大田区議会 > 2016-09-14 >
平成28年 第3回 定例会−09月14日-目次
平成28年 第3回 定例会−09月14日-01号

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  1. 大田区議会 2016-09-14
    平成28年 第3回 定例会−09月14日-01号


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    平成28年 第3回 定例会−09月14日-01号平成28年 第3回 定例会 平成28年第3回定例会 大田区議会会議録 第10号 9月14日(水曜日)  出席議員(49名)   1 番 田中一吉       2 番 松原秀典       3 番 高瀬三徳   4 番 安藤 充       5 番 岸田哲治       6 番 大森昭彦   7 番 松原茂登樹      8 番 伊藤和弘       9 番 塩野目正樹   10 番 押見隆太       11 番 鈴木隆之       12 番 伊佐治 剛   13 番 深川幹祐       14 番 長野元祐       15 番 渡司 幸   16 番 高山雄一       17 番 松本洋之       18 番 岡元由美   19 番 勝亦 聡       20 番 広川恵美子      21 番 秋成 靖   22 番 玉川英俊       23 番 田村英樹       24 番 大橋武司   25 番 小峰由枝       26 番 椿 真一       27 番 田島和雄   28 番 末安広明       29 番 大竹辰治       30 番 清水菊美   31 番 藤原幸雄       32 番 佐藤 伸       33 番 菅谷郁恵   34 番 黒沼良光       35 番 金子悦子       36 番 福井亮二   37 番 荒尾大介       38 番 山崎勝広       39 番 黒川 仁   41 番 岡 高志       42 番 松原 元       43 番 荻野 稔   44 番 三沢清太郎      45 番 野呂恵子       46 番 犬伏秀一   47 番 奈須利江       48 番 湯本良太郎      49 番 北澤潤子
      50 番 馬橋靖世                ――――――――――――――――――――  欠  番   40 番                ――――――――――――――――――――  出席説明員   区長            松原忠義    副区長           遠藤 久   副区長           幸田昭一    企画経営部長        川野正博   未来創造研究室長      須藤常好    総務部長          玉川一二   危機管理室長        齋藤浩一    地域力推進部長       鴨志田 隆   観光・国際都市部長     河野秀夫    スポーツ・文化担当部長   茂呂英雄   区民部長          木田早苗    産業経済部長        近藤倫生                         福祉支援担当部長                         障がい者総合サポートセンター所長兼務   福祉部長          中原賢一                  西山正人   健康政策部長        杉坂克彦    保健所長          渡邉洋子   こども家庭部長       後藤 清    まちづくり推進部長     黒澤 明   都市開発担当部長      町田達彦    空港まちづくり本部長    川上立雄   都市基盤整備部長      荒井昭二    環境清掃部長        市野由香里   会計管理者         田中教彦    企画経営部企画課長     山田良司   企画経営部財政課長     谷口 祐    総務部総務課長       今井健太郎   教育長           津村正純    教育総務部長        水井 靖   教育総務部教育総務課長   井上隆義    代表監査委員        中井恭子   監査事務局長        柿本伸二                ――――――――――――――――――――  出席事務局職員   局長       佐藤惠美子        次長       政木純也   議事担当係長   三上浩史         議事担当係長   石渡 隆 議事日程第1号  平成28年9月14日  午後1時開議  第1   第102号議案 平成28年度大田区一般会計補正予算(第2次)   第103号議案 平成28年度大田区国民健康保険事業特別会計補正予算(第1次)   第104号議案 平成28年度大田区後期高齢者医療特別会計補正予算(第1次)   第105号議案 平成28年度大田区介護保険特別会計補正予算(第1次)   第106号議案 大田区教育に関する事務の職務権限の特例に関する条例の一部を改正する条例   第115号議案 あらたに生じた土地の確認について   第116号議案 あらたに加える市街地の区域及び当該区域における住居表示の方法について   第117号議案 大田区立東六郷小学校校舎取りこわし工事及び体育館改築工事請負契約について   第118号議案 災害対策用毛布の購入について   第119号議案 災害用簡易トイレの購入について   報告第 21号 平成27年度決算に基づく健全化判断比率の状況について   報告第 22号 民事訴訟の提起に係る専決処分の報告について   報告第 23号 民事訴訟の提起に係る専決処分の報告について   報告第 24号 訴え提起前の和解に係る専決処分の報告について   報告第 25号 区の義務に属する損害賠償額決定に係る専決処分の報告について   報告第 26号 本村橋構造改良工事請負契約の専決処分の報告について   報告第 27号 大田区立東六郷小学校校舎改築工事請負契約の専決処分の報告について  第2   第120号議案 大田区と宮城県東松島市との友好都市の提携について  第3   第107号議案 大田区立新蒲田福祉センター条例の一部を改正する条例   第108号議案 大田区立上池台障害者福祉会館条例の一部を改正する条例  第4   第109号議案 大田区空き家の適正管理に関する条例を廃止する条例   第110号議案 大田区空家等対策審議会条例の一部を改正する条例  第5   第111号議案 大田区学童保育の実施等に関する条例の一部を改正する条例   第112号議案 大田区保育の必要性の認定等に関する条例の一部を改正する条例   第113号議案 大田区家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例   第114号議案 大田区立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例  第6   第 98号議案 平成27年度大田区一般会計歳入歳出決算   第 99号議案 平成27年度大田区国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算   第100号議案 平成27年度大田区後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算   第101号議案 平成27年度大田区介護保険特別会計歳入歳出決算               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜                     午後1時1分開会・開議 ○大森 議長 ただいまより平成28年第3回大田区議会定例会を開会いたします。  これより本日の会議を開きます。               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○大森 議長 まず、会議録署名議員を定めます。本件は、会議規則第131条の規定に基づき、議長より指名いたします。16番高山雄一議員、35番金子悦子議員にお願いいたします。               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○大森 議長 この際、区長より発言の申し出がありますので、これを許します。                     〔松原忠義区長登壇〕 ◎松原 区長 本日、平成28年第3回大田区議会定例会を招集申し上げましたところ、議員の皆様のご参集を賜り、厚く御礼を申し上げます。  まず、大雨・台風対応についてであります。  今年は8月から9月にかけ、台風7号、9号、10号、13号の四つが相次いで関東地方に接近または上陸しました。このうち、台風7号では、8月16日から17日にかけて、大雨・強風注意報などの発令に対する警戒態勢をとり、台風9号では、区内の急傾斜地崩壊危険箇所に土砂災害の危険があったことから、8月22日に避難準備情報を発令し、九つの特別出張所と二つの高齢者施設の計11か所を一時避難施設として開設いたしました。また、8月29日から30日にかけての台風10号では、早い段階で大型の台風であるとの報道があったことから、小中学校を避難所として開設することも視野に入れ、万全の態勢を敷きました。さらに、9月7日から8日にかけての台風13号では、秋雨前線の影響もあったため、大雨の警戒・監視を鋭意行ったところであります。このほか、いわゆる「ゲリラ豪雨」に類する大雨などもあり、今年度は区としての水防態勢も既に8回とりましたが、幸い、いずれの局面においても大きな被害はなく、防災業務を遂行しております。今後も、台風シーズンはまだ続くことから、区民の皆様におかれましては、日ごろからの備えと、まちぐるみで被害拡大の防止により一層のご協力をお願い申し上げます。  さて、リオデジャネイロオリンピックでは8月5日より熱戦が繰り広げられ、多くの日本人選手による活躍が日本中に勇気を与えました。日本選手団のメダル獲得数は史上最多となる41個となり、日本人が持つ最後まで諦めない精神を選手の皆さんが世界の舞台で見せてくれました。大田区出身の選手としては、バスケットボール女子日本代表として間宮佑圭選手が出場し、1996年アトランタ大会以来の決勝トーナメント進出を果たしました。区では、初戦のベラルーシ戦においてパブリックビューイングを開催し、馬込地区の皆さんと日本代表“AKATSUKI FIVE”の応援を行いました。また、新体操の熨斗谷さくら選手が団体代表“フェアリージャパン”として出場し、ダイナミックな演技で8位入賞を果たしました。21日の閉会式では、五輪旗が東京へ引き継がれ、いよいよ東京2020大会への準備が本格化いたします。  東京の玄関口である羽田空港を有する大田区としては、世界に称賛される「おもてなし」の心を地域とともに育んでいきたいと考えております。そのためにも、昨年度より取り組む「大田区オリンピック・パラリンピックアクションプログラム」をさらに加速してまいります。  現在、リオデジャネイロではパラリンピックの熱戦が繰り広げられております。大田区出身の陸上競技、高田千明選手が出場をしております。引き続き、日本選手団の活躍を大田区全体で応援していきたいと思います。  リオデジャネイロオリンピック開幕に先立つ7月31日、舛添前都知事の辞職に伴う東京都知事選挙が行われ、小池百合子新都知事が誕生いたしました。東京2020オリンピック・パラリンピックまで4年を切ったことをはじめ、待機児童問題、災害に強いまちづくりなど、日本の首都東京を取り巻く課題は待ったなしの状況であります。停滞していた都政運営が一日も早く回復していくことを期待しております。大田区は、今後とも東京都としっかりと連携をとりながら、課題解決に向けて取り組んでまいります。  区政について分野ごとに主なものをご報告申し上げます。  まず、防災関連でございます。  「災害に強く、安全で安心な生活基盤の確立」をすることは、来年度の予算編成の重点課題の一つに挙げられておりますが、防災対策の推進は、区長である私の最重要使命の一つであると認識をしております。私は、先月、熊本市を訪問いたしました。「水の都」「森の都」とも呼ばれる風光明媚な熊本市ですが、発災より4か月を過ぎた現在でも至るところに震災の爪跡が残っており、心を痛めました。改めて、地震の恐ろしさとともに、日ごろからの対策の重要性を肌で感じたところであります。災害はいつ降りかかってくるかわかりません。熊本地震で得られた貴重な教訓を活かすためにも、区として効果的な防災対策を迅速かつ着実に進めてまいります。そこで、本定例会においては、防災対策関連事業として5事業、約3000万円の補正予算案を提出しております。ご審議のほどよろしくお願いをいたします。  また、区は、防災に向けた区民の積極的な取り組みに対し、いつでも応えられる態勢を整えておくことが重要であります。そこで、熊本地震以降、想定以上に防災対策工事等の申請件数が増加しております「大田区住宅リフォーム助成事業」について、補正予算をお願いしているところではございますが、予算成立までの間も切れ目のない対応を行っていくために、予算を一部流用いたします。これにより区民のニーズの高まりに的確に応えるとともに、区民の生命、財産を守る取り組みをより一層加速させてまいります。  次に、区制70周年記念事業の進捗状況につきましてご報告をいたします。  7月29日に開催いたしました区制70周年記念事業第3回実行委員会において、名称選定委員会を経て決定した大田区公式PRキャラクターの名称を報告させていただきました。キャラクターの名称は「はねぴょん」に決まりました。8月15日に行われた平成28年度大田区平和都市宣言記念事業「花火の祭典」において、このキャラクター名称「はねぴょん」を多くの区民の方々の前でお披露目することができました。今後も、区内の各種イベントに「はねぴょん」を出演させ、大田区シンボルマークとともに印刷物などで利用するなど、幅広く活用して区制70周年を迎える大田区をPRしてまいります。来年3月12日の記念式典に向けて、これまでの歴史を振り返り、区民が夢と希望を持ち、未来への挑戦と飛躍を目指して、皆様とともに区制70周年を迎える機運を盛り上げてまいります。  次に、観光・国際都市関連でございます。  8月15日に開催された「花火の祭典」には、11万5000人の方々が会場に足を運んでいただきました。式典では、平和への願いを込めたメッセージを友好都市である花岡東御市長、松田美郷町長はじめ、大田区にゆかりのある方からいただき、ステージ上で読み上げました。また、初めて黙とうを行い、先の大戦で命を落とされた方、熊本地震で被災された方に哀悼の意をささげました。ステージでは、大田区公式PRキャラクター「はねぴょん」の発表に続いて、大田区イメージソングの「笑顔、このまちから」が東調布第三小学校の児童により合唱され、区制70周年への祝賀ムードが高まりました。今回は、この70周年にちなみ、7000発あまりの花火を打ち上げました。また、区民の皆様からいただいた平和へのメッセージ約500点を花火玉に貼りつけ、祈り星花火として平和の願いを天に届けさせていただきました。  次に、産業経済分野についてご報告させていただきます。  8月4日から5日にかけて、兵庫県尼崎市で開催された第10回中小企業都市サミットでは、参加した7都市の首脳により、「今こそ!『ひと』が主役でチャレンジする『ものづくり』」をメインテーマに、「ものづくりのイノベーション創造」及び「地域の産業活力を高める事業承継」についての議論がなされました。その結果を取りまとめた「尼崎宣言」を発表するとともに、各都市の取り組みだけでは解決できない課題に対する方策を国への提言として取りまとめ、宣言と提言をあわせて、8月10日に幹事都市の尼崎市から中小企業庁長官へ手渡しました。今後、この中小企業都市間のネットワークを活かし、自治体同士の連携をさらに強め、地域産業の発展を支援していくことが求められるものと感じたところでございます。  続きまして、福祉分野についてご報告をいたします。  23区内で初の試みとして、9月から「元気高齢者就労サポート事業」を始めます。この事業は、介護施設または保育施設への就労を希望するおおむね55歳以上の区民に対し、無料職業紹介所「大田区いきいきしごとステーション」における専門的な講義や実習の機会を提供し、就労につなげる総合的な支援を行います。介護職補助を希望する方には体験セミナーを行い、セミナー受講後に合同就職面接会を開催いたします。また、保育補助を希望する方には保育に関する講義と保育園での実習を予定しております。受講後は就労支援セミナーを行い、合同就職面接会を開催いたします。講義や実習については、区内社会福祉法人が培ってきた専門性や技術等を発揮し、高齢者にわかりやすい講習を目指してまいります。区では、大田区社会福祉協議会をはじめとする社会福祉法人と連携し、元気な高齢者の活躍を支援してまいります。  9月は世界アルツハイマー月間でございます。今月21日は世界アルツハイマーデーということで、認知症についての正しい知識の普及啓発が世界規模で展開されています。区といたしましては、認知症の人とそのご家族を地域で支援し、認知症があっても住み慣れた大田区で暮らし続けていただけるよう、様々な施策に取り組んでおります。7月には区と区内の3医師会、そして区内に拠点を持つNPO法人が連携し、認知症の早期診断、早期対応につなげるツールとして、四つの質問に答えるだけで認知症の疑いを判断できる「認知症に備えるアプリ」を開発し、高齢者の相談窓口で活用することを発表いたしました。また、今月から体制が整った各地域包括支援センターに「認知症初期集中支援チーム」を配置し、認知症の疑いのある方へ訪問による支援を行います。さらに、「認知症地域支援推進員」も配置し、医療や介護、生活支援を行うサービス機関との連携などを推進してまいります。区では、これらをはじめとした様々な事業を展開し、認知症の方とそのご家族を対象に地域での見守り体制づくりを推進してまいります。  続きまして、子育て分野でございます。  児童相談所の移管に向けた取り組みでございます。本年5月の改正児童福祉法の成立により、法施行後5年を目途として、特別区においても設置できることとなりました。なお、設置に当たりましては、東京都から23区への一律移管から、移管の準備が整った区から設置する手挙げ方式となり、区では児童相談所の設置に向けて全庁的な検討組織を立ち上げたところでございます。今後は、一時保護所を含めた施設整備や児童福祉司、児童心理司といった専門人材確保などの課題に対する検討を進めるとともに、都及び特別区間の連携や情報共有、区内外の調整等を行い、大田区の地域特性を踏まえた児童相談所の設置に向け取り組んでまいります。  次に、空港とまちづくり関連についてご報告をいたします。  まず、羽田空港に関連して、2点ご報告いたします。
     一つ目は、羽田空港跡地第1ゾーンのまちづくりについてでございます。6月2日に閣議決定された日本再興戦略2016において、空港跡地がクールジャパンの発信拠点として位置づけられております。これは、国が国際空港としての羽田空港のポテンシャルを活かすエリアとして、跡地第1ゾーンの可能性を高く評価したものと考えております。こうした国による位置づけも踏まえつつ、区内中小企業と結びついた産業交流拠点としてのまちづくりを進めていくため、7月7日に事業内容を広く周知する民間事業者向けの説明会を開催いたしました。当日は、建設業、不動産業をはじめとした様々な業種の事業者、100社188名が参加され、空港跡地への注目度の高さを再認識したところでございます。今年度中には事業者公募を行い、2020年のまちづくりの概成を目指してまいります。  2点目は、羽田空港の機能強化についてでございます。国は昨年来、大田区を含む関係自治体における説明会を開催するとともに、様々な手法により住民の皆さんをはじめとしたご意見を聞いておりました。大田区では、これまで羽田空港を離発着する航空機による多大な騒音影響を受け続けてきたことに鑑み、大田区民に騒音影響を及ぼす可能性のある滑走路運用について、騒音軽減に向けた具体策を早急にまとめることと、落下物を防止する具体的な実効策を検討するなど、航空機の安全対策をさらに進めること及び北風時A滑走路北向き離陸左旋回の廃止を主な内容とする国土交通大臣宛ての要望書を6月16日に提出いたしました。これに対して国は、当区が長年にわたり求め続けてまいりました北風時A滑走路北向き離陸左旋回を、機能強化の実施に先立って廃止すると回答しました。  また、7月28日には、「第4回首都圏空港の機能強化の具体化に向けた協議会」が開催され、国は、環境に配慮した方策として、大田区内への騒音影響が予測されるB滑走路西向き離陸において減便を示しております。いまだ十分ではありませんが、環境に配慮する方策が示されたことを踏まえて、引き続き、丁寧な情報提供を行うよう国に要請するとともに、左旋回の廃止については確実な実行を強く求めてまいります。  次に、空家対策についてでございます。  区は、空家等対策計画の策定に向けて、空家等対策審議会での審議、答申を経て、本年7月に計画を策定いたしました。あわせて、法律、建築、不動産、福祉の各関係団体と協力協定を結び、8月1日より空家総合相談窓口を開設し、さらに9月からは空家総合相談会を毎月1回実施し、区民からの様々な相談にワンストップで対応していく体制を整えてまいりました。本定例会では、空家対策に関わる条例の廃止、改正について上程させていただいております。今後も、関係者、関係団体の皆様と連携を図りながら、空家対策を迅速かつ強力に進めてまいります。  最後に、中央防波堤埋立地の帰属に関し、ご報告申し上げます。  現在、大田区への全島帰属に向け、江東区との協議を精力的に進めております。大田区議会が全会一致で決定された決議文にも示されているように、歴史的沿革を重視する最高裁判例に基づき、積極果敢に協議を進めているところでございます。中央防波堤埋立地の大田区帰属で拓く空港臨海部の明るい未来に向け、区議会と区民の皆様にお力添えをいただきながら、東京2020オリンピック・パラリンピックまでの解決に向け、精力的な取り組みを進めてまいります。  本定例会では、平成27年度各会計歳入歳出決算につきましてご認定をお願いしております。このほか、本定例会に提出いたしました案件は、補正予算案では、平成28年度一般会計補正予算(第2次)のほか、国民健康保険事業特別会計補正予算(第1次)、後期高齢者医療特別会計補正予算(第1次)、介護保険特別会計補正予算(第1次)の3件、条例案は9件、その他議案6件、報告議案7件でございます。