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平成22年 9月  決算特別委員会−10月04日-01号

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  1. 大田区議会 2010-10-04
    平成22年 9月  決算特別委員会−10月04日-01号


    取得元: 大田区議会公式サイト
    最終取得日: 2021-10-03
    平成22年 9月  決算特別委員会−10月04日-01号平成22年 9月  決算特別委員会 平成22年10月4日                午後1時00分開会 ○岡元 副委員長 ただいまから決算特別委員会を開会いたします。  第63号議案 平成21年度大田区一般会計歳入歳出決算の審査を行います。  審査第1日目に引き続き、第2款総務費の審査を行います。  質疑に入る前に、理事者の皆様に申し上げます。質疑時間には答弁も含まれますので、簡潔・明瞭な答弁をお願いいたします。また、答弁の際には、その都度、自己の職名をはっきりと告げた上、答弁していただきますようお願いいたします。  それでは民主、質疑願います。 ◆岸田〔正〕 委員 民主党の岸田正でございます。  総務費に関連して、行政評価についてお聞きしたいと思います。  大田区では、以前より行政評価を行っておりました。ちょうど今、9月18日からは事務事業外部評価が行われておりますし、9月30日の常任委員会においては、おおた未来プラン10年に掲げる主な事業の進ちょく状況報告書が提出されているわけであります。  大田区では、平成16年の7月には行政評価実施方針を定め行政評価を行ってきたところでありますけれども、検証していく中で、そもそも行政評価とは一体どういう目的で行ってきたのだろうと。ここを再度確認をさせていただきたいと思います。 ◎後藤 政策担当課長 大田区の行政評価は、区が行う施策や事業について定期的に評価し改善していく仕組みです。行政過程をプラン、ドゥー、チェック、アクションというサイクルでとらえ、このうちチェックの部分で施策や事業の成果について分析し、区民の視点で客観的・合理的な判断を行い、その判断結果をもとに業務改善に活用するものでございます。  行政評価実施方針では、行政の説明責任の徹底、成果重視の行政への転換、効率的で質の高い行政の実現をその目的と掲げております。これらの目的を達成することにより、区民との協働、区民満足度の向上、必要最小限の費用で、質の高い行政サービスの提供を目指してまいりました。 ◆岸田〔正〕 委員 今、言われたような行政評価の目的を踏まえて、21年の9月に行政評価事務事業結果報告書というものが提出されています。大田区緊急2か年計画事業の20年度の執行の事務事業の評価結果を取りまとめたという報告書が作成されているわけでありますけれども、報告書の中の総合評価を見ますと、100ある事業のうちの94事業が現状を維持すべきレベルにある、13事業が現状を維持すべきレベルにあるが改善の余地があるということで、現状を維持すべきかどうかも含め改善の余地があると指摘されているのは1事業しかないのです。  先ほど言われた立場から、行政評価、まず、どのような指標によって行われたのでしょうかという確認です。また、目的は何だったのでしょうか。そして、報告書に掲げられていた評価に基づいて、この行政評価結果をどのようにとらえ、どのように利用したのかということをお聞きしたいと思います。 ◎後藤 政策担当課長 平成20年度の行政評価は、大田区緊急2か年計画の108事業を対象に事務事業評価を実施してまいりました。所管部局が、その実施結果について必要性、有効性等の視点から評価し、進ちょく状況の把握を行うとともに、事業の再点検、再精査を行う重要な機会になったと考えております。また、改善の余地があると評価した事業については、部局が改善方法を検討し具体策を公表することで、区政の透明性の確保につながったものと理解しております。  しかし、20年度の評価対象事業緊急計画事業であり、そもそも必要性や有効性が高く、着実な実施が求められるものでした。したがって、委員のご指摘のとおり、改善すべきと評価したものが少ない結果となりました。  なお、これまでの行政評価が成り立ちや性格の異なる事務事業に対して、単一な手法であったため、制度そのものの再検討を要すると考え、本年5月に大田区における事務事業検証評価に関する基本方針を策定し、これらの課題の整理を行ったところでございます。
    ◆岸田〔正〕 委員 そうしますと、今までの反省に基づいて今年の5月に評価に関する基本方針をまとめたということでありますけれども、区は昨年度より、地域力が区民の暮らしを支え、未来へ躍動する国際都市おおた実現のための、おおた未来プラン10年に基づく取組を進めております。しかし、未来プラン策定時からこの間、世界同時不況や政権交代などによる区政を取り巻く環境が一変しました。リーマンショック以後、財政状況は急激に悪化しておりまして、今後、未来プランの推進にも影響が生じるのではないかという状況だと私は理解しているのです。  そして、今回、9月30日ですか、平成21年度おおた未来プラン10年に掲げる主な事業の進ちょく状況報告書が出されましたけれども、この中で、今までの事務事業評価という言葉がなくなっていますよね。その中の内容を見ますと、そうは言っても、例えば取組の内容とか進ちょく状況ということで評価されているのです。そこで、昨年までの行政評価とどう違いがあるのか。また、報告書の目的や位置づけは何だったのかということをお聞きしたいと思うのです。これをお答えいただきたいと思います。 ◎後藤 政策担当課長 昨年度に取り組んだ行政評価は、事業の必要性や効率性等の視点に基づいた事務事業評価でした。一方、今回の報告は、区のまちづくりの基本計画である未来プランに掲げる事業を対象としております。未来プラン事業計画どおりに着実に進められているかを区民にわかりやすくお知らせすることを、第一の目的としております。なお、未来プラン事業進ちょく状況については、未来プランの中で、また、大田区における事務事業検証評価に関する基本方針において、区政の透明性の確保、区民への説明責任の観点から毎年公表することと規定しております。今回の報告は、これらに基づいて実施したものでございます。 ◆岸田〔正〕 委員 そうしますと、未来プラン進ちょく状況を報告されたということなのですけれども、現状の景気低迷とかさまざまな環境のもとで、恐らく来年度の特別区税や特別区交付金などの基幹財源の大幅な減収が見込まれると思うのです。その中で、よく言われているのですけれども、限られた財源の中で最大の効果ということを、よく理事者側の皆さん方はお言葉を使われるのですけれども、不況のこういう状況の中で区民の暮らしを守るためには、まずは無駄を省く必要があると思うのです。それには、これまで以上に不急不要の事務事業を見直すことだと思います。また、優先順位をつけてメリハリのある施策展開を行うべきであると考えるのですけれども、行政評価事務事業の見直しには、今、言われたような未来プランだけではなくて、法定受託事務など、聖域を設けずに区の全事業を対象に取り組むべきだと思うのですけれども、この点については、いかがお考えですか。 ◎後藤 政策担当課長 おおた未来プラン10年は、区の将来像、地域力が区民の暮らしを支え、未来へ躍動する国際都市おおたの実現に向けて、施策展開の方向性を総合的かつ体系的に示したものです。  また、計画の策定にあたっては、区議会議員の皆様や公募区民の方々などを構成員とする基本構想審議会からの答申を基本に、意見交換会パブリックコメントなど区民の皆様のご意見を踏まえて策定いたしました。こうした経緯から、未来プランに掲げる事業については、区が責任を持って計画どおりに実施していくことが重要と考えております。  なお、未来プラン事業法定受託事務等についても、費用対効果を踏まえた執行方法等の工夫、見直しに不断に取り組んでまいります。 ◆岸田〔正〕 委員 行政運営というのは、だれのためにやるのか、事務事業というのはだれのためにやるのかといったら、これは区民の皆さんのためということで間違いないわけですから、未来プランということで、一度決めたものを再度見直すというのは、なかなか難しい部分があるかと思うのですけれども、聖域を設けずチェックしていくというのが必要だろうと思うのです。  そういう反省に基づいて、いよいよ、9月18日から事務事業外部評価というものが公開で行われ始めたのかなという理解をしているのです。私は、18日、25日の両日、午後だけでありますけれども傍聴しました。傍聴した中で感じたことを何点かお聞きしたいと思うのです。  そもそも区が実施している外部評価は、今までの行政評価とどう違うのかということをお聞きしたいのです。そして、そのねらいは一体何なのですか、今までの事務事業とどう違うのですか。また、国が実施している事業仕分けとどう違うのでしょうか、この点を確認させていただきたい。 ◎水井 経営担当課長 これまで実施してきた区の行政評価でございますけれども、所管部が行う自己評価や事業がスケジュールどおり執行されることで一定の効果が見込まれる事業、こういったものにつきましての進行管理として行われてまいりました。現在実施している事務事業外部評価は、外部の方に委員をお願いいたしまして外部の目で区の事務事業の必要性や実施手法の妥当性を点検し、ご意見をいただくというものでございます。  委員と所管課長が公開の場で議論を行う公開審査を行いますけれども、国が実施している事業仕分けの手法を取り入れながら、外部評価委員は、事業評価だけではなくて、必要に応じて具体的な改善提案なども行うということで行っておりまして、その点において国の事業仕分けとは異なった性質を有するものと考えております。 ◆岸田〔正〕 委員 今までの事務事業というのは自己評価をしていた、これが大前提ですよね。今回は外部評価人によって公開における評価を行っているということですから、私も傍聴していて、そこの点については非常に評価をさせていただきます。担当の課の職員の方々は、かなり緊張を強いられてあの時間を過ごしていますよね。そういう意味では、非常に緊張感があってよかったのかなと思うのですけれども。  今回の外部評価の手法というのは見ていますと、1事業について45分という時間が割り振られておりました。最初に担当課の職員による事業説明が5分程度行われまして、その後、経営管理部による事務事業の評価がなされ、そして、その後に評価人による30分程度の質疑・応答がなされ、最終評価人によって廃止、見直し、現行どおり、拡充、4段階の評価がなされていたのですけれども、今回の対象事務事業、どのような視点で、だれが選定したのか、まずお聞きします。 ◎水井 経営担当課長 対象の事務事業でございますけれども、おおた未来プラン10年事業や法定受託事務などを除く事業のうち、予算額が小事業区分で500万円以上の事業の中から18事業、区の直営施設から4施設を経営管理部において無作為に抽出したものでございます。一定の条件を付して事業を絞り込んだ上で無作為抽出としたのは、事務事業外部評価を含むさまざまな手法により、区のすべての事務事業を点検するという方針がございますこと。また、本年度は試行として実施するため広範囲の事務事業を取り上げる必要があると考えたことなどによるものでございます。 ◆岸田〔正〕 委員 今、言われたようなそういう経過のもとに選定されたのだろうと思うのですけれども、状況がわからない人が見ると、何か仕分けしやすいというか評価しやすい事業が選定されたのではないかなという感もしなくはなかったのです。だから、その辺は、今回は初めての試行だということですから、今後、この形で評価されていくのであれば、その辺も透明性を確保するのがいいのかなと思います。  次に、事務事業外部評価人が判定していますよね。このような評価人になられた方というのは、どういう立場なのかなと。まず、公開審査時に配られた資料によると、大学の教授の方が3名、地方自治研究センターの研究員の人が1名、そして大田区自治会連合会の推薦者と民生委員・児童委員の推薦者各1名の総勢6名なのですけれども。評価委員の構成というのは、どのような基準のもと、どこが選任したのかというのをちょっとお聞きしたいのですが。 ◎水井 経営担当課長 事務事業の評価は、行政施策についての知識と見識が求められると考えております。このような観点から、地方公共団体における行政計画の策定ですとか行政評価の経験のある学識経験者の方、こちらの方と長く地域の活動にかかわって区の施策への知識を有する方ということで大田区自治会連合会と大田区民生委員・児童委員協議会から推薦していただいた方、こういった方々を経営管理部で候補といたしまして区長が委嘱したものでございます。 ◆岸田〔正〕 委員 後半の、長く区の事業にかかわっておられた方とか大田区の状況をよく知っておられる方というのは納得できるのですけれども、そもそも生活の場である大田区の事務事業ですから、区民の生活に直結していて大きな影響を与えると思うのです。例えば、学識経験者と言われる方で、これは単純に疑問に感じたのですけれども、言われる評価委員の方々、大田区の状況を十分熟知しているのかなと感じました。だから、そういう中で大田区の住民なのでしょうか。  国の事業仕分けというのは、さまざまな政策の仕分けをしますから、学問的知識や政策に対する理念があれば、ある程度、対応できると思うし、そもそも日本国のことですし、仕分けされた方は日本国民でありますから日本のことはよく知っているわけですけれども、生活の場である大田区の事務事業を評価する評価人の方々、この辺の知識はどうなのでしょうか。もう1回、お聞きします。 ◎水井 経営担当課長 外部評価委員の方には、対象事業の資料だけではなく、区の概要に関する資料の提供や説明を行っております。また、これだけでは十分でないということもございますので、区民2名の委員をお願いするということで議論が適切に行われるように配慮しているというところでございます。 ◆岸田〔正〕 委員 ですから、資料だけで果たしていいのかなという気はするのです。生活に直結する場ですし。それと、代表質問の中でも発言があったのですけれども、この評価によって廃止という判定をされた事務事業のことについて意見がありましたけれども。資料を事前に渡すと、それで30分の間で資料を通して結論を出さなくてはいけないという状況ですけれども。  例えば、今、民主党がやっている国の事業仕分け。国会議員に聞きますと、公開で行われる前に、かなり時間をかけて、かなり綿密に準備作業を行っていると聞いているのです。ですから、もう一度聞きたいのですけれども、評価人の事前準備や事業に関する見識、それがどの程度の理解なのかなと感じて、もう一度、お聞きしたいと思います。 ◎水井 経営担当課長 評価委員の方には、事前にできる限り事業の実態がわかるような資料を提供して、入念な準備をお願いしているということでございます。また、事前に詳細な質問をお寄せいただいたり、こちらのほうで資料をつくって提供したりということで万全を期しているところでございます。  既に2日間実施したわけでございますが、しっかりとした準備の上に適切な判断をしていただいていると担当としては感じているところでございます。 ◆岸田〔正〕 委員 ここは幾ら言っても、なかなか議論がかみ合わないところだろうと思うのですけれども。では最後に、今回の外部評価の結果、見直しや廃止といった評価が下された事務事業については、今後どのような手続を経て区の行政運営に生かされていくのでしょうか。また、そこの中で、行政のチェック機能を持つ議会に対してはどのような関与を考えておられるのか、お聞きしたいと思います。 ◎水井 経営担当課長 外部評価の結果でございますけれども、廃止、見直し、現行どおり、拡充といった四つの評価結果を行いまして、委員ごとに評価が異なる場合には、拡充が何人、見直しが何人という評価区分ごとの人数を示した上で、評価に至った意見や改善提案があれば、これを添えることとしております。この評価結果は事業を所管する部においてその取扱いを検討し、ホームページや区報を通じて公表するほか、対応については行政計画や予算案の中で具体化していくということになります。こうして得られた行政計画や予算案に対して、区議会のチェック機能を発揮していただくと考えているところでございます。 ◆岸田〔正〕 委員 今までの行政評価の目的であったり、その中で行われてきた行政評価、そして今回、公開によって事務事業の外部監査が行われているのですけれども、私は傍聴していて、この役割というのはやはり議員がやるべきだろうなと考えております。二元代表制のもとで、区民の代表である議員がこの部分は担うべきではないのかなと考えておりますので。これは私はそう思っているので、今後、外部評価をされる中で、これは一つの意見として検討していただきたい、最後にお願いしておきます。 ○岡元 副委員長 次に緑、質疑願います。 ◆野呂 委員 久しぶりに晴れわたった土・日に作業所等のお祭りで、地域の方が以前よりも参加されている姿がとてもうれしく思われました。私は、予算編成と執行について、次年度に生かすという視点でお伺いいたします。  昨年の第1回定例会で松原区長は、おおた未来プラン10年の初年度ということでありまして、船出にふさわしい予算執行をいたしましたということで冒頭のごあいさつがございました。98事業242億円の主な事業だったわけでございますけれども、監査では、それが82%の執行率ということで、おおむね良好なスタートだという報告がありました。  確かに頑張っていると思われる点、100%の事業もありましたし、思うのですけれども、これが10年のスタートの年であり、そして、この重点施策ということがどのように実行されていくかということが、次の予算、次年度次年度に生かされていくと思うのです。その中で、執行率の低い事業も比較的多く、例えば緊急雇用とかがあったのですけれども、4億1千数百万円組まれたうちの1億5,000万円が減額補正されるなど、使われ切れなかった面もありますけれども、執行率が低かったものをきちんと分析していくことが事業を前向きに進めることだと思うのですけれども、この点について、どのように分析されて、どうとらえているか、お答えください。 ◎鴨志田 企画財政課長 21年度予算につきましては、地域力を生かし、多様化する地域課題にきめ細かく対応するとともに、国際都市として新たな活力と魅力をつくり出すことに加え、緊急経済対策の取組を進めることといたしたところでございます。重点事業につきましては、まさにこの施策の展開の中核と位置づけたものでございます。地域医療連携の推進や地域力応援基金助成事業、おおたの観光魅力創出事業などは順調に執行した反面、新型インフルエンザ予防接種費助成厚生労働省による接種回数の見直しがあり助成件数の減となるなど、執行率が低くとどまった事業が一部にございます。一つひとつの事業につきまして、成果や執行状況などを分析し、今後の予算編成に生かしていきたいと考えております。 ◆野呂 委員 今回、98事業の中に介護保険の介護施設等人材確保育成支援事業というもの、これは21年度の予算のときは4,420万円計上されていました。今回、報告書の重点事業実績説明書の中で、その中から人材確保のところだけ取り出して2,200万円、そのうちの800万円が執行率ということで挙げられて36.4%だったのですけれども、例えば、こうした事業は国も東京都も大田区も行いました。  介護の現場で人材確保が急務なのですけれども、執行率が低かったという理由の中に、国も東京都も大田区も行って、国の事業を使うと大田区のものは使えない。大田区のものを使うと東京都のものは使えないといった、そうした面がありました。ですから、各部局でこうした新規事業を組むときに、あるいは、それが企画に上がった段階で、ダブっていないのかどうかとか、そうしたことを精査していく必要があると思うのです。  