就学後、
日本語指導が必要な児童・生徒については、
教育委員会による、
日本語特別指導や
小中学校日本語学級の実施により、引き続き支援をしております。
また、就学後に
日本語学習を必要とする子どもに対する支援を行っている団体に対して、
地域力応援基金の
ステップアップ助成による助成も行っております。
外国人児童・生徒の成長にとって学校生活は重要であり、可能な限り支障なく学業に取り組めるよう、今後も学務課や指導課などの関係部局と連携をとりながら、
外国籍児童・生徒がよりスムーズに学校生活に順応できるように支援してまいりたいと思っております。
◆森 委員 ありがとうございます。この事業の条件となっているのが、週3回学校に在籍する前の子どもに限られております。ですので、ぜひ大田区では入学前に
日本語学級で60時間の日本語を習得してから普通学級に入学しておりますが、現状としては日常会話はできるようになっても、
子どもたちが本当に第二の母国語として日本語を習得し、教科を理解するようになるまでには大変なことです。
実際に、私が先日、
こども日本語教室を見学に行った際に、全く日本語が初めてのお子さんから、都立高校への進学を目指した中学校の生徒が、学校帰りに制服で訪れている姿も目にしました。
区内で育つ外国籍の子どもは、大田区・日本と母国を結ぶ平和・友好のかけ橋にもなります。語学のつまずきで夢を持つことが難しく、安価な労働にしかつくことができないのであれば大きな損失であると考えます。
ぜひ、学びたい
子どもたちには、引き続き地域の
日本語教室を利用できるよう、助成の条件の枠を広げていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。
◎高野 国際都市・多
文化共生推進課長 日本語学習の支援は、
外国人児童や生徒が学校や地域の中で生活していくために重要なことでございます。現在、大田区には
日本語学習支援等を実施している
国際交流団体が19団体あり、区では各団体が実施する
日本語教室などの活動について、活動場所の提供や教材の貸し出し、コピー機の使用などの支援を実施しております。
これらの支援が、各団体が実施する
日本語教室の継続的かつ安価な授業料による運営を可能とし、これが利用者にとっても利用しやすい環境整備につながっているものと考えております。
今後、外国籍の
子どもたちのニーズを把握し、関係部局とも連携しながら
日本語習得支援のためにつなげてまいりたいと考えております。
◆森 委員 ぜひ、よろしくお願いいたします。
現在、大田区内に住む外国人は毎月増加をしており、9月1日現在の数字で1万9,844名の外国籍の方が在住しております。区内に多くの外国の方が暮らしていながら、日常生活の中であまり身近には、感じていないような気もします。
多
文化共生推進センター事業として2,196万5,733円が執行され、さまざまな交流事業、講演会等が行われている中で、
外国人防災訓練は平成26年度28名の参加にとどまっております。参加者がとても少ない状況を、区はどのようにお考えでしょうか。
◎高野 国際都市・多
文化共生推進課長 外国人の中には、地震などを経験したことがないことから、防災に関する知識が不足している人や防災意識が希薄な人が少なくありません。そのため、平時から
外国人区民に対する防災意識の普及啓発に取り組む必要があると考えております。
昨年度におきましても、18色の
国際都市事業を推進していく上で、防災訓練などを通じて地域にお住まいの外国人の方との交流が、それぞれ進められているところでございます。
5月に蒲田地域で開催された防災訓練の外国人の参加者は28名でしたが、1月開催の外国人を対象とした防災訓練では、110名もの
外国人区民の方に参加していただいております。これは、多
文化交流会ジャパンデイと同時開催し、日本の正月文化の紹介とあわせて実施したことで集客性を高めることができたものでございます。
災害時には地域住民が協力し合い、助け合うことが求められております。各地域における防災訓練は災害時の知識を習得するだけではなく、地域とつながることができる有効な機会であると考えております。
外国人区民が積極的に参加できるような工夫も、今後考えていきたいと思っております。
◆森 委員
首都直下型震災がいつ来るともしれず、区も防災計画の強化が行われており、地域の自治会・町会でも、多くの防災訓練が行われております。
こうした地域の取り組みにも、地域在住の外国人の方にも参加していただき、できるだけ顔の見える
地域コミュニティの形成が求められます。
防災訓練の外国人への周知と呼びかけは、どのようになっておりますでしょうか。
◎高野 国際都市・多
文化共生推進課長 防災訓練の情報提供についてですが、日本語が十分に理解できない外国人の方を対象に、英語や中国語など6か国語の多国語で対応しております。それは、
多言語情報誌「ota city navigation」や多
言語版チラシ、区設掲示板への
多言語ポスターの掲示などでございます。
また、区の
ホームページや
ツイッター、デジタルサイネージなどを利用しながら、さまざまな手段で情報提供を行い、より多くの
外国人区民の方に参加していただけるよう周知しております。さらに、
日本語教室など外国人の方が集まる場所に直接職員が出向いて、防災訓練への参加を呼びかけているところもございます。
災害時に
外国人区民を孤立させないためにも、平常時から防災訓練に参加してもらい、地域と顔の見える関係を築くことが重要と考えております。
◆森 委員 ぜひ、一層の呼びかけをお願いいたします。
外国人を災害弱者にしないための、災害時情報伝達の多言語化と、避難所における外国人への対応はどのように想定されておりますでしょうか。
◎高野 国際都市・多
文化共生推進課長 日本語が理解できなかったり、防災知識が十分でない
外国人区民は情報不足により、
日本人区民より災害時に困難な状況に陥りやすくなります。区ではより多くの
外国人区民に防災意識の啓発を図るため、多
言語版くらしのガイドや多
言語版情報誌などで災害時の対応について周知に努めてまいります。
また、災害時の被害を軽減するために、
防災パンフレットや防災地図の多言語版を作成し、配布しているところでございます。災害時に
外国人区民が困らないよう情報の多言語化や多様な
コミュニケーションツールの活用をこれからも推進してまいります。
また、災害時に避難所に避難した外国人に対応するためには、災害用の