一般会計補正予算(第2次)では、災害本部体制の充実、大田区次世代育成支援緊急対策整備事業乳幼児等予防接種、新空港線整備資金積立基金積立金、校舎造修(小中学校のがけ等調査委託)、前年度国・都支出金等返還金など、第1次補正予算編成後に生じた状況の変化に速やかに対応するための予算及び平成27年度決算確定に伴う精算等を行うための予算を計上いたしました。この結果、一般会計補正予算(第2次)の規模は36億7000万円余となりました。既定の予算と合わせた補正後の予算額は2610億7000万円余となっております。そのほか、債務負担行為の補正として追加4件をお願いしております。  各議案につきましては、いずれも後ほど上程の際、順次ご説明を申し上げますので、よろしくご審議を賜りますようお願いを申し上げ、招集のご挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。(拍手)               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○大森 議長 事務局長に諸般の報告をさせます。                     〔佐藤事務局長朗読〕 1 大田区議会定例会の招集について 2 議案の送付について 3 執行機関の出席について(3件) 4 陳情取下願(1件)                ――――――――――――――――――――                                        28総総発第11143号                                        平成28年9月6日   大田区議会議長 大 森 昭 彦  様                                 大田区長  松 原 忠 義                大田区議会定例会の招集について(通知)  平成28年9月6日付け大田区告示第659号により、平成28年第3回大田区議会定例会を下記のとおり招集したので通知します。                         記 1 期    日 平成28年9月14日 2 場    所 大田区議会議場                ――――――――――――――――――――                                        28総総発第11143号                                        平成28年9月6日   大田区議会議長 大 森 昭 彦  様                                 大田区長  松 原 忠 義                    議案の送付について  平成28年第3回大田区議会定例会に付議する次の議案を別紙のとおり送付します。  第 98号議案 平成27年度大田区一般会計歳入歳出決算  第 99号議案 平成27年度大田区国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算  第100号議案 平成27年度大田区後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算  第101号議案 平成27年度大田区介護保険特別会計歳入歳出決算  第102号議案 平成28年度大田区一般会計補正予算(第2次)  第103号議案 平成28年度大田区国民健康保険事業特別会計補正予算(第1次)  第104号議案 平成28年度大田区後期高齢者医療特別会計補正予算(第1次)  第105号議案 平成28年度大田区介護保険特別会計補正予算(第1次)  第106号議案 大田区教育に関する事務の職務権限の特例に関する条例の一部を改正する条例  第107号議案 大田区立新蒲田福祉センター条例の一部を改正する条例  第108号議案 大田区立上池台障害者福祉会館条例の一部を改正する条例  第109号議案 大田区空き家の適正管理に関する条例を廃止する条例  第110号議案 大田区空家等対策審議会条例の一部を改正する条例  第111号議案 大田区学童保育の実施等に関する条例の一部を改正する条例  第112号議案 大田区保育の必要性の認定等に関する条例の一部を改正する条例  第113号議案 大田区家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例  第114号議案 大田区立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例  第115号議案 あらたに生じた土地の確認について  第116号議案 あらたに加える市街地の区域及び当該区域における住居表示の方法について  第117号議案 大田区立東六郷小学校校舎取りこわし工事及び体育館改築工事請負契約について  第118号議案 災害対策用毛布の購入について  第119号議案 災害用簡易トイレの購入について  第120号議案 大田区と宮城県東松島市との友好都市の提携について  報告第 21号 平成27年度決算に基づく健全化判断比率の状況について  報告第 22号 民事訴訟の提起に係る専決処分の報告について  報告第 23号 民事訴訟の提起に係る専決処分の報告について  報告第 24号 訴え提起前の和解に係る専決処分の報告について  報告第 25号 区の義務に属する損害賠償額決定に係る専決処分の報告について  報告第 26号 本村橋構造改良工事請負契約の専決処分の報告について  報告第 27号 大田区立東六郷小学校校舎改築工事請負契約の専決処分の報告について                ――――――――――――――――――――                                        28総総発第11206号                                        平成28年9月8日   大田区議会議長 大 森 昭 彦  様                                 大田区長  松 原 忠 義                  執行機関の出席について(通知)  平成28年9月6日付け28大議発第10489号により要請のあった平成28年第3回大田区議会定例会における執行機関の出席者を次のとおり通知します。   副区長           遠 藤   久  副区長           幸 田 昭 一   企画経営部長        川 野 正 博  未来創造研究室長      須 藤 常 好   総務部長          玉 川 一 二  危機管理室長        齋 藤 浩 一   地域力推進部長       鴨志田   隆  観光・国際都市部長     河 野 秀 夫   スポーツ・文化担当部長   茂 呂 英 雄  区民部長          木 田 早 苗   産業経済部長        近 藤 倫 生  福祉部長          中 原 賢 一   福祉支援担当部長   障がい者総合サポートセンター所長兼務                 西 山 正 人  健康政策部長        杉 坂 克 彦   保健所長          渡 邉 洋 子  こども家庭部長       後 藤   清   まちづくり推進部長     黒 澤   明  都市開発担当部長      町 田 達 彦   空港まちづくり本部長    川 上 立 雄  都市基盤整備部長      荒 井 昭 二   環境清掃部長        市 野 由香里  会計管理者         田 中 教 彦   企画経営部企画課長     山 田 良 司  企画経営部財政課長     谷 口   祐   総務部総務課長       今 井 健太郎                ――――――――――――――――――――                                        28教教発第11768号                                        平成28年9月7日   大田区議会議長 大 森 昭 彦  様                          大田区教育委員会委員長  芳 賀   淳                  執行機関の出席について(通知)  平成28年9月6日付け28大議発第10489号により要請のあった平成28年第3回大田区議会定例会における執行機関の出席者を次のとおり通知します。   教育長           津 村 正 純   教育総務部長        水 井   靖   教育総務部教育総務課長   井 上 隆 義                ――――――――――――――――――――                                        28大監発第10156号                                        平成28年9月12日   大田区議会議長 大 森 昭 彦  様                            大田区代表監査委員  中 井 恭 子
                     執行機関の出席について(通知)  平成28年9月6日付け28大議発第10489号により要請のあった平成28年第3回大田区議会定例会における執行機関の出席者を次のとおり通知します。   代表監査委員        中 井 恭 子   監査事務局長        柿 本 伸 二                ――――――――――――――――――――                   陳  情  取  下  願  28第26号 盲人生活歩行のため自宅付近の通行に必要な信号設備に音響装置の設置に関する陳情               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○大森 議長 次に、会期についてお諮りいたします。この定例会の会期は、本日より10月13日までの30日間としたいと思います。これにご異議ありませんか。                   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○大森 議長 ご異議なしと認め、そのように決定いたしました。               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○大森 議長 次に、陳情の取り下げについてお諮りいたします。ただいま事務局長に報告させましたとおり、28第26号 盲人生活歩行のため自宅付近の通行に必要な信号設備に音響装置の設置に関する陳情について、提出者より取下願が提出されました。これを承認することにご異議ありませんか。                   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○大森 議長 ご異議なしと認め、取り下げを承認することに決定いたしました。               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○大森 議長 これより質問に入ります。  押見隆太議員、広川恵美子議員、清水菊美議員、黒川 仁議員、玉川英俊議員、岡元由美議員、荻野 稔議員、奈須利江議員、渡司 幸議員、伊佐治 剛議員、伊藤和弘議員、黒沼良光議員、北澤潤子議員、三沢清太郎議員、松原 元議員、野呂恵子議員より通告がありますので、順次これを許します。  まず、10番押見隆太議員。                  〔10番押見隆太議員登壇〕(拍手) ◆10番(押見隆太 議員) 自民党の押見隆太でございます。久しぶりの代表質問でございまして、大変緊張しておりますが、理事者の皆様には実のなる答弁をお願いいたします。  大田区の区民満足度、大田区に住み続けたいと思う方は、区民全体の86.9%と大変よい数字を示しております。さらに少しでも区民満足度を高められる施策を提案してまいりたいと思います。  第2回定例会最終日の翌々日から参議院選挙が始まり、選挙後、すぐに東京都知事選挙があり、途中で都議会補欠選挙も加わりながら、7月31日の投開票日まで、議会活動もやりながら、ほぼ選挙三昧の日々でありました。自民党は、参議院選挙では東京選挙区で中川雅治、朝日健太郎のダブル当選。また、都議会補欠選挙では4000票差の大激戦を制し、山森寛之が初当選を果たし、大田区の今後の施策実現を考えましても非常にプラスの結果だったと思います。  どの選挙も大田区にとって重要な戦いでしたが、その中でも舛添要一前都知事の政治と金の問題等による辞職に伴う東京都知事選挙は注目の選挙でありました。結果的には、この4年間で4人目の都知事として、自民党の衆議院議員でありました小池百合子新東京都知事が誕生いたしました。投票が終わる20時ちょうどにNHKが当確を出す圧勝の選挙でありまして、291万票余の得票数と44.91%の得票率は、まさにすさまじい勢いの民意でございました。大田区でも15万2594票を獲得したということで、三つ巴だった選挙としては異例の高い得票数でございました。  そこでまず、お間きします。大田区としては様々な施策で東京都とは二人三脚の状態です。つまりは小池新都知事との強いパイプづくりが必要となってきます。小池新都知事が誕生して1か月半が経とうとしておりますが、大田区松原区長としては、この期間、小池都知事とどのようなファーストコンタクトをとったのか教えてください。大田区としても中央防波堤帰属問題や羽田空港跡地、新空港線等、今後の新都知事との連携については不可避であり、新都知事とは上手に関わっていく必要があると思います。この点についてどのように考えているのか、お聞かせください。  たび重なる選挙戦が終わってからすぐにリオデジャネイロオリンピックが始まり、大変な盛り上がりを見せました。日本は12個の金メダルをはじめ、史上最多、計41個のメダルを獲得したことで、4年後の東京オリンピックへ向けて、非常に弾みのつく大会となりました。大田区と縁がある選手も大いに活躍され、まず女子バスケットボールの梅田小学校出身の間宮佑圭選手、新体操日本代表“フェアリージャパン”の一員として活躍した山王小学校の熨斗谷さくら選手が活躍し、また、東京高校出身のケンブリッジ飛鳥選手は、100メートルでは準決勝で敗退してしまいましたが、皆様ご存じのとおり、陸上男子400メートルリレーにおきましてアンカーを務め、あのウサイン・ボルトと張り合い、見事2位に入り、銀メダルを獲得いたしました。東京高校の地元鵜の木では、商店街入り口に顔写真つきの「銀メダルおめでとう」の横断幕も掲げられていることもあり、まちが一体となって盛り上がりを見せました。そして、現在開催されているリオパラリンピックにおいても、萩中小学校出身で視覚障がいを持つ高田千明選手が、子育てをしながら陸上女子100メートルと走り幅跳びに出場しています。今回出場した大田区にゆかりのある4選手の活躍は、我々大田区にとっても名誉なことでございました。今後も、大田区にゆかりのあるオリンピック選手を誕生させていけるようなスポーツ推進施策も期待させていただきます。  また、オリンピック関連としては、8月4日にIOCが東京2020オリンピックにおける追加種目として、野球・ソフトボールが正式採用されることが発表されました。このことは、大田区、大田区議会としても熱心に活動してきた経緯もあり、とても喜ばしいことでございます。ただ、大田スタジアムをソフトボール会場にと強く要望していた件に関しては、同日、横浜スタジアムなどを中心として、野球・ソフトボール両方を行えることや、2万人以上の収容人員を持つスタジアムが条件ということで、3000人収容の大田スタジアムでは、残念ながらその可能性がついえてしまいました。現在、大田区で行われることが決まっているのは、ホッケー競技のサブピッチが大田スタジアム向かいにある都立大井ふ頭中央海浜公園第二球技場でございます。第二球技場は平成30年度より改修される予定であり、オリンピック後はフットサルなど他の競技にも使っていくということでございます。  そこで質問をさせていただきます。東京オリンピックでのソフトボール会場としての施設活用を視野に入れた大田スタジアムの施設改修工事が検討されておりました。東京オリンピック、ソフトボール種目の会場選定に漏れた今、どのようにされるおつもりなのか、お聞かせください。  ただし、横浜スタジアムがメインスタジアムに決まってしまった現状ではございますが、先ほど質問したように、小池都知事が誕生したということで、上手におつき合いすることによって、会場選定のやり直しや、追加会場として大田スタジアムを選んでいただけるような段取りが可能であれば、ぜひやっていただくように要望させていただきます。  一方で、選手村からも近く、公式サイズの大田スタジアムや大田区総合体育館を持つ本区は、事前キャンプにはもってこいの場所ではないかと思います。既に各国、各競技団体ではキャンプ地の選定が始まっているとも聞いております。ぜひ大田区へ事前キャンプを誘致していただきたいと思いますが、どのようなPR活動を行っているのか教えてください。  次に、財政についてお聞きします。  平成27年度決算について、まず、その背景にあります日本経済の現状ですが、いわゆるアベノミクスに基づく各種政策の効果もあって、雇用情勢、所得環境は改善の動きを示しております。しかしながら、企業収益の改善という点においては一部足踏みが見られ、それに呼応するように消費者マインドにも影響が出ている状況でございます。また、先行きの見通しとしては、中国をはじめとするアジア新興国や資源国などの景気下振れリスク、あるいは英国のEU離脱などが我が国経済に与える負の影響についても十分考慮しなければなりません。  こうした中、政府は、デフレからの脱却を確実なものとするとともに、経済の再生と財政健全化の双方を同時に実現していくために、「経済財政運営と改革の基本方針2016」、いわゆる「骨太の方針」や「ニッポン一億総活躍プラン」などに基づき、各種の施策を着実に実行していくとしております。  さらに、一億総活躍社会の実現の加速、中小企業支援、防災対策の強化などにかかわる補正予算案につきましても、先日、閣議決定したところであります。ここに来て一部弱さが見られる企業収益改善に向けて、必要なてこ入れを進めることにより、賃上げ、雇用環境の改善につなげ、地域の中小企業、小規模企業に至るまで、経済の好循環を広く行き渡らせることが重要であります。今後の安倍政権の動きをしっかり見届けていきたいと考えております。  こうした中、大田区における平成27年度決算が示されました。一般会計の歳入につきましては、国の各種政策効果や区への転入者が増加したことによる納税者数の増加もあって、特別区税が増加したことなどを受けまして、歳入決算額は過去最大であった前年度をさらに上回る結果となりました。また、歳出については、待機児童解消に向けた取り組みの強化などにより、児童福祉費が10年前と比べて約2倍の規模となったことなどが特徴と言えます。  こうした決算の姿を示す各種の財政指標を見てみますと、財政構造の弾力性を示す経常収支比率ですが、平成27年度は79.7%と、前年度82.2%に比べ2.4ポイントの改善を見せています。また、公債費負担比率についても、平成27年度は2.9%と、前年度4.0%に比べ1.1ポイント改善しております。  そこで質問します。こうした指標を見れば、区財政は、現状においては健全性を維持していると考えられますが、27年度決算について、区長はどのような評価をしていますか、見解を伺います。  また、特に注目したいポイントとして、基金と特別区債残高があります。平成27年度一般会計決算によると、平成27年度末の基金残高は1212億円と、前年度比97億円増加した一方で、特別区債残高は345億円と、前年度比で63億円の減少となっております。今後の行政需要に備え着実に蓄えを進めるとともに、老朽化した公共施設の改築等が集中する時期に備え、特別区債の発行余力を蓄えていくことは非常に重要です。  そこで質問します。基金と特別区債残高について、区はどのように評価しておりますでしょうか、お聞かせください。  また、決算が発表されると、とかく単年度の話に終始しがちですが、大田区財政を語るに当たり、単年度の状況を見るだけでは不十分です。区の基幹財源である特別区税、特別区交付金は景気の影響に左右されやすく、先ほどお話ししたとおり、我が国経済を取り巻く下振れリスクなどを考えれば、先行きの不透明感は払拭できません。また、区が抱える様々な行政需要に的確に応えていくためには、常に相応の体力を維持しておくことが必要です。区が今年4月に公表した「OTAシティ・マネジメントレポート」の中で、中長期の財政見通しを示しています。まさに、こうした先々の見通しを十分踏まえた上で、単年度、単年度の財政運営を進めていくことが重要です。  現在、区において、平成29年度の予算編成に向けて検討を進めているところだと思いますが、区長は、来年度予算編成を、どのような方針をもって臨んでいくお考えでしょうか、お聞かせください。  平成28年度もスタートして半年が経ちました。区政におきましては、待機児童対策、防災対策など、喫緊に取り組まなければならない課題が山積しております。徴税面でのさらなる努力など、歳入確保については万全を期して臨んでいただくことをお願いいたします。71万区民の暮らしを支える各種事業につきましても、着実な実施を改めてお願いいたしまして、次の質問に移らせていただきます。  ただいま述べましたように、大田区の財政状況は、中長期的に見ればまだまだ財政余力を蓄えていかなければならない状況ですか、一方で、ここ数年にわたりまして、アベノミクス効果で過去類を見ない好決算が続いている現実があります。そういった現状を鑑みまして、ぜひ区民の安心・安全といった部分にもう少し投資してもよいのかなと考えております。安心・安全といった視点で何点か質問をさせていただきます。  まず、神奈川県の津久井やまゆり園で、入所していた男女19人が死亡した凄惨な事件が起こりました。この事件を受け、このような障がい者施設はもちろん、福祉施設全体の防犯対策強化が叫ばれ、入所者、利用者の安心・安全を守る上でも区としての対応が求められるところであります。厚生労働省でも福祉施設の防犯対策強化のためのプログラムを準備中と聞いております。  そこで質問します。防犯対策強化策として、福祉施設に防犯カメラの設置など、緊急な対策が必要と考えますが、区の見解をお聞かせください。  