◆岸田〔正〕 委員 そうしますと、今までの反省に基づいて今年の5月に評価に関する基本方針をまとめたということでありますけれども、区は昨年度より、地域力が区民の暮らしを支え、未来へ躍動する国際都市おおた実現のための、おおた
未来プラン10年に基づく取組を進めております。しかし、
未来プラン策定時からこの間、
世界同時不況や政権交代などによる区政を取り巻く環境が一変しました。
リーマンショック以後、財政状況は急激に悪化しておりまして、今後、
未来プランの推進にも影響が生じるのではないかという状況だと私は理解しているのです。
そして、今回、9月30日ですか、平成21年度おおた
未来プラン10年に掲げる主な事業の
進ちょく状況報告書が出されましたけれども、この中で、今までの
事務事業評価という言葉がなくなっていますよね。その中の内容を見ますと、そうは言っても、例えば取組の内容とか
進ちょく状況ということで評価されているのです。そこで、昨年までの
行政評価とどう違いがあるのか。また、報告書の目的や位置づけは何だったのかということをお聞きしたいと思うのです。これをお答えいただきたいと思います。
◎後藤
政策担当課長 昨年度に取り組んだ
行政評価は、事業の必要性や効率性等の視点に基づいた
事務事業評価でした。一方、今回の報告は、区の
まちづくりの基本計画である
未来プランに掲げる事業を対象としております。
未来プラン事業が
計画どおりに着実に進められているかを区民にわかりやすくお知らせすることを、第一の目的としております。なお、
未来プラン事業の
進ちょく状況については、
未来プランの中で、また、大田区における
事務事業の
検証評価に関する基本方針において、区政の透明性の確保、区民への説明責任の観点から毎年公表することと規定しております。今回の報告は、これらに基づいて実施したものでございます。
◆岸田〔正〕 委員 そうしますと、
未来プランの
進ちょく状況を報告されたということなのですけれども、現状の景気低迷とかさまざまな環境のもとで、恐らく来年度の特別区税や特別区交付金などの基幹財源の大幅な減収が見込まれると思うのです。その中で、よく言われているのですけれども、限られた財源の中で最大の効果ということを、よく理事者側の皆さん方はお言葉を使われるのですけれども、不況のこういう状況の中で区民の暮らしを守るためには、まずは無駄を省く必要があると思うのです。それには、これまで以上に不急不要の
事務事業を見直すことだと思います。また、優先順位をつけてメリハリのある施策展開を行うべきであると考えるのですけれども、
行政評価や
事務事業の見直しには、今、言われたような
未来プランだけではなくて、
法定受託事務など、聖域を設けずに区の全事業を対象に取り組むべきだと思うのですけれども、この点については、いかがお考えですか。
◎後藤
政策担当課長 おおた
未来プラン10年は、区の将来像、地域力が区民の暮らしを支え、未来へ躍動する国際都市おおたの実現に向けて、施策展開の方向性を総合的かつ体系的に示したものです。
また、計画の策定にあたっては、
区議会議員の皆様や公募区民の方々などを構成員とする
基本構想審議会からの答申を基本に、
意見交換会や
パブリックコメントなど区民の皆様のご意見を踏まえて策定いたしました。こうした経緯から、
未来プランに掲げる事業については、区が責任を持って
計画どおりに実施していくことが重要と考えております。
なお、
未来プラン事業や
法定受託事務等についても、費用対効果を踏まえた
執行方法等の工夫、見直しに不断に取り組んでまいります。
◆岸田〔正〕 委員 行政運営というのは、だれのためにやるのか、
事務事業というのはだれのためにやるのかといったら、これは区民の皆さんのためということで間違いないわけですから、
未来プランということで、一度決めたものを再度見直すというのは、なかなか難しい部分があるかと思うのですけれども、聖域を設けずチェックしていくというのが必要だろうと思うのです。
そういう反省に基づいて、いよいよ、9月18日から
事務事業の
外部評価というものが公開で行われ始めたのかなという理解をしているのです。私は、18日、25日の両日、午後だけでありますけれども傍聴しました。傍聴した中で感じたことを何点かお聞きしたいと思うのです。
そもそも区が実施している
外部評価は、今までの
行政評価とどう違うのかということをお聞きしたいのです。そして、そのねらいは一体何なのですか、今までの
事務事業とどう違うのですか。また、国が実施している
事業仕分けとどう違うのでしょうか、この点を確認させていただきたい。
◎水井
経営担当課長 これまで実施してきた区の
行政評価でございますけれども、所管部が行う
自己評価や事業がスケジュールどおり執行されることで一定の効果が見込まれる事業、こういったものにつきましての進行管理として行われてまいりました。現在実施している
事務事業外部評価は、外部の方に委員をお願いいたしまして外部の目で区の
事務事業の必要性や実施手法の妥当性を点検し、ご意見をいただくというものでございます。
委員と所管課長が公開の場で議論を行う公開審査を行いますけれども、国が実施している
事業仕分けの手法を取り入れながら、
外部評価委員は、
事業評価だけではなくて、必要に応じて具体的な改善提案なども行うということで行っておりまして、その点において国の
事業仕分けとは異なった性質を有するものと考えております。
◆岸田〔正〕 委員 今までの
事務事業というのは
自己評価をしていた、これが大前提ですよね。今回は
外部評価人によって公開における評価を行っているということですから、私も傍聴していて、そこの点については非常に評価をさせていただきます。担当の課の職員の方々は、かなり緊張を強いられてあの時間を過ごしていますよね。そういう意味では、非常に緊張感があってよかったのかなと思うのですけれども。
今回の
外部評価の手法というのは見ていますと、1事業について45分という時間が割り振られておりました。最初に担当課の職員による事業説明が5分程度行われまして、その後、
経営管理部による
事務事業の評価がなされ、そして、その後に評価人による30分程度の質疑・応答がなされ、
最終評価人によって廃止、見直し、
現行どおり、拡充、4段階の評価がなされていたのですけれども、今回の
対象事務事業、どのような視点で、だれが選定したのか、まずお聞きします。
◎水井
経営担当課長 対象の
事務事業でございますけれども、おおた
未来プラン10年事業や
法定受託事務などを除く事業のうち、予算額が小事業区分で500万円以上の事業の中から18事業、区の直営施設から4施設を
経営管理部において無作為に抽出したものでございます。一定の条件を付して事業を絞り込んだ上で
無作為抽出としたのは、
事務事業外部評価を含むさまざまな手法により、区のすべての
事務事業を点検するという方針がございますこと。また、本年度は試行として実施するため広範囲の
事務事業を取り上げる必要があると考えたことなどによるものでございます。
◆岸田〔正〕 委員 今、言われたようなそういう経過のもとに選定されたのだろうと思うのですけれども、状況がわからない人が見ると、何か仕分けしやすいというか評価しやすい事業が選定されたのではないかなという感もしなくはなかったのです。だから、その辺は、今回は初めての試行だということですから、今後、この形で評価されていくのであれば、その辺も透明性を確保するのがいいのかなと思います。
次に、
事務事業を
外部評価人が判定していますよね。このような評価人になられた方というのは、どういう立場なのかなと。まず、公開審査時に配られた資料によると、大学の教授の方が3名、
地方自治研究センターの研究員の人が1名、そして大田区
自治会連合会の推薦者と民生委員・児童委員の推薦者各1名の総勢6名なのですけれども。
評価委員の構成というのは、どのような基準のもと、どこが選任したのかというのをちょっとお聞きしたいのですが。
◎水井
経営担当課長 事務事業の評価は、行政施策についての知識と見識が求められると考えております。このような観点から、
地方公共団体における
行政計画の策定ですとか
行政評価の経験のある
学識経験者の方、こちらの方と長く地域の活動にかかわって区の施策への知識を有する方ということで大田区
自治会連合会と大田区民生委員・
児童委員協議会から推薦していただいた方、こういった方々を
経営管理部で候補といたしまして区長が委嘱したものでございます。
◆岸田〔正〕 委員 後半の、長く区の事業にかかわっておられた方とか大田区の状況をよく知っておられる方というのは納得できるのですけれども、そもそも生活の場である大田区の
事務事業ですから、区民の生活に直結していて大きな影響を与えると思うのです。例えば、
学識経験者と言われる方で、これは単純に疑問に感じたのですけれども、言われる
評価委員の方々、大田区の状況を十分熟知しているのかなと感じました。だから、そういう中で大田区の住民なのでしょうか。
国の
事業仕分けというのは、さまざまな政策の仕分けをしますから、
学問的知識や政策に対する理念があれば、ある程度、対応できると思うし、そもそも日本国のことですし、仕分けされた方は日本国民でありますから日本のことはよく知っているわけですけれども、生活の場である大田区の
事務事業を評価する評価人の方々、この辺の知識はどうなのでしょうか。もう1回、お聞きします。
◎水井
経営担当課長 外部評価委員の方には、対象事業の資料だけではなく、区の概要に関する資料の提供や説明を行っております。また、これだけでは十分でないということもございますので、区民2名の委員をお願いするということで議論が適切に行われるように配慮しているというところでございます。
