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2021-02-25 令和3年第1回定例会(第2号) 名簿
2021-02-25 令和3年第1回定例会(第2号) 本文

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  1. 江東区議会 2021-02-25
    2021-02-25 令和3年第1回定例会(第2号) 本文


    取得元: 江東区議会公式サイト
    最終取得日: 2021-10-04
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1    午後1時00分開議 ◯議長(若林しげる議員) ただいまから、去る2月24日に引き続き会議を開きます。  初めに、議場に着席する議員数について申し上げます。  新型コロナウイルス感染症対策といたしまして、議場に着席する議員数を6割程度といたします。また、議場に御着席されない議員につきましては、別室にて待機されますようお願いいたします。  次に、本日の会議録署名員を指名いたします。11番室達康宏議員、33番正保幹雄議員の両議員にお願いをいたします。  10番さんのへあや議員から、本日欠席の届出がありましたので、報告をいたします。   ────────────────────○────────────────────    ◎ 一 般 質 問 2 ◯議長(若林しげる議員) 昨日に引き続き、一般質問を行います。  本日の質問者は、26番山本香代子議員、39番福馬恵美子議員、7番吉田要議員、3番にしがき誠議員、17番鈴木綾子議員、18番河野清史議員、43番中村まさ子議員、1番金子ひさし議員の8名ですので、これを順次許可いたします。  26番山本香代子議員。    (26番山本香代子議員登壇) 3 ◯26番(山本香代子議員) 私は、江東区議会自由民主党の一員として、大綱3点にわたり質問させていただきます。区長をはじめ、関係理事者の明快な答弁を期待いたします。  質問に先立ち、このたびの新型コロナウイルス感染により亡くなられた方々に哀悼の意を表するとともに、罹患された方の一日も早い御回復をお祈り申し上げます。また、昼夜を問わず治療に当たっている医療従事者の方々、そして保健所の皆様の御尽力に心から深く感謝申し上げます。  それでは、質問に入ります。  1点目は、江東区の緑化の取組について質問いたします。  本区では、平成24年7月に策定したみどりの中の都市「CITY IN THE GREEN」の実現に向けて、貴重な緑の資源を生かし、守り続けていくとともに、街路樹倍増計画による道路の緑化をはじめ、公園や公共施設、さらには新たに建築されるマンション等、みどりの条例に基づいて緑化があらゆる場所で積極的に展開されているところです。そこで、まず、これまでの緑化の取組に対する評価について伺います。  次に、建築物の緑化計画における維持管理について伺います。  本区では、250平方メートル以上の敷地で建築行為等、もしくは一団の土地の宅地開発を行う場合、用途変更、建築面積150平米未満の増築工事、大規模修繕や大規模な模様替えを除き、事前に緑化基準に適合した緑化計画書を区に提出し、認定を受けなければなりません。
     認定基準には、緑地面積及び植栽本数を必要とする地上部の緑化、建築物の屋上や壁面、バルコニー等の建築物上の緑化や、道路に沿った敷地部分の接道部の緑化など、それぞれの基準があります。  緑化計画書は、その基準を満たすため、地上部基準緑化面積の30%を上限とする建築物上への振替や、建築物上の基準緑地面積の地上部への振替などを行い作成され、緑化基準適合審査を経て認定されます。  そして、緑化工事完了届の際、届出内容を検査、同時に維持管理計画書が提出されます。これが緑化計画認定までの流れです。  そこで、まず、維持管理計画書にある維持管理について伺います。  