また、区立小学校全校に現在設置が進められております通学路の防犯カメラについては、大いに子どもたちの安心・安全につながっていると思いますし、計画どおり平成29年度までに全校設置が完了するということで、スピーディーな取り組みを評価いたします。一方で、小学校、中学校の正門に設置されているインターフォンや電気錠については、設置から約10年が経過してまいりました。やはり設備の老朽化で使えなくなってしまっていた学校や、故障が頻発している学校も結構出てきていると聞いております。10年前と比べると、インターフォンや電気錠などはかなりの進化を遂げており、安心・安全の面での満足度が向上いたします。また、機器も既に生産中止されており、今後、修理部品の入荷も難しくなってくる可能性も大いにあります。  そこで質問します。区立小中学校87校に設置している、既に設置して10年が経過するインターフォンや電気錠の設備更新を求めますが、教育委員会の見解をお聞かせください。  次に、先日、私ども自民党が公明党、民進党との連名で緊急要望させていただいた住宅リフォーム助成について、補正予算で1000万円及び予算の流用で500万円という形で迅速に対応いただきましたことに御礼を申し上げます。住宅リフォーム助成は、安心・安全で快適な住まいづくりを推進するとともに、区内建設関係事業者の仕事確保にもつながる有意義な事業と考えております。  質問します。住宅リフォーム助成を希望する多くの区民がいること、また、熊本地震の影響から高まりつつある住まいの防災に対する区民ニーズを区はどう受け止めているのか、区長のお考えをお聞かせください。  次に、蒲田関連についてお聞きします。  まず、新空港線についてでございますが、本年4月に公表された交通政策審議会の答申において、「事業化に向けて関係地方公共団体・鉄道事業者等において、費用負担のあり方等について合意形成を進めるべき」という、「何々すべき」と記載されているプロジェク卜は、蒲蒲線を含めて6路線となっており、高い評価をいただきました。このことは、区内外の移動利便向上のみならず、東京の玄関口としての役割を果たす羽田空港と首都圏の各地域を結ぶための重要な路線として、国においても新空港線の必要性を評価した結果であると受け止めております。  現在は、この答申で指摘された関係者間の合意形成を図るために、関係者と課題の整理について話し合いを行っていると聞いております。新たな鉄道路線が敷かれるということは、地域にとって100年に一度あるかないかの出来事であり、新空港線の整備がもたらす効果の大きさは、昨年度発表された経済波及効果を見てもわかるように大きなものでございます。  一方で、区が負担する額も相当なものになると考えられます。これまでも区は新空港線整備資金積立基金として基金を積み立ててきておりますが、この時期にその基金の積立額を増額することについて、区長の考えをお聞かせください。  このように新空港線・蒲蒲線の計画が進む中、やはり考えていかなければいけない問題も生じてきます。まず第1に、多摩川線沿線住民の多くが満足する新空港線の計画になってもらいたいと思います。また、蒲蒲線の駅が地下化されることによって、東急蒲田駅の池上線と多摩川線のホームが、現状の計画だと、池上線が今までどおり地上2階、多摩川線、蒲蒲線が地下となって、今まで横並びで両方向への乗り換えも多数簡潔に行われていたものが分断されてしまう形となります。やはり池上線沿線住民も含めた東急沿線上の移動利便性を著しく低下させてしまいますので、しっかりとした対策をとられることも要望させていただきます。  そして、蒲田の駅ビルを見てみますと、駅ビルの改修や耐震工事が行われ、デパートもリブランドやリニューアルして、一見はきれいになりましたが、JRや東急の駅ビルはどれも築50年近く経った建物でございまして、大変老朽化が進んでおります。近い将来には建て替えといった話が出てくるかもしれませんが、現在の好景気が未来永劫ずっと続いているとも考えづらく、現実化しない可能性もあります。今こそJRや東急と建て替えに向けた話し合いを持ち、場合によっては大田区も蒲田駅ビル再開発に資金を投入し、ディベロッパーを巻き込み、ファンド形成を促しながら建て替え促進していくのはいかがでしょうか。  大田区が資金を出した場合に、その対価として駅ビルの一部を譲り受け、例えば蒲田駅改札に直結する保育園や、後ほどお話ししますが、図書の貸し出しに特化し、蔵書を置かない図書館カウンターの設置、区政情報コーナーやミニFM局など、今までにない様々なコンテンツを区民に提供することが可能です。先ほどの東急蒲田駅の分断問題も、駅ビル再開発となれば解決する可能性も高くなります。また、国土交通省に羽田空港の高さ制限の緩和も求めていくべきです。高さ制限が緩和されることによって、駅ビルの集客施設やオフィスだけでなく、ホテルの設置も可能となります。  質問します。老朽化した蒲田駅ビルを、持ち主のJRや東急だけでなく、大田区も資金を出しながら、建て替えへ向けて進むべきと考えますが、区の見解をお聞かせください。  次に、蒲田東口駅前から羽田空港行きのシャトルバスについてお聞きします。  皆様も一度は乗られたことがあると思われますが、この蒲田からのシャトルバスですが、平成22年10月にスタートし、開通当時は空席が目立つ状況でしたが、現在の状況をご存じでしょうか。時間どおりに行ったら、まず座れないどころか、お客様が乗り切れない場合も見受けられます。私も先日シャトルバスに乗る機会があって、用心して10分前にバス停に着いたのですが、その行列は10分前で既に駅前の横断歩道の部分まで来ておりました。このように、羽田空港へのアクセスにおいて蒲田発のシャトルバスのニーズが非常に上がってきている状況でございます。また、調布地区の住民にとっての羽田空港へのアクセスを考えた場合、かなり最適なアクセス方法でもあります。先ほど述べましたとおり、新空港線・蒲蒲線につきましては、事業化に向けて関係者間の合意形成へ向けての協議が始まったばかりでございまして、まだしばらく時間がかかるものと思われます。  そこで質問します。蒲田−羽田空港間のシャトルバスは、現在、1時間に2本ですが、ほぼ満員状態が続いております。ぜひ増便をしていただくよう、京急バスに強い要望を出していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。  次に、全自動駐輪場、地下機械式駐輪場についてお聞きします。  私ども自民党でも長らく研究し、区当局に要望してまいりました全自動駐輪場ですが、大田区としてはいまだ計画が立っておりません。近隣区でも積極的に採用に動き始め、品川区では、大森駅前に水神公園というのがありまして、茶筒型の地下機械式駐輪場を3本設置することが決まり、来年4月に750台の駐輪場をオープンさせるそうであります。当初計画では、大森駅周辺に通常の地上型駐輪場300台程度整備する方向だったのですが、駅周辺の駐輪事情や、公園利用者や周辺環境に配慮した結果、計画を地下機械式駐輪場に変更したとのことでした。  メリッ卜は、過去の質問でも述べてきておりますが、限られた敷地内で多くの収容台数を確保し、地上部分を有効活用できる、また、何といっても車両の盗難やいたずらの心配がなく、入出庫も全自動で容易、そして、大きなチャイルドシートがついた電動自転車も問題なく収納可能であり、使う側から見たらこんなに便利なものはございません。区民満足度という部分においては、費用対効果でも十分採用するに当たると思います。  質問します。蒲田東口駅前広場でも大規模な駐輪場設置が計画されておりますが、その計画も含め、大田区でも地下機械式駐輪場を採用してほしいと思いますが、いかがでしょうか。  次に、大田区の子育て施策について質問させていただきます。  我が国の人口は、少子高齢化が進み、平成17年から人口減少局面に入っている中、大田区では、現時点では総人口、就学前人口とも増加傾向にあります。区が本年3月に策定した大田区人口ビジョンのシナリオAでは、就学前人口は今後おおむね3万人前後で推移することとなっております。このような状況の中、区は、この3年間で2000名を超える保育サービス定員を拡充するなど、精力的に取り組んでこられました。平成28年度においても、当初の整備計画500名を600名に拡充し、これらに係る経費を第2次補正予算として今定例会に上程されております。  さて、厚生労働省は、平成28年4月から5月にかけて、子どもを認可保育園に入れるために保護者が行う活動、いわゆる「保活」に関する実態調査を行いました。この調査では、「保活」の中で苦労や負担を最も多く感じた点として、区役所などへ何度も訪問したことや、情報の収集方法がわからなかった点などが挙げられております。本調査を踏まえ、利用調整に係る基準の公表、保育士の子どもなどの優先入所に係る取扱い、保育コンシェルジュの設置促進などの対応を各都道府県に対し求める通知が出されております。これら国からの要請に対して、区の対応について伺います。  初めに、利用調整に係る基準の公表についてですが、「保活」中の保護者にとって、保育園の空き情報や入園審査の基準に係る情報は大変貴重なものです。  質問します。この入園基準に係る情報に加え、各保育園に入園できるボーダーラインとしての点数情報を公表することはできないでしょうか。このような情報を事前に知ることで、とりわけ「保活」初心者の負担を大きく軽減させることになると考えますが、いかがでしょうか。  また、年齢が切り替わる4月の入園時期を逃さないために、育児休業を早期に取りやめ入園を希望する保護者が数多くおります。本来、親子の絆を形成する大切な時期に、保育園入所のために育児休業を早期に切り上げるのは大変残念なことです。せめて、1年間の育児休業の間だけでも親子で過ごす大切な時間を過ごしてもらいたいと思います。  そこで、育児休業後の職場復帰を考えている保護者の保育園に入園できるかどうかの不安を解消するために、育児休業を満期まで取得された方を対象に、0歳児や1歳児クラスの入園予約制度を導入してはいかがでしょうか。区の見解をお聞かせください。  次に、保育士の確保、定着支援について伺います。  待機児童解消のために、保育所整備とともに重要なものが保育士の確保です。厚生労働省は2017年度末までに9万人の保育士不足を見込んでおり、都心で保育士争奪戦が熱を帯びているとの新聞報道もあります。このように、保育士の安定的確保については、各自治体、保育事業者ともに大きな課題となっております。保育士不足の背景には、低賃金などの待遇面の悪さから、保育士資格を持ちながら転職や家庭に入るなどの潜在保育士が約80万人いるとの報告もあります。また、保育士自身の子どもが保育園に預けられず、職場復帰ができないケースもあると聞きます。  そこで質問します。今回の国からの「保活」対応策にある保育士の子どもの優先入所について、区はどのような考えがあるのか、お聞かせください。  また、地域の保育士資格を有する潜在保育士に現場復帰していただくために、どのような取り組みをされているのでしょうか、お聞かせください。  加えて、保育士に対する資金面での処遇改善について、区長はどのように考えておられますか、お聞かせください。  ここまで、待機児童の解消に関して、「保活」、「保育士の確保」という視点でお聞きしてまいりましたが、これに加えて重要なことは、「多様な保育」であります。子育ての実践の中で様々な場面があり、子どもの病気もその一つです。大田区では施設型の病後児保育事業を展開しておりますが、その数はまだまだ十分なものではありません。日ごとの利用状況に大きな差がある施設型の病後児保育室の開設は、全国的にも一般の保育施設に比べ開設数が数%というのが実態でございます。こうした中、訪問型の病児・病後児保育は、近年、様々な事業者が展開し始めており、他自治体では訪問型の病児・病後児保育を利用する家庭への助成制度も実施されております。  質問します。当区における病後児保育事業をさらに進めるため、訪問型の病児・病後児保育の利用者に対する助成制度の導入を提案しますが、お考えをお聞かせください。  次に、放課後ひろば事業について伺います。  区は、放課後ひろば事業の推進に取り組み、学校内での事業スペース確保に尽力してこられました。結果として多くの区立小学校での開設に結びついていますが、目指すとしていた全校での開設には至っておりません。就学児童数の増加やサポートルームの全校設置など、事業スペースの確保が困難と思われる状況でありますが、より多くの子どもたちに安全で安心な居場所を提供していくためにも、早期に全校で開設することが必要と考えます。  質問します。学校を取り巻く状況が変化している中、放課後ひろばの全校開設に向けての今後の取り組みについてお聞かせください。  次に、田園調布のせせらぎ公園のリニューアルと、老朽化した田園調布特別出張所の件でお聞きします。  まず、田園調布せせらぎ公園ですが、今回の補正予算で、(仮称)田園調布せせらぎ公園文化施設の整備の予算案が計上されております。このせせらぎ公園ですが、もともとは多摩川園遊園地でございまして、私も近所だったもので、子どものころよく多摩川園に遊びに行き、お化け屋敷で泣き、仮面ライダーショーをショッカーの怖さにおびえ父の背中に隠れながら見ておりました記憶が思い出されます。調布地区の住民の当時の子どもも含めた若い世代の憩いの場、週末に集まれる場でありました多摩川園遊園地は、昭和54年にその役目を終えました。  その後、高級テニスクラブの東急多摩川園ラケットクラブへと姿を変え、そのラケットクラブも平成14年に閉鎖されました。その後、紆余曲折ありましたが、半分を大田区が取得し、区民参加の跡地利用検討会で整備方針や利用方針について検討され、その後、田園調布せせらぎ公園としてオープンいたしました。現在、ラケットクラブ時代のクラブハウス棟も昭和55年の築で、かなり老朽化が進んでおり、耐震の部分でも問題を抱えております。施設の更新も必要となり、今回の補正予算では、基本計画、基本設計の費用が計上されました。ぜひ、今回の計画では、町会・自治会の意見を中心として、様々な世代の方々が楽しめる環境づくりや、文化の香る田園調布地区を意識した計画を、また、その昔、多摩川園遊園地で若い家族が週末を過ごしたように、30代、40代の担い手世代やその家族も週末や仕事帰りにこの公園に来て、家族や地域が憩える場にしてほしいと考えております。  具体的に申しますと、近隣住民が憩える公園機能はそのままに、例えば世田谷区が実施している図書館カウンターというのをご存じでしょうか。蔵書を置かずに、50平米くらいの最小限のスペースで、区立図書館が所蔵する本の予約や貸し出し、返却に特化した施設で、インターネットで本の貸し出し予約もでき、世田谷区では新規利用者登録数や貸し出し数など、かなりの数字を出しております。ほかにも、国の待機児童解消プログラムでも推奨されている送迎保育ステーションなど、こういった現代のニーズに合ったものをぜひ区として研究し、導入してほしいと要望いたします。  また、せせらぎ公園は多摩川駅の目の前にありまして、多摩川駅は改札口を出たところにも広大なスペースを有しており、改札構内にもスペースがあります。そして、東横線の高架化した部分は簡易な建物の中に事務所などが入っておりますが、ここにもかなりのスペースがあります。ぜひ、東急電鉄とタッグを組んで、せせらぎ公園のリニューアルに合わせ、共同で多摩川駅前ににぎわいをもたらすような計画をつくってもらいたいと思いますが、いかがお考えでしょうか。  そして、田園調布特別出張所についてもお聞きします。田園調布特別出張所は、現在18か所ある特別出張所の中で一番古い建物となっております。かなり老朽化しており、バリアフリー対応なども遅れているのが現状です。また、昭和40年の建物でございまして、現在の場所に再度同じような建物をつくることは不可能と言われており、現実的には地区内のほかの場所に移転しなければなりません。しかし、何といっても田園調布ですから、土地の値段がかなり高く、また、なかなか希望の場所に適当な空き地が出てこないことから、なかなか施設の更新が進んでおりません。  そこで質問します。老朽化した田園調布特別出張所の今後について、区はどのように考えているのか教えてください。  最後に、中央防波堤埋立地の帰属問題についてお伺いします。  改めて言うまでもありませんが、本年3月、私ども大田区議会では、「中央防波堤埋立地の大田区への全島帰属を求める決議」を全会一致で決定したところであります。松原区長は、この決議について、先の定例会で、「決議文の言葉一つひとつについて、私の思いは全く同様でございます。お互いの主張が平行線をたどった場合には、法に定められた手続きにより、一日も早い公平公正な解決を目指してまいります」との答弁をされております。我々は、松原区長とともに、区を挙げて全島帰属の実現に向けて取り組んでいく考えであります。現在のところ、江東区との間で部長級による協議を鋭意継続していると伺っております。私ども自民党大田区民連合は、従前から早期解決に向けた積極的な取り組みを求めてまいりました。引き続き、大田区の正当な論拠を正々堂々と主張しつつ、相手側の主張に対しては、最高裁判所が昭和61年に示した境界決定基準と精緻に照らし合わせるなど、徹底的に反論されるよう強く強く望みます。  一方で、本件帰属問題は、2020東京オリンピックまでの残された時間もあわせて考えていかなければなりません。江東区との協議を重ねれば重ねるほど、大田区に帰属させることの正当性がより鮮明化してくることは明らかであります。最終的な解決までの時間を考えたとき、調停や訴訟といった法に定められた判断を行使することも現実味を帯びてきているのではないでしょうか。  こうした状況も踏まえ、一日も早い公平公正な解決に向け、現在行っている協議をさらに加速させるなど、より積極的でスピーディーな江東区との対応を求めますが、区長の見解を伺います。  以上で代表質問を終わります。ありがとうございます。(拍手) ○大森 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎松原 区長 押見議員の代表質問に順次お答えをさせていただきたいと思います。  まず、小池新都知事についてのご質問でございますが、小池知事は日本ウエイトリフティング協会会長を務めております。全日本ウエイトリフティング選手権大会が過去3回、大田区で開かれていることから、この大田区をウエイトリフティングの聖地にしたいと述べていたのが印象に残っております。また、小池知事は就任後に特別区長会へ挨拶にお越しになりました。残念ながら私は中小企業都市サミットへの出席でお会いすることはできませんでしたが、「都民・区民のためにも、現場の話を聞き、ともに手を携えて取り組んでいきたい」と述べられました。これに対し、西川特別区長会会長からは「これまで以上に都区がよきパートナーとして、協働・連携して都民・区民のための施策を進めていけるようお願いしたい」という挨拶をしたと聞いております。知事就任から約1か月半が経ち、都政改革本部の立ち上げや築地市場の移転問題など、小池知事は喫緊の課題への対応に邁進されているように見受けられます。この間、非常に多忙な様子なので、都知事としてお会いする機会はございませんでしたが、71万区民を擁する特別区の首長として、時宜を捉えてぜひお話をしたいと考えております。  次に、小池知事との連携に関するご質問でございますが、区の様々な重要施策を力強く着実に推進していくためには、都との緊密な連携は不可欠であると考えております。小池知事は、「セーフ・シティ」、「ダイバー・シティ」、「スマート・シティ」という三つのシティの実現を公約に掲げ、当選なされました。これらの公約の中で掲げられております待機児童問題や防災対策などは、大田区の喫緊の行政課題に通じるものであり、私がおおた未来プラン10年の中で着実に取り組んできた施策は、小池知事の公約とも共通するものでございます。一方で、区には、中央防波堤埋立地帰属問題や空港跡地のまちづくり、新空港線整備など、都との連携が必要な固有の課題もございます。今後、このような固有の課題、共通する課題の迅速な解決を目指し、連携・協力関係を図り、区民の要望に的確に応えてまいりたいと考えております。まずは都が関係自治体の意見を聞きながら年内に策定を予定しております「(仮称)2020年に向けた実行プラン」に対し、区の課題解決につながる意見や提案などが反映されるよう、しっかりと働きかけてまいりたいと思います。  次に、大田スタジアムの改修をどのように進めていくかというご質問でございますが、大田スタジアムに隣接します都立大井ふ頭中央海浜公園内では、ホッケー競技会場(サブピッチ)が整備されます。また、選手村や羽田空港からも近いという好立地の条件を備えております。このようなことから、事前キャンプ地や大会開催時の練習会場をはじめ、東京2020大会関連施設としての活用など、大田スタジアムがこの大会において果たすべき役割は大いにあると確信をしております。東京2020大会を契機とした「スポーツ健康都市」及び「国際都市おおた」の実現のために、施設の老朽化に対する改修計画とあわせて、バリアフリーや多目的利用、景観等に配慮した改修工事の検討を今後も進めてまいります。  次に、東京2020大会における事前キャンプ誘致のPR活動についてのご質問でございますが、誘致活動はオリンピック・パラリンピックアクションプログラムの重要事業と位置づけ、大会後にレガシーを残す事業として取り組んでおります。事前キャンプ誘致のPR活動につきましては、誘致のためのパンフレットや動画を作成し、いくつかの国のオリンピック委員会や競技団体等に働きかけ、今までに施設等の視察を数回受け入れております。大会組織委員会や東京都の専用ホームページに大田区の事前キャンプ紹介記事を掲載し、PRに努めております。また、リオ大会の開催期間に、現地のジャパンハウスにおいても関係機関に対してPRされています。今後とも、大田区の事前キャンプ誘致に全力を尽くし、誘致実現に努めてまいります。  次に、平成27年度決算の評価に関するご質問でございますが、平成27年度は、保育サービス定員の556人拡充や、「命を守る3点セット」の全戸配布など、待機児童対策や防災対策といった区政を取り巻く諸課題の解決に向けて積極的に事業を進めてまいりました。その結果、平成27年度普通会計決算における扶助費は約827億円と、前年度比6.6%の伸びとなりました。
