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  1. 大田区議会 2016-09-15
    平成28年 第3回 定例会−09月15日-02号


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    最終取得日: 2021-10-03
    平成28年 第3回 定例会−09月15日-02号平成28年 第3回 定例会 平成28年第3回定例会 大田区議会会議録 第11号 9月15日(木曜日)  出席議員(49名)   1 番 田中一吉       2 番 松原秀典       3 番 高瀬三徳   4 番 安藤 充       5 番 岸田哲治       6 番 大森昭彦   7 番 松原茂登樹      8 番 伊藤和弘       9 番 塩野目正樹   10 番 押見隆太       11 番 鈴木隆之       12 番 伊佐治 剛   13 番 深川幹祐       14 番 長野元祐       15 番 渡司 幸   16 番 高山雄一       17 番 松本洋之       18 番 岡元由美   19 番 勝亦 聡       20 番 広川恵美子      21 番 秋成 靖   22 番 玉川英俊       23 番 田村英樹       24 番 大橋武司   25 番 小峰由枝       26 番 椿 真一       27 番 田島和雄   28 番 末安広明       29 番 大竹辰治       30 番 清水菊美   31 番 藤原幸雄       32 番 佐藤 伸       33 番 菅谷郁恵   34 番 黒沼良光       35 番 金子悦子       36 番 福井亮二   37 番 荒尾大介       38 番 山崎勝広       39 番 黒川 仁   41 番 岡 高志       42 番 松原 元       43 番 荻野 稔   44 番 三沢清太郎      45 番 野呂恵子       46 番 犬伏秀一   47 番 奈須利江       48 番 湯本良太郎      49 番 北澤潤子
      50 番 馬橋靖世                ――――――――――――――――――――  欠  番   40 番                ――――――――――――――――――――  出席説明員   区長            松原忠義    副区長           遠藤 久   副区長           幸田昭一    企画経営部長        川野正博   未来創造研究室長      須藤常好    総務部長          玉川一二   危機管理室長        齋藤浩一    地域力推進部長       鴨志田 隆   観光・国際都市部長     河野秀夫    スポーツ・文化担当部長   茂呂英雄   区民部長          木田早苗    産業経済部長        近藤倫生                         福祉支援担当部長                         障がい者総合サポートセンター所長兼務   福祉部長          中原賢一                  西山正人   健康政策部長        杉坂克彦    保健所長          渡邉洋子   こども家庭部長       後藤 清    まちづくり推進部長     黒澤 明   都市開発担当部長      町田達彦    空港まちづくり本部長    川上立雄   都市基盤整備部長      荒井昭二    環境清掃部長        市野由香里   会計管理者         田中教彦    企画経営部企画課長     山田良司   企画経営部財政課長     谷口 祐    総務部総務課長       今井健太郎   教育長           津村正純    教育総務部長        水井 靖   教育総務部教育総務課長   井上隆義    代表監査委員        中井恭子   監査事務局長        柿本伸二                ――――――――――――――――――――  出席事務局職員   局長       佐藤惠美子        次長       政木純也   議事担当係長   三上浩史 議事日程第2号  平成28年9月15日  午前10時開議  第1   第102号議案 平成28年度大田区一般会計補正予算(第2次)   第103号議案 平成28年度大田区国民健康保険事業特別会計補正予算(第1次)   第104号議案 平成28年度大田区後期高齢者医療特別会計補正予算(第1次)   第105号議案 平成28年度大田区介護保険特別会計補正予算(第1次)   第106号議案 大田区教育に関する事務の職務権限の特例に関する条例の一部を改正する条例   第115号議案 あらたに生じた土地の確認について   第116号議案 あらたに加える市街地の区域及び当該区域における住居表示の方法について   第117号議案 大田区立東六郷小学校校舎取りこわし工事及び体育館改築工事請負契約について   第118号議案 災害対策用毛布の購入について   第119号議案 災害用簡易トイレの購入について   報告第 21号 平成27年度決算に基づく健全化判断比率の状況について   報告第 22号 民事訴訟の提起に係る専決処分の報告について   報告第 23号 民事訴訟の提起に係る専決処分の報告について   報告第 24号 訴え提起前の和解に係る専決処分の報告について   報告第 25号 区の義務に属する損害賠償額決定に係る専決処分の報告について   報告第 26号 本村橋構造改良工事請負契約の専決処分の報告について   報告第 27号 大田区立東六郷小学校校舎改築工事請負契約の専決処分の報告について  第2   第120号議案 大田区と宮城県東松島市との友好都市の提携について  第3   第107号議案 大田区立新蒲田福祉センター条例の一部を改正する条例   第108号議案 大田区立上池台障害者福祉会館条例の一部を改正する条例  第4   第109号議案 大田区空き家の適正管理に関する条例を廃止する条例   第110号議案 大田区空家等対策審議会条例の一部を改正する条例  第5   第111号議案 大田区学童保育の実施等に関する条例の一部を改正する条例   第112号議案 大田区保育の必要性の認定等に関する条例の一部を改正する条例   第113号議案 大田区家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例   第114号議案 大田区立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例  第6   第 98号議案 平成27年度大田区一般会計歳入歳出決算   第 99号議案 平成27年度大田区国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算   第100号議案 平成27年度大田区後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算   第101号議案 平成27年度大田区介護保険特別会計歳入歳出決算  第7   セーラム市親善訪問調査に伴う議員の派遣について   大連市親善訪問調査に伴う議員の派遣について   親善訪問調査に伴う議員の派遣について  第8   28第49号 住民生活を脅かす、B滑走路西側離陸都心低空からのAC滑走路北側着陸に反対の陳情   28第50号 羽田空港の新飛行ルートは、安全な区民生活を守るよう求める陳情   28第51号 羽田空港機能強化案に関する陳情  第9   28第45号 学校避難所別の収容可能人数公表に関する陳情   28第46号 感震ブレーカー復旧手順の周知徹底に関する陳情               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜                     午前10時開議 ○勝亦 副議長 議長にかわり、副議長が議長の職務を行います。  ただいまより本日の会議を開きます。               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○勝亦 副議長 これより昨日に引き続き質問を行います。  まず、39番黒川 仁議員。                  〔39番黒川 仁議員登壇〕(拍手) ◆39番(黒川仁 議員) おはようございます。大田区議会民進党の黒川 仁でございます。会派を代表して質問いたします。  きのうも同じ話がありましたが、我々会派も選挙三昧であります。そして現在、党代表選挙が行われております。参議院議員選挙直後の朝日新聞による世論調査では、与党大勝の理由について、「首相の政策を評価する」と答えた人が15%、そして、「野党に魅力がなかった」と答えた人が70%を超えています。野党に魅力がなく、与党のほうがまだましと思っている区民が多くいることを重く受け止めなければなりません。  代表選の議論の中で印象的なものがありました。世帯所得が1990年代半ばのピークから2割近く減り、平均所得を下回る人が6割に達しています。そして、「1億総中流社会」から、自分は中の下だと思っている人が増えて、日本は「中の下社会」になっています。そのような状況下で、まことしやかに語られる歳出削減イコール財政再建は間違いであって、低所得者へのいわゆる弱者救済政策だけではなく、中間層も含めて広くサービスの提供をしたほうが税収が増えると慶大の井出教授は言われています。生活保護基準以下の収入の人のうち、実際に生活保護を受給しているのは2割弱、不安定な雇用や少ない年金で生活している人など、やせ我慢をしている人が一歩前に進める政策を大田区もとらなければいけないと考えます。  それでは本題に入ります。まず、景気について質問いたします。  2013年4月の黒田バズーカから3年以上がたちました。4回の金融政策のうち、前半2回の勢いが現在はなく、3回目の今年2月から消費者物価指数の上昇率は、目標の2%どころか、7月までの5か月連続でマイナス圏に落ち込んでおります。6月の金融政策決定会合でも「既に副作用が効果を上回っている」「大きな問題が生じる前に持続的なものに転換すべき」という声が上がっています。今月20日から開かれる会合で総括的な検証を行うことになりました。国債新規発行分の約2倍、年約80兆円の国債を日銀が買い続ける、金融一本足打法には限界が来ております。金融政策の目的が目先の景気回復や株価対策に偏り過ぎています。区民の多くは、景気回復の実感を抱いておらず、最近の世論調査では、アベノミクスを見直すべきであるという人が半数を超えています。  アベノミクスが始まって3年以上、消費者物価指数の上昇率は7月までの5か月連続でマイナス圏の中、今回は区内商業、観光に与えたインパクトについて伺います。  そんな世論とは裏腹に、なぜ与党が大勝を続けるのか、そこには根強い野党不信があることも肝に銘じなければならないと思います。しかし、そこには、「期待値の操作」という政治手法を用いた「時間稼ぎの政治」にあると、北大の吉田教授は言われております。政策の当事者は、「アベノミクスが成功しないのは、まだ不足しているからだ」と言い続ける。すると、景気回復の実感がない人ほど、いつか自分にも恩恵が来るだろうと思ってしまう。結果的に、マイナスの実感があってこそ、それらは期待値へと転換されていく。みずから実現させようとしているものが、失敗を続けることで必要とされるのがアベノマジックであると言います。  次に、中央防波堤埋立地の帰属問題について質問いたします。  昭和48年から埋め立てが始まり、現在までの43年間、その帰属は決まっていません。長きにわたり解決の糸口が見えなかった問題に対し、松原区長みずからが江東区を訪れたことを契機に、現在、実際の協議が進んでいます。私は、折に触れ、中央防波堤埋立地に足を運んでおります。城南島から海底トンネルを通れば、すぐそこが中央防波堤埋立地であり、まさに大田区から手の届く位置にあることを実感するところです。この中央防波堤の高台からは、臨海部のすばらしい景色が一望できますが、やはり一番の一体性を感じるのは、世界に冠たる羽田空港であります。  大田区は帰属の論拠の中心に係争地域の歴史的沿革を据えています。もちろん係争地域の歴史的沿革は重要でありますが、例えば、羽田空港との一体性など、過去に加えて未来志向の視点からの論拠をさらに強く主張されてはいかがでしょうか。区長の見解を伺います。  リオデジャネイロオリンピックも日本勢の大活躍に終わり、現在はパラリンピックが盛り上がっています。いよいよ東京2020オリンピック・パラリンピックに向けた機運が高まってまいります。中央防波堤埋立地に近接する京浜島では、第68回国民体育大会、第13回全国障害者スポーツ大会、いわゆるスポーツ祭東京2013においてカヌースプリント競技が行われ、カヌーの聖地となる可能性を秘めています。中央防波堤埋立地においては、東京オリパラに向け、カヌー競技の会場が整備されます。まさに、スポーツの面からも一体性を確保することができます。この地は東京大会を契機に世界からも注目されるエリアへと変貌を遂げていくことが予想されます。  今後を見据えて、帰属問題の解決に向けた取り組みにおいては、引き続き全島帰属に向けた強固な主張を展開される一方で、大田区民の皆さんの憩いの場としての活用もあわせて考えていく必要があると考えますが、松原区長のご見解を伺います。  埋立地の帰属に関しては、国や国交省も含め、陸・海・空、多面的・多角的に議論を進めて、相対的に優位な立場を維持していただきたいと思います。昨年から大田区は、大森ふるさとの浜辺公園を含めた臨海部を「新スポーツ健康ゾーン」として整備することを決めました。埋立地と一体的にカヌーの聖地として整備を進めていくこともぜひ検討するべきであると思います。そして、羽田空港におり立った観光客が、天空橋から船に乗り、ふる浜を経由して埋立地に行き、蒲田に戻って、長年美しいママのいるスナックとギョーザで楽しむ、そのための舟運事業にもぜひとも引き続き全力で取り組んでいただきたいと思います。  次に、障がい者政策と東京オリパラについて質問いたします。
     先週の月曜日から今週の月曜まで、毎年恒例の政策懇談会を小さな会派で開きました。様々な障がいをお持ちの方の貴重なご意見は大変参考になりました。さぽーとぴあが開設する前から言われていた3障がい一体的な政策は、課題が多いのが現実であります。しかし、親善訪問をしたドイツでは、民間企業の理解による雇用促進と、それに見合った対価を支払うことを行政が支援していけば可能であることがわかりました。ぜひとも障がいの垣根を壊す政策も進めていただきたいと思います。  そこで質問いたします。障がい福祉サービスの支援対象範囲が拡大する中、区としてどのような取り組みを進めていくのでしょうか、伺います。  次に、リオのパラリンピック代表選手などを対象に調査をしたところ、5人に1人がスポーツ施設の利用を断られたり、利用に条件をつけられたりしたことがあることがわかりました。実際に障がい者スポーツに貸し出しをしている体育館では、補修に特別な費用は必要がないこと、そして欧米で利用の拒否はあり得ないことでありまして、今年4月から施行された障害者差別解消法に抵触する可能性があるとも言われております。  先日、地域の車椅子に乗られている方が、さぽーとぴあで「ボッチャをぴあでやりたい」と言ったところ、施設の方に、「自分たちで、机があったら片づけて、線を引いてやってください」と言われたそうであります。ほかにも、さぽーとぴあで挨拶しても返事がないという話でありますとか、多目的室に机があり、数は減らしてくれたが、原状回復を求められても非常に大変であるといった声も聞きました。ユニバーサルスポーツの普及を目指す大田区として、非常に残念な話であります。  現在は若干改善されたとのことで、手の空いている職員が協力するようにしていると聞きましたが、こうした事例も踏まえて、障がい者施設で障がい者の方々にスポーツをする機会を広く提供するための区としての取り組みについて伺います。そして今後、総合体育館などの公共施設における障がい者スポーツの受け入れに対してどう考えるのかを2点伺います。  障がいをお持ちの方々は、多くの不安を抱えながら生活をされていると思います。先ほどの事例がしっかりと改善されるまで訴え続けてまいりますので、よろしくお願いいたします。  次に、特区民泊について質問いたします。  昨年、日本を訪れた外国人は過去最高の1974万人。民主党政権のときに中国からの個人の観光客へのビザ発給や羽田のハブ空港化など、インバウンド政策に向けた取り組みが確実に効果を上げています。先日、観光庁や厚労省による、通称民泊新法の有識者検討委員会が最終報告書を出しました。まだ報告書の段階ではありますが、消防法や衛生設備の規制緩和、年間提供日数180日以下、家主居住型と不在型を分けて、規制を変えることなどが書かれております。内閣府のホームページを見ると、旅行者と近隣住民の安心な空間を創出するとともに、特区民泊を地域の活性化につなげて、銭湯や商店街を盛り上げていく、松原区長の熱い思いを動画で見ることができます。  そこで伺います。今年1月の条例施行から約半年を振り返り、松原区長の見解をお伺いいたします。滞在実績からどのような傾向がわかったのか、インバウンドの需要を取り込むためにどのような取り組みが必要なのか、特区民泊の展望を2点お伺いいたします。  次に、防災について質問いたします。  政府の地震調査研究推進本部が、30年以内に70%程度の確率で発生すると予測している首都直下型地震。中央防災会議は、都心の南部が震源になる最悪の場合、首都圏全体で最大2万3000人の方々が亡くなり、その約7割が火災によるものと予測しております。  昨年4月に東京消防庁が地震の発生時の消防署別の火災被害推計をまとめました。高齢化の進展とともに、木造住宅が密集する墨田、荒川、葛飾などが注目されがちでありますが、大田区も他人事ではありません。命を守る3点セットの全世帯への配布や町会・自治会へのスタンドパイプ配備は、防災意識の啓発と区民みずから初期消火の役割を担うためのものでありますが、実際に訓練の実施回数や関心の高さにばらつきがあり、組織の高齢化も相まって、防災体制の整備のまだまだ道半ばであります。  そこで、災害対策にとって本部体制の充実は重要であると考えます。今年4月に発生した熊本地震や相次ぐ自然災害の教訓を受けて、どのような点に留意して本部体制の充実を図っていくのか、区長の考えをお聞かせください。  次に、教育について質問いたします。  先ほどの障がい者スポーツの話とも関連いたしますが、教育の現場において、まだまだ障がい者理解教育が進んでいないのが現状であります。昨年、小中学校の総合的な学習などで活用するために「心のバリアフリーハンドブック」を発行しましたが、「やさしさが広がり、だれもが安心して快適に過ごせる」大田区にはまだまだなっておりません。  特別支援教育については、学校によって先生のスキルにばらつきがあるという声が聞こえてまいります。大田区では特別支援教育を担当する教員に対してどのような研修を行っているのでしょうか、質問いたします。そして、小中学校において、児童・生徒に対してどのような障がい者理解教育を行っているのでしょうか、質問いたします。  話は変わりますが、夏休み明けの9月上旬、特に1日に自殺をする子どもが一番多いと言われております。始業式やゴールデンウイーク、年の瀬あたりよりも多いことが、内閣府によって、過去40年間の18歳以下の自殺者数を日付別に集計してわかりました。2015年の自殺者数は過去10年で最も少なく、4年連続で3万人を下回っております。民主党政権からの大人に対する自殺予防対策が効果を上げる一方で、中学生の自殺者が17年ぶりに100人を超えました。人口10万人当たりの自殺者数をあらわす自殺死亡率は、中学生で2.94人と過去最多を記録しております。  今年4月、改正自殺対策基本法が施行されました。10年ぶりの改正には子どもの自殺対策が盛り込まれ、学校は地域や保護者と連携して、児童・生徒の心の健康を保つ、自殺予防教育や啓発を行うこととなりました。しかし、自殺予防教育の具体化は各学校に任されてしまい、教育現場からは不安の声が上がっております。  そんな中、注目されるのが、大阪で小中学校のスクールカウンセラーを務める阪中順子さんの「いのちの学習」であります。まず、「死んではだめ」「命は大事」ではなく、命の色や小さな幸せを考えながら子どもが話しやすい環境をつくることから始まります。次に、大切な命を守るためにはどうするかや、ストレスとどう向き合うかなど、五感を活用して、集団活動を伴う体験的な学びの場の中で、孤立から絆を感じる取り組みであります。  SNSの影響によって、大勢に受け入れられて「いいね!」と承認されなければ生きていけない閉鎖的な社会になっております。生きづらさを抱えている生徒の気持ちに寄り添う教育を大田区も進めていただきたいと思います。以上で終わります。(拍手) ○勝亦 副議長 理事者の答弁を求めます。 ◎松原 区長 黒川議員の代表質問に順次お答えをしてまいりたいと思います。  まず、アベノミクスが区内商業や観光に与えたインパクトについてのご質問でございますが、政府は、大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略という3本の矢を放ち、日本経済の課題克服を目指す経済政策、いわゆるアベノミクスを進めてまいりました。これまでの取り組みにより、雇用情勢は改善し、雇用者の所得も上昇傾向が見られるなど、日本経済が緩やかな回復基調にあることが、国民生活においても身近に感じられているものと考えております。また、金融政策に加え、観光立国などの取り組みにより、日本を訪れる外国人旅行者は、2015年には2000万人に迫るなど、大幅に増加しております。大田区内の延べ宿泊者数を見ましても、2015年の実績は約148万4000人、外国人宿泊者数は約29万2000人となり、最近5年間で総数は約1.48倍、外国人は約5.7倍に増加しております。このような来訪者の増加は、小売業やサービス業をはじめとする区内商業を活性化するとともに、多くの人が出会い、交流を深めることにより、「国際都市おおた」の発展に大きく寄与するものと考えております。一方で、区内の商業の状況を見ますと、一部の小売業や飲食業などにおいて、高齢化や人手不足により、事業継続に課題を抱えるケースもございます。区といたしましては、最も身近な行政として、日本経済の好循環を、さらなる区内産業の発展や区民生活の向上へと結びつけることができるように、しっかりと今後の動向を注視しながら、適時適切な施策展開を図ってまいります。  次に、中央防波堤埋立地の帰属問題に関するご質問でございますが、区といたしましては、当該係争地域の歴史的沿革に加え、将来的な利活用についても強く主張しているところでございます。今後、羽田空港を中心とする空港臨海部の機能を強化することは、ますます重要となってまいります。陸・海・空のネットワークの結節点に位置する大田区として、さらなる国際競争力の強化の視点から、中央防波堤埋立地を含む空港臨海部地域の将来的な利活用につきまして、引き続き重要な論拠として強く主張してまいります。  次に、中央防波堤埋立地を憩いの場として活用することのご質問でございますが、東京都は、海の森水上競技場に関し、「多目的な水面利用を図り、都民のレクリエーションの場、憩いの場としていく。」という後利用の方向性を示しております。区は、中央防波堤埋立地が大田区に全島帰属した際は、こうした方向性を有する東京都と、より緊密に連携して、区内の水辺空間との一体的な活用などに取り組み、にぎわいのある空間づくりを目指してまいります。  次に、障がい福祉サービスの支援対象拡大に対する区の取り組みについてのご質問ですが、近年、障害者自立支援法や障害者総合支援法といった障がい福祉分野における各種法整備が進み、発達障がいや難病といった方々も福祉サービスの支援対象になってきました。こうした中、個々人のニーズに即した、日常生活や社会生活を営むのに必要な支援を総合的に行うことが重要と認識をしております。区におきましても、障がいのある方が地域で自分らしく安心して暮らすことを支援するため、あらゆる障がいのある方を総合的に支援するサービスの充実に努めてきました。来年度策定いたします「おおた障がい施策推進プラン」においても、アンケートによる実態調査をはじめとして、学識経験者、当事者、家族、事業者、保健医療、地域等の幅広い分野の皆様方で構成する大田区障がい者施策推進会議にて多角的な検討を進め、障がいのある方が安心して暮らせるまちの実現に取り組んでまいります。  次に、障がい者施設で障がい者の方々にスポーツを広める取り組みについてのご質問ですが、障がいのある方がスポーツを楽しみ、潤いある生活を送ることは重要なことと認識をしております。障がい者総合サポートセンターでは、パラリンピックの正式種目でもあるボッチャの用具を所有しています。センター内でボッチャを体験したいグループに貸し出しをするほか、区内の障がい者施設等にも貸し出して、広く競技のおもしろさを体験していただく取り組みを進めております。また、カーリングを改良したニュースポーツ「ユニカール」の用具も貸し出しをしております。今後も、利用者の希望などを反映しながら、障がいのある方がスポーツを楽しみ、生活が豊かになるような支援に取り組んでまいります。  次に、障がい者スポーツの受け入れに関してのご質問ですが、区では、誰もがスポーツを通じて健康で豊かに暮らせるスポーツ健康都市の推進に取り組んでおります。現在、区では区民スポーツまつりをはじめとするイベントで、総合体育館を活用し、車椅子バスケットやボッチャなどの体験コーナーを開催し、区民の皆様に障がい者スポーツへの理解を深めていただく取り組みを進めております。東京2020大会開催を契機として、障がい者スポーツの普及啓発に取り組み、障がい者の方が幅広いスポーツ種目に親しめるような環境づくりに努めてまいります。  次に、特区民泊のこれまでの経過についてのご質問でございますが、大田区では国家戦略特区における「旅館業法の特例」を活用し、昨年12月7日に全国に先駆けて「大田区国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業に関する条例」を制定し、今年1月29日より申請受け付けを開始しました。昨年9月29日に区役所で開催された東京都都市再生分科会における「旅館業法の特例」の活用提案以降、短期間で条例制定に至ることができましたのは、ご尽力いただきました議員の皆様をはじめ、関係者皆様のご理解とお力添えのおかげでございます。条例及び規則・ガイドラインでは、近隣住民への事業計画の周知を義務づけること等により、地元住民の皆様にも、特区民泊利用者にも安心していただける安全な滞在施設を提供することができました。昨日9月14日までに特区民泊の認定物件数は23件57居室に至るまでになり、順調に推移しております。今後とも、区としては国及び東京都と連携し、安全・安心で地域と共存できる特区民泊を目指して、引き続き取り組んでまいります。  次に、特区民泊の滞在実績の傾向と、インバウンド需要を取り込むための今後の展望についてのご質問でございますが、特区民泊は、外国人はもちろんのこと、日本人も滞在可能な施設でございます。訪日外国人につきましては、主に観光やビジネスといった滞在目的でご利用いただいております。また、海外在住の日本人が里帰りで一時的に利用するといった需要にも対応しております。国内の日本人につきましては、出張等のビジネス需要のほか、就職活動やインターンシップのための学生の長期滞在という利用方法があるとも聞いております。羽田空港を擁する大田区は、都心への交通利便性も優れ、非常に恵まれた立地となっております。特区民泊を利用していただくため、大田浴場連合会と協力し、銭湯を訪れた特区民泊利用者へオリジナルタオルやボディソープなどを提供する「特区民泊セット」の用意や、商店街の利用に対して多言語マップを用意する等、これまで特区民泊と地元産業との連携も図ってまいりました。東京2020オリンピック・パラリンピックの開催も控え、訪日外国人は増加すると予測されます。今後とも、特区民泊のみならず、ホテルや旅館といった区内宿泊施設が訪日外国人を含めたより多くの来訪者を受け入れられるように、大田区観光公式サイトやフェイスブック等のSNSを用いて、積極的に情報発信をしてまいります。加えて、チラシやポスター等を通じて、区民の皆様に安全・安心な特区民泊を一層ご理解いただけるよう取り組んでまいります。これらの取り組みを進めることにより、特区民泊のさらなる利用促進とともに、地域の活性化、そして「国際都市おおた」の発展につながるものと考えております。  次に、熊本地震などの教訓からどのように本部体制の充実を図っていくのかというご質問でございますが、熊本地震では、震度7の地震が連続して発生したことから、市町村の災害対策本部が避難者全体の把握ができなかったと聞いております。現場の最前線である区市町村の災害対策本部が、各地の被害状況をいち早く把握するとともに、初動対応を迅速かつ的確に行うことが重要であると再認識いたしました。特に、被災直後の情報収集、情報共有を迅速に行うことが、次々と発生する災害時の課題への円滑な対応につながることになると認識をしております。  区におきましても、災害対策における本部体制のより一層の充実が必要であると考え、次のとおり取り組みを進めております。まず第1点目は、情報基盤の整備でございます。区内全体の被災状況や被害予測情報をいち早く正確に把握し、災害時の情報の混乱を防ぐために、情報の管理、共有、集約のためのシステムの導入及び運用体制の整備は不可欠と考えております。これにより、情報基盤の整備を進めてまいります。2点目は、災害対策本部業務に従事する職員の勤務環境の整備でございます。災害が一旦起これば、職員は総力を挙げて応急対応業務に従事することになります。熊本地震では職員が1週間以上帰宅できなかったとも聞いております。こうした状況を踏まえ、職員が一定期間支障なく災害対応への連続従事を可能とする環境整備が不可欠であると考えております。今後も震災などの教訓を精査し、さらなる災害対策の強化につなげてまいりたいと思います。私からは以上でございます。 ◎津村 教育長 私からは、特別支援教育及び障がい者理解教育に関するご質問にお答えをいたします。  まず、特別支援教育を担当する教員に対する研修についてでございますが、特別支援教育にかかわる教員の理解を深め、指導力を高めていくことは大変重要であると認識をしております。教育委員会では、文部科学省の研究事業の指定を受けまして、発達障がいの可能性のある児童・生徒に対する指導内容・方法を研究し、区独自の特別支援教室指導事例集を作成いたしまして、各学校の研修等で活用できるようにしております。教員研修の実施状況でございますが、まず、年4回実施をいたします特別支援教育研修会では、大学教授による発達障がいがある児童・生徒への指導についての講義、実践報告、知的障がい特別支援学級の授業研究等に取り組んでおります。次に、年2回実施する特別支援教室巡回指導教員研修会では、効果的な指導事例の報告や特別支援教室指導事例集を活用して作成した指導案についてのグループ協議をしております。また、年3回実施をいたしますアセスメント活用研修会では、特別支援教室の巡回指導教員を対象に、児童の実態把握に基づく効果的な指導について実践的な研修を実施しております。さらに、都立特別支援学校のセンター機能を活用いたしまして、特別支援教育コーディネーター連絡協議会や各校の校内研修会等で都立特別支援学校の特別支援教育コーディネーターから効果的な支援・指導についての助言を受けております。今後とも、特別支援教育の充実に資する研修を実施し、教員の指導力の向上に努めてまいります。  次に、小中学校における児童・生徒に対する障がい者理解教育についてのお尋ねでございますが、障がいの有無にかかわらず、全ての国民がともに生きる社会の実現に向けて、児童・生徒の理解啓発を図ることは大切なことでございます。小学校第6学年社会科では、「わたしたちのくらしと日本国憲法」の学習の中で、ユニバーサルデザインを取り上げ、障がい者とともに生きるまちづくりの学習をしております。中学校第3学年公民でも、バリアフリーと障害者基本法について学習をしております。また、特別支援学級固定級設置校におきましては、通常の学級との交流・共同学習を実施するなど、障がいのある児童・生徒と直接かかわる活動を行っております。さらに、総合的な学習の時間におきましては、車椅子や白杖体験等を通しまして、ユニバーサルデザインのまちづくりを考える授業を行っている学校や、障がい者団体の協力を得て授業を行っている学校もございます。今後とも、こうした実践を通して、児童・生徒に対する障がい者理解教育を推進してまいります。私からは以上でございます。 ○勝亦 副議長 次に、22番玉川英俊議員。                  〔22番玉川英俊議員登壇〕(拍手) ◆22番(玉川英俊 議員) 大田区議会公明党の玉川英俊でございます。本日9月15日は、21回目を迎える私の結婚記念日であります。24歳のとき、大田区北千束でひとり暮らしを始め、その2年後に結婚し、新婚から4年間は隣の石川町に住みましたが、その後は再び北千束一丁目に住居を構え、現在に至っております。大田区の北の端ではありますが、交通の便もよく、大変住みやすい大好きなまちです。区民の皆様が、自分のまちを愛し、誇りを持ち、長く住みたいと思い続けていく大田区になっていくことを願いまして、質問に移らせていただきます。  4年後に迫った東京2020オリンピック・パラリンピックに向けて、外国人の受け入れの対応を本格的に始動していかなければなりません。本区では、区にゆかりのある外国籍の方に大田区の魅力を世界に広くPRしていただくため、「国際都市おおた大使」、愛称「来〜る大田区大使」を委嘱しております。この大使の皆様は、区のイベントや行事などに参加し、これらを通じて感じた大田区の魅力をSNSなどの活用で情報発信していく役目があります。また、国際交流にとどまらず、観光、文化、産業、教育といった幅広い分野での活躍を通じて国内外に大田区の魅力を発信することが期待されていることと思います。今年度、本区は「国際都市おおた大使」17名の委嘱と昨年から引き続く5名、計22名の委嘱を行われました。平成21年からこの大使の制度は始まり、今までこの8年間で合計79名、平成23年度からは再任用も始まり、こちらも6年間で合計49名の方、約6割の方が引き続き、おおた大使として活動されています。  そこでお伺いいたします。これまでの「国際都市おおた大使」の活動による成果は、どのようなものを挙げることができますでしょうか。また今後、どのようなことを期待していますでしょうか、お聞かせください。  この「国際都市おおた大使」の皆様の活躍は、各自のSNSやホームページなどで発信されるほか、大田区ホームページの中で「国際都市おおた大使活動レポート」として紹介されています。ただ、こちらは大使の方全員ではなく、その年によって、ごく限られた方しか報告がされていなかったり、毎月ではなく年1回しか報告されていない方、全く報告のない方など、ばらばらな状況であります。また、大田区の魅力を世界に広くPRするための活動レポートでありながら、ほとんどが日本語のみで書かれたものであります。これらのレポートは果たして誰に向けて発信されているものなのでしょうか。外国人の目線で見た大田区の魅力というものを大田区民が再発見するものにとどまってはいませんでしょうか。  いま一度、この活動レポートを誰に向けて発信し、どのような効果を期待しているものなのか、お聞かせください。  外国人の目線で見た大田区の魅力に触発され、大田区民が地域の魅力を再発見するということは大事なことであるかもしれませんが、冒頭に申し上げたとおり、外国人の受け入れの対応を本格的に始動していかなければならない中で、外国人の目線で大田区を見たものは貴重な情報であると思います。魅力といったよい点だけではなく、不便なところ、改善すべきところ、もっと積極的に声を聞き、情報収集をすべきではないでしょうか。  さらに、今までおおた大使になられた方の国籍を整理しますと、中国をはじめ、圧倒的にアジア圏が多く、アメリカ、ヨーロッパ国籍の方は極端に少ないのが現状であります。アジアを中心で国際都市を目指しているわけではないと思いますが、時代の流れとともに広く多くの地域から、おおた大使を募集する積極的な働きかけが必要と思いますが、「国際都市おおた大使」募集に当たって、今までどのような呼びかけを行ってきたのでしょうか。また、今後はどのような戦略的なアプローチを考えていますでしょうか、お聞かせください。  昨年12月、「『国際都市おおた』シンポジウム 〜いま、みんなで考えよう。身近な地域の国際交流〜」が開催されました。第一部では、ハンガリー出身の数学者・大道芸人のピーター・フランクル氏による基調講演で、日本人の魅力や国際人として寛容であるべきことなどが語られ、イベント第二部では、韓国、イタリア、インドの3人の留学生を含むシンポジウムが行われました。その結びでは、留学生により「OTA=Open To All」と、「外国人を含むあらゆる人々が存分に楽しみ、気楽に暮らせるまちをつくろう!」と呼びかけられたのがとても印象的でした。その中で、イタリア出身の留学生の率直な意見として、「大田区のイベント情報と宣伝が留学生たちに届いていない」という声がありました。  そのような情報が届きにくい外国籍の人たちに向けて、本区はどのような効果的な情報発信をしてきましたでしょうか、お聞かせください。  本年2月には、外国人など日本語を母語としない人たち向けのイベント「JAPAN DAY」が開催されました。これは防災訓練をはじめ、餅つきや書き初めなど、日本の正月文化を体験していただく多文化交流会で、今回で3回目の開催となり、私もヨーロッパの友人を連れて参加いたしました。友人は地域の防災訓練に参加する機会は全くなかったようで、防災訓練の定番である起震車による地震の揺れの体験や、火災発生時にどれだけ視界が悪くなるかという煙体験では、実際に体感して初めてその恐怖を知ることができ、大変貴重なものだったとのことでした。また、日本文化体験では、初めて餅つきを体験され、「自分でついたつきたてのお餅はとってもおいしかった」と、大変に喜んでいました。しかし、貴重な体験ができたとの喜びとともに、イベントの際の日本人と外国人という二つの区分に少々疑問があるとの感想を聞きました。私たち日本人から見たらそれぞれの国籍を持った外国人でありますが、参加された外国人から見たら、日本人以外も自分と国籍が違う人たちは、皆外国人になるのではないでしょうか。  そこでお伺いいたしますが、今後の国際交流イベントの際には、このような大きな視点での配慮が必要ではないかと思いますが、本区はどのようにお考えでしょうか、お聞かせください。  外国籍の方による「国際都市おおた大使」とは異なり、文化、芸術、スポーツなどの活動を通じて大田区の認知度向上や観光PRを行う「大田区観光PR特使」の委嘱も本区で行っています。歌手の「シクラメン」、バスケットボールチーム女子の「羽田ヴィッキーズ」、男子の「アースフレンズ東京Z」の3団体が、既に特使として活動されていますが、本年4月には、個人による「大田区観光PR特使」、通称「大田区区民観光特使」というものを16名に委嘱されました。これらの新しい動きは、大田区の魅力を区内外、世界に広く発信していくとの強い思いのあらわれであると思いますが、前に述べた「国際都市おおた大使」との違いや目的を明確にすること、さらに特使としての活動の見える化が必要ではないかと思います。  そこでお伺いしますが、大田区区民観光特使の活動は誰に対して、どのような効果を期待しているものなのでしょうか。また、その活動内容をどのように発信されていくのでしょうか、お聞かせください。  昨年12月、京急蒲田駅直結の商業施設内に大田区観光情報センターがオープンいたしました。その稼働状況におきまして、場所が悪い、京急蒲田駅でわざわざ電車からおりて行く人がいるのか、全然外国人が来ていない、外国語を話せるスタッフが活かされていなくてもったいないというような批判的な声を耳にすることがありますが、私はそうは思いません。例えば、東京都庁にある東京観光情報センターは、公共交通の駅からかなり歩かないとたどり着くことができず、特別わかりやすい案内があるわけでもなく、どちらかというと外国人に発見しにくい場所であるにもかかわらず外国人が多く訪れています。それに比べて、大田区観光情報センターは京急蒲田駅の改札をおりてから徒歩1分とかからない、すぐの場所にあります。都庁に比べたら何倍も歩かなくて済むものです。では、そのような駅から近くの場所にあるのに、なぜ外国人があまり訪れてこないのか。それは、そもそも大田区に来る外国人の数が少ないからであって、観光情報センターの場所が悪いわけではありません。まだ外国人の方たちに存在すら知られていないからであると思います。これから増えていくであろう訪日外国人のために早くから手を打って設置されたものであって、スタッフの才能が活かされていないのではないかということも、大田区に来る外国人の数が増えていく中で輝きが増していくのではないかと思います。  そこで、大田区観光情報センターがどこにあるのか、これを明確に伝えていくために、駅構内からセンターまでの案内、しるしをもっと増やすべきではないかと思います。さらに、センターの存在そのものの認知度を上げていくために、地図への記載、関連するサイトへのリンクづけ、SNSでの積極的な発信などが必要であると思いますが、どのようなことを重点的に大田区観光情報センターの運営に取り組んでいきますでしょうか、お聞かせください。  