに、京急の空港線ダイヤに割り込むわけですから、どんなダイヤになるのか想像もつきません。  今でも、財政的に3分の1の負担を負わされております。それが、現在で850億円です。区が主張している第三セクター方式は全国で失敗していますが、大田区でも失敗したら、さらに負担が増えます。なぜ、官がかかわらなければならないのか明確ではありません。大田区にその財政力はあるでしょうか。  こうした見通しのない危険な計画に10億円の基金の積み立てはやめるとともに、基金総額の25億円を区民の社会保障の充実と、中小企業など区民の生活向上に充てるべきです。お答えください。 ◎川野 企画経営部長 平成29年度の予算編成にあたりましては、「未来を拓く子どもたちや若者の成長を支える取り組み」、また「誰もが健康で、いきいきと活躍できるまちづくり」、「災害に強く、安全で安心な生活基盤の確立」、「地域の資源と強みを活かし、国際都市おおたの成長を牽引する取り組み」の4点を重点課題と捉え、特に優先的に予算を配分してございます。  長年の区政の課題でございました新空港線の整備につきましては、関係者合意に向けた重要な局面を迎えております。新空港線整備資金積立基金につきましては、後年度における財政負担の軽減を図るために、工事着手時期をにらみながら、準備資金に見合う基金を引き続き積み立てていく必要があると考えてございます。  社会保障の充実をはじめ、区民の生活向上のためには、ハード・ソフトの両面から限られた財源をバランスよく配分することが重要でございまして、今後とも、そうした必要な施策を着実、かつ的確に推進してまいりたいと考えてございます。 ◆黒沼 委員 たとえ区の立場に立ったにしても、これまで5億円だったのに、なぜ10億円もの積み立てをしながら値上げをしなければならないのか。理事者の本来の立場から言っても納得できません。改善を求めておきます。  次に、区民のための空港跡地利用について伺います。  空港跡地利用の本質は、大田区が国家戦略特区構想に組み込まれた計画となっていることです。特区構想とは、国が特定区域を指定し、トップダウン方式で大企業のための規制緩和と優遇税制を実施するものです。  そのために、構成メンバーは総理が指名します。つまり、ミニ独立政府なのです。それが、特区会議です。しかも、そのやり方は、政府が意思決定し、地方自治体に実行を迫るというものです。  地方関係者は呼ばれますが、意見を言うだけです。規制緩和が決められたら、暴走機関にならざるを得ないではありませんか。しかも規制緩和の提案は、応募者の企業がしています。それが如実にあらわれているのが、昨年11月15日の羽田空港対策特別委員会に出された跡地第1ゾーン整備事業(第1期事業)の概要についてです。  特区会議、つまり羽田空港周辺・京浜臨海部連携強化推進委員会で決められた内容です。事業手法は、定期借地権方式、最低貸付料は平米当たり月300円との破格の安さです。事業期間は、約50年とのことですが、事業内容が問題です。  先端産業事業で、誘致エリアは研究機関、教育機関、今後成長が見込まれる技術系ベンチャー企業。文化産業事業では、クールジャパン発信に係る事業、共通事業にはエリアマネジメント事業とあります。  この推進委員会は、首相官邸で開催されています。メンバーは、座長が総理補佐官、副座長が地方創生事務局長、委員にはそうそうたるメンバーで七つの省庁から局長や審議官クラスが参加しています。それに神奈川県副知事、川崎副市長など、そして大田区の副区長です。分科会も同じようなレベルですが、地域産業活性化分科会にも七つの省庁などと一緒に大田区のまちづくり担当部長が参加しています。まちづくり分科会には、まちづくり推進部長がメンバーとなっています。  このとき、特別委員会に提出された資料になかったのは、この二つの分科会のリストです。実は、このリストに目標が書かれておりました。なぜ、これを隠したのか、意図的に出さなかったのかわかりませんが、こう書かれています。  分科会の目的が地域産業活性化では、「羽田空港跡地と川崎市殿町地区における医工連携の推進、国際的な研究・交流・商取引を促進するための具体策について検討する」というのが目的です。これが委員会に出されなかったのです。ここからトップダウンでおりてきたのが、今回の委員会提出の資料ということになるのでしょうか。  これが本当だとすると、大田区がまるで出てこなく、これでは到底区内中小企業3,400余工場全体に仕事が回る計画でもなければ、クールジャパン発信にしても大田区の経験を生かせるという内容でもありません。  会議に参加している3名の皆さんは、これに対して、これでは大田区のものづくりが生かせるどころか減り続けるだけだと発言したのでしょうか。また、どのような態度をとったのでしょうか、お聞きします。 ◎川上 空港まちづくり本部長 羽田空港周辺・京浜臨海部連携強化推進委員会の構成は、回によって若干の異動はありますが、内閣総理大臣補佐官が座長、内閣府地方創生推進室長を副座長とし、以下、委員としての国から関係省庁が、自治体としては東京都、神奈川県の各副知事、横浜市、川崎市各副市長、当区から副区長が参画しております。  委員会のもとに、二つの分科会を設置しており、主に先端医療技術とものづくり技術との医工連携推進、国際的な研究・交流・商取引を促進するための具体策を検討する「地域産業活性化分科会」と、周辺のまちづくりと一体となって戦略的な都市交通インフラ整備、国際競争力向上のための土地利用に関する具体策を検討する「まちづくり分科会」が設置され、区からは、関係部の部長を中心に、連携を取りながら参画しております。  区では、羽田空港跡地第1ゾーン整備方針にも明記しておりますとおり、跡地における先端産業分野の企業誘致、起業・ベンチャー支援、協創プロジェクトの推進といった取り組みを通じて区内中小企業への波及効果を見込んでおります。  本分科会に限らず、関係機関との協議においては、その点を踏まえた対応しているところでございます。 ◆黒沼 委員 どんな発言をしたのですか。
    ◎川上 空港まちづくり本部長 この会議でございますが、分科会につきましては、様々な意見を交換する場という形になっておりますので、非公開となっております。 ◆黒沼 委員 では、その一言でいいではないですか、延々と前を述べないで。  さらに、もう一つ恐るべき内容の資料があるのです。今度、4月から5月に発表される第1ゾーンの特定事業を実施する事業者の公募というのがあります。この公募の中にこういうことが書かれています。  この資料には、公募条件が、産業の国際的競争力の強化、または国際的な経済活動の拠点を実現できる業者しか選ばないというのです。こういう業者が選ばれるわけです。総理大臣の認定を受けるのです。このような企業が、区内中小企業を救う計画をつくれると思いますか。甚だ疑問です。しかし、区は、この計画をまとめてバラ色に描いているのです。  実は、この特区構想の背景には政府・経団連の掲げる、都市再生構想、環状メガロポリス構想、国家戦略特区構想があります。人口減少と高齢化進行に伴い、産業も経済も鈍っていくことを踏まえて、経済成長を維持するためには、日本全国から東京に集中する、全世界から集中するという、東京に力を入れるというのが国家戦略特区構想です。  そこから3点の疑問が出てきます。  疑問の第1は、大田区が財政負担をできるのかという心配です。大田区と官民連携で、うまくいくのか調査をした報告書がございます。その報告書を見ますと、非常に暗いのです。  区内中小企業が民間事業者として跡地で経営に参加するには、先端産業ですから、すぐ採算ベースに乗るとも限らないというのです。入居賃料も、区がリスクを負担しないと難しいと結果を出しているのです。  そうすると、区がかかわらない民間丸投げですと、3人以下の50%を占める区内中小零細企業はもちろん、8人以下の8割の企業でも参入できるか不安になってきます。一体どれくらいの区内中小企業は参入できるお考えでしょうか、端的にお答えください。 ◎近藤 産業経済部長 区が現在、羽田空港跡地において整備を進めております「新産業創造・発信拠点」についてでございますが、現在開発事業者の公募を行っているところは、ご承知のとおりでございます。  具体的な内容につきましては、開発事業者の選定後に詳細等を詰めていく予定でございます。募集要項においては、研究開発施設やベンチャーオフィスなどの機能を想定しております。  区は、入居企業を含む多様な主体間における積極的な交流が、拠点を通じて醸成され、区内産業への波及効果につながることを期待するところでございます。一方で、こうした施設に入居する企業の施設入居前の所在地について、区内外であることを特に問うものではございません。  したがいまして、区といたしましては入居した企業と区内企業とが連携し、新たなビジネスチャンスにつなげていく、こうした取り組みを重ねていくことが、区内中小企業の発展につながっていくものであり、この拠点の目指すべきところであると考えております。  拠点に、どの程度の数の区内企業が入居するというものではなく、区内中小企業との交流機会を積極的に創出する企業の入居を期待しているところでございます。 ◆黒沼 委員 部長の答弁から、本当に内容はわかりました。大田区に限らないという意味では、無責任です。その一つに、昨日の地域産業委員会で出された医工連携大田区マッチングの報告がございました。ここに参加したのは、たった27社ですよ。  幾つあって、そのうち27社が参加されたのかわかりませんが、この27社しか跡地に行かれないとすると、全く少ないではないですか、いかがですか。 ◎近藤 産業経済部長 医工連携は、これから発展していくものです。現在に取り組んでいるところは、30数社あると私は聞いておりますし、その中でも20数社が積極的に参加している、これは非常に評価すべきことだと思います。  したがいまして、これからのここを拠点にして、期待していくことが非常に大事なことだと思ってございます。 ◆黒沼 委員 医工連携で30数社でしょう。今度、ロボットとか、先端技術でいったら、今、羽田空港でロボットの試験も行っておりますが、これは何社かわかりませんけど、せいぜい100社ですよ。  そうすると、3,400社にかかわるものにならないではないですか。ここにこれだけの費用をかけてやる必要はあるのか、そこに今の部長の逃げ道に、いや、大田区ではないのです。日本全国なのですよというわけでしょう。これが内閣総理大臣の狙いなのです。そこに乗っていっていいのかというのがあるわけです。  懸念の第2は、こうしたやり方とかかわりのない区内中小企業への支援は、極めて手薄になるのですよ、そうすると。町工場の減少は食いとめられないのです。未来はないということになります。  懸念の第3は、かなりの財政負担は区民のための生活基盤の充実、社会保障の関係など、本来の自治体の予算が削られるということですよ。結局、この戦略特区構想は、大田区の培ってきたナショナルテクノポリス、仕事回し、汎用機械の難加工をこなし、短納期に応えられる蓄積を逆に奪っていく上に、区民生活を支える財政をも欠乏させていくことになりはしないかという疑問です。  中小企業も育たず減り続け、巨大開発のため財政難で福祉も後退し、このままでいくと工場のまちではなく、飛行場だけがあるまちになってしまうのではないかと心配されます。  日本共産党大田区議団は、本来の区の中小企業政策は、せっかく調査した貴重な実態調査を生かした施策こそ重要と考えます。調査で提起されている6点にまとめられた、技能継承、区外移転防止、移転後の工場対応、受発注取引促進、新規創業、新規分野への参入を産業経済部は本気になって行うことです。しかし、このことを実行しようとすると、今の予算ではやっていけないことになります。  調査後も、廃業、倒産が続いています。今の規模では、廃業・倒産・技術の消滅は防げないと思います。以前、大田区は公共財として、次のように位置づけていました。  大田区の産業は、その基盤的技術の集積とオープンな受発注体制日本の産業全体の支持基盤、共通基盤として、あたかも公共財のような機能を担ってきた。そこで、その蓄積された技術力と産業集積を生かし、日本の公共財から世界の産業を支える公共財への飛躍を目指すと位置づけていたのです。  工場アパートなどもその点でできたのです。やってきたではないですか。当時は本気で取り組んだと思います。相変わらず、こうした真剣な予算を含んだ点は、今は見当たりません。  中小企業を発展するということは、こういうことです。マンションに住むだけとは異なり、生産します。生産するということは、富を生み出します。中小企業は、大企業のような非正規の社員ではなく、正規雇用を拡大します。  こうした特性をしっかりと捉え直して、大田区の発展のために区政を進められるよう求めておきます。いつも産経部はやっていますという答弁ですが、日本共産党はやっていないと言っているわけではありません。規模が小さいと言っているのです。量が小さいと言っているのです。量的拡大についての考えだけ、お聞かせください。量的拡大と予算拡充の考えはありますか、お聞かせください。 ◎近藤 産業経済部長 産業経済費につきましては、区の重要な施策の一つでございます。産業振興策を推進するために、必要な経費を精査し確保いたしておるところでございます。  産業を取り巻く社会経済情勢は常に変化いたしております。企業はそれに対応していくことが求められておりまして、近年目覚ましいIT化や、ベンチャー企業が台頭する環境において、大田区のものづくり企業は、経営革新・技術革新を進め、的確に対応していくことが必要となっています。  一方、ものづくり産業等実態調査では、「基盤技術集積の受発注構造」「事業承継、技術継承」「研究開発型の企業」「区内企業のマーケット」「区外企業の進出、区内創業」「ものづくりを支える関連産業」の六つの視点で結果を整理し、今後の方向性をまとめております。  この方向性と、近年のものづくり企業のおかれた環境を踏まえ、必要な予算を確保いたしております。区内産業の活性化に向け、具体的な計画をもって挑戦する企業に対する支援は、必要なものを用意させていただいております。こうしたことから、単に量的拡大のみが産業振興策に有効であるとの考えはございません。 ◆黒沼 委員 改めて、貴重な実態調査、全数調査を生かして、真剣に取り組んでいただくことを求めておきます。  次に、国民健康保険の執行停止データから見える、高過ぎて払えない保険料について質問します。  区が示した保険料値上げのサンプルがここにあります。65歳の200万円の年金しか収入のないひとり暮らしの場合は、年間保険料が7万8,696円から8万3,921円に値上がりします。この方の所得税は、約2万1,000円、介護保険料は7万3,920円、住民税は約3万3,700円、合計21万2,541円。200万円から差し引いた額は178万7,459円になります。1か月に換算すると、14万8,955円です。  65歳の生活保護は、約13万2,930円です。その差額は、1万6,025円しかありません。ですから、8万円の風呂つきアパートに住むと6万8,955円で、生活保護基準と同じか、以下になります。風邪をひいて医療費がかかったりすると、ほぼ基準以下のひとり暮らしを強いられることになります。  憲法25条の最低限の文化的生活が保障されません。いつ国保料が払えない状態になるかは、容易に察することができます。  今年度、改正された国保運営審議会の資料には、滞納者に対する収納強化の取り組みとして、差し押さえ件数の目標を年間300件としましたが、収納は昨年末まで145件しか実らず、逆に執行停止が1,438件となっています。金額は、1億305万円とのことです。  執行停止件数が2009年分からしかありませんので、2009年から1,405件、2014年、3,010件、2015年、2,880件、2016年、2,098件と2倍、3倍と増えていることがわかります。  執行停止金額は、2009年、1億6,900万円、14年、1億3,000万円、15年、1億4,000万円、16年、1億5,700万円ほどと件数が急激に増えていて、金額はほぼ同額ということですから、1件当たりの金額は減っていることを示しています。  これは、さきに示した65歳で200万円ほどの年金収入の方が、生保受給者程度に近づいてしまっていることを見ると、滞納者の状況を察することができるのではないでしょうか。  こうして、わずかな滞納者も差し押さえる目標を毎年もっていますが、何を根拠に目標をつくっているのでしょうか、お答えください。 ◎木田 区民部長 国民健康保険料は、地方自治法に定める区の歳入でございますので、地方税の例により滞納処分ができることとされております。  滞納処分については、何より公平性の観点が重要でございます。滞納状態が続いている方については、督促・催告を行うとともに、財産調査など現況調査を行いまして、資力があると判断される場合は、差し押さえ処分を行っております。法律では、滞納者の財産を発見した場合は、差し押さえをすることになっております。  滞納者の現状や財産調査の結果、保険料を支払う資力がないと判断された場合には、滞納処分の執行停止を行っております。また、支払いが困難な方に対しましては、個別に納付相談を行いまして、生活状況や特別な事情があるかないかをよくお聞きして、丁寧に対応しております。 ◆黒沼 委員 目標をどうして決めているのかというのは、あまり詳しくお答えがなかったのですが、私が言いたいのは、その目標の決める中に、こういうのがあるのです。国保徴収率が低ければ、国から地方への交付金を最大2割減額する罰則があります。もう一つは、徴収率がよければ東京都が加算するという報奨金があります。  その証拠に、大田区も平成27年度に財政調整交付金の中に滞納処分を激励する報奨金をもらっています。2015年の執行停止に、最少額が590円、2番目がたった614円です。これは1年から5年までの間ですよ、わずか1か月ではないのです。  こういう最少の金額に、滞納処分をかけるわけです。かけているのですよ。これは、人件費も含め郵送費を含めたら、本当に赤字ではないですか。こんなわずかな金額にまで滞納処分をするということは、報奨金欲しさかと疑ってしまいます。  そうすると、国民を助けて健康を守るよりも、報奨金欲しさにやっているという感じに受けとめられます。なぜこのような最低額590円でした。2番目が614円でした。これまで差し押さえするのでしょうか、お答えください。 ◎木田 区民部長 個別の方、いろいろご事情がありまして、少ない金額、今、申し上げました590円につきましては、生活保護受給に至る方への処分になります。 ◆黒沼 委員 丁寧な対応をしているということでありましたが、この方にこのような催促をするよりも、本当に心から努力して解決するためのことをやるべきだと、まず要望だけしておきます。  全国市長会を通じて、国に対して財政基盤の強化を求めているのは区長会も国保財政の国の責任を認識しているからだと思います。国庫支出金が減らされた上に、後期高齢者制度ができ、国保加入者が減る中で、後期高齢者支援金を負担させられています。国保財政はさんざんです。国が応じるまでは、社会保障制度の皆保険として区が責任ある対応をすることです。  国保は、自治事務なのです。一般会計からの繰り入れは禁止されていません。1,700億円という国の支援金を区だけで使ってしまうのではなく、保険料軽減にも活用しつつ、保険料引き下げの独自の努力を行うべきです。お答えください。 ◎木田 区民部長 国は、国保の保険者への財政支援としまして、平成27年度から毎年度1,700億円を交付しております。内容は、均等割保険料5割、また2割の軽減措置の拡大に伴いまして、区市町村の負担分が増えることに対する財政支援でございます。  区では、この財政支援制度に基づく国・都の負担金に、区の負担金を合わせて、一般会計から国保事業特別会計へ繰り入れまして、所得の低い方を対象にした保険料の均等割軽減措置の拡充に充てております。  国はこの財政支援の財源としまして、消費税増税分に加えまして国保以外の他の医療保険者に対する国庫補助の引き下げによるものを充てているところでございます。  国保以外の他の医療保険者には補助率を引き下げる一方、国保保険者に対しては財政強化を図っておりまして、国民皆保険の基盤である国民健康保険制度が将来にわたって持続できるよう支援を強化したものでございます。  一般会計から区が国保事業会計へ繰入金のうち、法定外繰入金が、平成27年度決算で59億6,500万円となっておりまして、加入者1人当たり約3万4,700円を投入しております。