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平成28年 第2回 定例会−06月10日-02号

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  1. 大田区議会 2016-06-10
    平成28年 第2回 定例会−06月10日-02号


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    平成28年 第2回 定例会−06月10日-02号平成28年 第2回 定例会 平成28年第2回定例会 大田区議会会議録 第8号 6月10日(金曜日)  出席議員(49名)   1 番 田中一吉       2 番 松原秀典       3 番 高瀬三徳   4 番 安藤 充       5 番 岸田哲治       6 番 大森昭彦   7 番 松原茂登樹      8 番 伊藤和弘       9 番 塩野目正樹   10 番 押見隆太       11 番 鈴木隆之       12 番 伊佐治 剛   13 番 深川幹祐       14 番 長野元祐       15 番 渡司 幸   16 番 高山雄一       17 番 松本洋之       18 番 岡元由美   19 番 勝亦 聡       20 番 広川恵美子      21 番 秋成 靖   22 番 玉川英俊       23 番 田村英樹       24 番 大橋武司   25 番 小峰由枝       26 番 椿 真一       27 番 田島和雄   28 番 末安広明       29 番 大竹辰治       30 番 清水菊美   31 番 藤原幸雄       32 番 佐藤 伸       33 番 菅谷郁恵   34 番 黒沼良光       35 番 金子悦子       36 番 福井亮二   37 番 荒尾大介       38 番 山崎勝広       39 番 黒川 仁   41 番 岡 高志       42 番 松原 元       43 番 荻野 稔   44 番 三沢清太郎      45 番 野呂恵子       46 番 犬伏秀一   47 番 奈須利江       48 番 湯本良太郎      49 番 北澤潤子
      50 番 馬橋靖世                ――――――――――――――――――――  欠席議員(1名)   40 番 森  愛                ――――――――――――――――――――  出席説明員   区長            松原忠義    副区長           遠藤 久   副区長           幸田昭一    企画経営部長        川野正博   未来創造研究室長      須藤常好    総務部長          玉川一二   危機管理室長        齋藤浩一    地域力推進部長       鴨志田 隆   観光・国際都市部長     河野秀夫    スポーツ・文化担当部長   茂呂英雄   区民部長          木田早苗    産業経済部長        近藤倫生                         福祉支援担当部長                         障がい者総合サポートセンター所長兼務   福祉部長          中原賢一                  西山正人   健康政策部長        杉坂克彦    保健所長          渡邉洋子   こども家庭部長       後藤 清    まちづくり推進部長     黒澤 明   都市開発担当部長      町田達彦    空港まちづくり本部長    川上立雄   都市基盤整備部長      荒井昭二    環境清掃部長        市野由香里   会計管理者         田中教彦    企画経営部企画課長     山田良司   企画経営部財政課長     谷口 祐    総務部総務課長       今井健太郎   教育長           津村正純    教育総務部長        水井 靖   教育総務部教育総務課長   井上隆義                ――――――――――――――――――――  出席事務局職員   局長       佐藤惠美子        次長       政木純也   議事担当係長   三上浩史 議事日程第2号  平成28年6月10日  午前10時開議  第1   第89号議案 平成28年度大田区一般会計補正予算(第1次)   第90号議案 大田区行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する条例の一部を改正する条例   第93号議案 包括外部監査契約の締結について   第94号議案 (仮称)大田第6号雑色駅自転車駐車場新築工事請負契約について   第95号議案 (仮称)大田第3号梅屋敷駅自転車駐車場新築工事請負契約について   第96号議案 大森ふるさとの浜辺公園休憩所及び倉庫新築その他工事請負契約について   報告第11号 平成27年度大田区繰越明許費繰越計算書   報告第12号 平成27年度大田区事故繰越し繰越計算書   報告第13号 大田区土地開発公社の経営状況に関する書類の提出について   報告第14号 公益財団法人大田区文化振興協会の経営状況に関する書類の提出について   報告第15号 公益財団法人大田区体育協会の経営状況に関する書類の提出について   報告第16号 公益財団法人大田区産業振興協会の経営状況に関する書類の提出について   報告第17号 株式会社大田まちづくり公社の経営状況に関する書類の提出について   報告第18号 民事訴訟の提起に係る専決処分の報告について   報告第19号 訴え提起前の和解に係る専決処分の報告について   報告第20号 区の義務に属する損害賠償額決定に係る専決処分の報告について  第2   第91号議案 大田区特別工業地区建築条例の一部を改正する条例  第3   第92号議案 大田区立保育園条例の一部を改正する条例   第97号議案 区の義務に属する損害賠償の額の決定について  第4   議員提出第2号議案 大田区議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する条例               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜                     午前10時開議 ○勝亦 副議長 議長にかわり、副議長が議長の職務を行います。  ただいまより本日の会議を開きます。               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○勝亦 副議長 これより昨日に引き続き質問を行います。  まず、41番岡 高志議員。                  〔41番岡 高志議員登壇〕(拍手) ◆41番(岡高志 議員) 皆さん、おはようございます。岡でございます。本日は民進党を代表して質問させていただきます。  まず、2020年に向けての区政課題について伺ってまいります。  2020年、言わずもがな東京オリンピックパラリンピックの年であります。様々な議論とともに4年後も割と近づいてきましたけれども、4年後のオリンピック・パラリンピックの大会に向けて準備が進められているところであります。そして、都民、国民のオリンピック・パラリンピックに向けての高揚感が高かったのがいつだったかと思い起こせば、3年前の招致決定のときだったかなと思います。最後のプレゼンテーションのところで当時の東京都知事、今はもう公民権停止されていますけれども、猪瀬直樹さんが力強い英語のプレゼンテーションをされたり、滝川クリステルさんがフランス語の流暢なプレゼンテーションをされたのがとても印象に残ったかなと思います。その当時、1年目の安倍政権が経済政策を行って、世界の株高に伴って円安の日本も株高になって、日本の経済も大変明るい先行きが見られていた時期ではあったかなと思いますが、今、この2016年になり、消費増税の先送り、凍結ということになりまして、なかなかこの経済政策がうまく進んでいない、これは国民的な共有認識になっているところでございます。  その安倍政権が言う経済施策、中国地方の英雄であります毛利元就の故事に倣って3本の矢という言葉がありました。皆さんご理解されているように、3本の矢というのは、1本1本は折れやすい、そうした矢を3本束ねれば何とかなるであろう、そうした考え方であります。まさにこの安倍総理の経済政策に言う3本の矢も、これは金融政策、円安誘導して円ベースの企業収益が上がり、そして株価は上がる。だけれども、一方で企業の売上高は伸びていない。そうすると、いわゆる雇用者所得は伸びてきていない。まさに全ての区民、国民にその豊かさが広がっていない現状である。そして、財政施策、伊勢志摩サミットにおいてG7の各国に財政出動を求めた。だけれども、こんなに古いケインジアンの経済財政政策なんて持っていけない。そういったことで安倍総理の提言は広がりを欠いたわけであります。そして、成長戦略、霞が関の官僚が書いた作文の成長戦略、なかなか機能しないと感じるところでございます。そして、昨日の自民党の代表質問の中で新しい3本の矢という言葉もありました。やはりまたこれも折れやすい3本の矢を投げかけるということなのかなと理解したところでございます。これは、ある種既視感のある光景でありまして、太平洋戦争の末期、一億総玉砕社会、そうしたかけ声とともに竹やりを持って戦おう、そうした時勢に近いのではないか、一抹の不安を覚えるところでございます。  さて、2020年、何とかオリンピック・パラリンピックまではしっかり持ちこたえていただきたいなと思うけれども、その後、景気の後退リスクは強まるのかなと思います。まさに2020年の景気の崖、それがあるのではないかと僕は危惧するところでありますが、そこに向けて産業都市大田において力強い産業政策の推進が求められると思っています。大田区における大きなテーマの一つは、羽田空港の跡地であります。空港跡地第1ゾーンにつきましては産業交流施設、多目的広場を整備することとされています。多摩川を隔てて向かい合う川崎殿町地区は、空港跡地第1ゾーンと比較すると圧倒的な規模感で推進されています。空港跡地第1ゾーンが駅前広場を除いた業務領域の面積、これが3ヘクタールにも満たないのに対して、川崎殿町の川崎イノベーションゲートウェイ、キングスカイフロントは40ヘクタールを確保しています。ライフサイエンス、環境分野でのイノベーションを図る、そして、ほとんどの区画に事業所、研究所の進出が決まっております。そうした意味で、今後のイノベーションの広がりに期待できる地域である。一方、それに対して大田区の空港跡地第1ゾーン整備は、川崎殿町地区に対してどのような位置づけで計画を検討されていくのか。また、川崎殿町地区との連携をどのように構想されているのかお聞かせください。  また、2020年に向けて、文化芸術の振興も重要であります。オリンピック憲章によれば、オリンピズムはスポーツを文化、教育と融合させ、生き方の創造を探求するものであります。2020年の東京オリンピックパラリンピックに向けて文化芸術の振興が求められており、子どもから高齢者まであらゆる人々が創作活動へ参加、鑑賞体験できる機会を大田区でも提供することが求められています。文化芸術の振興は極めて重要なテーマであり、区長のトップの旗振りも重要だと思います。4年前、私はこの場の代表質問で文化振興担当部署を教育委員会から分離する形で区長部局に設置することを強く求めました。そして、今年度から文化振興課が設置されました。  伺いますが、どのような経緯で文化振興課を設置されたのか。そして、大田区の文化振興においてどのような役割を期待するのかお聞かせください。  また、昨年の代表質問で、私はトリエンナーレ、ビエンナーレと言われるようなアートのまちづくり、アートのまち歩きイベントは、文化・芸術振興の切り札になると申し上げました。例えば、商店の空きスペース、商店も棚があいていたりするわけでございますが、そうした空きスペースに芸術作品を展示する、きのう公明党の松本幹事長もおっしゃっていましたけれども、彫刻作品をそうしたところに置く、商店街の箇所箇所に様々なアートが広がっていく、大変商店の魅力が、まさにまちの魅力が発展するようなアイデアかなと思った次第でございます。現在、大田区でも盛り上がりつつある動きの一つに、大森アートフェスタがあります。参加している多くのまちのギャラリーがその一定の時期にイベントを開催する、海外からもアーティスト・イン・レジデンスといって、まちに住んで創作活動をしていく。そうしたまちに根づくアートの活動が大森アートフェスタだと理解しました。参加しているギャラリーの数が増えてきて、このまちに根づくアートの広がりも可視化されつつあります。さらに、行政も支援することで、大田区における芸術が爆発的に盛り上がるのではないかと思います。行政も積極的に関与して、大田区の文化・芸術振興を図っていただきたいと思います。  行政というのは税金で運営されているわけですから、あまり効率的でないことをするというのは控えなければいけません。しかし、大田区というまちにおいて大田区役所、もちろん議会もそうですけれども、存在感を持った主体の一つであります。だから、そうしたまちのアートについても区役所、行政は積極的に関与していただきたいと思います。  続いて、まちづくりと産業振興について伺ってまいります。  大岡山の東京工業大学では、産業振興、まちづくりなど様々に産学連携の取り組みを推進しています。東京工業大学との事業連携・協力の基本協定は、来年4月には5年の期限が終了します。今までの東京工業大学との連携・協力をどのように捉えるのか。そして、今後の関係について区長、どのように構築されるのかお聞かせください。  大田区と東京工業大学の連携事業である戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)というのがあるのですけれども、昨年度その事業に関連して石川町のキャンパスの中にものづくり工房というのが整備されています。円形の空間にディスカッションしやすいようなテーブルとかハイチェアがあって、また3Dプリンターとかレーザーカッター、あとは木工加工するための機械なんかもある、いわゆるファブラボが石川町の中に実はあります。そこは単なるファブラボではなくて、工業大学ですから様々な計測するための装備も備えられていて、そして、そこに東京工業大学は様々な専攻があって、研究室ごとに様々な技術を持っている。そうした学際的な、横断的にいろんな技術をそこに集まってきて新しい製品、技術を開発していく、そういった空間であります。もちろんそこに大田区の製造業の技術者の力も加わっておりまして、まさにそこから発生する新しいイノベーションに期待できると感じた次第であります。今年度大田区でもプロトタイプセンターの検討を進めていきますけれども、そうした東京工業大学のSIPにおけるようなエッセンスも反映されていくのかな、大田区のこれからにも期待するところであります。  大田区としても、そうした東京工業大学との連携・協力関係に鑑みると、積極的にそうしたイノベーションの動きに関与していくべきだと感じております。大学院生や研究者に向けた新しい助成金制度創設やベンチャーファンドの組成、また、大岡山周辺での創業の場所の提供など、大学発ベンチャーの支援をしていく、いかがでしょうか、質問いたします。  そして、東京工業大学を中心とした大岡山でイノベーションが息づいていく魅力的なまちづくりが、私が提唱しております大田スプリングバレーだと思っております。  さて、大岡山・千束地区の魅力向上のために、勝海舟ミュージアムの整備をと議員1年目のころから私は提言しつづけてまいりまして、今6年目になります。当初申し上げたのは、例えば吉祥寺は井の頭公園があって、東京でも住みたいまちの上位にランクされていますが、洗足池だってそれに劣らない魅力があるのです。だけれども、いま一つ知名度が足りないのです。洗足池は、お墓もある勝海舟さんとの関連性を強調した勝海舟ミュージアムを整備すれば、いろんなタイミングで東京の人、世界中の人に洗足池の魅力をアピールできると思います。洗足池の知名度を高めて、住みたいまちに選ばれるようになってもらいたいと思っています。東京工業大学を中心としたイノベーションが生まれる大田スプリングバレー、これと勝海舟記念館のある洗足池が一体となって強い魅力を放つまちになると思っています。区長の昨日のご挨拶でも、勝海舟記念館を世界に発信できる地域のランドマークとして整備するというお言葉がありました。大変うれしいお言葉だと思います。勝海舟記念館が魅力的な施設となるには、ただつくるだけではなくて価値のある企画展などが継続して実施されるべきだと思いますが、今後の運営についてどうされるのかお聞かせください。  続いて、温かい福祉について伺ってまいります。  自治体の中心的な使命は、住民福祉の向上であります。次を生きる子どもたちも安心できるような持続可能な財政基盤において、温かい福祉サービスが提供されるべきです。  介護保険の適正化について伺います。介護保険会計は、発足時、平成12年は約138億円だったのが、直近の平成26年度では438億円と年々増加している、皆さんご承知のとおりでございます。ですので、事業者に対する利用者からのクレームも増えているものと思います。  伺いますが、住民にとって必要なサービスの提供をする適正な介護事業を確保できるように、区役所の職員体制整備も含めてしっかり指導していただきたいが、いかがでしょうか。  以前質問で、社会福祉法人の内部留保が多過ぎないかと指摘しました。さらに、社会福祉法人が区の福祉施設の指定管理を務めるに当たって得られる収入が比較的大きいのではないか、そういった調査もあります。すなわち、区の税金で社会福祉法人の内部留保を膨らませたとも言えるわけです。また、そういった社会福祉法人の内部留保が膨らんでいく前に、単年度の収支差も5%以上出ている法人がいくつかあるわけでございますが、そうした単年度の収支差を人件費支出に振り向けていく事業者の姿勢も大切だと思います。改正社会福祉法では、来年度から社会福祉法人は内部留保の利用計画を定めることになります。利用計画策定の段階から区も連携して大田区の温かい福祉の実現を図るべきです。今後の対応方針をお聞かせください。  次は、子育て、教育について伺ってまいります。  昨日の区長挨拶でも、子どもの貧困対策に強く取り組むとおっしゃっていました。我が会派、民進党もしっかりと応援していきたいと思っております。そうした貧困の連鎖、次の世代にそうした貧しさがつながっていくことが、これからの日本を誰が支えていくのだ、大きな問題だと思っておりますので、やはり子どもの貧困はしっかりと今手を打っていく、重要なことであると思います。もちろん、これから大田区でもこういった経済的な支援を充実させていくことだと思いますが、それに加えて義務教育課程、小中学校における基礎学習の場の充実、これも欠かせないと思っています。また、2020年には大学入試改革もあり、それまでに新しい21世紀型スキルを持つ人材育成が急務となっておりまして、文部科学省の有識者会議、「デジタル教科書」の位置付けに関する検討会議では、2020年にデジタル教科書の導入を提言しています。一方でデジタルデバイス、いわゆるタブレットであるとか、そうしたものの費用負担は保護者負担としています。教育の格差解消の観点から、区がデジタル教科書の整備費用を前向きに負担してもらいたいと思います。  さて、昨年11月の一般質問でも私は申し上げたのですが、文部科学省の学校における教育の実態などに関する調査によれば、大田区の学校の教室へのLAN整備率や電子黒板の普及率は、大変低い水準であります。全国の水準にキャッチアップしなければ、デジタル教科書の整備費用の検討すらままならない状況だと思います。そういった意味で、早い段階から教育のICT活用にかかわる予算を厚くするべきではないかと思います。  先日、大田区のICTモデル校であります蒲田中学校と北糀谷小学校を視察させていただきました。現場を訪れますと、子どもたちが楽しく集中して学んでいる様子が感じ取れました。先生おっしゃるには、ベテランの先生はデジタル機器に習熟していないと思われがちですが、それだけ指導力にたけているので、デジタル機器も指導のツールの一つとして取り込んで、子どもたちにわかりやすい授業を実現しているそうです。ICTモデル校では、全ての普通教室にスライド式電子黒板が配備されています。いわゆるプロジェクターと後ろのパネルが一緒に動くということで、スライドを動かせばもともとあった黒板も使えるということで、大変使いやすいということだそうです。そして、そこに各教員のタブレットパソコンが無線で接続できます。そうやってデジタル機器が存在することで、日常からICTを活用したわかる授業が実現できます。これが仮にほかの場所から電子黒板を運んでこなければいけないなど、普通教室にデジタル機器がない環境であればそれだけICTの活用が低迷すると思います。ICTモデル校でさえも、生徒・児童向けのタブレット配備台数は1クラス分程度にとどまっています。これでは日常的な使用に限界があるとの声も聞かれます。2020年のデジタル教科書導入に向けて、生徒・児童向けのタブレット配備の増設も必要なところです。  こうしたICT活用教育の意義は、この春私がインターンとして受け入れた高校生たちから教えてもらいました。新しい知恵は若い人から学べます。大田区役所でも、高校生インターンを受け入れてはいかがでしょうか。地域の課題を若者と共有することができるし、また、若者の政治参加のきっかけにもなることでしょう。福井県鯖江市でJK課が話題になっていました。女子高生が市役所に入ってきていろいろ何かやっていくということでありますが、こうした試みが高校の現代社会の副読本の表紙を飾るほど話題になっています。鯖江の牧野市長が日本のオープンデータの取り組みのトップランナーである福野泰介さんを見出したように、区長が若い人を積極的に応援することには意義があると思います。  高校生インターンの受け入れは、大田区でもいかがでしょうか。お伺いします。  次は、学校リスクについて伺ってまいります。  組体操、これは長年運動会の目玉種目として親しまれてきた一方で、たび重なる事故の発生については顧みられてこなかったと思います。子どもの体力向上や集団規範の確立には、組体操に限らずいろいろできることはあるでしょうと。昨年来、組体操の危険性に警鐘を鳴らす議論が活発であります一方で、学校現場では、その裁量によって危険性のある組体操を継続実施している学校もあるようです。  伺いますが、大田区教育委員会として組体操の中止を明確にするべきだと思いますが、いかがでしょうか。  やはり学校が抱えるリスクとして私はかねがね質問しておりますが、子どもの自殺についての予防対策をお聞かせください。  続いて、区財政の諸課題について質問してまいります。  指定管理者制度についてですが、これは公の施設の管理に民間事業者のノウハウを活用することにより、管理に要する経費を縮減することを可能にするとともに、利用者に対するサービスの向上が期待されています。大田区では、平成16年度から段階的に導入され、区内の多くの施設が指定管理者制度のもとで運営されています。ただ、果たして管理に要する経費が縮減できているのでしょうか。第三セクターである文化振興協会や産業振興協会の再委託部分の契約で随意契約が多い。すなわち、経費縮減という主目的を達成し得ないケースもあります。また、税を滞納している事業者にこらぼ大森の指定管理を委ねている、そういう大問題もあります。過去の経緯で当該NPO法人に委託を開始したことは理解しますが、契約行為でありますから、しがらみを脱して適切に対応するべきだと思います。  指定管理者制度のより効果的な運用に向けて、区はどのような姿勢で臨むのでしょうか、お聞かせください。  最後の質問になりますが、今月、安倍総理の新しい判断によって消費増税が延期されました。地方税の税源は縮小することでしょう。この際、大田区の課税ベースの拡大の検討をしてはいかがでしょうか。古い話ですが、神奈川県の三浦市ではヨット・モーターボート税を昭和51年に導入しました。大田区では、船舶だけでなくギャンブル場とかパチンコ等、課税対象になりそうな物件はあります。前回の予算委員会質疑でギャンブル依存症を問題提起した際に申し上げたのですが、大田区にはパチンコ店が47店、1万9000台もあります。そこに対してパチンコ税の導入はいかがでしょうか。ぜひご検討いただきたい。  以上で会派を代表しての質問を終わります。どうもありがとうございました。(拍手) ○勝亦 副議長 理事者の答弁を求めます。 ◎松原 区長 岡議員の代表質問に順次お答えをしてまいりたいと思います。  まず、羽田空港跡地第1ゾーン整備における川崎殿町地区との関係についてのご質問でございますが、川崎殿町地区は、主にライフサイエンス分野において活動する企業の集積が進んでおり、こうした企業との連携は重要と考えます。既に、実際いくつかの連携事例も出ているところでございます。例えば、医療機器・用具の開発や改良に区内ものづくり中小企業の技術力が活用されている事例や、区内に立地する物流事業者が殿町地区で使用された医療機器・用具の洗浄やメンテナンスの作業を担うことで、医療現場に安全な医療機器を安定的に供給する環境の整備に貢献するなどの事例が挙げられます。区は、こうした事例が今後も増えていくような支援を進め、区内産業の活性化につなげてまいります。空港跡地第1ゾーンに整備を予定しております産業交流施設におきましても、殿町地区との連携をさらに促進させ、相互にメリットある成果の創出につなげる機能を持たせていくことは重要な取り組みの一つであると認識をしております。
     次に、文化振興課の設置の経緯とその役割についてのご質問でございますが、区では、大田区文化振興プランに掲げる取り組みを着実に実施し、文化・芸術振興施策をこれまで以上に推進することを目指しております。例えば、大田区はロケットの先端部分の製作に使われるへら絞り加工のような高度な技術を誇る工場を有するなど、日本を代表するものづくりのまちでございます。また、江戸情緒豊かなデザインが見事な旧東海道のミハラ通り商店街をはじめとした23区最多の商店街、昔ながらの日本文化が味わえる銭湯を有するなど、その一つひとつが大田区が誇れる文化であると考えております。そのほか、長い歴史の中でつくられてきました自然環境や景観、芸術等、いわゆる地域固有の文化を持っております。そこで、広範な部局の施策と文化・芸術振興施策との連携を深め、時代の変化に対応して文化・芸術を振興し、発展させていく必要があることから、文化振興担当課長を文化振興課として独立させて、組織としての位置づけを明確にいたしました。文化振興課では、観光、産業、福祉、健康、まちづくりなど、多様な分野と迅速かつ適切に連携し、今後も区の文化・芸術振興施策を一層強力に進めてまいります。  次に、東京工業大学との連携・協力に関するご質問でございますが、平成19年4月に初回の基本協定書を取り交わして以来、区と東京工業大学は様々な連携・協力を行ってまいりました。まず、教育に関する分野では、夏休みに行われますおおたサイエンスフェスタや、区立小中学校における理科教育推進のためのプログラム、教員の授業力向上などに向けた研修など、未来を担う子どもたちの学力や想像力を伸ばす取り組みにおいてご協力をいただきました。また、産業振興に関する分野におきましても、区内企業の新製品、新技術の開発への協力や、大学教授による技術セミナーの実施のほか、大学が主体となって進める国のプロジェクトに区や大田区産業振興協会、区内企業も参画するなど、幅広い連携が図られております。このほかにも、呑川の水質改善に向けた取り組みや、大学のキャンパスを広域避難所としてご提供いただくなど、区と東京工業大学はこれまで様々な協力関係を築いており、非常に有意義なものであると考えております。今後も区内産業のさらなる発展や次世代を担う創造性にあふれた人材の育成など、多様な連携・協力を一層深めてまいります。  次に、大学発ベンチャーの支援についてのご質問をいただきました。近年、大学も研究成果を技術シーズとしてみずから創業を行う大学発ベンチャーが増えております。区は、大学発ベンチャーが集まることで、企業家や研究者が相互に刺激し合い、融合や化学反応を起こしてイノベーションが生まれることを期待しております。そのため、区は創業支援施設を開設し、公益財団法人大田区産業振興協会が運営を担当しております。協会は、課題解決支援者、いわゆるインキュベーションマネージャーによる相談、賃貸事業所賃料助成など、企業の成長のステージに合わせた支援策と環境を提供しております。これらの支援を受けた大学発ベンチャーには、現在も工場アパートに入居し操業を継続している企業もあります。今後も創業しやすい環境の提供に努め、東京工業大学をはじめといたします大学発ベンチャー等の誘致を積極的に推進してまいります。  次に、(仮称)勝海舟記念館の運営についてのご質問でございますが、日本初の勝海舟を顕彰した記念館として、ゆかりの資料に触れることができ、また、洗足池公園一帯の緑豊かな風致地区の環境を生かし、区民が誇りに思える施設を目指して、現在施設の設計を進めております。これまで整備事業検討委員会で施設整備につきまして学識経験者から豊富な知見に基づくご助言を、また、地域代表の方々からは貴重なご意見をいただいてまいりました。今後の運営についても、区民に親しまれ、国内外から来館者が訪れる文化施設となるよう、管理のあり方や展示方法などにつきまして、引き続き学識経験者の方々並びに地域代表の方からのご意見をいただき、検討してまいります。  次に、適正な介護サービスの確保についてのご質問でございますが、介護サービスを必要とする高齢者等に対して事業者がサービスを適切に提供するよう促していくことは、保険者としての区の重要な取り組みの一つと認識をしております。区に寄せられた介護サービスに関する相談や苦情等の情報につきましては、介護サービスの質の確保や利用者保護のために重要であるため、福祉部全体で共有して事業者に対する支援に役立てているところでございます。また、介護サービスの内容を定めるケアプランが、過不足のない適正な内容となっているかどうかなど、ケアマネジャー等を対象とする定期的な研修や事業者連絡会の場におきまして点検、指導を行っているところでございます。今後も、こうした取り組みとあわせて介護サービス事業者に対する指導・検査体制の充実・強化を図りながら、適切な介護サービスの確保と、その結果としての費用の効率化を実現し、介護保険制度の信頼性を高め、持続可能な制度の構築を進めてまいります。  次に、社会福祉法人のいわゆる内部留保の利用計画についてのご質問でございますが、社会福祉法人制度については、経営組織のガバナンスの強化、事業経営の透明性の向上等の改革を進めるために、この3月、社会福祉法の改正がなされました。この改正社会福祉法によって、法人の財務規律の強化を図ることとされ、いわゆる内部留保の明確化が規定されました。これにより、来年度からは残額がある社会福祉法人に対しましては、社会福祉事業、公益事業実施に係る計画作成が義務づけられ、所轄庁へ提出することが定められました。法人が計画を策定する際には区としても必要な助言を行うなど、区の福祉施策とも連携した計画となりますよう制度の運用をしてまいります。区といたしましては、社会福祉法人の適切な運営を実現するための取り組みを進めてまいります。  次に、高校生インターンの受け入れに関するご質問でございますが、私が毎年行っております区民と区長との懇談会において高校生との会を重ねておりますが、昨年度は大森学園高校を訪問させていただき、「高校生から見た大田区」をテーマに懇談をさせていただきました。また、特区民泊の取り組みについて雪谷高校の生徒たちから提言をいただき、私や関係部長を交えた意見交換の中で大変有意義なアイデアをいただきました。今年度につきましても学生との交流を予定し、多くの意見をお聞きしたいと考えております。この夏の参議院議員選挙から選挙権年齢が18歳以上に引き下げられることもあり、区の未来の担い手であります若者の柔軟な感性や発想を区政に生かし、地域の発展につなげていくことができるよう、効果的な手法について考えてまいります。  次に、指定管理者制度のより効果的な運用についてのご質問でございますが、区では、これまでも毎年のモニタリングに加え、平成27年度から財務審査や労働条件審査を導入するなど、制度の適正かつ効率的な運営を行ってまいりました。議員のご発言にございました指定管理者制度のより効果的な運用に向け、単に指定管理者に任せきりになるのではなく、区がしっかりと施設の状況を把握し、指定管理者に対して的確な指導を行うことが重要であると考えております。引き続き、各施設の設置目的に照らし、最適な運営方法を常に検証するとともに、区の指導体制の強化などを通じ、区民サービスのさらなる向上につなげてまいります。  次に、パチンコ税の導入に関するご質問でございますが、地方税法第5条では、条文に列記されております税目のほか、市区町村は別に税目を起こし、普通税を課することができると定めております。他自治体における例といたしましては、静岡県熱海市の別荘等所有税、福岡県太宰府市の歴史と文化の環境税、豊島区の狭小住戸集合住宅税などがございます。法定外普通税につきましては、新たに税負担を強いるものであり、課税の目的や課税対象、負担公平等の観点から、慎重に検討すべき事柄と認識をしております。私からは以上でございます。 ◎津村 教育長 私からは、教育にかかわる3点のご質問にお答えをいたします。  まず、ICT活用に係る予算についてのご質問でございますが、ICTの導入に当たっては、機器をいかに授業の中で効果的に使用していくかが最も重要でございまして、ICT活用推進の当面の方針では、北糀谷小学校と蒲田中学校をICT活用推進モデル校に指定し、効果的な指導方法の研究や必要なICT機器の検討を行っております。今年度はモデル校との取り組みと並行して、全中学校の普通教室等に校内LANを整備するとともに、電子黒板と無線LANアクセスポイントを3セット追加配備してまいります。今後もモデル校での成果検証を踏まえつつ、必要なICT設備、機器の導入を検討してまいります。  次に、組体操の中止を明確にするべきとのご質問ですが、大田区教育委員会では、本年4月に各校に対し、第1に、ピラミッド、タワーについては原則として休止する、第2に、安全対策の点検を行い万全の対応を図るとともに、学習指導要領の狙いを達成する観点から、各種目の必要性や妥当性について検討する、第3に、体力等の向上や危険予測・回避能力を育成するとの方針を示しております。今後も引き続きただいまお示しした方針に沿って、運動会等における安全対策を徹底してまいります。  次に、自殺防止対策についてのご質問にお答えをいたします。自殺の問題につきましては、大人は言うに及ばず、成長途上にある子どもがみずから命を絶つというような事態は決してあってはならないことであると考えております。先月にも、本区区立学校において自殺の可能性がある死亡事故が発生しておりますが、まことに残念であり、亡くなられた生徒に深く哀悼の意を表するとともに、残されたご遺族に心からお悔やみを申し上げる次第でございます。本区区立学校におきましては、日ごろから教職員全員が子どもの様子を注意深く観察するとともに、自己肯定感を高める声かけを日常的に行うほか、生命尊重週間を設定して命の大切さについて考える機会を設けております。さらに、子どもの心理面を把握するため、学校生活調査を年2回実施し、特に28年度からは新たな調査項目として、「周りの人たちが普段どれくらいあなたの助けになっていると感じていますか」という問いを追加し、子どもの身近な人間関係についても把握するようにいたしました。また、校長講話や道徳の授業など、あらゆる教育活動を通して命の大切さを訴える啓発活動を推進し、また、保護者や地域の方々とも緊密な連携に努めているところでございます。私からは以上でございます。 ○勝亦 副議長 次に、20番広川恵美子議員。                  〔20番広川恵美子議員登壇〕(拍手) ◆20番(広川恵美子 議員) 大田区議会公明党の広川恵美子です。今般発災した熊本地震を受けて、本区の災害対策について質問させていただきます。よろしくお願いいたします。  4月14日と16日に相次いで発生した熊本地震は、震度7を2回計測する異例の災害となりました。震度1以上の余震が1500回を超え、さらに6強規模の余震の可能性があるなど、終息が見えない状況が続いた不安ははかり知れないと思います。私事ですが、熊本市中央区に実家があり被災いたしました。まずは、このたびの震災に際し、本区においても支援物資の提供や職員派遣など迅速に対応していただいたこと、また、区議会としての募金活動など、多くの方の真心のご支援にこの場をおかりしまして心より感謝申し上げます。ありがとうございました。  熊本地震は、日奈久断層帯と布田川断層帯で横ずれ型の地震が地殻内約10キロメートルという浅い部分で発生しました。ゴールデンウイーク中実家にいた間にも、ずんと沈むような地震、はね上がるような地震、道路工事の振動のような地震、ゆらゆらと船が波に揺られるような地震など様々な余震が続き、東京に戻ってからもしばらくは揺れているようでした。