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  1. 大田区議会 2016-02-26
    平成28年 第1回 定例会−02月26日-03号


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    最終取得日: 2021-10-03
    平成28年 第1回 定例会−02月26日-03号平成28年 第1回 定例会 平成28年第1回定例会 大田区議会会議録 第3号 2月26日(金曜日)  出席議員(49名)   1 番 田中一吉       2 番 松原秀典       3 番 高瀬三徳   4 番 安藤 充       5 番 岸田哲治       6 番 大森昭彦   7 番 松原茂登樹      8 番 伊藤和弘       9 番 塩野目正樹   10 番 押見隆太       11 番 鈴木隆之       12 番 伊佐治 剛   13 番 深川幹祐       14 番 長野元祐       15 番 渡司 幸   16 番 高山雄一       17 番 松本洋之       18 番 岡元由美   19 番 勝亦 聡       20 番 広川恵美子      21 番 秋成 靖   22 番 玉川英俊       23 番 田村英樹       24 番 大橋武司   25 番 小峰由枝       26 番 椿 真一       27 番 田島和雄   28 番 末安広明       29 番 大竹辰治       30 番 清水菊美   31 番 藤原幸雄       32 番 佐藤 伸       33 番 菅谷郁恵   34 番 黒沼良光       35 番 金子悦子       36 番 福井亮二   37 番 荒尾大介       38 番 山崎勝広       39 番 黒川 仁   40 番 森  愛       41 番 岡 高志       43 番 荻野 稔   44 番 三沢清太郎      45 番 野呂恵子       46 番 犬伏秀一   47 番 奈須利江       48 番 湯本良太郎      49 番 北澤潤子
      50 番 馬橋靖世                ――――――――――――――――――――  欠席議員(1名)   42 番 松原 元                ――――――――――――――――――――  出席説明員   区長            松原忠義    副区長           遠藤 久                         区長政策室長   副区長           幸田昭一    計画財政部長兼務      川野正博   総務部長          田中教彦    地域力推進部長       木田早苗   防災・危機管理担当部長   齋藤浩一    観光・国際都市部長     河野秀夫   区民部長          茂呂英雄    産業経済部長        鴨志田 隆   福祉部長   障害福祉担当部長   障がい者総合サポートセンター所長兼務                 中原賢一    生活福祉担当部長      赤松郁夫   健康政策部長        杉坂克彦    保健所長          石原美千代   こども家庭部長       市野由香里   まちづくり推進部長     黒澤 明   交通企画担当部長   都市開発担当部長兼務    町田達彦    空港まちづくり本部長    玉川一二   都市基盤整備部長      荒井昭二    環境清掃部長        佐藤惠美子   会計管理者         森部一夫    計画財政部計画財政課長   今井健太郎   総務部総務課長       川上立雄    教育委員会委員長      芳賀 淳   教育長           津村正純    教育総務部長        松本秀男   教育総務部教育総務課長   水井 靖                ――――――――――――――――――――  出席事務局職員   局長       近藤倫生         次長       政木純也   議事担当係長   長谷川 歩        議事担当係長   石渡 隆 議事日程第3号  平成28年2月26日  午前10時開議  第1   第5号議案 平成27年度大田区一般会計補正予算(第4次)   第6号議案 平成27年度大田区国民健康保険事業特別会計補正予算(第1次)   第7号議案 平成27年度大田区後期高齢者医療特別会計補正予算(第2次)   第8号議案 平成27年度大田区介護保険特別会計補正予算(第3次)   第9号議案 大田区福祉オンブズマン条例の一部を改正する条例   第10号議案 大田区行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する条例の一部を改正する条例   第11号議案 大田区組織条例の一部を改正する条例   第12号議案 大田区行政不服審査法施行条例   第13号議案 大田区情報公開条例の一部を改正する条例   第14号議案 大田区情報公開・個人情報保護審査会条例の一部を改正する条例   第15号議案 大田区個人情報保護条例の一部を改正する条例   第16号議案 大田区行政委員会の委員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例   第17号議案 大田区非常勤職員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例   第18号議案 公聴会等に出頭する者の実費弁償条例の一部を改正する条例   第19号議案 大田区立男女平等推進センター条例の一部を改正する条例   第20号議案 大田区人事行政の運営等の状況の公表に関する条例の一部を改正する条例   第21号議案 一般職の任期付職員の採用に関する条例の一部を改正する条例   第22号議案 職員の分限に関する条例の一部を改正する条例   第23号議案 公益的法人等への職員の派遣等に関する条例の一部を改正する条例   第24号議案 職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例   第25号議案 職員の育児休業等に関する条例の一部を改正する条例   第26号議案 職員の給与に関する条例の一部を改正する条例   第27号議案 職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例   第28号議案 職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例   第29号議案 職員の旅費に関する条例の一部を改正する条例   第30号議案 職員の結核休養に関する条例を廃止する条例   第31号議案 大田区印鑑条例の一部を改正する条例   第32号議案 大田区特別区税条例の一部を改正する条例   第75号議案 土地の取得について   第76号議案 東京都後期高齢者医療広域連合規約の一部を変更する規約に関する協議について   第77号議案 大田区立男女平等推進センターの指定管理者の指定について   第81号議案 大田区職員定数条例の一部を改正する条例   第82号議案 大田区手数料条例の一部を改正する条例   第83号議案 大田区国民健康保険条例の一部を改正する条例   報告第1号 民事訴訟の提起に係る専決処分の報告について   報告第2号 民事訴訟の提起に係る専決処分の報告について   報告第3号 訴訟上の和解に係る専決処分の報告について   報告第4号 区の義務に属する損害賠償額決定に係る専決処分の報告について   報告第5号 大田区立東六郷小学校校舎改築工事請負契約の専決処分の報告について  第2   第33号議案 大田区立消費者生活センター条例の一部を改正する条例   第34号議案 大田区区民活動支援施設条例の一部を改正する条例   第35号議案 大田区特別出張所付属施設条例の一部を改正する条例   第36号議案 大田区立区民センター条例の一部を改正する条例   第37号議案 大田区立文化センター条例の一部を改正する条例   第38号議案 大田区立大森東地域センター条例の一部を改正する条例   第39号議案 大田区立ライフコミュニティ西馬込条例の一部を改正する条例   第40号議案 大田区立池上会館条例の一部を改正する条例   第41号議案 大田区立山王会館条例の一部を改正する条例   第42号議案 大田区立田園調布富士見会館条例の一部を改正する条例   第43号議案 大田区コミュニティセンター羽田旭条例の一部を改正する条例   第44号議案 大田区ふれあいはすぬま条例の一部を改正する条例   第45号議案 大田区北蒲広場条例の一部を改正する条例   第46号議案 大田区多文化共生推進センター条例の一部を改正する条例  第3   第47号議案 大田区奨学金貸付条例の一部を改正する条例   第48号議案 大田区老人いこいの家条例の一部を改正する条例   第49号議案 大田区指定地域密着型サービスの事業の人員、設備、運営等に関する基準を定める条例の一部を改正する条例   第50号議案 大田区指定地域密着型介護予防サービスの事業の人員、設備、運営等及び指定地域密着型介護予防サービスに係る介護予防のための効果的な支援の方法に関する基準を定める条例の一部を改正する条例   第51号議案 大田区心身障害者福祉手当条例の一部を改正する条例   第52号議案 大田区立前の浦集会室条例の一部を改正する条例   第53号議案 大田区の福祉に関する事務所設置条例の一部を改正する条例   第54号議案 大田区立上池台障害者福祉会館条例の一部を改正する条例   第55号議案 大田区保健所使用条例の一部を改正する条例  第4   第56号議案 地域力を生かした大田区まちづくり条例の一部を改正する条例   第57号議案 大田区住宅修築資金融資基金条例の一部を改正する条例
      第58号議案 大田区建築審査会条例の一部を改正する条例   第59号議案 大田区係留施設条例   第60号議案 大田区特別区道路占用料等徴収条例の一部を改正する条例   第61号議案 大田区公共物管理条例の一部を改正する条例   第62号議案 大田区立公園条例の一部を改正する条例   第63号議案 大田区立下水道関連施設公園等の設置及び管理に関する条例の一部を改正する条例   第64号議案 大田区立児童遊園条例の一部を改正する条例   第65号議案 大田区立多摩川田園調布緑地条例の一部を改正する条例   第78号議案 特別区道路線の認定について   第79号議案 特別区道路線の廃止について   第80号議案 大田区立仲六郷二丁目公園の廃止について  第5   第66号議案 大田区立児童館条例の一部を改正する条例   第67号議案 大田区立共同利用施設条例の一部を改正する条例   第68号議案 大田区立多摩川集会室条例の一部を改正する条例   第69号議案 大田区子ども家庭支援センター条例の一部を改正する条例   第70号議案 大田区立保育園条例の一部を改正する条例   第71号議案 大田区立学校施設の活用に関する条例の一部を改正する条例   第72号議案 大田区立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例   第73号議案 大田区立図書館設置条例の一部を改正する条例   第84号議案 大田区放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例  第6   第74号議案 大田区防災業務従事者損害補償条例の一部を改正する条例  第7   第1号議案 平成28年度大田区一般会計予算   第2号議案 平成28年度大田区国民健康保険事業特別会計予算   第3号議案 平成28年度大田区後期高齢者医療特別会計予算   第4号議案 平成28年度大田区介護保険特別会計予算  第8   28第5号 地元羽田地域の防犯カメラの設置を求める陳情               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜                     午前10時開議 ○松本 副議長 議長にかわり、副議長が議長の職務を行います。  ただいまより本日の会議を開きます。               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○松本 副議長 これより昨日に引き続き質問を行います。  まず、27番田島和雄議員。                  〔27番田島和雄議員登壇〕(拍手) ◆27番(田島和雄 議員) 皆様、おはようございます。大田区議会公明党の田島和雄でございます。日ごろ区民の皆様からいただいたお声をもとに質問させていただきますので、理事者におかれましては、明快なる答弁をお願い申し上げます。  私は、小学生、中学生の子を持つ親でもあり、学校の安全に関心を持つ一人です。東日本大震災から間もなく5年を迎えますが、地震や台風、火災などの災害と常に隣り合わせであるほか、登下校中の子どもが巻き込まれる交通事故の多発、さらには、不審者があらわれたとの情報も区民安全・安心メールで頻繁に配信されるなど、治安や子どもの安全に関して不安を抱いているのは私だけではなく、多くの区民からもお声を頂戴いたします。学校安全に関して本区においては、東京都教育委員会が定めた「安全教育プログラム」を指針として安全教育を進めていると伺っておりますが、同プログラムがどのような内容なのか、また、同プログラムに基づいて推進した安全教育によって得られた成果をお聞かせください。  さて、先ごろ私は、台東区立金竜小学校を視察してまいりました。その小学校では、ISS、インターナショナルセーフスクールと、SPS、セーフティプロモーションスクールという活動に取り組んでおられました。ISS、インターナショナルセーフスクールとは、WHO地域安全推進協働センターが創設し推進する学校の外傷予防を目的とした国際認証活動です。七つの指標に基づいた安全推進の取り組みを地域と連携して継続的に取り組む学校をISSとして認証し、世界的なネットワークで成果を共有して、お互いに高め合っていこうとする制度です。しかし、このlSSは国際認証であるため、かなりの手間とコストがかかることから、日本において4校しか認証されておらず、広がりに欠けています。  一方、SPS、セーフティプロモーションスクールは、児童8人が犠牲となった痛ましい附属池田小学校事件を教訓に、先駆的な取り組みを続ける大阪教育大学が平成26年10月に創設いたしました。ISSの考え方、進め方を参考に、地震や台風、火災などの災害が多く、児童だけで登校する日本の学校現場の実情を考慮し、外傷予防だけでなく、災害対策、交通安全を含めた包括的な安全推進を目的として構築された取り組みです。金竜小学校ほか2校が平成27年3月に第1号として認証されて以来、現在、全国の18の幼稚園や小中学校が認証を目指すなど、ISSよりもSPSの取り組みのほうが全国的に広がっています。  SPSでは、研修を受けた学校安全コーディネーターを学校に派遣し、教職員や児童・生徒、保護者の代表らでつくる学校安全委員会を設置いたします。犯罪やいじめ対策などの生活安全のほか、災害安全、交通安全の3分野で目標や計画をつくり、活動結果を分析して安全対策を改善し、学校関係者と情報を共有しながら進めていくものです。SPSの特徴は実践的な訓練に重きを置いていることです。金竜小学校では、実際の訓練の際に撮影した映像を拝見しましたが、児童の動きの素早さに衝撃を受けました。私は前職の警備会社で不審者対応、災害対応を幾度も訓練いたしました。いざというときでも体が自然と動くようにするためで、訓練は大変重要です。金竜小学校では、毎年4月3日を「金竜安全の日」として、1日かけて全職員で危機管理マニュアル研修、普通救命講習、不審者対応訓練、避難所開設訓練、校内一斉安全点検を行っているとのことでした。全職員を対象とするのは、子どもたちを守るのは大人たちであり、万一の場合の対応は、正規、臨時という雇用形態や教職員、調理職員という職種の違いは関係ないという理由からだそうです。  お伺いいたします。本区における各種訓練を実施する際、訓練に携わる職員の対象をどこまでとしているかをお聞かせください。  また、本区では、危機管理マニュアル研修等の研修や、マニュアルに基づく訓練をどのように実施しているのか、マニュアルや訓練の内容、方法などに関して改善する仕組みはとられているのか、区内の教職員や地域、警察、消防などの関係諸機関で共有する仕組みがあるのかについてもお聞かせください。  金竜小学校では、SPSの取り組みを始めてから、児童・生徒のけががかなり減少し、それに伴って保護者への対応なども減り、世界一忙しいと言われる教職員の負担の軽減にもつながる明確な成果を上げているとのことです。  SPSの特徴の2点目は、教職員、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、学校支援ボランティア、児童相談所、警察、消防が連携し、言うなれば「チーム学校」として地域社会を挙げて子どもの安全確保を目指すことです。SPS認証の意義は、単に認証を受けることが目的ではなく、大人が子どもを守ることを誓うと地域に宣言することを意味し、それによって地域の意識も変わり、誓ったからには学校安全に関して、継続的に取り組まざるを得なくなると金竜小学校の先生がおっしゃっていたのが印象的でした。  SPSは、国会でも取り上げられました。平成27年3月の衆議院予算特別委員会において、公明党の浮島智子衆議院議員がSPSについて質問したところ、安倍総理大臣は、「大変先進的な取り組みである」、下村文部科学大臣も、「こうした取り組みを積極的に普及していく」と答弁しております。それを受け、現在開会中の第190回通常国会で審議中の平成28年度予算案の中に、防災教育を中心とした実践的安全教育総合支援事業として、セーフティプロモーションスクール等の先進事例を参考に、地域の学校安全関係者、関係機関及び団体との連携・協力として予算が組まれ、SPSを全国的に進めようとしております。  金竜小学校の訓練の模様をおさめた動画も借りることができるとのことですので、本区においても校長会などの会議や先生方の研修会にSPSの取り組みを紹介されたらいかがかと思いますが、今後の子どもの安全確保に関する取り組みとあわせて見解をお聞かせください。  もし、学校側からの認証の希望が出れば、その学校をモデル校と位置づけて対応していただきたいと思います。  本区では、これまで通学路防犯カメラ設置事業や避難所体験宿泊教室、スケアードストレート方式による交通安全教室など、安全に関してハードとソフト、両面にわたる多角的な取り組みを進めていることを高く評価いたします。ぜひ、本区は「子どもの安全先進区」であると宣言し、区を挙げて子どもの安全確保の体制をさらに整備し、地域とともに子どもの命を守るとの強い覚悟を示すべきではないかと考えます。  さて、学校安全に関連して、放課後子ども教室の災害対応についてお伺いいたします。放課後子ども教室の多くは民間事業者に運営を業務委託しておりますが、万一、災害等が発生した場合、子どもたちの安全を確保できるのか不安に思っている区民もいらっしゃいます。万一の際の対応について、どのような体制となっているのか、学校との連携はどのようになっているのかをお聞かせください。万一の際の対応を決して事業者任せにはしないよう、今後とも指導をお願いいたします。  次に、奨学金制度についてお伺いいたします。  私も東京都育英奨学金を利用していた一人です。そのおかげで大学に通うことができましたが、お借りした奨学金も、20年かけて、おととしやっと返還し終わり、本当の意味で大学を卒業することができました。次代を担う青年への支援として、奨学金制度は重要であると認識し、公明党は給付型奨学金制度や所得連動返還型奨学金制度の導入を提唱しております。  さて、本区における奨学金制度は、周辺の自治体と比べても奨学生が多く大規模であること、返還期間を20年として、1回当たりの返還金額の低減に寄与していること、国が検討している所得連動返還型奨学金制度ですが、本区では既に、所得に応じた1回当たりの返還金額を奨学生と相談して決定していることなどを高く評価いたします。  奨学金を申し込む際の提出書類について質問いたします。奨学金を申し込む際、願書のほかに、推薦状、成績証明書、住民票、所得を証明する書類、連帯保証人の住民票、連帯保証人の所得を証明する書類と7種類もの書類を提出しなければなりません。申し込む側にとっては、なぜ同じ役所なのに別々の窓口に出向いて書類を発行してもらって提出しなければならないのかという思いがあります。  そこで、このたび導入されたマイナンバーを活用してはいかがでしょうか。マイナンバーのメリットとして、行政機関へ提出する書類が従来よりも少なくなり負担が軽減する国民の利便性の向上、地方公共団体などで様々な個人情報の照合、転記、入力などに要している時間や労力が大幅に削減される行政の効率化などがうたわれております。まさに、マイナンバーを活用して奨学金申請に係る提出書類の削減に取り組むべきではないでしょうか。見解をお聞かせください。  続いて、奨学金返還の延滞についてお伺いいたします。大田区奨学金貸付条例第8条で貸し付けを受けた奨学金の返還期間を20年以内と定めるとともに、同条例第14条で延滞金について返還期間満了の日または返還期限の日の翌日から年10.95%の割合で計算する延滞金を加算して徴収すると定めております。延滞金の利率が年10.95%というのは、現在の超低金利時代にあってあまりにも高過ぎるのではないか、利率をもっと下げる必要があるのではないかと思いますが、この点について見解をお聞かせください。  奨学金は、20年間無利子で貸し付けるなど福祉的色彩が濃く、民間融資とは違い、滞納の取り扱いは慎重を期すべきものです。私は、滞納する方には2通りあると思います。返したくても返せない方と、返せるのに返さない方です。返したくても返せない方は、返せない様々な事情があろうかと思います。同条例第11条には「区長は、奨学生であった者で、進学、死亡、心身の故障その他特別の理由によって奨学金の返還が困難となった者について、返還を猶予し、又は減免することができる。」と定めております。奨学生の状況を正確に把握した上で、奨学生に丁寧に寄り添って、この規定を弾力的に運用していただきたいと思いますが、見解をお聞かせください。  問題は、返せるのに返さない方にどう返還してもらうかです。奨学金の原資は申すまでもなく区民の税金ですが、返還金が次の奨学生の貸付金にもなります。若者支援として重要な奨学金制度を維持していくためには、奨学生が貸し付けを受けた奨学金をしっかりと返還する仕組みづくりと、滞納者に対する収納対策を進めていくことが重要です。同条例第8条と第14条によると、延滞金は20年後からしか発生しないように読み取れます。延滞金を課すことには、返還者に対して返還期日に返還するよう促す観点と、期日どおりに返還している者との公平性の観点があります。返還期日を守っても守らなくても返還金額が同じであるというのは、まじめにきちんと返還している者にとって不公平です。滞納防止と公平性の確保の観点から、延滞金を20年後からではなく、もっと早い段階から課すべきであると思いますが、見解をお聞かせください。  現在、滞納が累積して長期間滞納する者に対して、弁護士に委託しての収納対策を進めていると伺っております。弁護士対応のほかに、累積長期滞納者を今後増やさないためには、滞納初期の早いタイミングでの電話による返還督促を強化すべきと考えます。タイミングを外さず迅速に対応することが、結果として累積長期滞納を防ぐことにつながります。だからといって、職員の定数が決められている中で、職員の負担が重くなることは避けなければなりません。  そこで提案ですが、民間委託を検討してはいかがでしょうか。既に本区では住民税、国民健康保険料、介護保険料、後期高齢者医療保険料の滞納者に対する納付勧奨を民間に委託しております。その対象を奨学金の滞納者にも拡大し、現在の民間事業者と締結している契約に付随する形で契約を結んではいかがでしょうか。督促の電話対応を民間委託して効果があることは本区でも既に実証済みです。職員が督促電話をかける平日の昼間は滞納者が不在でなかなか連絡がとれず、効率的に進まないのが実情と思われます。民間委託をすれば、夜間や土日祝日も対応することができます。奨学金滞納者への督促を民間委託することについて見解をお示しください。  奨学生に奨学金を返還していただくには、返還金が次の奨学生の貸付金になることを強調し、返還する意識づけをすることも重要と考えます。そこで、例えば、貸し付けが終了し、区と奨学生が相談して返還計画を作成する際、奨学生本人に対する面談も効果的ではないでしょうか。面談、またはそれにかわる返還の意識づけの方策についてお聞かせください。希望ある若者がこれからの人生を豊かに充実させ、さらに、希望が持てるように、奨学金制度の維持と給付型奨学金を含めた奨学金制度の充実を求めまして、次の質問に移ります。  次に、ものづくり支援についてお伺いいたします。  本区では昨年、平成27年10月から新たに研究開発企業等拠点整備助成事業をスタートさせました。同事業は、高付加価値を生み出す研究開発施設や生産設備は持たず、研究開発に特化したファブレス企業、ものづくり企業をサポートする設計・デザイン等の企業の立地を支援することで、区内ものづくり企業への波及的な効果を生み出すことを目指すと伺っております。同事業は新たな企業を単に誘致するのではなく、区内の企業に影響力のより大きい企業を誘致し、区内のものづくり企業を維持・発展していく目的であると認識しております。同事業の取り組みは、今後重要性が増していくと思われます。同事業の実績と今後の展開についてお聞かせください。  さて、大田区は産業集積の維持や操業環境改善等の目的のため、30ユニット以上の大規模工場アパートを3棟整備しております。これは、中小企業によるものづくり産業を基幹産業とする大田区らしい取り組みです。最初の賃貸型工場アパートが建設されてから、来年で20年を迎えます。大田区が誇るものづくりネットワークの維持・発展、集積を図るための施策の一つとして工場アパートは有効であり、今後も整備を推進していく必要があると考えます。しかし、工場アパートを整備していこうとして、単純に公共施設を建設することは、将来の人口数や人口構成の見通しを踏まえると慎重にせざるを得ません。そこで、工場アパート整備をさらに加速するため、民間の力をこれまで以上に活用していくことも一つの方策かと考えますが、今後の方針をお知らせください。  また、本区においては、ものづくり企業の維持・集積を図るため、各種助成金、補助金が用意されております。そのうち、ものづくり工場立地助成制度についてお伺いいたします。同制度は、区内での操業を希望し、ものづくりを担う事業者の立地や操業環境の整備を支援することを目的としております。具体的には、事業規模の拡張や高度化のために行う工場の新設や増設、区内から区内、区外から区内への移転などにかかる経費を一部助成するものです。限度額は1000万円ですが、対象経費の合計が500万円以上と下限も決まっております。この下限の条件を緩和し、使いやすくするべきと考えますが、区の方針をお知らせください。  また、ものづくり企業立地継続補助金についてもお伺いいたします。同補助金事業は、区内におけるものづくり企業の立地継続を支援するため、区内中小企業者が実施する防音、防臭、防振等の操業環境の改善にかかる経費の一部を助成する事業で、東京都との連携事業です。同補助金には条件が設けられており、工業専用地域に立地する工場の改修については対象にならないとしています。今般、工場を取り巻く環境は大きく変わってきており、工業専用地域であっても操業環境の改善に迫られることがございます。ついては、同補助金を工業専用地域に立地する工場も対象とするよう条件の緩和を東京都に働きかけていただきたいと考えますが、見解をお聞かせください。  また、同補助金事業は、平成26年度から平成28年度までの3年間を予定しているとのことですが、その後も延長、継続するのかどうか見解をお示しください。区内のものづくり産業は、取引先の海外移転、後継者問題、工場数の減少、住工混在による操業環境の悪化等、多くの困難な課題に直面しております。本区におかれましては、厳しい経営環境の中で奮闘し、日本の産業の屋台骨を支えているものづくり企業の維持・集積を図るため、ハード・ソフト両面にわたる支援のさらなる充実を図っていただきたいと要望いたします。  以上、子ども、青年、ものづくり企業をはじめとした区民の皆様が輝き、さらに希望が持てる大田区となることを念願して質問を終わります。(拍手) ○松本 副議長 理事者の答弁を求めます。 ◎鴨志田 産業経済部長 私からは、産業経済費に関するご質問にお答えをいたします。  まず、研究開発企業等拠点整備助成事業の実績と今後の展開についてのご質問でございます。これまで区外企業7社、区内企業6社から本事業の活用について相談を受けるなど、事業への高い関心をいただいておりますが、現時点では採択実績はございません。周知につきましては、区報や産業振興協会の広報誌への掲載に加え、各種の事業によります企業訪問、商談会など、様々な場面で取り組んでいるところでございます。今後も、研究開発企業等の立地や区外企業の誘致を促進させることで、中小ものづくり企業の集積に努めてまいります。  次に、工場アパートの建設に民間活力を活用していくことについてのご質問でございます。現在、民間企業等によります工場アパートの基盤施設整備を支援いたしますものづくり工場基盤施設整備支援事業を実施しております。この事業は、建築費の4分の1を補助するものでございます。民間の工場アパート建設は、区内中小ものづくり企業の集積の維持と良好な操業環境の実現に寄与するものと考えております。今後も、当該事業の利用促進を図るとともに、社会経済状況の変化を踏まえ、制度設計を検討しまして、民間工場アパートの建設支援を推進してまいります。  次に、ものづくり工場立地助成事業の対象経費にかかる下限の条件についてのご質問でございます。この制度は、工場などの建設や移転にかかる経費の一部を助成するものでございます。下限を500万円としておりますのは、助成金活用企業の長期的な事業継続を期待し、一定規模以上の立地事業や規模の拡大を想定していることによるものでございます。これまでに多くの企業が助成金を活用しまして、工場の拡張による操業環境の改善などの成果が出ているところでございます。今後も、より使いやすく効果の高い地域産業の活性化に貢献する事業としてまいります。  最後に、ものづくり企業立地継続補助金についてのご質問でございます。この補助金は、ものづくり企業の立地継続を支援することを目的とした事業で、住居の建設が認められておりません工業専用地域は原則的には補助の対象外となっております。ただし、他の用途地域と隣接し、操業環境改善の効果が高いと認められる工場は対象となる場合がございます。区は、区内ものづくり企業の操業環境改善は重要な課題であると考えており、今後も区の中小ものづくり企業の集積の維持・向上が図れるよう必要な仕組みの構築に取り組んでまいります。私からは以上です。 ◎中原 福祉部長 私からは、奨学金について6点についてお答えいたします。  まず、マイナンバー制度の活用に関するご質問ですが、マイナンバー制度の目的の一つに区民の利便性の向上があります。この制度の導入に当たっては、現状では国の政省令や法改正の状況、個人情報保護委員会の審査等いくつかの条件が整備される必要があります。区といたしましては、こうした状況を的確に捉えつつ、今後検討をしてまいります。  次に、延滞金の利率についてのご質問ですが、現在の奨学金の延滞金利率については、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律において、遅延損害金に適用される利率をもとに設定しております。今後、貸付金の延滞利率の変更については適切に判断してまいります。  次に、奨学金の返済を滞納する方に対する返還の猶予、減免に関してのご質問ですが、区では現在、返済開始の際に、返済開始のお知らせの通知を送付し、在学中であることやご病気等の理由で返済が難しい場合に猶予等ができる旨を周知しております。また、督促・催告状に借受人の現況等をお尋ねするアンケートを同封し、奨学生の状況を正確に把握するよう努めているところです。今後も、借受人の状況に応じた債権管理を実施してまいります。  次に、貸付金を返還できない場合の延滞金についてのご質問でございます。区の奨学金制度では、返還未済額に対して、返還開始から20年経過後に延滞金を賦課することとしております。しかし、公平性の観点から、たび重なる弁護士の催告にも応じず、支払いがない滞納者に対しては、20年を経過せずとも、元金及び延滞金を一括で請求するという措置をとっております。今後も適切な債権管理を行っていくよう努めてまいります。  次に、滞納者に対する督促、勧奨などを民間委託できないかとのご質問ですが、区では、これまで督促、電話催告等の業務について、民間の債権回収業者に委託できないかを検討した経過がございます。その結果、弁護士に委託することとし、平成24年度から委託を開始しております。現在は、数年間滞納を続けて、一度も返済がないといったケースから順次弁護士に委託しており、成果を上げております。今後も早いタイミングでの対応を心がけ、弁護士委託による債権管理を継続してまいります。  最後に、奨学生本人との面談と返還の意識づけについてのご質問ですが、円滑な返済を行っていくためには、まず、奨学生本人に返済に対する意識をしっかりと持っていただくことが大切であると認識しております。現在、区では、貸し付けを開始する際に「奨学生手帳」という案内冊子をお渡しし、返済の仕方、滞納に対する取り扱い等を周知し、円滑な返済ができるよう促しているところです。今後は、返済開始時においても返済に関しての意識づけの強化を図り、適切な債権管理の一層の実現を目指してまいります。私からは以上でございます。 ◎松本 教育総務部長 私からは、4点についてお答えをいたします。  安全教育プログラムの内容と、そのプログラムによって得られた成果についてのご質問にお答えをします。安全教育プログラムは、子どもたちの生活安全、交通安全、災害安全を目指し、児童・生徒が危険を回避するために身につける力を示すとともに、指導を進めるための全体計画及び年間指導計画、必ず指導する基本的事項、適切な機会の提供、改善につなげる評価等を示して、教職員の理解を図り、学校における安全教育を推進するものでございます。成果といたしましては、第1に、安全教育で身につける力や指導内容、指導方法等を全教職員が共通認識を持って指導できるようになりました。第2に、必ず指導する基本的事項に基づいた指導によって、子どもの安全に関する知識や行動の仕方などの意識が高まっております。さらに、危険を予測し回避する行動をとることができるようになっております。  次に、区における各種訓練を実施する職員の範囲などについてのご質問にお答えします。学校における防災訓練や避難訓練等は、基本的には全教職員で行うことになっております。また、内容等の徹底につきましては、職員会議や打ち合わせの時間で行い、マニュアル等の改善等につきましては、適宜検討し、校長の判断のもと改善を図っております。さらに、これらの内容につきましては、地域教育連絡協議会や学校避難所運営協議会等で示すとともに、各種訓練を地域住民、PTA、消防団、消防署、特別出張所などと連携して行っている学校もございます。  次に、SPSの取り組みを校長会や研修会で紹介すること、今後の展望についてのご質問でございます。安全教育の充実は大変重要なものであると認識をしております。今後とも、校長会や研修会等において、安全教育プログラムの徹底やSPSの取り組みなどの先進的な事例を紹介してまいります。さらに、平成28年度には全ての区立学校が学校防災活動拠点となることを踏まえ、各学校が地域や関係機関と連携して、安全・安心な学校づくりを一層推進してまいります。  最後に、放課後子ども教室で災害が発生した場合の対応についてのご質問でございます。災害時の安全対策につきましては、学校で定める計画、マニュアル等を基本に、学校と教育総務課、運営事業者の三者で十分な協議を行い、連絡体制や安全対策をきめ細かく定めております。運営事業者に対しては、おおた放課後子ども教室安全管理指針の遵守、放課後ひろば(子ども教室)安全の手引きに基づく対応を義務づけております。さらに、児童も参加した避難訓練を行い、いざというときの行動について定着を図っております。今後とも、児童の災害時の安全確保について、連携を密にして事業を推進してまいります。私から以上でございます。 ○松本 副議長 次に、28番末安広明議員。                  〔28番末安広明議員登壇〕(拍手) ◆28番(末安広明 議員) 大田区議会公明党の末安広明でございます。本日は質問通告に基づき、四つの分野にわたり質問をさせていただきます。よろしくお願いいたします。  初めに、住宅政策について伺います。  本区では、住宅マスタープランが平成23年策定され、10年計画で現在進んでおります。少子高齢化、未婚化の進展、離婚の増加、家族に関する価値観の変容などから世帯構成は大きく変化しています。これまで標準世帯とされてきた夫婦と子の世帯は、1980年代半ばまでは全世帯の約40%を占めていたのに対し、2015年には27%にまで減っております。現在、最も多いのは単身世帯で、その比率は約33%とされます。これに加え、夫婦のみの世帯、ひとり親と子の世帯などが増加傾向にあるとされます。これら増えているタイプの世帯では、経済的困窮、社会的孤立、そして劣悪な居住条件などの問題を抱えているケースが多く見られます。まさに、世帯構成の変化が急激に起こっており、それに応じて必要とされる住宅の需要も大きく変化していると言えます。  このような理由から、住宅ニーズとして大きくあるのが低家賃の賃貸住宅と言えます。比較的年数が経過した建物がこのような対象でありますが、私の住む調布地域におきましても、老朽化し建て替えが行われると、多くの場合は敷地を分割した建売住宅や、単身・ファミリー世帯を対象とした高家賃の賃貸住宅が建てられます。規模が大きな敷地には分譲マンションが建てられます。市場ニーズを鑑みればこのような傾向は理解できますが、急増する経済的困窮者の方が住まえる住宅の戸数は、どんどん不足している現状があるものと推察されます。あるデータでは、民間の低家賃住宅の代表格である木造共同住宅の比率が、1983年では全借家の24%を占めていたのに対し、2008年では13%にまで減ったとのデータもございます。全国の比率以上に都市部の現状はこのような傾向が強く、待ったなしの状況と言えるのではないでしょうか。本区におきましても、既存の市場にあるあらゆる住宅資源を今後どのように効果的に活用できるのか、その可能性を早急に探るべきと考えます。  そこでお伺いいたします。住宅マスタープランの施策においても、地域で安心して住み続けられる仕組みの整備とありますが、その進捗をどのように評価しておりますでしょうか。具体的な施策としてこれまで取り組まれたことや成果等お聞かせください。  世帯構成の大きな変化に対応するための施策や低家賃の住まい拡充に向けた対策など、骨格となる住宅マスタープランの再検討が必要な時期にあるとも言えます。いかがお考えでしょうか。ご見解をお伺いします。  中でも、既存の民間の賃貸住宅をいかに活用できるかが重要でありますが、入居中の事故や家賃滞納の不安などから、主に高齢者が民間賃貸住宅への入居を敬遠されるケースが目立ってきております。平成19年に施行された住宅セーフティネット法において、地方公共団体、宅地建物取引業者、賃貸住宅の管理業者などが連携し、居住支援協議会を組織することができるとされています。現在、53協議会が全国で設立されており、特別区においては江東区、豊島区、板橋区において設立されております。本区においても居住支援協議会の設置、またはそれと同様の会議体の発足を提案したいと思いますが、ご見解をお聞かせください。  また、国においても住宅確保要配慮者あんしん居住推進事業など、協議会に対する様々な補助金のメニューを用意して力を入れようとしております。ぜひとも協議会の設置を検討いただきたいと思います。  加えて、都市部における低家賃で住まえる住宅の新たな仕組みの検討も必要と考えます。そのための施策として、空き家を活用していくことは重要なテーマの一つであります。例えば、空き家を活用したシェア居住が実現できれば、3LDKで12万円の家賃の住宅が、3人で住めば1人4万円で住めます。入居者同士で安心できる暮らしを負担可能な家賃で実現するために、今後、シェアハウスなどの新しい手法の可能性を探ることも大切です。そうすることで、支援サービスの提供も実施しやすい効果も生まれます。豊島区では、高齢者や母子家庭世帯のシェアハウスなどの可能性をモデル事業として検討しているようでございます。また、文京区で始まった民間賃貸住宅のオーナーに対する高齢者の入居を拒まないようなインセンティブの検討も必要と考えます。  低家賃で実現できる住まいの可能性について、様々な手法を検討していくべきと考えますが、ご見解をお聞かせください。