◆岸田〔正〕 委員 ですから、資料だけで果たしていいのかなという気はするのです。生活に直結する場ですし。それと、代表質問の中でも発言があったのですけれども、この評価によって廃止という判定をされた
事務事業のことについて意見がありましたけれども。資料を事前に渡すと、それで30分の間で資料を通して結論を出さなくてはいけないという状況ですけれども。
例えば、今、民主党がやっている国の
事業仕分け。国会議員に聞きますと、公開で行われる前に、かなり時間をかけて、かなり綿密に準備作業を行っていると聞いているのです。ですから、もう一度聞きたいのですけれども、評価人の事前準備や事業に関する見識、それがどの程度の理解なのかなと感じて、もう一度、お聞きしたいと思います。
◎水井
経営担当課長 評価委員の方には、事前にできる限り事業の実態がわかるような資料を提供して、入念な準備をお願いしているということでございます。また、事前に詳細な質問をお寄せいただいたり、こちらのほうで資料をつくって提供したりということで万全を期しているところでございます。
既に2日間実施したわけでございますが、しっかりとした準備の上に適切な判断をしていただいていると担当としては感じているところでございます。
◆岸田〔正〕 委員 ここは幾ら言っても、なかなか議論がかみ合わないところだろうと思うのですけれども。では最後に、今回の
外部評価の結果、見直しや廃止といった評価が下された
事務事業については、今後どのような手続を経て区の行政運営に生かされていくのでしょうか。また、そこの中で、行政の
チェック機能を持つ議会に対してはどのような関与を考えておられるのか、お聞きしたいと思います。
◎水井
経営担当課長 外部評価の結果でございますけれども、廃止、見直し、
現行どおり、拡充といった四つの評価結果を行いまして、委員ごとに評価が異なる場合には、拡充が何人、見直しが何人という
評価区分ごとの人数を示した上で、評価に至った意見や改善提案があれば、これを添えることとしております。この評価結果は事業を所管する部においてその取扱いを検討し、ホームページや区報を通じて公表するほか、対応については
行政計画や予算案の中で具体化していくということになります。こうして得られた
行政計画や予算案に対して、区議会の
チェック機能を発揮していただくと考えているところでございます。
◆岸田〔正〕 委員 今までの
行政評価の目的であったり、その中で行われてきた
行政評価、そして今回、公開によって
事務事業の外部監査が行われているのですけれども、私は傍聴していて、この役割というのはやはり議員がやるべきだろうなと考えております。
二元代表制のもとで、区民の代表である議員がこの部分は担うべきではないのかなと考えておりますので。これは私はそう思っているので、今後、
外部評価をされる中で、これは一つの意見として検討していただきたい、最後にお願いしておきます。
○岡元 副委員長 次に緑、質疑願います。
◆野呂 委員 久しぶりに晴れわたった土・日に作業所等のお祭りで、地域の方が以前よりも参加されている姿がとてもうれしく思われました。私は、
予算編成と執行について、次年度に生かすという視点でお伺いいたします。
昨年の第1回定例会で松原区長は、おおた
未来プラン10年の初年度ということでありまして、船出にふさわしい予算執行をいたしましたということで冒頭のごあいさつがございました。98事業242億円の主な事業だったわけでございますけれども、監査では、それが82%の執行率ということで、おおむね良好なスタートだという報告がありました。
確かに頑張っていると思われる点、100%の事業もありましたし、思うのですけれども、これが10年のスタートの年であり、そして、この重点施策ということがどのように実行されていくかということが、次の予算、次
年度次年度に生かされていくと思うのです。その中で、執行率の低い事業も比較的多く、例えば緊急雇用とかがあったのですけれども、4億1千数百万円組まれたうちの1億5,000万円が減額補正されるなど、使われ切れなかった面もありますけれども、執行率が低かったものをきちんと分析していくことが事業を前向きに進めることだと思うのですけれども、この点について、どのように分析されて、どうとらえているか、お答えください。
◎鴨志田
企画財政課長 21年度予算につきましては、地域力を生かし、多様化する地域課題にきめ細かく対応するとともに、国際都市として新たな活力と魅力をつくり出すことに加え、
緊急経済対策の取組を進めることといたしたところでございます。重点事業につきましては、まさにこの施策の展開の中核と位置づけたものでございます。
地域医療連携の推進や
地域力応援基金助成事業、おおたの
観光魅力創出事業などは順調に執行した反面、
新型インフルエンザ予防接種費助成は
厚生労働省による接種回数の見直しがあり助成件数の減となるなど、執行率が低くとどまった事業が一部にございます。一つひとつの事業につきまして、成果や執行状況などを分析し、今後の
予算編成に生かしていきたいと考えております。
◆野呂 委員 今回、98事業の中に介護保険の
介護施設等の
人材確保育成支援事業というもの、これは21年度の予算のときは4,420万円計上されていました。今回、報告書の
重点事業実績説明書の中で、その中から人材確保のところだけ取り出して2,200万円、そのうちの800万円が執行率ということで挙げられて36.4%だったのですけれども、例えば、こうした事業は国も東京都も大田区も行いました。
介護の現場で人材確保が急務なのですけれども、執行率が低かったという理由の中に、国も東京都も大田区も行って、国の事業を使うと大田区のものは使えない。大田区のものを使うと東京都のものは使えないといった、そうした面がありました。ですから、各部局でこうした新規事業を組むときに、あるいは、それが企画に上がった段階で、ダブっていないのかどうかとか、そうしたことを精査していく必要があると思うのです。
ところがその事業、22年度で見ると、4,420万円だったのがわずか9万円になってしまっていました。それは、本当にその事業の必要性やどこがまずかったのかということがきちんと分析されていないことだと思うのですけれども、こうしたことをきちんと調整するところが私は事業について必要なのではないかと思うのですけれども、いかがでしょうか。
◎鴨志田
企画財政課長 社会経済状況や区民の行政のニーズが日々刻々と変わりゆく中で、区としましては、変化に敏感かつ適切に対応しなければいけないと考えております。ご指摘の事業につきましては、他の行政機関においても同様の施策展開を行う
行政サービスがございます。逆に言いますと、時代に適合した事業を行うがゆえに重複が生じているということが言えるのかなと思っております。
国や都、区では、同種の施策であっても目的や目指す効果が異なってまいります。施策全体の効率的・効果的な執行に向けまして、相互の情報交換に努めてまいりたいと考えております。
◆野呂 委員 時代に適合した事業だから複合的にとおっしゃいましたけれども、同じ内容であれば、どんなに複合的であっても有効性ということは限られてくるわけです。
今、介護の現場では、例えば、私の手元に資料がありますけれども、関東近県の学校を全部回っても人材が確保できないという課題も一方でございます。そうすると、今、区に求められているのは、本当に介護現場で高齢者と一緒に楽しく介護ができるかといった教育の面とか、さまざまな施策も待たれているわけなのですけれども。今年度9万円で幕をおろしてしまうといったことでは、東京都も終わってしまったので使いにくいと。ですから、
企画財政課では、そうした事業をきちんと精査しなくてはいけないのだと思うのですけれども、私はそれが十分ではないと思うのです。
今回、一般財源の
超過負担分についてデータがございました。私は、そのデータを見まして、
国庫支出金、都支出金の中で大田区が財政負担をしている分にプラスアルファして超過負担している事業が64事業、それが62億円もあったのです。62億円の事業のうち、今回、衛生費で15億円の不用額を出しましたけれども、そのうちの12億円が大田区が単独で超過負担した事業の中身だったわけです。もちろん、国がもっと出してくれればいいという思いが財政当局にはあるのかもしれないけれども、この64の事業の中に大田区の施策の方針、どういった事業に重きを置くのかというのが見えてくると思うのですけれども。
一方でそれが不用額という形で、これほどまでに12億円も積み残してしまうということでは、私は、総括質疑の中で
コスト意識を持って経費削減に努めた結果、不用額が出ましたと区長はお答えしていましたけれども、予算の段階で詰めが甘かったということがあるのではないかと思うのですけれども、いかがでしょうか。
◎鴨志田
企画財政課長 国庫支出金などにおきます区の超過負担につきましては、
事務事業を実施するために本来必要となる経費に対して国庫補助の基準額が低いといったことによりまして、法令等で定められた負担割合以上に区が経費を支出しなければならない場合に発生することがあると考えております。
例えば、子宮がんや
乳がん検診は
無料クーポン券などの受診率が伸び悩んだ結果、不用額を生じるなど、一部事業に不用額を生じております。
予算編成時において、
事業目標値の妥当性などにつきまして、さらに、より一層の精査が必要と考えております。限られた資源を効率的かつ効果的に活用することは、予算執行上、委員がおっしゃいますように重要な視点でございます。個々の事業の評価を十分に行いまして、今後の
予算編成に生かしてまいりたいと考えております。
◆野呂 委員 そこの事業の詰めが、例えば、今回、おおた
未来プランには119の事業がありましたけれども、98の事業にだけ予算がつきました。残る21事業には予算がつかなかった。ここに