維持管理計画書を見ますと、地上部や屋上、壁面等の植栽として高木、中木、低木、そのほか、横方向に広がって地面を覆い隠すような植物でグランドカバーとも呼ばれる地被類など、それぞれの樹木や植栽の維持に必要な水やり、肥料を与える施肥、剪定、刈込み、除草、防虫の回数まで事細かく書かれていますが、計画どおりに維持管理されているとお考えでしょうか。私は、せっかく作成された維持管理計画書が生かされていないように感じています。区は管理状況を把握しているか、まず伺います。  今後の緑化対策を考える上で、緑を増やすことは必要ですが、それ以上に緑の継続性を考慮し、維持管理に力を入れるべきと考えますが、いかがでしょうか、区の見解をお聞かせください。  次に、みどりのまちなみ緑化助成制度について伺います。  この緑化助成制度は、分譲、売買、もしくは賃貸を目的とした物件を除く、自宅や事務所、店舗等の建築物や立体駐車場を所有されている方やマンションを区分所有されている方などが対象で、既存の緑地がないところに新たに緑化をする場合に限り、費用の一部を助成するものです。  助成の対象となる緑化は、花壇・菜園緑化、生け垣緑化植樹帯緑化フェンス緑化、屋上・壁面緑化と豊富なのですが、実績を見ますと、生け垣緑化フェンス緑化は、ともに平成27年以降実績なし、屋上緑化は平成28年度5件、令和元年度2件、壁面緑化は実績なし。そして、今年度新たに加えた花壇・菜園緑化は、相談はあったものの実施に至っていない状況です。  この実績を見る限り、みどりのまちなみ緑化助成制度の抜本的な見直しが必要ではないかと考えますが、区の見解をお聞かせください。  2点目は、ウミネコ対策について伺います。  ここ数年前から、ウミネコのふんで洗濯物を外に干せない、道路やベランダ、車が白いふんで汚れる、ウミネコがミャーミャーと一晩中大きな声で鳴くので眠れないといった被害の声が度々寄せられていました。限定された地域ではありますが、ウミネコによる被害は広がっていると認識しています。  昨年、佐賀町上空を飛び交う大群のウミネコは、隅田川沿い中高層マンションの緑化された屋上に巣を作り、良好な住環境を脅かし、近隣マンションをはじめ、地域住民に大きな被害を及ぼしました。  区では、「ウミネコの被害を防止するために」といったリーフレットの配布や、地域の会合に出向いて、繁殖期前からの対策の必要性を訴えるとともに、ウミネコ防除網の設置や屋上の見守り点検など、マンション管理者と、また地域住民の方々とともに情報を共有し、取り組んでいるところです。  ウミネコは、冬になると日本にやってくる渡り鳥のカモメと違って、2月下旬から繁殖準備に入り、4月から繁殖期になるとそれぞれの生まれた場所に戻り、巣作り、産卵、卵を抱きかかえて温める抱卵、孵化、ひなを育てていく育雛、そしてひなの突き放しと、ひな鳥が自立するまで長期にわたって滞在する厄介な鳥です。  既に佐賀町上空では、昨年の10月頃から小集団が戻ってきており、今年に入ってからは100羽を超える大きな集団が確認され、マンション上空を旋回し、巣作りの場所を物色しているようです。  マンション西側の隅田川には豊富な餌があって、日当たり良好な佐賀町周辺の屋上緑化はウミネコに狙われ、被害が広がっています。  地域住民の良好な住環境を守るため、総力を挙げてウミネコの定住意向を食い止めなければなりません。そのためには、まず、ウミネコにとって居心地の悪い環境をつくることが重要です。そこで、まず、ウミネコが最も好むマンション屋上の防除対策について伺います。  屋上緑化を進める場合、ウミネコの鳥害や営巣リスクがあることの注意喚起はもちろんですが、防除網、テグスなどの防除対策を講じるため、その費用の一部を助成するなど、屋上緑化の推進と防除対策をセットで考えてはいかがでしょうか、伺います。  次に、ウミネコの巣を作らせないための屋上緑化の在り方について伺います。  屋上緑化の防除対策に加えて、繁殖期前から頻繁に屋上に行き、警戒と監視を継続的に実施することが効果的だと言われています。しかしながら、直接の階段がなく、ハッチ型の点検口から出入りする構造で、容易に屋上に上がれないマンションも多くあります。