ところがその事業、22年度で見ると、4,420万円だったのがわずか9万円になってしまっていました。それは、本当にその事業の必要性やどこがまずかったのかということがきちんと分析されていないことだと思うのですけれども、こうしたことをきちんと調整するところが私は事業について必要なのではないかと思うのですけれども、いかがでしょうか。 ◎鴨志田 企画財政課長 社会経済状況や区民の行政のニーズが日々刻々と変わりゆく中で、区としましては、変化に敏感かつ適切に対応しなければいけないと考えております。ご指摘の事業につきましては、他の行政機関においても同様の施策展開を行う行政サービスがございます。逆に言いますと、時代に適合した事業を行うがゆえに重複が生じているということが言えるのかなと思っております。  国や都、区では、同種の施策であっても目的や目指す効果が異なってまいります。施策全体の効率的・効果的な執行に向けまして、相互の情報交換に努めてまいりたいと考えております。 ◆野呂 委員 時代に適合した事業だから複合的にとおっしゃいましたけれども、同じ内容であれば、どんなに複合的であっても有効性ということは限られてくるわけです。  今、介護の現場では、例えば、私の手元に資料がありますけれども、関東近県の学校を全部回っても人材が確保できないという課題も一方でございます。そうすると、今、区に求められているのは、本当に介護現場で高齢者と一緒に楽しく介護ができるかといった教育の面とか、さまざまな施策も待たれているわけなのですけれども。今年度9万円で幕をおろしてしまうといったことでは、東京都も終わってしまったので使いにくいと。ですから、企画財政課では、そうした事業をきちんと精査しなくてはいけないのだと思うのですけれども、私はそれが十分ではないと思うのです。  今回、一般財源の超過負担分についてデータがございました。私は、そのデータを見まして、国庫支出金、都支出金の中で大田区が財政負担をしている分にプラスアルファして超過負担している事業が64事業、それが62億円もあったのです。62億円の事業のうち、今回、衛生費で15億円の不用額を出しましたけれども、そのうちの12億円が大田区が単独で超過負担した事業の中身だったわけです。もちろん、国がもっと出してくれればいいという思いが財政当局にはあるのかもしれないけれども、この64の事業の中に大田区の施策の方針、どういった事業に重きを置くのかというのが見えてくると思うのですけれども。  一方でそれが不用額という形で、これほどまでに12億円も積み残してしまうということでは、私は、総括質疑の中でコスト意識を持って経費削減に努めた結果、不用額が出ましたと区長はお答えしていましたけれども、予算の段階で詰めが甘かったということがあるのではないかと思うのですけれども、いかがでしょうか。 ◎鴨志田 企画財政課長 国庫支出金などにおきます区の超過負担につきましては、事務事業を実施するために本来必要となる経費に対して国庫補助の基準額が低いといったことによりまして、法令等で定められた負担割合以上に区が経費を支出しなければならない場合に発生することがあると考えております。  例えば、子宮がんや乳がん検診無料クーポン券などの受診率が伸び悩んだ結果、不用額を生じるなど、一部事業に不用額を生じております。予算編成時において、事業目標値の妥当性などにつきまして、さらに、より一層の精査が必要と考えております。限られた資源を効率的かつ効果的に活用することは、予算執行上、委員がおっしゃいますように重要な視点でございます。個々の事業の評価を十分に行いまして、今後の予算編成に生かしてまいりたいと考えております。 ◆野呂 委員 そこの事業の詰めが、例えば、今回、おおた未来プランには119の事業がありましたけれども、98の事業にだけ予算がつきました。残る21事業には予算がつかなかった。ここに未来プランがありますけれども、付せんを張ってあるのが予算をつけなかった事業なのですけれども。その中で私がとても大切に思っているのは、施策3−3−2の透明性の高い区役所をつくります。区の意思決定過程の透明性の確保、説明責任の徹底が求められますというところで、主要施策の成果及び達成度の公表という事業があるのですけれども、この分野は全然予算もつかなかったし、本来であれば、事業というのは、年度の途中でどのくらいの進ちょく度であるか、どういった点がまずいかということがきちんと予算の中で検討されなければいけないのですけれども、そういったことは行われているのでしょうか、どうでしょうか。 ◎後藤 政策担当課長 まず、未来プランに掲げてある事業については、進行管理をしているところでございますが、特に重要なものについては庁議指定事務事業として四半期ごとに進ちょく状況の確認をしております。最終的に、今回発表した主要施策の進ちょく状況の報告という形で、区民にもご報告しているところでございます。 ◆野呂 委員 庁議で事務事業について報告しているということでありますけれども、それであれば、年度の終わった段階で、もう少し執行率を上げる努力というのがどう生かされるかということが議論されなければいけないし、その詰めが甘ければ、私は流用がとても増えると思うのです。  私はいつも予算書と決算書を見比べているのですけれども、去年もそうですけれども、今年も流用という分野がとても多いことで、実は、ちょっと驚いておりました。今回、事業間の流用ということはまだしも、そうではないものがありますよね。例えば、職員人件費、これを区税等還付金ということで649万3,000円、それからリサイクル活動グループの支援という報償費を978万1,000円、委託料で行政回収の推進に充てると。こういった流用というものが非常に多い。まだ同一事業の中の流用であれば根拠が見えるところがあるのですけれども、他の節への流用というものは、一体どういう基準で流用というものが行われているのでしょうか。 ◎鴨志田 企画財政課長 流用でございますが、予算の意図・目的に沿いますように、迅速かつ効率的に執行することを観念に、必要な場合に行っているものでございます。財源、必要性、優先度、緊急性などを勘案しまして、実施するか否かの判断を適切に行う中で、その結果を決算書等にわかりやすく記載させていただくということで区民・議会の皆様への説明責任を果たしているものでございます。 ◆野呂 委員 流用の基準というのは、あるのですか、ないのですか。 ◎鴨志田 企画財政課長 流用につきましては、目の中で節間の部分で行われるものでございます。そういった意味で、款項をまたがないといった大前提の中で、執行段階の経費が不足する場合に行わせていただいているものでございます。 ◆野呂 委員 大田区予算事務規則というものがございまして、目節等の流用、第21条があります。目又は節の金額は、予算の執行上やむを得ない事由がある場合のほか、相互に流用してはならない。これは大田区で規則として定めているものですけれども、この流用の規定。  それから、もう一つは予備費充用の規定がございます。今回、決算書の156ページに地域国際費、予備費充用増減額273万5,090円というところがあります。これは昨年10月25日、区長以下8名が親善訪問団派遣で使ったお金です。予備費というのは、本来は危機管理のときに使うのではないのですか。災害とか地震とか、緊急やむを得ないものに使うのだと私は理解しておりました。今回、監査報告書の中に予備費の項がありますけれども、新型インフルエンザ、あるいは南馬込四丁目擁壁の崩壊に伴う危険箇所応急対策、あるいは台風18号の通過に伴い風害を受けた昭和島運動施設の防球ネット復旧工事費というふうに。これは、予備費は原則、白紙委任だと思うのです。信頼をして災害があったら使ってほしいということだと思うのですけれども、なぜ国際親善訪問に予備費が充用されたのでしょうか。 ◎鴨志田 企画財政課長 予備費でございますが、予算外の支出または予算超過の支出に充てるため、あらかじめ予算の中におきまして、その使途を特定しないで計上しているといったものが、その性質でございます。今回の中国訪問団の派遣でございますが、平成21年10月25日の羽田空港と北京首都空港を結ぶ定期チャーター便の就航に伴いまして、日中親善訪問団派遣事業について予備費を充用したものでございます。訪問団の派遣は日中親善訪問団派遣事業実施要領に基づき実施をされておりまして、この決定は昨年の10月初めでございました。既に第3回定例会の会期中でございまして、補正予算の提出に間に合わず、緊急の経費として予備費から充当させていただいたものでございます。 ◆野呂 委員 10月初めということですけれども、それでは予備費を充用するときには、予備費の充用という項目があります。部局の長は、予備費の充用を必要とするときは予備費充用の様式を経営管理部長を経て区長に提出し、その承認を受けなければならない。決裁はいつされたのですか。 ◎鴨志田 企画財政課長 予備費の決裁でございますが、1件ずつというよりも包括的に現在、執行をさせていただいております。 ◆野呂 委員 今回の親善訪問団の派遣がちょうど10月ということで、まさに第3回定例議会の開催中だったと思うのです。私は、区長と私たち区民から選ばれた議員が二元代表制という中で、やはり補正予算というものをきちんと組んでしかるべきだと思うのです。そして、きちんと議決を受けて、堂々と必要であれば行けばいいと思うのです。補正を組まなかったということを、先ほども話されていましたけれども、そういう状況が続くということは、私は一つの自治体を運営する者にとって好ましくないと思うのです。  最近、流用ということがとても目につくのですけれども、補正をきちんと提示して議決を仰いで。議論するのは、私は、うんと議論すればいいと思うのです、どんどんね。そして、その上でいろいろなことをすればいい。  私は、昨年、防災・安全対策特別委員会で阪神・淡路の淡路島へ行ってきました。そこで現場の状況の大変さを見て、そして、そこから復旧するために市民が知恵を絞って災害要援護者のあり方とかを議論しているのを見て、議員だけではなく防災部長や防災課長、危機管理担当課長も、こういうときに本当にご一緒したいなと思ったくらいです。  私は、必要であれば行くことはやぶさかではないと思うのですけれども、あくまでもそれは予備費から流用するということではなく、正式な手続をきちんと経て行うということが逆に区長を支えることであり、執行を適正にするということだと思いますし、役人の皆さんは、公務員になったそのときに、予算のあり方というのをまず第一にお勉強されるのだと思いますので、そうしたことをきちんと手続としてやっていくべきだと思うのです。  今回、流用というものの基準は、とお聞きしましたら、何かあいまいだったのですけれども。私はこれは、2千数百億円という一般財源を適正に運営するためにも流用の基準というものを適正に設けるべきだと思うのですけれども、いかがでしょうか。 ◎鴨志田 企画財政課長 目内で執行経費を捻出する中で、幾ら以上であるとか、では何パーセント以上の場合にはどうするといった基準は、なかなかつくりがたいものがあるのかなと考えております。私どものほうの執行サイドの面の執行権の中で議員の皆様に適切に情報をお流しをする中、もしくは決算の中で適切に説明させていただくといった形で運用してまいりたいと考えております。 ◆野呂 委員 執行権の中で議員の皆様に適正な情報をきちんと提供するというお話でしたけれども、私はわかりませんでした、このことについて。決算書を見て、初めて予備費で充用して行かれたのだということがわかりました。区長の専決処分というのがあると思うのですけれども、執行権もあると思います。けれども、政策的な事業、21年度の予算で審議されなかった新たな政策については、これは適正に補正予算にかけるということが基本であるべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。 ◎鴨志田 企画財政課長 地域振興費の中で、姉妹友好都市交流事業という事業につきましては、議員の皆様方の当初予算を編成いただく中でご説明を差し上げていたところでございます。今回、先ほど申し上げましたように、非常に時間のない中でお金を捻出するという必要性が生じた関係から、予備費を充当させていただいたというものでございます。 ◆野呂 委員 時間のない中でということが続けば、いろいろなことができるかと思うのですけれども、でも、やはり未来プランにあります透明性を確保した区政運営ということで、今後、流用についての基準等、補正にどういったものを上げるのかということを再度、議論していただきたいと思いますし。こうした新たな政策が庁議等で話されているのかどうか、私にはちょっとわからないのですけれども。  私がいただいた庁議記録、これはもう他区では、中野区とかは、庁議でどんなことが話されたかという、案件だけですけれども、でも、これがわかることで、例えば今、事務事業の評価がいつごろ話されていたのかということを私自身もわかることができますし、お互いにいろいろな情報を公明正大に得る中で、区民にとっていい大田区をつくっていきたいと思います。庁議の記録というものを、私たち区議会議員にもぜひ提示していただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。 ◎荒井 総務課長 区にはいろいろな会議体がありまして、お尋ねの庁議もその一つでございます。大田区庁議規則に、区の行政運営の最高方針を審議・策定するとともに、区、各機関相互の総合調整を行い区行政の能率的遂行を図るため庁議を設置するとあります。このように、庁議は区政にとって最重要な案件を扱うところでございます。また、案件の中には、部局からの検討中案件の途中経過報告のものや庁議において結論が出ず継続となるものなどもございます。公開には、そういうものはなじまないものも入っております。議員各位には常任及び特別委員会において必要な事項をご報告しておりますので、庁議の報告の一般的な公開は考えておりません。 ◆野呂 委員 公開になじまないものもあるということですけれども、23区の中のいろいろな区で庁議の記録というものは提示されている状況の中で、公開になじまないという表現が適正なのかどうかということを一言申し述べておきます。  最後に、莫大な予算を区民の幸せ、安心のために使っていくわけなのですけれども、私は予算編成と執行にあたっては各部局、そこに携わる職員の方々一人ひとりの本当に知恵や勇気や、あるいは議会で提示されたもの等、いろいろ活用されていると思うのですけれども、でも、予算編成の基本に、そこで働きやすい人材育成ということがとても大事だと思っております。  近ごろ、例えば課長も係長も部長も一緒に変わってしまうといったことも多々見受けられる中で、それで本当に一つの部局が仕事をしやすい環境なのかということは、問われていくことではないかと思うのですけれども。やはり人材育成、次に続く人材、この大田区を担っていく、確かに大田区民のために頑張ろうという人材の育成のために、私は区長にそのことを本当にいつも心がけていただきたいと思うのですけれども。人材を確かに育てる中で、確かな予算編成と執行ということも全域でできると思うのです。そういう視点を再度確認したいと思うのですけれども、いかがでしょうか。 ◎勢古 経営管理部参事〔人事課長〕 人材を育てるということでございますが、まず職員の配置につきましては、これまでも適材適所の考え方のもと、職員の配置に努めてきたところでございます。その上で、区政の事業運営には人材の確保と育成は重要であると認識しているところでございます。  具体的には、ゼネラリストはもちろんでございますけれども、高い専門性を有するスペシャリストを育てることも重要と考えているところでございます。この考えを実践する方法の一つとして、本年1月に改定しました大田区人材育成基本方針の中でもマイスター、いわゆる匠制度の導入の検討について検討してきたところでございまして、現在、その実現に向けて取り組んでいるところでございます。 ◆野呂 委員 適材適所、それからスペシャリストというものも必要だと。すべての方たちがそうなる必要はないかと思うのですけれども、そういう人材を確かに部局の中に確保しながら、そしてやっていくということがとても大切かと思います。今回、私は、予算の執行にあたって、原則、単純明朗ということが予算では一番大事かと思うのですけれども、その執行を求めて質問させていただきました。  これが次の年度に生かされるように私は今回質問したのですけれども、最後に、もしよろしかったら、野田副区長、いかがでしょうか。お考えをお聞かせください。 ◎野田 副区長 予算を編成し、その予算についてご議決をいただくということ、それから1年の執行を終えて決算として結果をまとめるということ。その予算の中には、これからやっていこうという方向性、方法というものが含まれております。一方で、決算の取りまとめの中では、それがどれだけ効果をもたらしたのかということについての検証ということが含まれております。  その中には、できたと胸を張れるものもあれば、反対に、もくろみとして持っていたにもかかわらず、それが十分に達成し切れていないというものも含まれていると思っておりまして、そうしたものをしっかりと受けとめる。また、この決算においては議会のご認定をいただくという手順がございますので、そうしたものを糧にしながら、これを次に編成する予算の中に生かしていくということが、プロセスとして必要であると思っているところでございます。 ◆野呂 委員 基本条例や、あるいは議長の議会招集権等、今後も検討されていかなければいけないと思いますけれども、適正な執行を求めて質問を終わります。 ○岡元 副委員長 次に、区民の会、質疑願います。 ◆西村 委員 区議会大田区民の会の西村健志郎でございます。  今回は、私は、区政の財政難の折に、どうやって歳出を削っていこうかと、無駄を省いていこうかという観点で質疑を行っていきたいと思います。  先日、実は、先輩議員のほうでデジタル防災用の行政無線ですか、これを更新すると、デジタル化するということで話がありました。5、6年にわたって12億円から13億円使うということで、感覚的には、これは高いのではないかなという感覚だったと思います。本当に音声、これは音声ですよね、音声を区民の耳に届けるということで、これは決してデジタル化したから聞こえやすくなるわけではございません。その辺は、やはりデジタルとかITとかという言葉に惑わされないようにしてほしい。  この件については、やはり緻密な現場に行っての現地調査を行って、出力の小さいスピーカーであっても、なるべく耳の近いところに小まめにつけていくことによって難聴地域が解消できると、これが基本でございます。  かえって、デジタル化することによって周波数が上がれば、皆さんもご存じのように、例えば、携帯電話のワンセグメント、ワンセグなんかは約2ギガ帯の周波数を使えば、本当に全然入ってこないのです。区長室の中でも受けられないという問題があって、たくさんアンテナをつけなくてはいけないことになるということも踏まえて、本当に、その用途にどれが適正か、どういう周波数帯が適正かということを考えながら。  私も、この件につきましては、ラジオ波を使うということで問題なしと。要は、親機と子機の間です。子機から、スピーカーからのこれは音声ですから、音声を耳に届けていくと。  先輩議員がおっしゃったように、これは家の中にいたら聞こえないわけです。では、どうするかということで、私が2年も前に、家の中では、例えば火災警報器から強制的に音を鳴らすとか、あるいは固定電話に強制割り込みをかけてベルを鳴らすとか、それから移動中の人は携帯電話に、これまた強制的に割り込みをかけて非常ベルを鳴らすとかというようなシステムを考えたらどうかということも提案しておりますので、大田区でこういうことを、例えば中小企業の力をかりて率先してやっていくということも含めて一緒に考えていきたいと思っております。  