さらに繰り入れを増やすということは、他の医療保険制度との公平性の観点からも、なかなか困難であるかと考えております。 ◆黒沼 委員 今の答弁のとおり、改められていないのですが、やはり自治体がなぜ生まれたかというと、国がちゃんと責任を果たしていないときに、地方自治の自治で住民を守らなければならないという立場に立って、国がこの改善を迫るまで、ただ言うだけではなくて、ぜひ自治の精神を発揮してもらいたいというのが一つあります。  もう一つは、今のところで公平の問題が出てきたようですが、区は差し押さえの根拠に、公平性の観点が重要と我が党の代表質問にも答えられました。公平性というならば、被保険者の負担率を基準にすべきだと思います。  そうするならば、国保加入者の負担率が9.9%を組合健保が5.3%程度にするなら、半分になるではないですか。そうすると、この200万円の年金生活者は助かるのです。そういう公平性で見ることが大事だと思います。そうすると、憲法25条の生活に近づくのです。  ただし、国保だけにある均等割という制度は、家族が多いほど極端に増えるために高くなるなど、制度の不公平も指摘しておきたいと思います。  また、国保料が高くなる理由に、医療費の増額を理由としていました。一番大きいのは、代表質問でも述べたように、医療費ではなくて、国庫支出金が60%から20%ほどに下げられたからだと思っています。  社会保障として、国が責任を負うべく一層の努力を求めながら、さらに国保料の値上げにつながる広域化はやめることを求めておきます。  次に、公共施設適正配置方針について伺います。  大田区は、公共施設の老朽化と少子高齢化の進行、地域社会構造の変化を背景として将来にわたり、安定的な公共施設の整備をしていくとして、五つの柱を基本とした公共施設適正配置方針を昨年3月に発表しました。  今後45年間で建て替え、大規模改修にかかる費用が年平均約134億円が見込まれる一方、公共施設整備計画の前期実績額と後期平均額は1年当たり約95億円となっている。計算で39億円のかい離があります。  建て替え時期が集中しないために、先行的な建て替え、または長寿命化、複合施設の推進公民連携手法の活用などで対応するとしています。  しかし、国の複合化の狙いは、少子化の将来を見据えて、公共施設を減らし、その際、空いた土地を民間の利益のために活用しようとする狙いがあります。それが日本共産党の態度です。  その視点で見ると、大田区民センターの廃止条例は、まさにその方式で行われました。次の計画も示さずに、廃止だけ先行させるというのは、区民、利用者に対して責任ある施設管理とは言えません。いかがでしょうか、お聞きします。 ◎川野 企画経営部長 大田区の複合化の狙いは、将来のまちづくりも視野に入れながら、土地・建物を有効活用して、地域の課題解決に必要な機能を確保するものであり、空いた土地を民間利益だけのために活用するものではございません。  昭和45年10月に完成いたしました大田区民センターは、旧耐震基準による建物で、空調設備や換気設備も含めて老朽化が進み、引き続き使用するためには、耐震補強、外壁改修やバリアフリー対応に加え、ほぼ全ての設備関係の更新が必要となります。総合的に検討を行った結果、改築が妥当であると判断したところでございます。  また、建物内に保育園や児童館が合築されておりまして、施設の安全性確保が急務であるため、大田区公共施設整備計画でお示しした方向性に基づいて、改築に向けた取り組みを計画的に進めているところでございます。  なお、大田区民センターの建物解体後の跡地の一部においては、地域包括支援センター等の高齢者支援施設、地域活動を支援する機能を集約して、複合化を進めていくことで、現在、検討を進めているところでございます。 ◆黒沼 委員 総合的に検討した結果と言われました。しかし、委員会の当時も含めて、今日、またお聞きしますが、全面解体と全面改修の違いを数値的に示されていません。同じ時期に行われているユースセンターでは、6,000万円の全面解体よりも改修のほうが安くできる、明確に答弁されています。しかし、この区民センターではありません。ご都合主義ではありませんか。  全面的に検討したというならば、その差は確かに区のやり方のほうが安くできるということを示さなければならないと思います。同時に、解体している間に別の会場を使えというのですが、それは可能かどうかの数値的表明もありません。同時に、その後、どうするのかという提案もされていません。せめて、音楽ホールだけはどうするかだけは、今、ここで言えますか。 ◎川野 企画経営部長 音楽ホールの機能につきましては、これまでの利用状況、また施設の用途や規模などを勘案しまして、今後、策定をいたします複合施設の基本計画の中で、区民の皆様のご意見を踏まえながら検討してまいりたいと考えてございます。 ◆黒沼 委員 それがだめだというのですよ。どうするか、どうなるかもわからずに、ただ壊すだけ、やめるだけをやるというのは、誰も納得しませんよ。この施設は、地方自治体に課せられた区民が求める施設をつくらなければならない。運営者がならないのに反するではありませんか。お答えください。 ◎川野 企画経営部長 先ほどもご答弁申しましたとおり、区民センターそのものは、かなり老朽化が進んでおりまして、安全性にも懸念があるということで改築を検討しているところでございます。  そういった中で、やはり区民の皆様からいろいろとご要望を聞きながら、しっかりとした将来にわたる方向性を出していくために、複合施設の基本計画の中でしっかりと検討を重ねてまいりたいと考えているところでございます。 ◆黒沼 委員 私も建築家ではありませんので、よくわかりませんが、2、3人に聞いたところ、あの区民センターの柱屋台はすごく丈夫だというのですよ。そうすると、ユースセンターと同じように、外壁を全部取り壊して、空調も何も全部変えるのですが、屋台骨、そして基礎も残せば、すごい安いですよ。だって、基礎が一番金がかかりますから。  そういうのを示しもせずに、全面的検討していないではないですか。したのだったら、ここで示せばいいですよ、そのことを言っているのです。お答えください。 ◎川野 企画経営部長 区民センターの建物自体は、竣工後50年近く経過してございます。現在、置き込まれている施設の状況、それから建物の躯体の構造、これはコンクリート等の状況についても確認しておりますが、そのほか設備、またそういった状況を踏まえると、大規模改修に要する経費、それから残存期間のランニングコストなどを考慮しても、改築あるいは新しくつくり直したほうがいいと判断したものでございます。  長寿命化についても、十分大田区としては可能性について検討してございますが、この建物については改築を選択させていただきました。 ◆黒沼 委員 二つあって、一つは、国の目的である、これから少子化の時代に公共施設が余分になるので、削減しなさいという方針にのっとっているのではないか。その根拠に、区民の要求を聞かないのですよ。今日、明日、急に審査に来たわけではないし、予定がつくではないですか。それと、利用者の方と地域の住民と会をつくって、いろいろなことを交わしながら、ああしたほうがいい、こうしたほうがいいというのを聞いてつくり上げていく、それが本当ではないですか。なぜ、それをやらないのですか。 ◎川野 企画経営部長 一般的に大田区で施設改修をするときには、地域の皆様のご要望、ご意見等を聞きながら、施設の整備に反映させていただいているところでございます。  将来の人口を見据えた整備が必要ということで、何も縮減するという発想ではなくて、これから人口構成が変わっていく中で、高齢者あるいは少子化とか、そういった人口構造の変化に対応した施設をしっかりと複合化、あるいは長寿命化とか、そういった中でつくっていくという視点に基づいて、これから検討を始めていく、現在も検討しておりますが、これからも地域の皆さんの声を聞きながら、検討を重ねていく予定でございます。 ◆黒沼 委員 やはり今の答弁は、国の方針どおりですよ。そこに欠けているのは、さきに言った利用者と地域住民の声を聞くという点が欠けてやっているのです。ぜひ、そこは国の言うとおりにならなくていいと思います。自治体として、ぜひその声を聞いて、それから決めていってください。要望しておきます。  最後に、大田区が一刻も早くゆがんだ同和事業の終了を図り、一般事業にすることを求めて質問します。  部落差別解消推進法が2016年通常国会後半に自民・民主などの議員立法として提出され、臨時国会で成立が諮られました。この法律は、立法事実がないのに強引につくられたものです。この法律は憲法14条に違反し、差別を固定化するだけでなく、新たな差別をつくり出すものであるとともに、行政レベルでは発動することができない不能の法律と言われています。  今や、かつてのような部落もなく、最後の壁と言われた結婚についても若い人の間ではわだかまりはありません。こうした時に、同法は部落差別の実態調査とか言いますが、時代錯誤です。今度の法律は、何が部落差別なのか定義もないです。あくまで理念法です。  注目すべき附帯決議もついて、過去の民間団体の行き過ぎた言動等に対する対策を講ずるとしていますが、これを議会も行政も共有したいと思います。施行に際して、区はどう対応するのですか、お答えください。 ◎玉川 総務部長 部落差別の解消の推進に関する法律につきましては、官報にて公布、施行された旨を確認してございますが、国から具体的な取扱いについての通知には接していない状況でございます。  区におきましては、これまでも部落差別の問題を、封建時代の身分制度や歴史的、社会的に形成された人々の意識に起因する差別が、今でもなお、様々な形であらわれている重大な人権問題と捉えて、相談事業、啓発事業、職員研修など、差別の解消に向けて積極的に取り組んでまいりました。  現在のところは、国からの詳細な情報がない中でございますので、本法の趣旨を踏まえながら、現行の施策を引き続き、差別を許さないという姿勢のもとで、東京都、周辺自治体と連携を進めてまいります。 ◆黒沼 委員 後半の答弁が、大田区の答弁は法律がないのに、根拠もないのにやっているということなのです。法律がないのにやっている大田区の行政は、ほかにありますか。 ◎玉川 総務部長 法律の根拠についてのご指摘でございますが、先ほどご指摘をいただきました、部落差別の解消の推進に関する法律、この中で国の責務、それから地方自治体の責務というものが記されているわけでございまして、その趣旨を踏まえているという状況でございます。 ◆黒沼 委員 国が法律をなくしているのに、続けてということが逆に同和対策を続けることはマイナスイメージとなり、いつまでも続いてしまう皮肉な結果になっているということが言えます。  その具体例に、大田区から今、いただいた同和相談事業の実績、数値は大きく減ることはなくて、効果が出ているとは思いません。いつまでも残しておくことが、逆に解消しないのではないか、なくしたほうがかえって解消する。どうして、この有害なものを残しておくのか、お答えください。
    ◎玉川 総務部長 同和問題は、今なお解消されない根深い差別意識に基づくものであり、いまだに悩みや苦しみを訴える相談が寄せられている現状がございます。  件数は大きく減少はしてございませんが、いずれの相談におきましても、解決の糸口や方向性を示したり、必要な場合には関係者との調整や関係先との面談を行うなど、丁寧な対応に努めております。  委員お話の、相談事業を残しておくことが、逆に同和問題が解消しないことになっているのではないかということでございますが、区といたしましては、相談事業の継続こそが、同和問題解消の一助となっていくものと考えており、引き続き専門相談として実施してまいります。 ◆黒沼 委員 相談の内容をお聞きすると、個人情報がありますので、詳しくは聞きませんでしたが、例えば落書き問題にしても、いつも同一人物だと言っていました。  それから、労働相談にしても、様々なものにしても、同和問題の結婚差別など以外は、全て産経部とかへまわしてコーディネーターだけだと、専門職はいらないではないですか。そうすると、結局、残るのですよ。そうすると、逆効果になるのです。  ですから、こういう状況で一日も早く根拠法なく続けてきた部落問題相談事業を、特別扱いしないで、区役所2階の一般相談事業に移して、政府と同じように、一般事業にすることを求めたいと思います。  今こそ、恐れないで附帯決議もついたわけですから、暴力はだめだと、おどしはだめだと。こういう附帯決議にも勇気をもって、決断されることを望んで終わります。 ○田中 委員長 この際、委員の皆様に申し上げます。質疑に対する答弁につきましては、最後までお聞きいただきますよう、お願い申し上げます。  答弁を途中で遮る行為は、委員会条例第21条に定める秩序保持に関する規定に基づき、処置せざるを得ませんので、改めてご了承願います。  次に、民進の質疑に入りますが、岡委員の質疑に際しましては、資料の使用を許可し、タブレット型端末に配信いたしましたので、ご了承願います。  それでは、民進、質疑お願いします。 ◆岡 委員 区議会民進党の岡高志でございます。民進党会派を代表いたしまして、予算特別委員会の総括質疑を行います。どうぞよろしくお願いいたします。  さて、予算編成過程の公表が、平成27年度予算編成から始まりまして、3年目でございます。今回、より進展したと評価いたしております。  そこで、松原区長にお伺いいたします。どのような意図で、予算編成過程の公表に踏み切られたのか、お伺いいたします。 ◎松原 区長 区は、区民への説明責任を果たし、また区政参画などを促すとともに、予算編成の質の向上を図ることを目的として、平成27年度から予算編成過程の公表を始めました。  なお、平成29年度の予算編成過程の公表につきましては、前年度と比べ、事業の要求額1,000万円以上の制限を外し、未来プラン事業、新規、レベルアップ、重点課題、大田区実施計画のいずれかに該当する事業を全て公表対象とすることで、公表事業数を大幅に増やすとともに、当初要求額の公表時期を1か月前倒しするなどの見直しを行ったものでございます。 ◆岡 委員 当然ながら、この予算特別委員会での説明責任も果たしていただきたいし、また、そうした議論を尽くしていくことが区民の皆様から我々議員へ付託されていると思います。  歳入予算がどのように見積もられているのか、歳出面においては事業査定の厳しさや甘さを見ることもできます。区民の代表たる我々の議論が最適化されていくのももちろんながら、区民にとって松原区長がどのような思いで予算編成されているのか、知ることができます。  さて、補助金について、企画経営部にお伺いしてまいります。  昨年の予算特別委員会での区長答弁では、「選択し、集中すべき重要課題は、社会情勢によって変化することから、状況を見きわめ、定期的に見直すことが必要であります。行政評価や大田区補助金等交付規則に基づき、補助制度の見直し、予算編成の過程における精査など、あらゆる機会を捉えまして、無理・無駄・むらを検証し、絶えず見直しを図っております。」とおっしゃっていました。  そして、昨年8月の総務財政委員会で、財政課長のご答弁では、「補助金適正化方針に基づきまして、補助金の見直しを鋭意進めているところでございます。それを反映させた形で、平成29年度予算には計上されるという形で考えてございます。」とおっしゃっていましたが、補助金見直しに時間がかかっているように感じます。改めて、今後の補助金の見直し・削減を進めていただきたいと思います。  伺いますが、予算編成過程は公表しているのですから、補助金見直しの状況についても議会に向けて詳細な開示をお願いしたいと思います。いかがでしょうか。 ◎川野 企画経営部長 今年度は、全ての補助金につきまして、補助金適正化方針に沿った検証を行い、見直しの有無と見直すべき項目についての整理をしたところでございます。  したがいまして、現時点で具体的な見直し内容の全てを来年度予算に反映できる段階にはございませんが、例えば、地域力推進活動負担金につきましては、補助目的や対象が重複しておりました二つの補助金を一本化することで、予算上の整理を行うとともに、申請における利用者の負担軽減や区の審査における業務の効率化を図ってございます。  引き続き、補助金の効果検証と見直し状況に応じまして、予算審議などを通じて決定してまいります。  また、見直し状況の開示につきましては、補助金の透明性を確保し、開かれた補助金制度としていくため、見直し状況の把握を行い、議会や区民の皆様への情報公開に努めることを方針の中に定めております。開示内容やその方法等につきましては、検討を重ねてまいります。 ◆岡 委員 ぜひ、補助金見直しの公表というところも進めていただきたいと思います。  平成28年3月に定められた補助金適正化方針では、補助金には終期の設定が必要とされています。事業の終期設定にあたり、補助の期間は5年を限度とすることを基本とし、事業の目的を達成した段階で、その補助事業は廃止すると。  ただ、現状で、漫然と継続されている補助金は、目につきます。あくまで、会派の意見というより、私見として三つ例示いたします。  まず、納税貯蓄組合への補助金、予算額は360万円ですけれども、大田区納税貯蓄組合連合会の補助金が長期にわたって継続しています。区税の収納率向上が区の事業目的であると思いますが、大田区納税貯蓄組合連合会の活動がその目的に合ったものかどうか定かではありません。  二つ目に挙げますのは、朝鮮学校への補助金であります。朝鮮学校への補助金、外国人学校児童・生徒等保護者補助金、また、外国人学校振興費補助金、これは15年以上も前ですけれども、区議会で陳情採択した結果、開始されたものである。  ただ、それ以降、拉致問題という北朝鮮による国家ぐるみの犯罪を非難する日本国内の世論は大きくなりましたし、国際世論を顧みず核ミサイル開発に突き進み、平成23年に権力を承継したキム・ジョンウンが独裁強化のため、国際法を無視した犯罪行為に今も手を染めていることは周知のことでございます。  この場でも、多くでもないか、幾つか先輩議員がこの問題を指摘されていたところでございます。平成28年3月29日には、文部科学省が地方公共団体に朝鮮学校への補助金の中止を求めて朝鮮学校に係る補助金交付に関する留意点について(通知)を自治体に発出しています。  それを受けて、大田区でもようやく外国人学校振興事業100万円が執行停止されました。外国人学校保護者補助は、依然計上されておりまして、924万円あります。北朝鮮をめぐる国際情勢を踏まえれば、外国人学校保護者補助についても、再考する時期ではないでしょうか。  三つ目、例示しますけれども、たまちゃんバスへの補助金、これも私どもは何度も提起しておりますけれども、平成21年10月からの試行運行であって、既に7年も補助金が継続されています。公共交通の空白地域における移動手段の確保など、福祉目的の側面も大きいたまちゃんバスですが、こちらも補助金のあり方が検証されるべきと思います。  そこで伺いますが、これらのように終期の設定がなされていない補助金について、どのように対処していかれるのか、お聞かせください。 ◎川野 企画経営部長 補助事業を長期間にわたり継続することは、新しいニーズに対応した制度の創設や見直しを困難にすることに加えまして、助成を受ける側にとっても、補助金の既得権化や自主性・自立性を損なうなどといった弊害を招く可能性もあるため、原則として、補助期間の終期設定を行うこととしてございます。  ただし、終期を設定することがふさわしくない補助金につきましては、終期を設定しない理由を明確にすることとしてございます。  委員のお話の補助金を含め、終期設定のない補助金につきましては、今年度の検証を踏まえ、引き続き、終期の設定または終期の設定が困難な場合は、理由の妥当性につきまして検証をしてまいります。 ◆岡 委員 ぜひ、そのように推進していただきたいと思います。  スクラップ・アンド・ビルドの徹底も補助金適正化の方針であります。補助金は区民等の主体的活動や自立的運営を支援するために交付するものであり、補助金に依存する事業運営になってはならないことから、補助率の上限を、原則補助対象経費の2分の1とする、とあります。  しかしながら、現状では補助率が2分の1を超えるものも目につきます。例えば、二つ挙げますと、商店街、予算概要書、これの128ページにございますけれども、大田区商店街連合会のホームページ改修について600万円計上されています。これは、満額税負担でございまして、商店街のホームページがつくられます。  