このようなマンションは、鳥害リスクも高く、必要な定期点検の実施や警戒、監視が困難であり、屋上緑化になじまないと考えますが、屋上緑化の在り方について、区の見解をお聞かせください。  ウミネコは、生息環境の変化に対し非常に敏感で、ほんの少し悪化しただけでその場所から別の場所へ移動していくとも言われています。ウミネコ被害は地域にとって深刻な社会問題です。解決に向けて区の取組を伺います。  次に、3点目は、本区のたばこ対策について質問いたします。  かつては成人になればたばこもお酒と同様に、他人に迷惑をかけない範囲で個人の嗜好品として喫煙の自由は許されていました。しかしながら、最近ではたばこを吸わない人が自分の意思とは関係なく、火のついた先端部分から立ち上がる煙、副流煙を吸ってしまうことによって、喫煙している状態が生じる、望まない受動喫煙による健康に及ぼす影響など、健康面においてこういった問題が大きく取り上げられ、社会全体が脱たばこ社会へと急激に変わってきたと認識しています。  そこで、まず、区立公園喫煙所設置事業について伺います。  健康増進法の一部改正等により、屋外での望まない受動喫煙による健康影響を心配する声や、こどもを守るべきといった意見や要望が寄せられている中、区は今年度、2つの区立公園に喫煙所を設置するとして803万円の予算を計上しましたが、未執行にするとのことです。  この事業は、受動喫煙にならない配慮と、他人に迷惑をかけない喫煙場所を考慮した上で計画が立てられたと認識していますが、この間どういった取組をしてきたのか。喫煙所設置に至るまでの経緯と計画内容、そして、今回、設置を断念した理由をお聞かせください。  次に、屋外の喫煙所設置の在り方について伺います。  公園、その他の屋外において新たに喫煙所を設置する場合、喫煙者が集まりより受動喫煙の影響を受ける、喫煙マナーが悪い、喫煙所から煙や臭いが漏れ拡散するなどの理由から、喫煙所の設置に反対する区民も増えています。このため、喫煙対策としての喫煙所設置は、町会等地元の意見が一本化できず、設置要望に至っておりません。  一方では、コロナ禍にあって、建物内の喫煙所が閉鎖されているため、そこで働く人々が外に出て公園などで喫煙し、苦情につながっている現状もあります。こうした状況の中で、喫煙所設置の在り方についてどのように考えているのか、区の見解をお聞かせください。  喫煙所設置については、幾度となく同僚議員から、予算や決算審査特別委員会の中で、たばこ税の一部を活用して喫煙所の整備など、喫煙者に還元するべきとの意見が出されています。私はたばこを吸いませんが、同意見です。  例えば放置自転車対策として、区内21か所の放置禁止区域内には自転車駐車場が整備されています。同様に、喫煙対策として、禁煙重点地区内に喫煙所を設置するお考えはないか。  また、喫煙所は、たばこを吸わない人の目線で考え、煙や臭いが漏れ拡散しない受動喫煙防止対策対応屋外型喫煙ブースなど、望まない受動喫煙に配慮したものを選び、試行的に設置してはどうかと考えますが、区の見解をお聞かせください。  次に、今後の喫煙対策について伺います。  歩きたばこや吸い殻のポイ捨て、最近の受動喫煙問題など、喫煙ルールやマナーを守らない喫煙者が生活環境を悪くすると同時に、たばこを吸わない人の健康影響を引き起こしていることは承知しています。しかしながら、一方で、マナーのよい喫煙者が置き去りになっているように感じています。「禁煙が善で、喫煙が悪」といった極端な考え方や潮流にとらわれない区独自の喫煙対策を期待しています。  区は、たばこを吸う人も吸わない人も気持ちよく暮らせるよう、分煙社会の徹底を目指すとのことですが、そのためには全庁を挙げての取組が必要です。喫煙問題の解決に向けて、今後、区はどのように取り組んでいくのか、お考えをお聞きし、私の質問を終わらせていただきます。  御清聴ありがとうございました。(拍手)    (山崎孝明区長登壇) 4 ◯区長(山崎孝明) 山本香代子議員の御質問にお答えします。  たばこ対策についてであります。  まず、区立公園喫煙所設置事業についてであります。  