     あわせまして、区は、特別区民税の収入確保に向けた取り組みの強化や事務事業の見直しに努めた結果、財政の弾力性をあらわす経常収支比率では、平成27年度は79.7%となり、前年度比で2.4ポイント改善をしております。また、公債費負担比率につきましても、将来の行政需要に備えて、特別区債の発行抑制と元金償還を進めた結果、平成27年度は2.9%となり、前年度比で1.1ポイント改善をしております。このように、現状において区は財政的に健全な状態を維持しつつ、必要な事業を着実に前進させております。今後、扶助費や公共施設の改築・改修に伴う投資的経費の一層の増加が想定されますが、引き続き区民目線に立った経営改革を進め、計画的で持続可能な財政運営を推進してまいります。  次に、基金と特別区債残高についてのご質問でございますが、基金は、特別区税や特別区交付金など主要な一般財源を補完、調整する重要な役割を担っております。また、特別区債は、長期間にわたり区民の方にご利用いただく公共施設の整備などに関して、世代間の負担を平準化するとともに、一般財源を補完すること等を目的としております。景気変動によります歳入の減少、今後も増加が見込まれる社会保障関係経費や公共施設の改築経費に対し、健全で柔軟な財政運営を進めるには、将来を見据えた基金の積み立てと起債発行の余力を蓄えることが重要でございます。現状において、区財政は健全性を堅持していると考えておりますが、景気の先行きの不透明感や、今後、人口構成が変化する中での扶助費の増、公共施設の機能更新など、膨大な行政需要を抱えております。決して楽観視できない状況にあります。そのため、基金を積み増したことや、特別区債を確実に償還し、残高を圧縮したことは適切なものと考えております。今後とも、基金と区債につきましては、中長期的な視点を踏まえ、双方のバランスに留意しながら活用することで、柔軟かつ健全な財政運営を行ってまいります。  次に、平成29年度の予算編成に関するご質問でございますが、平成29年度は、「おおた未来プラン10年(後期)」の計画期間4年目となり、着実に事業を推進することが求められております。加えて、今後策定いたします「(仮称)大田区アクションプラン」に基づく新たな取り組みを開始するという意味でも、平成29年度は非常に重要な年であります。そのため、来年度予算編成に当たりましては、「暮らしてよし、訪れてよし、地域力あふれる国際都市おおた」の実現に向けた取り組みを加速すべく、「未来を拓く子どもたちや若者の成長を支える取り組み」など、四つの重点課題を設定いたしました。議員お話しのとおり、区財政は、現状においては健全性を維持しておりますが、中長期的には楽観視できない状況でございます。限りある財源の中で、これらの重点課題に特に優先的に取り組んでいくためには、既存事業の見直しや再構築によって必要な財源を捻出することが不可欠であります。私は、区の財政運営を預かる者として、これまで以上に「選択と集中」の視点を踏まえ、71万区民の期待に応える実効性の高い予算を編成してまいりたいと思います。  次に、本年7月26日、神奈川県相模原市の知的障がい者福祉施設「津久井やまゆり園」で発生した事件につきましては、被害にあわれた方々、ご家族の皆様に深く哀悼の意を表したいと思います。抵抗できない障がいのある人々に残忍な行為に及んだことに大きな憤りを感じております。事件の一報後、直ちに区内の障がい者施設等に注意喚起を行うよう指示いたしました。現在、国においては、障がい者施設をはじめとする福祉施設の防犯強化に関する補正予算を検討しているとの情報もあります。この間、防犯講習会の実施、警察との連携によります防犯視察受け入れ等の防犯強化の取り組みを進めており、区といたしましては、引き続き情報収集を行うとともに、様々な団体等とも連携しながら安全・安心を確保してまいりたいと思います。  次に、住宅リフォーム助成及び住まいの防災性についてのご質問でございますが、今年4月の熊本地震発生以降、リフォーム助成のうち、防災関連工事への申請件数が増加しております。住まいの防災に対する意識が高まっていることだと思います。また、先日、熊本地震の被災地を視察してまいりましたが、地震に強い家づくりの必要性を実感するとともに、住まいの耐震化は、区民の命を守るための対策として喫緊の課題であると認識を新たにしたところでございます。このような問題意識から、住宅リフォーム助成につきましては、耐震化助成制度等との連携を強化し、防災性の高い住まいづくりを促進するとともに、多くの区民の皆様にご利用いただけるよう取り組んでまいります。  次に、基金の積立額を増額することについてのご質問でございますが、国の答申で指摘された課題の解決に向けて、現在、関係者間で合意形成に向けた話し合いを行っております。関係者間の合意形成を進め、国、東京都の財政支援を得る上で、新空港線整備実現に向けた区の積極的な姿勢を対外的に示すとともに、後年度の財政負担を平準化し、財政見通しを確立することは極めて重要であります。このような視点から、新空港線整備資金積立基金を今回さらに積み増しする補正予算を提出いたしました。他区の状況を見ますと、答申において新空港線と同様に高い評価となった有楽町線延伸や大江戸線延伸を推進する江東区、練馬区におきましても、今年度はそれぞれ基金の積立額を単年度10億円に増額しております。区といたしましても、新空港線整備に向けた確固たる姿勢を示すとともに、事業が滞りなく進むよう万全の態勢を整え、早期整備に向けて邁進してまいります。  次に、老朽化した蒲田駅ビルの建て替えに関するご質問でございますが、駅ビルの建て替えを考える上で、建物の耐用年数とともに、来訪者の増加など事業環境も大きく影響するものと考えております。平成27年に日本を訪れた外国人は1974万人と大幅に増加し、大田区におきましても、外国人宿泊者数が前年を16万人上回る29万人余と増えております。4年後の東京オリンピック・パラリンピックを控え、羽田空港から近い蒲田に国内外からますます多くの皆様が来訪されるものと考えられます。  駅ビルの建て替えにつきましては、駅舎、駅前空間、駅の利用動向、まちの魅力の高まりなどと密接に関連してくることから、区といたしましても、鉄道事業者等と駅前広場の整備や東西自由通路整備に向けた情報交換を行ってまいりました。さらに、新空港線の整備が図られていくことで駅利用者の増加が見込まれ、駅ビルにも新たな需要が喚起されることと思われます。交通政策審議会の答申で示されたように、鉄道駅は次世代ステーションとして、駅空間の質的変化が求められております。このような状況を踏まえ、駅の高度利用が図れる開発手法や新たな制度を含め、鉄道事業者等と多角的に検討をしてまいります。  次に、シャトルバスの増便要望についてのご質問でございますが、蒲田−羽田空港間のシャトルバスは、運行開始後、利便性の高さから年々利用者数が増加しております。議員お話しのとおり、混雑して乗り切れない時間帯もあり、改善が必要な状況であります。京急バスに対して、これまでも増便の要望をしてまいりましたが、空港利用者の増加が今後も予想されることから、空港アクセスの充実・強化を図るため、シャトルバスのさらなる増便を引き続き京急バスに要望してまいります。  次に、地下機械式自転車駐車場の設置についてのご質問でございますが、機械式自転車駐車場は、土地利用上のメリットがあり、自転車駐車場として有効な整備手法の一つであると考えております。また、蒲田駅東口自転車駐車場の整備につきましては、機械式自転車駐車場の導入の検討も進めております。今後は、従来の整備方法を基本としながらも、機械式自転車駐車場や道路上の有効活用など、多様な整備手法も活用して自転車駐車場の整備を促進してまいります。  次に、入所基準の公表に関してのご質問でございますが、現在、保育園入所に関する選考基準や選考基準調整指数については、保育園申し込みのしおりなどで公表しております。保護者に対して透明性の高い利用調整に努めているところでございます。これらの情報公開については、改めて、わかりやすい周知を工夫してまいります。また、ご提案の保育園ごとの入所指数の公表につきましては、前年度における入園情報として公開することを検討してまいります。これらの情報提供により、区民の「保活」の負担軽減を図るとともに、これまで以上に待機児童解消に向けて全力で取り組んでまいります。  次に、育児休業明けの入園予約制度についてのご質問ですが、入園予約につきましては、予約枠数の確保の問題や育児休業を取得できない方との公平性の問題、その後の必要度の高い申請者との関係など、整理すべき課題がありますが、安心して育児休業をとれる子育て環境の整備は、区としても重要な課題と認識をしております。今後、先行自治体におけるメリット、デメリットを検証し、区として最適な制度について検討してまいります。なお、育児休業取得の推進に向けた取り組みについては、特別区長会として事業主に対する制度の導入、適用の義務化など、厚生労働大臣に緊急要望をしております。  次に、保育士の確保、定着支援に関するご質問ですが、待機児童解消のためには、保育基盤の整備とともに、保育の質を左右する保育士の確保、定着支援がとりわけ重要となります。例年、求人が多くなる2月の東京都の保育士に対する有効求人倍率は5.65倍でございました。保育士のお子さんの優先入所につきましては、喫緊の課題である保育士確保にとって有効であると考えております。今後、具体的な仕組みについて検討してまいります。  次に、潜在保育士の活用についてのご質問ですが、区では、平成27年度から保育士の確保を目的として、ハローワーク大森、私立保育園連合会と共催で「大田区私立保育園就職フェア」を開催しております。今年度は10月1日に大田区産業プラザ1階大ホールにて実施をいたします。当日は、保育士応援セミナーを開催し、保育士を目指す方やブランクのある潜在保育士にも参加しやすい内容としております。また、今年度、就職情報ポータルサイト「おおた ほいく・ぽーと」を新たに開設し、サイト内で区内保育園の採用情報の検索や個別の保育園に全国から応募ができる仕組みとしております。さらに、宿舎借り上げ制度の利用を促進し、保育士の定着支援を図ってまいります。  次に、保育士の賃金等の処遇改善についてのご質問ですが、保育の質を左右する保育士確保に当たりましては、待遇面の充実も必要であると考えております。国は「ニッポン一億総活躍プラン」の中で、待機児童問題への対応として、来年度から保育士の賃金を月平均2%、約6000円引き上げ、さらに、経験を積んだ保育士には最大4万円程度上乗せするとしております。今後、区独自の処遇改善も検討し、保育士確保と安定した定着支援に努めてまいります。  次に、訪問型病児・病後児保育の利用者に対する助成についてのご質問ですが、区では、病後児保育室を今年度は1施設を加え、現在6施設、定員33名で開設しております。医師会及び協力医療機関との連携により、子どもの健康状態に応じた安全な保育サービスを提供しております。利用定員が限られた施設型の病後児保育室は、子どもの状態や利用のタイミングによってご利用できない場合もあります。訪問型の病児・病後児保育に対する助成制度は、子どもが病気になった際のご家庭にとって有益な保育になると考えます。今後、施設型病後児保育室の整備とともに、他の自治体での利用状況や課題を整理し、区として最適な仕組みを検討してまいります。  次に、放課後ひろばの全校開設に向けた取り組みについてのご質問ですが、放課後ひろば事業は現在30校で実施し、今年度はさらに12校で開設の計画を進めております。一方、児童数の増加により学童保育事業スペースの確保が難しい状況もございます。引き続き、教育委員会と連携し、学校施設を時間で区切った使い分けや、近隣の子育て支援施設を活用した運営方法等を検討してまいります。今後も、全ての子どもたちの安全で安心な居場所の確保に向け、放課後ひろば事業を全力を挙げて推進してまいります。  次に、田園調布せせらぎ公園の施設整備に関するご質問ですが、田園調布せせらぎ公園内に予定しております施設につきましては、これまで地域のご要望を踏まえ、地域にふさわしい文化施設としての検討を重ねてまいりました。具体的には、文化、スポーツ、芸術などの区民活動の場、憩いの場として、多くの皆さんが集うことのできる施設を計画しております。そのほかにも、地域の防災拠点としての機能を付加することを考えております。また、多摩川台公園や多摩川河川敷のアクセスポイントとなっております多摩川駅にも隣接していることから、鉄道事業者とも連携するとともに、今後とも、地域の皆さんとの協議を行いながら、公園との一体感に配慮した魅力ある施設となるよう検討をしてまいります。  次に、田園調布特別出張所に関するご質問でございますが、田園調布特別出張所は昭和40年の建設であり、老朽化の状況からも機能更新をすることが喫緊の課題となっております。現在の建物は既存不適格となっており、現地での建て替えは現状の延べ床面積でさえ確保することができません。また、田園調布管内において施設整備のための用地を確保することも非常に困難な状況となっております。こうした状況から、公共施設適正配置方針を踏まえ、田園調布せせらぎ公園に隣接する田園調布富士見会館の長寿命化大規模改修を行った後、区民の皆さんの利便性の向上と区民サービスの充実を実現するための拠点として、出張所と地域包括支援センターを移転し、複合化する予定でございます。  次に、中央防波堤埋立地の帰属に関するご質問でございますが、私の働きかけにより江東区との協議を再開し、現在、部長級によります話し合いを精力的に進めております。協議においては、最高裁判所が示した境界決定基準に基づき、毅然とした強い姿勢で主張、反論を展開しております。引き続き、2020年を見据え、公平公正な解決に向けた取り組みを重ねてまいります。もとより、本件帰属問題は、まさに争論でございますので、協議が整わない場合には、速やかに法に定められた手続きにより適切に対応してまいりたいと考えております。今後とも、区議会の皆様、区民の皆様にお力添えをいただきながら、中央防波堤埋立地帰属問題の早期解決に向け、鋭意取り組んでまいりたいと思います。私からは以上でございます。 ◎津村 教育長 私からは、区立小中学校に設置しているインターフォンと電気錠の設備更新に関するご質問にお答えをいたします。  津久井やまゆり園の事件は、学校施設を管理する教育委員会といたしましても、大変痛ましく、衝撃的な事件と受け止めておりまして、区立小中学校の安全確保に努める決意を新たにしているところでございます。区では、大阪教育大学附属池田小学校の事件を踏まえ、平成18年度に全ての区立小中学校に電気錠とインターフォンを設置しております。設置後10年を経過し、設備の老朽化が心配される時期に来ておりますが、適切に維持管理を行ってきたこともございまして、ほとんどの設備が現在も良好に作動しております。しかしながら、議員お話しのとおり、機器の性能向上なども見られ、今後は修理部品の製造完了も想定されることから、不具合が発生した場合には必要に応じて順次更新を行うことで、児童・生徒の安全をしっかりと確保してまいりたいと考えております。私からは以上でございます。 ○大森 議長 次に、20番広川恵美子議員。                  〔20番広川恵美子議員登壇〕(拍手) ◆20番(広川恵美子 議員) 大田区議会公明党の広川恵美子です。  この夏のリオデジャネイロオリンピックとともに、現在開催中のパラリンピックでは、日本代表選手の見事な戦いに寝不足も吹き飛ぶくらい胸を熱くしています。メダリストたちの「これ以上できないくらいに努力をした」という声とともに、支え続けてくれた方への感謝の言葉がどの選手からも聞かれ、一流のアスリートたちの人間性はメダル以上に輝いてみえました。  いよいよ4年後の東京2020オリンピック・パラリンピックへのカウントダウンが聞こえてきました。あるテレビ番組で、リオのまちで「東京に何を期待しますか」とインタビューをしている場面がありました。ブラジル人の青年が「東京ほど安全で安心なまちはない。東京ほど平和の象徴であるオリンピック・パラリンピックを開催するにふさわしい場所はない」と答えてくれていました。誇らしい思いとともに、大成功への緊張感も沸いてきました。世界からの期待に応え得る東京・大田区へとの思いを込めて、代表質問をさせていただきます。よろしくお願いいたします。  先般の都知事選では、知名度、発信力で群を抜いていた小池百合子氏が当選。初の女性都知事が誕生しました。小池都知事は、都民ファーストの東京大改革を行うとして、都政改革本部による都政情報の透明化やオリンピック・パラリンピックの計画、予算、準備態勢の調査チームを立ち上げるなど、精力的に活動を進めておられます。  翻って、これまで東京都と23区特別区では、事務配分や税財政制度など、都区のあり方について様々検討する中、事務事業の移管も徐々に進んでいます。今後も特別区の自主性、自立性は強化されていくものと期待されているところですが、一方で、オリンピック・パラリンピックのような大都市経営という観点では、依然として東京都が担い続ける範囲も大きく、これまで区の抱える課題については、東京都との信頼関係のもと解決に取り組んでこられたと理解しています。  もとよりこうした連携には、都知事と区長というトップ同士の信頼関係がベースとなることは言うまでもなく、実務レベルの連携もその上に成り立ち、進んでいくものと考えます。その意味から、小池都知事と松原区長が一日も早く深い信頼関係を築いていただくことが、今後の大田区政の発展の要となります。  そこでお伺いします。東京大改革を掲げる小池都知事に対し、大田区の課題解決に向けた連携をどのように行っていかれるのか、お聞かせください。  平成27年度決算について伺います。  日本経済は、少子高齢化や潜在成長力の低迷といった構造要因を背景に、雇用・所得環境は改善する一方で、個人消費や民間投資は力強さを欠いた状況にあり、8月24日に発表された内閣府の月例経済報告でも、「景気は、このところ弱さもみられるが、緩やかな回復基調が続いている。」と表現されていることからも、本格的な回復については道半ばの感は否めません。世界に目を向けても、新興国経済に陰りが見え、英国国民投票におけるEU離脱の選択等、世界経済の需要の低迷、成長の減速のリスクが懸念されています。  長年続いたデフレから完全に脱却し、実質GDP成長率2%程度を上回る経済成長の実現を目指すため、政府は、産業構造改革、働き方や労働市場の改革、人材育成の一体改革に取り組み、社会保障改革等の構造改革の加速化とともに、未来への投資の加速を目的とする総合的かつ大胆な経済対策を講ずるとしています。こうした中にあって、大田区においても、将来に向けしっかりとした行財政運営の基盤を構築しつつ、区民福祉の一層の向上に向けた取り組みを進めていただきたいと考えております。  そうした中で、平成27年度決算が示されました。平成27年度は、未来プラン後期の3年目、折り返しにつながる重要な時期でもありました。区の重要課題の一つである待機児解消に向けた取り組みや、福祉、教育などの施策とともに、防災まちづくりの推進や前倒しでの備蓄など、災害対策にも力を入れていただきました。また、新空港線の整備や中央防波堤帰属問題など、大田区の大きな課題が動き出した年度と評価しております。さらに計画面では、「公共施設適正配置方針」、「人口ビジョン」、「大田区地方創生総合戦略」が策定されるなど、将来に向けた区長の思いが感じ取れる計画が示されたと考えます。  まず、平成27年度の決算に当たり、未来プランの取り組み全体に対する評価を含め、区長のお考えを伺います。  平成27年度一般会計決算では、歳入が2573億1336万9000円、歳出が2446億6988万8000円となっており、繰越額等を除く実質収支は105億7917万5000円、約106億円となっております。社会経済情勢の先行きが見えない中で、人口構成は大きく変化するとともに、それに伴う福祉や子育て、また公共施設の再更新、さらには新空港線や空港跡地などのプロジェクトを抱える本区にとって、将来を見据えた財政運営は欠かせないと考えますが、一方で、実質収支比率6.6%は、昨年度より0.4ポイント減少してはいるものの、適正水準と言われる3%から5%の範囲から若干上回っています。  実質収支が100億円を超えるほどもあるのであれば、福祉・子育て施策などに財源を充て込むなど、年度途中での執行状況を鑑み、計画の前倒し等を行うことも可能だったのではと考えます。27年度の実質収支をどのように評価しておられるか、区長の考えを伺います。  次に、経常収支比率について伺います。  財政運営の健全性を評価する経常収支比率が、27年度決算では79.7%と、前年度82.2%から改善しております。大田区のような財政規模の自治体では80%台でも問題がないとは聞きますが、本区の数字が適正水準である70から80%の範囲に入ったことは大変好ましい結果であると認識しております。この指標は財政の弾力性をあらわすものであることから、この数値が適正であれば、新たな区民ニーズへの対応や政策的な経費に振り向ける財源が確保できていると思っております。  本区においても、福祉や子育てなどの扶助費が増加傾向にある中で、学校施設や公共施設の適正な再更新を進めていくことが喫緊の課題であり、そうした需要に対応するためにも、弾力性のある財政運営は極めて重要であると考えますが、経常的収支について、区はどのように評価しておられるのか伺います。  平成27年度末における基金残高は1212億円、また、特別区債残高は345億円となっております。右肩上がりの経済情勢が期待できない中では、今後の行政需要に備え、着実に蓄えを進めるとともに、財政運営上大きなウエイトを占める公共施設の改築等が集中する時期に備え、区債の発行余力を蓄えていくことも重要と考えます。財政調整基金は、条例で一般会計純剰余金の2分の1を積み立てることとなっており、今回は27年度決算による約53億円が積み立てられます。その他補正予算において、公共施設や新空港線の整備資金積立基金にそれぞれ20億円と5億円を積み立てるなど、将来の経済状況の変化や施設整備などに必要な積み立てを行うことは適切な判断と考えます。今後の公共施設の機能更新に当たっては、こうした基金の有効活用と適正な起債の活用とあわせて、財政負担の平準化を図っていただくことを要望し、次に公共施設の機能更新について伺います。  小中学校を含めた公共施設の機能更新について、これまでも公明党は、建て替え時における複合化を含め、積極的に進めるべきと主張してまいりました。このたびの「公共施設適正配置方針」においては、そうした考え方が盛り込まれ、公共サービス水準を低下させることなく、施設機能の集約や複合化、多目的化などにより施設利用者の利便性を高めつつ、施設の総量抑制を目指すものとなっており、評価いたします。