本来、こういうのは商売をされる方が効果のあるものに資金を投下するという、商売の原則を踏まえた商業振興であるべきです。  また、浴場組合についての補助金も指摘させていただきますけれども、公衆浴場や、東京都公衆浴場業生活衛生同業組合大田支部に対して、様々な補助金が交付されているのは皆さんご存じのとおりでございますが、やはり補助率が2分の1を超える補助金が散見されます。  これらのように、補助率が2分の1を超える補助金について、どのように対処していかれるのか、お聞かせください。 ◎川野 企画経営部長 補助金適正化方針では、補助率の上限を原則、補助対象経費の2分の1としてございますが、区政を推進する上で強く奨励・支援すべき補助については例外とするかわりに、高率補助を行う理由を明らかにし、その妥当性を十分に検証することとしてございます。  補助金適正化方針は、補助金に対する区の一定の考えをお示しするものでございます。補助率が2分の1を超える補助金につきましては、個別に、補助目的、対象、終期等を踏まえ、その必要性や妥当性について、引き続き慎重に検証してまいります。 ◆岡 委員 ぜひ、慎重に検討していただいた上で、補助率が2分の1を超えないように徹底していただきたいと思います。  次に、行政評価について伺います。  昨年の予算特別委員会で区長答弁にありましたのは、「行政評価につきましては、現行の評価に加え、定量的な評価がはかれる仕組みを構築してまいります。」とおっしゃっていました。  現状は、おおた未来プランで様々の事業の評価を4段階の定性評価でやっています。この定性評価は、皆さんわかっていらっしゃいますけれども、めり張りのある評価が難しくて、事業の見直しにつながっていない、つまり、何のための評価なのか意義づけが難しいと私、感じています。  昨年の区長答弁は、この現状を改善するべく、おおた未来プラン事業の評価の数値目標を示して、実績評価することを意味していると、私は思います。  もちろん定量評価になじまない事業も多いと思いますけれども、可能な事業から定量評価を進めて公表するべきだと思いますが、いかがでしょうか。 ◎川野 企画経営部長 現在、未来プラン(後期)に掲げます施策ごとに、関係指標や事業コストの分析などを通じて成果の定量的な評価を行っております。また、定量評価になじまない事業等につきましては、世論調査等の意識調査の結果を活用しているところでございます。  今年度は、より効率的かつ効果的な評価制度に向け、従来のモノサシ指標に加えまして、新たな成果指標を設けるなど、定量的な評価制度の充実とともに、評価結果を事務事業の見直しにつなげる仕組みの構築を進めているところでございます。  また、評価の公表につきましては、評価の客観性及び透明性を高めるために、引き続き、外部評価の導入と合わせて検討してまいります。 ◆岡 委員 前向きに進めていただけるとのことで、ありがとうございます。ぜひ、期待しております。  さて、次、文化振興について伺ってまいります。  文化振興課はちょうど設置して1年間になるわけでございますが、その文化振興課設置で、大田区に文化振興がどのようになってきたのか、伺います。スポーツ・文化担当部長、ご答弁、お願いします。 ◎茂呂 スポーツ・文化担当部長 文化振興課は、大田区文化振興プランに掲げる取り組みを着実に実施し、これまで以上に文化・芸術施策を推進する上で、意思決定を迅速に行うことを目的に設置されました。  そして、今年度、課の目標として、区民のための文化計画・事業の実施、そして集客力の高い文化施設整備に取り組んでおります。  OTAふれあいフェスタでは、ふるさとの浜辺エリアを民族音楽や舞踊、区の伝統芸能にも触れられる機会といたしました。また、和の文化に携わる団体が一堂に会して行われた、おおた和の祭典では、茶道や書道などを子どもたちや外国人の方に体験いただくことで、伝統文化の発信を行いました。  施設の整備では、区民ホール・アプリコのリニューアル工事により、音響・照明・座席などの設備を一新し、より芸術性の高い演奏や観劇にも対応する施設といたしました。  今後も、ソフト・ハードの両面において文化・芸術施策の取り組みを着実に進めてまいります。 ◆岡 委員 そういった意味で、計画を立ててイベントの実施であったり、また、ハードの整備をしていくということが文化振興課の役割である。そして、課として設置されたから、そのスピード感をもって進めていこうということだと理解しました。  文化振興課に求められる役割というのは、さらに新しい動きも必要なのだと思っています。例えば、あまり多くの人に知られていない文化・芸術資源を発掘する、そういったことも必要であると思っています。  そうした意味で、今、目に見えていない、区役所で把握していない、そうした文化・芸術資源をいかに増やしていくか、大田区に広めていくかというのは大切だと思っていまして、そうした意味で文化振興課の役割は文化・芸術イベントを区民に周知して発展させていく、そうした働きではないかと思っています。  この周辺でそういう文化・芸術の取り組みは大変進んでいるということで、参考になるのは、横浜市だと思っていまして、横浜市で横浜アートサイトという事業がありまして、これは夏から冬にかけた一定期間の文化・芸術イベントを横浜の文化振興課的なところに集約しまして、それをGoogleカレンダーに入れて地図に落とし込んでいて、とてもわかりやすく地域の文化・芸術イベントにアクセスできるようになっています。  特に、芸術の秋に、そうしたイベントをパッケージして、強く促進していくことは住民ニーズにも沿っていると思います。  それにさらにまち歩きのお要素を加えて、トリエンナーレと言われるようなイベントにパッケージすることを提案したいと思います。  ちょうど、私、先週末、区長もいらっしゃいましたけれども、あと、長野委員もいましたけれども、嶺町地区の5町会スタンプラリーイベントに参加しました。その5町会の五つのイベントを点と点でつなぐことで、人々の交流が促進されている、まさに地域力の向上に寄与しているイベントだと思いました。  伺いますが、トリエンナーレのように、パッケージされたまち歩きイベントは、文化・芸術の振興になるだけでなく、地域力を強化することになると思いますが、いかがでしょうか。 ◎茂呂 スポーツ・文化担当部長 トリエンナーレなど、まちなかでのアートイベントは、地域の皆様に、文化を鑑賞する機会や文化活動に参加する機会を提供し、まちを回遊することによって生まれる交流を通して、文化・芸術の振興のみならず、地域力の強化につながるものと考えております。  区内では公益財団法人大田区文化振興協会、地域の文化団体や個人が文化事業や文化芸術活動を行い、企業も社会貢献活動の一環として文化事業にかかわるなど、多様な担い手がアートイベントを実施しております。  まち歩きアートイベントを促進するために、区内の多様なアートイベント情報を集約し、区民が情報を入手しやすい効果的な発信方法等のあり方を検討してまいりたいと思います。 ◆岡 委員 ぜひ、よろしくお願いします。  アートからちょっと外れますけれども、私、3人子どもがいまして、子どもを育てる親の立場からは、子ども向けのアートイベントであったり、ワークショップ、そうした情報も必要であります。  イベントの属性を子どもとか、アートとか、カテゴリーを明示することで区民にとって価値のある情報サイトになると思っています。  今、大田区で割と人気のある、地域子育て支援情報ポータルサイトは、おおた子育てナビ、これはアクセスも多いとよく言われていますけれども、これが来年度、区役所のホームページに移行することが検討されています。  そこで、広聴広報のご担当に伺ってまいりますけれども、いわゆる区役所の公式ホームページのイベントカレンダーの中に、先ほどから申し上げている文化振興のためのイベント、子育てに関するイベント、さらには商店街のイベントであったり、その他、民間イベントも掲載できるようボリュームと自由度を加えた上で、見やすいユーザーインターフェイスにしてはいかがでしょうか。所管のご答弁をお願いいたします。 ◎川野 企画経営部長 区の公式ホームページのイベントカレンダーにつきましては、原則、区が主催または共催する行事を各所管が登録し、掲載しているところでございます。来年度に区のホームページに移行されるウエブサイト「おおた子育てナビ」のイベントカレンダーにつきましても、現在、区が主催もしくは共催する行事のみを掲載しております。  今後も、区がかかわるイベントにつきましては、民間との共催を含めまして、可能な限り、区のホームページ内のイベントカレンダーに掲載するよう各所管に徹底し充実を図るとともに、より見やすくなるようレイアウト等を工夫してまいります。  区公式ホームページのイベントカレンダーに、民間が単独で行うイベントを掲載することにつきましては、区のホームページという性質から、公共性・公正性などにも考慮しながら、他の自治体等の取り組みも参考にしまして、調査・研究してまいります。 ◆岡 委員 次、子どもの貧困について、教育委員会に伺ってまいります。  子どもの貧困は、民主党政権下の2009年に当時の長妻昭厚生労働大臣が、日本政府として初めて相対的貧困率を公表したところから、具体的な数値をベースに議論されるようになりました。  ここで、あえて有名な言葉を引用させていただきます。「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」、言わずもがな、これは福沢諭吉先生の言葉であります。人間は全て平等であって、身分の上下、貴賤、家柄、職業などで差別されるべきではないという平等を説いたものでございますが、ただ、この言葉は「学問のすすめ」の冒頭の一節であることを忘れてはならないと思います。学ぶこと、知恵、学力を身につけることこそが、貧困の連鎖を断ち切る力でございます。  具体的に、高校中退を防ぐこと、高校との関係構築は、子どもの貧困対策としても重要だと思っています。  おおた子どもの生活応援プランのパブリックコメントでの意見への区の考えの中で、都立高校との施策連携という項目があって、六郷工科高校との連携がうたわれていました。私も、何度か六郷工科高校を視察していまして、彼らの取り組み、区内製造業でのインターンシップなども実施するデュアルシステム科の取り組みは、評価しておるところでございます。  そこで伺いますが、六郷工科高校だけではなくて、ほかの都立高校へも中学卒業時点の学習上の課題について情報提供するなど、区内の高校との密な情報交換にも努めるべきだと思いますが、いかがでしょうか。 ◎水井 教育総務部長 「おおた子どもの生活応援プラン(案)」に対するパブリックコメントにおいても回答しておりますけれども、中学校までの学力の定着を確実に行っておくことが、その後の進学や就職、あるいは高等学校の中途退学防止にも大変重要であると考えております。  ご質問の高等学校との連携につきましては、委員のお話のとおり、一定期間、企業で就業訓練を行い、実践的な技術を身につけるデュアルシステム科を設置している六郷工科高等学校と今後、連携のための協議を行うことで合意をしており、中学生の入学時の学力の課題についての情報提供や、同校の特徴であるデュアルシステム科への進路指導の推進等に取り組んでいくこととしております。  このほか、不登校等の課題がある生徒には、自分の目標を見つけ、その目標に向かってチャレンジするチャレンジスクールなどがございまして、そこに進学する生徒について、中学校での当該生徒の学習や生活に関する情報を提供し、高等学校進学後も円滑に個々の状況に応じた、きめ細かな指導が行えるよう配慮しております。  今後も引き続き、高等学校と連携して情報共有を図りながら、生徒が適切な進路選択により、途中で挫折することなく明るい未来を切り開いていくことができるよう、努力してまいります。 ◆岡 委員 ぜひ、子ども生活を応援する、その中に六郷工科高校だけではなくて、その他の都立高校との連携も重視していただきたいと思います。  ICT教育の充実というところで、今年度の予算12億円設定された。これは大変評価するものでございます。やはり、学ぶ環境を整えてあげることが義務教育の務めだと思っております。そうやって、より学びやすい電子黒板を使ったわかりやすい解説をしっかりしていくことが学力の向上に対して意義があるということを教育委員長もおっしゃっていただいていますので、ぜひ早急に各校へのICT環境の整備を進めていただきたいと思います。  次に、朝御飯、朝食の無料化というところを提言させていただきたいのですけれども、朝食を食べていない子どもの学力が低い、こうした調査結果を教育委員会で示されております。  朝食を食べさせられない、食べさせることができない家庭環境においては、学習習慣が身につかないため、学力が低いと考えることもできるし、朝食を食べていないから、体の中にエナジーがなくて午前中の力がなくて、学校で学ぶ集中力がないと考えることもできます。  私なんかも、40歳になりますけれども、朝御飯を抜いた午前中は本当にぼんやりしているものでございます。朝食を食べれば、学力は少しは向上するのは事実だと思います。  であれば、学校で朝食を無料で食べさせてやればいいのではないかと、私は思いますが、いかがでしょうか。 ◎水井 教育総務部長 子どもたちが健やかに成長していくためには、適切な運動や栄養バランスのとれた食事、十分な睡眠が大切であります。
     平成28年度の全国学力・学習状況調査によりますと、毎日朝食を食べる子どものほうが、正答率が高いという結果が出ているほか、平成28年度の全国体力・運動能力・運動習慣等調査においても同様に、毎日朝食を食べる子どものほうが、体力合計点が高いという傾向にあるという結果になっております。  これは、栄養補給という面もございますけれども、成長期に必要不可欠である睡眠の不足など、基本的な生活習慣の乱れが、学習意欲や体力、気力の低下の要因の一つになっているとの指摘でございます。  このような考えから、本区では、朝食をとることの重要性とともに、早寝早起きを含めた基本的な生活習慣を身につけさせるための「早寝・早起き・朝ごはん月間」を5月と10月に実施しているところです。  また、学校医や学校歯科医、養護教諭などで構成する学校保健会からは、1学期末と3学期末に、早寝、早起き、朝ごはんの大切さを啓発するチラシを全児童生徒に配布しており、今月配布するチラシにおいても、正しい生活習慣を身につける重要性の中で、朝食をとることが、栄養補給のみならず、学力にもよい影響を与える、ということを周知していく予定でございます。  朝ごはんだけでも学校で提供することについては、費用負担や提供体制の課題をはじめ、保護者の養育意識低下を助長するといった懸念もあり、実現へのハードルは高いものと考えております。  いずれにいたしましても、「早寝・早起き・朝ごはん月間」の推進や、規則正しい生活習慣を指導する中で、朝食をとることの大切さについてもしっかりと伝え、改善を図ってまいりたいと存じます。 ◆岡 委員 答えだけでいいのに、長い答弁を本当に時間の無駄なのでやめていただきたいと思います。  何で、学校の朝食無料化ということを気がついたかというと、去年、議会でアメリカのセーラムを視察してまいりまして、セーラムアカデミーで朝食無料と貼り紙がありまして、セーラムに行った大田区の学校の先生も多いのでご存じかと思いますけれども、別に朝食を出すということが何か問題があるというわけではなくて、食べてこられない子がいるのだったら出してあげたらいいと、本当にシンプルな考え方が必要なのではないかと思うのです。  例えば、小学校、一学校で200人子どもがいるとして、50個ぐらいおにぎりを朝、用意しておく、つまり早いもの勝ちですよ。それが、学校に早く来るインセンティブにつながって、遅刻する子どもがいなくなるわけです。  だから、50個おにぎりを用意する、これもいわゆる売れ残り品とかで安く集めてきて、おにぎり1個40円ぐらい、何とか集めてきて、安いですよ。安く集めてきて、それで1食、1日2,000円分ぐらいで、おにぎりの朝食を用意できるのです。  1日2,000円ですからね、200日掛ければ40万円ですよ。40万円ですから、税金を出してとかそういう話ではなくて、さっき冗長な答弁をされましたけれども、教育総務部長が募金を幅広に募れば、そういうお金も調達できるのではないかと思いますので、ぜひ大田区の学校で試験的でもいいので、朝食無料化をやっていただきたいと思います。  さて、次、ゲーム依存について移ってまいりますけれども、タブレットに配信しておりますけれども、青少年のインターネットの利用状況という内閣府の調査結果をこちらに出しておりますけれども、すごいわかりやすいので、赤い枠のところをご覧いただくと大変わかりやすいのですけれども、青少年の10歳以上の子どもたち、小学校4年生以上ですけれども、大体、青少年の8割がインターネットを利用していますということでございます。  折れ線チャートがあるのですけれども、小学生でもスマホ、パソコン、ゲーム機などの機器の利用が大体9割ぐらいになってきているわけでございます。それで、学校教育においてスマホなどでのインターネット利用の弊害議論になっています。学校でもSNSでのトラブルなど、情報モラル教育を様々な機会に行われていると理解します。  2ページ目をめくっていただいて、また赤枠の中ですけれども、青少年のインターネットの利用内容、高校生は置いておいて、中学生では、1番は動画視聴74%、ゲーム72.8%、コミュニケーション、いわゆるSNSです。これが67%。小学生に至ると、ゲーム78%、動画視聴60.5%ということで、SNSよりも小中学生におけるスマホ利用というところはゲームなのですよ。  3ページをめくっていただきます。3ページ目、横棒グラフがあるのですけれども、棒グラフの中で赤枠を書いてあるのは、大変見やすいのですけれども、この資料は傍聴の方は見えないので、今度、私のホームページにでも今日付の投稿に載せておきます。ホームページのアドレスは、http://ameblo.jp/okatakashiでございます。  言いたかったことは、この赤い枠を見ると、小学生の3割、中学生の5割強が、毎日2時間以上、インターネットを利用しているということがわかります。  そして、その多くがSNSというよりもゲームの利用である。そういうところで、ゲームの依存症というのが義務教育課程において、大変問題のあると理解しています。  4ページめくっていただくと、これは私がまとめた折れ線グラフですけれども、伸びてきている赤い線が、ゲームソフト市場の市場規模でございまして、平成24年あたりから、急成長していることがわかります。平成25年以降ですね、急成長していることがわかります。  現時点では、スマホゲームの業界の成長は頭打ちだ、そのように業界的に言われております。成長が業界で頭打ちするとどうなるかというと、1人当たりの売上高を伸ばしていくというアプローチが強まることが予想される。  つまり、1人当たりのスマホゲームの滞在時間・消費金額が伸びる。この伸ばすためのアプローチですから、スマホでのゲームはますます依存性が高まると懸念されます。  大田区の未来ある子どもたちが、貴重な時間をゲームで浪費しているのは、大変残念なことだと思いますので、その対策をぜひとっていただきたいと思います。  ゲーム依存症対策についての、教育委員会の所見をお伺いします。 ◎水井 教育総務部長 ゲーム依存につきましては、その弊害や対策がSNSの対策と重なる部分が多いこと、家庭での指導が何よりも重要であることなどの共通点があることから、情報モラル教育の中でSNS等とあわせて取扱っております。  具体的には、全て児童生徒に配布している「SNS東京ノート」を用いた指導の中で、ゲームについてもルールを決めて遊ぶことの重要性を理解させております。また、全ての区立小中学校において実施している保護者を対象とした情報モラル講習の中で、ゲーム依存についても取り上げ、家庭の中でのルールづくりをはじめとしたゲームとのつき合い方を具体的に指導することで、家庭の指導力強化を図っているところでございます。  今後も引き続き、情報モラル教育の中で、ゲーム依存についての取り組みを強化し、児童生徒の健やかな成長を図ってまいります。 ◆岡 委員 次に、ギャンブル依存症対策についてもお伺いしたかったのですが、ちょっと時間がないので飛ばします。  ただ、一応、私、今、ちょうどギャンブル依存症対策についての地方議員連盟というのをスタートさせておりまして、国民的な議論をつくっていきたいと思っているところでございます。  