コミュニケーションボードや災害用のバンダナなどを配備しています。これは、避難所において必要になる「痛い」ですとか、「食べたい」「名前は」などといった言葉を、言葉が通じなくても基本的な意思疎通ができるようにイラストと4か国語で表現したものでございます。
◆森 委員 そういったものを用意していただいていることは、初めてお伺いいたしましたので、大変有効であると感じます。
阪神大震災の災害時には、日本語の不自由な外国人が
情報遮断状態におかれ、避難所への移動、生活物資の確保に、とても困難を強いられたとの事実があり、名古屋大学の教授らによって開発された、外国人への多言語による
防火防災情報翻訳システム等も開発されているということです。
そういったことの周知等も踏まえて、ぜひ避難経路の周知、避難所においても多言語化の推進をお願いいたします。
次に、
蒲田東地区青少年対策委員では、毎年、
お正月遊びを楽しむ会が計画をされております。また、多くの
地域ボランティアの参加のもとで、ベーゴマやたこ揚げ、懐かしい日本古来の
お正月遊びを楽しむ事業が行われており、お餅つき等、日本の風情を感じる催しとなっております。
それと同じ日に、毎年、
ジャパンデイとして外国籍の方たちを対象としたお餅つきやお茶・おはやし・書道体験など、
お正月遊びを楽しんでいただくイベントが行われております。
同じ
コンセプトで、同じ日に行われるので、ぜひそういった地域行事も地域と多文化共生が連携をして実施していただくことによって、地域住民にとっても、地域に暮らす外国の方との交流が図れ、また、外国の方にも日本文化を紹介することにより、改めて自国の文化のすばらしさを実感する機会ともなると感じます。区のご見解をお聞かせください。
◎高野 国際都市・多
文化共生推進課長 地域の外国人と交流を促進するために、18色の
国際都市事業をただいま推進しております。これは、18の
特別出張所管内で開催されるさまざまな
イベント情報を発信し、多言語化し、
地域まつりなどの企画に外国人の方に参加していただき、地域の日本人・外国人の一層の連携に今、努めているところでございます。
さらに、今年1月実施の
ジャパンデイでは、防災訓練をメインとして、餅つきですとか、お雑煮、書き初めなど日本の正月文化を体験してもらい、多くの外国人の方に参加していただきました。
今後、地域における
日本人区民と
外国人区民の連携を図る観点からも、
外国人向けイベントでの防災訓練だけでなく、各地域で開催されている防災訓練との合同開催など、
外国人区民の皆様が積極的に参加できる多彩な交流を地域の皆様の意見を伺いながら検討して、推進してまいりたいと思います。
◆森 委員 ぜひ、部局を越えた交流が図られるようにお願いいたします。
次に、
外国人生活相談についてお尋ねします。
昨年、micsに寄せられた
外国人生活相談の件数は1,489件です。一方、行政書士を訪ねる外国人の方の中には、外国人の適正な労働についての相談等が寄せられるとのことで、行政書士に相談に訪れた方にとって実際のmicsの役割が伝わっていないとの声を伺いました。
区に寄せられた
外国人相談を、専門家とつなげていくような取り組みも必要であると感じます。区はどのようにお考えですか。
◎高野 国際都市・多
文化共生推進課長 micsおおたでは、自国とは違う環境で日常生活を送る
外国人区民が、地域で安心して快適に暮らしていけるという相談、通訳・翻訳、情報提供などのサポートを行っております。
法律相談など、
弁護士等専門家への相談が必要な場合は、民間の
法律事務所が実施している
外国人法律相談や区の専門相談をただいまご案内しているところでございます。
在留資格などの行政手続や就労相談については、基本的には入国管理局やハローワークなどの関係機関への相談を案内しております。また、履歴書などの簡単な内容の書類については作成の支援も行っております。
今後も、
外国人区民の相談窓口であるmicsおおたの存在・役割の周知を図るとともに、行政書士などの専門家との連携を図りながら、
外国人区民の皆様に適切な対応を行ってまいります。
◆森 委員 ありがとうございます。ぜひ、よろしくお願いいたします。
次に、
国際都市事業の推進についてお伺いいたします。
国際都市を標榜する大田区が、国際都市おおたを広くPRする機会として、今週末、国際都市おおた
フェスティバルin「空の日」羽田が行われます。昨年度は第1回目で、羽田空港を有する大田区が、羽田空港の隣地で空港とも連携しながら開催する事業は意義があると感じ、昨年私も参加させていただきました。
区内の観光資源・地域団体のPRや、区内企業のブース、物品販売などもあり、大変楽しいイベントであったとの感想を持つ一方で、決算額は3,985万6,319円と、区の事業規模で言えば、大田区最大の区民祭りであるOTAふれあいフェスタが来場者約38万人でほぼ同額の3,999万円、花火の祭典は観客数12万人で4,256万円に比べても、国際都市おおた
フェスティバルは来場者2万5,000人規模で約4,000万円と高額であると感じます。この事業が、高額になってしまう要因はどのようにお考えですか。
◎武藤
文化振興担当課長 第1回目のこの事業は、空港に隣接する旧整備場跡地を利用した更地での開催となりました。そのため、会場設営・撤去費や給排水設備や電源工事が必要となりました。
具体的には、
メインステージ前の大型テントや
出展団体用の大小テント約80張りの強風対策や手洗い場や仮設トイレの設置・撤去、さらには発電機が主な経費としてかかっております。そのほか、会場内誘導や会場内の安全管理の警備費、また、蒲田・大森駅の主要駅からの会場までの臨時バスの運行経費などもありました。
◆森 委員 ぜひ、地域力を区政の中心に挙げる大田区として、立地的な面は今、ご説明いただきましたけれども、運営面にももっと地域の活動団体や日ごろから地域の観光に携わっている皆さんに、積極的にかかわっていただくことによって、予算も削減できるのではという印象を持ちましたので、ぜひ次回までの検討としていただければと感じます。
区民に向けて、国際都市を実感してもらうイベントなのか、また区内外、国内外の方に向けて発信するイベントなのか、
コンセプトをもう一度お聞かせいただけますでしょうか。
◎武藤
文化振興担当課長 この国際都市おおた
フェスティバルは、国際都市おおたとして、区民と在住の外国人や区に来訪した外国人と交流する機会を充実させることにより、外国の文化への理解を深め、多文化共生及び国際交流を推進するためのイベントとしております。
このような開催の趣旨から、第2回目の今回の
コンセプトは「出会える・つながる・世界と羽田」とし、会場では海外文化や