今日は行政無線のことではなくて、この12.数億円といいましょうか、約12億円から13億円を毎年使うシステムがあるわけです。これは基幹系システム、新しいものに今年、入れ替えて最終年度でございます。来年の1月早々から実際に運用を開始するということで、これは、その後、維持管理をするために12億円から13億円、これが毎年必要なわけです。これを、いかに減らしていくかということです。  例えば、今年、これは新規導入分も含めて約40億円弱の決算額が上がっております。不用額が2.5、6億円なのですけれども、10%を私は目標にしてほしいといって、それには足りなかったけれども2.5、6億円ということは、土地さえあれば小さな保育園が一つ建つと。ここは、やはり一番大きな支出ですので、いかに削っていくかということが、まず一つ、ちゃんとトップの方針として出ているかということを所管の方に伺いたいし、オープン化することによって、まさに各職員の机の上にあるクライアントと、あと、それを統括するサーバー、クライアントサーバー方式によって、基本的には、民間の企業であれば、自分たちで維持管理・運用をしていくというものが基本でございます。だから、ハードウエアのリース代を除けば、半分に減らせるのではないかと。安く見ても半分。  そうは言いながら、前回、予特のときでしょうか、10%ぐらいを考えているという課長の答弁でございましたけれども、やはり、ここは目標値として20から30%の目標額をいただきたいなと。現行のホストコンピューターを使った大がかりな保守ではなくて、維持管理のために、今後、このオープン系では20%から30%、12から13億円を減らしていくということを求めたいと思いますが、いかがでしょうか。 ◎町田 情報システム課長 幾つか質問があったと思うのですけれども、まず、予算をつくる前に見積もりをとり、さらに契約段階で内容を精査して、予算については、無駄がないようにということで考えております。  また、運用費用につきましては、委員がおっしゃったように、現行、ホストコンピューター、それから基盤、そして年間要します法改正分、こういうものに対して12億円程度の費用を要してございます。これを、基盤が2枚化になりましたので、数年は費用が重なりますけれども、5年後をめどに20%か30%というのは、今のところ試算としてはかなり厳しいかなと考えてございますけれども、15%以上は努力できるようにということで頑張っていきたいと思っております。 ◆西村 委員 これからも、ほかの事業についても伺っていきたいけれども、こういうことについて一番大事なのはトップからの意思がちゃんと各所管に示されているか。何パーセント減らしていくのだよと、どのくらい減らしていくのだよということが私は一番大切だと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。 ○岡元 副委員長 次に日本、質疑願います。 ◆犬伏 委員 たちあがれ日本の犬伏でございます。  地方財政法の第4条第1項には、地方団体の経費は、その目的を達成するための必要かつ最小の限度を超えて、これを支出してはならないと書いてあります。そういった視点から見ますと、大田区の財政支出は相当、最小の限度を大幅に超えて支出している部分があります。  一般質問で私は、自分自身の24年間の旅行会社の経営者の経験から大田区の幹部職員の旅費があまりにも非常識であると指摘しましたが、時間がなかったものですから詳しくはお話できませんでした。今回、ちょっと突っ込んだお話をしたいと思います。  平成21年の6月28日から7月1日まで、区長と産経部の伊東部長はバンコクに旅行されました。そのときの経費は、お二人で72万7,415円です。なぜか区長の運賃は正規のビジネスクラスの運賃で、46万9,500円。正規というのは、日本航空のカウンター、全日空のカウンターへ行って買える金額であります。そして、伊東部長の航空運賃は、なぜか全日空の正規の割引運賃、スーパーエコ割というものを使って5万3,000円。区長のビジネスクラスの運賃を正規のビジ割というので乗りますと26万6,000円なのです。なぜか区長だけは正規の最も高い、多分、ほとんどこんなもので航空運賃を買う人はいないであろう運賃を計上しているのです。  さらには、蒲田にもありますけれども、H.I.Sで行きますと、区長が46万9,000円払った運賃は16万8,400円で行けるのです。伊東部長が5万3,000円で行った運賃は、4万400円で行けると。総額で31万円も安く行けたのに、あえて高く行ってしまっている。この辺が臭いな臭いなとずっと思っていたのですが。  なぜ不自然に別々の料金体を使うのか。一つは、全く正規の値引きなしの、ほとんどだれも使わないような定価なのです。もう一方は、全日空の窓口へ行くと、いつでも出てくる全日空の割引運賃なのです。旅行会社を使っている、JTBを使っているのだけれども、なぜか、こういうアンバランスな見積書を出してくる。そして、この請求書に対する領収書がないのです、公文書にはないというのです。どうやって、この運賃というのは決めるのですか。 ◎勢古 経営管理部参事〔人事課長〕 旅費につきましては、どのように決めるのかというお尋ねでございますけれども、職員の旅費に関する条例の規定に基づきまして、旅費の種類によりまして最も経済的な通常の経路及び方法により旅行した場合の旅費により計算するところでございます。旅費の種類でございますけれども、鉄道運賃、航空運賃、宿泊料、支度料など13種類ございます。鉄道運賃や航空運賃などのように実費額によるものと、宿泊料、支度料のように定額により算出するものがございます。  なお、定額による支給とされているものにつきましても、会議等によりまして宿泊施設が定められており、その額が規定額を上回る場合は増額し、また、実際に宿泊する施設が規定よりも廉価な場合は減額するなど、必要に応じて増減する場合がございます。
    ◆犬伏 委員 いや、そうなのです、それは条例に書いてあるのだけれども、そうではなくて、なぜ区長は定価で行って、部長は安い運賃を使うのか。ほかの、これからまた話しますけれども、北京、シンガポール、ソウル旅行とか森部長と玉川課長のヨーロッパ旅行とかアメリカ旅行とか、いろいろな旅行があるわけだけれども、その都度、ばらばらなのです。基準を見ていると。運賃を使う基準がばらばらなのです。変な言い方をしますと、ああ、ここで剰余金をつくっているのだなというのが見えてきてしまうのです。  だから、なぜ、こんなばらばらな基準で出すかと。お役人というのは、統一した基準でやらなくてはだめでしょう。それをその都度、何かころころ変えてしまうのです、基準を自分の都合のいいように。後で、もっとびっくりするようなことを教えてあげますけれども。  どうやって、こういうばか高い運賃とばか安い運賃を同じ旅行で使うのですか。あなたが例えば奥さんと一緒に行くとき、奥さんだけ正規運賃で買って自分の分だけばか安い運賃で行かないでしょう。やはり同じ基準で正規の割引運賃で、区長は偉いからビジネスクラスと、部長は偉くないとは言わないけれども5万3,000円で我慢してもらうとわかるのだけれども、区長だけばか高い定価で買って、部長だけ安いので買ってという、そこがわからないのです。 ◎勢古 経営管理部参事〔人事課長〕 公務での旅行につきましては、出張の場合は、やはり限られた日程の中で訪問先の数とか相手方との会談等、いろいろと想定されるところでございます。そういった中で、区長の運賃につきましては、これは国に準じた形でございますので、所定の範囲内と考えてございます。やはり次の日程とか、そういうところを考えた中で、エコノミーではなくて、場合によっては一つ上のクラスとか、そういった形で次の日程に合わせての体調管理もございますので、そういうところで考えているかと思います。 ◆犬伏 委員 知らないというのは、いいことですね。区長が買った46万9,500円の運賃と全日空のビジ割26万6,000円、H.I.Sの16万8,400円、すべて同じ基準で日程変更もできるのです。だから、日程変更ができないという、JTBにだまされたのか皆さんがうそをついたのかわからないけれども、そういうプロが聞くと白々しいうそはあまり言わないほうがいいと思います。  次に、再三言っているのですけれども、現地の移動費用というのがたまげてしまうのです。4月から北京、シンガポール、ソウルに区長と茂呂課長が旅行したのですが、区長と茂呂課長が行ったときは2人ともエコノミー運賃なのです。さっき区長は何か都合があるからビジネスだと。今回はエコノミー、それもばか高いエコノミー運賃を使っているのです。  中国でセダンの使用料が8万7,000円なのです。中国旅行のプロのサイトを見てきたら、空港送迎2,000円、9時間まで専門職、ガイドつき1万6,000円、したがって1万8,000円でこの8万7,000円のことができると。JALセールスという会社が幾らつぶれそうでも、7万1,000円は乗せ過ぎだなと。  シンガポールでセダンを使っているのです。これを同じような基準で調べたら、区長と茂呂課長が使った36万2,000円のセダンの運賃、ただ車を借りただけですよ、これをシンガポールの旅行会社に頼むと6万6,000円で行けるのです。30万、どこへ行ってしまったのですか。  それから、ソウルに行きましたね、区長と茂呂課長。ソウルで空港送迎と9時間のセダン、空港の往復と9時間使っただけですよ。20万6,000円ですって。びっくりしてしまうよね。これを同じくソウルの旅行会社に聞いたら、市内チャーター1万5,000円、ガイド1万8,000円、合計3万3,000円でできるというのです。そうすると、この差額もどこへ行ってしまったのだろうね。この間の一般質問でガイドが高いというのだけれども、高いガイドを入れてこの金額なのです。  総額で、この1回の北京、シンガポール、ソウル、3カ国周遊の旅で50万円ぐらいがわからないのです。まさか、それでステーキを食ったとかお土産を買ったとか酒を飲んだとかとは思わないのだけれども、なぜ、こんなおかしな金額が検査を通ってしまうのだろうね。おかしいと思いませんか。9時間使って、車を借りて日本語のガイドをつけて36万2,000円よ。これ、送迎費用にガイドを入れることは適正ですか。ガイドというのは、送迎費用ではないでしょう。  さっき、あなたがおっしゃったように、条例には支給できる旅費の種類は決まっているのです。車賃と航空運賃は実費と書いてあるのです。これは、実費ではないではないですか。高級なガイドをつけたと、この間、答弁があったのだけれども、ガイドの費用というのは旅行雑費で払わなくてはいけないことになっているのです。おもしろいことに、区長と茂呂課長が書いた旅費の請求書があるのだけれども、そんなことはどこにも書いていないのです。旅費の請求書に車賃と書いていないのだよ。総額で書いてあるのです。旅費に関する条例によれば、航空運賃幾らと、旅行雑費幾ら、それから食卓料、飯代だ。飯代幾ら、日当幾らと全部分けて書かなくてはいけないのだけれども、一遍に全日程幾らと書いてあるのです。  さらにおかしいのは、8月に森部長と玉川課長がアメリカ旅行に行ったのだけれども、宿泊料の欄に6,700円と書いてあったの。随分安いホテルに泊まったのだなと思ったら、食卓料を間違えて書いてしまっているのです、宿泊料のところに。ということは、でたらめです、この旅費の請求書。  なぜ、ちゃんと航空運賃幾ら、宿泊料幾ら、旅行雑費幾ら、食卓料幾らと書かないで、丸めて書いてしまうのかな、こういうふうに。旅行会社の見積もりもついているのだけれども、公文書開示で領収書が出てこないのです。何度も言うように、本人に金を渡して、その後は私費だと。産経新聞が取材に行ったら、領収書を見せてやると、コピーを、公文書会議では出せないけれども見せてやるといって見せてもらったらしいのだけれども。区議会は、過去はこういうことをやっていたのです。区議会も、海外視察で。今は、もうやめようということで、大田区区議会の親善訪問は、区長がこの間、連合町会長と行ったように、委託契約を結んで実費を旅行会社に払って、その領収書も公文書で出てくるのです。なぜ、幹部が行くと、こういういかがわしい支払いをするのか。現地の費用を、こういうまとめて書いてあっても違反ではないのですか。 ◎勢古 経営管理部参事〔人事課長〕 人事課のほうに、旅行について協議をする場合につきましては、職員の宿泊を伴うということで、服務関係ということで協議をいただいているところでございます。  そういった中で、旅費につきましては原則として実費ということでございますが、一時に多額の費用を要する、いわゆる海外旅行のような場合につきましては、概算払いということで支給しているところでございます。 ◆犬伏 委員 私は、高いガイドを使うなと言っているのではないのですよ。高いガイドを使うなら、ガイド代をちゃんとこの外国旅費請求書に書けと言っているのですよ。  森部長と玉川課長がロンドンとパリに行ったとき、全行程旅費49万8,940円と書いてあって、残り全部空欄なのです。たまに書いてあるものもあるの。適当なのですよ、その都度適当なの、基準がないの。書いてあったり書いてなかったり、面倒くさいときは一遍に出してしまう。ちゃんと条例の最後に指定都市は一泊幾ら、ニューヨークだと一泊2万2,500円、旅行雑費は3,600円が出ると書いてあるでしょう。飯代は6,700円出ると書いてあるのだ。森部長たちがロンドンに行ったときは6,700円と書いてあるのですよ。飯代6,700円、違う。アメリカに行ったときだ。食卓費一日、6,700円を使いましたと書いてあるのだけれども、ヨーロッパは書いてないのです。宿泊費とそれ以外のことは一切書いていないのです。とにかく一遍に丸めて書いてある。  こういうことをしていたら、やはり笑われてしまいますよ。民間出身の区長、例えば、奥さんと二人で北京、シンガポール、ソウルに行って、154万円使わないよ、絶対。バンコク3泊4日で奥さんと行って72万7,000円を使わないだろうなと。森部長が奥さんを連れてヨーロッパに行きましたと。ロンドンとパリに行っただけですよ。108万円は使わないだろうなと、幾ら金持ちだって。そういうことを言っているのですよ。  地方自治法にだって何と書いてあるかと。地方自治法の第2条第14項には、地方公共団体は、その事務を処理するにあたっては、最少の経費で最大の効果を上げるようにしなければならないと書いてあるのですよ。皆さん同じように、職務の宣誓を採用されたときにしているわけだ。している割には、この席についてしまうとわけがわからなくなってしまう。家に帰って奥さんと話をしていると、あなた、これ高いのではないのとか言われて、まともな民間人になるのです。それではだめなのです。  そっちにいる人も、こっちにいる人も、69万区民が高いと思うものは高いと思わなければだめなのです。69万区民が払わないと言ったものは払ってはだめなのですよ。こっちに行って、人の財布だと払ってしまうのだ、こんなばかみたいな金額を。36万円を2日間で払いますか、車代に。その辺のハイヤーを呼んできてみなさいよ、2日で36万円もかからないから。そういうことに腹が立っているのですよ。何でそういうことがわからないのか、あなたたちは。  この中にいる方も、心の中では、そうだ、私もそう思うなと思っている人がいると思うのだ。それは家庭も大切、偉くなるのも大切、でも、私たちは区民のためにやっているのですよ、自分の懐のためにやっているのではないし、自分が楽しい海外旅行をするためにやっているのではないのですよ。  どうか、自分たちの良心に恥じないように、そしてまちへ出たときに、区長、犬伏のホームページに書いてあったけれどもおかしいのではないかと言われないように予算の執行をしていただきたい。これは、この後、監査請求しますから、大田区にお金を返してください。  終わります。 ○岡元 副委員長 次に維新、質疑願います。 ◆湯本 委員 大田維新の会の湯本でございます。前に質問をされた方と多少重複する部分がございます。こんなにも思っていることが重複するものなのかと、質問を聞きながら思っておりました。  まず最初に、先日、飯田委員が大田区の財政のターニングポイントのことについて触れておりました。平成23年度は147億8,900万円、平成24年度が150億5,700万円、平成25年度が131億1,200万円の財源不足になると見込んでいるが、今後の区政運営はどう考えるかという趣旨の質問をされて、大田区は、ターニングポイントを迎え、今後3カ年の財政見通しとしても非常に財源不足を生じる可能性が強いという回答をされておりました。  今後の区政運営ですが、未来プランがあります。この未来プランを実行できるかどうか、これも非常に危うい部分があるという、だからこそターニングポイントだという回答をされておりました。これを言いかえてみれば、大田区が非常に危機的な状況に今さらされていると、私は言いかえてもおかしくないと思っていますが、そういう認識はお持ちですか。 ◎鴨志田 企画財政課長 委員おっしゃいますように、財政運営の面からは非常に厳しいものがある。この3年間で先ほど委員がおっしゃいましたように、毎年百数十億円の財源不足が想定をされておりますので、厳しい状況にあるといった認識を持ってございます。 ◆湯本 委員 こういう状況下にいきなりなったわけではなくて、時間をかけてこういう状態になってきたわけであります。この3年間、区政が何をやってきたのかということを振り返ってみたいと思います。  基本的にランニングコストというのが、この役所が存在するだけでかかります。このランニングコスト、それから今までやってきた事業の継続でどうしてもかかってしまう費用というのがあります。この費用の3年間の推移を教えてください。 ◎鴨志田 企画財政課長 3年間の推移でございます。20年度・21年度は決算額、22年度は予算額ということでお答えをさせていただきます。いわゆる、義務的経費と工事請負費、いわゆる維持補修費といったものをランニングコストととらえますと、20年度で1,133億円、21年度が1,185億円、22年度は予算ベースなので若干金額が上がりますが、1,353億円となっております。 ◆湯本 委員 ランニングコストは上がっているのですよね。当然、私はどういう状況下にあろうと、効率化を図っていったり、無駄を省いていくという視点を持って形を変えていく、これが私は改革だと思っています。なぜ3年間、その成果が上がらなかったのか、非常に疑問を持っております。  それから、未来プランを立てたときに、当然、このような経済状況になるというのは、恐らく予測ができていなかったと思います。予測ができないからこそ、絶えず不断の努力をする必要があるのが、普通でいえば民間の会社経営だと思います。  残念ながら、大田区は今の数字を見れば、申しわけないけれども効率化を進めることがこの3年間にあまりできていなかったのではないかという評価を受けても、私は仕方がないと思っておりますが、何か効率化を図るようなことというのは、この3年間でやってこられましたか。 ◎鴨志田 企画財政課長 職員定数の削減によりまして、人件費につきましては、毎年度確実に減少してございます。その他、大田行政経営プランに基づきまして、個々の事業それから執行体制のあり方につきまして見直しを進めております。 ◆湯本 委員 なおのことなのですね、では。この人員削減計画というのはずっと前からあって、それを削減しているのにもかかわらず、ランニングコストが増えてきた。なおのことですよ。何で潜在的には減る要素が強いにもかかわらず、何で微増だけれども上がってきてしまっているのか、ここを考えなければいけないと思うのですが、それについてどう思いますか。 ◎鴨志田 企画財政課長 ここ数年の状況でございますが、リーマンショック以降非常に景気停滞の面が激しいものがございます。その点で生活保護費などをはじめとした扶助費が非常に大きくこの2年間伸びてございます。義務的経費の押し上げの要因となってございますので、そういったものが非常に大きな要素と考えております。 ◆湯本 委員 未来プランというのは、必要だと思うからつくられたはずですよね。これが、区民の生活に対して必要不可欠だからと。その必要不可欠なことが、先ほども言いましたが、財源不足によって実現ができなくなってしまうかもしれない。今後、大田区はどういう対応をとっていくのですか。今のままではまずいでしょう。足らないという予測を皆さんされているのだから、何とかしなければいけないでしょう。どういうふうにされるおつもりがあるのか、聞かせてください。 ◎鴨志田 企画財政課長 まさに私どもがターニングポイントをつくりました目的がそこでございます。3年間の財政見通しを立てて、それに対してどういった手当てができていくのかを考えていこうと。まず手始めに、23年度予算編成に向けましては、一般財源の5%のシーリングといったもので歳出の抑制策に手をつけたというところでございます。 ◆湯本 委員 潜在的に今、抱えている区の体質を改善しなければ、1年間で5%削減、できるかできないか、これだってわからないですよ。こんなことをやっていたら、いつまでたっても財源を生み出すこともできないし、本気になって効率化を図っていかなければ、今の大田区の今後の未来を皆さんが必要だと思ってつくったプランは実現できないのではないですか。こういう区政運営をいつまで続けるのかということに非常に私は疑問を持っているのです。  例えば、わかりやすい例で言えば、くだらないことかもしれませんよ。再三議会の中から指摘を受けている部長級の職員の数です。これも人件費で1年で2,500万円ぐらい増えているのですよ。それから、この大田区に会議室が足らないといって、外で会議室を借りていますよね。あれだって、何で安い賃料でレストランを貸して、会議室を外で高い金を払って借りるのですか。くだらないことだと思うかもしれませんが、こういうことの積み重ねをきちっとしていかない限りは、大田区の財政状況なんか改善されませんよ。まさに大田区の体質に私は問題があると思っているのです。  これについて、区長、お答えいただけませんか。この大田区を区長がお考えになって、区長が中心になられて区民にとって必要だと思ったプランをつくって、それが実現できるかどうか、ターニングポイントなのです。まさに、抜本的な改善、考え方を変えていかなかったら、これでは回りませんよ。これに対してどういう対策をとるおつもりなのか、それから、この今の大田区の体質、先ほどの航空運賃の話もありましたけれども、あれでは区民に説明できないでしょう。こういう意識の改革をだれがやると、これは区長しかできないのですよ。区長、どう思いますか。 ◎松原 区長 私が区長になりましたのは、平成19年です。それで、そのときはまだ緩やかな回復期という状態でした。翌年の2008年になりましてから、ご承知のとおりリーマンショックが起こりまして、その後、半年間というのは大変な厳しい状況下になりました。  そこで相前後して未来プランができてきたわけでございますが。そういうことで、未来プランをつくったときには、計画の数字がやはりいいときの数字でした。しかし、現在になってきて、確かに数字が落ちてきている、そしてまた税収も今年も落ちましたし、恐らく来年も相当落ちていくだろうということが見込まれます。  そういうことでかなり厳しいことで、しかし、未来プランをしっかりと実現していきたいという基本的な考え方がありますから、そういう経済的な状況をしっかりつかみながら、財政運営をしていかなければいけないと思います。  委員ご指摘のとおり、いろいろな部分でやはり相当神経を使いながら財政運営をしていかなければいけないと思っております。 ◆湯本 委員 未来プランの中で、これは当然これぐらいの予算がかかるというきちんと推測を持って、このプランを実行しようとされていると思いますが、その中に予算の盛り込みがまだされていないものもあるのです。代表的なのが、羽田の跡地開発構想、これは一体幾らのお金をかけて、こういう状況下ですよ、進められるのですか。  こういうことを今の状況から勘案して、この先どうやって形にできるのかと。皆さんが区民に対して発したことは、約束ですよ。区民との契約ですよ。この契約をどうやって実現していくか。こういう状況、現在置かれている状況下の中で、まだ先に金のかかることばかりやっていこうとしているわけです、今の大田区は。  私の印象ですけれども、今、2期目の仕事をさせてもらっていますが、1期目のときはひたすら効率化を図ること、それから無駄を省くこと、これに集中をした4年間だと思います。あまりにも予算に対して、必要なところまでも予算をつけないような、それぐらいまで効率化を徹底的にしていて議会とぶつかっていたぐらいです。だけれども、今の4年というのは、いかにしてお金を使うのか、こういう視点しか私にはとらえられないのです。  両方とものバランスが私は必要だと思っています。先ほど岸田委員でしょうか、言いましたね。要らないところは切って、必要なところにちゃんと予算を振り分ける。これをやらなかったらできるわけないのです、区民の期待に対してこたえるということが。こういう視点を持ってこれから皆さんがどういう財政運営をされるのか、私は、もっと具体的で確固たるものをぜひ見せていただきたいと思います。これは、これ以上やりとりをしていてもしようがないので、この程度でやめますけれども。  それから、もう1点言わせていただきたいのが、事業仕分け。無駄を省くつもりでおやりになっているのでしょうが、行政のことについて理解をしながら地域のことも理解をしている、それはだれなのか。大学の教授ではないでしょう。まさに区議会議員なのですよ、議会ですよ。事業仕分け人が言っていることと議会が言っていること、かぶっていることがたくさんあるではないですか。何で議会が言ったときにすぐに改善しないのですか。もう少し二元代表制の意味をしっかり考えて、これからの大田区の予算の使い方を真剣に考えてください。これは区長に対して要望をしておきます。  以上です。 ○岡元 副委員長 次に自民、質疑願います。 ◆松原〔茂〕 委員 自由民主党大田区民連合の松原茂登樹でございます。  私からは、災害時要援護者支援対策の推進についてお伺いをいたします。災害が発生したときに、高齢者や障害者などのいわゆる災害時要援護者は避難に時間を要し、自力で安全な場所に避難することが困難な状況にあります。こうした災害時要援護者の安全を守るためには、住民相互の助け合いが不可欠です。いわゆる共助ということだと思っております。  そこで、災害時要援護者支援の推進についてですが、現在では大田区内では216町会・自治会があります。その中で91組織が立ち上がって182億円を支出していると出ておりますけれども、現在ではほかに地域に対しまして何か働きかけをしているか、まずお伺いをいたします。 ◎久保田 防災・危機管理担当課長 支援体制についての働きかけについてのご質問でございますが、今お話にございましたように、91組織に1組織加え、平成22年度からは92組織に対しまして助成金を支出してございます。地域の皆様のご理解を得て、この3年間で17の自治会・町会に新組織が立ち上がりました。今後ともこの支援体制未整備の、整っていない町会・自治会に対しましては、管轄する地元の特別出張所と連携し、自治会・町会長会議、あるいは勉強会等に出席し、引き続き働きかけを行っていく所存でございます。 ◆松原〔茂〕 委員 今、課長から92組織、一つ上がったということですけれども、まだ現実的には124町会・自治会がありまして、なかなか前からいろいろな委員会でも話が出ている、これも実情だと思うのです。  そして、このたび、大田区ではなかなか難しいといわれていた、災害時要援護者の名簿をつくられましたよね。これまで非常に懸案であって、製作に至るまで非常に大変だったと思います。まずはご苦労さまでございます。  そして、またこの名簿が町会・自治会また民生委員に随時配られておりまして、配付というのですかね、その中で、要援護者支援のために活用されるということだと思うのですが、この名簿の活用目的について、区としてどのようにお考えかお聞かせください。 ◎久保田 防災・危機管理担当課長 名簿の活用目的についてでございますが、まずは災害時に備え、要援護者への支援といたしまして、平常時は日ごろの地域全体での見守りにご活用いただければと考えております。  また、万一災害が発生したときには、安否確認、各種情報の提供あるいは避難支援などにご活用いただければと考えております。  今お話にもございましたように、従前は大田区においては個人情報保護の観点から、なかなか災害時要援護者名簿の作成に至りませんでした。けれども、今回、ご本人の同意を得まして、名簿の作成ということが完了いたしました。今後はこの名簿を大いに活用していただきまして、より一層地域における災害時要援護者支援体制が進んでいきますことを祈念しております。 ◆松原〔茂〕 委員 実際、この名簿を自治会・町会また民生委員に渡されたと思うのですけれども、災害時要援護者名簿の取扱い、ガイドラインを遵守し、万全の注意を払うことを誓約して名簿を受け取りましたと。私も実際に名前を書き、そしてまた判こを押して、そしていろいろな諸注意を受けて受け取っているわけです。  だけれども、その組織、いろいろできているところ、町会・自治会が先ほど92、その中で、やはり名簿をいただいた中で、例えば把握をしている方より10倍以上の方々の名簿をもらって、非常に困惑をしている町会長また自治会長がいらっしゃるという話も聞いておりますし。そして、また、そういう名簿をもらった中で、組織ができていないところ、そこにも名簿が町会長の誓約のもとに預かるわけですよね。そうすると、役員より何倍も多い名簿が上がってきてしまったという、これはどうなってしまっているのだろうという、素朴な話も出ていたり。また、上池上自治会は、まだ組織はできていないのですが、まずは地図に落としてみようと。そして、また役員に実際に現場で、この自治会の中では、これだけの方々が手を挙げて出されましたということが出てきたということを聞いておるのです。  そしてまた大田区では、今申し上げた中で、個人情報を非常に強く打ち出されておりますよね。だけれども、その地域力を非常に高めて、区長がいつもおっしゃっている地域力ということで、有事の際にやはりこの名簿を有効的に使ってほしいという、多分、意図があるのではないかと思っているのですが。  実際に先ほど申し上げました事例も含めて、個人情報ということを表に出されながら、町会長・自治会長が手元に持って非常に今、申し上げた、困っているというお話があるのです。  その中で、区としては、町会長・自治会長に何を基本的にお渡しして求めるというか、お願いをしているか、その辺をちょっと聞かせてください。 ◎久保田 防災・危機管理担当課長 まずは、この災害時要援護者名簿に登載されていらっしゃる支援をお待ちになっていらっしゃる方たちが、一体地域のどちらにお住まいであるのかといったことを知っておいていただく。そして、地域全体の見守りを通して、ともに助け合うという共助の基本である地域のつながりを一層深めていただければと考えております。  自治会・町会のみならず、民生委員、あるいはさわやかサポート、消防・警察、そういった関係機関と連携し、そして災害時要援護者ご自身の自助、みずからの命はみずからが守るという自助も含めて、地域それぞれの事情・実情等がおありかと思います。そういったものを踏まえまして、できるところから取組を始めていただければと考えております。もちろん区としましても、引き続き支援してまいる所存でございます。 ◆松原〔茂〕 委員 実際に、この名簿、今お話があったように警察・消防、いろいろな関係組織に配られていると思うのです。それでまた、町会・自治会で配られて、また本当に災害があったときに、その方の安否を確認ができればと、またそのような気持ちで今お話があったことだと思うのですが。平常時のことも含めて、守秘義務ということがやはりどうしても表に出る。また、行政としては、それを言わざるを得ないところが非常にあると思うのですが、私はその辺が一番、向こう三軒両隣ではないのですけれども、そのような形で日ごろのつき合いの中で、やはりその名簿を非常に活用させていただければということを思っているのですが。  ある町会では、町会長の気持ちとしては、こういうお話が来たときに、この名簿をいただくということ自体が非常に重いという気持ちも先行したりして、そのような話も実際に出てしまっていると思うのですが、この名簿の活用ということについて、また、どう思っているか、教えてください。 ◎田中 福祉管理課長 ただいまのご質問ですけれども、先ほどの防災・危機管理担当課長の答弁とちょっと重複する部分があるかと思いますけれども。まず委員ご指摘のとおり、この名簿の活用にあたりまして、個人情報保護というのが非常に一つの壁になっていると我々も認識しております。これがために、地域で要援護者に関する情報の共有が進まないとか、あるいは、もらったはいいけれども、どう一歩進んだらいいのかということの地域で戸惑いがあるといったことも認識してございます。  名簿と一緒にお配りしました利用に関する資料、町会・自治会のほうにお配りしました資料の中には、まず、名簿の活用の第一歩として、先ほど申し上げましたように、まずは要援護者といわれる方々を一軒一軒訪ねて顔見知りになっていただきたい。既に顔見知りの方もいるかもしれませんけれども、こんなところに支援を必要としている、助けを求めている人がいるのかということをまずは知っていただきたい。そこから、地域の例えば防災訓練に今回名簿をいただいたのだけれども、今度、防災訓練に出てみないとか、あるいは地域のお祭りに誘いをいただくとか、そういう日常のつながり、日常の取組をそこから広げていっていただく。そうすることによって、一つプライバシーとか、あるいは個人情報といったネックになっている部分を乗り越えられる部分があるのかなと。地域でのそういった見守りとか、あるいは要援護者への支援といった問題とプライバシーと相対立するような関係にあるのですけれども、そういったものを日常の取組の中で、一つは両立できるようになっていくのではないかと期待しているところでございます。  ただ、今申し上げたように、地域の方で、今この名簿を使ってほかの利用目的にというのは、なかなか行政として災害時要援護者という目的のために使いますということで同意をいただいていますので、すぐにこの名簿を使って別の目的にということについては、なかなかイエスとはお答えにしくい部分がございます。ただ、今申し上げた一歩一歩の日常の取組を進めていただく中で、今言ったものを両立できるのではないかと。また、今後、関係機関ともいろいろこの問題について協議する中で、より有用な、円滑な活用方法についても検討してまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 ◆松原〔茂〕 委員 ご答弁をいただいたように、現実的なものもわかるのですが、本当に実際に、例えば町会長・自治会長が名簿を預かっています。だけれども、そこからは名簿をコピーしてはいけないと。そのコピーをデータとしてもらう、災害時要援護者のボランティアの方にしても、もらうには町会長・自治会長の承諾書をもらって、それでそこの出張所に行って、そこでコピーをもらうという、それを見ただけでちょっと憶してしまう。もっとフランクにまちのつながりというか、底力というか、やはり216町会・自治会があると216のカラーがあるかもしれないのですが、やはり心と心とのつながりというもののつながりというのは、私は、基本は一緒ではないかなと思っているわけなのです。  やはりこの名簿というのが、今、話があったように、守秘義務も含めて重要な内容もその方の情報というのですか、住所はもちろんそうですし、氏名、生年月日、また、性別、電話番号、それから身体的な状況も含まれているのも承知しているのですが、こういう名簿をやはり大田区内全部でつくられたので相当数の費用がかかったと思うのですが、その辺の費用を具体的に教えていただければ、お願いいたします。 ◎田中 福祉管理課長 災害時要援護者名簿の作成にあたっての経費でございますが、まず、平成20年度、これは初年度でございますが、システムの構築費用として160万6,890円、約160万円ほどかかってございます。21年度、昨年度につきましては、このシステムに加えて、実際に訪問調査をさせていただきました。こちらの経費がかなりかかってございまして、21年度につきましては調査費がほとんどなのですが、6,077万8,367円、20年・21年度の合計支出額では6,238万5,257円でございます。  ただ、これは、国の緊急雇用対策事業として取り組ませていただいてございますので、国庫補助金等の歳入がほとんどの部分でございますので、実際の大田区の支出額としましては、約300万円という形になってございます。 ◆松原〔茂〕 委員 相当数の金額が出ているわけです。やはりこの名簿を近所の底力ではないのですがコミュニケーション、216のカラーがあるのですけれども、またいい意味で心のつながりができる、やはり災害時を想定した平常時の中で、あそこにいるおばあちゃんは最近元気なのかなと。そんな形で災害に強い大田区というのは日ごろの人づき合いという、その辺が非常にいい大田区になっていくなということを期待しまして、質問とさせていただきます。 ○岡元 副委員長 押見委員。 ◆押見 委員 総務費について質問させていただきます。質問の第1は、大田区職員の意識改革についてであります。  まずはじめに、区役所と区職員の使命について伺います。私は、政治に携わる我々議員も公務員である区職員もミッションとパッション、すなわち使命と情熱が何より大切であると常日ごろ感じております。古いしがらみや慣例にとらわれず、惰性に流されることなく、志を高く掲げ、みずからのミッション、使命を見つめ、情熱を燃やし意欲的に仕事に取り組んでいくといった姿勢が今こそ求められていると思います。  さて、現在、書店で、もしドラという本が爆発的に売れております。この本のタイトルは、もし高校野球の女子マネジャーがドラッカーのマネジメントを読んだらというものでありまして、アイドルグループAKB48のプロデュースに携わった岩崎夏海さん、この方は男性なのですけれども、この著書は、今や120万部を超える大ベストセラーとなっております。  この本の主人公である都立高校の野球部の女子マネジャーは、経営学の神様と賞されるピーター・ドラッカーの名著マネジメントを読み、野球部の使命を人に感動を与えることと定義づけ、さまざまな改革に取り組むとともに、部員一人ひとりがその使命を理解し、役割と責任を担っていくことを通じ、野球部のみならず、ほかの部活動や学校全体、さらには地域社会によい影響を及ぼしながら、それぞれが成長し、甲子園出場という目的を達成するという内容であります。  ちなみに、この場には大田区という巨大組織のトップ50が集まっているのですが、このもしドラを読まれた方は、理事者の中にいらっしゃったら参考までに手を挙げていただきたいのですが、いらっしゃいますでしょうか。  5人いらっしゃいました。私、正直なところ、このもしドラの存在すら理事者の方はご存じないのかなと思っていたので、5人いらっしゃったということは、大変感激しておりますし、今、手を挙げていただいた一番位が上の野田副区長には、この質問項目の最後に一言ちょっとちょうだいしたいと思いますので。  主人公の女子マネジャーは、ドラッカーのマネジメントを引用しながら、企業経営にとって大切な企業にとっての使命とは何か、顧客とはだれか。顧客にとっての価値とは何かという問いを野球チームに置きかえ、課題解決に取り組んでいくひたむきな姿が読者に新鮮な感動と勇気を与え、多くの人々を魅了し支持されています。  折りしも昨年2009年は、ドラッカー生誕100年という節目の年でありましたが、自治体の経営力、マネジメント力が問われる時代と言われている今、改めて大田区役所の使命とは何か、大田区職員の使命とは何かを見つめ直していただく必要があると思います。  ドラッカーは、マネジメントの中で、立つ場所さえ与えてくれれば、世界を持ち上げてみせると言ったとされる古代の偉大な科学者アルキメデスの言葉を引用しながら、企業や組織にとって立つ場所とは、集中すべき分野であり、それを見きわめることが大切であると指摘しています。  今、本区にとって必要なことは、担うべき使命を明確にし、目指すべき目標を示し、よって立つ場所、すなわちドラッカーの言う集中すべき分野を見きわめることだと感じています。  そこでお伺いいたします。大田区役所にとって、また、大田区職員にとって使命とは何か、顧客とはだれか、顧客にとっての価値とは何かという問いに対し、どのように定義づけ、実践していくのか、お伺いいたします。 ◎赤松 経営管理部参事〔人材育成担当課長〕 大田区役所の使命というご質問でございますけれども、地方自治法にも自治体の役割として明記されておるところでございますが、住民の福祉の増進を図ることを基本として、地域における行政を自主的かつ総合的に実施する、こういったものであると認識しているところでございます。  また、大田区職員の使命ということでございますが、大田区役所の執行機関といたしまして、ただいま述べさせていただいた区役所の使命、役割を区長のもと誠実に執行することと考えているところでございます。  次に、大田区職員の顧客ということでございますが、区民はもとより、区内で学び、働く方々、また、外国人を含む区を訪れる方々、さらに、区と連携協働する自治会、町会、事業者、団体等も顧客と言うことができると考えているところでございます。  顧客にとっての価値ということでございますが、大田区役所の使命、役割というものに立ち返って、住民の福祉の増進にいかに寄与するかということであると考えているところでございます。 ◆押見 委員 次に、少し視点を変えて、大田区の管理職にとって使命とは何か、顧客とはだれか、顧客にとっての価値とは何か、お答えいただけますでしょうか。 ◎赤松 経営管理部参事〔人材育成担当課長〕 管理職にとりましては、管理という範ちゅうの中に、事務管理、人事管理また労務管理といったものがあると認識しているところでございます。事務管理の側面におきましては、管理職につきましても区の職員でございますので、その使命、また顧客につきましては、組織を担うリーダーとしての責任は当然にございますが、先ほどお答えさせていただいた大田区職員の使命、顧客と基本的に変わるものではないと考えてございます。  なお、人事管理の側面では、働く人たちに成果を上げさせるということが管理職の重要な役割でございますので、区職員につきましても、顧客ということが言えるのかと考えているところでございます。このとき顧客、すなわち区職員にとっての価値でございますが、働きがいであると考えているところでございます。 ◆押見 委員 ありがとうございます。