     様々な問題があることは承知の上で、既に起こった未来とも言うべき住宅事情の急激な変化に対応するための設計図を、ぜひともこのタイミングで構築していくことを切に要望させていただき、次の質問に移らせていただきます。  次に、公共施設の整備について質問をさせていただきます。  平成22年に「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」が施行されました。この法律によると、国や地方自治体は木材の利用の促進に関する総合施策をつくり、実施するとともに、みずから率先して、その整備する公共建築物における木材の利用に努めなければいけないとされております。  なぜ木造化、木質化が叫ばれているのか。大きく3点あるとされています。一つ目に、鉄骨やコンクリートでつくられた建築物は、解体されればリサイクルできない廃棄物となってしまいますが、解体後にもう1度部材を活用できる点で、木材がエコな部材であると言えます。二つ目に、鉄やコンクリートは限りある資源でありますが、木は再生可能な循環型資源であります。適正管理下の森から、成長しながらCO2を十分に吸収しきった木を伐採し、建築資材として利用する。その後、新しく植えて育つ木がまた成長しながらCO2を十分に吸収するというように持続可能な資材と言えます。地球温暖化防止と持続可能社会の構築に大きく貢献できます。また、三つ目に、国土に占める森林の割合は67%、東京においても36%になっているにもかかわらず、国内の木材自給率が極端に低いことに国が危機感を持ち、この資源をいかに活用できるかが現在重要な課題となっています。都の来年度予算においても、多摩産材の利用拡大として公共建築物への利用を進めた場合に対する補助金が11億円余計上されております。  そのほかにも、様々な効果があるとされます。公共施設のイメージとして、かたい、冷たい雰囲気を持たれがちな傾向がありますが、木質感を感じることで、温かさや落ちつきのある空間を演出できます。様々な悩みを抱え相談に来られる方や、他の自治体から不安を抱えて転居してくる方にも安心できる空間づくりは、これからの公共施設に求められる要素であると言えます。このような背景から木造建築は求められていると言えます。  また、国では現在、間伐材の有効活用としてCLTという新たな木質パネルの開発にも着手しており、木造で高層の建築物を実現する可能性も高まっております。ネガティブなイメージを持たれがちな防火性能についても、その技術は急速に進化しております。最近では国立競技場にも、日本らしさの象徴として、木を全面的に打ち出したデザインが採用されました。東急池上線の駅舎の屋根部分にも木が採用されたことをイメージ広告でPRされておりました。  平成22年に公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律が施行されましたが、これまでに本区の公共施設において木造化、木質化を検討されたことはありますでしょうか。具体的に木造で建てられた建築物などあればお聞かせください。  先に述べた理由から、様々な施設で木造化、木質化を検討していくべきと考えますが、今後推進していく可能性があるかお聞かせください。  大切なことは、コスト面や工期、工法、設計手法、また先行事例などを研究し、専門家の意見もヒアリングしながら検討をスタートさせていくことが重要と考えます。そして、一つの物件だけで成果を判断するのでなく、今後複数の物件で検証を図りながら、効果的な木造利用の指針を整備していくことが重要と考えます。  また、先日ある小学校で実施されていた放課後子ども教室を視察させていただきました。実施されている場所は教室が確保できず、廊下に面したパーテーションもない図書スペースで行われておりました。校舎も非常に老朽化しており、スペースの確保もままならない中で、やむを得ない状況はわかりますが、将来のある子どもたちが過ごすスペースとしては、残念な雰囲気でありました。公共施設の整備計画が現在行われておりますが、老朽化した施設を1度に建て替えることは困難であります。建て替え計画に位置づけられたとしても、その実施までに長い年月がかかるようなケースもあります。今後、フレームや内装材として木をいかし、コストを抑えたリノベーション手法を積極的に実施していくことを提案したいと思いますが、ご見解をお聞かせください。  また、羽田空港跡地においても様々な施設整備計画がなされております。昨年のミラノ万博においても、木質感を全面的に表現した日本館のパビリオンが大好評であったそうです。特に、国際都市おおたとして、訪日外国人のおもてなしエントランスとしても機能していく施設において、木造のシンボリックな建物を採用することは、日本らしさ、和の雰囲気を演出する上でも効果的と考えます。  そこで今後の計画において、木の活用をはじめ、景観や環境に配慮した有効な施設整備を進めるべきと考えますが、いかがでしょうか。ご見解を伺います。  様々な可能性がある木造化、木質化の検討をぜひとも積極的に取り組んでいただくことを要望し、次の質問に移らせていただきます。  次に、若者支援について質問させていただきます。  若者に光を当てて、応援していくことが大変重要であることは言うまでもありません。しかしながら、ニートやひきこもり、不登校などの社会生活を営む上で困難を抱える若者が増えている実情や非正規雇用の増加、また貧困化など様々な課題が山積をしております。私が地域で接している若者の中にもこういった課題を抱える方は多く、また、仕事をされている方であったとしても収入が低く、とても将来結婚や家庭を支えていくだけの生活設計は描けないとの声をお聞きします。さらには、将来に向けての目標設定や課題解決に向けた準備をしているかについてお聞きしても、あまり具体的にイメージできていない方が多いようにも感じます。  大田区の15歳から39歳までの世代を若年層と位置づけた場合、22万7000人が対象となり、その比率は32%となります。しかしながら、就学期の支援施策には一定程度取り組まれておりますが、就学期を終えてからの若者支援施策は十分であるとは言えない状況があります。若者の問題は、景気が回復すれば解消されるといった一過性のものではなく、一貫した構造の問題であるとも言えます。支援体制を早急に整える必要があると考えます。今回、この分野の実情を確認しようと思い、所管を探そうとしましたが、若者の冠を掲げた所管も担当者も見当たりませんでした。政策分野としての位置づけがまだまだ弱いとも感じます。  世田谷区では、20年間の基本構想をつくる際、区長が中心となって中高生の意見を聞く集会や、大学生や社会人の若者とのワークショップを何度も重ねたそうであります。若者たちがまちづくりや地域に高い関心を持っており、参加の機会があればやってみたいとの意欲を持っていることを実感し、若者支援を強化することが大切だという認識が共有されたそうです。そして、2014年から子ども部若者支援担当課を設置し、2015年には部署名自体に子ども・若者部との冠を掲げ、その予算規模は約2億円に上るそうであります。  そこで質問させていただきます。本区として若者の様々な問題に対して現状どのような認識で捉えていますか。ご見解をお聞かせください。  対策を考える上で、区内に住む若者の就労面、収入面、住まいの確保、悩んでいることなど、その実態を把握することが重要であると考えます。実態調査を行うことを提案したいと思いますが、いかがでしょうか。  若者支援といってもその内容は多岐にわたります、本区においても実態調査をもとに会議体を発足し、そこには若者自身を巻き込んで、有識者やNPOとも連携して、若者対策のビジョンを策定することを提案したいと思います。あわせて、本区でも若者応援の冠のついた責任を持つ担当者、窓口を設置することを提案しますが、ご見解をお聞かせください。  様々な若者対策において、中でも就労意欲のある若者に対する支援は急務であると考えます。昨年10月には、我が党も積極的に推進を図った若者雇用促進法が施行されました。また、先月には厚生労働省が5か年計画で正社員転換・待遇改善実現プランを実施していくことが発表され、国もキャリア形成やブラック企業の排除に向けて大きな一歩を踏み出しました。私が本日この問題を取り上げるに至った思いは、今が大きなチャンスのときであると感じるからです。国としての対策機運が高まっていること、そして2020年のオリンピックに向け、企業の人材採用の機運も大きく高まることは必然であるからです。この波をいかに捉えるかが重要であります。  他区におきましても様々な知恵を絞った取り組みが実施され始めております。本区でも昨年より生活困窮者の就労支援としてJOBOTAが様々な取り組みを実施していることは大変評価すべきものであります。JOBOTAの取り組みを今後さらに拡充して、総合的な若者就労支援の場として活用していくことや、地元企業とのマッチングの場の積極展開、様々な就労支援の情報を集約して発信するウェブサイトなどの展開も必要と考えます。若者の就労支援対策について本区としてどのように取り組んでいく考えがあるかお聞かせください。  将来の大田を、また、日本をしょって立つ若者が夢や希望を実現し活躍することこそ、未来をつくる道に直結すると確信をします。若者支援施策にぜひとも大きな一歩を踏み出していただくことを要望しまして、次の質問に移らせていただきます。  最後に、フードビジネス支援事業について質問させていただきます。  現在、本区では、区長が先頭に立ち観光施策を強化する中、特色ある商店街、飲食店、銭湯などが地域の観光資源としての輝きを発してきているように感じます。そんな中、昨年、国がクールジャパン戦略の一環で、日本の特産品を選定するThe Wonder500において、大田区の特産品として五つの品が選定されました。中でも、ドライフルーツの羊羹、羽田大谷の若炊あさりといった2点のフード関連製品が選ばれ、注目されています。フード関連製品については、新たな地域資源として活用の可能性があると感じます。本区では、大田区商店街連合会が選定している「おおたの逸品」の中にも様々な特産品が認定されており、PRの工夫次第でまだまだ本区の特産品を来訪者の皆様に伝えることができると思います。  そこでお尋ねいたします。フードビジネスの活性化のために区では現在どのような事業を行っていますか。また、さらに活性化させるためには専門家の活用も重要だと考えますが、今後の展開とあわせてご見解をお聞かせください。  地域産業の活性化のためにも、フード関係ビジネスの活性化は重要なテーマであると感じます。ご検討を切に要望いたします。  以上で全ての質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手) ○松本 副議長 理事者の答弁を求めます。 ◎川野 区長政策室長 順次お答え申し上げます。  最初に、若者の様々な問題に対して、現状どのような認識で捉えているかとのご質問でございますが、今後はさらに少子高齢化が進み、生産年齢人口比率がより減少することが予想されており、子どもや若者はこれからの社会を支え、形成していく大切な担い手でございます。若者が置かれている状況は、厳しい雇用情勢に伴う失業や非正規雇用などの就労の不安定さ、未就労での親への依存など社会的な自立の遅れ、低所得や困窮による結婚や子育てへの不安などが深刻化しつつございます。区では、若者の自立を促すための対策といたしまして、青少年期の小中学校での不登校・ひきこもり状態の児童・生徒への対応や行き場のない中高生のための居場所づくり、困窮している子ども家庭への支援など、様々な取り組みを行っております。また、JOBOTAによる若者から高齢者までの就労支援、産業振興協会による若者と企業とのマッチングなどを実施しているところでございます。こうした中で内閣府では、ニートやひきこもりなどの対策を含めまして、子ども・若者育成支援推進法に基づき、この2月9日に子ども・若者育成支援施策の推進を図るための大綱を新たに定めました。区といたしましても、全ての子ども・若者が健やかに成長し、自立、活躍できる社会を目指して、部局横断的な連携を図るとともに、国や都などの関係機関はもちろん、家庭、地域、企業などと連携をしていくことが必要であると認識してございます。 ◎川野 計画財政部長 続きまして、計画財政部長として、四つの質問にお答え申し上げます。  最初に、若者を応援する体制の整備についてでございますが、現在策定中の「大田区まち・ひと・しごと創生総合戦略」では、若者、子育て世代に対して、ライフステージに対応した就労、復職を支援することなどにより、未来を担う若い世代の活力あるまちを実現することを掲げてございます。お話しのとおり、若者を取り巻く課題は、就労面、収入面、住まいの確保をはじめ、将来にわたるライフステージに対する悩みなど多岐にわたってございます。これらの多様な課題を持つ若者に対し、迅速かつ的確に支援するためには、各事業の所管課が責任を持って対応することはもとより、連携して課題を解決することが必要と考えてございます。相談された方の状況に応じて、関係する窓口が情報を共有し、これまで以上に連携・協力して対応できるよう、専門窓口設置の必要性を含め、若者を支援する仕組みづくりについて検討を重ねてまいります。  続きまして、公共施設における木造化、木質化の検討に関する質問でございますが、公共施設の整備に当たりましては、基本設計において、規模やコスト、工期などを総合的に勘案し、構造や仕上げ等を決定してございます。特に、構造につきましては、木造や鉄筋コンクリート造、鉄骨造などの中から用途や地域に適合したものを選び、内装など仕上げについても、利用者にとって心地よく、維持しやすい材料の選定を行っているところでございます。一方、区で所有する木造構造物につきましては、熊谷恒子記念館などの寄贈や移築されたもののほか、学校の倉庫などとなってございます。  次に、学校など様々な施設での木造化、木質化を検討、また推進する可能性についてのご質問でございますが、議員のお話にございます2010年の公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律の制定によりまして、近年、地方を中心に木造体育館など大型物件が建てられてございます。一方、木造住宅が密集する大田区におきましては、平成26年6月に新たな防火規制を導入し、延焼火災に対する取り組みを強化しており、特に公共建築物における不燃化は区民の生命と財産を守ることにもつながります。このため、防災まちづくりの観点から、木造の公共建築物を整備する地域や場所を選定する必要がございます。区といたしましても、木質化や木造公共建築物の可能性について今後検討してまいります。  続きまして、木を生かし、コストを抑えた改修手法を積極的に実施すべきとのご質問でございますが、区では、更新を必要とする公共施設が今後10年間で倍増すると見込まれることから、従来の改築に加え、新たに長寿命化の手法を検討しております。長寿命化は躯体構造にまで手を加えることによって耐用年数を30年、40年先に延ばすとともに、建物のレイアウトやしつらえを変えることで改築と遜色のない施設が低コストで整備できると言われてございます。区といたしましても、不燃化対策を十分に施した上で、コストパフォーマンスと環境性能、そして質感にもすぐれた施設改修に取り組んでまいります。私からは以上でございます。 ◎木田 地域力推進部長 若者の実態調査にかかわるご質問ですが、若者の状況を把握することは、今後の若者支援の施策を構築する上で非常に有効なことであると認識をしております。区は区内の若者の実態を把握するために、青少対、青少年委員、そして保護司、弁護士など、日ごろより様々な角度から若者と接しております大田区青少年問題協議会の委員の皆様のご意見を随時お聞きしているところでございます。区内の若者にかかわる実態につきましては、いかなる把握方法が最善であるかを含めまして、関連部局と連携し検討してまいりたいと存じます。以上でございます。 ◎鴨志田 産業経済部長 私からは、フードビジネスのご質問にお答えをいたします。  フードビジネスの活性化については、大田区産業振興協会が平成25年度からレベルアップセミナー、食品展示会・マルシェへの出展支援、商談会事業を実施しています。セミナーを受講後、マルシェに参加し、顧客獲得に至ったケース、商談会への出展が大手百貨店での取り扱いにつながった商品もあり、取引拡大につながっております。産業振興協会では、産業の分野を問わずに相談を受けます、ビジネスサポート事業を実施しておりまして、フード関係、飲食店の皆様にもご利用いただいております。平成28年度においては、フード、飲食などの商い関係の専門家職員の委嘱も考えてございます。フード、商い関係の現場の状況をしっかりと把握し、大田区の特色であるすばらしい飲食店、フード関係ビジネスのPRですとか、個々の店舗のチャレンジを応援することについて、販路拡大、顧客獲得につなげるサポートをしてまいります。私からは以上です。 ◎中原 福祉部長 私からは、若者への就労支援対策についてお答えいたします。  生活困窮者の就労支援のセンターであるJOBOTAでは、若者の就労支援に当たって、正規雇用での就労を目標に支援しており、ハローワークとの緊密な連携はもとより、昨年11月からは無料職業紹介所の許可を得て、就労の支援の充実・強化を図っているところです。一方、ひきこもり状態にある方は、みずからSOSを発することが難しいことがわかっているため、区はこれまで、早期把握、発見できる体制の構築を図ってまいりました。今後も、産業経済部や公益財団法人大田区産業振興協会とも連携し、地元企業とのマッチングも視野に入れ支援していくとともに、情報提供の一層の強化を図るなど、一人でも多くの若者たちを就労につなげることができるよう努めてまいります。 ◎黒澤 まちづくり推進部長 私からは、住宅政策に関するご質問にお答えさせていただきます。  地域で安心して住み続けられる仕組みの整備につきましては、この間、区は長寿命化計画に基づく区営住宅の適正な管理運営、高齢者等住宅確保支援事業の促進等、様々な取り組みを行ってまいっております。平成24年度から施策の進捗状況の把握を行っておりますが、公共住宅のセーフティーネット機能の向上や、地域で暮らし続けられる住まいの確保等の施策において一定の成果が得られたものと考えております。一方、重点施策である高齢者の住まいの安定確保のうち、高齢者等の民間賃貸住宅への入居促進に関する施策につきましては、さらなる取り組みの強化が必要と考えております。  次に、住宅マスタープランの再検討についてのご質問ですが、住宅マスタープランにおいては、おおむね5年後を目途に必要に応じた見直しを行うとしてございます。この間、社会情勢の急速な変化や世代構成の変化など新たな課題も生まれております。住宅マスタープランは、現在策定からちょうど5年を経過しております。このような問題意識から住宅マスタープランの見直しについて検討を行ってまいります。  続きまして、居住支援協議会設置についてのご質問です。居住支援協議会につきましては、国、都が設立を支援しており、区は昨年、江東、豊島、板橋の3区へ調査を行いました。居住支援協議会は、低所得者、高齢者、障がい者等の住宅確保要配慮者の方々の民間賃貸住宅への入居円滑化に寄与し得るものであり、他区の動向等を注視しております。一方、区はこの間、宅地建物取引業協会のご協力をいただき、高齢者等住宅確保支援事業を展開するとともに、関係部局との庁内連携体制を整えてまいりました。今後、高齢者等の住まいの確保支援を区としてどう強化していくか、方向性を定め、居住支援協議会の設置の必要性についても検討してまいります。  最後に、低家賃で実現できる住まいについてのご質問ですが、住宅確保要配慮者の数が増加する中で、住まいの確保に向けた支援は重要な課題と認識しております。議員ご紹介の空き家を活用したシェアハウス居住支援や民間賃貸住宅のオーナーに対するインセンティブなども含め、国や都の動向、他自治体の取り組みについて、現在、鋭意情報収集を行っております。本年3月策定予定の高齢者の住まいの確保に関する基本方針を踏まえながら、多様なニーズの住まいのあり方について、庁内連携し、検討を行ってまいります。 ◎玉川 空港まちづくり本部長 私からは、羽田空港跡地におけます施設整備についてのご質問にお答えいたします。  跡地の整備に関しましては、平成22年10月に策定しました羽田空港跡地まちづくり推進計画におきまして、まちづくりに当たっての配慮事項として、環境と共生したまちの形成や、豊かな緑や水辺に囲まれた美しい都市空間の創出を図ることとしております。これを受けて、昨年策定しました羽田空港跡地第1ゾーン整備方針では、「環境や景観等を意識した日本の玄関口にふさわしいエリアを形成する」を基本方針の一つにしているところでございます。今後の整備に当たりましては、ご質問の趣旨も参考にさせていただきながら、民間事業者からの提案を踏まえて決めてまいりたいと考えてございます。以上でございます。 ○松本 副議長 次に、43番荻野 稔議員。                  〔43番荻野 稔議員登壇〕(拍手) ◆43番(荻野稔 議員) 東京維新の会大田の荻野 稔です。2月1日付けで会派名を変更いたしました。区議会、理事者の皆様におかれましては、引き続きご指導、ごべんたつのほどよろしくお願いいたします。  私からは2問質問を行わせていただきます。  学校における防災対策についてお聞きします。  現在、区内の小学校では、入学時に必要なものとして防災頭巾の購入を各家庭にお願いしています。普段は座布団がわりに使うこともあるそうですが、非常時にはかぶって避難をします。この防災頭巾は、特に火災時の火の粉や煙への対策としてすぐれておりますが、落下や転倒等、地震への対策という点から考えると、ヘルメット等に比べて劣っており、耳をふさぐ分、音が聞き取りにくくなるという避難時の難もあります。区内の中学校では、災害時の地域参加という点も含め、防災用のヘルメットを支給しており、横浜市の小学校でも折り畳み式の防災ヘルメットを配備しております。このヘルメットは折り畳み式で場所をとらないという利点はありますが、児童がヘルメットを展開する際に苦労するなど、まだ改良の余地はあるそうです。技術の進歩や時代によって学校の防災への備えは変わってきています。  質問します。現在は火災対策に重きを置いていることからも防災頭巾の採用を行っておりますが、火災、震災などあらゆる面から防災に対する備えは考えなければなりません。学校において避難が必要になるような大規模な火災は今までにどれだけ発生してきましたでしょうか。また、技術の進歩や時代の変化、区民からの要請に応え、今後、学校現場での防災用具のあり方についても検討を進めるべきではないかと考えますが、区の所見をお伺いいたします。  続きまして、学校における疾病への啓発についてお聞きします。  この質問に当たり、現在区内で使用されている保健体育の教科書を読ませていただきました。教科書では、感染症や生活習慣病、性感染症や食中毒などが取り上げられておりますが、難病や白血病、ぜんそくなどの予防の難しい慢性的な疾病等についての掲載は行われておらず、原則授業でも取り上げられていないとのことでした。理由ですが、文部科学省の学習指導要領の保健体育の部分を読みますと、「健康な生活と疾病の予防について理解を深めることができるようにする。」との記述があります。学校での指導は健康の増進や生活習慣病、感染症、性病などの予防となり、文科省の要領に沿った教育を行う上では、大田区内において予防の難しい慢性的な疾患や難病等への教育が難しいのが現状です。  一方で、国際化、共生社会の推進という点からも、様々な困難、課題を抱えた方への支援、理解の環境整備は急がれるところであり、そうした理解を子どものころから深めていくためにも、これらの疾患等について教育現場等で取り扱う必要があると思います。例えば、一人ひとりの個性、課題であるという点から人権教育として指導ができるのではないでしょうか。  私自身、疾患を抱えていることから、てんかんを例に出しますが、てんかんは外部から症状の見えづらい疾患であります。発作を起こした際、周囲が慌ててしまうなど、対応法を事前に知っておかないと、かえって危険であること、また、発作が起こると危険である等の理由から指導が消極的になることもあります。私自身、東京都公安委員会への申請のもと、運転免許も取得しておりますが、報道からくる誤解等、いまだ偏見も多くあり、これらの誤解や偏見は、外から見えづらい疾患、また薬剤の投与など、定期的に目に見える形で対処が必要な症状を抱えた方に共通した生きづらさ、苦しさの一つではないでしょうか。  そこで質問いたします。現在、てんかん等の疾患のある児童・生徒に対して区はどのような指導をしておりますか。  WHOが1986年に発表したオタワ憲章で「すべての人びとがあらゆる生活舞台―労働・学習・余暇そして愛の場―で健康を享受することのできる公正な社会の創造」が提唱されてから、およそ30年がたつわけでありますが、てんかんのような予防の難しい疾患を持つ児童・生徒が安全かつ安心に生活を送るためには、生徒自身が症状や対処法を理解するとともに、そのような疾患等について周囲の適切な理解や対応が必要であると考えますが、区の見解をお伺いいたします。  様々な課題を持つ児童・生徒がともに充実した教育、環境を享受できるよう要望し、質問を終えます。(拍手) ○松本 副議長 理事者の答弁を求めます。 ◎松本 教育総務部長 私から、まず学校の防災対策についてのご質問にお答えをします。  学校における大規模火災の発生件数ですが、記録が残っている過去10年間では、小中学校ともに大規模な火災は発生しておりません。しかしながら、住宅等が密集する本区のような都市部では、地震発生時も含めて火災がいつ起きるかわからず、それに備える必要性は高いものと考えております。防災頭巾は落下物に対して衝撃を吸収する一定の効果があるほか、頭部から首にかけて広範囲に覆うため、火災発生時には火の粉を防ぐ効果がございます。このことから、学校では新1年生の保護者会において、不燃性の防災頭巾を推奨しております。一方、折り畳み式防災ヘルメットには、衝撃を吸収する効果にすぐれ、かつ火の粉を防ぐ機能を備えた製品も開発されておりますが、低学年ではヘルメットを開くときに手間取るなどの課題があると聞いております。今後も児童・生徒が学ぶ施設環境の変化やヘルメットなどの防災用具の技術進歩を注視し、対応してまいります。  次に、人権教育として難病や慢性疾患等への理解を指導できるのではないかとのご質問にお答えします。人権教育は、自分や他者の大切さを認め、それを様々な場面で具体的な態度や行動にあらわすとともに、人権が尊重される社会づくりに向けて行動することを目標としており、難病や慢性疾患等に悩む方に対する理解を育むことも大切です。特に、道徳の時間や学級活動においては、他者を思いやる心や身の回りの人の安全を確保する態度を育んでいます。今後とも、人権週間をはじめとして、道徳の時間の指導等で自分や他人を大切にしたり、互いに助け合ったりすることの大切さを児童・生徒に学ばせる指導の充実に努めてまいります。  学校教育において、難病や慢性疾患等について生徒自身が理解するとともに、周囲の適切な理解や対応が必要ではとのご質問にお答えをします。配慮を要する児童・生徒への対応については、医師等の診断結果を優先し、学校長が決定することとなっています。また、指導に当たっては、学校医等と連携するとともに、保護者や本人と十分話し合い、安全を優先して児童・生徒一人ひとりの課題の把握を踏まえた指導を行っています。また、難病や慢性疾患等に苦しむ児童・生徒本人においては、病気を受け入れ治療する意思と、薬を毎日規則正しく服用するなどの行動に努め、学校生活を安全かつ有意義に送ることが肝要であると考えます。  学校における難病等の理解に関する学習としては、保健の授業等において病気の予防や対処法について全般的な理解や考え方の指導を行っています。さらに、人権教育や道徳教育等を通して、周囲の児童・生徒の理解と協力も育んでまいりたいと考えています。教育委員会といたしましても、校長会や各種研修会等において、児童・生徒の健康管理と適切な指導を推進してまいります。今後とも、児童・生徒が安心して学校生活を送ることができるよう、学校教育の充実に努めてまいります。私からは以上でございます。 ○松本 副議長 次に、44番三沢清太郎議員。                  〔44番三沢清太郎議員登壇〕(拍手) ◆44番(三沢清太郎 議員) 東京維新の会大田の三沢清太郎です。私からは、2点質問をさせていただきます。よろしくお願いいたします。  最初に、本区における北朝鮮学校への補助金についてお聞きいたします。  北朝鮮は本年2月7日朝、国連安保理決議で禁止されている長距離弾道ミサイルと見られる長距離ロケットを発射しました。これは本年1月6日の核実験実施に続き、決して許されるものではありません。この暴挙を受けて、本区においては、2月10日、北朝鮮による人工衛星と称するミサイル発射に対する抗議声明を大田区議会議長名で発信をいたしました。また、日本政府においては、2月17日、北朝鮮への制裁措置として、朝鮮学校に補助金を支出している地方自治体に対し、中止を求める通知を出す方向で検討に入っているようです。さらに、アメリカは、2月25日、北朝鮮に対する新たな制裁決議案をアメリカと中国が合意したことを明らかにした上で提出し、近く安保理で採択されるとの見通しを示しました。  そこで質問をいたします。本区は平成26年度に学校施設補助金として100万円、大田区外国人学校児童・生徒等保護者補助金として61組のご家庭に805万2000円、合わせて905万2000円を補助してきました。日本政府から補助金中止の通知が来た場合、本区も足並みをそろえて補助金を中止するべきだと思うのですが、どう対応する予定があるのか教えていただけますでしょうか。  また、大田区外国人学校児童・生徒等保護者補助金は朝鮮学校長が代理受領していることから、本当に保護者に支給されているのか疑わしいとの指摘が前々からございます。さらに、ごく一部の意見の中には、保護者に大田区民の血税が届かないどころか、北朝鮮にお金が流れているという物騒な話も耳にすることがございます。ちゃんと保護者に支給されているにもかかわらず、このような疑念を持たれてしまうのであれば、外国人学校や関係者にとっては大変心外なことだと思いますので、制度の見直しも平行して必要なのではないかと考える次第です。具体的には、大田区外国人学校児童・生徒等保護者補助金交付要綱第8条、「代理人」をなくし、保護者からの申請があったときのみ補助するとしたらいいと思うのですが、本区の見解をお聞かせ願います。  私は、通知に伴い、補助金の凍結、そして並行して制度の見直しが妥当であると再度申し伝えし、次の質問に移らせていただきます。  2点目は、大田区観光情報センターとフェイスブック上で展開しておりますVisit Ota Cityについてお聞きいたします。  2015年12月11日、ウィングキッチン京急蒲田内に大田区観光情報センターがオープンしました。オープンセレモニーにはたくさんの報道陣もお見えになり、華々しいスタートを切ることができましたことを私も大変うれしく思っております。  しかし、最近大田区観光情報センターの前を通ると、あまり来場客がいないようにお見受けいたします。また、運営委託業者は各種イベント開催ノウハウを有している強みが評価されて採用に至ったと記憶しておりますが、イベントを楽しんでいただけているのであれば喜ばしい限りなのですが、そもそも来場客が少ないのであれば宝の持ち腐れになっている可能性もございます。  そこでまず、これまでの月別来場者数の推移とイベント利用者数の推移を教えていただけますでしょうか。そして、予想来場者数、予想イベント利用者数との差異及び差異に対する見解と対策がありましたら教えていただけますでしょうか。  また、運営委託業者は区外の方々のために、大田区のことを聞いてもわからないことが多いとの話を聞いたことがあります。いくら何でもそんなことはないと思っておりますが、せっかく次年度にも5809万1000円の予算をつけているのですから、多くの来訪者に大田区の魅力を知っていただき、喜んでいただける場づくりを実践していただくことを願う次第です。  観光に絡み、フェイスブック上で展開されておりますVisit Ota Cityについてもお聞きいたします。2015年8月10日に初めての投稿がなされて以来、今日までに合わせて81件の投稿がありました。これを月別に見てみますと、2015年8月は19件、9月は40件、10月は9件、11月0件、12月6件、2016年に入って1月3件、2月4件となっております。明らかに尻すぼみ傾向が見てとれます。  フェイスブックやツイッターをはじめとしたソーシャル・ネットワーキング・サービスは、タイムリーな情報を閉じられたコミュニティの方々向けに積極的に情報を発信していくことにその意味があります。それなのに、現状の尻すぼみの状態では、タイムリーに伝えたい大田区の情報はありませんよ、積極的に伝えたい情報もありませんよと大田区に関心のあるコミュニティの方々に向かって発信しているようなもので、あまりよい状態とは言えないかもしれません。それにもかかわらず、新年度には252万8000円の予算がついていますので、本区としては引き続きVisit Ota Cityに期待しているところがあるのだろうと推察はしております。私は現状を改めていただきたいと考えます。年中行事や観光スポットなど、大きな変化のないものはホームページやチラシ等に任せ、Visit Ota Cityにはもっと積極的にタイムリーな情報をどんどん発信していただきたいと考える次第ですが、本区の見解をお示しいただけますでしょうか。  以上、理事者におかれましては簡潔明瞭な答弁を期待いたしまして、私からの質問を終えさせていただきます。ご清聴いただきまして、ありがとうございました。(拍手) ○松本 副議長 理事者の答弁を求めます。 ◎河野 観光・国際都市部長 それでは、私のほうから、大田区観光情報センターのこれまでの月別来場者数の推移とイベント利用者数の推移、そして予想来場者数、予想イベント利用者数等の差異等についてのご質問にお答えさせていただきます  まず、月別の来場者数の推移ですけれども、12月4275人、1月2883人、合計で7158人です。また、日本文化体験等の利用者数は、12月78人、1月20人、合計で98人です。次に、予想来場者数ですけれども、初年度は、12月から3月までの4か月の目標来場者数は1万5000人としておりまして、1月末までの2か月間では目標を若干下回っております。一方、日本文化体験の利用者数は目標数を150人としておりましたが、こちらは、12月の体験が多かったため、1月末での2か月間で目標を約3割上回っております。目標数と実績の差異に対する見解ですけれども、オープンから2か月の実績のため、現時点では全体の推移を注視していくとともに、引き続き認知度向上に取り組んでいきたいと思っております。この間、具体的な取り組みとして、3時間で楽しめる大田区の観光をアピールするため、「HANEDA⇔OTAエンジョイプログラム」を2月に開始いたしました。今後もこうしたPRや多言語公式観光サイトなどを効果的に行って、来訪意欲の喚起と観光情報センターの利活用の情報発信を積極的に行ってまいりたいと思っております。  次に、フェイスブック「Visit Ota City」の情報発信についてのご質問でございますけれども、Visit Ota Cityは、昨年10月の国際都市おおたフェスティバルin「空の日」羽田において外国人誘客の広報戦略として開設をいたしました。外国人の目線で大田区の魅力を取材し、英語で情報発信するという手法により、多くの外国人にご覧いただきました。イベント終了時とともに運用契約は終了いたしました。しかし、多くの方にご覧いただいた実績があるこのフェイスブックをこのまま休止するのではなく、再度外国人をターゲットとした情報発信手段として活用していくことを現在検討しているところです。現在、多言語の公式観光サイトを開設しておりますので、この公式観光サイトを充実し、年中行事や観光スポットなどの情報発信をしまして、フェイスブックVisit Ota Cityでは、引き続き大田区のイメージアップを主眼としたタイムリーな情報発信ができるように、引き続き検討してまいりたいと思っております。私からは以上です。 ◎松本 教育総務部長 私からは、外国人学校振興費補助金等に関するご質問にお答えをします。  昭和55年に外国人学校の保護者の学費負担軽減制度の創設を求める意見書を都に提出することを求める陳情がなされ、区議会において採択されました。外国人学校児童・生徒等保護者補助金はこれを契機に創設をしたものでございます。また、外国人学校振興費補助金は、平成12年に制度創設を求める陳情が区議会で採択されたことを踏まえ、平成13年度から外国人学校の教育条件の維持向上を目的として開始いたしました。国が地方公共団体に朝鮮学校への補助金の中止を要請する検討に入ったとの報道があったことは承知しておりますが、現時点ではそのような要請はなされておりません。  次に、大田区外国人学校児童・生徒等保護者補助金の支給方法についてのご質問でございます。大田区外国人学校児童・生徒等保護者補助金は、外国人学校児童・生徒の保護者の経済的な負担軽減を目的として支給しているものでございます。支給に当たっては、保護者からの申請が原則ですが、学校長が保護者の代理人となり、在籍する児童・生徒分を一括して申請し、受領することを認めております。学校長が代理人となる場合には、保護者から委任状の提出を受けており、この委任状によって申請意思の確認を行っております。また、支給後は保護者の受領書を提出させて確認をしております。今後とも、区民の方に疑念を抱かれることのないよう、厳正、適切に事務処理を行ってまいります。私からは以上でございます。 ○松本 副議長 次に、47番奈須利江議員。                  〔47番奈須利江議員登壇〕(拍手) ◆47番(奈須利江 議員) フェアな民主主義、奈須利江です。  カラー刷りで挿絵や写真をふんだんに使っている平成28年度予算案の概要を見ながら、税金の使い方が大きく変わってきていることを実感しています。  認可保育園申請者約4300人に対し、今年も約1800人が不承諾だということが明らかになりました。今年の大田区予算編成における四つの重点課題の一つは「少子高齢化の進行等、人口構成の変化への対応」で、その中に子育て、教育、健康、福祉、医療の充実と書かれてはいますが、具体的な保育施策は、民間建物(土地)を一括借り上げした事業所内保育所開設支援にとどまっています。平成24年の第4回定例会で待機児の問題について質問したときに、大田区は財政と土地の不足を理由にしていました。その後3年が経過し、大田区も待機児対策に取り組んできていますが、それでも待機児は解消しません。認証保育所定員1850人ほか保育ママなど、多様な運営主体の民間保育施設があるから、最終的には100人程度になるということですが、だったらいいということでしょうか。  そこで伺います。今年の大田区の待機児の問題ですが、原因は何でしょうか。財政とは税収が少ない問題でしょうか。それとも、使い道の優先順位の問題でしょうか。一体幾らあれば大田区の待機児は解消されるでしょうか。  最近すっかり耳にしなくなった地方分権ですが、私は、地方分権は保育園の待機児の問題と密接な関係にあると考えています。地方分権を理由に行われた三位一体改革により、保育が国から大田区の責任に変わったからです。地方分権は、地方にできることは地方にという理念のもと、国の関与を縮小し、地方の権限、責任を拡大するため、国庫補助負担金改革、税源移譲、地方交付税の見直しの三つを一体として行う三位一体の改革とセットで進められました。納税者が国へ納める国税を減らし、都道府県や区市町村に納める地方税を増やすことで国から地方へ税源を移す税源移譲により、国から地方へ3兆円の税源移譲が実現しました。  三位一体の改革の税源移譲は大田区の歳入構造を変え、保育のために国からおりてきていた国庫負担金の代わりに、自由に使うことができる特別区民税の歳入が増えました。特に、松原区長が初当選された平成19年の影響は大きく、個人住民税所得割が都道府県4%、区市町村6%の一律10%と定率化され、大田区分は6%になり、都区財政調整制度における23区の割合が52%から55%に引き上げられました。大田区の歳入は、前年に比べ、特別区民税で33億1000万円、財政調整交付金で100億6000万円増収になっています。  保育が自治事務化したこともあり、区民の負担は大きくなりましたが、財源と権限が大田区になって以降の待機児解消のほとんどを区の負担の少ない認証保育所で解消してきています。大田区の「小泉政権のときに三位一体の改革があり、私立保育園については補助金が入ってきているが、公立の保育園については一般財源化され見えなくなって、保育料以外のものは区が負担しているという見方となる」という発言に理由があるのではないかと思います。