ところで、熊本県の防災計画には、この日奈久断層帯、布田川断層帯について、活動時にはそれぞれマグニチュード6.8、7.0程度の地震が発生する可能性が指摘されていましたが、30年以内の発生確率は、日奈久断層帯は不明、布田川断層帯はほぼゼロから0.9%という評価でした。また、そのリスクは認識していても備えは不十分であるという記述もありました。地震は、危険性の警鐘はできても、いつ起こるという予知は非常に難しいものがあります。政府の地震調査委員会の平田直委員長は、「自分のこととして考えて備えてほしい」と呼びかけています。防災科学に力を注いだ物理学者、寺田寅彦は、「ものを怖がらなさ過ぎたり怖がり過ぎたりするのは易しいが、正当に怖がることはなかなか難しい」と指摘していますが、先人の英知から学ぶとすれば、災害大国である日本に暮らす私たちは、正しく恐れて賢く備えることが重要です。  本区では、平成26年度に大田区地域防災計画の修正を行いました。そこには、東京湾北部を震源とした首都直下地震をもとに、「区の大部分で震度6強が想定され、一部地域では最大震度7が想定される」とあります。しかし、4月14日、熊本地震が発生する直前、東京では23区西部を震源とする地震が発生していました。私は大変緊張してNHKのニュースを見ていたところ、緊急地震情報が流れ、熊本地震の発災が報道されました。地震の規模としては小さかったため、その後、この23区西部を震源とした地震に関する情報は聞かれなくなりましたが、そのとき、大田区直下地震発生の可能性も否定できないと思いました。同計画には、「区及び防災関係機関は、この計画の目的を完遂するため、平素から調査研究に努めるとともに、本計画の習熟に努め、地震被害への対応能力を高めなければならない」とあります。  最新の知見等の情報収集及びそれに伴う計画の修正等について、本区の取り組みをお聞かせください。  あわせて、大田区総合防災対策の実施方針には、防災強化のための23の重要対策について、計画策定時の平成25年から10年間で重点的に取り組む事業展開の計画が示されています。この計画によれば、現在は中期対応期に当たります。中期対応期の具体的計画についてお聞かせください。  私は、娘とともに4月30日から5月8日まで帰郷しました。発災直後の被害の様子では、ある程度のサバイバル生活を覚悟して準備を進めていました。ところが、政府の素早く、かつ適切な支援によって、交通網や流通、ライフラインはみるみる復旧し、移動手段にも現地での生活にも不自由を感じなかったことに、驚きとともに心強さを感じました。人命を守るために何をするべきか、過去の教訓を生かし的確な判断と行動をすることこそが政治の仕事であり、その結果には政権の力が見えると思います。熊本地震への政府の対応は、過去の阪神・淡路大震災や東日本大震災とは雲泥の差だと実感しました。とはいえ、震災の爪跡は至るところにありました。報道では、震源地など被害が顕著なところを放映していましたが、震源から離れた地域にも大きな被害の建物が散見していましたし、辻々に積み上げられた災害ごみは、見た目にはそう見えなくても、被災していない家庭は1軒もない、まさに被災地だということが実感しました。  阪神・淡路大震災では、家屋の倒壊や火災、避難所の重要性が課題として浮き上がりました。東日本大震災では、加えて津波や液状化、人権に配慮した避難所運営なども課題となりました。どの災害も全く同じとは限りません。過去の災害の課題に全て備えたとしても被害が出ない保証はなく、ましてやそのような備えが現実的にできるとは思いません。では、正しく恐れて賢く備えるとはどういうことなのでしょうか。東日本大震災でビックパレットふくしま避難所の運営支援をされた福島県の元職員で、現在福島大学うつくしまふくしま未来支援センターの特任准教授である天野和彦氏は、「災害で新たな問題が発生するのではなく、潜在する問題が災害によって顕在化するのです」と言われています。もとより、私は防災、減災において最も重要なのは自助力を高めることだと思っていますし、人にもそのように話しています。しかし、わずか数日ではありましたが、被災地で過ごした間、もしも大田区で同規模の地震が発災したとしたら、天野准教授の指摘も含め、考えさせられることが多々ありました。  そこで、滞在中に感じた一部ですが、事例を挙げて質問させていただきます。散文的ですが、意を酌みとっていただければと思います。  改めて、熊本市の人口は本年4月1日現在73万2780人、71万5156人の大田区と同程度です。面積は390.32平方キロメートルで、人口密度は1898.74人。面積は大田区の6.4倍、人口密度は大田区1万1789.58人のわずか16%です。最も人口密度の高い熊本市中央区でも6940.55人、大田区の6割弱にしかなりません。その熊本市中央区の震度が6強でした。現地で真っ先に目についたのは建物を覆うブルーシートでしたが、次に驚いたのは、辻々に置かれた災害ごみです。生活道路でさえ6メートルはある熊本市でも、日を追うごとにその量は増えていき、ゴールデンウイーク終盤には積み上がったごみで車が通れなくなりそうな道もありました。しかし、ありがたいことに他県からの応援もあって、ゴールデンウイークの最終日にはあれほどあった災害ごみが一掃されました。両親や周囲の方を見ていて、災害ごみを目にしなくなるだけでこんなにも前に進む元気が出てくるのかと感じました。もし大田区で起こったら、瓦れきや災害ごみの量一つをとっても熊本地震の比ではないことは明白です。熊本では、被災し使用できないごみ焼却場もあり、ほとんどの災害ごみが仮置き場に運ばれていました。熊本は仮置き場をつくることができますが、大田区はどうでしょう。限られた大田区の空地は、避難してきた人で埋め尽くされている可能性があります。仮置き場のめどが立たなくては災害ごみの収集もできません。この点については、昨年の第3回定例会で自民党の岸田議員の質問に対し、「瓦れき処理に関してはより精度の高いマニュアル化に努め、効率的で適切、迅速な対応につなげる」とのご答弁でしたが、瓦れき処理に関する取り組み状況についてお聞かせください。  熊本市には、燃やすごみと埋め立てごみと、文字の色が違う2種類の収集袋がありました。一時燃やすごみだけの収集となったとき、あらゆる災害ごみが出された集積場でこの袋の違いが収集をスムーズにしており、日ごろの分別の習慣は災害時にも生かされることがわかりました。そこで、災害時に大量に発生するであろう災害ごみを、被災者が前に進む元気を出すためにも迅速に収集するための本区の取り組みをお聞かせください。  さて、今回の帰郷の目的は、実家の片づけと補修のめどを立てることでした。時間は限られていたので、体力と情報が勝負と必要な行政情報をネット検索しました。発災から2か月近くたった今では情報の量もツールも増えていますが、当時は市や県のサイトでは欲しい情報がなかなか見つからないのです。そこで、国の情報を検索すると、関連省庁がそれぞれに発信していました。首相官邸のホームページでは、パンフレット形式できれいにまとめてありましたが、欲しい情報を得るためには印刷するかスクロールして探さなければなりませんでした。実際役に立ったのは、ローカル放送局がL字テロップで流していた給水場所やごみの収集情報、り災証明の発行場所、保育所の預かり情報、福祉避難所や障がい者の相談窓口、その他生活再建に関する相談窓口についての情報でした。まさに私が必要としていた、また、知りたいと思っていた情報だったのです。さらに、地方紙やラジオでもきめ細かく情報を発信していました。ネット環境だけの情報発信では、不慣れな高齢者や障がいを持つ方は必要な情報を得ることができません。被災地で日常生活を取り戻すためには、誰もが平等に必要な情報を簡単に得られることが重要です。  本区の情報発信は、デジタルサイネージ、ツイッター、ホームページ、防災無線など工夫されていることは承知していますが、その上で、より簡単に身近な情報が得られるようにテレビのデータ放送が活用できないでしょうか。東京MXテレビのデータ放送は、大田区の地域情報を発信しています。こうしたメディアから大田区限定の情報が得られればとても助かります。また、手元に届くという意味では日刊紙も有効です。災害時における全ての大田区民への情報提供について、見解をお聞かせください。  次に、ボランティアの受け入れ体制についてお伺いします。熊本では、14日の前震の後、すぐにボランティアの募集体制が組まれましたが、本震後、ボランティア調整センターも被災し、しばらく活動できなくなりました。余震の危険もあり、熊本市ではゴールデンウイークになってようやく全国からのボランティアを受け入れることになりましたが、ニーズの把握不足から、せっかく遠方から集まったボランティアの方たちの行き場がないという現象が起きていました。しかし、実は、ニーズはたくさんあったのです。実際、私の実家でも2度ほどボランティアの方に来ていただいたそうですが、手配をしたのは奈良から見舞いに来てくれた親戚でした。高齢の両親には、ボランティアを要請する方法がわからなかったのです。こうしたミスマッチは、災害の規模が大きくなるほど起こり得るのではないでしょうか。また、ボランティアの需要は、発災後時間を追うごとに変遷するため、柔軟な対応が必要です。現在、熊本では特設サイトを立ち上げてボランティア情報を発信していますが、こうしたサイトの運用を工夫すればミスマッチの解消にも有効な手段になり得ると考えます。  本区では、過去にも災害時のボランティアの受け入れについて議論されたと記憶していますが、現時点ではどのようになっていますでしょうか。ボランティアの調整を担う機能の明確化についてお聞かせください。  また、全国からのボランティアは、発災直後や連休などに集中する傾向があります。災害の規模が大きくなれば宿泊地の確保も難しくなります。もちろん、地域外からのボランティアは必要ですが、それとともに地域住民の力が必要ではないでしょうか。本区では、町会や自治会、NPOなどの力を結集して、地域防災力と共助力の醸成に力を入れていますが、もう少し緩やかなつながりの中でもボランティアに加わっていただく方法として、こどもSOSの家の災害版のような、(仮称)災害SOSの家を提案いたします。これは、災害時に協力していただける方の家にこどもSOSの家のようにステッカーを貼って常日ごろから周知し、いざというときに力を発揮していただく仕組みです。例えば、断水になったとしたら、在宅避難者の中でも高齢者や障がい者などは給水所に水をもらいに行くことも、長時間列に並ぶこともできないということがあります。当然、お互い被災者ですからできる範囲でということではありますが、かわりに水をもらってきてくれるとか、災害ごみの片づけなどをお手伝いしますよという人が近所にいれば、誰かに頼りたくても声を出せないでいる方も声を出しやすくなると思います。熊本では、車中泊など避難生活をしている妊婦や乳幼児のいる家族が、ばらばらになるのが嫌で専門の避難所への移動をためらうため、避難生活の長期化による健康への影響が危惧されていました。こうした災害弱者と言われる方々に、身近な場所でわずかな時間でも安心できる場を提供していただくことも期待できるのではないでしょうか。  地方では、ご近所は皆顔見知りなので助け合いはスムーズです。しかし、都会ではそうはいきません。とはいえ、仕事等で町会・自治会活動に参加できない方でも、災害時には手助けができる、したいという方も大勢いると思います。災害SOSの家のような仕組みがあれば、いざというときに協力し合える関係もつくりやすくなると考えます。また、協力者の方には、自宅の防災対策や備蓄についても啓発ができ、自助力の向上にもつながります。近助や共助の力が高まれば、在宅避難を選ぶ方も増えるのではないでしょうか。大規模災害ともなれば、町会・自治会の方だけで地域を支えることは困難です。近助の力の一つとして、(仮称)災害SOSの家の実施を要望いたします。  ところで、今回熊本は早々に激甚災害に指定されました。さらに、5月10日の閣議で非常災害に指定されたことで、被災自治体が管理する橋やトンネル、道路などの復旧工事を国が代行することになり、自治体の負担が軽減しました。大規模災害では、被害規模により災害救助法の適用にとどまるか、激甚災害に指定されるかで復興事業の財源に差が出ます。激甚災害指定には、おおむね被害の概算を発災後1週間で、確定値を1か月で算定しなければならないことを考えると、発災時の混乱の中で被害状況や被害額の算定などの作業を行うことは大変です。被害額の概算が迅速に出せる準備を整えておくことも必要ではないでしょうか。  また、災害時は自治体職員も被災者となります。発災後は、災害対策とともに業務継続計画、BCPに沿った対応がなされますが、全てを区職員で賄えないときは、いち早く国や都に任せることも必要でしょう。過去の災害では、被災自治体の対応能力を超えているにもかかわらず、抱え込み過ぎて対応が遅れたという事例もあったと聞きます。災害対策は、計画にとらわれ過ぎるのではなく、目的をいち早く明確にし、行動すること。そのためには柔軟な判断力も必要で、経常的な訓練と業務継続マネジメント、BCMによるブラッシュアップが重要と考えます。本区の取り組みについてお聞かせください。  次に、被災者への仮設住宅の提供についてお伺いします。本区では、仮設住宅の建設可能戸数をどのくらいと見込んでおられますか。また、仮設住宅建設が間に合わない場合、賃貸住宅をみなし仮設として提供できることになっていますが、熊本では、賃貸住宅も地震の被害で居住不可となり提供できない物件が多数あったそうです。本区でもそうしたことが起こることは十分考えられます。その場合、どのような対応ができるのか、検討されている対策があればお聞かせください。  最後に、災害後の生活再建に役立つ情報提供について要望いたします。「東京防災」や本区の「命を守る3点セット」など、防災に関する資料には、発災前の備えや命を守る行動、避難所などでの生活については詳しく記述されていますが、生活再建についての情報は少ないように感じます。実は、災害後の生活再建にこそ、各家庭によって様々な課題が出てきます。あるサイトでは、東日本大震災後の被災者の相談をまとめて掲載していました。賃貸住宅の家賃問題などなど、相談の種類の多さに驚くとともに、普段潜在している問題が災害によって顕在化するという指摘がぴったりな事例も見られました。  そこで、本区のホームページにも、防災に関する知識とともに、過去の事例を参考に、災害後に起こり得る課題への対処法などを掲載してはどうでしょう。災害対策をキーワードに、今の課題に向き合うきっかけになれば、災害後の生活再建にも役立ちます。所見をお聞かせください。  今回取り上げた中には、既に本区の地域防災計画に網羅されているものもありますが、大田区民の安全・安心の体制をさらに充実していただきたく、取り上げさせていただきました。前向きな取り組みを期待して質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○勝亦 副議長 理事者の答弁を求めます。 ◎齋藤 危機管理室長 私のほうからは、まず、防災に関する最新の知見等の情報収集及びそれに伴う計画の修正等のご質問にお答えいたします。  現在、区の地域防災計画は、上位計画である国の防災基本計画、東京都地域防災計画に基づき策定したものでございます。この計画は、平成24年に東京都が公表した首都直下地震等による東京の被害想定の中でも、地震発生の蓋然性が高く被害規模も大きい東京湾北部地震を前提としております。一方、昨年度国の防災基本計画が風水害や土砂災害への対応を中心に改訂されてございます。このことを踏まえ、今年度、区の地域防災計画も見直しを予定しております。見直し内容は、国と同様に風水害や土砂災害への対策等が中心となりますが、現行計画における懸案事項や重点事項、また、今回熊本地震で浮き彫りになった課題に対しても、他自治体や関係機関等からの情報収集をもとに検討を行い、その内容を地域防災計画に反映させることで、より一層実行力のある計画としていく考えでございます。  次に、23の重要対策の中期対応期の具体的計画についてのご質問でございますが、昨年度から区役所内の災害対策各部の重要課題として位置づけ具体的な検討を進めている応急危険度判定、瓦れき処理、救援物資等の受援体制、災害時相互応援協定の締結促進等について、さらに深めた検討を行い、実効性のあるマニュアル策定を進めることで、公助の充実を図ってまいりたいと考えております。また、あわせて災害時行動計画を整備するとともに、その先の対応となる都市機能や生活基盤等の復興に向けた計画及び体制づくりについて整備を進めてまいります。  次に、メディアを活用した非常時における区民への情報提供についてのご質問ですが、現在、区ではメディアと共通の情報基盤を活用し、情報を提供する公共情報コモンズや、ファクス等により区から情報提供を行っており、各メディアはテレビのL字テロップなどで視聴者に情報を伝えております。東京MXテレビでは、放送エリアを対象とした災害情報をL字テロップにより情報提供していく仕組みはありますが、データ放送を活用して地域を限定した情報を提供する仕組みは、局としても研究中であるとのことでございました。区としましては、引き続きテレビや日刊紙等、各メディアの活用方法を研究しつつ、メディアに対して区民が災害時に求める情報を簡単かつ確実に得ることができるよう、区の要望や考えを要請していきたいと考えております。そのためにも、日ごろからメディアと情報交換等を行いながら、友好的な関係を築いてまいります。  続きまして、災害関連法規の適用に関するご質問についてですが、災害救助法の指定に関しては、区内の住家減失世帯数が一定基準に該当する場合に、東京都に対して救助の実施を要請できます。救助の内容としましては、食料、生活必需品、住宅の応急修理費用等の現物給付となります。また、激甚災害の指定手続きに関しては、区が速やかに東京都を通じて国に被害の概算費用を報告し、その後、同様に確定値を報告しなければなりません。激甚災害指定による適用措置としましては、公共土木施設や農地等の復旧費用に関して国庫補助率のかさ上げが実施されます。いずれにしましても、迅速な建物被害調査の実施や被害額の算定手続きが求められることから、早急な対応ができる体制の整備について努めてまいります。  続きまして、災害対策における経常的な訓練と業務継続マネジメントによるブラッシュアップについてのご質問でございますが、今年度、災対各部が担うべき災害時初動対応から復興対応までの業務整理を実施します。これに基づき、各部の災害時における行動計画を作成するとともに、災害対策本部体制における各部の業務計画や動員計画の精査を行い、平成24年度に作成した業務継続計画についても検証を行います。一方、ご指摘のとおり、計画にとらわれ過ぎるとかえって身動きができにくいという事態も想定されますので、災害対応業務については臨機応変に、適時・的確に実施することを念頭に、より一層実効性のある計画及び体制づくりを推進してまいります。また、こうした取り組みとともに、都市機能及び生活基盤等の復興に向けた計画及び体制づくりもあわせて進めてまいります。  次に、仮設住宅についてのご質問ですが、地域防災計画では、区内20か所の公園を予定地として、2階建てで1万320戸の建築を想定しており、区が候補地を選定し、都が建設する仕組みとなっています。建物倒壊数が多い場合には、復興に向けての瓦れき処理を優先していく必要があります。そのため、現実的にみなし仮設という賃貸住宅の借り上げ方法による対応が必要になると考えております。区としましても、東京都と連携しながら、区内の不動産業関係団体との関係づくりに努め、民間賃貸住宅を活用できる体制を整備していきます。あわせて、遠隔地協定等を活用した区外でのみなし仮設住宅対策についても対応ができるよう、その整備について計画を進めてまいります。  最後に、区のホームページに関するご質問ですが、現在、区では自助での防災対策を促すため、各種冊子をホームページにて公開しております。このたびの熊本地方での地震を受けて、防災意識の普及啓発の必要性を改めて認識しているところでございます。今後は、防災意識の普及啓発に加え、災害発生後に起こり得る生活再建に役立つ情報を掲載するなど、内容の充実に努めてまいりたいと考えてございます。また、自助における防災対策の実践につなげるため、防災週間を利用してホームページのトップページにて啓発を行ってまいります。私からは以上でございます。 ◎鴨志田 地域力推進部長 私からは、災害時のボランティアの受け入れに関するご質問にお答えいたします。  大田区の災害応急対策におけるボランティア支援の総合調整は、災対地域力推進部が担います。被災者の生活の安定と再建を図る上で重要な役割を持ちますボランティアとの連携・協力体制を構築し、効果的な応急対策の実施を図るため、区は、地域防災計画の中で大田区災害ボランティアセンターをアプリコに設置すると定めております。災害ボランティアセンターでは、一般ボランティアの受け入れ体制の整備を図るほか、ボランティアニーズの把握、ボランティアの受け付け、台帳の整備などを担います。大田区社会福祉協議会やNPOなどの区民活動団体との連携のもとに運営し、効果的な応急対策の実施を図ってまいります。本年2月16日には、災対地域力推進部と社会福祉協議会、防災担当課とともに参集訓練を実施し、担当部局ごとの役割、学校防災活動拠点等と災対本部とのかかわり、避難所情報の受発信など、具体的な課題について把握をいたしました。引き続き関係部署と連携した訓練の実施と検証を繰り返し、大田区災害ボランティアセンターが確実にその機能と役割を果たせるよう取り組んでまいります。私からは以上です。 ◎市野 環境清掃部長 私からは、災害発生時の廃棄物の処理に関する2問のご質問にお答えをさせていただきます。  まず、災害発生時の瓦れき処理についてのご質問でございますが、大地震発生時には大量の瓦れきの発生が見込まれることから、環境衛生の確保のため、迅速かつ的確に処理する必要があると認識をしてございます。このため、東京都、東京二十三区清掃一部事務組合などの関係機関と連携を図るとともに、災害対策本部内に瓦れき処理対策班を設置し、まちづくり推進部、都市基盤整備部などの関係部局と連携しながら処理に当たってまいります。瓦れきの分別等を行う仮置き場につきましては、臨海部の区有地、都有地を活用しながら瓦れき処理を進めていくこととしてございますが、新たな課題といたしまして、道路障害となる瓦れきの応急的な置き場として緊急仮置き場の設置に向けた検討を進めているところでございます。今後も東日本大震災などの被災地支援の経験も踏まえ、発災後想定される課題に対して多角的な検討を行うことにより、迅速で効果的な対応につなげてまいります。  続きまして、災害発生時のごみの収集についてのご質問でございますが、大地震などの災害発生時においても、瓦れきをはじめとした災害廃棄物や生活から生じるごみを的確に処理し、区民の安全・安心を確保することは大変重要な課題と認識をしてございます。大量に発生する災害ごみに迅速に対応するため、区内の民間事業者の団体と災害時におけるがれき・ごみ処理等応急対策活動に関する協定を締結しているところでございます。また、ごみの運搬につきましては、東京二十三区清掃協議会と連携いたしまして、運搬車両の臨時配車を行うとともに、適切な配車を行うためには日ごろの備えが大切であることから、配車手続きに関する実践的な定期訓練を実施しているところでございます。今後も、関係機関や区内の団体などとの連携を密にするとともに、国や他の自治体の応援を要請するなど、一日も早い生活環境の回復、改善に向けて取り組んでまいります。私からは以上でございます。 ○勝亦 副議長 次に、23番田村英樹議員。                  〔23番田村英樹議員登壇〕(拍手) ◆23番(田村英樹 議員) 大田区議会公明党の田村英樹でございます。  初めに、4月14日より発災しました熊本地震で亡くなられた方々のご冥福を心よりお祈り申し上げますとともに、一刻も早い九州地方の震災復興へのご支援に尽力していきたいと思います。そして、私たちはこのたびの熊本県、大分県を中心に発生した大規模地震での被害状況から得られた新たな教訓をしっかりと検証し、大田区における地域防災計画の向上につなげていかなければならないと考えます。  最初に、大田区地域防災計画に関連して、区内における行きどまり道路の緊急避難路確保についてお伺いいたします。  去る4月8日の夜、大田区西糀谷にて木造2階建てアパートが全焼する火災が発生し、この火災でアパートの住民男性1人が死亡、近隣8棟が焼けました。聞くところによると、この火災で出動した消防関係車両は20台。しかし、火災発生の木造アパートは狭い路地を入った場所にあり、さらに、この路地は行きどまり道路のため、放水方向が限定されてしまい、消火活動は非常に困難だったようです。この場所のような行きどまり道路において、大規模地震による家屋倒壊や火災が複数箇所で発生した場合、助かる命も助けることができない状況が起こる可能性は否めません。このため、木造家屋密集地域である大田区において、この行きどまり道路における防災対策の拡充は喫緊の課題と考えております。  住宅地図をもとに、私が住む南六郷地域とお隣の東六郷地域に存する行きどまり道路をカウントしてみました。区道、私道の区別はしておりませんが、66か所を超える行きどまり道路があることがわかりました。大田区において、こうした行きどまり道路に居住の区民向け、あるいは行きどまり道路を有する自治会・町会に向けて、災害発生時の避難計画について協議あるいは指導をどのように行っているのかお伺いいたします。  先日、我が会派4人の議員で、板橋区の都市整備部市街地整備課を訪問し、板橋区が取り組んでいる行きどまり道路の緊急避難路整備事業について視察をさせていただきました。この事業は、板橋区内に多く存する行きどまり道路において、災害時における住民の安全を確保するため、居宅の庭先や建物と建物との間に緊急時に利用できる避難路の整備を促進する事業であります。平成7年の阪神・淡路大震災を契機に、板橋区の職員提案によって検討が開始された本事業は、翌平成8年にモデル地区として区内6地区を対象に調査を開始し、その後、平成9年10月に要綱を制定し、本格的に事業が開始されました。そして、平成20年度に新たに要綱を改定し、それまでの6地区から板橋区全域にまで対象を拡大したとのことでした。具体的な流れは、まず、所管の区職員が地区ごとに住宅地図より行きどまり道路を抽出し、対象地区を1軒1軒訪問、調査を行います。その後、板橋区と対象住民との間で行きどまり道路の緊急避難路の整備及び維持管理に関する協定書にて協定を結びます。指定された避難路の整備に伴う工事、維持管理は全て区の予算で執り行います。  この事業がスタートした平成9年から平成27年度末までに整備できた件数は、協定締結件数が92件で、避難確保対象世帯が1132世帯となっているとのことでした。単純に1世帯2人家族とすると、約2200名もの尊い命を救うことが可能となったということができ、これは大田区にとっても取り組むべき重要な課題であると認識をしました。この行きどまり道路の避難路整備に関する取り組みは、今世田谷区や品川区など、23区内でも始まってきております。こうした他区の動向も鑑み、大田区におきましてもこの行きどまり道路の危険性を改善していく必要があると考えます。  そこで、まずは公共施設などの整備において、関連する地域の避難路などを区が確保していくことが必要と考えますが、区の見解をお伺いいたします。  行きどまり道路の避難路確保のためには、まず、地域の中で、その地域が持つ課題を共有し、理解を進めていくことが重要です。公共施設整備などをきっかけに、地域にこのような意識が浸透するような取り組みを進めていくことを要望いたします。  次に、大田区内の住宅における感震ブレーカー設置の啓発状況について伺います。  この感震ブレーカーについては、以前、平成26年第3回定例会の一般質問でも取り上げ、家庭用消火器や住宅用火災警報器と同様にあっせん販売に取り組むべきと提案させていただきました。うれしいことに、昨年度より防災用品あっせんの機器リストへの導入がスタートいたしました。地域防災を進めていく上で重要な一歩になったことは間違いないと考えます。また、本年1月15日から22日の期間に区役所1階で開催された「防災とボランティア週間フェア」でも感震ブレーカーの実演を行ってくださり、直接触れることによって訪れた皆様にその有効性や必要性が伝わったのではないかと思います。  そこで、区内で行われている様々な地域防災に資する会議の場、また、防災塾や区民主催の「どこでも防災教室」などの場における感震ブレーカーの啓発状況、また、それを受けてのお問い合わせ状況などについてお伺いいたします。  今後は、重ね重ねの啓発活動を進めていくことによって、着実に設置世帯数を増やしていく取り組みも重要となってまいります。平成27年3月、内閣府に設置の大規模地震時の電気火災の発生抑制に関する検討会の報告では、感震ブレーカーの性能評価のための第三者認証制度の構築、普及に向けたモデル調査の実施、民間規定である内線規程への位置づけなどが提言され、それぞれの項目について調査研究が進められました。モデル調査では三つの地域、川口市131世帯、世田谷区657世帯、茅ヶ崎市297世帯を対象に、平成27年9月から平成28年1月の5か月間にわたりモニター設置を行っています。また、提言と同月の平成27年3月に閣議決定された首都直下地震緊急対策推進基本計画では、感震ブレーカー等の普及を加速させる、特に延焼のおそれのある密集市街地における普及率を25%とすることを目指すと記され、感震ブレーカー等の緊急的、重点的な普及促進が図られることが望ましい地域とされた緊急対策区域での設置が促進されており、東京23区では台東区、墨田区、品川区など9区が対象区域とされています。  本区においても、火災の危険性の高い木造住宅密集地域などを対象に、感震ブレーカーの導入について普及啓発に力を入れていくことが重要と考えますが、区の見解をお伺いいたします。  先般、大田区公共施設整備計画が発表されました。ぜひこうした公共施設の改築、改修、リファイン計画に伴い、事業所用の感震ブレーカーの導入も検討していただきたいと要望し、次の質問に移ります。  次に、大田区職員労働組合における組合費の不適切な取り扱い、いわゆる横領問題についてお伺いいたします。  組合費の横領については、既に自由民主党大田区民連合の長野議員、深川議員が議場において質疑を行っておりますが、横領発覚から1年半以上が経過しているにもかかわらず、いまだに刑事告発されていない状況を鑑み、改めて大田区議会全体で問題意識を持って取り扱い、事の重要性について区民の皆様にお知らせするとともに、事件の経緯、原因解明、再発防止、大田区の姿勢など、明確にしていく必要があると思います。  そこでまず、区職員の方々が加入している大田区職員労働組合が徴収している組合費の年間収支額を含む性格及び使途についてお伺いいたします。  組合のホームページには、大田区職労規約が紹介されており、規約第2条目的、「この組合は職員の勤務条件の維持改善を図ることを主たる目的として強固な団結の力によって、組合員の利益を守る日常闘争と都区政の民主化を図る戦いを展開し闘争を通じて労働者階級の連帯性を強め労働者階級の解放に寄与することを目的とする。この目的を遂行するため組合は組合民主主義の原則にもとづいて統制ある行動と円滑なる運営を期する」と記されています。今回の事件は、ここに記載の組合存立の目的に同意し、志を持って組合費を納めている区職員の思いを故意に踏みにじる大事件であると思います。  こうした一部の組織運営の不備を目の当たりにし、現実的に組合から脱退した職員も多いのかと思いますが、事件が発覚してからの組合員数の推移についてお伺いいたします。  あわせて、これまでの経過報告、返済の状況、さらに3月末の臨時大会で組合執行部から報告された内容などお伺いいたします。  本事件の発覚から報告までの期間において、本区では大田区長選挙及び区議会議員選挙が行われた時期から推測すると、特定政党を支持している大田区職員労働組合が、体制への影響を考え意図的に報告を遅らせていたとしたら大問題です。そもそもこの事件は大田区職員労働組合内部の問題であり、直接的に大田区に対する管理責任は及ばないものかもしれませんが、一事が万事でこうした不祥事が区職員のモチベーションの低下を招き、さらには区民サービスの減退につながってしまうことが大いに懸念されるところであります。どうか大田区におかれましては、再発防止に向けて強い姿勢で臨んでいただきたいと思うとともに、返金したから解決とするような隠蔽体質を抜本的に改善するためにも、大田区として刑事告発をするべきと要望させていただきます。  次に、本年4月に一部の一般紙に折り込みされた日本共産党大田区議団発行の日本共産党大田区議団ニュース、2016年3、4月に関連して、大田区の産業振興施策及び待機児童解消に向けた取り組みについて伺います。  大田区議会では、去る2月19日から3月25日までの36日間の会期で平成28年第1回定例会が開催されました。この定例会には議案99件が提出され、そのうち平成28年度大田区予算案については予算特別委員会を設置し集中的な審査が行われたほか、議員提出議案及び委員会提出議案、請願・陳情等の審査が行われました。この模様につきましては、4月24日発行のおおた区議会だよりナンバー218に掲載されており、区民の皆様のお手元にあまねくお届けされていることと思います。この11ページには、第1回定例会において、意見が異なった議案などに対する各会派の態度が一覧表記されていますが、これを見ると、平成28年度予算及び平成27年度補正予算の一般会計第5次を除く予算案件に対し、日本共産党大田区議団は反対の態度を表明したことがわかります。ところが、ただいま紹介しました日本共産党大田区議団ニュース2016年3、4月では、「区民の皆さんと党区議団の提案との共同で新年度予算で実現しました」との大見出しがありました。  先ほど区民の皆様にお示ししましたように、平成28年度予算及び平成27年度補正予算の一般会計第5次を除く予算案件に対し、声高らかに反対をされているにもかかわらず、どうして党区議団の提案で新年度予算で実現などと宣言することができるのでしょうか。甚だ疑問に思います。また、このニュースの裏面には、新年度予算に反対した理由がるる述べられておりますが、その一つに、「産業経済費は予算全体の僅か1.46%です。新年度予算には、従来の施策だけであり、ものづくり産業実態調査の結果を活かしていないことも問題」との記述があります。  大田区ものづくり企業等の実態を把握することは、今後の産業振興施策を検討していく上で大変重要な取り組みであると考えます。この平成26年度大田区ものづくり産業等実態調査の報告を検証し、区は、今年度基幹産業であるものづくり産業の振興に対しどのような施策を推進していくのかお伺いいたします。  また、ものづくり産業の振興には、他地域や関係団体と連携を図り、関係を構築していくことも重要であると思いますが、区の取り組みをお伺いいたします。  次いで、「待機児童ゼロの提案に自民、公明、民主、維新などが反対」との記述について申し上げます。公党が匿名のブログ記事を公式なニュースに記載するのはいかがなものかと思いますし、日本共産党大田区議団が提案された予算編成替えの動議に反対した政党、会派に対し、「など」とあやふやな表現でごまかすのは大変失礼なことだと思います。それよりも何よりも、60億円で20か所の認可保育園を開設するための具体的な土地、建物の購入計画や保育士の人員確保などについて、大田区と検討を重ねた経緯もなく、数字のやり繰りだけであたかも待機児童ゼロを促進できるような、まさに基本構想のない提案には到底賛成することはできませんし、このことこそ区民の切実な声に耳を傾けない姿と言えるのではないでしょうか。  大田区において、待機児童解消に向けた取り組みは重点課題と認識しております。そこで、改めてお伺いいたします。まず、日本共産党大田区議団が主張する20か所の認可保育園開設補助に60億円を計上するに当たり、所管こども家庭部との具体的な協議はありましたでしょうか。また、今年度予算で本区が推進する保育サービス枠の拡充に資する施策について、改めてお示し願います。  日本共産党大田区議団ニュースに記載の内容の一部に整合性がないことは、後ほど明白になることと思います。このほか、意図的に氏名をたすきがけし街頭演説を行う日本共産党の予定候補を見かけますが、この中には明らかに公職選挙法第143条に定める文書図書の掲示に違反するものもあると確認をいたしました。どうか日本共産党の皆様におかれましては、こうした区民を欺まんする姿勢を改め、区制70周年に向け、否、2020年のオリンピック・パラリンピックを目指し、行政と議会が車の両輪となって、大田区の繁栄と区民の生命と財産を守る政策を推進するとの姿勢に改めていただき、ご尽力くださいますよう心からお願いするところでございます。  ここまで行きどまり道路の緊急避難路整備事業、住宅における感震ブレーカーの設置啓発、大田区職員労働組合における組合費の不適切な取り扱い、大田区の産業支援、待機児童解消に向けた取り組みなど5項目について質問をさせていただきました。おおた未来プラン10年で掲げる将来像を実現していくため、あらゆる知恵を集約し、価値的な行政運営に望まれることをご期待申し上げ、大田区議会公明党田村英樹の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○勝亦 副議長 理事者の答弁を求めます。 ◎松原 区長 私のほうからは、ものづくり産業等実態調査の結果を受けたものづくり産業の振興に対する区の施策についてのご質問にお答えをさせていただきます。  