日本伝統文化などを来場者の方に肌で感じてもらい、外国人・日本人ともに体験と交流ができる内容としております。
今回は、観光客を含めた外国人3,000人、区外住民7,000人、区民2万人の合計3万人の来場を目指し、さらに多くの来場者の方に楽しんでいただけるようなイベントとしてまいります。
◆森 委員 昨年はあまり海外の方にもお会いしたような感じがなかったので、今年はそのように海外の方にも広く周知をしているということで、やはり行政が行う以上は、ただ楽しかったで終わるのではなく、国際都市おおたの発展につなげるための波及効果の検証ですとか、またイベントの集客を
イベント終了後の地元産業につなげるための仕組みと連携が求められていると感じます。
今年の国際都市おおた
フェスティバルがよりよい事業となることを願い、また区内在住の外国人と区民が互いの文化を理解し合い、よりよい地域交流が一層図られ、真の国際都市として誰もが住みやすい大田区であるよう願いを込めて質問をさせていただきました。
最後に、先ほど
区内在住外国人が災害弱者とならないように、防災対策について伺いました。災害時要
援護者対策の推進は大変重要な課題であり、
少子高齢化が進む中で、いざというときに、どのようにして災害弱者、要援護者を救援することができるか、現在、自治会・町会においても手挙げ方式で要援護者の把握に努めておりますが、民生委員の方からは障がい者等を民生委員のみに情報を公開しているご家庭もあり、要
援護者名簿が共有されていないという指摘もあります。
いざというときに、誰がどこに支援に行くといった具体的な計画まで落とし込まなければ、本当に生きた要
援護者名簿にならず、今後、地域ごとの個別計画の策定が求められると危惧しております。
現在、大田区においても災害時要
援護者対策の推進として、
支援体制づくり助成金が交付されており、地域ごとに取り組みの強化に向けた動きがあります。
少子高齢化が進む中、自治会・町会においても高齢化が進み、民生委員のなり手が不足しているなど、地域力の担い手を今後どのように確保していくかも大変重要になっております。
そのような中、先日、
蒲田東地区では、
防災運動会・まもりんピックが開催をされました。大田区総合体育館で大変盛会に開催され、小さなお子さんから町会のご高齢の方まで多世代が楽しく交流を図りながら、
防災備蓄集めリレーや
バケツリレー、クイズ大会など、防火・防災意識を高め、楽しく知識を学べる機会として、私も町会の皆さんとともに参加させていただきました。
そして、驚いたのが、ふだん自治会・町会の事業や地域の防災訓練に出ていらっしゃらない若い世代の親子の参加がとても多かったことです。こうした取り組みは、若い世代と地域の自治会・町会を結び、顔の見える
地域づくりにも大変よい機会であると感じました。
地域ごとにすぐれた防災の取り組みを、区内全体で共有し合えるような事例集をつくってはいかがと考えますが、いかがでしょうか。
◎加藤
災害対策担当課長 地域の防災活動はその特性に合わせ、宿泊を伴う防災訓練や町なかの防災点検など、地域の方が工夫をしながらさまざまな形で取り組まれております。
一方で区においても、課題の一つである防災活動を新たに担う人材を育成するため、地域の運動会で
担架搬送リレー等の防災の要素を取り入れた競技を実施していただくなどして、参加者の裾野を広げる取り組みに力を入れております。
こうした活動を区民に広くお知らせし、今後の地域の防災活動の参考にしていただきたいと考え、区では平成25年度から地域の防災活動を事例集としてまとめ、
ホームページで紹介しております。
引き続き、地域の
防災力向上に役立てられるよう、先進的な防災活動を中心に、区民に広く紹介してまいります。
◆森 委員 ありがとうございます。ぜひ、大田区全体の
地域防災力の強化につなげていただきたいと願います。
以上で、全質問を終わります。ありがとうございました。
○松原〔秀〕 委員長 次に、維新、質疑願います。
◆荻野 委員 維新の党大田区議会の荻野稔です。
まず、
区政運営費、大田区70周年記念事業についてお伺いいたします。
今回の決算では、流用費として102万290円が、70周年
記念事業検討、課題整理のための研修を実施し、延べ18人の講師を招聘したための報償費として記載されています。
補正予算でも1,200万円と、
イメージソング作成には、巨額の予算をかけられており、作成における過程の透明化、選定の公正さを区民へ示していく必要があります。
70周年記念事業での
イメージソング作成につきまして、区の取り組み、現状の進捗、今後の見通しについてお答えください。
◎佐藤 総務部副参事〔特命担当〕 平成26年度決算についてでございますが、70周年記念事業の検討におきまして、
イメージソングの活用方法をはじめ、新規事業の提案を含め職員を対象とした
グループワークを行う等、具体的な
事業計画策定への活用を図りました。
次に、70周年記念事業での
イメージソング制作に関する現在の進捗状況についてでございますが、
イメージソングの制作に関して、7月より実施しておりました曲題材の募集につきまして、寄せられました応募件数は、現時点で696件となっております。
また、
特別出張所等に寄せられております応募分につきまして、別途取りまとめの上、追加し集計する予定でございます。現段階で、応募件数の約8割は学生からの応募となっており、学校授業の一環として取り組まれた例もございます。
ご応募いただきました曲の題材につきましては、今後
制作委員会において選定を行った後、作詞・作曲につなげてまいります。
◆荻野 委員 ありがとうございます。70周年記念事業での活用だけにとどまらず、この
イメージソングはさまざまなアレンジや民間とのコラボを行い、多くの区民や外国人や若者に親しまれ、区政発展のために活用していただきたいことを要望し、次の
防災メールに行きます。
今回の決算では、
防災対策費の
生活安全関係事務として、区民安全・
安心メールサービスシステム運用経費340万円が記載されております。多くの区民に、迅速に情報が行き渡るこちらのメールには意義があると思います。
9月9日の大雨の際、区民安全・
安心メールで、洪水、強風注意などとともに土砂災害、浸水について被害や注意情報が送信されました。この際、ファクスや区の
ホームページでは詳細な情報が記載され、
ツイッターでも、区の
ホームページへのリンクが張られておりましたが、メールには詳細、地域についての記述がなく、
ホームページへのリンクも張られておりませんでした。これでは災害情報としては、不十分ではないでしょうか。
緊急時の防災情報は、確実に区民に届き、また区民が確実に取得できる必要があると思いますが、見解をお伺いいたします。