続きまして、大田区のシティプロモーションについてお伺いいたします。  今回、映画「シン・ゴジラ」で大田区の呑川をゴジラが上陸していくということで大変話題になっていますが、大田区以外でも新宿歌舞伎町では、ビルの上にゴジラの顔が設置され、その通りには「ゴジラロード」と名前がつけられたり、池袋のナンジャタウンでは、天井から突き破った巨大なゴジラの足のフォトスポット、「ゴジラ」フットが設置されたり、川崎では、60分の1サイズの巨大フィギュアが商業施設に設置されたりと、各地で大変な盛り上がりを見せ、インターネットや新聞・雑誌などでも多く取り上げられています。  今回、大田区蒲田周辺が映画のロケ地となったことにより、本区ではどのような効果的なことに結びつけることができましたでしょうか。また、予想もしていなかった展開などもありましたらお聞かせください。  先月8月11日、東京国際フォーラムで開催された「ものづくり・匠の技の祭典2016」に行ってまいりました。「日本を支えてきた伝統的な匠の技と最先端のものづくり技術の魅力を発信」とのことで、大田区の下町ボブスレーをはじめ、様々なブースが出展されていました。その中でひときわ注目を集めていたのが、日本の特殊撮影技術、特撮を飛躍的に発展させたウルトラマンシリーズでおなじみの円谷プロダクションによるブースでした。まちの中でウルトラマンが怪獣と戦っている巨大なジオラマの前で多くの人たちが群がって撮影をしていました。ちょうど映画「シン・ゴジラ」を見たばかりでしたので、ブースにいた人たちへ挨拶とともに今回のゴジラで大田区が襲撃されるとの自慢話をしたところ、「今から50年も前に大田区は襲撃されていますよね」と興味深い答えをもらいました。詳しく話を聞きますと、円谷プロ制作のウルトラマン第16話、「科特隊宇宙へ」との話において、バルタン星人によって羽田空港が襲撃されているとのことでした。今から50年前、1966年10月30日に放送されたものです。ちなみに、同年7月に劇場公開された日米合作特撮映画「フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ」でも円谷英二氏が特技監督をされ、羽田空港が派手に壊されていました。  この円谷プロダクションの名作ウルトラマンと日本で一番有名な宇宙人バルタン星人について、関係者との会話の中で、大田区に様々なご縁があることがわかりました。まず、ウルトラマンに登場する防衛組織、科学特捜隊の女性隊員フジ・アキコ役の桜井浩子さんは大田区池上の出身、ナレーターの石坂浩二さんは田園調布育ちとゆかりがあります。そして、このバルタン星人の話の脚本家、生みの親の名前は千束北男さんといいます。大田区の北千束を思い起こすような名前でありますが、ウルトラマンの監督、飯島敏宏氏のペンネームであり、新婚当初、大田区北千束に住んでいて、北千束の夫との意味でつけられた名前であることがわかりました。このように、ウルトラマンと大田区、バルタン星人と羽田空港、そして北千束には深いつながりがあったわけであります。  このバルタン星人は、ウルトラマンシリーズで何度も登場してくる人気キャラクターであり、バルタン星人の誕生から40年後、2006年2月18日放送のウルトラマンマックスでは、ウルトラマンの永遠のライバルであったバルタン星人は平和を愛する心を取り戻して、戦いをやめてしまうという終えんを迎えます。しかし、今年の7月には、特撮ファンの間でバルタン星人の生誕50周年を記念するイベントも行われているほどであります。  半世紀にわたって日本人に愛されてきた特撮ヒーロー・ウルトラマン、そしてその永遠のライバルであり、「日本で一番有名な宇宙人」と言われるバルタン星人と大田区との結びつきにつきまして、本区はこの事実をどう捉えて、どのように活かしていきますでしょうか。また、このように、大田区が舞台となった名作など、まだまだ多くの人に知られていない資源がたくさん眠っているのではないかと思います。このような資源の掘り起こし及び観光への結びつきを本区はどのように考え、どのように取り組まれていきますでしょうか、お聞かせください。  最後に、緊急医療救護所に関してお伺いいたします。  本区におきましては、大震災など大規模災害が発生した際、一人でも多くの救える命を救うため、区内17か所の救急告示病院の門前または近隣、そして病院が離れている地域の3か所の学校、計20か所に緊急医療救護所を設置することとしています。そして、この緊急医療救護所の役割は、1 傷病者にどのような治療が必要か判断し、患者の中で治療の優先度をつける。2 軽症と判断された傷病者に応急処置を行う。3 中等症以上と判断された傷病者を病院へ搬送するといったものであります。  本年2月20日、東雪谷の荏原病院にて、緊急医療救護所訓練が実施されました。小雨が降る中でありましたが、地域住民は負傷者役となり、医療側がメインの形で、先ほど挙げた役割を果たしていく訓練でありました。私は見学者として訓練の邪魔にならぬよう参加させていただきましたが、ドクターをはじめとする医療側の動きは、一人でも多くの救える命を救おうという必死さが伝わってくる、とても緊張感のある姿だったことが印象的でした。  この訓練の際に参加者に配られたしおりの表面には「大震災が発生し、けがをしたら… 緊急医療救護所へ行ってください」と大きく書かれていましたが、発災直後72時間までを目安に開設される緊急医療救護所は、自分の住んでいる地域ではどこになるのか、近くの診療所では何をしてもらえるのか、また、発災後72時間以降の医療体制はどのように変化するものなのか、これらの緊急医療救護所の役割及び設置に関して、まだまだ区民への浸透が不十分ではないかと思いますが、今後の普及啓発についてどのように考えていますでしょうか。また、緊急医療救護所の開設と運営は、医師会、薬剤師会、柔道整復師会、そして区の職員など、多くの関係者の力が必要とされるものでありますが、緊急医療救護所に関して、現在どのような点を重点的に取り組んでいますでしょうか、お聞かせください。  荏原病院での訓練で、もう一点印象的だったのが、一つのシナリオに沿って行った後、すぐにその場で各訓練の反省点などを確認し合い、メンバーを入れかえてまた同じ内容のシナリオに沿って訓練を実施するというものでした。シナリオどおりにできて成功というものではなく、訓練を通じて課題を見つけて、すぐに改善の取り組みをするという姿であると感じました。  今年度もさらに緊急医療救護所訓練が実施されると思いますが、本区の考える緊急医療救護所の開設・運営の訓練や図上訓練の検証ポイントはどのようなものでしょうか、お聞かせください。  私の住んでいる北千束におきましては、大岡山駅にある東急病院が緊急医療救護所となりますが、隣接する目黒区南には碑文谷病院、品川区旗の台には昭和大学病院が同様の緊急医療救護所の役割を果たすことになるようです。基本的なことですが、このような隣接する区において、区をまたがっての緊急医療救護所の扱いはどのようになりますのでしょうか、確認させてください。  以上、大田区の隅々まで区民の満足のいくサービスが行き届くことを願いまして、大田区議会公明党、玉川英俊の質問を終了させていただきます。ありがとうございました。(拍手) ○勝亦 副議長 理事者の答弁を求めます。 ◎河野 観光・国際都市部長 玉川議員の質問に順次お答えいたします。  国際都市おおた大使の活動に関するご質問ですが、議員お話しのとおり、主な役割は、イベントなどへの参加を通し、おおたの魅力を国内外に発信し、国際交流、観光、教育といった幅広い分野で活躍していただくことです。具体的な成果として、区民同士の交流を促進したほか、国際交流授業では、言葉が通じなくてもジェスチャーなどで伝え合い、コミュニケーションをしようとする気持ちを育むことができました。国際都市推進研修では、大使による講話を行い、研修後、研修生全員から「業務に役立つ」との回答をいただきました。また、活動の反響として、フェイスブック「Cool OTA−KU Ambassador」のリーチ数は、現在まで約6万9000件となっており、年々増加傾向にあります。引き続き、大使には外国人の視点から様々なご意見をいただくとともに、イベントの企画、立案にもかかわっていただき、国際都市おおたの魅力をさらに発信していただけるものと期待しております。  次に、活動レポートに関するご質問ですが、区内のイベントや観光スポットを訪れ、様々な手段を使い、おおたの魅力を国内外に発信しております。毎月、区ホームページに掲載している活動レポートは、主に国内の方に向けて発信しており、大使を身近に感じていただくきっかけとなり、国際交流を推進するため活用しております。一方、海外に向けては、フェイスブックなどのSNSといったツール等を活用し、大田区の魅力を世界へ発信していただいております。今後も、大使から経験を踏まえた様々な意見をいただきながら、大田区観光公式サイトなどを活用し、発信ツールの幅を広げて、さらに国際都市としての存在感を拡散していただけるよう期待しております。  次に、大使の募集に関する質問ですが、区報、ホームページ、ツイッターなどでの周知のほか、日本工学院の留学生にも直接訪問し、積極的に募集案内しております。今年度は9か国22名の方を大使に任命しましたが、4名の留学生からも応募があり、新たに大使になっていただいております。今後はさらに多くの地域から応募していただけるよう、例えば外国人を多く雇用している企業やお店に商店街などを通し働きかけるほか、多言語化したチラシを店頭に置いてもらうなど、効果的な配布場所や方法で積極的な働きかけを行ってまいりたいと思います。また、大使とは意見交換会を定期的に開催し、外国人の視点から様々なご意見をいただき、国際都市おおたの施策に反映していきたいと思います。  次に、情報が行き届きにくい外国人の人たちに対する情報発信方法に関するご質問ですが、実態調査やアンケートなどから情報の届きにくい状況にあることは認識しております。区では現在、外国人区民に対し、外国人向け情報誌「Ota City Navigation」を5か国語で提供し、区施設108か所のほか、micsおおたや国際交流団体、区内各駅前の12か所や外国人が多く訪れるスーパー、レストラン8か所にも配布しております。また、区やmicsおおたのホームページでも閲覧でき、Eメールアドレスの登録者には毎回メール配信も行っております。引き続き、一人でも多くの外国籍の方に情報が行き届くよう、情報発信方法を工夫してまいりたいと思います。  次に、今後の国際交流イベントに関するご質問ですが、「JAPAN DAY」は外国籍の方々に日本文化の魅力を伝えるとともに、イベントを通じて日本人区民との交流促進を図ることを目的に開催しております。多文化共生を推進していくには、外国人区民も日本人区民も同じ地域社会を支える存在として、互いの違いや価値観を認め合いながら、安心して暮らせる地域づくりを行うことが重要であると考えます。今後も、多様な歴史、文化を有する外国人の方々が個性や能力を発揮でき、誰もが気軽に参加できる交流イベントを開催してまいりたいと思います。  次に、大田区区民観光特使の活動に関するご質問ですが、特使の方々は、それぞれの分野で活躍されており、その活動には大きな発信力・影響力がありますので、そのような場を通じて大田区のPRを積極的に行っていただくことを期待しております。区は、特使との情報交換の場を活用し、特使間の連携推進を図ることや、活動報告していただく機会を設けてまいります。また、活動内容の発信方法としましては、区のホームページなどで取り組み事例の紹介や冊子などにまとめて、特使の活動を広く区民へ周知していきたいと考えております。  次に、観光情報センターの運営についてのご質問ですけれども、今年度は、特にセンターの認知度向上に重点を置いて運営しております。具体的には、羽田空港国際線ターミナルと京急線品川駅構内の観光情報コーナーへ出向いて、センターへ観光客を呼び込むPR活動を行っております。また、宿泊施設等を訪問してパンフレットや企画展示、ワークショップなどのご案内を直接依頼しております。また、外国人が飲食店等に気軽に入れるワンポイントの英会話講座等を開催するなど、おもてなしの接客支援も行っていきます。今後は特区民泊事業者との連携も検討してまいりたいと考えております。さらに、インターネット、SNS等を活用して、今年度からセンターの企画イベントや、「シン・ゴジラ」などの取り組みを発信しております。また、センター運営のフェイスブックやサイトとともに、大田区公式観光サイトや「Visit Ota City」で、定期的にセンターの楽しみ方を掲載しております。引き続き、来場者の満足度とリピーターの増加に向けて、センターのさらなる活用等、対象者に応じた継続的な取り組みを実施してまいります。  次に、大田区がロケ地となった効果と波及に関するご質問ですけれども、昨年、映画制作の協力依頼を受けて以降、映画の宣伝ではなく、ゴジラの人気をきっかけに商店街や銭湯等、区のPRを行い、地域のにぎわい創出に結びつくように取り組みました。商店街のゴジラフラッグ、浴場組合の協力によるゴジラの銭湯絵やポスター掲出などを行い、また、商店街連合会による「おおたBLACKキャンペーン」では、観光情報センターでのキャンペーン商品の販売やスタンプラリーの拠点として参画いたしました。このような取り組みは、区への誘客や回遊の向上に貢献できたものと考えております。また、ゴジラ上陸ルートの呑川や蒲田駅前に登場した巨大不明生物が「蒲田くん」と名づけられて、マニアの間で話題になっており、メディアやインターネットで拡散している状況は想定外の展開です。また、京急蒲田駅付近は、ロケ地をめぐる遠方からの来訪者が多く、観光情報センターのゴジラ関連の展示や上陸ルートを説明した資料が話題になっている状況もあります。庁舎でのゴジラのロケ写真展など、メディアの取材で撮影秘話として取り上げていただいたこともあり、ロケ地となった大田区ならではのPRができたのではないかと思っております。  次に、ウルトラマンとバルタン星人と区の結びつきに関するご質問ですけれども、ウルトラマンとバルタン星人にまつわる大田区内での場面や、関係者と区のかかわりも興味深く、羽田空港がある大田区だからこそのご縁であると思います。区は、「シン・ゴジラ」同様、このような話題や情報を効果的にロケ地と関連づけて、区への誘客と区内回遊、そして区のPRにつなげていけるかが重要な取り組みであると考えております。ご質問の件につきましては、プロダクションとの連携と確認が必要だと思われます。権利関係などの課題もあると思われますので、どのような対応が可能であるか、検討してまいりたいと思います。  最後に、区が舞台となった名作などの資源の掘り起こしと、観光への結びつきに関するご質問ですけれども、映画やドラマの舞台地となったり、ロケ地として活用された場所は、地元地域にとっては「わがまち自慢」となる可能性があり、また、作品のファンにとっては「ロケ地めぐり」が人気となり、にぎわいが生まれるなど、観光面で見ると重要な資源・財産であると考えております。今後、舞台地に関する情報を極力把握して、これらの情報を活用した企画などにつなげていけるように、地域の皆様からのロケ等の情報を適切に収集する方法を検討してまいりたいと思います。私のほうからは以上です。 ◎杉坂 健康政策部長 私からは、緊急医療救護所に関する四つの質問に順次お答えをさせていただきます。  まず、緊急医療救護所の普及啓発に関するご質問でございますが、災害時の医療救護活動を円滑に運営し、一人でも多くの救える命を救うためには、区民の皆様にご理解、ご協力をいただくことが何よりも重要と考えております。また、発災からおおむね72時間の活動である緊急医療救護所でございますが、72時間以降は地域医療が復旧するまでの医療拠点として活動を継続することなども、区民の皆様へ浸透を図らなければならないと考えております。そのため区では、昨年4月以降、各地区の地域力推進委員会での説明を行ったほか、今年9月1日号の区報でもPRをしたところでございます。また、命を守る3点セットやシティーニュースおおたなどでも普及啓発を行ってございます。現在、病院関係者や医師会、歯科医師会、薬剤師会の先生方などで組織している災害医療連携会議の作業部会でも、病院や診療所、薬局等の待合スペースへのポスター掲出等について検討されているところでございます。今後も、これらの検討結果などへの対応も含め、効果的な普及啓発に取り組んでまいります。  次に、緊急医療救護所における重点的な取り組みでございますが、災害医療連携会議を中心に、特に運営体制の強化に向けた重点的な取り組みを行っているところでございます。具体的な取り組みをいくつかご紹介いたしますと、一つには運営スタッフを増員いたしました。2点目、トリアージの研修なども行っております。3点目、看護ボランティアの募集も開始をいたしたところでございます。4点目、PHS電話や災害時グループウェアも設置・導入をいたしました。さらに、緊急医療救護所を設置する病院連絡会を開催したほか、相互連携を強化するための緊急医療救護所のグループ化も検討しております。そして、現在までに実施した取り組みや対応案の実地検証となる開設・運営訓練など、各種対策に取り組んでいるところでございます。  次に、緊急医療救護所訓練の検証ポイントにつきましては、今年度の訓練では、有事の実効性を高めるために、現実に起こり得る事態を想定し、状況に即して意思決定や対処を行う“考える訓練”を各場面に組み入れてまいります。この基本方針のもと、参集後から病院の混乱解消、緊急医療救護所の開設、トリアージ、軽症者の治療、重症者等の病院搬送など、一連の内容を実地に取り組む中で、トリアージの判定精度や運営スタッフ間の連携、病院本部との連携、情報収集伝達、情報の見える化や処理のあり方等についてチェックシートを用いて検証してまいります。例えばトリアージの検証に当たりましては、判定の傾向等をつかみ、その結果を研修や訓練に反映することで、判定精度の向上を図ってまいります。  最後に、隣接する区の緊急医療救護所につきましては、災害時の救命医療に関して、当該自治体の住民であるか否かで傷病者の取り扱いに差異が生じることはございません。いずれの緊急医療救護所でも運ばれてきた傷病者の重症度や緊急度に応じて、必要な救護活動を行うこととしています。私からは以上でございます。 ○勝亦 副議長 次に、18番岡元由美議員。                  〔18番岡元由美議員登壇〕(拍手) ◆18番(岡元由美 議員) 大田区議会公明党の岡元由美でございます。通告に従い順次質問させていただきます。  まず、待機児童対策について伺います。  国は本年3月「待機児童解消に向けて緊急的に対応する施策について」を発表し、29年度末までに保育定員50万人を目指すとしています。厚労省の2017年度予算の概算要求のうち、多様な保育サービスの充実では、出産後1年間の育児休業を取得させるため、事前に予約できる制度の創設や、「3歳の壁」に取り組む自治体への財政支援など、関連経費126億円を盛り込んでいます。育休は原則1年間とれますが、入園しやすい4月に職場復帰するために、期間の短縮、あるいは取得しないケースも多いのが現状です。今春の「保活」の実態調査には、育休期間の変更のほか、早生まれは保育園に入りにくいので、4月から8月生まれになるようバースコントロールした等の深刻な状況が示されています。  私は平成21年の第2回定例会から、これまで何度も入園予約制度の提案を行ってまいりましたが、「まずはニーズの集中する1歳児の保育サービス定員の拡大に努める」との答弁でした。今年度、認可保育園3か所、認証保育所3か所の開設に対し、小規模保育所は、昨年の10か所から倍増の21か所で、定員も183名から390名に増えています。これは待機児童の多い1・2歳児への積極的な取り組みであると評価いたします。  昨日の区長答弁では、先行事例を検証して検討されるとのことでしたが、子どもとのコミュニケーションを築く大事な時期を安心して過ごすためにも、0歳児の待機児童抑制のためにも、今度こそ入園予約の開始に踏み出すべきと考えますが、いかがでしょうか。国が本気になって取り組む姿勢を示してきた今、大田区としてもぜひ実現していただきたいと思います。  また、小規模保育施設からの卒園児の受け皿不足のために生じる「3歳の壁」については、対策の一つに、幼稚園における受け入れ促進があります。一律だった補助基準額を超過時間に応じて、最大で現行の3倍に増額するなど、幼稚園に対し積極的な対応を要請しています。本区においても多くの幼稚園で早朝や降園後の預かり保育を実施していただいていますが、フルタイム勤務の保護者が利用するには、時間の延長が不可欠です。区として幼稚園の受け入れ拡大について、どのような対応をされているのか伺います。  これまでの傾向としては、認可保育園で3歳以上の欠員が多く見受けられました。年間を通して欠員状態が続いている園、毎月10名を超える欠員の園もあります。今後は3歳以上の欠員も減少していくと考えられますが、欠員の多い保育園の活用として、送迎バスがあります。埼玉県吉川市は、市内2か所の駅前に送迎保育ステーションを設置し、各保育園をつなぐサービスを委託しています。空きのあった郊外の保育所も事業開始後は全て定員を満たすようになっているそうです。月額4000円、朝の送迎保育料は1回100円、夕方は午後8時までの延長保育と補食が含まれて1回300円ですから、本区の区立保育園が行っている補食なしで1時間400円と比べても非常に親切な料金設定と言えます。欠員の多い保育園への送迎バスの活用についての見解を伺います。  送迎バスがうまくいかなかった例もありますので、保護者のニーズをつかむ必要があります。まずは10月から始まる4月入園を申請される保護者に対し、アンケート調査を実施していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。  区が進める民営化や保育施設の拡充で大きな課題となっているのが保育人材の確保です。保育現場では、非常勤の保育士が活躍していますが、非常勤は1年契約で、更新しても最長5年までです。せっかく園や子どもたちに慣れても離職しなければならず、雇用が安定しません。正規の職員と同じ保育士資格を持ちながら、不安定な雇用の上、賃金が低く、賞与もありません。本区の区立保育園でも多くの非常勤保育士が働いています。区は、この方々の賃金をアップさせ、処遇改善に努めるべきと考えますが、いかがでしょうか。  昨日は、広川議員の代表質問で、障がい児のポイント加算について質問しましたが、複数のアレルギーを持つお子さんに対しても加算をすべきと考えます。認証保育所や小規模保育所、グループ保育では、栄養士や看護師の配置がされていないため、アレルギーのあるお子さんは入所しづらい傾向があり、特に複数のアレルギーがある場合、認可保育園に入れなければほかに選択肢がありません。こうしたお子さんこそ、認可保育園で保育されるべきと考えますが、いかがでしょうか。  本年3月の予算特別委員会における我が党の総括質疑で、低所得世帯に対する仕組みをつくるべきとの提案に対し、前向きに検討するとの答弁でした。また、寡婦控除のみなし適用の質問に対しては、検討委員会での議論の動向を踏まえ、適切に対応していくとの答弁でした。その後の検討の結果をお知らせください。  東京都も年度内に1万7000人分の保育サービスを整備する緊急対策を取りまとめ、126億円の補正予算を発表しました。小規模保育所の年齢枠拡充など、本区にはそぐわないものもありますが、しっかり精査して有効な活用をお願いいたします。  次に、高齢者の住宅の確保について伺います。  9月7日から16日の期間で、シルバーピアの募集が行われています。これまで近隣の方々から、大変な倍率だと聞いているのに、なぜ長期間空けておくのかとの声をお聞きするたびに改善を求めてきました。交通や買い物など、生活不便地域は希望する人がいないために空いた状態が続くとのことでした。立ち退きや収入に占める家賃の割合、老朽化の危険度等、困窮度の高い方が高得点になりますが、順位の早い方が入居先を決定するまで、次の方に選択権が移らず、1件ずつ進めていくために空き室の期間が長くなると伺いました。
     包括外部監査の報告書によれば、26年度の区立シルバーピアの募集は、募集戸数16戸に対し、423件の応募で26.4倍でしたが、実際に入居可能になったのは13戸、そして実際の入居戸数は11戸でした。補欠者数は募集戸数と同数とのことですから、32人となり、そのうち21人が辞退したことになります。27年度は、募集戸数6戸に対し、409件の応募で68.2倍、入居可能になったのは10戸で、実際の入居戸数は7戸と伺いました。26年度は、実際の空き室が募集戸数に届かず、27年度は募集戸数の倍近くが空きましたが、そもそも募集戸数を決める根拠は何でしょうか。  昨年も5人が辞退し、3戸が未入居となっています。包括外部監査でも指摘されているとおり、未入居の戸数が残ったことは、多数の応募者の希望に対し、十分応える結果にはなっていません。補欠者を増やしても多くの辞退者が出て、未入居の空き室が発生することについて、区はどのように捉えていますでしょうか、伺います。  住宅困窮度の高い方が、合格してもなお辞退する要因をきちんと把握する必要があります。年をとるほど、それまでの生活圏から離れることに大きな不安や抵抗があるはずです。募集に当たっては空き室を明示し、希望する空き室に優先順位をつけて応募していただくことで、辞退者の発生を防ぐことが可能と考えますが、いかがでしょうか。  申し込みから入居までの流れを見ますと、書類審査と並行して、書類審査の高得点者のみの実態調査を行い、その後、資格審査が行われます。資格審査の期間が今年の12月上旬から来年の7月まで、決定通知が12月下旬から同じく来年の7月まで、入居あっせん、入居説明会、住宅の下見の期間も半年以上を要しています。このスケジュールでは、入居の時期は、早ければ申し込みから5か月後、遅いと1年後と開きがあり、2年ごとに契約更新を迎える賃貸住宅にお住まいの方は、退去通知や更新に支障をきたすケースがあります。こういったことも辞退の原因ではないでしょうか。空き室の状態を長引かせず、申し込みから速やかに入居するため、それぞれの期間短縮に取り組んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。  昨年の本区の65歳以上高齢者の数は約16万人、そのうち要支援・要介護認定者は約3万人で認定率18.7%、8割以上が介護認定を受けていないお元気な高齢者です。平成25年度高齢者等実態調査でも、自宅で住み続けることを望む方が施設入所の希望者を大きく上回っています。民間賃貸住宅に居住する高齢者の家賃負担額は6万円未満が66.1%に上るうえ、高齢者の入居に拒否感のあるオーナーの割合が59.2%と非常に高く、低額で安全な住まいを探すことはますます困難になってきています。「高齢者の住まいの確保に関する基本方針」には、住まいを失うおそれのある高齢者に対して、民間市場における住まい確保の支援とあります。高齢者が安心して地域で暮らし続けるための住まい施策を今後どのように展開していくのか、お知らせください。  最後に、馬込・池上・洗足地域の観光について伺います。  おおた未来プラン後期には、「郷土博物館をはじめとする大田区ならではの歴史と文化が継承される環境を整備し、区民活動団体との連携や歴史・文化の保存・継承の活動を支援するとともに、23区中、第3位の保有数である都・区指定文化財を保護・活用しながら、次世代に継承します。」とあります。主な事業として、国登録有形文化財の鳳凰閣(旧清明文庫)の整備が挙げられ、現在、(仮称)勝海舟記念館として、平成30年の完成を目指しています。関連資料を展示するところはあっても、記念館がなかった勝海舟を顕彰する、まさに大田区ならではの歴史と文化であります。  ところで、勝海舟の最大の功績は、何といっても江戸城無血開城ですが、池上本門寺は新政府軍の拠点であり、その参謀だった西郷隆盛を勝海舟が訪ね、江戸城明け渡しに関する会見を行った場所と伝承されています。先日、一般公開でにぎわう松濤園に行ってきました。池泉回遊式庭園を散策し、会見があったとされるあずまやの跡地に建つ茶室で、精進アイスをいただき、学芸員から「西郷・勝両雄会見の碑」をはじめ、本門寺の歴史を伺い、日本の大きな転換期の舞台となった大田区の価値を再確認できました。  また、山王には徳富蘇峰の旧宅である山王草堂記念館がありますが、勝海舟は徳富蘇峰が恩師として仰ぐ4人の1人です。勝海舟記念館の整備とともに、池上本門寺や山王草堂記念館と結ぶことで、回遊性が生まれ、観光スポットが面的に広がると考えますが、区は勝海舟記念館をどのように活かそうとお考えでしょうか。  さて、過去最高のメダル獲得となったリオデジャネイロオリンピックに続き、パラリンピックも18日で閉幕します。いよいよ東京2020オリンピック・パラリンピックが本格化します。文部科学省は、2020年を見据え、昨年から日本遺産登録の認定を始めました。地域に点在する遺産を面として活用し、国内外に発信することで、地域活性化を図ることが日本遺産の目的です。昨年度は18件、今年度は19件で、現在、33府県37件が認定されています。残念ながら東京はありませんが、2020年までに100件程度の認定を目指しているそうです。  昨年の日本遺産に認定された「信長公のおもてなし」が息づく戦国城下町・岐阜を訪問し、文化財とともに、「おもてなし」のキーワードに込められた日本の心をどのようにストーリーとしてつくり上げたのか、認定までのプロセスを学ばせていただきました。観光コンベンション課、企画部等、様々な部局の方々がアフターファイブに集まり、ワークショップを繰り返してこられたご苦労を伺い、担当者の熱い思いに触れて、感動いたしました。認定申請には大変な労力が必要ですが、認定を目指して、区の文化財の価値と見せ方を整理することで、観光に結びつける施策につながると考えます。何より日本遺産の冠はアピール性があります。  本区でも、池上本門寺、勝海舟記念館、山王草堂記念館を含む馬込文士村のエリア、馬込の「ま」、池上の「い」、洗足の「せん」の頭文字をとって「まいせん」と呼ばれるこの地域で、日本遺産登録に挑戦してはいかがでしょうか。  昨年の日本遺産の総事業費は約8億円で、岐阜市には2か年で8000万円の補助金が支給されるそうです。また、全国に類を見ない規模の文士村という観光資源を最大限に活用するためにも、ぜひ整備費用の補助金を活用して馬込文士村記念館を設置していただくよう要望いたします。現在、公共施設適正配置方針をもとに地域ごとの再配置等が検討されていることと思いますが、馬込図書館や山王会館、南馬込文化センターなどに分散されている文士村の資料を整理し、まず郷土博物館に記念館の機能を集約してはいかがでしょうか。見解を伺います。関係者からも熱い要望が届いています。歴史と文化の継承をお願いして、質問を終わります。(拍手) ○勝亦 副議長 理事者の答弁を求めます。 ◎茂呂 スポーツ・文化担当部長 私からは、観光にかかわる三つのご質問にお答えいたします。  まず、(仮称)勝海舟記念館を馬込・池上・洗足地域の観光の回遊性にどのように活かしていくかというご質問でございます。(仮称)勝海舟記念館は、洗足池のほとりに、日本初の勝海舟を顕彰する記念館として整備を進め、多くの来訪客が訪れる区の新しい観光資源となることを目指し、平成30年度の開館を予定しております。記念館において、西郷隆盛や徳富蘇峰など、勝海舟が交流した人物との関係やゆかりの地を紹介することで、記念館を訪れた多くの方が区内を回遊するきっかけを呼び起こしていきたいと考えております。また、馬込文士村、山王草堂記念館、池上本門寺など、歴史や文化の魅力あふれる観光スポットや観光ルートの情報発信に取り組みます。勝海舟記念館を観光の拠点として、区内の観光資源間の回遊性が相互に向上するよう、他の観光スポットへのご案内を来館者の移動手段に応じて準備するなど、細やかに検討してまいります。  続きまして、日本遺産登録を目指すべきとのご質問でございます。文化庁が推進する日本遺産は、地域の魅力ある有形・無形の文化財を一体的に整備し、これらを活用することで、国内外への積極的な情報発信や人材育成・伝承を推進する事業でございます。区内には、国の重要文化財である池上本門寺五重塔があります。また、名勝の洗足池、貴重な文学・芸術が集積している馬込文士村など、様々な歴史資源が点在しております。区といたしましても、区内の文化財を有機的に結びつけることにより、地域の歴史的魅力が創出され、知名度の向上や郷土愛の醸成につながっていくものと考えております。日本遺産の申請には、歴史文化基本構想もしくは歴史的風致維持向上計画の策定が条件となります。区にとりまして経験のない取り組みでございますので、丁寧に対応してまいります。  続きまして、郷土博物館に馬込文士村記念館の機能を集約するご質問でございます。馬込・山王・中央地区は、尾崎士郎や川瀬巴水など、数十人もの文人墨客が暮らした歴史的に貴重な文化・芸術の集積地でございます。区は、郷土博物館や山王会館等で文士に関する展示を行っておりますが、昭和52年に建設した郷土博物館は、館内のレイアウトが新たな展示等に対応しにくいほか、エレベーターなど設備の老朽化も課題となっております。区は、公共施設適正配置方針の中で、約570施設の更新を進めるに当たり、複合化等により施設集約を図る一方、既存の躯体を活かしつつ、機能と耐久性を高める手法も検討しております。区は、郷土博物館に馬込文士村の歴史を伝える十分な機能を確保するよう、様々な整備手法を検討するとともに、地域とより密接に連携しながら文士村の魅力を発信してまいります。 ◎中原 福祉部長 私からは、高齢者の住宅確保について順次お答えいたします。  まず、区立シルバーピアの募集戸数についてのご質問ですが、募集戸数の算定につきましては、実際のシルバーピアの空き戸数に加え、過去の年間退去実績をもとに算出した今後1年間に予想される空き戸数の見込みなどを踏まえ、総合的に算定したものでございます。  次に、未入居の空き室が発生することについての原因に関するご質問でございます。辞退の主な理由としては、家族状況の変化による希望取り下げ、体調の悪化によるもの、転居、ご本人の希望のシルバーピアではないことなどが挙げられます。  次に、辞退者の発生を防ぐことについてのご質問ですが、議員お話のように、入居可能な空き室を募集に際し明示していくことにつきましては、辞退者の防止に関する検討要素の一つにもなると思われます。入居の促進と辞退者の減少に向けて、今年度は、一部、入居募集シルバーピア名を明示いたしました。今後も利用者の立場に立ち、辞退者防止の視点も含め、空き室の明示の仕方や入所可能な空き室に優先順位をつけていただくことなど、検討してまいります。  次に、シルバーピア入居の際の期間短縮についてのご質問ですが、シルバーピアは、安全で利便性の高い住宅を供給することで、住宅に困窮する高齢者の生活の安定と福祉の増進に寄与することを目的とした住宅です。入居予定となった方には、速やかな入居あっせんが必要と認識しています。一方、入居に当たっては、特に対象が高齢者であることから、入居前の説明、ご本人の状況把握、希望の聴取などを踏まえた上で、より丁寧に対応することも大切であると考えております。昨年度からは、退去後の原状回復工事の期間の短縮により、早期の入居の実現に努めてまいりました。今年度の入居に当たっては、入居までの各期間の手続きについての精査や住宅の下見を工夫し、迅速化を図ってまいります。今後とも引き続き、申し込みから入居までの期間のさらなる短縮について検討してまいります。  私からは最後に、高齢者が安心して地域で暮らし続けるための今後の住まい施策の展開についてのご質問です。高齢者の住まいは、お一人おひとりの暮らしに欠かせない生活の基盤であり、多様なニーズに応じた住まいや住まい方を選択し、安心して暮らすことができる環境づくりを進めることが重要と認識しております。区はこれまで、住宅確保支援や転居一時金助成など、住まい確保への支援をはじめ、住宅改修費助成などの支援を進めてまいりました。今年度は、昨年度末に策定した「大田区高齢者の住まいの確保に関する基本方針」に基づく最初の事業として、「自宅に住み続けるためのパンフレット」を作成し、安心して暮らせる一助といたします。高齢者を対象とした住まいの確保に向けた今後の施策の展開につきましては、民間賃貸住宅の空き室の活用も視野に入れるなど、多角的に検討を進めてまいります。以上でございます。 ◎後藤 こども家庭部長 私からは、保育に関するご質問について順次お答えいたします。  初めに、育休明けの入園予約制度についてのご質問であります。親子の絆の形成にとって、特に生後1年間は大切な時期です。区は、これまで育児休業明けの保育ニーズに着実に対応できるよう、1歳児の保育定数の拡充を重点的に進めてまいりました。来年度においても、1歳児の定員を約130名程度増員する予定でありますが、国の「保活」の実態調査にある育休の早期切り上げの現状に対して、区としても改善する必要があると考えております。入園予約制度はその一つと考えますが、予約枠の数の問題や育児休業を取得できない方との公平性の問題、緊急性や必要度の高い方との逆転現象など、整理すべき課題が多くあります。これらの課題の整理とともに、国の来年度予算で想定されている「入園予約制」の導入支援策の活用も踏まえ、区として適切な制度について検討してまいります。  次に、送迎バスによる空き定員の活用についてのご質問であります。9月1日現在の区の認可保育園の空き定員は248名ありますが、その中には、開設して間もない施設の3歳児以降の欠員が多く、これについては今後解消される見込みです。したがって、恒常的に欠員が生じている既存施設は限られております。議員ご提案の送迎バスの導入の検討に当たっては、これらの空き定員の活用が可能かどうか、利用されるお子さんを受け入れる送迎ステーションの位置、あるいは移動の際の交通環境など、ご紹介いただいた自治体との面積や人口の違いもあり、区として実現可能な有効な手段となり得るか検証してまいります。  次に、アンケート調査についてのご質問です。新たな形態の保育サービスの検討に当たっては、保育ニーズをしっかり把握することが重要であると考えております。新年度に向けた保育園の入園受け付けが来月から始まりますが、今回想定する保育サービスは、小規模保育所の卒園後の「3歳の壁」対策を目的としております。アンケート内容や実施についても、利用対象者として見込まれる小規模保育所に在園する保護者を中心に検討したいと考えております。  次に、区の非常勤保育士の処遇改善についてのご質問です。待機児童解消を進めるためには、保育の質を左右する保育士の確保が大きな課題です。国は平成29年度の予算において、民間事業所で働く保育士の給与について、平均2%、約6000円の処遇改善を実施するとともに、技能・経験を積んだ保育士に対しては、さらに最大4万円程度を追加的に上乗せするとしております。公費対象となる民間保育士とは異なり、区立保育園には多くの非常勤保育士が、区の職員とともに安全・安心な保育を行う上で重要な役割を担っております。今後、国の処遇改善の内容を踏まえつつ、区立保育園における非常勤保育士の安定的な活用を図るため、報酬額の見直しを含めた適切な処遇について検討してまいります。  次に、アレルギーを持つお子さんの保育についてのご質問です。現在、複数のアレルギーを持つお子さんにつきましては、栄養士が配置されている保育施設でお預かりしております。アレルギー症状には、アナフィラキシーショック症状など重篤な場合もあり、お子さんの安全を確保するためには、今後も栄養士や看護師の配置のほか、誤食が発生した場合でも適切な対応ができる保育体制が不可欠であると考えております。その意味で、複数のアレルギーを持つお子さんの安全な保育には、認可保育園の役割が大変重要であると認識しております。引き続き、認可保育園を中心とした安全・安心な受け入れ体制について検討してまいります。  次に、低所得世帯や婚姻歴のないひとり親家庭への支援についてのご質問です。所得の低い世帯におきましては、子どもの預け先が確保できないことにより就労が進まず、その結果、保育の入園選考指数が頭打ちとなり、保育園入所が難しくなっている現状がございます。こうした状況を踏まえ、低所得世帯の「仕事と家庭の両立支援」を図るため、現在、入園選考指数の調整について検討しております。また、ひとり親家庭に対する支援の充実も、その家庭の子どもたちが健やかに成長していくために重要な課題です。保育料検討委員会の報告書では、寡婦控除が適用されていない一定所得以下の非婚のひとり親世帯に対して、子どもの貧困対策の視点から、保育料階層認定の際の配慮が望ましいとのご意見もいただいております。このことを踏まえ、申請時において、このような世帯状況を把握した場合には、適切に対応してまいります。私からは以上です。 ◎水井 教育総務部長 私からは、私立幼稚園の預かり保育事業の拡充についてのご質問にお答えをいたします。  私立幼稚園における預かり保育の拡充は、保育園の待機児解消の一助となるものと認識しております。現在、区内の私立幼稚園48園のうち45園で既に預かり保育事業を実施しておりますが、保育時間が保育園に比べて短時間となっております。そこで、今年度から保育園並みの長時間の預かり保育を実施する私立幼稚園に対して、必要な人件費や事務費などを補助する長時間預かり保育事業費補助金制度を創設いたしました。しかしながら、区内の私立幼稚園の多くが、定員に余裕がなく新たな受け入れができないことや、長時間保育に必要な保育士等の採用が困難であることなど様々な課題があり、長時間預かり保育事業への参入が難しいという状況がございます。今後は、参入しやすい条件設定等について検討を行い、私立幼稚園の長時間預かり保育への参入を促進してまいります。 ○勝亦 副議長 次に、43番荻野 稔議員。                  