これからの施設の機能更新に当たっては、人口構造の変化を捉え、将来世代に過剰な負担をかけないことも念頭に、コンパクトな施設づくり、都市づくりを進めていただきたいと考えます。  その上で、公共施設の機能更新・改築に当たっては、民間活力を有効に利用していくことが大切であると考えます。これまで公共施設の更新には、敷地に余裕がない場合は代替地を用意し、仮施設をつくるなどの対応が中心でしたが、今後はそうしたことは極力避けて、既存施設の有効活用や複合化はもちろんですが、一つの考え方として、民間施設を購入することや借りることも視野に、いわゆるPPPの発想で機能更新をすることも必要であると考えます。570あると言われている公共施設の更新には、多額の費用と年月がかかります。官民連携の発想をこれまで以上に取り入れていくべきだと思いますが、区の考えをお伺いします。  加えて、公共施設の整備を進める中で、複合化によって生じる利用可能な施設等については、不足している福祉施設や工場用地など、地域が必要とする施設として活用するという条件のもと、無償や低価格で民間に提供するという考え方もあるのではないでしょうか。総量抑制のためには売却するという選択肢も含め、将来的な行政需要の変化に対応するための柔軟な発想が必要と考えます。区の見解をお聞かせください。  続いて、区政運営を着実に推進する上で最も重要な行政資源とも言える職員に目を向けていきたいと思います。  先日、平成29年度から33年度までを計画期間とする新たな「大田区職員定数基本計画」が示されました。その中には、「平成7年度から計画的に職員定数の縮減を図ってきた」との説明があります。この間、様々な行政需要への対応をしっかりと行いながら、2548人の縮減を達成されたことは評価するところです。また、計画では、総務省の「地方公共団体定員管理調査」の結果をもとに、区の人口と職員数との回帰分析についてグラフを掲載しております。特別区の傾向を100とした場合、現行計画の策定時、平成24年度の106に対し、直近値では102と改善が見られていることからも、これまでの定数管理が一定の成果を上げてきたと考えます。依然として100を超えてはいますが、あくまでも一つの評価手段であり、自治体によって地域特性や人口構成、行政需要も異なるのですから、一つの分析による比較だけで良し悪しを判断するべきものとは考えておりません。  そこで、これまでの職員定数の管理について、区長はどのように評価されておられるか、お伺いします。  一方、公共施設の再更新や新空港線、空港跡地の整備のほか、児童相談所の移管、子どもの貧困対策、高齢者対策、保育サービスの充実など、行政需要はますます増加することが見込まれます。こうした状況を踏まえ、本計画では、「事務事業の見直しの徹底」という章を新たに設け、1 事務事業の再構築、2 民間活力・外郭団体等との適切な役割分担、3 非常勤職員・臨時職員の効果的活用という三つの視点から事業の見直しを行うことが不可欠であるとも述べられています。限られた人員を、取り組む課題や新たな行政需要に重点的に振り向けていくために、既存事業の見直しを行うことは大変重要なことであり、そうした内容を計画に盛り込むことは的を射たものと考えております。ぜひとも、実現に向けた取り組みを進めていただきたいと考えます。  このように新たな内容を計画に盛り込むとともに、年度別計画では、「平成28年度の職員定数4135人をメルクマールとし、想定最大値と想定最小値の範囲内において職員定数を適正に管理する」と表現するなど、これまでの計画とは若干性格が異なっているとも感じます。  そこで改めて、このたびの計画に込めた区長の思いについてお伺いします。  次に、このたび策定をされているアクションプランについて伺います。  区では、区政運営の羅針盤となる未来プランを基本に、総合戦略や各種個別計画を策定されていますが、これらの計画は多岐にわたり、それぞれがどのような形で具体化されていくのか、よく見えない印象を受けます。アクションプランは、各事業について個別計画との連携を考えながらも、期間を定め、予算を裏づけし、確実に具体化するためのものであってほしいと考えております。区はどのようにアクションプランを位置づけていこうと考えておられるのか伺います。  これまでも多額の財源を必要とする公共施設の整備については、公明党は起債をもっと活用すべきであると主張してまいりました。アクションプランを着実に具体化するための財源については、基金の活用はもちろん、金利が低い時期でもあり、起債の活用を今まで以上に考えてはと思いますが、区のお考えを伺います。  次に、指定管理者制度について触れてまいります。  平成27年度には、「指定管理者制度に関する事務の執行及び対象施設の管理運営について」とのテーマで包括外部監査が実施されました。147施設を対象に監査が実施され、意見を含め102個の指摘がなされております。その内容は、会計処理の過誤、税金の申告漏れなど事業者の不適切な財務処理から、事業者選定のあり方や予算段階での施設所管課のチェック不足など区の指導体制の問題、さらには指定管理者制度による施設運営の妥当性にまで言及されており、今後の施設運営を考える上で大いに参考になるものと感じております。  まずは今回の監査結果について、区長はどのように受け止めておられるか、お聞かせください。  指定管理者制度は、公の施設の管理を民間事業者等が持つノウハウを活用することにより、多様化する区民ニーズに的確に対応し、住民サービスを向上していくための有効な手段の一つであると考えます。しかし、区民サービスの質の維持・向上を図る上で、行政にはしっかりと指定管理者を監督し、指導していくことが強く求められることを、今回の包括外部監査は示唆しています。今回多くの指摘がありましたが、その多くは行政の監督・指導体制が不十分であることに起因していると考えます。今回の監査結果を踏まえ、区民サービスのさらなる向上に資する指定管理者制度の活用につなげていくことが必要と考えます。  区長は、このたびの指摘等を今後どのように生かしていくべきとお考えか、見解をお伺いします。  熊本地震発災から4か月半が経過した先月末、短い時間ではありましたが、実家に立ち寄ってまいりました。熊本城を含め、一般家屋でも瓦屋根や土壁など、まちの趣を感じさせる建物の復旧がなかなか進んでいないように感じました。屋根瓦工場の被災や職人不足などで、まだ手がつけられないのだそうです。また、被害認定にも時間がかかっているそうで、熊本地震の特徴として、外観からは被害がないようでも、内壁が剥がれるなど家の中の被害が大きいため、2次調査を希望する人が多いのだそうです。建物の復興とともに、心の復興が一日も早く進むことを願ってやみません。  その意味からも、第2回定例会の一般質問で、生活再建に必要な情報をホームページなどに公開していただきたいと要望させていただきましたが、早速、「防災・防犯」のトピックスに「日頃の備えと生活再建」として掲載していただきました。区民のためにと迅速に対応していただきましたこと、心より感謝申し上げます。  ところで、この夏の日本は、例年になくたび重なる台風の上陸が続き、各地に甚大な被害がありました。亡くなられた皆様のご冥福と、被害にあわれた皆様に心よりお見舞いを申し上げます。この間、本区でもたびたび水防体制が敷かれていますが、本区では現在のところ大きな被害はなく、ほっとしているところですが、これからが本格的な台風シーズンということもあり、油断はできません。  そこでお伺いいたします。気候変動の影響からか想定外の災害と言われる被害状況が続いています。最近の台風等の発生状況を踏まえ、区の風水害対策において、見えてきた課題と対策についてお聞かせください。  次に、大田区職員定数基本計画でも触れられております民間活力の活用について述べてまいります。  現在、「アダプト・プログラム」を導入する自治体が増えてきております。この「アダプト・プログラム」とは、アメリカ・テキサス州において「アダプト・ハイウェイ・プログラム」の名称で初めて導入された制度です。「アダプト」とは英語で「養子縁組をする」という意味で、道路や公園など行政が所管する公共施設を養子に見立て、市民が我が子のように大切に思いながら、美化活動を自発的に実施し、行政はその活動を支援するという、まさに地域力を活かした取り組みです。本来、行政が管理すべき公共施設を、市民や企業が自発的かつ責任を持ってボランティアで維持管理をしてもらうことが目的であり、区民と行政の協働による事業実施の手法の一つです。この制度のメリットは、行政は経費削減を図ることができること、住民は地域社会における活動機会の確保や住み慣れた地域への貢献意識の向上につながることと言われています。  本区においても、「ふれあいパーク活動」や「大田花街道」が「アダプト・プログラム」に当たります。少々形態が違いますが、「アダプト・プログラム」を発展させた形で千葉市が行っている「ちばレポ」は、気軽にスマホのアプリなどを使って、「まちの困った」、例えば公園のベンチが壊れているなどといった情報を市と共有しながら、ほかの市民や気の合う仲間とちょっとしたお手伝い感覚で、こうした「困った」を解決しようという取り組みを行っています。そして、行政が対応したものを含めて、解決前と後のレポートと写真をホームページに公開しています。  このように、本来行政がやるべきもの、地域が行うもの、そして行政が現在行っているものでも、自治会・町会、NPOなどの団体、さらには個々の住民の力で取り組んでいくことが、これからのまちづくりをはじめ、福祉、子育てなどの分野でも重要になっていくと考えます。これまでのように区が支援策をつくり、委託や補助をして取り組むのではなく、地域で取り組もうとされていることを、ワンストップ窓口で相談を受け、内容によっては各部様々な事業を連携することで支援ができることもあると考えます。  例えば、子どもの貧困対策である学習や食事の提供といった対策については、一番課題となる「場」の提供を区が行い、事業は地域活動団体の自主活動に任せるといった地域力を活かす取り組みなどについて検討してはいかがでしょうか。区ではこれまで、区政運営への区民参加という視点で協働の仕組みを構築してこられましたが、区民が自主的に実施する地域活動に行政が参加する、もしくは「ちばレポ」のように気軽に地域の課題解決に参加できるという仕組みを構築するなど、さらなる地域力の向上を目指すことも必要ではないかと考えます。大田区基本構想に掲げる「大田区における『地域力』の基本的な考え方」の趣旨に沿うものであると同時に、さらなる地域力の向上に資すると考えますが、区の見解を伺います。  次に、中央防波堤埋立地帰属問題についてお伺いします。  去る7月16日、「海の森」特別公開に大田区議会として32名の議員で参加しました。現地にはまだガスを抜くためのパイプがありましたが、数多くの植樹がされていて、この場所がごみの埋立地だとは到底思えませんでした。気軽な散策程度に考えていたところ、小高い丘になっていて、ちょっとした山登り気分を味わいました。展望台では海風を受けながら、東京ゲートブリッジや大田区越しの富士山を望むことができる、すばらしいロケーションを楽しませていただきました。人の営みには、ごみの発生は避けられないことですが、大都会の負の遺産が東京湾の真ん中で見事な公園に姿を変えていることに、何とも不思議な感覚を覚えました。とともに、その技術力と人々の努力に畏敬の念を抱きました。  そして、4年後のオリンピックでは、この場所で馬術競技が、水路ではカヌー競技が行われるそうですが、この地がもとは大田区の海苔の漁場であった歴史に鑑みても、大田区の競技場であってもらいたいとの思いを強くいたしました。そう考えると、江東区との協議のスケジュール感が非常に大事だと考えます。2020年までに決着をつけると言われていますが、オリンピック直前に決着となってしまったら、大田区開催というメリットを打ち出す効果がなくなってしまいます。そのためにもスピード感を持った対応が望まれます。現在の江東区との協議の進捗状況と今後のスケジュールに関しての見解をお聞かせください。  さて、このたびの新空港線整備基金積立金の増額は、新空港線整備実現に向けた区長の強い意気込みのあらわれであり、前進への兆しに期待が高まります。新空港線の整備案は、東急多摩川線の終着駅を現在の蒲田駅から京急蒲田駅地下まで延伸することになっています。新空港線の整備は、世界との玄関口である羽田空港と多摩川線の沿線地域がつながることを意味しており、多摩川線沿線の各地域のポテンシャルが大きく向上することになります。さらに、その効果に対する期待は東京西部地域から埼玉にまで拡大しており、今では新空港線整備は大田区だけのものではなくなった感があります。とはいえ、新空港線整備において、よくも悪くも最も影響を受けるのは多摩川線沿線です。この事業の効果が区内において蒲田駅周辺だけの限定的なものになることのないよう、多摩川線沿線のまちづくりもあわせて進めるべきと考えます。  その際に最も大事なことは、沿線住民に配慮したまちづくりを行っていただきたいということです。これまでも沿線住民から様々な意見が寄せられていますが、その内容をよく精査していただき、事業者の利益優先ではなく、安全面や居住環境にでき得る限り配慮していただくことが、ひいては多摩川線沿線の魅力を高めることにつながっていくと考えます。  そこでお伺いします。今後の新空港線整備の進展については、大きな期待を寄せている豊島区を筆頭とした沿線自治体にもさらなる協力を仰ぐべきと考えます。沿線自治体とのさらなる連携と多摩川線沿線のまちづくりについて、区の考えをお聞かせください。  去る7月28日、「第4回首都圏空港機能強化の具体化に向けた協議会」が開催され、この協議会を受けて、国土交通省は8月末に機能強化に関する施設や予算について、29年度の概算要求を提出しています。大田区はこの第4回協議会のメンバーではありませんので、本区の代表は当然参加されてはいないにもかかわらず、地元自治体と国が合意、つまり大田区が合意したかのような報道がされていました。  そこでお伺いいたします。この第4回協議会では具体的にどのようなことが決まったのか、また、その内容やマスコミ報道についてどう考えておられるのか、お聞かせください。  また、6月16日に大田区長、区議会議長、移転騒音対策連合協議会の代表らで国土交通省に要望書を提出されました。内容は、羽田空港の機能強化に関する要望とあわせて、平成12年2月に運用開始されて以来の騒音問題である左旋回の廃止も、これまで同様強く要望されたと伺っています。7月28日、その回答が国土交通省航空局から寄せられ、それによれば、A滑走路北向き左旋回については、機能強化の本格実施に先立って廃止を行うことが明記され、これまでの取り組みの大きな成果と高く評価するとともに、関係各位のご努力に敬意を表します。言わずもがなのことではありますが、大田区にとって羽田空港の存在は大きなメリットで、空港との共存共栄は自明の理です。その上で、地元住民の暮らしを考え、これまで左旋回の廃止を求めてきたわけですが、今後の課題としては、いつまでに廃止になるのかを国土交通省に明示してもらうことだと考えます。この点について、区の見解をお聞かせください。  次に、未就学の要支援児への支援策について伺います。  現在、出産時に発達に問題がある大田区のお子さんは、主治医により都立北療育センター城南分園が紹介されるそうです。城南分園は、医療法に基づく診療所で診察やリハビリ、療育相談を、児童福祉法に基づく医療型児童発達支援センターでは運動発達や身体に不自由のある未就学児を対象に親子通園を、在宅の重症心身障がい者には通所の生活介護をそれぞれ行っています。城南分園の通園利用までの流れによれば、2歳を過ぎても歩行が困難な子どもについては、通園決定会議を経て、大田区に受給者証を発行してもらった後、親子通園となり、2歳を過ぎて歩行ができる大田区のお子さんは、わかばの家の療育につながる流れになっています。ところが、城南分園とわかばの家というすみ分けがあることで、障がいの程度によってはすき間に入り込むお子さんがいることを、私自身、2歳になる要支援児の保護者の方からのご相談で初めて知りました。  ところで、大田区の療育や保育についての相談は、相談内容やサービスによって窓口が違うため、対応も担当部署のサービスが中心です。子どもの成長に合わせ、継続して総合的な支援のコーディネートや情報提供してもらえる場所がないため、ただでさえ不安を抱えているにもかかわらず、保護者は相談の答えを求めてあちらこちらの窓口を回らなければならないことになります。すき間にこぼれてしまったお子さんへの支援については、さらに労力が必要です。  そこで、23区の現状を調査したところ、やはり多くの区で相談窓口は分かれていましたが、それでも二つの区では総合相談窓口を設置していました。また、文京区では、障がいを持つお子さんが保育園を希望された場合は、教育センターと相談して個別支援計画を作成し、受け入れているそうです。しかも、人数制限は設けていないとのことです。「誰もが安心して住み続けられる大田区」としては、可及的速やかな改善の必要性を感じます。まずは今ある相談窓口ででき得る改善をしていただくとともに、ライフステージに応じた切れ目ない支援をコーディネートするような総合相談窓口機能を持った組織体制を整えていただくことを要望いたします。  その上で、区がケアプランではなく、ライフステージ全般を把握できる個別支援計画を作成すれば、大田区の障がい者支援の総量を把握することにつながり、計画的に体制を整えることもできるようになると考えます。区のお考えをお聞かせください。  また、肢体に問題のあるお子さんの児童デイはないに等しいのが現状です。つまり、大田区内では、わかばの家につながれなかったお子さんは、城南分園以外で療育を受ける機会のないまま学齢期を迎えるか、お金と時間をかけて遠方の療育を探さなければなりません。発達障がいでは早期発見、早期療育の効果が示されていますが、他の障がいにおいても、低年齢のうちから脳に刺激を受けることで劇的な改善が見られることを、以前、こども文教委員会の視察で訪れた鹿児島県志布志市のヨコミネ式保育を実践している保育園で目の当たりにしました。そのお子さんは、保育園入園時には歩行ができず、鼻から酸素を吸入していたそうですが、特別な療育を施さなくとも、健常児と触れ合う中で、医師からは一生歩けないと言われていたにも関わらず、自分の意志で歩けるようになり、自分の意志で酸素を外してほしいと言って、外したそうです。  こうした効果については、インクルーシブ保育を実践している保育園や幼稚園ではよく耳にします。実は前述のご相談者から、発達に問題がある子どもたちの保護者は、子どもの障がいの状況によって現実的に就労の可否に差があるということも言われていました。こうした現状の打開策としても、インクルーシブ保育を取り入れている保育事業者の誘致を行ってはどうかと提案いたします。  さらに、前述の調査では、障がい児の入園希望者に加点を設けている区は12区もありました。本区でもそうした支援策が必要と考えます。区の考えをお聞かせください。  産業施策について伺います。  先日8月21日に発行された区報の1面には、「大田区だからできる。わたしの新たな挑戦!」と題して、区内で活躍するお二人の方がアイデアを実際にビジネス化していく具体的なプロセスを追いながら、区の支援策を非常にわかりやすく紹介した内容を興味深く拝見しました。私の地元矢口地区も、多くのものづくり工場が立地する先端技術工場の集積地です。近年は、世界の潮流に乗り遅れまいと、航空・宇宙、医療等、新しい分野に積極的に挑戦しようと毎日奮闘されている工場経営者の方々もいらっしゃいます。こうした新たな分野に挑戦するためには、区報で紹介のあったソフト事業も欠かせませんが、私は特に、どこで事業を行うかという拠点に対する支援が最も重要ではないかと考えます。  矢口・下丸子地域は、ご承知のとおり、「オープンファクトリー」を実施している地域ですが、この地域に立地していることそのものが工場の優位性として認知され、いわゆる「仲間まわし」の力によって、新たな産業分野への進出や全く新しいアイデアの具現化への近道になっています。こうしたものづくり企業の集積そのものを維持・発展させていくことが、ひいては大田区のものづくりの力を向上させることにつながると実感しています。  そこでお伺いします。区が現在、区内企業の集積を支援するためにどのような施策を行っているのか、また、その実績について改めてお聞かせください。  「大田区ものづくり産業等実態調査」に「事業所の継続意向」に関する項目があります。そのうち、他の場所への移転・新設を考えている事業所にその理由を尋ねたところ、「現在の敷地内での拡張が困難」「区内で適切な用地・施設の確保が困難」など、区内で操業を続けたいものの、場所がないために断念せざるを得ないという状況が見えてきました。背景には、矢口・下丸子地域で言えば、準工業地域であるにもかかわらず、近隣の理解が得られないため、年々操業環境が厳しくなっている現状があります。これは非常にもったいないことではないでしょうか。これが「後継者がいない」という場合であれば、長い年月の末に習得した技能・技術の伝承が重要であることから、一朝一夕に解決できるものではありません。しかし、「適地さえあれば区内での操業を続けたい」という要望に応えられれば、比較的早期に問題を解決でき、その結果、工場の集積維持が可能ということになります。今後は、建物の老朽化対策を進める工場の更新時期などのタイミングをうまく捉えながら、区の積極的な施設更新支援策を打ち出すことが必要ではないでしょうか。  そこで提案ですが、区内にある今後更新時期を迎える工場の中には、比較的規模の大きなところもあります。今ある施策の次なる手として、こうした工場の建て替えの際に、例えばミニ工場アパート、あるいは研究拠点を自主的に併設した場合に、これまでの助成額を拡充するなど、民間誘導型の仕組みを整えることで民間主導の工場集積策が実施できるのではないかと考えます。区の考えをお聞かせください。  特別区は、固定資産税など税制面からの企業誘致策には制約がありますが、そのかわりにより使いやすい助成制度を創設することで、効果的な工場支援拠点づくりが可能だと考えます。「ものづくりのまち大田区」を守り、発展させるという力強いメッセージを込めた具体的な施策の展開を期待して、次の質問に移ります。  オリンピックで沸いたこの夏、一方で痛ましい事件が起こりました。7月には26歳の若者が神奈川県の障がい者福祉施設で、夜間、無抵抗の入所者を刃物で襲うという事件で45人の死傷者が出ました。また、埼玉県東松山市では、16歳の少年を少年5人が暴行し死に至らしめ、河川敷に遺体を遺棄した事件や、青森県では2学期を目前に中学2年の女子生徒がスマートフォンに遺書を残し電車に飛び込んで亡くなるなど、次々と報道され、やるせない気持ちを禁じ得ません。年端もいかない少年や若者が、簡単に他人を傷つけたり、命を奪ったり、みずから命を落としたりすることが繰り返されています。「この世で最も尊い命」。このような事件が起こるたびに、「自分の命も他人の命も同様に尊い」という普遍の真理を伝えていくことの大切さを改めて深く考えさせられます。  そこでお伺いします。埼玉県や青森県の事件の背景には、いじめが見てとれます。本区でも、いじめの把握や対応に努力されていることは承知しておりますが、いじめの根絶は口で言うほど簡単なことではないと考えます。いじめは、初期の対応を間違えてしまうと長引いたり、拡大したりすると言われています。対応に当たっては、児童・生徒と最も身近に接する担任はもとより、学校や家庭や友人など、その子に関わる様々な人との連携が必要だと考えます。本区では、そうした体制はつくられていますでしょうか。  2学期が始まって半月が過ぎました。長い夏休みを終え、例年この時期が子どもたちの心に様々な変化が見られる時期ではないでしょうか。思春期の入り口に差しかかる子どもたちの異変の兆候をいち早く見つけ、大事に至らないよう、教育委員会として対応しておられることがあればお示しください。  以上、区民の皆様から寄せられたご要望を含め、大田区のさらなる発展を願い、全ての質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○大森 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎松原 区長 広川議員の代表質問に順次お答えさせていただきます。  小池知事との連携に関するご質問でございますが、区の自主性、自立性を強化しながら、行政課題を着実に解決するためには、都との信頼関係に基づく連携が不可欠なものと考えております。小池知事の就任から約1か月半になりますが、都民ファーストの都政の実現に向けて、精力的に取り組む姿が日々報道されているところでございます。23区共通の課題である待機児童対策については、今年度内に保育定員を1万7000人増加させることを目標に掲げられるなど、積極的な取り組みを進めておられます。待機児童問題以外にも、少子高齢化への対応や安全・安心なまちづくりなど、23区が抱える課題を少しでも解決してもらえるよう、特別区長会として要請していく必要があると考えます。また、大田区長として、区特有の課題について、小池知事とひざを突き合わせてお話しする機会を得ながら進めてまいりたいと考えております。区と都は、これまでも強固な連携と協力関係のもとで様々な施策を推進してきたところですが、今後もさらにこの関係を強化し、多様化する行政課題の解決をともに図ってまいります。  次に、未来プランについてのご質問でございますが、おおた未来プラン10年は、既に期間の半分を経過するところでございます。後期プラン2年目の平成27年度は、「放課後ひろば事業」の実施や「大田区観光情報センター」の開設、「羽田空港跡地第1ゾーン整備方針」の策定、新空港線の答申に向けた取り組み等、これまでの取り組みによって成果が着実にあらわれてきた1年でありました。この2か年の取り組み状況を通じ、各事業が着実に進んでいると考えております。