本調査の結果、区内外から仕事を受注し区内のものづくり企業に仕事を流す、いわゆるコネクターハブ企業の重要性や、多数の区外企業に大田区への新規立地意向があることについて明らかになりました。この結果を踏まえて、区は区内のコネクターハブ企業などに直接訪問し、立地上の課題を把握するとともに、補助事業の活用などによる持続的操業の支援を行っています。今年度は、さらに区内のコネクターハブ企業等の拡張意向や、区外企業の大田区への立地需要に応えるため、不動産情報の収集を強化し、マッチングに必要な基礎情報を把握するための予算を計上しております。あわせて、区内での工場の新築や改修、移転等に対する補助事業についてより使いやすくするとともに、予算も拡充しております。こうした取り組みを通じて地域産業へ波及効果をもたらす区内企業への立地の継続や、区内企業の誘致を促進し、区内ものづくり産業の活性化を図ってまいります。私からは以上です。 ◎川野 企画経営部長 私からは、公共施設などの整備における関連する地域の避難路などの確保に関するご質問にお答え申し上げます。  大田区では、公共施設の整備におきまして、周辺地域の防災上の観点も踏まえ施設整備を行っているところでございます。平成23年度に竣工いたしました大田区総合体育館では、行きどまり通路となっております周辺の状況を考慮いたしまして、敷地内に避難経路を確保するための非常時に使用できる扉などを設置しております。また、田園調布富士見会館では、付近に居住されている皆様がご使用されております行きどまり通路からの避難経路といたしまして、敷地内の通路を利用できるように配慮をしているところでございます。今後も、公共施設の整備に当たりましては、周辺地域の防災上の観点に十分配慮し取り組んでまいります。私からは以上でございます。 ◎玉川 総務部長 私からは、職員労働組合に関する2問についてお答えいたします。  まず、大田区職員労働組合が徴収している組合費の性格及び使途についてのご質問でございますが、組合費は、組合規約によれば、組合員の労働条件の改善に係る事業等に使われることとされてございます。平成27年度の収支でございますが、組合の決算書によれば収入総額は約1億8556万円で、組合費の約1億3000万円が主な収入となっております。一方、支出総額は約1億5908万円で、最も多いのは自治労や特区連などの上部団体等組合費で約7295万円となってございます。このほか、書記職員給料費として4人分で約2181万円、在籍休職専従費として1人分で約965万円などが主なものとなってございます。  次に、組合員数の推移と事件の経過、返済状況、臨時大会における報告内容についてのご質問でございます。まず、組合からの脱退状況でございますが、事件発覚後、約200名を超える職員が脱退した模様です。また、返済状況でございますが、横領された組合費と金利相当分の1%を加えた額、2462万9424円の全てが本年3月29日までに返済されたと報告を受けてございます。なお、本年3月26日に開催された臨時大会におきまして、再発防止策として第三者を含む検証委員会を設置し、最終提言を本年10月の定期大会に提出すると聞いております。私どもとしましては、基本的に組合内部の不祥事ではございますが、大田区と銘打った組織が起こした事件であり、区民の誤解、区に対する信頼を損ね、かつ職員の意欲にも悪影響を及ぼしかねないものとして極めて遺憾である旨を組合執行部に対して重ねて伝えているところでございます。私からは以上でございます。 ◎齋藤 危機管理室長 私のほうからは、防災に関するご質問についてお答えをいたします。  行きどまり道路を有する自治会等への指導に関するご質問につきましては、区では、昨年度全戸配布しました「命を守る3点セット」の「防災地図―震災編―」を活用しまして、自宅から避難所、避難場所までの安全な経路を記載していただくよう、防災訓練や講話、区報等で広報するとともに、大田区全図版の防災地図にて延焼火災発生時における避難場所までの避難道路を記載しています。また、避難経路を確認する実践として、地域や学校等の主催により、災害発生時に危険となる箇所を確認するまちなか点検を実施しておりまして、その場に職員を派遣しております。その際には、行きどまり道路等は特に注意して確認する等、参加者に防災の視点を持っていただき、一人ひとりが我が家の防災地図を作成できるよう支援をしてございます。  続きまして、感震ブレーカーに関するご質問でございますが、現在、「どこでも防災教室」や各地区の防災塾等の講話の機会を活用し、自助による対策として感震ブレーカーの重要性を訴えております。また、各地域で実施している防災訓練において、感震ブレーカーのPRとして昨年度改訂した「防災用品あっせんのご案内」を配布してございます。区では、大田区商店街連合会のご協力を得て、平成27年1月から防災用品のあっせんに感震ブレーカーを取り入れてございます。これまでの実績は、あっせん開始から平成28年3月までの間で46個を購入していただいております。今後も、消防署との防災事業に関する打ち合わせ会等で議題に上げ、啓発への取り組みについて協議検討を進めてまいります。あわせて、区民が理解しやすい資料を作成し、地域訓練や講話等の機会を通じてこれを活用した周知を継続して行い、より多くの区民に対して感震ブレーカーの重要性に対する理解をさらに深めてまいります。私からは以上でございます。 ◎近藤 産業経済部長 私からは、ものづくり産業の振興に係る他地域や関連団体との連携に関するご質問についてお答えをさせていただきます。  区は、ものづくり産業の集積を持つ他自治体等との連携を図り、お互いの特徴を生かして相乗効果を生み出すことでイノベーションの創出やシティセールスの強化につながるものと考えてございます。そのため、中小企業都市連絡協議会や、産業のまちネットワーク推進協議会にも積極的に参加いたしまして、ものづくり産業の振興について情報交換や調査、提言などを行っておるところでございます。また、一例ではございますが、医工連携の分野では、大田区、文京区、川崎市がそれぞれの強みを生かして医療機器産業及びものづくり産業の活性化を目指す医工連携自治体協議会の取り組みを今年度本格化させていきます。今年も3自治体による医工連携展示・商談フェアを開催する予定となっており、その中で大田区のものづくり産業について十分に発信してまいりたいと考えております。今後も引き続き、地元産業団体はもとより、他自治体との連携を密にするとともに、日本貿易振興機構など、蓄積したノウハウを持つ公益団体との連携を構築し、海外展開も含めた大田のものづくり産業の振興を図ってまいりたいと考えてございます。私のほうからは以上でございます。 ◎後藤 こども家庭部長 私からは、平成28年度の予算編成がえに関する協議の有無及び今年度予算で推進する保育サービス定員拡充についてお答えいたします。  まず、議員お話しの保育所整備に係る予算編成替えに関しては、所管部として協議した事実はございません。
     次に、今年度当初予算での保育所整備の取り組みといたしましては、認可保育所7施設、小規模保育所1施設、認証保育所1施設、グループ保育室1施設、事業所内保育所1施設を整備し、合計500人の保育サービス定員の拡充を計画しております。なお、この当初計画につきましては、今年度の待機児などの分析を加え、改めて内容について検証しているところでございます。今後も、認可保育所をはじめとした多様な保育サービス基盤を拡充することで待機児解消を図り、仕事と子育ての両立支援など、安心して子どもを産み育てることができる地域社会の実現を目指してまいります。私からは以上です。 ◎町田 都市開発担当部長 私からは、木造住宅密集地域などに感震ブレーカー導入の普及啓発に関するご質問にお答えいたします。  木密地域の延焼火災の危険性を解消するには建物の不燃化を進める必要があり、区では、東京都の不燃化特区の指定を受けた地区を対象に助成制度を設け、耐火性の高い建物への建て替え促進に取り組んでございます。また、木密地域においては、大規模地震の際に電気火災も多く発生していることから、火災そのものの発生を防ぐことが重要となります。停電から復旧した際の通電火災を防止する感震ブレーカーは効果的であるため、その設置を進めていくことは必要と考えてございます。まず、木密地域における通電火災防止の重要性を啓発するチラシを作成し、ホームページに掲載するほか、木密地域の特別出張所や高齢者施設で周知をいたします。  次に、地域力推進地区委員会やシニアクラブなどの席で、建て替え助成制度のPRや、個別訪問の機会を捉えて感震ブレーカーの効果の説明やあっせん制度を紹介してまいります。さらに、防災危機管理課と連携し、木密地域における出前講話においても、自助による事前の防災対策として感震ブレーカー設置を働きかけるなど、様々な機会を活用して普及啓発活動を強化してまいります。以上でございます。 ○勝亦 副議長 次に、43番荻野 稔議員。                  〔43番荻野 稔議員登壇〕(拍手) ◆43番(荻野稔 議員) 東京維新の会大田の荻野 稔です。区議会に送り出していただき、1年がたちました。多くの皆様方に心より感謝を申し上げるとともに、今年も気を引き締めて大田区の諸課題に取り組んでいく所存でございます。  また、昨日は先輩である長野議員からおめでたい報告があり、同期の荒尾議員も先日ご結婚されました。よって、1期生の独身は私を入れて2人となりましたが、もう一人の松原元議員が地域猫に触れるということで、動物愛護については虐待、不要な繁殖を避け、殺処分を減らすための取り組みについてお伺いいたします。  さて、以前区内で起きた動物を虐待、殺害した事件が報道された際、区にも問い合わせがあったと聞いています。動物虐待は、インターネットの普及も伴い注目を増してきました。そのきっかけの一つに、2002年に起きた福岡猫虐待事件があります。犯人が子猫を虐待、殺害した写真を実況中継のようにネット上に公開したこの事件は、逮捕や実刑を求める嘆願書が3000通を超え、裁判にも多くの方が傍聴に駆けつけるなど社会問題にもなり、犠牲になった野良猫にはネット上で「こげんた」という戒名がつけられました。動物愛護管理方針につきましては、以前公明党の岡元議員からも質疑がありましたが、虐待問題は警察、司法の管轄も大きく、自治体の重要な役割として普及啓発があると考えます。動物愛護関連記事が5月発行の大田区報でも掲載されましたが、現状、動物虐待に対する大田区の広報は少ないと思います。大田区の動物虐待への認識と区の果たすべき役割について見解をお伺いいたします。  次に、不妊・去勢手術助成についてお伺いします。大田区猫の去勢・不妊手術助成要綱にあるとおり、区では、獣医師会が提出した名簿に記載のある獣医師を区長が指定した指定獣医師が猫の去勢・不妊手術を行った場合、飼い猫に対して雄が3000円、雌が6000円を区が補助し、さらに双方に獣医師会負担金が加わります。飼い主のいない猫の場合は、雄、雌ともに倍の額を補助します。27年度から増額され現在の額となった制度の実績についてお答えください。  また、区内の約6割にとどまる指定獣医師の勤務する動物病院にだけ補助金が出されてよいのかとの疑問もあり、もっと使いやすい制度にするべきだとのご指摘も、以前自民党の松原議員から行われたところです。区から指定を受け助成を受ける指定獣医師には規定に沿った対応が望まれますが、飼い主のいない猫の手術を断られたというお話も以前お聞きしました。増額に当たり、区は獣医師会とどのような取り決めを行いましたか。要綱に、「区長は指定獣医師がこの要綱の目的に反すると認めたときは指定を取り消すことができる」とあります。問い合わせがあった場合どのように対応いたしますか、お答えください。  続きまして、ふるさと納税についてお聞きします。  指定した自治体に寄附をすることでお礼をもらえることから、現在は過熱した名産品アピール合戦と化しているこの制度、23区でも7区が返礼を行ってはいますが、私は都民、大田区民はこの制度上損をしていると考えています。例えば、中野区は10月から開始予定の返礼を、赤字になるとの懸念から区民は当面対象外にするとしました。ふるさと納税制度の利用者を出した自治体は、金額から2000円を引いた分が減収になりますが、地方交付税で75%は補填されますので、結果25%分が減収となります。一方、寄附扱いされるため、地方交付税の算定式の上で収入としては算定されず、ふるさと納税を受けた自治体は返礼品と寄附額の差額がそのまま利益となります。  東京23区は地方交付税の直接の交付団体ではなく、都が不交付団体なため、2000円を残し、ふるさと納税分の額は出ていきます。23区には都区財政調整制度もありますが、もともと区民の税金を都が集め再分配する制度であるため、ふるさと納税の利用が進むほど税金が流出していくことに変わりがなく、返礼のない大田区は特に不利益があると思います。  大田区におけるふるさと納税の実情、減収はどれほどですか。また、この制度について区の見解をお示しください。  以上で質問を終えます。ご回答よろしくお願いいたします。(拍手) ○勝亦 副議長 理事者の答弁を求めます。 ◎川野 企画経営部長 私からは、ふるさと納税の実績及び減収に関するご質問にお答え申し上げます。  平成27年中に区民の方がふるさと納税制度を利用し、平成28年度に特別区民税から税額控除されるのは、金額として約7億4000万円、件数にして1万4000件でございます。一方、大田区では、ふるさと納税とそれ以外のご寄附を明確に区分しておりませんが、個人からのご寄附をいただいたものをふるさと納税とみなして集計いたしますと、平成27年度につきましては金額で31万5000円、件数では7件となってございます。また、ふるさと納税について区はどのように認識しているかとのご質問でございますが、ふるさと納税制度は、生まれ育ったふるさとを寄附により応援するという趣旨で創設されたものでございます。しかし、現状では本来の趣旨から外れ、高額な返礼品を用意することによって寄附金を募る自治体間競争を過度に助長しているという指摘もございまして、区としても改善の余地がある制度だと認識しているところでございます。私からは以上でございます。 ◎渡邉 保健所長 私からは、動物愛護についてお答えいたします。  まず、区における動物虐待への認識についてですが、環境省が示す動物虐待の例には、動物に対する意図的暴力やネグレクトなどの行為が挙げられております。区といたしましても、この例示に準じて判断しております。区の果たすべき役割としましては、動物の虐待防止及び動物による人への危害防止などの観点から、飼い主へ適正飼養について普及啓発するとともに、区民からの通報や問い合わせには速やかに現場確認を行い、指導を行うとともに、犯罪性が認められる場合には警察と連携して対応しております。なお、昨年度は虐待が疑われるという情報提供が8件ありましたが、速やかに調査を行った結果、実際に虐待が行われていたケースは1件もございませんでした。今後は、区報やホームページなどに動物虐待防止に関する内容を盛り込み、啓発方法を充実させてまいります。  次に、猫の去勢・不妊手術の平成27年度の実績につきましては、飼い猫及び飼い主のいない猫を合わせて1643匹に対して手術を行い、これに対する区の助成金額は969万3000円となりました。手術数につきましては、前年度から270匹の増加になっております。  次に、区と東京都獣医師会との取り決めについてですが、区長が指定した指定獣医師は、飼い猫及び飼い主のいない猫にかかわらず、猫の去勢・不妊手術を実施するということを改めて確認しております。区民から飼い主のいない猫の去勢・不妊手術を指定獣医師から断られてしまったとのお問い合わせをいただいたときには、速やかに獣医師会に照会をし、事実確認を行います。その結果、当要綱に反する行為が認められた場合には、獣医師会へ改善策を講ずるよう指示するとともに、しかるべき対応をいたします。私からは以上です。 ○勝亦 副議長 次に、44番三沢清太郎議員。                  〔44番三沢清太郎議員登壇〕(拍手) ◆44番(三沢清太郎 議員) 東京維新の会大田の三沢です。私からは3点質問をさせていただきます。よろしくお願いいたします。  まず最初に、館山さざなみ学校の今後の方向性についてお尋ねをいたします。  館山さざなみ学校に関しましては、これまでも本議会や各委員会等で様々な質疑が行われてまいりました。平成25年3月には、大田区立館山さざなみ学校の今後のあり方に関する報告書が検討委員会によって取りまとめられ、今後の寄宿舎生活を前提とする本校の利用が増加に転じる可能性は低いこと、また、本校の成果は実に大きいものがあったが、時代の変化によりその使命を終えたものと結論づけざるを得ない状況であることが報告されました。ちなみに、この報告書が取りまとめられた平成25年には25人の児童がおりましたが、平成28年度には23人の児童が在籍をしており、さらに若干名の児童数の増が見込まれているとお聞きをしております。これだけ聞くと児童数が下げどまったようにも感じますが、学年別で見てみると、6年生が15名と大半を占めており、今年度卒業後には児童数が10人に満たない状況が見えてまいりました。  ここまで児童数が減ってしまうと、新たな問題が浮上してまいります。学年ごとにクラスを持つことができなくなり、複数学年を一つに束ねた複式学級に移行せざるを得ないという現実です。複式学級そのものは、日本全国のへき地を中心に実施されており、その有用性は認められているところではございますが、一方で、教師が複数学年にまたがる児童たちに十分にきめ細かい指導を行う時間を確保しづらかったり、対人関係で葛藤する機会に恵まれなかったり、適度な競争意識を経験できなかったりする弊害が指摘をされております。どれだけ本校がすばらしい教職員と自然環境に恵まれているといっても、卒業した暁にはどこかしらの中学校に通わなくてはなりません。対人関係の葛藤する機会に恵まれなかった児童たちが、果たしてスムーズに中学校になじむことができるものでしょうか。  もちろん、IT技術を駆使したり、人的交流などを通じて対人関係の経験を積むことは可能かもしれません。現に昨年は山王小学校の生徒たちが野球やバーベキューを通じて交流を深めており、すばらしい経験だったと両校の生徒たちから直接聞いておりますので、複式学級になってもある程度デメリットをカバーすることができるかもしれません。  しかし、果たしてこのようなデメリットを受け入れてまで本校に児童を通わせなければならないものでしょうか。平成28年度の児童数23人のうち、肥満と偏食は合わせて20人となっており圧倒的過半数を占めています。これらの病態は生活習慣病に位置づけられますが、児童のみを分離して食生活を改善したところで、保護者への啓発が不十分であれば効果は限定的です。むしろ親子一緒に生活指導を行ったほうがよいとさえ言えることから、少人数学級のリスクを新たに抱え込んでまで本校に入学させるメリットは少なくなってきているのではないでしょうか。仮に複式学級のリスクを克服したとしても、今度は事業コストの問題が出てまいります。今現在、本校の在籍児童1人当たりのコストは約500万円近くかかっておりますが、仮に来年1人の入学者もなく児童数8人体制になったとして、特別支援学校費や区職員人件費が変わらなかったとすると、在籍児童1人当たりのコストは約1300万円にまではね上がることになります。これは、大田区立小学校在籍児童に係る1人当たりのコスト約35万円と比較して、実に約37倍ものコストが発生していることになります。言いかえると、本校1人の児童にかかるコストは、大田区立小学校1クラスにかかるコストとほぼ同額であるということになります。果たしてこのような膨大なコストをかけることは妥当なものでしょうか。  ここで質問いたします。複式学級になる可能性のある現状について、そして本校1人当たりのコストが大田区立小学校1クラス並みになる見通しについて、理事者の見解を教えていただけますでしょうか。また、館山のさざなみ学校に関する今後の方針についてお聞かせいただけますでしょうか。大田区の有権者にも、本学を利用しているご家庭にもご理解、ご協力いただける回答を期待いたしまして、次の質問に移らせていただきます。  続きまして、ドッグランの整備についてお聞きいたします。  昨今、本区でも犬を飼っているご家庭が増えてきており、現在は約2万7000頭が飼育をされております。年々増え続ける要因として、集合住宅でも犬を飼えるところが増えたことや、単身世帯での飼育が増えてきたことが挙げられますが、根本的な理由は、犬との生活で癒やしを得られるから飼うという方が増えてきているからではないでしょうか。このように家族同然に犬に愛情を注がれている愛犬家にとって、愛犬に少しでも健康的な生活を送らせてあげたいということから、多くご相談をいただくのが大田区にドッグランを増やしてくれないかというものです。現在、大田区には城南島海浜公園と大井ふ頭中央海浜公園の2か所にドッグランがありますが、ともに臨海部に存在し、愛犬家の誰もが気軽に来られる場所とは言えません。  そこで、候補地として考えられるのが多摩川の河川敷です。多摩川河川敷は、スポーツ愛好家にとても親しまれる場所ですが、未整備の箇所がまだまだあるように見受けられます。そのような場所にドッグランを設けることができれば、愛犬を思い切り走らせてストレス発散させることができ、ひいては満足する愛犬を見て飼い主も満足し、大田区に住んでよかったと一層思っていただけるのではないでしょうか。確かに多摩川は国土交通省関東地方整備局京浜河川事務所が管理しており、本区の一存で決めることはできません。また、洪水時のことを考え、河川敷内の施設は可搬式または転倒できる構造物に制限をされております。しかし、管理については本区が国と協議すれば実現可能性があると思いますし、構造物についても転倒式の柵や休息施設が充実をしてきておりますので、課題は少ないものと思慮しております。  初期コストや維持コストの問題もございますが、利用者に数百円の利用料をご負担いただくことである程度はカバーできるかもしれません。さらには、昨今、大震災後に避難所でペットと一緒に暮らせないという問題がクローズアップをされました。避難所に入れず車中等で過ごさざるを得なかった愛犬と愛犬家のストレスは非常に大きく、つらかったことでしょう。もしドッグランが多摩川河川敷にあれば、愛犬家にも犬を飼っていないご家庭にとってもストレスの軽減が可能になるのではないでしょうか。  そこで質問いたします。多摩川河川敷にドッグランをつくることをご検討いただきたいのですが、できるようにするためにどのような知恵や工夫が必要か教えていただけますでしょうか。  最後の質問は、カラスがごみ袋を荒らす問題についてです。  これまで本区では防鳥ネットを貸与したり、ごみ箱でのごみ出しを推奨したり、カラスの巣の撤去を実施したりと様々な対策を実施いただいております。しかし、それでもなおカラスがごみ袋を荒らして困るという相談は後を絶ちません。そこで、ほかの自治体での対策を調べてみると一定の有効性が認められる対策として、黄色いごみ袋というものがございました。この黄色いごみ袋は、動物形態学の専門家と香川県に本社のある化学メーカー2社が共同開発した、人には中身が見え、カラスには見えない黄色い半透明ごみ袋のことを指します。何でも、人間の視覚では袋の中身が見えてもカラスの目には見えないため、カラスがごみを荒らすことが少なくなる代物のようで、30以上の自治体で導入が進んでいるようです。  そこで質問をいたします。本区でも試験的導入をご検討いただきたいのですが、理事者のご見解をお聞かせいただけますでしょうか。  以上、3点の質問をさせていただきました。理事者におかれましては簡潔明瞭、そして前向きな回答を期待いたしまして、私からの質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手) ○勝亦 副議長 理事者の答弁を求めます。 ◎荒井 都市基盤整備部長 私からは、多摩川河川敷へのドッグラン整備についてお答えします。  多摩川河川敷については、区が国土交通省から占用して治水上の制約の中で整備し、区民のための公園やグラウンドとしてほぼ利用し尽くされております。そのため、現状ではドッグラン整備は難しいと考えております。多摩川河川敷ドッグランを整備するためには、次の三つの課題がございます。1点目は、多摩川河川敷における治水管理上の工作物設置の制約があることでございます。その制約を考慮の上で、ドッグランに必要な広い敷地を確保し、しっかりとしたフェンスを設置して一定の面積を囲い、二重扉の出入り口や犬用水飲み場、排水施設や利用者の駐車場などを確保することは難しい課題であります。2点目は、ドッグラン施設の運営管理上の問題でございます。多摩川河川敷では人員を常時配置することが困難なため、秩序ある施設運営が難しい状況でございます。3点目は、犬のしつけや愛犬家のモラルの向上です。ほえ声などの騒音対策、戸外での排泄物の処理、公園等でのほかの利用者への配慮などが必要でございまして、広く区民の理解を得ることが不可欠と考えております。私からは以上でございます。 ◎市野 環境清掃部長 私からは、ごみ集積所におけるカラス対策についてのご質問にお答えをいたします。  ごみ集積所を清潔に保ち、まちの美観を維持するために、カラスなどへの対策は重要であると認識をしてございます。これまでも防鳥ネットの貸し出しをはじめ、カラスの餌となる生ごみの減量に向けた食品ロスについての啓発を行うなど対策に取り組んでまいりました。加えて、高い技術力を持つ区内事業者との連携により、清潔で取り扱いやすく、コンパクトに収納できる立体型防鳥ネットの開発に現在取り組んでいるところでございます。開発した製品につきましては、自治会・町会、商店会などの区民団体に貸し出し、設置の拡大を図ることで、国際都市おおたにふさわしいまちの美観づくりを進めてまいります。今後も他の自治体の取り組み事例なども参考にしながら、カラス対策の充実に努めてまいります。私からは以上でございます。 ◎水井 教育総務部長 私からは、館山さざなみ学校の今後のあり方に関する3点のお尋ねについて一括してお答えさせていただきます。  館山さざなみ学校は、児童の肥満解消やぜんそく、偏食、虚弱体質の改善を目的に、昭和58年に開設されました。開設当初は119人の児童が在籍しておりましたが、本年6月1日現在の児童数は23人であり、議員ご指摘のとおり、6年生が卒業すると在校生が10人を下回る可能性がございます。平成25年の館山さざなみ学校の今後のあり方検討委員会報告書では、館山さざなみ学校の成果を認めつつも、時代の変化によりその使命を終えたとし、今後は区内における健康事業を強化することで児童の健康回復を図っていく方向性を示しました。大田区教育委員会では、前述の報告書に示した方向性を踏まえ、児童の健康課題への対策や、館山さざなみ学校在籍児童の受け皿などについて検討を続けているところでございます。 ○勝亦 副議長 会議が長くなりましたので、しばらく休憩といたします。                      午後0時1分休憩                ――――――――――――――――――――                      午後1時開議 ○大森 議長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質問を続けます。  16番高山雄一議員。                  〔16番高山雄一議員登壇〕(拍手) ◆16番(高山雄一 議員) 自由民主党大田区民連合の高山雄一です。質問通告に従って質問させていただきます。  まずは、防災について質問いたします。  4月に起きた熊本地震では、報道によると49名が亡くなり、1人がいまだ行方不明、関連死の疑いが20名で、負傷者が1800名以上、現在も7000名以上が避難生活を送っており、大変大きな被害となっています。しかし、これは決して他人事ではなく、ここ首都圏においても首都直下地震はいつ起きてもおかしくない状況だと言われております。大田区においても、地域防災計画を策定し、いつ起きてもおかしくない震災、災害に備えて様々な取り組みを行っていることは高く評価していますが、熊本地震において指摘されているいくつかの問題点について区としての取り組みをお伺いさせていただきます。  熊本地震では、避難所が使用できなくなったところが多数発生したと報道されています。大田区では、全国に先駆けて平成7年から12年の間に区立の小中学校の耐震化を行いましたが、補強後20年近くも経過しており、そしてまた熊本地震のようなことが起こらないとは言い切れません。避難所が使用できない状況が生じることは十分あり得ると考えられます。また、熊本のように大きな揺れが何度も続くと、本来避難所に来ないはずの人たちが不安で避難所に集まってくることが予想されます。区の地域防災計画では、91か所ある学校避難所だけで不足する場合、あるいは避難所が使用できなくなった場合に、都立や私立の高等学校をはじめとする協定締結団体及び区の施設などに補完避難所を開設することとしていますが、ただ協定を結ぶだけでなく、必要なときにすぐ対応できるように準備しておかなければなりません。区内の都立や私立の高等学校は面積的にも大きく、そのほとんどが改築整備されていると思いますので、補完避難所として開設する可能性は十分に考えられます。  そこで伺います。補完避難所の開設に備えて具体的な検討はなされているのでしょうか。区の取り組みについてお答えください。  災害は、高齢者や障がい者ら、いわゆる災害弱者にとってはとりわけ厳しい避難生活を強いられることになります。そうした災害弱者を受け入れる避難所として、災害対策基本法に基づき福祉避難所を指定することになっています。大田区でも、現在福祉避難所として区内の特別養護老人ホームなどのうち、区立3施設、民立12施設、合計15施設、障がい者施設としては19施設が区との協定を締結した上で福祉避難所として指定されています。報道によれば、今回の熊本地震では熊本市内で福祉避難所としてあらかじめ176施設を指定し、約1700人を受け入れられるとしていたところ、災害直後の最も支援が必要とされる段階で実際に福祉避難所として開設できたのは176施設のうち34施設、受け入れられた人数は約1700人のうち104人にとどまったとのことであります。  一方、大田区地域防災計画では、福祉避難所の新たな指定に向け協力依頼に努めるなど、整備を進める方針を打ち出しています。福祉避難所が一つでも多く指定されることはとても心強く感じますが、ただ、熊本地震の経験から酌まなければならないと考えるのは、数を増やすことも大事ではありますが、それ以上に福祉避難所として実際に機能するかどうかだということではないでしょうか。災害に際して実際に福祉避難所が開設できなければ、災害弱者にとって無意味であることは言うまでもありません。  そこで伺います。実際に機能する福祉避難所の整備に向けた区の取り組み状況についてお答えください。  次に、新空港線「蒲蒲線」について伺います。  平成28年4月20日に交通政策審議会陸上分科会鉄道部会による「東京圏における今後の都市鉄道のあり方について」の答申が15年ぶりに公表されました。答申では、新空港線について矢口渡から京急蒲田までの事業計画の検討は進んでおり、事業化に向けて関係地方公共団体、鉄道事業者などにおいて費用負担のあり方について合意形成を進めるべきと記載されました。答申に記載されている24プロジェクトのうち、都内のプロジェクトで何々すべきと記載されたものは新空港線を含めて6路線のみとなっており、新空港線が高い評価を受けたことと認識しております。この新空港線が整備されることによって、区内移動利便性の向上、羽田空港と都心、副都心間のアクセス強化、災害時の代替ルートなど、多くの役割が期待でき、早期整備に向けた期待が高まっていると感じています。  しかしながら、区内の移動利便性が格段に向上すると期待が高まっている一方で、東急多摩川線沿線では、東横線や目黒線が乗り入れてくることによって、今まで停車していた各駅が通過されてしまうのではという心配や、電車の本数がさらに増えて開かずの踏切になってしまうのではないかとの心配の声も上がっています。現在、多摩川線は3両編成です。新空港線が整備されて多摩川線が京急蒲田地下駅までの1駅伸びての運行だけであれば問題ありませんが、都心、副都心からの利便性向上のため、8両編成や10両編成の東横線や目黒線、あるいはその先の地下鉄などが多摩川線を経由して新空港線へ乗り入れてくることになると、現在の駅の長さでは多摩川線の沿線には停車できる駅がありません。したがって、通過していくだけなのではないかと考えてしまいます。多摩川線の沿線の住民が不安に思っているのはこの部分であります。  鉄道会社は、渋谷から空港まで何分、池袋からは何分などと時間を競い、少しでも停車駅を少なくして空港までの時間短縮を競うはずですが、新空港線の整備が大田区にとってより利益のある開発にするためには、多摩川線の駅に一つでも多く停車するよう強く要望していく必要があると考えます。  また、新空港線の整備が実現すれば、JR、東急蒲田駅と京急蒲田駅が地下でつながるため、例えば京急蒲田のアーケード商店街では、商店街を訪れる人が減るのではないかといった懸念もあります。首都圏全体の利便性の向上はもちろん重要ですが、区民にとっても大きなメリットとなっていかなければなりません。ぜひこのことを念頭において計画を進めていただきたいと要望いたします。  鉄道が整備されても、地元大田区への恩恵がないのであれば本末転倒になってしまいます。新空港線の整備とあわせ、地域の活性化と来訪者の回遊性向上を図るべきだと考えます。こうした課題に対する区の見解をお聞かせください。  東急多摩川線の沿線駅での1日の平均利用客数は、下丸子駅が約3万8000人と最も多く、2番目は武蔵新田駅で約2万5000人となっています。特に、下丸子駅は利用客の割にはホームの幅も狭いため、朝夕の通勤時間帯の混雑時にはホームには人があふれ、駅前の踏切では歩行者と車が接触しそうな状況であり、大変危険と言わざるを得ない状態が続いており、これまでも早期改修が求められております。武蔵新田駅においても多摩川沿いに大規模なマンションが建ち並び、年々利用者が増加しております。また、ガス橋通りにある踏切では、踏切を先頭にガス橋通りから環状八号線にかけては朝夕を中心に渋滞が発生しており、地元において長年問題となっております。そういった中、本年3月、環状八号線に接続する都市計画道路補助28号線が、東京都の第4次事業化計画優先整備路線に指定されました。その28号線の整備が進み、池上通りからガス橋通りまでの交通量がさらに増え、踏切での渋滞が深刻化するのではと懸念しております。新空港線の整備も必要と考えますが、同時に駅の再整備や沿線のまちづくりを一体的に進めなければ、新空港線の開通によって増加する鉄道利用需要や道路需要に耐えられず、駅の混雑や道路の渋滞など、地元地域にとってはメリットではなくデメリットが多くなってしまうと考えます。  そこで伺います。新空港線の整備に合わせた今後の多摩川線沿線のまちづくりについて、区はどのように考えているのかお答えください。  区では、昨年OTAフェスタや商い観光展、空の日のイベントなどで新空港線のブースを設置して来訪者に対して周知に努めてきています。今後さらに早期整備に向けた気運を高めるために、また、新空港線に関する理解を深めてもらうためにも、現在の区の計画や今後のスケジュールについてを沿線住民を中心に広く区内に説明し、多くの区民に賛同してもらう必要があると考えています。そのためには、今後さらなる新空港線の周知活動を行っていくべきと考えますが、区の見解をお聞かせください。新空港線の整備が実現することによって、区内の移動利便性が向上するだけでなく、まちづくりと一体となることによって区外からの来訪者が増え、活気とにぎわいのあるまちづくりとなることを期待しています。  続きまして、多摩川の河川敷にある「たまリバー50キロ」について伺います。  羽村市から大師橋付近まで続く約53キロのたまリバー50キロは、道路法による道路として自転車、歩行者が快適に利用できるように、多摩川河川敷道路として区が国から占用の許可を受けて路面の補修、道路脇の草刈りなどの維持管理を行っている場所であり、大田区内では約12キロになります。多摩川河川敷は、私の自宅からも近いのでよく足を運びますが、このたまリバー50キロは、サイクリングやジョギング、ウオーキングを楽しんでいる人、犬の散歩をしている人、自転車通勤や通学に使用している人など、本当に多くの人が利用しています。身近な場所に区民が気軽に体を動かすことができる場所があるのは非常にありがたいですし、今後も多くの区民に利用してもらいたいと思っています。  しかしながら、このたまリバー50キロは、狭いところでは2.5メートルくらいの幅しかなく、時には危険を感じるときもあります。実際に地域の人からも、「自転車にひかれそうになった」、「歩行者とぶつかりそうになって危なかった」などの話をよく耳にします。大きな事故が起こる前に何か対策を立てる必要があると考えます。堤防の上という限られたスペースではありますが、可能な限りもっと舗装部分の幅を広げることはできないでしょうか。あれだけの敷地なので、もう少し有効に活用できたらと考えます。あるいは、堤防の上が拡幅できないのであれば、堤防の下にもう1本道路を舗装するというのはどうでしょうか。実際に六郷橋から多摩川大橋の間は、たまリバー50キロは堤防の下側に整備されていますので、不可能ではないと考えます。このたまリバー50キロですが、大師橋から六郷橋までの約3キロの区間は幅約5.5メートルととても広く整備されており、大変利用しやすい状態となっています。六郷橋から多摩川大橋にかけては約3メートルの幅で堤防の下側に整備されています。