     では、この項目の最後の質問になるのですけれども、野田副区長にお聞きします。ぜひ大田区の職員の皆様には、特に管理職の皆様には、このもしドラを読んでいただきたい本だと思っているのですが、このもしドラにしても、もちろんドラッカーのマネジメントにしても、公務員にこそ非常に向いた本だと思うのですが、いかがお考えでしょうか。感想なども含めてお答えください。 ◎野田 副区長 今、この頭の周り、重たいものがもやもやしておりまして、でも、このもしドラ、とても読後感がさわやかな印象が得られるという思いで、そういう意味では今こそ、こういう本を読む必要があるのかなと思っております。  高校野球という場面を描いてというところの中で言えば、私は、グラウンドというものの中で、好敵手同士がお互いを尊重しながら自分の実力を精いっぱい相手に向けてぶつけていくというところに、私が思うさわやかさのもとがあるのかなという思いがありまして、そういう思いでも大変にいい本だなと思って読ませていただきました。  ただ、著書の西崎夏海さんという方が、私は女性だとばかり思っておりまして、今、初めて男性だったということを知りましてびっくりしているところでございます。  この本の中で、だめチームというものが見事に変身をしていくということなのですが、その一番最初のところで、野球チームというものが一つの経営組織だとなったときに、そこで一番大切なことは何なのかという話が出てきまして、このドラッカーのマネジメントの中で真摯であることと。「しんし」というのはジェントルマンではなくて真剣にという、真摯であることというくだりがありまして、これはとても大切なことだなという思いを持ったところでございます。  また、経営組織、役所というのをそのままそこに読み込んでもよろしいと思いますが、経営組織がみずからを定義し、その目的を何と措定するかというときに、それを組織の中で考えても出てこない。それは、経営組織にとっての顧客は、それをどう見るかというところにあるのだということは、私ども区にとってはとても大切な指摘だなと思いました。これはドラッカーのお話でございますが、そのことを通して、都立高校の野球チームを女子のマネジャーがマネジメントしていくという組み立ての中で、見事に一つの心をつくっていくと。その中には、真摯であることというのをとらえて、高校野球が感動を人に与えるものだとすれば、ストライクをどんどん投げましょう。それから、バントはやめましょうと、まさに高校野球として真剣に真正面からぶつかっていくのだということをみんなでやっていこうと考えたところに、最後、甲子園に出場して優勝するという原動力があるわけでございまして、そうしたものを我が大田区役所に置きかえて、今、職員が一つになって松原区政を進めていくために何が必要かというところで思いまするに、地域力、これが私どもにとって今、大切なテーマなのだと思いました。  それはなぜかといえば、顧客である区民の皆さんと、私ども区が、ともに一つの暮らしの幸せを求めていこうというときに、お互いの力を出し合い、かつ、信頼し合って区政を進めていくことが大変に必要であると。それは、私ども区役所の組織の目的そのものにつながるものだという思いで、今、委員のお話のもしドラを読ませていただきました。頑張っていきたいと思います。 ◆押見 委員 まさかこんなにいろいろお話をしていただけるとは思いませんでしたし、私もただ大田区の使命という部分では、野田副区長がおっしゃることと似たような答えが出てきた部分がありました。またそれはいつかお話ししたいと思います。  次に、職員の意欲をかきたて、能力を引き出す取組について伺います。先ほど来、申し上げておりますとおり、大田区職員が一丸となって山積する区政の諸課題に取り組んでいくことが求められ、そのためには職員一人ひとりが日々の職務に意欲的に励むことのできる職場づくりが大切であると考えています。  最近、企業の中には、顧客や利用者からのお褒めの言葉を給与明細に掲載し、全社員で共有していこうとする取組が広がっております。この取組は、企業に対するプラス評価をほかの従業員にも伝えることによって、企業全体の仕事に対する意欲や自立性を高めることが本来のねらいでありましたが、月に1回、家族と一緒に給与明細書に書かれているお褒めの言葉を読みながら、家族に働きぶりを知らせることで家庭円満の一助にもなるといった効果があるなど大変好評で、導入する企業も増えているとの報道がありました。  全日空が最初にこの取組を始めたとされておりますが、2004年10月、この年の夏の甲子園で初優勝を飾った駒大苫小牧高校のナインが地元北海道に凱旋するため全日空機を利用した際、ただいま深紅の大優勝旗も皆様とともに津軽海峡を超え、北海道の空域に入ります、という機内アナウンスを聞いた乗客から寄せられた感激の声が給与明細に掲載された第1号になったとのことであります。  そこで質問いたします。このように給与明細書に一言お褒めの言葉を掲載することによって、仕事に対する意欲や自立性の向上だけでなく、区民や顧客からの言葉をしっかり意識することによって、お客様満足度の向上にもつながります。大田区役所も給与明細書に区民や顧客からのお褒めの言葉を載せてみてはいかがでしょうか。 ◎勢古 経営管理部参事〔人事課長〕 給与明細書にお褒めの言葉を掲載してみてはというお話でございます。現在、人事給与システムの再構築に取り組んでいるところでございます。このシステムは、来年1月から稼動しますと、2月の給与から現在の紙による給与明細は、原則としてなくなることになってございますが、各人には電子情報でその明細を送付することになるところでございます。  ただいまいただきましたご意見でございますけれども、給与明細書に何らかのメッセージを添えることができるかどうか、システム上からも検討してまいりたいと考えております。 ◆押見 委員 ぜひお褒めの言葉を何か職員のモチベーションが上がるような言葉を載せていただけたらと思います。  ちなみに、先ほどの全日空の機内放送、もちろんこのアナウンスは通常のマニュアルにはありません。行政にとって、区職員にとって失敗は決して許されることでも奨励されるものでもありません。しかしながら、マニュアルどおりに型どおりに仕事をこなすよりも、区民のため、区政発展のため、もっと前向きに失敗を恐れず勇気を持って新たなことに挑戦していくといった姿勢だけは失わないでいただきたいと思います。  そこでお伺いいたします。本区では、さまざまな研修などを通じて、職員の意欲を高めていく取組を行っていることは承知いたしております。先ほど触れましたお褒めの言葉を給与明細に掲載する試みを一つの例として、今後職場への愛着と職責への誇りを保ち続けながら、職員一人ひとりの仕事に対する意欲をかきたて、能力を引き出していくためにどのような取組を行っていくのか、質問いたします。 ◎赤松 経営管理部参事〔人材育成担当課長〕 職員一人ひとりが仕事に対する意欲をどうかきたてていくかということでございますけれども、先ほどお答えさせていただきましたけれども、働きがいを高めるということが肝要であると考えてございます。働きがいは、仕事に責任を持つということと表裏一体のものであり、上司は職員に成果を上げさせることに努め、その成果をきちんと評価して本人にフィードバックしていくということが大切であると考えているところでございます。こうしたサイクルから職員が仕事の幅を広げ、また、深めていくことができるのだろうと考えているところでございます。  また、委員から新たなことに挑戦していく姿勢をというお言葉をいただきましたが、本年1月に改訂いたしました、大田区人材育成基本方針では、目指すべき職員像を未来の大田を目指し、チャレンジを続ける職員と定めているところでございます。その実現のための方策といたしましては、例えば自主研究グループの支援といった自己啓発の支援、研修といった能力開発、それから二つ目に適材適所の職員配置やきっちりと勤務評定制度を運用していくといった人事制度の改善。さらには、助言・相談体制の充実とか、メンタルヘルス対策の充実といったサポート体制の整備、こういった方策を連携して現在取り組んでいるところでございまして、これからも推進してまいりたいと考えているところでございます。 ◆押見 委員 ありがとうございました。本当にどんどん職員がチャレンジできる環境や、そういった人材を育てていってください。  以上で質問を終わります。 ○岡元 副委員長 以上で第2款総務費の審査を終結いたします。会議が長時間にわたりましたので、しばらく休憩いたします。再開時刻は午後3時25分とします。                午後2時53分休憩                午後3時26分再開 ○田中 委員長 ただいまから決算特別委員会を再開いたします。  第3款福祉費の審査に入ります。この款には、自民、公明、共産、無所属、ネットから通知がありますので、順次これを許します。  それでは自民、質疑願います。 ◆鈴木〔隆〕 委員 自由民主党大田区民連合の鈴木隆之でございます。よろしくお願いいたします。  本日は、福祉費の中の高齢者介護に関して1点だけお聞かせいただければと思います。10分の短い時間なのですけれども、皆様方のご意見をお聞かせいただければと思います。  高齢者介護の現状は、大田区のみならず、本当に非常に大変な現場で皆様は働いていらっしゃって、それは大田区だけではなく全国の事業所の問題ですので、特にここで大田区の施設をこうしてほしい、ああしてほしいという話ではなくて、広く私たちと皆様方でこれからの職場というものを一緒に考えて、私も勉強していきたいと思って、そういう視点でお聞かせいただきます。  高齢者介護なのですけれども、国の2010年度の予算案では、介護サービスを担う人材を確保するために、介護職員の賃金を引き上げて処遇の改善を図るとしております。介護職員処遇改善交付金では、介護職員の雇用環境を改善するために2009年度の第一次補正では都道府県に対する交付金によって基金を創設して、介護職員の賃金の確実な引き上げなど処遇改善に取り組む事業者に対して助成をするとしておりまして、この助成に関して1人当たり月額平均1万5,000円の助成になると言われております。  介護保険制度が始まって初めて昨年4月に介護報酬が引き上げられまして、昨年10月1日の時点で全国7,000の施設を調査して約5,000の施設から回答をいただいた結果らしいのですけれども、2008年、2009年の両9月とも在職した人が対象で時給制や日給制のパート職も含まれる職種別で最も増えたのは生活相談員と支援相談員の1万2,291円だそうです。ちなみに最も少なかったのが、作業療法士らの8,102円と記されています。施設の種別では、特養が1万2,052円増でこちらが最多だそうでして、一番少なかったのがパートが多い訪問介護事業者の5,868円という結果が記されておりました。  しかしながら、小さい本当に零細の事業所では、こんなに実際は額が上がってないということで、その調査対象の調査をした施設の偏りがなかったのではないかと、いろいろとそういったお声も上がっているそうであります。  非常に今、高齢者介護の現場、皆さん大変な思いをして働いていらっしゃって、今、国で離職率がこの業界全体で2割と言われておりまして、いろいろな職種に関しても離職率2割というのは非常に高い数字だと思っております。  区でも特養や老健がありまして、それぞれの施設の監督機関として位置づけられている区としまして、この区内施設のこのような対象施設の離職率等がおわかりになったら教えてください。 ◎中原 高齢計画課長 介護施設に勤務する方々の離職率でございますけれども、区内の特別養護老人ホームの離職率は、区立・民立を平均すると約20%でございます。老健施設に関しては、約22%という離職率の結果でございます。  雇用調査などによる全国調査で行いますと、全産業の平均が約16%で、介護職に関しては、先ほど委員がおっしゃったように20%程度でございます。ということで、区内特養・老健等も大体、全国平均と同じという結果でございます。  中でも介護職の中では、在宅系と、それから施設系とありますが、施設系のほうが若干在宅系に比べて離職率が高い傾向にございます。  また、これは補足でございますが、特別養護老人ホームの常勤職員の平均勤続年数というのが都の調査で出ておりまして、こちらは、特養が大体5.1年、老人保健施設が3.7年という形になってございます。 ◆鈴木〔隆〕 委員 随分前から、これからの日本の少子高齢化社会を見込んで介護サービスに従事する方、資格を取る方がどんどん増えていると思うのですけれども、実際に資格を取りながら、資格を有していながらもその仕事についていらっしゃらないという方が非常に多くありまして。介護福祉士、ケアマネージャー、私の友人で何人かいるのですけれども、この間ちょっと一杯飲みながら話をして、そういうときに飲みながら話す話は本音なのかなと思いつつ、いろいろな施設の現状というのをちょっと勉強させてもらうつもりで話を聞いたのですけれども。  私の友人は、ちょっと取引きのあった信用金庫の職員でうちの担当だったのですけれども、信金をやめて、その間、貯金をしたお金で介護福祉士の資格を2年通って取って、それから今東北地方の施設で働いていらっしゃって、たまたまこの間上京したときに久しぶりに会って話を聞いたのですけれども。やはり、とにかく大変だということで、ただ、やはり皆さん、本当に思いがあってやってらっしゃるので、その思いだけで今みんな職員が一丸となって頑張っていると聞いていました。  やはり勤務体系も何交代か制で非常に不規則ですし、夜、仮眠の時間だってろくに目をつぶって寝れないような勤務体制で、常に緊張感を持って勤務をされているということで、やはりその場所で起こった実際の出来事らしいのですけれども、食事の介助をなさっていた職員さんが、その方自身に問題はないのですけれども、入所者の方がのどに詰まらせて病院に運ばれて数日後にお亡くなりになったそうなのです。  もちろん、介護福祉士は、責任を問われることもなく、ご家族も本当にありがとうございましたということで、何ら事件でも何でもないのですけれども、やはりずっとつき添って介助をしていた方が、実際にその場でお亡くなりになって、その方を責める人はいないのですけれども、やはり無言のプレッシャーがあって、一生懸命その後も勤務されたそうなのですけれども、しばらくして退職なさったそうです。非常に追い込まれた精神状態の中で仕事をしていたということで。  やはり、そのようないつ何時何かわからない、ぎりぎりの緊張感の中でやっていらっしゃって、それは、私の友人の介護福祉士も言っていたのですけれども、非常に今、人手も足りないし、職場がぴりぴりしていて、その職員同士が非常に緊張感を超えてぴりぴりしたような状況の中で、入所者の方のケアをしているので、それがたまに入所者の方に伝わってしまうことがあるらしいのです。なので、そういった中で職員が働いていらっしゃって、それでケアを受ける入所者の方も非常に不安な思いがあって、その施設の中があまりいい空気ではないと肌で感じることがよくあるそうです。  その方は特養に勤めているのですけれども、本来特養というのは、本当に心穏やかに安らかに時間を過ごしていただくための施設であるにもかかわらず、非常に入所者も、そこで働いている方々も極限の緊張状態の中でやっているという状況があると聞いております。  やはり一番何を行政に求めるのかという話をしたら、もちろんそれは補助ですとかお金なのだけれども、それはやはり言ってはいけないだろうと。それは言ってはいけない。でも、自分たちのいる職員の中で最大限のことをやっていこうと思っていつも話をして、どうやったら今あるぎりぎりの現状の中で最大限のサービスができるのかということをいつも常々と話していらっしゃるのです。すごく思いを皆さん持ってやっていらっしゃるなと思うのですけれども。  やはり、少子高齢化を見込んで、さきに申し上げましたように、資格を有しながらもそれに従事しない方が非常に多いということで、働きがいを見出しながらも働きにくいという今の施設の現状に関してご意見をお聞かせいただければと思います。 ◎横山 高齢事業課長 社会福祉士の件でお話だったと思います。介護福祉士は、介護の専門家として、また、訪問介護サービス事業者のサービス提供責任者として、また、ヘルパーの統括等のお仕事をされていらっしゃいます。しかし、訪問介護サービス事業者のサービス提供責任者として、またはヘルパー等の統括として介護福祉士を置かなければならないという規定はなく、介護サービス事業所において必要と判断された場合のみ雇用するというのが現状でございます。  その一方、介護福祉士を置く介護サービス事業者に対し、一定の条件の方の中で特定事業者加算をするなどの制度が整備されてまいっております。介護福祉士が働きやすい環境が徐々にではありますが広まってきていると思います。介護サービスの資質の向上のためにも、このような介護専門職の有資格者の活用について、事業者に私どもとして呼びかけてまいります。 ◆鈴木〔隆〕 委員 最後になりますけれども、やはり皆さん思いを持って現場に入られて、だけれども理想と現実のギャップの中で非常に苦しんで働いていらっしゃって、仕事には理想どおりにいく仕事なんてほとんどあるわけないですし、理想と現実のギャップがあるのは、もちろん当たり前なのですけれども、やはりそういうような施設には、皆さんが働いている場所のすぐ横には人の命があるわけであって、やはりそのような方たちが自分たちの思いを込めて働いて、それが報われる職場環境をつくることが、やはりそこに入所されている、ひいては高齢者の入所なさっている方々のためになると思っておりますので、これからもそのような職場で働いている方々の処遇の改善と、どうやったら入所されている方たちが穏やかに過ごしていけるかということを常々考えながら、これからもいろいろと取り組んでまいりたいと思っております。 ◆松原〔茂〕 委員 自由民主党大田区民連合の松原茂登樹でございます。今月は、障害者月間だと思いますし、昨日またおととい、それぞれの施設で障害者のお祭りが行われました。障害者福祉について幾つか質問させていただきます。  2001年12月第56回国連総会において、メキシコ政府の提案により、障害者の権利及び尊厳を保護促進するための包括的総合的な国際条約の決議案が出され、2006年第61回国連総会において採択されました。2008年には、条約の発効に必要な20カ国が批准し、同年5月3日に条約が発効しました。  我が国では、現在批准しておりませんが、国においては、国連の障害者権利条約の批准に向けて法改正を含めさまざまな検討と準備が行われております。  さて、そこで質問ですが、現在、条約を批准した国の数と、この条約の特徴的な概要について教えてください。 ◎長堀 障害福祉課長 まず、国連の障害者権利条約の批准でございますが、2010年9月現在、本年度の9月現在で国連加盟国192カ国のうち、約半数の90カ国が批准をしております。権利条約のスローガンは、「私たち抜きに私たちのことを決めないで」でございます。  また、権利条約の特徴的な概要としては、次の3点が挙げられます。まず、第1点目は、障害の定義についてでございます。これまでは、心身の機能に着目した医療モデルの考え方でございましたが、権利条約では、障害は個人と社会環境との関係で生まれるものととらえる社会モデルを加味したものとしまして、障害を広くとらえていくことになります。  2点目は、差別の禁止でございます。直接差別や間接差別の禁止はもとより、新しく合理的配慮という概念が示されております。これは、障害者に対して合理的配慮を行わなかった場合は差別に当たるという考え方です。条約の締結国は、何が合理的配慮に当たるかを決め、合理的配慮を行わないことを禁止する法律や制度の整備を行わなくてはなりません。  3点目の特徴は、批准国の責務でございます。批准国は、国内における条約の実施と監視を行い、障害者の権利に関する委員会を設置する責務を負ってまいります。  条約の特徴については以上でございます。 ◆松原〔茂〕 委員 私たちの意識改革とか、障害者の方々への理解ということがやはり非常に機会になるのではないかと思っておりますので、また、今後もこの機会をいただいたなら、質問させていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。  また、今回第3回定例会で区立の障害者施設が、自立支援法上の新体系へ移行するために、一部条例の改正が可決されました。今後さらに障害者のニーズに合ったサービスが提供できるように期待をしております。  現在、障害者施設へ通所される方のニーズの一つに、医療的ケアがあります。保護者をはじめ利用者の高齢化が、それに伴う障害の重度化も見られますし、私もよく相談を受けております。  そこで、現在、障害者施設へ通所されている方の中で医療的ケアを必要とされている方がどのくらいおられるか、特に重度重複障害の方のニーズなどを把握していれば教えてください。 ◎長堀 障害福祉課長 現在、区立の障害者の通所施設で医療的ケアを必要とされている方が19名おられます。また、重度の重複障害をお持ちの方は68名おられます。医療的なケアが必要な方は、年々増加をしておりまして、ある施設では、今年度だけで3名の方が医療を必要とされるということになりました。 ◆松原〔茂〕 委員 そのような医療的ケア、随分多くいらっしゃるなと思ったのですけど、各施設、どのように対応されているか教えてください。 ◎長堀 障害福祉課長 現在、障害者の通所施設で医療的ケアを行えますのは、医師の指示を受けました看護師だけとなっております。各施設では、家庭で行っているような比較的簡易な医療的ケアについて、看護師の対応が可能な範囲で実施をしているところでございます。  利用者、保護者の方から医療的ケアの相談を受けた場合、受け入れについて実施可能か条件整備ができるか等を検討をいたします。可能となった場合は、主治医からの意見書に基づき、医療的ケア計画書を作成し、それぞれの承諾を得た上で実施をしております。ただ、看護師さんが1人だけの配置では対応できない施設も多くて、やむを得ず保護者の方に協力をいただいたり、あるいは看護師がお休みのときには通所を控えるといった利用者がいらっしゃるというのも現状でございます。 ◆松原〔茂〕 委員 平成15年ですと、大田区の要綱ですと、やはり医療的ケア、通所施設では医療介護をやらないとなっていたのですが、他区の医療的ケアの実態を教えてください。 ◎長堀 障害福祉課長 幾つかの区でちょっとお聞きをしましたところ、厚生施設あるいは生活介護を提供する通所施設では、看護師を複数配置をして医療的ケアを行っているところもございます。また、既存施設活用型の東京都の重症心身障害児者の通所委託事業を受けまして、これは東京都の8分の7の助成委託事業でございますけれども、こちらを利用して医療的ケアの必要な障害者を受け入れているというところもございます。 ◆松原〔茂〕 委員 平成15年から約7年たったと。その時代の変化とか、やはり他区の今のお話があったような情勢、変化がいろいろあるのですが、今後の取組方をお聞かせください。 ◎長堀 障害福祉課長 今後、高齢化に伴いまして、さらに医療的ケアを必要とされる障害者の方は増加をされると思います。ただ、病気の重い方につきましては、やはり療護施設の利用が中心にならざるを得ない部分がございます。病院的な施設の運営は区単独では困難な面が多々ございます。今後、大田区としましては、先進的な取組を参考としながら、中程度の医療的ケアを実施する施設の体系化、あるいは実施に向けた取組の検討を行ってまいりたいと思います。  また、東京都の委託事業の活用なども念頭に置きながら実施の可能性について検討してまいりたいと思っております。 ◆松原〔茂〕 委員 重症心身障害というのは、重度の肢体不自由と重度の知的障害等が重複した状態をいいまして、その状態にある子どもを重症心身障害児といいます。さらに成人した重症心身障害児を含めて、重症心身障害児、また、者と呼ぶことを定めているところですけれども。現在では、重症心身障害児の発生数は医学的医療の進歩、充実によりまして増加していると言われております。自力で起き上がれない、移動、排泄、食事も困難で、コミュニケーションを図るのが難しい、そのような特徴があります。  そして、最後に私は今後ももっともサービスの手が行き届きにくい医療的ケアを含む重度の方々が、やはり緊急一次のことやレスファイトのことなど、また、ショートステイを対応できる施設が限られているのが現状だと思っておりますが。この点についてのお考えを教えてください。 ◎長堀 障害福祉課長 医療的ケアを必要とされる方、あるいは重度の障害者の方については、ほとんどご家族の方がつきっきりでケアをされていることが多くございます。ご家族の負担は大変だと思っております。委員のご指摘のとおり、区内には医療的ケアに対応できる短期入所施設はございませんので、遠い施設や緊急時の対応がなかなか難しく、ご家族の方も苦労をされております。緊急のときに一時的に病院に入院していただいたということもございます。  以前、大田区には病院保護制度がございましたが、このときは医療的ケアを行わない契約でしたので事業が縮小していきました。医療的ケアを伴う短期入所としては病院を活用するのも一つの方法かと思います。また、先進的事例として訪問看護ステーションを活用して、看護師を派遣して見守りや介護を行っているところもございます。こういったことも含め、実施できる環境が整うかどうかも含めて今後の課題として検討してまいりたいと考えております。 ◆松原〔茂〕 委員 やはり障害のある方でも、住みなれた地域で安全に安心して暮らしたいという希望も強いことでございますので、この医療的ケアの必要な方々にさらなる対応をお願いを申し上げさせていただきまして、質問を終わります。 ○田中 委員長 次に公明、質疑願います。 ◆勝亦 委員 大田区議会公明党の勝亦聡でございます。  まず、家族介護者支援事業についてお伺いをいたします。  この事業は区報の平成21年10月1日号で紹介をされております。介護する家族の皆さんを応援する事業であり、多くの家族介護者に利用されることを期待された事業であります。事業内容は、要介護区分4か5の認定を受けている65歳以上の高齢者にヘルパーを派遣して在宅で介護して家族をサポートする事業であります。利用時間は年間16時間、サポート内容は生活援助、身体介護で午前8時から午後6時までであります。  そこでお聞きをいたします。平成21年10月1日から直近までこの事業をどのぐらいの方が利用されていますでしょうか。 ◎横山 高齢事業課長 昨年10月1日から本年9月末までに利用された方の人数でございますが、387人でございます。 ◆勝亦 委員 次にお聞きいたします。決算概要説明書の206ページです。この事業について記載をされております。予算現額が1,598万9,500円に対し、執行額は269万9,929円で執行率が16.89%となっております。この16.89%という数字、あまりにも低いと思います。  平成21年3月の予算特別委員会で我が党の委員からも質問がありまして、介護度4、5が対象であることや、利用手続の簡素化などを要望いたしました。それに対しまして高齢事業課長は、この制度を実際に運用するにあたりまして、介護される方ができる限り利用しやすい仕組みが望ましいと考えている。こうした考え方に立って利用手続の簡素化や、利用帯時間の柔軟な取扱いなど、効果的な手法を検討してまいりたいと答弁がありました。  しかし、このような執行率になってしまったのはなぜでしょうか。この原因は広報が足りないのか、使い勝手が悪いのか、サービス内容が悪いのか、どのように分析をしておりますでしょうか。 ◎横山 高齢事業課長 この家族介護者ホームヘルプサービスは、介護者の皆様にホッとできる時間を持っていただきたいと、いわゆるレスファイトの考え方事業でございます。この事業は大田区のみでございます。多くの方にご利用いただけなかったことにつきましては、区報の掲載が3回、サービス事業者等への研修会での周知10回以上、また、対象になる要介護者の4、5の方には介護保険証を送付する際に案内を同封するというように周知に努めてまいりました。  昨年10月から開始した制度でございますので、事業の趣旨が対象の皆様方に伝わらなかったことも想定されます。また、利用申し込みをされて、利用券を受けとりながら利用されないという方もいらっしゃいました。今後、なお一層、本事業の周知に努め、介護者の皆様の精神的、身体的な負担軽減に努めてまいりたいと思います。 ◆勝亦 委員 区は、区なりに努力したということだと思うのですけれども。初めて先ほど課長から話がありましたとおり、区独自の事業なので、区においても利用者の声を吸い上げるなどの工夫をこれまでされてきたのでしょうか。 ◎横山 高齢事業課長 利用者につきましては、4月にアンケート調査をいたしました。現在、アンケートの調査結果による検証を終えまして、その結果に基づき事業の検討を行っておるところでございます。 ◆勝亦 委員 今回のこの事業は介護度4、5ですが、仮に介護度3まで利用範囲を広げたら、もっと利用者が増えると考えますが、いかがでしょうか。 ◎横山 高齢事業課長 現在、要介護3で居宅介護サービスを受給していらっしゃる方、約2,500名ほどいらっしゃいます。現在と同じ程度の利用率ですと、250名ほど増えることが想定できます。なお、制度発足当時は、特に介護の負担の大きい要介護度4、5の方を家族で介護をしている方を対象範囲とさせていただきました。 ◆勝亦 委員 せっかく始めた区の独自事業であります。ぜひ、利用者に喜んで利用していただける制度にしていただきたいと思います。  そこで提案いたしますが、この年間16時間のサービス利用を拡大し、もっと利用率が上がる、拡大すれば利用率が上がる可能性があると考えますが、いかがでしょうか。 ◎横山 高齢事業課長 本事業は介護をされている家族を支援することが目的の大切な制度として認識しております。まず、利用申し込みをして利用券を受けとりながら利用されていないという方がいらっしゃったことから、周知、利用率の向上にまずは努めてまいります。また、利用者の方に実施したアンケートでは、使いやすかった、休めた、助かったなどというお声もある一方、利用時間や利用時間帯の拡大、利用単位の変更などを求めるいろいろなご意見をいただきました。すべてを反映するというわけにはまいらないとは思いますけれども、今後、利用者の皆様のご意見を踏まえ、利用しやすい事業となるように検討してまいります。 ◆勝亦 委員 ぜひ、前向きな検討をお願いいたしたいと思います。  先日、区民の方より介護保険サービスを受けるため認定の申請を行ったが、なかなか介護認定がおりない。時間がかかり過ぎる、何とかならないかとの要望をいただきました。この問題については、これまでさまざまな方がこの議場などで取り上げ、改善を求められてきた大田区の課題であると思います。  現状では申請から認定まで法の定めで30日となっておりますが、なかなかその期間での認定がさまざまな原因により実現していないかと思います。  そこでお聞きいたします。期限までに間に合わなかった原因として、どのようなことがらが考えられると考えておりますか。見解をお願いいたします。 ◎篠塚 調布地域福祉課長 30日認定のおくれの原因ですが、大きな理由の一つに介護認定申請件数の増加があります。今年度4月から8月までの介護認定申請件数ですが、昨年度の1万1,267件に対し、今年度は1万3,153件に増加しており、件数で前年比1,886件、率にして16.7%増となっております。現在、介護認定審査会委員の皆様にお願いし、定例会のほかに臨時会を開催し、対応をお願いしているところです。
     もう一つの理由として、介護認定審査会にかけるための資料となる介護認定調査票や主治医意見書の提出に比較的日数がかかることが挙げられます。 ◆勝亦 委員 申請件数の増加と調査票と主治医意見書の作成に時間が費やしてしまうということが主な原因だと言われておりましたが、そこでこの主治医意見書の作成について、さまざまな角度で要望また質問をしたいと思います。  私がこの主治医意見書の作成を含めて介護申請から認定まで30日以内の認定率を本区を含めて調べてみました。本区においては29.1%、渋谷区は79%、江戸川区は48%、世田谷区は45.1%、港区は41.2%、文京区は40.9%、またその他の区は30から10%となっておりました。もちろん、一番高い渋谷区でも79%ということなのですけれども、100%でなければいけないわけなのですが、それにしても大田区にくらべるとかなり高い数字の区が存在しているわけであります。  なぜ、このように同じ東京都23区にもかかわらず、自治体によって30日以内の認定率がこうも違うのか疑問に思うのは私だけではないと思います。この数字について、どのような分析を持っているか、見解をお願いいたします。 ◎篠塚 調布地域福祉課長 大田区の30日以内の認定率は他区に比べると低い状況となっていますが、各区により、介護認定審査会の運営方法が異なります。介護認定審査会の合議体の数も、区によって4から60の合議体。また、1回の審査会における審理件数も30件から60件となっております。あわせて意見書の督促状況も異なることなどから、各区の認定率にも違いが出ていると考えています。 ◆勝亦 委員 では、次に、医師に依頼してから一定の期間戻らなかったその主治医意見書の督促の方法についてお聞きしたいと思います。認定率の高い区は私の調べた範囲ですと、全体的に電話での督促よりも文書での督促を行っている区が多く、またその文書も区長名や合議体委員長名で行っている区があります。  そこでお聞きしたいと思います。大田区では意見書を依頼して、どのくらいの期間、戻ってこなかったら督促を行っておりますか。また、その督促の方法について教えてください。 ◎篠塚 調布地域福祉課長 現在、担当が定期的に点検し、おくれがあるものについては、おおむね提出期限の1週間後から週1回程度の割合で、電話を中心に督促を行っております。 ◆勝亦 委員 電話を中心にやっているということなのですが、少しでも認定率を上げる可能性があるものについては行うべきであると私は考えます。本区も督促は文書で行い、そしてその督促文書も区長名や合議体委員長名で行うべきと考えますが、いかがでしょうか。 ◎篠塚 調布地域福祉課長 文書による督促は効果が上がるものと考えられます。昨年度来から認定率の向上について検討をしているところですが、ご提案の文書での督促についてもあわせて検討してまいります。 ◆勝亦 委員 ぜひ、前向きに検討していただきたいと思います。  次に、主治医意見書の記載方法についてお伺いをいたします。主治医意見書記載に際しては所定の用紙があり、その用紙に記載をお願いしておりますが、23区ほとんどの区では記載内容が網羅されていれば、その用紙にこだわらないといった形式をとっているようであります。現在の社会生活の中でなかなか所定の用紙に手書きで記載するというのはなじまないことではないかと考えます。多くの方が文書を作成するのはパソコンなどを使用しているのが実情ではないかと考えます。  そこでお聞きをいたします。本区でも所定の用紙以外でも記載は可能となっているのでしょうか。 ◎篠塚 調布地域福祉課長 意見書につきましては、所定の用紙への手書きでなくても、記載内容が網羅されていれば、どの用紙であってもお使いいただけます。パソコンを使用した意見書は既に提出していただいており、お受けしている状況です。 ◆勝亦 委員 可能ということだと思うのですけれども、そういった意味でその旨を依頼文に載せるべきであると思いますが、いかがでしょうか。 ◎篠塚 調布地域福祉課長 主治医意見書の提出依頼文書の中で、お知らせができるよう検討してまいります。 ◆勝亦 委員 次に、その意見書記載の文書料についてお聞きをしたいと思います。  本区では、在宅新規の記載で5,250円、在宅継続で4,200円、施設新規で4,200円、施設継続で3,150円です。この金額は何をもとに決めているのでしょうか。 ◎篠塚 調布地域福祉課長 主治医意見書の文書料につきましては、東京都医師会、特別区、市町村、東京都の4者において協議し、確認を取り交わした金額です。 ◆勝亦 委員 今の答弁ですと、東京都で決めているということで。何でこういう質問をしたかということなのですが、大田区独自で決められればいいと提案したいと思いました。それは医療と、今回、この介護なのですが、また医療と違うと思うのですが。医療については、健康、最近のその保険の点数の出し方が、算定要件に100%合うものについては、加点にする形になっているのがあるのです。また、それに見合わなければ、また減点をするといった状況のものが見受けられます。そういった意味で、先ほどのこの文書も一定の期間内に意見書が戻ってくれば100円でも200円でもプラスして医療機関に払うことによって、医療機関も収入を上げたいという思惑があると思うので、そこで早く意見書が戻ってくるような、そういった状況、環境がつくれるのではないかと考えました。