未来プランがありますけれども、付せんを張ってあるのが予算をつけなかった事業なのですけれども。その中で私がとても大切に思っているのは、施策3−3−2の透明性の高い区役所をつくります。区の意思決定過程の透明性の確保、説明責任の徹底が求められますというところで、主要施策の成果及び達成度の公表という事業があるのですけれども、この分野は全然予算もつかなかったし、本来であれば、事業というのは、年度の途中でどのくらいの進ちょく度であるか、どういった点がまずいかということがきちんと予算の中で検討されなければいけないのですけれども、そういったことは行われているのでしょうか、どうでしょうか。
◎後藤
政策担当課長 まず、
未来プランに掲げてある事業については、進行管理をしているところでございますが、特に重要なものについては庁議指定
事務事業として四半期ごとに
進ちょく状況の確認をしております。最終的に、今回発表した主要施策の
進ちょく状況の報告という形で、区民にもご報告しているところでございます。
◆野呂 委員 庁議で
事務事業について報告しているということでありますけれども、それであれば、年度の終わった段階で、もう少し執行率を上げる努力というのがどう生かされるかということが議論されなければいけないし、その詰めが甘ければ、私は流用がとても増えると思うのです。
私はいつも予算書と決算書を見比べているのですけれども、去年もそうですけれども、今年も流用という分野がとても多いことで、実は、ちょっと驚いておりました。今回、事業間の流用ということはまだしも、そうではないものがありますよね。例えば、職員人件費、これを区税等還付金ということで649万3,000円、それからリサイクル活動グループの支援という報償費を978万1,000円、委託料で行政回収の推進に充てると。こういった流用というものが非常に多い。まだ同一事業の中の流用であれば根拠が見えるところがあるのですけれども、他の節への流用というものは、一体どういう基準で流用というものが行われているのでしょうか。
◎鴨志田
企画財政課長 流用でございますが、予算の意図・目的に沿いますように、迅速かつ効率的に執行することを観念に、必要な場合に行っているものでございます。財源、必要性、優先度、緊急性などを勘案しまして、実施するか否かの判断を適切に行う中で、その結果を決算書等にわかりやすく記載させていただくということで区民・議会の皆様への説明責任を果たしているものでございます。
◆野呂 委員 流用の基準というのは、あるのですか、ないのですか。
◎鴨志田
企画財政課長 流用につきましては、目の中で節間の部分で行われるものでございます。そういった意味で、款項をまたがないといった大前提の中で、執行段階の経費が不足する場合に行わせていただいているものでございます。
◆野呂 委員 大田区予算事務規則というものがございまして、目節等の流用、第21条があります。目又は節の金額は、予算の執行上やむを得ない事由がある場合のほか、相互に流用してはならない。これは大田区で規則として定めているものですけれども、この流用の規定。
それから、もう一つは予備費充用の規定がございます。今回、決算書の156ページに地域国際費、予備費充用増減額273万5,090円というところがあります。これは昨年10月25日、区長以下8名が親善訪問団派遣で使ったお金です。予備費というのは、本来は危機管理のときに使うのではないのですか。災害とか地震とか、緊急やむを得ないものに使うのだと私は理解しておりました。今回、監査報告書の中に予備費の項がありますけれども、新型インフルエンザ、あるいは南馬込四丁目擁壁の崩壊に伴う危険箇所応急対策、あるいは台風18号の通過に伴い風害を受けた昭和島運動施設の防球ネット復旧工事費というふうに。これは、予備費は原則、白紙委任だと思うのです。信頼をして災害があったら使ってほしいということだと思うのですけれども、なぜ国際親善訪問に予備費が充用されたのでしょうか。
◎鴨志田
企画財政課長 予備費でございますが、予算外の支出または予算超過の支出に充てるため、あらかじめ予算の中におきまして、その使途を特定しないで計上しているといったものが、その性質でございます。今回の中国訪問団の派遣でございますが、平成21年10月25日の羽田空港と北京首都空港を結ぶ定期チャーター便の就航に伴いまして、日中親善訪問団派遣事業について予備費を充用したものでございます。訪問団の派遣は日中親善訪問団派遣事業実施要領に基づき実施をされておりまして、この決定は昨年の10月初めでございました。既に第3回定例会の会期中でございまして、補正予算の提出に間に合わず、緊急の経費として予備費から充当させていただいたものでございます。
◆野呂 委員 10月初めということですけれども、それでは予備費を充用するときには、予備費の充用という項目があります。部局の長は、予備費の充用を必要とするときは予備費充用の様式を
経営管理部長を経て区長に提出し、その承認を受けなければならない。決裁はいつされたのですか。
◎鴨志田
企画財政課長 予備費の決裁でございますが、1件ずつというよりも包括的に現在、執行をさせていただいております。
◆野呂 委員 今回の親善訪問団の派遣がちょうど10月ということで、まさに第3回定例議会の開催中だったと思うのです。私は、区長と私たち区民から選ばれた議員が
二元代表制という中で、やはり補正予算というものをきちんと組んでしかるべきだと思うのです。そして、きちんと議決を受けて、堂々と必要であれば行けばいいと思うのです。補正を組まなかったということを、先ほども話されていましたけれども、そういう状況が続くということは、私は一つの自治体を運営する者にとって好ましくないと思うのです。
最近、流用ということがとても目につくのですけれども、補正をきちんと提示して議決を仰いで。議論するのは、私は、うんと議論すればいいと思うのです、どんどんね。そして、その上でいろいろなことをすればいい。
私は、昨年、防災・安全対策特別委員会で阪神・淡路の淡路島へ行ってきました。そこで現場の状況の大変さを見て、そして、そこから復旧するために市民が知恵を絞って災害要援護者のあり方とかを議論しているのを見て、議員だけではなく防災部長や防災課長、危機管理担当課長も、こういうときに本当にご一緒したいなと思ったくらいです。
私は、必要であれば行くことはやぶさかではないと思うのですけれども、あくまでもそれは予備費から流用するということではなく、正式な手続をきちんと経て行うということが逆に区長を支えることであり、執行を適正にするということだと思いますし、役人の皆さんは、公務員になったそのときに、予算のあり方というのをまず第一にお勉強されるのだと思いますので、そうしたことをきちんと手続としてやっていくべきだと思うのです。
今回、流用というものの基準は、とお聞きしましたら、何かあいまいだったのですけれども。私はこれは、2千数百億円という一般財源を適正に運営するためにも流用の基準というものを適正に設けるべきだと思うのですけれども、いかがでしょうか。
◎鴨志田
企画財政課長 目内で執行経費を捻出する中で、幾ら以上であるとか、では何パーセント以上の場合にはどうするといった基準は、なかなかつくりがたいものがあるのかなと考えております。私どものほうの執行サイドの面の執行権の中で議員の皆様に適切に情報をお流しをする中、もしくは決算の中で適切に説明させていただくといった形で運用してまいりたいと考えております。
◆野呂 委員 執行権の中で議員の皆様に適正な情報をきちんと提供するというお話でしたけれども、私はわかりませんでした、このことについて。決算書を見て、初めて予備費で充用して行かれたのだということがわかりました。区長の専決処分というのがあると思うのですけれども、執行権もあると思います。けれども、政策的な事業、21年度の予算で審議されなかった新たな政策については、これは適正に補正予算にかけるということが基本であるべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
◎鴨志田
企画財政課長 地域振興費の中で、姉妹友好都市交流事業という事業につきましては、議員の皆様方の当初予算を編成いただく中でご説明を差し上げていたところでございます。今回、先ほど申し上げましたように、非常に時間のない中でお金を捻出するという必要性が生じた関係から、予備費を充当させていただいたというものでございます。
◆野呂 委員 時間のない中でということが続けば、いろいろなことができるかと思うのですけれども、でも、やはり
未来プランにあります透明性を確保した区政運営ということで、今後、流用についての基準等、補正にどういったものを上げるのかということを再度、議論していただきたいと思いますし。こうした新たな政策が庁議等で話されているのかどうか、私にはちょっとわからないのですけれども。
私がいただいた庁議記録、これはもう他区では、中野区とかは、庁議でどんなことが話されたかという、案件だけですけれども、でも、これがわかることで、例えば今、
事務事業の評価がいつごろ話されていたのかということを私自身もわかることができますし、お互いにいろいろな情報を公明正大に得る中で、区民にとっていい大田区をつくっていきたいと思います。庁議の記録というものを、私たち
区議会議員にもぜひ提示していただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
◎荒井 総務課長 区にはいろいろな会議体がありまして、お尋ねの庁議もその一つでございます。大田区庁議規則に、区の行政運営の最高方針を審議・策定するとともに、区、各機関相互の総合調整を行い区行政の能率的遂行を図るため庁議を設置するとあります。このように、庁議は区政にとって最重要な案件を扱うところでございます。また、案件の中には、部局からの検討中案件の途中経過報告のものや庁議において結論が出ず継続となるものなどもございます。公開には、そういうものはなじまないものも入っております。議員各位には常任及び特別委員会において必要な事項をご報告しておりますので、庁議の報告の一般的な公開は考えておりません。