     次に、実質収支に関するご質問でございますが、実質収支が約106億円となった主な要因として、歳入におきましては、景気が回復基調にあり、特別区税や特別区交付金、税連動交付金の増収が想定を上回ったことが挙げられます。一方、歳出におきましては、人件費の減や経常経費の節減などにより執行額が減少したことが主な要因と考えております。一般的に、実質収支比率は3%から5%程度が適正水準と言われておりますが、財政規模に応じて収支変動の振れ幅が大きくなることから、区の比率は適正な水準にあるものと認識をしております。また、平成27年度は、特別養護老人ホーム等の整備や待機児童対策など、区政の重点施策や事業のうち準備が整ったものについて、補正予算を計上し前倒しを図ってきたところでございます。今後も引き続き、歳入確保に努め、歳出のコスト縮減に取り組むことで、区政の課題に迅速に対応するとともに、堅実な財政運営を進めてまいります。  次に、経常的な収支に関するご質問でございますが、今後、増大いたします行政需要に的確に応えるためには、強固で弾力性の高い財政基盤を堅持することが極めて重要と考えます。議員お話しのとおり、現状において区財政は十分な健全性を維持しております。一方で、今後は、歳入面においては、法人住民税の一部国税化によります特別交付金の減少が想定され、一般財源の大幅な増加は期待できない状況でございます。また、歳出面におきましては、扶助費等の増加により経常的経費が膨張することも想定されます。したがいまして、柔軟で強固な財政基盤を堅持するためには、日ごろの行政運営におきまして、経費に無駄がないかなど、絶えず検証を続ける姿勢が重要でございます。平成29年度予算編成に当たりましては、中長期的な視点を踏まえ、これまで以上に事業の見直し、再構築を積極的に行うことで、経常的経費の圧縮に努めてまいりたいと思います。  次に、公共施設更新に当たっての官民連携に関するご質問でございますが、「公共施設適正配置方針」におきましては、民間事業者との連携・協働を施設整備・更新の際の一つの手法として挙げております。区といたしましては、施設の性質や立地環境、メリットなど総合的な視点から、官民連携を含めた整備手法について検討し、効果的・効率的な施設整備に努めてまいりたいと思います。  次に、複合化等により生じた利活用可能な施設等に関するご質問でございますが、「公共施設適正配置方針」に掲げます施設の複合化や集約等に伴い、新たに利活用可能な土地や建物が生じることがございます。こうした土地や建物につきましては、複雑・多様化する現代社会に対応するため、施設需要において優先度の高い子育て支援施設や高齢福祉サービス施設等への転用など、有効活用を進めるとともに、需要のないものにつきましては、売却や用地交換等も含めた検討を行ってまいります。引き続き、将来的な行政需要に的確に対応するための柔軟な発想を持ちながら、施設の有効活用を進めてまいります。  これまでの職員定数の管理に関するご質問でございますが、区は、行政需要が大幅に増加する中、事務事業や業務プロセスの見直し、適切な民間活力の活用などを進めてまいりました。こうした取り組みを通じ確保した人員を、より優先度の高い施策に振り向けることで、平成6年に6264名だった職員定数を、平成28年には4135名まで縮減をいたしました。今後は、羽田空港跡地や新空港線の整備、児童相談所の移管や子どもの貧困対策などへの対応も必要となります。このように、行政需要が多様化、複雑化する中、時代の変化に即応できる質、能力の高い職員の育成や、「選択と集中」に基づいた適切な職員配置に努めてまいります。  次に、職員定数基本計画に関するご質問でございますが、区は、行政需要が増加する中でも、最少の経費で最大の効果を発揮する体制を構築することが求められております。そのためには、引き続き行政サービスの適切なアウトソーシングなどによる業務のスリム化や、重点的に取り組むべき事業への適宜適切な人員配置に向けて、不断の努力が必要でございます。加えて、職員が区全体で主体的に既存事業を見直し、新たな行政課題に積極的に取り組む姿勢を持つことや、一人ひとりの意識改革を進めることが大変重要であると考えております。こうした考え方に基づき、新たな計画を着実に推進する中で、今後想定される膨大な行政需要に適切に対応できる定数管理を行い、ひいては区民サービスのさらなる向上を図ってまいります。  次に、「(仮称)大田区アクションプラン」に関するご質問でございますが、アクションプランは、区の基本計画である「おおた未来プラン10年(後期)」に掲げる各施策の「めざす姿」を着実に達成するため、重点事業を抽出し、平成29年度から31年度を計画期間として策定するものでございます。策定に際しましては、各事業の個別計画を具体的に反映させ、予算規模を明示し、実効性を担保してまいります。また、未来プラン10年(後期)策定後に生じた新たな行政課題にも取り組み、対応してまいります。アクションプラン策定を通じて、「地域力が区民の暮らしを支え、未来へ躍動する国際都市 おおた」の実現を目指してまいります。  次に、起債の活用についてのご質問でございますが、区債につきましては、今後到来する老朽化した公共施設の改築が集中する時期に備え、将来の発行余力を十分蓄えておくことが必要でございます。そのため、区は着実に償還を進めており、平成27年度末の区債残高は約345億円まで圧縮しております。平成29年度は、「(仮称)大田区アクションプラン」に基づく新たな取り組みを開始する重要な年になります。起債につきましては、区民サービスの向上と財政の健全性との両立を踏まえながら、適切に活用してまいります。  次に、指定管理者制度導入施設を対象とした包括外部監査の結果に関するご質問でございますが、今回の包括外部監査では、102点にわたる貴重なご意見、ご指摘をいただきました。包括外部監査は、行政事務が適正に行われているかを第三者の視点でチェックしていただく有効な手段の一つと考えており、今回の監査結果は、今後の指定管理者制度のより適正かつ効果的な運用を進める上で参考にすべき貴重なご指摘と受け止めております。  次に、包括外部監査の指摘等を今後どのように生かすかとのご指摘でございますが、公の施設の管理は区が最終的な責任を持っており、適正かつ効果的に制度を運用していくことが必要であります。そのためには、施設の状況を把握し、指定管理者に対して適宜適切な指導及び監督を行っていくことが重要であると考えております。区は、今回の監査結果を真摯に受け止め、引き続き、各施設の設置目的に照らし、最適な運営方法の検証に生かすとともに、各部各課の指導の一層の強化を徹底し、区民サービスのさらなる向上を図ってまいります。  次に、区の風水害対策における課題と対策に関するご質問でございますが、8月に入り、いわゆる「ゲリラ豪雨」や台風が連続して発生しました。区民に対してホームページ、ツイッター及び安全・安心メールによる情報発信を行い、注意喚起を図りました。国土交通省では、「多摩川の浸水想定」に最大規模の降雨による新たな被害想定を加えて、28年5月末に公表しました。東京都におきましても、今年度から来年度にかけて区内の自然斜面及び人工斜面の基礎調査を終了し、新たに土砂災害警戒区域等を公表・指定する予定でございます。こうした状況を踏まえ、区民に風水害の特性を理解し、避難や被害軽減に対する意識を高めていただき、事前準備をしていただくことや、区からのより正確な情報をいかに迅速に区民に対して伝達できるかが重要であると再認識しております。今後の対策といたしましては、区民の事前の準備と余裕を持った自主的な避難行動につなげるため、現行のハザードマップに多摩川の最大規模の被害想定を踏まえた見直しを行うなど、一層の周知を図ってまいります。また、新たな被害想定や土砂災害警戒区域の指定等に対しましても、避難計画や情報連絡体制の整備に努めてまいります。  次に、区民が自主的に地域の課題解決に参加できる仕組みの構築に関するお尋ねでございますが、区はこれまで、被災地を支援する災害ボランティアの支援やボランティア養成の支援などによって、区民一人ひとりの地域力の育成にも取り組んでいます。また、区民活動コーディネーターの養成を通じて、地域団体同士や地域団体と行政間の連携強化を目指してきました。こうした取り組みは、大田区が先進的に取り組んでいる事例と考えております。一方、議員からお話しいただきました千葉市の手法は、アプリを使った情報集約のスピード、情報の共有化、協働の視点などから、研究すべき事例と考えます。私は、これからも区民の自主的活動力を促進し、地域力のさらなる向上に努めてまいります。  次に、中央防波堤埋立地の帰属問題に関するご質問ですが、私も中央防波堤埋立地にあります「海の森」の特別公開に参加してまいりました。今後のこの土地の発展の可能性を含め、空港臨海部のすばらしさを改めて実感するとともに、この地に刻み込まれた大田区の歴史的な重みを再確認したところであります。現在、江東区との協議を精力的に進めております。引き続き、毅然とした姿勢で協議を重ねてまいりますが、東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年を視野に、法で定められた手続きも含め、時期を失することなく的確に対応してまいります。  次に、沿線自治体とのさらなる連携と多摩川線沿線のまちづくりについてのご質問ですが、本年2月に沿線13区と埼玉県の3市及び大田区の連名で国土交通大臣へ要望を行うなど、この間、沿線自治体との連携を強化し、取り組んでまいりました。今後も、沿線自治体の協力を得て、早期事業着手ができますよう、さらに連携を強めてまいります。整備に当たりましては、下丸子をはじめとした多摩川線沿線のまちづくりとあわせて進めることが重要であります。多摩川線沿線のまちの魅力を高めるとともに、地域の人々が暮らしやすい、安全・安心で快適なまちとなるよう取り組んでまいります。  次に、第4回首都圏空港機能強化の具体化に向けた協議会についてのご質問でございますが、本協議会で、国は、これまでの説明会等における要望等を踏まえた環境影響等に配慮した方策とともに、必要な施設整備に係る予算概算要求について説明し、出席者である関係都県の副知事、政令市の副市長、特別区長会会長等の理解を得たとしております。大田区は出席しておりませんでしたが、この点は重く受け止めております。本件について、誤解を招きかねない報道がなされましたが、機能強化につきましては引き続き議論が続けられるものと承知しております。  次に、北風時A滑走路北向き離陸左旋回の廃止についてのご質問でございます。左旋回につきましては、「空港運用の慣熟を経て数年で廃止することを目標として、その過程においても可能な限り減便に努める」という形で、平成22年に国との間で合意をしております。今回新たに、区の要望に対して国は、「機能強化の本格実施に先立って廃止」と回答しております。区といたしましては、引き続き国に対して、早期に、また明確に廃止の時期を示すよう強く求めてまいります。  次に、未就学の要支援児への相談についてのご質問でございますが、現在、様々な窓口で相談を受けておりますが、まず職員一人ひとりが総合相談の担い手であるとの意識を高め、親身になって話を聞く必要があります。問題点を整理し、相談、支援できるよう、情報の共有や研修を実施し、療育、医療、保育、教育等関係機関のネットワークを強化し、全庁的に取り組む体制づくりを進めてまいります。また、支援計画を策定している相談支援事業所と連携しながら、ライフステージに応じた切れ目のない支援を行ってまいります。なお、障がい福祉サービス等の見込み量につきましては、次期「おおた障がい施策推進プラン」において把握してまいります。  次に、インクルーシブ保育についてのご質問でございますが、区では昭和51年から、心身に障がいを持つ乳幼児を一般の乳幼児とともに集団保育する「統合保育」に取り組んでおります。現在、認可保育園全園で実施しており、障がいを持つ子どもの社会性や福祉の増進を図るとともに、周りの乳幼児の思いやりや社会性も育む効果があります。ヨコミネ式教育法は、みずから学ぼうとする力に注目し、「心の力、学ぶ力、体の力」を育むことで子どもたちが持つ可能性を最大限に引き出すことを目的としており、区内の幼稚園で導入されています。このような保育園が、保護者にとって選択の幅が広がることになる可能性があります。今後、他自治体を視察するなど、保育内容を調査研究してまいります。また、障がい児に対する入園指数の加点については、保護者の仕事と子育ての両立支援を図る上で効果的であるため、検討してまいります。  区内ものづくり企業の集積を支援するための施策と実績についてでございますが、区は、ものづくり企業の集積を維持・強化するためには、操業の拠点を整備することが重要であると認識をしております。そのため、施設の建て替えや改修に対する助成制度、事業拡張や移転等の受け皿となる空き工場や工場用地のマッチング事業などを実施しております。集積を維持・強化する助成制度の代表例としては、「ものづくり工場立地助成事業」がございます。これは、ものづくり企業の新規立地や事業規模の拡張、高度化を行う工場等の建設や移転にかかる経費の一部を助成するもので、昨年度、新たに認定を受けた企業は19社ございました。今後も区は、こうした助成事業等を通じて大田区に立地する企業が定着するとともに、さらなる企業の集積を図り、大田区企業としての優位性を発揮するよう支援をしてまいります。  次に、民間主導の工業集積についてのご質問ですが、工場を含むものづくり企業集積の維持・強化を進めていくためには、区の助成制度に加えて、民間主導の仕組みを整えていくことが重要であると認識をしております。「ものづくり産業等実態調査」の結果、区内外から仕事を受注し、複数の区内ものづくり企業に仕事を流す、いわゆる「コネクターハブ企業」の重要性が明らかになりました。このコネクターハブ企業は、みずから研究開発に取り組む企業も多く、本区の特徴であります「仲間まわし」ネットワークの核となり、受発注の活性化に大きな役割を担っております。調査により新たに明らかになった構造を活かし、仲間回しネットワークを確保するためにも、受発注の核となる企業が建設する工場アパートへの支援の充実が必要であると考えております。今後も、「ものづくり産業等実態調査」の結果を踏まえ、区と民間の連携による工場等の集積策を実施していくことで、地域経済の発展に寄与してまいりたいと思います。私からは以上でございます。 ◎津村 教育長 私からは、いじめと夏休み明けの子どもへの対応に関するご質問にお答えをいたします。  まず、いじめに対する体制整備についてでございますが、いじめの未然防止、早期発見及び早期解決に向けては、担任はもとより学校組織全体で取り組むとともに、保護者等も含めた関係者の連携が重要でございます。区では、平成26年に「大田区いじめ防止基本方針」を策定し、これを受けて、各校では「学校いじめ防止基本方針」を定め、校長、副校長、生活指導主任、養護教諭及びスクールカウンセラー等で構成するいじめ防止対策委員会を設置しております。学校では、地域教育連絡協議会の場でもいじめに関する情報提供を求めるなど、学校だけでなく家庭、地域、関係機関が相互に連携していじめ対策を行う取り組みも進めております。また、いじめ防止には、児童・生徒自身がみずから考え、行動することが大切であることから、中学校生徒代表者意見交流会等においていじめ撲滅運動を進めるなど、生徒主体による取り組みも行っているところでございます。さらに、現在、重大事件発生時に第三者的立場で検証を行うとともに、日ごろは学校及び教育委員会のいじめ防止に向けた取り組みの評価や助言等をいただく「いじめ問題調査委員会」を設置するための準備を進めております。このように重層的にいじめに対する体制整備を行うことにより、いじめ対策に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。  次に、子どもの心に様々な変化が見られる夏休み明けの時期に、どのような取り組みをしているかとのお尋ねでございますけれども、議員ご指摘のとおり、全国的に見て、子どもがみずからの命を絶つというような重大な事件は、夏季休業などの長期休業期間明けに集中しております。このような事態を防ぐためには、まずは年間を通した計画的な取り組みが重要と考えております。区では、6月と11月の年2回、小学校4年生から中学校3年生までの全ての児童・生徒を対象としたメンタルヘルスチェックを実施しております。本年度からは、悩みの相談相手が誰なのか、相談相手がいるのかなどの設問を追加し、子どもの心の状態のより正確な把握に努めております。この調査結果から、配慮が必要とされる子どもには、担任が面談を行うほか、必要に応じてスクールカウンセラーなどが関わり、ストレスの原因把握とその解消に向けた取り組みを行い、子どもたちの心の安定を図っております。また、夏休み前後の校長会では、私のほうからも子どもたちの自殺等の問題について口頭で注意喚起を行うとともに、夏季休業中の生活指導についての文書を発出し、夏季休業中の教職員の対応について、学年登校日や部活動などの際に、子ども一人ひとりの状態を確認し、必要に応じて教育相談を行うとともに、関係機関との連携を深めて対応するよう求めているところでございます。長期休業明けの学校生活においても同様の対応をお願いしております。今後も、子どもたちの異変の予兆をいち早く見つけられるよう学校を指導してまいります。私からは以上でございます。 ○大森 議長 会議が長くなりましたので、おおむね20分程度休憩といたします。                      午後3時30分休憩                ――――――――――――――――――――                      午後3時55分開議 ○大森 議長 休憩前に引き続き会議を開きます。  この際、会議時間を延長しておきます。  質問を続けます。30番清水菊美議員。                  〔30番清水菊美議員登壇〕(拍手) ◆30番(清水菊美 議員) 日本共産党区議団を代表して質問をいたします。  まず初めに、9月9日に北朝鮮は5回目となる核実験を実施しました。核兵器のない平和を求める全世界から抗議が上がり、大田区松原区長、大田区議会議長も厳重な抗議の声明を上げました。日本共産党は強く抗議するとともに、「核・ミサイル開発を放棄させるために、北朝鮮を6か国協議の対話のテーブルにつかせることは、いよいよ急務であり、国際社会が一致団結し、制裁措置の強化を含め、政治的・外交的努力の抜本強化を求め、核武装強化の道を進むことは、北朝鮮にとっても未来のない道であることを強く指摘する」声明を発表しました。  平和の問題についてです。  ほぼ1年前の9月19日未明、安倍自公政権は、安保関連法を多くの国民が夜を徹して国会を囲み反対の声を上げる中、強行採決しました。しかし、諦めない多くの国民の運動は戦争法廃止、立憲主義守れ、「野党は共闘」へと広がり、参議院選挙、都知事、都議補欠選挙へと続きました。自衛隊が海外で戦争できる条件がつくられて、11月にも戦況が激化している南スーダンに派遣する準備が進められています。他の国の部隊が攻撃されたとき、自衛隊も駆けつけて反撃できるようになっています。戦後、日本は憲法9条のもと、自衛隊員が1人の外国人も殺さず、1人の犠牲者も出してこなかった平和主義の歩みを断ち切り、安倍政権は改憲に大きく突き進んでいます。