ぜひ、東京都の検討会の中で、このような意見があったということで、ぜひ、検討していただけないかと要望いたしますが、いかがでしょうか。 ◎篠塚 調布地域福祉課長 主治医意見書の文書料につきましては、東京都医師会等4者で確認しております。現時点では困難であるとは思いますが、ご意見は機会を見て、特別区介護保険担当課長会などに伝えてまいりたいと考えております。 ◆勝亦 委員 さまざまな要望をさせていただきましたが、ぜひ、前向きな検討をお願いしたいと思います。 ○田中 委員長 清波委員。 ◆清波 委員 大田区議会公明党の清波でございます。本日は、病後児保育についてお伺いをいたします。  働く、お仕事を持つお母さんにとりまして、大変大きな悩みは、子どもが急に病気になったとき等です。それも感染症ですと一定期間保育園に行かれません。また、直り際もどうかなということで、大変に悩むところでございます。現在は核家族が多くなっておりますので、近くに頼める人がいない、また、仕事を休むことのできないとき等、また、さらにはひとり親家庭では大変な苦労をしております。  内閣府が平成20年に実施いたしました少子化社会対策に関する子育て女性の意識調査におきましては、病児・病後児保育の充実を挙げている比率が、平成16年、44.4%、20年は54.7%と大きく上がってきております。保育園の入所とあわせまして、病後児保育、これは大変働く女性にとっての要望は大きいということがわかると思います。  このような状況の中にありまして、大田区におきましても保育サービスとして病後児保育があります。これは病気の回復期にある子どもを保育するものでございますが、現状は病気の最盛期でも預かっていただいているようです。大田区では5施設で総定員22名で、財政的には平成22年度4,231万円が委託料として計上されております。  私は第1回定例会で質問いたしましたが、改めて区の方向性につきまして、また、病後児保育の拡充の具体策についてお伺いたします。国は子ども・子育て応援プランで病後児保育施設を現在の598箇所から1,500箇所まで拡充をしていくことを目標に掲げております。大田区では、今現在ある5カ所は地域的に矢口また池上等偏りがあります。その後、施設拡大のための糸口は今出てきておりますでしょうか。 ◎薄根 保育サービス課長 病後児保育室の新設は医師会のご協力が必要なことと、既存施設のこれまでの平均利用率が50%台で推移していることなどから、現在のところは既存施設の利用率向上を図ることで対応できるものと考えております。地域的な偏りも若干あると認識しており、利用者の住まいによっては交通機関をご利用いただかなければならないこともございますが、地域的需要を見定めるのになお一定の期間も必要でございます。まずは制度の充実を図ってまいりたいと考えてございます。 ◆清波 委員 子育て中のお母さんが安心して仕事に専念できないのは、病後児保育の施設が圧倒的に不足していることだと思います。乳幼児期は病気にかかることが大変多く、また、それは予測ができません。今日は仕事に行く日と朝起きてきた子どもの様子を見て、真っ赤な顔をしている子どもの熱をはかってみて、初めてそこで仕事を休むか、どなたかに看ていただくかということを決めるわけでございますので、不安でいっぱいです。結局は、だれも看てくれる人がいないと仕事を休むわけでございます。  ですから、例えば新しい仕事につくときに面接に行きますと、小さな子どもさんがいると言うと、必ず子どもが熱を出したり病気になったとき、あなたはどうするのですかと聞かれるそうです。結局はあまりたくさん休まれると困るのですよねという一言で採用にならないという、こんなお母さんからの意見も伺っております。  そんな状況の中なら、お母さんは働かないで子どものそばにいればいいではないかという、そんな考え方の方もいらっしゃると思いますが、しかし、今現状、女性が社会の中で平等にその才能を発揮することが期待をされている現在、また、経済的に両親ともに働かざるを得ない家庭、また、一人親家庭で自分の仕事による収入がこの家庭の収入の唯一の収入源であるということもたくさんございます。  このような中でお母さんたちからの要望にこたえるためにも、病後児保育の増加、充実に向けて取り組むことは大変大事なことだと思います。ところが、最近多くのお母さんから伺うことが多いのは、病後児保育に申込みをすると定員オーバーで断られたという不満の声を伺います。そして、保育サービス課に私も伺いますと、ニーズが大変少ないのですと回答をされます。確かに平成19年は3,067人、20人は3,022人、21年は2,624人と利用者は減ってきております。しかし、現場のお母さんたちは断られると言います。  東京都の病後児保育の利用率は34.1%ですが、大田区は50.3%と都よりも高いニーズがあることは確かだと思います。私はここに何か施設の運営、いわゆる医師と利用されるお母さんたちとの間に食い違いがあるのではないかとずっと考えておりました。ニーズが少ないのではなくて、利用しにくい仕組みになっているのではないかと考えます。利用者の数だけを見ては、ニーズが少ないと判断できない。その裏にある断っている、また断られているという実態があることを、大田区はこの点について認識をしているでしょうか、お伺いいたします。 ◎薄根 保育サービス課長 病後児保育室では同一の病気、あるいは感染の恐れがない病気との診断がない場合には、互いの感染を防ぐために別々の部屋で保育を行います。このため、施設定員に余裕があっても保育室数の制約から利用をお断りするケースもございます。  この実態につきましては、区でも把握しておりますが、その件数については21年度までは集計をしておりませんでした。22年度からは、この件数についても各施設に集計をお願いしまして、今後の施設数や定員のあり方についての参考とさせていただくことにしております。 ◆清波 委員 そこで、大田区は区民の皆さんが安心してできるようにしていく必要が今あるのではないかと思います。例えば、多くの病気にはもちろん流行期というのがありまして、多くの子どもさんが同時に感染してしまい、定員オーバーということももちろんあると思います。しかし、この断られない病後児保育、そして本当の稼働率を向上させるためには、今、目の前で仕事をしているお母さんたちに安心して仕事と子育てを両立するために、早急の対策として定員の拡大をすることが、これを解決する道ではないかと考えます。  4月現在の保育所総定員は9,886名と伺っておりますので、病後児保育の総定員が22名分では0.22%です。定員数の増加が必要ではないか、これが解決の糸口になるのではないかと考えますが、大田区はいかがでしょうか。 ◎薄根 保育サービス課長 病後児保育事業は保護者が安心して就労や子育てに取り組むために欠かせない事業であり、今後は企業が導入を進めている看護休暇制度の取得促進が必要と考えるとともに、稼働率向上を図ってまいりたいと考えております。  病後児保育室の新規開設は医師会のご協力も必要でございますので、まずは既存施設の定員拡大について検討してまいりたいと考えております。児童が罹患する感染症は流行時期が重なるものもございますので、既存施設の定員増を行うことで、施設定員の制約からお断りするケースが減少するものと考えております。 ◆清波 委員 ぜひ、この定員数の拡大をしていただきまして、断られない、こんな病後児保育があれば、仕事をするお母さんたちが安心して仕事ができると思いますので、ぜひ検討し、実現ができるといいと思いますので、よろしくお願いいたします。  現在、運営されております病後児保育室は院内感染を防ぐ多くの看護師、また保育士を配置するために経営が大変困難であるということも伺っております。その日によって急に子どもさんの数が増えてきたり、また、少なかったりという不安定であることであることとか、また施設の数の拡大がその点によって拡大されにくいという状態があると思います。  区から委託を受けております病後児保育を実施している病院や診療所の現状について、区はどのように把握をしていらっしゃいますでしょうか。 ◎薄根 保育サービス課長 病後児保育事業は大田区病後児保育事業実施要綱に基づき、区が医療法人などに委託をして実施しております。事業委託料は定員によって定められております。病後児保育室の職員配置は看護師が利用児童おおむね10人につき1名以上、保育士は利用児童おおむね3人につき1名以上という基準となっており、人件費の固定費が高くなる傾向があるとともに、利用は突発的であり、常に利用者がいるとは限らないため、需要の変動が激しい実態がございます。  同一の感染症や疾病からの回復期にある児童は、同じ保育室で保育することも可能ですので、定員を拡大することで利用者の利便性が向上するとともに、現に運営されている病院、診療所の経営状況の安定にも一定の寄与をすることができるものと考えております。 ◆清波 委員 さて、特に感染症にかかりまして、いよいよ保育園に登園というころになりますと、いろいろな提出方法があるようでございます。法定の時間が過ぎてからの、はしかとか水疱瘡とかの法定の時間が過ぎてからは登園届けは保護者の証明だけでいいようですが、その他はどのようになっているのでしょうか。  お母さんたちの話ですと治癒証明書、診断書とその値段も無料のところから2,000円、200円、300円等といろいろあるようでございます。保育サービス課からの統一した書式は無料にしてもいいのではないかと考えます。もちろん、特別な病気は除きましても、日常的な感染症につきましての登園の届けは医師会との話合いをお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。 ◎薄根 保育サービス課長 保育園では集団保育の場での感染症拡大防止を目的として、学校保険法、施行規則が定める予防すべき伝染病の種類と出席停止期間の基準に準拠して、登園停止期間を定めています。登園停止期間を経過している場合は、登園届けを提出していただきます。  これは保護者の方が記入するもので、主治医から病気が治癒し登園してもよいと言われた場合に使用いたします。登園停止期間の経過前に治癒し、保育園をご利用いただく場合には、いわゆる登園許可証となる診断書の提出を求めています。これは他の児童への感染の恐れがないことを医師が証明するもので、医師が診断した結果を文書にするため費用がかかり、費用は保護者負担となっています。  登園許可証の文書作成手数料の無料化につきましては、医師会のご協力も必要なため、今後の研究課題とさせていただきます。 ◆清波 委員 以前に視察に行きました新潟市のわたぼうし病児保育児室は、医師が絶対断らないを合い言葉に頑張っていただいておりました。その先生いわく、このまま少子化が進むと、やがて人口減少時代が来ると言われている。そのような時代になったら子育て中の女性だけの問題ではなく、社会全体の大きな問題ですよ。私はそのために安心して子育てができるように応援をしているのです、と話してくださった言葉が耳から離れません。大田区の充実した子育て家族応援のために、ぜひ、病後児保育の拡大をお願いいたしまして、質問を終わります。 ○田中 委員長 次に共産、質疑願います。 ◆大竹 委員 私、先ほど来からいろいろと言われているので、おおた未来プラン10年についても、やはり優先順位をびしっとつけて、必要な部分はやはり進めていくという立場でやっていただきたいと。とりわけ、私、今回特養ホームについて質問させていただきます。  特養ホーム、非常におくれていると私自身思っていますので、まず、特養ホームについての最近の待機者の状況についてお知らせください。 ◎中原 高齢計画課長 最近の状況ということでございます。平成22年3月現在の待機者につきましては、特別養護老人ホームの優先入所の第一次評価ということの結果でご説明いたしますと、比較的優先度の高いAランク、こちらが293名、Bランク520名、Cランク685名、合計1,498名が待機者という状況でございます。 ◆大竹 委員 1,498名。それで申し込んで取下げをした方もいらっしゃると思うのですが、その人数と、それと理由についてお知らせください。 ◎中原 高齢計画課長 327名が取下げまたは何らかの理由でということです。その理由の内容を申し上げますと、ほかの施設に入所をした方、それからお亡くなりになったから、辞退した方という形でございます。 ◆大竹 委員 一応、この直近の中で申し込み評価取り下げ件数というのが20件とあるのですが。この20件というのは、この期間、いわゆる半年間の人数だと思うのです。この半年間の人数で20件の内容をお知らせください。 ◎中原 高齢計画課長 20件の中ではお亡くなりになった方19名、それからほかの区へ転出した方1名、計20名でございます。 ◆大竹 委員 そういう人数で、半年でそういう数ということですから、1年だと約倍近くになると思うのです。そういう中で、東京都が特養ホームを推進させるということを一つの目的としまして、特養ホームの整備費補助というのを決めて、それでいわゆる高齢者の人口と特養ホームの施設定員数を割って補助率を決めているのですが。大田区のいわゆる補助率ですか、それと係数は幾らになっているか、お知らせください。 ◎中原 高齢計画課長 大田区の整備率でございますが、平成22年1月現在でいきますと0.95でございます。東京都は整備率の低いところに対しまして、最高1.5倍の促進係数をしてございます。先ほど0.95と申しましたが、1%未満だと今度1.5というのが適用になります。したがいまして、東京都の補助額は1床につき現在430万円掛ける1.5倍ということで、645万円、こちらが1床当たりの都の補助金額となります。 ◆大竹 委員 それは今言われたように0.95で1以下と。この基準は1以下と1から1.25ですか、それから1.26から1.5までという形になっているのです。そういう中で、大田区の位置というのはどういうところになるのかと私自身見ていますと、この1以下というのは10区あるのです。それ以上の1.25倍というのが8区と1.5が5区と13区。大田区の上に少なくとも13区はあるという話になって、こういう部分からしましても、非常に大田区の状況というのはおくれているのではないかと。  そういう状況の中でこういう優先を、そういうおくれている地域に優先させるためにこういう補助率も増やされていると思っているので。東京都の平均は1.02ですね。そういうことからしても、本当に今の状況でいいのかというところがあります。  それで、そういう中で東京都が2011年までに、いわゆる2008年度比で14%、4万床の計画をつくっているのです。そういう中で大田区、今年の予算で144床2施設ですね。それと、私一番問題だと思っているのは、いわゆる、おおた未来プラン10年、この中で平成30年までに160床だというのですが。とにかくこの14%、4万人分のその計画は大田区ではどのぐらいの数になりますか。 ◎中原 高齢計画課長 今、都のほうの計画というお話がございました。都は市区町村の平成21年度から23年度の入所見込みの数で設定をしているのが、先ほど申した数字だと思います。都は広域的に老人福祉経費ごとに設定していますので、大田区は南部ということで品川と大田という合算された数字だと思います。  東京都の保健福祉計画によりますと、1.04が見込み数という形ですが、先ほど委員がおっしゃるように144床見込みまして、こちらが平成24年に開設という見込みで進んでおりますけれども。そうなりますと現在の1,320に達しまして144ということで1,464床になります。今現在、大田区の高齢者人口が14万人ということなので、それを分母にした整備率でいきますと1.046ということになりまして、都のほうの1.04と比較しまして遜色ない数字と考えております。 ◆大竹 委員 ただ、それで今1.06という話をされたのだけれども。実は2008年度比でやりますと14%。そうすると今1,320床ですから、184床増える話になるわけです。そういうことからしても、一つ144床との関係はどうなのか。あるいは平成30年また160床でしょう。いうこと自体がはっきり言いまして、東京都の計画からも非常におくれた目標を立てているのではないかと。前からも私ども、いわゆるこの160床については、平成30年、10年後に160床、こんな低い目標でどうするのかと。  先日も進ちょく状況というのを出されました。委員会の中で私も言いました。この進ちょく状況の特養ホームの整備状況4となっているのです。本当に今の待機者数からいって、今のこれで昨年度の評価というのは4でいいのかと。こんなに待機者を出しているのではないかということを含めて、今の状況、実態をやはりぴちっと評価しなくてはならないということと含めて、やはりこの低い目標をやはり上げてもらわなくては困ると。  実際問題、この160床について見直す、そういう考えというのはあるのか、そこら辺、どうですか。 ◎中原 高齢計画課長 今、おっしゃいましたように、1,320の14%ということであれば、1,184床を増加しなければいけないということで、160床以上に届かないのではないかというご質問でございます。そして未来プランのお話でございました。  今回の定例会の中で一般質問とか総括質問でお答えしているかと思いますけれども、まず、この160床ということを早期に建設を目標にするということ。それから160床以上の目標の達成につきましては、今後の待機者数、それから居宅介護の状況、そういった総合的な観点から、より適切な計画数について検討してまいりたいと考えてございます。 ◆大竹 委員 実際問題、今回の3月の待機者数ですね、その前の9月の待機者数から増えています。これが減るということはないと思います。高齢者の方は増えるというところで、今後のその動向を、今後の適切な件数検討してまいります、今後の動向を見ると、そういう状況ではないのではないかと。増える方向ははっきりしているのだから、当然、増やして、早期にこの160床をやはり変えるべきだと。そういうことをぜひ進めていただきたいということを要望して終わりたいと思います。 ○田中 委員長 清水委員。 ◆清水 委員 日本共産党の清水です。決算特別委員会福祉費の款別質問で、介護家族者支援について、決算書の206ページ、207ページについて伺います。先ほど勝亦委員が同じ質問をされておりましたけれども、重複する場所もあるかもしれませんが、ご答弁をよろしくお願いいたします。  予算減額が1,598万9,500円。しかし執行率は16.89%で不要額が1,328万9,571円でした。この事業は新規事業として要介護、高齢者等のヘルパーを派遣して、介護している家族の精神的・身体的負担の軽減を図り、在宅での介護の継続を支援するというものでした。施設の整備が間に合わない。先ほど大竹委員からも特養ホームの施設が間に合っていないのではないかという強い質問ありましたけれども。そういった中で在宅で介護をしている皆さんを支える、何とか頑張ってくださいという大田区の新規事業でした。  しかし、まず質問いたしますが、そもそも対象となる介護4、5の認定者は、2010年6月時の統計では介護4で居宅の方は2,083人、介護5の方は1,615人、合わせて3,698人おられたのですが。そもそも予算は対象者の約10%という予算で、そしてさらに執行率が16.89%と、こういう低い執行率だったのですが。  この理由について伺いたいのですが、そもそも周知のご努力ですけれども、先ほど区報への掲載、そうしたこととそれから介護の書類と一緒にお知らせしたと勝亦委員にご答弁ありましたけれども。家族それから事業者、ケアマネ、そこに周知は十分だったのか、この点について、まずお願いします。 ◎横山 高齢事業課長 先ほども申し上げましたけれども、この事業、介護者の皆様にほっとできる時間をもっていただく、いわゆるレスファイト事業という考えに立った事業でございます。