喫煙所設置の経緯につきましては、国や都の法令等の施行を受け、特に、東京都子どもを受動喫煙から守る条例の趣旨に鑑み、令和元年より、区立公園や児童遊園等における喫煙対策について検討してまいりました。そうした中で、児童遊園については、全面的に禁煙に昨年したところでございます。  計画の内容については、当初、公園の受動喫煙対策として地域ごとに喫煙所を設置し、順次禁煙化を進めることを想定し、試行的に2か所の喫煙所を設置する予算を計上したものであります。  設置を断念した理由につきましては、全庁的な「たばこに関する基本方針」の検討を進める中で、地域ごとの設置と禁煙化を最後まで継続して取り組めるのか、設置した公園に多くの喫煙者を招き、かえって受動喫煙が増えるのではないか、こうした懸念が大きく、むしろ公園の全面禁煙化の実施が受動喫煙対策には有効であるとの考えもあり、設置を見送ることといたしました。  公園内の喫煙所の設置につきましては、基本方針の中で慎重に検討してまいります。  次に、屋外の喫煙所設置の在り方についてであります。  現在、区内には駅周辺に数か所の屋外喫煙所を設置しております。これらは、歩きたばこや吸い殻のポイ捨て対策のため、地域の要望により、民間企業の協力を得て設置した経緯があります。  しかし、御指摘のとおり、現在は受動喫煙による健康被害を心配する区民の声は強くなり、具体的な喫煙場所の候補地があっても、地元の理解を得られずに断念する事態に及んでおります。  一方、喫煙行為は、他人に迷惑をかけないよう配慮し、喫煙場所は自分の責任で探すことは喫煙者のマナーであります。しかし、現実には、心ないマナー違反やルール違反はなくなっておりません。  本区は様々な喫煙対策を行っておりますが、屋外喫煙所の設置については、たばこを吸わない人を守る視点で、かつ設置を受け入れる地元の理解を必要不可欠な条件として、設置について検討できると考えております。  また、禁煙重点地区内での喫煙所設置については、現在の主要駅出入口付近の歩道から、受動喫煙対策として、区民目線で分かりやすい禁煙重点地区の拡大を検討しながら、違反状況や設置の条件を勘案し、検討してまいります。  受動喫煙に配慮した屋外型喫煙ブースの試行的設置については、設置に伴う受動喫煙対策の効果や費用面での課題があり、設置した場合、近隣住民の受入れ状況など、試行的ではあれ、検討すべき課題は多いと考えております。  次に、今後の喫煙対策についてであります。  区が目指す分煙社会の徹底のため、全庁の取組が必要であるとのことですが、区では、昨年2月より庁内に検討委員会を設け、たばこに関する基本的な考え方や喫煙所設置の在り方について、論議を重ねてまいりました。現在、「江東区たばこに関する基本方針(案)」を策定し、区民アンケートを実施しているところであります。  方針(案)の概要は、区民の皆様が快適に暮らすためには、喫煙者が喫煙のルールやマナーを守る、人に迷惑をかけないよう配慮するという当たり前のことをしっかり守ることが、今、必要な本区の分煙社会であると考えております。  たばこを吸わない人の目線で分煙社会を進めるために、禁煙重点地区の拡大と必要に応じた喫煙所設置の検討や、区立公園の禁煙化などの対策を進めるとしました。  今後、たばこに関する基本方針を策定し、喫煙問題の解決に取り組んでまいります。  なお、その他の御質問につきましては、所管部長から答弁いたさせます。    (杉田幸子土木部長登壇) 5 ◯土木部長(杉田幸子) 次に、江東区の緑化の取組についての御質問にお答えいたします。  まず、これまでの緑化の取組に対する評価についてであります。  本区では、平成24年7月に江東区CIGビジョンを策定して以来、区民、事業者と区が協働しながら緑化施策を推進してまいりました。その結果、区内の緑被率は、平成17年度の16.7%から、平成30年度には18.7%に2.0ポイント向上、都市公園の整備につきましては、平成18年度から55ヘクタール増加して、平成30年度には438.1ヘクタールとなりました。  