◎久保田 生活安全・
危機管理担当課長 緊急時の
防災情報発信については、区民安全・
安心メールに大田区への
ホームページのリンクを張った場合、メールを受け取った約3万3,000人の登録者の方々が、一斉に
ホームページにアクセスすることが予想されます。
この場合、
ホームページへの接続に時間がかかり、速報性の観点から妥当ではないと考えます。また、メールに
土砂災害警戒地域などの必要な資料をファイルとして添付した場合、容量が大きくなることで登録者への
メール到着時間が遅くなり、さらに添付ファイルつきのメールを大量送信した場合、迷惑メールとしてメールブロックされるおそれがあります。
区としては、緊急時は速報性を重視し、情報の発信は
土砂災害警戒地域などの情報を含めて、全文を文字情報だけでメール送信する方法で、より見やすいレイアウトとなるよう、既に準備をしております。
◆荻野 委員 ありがとうございます。アクセス集中により、
ホームページの閲覧が難しくなったとのお話ですが、区民の防災情報へのアクセス環境保障のため、ほかのSNSや情報発信用のサイトの開設、ミラーサイトへの誘導を行う体制を整え、メールからも
ホームページやその他のSNSへの誘導をする必要があるかと思いますので、要望させていただきます。
次の国際都市・多文化共生に行きます。
大田区は、空港を抱えた立地を生かして国際都市を打ち出し、多文化交流にも力を入れております。子どもへの外国語教育へのニーズも高まる中で、今回の決算の重点事業でも、
国際都市事業の推進が掲げられております。
さて、同じく国際都市をうたう横須賀市で実施予定の国内ホームステイ事業について、お伺いします。
現在、ホストファミリー向けの研修も行っており、ホームステイも40以上の数を見込んだ予算を組んでいるとのことでしたが、外国への留学には抵抗がある親御さんが多い中で、安心して行えるこの週末留学、国内留学、大田区でも取り組んでいくべきではないかと思います。
また、交流を通し、外国人と地域との接点を生み出す効果も期待され、これからの国際都市、多文化共生を進めていく上で密度の濃い、地域・家族間交流を通して外国人の地域参加も促進していくべきではと思います。
国際都市・多文化共生の点からも、区は国内ホームステイのような交流事業を進めていくべきではないかと思いますが、区の見解をお示しください。
◎高野 国際都市・多
文化共生推進課長 横須賀市で実施予定の国内ホームステイ事業は、地域に住む外国人家庭に
子どもたちをはじめ市民がホームステイを通し、海外文化や外国語を学び、交流を深めていくことを目的にしたものと伺っております。
大田区はこれまで、姉妹都市のセーラム市や友好都市の朝陽区、友好協力関係都市の大連市などと交流を深め、また、セーラム市やブレーメン市とは中学生のホームステイによる相互交流も行っております。今後、さらに大田区が国際都市として魅力を高めるためには、海外との交流はもちろん、
外国人区民と
日本人区民がそれぞれの生活や習慣など多様な文化を理解し合い、交流を進めていくことが必要と考えております。
ご質問の国内ホームステイにつきましては、大田区においても
外国人区民の住宅事情など受け入れの態勢や、区民の皆様の語学習得に対するニーズなどを把握した上で、関係部局とも連携をとりながら、調査・研究してまいりたいと思っております。
◆荻野 委員 ありがとうございます。
以上で、質問を終わります。
◆小峰 委員 公明党の小峰由枝でございます。
健康増進の啓発のために、本庁舎の中央階段などに、消費カロリーなどの表示ステッカーを設置することを要望いたします。
以前、深川委員の質問にもありましたが、私は、健康面という角度から要望をさせていただきます。
日本人の3大死因は、がん・脳血管性疾患・心臓病と指摘され、それらは加齢や遺伝的な要因だけではなく、生活習慣のゆがみが深く関与しているといわれ、生活習慣病と呼ばれています。
生活習慣病は、偏った食生活や運動不足、飲酒、喫煙など、悪い生活習慣が長年続くことによって起こりやすくなる病気です。現在、発症後の治療よりも、日常の予防の必要性が訴えられております。
一歩一歩健康に近づくために、札幌市では、市営地下鉄43駅の階段に、上った段数に応じた消費カロリーがわかるステッカーを張り、健康づくりの意識を高めているようです。3段ごとに「ここまで上がると0.3キロカロリー」との消費カロリーを表示するとともに、「あなたの健康この一歩から始めよう」「体の基本は足腰から」「今日から始めるメタボ対策」など、消費カロリーとともに、一言の激励メッセージも表示されています。
この企画は利用者から好評で、お隣の神奈川県や、千葉県でも取り組んでいます。中でも宮城県では、「1に運動、2に食事・しっかり禁煙・最後に病院が大切だ」と健康と運動を広く県民に啓蒙し、中学生や保護者にメタボ予防標語を募集し、入選標語を採用しています。「お父さん、10キロやせたらステキだよ」「ためこまないで!心のストレス・おなかの脂肪」など、本庁舎・市役所・公民館・健康センター等の階段に張っているようです。
先日、私も東京駅でこの健康ステッカーに遭遇しました。シールが張ってあるよ、体のために、階段上ってよかったねと駅利用者の方々が、小さなシールにもかかわらず、見落とさずに、それぞれが健康に関心を寄せていたことが印象的でした。
前述した札幌市保健所によると、階段を1段上がると約0.1キロカロリーが消費できると公表し、駅を利用する会社員などからも、カロリーがわかるので励みになる、ちょっと歩く距離を延ばして運動しようと思うきっかけになるとの感想がありました。5年後のオリンピック・パラリンピックに向けても、健康と運動を啓蒙できるよいチャンスと考えます。
視覚を通してやる気を起こし、運動にチャレンジする身近な取り組みはいかがでしょうか。大田区独自のオリジナル標語を募集して、楽しく健康の一歩へと近づく階段の健康ステッカーの取り組みを要望いたしますが、本区の見解をお聞かせください。
◎川上 総務課長 大田区では、地球温暖化対策のため、エレベーターの利用を減らす方策として、「ツーアップ・スリーダウン」、上りは2階まで、下りは3階まで階段を利用するように、職員に周知しているところでございます。
また、厚生労働省でも、本年5月から、職員の健康づくりと地球温暖化の観点から、庁舎内の移動に階段利用を促進する階段利用キャンペーンが実施をされております。
階段を利用することは、運動効果があり、健康増進に寄与いたします。階段を上ると、平地を歩くときの約3倍のエネルギ一が消費され、筋肉を効率的に鍛えられると言われております。