〔43番荻野 稔議員登壇〕(拍手) ◆43番(荻野稔 議員) 東京維新の会大田の荻野 稔です。通告に従い質問します。  初めに、大田区の防災体制、防災行政無線の平時における運用について質問します。  私は、次の理由から見直しを求めます。第1に、放送塔周辺の状況の変化です。大田区の防災行政無線塔は、昭和55年から運用され、現在では区内250か所に設置されていますが、当時に比べて高層マンションが建設される等、周辺環境は大きく変わりました。過去の区議会における議論においても、放送内容の聞こえにくさについて議論されていますが、大きさだけではなく、音の通り方について、遮蔽物の状況確認など、放送塔の周辺状況の確認が必要です。  第2に、住民の生活リズムの多様化です。私のもとにも、防災行政無線塔の至近に建設されたマンション住民の方から、健康を害しかねないと悲痛な苦情も来ていますが、区民の生活リズムの多様化が進み、行政が住民の生活リズムに踏み込むことについて、より慎重さが求められるようになっています。  第3に、有事における防災行政無線の活用です。総務省の被災自治体への調査では、57.1%が防災無線は聞こえなかった、もしくは聞こえたが、耳に入らなかったと回答しております。防災無線のみを頼りに情報を得る方だけではなく、防災無線の音が聞こえたことから、ほかの情報を自分で確認する方も多くおり、エリアメール、SNS、テレビ、FM等との連携の拡大・深化も必要です。  以上の理由により、防災行政無線の平時の運用、配置、スピーカーの向き等の見直し、ほかの手段の組み合わせによる偏重の是正を、環境の変化や災害時の聞こえ方も踏まえて行っていただきたいと考えますが、見解をお伺いいたします。  続きまして、大田区の防災備蓄品についてお伺いいたします。これまでの防災備蓄は、特に生命維持に力点が行われてきましたが、新たに情報の要素も加え、災害時にも携帯電話を区民が継続的に使用できるように、防災備蓄に携帯電話充電器を加えるべきだと考えます。情報は、今や普段の生活だけではなく、災害時にも不可欠な要素となっています。東日本大震災で携帯電話の果たした役割を見れば明らかであり、総務省の報告書では、防災行政無線の限界が指摘される一方で、ツイッターや携帯メールの効果が注目されております。また、情報の取得は心の安定に役立ちます。本区には様々な文化的・言語的背景をお持ちの方も居住しており、観光や通勤通学の途中に帰宅困難民となる方々がいることも予想されます。彼らが迅速に家族との安否確認や災害情報を入手できるようにすることは、心の安定、混乱の防止につながり、パニックの回避、迅速な復興につながるでしょう。区内の各避難所では、防災関連予算を避難所ごとに確保していると伺っておりますが、そこからガラケー、スマホ等の充電器を購入したらいかがでしょうか。  また、商店街連合会の物資あっせん内容に携帯電話充電器が入りましたが、区でも自治会等の防災備蓄に携帯充電器を入れるよう、啓発を実施してはいかがでしょうか。国際的にも避難物資に充電装置を含むことは、時代の潮流となりつつあります。備蓄の充実を要望し、次の質問に移ります。  本日9月15日は、イスラム教の犠牲祭の最終日です。2030年には総人口の26%を占めるとの予測もあるなど、ムスリムの世界における存在感は高まる一方で、羽田空港を抱え、日本の玄関口でもある大田区での受け入れ体制強化が望まれます。しかしながら、日本社会にとっては、いまだマイノリティーであるムスリムの方たちは、生活の上で多くの困難を抱えております。例えば、食事や教育、女性の抱える問題です。ムスリムへの偏見から起こるいじめや食事の問題、女性の場合、病院での診断で宗教上の理由から女医を希望する方、また、ベールをかぶるムスリマ女性が髪を切る場合、女性の美容師を探し、男性に見られないような環境での施術を望む方もおります。また、ムスリムの中には、都内で難しい土葬を望む方も多くおります。こうした問題は、ムスリムに限らず、様々な立場で共通して起こり得るものであり、国際都市を標榜する大田区において対策が必要な課題です。  多文化共生推進センターmicsおおたでは、区内の外国籍住民の相談を受けており、個々の相談事例を記録しているとお聞きしました。こうしたmicsおおたで受けた相談、対応事例から得た情報などを集計し、彼らの抱える困難を解決し、区内の環境改革のために情報を収集し、外国人からの問い合わせ対応事例を調査し、課題・対応事例などの抽出、庁内での共有を行うべきではないでしょうか。  今回はムスリムを取り上げました。外国人対応というと、とりわけ観光・産業分野が注目をされますが、行政の役割には、住民が生活を行っていく上で、国籍、人種、信仰によらず困難を解消していくこともあります。2020年に迫る東京オリンピックにも向け、micsおおたと連携を強化していくべきと考えますが、見解をお示しください。  以上で質問を終えます。ご回答、よろしくお願いいたします。(拍手) ○勝亦 副議長 理事者の答弁を求めます。 ◎齋藤 危機管理室長 私からは、防災に関するご質問に順次お答えをいたします。  まず、防災行政無線についてのご質問でございますが、大田区を含めた都市部では、マンション等の高層建築物の建設、サッシをはじめとする建物設備の性能向上など、住環境が変化してきており、防災行政無線の使用の際には区民から、「うるさい」「聞き取れない」ほか、様々なご意見をいただいております。こうしたご意見に対して、これまでスピーカーの音量・方向等の調整や設置スピーカーの増減、放送塔の移設などにより、個別に対応しております。区内250か所に設置している各放送塔につきましては、毎年保守点検を行っております。災害時に適切な放送を行うために、今後も計画的に現況確認に努めてまいります。防災行政無線の放送が聞き取れないなどのご指摘につきましては、ホームページやメールサービス、各携帯事業者によるエリアメールの活用や東京都の災害情報システムを利用してのマスメディアへの情報提供等、防災行政無線だけに頼ることなく、情報発信ツールの複線化に努めております。また、防災行政無線の放送内容を電話で確認ができる「防災行政無線電話応答サービス」によりまして、無線放送を補完する仕組みを構築したいと考えております。災害時には、自助の観点から、情報を待つだけではなく、みずからが収集に行く姿勢が重要と考えます。今後も、防災行政無線の運用や時代に合った情報提供手段に関して、引き続き研究してまいります。  続きまして、「携帯電話充電器」についてのご質問でございますが、スマートフォンなどの携帯電話は、災害時に事業者が通話・通信制限をかけるものの、被災者にとっては災害時においても身近な情報収集・連絡ツールでございます。避難所に避難している被災者に対して、区からの情報は、各避難所本部から原則、提供、周知されることになります。また、避難所には、家族の安否確認等に利用してもらうため、NTTの「災害時特設公衆電話」を配備しております。それでも、個人的に連絡や情報を収集するなど、携帯電話を利用する人が多数存在することが想定されます。基本的には個人で備えていただくことが重要と考えますが、こうした状況を鑑みまして、区といたしましても「携帯電話充電器」の配備につきましては、電源の確保や運用ルールの構築にも配慮しながら、避難所の消耗品予算を活用するなどの方法で対応してまいりたいと考えております。なお、自助・共助の観点から、区の「防災用品あっせん」品目に、携帯電話機等の充電にも使える「手回し充電式ラジオ」をご案内しておりますが、あわせて個人や自治会・町会、マンションや企業に対して、講演会や講話、訓練の機会を利用し、備蓄啓発を行ってまいります。私からは以上でございます。 ◎河野 観光・国際都市部長 私からは、micsおおたとの連携強化に関するご質問ですけれども、区ではこれまで、外国人区民が地域で安心して快適に暮らしていけるように環境整備を進めてまいりました。その一つとして、micsおおたを中心に、相談、通訳、情報提供など、サポートを行っております。この相談内容については、月ごとに相談内容を子育てや教育、医療など、10の項目に分けて件数を集計しております。相談を受けた際、その場で相談員から各担当部局へ連絡し、問題の解決を図っておりますけれども、今後もmicsおおたと連携しながら、課内での情報共有はもちろん、関係部局にも積極的に情報提供を行ってまいります。また、micsおおたでの対応事例を、庁内連携会議や多文化共生推進協議会の中でも活用して、外国人が抱える課題解決につなげていきたいと考えております。このようにmicsおおたと連携を強化していくことが、国際都市おおたにふさわしい多文化共生のまちづくりを進めることになり、東京2020大会に向けて、様々な外国人を受け入れる環境整備にもつながると考えております。以上です。 ○勝亦 副議長 次に、47番奈須利江議員。                  〔47番奈須利江議員登壇〕(拍手) ◆47番(奈須利江 議員) フェアな民主主義、奈須利江です。  大田区とは一体何をすべきところなのでしょうか。最近の大田区が行っていることは、本当に基礎自治体である行政が、子育て支援や介護などが足りていない中、最優先課題として行うべきものなのかと疑うものが目につきます。新しい大田区のイメージキャラクターをつくり、区歌があるのに区制70周年でイメージソングをつくり、予算には全国初という文字が踊り、決算資料として出される主要施策の評価はいつの間に分厚い冊子になり、まるで民間企業のPRのようです。行政は宣伝しなければならないところだったのでしょうか。区民が毎日の暮らしの中で必要なセーフティーネットを張りめぐらせる地道な事業こそが、大田区の最優先課題ではないのでしょうか。  その一方で、長い歴史的な経緯の中で、大田区民とともに行政大田区や大田区議会が守り、積み上げてきた数々の区民生活を守るための法令などを一部の経済利益のために緩和し、なかったことにしようとしています。羽田空港飛行ルート変更は、安全と区民の快適な生活を確保できない限り、空港を撤去するとした空港撤去決議など大田区の歴史的経緯から見ればあり得ない話です。その撤去の決議があったから羽田空港は沖合に移転し、空港跡地ができました。跡地開発さえできれば何のために沖合移転したかを忘れてしまうことのないよう、区長には首都圏の空を守る気概を持って取り組んでいただきたいと思います。  この規制緩和のランドマーク的な施策が国家戦略特区です。区長みずから手を挙げ、主体的、積極的に進められていますが、国家戦略特区が何かといえば、区域を限定した規制緩和による経済政策です。法治国家日本において、法令でつくられた多くの規制は、私たちの権利、基本的人権を守るために存在しています。それを緩和すれば、法で守られている私たちの権利は無防備になります。規制緩和が進めば進むほど、無法地帯が広がり、弱肉強食で自己責任の範囲が広がる構図です。  大田区において旅館業法の適用除外を認めている民泊は、国家戦略特区の仕組みを使っています。民泊で大田区は旅館業法の適用を除外されるため、ガイドラインを定め、消防への届け出や1人当たり床面積など、法が守ってきた安全や衛生、住環境が守られるよう努めています。法令が求める安全、衛生、環境、雇用などの基準は、経済活動にとってはコスト負担を強いられる邪魔な存在かもしれませんが、規制を緩和すれば、それまでその規制によって守られてきた区民に影響が及ぶということです。  特区といえば、一般には開発途上国の経済政策ですが、国家戦略特区は先進国日本の首都東京を含めた大阪、名古屋、福岡など大都市圏がほぼ網羅されていて影響が大きく、特区とは言えない状況です。ILO、国際労働機関は、経済特別区を「外国投資を誘致するために特別な優遇策を付与された産業地区。地区に輸入された財は再輸出のために程度の差はあるが加工される。」と定義していますが、小泉構造改革特区以来、日本に設置されてきた特区は、規制緩和に考え方が偏っている傾向があると郭洋春立教大学経済学部教授が指摘するように、特区内に輸入された財が加工された後、再輸出されるといったことには全く触れられていません。  しかも、何のための規制緩和かといえば、2013年の日本再興戦略に「規制改革の突破口として国家戦略特区を使って世界から投資を呼び込む」と記されているとおり、外国投資を呼び込むことが目的です。「日本再興戦略」改訂2015では、「投資家の目を意識した経営が幅広く浸透し、企業の自己資本に対する当期純利益ROEの割合が10%を超える上場企業は、2年前の4社に1社から3社に1社になった。」と特区を評価しています。  そこで質問させていただきます。多くの規制は国民・区民の権利を守るために存在しますが、区長は、国家戦略特区が、その規制を外国投資のために緩和する政策であることを認識した上で手を挙げているのでしょうか。  規制を緩和して外国投資家は利益を上げることができるかもしれませんが、権利を守ってきた規制を区民が失えば、区民生活に影響を及ぼします。2014年4月の国家戦略特区ワーキンググループにおいて、民間有識者の「羽田空港の近くで『雇用ルールについての特例措置』や『医療サービスの提供』はあり得るのか。あり得るなら、外国人医師や病床規制もあり得るのか具体的に相談を」という申し出に対し、松原区長は「ぜひお打ち合わせというか、そういうことを協議させていただければありがたい」と答えています。松原区長は、雇用規制をさらに緩めることや医療圏ごとに定められているベッド数を増やすこと、外国人医師に日本で医療行為を行わせることについて、ぜひ協議したいと答えているのです。  雇用規制の緩和で企業は経営の効率化を図れますが、区民の雇用は不安定になります。空港の近くでベッド数を増やし、外国人医師の診療を可能にすれば、高度医療、先進医療の拠点をつくり、外国の医薬品や医療機器の売り上げを伸ばすことができますが、医療費が高騰することが予想されるだけでなく、周辺の病院経営にも影響を及ぼすでしょう。国家戦略特区は、経済政策のため、通常の法改正であれば行われる規制緩和の影響についての検証がないばかりか、経済利益を上げれば、雇用が不安定になっても、安全性が低下しても、効果があるとされ全国展開する仕組みになっています。  そこで伺います。区長は、特区による規制緩和が、一部の投資家の利益のための経済政策であり、同時に、区民をはじめとした投資家以外の人たちの不利益につながるかもしれないことについて、どのように捉え、国家戦略特区を区長の目玉の政策としているのでしょうか。また、区長は、特区の規制緩和によって区民の雇用や医療、安全や環境が守られなくなることについて、どのように考えていますか。少なくとも、国が規制緩和の影響について事前に検証していない以上、大田区として規制緩和による影響を検証した上で、区民生活に影響を及ぼす規制緩和策は行わない、必要な対抗策を講じるなどが必要だと考えますが、いかがでしょうか。  こうした規制緩和による外国投資家のための経済政策は、区民生活だけでなく、経営者にも大きな影響を及ぼすと捉えています。そこで心配しているのが、政府が今年の秋の国会承認を目指しているTPPです。TPPはモノの関税だけでなく、サービス、投資の自由化を進めるアメリカ、カナダなど太平洋12か国で結ぼうとしている国家間の経済協定です。アメリカでは、いずれの大統領候補もTPPに反対の姿勢ですから、そう簡単にTPPが批准されることにはならないと思われますが、だからといって、こうした国を超えた投資家利益最大化政策がそう簡単にストップすることにはならないでしょう。同様の自由貿易協定は、TPPだけでなく、ヨーロッパを含めたTiSAや二国間協定など様々な可能性があるからです。  今年2月に署名が行われたTPP協定について、協定文の公開以降、日本、アメリカをはじめ各国でも様々な問題提起を続けています。それを見ると、TPPが大田区内の事業者に与える影響がいかに深刻か、規制がいかに区民生活を守っているかがわかります。例えば大田区では、建設工事や物品調達などにおいて、大田区内業者に限定した制限付き一般競争入札や指名競争入札を行っています。大田区内に限定しているのは区内産業の育成の視点であり、その事業者が競争力を持った企業に成長発展していただくことが期待されるからです。区内の景気向上、雇用や受発注の確保という経済波及効果も狙っています。  ところが、TPPは、こうした国や地域に限った政策も経済障壁とみなし、外国資本を含め誰もが入札や契約に参加できる状況をつくるための仕組みです。一般原則として、外資と国内企業を区別し、「現地調達」や「自国物品の購入や利用優先」をしてはならないとされています。内閣官房のTPPについてのQ&Aでは、国と都道府県及び政令市に限ると説明されていますが、協定文書には「協定締結後3年以内に適用範囲の拡大を達成するため地方自治体も含んだ交渉を開始する」「交渉開始前でも地方自治体を対象とすることについて合意できる」と書かれていますから、当初から自治体を対象としていると見るべきで、国の説明のニュアンスとは大きな温度差があります。しかも、批准後は政府調達に関する小委員会を置いて、対象機関の拡大、基準額の改定、差別的な措置の削減と撤廃を議題にしていくとしていますから、大田区の契約や入札は熾烈な競争にさらされる可能性が大きいということです。大都市として一体に見られることが多い23区が対象に加わる可能性は、他の自治体に比べれば高いと見るべきでしょう。  現時点での対象金額は物品で3300万円、建設で24億7000万円、建設技術サービスで2億4000万円、その他サービスで3300万円となっています。今後のTPPの交渉で、地方自治体が対象になれば、今回の議案の防災毛布購入は消費税込みで9000万円を超えますから制限付き競争入札ができなくなり、例えばアメリカ防災毛布という外資系企業が落札するかもしれません。大田区は、可燃ごみの民間委託の受け皿として一般社団法人を設立しようとしていますが、対象機関が拡大すれば、そこでの契約にも制限なしの入札をといった競争性を求められるようになるかもしれません。  対象が広がり、金額が引き下げられれば、区内事業者への影響は拡大し、区民生活にも影響を及ぼすでしょう。受託会社が変わっても、現場で働く人は同じという話を聞きますが、外資が大田区の契約をとっても、働く人は同じで、賃金が下がったり下請、孫請の利幅が少なくなったりするのかもしれません。今後は水道、道路、建物など、あらゆるインフラの施工・管理について、民営化も視野に入れた外資との競争が起きる可能性が高いのです。TPPなど自由経済貿易で経済障壁がなくなったとき、最も大きな影響を受ける分野の一つが、この公共調達であると私は捉えています。  そこで伺います。日本政府は、TPPについて、秋の臨時国会での承認を目指していて、仮に承認されれば2年以内に発効する可能性があります。私は、TPPは批准すべきではないという考えでいますが、区長は、こうした区内産業への影響を考えれば、政府に対しTPPに異を唱えるべきと考えますが、いかがでしょうか。  異を唱えることをしないのであれば、少なくともTPP批准前までに、区内産業育成のために、制限付き競争入札などを行ってきましたが、それらをルール化、条例化して、区内産業を育成するとともに区民生活を守るべきではないでしょうか。準区内と言って大田区に机と電話を置いている事業者も区内ですから、外資も区内になり得ます。そこで重要になるのが、大田区という行政がなぜ区内事業者を優先しているのか、してきたのかということです。区内で安定的な雇用を支え、区内調達で循環経済に資する、法令遵守は当然のこととして、環境を守り、障がい者雇用を支えるなど社会的に責任を果たす、こうした事業者だからこそ、大田区民の税金を投入する意義を持つのではないでしょうか。  今、規模の大きな事業者が大田区の仕事をとる。契約そのものの規模が大きくなっているように見えます。今回、解体と建設の一括発注議案が送付されていますが、最近の究極の一括発注といえば、点検を行わせ、見つかった必要な箇所の修繕まで委ねている本庁舎の耐震補強工事でしょう。大田区がTPPの対象になれば、契約金額の引き下げも気になりますが、こうした大きな契約が増えている状況は、大田区みずから外国資本に対して有利な契約を用意する形になっていると見ることもできます。介護保険の単価の改正により小規模事業者が厳しい経営を迫られているのも大規模資本優遇とは見られないでしょうか。今や日本の大企業も大株主は外資というところが少なくありませんが、政府や大田区の外国資本優遇がこうしたところにもあらわれているのかもしれません。  しかし、日本の7割の雇用を支えているのは中小企業です。こうして大きな事業者に集約されたり、経営規模が大きくなれば、公共調達に限ったことではありませんが、淘汰されたり、下請や孫請が発生し、下請、孫請の利幅が小さくなる可能性もあります。日ごろの維持管理を怠り、まとめて大規模工事を大規模事業者に発注するより、手間がかかっても、地域の中小企業に小まめに発注することで、長く大切に区民の建物の維持管理をすべきというのが私の基本的な考え方です。物品調達も同様であると考えています。  グローバル化の潮流の中で、区民生活を守り、区民の雇用を守るのは大田区の責務です。TPPという一つの危機を機に、少なくとも公共調達については、区民の税金で区内雇用を安定的に支える、区内調達で循環経済に資する、法令遵守、環境配慮、障がい者雇用などを評価する政策入札・公契約条例の仕組みを導入するなど、大田区の契約などのあり方を見直すべき時期に来ているのではないでしょうか。TPPなどの貿易自由化により入札や契約を自由化すれば、税金の一部が外国投資家に流出し、再投資される保証はありません。区民からお預かりした税金をどう使うべきなのか、区長の見解をお示しください。(拍手) ○勝亦 副議長 理事者の答弁を求めます。 ◎川野 企画経営部長 私からは、国家戦略特別区域に関するご質問に順次お答え申し上げます。  最初に、国民・区民の権利を守るための規制が国家戦略特区の活用によって、外国からの投資のために緩和されるのではないかとのご質問でございますが、国家戦略特区は、経済社会の構造改革を重点的に推進することにより、産業の国際競争力を強化するとともに、国際的な経済活動の拠点の形成を促進する観点から、規制改革等の施策を総合的かつ集中的に推進するために設けられた制度でございます。中でも、東京圏では世界で一番ビジネスがしやすい環境を整備することにより、国際競争力のある新産業を創出することを目的としております。いわゆる「岩盤規制」を打破することによって、世界から資金、人材、企業を呼び込むと同時に、保育環境の整備による女性の活躍促進や、エリアマネジメントによる地域の活性化など、国内はもちろん、海外の活力も発揮させることが可能になると考えてございます。国家戦略特区による規制緩和は、外国からの投資を高めることも重要な要素でございますが、国内外に向け広く事業の門戸を開くことによって、大田区はもとより、地域経済の活性化と日本経済の再生につながるものと考えてございます。  次に、国家戦略特区による規制緩和の効果をどのように捉えているのか、国家戦略特区の政策的な位置づけについてのご質問でございますが、現在、国家戦略特区に指定された地域においては、各地域における課題解決を目指し、現在36項目の規制改革メニューが活用されてございます。これらの取り組みの一つひとつが各地域でのリーディングプロジェクトになり、日本経済の再生につながることで、一部の人々のみならず、地域の皆様へ広く効果が行き届くものと認識しております。大田区におきましては、特区民泊において、既に地元銭湯や商店街と連携し、利用者が区内を回遊していただけるような取り組みを行っております。区としては、道路法を活用したエリアマネジメント、都市計画法を活用した羽田空港跡地も加えた三つの事業が区内産業、地域経済の活性化につながるよう、引き続き取り組んでまいります。  国家戦略特区の規制緩和による、区民の雇用や医療、安全、環境への影響についてのご質問でございますが、特区民泊におきましては、関連する条例、規則、ガイドラインを整えるに当たり、近隣住民の皆様への周知や説明、ごみの適切な処理、苦情対応窓口の設置、緊急時対応等、利用者だけではなく、周辺住民にとっても安全・安心な滞在施設となるよう、各ルールを設けてございます。さらに、いわゆる「違法民泊」への抑止力ともなっていると考えてございます。区民の雇用の機会や安全面にも寄与していると考えてございます。このような規制緩和においては、住民への配慮にもしっかりと対応し、地域経済の活性化へ好循環をもたらすことができるよう取り組んでまいります。  最後に、国家戦略特区の規制緩和による影響の検証と区民生活の影響に関するご質問でございますが、国家戦略特区の規制緩和によりまして、区民生活が脅かされることはあってはならないと考えてございます。同様に、国家戦略特区における規制改革のメニューの活用は、国際都市おおたが飛躍する絶好のチャンスであると考えてございます。区民生活や安全を第一に、この機会をしっかりと活かし、区内産業・経済の一層の発展につなげていくことが重要だと考えてございます。私からは以上でございます。 ◎玉川 総務部長 私からは、TPPに関するご質問にお答えいたします。  まず、TPPと公共調達に関するご質問でございますが、TPP協定では、その第15章に政府調達に関する規定があり、政府機関等が一定基準額以上の物品・サービスを調達する際のルール・手続きを規定してございます。この規定が適用となる地方公共団体の対象団体でございますが、TPP政府対策本部によれば、都道府県及び政令指定都市であり、それ以外の特別区を含む市町村等において、新たな市場を外国企業に開放するものではないとしてございます。このため区は、TPP協定に関する国の動向を注視しつつ、引き続き現行の国内法令等に基づき、契約手続きの透明性、公正性等を確保し、区内産業の適切な育成に努めてまいります。 ○勝亦 副議長 答弁の途中でございますが、所定の時間が参りましたので終了といたします。  会議が長くなりましたので、しばらく休憩といたします。                      午後0時10分休憩                ――――――――――――――――――――                      午後1時開議 ○大森 議長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質問を続けます。15番渡司 幸議員。                  〔15番渡司 幸議員登壇〕(拍手) ◆15番(渡司幸 議員) 自由民主党大田区民連合、渡司 幸でございます。皆さん、お昼はおいしく召し上がったでしょうか。  大田区出身のパラリンピアンである高田千明選手の女子走り幅跳び視覚障がいT11クラスの決勝がいよいよ明日、日本時間で16日、23時05分ごろに予定をされています。高田選手が豊かな経験とともに帰国され、貴重な体験談をお聞かせいただける日を楽しみに待たせていただきたいと思います。また、先日、元東京都副知事で明治大学教授の青山 やすし氏のロンドンレガシーに関する勉強会に参加をさせていただきました。ロンドンがオリンピック・パラリンピックをツールとして明確な課題解決の意思を持っていたということを学びました。大田区としてもオリンピック・パラリンピックを契機とし、解決すべき課題を明確にして取り組んでいくことが大切であるということを痛感いたしました。  今後の課題の一つである戦略的広報についてご質問をさせていただきます。  ここ数年の間に多くの特別区がシティプロモーション戦略を策定し、関連事業を立ち上げております。大田区としてもシティプロモーションとしての戦略的広報について、方向性を議論していく時期に来ているのではないかと思います。国際都市として広く海外の企業や観光客にプロモーションをしていくのは大田区のどんな魅力なのか、日本国内に向けて発信していくのは大田区のどの部分なのか、そして最も大切な区民や区内企業に向けて、区の情報や魅力をどのようにして発信していくのが効果的なのかということを多角的に調査研究をしていく必要があるのではないでしょうか。徹底的に住民の地域への愛着形成を戦略的な広報の目的にしている自治体もございます。大手広告代理店の元社員を広報担当として採用する自治体など、取り組む姿勢は様々です。今年度、大田区でも各部局の中に広報員を選出し、より戦略的な広報を推進していくための体制づくりが始まりました。  そこで大田区の現状について伺います。今年度、シティセールス、シティプロモーションとして戦略的に広報をされた実例、実績などがございましたら、区外向け・区内向けともにお示しください。  次に、区内向け広報活動について伺います。区民に対し区政情報を確実に届けるための説明責任としての広報戦略は非常に重要です。行政広報のエースである「おおた区報」ですが、区民の皆さんに親しまれ、頼りにされているだけあり、掲載希望も多く、サークル紹介や催し物の紙面などが足りず、掲載を断念するケースも少なくないと伺っています。各出張所管内や町会のような、より身近な地域広報誌やオーちゃんネットなど、各地域、各ユーザー特性に合わせた区報以外の広報コンテンツの充実、利用率アップを図る中で、広報媒体のすみ分けや差別化を進めていくなどの検討が必要であると思います。  ツイッターやホームページのリニューアルなどにも取り組んでいただく中、年度途中ではありますが、現状について伺います。現在、大田区公式ツイッターのフォロワーは約1万1000人、ツイッターを始めてからのフォロワーの推移やホームページの「いいね!」「ツイート」ボタンの状況、コンテンツの評価機能の検証結果はどのような状況になっているでしょうか、お聞かせください。  そしてここ数年、環境、清掃、防災、観光、子育てなど、スマートフォンのアプリケーションを使った区民サービス・広報活動に取り組む自治体も増えています。アプリの活用やICT化は、広い意味での広報として、区民サービスにつながるものです。防災アプリなどは、オフラインの状況でも最寄りの避難所への誘導もできますし、ハザードマップや防災マニュアルが内蔵されたもの、観光案内と共有できるものなど、開発が進んできております。ごみ分別アプリも学校教育でも使えるような環境クイズがついている、ごみ出しの日をアラームで教えてくれるなど、機能が充実してきています。  今年度、大田区では「きずなメール」の配信が始まり、対象の方々の評判も上々であると伺っています。区民安全・安心メールなども活用されている中、今や子育て世代や元気シニア世代など、受け手の年齢、興味や属性に応じた情報が配信できるサービス、コンテンツを組み立てることができる時代となりました。
     そこで伺います。大田区として今後、区民サービス向上の立場で、広報担当職員の研修やICT化推進の話し合いの場において、広報のICT化について調査研究を進めていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。  広報に関する最後の質問です。各部局が、どの情報をどのタイミングで誰に対して発信していくのかということを意識を持って検討し、それを広報室が一つに取りまとめ、わかりやすく戦略的に広報していくということは、縦割りの組織の中では簡単なことではありません。全庁的に取り組んでいく大田区の戦略的広報の今後の方向性についてのお考えをお示しください。  続きまして、不登校施策について伺います。  大田区には「適応指導教室つばさ」が4か所あり、小学校4年生から中学3年生までの子どもたちの不登校対応をしています。また、ある程度、時間割りに沿ったグループ学習ができる中学生の場合は、区内2か所にあります相談学級に通級することもできます。実際に「適応指導教室つばさ」を見学させていただきましたが、それぞれ4か所とも、温かい雰囲気の中で、卓球などで運動をしたり、野菜や植物を育てたりと、その子のペースに合わせ、指導員の先生や心理職の方が寄り添っておられました。実際に現場を見せていただき、校長先生経験者の方々は、久しぶりに直接子どもたちを指導できることに高いモチベーションと情熱を感じていらっしゃいましたし、多くの子どもたちを見てこられた経験を活かし、全人的なかかわりの中で愛情を持って接しておられました。今年度からは数学と英語の学習支援員も週2回加配されており、学習面で課題のある中学生や受験を控えた子には心強いケアであると感じました。また、全教室に心理職の方も配置され、行動観察や面接などにより、それぞれの子どもたちに真摯に対応され、とてもよい印象を受けました。  ただ、どちらかというと適応指導教室は中学生に向いている相談体制であるように感じました。小学生の場合、適応指導教室に通級するのに保護者の送り迎えが必要であります。そして、3年生以下が対象ではないということが気になります。小学生の場合、不登校傾向になり、在籍校や教育センターから勧められても、保護者の都合で通級を諦めているケースもあるのではないでしょうか。今年度、特別支援教室が保護者の送迎が必要な通級学級から全校設置になったことで、サポートを希望される児童の数は前年度の約5倍になりました。同様に適応指導教室の潜在的な通級希望もあるのではないでしょうか。  そこで伺います。不登校の低年齢化が進む中、小学校1年生からのケア体制や保護者の負担軽減なども課題であると考えますが、何らかの支援体制はつくれないものでしょうか、お聞かせください。  また、不登校児童・生徒の支援において、学級担任の先生や管理職の先生の考え方に大きく差があることを耳にいたします。新任の先生や転入したばかりの先生は、大田区での不登校対応の経験がない方や、適応指導教室の存在や活用の仕方を知らない場合もあると伺います。ましてや適応指導教室を最終的な受け皿としてしまい、そこに通えていることをよしとして、在籍学級での受け入れ態勢がなかなか整わない、その子の抱えている問題や将来への本質的な課題についての対策が進まないなどということがあってはならないと思います。今後は教育センターの役割として予防的機能や研究・研修機能の充実が望まれるところです。ぜひ教育センターが中心となり、不登校対応の学校間の格差や現場の意識の格差の解消にイニシアチブをとっていただきたいと考えます。  そこで伺います。早い段階で学校が保護者や本人の状況に合った相談機関や社会的資源を紹介できる「つなげる機能」、それから適応指導教室や教育センターと在籍学級が連携をし、個別の支援体制をつくっていく「つながる機能」の充実に期待をいたしますが、見解をお聞かせください。  そして、東京都の「不登校・中途退学対策検討委員会報告書」によりますと、都内の不登校児童のうち、その年、新たに不登校となった割合は、平成26年で小学生が77.7%、中学生は58.1%と、いずれも毎年高い割合となっています。そのことからも、不登校の未然防止対策・予兆の早期発見に対して、しっかりとした方策をとっていただくことが大切であると考えます。2学期の始まりや定期考査のタイミングで不登校になりやすいということがデータからもわかっているのですから、夏休み中や定期考査前には、心配な子と面談をする、連絡をするなど、担任とスクールカウンセラーや学年主任、管理職で情報共有をすることを促すなど、タイミングや状況に合った働きかけを行うよう、教育委員会としても戦略的に働きかけるべきだと思います。経験豊富な先生や管理職の方は、適切なタイミングで子どもたちや保護者への働きかけをしていただいていると思いますが、先生方個人の経験や資質に頼るばかりではなく、教育委員会としての対応がございましたらお聞かせください。  次に、今年度文部科学省の「フリースクール等で学ぶ不登校児童生徒への支援モデル」の事業委託に東京都教育委員会が手を挙げました。事業内容としては全部で五つのモデルがあります。一つ目のモデルは、民間フリースクールで学ぶ児童・生徒への経済的支援モデルです。これは、民間のフリースクールという選択肢がある中、交通費や遠足など、一部の活動費用を支援していただけるものですが、比較的高額であるフリースクールの入会金や月経費など、現実的に経済的負担になっている部分に関しては適用されないので、非常に使いにくいのかなと思います。  二つ目は、支援員が家庭訪問を行い、学習支援や進路相談などを実施するモデル。大田区の不登校施策としては、家庭訪問などのアウトリーチ型での学習支援や相談体制は大変不足していますので、大田区の課題には合っていると思います。  三つ目は、教育委員会と民間スクールなどが連携を強化することにより、不登校支援体制を構築していくモデルです。このモデルは、学校教育と民間フリースクールでそれぞれの教育的文化の違いはありますが、民間フリースクールなどが持っているノウハウや情報を活用することができます。  四つ目は、適応指導教室など、不登校児童・生徒の状況に応じた学習の場の設定促進のため、コーディネーターの配置をするモデル。大田区の不登校対策を整理、再構築するために、アセスメントの専門家やソーシャルワーカーなどの増員をする場合に使えるモデルだと思います。  五つ目は、適応指導教室などで学ぶ経済的に困窮した不登校児童・生徒の通学費や野外での体験活動費などを支援していくモデルです。経済的な困窮と学業不振、不登校には無視できない相関がある中、子どもの貧困に対応するケアとしても活用できます。  このような国や都の施策を活用していくことも大田区の不登校対策の充実には大切なことであると考えます。国や都とも連携して不登校対策を考えていく上で、民間フリースクールは、その人らしい学びの中で自己肯定感の醸成や最終的な社会化を目指していますが、公立の学校教育の現場では、不登校の出現率の低下や学校復帰をわかりやすい目標として動いています。フリースクールの運営者の方々のお話を伺うと、学校復帰を目標としなくても、その子らしい学びや社会化を目指す中で、結果として学校へ復帰していくケースは少なくないということです。  そこで、最後に伺います。不登校対策のゴールとして、「学校復帰」か「自由な学び」か、どちらか片方ということでは決してありませんが、フリースクールの取り扱いを含めた不登校対策について、文部科学省や都教委からもはっきりとした指針が示されない中、国や都の動向を待っているのではなく、大田区として、大田区の不登校対策をどう進めていくのかという議論を深めていただくことが大切だと考えますが、見解をお示しください。  以上、私からの質問を終わります。お願いいたします。(拍手) ○大森 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎川野 企画経営部長 私からは、広報に関するご質問に順次お答え申し上げます。  区外・区内向けに戦略的に広報した、シティセールス、シティプロモーションの実例、実績についてのご質問でございますが、区では、施策や事業内容によって、区内向けと区外向けに分けて、適宜効果的な広報を行っているところでございます。区内向けにつきましては、区民の皆様にとって有用な施策や事業をわかりやすくお伝えするとともに、地域で行われるイベントや取り組みをタイムリーに紹介することで、区民の皆様の利便性や地域への愛着を高めていただく工夫をしているところでございます。直近の事例で申し上げますと、中央防波堤埋立地が埋め立てられる以前は、大田区民の海苔養殖場として生産と生活の場であった事実を、当時の海苔養殖者の証言や写真を通じてケーブルテレビの区広報番組で視覚的にお伝えをいたしまして、その後、区報やホームページ、ツイッターと連動させ、中央防波堤埋立地が大田区に帰属することの正当性を多角的に広く区民の皆様に情報発信をさせていただきました。  また、区の先進的な取り組みや魅力を区外に発信し、区のイメージアップを図ることも区内産業の活性化や区民の皆様の区への誇りや愛着を持っていただく上で非常に重要と考えまして、報道機関に向けたプレスリリースにも力を入れているところでございます。本年4月から8月までの実績を前年度と比べてみますと、プレスリリースの発信回数が2倍、新聞各紙に掲載された記事数は3倍に増えております。これは発信回数の増加にとどまらず、リリース文の表題をマスコミに取り上げてもらいやすいように、表現に工夫を重ねたことが大きな要因であると考えてございます。また、記者会見につきましても、話題性や視覚に訴えるつくりにした結果、特区民泊事業や区制70周年のイメージソングやイメージキャラクターなどがメディアで大きく取り上げられ、区のイメージアップにつながっているものと考えてございます。今後、区内・区外に向けた情報発信を的確かつ効果的に行うことにより、区の魅力を高めてまいります。  次に、ツイッターのフォロワー数の推移及びホームページの「いいね!」「ツイート」ボタンやコンテンツ評価機能の状況・結果についてのご質問でございますが、区として、ツイッターの導入は、23区中21番目と遅い開始でございましたが、開庁日には1日1回以上のツイートを行い、情報発信のスピード、継続性に努めた結果、フォロワー数は順調に増加し、現在23区中6位のフォロワー数となってございます。  ホームページにつきましては、さらなる「使いやすさ」「わかりやすさ」を目指し、今年3月末にトップページの改修を行い、その際にはスマートフォンページにも「いいね!」「ツイート」ボタンを設置したところでございます。その結果、昨年に比べまして、フェイスブック利用者のホームページアクセス数が約4.5倍増加してございまして、「いいね!」ボタン等で拡散された情報を見たことによるアクセス数の増が、その要因の一つであると分析しております。現在、コンテンツ評価機能の結果を検証・分析しているところでございます。今後さらにコンテンツ等の充実に努め、区民の皆様に愛され、親しまれるホームページとしてアクセス数を増加させ、ツイッターにつきましても、さらなる発信力強化を行い、フォロワー数の着実な増加を図り、区民の利便性をより一層高めてまいります。  続きまして、広報担当職員の研修等において、広報の情報通信技術化、いわゆるICT化の推進について調査研究を進めてはいかがかとのご質問でございますが、今年度から区では、庶務担当課長を中心に選任された広報主任及び各課からの推薦を受けて任命した広報員を対象とした広報研修を、現役の新聞記者を講師に全庁的に行いまして、広報力の強化に努めております。