◆野呂 委員 公開になじまないものもあるということですけれども、23区の中のいろいろな区で庁議の記録というものは提示されている状況の中で、公開になじまないという表現が適正なのかどうかということを一言申し述べておきます。
最後に、莫大な予算を区民の幸せ、安心のために使っていくわけなのですけれども、私は
予算編成と執行にあたっては各部局、そこに携わる職員の方々一人ひとりの本当に知恵や勇気や、あるいは議会で提示されたもの等、いろいろ活用されていると思うのですけれども、でも、
予算編成の基本に、そこで働きやすい人材育成ということがとても大事だと思っております。
近ごろ、例えば課長も係長も部長も一緒に変わってしまうといったことも多々見受けられる中で、それで本当に一つの部局が仕事をしやすい環境なのかということは、問われていくことではないかと思うのですけれども。やはり人材育成、次に続く人材、この大田区を担っていく、確かに大田区民のために頑張ろうという人材の育成のために、私は区長にそのことを本当にいつも心がけていただきたいと思うのですけれども。人材を確かに育てる中で、確かな
予算編成と執行ということも全域でできると思うのです。そういう視点を再度確認したいと思うのですけれども、いかがでしょうか。
◎勢古
経営管理部参事〔人事課長〕 人材を育てるということでございますが、まず職員の配置につきましては、これまでも適材適所の考え方のもと、職員の配置に努めてきたところでございます。その上で、区政の事業運営には人材の確保と育成は重要であると認識しているところでございます。
具体的には、ゼネラリストはもちろんでございますけれども、高い専門性を有するスペシャリストを育てることも重要と考えているところでございます。この考えを実践する方法の一つとして、本年1月に改定しました大田区人材育成基本方針の中でもマイスター、いわゆる匠制度の導入の検討について検討してきたところでございまして、現在、その実現に向けて取り組んでいるところでございます。
◆野呂 委員 適材適所、それからスペシャリストというものも必要だと。すべての方たちがそうなる必要はないかと思うのですけれども、そういう人材を確かに部局の中に確保しながら、そしてやっていくということがとても大切かと思います。今回、私は、予算の執行にあたって、原則、単純明朗ということが予算では一番大事かと思うのですけれども、その執行を求めて質問させていただきました。
これが次の年度に生かされるように私は今回質問したのですけれども、最後に、もしよろしかったら、野田副区長、いかがでしょうか。お考えをお聞かせください。
◎野田 副区長 予算を編成し、その予算についてご議決をいただくということ、それから1年の執行を終えて決算として結果をまとめるということ。その予算の中には、これからやっていこうという方向性、方法というものが含まれております。一方で、決算の取りまとめの中では、それがどれだけ効果をもたらしたのかということについての検証ということが含まれております。
その中には、できたと胸を張れるものもあれば、反対に、もくろみとして持っていたにもかかわらず、それが十分に達成し切れていないというものも含まれていると思っておりまして、そうしたものをしっかりと受けとめる。また、この決算においては議会のご認定をいただくという手順がございますので、そうしたものを糧にしながら、これを次に編成する予算の中に生かしていくということが、プロセスとして必要であると思っているところでございます。
◆野呂 委員 基本条例や、あるいは議長の議会招集権等、今後も検討されていかなければいけないと思いますけれども、適正な執行を求めて質問を終わります。
○岡元 副委員長 次に、区民の会、質疑願います。
◆西村 委員 区議会大田区民の会の西村健志郎でございます。
今回は、私は、区政の財政難の折に、どうやって歳出を削っていこうかと、無駄を省いていこうかという観点で質疑を行っていきたいと思います。
先日、実は、先輩議員のほうでデジタル防災用の行政無線ですか、これを更新すると、デジタル化するということで話がありました。5、6年にわたって12億円から13億円使うということで、感覚的には、これは高いのではないかなという感覚だったと思います。本当に音声、これは音声ですよね、音声を区民の耳に届けるということで、これは決してデジタル化したから聞こえやすくなるわけではございません。その辺は、やはりデジタルとかITとかという言葉に惑わされないようにしてほしい。
この件については、やはり緻密な現場に行っての現地調査を行って、出力の小さいスピーカーであっても、なるべく耳の近いところに小まめにつけていくことによって難聴地域が解消できると、これが基本でございます。
かえって、デジタル化することによって周波数が上がれば、皆さんもご存じのように、例えば、携帯電話のワンセグメント、ワンセグなんかは約2ギガ帯の周波数を使えば、本当に全然入ってこないのです。区長室の中でも受けられないという問題があって、たくさんアンテナをつけなくてはいけないことになるということも踏まえて、本当に、その用途にどれが適正か、どういう周波数帯が適正かということを考えながら。
私も、この件につきましては、ラジオ波を使うということで問題なしと。要は、親機と子機の間です。子機から、スピーカーからのこれは音声ですから、音声を耳に届けていくと。
先輩議員がおっしゃったように、これは家の中にいたら聞こえないわけです。では、どうするかということで、私が2年も前に、家の中では、例えば火災警報器から強制的に音を鳴らすとか、あるいは固定電話に強制割り込みをかけてベルを鳴らすとか、それから移動中の人は携帯電話に、これまた強制的に割り込みをかけて非常ベルを鳴らすとかというようなシステムを考えたらどうかということも提案しておりますので、大田区でこういうことを、例えば中小企業の力をかりて率先してやっていくということも含めて一緒に考えていきたいと思っております。
今日は行政無線のことではなくて、この12.数億円といいましょうか、約12億円から13億円を毎年使うシステムがあるわけです。これは基幹系システム、新しいものに今年、入れ替えて最終年度でございます。来年の1月早々から実際に運用を開始するということで、これは、その後、維持管理をするために12億円から13億円、これが毎年必要なわけです。これを、いかに減らしていくかということです。
例えば、今年、これは新規導入分も含めて約40億円弱の決算額が上がっております。不用額が2.5、6億円なのですけれども、10%を私は目標にしてほしいといって、それには足りなかったけれども2.5、6億円ということは、土地さえあれば小さな保育園が一つ建つと。ここは、やはり一番大きな支出ですので、いかに削っていくかということが、まず一つ、ちゃんとトップの方針として出ているかということを所管の方に伺いたいし、オープン化することによって、まさに各職員の机の上にあるクライアントと、あと、それを統括するサーバー、クライアントサーバー方式によって、基本的には、民間の企業であれば、自分たちで維持管理・運用をしていくというものが基本でございます。だから、ハードウエアのリース代を除けば、半分に減らせるのではないかと。安く見ても半分。
そうは言いながら、前回、予特のときでしょうか、10%ぐらいを考えているという課長の答弁でございましたけれども、やはり、ここは目標値として20から30%の目標額をいただきたいなと。現行のホストコンピューターを使った大がかりな保守ではなくて、維持管理のために、今後、このオープン系では20%から30%、12から13億円を減らしていくということを求めたいと思いますが、いかがでしょうか。
◎町田 情報システム課長 幾つか質問があったと思うのですけれども、まず、予算をつくる前に見積もりをとり、さらに契約段階で内容を精査して、予算については、無駄がないようにということで考えております。
また、運用費用につきましては、委員がおっしゃったように、現行、ホストコンピューター、それから基盤、そして年間要します法改正分、こういうものに対して12億円程度の費用を要してございます。これを、基盤が2枚化になりましたので、数年は費用が重なりますけれども、5年後をめどに20%か30%というのは、今のところ試算としてはかなり厳しいかなと考えてございますけれども、15%以上は努力できるようにということで頑張っていきたいと思っております。
◆西村 委員 これからも、ほかの事業についても伺っていきたいけれども、こういうことについて一番大事なのはトップからの意思がちゃんと各所管に示されているか。何パーセント減らしていくのだよと、どのくらい減らしていくのだよということが私は一番大切だと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
○岡元 副委員長 次に日本、質疑願います。
◆犬伏 委員 たちあがれ日本の犬伏でございます。
地方財政法の第4条第1項には、地方団体の経費は、その目的を達成するための必要かつ最小の限度を超えて、これを支出してはならないと書いてあります。そういった視点から見ますと、大田区の財政支出は相当、最小の限度を大幅に超えて支出している部分があります。
一般質問で私は、自分自身の24年間の旅行会社の経営者の経験から大田区の幹部職員の旅費があまりにも非常識であると指摘しましたが、時間がなかったものですから詳しくはお話できませんでした。今回、ちょっと突っ込んだお話をしたいと思います。