     平成15年に330人だった認証保育所の定員は、平成28年度予算案では1850人です。国は、三位一体の改革で保育が区市町村の責任になってから保育園の待機児の数の定義を変えてきていて、認可保育園に入れなかった人の数ではなく、認証保育所、小規模保育所、保育ママなどで対応した人は待機児と計算しないようになりました。保育は憲法に定められている義務ではありませんが、義務教育の小中学校に例えてみると、大田区立の小中学校に入ろうとしても定員がいっぱいで入れず、私立の小中学校に通わされているようなものではないでしょうか。  認可保育所に入れず、認証保育所に通うことになって区民が負担する保育料は、定員1850人で月6万円の保育料で計算すると概算で年13億円にも及びます。しかし、認可保育所と小規模保育所以外の保育料は私費扱いで、この13億円は大田区の歳入には入りません。保育という社会保障が自己責任化されたということです。そればかりでなく、三位一体改革以降、待機児を民営化や民間委託で解消してきたことで、区民の間には、認証保育所と認可保育園の保育料負担の差や、地域によって入りやすさの違う不公平、民間事業者が保育事業を担うようになったことでの保育士の低賃金や不安定な雇用など、保育環境の低下といった問題が生じています。  地方分権について、平成5年当時、全国知事会、全国市議会議長会などが国に地方分権の推進に関する意見書を出しています。「国内では経済成長が所得水準の向上をもたらしたものの、多くの国民はそれを実感できず、真の豊かさを求めようとしている。このため、成長優先の政策から生活重視の政策へ転換が行われつつある。生活重視となれば、生活に身近な地方公共団体の果たす役割への期待が高まるのは当然であろう。さらに、中央集権的な行政の結果、首都圏への一極集中、地方における過疎化、地域経済の空洞化などの課題が生じており、このためにも、地方公共団体が迅速、機敏に、きめ細かに、しかも自立的・総合的に行動し、生活の向上と魅力ある地域づくりに邁進できるような機能と条件を整えていくべきである。」  それでは、地方分権で成長優先の政策から生活重視の政策へ転換はなし得たと言えるでしょうか。保育が自治事務になり、住民税、財政調整交付金など、平成19年で大田区は133億円の増収、消費税の増収分は20億円。こうした保育や社会保障のための財源は、生活に身近な地方公共団体の果たす役割への期待に応えられているでしょうか。  そこで伺います。三位一体の改革で一般財源化された財政を理由に待機児問題を認可外保育所で解消してきたことで生じている区民間の不公平や保育士の処遇などの問題について、大田区はどう評価していますか。その課題や問題意識についてお答えください。  平成19年以降、区民の税負担は一貫して大きくなっています。一方、企業収益、内部留保は過去最高と報じられていますが、法人税は競争力を理由に引き下げられ続けています。大田区における法人住民税と固定資産税を原資とした財政調整交付金も、ようやくリーマンショックの落ち込みから回復傾向にあると思ったら、法人住民税の国税化で国に吸い上げられるなど、大田区の財政には十分還元されず、相対的に区民の負担は大きくなるばかりです。  大田区は平成28年度予算について、その編成過程を公表しています。それによれば、当初予算額2605億円に対し、計画財政部長、区長査定の2度の査定を通じ、予算案が2574億円になったと書かれています。財務省のホームページに次のような解説を見つけました。「市場経済では、企業であれば企業の売り上げ、家計であれば賃金収入というように、収入がまず決まり、その収入に基づいて支出を決める。というのも、企業の売り上げは生産物市場、賃金収入は労働市場というように、市場が収入を決めてしまうからである。そのため、市場経済は、量入制出、出るをはかって入るを制すの原則で運営されている。  ところが、財政では収入が市場によって決められるわけではない。財政は市場メカニズムによってではなく、政治過程で決定されるからである。そのため、必要な支出を決めてから、それを賄う収入を決めることになる。政治過程で収入を決めるには、必要な支出が決まらない限り、収入の決めようがないからである。したがって、財政は、量出制入の原則で運営されることになる。」  それでは、この2574億円があれば大田区政に必要な支出は満たされているということでしょうか。不要な支出は含まれていないでしょうか。大田区議会が撤去決議までした羽田空港の沖合移転により生じた羽田空港の跡地は、区民の要望する緑地でも緩衝帯でもない単なる開発になってしまっていましたが、総開発費見積もり500億円のための調査費1792万円は当初の要求額より多い査定です。今年もオリンピックや観光などを理由にイベントにも莫大な費用を投じていますが、空の日のイベントをやめるだけで施設使用料の引き上げ見積もり2100万円をやめることができるでしょう。  イベントは楽しくて元気になりますが、社会状況は深刻です。貧困の要因の一つは雇用の流動化で、非正規の従業員割合は37.5%、女性の非正規割合は56.7%にもなっています。相対的貧困率もひとり親家庭で62%という数字があります。日本の子どもの6人に1人は相対的貧困にあることが問題になっていますが、大田区の2013年度の就学援助認定率が26.57%という数字から、大田区にも貧困の問題があるのではないかということがわかります。奨学金の受給者は全学生のうち大学で52.5%にも及び、延滞者は33万人にもなっています。  三位一体の改革で自主財源が増えて以降、にぎわいだ、イベントだという事業に予算が増えていますが、地方分権なのですから、小泉改革以降、大田区民に起きている子どもの貧困はじめ相対的貧困や就労状況など生活状況の変化を把握し、そのための政策を講じ、予算投入すべきではないでしょうか。しかも、国と地方の負担割合が変わると説明を受けましたが、区市町村に財源が移譲されれば国の負担が減るはずですが、財政規模は国も地方も区民の支払う税金の負担増で大きくなっています。  そこで伺います。税負担が大きくなるなど、こうした背景における社会保障、特に保育についての大田区の責任について、大田区はどう認識していますか。格差拡大や子どもの貧困という課題も踏まえお答えください。  今、大田区は、既に大田区施設整備計画を持っているにもかかわらず、大田区公共施設適正配置方針をつくろうとしています。しかも、平成23年3月に策定した大田区都市計画マスタープランを、大震災の発生や、オリンピックやパラリンピックの開催が決定し、空港跡地や空港臨海部のまちづくりが進展するなど、区の内外を取り巻く情勢が大きく変化したからという理由で、(仮称)大田区都市づくりビジョンを策定しようとしています。計画があるのに、またそこに計画をつくろうとしたり、方針を上乗せしようとしたりすれば、計画体系はめちゃくちゃになります。  議会制民主主義において、行政のつくる計画は予算承認における根拠となる非常に重要なものです。現在策定中の施設整備の方針案には、現在の施設整備計画にはない児童館売却、余剰容積率活用など、区民の財産を投資目的で使う不動産屋のような視点が盛り込まれています。建て替えの際にプレハブリースで何億円も投じ、一方でニーズが変わったから児童館という区民の財産を売ることに直結するでしょうか。数年の期間で収支をはかり、収益を上げるのは企業の視点ですが、一時の収支のために安易に売却したり、足りない財源の穴埋めにされたのでは子どもや孫の世代に申しわけありません。  気になるのは、今、国が配偶者所得控除に手をつけようとしていることです。その是非については別の機会に譲りますが、配偶者所得控除が廃止、あるいは別の形になれば、今以上に女性が働くようになり、保育環境を整える必要が出てきます。そうした需要も踏まえれば、行政財産を普通財産にしてゆうゆうくらぶを貸し付けたり、計画を変更して児童館を売ったりするほど行政ニーズに余裕があると言えるでしょうか。一時のイベントであるオリンピックや羽田空港跡地開発を理由に、さらなるインフラ整備を増やそうとする大幅な計画変更をして大丈夫でしょうか。わざわざ今ある計画を、莫大な費用をコンサルに支払い策定するのですから、いずれも莫大な財政負担を伴うものになるのでしょう。一体幾ら、誰が、どう負担することを想定しているのでしょうか。  平成15年からの歳出決算の数字を拾い出してみたところ、押しなべて約50%程度のところを推移していました。非常に興味深かったのは、決算規模1852億円の平成15年度も、2407億円の平成26年度も、この約50%だったということです。この間、住民税が定率化され、保育が国から大田区の責任になるからと消費税8%になりましたが、福祉だけでなく、ほかの予算も相対的に増えたということです。中でも金額の大きな土木費や都市整備費が予算規模に連動して増え、特に都市整備費は、多少はあるものの構成割合が3%から6%になっているのが気になっています。この間、道路や建物にたくさんのお金をかけるようになったということです。  しかも、国と都の支出金もこの間増え続け、平成28年度予算では623億円になりました。確かに生活保護費などへの国庫負担金も増えていますが、国庫支出金は平成15年度の決算額255億円に対し、今年の予算は467億円、都支出金は86億円が156億円になりました。生活保護費は平成15年度決算で231億円から、平成28年度予算は355億円ですから、ほかの要因もありそうです。  地方分権によって自治体の裁量が大きくなると言われてきましたが、自主財源でイベントなどを増やし、また、国庫支出金や都支出金頼みの事業に税金を投入して大田区の予算を増やしてきたということではないでしょうか。国の補助金や都の補助金を引っ張ってくることが優秀な官僚のような印象もありますが、地方分権になっても結局は国や東京都に誘導され、補助金頼みの事業に集中し、日本の財政負担を大きくしてきたのではないでしょうか。  特に最近の大田区は、政策とは到底言えないスローガン的なフレーズや方向性だけを示し、計画や方針策定は民間のシンクタンクや専門家などに委託するようになっています。株式会社のシンクタンクは、株主の利益になるように政策をつくります。投資家の利益のためにつくられているアベノミクスは、ただでさえ投資利益を大きくする事業を次々と行ってきていますが、金融系シンクタンクにインフラ施設の整備計画を委ねて投資利益を優先すれば、そのツケは区民の負担に回されることになります。  そこで伺います。大田区は、こうした計画策定に際し、区民の将来負担についてきちんと管理し、人口、雇用、所得などを予測した上で税収を見込み、事業計画を立てているのでしょうか。丸投げ同然ではなく、職員と区民を主体に計画を策定すべきであると考えています。以上です。(拍手) ○松本 副議長 理事者の答弁を求めます。 ◎川野 計画財政部長 順次お答え申し上げます。  大田区の待機児童の解消と予算配分の優先順位についてのご質問をいただいてございます。区民の価値観、あるいはライフスタイルが多様化する中で、子育て世代への支援は大変重要であると認識してございます。待機児解消につきましては、大田区といたしましても喫緊の課題であり、予算編成上、優先すべき重要な課題として集中的に取り組んでおります。平成27年度までの7年間で3809人の保育サービス定員の増を図ってまいりましたが、平成28年度中にはさらに500人の定員を拡充いたしまして、待機児ゼロを目指してまいります。区民本位のサービス向上のためには、限りあるヒト、モノ、カネという資源をハード・ソフト両面にわたってバランスよく配分することが重要だと考えてございます。引き続き、区民サービスの向上と財政の健全性を両立させながら、待機児解消を含め、様々な区政の重要課題を解決し、安全・安心でにぎわいのあるまちづくりを実現してまいります。  施設整備等に際して、人口等を予測した上で税収を見込んで計画を立てているのかというご質問をいただいてございます。一つ例をとりますと、施設整備に当たりましては、人口の推計、人口構成、社会情勢を見据えながら、施設の複合化、多機能化などを進め、施設の総量抑制や建設コストの縮減を目指していく必要があると考えてございます。現在の公共施設整備計画のほか、大田区で取り組んでいる計画におきましても、こういった将来的なところを視野に入れながら、未来プラン10年の際の財政計画をもとに取りまとめているものでございます。引き続き、こうした考えに基づき、適正に行財政運営をしてまいります。 ◎市野 こども家庭部長 私からは、保育に関する二つのご質問にお答えをさせていただきます。  まず、保育に関する区の責任についてのご質問をいただきました。女性の社会進出の本格化や子育て世代の就労形態の多様化による保育ニーズに的確に対応していくことは、大変重要な課題であると認識をしてございます。平成27年4月に施行されました子ども・子育て支援新制度では、全ての子どもが健やかに成長していくため、子どもの育ちを社会全体で支援していくことをその趣旨としてございまして、保育の場を増やし、子育てしやすい、働きやすい社会にすることを主要な目標の一つとして掲げてございます。区は、新制度の実施主体といたしまして、子育て支援に関するサービスの利用状況や今後の利用希望などのニーズ調査を実施し、調査の結果を踏まえまして計画的に保育施設の整備を進めているところでございます。  なお、区では多様な保育サービスの提供を進めてございますが、平成27年度から、認証保育所の保育料につきましては、保護者の所得に応じて補助額を拡充したほか、保育料の見直しに当たりましても、子どもの貧困対策の視点からも検討を進めているところでございます。今後も保育を必要とする子どもが適切なサービスを利用できるよう努力してまいります。  続きまして、保育分野に民間参入を促す規制緩和による保育サービスの提供についてのご質問でございますが、増加する保育ニーズに的確に対応していくためには、多様な主体と連携・協働しながら保育サービス基盤の拡充を図ることが必要であり、民間の活力や創意工夫を生かすことで、機動的で柔軟な保育サービスの提供が可能になると考えているところでございます。民間事業者による保育サービスの提供に当たっては、保育の質を確保するため、法令等の定めにより実地に検査を行い、必要な指導を行うほか、保育士を対象とした研修の開催など、質の高い保育人材の育成に努めているところです。  保育士の処遇の改善については、職責に応じた賃金体系や研修計画の策定などの保育事業者の取り組みを支援する保育士等キャリアアップ補助制度や、保育従事職員宿舎借り上げ支援の実施など、様々な支援に取り組んでいるところでございます。引き続き、安心して産み育てることのできる地域社会の実現に向け、保育サービスのさらなる充実に努めてまいります。私からは以上でございます。 ○松本 副議長 次に、50番馬橋靖世議員。                  〔50番馬橋靖世議員登壇〕(拍手) ◆50番(馬橋靖世 議員) 馬橋靖世でございます。お昼の前の大変にお疲れのところでございますが、最後までおつき合いいただきたいと思います。  大変に私ごとでありますが、この2月で娘が1歳3か月になりました。日々、可能性を広げる娘の成長に、ほほ笑ましくも心強い気持ちを抱かせていただいております。子どもの健全な成長は全ての保護者の望むところでありますが、生活をする地域によって、その環境が大きく変化をしていくということは、保護者の心配事の一つでもあります。そういった中では、少しだけ話は飛びますけれども、質問の前に前置きをさせていただきたいと思います。  昨年5月に行われた大阪都構想の是非を問う住民投票では、これは大変に世間の注目を集めたわけでありますが、結果は1万741票差で廃案となりました。メディア各社によると、年齢別の出口調査では、70歳代以上のみが反対、そして残る20歳代から60歳代までは賛成が上回っていたと聞き及んでおります。これを受けてネットでは、これは言葉が適切かどうかわかりませんが、ネットを中心に老害の結果などという言葉があふれておりました。実際、大阪市の24区を70歳以上の高齢者人口比率で四つに分けた場合、高齢者比率が高いほど反対となった区が多かったのも事実であります。だからといって、ネットのことは、これを結論づけるのは大変に早計でありますけれども、多様な世代の利害調整を行うということは政治の役割の一つでもあります。こういった中では、これは達せられなかったように見受けることもできるわけであります。  そんな中で、この大阪都構想の住民投票において、シルバーデモクラシーという言葉が大変に注目を集めました。週刊誌の中でシルバーデモクラシーの説明があるのですが、いわゆる有権者のうち、高齢者の占める割合が非常に高いため、高齢者の意見が過剰に政治に反映されやすい状態を指す言葉だそうであります。投票率においても高齢者ほど高く、若者が低いため、必要以上に高齢者に有利な政策が多くなりがちになるという意味もあるそうであります。現に今や60代以上の有権者数は全体の4割に近づいており、投票者数に至っては45%に上っているそうであります。  こういったことを受け、これから本区でも予算特別委員会が編成され、予算審議が始まるわけでありますが、国の2016年度予算案の一般歳出57兆円のうち、年金、医療、そして介護で約4割を占め、少子化対策や文教費などの若い世代向けの政策予算は減少傾向にあることが見てとれます。本区の予算については、これから始まる予算特別委員会においてたださせていただきたいと思いますが、こうした背景の中では、我が大田区のような基礎的自治体こそが、未来を担う子どもたちのために政策を積極的に予算編成を行っていくことに心から期待するところであります。  そういった中で、質問通告に基づいて、私の地元雪谷地区の教育環境について質問させていただいてまいります。  平成24年度予算で雪谷小学校の全面芝生化が計上され、竣工してから、この3月でちょうど3年を経過しようとしております。この間、様々な課題が浮き彫りになり、地域の保護者、利用団体の方々からのご意見を多く承ってきたところであります。私は一貫して芝生化のメリットを訴え続けてまいりましたが、まだまだ地域の区民の皆様にはデメリットのほうが大きく映っていることは否めない状況であります。そんな中、このタイミングで再度この課題を取り上げさせていただくことには理由があります。ご当局の理事者の皆様のみならず、執行部の皆様にもぜひとも問題意識を共有いただけますよう、質問を通してご提案を申し上げたいと思います。  初めに、芝生化事業を開始してからこの間の雪谷小学校の状況について確認したいと思います。文部科学省の示す小学校学習指導要領では、1学年102時間、2年生、3年生、4年生の105時間、そして5・6学年の90時間が体育として割り当てられております。平成23年3月以前の旧要領と比較をしても、低学年次で12時間、そして中学年次では15時間の増加が図られており、昨今の子どもの体力低下の深刻さを物語っております。そうした中で、雪谷小学校では、この間、校庭全面の養生期間や網かけによる一部使用禁止など、施工当初には想定をしていなかったレベルで運動環境が狭まってきてしまっているわけでありますが、雪谷小学校が全面芝生化を行ってからこれまで、学習指導要領に基づいた体育及び休み時間や放課後など、総合的な運動の時間、環境の確保は図れてきているとお考えでしょうか。この点について見解をお尋ねいたします。  次に、この間の区の対応について伺います。雪谷小学校に通う児童の保護者からは、家に帰ってきて暴れることが増えたなど、多くのご意見を伺っています。これらが全て運動環境の減少による弊害と安易に結びつけることはできませんが、因果関係がゼロとも思えないのが現状だと私は理解をしています。現在、酒井副参事を中心に、地元の校庭利用団体の代表や学校長、副校長をはじめとする教員の方との意見交換会を定期的に開催していただいています。私もメンバーに入れていただいておりますが、行政側と学校側、そして利用者側の三者による話し合いによって、校庭利用に対する理解はかなり進んだと感じています。取り組みに感謝をするとともに、今後も定期的な開催を期待いたします。現状の認識を共有することは課題解決の第一歩でありますが、残念ながら、それが直接根本的な課題解決にはまだつながっていないと言わざるを得ないと思います。  校庭が使えない以上、児童の運動環境確保のため、別の環境を用意しなければならないわけでありますが、校庭が使えない期間の代替施設として、これまで本区ではどのような対応を行ってきたでしょうか。  そして、ここからが今回この課題を再度取り上げた理由になりますが、これから予算特別委員会で次年度予算の審議が始まります。その中に雪谷中学校の、これは雪谷小学校の近隣の中学校でありますが、校庭全面改修工事が予定されております。予算の議決前とはいえ、今年度の事業では既に本工事の設計委託が行われていることから、この事業については既に見通しの立っているものとして話を進めさせていただきますが、この後のご答弁にもあろうかと思いますが、これまで雪谷小学校においては、運動場確保のための代替として、お隣の雪谷中学校との連携が非常に重要でありました。区立中学校であることや、区内でも比較的広い校庭を持っていることなども助け、連携して雪谷地区の子どもたちの育成に努めてきていただいております。  そこで伺います。雪谷中学校校庭の全面改修について、この期間はいつ、どの程度を想定しているのかをお知らせください。また、これまで雪谷小学校の生徒が雪谷中学校に間借りをしていたわけでありますが、今度は小学校の環境改善がまだままならないままに、中学生の運動環境も著しく減少することになります。日程や期間にもよるでしょうが、その間の中学生の体育授業や課外活動、部活動などについてはどのような対策を検討しているか、あわせてお知らせください。  本件については各校の先生方も非常に心配をされております。区行政と学校側の緊密な連携体制が重要と考えます。引き続きこの点についてはお願いをしたいと思います。  そしてまた、これを苦慮し続けていても、最終的には現役の生徒たちにできるだけストレスのない形で運動環境を提供していかなければならないわけでありますが、地域間の連携の中で、雪谷地区には私立清明学園さんがあります。また、区施設としては東調布公園の運動場があります。清明学園さんは雪谷小学校のすぐ裏手に建っており、東調布公園については、雪谷小学校からは小学生の足では遠く、通行量の多いバス通りを通らなければならないため、授業の休み時間の間での往復は大変に危険もはらむわけでありますが、雪谷中学校からは目と鼻の先にあります。  雪谷地区の子どもたちの総合的な運動場確保のため、東調布公園や私立清明学園さんなどとの相互の連携が大変に必要と考えますが、区の見解をお示しください。  今回挙げた二つの施設については、どちらも大変な調整と交渉、そしてお願いが必要になることかと思います。しかし、私の考える限り、この2施設以外に雪谷地区には子どもたちの運動場のための代替となり得る場所はほかになく、生徒の移動時間などを考えても、この道しかないように思えます。先方のご都合も大変に厳しいとは聞き及んでいますが、どうにか光明を見出していただきたいと思います。  そしてもう一つ、小学校においての提案でありますが、これは要望に近い形でありますけれども、先ほども申し上げたとおり、雪谷小学校において教職員の方々からの不安の声が大変に出ております。そのご意見の中でいただいたのが、雪谷小学校の屋上と、そして今、校庭の脇に使っていない花壇スペースがあるんですが、この活用についてであります。  代替施設の工面が非常に厳しいという現実がある中で、すぐにとれる対処法の一つとして、例えば、現在は老朽化などで安心して授業などで使えないというご意見も出ておりますが、この屋上の改修や、また先ほど申し上げた校庭の脇にある花壇スペースの改修など、学校の中での工面も必要と考えますが、区のお考えをお示しいただきたいと思います。  校庭を使用できる期間が短い以上、体育館や屋上、そして空いているスペースなど、とにかく使えるものは全て活用することが必要になってくるわけでありますが、現状では、この屋上や校庭脇スペースは運動のために使えるものにはなっていないわけであります。これは早急な改修を期待させていただきたいと思っています。  最後に要望であります。これは雪谷地区のみならずでありますが、運動及びスポーツは体力の向上だけではなく、健全な精神の育成や社会教育の場でもあり、とても重要な環境であります。昨今、区内公園ではボールを使った遊びが著しく制限されており、その意味でも学校施設の果たす役割は非常に大きくなってきております。地域の子どもたちにとって不利益が極力発生しない形での計画的な施設整備を要望させていただきまして、私の質問を終わります。よろしくお願いいたします。ありがとうございました。(拍手) ○松本 副議長 理事者の答弁を求めます。 ◎松本 教育総務部長 私からは、雪谷地区の学校環境についてのご質問にお答えをします。  まず、雪谷小学校の全面芝生化以降の体育の授業時数等の確保についてのご質問でございます。体育は生涯にわたって運動に親しむ資質や能力の基礎を育てるとともに、健康の保持増進と体力向上を図り、楽しく明るい生活を営む態度を育てることを目標としています。雪谷小学校では、体育の学習内容である体づくり運動などの運動領域と保健領域について、学習する季節や時期に応じて、校庭、体育館、屋上、教室及び雪谷中学校の校庭などの活動場所において、学習活動を工夫して実施しております。授業時数については、全学年、年間を通して定められた時間を確保できていると報告を受けています。また、芝生の養生期間などで校庭が使用できない時期の休み時間等につきましては、体育館や屋上を開放するとともに、パソコン教室の開催、図書館での読み聞かせ会の開催など、年間を通して計画的に教育活動を展開しています。今後も、このように学校の実態に応じて、特色を生かした教育活動の充実により、学習指導要領に基づいた授業時数の確保を適切に進め、児童の学校生活が充実できるように取り組んでまいります。  次に、雪谷小学校において校庭が使えない期間の代替施設として、これまでどのような対応をしてきたかとのご質問でございます。雪谷小学校は平成24年度に学校校庭を全面芝生化いたしました。全面芝生化を実施する学校につきましては、夏芝と冬芝を併用した施工方法を用いております。この方法を用いることで、年間を通じて芝生の校庭で児童たちが授業や休み時間を安心して過ごしやすくなるためでございます。その一方で、この施工方法においては、冬芝の育成を図るために、おおむね秋の1か月間について校庭を使用しないで、芝生の養生に充てる必要があります。したがって、この期間については授業等を含めて校庭を使用できなくなります。そこで、平成24年度の校庭全面芝生化以降、秋の芝生養生期間につきましては、近隣の雪谷中学校を使用して体育の授業等を行う対応をしてございます。  次に、雪谷中学校の校庭全面改修の予定及び校庭改修期間中の体育授業等の対応についてのご質問です。雪谷中学校の校庭については、長年の使用により校庭の土面にでこぼこが生じたり、表層の土砂流失等により校庭の地盤面が下がり、雨水を排出する側溝が校庭地盤面より高い位置にある状況が生じておりました。そのため、体育等で安全に生徒たちが活動するのに支障が生じたり、雨が降ると側溝で排水できず、校庭の土を含めて学校敷地外へ流失することがありました。こうした状況を改善するには、校庭の全面的な改修が必要と判断いたしまして、今年度より設計を進め、来年度に工事を予定しております。工事に関しましては、現時点の予定としては7月の夏休みの時期から工事に入る計画でございます。工期に関しては6か月程度を見込んでおり、年明けの1月末までの工期設定で現在最終的な検討を進めている状況です。  次に、工事期間中の体育授業、部活動等の対応についてです。工事期間中であっても学校教育活動等の機会を保障していくことは重要と考えております。現在、雪谷中学校とは工事期間中のカリキュラムの確認、調整及び近隣校の借用等を含めて、代替場所の検討に取り組んでおります。これらの工夫を行い、できる限り学校教育活動に支障が生じないよう対応してまいります。  次に、雪谷地区の子どもたちが校庭改修等で運動ができない場合の近隣の東調布公園等の使用に関する連携についてのご質問でございます。当該校が工事期間中であっても、学校の活動は継続して行われておりまして、学校教育活動の機会を保障していくことは重要と考えております。教育委員会としましては、当該校との間で教育カリキュラムの実施時期の調整を行ったり、他校校庭等の使用の可否等の検討を行っております。それに加えて、さらに近隣の区立公園等の利用を検討している状況でございます。議員のお話にあるように、区立公園等を使用することができれば、より学校教育活動の保障は行いやすくなるものと考えてございます。しかしながら、東調布公園は区民利用施設という設置の目的があり、私立清明学園は自校の教育活動を確実に行うことが求められております。したがって、区立公園等の使用については、関係諸機関と十分な調整を行うことが必要と考えております。  次に、雪谷小学校の芝生養生期間における代替施設としての屋上の改修や校庭脇の花壇スペースの改修等についてのご質問でございます。校庭を全面芝生化した学校につきましては、冬芝の養生の関係から、秋の1か月間程度校庭使用を中止しております。この期間中の学校体育活動につきましては、近隣校の校庭を使用して対応しております。昼休み等の自由時間は、屋上利用を含めて雪谷小の子どもたちは過ごしております。この屋上については、劣化の状況もあり、使用しにくい等の実態があるため、改修を求める要望等をいただいておりました。こうした要望等も参考に、この屋上を改修する計画を立て、平成28年度予算に改修経費を計上させていただいているところでございます。また、校庭脇の花壇スペースの改修につきましても、雪谷小学校の子どもたちが芝生の養生期間においても、学校でできる限り自由に活動できるよう、引き続き検討してまいります。私からは以上でございます。 ○松本 副議長 会議が長くなりましたので、しばらく休憩といたします。                      午後0時5分休憩                ――――――――――――――――――――                      午後1時開議 ○松原茂登樹 議長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質問を続けます。11番鈴木隆之議員。                  〔11番鈴木隆之議員登壇〕(拍手) ◆11番(鈴木隆之 議員) 自由民主党大田区民連合の鈴木隆之でございます。本日は福祉、教育、そして産業振興、この主な3点についてお聞きをいたします。  初めに、2025年問題として地域包括ケア体制の構築に向けた医療と介護の連携の視点からお聞きいたします。  独居の高齢者世帯や高齢者のみの世帯、そして後期高齢者人口の増加が予測されております。また、要介護度が重度になるほど看護サービスなどの医療サービスのニーズが高まってくることから、医療と介護のニーズをあわせ持つ高齢者の在宅生活をいかに支えていくかが課題となっております。  こうしたニーズに対応するサービスとしては、病気や障がいを持った人が住み慣れた地域や家庭で、その人らしく療養生活を送れるように、看護師などが生活の場へ訪問し、看護ケアを提供し、自立への援助を促し、療養生活を支援するサービスとしての訪問看護ステーションや、定期的な巡回や随時通報への対応など、利用者の心身の状況に応じて、24時間365日必要なサービスを必要なタイミングで柔軟に提供する定期巡回・随時対応型訪問介護看護サービスがあります。このほか、看護小規模多機能型居宅介護は、通い、泊まり、訪問介護、訪問看護のサービスを組み合わせることにより、医療ニーズのある中重度の要介護者の在宅療養生活を支援するサービスとして平成24年に創設された地域密着型サービスでありますが、まだまだ開設事業所数が少ない状況にあると聞いております。  病院からの退院直後、状態が不安定な方が落ちつくまでに2週間から1か月程度の期間が必要とされていますが、その間は宿泊サービスを多めに配分し、状態の安定を図りながら、徐々に訪問や通所サービスを組み合わせ、入所ではなく在宅生活への復帰を支援し、たんの吸引やじょくそうをはじめ、経管栄養や胃ろう、人工透析などの医療的ニーズに対し、看護職と介護職が互いの専門性を生かし、多職種連携のもとで緊急時の対応を含め、柔軟に看護と介護サービスの一体的提供をしていくサービスが可能であり、地域包括ケアの視点から必要な地域密着型サービスであると考えます。  また、同じ事業所に配置された看護職員、介護職員がそれぞれスタッフ間で情報の共有を図り、ケアマネジャーがサービスを一元的に管理する体制のもとで、介護職員にとっては、夜間でも常に看護職員がオンコールで待機しているという安心感があり、看護職員にとっては、介護職員の多様な業務対応に気づかされることもあり、利用者のみならず事業所の職員にとっても、安心感や一体感を得られる仕組みだともお聞きをしております。  区の介護保険事業計画では、看護小規模多機能型居宅介護の整備を盛り込んでいますが、今後の展望をお聞かせください。  政府が昨年11月にまとめた1億総活躍社会の実現に向けた緊急対策の柱の一つとして、働く人が高齢の親の介護などで離職せざるを得ない事態を防ぐために、2020年初頭までに特別養護老人ホームなどの施設サービスや居宅サービスを従来の計画より12万人分上乗せ整備支援を行うことといたしました。  これに伴い、去る1月20日、国会において、1億総活躍社会関係費を含む27年度補正予算を可決し、その中には介護基盤の整備加速費として922億円余が計上されております。具体的には、特別養護老人ホーム、老人保健施設、認知症高齢者グループホーム等の施設系のサービスや、小規模多機能型居宅介護、看護小規模多機能型居宅介護、定期巡回・随時対応型訪問介護看護などの在宅系のサービスを整備促進の対象とし、都道府県に設置されている地域医療介護総合確保基金への積み増しを行うこととしております。  一方で、各地方公共団体の介護施設整備計画は、今年度から3か年の計画である第6期介護保険事業計画の中で進めているところですが、介護保険料を変えずに上乗せ整備を行うことは財源上の課題があります。このことについて、厚生労働省の説明では、「第6期介護保険事業計画への影響は限定されてくる。計画の変更まで求めるものではない」とし、その実現性に注目が集まっております。  こうした中で、大田区の第6期介護保険事業計画を見ますと、特別養護老人ホーム295床の整備計画を盛り込み、この4月、5月には西馬込二丁目30床、萩中二丁目81床、大森西四丁目84床の合計195床が開設し、さらに矢口三丁目30床の整備も進めながら、本定例会に上程される平成28年度予算案では、新たに千鳥二丁目84床の整備費予算も計上いたしました。これらを積み上げると、当初の計画数を超える309床となるなど、他区の計画と比較しても高い水準であり、国の施策を先取りするものとなっております。高齢者が要介護状態となっても、住み慣れた地域で安心して暮らし続けることができる地域づくりを区内において積極的かつ精力的に実現していこうとする松原区長の姿勢を高く評価し、今後の展開を期待するものであります。  こうした施設整備を着実に進める中で、懸念される課題は介護人材の確保であります。東京都社会福祉協議会の高齢者福祉施設協議会が都内の特養305件を対象に平成26年12月に実施した、特別養護老人ホームにおける介護職員充足状況に関する緊急調査では、約半数に当たる47.2%の特別養護老人ホームで職員不足であること、その施策として派遣職員の雇用や求職者面接会の開催などのほか、ショートステイの閉鎖が2施設、入居の抑制が7施設あるなど気になる内容もあります。  こうしたことを背景に、国の27年度補正予算では、介護人材の育成、確保、生産性向上で444億円余を計上し、新規参入促進や離職防止、定着促進の観点から、中高年齢者への入門的な研修や職場体験の実施をはじめ、育児・出産は離職事由の3割を占める状況でありますが、子育てしながら働き続けられるよう、介護施設の事業所内保育所の設置などを盛り込んでおります。  必要な介護サービスを確保するためには、高齢者の増加に対応した介護サービスの量的確保とともに、当該サービスを支える人材確保の取り組みが欠かせません。そのためには、顧客に選んでいただくという姿勢でサービスの質を高め、その増益で職員給与に還元する事業者自身の努力が基本となります。その一方で、介護労働安定センターの労働実態調査を見ると、年間離職率は16.5%に上り、景気回復に伴い介護以外の職種に転職する人も増えている状況であり、社会的な課題としての行政の支援も必要と考えます。  また、人材は確保も重要でありますが、信頼性も大きな課題であります。昨今の報道でも見られるように、福祉施設での事件・事故は後を絶ちません。慢性的な人材不足の中でも、信頼の置ける関係機関との連携をもとに、安定した人材確保、供給ができる環境の整備は喫緊の課題と考えます。  そこで伺いますが、これからの介護基盤の整備に当たって、人材確保という視点をどのように捉えているかお聞かせください。  続きまして、教育関連の質問に移ります。  文部科学省は、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、小中高校の学習指導要領にパラリンピック教育を盛り込む方針を決め、2018年度からの実施を目指すとされていました。東京都では、2020年東京大会開催を踏まえ、幼児、児童・生徒がスポーツにより心身の調和的な発達を遂げ、オリンピック・パラリンピックの歴史、意義や国際親善など、その果たす役割を正しく理解し、我が国と世界の国々の歴史、文化、習慣などを学び、交流することを通して国際理解を深め、進んで平和な社会の実現に貢献することができるようになることが重要であり、そのために平成32年の東京大会までの間、様々なオリンピック・パラリンピック教育を展開していくために、その教育実践の研究開発を行うとされています。  取り組み内容としては、国際的なマナー、エチケット、礼儀作法や習慣などの学習や、オリンピアン、パラリンピアン、アスリートやスポーツ指導者と幼児、児童・生徒との直接的な交流などをはじめ、各指定校が任意項目を選択し、創意工夫した取り組みを展開することとされています。  本区においても、平成27年度オリンピック・パラリンピック教育推進校に田園調布小学校、貝塚中学校をはじめとする小学校5校、中学校2校が指定をされました。大会開催後の施設などのハードだけではない、子どもたちがオリンピック・パラリンピックで学んだ思い出や記憶、そして感動をこれからの教育に十二分に生かしてもらいたいと願っております。そのためには、指定校でのこの1年間での取り組みを分析し、平成32年の開催年に向けて、今後、オリ・パラ教育が全学校へ効率よく展開されることを要望いたします。  そのためには、次年度へ向けて今年度の取り組みの分析は重要であり、さらに今後、どのように展開、計画をされているのかお聞かせください。  先日の教育委員会委員長の所信表明でも述べておられましたが、小学校の情緒障害等通級指導学級が特別支援教室に変わります。これまでは通常の学級に在籍している発達障がいの児童の一部は、在籍学級における授業の一部を抜けて、他校に設置された情緒障害等通級指導学級で特別な指導を受けていたのに対して、新年度からは各小学校に特別支援教室を設置し、教員の巡回指導へと体制が移行されることになりました。  これは、東京都教育委員会において平成22年11月に作成した東京都特別支援教育推進計画第3次実施計画に基づき、教員が巡回して発達障がい教育を実施する特別支援教室の全公立小学校への導入を目指し、平成24年度から3か年をかけてモデル事業を実施してきたものであり、新年度からの導入を経て、いずれは全国に展開されることも予想されます。保護者の送迎の負担軽減、特別支援教室専門員や臨床発達心理士などの導入により、従来以上に細やかな対応が期待できるなど、今回の取り組みは申込者数を見てもその期待の高さがうかがえます。  しかしながら、今回のケースに限らず、どのような場合においても、体制の変化というものには若干の心配を聞くのも現状です。現場の教職員をはじめ、各小学校に対してどのような準備、指導が徹底されているのかお聞きいたします。  次に、障がい者と健常者がともに歩める教育への取り組みに関してお聞きします。インクルーシブ教育などを前提とし、障がいを抱えた人、そうでない人がともに歩める社会をつくり上げる上で、教育現場における幼少期からの指導は非常に重要であると考えます。障がいのある児童・生徒に対する教育は、かつては障がいの種別に対応した教育を行うことが主流でありました。また、特別支援教育そのものが健常児から障がい児を分離する教育だという批判も根強くある一方で、できるだけ早期から障がいに応じた教育を行ったほうが、一人ひとりの能力をより伸ばせるという考えが近年の見解であります。  子どもたちには、自分にはないつらさや痛みを少しでも理解できる優しい心を持ってもらいたいというのは誰もが思うことです。いじめの問題にも見られるように、子どもたちは幼いがゆえに人の痛みや気持ちがわからず、無意識に他人を傷つけることもあります。子どもは時に残酷であり、しかし、時には大人の想像を超えた優しさや愛に満ちあふれた瞬間もあります。  障がいを持つ子どもを守ってあげたいという大人の愛情はもちろん必要です。しかし、大人が過度につくり上げる環境が子どもに戸惑いを与えることもあり得ます。最初は若干の戸惑いはあろうとも、子どもたちの優しさ、素直さ、友情に期待をし、子どもたち同士が互いに理解、尊重し、ともに学び合う心を育てるのには、我々大人がつくる環境にかかっていると言っても過言ではありません。障がいを抱えている人、そうでない人がともに歩める教育環境に向けた取り組みに関する区の考えをお聞かせください。  最後に、産業振興に関してお聞きをいたします。  おおた商い観光展2015は、多くの参加者が来場し、成功裏に終了したと聞いております。ここ数年、商い観光展当日は蒲田駅東西口での回遊性が生まれ、まちのにぎわいにも寄与しております。その中で、大田区とともに主催者である大田区商店街連合会の連携イベントはもちろん、通称「さかさ川通り」において、おいしい収穫祭イベントが開催され、商店街区のにぎわいにも寄与しております。私も実際に家族で行ってみましたが、非常に楽しく温かみを感じるイベントでありました。イベントというものは決して大規模ではなくても、その地域の特色を最大限に生かし、まさにまちの身の丈に合ったにぎわい創出のイベントが今後区内各地で行われる、まさにそのモデルケースのような存在になるよう期待するものであります。4年後の東京オリンピック・パラリンピックの開催を契機として、羽田空港利用者のさらなる増加が見込まれます。区民はもとより国内外からの来街者を呼び込み、まちのにぎわいを創出し、多くの人々にこの大田区のまちの魅力を感じ取ってほしいと考えております。  昨年6月29日、道路法の特例を活用した、さかさ川通りにおけるエリアマネジメントが国家戦略道路占用事業として区域指定の認定を受けました。このさかさ川通りは、JR蒲田駅と京急蒲田駅の中間に位置し、絶好の場所であります。今後さらにイベントなどの定期的な開催が可能となり、地域の魅力ある産品や文化の発信など、まちのにぎわいの創出の場としての活用が大いに期待されるところであります。  さかさ川通りの竣工後、大田区はどのような支援を行い、どのような成果があったと考えているかお聞きいたします。また、区域指定の認定から今日までをしっかりと検証し、これからのさかさ川通りについて、今後どのような展開を考えているのかお聞かせください。  以上、大きく分けて3項目にわたり質問させていただきました。どうぞ明快な答弁をいただきますよう、よろしくお願いいたします。ありがとうございました。(拍手) ○松原茂登樹 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎鴨志田 産業経済部長 私からは、さかさ川通りに関するご質問にお答えをいたします。