また、みどりに対する区民満足度も、平成18年度の54.5%から7.2ポイント向上させ、61.7%となっており、着実に緑化の取組を進めることができたと評価しております。  さらに、昨年3月にみどりの基本計画を改定するとともに、進捗管理などを行う推進会議を設置いたしました。これにより、本区の緑化施策の進展状況を数値等で適時把握し、防災やコミュニティの活性化など、緑が有する多様な機能を発揮させながら、CIGの実現に向けた取組を進める基盤が整備できたと考えております。  一方で、緑化に関して量的な充実が図られているものの、身近に季節を感じることができる変化に富んだ緑づくりなど、質的な向上が求められていることや、CIGという理念の認知度向上等が課題と捉えており、今後、推進会議などを通じて課題解決に向けて検討してまいります。  次に、建築物の緑化計画における維持管理についてであります。  まず、管理状況の把握についてですが、建築工事完了時に敷地面積が3,000平米以上の場合は、直接現地に赴いて、また、それ以外の場合は、事業者から提出された写真を基に緑化の状況を検査しております。なお、検査時に状態が良好でないと判断した場合は、是正するように指導しております。  また、建築物の管理者は、区に提出された維持管理計画書に基づき、適切に緑の維持管理をしていくものと認識しておりますが、特にマンションなどでは、計画書を提出した建築事業者と管理者が異なることが多く、区が工事完了以降の管理状況を全ては把握していない現状です。  お尋ねの緑を増やすこと以上に維持管理に力を入れるべきということについてですが、植物を植え、その状態を維持していくことで初めて緑化の効果が発揮されると考えており、維持管理が重要であることは御指摘のとおりであります。  今後、維持管理計画書の記載項目の見直しや、計画書の記載内容に関して適切な管理ができるように必要に応じて助言するなど、運用面での改善に向けて検討してまいります。  次に、みどりのまちなみ緑化助成制度についてであります。  本年度の助成実績は、フェンス緑化1件、屋上・壁面緑化2件になる見込みですが、緑化に取り組む後押しができる助成制度は重要であり、さらなる活用促進を図りたいと考えております。  本区では共同住宅が8割を超えるという特徴から、生け垣緑化などは活用しづらいため、見直す必要があると認識しており、今後、制度が活発に活用されるよう、他自治体での取組状況等の調査研究を進めてまいります。    (林英彦環境清掃部長登壇) 6 ◯環境清掃部長(林英彦) 次に、ウミネコ対策についてであります。  まず、マンション屋上の防除対策についてであります。  平成27年頃から森下や新大橋周辺など、隅田川沿いの緑化されたマンションの屋上でウミネコの群れが巣を作り、産卵、繁殖するとともに、地域住民の方がふんや鳴き声の被害に遭う事例が増えてきました。しかし、鳥獣保護管理法の規定により、捕獲や卵の採取等が禁止されており、一度産卵されると巣立ちを待つしかないという状況にあります。このため、ウミネコ対策は、巣を作らせないことが最も重要であります。  マンション屋上の防除対策の助成につきましては、ウミネコ被害が一部の地域に限定していること、また、区は、これまでにも屋上監視の依頼など、被害の防除については対策を進めてきており、現時点ではその必要性は低いと考えております。  お尋ねの屋上緑化の推進と防除対策をセットで考えることは、それぞれの目的と役割を整理する必要があり、今後の研究課題としてまいります。  次に、ウミネコの巣を作らせないための屋上緑化の在り方についてです。  本区では、一定規模以上の敷地で建築行為等を行う場合、条例に基づき、建築物等への緑化を求めております。これは、CIG実現に向けた取組の一つであり、温暖化対策や遮熱などを目的とした必要な対応であると認識しております。  一方、事業者から受ける相談の中で、地上部での緑化が困難な場合には、壁面や屋上への振替やその逆の場合の対応を助言しておりますが、日常的な点検方法については、特段の指導は行っていない現状であります。  