少し狭いとは感じますが、この区間は堤防の上には旧堤防通り、旧堤通りと呼ばれる区道が走っており、そこには約3メートルの歩道が整備されています。したがって、利用者が分散されるため、特に混雑することなく、比較的安全に利用されています。狭くなるのはここから上流にかけてであり、多摩川大橋の数百メートル下流から丸子橋にかけての約5キロの区間であります。多摩川大橋からガス橋までの区間では、全区間堤防の上に整備されており、広いところで3.5メートルくらいありますが、大部分は2.5メートルの幅と非常に狭く、また、時間帯によっては利用者も多いためかなり危険な状態となっています。大師橋から六郷橋の間の5.5メートルと比較すると半分以下の幅しかありません。ガス橋から丸子橋にかけても全て堤防の上に整備されていて、こちらも幅は約2.5メートルと非常に狭く、かなり危険な状態であります。  以上のように、このたまリバー50キロ、場所によっては既に広く整備されていますが、狭くて危険を感じる部分もかなり残っています。多摩川という恵まれた環境を最大限活用するためにも、大師橋周辺から丸子橋周辺までの河川敷約12キロのたまリバー50キロが全て拡幅または複線化されることによって、より快適に、そしてより安全に区民が利用できるようになると考えますが、いかがでしょうか。区の見解をお聞かせください。  続きまして、スポーツの推進について伺います。  区では、平成24年3月に「誰もがずっと元気にいきいき 地域の力で未来を築く スポーツ健康都市おおた」を基本理念として、大田区スポーツ推進計画を作成しました。また、平成24年6月30日には、区民がスポーツを通じて健康で豊かに暮らし、まちがにぎわいと活力を増していくことを願い、スポーツ健康都市宣言を行いました。このスポーツ健康都市宣言を記念して「スポーツ健康フェスタ」を平成26年から新たに実施し、区民にスポーツに参加する機会を提供するとともに、主幹団体として協力している総合型地域スポーツクラブの知名度向上を図るなど、地域スポーツクラブの設立、運営支援にも寄与してきました。さらに、昨年の「区民スポーツまつり」では、ブラインドサッカーや車椅子バスケットボールの体験教室を実施したり、今年7月に開催される「スポーツ健康フェスタ」では、ボッチャなどのユニバーサルスポーツの体験コーナーを設ける予定であるなど、健常者だけでなく、障がい者の方々にもスポーツに触れ合う機会を提供し、スポーツを通じた相互理解、相互交流が深まるように取り組んでいます。  ほかにも、区民スポーツ大会の開催など、区はこれまでも積極的にスポーツを推進してきていますが、2020年の東京オリンピックパラリンピックの開催に向けて、さらにスポーツに対する気運を盛り上げるためにも、マラソン大会を開催してはいかがでしょうか。例えば、オリンピック・パラリンピックの開催決定を契機とすれば、次世代に夢とレガシーを残す取り組みにもつながります。さらに、大田スタジアムや大田区総合体育館などの区を代表するスポーツ施設や、2020年のオリンピック・パラリンピックでホッケー会場となる大井ふ頭中央海浜公園の競技場などをスタート・ゴール地点とできれば、より多くの区民に注目してもらうことができ、さらに盛り上がるのではないかとも考えます。大きな幹線道路を使用する場合には警察との調整なども必要となり、簡単なことではないと考えますが、実現すれば区民にとって身近なところにまた一つ目標ができることになるので、すばらしいことではないでしょうか。目黒区では、今年から山手通り、目黒通り、駒沢通りなどを使用した3000人規模の10キロマラソンを開催すると聞いています。ぜひ大田区でも開催できればと考えます。大田区には、既に区が後援となっているマラソン大会、ロードレース大会がいくつかあります。新しく大会を立ち上げるのも一つの方法だと思いますし、後援となっている大会をもっと盛り上げるのも一つの方法だと考えます。  いずれにしても、スポーツ健康都市を宣言した大田区でシンボルとなるような大きなマラソン大会が開催できればすばらしいことだと思いますし、スポーツに対する区民の意識がさらに高まるのではないでしょうか。区の考えをお聞かせください。以上で質問を終わります。(拍手) ○大森 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎齋藤 危機管理室長 私のほうからは、防災に関するご質問についてお答えをいたします。  補完避難所の具体的な検討についてのご質問ですが、区の地域防災計画においては、補完避難所として7か所の区民センター、10か所の文化センターとともに、池上会館等5か所の区民施設を予定しております。さらに、区内7か所の都立高校、4か所の私立高校、一般企業4社とも補完避難所予定施設としまして協定を締結しているところでございます。また、食料と毛布につきましては、従来の備蓄計画を大幅に前倒しして、平成28年度予算で被害想定数に対する整備を完了する予定でございます。これらについては、18特別出張所管内ごとに対応できるよう、地区別分散備蓄計画を整備して推進していきたいと考えております。こうした取り組みの中で、議員がご懸念される万が一避難所が使用できないような状況に陥った場合は、直ちに都立高校が補完避難所として開設できるよう、備蓄品の運搬その他開設するための仕組みについて検討し、整備してまいりたいと考えてございます。私からは以上です。 ◎茂呂 スポーツ・文化担当部長 私からは、大田区でシンボルとなるようなマラソン大会を開催できないかとのご質問にお答えをいたします。  現在、区内では大田区陸上競技協会が主催する大井ふ頭中央海浜公園外周を利用した大田区ロードレースをはじめ、臨海部や多摩川などで各種マラソン大会が開催され、多くの区民が参加しております。大田区だけでなく、全国各地でマラソン大会が開催され、コース設定が魅力的な大会は申し込み開始後すぐに定員に達するなど、マラソンブームが続いております。しかしながら、都内で公道を利用したマラソン大会の開催には、議員お話しのとおり道路規制や道路使用許可、安全確保のための警備体制等々、解決すべき様々な課題もあります。今後、大田区内でシンボルとなるようなマラソン大会の開催につきましては、既に後援している大会の充実を含め、地元警察や道路管理者、陸上関係者等のご意見をお伺いするとともに、目黒区や近隣自治体の体制も調査研究し、その可能性を検討してまいりたいと思います。私からは以上でございます。 ◎中原 福祉部長 私からは、福祉避難所の整備に向けた取り組みについてお答えいたします。  議員お話しのとおり、福祉避難所が災害時に実際に機能するよう、平時から準備を進めることが重要であると認識しております。区は、これまで福祉避難所として必要な備品や消耗品などの配備を進めてまいりました。さらに、障がい者施設におきましては、昨年12月に実施した総合防災訓練におきまして、大森第三中学校に避難した障がいのある方を福祉避難所である障がい者総合サポートセンターに移送する訓練及び福祉避難所開設訓練を実施いたしました。高齢者施設につきましては、昨年度末から福祉避難所の円滑な運営を目指して特別養護老人ホーム等の施設職員と区職員から成る高齢者のための福祉避難所のあり方検討会を立ち上げました。今後は、熊本地震を教訓として、福祉避難所の実効性を確保するため検討会において議論を進め、マニュアルの見直しや備蓄品の施設内での確保、人員配置など、多角的な視点から福祉避難所の整備に取り組んでまいります。私からは以上でございます。 ◎黒澤 まちづくり推進部長 私からは、新空港線整備にかかわる3問のご質問にお答えいたします。  まず第1に、新空港線整備とあわせた地域の活性化、来訪者の回遊性向上についてのご質問ですが、蒲田駅周辺や多摩川線沿線のまちづくりをあわせて行うことで、まちの魅力を高め、地域の活性化を図ることが重要であると認識しております。新空港線が整備されることで、広域的な移動利便性と空港アクセスが向上するため、新空港線沿線は国内外の来訪者を取り込めるポテンシャルのある場所として新たなにぎわいを生み出す契機となります。また、昨年の調査では、新空港線整備により利用者の消費支出など相当な経済波及効果があることも示されております。今後、地域の皆様と協力し、まちの魅力がさらに高まるよう、多くの方に訪れていただけるにぎわいと回遊性のあるまちづくりを新空港線整備とあわせて進めてまいります。  次に、新空港線整備にあわせた多摩川線沿線のまちづくりについてのご質問です。多摩川線沿線のまちづくりは、新空港線整備にあわせて検討すべき重要な課題であると認識しております。議員ご指摘の下丸子駅周辺については、朝夕通勤時間帯の駅構内の混雑、駅前の踏切の危険な状態、また、ガス橋通りの踏切を先頭とした環状八号線まで続く渋滞など、いずれも改善すべき課題でございます。そのため、新空港線整備とあわせ、下丸子駅の改良だけでなく、駅周辺のまちづくりを検討していくべきと考えております。下丸子駅の改良と回遊性にも配慮し、周辺の基盤整備を含めたまちづくりを一体的に行うことで、駅周辺の環境整備、踏切による渋滞の解消、駅機能の高度化が図られ、駅利用客や区民の利便性の向上と安全確保につながってまいります。下丸子駅周辺が安全・安心で快適なまちとなるよう、新空港線整備とあわせて検討を進めてまいります。  最後に、さらなる周知活動を行うべきとのご質問ですが、新空港線「蒲蒲線」整備について、今後、より多くの区民の方々に事業についてのご理解を深めていただくことが大変重要であると考えております。これまで区民の皆様が多く集まる行事等において新空港線の必要性を直接説明してまいりましたが、今後も引き続き丁寧な情報発信を行ってまいります。さらに、事業スキームや費用対効果など、より具体的な内容についてホームページや区報、パンフレットなど様々な手法を活用しながら、区民のご理解をいただけるよう取り組みを強化してまいります。私からは以上でございます。 ◎荒井 都市基盤整備部長 私からは、多摩川河川敷道路の道路拡幅または複線化できないかとの質問についてお答えいたします。  現在、区が管理している多摩川河川敷道路、通称たまリバー50キロは、自然豊かで身近な散策路であることから多くの方々に利用していただいております。しかしながら、一部では十分な幅員が確保されておらず、幅員が2.5メートル前後となっている部分もございます。このようなことから、議員のご指摘のとおり利用者が安全に利用できるような拡幅整備が必要なことと認識しております。この河川敷道路は、多摩川の堤防の一部として構築されており、治水上重要な施設となっております。このため、必要な幅員が確保できるか、また、拡幅に伴って堤防への影響がないかなど現状を確認した上で、拡幅可能な箇所などについて河川管理者である国土交通省と相談、協議してまいります。その上で、多摩川河川敷道路の改修時期や国土交通省の河川の改修時期を捉えて整備の検討を進めてまいります。私からは以上です。 ○大森 議長 次に、5番岸田哲治議員。                  〔5番岸田哲治議員登壇〕(拍手) ◆5番(岸田哲治 議員) 防災対策について質問させていただきます。  先ほどの広川議員、そして高山議員の熊本地震の被害の大きさのお話がありました。改めまして、震災でお亡くなりになられた方々に謹んでお悔やみを申し上げますとともに、被災された皆様に心よりお見舞いを申し上げます。早い復旧・復興がなされ、一日も早く普段の生活に戻られるようにお祈り申し上げます。  今まで熊本地震と呼ばれる地震は、明治22年、1889年7月28日午後11時49分、震源は熊本市西側の金峰山の直下型地震で、マグニチュード6.3と推定され、明治時代における最初の激震で、明治政府が最初に作成した地震被害統計であり、その後の明治24年濃尾地震、明治27年の東京地震、明治27年庄内地震など、大規模地震の被害統計の詳細、各地への地震計の設置のきっかけとなりました。本年3月、大田区耐震改修促進計画の改定があり、「大地震による建物の倒壊から区民の生命や財産を守るため、引き続き計画的かつ総合的に耐震化を促進することを目的とします」とあります。首都直下地震は、震度7が区内では1.4%と推定されています。  そこでまず、大田区の本庁舎など区公共施設はどの程度の震度に耐えられるのか、1回目を耐えても2回目などの数度の地震に耐えて業務の遂行に支障を来さないのか。本年度区本庁舎の耐震工事が予定されています。これは、耐震性はあるものの、揺れ、地震動に対して揺れを少なくする工事と聞いておりますが、揺れはいろいろな条件によりその強さが変わると聞いています。何を想定して、どの程度の揺れを抑えられるのか。揺れている時間は、東日本大震災では東京都内23区で震度は5強で、新宿などの超高層ビルでは最長13分間、最大1.08メートルほど揺れたことが判明しておりますが、本庁舎では3分くらいではないかと考えております。本庁舎が活動している時間は、区民の利用、職員の就労時間などで年間を通しておおむね6割ぐらいではないかと考えております。
     地震が起きる確率と揺れている時間などを考えると、今回の熊本地方の地震を受けて、国、都も直下型地震に対する考え方が変わってきているのではないかと思われます。区としてはどのようにお考えなのか。本庁舎が倒壊しなければ、揺れに対してはもう少し精査してから改修工事を行ってもよいと思いますが、どのようにお考えなのかお伺いいたします。また、その他の建物は耐震性は満たしているものの、地盤など大丈夫なのか、しっかりと対策を行う必要があると考えますが、区はどのようにお考えなのかお伺いいたします。  今回の熊本地震のように、今までの想定と違う2度の震度7が2日間で発生した場合、どの程度の被害が生じるものなのか心配をしております。まずは、住宅の耐震化率100%を早く目指すべく取り組んでもらいたいと思いますが、平成26年度末で区内の住宅は約85%の耐震化率となっております。様々な事情により建物全体の耐震化が難しい中で、区民の命を守るための制度として平成23年度より耐震シェルター等の設置助成事業が行われていますが、残念ながら今まで7件の利用にとどまっていると聞いております。本年度から耐震シェルター等の設置助成事業も見直しが行われていますが、利用促進をどのように進めていくのかお伺いいたします。  建物本体の耐震化助成事業に関してですが、前回の質問では、耐震化推進のための取り組みを伺ったところ、東京都耐震マークの活用により耐震化の動機づけを行うとともに、建物所有者への直接周知などの方法を検討するとのお答えでした。耐震マークの活用や直接周知の取り組みについてどのように進んでいるのか、現在の状況をお聞かせください。  熊本地震の被害が明らかになり、旧耐震基準の建物に被害が多いことなどが報道されております。国土交通省による建物被害の原因分析も始まっており、この数か月間で中間報告がなされるとのことですが、こうした中で、建物の強度に対して非常に関心が高まっています。この時期を捉えて耐震化に対する意識を高め、事業の推進を図るべきと考えますが、どのようにお考えでしょうか、区の取り組みをお伺いいたします。  4月の熊本地震の建物被害による圧死者の割合は、阪神・淡路大震災時5.4%、東日本大震災時が6.7%に対して、今回は1.5%と大きく改善されてきましたが、建物の耐震化、家具の転倒などによる圧死者をゼロにしたいものです。区民の意識向上のため、自分の命は自分で守るという思いを強く持つことを高めてもらえるよう、一層の努力をお願い申し上げます。  また、被害発生時にはライフラインの被害が想定され、その後復旧が行われます。応急対応時に通電火災の発生も想定されております。このことに関しては田村議員も質問しておりましたが、電気のブレーカーがある程度の揺れで切れる器具もありますが、全ての家についてはおりません。電気火災の防止の普及啓発を考えてもと思いますが、どのようにお考えなのかお伺いいたします。  次に、国は本年5月、平成28年度版防災白書を作成し、そのテーマは少子高齢化時代における防災で、国民一人ひとりにとって真に必要な防災対策とは何かについて取り上げています。その中で、平成7年、阪神・淡路大震災時、消防、警察、自衛隊等公的機関に助けられた方が約8000人、地元の人々により助けられた方が約2万7000人と言われております。当時は、早朝の出勤前、多くの方々が自宅にいて助ける立場となりました。動ける方も多かったと思われます。人口は、平成2年、1990年、20歳から64歳が総人口の61%、平成25年、20歳から64歳が総人口の57%、平成37年、20歳から64歳が総人口の54%と、一番活動してもらえる方が少なくなり、動けない、助けられる立場の方が増えてきております。  そこで、日中会社に勤めている方が多く地域にいないときなど、区内の中学、高校、大学など、若い方に協力を要請してはと思います。初期消火や負傷者の救助救出活動なども力となると思います。中学校では、地域と協力して訓練を行っております。区内の高校、大学等との協力をどのようにお考えなのかお伺いいたします。  平日の日中なら、避難所である学校も先生がいてすぐに開設できますが、休日、夜間など学校をあける鍵がなく、緊急配備職員が特別出張所に鍵をとりに行き、学校をあける手順になっておりますが、避難所を開設する鍵は避難所で誰でもいつでもあけられるように、非常ベルのような、その場で手に入るようにしてはと思いますが、いかがお考えなのかお伺いいたします。  そして、避難所生活者は、大田区は16万人から23万人、区民の約22%から30%が自宅外での生活となると予想されております。今回の熊本地震でも、避難者が住民の2割を超えると対応が非常に難しいと言われております。区はどのようにお考えなのか、その対応はどのようにするのかお伺いいたします。  住民の2割以上の避難者を受け入れられる大田区全体での避難所数はないのではと思いますし、今回の地震でも余震を恐れて建物に入らず、狭い車の中で過ごし、多くの方々がエコノミークラス症候群で死亡されるなど、この対策をどのようにお考えなのか。避難者の用地の確保や仮設住宅の設置用地、ごみや倒壊建物の解体、撤去瓦れきの仮置き場の確保をしておくべきと考えております。また、前回の質問でも、被災者対策のためだけで用地確保する考えは持っていないとの回答ですが、国、都の支援を待っていると大田区の復旧・復興が遅れると思います。今から準備をしっかりするべきと考えております。  次に、被災者や区民に対して正しい情報の発信はどのように行うのかお伺いいたします。普段、区民に対しては区報、ホームページ、区の掲示板などいろいろと情報の提供をしております。災害時には正しい情報は重要なものとなります。災害が発生すると、テレビ、ラジオ等で被害の状況等を詳しく報道されております。避難生活のマニュアルやガイドラインの作成、活用はどのようになっているのか、また、大田区においては世界各国から一時滞在者や居住者がおられます。区によれば、住んでいる国別で本年4月1日現在で118か国、2万612人の方がおられます。それらの方々の多くは、日本語はあまり堪能ではないと思われます。それら全ての方々に自国語による正しい情報が早く伝われば、不安に陥らないで済みます。各自国語での情報の発信を行ってはと思いますが、どのようにお考えなのかお伺いいたします。  災害に備え、みずからできることはみずから行うことがまず重要です。食料品、水、薬、携帯トイレなど、避難生活に必要なものはみずから用意することを区民に知らせてはいますが、もっと強く周知すべきであると思います。区は、食料、水などを多く備蓄する必要があるのか、毎年の予算が多額になることを考えると、どこまで必要とお考えなのかお伺いいたします。  大田区の職員の多くは、地域活動やボランティアにかかわり、それぞれの地域で活躍していますが、職歴の若い職員は地域とのかかわりが薄いと思われます。平成28年度版防災白書でも、少子高齢化時代と地域の防災力、多様な主体の連携による防災活動で、消防団員数の減少や高齢化が地域の防災力を直接担う人材の縮小とともに、防災力が必ずしも効果的に発揮されないと指摘されております。地域で活動している消防団員は、仕事も家庭もあり、消防団活動を行っております。防災意識を高めるため、若い職員に消防団に入ってもらい、消防団の活性化を図ってもらいたいと思います。また、大田区外に居住の職員も、お住まいの地域でそれぞれの地域とよい関係を築いているとは思いますが、近隣に大田区職員であることを知ってもらい、地域の力となってもらいたいと思います。  以上で質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○大森 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎川野 企画経営部長 私からは、公共施設の耐震について順次お答え申し上げます。  最初に、本庁舎耐震性向上に関するご質問でございますが、本庁舎は、新耐震基準以降の設計による建物でございまして、構造体としての地震動に対する危険性は低いものと考えてございます。一方、揺れに対しましてはその後に発表された首都直下地震などの地震力がかかった場合を想定し、8種類の設計用地震動に対する応答解析を行い揺れの大きさを確認したところ、設計目標値を超えて揺れることが判明してございます。地震による揺れが設計目標値を超えますと、外壁や内装材といった非構造部材に影響を及ぼす可能性があり、本庁舎の災害対策本部機能や業務継続性に支障を生ずることが想定されます。そのため、このたびの耐震性向上改修におきましては、制振装置を設置することで建物の揺れを制御し、より耐震性を高めてまいります。また、この改修によりまして、熊本地震のような地震が発生したとしても耐震性を維持することができると考えてございます。  次に、公共施設の地盤に対する対策についてのご質問でございますが、建物の地盤につきましては、設計時に地盤調査を行い、地質状況や支持力について確認をしております。その調査結果に基づき耐震基準に対応した基礎構造として設計をしてございます。本庁舎につきましては、耐震性向上改修に当たりまして地盤状況、また基礎の構造チェックとあわせて庁舎全体の構造解析を行い、耐震性の確認を行っております。引き続き公共施設の改築等に当たりましては、安全で安心、快適にご利用いただける整備に努めてまいります。私からは以上でございます。 ◎齋藤 危機管理室長 私のほうからは、まず、感震ブレーカーの啓発に関するご質問についてお答えをいたします。  普及啓発策としましては、今後、ホームページにて感震ブレーカーとは何か、また、電気火災を防ぐためにどのような効果があるか等を区民に周知をし、設置の必要性を訴えてまいります。その際には、現在防災用品のあっせんで取り扱いのある簡易タイプのブレーカーのほか、コンセントタイプや分電盤タイプのもの等、用途や費用をわかりやすくご紹介し、各ご家庭の事情に合ったタイプが選択できるよう周知をしてまいります。また、年2回実施している防災フェアや各防災イベントでの実物の展示、各学校避難所での訓練や会議などの機会も活用し、普及啓発に努めてまいりたいと考えております。  続きまして、平日の日中等に発災した場合における若い世代の活用についてでございますが、中学生等の若い世代の方々も災害時には貴重な戦力になると考えてございます。現在、区立中学校の生徒に関しましては、応急活動の支援を行えるよう全員に活動用ヘルメットを配備しておりまして、実際に学校防災活動拠点訓練におきまして、まちの皆様方と一緒に行っている事例もございます。災害時においては、安全確保に十分配慮した上で、可能な範囲での活動協力を期待しております。高校、大学の学生につきましても、中学生と同様に安全確保に十分配慮した上で、避難者や地域住民の方とともに、避難所を中心とした地域活動に協力できるような体制の整備を進めてまいります。  続きまして、避難所の鍵についてのご質問でございますが、学校等の校門の鍵は、学校近隣にお住まいの地域の方にお渡しをし、避難者が校庭に避難できるようにしております。一方で、校舎の鍵が誰でも、いつでも解錠できる状態にある場合には、施設の安全確認等が終わっていない状況で避難者が施設内になだれ込む等、大規模な二次災害につながるおそれがございます。そのような安全面などを考慮して、区職員もしくは学校の教職員が参集してから校舎の鍵が解錠され、施設の安全確認がなされた後、避難者が校舎内に入れるように区が責任を持って避難所の開設を行ってまいりたいと考えております。  続きまして、避難者への対応及び避難者の用地確保等の対策についてのご質問でございますが、区の地域防災計画は、平成24年に東京都が公表した首都直下地震の被害想定の避難所生活者数23万7000人を想定いたしまして対策を考えてございます。避難スペースについては、区内91か所の避難所に加え、区民センターや文化センターなど22か所の区施設を補完避難所として活用する予定でございます。そのほかにも、区施設以外で都立、私立の高校や一般企業など14か所を補完避難所予定施設とする協定を締結しておりまして、災害時に活用することを計画しております。このような避難者用スペースの確保はもとより、エコノミークラス症候群による犠牲者が出ることのないように、身体のケアや体操の実施等、工夫を凝らした避難所運営に努めてまいります。  続きまして、避難生活のマニュアル等の作成、活用及び外国人への情報発信についてのご質問でございますが、避難生活のマニュアルやガイドラインにつきましては、各学校防災活動拠点会議や訓練等で検討、見直しを行いながら、地域事情や地域特性等を考慮して作成を進めております。災害時に避難者はこれをベースに避難生活をしていただくことになっておりますが、避難所においては不安や心配をなくすよう運営上の工夫を進めてまいります。災害時における外国人への情報発信につきましては、ホームページでは、災害時においても通常時と同様に、日本語に加え英語、中国語、韓国語の3か国語に翻訳する仕組みを整えておりまして、外国の方々においても同様に不安や心配がないよう配慮しております。地域防災計画では、災対観光・国際都市部中心に、外国人支援防災ボランティア、東京都災害ボランティアセンターなどと協力して、行政情報、ライフライン、病院、交通等の情報を多言語に翻訳して外国人被災者に提供する計画となっております。避難所では、外国人被災者と避難所業務従事者との意思疎通が円滑にできるように、4か国語のコミュニケーションボード、コミュニケーションバンダナ、多言語表示シート、筆談ボードを用意しております。このような人材やツールを有効活用するとともに、それぞれの国の文化や生活習慣等に配慮しながら対応してまいりたいと考えております。  最後になりますが、家庭内備蓄に関するご質問についてでございます。区は、災害後も区民がそれぞれのご自宅で住み続けていただくことを基本と考えております。そのために、最低3日分の水や食料を家族の人数に合わせ備蓄するよう呼びかけております。必要な備蓄を無理なく確実に行っていただくために、日常の買い物を通じて備蓄を行い、消費と補充を循環していくローリングストック方式をお勧めしております。昨年度から大田区商店街連合会のご協力による防災用品のあっせんに3日分の備蓄セットを品目に加えるとともに、各特別出張所や訓練で実物展示を行いまして、備蓄の必要性を積極的に周知させていただいております。なお、区では、平成24年公表の東京湾北部地震の被害想定の避難所生活者数23万7000人に対応する備蓄を進めておりまして、これまでの都と区の役割分担から、食料については1日分を備えております。2日目以降分については都が備蓄または調達する計画となっておりますが、災害発生直後の混乱を想定しまして、都の備蓄品の一部を事前に区の備蓄倉庫で保管をしているところでございます。今後も、災害時ご自宅で無事であればご自宅で生活を続けることが基本であることの周知に力を入れていくとともに、避難者用の備蓄物資につきましては、避難所生活に最低限必要な物資を、また、避難所のニーズに合ったものを厳選して備蓄するよう努めてまいります。私からは以上でございます。 ◎町田 都市開発担当部長 私からは、耐震に関する三つの質問にお答えを申し上げます。  まず、耐震シェルターの利用促進のご質問でございますが、高齢者、障がい者を対象とする耐震シェルターの助成制度は、昨年度までは所得制限を設けていたこともあり、利用実績が7件にとどまっておりました。より広く制度を活用していただくために、今年度からは所得にかかわらず全ての高齢者、障がい者が利用できるように制度を改善いたしました。この改善を機に、直接老人いこいの家などの高齢者施設に出向くほか、障がい者団体とも連携を図りながら広報・啓発に努めることにより、この制度の利用実績を増やしてまいりたいと考えてございます。  次に、東京都耐震マークの活用や直接周知による耐震化の推進に関するご質問でございます。区は、耐震マークの制度をより広く知ってもらうため、分譲マンション講習会や登録診断士向けの講習会などで耐震マークの制度紹介を行っております。また、特定緊急輸送道路沿道建築物の耐震改修工事の現場でも、東京都と連携し啓発用の横断幕を掲示するなど、耐震マークの普及啓発を行ってございます。ただ、耐震マークは東京都全体でもまだ十分普及していないため、区の助成制度を利用して耐震改修をされた方に対しては、特にマークの取得を積極的に働きかけてまいりたいと思ってございます。また、助成制度の建物所有者への直接周知につきましては、旧耐震基準で建てられた木造住宅約4万戸全ての所有者に対し、今後3年間をかけて耐震化促進のため個別に制度の周知を行ってまいります。今年度は、建物倒壊危険度の高い地域を多く有する蒲田周辺を中心に働きかけてまいります。  最後に、熊本地震による関心の高まりを受けた区の取り組みへのご質問でございますが、熊本地震以降、耐震改修に関する相談件数は増えてございます。議員ご指摘のとおり、区民の関心が高いこの時期に助成制度の積極的な普及啓発を行い、利用につなげていくことは重要と考えております。4月以降、全ての特別出張所の町会長会議に出席して助成制度の利用を働きかけるとともに、区設掲示板を活用して制度の啓発を行いました。今後は、ホームページによる制度周知とともに、早期に区報による啓発記事が掲載できるよう、広聴広報課と調整をしてまいります。引き続きまして、積極的な普及啓発活動を通じて区内建築物の一層の耐震化に努めてまいります。以上でございます。 ○大森 議長 次に、13番深川幹祐議員。                  〔13番深川幹祐議員登壇〕(拍手) ◆13番(深川幹祐 議員) 自由民主党大田区民連合の深川幹祐でございます。  最初に、防災計画・連携協定について伺います。  まず初めに、熊本地震におきまして亡くなられた方々にお悔やみを申し上げますとともに、一日も早い復興とお見舞いを申し上げたいと思います。  平成28年4月14日に発生した熊本地震においては、4月14日にマグニチュード6.5の前震に続き、4月16日午前1時にマグニチュード7.3の本震と続きました。どちらも最大震度7を観測いたしました。平成7年に発生した阪神・淡路大震災と同規模の大地震でありました。4月18日に防災危機管理課の職員2名を派遣し、物資を搬送いたしました。また、り災証明関係業務等で1週間に2名ずつ、2週間にわたり職員を派遣いたしました。そして、生活困窮者相談受け付け等についても1週間にわたり2名を派遣いたしました。このように、東京都の派遣依頼などと連携しつつ、被災地に迅速に対応なされたことは、日ごろの準備のたまものだと改めて感謝と御礼を申し上げたいと思います。  熊本地震における職員派遣は一旦落ちついたように見受けられます。しかし、復興には多くの人手が必要とされます。今後の支援の方向性についてお答えください。そして、この地震の影響を考慮した防災計画の見直しを求めます。いかがでしょうか。  大田区として5か所目となる山形県長井市との防災連携協定が4月12日に締結されました。大田区では、平成23年のこども文教委員会で山形県長井市を初めて視察で訪問させていただき、それ以降も様々な地域の行事に連携をさせていただいております。とりわけ、子どもたちがあやめんごという名前で、あちらのアヤメを模した名前でありますが、この大田区もあやめ橋があるほど、このような関係が偶然にもあったというところと縁が結べたことは大変うれしいと思っております。引き続き、こういった遠隔地との防災連携協定も締結していただいたということは重要であると認識をしております。また、この防災連携協定締結をあらわしたホームページにも、「大田区では、今後も、同時被災の可能性の低い遠隔地自治体との協定による災害時の体制強化を進めてまいります。」とあります。  こういった観点で、近隣自治体との連携よりも、多くの遠隔地との連携を目指し引き続き進めるべきと考えますが、いかがでしょうか。  次に、東日本大震災復興支援として、東松島市に震災初年度である平成23年度、短期派遣も含めて283人、平成24年度から27年度までは土木職2人、事務職1人と継続的に支援を続けております。しかし、きょう現在では、事務職は2人でありますが、土木職がゼロ人となっております。なぜ土木職が一人もいなくなってしまったのでしょうか。特に東日本大震災の支援は、津波などの影響により慢性的な人材不足が予想されております。大田区は4000人を超える職員がいるわけですから、融通して継続して職員の派遣をすべきと考えます。これから東京においてオリンピック・パラリンピックなどにおける職員の必要性や、民間企業における建築や土木といった技術職の需要増は望めます。だからこそ、被災地における採用活動は困難の一途をたどるわけであります。  このようなことから、これらの需要増を考え、計画的な定数計画を検討すべきと考えます。今後も継続的に土木職をはじめとする職員の派遣を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。  同じく東松島市産業部商工観光課に職員を派遣しております。そういった意味では、機会をつくり、多くの方々に東松島市を含めた東北地方への観光に行くことを進めるべきと考えます。例えば、町会の方々の旅行の際に行ってもらう提案や、区設掲示板において東松島市のPRを行うことなども考えられます。また、観光・国際都市部としては、大田区から東松島へ、同じく東松島から大田区へといった友好都市連携も視野に入れた観光客連携誘致を行うなど、相互交流を積極的に進めるべきと考えます。そして、東松島市のお酒を商店街や地域のイベントの際に販売するなどだけではなく、お祭りなどでみんなで飲むことによって連携する案など、枚挙にいとまがありません。そういった複合的に捉えた連携をしなくては、真の意味で派遣したことにはならないと思います。この点の見解をお聞かせください。  次に、公共施設整備計画について伺います。  大田区において、多くの施設が老朽化をしております。これは大田区だけにとどまらず、多くの自治体が抱える課題であります。例えば、大田区の図書館を見ますと、築30年過ぎているものが17館中10館、築40年を超えるものも6館あります。次に、文化センターを見ますと、全部で11施設、このうち一番古いものは築42年となっております。そういった意味で、両施設が近くにある場合などは合築をすることなども含めて、総合的に検討すべきと考えます。  それ以外にも、7か所ある区民センターや新井宿会館などの集会室も多くあります。今すぐ全てをすぐ改築すべきというよりは、綿密な計画を策定すべきであります。おおた未来プランや公共施設整備計画などの計画で、修繕などの一定の方向性が示されたものはそのように進めるにしても、修繕計画などはなされていない施設については、そういった計画を反語として捉え、改築も視野に入れていることを前提に短期計画を策定し、少なくともこの先数年は維持できるような予算配置をすべきと考えております。例えば、昨年何度も利用停止になった矢口区民センター温水プールなどが挙げられます。具体的には、男子シャワー室温水漏れ事故13日、ろ過機水温センサー故障1日、温水制御機器センサーの故障で1日と、合わせて全てで15日であります。  場当たり的に対応するのでなく、計画を策定し、長期計画とともに短期計画を策定すべきと考えますが、いかがでしょうか。  先ほど申し上げた施設の整備について、今年度予算で1875万円計上されている池上を例にとりたいと思います。私は現在、池上地区商店会連合会事務局長と兼ね、池上地区まちづくり協議会の事務局長を務めております。このまちづくり協議会では、自治会連合会と商店会連合会が連携し設立をいたしました。その際、東京急行電鉄にも副会長として入会いただき、地元金融機関をはじめ、法人、個人の会員によって構成をされております。また、自治会連合会として加入しておりますので、一般住民全てが会員になっていると考えられることから、誰でも自由に参加し、意見を述べていただけるようになっております。  とりわけ池上駅整備については、地元の課題として十数年にわたる議論の時を経ました。地域で様々な意見が出され、時に計画が進むかと思われたところにリーマンショックがあるなど紆余曲折がありました。しかしながら、まちづくり協議会を設立したと同時期に、東急さんからもこの課題について大きく進めていこうとしてくれている今が大きなチャンスであります。そして、それに呼応する形で松原区長は予算化の提案をしてくださいました。本件につきましては、地元選出であります我が会派、松原秀典幹事長も長らくこの件についてご尽力をしてくださっております。引き続き一緒にやらせていただきたいと思っております。  今年の3月に行われました昨年度最後のまちづくり協議会では、池上駅に様々な意見が出されました。