     一昨年、平成26年3月にさかさ川通りの整備が完了いたしました。地元商店街、町会、沿道地権者を中心としました団体「さかさ川通り おいしい道計画」が、平成26年6月に「おいしい1週間」として、10店舗ほどの地元からの特設店舗出店ですとか屋台フードを中心に、キッチンカーとも連携し、京急蒲田−蒲田間でのおいしいにぎわいを創出いたしました。その後、10月においしい収穫祭、平成27年5月にはおいしいピクニックを実施しております。議員からお話がありました平成27年6月の国家戦略特区認定後も、7月の音楽祭イベント、10月の商い観光展連携イベントについて、区は支援を行っております。これまでの事業においては、毎回1万人を超す来街者数と聞いておりまして、商店街振興と地域の活性化につながっているものと考えております。  次に、さかさ川通りの今後の展開についてお答えをいたします。さかさ川通りのイベントだけではなく、商い観光展や近隣商店街、民間事業者などとの連携によりまして、蒲田駅周辺から京急蒲田駅周辺の面的な広がりの中で、来街者の回遊性が高まり、商店街の活性化や個店の繁盛につなげていきたいと考えております。さかさ川通りのあります蒲田東口地区は、入り組んだ街路に面した飲食店が軒を連ねておりまして、このようなまちの魅力を生かし、外国人を含めて、より多くの来街者が楽しめる街路の実現を目指してまいります。来年度は、実施主体において、JA東京中央と連携した東京野菜の宣伝などを兼ねた連携イベントなども検討していると伺っております。大田区としましては、来年度も引き続き、「さかさ川通り おいしい道計画」が主体となって実施をするイベントを支援してまいりたいと考えております。私からは以上です。 ◎中原 福祉部長 私からは、介護関係に関してお答えいたします。  まず、看護小規模多機能型居宅介護についてのご質問ですが、このサービスは、通い、泊まり、訪問介護・看護を組み合わせることにより、医療的ケアを必要とする利用者の在宅療養生活の支援が期待され、地域包括ケア体制構築に向けた重要なサービスの一つと認識しております。しかし、開設している事業者の48.6%が収支赤字であることや、事業者自身で看護師を確保しなければならないことなど、事業展開上の課題もあり、23区の整備状況は6か所にとどまっている状況もございます。  区では、このサービスのほか、高齢者の在宅生活支援のため、医療的ケアの必要な方へ24時間介護と看護サービスを一体的に提供する定期巡回・随時対応型訪問介護看護や、体調変動による療養のためのショートステイを備えた小規模多機能型居宅介護など、それぞれの特徴を生かし、総合的な視点から地域密着型サービスを進めております。こうした多様なサービスの制度趣旨や利点を事業者に広く理解を促すとともに、整備費等の補助金を有効に活用しながら事業者を支援し、整備を進めてまいります。  次に、介護人材確保についてのご質問ですが、特別養護老人ホームや地域密着型サービスなど介護基盤の整備に当たっては、介護保険事業計画に盛り込んだ計画数の実現とあわせて、質の高いサービスを安定的に提供できるよう、介護サービスを担う人材の確保が重要な課題であると認識しております。議員お話しの介護人材確保では、介護職の魅力ややりがいをPRし、地域社会全体で人材の掘り起しを行うとともに、事業者と介護人材の適切なマッチングを推進するなど、事業者の支援策を講じる必要があると考えております。  このため、区では、事業所開設時の職員募集の支援などを目的に、都補助金を活用した施設開設準備経費等支援事業を実施いたします。さらに、事業所開設後も含めた新規人材確保の支援として、既に資格を取得している方や介護の仕事に興味を持った方の就労支援研修の実施をはじめ、区内ハローワークと連携し、複数事業者による合同説明会の実施などを新たに進めていきたいと考えております。今後とも、事業者と連携を密にし、必要に応じた質の高いサービスが受けられるよう、量と質の両面から介護基盤の整備を進めてまいります。私からは以上でございます。 ◎松本 教育総務部長 私からは、教育に関する三つの質問にお答えします。  まず、今年度のオリンピック・パラリンピック教育の取り組みの分析と今後の展開、計画についてのご質問でございます。現在、オリンピック・パラリンピック教育推進校7校では、オリンピアンやパラリンピアン等を招へいして子どもたちと交流したり、オリンピック・パラリンピックの意義や歴史を学習し、さらに国際理解教育や障がい者理解教育を展開しております。こうした取り組みを通して、夢に向かって努力することの大切さを知り、また、国際社会に貢献しようとする意識を高めることや、自己の健康に留意し、たくましく生きる心身の基礎を身につけること、国際理解教育を通して他国を正しく理解し尊重しようとすること、障がい者理解教育を通して他者を正しく理解し、互いに尊重し合うことなどが身についてきております。これらの成果を踏まえ、来年度は小中学校全校をオリンピック・パラリンピック推進校として、各教科などの学習内容・活動とオリンピック・パラリンピックを関連づけた学習を展開してまいります。  次に、特別支援教室の準備状況についてのご質問にお答えします。特別支援教室の実施に向けては、今年度、3グループ9校でモデル実施を行い、指導体制などの検証を行ってまいりました。また、区民説明会や各学校の保護者会で特別支援教室の設置目的や意義について説明を行い、保護者の不安解消や地域の理解が得られるよう取り組んでまいりました。その結果、来年度の利用希望者数は、平成27年度の233人から579人と大幅に増加したところでございます。  来年度の開設へ向けた具体的な準備としましては、空調設備や指導に必要な物品などの環境整備はもちろんのこと、モデル実施における課題を検証し、各学校での指導面における準備を進めており、特別支援教育コーディネーター研修会の開催や、モデル実施校による個別の学校での説明、相談の機会を設けているところでございます。指導内容はこれまでの通級指導学級と違いはございませんが、通級指導から巡回指導への変更をはじめ、特別支援教室専門員の配置や臨床発達心理士等の巡回など、指導環境や指導体制が大きく変わります。特別支援教室の全校実施により、これまで以上に児童の学習能力や集団適応能力の伸びが期待されているところであり、利用希望者数の大幅な伸びもその期待のあらわれだと考えております。今後とも、特別支援教室の理解促進に努めるとともに、環境整備や指導体制づくりを行うことで、さらなる充実に努めてまいります。  次に、障がいのある人と障がいのない人がともに歩める教育環境に向けた取り組みに関する区の考え方についてのご質問にお答えします。共生社会の実現に向けて、障害者の権利に関する条約に基づくインクルーシブ教育システムの理念の浸透を図っていくことは、学校教育においても大変重要だと考えます。そのために、幼児、児童・生徒、教職員、保護者、地域の理解啓発を図る配慮が必要だと考えます。具体的には、道徳の時間を通して子ども一人ひとりの心を育てていくこと、通常の学級の児童・生徒が特別支援教室で行っている学習を体験することを通して、障がいについて理解を深め、ともに学ぶ方法を考え実践する機会を設けること、障がいのある幼児、児童・生徒自身が障がいについて周囲の人に理解を広げることなどの取り組みが考えられます。また、保護者、地域に対しても、保護者会等において、障がいについての理解や共生社会の理念について啓発を図る活動を行うことなどの取り組みが考えられます。教育委員会としましては、教員に対して理解啓発の重要性を周知するとともに、効果的な啓発の実践例等を紹介しながら取り組みを進め、幼児、児童・生徒、教職員、保護者、地域の障がい者に対する理解啓発を推進してまいります。私から以上でございます。 ○松原茂登樹 議長 次に、12番伊佐治 剛議員。                  〔12番伊佐治 剛議員登壇〕(拍手) ◆12番(伊佐治剛 議員) 自由民主党大田区民連合の伊佐治 剛でございます。  まず、地域包括ケアシステムの構築についてお聞きをいたします。  日本版CCRCについてでありますが、CCRCは、継続的なケアつきリタイアメントコミュニティの略で、元気なときからターミナルケアまでの期間を過ごすことができる地方移住の仕組みであります。狭義で言えば、地域包括ケアとは相反するものとも言えます。しかしながら、我が国、特に都心部においては、2025年以降の急激な後期高齢者増加において、介護施設における後期高齢者収容能力は23区で4万床以上の不足、東京圏全体での介護需要も45%以上増加をし、施設だけでなく人材の不足も危惧をされています。まさにこうした中、都心部における地域包括ケアを実現していくためには、一つの処方箋として、東京圏の高齢者の地方移住促進を行うことは必要不可欠であると言えます。  しかし、この日本版CCRCについては、地方移住はうば捨て山だと間違った認識を持っている方も少なくありません。あくまでも、こうした地方移住への取り組みは本人や家族の意向に沿って行うべきものであり、強制的に進めていくものではありません。例えば杉並区では、災害時相互援助協定を締結している南伊豆町に特養の建設を進めています。こうした特養整備における区民の声としては、64%程度の区民の方々は入所を希望しないとしています。しかし、ここで見るべき数字は、希望していない方ではなく、残りの4割程度の方々は、何かしらの形でこうした特養を利用したいと考えているということです。  昨年、仲間の議員数名で大田区に東京事務所を設置している山形県長井市を訪問いたしました。このときにも現地の特養を訪問し、施設側としての地方移住受け入れニーズについて意見交換を行ってまいりました。もちろん、地方に大田区が特養を建設するとなれば、コスト面や人材確保の面でも課題があると考えますが、こうした地方に既に存在している特養の活用であれば、そうした課題も回避されます。地方にとっても、介護保険における住所地特例の制度だけでなく、現在、後期高齢者医療制度においてもこの特例制度の整備が進められており、財政的な負担も少なく、家族などがこうした地方の都市に足を運んでいただけるきっかけにもなります。  友好関係にある都市との特養利用における連携を利用者の選択肢の一つとして進めていくべきと考えますが、区の見解を求めます。  次に、地域包括ケアの要となるさわやかサポートの機能についてであります。これまでも多忙な業務の中、介護における個別支援だけでなく、地域との連携や虐待への対応など、様々な分野において大田区の高齢者支援の拠点としての機能を果たしています。こうした中、今、一つの課題となっているのが、家族全体の問題として捉えなければ解決できない事例の増加であります。特に障がいの分野との関係性は強く、高齢者の虐待事例の中でも、家族が精神的な疾患を持っていたり、障がいを持った方の親の高齢化に伴う問題であったり、本人の課題解決を行うためには家族の支援も同様に行っていかなければなりません。  これまでの議会質問でも、障がいの分野における65歳時の制度分断の問題と、居宅介護支援事業者と相談支援事業者の連携の重要性について提言を行ってまいりました。特に、居宅介護支援事業者にとっての相談窓口である地域包括支援センターにおいては、障がいへのさらなる理解も必要と考えます。地域包括支援センターにおいて、介護・保健の専門職だけでなく、障がいプランの専門職である相談支援専門員の配置を行うべきと考えますが、区の見解を求めます。  次に、小規模多機能型居宅介護についてお聞きします。これまでも小規模多機能型については、サテライト型としての活用や、また障がい児者の利用など、様々な視点で質問を行ってまいりました。こうした中、大田区においては、おおた高齢者施策推進プランに伴い、着実な施設整備が進んでいます。新規2事業者が開設をすると、大田区の4地域全てに設置をされることになり、これは福祉部の努力のたまものであると大いに評価をいたします。小規模多機能型及び平成29年度に向け開設の準備を進めている看護小規模多機能型については、通い、宿泊、訪問のサービスを一つの事業所で実施していくことから、利用者と介護者の間で安心を生むことができ、また、地域包括ケアにおける拠点となる施設でもあります。しかしながら、厚生労働省の介護経営実態調査によると、特に看護小規模多機能型居宅介護事業における経営の厳しさが示されています。  以前の質疑では、経営環境の改善として認知症グループホームなどの併設型の事業整備を求め、こうした整備手法を取り入れていくということを答弁でいただきました。しかし、今後さらなる事業整備を行っていく上で、個別の事業としての収益性を確保していくことは重要な視点であります。これまでも区の独自報酬加算を求めてまいりましたが、改めて区の見解を求めます。  次に、専門職による在宅介護支援についてであります。これまでも大田区として、家族介護者支援ホームヘルプサービス事業や家族介護者交流事業など、主となる介護者の支援を行ってまいりました。また、技術という面を考えると、社会福祉協議会の行う介護講座や、先に述べた家族介護者支援事業における介護知識の取得など、その支援を行っているところです。しかしながら、個別の家庭におけるニーズへの対応は十分ではないと言えます。特に、報酬改定により訪問介護は生活援助の時間が少なくなり、家族へのアドバイス等、在宅介護を維持していく上での十分な時間が確保できていません。  現在、大田区では、在宅高齢者訪問相談事業や訪問指導事業を行い、家族介護者に対し日常生活上の保健福祉に関する専門的な指導等を行っていますが、残念ながら指導を行う専門職に介護専門職は含まれていません。介護福祉士やキャリア段位認定者など介護専門職を派遣し、個々に異なる生活環境において、具体的な個別指導を受けられる環境をつくるべきと考えますが、区の見解を求めます。  次に、六郷地区の課題についてお聞きをいたします。  これまでも六郷地区への中核的な病院誘致に向け、様々な視点で質問を行ってまいりました。昨年11月に行われた六郷地区病院誘致促進委員会において、杉坂部長から、「六郷地区の医療需要を調査し、年明けには結果が出るだろう」という発言がありました。医療需要の調査については、これまでも私自身、この区議会で何度も取り上げてまいりました。都議会の審議においても、都の医療政策部長の答弁において、「これまで区市町村の具体的な計画がない中で、都がみずから特定の地域要望に応じて特定の医療機関を誘致したことはない」と答えており、地域の医療ニーズ等を予測し、経営規模を考え、医師や看護師などの人員配置を計画して、初めて中核的な病院の誘致が具体化をされます。医療需要調査においてどのような結果が示されたのか、また、その結果はどのような方向性で区の方針に反映されるのかお答えください。  そして、この六郷地区の病院誘致にかかわらず、執行機関に対して一つの懸念があります。それは、議会質問に対する姿勢であります。以前、総務部長名で各担当が議会質問を確認することについての通知が出されました。今回のこの六郷地区への病院誘致にかかわる医療需要調査については、練馬区など他の自治体の病院誘致に向けた取り組みを事例に、私自身何度も提言を行ってきたところです。しかし、残念ながら事前に何の話もなく、医療需要の調査を進めてきました。もちろん、区として六郷地区の医療需要に関する調査を進めてくださったことには感謝をしています。しかしながら、その医療需要調査のあり方が、本当に私自身が議会で行ってきた方向性と同じであるのか、そうした事前の協議は必要だったのではないでしょうか。  そこでお聞きをいたします。今回の医療需要調査において、事前に議会質問は確認したのでしょうか。また、いまだに議会質問や答弁を確認していないと思われる事例が散見されます。総務部長通知を無視するようなことが起こらないように改めて強く要望いたしますが、見解を求めます。  次に、介護施策の適正化と充実について4点質問いたします。  これまでも介護保険サービスの住宅改修と福祉用具貸与の適正化について触れてまいりました。介護保険の住宅改修について、不適切事例は減少しているものの、手すり一つにしても調整が不十分で、適切に利用されていないなどの問題が多々見受けられます。これまでもOTやPTなどの専門家のチェックと研修の必要性について要望を行いましたが、区としては、「国の動向を見守りつつ、どのような対応ができるのか検討してまいります」としています。また、福祉用具貸与についても、公定価格のない特殊なサービスであるため、同一製品で高額なケースとなる、いわゆる外れ値が問題となっていることについても、区としては、「こうした国の動きを引き続き注視していきたいと考えております」としており、問題を先送りしているように感じられます。  介護給付費適正化事業に基づき、訪問調査の実施、また、ケアマネが住宅改修や福祉用具のサービス利用における環境調整として、リハ専門職に気軽に相談できる窓口の設置や、専門職によるチェック環境をつくるべきと考えますが、区の見解を求めます。  次に、介護キャリア段位制度についてお聞きします。キャリア段位制度は、事業所ごとにばらばらに行われる職業能力評価に共通のものさしを導入することで、介護分野における人材育成を目指す制度としてつくられました。制度立ち上げ当時、内閣府としては2020年までに13万人程度のキャリア段位認定者の育成を目標としてきましたが、レベル認定者は2月現在で1147人、評価者であるアセッサーも昨年11月現在で1万1863人と、まだまだ目標値にはほど遠い状況にあります。都区レベルで見てみると、東京都のレベル認定者は164名、そのうち大田区は5名、アセッサー、評価者については1583名、そのうち大田区は74名となっています。特に大田区のキャリア認定者は社会福祉法人に限られている状況があります。有用な制度にもかかわらず、なぜこれだけ認定者が少ないのでしょうか。  例えば、東京都で昨年から実施をしている介護職員キャリアパス導入促進事業により、事業者としては年間50万円の補助を受けることができますし、認定にかかる費用については、キャリア形成促進助成を利用することにより負担も少ない状況があります。どうすればキャリア段位制度をさらに有効活用してもらえるのか、制度活用を目指す上で、よりキャリアアップを明確にする仕組みが必要であると考えます。  例えば、一定段位以上の方を先に述べた専門職による介護者支援の場で活用するといった活躍の場の拡大という視点や、これまでも大田区では訪問介護事業者連絡会と連携をして介護サービス功労表彰を行っていますが、区として段位取得者を介護マイスターとして表彰するなど、頑張った方にスポットが当たる制度として広げていくべきと考えます。こうした視点のもと、キャリア段位制度の活用に向けた区の見解を求めます。  次に、入院付き添いの支援体制についてお聞きします。厚生労働省として、重度障がい児者や難病患者等の入院時、利用者の意思や容体の急変などを病院に伝える役割を担うヘルパーの付き添いを解禁していく方向性を示しました。我々自由民主党大田区民連合としても、大田区重症心身障害児者を守る会の要望を受け、平成28年度重点予算要望の一つとして重度心身障がい児者の入院付き添いを求めてまいりました。区としては、厚生労働省の通知により、入院時は医療機関として対応することとなっており、区独自の施策ではすぐには難しい状況とし、必要性の認識という見解にとどめました。しかし、例えば横浜市では、平成22年度から重度障がいがある方を対象に入院時のコミュニケーションを支援する事業を行っています。入院時のコミュニケーションは、場合によってその方の生死を分ける可能性もあるものです。横浜市で実施できて、大田区でできない理由は何なのかお示しください。  次に、措置入所制度と虐待者支援についてお聞きをいたします。老人福祉法には、高齢者虐待などやむを得ない事由による措置が定められています。現在、高齢化、非婚化などとともに、独身の子どもによる親の介護が増加しており、厚生労働省の国民生活基礎調査によると、高齢者と未婚の子のみの世帯は2013年度の調査で約444万世帯、10年前の1.6倍となっています。こうした背景の中で、急な介護により仕事をやめなければならなくなったり、突然の介護を強いられ、慣れない介護に伴い虐待行動に走ってしまった事例も少なくありません。  こうした場合、緊急対応としての措置入所が選択されます。これは一時的には被虐待者の安全性の確保上必要でありますが、結果的に家族を引き離すだけで問題の解決には至りません。一般的に各自治体のやむを得ない場合の措置に関する要綱やマニュアル等の指針においては、被虐待者に対する支援が中心となり、虐待者に対しての支援は十分ではないと言えます。急な介護における精神的な負担を考えた際、虐待者は望んでそうした行動を起こしているわけではないという事例も少なくありません。区として、こうした高齢者虐待事例に対して虐待者の支援は十分行えているのかお答えください。  次に、友好関係都市との連携についてお聞きをいたします。  これまでも友好関係都市における具体的な分野での交流について提言を行ってまいりましたが、昨年10月の北京市朝陽区・大連市親善訪問に伴い、改めて質問をいたします。今回の訪問において強く感じたことは、特に介護分野におけるニーズは高く、大連市の保健福祉部門である民政局においても、シルバー産業における交流の重要性が示されました。中国においては、制度の方向性自体は国が示しているものの、実際の介護制度自体の運用は各自治体に委ねられている状況があります。これまでも北九州市を事例に述べてまいりましたが、お互いにとって何が今課題で、それを解消するためのどのようなツールを持っているのか、そういう具体的な協力関係をつくり上げていくことこそが私は本当の意味の友好と言えるのではないかと考えてきました。区内における資源を有効活用し、北京市朝陽区や大連市へ介護専門職を派遣し介護技術の研修を行う。また、地域力推進部の職員を派遣し町会や自治会などをはじめとしたインフォーマルな資源の活用など、制度や知識の提供を行っていく、そうした協力関係を築くのも一つの案であります。  特に今、大田区では、産業振興課の海外市場開拓支援調査研究員として大連市出身のタンビンさんを職員として採用しています。こうした人材を有効活用し、例えば昨年行われた大連市国際高齢者産業博覧会のような商談の場への出展支援を行い、区内事業者の新たな販路拡大につなげていくべきと考えますが、見解を求めます。  次に、区の諸課題について4点お聞きをいたします。  羽田空港におけるゴーアラウンドのうち、理由別割合を見ると、平成26年度は気象における影響が32.6%、次いでバードストライクが24.2%、27年度の最新のデータにおいても、気象による影響が38.4%、バードストライクが25.7%となっています。2月21日にも日航機がバードストライクにより羽田空港に緊急着陸いたしました。気象における影響は免れないものの、バードストライクにおける影響について、近隣環境における検証が必要と考えます。  例えば、都立東京港野鳥公園についてでありますが、この公園は大田市場に隣接した位置にあり、1960年代から埋め立てが始まった地に自然に池や原っぱができ、野鳥が集まるようになった公園です。シギ・チドリ類の重要な生息地でもあり、国際的に認められた公園でもあります。しかし、反面、こうした野鳥公園については、世界的に見てもこれだけ多くの飛行機が飛び交う空港の近場に存在しているということはまれであり、野鳥公園があることによる航空機への影響はどのように評価をされているのでしょうか。今後、羽田空港の機能強化に伴う航空機の増便が示されている中、バードストライクによる影響はさらに大きなものとなります。区として、東京都に対して検証を求めるとともに、場合によっては対策も必要になると考えます。都立東京港野鳥公園とバードストライクの関係性について区としての見解を求めます。  また、大田区は2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催に向けて、アオスジアゲハの舞うロマンティックな空間の創出を目指しています。来訪者に対するおもてなしとして観光要素となることは否定をしませんが、こうした環境において、餌となる虫が増えることにより鳥が集まり、バードストライクの発生の原因となり得ないのか見解を求めます。  次に、休日夜間窓口での婚姻届への対応についてお聞きをいたします。元日やバレンタイン、また、いい夫婦の日など、特に休日と重なった場合、宿直室の業務は多忙を極めています。今年も年が明けてすぐに婚姻届を出したいという方々が夜間窓口に行列をつくっていました。休日夜間窓口対応の職員については、ただ単純に窓口の業務を行うだけではなく、記念の写真撮影をお願いされ、通常業務以外のことを行うことも少なくありません。まず、こうした休日夜間窓口が混雑をする記念日には職員を過配すべきと考えますが、いかがでしょうか。  また、届け出の順番を待っている方々への対応として、エレベーターホールの待合としての活用や、記念撮影を行える場所として区オリジナルの背景パネルの設置を求めますが、区の見解を求めます。  次に、大田区民センターの今後についてお聞きをいたします。大田区民センターの建物は、現在も複合施設として多くの区民の皆さんにご利用いただいています。しかし、老朽化における影響は否めず、公共施設白書において、老朽化及び耐震対策が必要な施設の改築として大田区民センターが示されています。また、公共施設整備計画後期においては、前期5年間の成果として、新蒲田福祉センター、新蒲田児童館の志茂田小中学校改築に伴う複合施設としての移転改築が示されました。こうした建物内の移転整備が進められる中、大田区民センターの建物全体としての今後をどのように考えているのでしょうか。  公共施設適正配置方針では、施設の更新の際には現在のニーズに合った機能への転換などを検討するとも書かれています。これまでも自民党として区内への武道館の整備を求めてきました。こうした考え方も現在のニーズに合った機能転換とも言えます。また、区民の皆さんが気軽に利用できる大規模ホールとしての再整備の考え方もあります。大田区公共施設適正配置方針の策定を受け、大田区民センターの建物の今後についてお示しください。  最後に、教科書検定謝礼問題についてお聞きをいたします。先月、教科書の出版社が検定中の教科書を教員らに見せて謝礼を渡していたという不適切行為が明るみになりました。検定中の教科書を教員に見せることは、文部科学省検定規則や、また平成19年1月に発出した「教科書の採択に関する宣伝行為等について」と題する通知で禁じられている行為であります。文部科学省の調べでは、この中でも、謝礼を渡していた、または検定中の教科書を見せていた教員数が突出して多いのが、昨年我が区で中学校歴史・公民の教科書が採択された東京書籍です。謝礼を渡された教員数は東京都で339人と発表されていますが、大田区内で勤務する教員において、こうした不適切行為に関与した教員はいたのでしょうか。また、昨年の大田区における中学校歴史・公民教科書の選定において、教科書検定謝礼問題が全く影響がなかったと言い切れるのかお答えください。  以上で質問を終わります。(拍手) ○松原茂登樹 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎川野 計画財政部長 私からは、大田区民センターの建物の今後についてのご質問にお答え申し上げます。  当該建物は現在、複合施設として多くの方にご利用いただいております。現在、老朽化が進んでおり、置き込んでおります新蒲田福祉センター、大田区民センター、新蒲田保育園の機能更新につきましては、公共施設整備計画後期の計画事業に位置づけております。これらの施設の機能更新に当たりましては、今後の公共施設整備の基本として、利用状況や他の施設との配置のバランスに応じた複合化や施設の機能転換のほか、将来の人口構成の変化や区民ニーズの変化に柔軟に対応していける施設を目指すべく、そのあり方につきまして現在検討を重ねているところでございます。引き続き、適正な施設配置と整備に向けて取り組んでまいります。私からは以上でございます。 ◎茂呂 区民部長 私からは、記念日における窓口対応職員の増員と、婚姻届時における記念撮影を行える区オリジナル背景パネルの設置のご質問にお答えをいたします。  元日やいい夫婦の日などの記念日や、あるいは1月11日、2月22日など数字が並んだ日は、届け出件数が通常より多くなっております。また、最近ではインターネットの普及により、従来届け出数に影響のなかった日も注目されるようになり、これらが重なる日はさらに届け出が多くなっております。戸籍住民課では、戸籍届出窓口、夜間休日窓口において、窓口対応職員の増員など特別な体制を組み、待ち時間の短縮に努めているところでございます。また、これからの人生にとって大切な記念の日をお祝いするという意味を込めて、記念撮影を行える区オリジナルの背景パネルを設置することにつきまして、来庁していただいた区民の方々の満足度の向上につながるものでございます。他区の設置状況を調査し、形状や設置場所などについて検討を進めてまいります。私からは以上でございます。 ◎鴨志田 産業経済部長 私からは、中国が迎える高齢化社会をビジネスチャンスと捉え関係性を築いていくべきとのご質問にお答えをいたします。  公益財団法人大田区産業振興協会は、区内ものづくり企業が今後展開すべき市場として、介護・福祉産業の分野に着目をしております。これまでも大田区産業振興協会は、リハビリなどの病院設備に関する国内展示会に区内企業とともに出展しており、国の福祉産業支援機関や大学などから専門情報の収集にも努めております。また、大田区中小企業新製品・新技術コンクールでは、おおた福祉・医療賞を設けまして、この分野への参入を支援しています。平成27年度はえん下障がいのある方の食事介護やリハビリに効果的な福祉関連製品を開発した企業を表彰いたしました。さらに、区は、福祉部と産業経済部が連携し、区内福祉施設における具体的な福祉関連器具の修理・改造のニーズを探る研究会活動等を開始いたしております。これらの国内活動を通じて介護・福祉分野におけるニーズの把握や収益性等の市場性を調査するとともに、区内事業者の対応力や体制を整備する必要があると考えております。あわせて、大田区産業振興協会が連携します中国における産業支援機関や関連企業を活用して、現地の商習慣を含めて介護・福祉市場を調査研究し、市場開拓の可能性を探ってまいります。私からは以上です。 ◎中原 福祉部長 私からは、まず福祉部長として順次お答えいたします。  友好関係にある都市の特別養護老人ホーム利用についてのご質問でございます。区では、在宅での生活を希望する方も多いため、地域で高齢者が住み続けられるよう、区内に特別養護老人ホームを整備しているところです。また、在宅生活の継続を支援するため、定期巡回・随時対応型訪問介護看護などのサービスの拡充にも努めています。現在、区外の特別養護老人ホームに入所している大田区の被保険者は約380人です。その理由としては、介護環境や経済的状況などにより早急な入所が必要な場合や、区外での特別養護老人ホームの近隣に親族が居住しており、呼び寄せる場合などです。友好関係にある都市などを含めた区外特別養護老人ホームの空き状況の把握に努め、今後とも必要に応じて情報を提供していきたいと考えております。  次に、地域包括支援センターの障がいを専門とする相談支援員の配置についてのご質問でございます。介護保険優先の原則を踏まえつつ、障がい者の個別状況を勘案しながら相談を実施することが重要と認識しております。障がいのある方が65歳以上となった場合には、介護保険制度の適用を受けることになります。現在、地域福祉課が個々の状況に応じて、介護保険サービスと必要な障がい福祉サービスが受けられるよう調整を行っているところです。社会保障審議会障害者部会の報告書では、相談支援専門員と介護支援専門員について、互いに相談支援の視点を理解し合うということや、両方の資格を有する者の拡大について方策を講じるべきとしております。地域包括支援センターの相談支援専門員の配置については、この報告を踏まえた国等の動向を注視したいと考えております。  次に、小規模多機能型居宅介護事業所への支援についてのご質問です。このサービスは、通所、訪問、宿泊を組み合わせて、高齢者の在宅生活の継続を支援し、地域包括ケア体制を支える重要なサービスの一つと認識しております。実際の事業展開では、経営に苦労している事業者が多いことや、スキルの高い介護職員の確保が難しいなどの課題がございます。現在、区内には2事業所が開設し、本年度からスタートした第6期介護保険事業計画において、日常生活圏域の整備数のバランスを踏まえ、新たに2事業所の整備を進めることとし、今年度、鵜の木二丁目に1事業所の整備を進めているところでございます。このサービスの整備を進めるに当たり、開設時の備品、職員募集、職員訓練期間中の雇い上げなどの経費を対象に助成し、事業開設時から安定した運営体制が確保できるよう事業者を支援しております。小規模多機能型居宅介護への支援につきましては、今後どのような支援ができるのか、議員お話しの独自報酬加算を含め、適切に判断してまいります。  次に、介護専門職の派遣による介護者の個別支援についてのご質問でございます。区としましては、現在、在宅高齢者訪問相談事業として、在宅での介護者の求めに応じ、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、歯科衛生士、管理栄養士を派遣し、家庭における療養方法等に関する支援を実施しております。今後、介護福祉士等の介護専門職の派遣の必要性について検討してまいります。  次に、介護給付費適正化事業における訪問調査と専門職などのチェック環境についてのご質問でございます。住宅改修の審査業務については、平成27年度から介護支援専門員の資格を有する介護保険給付事務支援専門員が点検等を行い、担当職員と一緒に利用者宅を訪問し、住宅改修のアドバイス等を行っております。福祉用具貸与につきましては、利用者が同一製品で高額貸与にならないよう、公益財団法人のホームページでレンタル価格が公表されています。また、これまでも介護給付適正化事業の一環として、福祉用具貸与の給付情報を含めた介護給付費通知を利用者に送付しています。今後、福祉用具貸与利用者に関しても訪問調査等を行い、議員お話しの専門職による相談やチェック環境につきましては、理学療法士などの団体と意見交換を行い、適切に判断してまいります。  次に、キャリア段位制度についてのご質問でございます。介護人材の育成、確保には、介護プロフェッショナルに応じた介護段位のレベル認定が、介護職員のやりがいや資質向上、定着を図る上で有効と認識しております。現在、区内においてレベル認定者は少数ですが、今後、こうした人材の知識や実践的スキルが活用できるよう、本人同意のもと、介護保険事業者向けのサイト「大田区ケア倶楽部」に掲載するなど支援をしてまいります。  次に、高齢者虐待の支援に対するご質問ですが、高齢者の虐待防止につきましては、高齢者の安全・安心な生活の確保と、それに向けた養護者への支援の二つの観点から大変重要な取り組みだと認識しております。まず、高齢者の尊厳保持や権利擁護を最優先に位置づけ、ご本人の意思を確認して、最大限に尊重して対応方針を検討することとなります。同時に、虐待した側である養護者に対しては、罰することを目的とするのではなく、ご家族全体の生活の安定のための支援や、住まい方を含む長期的な視点に立った支援などを総合的に展開することが重要と考えております。  実際の支援では、関係部局や地域包括支援センター等の複数の機関や、弁護士、精神保健福祉士、ケアマネジャー等複数の職種間で必要な情報を共有し、専門家を交えたチームとして多方面からアプローチし、問題の解決に努めております。例えば、疾患が疑われる養護者には、地域健康課の保健師と連携して通院治療を促した事例、あるいは生活困窮に陥っている養護者には、ケースワーカーへの相談に結びついている事例など、多様な視点から検討を行い、問題解決に向け、家族の安心・安定した暮らしを確保するため、きめ細やかな対応をしております。また、家族であるがゆえに介護を完遂しようとするあまりに、介護ストレスにより虐待行動を起こしてしまった事例などは、介護負担を減らすための入所を含めた介護サービスの導入や介護知識の情報提供など、高齢者本人も家族もそれぞれが安心して生活できる環境づくりと虐待の再発防止に向け、個々の状況に応じて解決策を図る必要があると考えております。今後とも、高齢者虐待防止法や関係法令の趣旨に基づき、十分な支援が行われるよう努めてまいります。 ◎中原 障害福祉担当部長 最後に、障害福祉担当部長としてお答えいたします。  重度障がい児の入院時の支援についてのご質問ですが、重度の障がいがある方が日常生活を安心して暮らしていくためには、個々の状況に応じた支援が必要であると認識しております。区では現在、重度訪問介護を利用されている方の入院の際には、個別の事情と必要性に応じて工夫をして対応しているところでございます。お話しのコミュニケーション支援事業については、横浜市などの他の自治体の事例をはじめ、障害者総合支援法の見直しの動向、対象者の範囲、利用者の負担、財源等の課題があり、制度のあり方について今後課題を整理し、検討してまいります。私からは以上でございます。 ◎杉坂 健康政策部長 私からは、まず六郷地区の医療需要調査に関するご質問にお答えをさせていただきます。  伊佐治議員もご出席なさっていました昨年11月の六郷地区病院誘致促進会におきまして、私は確かに六郷地区の医療需要調査を行う旨の発言をいたしました。これは、西六郷のグリコ工場跡地で建設が進むマンションへの診療所設置計画を念頭に、あくまでも診療所ベースでの調査を行うという趣旨でございましたが、会議当日の議論の流れの中では、病院誘致に向けた医療需要調査と受け取られても仕方のない発言でございました。このような誤解を招く発言をいたしたことをまずはおわび申し上げます。  この調査は、計画中の当該診療所にどのような診療科目を幾つ置き込めるのかという調査にあわせまして、診療所としての医療需要調査を行ったものでございます。調査の結果、内科、小児科、産科につきましては一定の需要があるものの、スペースの関係で3科目の設置は難しく、特に産科については設置困難との結論に至ってございます。今後は、内科と小児科の2科目の診療所を設置する方向で進めていく予定でございます。また、区は今年度、おおた地域医療検討会を設置し、大田区全体の地域医療に対する施策の方向性をご議論いただいております。年度末には報告書として取りまとめられますので、その結果も踏まえながら地域医療環境の整備についての取り組みを継続してまいります。  次に、今回実施した調査について、事前に議会質問を確認したのかとのご質問でございますが、例えば一昨年第4回定例会における医療需要調査に関するご質問など、過去の議会質問はもちろん確認をしてございます。ただし、今回の結果をそのまま病院誘致にかかわる医療需要調査結果として扱うことはできないため、議員には事前のご相談を行わなかったものでございます。この点につきましては、ぜひご理解賜りたいと存じます。今後も引き続き、総務部長通知にあるとおり、議会におけるご質問や答弁を十分確認しながら事業を進めてまいりますので、よろしくお願い申し上げます。私からは以上でございます。 ◎玉川 空港まちづくり本部長 私からは、羽田空港のバードストライクについてのご質問にお答えいたします。  まず、東京港野鳥公園との関係でございますけれども、羽田空港は東京港野鳥公園と近接し、また、水辺を好む野鳥類が集まりやすい沿岸部に立地しており、バードストライクの発生する可能性が常にございます。このため大田区は、国土交通省に対しまして、バードストライクの防止に向けた取り組みをこれまで要請してまいりました。羽田空港における国によるバードストライク対策としましては、24時間のバードパトロールを実施しているほか、音響発生装置の活用、鳥検知装置の設置、運用等に取り組んでございます。今後も、まずは国に対しまして、さらなるバードストライク対策の推進を申し入れてまいりたいと考えてございます。  続きまして、アオスジアゲハが増えることによって鳥が増え、バードストライクにつながらないかというご質問でございます。虫は鳥による捕食の対象となりますので、ある場所で虫が増えることにより鳥が集まる可能性はあると思います。先ほども申し上げましたけれども、羽田空港においては、国により各種のバードストライク対策が実施されております。虫に関しましては、空港内における草刈りを年に2回から3回行っており、その他の対策と組み合わせて効果が高まるよう取り組んでいると説明を聞いてございます。アオスジアゲハが舞い、様々な野鳥が観察できるというのは、大田区ならではの特色でございますけれども、繰り返しになりますが、航空機のゴーアラウンドの大きな発生原因の一つであるバードストライクにつきまして、その防止に向けた対策を着実に実施するよう国に求めてまいります。私からは以上でございます。 ◎松本 教育総務部長 私からは、教科書発行者との不適切な接触についてのご質問にお答えいたします。  文部科学省は、教科書発行者である三省堂が、平成26年8月に開催した編集会議において、外部への流出が禁止されている検定申請本の内容を教員等に閲覧させた上で意見を聞き、その謝礼として編集手当を支払っていた事案が発覚したことを受け、調査を進めています。他の発行者に対しても、同様の行為を行った事案がないかどうかについて報告を求めたところ、申請本の教員等への閲覧行為が三省堂や東京書籍を含む12社で確認され、名簿が文部科学省に提出されています。文部科学省から提供されたその名簿には、本区で勤務している教員27名も含まれておりますが、その中に東京書籍の公民・歴史教科書を閲覧した者はおりません。また、教科書採択に当たっては、教育委員一人ひとりが全ての教科書に目を通して吟味した上で審議し採択しておりますので、選定への影響はございません。私からは以上です。 ○松原茂登樹 議長 次に、15番渡司 幸議員。                  〔15番渡司 幸議員登壇〕(拍手) ◆15番(渡司幸 議員) 自由民主党大田区民連合、渡司 幸でございます。生まれ育った大田区への愛と区政への重い責任を日々ひしひしと感じている毎日でございます。質問通告に沿って順次質問をさせていただきます。  初めに、児童相談所の事務移管について伺います。  非常につらい現実でありますが、子どもたちの未来を奪う悲しい事件が後を絶ちません。東京都全体での児童相談所の相談件数は年々増加傾向にあり、平成26年度より虐待の通告があった場合、兄弟の安全確認も義務づけられ、児童相談所の対応件数は倍増しています。一時保護委託も急増し、長期化しております。児童相談所の中心的な役割を担っております児童福祉司も多忙を極め、相談受理件数は新規受け付け案件だけでも1人当たり年間108.5件、そして1件につき調査指導回数は平均10.6回ですので、1人の児童福祉司が対応する回数は新規受け付け分だけでも年間延べ1150回、さらにそれに継続案件が加わってまいります。  大田区を管轄している品川児童相談所においては、平成26年度の被虐待を含む総相談件数は1745件、うち大田区は1066件と61%を占めています。人口比率にもよりますが、品川区は25%、目黒区は14%となっており、相談件数だけを見ても大田区への児童相談所設置が必要であると感じます。  平成16年度の児童福祉法の改正時に虐待の通告受理機関として区市町村が位置づけられました。さらに、次の年には人口30万人を超える中核市において、政令で個別に指定すれば児童相談所の設置を認めることとなりました。しかしながら、この10年間で中核市においても児童相談所が設置されたのは横須賀市と金沢市だけであり、専門職の育成や費用の問題などから児童相談所の設置は予想以上に進まないという状況があります。特別区長会でも都に対して児童相談所の事務移管を申し入れていただいているようですが、法整備の裏づけがないことなどから、なかなか具体的な進展がありません。  そのような中、今年度、厚生労働省社会保障審議会児童部会の下に新たな子ども家庭福祉のあり方に関する専門委員会が設置され、昨年11月に示されましたその報告書、たたき台では、児童相談所設置自治体の拡大も盛り込まれており、児童相談所の特別区への移管が進むのではないかと考えております。虐待のみならず、包括的な子育て支援の観点からも、ぜひとも児童相談所の大田区への事務移管を実現し、地域特性を生かした切れ目のない児童相談行政を進めていただきたいと思いますが、区のご見解をお聞かせください。  次に、出張所の組織について伺います。  平成21年度、おおた未来プラン10年では、基本目標3「地域力と行政の連携がつくる人と地球に優しいまち」の中で、特別出張所の機能の活性化のため、特別出張所には副所長及び地域力推進係を設置し、地域力を支える機能を充実強化するとし、出張所を地域の課題解決のコーディネーターとして機能させるとしています。平成26年度、おおた未来プラン後期でも出張所機能の活性化について触れられており、地域の皆様も地域力の推進役としての出張所に大きな期待を寄せております。  そこで、今後、地域の問題解決、課題解決の場として、地域力推進地区委員会やまちづくり協議会などとの連携、域学連携の推進などについて、特別出張所の果たす役割についてはどのようにお考えかお聞かせください。また、地縁型のNPOやコミュニティビジネスなど、地域の社会資源の発掘についてはどのように取りまとめられていくのでしょうか。区のお考えをお聞かせください。そして、地域の方からは、特別出張所長の在任期間が平均的に短く、地域力推進、地域課題の解決に向けてはいささか短過ぎるのではないかとのご意見が多く寄せられています。地域を知り、地域の課題解決を図り、検証するという作業には、最低でも3年間は必要ではないかと考えますが、いかがでしょうか。区のお考えをお聞かせください。  次に、医工連携について伺います。  昨年10月、ヒューストンのJAXAやテクノロジーセンターを視察させていただきました。特に、国際宇宙ステーションで行われている宇宙空間でのたんぱく質の結晶化についての実験事例は大変興味深く、無重力では高品質で大きなたんぱく質の結晶をつくることができ、今後の医学や新薬開発の部分で大きな成果が上がっているとのことでした。帰国後、調べたところ、たんぱく質結晶化ビジネスでは、既に大阪大学の中で産学連携型のベンチャー企業が活躍をされているということを知りました。このように、薬学会、医学会、研究機関との情報連携があれば、最新のニーズをいち早く察知し、他の自治体に先駆けた医工連携の分野を見つけ出せるのではないかと感じました。  そこで伺います。医工連携を進める大田区では、今、世界市場で求められている医学会、薬学会、研究機関などのニーズを探るために、どのような情報ソースを確保しているのでしょうか。また、川崎の殿町地区や文京区との連携を通じて見えてくる大田区の強み、可能性とはどこにあるのでしょうかお聞かせください。そして、今後の大田区の工業振興の仕掛けについて、新しい展望がありましたらぜひお聞かせください。  次に、大田区の姉妹都市でありますアメリカ・セーラム市との交流について伺います。  私も昨年10月にセーラム市を訪問させていただきましたが、教育施策の充実を市の最優先課題とされているドリスコール市長のお話のとおり、訪問をさせていただいた小学校では、全ての子どもたちを包括的に教育するというインクルーシブ教育の理念がはっきりと示されていました。特別支援教育用にカラフルなタブレット端末が対象児童1人ずつに支給されており、教科書とノートを兼ねたものとして自宅に持ち帰り、家庭学習にも活用しているとのことでした。小学校入学時期も各児童の発達に応じて緩やかに幅を持たせてあり、教室のレイアウトも集中できない子や集団が苦手な子などに配慮された空間があり、多言語に対応する言語支援員や特別支援員、副担任、地域のボランティアなど、常時複数のスタッフが授業にかかわっていました。  セーラム市と姉妹都市となって25周年の今年、ぜひ区長をはじめ教育長、職員の方々にもセーラム市を訪れていただき、教育施策、文化振興など新しい取り組みにより、両都市のさらなる交流の深化、社会資源としての姉妹都市の活用促進を図っていただくことを大いに期待して質問させていただきます。  今後、大田区教育委員会でも英語活動や国際理解教育の場面で積極的にセーラム市に関する学習ができるように、よりタイムリーで教育的な連続性のある姉妹都市の活用促進を期待いたしますが、いかがでしょうか。また、昨年の第4回定例会の中で、我が会派、長野元祐議員からも質問をさせていただきましたが、多文化共生や文化振興の面でもセーラム市との連携をとっていただき、芸術文化の分野での現場の方々の交流促進を図っていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。区の考えをお聞かせください。  次に、介護保険制度について伺います。  平成28年1月現在、大田区の65歳以上の人口は約16万人で、そのうち介護を必要とされる方は約3万人、認定率は18.7%です。今後進展する高齢化は、後期高齢者の増加が著しく見込まれ、2025年には介護を必要とする方は約4万3000人に増加し、認定率は25.6%と推測されています。  このような中、介護保険制度の改正を受けて、大田区は本年の4月より、要支援1・2の方の訪問介護と通所介護を介護保険の一律給付サービスから介護予防・日常生活支援総合事業へと移行します。新総合事業の目的は、区市町村が地域の実情に応じ、住民主体の取り組みを含めた多様な主体による柔軟な取り組みによって、地域の支え合いの体制づくりを推進し、要支援者などに対する効果的で効率的な支援などを創出するということにあります。今後、それぞれの区市町村が政策形成する事業などをはじめ、いかに効果的かつ効率的に事業を実施することができるのかという、いわば区の政策能力がサービス向上に大きく影響してくるものかと思われます。