区民の皆様にも、このような効果をお知らせするいい機会となりますので、既にステッカーを設置しております札幌市営地下鉄等を参考にいたしまして、設置について検討をしてまいります。
◆小峰 委員 次に、本庁舎の1階のエントランスホールに心地よい音楽をかけ、来庁者に優しい空間づくりをすることを要望いたします。
人は時間に追われたり、ふなれな手続に戸惑うときに、心穏やかに対応できないときもあると思われます。区役所利用者の人数は、多いときで、受け付けのカウンターで数えただけでも、1,000人を超えるときがあるそうです。千差万別の思いを抱いて来庁する方々に、少しでも心地よく過ごしていただくことが大切であると考えます。
心をなごませ安静モードにもっていくには、副交感神経を刺激することが重要視されていますが、気軽に副交感神経を刺激できるのが音楽療法といわれ、音楽療法は、健康法、代替医療、また補完医療として活用されています。
埼玉医科大学の和合治久博士は、副交感神経刺激を基盤にした音楽療法の医学的活用法の研究として、モーツアルトなどの曲を通して、エビデンスを細かくとっていらっしゃるようです。
中でも、業務中のオフィスワーカーに対するBGM、バックグラウンドミュージックの効果を調べる研究結果によると、体温は普通にデスクワークをしていると下がってくるものだが、音楽を聞くことにより体温が上がったと考えられる。体温が上がると、リンパ球の機能が高まる。そして、ストレスホルモンが低下したことが認められたといった内容でした。また、集中して音楽を聞き入らなくても免疫力を高める効果が出ると、独自の研究をまとめられています。
ある音楽療法士は、音楽には、瞬時にして人を前向きにする力がある。特にモーツアルトは、好むと好まざるにかかわらず、よい影響を与えているようだと、現場発信の声を上げています。
音楽は、人の精神を安定させ、穏やかにする効果があるようです。音楽における周波数の振動による植物や農作物の効果も研究されています。モーツアルトに限らず、来庁者にとっても、職員の方々にとっても、心地よい音楽などをかける空間づくりをすることは、トラブルも起こりにくく、気持ちよく時間が過ごせると期待できます。
1階庁舎内にテレビの常設もあることから、音がかぶり、雑音にならないよう、また、仕事の支障にならないよう、音量を小さ目にするよう配慮していくことも必要と考えます。
本区内のある地域庁舎では、既に音楽を流し好評だったとの事例を伺いました。酷暑の夏に、本庁舎の自動ドアを開けた瞬間に涼しくて生き返る思いがし、逆に、寒さに身を縮める冬には、ドア越しの暖かい気温にホッとした経験を持つ方は、私だけではないと思います。
それと同様に、目には見えない事業ではありますが、大田区の政策発信の拠点、ここ本庁舎1階での心安らぐ音楽空間づくりを要望いたしますが、本区のお考えをお聞かせください。
◎川上 総務課長 本庁舎1階の戸籍住民課窓口は混雑することが多く、待ち時間が長くなりますと、ストレスを感じるお客様も多いと思われます。音楽や波の音、小川のせせらぎの音など、音が心理的に心を癒す効果があることはよく知られております。
本庁舎1階の南北のロビーでは、広報ビデオや議会中継を放映しておりますが、それぞれの音を干渉せずに効果的にBGMを流せるか、検討をしてまいります。
◆小峰 委員 本庁舎1階からの文化発信、また健康増進の啓蒙は、大変意味のあることと考えます。前向きな対応を期待し、私の質問を終わります。
○椿 副委員長 次に、自民、質疑願います。
◆鈴木 委員 自由民主党大田区民連合の鈴木隆之でございます。
今日は、珍しく総務費の中の臨海斎場を聞こうかと思っておりまして。私のことを葬祭業者と勘違いしている同僚がいっぱいいるのですけれども、私はあくまでもお花屋さんでございまして、全然、一切関係ございませんので。
臨海斎場、先ほど湯本委員も質問をされていらっしゃいましたけれども、臨海斎場は、当然ご存じのように5区で広域組合をつくって、臨海部広域斎場組合の負担金が、平成26年度決算で3億1,181万7,000円、こちらは利用率が主で、あとさまざまな計算式で負担割合が決められていると伺っております。
5区の中でも大田区にある施設でございますので、大田区の利用率が非常に高くて、以前いただいた資料で、平成22年から24年までの式場利用収入という表をいただいたのですけれども、その中で利用率割合が書いてありまして、大田区が一番で63%、次いで品川区が21%、世田谷区が8%、港区が4%、目黒区が2%と、突出して大田区が、利用率が高いのですけれども。
それで、臨海斎場の事務局長も、大田区と品川区でそれぞれ送り込まれておりまして、5区の中でも、大田区が臨海斎場のノウハウや情報の蓄積というものはたくさんあると思います。そうした中で、公共の施設でありますので、全ての人が平等に快適に使えるように、努力は重ねていっていただきたいと思っております。
先ほど湯本委員も質問をされましたけれども、臨海斎場のインターネットの予約システムの中で、不適切な利用が散見されるということで、私もここ数年非常に注視をしておりました。
どういうことかと言いますと、臨海斎場は非常に利用率が高いので、インターネットで検索すると、1週間・10日ぐらい先まで全部埋まっているのですけれども、それが突然1週間・10日先が埋まっているにもかかわらず、明日・あさってには急にあいているのですね。
結局、どういうことかと言いますと、本来葬儀の案件が発生していないにもかかわらず、押さえるだけ押さえてしまう。そこにはキャンセル料等ペナルティーがありませんので、そうして押さえて、実際に案件が発生しなかったときには、直前で放出をすると。なので、この不適切が散見されたことを非常に私も注目をしておりました。
それで、実際にこれは聞いた話なのですけれども、臨海斎場をある特定の業者さんが、うちは臨海斎場の枠を持っているのですということで、そうして不正にとったものを、あくまでも自分の会社の販売促進の材料のようにするという事案が見受けられました。
改善に向けていろいろ取り組んでおられると聞いておりますけれども、この辺に関して、現状をお聞かせください。
◎柏原 地域力推進課長 臨海斎場では、電話受け付けシステムにより、24時間対応で予約の受け付けを実施しております。予約登録後は、速やかに申請書を提出していただくことで、予約が確定いたします。
従来、その手続の中で不確定な予約がされているのではないかとのご指摘をいただきまして、調査をする中で不適切な利用実態が認められたために、臨海斎場では、今年度7月に葬祭関連事業者に向け、不確定な予約は厳に慎むよう、また今後不確定と思われる予約を繰り返す状況が認められる場合は、予約システムの登録を抹消する旨を通知いたしました。