例えば、駅舎の建て替えにあわせて2層化し、自転車、自動車などを平面に、歩行者は橋上駅舎やそのままペデストリアンデッキで2階部分から再開発されたビルに入るなどにより、歩行者と車両が分離できて安全性が担保できるような案、周辺地区を買収しマンションや商業ビルを建てる案、バスターミナルを整備し、バリアフリー化した誰でも使いやすいバス乗り場をつくること、駅ナカに温泉で有名な大田区の特徴を生かし銭湯を建設することなど、様々ないろいろな方々の夢の案が出されました。  そういった検討の中には、駅から離れたところにある池上図書館を駅舎内に移設し、現在の池上図書館所在地に斜め向かいの池上文化センターと合築した施設を建設する案、その際は、教育センターのつばさ適応指導教室で使っている施設の拡充もあわせて行うことや、都道池上通りと垂直に通っている補助43号線の拡幅を行い、現在、商店街の一部が拡幅計画により老朽空き家となっている問題や、歩道の不足による危険性などの課題解決につながる案などが示されました。  老朽化している図書館や文化センターの再配置建て替え計画を進め、池上地区の発展を目指す公共施設整備計画についてどのように考えるか、区長の考えをお示しいただきたいと思います。  次に、大田区職員定数基本計画についてお伺いいたします。  大田区では、民間にできることは民間で、もっと言うと、民間の発想を行政に取り込むことにより、区民目線に近いものを目指すべきであるというモットーのもと、民間委託を進めてまいりました。平成16年度から20年度にかけて、区の職員は合計868人の削減、平成21年度から25年度まで456人の削減、平成26年度から27年度までで123人の削減となっております。  この間、大田区の人口は、平成16年4月現在で66万7321人から、最新のデータである平成28年6月現在で71万6413人と、約4万9000人の増となっております。また、予算総額で見ますと、平成16年2071億円から、今年度2573億円と502億円の増となっております。今後の職員定数については、保育園の民営化に伴う純減が予定されているので、減少する方向性となっております。しかしながら、先ほど申し上げたように、区民ニーズが高まっているということより、区民数、予算ともに増えている現状で、今までのように単純に減らすというベクトルは再考しなくてはならないと思います。  しかし、何でもかんでも増やせというのではなく、必要なところへの効率配置、重点配置、また、業務量の多いところへの増員だけでなく、業務改善を行う職員をまずは増やし、課題抽出を行いつつ、残業時間ベースでのコストの割り返しを行うなどにより、残業対応していることが本当にコストベースに合うのか、採算性があるのか見直しをしなくてはなりません。  以前、議会質問によって改善してもらった例として、うぐいすネットの更新手続きがあります。これは、更新に来た人に申請書を一から記入してもらう、その後、その記載内容が合っているかを職員が確認する、不備があれば指摘をし、再度記入をしてもらう必要があればそうしてもらうといった双方にとって煩雑なものを、運転免許の更新のように既存のデータを打ち出して、修正部分があれば記入してもらうことにより双方の無駄な時間の削減をすることができたわけであります。  このように、業務効率を上げて人員を減らすといったことも一朝一夕にできることではありません。しかしながら、一つずつそういったことに着手していかなくては業務改善ができるわけではありません。例えば、企画経営部財政課は課長以下12人で業務を行っております。大田区には18部局(12部、1本部、1会計管理室、4事務局)があります。部の数よりも人員が少ないわけであります。例えば福祉部であれば、14課93係545人がいるわけです。その担当が1人であれば、予算を精緻に判断するのは事実上困難であります。これは職員に対する負担があるというデメリットだけではなく、せっかく部局があげてきた区民のための予算案が反映できないことにつながるわけであります。  また、以前の議会質問で行いましたが、区役所職員4135人の定数配置をしているのが、課長1名、係長1名、係員1名の合計3人で行っていることです。これではヒアリングを満足にすることさえできません。しかし、定数を担当する部署みずからに定数配置をすることがお手盛りの感が多く、気が引けるのも人情であります。しかし、必要なところに必要な人員を配置することが聖域なき構造改革であります。  同じく、大田区役所4135人職員の人事配置を行っている人事課人事係は係長以下13名であります。これを公務員の年間総労働時間1689.5時間に13人を掛け、区役所職員総数4135人で割り、月ごととすると、1人当たり26分にしかなりません。これは、仮にヒアリングの業務のみを行った場合という相当稀有な例をあえて例にいたしました。つまり、実質的にはほとんど時間がないのが現状であります。このようなことでは、職員一人ひとりのヒアリングや職場に対する問題意識、提案など、様々に起こるであろう人事に関する問題について気づくことはできません。  希望異動先に行けないことや、不満や意欲を持てないままでの異動などにより、精神的不調をきたす職員数が増加するなど課題が多くあります。例えば、人事課職員がそういった職員へのアプローチを行うなどにより業務が円滑に行えるようになれば、人員数以上の作業効率が実現をするわけであります。そういった意味で、仕事のしやすい環境、やる気を持って取り組みをしやすい環境の整備をするべきであります。  つまり、企画課、財政課、人事課といった中枢ポストにまず人員を配置し、業務の効率化を行うこと、その派生を行い、必要な業務効率改善を行い、必要な職場に人員を配置するなど人員の増減を行うべきです。このように考えますが、いかがでしょうか。  次に、障がい者総合サポートセンター「さぽーとぴあ」についてお伺いいたします。  さぽーとぴあが昨年3月にオープンして1年がたちました。このさぽーとぴあは、松原区長の当選直後からの肝いりで開設されたものであります。相談支援、地域交流支援、就労支援、居住支援を柱に、大田区の障がい者施策の中心となる施設であります。今後は、隣接する大森医師会館建て替え換地後に建設予定の二期工事に向け取り組みを進めていかなくてはなりません。平成27年第1回大田区議会定例会区長挨拶で、「重度の障がいのある方に対応できる緊急一時保護の機能をあわせ持つ居住スペースの配置、学齢期を中心とした発達障がい児への取り組み等を実施する予定で、平成30年度の竣工、開設を目指しております。」と発言をされております。  大田区には障がい者福祉施設が16か所あります。その他、障害者総合支援法上や児童福祉法上の民間施設や事業所は増加をし続けており、そういった施設やそういった事業所との連携が欠かせません。さぽーとぴあの職員は、再任用を含めて11名で行われております。先日も地元でありますので寄らせていただいて、内覧以降の動向を当時の内藤次長はじめ職員の方々とお話をさせていただきました。完成してまだまだ余地のある状況ですが、二期工事の準備や、総合サポートセンターである以上、障がい者福祉施設各所との連携もより必要であります。  先日の議会質問でもさせていただきましたが、例えば、障がい者施設でつくったしおりを図書館で販売、もしくは子どもたちにプレゼントをする、学校の通学鞄を補助するようなバッグをエコバッグのようなものにかえ、エコバッグの製作を福祉施設でやっていただくなど、様々な作業と皆さんの生活を密着させることによって福祉の仕事が増え、職員の方々が増えるといった循環型社会ができると思います。一人でも多く障がい者の方々が働くことができる環境の整備をあわせて行うべきと考えます。特に、今年度は事務職の係長級であります主査が1名配置されました。そういった連携の取り組みを一層進めていただきたいと思います。  しかしながら、今後の業務量はますます増えることが考えられます。福祉管理課の調整担当や計画担当の方々との連携は言うに及ばず、しっかりとした定数配置を行うべきと考えます。そして、そういった職員の方々に、様々な福祉施設を回って、具体的な問題点、課題点を視察し、それをまとめる作業もあわせてサポートセンターとして行っていただきたいと思います。  区長の並々ならぬ決意のもと設立されたサポートセンター2年目を迎える現在の状況と今後の方向性についての意気込みをお聞かせください。  最後に、環境教育と生ごみ処理について伺います。  私は、平成25年度に都市・環境委員会の行政視察において北海道岩見沢市を提案し、みんなで行ってまいりました。そのときに、岩見沢市の商店街の真ん中に生ごみ処理機の置いてあるクリーンエコというところで、環境負荷を下げる様々な取り組みを提案する施設を視察してまいりました。商店街振興の観点からも、まず商店街に来てもらうきっかけとして、生ごみを持ってくるという新しい発想はとてもおもしろく、興味深く感じたわけであります。  生ごみの処理は、つい先日まで行っておりましたドイツでも大いに参考になります。今年の子どもたちの海外派遣のプログラムの下見と事前調査を兼ねて行ってまいりました。私がお世話になったホストファミリーのお宅でも、同じく子どもたちを受け入れてくださるという話も伺わせていただきました。こういったところで、台所の日当たりのよいところにボールが置いてあり、そこにむいた野菜の皮などが入れてありました。これは、つまり、ごみを燃やすときに必要なエネルギーの多くが水分の蒸発ということを各ご家庭で取り組んでいるということです。こういったことが実践されていること、すなわちこれが環境教育であります。環境負荷を減らすことは、チラシをつくっても、ポスターを貼っても、なかなか普及できません。そういった意味で、次世代を担う子どもたちへの環境教育は重要であります。  現在、給食においても、残念ながら多くの食品残渣が出ております。これをそのまま可燃ごみとして排出しております。しかし、これは環境負荷として大いに問題があります。以前、コンポスト型の生ごみ処理機を導入していたことがあると聞いております。しかし、性能の問題で周囲へのにおいが発生するなどの問題があり、随時廃止となったということであります。冒頭で申し上げたように、岩見沢市視察時の機械からは悪臭もほとんどないなど、技術の進化を遂げております。そういった意味からも、パイロット的に生ごみ処理機を区立小中学校へ導入を検討すべきと考えます。  また、その際、生ごみ処理機にもタイプがあり、乾燥式とバイオ式があります。つまり、からからに乾燥したものが出てくるものと、堆肥化されたものが出てくるものがあります。相互に利点があることから検討を進めていただきたいと思います。また、その堆肥を使っての木や花を育てる授業、また、ごみの減量化、環境負荷の軽減が行えることを学べる授業など、学校教育の中に反映させることにより、子どもだけではなく、親御さん、地域の方々にも理解をしてもらえるきっかけとなると思います。そういった観点で、学校教育の中に導入し、より一層の環境教育の充実を求めます。  また、環境清掃部にも教育委員会と連携して子どもたちに環境の重要性を伝える取り組みを行っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。  以上で私からの質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○大森 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎松原 区長 池上地区の発展を目指す公共施設整備に関するご質問でございますが、池上地区につきましては、多くの区民が利用する交通結節点である池上駅を中心として、本門寺周辺に歴史的建造物が集積し、呑川緑道等の水と緑、にぎわいのある商店街など、魅力ある地域特性を有しております。また、お話しの池上地区まちづくり協議会が発足しており、まちづくりに関する様々な課題解決に向けて熱心に活動されております。池上地区における公共施設の機能更新等の建て替え計画を進めるに当たりましては、地域特性を生かすとともに、池上地区のまちづくり活動と連携し、区民の皆様の利便性に十分に配慮しながら、地域の発展に結びつけてまいりたいと考えております。特に、老朽化が進んでいる池上図書館につきましては、多くの区民の皆様が利用する池上駅のポテンシャルと池上駅周辺の歴史、文化など地域特性を生かした再整備及びその手法について、庁内関係部局間で今現在検討を重ねているところでございます。私からは以上です。 ◎川野 企画経営部長 私からは、修繕計画並びに職員配置につきまして順次お答え申し上げます。  最初に、施設の修繕計画に関するご質問でございますが、大田区には公共施設が約570ございます。これらの公共施設につきましては、区民の皆様が安全で快適にご利用いただけるよう、日ごろの維持管理を適切に行うことが重要だと考えてございます。そのためには、各施設管理者が日ごろのメンテナンスを確実に行うとともに、施設の経年劣化や施設の長期使用による不具合などが想定される施設につきましては、議員お話しのとおり、状況に応じて短期的な修繕計画を立て、計画的に工事を進めるべきだと考えているところでございます。また、築年数が経過している施設につきましては、老朽化の状況に応じまして、公共施設整備計画などによりまして大規模改修、あるいは改築計画を定めているところでございます。いずれにしましても、施設の状況を見定めながら、ファシリティマネジメントの観点や予防保全の考え方を踏まえまして、施設の適切な維持管理を図ってまいります。  次に、業務の効率化と適正な人員配置についてのご質問でございますが、人員配置や予算計上に当たりましては、各部局長へのヒアリングなどに加えまして、今年度から設置いたしました経営計画事務担当係長連絡会議なども活用いたしまして、各職場の状況を十分に踏まえた上で、必要な人員、また予算を算定することとしております。日々変化する社会経済状況や増加する行政需要に適宜適切に対応するためには、業務のスリム化の徹底や業務プロセスの見直しを推進いたしまして、ヒト・モノ・カネなど限られた行政資源の再配分を行うことが必要不可欠であると考えているところでございます。今年度より次期職員定数基本計画の検討を行っているところでございます。策定に当たりましては、このような視点を踏まえまして、区が真に取り組むべき事業の着実な遂行を可能といたします適切な職員配置、そして業務改善の必要性についても盛り込んでいく考えでございます。私からは以上でございます。 ◎玉川 総務部長 私からは、被災地支援に関します二つのご質問にお答えいたします。  まず、熊本地震におけます支援の方向性についてのご質問でございます。熊本地震の被災地に対する職員の派遣につきましては、支援物資輸送を行った防災危機管理課の職員2名のほか、東京都や特別区長会が窓口となり、特別区が一体となって効果的に支援していく体制を整え、大田区でもこれまで5回にわたり、計12名の職員を派遣してきたところでございます。現地では、地震の発生も減少しておりますが、復興にはまだかなりの時間がかかると思われます。引き続き被災地の状況に合わせ、被災地からの要請があり次第、職員を派遣できるよう準備を整え、東京都及び他区と連携しながら対応してまいります。  次に、東松島市への職員派遣についてでございます。現在、東松島市の復興は、集中復興期間から復興・創生期間に移行してございますが、議員ご指摘のとおり、その支援の重要性は認識しているところでございます。今後も、東松島市からの要望や現地の状況等を踏まえて支援していく考えでございます。その規模や職種につきましては、区内部における行政需要に関する今後の動向や、東京オリンピックパラリンピックに向けた東京都への職員派遣等を視野に入れるとともに、職員の新規採用の状況などを総合的に勘案して対応してまいります。私からは以上でございます。 ◎齋藤 危機管理室長 私のほうからは、防災に関するご質問についてお答えをいたします。  まず、熊本地震の影響を考慮した防災計画の見直しについてでございますが、このたびの熊本地震では、避難所の不足、物資輸送体制の混乱、迅速なり災証明発行体制の確保など、被災者の生活面における課題が浮き彫りになってございます。今後は、大田区地域防災計画の上位計画である内閣府の防災基本計画及び東京都地域防災計画において、熊本地震を踏まえた修正が進められていくと想定されますので、内容修正や具体的対策について動向を確認してまいります。また、今年度は大田区地域防災計画を修正する予定でありまして、現行計画における懸案事項や重点事項に加えまして、熊本地震における防災対策上の課題につきましても検討を進めた上で、反映できるものを反映してまいります。  続きまして、遠隔地との連携を目指し、引き続き協定の締結を進めるべきとのことについてでございます。災害時における他自治体との応援協定につきましては、昨年12月に遠隔地自治体等との災害時相互応援協定に関する区の基本方針を定め、遠隔地自治体との相互支援体制づくりを推進しているところでございます。協定先の選定に当たりましては、議員ご指摘の地理的な条件のほか、食糧品や資機材の調達や人的支援について当区が要望する支援が可能であることと、平常時からの交流関係を重要視する観点から、当区との歴史的関係や人的交流など、様々なつながりを持っていることなどを留意点としております。このような点を踏まえ、新たな協定締結に向けて、締結先の検討等準備を進めるとともに、協定の締結後は防災訓練の協力や情報交換、物販その他自治体間の交流を通じて顔の見える関係を築き、関係強化を図ることで、より実効性のある協定となるよう取り組みを進めてまいります。私からは以上でございます。 ◎河野 観光・国際都市部長 私からは、東松島市との観光交流に関するご質問にお答えをいたします。  東松島市とは被災地支援をきっかけに災害時相互応援協定を締結しておりますし、以降、多くの区民ボランティアが東松島市で活動し、支援の輪が草の根レベルで広がっております。近年では、現地の復興が進むにつれ、東松島市とのかかわり方も被災地支援から市民交流へと移行しつつあります。現地ボランティアのアイデアで始まった絆音楽祭や、区民が現地へ赴く防災塾は現在も継続して行われ、定着しております。今後とも、これまで築いてきた信頼関係をもとに相互の交流と友好がさらに深まるよう、観光交流をはじめ様々な分野での区民、市民の地域間交流に取り組んでまいりたいと思います。 ◎西山 障がい者総合サポートセンター所長 私からは、障がい者総合サポートセンター「さぽーとぴあ」の現在の状況と今後の方向性についてお答えいたします。  さぽーとぴあは、大田区の相談支援の中核的な役割を担う基幹相談支援センターとして、区内の障がい施設や民間事業所との連携を重要と認識し、様々な取り組みを進めているところでございます。具体的な取り組みといたしましては、昨年度、さぽーとぴあでは、障がい福祉従事者人材育成事業としまして26の研修を実施したところでございます。今年度も施設や事業所を対象とした相談支援専門員研修、ケアマネジメント研修などを実施してまいります。また、今後は、研修参加を契機といたしまして、施設や事業所の人材育成支援にとどまらず、各施設や事業所が持つ機能や役割が有機的に連携し発展するよう、さぽーとぴあが中心となってネットワークの構築に努めてまいります。  今後の方向性についてでございますが、産業との連携を視野にしました取り組みを進めてまいります。具体的には、今年度の新規事業といたしまして、産業経済部と連携しますオーダーメイド型福祉用具製作事業にまず取り組んでまいります。このようなものがあったら便利という障がい者等のニーズと区内ものづくり企業との技術力をマッチングさせ、個別のニーズを反映した福祉用具を製作してまいります。開発、製作に当たりましては、区内の福祉、産業、研究機関と連携した大田区ならではの取り組みを展開してまいります。福祉、医療、産業が連携し、二期工事で目指す重度の障がいや学齢期の発達障がい支援の機能と、現在のさぽーとぴあ本体機能が一体となり、日本でも有数の障がい者の総合的な支援センターを目指してまいります。私からは以上でございます。 ◎市野 環境清掃部長 私からは、教育委員会と連携した環境学習の取り組みについてのご質問にお答えをいたします。  持続可能な社会を築くためには、次代を担う子どもたちへの環境学習は重要であり、環境清掃部と教育委員会との連携は不可欠であると認識をしてございます。学校における環境学習の取り組みといたしましては、スケルトン清掃車を用いた「ごみ減量とリサイクル」、企業の社会貢献事業による本区の燃料電池車を活用した「次世代エネルギーと環境技術」などのプログラムを実施しているところでございます。これらの取り組みを通じまして、子どもたちがみずからの生活と環境とのかかわりに気づき考えることが、環境負荷を低減し、未来の地球環境を守ることにつながると考えております。さらに、子どもたちの学びが保護者や地域の環境意識の向上にも寄与するものと考えてございます。今後も、企業や団体などが持つ知識や技術などを活用し、地域全体で子どもたちに環境を守る取り組みの必要性を伝えてまいります。私からは以上でございます。 ◎水井 教育総務部長 学校給食から出る生ごみの処理と環境教育の充実に関するご質問にお答えをいたします。  食品リサイクルの問題は、食品ロスの削減と並んで、循環型社会の実現や環境負荷の低減に向けた重要な課題であると認識しております。そのため、学校給食の調理現場では、調理段階で出る残渣や児童・生徒の食べ残しを極力減らすことで生ごみの発生抑制に向けた取り組みを進めているところでございます。学校から出た生ごみの処理については、堆肥化のほか、処理工場で家畜の餌に加工する方法や、発電燃料として利用する方法など様々な処理方法が存在しております。そのため、学校給食から発生する生ごみの処理につきましては、処理技術の進歩や近隣への影響などを踏まえながら引き続き検討してまいります。  現在、教育現場においては、家庭科や総合的な学習の時間において、民間企業の協力によるエコクッキングの授業の中で環境に配慮した生活の工夫を体験的に学んだり、小学校第4学年では、リデュース、リユース、リサイクルという、いわゆる3R(スリーアール)について学んだ後、実際に家庭でのごみの減量に取り組ませる学習を行うなど、児童・生徒への教育だけではなく、ご家庭にもその効果が波及するような環境教育にも取り組んでいるところでございます。教育委員会としましては、今後とも、循環型社会の実現や環境負荷の低減という課題の重要性を十分意識して環境教育に取り組んでまいります。 ○大森 議長 次に、37番荒尾大介議員。                  〔37番荒尾大介議員登壇〕(拍手) ◆37番(荒尾大介 議員) 日本共産党大田区議団の荒尾大介です。  まず、大田区介護予防・日常生活支援総合事業(新総合事業)について質問します。  大田区は、今年4月1日から介護予防・日常生活支援総合事業(新総合事業)をスタートさせました。この事業は、介護保険の予防給付のうち、訪問介護、通所介護を利用している人のサービスを、自治体が独自に行う地域支援事業の訪問型・通所型サービスに移行させるものです。区は、2016年度中に更新認定のタイミングを見て順次新総合事業サービスに移行させるとし、移行の際に引き続き新総合事業のサービスを受けるために介護認定を受けるか、さわやかサポートでの基本チェックリストを含むケアマネジメントを受けるかは利用者が選択できるとしています。2018年3月までは経過措置期間として現行サービスと同等のみなし事業サービスも利用可能となっており、必要であればこれまでと同様のサービスを受けることができるとなっていますが、厚生労働省はガイドラインで、新たに事業対象となる要支援者等について、みずからの能力を最大限活用しつつ、住民主体による支援等の多様なサービスの利用を促すと、新サービスへの強引な移行を強調しています。
     新総合事業の中で、今年度から生活援助に限定した絆サービスをモデル試行という形でスタートさせましたが、利用料金は30分1単位で600円、そのうち500円が自己負担分、区からの補助が100円となっています。週2回、月4週で利用すると自己負担額は4000円となり、現行相当のみなし訪問型サービスUの2335円よりも1665円負担が増えることになります。  そもそも、要支援1・2の認定を受けている人のうち、要支援2の人は、2006年4月の制度改定前までは要介護1に該当しており、その中で約6割の人たちが要支援2に介護度を下げられました。介護保険法第7条第2項に、要支援状態とは、「身体上若しくは精神上の障害があるために入浴、排せつ、食事等の日常生活における基本的な動作の全部もしくは一部について継続して常時介護を要する状態の軽減もしくは悪化の防止に特に支援を要し、継続して日常生活を営むのに支障があると見込まれる状態」と定義されており、適切な援助を行うことによって要介護状態になることを防ぐ必要があります。そのために介護給付が保険サービスに位置づけられて、ヘルパー等の専門職によるサービスが提供されてきたのです。それが専門職でないボランティア等のサービスに置きかわることは、サービスの質の低下と利用者の介護度悪化につながりかねず、介護保険制度の精神からも逸脱したものになります。  利用者の絆サービス等の新総合事業サービスへの強引な移行はやめて、現行相当サービスの継続を求めます。お答えください。  次に、要介護等高齢者紙おむつ等支給事業について質問します。  要支援外しの典型としてあらわれたのが、今年度の要介護等高齢者紙おむつ等支給事業の変更です。対象者が「要介護1から5と認定された者」から「要介護3から5と認定された者」へ、「要支援と認定され、かつ、傷病による失禁のため、医師が紙おむつを必要と認めた者」が、「要介護2以下と認定され、かつ、傷病による失禁のため、医師が紙おむつを必要と認めた者」に変更されました。このうち要支援1・2については、2018年3月31日までを対象とし、それ以降は対象から外されてしまいます。また、区が支給するおむつを使用できない病院に入院をしている人には毎月5000円が実費支給されていたものを、4500円に減額しました。実際に実費支給を受けている人の家族の方からも、「何で減らされたのだろう」との声が私のところにも寄せられています。  今回の変更で問題になっているのは、要支援1・2が支給対象から完全に外されるということです。区は、軽度の尿失禁者は新総合事業における一般介護予防事業につなげるとし、傷病で支援を要する人に限定して支給すると説明していますが、一般介護予防事業の機能訓練だけで尿失禁が改善されるのでしょうか。  尿失禁には、せきやくしゃみなどの腹圧の上昇で起こる腹圧性尿失禁、強い尿意で我慢し切れずに漏らしてしまう切迫性尿失禁、腹圧性と切迫性の混合型尿失禁、尿閉などの排出障害による溢流性尿失禁、運動機能障害や認知症などで排せつ行為が認識できない機能性尿失禁の5種類があります。尿失禁を改善するためには、現状把握、アセスメントと適切な対処が必要であり、一律に要支援者を支給対象から外し、一般介護予防事業につなげることは乱暴なやり方です。また、適正化や公平性という名のもとでの実費支給額の減額もやめるべきです。  おむつ等支給事業は区の単独での事業であり、評価できるものですが、今回の変更はサービスの後退となるものであり、撤回を求めます。お答えください。  次に、介護職員の処遇改善について質問します。  2014年度の雇用動向調査と介護労働実態調査で、介護職員の離職率が16.3%で、全産業平均の12.2%より4%も高い水準となっていることから、政府は介護離職ゼロを掲げ、2015年度補正予算で介護職確保に444億円を投入し、2020年代初頭までに約25万人を増員する計画を策定したほか、昨年の介護報酬改定で月1万2000円の介護職員処遇改善加算を設けましたが、その数字の根拠が示されていません。介護報酬が2.27%減らされた中で、事業所運営が厳しくなり、職員の賃金アップにつながっていない状況です。  また、政府が2012年度から実践キャリア・アップ戦略の一環として、介護分野へ参入する人材を増やすためのキャリア段位制度をスタートさせ、東京都でも今年度、都内の1690事業所を対象に、キャリアパス導入等に要する費用の一部を補助する東京都介護職員キャリアパス導入促進事業を進めています。  要介護者の増加が見込まれる中で、介護職員の確保は急務となっており、対策が急がれる状況ではありますが、処遇改善加算1万2000円では賃金が上がった実感を得られないのではないかという声や、キャリアパスについては、民間事業所のみで1事業所レベル認定者4人を上限、補助上限額最高200万円、補助期間3年間と極めて限定的な内容となっており、介護職員を内部評価するアセッサーも同事業所内の職員が担うこととなり、事業所内職員の段位取得者と他の職員との賃金格差増大や、アセッサーとなるには講習受講や外部評価などで多くの時間を費やすことになり、事業所の負担が増大するという声もあります。職員のキャリア形成には一定の効果はあると考えられますが、職員確保の実効性にどれだけつながるのかは不透明です。処遇改善加算や金銭的インセンティブの付与、キャリアアップ支援策などよりも、全ての介護職員の賃金を大幅に上げる施策こそ必要です。  大田区で今年3か所の特別養護老人ホームが開設されましたが、そのうちの1施設で、当初開設予定の5月1日から6月1日にオープンがずれ込む事態が発生しました。その理由として、職員確保が間に合わずに開所が遅れたとのことでしたが、入居を心待ちにしていた多くの方々に影響を与える結果となりました。  介護職員が不足している原因には、重労働と低賃金が挙げられます。介護福祉士を養成する全国の専門学校数も、2006年405校だったのが、2014年には378校に減少しており、定員割れの状況も進んでいます。重労働に見合わない低賃金のために、若い人たちが介護職を敬遠している傾向が顕著になっています。大田区でも、「おおた福祉フェス」の開催や、毎月ハローワークと共同開催している「おおた介護のお仕事定例就職面接会」の実施などの支援を行っていますが、より踏み込んだ支援も必要と考えます。  区として、介護事業所の運営を守る上でも、国に対して介護報酬の引き上げを求めるべきです。また、提案ですが、介護職員確保のために、保育士処遇改善の一環で区が実施している職員の家賃補助と宿舎借り上げ制度を実施することを強く求めます。お答えください。  次に、高次脳機能障がいの人への支援について質問します。  大田区では、2008年に20第99号 第2期大田区障害福祉計画への高次脳機能障害者の支援の策定に関する陳情、2012年に24第70号 身体障害を伴わない高次脳機能障害者への支援に関する陳情が採択され、支援の強化を進めてきました。高次脳機能障害者と家族の会大田支部や高次脳機能障害支援者ネット、医療機関と協力をして、相談窓口の設置や訓練施設の設置はされているものの、高次脳機能障害への理解はあまり進んでいないように感じます。  先日、高次脳機能障害の息子さんを持つご家族の方から相談を受けました。息子さんは現在58歳で、要介護度5、精神障害1級、身体障害等級5級。杉並区に在住していた2011年に脳内出血で倒れ、手術を行ったものの、高次脳機能障害と体幹機能障害と診断され、左目の視覚障害、左下肢の動作、記憶障害等の後遺症が残りました。4か月間初台の病院でリハビリを受け、退院後に杉並区内の高次脳機能障害対応デイサービスに通いました。在宅生活に戻ったものの、薬が合わないことが原因で粗暴な言動などがあらわれたことにより妻と離婚し、2012年に大田区内の両親のところで暮らすことになりました。  自宅に戻ってから精神科の病院に入院して薬の処方を見直したところ、精神面で安定を取り戻し、現在は介護保険サービスの通所介護を週6回利用しています。若年であるために、他の70代、80代の利用者が多いという中で違和感を感じていて、また、ご自身は病気や障害のことを十分認識しておらず、それでも社会に復帰したいという希望があるとのことですが、心身状況の悪化が進行しており、ご両親も大変なご苦労をなさっています。ご両親が高齢であるために、在宅介護への限界も感じています。送迎つきの通所訓練施設の充実や、退院後に在宅復帰をするための中間施設の設置など、様々なニーズに対応した施設整備が求められています。  そうした中で、この方が利用していた池上の高次脳機能障害に特化した民間会社が運営している小規模通所施設が、この4月から介護保険制度改定で地域密着型サービスに移行したことにより、事務処理上の煩雑な手続きや採算性の問題などで事業休止に追い込まれたという事態も発生しています。制度改定が利用者の不利益になっていることを区はどう考えているのでしょうか。制度間のはざまで苦しんでいる方々がいるという現実問題に対してどう取り組むのか、ケアマネジャーをはじめ、福祉の現場で仕事をしている方々の努力だけでは補い切れない現状です。だからこそ行政の責任が問われているのであり、福祉基盤の充実、整備を急ぐことが必要なのです。  高次脳機能障害を持った人への理解を広めるための周知活動と実態把握を強めるとともに、個々の障がいに適応した訓練施設の充実と整備を求めます。お答えください。  以上で質問を終わります。(拍手) ○大森 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎中原 福祉部長 私からは、介護保険、障がい者福祉に関して4点の質問にお答えいたします。  まず、介護予防・日常生活支援総合事業への移行についてのご質問ですが、国からは、現行介護予防給付相当の訪問型・通所型サービスを提供する事業者を総合事業の事業者として、平成30年3月末までみなし指定できる経過措置が示されております。区におきましては、この経過措置を活用し、平成28年4月1日から総合事業への円滑な移行を行っています。この事業は、高齢者の総合相談窓口であるさわやかサポートによる最適なケアマネジメントにより、利用者の状況に応じて、専門的なサービスや、その他の多様なサービスを提供いたします。利用者にとって、これまで以上に真に必要なサービスを安心して受けることができ、サービスの質の低下を招くものではございません。介護保険法の趣旨に基づき、高齢者が可能な限り住み慣れた地域で自立した日常生活を営むことができるよう、適切に対応してまいります。  次に、国に対して介護報酬引き上げを求めるべきとのご質問ですが、国は、処遇改善に向けた対策として、昨年度から介護職員の賃金に関しての処遇改善加算額の上乗せを実施しておりますが、来年度は、一億総活躍プランの中で、介護職員の賃金を平均で約1万円引き上げるとの方針を示しているところです。介護報酬アップを求めるそれらの介護保険制度に対する国への申し入れにつきましては、これまでも特別区区長会などを通じ実施していたところでございます。  続きまして、介護職員確保のための施策についてのご質問です。介護人材確保に向けて、区はこれまで、議員お話しのように、「おおた福祉フェス」の開催支援や介護従事者の資質向上のための研修等を実施してきたところです。今年4月から、ハローワーク、事業者団体と区が連携し、「おおた介護のお仕事定例就職面接会」を開始したところです。また、新規雇用職員定着のためのフォロー研修や、有資格で離職している方への再就職に向けたセミナー等を新たに実施する予定でございます。お話しの家賃補助、宿舎借り上げの助成については、今後の国や都の動向を慎重に注視していく必要があることから、その動向を踏まえ、適切に対応してまいります。  続きまして、高次脳機能障害を持った方への施策の充実や施設の整備についてのご質問でございます。高次脳機能障害は、あらわれる障がいが様々であるため、相談も多岐にわたり、幅広い支援が必要となります。区といたしましては、こうしたニーズを踏まえた支援が重要と考えております。高次脳機能障害の実態把握、周知につきましては、区民向け講演会の開催、支援機関連絡会議の開催や支援者向け研修への協力などを実施しています。また、通所サービスについては、新蒲田福祉センター、上池台障害者福祉会館の機能訓練部門での訓練体験の受け入れや、障がい者総合サポートセンターの居住支援部門での生活訓練サービスの実施などの取り組みを進めてまいりました。特に、新蒲田福祉センターでは東京工科大学と連携し、高次脳機能障害の支援に特化した生活改善プログラムを実施しているところでございます。さらに、就労を通じての社会復帰を支援するため、就労支援系サービス事業所に対して円滑な受け入れを支援する取り組みも進めているところです。このような取り組みを今後も継続していく考えでございます。私からは以上でございます。 ◎西山 福祉支援担当部長 私からは、紙おむつ等支給事業についてお答えいたします。  本事業は、単に紙おむつ等を支給するだけでなく、紙おむつに頼らない生活の質の向上を目指していただく事業として実施しております。区といたしましては、尿失禁予防の啓発に努めており、紙おむつ利用者の方にも介護予防事業等に参加していただき、失禁の改善を図っていただきたいと考えております。現在、さわやかサポートでの介護予防教室や個別相談、また、地域福祉課において理学療法士による尿失禁予防教室などを実施しております。さらに、今年度から開始した介護予防・日常生活支援総合事業において、自立度の高い要支援の方をはじめ軽度の尿失禁者に対して、一般介護予防事業の各種体操にもつなげております。区では、今後もこうした取り組みを継続して進めてまいります。私からは以上でございます。 ○大森 議長 会議が長くなりましたので、おおむね20分程度休憩といたします。                      午後3時4分休憩                ――――――――――――――――――――                      午後3時30分開議 ○大森 議長 休憩前に引き続き会議を開きます。  