     そこで、大田区として新たに取り組む元気シニア・プロジェクトについてのご見解をお聞かせください。  また、高齢者がいきいきと暮らせるまちづくりに向けて、新しい総合事業においては、多くの地域の担い手が事業に参画できることとなりますが、これまでのサービスの担い手だった介護事業者の方と、新しい担い手となる地域の方との役割及び連携について、区のお考えをお聞かせください。  そして、新総合事業では、地域の絆や地域の人的資源が今まで以上に大切になってまいります。住み慣れた地域の中で、高齢者の方が豊かな人間関係を築いていくためにも、お年寄りが子どもたちや若者と触れ合う機会を増やしていく必要があると思いますが、今後の多世代交流について、区のお考えをお聞かせください。  最後に、商店(飲食店)表彰事業について伺います。  平成26年度末に報告があった大田区商店街調査において、今後の商店街活性化の方向性の中で、商店街としての回答、個店調査、区民ウェブアンケートの三つの調査全てにおいて、地方や外国の商店・飲食店などのアンテナショップの誘致が高いポイントを示しており、新しい業種・業態が育まれる場を期待する方向性が示されました。  このところ大田区のまちなみの中に外国の飲食店や雑貨店の看板を目にすることも多くなり、特に2020年の東京オリンピック・パラリンピックを契機に、飲食店の新規開業や外国の方の経営する店舗も増えるのではないかと思います。また、従来から営業されていて老舗と言われる店舗も多く、伝統のある店舗と新規の店舗、海外の方が経営される店舗が融合しているのが大田区の特色であると感じます。  大田区では、公益財団法人大田区産業振興協会が「OTA!いちおしグルメ」を表彰してまいりました。昨年発行された過去5年間の受賞店舗を一冊にまとめた「大田本」は大変に好評で、持ち歩きながらお店をめぐる方もいらっしゃると聞いています。この事業を観光政策とも連動しながら、さらに大田区の飲食店をPRしていくことは、地域産業の活性化に有益だと考えます。  そこで、一区切りを迎えたOTA!いちおしグルメの今後の展開について、さらには観光政策との連携を考えた場合、個々のメニューや商店街のホームページの多言語化は大変に重要なことですが、いかがお考えでしょうか。  最後に、各飲食店における多言語対応の取り組みへの支援についてですが、東京都においては、EAT東京という事業で、タブレットなどで多言語メニューの提供などをサポートしておりますが、大田区単独でそのような支援は計画をされておりますでしょうか。  以上の質問に対してまして、理事者の皆様の愛と責任に裏打ちされたご回答をいただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。(拍手) ○松原茂登樹 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎木田 地域力推進部長 特別出張所の果たす役割についてのご質問ですが、特別出張所は地域力の拠点、地域力の推進役として、地域と区との連携・協力を深め、地域の期待にアグレッシブに応えていくことが重要であると認識をしております。今後も、地域の課題の目標を立て、自治会、青少対、NPOなどの各地域団体や大学などとの連携・協働による実践活動を支援いたしまして、その検証を重ねていくサイクルを総合的に進めてまいりたいと思っております。  続きまして、NPO等地域で活動する団体活動とコミュニティビジネスなど地域の社会資源の取りまとめについての質問でございますが、地域力推進部では、区民活動や地域活動に関する情報を区民の皆様へ広く提供するため、区民活動情報サイト、通称オーちゃんネットでございますが、それを運営しております。特に、特別出張所がアンテナを高く掲げることにより、様々なイベントや地域活動において地域の団体の情報を収集し、本サイトへの登録について積極的に働きかけてまいります。コミュニティビジネスの発掘に関しましては、産業経済部でコミュニティビジネスシンポジウムやコミュニティビジネス創業塾などを開催し、創業支援を行っております。今後も、地域力推進部と産業経済部で把握した情報を共有、発信することで地域力を生かした取り組みを支援し、地域課題の解決を図ってまいります。  特別出張所長の在任期間についての質問でございます。特別出張所長は地域のコーディネーターとして、18色の特色ある地域づくりを地域の皆様とともに推進してございます。在任期間は、前任者からの引き継ぎもしっかりと行う中で、地域課題の抽出や解決に向けて真摯に取り組んでいるところでございます。異動の時期につきましては、地域ごとの課題の実情や検証作業に要する期間などを鑑みて、総合的に判断しているものと認識をしております。以上でございます。 ◎河野 観光・国際都市部長 私からは、セーラムの関係です。  芸術文化の分野でセーラム市との交流に関するご質問ですけれども、セーラム市は、まち全体が歴史的、文化的な芸術を感じられるような環境にあると聞いております。区としましても、地域には有形・無形文化財をはじめ、馬込文士村や多摩川台古墳群など様々な文化や歴史、自然などの地域資源が多数ありますので、このような文化資産の魅力を発信して、区内の回遊性を高めていくことは重要であると思います。そのような面からも、姉妹都市の友好関係を生かして、セーラム市の職員等から歴史的、文化的な視点で芸術に触れるまちづくりについてアドバイスや情報を共有していくことは、大田区の文化や観光振興の視点からも意義あるものだと思います。平成28年度はセーラム市親善訪問団の派遣を予定しておりますので、区民・市民の交流とともに、回遊性を高めるための芸術文化での連携の視点も踏まえて、交流事業を推進していきたいと思います。 ◎鴨志田 産業経済部長 私からは、まず医工連携にかかわる世界市場のニーズの把握についてのご質問にお答えをします。  区は、医療機器産業とものづくり産業の連携を図るため、文京区、川崎市と共同で事業を推進しております。文京区本郷地区には大学の附属病院や医療機器メーカーが集積をしています。区は、医療機器メーカーとのマッチングを支援することによりまして、医療機器産業の市場ニーズをリサーチしております。公益財団法人大田区産業振興協会は、医療機器展示会である「MEDTEC Japan」に出展をしまして、幅広く医療機器産業の市場ニーズを探っております。さらに、大田区産業振興協会は、ドイツの医療系展示会「COMPAMED」への出展支援を行いまして、世界市場のニーズを収集してまいりました。今後も、国内外の医療機器産業のニーズをくみ取り、医療分野への市場開拓、取引拡大につなげてまいります。  次に、医工連携における川崎市や文京区との連携を通じて見えてくる区の強みと可能性についてのご質問でございます。昨年5月に大田区、文京区、川崎市の3自治体が医工連携に関するネットワークを構築しました。今年1月には展示・商談会を開催したところでございます。医療機器メーカーは、医療機器などの市場ニーズを把握するとともに、製品の許認可取得のノウハウを有しております。また、医療関連機関は、医療業界のトレンドや臨床レベルでのニーズを把握しております。大田区のものづくり企業が有します基盤技術は汎用性が高く、その高度な技術力は、共同開発や部材提供などを通じまして、今後の成長産業である医療分野への参入、さらには市場開拓を促進させることができるものと考えております。今回の展示・商談会は、地域を越えた異業種間で技術交流を図ることができ、区のものづくり企業の強みでもあります技術力をこれまで以上にアピールできる機会となったものと考えております。  次に、大田区の工業振興の新たな展望についてのご質問でございます。区は、平成28年度予算案において、インキュベーション施設の提供や様々な知見を持ちます専門家による相談支援、ビジネスプランコンテストなどを通じましたものづくり分野の創業促進を重要な施策として位置づけております。空港跡地第1ゾーンでは、先端産業分野の企業やベンチャー企業などの集積を図り、研究開発ラボや交流スペースを整備し、区内外の企業、人材の協創によります新たなビジネスの創出や産業分野への参入を促進する仕組みづくりを検討してまいります。こうした創業や協創によりまして大田区から発信された多様なプロジェクトに対し、民間の投資マネーが呼び込めるような投資環境の育成を検討してまいります。  次に、「OTA!いちおしグルメ」の今後の展開とメニューなどの多言語化についてのご質問でございます。区内には特色のある飲食店が多数立地をしております。公益財団法人大田区産業振興協会の進めます「OTA!いちおしグルメ」飲食店表彰事業については、創意工夫を加えまして、平成28年度は、料理、店舗の雰囲気、サービス面のあらゆる面で品質の高い総合部門と、味や独創性などの特定分野に秀でているこだわり部門の表彰を考えております。「OTA!いちおしグルメ」リーフレットの多言語化につきましては、日本語、英語、中国語作成を検討しており、観光政策との連携に努めてまいります。  最後に、飲食店の多言語対応におけます大田区単独での支援事業についてのご質問でございます。公益財団法人大田区産業振興協会は、繁盛店創出事業やビジネスサポート事業におきまして、個々の店舗におけるメニューの多言語化など、新しいサービス提供に関する創意工夫の取り組みを支援できるよう、事業内容の拡充を検討しております。観光課が整備しておりますWi−Fi機能を活用したホームページ作成やアプリ開発なども多言語活用の事例の一つであり、東京都のEAT東京サービスを上回る仕組みづくりを目指し、引き続き多言語化の広がりを支援してまいります。私からは以上です。 ◎中原 福祉部長 私からは、介護保険についてお答えいたします。  まず、元気シニア・プロジェクトに関するご質問でございますが、区は、超高齢社会が進展する中、要介護に至らない元気な高齢者を増やしていく施策が大変重要であると認識しております。そこで、4月から東京都健康長寿医療センター研究所と共同で大田区元気シニア・プロジェクト事業を開始いたします。この事業は、運動、栄養、社会参加の3要素に働きかけ、要介護の手前で虚弱な状況にある高齢者が、みずからその状態に気づき、自分で対処できるようにすることで健康寿命の延伸を図ることを目的としています。まず、地域特性の異なる二つのモデル地区で地域診断を行い、地域住民やボランティア等をメンバーとしたコミュニティ会議の中で、介護予防を目的とした通いの場を自主運営するための方策について検討してまいります。区は、これらの事業を通して健康寿命の延伸を図り、高齢者がいきいきと暮らせる地域づくりを展開してまいります。  次に、新しい総合事業に関しまして、新しい担い手となる地域の方の役割と連携についてのご質問をいただきました。議員お話しのとおり、この事業には、事業者、住民、地域団体等の役割を生かし、地域の支え合いの体制を築くことが重要であると認識しております。まず一つとして、介護事業者には専門性を有する訪問型・通所型サービスを提供する責務が求められています。また、住民の自主的な介護予防の運営に対し、事業者が専門的な立場で指導や助言を行う側面的な支援も重要になります。また、二つ目に、住民の方には家事援助などの生活支援の担い手として地域の支え合いの体制を築く役割が求められています。区としては、生活支援サービス養成講座等を開催し、区民の参加を進めてまいります。新しい総合事業では、住民、ボランティア、NPO、事業者等の連携を図り、介護予防事業の充実に取り組み、高齢者の健康の維持と増進を図ります。  次に、多世代交流についてのご質問でございます。核家族化や単身世帯の増加により社会的孤立が懸念される中、世代を超えた交流の機会は重要であると認識しております。現在、高齢者に身近な老人いこいの家では、読み聞かせ講座やボランティア演劇鑑賞会、子どもたちとともにスポーツを応援する甲子園カフェなどを開催しています。また、本年4月から子どもの学習支援事業の実施場所として、2か所の老人いこいの家を活用したいと考えております。さらに、シニアステーション事業では、子どもと高齢者が一緒に取り組む交通安全や折り紙教室、オープンカフェやふれあいイベントの開催を予定しております。多世代交流事業を通して地域力を育み、支え合い、助け合うことのできる地域づくりを目指してまいりたいと考えております。私からは以上でございます。 ◎市野 こども家庭部長 私からは、児童相談所の区への移管についてのご質問にお答えをさせていただきます。  区では、地域の特性に応じた児童相談行政を一元的かつ総合的に担い、大田の子どもたちの生きる権利や育つ権利を守るために、おおた未来プラン10年(後期)において児童相談所の区への移管を掲げているところでございます。区における児童相談行政は、子ども家庭支援センターが先駆型子ども家庭支援センターとして、児童虐待通告の第一義的な窓口となり、事態の重篤化を防ぎ、子どもの命を守るために昼夜を問わず懸命な取り組みを続けてきたところでございます。また、関係機関や地域との連携による児童虐待防止ネットワークの強化にも取り組んできたところでございます。さらに、品川児童相談所へ職員を派遣し、専門性の高い人材の育成に取り組むなど、区への移管に向けた準備を着実に進めてまいりました。お話しの妊娠、出産、子育てへとつながる切れ目のない相談支援体制の整備は、子育て支援の観点から大変重要なものと認識をしてございます。引き続き関係部局と連携し、子育て支援の一層の充実に努めるとともに、法改正など国の動向を注視し、児童相談所移管に向けた取り組みをさらに加速させてまいります。私からは以上でございます。 ◎松本 教育総務部長 私からは、英語教育や国際理解教育における友好都市セーラム市の資源活用についてのご質問にお答えします。  大田区では、平成26年度に国際理解教育推進委員会を設置し、英語教育及び国際理解教育の推進を検討いたしました。その上で、今年度からは小学校第1学年から第4学年までに大田区外国語活動を加え、また、小学校第5学年を対象とした大田区立小学校イングリッシュキャンプを実施し、外国語によるコミュニケーション能力の向上を図っています。さらに、28年度からはオリンピック・パラリンピック教育推進の一環として、世界ともだちプロジェクトを全小中学校において実施します。このプロジェクトは、世界の多くの国々の様々な人種や言語、文化、歴史、スポーツなどの学習を通して、単に知識を広げるだけではなく、世界の多様性を知り、様々な価値観を尊重することの重要性を学びます。こうした国際理解教育の観点からも、セーラム市との交流は価値あるものだと考えています。また、小学校第4学年で全児童に配付している社会科副読本「わたしたちの大田区・東京都」では、中学校生徒海外派遣でセーラム市とブレーメン市を訪問することを紹介しています。さらに、中学校で全生徒に配付している社会科副読本「のびゆく大田区」では、エドワード・モース博士の縁が、やがてセーラム市と姉妹都市提携に発展したことを紹介しています。そして、中学校生徒海外派遣に参加する生徒が、事前研修でセーラム市やブレーメン市に関して学習するとともに、実際に現地で体験したことや研究したことを帰国後に校内で発表する機会を設けております。今後も、ご提案の内容を含め、国際理解教育を推進するために、友好都市の資源活用についても研究を進めてまいります。私から以上でございます。 ○松原茂登樹 議長 次に、33番菅谷郁恵議員。                  〔33番菅谷郁恵議員登壇〕(拍手) ◆33番(菅谷郁恵 議員) 私は、まず子どもたちが幸せに生きられるための大田区の責任、貧困対策と果たすべき役割について質問します。  今年も新年から子どものいじめや虐待など悲しい事件が続き、胸が痛みます。大田区でも、ガンつけられたと母親の交際相手から執ように暴力を受け、「ママ、苦しい」と訴えながら亡くなっていった3歳の男の子の事件は、どんなに怖く、痛く、苦しく、つらかったか。考えるだけでも想像を絶します。二度と取り戻せない大切な命。なぜこの男の子は死ななければならなかったのか、もっとできることがあったのではないかと悔いが残ります。ここに至った背景には、子育て支援策は多様化してきたものの、強い者が勝ち残る競争社会、若い世代の貧困、孤立の深刻化と社会への不信など深刻な社会問題があると考えます。  党区議団は、大田区にある児童養護施設聖フランシスコ子供寮の視察に行きました。説明によると、現在2歳から18歳までが入所する子どもたちの多くが虐待を理由とするものです。40年この施設に携わってきたシスターは、「とにかく虐待は早く措置をすること。遅くなればなるほど問題は深刻化し、人間への信頼を回復するのにも時間がかかる。最低3年はかかります」とも。さらに、「虐待問題は、行政、児童相談所、お医者さん、保健師さん、学校、保育園、とにかく横の連携をとって、できることを何でもやって子どもを救ってほしい」とも話されていました。  全国の調査では、児童虐待は年々増え、児童相談所での虐待相談対応は2015年約8万9000件、児童虐待による死亡事故は年間50件以上、1週間に1人の子どもが命を落としています。児童相談所への通告も最多を更新し、大田区では虐待件数は2009年224件が2014年528件、わずか5年間で倍以上に増加しています。  国は児童虐待防止法をつくりました。しかし、改善の兆しが見えるどころか増えているではありませんか。71万区民を抱える大田区には、措置する権限を持つ児童相談所設置が必要であり、特別区長会の検討や都の福祉局と23区の関係課長会の話し合いが行われているとのことですが、検討をいつまでも待つのでなく、早急に児童相談所の移管または支所を設置させることを求めます。お答えください。  さて、厚生労働省の調査で、子どもの貧困率は2012年16.3%、6人に1人、ひとり親家庭の貧困率は54%、2人に1人、過去最悪の数字となりました。生活保護世帯の子どもの高校進学率が全国で90.8%、大田区では85.4%、就学援助認定率は小学生19.2%、中学生29.0%です。  連日報道され、社会問題になっている子どもの貧困について、国では、生まれ育った環境で子どもの将来を左右させてはならないと、子どもの貧困対策の推進に関する法律が全会一致で成立しています。また、これに伴う大綱が閣議決定され、重点施策は教育の支援、生活の支援、就労の支援、経済的支援、実態把握のための調査研究が挙げられ、地方自治体は施策づくりが責務となり、実効性ある対策が大田区に求められています。大田区の新年度予算には、出産・育児支援事業かるがも、子どもの貧困対策に関する計画の策定、子どもの学習支援事業、スクールソーシャルワーカーの増員などが組まれました。  私は、子どもの生活がどのような状況か把握するため、学識経験者、民生児童委員、関係機関職員を構成とする検討委員会を立ち上げ、実態調査やヒアリング等を実施することは重要と考えます。しかし、計画にまとめるのは2017年3月です。計画を冊子にまとめるのが終わりでなく、また、既存の事業で終わらせないために、区長が定例会の挨拶で、「全ての子どもが個性を育み、社会に出て活躍することができるよう、夢と希望が持てる子ども関連施策を部局横断的に取り組んでまいります」と述べたことを本気で実現するには、足立区のように子どもの幸せのために責任を持つ部署をつくるべきです。お答えください。  特に、ひとり親家庭の54%が貧困世帯です。ひとり親家庭で最も所得が低いのが婚姻歴のない非婚ひとり親世帯です。死別世帯平均288万円、離別世帯200万円、非婚世帯171万円という調査結果があります。ところが、同じ収入であっても、所得税や保育料など負担が重いのは、結婚歴のある人に認められている寡婦控除が、法律上結婚していない未婚のひとり親世帯には認められず、大きな差があるのです。  婚外子の相続差別を憲法違反とした2014年9月最高裁判決を受けて、非婚のひとり親に対する寡婦控除みなし適用する自治体も、23区で世田谷区、港区など9区に増えています。これまで区議会に陳情が出され、党区議団はみなし適用を求めてきました。大田区の2016年1月時点での児童扶養手当支給者数4113人、未婚家庭536人13%です。隣の川崎市は、保育料や市営住宅使用料、学童クラブ入園料など34種類にみなし適用を行っています。大田区でもみなし適用の実施を求めます。お答えください。  また、党区議団は、ひとりぼっちをなくそうと取り組みを進める子ども食堂や、退職教員の方々のボランティアによる小中学生対象の寺子屋を視察しました。新年度予算に、貧困の連鎖防止のため、生活困窮世帯の中学生に学習支援をしますと4001万円の予算がつきましたが、これまで行われてきた地域の事業の状況をしっかりつかみ、それらにも区が行う今回の事業と同じように支援すべきです。また、大阪府堺市では、自治体で初めて子ども食堂を行うことが報道されたところです。大田区でも、先に行ってきた子ども食堂をはじめ、これから行う子ども食堂にも自治体として支援すべきです。お答えください。  次に、教育の支援である奨学金制度についてです。家計の状況にかかわらず、希望する高校や大学に入学して教育を受けられることを保障することは最重要課題です。━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  党区議団は、条例を準備するに当たり23区を調査したところ、学校教育法令改正の中で既に通信高校生を対象としていました。今回、通信高校生まで大田区の奨学金制度が改善されることは、区民の願いに応えることであり、大賛成です。また、大田区の奨学金制度は無利子、専門学校なども対象にするなど、学校関係者、行政や議会を含め、様々な立場の方々の努力の結果だと思います。  しかし、まだまだ改善ができます。学生は大学卒業とともに、少なくても奨学金返済という借金を背負います。中には大田区奨学金貸し付けとほかの制度を使っている学生がいます。2014年度では、大学生6月募集73名中17人、23%が日本学生支援機構も借りています。大田区奨学金の返済は卒業後1年間の猶予があり、20年間で返します。しかし、大田区の貸し付けで見ると、返済額の多い大学生で211万2000円を返済しなければなりません。今、大学を卒業しても正社員になれる保証も、年収200万円を超す保証もありません。大田区は、無理なくその学生が返せる金額にする相談もしているとしていますが、低所得や体を壊した、仕事を失うなどの理由で返したくても返せない場合には猶予すべきです。例えば、大田区に就職すれば返済猶予するなど考えられます。  また、滞納すると利息が10.95%と高利貸し並みです。見直しが必要です。養護施設聖フランシスコ子供寮では、大学に進学を希望する児童に対し、借金を背負わせられないので、企業で行っている給付型の奨学金や、シスターたちがこつこつためた貯蓄を使って応援していることを伺いました。個人の努力に頼っていていいでしょうか。  そこで質問です。大田区では、末吉氏が、若いころ学問ができるような経済的余裕がなく、進学して勉強したくても進学できずに苦労してきたなどの理由で遺産7000万円の寄附が寄せられ、給付型の奨学金制度、末吉育英基金が実現しました。支給人数は各年度40人程度、予算は各年度1200万円、2014年度から2019年度までの計画です。大学進学を目指す学生にとって励みになります。  しかし、あと4年で終了ですから、大田区は、この末吉氏の遺志を引き継ぎ、給付型の奨学金制度を継続すべきと考えます。また、OECD諸国で給付型奨学金制度がないのは日本だけです。給付型の奨学金制度を国に求めるべきです。あわせてお答えください。  次に、保育園の充実で安心して子育てできる大田区政についてです。  保育園入園の結果が19日、各家庭に届きました。「24点でも入れませんでした。4月から勤めなければならないのに、どうすればいいんですか」「仕事をやめなければなりません」と悲鳴の声が届き、この日曜日、月曜日は大田区の窓口に入園できなかった保護者の方々が殺到いたしました。今年の認可保育園申し込み1次分で希望者数4535件、不承諾数1822件、希望者数は前年度より200人増え、不承諾数は144人増えています。  19日の定例会施政方針挨拶で、区長は「我が国で最も待機児童を減らした自治体となりました」と述べています。しかし、今年も認可保育園不承諾数1822人で、どうして入園できなかったのかと保護者の悲鳴が聞こえてくるのは、希望する数に見合った認可保育園を増設しなかったからです。認可保育園に入れず、一旦認証保育所や小規模保育所などに入園しても、翌年には認可保育園を希望するからです。このことをいつまで繰り返せば大田区は気がつくのでしょうか。  2014年から2015年にかけて定員を約1000人増やしましたが、認可保育園637人、認証保育所、家庭福祉員、定期利用で412人でしたが、認可保育園を増やさなければ待機児童解消はできません。予算案では、私立認可保育所の開設準備経費補助7施設、認可外含めてですが、保育サービス定員を500名拡充しています。しかし、不承諾数1822件と比べ、圧倒的に不足しています。大田区は、おおた未来プラン10年(後期)で、2018年度入園希望者100%、待機児童ゼロとしていますが、保護者の願いは今すぐ待機児童をゼロにすることです。  また、小規模保育所卒園後の3歳児の受け入れ先が狭いという新たな問題が出ています。児童福祉法第24条第1項、自治体の責務、措置しなければならないを守り、0歳児から5歳児クラスまでを保育できる認可保育園を、保護者の希望する数に見合った増設を求めるものです。お答えください。  子ども・子育て支援制度が始まり、4月で1年になります。大田区の乳幼児が保育される施設は認可保育園、小規模保育所、保育ママ、定期利用保育、認証保育所など多様な種類ができました。また、認可保育園でもビルやテナント型、園庭がなくてもよい、さらに営利企業の参入も加速されています。そのような中、昨年12月末で平和島にあった認証保育所保育ルーム「フェリーチェ」が、有資格の保育士を配置できずに廃止になりました。生活センターで行われた説明会で、保護者の方が「今始まったことではない。先生がころころかわっていた」と手を挙げて発言されていましたが、有資格者を配置できない状況で保育が行われていたことは許されることではありません。この背景には、命を預かる責任の重い仕事なのに保育士の低賃金という問題があります。  大田区は、深刻な保育士不足、安心・安全な保育の保障、質の確保のために、区立保育園の民間委託は延期、中止することを求めます。  次に、保育料の問題です。先日、保育園にお子さんを預けて働いているお父さんから手紙をもらいました。「私は2年間休職して、今年職場に戻ることができました。それも保育園があり、安心して預けることができたからです。今、私は正規職員として働くことができず、年収は300万円になるかどうか。妻もパートで年収120万円です。そんな我が家の家計は大変苦しく、何とか夫として父として一人の男として、もっと収入を上げて家族に楽をさせてあげたいと思いつつも、なかなか体がついていかず、苦しい思いをしています。せめて私の子どもが苦しまず、人並みの生活をしていけるように、今、必死にお金をためています。学歴で苦しまないように大学まで行かせてあげたいし、私のように奨学金に苦しまないように学費も出してあげたいのです。そのためには、今、保育園から中学校までにためるだけためておかないといけません。1000円でも2000円でも、少しでもためてあげたいんです。人様に迷惑をかけずに幸せに、お金を心配しないで生きられる子どもになってほしいという親の願いのためにも、どうか保育料値上げをしないでください」という内容でした。  貧困が深刻化する中にあって、保育を必要とする全ての子どもに保育を保障する観点を含め、児童福祉法の立場で保育料は考えるべきですが、今、大田区では保育園保育料、学童保育料の検討委員会の中で、突然受益者負担を理由に、0歳児は1人当たり60万円の経費がかかっているので、別枠で保育料を考えるという案が出されたことは問題です。  どの年齢においても安心して保育園に預けることができるようにすることが大田区の責務です。国の基準では、1歳児の保育士配置は子ども5人に保育士1人、0歳児は子ども3人に保育士1人の配置、栄養士、看護師など手厚い配置がなされており、お金がかかるのは当然です。児童福祉法に基づく保育に受益者負担を持ち込むのは間違いです。大田区は保育料値上げをやめ、引き下げることです。  以上、質問を終わります。(拍手) ○松原茂登樹 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎川野 計画財政部長 私からは、子どもの貧困に関する所管についてお答え申し上げます。  子どもの貧困につきましては、教育、生活、保護者の就労状況、経済的な問題など多様な課題がございます。これらの課題についての実態把握や課題の抽出を行い、区として子どもの貧困対策を推進するために、子どもの貧困に関する実態や課題についての共通認識のもとに、福祉部をはじめとする関連施策を所管する部局が連携し、実効性の高い施策や切れ目のない支援を展開することとしております。今後も、各部局が横断的に施策を推進することにより、区に居住する子どもたちが夢と希望を持って成長できるよう努めてまいります。私からは以上でございます。 ◎中原 福祉部長 私からは、二つの質問にお答えいたします。  まず、学習支援事業や子ども食堂への支援についてのご質問でございます。現在、区内では、生活困窮世帯の子どもに対する学習支援事業や子ども食堂の取り組みなど、子どもの貧困対策に資する区民の方々によるいくつかの活動が実施されている状況は把握してございます。来年度、学習支援事業を開始するに当たっては、従来から活動されている団体の皆様からのご意見を伺いながら検討を進めてきたところでございます。これまで区は、地域力応援基金助成等により区民活動団体を支援するなど、地域の課題を解決する力である地域力の向上のための取り組みを進めてきたところでございます。今後も、地域の様々な区民活動との連携・協働を一層進め、ともに支え合い、地域力で育む安心して暮らせるまちの実現を目指してまいります。  次に、給付型奨学金制度についてのご質問をいただきました。お話しのとおり、現在の区の給付型奨学金は、寄附者である末吉様のご遺志に基づき平成26年度に創設し、事業を開始しております。大学の入学準備金として1人当たり30万円をおおむね40人に給付し、今年度は2回目を実施いたしました。現在の残額は約5000万円でありまして、今年の同じ実績で運用すると、お話しのとおり、あと4年で終了する計算でございます。終了後に区として給付型の奨学金を継続するかどうかについては、今後判断してまいります。また、国は給付型奨学金の創設について検討している状況でございますので、現在のところ国に制度創設を求める考えはございません。私からは以上でございます。 ◎市野 こども家庭部長 私からは、4問の質問にお答えをさせていただきます。  まず初めに、早急に児童相談所の移管または支所を設置するべきとのご質問でございますが、児童相談所は、児童福祉法に基づき都道府県は設置しなければならないとされ、指定都市及び中核市は政令で定めるところによりその事務を処理するものとなってございます。区における児童相談行政は、平成14年4月、子ども家庭支援センターを開設し、子どもと家庭の総合相談及び子育て支援施策に取り組んでまいりました。また、平成16年からは先駆型子ども家庭支援センターとして、虐待相談や要保護児童対策の取り組みを進めてまいりました。いずれにいたしましても、繰り返される虐待による悲惨な事件や事故から子どもたちを守るために、基礎自治体において地域の特性に応じた児童相談行政を一元的かつ総合的に担うことを目指し、引き続き取り組んでまいります。  次に、非婚のひとり親に対する寡婦控除相当の扱いについてのご質問をいただきました。保育料のあり方に関しましては、現在、大田区保育園・学童保育保育料検討会で検討を進めているところでございます。その中で見直しの視点の一つとして子どもの貧困対策を掲げてございまして、保育料の階層区分認定の際の非婚のひとり親に対する寡婦控除相当の扱いにつきましても、現在ご議論をいただいているところでございます。今後、検討委員会での検討結果を踏まえ、保育料の見直しの中で適切に対応してまいりたいと考えてございます。  続きまして、待機児解消対策についてのご質問でございますが、増加する保育ニーズに対応していくためには、多様な手法を駆使しながら保育サービス基盤の拡充を図っていくことが不可欠であると認識をしてございます。このため、多様な保育ニーズに応えるべく、認可保育所に加え、小規模保育所、認証保育所、グループ保育室、定期利用保育などの整備を進めるとともに、新たに定員の一部を地域に開放する事業所内保育所の開設支援にも取り組んでまいります。また、保護者がニーズに合った保育サービスを適切に選択できるよう、保育サービスアドバイザーによる個別のニーズに寄り添った丁寧な相談対応など、利用者支援の充実にも努めてまいります。引き続き、待機児解消に向けた施策を総合的に展開することにより、地域の保育ニーズにきめ細かく対応し、保育を必要とする子どもが適切なサービスを利用できるよう迅速に取り組んでまいります。  続きまして、保育料の見直しについてのご質問でございますが、保育料のあり方につきましては、学識経験者、区議会議員、子育て支援事業関係者、区民の代表などの委員から構成されました大田区保育園・学童保育保育料検討委員会を設け、現在検討を進めているところでございます。保育料の見直しに当たりましては、公平性、受益と負担の関係性、少子化対策、子どもの貧困対策、保育の質の確保の五つの視点を設け、様々な角度から見直しについてのご議論をいただいているところでございます。この間、少子化対策の視点からは2人目の保育料の減額のあり方を、子どもの貧困対策の視点からは低所得者への負担軽減についてもご議論を進めていただいているところでございます。今後は検討委員会での検討結果を踏まえ、区として保育料の見直しにつきましては適切に対応してまいります。私からは以上でございます。 ○松原茂登樹 議長 会議が長くなりましたので、おおむね20分程度休憩といたします。                      午後3時10分休憩                ――――――――――――――――――――                      午後3時35分開議 ○松原茂登樹 議長 休憩前に引き続き会議を開きます。  この際、会議時間を延長しておきます。  質問を続けます。46番犬伏秀一議員。                  〔46番犬伏秀一議員登壇〕(拍手) ◆46番(犬伏秀一 議員) 議会内会派次世代の党の犬伏秀一でございます。平成23年の区議選から本年までの5年間で、たちあがれ日本、太陽の党、日本維新の会、次世代の党、さらに昨年の12月には日本のこころを大切にする党と、実に政党名が5回も変わってしまいました。いずれも基礎的自治体である大田区の有権者の皆さんとは無関係の政党内の事情によるものでありましたので、あえて議会内会派は次世代の党として当分の間変更しないことをご理解いただきたいと思います。  さて、大田区は昨今、観光に傾注しています。西野区長時代には観光課すらつくらなかったものが、ついに観光・国際都市部までつくってしまったのですから、その方向転換はすさまじいものがあります。果たして基礎的自治体のミッションとして観光があるのでありましょうか。私は、基礎的自治体が行ってはいけない事業を挙げろと言われたら、迷わず、一つ観光、一つ交通、一つ病院経営を挙げるでしょう。このうち、大田区は観光と交通にかかわろうと躍起になっているのであります。大田区内の利用者がほとんど見込めず、区民の利便性も向上しない新空港線、いわゆる蒲蒲線を必死に促進しています。この路線により、大田区民や大田区の中小企業者に何か恩恵があるのでしょうか、甚だ疑問であります。オリンピックだ、オリンピックだと浮かれて、限りある財源を区民生活とは関係の薄い鉄道事業や観光に費消することは、お祭り騒ぎに過ぎないと断じておきます。  さて、そのような観点からお伺いいたします。私が地域活性化等調査特別委員長だった当時、JTB、日本旅行、はとバスの企画担当者をお呼びして、バスで区内を一巡して、大田区の観光資源について報告書をお願いいたしました。3社とも一致した意見は、「大田区には魅力ある観光資源はない」でありました。