さて、次、スクールソーシャルワーカーについてお伺いいたします。  子どもの貧困対策の観点から、スクールソーシャルワーカーは教育と福祉をつなげる重要な役割があります。大田区では、今年度、スクールソーシャルワーカーは2人から5人へと大幅に増員していただいたということは評価いたします。引き続き、増員に向けて人材確保をお願いしたいのですが、そのために待遇が果たして十分なのだろうかということでございます。  現状、週4日勤務で採用していまして、これだったらほかのフルタイムの人と比べて8割しか働けないわけだから、8割の月給しかもらえないというわけでございまして、そうした意味で、人材確保が果たしてできるのかと疑問が残るわけでございますが、いかがでしょうか、お聞かせください。 ◎水井 教育総務部長 現在のスクールソーシャルワーカーの業務量でございますが、取扱いケース数等を勘案し、5名体制であれば、週4日勤務でカバーできるものと考えております。  また、スクールソーシャルワーカーの中には、休務日に大学で講義を受講している方もいらっしゃいまして、週4日勤務であることが、経験豊かな人材を確保する上での利点となっている側面もございます。  勤務日数につきましては、業務量により決定することが基本であり、今後の活動状況を見ながら、効果的な体制について検証してまいります。 ◆岡 委員 これから、スクールソーシャルワーカーに人材が必要であるとなったときに、例えば週4日で働く人が4人いました。これを1日増やしましたといったら、5日分マンパワーが増えることですから、これから人が必要だということであれば、週4日勤務というのも改善の必要があるのではないかと思います。  では、次、少子高齢化対策というところについて伺ってまいります。  子どもの貧困対策の政策の集中は、私は評価しているところでございます。待機児童対策についても、小池都知事が就任して以来、アクセルが踏まれたこともあって、大田区でも充実してきていると評価しています。  これらの子ども関連の投資は、少ない子どもたちを大切に育て上げようとするものであります。大田区のまち・ひと・しごと総合戦略では、出生率の数値目標を挙げています。合計特殊出生率が現状1.19、これを1.2にします。上げ幅は小さいのですけれども、出生率の引き上げを図ろうとしているわけでございます。  子どもを増やそうとする少子化対策に、積極的に推進していただきたいところですが、今回の予算査定の中で、消えてしまった事業がありますので、その意図をお伺いいたします。  予算概要書の174ページの真ん中あたりに、(仮称)兄弟姉妹応援資金というのがありまして、2人目以降の出産に現金給付する案、まさに出生率向上に資する少子化対策だと思いました。  質問ですけれども、当初要求9,800万円ありました。だけど、査定によって、結局0円ということになりました。これは、なぜでしょうか、企画経営部長、お答えください。 ◎川野 企画経営部長 予算案は、各部が予算編成の基本方針に基づき見積もりした内容につきまして、選択と集中の観点から必要性、緊急性、経費の妥当性、費用対効果、後年度負担などの観点から査定の場などを通じて調整した結果、大田区の総意として取りまとめられるものでございます。  なお、現金給付を行うことは、子育て世帯にとりまして一時的なメリットがあると考えられますが、子どもを産み育てるということは、一時的なことではなく、乳幼児期から小・中・高校、そして社会人として、ひとり立ちをするまでの間、保護者として子育ての必要がございます。  また、自治体としても、継続した取り組みが必要であると考えてございます。行政といたしましては、ただ単に、現金を支給するのではなく、乳幼児の子育て支援の充実、教育施策の充実、子どもの生活応援のための取り組みなど、子どもの成長過程の中で必要な施策に総合的に取り組むことが重要と考えてございまして、新年度予算におきましても、そうした事業に重点的に予算を配分させていただいたところでございます。  こうした取り組みが子どもたちを育み、子ども安心して産み育てられるまちづくりにつながり、結果として少子化対策にもつながっていくものと考えてございます。 ◆岡 委員 そうしたお金のばらまきだから、査定で消えてしまったのかと理解もするのです。そういった思いを今後、補助金の見直しというところも、やはり漫然とどういう目的で配られているのかわからない補助金がある。そうした分をやはり厳しく、新規事業に対してしっかり精査されているようにきゅう然からある事業に対しても、既得権を打破する、そうした思いをもってしっかりと精査していただきたいと思います。  次、大田市場の土壌汚染リスクについて伺ってまいります。  築地市場の豊洲移転問題は、なかなか解決のめどが立ちません。今年に入って、結果が公表された豊洲市場の9回目の地下水調査で、環境基準を大幅に超過するベンゼンが検出されたことがわかりました。  一方で、築地市場も、もともとクリーニング工場があったため、土壌汚染の可能性があるなど、またヒ素の検出があるなど、報じられています。  東京の中央卸売市場の信頼性が揺らいでいる中、大田区東海にある大田市場の機能強化が取り沙汰されています。  大田区東海は、昭和40年代に、しゅんせつ土によってできた埋立地と認識しています。埋め立ての後、大田市場が設置される前までは、何だったのかお聞かせください。環境清掃部長、ご答弁、お願いします。 ◎市野 環境清掃部長 現在の大田市場がある埋立地は、昭和44年から昭和46年ごろに造成された埋立地でございます。昭和57年3月に区が作成いたしました、大田区自然環境保全基礎調査報告書によりますと、大井野鳥公園、現在の東京港野鳥公園に隣接いたしました市場計画予定地であり、未利用の土地でございました。 ◆岡 委員 未利用の土地であったということで、大田市場の土壌汚染リスクはないものと安心いたしました。  大田の産業の中核である大田市場の、さらなる発展を支援してまいりたいと思います。  次、大田区の公園について、都市基盤整備部に伺ってまいります。  公園の利用について、多くの公園で「ボール遊び禁止」の立て札を見ます。子どもが伸び伸びと外で遊ぶことを阻害するメッセージだと思います。  こうした「ボール遊び禁止」の立て札があるからと、ボール遊びをしていた子どもを見た近隣住民が学校に通報する。そして、子どもは学校で叱られる。残念な状況であると思います。  そんなことを私にご指摘いただいたのは、公園の近隣に住む80代のおばあさんです。子どもは社会の宝と区長はおっしゃいます。であるならば、近隣住民は立て札をよりどころにするのではなくて、大人の常識として子どもの迷惑行為を注意して子どもを育成するべきだと思います。それが古きよき地域社会ではありませんか。  もちろん、現代社会ですから、倫理とか常識ではなく法によって規制されます。平成27年に改正された大田区の公園条例で禁止されるのは、「危険のおそれのある行為又は他人の迷惑となるような行為をすること」とあるだけです。でありまして、子どものボール遊びは一義的には該当しないのです。  伺いますが、子どもの利用実績が多い公園において、子どもの外遊びの中核たるボール遊びを一律に禁止するかのような対応はいかがなものでしょうか、お聞かせください。 ◎荒井 都市基盤整備部長 「ボール遊び禁止」の看板がある公園は、主に周囲にお住まいの方やほかの公園利用の者から、迷惑や危ないなどのご意見を受けて設置しているものでございます。  公園は、不特定多数の方が自由に利用できる場所でございます。この場所で、かたいボールやバットなどを使う遊びは禁止せざるを得ませんが、幼児と保護者がゴムまりのようなボールで遊ぶものまで禁止してはおりません。  今後は、わかりやすい表記の注意看板にするために他区の例を参考にするなど研究してまいります。  また、公園の新設やリニューアルの機会を捉え、公園の周囲にお住まいの方々に理解していただき、ボール遊びができる場所を設けた公園の整備も進めてまいりたいと考えております。最近では、蒲田本町二丁目公園に、平成27年にかご状の球技の遊び場をつくったところでございます。 ◆岡 委員 ぜひ、周辺の住民の皆さんの平穏な暮らしを守ることはもちろんですけれども、子どもたちの外遊びの環境を守っていただけるようにお願いいたします。  最後ですが、大田区の公園空間についての提案をしようと思ってパネルをもってまいりました。蒲田と京急蒲田の間は年々キャリーバッグを引っ張って移動する人の姿が増えております。皆さんご存じのとおりであります。  その蒲蒲間を少しでもクリーンで魅力あふれるまちにしようと、逆川通りも大田区で整備されています。さらに、まち全体を緑やアートで埋め尽くすくらい魅力ある空間にしたいと思いまして、題して「蒲蒲スカイパーク」というアイデアを提言させていただきたいと思います。  去年、やはり視察でニューヨークへ行きまして、ニューヨークのマンハッタンのハイラインは、高架空間ですよね。高架空間に緑と人があふれる憩いの場が形成されていて、大変魅力的だと、行かれた方は皆さん、そう思ったと思いますけれども。  そういう大田区も蒲田の駅前の地上の空中空間に、魅力あふれる空間をつくってはいかがかと。人たちが車が通らない高架空間でございますから、車とか自転車とか気にしないで観光の人とかも、まちを歩くことができると。さらに、このまちに新しく人のにぎわいが生まれるのではないかと思います。  えらくわかりにくいのですけれども、一応、レベルとしては建物の2、3階ぐらいに空中広場空間があって、そこにはちょっとした舞台ができるような、ちょっとしたパフォーマンスができるような舞台設計もあったり、緑の憩いの空間があったり、まさにマンハッタンのハイラインのようなというところでございます。  そこに、動く歩道を真ん中に通しまして、そこで人を運ぶことができれば、みんな空間を楽しみながら、早く蒲蒲間を移動できて一石二鳥ではないかと思います。  こうしたアートイベントもできて、まちのにぎわいが創出できる、蒲蒲間のわくわくするランドマークになると私は思います。  これによると、蒲田のブランドイメージの向上たるや、プライスレスだと思います。まさに日本の玄関、日本の文化のショーケースにもなるのではないかと思います。  せっかくの国家戦略特区ですから、大胆な都市空間を創造していきたいと思います。この蒲蒲スカイパーク構想について、どう思われますでしょうか、都市基盤整備部長のご答弁をお願いいたします。 ◎荒井 都市基盤整備部長 岡委員より、斬新なアイデアをいただきまして、ありがとうございます。ハイラインを参考にしたということでございますが、蒲田では、廃線はございませんので、新線の計画があるのみでございます。  蒲田のまちでは、平成21年度に蒲田駅周辺地区グランドデザインが策定され、平成26年からその実現に向けた蒲田駅周辺再編プロジェクトが動き出し、蒲田駅東口駅前広場の再整備のまちづくりが今まさに進められております。  このような中、区としましても蒲田エリアの駅前広場や道路、公園、緑道、公共施設など、まちなかの公共空間の魅力をさらに高めていくためのネットワークづくりを、地域とともに進めております。今後も、蒲田の魅力づくりに努めてまいります。 ◆岡 委員 そうやって我々区民の代表として、未来の大田区のために前向きな政策提言をさせていただいてつもりでございます。この場で、我々議員が申し上げることをぜひ、前向きに取り入れていただきたいと思いまして、私からの質問とさせていただきます。 ○田中 委員長 以上で、総括質疑を終結いたします。  次に、第1号議案 平成29年度大田区一般会計予算歳入の審査を行います。  なお、説明及び質疑につきましては、全ての款を一括してお願いしたいと思いますので、ご承知願います。  それでは、理事者の説明を求めます。 ◎谷口 財政課長 それでは、ご説明いたします。こちらの大田区各会計予算事項別明細書、こちらをご覧になりながらお聞きください。一般会計歳入、38ページをご覧ください。  第1款特別区税、平成29年度704億4,399万2,000円で、前年度比110億711万3,000円の増でございます。第1項特別区民税、今年度650億2,464万1,000円で、12億3,672万3,000円の増です。第2項軽自動車税、今年度3億19万6,000円で、980万6,000円の増です。第3項特別区たばこ税、今年度51億474万8,000円で、1億3,963万5,000円の減です。  40ページに行っていただきまして、第4項鉱産税、本年度1,000円で、前年度と同額でございます。第5項入湯税、本年度1,440万6,000円で、21万9,000円の増です。  第2款地方譲与税、本年度20億1,300万1,000円で、2億5,000万円の増です。第1項自動車重量譲与税、本年度6億9,600万円で、3,500万円の増です。第2項地方道路譲与税、本年度1,000円で、前年度と同額でございます。第3項航空機燃料譲与税、本年度10億3,100万円で、2億1,800万円の増です。第5項地方揮発油譲与税、本年度2億8,600万円で、300万円の減です。  第3款利子割交付金、本年度3億3,300万円で、5,800万円の減です。  第4款配当割交付金、本年度12億5,500万円で、8億7,600万円の減です。  42ページをご覧ください。第5款株式等譲渡所得割交付金、本年度8億6,700万円で、3億9,100万円の減です。  第6款地方消費税交付金、本年度158億3,000万円で、2億7,900万円の増です。  第7款自動車取得税交付金、本年度5億5,100万2,000円で、7,400万1,000円の増です。  第8款地方特例交付金、本年度4億1,500万円で、2,500万円の増です。  第9款特別区交付金、本年度687億5,200万円で、1億9,700万円の減です。  44ページをご覧ください。第10款交通安全対策特別交付金、本年度7,000万円で、1,000万円の減です。  第11款分担金及び負担金、本年度25億4,217万6,000円で、11億2,110万4,000円の減です。  第12款使用料及び手数料、本年度86億8,717万6,000円で、15億159万3,000円の増です。第1項使用料、第1目総務使用料から52ページの第8目教育使用料まで合わせまして、本年度75億4,785万8,000円で、15億5,359万1,000円の増です。第2項手数料、第1目総務手数料から56ページ、第7目教育手数料まで合わせまして、本年度11億3,931万8,000円で、5,199万8,000円の減です。  第13款国庫支出金、本年度472億8,867万9,000円で、5億6,013万2,000円の増です。第1項国庫負担金、第1目福祉費負担金から58ページ第3目教育費負担金まで合わせまして、本年度434億3,313万7,000円で、16億2,146万5,000円の増です。第2項国庫補助金、第1目福祉費補助金から60ページ第8目総務費補助金まで合わせまして、本年度38億4,376万7,000円で、10億5,321万2,000円の減です。第3項国庫委託金、第1目総務費委託金から62ページ第4目教育費委託金まで合わせまして、本年度1,177万5,000円で、812万1,000円の減です。  第14款都支出金、本年度161億8,027万8,000円で、5億9,660万6,000円の増です。第1項都負担金、第1目福祉費負担金から第4目教育費負担金まで合わせまして、本年度87億600万6,000円で、4億509万5,000円の増です。第2項都補助金、第1目総務費補助金から66ページ第8目環境清掃費補助金まで合わせまして、本年度58億5,145万円で、1億9,489万1,000円の増です。第3項都委託金、第1目総務費委託金から68ページの第6目教育費委託金まで合わせまして、本年度16億2,282万2,000円で、338万円の減です。  第15款財産収入、本年度3億3,254万2,000円で、5,849万9,000円の減です。第1項財産運用収入、第1目財産貸付収入から70ページ第3目基金運用収入まで合わせまして、本年度3億2,797万9,000円で、5,810万円の減です。第2項財産売払収入、第1目不動産売払収入と第3目物品売払収入を合わせまして、本年度456万3,000円で、39万9,000円の減です。  第16款寄附金、本年度3億2,643万6,000円で、4,143万5,000円の増です。  第17款繰入金、本年度142億6,493万3,000円で、25億6,666万5,000円の増です。
     72ページをご覧ください。第1項基金繰入金、第1目財産基金繰入金から第26目新空港線整備資金積立基金繰入金まで合わせまして、本年度142億6,493万2,000円で、25億6,666万5,000円の増です。財政基金繰入金は、本年度71億3,613万1,000円で、18億4,926万4,000円の増です。第2項特別会計繰入金、本年度1,000円で、前年度と同額です。  74ページをご覧ください。第18款繰越金、本年度20億円で、前年度と同額です。  第19款諸収入、本年度53億672万2,000円で、1億9,526万2,000円の減です。第1項延滞金、加算金及び過料、本年度3億340万6,000円で、3,699万7,000円の減です。第2項特別区預金利子、本年度56万2,000円で、134万8,000円の減です。第3項貸付金元利収入、第2目土地開発公社貸付金収入から76ページ第15目大森赤十字病院改築支援貸付金元利収入まで合わせまして、本年度14億8,147万1,000円で、1億5,600万4,000円の減です。第4項受託事業収入、第1目福祉費受託収入から第8目総務費受託収入まで合わせまして、本年度12億5,225万8,000円で、2億664万5,000円の減です。第5項収益事業収入、本年度8,500万円で、5,500万円の増です。  78ページをご覧ください。第6項事務処理特例交付金、本年度6億5,000万円で、2億4,800万円の増です。第7項雑入、第1目滞納処分費から80ページ第14目雑入まで合わせまして、本年度15億3,402万5,000円で、9,726万8,000円の減です。  82ページをご覧ください。第20款特別区債、第1項特別区債、第1目福祉債から第7目総務債まで合わせまして、本年度44億円で、4億円の増です。  以上で、一般会計歳入の説明を終わります。 ○田中 委員長 歳入には、共産から通知がありますので、これを許します。  それでは、共産、質疑願います。 ◆大竹 委員 歳入について質問します。  今予算では、歳入で特別区税の増、特別交付金の小幅な減、それと施設の使用料の値上げ、保育園あるいは児童館の保育料の値上げ、区民負担もありまして、前々年度比45億円、17%の増となり、過去最高になりました。そういう中で、私は20款の特別区債についてお伺いしたいとお願いいたします。  まず、特別区債の現在高なのですが、平成19年度698億円から28年度見込額で302億円に半分以下に、この間なってきたと。  この間、当初予算から特別区税より区債の償還を行っている公債費のほうが多いということですね。そして、しかも今回の第4次補正でもあったのですが、補正で多額の減額をしているということ。  今回の第4次補正では、特別区債、当初40億円を34億円減額して5億円余の発行ということになって、これが区債現在額が減っているという、こういうことに今、なってきていると。  そういう中で、決算の監査委員の意見書、ここでも近年、公債の発行利率が低い傾向にあることから、将来の区民負担を十分に考慮した上で、低利の区債による公共施設や社会資本の整備など、区債の活用方法について検討されたいと、このように意見書でも述べられております。  この意見書から見ましても、今回、この間の区債の発行について、活用について消極的ではなかったのかと思っているのですが、いかがでしょうか。 ◎谷口 財政課長 特別区債の発行につきましては、その時々の行政需要や財政状況を見ながら、負担の公平性ですとか平準化、そういったところも配慮しながら、総合的に判断することが重要でございます。  区はこれまで、今後一層進展します少子高齢社会への対応ですとか、老朽化した公共施設の改築などの行政需要に応えるにあたりまして、計画的に基金への積み立てを行い、適正な残高を確保するとともに、特別区債につきましても計画的に償還をすることで、残高を着実に減少させ、将来に向けた発行余力を十分蓄えてまいりました。  