平成21年の6月28日から7月1日まで、区長と産経部の伊東部長はバンコクに旅行されました。そのときの経費は、お二人で72万7,415円です。なぜか区長の運賃は正規のビジネスクラスの運賃で、46万9,500円。正規というのは、日本航空のカウンター、全日空のカウンターへ行って買える金額であります。そして、伊東部長の航空運賃は、なぜか全日空の正規の割引運賃、スーパーエコ割というものを使って5万3,000円。区長のビジネスクラスの運賃を正規のビジ割というので乗りますと26万6,000円なのです。なぜか区長だけは正規の最も高い、多分、ほとんどこんなもので航空運賃を買う人はいないであろう運賃を計上しているのです。
さらには、蒲田にもありますけれども、H.I.Sで行きますと、区長が46万9,000円払った運賃は16万8,400円で行けるのです。伊東部長が5万3,000円で行った運賃は、4万400円で行けると。総額で31万円も安く行けたのに、あえて高く行ってしまっている。この辺が臭いな臭いなとずっと思っていたのですが。
なぜ不自然に別々の料金体を使うのか。一つは、全く正規の値引きなしの、ほとんどだれも使わないような定価なのです。もう一方は、全日空の窓口へ行くと、いつでも出てくる全日空の割引運賃なのです。旅行会社を使っている、JTBを使っているのだけれども、なぜか、こういうアンバランスな見積書を出してくる。そして、この請求書に対する領収書がないのです、公文書にはないというのです。どうやって、この運賃というのは決めるのですか。
◎勢古
経営管理部参事〔人事課長〕 旅費につきましては、どのように決めるのかというお尋ねでございますけれども、職員の旅費に関する条例の規定に基づきまして、旅費の種類によりまして最も経済的な通常の経路及び方法により旅行した場合の旅費により計算するところでございます。旅費の種類でございますけれども、鉄道運賃、航空運賃、宿泊料、支度料など13種類ございます。鉄道運賃や航空運賃などのように実費額によるものと、宿泊料、支度料のように定額により算出するものがございます。
なお、定額による支給とされているものにつきましても、会議等によりまして宿泊施設が定められており、その額が規定額を上回る場合は増額し、また、実際に宿泊する施設が規定よりも廉価な場合は減額するなど、必要に応じて増減する場合がございます。
◆犬伏 委員 いや、そうなのです、それは条例に書いてあるのだけれども、そうではなくて、なぜ区長は定価で行って、部長は安い運賃を使うのか。ほかの、これからまた話しますけれども、北京、シンガポール、ソウル旅行とか森部長と玉川課長のヨーロッパ旅行とかアメリカ旅行とか、いろいろな旅行があるわけだけれども、その都度、ばらばらなのです。基準を見ていると。運賃を使う基準がばらばらなのです。変な言い方をしますと、ああ、ここで剰余金をつくっているのだなというのが見えてきてしまうのです。
だから、なぜ、こんなばらばらな基準で出すかと。お役人というのは、統一した基準でやらなくてはだめでしょう。それをその都度、何かころころ変えてしまうのです、基準を自分の都合のいいように。後で、もっとびっくりするようなことを教えてあげますけれども。
どうやって、こういうばか高い運賃とばか安い運賃を同じ旅行で使うのですか。あなたが例えば奥さんと一緒に行くとき、奥さんだけ正規運賃で買って自分の分だけばか安い運賃で行かないでしょう。やはり同じ基準で正規の割引運賃で、区長は偉いからビジネスクラスと、部長は偉くないとは言わないけれども5万3,000円で我慢してもらうとわかるのだけれども、区長だけばか高い定価で買って、部長だけ安いので買ってという、そこがわからないのです。
◎勢古
経営管理部参事〔人事課長〕 公務での旅行につきましては、出張の場合は、やはり限られた日程の中で訪問先の数とか相手方との会談等、いろいろと想定されるところでございます。そういった中で、区長の運賃につきましては、これは国に準じた形でございますので、所定の範囲内と考えてございます。やはり次の日程とか、そういうところを考えた中で、エコノミーではなくて、場合によっては一つ上のクラスとか、そういった形で次の日程に合わせての体調管理もございますので、そういうところで考えているかと思います。
◆犬伏 委員 知らないというのは、いいことですね。区長が買った46万9,500円の運賃と全日空のビジ割26万6,000円、H.I.Sの16万8,400円、すべて同じ基準で日程変更もできるのです。だから、日程変更ができないという、JTBにだまされたのか皆さんがうそをついたのかわからないけれども、そういうプロが聞くと白々しいうそはあまり言わないほうがいいと思います。
次に、再三言っているのですけれども、現地の移動費用というのがたまげてしまうのです。4月から北京、シンガポール、ソウルに区長と茂呂課長が旅行したのですが、区長と茂呂課長が行ったときは2人ともエコノミー運賃なのです。さっき区長は何か都合があるからビジネスだと。今回はエコノミー、それもばか高いエコノミー運賃を使っているのです。
中国でセダンの使用料が8万7,000円なのです。中国旅行のプロのサイトを見てきたら、空港送迎2,000円、9時間まで専門職、ガイドつき1万6,000円、したがって1万8,000円でこの8万7,000円のことができると。JALセールスという会社が幾らつぶれそうでも、7万1,000円は乗せ過ぎだなと。
シンガポールでセダンを使っているのです。これを同じような基準で調べたら、区長と茂呂課長が使った36万2,000円のセダンの運賃、ただ車を借りただけですよ、これをシンガポールの旅行会社に頼むと6万6,000円で行けるのです。30万、どこへ行ってしまったのですか。
それから、ソウルに行きましたね、区長と茂呂課長。ソウルで空港送迎と9時間のセダン、空港の往復と9時間使っただけですよ。20万6,000円ですって。びっくりしてしまうよね。これを同じくソウルの旅行会社に聞いたら、市内チャーター1万5,000円、ガイド1万8,000円、合計3万3,000円でできるというのです。そうすると、この差額もどこへ行ってしまったのだろうね。この間の一般質問でガイドが高いというのだけれども、高いガイドを入れてこの金額なのです。
総額で、この1回の北京、シンガポール、ソウル、3カ国周遊の旅で50万円ぐらいがわからないのです。まさか、それでステーキを食ったとかお土産を買ったとか酒を飲んだとかとは思わないのだけれども、なぜ、こんなおかしな金額が検査を通ってしまうのだろうね。おかしいと思いませんか。9時間使って、車を借りて日本語のガイドをつけて36万2,000円よ。これ、送迎費用にガイドを入れることは適正ですか。ガイドというのは、送迎費用ではないでしょう。
さっき、あなたがおっしゃったように、条例には支給できる旅費の種類は決まっているのです。車賃と航空運賃は実費と書いてあるのです。これは、実費ではないではないですか。高級なガイドをつけたと、この間、答弁があったのだけれども、ガイドの費用というのは旅行雑費で払わなくてはいけないことになっているのです。おもしろいことに、区長と茂呂課長が書いた旅費の請求書があるのだけれども、そんなことはどこにも書いていないのです。旅費の請求書に車賃と書いていないのだよ。総額で書いてあるのです。旅費に関する条例によれば、航空運賃幾らと、旅行雑費幾ら、それから食卓料、飯代だ。飯代幾ら、日当幾らと全部分けて書かなくてはいけないのだけれども、一遍に全日程幾らと書いてあるのです。
さらにおかしいのは、8月に森部長と玉川課長がアメリカ旅行に行ったのだけれども、宿泊料の欄に6,700円と書いてあったの。随分安いホテルに泊まったのだなと思ったら、食卓料を間違えて書いてしまっているのです、宿泊料のところに。ということは、でたらめです、この旅費の請求書。
なぜ、ちゃんと航空運賃幾ら、宿泊料幾ら、旅行雑費幾ら、食卓料幾らと書かないで、丸めて書いてしまうのかな、こういうふうに。旅行会社の見積もりもついているのだけれども、公文書開示で領収書が出てこないのです。何度も言うように、本人に金を渡して、その後は私費だと。産経新聞が取材に行ったら、領収書を見せてやると、コピーを、公文書会議では出せないけれども見せてやるといって見せてもらったらしいのだけれども。区議会は、過去はこういうことをやっていたのです。区議会も、海外視察で。今は、もうやめようということで、大田区区議会の親善訪問は、区長がこの間、連合町会長と行ったように、委託契約を結んで実費を旅行会社に払って、その領収書も公文書で出てくるのです。なぜ、幹部が行くと、こういういかがわしい支払いをするのか。現地の費用を、こういうまとめて書いてあっても違反ではないのですか。
◎勢古
経営管理部参事〔人事課長〕 人事課のほうに、旅行について協議をする場合につきましては、職員の宿泊を伴うということで、服務関係ということで協議をいただいているところでございます。
そういった中で、旅費につきましては原則として実費ということでございますが、一時に多額の費用を要する、いわゆる海外旅行のような場合につきましては、概算払いということで支給しているところでございます。
◆犬伏 委員 私は、高いガイドを使うなと言っているのではないのですよ。高いガイドを使うなら、ガイド代をちゃんとこの外国旅費請求書に書けと言っているのですよ。
森部長と玉川課長がロンドンとパリに行ったとき、全行程旅費49万8,940円と書いてあって、残り全部空欄なのです。たまに書いてあるものもあるの。適当なのですよ、その都度適当なの、基準がないの。書いてあったり書いてなかったり、面倒くさいときは一遍に出してしまう。ちゃんと条例の最後に指定都市は一泊幾ら、ニューヨークだと一泊2万2,500円、旅行雑費は3,600円が出ると書いてあるでしょう。飯代は6,700円出ると書いてあるのだ。森部長たちがロンドンに行ったときは6,700円と書いてあるのですよ。飯代6,700円、違う。アメリカに行ったときだ。食卓費一日、6,700円を使いましたと書いてあるのだけれども、ヨーロッパは書いてないのです。宿泊費とそれ以外のことは一切書いていないのです。とにかく一遍に丸めて書いてある。