極めて現実的な意見であると今でも思っております。一体大田区のどこに観光客が寄ってくる観光資源があり、それをどのように生かすというのでしょうか、お伺いをいたします。  そして、政策を立てる際には、はやりや思いつきではなく、現状の分析と政策実現後の結果予想が欠かせませんが、大田区の来訪観光客は現状は何名で、区内への経済波及効果は幾らなのか、そして、それを観光政策を充実させることにより、来訪者が何名に増加して、経済効果が幾らになるのか、ご教示をいただきたいと思うのであります。数値目標のない計画は計画とは呼びませんし、仕事をしているふりに過ぎません。具体的でかつ説得力のある検証内容を含めてお示しください。  昨年、京急蒲田駅にオープンした観光情報コーナーがあります。私も内覧会にお伺いいたしましたが、一体誰に、何を提供して、どのような効果を上げようとするのか、さっぱりわかりませんでした。政府機関であるJNTOの案内所などは、長居をされないようにハイカウンターを設置するのですが、大田区の案内コーナーはローカウンターに椅子という、ど素人の店舗屋さんが見ばえだけで設計したとしか思えないつくりであります。  オープン後も気になり、ちょくちょくのぞきますが、お客様のいる光景に出会ったことがありません。いつも見えるのは、年配の委託会社の職員さんが楽しそうに女性職員とおしゃべりをしている姿であります。何とものんびりと税金を垂れ流している施設でしょうか。果たして年間5000万円も委託費を税金から払って何をしたいのでしょうか。先日伺ったところによれば、12月から2か月間の訪問者は延べ7100名だそうです。日本人が来たのか外国人が来たのか、何をしに寄ったかの統計数字もないようなので何ともコメントできませんが、土日祝日は1日200名、平日は40名との数字を伺う限り、通りがかりのやじ馬が何だろうとのぞいていくだけではないでしょうか。土日にお隣の有名店であるGUに買い物に行き、または電車に乗る前に時間があるから、ちょっくらのぞいてみたとの図柄であります。どうか、一度来場者の属性、来場動機、目的の調査を行って、今後どうするべきか検証を行ってください。  区民の貴重な税金を使って施設をつくり運営するからには、区内の商店主さんが、区内中小企業者さんが、そして区民が、税の使い道として実感できなければなりません。どうも大田区は、観光、観光と、はやりにのって施設をつくることが目的になっているのではないでしょうか。お役所は仕事をつくり、施設をつくることが目的です。民間はつくった後が大切なのです。  大田区を訪問する外国人が飛躍的に増えているそうです。当たり前です。都心部のホテルを予約できない中国人団体客が大田区のビジネスホテルに流れているからです。彼らは旅行会社に手数料の入る免税店や土産物店に観光バスで移動するだけですから、区内商店には何らメリットはありませんし、もちろん京急蒲田の観光情報センターなどとも無縁です。この観光情報センターでは、一体何をコンセプトに、区民や区内商店主にどのようなメリットがあると考えているのでしょうか、お示しください。  東日本大震災の後の区市町村でのはやりに防災桟橋がありました。大田区もご多分に漏れず、8000万円もかけて羽田に防災桟橋をつくりましたが、今や全く閑古鳥が鳴いている施設に毎年700万円もの管理費を払っています。果たして税金でつくるべき施設だったのでしょうか。  さらに、話題の民泊があります。民泊条例を全国に先駆けて制定した大田区ですが、設置基準が6泊以上しなければいけない、25平米以上なければいけないなど利用実態とかけ離れているため、280件を超える開設相談がありながら、認定に至ったのは1法人、たった2か所に過ぎません。また、厚生労働省では、4月に旅館業法の簡易宿所の規制緩和を行うことを明らかにしており、この緩和される基準でいくと、3平米以上、1泊からオーケーという条件に、もはや大田区の民泊条例で認定を受けるメリットが全くなくなってしまいました。  このように、法律や条例が実態に追いつかない現実の中、観光に基礎的自治体である大田区が貴重な税金を使うべきではないと断じておきます。京急蒲田駅の観光情報センターが第二の観光船着場にならないよう願ってやみません。  次に、昨年行われました教科書採択についてお伺いいたします。  大田区は4年前の採択では、歴史教科書、公民教科書は育鵬社が最も適しているとして、長い間使用されていた東京書籍にかわり採択をいたしました。日本が嫌いで嫌いで仕方がない方々は、日本の歴史を正しく伝える育鵬社の教科書採択に大騒ぎで反対をされました。そして、昨年の逆転採択です。びっくりすることに、前回育鵬社の教科書に賛成された教育委員が、朝日新聞と産経新聞のように、編集姿勢がほぼ対立軸にあると言える東京書籍を推挙されたのです。もっと不思議なのは、今までの採択では必ず多数派に手を挙げるはずの教育長は、たった一人だけ育鵬社に手を挙げたのであります。まるで、できレースではないんだよと言いわけのような光景が採択の現場で繰り広げられたのであります。  報道によれば、今回の教科書採択において、教科書会社から金品を受け取った教員は3996名。特に突出して多いのが東京書籍で、2245名の教員に現金3000円から3万円、図書カードを3000円から1万円渡しておりました。当区においても、4年前の採択から突如、全員が意見を翻して真逆の東京書籍に変えたことは実に奇異に感じます。まさか大田区の教員が受け取っていないだろうと思ったら、先ほどの伊佐治議員の立派な質問に対して、教育委員会から、27名の大田区の教員がどうも受け取った、そういう報告が文部科学省からあった。その27名のうち、東京書籍から一体何名が金品を受け取っていたのかお知らせください。そしてまた、その名簿に基づき個別の調査を行っているのかどうか。そのような行為が今回の教科書採択に影響しなかったのかどうか、お尋ねを申し上げます。  東京書籍は一応文部科学省の検定を受けている教科書ではありますが、一体どこの国の教科書なのかと疑われるような記述が随所に見受けられます。GHQに押しつけられた自虐的歴史観をまだまだ広めようとしている、日教組や全教などの教員にくみすることなく、大田区の児童・生徒が、すばらしい国日本の未来に夢と希望を持てる教育を区立学校で行っていただくことを強く強く要望しておきます。  さて、国家とは思えない暴力犯罪集団と言うべき北朝鮮は、国際社会の批判をよそに核実験を強行し、さらには人工衛星だと称して核弾頭を搭載できるミサイルを発射いたしました。我が国の主権を強引に侵した横田めぐみちゃんたちの拉致被害事件は40年以上も未解決のままであります。また、金正恩政権は、気に入らない側近は銃殺や火炎放射器で焼き殺すという暴挙を繰り返しています。  このような国家とも言えないやからには、「まいった。ちゃんとするから勘弁してくれ」と言わせるまで徹底して制裁措置を国際社会が共同で行うことが肝要であります。そこで、我が国政府は独自の制裁措置を発表、実施しておりますが、朝鮮総連の強い影響下にある朝鮮学校に対する補助金を停止するよう、都道府県を通じて区市町村に要請することとしています。先ほど三沢清太郎議員のすばらしい質問がありましたけれども、大田区は、万が一、政府から朝鮮学校への補助金支給停止の要請が届いた場合には、先ほどは届いていないからわからんとおっしゃいましたけれども、届いた場合には停止するのか、それとも、それでもあえて継続をするのか、お答えをいただきたいと思います。  私は、それぞれの国が、日本国内において独自の民族教育をすることを否定するものではありません。それぞれの国・地域の伝統、文化、歴史、政治体制は、それが民主的であり、我が国に対して敵対するものでない限りは尊重すべきでありますし、民族教育もしかりであります。しかしながら、朝鮮学校では、前回のミサイル発射のとき、児童・生徒が万歳と叫び、一部は平壌に招待されて、「日本人の驚く顔を見てすっとした」と述べているのであります。本区にある朝鮮学校においても、金正恩政権崇拝、反日教育を行っている事実を教育委員会は把握しているのでありましょうか。把握していないとすれば調査する意思があるのか、お伺いをいたします。  国民が餓死するような経済破綻状態の中、核実験を行い、ミサイルをぶっ放すような指導者を崇拝する教育を行っている朝鮮学校に、区民の血税から補助金を出すなと申し上げたいのであります。この議場にも、50名中39名の議員の皆さんが大田区議会日朝友好促進議員連盟に加入されていますし、松原区長も区議時代に北朝鮮の首都平壌を訪問されています。友好親善はとても大切であります。しかし、相手が敵対し、ミサイルをぶっ放し、誘拐犯としてまだ行動している以上、こちらから友好を働きかける必要は全くありません。大田区行政と議会が一致して、北朝鮮の蛮行を許さないぞ、拉致被害者を帰せとの姿勢を示す意味でも、朝鮮学校への補助金は廃止すべきであります。いつの日か拉致被害者が全員帰国をし、北朝鮮の人々が自由に発言でき、食料も満ち足り、平和で民主的な暮らしができるようになったときには、我々は喜んで友好親善に努めようではありませんか。  さて、先週の日曜日の午後、蒲田駅西口では戦争法反対の街頭アピールとして、日本共産党を中心とした野党5党が結集をしておりました。そもそも戦争法などという法律はありません。仮にも自民・公明にかわり政権を担おうとする人々が、安保法制の重要性を認識せずに、戦争法という誤った情報で署名を集める姿は、まことに情けないとしか思えないのであります。これでは自民一強の状態は当分続くことでありましょう。  我々公選職にある人間は、国際社会の現実から目をそらすことなく、一国平和主義にうつつを抜かすことなく、2676年の長きにわたり続いてきた世界最古の国家日本を守り、次世代がこの国の歴史、伝統、文化に誇りと自信を持つことができる社会をつくる義務を負っていると言わなければなりません。
     そして、自由民主党のさらに右に旗を立て続けてきた我が党は、平沼赳夫党首が自民党に復党し、石原慎太郎氏が政界を引退した今日にあっても、細々ながら保守本流の炎を燃やし続けてまいることをお約束して、品のない質問を終わらせていただきます。(拍手) ○松原茂登樹 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎河野 観光・国際都市部長 私からは、大田区の観光資源に関するご質問についてお答えをいたします。  まず、観光とは、その意味合いから見ても、地域の総合力を表現するものでありますから、誘客力のある場所や物が観光資源ということになると思われます。区では、観光振興の将来目標として「『知る人ぞ知る魅力』を大切にする世界とつながるイキイキ(生活)観光都市」を掲げておりますので、区が取り組む観光は、区外からの誘客だけを目指すのではなく、区民の皆様が愛着と誇りを持てる産業振興やまちづくりと連動した観光であると考えております。観光資源は見せ方や周知の方法により魅力を発揮することができます。大田区の観光資源には歴史、文化、ものづくり、銭湯、食などがあります。また、区内各所で春は桜が咲き、洗足池、桜坂、多摩川などにたくさんの方が訪れたり、テレビドラマ等のロケ地に区内の公園や工場が使われ、銭湯がマスコミで取り上げられるなど、大田区には魅力となる様々な地域資源があります。近年、羽田空港国際線の便数増加などから訪日外国人旅行者が増加しておりますので、引き続き大田区を楽しんでいただけるプランを提案し、大田区ならではの観光をPRしてまいりたいと思います。  次に、大田区の来訪観光客数や区内への経済波及効果及び観光政策の充実などに関するご質問でございますけれども、平成26年度に実施した区の観光マーケティング調査によりますと、平成26年の大田区全体の観光入り込み客数は2060万人となります。羽田空港の入り込み客数を除くと689万人という結果でございました。経済波及効果につきましては、区単独では把握できていませんが、観光庁の推計に準じた観光消費額は852億円と推計しております。今後の目標値については、おおた未来プラン10年のモノサシ指標でお示しした区内宿泊施設の宿泊者数では、平成30年度は130万人で、そのうち外国人が15万人としております。  次に、観光情報センターの委託費に関するご質問でございますけれども、具体的な委託事業の内容は、観光案内業務、物販業務、観光情報提供業務、施設の維持業務、日本文化体験事業等の誘客業務などで、これらを4か国の多言語で相談、案内、体験等の対応を行っているものでございます。  最後になりますけれども、観光情報センターでのコンセプト及び区民や区内商店主のメリットに関するご質問でございますけれども、当センターのコンセプトは「来訪者と『まち・ひと』をつなぐ観光拠点」です。大田区の観光情報、魅力を集約して利用者に発信することにより、地域への回遊性を促していくことを狙いとしております。大田区を知って直接足を運んでいただくために、当センターで必要な相談や情報を提供するとともに、様々なサービスを提供していきます。このようにして地域との関係性を深めながら、当センターが積極的に事業を実施して、誘客、そして地域への回遊の流れをつくってまいりたいと思います。そうすることで、来訪者の宿泊や地域回遊での消費活動により、商店街や地域ににぎわいを創出することができることがメリットであると考えております。私からは以上です。 ◎松本 教育総務部長 私からは、3点の質問にお答えいたします。  まず、教科書発行者との不適切な接触に係る状況と、教科書採択への影響についてのご質問にお答えいたします。本区で勤務していました教員27名のうち、東京書籍から金品を供与されたのは15名となっております。現在、この名簿に基づき個別に調査を進めているところでございます。しかしながら、この中に歴史・公民の教科書にかかわって事前に検定申請本を閲覧したり、金品を受領したケースはございません。なお、教科書採択に当たっては、教育委員一人ひとりが全ての教科書に目を通して吟味した上で審議し採択しておりますので、選定への影響はございません。  次に、外国人学校振興費補助金等に関するご質問ですが、東京朝鮮第六幼初級学校には、教育条件の維持向上を図るため、外国人学校振興費補助金として100万円を交付しております。国が地方公共団体に朝鮮学校への補助金の中止を要請する検討に入ったとの報道がなされたことは承知しておりますが、現時点ではそのような要請はなされておりません。このほか、外国人学校に関する補助金は外国人学校児童・生徒等保護者補助金がございますが、これは外国人学校の保護者に対して学費等の経済的負担を軽減するための取り組みであり、外国人学校に交付しているものではありません。また、本区としては、陳情採択を尊重し、区内の外国人学校の子どもたちについても、教育条件の維持向上と保護者の負担軽減を図るという考え方で実施をしております。  次に、東京朝鮮第六幼初級学校の教育内容についてのご質問ですが、これまで教育総務部が行った過去の視察において、議員ご指摘のような状況は認められませんでした。以上でございます。 ○松原茂登樹 議長 議員の皆様に申し上げます。松原 元議員より、本日の会議を欠席する旨、届け出がありました。よって、会議規則第50条第5項の規定に基づき、質問通告は効力を失いましたことをご報告いたします。  次に、40番森  愛議員。                  〔40番森  愛議員登壇〕(拍手) ◆40番(森愛 議員) 大田区議会民主党、森  愛です。  主権者教育の推進と行政の意思決定への若者の参画、地域力についてお伺いいたします。  18歳選挙権を前に、自治体として若者の投票率を上げる取り組みと、学校現場における主権者教育の推進が求められます。一方では、政治的中立性の立場から、教育現場に生きた政治を持ち込むことの難しさに現場の先生方が苦慮されているという声も聞かれます。  先日、日本若者協議会が主催し、衆議院会館で開催された日本版ユース・パーラメント、若者の政治参加をテーマにした討論会に参加をさせていただきました。若者の声を政治に届けたい、若者の投票率を上げたいと活動を行っている大学生・学生団体の方々より国に対しての様々な意見が寄せられ、被選挙権の年齢の引き下げ、供託金制度の見直し、子ども・若者省の創設等の要望に、国会での実現に向けて国会議員が回答しておりましたが、選挙権・被選挙権のない若者が意見を反映する機会のない現状に、自治体における若者会議の実施、若者政策を調査、分析する審議会に当事者が少ない現状に対する審議会若者クオーター制等、民主主義の学校と呼ばれる地方議会、自治体として取り組むべき課題もあると感じました。  既に自治体と学生団体との連携の取り組みも進められ、実際に大学生が作成した政治教育・主権者教育のプログラムが高校や中学校で行われた事例なども報告されていました。また、大学生は住民票を地元に置いたままの学生さんも多く、不在者投票も利用しづらい、学校に期日前投票所を設置してほしいという意見もあり、自治体の許可が必要となる事例です。ぜひ、地域の東工大学、工学院の学生さんたちとも連携し、主権者教育への連携や区内在住の学生さんたちが投票しやすい環境整備も求められていると感じます。  18歳選挙権を前に、大田区として主権者教育にどのように取り組んでいきますか。区内の大学、専門学校との連携と投票所の設置についてどのようにお考えですか、お聞かせください。  昨年5月にも議会質問の中で投票率向上に向けた取り組みを質問させていただき、選挙管理委員会より模擬投票の実施についてお伺いいたしました。模擬投票が行われていても、学校教育で行われてきた社会公民教育と実社会が子どもたちの実感としてリンクされていない現状があり、模擬投票についても授業をごっこで終わらせないことが必要であると考えます。  子どもたちが成長過程ごとに、地域に自分たちが学校運営、まちづくりに参画できる場があり、自分たちの意見で学校、まちを変えていくことができるといった成功体験が、将来の地域を担う人材を育てる教育につながると感じ、以前より子ども議会の実施を提案してまいりました。愛知県新城市議会では、各中学校の代表が行政への提案、質問を行い、市長、副市長、教育長、市職員が答弁を行う若者議会に1000万円の予算がつけられ、子どもたちのすぐれた提案には行政が実現に向けて真摯に向き合う姿勢が示されております。しっかりと予算をつけ、子ども・若者の声が行政に届く仕組みづくりは重要であり、ぜひ大田区においても、子ども・若者議会の設置や、教育、まちづくりの審議会等へ子ども・若者の参加が必要であると考えます。  子ども・若者の声を行政の意思決定に取り組むために、大田区としてどのように考えていますか、お聞かせください。  先月、NPO・区民活動フォーラムが約40の区民団体の参加により盛大に開催され、大田区区民活動情報サイト「オーちゃんネット」には区内525団体の登録に見られるように、大田区では多彩な市民団体が活動しており、こうした行政だけでは届かない区民ニーズに対してのきめ細やかな活動が、まさに大田区政の要である地域力の担い手であると感じております。  一方では、地域力推進会議へのNPOの参加が少ないこと、今定例会に提出されている第56号議案 地域力を生かした大田区まちづくり条例の一部を改正する条例においても、大田区行政の捉える地域力があまりにも自治会連合会に加盟する自治会・町会に限られてしまっていることは、地域で思いを持った地域活動団体、地域の若い人材が区政に主体的に参画していただくことを妨げてしまうことになり、それは大変もったいないことであると感じます。大田区における地域の地縁団体の加入率の高さ、また自治会・町会に大田区政の様々な役割を担っていただいていることはすばらしいことでありますが、自治会・町会の高齢化や民生委員さんのなり手不足、また、次の質問で触れる子どもの貧困や見守りにおいても、今後アウトリーチ型のサポートが求められる中で、高齢者の見守り、生活保護、独居老人の相談や、災害弱者の名簿を預かっていても、いざというときに一人でどれだけのことができるのかと不安を抱えている民生委員さんの声も聞かれます。  地域力を区政の中心に置く大田区として、自治会・町会、地域で思いを持った方、地域の区民活動団体がともに区政に主体的に参加できる仕組みづくりが求められていると感じます。地域力推進会議、まちづくり会議への参加等、区の審議会、意思決定機関に区民活動団体の幅広い参加と連携が求められていると感じますが、区はどのようにお考えですか、お聞かせください。  次に、子どもたちの笑顔と夢と希望を持てる地域づくりに向けて、昨日、我が会派の黒川議員より代表質問において、子どもの貧困対策にかかわる実態調査について質問させていただきました。これにかかわり、子どもの貧困対策と地域における子ども食堂の取り組みについてご質問いたします。  子どもの貧困問題や児童虐待など子どもを取り巻く問題が叫ばれ、区としても今年度予算に子どもの貧困に対する計画策定が盛り込まれております。先月にはこども笑顔ミーティングが実施され、子どもたちの笑顔を守るために、地域全体でどのように子どもと子育て家庭を支援することができるか、地域ごとに様々な取り組みが始められています。その中で、全国的にも注目されている大田区発祥の取り組みとして、子ども食堂の取り組みが注目をされております。1日の栄養を給食に頼っているお子さんや、共働き家庭も多く、貧困家庭やひとり親家庭でなくても1人で食事をせざるを得ない背景、孤食の問題に対して、子どもも大人も安心できる居場所づくりは大変重要です。今後、大田区内全域にどのようにこのような居場所を提供していくことができるか、自治体として子ども食堂支援に乗り出す取り組みも出てきました。また、本当に困っているご家庭、必要としている子どもたちとこのような支援を結ぶために、学校や行政の情報と横断的に結びつける仕組みも必要であると感じます。  これから大田区で生まれた子ども食堂の取り組みに対してどのように支援を行っていきますか、お聞かせください。  また、地域の方から、多様化する子どもたちの課題に対して部局を超えた連携が一層求められていると感じ、ご家庭からは、子どもの問題を教育委員会に相談していいのか、こども家庭部なのか、福祉部なのか、わかりづらく相談しにくいという声も聞かれます。子育て家庭にとってわかりやすい子ども窓口の一本化を要望させていただきます。  最後に、大田区のものづくり技術を発信する医工連携の推進についてお伺いいたします。  大田区のものづくり技術が命を救う技術へ、ものづくりのまち大田区の力を発揮できる分野として、以前より医工連携の推進を要望してまいりました。先日開催されたおおた工業フェアにおいても、多くの医工連携関連の展示やセミナーも大変好評で、区内中小企業の取り組みと今後の参入に向けた関心の高さがうかがえます。今年1月には文京区、川崎市との連携による医工連携展示・商談フェアが文京シビックホールで開催され、こうした都県を超えた自治体間連携は大変珍しく、有効であると感じました。また、川崎市殿町地区においては、ライフサイエンスをテーマにした産業に力を入れており、首都圏、そして日本の産業発展という広い視野に立って政策連携をしていくことは、大田区の産業競争力の強化につながると考えます。  今回の事業連携の目的と、効果的な開催にするために特に工夫された点、今後の川崎市との連携について大田区はどのようにお考えですか、お聞かせください。  以上で全質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○松原茂登樹 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎川野 区長政策室長 私からは、子ども・若者の声に関するご質問にお答え申し上げます。  区では、区政への意見・ご要望、区政への提案「わたしの提案」をホームページ等で受け付けており、その中には高校生からの貴重な意見も寄せられてございます。また、区民の意見を区政運営に反映することを目的といたしまして区民と区長との懇談会を開催しておりまして、本年度は「高校生から見た大田区」をテーマに、選挙権に対する意見や区に期待することなどの意見をいただいております。ほかにも区内の高校より、授業で区の民泊条例に関する政策研究及び模擬投票を行ったと聞いてございます。その結果は大いに興味深く、政策提案書といたしまして区にご提出をいただき、生徒と区長との意見交換も実施しております。さらに、区制70周年を契機とした大田区PRキャラクター及びシンボルマーク選考に関する区民投票では、たくさんの小中学生からも投票していただきました。未来を担う子どもたちに区政に興味を持ってもらうことは非常に重要なことであると認識してございます。今後も引き続き、子ども・若者の声を聞く機会の拡充に努めるとともに、広く区民の声を区政に生かしてまいります。私からは以上でございます。 ◎木田 地域力推進部長 区民活動団体の区政参画についてのご質問ですが、おおた未来プラン10年(後期)では、区内で活躍する自治会・町会やNPO等区民活動団体がそれぞれの得意分野を生かし、連携・協働しながら地域を盛り立てていくことを目指しております。区民活動団体も含めました大田区区民協働推進会議を設置いたしまして、区民協働に関する調査研究を現在区は行っております。区における団体の区政参画につきましては、会議体等の目的に応じてNPO等の区民活動団体の代表者が参画されておりますが、今後も地域力を生かした区政を運営するためには、さらなる区民活動団体等との幅広い連携・協働が重要と考えております。以上でございます。 ◎鴨志田 産業経済部長 私からは、医工連携に関するご質問にお答えをいたします。  文京区本郷地区は医療機器メーカーや医療関連機関が集積しており、展示・商談会を実施することでものづくりを得意とする区内企業と新たな医療機器の開発や技術革新に結びつけることができます。今回の展示会で工夫した点につきましては、ものづくり企業が持っている技術を展示する従来のスタイルを逆転させ、文京区の医療機器メーカーなどが展示を行うスタイルにしたことでございます。医療機器メーカーがブースを出展したことで、医療機器メーカーが求める技術ニーズや課題を的確に把握できるとともに、ものづくり企業がこれまで以上に医療機器メーカーに自社の技術力をアピールできる機会となりました。  一方、川崎市は、殿町国際戦略拠点キングスカイフロントをはじめ、先端医療分野の研究開発機関の集積が進んでおります。大田区の羽田空港跡地と川崎市殿町地区については、羽田空港周辺・京浜臨海部連携強化推進委員会のもとに設置されております地域産業活性化分科会におきまして、医工連携を推進するための具体策について検討を進めているところでございます。私からは以上です。 ◎中原 福祉部長 私からは、子ども食堂に対する支援についてお答えいたします。  子ども食堂の取り組みは、ひとり親や貧困など様々な事情を抱えた家庭の支援として、子どもの食を支えるだけではなく、安心して過ごせる居場所として区も注目しているところでございます。現在、区内では、区民の方々によるいくつかの子ども食堂の活動が実施されている状況ですが、今後、区民活動団体等の皆様と行政が一層連携していくことが必要であると考えております。来年度、区は、子どもの貧困対策に関する計画を策定する予定でございますが、区がどのような支援ができるかなど、活動に携わる方々のご意見・ご要望を伺いながら検討してまいります。 ◎佐藤 選挙管理委員会事務局長 私からは、二つのご質問にお答えしたいと思います。  まず、主権者教育についてのご質問でございます。選挙管理委員会といたしましては、出前授業や模擬投票、選挙資材の提供などでその支援を行っているところでございます。27年度は区内の都立高校3校、特別支援学校3校、中学校5校、小学校6校で出前授業や模擬投票などの取り組みを行っています。学校以外では、成人のつどいでの模擬投票を行いました。これらの取り組みについては、今後も各学校のご理解を得ながら拡充に努めていきたいと考えます。また、今回新たに選挙権の対象となる18歳、19歳の方々の中には、学校に通っていない方もいらっしゃいますので、投票を勧奨するお知らせを全対象者に対して直接郵送いたしまして、参議院議員選挙の投票につなげていきたいと考えております。  次に、大学等に期日前投票所を設置することについてのご質問でございます。昨年4月の統一地方選挙においても、いくつかの自治体において実施されたと聞いております。その多くが地方の中心都市にある大学であり、当該市に住民票を置く学生が多い自治体の例であると理解しているところでございます。都心の大学等に通学する学生は、周辺自治体に分散して居住する者が多いのが実情でございまして、単純にモデルとすることは難しいと考えておりますが、そうした事例については今後も注目をしていきたいと考えております。私からは以上でございます。 ○松原茂登樹 議長 次に、30番清水菊美議員。                  〔30番清水菊美議員登壇〕(拍手) ◆30番(清水菊美 議員) 日本共産党の清水菊美でございます。  全数調査を生かし、直接支援での産業支援施策について質問をいたします。  大田区は、大田区のものづくり産業等を取り巻く環境は依然として厳しい状況が続いており、実情を把握することは今後の産業振興策を検討していく上で喫緊の課題などの目的で、2014年度全数調査を行いました。9000社以上あった工場は3481社となり、規模は3人以下が約半数、9人以下が8割弱を占めるという結果で、大田区は小規模・零細事業者を中心に区内取引が密に行われており、得意分野に応じて仕事を互いに融通し合って、ネットワークが大きなメリットであるが、多くの事業者が、外注先の転廃業、移転等が進み、ネットワークが弱体化していると感じているとなっています。さらに、3人以下の小規模企業の8割は後継者がおらず、廃業を考えている割合が極めて高い。技術・技能の継承と同様、早急に手を打つ必要があるとなっています。区長は、約8割の事業所が大田区で継続して事業をしたいと答えたことを評価していましたが、手だてをとらなければ廃業がとまらないことは明白です。ものづくりのまちとして有名な大森南、東糀谷地域でも、調査の後の昨年、今年と、あそこも、ここもと倒産、廃業が後を絶ちません。  全数調査の結果の今後の施策の方向性をより具体的にするために、調査結果に基づく産業振興計画を策定することを求めます。策定に当たっては、中小企業経営者を含めた委員会を設置し、展望が持てる計画にすることです。お答えください。  2016年度予算案、産業振興の予算は全体の1.46%で、日本共産党区議団は予算の増額を提案しましたが、区長は、全数調査を踏まえつつ、必要な十分な予算を組んだと昨日答弁されましたが、従来どおりのイノベーションの創造、新分野への進出やベンチャー企業創出と一部の企業しか対象としていません。「高度な技術力を生かした集積、ネットワークが衰退していくのを本気で食い止める気があるのか」と不信の声が上がっています。大田区の製造業工場は3481社から2500社程度になるだろう、小規模で高齢化で、ただ待っているだけのまちの工場は廃業やむなしという考えがあるのなら大問題です。小規模事業者がみずからのすぐれた能力・技術レベルに気づき、今までの親企業からの部品加工から製品化につながる努力ができるよう支援をすべきです。  機器の購入や修理、ホームページの開設、新製品開発等々、自由に使う助成金制度で元気、やる気が出たという実績を生かして、区内で長年操業してきた小規模企業への直接支援の助成金制度を提案します。お答えください。  テレビドラマ「下町ロケット」は高い視聴率を上げ、大田区ものづくりのアピールになったと言われています。撮影が行われた工場は1938年創立、長年にわたり自動車部品、ねじやボルト品などの製品を生産してきました。従業員は多いときは300人以上、現在は約120名、下請企業も区内に多い会社です。しかし、静岡県に移転が決まっています。あの工場、社宅は取り壊し、本社機能、研究機能のみ残す予定とのことです。労働者は退職せざるを得ず、下請企業は廃業のおそれがあり、労働者、家族も大きな影響をこうむります。区内には同じように中規模の企業の区外移転がとまりません。その影響は労働者、下請企業のみならず、周辺の商店街、飲食店にも多大な影響を与えています。  区は、企業誘致と区内企業の持続的操業支援の施策として、ものづくり工場立地助成をしていますが、2014年度決算は、認定数は7件でした。継続支援補助金は7件、設備投資助成は8件、貸工場・工業用地マッチング助成2件という、努力はされていても成果がなかなか上がっていません。長年操業してきた中規模企業の区外移転を食い止め、そして新規に大田区で創業をと言っても、なかなか来てくれない。その原因の一つに区内の地価の上昇があります。固定資産税等の経費負担は深刻です。国家戦略特区指定地域となり、羽田空港跡地開発の税制優遇が期待されていますが、長年操業を続けている企業の税制優遇こそ求められております。  そして、区内企業に新たな外注ニーズを獲得できる可能性があるとして、2015年度新規事業としてファブレス型企業誘致制度を始めていますが、現在認定数はゼロ件です。今進めている産業振興施策は大田区の産業構造に合っていないのではないでしょうか。大田区の産業構造は、産学連携で例えれば、超高レベル研究の大学型よりロボット開発などの高専型が多いのではないでしょうか。  下町ボブスレーの開発は、多くの区内企業がそれぞれのものづくりの技術を生かして日本で初のボブスレーの開発につながりました。表面加工をはじめ、ボブスレー作成に生かされた高い技術は、大田区ものづくりの力を世界中に発信してくれました。また、工業フェアでも展示されていた小型風力発電機も、区内の町工場10社以上でグループをつくり、試作を繰り返し、3号機まで完成しています。風力発電機は太陽光発電機に比べて多くの部品が必要なため、仕事起こしにつながると言われています。グループの中には、高齢だし、仕事もないし、廃業を考えていたという企業が、何とか完成して区内に広めたいと元気になっているということです。区が製品化を支援し、完成した後には区内公共施設に設置すれば災害時の対策になります。区内小中学校に設置すれば防災、環境教育に生かせます。区内にはこのようなグループがいくつかあります。取り組みを支援し、区内外に発信し、仕事起こしにつながる施策を求めます。  姉妹都市である東御市に、先日、区議会議員が親善訪問に行った際、視察先のワイン工場でワインタンクを遠いクロアチアから輸入していると聞き、「大田区でできるじゃないか」の声が上がったと聞いています。大田区の高い技術、絞りや磨きなどの技術が姉妹都市に届いていなかったのかと残念でした。  2016年度予算案に地元中小企業との共同で車椅子、立体防鳥ネット、区設掲示板の開発、設置の予算が組まれています。環境清掃部、福祉部、地域力推進部と産業経済部との連携、このように大田区内に区内のものづくりの技術を生かし広げる施策を大いに評価します。区内事業者の仕事確保のための体制の強化も求めます。現在、受発注相談員は、毎月の訪問目標はわずか10社です。行き先は中堅や大手が中心です。受発注相談員が区内小規模事業者を回り、仕事回しを強化する体制強化を求めます。  今、大田区の産業振興策に必要なことは、企業誘致のような呼び込み型だけでなく、内発型、地域の経済循環の創出への施策を強めることです。お答えください。  ものづくり実態調査と同時に行われた商店街の調査では、消費者がどこで何を買い物しているのかの消費調査が実施されていませんでした。これは商店街調査として大きな問題です。商店街の客は誰なのかを知ることは重要で、早急に商店街の消費調査の実施を求めます。  実質賃金マイナス、年金引き下げ、消費税増税などによる個人消費の落ち込み、物価高、大型店進出、ネット販売の増加等々の中で奮闘している商店街への支援は、商店街は子ども会活動、PTA、地域の防犯、消防団、お祭りなど社会的な役割を持つ準公共財という視点で施策を策定するべきです。商店街にも負担が重いイベントの予算だけでなく、各店舗がよりみずからの店をアピールすることを応援する施策を、産業振興のみならず、福祉、教育、地域振興などなどから、多様な角度で次々と支援策を提供することを求めます。  2016年度予算で繁盛店支援が商店街の空き店舗対策にも活用できるようになり、改装にも助成できるようになり、予算額も増額されていることは評価できますが、各商店街に一、二店の支援という従来どおりです。群馬県前橋市の店舗リニューアル助成は、対象業種は小売業、飲食業、サービス業、対象事業はおもてなしの向上に資すると認められる改修事業などを市内業者に発注することで、工事費の2分の1、限度額100万円を助成するものです。店を元気にする、そして地域に仕事が回る、三方よしの制度です。  ぜひ大田区でも、区内商店を対象とし、区内建設業者に仕事が回るリニューアル助成のような制度を提案します。お答えください。  以上で質問を終わります。(拍手) ○松原茂登樹 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎鴨志田 産業経済部長 私から、4問の質問にお答えをいたします。  まず、ものづくり産業等実態調査結果に基づく産業振興計画策定に関するご質問でございます。調査結果を受けまして、既に平成26年度から企業訪問によります立地や事業継続にかかわる課題のヒアリングを行いまして、持続的な操業支援に取り組んでおります。また、区内ものづくり企業への外注が期待できる企業誘致も進めているところでございます。区内企業の成長産業への参入意向が高いことを受けまして、医療機器メーカーが集積する文京区と医療関係機関が立地する川崎市との連携による展示・商談フェアにも取り組んでおります。平成28年度予算では、ものづくり産業等実態調査の結果を踏まえまして、ものづくり企業の立地促進のための工場物件等の調査や、医工連携の取り組みなどを計上しております。現在策定を進めております大田区まち・ひと・しごと創生総合戦略の産業分野におきまして、区内外の企業経営者や学識経験者などで構成します検討会を設置しました。この検討会では、ものづくり産業等実態調査の結果をベースに、区が今後実施すべき産業施策の方向性について活発にご議論いただきました。したがいまして、現時点では議員お話しの委員会を設置し、産業振興計画を策定する考えはございません。  次に、区内の事業者への直接支援の助成金にかかわるご質問でございます。区は既に様々な助成制度を実施しております。ものづくり工場立地助成は、区内ものづくり企業の集積の維持発展に結びつけることを目的としております。設備投資助成は、技術の高度化に伴う産業競争力強化や高付加価値化を目的とした助成制度です。大田区産業振興協会が実施します新製品・新技術開発助成は、技術力、開発力向上を目指すものです。これらの助成金は、業績の拡大や新規取引先の開拓等により企業の新たな価値の創出につながっております。実施した事業につきましては、効果検証を行い、より効果的な産業振興施策に反映しております。したがいまして、直接支援の助成金制度を構築する考えはございません。  次に、区内のものづくりの技術を生かしました地域内の経済循環の創出に関するご質問です。産業経済部及び産業振興協会は、福祉部と連携し、オーダーメイド型福祉用具製作事業に取り組んでおります。区内ものづくり企業の技術力をマッチングさせ、一人ひとりに適した福祉用具を製作するものでございます。区内ものづくり企業にとりましては、売り上げにつながることや社会的評価の向上が期待できるなどのメリットがあり、商品化への可能性もあることから、福祉という新分野へ進出する契機になると考えられます。また、地域力推進部と連携してコミュニティビジネスの発掘や創業支援に取り組み、環境清掃部とは省エネ等の環境技術の向上に向けた調査研究を行っているところでございます。このように、部局間連携によります区内中小ものづくり企業の技術を生かす産業連携施策につきましては、既に取り組んでいるところでございます。  次に、店舗のリフォームを行う場合の助成制度についてお答えをいたします。公益財団法人大田区産業振興協会が平成21年度にスタートしました繁盛店創出事業は、店舗の売り上げが伸びるような店舗改修などに取り組む事業者のチャンレジを応援する制度として、年々予算規模の拡充、事業内容の充実を図っております。この事業は、専門家を派遣し、店舗改修や事務改善に取り組むための無料診断を行い、診断結果に基づき事業者みずからが計画し、審査を経て助成金の交付を行うものです。助成金を採択された事業者の皆様には、区内建設事業者等の活用をお願いする説明もしているところです。チャンレンジする経営者の皆様には、繁盛店創出事業の活用を促し、売り上げを伸ばして魅力的な店舗にしていくよう、この事業の着実な推進を図ってまいります。したがいまして、現状では、ご提案をいただきましたような新たな事業について実施の予定はございません。私からは以上です。 ○松原茂登樹 議長 次に、45番野呂恵子議員。                  〔45番野呂恵子議員登壇〕(拍手) ◆45番(野呂恵子 議員) 戦後70年、非正規雇用約2000万人、子どもの6人に1人が貧困という日本にあって、区民を支える政策がこれまで以上に求められています。新年度予算には、4地域、各40名の学習支援など貧困と向き合う政策が提案されましたが、学習支援に加え、食事もままならない子どもたちに温かい食事と団らんの場を提供する子ども食堂の区民への周知、行政の支援と連携が進むことを願ってやみません。  さて、1月、大田区在住のシングルマザーの3歳男児が虐待により殺され、本当に無念であり、虐待防止に向け、子どもに代わって声を上げていかなければなりません。通報システム、いち早く、189番という番号をぜひ私たちも胸に刻んでいきたいものです。  また、先ごろ公表された保育所の死亡事故は2014年までの10年で163人と、内訳は認可保育所50人、認可外では実に113人でした。特に神奈川県のある保育所では、死亡事故が共有されず、2人も死亡させたのです。国は、こうした事態を受け、子ども・子育て支援新制度において、保育中の死亡や重傷事故を自治体に報告することをようやく義務づけました。  宇都宮市は市民から通報があった保育所に事前通告後に立入調査、問題なしと結論づけた直後、乳幼児を縛りつけ死亡させる事故が引き起こされました。日本弁護士連合会は、保育所における乳幼児の死亡事故を受け、立入検査等について、抜き打ちの方法を導入するとともに、その回数を増加させるよう制度化すべきであると国に要望してきました。そして、さいたま市で1歳児がうつぶせ寝で死亡した事故では、両親が全施設への抜き打ち調査の実施を求め、さいたま市は事故防止対策として、全ての認可外保育施設に呼吸チェックを義務づけ、抜き打ち立入調査を実施し、2012年に41%だったルール違反が、2014年には18%に減ったのです。  