多くの方にやはりご利用いただけなかったことにつきましては、先ほどから区報、それから対象者への保険証と同時に送付するというのをやってまいりましたけれども、事業の趣旨が伝わらなかったのかなというのが一つございます。対象者の方には利用申込みをしても利用されなかった方がいらっしゃいましたので、一層、周知に努めてまいりたいと思います。  また、事業者に対する周知でございますが、ケアマネジャーや訪問介護事業者等に研修会と10回以上と先ほども申し上げましたけれども、そのたびごとに対象者への事業を周知いたしまして、対象者への周知へのご協力をいただいたところでございます。 ◆清水 委員 今、老々介護とか忍々介護という嫌な呼び方もありますけれども、介護する方も高齢の方が多いと。そういった中では、例えば区報を見る機会だとか、そういったものもなかなか、目が不自由な方が介護をしている場合もありますので、区報に載せたというだけでは全く不自由分だと思います。  しかし、一人ひとりに通知もしてくださったということですけれども。やはりしっかりと、特に新しい事業をする場合にはご説明が必要だと思います。区の思いが伝わらないというのは、大変残念な話だと思います。  どんな事業の流れになっているか伺いましたら、まず、利用者さんがさわやかサポートに申請して、さわやかサポートがまた地域福祉課に申請して、そこで地域福祉課が利用者に決定通知と利用券を送ると、こういういわゆる申請主義になっているのです。ここのところがまず問題ではなかったかと思います。  それから、お金のやりとりも1割と、2時間で650円、4時間で1,000円ということですけれども、そういったお金を一たん利用者さんから事業者がもらって、残りの9割を区に申請すると、そういうやり方だったということで、書類もまだ多かったという声も聞いております。  使いにくい大きな原因の一つに、時間が2時間、4時間、6時間、8時間と2時間単位だったということにあると言われていますが、30分とか1時間とか、そういう単位になぜできなかったのか、この辺をお願いいたします。 ◎横山 高齢事業課長 30分単位など、単位時間のことでございますけれども、かなり細かくしてしまいますと、これは介護保険制度の中の2時間のヘルプ事業という中で価格といいますか、報酬を決定させていただいております。やはり介護事業と相当するものであったほうがよろしいという考え方でございます。  さらに、利用する方々の負担を減らすために簡単な方法でということでございましたので、その中で決定させていただいたのが2時間単位でというので比較的わかりやすいものであったということでございます。それで2時間単位の利用券を一度お送りしますと、次の年度からは介護度が変わらなければ同じご申請をいただかなくてもご利用いただけるようにお送りさせていただくというふうに、利用する方々にはなるべく簡便な方法として考えたものでございまして、短くするとかえって利用者の負担を大きくするであろうという観点から2時間とさせていただきました。 ◆清水 委員 今のご説明は、より簡単な方法でということで、利用者の思いを酌んでおられるということですが、このヘルパー支援を受ける事業所、ヘルパー側の問題なのですけれども、現状の介護保険制度の枠の中では、やはりその2時間、4時間、6時間という業務はあまり組んでいないと聞いております。要望があって受け入れられない、組み入れられないと断った事業所もあったと聞いています。今、区内の事業所はヘルパー不足が非常に深刻でして、今の介護報酬では、ヘルパーの仕事では生活できない、大変だと辞めていかれる方も多いそんな状況の中で、区が独自に家族のためにとヘルパー派遣をと支援事業をやっても、マンパワー不足なのです。  このような制度を考えるときには、同時にヘルパー事業所等への支援も同時に考えていかなければ実現できないのではないかと思いますが。今後、より使いやすくしていくために事業者への支援も含めて、今、何が必要か、先ほどと重なる部分がありますが、ヘルパーのマンパワー不足のことについて、やはり大変深刻ですので、そういった点も含めてお願いいたします。 ◎横山 高齢事業課長 まず、先ほどから申し上げましたレスファイト機能を考えた事業ということでは、確かに大田区独自のものでございましたので、事業者に浸透がしにくかった、これが一番だと考えてございます。今後も事業所には本事業を理解していただけるように周知を図ってまいりたいと思っております。やはり事業者の方々がなれないということで、その時間帯にヘルパーを送るのをちょっとためらったという話も聞いております。 ◆清水 委員 今ヘルパー不足と事業所の介護保険制度の中で、本当に大変な中で頑張っておられるという事業所のことについても、しっかりと支援していただきたいと思います。  それから、介護4、5だけに支援する制度で、先ほど3の方にもというご意見ありましたけれども、私も同様に、特に認知症が低く出る場合などは介護が1、2とか要支援とかなる場合もあるのですが、家族の皆さんは本当に大変な中で介護されています。4、5になると割と寝たきりの方が多いので、4、5の家族の方はどちらかというと緊急のショートステイだとか受け入れてくれる病院だとか、そういったことに対する要望が多いように聞いております。デイサービスも保険制度の中で週2回とか3回、特に要支援1、2や介護1、2の方はデイサービスにもっと行きたいと。そうすればその間、多少身体が休められる、そういう声も聞いております。  それから、生活支援がいわゆる日中独居、介護が4、5ではない介護1、2度の方でも、息子さんや娘さんが日中に働きに行っていると。そのときに生活支援を入れることができない。何とかこれをやってほしいという声と。それからいろいろ聞いた中では、病院の送り迎え。送り迎えは介護でできるのだけれども、待っている間が介護が使えないと。せめてこの待っている時間を何とか支援してもらえないかとか、こういう細かい要望も出ております。  先ほど新規事業として介護の方の家族の精神的、身体的負担の軽減を図って在宅での介護の継続を大田区が支援すると決めた事業ですので、やはりこれから介護だけで線を引くのではなくて、今、頑張っておられる家族の声をぜひ聞いていただいて、事業をより使いやすくて多くの方に利用してもらえるようにお願いしたいと思います。  最後にちょっと利用した方の感想を聞いております。この方は夫婦二人暮らし、子どもはいない。15年も妻の介護をしている86歳の男性の方です。この方から区長さんに、なんとしても特養ホームをつくってほしいと。このことを言ってほしいといつも言われています。  この方は妻の特養ホームの入所を申し込んだらCランクで、86歳のこの男性が死なない限り、妻は特養ホームに入れないと言われたそうです。こんな区でいいのかと言われています。しかし、この方、この支援制度を使って新年会とか、久しぶりに友達にあうと。こういうことができて、大田区たまにいいことやってくれると、区長さんほめられましたのでご報告いたしますが。ぜひ、家族を支援するという意味で頑張っていただきたいということで、この支援制度の見直しを要望いたします。  次に決算書の212、213ページの高齢者虐待防止について伺います。  予算現額は135万8,000円でしたが、執行率は4.42%で不要額が129万8,000円出ております。この事業の執行率が低かった理由、そして利用が低かったということは大田区で高齢者の虐待がほとんどないということなのかどうか、このことについて伺います。 ◎中原 高齢計画課長 まずは最初に予算の不要額についてご説明いたします。不要額の主なものとしては、緊急避難場所としての保護の宿泊費、いわゆるシェルターの費用、こちらが117万円余で一番の大きなものでございます。  21年度は区の保護宿泊施設を使用することがなかったため、この予算が全額不要となってございます。なお、このシェルター費用でございますが、事業の性格上、現に擁護者から虐待を受けており、生命または身体に重大な危険が生じている恐れがあるということですので、今年度も同様の予算を計上しているところでございます。  もう一つのご質問が、では、シェルターの予算が不要額で、大田区には高齢者の虐待の実態がないのかというご質問でございますが、平成21年度の高齢者虐待にかかわる通報件数は事実確認ができなかったものも含めまして、虐待が疑われなかったものということも含めましてですけれども、擁護所による虐待が49件、それから要介護施設従事者による虐待が1件で50件でございました。
    ◆清水 委員 今のお話ですと、シェルターの費用だったということですけれども。大田区には高齢者の虐待がないわけではないと。通報は50件あったということですけれども。先ほどのご答弁で大田区の高齢者人口14万人、それに比して50件、これは少ないからよかったと喜んでいられないと思います。  高齢者の虐待というのを調べましたら、暴言や威圧、侮辱、脅迫、これが大体50%から60%。傷にならない程度の暴力行為、これが37%ぐらい。無視というのも虐待だそうで17%。それから年金とか預貯金とか不動産の収入の取り上げ、これも虐待になるということで15.4%。こんな統計も出ておりまして、虐待をしていると思われる中心的な人は息子32%、嫁21%、配偶者20%、娘16%というように、家族、家の中で行われている場合が多いと思うのですけれども。  こういった虐待が行われた可能性があったときに通報なりすると思うのですが、この通報はどのようにされているのでしょうか。地域で虐待が疑われる高齢者がいた場合、ヘルパーや事業者の方が、この方は虐待を受けているのではないかと思った場合、大田区はどういう流れに、業務になっているのかご説明ください。 ◎中原 高齢計画課長 虐待防止法におきまして、生命の危険とか身体の危険にある者は通報という義務がございます。それでなくても、それに至らない場合でも知らせるべきだと、通報するべきだということでございます。  大田区の状況でいいますと、まずはさわやかサポートセンター、それからケアマネジャーが通報してくるということになります。それと地域福祉課。それで、その通報の部分を高齢計画課のほうで取りまとめまして、それについての件数についての対応を個々のケースごとに行っているという状況でございます。 ◆清水 委員 そのさわやかサポートが大きくかかわっているということで、さわやかサポートはどんな仕事をしているのかということで調べましたら、緊急通報システム、火災安全システム、電話の訪問、生活支援ホームヘルプサービス、寝具の水洗い、補聴器購入、もう本当に紙おむつの支給から寝台自動車のほうから、さわやかサポートの仕事が大変多いということがよくわかりまして、これで地域で虐待の疑いがある方なんかが通報があった場合、どこまで対応できるのかと。さわやかサポートのその仕事量がとても加重ではないかということで、いろいろとご意見を伺いました。  高齢者の居所不明問題、横山課長もテレビ出演されましたけれども、さまざまなところで大田区のさわやかサポートの職員の頑張りも同時に報道されて、本当に大変だと思いましたけれども。今さわやかサポートの体制は、大田区民の高齢者の実態にふさわしい体制となっているのかどうか、質問いたします。 ◎横山 高齢事業課長 さわやかサポートの業務の内容、その業務量についてのお話でございますが、高齢者の総合相談事業と、それから介護予防ケアマネジーメント、これが主な事業でございます。加重になっているかというご質問にお答えでございますが、高齢者の総合相談件数につきましては、暫増傾向にございます。ただ、区としましては、国の基準に比べまして、もう一回り厚い過配基準をつくりまして、区独自で人員の配置をしておりまして、適切な対応ができる状況になっていると考えております。 ◆清水 委員 高齢者の人口は毎年増えていますし、介護が必要な方も増えていますし、家族がやはり居所不明問題でも明らかになりましたように、大変、地域の問題も大きくからんできますので、人数だけではなく、その地域の特性などを考えて、本当にさわやかな対応ができる職員体制、そして区民、高齢者がさわやかに暮らせる、そのために職員体制、委託料の設定などよろしくやっていただいて、これでいいのだとならないようにしていただきたいと最後に強く望みまして、終わります。 ○田中 委員長 菅谷委員。 ◆菅谷 委員 菅谷郁恵です。私は決算書222ページ、223ページ、こども発達センターわかばの家について質問します。  まず、この説明書にある事業の内容について、簡単にお知らせください。 ◎高橋 こども発達センターわかばの家所長 こども発達センターわかばの家の事業でございますが、まず、心身の発達におくれやその疑いのある就学前の乳幼児及びその家族を対象といたしまして、発達のおくれや育児に関する相談事業、それから保育園、幼稚園への療育チームの派遣と療育に関する講演会を行う援助事業。それから保育園、幼稚園に通園していらっしゃる乳幼児にセラピストによる個別あるいはグループによる訓練で行う外来訓練事業。それから、親子で通所していただき発達を促す親子通所事業。交流を通じまして発達を促す自由来館事業、家族同士が情報の交換を図れる場を提供いたします子育てサロンなどの事業を実施してございます。このほかに児童福祉法に基づきます知的障害児の通園施設といたしまして、単独通所事業を実施しているところでございます。 ◆菅谷 委員 それでは、説明書にあるそれぞれの利用人数も書いてあるのですけれども、推移を、この比較できる数で答えていただきたいのです。推移を教えてください。 ◎高橋 こども発達センターわかばの家所長 まず、利用状況のうち相談事業につきまして、20年度の相談件数が342件、これに対しまして21年度が362件となってございます。次に援助事業のうち療育チームの派遣回数は20年度に106回、21年度が182回となってございます。講演会の実施につきましては、20年度3回、参加者が256人、21年度が同じく3回実施で214人の参加となってございます。外来訓練事業の利用実人数は20年度が392人、21年度が423人となってございます。親子通所事業の月平均の登録人数が20年度は29.3人、それから21年度が29.7人でございます。  自由来館事業の利用延べ人数につきましては、20年度に1,474人、21年度につきまして1,400人でございます。子育てサロンの利用延べ人数は20年度で1,064人、21年度で1,082人となってございます。  また、単独通所事業の月平均登録者数は20年度で35.6人、21年度で29.8人となっている状況でございます。 ◆菅谷 委員 少子化の傾向にありながら、外来の数で聞いた数では平成16年を100にすると、180%もこの平成22年になれば増えているということもお伺いしました。こういった傾向は発達障害の相談や利用が増えているということをあらわしていると思います。そんな中で施設長としてのやりがいや課題について伺いたいと思います。 ◎高橋 こども発達センターわかばの家所長 今、委員ご指摘のとおり、近年特に個別の外来事業、こちらのほうを利用される方が増えてございます。ほぼ毎年8%程度の利用件数増となってございます。こうした中で今年度は土曜日もわかばの家を開館いたしまして対応しているところでございます。今後も利用者のニーズに的確にこたえていくことが課題であると考えてございます。  また、やりがいはどのようなところにあるかというところでございますが、お子様の発達に関して、不安といいますか、ご心配をお持ちになって相談に見える保護者の方、そういう皆様の負担をできるだけ少しでも軽減できるように支援していくことが大事だと思ってございます。  また、保護者の方から、少しは気が楽になったという言葉をいただいたときに、我々職員一同はよかったと感じているところでございます。今後ともそのような方向で努力していきたいと思っております。 ◆菅谷 委員 本当に皆さんから気が楽になったとか、そういったことを言われるのは本当、やはりお仕事をなさっている人の冥利に尽きると思うのです。ただ、こういった状況の中で、9月25日の公開審査の事務事業外部評価にわかばの家が乗りました。こういう本当にみんながいい仕事をしているなと思っているときに外部評価の対象になぜなったのか。先ほども説明ありました、区立の施設を審査にかけるのだと言っておりましたけれども、やはりこういったところは、かけることは仕方がないのでしょうか。  ここで私は思うのですけれども、やはり障害を持つお子さんの命や発達にかかわる分野は。何よりもやはり慎重を尽くすことだと思います。ここには利用者や保護者の意見は入っていませんし、ここに事業、その日もらった事務事業のシートでは、財政上の負担を踏まえ、今後事業使用について検討するとなっています。また、さらにその場で大田区は、相談・援助以外は委託指定管理で可能であると述べました。こういった誘導するような形でやっているのではないかと思いました。  例えば、区民の利便性にならないといわれている蒲蒲線など開発は事業仕分けの対象にされないで、発達障害というていねいなかかわりを求められるところを事業仕分けにすることは、区の姿勢の問題だと思います。私はこれは一つ、もう時間がないので意見は求めませんが、このことは強く求めておきます。  そして、幼児期というのは個人差が大きいですから、それが個性なのか、それとも障害なのか、もんもんとしてお母さま方が悩みを本当に抱えて障害をしっかり受けとめることができない。できるかどうか、そういった入り口の時期です。こういったときにようやくこういったわかばの家の専門家の人たちや周りの人の援助で、ようやく障害があるということを認めて、そしてショックから立ち直るところでもありますから、ここでしっかり整理をしてあげる専門家が必要です。実際に自分のこどもにあった療法や心理など、納得いくだけ受けたいという要望が多い。だからこそ経験を積み重ねた専門家による支援が必要。専門家をぜひ育ててほしいと保護者の方も話しておられました。  さて、先生の話が聞けないほど学習障害、アスペルガー症候群などが認知されるようになってどのぐらいになりますでしょうか。 ◎高橋 こども発達センターわかばの家所長 発達障害者支援法の施行は平成17年ということになりますので、そのあたりから社会的な認知が徐々に進んできたのかなと考えてございます。 ◆菅谷 委員 とすると、障害に対する理解や学校でもさまざまな対応がとらえておりますけれども、まだ本当に緒についたばかりだと思います。こういった状況の中で、私たち区議団は各団体との懇談会の中で、医師会や私立幼稚園の園長先生の方々と懇談しましたが、いずれもわかばの家をもっと充実させてほしいということでした。大田区の小学生の6%は発達障害の子どもがいるということも話されておりました。私立幼稚園もその障害の承認数が増えている。体制をとにかく充実させてくださいというものです。  皆様ご存じだと思いますけれども、この成人の障害者施設、大森東福祉園では、今年4月に職員が6人退職してしまうということが、お母さん方から話されました。こういうふうに、本当に民間委託については、利用者の方や保護者の方が大変になったらいけないのです。検証がないまま、今、大田区がやるべきことは、民営化をする前に、区民の要求にこたえるために、もっとこの施設体制を充実させることです。  先日の事務事業外部評価の委員の意見では、効率化という方もおられましたが、ただ、経済的にだけ見て委託というのはどうか。すべてを民間にとは意見が分かれる。また、専門性の持続、行政がやることは体制の充実を。また、もう1人の町会代表の委員は見直しに手を挙げたのは現状を維持し、それよりもよくしてほしいということですと言っておられました。先ほども言われたように、職員の匠、マイスター制度を確立するのであれば、この職場ごと、丸ごと指定して、そこで専門家をじっくりと育成することです。これを要望して終わります。 ○田中 委員長 本日はこの程度で決算特別委員会を閉会いたします。                午後4時43分閉会...