その後の状況を見ますと、現時点では、適切に予約利用がされていると認識をしていると、聞いております。
大田区といたしましては、今後も同様の事態が生じないよう、臨海斎場には強く要請をしてまいりたいと考えております。
◆鈴木 委員 公平にちゃんと真面目にやっている業者さんが損をしないように、本当にこういうことは許されないと思っております。
臨界斎場と違うのですけれども、業界のモラルの問題として、数年前にあったのですが、自宅のポスティングの中に、「生活保護でこんな葬儀が挙げられます」ということが実際にあったチラシも、私も見たのですけれども。当然、生活保護を受給されている方も、葬祭費が出ますので、それはもちろん、全然当たり前の権利なのですけれども。これが特定の業者さんが、これも自社の販売促進の材料、生活保護でこんな立派な葬儀が挙げられるのだと。これは本当に業界のモラルの問題だと思っております。
私は、大田区は臨海斎場での存在感が大きいですので、大田区がしっかりと、公平に臨海斎場を業者さんが利用して、それで普通の区民の方たちも安心して利用できるよう、しっかりと管理していただきたいのと同時に、通達を送るときに、東京都の葬祭業の協同組合に送っているみたいなのですけれども、これも当然大田支部・品川支部という葬祭業者さんの組合がありますけれども、実際どのぐらいの割合で業者さんが組合に入っているかというと、2割とか3割ぐらいなのですね。ほとんどの業者さんは加盟していない現状がありまして、しっかりそういった組合に加盟しているところは当然そんなこともしませんし、加盟していないような新興の業者さんのところが、非常にそういった不適切な行為が見受けられるということでありますので、通達に関しても、今後さらに精査をしていっていただきたいと思っております。
そして、あともう一つは、今、臨海斎場は四つ式場がありますけれども、一つの式場がステージが4間という非常に大きい幅があって、かなりの規模の葬儀まで、一つの部屋で対応ができるようになっております。
しかしながら、最近はこじんまりとした家族葬の需要が増えてきておりまして、民間の葬祭ホールでも非常に小さいお部屋で、家族数人でこじんまりと挙げられる葬儀というのが、今非常に数が多くなってきております。
中には、通夜をやらないで、告別式のみのワンデーという式もあるぐらいで、お通夜をやらなければ、当然経済的な負担も少なくて、例えば身内だけだったら、お返し物もいらない、通夜振る舞いの料理・飲み物もいらない。非常に経済的な理由からもそうですし、今の家族のそういったいろいろな状況の変化でそうした葬儀のニーズが高まっている中で、臨海斎場も非常に安価で使えるのですけれども、それにはあの式場があまりにも広過ぎると。家族3、4人でやるには、あまりにも寂しいという声も実際に聞かれております。
非常に利用率も高いし、稼働率も高い中で、これからのニーズに合わせて、こじんまりとした家族だけで最期を見送れるような、そうしたものも今後検討されていっていただきたいと思っておりますが、その辺に関してご見解をお伺いいたします。
◎柏原 地域力推進課長 臨海斎場においても、火葬の待ち時間に待合室を使わずに、ロビーなどでお待ちになる方が増えてきている点、また大規模な葬儀が減ってきている点など、委員ご指摘のとおり、葬儀内容が多様化してきていることを認識しております。
そうした現状を踏まえ、今年度、臨海斎場では、今後の火葬需要増加への対応など、斎場の将来を検討するための調査を委託しているところでございます。
今後、具体的な施設整備などの計画については、報告書に基づいて、関係5区及び事務局で検討・協議を進めていく予定となっております。
大田区といたしましても、ご質問の趣旨を踏まえ、区民にとってより一層使いやすい施設になるよう、引き続き要望をしてまいります。
◆鈴木 委員 先ほど湯本委員も、文化・風習ということを言っておられました。日本の葬儀という、葬送儀礼の文化というのは日本独特のものでもありますし、葬儀は各国にありますけれども、日本の葬儀というのは、また一つ違ったいろいろな文化があると思っております。
そうした葬送儀礼の文化、亡くなった方を最期まで見届けて、送ってあげる。そうした意味では、葬儀というものは非常に重いものでありますし、いろいろな区民の方たち、それぞれのニーズに合った斎場運営もこれから心がけていっていただきたいのと同時に、しつこいようでありますが、不正な業者等は、厳しく指導をしていかなくてはいけない業界だと思っておりますので、そういう不適切な業者に関しては、しっかりと大田区としても目を光らせていっていただきたいということを要望いたしまして、質問を終わります。
○椿 副委員長 次に、大森委員。
◆大森 委員 自由民主党大田区民連合の大森でございます。
総務費、私が最後のようでございますが、理事者の皆様には、通告はさせていただいていますので、前向きなご答弁をお願いしたいと思います。
今回、久々の質問なのですけれども、区有施設、いろいろと公共施設が議論されていますが、多くの、これから更新をしていかなければならない施設を抱えている本区であります。そんな中で、今まで私が目にしてきた様子、更新してきた建物とかといったものを見て、感じたことをテーマに述べたいと思います。
今回は、区有施設のスタンダード、仕様を標準化してはどうかということをテーマにお話をして、また提案をしたいと思います。
大分前なのですけれども、以前の質問で、22年ぐらい前、学校の体育館について、蒲田地区の中学校の体育館の窓が素ガラスであったということ。そして調布地区の体育館、同じ時期に竣工した体育館がステンドグラスが入っているということで、非常に悲観した物の言い方をしたことがあったのですけれども。
それと同様に、小学校の体育館の外装なのですけれども、ALCとか、サンドイッチパネルといったような素材を使った体育館がつくられたかと思うと、片や大森地区におきましては、RC構造のしっかりとした頑強な建物をつくったというのが、同じ時期にあったということがありまして、それらについての仕様の、あまりにも見た目、誰が見ても豪華だと思われるものについての違い、同じ区有施設、同じ学校教育の現場の中でつくられるものが、そんなに違いがあっていいのかといった視点でもって申し上げたと思います。
近年、非常に見直されて、材木なども多く内装で使われているものもありますし、また、おととしに竣工した嶺町小学校のほうも、私は当時監査委員をやっていましたので、たびたび訪れて、広い空間にふんだんに材木を使っていたところを見るに至りまして、非常に印象深い思いをして、学校を見せていただいたということであります。