戦中生まれの松原区長が身をもって体験した戦争体験に基づき、大田区平和都市宣言を当時の大田区議会に呼びかけ採択したことは、区民からも高く評価されています。東京オリンピック・パラリンピックを成功させるためにも、区民の暮らしを豊かにするためにも、松原区長は区民とともに平和憲法擁護の声を上げ、安倍政権に対し抗議をする勇気を持っていただきたいと思います。  北朝鮮の核武装につながる核実験に強く抗議し、核兵器のない世界を強く求める松原区長に、国内外に核兵器の廃絶を呼びかける「大田区非核都市宣言」を行い、来年3月15日の70周年記念日に発表していただきたい。平和憲法擁護を区民に発信するよう求めます。お答えください。  舛添前都知事の都民の税金の無駄遣いなど、都民の怒りが沸騰し、辞職によって新都知事が誕生しました。小池百合子知事は、区民の食の安全に大きく影響する築地市場の豊洲市場への移転を延期しました。日本共産党都議団の調査で判明したずさんな工事の解明や有害物質の安全性など、都民に説明するとしています。また、9日の会見では、待機児解消に向けた緊急対策と補正予算案を発表しました。日本共産党都議団が求めてきた都有地の活用、保育所の整備費、借地料の補助や保育士等の宿舎借り上げ支援の対象者の採用後5年までの制限を撤廃、事故が相次ぐ認可外保育施設の質の向上のため巡回指導チームを編成するなど、補正予算案の規模は126億円。これらの対策によって保育サービスの今年度整備数を計画より5000人多くすることを目指しています。一方、認可保育園が政策の中心に据えられていないこと、保育士の給与改善が具体化されていないこと、保育の質の低下を招く保育所の規制改革などという問題点も残されています。  伺います。東京都の緊急対策を受け、区は保育士等宿舎借り上げを来年度も行うこと、勤続年数の制限を設けないことを、10月1日の保育士就職フェアに間に合うよう発表することを求めます。お答えください。  次に、開発優先、区民置き去りと見られる2015年度大田区決算について質問します。  2015年度の国の予算の特徴は、「社会保障のため」と言って3%もの消費税大増税を強行しながら、社会保障の切り捨てを進め、大企業には2年間で1.6兆円もの大減税をばらまき、3年連続増額となる大軍拡の予算でした。党区議団は、国の社会保障の改悪による区民負担軽減のために、最も身近な自治体である大田区は、区民の命と暮らしを守る防波堤となるよう求めました。  その結果の2015年度の決算ですが、一般会計予算現額は2587億9681万円で、歳入歳出差引額は126億4348万円でした。歳入は過去最高でした。最も伸びたのは、2015年4月からの消費税5%から8%の増税に伴う地方消費税交付金71億1337万円の増でした。また、特別区民税10億9834万円の増は、「各種の経済政策の効果による緩やかな景気回復基調や区への転入者増による納税者増によるもの」としています。しかし、実質賃金は5年間連続下がり続けております。給料が若干上がっても増税、物価高で決して区民の暮らしはよくなっていません。  さらに、監査委員の意見では、区民税、保育園負担金等の収納対策を公平性の確保の観点として強化していることを評価し、「差し押さえを視野に入れた滞納対策や、委託による収納対策を進め」としています。暮らしはよくなっていないのに、収納対策強化を強め、また新たな歳入の確保になると施設使用料の見直しを評価し、今後も自主財源の確保や行政サービス提供の効率化に向けて、企業が行っている手法を取り入れ、新たな歳入確保を進めるよう提言しています。これから見える2015年度決算の歳入の特徴は、過去最高であったけれども、最も伸びたのは消費税の増税によるものであり、まさに区民の暮らし、中小企業の営業を苦しめ、区内の景気を落としたものではないでしょうか。  前年度に比べ、高齢者・ひとり親家庭の住み替え家賃助成、小規模事業所健診廃止、指定保養施設を4か所減らして、補助金も3000円から2000円へ減額、がん検診は有料化など、福祉切り捨ての決算となっています。さらに、生活保護費では年金で暮らせない、病気などを理由に高齢者世帯が増えています。エアコンが買えない、電気代がかかるので使えないなど、熱中症のおそれがあります。命綱である在宅酸素療法をしている方からは、1か月2万円以上かかる電気代の支援を求めています。高齢者からは、1回200円で年間36回公衆浴場が利用できる70歳以上対象の「いきいき高齢者入浴事業」を、江戸川区や江東区のように回数制限をなくしてほしいという声が出ています。障がい者の方々からは、要望を上げても「予算がない」と言われ何も言えない、そんな声があふれています。  消費税増税により、地方消費税交付金のうち社会保障財源分として区には76億2129万円がありました。しかし、決算で福祉費は予算現額、支出済額とも前年度比で52億円余の増で、社会保障財源分の76億2129万円を大きく下回り、不用額も約34億円も出しています。  伺います。区民の生活の実態を見るならば、年度途中に福祉の充実のために、積極的に補正予算を組み区民の声に応えることができたのではなかったでしょうか。お答えください。  防災面です。総合防災力の強化で、倒れない・燃えないまちづくりを推進し、70万区民の安全・安心を守る役割を確実に果たすというのが目標でした。命を守る3点セット事業の全戸配布は大変評価できますが、自助努力を第一として、避難所にはなるべく来ないようにとし、自分の命、財産は自分で守ることを最優先としています。高齢者、障がい者など災害時要援護者対策の推進で、家具転倒防止器具支給は155件でした。さらなる努力が求められます。また、家具転倒防止取りつけに行った業者からは「家具より先に家が壊れそうなところに住んでいる高齢者が心配」という声がありました。旧耐震のマンションの問題も深刻です。住民の高齢化が進んでいる場合も多く、さらなる丁寧な支援が求められています。  伺います。旧耐震の建物の耐震化について、区は把握しているはずです。殊に高齢者、障がい者世帯にはさらなる手だてが必要です。耐震化工事の上限額引き上げ、助成率拡充を命を守る対策として求めます。お答えください。  次に、保育園待機児解消に向けた強化など、産みやすく育てやすい環境を整備するという目標はどうだったかについて伺います。区は待機児童を154人と発表し、我が国で最も削減できたとし、当初予算で420人の保育サービスの拡充をするとしました。しかし、認可保育園に申し込みをしても入れなかった児童数は減ることがなく、党区議団は2015年度予算の私立認可保育園3施設では不十分と待機児童ゼロを目指して、認可保育園20か所、約1600人分の予算の編成替えとして提案をいたしましたが、このような対策が必要だったことが明らかになりました。  また、0・1・2歳対策を強めた結果、3歳児の待機児童の問題が深刻です。幼稚園があるではないかという意見がありますが、保育園と幼稚園は設置目的が違います。就学までの認可保育園の増設がどうしても必要です。  3月に区内の無認可保育所で生後6か月の女児が死亡した痛ましい事故がありました。認可保育園に入園できず、やむを得ず無認可保育所に預け、高い保育料のために母親は夜間も働いたそうです。認可保育園に入園できていたらと思わずにはいられません。このような事故は2度と起こしてはなりません。  伺います。認可保育園に入園を希望している人が入園できず、やむを得ず小規模、認証、保育ママ等で保育を受けている児童、そこにも入れず育休の延長などなど、区は把握しているはずです。新年度は認可保育園の不承諾数を待機児童として対策をすべきです。お答えください。  一方で、積立基金現在高は1192億9298万円となり、前年度比91億8404万円と過去最高でした。特別区債は344億5400万円で、前年度比62億7897万円の減となりました。区民の声に応えず、区の借金は減らし続け、積立金は増やし続けています。そして、まちづくりは大きく進みました。大型開発事業計画も着々と進んでいます。京急蒲田西口周辺地区は決算額44億5640万円です。再開発ビルは地下1階から3階までが商業施設、4階から20階がマンションで、大手不動産が売買をしましたけれども、管理費も高く、区民の約6割は戻れていません。駅前はきれいになりましたが、立ち退き等で解体した多くの商店は、ビルの高いテナント料のために、ビルの中で商売をする店はごくわずかです。京急糀谷駅周辺地区開発は決算額で15億2021万円、駅前広場、2棟のビルの建設工事が行われています。京急蒲田駅西口同様にマンション部分は大手不動産が売買しています。商業施設には大手スーパーが入ることになっており、近隣商店街は影響を心配しています。  そして、新空港線整備促進事業です。世界で一番ビジネスしやすいまち「東京」の都市環境づくりに大きく寄与するために、早期実現を目指すとして、5億327万円の積立金と1531万円の整備促進事業で、調査委託、宣伝ののぼり旗、チラシ等に使われました。区は大田区案として東急矢口渡駅から京急蒲田駅付近までの案を発表しました。しかし、東急多摩川線沿線の住民からは生活環境の悪化に対する不安が増大し、連合町会からは東急多摩川線は地下化してほしいといった要望も出ています。本年7月15日、国土交通省、東京圏における今後の都市鉄道のあり方に関する小委員会にて、新空港線「蒲蒲線」は、総事業費が矢口渡駅と京急蒲田駅付近までだけでも1300億円、矢口渡駅から大鳥居間の費用は1800億円、今まで発表してきた1080億円の倍近い額が示されました。依然、事業者が決まっておらず、一体どれほどの大田区の負担になるかはいまだに明らかにはなっていません。大田区民にとっての利便性よりも、孫、子の代まで多額な借金を負わされることになるのは明らかです。  伺います。2015年度の積立金は、財政基金54億円余、公共施設整備積立金55億円余、新空港線積立金5億円余が積み立てられ、前年度比で91億円余増え、合計1192億円余と過去最高となりました。大型開発を進めるための財源確保の決算と言えるのではないでしょうか。お答えください。今回の決算からも、2017年度予算は将来のためと積立金を積み立てるのではなく、今困っている区民の声に応え、暮らし、子育て、営業優先の予算を組むべきです。お答えください。  次に、公共施設白書、公共施設整備計画について質問します。決算額1019万3163円で作成した大田区公共施設白書、大田区公共施設適正配置方針は、区民の財産である約570の公共施設の多くが老朽化により同時期に改修、新築が集中するとし、人口減少、区民税の税収減が予想されるので、積立基金を確保し、複合化、多機能化、集約化し、施設の建設や開発の際には民間資金活用で効率化を図るとしています。特に、小中学校は複合化と高層化、特別出張所は多機能を図るとしていますが、区民の財産である公共施設が不便になり、大規模化となり、建設工事などが大企業に回ることになります。  志茂田中学校の建て替えの例では、新蒲田福祉センター、老人いこいの家などの複合化で大規模施設となったことで、工事の契約は準大手企業が代表のJVとなり、150社の下請のうち区内業者には2%、3社しか仕事が回りませんでした。また、大田区総合体育館は、多額の区民の税金を投入し、運営は民間に任せています。Luz大森の例では、区が出張所、図書館の使用料を支払っていますが、使いにくいとの声が増加しています。羽田、西糀谷老人いこいの家の閉鎖は、代替施設が遠くなり、歩いていけないなどの高齢者から楽しみを奪うことになりかねません。  総務財政委員会が視察に訪れた福岡市は、「既にあるものは活かすと」、アセットマネジメント計画を作成し、これまでは減価償却の考え方から築40年から50年で建て替え等を実施してきたが、施設の長寿命化の設定を鉄筋コンクリートづくりは70年、木造は40年から50年、軽量鉄骨は25年から50年として、アセットマネジメント推進部68名のうち60名が建築、電気、機械の技術職で、市有建築物の整備及び維持管理に係る技術指導及び技術支援をしています。大田区の場合は、築40年以上経過した施設を老朽化として、建て替え及び大規模改修にかかるコストを今後45年間で総額6047億円、年間134億円と試算していますが、メンテナンスなどの長寿命化でコストを削減できるのではないでしょうか。多額の税金投入をする大規模化ではなく、身近な公共施設を大事に長持ちさせる計画に見直すことです。  伺います。適正配置方針を実現するための五つの柱には、「適正な維持管理、長寿命化による財政負担の平準化及びライフサイクルコストの削減」があります。メンテナンス・長寿命化に対応する現在の区の体制は不十分と言わざるを得ません。福岡市のように専門職を配置しての強化を提案します。その際、区内事業者に協力を得ることも検討すべきです。また、公共施設の建て替えや大規模改修には、世代間の公平の観点から、区債の十分な活用を検討することを求めます。決算では区債はマイナス補正としています。お答えください。  次に、高齢者の尊厳を切り捨てる介護から安心の介護について伺います。  先日、90歳の女性から、50歳の寝たきりの息子さんの特養ホームの入所を待っているが、「第1希望の特養ホームの順番が25番だ。いつになったら入れるのか」という相談がありました。区の特別養護老人ホームの現状は、2015年度、13施設1464床で、2016年度は3施設195床を開設、矢口三丁目に30床、千鳥二丁目に84床程度の整備計画が進められていますが、一日千秋の思いで入所を待っている区民の実情に見合った計画とは言えません。今入所している誰かが亡くなるのを待っているのが実態です。  待機者数が、特養ホーム優先入所第一次評価結果2015年3月と2016年3月を比較しますと1500人から1360人と減少したように見えますが、これは国の介護制度の改悪により、要介護1・2は特養ホームに申し込みができなくなったことによります。区はパンフレット「みんなの介護保険」に「要介護1・2の方も生活が著しく困難な場合は特例的に入所できる」と説明していますが、要介護1の方は83人から25人へ、要介護2の方は180人から74人へと申し込み数が減少しています。明らかに減少しており、入所の制限があったと思われます。そして、どうせ入れないからと申し込まない方も大勢いらっしゃいます。  東京都高齢者福祉施設協議会のアンケート調査によると、待機者は14.4%減少して、61.2%の施設が減少の原因は入所基準を要介護3以上にしたこと、また利用料の2割負担の導入、食費・居住費を補助する「補足給付」の縮小によって入所のハードルが上がったとしています。視覚・聴覚障がいの方々からも、特養ホームで安心して暮らせるのかの不安の声を伺います。特養ホームの質と量の拡充がどうしても緊急に必要です。現在の計画件数では事態に見合っていません。世田谷区では2025年までに1000人分の整備をする目標を明らかにしています。世田谷区の目標を知った区民から「大田区でも何としても特養ホーム建設を進めてほしい」の声が上がっています。特養ホーム建設の課題は、土地の確保の問題です。  伺います。土地の確保で真の待機者数に見合った特養ホーム建設計画の見直しが必要です。お答えください。  また、5月1日開設予定であった大森西「特養ホーム花みずき」で介護職員が集まらず、開設が1か月延期になりました。このことは、深刻な介護労働者不足を再認識したことになりました。  伺います。特養ホーム等で介護施設の建物をつくっても、そこで働く労働者がいなければ事業はできません。介護制度の処遇改善の報酬は労働者には十分届きません。介護労働者への支援として保育士等の家賃補助制度と同様の制度を実施すべきです。お答えください。  次に、区が2016年度から移行している新総合事業について伺います。これまでの制度と大きく違うのは、今までの要支援1・2の介護は、介護保険制度の訪問型はヘルパー、通所型はデイサービスなどの利用から、区市町村財源の新総合事業に移行することです。介護が軽度の人には、丁寧な審査会での介護度の決定から、チェックリストで仕分け、要支援者にもなれない方が出てきます。地域包括支援センターにケアプランが任されます。国の方針は、軽度者は地域で見る、重度者は専門職を有する事業者でと誘導し、要支援1・2を介護給付から外そうとしています。現行の訪問型・通所型と、多様な緩和した基準によるサービス、住民主体によるサービスに分かれ、さらに非該当や非申請の人と同じ、自立した生活が送れる元気度アップの一般介護予防事業に振り向けられるということになります。  大田区2016年2月の介護保険業務状況では、介護保険認定者総数3万1015人、うち要支援1は4165人、要支援2は4566人、認定者の約28%が要支援1・2の方です。これらの方々が介護サービスを今までどおり受けられなくなる可能性があります。国は新総合事業について、NPO、ボランティアなど、多様な主体による多様なサービスの提供を推進すると言っていますけれども、ボランティアの育成については、現場の現状は、研修をしても人が集まらないと言われております。絶対数が足りないと心配されています。  例えば、老人いこいの家を改修したシニアステーションは一般介護予防事業です。浴室はシャワーに改修する計画で、入浴サービスを受けたい人は無理です。車の送迎もありません。事業者とボランティアで事業が行われますので、事故が起きたときの責任は利用者、ボランティア、事業者ともに不安を抱えています。また、生活支援は町会・自治会等のつながり、いわゆるご近所さんの助け合いや有償ボランティア、シルバー人材センターによる「絆事業」などの活用が検討されていますが、従来のヘルパーによる訪問サービスは、ただ掃除、洗濯、調理、買い物をするだけはありません。利用者の身体の変化等にも気を配ることができる介護のプロが行っていたのです。よいサービスを受けたい場合は自己負担でと民間サービス会社が営業を始めています。  伺います。要支援になれなかった人はもちろんですけれども、要支援1・2と認定された人が従来の介護保険サービスのサービスと同等の介護サービスが受けられるようにすべきです。お答えください。  また、新総合事業の場合の報酬は今後どうなるか、事業者は不安を抱えています。東京商工リサーチの調査では、今年1月から8月までの老人福祉介護事業者の倒産件数は62件に達し、過去最高を記録した昨年76件を上回る勢いだとしています。介護報酬や特養やデイサービスで2015年の4月に大幅に引き下げられたことが影響し、特に10人以下の小規模デイサービスは、報酬の下げ幅が大きく影響していると言われています。区内の介護事業者からは、「介護労働者の確保が難しい。今後、制度がどうなっていくのかおびえながらやっている」の声を聞きます。新総合事業の給付額が低く抑えられれば、要支援1・2の軽度サービスを受けない事業者も出てくるでしょう。さらに介護事業所が減れば、利用者は介護難民化してしまいます。  伺います。区の責任として行われる新総合事業において、介護事業者にはサービスに見合った単価の保証をすること、介護事業者の撤退や倒産、廃業を防止することを求めます。お答えください。  次に、介護認定が下がった区内でひとり暮らし90歳の女性の事例を紹介します。退院後に要介護4から要介護2へ、そして今回さらに要介護1に変更になった通知が、松原区長名で届きました。認知症はありませんが、股関節骨折後遺症等で歩行することはほとんどできません。気丈に室内をはいずって掃除もして生活しています。屋外にはシルバーカーにしがみつき、以前の2倍、3倍以上時間をかけて近所に買い物に行っています。ヘルパーは週1回しか入りません。認定調査員の心ない言動に傷つき、「私のような年寄りは死ねと言われているようだ。大田区で生まれ育ち、戦争で大変な苦労をした。結婚し子どもも産み育て、夫の介護を5年以上して見送った。人様に迷惑をかけて申しわけないと思っているが、このような惨めな体になり情けない」「認定調査員は介護の認定を下げることを優先しているのか、区の指示なのか、早く死にたい」と涙ながらに訴えています。党区議団には、この女性のように介護認定が下がったという相談が多く寄せられています。  伺います。認定調査員は高齢者の実情をしっかり把握し、審査会においてはそれに基づいて判定をしていただき、高齢者の尊厳を守り、一人ひとりに合った介護サービスが受けられるよう、区は保険者としての責任を果たすことを求めます。お答えください。  次に、一人ひとりの子どもが大事にされる子育て支援について伺います。  保育料改定についてです。区は、10年間保育料について検討してこなかったことを主な理由に、認可保育園保育料の改定と言いながら、65%が値上げ、1億7000万円の負担増となる計画を発表し、今定例会に議案提案しています。まず初めに、負担能力に応じた階層の見直しにより、これまでの27階層が30階層に拡大されました。最高限度額を引き上げ、さらに細分化し、応能負担を進めることをまず求めておきます。  計画では、保育料の階層区分における税額幅の見直しとして、各階層の税額幅をできる限り均等にすると、3歳以下の新C11階層以上全てが値上げとなり、最高で月8300円もの大幅な値上げになっています。これでは家計に大打撃となり負担増です。子育て支援に逆行するものです。  改定の大もとの考え方は、公平性と受益者負担です。保育サービスを利用していない家庭との比率を示して公平性を強調しています。そして、0歳児は1・2歳児と比べて2倍以上の経費がかかり高額となるとしていますが、とんでもないことです。区民の間に分断と対立を持ち込み、行政水準を引き下げることは、行政が絶対にやってはいけないことです。0歳児保育の配置基準は子ども3人に保育士1人、法令に基づくものです。看護師、栄養士などの配置も都の基準を遵守して行われています。経費がかかるのは当然です。負担の公平、受益者負担を理由に0歳児保育料を単独設定して大幅値上げとなれば、子どもを産むことを諦めざるを得ない世帯も出てきます。少子化対策の視点と相入れないものです。  伺います。0歳児保育料を単独設定することに反対し、撤回を求めます。お答えください。  次に、2人目の児童に対する保育料減額幅の拡充と、区市町村民税均等割のみ世帯の保育料の低減等についてです。党区議団の提案が実り、今回初めて子どもの貧困対策の視点が入り、他区より高かった区市町村民税均等割課税のみの世帯の保育料を低減したことと、2人目の子どもに対する保育料軽減額幅の拡充を行ったことは評価します。しかし、年齢が離れていて同時期に保育園に在園していない場合、年収360万円を超えると減免になりません。年収にかかわらず減免が求められています。  伺います。同時期に第2子以降が保育園に在園していない場合も減免すること求めます。