この際、会議時間を延長しておきます。  質問を続けます。42番松原 元議員。                  〔42番松原 元議員登壇〕(拍手) ◆42番(松原元 議員) 大田区議会民進党、松原 元でございます。質問通告に従いまして質問させていただきます。  まず第1に、商店街への各支援事業の実効性についてお伺いをいたします。  私は、この1年間、地元商店街、また、地元からいささか離れた商店街に伺い、様々なお話を伺ってまいりました。その多くの商店街が大変厳しい状況下に置かれていると実感しております。売り上げの減少、また、若手の商店街に対する帰属意識が薄れているがために世代間のあつれきが生じている場合、そもそも若手が存在せず、商店街青年部が対外的な名称登録の際に、その「青年」の文字を削除さえしてしまう場合、閉店した店舗が建蔽率、容積率の高い一般住宅になり、商店街からの不興を買う、また、逆に購入した住人から繁華街ゆえの騒音に対するクレームが寄せられることすらございます。  当区といたしましては、既に様々な商店街関連の支援、取り組みを行っておりますが、それらの実効性をどのようにお考えでしょうか。  「大田区新・元気を出せ!商店街事業」のイベント事業、活性化事業などについてあえて申し上げれば、イベントを行えば一時的に人が集まり、にぎやかにはなりますが、商店街の振興に役立っているかといえば、そうとは言い切れません。催し事の最中、開店はしているものの、無人の店舗ののれんをくぐったことは少なくございませんでした。事前の準備も含め、労力も大きく、また、商店街会員の業種によっては、催し事を開催して商店街に人の流れをつくるイコール商売繁盛とはならない方々も少なくなく、温度差は否めません。本事業内容には、「商店街の活性化を促すとともに、地域の核としての商店街機能の充実を図る」とありますが、これらの事業は商店街の体力を考慮して行っていかなければいけません。  また、商店街活性化テーマ別選択事業、連携強化事業についてあえて申し上げれば、「商店街女性・若手チャレンジ事業」や「若手商人ネットワーク事業」などについては、青年部、女性部が存在せず、高齢化した商店街には全く縁のないものでございます。  先ほど来様々申し上げてまいりましたが、私が考えていますことは、現在、最もこういった支援事業を受けたいと考えている商店街は、そもそも手を挙げられていないのではないかということでございます。大きなメリットを得られる支援事業も、日々の仕事の忙しさから手を挙げることのできない商店街は少なくないのではないでしょうか。1年間で複数の支援事業を申し込む商店街もあれば、その余裕がなく、アクションを起こせない方々が多くいると私は考えております。  また、それ以前に、そもそもこれら当区の支援事業を認知している方々自体が大変少なくあることも事実であると私は考えております。それは、毎月の定例会に出席をされる熱心な商店街の会員の方々も同様でございます。  当区は、「おおたの商い支援事業の事業」内容を商店街会員の隅々に周知徹底されるよう、さらなる努力が必要であると考えますが、いかがでしょうか。  また、これらの支援事業に届け出を出していない商店街に対して、積極的にマンパワーを傾ける必要があると考えますが、当区の見解をお聞かせください。  次に、動物愛護施策についてお伺いをいたします。  以前より私は「地域猫活動」の推進を求めておりますが、本日もまた触れさせていただきます。先に荻野氏が述べられた内容と若干かぶるやもしれませんが、ご清聴をいただけますと幸いでございます。  私は、地域住民同士のトラブルのもとになりかねない野良猫を、地域猫活動を通して適正に管理していく必要があると考えております。今、日本は空前の猫ブームにあります。しかし、ペットショップにて購入した、こうした猫をはじめとするペットをしっかりと最期まで看取る覚悟を持っている飼い主はいかほどいるでしょうか。この先に待っているのは大量の飼育放棄ではないかと危惧をいたしている次第でございます。  本来であるならば、問題の源泉を閉じ、根本解決を目指さなければなりません。それは例えば、衝動買いを抑えるべく、ペットショップでの売り買いに規制をかけることや、ペットを購入するイコール一つの命を預かるということであるという認識を幼少期より理解させる教育、また社会環境をつくり出すことにより、安易なペット購入から飼育放棄への流れを断たなければなりません。しかし、目下当区が取り組まなければいけないことは、現状で既に野良猫が多く存在している地域へのサポートでございます。  先日、とある地域にて野良猫の捕獲、避妊・去勢のボランティア活動に従事している方々とお話を伺う機会がございました。驚くべきことに、今日に至るまで30匹を優に超える野良猫を捕獲し、去勢・避妊手術を行ってきたということでございました。当然、当区の助成金額で賄えない部分は自費での活動です。近隣の自治会における去勢・避妊手術の実績がこの間1匹のみであったということを考慮すれば、これは大変ありがたいことであると同時に、これらのボランティアの方々に対して大きなご負担をおかけしてしまっている状況であったわけです。  本来であれば、この地域猫活動は、区、自治会、ボランティアが協働して進めていくべきことであると考えておりますが、自治会によっては温度差があることもまた事実であります。ゆえに喫緊に本活動を内容の伴ったものにしていくためには、こういった善意のもと、多大な努力をされているボランティアの方々との協働・連携を進めていく必要があると強く感じる次第です。  そこで質問です。こういったボランティアの方々に対して、区の表記のついたワッペンやネームプレートなどを配付し、活動の際に着用していただくことはできないでしょうか。地域猫活動に興味、理解がない方々も、ボランティア活動時にこのような公が認めていると一目でわかるようなものをつけていれば、ひどくののしることも、物取りや泥棒と疑うことも少なくなると考えております。ボランティアの方々自身も心理的に大きな助けになるのではないでしょうか。また、同時に、地域猫活動の周知広報につながることも期待をすることができます。行く行くは、今比較的に小規模なグループでご活動されている大田区内のボランティアの方々と画一的に協働できるきっかけになるのではないかと考えております。  また、関連して、区の捕獲器の貸し出しについても申し上げさせていただきますと、現在の大森の保健所生活衛生課からのみの貸し出しではいささか不便であります。調布地区なども含め、他地域での貸し出しはできないでしょうか。今後も当区の本活動に対する力強い取り組みを希望いたします。  次の質問に移ります。田園調布の防災計画についてお伺いをいたします。  先日、大田区の協力のもと、NTTタウンページにより大田区内に全戸配布された防災タウンページ大田区2016でございますが、皆様ご覧になられましたでしょうか。その24ページに@田園調布周辺地区避難マップがあり、大田区と世田谷区の境の多摩川河川敷から田園調布先一帯の避難マップが記載されております。これを見ると、あまりにも何もないことがわかります。あまりにもと申し上げますと多少語弊があるかもしれませんが、他地域と比べるといささか見劣りがあります。目につくのは広域避難所としての多摩川田園調布緑地くらいです。災害時に田園調布三丁目から五丁目にお住まいの皆様が、あの崖のような坂道をあえて下り、果たして多摩川田園調布緑地に向かうかと考えますと、いささか疑問を感じます。  当該地域は、地震ハザードマップを見る限り、火災危険度、建物倒壊危険度は大変低くはあります。しかし、田園調布と聞くと高級住宅街と連想される方も多くいらっしゃるかとは存じますが、古い家屋も少なくなく、また、極めて急勾配な坂も多い上、細い道もあまたあります。  つきましてはお伺いをいたします。当区は区境の防災計画は、隣接区との協働をどのようにお考えでしょうか。実際に計画があるのでしたら、田園調布をはじめ調布地区全域の区境の区民に対して周知を図っていく必要があると存じますが、いかがお考えでしょうか。お答えください。  最後に、児童養護施設卒園者への支援について意見を述べさせていただきます。  当区には、上池台に救世軍機恵子寮、久が原に聖フランシスコ子供寮の二つの施設があります。両施設の関係者の方々が今本当に悩み心配されていることは、18歳で卒園していく子どもたちの行く末です。卒園して寮を離れても社会的には成人と認められない卒園者たちに対しての支援の必要性は、昨年に何名かの議員が質問を行っていることからも当区は認識をしているものと存じます。本件に関しまして、他区の新たな事業を簡単に紹介させていただきます。  お隣の世田谷区では、本年度より、児童養護施設卒園者や里親のもとにいた若者を対象に、「せたがや若者フェアスタート事業」を開始いたしました。この事業には三つの柱があります。簡単に説明いたしますと、一つは給付型の奨学金制度です。世田谷区は一般財源より5000万円を基金に投じるとともに、20名×36万円の予算を組んでいるということです。また、同時に、同区は、この奨学金制度の基金への積極的な寄附を募るとのことで、区民にこういった境遇の若者たちに対する支援の意識を高めようとしております。既に500万円あまりの寄附があったということです。多くが1万円以下の少額であるということを考えますと、大きな反響を呼んでいると考えることができます。  次に、住宅支援です。これは、高齢者向けの借り上げ区営住宅の現在空いている旧生活協力員が借りていた賃貸住宅を、卒園者向けにシェアハウスのように使用、貸し出す支援です。3LDKの部屋を五つ確保、既に3か所で生活が始まっているということでございます。区営住宅を優先してあっせんするというわけではございませんが、入居する若者は、行政が用意している住宅に住むことができるということにより、精神的に大きな助けになるのではないかと考えております。  最後に、区内における若者の居場所づくりです。世田谷区は、今月中に区内2か所でこういった境遇の若者たちが気軽に立ち寄れる場を用意し、社会に出た後の居場所を確保するということです。これには区内の児童養護施設関係者も様々なサポートに入るということでした。  私は、今後当区において新たに注視していくべき課題は、世田谷区の事業でいう三つ目の居場所づくりではないかと考えております。居場所をどのように定義するかは様々議論があることでしょうが、この大田区に縁を持ち、これから社会に羽ばたく若者たちが、自身が育ったこの大田区において、人と人とのつながりを保ち続ける。それは、自身の居場所、みずからを肯定できる場を保ち続けることにつながると私は考えております。居場所の定義、保安上の管理から様々な議論はあるかと存じますが、当区といたしましては、他区の事例なども参考にしながら、大田区で育った若者たちの未来を後押しする政策を期待いたしまして、私の質問と意見を終えさせていただきます。ご清聴ありがとうございました。(拍手) ○大森 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎齋藤 危機管理室長 私のほうからは、区境の防災計画に関するご質問についてお答えをいたします。  地域防災計画は、災害対策基本法に基づき、市区町村ごとに作成し、大田区全体の計画として定めてございます。しかし、発災時に被災を免れた区、あるいは被災の軽微な区であって、被災区の支援が可能な区が連携して支援体制を構築し、被災区の支援を実施することを目的に、平成26年に特別区災害時相互協力及び相互支援に関する協定を23区で締結しております。その中では、発災時に被災区外での避難生活が必要な被災住民の状況に応じて、受け入れ施設及び移送手段を確保するとともに、被災住民に対する支援を行う内容が明記されてございます。  また、当該地域での避難所などの指定状況でございますが、各自治会・町会では、避難場所や避難所へ集団避難する際に集まる場所として、田園調布三丁目から五丁目に当たる一般社団法人田園調布会、田園調布親和会、田園調布西町会、田園調布協和会につきましては、それぞれ宝来公園、多摩川台公園、田園調布八幡神社境内、多摩川台公園グラウンド等を一時集合場所に指定しております。住む家を失った方などが一時的に避難生活を送る場所としては、田園調布小学校及び田園調布中学校を避難場所として指定してございます。大規模な延焼火災から身の安全を確保し、火災の衰えを待つ場所としては、東京都が多摩川河川敷・田園調布先一帯を避難場所として指定してございます。これらを踏まえまして、先ほどお話し申し上げた23区の協定なども視野に入れながら、今後も地域住民の方々に対して、防災訓練や防災講話等の機会を捉えて、避難の考え方や避難所の役割等についての周知に努めてまいりたいと考えてございます。私からは以上でございます。 ◎近藤 産業経済部長 私からは、商店街の支援事業についての3点のご質問にお答えをさせていただきます。  まず、商店街関連の支援、取り組みの実効性についてのご質問でございますが、大田区としては、商店街活性化テーマ別選択事業や、商店街女性・若手チャレンジ事業、オリンピック・パラリンピック・アクションプログラム「文化交流・多言語習得でおもてなし事業」など、商店街に対しまして課題解決のため様々な支援や取り組みを行っているところでございます。例えば、平成27年度に実施いたしましたモデル商店街事業における事例を少し申し上げますと、調布地区の商店街で、空き店舗を活用し子育て世代にカフェという空間を提供しつつ、商店街各店の集客、売り上げ拡大に結びつける事例や、地域に住むシニア層や若手家族の顧客層を念頭に、昭和の遊びの事例、プロバスケットボールチームの小学生バスケ教室を盛り込んだスポーツと連携した事例、蒲田地区の商店街では、地元高校生と連携した食べ歩きの事例、糀谷地区の商店街では、近隣小学校からキッズレポーターを募り、彼らが商店街を取材し発表会を実施した事例などがあります。こうした地域の力を活用した事業は大変好評を得ております。なお、3月の大田区商店街連合会の理事会におきましても、モデル商店街事業の実施報告及び表彰式を実施いたしまして、他の商店街へ効果が波及するよう取り組んだところでございます。区といたしましては、こうした成功事例のPRに努めまして、今後も引き続き、現場の商店街の皆様の声や大田区商店街連合会の意見も参考に、支援事業の見直しや改善に取り組んでまいりたいと思います。  次に、事業内容の商店街への周知徹底についてのご質問でございますが、毎年2月に商店街関係者向けに支援事業の事業説明会を開催させていただいております。こうしたことで各商店街への周知を図っているところでございます。また、商店会長様より事業の説明を依頼された場合には、直接現地を訪問いたしまして、商店街役員会などの機会を活用いたしまして、丁寧に事業の説明を行わせていただいております。今後も、ホームページでの事業の説明や様式のダウンロードを可能にするとともに、事業内容の説明資料も掲載するなど、事業内容の周知をさらに徹底するように努めてまいります。  最後に、支援事業の届け出をしていない商店街についてのご質問でございますが、平成26年度に実施いたしました商店街調査では、区内145商店街のうち143の商店街から回答の協力をいただきまして、約9割の商店街が実際に区の支援事業を利用されています。マンパワーの活用ということでございますが、大田区では、従来から商店街へ中小企業診断士等を派遣する商店街コーディネーター派遣事業を実施させていただいております。また、支援事業の届け出が未提出の商店街であっても、商店会長様から依頼があれば、地区担当者が直接現地に出向いてお話を伺っております。こうしたことから、大田区は全体的に支援制度の浸透は図られているものと考えておりますが、創意工夫による、さらに魅力ある商店街づくりのために、商店街関係者と協議を重ね、取り組みを強化してまいります。私から以上でございます。 ◎渡邉 保健所長 私からは、地域猫活動についてお答えいたします。  まず、ワッペンやプレートなどの配付に関するご質問ですが、地域猫活動を地域に広げていくためには、多くの経験を積まれているボランティアの方々からの助言や協力が大きな力添えになっております。区では、猫に去勢・不妊手術を施す目的で、猫を保護するために使用するケージの貸し出しを平成26年度から開始いたしました。このケージには「大田区保健所生活衛生課」という表示はございますが、今後、これに加えて、猫の去勢・不妊手術を目的として貸し出していることを示す標識などの配付を検討してまいります。  次に、猫の保護ケージの貸し出し場所に関するご質問です。猫の保護ケージは、飼い主のいない猫に去勢・不妊手術を行う目的で保護する場合に限り、貸し出しを行っております。猫の保護ケージの目的外使用を防止するため、さらに、不適切な設置による近隣住民へのけがの発生を防止するために、他の動物を保護してしまった際の対応方法などをきちんと周知徹底させていただくために、現状では貸し出し窓口は生活衛生課に限って対応しております。今回の議員のご提案を踏まえて、今後どのようにすれば他の地域でも貸し出しが可能か、方策を研究してまいります。私からの答弁は以上です。 ○大森 議長 次に、29番大竹辰治議員。                  〔29番大竹辰治議員登壇〕(拍手) ◆29番(大竹辰治 議員) 質問通告に従い順次質問します。  まず、新空港線「蒲蒲線」について質問します。  4月7日、国土交通省の交通政策審議会の東京圏における今後の都市鉄道のあり方に関する小委員会は、「東京圏における今後の都市鉄道のあり方について(案)」(以下、答申案)を発表し、「概ね15年後(2030年(平成42年)頃)を念頭に置いて、(中略)本答申をまとめた」としています。答申案は、その後、4月20日の小委員会で答申となりました。  この答申案に、松原区長は早速、「『矢口渡から京急蒲田までの事業計画の検討は進んでおり、事業化に向けて関係地方公共団体・鉄道事業者等において、費用負担のあり方等について合意形成を進めるべき』という高い評価をいただきました」とコメントを発表しました。しかし、この答申案は、松原区長がコメントしているように、新空港線「蒲蒲線」について高い評価と言えるのでしょうか。  党区議団は、4月14日、答申案に対する見解を発表いたしました。答申案では、1 国際競争力の強化に資する鉄道ネットワークのプロジェクト8路線と、2 地域の成長に応じた鉄道ネットワークの充実に資するプロジェクト16路線の合計24路線の検討結果が挙げられています。これは東京都が昨年7月に、今回の答申に向けた検討のまとめ(以下、東京都の検討のまとめ)にある、整備について優先的に検討すべき路線5路線と、整備について検討すべき路線14路線の19路線全てについて検討を行っただけのものです。これらのことは、都政新報4月12日号でも、「今回の答申案では、都や地元区市が要望している路線は全て取り上げられており、小委員会としては、意義や課題を羅列するにとどまった」と指摘されています。  また、答申案では、「整備・営業主体が確立していないプロジェクトについては、十分な検討を行うことが必要」と述べています。2000年に運輸政策審議会答申第18号でA2路線として位置づけられて16年になるにもかかわらず、依然整備・営業主体が確立していない路線であり、その理由から整備について優先的に検討すべき路線から外された東京都の検討のまとめと何ら変わるものではなく、高い評価と言えるものではありません。さらに、軌道が異なる鉄道間の接続方法等の課題も解決されていません。  松原区長の新空港線「蒲蒲線」が高い評価のコメントは、区民に誤解を与えるものであり、撤回を求めます。お答えください。  また、こんな見通しのない路線に多額の税金投入計画は、廃止・撤回こそ求めます。お答えください。  次に、子育て安心の大田区へ抜本的な対策についてです。  保育問題が国政の重大問題となっています。希望しても認可保育所に入れない子どもが続出しながら、安倍首相が冷たい姿勢をとったことに対して、「保育園落ちたの私だ」という運動が日本中に広がりました。問題の根本には、一つは認可保育所が決定的に足りないこと、もう一つは保育士の労働条件が劣悪なため保育士が不足していることです。日本共産党は、改めて、今日の事態を解決するために緊急の提言を行いました。その基本的な立場は、認可保育所の増設と、保育士の賃上げなど労働条件の改善という抜本的な対策を緊急に行う提起です。そして、30万人分、3000か所の認可保育園を緊急に増設する提案です。  第1に、待機児問題は認可保育所の増設で解決するという原則を確立することについてです。当面の緊急対策でも、保育士配置など保育の質を確保することを明確にすることです。安倍政権の緊急対策は、質の低下は仕方がないというものですが、しかし、子どもの発達、成長の権利を保障すること、保護者が安心して預けられるというのはぎりぎりの要求であり、当然の願いです。この願いに向き合うことなしには問題は解決しません。  厚生労働省が3月28日、待機児童解消に向けて緊急に対応する施策で、保育所等への臨時的な受け入れ強化の推進として、人員配置基準、面積基準において、国の最低基準を上回る基準を設定している市区町村に対して、一人でも多くの児童の受け入れ要請をしました。これに対して、東京新聞4月19日付けの調査では、23区の大半は国の基準を上回る独自基準を下げずに進めていくと答えています。しかし、大田区が、保育士1人当たりの担当数、1歳児6人について、独自基準あり21区に入っているものの、面積については国基準に引き下げて対応する8区に入っています。大田区が、待機児童解消に向けた緊急対策会議(4月18日)の各市区町村における取り組み状況で、「今回、規制の弾力化として、人員配置や面積基準を上回る部分を活用した臨時的な受け入れ強化が提案されているが、保育現場を担う保育士の負担を大きくすることとなり、子ども・子育て支援制度に掲げている質の改善と量の拡大にも反し、臨時的な対応としても問題であると考える」と要望しています。  この区の要望のとおり、国の規制緩和の要請に従わず、面積について独自基準に戻すよう求めます。お答えください。  大田区の保育所の入所状況は、5月9日のこども文教委員会で、今年4月1日現在の待機児童数が229名と報告がありました。一昨年613人が昨年154人と待機児童を激減させ、全国の自治体で一番減らしたと区長が高く評価していましたが、前年から75人も増えました。この間、認可保育所も増設されましたが、最も多く増やしたのは認証保育所、小規模保育室やグループ保育室等の増加でした。結果、待機児童にはならないが、次の年にはまた認可保育所に入所申し込みをすることになっています。  党区議団の調査では、認可保育所第2次申し込みで不承諾となった児童は1884人でした。不承諾となった児童は、5月1日現在で、区の職員の紹介により認証保育所、保育ママ、定期利用、小規模保育室等で保育を受けられた児童は660人でした。最終的に発表された待機児童が229人でしたから、計算すると残り995人となります。  これらの児童と保護者は今どうしているのでしょうか。育休を延長した人、仕事復帰を諦めた人、認可外保育所に預けた人等でしょうか。今後の待機児童対策のためにも、残り995人について調査を行うべきです。お答えください。  区の発表する待機児童数は真の待機児童数ではありません。認可保育園に入れなかった人数が真の待機児童数になります。認可保育所第2次申し込みで不承諾となった児童1884人を待機児童として認可保育所の増設を求めます。お答えください。  また、小規模保育室だけでなく、認証保育所も2歳までが多く、3歳の転園に不安の声が上がっています。3歳児以降の不安対策にも応える増設を行うべきです。お答えください。  党区議団は、大田区保育園情報コミュニティ有志一同の皆さんと懇談しました。父母の皆さんから、認可、保育ママ、定期利用保育、それぞれ申込方法と時期が違い、把握するのも申し込みのために何度も足を運ぶのも大変だった、認可と同じように認証保育所も一括で取りまとめて募集する仕組みがあれば、余計なお金の入金や、同じような内容の入園申込書を何枚も記入して園に持参する手間が省ける等、保育サービスを一元化し、申し込みも発表も一元化すべきとの要望が出されています。これらの要望に応え、保活の支援のために、認可・認可外保育所の管理の一元化を求めます。お答えください。  第2に、保育士の賃上げで待遇改善のために国の基準を引き上げることについてです。保育士の低賃金は、国の基準が低過ぎることによってもたらされています。全産業よりも月約10万円も賃金が低い事態をつくり出し、保育所不足の最大の原因となっています。国の基準を直ちに見直すべきで、野党共同で緊急に5万円引き上げる法案を提出していますが、この成立を図っていきます。  また、公立保育所でも非正規雇用が増えて、東京都では45%が非正規雇用という調査もあります。さらに、経費削減とサービス向上を目的に民間委託を進めていますが、経費削減の大きな部分を人件費が占めており、委託先の職員に低賃金が押しつけられており、低賃金、不安定雇用に拍車をかけているのが民間委託です。
     保育士の労働条件の改善、保育の質の確保のためにも、非正規職員の正規化を進めるためにも、低賃金、不安定雇用をつくり出す民間委託をやめるべきです。お答えください。  次に、児童相談所の設置についてです。  政令で定める特別区は、児童相談所を設置するものとする児童福祉法の改定が、去る3月29日閣議決定、5月19日衆議院、5月27日参議院で可決成立しました。国の措置として、施行後5年を目途として、中核市、特別区が児童相談所を設置できるよう、その設置に係る支援等の必要な措置を講じる。施行は来年4月1日です。区長会が長年にわたって求めてきた悲願の実現に大きく前進することになりました。法改正を受けて区長会が発表した会長名の談話では、準備の整った区から順次設置を目指すと踏み込んだ表現となりました。区長会は16日に開いた総会で、まず各区がそれぞれの設置に向けたロードマップを検討することを確認したと報道されています。  この間、虐待に関する情報があれば、子ども家庭支援センターが相談を受けて、子どもの安否確認や在宅支援を行い、保護が必要なケースは権限のある児童相談所に引き継ぐ仕組みになっていますが、迅速な対応はとれなく、虐待から子どもたちを守れない痛ましい事件が続いている中で、大田区にも一日も早い設置が望まれています。設置に向け準備を進めていくとともに、円滑な移管のために都との調整が不可欠、人的、財政的な対応の整理が必要であり、具体化には様々な調整が必要なため、早急に体制の整備を行うべきです。お答えください。  最後に、公明党、田村議員の先ほどの指摘に答えておきます。日本共産党が住民の要求を予算へ反映させるために努力する一方、予算の基本的な性格が住民の利益に反するものであれば反対するのは当然です。また、住民要求を取り上げ、住民と力を合わせて予算に反映させたものを実績と呼ぶのも当然です。予算に反対しているから実績はないかのような言い分が通用するなら、結党から30年あまりもの間、野党として振る舞い、予算にも反対してきた公明党の実績は一体どうなるのでしょうか。  また、予算編成替え動議についてですが、この動議は、区長が提出した一般会計予算を撤回して、動議提出の事項について編成替えを行い、再提出することを要望したものであります。認可保育所20か所の建設の60億円の予算の根拠は、この間の実績に基づくものであり、予算編成権が区長にあるわけですから、動議成立の場合、区長が精査して再提出するものです。  以上で質問を終わります。(拍手) ○大森 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎後藤 こども家庭部長 私からは、保育と児童相談所に関する7点のご質問に順次お答えいたします。  初めに、待機児解消に向けた国の規制緩和に対するご質問でありますが、区では、認可保育所の面積基準については、従来から国の基準に基づき、また、職員配置につきましては、一部、国基準に上乗せした職員配置を行い、乳幼児に対する保育の安全を確保しているところでございます。今後も、子どもの安全と保育の質の重要性を踏まえた保育所運営に努めてまいります。  次に、認可保育所へ入所できなかった方に対する調査と認可保育所の増設についてのご質問でありますが、区は、これまでも待機児解消を図るため、認可保育所に加え、小規模保育所や認証保育所などの保育所整備に努めてまいりました。今年度は認可保育所7施設をはじめ、多様な保育サービス基盤の整備により、合計500人の定員拡充を図る予定であります。なお、この整備計画につきましては、現在、今年度の待機児童をはじめ、育児休業を延長された方、特定の保育園のみ希望されている方などの状況確認に加え、新たに妊娠届を出された方の地域分布などを分析し検証しているところでございます。また、申請者への確認の際に、利用可能な保育園の空き状況を提供するなど、保育を希望する保護者への支援に努めております。引き続き、保育ニーズに対応した保育サービス基盤を拡充し、待機児解消に取り組んでまいります。  次に、3歳児以降の保育施設の増設についてのご質問ですが、今年度の待機児229人のうち、3歳児は24人となっております。小規模保育所などから3歳児の受け入れ先につきましては、近隣保育施設の状況を踏まえ、認可保育所の新設などにより施設間の連携を図っているところです。今後も保護者が安心して利用できる保育サービス基盤の整備に努め、仕事と子育ての両立支援を進めてまいります。  次に、認可・認可外保育所の管理の一元化についてのご質問です。認可保育所と小規模保育所につきましては、区において申請受け付けや選考審査などの手続きを実施しております。一方、認証保育所などの認可外保育所は、各施設と利用者との直接契約となっています。施設によっては先着順による利用など選考方法が異なるため、区において管理を一元化することは困難であると考えております。なお、区では、利用者の利便性向上を図るため、窓口や電話相談において、認証保育所や定期利用などの利用に関する様々な情報提供を行っております。また、区のホームページでは、認証保育所などのサービスの特色や欠員情報を随時更新するなど、情報の一元化を進め、利用者支援に努めているところでございます。  次に、非正規職員の正規化や、民間委託をやめるべきとのご質問でありますが、区立保育園では、早朝の預かり保育や延長保育など、きめ細かな保育を実施しております。このような保護者の働き方に応じた保育サービスを提供するため、非常勤保育士を含めた職員体制を組んでいるところであります。なお、非常勤保育士の報酬につきましては、近隣区の状況を勘案し、適正に設定しているところであります。引き続き、非常勤職員の役割に応じた処遇のあり方について、国の動向や近隣自治体の状況を注視し、適切に対応してまいります。また、保育園の民営化は、事業者による創意工夫やノウハウを生かした柔軟な保育が期待でき、多様な保育ニーズに応える有効な手段として、今後も適正に進めてまいります。  最後に、児童相談所の移管についてのご質問ですが、区は、これまでも児童相談所の区への移管に向けた検討を進めるとともに、法改正を含めた国の動向を注視してまいりました。このような中、5月27日の児童福祉法改正を受け、速やかに移管に向けた準備を進めるとの区の方針を決定したところです。今後、全庁的な検討会を立ち上げ、人材の確保をはじめ、施設整備や財源確保など様々な課題を検討してまいります。繰り返される虐待による悲惨な事件や事故から子どもたちを守るために、71万区民を有する基礎自治体として、児童相談所設置に向け積極的に取り組んでまいります。私からは以上であります。 ◎黒澤 まちづくり推進部長 私からは、新空港線に関するご質問にお答えいたします。  まず、答申案発表の際のコメントについてですが、答申では、矢口渡から京急蒲田までの事業計画の検討は進んでおり、事業化に向けて関係地方公共団体・鉄道事業者等において、費用負担のあり方等について合意形成を進めるべきとの評価を受けております。この「すべき」という表記で評価された路線は、全24プロジェクトの中で都内では6路線だけであり、他の路線はいずれも「何々を期待」との表記で、明らかに評価が異なっております。このように、今回の国の答申は、今後の事業推進に当たって大変重要な意義を持っていると考えております。この答申を受け、今後は、区民のご協力をいただきながら、早期に関係者との合意形成を進めていくことが重要であると考えており、コメントの撤回は考えてございません。  次に、新空港線について、計画の廃止・撤回をとのご意見をいただきましたが、新空港線「蒲蒲線」の整備は、区内の東西移動の利便性の向上、災害時、緊急時の迂回ルートとしての役割、まちの活性化と経済発展、そして広域交通ネットワークの形成など、多方面に寄与する有意義な事業でございます。先ほども申し上げましたが、新空港線は国の答申において高い評価も受けてございます。以上のことから、新空港線整備の早期着手に向けて、今後取り組みを強化してまいります。私からは以上でございます。 ○大森 議長 次に、49番北澤潤子議員。                  〔49番北澤潤子議員登壇〕(拍手) ◆49番(北澤潤子 議員) 大田・生活者ネットワーク、北澤潤子です。  大田区の目指す国際化とは。区内在日外国人の子どもに対する日本語教育支援の拡充について質問いたします。  大田区に在住する外国人は年々増え、2006年は1万6000人あまりだったものが、10年たって2016年は2万人強となっています。国別で見ると、多い順に中国、韓国、フィリピン、ネパール、ベトナム、アメリカ、タイと続きます。119か国からの人が住まわれています。  本年5月現在の区内外国籍の小学生は362名、中学生は198名で、計560名です。言語は自分の気持ちを表現すること、人間関係を築いていくこと等、人が健康に生きていくための基本的な手段です。もし自分の気持ちを表現できなければストレスがたまり、発達に大きな障がいをきたすことも考えられます。大田区は在日外国人の子どもの日本語教育に継続的な支援体制を持っていますが、その支援が十分に行き渡っているのか、実態に合っているのか、検証はできているでしょうか。順応性が高い子どもであっても、日常会話とはまた違う学校の教科学習の中の言語、学校生活の習慣、文化にかかわる言語を理解するにはかなりの日本語学習を要するでしょう。大田区に移り住んだ子どもたちが楽しい学校生活を送り、言語の違いを乗り越えて地域の子どもたちと交流を深め、友情を育むことができるような環境づくりこそ、大田区の目指す国際化につながるのではないかと考えます。  さて、大田区の支援には、まず就学前の日本語教室があります。消費者生活センター内のmicsおおたでは民間の「レガートおおた」、山王会館では「ぐるりっと」、この2団体が大田区から受託して就学前の日本語指導を行っており、現在、レガートおおたにはフィリピン、中国、アメリカ、スペインから10歳前後の子どもが11人来ています。ぐるりっとにはフィリピン、中国、アメリカ、スペイン、ドミニカから、就学前の子どもに加えて、一旦学校に通い始めたものの、日本語の学習が必要で学校から送り込まれている子ども、高校受験のための補習を受けに来ている子どもを含め、18人の子どもが通ってきています。二つの教室とも、就学前の日本語教室は午前中、週3日行われており、ともにその子どもの状況に応じて個人対応の指導が丁寧に行われています。  ここでの問題の一つは、就学前の日本語教室が週に3日しかないということです。週3日だけだと、親が2人とも働いている場合、日本語教室のないあとの週の2日は子どもの居場所がありません。家に子どもだけを置くわけにはいかないので、日本語が全くわからないままで、やむなく学校に通わせてしまう家庭も少なくありません。また、日本語教室の存在を知らないままに就学手続きに入ってしまう場合もあるようで、結果、授業についていけず、就学してから日本語教室に送り込まれる子どもが少なくなく、実際ぐるりっとには、そういう子どもが毎年四、五人は学校から送り込まれてきているということです。日本語が全く理解できないでクラスにいるとすれば、その子どもはもちろん、担任の先生も大変苦労されることは想像にかたくありません。  大田区は、就学後には各学校に年間60時間、日本語講師を派遣する制度があり、2015年には138人の生徒が利用しています。都の事業の小学校3年生以上の蒲田小学校・中学校での日本語学級の週1の通級には64名が通い、年々利用者が増えています。しかし、これらの支援は有効ではありますが、初めのうちは全く理解できない授業を延々受けるというつらい時間が続きます。漢字、平仮名、片仮名のある独特な日本語に加えて、意思の疎通ができない孤独感、疎外感からくる子どもの不安感に目を向けなくてはなりません。個人差があるので、一律年間60時間の派遣だけでは足りない場合もあること、週に1回の日本語学級に行くためには他の授業を休んで行かなくてはならないこと、広い大田区において、蒲田小中学校1校ずつしかないなど、問題ではないでしょうか。また、教育委員会の設定している支援の上限は15歳までになっていますが、16歳から18歳であっても、まだ支援を必要とする子どもたちが多く存在しています。  質問いたします。現在は必ずしも日本語教室を経てから就学に至るとは限っていないようです。就学に際して日本語の習得を必要とする子どもは必ず日本語教室を経るように制度化することが必要だと考えますが、いかがですか。  また、日本語教室が週3日では、あとの2日の過ごし方、居場所が課題になっています。日本語教育を重要な教育のインフラと位置づけ、学校と同じ時間帯、週に5日、月曜から金曜まで、生活の中の日本語及び教科の日本語が理解できるようにプログラム化するべきだと考えますが、いかがですか。