こういうことをしていたら、やはり笑われてしまいますよ。民間出身の区長、例えば、奥さんと二人で北京、シンガポール、ソウルに行って、154万円使わないよ、絶対。バンコク3泊4日で奥さんと行って72万7,000円を使わないだろうなと。森部長が奥さんを連れてヨーロッパに行きましたと。ロンドンとパリに行っただけですよ。108万円は使わないだろうなと、幾ら金持ちだって。そういうことを言っているのですよ。
地方自治法にだって何と書いてあるかと。地方自治法の第2条第14項には、
地方公共団体は、その事務を処理するにあたっては、最少の経費で最大の効果を上げるようにしなければならないと書いてあるのですよ。皆さん同じように、職務の宣誓を採用されたときにしているわけだ。している割には、この席についてしまうとわけがわからなくなってしまう。家に帰って奥さんと話をしていると、あなた、これ高いのではないのとか言われて、まともな民間人になるのです。それではだめなのです。
そっちにいる人も、こっちにいる人も、69万区民が高いと思うものは高いと思わなければだめなのです。69万区民が払わないと言ったものは払ってはだめなのですよ。こっちに行って、人の財布だと払ってしまうのだ、こんなばかみたいな金額を。36万円を2日間で払いますか、車代に。その辺のハイヤーを呼んできてみなさいよ、2日で36万円もかからないから。そういうことに腹が立っているのですよ。何でそういうことがわからないのか、あなたたちは。
この中にいる方も、心の中では、そうだ、私もそう思うなと思っている人がいると思うのだ。それは家庭も大切、偉くなるのも大切、でも、私たちは区民のためにやっているのですよ、自分の懐のためにやっているのではないし、自分が楽しい海外旅行をするためにやっているのではないのですよ。
どうか、自分たちの良心に恥じないように、そしてまちへ出たときに、区長、犬伏のホームページに書いてあったけれどもおかしいのではないかと言われないように予算の執行をしていただきたい。これは、この後、監査請求しますから、大田区にお金を返してください。
終わります。
○岡元 副委員長 次に維新、質疑願います。
◆湯本 委員 大田維新の会の湯本でございます。前に質問をされた方と多少重複する部分がございます。こんなにも思っていることが重複するものなのかと、質問を聞きながら思っておりました。
まず最初に、先日、飯田委員が大田区の財政のターニングポイントのことについて触れておりました。平成23年度は147億8,900万円、平成24年度が150億5,700万円、平成25年度が131億1,200万円の財源不足になると見込んでいるが、今後の区政運営はどう考えるかという趣旨の質問をされて、大田区は、ターニングポイントを迎え、今後3カ年の財政見通しとしても非常に財源不足を生じる可能性が強いという回答をされておりました。
今後の区政運営ですが、
未来プランがあります。この
未来プランを実行できるかどうか、これも非常に危うい部分があるという、だからこそターニングポイントだという回答をされておりました。これを言いかえてみれば、大田区が非常に危機的な状況に今さらされていると、私は言いかえてもおかしくないと思っていますが、そういう認識はお持ちですか。
◎鴨志田
企画財政課長 委員おっしゃいますように、財政運営の面からは非常に厳しいものがある。この3年間で先ほど委員がおっしゃいましたように、毎年百数十億円の財源不足が想定をされておりますので、厳しい状況にあるといった認識を持ってございます。
◆湯本 委員 こういう状況下にいきなりなったわけではなくて、時間をかけてこういう状態になってきたわけであります。この3年間、区政が何をやってきたのかということを振り返ってみたいと思います。
基本的にランニングコストというのが、この役所が存在するだけでかかります。このランニングコスト、それから今までやってきた事業の継続でどうしてもかかってしまう費用というのがあります。この費用の3年間の推移を教えてください。
◎鴨志田
企画財政課長 3年間の推移でございます。20年度・21年度は決算額、22年度は予算額ということでお答えをさせていただきます。いわゆる、義務的経費と工事請負費、いわゆる維持補修費といったものをランニングコストととらえますと、20年度で1,133億円、21年度が1,185億円、22年度は予算ベースなので若干金額が上がりますが、1,353億円となっております。
◆湯本 委員 ランニングコストは上がっているのですよね。当然、私はどういう状況下にあろうと、効率化を図っていったり、無駄を省いていくという視点を持って形を変えていく、これが私は改革だと思っています。なぜ3年間、その成果が上がらなかったのか、非常に疑問を持っております。
それから、
未来プランを立てたときに、当然、このような経済状況になるというのは、恐らく予測ができていなかったと思います。予測ができないからこそ、絶えず不断の努力をする必要があるのが、普通でいえば民間の会社経営だと思います。
残念ながら、大田区は今の数字を見れば、申しわけないけれども効率化を進めることがこの3年間にあまりできていなかったのではないかという評価を受けても、私は仕方がないと思っておりますが、何か効率化を図るようなことというのは、この3年間でやってこられましたか。
◎鴨志田
企画財政課長 職員定数の削減によりまして、人件費につきましては、毎年度確実に減少してございます。その他、大田行政経営プランに基づきまして、個々の事業それから執行体制のあり方につきまして見直しを進めております。
◆湯本 委員 なおのことなのですね、では。この人員削減計画というのはずっと前からあって、それを削減しているのにもかかわらず、ランニングコストが増えてきた。なおのことですよ。何で潜在的には減る要素が強いにもかかわらず、何で微増だけれども上がってきてしまっているのか、ここを考えなければいけないと思うのですが、それについてどう思いますか。
◎鴨志田
企画財政課長 ここ数年の状況でございますが、
リーマンショック以降非常に景気停滞の面が激しいものがございます。その点で生活保護費などをはじめとした扶助費が非常に大きくこの2年間伸びてございます。義務的経費の押し上げの要因となってございますので、そういったものが非常に大きな要素と考えております。
◆湯本 委員
未来プランというのは、必要だと思うからつくられたはずですよね。これが、区民の生活に対して必要不可欠だからと。その必要不可欠なことが、先ほども言いましたが、財源不足によって実現ができなくなってしまうかもしれない。今後、大田区はどういう対応をとっていくのですか。今のままではまずいでしょう。足らないという予測を皆さんされているのだから、何とかしなければいけないでしょう。どういうふうにされるおつもりがあるのか、聞かせてください。
◎鴨志田
企画財政課長 まさに私どもがターニングポイントをつくりました目的がそこでございます。3年間の財政見通しを立てて、それに対してどういった手当てができていくのかを考えていこうと。まず手始めに、23年度
予算編成に向けましては、一般財源の5%のシーリングといったもので歳出の抑制策に手をつけたというところでございます。
◆湯本 委員 潜在的に今、抱えている区の体質を改善しなければ、1年間で5%削減、できるかできないか、これだってわからないですよ。こんなことをやっていたら、いつまでたっても財源を生み出すこともできないし、本気になって効率化を図っていかなければ、今の大田区の今後の未来を皆さんが必要だと思ってつくったプランは実現できないのではないですか。こういう区政運営をいつまで続けるのかということに非常に私は疑問を持っているのです。
例えば、わかりやすい例で言えば、くだらないことかもしれませんよ。再三議会の中から指摘を受けている部長級の職員の数です。これも人件費で1年で2,500万円ぐらい増えているのですよ。それから、この大田区に会議室が足らないといって、外で会議室を借りていますよね。あれだって、何で安い賃料でレストランを貸して、会議室を外で高い金を払って借りるのですか。くだらないことだと思うかもしれませんが、こういうことの積み重ねをきちっとしていかない限りは、大田区の財政状況なんか改善されませんよ。まさに大田区の体質に私は問題があると思っているのです。
これについて、区長、お答えいただけませんか。この大田区を区長がお考えになって、区長が中心になられて区民にとって必要だと思ったプランをつくって、それが実現できるかどうか、ターニングポイントなのです。まさに、抜本的な改善、考え方を変えていかなかったら、これでは回りませんよ。これに対してどういう対策をとるおつもりなのか、それから、この今の大田区の体質、先ほどの航空運賃の話もありましたけれども、あれでは区民に説明できないでしょう。こういう意識の改革をだれがやると、これは区長しかできないのですよ。区長、どう思いますか。
◎松原 区長 私が区長になりましたのは、平成19年です。それで、そのときはまだ緩やかな回復期という状態でした。翌年の2008年になりましてから、ご承知のとおり
リーマンショックが起こりまして、その後、半年間というのは大変な厳しい状況下になりました。
そこで相前後して
未来プランができてきたわけでございますが。そういうことで、
未来プランをつくったときには、計画の数字がやはりいいときの数字でした。しかし、現在になってきて、確かに数字が落ちてきている、そしてまた税収も今年も落ちましたし、恐らく来年も相当落ちていくだろうということが見込まれます。