東京都は、認可外保育施設に対する指導監督要綱第8条で、「立入調査を行うに当たっての事前通告の有無については、認可外保育施設指導監督所管部と認可外保育施設事業所管部とで協議の上、決定する。」と規定し、抜き打ち調査が進みません。また、第8条第5項において、「立入調査に際しては、区市町村及び必要に応じてその他関係機関の立ち会いを求める。」と規定しておりますが、大田区が立ち会いをした施設で改善が進んでいないところがあります。  大田区内のある施設に対する調査結果によれば、東京都の立入調査項目75のうち、守られていない項目が2011年度14項目、2012年度は13項目、2013年度は19項目、このうち10項目改善、2014年度は10項目でした。さらに、この4年間、改善されない同一項目が四つもありました。1 便所及び保育室専用の手洗い場が未設置、2 調理室、食器、食品保存方法等が衛生的でない、3 入所後の定期的な健康診断がなされていない、4 調理・調乳にかかわる職員の検便がなされていない。  乳幼児を保育する施設で、4年間も同一項目の改善がされず運営されてきたのです。夜勤の看護師や母子家庭で深夜勤務の方、認可保育所に入れず認可外に預けた方など、誰にとっても子どもが事故なく安全で過ごしてほしいのです。24時間ベビーホテルを利用せざるを得ない母親にとって、施設の安全・安心は子どもの命綱です。しかし、改善されず、法に基づき名前を公表しても、そのまま運営がなされている危険性を誰が改善させるのでしょうか。認可外保育所の所管が東京都とはいえ、立入調査に同行している当該区として、どのような問題意識を持っているのでしょうか、お答えください。  事故を引き起こさないためにも、せめて改善指導に従わない施設への抜き打ち検査や、子どもを守るために呼吸チェックの義務化など、大田区は東京都に働きかけていくべきです。  2月、私は2015年度共働き子育て支援自治体日本一に輝いた静岡市を視察いたしました。人口70万人、一般会計約2800億円と大田区と同規模の静岡市は、保育園と幼稚園、そして図書館も全て直営で運営され、男性不妊治療の支援も開始、また、病児・病後児保育室では12歳までの小学生も利用できます。待機児童園も設置し、万が一に年度途中に待機児童になっても保育を受けられます。また、認定こども園60園は全て直営で運営され、そのうち保育所から移行した44園で給食調理をこの4月から直営に戻します。園長先生が委託調理職員への指示が困難なため、命に直結する給食について市長が直営に戻したそうです。こうした静岡市の判断に、自治体運営はどうあるべきか、とても考えさせられました。  大田区においては、この7年間で保育所サービス定員を3809人増やし、28年度にはさらに500人増やすと松原区長が所信表明で述べておられましたが、保育従事者宿舎借り上げ支援事業の取り組みなども含め、継続できる雇用環境が子どもや保護者にとっても何よりの安心です。待機児童対策のため新たな認可保育所等が増える中、この新年度から私立保育園や地域型施設など認可施設89か所の指導検査が区の事務となります。権限を十二分に発揮できる職員体制を整え、衛生面、安全面、そして人件費比率など、財務全てにまたがる調査が有効に機能するよう、抜き打ち検査も含め、子どもたちの安心・安全が確実に担保されることを願い、次の質問に移ります。  2010年厚生労働省の発表によれば、全国にひきこもり世帯は26万世帯、ひきこもりは69万人と、日本のHIKIKOMORIという言葉は固有名詞として世界で使われるようになってしまいました。ひきこもりの出現率は人口の0.5%と言われ、大田区の世帯に換算すれば約1900世帯、人口では約3550人に上ります。  山形県では、2013年に民生委員による実態調査を実施し、10年以上のひきこもりが46%と最も多いことが判明、島根県は2014年に調査し、若者436人、高齢者1178人と、ひきこもり年齢層が高齢化し、30代に重点を置いた取り組みだけでは対処できないことが判明したのです。  さらに町田市は、全国初の町田保健所方式と呼ばれる保健所挙げての調査を20歳から64歳までの市民を抽出して実施し、さらに加えて民生委員へのアンケートを行いました。調査の結果、0.5%を超える人が、自分または家族にひきこもりを抱えていることが判明し、高齢化していくひきこもり対策へ警鐘を鳴らす画期的な調査でした。調査結果では、ひきこもり支援機関の存在について知らない方が多いことがわかり、ひきこもりに対する社会的な支援の問いに、91%の方が「身近な場で相談しやすい窓口が必要」と答え、83.6%の方が「ひきこもりの人や家族が孤立しないような地域社会のつながりが必要」と、自治体や地域の支援体制が急務であることが判明したのです。  私は、区民からひきこもり相談を受ける中で、大田区在住で、息子さんがひきこもりでカウンセラーの資格を取った方が、ずっと大田区とご縁がなかったために品川で相談を開始しておられましたので、その品川において家族会の会合に参加し続けてきました。そこで、ひきこもり対策の基本は、まず親支援だということを学びました。家庭裁判所の調査官をされていた方が、親御さんの話をずっと聞き続けるのです。家族の実態を話せる安心感や、悩みを共有し相談し合える関係がいかに大切か。親がほっこりできる時間を持てることで子どもとの対話の糸口が見つけられます。ひきこもりから抜け出し、社会人になった青年にお会いしたとき、言葉では言いあらわせない感動を覚えました。ひきこもり当事者だったことを語ってくれた青年もおります。親の会に参加して息子との距離が縮まり、ひきこもりの原因が学校でのいじめだったと初めてわかったというお母さんもおりました。  大田区では、新たに開設されたJOBOTAで民生委員等がひきこもりの相談に対応してこられましたが、大田区のひきこもり相談窓口の中心は保健所です。2013年度保健所への相談は、ひきこもり所内相談145件、電話相談240件、その他14件、そして家庭訪問40件。そのうち東京都のひきこもりサポートネットの受け付け実績はわずか2件と少なく、これは大田区のひきこもり推定人数と大きなかい離があります。  そこでお伺いいたします。親を支援することがひきこもり対策の第一歩ですが、保健所主催の家族教室は年1回、2日間だけの開催です。回数をもっと増やし支援すべきと考えますが、いかがでしょうか。  また、ひきこもりは早期支援が大変重要ですが、実態を把握することで区としての対策が講じられます。大田区はひきこもり実態調査についてどのようにお考えでしょうか。  厚生労働省は、各都道府県や政令指定都市にひきこもり支援センターの設置を進め、2月現在65か所です。静岡市ひきこもり地域支援センターはNPOに運営を委託し、そこでは当事者の居場所づくりを毎週2回、畳のお部屋やソファーもありますけれども、そこでじっくりと話し、また、家族教室は毎月開催していました。東京都は、お茶の水女子大学に委託し、ひきこもりサポートネットを開設していますが、電話など相談業務のみで、拠点施設ではありません。私は、2013年第1回定例会でひきこもりについて取り上げました。若者支援が行政の制度の谷間に埋もれ、十分光が当たっていないと感じ、大田区に地域若者サポートステーションの設置を求めるとともに、東京都ひきこもりサポートネットが電話相談であり、ひきこもり地域支援センターを設置していないため、東京都の対策の遅れを懸念する声が上がっていることを指摘してきました。  東京都は、区市町村における若者の自立と支援体制整備事業を推進していますが、23区では2014年4月に文京区で「STEP」ひきこもり等自立支援事業、9月には世田谷区がメルクマールせたがやを開設、両区とも公益社団法人青少年健康センターに委託していますが、ひきこもりから社会的自立へと早期対策が解決の糸口です。ひきこもりの長期化は親亡き後の貧困に直結していきます。大田区も居場所機能をあわせ持つセンターが必要だと考えますので、ぜひこの点について今後も対策をご検討願います。  最後に、環境政策について伺います。  戦後、世界中で大量生産がうたわれていたとき、合成化学物質の危険性と生態系への影響が人間の命にかかわると警鐘を鳴らしたレイチェル・カーソン、彼女が1962年に執筆した「沈黙の春」は物議を醸しましたが、ケネディ大統領によってその正当性を認められ、世界が環境問題に取り組む発端となったと言われております。  しかし、日本では既に大正時代、公害で樹木が枯れ果てていた東京に100年続く森を育てたいと議論がなされ、大臣が提唱した杉ではなく、東京の気候風土に合った照葉樹が選ばれ、神宮の森造営工事が始められ、今日に至っております。まさに池上本門寺界隈の縄文のどんぐりは、神宮の森同様、東京の気候にかない、受け継がれてきた財産ではないでしょうか。  昨年、環境清掃部が区民と協働で調査し創設した縄文のみちは、2000年以上もこの地域に受け継がれてきた地域遺産を見直す機運を高めていきます。持続可能な大田区のまちづくりに向け、大田区は子どもたちに環境意識をどのように意識づけていくのでしょうか、お答えください。  さて、1964年開催の東京オリンピックは、ごみ都市と呼ばれていた東京の景観を変える契機として、まちにあふれていたコンクリートごみ箱を撤去させ、リヤカー収集を廃止し、東京都が初めてごみ収集車250台を導入するという分岐点でした。あれから50年を経て、新年度予算には、まちの景観を考え、大田区のものづくり技術を生かす立体型防鳥ネットの開発が提案され、清掃事業という視点からまちの景観と人々の意識を変えていこうとする所管の発想と受け止めました。  オリンピック開催は環境リスクを減らし、なおかつ次世代に引き渡せる環境をどう育てるかが常に問われてきました。東京都は2020年までに臨海部を中心に443ヘクタールの緑地の創出を目指していると言われています。海の森緑地を提案していますけれども、そのうち既に88ヘクタールの植樹に取り組み、100万本のグリーンロード・ネットワークを提唱し、風の道につなげるそうです。  大田区は武蔵野台地の先端に位置し、臨海部や市民利用日本一の多摩川があり、環境問題に対する区民の行動意識を変えていくために、省エネ対策の呼びかけだけではなく、さらなる取り組みが必要です。特に、東京オリンピック以降の継続した環境政策が大変重要と考えますが、どのようにお考えでしょうか、お答えください。
     子ども時代を子どもらしく、大田区にあふれた自然環境に触れ、遊び、観察する子どもの姿が随所に見られる大田区であるよう願い、私の質問を終わります。(拍手) ○松原茂登樹 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎石原 保健所長 私からは、ひきこもりに関する二つのご質問にお答えいたします。  まず、ひきこもり家族教室についてのご質問ですが、区では、ひきこもり家族教室を平成25年度から継続して実施しております。平成27年度は、8月8日と9月5日の2日制の教室に1日目は81名、2日目は55名、延べ136名のご参加をいただきました。参加者に対するアンケートでも、「家族教室を定期的に実施してほしい」とのご回答をいただいているところです。今後も、家族教室を継続して行い、ひきこもりに対する正しい知識や対処法の普及を図るとともに、当事者の社会参加につなげる一助としたいと考えております。  次に、ひきこもりの実態調査に対する認識についてでございますが、このような調査は東京都や一部自治体において実施されており、ひきこもりの実態を把握し、多角的な支援を行うことで当事者の社会参加につながるものと考えます。区といたしましては、庁内の関係部署と連携を深めながら、他の自治体の先駆的な調査について研究してまいりたいと思います。私からは以上です。 ◎市野 こども家庭部長 私からは、認可外保育施設の安全・安心の確保についてのご質問にお答えをさせていただきます。  認可外保育施設につきましては、児童福祉法に基づき、都知事が設備、運営などについての調査を行い、改善勧告等を行うこととなってございます。そのうち、区が運営費の助成を行っている保育施設に対しましては、保育の質の確保・向上に向けて巡回指導を実施しているところでございます。お話しのいわゆるベビーホテルにつきましては、東京都の実施する認可外保育施設の立入調査に区の職員も同行し、その実態把握に努めているところでございます。今後も、利用者から相談を受けた場合には、東京都に速やかに情報提供を行うなど、東京都と連携し、また適切な役割分担のもと、子どもたちの安全確保とよりよい育ちを支援できるよう取り組んでまいります。私からは以上でございます。 ◎佐藤 環境清掃部長 私からは、環境対策につきまして2点お答えをさせていただきます。  子どもたちの環境への意識づけにつきましては、区は現在、屋外で行う自然観察会や、授業の一環として行う資源循環型社会を考える環境学習、また、地域団体との協働により実施する体験型のエコフェスタワンダーランドなど、様々な環境学習の機会を提供しております。これに加えまして、今年度は燃料電池車を導入いたしましたので、この水素カーとCSR、いわゆる企業の社会的貢献を活用して、地球温暖化対策を進めるための最先端技術に触れる環境学習を実施したところでございます。区といたしましては、次の世代を担う子どもたちが高い環境意識を身につけ、持続可能な社会づくりに貢献できるよう、今後も環境学習の充実に努めてまいります。  次に、区の環境施策についてでございますが、持続可能なまちづくりに向け、地球温暖化対策は重要な取り組みの一つと認識してございます。地球温暖化の主な原因は、生活や産業から排出される二酸化炭素であり、電気やガスの使用量が多いほど二酸化炭素の排出量は増加いたします。そのため、区は様々な機会を活用し、区民の皆様に省エネ行動を呼びかけております。東京オリンピック・パラリンピックでは、色とりどりの花や緑でお客様をお迎えしようと18色の緑づくりに取り組んでおります。こうした活動を通じて区内の自然環境が豊かになることは、地球温暖化対策にも貢献するところでございます。東京オリンピック・パラリンピックは環境対策に取り組む機運を醸成する絶好の機会と捉えております。区といたしましては、区民の皆さん、事業者の皆さんの高い環境意識を礎に、各部の連携を図りながら環境に優しいまちづくりを進めてまいります。私からは以上でございます。 ○松原茂登樹 議長 野呂議員、演壇にて再質問を許可いたします。                    〔45番野呂恵子議員登壇〕 ◆45番(野呂恵子 議員) 1問だけ再質問させていただきます。  認可外保育所の立入検査についてですけれども、東京都が監督しておりますので、その認可外保育所の立入調査を選ぶ施設は全部ではありません。2月現在、大田区には16の認可外保育所があるかと思いますけれども、その中で改善がなされていない施設への立ち入りを行っています。私が今回、特に大変だと思った施設については、継続して立入調査をしているということは、その実態がこのままでは危険だということを東京都も掌握していると思います。しかし、先ほど部長が答弁しましたように、立入調査をし実態把握に努めている。実態把握に努めているだけで子どもの安全が担保されるでしょうか。その実態把握に努めた上で、区として、区の権限の中で、大変厳しいかと思うんですけれども、東京都と一緒になって当該区にある施設についての改善を求めていくということがとても重要かと思うんですけれども、その点についてご意見をお願いいたします。 ○松原茂登樹 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎市野 こども家庭部長 今後も、私どもといたしましては、東京都と連携をいたしまして、子どもたちの安全の確保ができますよう、取り組みの強化に努めてまいりたいと考えてございます。 ○松原茂登樹 議長 次に、48番湯本良太郎議員。                  〔48番湯本良太郎議員登壇〕(拍手) ◆48番(湯本良太郎 議員) 闘う改革の会の湯本でございます。  地域社会を思い、共助を地域で形づくるために、区民が主体となり企画や運営を行う区民団体やNPOがございます。行政ではなかなか把握できない地域の実情をよく理解していることが区民団体やNPOの最大の特徴であります。そのような活動を支えるために、大田区では地域力応援基金を創設し、側面から支援を続け、地域住民から多くの感謝の声が寄せられるほどの活躍をされている団体もございます。  しかし、彼らのウイークポイントは資金力であります。区の支援でスタートアップ、ステップアップ、ジャンプアップ助成を受けられる間はよいのですが、その支援が終わると運営困難に陥る団体の話を耳にいたします。せっかく区も支援をし、地域に根づき、その活動を頼みにしたいという区民があらわれても、資金難で事業は終了ではいろいろな観点でもったいなさを感じます。彼らの活動内容の中には、採算性の乏しい内容や資金集めまで人員を割けないといった実情があります。  区民団体が主体となり企画や運営を行う区民団体(区民活動団体、NPO、自治会・町会、商店街など)に責任を持って行政サービスの一端を担っていただくことについて、大田区としてどのようにお考えになるか、お答えください。  また、そのような団体を育成し、継続して活動できるように、区民活動支援の財源とも言える地域力応援基金の充実を図ることに期待を寄せるものでありますが、基金の残高と寄付額が年々減少している実態がございます。区が積極的に区民活動支援の必要性や区民活動に期待される可能性の啓発を行うとともに、地域力応援基金への寄付を募ってはどうでしょうか、お伺いをいたします。  区民活動の活発化を図ることが少子高齢化社会への対応や、より効率的できめ細かい行政サービスの展開を図る上で重要と考えます。企業のように営利を目的とした活動では採算がとれない事業を行っている活動へは、場合によっては現行の支援メニューを超えた支援の必要性を感じますが、大田区のご所見をお伺いいたします。  次に、治安対策についてお伺いをいたします。  2020年7月24日からスタートする東京オリンピックの開幕まで、あと1609日となりました。高まる期待とともに、オリンピックに向けての準備にも注目が集まるところであります。パリの同時多発テロは世界を震撼させました。いかなる理由があっても、あのような蛮行は許されるものではありません。テロはパリの人が集中する催しが行われた会場がターゲットとなりました。あの惨状を見て、東京オリンピック・パラリンピック開催へのリスクを多くの方々が感じたのは言うまでもありません。  特に大田区においては、長期滞在の外国人訪問者が利用する民泊を利用した滞在について、安全面に不安の声を口にする区民の声も少なくありません。東京オリンピック・パラリンピック開催に当たり、宿泊施設の不足を埋めなければならない事情は理解をいたしますが、安全面への配慮もしっかりとなされなければなりません。国家戦略特区を認可した国や東京オリンピック・パラリンピックの主催者である東京都に対し、治安対策強化について具体的な協議を行っていくべきだと考えますが、協議は行われているのでしょうか。また、協議が行われているのであれば、どのような内容の協議がなされているのでしょうか。また、大田区から治安対策の予算、人員、機材などの支援を要望してはどうでしょうか、お伺いをいたします。  防犯の観点から、防犯カメラの有用性について語られる機会がメディアから地域まで幅広く増えております。それに呼応するかのように、地域住民から防犯カメラ設置のニーズも増えてまいりました。無作為にカメラの設置を行うことは、コスト面やプライバシーの観点からも望ましくないという意見から、防犯カメラ設置のガイドラインを作成されたことは高く評価をするものであります。  大田区には、防犯カメラの設置に至る経緯として、町会や商店街が区の助成を受けて設置を行った箇所、また区が独自に設置を進めた箇所があると伺っておりますが、現状をお知らせください。また、防犯カメラ設置のガイドラインを定めましたが、今後の展開についてお伺いをいたします。  また、現在は防犯カメラが設置されていない場所で犯罪が複数回にわたり発生している箇所等は、早期に防犯カメラの設置が求められます。町会、商店街の財務状況などから、地域が主体となっての設置を迅速に行えないケースも想定されます。このようなケースにはどう対処をしていくのか、あわせてお伺いをいたします。  続いて、若年層・壮年層の区政参画について質問をいたします。  より区民ニーズに応える区政運営を目指すためには、区民とともに行政サービスを築き上げていくことが肝要であると考えます。区長自身、町会長、連合町会長を務めた経歴もあり、熱心に連合町会や町会・自治会の新年会でご挨拶をされ、その際に「皆さんと手を携えてよい地域をつくっていきたい」と語っておられた光景が印象に残っております。町会・自治会は区内最大の区民組織とも言えますが、大田区にとって自治会・町会とは行政運営を行っていく上でどのような存在と捉えているのか、お伺いをいたします。  総務省が26日に、2015年10月1日時点で日本の総人口は1億2711万47人となり、1920年の調査開始以来、初めて総人口が減少したと発表いたしました。しかしながら、東京圏においては約3613万人で、約51万人の増加がなされ、東京一極集中が続いているとしております。死亡数が出生数を上回る自然減は毎年約20万人程度で推移している状況がございます。  区内最大の区民組織である町会・自治会の課題として、組織率の低下や若年層・壮年層の積極参加が望めない現状を憂える声を耳にいたしました。先ほど申し述べたような社会状況のもと、この状況を区として把握しているかどうかをお伺いいたしたいと思います。また、そのような区民の声に対して区としてはどのようにお考えになるのか、お伺いをいたしたいと思います。  自治会・町会の活性化や継続性の担保を図るためには、働いている現役世代の皆さんに自治会・町会運営や企画に参加していただくことが望ましいと考えます。現役世代が働きながら地域活動へ参加をすることが現在の町会・自治会の運営では難しいという現状を、現役を退かれた町会・自治会の役員の方や現役世代の方々の双方から耳にいたしました。また、ライフスタイルの世代間のギャップにより、情報伝達や意見交換の仕方、会議の持ち方、運営のスケジュールのあり方など、ミスマッチの声もよく耳にいたします。  そのような現状を鑑みると、町会・自治会の世代間ギャップの解消を図ることと、自分たちで自分たちの地域の将来を考えて行動し、自分たちが地域の次世代の担い手だという意識を持って町会・自治会活動に参画しているという実感を現役世代の方々に持っていただくことが非常に重要であるように思えます。町会・自治会の活性化と継続性を持たせる上で、現役世代の方々がより町会・自治会の運営に携われるように、青年部の立ち上げや活動の支援を行うことへの必要性について区としてどのようにお考えになるのか、お伺いをいたします。  次に、生活スタイルと福祉のあり方について質問をいたします。  本年も保育園の入園の選考に漏れた子どもが1786名おり、働きながら育児のできる生活環境を形づくれずに困り果てているご家族から悲鳴にも似た声をいただいております。また、家族が近くにいないため、高齢ながら1人で暮らすお年寄りの生活に危惧を覚える声も社会問題として日に日に大きくなっております。保育園の問題に目を向けると、大田区としても努力を重ねてはいるものの、子育て世代の流入などにより保育環境を求めるニーズは拡大し、むしろ待機児問題がヒートアップをしている感さえ否めません。  日本の社会背景を考えると、この保育と高齢化社会の課題を解決することは容易なことではありませんが、なぜこのような課題が増え続けるのかを考察し、様々な方々から意見をお伺いしていくと、必ず家族のあり方にたどり着きます。保育についての一つのケーススタディを挙げます。夫婦と小学生1人、幼稚園児1人で暮らしている家庭があるとします。数軒離れた場所に夫の両親が居を構え、さらに数軒隣に夫の祖父母が暮らしていたとします。夫婦はフルタイムで共働きをし、帰りは19時ごろだとすると、両親が放課後の育児は行うことができません。祖父母が孫の面倒を見てくれれば、例えば学童に行けなくても、または保育園に預けられなくても、育児を理由に職場復帰がかなわないということはなくなります。その場合、ニーズの集中する保育園に入園せずに、幼稚園に通わせることも可能となるわけであります。  区は現在、保育園の待機児解消を最優先課題に掲げ、保育サービス基盤の整備に全力を挙げて取り組んでおります。しかし、核家族が増加する中、新たな保育ニーズへの対応と保育園の整備にかかる行政コストは増加の一途をたどっております。平成28年の保育園運営費は、0歳児1人当たり月額経費は約62万円、1歳児は約27万円、2歳児は約24万円であります。仮にケーススタディのような家庭が1件増えれば、3年間にかかる行政コストを、複数の近親世帯が近隣で暮らす生活環境を築けない方々へ回すことが可能となるということが起こり得ます。例えば、このケーススタディを1000件つくり出そうと、複数の近親世帯が近隣に住まいを持つことを住宅政策で支援するとした場合、住宅政策に要するコストと保育園の新設にかけるコストは相殺することも可能かもしれません。それ以上に、地域の継続性や隣近所の交流の促進、消費意欲旺盛な世代の増加や世代間人口構成の急な増減の緩和、さらには安定的な税収も期待できるかもしれません。  また、高齢者福祉の観点から考えた場合にも、夫婦とその両親が夫婦から見た祖父母の家に1日数回訪れることにより、急な体調の変化や生活の変化を敏感に察することや、祖父母に当たる世帯が独居であれば孤独死の回避をする可能性を上げることや、認知症の予防、介護サービスを受ける回数を減らし、介護保険へのコスト面でもよいインパクトを与えることも期待ができるかもしれません。  このような想定をもとにお伺いをいたします。複数の近親世帯が近隣に住まいを持つことにより、現状は近所に身寄りのない高齢者の方と身寄りのいる高齢者で受けられる行政サービスに異なりがあればお聞かせください。また、その他の想定できる影響があれば教えていただければと思います。  近隣の定義も様々ではありますが、複数の近親世帯が近隣に住まいを持つ家庭が増えることによって、行政サービスまたは行政コストに与える影響について大田区のお考えをお伺いいたします。  生活形態は様々でありますし、その多様性を尊重することは大前提として、地域で近親の複数世帯が近隣に居を構えるという暮らしをされる方々が増えることによって、地域と行政のあり方にどのような影響を与えるのかを考察し、住宅政策のあり方に工夫を加える余地があると考えます。10年、20年先の大田区をどのようなまちにしていきたいか、住宅政策はその想定を形づくるための根幹をなすものであり、非常に重要であると考えます。  自助、共助が可能となる地域をつくれないから公助を求めるわけでありますから、自助、共助が可能となる生活環境を整えることが肝要と考えます。最後に、住宅政策と福祉政策の関係性について大田区としてお考えをお伺いし、質問を終了いたします。(拍手) ○松原茂登樹 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎川野 計画財政部長 私からは、近親世帯と行政サービスコストに係る質問にお答えいたします。  親族を含めた近隣同士による支え合いや助け合いは、地域力の一つとして大切なことです。近隣同士がよい関係を築くことができれば、日常の様々な課題解決につながり、自助、共助による解決や各種行政サービスの利用など選択肢が増えるものと考えます。同時に、複数の親族が近隣に住まいを持つことによる効果は、多種多様なケースがあり、一概にはかることは非常に難しいものと考えております。いずれにいたしましても、お話しのケースを含め、プライバシーにも配慮しつつ、区民の意識やライフスタイルの変化などの把握や、区の施策にどのような影響があるかなどについて研究してまいります。以上でございます。 ◎木田 地域力推進部長 区民活動団体が行政サービスとしての公益を担うことについてのご質問ですが、少子高齢化の急激な進行や自然災害などが危惧される中で、高齢者の見守り、また災害発生時の初動対応などは、行政だけでは対応が困難であり、地域との連携・協働により課題解決していくことが求められております。そのため、自治会・町会やNPOなど区民活動団体の主体的な活動がさらに活性化するとともに、それぞれの団体及び行政との連携・協働が進んでいくことが重要だと認識してございます。  続いて、地域力応援基金への寄付についてのご質問でございますが、寄付金の募集につきましては、区報と区ホームページへ記事を掲載し、周知をしてございます。今後とも、本助成事業の啓発に努め、区民活動に対する関心を高め、寄付金のさらなる募集につなげてまいります。  続きまして、地域力応援基金助成事業の拡充についてのご質問でございますが、本助成事業は、地域力応援基金を活用し、福祉、子育てなどの分野で、公益性があり、広く社会貢献につながる活動を行う自治会・町会、NPO等に助成を交付してございます。今後におきましても、さらなる地域力向上のため、より効果的な事業のあり方について検討を進めてまいります。  続きまして、自治会・町会についてのご質問ですが、自治会・町会は、一定の地域に住む人たちが協力し合い、自主的に運営する任意団体でございます。自治会・町会は、地域の力を結集し、住みやすい地域づくりの核として重要な役割を担っております。幅広い分野で身近な課題に自主的に取り組んでいただいており、行政運営を行う上で欠かすことのできないパートナーと思ってございます。  続きまして、自治会・町会活動の課題についての質問でございますが、役員の高齢化や加入率の低下等、様々な課題があることは認識してございます。若い世代に対し、区は、自治会・町会の情報誌を配付するなど、自治会・町会の活動を周知するよう努めております。現役世代の方々に、まずはできることをできる範囲で、自治会・町会の活動に参加いただくことも大切だと思っております。  最後に、自治会・町会の若い世代の参画支援に対する質問でございますが、青年部のある自治会・町会は、若者らしい企画を実践して活気ある活動が行われていると聞いております。区の地域活動負担金や地域活性化事業助成金等、自治会・町会の中で若い世代の方たちが企画、活動する事業にもご活用いただいております。今後とも、自治会・町会のさらなる活性化のために積極的に支援をしてまいりたいと思います。以上でございます。 ◎齋藤 防災・危機管理担当部長 私からは、治安対策に関する何点かについてお答えをいたします。  まず、防犯カメラ設置の進捗状況とその後の展開についてのご質問ですが、防犯カメラ設置助成制度は、26年度末までに区内で商店街、町会などの23地域、合計366台が設置されまして、本年度にも4地域、合計70台の設置補助が決定し、現在手続きを進めております。また、区独自では、小学校の通学路に設置する防犯カメラとして、26年度には5校25台を設置済み、27年度には15校75台を設置する予定でございます。これに加え、27年度は試行的に区立公園5か所に合計10台の防犯カメラを設置すべく工事の準備を進めております。これにより、27年度末時点で区内に設置される防犯カメラ台数は合計546台になる予定でございます。こうした動きを統一的に進めるために、このたびガイドラインを策定しておりまして、今後はこれをもとに事件発生状況や110番件数などについて検証を加えることによりまして、より有効な防犯対策を展開していきたいと考えております。  続きまして、現在防犯カメラが設置されていない町会、商店街地域の場所での防犯カメラの設置に関するご質問ですが、安全・安心のまちづくりのためには、住民みずからその担い手になっていただくことが重要でございまして、助成制度によりこれを支援させていただいてございます。このため、制度の紹介や広報に現在努めておりまして、来年度はこれまで以上に件数を拡大できる見込みでございます。このように、既に多くの地域がこの制度を活用し、一部自己負担で設置をしておりまして、今後設置を検討している町会、商店街などに対しても、公平性の観点を踏まえ、原則としてこの制度の活用をお願いしたいと考えております。  続きまして、治安対策に関する国や東京都との協議でございます。これにつきましては、現在、警察が取り組んでいるテロ対策東京パートナーシップへの協力や、大規模テロの発生に関する国からの情報を瞬時に受信できるJアラートの受信訓練、また、国民保護計画の修正を確実に進めることに加え、今後、必要に応じて国や東京都との協議を進めていく所存でございます。私からは以上でございます。 ◎中原 福祉部長 身寄りの有無による行政サービスの差異についてのご質問にお答えします。  近所に身寄りがいない方のサービスとして、65歳以上の方を対象に、ひとり暮らし高齢者の登録を行っております。事業内容は、災害時や普段の見守りを目的として緊急連絡先を登録していただきます。今後でございますが、地域包括支援センターを核として、地域と連携した包括的な見守り体制の構築が地域づくりに重要だと考えてございます。私からは以上でございます。 ○松原茂登樹 議長 答弁の途中ですが、所定の時間が参りましたので終了いたします。  以上で質問を終結いたします。               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○松原茂登樹 議長 会議が長くなりましたので、おおむね20分程度休憩といたします。                      午後5時17分休憩                ――――――――――――――――――――                      午後5時43分開議 ○松原茂登樹 議長 休憩前に引き続き会議を開きます。               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○松原茂登樹 議長 これより本日の日程に入ります。  日程第1を議題とします。                     〔近藤事務局長朗読〕 △日程第1  第5号議案 平成27年度大田区一般会計補正予算(第4次) ほか38件                ―――――――――――――――――――― ○松原茂登樹 議長 理事者の説明を求めます。 ◎遠藤 副区長 ただいま上程されました各議案についてご説明申し上げます。  第5号議案は、平成27年度大田区一般会計補正予算(第4次)で、今回の補正は、歳入歳出予算の総額に歳入歳出それぞれ15億217万8000円を増額し、補正後の歳入歳出予算の総額はそれぞれ2567億9371万1000円となります。歳入で増額する内容は、特別区税、特別区交付金などでございます。減額する内容は、繰入金、特別区債などでございます。歳出で増額する内容は、総務費、都市整備費などでございます。減額する内容は、福祉費、土木費などでございます。このほか、繰越明許費14件、債務負担行為の補正として廃止2件、変更1件、地方債の補正として廃止4件をお願いしております。  第6号議案は、平成27年度大田区国民健康保険事業特別会計補正予算(第1次)で、今回の補正は、歳入歳出予算の総額から歳入歳出それぞれ2億1179万9000円を減額し、補正後の歳入歳出予算の総額はそれぞれ849億8638万4000円となります。歳入で増額する内容は、共同事業交付金、繰越金などでございます。減額する内容は、国庫支出金、療養給付費交付金などでございます。歳出で増額する内容は、共同事業拠出金、諸支出金でございます。減額する内容は、保険給付費、介護納付金などでございます。  第7号議案は、平成27年度大田区後期高齢者医療特別会計補正予算(第2次)で、今回の補正は、歳入歳出予算の総額から歳入歳出それぞれ4億2266万3000円を減額し、補正後の歳入歳出予算の総額はそれぞれ142億9517万7000円となります。歳入で増額する内容は、繰越金、諸収入などでございます。減額する内容は、後期高齢者医療保険料、繰入金でございます。歳出で増額する内容は、諸支出金でございます。減額する内容は、広域連合納付金でございます。  第8号議案は、平成27年度大田区介護保険特別会計補正予算(第3次)で、今回の補正は、歳入歳出予算の総額から歳入歳出それぞれ7958万6000円を減額し、補正後の歳入歳出予算の総額はそれぞれ490億9579万4000円となります。歳入で増額する内容は、国庫支出金、財産収入でございます。減額する内容は、繰入金でございます。歳出で増額する内容は、保険給付費基金積立金でございます。減額する内容は、総務費でございます。  第9号議案は、大田区福祉オンブズマン条例の一部を変更する条例で、オンブズマンの任期に関する規定を整備するほか、行政不服審査法の改正に伴い、規定を整理するため改正するものでございます。  第10号議案は、大田区行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する条例の一部を改正する条例で、個人番号を利用する事務及び当該事務において利用する特定個人情報を加えるため改正するものでございます。  第11号議案は、大田区組織条例の一部を改正する条例で、区長政策室及び計画財政部を廃止し、企画経営部を新設するとともに、総務部及び地域力推進部の分掌事務を変更するため改正するものでございます。  第12号議案は、大田区行政不服審査法施行条例で、行政不服審査法の施行に関し、法に基づく政令等に定めるもののほか、必要な事項を定めるため制定するものでございます。  第13号議案は、大田区情報公開条例の一部を改正する条例で、行政不服審査法の改正に伴い、審理員による審理手続に関する規定の適用除外について定めるほか、規定を整備するため改正するものでございます。  第14号議案は、大田区情報公開・個人条例保護審査会条例の一部を改正する条例で、行政不服審査法の改正を踏まえ、審査会の調査権限、提出資料の閲覧について定めるほか、規定を整備するため改正するものでございます。  第15号議案は、大田区個人情報保護条例の一部を改正する条例で、行政不服審査法の改正に伴い、審理員による審理手続に関する規定の適用除外について定めるほか、規定を整備するため改正するものでございます。  第16号議案は、大田区行政委員会の委員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例で、選挙管理委員会の補充員を除く委員会の委員等の報酬について、規定を整備するため改正するものでございます。  第17号議案は、大田区非常勤職員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例で、非常勤職員のうち弁護士の資格を有する者に対する報酬の上限額を定めるため改正するものでございます。  第18号議案は、公聴会等に出頭する者の実費弁償条例の一部を改正する条例で、行政不服審査法の改正に伴い、規定を整理するため改正するものでございます。  第19号議案は、大田区立男女平等推進センター条例の一部を改正する条例で、受益者負担の適正化の観点から、施設の使用料を見直すため改正するものでございます。  第20号議案は、大田区人事行政の運営等の状況の公表に関する条例の一部を改正する条例で、地方公務員法の改正に伴い、人事行政の運営の状況に係る報告事項を整備するため改正するものでございます。  第21号議案は、一般職の任期付職員の採用に関する条例の一部を改正する条例で、任期付職員の採用制度を拡充するほか、規定を整備するため改正するものでございます。  第22号議案は、職員の分限に関する条例の一部を改正する条例で、職員の意に反する降給の事由等を定めるほか、規定を整備するため改正するものでございます。  第23号議案は、公益的法人等への職員の派遣等に関する条例の一部を改正する条例で、職員を派遣することができる公益的法人等に一般社団法人大田観光協会を加えるため改正するものでございます。  第24号議案は、職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例で、地方公務員法の改正に伴い、規定を整理するため改正するものでございます。  第25号議案は、職員の育児休業等に関する条例の一部を改正する条例で、地方公営企業法の改正に伴い、規定を整理するため改正するものでございます。  第26号議案は、職員の給与に関する条例の一部を改正する条例で、地方公務員法の改正に伴い、等級別基準職務表を定めるほか、規定を整備するため改正するものでございます。  第27号議案は、職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例で、地方公務員法の改正に伴い、規定を整理するため改正するものでございます。