広報のICT化の取り組みといたしましては、現在、区報をはじめとする各種刊行物に二次元コードを掲載し、関連する情報を区ホームページや無料動画サイトYouTubeで閲覧できるようにしており、今後新たに設置する区設掲示板にも同様の仕組みを取り入れ、区の観光サイトや多文化共生推進センターのサイトも閲覧できるようにする予定でございます。また、議員お話しのアプリケーション等のICTを活用した広報活動にも有用であると考えてございます。今後、広報研修などの場でICT化推進に関する調査研究も行い、広報活動強化に資すると判断されたものについては、積極的に取り入れてまいりたいと考えてございます。  最後に、今後の区の戦略的広報の方向性についてのご質問でございますが、現在区では「暮らしてよし、訪れてよし、地域力あふれる国際都市おおた」の実現を目指し、様々な角度から情報発信を行ってございます。区の戦略的広報の考え方として、住んでいる区民の方々が地域に愛着と誇りを持ち、より一層地域力を高めていける共感性のある情報発信と、国外も含めた区外の方々が大田区の魅力に注目し、思わず訪れたくなるインパクトのある情報発信の両面が必要だと考えているところでございます。施策や事業、イベント等の内容によって、区内か区外か、より適した対象を絞り込んで行う場合や、区内・区外の両面を視野に入れ、他の広報媒体も巻き込みながら相乗効果を狙う場合、目的によって様々な広報活動があると考えております。区といたしましては、今後、区民の皆様にとってはより共感性があり、区外に対しては訴求力のある情報発信力の強化に努め、「国際都市おおた」の魅力を区内外に一段と高めてまいります。私からは以上でございます。 ◎水井 教育総務部長 私からは、不登校に関する4点のご質問にお答えをいたします。  まず、不登校の低年齢児童への支援体制についてのご質問ですが、就学間もない時期の不登校には、分離不安等の心因的要因による場合、対人関係の不足や発達に課題があるために集団になじめない場合、ネグレクト等の養育上の課題を抱える場合などの原因が考えられ、早期の対応が必要でございます。親との分離が困難な場合であれば、教育センターでの遊戯療法で徐々に安心感を育み、登校につなげています。また、集団になじめない場合には、特別支援教室でのソーシャルスキルトレーニングが有効です。ネグレクト等の養育上の課題を抱える場合については、スクールソーシャルワーカーの支援で対応しています。このように、低年齢児童には様々な手法や人的資源を活用して、一人ひとりの子どもに適した方法で解決を目指すことが重要であると考えております。今後は、学校のスクールカウンセラーをはじめ、教育センターの心理相談員やスクールソーシャルワーカーとの連携による「チーム学校」としてのサポート体制の強化、教育センターの就学相談における就学前からの支援などにより、それぞれの状況に即した支援を行ってまいります。  次に、不登校児童・生徒を学校が相談機関につなげていく機能の充実と、学校と適応指導教室との連携についてのご質問ですが、学校は、不登校児童・生徒が再登校できるよう、みずから問題の解決を目指すとともに、状況に応じて相談機関等につなげる役割や、相談機関等につなげた後も当該機関と連携して解決を目指す主体的な役割を担っていると考えております。学校では、不登校児童・生徒の個別適応計画を作成し、必要に応じて教育センターの教育相談員等の参加を求めて校内のケース会議を開催し、メンタルフレンドやスクールソーシャルワーカーの派遣など、個別の対応策を検討し実施しています。状況に応じて適応指導教室等につなげる場合もありますが、そのような場合には、教育センターや適応指導教室の相談員が定期的に在籍校を訪問し、その児童・生徒の正確な情報把握と対応策の改善に向けた検討を行っています。このように在籍校は関係機関につなげた後も一定の役割を果たしておりますが、その対応について学校ごとに格差が生じないよう、教員への意識づけをしっかりと行って、連携が一層強固なものとなるよう努めてまいります。  次に、適切な時期や状況を捉えた計画的な不登校の未然防止の働きかけについてのご質問ですが、不登校の未然防止のために教育委員会では、年間を通しての計画的な取り組みと個別の状態に応じた取り組みとを行っています。学校では、年2回メンタルヘルスチェックを実施し、児童・生徒の心の状況を把握するとともに、配慮が必要とされる児童・生徒には個人面談を行うなどの対応を行っております。また、夏季休業中には、小中学校全校で登校日を設定し、児童・生徒の状態の把握に努めております。不登校が疑われる欠席が3日に達した場合には、ケース会議を開催して情報を共有するなど組織的に対応するほか、不登校の傾向のある児童・生徒や適応指導教室に通っている児童・生徒についても、個々の状態を勘案しながら、登校を促すための家庭訪問や個人面談を実施しております。  最後に、フリースクールの取り扱いを含めた不登校対策について、区として議論を深めていくべきではないかとのご質問ですが、学校は、子どもたちが将来、社会的に自立していくために必要な学力や社会性などを身につける場であり、不登校の子どもたちがそのような機会を逃してしまうことは、その子どもの自立にとって大変大きな問題であると認識しているところです。教育委員会では、学校が全ての子どもたちの居場所となることを目指し、その環境改善に取り組むとともに、学校復帰に時間のかかる子どもに対しては適応指導教室を展開し、学習指導講師や心理職を新たに配置するなど、その充実にも努めているところでございます。しかし、不登校児童・生徒の中には、そのような環境にもなじめず、フリースクールに通学したり、在宅で過ごしたりする子どもも現にいることから、それらの子どもへの施策について、区としても議論を重ねていくことは必要なことと認識しております。 ○大森 議長 次に、12番伊佐治 剛議員。                  〔12番伊佐治 剛議員登壇〕(拍手) ◆12番(伊佐治剛 議員) 自由民主党大田区民連合の伊佐治 剛でございます。  まず、福祉施策について3点お聞きいたします。  今年の4月に障がいを理由とした不当な差別的取り扱いを禁止する「障害者差別解消法」が施行されました。大田区でも昨年、大田区障害者差別解消推進本部を立ち上げ、3月には「障害を理由とする差別の解消の推進に関する職員対応要領」を定めました。現在も全庁的な体制でその取り組みを進めているところでありますが、障害者差別解消支援地域協議会の設置に向けた具体的な動きが見えません。  この地域協議会は法第17条第1項に基づく機関で、設置については努力義務でありますが、障がい者の相談を受け、解決に向けて対応することがその役割であり、障害者差別解消法の実効性を高める柱となる機関であります。地域協議会の設置に向け、例えば、地域の障がい福祉の課題について具体的な検討を行うことを目的として設置している大田区自立支援協議会に「障害を理由とする差別の解消の推進に関する事項」を所掌させ、専門部会として障害者差別解消支援地域協議会を機能させていくなど、できる限り早期に実現できる手法を選択すべきと考えますが、まず見解を求めます。  次に、福祉施設等の指定管理者選定についてお聞きします。  昨年8月、両副区長名で「指定管理者の選定方針等について」の通知が出されました。選定方針の中では、原則として公募型プロポーザル方式による選定を行うとし、特命指定を行う場合は、それが不可欠である理由を明確にすることが示されています。大田区では今週の月曜日から就労継続支援B型、生活介護を行っているはぎなか園の指定管理者の申請受け付けがスタートいたしました。  なぜ、指定方法に公募型プロポーザル方式を選択したのでしょうか。こうした福祉施設においては、利用者に対する支援安定性の観点から、運営事業者の変更により支援者が変わることを避けるため、一般的には特命指定が選択をされます。大田区としても指定管理者の選定方針として、施設利用者へのさらなるサービスの向上の観点から多角的な分析・検証を行い、その客観性・妥当性を十分確保することができれば、特命指定を行うことができるとしています。こうした福祉施設の指定管理者選定については、サービスの継続性、利用者支援の視点からも、施設運営において重大な課題がない限りは特命指定を行うべきと考えます。はぎなか園の指定管理者選定において、公募型プロポーザルを行う理由は何なのでしょうか、お答えください。  次に、障害平等研修DETについてお聞きをいたします。  障害平等研修については、大田区議会の有志で研修を受け、本会議でも公明党の秋成議員が取り上げてくださいました。ありがとうございました。障害平等研修は、障がい当事者がファシリテーターとなり、健常の参加者に本当の障がいとは何なのかを考えさせ、それに基づいた行動をさせる研修です。この研修を行っているNPO法人障害平等研修フォーラムは、「大田区における障害の社会モデル理解普及活動−障害平等研修編」という事業において、平成27年度地域力応援基金のステップアップ事業として293万円の助成金の交付を受けました。東京都福祉保健局やオリンピック・パラリンピック組織委員会、また目黒区教育委員会や多摩市、伊勢崎市など、様々な自治体の関係で研修を実施、また大田区教育委員会主催のDET障害平等研修の実施や東京都人権教育推進モデル校である蒲田小学校にて授業を行うなど、大田区の関係機関においても、その事業の有益性が認められてきました。  そして、我々自民党としても、障害者差別解消法の施行とともに、今年度の予算における重点要望として、職員研修でのDETの実施を区長に提言してまいりました。地域力応援基金の助成事業として、区がその意味を認めてお金を出してきた事業であるにもかかわらず、再三求めても、職員研修としてDETを実施しない理由は何なのか、お答えください。全庁的な実施が難しいのであれば、まずは障害福祉課の職員から実施をしてはいかがでしょうか。見解を求めます。  次に、保育施策について2点お聞きをいたします。  大田区では現在、一時預かり事業として、子ども家庭支援センターなど子育て支援施設3施設で定員32名、また、定員に余裕がある場合には、認可保育園2施設、小規模保育所3施設、認証保育所43施設で一時預かり事業を実施しており、近隣区と比較をしても、受け入れ数は少なくない状況であるという見解を示してまいりました。  しかしながら、「おおた未来プラン10年」の平成27年度主要施策の成果の中では、一時預かり事業を実施できた子育て支援施設以外の施設は3施設で、それぞれ延べ5名、延べ13名、そして2名と、結果として子育て支援施設3施設以外の一時預かり事業は十分機能していないと言えます。利用におきましても、事前登録が必要な園がほとんど、また各施設ごとに空きがあるか問い合わせる必要があり、利便性という点でも課題があります。今の状況では、大田区は一時預かり事業が十分実施をされているということは言えません。  先ほど岡元議員が大田区版のこども園について質問されておりましたが、そうした取り組みをもちろん進めていくとともに、既存の認可保育園や認証保育所などにおける一時預かり事業は、そもそもその制度としての見直しが必要であります。一時預かり事業の再構築を求めますが、区の見解を求めます。  次に、小規模保育所についてでありますが、私は平成23年の初質問の際に、家庭的な環境で保育を提供できる小規模保育所の整備の促進を求めてまいりました。大田区では、これまでも積極的な整備を進め、21施設の小規模保育所を開設しました。その取り組みは評価をいたしますが、残念ながら、3歳児になったときの受け入れ先がなく、いわゆる「3歳の壁」が問題となっています。子ども・子育て支援新制度では、受け皿となる連携施設の確保を求めていますが、現状として連携施設の確保は厳しい状況にあります。  区としては、保育所の用地確保が難しい中、積極的な小規模保育所の整備を行っています。しかし、連携施設なくして整備を行っていくことは、結果として新たな待機児童問題を生むことになります。これまでも様々な視点で質疑がなされてまいりましたが、例えば横浜市のように3歳児から受け入れを行う園への連携補助を行ったり、事前の予約制度の運用、また新規保育所において定員に差を設けることで連携施設を確保するなど、新たな取り組みが必要と考えますが、区の見解を求めます。  次に、新たな財政基盤の構築についてお聞きをいたします。  4月に出されたOTAシティ・マネジメントレポートでは、平成37年度までの中長期的な財政見通しが示されました。一般会計の歳入としては、経済成長、経済停滞ケースともに上昇曲線が描かれていますが、歳出においては、増加傾向にある扶助費や他会計への繰出金の増加から、歳入の不足が指摘をされています。区としても、安定的・継続的に行政サービスを提供するに当たり、経常経費の削減への取り組みや事務事業の見直し、特別区債の計画的な活用を具体的な取り組みとして掲げていますが、これまでも私自身、何度も議会質問で取り上げてきました自主財源の確保は、直接的な財政確保の観点から必要であると考えます。  大田区では、デジタルサイネージやホームページ、また窓口封筒への広告表示などによる自主財源の確保に取り組んできましたが、自主財源の確保策としてはまだまだ十分とは言い切れません。次の手法としてクラウドファンディングを活用すべきと考えます。クラウドファンディングは、インターネット経由で不特定多数の小口資金を集める手法で、既に100を超える基礎的自治体でこうした取り組みが行われています。身近な自治体では、墨田区が箱物である「すみだ北斎美術館」を整備するに当たり、クラウドファンディングを活用し、もともと1500万円の目標金額を設定していましたが、今年の5月には4億円を超える資金が集まりました。この資金を活用した積立基金を設置し、美術館の運営経費として現在活用しています。  大田区でも現在、鳳凰閣を活用した勝海舟記念館の整備を進めています。クラウドファンディングのメリットは、単純に財政的な支援だけではありません。住民の関心や意識を高めることができるとともに、こうした取り組み自体が施設のPRにつながります。勝海舟記念館をはじめとした公共施設の整備に関しては、積極的にクラウドファンディングの手法を取り入れていくべきと考えますが、区の見解を求めます。  次に、補助金の見直しについてですが、これまで区議会において、補助金の交付基準の策定と個別事業の見直しを求めてまいりました。大田区では、庁内の統一的な補助金などの交付基準を定める「大田区補助金等交付規則」が制定をされ、4月には補助金見直しの基本的な考え方である「大田区補助金適正化方針」が示されました。選択と集中という視点から見直しに対する姿勢は感じるものの、スクラップ・アンド・ビルドの徹底においては、高率補助を行うことができる例外規定があり、また間接補助の禁止、終期の設定についても例外的な定めがあり、その実効性に疑問を感じます。  今回の見直し方針では、透明性の確保を一つの方向性として示していますが、各補助金交付事業の不断の見直しを行う中で、個別の事業におけるレビューシートを明確に示し、確実な補助金の適正化を行っていくべきと考えますが、見解を求めます。  次に、介護と医療について5点質問いたします。  2015年国勢調査の集計速報値では、医療・介護の分野での就業者は2000年から284万人増加をしており、他の産業から比較をしても大幅に増加をしています。現在、様々な介護現場においては、従事者の確保が喫緊の課題と言われている状況において、低賃金などによる離職者問題というより、需要の増加に人手が追いついていない現実があると言えます。大田区でも着実な介護職員の確保に向け、介護職員初任者研修の受講費用補助制度をスタートさせましたが、残念ながら補助制度の利用は少なく、介護職員の確保に向けた役割は果たせていません。  こうした中、大田区では、高齢者の生涯現役社会を応援していく「絆サービス」の提供者を養成する生活支援サービス養成講座をスタートさせました。内閣府の平成28年度版高齢社会白書によると、今後25年後までの高齢化社会の状況を分析すると、要介護認定率が前期高齢者に比較をして6.4倍である後期高齢者の増加は毎年50万人程度であり、高齢者の人口推計は、比較的元気な高齢者が増加をしていくという数値が示されています。  こうした状況を考えると、養成講座を受講される、まさに介護分野に興味を持ってくださっている人材を「絆サービス」のみで活用を考えるだけでなく、正規職員として介護現場で活躍をしていただくことも視野に入れるべきです。生活支援サービスの養成講座の受講者に、積極的に介護職員初任者研修の受講を進めるべきと考えますが、見解を求めます。  また、2015年国勢調査によると、年齢階層的に若い世代のうち、特に15歳から24歳までの世代で医療・福祉現場の従事者が減少していっています。現在、大田区では、子どもの貧困対策に関する計画の策定準備を進めています。こうした子どもの貧困対策の一環として、高校への進学支援とともに、介護施設における職場体験を促し、資格取得を支援し、将来の介護現場を担う人材を育成していくべきと考えますが、見解を求めます。  次に、介護予防・日常生活支援総合事業についてですが、大田区では現在、要支援1・2の訪問・通所サービスに関して、国基準の現行相当サービスが提供されています。しかしながら、これは平成29年度末までの経過措置であり、新たな区独自基準を策定し、円滑な移行をしていかなければなりません。区の計画として、来年度から順次、現行相当サービスから緩和した基準の訪問・通所サービスに移行をしていく中で、いまだ人員基準や報酬などが明確に示されていない状況は、事業移行における混乱を生む原因となります。早期に緩和基準を示すべきと考えますが、見解を求めます。  次に、介護保険法第4条についてであります。何度も申し上げているとおり、介護保険法第4条には国民の努力及び義務として「国民は、自ら要介護状態となることを予防するため、加齢に伴って生ずる心身の変化を自覚して常に健康の保持増進に努めるとともに、要介護状態となった場合においても、進んでリハビリテーションその他の適切な保健医療サービス及び福祉サービスを利用することにより、その有する能力の維持向上に努めるものとする。」と書かれています。  これまでも区として、この理念を広く普及させていくことを求めてまいりました。結果として、28年度の「みんなの介護保険」に「要介護状態を防ぐためにも、積極的に介護予防事業に参加しましょう」という文言を追加したことは評価をしますが、これにより法の趣旨をどれだけ理解していただくことができるのかは微妙だと思います。前任の介護保険課長の答弁では、「区は今後も様々な機会を通じて、介護保険法第4条の理念を普及啓発する」としています。要介護認定申請の際に窓口の説明の義務づけや、認定の通知の際に法の趣旨を書いた書面を同封するなど、さらなる取り組みの強化を求めますが、お答えください。  次に、基幹型地域包括支援センターの設置についてお聞きをします。  大田区はこれまで、地域福祉課が日常生活圏域内の包括の相互調整や困難ケースの支援を行っている。そして、地域包括支援センターに対する全面的なサポート機能を持つ基幹型地域包括支援センターの役割を実質的に担ってきたという理由で、基幹型包括の設置については、前向きな答弁はありませんでした。基幹型包括の役割は、相互調整や困難ケースへの対応のためだけではありません。委託型包括と同じ専門職種を常に配置することにより、委託型包括の後方支援や、人材育成を行っていく機能もあります。委託型包括を安定して運営していくためには、必要な体制であると考えます。いまだ区既定の配置定数に不足をしている委託型包括がある中において、再度その必要性を検討すべきです。改めて、基幹型地域包括支援センターの設置を求めます。お答えください。  次に、口腔がん検診についてお聞きをいたします。自由民主党大田区民連合では、毎年区内の各種団体との意見交換会を行っており、その一つとして口腔がん検診について要望をいただきました。その必要性から取り上げさせていただきます。  口腔がんは、がん全体としての発生頻度は決して高くはないものでありますが、毎年7000人が口腔がんに罹患をしており、そのうち40%以上の方が亡くなっています。口腔がん自体は、早期発見をすれば後遺症もほとんど残ることなく、治療経過の指標である5年生存率も約90%と、比較的治癒をしやすいがんと言えますが、一般的に口腔がんの認知度は低く、なかなか早期の治療につながっていないという現実があります。  成人歯科健診実施要綱において健診で行うことができる内容は、歯周組織の状況、かみ合わせの異常など、歯や顎にかかわる内容5項目と、それとは別にその他の異常所見となっています。口腔がんにおけるチェック項目はありませんが、口腔がんのチェックをその他の異常所見という項目に当てはめることはできないでしょうか。大田区成人歯科健診において、実施要綱に口腔がんの項目を含めるか、または口腔がん検診を成人歯科健診とあわせて実施をすべきと考えますが、見解を求めます。  最後に、空家対策についてお聞きをいたします。  区は、これまで5回にわたる大田区空家等対策審議会において審議・検討を行い、本年7月11日に大田区空家等対策計画を定めました。この計画では、「所有者等から相談体制を充実する」「助言・啓発や必要な支援を行い、適切な維持管理と有効活用を促す」「公益的な有効活用と空家発生予防に資する施策を推進する」の3点を基本的な方針として定めました。その実現の手法として、相談体制の充実、データベースの整備、空家等の適切な維持管理の促進、空き家等地域貢献活用事業の推進を挙げています。8月には空家総合相談窓口の設置、9月には空家総合相談会の実施など、相談体制の充実や活用事業においては、その方向性が示されていますが、データベースの整備においてその情報をどのように活用するのか、空家等の適切な維持管理の促進に向けどのような支援を行うのか、関係団体との連携を行うのか、明確ではありません。具体的な取り組みをお示しください。  また、特定空家等の判定について、個人所有の財産として慎重な判断が必要です。既に判断基準は示されていますが、今後のこの判断基準について、どのような運用のもと、特定空家等の判断を行っていくのか、お答えください。  以上、13点の質問につきまして明快なる答弁をお願いし、質問を終わります。(拍手) ○大森 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎川野 企画経営部長 私からは、クラウドファンディング及び補助金に関する質問に順次お答え申し上げます。  最初に、クラウドファンディングに関するご質問ですが、区においては、今後、公共施設の整備や運営に多大な経費がかかることが想定されており、いかにその財源を捻出するかが大きな課題となっております。一般的にクラウドファンディングは、寄付型、金銭的なリターンを伴う金融型、また物品や権利を購入する購入型があり、一部自治体ではイベントの開催や設備の購入等に係る資金調達に当該手法を活用するなど、公共のための新しい資金調達の一つとして着目されております。  クラウドファンディングは、事業に関する区内外の関心を高め、多くの皆様から資金を調達できるなどのメリットがあると同時に、大規模な施設整備には活用しづらいこと、また仲介業者への手数料がかかること、自治体への寄付が税控除の対象となることによる税収の減や、運営会社の信頼性が担保できないなどの課題も指摘されているところでございます。区の事業におけるクラウドファンディングの活用につきましては、こうした点を踏まえつつ、多様な資金調達の一つとして、引き続き検討してまいります。  続きまして、補助金の適正化に関するご質問ですが、検証につきましては、19の項目からなる検証シート、いわゆるレビューシートを用いて、方針に定めた全ての項目について既存の補助金が方針に合っているかを確認しているところでございます。補助金は、その補助目的や対象が幅広く、方針の原則に性質上適合しないものもあるため例外規定を設けておりますが、その場合は必要性や妥当性を十分検証し理由を明確にするとともに、定期的な検証を行うこととしております。区といたしましては、今後も引き続き、検証シートを用いた検証のほか、行政評価、また予算査定など、あらゆる機会を捉えて補助金の検証及び見直しを進めてまいります。私からは以上でございます。 ◎中原 福祉部長 私からは、福祉施策及び介護施策について順次お答えいたします。  障害者差別解消支援地域協議会についてのご質問でございます。  本年4月に施行された障害者差別解消法に基づき、区では共生社会の実現に向けて、障がい差別に関する相談への対応、啓発活動等に取り組んでまいりました。議員お話しの地域協議会は、地域における障がい差別に関する相談の情報共有や関係機関のネットワークを構築し、地域における障がい差別の解消をはかるために設置するものでございます。  一方、大田区自立支援協議会は、地域の障がい福祉課題を具体的に検討する場として設置しております。障がい差別の解消を図るには、障がい差別を地域全体の課題として捉え、様々な関係者が参画し検討することがより効果的と考えております。そのため、現在、地域の力を集めた障害者差別解消支援地域協議会の平成28年度設置に向けて鋭意検討を進めてるところでございます。  次に、障がい者施設の指定管理者の選定についてのご質問です。  区においては、民間事業者のノウハウを活かし、利用者サービスの向上を図るため、指定管理者制度を導入してまいりました。また、指定管理者の更新に際しては、従前の指定管理者の実績と継続性を重視し、特命指定をしてまいりました。昨年8月、指定管理者制度の適切な運用を図る観点から、指定管理者の選定は原則公募型プロポーザルによることを方針として決定しました。福祉部といたしましては、この方針をもとに障がい者施設の指定管理者選定に関し検討を重ねてまいりました。その中で、利用者サービスの継続性は重要と認識しつつも、今日の障がい者施設が抱える施設利用者の重度・多様化等の課題を含めて、施設サービスのさらなる向上を担える事業者を選定することが一層求められていることから、障がい者施設の指定管理者選定について、公募型プロポーザルを採用いたしました。  次に、障がい者差別解消に関する研修についてのご質問です。  全ての区民が障がいの有無によって分け隔てることなく、互いに人格と個性を尊重する共生社会を実現することが重要と認識しております。そのため、障がいのある方にきめ細かく、適切に対応できる職員の育成が重要と考えております。職員向け障がい福祉分野の研修については、障害者差別解消法に関する研修、また、障がい理解に関する心のバリアフリー研修をはじめ、各種の研修を実施しております。議員お話しの研修の実施については、来年度に向けて、現在区が行っている各種研修の内容を含め検討してまいります。  続きまして、介護人材確保についてのご質問です。  介護人材の不足が深刻度を増す中、介護人材の確保に向けた取り組みは喫緊の課題と認識しております。区は、昨年度、介護人材対策の新たな事業として開始した「介護職員初任者研修受講費助成事業」をはじめ、今年度、介護事業者、ハローワーク大森と連携し実施している「おおた介護のお仕事定例就職面接会」や「介護就職セミナー」の開催、人材の確保・定着・育成の観点から各種施策を実施しています。  議員お話しのとおり、「介護職員初任者研修受講費助成事業」の平成27年度の実績は予算を下回る結果となりましたが、今年度は、事業者の意見・要望を受けて、さらに効果的な事業となるよう制度を見直しました。また、「生活支援サービス養成講座」の受講者などに対して、積極的に当事業の周知を図ってまいりました。  今後、特に若い世代の介護職の確保に向けた取り組みも含め、介護人材の確保等に向けた有効な対策について、国や東京都の制度等も注視しながら引き続き検討してまいります。  次に、介護予防・日常生活支援総合事業についてのご質問ですが、現在、緩和した基準となる訪問型・通所型サービスの詳細については、サービス提供の関係者である通所介護事業所連絡会、訪問介護事業所連絡会、ケアマネジャーの介護支援専門員連絡会等と協議を重ねております。この事業は、利用者が可能な限り、地域において自立した日常生活を営むことを目的としており、今後安心してご利用できるよう広く周知するなど、準備に取り組んでまいります。  続きまして、介護保険法第4条の趣旨をさらに広げる取り組みについてのご質問ですが、介護保険法第4条第1項で、お話しのとおり、「国民は、健康の保持増進に努め、要介護状態になった場合でも、進んで能力の維持向上に努めるものとする」というように規定されております。区としましても、高齢者一人ひとりが健康を維持し、要介護状態の改善、あるいは悪化の防止に努めることが介護者の負担の軽減等につながり、この理念を広く普及させることで持続可能な介護保険制度に資するものと認識しております。今後、例えば第1号被保険者の方全員に発送する「介護保険料納入通知書」に同封しているお知らせチラシ等にこうした趣旨を加筆するなど、さらなる介護保険法第4条の周知・啓発に努めてまいります。  私からは最後でございますが、基幹型地域包括支援センターに対する質問ですが、区内21か所に設置されている地域包括支援センターが高齢者の総合相談窓口としての役割を果たすために、四つの地域福祉課が、このセンターの支援を適時適切に行うなど、両者の連携が重要であると認識しております。こうした点から、地域福祉課は地域包括支援センターに対するサポート機能を持ち、基幹型としての役割を果たし得るものと考えております。  今後も、区としては、地域包括支援センターへの評価を実施し、レベルアップを図るとともに、人員の確保・育成の支援などを通じて地域包括支援センターの機能を強化してまいります。私からは以上です。 ◎渡邉 保健所長 私からは、口腔がんに関する質問にお答えいたします。  口腔がんについては、早期発見・早期治療についての必要性は十分認識しております。毎年度6月に発送する歯科健診受診票の個別通知におきまして、40歳、50歳、60歳の対象者に、歯周病は、がんなど各種病気につながることを掲載したチラシを同封し注意を促しております。また、大田区ホームページにおきまして、口腔がんについての説明と自己チェックを掲載するとともに、専門相談のために歯科医師会のホームページにリンクできるようにしてございます。成人歯科健診おいては、国の示すマニュアルで項目として口腔がんが示されているわけではございませんが、健診の内容として現在も口腔内の観察は実施しておりますので、成人歯科健診実施要綱について改めて内容を精査してまいります。今後とも、ホームページの内容の充実等、口腔がんの周知啓発により努めてまいりたいと考えております。私からは以上です。 ◎後藤 こども家庭部長 私からは、保育に関する2点のご質問にお答えいたします。  初めに、一時預かり事業の再構築についてのご質問であります。  保護者のリフレッシュなど、理由を問わずに時間単位で利用できる一時預かり事業は、現在キッズなルーム大森、六郷、保育室サン御園を中心に実施しております。平成28年度は、キッズなルーム大森の定員を増やすなど既存施設における拡充を図ってまいりました。また、平成29年4月開設予定の(仮称)糀谷駅前保育園のように、保育施設の新規開設時に一時預かり事業を展開するなど、事業の拡充を図っているところでございます。今後もこのような既存施設での拡充に加え、新規保育施設の開設や、公共施設の更新整備に合わせ、一時預かり事業の拡充の可能性を検討してまいります。  次に、小規模保育所卒園後の「3歳の壁」についてのご質問ですが、区では、前身の東京スマート保育を引き継ぎ、特に保育ニーズの高い1・2歳の保育サービスとして小規模保育所を積極的に整備してまいりました。今年度においても5施設を新たに開設する準備を進めております。小規模保育所は、その施設規模から機動的な事業展開が可能となるため、低年齢児の待機児解消対策として極めて有効な事業でありますが、一方で、卒園後のいわゆる「3歳の壁」対策が喫緊の課題であると認識しております。  議員ご提案の連携園に対する補助や事前予約制度の導入についてでありますが、区では、その前にまずは近隣の区立保育園との連携や新たに開設する保育施設のクラス定員に差を設けるほか、認証保育所の認可化に向けた移行支援を積極的に進めてまいります。加えて教育委員会と連携し、幼稚園施設を活用した預かり保育の拡充を進めてまいります。  今後、国の特区制度における小規模保育所の年齢制限の緩和の動きも踏まえながら、区として、小規模保育所卒園後の利用者の不安を解消できる子育て環境の整備に取り組んでまいります。私からは以上です。
    ◎黒澤 まちづくり推進部長 私からは、空家対策に関する2点のご質問にお答えいたします。  まず第1点目ですが、データベースの活用、適切な維持管理に向けた支援、関係団体との連携に関するご質問ですが、データベースの活用につきましては、地理情報システム(GIS)を利用し、空家の所在地、現況などの情報を庁内関係所属が共有し、個々の空家の状況に応じた適切な対応を連携して行えるよう、その態勢を準備しております。  次に、適切な維持管理の促進に向けた所有者等への支援につきましては、様々な状況を抱えた所有者等からの相談に対して、ワンストップの空家総合相談窓口によりきめ細やかに対応してまいります。また、区報、ホームページ等様々な媒体を通じて、適正管理に役立つ情報の提供を関係団体の皆様とも協力して行ってまいります。  最後に、関係団体との連携でございますが、本年7月に、建築・法律・不動産・福祉の関係団体と空家等対策に関する協力協定を締結いたしました。本協定に基づきまして、各団体においても区民からの相談に応じる体制を整えていただきました。さらに、9月26日から毎月1回、空家総合相談会を実施してまいります。相談会では、各団体スタッフからの専門的かつ多角的な助言によりまして、相談者のよろずお困りごとにお答えしてまいります。各団体との連携の力を活かして、空家対策に力を入れて取り組んでまいります。  次に、特定空き家などの判断基準についてのご質問ですが、空家等対策の推進に関する特別措置法では、倒壊等著しく保安上危険な状態や、生活環境の保全を図るために放置することが不適切な空家を特定空家としております。特定空家に対しましては、特別措置法に基づき助言・指導、勧告等の措置を行いますが、ご案内のとおり、固定資産税等の課税特例の解除など所有者の不利益となる場合がございます。したがいまして、区が特定空家の判断を行うに当たりましては、事前に、大田区空家等対策審議会において公平公正な審議をいただくこととしております。  この特定空家の判断基準につきましては、このたび空家等対策計画とあわせて、詳細かつ客観的に定めたところでございますが、この基準の運用につきましては、所有者の事情や状況を十分把握し、建築・不動産など専門的な見地からの実態調査を丁寧に実施した上で審議会にお諮りしてまいります。私からは以上でございます。 ○大森 議長 次に、8番伊藤和弘議員。                  〔8番伊藤和弘議員登壇〕(拍手) ◆8番(伊藤和弘 議員) 自民党の伊藤でございます。区への悪口だったり、区政への反対とかは野党の皆さんに任せるとして、きょうは大田区にとって必要なことをいくつか提案させていただきたいというように思っています。  まず、臨海部についての話であります。  大田区の特徴は言うまでもなく、ものづくり、工業だというように思っています。この工業を守るということは、やはりこれはとても大切なこと。これはこれから先、将来にかけても必ず大切なことだというように思っております。ただ、その中で用途地域というものがあり、工業専用地域というのがあります。この工業専用地域の指定をしたのはもうはるか前、かなり前のことでありまして、今の現状に合っているのかなというと、なかなかそうでない場合があります。内陸地の中にある工専地域はともかく、特に島の部分、臨海部の部分で、島全体が工専に指定されているような場合、こういった場合は、仕事はしやすくはなっているんでしょうけれども、一方で不十分な部分が出てきてしまっています。  例えば、工専では物販店が認められていません。その結果、従業員の人たちがちょっと買い物に行くということができません。せめて今の時代ですから、コンビニぐらいのものはつくれるようにしてあげたほうが、工業の発展のためという意味でもいいのではないかと思っています。また、少し話が飛躍しますけれども、いずれ大変交通不便な島部に対して、もしかしたら水上タクシーのようなものの出番が来るかもしれません。そういったときに、水上タクシーの待ち合い場所も、今の工専のままでは大変つくるのが難しいということが言えます。  そこで何をすればいいか。用途地域の変更が工業を守るというものにおいて、非現実的だろうと思っておりますが、例えば特別用途地域に指定して、そこの部分で物販店だけは、大きさは制限するかもしれませんが物販店だけはいいよと、また地区計画で実現するという手ももちろんあるかもしれません。しかし、特別用途地域をかけることで、区の姿勢として、工業の人たちの利便性をもっともっと考えているんだという、そういった姿勢をあらわすことができるのではないかと思っています。  ご承知の方もいるかもしれませんが、特別用途地域の指定というのは全国で数多くありますが、そのほとんどが制限を強化するものであります。制限の緩和をするという特別用途地域は非常に珍しい。先日、我々も行政視察で京都へ行きまして、規制を緩和している特別用途地域というものを実際に見させていただいてまいりました。やはりそこには行政の強い意思が感じられて、この地域はこういうふうに発展させていくんだというその思いをあらわす大変にいい制度ではないかと思いますので、一つ提案をさせていただくところであります。  続いて、臨海部も含めてですけれども、景観条例というものがあります。景観条例の本をしっかり見ていきますと、項目の一つに、船からの見え方を意識する、船からの見え方に配慮しなければならないという項目があります。しかし、実態はどうでしょうか。  例えば天空橋の船着き場から船に乗って運河を、海老取川を進んでみます。どんな景色が見えると思いますか。実際に見たことのある方も大勢いらっしゃると思いますけれども、とても景観に配慮してつくってあるとは言いがたいものであります。それは民間の建物だけではなくて、堤防のつくり方であったり、桟橋のつくり方もそうです。そして、橋のつくり方もそうです。全く景観というものに配慮したとは思えないつくりであります。  例えば桟橋で、これから跡地が開発されると思いますが、跡地を含めた景観。そして、ふるさとの浜辺にも桟橋ができてきて、ビーチバレーのコートができるという、ふる浜の景観。さらに進んでいくと、流通センター、流通センターのところもこれから開発されていく、その景観。そしてその少し手前にあります大田市場の前のエリア。港湾局の持っている今資材置き場になっているエリアですが、あそこなどは船から一番よく見えるところであるにもかかわらず、工事用の資材が積んである、工事現場が見えている。これをしっかりと景観をよくする、これから多くの方たちを大田区に呼び込んでいくときに、やはりこの景観というものは考えなければならないのではないかと思っています。  これから開発される地域については、恐らくそういうことも考えてデザインをしていただけると思いますが、既に今ある堤防ですとかの見方がどうやったらよくなっていくだろうか。例えば一つ提案するのは、近所の学生さんたち。工学院をはじめとする学生さんたち、また美術学校の学生さんたちによってペインティングをしてもらう。堤防のペインティングのコンテストをして、例えば半年ごとに毎回違ったデザインを描いてもらうなどのお金のかからないやり方があるのではないかというようにも思っているところです。  また、先ほどの大田市場の前の資材置き場については、もっともっと使い道があります。景観をよくして、さらに大田区の新しい観光地化、集客施設をつくることができるのではないかと思える地域であります。この地域については、地元のまちづくり協議会が既に発足されていて、まちづくり協議会からグランドデザイン案というものを提出していただいているはずであります。ぜひその案をたたき台にして、早急に大田区としてのグランドデザイン、グランドビジョンというものをつくっていただいて、それをもって東京都と交渉していただきたい。急がないと間に合わなくなってしまいますので、ぜひこの作業は急いでいただきたい。  そしてさらに、そういったところにできる新しい施設。空港の跡地もそうですけれども、景観条例に載っている住宅地の景観の配慮とはまた違う、別の目的の景観の配慮が必要だと思います。例えばそれは景観形成重点地区に指定してもいいと思いますが、プロジェクションマッピングですとか、新しい色合いのビルですとか、ガラス張りの建物ですとか、そういったようなものもアイデアによっては可能だと、周りとマッチしている、また目的とマッチしていれば可能ではあるよと、そういう地区に指定することも多くのすばらしいアイデアをいただくための準備として必要なのではないでしょうかと思っているところであります。  また、運河のことですから、流通センターの桟橋を過ぎれば、すぐに今度は品川区になります。大田区だけで考えるのではなくて、お隣品川区とも連携しながら、大田、品川の運河の有効利用というものを今考えていくべき時期に来ているかなと思っているところであります。ぜひ地域の団体の皆さん、また事業者の皆さんたちとも協力しながら、新しい水辺空間、新しい景観地域というものをつくっていっていただければと期待するところであります。  次に、スポーツコミッションについてお話をさせていただきます。スポーツコミッションというのは、あくまで私が勝手につけた名前であります。  その中身は、今、新スポーツゾーンというのが区から提案されておりますが、このスポーツゾーンの中にある施設、それぞれの施設が今自分の施設だけの運用を考えているのではないかというように思います。