今後の特別区債の活用にあたりましても、将来の行政需要を踏まえ、中長期的な視点をもって公債費負担比率、こういったところにも十分配慮しながら、適宜適切に判断してまいります。 ◆大竹 委員 それで、補正予算で特別区債34億円の減について、民間の高い利率の区債の発行について見送ったということで答弁がありました。こういうこと自体、単なる、私は数字合わせ、安易な減額ではなかったのかと思っているのですが、いかがでしょうか。 ◎谷口 財政課長 委員お話の、平成28年度一般会計第4次補正予算、こちらに関しましては、先日の総務財政委員会でご説明させていただいているところでございますが、一般論としてこの場で申し上げますと、区債については、低金利の公的資金から借り入れをして、利子の償還をできるだけ圧縮するということが重要でございます。  こうした点も踏まえまして、区債の発行につきましては、その時々の収支バランスですとか、後年度負担、また基金との効果的な活用、あと、基金残高とのバランス、こういったところを総合的に踏まえて、適切に判断しているところでございます。 ◆大竹 委員 区債というのは、世代間の均衡を図っていくと、現世代と、そして次世代の世代間の均衡を図るという意味で、世代間で担っていくという、そういう要素が多いということを含めてあるので、これは計画的に、なお進めていって本当にもらいたいと思っているのですが。  その中で、区債を見てみますと、実際、先ほど利率の問題を言われました。その中で、例えば区債現在高の中には、5.5%の区債、2億円、0.6%をはじめとして、4.4%、4.3%、2.6%以上が11.9%あるのです。  それから、2%以上が21.15%あるということでは、本当にこのような高い利率の区債こそ早期に償還すべきではないかと思うわけです。  この間、私たち、過去にこういうことも言ってきました。そういうことを実際、計画的にやられているのか、その点、どうでしょうか。 ◎谷口 財政課長 過去には、高い利率の区債を繰上償還としたことはございます。ただ、今現状の話をさせていただきますと、現在、償還が残っている区債の中で、高い利率のものについては財政融資資金、利率が相対的に低い政府系の資金となってございます。  それらの区債につきましては、償還期間前に償還を行う、いわゆる任意繰上償還、こちらを行う場合には、発行の際の取り決めによりまして、一定額の補償金を支払うということになってございます。  こちらの補償金の額でございますが、そのまま貸し続ければ得られるはずであった利息収入と、繰上償還額を新たに貸し付けした場合に得られる利息収入の差から計算されるものでございます。  したがいまして、繰上償還につきましては、こうした補償金の額ですとか、後年度負担の平準化、また、その時々の収支の状況、そういったところを総合的に勘案して判断しているところでございます。 ◆大竹 委員 それらいろいろとご検討はされているとは思うのですが、やはり一般的に見て、例えば住宅ローンにしてもそうなのですが、今、低金利に借りかえとか、いろいろやられているではないですか。そういう部分を含めて、やろうと思えば私は本当に可能ではないのかと。  過去に、民間との関係でいろいろ言われたことがあったのですよね、民間の金融機関との信頼性が損なわれるだとか、そういう話もされていたことがあったのですよ。  今、いろいろな手数料等の問題を出されていますが、適時、こういう高い金利のものについては、優先的に償還すべきだと要望しておきます。  それで、今回、新年度予算44億円の特別区債、前年度比4億円ということになりますが、その内訳を見ますと、総務費、福祉費、土木費、都市整備費、教育費等、区債というのはそれぞれ目的があると。  こういう意味では、予算というのはその自治体の1年間の収入と支出の見積もりであると同時に、住民に対してその年度に、どれほどの公租公課を義務づけるのかと、また、その見返りとしてどんな行政サービスを行って福祉向上に努めるかのことについては、約束するという、言ってみれば公約的な部分というのがあるわけですが、そういう中で、区債、最終補正になると減額するだとかということ自体、この公約、いわゆる約束に反するのではないかと思っているのですが、その点、どうですか。 ◎谷口 財政課長 平成29年度予算編成にあたりましては、「未来を拓く子どもたちや若者の成長を支える取り組み」「誰もが健康で、いきいきと活躍できるまちづくり」「災害に強く、安全で安心な生活基盤の確立」「地域の資源と強みを活かし、国際都市おおたの成長を牽引する取り組み」こちらの4点を重点課題と捉え、特に優先的に予算を配分しているところでございます。  平成29年度は、本予算に基づきまして、区民サービスの向上につながる事業を着実に推進することが重要であると認識してございます。  ただ、一方で、本予算編成後において、状況の変化が生じた場合には、適宜適切に補正予算を編成することも考えられます。  いずれにしましても、区としましては、特別区税などの基幹財源や基金、また特別区債、こういったところを総合的に活用しながら、区民福祉のより一層の向上を実現してまいります。 ◆大竹 委員 区債、借金ではあるのですが、先ほど言ったように、現世代と次世代の世代間の均衡を図ると、長期的なそういうものも含めてあるので、この監査委員の意見書でも述べられているように、区債の活用について、十分検討するよう要望して終わります。 ○田中 委員長 会議が長時間にわたりましたので、しばらく休憩いたします。                午後 3時05分休憩                午後 3時30分再開 ○田中 委員長 ただいまから、予算特別委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、これより一般会計予算歳出の款別審査に入ります。  はじめに、第1款議会費の審査に入ります。  理事者の説明を求めます。 ◎谷口 財政課長 それでは、事項別明細書86ページをご覧ください。  第1款議会費でございます。本年度11億745万1,000円で、1,393万7,000円の減です。第1項議会費は、款と同額でございます。第1目議会費、本年度9億3,045万7,000円で、1,751万円の減です。主なものは、右側87ページ1番、議員人件費で1,486万8,000円の減です。  第2目事務局費、本年度1億7,699万4,000円で、357万3,000円の増です。  以上で、議会費の説明を終わります。 ○田中 委員長 この款には、質疑の通知がありませんので、以上で審査を終結いたします。  次に、第2款総務費の審査を行います。  理事者の説明を求めます。 ◎谷口 財政課長 それでは、引き続き、事項別明細書90ページをご覧ください。  第2款総務費でございます。本年度359億2,455万3,000円で、7億8,300万7,000円の減です。第1項総務管理費、本年度213億6,930万5,000円で、11億2,060万8,000円の減です。第1目一般管理費、本年度85億2,422万6,000円で、19億1,775万8,000円の減です。主なものは、右側91ページ11番、基金積立で、10億1,599万5,000円の減です。  92ページをご覧ください。第2目人事厚生費、本年度33億8,266万5,000円で、3億4,522万3,000円の増です。主なものは、右側93ページ、9番、再任用職員の雇用で、2億4,404万8,000円の増です。  94ページをご覧ください。第3目庁舎管理費、本年度27億4,017万2,000円で、12億7,635万7,000円の増です。主なものは、右側95ページ、1番、本庁舎関係の(1)本庁舎(分室等を含む)で、12億8,883万4,000円の増です。第4目広報広聴費、本年度2億6,054万円で、1,086万9,000円の減です。主なものは、右側95ページ、6番、ケーブルテレビ番組の提供で、785万2,000円の減です。  96ページでございます。第5目財政管理費、本年度371万1,000円で、16万5,000円の増です。第6目会計管理費、本年度6,383万1,000円で、1,403万4,000円の減です。主なものは、右側97ページ、1番、財務会計システム維持管理で、1,606万5,000円の減です。第7目財産管理費、本年度9億4,019万8,000円で、1億4,881万1,000円の増です。主なものは、99ページ、2番、普通財産撤去工事で、1億4,734万3,000円の増です。  98ページにお戻りいただきまして、第8目土地対策費、本年度27億2,181万4,000円で、5億9,954万4,000円の増です。主なものは、右側99ページ、1番、土地開発公社関係費の(2)土地開発公社貸付金で、5億9,947万7,000円の増です。第9目企画経営費、本年度6,389万2,000円で、1,783万4,000円の減です。主なものは、右側99ページ、4番、社会保障・税番号制度の広報で、1,623万3,000円の減です。  100ページをご覧ください。第10目電子計算費、本年度18億8,131万3,000円で、8億3,579万円の減です。主なものは、右側101ページ、2番、情報システムの運営で、8億6,041万4,000円の減です。第11目施設管理費、本年度8,399万6,000円で、1,595万7,000円の減です。主なものは、右側101ページ、2番、公共施設の点検・維持の(1)建築物・設備の定期点検で、3,699万8,000円の減です。  102ページでございます。第12目防災対策費、本年度7億294万7,000円で、6億7,846万6,000円の減です。主なものは、地域防災施設の整備が完了したことによります4億6,818万7,000円の減です。  第1項総務管理費は、以上でございます。  106ページをご覧ください。第2項地域振興費、本年度58億965万2,000円で、5億295万8,000円の増です。第1目地域振興総務費、本年度27億7,430万7,000円で、1億4,233万円の減です。主なものは、右側107ページ、1番、職員人件費で、1億1,706万円の減です。  108ページでございます。第2目区民施設費、本年度5億5,055万4,000円で、4,487万3,000円の増です。主なものは、右側109ページ、4番、休養村とうぶ管理運営費で、4,043万6,000円の増です。第3目消費行政費、本年度4,674万2,000円で、463万7,000円の増です。主なものは、右側109ページ、3番、消費者相談・消費者被害の救済で、427万2,000円の増です。  110ページ、第4目区民協働費でございます。こちら、本年度2億8,065万1,000円で、5,784万9,000円の増です。主なものは、右側111ページ、8番、平和島ユースセンター管理運営費で、5,840万3,000円の増です。  112ページでございます。第5目特別出張所費、本年度14億5,736万3,000円で、3,549万8,000円の減です。主なものは、右側113ページ、1番、特別出張所管理運営費で、1億77万1,000円の増、8番、文化センター管理運営費で、1億1,634万9,000円の減です。  114ページでございます。第8目複合施設建設費、本年度7億3万5,000円で、5億7,342万7,000円の増です。主なものは、右側115ページ、1番、羽田地区公共施設の整備で、4億9,082万円の増です。  第2項地域振興費は、以上でございます。  116ページをご覧ください。第3項観光国際費でございます。本年度50億9,589万2,000円で、1億2,062万8,000円の減です。第1目観光国際総務費、本年度5億8,154万4,000円で、1億860万1,000円の増です。第2目観光振興費、本年度2億1,078万3,000円で、1,464万1,000円の増です。主なものは、右側117ページ、1番、おおたの観光魅力創出事業で、3,300万6,000円の増です。  118ページ、第3目文化国際費、本年度18億9,657万8,000円で、5億7,508万3,000円の減です。主なものは、右側119ページ、9番、文化施設管理運営費で、5億8,274万3,000円の減です。  120ページをご覧ください。第4目スポーツ振興費、本年度20億1,786万5,000円で、1,368万1,000円の減です。主なものは、123ページ、17番、区立運動場管理運営費で、1億341万8,000円の減、22番、大森スポーツセンター維持管理で、9,459万7,000円の増となってございます。  122ページに戻っていただきまして、第5目文化施設建設費でございます。本年度3億8,912万2,000円で、3億4,489万4,000円の増です。  第3項観光国際費は、以上でございます。  124ページをご覧ください。第4項区民費でございます。本年度12億7,339万6,000円で、9,943万7,000円の減です。第1目区民総務費、本年度6億1,025万5,000円で、1,529万円の減です。第2目戸籍住民費、本年度6億6,314万1,000円で、8,414万7,000円の減です。主なものは、右側125ページ、3番、住民基本台帳、印鑑証明等事務経費で、1億1,550万6,000円の減です。  第4項区民費は、以上でございます。  128ページ、第5項徴税費でございます。本年度19億2,004万6,000円で、6,000万8,000円の増です。第1目税務総務費、本年度13億7,178万5,000円で、3,785万円の減です。第2目賦課徴収費、本年度5億4,826万1,000円で、9,785万8,000円の増です。主なものは、131ページ、3番、電算関係費で、6,712万4,000円の増です。  第5項徴税費は、以上でございます。  132ページをご覧ください。第6項選挙費でございます。本年度3億5,132万5,000円で、701万8,000円の増です。第1目選挙管理委員会費、本年度1億3,812万4,000円で、2,394万1,000円の増です。  134ページをご覧ください。第2目選挙啓発費、本年度183万1,000円で、28万1,000円の増です。第3目選挙執行費、本年度2億1,137万円で、1,720万4,000円の減です。  第6項選挙費は、以上でございます。  136ページをご覧ください。第7項監査委員費、本年度1億493万7,000円で、1,231万8,000円の減です。第1目監査委員費は、項と同額でございます。  第7項監査委員費は、以上でございます。  以上で、総務費の説明を終わります。 ○田中 委員長 この款には、自民、公明、共産、維新、日本、フェア民、改革、ネット、無所属から通知がありますので、順次これを許します。  それでは、自民の質疑に入りますが、伊佐治委員の質疑に際しまして、資料の使用を許可し、タブレット型端末に配信いたしましたので、ご了承願います。  それでは、自民、質疑願います。 ◆伊佐治 委員 自由民主党の伊佐治でございます。本日は、総務費に関しまして、予算特別委員会資料財政関係の費目別各種分担金等と、予算編成過程の公表について質問いたします。  補助金の適正化については、平成26年第2回定例会では、補助金適正化の基本的な方針や交付基準について、第4回定例会では、補助金等交付規則の早期適用、平成27年連合審査会では、補助金等の個別事業の必要性と効果の減少について、平成28年第3回定例会では、個別事業のレビューシートの活用について質疑を行い、これまで継続的に補助金行政の適正化に向けた提案を行ってまいりました。  担当課として、並々ならぬ努力をされているということは、十分承知でありますが、その結果という点について、2点お聞きをさせていただきたいと思います。  まず、パネルを出させていただきたいのですが、皆さんのタブレット端末に配信をしていますので、委員の皆さんはそちらをご覧ください。  予算特別委員会資料財政関係の費目別各種分担金等(補助金を含む)の全ての項目と前年度と比較をしたものであります。平成28年度予算と比較をして、減額になった項目は98、やはり廃止となった項目は31、平成28年度予算と比較して増額になった項目は92、平成29年度予算の新規の項目は39であります。  基本的に手で数えたので、かなりミスがあるかもしれないのですが、大体大枠としてはこれぐらいの数字になるのではないかと思います。  この減額になった分、廃止になった分、これを全事業として足していきますと、12億7,446万円余、増額になった分と新規の項目を足すと、23億6,039万円余になります。  差額を見ていくと、これまで様々な補助金の適正化に向けた取り組みを進めてきたといっても、10億円以上、今回、支出が増額になっています。補助金の適正化に向けた取り組みを進めているのに、なぜこういった状況になったのでしょうか。 ◎鈴木 経営改革担当課長 今年度は、全ての補助金314件のうち、要綱が未制定のものなどを除いた267件について検証を行い、そのうち237件が見直しの必要有りとなってございます。  具体的に見直すべき項目としましては、補助単価・交付限度額の見直し、補助率の見直し、終期の設定などが多く挙げられてございます。  現時点で、こうした見直し内容の全てについて、予算に反映できる段階にはございませんが、今後、毎年6月ごろに、見直し状況の確認を行うとともに、全補助金の交付件数や交付額についても把握してまいります。  加えまして、行政評価や予算査定による定期的な検証や補助金要綱等の制定・改定時における検証を随時行い、予算に反映していくこととしてございます。 ◆伊佐治 委員 今の答弁だと、全ての事業の中から267件については検証を行って、そのうち237件が見直しの必要がありということでしたので、その検証という点では、着実に取り組みが進んでいるなという評価をすることができます。  しかしここで考えなければいけないのは、各部の姿勢であります。今年の6月ごろに見直しの状況の確認すると、先ほど答弁があったわけでありますが、平成26年度には既に庁内統一の方針と交付基準が定められました。