昨今、屋上緑化等によって鳥害が発生しやすくなったという声などを聞いており、屋上等での緑化を維持するためにも、建築物の構造も考慮しながら適切に管理することが重要であると考えております。  他の自治体では、日常的な管理ができない屋上等には緑化を求めない例もあり、こうした対応も参考にしつつ、適切な管理を行えるよう配慮した屋上緑化の在り方について検討してまいります。  次に、ウミネコ被害の解決に向けて、区の取組についてであります。  区では、お尋ねのとおり、作成している被害防止のリーフレットを深川地区の全てのマンションへ配布を行うことや、地元の町会へ伺い、地域が協力して行動してくださるようお願いしているところであります。  また、地域の方からの相談には、現地調査による個別の対応や、今後、被害が想定されるマンションに対しては、管理会社に直接、屋上監視などの対策を依頼しているところであります。  こうした対策を積み重ねており、現在、区内のウミネコ被害の相談件数は、前年度の2分の1に減少しております。本区はさらに工夫を重ねながら、被害地域への対策を地道に丁寧に取り組んでまいります。     ───────────────────────────────────── 7 ◯議長(若林しげる議員) 39番福馬恵美子議員。    (39番福馬恵美子議員登壇) 8 ◯39番(福馬恵美子議員) 大綱3件の質問をいたします。区長の明快な答弁を期待し、質問に入ります。  質問の1件目は、行政運営について。  まず、江東区長期計画についてです。  新型コロナウイルス感染拡大はこれまで経験したことのない出来事で、区民生活や社会経済活動、行政運営に大きな影響を与えています。  令和2年3月に、今後10年間の区のまちづくりと区政運営の具体的指針である江東区長期計画が策定されました。新型コロナウイルスの感染拡大は、スタート1年目、この長期計画に大きな影響を与えたのです。  長期計画(前期)の令和6年度までの財政見通しは、4年間で特別区税や特別区交付金は160億程度の減収が見込まれています。このことからも計画の見直しが必要となります。しかしながら、コロナウイルス対応、災害対策、子育て支援をはじめとする福祉施策など、区民サービスを低下させることはできないのです。見直しに当たっては、方針や基準を示すなど、区の基本的な考えが必要と考えます。令和3年度に行う4年度以降の見直しについてお尋ねします。  2点目は、行政評価について。  行政評価制度は、行政サービスの現状を認識し、行政課題を発見するための手法の一つです。また、評価結果を公表することで区政の透明性を高め、区民への説明責任を果たすツールの一つとなるのです。  また、施策実現に関する指標の推移を見ていくことにより、施策の成果、進捗状況、課題、取組の方向性等の評価を行うものとなります。新長期計画においては、この指標の見直しがされました。
     しかしながら、多くのものが現状値と最終目標値のみの記載となっていますが、2年度行政評価が終わった今、指標についてどのように感じておられますか。年次計画目標値について、その考えをお尋ねします。  さらに、二次評価は、コスト意識の重要性から、費用対効果の視点からの評価も併せて行うべきと考えますが、いかがでしょうか。  3点目は、外部評価について。  本区では、平成22年度から行政評価の一環として外部評価を導入。27年度に外部評価モニター制度を導入し、区民参加の面から大きな変更をいたしました。そして、長期計画実施2年目に新たな外部評価を導入しようとしています。これまで行った評価の課題と今後の在り方についての認識をお尋ねします。  外部評価は、専門家委員による成果主義、効率性の向上、区民からの事業の評価などがあり、職員の意識改革にも大きな影響を与えると考えますが、いかがでしょうか。そのためには、外部評価を有効に機能させるためのサポート体制と区民参加の仕組みづくりが必要です。併せてお答えください。  私は以前、外部評価委員会を傍聴させていただき、外部評価モニターとして参加された区民の方々の質問や疑問にはっと驚かされました。