自分の施設の利用率を上げる、自分の施設をきれいに使う、そういったことに重点を置かれて運営をされているように思われます。しかし、これからはこのゾーンをつくった意味合いを考えて、それぞれのスポーツ施設同士の連携、それぞれの回遊性といったものをトータルで考えることが必要なのではないかと思います。特に「見るスポーツ」というように、多くの観客が集まるハイレベルな試合がこれから行われていくと思います。そういった試合を見に来てくれた多くの観客の人たちを満足させるにはどうしたらいいでしょうか。  先日、高校野球の大会で大田スタジアムへ行ったときも、満員に近いぐらいの観客が入っていました。しかし、その大勢の観客が求めた売店はスタジアムの中に一つしかなかったわけであります。ビール1杯買うのに30分近く並ばなければいけない。下手したら試合が終わってしまうというような状況になってしまいますので、そこは観客が集まる試合のときだけでもいいので、フレキシブルな対応ができるようなことを考えるとお客さんの満足度も上がるのではないか、そして、区としても収入が上がるのではないか、新しい観光施設になるのではないか。例えとして出しているだけですけれども、大田スタジアムの指定管理の方々がそこまで考えてくれていれば広がってくると思うんです。ただ、施設運用だけを考えていたのではそういったところのアイデアは出てこない。もっと言えば、大田スタジアムまでどうやって人を運ぶんだろうか。公共交通のことまで考えなければなりません。  そうなると、そのスタジアムの指定管理者だけでできることではなくなってくると思います。まして、そこにほかの施設、大田区総合体育館も含めてたくさんのスポーツ施設を連携させていこうとすると、それぞれの話し合いだけではなかなか難しい。もっともっといろんな部署にかかわる人たちが必要になってくると思います。  観客のための施設の飲食だけでなく、施設の外での飲食、行きや帰りの飲食。また、スポーツ関連のスポーツグッズの販売店。また、そこへ行くまでの移動の手段。もしかしたらスポーツ施設同士の回遊性。そして、遠方から来てくれる人には宿泊の手配。また、もちろんどんな試合をやっています、どんな施設がありますといった広報や宣伝。そして、そのスポーツイベントを行うに当たっての必要なときには道路等の使用許可。そういったものまでを全部担っていただけるような組織ができていると、それぞれの施設をもっともっと有効に使えて、そして来てくれたお客さんたちがもっともっと楽しんでもらえるのではないか、もっともっとお金を使ってもらえるんじゃないかというようにも思っております。  ですから、そういった施設のそれぞれの企画をする部署を私はスポーツコミッションと呼んでいるわけであります。これは、できることなら小さな施設で結構ですから、民間のノウハウを持った人たちが行ってほしい。ただ、そこで大枠というものをはみ出してはいけませんから、役所の関連の人たちは例えば理事会みたいなものをつくって、その全体のコミッションの方向性を常に監督していく、実務は民間に任せるというのが、大きくこのスポーツコミッションを飛躍させられる原因になっていくと思っています。  また幸いなことに、いいタイミングで今、平和島ユースセンターの改築が行われるということをお伺いしました。地理的にも、そしてその役割的にも、このスポーツゾーンの中心的な施設になることが可能なのではないかと思っています。ですから、ぜひスポーツコミッションの本部もユースセンター内に置いていただいて、そして全体の施設を管理監督してもらう。もしかしたら、今これからやろうとしているシェアサイクルなども十分に活用ができるのかなという思いもあります。そして、それぞれの施設を使った人たちだけではなくて、今、臨海部で大変に増えているサイクルスポーツの人たちやマラソン、ロードランナーの人たち、そういった施設を実際には使っていない人たちでも、その最後はユースセンターへ来て休憩ができる、着がえることができる、お風呂に入ることができる、そういったことができれば多くのスポーツマンにとってこのスポーツゾーンが定着していくのではないか、有効に使われるんじゃないか。そこまでやるだけの実力がこのゾーンにはあるだろうと思っているところであります。  特にふるさとの浜辺がこれからいろいろなスポーツの中心、スポーツの種目が増えてくると思いますが、ふるさとの浜辺からも近いユースセンター、ここを有機的につなげることによってお客さんの満足度も上がってくるんだろうというように思います。ぜひ検討していただきたいと思います。  ただ、ユースセンターも実際には敷地の制限ですとか、建て替えコストの制限とかがあるはずでありますから、無駄な施設まではつくるわけにいかないという面であれば、例えば近隣の民間のクアハウスを利用して、大浴場が必要なときにはクアハウスの割引券をあげる。契約をしてクアハウスをユースセンターの大浴場として使ってしまうようなことも視野に入るのではないかなと思っております。  そういった地域全体の地域資源というものをどんどん使っていただくことで、逆にまちの価値も上がっていく、お客さんもどんどん集まってくれる、こういったことがこれから求められていくのではないかと思っているところであります。ぜひこの件についてもご検討いただきたいし、今、全国的にはスポーツコミッションのような動きが実際には進んでいます。大きな組織で進んでいる面があります。ただ、あまりに大きな組織ですので、今申し上げたような具体的な動きにはつながっていませんが、大きな組織として、考え方として、全日本スポーツコミッションのような動きがあることはお聞きしているところであります。  そして最後に、オリンピック・パラリンピックについても一言提案をさせていただきたいというように思っています。  大田区でかねてより要望していましたソフトボール大会。私はまだまだ諦めていません。正式な表明もあったわけではありません。大田区も一度は引っ込めたあののぼりを改めて出していただきましたので、これはいいことだなと思っているところであります。ソフトボールを、万が一、正式にほかの球場でやると、たとえ発表されたとしても、しかし、それでもまだオリンピックまで3年ある。何が起きるかわかりません。ここは常に準備を続けておく必要があるだろうと思っています。羽田空港から近い、そして球場の大きさはしっかりと認定のサイズを持っている、この二つの事実だけでも、私は予備的なものとしては常に準備をしておく、そういう立場にあるのが大田スタジアムではないかと思っています。  決して諦めないでいただきたいし、そもそもオリンピックで使用するというのは、オリンピックが目的ではなくて、オリンピックをきっかけとしてその後のまちづくりに活用するためのものであると思っています。ですから、大田スタジアムもオリンピックのために整備をします。しかし、オリンピックがあろうがなかろうが、大田スタジアムの価値は上がっていく。オリンピック後に、この大田スタジアムは違った目的でも使えるようになっている。そのことが最も大切なことだろうと思っています。  先ほどのスポーツゾーン、新スポーツ健康ゾーンや臨海部の開発、そういったものと連携させていくことで、大田スタジアムももっともっとその活躍の場は広がっていくわけであります。ほかの競技会場もそうだろうと思います。いろいろな会場を整備することは、オリンピックのためにやるのではなくて、オリンピックをきっかけとして整備をして、そしてその後、大田区民のためにしっかりと活用されていく。そのことまで頭に入れて整理をしていくべきだろうというように思っているところであります。  ただ、オリンピックまでの期間は、やはりオリンピックを意識しなければなりません。今ある施設を有効に活用するために、前からお話が出ているのが、例えば事前キャンプというお話は出ています。もちろん、やらないよりはやるに越したことはありませんが、ただ、事前キャンプの波及効果というものは、思うにどれだけ大きいのかなと思います。事前キャンプというのは、基本的には選手の方たちとそのスタッフの方たちの集まりでありますから、大勢の人数が来るというものではないと思います。もちろん来てもらうときの約束事で、大田区民に練習を公開してほしいとか、終わった後にスポーツ教室を開いてもらうとか、そういったことはやってもらえる可能性はあると思いますが、それでも経済波及効果が大きいと言えるようなものではないだろうと思っています。ですから、事前キャンプをまず一つやるとしても、それだけではなくて、ほかにもオリンピックの季節に大田区に対して大きな経済波及をするものを考えていきたいと思います。  そこで提案をするんですが、実はきのう区長がお話の中で、リオのオリンピックの会場の近くにある日本ハウスの話をされていました。よくご存じだなと実はびっくりしたんです。本当に情報収集がすばらしい。日本ハウスというのは僕も先週初めて聞いたんですが、実はリオに行ってきたほかの区の自民党の議員、現地を視察に行ってきた自民党の議員から聞いたんですが、オリンピック競技場の周辺に各国のパビリオンがある。日本のパビリオンのことを日本ハウスと呼んでいるらしいんですが、アメリカはアメリカハウスとか、そのネーミングはどうかと思うんですが、そこで、世界中から集まってくる観客に自分たちの国をアピールする、競技とは一つ違うレベルですけれども、自分の国を紹介する、自分の国の文化を発表する、発信するという、そういった施設が国ごとに、都市ごとにあるそうなんです。これは効果が大きいと言っていました。中で話を聞かせてもらうと、競技で勝つのと同じぐらいパビリオンを使った宣伝効果というものは意味があると。だから、リオでも、日本ハウスがしっかりと日本の宣伝をしてきているんだという話でありました。  これは、例えば東京オリンピックのときに、どこかでパビリオンをつくりたいという国や都市があったときに、大田区が手を挙げれば、条件的には非常に有利になるのではないか。羽田空港から近い、そして選手村の通り道である、競技会場の中途にあるということで、遠回りをしないで一般の観客が恐らくここを通るだろうという場所にパビリオンがあることが大変有効だと思います。  ただ、わざわざ建物を建てたり、大阪万博のときのようなああいうテントを建てるということではなくて、今ある既存の建物、例えばPiOをオリンピックの期間と前後、例えば2か月間、ある一定の都市や国に丸ごと貸してあげる。自由に使ってくださいと。そうすれば、PiOやアプリコ、いくつかの施設をそのままパビリオンとして使ってもらえれば、3か国、4か国がこの大田区で各国の宣伝をしてくれる。そのことで、そこに興味を持った人たちがこの大田区に集まってくる。羽田からの行きや帰りにそこに一足止めてもらえる、そういった機会になるのではないかと思っています。  僕はこの話を聞いたときに、大変に残念、自分もリオへ行けばよかったなと、今回の視察でもリオを入れればよかったなというように思っているところであります。やはり視察、現地に行って見ることはどんなに大切なことなのかなということを実感したわけであります。  例えばの私の提案でありますから、そのことを必ずしもということではなく、もっといいアイデアがあればどんどん採用していただきたいと思いますが、今そういう話を聞きましたので、これも一つの選択肢に入れておくといいのではないかと思いました。  最後に、オリンピックに対して有効なことは、ハードの面だけではないということであります。先ほどのお話にもありましたが、青山 やすし先生のオリンピックレガシーについてのレクチャーの中で、やはりオリンピックレガシーというものはハードのものだけではないと、どれだけソフトの部分を残せるかだぞというようなお話がありました。オリンピックが来たときにそれを受け入れる側の、例えば青少年がボランティアとしてオリンピックに関わりを持って、そのことで国際的な感覚を身につけられるとか、おもてなしの心をみずから実践できるとか、そういったようなソフトな面の効果も非常に高いんだぞと。それこそはしっかりレガシーとして後々残りますよというようなお話を聞かせていただきました。まさにそういった視点も必要だろうなと感じたわけであります。  いずれにしましても、これから大田区、もっともっとよくなってくる可能性がいっぱいあります。ぜひその可能性を潰すことなく伸ばしていきたい。伸ばすのが我々議会だと思っておりますので、皆様とともに頑張っていきたいと思います。以上で終わります。(拍手) ○大森 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎川野 企画経営部長 私からは、スポーツゾーンの回遊性に関するご質問にお答え申し上げます。  区は、平成24年6月に「スポーツ健康都市宣言」を行い、東京2020オリンピック・パラリンピックを契機に、区民のスポーツ振興及び健康の増進、次世代に向けた夢とレガシーの創出、地域特性を活かした国際試合の積極的な開催などに取り組んでいるところでございます。また、スポーツを観光資源としたツーリズムの可能性も高まる中で、大田区には、羽田空港や東京2020大会の競技会場から10キロ圏内に、大田区総合体育館、大田スタジアム、そういったスポーツ施設や宿泊施設がコンパクトに集積しているという地の利、メリットがございます。  集客力を有する公共施設において、国際試合などの催しに訪れる人々が、周辺の観光スポットやグルメ、区独自の文化などを体験し、交流できる機会を提供し、地域全体で回遊性やまちの魅力向上に取り組むことで、地域に新たな経済波及効果をもたらし、にぎわいと活力を生み出すことができると考えてございます。  このように、スポーツゾーン周辺の回遊性を一層高めていくことにつきましては、施設ごとの企画・運営のみならず、観光、産業、文化、回遊性を高める施設や都市基盤の整備、おもてなしの視点など、多面的にゾーン全体を俯瞰した戦略的な取り組みが必要です。また、このような取り組みを単独の部署で進めていくことは困難ですので、関係部局が連携し、協力しながら取り組んでいくことが大切だと考えているところでございます。  区民の皆様だけではなく、区を訪れた全ての方々に常に区の魅力と活力を感じていただき、「住んでよし、訪れてよし」のまちづくりのための、活力とにぎわいをもたらすようなエリアマネジメントを目指し、議員のお話を踏まえまして検討を重ねてまいります。私からは以上でございます。 ◎茂呂 スポーツ・文化担当部長 私からは、東京オリンピックに向けて区の取り組むべきことの一つとして、各国パビリオンの誘致があるのではないかとのご質問にお答えをいたします。  区では、東京2020大会を契機として、大田区オリンピック・パラリンピックアクションプログラムを策定し「スポーツ健康都市」及び「国際都市おおた」としての取り組みを推進しております。各国パビリオンにつきましては、リオ大会におきましても多くの国が出展し、自国のPR等に活用しております。このようなパビリオンの誘致は、東京2020大会を契機とした大田区の活性化につながるものと考えております。区の施設等を活用して事前キャンプ相手国等を中心に誘致に努めてまいりたいと思います。以上でございます。 ◎黒澤 まちづくり推進部長 私からは、臨海部における建築制限、景観、にぎわい、土地活用の3点につきましてお答えさせていただきます。  まず第1点目として、臨海部において、産業の操業環境を守りつつ、従業員の皆様の利便性を向上させる建築制限の緩和についてのご質問でございます。  昭和島、京浜島、城南島等の埋め立て島部につきましては、大田区都市計画マスタープランにおいて、工業系施設を立地・誘導し、ものづくり企業の操業環境の維持・向上を図る、あわせて流通業務施設の集約を図るという「産業活力展開型市街地」と位置付けております。  また、用途地域は、大部分が「工業専用地域」に指定されておりまして、議員がお話しになりましたとおり、原則として飲食店や物品販売店は立地できないこととなっております。区としましても、3島で働く方々の利便性につきまして、ご指摘のような課題があることは十分認識してございます。3島の各産業団体と区でつくる臨海部3島連絡協議会での意見なども踏まえ、3島で働く方々の利便性を高めるために必要な施設の立地につきまして、今後検討を進めてまいりたいと思います。  次に、景観についてのご質問ですが、「大田区景観計画」におきまして、空港臨海部は景観形成重点地区と位置付けております。  内陸部における基準とは異なりまして、空港臨海部におきましては、船、モノレール、高架道路、橋梁などからの見え方をしっかりと捉えて、空と海の玄関口にふさわしい景観づくりを進めるという方向性でございます。  具体的には、一定規模以上、高さ15メーター以上の建築物や工作物、床面積2000平米以上、あるいは外壁面積2000平米以上の建物、工作物につきまして、その形態や色彩、さらに水辺との連続性などについて指導しております。  景観は大田区まちづくりにとって大きな財産でございますが、とりわけ臨海部におきましては、海上公園の緑や水と空との調和、そして水際線の美しさなど、特に重要な要素がたくさんございます。また、護岸や遊歩道のしつらえなどについても一定の配慮が必要というように考えております。  議員ご指摘のように、魅力あふれる景観づくりがとりわけ臨海部においては重要であると考えておりますので、空港臨海部における景観形成については、特に留意して今後も取り組んでまいりたいと考えております。  最後に、臨海部における未利用地や低利用地の活用についてのご提案、ご質問がございました。  議員ご指摘の当該地は、京浜運河に沿った東海二丁目に位置する東京都が所有する土地でございますが、東京都港湾局が平成26年11月に改定いたしました東京港第8次港湾計画において海上公園予定地に位置付けられているところでございます。一方、臨海部は、国際競争力向上に資する陸・海・空の拠点が存在し、広域的な交通や物流、水辺を活かした観光、にぎわいが期待される重要なエリアでございます。したがいまして区はこの間、地域の皆様とともに、臨海部のポテンシャルが発揮されるようなまちづくりに取り組んでおります。  このような視点から、未利用地、低利用地の活用につきましては、東京港港湾計画や大田区都市計画マスタープランなどの土地利用計画と、昭和島、京浜島、城南島の3島連絡協議会や大田臨海部まちづくり協議会など、地域の皆様の要望を踏まえ、臨海部の活性化に寄与する土地利用について東京都等へ働きかけてまいります。私からは以上でございます。 ○大森 議長 次に、34番黒沼良光議員。                  〔34番黒沼良光議員登壇〕(拍手) ◆34番(黒沼良光 議員) 日本共産党大田区議団、黒沼良光です。質問通告に従って順次質問します。  まず、大田区の住宅政策について質問します。  住まいは人権です。住まいは全ての区民にとって生活の基盤です。所得の多い少ないにかかわらず、誰もが必要不可欠とするのが住まいです。ヨーロッパではこうした福祉的観点で住宅政策が実施されてきていますが、大田区の住宅マスタープランの内容は、区民に真に必要な住宅政策とは言いがたいものです。しかも、公営住宅法の位置付けが全く無視されています。公営住宅法は、国及び地方公共団体が協力して、健康で文化的な生活を営むに足る住宅を整備し、これを住宅に困窮する低額所得者に対して低廉な家賃で賃貸し、または転貸することにより国民生活の安定と社会福祉の増進に寄与することを目的として制定された法律です。  大田区住宅マスタープラン作成の同年に変更された住生活基本法に基づく「国民の住生活の安定の確保及び向上の促進に関する基本的な計画」には、「住宅困窮者が多様化する中で、住生活の分野において、憲法第25条の趣旨が具体化されるよう、公平かつ的確な住宅セーフティーネットの確保を図っていくことが求められている」と記され、住宅は人生の大半を過ごす欠くことのできない生活の基盤であり、家族と暮らし、人を育て、憩い、安らぐことのできるかけがえのない空間であるとともに、人々の社会生活や地域のコミュニティ活動を支える拠点でもあります。住宅は「都市やまちなみの重要な構成要素であり、安全、環境、福祉、文化といった地域の生活環境に大きな影響を及ぼすという意味で社会的性格を有するものである」と、住宅の大事な中身と位置付けが明らかにされています。これはよく考えられた文章だと思います。続けて、住生活基本計画は、「住宅は個人の私的生活の場であるだけでなく、豊かな地域社会を形成する上で重要な要素であり、個人がいきいきと躍動し、活力、魅力があふれる社会の礎として位置付けることができる」とも述べています。  ところが、大田区は、住宅は私的財産であり公的な支援や補助の対象ではないとの立場で、社会的性格を有するという点が欠けています。それは住宅募集状況にあらわれています。区民の求めているのは公営住宅法に示されている低所得者への低廉な安価な公営住宅です。過去5年間の区営住宅の申し込みは、2011年申込者1294人、倍率38.1倍、2012年申込者1345人、倍率49.8倍、2013年申込者1037人、倍率41.5倍、2014年申込者607人、倍率20.2倍、2015年申込者1345人、倍率64.0倍となっています。シルバーピアも、2011年世帯申込者220名、倍率73.3倍、単身申込者513名、倍率51.3倍、2015年世帯申込者169名、倍率14.1倍、単身申込者420名、倍率35.0倍と、区営住宅同様、圧倒的に不足しています。  2001年に改定された大田区住宅マスタープランには、かろうじて、公的住宅の供給目標を決めていましたが、区営住宅120戸、シルバーピア380戸という極めて少ない目標でした。応募率に示されるように区民の実情に見合った計画がないことが問題です。その結果、改定された2011年、大田区住宅マスタープランでは、充足しているということで5年間供給実績はゼロです。5年前の改定時に建設計画を持たなかったからです。  そこで質問します。申し込み状況に見合った計画をつくるべきです。公営住宅法第3条には、「地方公共団体は常に区域内の住宅事情に留意し、低額所得者の住宅不足を緩和するために必要があると認めるときは、公営住宅の供給を行わなければならない」とあります。区はこの立場に立ち、必要な公営住宅の建設をすべきです。お答えください。  住生活の安定の確保にとって最大の課題は、住居費負担です。2016年の大田区高齢者の住まいの確保に関する基本方針には、高齢者の所得の状況、支出できる月額費用、家賃の負担額、月額利用料金など、詳細に記されています。しかし、大田区住宅マスタープランにはこれを保障する家賃の項目がありません。収入が少ない年金者や低賃金の若者は、払える住居費の低家賃住宅を求めています。私は、国交省が住宅宅地分科会に提出した資料と、総務省の消費実態調査を調べてみました。30歳未満の勤労者単身者世帯の1か月当たりの平均消費支出に占める住居費の割合は、1969年の5%から2009年には男性20%、女性31.1%と、いずれも大幅に負担が増えています。公営住宅入居者の収入は世帯で月10万4000円以下が約80%などです。これらはマスタープランの3万6000戸が流通過程にあり、充足していると言いますが、入居できる家賃を示さないで流通過程にあると言っても絵に描いた餅です。  そこでお聞きします。大田区住宅マスタープランには、家賃、所得の状況の記載がありませんが、高齢者住まいの基本方針に記されていると同様、住居費についても位置付けて盛り込むべきです。10年ごとに改定されるプランは今年5年目で折り返し点です。後半に向けてよい機会です。お答えください。  マスタープランには、大田区は住宅戸数の伸びが世帯数の伸びを上回っており、2008年時点で空家も4万4000戸あり、そのうち8割以上の3万6000戸は流通の過程にあると考えられるとしています。こうしたときに、政府の住宅宅地分科会で民間の空家・空き室を活用した準公営住宅構想が示されています。国土交通省は、耐震性などの基準を満たす空家の民間アパートや戸建て住宅を準公営住宅に指定、子育て世帯などに貸すことを認める、家賃も助成検討するとして、2017年の通常国会に関連法案提出を目指すと日経新聞に報じられました。  そこでお聞きします。3万6000戸の流通過程にある住宅を有効活用するため、民間宅地の住宅の空家を活用した家賃補助による準公営住宅構想はあるでしょうか、お答えください。  同じく、家賃助成で伺います。結婚、出産を希望する若年世帯、子育て世帯が安心して暮らせる住生活の実現について、区民住宅で実施されている家賃助成を民間住宅に広げて支援制度を拡充するよう求めます。区の実施している助成制度は、区民住宅の新婚世帯への助成で49世帯のみです。低廉な公営住宅の設置はもちろんですが、民間にも拡大して住宅費助成制度の拡充を求めます。お答えください。  次に、シルバーピアについて伺います。  住宅マスタープランでは、シルバーピアについて、「借り上げに応募する民間オーナーが少ないことが挙げられる」と整備面で語られています。しかし、シルバーピア制度は、貸し主にとって家賃の確実性、見守りの好条件、20年契約で実に計画的に資産運用を考えられる制度です。オーナーがあっても条件が整わず、応募の条件を改善すればできると思います。物件があっても条件が整わず申し込めないという声を耳にします。年に1回だけでは、その機会を逃すと1年以上待たなくてはならないという声です。相当資産に余裕がある人でないと申し込めないのです。提出書類が煩雑でついに断念という声や、書類作成の知識もなく不動産に売買したほうがいいという声も聞かれます。要望があるが残念ながら実らないのです。  お聞きします。オーナーの要望にいつでも応じられる区の体制と書類準備を簡潔にできる専門家などの援助体制を求めます。お答えください。  次に、マンション関連で伺います。2015年9月に東京都住宅政策審議会が、東京におけるマンション施策の新たな展開についてと題する答申を出しました。東京都では歴史上初めてです。マンションで何が問題になっているかというと、@住居者の高齢化、Aマンションの30%以上空家のスラム化、Bマンションそのものの高齢化などの問題が顕在化しています。特に老朽マンションに対しては、建て替えか改修が迫られている状況から調査したものです。  政府・国交省は建て替え促進の立場に立っていますが、多数派は改修です。建て替え困難の理由は費用の問題です。都の答申は大まかに実情を反映されていると言えます。しかし、答申は基本的な考え方として、@自助努力で取り組むことが基本、A市場機能の活用などと大きな問題点を指摘しなければなりません。  お聞きします。改修によるマンション再生に対するさらなる拡充を求めます。一気に行わずに、安く工事を進めていくなど工夫が必要です。専門家のアドバイザーも必要です。大田区は耐震改修でピロティなど部分的改修にも補助金を出すなど進めていますが、改修のための大幅な補助金の増額と制度の拡張が必要です。お答えください。  ここで指摘しなければならないことがあります。大田区は高級マンション建設に多額の税金を投入してきたことです。京急蒲田西口駅前再開発ビルに約320戸、糀谷駅前再開発ビルに約300戸、庶民には手の届かない高額マンション建設に血道を上げてきました。公営住宅法に基づく低廉な住宅の供給には熱心に取り組まなかったのに、巨大デベロッパーにとてつもない利益を与える事業には巨大な税金を注ぎ込んできたと言えます。京急蒲田西口再開発に注ぎ込みながら、地域経済活性化には効果が発揮できたかは疑問です。  それに比べ、公共住宅供給政策は、大田区の地域経済活性化においても大型開発の駅前再開発よりもはるかに効果があります。京急蒲田駅前再開発には約245億円、糀谷再開発には約199億円、京急東口開発には建設費だけで17億円、立ち退きを求めた東京ガスの保証金を入れると50億円をはるかに超えるなど、巨額な税金が注ぎ込まれました。建設は大手ゼネコンが引き受け、下請業者の車のナンバーが群馬や大宮ナンバーなどで、品川ナンバーがほとんどなかったことから、どれだけ区民税の税収増につながったでしょうか。  それとは対照的に、区営住宅や特養、区立保育園建設は、ほぼ100%区内業者に発注できます。しかも、住宅は38種類ほどの業者がかかわるとされます。建設業、土木屋さん、塗装屋さん、空調屋さん、畳屋さんからガラス屋さん、造園業に至るまで仕事が生まれ、従業員さんに給料が支払われ、それをもとに近所の商店街に買い物に行きます。税金も区に支払われる確率が大きくなるでしょう。国民税や国保料の収納率の向上には力を入れていますが、本来力を入れるべきは、仕事ができ、収入を増やせて、区民が豊かになって税金をおさめられるという好循環に努力すべきです。  次に、補助39号線の廃止を求めて質問します。  補助39号線の起点は、東蒲田二丁目のキネマ通りの途中の丁字路です。予定は20メートル幅になるので両側が拡幅される予定です。パール幼稚園の敷地を削り取り、東蒲中学校の体育館の西側敷地を削り取り、呑川の対岸にある気象庁宿舎跡地の真ん中を突っ切って、そのまま南側にある安泰寺の墓地を削り取り、西糀谷の住宅地を押し潰すようにして突き進み、環八を横切り、南蒲田や萩中の住宅地をがりがり削り取るように南進し、蒲田女子高の西側の敷地を削り、本羽田一丁目交差点で補助41号線と交差し、そのまま多摩川の堤防にぶつかって終点です。今回、この先に川崎と結ぶ橋を架ける計画のために、土手付近が再検討すべきリストに載りました。このような計画は第1国道が50メートル道路に拡張されつつある今、しかも環八と1国の交差する南蒲田交差点が隧道化に完成した上に、かつてのにぎわいを見せた町工場の発展に必要とされた道路拡張も残念ながら今や必要性も緊急性も消え去り、逆にがりがりと削り取られるだけのまちになっては、新たなまちの発展に障害とさえなっていると考えます。交通だけでなく耐震性も必要と言いますが、圧倒的に戸別住宅が新築され、根拠がありません。  もともと補助39号線は、昭和21年、今から70年も前に計画されたもので、大田区も空襲での焼け野原状態で都市計画されたものです。必要な区域を明確に示す原図がしかもありません。私の委員会での質問に区の担当者は、「東京都があると言っている」と答弁しましたが、ぼろぼろの継ぎはぎだらけの青写真集1冊だけで、図面のしわはわかっても、肝心の地形を見分ける法線の見分けがつきません。住民にしてみれば、財産権が奪われるもので、到底法治国家として許されません。法を無視してのごり押しはやめるべきです。  私も、設計技師として民間会社で図面を描いていた経験があります。その当時はまだ青焼きと言って、青写真でした。補助39号線の原図も同等です。青写真の保管は長くは持たないことは知っています。ところが、大田区はそのような時代につくられた計画なのに、「都市計画道路の完成率が39%と23区の中で最低であり、道路完成は多くの区民に影響をもたらすもので整備に取り組んでいきます」と、2015年12月に行われた東京都の第四次都市計画道路事業化計画のパブリックコメントで態度表明しています。  小池新都知事は、都知事候補のときの「はけの文化と自然を守る会」の公開アンケートに答え、「見直しの必要な路線もあると考えています。大昔に決めた都市計画については大胆に見直しを図っている例もあり、先進事例を参考に東京都の道路行政にどのように反映できるのか検討を進めたいと考えております」と表明しています。  ご存じとは思いますが、都市計画法が2003年に改正され、住民のまちづくりの取り組みを都市計画に反映させる制度として、@同意する土地所有者とその土地面積が3分の2以上など3件を満たせば東京都に受理されるようになり、東京都では1件ですが既に受理しています。補助39号線は、まちを破壊するだけで都市計画道路の必要はなしとの立場に立つべきです。お答えください。  また、この都市計画道路のために、せっかく国が公用地の有効活用として大田区に打診してきた気象庁宿舎跡地3000平米の貴重な土地を、保育園も、特養ホームにも活用できるのに、建築制限のため活用は無理と断りの返事を国に大田区はしてしまったようです。住民の皆さんと何度か国交省を訪ねて、私は公共利用を求めてきましたが、国は一般入札にかける前に公共利用にと大田区に打診してきたのに断ってしまったというのです。一方で、有効だとパブリックコメントで答えておきながら、一方で、区民の切実な要求である特養建設や待機児解消の絶好の土地である気象庁跡地の有効利用を諦めてしまう結果となったのです。  気象庁跡地は、国交省に問い合わせたところ、現在国は公共活用を諦め一般入札の準備をしているとの返事を8月15日にいただきました。都市計画道路を条件としても、3000平米の真ん中を貫く道路の面積はほぼ1000平米です。両側にほぼ1000平米ずつ敷地として残ります。馬込の30床特養がほぼ1000平米、3階建てですから建築可能です。認可保育も可能です。区民のために積極的に土地を確保し、有効利用すべきです。  そこでお聞きします。気象庁宿舎跡地の有効利用に全力を挙げるべきです。お答えください。  次に、我が党の第2回定例会の代表質問に明確な答弁がありませんでしたので、改めて今回お聞きします。区内中小企業を公共財、地域の共有財産として守る重要さについて質問します。  大企業の商品はNC機械に代表されるように、マニュアルに沿って大量に生産されます。しかし、難しいNC機械でつくれない製品は汎用を得意とする下請に発注されます。その特徴は、短納期をこなし、難加工をこなし、少量生産もこなします。それが大田区の町工場です。しかも、ほかに例のないネットワークを持ってこなしています。つまり、大企業のように技術も独占して社内でこなしてしまうような内製的なやり方と違い、どこにも開放され、どこの注文にも応える社会的財産を形成していると言えます。しかも、町工場の収益はその地域内の産業と雇用に還元され地域社会を潤します。また、地域の町工場は、町内会や消防団、野球チームや祭りにも貢献し、青少年の教育、防災の貢献などしています。町工場のすぐれた技術ともに、多面的な機能は商店街とともに、大型店にもない、大企業にもない、地域社会と区民にとって地域の共有財産です。大田区の区民税収増の点からも有効です。町工場を私的財産としてしか見ていない現在から、社会の共有財産、公共財として位置付けるのが必要ではないでしょうか。  そこでお聞きします。大田区の産業を公共財として位置付け、その発展のための施策に切りかえることを求めます。お答えください。  大田区は、待っているだけの工場があると言いますが、待っている町工場にその値打ちがあることは親会社が一番知っています。ですから、「何とか頼む」、「これをやってもらえないか」とほかにはできないことを注文してきます。しかし、その頻度が少ないのです。怠けているのではありません。区にはそのすばらしさを知っていただきたいのです。NASAに仕事を納めているすぐれた町工場があるのに、続けるのに見合った仕事の量がないのです。この技術を失っていいのでしょうか。  そこでお聞きします。PiOで行っている100社規模の取り組みを、1000社規模に拡大した規模でネットワークを活かした技術で開発、実用化に向け、東松島で開発したような防災面でのさらなるヒントはないか、福祉面でのオーダーメード型の車椅子や寝たきりの方の寝返りをするのに、極端な摩擦なしにひとしいシーツはできないか、教育面ではどうかなど、区としてリーダーシップをとっていいただくことを提案します。また、そのネットワーク支援のために、試作品から実用化まで進める工場が必要です。お答えください。
     次に、後継者について提案しましたが、これも明確な答弁がありませんでしたので、改めてお聞きします。  大田区は人材育成事業として、中小企業次世代ものづくり人材の育成事業に299万円余、若者と中小企業とのマッチング事業に240万円、経営技術指導講習会12回、ものづくり人材育成プロジェクト、工業団体実施研究会10回などやっていますが、これでは真に後継者が育つのか本気度が問われていると思います。このような規模と内容でどれだけの人材が育つでしょうか。  先日、東六郷の町工場を数件訪問した際、二つの工場で、社長さんがおっしゃっていたのが印象的です。「息子がNCしか使えず難加工の注文はいまだに私がやっている。」「汎用機械を学ばせたい。そうでないと注文が絶えてしまう」と語っていました。そこで、仕事を継承したい若者に三次元加工など新たな技術の獲得、汎用機の習得など可能になる1人につき3年間で200万円の援助制度を求めます。そのために、後継者を育てる試作品をつくり、プロトタイプの工場の設立も必要です。ここにはまだ頑張っている難加工をこなす現役の方々の力を借ります。喜んで協力してくれることでしょう。1年前の区の実態調査では、約8割が後継者問題を抱えています。  先日、地域産業委員会で視察した尼崎市では、実態調査に基づき、従業員の給与状況も調査して、技術の継承、後継者対策に取り組んでいました。よい経験は参考にすべきです。提案します。お答えください。以上で全ての質問を終わります。(拍手) ○大森 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎川野 企画経営部長 私からは、西糀谷の気象庁宿舎跡地の国有地に関するご質問にお答えいたします。  関東財務局から情報提供のございました当該用地につきましては、用地のほぼ中央に都市計画道路補助39号線が南北に計画されており、計画道路部分が用地の約3分の1を占めてございます。計画道路部分には建築制限がかかるため、施設を整備するには制約があり、有効活用の点で課題がございます。また、当該用地に対して、区における施設建築需要はございません。こうしたことから、現段階で当該用地を区が取得し活用する考えはございません。私からは以上でございます。 ◎近藤 産業経済部長 私からは、産業経済に関する三つのご質問について順次お答えをさせていただきます。  まず、大田区の産業をいわゆる「公共財」として位置付けることについてのご質問ですが、区のものづくり産業については、基盤技術を有する企業群によって構成されまして、我が国の基幹的な産業である製造業を支えてきたものと認識しております。これを形容するために、「あたかも公共財のような機能を担ってきた」と表現したときもございました。しかし、文献によれば、一般的に「公共財」とは、道路・公園や法律のように、対価を支払わない者も含めた全ての人々に共同で消費または利用される財を指すものとされております。その意味において、大田区産業は「公共財」として位置付けられるものではないというように考えております。  いずれにしても、区は、ものづくり基盤技術振興基本法の前文に記されました認識に基づき、今後も、工場の立地環境整備や新製品・新技術開発支援、取引拡大の支援、人材の育成、創業支援などの諸施策を通じまして、大田区産業の発展に取り組んでまいります。  次に、ネットワークを活かした技術で、開発・実用化に向け区はリーダーシップをとっていくべきとのご提案でございますが、大田区のものづくり企業は、「仲間まわし」と呼ばれるネットワークにより、試作開発から製品化まで幅広く対応できることが強みであると認識しております。  例えば、代表的な下町ボブスレーネットワークプロジェクトでは、専門的に特化した技術・技能を持つ約100社の中小企業が連携いたしまして、大手自動車メーカーにも対抗できる製品を提供するほどに成熟いたしております。この成功例は、大田区ならではのものづくりネットワークを活かそうとする参加企業の強い意志と行動力によるところが大きいところであり、区としても可能な限り支援を行ってまいりました。オーダーメイド型福祉用具製作事業などの開発・製作に当たっては、関係機関と企業が協働体制を組むなど大田区ならではのネットワークを活かした取り組みを福祉部と連携し展開しております。これらの事業は区が音頭をとり、軌道に乗るまで後押しをしていくことにしています。したがいまして、議員のご提案の内容については、区は既に取り組んでいるものと認識いたしております。  最後に、後継者などについてのご質問でございますが、後継者育成、技術・技能の継承につきましては、区内産業の集積、発展を図る上で重要な課題であると認識いたしております。そのため区では、後継者育成施策として、次世代ものづくり人材育成事業を実施しております。具体的には、経営技術指導講習会や次世代経営者育成セミナーを工業団体とともに開催しております。  さらに、公益財団法人大田区産業振興協会では、高い技術を有する「大田の工匠100人」による技術指導・相談事業を実施しております。また、専門家が事業承継に係る相談をお受けしたり、経営改善セミナーにおいて、事業承継をテーマに取り上げるなど取り組みを進めているところでございます。  区としましては、こうした後継者育成や事業承継に係る多様な事業を実施しており、個人を対象とした資金援助という形で事業を行う考えはございません。私からは以上でございます。 ◎中原 福祉部長 私からは、区営シルバーピア、いわゆる借上型シルバーピアの整備についてお答えいたします。  この事業は、国や東京都の補助制度を活用し整備しています。補助金を申請するためには、設計期間と建設期間をそれぞれ1年程度かけるなど、安全で確実な整備を行えるよう余裕を持ったスケジュールが求められています。また、補助協議の書類として、設備基準との適合性を確認できる図面や建設費を算出する根拠書類など、詳細な資料が必要となります。現状では、区による柔軟な受け付けや提出書類の簡素化は困難でございます。私からは以上です。 ◎黒澤 まちづくり推進部長 私からは、住宅施策に関する4点と都市計画道路に関するご質問にお答えいたします。  まず1点目ですが、区営住宅の建設に関するご質問ですが、平成25年に国が行いました住宅・土地統計調査のデータから、区内には状態のよい活用可能な賃貸用の空家がおおよそ3万9000戸あり、また、民営借家総数約13万9000戸のうち、比較的低額な家賃6万円以下の住宅が約2万3000戸あると把握しております。区としては、既存住宅の流通と空家の利活用を促進することを基本に、住宅確保要配慮者への円滑な入居確保に向けた支援の取り組みを充実させていきたいと考えており、新たに区営住宅を建設する予定はございません。  