     そして、昨年度からは、レビューシートで個別の事業を評価しているわけでありますから、各部は予算計上にあたり、補助金などの見直しを強く認識をしていたと考えられます。各部の予算計上の際に、十分見直しをしていくことができたはずと考えますが、いかがでしょうか。 ◎鈴木 経営改革担当課長 今年度は、委員お話のとおり、レビューシートを用いて方針に適合しているかを確認し、各部と企画経営部の連携のもと、具体的な見直しを進めてまいりました。  見直しの具体例としましては、商店街活性化テーマ別選択事業補助金では、既存の五つの事業を統合するとともに、補助率の見直しを行いました。  また、平成29年度から新たに実施予定の大田区プレシニアの社会参加支援事業補助金、及び大田区コミュニティサイクル事業試行実施補助金につきまして、終期の設定を行ってございます。  引き続き、補助金の適正化に向けまして、補助目的や対象等を踏まえ、必要性、妥当性を十分に検証し、全庁的な見直しを慎重かつ着実に進めてまいります。 ◆伊佐治 委員 今、三つの事業を挙げていただきまして、事業の補助率の見直しというものや、終期の設定ということを行ったということは評価ができるのですが、できれば本来であれば、こうした姿勢を他の部局でももっていただきたかったというところがあります。  ただ、補助金の見直し、事業の廃止ということになってくると、様々な、例えば民間の団体とか、部署内での利害の関係とか、調整をしなければならないということで、様々な課題があるところかと思いますが、こうした取り組みをけん引して具体化をできるのは、やはり財政部局だけであります。  そうした点については、引き続き、努力をしていただくとともに、もう1点、やはり補助金の適正化を含む財政の健全化を考えていく中で大切なのは、予算の編成のあり方であります。  平成29年度大田区予算(案)概要に、付属資料、予算編成過程の公表がありますが、この公表書類にも書かれているとおり、区民への説明責任、区政参画、予算の質の向上を図る上で重要な取り組みと言えます。  平成27年度の予算から実証されているものですが、徐々に中身が充実をしてきたという感覚は受けているところであります。さらなる活用という点について、幾つかお聞きをいたします。  まず、公表の時期ですが、先ほどの答弁の中にもありましたとおり、適時性の観点から、この公表を見直していくということが昨年の議論の中での一つの答弁だったわけで、前年度より、1か月早く12月7日に公表事業一覧と、当初要求が示されました。  ただ、最終的に平成29年度大田区予算(案)概要が示されるまで、情報の更新は一切なかったのであります。  昨年の答弁では、公表のタイミングは重要であると考えているとのことでしたが、今回の公表について、1か月早く前倒しをしたということ以外に、どのような変化があったのか、お知らせください。 ◎谷口 財政課長 平成29年度予算編成過程の公表につきましては、当初要求状況を昨年度より前倒しして12月に公表し、最終的な査定結果を2月の予算案発表とあわせて公表しているところでございます。  なお、査定の段階としましては、11月の企画経営部長査定、12月の区長査定とございますが、このタイミングにかかわらず、予算編成の期間においては、各部局との調整や状況の変化などの中で、見積額は日々増減するものでございます。  また、予算編成中は、膨大な時間と労力を注ぐことが求められているため、予算編成過程を適時公表する場合には、相当の負担も生じてまいります。  したがいまして、公表の方法としましては、当初要求状況については、内容がまとまり次第公表するとともに、企画経営部長査定及び区長査定の各査定の状況については、最終的に予算案として確定した2月に公表しているというところでございます。 ◆伊佐治 委員 前回よりは公表のタイミングも早くなったということで、ある程度、方向性としては進んでいるかというところもあるのですけど、我々はこの予算編成過程、予算を編成する中で、間には例えば12月議会もありますし、決算特別委員会もあるわけでありまして、やはりそうした中での議論がどのように予算に生かされているのかということを、我々は数字として知りたいわけであります。  職員の負担の点についての答弁もありましたが、それは重々承知として、かといって企画経営部長査定が2月でなければ公表できないという理由は、私はないと思っておりますので、今後の公表については、この点についても進めていただきたいと思います。  今回の予算の中を見てみますと、当初要求時の歳出は2,616億円余で、予算案の時点では2,619億円と差額は3億円であります。平成28年度予算のときには、当初要求額は2,573億円で、予算案の時点では2,605億円と、その差は32億円であります。  一つの考え方として、予算の編成過程が公表されるようになってから、部局の意識の向上から、各部要求額と区長査定時のぶれが少なくなったと感じますが、いかがでしょうか。 ◎谷口 財政課長 区におきましては、区民への説明責任を果たすと。また、区政参画などを促すという観点から、予算編成の質の向上を図るため、平成27年度予算編成から編成過程を公表しているところでございます。  委員お話の件に関しましては、今年度で3年目となりましたことで、各部局の要求精度が年々高まってきているということも一因としてあると判断しております。 ◆伊佐治 委員 この議会での議論でも、私、何度も予算編成過程を公表してほしいということで議論をしてきた中で、中には予算編成過程の公表などいらないという意見もあったわけでありますが。  やはり、今の答弁をお聞きしている限り、質の向上につながるインセンティブは働いていると、私は感じているところであります。  私は、予算編成過程を精査することによって、予算規律の適正化を図っていきたいと考えています。こうした予算を編成する前提として、平成28年7月28日に、平成29年度予算編成の基本方針についての通知が両副区長名で出されました。  この通知の中でも、選択と集中という言葉が何度も出てくるわけでありますが、しかし、予算案の中身を見てみると、財政基金から71億円の繰り入れという結果になっています。  予算編成の中で、建前と本音というところが見え隠れをしているわけでありますが、実際、どこまで選択と集中を行うことができたのか疑問であります。安易に財政基金から繰り入れを行っているのではないかという、そうした状況を感じるのですが、財政課としてはどのようにお考えでしょうか。 ◎谷口 財政課長 平成29年度につきましては、未来プラン(後期)の計画期間の折り返し点を過ぎ、計画に掲げた事業を着実に推進する重要な年となります。そのため、平成29年度予算編成にあたりましては、予算編成方針で示しました四つの重点課題に予算を優先的に配分することといたしました。  この方針のもと、選択と集中の視点から、各事業の必要性・緊急性等を精査した上で必要経費を見積もり、不足する財源については、財政基金からの取り崩しを行っているところでございます。  なお、選択と集中の結果として、おおた未来プラン10年(後期)や大田区実施計画を具現化するための、いわゆる政策的経費、こちらについては、71億円の増とするとともに、義務的経費や計画事業以外の既存事業に係る経費につきましては、圧縮を図っているというところでございます。 ◆伊佐治 委員 そのような答弁をいただく中で、私はその努力の具体性が必要だと考えています。予算編成の基本方針の中では、新規要求事業等の財源捻出において、その必要性、緊急性、費用対効果や後年度等の検討の上、既存の事業見直しによって捻出することを原則としています。この具体例をお挙げください。 ◎谷口 財政課長 平成29年度予算につきましては、選択と集中の観点から必要不可欠な経費を精査し見積もったところでございますが、人口構成の変化に伴う扶助費や一般会計から他会計への繰出金、こちらの大幅増などもございまして、新規・レベルアップ事業の財源を全て捻出するということは困難でございました。  一方で、計画事業以外の既存事業につきましては、8億円を減として、計画事業の予算に充てるなど、予算全体において選択と集中の徹底を図っているところでございます。  新規要求事業の財源捻出の具体的な例といたしましては、日本語を含む6言語対応の「資源とごみの分け方出し方」スマートフォン用アプリケーションを新規に導入するにあたり、「資源とごみの分け方出し方」の既存の紙媒体の作成数を減らし、こういったことで財源を捻出するとともに、政策効果の向上を図っているところでございます。 ◆伊佐治 委員 予算規模を考えてみると、かなり内容としては乏しいところがあるのかというところを感じます。歳出面の財政規律等の徹底とともに、やはり歳入面でも工夫をしていかなければなりません。  自主財源の確保についてですが、私が初当選をしたころの財政というと、ちょうど鴨志田部長がその当時、答弁をいただいていたわけでありますが、自主財源が50%程度の水準だったと認識をしています。  現状は、自主財源は昨年から0.4%の減少で39.3%、依存財源は60.7%と自主的な財源の確保がかなり難しくなっているのではないかと感じます。ここ数年の予算編成の基本方針の中では、必ずといっていいほど、新たな財源確保という言葉が示されています。  先ほど、総括質疑で玉川委員のほうからも、クラウドファンディングの活用が触れられていたわけでありますが、私も昨年の第3回定例会で勝海舟記念館の運営経費をはじめ、公共施設の整備・維持にクラウドファンディングの手法を取り入れることを提案してまいりましたが、平成29年度の財政運営の基本的な考え方として、新たな財源確保はどのような手法があるのか、お知らせください。 ◎谷口 財政課長 区としましては、今後、特別区税などの基幹財源の大幅な増が見込めない状況におきまして、様々な区民ニーズに的確に応えていく上で必要な財源を確保するためには、経常的な経費の節減などの内部努力はもちろんのことですが、新たな財源の確保にも努めていく必要があります。  国や都に対しては、生活保護制度などの経費負担の抜本改革や、社会インフラの老朽化対策に向けた財政措置など、施策及び予算に関する要望を、特別区長会を通して行っているところでございます。  また、平成29年度は、広告収入増を目指しまして、大田区ホームページのトップページ以外でも、コンテンツと関連の高いページにバナー広告を掲載できるように改修を予定しております。  今後も、各事業において、国・都の補助金の確実な確保、デジタルサイネージや広告料収入などにより、財源の確保に積極的に取り組むとともに、委員お話のありましたクラウドファンディングなど新たな資金調達手法についても検討してまいります。 ◆伊佐治 委員 こうした新たな歳入確保という視点を考えていく中で、もう一つの考え方として、やはり職員が効果的なこういう提案をしやすい環境をつくっていく、そうしたことも私は必要だと思います。  平成28年度の予算編成方針の中では、事業提案インセンティブ制度の導入を一つの方針としてしめしておられました。これは予算編成において、各職員等の創意工夫や前例にとらわれないチャレンジに対してインセンティブを与える制度として、例えば全国初の取り組みや費用対効果を高める提案などがその対象となります。インセンティブ制度導入後の具体的な効果をお示しください。 ◎谷口 財政課長 平成28年度予算編成におきまして、よりよい予算編成と区民サービスの向上につなげるという観点から、先進的な取り組みや職員の創意工夫、そういった事業の見直し・再構築などを行った部に対し、ベストプラクティス賞というものを設定することとしておりました。  実際には、事業の見直し・再構築の取り組みが大田区内全庁的にまだ成熟されていないという状況などから、ベストプラクティス賞という具体的な賞を設けることはいたしませんでした。  多くの事例が好事例として集まりましたが、優良な事例として挙げるとすると、通学路における青色回転灯車パトロールの強化ですとか、地球温暖化に関する各種事業の見直し、そういったところが出され、現在、事業化されているところでございます。 ◆伊佐治 委員 予算編成の基本方針の大枠として示されたものが、事業として実施をされなかったというのは、私はこの予算編成の方針自体の形がうまく機能していないのではないかと感じるところであります。  予算編成の方針は基本的に両副区長名で出されている文書です。各部局との考え方の違いがこうした状況を生んでしまっているのではないかと感じています。  平成29年度の予算編成方針の中では、事業提案インセンティブ制度に何も触れられていませんが、職員が切磋琢磨していく組織風土を醸成する上で、継続すべきと考えますが、いかがでしょうか。 ◎谷口 財政課長 事業提案インセンティブ制度につきましては、先ほどご説明を差し上げたとおり、事業の見直し・再構築の取り組みが大田区全庁的にいまだ成熟されていないということなどから、ベストプラクティス賞という具体的な賞を設けることはいたしませんでした。  今年度は、平成29年度予算要求にあたりまして、平成28年度予算における優良な事業提案について、全庁的に情報共有することにより、事業の見直し・再構築などの取り組みの推進を図っているところでございます。  今後も引き続き、優良事例について全庁で共有を図ることにより、区民目線に立った事業の見直し・再構築に取り組んでまいります。また、効果的なインセンティブのあり方につきましては、今後の研究課題と考えております。 ◆伊佐治 委員 残念な答弁だと思います。事業の見直し・再構築の取り組みが全庁的に成熟をしていないというのであれば、なぜ平成28年度の予算をつくる基本方針の中に、インセンティブ制度を入れたのかということが、そもそも疑問でありますし、成熟されていないと言われて職員の皆さんがどう思うのか、私はそこに疑問を感じます。  優良事例を提案した場合、全庁的に共有するだけでなく、頑張ったことが認められる風土をつくっていくことは、私は重要であると考えています。  同じように、事業の見直しや削減などを評価する風土も必要であります。予算の編成過程について一つの疑問は、これまで継続してきた事業についてゼロ査定、要は事業廃止や中止といった事業が少ないことであります。  予算特別委員会の資料、財政関係の資料55ページにありますが、平成29年度で廃止・縮小など、見直しをした事業が書かれていますが、基本的にはここに書かれている事業は、工事終了や事業終了というものばかりで、政策的な判断として事業の廃止が見えてこない状況にあります。  ここで、サイドブックスの資料2を見ていただきたいのですが、これは他の自治体の予算の編成過程を示したもので、下のほうに赤枠で囲んだところがあります。この赤枠で囲んだところは、事業の内容はいいのですけど、事業休止として平成15年度から実施しているが、5年経過し、おおむね目的を達成したものと認識、当面、事業の休止をするということが書かれています。シンプルな内容でありますが、その事業を廃止する、中止する理由がわかりやすく書かれています。  大田区としても、前年度から継続事業のうち、政策的な判断によってゼロ査定となった事業はなかったのでしょうか。私は、そういった点こそ明確にし、また評価をしていくべきだと考えますが、いかがでしょうか。 ◎谷口 財政課長 予算特別委員会の資料におけます「平成29年度予算で廃止した事業」、こちらには、予算管理上の事業単位で皆減となったものを記載しているところでございます。  この記載以外にも、事業の性質上、年度途中で事業を廃止とするため皆減としていない事業ですとか、予算管理上の事業を構成する中の一部の事業を廃止するなど、状況の変化を捉えまして、選択と集中の観点から政策的な判断のもと、事業費を精査しているものがございます。  年度途中の廃止の具体例としましては、中小企業倒産防止共済掛金助成、一部事業廃止したものとしましては、大田区高次脳機能障害者相談支援事業補助金や心身障がい児交流促進事業の廃止、こういったものがございます。 ◆伊佐治 委員 残念ながら、これまでは予算とか事業をみずから見直し減額をするということに対して、十分な評価がなされてこなかったのではないかと思います。  十分な事業効果を出せていない事業を見直し、例えばそこから生まれた財源を効果的な事業に対して上乗せをしていくなど、各部課長のマネジメントスキルの向上と、こうした事業の見直しに対する評価の向上を求めていきます。  最後に、予算編成にあたり、収入の範囲内で予算を組むということを徹底すべきと考えます。大田区では、中長期財政見通しをみずからシミュレーションし、景気の動向による区の財政的な将来像を示しました。  こうした状況を判断すれば、おのずと予算の収入内で事業を行うことを徹底していくというのは当然のことであります。今後、財政基金からの繰り入れは例外として、その必要性がある場合には、部単位でも構いませんので、予算の説明書類に明確な理由を示すべきと考えますが、いかがでしょうか。 ◎谷口 財政課長 財政調整基金は、年度間の財源を調整し長期的視点から財政の健全な運営を図る役割をもっておりますが、予算編成にあたりましては、会計年度独立の原則により、その会計年度において支出する経費の財源はその年度の収入をもって充てるべきと認識しております。  平成29年度予算の編成においては、社会経済情勢を踏まえまして、税連動交付金などの歳入が減少する一方で、少子高齢社会の対応に伴い扶助費が大きく増加する状況においても、計画事業を着実に実施する必要があり、経費を見積もりしたところ歳入の不足が見込まれたことから、要求内容を精査しまして、経費を圧縮した上で、不足する財源について、財政調整基金の取り崩しで確保したところでございます。  なお、財政調整基金は一般財源として一般会計予算全体に繰り入れるため、部単位を含めまして、予算のどの部分に繰り入れるか、理由を付して示すことは困難であると考えております。 ◆伊佐治 委員 できる、できないというのは、また手法によっても違ってくるのかと私は思います。予算編成におきましては、今後、収入の範囲で予算を組むということを徹底して、さらなる財政規律の強化を期待し、質問を終わります。 ○田中 委員長 次に、公明、質疑願います。 ◆広川 委員 大田区議会公明党の広川恵美子でございます。総務費、防災対策費、また観光国際費について、質問させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。  はじめに、総務費、防災対策費についてお伺いいたします。  間もなく、東日本大震災から丸6年となります。いまだ、2,556名の行方が不明とのこと、ご家族の心の痛みは想像するに余りあります。また、ご家族の気持ちに寄り添い、捜索を続けておられる諸機関の方々のご尽力が報われることを祈らずにおられません。  防災対策については、これまでにも何度か質問、要望をさせていただいています。その際、私は最大の防災対策は自助力の向上にあるというスタンスで質問をしてまいりました。今回も、その立場で質問並びに要望をさせていただきます。ぜひとも、前向きなご答弁をお願いいたします。  予算事項別明細書103ページ、総合防災訓練4会場に599万9,000円が計上されています。また、学校避難所の運営・地域防災の推進として、2,273万7,000円が計上されています。これらの予算で行われる事業の内容について、お知らせください。  また、同じく事項別明細書の105ページにある防災危機管理課事務費の中で、2,799万3,000円の中の防災意識普及員6名の業務内容をお示しください。 ◎内川 災害対策担当課長 総合防災訓練の事業内容でございますが、それぞれの地域特性を踏まえまして、「自分の身は自分で守る」など自助の実践を促すとともに、各種訓練を通じて共助について理解していただき、一人ひとりの防災意識と防災行動力向上のための訓練を実施するものでございます。  また、学校避難所の運営・地域防災の推進でございますが、主に、91の学校などにおける避難所の開設及び運営訓練等を推進していただくため、拠点会議や訓練等に必要な物品の購入や職員による支援などを行うものでございます。  防災意識普及員につきましては、非常勤職員であり、その業務内容は、地域や学校、事業所などの防災訓練における起震車や煙体験訓練に伴う機器の操作と訓練指導を実施するものでございます。  また、訓練に使用する資器材搬送や回収、新たに配備いたしました物品の備蓄倉庫への搬送などの防災業務の補助も実施しております。 ◆広川 委員 いざというときに、命を守るための知識や行動を身につけるために、日ごろから訓練を行うことは大切なことです。参加者には訓練の目的を明確にして、取り組んでいただくことが大切だと考えます。  災害対策担当課長は、東京消防庁から派遣されておられますが、消防を専門とされているお立場で、防災訓練の目的をどのように捉えておられますか、お聞かせください。 ◎内川 災害対策担当課長 阪神・淡路大震災では、特に神戸市兵庫区や長田区におきまして大火災が多発したことから、消防署や消防団は、火災対応を優先せざるを得ない状況となりました。  隊員は現場へ出場する途中で、住民から何度も車両をとめられ、「家の下敷きになった人がいる。助けてください」などと言われましたが、後ろ髪をひかれる思いで火災現場へ向かったとの話を聞いたことがございます。  大地震の発生後においては、災害の発生状況にもよりますが、延焼火災が多発した場合には、全消防力を挙げて消火活動を行う必要があると認識しております。このような状況下では、住民みずからの手で救出・救護を行わなければならない場面も多く出てくるものと考えております。  自分の身は自分で守る、そして、助けられる側にならないことは大変重要です。自助力の向上は、すなわち、共助力の向上につながるものです。このような視点も含めまして、自助の重要性と、助けることができる人は助けるという共助の重要性について、防災訓練などを通して普及啓発を図っていくことが大切であると考えております。 ◆広川 委員 大変詳しく、またご丁寧にご説明いただいてありがとうございます。  今、話に出ました、阪神・淡路大震災は、建物の倒壊や火災による被害が甚大でした。ご答弁にもあったとおり、生き埋めになった人の救助以来を振り切って、火災現場に向かった消防士の方の中には、やむを得なかったこととはいえ、その時にかけられた「人でなし」という言葉がトラウマになった人もいたそうです。  また、同じく阪神・淡路大震災を報じた新聞で、倒壊した家の瓦れきに足が挟まって逃げられない高校生の娘さんを、火の手が迫る中、必死に救い出そうとするご両親に対して、状況を察した娘さんから「逃げて」と懇願され、涙ながらにその場を離れたという記事を目にしたことがあります。  20年以上たった今でも、その記事を読んだときの衝撃は忘れられません。「あの時ああしておけばよかった」という言葉は、何の役にも立ちません。このような痛ましいことにならないよう、私たちは常日ごろから防災を心がける習慣を身につけていかなければなりません。  そのためにも、区民の防災意識や自助力の向上は本区にとっても非常に重要な課題です。それは、新年度予算のテーマにも「災害に強く安全で安心な生活基盤の確立」とうたわれていることからも明白です。  私は、以前の一般質問で、災害対策に限らず区行政全般にわたるリスクマネジメントを担う部署と、区民向けの防災意識や防災対策を担う部署は分けるべきだと提案したことがあります。70万区民の防災意識の醸成は、並大抵なことではありません。だからこそ、専従体制が必要だと考えています。  住民の防災意識を向上させる取り組みをしている自治体に、練馬区にある練馬区立防災学習センターがあります。この施設は、練馬区光が丘の小中学校の統合により、廃校となった校舎を活用して設置されています。  同センターは、1人でも多くの区民が災害から自分や身近な人の命を守ることができるようにと策定された「ねりま防災カレッジ計画」に基づき設置されています。  ねりま防災カレッジの五つの基本理念は、1、防災に対する関心をもち、正しい知識や技術を身につけ、実際に行動に移せるようになる。2、災害に強いまちづくりの核となる人づくりを行い、地域防災力の向上を図ることを目標に。3、誰でもいつでも参加し、学ぶことができる。4、人づくり、組織づくりに寄与し、ネットワークを築く。5、変化やニーズに的確に対応する、となっています。  同センターでは、この基本理念の3点目の、誰でもいつでも参加し、学習できることにのっとり、事前予約不要の体験コースや、防災の基礎が学べる防災学習コースなど、食と防災コースの材料費を除き、全て無料です。  この防災学習センターには、4人の区職員と4人の消防OB、つまり本区の消防普及員にあたる方が専従されています。また、前日の各学習コースのプログラムは、防災学習を専門とする民間事業者に委託し、展示物もリピーターがいることも想定し、変化をもたせるなど工夫をされています。  今般、この練馬区立防災学習センターを視察されたと伺いました。どのような感想をおもちになったか、お聞かせください。