学習効果の点で言っても、毎日継続して集中して学んでいったほうが早く身につくと考えます。  ほかに在日外国人の子どもへの支援として、小中学校の学校授業の補習を通して日本語支援を行っている市民ボランティア団体があります。夜7時から9時に開催しているのが、「はばたき」と、「めばえ子ども日本語の会」、昼間開催している団体は、「ぐるりっと」です。放課後、子どもたちはそれぞれに宿題を持ち寄り、1対1での指導を受けています。勉強だけではなく、学校での孤独感を癒やす、同じ国の仲間が出会う大切な居場所にもなっています。日本語が不自由な中で教科の勉強をし、宿題をこなし、高校受験をするのであれば、学習支援はなくてはならないものです。支援者たちは、子どもたちの自立までを見守りたいという使命感で取り組んでおられます。  伺います。日本語がまだ不自由な子どもにとっては、学習支援をしながらの日本語支援という形は非常に合理的で有効な支援の仕方です。現在は三つの民間団体が担っていますが、もっと広範囲に学習支援の場が必要です。区が支援ボランティアを募集し研修を施して、公共施設を無料で貸し出し、支援の幅が広がるように環境整備をすることはできないでしょうか。  日本語教育が学校教育の一環としてしっかりとした位置づけになり、地域でさらに民間がサポートできる体制が理想的だと考えます。多文化共生推進センターでは外国人の相談を集約していますが、子育て、学校のこと、日本語教育のことでの相談件数がここ2年間でも倍増しています。在日外国人の意見に耳を傾けることがよりよい支援体制をつくる土台だと考えます。また、区内では、志と情熱のある区民ボランティアが日本語支援の歴史を持っています。そのノウハウや問題意識を持ち寄り、学校とも連携して現状を検証しながら、質の高い大田区ならではの支援体制をつくっていくことが、国際都市おおたの実現への道筋になるのだと思います。  そのためには、教育委員会と多文化共生推進課、日本語教室や日本語支援のボランティア団体、学校での派遣講師、日本語学級など、日本語教育を必要とする子どもたちを囲む支援者の連携が欠かせないと考えます。年に一度でも一堂に集い、意見交換をすることが必要だと考えますが、いかがですか。  在日外国人の活躍の場について質問いたします。  多文化共生推進課の在日外国人を対象としたアンケート調査によると、在日外国人の多くが日本でボランティア活動をしたい、地域のコミュニティに入りたいという願いを持っています。シャイな日本人とは違って、在日外国人の中には積極的に交わっていきたいと考える人が多いのかもしれません。このような願いを実現するためのコーディネート機能が必要だと考えます。  現在、micsおおたが外国人の窓口になっていますが、役所の様々な部署と連携をとって、外国人も活躍できる場所をつくるための企画やコーディネートをすることはできないでしょうか。ボランティア人材バンクをつくったり、例えばファミリーサポートの研修を受けてもらって外国人の子どもの一時預かりをするなど、外国人同士の助け合いの環境をつくれるかもしれません。  私は、かねてから生涯学習センターが大田区に必要だと訴えてきました。センターの機能は人材バンクでもあり、区民が主体的に学び、情報交換をし、仲間と出会い、起業するなど、区民の力を生かす活動拠点で、そこでは日本人も在日外国人も、ともに大田区をつくる仲間としての交流が行われることが望ましいと考えます。  商店街活性化、市(マルシェ)の可能性について質問いたします。  2000年、規制緩和により、それまで消費者や中小小売店の利益のバランスを目指した大店法が廃止になり、大型スーパーの出現が個店の経営を圧迫するようになりました。個店がスーパーに勝つことは困難であり、生き残るにはうまくすみ分けの道を模索しなければなりませんが、商店街の価値と消費者のニーズが重なるのであれば、行政も商店街の再生をともに支援していくべきです。  商店街の価値の一つに買い物をするときなどの対話があります。これは現代社会が失いつつあり、しかし、人が常に欲しているものであり、特に高齢者の孤立化による孤独感を救うためにも、また、今後の国際化、観光化にも大きく寄与するものだと考えますが、今回は、その点からも商店街を補完する市(マルシェ)の可能性を述べたいと思います。  今、全国的にマルシェが注目されており、青山のマルシェ、勝どきの太陽のマルシェなど、多くの人を集めています。区内でも池上本門寺の朝市、蒲田西口での多摩川マルシェ、いずれも定例化する中でリピーターが増え、にぎわいを見せてきています。さかさ川通りのおいしい収穫祭のようなオープンカフェ型であれば客の滞留時間が長くなり、産直市であれば産地の人から商品のことを聞くなどコミュニケーションが生まれ、マルシェは都市と地方との交流や若者に挑戦の場を提供するなど、新たなエネルギーを喚起し、経済活性化の土壌づくりに寄与する可能性を秘めています。  先日、武蔵新田の市に出かけたところ、一工夫した食べ物や手づくりの店が並び、バナナ売りなど昭和レトロの大道芸もあって、新田神社の周りがにぎわっていました。新田商店街では、市以外にも多摩川七福神めぐり、新田神社にまつられる新田義興にちなんだ武者パレードなど、まちの持つ文化的・歴史的な資源を生かしたイベントを打ち出しており、それを地域の人たちが担っていると聞きました。  多摩川駅で行われていたマルシェでは、イギリス人の青年がケーキをつくって出店したところ評判になり、仲間ができ、その紹介で市ヶ谷に店を持つことができ、今年、イギリス大使館御用達になったそうです。このように、若者が市で店を出すことがトライアルとなり、技を磨き、自立していくことがあります。このイギリス人の場合、大田区に店を出せなかったことが残念ですが、彼の場合、このマルシェの主催者が英語が堪能なことで、相談に乗ってもらえたことが成功の要因でもあったようです。  ほかにも、この主催者のもとには外国人の出店の相談、困り事の相談があるそうです。妊娠したけれど、どこで出産できるのかと病院の情報なども尋ねてくるそうです。彼女は必要に応じて病院への付き添いもしているそうですが、マルシェは、このように多くの人の出会いと活躍の場であり、地域の相談センターの機能さえ持っています。まちの課題に気がついて、その問題解決に向かえる可能性もあるのです。多様な地域性のある大田区です。地域ごとに個性豊かなマルシェが展開されたら、それは地域振興、また大きな観光資源にもなるでしょう。  しかし、マルシェの運営については、担い手にはかなりのコーディネート力やリーダーシップが問われます。出店希望者の窓口と様々な調整、広報や各種申請など事務処理、イベント要素をいかに入れ込むかなど、商店主が店を持ちながら片手間にできることではありません。また、一過性の助成金では継続が困難です。  そこで伺います。マルシェの継続的な運営と推進のために、行政が商店街とともに考え、協議し、支援する体制を持てませんか。例えば、オープンカフェを可能とするような道路許可についての支援、地域の人とともに働けるコーディネーターの紹介やその人件費の予算化など、地域の実情に合わせた支援体制を検討できませんか。  区制70年を迎える大田区が、ますます地域力、区民の力が発揮できる舞台が大田区各地にでき、誰もが暮らしやすい真の国際都市になることを願い、質問といたします。(拍手) ○大森 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎河野 観光・国際都市部長 私からは、多文化共生施策に関する5点についてお答えいたします。  まず、1点目の就学前の日本語教室の制度化に関する質問についてですけれども、区では、就学前の日本語教育の必要なお子さんに対する支援として、日本語が不自由なため、就学が困難である外国籍等の子どもを対象に、平成26年度から「大田区こども日本語教室」を実施しております。この教室は、多文化共生施策の具体的な計画事業として、「大田区多文化共生推進プラン」に基づいて実施しており、26年度は43人、27年度は49人の子どもたちが通級しております。さらに、就学後も引き続き日本語指導が必要な児童・生徒につきましては、教育委員会による日本語特別指導や小中学校日本語学級の実施により、日本語習得の支援をしております。ご質問の就学前の日本語教室の制度化につきましては、各家庭の事情による制約や課題などもありますので、日本語習得を必要とする外国籍の子どもたちへの教室の周知を引き続き工夫するとともに、教育委員会と連携をとりながら、支障なく学業に取り組めるように支援してまいりたいと思います。  次に、学校と同じように、就学前に週5日の日本語教室のプログラムをつくるべきとの質問についてですけれども、こども日本語教室につきましては、各ご家庭の事情や子どもたちの日本語の習熟度の違いなどもあり、ご意見やご要望があることは承知しております。区では、そのような状況を踏まえて、現在週3日の開催としておりますけれども、今年度は夏休み、冬休みの区立学校の休業期間中も開催し、前年度と比較して開催日を増やしております。また、さらに日本語を学ばせたいご家庭に対しては、こども日本語教室のほかに、日本語レベルや条件に合わせて、初級から上級まで幅広くサポートしている区内19団体によるボランティア日本語教室をあわせて紹介しております。ボランティア日本語教室は、子どもたちを対象とした教室がありますので、あわせて活用していただくことで子どもたちの日本語の習熟度を高めていくことができると考えております。  次に、就学支援をしながら日本語支援に伴う支援の環境整備についての質問ですけれども、現在、大田区に登録している58の国際交流団体のうち、「はばたき」、「めばえ」の2団体が、外国人の小中学生の学校授業の補習を通じて日本語学習を支援する日本語教室を行っております。区では、このような各団体が実施する日本語教室などの活動に対して、山王会館などの活動場所の提供や教材図書の貸し出し、コピー機の使用などの支援を行っております。これらの支援は、各団体が実施する日本語教室の継続的かつ安価な授業料による運営を促し、これが子どもたちにとっても利用しやすい環境整備につながっているものと考えております。また、区は、日本語学習支援等を担う人材の発掘と拡充のため、毎年ボランティア養成講座を開催し、昨年は約40名の方に受講していただきました。今後とも、支援の拡充や研修を充実するとともに、日本語学習と教科学習が効果的に行われるような環境整備に努めてまいりたいと思います。  次に、支援者の連携と連絡会に関する質問についてでございますけれども、先ほど述べましたとおり、大田区国際交流団体58団体のうち、ボランティアで日本語学習をサポートしているボランティア日本語教室は19団体あります。区では、このような国際交流団体の活動を支援するとともに、各団体の連携と交流を深めるために、連絡会を毎年2回から3回開催し、情報及び意見交換を行っております。この連絡会では、各団体の活動内容や区の施策などの情報提供はもちろん、現場での課題などについて活発な意見交換がなされております。今年度は4月28日に第1回の連絡会を開催し、日本語教育におけるボランティアの人材育成などについて話し合われました。今後も、教育委員会とも連携しながら、必要に応じて連絡会開催の情報を提供するなど、日本語習得支援の充実と環境づくりにつなげてまいりたいと思います。  最後に、外国人に対する企画やコーディネート機能に関するご質問についてですけれども、平成26年度に実施した多文化共生実態調査によりますと、ご回答いただいた26.6%の外国人の方が地域でのボランティア活動を希望しております。区としては、この熱意や姿勢を積極的に活用していきたいと考えております。区内では、既に「国際都市おおた大使」、愛称、来〜る大田区大使が、区の事業をはじめ、地域イベントで幅広く活躍していただいております。また、国際交流ボランティアの登録制度により、現在100名以上の外国人の方に登録いただいております。外国人が日本語学習成果を発表する日本語スピーチでは、実行委員として企画運営していただいているほか、通訳や翻訳など様々な役割で参加していただいているところです。これからも引き続き、意欲のある外国人の方には、ボランティアとして活躍できる場や機会につながる情報を積極的に提供してまいりたいと考えております。以上です。 ◎近藤 産業経済部長 私からは、商店街の活性化とマルシェの関係についてのご質問にお答えをさせていただきます。  まず、区は、地域の様々な団体や区民の力を結集することが、区内145商店街の活性化につながるものと考えてございます。マルシェの継続運営のために行政が商店街とともに考え、協議、支援する体制については、商店街関係者やマルシェ運営者などの関係者のコンセンサスのもとに要請をいただければ協力してまいりたいと考えてございます。道路許可に関してのご質問につきましては、関係部局を紹介し、相談に対応することは可能でございます。地域コーディネーターのご質問でございますが、区内の様々な個人や団体が地域の活性化に取り組んでおられることについては承知いたしております。その活動される方々から依頼があれば、大田区商店街連合会への紹介や、当該の商店会長さんの了解を得た上で橋渡しをいたしております。さらに、区の委託事業として、現在、大田区商店街連合会が実施している商店街へのコーディネーター派遣事業がございます。マルシェに造詣の深い方がコーディネーターとして登録いただくことにより、派遣されれば人件費を支援することは可能になります。私からは以上でございます。 ○大森 議長 次に、45番野呂恵子議員。                  〔45番野呂恵子議員登壇〕(拍手) ◆45番(野呂恵子 議員) 5月1日、戦後最大の公害病、水俣病の公式確認から60年を迎え、3日間にわたる特別講演会が開催されました。近代日本の原型が見えると指摘された水俣病を文明の病として鎮魂の文学を書き続けてきた石牟礼道子さんが、熊本地震で被災してなお語りかけてくれました。折しも6月7日、中央環境審議会が開催され、水銀に関する水俣条約を踏まえた水銀大気排出対策の実施について、第1回答申を取りまとめ、ようやく規制へ一歩踏み出します。  世界の4分の3も焼却施設がある日本は、排ガス中の水銀濃度測定を義務化せず、東京二十三区清掃一部事務組合が全国に先駆け自主的に水銀測定をしてきました。答申を受け、国は、排ガス中の水銀規制に向け、8月ごろには大気汚染防止法施行令改正を目指しますが、条約締結後の新設の清掃工場の規制値は、現在の50マイクログラムから30マイクログラムに引き下げられます。  これまで水銀含有ごみによる清掃工場の被害は甚大でした。2010年、足立、板橋、光が丘、千歳の各清掃工場で、規制値を超える水銀で焼却炉を停止、2011年、目黒、千歳、杉並、2012年、板橋、目黒、千歳、2013年、江戸川、2014年、光が丘、中央、江戸川、2015年、品川、江戸川、そして今年3月には中央清掃工場と、17回に及ぶ物的被害金額は5億1000万円余。私は、水銀を含む体温計や蛍光管など有害ごみの分別を求めるとともに、被害額が各区の分担金にはね返ることを指摘してきましたが、今後、30マイクログラムという厳しい規制値は、より分別を徹底しなければ達成できません。  また、23区ごみの平成27年度常時搬入検査における実施結果が出され、区収集ごみに占める不適正ごみ搬入率が最も高い54.5%の自治体から最低13.2%と、各区のごみ分別の姿勢に大きな開きが見えました。大田区は平成26年度40.2%から27年度38.5%と若干改善し、23区中12位という結果でした。検査台数231台のうち、不適物が混入のCランク89台、そのうち50センチを超える不適物は、大田区が清掃工場から回収し直し、粗大ごみとして再度処理しなければならず、ふれあい指導班の活用などによる区民への分別指導と啓発は大変重要です。  目黒区のように徹底したごみ分別を進めても、目黒工場には他自治体の分別していないごみが搬入される矛盾。問題のあるガス化溶融炉でダイオキシンが発生した世田谷工場の停止で、区収集ごみを他区へ臨時運搬するため、補正予算2億円余も出費した世田谷区など、安定的な焼却とごみ分別は一体です。23区は焼却を広域処理で実施し、ごみ分別は各区事項と、清掃区移管で東京ルールを踏襲しなかった課題が顕在化しています。  そこで伺います。水銀を含むごみが清掃工場に搬入されないよう、23区での取り組みが重要です。世界規模での管理強化を定めた水俣条約を視野に、区長会で23区共通の課題として回収ルール化に向けた対策を、松原区長にぜひイニシアチブをとって実施していただきたいと考えますが、いかがでしょうか。  今後、不適正搬入検査結果を各区が共有して、不適物混入割合が低い自治体の取り組みに学び、23区が広域で清掃事業を展開できるよう強く要望いたします。  環境省は、水俣条約の発効に向け、2月から家庭の水銀体温計など回収モデル事業を全国15市で実施しました。大田区でも4月から大森地域で蛍光灯など水銀含有物及び有用金属を適正に回収、資源化し、汚染防止、中央防波堤埋立処分場の延命化、清掃一部事務組合分担金の削減を図るモデル事業を始めました。大田区の取り組みが23区に影響を与え、清掃工場の安定的な焼却と都市の安全な環境が守られていくことを願い、次の質問に移ります。  5月の深夜、あるご婦人から、認知症が進行する夫の介護に疲れ果て、差し迫った電話が入りました。先日も徘回して行方不明になり、警察に通報したところ、けがをして夜中に大崎で発見されました。つえにキーホルダーをつけていたため身元が判明したのです。今年度からアイロンシールにも取り組みますが、きめ細やかな政策により多くの方が救われていると実感いたします。認知症に係る行方不明者が1万人を超える日本で、今も家族が捜しているケースは後を絶ちません。  東京都は認知症ナビで身元不明者の状況を公表していますが、現在大田区で保護されている3名の中には、平成21年に保護されたままの方もおいでになります。身元不明者は、通常、保護された自治体で生活保護を受けますが、江戸川区ではこの2月から福祉事務所に入院入所援護係を創設し、情報を1か所に集約し対応を始めました。様々議論の末、ご本人の同意が得られる方の写真等、情報を江戸川区ホームページに掲載し、家族から問い合わせがあった場合、すぐホームページから情報を削除し対応しているそうです。  個人情報の管理が厳しい昨今、悪用などを防ぐため、情報の公開には厳しいものがありますが、一方で、写真を見て家族が判明することもあるなど考えさせられました。区は、こうした取り組みについてどのようにお考えでしょうか。名前もわからず施設で暮らし続ける方にも、家族にとっても、会えない日々はつらく、自治体に行方不明者把握の公的なルールが必要です。  大田区のある女性は大宮で保護され、施設に入所していたそうです。大田区高齢福祉課で行方不明の情報を東京都に送付しても、東京都が都内区市町村にとどめていたため、埼玉県と情報が共有されていませんでした。しかし、生活福祉課の身元不明の情報ネットワークにより、文京区のケースワーカーが埼玉県の情報から大田区の方だと気づき、3週間ぶりに自宅へ戻ったそうです。警察の身元不明迷い人台帳が機能していなかったことは課題ですが、役所の仕事の重要さ、各所管の情報の一元化の必要性を痛感いたしました。  さて、高齢者ご夫婦で生活する方も増えている中、地域包括支援センターの利用についてご意見をいただきました。例えば、地域包括支援センターたまがわは下丸子四丁目にありますが、下丸子四丁目にお住まいの方々は矢口の包括が区割りになっていて大変不便です。こうした事例は他の包括でも見られます。  先日、こんな記事を目にいたしました。「ワンフロアで窓口に立つと全ての職員が見える、住民が訪れると担当課ではない職員が対応したりする、その人が他の関係する窓口に話をつけてサービスをする、まさに総合窓口を実現している、これが役場の原点ではないかと東京から福島に来て思った。」自治体職員から大学教員になった今井照さんが書かれていました。大田区との比較は無理があるかもしれませんが、それでも役所の住民サービスの原点をかいま見る思いがいたします。  現在、地域包括支援センターの委託先が異なるため、課題があることは十分承知しておりますが、システムは同一であり、介護を必要とする区民に少しでも親切な仕組みに改善はできないものでしょうか。お答えください。  さて、介護保険制度第7期の検討も開始されましたが、課題は介護職員の人材確保です。厚生労働省の集計によれば、介護労働者を中心とした精神疾患による労災申請が増加し、業種別の労災認定で2番目に多いそうです。人手不足による激務に加え低賃金、さらに認知症に付随した暴言や家族からの要求などでうつ病になるケースも増加しています。高齢者が大好きで、地方から介護職を目指して就職してくる若者も多く、彼らを支えられる職場環境もまた問われます。  うつ病の連鎖をとめるため予防的なかかわりが求められ、各事業所と大田区福祉部の連携が大変重要ですが、どのようにお考えでしょうか。  人材確保が介護保険の要であり、大田区で仕事をしてよかったと思える環境づくりが高齢者に安心の介護を支えていきます。このまちでずっと暮らしたい、そう願う区民に応えられる高齢者支援、そして、このまちで暮らし続けたいと思う若者たちを支援できるよう願い、私の質問を終わります。(拍手) ○大森 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎中原 福祉部長 高齢者施策につきまして順次ご質問にお答えいたします。  まず、認知症行方不明者等への取り組みについてのご質問をいただきました。区といたしましても、身元不明者の迅速な確認等につきましては大変重要な課題だと認識しております。行方不明者への対応につきましては、区内関係部署はもとより、東京都を経て都内区市町村、また、ご家族の希望により近隣県に情報を提供しております。一方、身元不明者の早期身元確認については、東京都と連携を図り、個別の照会の端緒となり得る情報の公表を行っております。今後は、認知症行方不明者等の情報の区ホームページ掲載等につきまして、個人情報保護等様々な課題があることから、関係機関と協議しながら有効な対応策について検討してまいります。  これらに加え、区では、さわやかサポートを中心として、地域力を活用した高齢者の見守り・支え合い体制として、高齢者見守りネットワークの構築を進めております。このような取り組みを見守りキーホルダーの登録事業とあわせて推進し、周知を図っていくことによって、高齢者が行方不明、身元不明にならずに安心して暮らせる地域づくりを推進してまいります。  次に、地域包括支援センター(さわやかサポート)の担当区域に関するご質問をいただきました。現在、一般的なご相談や介護保険申請、また、各種サービスの利用申請、車椅子の貸し出しなどは、いずれのさわやかサポートでも対応しており、地理的なご不便の解消を図っております。また、さわやかサポート職員は、積極的に訪問相談を実施しているところでございます。さわやかサポートは地域包括ケア体制の中核として、相談内容に対し的確に対応する必要があることから、区民に有益な地域資源を把握することをはじめ、その地域の団体や組織等とネットワークを築くことが重要であると認識しております。そのため、地域力の拠点である特別出張所ごとにさわやかサポートを設置することを基本とし、今後も、自治会・町会や民生委員児童委員、その他地域の実情に精通した方々や、医療、介護の専門職などと積極的に連携をとりながら、高齢者が抱える問題の解決に取り組んでまいります。  次に、介護職員のメンタルヘルスについてのご質問です。介護人材の確保が課題となる中、平成26年度の介護労働実態調査によれば、介護に従事する労働者の悩み事の上位に「精神的にきつい」との回答が上がっており、議員お話しのように、介護職員のメンタルヘルスケアは、介護人材の確保・定着に向けて重要な課題と認識しております。区はこれまで、介護従事者を対象にメンタルヘルスをテーマにした研修を実施し、介護従事者の定着を支援してまいりました。今年度も、就労後1年未満の離職率が高いとのデータがあることから、新規職員を対象としたメンタルヘルスにかかわるフォローアップ研修を盛り込む予定でございます。なお、こうした研修のテーマは、事業者や研修参加者の要望も取り入れて設定しているところです。今後も、事業者と連携し、介護従事者が安心して働き続けることのできる職場環境の実現に向けて支援してまいります。私からは以上でございます。 ◎市野 環境清掃部長 私からは、清掃工場への水銀等の不適正搬入防止についてのご質問にお答えをいたします。  廃棄物の処理に当たり、水銀などの有害物質を適正に処理し、区民生活の安全・安心を確保することは重要な課題であると認識をしてございます。このため、水銀に関する水俣条約などを踏まえ、本年4月から蛍光管などの水銀含有物を含む不燃ごみを適正に回収するモデル事業を開始いたしました。また、お話しの23区共通の取り組みといたしましては、特別区の清掃リサイクル主管課長会におきまして、適正処理困難指定廃棄物等に関する検討会を設け、各区の取り組み状況を共有することで対策の推進を図っているところでございます。引き続き、有害物質の適正処理を推進することにより、区民の健康を守るとともに、清掃工場の安定的、持続的な運営の確保に努めてまいります。私からは以上でございます。 ○大森 議長 次に、50番馬橋靖世議員。                  〔50番馬橋靖世議員登壇〕(拍手) ◆50番(馬橋靖世 議員) 最後でございます。防災についての質問が大変続いておりますが、私もきょうは防災について伺ってまいりたいと思っております。最後までおつき合いのほどよろしくお願いいたします。  まず、本年4月に発災しました熊本の震災におきまして、もうこの間、各先生方から被害状況についてはご報告が上がっておりますので、再度申し上げませんが、大変に甚大な被害をもたらしました。この熊本の地震におきまして、1995年に発災をした阪神・淡路大震災、そして2011年に発災をした東日本大震災の恐怖を呼び起こさせられると同時に、地震大国日本に住むみずからの身を震わせられる衝撃的な出来事でありました。改めて、この場をお借りしてお亡くなりになられた方のご冥福をお祈りするとともに、被災された方の一日も早い復興をご祈念申し上げます。  私たちの暮らすこの大田区、そして東京も例外ではなく、いつ何どき大きな揺れが起きてもおかしくないと、この間、専門家の意見を、東日本大震災以降何度も聞かされてまいりました。「地球は地震周期に入ったのか」などという見出しの週刊誌も目につきます。「備えあれば憂いなし」ということわざがありますが、備えても備えても足りないのがこの震災対策であろうと思っております。改めて、この部分について検証して、大田区民の命を守るため、実行力のある対策をともに考えていきたいと思っております。私自身も、今、自分にできることを考えて、区政発展のために尽力をしてまいります。  さて、2011年の東日本大震災では津波の恐怖に焦点が当たり、様々な自治体でも水害に対する取り組みが進められてきました。そして、今回の熊本地震では、阪神・淡路のときを思い起こすかのような建物倒壊による被害が大変に目立つ震災でありました。国宝であるやぐらや石門、そして天守の瓦が崩れ落ちた熊本城などは、連日のニュースなどでも大きく取り上げられました。  また、今回の震災でもう一つ、とても印象的だったことは、余震の回数と期間の長さであります。14日の発災以降、震度7が1回、これは本震です。そして、震度6が5回、震度5が11回、震度4が92回、震度3が274回、これは私が調べた時点です。そして、震度1以上の観測回数は延べ1613回にも及んでおります。また、地震調査委員会は、過去に二、三か月の間隔を置いて同程度の地震が発生した例があるとして、今後も最低2か月程度は震度6弱以上の揺れに見舞われることも否定できないと発表しております。熊本の地震が起きてから、きょうで2か月に足らないですけれども、これからまだ起きるかもしれないということも言われているわけであります。  私自身、こういった大きな震災、地震にあったことはないわけですけれども、例えば、小さいころから防災訓練なんかに行きますと起震車というのが来ていまして、この起震車で体験できる一番大きな震度が、たしか震度6だったように記憶をしています。つまり、あれですら、車の中に乗っているとわかっていても怖いような、そんな大きな揺れが、この間、熊本ではずっと続いていた。そちらで暮らしていらっしゃる方々の地震以降にも感じられた恐怖に関しては、想像を絶するものがあろうかと推察をするところであります。  今回伝えたいことは、主眼は二つだけであります。2点だけ申し上げたいわけであります。実は私自身、これまで質問は、自分自身の実体験とか、また気づきをもとにずっと質問させてきていただいたわけでありますが、今回は区民の方の声を直接ぶつけていこうかなと思っています。この方は大田区の学校防災活動拠点の拠点会議のメンバーにもなっていらっしゃる方であります。この会議に参加をされている方からあった声でありますので、学校防災活動拠点についてもまだまだ多くの課題をはらんでいると認識をさせていただいています。  大田区では、平成24年度から、今まで逃げ込む場所だった学校避難所を震災と戦う拠点として整備するべく、学校防災活動拠点事業を推進してきました。今年度、平成28年度で区内全ての学校の拠点化が達せられ、避難所開設キットなどの配備も完了する予定ですが、まずはこの間の取り組みや、拠点本部の体制を担う地域住民とどのようにして連携をしてきたか、お知らせをいただきたいと思います。  学校防災活動拠点のマニュアルの中に、災害発災時の対応として、地域との連携や災害対応支援、情報収集・伝達、避難者・帰宅困難者・ボランティア等の受け入れ・対応、食糧・物資の調達・配布、在宅避難者の見守り・支援、まだまだもろもろあるわけでありますが、この中の食糧・物資の配布について、現在、区では学校防災備蓄として、食糧で言えば1900人分が1日間対応できる量を備蓄しています。また、東京都とあわせて3日分の食糧を備蓄しているわけでありますが、その他もろもろ、各品目についてこの場で挙げることはいたしませんけれども、この備蓄量について、区としては十分だと考えていらっしゃるのでしょうか。  先に述べたように、本拠点の発災時の役割として、避難者や帰宅困難者、ボランティア等の受け入れや対応も含まれている中、避難者に対しては食糧・物資の配布も行うことになります。現場の混乱や運用の難しさを考えると、防災備蓄についてはまだまだ拡充の必要性を感じますが、区はどのように計画を持っているでしょうか。  また、今申し上げたことと反対の考え方でも一つ課題があります。学校防災活動拠点について整備がなされた地域では、この間、運営本部として拠点会議が設置され、防災訓練や避難所訓練などを通して様々な区との話し合い、連携を行ってきていることと思いますが、その中で備蓄物の配布については、区の説明では、住宅が倒壊をし、避難所に避難をしている人だけに配布をすることと言われております。つまり、在宅避難者や帰宅困難者などには一切配布をすることができず、対応はできないというのが現在の考え方です。学校防災活動拠点の運営本部には、自治会や町会の役員さんなど、地域で顔の広い方が担うことになっている中、例えば、昔からつき合いのある方たちが、避難をしてはいないけれども、支援物資や食糧をもらいに来たら追い返せるでしょうか。むしろそれでいいのかという疑問が私の中には湧いてきます。この備蓄物の配布ルールについて、どのような運用になっているのか改めて伺います。  そして、関連してですが、学校防災活動拠点マニュアルでは、拠点の平時の活動として地域の防災力強化に努めるとして、防災訓練や勉強会、防災マップづくり、拠点活動のPRなど、地域に対して誰もが参加できる開かれた拠点づくりを推奨しています。ふだん防災訓練などに参加をしていて、いざというときの頼れる避難所、そして災害と戦うための拠点と考えていたものが、いざライフラインがとまってしまったときに、避難所に避難をしていなければ備蓄物や食糧、お水なども受け取れないというのは、事業の仕組みとも少し逆行してしまっているように感じますが、いかがでしょうか。  学校防災活動拠点のもう一つの課題として、地域性に乏しいことが挙げられています。大田区はとても広く、区内91か所の拠点にはそれぞれの地域特性が考えられます。海沿いの沿岸地域や多摩川などの河川地域、工業集積地や住宅密集地、山坂の多い地域や平坦な地域など、立地条件だけでも必要とされる設備にはばらつきが出るはずです。さらには拠点となる学校施設についても、体育館の大きさや教室の数、建物の構造などのスペックが当然違ってきます。  一つ例を挙げると、昨年度の予算において、石川台中学校の拠点では、地域住民の強い要望で簡易ベッドが30台配備されました。これは実は値段が熊本地震以降大変に上がったという話ですが、1台当たりの当時の価格で4000円台から5000円台だったと聞き及んでいます。この簡易ベッドは、日中は折り畳んで腰かけとしても利用ができ、スペースの有効活用にも役立つすぐれものであります。今回の熊本地震では、震災以降、余震の影響から避難所で生活することに恐怖して、車で生活をする方がたくさんいらっしゃいました。先ほどほかの議員もおっしゃっておりましたが、エコノミークラス症候群を患った方が亡くなられたという大変に悲しい事例もありました。こういったことを考えると、この対策は大変に先進的な取り組みと言えると思っております。