次に、住宅マスタープランについてのご質問ですが、現在の大田区住宅マスタープランは、公営住宅法、住宅セーフティーネット法の趣旨を踏まえながら、「安心して住み続けられるしくみの整備」を目標に掲げ、高齢者やひとり親世帯、子育て世帯等の住宅確保要配慮者への各施策の展開を図る内容となっております。  本住宅マスタープランは、国の住生活基本計画や東京都住宅マスタープラン、区の関連計画などとの整合性を図りながら、不動産関連団体などからの聞き取り調査、有識者検討委員会による検討を重ねながら、平成23年3月に策定したものでございます。本年度は策定から5年目を迎えており、マスタープラン策定後につくられた「大田区高齢者の住まいの確保に関する基本方針」など区の関連計画等との整合性を図りながら、中間の見直しについて検討を行ってまいります。  次に、民間住宅の空家を活用した家賃補助についてのご質問ですが、国土交通省が本年3月に改定した住生活基本計画に基づき、国は現在「社会資本整備審議会 住宅宅地分科会 新たな住宅セーフティーネット検討小委員会」において、住宅確保要配慮者の増加に対応するため、空家の活用を促進するとともに、民間賃貸住宅を活用した新たな仕組みの構築も含めた住宅セーフティーネット機能の強化について方向性を検討しております。現在中間取りまとめの段階ですが、区としてもこの国の動向を注視しているところでございます。なお、民間賃貸住宅への家賃補助を行う考えは現在ございません。  若者への住宅費助成制度に関するご質問ですが、区民住宅の家賃減額制度は、新婚世帯、子育て世帯などに対して最長4年間家賃減額を行うものであり、稼働率が比較的低い区民住宅の空家対策・入居促進策として、平成24年12月から導入したものでございます。国においては、現在、新たな住宅セーフティーネットの強化を目的に、子育て世帯等の住宅確保要配慮者への支援策が検討されており、区としても国のこの動向を注視してまいります。  また、区は、子育て世帯への支援策として、各種手当の給付、医療費の助成、相談窓口の充実、出産・育児支援など多様な施策を行っております。なお、先ほども申し上げましたが、民間賃貸住宅への助成制度を設ける考えは現在ございません。  最後に、都市計画道路補助第39号線に関する質問にお答えいたします。  都市計画道路は、区民生活や都市活動を支える最も基本的な都市基盤の一つでございます。区内の都市計画道路については、東京都と特別区で事業化計画を過去4回にわたり作成してまいりました。補助39号線につきましては、平成26、27年度の2か年をかけて策定した第四次事業化計画において、「計画内容再検討路線」となった多摩川河川敷にぶつかる南端の一部を除き、将来都市計画道路ネットワークとしてその必要性を検証・確認しております。  さらに、本路線は「大森中・糀谷・蒲田地区防災街区整備地区計画」の区域内に位置しており、地区計画に基づく防災道路とあわせて、防災上重要な避難機能や延焼遮断機能を担う道路としても位置付けられております。  したがいまして、補助第39号線の整備は、先ほど言及した部分以外につきましては必須のものであると考えております。私からは以上でございます。 ◎町田 都市開発担当部長 私からは、老朽マンションの改修に関するご質問にお答えをいたします。  老朽マンションの耐震化を図ることは、まちの安全性を高める上で重要な課題と考えており、昭和56年以前の旧耐震基準の建物に改修費用の一部を助成しております。平成26年度には、管理組合等の要望を受け、規模が大きな分譲マンションの助成上限額を、1000万円から3倍の3000万円に増額をいたしました。一方、分譲マンションには、区分所有者の皆様の人数が多い上に、それぞれの皆様が個々に事情を抱えており、合意形成をいかに図るかが大きな課題となっております。  こうした実態に応えるため、今年度から現地調査を踏まえ、そのマンションの老朽度合いに合わせまして改修内容を提案するなどの相談を行えるよう、分譲マンションアドバイザー派遣制度を充実いたしました。引き続きまして、助成と分譲マンションアドバイザー制度の二つの制度を積極的に啓発し、マンションの耐震化を図り、倒れないまちづくりを進めてまいります。以上でございます。 ○大森 議長 会議が長くなりましたので、おおむね30分程度休憩といたします。                      午後3時18分休憩                ――――――――――――――――――――                      午後3時45分開議 ○大森 議長 休憩前に引き続き会議を開きます。  この際、会議時間を延長しておきます。  質問を続けます。49番北澤潤子議員。                  〔49番北澤潤子議員登壇〕(拍手) ◆49番(北澤潤子 議員) 大田・生活者ネットワーク、北澤潤子です。  障害者差別解消法の運用、推進についてお伺いいたします。  「私たち抜きに私たちのことを決めないで」のスローガンのもとに、障がいのある人たちが参画して制定された障害者権利条約に始まり、共生社会を目指して一歩一歩進んできた法整備の変遷があり、今年4月には障害者差別解消法が施行されました。この法律では、行政機関、民間事業者に対して、障がいを理由とした不当な差別的取り扱いをすることを禁止するとともに、行政機関に対して合理的配慮の提供を義務付けています。合理的配慮とは、障がい者一人ひとりの必要を考えて、その状況に応じた変更や調整などを、お金や労力などの負担がかかり過ぎない範囲で行うこととされており、共生社会を目指すものです。  この合理的配慮という言葉が示すように、社会の側にある暮らしにくさの原因にこそ目を向けるという意味で、障がいの概念を大きく転換させる法律であると言えるでしょう。  現在、各地方の実情に応じた障害者差別解消法の推進のための方針や条例を制定する自治体が増えてきています。それはこの法律が抽象的であるため、各地方自治体の役割や責務を明確にするためであり、障がいのあるなしにかかわらず、安心して暮らせるまちづくりには具体的にまちぐるみで取り組まなければならないからです。大田区でも、おおた障がい施策推進プランが実効性のある具体的な合理的配慮の提供につながることを期待するものです。  おおた障がい施策推進プランについてお聞きします。大田区の障がい者の現状を見ると、平成26年度、身体障害者手帳保持者が2万767人、愛の手帳保持者が4101人、精神障害者保健福祉手帳所持者が3608人、精神通院医療を申請している人、これは平成25年度の調査ですが、1万1959人です。合計4万435人で、人口の約5.7%です。内部疾患の人を含めるともっと増えるでしょう。そして、いずれの障がいにおいても増加傾向にあります。障がい者の実態調査で気になるのは、身体障がい者の日中の過ごし方が「自宅にいることが多い」との答えが40%というものです。外に出て行きにくい状況、在宅せざるを得ない状況があるとすれば、何が原因でどうすれば改善できるのか考えていかなければなりません。  おおた障がい施策推進プランの基本理念、「障がい者が地域で自分らしく安心して暮らせるまちをつくります」が実現するには、検証や改善の積み重ねが重要だと考えます。どのようにおおた障がい施策推進プランを検証、改善していきますか。評価の方法をどのように考えていますか。差別の実態、社会的障壁を受け止める相談窓口は設置されますか。社会が変わっていくためには個別の出来事を解決するだけではなく、その出来事を全体の問題として捉えていくことも必要だと思います。障がい当事者はもちろん、地域住民や商業者なども意見を出し合い、地域づくり、社会づくりをともに考える機会はありますか。  障害者差別解消法を推進するための職員採用のあり方についてお聞きいたします。  社会が変わっていかなければならないというメッセージを内包する障害者差別解消法、この精神をこれから大田区にどう広げていくか、今はとても大切な局面だと思います。具体的に誰もが暮らしやすいまちをどうつくっていけばよいのか、そのまちづくりのためには行政が何ができるのかを追求していく新たなスタート地点に立っていると言えるのではないでしょうか。  例えば明石市は、「明石市障害者に対する配慮を促進し、誰もが安心して暮らせる共生のまちづくり条例」をこの3月に制定しましたが、策定に当たって、また施策を推進するために、障がい当事者、弁護士をそれぞれ福祉部の職員として採用しました。人口30万人の明石市ですが、現在、福祉部、総務部、教育委員会ほかで7人の弁護士、また社会福祉士、臨床心理士など専門職を職員として採用しています。それは住民と直に接する中で問題点を早期に発見して施策に活かすことを目指してとのことだそうです。  特に福祉部においては、後見制度や障がい者、高齢者の虐待問題など、市民の生命、身体にかかわる緊急性が認められる案件について迅速に対応でき、庁内の法律相談を通じて市民の権利擁護を図っているとのことです。  お聞きします。大田区では今回初めて総務課で弁護士を職員として迎え、条例づくりや職員研修など、事業の具体化に向けて大田区をサポートする役割を担ってもらうとお聞きしました。すばらしいことだとは思いますが、福祉部にも障がい当事者であり、かつ弁護士であるという方、もしくは障がい福祉に意欲のある弁護士を採用することはできませんか。福祉部においては、障がい者、高齢者の権利擁護ほか課題が山積していることでしょう。専門的見地から、予防策、解決策を講じることで大田区の福祉向上を図れるのではないでしょうか。障害者差別解消法の運用、定着のためにも有効だと考えます。  次に、障害者差別解消法の具体的な展開についてお聞きします。  先日、障がい者総合サポートセンター、サポートぴあに出かけたところ、施設内の自動販売機には飲み物の種類ごとの点字の表示があり感心をいたしました。自動販売機で飲み物を買うという、目が見える者にとっては何でもないことが、目の見えない人にとっては不自由であるということに気がつかされることでもあります。このことから、障がい者の声を聞き、一般事業者を含んで、まちの中の様々な環境を点検していき、合理的配慮の提供を考えていくことが重要だと考えます。  また明石市の事例ですが、先に上げた条例に基づき、飲食店など商業者、自治会など地域の団体、サークルなど民間団体が点字メニュー、筆談ボードなど、コミュニケーションツール、手すりやスロープの工事施工などに取り組む場合、市が助成する仕組みを創設しました。高齢者も、障がい者もまちに出やすくなる、具体的に優しいまちになっていく、このことを通して、市民は合理的配慮の意味を実感していきます。現在、大田区は、海外からの観光客向けにチラシや取扱説明書、レストランのメニュー等の翻訳支援サービスという補助制度を、大田区産業振興協会が持っていますが、ぜひ点字メニューや筆談ボードといった視点も取り入れていただきたいものです。  伺います。合理的配慮の提供はまちぐるみで取り組む必要があります。まちの中の民間事業者や地域の団体が、誰にも優しいまちづくりに積極的に参画できるような方策についてどう考えますか。飲食店の点字メニュー、筆談ボードなど、コミュニケーションツール、また手すりやスロープの工事施工などに取り組む事業者に助成する仕組みを取り入れませんか。スロープなら高齢者にも、ベビーカーにも喜ばれるのではないでしょうか。互いの状況を知り、認め合う対等な関係から、住みやすく住みたいまちになると考えます。  以前、予算特別委員会で取り上げたことがありますが、心臓病という内部疾患を持ったお子さんが、どこの幼稚園にも、わかばの家にも断られ、小集団でもいいから友だちとの触れ合いを経験させたいと考えた母親が大田区の窓口で尋ねたところ、「おたくのお子さんが行けるような場所はありません」と言われ、大変つらかったそうです。同じように区民税を払っているのに、なぜ自分の子どもだけ行く場所がないのかと。  しかし、諦めずに調べた結果、台東区に台東区が助成している心臓病の子どもたちが通う施設があるということがわかり、電車に乗って通ったそうです。都内にはそのような施設は2か所しかありませんので、他区からの子どもたちも来ています。同じく千代田区から来ている母子は、千代田区の窓口で尋ねたところ、「申しわけありません。千代田区にはそのような施設はありませんが、台東区にあるのでご案内します」と言って、職員がその施設まで付き添ってくれたそうです。  大田区の職員が70万区民の全てのニーズに応えることはもちろん無理ですが、少なくとも区民の気持ちに寄り添い、どうしたら解決できるだろうと考え続けることが必要ではないでしょうか。障害者差別解消法が熟成する中で解決されていくのかもしれません。  最後に、地域包括支援センターの機能についてお聞きします。  地域包括支援センターには、今コーディネート機能が強く求められています。2014年の介護保険制度の改正で、介護予防・日常生活支援総合事業が創設され、これまで全国一律の介護給付、予防訪問、通所介護が自治体の責任で行う地域支援事業に再編されたので、介護保険は施設から在宅生活へと大きくかじを切ることになるわけです。そうなると、地域のつながり、新総合事業の体制をどうつくっていくのかが大きな課題となります。  先日あるケアマネジャーから聞いた話です。相談者とともにデイサービスをいくつか見に行きましたが、ふとその相談者が、花の苗を育てることをしたいというので、花とみどりの会に相談に行くとすっかり気に入って、今ではデイサービスではなくて、週に3回の土いじりに通っていきいきと暮らしているということです。  地域コミュニティに参加して、社会の中で孤立しないような仕組みづくりは重要ですし、大田区は自主的な区民活動団体が大変活発です。機能訓練に通いながら区民活動で得意なことを活かして楽しく生活できる人もいるかもしれません。ケアマネジャーが区民活動を含む社会資源を情報として持つことや、さわやかサポートが情報館としての機能を持つことで、まだ介護保険を使わない人でも、地域の人誰でも何か活動してみたいと考える人が情報を求めて出かけることができるのではないでしょうか。  お聞きします。さわやかサポートに区民活動を含む社会資源の情報を集めることで、区民の社会参加を促し、地域の交流を盛んにする役目を担えるのではないでしょうか。本庁やmicsおおたまで行くのは大変でも、地域で情報が得られれば参加しやすいと考えます。誰もが使える情報館としての機能を強化していくことはできますか。以上質問です。ありがとうございました。(拍手) ○大森 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎中原 福祉部長 北澤議員の質問に順次お答えいたします。  おおた障がい施策推進プランの検証、改善についてのご質問ですが、区では、障害者福祉に関する法定計画である「おおた障がい施策推進プランの第4期計画(平成27年度から平成29年度)」を平成26年度に作成しました。作成に当たっては、アンケートによる実態調査、学識経験者、大田区自立支援協議会役員、事業者等から成る検討委員会を設置し検討するなど、広く区民の意見を求めながら策定してまいりました。  また、この計画の作成に当たり、国の基本方針の中で、PDCAサイクルを導入し計画の進捗を毎年評価・公表する進捗評価体制強化が盛り込まれました。区では、今年度さらにプランの評価・改善をより進める観点から、検討委員会を基盤に保健医療・教育・地域・公募委員を含めた大田区障がい者施策推進会議を設置いたしました。  今後この推進会議にて区民の意見も伺いながら、権利擁護の視点を含め、どのような施策が必要かを点検・評価する中で計画を着実に進めてまいります。  次に、福祉部に弁護士を職員として採用することについてのご質問をいただきました。  弁護士の経験や知見が障がい者や高齢者の権利擁護を進める上で大変重要であるというように考えております。福祉部では、大田区障がい者施策推進会議や大田区高齢者福祉計画・介護保険事業計画推進会議、地域包括支援センター運営協議会や大田区地域密着型サービス運営協議会等におきまして、弁護士を委員として委嘱し、ご意見等をいただいております。福祉部での雇用につきましては現在予定しておりませんが、その必要性が生じ高まった際、所管部局とも連携して適切に判断してまいります。  なお、職員としての採用ですが、10月1日より、任期付職員として総務課にて1名弁護士を採用する予定ですので、必要に応じて、障がい福祉分野を含め福祉部としても連携してまいりたいと思っています。  次に、障害者差別解消法の取り組みについてのご質問です。  本年4月、障がいのある人もない人も、お互いにその人らしさを認め合いながらともに生きる社会を実現することを目指し、障害者差別解消法が施行されました。障害者差別解消法では、障がいを理由とする差別を解消するため国及び地方公共団体には、障がいを理由とする差別解消の推進に関して必要な施策を策定し実施する義務がございます。また、国民は障がいを理由とする差別の解消に寄与する責務があります。  国においては、各省庁にて障がいを理由とする差別の禁止に取り組むためのガイドラインを定めております。その中で、飲食店等を管轄する経済産業省のガイドラインでは、飲食店等に対し、過重な負担にならない範囲での柔軟な対応を期待しています。  区においては、例えば店舗のバリアフリー化を進めるための設備投資が必要な場合、区の中小企業融資あっせん制度におきまして全額利子補給する「チャレンジ企業応援資金」を設けております。区としましては、障がい者差別の解消を進めるためには、このような制度を積極的に周知しながら、広く区民、事業者の理解と協力を得ることが不可欠と考えております。今後もパンフレットを作成し、広く区民等へ配布することや、関係部局とともに関係団体や事業者等と連携し、差別の解消の取り組みを進めてまいります。  最後に、地域包括支援センターの機能強化についてのご質問です。  高齢者がいつまでも地域で元気に暮らしていくためには、運動・栄養など健康維持とともに、社会参加を通じた生きがいの創出が大変重要であると認識しております。地域包括支援センターの機能として、地域とのネットワーク構築が重要であることから、まずは地域の社会資源の収集に努めております。そして高齢者一人ひとりの状況や要望に沿った介護サービスや区民活動団体など社会資源の情報をお伝えし、また必要に応じて居場所をご案内するなどの支援を行っております。  今後も、地域包括支援センターがその役割を十分に果たせるよう機能強化に努めてまいります。以上でございます。 ○大森 議長 次に、44番三沢清太郎議員。                  〔44番三沢清太郎議員登壇〕(拍手) ◆44番(三沢清太郎 議員) 東京維新の会大田の三沢清太郎です。  2016年3月17日、本区にお住まいのご夫妻が、蒲田子供の家という認可外保育施設で生後6か月の長女を亡くすという不幸が発生しました。愛娘を亡くされたご夫妻には心より哀悼の意を表しますとともに、私自身も今現在、保育園に子どもを預けている親の立場から、このような不幸がなくなることを願い、そして大田区で子育てする方々が安心・安全に子どもを保育園に預けることのできる環境を心から望み、質問をさせていただきます。よろしくお願いいたします。  さて、本年6月、安倍政権は消費増税を再延期した一方、一億総活躍プランで待機児童解消を求める世論に配慮し、保育士の処遇改善策を盛り込みました。私も、今回の保育士の処遇改善策には大いに期待しているところです。しかし、本対策が全ての保育士の処遇改善につながるかどうかは疑問が残るところです。ほとんどの認可外保育施設は、平時からも自治体の補助を受けておらず非常に厳しい経営状況下にあり、その結果、子どもたちの安心・安全をおろそかにしているところがございます。  東京都では、認可外保育施設指導監督基準に基づく立入調査を定期的に行っており、過去5年分の調査結果をホームページで公開しております。大田区に関しましては、平成23年度3件、平成24年度3件、平成25年度4件、平成26年度3件、そして平成27年度3件の保育施設が改善を要する項目があると指摘を受けておりますが、その中の1施設だけ毎年改善を指摘されているところがございます。それが、今回の不幸のあった蒲田子供の家です。  蒲田子供の家は、平成27年度は9項目の改善を指摘されました。9項目のうち私が特に気になったのは、乳幼児突然死症候群、いわゆるSIDSの予防への配慮が行われていないという箇所で、蒲田子供の家は3年連続で改善の指摘を受けておりました。  東京都は5年間で700件近い立入調査を実施していますが、SIDSの予防への配慮が行われていないと指摘を受けたことのある保育施設は蒲田子供の家を除き、平成27年度に、中野区にある1施設しかありません。本項目で3年連続指摘を受けていることの異常性が浮かび上がります。  それでは、SIDSの予防への配慮としてどのような確認をしていたのでしょうか。東京都に確認しましたところ、1点目は乳幼児の顔色の変化をちゃんと見ているか、2点目にうつ伏せでなく仰向けで寝かせているか、3点目にスタッフが室内で喫煙をしていないかをチェックしていると回答を得ました。蒲田子供の家の場合、東京都の担当者が立入検査をした際に、蒲田子供の家のスタッフが乳幼児の顔色の変化をちゃんと見ていないことから、SIDS予防への配慮が行われていないと判断したようです。  この事実は、裏返せば、蒲田子供の家が普段からSIDS予防への配慮をきちんと行っていれば、乳幼児の顔色の変化を常日ごろ注意深く観察していたら、今回の不幸を防ぐことができたかもしれなかったことを意味します。  もう一つ気になったのは、事件当時、スタッフ2人体制のうち1人は休憩室で休憩し、保育資格のない別のスタッフが0歳から3歳までの5人の乳幼児の面倒を見ていたということです。果たして、保育資格のないスタッフ1人で5人の乳幼児の面倒を見るという体制は本当に適切だったのでしょうか。責任者は今回の不幸はただの事故だったと胸を張って言えるのでしょうか。被害者の母親も、今回の不幸は単なる事故として取り扱うのではなく事件として取り扱うべきものではないかと考えております。私も同感です。  一方、果たして蒲田子供の家だけに責任を押しつけていいのかとも感じています。蒲田子供の家だけを悪者にして一件落着とするのであれば、何の教訓にもなりません。責任論をするのではなく、何が問題だったのかを多角的に検討し、次の不幸を起こさないように対策することこそが必要だと思います。  一つ、乳幼児の顔色の変化をちゃんと見るようにしていたら、一つ、常時複数のスタッフを配置していたら、一つ、SIDS予防への配慮に詳しいスタッフを配置していたら、一つ、東京都がもっと強く改善指導していたら、一つ、地元大田区が日ごろから気にかけていたら、一つ、東京都と大田区の連携がもっとうまくいっていたら、少し考えただけでも六つの誘因が考えられます。これらのうち一つでもできていたら、今回の不幸は防げたのかもしれません。  そこで、一つ目の質問をいたします。東京都に確認したところ、ホームページに掲載されている平成23年度以前から蒲田子供の家に関しては問題の多い保育施設であることを認識していたと聞いております。本区ではどのような認識をしておりましたでしょうか。東京都と同じく問題ありと認識していたとしたら、本区ではどのような対応をとっておりましたでしょうか。  続いて、二つ目の質問に移ります。6月20日に東京都が改善勧告を出した後も、蒲田子供の家は園児募集とスタッフ募集の張り紙を施設入口に張り続けていました。さすがに最近は募集の張り紙はなくなりましたが、今でも蒲田子供の家は営業を続けていますし、インターネット上では園児やスタッフの募集情報が多数掲載されています。  私は、何度も改善を指導しても従わず、死亡事故を起こし、改善勧告を受けても運営を続けている蒲田子供の家は廃園すべきと考えますが、本区の見解はいかがでしょうか。実際に廃園にするかどうかの判断は東京都が行うことだと思いますが、大田区で生活を営んでいるご家族の命が失われておりますため、本区はどのように考えているのかをお聞きしたいと思います。  三つ目に、今後の対策についてお聞きいたします。認可保育施設と認可外保育施設とでは死亡事故の発生割合に約36倍もの開きがある実態があります。本年4月18日に内閣府が発表した保育事故の調査では、2015年度の1年間に認可保育施設で発生した死亡事故2人に対し、認可外保育施設の死亡事故は9人となっております。認可保育施設に通う子は約215万人、認可外保育施設に通う子は約27万人ですので、認可外保育施設は認可保育施設の実に約36倍もの死亡事故が発生していることになります。  この原因は、先ほど少し触れました保育士設置基準の違いも関係するとは思いますが、情報公開の不明瞭さが問題ある保育施設を野放しにしているのも大いに関係していると考えます。東京都がホームページに掲載している立入調査結果はとても内容が濃く、保育園入所判断の重要な判断材料になるものですが、普通のご家庭の方がインターネット検索でたどり着くのは非常に困難な場所にあります。大田区は本区内の保育施設を抽出して本区内ホームページに載せるとともに追加情報がもしあるのであればお知らせいただければ、より安心・安全な保育施設を選ぶ基準になると思うのですが、本区の見解をお聞かせいただけますでしょうか。  最後の質問に移ります。  認可保育施設では、死亡事故や重傷事故があった場合、自治体に報告するように義務付けられていますが、認可外保育施設の場合、報告に法的拘束力はありません。今年度から、重大事故が起きた場合、自治体が第三者による検証をすることが求められるようになりましたが、本区はどのようにかかわっていくのか、東京都とのすみ分けについて教えていただけますでしょうか。  安心・安全にまさる保育園のサービスはありません。子どもの安心・安全を脅かす保育サービスしか提供できない保育園、改善勧告に耳をかそうとしない保育園には厳しい態度を取ることも必要です。安心・安全な保育所をつくってほしいという親の切実な思いに応えていくための対応を強くお願いし、私からの質問を終わります。(拍手) ○大森 議長 理事者の答弁を求めます。
    ◎後藤 こども家庭部長 それでは、三沢議員の保育サービスの質の確保についてのご質問に順次お答えいたします。  初めに、今回保育事故を起こした保育施設に対してどのような対応をとってきたのかというご質問です。  当該施設は認可外保育所に該当し、児童福祉法に基づき、開設の届け出、指導検査、改善勧告等は東京都知事が行うことになっております。今回区は、東京都が実施する当該施設に対する立入調査に同行し、その結果や改善状況について認識しておりました。区には権限はございませんが、立入調査とは別に単独で巡回による経過観察を行い、施設の状況を東京都に情報提供するとともに、必要に応じて当該施設に対する指導について要請を行ってまいりました。  次に、当該施設の廃園についての区の見解ということでありますが、平成28年6月に東京都が行った改善勧告の結果、現在廃園に向けて手続きが進んでいると聞いております。区では、廃園に向けた手続きが円滑に進むよう、施設を通して、利用されているご家庭に対して、利用可能な区の保育サービスやその他の福祉サービスについてご案内をしております。  なお、区にご相談のあった利用者の中には、その後、認証保育所への入所や区の緊急一時保育の利用に結びつけたケースもございます。  次に、情報提供についてのご質問ですが、東京都の立入調査結果などの情報は、既に区のホームページにリンクしております。保護者の方々にとって有益な保育サービス情報をわかりやすく提供することで、より透明性を確保することが大変重要であると考えております。なお、東京都の立入調査結果のうち、区にかかわる情報を抽出して公表することについては、情報の作成者である東京都との間で調整が必要と考えております。  最後に、重大事故に関する第三者による検証の場での区のかかわり方というご質問です。  厚生労働省は、平成27年12月に「教育・保育施設等における重大事故の再発防止策に関する検討会最終取りまとめ」を公表しました。その中では、事故の再発防止策とともに、地方自治体における第三者による事後的な検証が求められております。  今回のように、区がかかわった施設における重大事故があった場合は。 ○大森 議長 答弁の途中ですが、所定の時間が参りましたので、終了願います。  次に、42番松原 元議員。                  〔42番松原 元議員登壇〕(拍手) ◆42番(松原元 議員) 大田区議会民進党の松原 元でございます。  まず、先般の第2回定例会の際に要望をさせていただきました区内で地域猫活動を行うボランティアの方々に対して、区の表記のついたワッペンやネームプレートなどの配布の要望でございますが、早速実現をしていただきましたこと大変感謝をいたします。これにより、ボランティアの方々がご活動中に地域住民の方々から不審者と間違えられるなどの無用なトラブルを回避することが期待できます。ボランティアの方々にもかねがね好評であり、これが今後、地域猫活動をはじめとする動物愛護施策を推進する上で重要な区とボランティアの方々との画一的な協働の一助になれば幸いでございます。本当にありがとうございました。  では、本日は、質問通告に従って、区内公園に関しましてお伺いをいたします。ここで申し上げる公園には、児童公園、緑地、児童遊園なども含みます。  区内には大小様々な公園が存在しております。インターネットで「大田区 公園」と検索いたしますと、上位に上がってくる平和の森公園、これはOTAふれあいフェスタ2016が開催されました。大森ふるさとの浜辺公園、こちらには異様に長い青い滑り台がございます。また、通称タイヤ公園、西六郷公園と言われますが、こちらの公園には高さ8メートルのゴジラが設置されております。この風貌は心なしか、現在上映されている「シン・ゴジラ」の第4形態に類似しているスタイリッシュなゴジラであります。  こういった大規模で区外からの来訪者も見込める公園から、あえて公園名は申し上げませんが、地元の方々もその存在をあまり認識していない隠れスポットのような公園も存在しております。その数は本年4月1日現在資料によると562か所に及びます。これは特別区の中でも多い部類といいますか、一番でございます。  当区のホームページにおいては、「公園名から探す」「地域から探す」「地図から探す」の三つの検索方法から区内公園の詳細を知ることができますが、ヒットした公園名をクリックしても、公園の紹介ページが表示されるのはごく一部にとどまっていることからも、その数の多さをうかがえるのではないでしょうか。  つきましては、お伺いをいたします。当区においては、昨年度、新たに四つの公園を新設し、既存の三つの公園を拡張、1公園を縮小、2公園を廃止いたしました。当区の住民1人当たりの公園面積は海上公園を含めても4平米であることを鑑みますと、今後、公園を増やしていく方針であると考えますが、具体的な計画はございますでしょうか、ご答弁を願います。  これらの公園は、平時には区民の方々の憩いの場、子どもたちの遊びの場、健康増進の場となっております。健康増進といっても若い世代だけでなく、お年を召した方々においても朝一番のラジオ体操から、一般介護予防事業の一環として萩中公園、ふくし公園、矢口二丁目公園、本門寺公園、新井宿児童公園など五つの公園においては健康遊具を設置し、いきいき公園体操を各公園月2回のペースで実施されるなど、老若男女問わず活用されております。  その他、時には地域の行事ごとや防災、震災訓練などにも有効に活用されております。また、自然に恵まれた公園においては、野鳥や水生生物の観察会なども催されるなど大変多くの役割を果たしており、区民に対する恩恵は絶大であると考えております。私自身、区内公園にて、減量と健康増進を目的としランニングを行い、また気分転換での散策、消防団の訓練時や地域のお祭りなどの際に、日々公園を使用させていただいております。  ゆえに、当区といたしまして、このような多種多様な役割を担う公園を適正に管理していくことは大変重要なことであると考えますが、時には管理が行き届いていないのではないかと考えてしまうことも少なからずございます。  それは、トイレが大変汚れている、公園の死角となる空間に多くのごみが、たばこも含みますが散乱している、無意識なのか故意なのか、花壇や植え込みに大量のたばこの吸い殻が捨てられている、時には照明器具が破壊されている場合もございました。これは私自身が、クリーンアップキャンペーンやその他の地域活動の折、公園の清掃などを行った際、実際にこの目で見たことであります。大変残念であると同時に、深い憤りをりを覚えました。  つきましては、お伺いいたします。区内に存在している各公園の遊具やトイレ、樹木、草木のなど管理はどのように行っているのでしょうか。また、公園には自治会の各種備品などが格納された倉庫がある場合もございますが、それについてもご答弁を願います。  私は、区内の公園が区民の憩いの場として存立するために緑は欠かせない要素であると考えております。それについてお伺いいたします。  公園の樹木や草木は、どの程度の頻度で剪定を行っておりますでしょうか。また、年によっては日照条件により過剰繋茂などの要素を鑑み、剪定の回数、実施時期の融通はききますでしょうか。また、あまりにも生い茂ったため、防犯や景観を考慮して、地域住民が善意から樹木、草木の伐採を行った場合の区のご対応についてもこ答弁を願います。  区内公園の一部は震災時の一時集合場所に指定されております。指定がなくとも非常時には住民が近場の公園に集まることは予想ができることであると私は考えております。その際に、公園内の樹木が倒れたり、火災時に延焼しないよう、カシ類、シイ類などのいわゆる耐火樹などの樹種の選定は行われておりますでしょうか。また、今後のご計画があればお聞かせください。  区内公園は、様々な恩恵を区民にもたらしております。既存の公園の維持管理はもとより、今後新設される公園におきましては、区民にとってこれまで以上に有意義な存在になり得ますよう、例えばドッグランであったり、ボール遊びのできる施設を有する公園などをできることなら増やしていただきますよう要望いたしまして、私からの質問を終えさせていただきます。ありがとうございました。(拍手) ○大森 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎荒井 都市基盤整備部長 私からは、松原 元議員のご質問に順次お答えします。  まず、公園整備の具体的な計画についてのご質問ですが、昨年度の公園整備実績は、議員お話しのような、新設、拡張、縮小、廃止を含めて、面積では約743平方メートル増加しました。なお、廃止の2か所につきましては、特別出張所の建て替えなどに伴う一時的なもので、建て替え完了後には改めて公園として整備してまいります。  区内の公園整備状況は、都立海上公園も含めまして562か所、区民一人当たりの公園面積は4.02平方メートルであります。公園の箇所数では23区中第1位となっていますが、面積的にはまだまだ不十分です。大田区緑の基本計画「グリーンプランおおた」で目標とする区民1人当たり6平方メートルの公園面積確保を目指して、引き続き公園の新設や拡張整備に取り組んでいく考えでございます。  具体的な計画としましては、佐伯山緑地や、都市公園である洗足池公園、田園調布せせらぎ公園などで拡張整備に取り組んでいるとともに、既存公園の隣接地や公園の比較的不足している地域で、新たな用地確保に努めながら、公園の整備に継続的に取り組んでまいります。  続きまして、区内に存在している各公園の管理についてお答えします。  各公園の維持管理は維持業務を委託で行っております。大規模公園につきましては、日中常駐管理、またはそれに近い形で日々管理を行っております。小規模公園では、おおむね2週に1度巡回し、施設及び遊具の点検を行い必要に応じ修繕作業を行っております。トイレにつきましては、元旦及び1月2日を除いて、毎日最低1回は清掃作業を行っております。樹木、草木の管理は、特性や成長の度合い、配置を考慮し、年間の剪定・刈り込みの内容を定め実施しております。自治会などの各種備品格納倉庫につきましては、自治会から倉庫設置の占用許可申請を提出していただき、自主管理をしていただいております。  続きまして、樹木や草木の剪定の回数、地域住民の方の伐採についてお答えします。  樹木、草花は、巡回点検時に枝の剪定などの処理や状況に応じて草刈りを行っています。年間の剪定・刈り込みのサイクルは、各公園の樹木等の配置にもよりますが、公園の外周にある幹回り90センチメートル未満の高木はおおむね2年サイクル、生け垣、低木はおおむね1年サイクルで実施しております。90センチを超えるものにつきましては、別途契約で適宜剪定を行っております。なお、公園の真ん中にあるような樹木は剪定を控える場合がございます。樹木の特性や日照条件などによる過剰繁茂などにつきましては、時期と作業内容を精査し対応しております。  また、地域住民の方の伐採につきましては、原則、善意でありましても公園の樹木や草木の伐採を行うことは、都市公園法にて禁止されているところでございます。例外的には、ふれあいパーク活動などの中で剪定のご協力をお願いしている場合もございます。近隣などにご迷惑がかかる場合や、催し物で支障がある場合は、地域基盤整備課にご一報くだされば相談、対応してまいります。  続きまして、公園の植栽で、火災時に延焼しないような樹種の選定が行われているか、また今後の計画はあるかとのご質問ですが、公園の植栽計画に当たっては、地域住民の要望や、その公園の持つ機能に配慮しながら、四季折々の変化を楽しめる植栽計画に努めております。そして、東糀谷防災公園など災害時の避難場所ともなる公園では、公園の外周部に火災時に延焼防止の効果が高いと言われているヤマモモやカシ類などの常緑広葉樹を選定し、植栽している事例がございます。  しかし、公園の植栽はその地域の特色や歴史性、さらには地域の方々の公園への愛着も考慮して行う必要がございます。今後につきましては、公園の新設や改良整備などの機会を捉えて、地域の要望やその公園の持つ多様な機能、すなわちレクリエーション、憩いの場、子どもの遊び場、スポーツ、運動の場、健康づくりの場、緑地保全、また生物多様性の場、防災機能、また魅力ある都市景観の形成など、また地域コミュニティの醸成などに配慮しつつ、災害時の火災延焼防止などの植樹の機能も踏まえながら、魅力ある公園の緑づくりに努めてまいります。以上でございます。 ○大森 議長 次に、45番野呂恵子議員。                  〔45番野呂恵子議員登壇〕(拍手) ◆45番(野呂恵子 議員) 4月7日付け東京新聞に、「増える外国人支える」と題して、大田区多文化共生推進センター・micsおおたや中国帰国者センターの運営を行ってきた鈴木昭彦さんの活動が紹介されました。鈴木さんは堪能な語学を活かし、東京都の外国語相談員として勤務後、大田区でNPO、OCNetを立ち上げ、在留外国人の支援を始めました。外国人の子どもたちへの日本語学習支援はもちろんのこと、区立学校で発行される学級通信の翻訳、労働相談、法律相談、女性のDV被害相談など、生活のありとあらゆる相談に対応してきました。現在大田区には約2万人の外国人が暮らし、micsおおたでの多言語による相談件数は、2011年度852件から2015年度1812件、今年度8月までの5か月間で既に976件と、年間2000件に迫る勢いです。  大田区の行事や多言語相談の日程を紹介する広報誌「Ota City Navigation」は、実に年10回5か国語で発行し続けてきました。また、全国でも珍しい中国帰国者センターは、その活動実績が高く評価されています。念願の祖国日本へ帰国できたのに、日本語が不自由なため地域で孤立しないように、センタースタッフが様々な企画を計画し、地域で生きていく心のよりどころとして支援を続け、楽しく利用しています。  鈴木さんは外国人を支援してきた原点を、「困った人を助けるのは当たり前」と口癖のように話し、多文化共生は、目標ではなく区民とつながった結果なのだと語っていました。残念ながらこの4月、国際交流を広めるという志半ばで亡くなられてしまいましたが、5月9日の東京新聞には、「まちにはすごい外交官がいる」と追悼する記事が掲載されました。外交官のような権限はないけれどまさに外交官のように、あるときには被害に遭った若い女性を自分のお金でアジアの親元まで送り届けるなど、国籍を超え困っている人を支える姿はまさに行政の仕事そのものであり、多くの外国人、区民から信頼されていました。  最近、留学生が困難に遭遇すると日本語学校の先生が、「micsおおたという施設があるよ」と認知度が広まり、先日も私の地元に住むネパールからの留学生がmicsおおたに支援を受け、無事問題を解決してもらいました。決して多いとは言えない委託費で、翻訳など専門家を抱え運営を続けてこられたのは、いずれの施設でも人と人のつながりを大切にするスタッフが育ってきたからにほかなりません。ここでの仕事から、格差が広がる社会で懸命に生きようとしている区民、外国人の課題が見え、行政への橋渡しとなっています。  そして、先日お話を伺った橘ジュンさんもまた、少女たちとつながり続けている1人でした。「VOICE」の編集長、橘さんは、まちで出会った少女たちの現実に危機感を抱き、みずからBONDプロジェクトというNPOを立ち上げました。接着剤のボンドのように人と人をつなげたいと名づけたNPOには、生きづらさを抱えた多くの少女たちが電話や訪問の相談に訪れます。保健師の資格を持つスタッフなどが、徹底して少女の話を聞く。そして、君たちには相談できる人がいる、居場所がここにあることをしっかりと伝える。その後、弁護士と連携し専門機関へつなぐ。それは一時保護であり、同行支援であり、中長期保護、自立生活支援であり、少女がありのままの自分を語り、少しでも楽になってほしいという願いが込められています。  