    ◎内川 災害対策担当課長 練馬区立防災学習センターは、生徒数の減少に伴いまして小学校の統廃合により、昭和62年に開校し平成22年に廃校となった校舎を学校教育支援センター、社会福祉事業団及び介護人材育成・研修センターなどと合わせて設置され、区民に対する防災普及啓発を実施していると聞いております。  私も見学させていただきましたが、教室二つ分程度のスペースですが、事前の予約なしでも防災についての体験や学習ができる施設であり、防災について身近に感じていただける場であると感じました。  また、車椅子の利用者の誘導避難体験コーナーでは、ダミー人形を乗せた車椅子を実際に押すことができるなど防災訓練等におきまして、参考になる事例もございました。 ◆広川 委員 業務多忙な中、足を運んでくださったことに感謝いたします。  何より驚いたのは、練馬区では平成18年度から、「ねりま防災カレッジ計画」の検討を開始、東日本大震災前の平成22年度には、計画案を公表していたことです。区民の安全を守る意識の高さを感じました。  練馬区と大田区の首都直下地震を含めた四つの地震の被害想定の最大値を比較してみると、死者、練馬区212人、大田区に対して、大田区1,228人、負傷者、練馬区5,389人に対して、大田区1万2,184人、全壊及び焼失家屋数、練馬区5,633棟に対して、大田区4万8,835棟、避難所避難者数、練馬区7万6,859人に対して、大田区26万174人、避難所以外の場所への避難者も含めた総数は、練馬区が11万8,245人に対して、大田区は40万268人など、いずれも大田区のほうが2倍から4倍多いと想定されている点からも、大田区にこそ、こうした自助力の向上に資する施設が必要と考えます。  万が一、被災地となっても、被災者は出さない、このくらい強い意識で区民の防災意識や自助力の向上に努めていただくことを、強く要望いたします。  施設の設置について、この場で前向きなご答弁がいただけるとは思いませんので、今回は、ぜひとも大田区にも防災学習センターを設置していただきたいと要望をお伝えした上で、来年度、区民の自助力向上に向けた取り組みへの意気込みをお聞かせください。 ◎内川 災害対策担当課長 区では、防災訓練や防災講話などにおいて、区職員の派遣を実施しておりますが、自治会・町会だけでなくマンションやグループ単位に対します派遣も可能でございますことから、ホームページなどを活用して、より周知いたしまして、体験や学習する機会をさらに設けていくなど、自助力の向上に向けて取り組んでまいります。  今後も、他区における防災普及業務の取組状況なども参考といたしまして、区民への普及啓発について検討してまいります。 ◆広川 委員 ぜひとも、大変勉強になった、また参加したいといっていただけるような防災訓練を続けていただきたいと思います。  続いて、マンション居住者に対する防災対策について、要望いたします。  先日、横浜で開催された防災対策技術展で行われたマンションの防災対策についてのセミナーを聴講しました。新耐震基準をクリアしたマンションは、ほぼ倒壊の危険がないため、居室内の安全対策や備蓄をしっかり行うことで、マンション内のみならず地域への共助にも資することができるという視点で、マンション住民の合意形成を行いながら、防災力強化を進めるという内容でした。  マンションの管理組合では、備蓄は行うべきではないとか、マンション住民にいかに防災に関心をもってもらうかなど、具体例を挙げながらの講演は大変参考になりました。  午前中、我が会派の玉川委員は、緊急輸送道路沿道マンションの耐震対策に触れていました。また、2年前の予算特別委員会では、松本委員も取り上げていましたが、大都市災害において、マンション対策は大きな課題の一つです。  そこでお伺いします。本区においても、マンションの防災対策講習会が行われていますが、そうした際に参加者からの質問などから見えるマンション特有の課題はありますでしょうか。 ◎内川 災害対策担当課長 建築年や耐震基準への適合状況、階層や賃貸・分譲といった所有区分の違い、また、居住者の構成など、それぞれ個々にマンションのもつ環境には違いがございます。その環境を踏まえた具体的な対策が、課題であると考えております。 ◆広川 委員 一口にマンションの防災対策といっても、耐震であったり、備蓄や資機材であったり、住民同士の共助の体制づくりであったり、様々です。しかも分譲マンションだけでなく、賃貸マンションや、また分譲賃貸といったオーナーが1人とは限らないマンションも加えると、区内には相当数のマンションが混在しています。それらの防災対策を一くくりにして、防災対策を論じることは無理があります。  そこでマンション居住者の中では、防災対策意識が圧倒的に高い分譲マンションについて言及させていただきます。  分譲マンションの防災対策は、管理組合がその任を担うわけですが、役員は定期的に交代するところがほとんどですので、その時々の役員によって温度差もあるでしょう。  そうした中にあって、少しでも防災対策を先に進めるためには、総論の情報だけではなく、個々のマンションが抱える課題の解決を住民みずからが行うための、いわばソフト面のサポートが行えるような支援ができないものでしょうか。  例えば防災講座開催の要望があった際に、通常の講座ではなく、そのマンションの抱える課題を聞き取りながら、アドバイスができる専門的な知識をもつ方を紹介し、その費用の一部を助成することなど、より具体的に防災対策を進められるような支援体制をとることはできないでしょうか。見解をお聞かせください。 ◎内川 災害対策担当課長 区では、マンションの防災対策に関するパンフレットを作成し、配布するとともに、平成24年度からは、マンション居住者に対しまして、自宅においても震災後の生活を続ける居住継続のための日ごろからの準備への理解を深めていただくとともに、共助の活動をマンションぐるみで取り組むきっかけづくりの場といたしまして、毎年、マンション居住者向け防災講習会を開催しております。  あわせまして、マンションでの防災講話や防災訓練に伴う支援を実施するなど普及啓発に取り組んでまいりました。  委員お話のとおり、専門的な知識をおもちの方などによる、マンション個々の課題を踏まえた防災講話などの実施につきましては効果のあるものと考えられ、区職員による防災講話などのほかに、講師として派遣する体制なども含めまして普及啓発の方策等について検討してまいります。 ◆広川 委員 ぜひとも、よろしくお願いをいたします。  2年前の予算特別委員会の際の松本委員は、大田区の住民の約4人に1人が分譲マンションに住んでいると言われていました。この分譲マンションの防災対策を進めることができれば、災害時の被災者と言われる人や避難者激減するだけでなく、復興を進める上でも大きな力となります。ぜひとも柔軟な発想で、効果的な対策を進めていただきますよう、お願いをいたします。  次に、同じく総務費の観光国際費について、伺います。  平成29年度予算編成の重点課題に、「地域の資源と強みを生かし、国際都市おおたの成長を牽引する取り組み」とあります。予算編成の概要によれば、「国際都市おおたの魅力を発信します」の項目には、外国人旅行者等受入環境整備の推進、観光統計・マーケティング調査・大田の観光にぎわい創出補助事業・大田の魅力を国内外にPR・(仮称)勝海舟記念館の整備・(仮称)大田区の歴史散策ガイドブックの作成等々、実施計画に位置づけられた事業が掲載されています。  まず、お伺いします。国際都市おおたの魅力とは、いかなるものだとお考えでしょうか。また、これらの事業で、魅力が発信された効果をどのように検証、判断されるのか、お示しください。 ◎中村 観光課長 観光として、ターゲットの行動段階である旅行の検討・計画、来訪、口コミなどに応じて、大田区での具体的な楽しみ方を提案することを目的として情報発信を行っています。  特に国外に向けては、「本物の日本が体験できる」これをテーマとして、大田区公式観光サイトや観光Facebookに加え、今年度作成しているPR動画等で観光の魅力を発信しています。  国外向けの情報発信の効果については、情報がどの程度の人に届いたか、リーチしたかを検証材料としています。  大田区公式観光サイトは、平成27年12月に開設してから、今年の1月末までおよそ22万ページ閲覧され、固有のユーザー数は8万5,000名ほどとなっています。また、大田区公式観光Facebookは、平成27年8月に開設してから、今年の2月末まででおよそ270万リーチとなっています  これらの媒体を軸として、その他の媒体に情報提供したり、連携したりすることによって、大田区の観光情報をより多くの人に届けられるよう取り組みを進めています。  また、大田区観光情報センターでは、主に区民、区外から訪れる方がおおたの魅力を再発見し、区内回遊を促すことを目的として、商店街、銭湯、ミュージアムなどと連携した企画やイベントを実施しています。  区民の方から、「大田区に長く住んでいたが、このような魅力的な場所があったことを初めて知った」、「区外から知人が来るので、センターで得た情報をもとに区内を案内したい」などのお声をいただいています。  こうしたことは、大田区観光情報センターを拠点として、観光の魅力が発信された効果の一つであると捉えています。 ◆広川 委員 昨年の第3回定例会の一般質問で、我が会派の岡元議員が大田区の歴史的文化遺産を面的に捉え、回遊性をもたせることで観光スポットとしての魅力の創出につながるとして、日本遺産登録への挑戦をしてはいかがとの提案に、茂呂スポーツ・文化担当部長のご答弁は、「日本遺産の申請には、歴史文化基本構想もしくは歴史的風致維持向上計画の策定が条件となります。区にとりましても経験のない取り組みでございますので、丁寧に対応してまいります。」というものでした。  実は、私も日本遺産認定第1号の「信長公のおもてなし」の岐阜市の視察に同行し、現地の方々の熱い思いに触れ、担当者の本気度が事業の成否を左右することを感じました。  ご答弁の中に、区にとって経験のない取り組みとありましたが、日本遺産という事業自体が新しいものです。したがって、どの自治体も経験のない中、挑戦をしているはずです。丁寧に対応してまいりますと言われていますが、文化庁は2020年までに100件程度の登録を目指しているそうです。既に37件が認定されていることからも、本区が丁寧な対応をするためには、来年度予算に何らかの予算づけをされてしかるべきと考えます。  そこで、お伺いします。おおたの魅力を発信するに適する日本遺産登録の挑戦について、改めて本区の姿勢をお聞かせください。 ◎白根 文化振興課長 文化庁が認定を行う日本遺産は、地域の歴史的な魅力の発信を通じ、地域の認知度を高め、地域住民の郷土愛を深めるものと、認識しております。これまで、37の自治体が認定されておりますが、認定には、歴史的経緯や地域の風土を踏まえたストーリーが必要となってまいります。  大田区には勝海舟、馬込文士村、池上本門寺、大森貝塚など、歴史的な遺産・素材がございます。(仮称)勝海舟記念館は、施設整備とあわせ、区内外へのPRに取り組んでまいります。  また、歴史的な文化資源に恵まれた馬池洗地区の回遊性を高めていく中で、文士たちを掘り下げて紹介していきたいとも考えております。  こうした試みを通じて知識と経験を蓄積し、ストーリーや要件について、関係部局とも調整し、検討してまいります。 ◆広川 委員 日本遺産認定の価値を認識して、登録に向けた準備を始めていただけると受けとめてよいということでしょうか。 ◎白根 文化振興課長 まず、情報収集を行うなど関係部局と連携し、検討を始めてまいります。 ◆広川 委員 岡元委員も大変期待をされておりますので、ぜひ頑張っていただきたいと思います。  次に、大田区の魅力の発信について、一つ提案をさせていただきます。本区の歴史的・文化的資産に川瀬巴水の作品があります。これまで本区でも、川瀬巴水展を開催し、好評を博したと聞いています。その実績について、お聞かせください。 ◎白根 文化振興課長 郷土博物館では、これまでに川瀬巴水展を平成2年度から28年度まで通算5回開催し、6万人を超える来場者にご覧いただいております。  中でも、平成25年度の第4回は、生誕130周年を記念し、日本工学院でのプレ展示も含め、約半年間の特別展に約500点を展示し、2万5,410名の来館者を迎えております。  昨年の第5回は、区制70周年記念といたしまして、戦後の作品を約80点紹介いたしました。区内はもちろん、福島、岡山など遠方から、また外国の方など多くの方にお越しいただきました。  郷土博物館では、巴水の魅力を多くの方々に感じていただくことを目的といたしまして、展示会の開催にあわせ、図録やパンフレットに加え、カレンダーや限定切手などのグッズを製作し、PRに努めてまいりました。  今後も、企画を凝らした川瀬巴水展の開催や関連グッズの開発と販売を通して、大田区の魅力を発信してまいります。 ◆広川 委員 川瀬巴水は全国を旅して、各地の魅力をそれまでの版画とは一線を画した風景画的表現でとどめています。巴水の画力もさることながら、版画職人のすぐれた技法が作品の魅力を一層引き立てて今日に伝えています。  巴水は大田区に住んでいたこともあり、代表的な作品である「馬込の月」以外にも、私たち区民にもなじみ深い景色を描いたすばらしい作品が多く残されています。  そこで、区内に点在する巴水の創作意欲を刺激した写生場所に、馬込橋に設置されている陶板など配置して、「巴水の描いた景色をめぐる旅」などと題して、いわゆる「まちなか美術館」のような仕掛けをつくってはいかがでしょうか。  例えば、場所の地図や作品の背景、巴水の人となりといった情報を盛り込んだアプリを、観光情報センターなどでダウンロードできるようにして、ナビを頼りに区内を回遊していただく中で、周辺の観光地やグルメスポットなどを紹介することも可能になるのではないでしょうか。  また、先ほど言ったように、陶板に端末をかざすと作品の情報が出てくるとか、佐賀の吉野ケ里遺跡のように、当時をイメージさせる映像が見られるなどといった工夫もできるのではないでしょうか。  巴水の人気は、海外からの逆輸入だったことは有名です。国内外からの来訪者も望めますし、健康増進という観点から、このアプリを活用したウオーキングによるオリエンテーリングを企画してもおもしろいのではないでしょうか。  一つの資源でも発想を広げれば、多くの魅力を見出すことになります。こうした仕掛けは、文化庁が掲げる日本遺産認定の目的にも通じると考えます。区の見解をお聞かせください。 ◎中村 観光課長 川瀬巴水の作品には、旅の中で捉えた多くの風景が描かれており、また、区内で描かれた各所は、時代を超えて、今その場所にいても往時の様子をうかがえるかのような作品もあります。まちなかを歩いて、光や風を感じながら、美術館とは趣の違う楽しみ方ができると思います。  こうしたことから、観光として回遊を促進するため、区内観光の拠点として大田区観光情報センターが活用されることは、センターのコンセプトである「来訪者とひと・まちをつなぐ」ことに通じる取り組みであると考えます。  委員お話のような「まちなか美術館」は、スマートフォンのアプリケーションを利用することにもなりますので、その環境整備等では課題もあります。引き続き、関係所管との連携により、いろいろな手段を調査・研究し、観光振興の推進に取り組んでまいります。 ◎白根 文化振興課長 平成28年10月から12月に開催した、第5回の川瀬巴水企画展には、期間中およそ7,500人がご来館されました。お客様の中にはリピーターも多く、巴水作品への認知度が深まっているものと感じてございます。  川瀬巴水の情報を盛り込んだアプリケーションは、動作環境等ハード面での整備も重要ですが、コンテンツなどソフト面の整備を行っていくことも、あわせて必要となります。  現在、郷土博物館には、750点にものぼる川瀬巴水の版画やスケッチ等、貴重な資料がございます。つきましては、郷土博物館を中心に、版画家、川瀬巴水の人物像を深く掘り下げていくとともに、引き続き、川瀬巴水作品の調査と研究を進め、魅力の発信に努めてまいります。 ◆広川 委員 ぜひとも、楽しい、いろいろな方が来訪するにふさわしいものだと思いますので、頑張っていただきたいと思います。  私、今、防災と観光というキーワードで質問させていただきました。どちらも防災、観光という課だけでは対応できないものがあるということもわかりました。先ほど伊佐治委員も言われておりましたが、職員の方々、また高瀬委員も午前中、言われておりましたが、大変優秀な方がいらっしゃいます。そうした方々の英知を結集して、大田区の魅力をさらに発信できるようにしていただきたいと思います。  これは、岐阜市の日本遺産認定の取り組みを開始した職員の方々が、まず部局を超えて職員を集めて自由かっ達な意見交換を行った中で生まれたものだとも伺いました。中心者は、職員のモチベーションを上げることに注力したとも伺っております。  そうした意味では、この大田区の優秀な方々が能力や英知を結集すれば、こういった観光や防災だけではなく、区民生活を支えるよりよい事業が生み出されていくと思います。  でも、もし、職員の方々に、失敗したら余計なことを言ってマイナス評価されてしまったら、などとの懸念が職員の方々にあるようだったら、自由な発想の妨げになってしまうことにもなりかねません。  折しも、スマートワークをスタートされたこのときですので、見識にとらわれず、スマートでおおらかな発想があふれ出るような風土がつくられていくことに、大いに期待をしていますことをお伝えして質問を終わります。 ○田中 委員長 次に、共産、質疑願います。 ◆大竹 委員 共産の大竹です。  マイナンバーにより、多機能端末機をつかっての住民票と印鑑証明の交付について、お伺いをしたいと思います。  まず、マイナンバーカードの交付状況について、どのようになっているか、お知らせください。 ◎青木 戸籍住民課長 昨日、3月7日現在の申請状況でございます。申請が9万4,229件、カード交付数は7万131件、全区民で割りますと、カードの交付率は9.77%となってございます。 ◆大竹 委員 マイナンバーについては、私どもは幾らセキュリティを強めても、実際、絶対はないのだと。そういう面では、広げれば広げるほど、リスクは広がっていくということで、本当に、一度、漏れますと大変な漏れになって情報が漏れていくということを含めて、この間、反対してきました。  