まず、今申し上げたようなことを踏まえまして、区の公共施設の整備指針のあり方なのですが、基本設計で区の意向が反映されると私は思っておりますが、とりわけ現状では、業者に基本設計を委託しているというのが現状かと思うのです。
そういう中で、どれほど区の執行機関、または教育行政のほうの思惑が反映されているのかということを、今言ったような差異があるということを踏まえまして、伺いたいと思いますが、どうでしょうか。
◎池 施設管理課長 区の公共施設整備指針及び基本理念でございますが、さまざまに整備される区有施設の有効な利活用を推進し、安全・安心のもとで変化する区民ニーズに即した質の高い施設サービスを提供することにあると同時に、地域の特性を生かし、安全で良好なまちづくりの推進に寄与することにあります。
このことから、各公共施設の整備に際しまして、指針及び基本理念に基づき地域や利用者の要望を踏まえて、これを基本設計に反映し、実施しているところでございます。
◆大森 委員 今、地域の特性とか、それから地域や利用者の要望を踏まえてという、答弁の中に言葉がありましたけれども。結局、地域により仕様が異なってしまうことの違和感を、私は従来から申し上げたつもりでありまして、そうあるべきではないのではないかという意見であります。
ところで、建物のことに触れる前に、皆さんがよく、同僚議員も車に乗っておられる方がおいでになると思うのですけれども、車のボディに水あかがつきますね。私は、自分の愛車はトラックなので、トラックのボンネットがないから、フロントガラスの前も水あかがつくのですよ。ドアも水あかがつく、黒く筋がつくのですね。これを、あまり放置しておきますと真っ黒になって、新車でも、中古の大分乗り込んだような車にもなってしまいますので、時折り磨いて、元の色にできるだけ戻して、維持しながら乗っているというのが、ほとんどの方はそうではないかと私は思うのです。
私も、あまり汚れがひどくなってくると、コンパウンドで磨いたり、ワックスをかけたりとか、平成15年の排ガス規制でもって、当時の石原知事の政策でディーゼル車が乗れなくなってしまったということで、泣く泣くガソリン車に乗りかえたという、その車を今も乗っているのが現状なのですが。
新しい車というのは、割合と表面がきれいに仕上がっていますので、掃除すると割と水あかもきれいに、すぐとれてしまうのですね。ところが、何年か乗っていますと、その汚れが落ちにくくなってくる。やはりコンパウンドなどで磨かないと、筋がとれない。水洗いだけではとれなくなってくるのです。だけれども、その汚れを心地よく乗っている人というのは、あまりいないのではないかと思うのですよ。
それは、建物を更新したりとか、新築の建物でも、水あかというのは、施工が悪いと壁につくのですね。外壁のリフォームなどをやったりするときに、本来、やったときはきれいなのですけれども、時間がたつと壁に黒く筋がついているという様子を、気にされない方はあまり見ていないかもしれませんけれども、私はすごく気にするので、新しいのにあんな筋がついてしまって、あまりいい施工をしていないなと思ったりもするのですけれども。
遠藤副区長はお車に乗られるかどうか、運転をされているところを、私は聞いたことや見たことがないのですけれども。遠藤副区長は、新車や新築の家にもかかわらず汚れているのを見て、私が今言ったようなことに関してはどのように感じられますか。
◎遠藤 副区長 新車だとか、新築の家の汚れについてのご質問ですけれども、汚れ方に対する感じ方については、人によりまして異なるのではないかと思いますけれども。私としては、それは汚れがないほうがいいとは思います。車については、適時洗車ができるのでございますけれども、家につきましては、適時洗うことをするというのは、非常に難しいのではないかと思いますので、汚れが目立たないように、できましたら色彩を考えるとか、外壁について素材を工夫するというようなことが考えられるのではないかと思います。
◆大森 委員 車の話題にしたほうがわかりやすいかと思ったので、車の汚れについて引用したのですが。
実は、先ほど申し上げました嶺町小学校は、まだ竣工して2年たっていないですよね。先ほども言いましたように、建物はすばらしくでき上がっているということで、私も伺った際、非常に感心した校舎なのですが。
今年の初めに遊びによりまして、建物をまた見にいってみたのですけれども。そのときに中に入って、そして外へ出てきたときの壁が、既に水あかがついて黒くあちこちが汚れているわけですよ。これは、施工するときに水が壁に伝わらないように施工しなければいけない、本来は。滴がぼたぼたと垂れてくれることで、壁には伝わらないのです。そう施工しなければいけないというのが、わかっている人はそうやるのですが。
そういったことで、あれだけお金をかけて、きれいに仕上がった鵜の木地域においては、多摩川から見ても、非常にきれいな建物ができ上がったということになるのですけれども。そんな工事をやっていますと、あっという間に外壁が汚れて、新しい校舎か何だかわからなくなってしまうと、私は思います。非常に残念だと思います。それはまさしく、今申し上げたように、基本的なことが理解されていないで、そこで施工されてしまったと。
早期に汚れが生じるような工事内容、構造物と、先ほども言いました、20年以上もたっている建物でも、そうなっていないところは、普通にほこりをかぶっている程度でもって水あかがついていないところが、日がたっていてもそれなりに外観的には見られるというものなのですよね。
そういった工事を考えますと、そもそも雨垂れを起こさないような工法について、大田区の建築とか、または施設担当のほうで、基本的にこれから考えていかなければいけないということを思っていただけますか、どうでしょう。
◎池 施設管理課長 これまで、区の施設の建築につきましては、屋上から外壁にかけて、モルタルによる笠木を設けて雨垂れの防止を行ってきました。
しかし、モルタル施工は経年劣化に伴う落下の危険から改修を余儀なくされるために、これを避ける工法がとられております。近年では、建物外部の設計にあたっては、代用として金属製の水切りなどを設け、極力雨垂れが起きないような施工を行っております。
今後も外壁の施工にあたっては、水切りの機能を十分に確認して精度を高めるとともに、施工方法やデザインとの調整を図りながら、汚れが目立たないような素材や色を選択してまいります。