3000人以上の少女の話を聞き支援を続けてきた橘さんは、こう言いました。「今の少女たちが絶対に離さないもの、それはなんだと思う。携帯電話」と。ネット上でのいじめで学校から遠のく少女、親からの虐待、父親からの性的虐待、貧困による援助交際など家庭に居場所を失った少女たちが頼れる相手は、身近な人間ではなくインターネットでつながる世界。それは犯罪と隣り合わせの危険性をはらんでいます。橘さんは言いました。「たった1人でいいから、少女とつながる人がいれば救われる」と。  やがて高校中退する若者もいます。高校授業料無償化により経済的理由の高校中退者が若干減少したのに、政府は制度を改め申請主義に変更しました。それは膨大な書類が読めない外国人の保護者や、仕事をかけ持ちしているひとり親世帯にとって重い負担です。高校中退者の約7割は非正規就労であり、夜間高校へ転入する子どもの約半数はひとり親の子どもたちだと指摘されています。そして、大田区内の都立高校中退者は2013年158名、2014年151名と推移しています。  高校の先生は言いました。「夜間高校には日本人に加え外国人の子どもたちも増え、教育面と福祉面、その両面なくして成り立たない。せめて高校を卒業させるために、夜間高校は学び直しの場であり、かつて大森高校定時制と、おたくの地域振興課、NPO・OCNetが連携し高校生を支援・交流していたような機会をもう一度つくってほしい。」月額8000円ほどの給食費を払えない生徒も多く、まさに子どもの貧困と切り離せないと訴えていました。それは、この13日公表された練馬区の調査、ひとり親への支援が届いておらず、複合的な課題があるという報告からもわかります。  さらに、引きこもりについて東京都は、大田区内の15歳から39歳で人数推計1229名、住民税で換算したときの年間税収額推計は1人当たり9万8983円、総額1億2165万円余と試算し、社会復帰への支援が求められています。高校中退者の82%が職業の資格取得などの相談体制やアドバイスを求め、大学、専門学校の授業料を無料にしてほしいという8割の声にどう応えていくのか。  そこで伺います。子どもの貧困対策は、国はもちろん、自治体が取り組む課題です。一方で、将来社会に巣立ち就労する子どもたちは、地域や企業にも大切な宝物です。彼らが安心して学び生活できるよう、ひとり親世帯や困難を抱えている世帯を支援する基金の設立を検討してはいかがでしょうか。  沖縄県の基金は広く紹介されておりますが、宮崎県でも民間と連携し、昨年11月、困窮世帯の子どもたちの生活を支える、「みやざき子どもほほえみ基金」を発足しました。宮崎県では、現行制度から抜け落ちている支援を小中学校、高校生を対象に現物かサービスで提供します。大田区には給付制奨学金の制度がありますが、大田区内企業、区民にも広く呼びかけ支援していく仕組みをさらに考えていただきたいと思いますがいかがでしょうか。  また、特に支援を必要としている子どもたち、ひとり親庭、外国人世帯、そして居場所を求める女子中高校生の相談支援の重要性が増しております。相談事業を行うべきと考えますがいかがでしょうか。  年間10万人の高校中退、不登校の実態に都教委は3度までの転学に取り組み出しました。また、スクールソーシャルワーカーが配置されている都立高校では、相談体制が生まれ課題解決につながると聞きましたが、全ての都立高校に配置されてはおりません。  そうした中で、荒川区は区長みずからが、NPOボンドプロジェクトに委託し、日暮里駅前で週3回、女子高校生など若年世代の抱える生きづらさに特化した相談事業を開始しました。被害に陥りやすい少女たちがやがて貧困と向き合ってしまう、その事態を早期に救う大切な取り組みを願い、次の質問に移ります。  先ほど、三沢議員も取り上げておりました。3月、区内の認可外保育施設で6か月の乳幼児が睡眠中に死亡するという痛ましい事故が発生いたしました。ご遺族には心よりお悔やみを申し上げます。その日、友人から、夕方のニュースで大田区の死亡事故が報道されたとメールで知らされ慌てて区役所に引き返しましたが、死因がわらかず、警察が解剖して原因を調査するとのこと。深夜12時、保育士資格のない責任者が1人で、しかも、80歳を超えた方が5人の異年齢の子どもを預かっていたのです。この大田区の子どもたちの現状に本当に心が痛みました。  2月26日、私は相次ぐ認可外保育施設の死亡事故を受け、区内の認可外保育施設について調査し、質問で取り上げました。都内には1761の認可外保育施設があり、そのうちベビーホテルは1000か所もあります。指導監督は1年で19%しかできていません。ところが、大田区内のある施設に対しては毎年立入調査が行われていたのです。しかも、75の立入調査項目のうち守られていない項目があまりにも多く、4年間一向に改善されない項目も多々あり、大変不安になり質問しました。  都が指導しても改善しない、法律に基づき名前を公表してもそのまま運営がなされている危険性、認可外保育所の所管が東京都とはいえ、立入調査に同行している区として、事故を引き起こさないためにも、改善指導に従わない施設への抜き打ち検査や、子どもを守るために呼吸チェックの義務化など、大田区は東京都に働きかけていくべきだと質問いたしましたが、指摘した当該蒲田子供の家での乳幼児死亡と聞き言葉になりませんでした。  二度と同じような事態を引き起こさないための対策が求められ、再度質問させていただきます。万全の対応が東京都にも大田区にも求められますが、大田区は無認可保育施設で6か月の乳幼児が死亡したという痛ましい事故を受け、どのような対策を講じるのでしょうか。  認可保育園には入れず、認可外へ預けた保護者。ひとり親で夜も働いて家計を支えている保護者など認可外を利用する事情は様々ですが、子どもを守ってくれると誰もが願います。しかし、無認可保育施設、いわゆるベビーホテルへの支援は一切なく、保育料だけで運営し、保育士がいない施設もあり、その被害を受けるのはみんな子どもたちなのです。  東京都に確認したところ、大田区、中央区と3月に相次いだ死亡事故を受け、3月22日、各施設設置者に、保育施設における睡眠中の事故防止及び救急対応策の徹底について、睡眠時チェックの徹底と事故防止及び容体急変時の救急対応策に万全を期していただくようお願いしますとの通知が出されていました。あわせて、各自治体へも、区の指導権限が及ぶ保育園等への周知徹底と職員研修、救急救命講習の充実、さらに、認可外の職員の参加も求める通知をしていました。  しかし、認可外保育施設指導監督基準では、乳幼児突然死症候群の予防として、睡眠中の児童の顔色や呼吸の状態をきめ細かく観察することと規定し、義務付けはしていません。2月にも質問いたしましたが、死亡事故を防ぐためには、区立保育園のように、5分置きなど時間を決めた睡眠時呼吸チェックの義務付けを東京都に申し入れるべきと考えますがいかがでしょうか。  さいたま市は認可外保育施設事故を受け、対策として全ての認可外保育施設に呼吸チェックを義務付け、抜き打ち立入調査を実施し、2012年に41%だったルール違反が2014年には18%に減少、また、医療機関や保育施設によっては、乳幼児呼吸モニター、無呼吸アラームのべビーセンスを利用するなど、デリケートな子どもたちには必ず対策が必要です。  対策が講じられなければ一向に都市部の課題は解決しません。ベビーホテルなど認可外保育施設については、認可保育園へ移行するなど対策はできないものでしょうか。認可にはならないという施設については、何らかの対策が求められると考えますが、この点について区はどう考えるのでしょうか。  いわゆるベビーホテルは、1960年代、さらに石油ショック後の女性労働力の増加で生み出された保育需要に行政が対応し切れない中で増え、まさに今の時代と重なります。増加するベビーホテルと死亡事故を受け、国は1981年、モデル事業として夜間保育所の開始を通知しました。1995年にはこの通知が廃止され、新たに夜間保育所の設置認可等について通知され、夜間保育所が正規事業として位置付けられたのです。しかし、自治体は需要を掘り起こすと着手してきませんでした。  福岡市博多区中洲に夜間保育所どろんこ保育園があります。今から43年前、司法試験を目指していた学生と保育士の若いカップルが夜間子どもを預かってほしいとお願いされ始めた託児所は、やがて福岡市から無償で土地を提供され、社会福祉法人など保育園運営者が建物の建設費を自己負担する福岡方式として、認可夜間保育所の運営を始めました。理事長の天久さんにお話を伺ったところ、「ベビーホテルでは子どもの発達、教育的な補償ができない。経済的支援のないベビーホテルで保育料を僕たちも2倍にした。しかし、認可園の倍の子どもを保育しなければやっていけない。この課題を克服し、夜に働く親と子どもを支援する意味でも認可の夜間保育所が必要だ」と。そして、「徹底して立入検査を明らかにすること」、「親が何時に働きに出て何時に帰るか、それを調査するだけで自治体の保育需要がつかめる」と熱く語ってくれました。  新宿区にも認可の夜間保育園があります。1981年、新宿の歓楽街近くで始められた夜間保育は、1991年には新宿区が補助金を出してくれたのです。そして、夜間保育室と認めらました。そして今、24時間運営の認可へと歩んでいるのです。できない理由を探すのではなく、そこに子どもがいて、保育を必要とする親がいたら対策を講じるべきであり、現在全国に82か所の夜間認可保育所が設置されています。  また、ベビーホテルなどを利用している世帯には深夜労働をしているひとり親世帯も多く、貧困対策としての側面もあります。それは本来母子寮などの利用対象者とも言えるのではないでしょうか。長期滞在児童については児相とも相談するなど福祉対策の面が求められ、全庁的に把握、検討して情報を共有し対処すべきと考えますがいかがでしょうか。  さらに今年度から、大田区が私立認可保育園や小規模保育園の指導監督、さらに巡回指導に取り組みました。この9月、ようやく指導が開始いたしましたが、保護者や区民がその現状を把握し、認可園での事故防止に向けて指導した結果は公表すべきと考えますがいかがでしょうか。  今年度予算において、大田区の指導監督対象施設は、3月時点で私立認可園、小規模保育所、定期利用保育室と89か所236万円でした。大田区にとっても、巡回指導は事故を防ぐ重大な責任が生じてまいります。東京都は、この9月議会に補正予算を計上し、現在18名しかいない認可外保育施設の巡回指導職員の増員にようやく着手いたします。大田区の指導班も現在1組しかおらず、大田区は現在待機児消のため保育施設の増設に鋭意取り組んでおりますが、このままでは指導に2年も3年も時間を要します。人員を確保して指導班を増やし、安心・安全を担保すべきと考えますがいかがでしょうか。  全てのこの大田区で暮らす子ども、若者の未来を支える区であることを切に願い、私の質問といたします。ありがとうございました。(拍手) ○大森 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎中原 福祉部長 私からは、子どもの貧困対策についての2点の質問にお答えいたします。  まず、子どもたちを支援するための基金設立に関する質問でございますが、区では、国の「子どもの未来応援基金」や、沖縄県の「子どもの貧困対策推進基金」など、自治体が独自に展開する施策の動向についても把握しております。子どもたちが未来を切り開き、貧困の連鎖を断ち切ることを目的とした基金等の取り組みについては、有効な施策の一つとして認識しております。しかし、まずは、大田区の子どもとその家庭が抱える課題を正しく把握し、注力すべき施策のあり方を定めてまいりたいと考えております。  次に、子どもの貧困対策に関連して、女子中高生など若者に対する支援へのご質問でございます。  子どもとその家庭の状況は外からは見えにくいと言われております。そのため計画策定に当たり、区内17の施設及び支援活動団体を訪問し、施設長や職員、団体の代表者へのヒアリングを実施いたしました。誰にも相談できずに悩みを抱える若者に対しては、周囲の大人がいち早く気づき、必要な支援につなげるとともに、継続して注意深く見守っていく必要があると認識しております。  ご質問にあるように、きめ細かい支援が必要な子どもや若者にも視野を広げ、引き続き関係部局と協議を重ねながら計画を取りまとめてまいります。私からは以上でございます。 ◎後藤 こども家庭部長 私からは、保育事故に関する5点の質問に順次お答えいたします。  初めに、今回の事故を受けて区はどのような対策を講じるのかとのご質問であります。  今回、大田区の子どもが保育中に亡くなるという大変痛ましい事故を残念に思うとともに、今後二度と同じような事故が起こらないよう現状の制度と役割を踏まえた上で、改善していきたいと考えております。  先週東京都が発表した「待機児童解消に向けた緊急対策」の中で、ベビーホテルなど認可外保育施設の保育サービスの質の向上を図り、児童と保護者の安全・安心を確保するため、巡回指導チームを編成し、指導体制を強化する内容が盛り込まれております。区としても、これまで以上に都との連携を強化し、大田の全ての子どもの安全・安心な保育環境の確保に努めてまいります。  次に、睡眠中の呼吸チェックの義務付けについてのご質問であります。  区立保育園では、午睡時の呼吸チェックの基準を設けており、保育士が、ゼロ歳児は5分ごと、1・2歳児では15分ごと、3歳児以上では30分ごとに実施しております。この基準につきましては、私立認可保育所に対して、呼吸チェックの参考となるよう情報提供をしております。また、小規模保育所、認証保育所、定期利用保育施設に対しては、区による巡回相談の中で指導しているところです。認可外の保育施設につきましては、東京都が施設開設の届け出の際に、呼吸チェックを含む情報提供を行い、よりよい保育の実践に向けた啓発に努めていると聞いておりますが、今回のような重大な事故を防ぐためにも、呼吸チェックにつきましては改めて認可外保育施設へ徹底されるよう東京都に対して働きかけてまいります。  次に、ベビーホテルの認可化に関するご質問ですが、開園時間の問題はございますが、施設の規模からは地域型保育施設である小規模保育所への認可化移行の可能性があると考えております。今後、事業者から認可化に向けた相談があった場合には、施設面や職員配置など認可化に関する諸条件や手続きなどについてきめ細かな支援を行ってまいります。  なお、認可化できない施設に対しては、区として廃園や排除はできませんが、東京都による指摘事項が改善されていない施設に対して、東京都と連携し、改善に向け強く働きかけてまいります。  次に、ベビーホテルなどの利用者の全庁的な把握と対応についてのご質問です。  認可外保育所につきましては、児童福祉法に基づき東京都知事に届け出ることになっております。現在のところ、認可外保育所の利用者に関する個人情報は区が管理する立場にないのが現状であります。なお、ベビーホテルなどを利用されている児童に関するご相談が区に寄せられた場合は、子ども家庭支援センターをはじめ、関係各課と連携して対応しております。また、児童の一時的な保護など児童相談所の役割となっている相談につきましても、品川児童相談所と連携して対応に当たっております。引き続き、個別の案件ごとに、関係各課での情報共有を含めた適切な対応ができるよう努めてまいります。  最後に、区の指導検査結果の公開についてのご質問です。  私立認可保育園や小規模保育所につきましては、今年度より、子ども・子育て支援法に基づき、区が指導検査を実施することになりました。これに伴い、保育サービス課に指導検査を担当するチームを編成し、対象施設の指導検査に取り組んでいるところです。7月には対象施設の全事業者に対し集団指導を実施し、9月からは順次現地における指導検査を進めてまいります。  これらの施設に対する指導検査の結果につきましては、ホームページ等で公開を予定しております。公開に当たりましては、公開する項目、公開時期、公開方法などについて、効果的な情報発信ができるよう検討してまいります。  なお、今後待機児解消の取り組みに伴い、指導対象となる保育所の増加が見込まれます。区における安全・安心な保育を確保していくためにも、指導体制の強化が必要と考えております。私からは以上です。 ○大森 議長 以上で質疑を終結いたします。 ◆34番(黒沼良光 議員) 議長。 ○大森 議長 34番黒沼良光議員。 ◆34番(黒沼良光 議員) 一般質問の自民党の伊藤議員の発言中、「区への悪口だったり」の部分の削除を求める動議を出します。以上です。                    〔「賛成」と呼ぶ者あり〕 ○大森 議長 ただいまの動議については所定の賛成者がありますので、動議は成立いたしました。  議事整理のためしばらく休憩いたします。                      午後4時56分休憩
                   ――――――――――――――――――――                      午後5時45分開議 ○大森 議長 休憩前に引き続き会議を開きます。  先ほど、黒沼良光議員より提出された伊藤和弘議員の発言の一部取り消しを求める動議を直ちに議題といたしたいと思います。これにご異議ありませんか。                   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○大森 議長 ご異議なしと認め、そのように決定いたしました。  これより討論に入ります。本件については金子悦子議員より通告がありますので、これを許します。                  〔35番金子悦子議員登壇〕(拍手) ◎35番(金子悦子 議員) 私は、自民党、伊藤和弘議員の発言の一部取り消しを求める動議に賛成の討論を行います。  議員必携では、発言の自由と責任について述べられています。議員活動の基本は言論であり、全て言論によって決定するのが建前であります。このため、議会においては、特に言論を尊重し、その自由を保障しています。しかし、発言が自由であるからといってどんな内容の発言も許されるというものではありません。おのずから節度のある発言でなければなりません。例えば議場の秩序を乱したり、品位を落とすものであったり、個人のプライバシーに関する発言まで許されるものではありません。  今回、「区への悪口だったり、区政の反対とかは野党の皆さんに任せるとして」との発言で、広辞苑によりますと、悪口とは、人を悪く言うことであり、議会の品位を落とすものであり到底許されるものではありません。  伊藤和弘議員の発言の一部取り消しを求める動議の賛成討論とします。(拍手) ○大森 議長 以上をもって討論を終結します。  これより本動議を起立により採決いたします。本動議のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。                      〔賛成者起立〕 ○大森 議長 起立少数であります。よって本動議は否決されました。  議事を続けます。               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○大森 議長 これより本日の日程に入ります。  日程第1を議題とします。                     〔佐藤事務局長朗読〕 △日程第1  第102号議案 平成28年度大田区一般会計補正予算(第2次) ほか16件                ―――――――――――――――――――― ○大森 議長 理事者の説明を求めます。 ◎遠藤 副区長 ただいま上程されました各議案についてご説明申し上げます。  第102号議案は、平成28年度大田区一般会計補正予算(第2次)で、今回の補正は、歳入歳出予算の総額に歳入歳出それぞれ36億7722万3000円を増額し、補正後の歳入歳出予算の総額は、それぞれ2610億7434万7000円となります。歳入で増額する内容は、国庫支出金、繰越金などでございます。歳出で増額する内容は、総務費、福祉費などでございます。減額する内容は土木費でございます。このほか、債務負担行為の補正として、追加5件をお願いしております。  第103号議案は、平成28年度大田区国民健康保険事業特別会計補正予算(第1次)で、今回の補正は、歳入歳出予算の総額から歳入歳出それぞれ3762万円を増額し、補正後の歳入歳出予算の総額は、それぞれ835億9061万4000円となります。歳入で増額する内容は、繰入金でございます。歳出で増額する内容は、総務費、諸支出金などでございます。  第104号議案は、平成28年度大田区後期高齢者医療特別会計補正予算(第1次)で、今回の補正は、歳入歳出予算の総額に歳入歳出それぞれ1億2401万3000円を増額し、補正後の歳入歳出予算の総額は、それぞれ149億4579万3000円となります。歳入で増額する内容は、繰越金、諸収入でございます。歳出で増額する内容は、諸支出金でございます。  第105号議案は、平成28年度大田区介護保険特別会計補正予算(第1次)で、今回の補正は、歳入歳出予算の総額に歳入歳出それぞれ10億7314万7000円を増額し、補正後の歳入歳出予算の総額は、それぞれ520億4888万4000円となります。歳入で増額する内容は、支払基金交付金、繰越金などでございます。歳出で増額する内容は、基金積立金、諸支出金でございます。  第106号議案は、大田区教育に関する事務の職務権限の特例に関する条例の一部を改正する条例で、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の改正に伴い、規定を整理するため改正するものでございます。  第115号議案は、あらたに生じた土地の確認についてで、公有水面の埋め立てにより、新たに土地が生じたので、地方自治法第9条の5第1項の規定に基づき提出するものでございます。  第116号議案は、あらたに加える市街地の区域及び当該区域における住居表示の方法についてで、新たに加える市街地の区域について、住居表示を実施するため、住居表示に関する法律第3条第1項の規定に基づき提出するものでございます。  第117号議案は、大田区立東六郷小学校校舎取りこわし工事及び体育館改築工事請負契約についてで、契約の相手方は、北信・大光建設工事共同企業体、契約金額は8億9478万円でございます。  第118号議案は、災害対策用毛布の購入についてで、契約の相手方は、株式会社東京商工社、契約金額は9219万4329円でございます。  第119号議案は、災害用簡易トイレの購入についてで、契約の相手方は、ミドリ安全株式会社城南支店、契約金額は6275万1780円でございます。  報告第21号は、平成27年度決算に基づく健全化判断比率の状況についてで、地方公共団体の財政の健全化に関する法律第3条第1項の規定に基づき報告するものでございます。  報告第22号は、民事訴訟の提起に係る専決処分の報告についてで、中小企業融資資金譲受債権支払滞納者に対する貸金返還請求に関する訴えの提起に係る専決処分1件について報告するものでございます。  報告第23号は、民事訴訟の提起に係る専決処分の報告についてで、大田区奨学金返還請求に関する訴えの提起に係る専決処分2件について報告するものでございます。  報告第24号は、訴え提起前の和解に係る専決処分の報告についてで、使用料等の支払を求める訴え提起前の和解に係る専決処分1件について報告するものでございます。  報告第25号は、区の義務に属する損害賠償額決定に係る専決処分の報告についてで、ごみ収集作業車による物損事故ほか1件について報告するものでございます。  報告第26号は、本村橋構造改良工事請負契約の専決処分の報告についてで、契約金額を当初の1億8738万円から1億8446万9400円に変更いたしました。  報告第27号は、大田区立東六郷小学校校舎改築工事請負契約の専決処分の報告についてで、契約金額を当初の15億2280万円から15億2620万2000円に変更いたしました。  以上、よろしくご審議の上、ご決定賜りますようお願い申し上げます。 ○大森 議長 これより質疑に入ります。  この際、議員の皆様に申し上げます。本会議での議員の発言につきましては、会議規則第53条で「発言はすべて簡明にするものとし、議題外にわたり、又はその範囲をこえてはならない。」と規定され、また、質疑についても「自己の意見を述べることができない」と明記されております。したがいまして、議員の皆様には、発言に当たっては、規則で定められたルールに従って行うよう、ご留意のほどお願いしておきます。  本案については、奈須利江議員より通告がありますので、これを許します。                    〔47番奈須利江議員登壇〕 ◆47番(奈須利江 議員) フェアな民主主義、奈須利江です。  第102号議案 平成28年度大田区一般会計補正予算(第2次)について質疑いたします。  補正予算は不要不急のやむを得ない状況の変化に対応するというのが基本です。今回の補正予算には、清掃事業を委託するための受け皿として(仮称)一般社団法人大田区環境公社の設立にかかわる経費714万1000円が計上されています。  そこで伺います。清掃事業という行政サービスの根幹のあり方を変える問題に直結した予算を補正予算で対応する理由と、大田区の補正予算編成方針についてお答えください。  また、法人の設立経費の是非は、可燃ごみ委託後の清掃事業の全体像が理解できて初めて判断できるものですが、法人を設立し、可燃ごみの収集を委託した後に清掃事業がどうなるか、委託の是非を判断するための清掃事業の全体像について議会への説明は行われていません。公共サービスである清掃事業の受託法人を公益財団法人でなく一般社団法人とする理由や、将来株式会社に委託する可能性、雇上会社との関係、競争性のない地域独占事業を民間委託することのメリット、地域独占事業を委託して契約価格を民間事業者にコントロールされないための方策やどう競争性を確保するのか。当初、株式会社大田区まちづくり公社に受託させるのではないかという見方もあり、定款まで変更していることとの関係。収集運搬の現場を経験していない職員だけになったときに、収集に関するノウハウなしで、どう一般廃棄物処理基本計画を策定するのか。民間を管理するのかといった委託の内容や運営のあり方などは、いつどのように議会に対して、また大田区民に対して説明されるのでしょうか。大田区の区民への意見聴取、パブリックコメントや説明責任の観点も踏まえてお答えください。  また、今回のこうした議会への説明なしに、いきなり補正予算を計上するやり方は、これまで大田区が行ってきた行政としての説明責任と合意形成のあり方とは大きく異なります。  そこで伺います。議会制民主主義における大田区民の代表である議会への説明責任と合意形成のあり方についての区長の考え方と、今回の手続きについてご説明ください。  次に、第117号議案 大田区立東六郷小学校校舎取りこわし工事及び体育館改築工事請負契約について質疑いたします。  大田区は分離発注を基本としていますが、今回は通常ではあり得ない解体工事と建設工事との一括発注です。大田区の一括発注と分離発注の基本的な考え方についてお示しください。  また、今回、分離発注の基本を守れなかったのはなぜですか。今後も同様の事態が起こりませんか。今後の防止の仕組み構築についてどのように考えているかお示しください。以上です。 ○大森 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎遠藤 副区長 奈須議員から第102号議案について、発言通告書により事前に通告されております3点についてお答えいたします。  まず、1点目の補正予算で対応する理由と大田区の補正予算編成方針につきましては、区は今回の一般会計第2次補正予算につきまして、第1次補正予算編成後に生じた状況の変化に速やかに対応するため予算編成させていただいたものでございます。  このうち(仮称)一般財団法人大田区環境公社の設立予算につきましては、可燃ごみ及び不燃ごみ収集車両に関しまして23区の一括代理契約を実施する東京二十三区清掃協議会など多くの関係団体との協議等の経過を踏まえ、平成29年4月1日からの可燃ごみ収集業務の委託開始に向けて速やかに対応するためのものでございます。  2点目の委託の内容などに関する議会、区民への説明につきまして、区は、可燃ごみ収集業務を平成29年4月1日から委託する計画として、平成27年11月30日及び12月1日に開催いたしました所管常任委員会においてご説明させていただいているところでございます。  また、委託の内容や運営のあり方につきましては、本定例会における所管常任委員会の場で改めて説明させていただく予定でございます。  区民の皆様に対しましては、本定例会において議決をいただいた後に、区のホームページ等を活用し広く周知を図るとともに、今後、委託が予定される地域の皆様へは、適宜説明をしてまいります。  3点目の補正予算における議会への説明責任と合意形成のあり方につきましては、補正予算は、地方自治法第218条第1項の規定により、当初予算の調製後に生じた事由に基づいて、既定の予算に追加等の変更を加える必要が生じたときに調製するものでございます。補正予算案を執行機関として意思決定した際は、議会に対し適切な時期に丁寧に説明をしております。また、その内容につきましては、十分なご審議をいただいて、議会との合意形成を図っているものでございます。  今回につきましても、これまで同様に適切に対応してまいりたいと考えてございます。  次に、奈須議員から第117号議案について、発言通告書により事前に通告されております3点についてお答えいたします。  まず、1点目の一括発注と分離発注の基本的な考え方につきましては、区は土木・建築・電気・機械設備等の業種ごとに分離して発注することを基本としております。ただし、地方自治法施行令により随意契約とすることができる130万円以下の小額案件などにつきましては、事業者側の採算性等を考慮し、入札不調対策として、他業種と統合して一括発注する場合がございます。  2点目の分離発注の基本を守れなかった理由につきましては、今回の工事は、今年の冬休みに予定している新校舎への移転後に、平成30年3月までの工期で旧校舎を取り壊し、その跡地に新体育館を建築するものです。このため、最終工期までに間に合わせることを勘案し、特例として一括発注としたものでございます。  3点目の今後の防止策につきましては、分離発注の基本を踏まえつつ、計画段階から工事工程に留意し、引き続き適正な工事契約を実施してまいります。以上でございます。 ○大森 議長 奈須議員、演壇にて再質疑を許可します。                    〔47番奈須利江議員登壇〕 ◆47番(奈須利江 議員) 丁寧な説明をしていただけるということで、ありがとうございます。  最初の質疑のご答弁をいただきましたけれども、なぜ補正予算で対応したのかというところですけれども、先ほどの説明では、当初予算に組み込むことができなかった理由にはならないと思いますので、そこの部分につきましては、委員会の審議の中できちんと説明されるのでしょうか。  それからもう一つ、答弁の中で、地域に対して説明という答弁がありました。そうしますと、今回の可燃ごみの委託というのは大田区全体の委託ではなく、地域ごとに行う委託ということなのでしょうか。この部分につきましても、委員会審議の中で説明がされるのかどうかということについて確認をさせていただきたいと思います。  そして、もう一つの分離発注と一括発注の問題ですが、私が答弁を聞き漏らしていたのかもしれないので、聞き漏らしていたら大変申しわけないんですが、建設と電気と設備でしたか、三つに分かれていたように思うんですが、解体と建設というのは基本的には一括発注ができるものなのでしょうか。それとも、もともと解体工事と建設工事というのは分離発注が基本ということでよろしいのでしょうか。以上お伺いしたいと思います。 ○大森 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎市野 環境清掃部長 ただいまのご質問でございますけれども、発言通告された内容につきましての基本的な考え方は、先ほど申し上げたとおりでございます。詳細な点につきましては、付託先委員会でご審議を賜り答弁をさせていただきたいと存じます。私からは以上でございます。 ◎玉川 総務部長 分離発注に関してでございますが、発言通告された内容についての基本的な考え方は、先ほど遠藤副区長から申し上げたとおりでございます。ただいま質疑された点につきましては、発言通告書には記載がないため答弁は控えさせていただきます。 ○大森 議長 以上をもって質疑を終結いたします。  本案については、報告第21号から報告第27号に至る7件を除き、いずれも所管総務財政委員会に付託します。  なお、本案中第106号議案 大田区教育に関する事務の職務権限の特例に関する条例の一部を改正する条例につきましては、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第23条第2項の規定に基づき、あらかじめ教育委員会の意見を聞いておきました。皆様のお手元に配付してあります写しのとおりですのでご報告いたします。                ――――――――――――――――――――                                        28教教発第11778号                                        平成28年9月9日   大田区議会議長 大 森 昭 彦  様                          大田区教育委員会委員長  芳 賀   淳  地方教育行政の組織及び運営に関する法律第23条第2項に基づく教育委員会の意見聴取について(回答)  平成28年9月6日付け28大議発第10490号で意見聴取のあった下記条例案については、異議ありません。                         記  第106号議案 大田区教育に関する事務の職務権限の特例に関する条例の一部を改正する条例               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○大森 議長 日程第2を議題とします。                     〔佐藤事務局長朗読〕 △日程第2  第120号議案 大田区と宮城県東松島市との友好都市の提携について                ―――――――――――――――――――― ○大森 議長 理事者の説明を求めます。 ◎遠藤 副区長 ただいま上程されました議案についてご説明申し上げます。
     第120号議案は、大田区と宮城県東松島市との友好都市の提携についてで、大田区と宮城県東松島市との友好都市の提携を行うに当たり、地方自治法第96条第2項の規定により議会の議決すべき事件を定める条例第2条第3号の規定に基づき提出するものでございます。  以上、よろしくご審議の上、ご決定賜りますようお願い申し上げます。 ○大森 議長 本案については質疑の通告がありませんので、所管地域産業委員会に付託します。               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○大森 議長 日程第3を議題とします。                     〔佐藤事務局長朗読〕 △日程第3  第107号議案 大田区立新蒲田福祉センター条例の一部を改正する条例 ほか1件                ―――――――――――――――――――― ○大森 議長 理事者の説明を求めます。 ◎遠藤 副区長 ただいま上程されました各議案についてご説明申し上げます。  第107号議案は、大田区立新蒲田福祉センター条例の一部を改正する条例で、大田区立新蒲田福祉センターの移転とともに、名称を大田区立志茂田福祉センターに改めるほか、規定を整備するため改正するものでございます。  第108号議案は、大田区立上池台障害者福祉会館条例の一部を改正する条例で、大田区立上池台障害者福祉会館の分場として、知的障害者作業室馬込分場を置くため改正するものでございます。  以上、よろしくご審議の上、ご決定賜りますようお願い申し上げます。 ○大森 議長 本案については質疑の通告がありませんので、いずれも所管健康福祉委員会に付託します。               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○大森 議長 日程第4を議題とします。                     〔佐藤事務局長朗読〕 △日程第4  第109号議案 大田区空き家の適正管理に関する条例を廃止する条例 ほか1件                ―――――――――――――――――――― ○大森 議長 理事者の説明を求めます。 ◎遠藤 副区長 ただいま上程されました各議案についてご説明申し上げます。  第109号議案は、大田区空き家の適正管理に関する条例を廃止する条例で、空家等対策の推進に関する特別措置法の施行に伴い、廃止するものでございます。  第110号議案は、大田区空家等対策審議会条例の一部を改正する条例で、大田区空き家の適正管理に関する条例の廃止に伴い、規定を整備するため改正するものでございます。  以上、よろしくご審議の上、ご決定賜りますようお願い申し上げます。 ○大森 議長 本案については、奈須利江議員より通告がありますので、これを許します。                    〔47番奈須利江議員登壇〕 ◆47番(奈須利江 議員) フェアな民主主義、奈須利江です。  第109号議案 大田区空き家の適正管理に関する条例を廃止する条例について質疑いたします。  大田区空家等対策審議会条例は平成27年の第3回定例会で審議可決しています。その際に、大田区空き家の適正管理に関する条例との整合性について質問があり、大田区は、「条例と特措法の関係を整理しながら進めてまいりたいと考えてございます」と答弁しています。審議会条例の施行が27年12月24日ですが、この間、第1回定例会でも、また第2回定例会でも大田区空き家の適正管理に関する条例は廃止されずにきました。大田区空家等対策計画ができたのが平成28年7月11日です。  そこで、法規にもかかわる問題ですので、ここで伺います。どのような整理のもとにこの廃止条例が上程されているのでしょうか。大田区空家等対策計画の位置付けに条例廃止と記されていますが、整理の内容について説明がありません。整理の内容がわからなければ廃止の是非を判断することができません。大田区空き家の適正管理に関する条例を廃止する場合、そのまま存続させる場合とで、大田区空家等対策計画の計画、特定空家等に対する措置、行政代執行などの運用がどう違ってくるのかお示しください。 ○大森 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎遠藤 副区長 奈須議員から、第109号議案について発言通告書により事前に通告されております2点についてお答えいたします。  まず1点目のどのような整理のもとに大田区空き家の適正管理に関する条例の廃止条例が提出されているのかにつきましては、廃止条例案とともに、大田区空き家の適正管理に関する条例に規定している命令及び代執行の適否の判定を行う大田区空き家の適正管理に係る判定委員会の機能を、大田区空家等対策審議会条例で規定するための条例改正案を提出しております。  この改正を行うことにより、大田区空き家の適正管理に関する条例の規定は、全て空家等対策の推進に関する特別措置法及び大田区空家等対策審議会条例に含まれるため、大田区空き家の適正管理に関する条例を廃止するものでございます。  2点目の大田区空き家の適正管理に関する条例を廃止する場合、そのまま存続させる場合とでどう違ってくるのかにつきましては、大田区空き家の適正管理に関する条例を存続させる場合は、大田区空き家の適正管理に係る判定委員会と大田区空家等対策審議会の二つの付属機関が並列することとなり、極めて非効率な運用となります。一方、条例を廃止する場合は、先ほど申し上げたとおり、空家等対策の推進に関する特別措置法及び大田区空家等対策審議会条例に基づき、全ての措置を実施することができます。以上でございます。 ○大森 議長 奈須議員、演壇にて再質疑を許可します。                    〔47番奈須利江議員登壇〕 ◆47番(奈須利江 議員) 答弁の中では、存続させる場合と廃止させる場合で、非効率ということで、効率性の問題からこれが廃止されるということですけれども、内容についての説明がありませんが、内容については説明をせずに、この非効率ということだけが説明なのか、あるいは委員会の中できちんと説明されるのかについてお答えいただければというふうに思います。 ○大森 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎黒澤 まちづくり推進部長 ただいまの再質疑につきましてご答弁申し上げます。  発言通告書で事前にいただきました2点の質問につきましては、先ほど遠藤副区長より全てお答えしたところでございますので重複した答弁は控えさせていただきます。なお、後段の部分につきましては、発言通告書に記載がないため、これにつきましても答弁を控えさせていただきます。 ○大森 議長 以上をもって質疑を終結いたします。  本案については、いずれも所管都市整備委員会に付託します。               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○大森 議長 日程第5を議題とします。                     〔佐藤事務局長朗読〕 △日程第5  第111号議案 大田区学童保育の実施等に関する条例の一部を改正する条例 ほか3件                ―――――――――――――――――――― ○大森 議長 理事者の説明を求めます。 ◎遠藤 副区長 ただいま上程されました各議案についてご説明申し上げます。  第111号議案は、大田区学童保育の実施等に関する条例の一部を改正する条例で、学童保育料を改定するため改正するものでございます。  第112号議案は、大田区保育の必要性の認定等に関する条例の一部を改正する条例で、保育料を改定するほか、多子軽減に係る費用等を定めるため改正するものでございます。  第113号議案は、大田区家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例で、家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準の改正に伴い、規定を整備するため改正するものでございます。  第114号議案は、大田区立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例で、学校医等の補償の範囲、金額及び支給方法等について、補償の基礎となる補償基礎額等を都立学校での補償基礎額等に整合させるほか、政令の規定の例によることとするため改正するものでございます。  以上、よろしくご審議の上、ご決定賜りますようお願い申し上げます。 ○大森 議長 本案については、奈須利江議員より通告がありますので、これを許します。                    〔47番奈須利江議員登壇〕 ◆47番(奈須利江 議員) フェアな民主主義、奈須利江です。  第112号議案 大田区保育の必要性の認定等に関する条例の一部を改正する条例について質疑いたします。  今回の条例改正の中の保育料の改定は、保育園・学童保育保育料検討委員会の報告に基づき行われていると説明を受けました。保育料検討の議論の視点は、公平性の視点、受益と負担の関係性の視点、少子化対策の視点、子どもの貧困対策の視点、保育の質の確保の五つで、この視点で、負担能力に応じた階層の見直し、階層区分における税額幅の見直し、保育料の収納率向上など、8項目にわたる見直しについて提案されています。  大田区は、報告に基づいた大田区の考え方は公表せず、報告をそのまま受け入れる形で保育料改正議案を送付したと聞いています。  そこで質疑いたします。今回の保育料改定は受益と負担の関係性の視点から行われていますが、この受益とはそもそも何を意味するものでしょうか。大田区民が保育を受けているという行政サービスを意味する受益なのでしょうか、それとも税投入されている、またその金額の多寡を意味するのでしょうか。  保育は単なる経済活動におけるサービスではなく、行政の責務です。保育料改定における行政の責務、中でも大田区の責務のあり方について検討しましたか、それを議会に示すことはできますか。保育運営経費は保護者負担と行政負担に分かれます。この負担割合の推移について公表できますか、できないとすればなぜですか。  認可保育園の公平性の議論だけが行われていますが、認可保育園と無認可保育所との負担などの公平性について考え方を整理していますか、していないとするならなぜですか。以上質疑いたします。 ○大森 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎遠藤 副区長 奈須議員から第112号議案について、発言通告書により事前に通告されております4点についてお答えいたします。  まず、1点目の受益とは行政サービスを意味するのか、それとも税投入されている、またその金額の多寡を意味するのかですが、受益とは、年齢ごとに異なる保育サービスの提供内容でございます。  2点目の保育料改定における行政の責務、中でも大田区の責務のあり方について検討したか、それを議会に示すことはできるかですが、27年4月からの子ども・子育て支援新制度では、必要とする全ての家庭が利用できる支援の提供が求められており、そのための保育給付を含む子育て支援事業を適正かつ円滑に執行するための子育て支援策を展開しているものでございます。また、今回の改正案の提出に至る検討経過は所管常任委員会に報告してございます。  3点目の保育運営経費は保護者負担と行政負担に分かれるが、この負担割合の推移について公表できるか、できないとすればなぜかですが、年度ごとの保育園運営経費の負担割合につきましては、毎年の「入園申込みのしおり」においてお示ししておりますので、推移についても公表は可能でございます。  4点目の認可保育園と無認可保育園との負担などの公平性について考え方を整理しているか、いないとするならなぜかですが、大田区保育園・学童保育保育料検討委員会の中では、認可保育園と認証保育所との負担の公平性についてのご意見はありました。しかし、今回の改定は、認可保育園と小規模保育所を対象としたもので、認証保育所等の無認可保育所は対象としていないため、その両者の負担の公平性については触れられておりません。  したがいまして、区は、保育料の検討とは別に認証保育所等に対して負担のあり方を含め、保育の質の向上を図るための対応をしているところでございます。以上でございます。 ○大森 議長 以上をもって質疑を終結いたします。  本案については、いずれも所管こども文教委員会に付託します。               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○大森 議長 日程第6を議題とします。                     〔佐藤事務局長朗読〕 △日程第6  第98号議案 平成27年度大田区一般会計歳入歳出決算 ほか3件                ―――――――――――――――――――― ○大森 議長 理事者の説明を求めます。 ◎遠藤 副区長 ただいま上程されました各議案についてご説明申し上げます。  お手元に提出してございます平成27年度大田区各会計歳入歳出決算参考資料に沿ってご説明申し上げます。  第98号議案は、平成27年度大田区一般会計歳入歳出決算で、予算現額は2587億9681万2435円、この額は、平成27年度の最終補正後の予算額2569億8173万2000円に、平成26年度の繰越額18億1508万435円を加えたものでございます。歳入総額は2573億1336万9801円、歳出総額は2446億6988万8713円、歳入歳出差引額は126億4348万1088円でございます。この差引額から、平成28年度への繰越明許費繰越額であります20億3444万440円及び事故繰越し繰越額であります2986万4820円を除きました残額が、平成27年度の実質収支額となりまして105億7917万5828円でございます。このうち、財政基金への積立金が52億8958万8000円、平成28年度への繰越財源といたしまして52億8958万7828円でございます。  第99号議案は、平成27年度大田区国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算で、予算現額は849億8638万4000円、歳入総額は854億4529万2096円、歳出総額は841億2123万1869円、歳入歳出差引額は13億2406万227円でございます。  第100号議案は、平成27年度大田区後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算で、予算現額は142億9517万7000円、歳入総額は143億4790万1689円、歳出総額は142億2963万8429円、歳入歳出差引額は1億1826万3260円でございます。  第101号議案は、平成27年度大田区介護保険特別会計歳入歳出決算で、予算現額は490億9579万4000円、歳入総額は485億3405万9499円、歳出総額は474億9484万3132円、歳入歳出差引額は10億3921万6367円でございます。  なお、各特別会計の歳入歳出の差引額につきましては、平成28年度へ繰り越しとさせていただきます。  以上、よろしくご審議の上、ご認定賜りますようお願い申し上げます。 ○大森 議長 本案については質疑の通告がありません。  お諮りいたします。本案については、決算特別委員会を設置し、これに付託の上、審査したいと思います。これにご異議ありませんか。                   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○大森 議長 ご異議なしと認め、そのように決定いたしました。  お諮りいたします。ただいま設置されました決算特別委員会の定数は46名とし、委員は、委員会条例第6条第1項の規定に基づき、お手元に配付しました決算特別委員名簿のとおり議長より指名したいと思います。これにご異議ありませんか。                   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○大森 議長 ご異議なしと認め、そのように決定いたしました。  なお、本日の会議終了後、正副委員長互選のため、決算特別委員会を本議場において招集いたしますので、ご了承願います。                ――――――――――――――――――――
                     決 算 特 別 委 員 名 簿      田 中 一 吉 委員    松 原 秀 典 委員    高 瀬 三 徳 委員      岸 田 哲 治 委員    松 原 茂登樹 委員    伊 藤 和 弘 委員      塩野目 正 樹 委員    押 見 隆 太 委員    鈴 木 隆 之 委員      伊佐治   剛 委員    深 川 幹 祐 委員    長 野 元 祐 委員      渡 司   幸 委員    高 山 雄 一 委員    松 本 洋 之 委員      岡 元 由 美 委員    勝 亦   聡 委員    広 川 恵美子 委員      玉 川 英 俊 委員    田 村 英 樹 委員    大 橋 武 司 委員      小 峰 由 枝 委員    椿   真 一 委員    田 島 和 雄 委員      末 安 広 明 委員    大 竹 辰 治 委員    清 水 菊 美 委員      藤 原 幸 雄 委員    佐 藤   伸 委員    菅 谷 郁 恵 委員      黒 沼 良 光 委員    金 子 悦 子 委員    福 井 亮 二 委員      荒 尾 大 介 委員    山 崎 勝 広 委員    黒 川   仁 委員      岡   高 志 委員    松 原   元 委員    荻 野   稔 委員      三 沢 清太郎 委員    野 呂 恵 子 委員    犬 伏 秀 一 委員      奈 須 利 江 委員    湯 本 良太郎 委員    北 澤 潤 子 委員      馬 橋 靖 世 委員               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○大森 議長 日程第7を議題とします。                     〔佐藤事務局長朗読〕 △日程第7  セーラム市親善訪問調査に伴う議員の派遣について ほか2件                ――――――――――――――――――――                                          平成28年9月14日               セーラム市親善訪問調査に伴う議員の派遣について  地方自治法第100条第13項及び大田区議会会議規則第132条の規定に基づき、下記のとおり議員を派遣する。                         記 大田区議会セーラム市親善訪問調査 1 派遣の目的   大田区と姉妹都市であるアメリカ合衆国マサチューセッツ州セーラム市との友好・親善の促進を図り、あわせて同国他都市の主に産業・教育の実情を調査研究し、区政に反映させる。 2 派遣場所   アメリカ合衆国 マサチューセッツ州 セーラム市、ボストン市           ニューヨーク州 ニューヨーク市 3 派遣期間   平成28年10月17日(月)から10月23日(日)まで 4 派遣議員   伊 藤 和 弘 議員  塩野目 正 樹 議員  押 見 隆 太 議員   鈴 木 隆 之 議員  深 川 幹 祐 議員  松 本 洋 之 議員   末 安 広 明 議員  岡   高 志 議員 5 その他   本議決後、一部変更又は中止の場合の決定は、議長に一任する。                ――――――――――――――――――――                                          平成28年9月14日               大連市親善訪問調査に伴う議員の派遣について  地方自治法第100条第13項及び大田区議会会議規則第132条の規定に基づき、下記のとおり議員を派遣する。                         記 大田区議会大連市親善訪問調査 1 派遣の目的   大田区と友好協力関係に関する覚書を結んだ遼寧省大連市との友好・親善の促進を図り、あわせて産業・教育の実情を調査研究し、区政に反映させる。 2 派遣場所   中華人民共和国 遼寧省大連市 3 派遣期間   平成28年10月25日(火)から10月28日(金)まで 4 派遣議員   松 原 秀 典 議員  高 瀬 三 徳 議員  大 森 昭 彦 議員   伊佐治   剛 議員  岡 元 由 美 議員  勝 亦   聡 議員   黒 川   仁 議員 5 その他   本議決後、一部変更又は中止の場合の決定は、議長に一任する。                ――――――――――――――――――――                                          平成28年9月14日                 親善訪問調査に伴う議員の派遣について  地方自治法第100条第13項及び大田区議会会議規則第132条の規定に基づき、下記のとおり議員を派遣する。                         記 大田区議会親善訪問調査(区政施策調査) 1 派遣の目的   平成23年度から中学生派遣を行っているドイツ連邦共和国ブレーメン市及び欧州諸都市において、主に産業・教育の実情を調査研究し、区政に反映させる。 2 派遣場所   ドイツ連邦共和国 ブレーメン州 ブレーメン市   ハンガリー ブダペスト市   英国(グレートブリテン及び北アイルランド連合王国) ロンドン市 3 派遣期間   平成28年10月30日(日)から11月6日(日)まで 4 派遣議員   岸 田 哲 治 議員  松 原 茂登樹 議員  長 野 元 祐 議員   渡 司   幸 議員  高 山 雄 一 議員  秋 成   靖 議員   玉 川 英 俊 議員  松 原   元 議員 5 その他   本議決後、一部変更又は中止の場合の決定は、議長に一任する。                ―――――――――――――――――――― ○大森 議長 これより質疑に入ります。  本件については、藤原幸雄議員より通告がありますので、これを許します。                  〔31番藤原幸雄議員登壇〕(拍手) ◆31番(藤原幸雄 議員) 日本共産党の藤原です。議員の親善訪問調査に伴う議員の派遣について、3件について質疑します。  第1に、2016年度も、自民党、公明党、民進党区議会議員23名が、10月17日から23日まで8名でセーラム市に、10月25日から28日まで7名で大連市に、10月30日から11月6日まで8名でドイツ共和国ブレーメン市やハンガリー、英国等を訪問し、それぞれ親善訪問調査が実施される議員派遣ですが、毎年多額の旅費と日数をかけて、議会の半数近い議員が親善訪問調査する必要があるのでしょうか。  訪問目的は友好親善と産業・教育となっておりますが、毎年同じような目的で訪問する必要はないと思いますがお答えください。  第2に、訪問目的にある友好親善と産業・教育の実情調査し区政に反映させるとありますが、そこで2013年、2015年も同じように多数の区議で米国、中国、ヨーロッパ方面に親善訪問調査を行っていますが、区議会本会議や常任委員会・特別委員会等で、調査研究してきた内容について提案や条例の提出が見当たりませんが、ありましたら具体的にお答えください。  例えばセーラム市なら、友好親善交流とともに、教育分野で学校現場などを視察すると思いますが、1教室で何名なのか、少人数学級等について区議会で提案があるのではと期待していましたが、また、ヨーロッパ親善訪問調査なら、学費の無料化や無料化に近い学費で勉強できる環境とか、医療費も低額の料金、年金で十分生活できる、産業ならマイスター制度や労働時間など、大田区の中小企業対策に役立つことや、働く環境などについての提案や条例を出してこそ区政に反映させられるのではないでしょうか。  なぜ、提案や条例など積極的に出されないのか。区費を使っての親善訪問調査を行うのですから、議会にも区民にも納得いく答弁を求めます。  第3に、区民への報告について質疑します。区議会議員と議会年報では親善訪問調査報告がありますが、区民には親善訪問調査報告会は行っておりませんね。区民に対して親善訪問調査報告会を行うべきと思いますが、今年度も区民には報告会は行わないのですか。大田区議会だよりもあるのですから、日時も決めて区民に周知徹底し行うべきですが、それとも区民への報告会は必要ないと思っているのでしょうかお聞きします。  2016年度の海外親善訪問調査が、第3回定例会終了後の10月17日から11月6日まで、区議会常任委員会や特別委員会の日程を決めるのにも影響し、今年度は8月下旬に四つ常任委員会が一斉に行政視察を行う異常な事態が生まれました。親善訪問調査日程が優先され、常任委員会・特別委員会等の区内視察など影響が出たのではないでしょうか。  全国でも、また区民の中でも、海外親善訪問調査や行政視察のあり方、政務活動費の使途について厳しく、使い方についての声も出されており、全議員の理解が得られない親善訪問調査は見直すべきではないでしょうか。  以上3点についてお答えください。以上で質疑を終わります。 ○大森 議長 本件について答弁を求めます。                  〔7番松原茂登樹議員登壇〕(拍手) ◎7番(松原茂登樹 議員) 三つの親善訪問調査団を代表して答弁をさせていただきます。  毎年親善訪問に行く必要があるのかとのことですが、訪問をこれまで積み重ねた結果として、双方の積極的な相互交流が図られているところであります。国家間の状況が厳しい一面にある中にあっても、継続した自治体間をはじめとする交流を深度化させていく必要性を感じております。また、グローバル化が急速に進む現代においては、海外の先進事例を踏まえた積極的な調査研究がさらに必要と考えております。  具体例を少しお話しさせていただくと、本年の2月17日には大連の大連青少年訪問団が、同じく2月29日には大連市人民代表大会常務委員会代表団が、また、7月5日には大連市友好交流訪問団が大田区議会を訪問いたしました。あわせて、8月9日にはセーラムの子どもたちが大田区議会を訪問してくれました。その際、セーラムの子どもの1人から大田区議会にメッセージがあり、「セーラムと大田区の交流がお互いの関係を深め、お互いを遠くから思い合うことで平和な国につながる」というメッセージを私たちにプレゼントしてくれるなど、毎年訪問を重ねる中で双方の積極的な交流が図られております。  日本の玄関口である羽田空港を擁し、国際都市を標榜する大田区において、海外からの訪問者を含め、国内に限らず、しっかりと海外の実情、施策と、みずからがその環境に身を投じ先進施策を学ぶことは大変重要なことであることから、毎年テーマを決めて調査をし、区政に反映できるようにしているところです。  2点目の親善訪問について、大田区政に反映されたものはあるのかという件ですが、調査した成果の区政への反映につきましては、これまで団員が、本会議や委員会の質問で取り上げるなどしっかりと議会で提案を行っております。本年4月20日には、平成26年に協定を締結したスイスのヴォー州の職員、スイスの産業振興協会に当たる団体及び企業視察団が来訪し、ビジネス交流や具体的な商談が行われるなど双方のビジネス連携を深める機会を持つことができました。交流会にはヴォー州を訪問した団員も出席し、高い技術力を有する大田区企業の連携先として、スイス ヴォー州の企業や大学とのビジネス交流の発展に寄与することができたものと認識しております。
     さらに、毎年訪問を重ねる中で、双方の積極的な交流が図られております。本年2月の大連青少年訪問団や、大連市人民代表大会常任委員会代表団の来訪や、7月5日の大連市友好交流訪問団の大田区議会への訪問などを踏まえても、日中関係における自治体レベルでの関係向上に大きく貢献することも実感させていただいております。  また、ドイツのブレーメン市の調査では、今後の大田区との商業や工業に関する提案を委員会等で提言させていただいており、過去のボストン市への調査では、大田区の産業交流施設の観点から視察をした結果、その必要性を改めて認識したところです。また、交流面におきましても、市相互の交流における友好親善や議会・委員会における様々な提案は国際都市おおたとして、姉妹都市、友好都市関係の向上や区の施策に十分活かされていると考えております。  その他といたしまして、セーラム訪問団及び区政施策調査訪問団では、より実りのある訪問とするために、先日、明治大学大学院教授の青山 やすし先生をお招きし、ニューヨーク及びロンドンの事前の勉強会を実施しました。また、今回実施される議員研修会につきましても、インクルーシブ教育をテーマとし、団員が事前に国内外の状況を把握した上で各都市を訪問し、区政に活かせるよう学んでまいりたいと考えております。  3点目の区民向け報告会の実施についてですが、海外親善訪問調査は、議決に基づき大田区議会を代表して派遣されているものと考えておりますので、毎年同僚議員への報告、政策提案を含め、関連する執行機関の部課長をお招きし報告会を実施しているところです。区民全体を対象とした報告については、概要を区議会だよりに掲載し、新聞折り込みやホームページ等で周知するとともに、区議会年報の中で、またホームページにおいて報告書の全てを公表しております。また、各団員においては、個々に区政報告会等においてしっかりと報告が行われている思います。現在のところ、団員の中で改めて区民向け報告会を実施してはどうかという意見は出されておりません。以上でございます。(拍手) ○大森 議長 藤原議員、演壇にて再質疑を許可します。                    〔31番藤原幸雄議員登壇〕 ◆31番(藤原幸雄 議員) 今、松原議員から丁寧な答弁がありました。毎年行く必要があるという発言でした。2014年のいわゆる選挙前の年はなぜ行かなかったのか。それほど成果があるのであれば、選挙をやる年の1年前に行かないということは何かあったんですか、行けない理由があったんですか。私は、改めてこうした問題について、区民の目線が今高まっている。そういう意味で、やっぱり区民に知らせる必要があるのではないと思います。  それで、今のお話を聞けば、1回行けばあとは大使館や様々な情報があるんだからそこから取り寄せると。本当に喫緊の課題があるならば行く必要がありますけれども、私はそうでないと思います。ぜひその辺についての説明をお願いしたいと思います。  それから、条例提案や本会議での提案もしていると言いますけれども、具体的に、海外を訪問してこういう問題があるから大田区議会でみんなでやろうよということはないです。この本会議の中でも、みんなして、一致してこの問題に取り組もうということは発言がありませんでした。それほどまでに海外視察で成果があるなら、堂々と議会で、全員一致でやっていこうではないかということがあってよろしいと思います。私たちは企業のためにやるのではなくて、区民のために仕事をしているのが議員です。ぜひその点をはっきりしてもらいたいと思います。  それから、区民に対する報告会というのは絶対に必要です。直接今区民がどういうことを思っているのかを耳で聞く、そういうことをやらなかったら、議会だよりやそういうことで報告していると言いますけれども、そうではなくて、やっぱり区民に直接話をする、皆さんが確信を持っているんだったらそれを行うべきではないかと思います。ぜひ報告会を実施してもらいたい、このことを強く求めます。よろしくお願いします。答弁を求めます。 ○大森 議長 本件について答弁を求めます。                  〔8番伊藤和弘議員登壇〕(拍手) ◎8番(伊藤和弘 議員) 3団体の一つのセーラム団の団長として、次は私が答えさせていただきたいと思います。  藤原さんの2回目の質疑ですけれども、一度目の松原団長の話をしっかりと聞いてもらえれば、大体その中に含まれていた話だというふうに思いますよ。あれが正しい話です。  さらに言わせてもらえれば、まず毎年議員の皆さん宛てに報告会を開いている。それをまず聞いてもらいたい。あれだけ質疑するのであれば、興味があるのであれば、まず聞いて、その上でどこに問題があるんだ、どこをもっと追求したいんだと、そういう話を出してから今みたいな質疑をしてもらわなければ困るよ。  それからもう一つ、選挙の前の年に行かないとか、あたかも我々が選挙を避けているようなことを言うけれども、我々は毎年行っているわけではない、交代で行っているんだ。いいかい、3回目でみんなが行き切ってしまえばそれはないんだ。ただ、さっき藤原さんが言った年には行っているよ、実際行っているから。それは誤解だよ。その年、行っていないというのは誤解。もっとしっかり調べてから質疑したほうがいいよ。行っているから。行っている人間がいるから、必ず。いいかい、そういう不確かな質疑をしてはいかん。  それから、もっと言わせてもらえれば、海外視察の報告書、条例をしていないと言うけれども、国内視察は皆さん行っているじゃない。70万円かけて海外に行くのと、そして大きな成果を上げてきていますよ、我々は。あなたたちは気がついていないかもしれないけれども。だけれども、10万円の国内視察でどれだけ成果を上げたんだとかえって言いたいよ。いいかい、とにかく我々の答えはしっかりと成果を上げている。決して無駄なんて思っているやつは1人もいない。以上であります。(拍手) ○大森 議長 会議規則第54条の規定により、質疑は原則2回までと規定されております。本件においては、3回目の発言の許可はいたしません。  議事を続けます。  以上をもって質疑を終結いたします。  お諮りいたします。本件については、会議規則第38条第3項の規定に基づき、委員会への付託を省略したいと思います。これにご異議ありませんか。                   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○大森 議長 ご異議なしと認め、そのように決定いたしました。  これより討論に入ります。本件については、菅谷郁恵議員、湯本良太郎議員、三沢清太郎議員より通告がありますので、順次これを許します。  まず、33番菅谷郁恵議員。                  〔33番菅谷郁恵議員登壇〕(拍手) ◆33番(菅谷郁恵 議員) 日本共産党大田区議団を代表して、ただいま上程されましたセーラム市親善訪問調査10月17日から23日、7日間、目的は、友好親善の促進を図り、産業・教育の実情調査し区政に反映させる。派遣議員は、伊藤議員、塩野目議員、押見議員、鈴木議員、深川議員、松本議員、末安議員、岡議員。大連市親善訪問調査、10月25日から10月28日、4日間、目的は、友好親善を図り、産業・教育の実情調査し区政に反映させる。派遣議員は、松原秀典議員、高瀬議員、大森議員、伊佐治議員、岡元議員、勝亦議員、黒川議員。親善訪問調査に伴う議員の派遣について、ドイツ連邦、ハンガリー、イギリス親善訪問調査、10月30日から11月6日、8日間、目的は、中学生派遣をしている都市で、産業・教育の実情を調査し、区政に反映させる。派遣議員は、岸田議員、松原茂登樹議員、長野議員、渡司議員、高山議員、秋成議員、玉川議員、松原 元議員の議員派遣について、反対の討論を行います。  党区議団は、友好都市、姉妹都市との交流促進に反対してはいません。しかし、友好親善訪問が親善訪問調査と一緒になって、ヨーロッパなどの多額の予算をかける視察と一緒になってしまいました。  反対する第1の理由は、アベノミクスによる物価高や子どもの6人に1人が貧困という社会問題、また、決算にあらわれているように、区民の皆さんは消費税5%から8%の値上げの負担増で生活が厳しくなっていること、住民税、国保料や保育料を納められない人たちからも厳しく取り立て収納させ税収を上げる、そういった区民が汗水流して納めている大切な税金を使って行くからです。また、その大切な税金を使って行く切実な内容がありません。  反対する第2の理由は、今年度の海外派遣は自民党が16人中14人、公明党が12人中6人、民進党が4人中3人、計23人が参加します。昨年は24人でした。3名の方々が昨年と同じところに行きます。海外派遣の旅費は、任期4年間の間で50人が1回参加する予算が組まれていることがこれまでの常識です。ところが、伊藤議員、塩野目議員、高瀬議員、松原秀典議員、大森議員、松原茂登樹議員、押見議員、伊佐治議員、深川議員、松原 元議員、渡司議員、高山議員、勝亦議員、秋成議員、玉川議員、岡議員、黒川議員は、昨年に続いて2回目です。これまでには考えられないことです。予算が組まれれば当然のように計画し、行かない議員の分も使って2回目も行くということは区民に理解はされません。  反対する第3の理由は、親善訪問調査は区政の政策に反映されなければなりません。例えばセーラム市の視察で少人数学級を評価する発言をいく度か聞いてきましたが、大田区の政策には反映されもせず、35人学級の実現等を国、都への要望に上げることや陳情にも反対してきたではありませんか。町工場も減少するのに対し、産業の実情を調査し研究するとしていますが、海外視察をした結果を条例など一度も出していません。いくら視察しても政策に反映されていません。  第4の理由は、政治と金の問題です。兵庫県の県会議員、舛添都知事、都議会自民党・公明党・民進党議員がリオのオリンピック・パラリンピック視察を断念、自民党都議会議員の政務活動費と新年会費の問題、富山市議会議員の政務活動費の不正請求など後を絶ちません。議員みずから税金の使い方を常に精査し、みずから慎むべきです。  第5の理由は、10月17日から11月6日の日程が優先されて、行政視察、常任委員会、特別委員会の日程が変更されることです。  第6の理由は、親善訪問調査後の報告が区民にはないことです。区民への説明責任がなされていません。  第7の理由は、中学生の海外派遣は学校規模にもかかわらず男女1人ずつの参加です。毎年の議員派遣を中止し、この予算で中学生たちの派遣人数を増やすこと、そういった提案をする考えはないのでしょうか。  第8の理由は、1人当たりの予算も出さずに情報を明らかにしていないことです。これは区民にも理解を得られません。税金は区民の暮らし営業応援に使うことであり、区議会議員の税金の無駄遣いを許さない考えから反対し、中止を求めるものです。以上で反対の討論といたします。(拍手) ○大森 議長 次に、48番湯本良太郎議員。                  〔48番湯本良太郎議員登壇〕(拍手) ◆48番(湯本良太郎 議員) ただいま上程されましたセーラム市親善訪問調査並びに大連市親善訪問調査及びヨーロッパ親善訪問調査に伴う議員の派遣について、賛成の立場から討論をいたします。  今回の派遣では、姉妹都市セーラム市へ友好親善の促進、産業と教育の実情調査に、友好協力関係に関する覚書を結んだ遼寧省大連市へも、セーラム市と同様に友好親善の促進、産業と教育の実情調査へ、ヨーロッパへの派遣は大田区の中学生を派遣しているドイツ連邦共和国ブレーメン市及びヨーロッパ諸都市に産業と教育の実情把握を派遣目的としております。  自治体レベルでの交流促進を図るには、直接会って交流を図ることが肝要でありますし、百聞は一見にしかずという言葉があるように、実際に現地に赴き、皮膚感覚として感じることが重要であると考えております。  しかし、その一方で、本年6月21日付けで都知事を辞職した舛添前知事の一件で、海外視察のあり方や予算の使い方に多くの都民の注目が集まりました。また、都議会が、リオ五輪・パラリンピックの視察に、予算を約6200万円かけて27人の派遣を計画しておりましたが、ホテル代金の高騰などにより予算が1億円を超えるとの試算がなされ、1人当たりにすると約370万円というコストの高さにマスコミと多くの都民から指摘を受け、視察計画は中止となりました。当初の予算でも1人当たり約230万円という都民一般の感覚からはなかなか受け入れがたい高額の旅費や経費がかかってしまうことへの説明を求める声や、派遣人員の設定のあり方にも疑問の声が聞かれました。このことは、大田区議会にも共通する課題を浮き彫りにしたように私は受け止めております。  また、過去6年の大田区議会海外親善訪問派遣人員は、ヨーロッパは最も多い年は平成23年の9名であります。最も少ない年は平成26年度の3名、派遣日数は最長が9日間で、最短が6日間となっております。1人当たりのコストは、最高額が約91万円、最も安い低コストで行ったときは約72万円であります。と、ばらつきがございます。また、セーラム市への派遣は平成23年度、平成25年度、平成27年度、平成28年度に実施され、北京への派遣は平成23年度、平成25年度、平成26年度、平成27年度、平成28年度の実施、ヨーロッパへの派遣は毎年となっております。また、議員1人当たりの派遣回数も多い方と少ない方がいることも見受けられます。  それぞれの年度で、状況または事情によりばらつきが出るのはやむを得ないこととは思いますが、一貫性や派遣基準、目的と計画の妥当性の検証、コストに対する説明や削減努力など、これからの海外親善訪問調査のあり方については改善の余地が多く見られると考えます。  我々の視点とは異なる物事の捉え方や、解決策のヒントを見つけ出し、区民福祉の向上につながることができれば、これはとてもすばらしい結果を生んだことになりますので、海外親善訪問調査の可能性に期待を寄せるものであります。  しかし、その一方で、区民のための大田区政であり、大田区議会でありますので、広く多くの区民の皆様から理解と共感を生む海外親善訪問調査へと改革をしていかなければなりません。今後のあり方も含め、今回の親善訪問調査が有意義な訪問となることを期待し、闘う改革の会、私、湯本良太郎の賛成討論といたします。 ○大森 議長 次に、44番三沢清太郎議員。                  〔44番三沢清太郎議員登壇〕(拍手) ◆44番(三沢清太郎 議員) 東京維新の会大田は、ただいま上程されましたセーラム市親善訪問調査に伴う議員の派遣についてほか2件について、反対の立場から討論をさせていただきます。  昨年も議場で言いましたが、私どもは議員の海外親善訪問調査そのものを否定するものではありません。議員が海外に足を運び見識を広げ、知見や友好関係を深めることはとても有意義なことだと思っております。  しかし、それは、大田区の有権者に成果や情報を還元できているのであればという前提での話です。昨年に本議案の反対討論をした後、複数の方から大田区議会議員の海外親善訪問調査は何をやっているのかわからない、意味があるように思えないという意見をいただきました。たまたま現在の海外親善訪問調査のあり方に疑問を持っている私とお付き合いいただいている方々の意見だから私と考えが似通っただけで、もしかしたら大田区の有権者の大多数は、現在の海外親善訪問調査に理解を示しているのかもしれません。  しかし、大田区以外の23区に目を広げてみるとどうでしょうか。大田区のように公費を使って毎年定期的に区議会議員の海外親善訪問調査を行っている区はほかに見当たりません。それでは他の区はどのようにしているのでしょうか。大田区近隣で見てみますと、世田谷区議会では、5年ごとに姉妹都市との周年調印式の際に訪問し、品川区議会では、今年、友好都市締結25周年の際に祝賀訪問をするそうです。また目黒区議会では、友好都市から正式に招聘を受けたときに1人当たり6万円の航空券代を数名分支給されるそうです。  このように、ほかの区議会では少しずつ改革を進めています。大田区議会もほかの区に倣い、公費を使うのであれば姉妹都市や友好都市に毎年訪れるのではなく周年行事のときに訪問することとし、どうしても毎年訪問したいのであれば政務活動費や議員報酬を使って行けば、一層意味のある、有権者にもご理解いただける訪問になるのではないでしょうか。  また、訪問議員団の先生方が書かれる親善訪問調査報告書ですが、今回からぜひホームページに掲載をお願いしたいと思います。せっかくまとめられた報告書がほとんど日の目を見ないというのはもったいないことです。報告書が沢山の有権者の目に触れることで、初めて海外親善訪問調査が大田区政にどのように活かされているのか、有権者に広く深くご理解いただけるのではないでしょうか。大田区議会がこれからも有権者に開かれた議会であり続けるためにご検討のほどよろしくお願いいたします。  そして、この反対討論が、現在の海外親善訪問調査のあり方を見直すきっかけになることを願い、私からの反対討論とさせていただきます。以上終わりです。(拍手) ○大森 議長 以上をもって討論を終結いたします。  これより本件を一括して起立により採決いたします。  本件は、先に配付しましたとおり、議員を派遣することに賛成の方はご起立願います。                      〔賛成者起立〕 ○大森 議長 起立多数であります。よって本件はいずれも議員を派遣することに決定いたしました。               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○大森 議長 日程第8を議題とします。                     〔佐藤事務局長朗読〕 △日程第8  28第49号 住民生活を脅かす、B滑走路西側離陸都心低空からのAC滑走路北側着陸に反対の陳情 ほか2件                ―――――――――――――――――――― ○大森 議長 お諮りいたします。本件については、いずれも羽田空港対策特別委員会に付託したいと思います。これにご異議ありませんか。                   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○大森 議長 ご異議なしと認め、そのように決定いたしました。               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○大森 議長 日程第9を議題とします。                     〔佐藤事務局長朗読〕 △日程第9  28第45号 学校避難所別の収容可能人数公表に関する陳情 ほか1件                ―――――――――――――――――――― ○大森 議長 お諮りいたします。本件については、いずれも防災安全対策特別委員会に付託したいと思います。これにご異議ありませんか。                   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○大森 議長 ご異議なしと認め、そのように決定いたしました。               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○大森 議長 次に、請願・陳情の付託について申し上げます。  今回受理しました請願・陳情は、ただいま特別委員会に付託しました5件を除き、お手元に配付の付託表のとおり、それぞれ所管常任委員会に付託します。                ――――――――――――――――――――              平成28年第3回定例会 請願・陳情付託表【第1号】                                        平成28年9月15日付託 総務財政委員会  28第42号 固定資産税及び都市計画税の軽減措置の継続について意見書の提出に関する陳情  28第43号 固定資産税及び都市計画税の軽減措置の継続について意見書の提出に関する陳情  28第44号 固定資産税及び都市計画税の軽減措置の継続について意見書の提出に関する陳情  28第48号 婚外子差別撤廃に関する陳情 健康福祉委員会  28第37号 身元保証人事業に関する陳情  28第38号 大田区における、バランスのとれた受動喫煙防止対策を求める陳情  28第39号 受動喫煙防止条例の早期制定に関する陳情  28第40号 大田区における受動喫煙防止に関する陳情  28第41号 東京都大田区における、バランスのとれた受動喫煙防止対策を求める陳情  28第47号 猫・犬の糞尿に関する陳情  28第52号 介護保険給付から「要介護1・2」の生活援助と福祉用具他を外さないことを求める陳情               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○大森 議長 以上をもって本日の日程全部を終了いたしました。  お諮りいたします。明9月16日より9月27日までは委員会審査のため休会とし、来る9月28日午後1時に会議を開きたいと思います。これにご異議ありませんか。
                      〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○大森 議長 ご異議なしと認め、そのように決定いたしました。  ただいまご着席の方々には改めて通知はいたしませんので、そのようにご了承願います。  本日はこれをもって散会いたします。                     午後7時3分散会...