そういう中で、今年5月からコンビニでマイナンバーによる住民票と印鑑証明の交付ができるようになりましたが、参入にあたって費用は幾らかかったのか、お知らせください。 ◎青木 戸籍住民課長 コンビニ交付に参入する費用といたしましては、システムの改修費用としまして約3,400万円、自治体の人口規模による参加負担金ということで500万円となってございます。 ◆大竹 委員 それで、交付のできるコンビニの数は何店舗か。それと、交付の状況についてお聞きしたいのですが。 ◎青木 戸籍住民課長 交付できるコンビニの店舗数でございますが、全国で約4万8,000店舗となります。大田区内では332店舗のコンビニがございますが、多機能端末機を設置しているのは292店舗となってございます。  交付状況につきましては、これも3月7日現在でございますが、住民票の写しが3,594件、印鑑登録証明書が2,256件となってございます。 ◆大竹 委員 こういうことで、大体、約300店舗ということで、3,500ということですから、これも3月までといいますと11か月になるのですか。そうしますと、月200とか、300点ぐらいの数になると思う。  店舗でいいますと、1店舗、平均すれば2ぐらいですよね。そういう感じになっていると思っています。  それで、発行の当然、区で手数料を払っていると思うのですが、幾らですか。また、どのようにしてコンビニ手数料が区のほうに入ってくる、手数料を払うのか、いわゆる経路というのですか、それについてお知らせください。 ◎青木 戸籍住民課長 コンビニ交付につきましては、事務手数料として1件当たり250円と設定をしているところでございます。その中で、コンビニ事業者への委託手数料ということで、1件当たり123円、これを除きました127円が区の歳入となります。  代金につきましては、翌月に一括して、システムを運営する地方公共団体情報システム機構(J−LIS)に請求し区に振り込まれるという形になってございます。  なお、1件当たりのコンビニ事業者への委託手数料123円につきましては、本年4月から減額されるという予定になってございます。 ◆大竹 委員 それで、私ども、実際、窓口の手数料は300円、コンビニ手数料は250円で、マイナンバーを受けているのと受けていないのでは、不利益があってはならないのだと。実際問題、50円安くなるということを含めてあるので、本当にそういう部分では不利益が出るのではないかと思っています。  そういう問題点があるのではないかということと、今回、多機能端末機は条例改正で本庁舎に入るということになりました。設置できるようになったということなのですが、かかる費用については、幾らかかるでしょうか。 ◎青木 戸籍住民課長 既に、昨年5月からコンビニ交付を始めていますので、改めて参入費用を支払う必要はございません。多機能端末機に要する費用につきましては、機器のリース代が月額13万4,244円、保守費用が17万2,800円、3年間のリースを予定しておりますので、総額で約1,000万円ということになります。 ◆大竹 委員 それで、区は民間でできることは民間でということをよく言いますよね。実際に、今、民間でやっていると。コンビニというのは、まちのあちこちにあるということを含めてあるので、実際、本当に本庁舎に必要なのかということが、私はあると思います。なぜ、本庁舎に設置するのですか。 ◎青木 戸籍住民課長 マイナンバーカードの普及を促進するという立場から、コンビニエンスストアに設置しているマルチコピー機と同種の機器を、本年5月8日から本庁舎1階に設置する予定となってございます。  この機器につきましては、可動式のタッチパネルとなってございまして、車椅子を使用される方でも使いやすい機器となってございます。また、ご高齢の方や機械の操作にふなれな方でも、職員が操作案内を行い円滑な発行をお手伝いいたします。このことにより、発行窓口での混雑緩和や待ち時間の短縮を図ってまいります。  なお、平成29年度末には、戸籍と税証明書の発行もできるよう検討しているところでございます。今後も、マイナンバーカードを活用した行政サービスの枠を広げ、区民一人ひとりに利便性を感じていただけますよう、普及、啓発に努めてまいります。 ◆大竹 委員 実際、先ほど言ったように、民間でやっているわけですよ、300店舗も。そういう部分を含めて必要ないのではないかと。  マイナンバーというのは、先ほど言ったように、広げれば広げるほどセキュリティというのですか、リスクが大きくなっていくということを含めてあるので、ぜひ私は本庁舎での設置については、やらないようにということを求めたい。
     そして、これからそれを戸籍あるいは税証明まで広げていくと、限りなく広がっていくということを含めて、これは区民に対するリスクが広がるという面で、やはり十分そこら辺は検討して、この間の検証も含めて、これはぜひ進めていっていただきたいということを要望して、終わります。 ○田中 委員長 次に、維新の質疑に入りますが、荻野委員の質疑に際しましては、資料の使用を許可いたしましたので、ご了承願います。  それでは、維新、質疑願います。 ◆荻野 委員 東京維新の会大田の荻野稔です。観光国際費について、文化・スポーツ・観光の視点でお聞きします。  先日、1月29日に開催されました下丸子演劇ミニミニふぇすたに参加させていただきました。演劇をもっと身近にということで、今年度から大田区文化振興協会と劇団山の手事情社が3年にわたって取り組む演劇プロジェクトの一環として、開催されたもので、かつて大田区で開催されていた下丸子演劇ふぇすたにも縁があります。  下丸子演劇ふぇすたは、1989年から95年まで7年間、下丸子で開催されていました。年によっては、4,000人から7,000人の延べ来場者を迎えるなど盛況であり、当時の小劇場ブームも相まって大田区と演劇文化の関係を深め、大田区をPRすることにも一役を買っていましたが、現在は行われていません。  同時期に行われた下北沢演劇祭や池袋演劇祭が今も続いている中で、下丸子演劇ふぇすたが行われていないことは、非常にもったいないことですが、区としてどのように考えますか、見解を伺います。 ◎白根 文化振興課長 下丸子演劇ふぇすたは、区民プラザの規模やバックヤードが演劇に適したつくりであったことを生かし、演劇の普及と振興を目的に、7年間の通算で150近くの舞台が催されました。  本事業は、各舞台とも当初は多くの来場を得た一方、徐々に固定化してきたことや、ある程度、区民に演劇を普及する役割は果たせたとの判断から、一旦、幕をおろしたものでございます。  その後も、演劇の公演は、幾つか実施されてきましたが、大田区文化振興協会では、平成28年度から、「大田区における文化芸術の振興を図り、地域の活性化と魅力あるまちづくりに寄与する」という協会の活動目的を踏まえ、初心者向けのワークショップや、稽古の成果を発表する「下丸子演劇プロジェクト」を、区内の劇団と協力して進めております。 ◆荻野 委員 演劇というと大田区というイメージは、現状、薄いのではないかと思います。区内にある劇場施設をどれだけ把握していますか、見解を伺います。 ◎白根 文化振興課長 劇場施設につきましては、これまで演劇に関する事業が少なかったこともあり、正確なデータの把握はできてございません。 ◆荻野 委員 演劇への支援を考える上で、区内状況を把握することも重要と考え質問させていただきました。  続いて、文化振興のための場の提供について質問します。  目黒区にある、こまばアゴラ劇場では、日本の劇場では初めての、本格的な支援会員制度を行っています。月に一度、気軽に劇場に足を運ぶ環境・観劇文化の醸成を目的としており、若手劇団や役者を支援する環境をつくっていくシステムとなっています。  文化振興を考える上で、足を運べる環境や場所の提供は、行政の打てる重要な施策の一つです。敷居の高いものではなく、身近な存在としての文化があることで、地域・社会との連携もしやすくなると思います。  さらに、必要であれば区内のニーズに沿った形で、劇場設備設営に対する、経費助成や、スタッフ派遣のような支援策を考えられるのではないかと思いますが、箱物にこだわらず、ぜひ様々な事例の調査・研究をご検討いただきたいと考えますが、見解をお願いします。 ◎白根 文化振興課長 演劇に関する事業については、「下丸子演劇ぷろじぇくと」のほか、今月下旬には、大田文化の森運営協議会の主催により、親子を対象としたミュージカルを開催するなど、その機会は増えつつあります。  区は、演劇が、音楽や絵画のように、地域の身近な場所で親しんでいただけるかを研究してまいります。 ◆荻野 委員 路上ライブ、大道芸などの点について質問します。  東京都生活文化局の行う、ヘブンアーティスト事業があります。都に確認したところ、こちらは書類、公開審査に合格したアーティストにライセンスを与え、公共施設や民間施設などを活用場所として開放し、都民が気軽に芸術文化に触れる機会を提供していくことを目的としており、年間約300組が申し込みますが、審査を通過するのは約30組と狭き門であり、現在、パフォーマンス、音楽部門を合わせて433組のアーティストが登録、54施設、72か所を活動場所として解放しているとのことです。  路上パフォーマンスに、公的に認可を与え、地位を向上させた点がある一方で、行政がこうしたパフォーマンスを審査することについての疑問もあるようです。  同様にイギリスでは、大道芸人、パフォーマンスのユニオンがあり、ユニオンに登録し、公園や広場、地下鉄などで時間を予約、登録、パフォーマンスを行っています。  双方ともに事前に登録をし、時間やルールを守り活動を行うことで、アーティストが安全に法律にのっとって活動できます。  住民の文化への垣根を下げ、文化、音楽にあふれる気軽に触れ合う都市の一環として、こうした取り組みも有効ではないでしょうか。  また、場を積極的に提供することによって、アーティストの集まりやすいまちとなり、例えば、区や地域の活動、イベントなどを行う際に、様々なアーティストとの連携も行いやすくなります。  上澄みだけを見るのではなく、裾野を広くし、地域と結びつけることも重要です。見解をお伺いします。 ◎白根 文化振興課長 ヘブンアーティスト事業は、上野恩賜公園をはじめ東京都の公共施設を中心に活動場所が開放されております。一方で、大田区内には東京都から指定されている活動場所がないため、区民が自宅に近い場所で音楽やパフォーマンスを楽しむことは難しい状況にございます。  現在、OTAふれあいフェスタや、おおた和の祭典など多くの区民が集まるイベントには、大道芸人も参加し、来場者に楽しんでいただいております。  また、区には区内で活動するアーティストのデータベースがなく、まずは状況の把握に努めることが必要であると考えます。あわせて、イベントに限らず、区の文化施設などの活動場所についても、地域や関係部署とともに検討してまいります。 ◆荻野 委員 続きまして、スポーツ振興などの点から、自衛隊などの他組織、学校、スポーツチームなどとの連携についてお聞きします。  地域と教育分野において、自衛隊や警察・専門学校などの連携は、場所などの限定的にとどまっており、互いのもつ資源・能力を生かし切れていないのが現状です。  例えば、自衛隊は音楽隊や自衛太鼓といった文化面にもすぐれた要素をもっており、国内有数のスポーツ資源をもった公の組織でもあるといえ、スポーツの面では自衛隊体育学校をもち、隊員にはオリンピアン・トップアスリートも在籍しており、日ごろから健康、体力づくり、その指導に励んでいるという強力なノウハウをもっています。  スポーツは思想信条にとらわれない分野であり、健康づくり、運動能力向上は老若男女問わず、関心のあるテーマです。  子どもの体力低下が叫ばれる今だからこそ、地域、スポーツ分野など、自衛隊や各種組織、専門学校や大学等との連携は有効な施策であり、大田区が区内のスポーツ・健康づくりの際、各種団体、学校との取り組みを進めていくことは、大田区の大きなアピールにもなると思いますが、見解をお示しください。 ◎武田 スポーツ推進課長 区は平成24年3月に大田区スポーツ推進計画を策定し、「誰もがずっと元気にいきいき地域の力で未来を築くスポーツ健康都市おおた」の基本理念のもと、スポーツ健康都市の推進をしております。  区民の方々がスポーツに親しみ、生涯を健やかに安心して生き生きと暮らすために、団体や学校と連携してスポーツに触れ合う機会を提供することは、地域スポーツを推進していく上で有効なことであると考えております。  現在におきましても、区と協定を結んでいるプロ野球読売巨人軍のほか、バスケットボールチームのアースフレンズ東京Zや羽田ビッキーズは学校を訪問し、生徒に実技指導を行うなどの活動をしております。  今後とも、幅広くスポーツ団体や学校との連携・協力について検討してまいります。 ◆荻野 委員 次の質問に移ります。IR推進法が昨年、可決されました。実施法の施行に向けて、関係閣僚会議も設置され、国でも議論が進んでいます。それと並行して、現在、ギャンブル依存症に包括的に対応するための依存症対策基本法の準備が急ピッチで進められています。  昨年12月28日に朝日新聞で報じられた内容によりますと、政府は同法によって国によるギャンブル依存症対策の基本的な方針を定めるとともに、各自治体がギャンブル依存症対策において、一定の責任を負うと明記することも想定しているとされています。  ギャンブル依存症対策は、IRの話とは別に、諸外国でも大きな問題となっており、現在の日本においても、対策を講じていかなければならない重要な課題です。  おおた健康プラン第2次には、アルコール依存症についての言及がありますが、これから平成30年に向けて策定される次期おおた健康プランの中に、ギャンブル依存症対策を入れ、区民の健康維持のための大きな課題として依存症対策を扱っていくことはできないでしょうか。見解を伺います。 ◎大村 健康医療政策課長 おおた健康プランは、区の健康づくりに関連する幅広い分野の施策を総合的・体系的に展開することを目指す計画でございます。おおた健康プラン(第3次)の策定にあたっては、これまでの取り組みを検証し、適切なものは継承するほか、新たな健康課題にも的確に対応していくことを目指します。  ギャンブル依存症については、現在、国において、関係閣僚会議が発足したほか、厚生労働省には依存症対策推進本部が設置され、対策の検討が進んでいるところです。国の動きを注視し、適切に反映できるよう取り組んでまいります。 ◆荻野 委員 大田区には、平和島競艇場があり、隣接する品川区には大井競馬場といった公営ギャンブル場があります。平和島については、協定に基づき、年間寄附が大田区に2億円、大井競馬場について、運営は大田区も参画する一部事務組合である特別区競馬組合であり、平成28年度予算には8,500万円が競馬組合の分配金として収入に計上されています。  レジャーの一環としてPRをし、多くの方の憩いの場としても機能し、また広大な土地を災害時に活用していくなどという点とは別に、地域の中に公営ギャンブル場を抱える、また運営にかかわる自治体として、ギャンブル依存症対策の点からもどう公営ギャンブル施設とかかわっていくかも重要になってくると思われます。区内の部局を横断しての対策が求められます。  続いて、IR、カジノ誘致についてお聞きします。  観光資源の創設、拡大に苦慮し、日々努力を重ねている大田区にとって、訪日外国人が増え続ける中で、何ができるか、国際都市おおたを印象づけ、魅力を国内外にどう発信していくかは重要なテーマです。  カジノ、IRの議論は、東京都をはじめ地方自治体から誘致待望の議論が始まった、まさに地から上がってきた政策であり、現在も既に大阪・横浜をはじめ、幾つかの自治体が統合型リゾートとしてのIR、カジノ誘致に向けて準備を進めています。  IRは、観光振興策として大きな意味をもっており、衆議院議員時代に国際観光産業振興議員連盟、いわゆるIR議連に参加していた小池百合子東京都知事も、昨年12月2日の日経新聞において、「議論の中身を注視し、都としてどうあるべきかを検討したい。どうすれば一番いい形でできるかを検討したい。」「観光振興という点では、プラスと思う。一方、社会的な懸念が議論されている、そこを総合的に見ていく。」との見解を示しています。  小池知事の見解にもあるように、IR導入は観光振興や経済波及効果などのプラス面と合わせて、様々な社会的な懸念事項との両面を総合的に見て判断してゆくことが重要となります。  だからこそ、先ほど依存症対策について述べさせていただいたように、様々な社会コストについても議論、研究が必要になりますが、一方で都市型の観光資源として非常に強力な観光振興効果をもつIRは、大田区の国際都市としての競争力向上に資するもので、関連産業、交通などにも大きな波及効果をもたらし、IR開発を起点に観光インフラ拡充にも貢献するものです。  そのカジノに対し、大田区に誘致できる可能性を民間企業が示しましたので、ご紹介させていただきます。  資料が見えないと思うのですけれども、A3でコピーしてつくったので小さいのですけれども、民間シンクタンクである、株式会社国際カジノ研究所の行ったアフターオリンピック戦略会議の中間報告書によると、アフターオリンピックの経済振興策として成り立ち得る東京圏において、一定の大規模開発が可能であり、用地面積があり、商業開発が可能な要件が整っているモデル地域として4地域を選定しました。青梅、大井ふ頭、築地市場、山下ふ頭です。  JR東日本が発表している羽田アクセス線の敷設を前提ではありますが、大田区を含む大井ふ頭エリアが上に挙げた4地点の中で他府県連携、各種問題対策での高評価から、総合で一番高い評価を得ました。  品川と大田区にかかるこの大井ふ頭エリアに、IR・統合型リゾートを誘致できれば、大田区の観光資源としてだけではなく、景観といったまちづくり、シティプロモーションにも大きく寄与することが予想されます。特に羽田空港を抱え、国際都市宣言をした大田区において意義は大きいものと考えます。  大田区のIRに対する評価、姿勢についての見解をお示しください。また、特に、観光資源としての面ではIRは有効性が高いと思います。あわせてお答えください。 ◎山田 企画課長 IRに対する評価、見解につきましては、「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律」、いわゆるIR推進法が昨年12月に施行され、政府はこの秋にも実施法案を国会へ提出する予定であるとの報道がされております。  推進法の基本理念では、統合型リゾートとも言われるカジノ施設を含む特定複合観光施設の整備について、地域の創意工夫と民間活力を生かし、魅力ある滞在型観光を実現することで、我が国の国際競争力を高め、観光や地域経済の振興に寄与するものであるとし、カジノについても、適正な管理下で運営し、その収益は社会に還元されることとしております。  また、推進法の中で、地方公共団体は特定複合観光施設の設置区域の認定申請や、整備区域の構想、施設の設置及び運営をする事業者の選定などについて、主体的にかかわるものとされております。  特定複合観光施設につきましては、メリット、デメリットもあることから、その整備は慎重であるべきと考えております。  いずれにしましても、特定複合観光施設の整備をめぐる動向につきましては、しっかりと状況を把握するため、引き続き、国における議論や、国内各地の状況などに注視してまいります。 ◎中村 観光課長 観光振興を推進する上で、訪日外国人旅行者の受け入れをめぐる環境変化には、目まぐるしいものがあります。このたびのIR推進法により、特定複合観光施設区域の整備が推進され、委員お話のような統合型リゾートが誘致された場合、国際空港からの近接性や、交通アクセス、臨海部エリアを有する本区においても、新たな観光スポットが生まれることになると考えます。  また、MICEの誘致・推進の視点では、アフターコンベンションとして利用される可能性があると思われます。  現時点では、具体的な動きが見えないため、今後も、国や都の動向を注視し、情報収集に努めてまいります。 ◆荻野 委員 関西では大阪、そして関東の中では大きく手を挙げていた横浜市が、誘致に向けてトーンダウンしていることは、東京にとっては大きなチャンスです。大田区も、都、国の動きを注視し、引き続き調査、研究に努めていただきたいと要望いたしまして、質問を終わります。 ○田中 委員長 本日の質疑は、この程度で終了します。  以上をもって、本日の予算特別委員会を閉会いたします。                午後 5時00分閉会...