そういうことでかなり厳しいことで、しかし、
未来プランをしっかりと実現していきたいという基本的な考え方がありますから、そういう経済的な状況をしっかりつかみながら、財政運営をしていかなければいけないと思います。
委員ご指摘のとおり、いろいろな部分でやはり相当神経を使いながら財政運営をしていかなければいけないと思っております。
◆湯本 委員
未来プランの中で、これは当然これぐらいの予算がかかるというきちんと推測を持って、このプランを実行しようとされていると思いますが、その中に予算の盛り込みがまだされていないものもあるのです。代表的なのが、羽田の跡地開発構想、これは一体幾らのお金をかけて、こういう状況下ですよ、進められるのですか。
こういうことを今の状況から勘案して、この先どうやって形にできるのかと。皆さんが区民に対して発したことは、約束ですよ。区民との契約ですよ。この契約をどうやって実現していくか。こういう状況、現在置かれている状況下の中で、まだ先に金のかかることばかりやっていこうとしているわけです、今の大田区は。
私の印象ですけれども、今、2期目の仕事をさせてもらっていますが、1期目のときはひたすら効率化を図ること、それから無駄を省くこと、これに集中をした4年間だと思います。あまりにも予算に対して、必要なところまでも予算をつけないような、それぐらいまで効率化を徹底的にしていて議会とぶつかっていたぐらいです。だけれども、今の4年というのは、いかにしてお金を使うのか、こういう視点しか私にはとらえられないのです。
両方とものバランスが私は必要だと思っています。先ほど岸田委員でしょうか、言いましたね。要らないところは切って、必要なところにちゃんと予算を振り分ける。これをやらなかったらできるわけないのです、区民の期待に対してこたえるということが。こういう視点を持ってこれから皆さんがどういう財政運営をされるのか、私は、もっと具体的で確固たるものをぜひ見せていただきたいと思います。これは、これ以上やりとりをしていてもしようがないので、この程度でやめますけれども。
それから、もう1点言わせていただきたいのが、
事業仕分け。無駄を省くつもりでおやりになっているのでしょうが、行政のことについて理解をしながら地域のことも理解をしている、それはだれなのか。大学の教授ではないでしょう。まさに
区議会議員なのですよ、議会ですよ。
事業仕分け人が言っていることと議会が言っていること、かぶっていることがたくさんあるではないですか。何で議会が言ったときにすぐに改善しないのですか。もう少し
二元代表制の意味をしっかり考えて、これからの大田区の予算の使い方を真剣に考えてください。これは区長に対して要望をしておきます。
以上です。
○岡元 副委員長 次に自民、質疑願います。
◆松原〔茂〕 委員 自由民主党大田区民連合の松原茂登樹でございます。
私からは、災害時要援護者支援対策の推進についてお伺いをいたします。災害が発生したときに、高齢者や障害者などのいわゆる災害時要援護者は避難に時間を要し、自力で安全な場所に避難することが困難な状況にあります。こうした災害時要援護者の安全を守るためには、住民相互の助け合いが不可欠です。いわゆる共助ということだと思っております。
そこで、災害時要援護者支援の推進についてですが、現在では大田区内では216町会・自治会があります。その中で91組織が立ち上がって182億円を支出していると出ておりますけれども、現在ではほかに地域に対しまして何か働きかけをしているか、まずお伺いをいたします。
◎久保田 防災・危機管理担当課長 支援体制についての働きかけについてのご質問でございますが、今お話にございましたように、91組織に1組織加え、平成22年度からは92組織に対しまして助成金を支出してございます。地域の皆様のご理解を得て、この3年間で17の自治会・町会に新組織が立ち上がりました。今後ともこの支援体制未整備の、整っていない町会・自治会に対しましては、管轄する地元の特別出張所と連携し、自治会・町会長会議、あるいは勉強会等に出席し、引き続き働きかけを行っていく所存でございます。
◆松原〔茂〕 委員 今、課長から92組織、一つ上がったということですけれども、まだ現実的には124町会・自治会がありまして、なかなか前からいろいろな委員会でも話が出ている、これも実情だと思うのです。
そして、このたび、大田区ではなかなか難しいといわれていた、災害時要援護者の名簿をつくられましたよね。これまで非常に懸案であって、製作に至るまで非常に大変だったと思います。まずはご苦労さまでございます。
そして、またこの名簿が町会・自治会また民生委員に随時配られておりまして、配付というのですかね、その中で、要援護者支援のために活用されるということだと思うのですが、この名簿の活用目的について、区としてどのようにお考えかお聞かせください。
◎久保田 防災・危機管理担当課長 名簿の活用目的についてでございますが、まずは災害時に備え、要援護者への支援といたしまして、平常時は日ごろの地域全体での見守りにご活用いただければと考えております。
また、万一災害が発生したときには、安否確認、各種情報の提供あるいは避難支援などにご活用いただければと考えております。
今お話にもございましたように、従前は大田区においては個人情報保護の観点から、なかなか災害時要援護者名簿の作成に至りませんでした。けれども、今回、ご本人の同意を得まして、名簿の作成ということが完了いたしました。今後はこの名簿を大いに活用していただきまして、より一層地域における災害時要援護者支援体制が進んでいきますことを祈念しております。
◆松原〔茂〕 委員 実際、この名簿を自治会・町会また民生委員に渡されたと思うのですけれども、災害時要援護者名簿の取扱い、ガイドラインを遵守し、万全の注意を払うことを誓約して名簿を受け取りましたと。私も実際に名前を書き、そしてまた判こを押して、そしていろいろな諸注意を受けて受け取っているわけです。
だけれども、その組織、いろいろできているところ、町会・自治会が先ほど92、その中で、やはり名簿をいただいた中で、例えば把握をしている方より10倍以上の方々の名簿をもらって、非常に困惑をしている町会長また自治会長がいらっしゃるという話も聞いておりますし。そして、また、そういう名簿をもらった中で、組織ができていないところ、そこにも名簿が町会長の誓約のもとに預かるわけですよね。そうすると、役員より何倍も多い名簿が上がってきてしまったという、これはどうなってしまっているのだろうという、素朴な話も出ていたり。また、上池上自治会は、まだ組織はできていないのですが、まずは地図に落としてみようと。そして、また役員に実際に現場で、この自治会の中では、これだけの方々が手を挙げて出されましたということが出てきたということを聞いておるのです。
そしてまた大田区では、今申し上げた中で、個人情報を非常に強く打ち出されておりますよね。だけれども、その地域力を非常に高めて、区長がいつもおっしゃっている地域力ということで、有事の際にやはりこの名簿を有効的に使ってほしいという、多分、意図があるのではないかと思っているのですが。
実際に先ほど申し上げました事例も含めて、個人情報ということを表に出されながら、町会長・自治会長が手元に持って非常に今、申し上げた、困っているというお話があるのです。
その中で、区としては、町会長・自治会長に何を基本的にお渡しして求めるというか、お願いをしているか、その辺をちょっと聞かせてください。
◎久保田 防災・危機管理担当課長 まずは、この災害時要援護者名簿に登載されていらっしゃる支援をお待ちになっていらっしゃる方たちが、一体地域のどちらにお住まいであるのかといったことを知っておいていただく。そして、地域全体の見守りを通して、ともに助け合うという共助の基本である地域のつながりを一層深めていただければと考えております。
自治会・町会のみならず、民生委員、あるいはさわやかサポート、消防・警察、そういった関係機関と連携し、そして災害時要援護者ご自身の自助、みずからの命はみずからが守るという自助も含めて、地域それぞれの事情・実情等がおありかと思います。そういったものを踏まえまして、できるところから取組を始めていただければと考えております。もちろん区としましても、引き続き支援してまいる所存でございます。
◆松原〔茂〕 委員 実際に、この名簿、今お話があったように警察・消防、いろいろな関係組織に配られていると思うのです。それでまた、町会・自治会で配られて、また本当に災害があったときに、その方の安否を確認ができればと、またそのような気持ちで今お話があったことだと思うのですが。平常時のことも含めて、守秘義務ということがやはりどうしても表に出る。また、行政としては、それを言わざるを得ないところが非常にあると思うのですが、私はその辺が一番、向こう三軒両隣ではないのですけれども、そのような形で日ごろのつき合いの中で、やはりその名簿を非常に活用させていただければということを思っているのですが。
ある町会では、町会長の気持ちとしては、こういうお話が来たときに、この名簿をいただくということ自体が非常に重いという気持ちも先行したりして、そのような話も実際に出てしまっていると思うのですが、この名簿の活用ということについて、また、どう思っているか、教えてください。
◎田中 福祉管理課長 ただいまのご質問ですけれども、先ほどの防災・危機管理担当課長の答弁とちょっと重複する部分があるかと思いますけれども。まず委員ご指摘のとおり、この名簿の活用にあたりまして、個人情報保護というのが非常に一つの壁になっていると我々も認識しております。これがために、地域で要援護者に関する情報の共有が進まないとか、あるいは、もらったはいいけれども、どう一歩進んだらいいのかということの地域で戸惑いがあるといったことも認識してございます。