     第28号議案は、職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例で、行政不服審査法の改正に伴い、規定を整理するため改正するものでございます。  第29号議案は、職員の旅費に関する条例の一部を改正する条例で、旅行雑費の支給範囲を見直すため改正するものでございます。  第30号議案は、職員の結核休養に関する条例を廃止する条例で、結核性疾患を取り巻く状況の変化に伴い、結核休養制度を廃止するため廃止するものでございます。  第31号議案は、大田区印鑑条例の一部を改正する条例で、個人番号カードを用いた多機能端末機による印鑑登録証明の申請等について定めるため改正するものでございます。  第32号議案は、大田区特別区税条例の一部を改正する条例で、地方税法の改正に伴い、徴収等の猶予に関する規定を整備するため改正するものでございます。  第75号議案は、土地の取得についてで、契約の相手方は大田区土地開発公社、取得金額は1億8367万9415円でございます。  第76号議案は、東京都後期高齢者医療広域連合規約の一部を変更する規約に関する協議についてで、当規約の一部変更について協議を行うに当たり、地方自治法第291条の11の規定に基づき、議会の議決を経る必要があるため提出するものでございます。  第77号議案は、大田区立男女平等推進センターの指定管理者の指定についてで、大田区立男女平等推進センターについて、平成28年4月1日から平成31年3月31日まで、特定非営利活動法人男女共同参画おおたを指定管理者に指定するものでございます。  第81号議案は、大田区職員定数条例の一部を改正する条例で、区長の事務部局の職員を24人減員し、議会の事務部局の職員を1人増員し、教育委員会の所管に属する学校の事務部局の職員を23人減員するほか、規定を整備するため改正するものでございます。  第82号議案は、大田区手数料条例の一部を改正する条例で、印鑑登録証の交付手数料を見直し、多機能端末機により交付する場合の手数料、既存住宅の増築または改築等における長期優良住宅建築等計画認定申請等の審査に係る手数料及び建築物エネルギー消費性能向上計画認定申請等の審査に係る手数料を定めるため改正するものでございます。  第83号議案は、大田区国民健康保険条例の一部を改正する条例で、一般被保険者に係る基礎賦課額の保険料率等を改定するほか、国民健康保険法施行令等の改正に伴う規定の整備をするため改正するものでございます。  報告第1号は、民事訴訟の提起に係る専決処分の報告についてで、中小企業融資資金譲受債権支払滞納者に対する貸金返還請求に関する訴えの提起に係る専決処分1件について報告するものでございます。  報告第2号は、民事訴訟の提起に係る専決処分の報告についてで、建物明け渡し等を求める訴えの提起に係る専決処分1件及び損害賠償等の支払いを求める訴えの提起に係る専決処分1件について報告するものでございます。  報告第3号は、訴訟上の和解に係る専決処分の報告についてで、大田区奨学金の返還を求める訴訟上の和解に係る専決処分1件について報告するものでございます。  報告第4号は、区の義務に属する損害賠償額決定に係る専決処分の報告についてで、区立公園の立ち木の根による物損事故について報告するものでございます。  報告第5号は、大田区立東六郷小学校校舎改築工事請負契約の専決処分の報告についてで、契約金額を当初の15億2280万円から15億2654万7600円に変更いたしました。  以上、よろしくご審議の上、ご決定賜りますようお願い申し上げます。 ○松原茂登樹 議長 これより質疑に入ります。  この際、議員の皆様に改めて申し上げます。先の本会議において書面にてご協力申し上げましたが、本会議での議員の発言につきましては、大田区議会会議規則第53条で「発言はすべて簡明にするものとし、議題外にわたり、又はその範囲をこえてはならない。」と規定され、また、質疑についても「自己の意見を述べることができない」と明記されております。したがいまして、議員の皆様には、発言に当たっては規則で定められたルールに従って行うようお願いしておきます。  本案については、奈須利江議員より通告がありますので、これを許します。                    〔47番奈須利江議員登壇〕 ◆47番(奈須利江 議員) フェアな民主主義、奈須利江です。  第20号議案 大田区人事行政の運営等の状況の公表に関する条例一部改正、第21号議案 一般職の任期付職員の採用に関する条例一部改正、第22号議案 職員の分限に関する条例一部改正、第23号議案 公益的法人等への職員の派遣等に関する条例一部改正、第24号議案 職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例一部改正、第25号議案 職員の育児休業等に関する条例一部改正、第26号議案 職員の給与に関する条例一部改正、第27号議案 職員の特殊勤務手当に関する条例一部改正、第28号議案 職員の退職手当に関する条例一部改正、第29号議案 職員の旅費に関する条例一部改正、第30号議案 職員の結核休養に関する条例廃止について質疑いたします。  これらは地方公務員法、地方公営企業法などの改正に伴い、規定を整理、整備するほか、これまで専門職に限っていた任期付職員の採用可能枠を広げ、不足する人材を一時的に確保するために活用できるよう規定を整備したり、旅費や休養制度などを廃止したりするための条例改正などです。  大田区は、保育や給食などの現業職はじめ、あらゆる分野において委託や民営化、指定管理者制度の導入、非常勤職員の活用などを行ってきており、昨今では細かな事業ごとの事業者募集も頻繁に行われています。  そこで伺います。大田区行政において、様々な形態の民間事業者、労働者の活用が広がる中、大田区は公務労働とはどのような役割を担うものであると捉えていますか。既に導入されている民間委託や民営化と対比させて、それぞれの特徴や違い、担うべき役割についてお示しください。以上です。 ○松原茂登樹 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎遠藤 副区長 奈須議員から発言通告書により事前に通告されております公務労働について、民営化、民間委託についてお答えいたします。  まず、公務労働の役割についてでございますが、職員は全体の奉仕者として区民福祉の増進に全力を傾け、職務に専念し、区長が目指す魅力的で住み続けたいまちに向けて、地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を担っております。また、民営化、民間委託につきましては、平成23年6月に策定をさせていただいております大田区アウトソーシング指針におきまして、区としての考え方をお示ししてございます。以上でございます。 ○松原茂登樹 議長 奈須議員、演壇にて再質疑を許可します。                    〔47番奈須利江議員登壇〕 ◆47番(奈須利江 議員) 答弁ありがとうございました。アウトソーシングの指針については存じ上げておりますが、私の質疑させていただきましたのは、具体的に官でなければならないもの、官でも民でも構わないもの、民でなければならないものなどを、実際の一つ一つの事業についてどのように大田区が考えているかということについての指針があるかどうかということ、考え方の整理ができているかということでお伺いしておりますので、そのことについてお答えください。 ○松原茂登樹 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎川野 計画財政部長 発言通告された内容についての基本的な考えにつきましては、先ほど申し上げたとおりでございます。詳細な点につきましては、付託先委員会でご審議賜り、答弁させていただきたいと存じます。 ○松原茂登樹 議長 以上をもって質疑を終結いたします。  本案については、報告第1号から報告第5号に至る5件を除き、いずれも所管総務財政委員会に付託します。  なお、本案中、第20号議案から第30号議案に至る11件につきましては、地方公務員法第5条第2項の規定に基づき、あらかじめ特別区人事委員会の意見を聞いておきました。皆様のお手元に配付してあります写しのとおりでありますので、ご報告いたします。                ――――――――――――――――――――                                        27特人委給第431号                                        平成28年2月17日   大田区議会議長 松 原 茂登樹  様                          特別区人事委員会委員長  西 野 善 雄        地方公務員法第5条第2項に基づく人事委員会の意見聴取について(回答)  平成28年2月10日付27大議発第10991号で意見聴取のあった下記条例案については、異議ありません。                         記  第20号議案 大田区人事行政の運営等の状況の公表に関する条例の一部を改正する条例  第21号議案 一般職の任期付職員の採用に関する条例の一部を改正する条例  第22号議案 職員の分限に関する条例の一部を改正する条例  第23号議案 公益的法人等への職員の派遣等に関する条例の一部を改正する条例  第24号議案 職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例  第25号議案 職員の育児休業等に関する条例の一部を改正する条例  第26号議案 職員の給与に関する条例の一部を改正する条例  第27号議案 職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例  第28号議案 職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例  第29号議案 職員の旅費に関する条例の一部を改正する条例  第30号議案 職員の結核休養に関する条例を廃止する条例               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○松原茂登樹 議長 日程第2を議題とします。                     〔近藤事務局長朗読〕 △日程第2  第33号議案 大田区立消費者生活センター条例の一部を改正する条例 ほか13件                ―――――――――――――――――――― ○松原茂登樹 議長 理事者の説明を求めます。 ◎遠藤 副区長 ただいま上程されました各議案についてご説明申し上げます。  第33号議案 大田区立消費者生活センター条例の一部を改正する条例、第35号議案 大田区特別出張所付属施設条例の一部を改正する条例、第37号議案 大田区立文化センター条例の一部を改正する条例、第39号議案 大田区立ライフコミュニティ西馬込条例の一部を改正する条例、第40号議案 大田区立池上会館条例の一部を改正する条例、第41号議案 大田区立山王会館条例の一部を改正する条例、第42号議案 大田区立田園調布富士見会館条例の一部を改正する条例、第43号議案 大田区コミュニティセンター羽田旭条例の一部を改正する条例、第44号議案 大田区ふれあいはすぬま条例の一部を改正する条例、第45号議案 大田区北蒲広場条例の一部を改正する条例及び第46号議案 大田区多文化共生推進センター条例の一部を改正する条例は、受益者負担の適正化の観点から、施設の使用料を見直すため改正するものでございます。  第34号議案は、大田区区民活動支援施設条例の一部を改正する条例で、指定管理者が公益のために使用する場合の優先使用等について定めるほか、受益者負担の適正化の観点から、施設の使用料を見直すため改正するものでございます。  第36号議案 大田区立区民センター条例の一部を改正する条例及び第38号議案 大田区立大森東地域センター条例の一部を改正する条例は、受益者負担の適正化の観点から、施設の使用料を見直すほか、規定を整備するため改正するものでございます。  以上、よろしくご審議の上、ご決定賜りますようお願い申し上げます。 ○松原茂登樹 議長 これより質疑に入ります。  本案については、奈須利江議員より通告がありますので、これを許します。                    〔47番奈須利江議員登壇〕 ◆47番(奈須利江 議員) フェアな民主主義、奈須利江です。  第33号議案 大田区立消費者生活センター条例の一部を改正する条例、第34号議案 大田区区民活動支援施設条例の一部を改正する条例、第35号議案 大田区特別出張所付属施設条例の一部を改正する条例、第36号議案 大田区立区民センター条例の一部を改正する条例、第37号議案 大田区立文化センター条例の一部を改正する条例、第38号議案 大田区立大森東地域センター条例の一部を改正する条例、第39号議案 大田区立ライフコミュニティ西馬込条例の一部を改正する条例、第40号議案 大田区立池上会館条例の一部を改正する条例、第41号議案 大田区立山王会館条例の一部を改正する条例、第42号議案 大田区立田園調布富士見会館条例の一部を改正する条例、第43号議案 大田区コミュニティセンター羽田旭条例の一部を改正する条例、第44号議案 大田区ふれあいはすぬま条例の一部を改正する条例、第45号議案 大田区北蒲広場条例の一部を改正する条例、第46号議案 大田区多文化共生推進センター条例の一部を改正する条例につきまして質疑いたします。  これらは、受益者負担の適正化の観点から、施設使用料を見直すための条例改正、また、第34号議案については、指定管理者が自主事業を実施する場合における優先使用を可能とし、使用料を徴収しないこととする条例改正です。  そこで伺います。平成10年から17年間、しかもその間、2回も改定の取り組みを行いながら改定できなかった、あるいはしなかった理由は何でしょうか。また、今回改定することにしたのはなぜですか。  今回の使用料改定では、興行目的など比較的規模が大きく使用料の高い施設の使用料について見送りました。料金改定を見送った施設について、料金の減免や優先使用の実態について大田区は把握しているでしょうか、お答えください。  一方、今回、大田区区民活動支援施設条例の規定に、団体が公益のために使用する場合、料金を免除する規定を加えました。公益と公共の福祉の違いについてお示しください。以上です。 ○松原茂登樹 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎遠藤 副区長 奈須議員から発言通告書により事前に通告されております3点についてお答えいたします。  1点目の使用料を改定しなかった理由でございますが、時々の社会経済状況を踏まえ、改定を見送ってきたところでございます。  2点目、減免や優先使用でございますが、条例、規則に基づき適切に管理運営されております。なお、実態につきましては、所管委員会でご審議いただきたいと存じます。  3点目、公益と公共の福祉の違いにつきましては、通常、公益とは、広く社会一般の利益をいいます。なお、条例文の中に公共の福祉という文言はございません。以上でございます。 ○松原茂登樹 議長 奈須議員、演壇にて再質疑を許可します。                    〔47番奈須利江議員登壇〕 ◆47番(奈須利江 議員) 減免などについて委員会の審議の際にということでしたけれども、把握しているものについて審査に当たっては公表できるということでよろしいのでしょうか。 ○松原茂登樹 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎川野 計画財政部長 事前に発言通告された内容についての基本的な考え方は、先ほど副区長から申し上げたとおりでございます。実態を含めまして、詳細な点につきましては付託先委員会でご審議を賜り、答弁させていただきます。 ○松原茂登樹 議長 以上をもって質疑を終結いたします。  本案については、いずれも所管地域・産業委員会に付託します。               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○松原茂登樹 議長 日程第3を議題とします。                     〔近藤事務局長朗読〕 △日程第3  第47号議案 大田区奨学金貸付条例の一部を改正する条例 ほか8件                ―――――――――――――――――――― ○松原茂登樹 議長 理事者の説明を求めます。 ◎遠藤 副区長 ただいま上程されました各議案についてご説明申し上げます。  第47号議案は、大田区奨学金貸付条例の一部を改正する条例で、奨学金の貸し付けを受けることができる者に専攻科、別科及び通信教育の学生を含めるほか、規定を整備するため改正するものでございます。  第48号議案は、大田区老人いこいの家条例の一部を改正する条例で、東嶺町老人いこいの家、田園調布老人いこいの家及び田園調布西老人いこいの家を廃止するほか、受益者負担の適正化の観点から、施設の使用料を見直すため改正するものでございます。  第49号議案 大田区指定地域密着型サービスの事業の人員、設備、運営等に関する基準を定める条例の一部を改正する条例及び第50号議案 大田区指定地域密着型介護予防サービスの事業の人員、設備、運営等及び指定地域密着型介護予防サービスに係る介護予防のための効果的な支援の方法に関する基準を定める条例の一部を改正する条例は、介護保険法等の改正に伴い、規定を整備するため改正するものでございます。
     第51号議案は、大田区心身障害者福祉手当条例の一部を改正する条例で、心身障害者福祉手当の支給対象である障がい者に精神障がい者を加えるため改正するものでございます。  第52号議案は、大田区立前の浦集会室条例の一部を改正する条例で、受益者負担の適正化の観点から、施設の使用料を見直すため改正するものでございます。  第53号議案は、大田区の福祉に関する事務所設置条例の一部を改正する条例で、組織改正に伴い、大田区福祉事務所の位置を変更するため改正するものでございます。  第54号議案は、大田区立上池台障害者福祉会館条例の一部を改正する条例で、集会室、談話室等を改修し、生活介護を提供する事業に必要な施設等とするため改正するものでございます。  第55号議案は、大田区保健所使用条例の一部を改正する条例で、試験検査成績書謄本の交付に係る手数料を廃止するため改正するものでございます。  以上、よろしくご審議の上、ご決定賜りますようお願い申し上げます。 ○松原茂登樹 議長 本案については質疑の通告がありませんので、いずれも所管保健福祉委員会に付託します。               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○松原茂登樹 議長 日程第4を議題とします。                     〔近藤事務局長朗読〕 △日程第4  第56号議案 地域力を生かした大田区まちづくり条例の一部を改正する条例 ほか12件                ―――――――――――――――――――― ○松原茂登樹 議長 理事者の説明を求めます。 ◎遠藤 副区長 ただいま上程されました各議案についてご説明申し上げます。  第56号議案は、地域力を生かした大田区まちづくり条例の一部を改正する条例で、まちづくり活動を推進する支援事業を見直すため改正するものでございます。  第57号議案は、大田区住宅修築資金融資基金条例の一部を改正する条例で、大田区住宅修築資金融資基金を減額するため改正するものでございます。  第58号議案は、大田区建築審査会条例の一部を改正する条例で、建築基準法の改正に伴い、委員の任期を定めるため改正するものでございます。  第59号議案は、大田区係留施設条例で、係留施設の設置及び管理に関し必要な事項を定め、もって船舶の適正な係留を確保するため制定するものでございます。  第60号議案は、大田区特別区道路占用料等徴収条例の一部を改正する条例で、道路占用料の額を改定するほか、規定を整備するため改正するものでございます。  第61号議案は、大田区公共物管理条例の一部を改正する条例で、公共物の占用料及び使用料の額を改定するため改正するものでございます。  第62号議案は、大田区立公園条例の一部を改正する条例で、占用料を改定するほか、公園内における禁止行為について規定を整備するため改正するものでございます。  第63号議案は、大田区立下水道関連施設公園等の設置及び管理に関する条例の一部を改正する条例で、公園内における禁止行為について規定を整備するため改正するものでございます。  第64号議案は、大田区立児童遊園条例の一部を改正する条例で、児童遊園内における禁止行為について規定を整備するため改正するものでございます。  第65号議案は、大田区立多摩川田園調布緑地条例の一部を改正する条例で、緑地内における禁止行為について規定を整備するため改正するものでございます。  第78号議案は、特別区道路線の認定についてで、大田区蒲田三丁目28番8の地先から大田区蒲田三丁目28番9の地先までの路線ほか1路線を特別区道路線として認定するものでございます。  第79号議案は、特別区道路線の廃止についてで、大田区大森西三丁目122番2の地先から大田区大森西三丁目182番6の地先までの特別区道路線ほか9路線を廃止するものでございます。  第80号議案は、大田区立仲六郷二丁目公園の廃止についてで、大田区立仲六郷保育園の建て替え工事に伴い、平成28年6月1日をもって大田区立仲六郷二丁目公園を廃止するものでございます。  以上、よろしくご審議の上、ご決定賜りますようお願い申し上げます。 ○松原茂登樹 議長 これより質疑に入ります。  本案については、奈須利江議員、北澤潤子議員より通告がありますので、順次これを許します。  まず、47番奈須利江議員。                    〔47番奈須利江議員登壇〕 ◆47番(奈須利江 議員) フェアな民主主義、奈須利江です。  第56号議案 地域力を生かした大田区まちづくり条例の一部を改正する条例について質疑いたします。  今回の条例改正で、地区計画などの提案要件に大田区自治会連合会に加盟する自治会及び町会の承認を条件づけています。  そこで伺います。自治会及び町会は任意団体です。任意団体に地区計画の承認要件を委ねることができるのはなぜでしょうか。今回、事前に議会に何ら説明はありませんでした。パブリックコメントもしていません。前回のまちづくり条例の改正においてはパブリックコメントを行っております。パブリックコメントをするときとしないときがありますが、パブリックコメントにかける際の要件についてお示しください。以上です。 ○松原茂登樹 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎遠藤 副区長 奈須議員から発言通告書により事前に通告されております2点についてお答えいたします。  1点目の地区計画の承認要件でございますが、地区計画は都市計画法に基づく手続きで進めてまいります。  2点目のパブリックコメントにつきましては、必要な事項を整理したもので、パブリックコメントは実施しておりません。以上でございます。 ○松原茂登樹 議長 奈須議員、演壇にて再質疑を許可します。                    〔47番奈須利江議員登壇〕 ◆47番(奈須利江 議員) 専門家に伺いましたところ、地区計画の重要な要件について、自治会・町会などを条例に書き込んでいる事例はほかにないということでした。この定義の場合、先ほどの答弁がありましたけれども、全てということでよろしいのでしょうか。訴訟などがあった場合に、根拠になり得るということのご説明ということでしょうか。ご確認させていただきます。 ○松原茂登樹 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎町田 都市開発担当部長 先ほど副区長からご答弁を申し上げたとおりでございます。いずれも所管委員会において審議のほどお願いを申し上げます。 ○松原茂登樹 議長 次に、49番北澤潤子議員。                    〔49番北澤潤子議員登壇〕 ◆49番(北澤潤子 議員) 生活者ネットワークの北澤潤子です。  第56号議案 地域力を生かした大田区まちづくり条例の一部を改正する条例について質疑いたします。  この条例は、地域特性を踏まえて、区民、事業者及び大田区が互いに連携して、まちの魅力を維持し、向上させ、将来にわたって区民が快適に暮らせる生活環境を整備していくために、区民一人ひとりの参加によるまちづくり、地域力を生かしたまちづくりを目指して制定されたものです。  今回の改定の一つに、第14条第1項に新しく「地区計画を検討する対象地区の全ての自治会等及び商店会が、地区計画の検討を行うことについて承認していること。」がつけ加えられています。地区計画は、住民発意による目標とするまちなみを目指してのまちづくりのルールであり、このまちづくり条例の中には、地区計画策定のために大田区が専門家を派遣、助成する支援制度が含まれており、区民参加のまちづくりのためには有効な制度です。  しかし、地区計画は、環境保全を優先したい住民と、経済活動を優先したい事業者との利害がぶつかる場合など考えられ、そのために専門家を含めて学習や検討を慎重に重ね、素案のたたき台ができたところで地域への提案、そして修正をしながら合意形成を目指す協議が重ねられていきます。地域への愛着があってこその苦労をいとわず行われる地道な活動です。  この地区計画という地域にとって大変重要で、しかも大変難しい事業に関して、検討を行うというときから自治会、商店会の承認を条件とするというのが今回の改正案ですが、承認に当たる判断は専門的な側面もあり、また利害関係も生まれる可能性もある中で、自治会、商店会には大変大きな責任がかかることになります。地域の分断や仲たがいの原因にもなりかねません。改正案の趣旨や内容を自治会、商店会、もちろん一般区民に説明し、意見を聞き、相談するのが本来のやり方です。平成23年にはこのまちづくり条例が施行され、同年8月に一部改正された際には、8月から9月にかけてパブリックコメントが募集されました。しかし、今回は区民への説明会もパブリックコメントの募集もありませんでした。  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  お聞きします。今回の改正をするに当たり、地区計画の検討団体が検討を行うことを承認するかしないか判断を下さなくてはならない町会、商店会への説明はあったのですか。なかったとしたらどうしてですか。また、区民生活に大きな影響のある条例にもかかわらず、パブリックコメントの募集がなかったのはどうしてですか。これまでのまちづくり条例では何か不具合があったのか、急いで改正しなければならない何か理由があったのなら、その経緯を教えてください。  大田区は自治会・町会への加入率が多いと聞いていますが、マンションごと入っていないなど加入していない人の多い地域もあると聞いています。自治会・町会は任意なので、入っていないことをその人の落ち度にしてしまうことはできません。  お聞きします。団体が地区計画の検討を始めることについて、町会・自治会が承認する、しないというとき、何をもってその町会の地域住民の意思とすることができるのでしょうか。町会長、商店会長一人の判断ですか。それとも、総会を開いて決定するのでしょうか。町会に属していない人もいる中で、地域の意思として判断をするとき、どのような手続きをとれば地域の総意として公平性を担保できると言えますか。お答えください。(拍手) ○松原茂登樹 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎遠藤 副区長 北澤議員から発言通告書により事前に通告されております5点についてお答えいたします。  1点目につきましては、議決をいただいた後に関係団体への周知と協力をお願いする予定でございます。  2点目のパブリックコメントにつきましては、必要な事項を整理したもので、パブリックコメントは実施しておりません。  3点目の条例改正の経緯についてですが、まちづくり認定審査会の意見を踏まえ見直しを行ったものでございます。  4点目の自治会・町会の意思についてですが、自治会・町会の承認書をもって判断いたします。  5点目の地域の総意についてですが、地区計画については、都市計画法に基づく手続きで進めてまいります。以上でございます。 ○松原茂登樹 議長 北澤議員、演壇にて再質疑を許可します。                    〔49番北澤潤子議員登壇〕 ◆49番(北澤潤子 議員) 初めの質問に対して、議決をしてから町会、商店会に説明をするというお答えでしたが、このような大事なことを決まってから説明するというのでいいのでしょうか。日ごろ地域力、区民との協働ということを言っていることに対して、そういうことでよろしいのでしょうか。もう一度お答えをお願いいたします。 ○松原茂登樹 議長 理事者の答弁を求めます。 ◎町田 都市開発担当部長 発言通告された内容につきましての基本的な考え方は、先ほど副区長が申し上げたとおりでございます。詳細な点につきましては、付託先委員会での審議を賜り、答弁させていただきます。 ○松原茂登樹 議長 以上をもって質疑を終結いたします。  本案については、いずれも所管都市整備委員会に付託します。               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○松原茂登樹 議長 日程第5を議題とします。                     〔近藤事務局長朗読〕 △日程第5  第66号議案 大田区立児童館条例の一部を改正する条例 ほか8件                ―――――――――――――――――――― ○松原茂登樹 議長 理事者の説明を求めます。 ◎遠藤 副区長 ただいま上程されました各議案についてご説明申し上げます。  第66号議案は、大田区立児童館条例の一部を改正する条例で、仲六郷児童館を廃止するため改正するものでございます。  第67号議案 大田区立共同利用施設条例の一部を改正する条例、第69号議案 大田区子ども家庭支援センター条例の一部を改正する条例及び第71号議案 大田区立学校施設の活用に関する条例の一部を改正する条例は、受益者負担の適正化の観点から、施設の使用料を見直すため改正するものでございます。  第68号議案は、大田区立多摩川集会室条例の一部を改正する条例で、受益者負担の適正化の観点から、施設の使用料を見直すほか、規定を整備するため改正するものでございます。  第70号議案は、大田区立保育園条例の一部を改正する条例で、上池台保育園及び北糀谷保育園の廃止並びに六郷保育園の移転のため改正するものでございます。  第72号議案は、大田区立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例で、公務災害補償の補償基礎額を改定するため改正するものでございます。  第73号議案は、大田区立図書館設置条例の一部を改正する条例で、六郷図書館の一時移転のため改正するものでございます。  第84号議案は、大田区放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例で、学校教育法等の改正に伴い、規定を整備するため改正するものでございます。  以上、よろしくご審議の上、ご決定賜りますようお願い申し上げます。 ○松原茂登樹 議長 本案については質疑の通告がありませんので、いずれも所管こども文教委員会に付託します。               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○松原茂登樹 議長 日程第6を議題とします。                     〔近藤事務局長朗読〕 △日程第6  第74号議案 大田区防災業務従事者損害補償条例の一部を改正する条例                ―――――――――――――――――――― ○松原茂登樹 議長 理事者の説明を求めます。 ◎遠藤 副区長 ただいま上程されました第74号議案は、大田区防災業務従事者損害補償条例の一部を改正する条例で、行政不服審査法の改正に伴い、規定を整理するため改正するものでございます。  以上、よろしくご審議の上、ご決定賜りますようお願い申し上げます。 ○松原茂登樹 議長 本案については質疑の通告がありません。  お諮りいたします。本案については、防災・安全対策特別委員会に付託したいと思います。これにご異議ありませんか。
                      〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○松原茂登樹 議長 ご異議なしと認め、そのように決定いたしました。               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○松原茂登樹 議長 日程第7を議題とします。                     〔近藤事務局長朗読〕 △日程第7  第1号議案 平成28年度大田区一般会計予算 ほか3件                ―――――――――――――――――――― ○松原茂登樹 議長 理事者の説明を求めます。 ◎遠藤 副区長 ただいま上程されました各議案についてご説明申し上げます。  第1号議案は、平成28年度大田区一般会計予算で、歳入歳出予算の総額は歳入歳出それぞれ2573億6425万7000円となり、平成27年度当初予算に比べ2.9%の増となっております。まず、歳入予算の主なものを申し上げます。特別区税693億3687万9000円、特別区交付金689億4900万円、国庫支出金467億2854万7000円、都支出金155億8367万2000円などとなっております。次に、歳出予算の款別の額とその主な内容を申し上げます。議会費は11億2138万8000円で、議会活動諸経費などとなっております。総務費は367億756万円で、大田区制70周年記念事業に係る経費、防災力強化事業に係る経費などとなっております。福祉費は1409億4305万2000円で、元気シニア・プロジェクト事業に係る経費、事業所内保育施設設置推進事業に係る経費などとなっております。衛生費は82億183万7000円で、地域医療連携の推進に係る経費、すこやか赤ちゃん訪問に係る経費などとなっております。産業経済費は37億8431万6000円で、羽田空港跡地における産業交流拠点の形成に係る経費、新・元気を出せ!商店街事業に係る経費などとなっております。土木費は200億3022万円で、橋梁の耐震性向上・長寿命化に係る経費、公園の整備に係る経費などとなっております。都市整備費は65億7487万5000円で、蒲田駅・大森駅周辺地区の整備に係る経費などとなっております。環境清掃費は93億7295万7000円で、地球温暖化対策の推進に係る経費、不燃ごみの適正処理及び資源化モデル事業に係る経費などとなっております。教育費は244億5756万2000円で、計画的な小中学校校舎の改築に係る経費、区立図書館特設コーナー設置等に係る経費などとなっております。そのほか、公債費53億7109万8000円、諸支出金4億9939万2000円、予備費3億円となっております。このほか、債務負担行為47件、地方債6件をお願いしております。  第2号議案は、平成28年度大田区国民健康保険事業特別会計予算で、歳入歳出予算の総額は歳入歳出それぞれ835億5299万4000円でございます。歳入予算の内容は、国民健康保険料、前期高齢者交付金、共同事業交付金などで、歳出予算の内容は、保険給付費、後期高齢者支援金等、共同事業拠出金などとなっております。このほか、債務負担行為1件をお願いしております。  第3号議案は、平成28年度大田区後期高齢者医療特別会計予算で、歳入歳出予算の総額は歳入歳出それぞれ148億2178万円でございます。歳入予算の内容は、後期高齢者医療保険料、繰入金などで、歳出予算の内容は、広域連合納付金、保険事業費などとなっております。  第4号議案は、平成28年度大田区介護保険特別会計予算で、歳入歳出予算の総額は歳入歳出それぞれ509億7573万7000円でございます。歳入予算の内容は、介護保険料、国庫支出金、支払基金交付金などで、歳出予算の内容は、総務費、保険給付費、地域支援事業費などとなっております。  以上、よろしくご審議の上、ご決定賜りますようお願い申し上げます。 ○松原茂登樹 議長 本案については質疑の通告がありません。  お諮りいたします。本案については、予算特別委員会を設置し、これに付託の上、審査したいと思います。これにご異議ありませんか。                   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○松原茂登樹 議長 ご異議なしと認め、そのように決定いたしました。  お諮りいたします。ただいま設置されました予算特別委員会の定数は49名とし、委員は、委員会条例第6条第1項の規定に基づき、お手元に配付しました予算特別委員名簿のとおり議長より指名したいと思います。これにご異議ありませんか。                   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○松原茂登樹 議長 ご異議なしと認め、そのように決定いたしました。                ――――――――――――――――――――              予 算 特 別 委 員 名 簿   田 中 一 吉 委員   松 原 秀 典 委員   高 瀬 三 徳 委員   安 藤   充 委員   岸 田 哲 治 委員   大 森 昭 彦 委員   伊 藤 和 弘 委員   塩野目 正 樹 委員   押 見 隆 太 委員   鈴 木 隆 之 委員   伊佐治   剛 委員   深 川 幹 祐 委員   長 野 元 祐 委員   渡 司   幸 委員   高 山 雄 一 委員   松 本 洋 之 委員   岡 元 由 美 委員   勝 亦   聡 委員   広 川 恵美子 委員   秋 成   靖 委員   玉 川 英 俊 委員   田 村 英 樹 委員   大 橋 武 司 委員   小 峰 由 枝 委員   椿   真 一 委員   田 島 和 雄 委員   末 安 広 明 委員   大 竹 辰 治 委員   清 水 菊 美 委員   藤 原 幸 雄 委員   佐 藤   伸 委員   菅 谷 郁 恵 委員   黒 沼 良 光 委員   金 子 悦 子 委員   福 井 亮 二 委員   荒 尾 大 介 委員   山 崎 勝 広 委員   黒 川   仁 委員   森     愛 委員   岡   高 志 委員   松 原   元 委員   荻 野   稔 委員   三 沢 清太郎 委員   野 呂 恵 子 委員   犬 伏 秀 一 委員   奈 須 利 江 委員   湯 本 良太郎 委員   北 澤 潤 子 委員   馬 橋 靖 世 委員                ―――――――――――――――――――― ○松原茂登樹 議長 なお、本日の会議終了後、正副委員長互選のため、予算特別委員会を本議場において招集いたしますので、ご了承願います。               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○松原茂登樹 議長 議事整理のため、しばらく休憩いたします。                      午後6時34分休憩                ――――――――――――――――――――                      午後7時20分開議 ○松原茂登樹 議長 休憩前に引き続き会議を開きます。               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○松原茂登樹 議長 この際、議員の皆様にお諮りいたします。ただいま菅谷郁恵議員より発言の申し出がありました。これを許可することにご異議ありませんか。                   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○松原茂登樹 議長 ご異議なしと認めます。よって発言を許可することに決定いたしました。  菅谷議員、演壇での発言を許可いたします。                    〔33番菅谷郁恵議員登壇〕 ◆33番(菅谷郁恵 議員) 先ほどの私の一般質問における奨学金についての質問において、制度改善に当たっては、自民、公明、民主、共産の4会派の幹事長が要望書を提出したことにより条例提案に至ったもので、日本共産党区議団が提案したかのような誤解を招くような発言について、後日、精査の上、議長宛て発言訂正を申し出たいと考えております。このたびは大変申しわけありませんでした。よろしくお願いいたします。以上です。 ○松原茂登樹 議長 以上をもって発言を終結します。               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○松原茂登樹 議長 日程第8を議題とします。                     〔近藤事務局長朗読〕 △日程第8  28第5号 地元羽田地域の防犯カメラの設置を求める陳情                ―――――――――――――――――――― ○松原茂登樹 議長 お諮りいたします。本件については、防災・安全対策特別委員会に付託したいと思います。これにご異議ありませんか。                   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○松原茂登樹 議長 ご異議なしと認め、そのように決定いたしました。               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○松原茂登樹 議長 次に、請願・陳情の付託について申し上げます。  今回受理しました請願・陳情は、ただいま特別委員会に付託しました1件を除き、お手元に配付の付託表のとおり、それぞれ所管常任委員会及び議会運営委員会に付託します。                ――――――――――――――――――――                平成28年第1回定例会 請願・陳情付託表【第1号】                                      平成28年2月26日付託 地域・産業委員会  28第6号 区議会に速やかに生活環境保全(いわゆるごみ屋敷対策)に関する条例を制定する陳情 保健福祉委員会  28第2号 軽度外傷性脳損傷・脳震盪の周知と予防、危険性や予後の相談窓口等の設置を求める陳情  28第3号 高齢者の実情に合う介護保険に関する陳情  28第4号 西糀谷気象庁蒲田住宅跡地に高齢者向けの福祉施設や集会所の建設又は招致を求める陳情 都市整備委員会  27第72号 大田区立多摩川台公園改良工事に関する陳情 議会運営委員会  28第7号 大田区議会の開会に関する陳情               〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○松原茂登樹 議長 以上をもって本日の日程全部を終了いたしました。  お諮りいたします。明2月27日より3月6日までは委員会審査のため休会とし、来る3月7日午後1時に会議を開きたいと思います。これにご異議ありませんか。                   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○松原茂登樹 議長 ご異議なしと認め、そのように決定いたしました。  ただいまご着席の方々には改めて通知はいたしませんので、そのようにご了承願います。  本日はこれをもって散会いたします。                     午後7時24分散会...