     その他、石川台中学校の場合、例えば夜間はほとんど周辺に照明がありませんので、投光器や発電機などをこの間要望し、配備が進んできたと聞き及んでおります。つまり、こうした地域住民と拠点会議のメンバーが主体的に共助の体制を考えることは、実行力のある拠点整備にとても大切なことであると感じております。防災活動拠点に配備される資機材などについて、現在の対応、そして体制はどのように行われているでしょうか。  学校防災活動拠点は地域住民が助け合って災害と戦っていく拠点であります。自治会や町会などの役員さんなどが拠点会議など、中心のメンバーとして機能を果たすことになります。したがって、この体制自体はそんなにころころ変わるわけではありません。しかしながら、区の防災危機管理課の人事は当然人事制度にのっとって粛々と行われていくわけで、拠点会議からの要望をあげていても、その担当の方が肌身でその地域を理解していただいたころには担当がかわってしまうということがよくよく起こるわけであります。拠点の主体性と実行力を増すためにも、一定の条件の中で、拠点会議に資機材整備の予算措置をとる方法に変える必要を感じますが、区のお考えを教えていただきたいと思います。  少し話を戻しますが、先ほど申し上げた備蓄について、これも地域特性が大きく関係するものと考えています。例えば、大きなマンションや団地などがその地域の範囲に入っている拠点については、その建物の住人が一挙に避難所に備蓄物を受け取りに来た際の対応なども考えておかなければいけません。一律に食糧などの配備を行っていくことは、底上げをして増やしていく前提であればよろしいですが、環境に合ったルールをつくっていくことも必要だと考えています。多世帯のマンションや団地などについて、その建物の中で災害と戦うという考え方があるかと思います。共助の部分について、大型マンションの備蓄についてはどのような見解を持っているでしょうか。  例えば、東京都では、国の中央防災会議の定めを受けて、条例で企業等に対して、全ての従業員が3日間、施設で待機できるよう、水や食糧、毛布などを備蓄する努力義務を課しています。区としての学校防災活動拠点とその備蓄の考え方を明確に示した上で、大型マンションや多世帯の団地などに対しては、一定の備蓄を行うように努力義務を含むルールをつくっていくことも、ひいては多くの区民の命を守ることにつながると考えますが、区の見解をお示しください。  自助の備蓄については、様々な公的機関から必要な品目や分量が示されていることで、「よし、これを自宅に備蓄しよう」と考えることになるわけであります。マンションなどの多世帯住宅に関しても、備蓄するべき指標を示すことで前向きな対策を行いやすくできるという効果も期待できます。災害は忘れたころにやってくると言います。区民の安心・安全のために、今できることは今行っていきたいと思っています。  最後に、きのう、きょうの議会で、同期の長野議員、そして荒尾議員におかれましてはご結婚とのことでございます。大変おめでとうございます。お祝いを申し上げたいと思います。これから増えるかもしれない新しい区民の命もぜひ守っていただきたい。大田区当局の積極的な取り組みを求めて、質問を終わりたいと思います。どうもありがとうございました。(拍手) ○大森 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎齋藤 危機管理室長 いただいたご質問は全て私の所管でございますので、以下順次お答えをさせていただきます。  まず、学校防災活動拠点事業についての取り組み及び地域住民との連携についてでございますが、この間の取り組みにつきましては、平成24年度から5か年計画で拠点化を進め、今年度で91か所、全ての避難所について拠点化が完了する予定でございます。また、避難所を地域住民が災害活動を行うための防災活動拠点と位置づけ、従来の避難所機能に加えて、情報の収集伝達機能及び地域活動機能の拡充を実現するための体制づくりを図ってまいりました。そのための支援として、救助活動や消火活動のための各種資機材、避難所設備充実のためのPHSイエデンワやLEDソーラーランタン等の各種資器材、避難所開設を簡略化するためのツールである避難所開設キットの配備を進めてまいりました。今後は、これらを活用した避難所開設手順の確認及び訓練等を通して、避難所運営マニュアルの整備等を進めてまいります。拠点本部の体制を担う地域住民と区との連携につきましては、学校防災活動拠点会議や訓練等の機会を活用しながら、引き続き連携を図ってまいります。  続きまして、備蓄に関するご質問ですが、区では、家屋の倒壊により居住ができなくなった方のための必要最低限の食糧と物資を備蓄してございます。食糧については、都と区の役割分担から、1日目を区が、2日目以降を都が備蓄または調達する計画となってございます。区は、平成24年公表の東京湾北部地震の避難所生活者数に対応する23万7000人相当の1日分を目標に備蓄を進めておりまして、今年度で計画を前倒しして目標を達成する予定でございます。91か所の学校防災備蓄倉庫にそれぞれ1900人の1日分の食糧の合計17万2900食を備蓄し、残りを29か所ある地区備蓄倉庫に保管することとしております。現在、出張所管内ごとに必要な量の食糧を備蓄する分散備蓄を進めておりまして、災害時に迅速に物資の払い出しができるよう整備を進めています。区の主な備蓄食糧は、クラッカー、アルファ化米をはじめ、高齢者向けのおかゆや乳幼児用ミルク等、幅広い年齢層に配慮したものを配備しております。また、災害発生直後の混乱を想定し、事前に都の備蓄品の一部を区の備蓄倉庫で保管しております。  そして、帰宅困難者対策の考え方は、東京都帰宅困難者対策条例に基づきまして、帰宅困難者一時滞在施設4か所に避難所生活者用の備蓄とは別に水や食糧を中心に備蓄をしております。このほかボランティア分については、各自で用意していただくことを前提としております。その上で、避難所生活者用の食糧に不足が生じる場合は、他自治体や団体と締結している災害時における応急物資の優先提供に関する協定に基づきまして食料品を要請し、確保していく計画でございます。このほか備蓄品については、28年度に乳幼児向け衛生用品の入れ替えや、高齢者にも配慮した使いやすいトイレ、女性向けウエットティッシュの配備などを予定しております。今後も、過去の被災地での避難所の事例を考慮した上で、区民ニーズに合ったものを厳選し、効率的に備蓄するよう努めてまいります。  続きまして、学校防災活動拠点事業での備蓄物品の配布ルールについてのご質問でございますが、前提としまして、「家屋の倒壊または焼失によって自宅生活ができない住民は避難所において応急的な生活を行い、自宅での生活が可能な住民は自宅で生活することを原則とする」としておりますが、発災直後、自宅での生活が可能な方は、自助の考え方に基づき対応をお願いしたいと考えております。なお、区では、災害に備え、最低でも3日分の水や食糧などを家庭に備蓄しておくことを推奨しております。一方、自宅での生活が困難な方は、避難所において応急的な生活を行うことになりますので、そのために必要な最低限の食糧や生活必需品の備蓄を行っています。ただし、災害発生から一定の期間が経過し、区外から水や食糧等の支援物資が届いた場合は、在宅避難者に対して支援物資を配布するなど支援を実施していく考えでございます。また、在宅避難者用の水の確保としましては、区内8か所の給水拠点で飲料水を受け取ることができるほか、水道局から貸与されたスタンドパイプを用いて水を確保できる仕組みとなっております。  次に、学校防災活動拠点に配備される資器材についてのご質問ですが、これまで必要な資器材について全避難所へ一律に配備してまいりました。また、学校防災活動拠点化事業の初年度については、消耗品費として25万円、備品費として10万円の予算措置を行い、地域の方々に考えていただき、必要な資器材を整備してまいりました。拠点化が完了した2年目以降についても、毎年消耗品費1万円を各拠点校に予算措置していましたが、今年度からは3万円へ増額するとともに、より主体性を持って活動が行えるよう、特別出張所ごとに予算総額の範囲内で弾力的に運用できるようにしております。区としましては、引き続き各拠点校の主体性と実行力のある活動を支援するとともに、学校防災活動拠点の充実を図るために取り組んでまいります。  次に、大型マンションの備蓄に関するご質問でございますが、大型マンションにつきましては、一般のマンションとか木造家屋に比べ、防火性能や耐震性能にすぐれているというところから、基本的には、ご自宅での生活が可能な場合にはご自宅に住み続けていただくことをお願いしておりまして、最低3日分の水や食糧を家族の人数に合わせて備蓄するよう呼びかけるとともに、日常の買い物を通じて備蓄を行い、消費と補充を循環していくローリングストック方式をお勧めしております。  最後に、大型マンションなどに対する備蓄のルールづくりに関するご質問でございますが、東京都震災対策条例において、飲料水及び食糧の確保が都民の努力義務として設けられております。こうした状況を受けまして、区では、開発指導要綱の中に大型マンションにおける備蓄に関する規定を設けるよう、既に昨年度から検討を始めておりまして、今後は条件設定などの詳細な詰めを行っていきたいと考えてございます。私からは以上でございます。 ○大森 議長 以上で質問を終結いたします。               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○大森 議長 次に、議員表彰の件についてお諮りいたします。本件については、地方自治法第117条の規定に基づき、大竹辰治議員、しばらく退席を願います。                     〔大竹辰治議員退席〕 ○大森 議長 29番大竹辰治議員におかれては、大田区議会議員として多年にわたり区民福祉の向上と区政の発展のために貢献され、その功績はまことに顕著であります。本議会はここに議決をもって、その功績を表彰することといたしたいと思います。これにご異議ありませんか。                   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○大森 議長 ご異議なしと認めます。よって本議会は大竹辰治議員を表彰することに決定いたしました。  大竹辰治議員の除斥を解きます。                     〔大竹辰治議員着席〕 ○大森 議長 それでは、大竹辰治議員に対し、永年在職議員の表彰状を贈呈いたします。表彰状の贈呈のため、本職が議長席を離席することをご了承願います。  大竹辰治議員、ご登壇願います。(拍手)                    〔29番大竹辰治議員登壇〕                    〔議長より表彰状を贈呈〕       ┌─────────────────────────────────────┐       │             表     彰     状           │       │                           大 竹 辰 治 様 │       │ あなたは大田区議会議員として                      │       │ 在籍25年にわたり常に区政の                       │       │ 発展に尽くされました                          │       │ その功績はまことに顕著であります                    │       │ よって永年の功労を多として表彰します                  │       │    平成28年6月10日                         │       │                           大 田 区 議 会 │       └─────────────────────────────────────┘ ○大森 議長 以上をもって表彰状の贈呈を終わります。  ただいま表彰を受けられました大竹辰治議員にご挨拶をお願いしたいと思います。 ◆29番(大竹辰治 議員) 議員在職25年表彰に当たり、一言お礼の挨拶をさせていただきます。  本日は、このような場を持っていただき、ありがとうございました。また、25年間もの長い間、区議会議員としての職を続けさせていただけましたのも、支持者の皆様方のおかげであり、同様にこの議場におられる区議会議員の皆様や先輩議員の皆様のご協力があったからであります。心より深くお礼を申し上げます。さらに、区長をはじめ幹部職員の皆様、職員の皆様にもお礼を申し上げます。  在職して25年になりましたが、今から思うと長いようで短い25年間でありました。私が当選した1991年は、失われた10年から20年、今では30年と言われる始まりの年です。日本の経済が、バブルが崩壊し、右肩上がりから低成長期へと大きく転換された時期になりました。  大田区も、この年を前後して、基金は財政基金の取り崩しで減少に転じ、特別区債が地方債の大量発行で増加の一途をたどりました。このような財政状況の中でも、区民の暮らし第一にと自治体の本来の役割を求めてきたこと、また、議会と行政は車の両輪でありますが、行政をチェックする議会の役割を果たし、議会の権能を強化するためにも微力を尽くさせていただきましたことにいささか自負をしています。  議会は言論の府と言われるように、議会活動の基本は言論であって、言論には言論で、決して力によって抑えつけるものではありません。また、意見が違うからといって、これまた力によって抑えつけるものでもありません。どんな問題でも全て言論によって決定されるのが議会の真のあり方です。  大田区政には引き続き課題が山積しております。今後とも、微力ではありますが、主権者である区民の幸せの実現のための大田区を築き上げていくために、全力で努力を続ける所存です。今後とも、ご指導、ご鞭撻を心からお願いいたしまして、お礼の挨拶とさせていただきます。本日はまことにありがとうございました。(拍手) ○大森 議長 以上をもって挨拶を終わります。               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○大森 議長 これより本日の日程に入ります。  日程第1を議題とします。                     〔佐藤事務局長朗読〕 △日程第1  第89号議案 平成28年度大田区一般会計補正予算(第1次) ほか15件                ―――――――――――――――――――― ○大森 議長 理事者の説明を求めます。 ◎遠藤 副区長 ただいま上程されました各議案についてご説明申し上げます。  第89号議案は、平成28年度大田区一般会計補正予算(第1次)で、今回の補正は、歳入歳出予算の総額から歳入歳出それぞれ3286万7000円を増額し、補正後の歳入歳出予算の総額は、それぞれ2573億9712万4000円となります。歳入で増額する内容は、繰入金、諸収入でございます。歳出で増額する内容は、総務費、教育費でございます。  第90号議案は、大田区行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する条例の一部を改正する条例で、個人番号を利用する事務及び当該事務において利用する特定個人情報を加えるため改正するものでございます。  第93号議案は、包括外部監査契約の締結についてで、契約の相手方は公認会計士の菊池努氏、契約金額は1188万円を上限とする額でございます。  第94号議案は、(仮称)大田第6号雑色駅自転車駐車場新築工事請負契約についてで、契約の相手方は京急建設株式会社東京支店、契約金額は4億8600万円でございます。  第95号議案は、(仮称)大田第3号梅屋敷駅自転車駐車場新築工事請負契約についてで、契約の相手方は京急建設株式会社東京支店、契約金額は2億3587万2000円でございます。  第96号議案は、大森ふるさとの浜辺公園休憩所及び倉庫新築その他工事請負契約についてで、契約の相手方は醍醐建設株式会社、契約金額は1億8036万円でございます。  報告第11号は、平成27年度大田区繰越明許費繰越計算書で、平成28年度への繰越額は、京急関連駅周辺のまちづくり事業など15事業を合わせまして、合計37億6744万5440円となっております。  報告第12号は、平成27年度大田区事故繰越し繰越計算書で、平成28年度への繰越額は、普通財産撤去工事で2986万4820円となっております。  報告第13号から報告第17号は、地方自治法第243条の3第2項の規定に基づく区が出資する法人の経営状況に関する書類の提出で、報告第13号は大田区土地開発公社、報告第14号は公益財団法人大田区文化振興協会、報告第15号は公益財団法人大田区体育協会、報告第16号は公益財団法人大田区産業振興協会、報告第17号は株式会社大田まちづくり公社で、平成27年度の事業報告及び収支決算、平成28年度の事業計画及び収支予算に関するものでございます。  報告第18号は、民事訴訟の提起に係る専決処分の報告についてで、建物明け渡し等を求める訴えの提起について報告するものでございます。  報告第19号は、訴え提起前の和解に係る専決処分の報告についてで、使用料等の支払いを求める訴え提起前の和解について報告するものでございます。  報告第20号は、区の義務に属する損害賠償額決定に係る専決処分の報告についてで、中学校から飛び出したボールによる物損事故ほか1件について報告するものでございます。  以上、よろしくご審議の上、ご決定賜りますようお願い申し上げます。 ○大森 議長 これより質疑に入ります。  この際、議員の皆様に申し上げます。本会議での議員の発言につきましては、大田区議会会議規則第53条で「発言はすべて簡明にするものとし、議題外にわたり、又はその範囲を超えてはならない。」と規定され、また、質疑についても「自己の意見を述べることができない」と明記されております。したがいまして、議員の皆様には、発言に当たっては規則で定められたルールに従って行うよう、ご留意のほどお願いしておきます。  本案については、奈須利江議員、北澤潤子議員より通告がありますので、順次これを許します。  まず、47番奈須利江議員。                    〔47番奈須利江議員登壇〕 ◆47番(奈須利江 議員) フェアな民主主義、奈須利江です。  第89号議案、第94号議案、第95号議案、第96号議案、報告第13号、報告第14号、報告第15号、報告第16号、報告第17号について質疑させていただきます。  まず最初に、第89号議案 平成28年度大田区一般会計補正予算(第1次)について質疑いたします。  補正予算に計上されている鳳凰閣の展示資料購入費2870万円の財源は、特定目的基金、郷土博物館資料収得積立基金繰入金です。地方自治法第241条により、普通地方公共団体は、条例の定めるところにより、特定の目的のために財産を維持し、資金を積み立て、または定額の資金を運用するための基金を設けることができます。中でも特定目的基金は、特定の目的のために設置されるものであり、当該目的の遂行のため以外には処分、取り崩しできません。基金の処分は一部の処分と全部の処分があり、全部の処分は基金の廃止となるため、条例を廃止して処分することになります。  郷土博物館資料収得積立基金は、大田区積立基金条例に定められています。また、郷土博物館は、郷土博物館条例にその設置の目的や位置が定められています。一方、(仮称)勝海舟記念館は、2015年に教育委員会から観光・国際都市部に事業移管され、施設整備活用方針は示されましたが、その位置づけは明確になっていません。  そこで伺います。鳳凰閣の資料収集の財源が郷土博物館の資料収集を目的とする特定目的基金から取り崩されていますが、条例の定める目的と異なる使途が可能であるとする根拠は何でしょうか。  二つ目、郷土博物館資料収得積立基金は平成9年に設置され、3000万円を積み立てて設置された基金です。この間、資料の収集は行っていますが、基金取り崩しによる収集は、平成21年3月の189万円一度きりです。特定目的基金を取り崩し資料収集するのはどのようなときですか。  3番目、また、現在の基金残高は2886万9000円で、今回の2870万円を取り崩すと、基金はほぼ全額取り崩されることになります。基金の処分は一部の処分と全部の処分があり、全部の処分は基金の廃止となるため、条例を廃止して処分することになりますが、今回、廃止条例は提出されていません。  そこで伺います。残すことの意味は何でしょうか。また、残すのであれば、郷土博物館の資金を活用した資料取得方針や計画についてお示しいただくことはできるでしょうか。  第94号、第95号、第96号、各工事契約議案について質疑いたします。  これらは契約議案ですが、入札経過調書を見ると、第94号議案と第95号議案は、京急建設、東急建設など電鉄関係の業者だけが入札に参加し、落札しています。一方、第96号議案の大森ふるさとの浜辺公園の工事には、電鉄関係の業者は参加していません。三つの競争入札ともに、Aランクの区内業者としたにもかかわらず、入札応募事業者に差が出たのは、地権者である京急電鉄の要望で、大田区が入札の要件に鉄道線の工事実績のある業者に限定したためであると聞いています。  そこで伺います。鉄道線工事実績のある事業者に電鉄系の業者のみが入札に参加したことになった根拠となる入札の要件についてお示しください。  また、大田区は鉄道線の工事実績を要件としたことについて、京急電鉄の要望でそうなったと聞いています。京急の要望を大田区が受け入れ、入札の要件に入れた理由や法的根拠についてお示しください。  次に、報告についてお伺いいたします。  報告第13号から第17号は、普通地方公共団体の長は、地方自治法の定めるところにより、外郭団体の経営状況を説明する書類を作成し、議会に提出しなければならないという根拠のもとに報告されています。大田区は、区の出資割合が50%以上の団体及び継続的に財務援助を行っている八つの団体を外郭団体として定義し、その中の五つの団体について議会に報告しています。大田区外郭団体改革プランに示されているように、外郭団体を定義する法律上の規定はなく、自治体によりその定義や報告の対象は異なっています。進む規制緩和や地方分権により、官と民の役割の線引きが曖昧になっていく中、税金投入の適否を判断するためにも、こうした大田区と利害関係のある外郭団体の報告はより重要になっています。  そこで伺います。現在定められている報告を必要とする外郭団体は五つですが、財政支援を含め、大田区と密接にかかわっている団体はそれ以外にも増えています。この間の状況の変化に伴い、報告の対象、報告の内容、報告の視点、監査人のあり方などについて、大田区の問題意識をお示しください。  二つ目、株式会社大田まちづくり公社は、大田区の持ち株割合約6割の株式会社です。株式会社は株主の利益のために存在しますから、大田区民は株式会社大田まちづくり公社の6割の利益を得る権利を持っているということです。取締役会構成を見れば、代表取締役こそ大田区幸田昭一副区長ですが、以下、東京急行電鉄株式会社、京浜急行電鉄株式会社、東京商工会議所大田支部会長、大田区商店街連合会会長、蒲田東口地区まちづくり協議会会長の順に、事業者や団体の代表が名を連ね、各出資者が等しく取締役として選任されており、取締役会といった経営における大田区の発言権は6分の1のように見受けられます。また、株式会社大田まちづくり公社の株主総会で何が議論され、株主がどのような問題意識を持っているかといった報告も大田区には行われません。  そこで伺います。大田区が持ち株割合6割に見合った発言権を持ち、株式会社大田まちづくり公社が大田区民の利益のために事業運営がなされていることはどのように確認することができますか。また、報告書のどこを見ればわかりますか。  一方、株式会社大田まちづくり公社の経営状態は良好で、本年度の経常利益は679万7000円で、内部留保は9138万円余になります。配当も行われないため、内部留保されており、利益として区民に還元されていません。株式会社大田まちづくり公社は、京急連続立体の駅総事業の補助金受け渡し機能を長年担ってきましたが、駅舎完成後に所有権が株式会社大田まちづくり公社になり、京浜急行電鉄株式会社との間で賃貸借収入が発生しています。この仕組みにより、例えば株主の京浜急行は、駅舎を資産として保有しないために自己資本比率に有利な上、賃貸借費用は運賃に転嫁でき、実質的な企業負担につながらないなどのメリットがあるように見えます。  株主は株主配当の多寡をもって経営を評価しますが、大田区が投資している株式会社大田まちづくり公社の配当や内部留保は、今後、株主配当として大田区民に還元されますか。されない場合はどのような形で還元されるのかも含めてお示しください。以上です。(拍手) ○大森 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎遠藤 副区長 奈須議員から、第89号議案について、発言通告書により事前に通告されております4点についてお答えいたします。  まず、1点目の条例の定める目的と異なる使途が可能であるとする根拠は何かにつきましては、積立基金条例の第1条に「区財政の健全化および住民の福祉を図るため、積立基金を設置する。」と規定されております。この規定に基づき基金を活用したもので、条例の定める使途に沿ったものでございます。平成20年に開設をいたしました大森海苔のふるさと館の資料につきましては、郷土博物館資料として整えてございます。今回の勝海舟ゆかりの資料も同様の取り扱いで収得していくものでございます。  2点目の特定目的基金を取り崩し資料収集するのはどのようなときかにつきましては、郷土博物館資料収得積立基金の活用に関する取扱基準におきまして、資料収得に要する経費が100万円以上となる場合、取り崩すことができると定めております。これに基づき対応してございます。  3点目の基金を残すことの意味につきましては、将来の郷土博物館資料収集を目的としたご寄附があった場合、これに対応した受け皿が必要であるとの考えによるものでございます。
     4点目の基金を残すのであれば、郷土博物館の基金を活用した資料取得方針や計画についてお示しくださいにつきましては、郷土資料として価値あるものが出てきた場合に、その都度専門家の意見を聞き、取得していくかについて判断してまいる所存でございます。  次に、第94号から第96号議案について、発言通告書により事前に通告されております2点についてお答えいたします。  1点目の電鉄系の業者のみが入札に参加したことになった根拠となる入札の要件についてお示しくださいにつきましては、通常の入札要件に加えまして、本工事の敷地所有者である京浜急行電鉄関連の施工実績を有することを要件としてございます。入札参加業者が電鉄系の業者のみとなったのは、あくまでも入札の結果によるものでございます。  2点目の京急の要望を大田区が受け入れ、入札の要件に入れた理由や法的根拠についてお示しくださいにつきましては、鉄道事業法により、京急電鉄は鉄道事業者として鉄道の安全運行を確保する責任があるとともに、敷地の所有者としての権利に基づき、当該敷地を利用させる条件として区に提示をしてきたものであり、それに対応したものでございます。  最後に、報告第13号から第17号について、発言通告書により事前に通告されております3点についてお答えいたします。  まず1点目、報告の対象、内容、視点、監査人のあり方などについての大田区の問題意識につきましては、報告の対象については、地方自治法第221条第3項に「普通地方公共団体が出資している法人で政令で定めるもの」と規定されております。今回の報告は、この規定に基づき、該当する5団体を対象としているものでございます。報告の内容につきましては、地方自治法施行令第173条で、法人の経営状況等を説明する書類として規定する当該法人の毎事業年度の事業の計画及び決算に関する書類に基づき作成しております。報告の視点でございますが、各団体の設置目的に照らし、事業の進捗状況や経営の健全性を明確にするものとなっております。監査につきましては、法律に基づき各法人に設置が義務づけられている監事または監査役により実施されております。大田区といたしましては、報告の対象、内容、視点は妥当であり、適切な監査が行われていると認識しております。その他、区が補助金等により財政支援を行っている団体につきましては、大田区補助金等交付規則に基づく実績の把握や、予算編成時などの機会を捉えて検証しております。  2点目の区民の利益のために公社の事業運営がなされていることはどのように確認することができるか、事業報告のどこを見ればわかるかにつきましては、「事業の概況と今後の見通し」の「当期の概況について」に記載のとおりでございまして、大田区空き家等地域貢献活用事業や、大田区高齢者住宅指定管理者業務の受託など、区民の利益につながる公共性の高い事業を行っていることが確認できるところでございます。  3点目の公社の株式会社としての配当や内部留保は今後どのような形で区民に還元されるかにつきましては、公社は公共的公益的事業でまちづくりに貢献するという基本理念で設立されており、当初から株主配当を行わない経営方針であり、今後も行う予定はございません。剰余金につきましては、主に安全・安心なまちづくりに寄与するという公社の事業活動のため再投資されているところでございます。以上でございます。 ○大森 議長 次に、49番北澤潤子議員。                    〔49番北澤潤子議員登壇〕 ◆49番(北澤潤子 議員) 生活者ネットワーク、北澤潤子です。  第89号議案 平成28年度大田区一般会計補正予算(第1次)について質疑いたします。  このうち郷土博物館資料収得積立基金繰入金についてお聞きします。この予算では、鳳凰閣、勝海舟記念館の整備に当たり、積立基金を繰り入れ、資料購入費として2870万円が予算計上されています。郷土博物館資料収得積立基金のほとんどを取り崩すことになります。大田区が鳳凰閣を貴重な文化財の保護・活用するという方向性の一環で整備するのであれば、同じ国登録有形文化財である区内の他の建造物への保護・保存についてはどのようにお考えですか。また、資料の購入予定価格はどのように決められたのですか。 ○大森 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎遠藤 副区長 北澤議員から発言通告書により事前に通告されております2点についてお答えいたします。  1点目の郷土博物館資料収得積立基金について、大田区が(仮称)勝海舟記念館を貴重な文化財として保護・活用するという方向性の一環で整備するのであれば、他の建造物への保護・保存についてどのように考えますかにつきましては、今回の議案につきましては、勝海舟ゆかりの資料収集を目的とするものでございまして、他の使途に使うものではございません。  2点目の今回購入する資料の購入予定価格はどのように決めたのですかにつきましては、区の学芸員が他の自治体での展示実績等を参考に見積もった価額でございます。以上でございます。 ○大森 議長 北澤議員、演壇にて再質疑を許可します。                    〔49番北澤潤子議員登壇〕 ◆49番(北澤潤子 議員) 1問目の質疑ですけれども、大田区内にはほかにも国登録有形文化財がいくつかあります。今回は勝海舟記念館の整備に当たり資料購入費とされているわけですけれども、この積立金が文化財保護の意図もあるとしたときに、ほとんどの基金を使ってしまう。では、今後の文化財保護のためにそれが使えなくなるのではないか、そのような危惧もありまして、今後、大田区が貴重な文化財をどのように保護していくのか、その考え方を知りたいという質疑でしたので、よろしくお願いいたします。 ○大森 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎茂呂 スポーツ・文化担当部長 私からお答えをさせていただきます。  今の再質疑につきましては、先ほど副区長からお答えを申し上げたとおりでございます。 ○大森 議長 以上をもって質疑を終結いたします。  本案については、報告第11号から報告第20号に至る10件を除き、いずれも所管総務財政委員会に付託します。               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○大森 議長 日程第2を議題とします。                     〔佐藤事務局長朗読〕 △日程第2  第91号議案 大田区特別工業地区建築条例の一部を改正する条例                ―――――――――――――――――――― ○大森 議長 理事者の説明を求めます。 ◎遠藤 副区長 ただいま上程されました第91号議案は、大田区特別工業地区建築条例の一部を改正する条例で、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の改正に伴い、規定を整備するため改正するものでございます。  以上、よろしくご審議の上、ご決定賜りますようお願い申し上げます。 ○大森 議長 本案については質疑の通告がありませんので、所管都市整備委員会に付託します。               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○大森 議長 日程第3を議題とします。                     〔佐藤事務局長朗読〕 △日程第3  第92号議案 大田区立保育園条例の一部を改正する条例 ほか1件                ―――――――――――――――――――― ○大森 議長 理事者の説明を求めます。 ◎遠藤 副区長 ただいま上程されました各議案についてご説明申し上げます。  第92号議案は、大田区立保育園条例の一部を改正する条例で、仲六郷保育園の一時移転のため改正するものでございます。  第97号議案は、区の義務に属する損害賠償の額の決定についてで、自転車同士の接触による人身事故の損害賠償の額を決定する必要があるので、地方自治法第96条第1項第13号の規定に基づき提出するものでございます。  以上、よろしくご審議の上、ご決定賜りますようお願い申し上げます。 ○大森 議長 本案については、奈須利江議員より通告がありますので、これを許します。                    〔47番奈須利江議員登壇〕 ◆47番(奈須利江 議員) フェアな民主主義、奈須利江です。  第92号議案 大田区立保育園条例の一部を改正する条例について質疑いたします。  この議案は、仲六郷保育園の改築に伴う仮設園舎を公の施設として位置づけるための条例改正です。大田区はこれまで、保育園建て替えに伴う仮園舎のための条例改正はしてきませんでしたが、羽田保育園改築の際から条例改正するように変わっています。  そこで伺います。保育園の建て替えに際し、都度、施設設置条例を改正するようになった理由についてお答えください。  二つ目、今回の条例改正は戻ることを前提にしていますが、委員会報告という形で説明されただけです。これは法的拘束力を持ちますか。  三つ目、法的拘束力を持たないのであれば、施設が改築後、必ずもとの場所に戻ることを担保するため、改正条例に期間を限定する、あるいは仮設移転は改築終了後までといった文言により、保育園がもとの位置に戻ることの担保をするなどという工夫は可能でしょうか。できない場合には、その理由をお示しください。 ○大森 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎遠藤 副区長 奈須議員から発言通告書により事前に通告されております4点についてお答えいたします。  1点目の保育園の建て替えに際し、都度、施設設置条例を改正するようになった理由についてお答えくださいにつきましては、保育園の仮設園舎においても条例を改正する必要があると判断したことから、条例改正を行うこととしたものでございます。  2点目の今回の条例改正は戻ることを前提にしていますが、口頭での説明だけです、これは法的拘束力を持ちますか、また、3点目、4点目の、ないのであれば、改正は期間を限定する、あるいは改築終了後までといった文言により、もとの位置に戻ることの担保などをするという工夫は可能でしょうか、また、できない場合にはその理由をお示しくださいとのお尋ねですが、仲六郷保育園の改築につきましては、計画を定め、平成27年9月のこども文教委員会において、今後のスケジュールの中で、現地で改築を行うことを説明してございます。また、10月には利用者に対し説明会を行っております。もとの位置に戻る計画に沿ってしっかりと進めてまいります。戻る際には改めて設置条例の改正を議会に提出し、議会にお諮りさせていただきます。以上でございます。 ○大森 議長 以上をもって質疑を終結いたします。  本案については、いずれも所管こども文教委員会に付託します。               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○大森 議長 日程第4を議題とします。                     〔佐藤事務局長朗読〕 △日程第4  議員提出第2号議案 大田区議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する条例                ―――――――――――――――――――― ○大森 議長 提出者の説明を求めます。                  〔36番福井亮二議員登壇〕(拍手) ◎36番(福井亮二 議員) 大田区議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する条例について、提案者を代表して提案理由を説明します。  現在支給されている費用弁償の3000円を廃止するために、この条例を提案しました。昨年2月に同様な条例提案を行いましたけれども、今回再度提出した理由の一つは、連日テレビやマスコミでも報道されている舛添都知事の問題です。知事は違法ではないと述べていますが、多くの都民から、違法でなければ何をしてもいいのか、辞任してほしい、こういった声が上がっています。それだけ都民、区民が政治と金の問題について厳しい目になっているのが現状だと思います。  舛添都知事の問題で一番の問題点は、知事の感覚、認識と都民の感覚、認識に大きなずれがあることです。ルールを守っているからよいということではなくて、区民の目線から見ておかしいものは改める、このことが大切だと思っています。  議員が登庁するときに1日3000円の費用弁償が支払われていること、このことは区民の理解が得られないと思っています。さらに、23区では費用弁償の廃止や引き下げ、また実費支給など、こういった区が増えています。現在、1日3000円の費用弁償は23区で一番高い状況です。第三者の厳しい目から見てもしっかりと答えられるように、ぜひ賛同していただきますことをお願い申し上げます。以上です。(拍手) ○大森 議長 本案については質疑の通告がありませんので、所管総務財政委員会に付託します。               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○大森 議長 次に、請願・陳情の付託について申し上げます。  今回受理しました請願・陳情は、お手元に配付の付託表のとおり、それぞれ所管常任委員会及び議会運営委員会に付託します。                ――――――――――――――――――――                平成28年第2回定例会 請願・陳情付託表                                        平成28年6月10日付託 総務財政委員会  28第29号 大田区の職員削減の中止を求める陳情  28第30号 国民健康保険料の引き下げを求める陳情  28第33号 米軍普天間基地移設に関する区議会意見書の提出を求める陳情 地域産業委員会  28第28号 日本航空に165名の解雇者を職場復帰させるための労使協議を求める、に関する請願  28第36号 自衛隊との連携強化を求める陳情 健康福祉委員会  28第32号 増加する貧困家庭への子育てのための経済援助を求める陳情  28第34号 虐待を防ぐために、赤ちゃん訪問を3回は実施することを求める陳情 都市整備委員会  28第26号 盲人生活歩行のため自宅付近の通行に必要な信号設備に音響装置の設置に関する陳情  28第27号 池上5丁目公園を保育園の代替遊技場として整備することを求める陳情 こども文教委員会  28第35号 虐待を防ぐために理由を問わない“一時預かり”の場所の拡充と料金引下げを求める陳情 議会運営委員会  28第31号 区民の声が公平に区政に届く議会運営に関する陳情               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○大森 議長 以上をもって本日の日程全部を終了いたしました。  お諮りいたします。明6月11日より6月19日までは委員会審査のため休会とし、来る6月20日午後1時に会議を開きたいと思います。これにご異議ありませんか。                   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
    ○大森 議長 ご異議なしと認め、そのように決定いたしました。  ただいまご着席の方々には改めて通知はいたしませんので、そのようにご了承願います。  本日はこれをもって散会いたします。                     午後5時58分散会...