名簿と一緒にお配りしました利用に関する資料、町会・自治会のほうにお配りしました資料の中には、まず、名簿の活用の第一歩として、先ほど申し上げましたように、まずは要援護者といわれる方々を一軒一軒訪ねて顔見知りになっていただきたい。既に顔見知りの方もいるかもしれませんけれども、こんなところに支援を必要としている、助けを求めている人がいるのかということをまずは知っていただきたい。そこから、地域の例えば防災訓練に今回名簿をいただいたのだけれども、今度、防災訓練に出てみないとか、あるいは地域のお祭りに誘いをいただくとか、そういう日常のつながり、日常の取組をそこから広げていっていただく。そうすることによって、一つプライバシーとか、あるいは個人情報といったネックになっている部分を乗り越えられる部分があるのかなと。地域でのそういった見守りとか、あるいは要援護者への支援といった問題とプライバシーと相対立するような関係にあるのですけれども、そういったものを日常の取組の中で、一つは両立できるようになっていくのではないかと期待しているところでございます。
ただ、今申し上げたように、地域の方で、今この名簿を使ってほかの利用目的にというのは、なかなか行政として災害時要援護者という目的のために使いますということで同意をいただいていますので、すぐにこの名簿を使って別の目的にということについては、なかなかイエスとはお答えにしくい部分がございます。ただ、今申し上げた一歩一歩の日常の取組を進めていただく中で、今言ったものを両立できるのではないかと。また、今後、関係機関ともいろいろこの問題について協議する中で、より有用な、円滑な活用方法についても検討してまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
◆松原〔茂〕 委員 ご答弁をいただいたように、現実的なものもわかるのですが、本当に実際に、例えば町会長・自治会長が名簿を預かっています。だけれども、そこからは名簿をコピーしてはいけないと。そのコピーをデータとしてもらう、災害時要援護者のボランティアの方にしても、もらうには町会長・自治会長の承諾書をもらって、それでそこの出張所に行って、そこでコピーをもらうという、それを見ただけでちょっと憶してしまう。もっとフランクにまちのつながりというか、底力というか、やはり216町会・自治会があると216のカラーがあるかもしれないのですが、やはり心と心とのつながりというもののつながりというのは、私は、基本は一緒ではないかなと思っているわけなのです。
やはりこの名簿というのが、今、話があったように、守秘義務も含めて重要な内容もその方の情報というのですか、住所はもちろんそうですし、氏名、生年月日、また、性別、電話番号、それから身体的な状況も含まれているのも承知しているのですが、こういう名簿をやはり大田区内全部でつくられたので相当数の費用がかかったと思うのですが、その辺の費用を具体的に教えていただければ、お願いいたします。
◎田中 福祉管理課長 災害時要援護者名簿の作成にあたっての経費でございますが、まず、平成20年度、これは初年度でございますが、システムの構築費用として160万6,890円、約160万円ほどかかってございます。21年度、昨年度につきましては、このシステムに加えて、実際に訪問調査をさせていただきました。こちらの経費がかなりかかってございまして、21年度につきましては調査費がほとんどなのですが、6,077万8,367円、20年・21年度の合計支出額では6,238万5,257円でございます。
ただ、これは、国の緊急雇用対策事業として取り組ませていただいてございますので、国庫補助金等の歳入がほとんどの部分でございますので、実際の大田区の支出額としましては、約300万円という形になってございます。
◆松原〔茂〕 委員 相当数の金額が出ているわけです。やはりこの名簿を近所の底力ではないのですがコミュニケーション、216のカラーがあるのですけれども、またいい意味で心のつながりができる、やはり災害時を想定した平常時の中で、あそこにいるおばあちゃんは最近元気なのかなと。そんな形で災害に強い大田区というのは日ごろの人づき合いという、その辺が非常にいい大田区になっていくなということを期待しまして、質問とさせていただきます。
○岡元 副委員長 押見委員。
◆押見 委員 総務費について質問させていただきます。質問の第1は、大田区職員の意識改革についてであります。
まずはじめに、区役所と区職員の使命について伺います。私は、政治に携わる我々議員も公務員である区職員もミッションとパッション、すなわち使命と情熱が何より大切であると常日ごろ感じております。古いしがらみや慣例にとらわれず、惰性に流されることなく、志を高く掲げ、みずからのミッション、使命を見つめ、情熱を燃やし意欲的に仕事に取り組んでいくといった姿勢が今こそ求められていると思います。
さて、現在、書店で、もしドラという本が爆発的に売れております。この本のタイトルは、もし高校野球の女子マネジャーがドラッカーのマネジメントを読んだらというものでありまして、アイドルグループAKB48のプロデュースに携わった岩崎夏海さん、この方は男性なのですけれども、この著書は、今や120万部を超える大ベストセラーとなっております。
この本の主人公である都立高校の野球部の女子マネジャーは、経営学の神様と賞されるピーター・ドラッカーの名著マネジメントを読み、野球部の使命を人に感動を与えることと定義づけ、さまざまな改革に取り組むとともに、部員一人ひとりがその使命を理解し、役割と責任を担っていくことを通じ、野球部のみならず、ほかの部活動や学校全体、さらには地域社会によい影響を及ぼしながら、それぞれが成長し、甲子園出場という目的を達成するという内容であります。
ちなみに、この場には大田区という巨大組織のトップ50が集まっているのですが、このもしドラを読まれた方は、理事者の中にいらっしゃったら参考までに手を挙げていただきたいのですが、いらっしゃいますでしょうか。
5人いらっしゃいました。私、正直なところ、このもしドラの存在すら理事者の方はご存じないのかなと思っていたので、5人いらっしゃったということは、大変感激しておりますし、今、手を挙げていただいた一番位が上の野田副区長には、この質問項目の最後に一言ちょっとちょうだいしたいと思いますので。
主人公の女子マネジャーは、ドラッカーのマネジメントを引用しながら、企業経営にとって大切な企業にとっての使命とは何か、顧客とはだれか。顧客にとっての価値とは何かという問いを野球チームに置きかえ、課題解決に取り組んでいくひたむきな姿が読者に新鮮な感動と勇気を与え、多くの人々を魅了し支持されています。
折りしも昨年2009年は、ドラッカー生誕100年という節目の年でありましたが、自治体の経営力、マネジメント力が問われる時代と言われている今、改めて大田区役所の使命とは何か、大田区職員の使命とは何かを見つめ直していただく必要があると思います。
ドラッカーは、マネジメントの中で、立つ場所さえ与えてくれれば、世界を持ち上げてみせると言ったとされる古代の偉大な科学者アルキメデスの言葉を引用しながら、企業や組織にとって立つ場所とは、集中すべき分野であり、それを見きわめることが大切であると指摘しています。
今、本区にとって必要なことは、担うべき使命を明確にし、目指すべき目標を示し、よって立つ場所、すなわちドラッカーの言う集中すべき分野を見きわめることだと感じています。
そこでお伺いいたします。大田区役所にとって、また、大田区職員にとって使命とは何か、顧客とはだれか、顧客にとっての価値とは何かという問いに対し、どのように定義づけ、実践していくのか、お伺いいたします。
◎赤松
経営管理部参事〔人材育成担当課長〕 大田区役所の使命というご質問でございますけれども、地方自治法にも自治体の役割として明記されておるところでございますが、住民の福祉の増進を図ることを基本として、地域における行政を自主的かつ総合的に実施する、こういったものであると認識しているところでございます。
また、大田区職員の使命ということでございますが、大田区役所の執行機関といたしまして、ただいま述べさせていただいた区役所の使命、役割を区長のもと誠実に執行することと考えているところでございます。
次に、大田区職員の顧客ということでございますが、区民はもとより、区内で学び、働く方々、また、外国人を含む区を訪れる方々、さらに、区と連携協働する自治会、町会、事業者、団体等も顧客と言うことができると考えているところでございます。
顧客にとっての価値ということでございますが、大田区役所の使命、役割というものに立ち返って、住民の福祉の増進にいかに寄与するかということであると考えているところでございます。
◆押見 委員 次に、少し視点を変えて、大田区の管理職にとって使命とは何か、顧客とはだれか、顧客にとっての価値とは何か、お答えいただけますでしょうか。
◎赤松
経営管理部参事〔人材育成担当課長〕 管理職にとりましては、管理という範ちゅうの中に、事務管理、人事管理また労務管理といったものがあると認識しているところでございます。事務管理の側面におきましては、管理職につきましても区の職員でございますので、その使命、また顧客につきましては、組織を担うリーダーとしての責任は当然にございますが、先ほどお答えさせていただいた大田区職員の使命、顧客と基本的に変わるものではないと考えてございます。
なお、人事管理の側面では、働く人たちに成果を上げさせるということが管理職の重要な役割でございますので、区職員につきましても、顧客ということが言えるのかと考えているところでございます。このとき顧客、すなわち区職員にとっての価値でございますが、働きがいであると考えているところでございます。
◆押見 委員 ありがとうございます。