お答えください。  学童保育料は、2人目以降の児童に対する見直しと、低所得世帯への負担の軽減見直しは軽減策であり、評価します。しかし、通常利用保育料の見直しと、夏休み利用保育料の見直しは負担増となります。また、学童保育の施策は、退職不補充で職員を採用せず、非常勤化、民間委託などで後退が問題となっています。学童保育施策の拡充・改善のために、職員の新規採用を求めます。  区は、10年間保育料見直しをしてこなかったことも保育料改定の理由にしていますが、保護者の実態調査を行っていません。保育料の値上げがどれほどの負担になるか把握しているでしょうか。年収200万円以下の労働者が1000万人を超え、実質賃金が5年間連続後退し、個人消費が2年間連続後退している中、保護者の状況は10年前と比べて改善されていません。子どもの6人に1人が貧困という中、子どもの貧困対策は大事な視点としながら、利用世帯の実態調査もせず、値上げ先にありきは認められません。  次に、大幅負担を課すにもかかわらず、区民への説明は不十分であるという点です。区民説明会を2回開き、パブリックコメントもやっているとしていますが、忙しく働き、子育てをしている保護者がどれだけ知り得ることができるでしょうか。大幅な改定をするのであれば、保育園ごとに区が出向いての丁寧な説明が必要です。説明会の会場で、参加者から「全保護者に徹底すべき」と求められた後、「大田区保育園・学童保育料改定の考え方について」という資料を1部保育園の玄関に置きました。これでは説明責任を果たしたとは言えません。パブリックコメントは、異例の227通という多くの意見が寄せられましたが、中には「値上げは苦しいが、保育士などの給料を上げ、保育園がよくなるのなら賛成」という意見もあったように、誤解している区民もいます。また、区の資料を見ても、来年度階層がどこになるのか、大変不明瞭です。そもそも保育料は、児童福祉法第56条で「家計に与える影響を考慮して」としています。かかる経費は、国、都、区が負担すべきです。ところが、国が財源を一般財源化し、削減したのです。それを受益者負担として保護者に求めることは間違いです。住民の福祉増進という自治体の役割を果たすべきです。  伺います。区民への十分な説明もなく、公平性、受益者負担を押しつけ、65%の値上げ、1億7000万円の負担増となる保育園・学童保育保育料の改定は中止することこそです。お答えください。  子どもの貧困対策について、重要な施策である就学援助について質問します。党区議団は、生活保護基準が1.2倍では救えない世帯の子どもたちのために、就学援助基準の引き上げと、学習に欠かせない眼鏡購入費等も認めることなどの要望を上げ続けてきましたが、いまだに区は改善の方向を示していません。しかし、この間、子どもの貧困対策が進む中、国は就学援助の入学準備金についての改善策を出しています。本年5月24日、参議院文教科学委員会で、日本共産党田村議員の質問で、入学用品費が小学校入学2万470円、中学校入学2万3550円は実態と大きく乖離しており、引き上げが必要である、入学準備金は入学前に支給をする、このことを求めたところ、国は改善策を考える必要があるとして、入学準備金は「児童・生徒が援助を必要とする時期に速やかに支給できるよう十分配慮するよう通知しているが、市町村に引き続き働きかけていく」と答弁しています。  文科省初等中等教育局長は、2015年8月24日付で、「平成27年度要保護児童生徒援助費補助金の事務処理について」通知で「入学準備金は児童・生徒が援助を必要とする時期に速やかに支給できるよう十分配慮する」としていますが、生活保護世帯だけでなく、就学援助対象児童・生徒にも同様の適用が広がりつつあります。既に八王子、板橋などで実施され、足立区では中学入学時については見直しの検討がされています。  区立小中学校に入学する際の費用の増大は、子育て世代にとって大変深刻です。殊に中学校では、制服、体操服、かばん、靴、上履きなどなど、「7万円以上もかかり驚いた」という声があります。中学入学時に必要な制服等の購入は、小学校6年生の2月から3月です。中学1年生への援助ではなく、小学6年生への援助とすれば問題なく支給できるはずです。現在、小学校6年生の就学援助認定者数は905人です。  伺います。就学援助の拡充、生活保護基準の1.3倍に拡充すること、中学校入学時の入学準備金の前倒し支給をすることを求めます。お答えください。  次に、羽田空港機能強化について伺います。  2020年から実施しようとしている都心上空からA・C滑走路への着陸とB滑走路からの離陸に伴う増便で、羽田空港の機能を強化するというのが羽田空港機能強化計画です。7月28日、「第4回首都圏空港機能強化の具体化に向けた協議会」で、特別区長会会長である荒川区区長の発言を受けて、一部のマスコミは「23区は新飛行経路案を含む計画に合意した」と報道しました。大田区内でも「私たちの知らないところで決まってしまったのか」の声が上がりました。  羽田空港対策特別委員会では、「大田区は合意したのか」の質問をしたところ、「重く受け止めている」「区民の安心・安全のために今後も意見を上げていく」と答えています。また、8月16日、日本共産党区議団は区長へ緊急要望しましたが、その際も「重く受け止めている。空港のある区としてしっかり意見を上げていく」という対応でした。大田区、区長は今こそ、羽田空港騒音解消のために撤去決議を全会派で上げた大田区議会の歴史に立つときです。  空港沖合移転に伴い、海から入り海から出るという約束が反故され続け、現在も過密なダイヤ編成の中、約2分に1機の離発着が繰り返され、爆音を伴うゴーアラウンドが繰り返され、周辺住民は騒音、大気汚染、事故の危険性の中、早朝夜間も安心して眠れない、脅かされて暮らしています。我慢は限界です。羽田空港機能強化の余地は到底ありません。撤回しかありません。国土交通省は、自治体の要望や住民意見等を踏まえ、環境等に配慮した方策として、羽田地域に多大な騒音や事故の危険性の大きいB滑走路から24機の離陸計画を4機マイナスし20機へ、A滑走路からの離陸をマイナス1機の21機へ、C滑走路からの離陸はプラス5機という変更案を出しました。これは改善策には到底なりません。そもそもB滑走路の離陸は現在ゼロです。大田区は、最も危険性の高い離陸、着陸数分間に位置する区として、区民への説明が十分になされていない中で、今以上に羽田空港の騒音、大気汚染、事故の危険性が増す羽田空港機能強化の計画を受け入れてはなりません。  最後に伺います。区民への説明も不十分な中での計画の強行は許されないということを国に求めるべきです。お答えください。  羽田空港のある大田区が本当に豊かに安全に暮らせるまちとなるように強く要望して、質問を終わります。(拍手) ○大森 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎松原 区長 清水議員の代表質問に順次お答えをさせていただきたいと思います。  まず、非核都市宣言制定についてと、平和憲法擁護についてのご質問でございますが、大田区では昭和59年8月15日に平和都市宣言を発表して以降、様々な取り組みを通じて、世界の恒久平和と人類の永遠の繁栄を願ってまいりました。この大田区平和都市宣言の中で、大田区は核兵器のない平和都市であること、そして平和憲法を擁護することをしっかりとうたっております。この平和都市宣言の理念に基づき、毎年8月15日に行っている大田区平和都市宣言記念事業「花火の祭典」は、区民の皆様とともに平和の大切さについて考える祭典であり、区内外から多くの方にお越しいただく夏の風物詩として定着しております。先の大戦を実体験した世代の方々が徐々に少なくなっている中、このような事業を通じて平和の尊さを次の世代に語り継ぎ、平和な世界を築いていくことが、我々に課された責務だと考えております。  次に、宿舎借り上げ制度についてのご質問でございますが、本事業につきましては、区内の保育事業者の人材確保を支援するための有効な支援策であると認識しております。今年度は、対象施設をこれまでの私立園に加えて公設民営園も含め、対象職種についても、保育補助者及び調理員、栄養士まで拡大しています。さらに、区内に限定しておりました宿舎要件を近隣の自治体まで緩和し、実施しているところでございます。今回発表された東京都の補正予算では、宿舎借り上げ支援の対象期間を5年以上に延長することが掲げられております。今後、詳細を確認し、事業者に対して周知してまいります。  次に、福祉の補正予算のご質問でございますが、平成27年度当初予算では、待機児童解消に向けた対策強化等、産みやすく育てやすい環境を整備するとともに、高齢者の在宅生活を支える24時間サービスの拡充等、地域包括ケア体制の構築といった社会保障に関する施策を積極的に進めてまいりました。これらの施策に取り組むために、地方消費税交付金のうち社会保障財源分につきましては、社会福祉や社会保険、保健衛生といった、消費税法に規定する社会保障施策に要する経費の貴重な財源として充てているところでございます。また、平成27年度は、特別養護老人ホームの整備や待機児童対策等において、次年度の当初予算を待つことなく、積極的に補正予算を編成し、区民ニーズに応えてきたところでございます。こうした時機を捉えた的確な対応によって、平成27年度も区民の暮らしを支える様々な取り組みを着実に進めたものと考えております。  次に、耐震化工事の助成に関するご質問でございますが、平成18年度に耐震化助成事業を導入して以来、区民ニーズに合わせて制度を改善してまいりました。最近の大きな改正としては、平成26年度に、費用をわかりやすくしてほしいという区民のニーズに合わせ、木造住宅の耐震診断料を定額化するとともに、助成上限額も引き上げております。さらに、分譲マンションの改修のための助成上限額を1000万円から3000万円に拡大しました。こうした取り組みにより、平成27年度までの実績として、木造住宅では約700棟、分譲マンションでは18棟750戸の耐震化につながりました。さらに本年度から、建物全体の耐震改修工事を行うことが困難な高齢者や障がい者の方に対して、寝室など特定の部屋の強度を高める「耐震シェルター」の設置助成を、所得にかかわらず全ての高齢者や障がい者の方が利用できるように対象者の範囲を拡大いたしました。引き続き、様々なニーズに応じた助成事業をご紹介し、利用につなげていくことで、区民の命を守る安全・安心なまちづくりを進めてまいります。
     次に、認可保育園の不承諾に基づく待機児対策についてのご質問でございますが、厚生労働省は、平成28年4月1日時点での保育所の定員や待機児童の状況を取りまとめ、9月2日に公表いたしました。新聞報道では、国の待機児童にも数えられていない潜在的な待機児童(隠れ待機児童)の記事もありますが、その中には、既に認証保育所等を利用している児童数も待機児童として含まれております。区としては、自治体が独自に補助を出している認証保育所等は、都内特有の状況に応じて設置されており、大都市における待機児対策として、非常に有効な施策であると認識しております。現在、当初計画を500名から600名に修正し、来年度に向けた保育所整備を進めております。引き続き、待機児解消に向けて、認可保育所をはじめ、小規模保育所や認証保育所などの多様な保育サービス基盤の整備に努めてまいります。  次に、平成27年度決算及び平成29年度予算編成に関するご質問でございますが、平成27年度は、今後も増加が見込まれる扶助費や公共施設の機能更新など、将来の行政需要に対応するため、計画的に基金を積み立てました。あわせて、待機児童解消に向けた対策や高齢者施策の強化、首都直下地震への備え、公共施設の更新やにぎわいのあるまちづくり、様々な産業振興施策など、区民の暮らしを支える各種事業を着実に進めてまいりました。平成29年度の予算編成に当たりましても、四つの重点課題である、「未来を拓く子どもたちや若者の成長を支える取り組み」「誰もが健康で、いきいきと活躍できるまちづくり」「災害に強く、安全で安心な生活基盤の確立」「地域の資源と強みを活かし、国際都市おおたの成長を牽引する取り組み」に特に優先的に取り組むことにより、区民福祉のより一層の向上につなげてまいります。  次に、公共施設のメンテナンス・長寿命化の体制強化に関するご質問でございますが、区では、既に公共施設の整備に係る専門の職員を配置し、業務に当たっております。さらに、「大田区公共施設適正配置方針」を着実に推進する体制を整備するため、本年4月に施設整備課と施設保全課を設置しました。施設整備課は公共施設の適正配置や長寿命化の計画を策定し、施設保全課では計画を踏まえた公共施設の維持・保全を実施することで、それぞれの施設の実情に応じた適切な管理を行うこととしております。今後も、両課が連携し、再配置や長寿命化などの様々な手法を実施することにより、公共施設の適正な維持管理に努めてまいります。  次に、区債の活用についてのご質問でございますが、区債につきましては、今後一層進展する少子高齢化への対応や、老朽化した公共施設の改築などの行政需要に応えるに当たり、現段階では、基金の積み立てとともに、将来に向けた発行余力を十分蓄えておく局面と認識しております。これまでも区債の発行につきましては、その時々の行政需要や財政状況等を見ながら、負担の公平性や平準化等にも配慮し、対応してまいりました。今後の区債の活用に当たりましても、中長期的な視点を持って、適宜適切に判断してまいります。  次に、特別養護老人ホームの整備計画についてのご質問ですが、在宅生活が困難になった高齢者が、それぞれの状況に応じて必要な介護サービスを受けられる特別養護老人ホームを整備することは、重要な課題と認識をしております。区では、第6期介護保険事業計画において、西馬込二丁目に30床、萩中二丁目に81床、大森西四丁目に84床の特別養護老人ホームを今年度開設いたしました。現在、矢口三丁目の30床について整備を進めており、さらなる整備に向けて積極的な取り組みを推進しております。今後とも、特別養護老人ホームの整備に当たりましては、来年度策定の「第7期介護保険事業計画」の中で、適切に検討をしてまいります。  次に、介護人材の育成・確保に向けた支援策についてのご質問でございますが、介護人材の育成・確保は、区といたしましても喫緊の課題と認識しております。重要事業の一つに位置づけております。そのため、介護人材確保の施策として、今年度は、区内介護事業者、ハローワーク大森と区が連携して、毎月1回、ハローワーク大森を会場に「おおた介護のお仕事定例就職面接会」を開催するとともに、年5回の予定で、「介護就職セミナー」を実施し、新たな介護人材の掘り起こしを行っております。また、介護職員の育成・離職防止対策として、特に離職率が高いと言われる就労して1年未満の介護職員に対するフォローアップ研修等、介護事業所に従事する方々に対する育成研修を実施しております。東京都においては、今年度、福祉避難所の指定等を受けている介護保険事業所を運営する事業者に対し、職員宿舎の借り上げに必要な経費の一部を助成する事業を開始しております。区といたしましては、こうした国や東京都の動向を踏まえ、引き続き適切に対応してまいります。  次に、介護予防・日常生活支援総合事業についてのご質問ですが、介護予防の取り組みにより、高齢者の願いであります、いつまでも健康で元気に暮らせる施策を区が推進していくことは重要であると認識しております。現在、区は、国から示された訪問介護・通所介護サービス事業者をみなし指定できる経過措置を活用し、総合事業への円滑な移行を行っております。この事業のサービスは、地域包括支援センターの最適なケアマネジメントにより、利用者の状況に応じて、専門的なサービスも従来どおり提供しております。区は、介護保険法の趣旨に基づき、高齢者が可能な限り住み慣れた地域で自立した日常生活を営むことができるよう、引き続き適切に対応してまいります。  次に、介護予防・日常生活支援総合事業におけるサービス事業者に対してのご質問でございますが、現在、区の総合事業は、介護保険の予防給付サービスと同じ報酬単価で訪問型・通所型サービスをスタートしております。また、区は、専門性を有する介護事業の関係者と協議を重ね、より質の高いサービスやケアを引き続き提供できるよう準備をしております。区としましては、今後も引き続き地域包括ケア体制の構築を目指し、適切に事業を進めてまいります。  次に、要介護認定についてのご質問でございますが、要介護認定は、介護サービスを必要とする方のいわゆる「介護の手間」を審査判定するものでございます。適正に要介護認定を行うことは、介護サービスを過不足なく提供することにつながります。区としては、日ごろから、区の認定審査会の審査判定が、一律の基準に基づき、ばらつきのない公平な結果となるよう、認定審査会委員や認定調査員への研修、模擬審査を実施するなど、認定の適正化に努めております。そのことが介護保険制度の持続可能性を高め、高齢者の尊厳を守ることにつながるものと認識をしております。  0歳児の保育料を単独設定することに対するご質問ですが、このたびの改定に当たり、「大田区保育料・学童保育保育料検討委員会」を設置し、多様な角度からご議論いただきました。検討委員会がまとめた報告書では、限られた財源の中、少子化の進展や子どもの貧困対策などの社会的課題に対して的確に対応していくためには、定期的に保育料の見直しを検討する必要があるとされております。改定案では報告書で示された方向性を踏まえ、園児1人当たりの保育料が他の年齢児クラスに比べ高い0歳児につきましては、受益と負担の関係性の視点から単独設定といたしました。なお、設定に当たっては、家計への影響に配慮し、顕著に高くならないようにしています。  第2子以降の保育料の減免についてのご質問ですが、このたびの改定では、同一世帯で認可保育所・小規模保育所に複数の児童が在籍している場合の2人目の児童の保育料を半額から6割減といたします。また、幼児教育の段階的無償化に関する改正として、多子世帯に係る特別措置の拡充を図ります。具体的には、年収約360万円未満の世帯の保育料認定については、第1子の年齢制限を撤廃いたします。加えて、年収約360万円未満のひとり親世帯の保育料につきましては、第1子を半額に、第2子以降は無料にいたします。いずれも、多子、低所得世帯に配慮した内容となっております。  次に、区民への説明についてのご質問でございますが、改定に当たり、区民説明会のほか、認可保育所、小規模保育所、児童館施設の全ての保護者の方々、約1万5000人に対しパブリックコメントの意見募集用紙を配布し、300件を超えるご意見をいただきました。中には、待機児童問題の解決を望み、改正に賛成するご意見がありました。保育料が増額となる対象者が65%とのことですが、これは、現状の利用者を改定案に照らし合わせた場合の試算でございます。施行予定の来年9月の保育料の切り替えでは、改めて28年分の世帯収入に基づき見直しをいたします。世帯によっては、2人目の減額やひとり親など低所得世帯に対する軽減措置により、保育料が下がるケースもあります。引き続き、待機児童の解消に向け、保育の質を確保した保育サービス基盤の拡充や放課後児童の居場所づくりなど、子育て支援環境の充実に取り組んでまいります。  次に、国による羽田空港機能強化提案に関するご質問でございます。第4回首都圏空港機能強化の具体化に向けた協議会で、国は、「羽田空港機能強化に係る環境影響等に配慮した方策」を示しております。これによりますと、運用の工夫によるB滑走路からの出発機の便数削減のほか、環境対策として、低騒音機の導入促進や、新たな測定局設置による騒音監視の方策等、安全対策としては、空港でのチェック対策構築等による落下物の未然防止策の強化や、引き続き安全監督に万全を尽くすとともに、羽田空港に乗り入れる航空会社に対して、安全対策の徹底を要請することとしております。今回の提案に限らず、区民の安全・安心にもつながる空港及び航空機の安全確保は、国、航空会社等関係団体・機関が一丸となり、最優先で取り組むべき課題であると考えております。区といたしましては、より一層の安全対策、騒音対策とともに、今後も丁寧な情報提供を進めるように強く国に要請をしてまいります。私からは以上でございます。 ◎津村 教育長 私からは、就学援助基準及び就学援助費の前倒し支給に関するご質問にお答えをいたします。  本区の生活保護に準じる世帯の認定基準につきましては、生活保護基準の1.2倍未満の世帯を対象に支給しております。平成25年度から、生活保護基準が段階的に引き下げられた一方で、区では、生活保護基準の見直しが就学援助制度に影響しないように、暫定的に引き下げ前の生活保護基準に据え置いております。現行の生活扶助費等に対応する認定倍率につきましては、社会経済状況等を踏まえながら、今後適切に判断してまいります。また、新入学用品費の前倒し支給につきましては、受給資格の確認や支給方法、あるいは他自治体への転出入があった場合の二重支給の問題など課題があると考えております。今後とも、援助が必要な児童・生徒に速やかに支給できるよう取り組んでまいります。私からは以上でございます。 ○大森 議長 清水議員、演壇にて再質問を許可します。                  〔30番清水菊美議員登壇〕(拍手) ◆30番(清水菊美 議員) 再質問いたします。  初めに大田区非核都市宣言について質問いたしましたが、区長の答弁は、現在行われている平和都市宣言の取り組みについてのみでした。核兵器の廃絶を呼びかける大田区非核都市宣言についてお答えください。(拍手) ○大森 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎松原 区長 先ほども答弁させてもらいましたけれども、核のないということをちゃんと入れているのです。それから、平和憲法を守るということを言っていますから、実質上はそういう形になるのではないかと私は解釈しています。               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○大森 議長 本日はこれをもって質問を打ち切り延会とし、明9月15日午前10時より会議を開き、質問を続行したいと思います。これにご異議ありませんか。                   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○大森 議長 ご異議なしと認め、そのように決定いたしました。  ただいまご着席の方々には改めて通知はいたしませんので、そのようにご了承願います。  本日はこれをもって延会といたします。                     午後4時55分延会...