◆大森 委員 ぜひ、そういった観点でこれからまた注意深く見ながら、よりよい建物、区民の資産でもありますので、つくっていっていただきたいと思います。
ところで、先ほど基本設計のことを申し上げたのですが、今、私は総務財政委員会に所属しておりまして、8月に委員会のメンバーとともに、視察で旭川市を訪問してまいりました。
旭川市では、実は設計のコストをあまり使わないことを目的としているのか、わからないのですけれども、基本設計をやっていないというのです。それで、実施設計にいきなり行って、それで予算の執行、それから施策の展開を図っているということを、視察のときに、向こうの職員の方の説明の中で伺ったということであります。
構想が表面化してきますと、すぐやる市みたいな感じの印象を受けてきたところなのですが、それは本当に駅の近辺も非常にすばらしい開発をして、河原のところも非常にきれいな景観の中で、いこいの場をつくっていたのを視察させていただいてきたということであります。
本区においては、まず、従来から基本設計をやらないものというのは、ほとんどなかったと思うのです。そういうことを踏まえますと、同じ自治体であっても、そういう基本設計を、片ややらずに実施設計ですぐ行ってしまう。本区においては必ず基本設計、これも先ほど申し上げましたように、設計委託をして、ある程度のプランは当然提示するのでしょうけれども、業者のほうに多くの予算を出して、それをもって構想に沿ったものを設計させると。でき上がってきたものについては多少の議論をするのでしょうけれども、我々のほうにも基本設計の中身についての説明はなされますけれども、そこら辺は議論はするけれども、ほとんど中身については変更がなされないまま実施設計に入っていくというのが、従来かと思います。
旭川的な方式ですと、早いのです。基本設計に時間をかけていませんから。本区は、基本設計に1年ぐらいかけてしまいますから。一つの事業をやろうと思うと、ずっと計画を立てていくと、構想だ、設計だってやって、実施設計をやって、その後に実際にやっていく、時間がかかっていますね。そういう部分においては、旭川では、そんなに時間をかけないで物はつくられているというのを伺ってきた次第であります。
そういったコストの面でも、設計の委託費の削減につながるかと、私は思うのです。多くの設計費に予算を使ってきたということを踏まえますと、基本設計がない分、自治体の意向が、責任を持って自分たちの区の意向を、自分たちの構想の中で、委託しないで自分たちでプランを立てたものが実施設計のほうに入っていくということであれば、そのままストレートに区の、または区長のプラン等がそこに反映されていくということに、民間の意向がそこに反映されて、いろいろいじられるのではなくて、そのまま区の意向がそこに示されていくと。
そうすると、我々がいろいろな議論をしたときにも、責任があるわけですから、その責任の中で、どうしても変更しなければいけないと思ったら、自区の中でやっているわけですから、多少の変更は可能になっていくのかと思うのですけれども。設計とか計画が現実のものとなっていくということの、政策がわかりやすいという面での考え方を私はしているのですけれども、その点についての見解はどうでしょうか。
◎池 施設管理課長 基本設計は、工事に要する詳細な図面を作成する実施設計とは異なりまして、施設に対する基本的な考え方を固める段階での設計でございます。地域の方や利用者の希望が具体化される重要な過程に位置づけられる設計業務と考えてございます。
なお、基本設計の委託を省略することで、建築コストの削減や、工期の短縮につながることは、委員ご指摘のとおりであります。
区といたしましても、地域の方や利用者の要望に影響を与えることのない施設の改修工事などにおいては、実施設計のみを委託し、基本設計と実施設計のそれぞれの役割を踏まえつつ、常に、区民・利用者の立場に立ち、安全で質の高い施設整備に取り組んでまいります。
◆大森 委員 次に、先ほど申し上げました、嶺町小学校の視察・調査をしたときに、自分が見たときのことなのですけれども。実は、後工事で体育館を今年の春先、平成26年度で竣工させたというところでありまして、そこも、2月、3月のころ、選挙前だったのですけれども、拝見しに行った経緯があります。
校舎と体育館のつなぎのところがあるのです。つなぎのところは窓がありまして、その下が腰壁になっているわけですよ。タイルが張ってありました。タイルのところが、実は実施設計とか、または施工図から漏れていたということでありまして、漏れていたところはどうするのかというと、そこの現場を担当している職員が材料を指示して、そして施工させるということが行われていたようなのです。そこで使われたものは、タイルが国産のタイルではなかったということです。
そうすると、そのときにたまたま手にすることができたかもしれませんけれども、材料として手に入るまでに半月ぐらいかかっていると言いました。これが、またロットがあるでしょうから、そうすると次に改修するといったときに、次に同じものが手に入るかどうかというのは、全然わからないということになりますので、そういうものを使ってしまったというのが、後はどうするのかなと思ったのですが。
同じように、我々同僚議員たちも、今年の4月に落成式に行った伊豆高原学園なのですが、ここの体育館、見られた方は、多分私と同じように感じられた方がいるかと思うのですけれども、アリーナの床なのですけれども、非常にきれいな床で仕上がっておりました。普通はフローリングなのですけれども、押すとへこむクッションフロアのものでもって、全面に青で、そこにバスケットボールだとか、バレーボールだとか、バトミントンとか、ラインが描いてあるというわけです。
そういうアリーナの床の仕上げというのは、あまりなじまないし、見た覚えがないのです。それで当日、4月のその日に体育館の中に入りまして、当時の学務課長が中でいろいろと準備をして皆さんを迎え入れたという中で、ちょっとへこみがあったので、見た目もすぐへこみに気がついたので、何でへこでんいるのかなと思いました。それは1か所ではない、ぽこぽこへこんでいた。大きさが、大体50ミリ直径なのです。要するに足場のパイプなのです、単管というものです。それが内装でもって、中で工事したときの後、へこませてしまったのではないかなとしか考えられない。
そうすると、引き渡し前にやった工事の結果、へこんでしまっている状態をそのまま放置して、あそこはたしか竹中がやったと思うのですけれども。竹中は、非常に豪華な建物をつくったり、または和式の建物をつくったりということで、スーパーゼネコンの中でも、そっちの系統では有名なゼネコンさんなのですね。