そして、新たな視点を学んだのです。今後の区民参加をどのように考え進められるか、お尋ねします。  行政評価は改善され、次期予算への反映がされなければなりません。長期計画にも「評価と予算編成、事業の実施を一つのサイクルとすることで、時代の変化に常に適切に対応できる区政運営を実現します」と記されています。これらのことが実際の区政運営に着実に反映されることを強く願います。  質問の2件目は、清掃施策です。  まず、江東区一般廃棄物処理基本計画について。  「もったいない、限られた資源をたいせつに」のスローガンの下、平成29年3月に策定された江東区一般廃棄物処理基本計画は、令和3年度に中間の見直しを行います。策定からこの間、国や都はカーボンニュートラルを掲げ、プラスチックも含めた資源循環に大きくかじを切りました。  計画の見直しに当たっては、これらの動きを踏まえ、これまでの5年間を検証し、課題の抽出、改善の検討をし、次の計画策定を行わなければなりません。まず初めに、目標値に対しどのような現状分析をされているのか、お尋ねします。  また、今回の策定では、1人当たりのごみ量の目標を定める必要があります。昨年、本区にとって長年の懸案事項であった「負担の公平」の議論に一定の合意があり、本区の強い主張により、区収集可燃ごみについて、特別区全体として、平成20年度比で、区民1人当たり20%の削減を目指すこと、容器包装リサイクルについては、23区が国、都と方向を共有し、より一層分別回収とリサイクルを推進されることが明記されました。  長年ごみ問題に取り組み、その中で幾つかの苦渋の決断をし、コストをかけて積極的にリサイクルを進めてきた本区にとって、非常に大きな喜びであり、山崎区長をはじめ関係者の御努力に感謝申し上げます。  この20%の削減目標ですが、既に瓶、缶、ペットをはじめ、容器包装プラスチックの資源化も実施している本区と、いまだ容器包装プラスチックを可燃ごみとして収集し、清掃工場で燃やしている区とでは、そもそもごみ減量とリサイクルの到達度合いが異なっているのです。全区が等しく20%削減を行うということには無理があると考えます。どのように本区ごみ削減目標との整合性を図っていくか、お尋ねします。  今回、この基本計画の中に食品ロス削減推進計画が盛り込まれることになりました。これまでも取組はありましたが、今回改めて計画を策定することでより積極的な取組が望まれます。食品ロスへの行政の取組について、基本的認識をお尋ねします。  2点目は、23区のごみ削減目標の進行管理についてです。  先ほど本区としての計画目標についてお尋ねしましたが、他の22区においても、各一般廃棄物処理基本計画に、ごみ減量とリサイクルについて、実現のための目標が設定されるものと認識しています。私たちはそれを注視しなければなりません。  さらに、23区としてこの共通目標を今後どのように進行管理されていくのですか。この進行管理において、区長会の会長でもあります山崎区長が、強いリーダーシップを発揮されることを願っています。  また、あわせて、本区として22区への働きかけと発信についてどのように考え、進められるか、お尋ねします。  3点目は、災害廃棄物処理計画についてです。  都は平成29年に東京都災害廃棄物処理計画を策定しており、本区計画は、都の計画や23区の共同処理との関係を踏まえたものになると考えます。  災害廃棄物処理計画は、地域防災計画に次ぐ大切な計画です。災害時に発生した瓦礫、生活ごみ、し尿などの廃棄物を、速やかに収集運搬、処理処分をすることは、早期復旧のため不可欠なものです。  一方で、実際に災害が起こった場合、その発生規模や災害種別により計画は大きく変わります。そのために、災害時の廃棄物処理には、区民、事業者との協働が非常に大切と考えますが、区ではどのように認識されていますか。  また、計画では、災害廃棄物処理検討会で検討されるとのことですが、策定体制についてもお尋ねします。  質問の3件目は、防災施策について。  まず、避難行動要支援者対応についてです。  区市町村は、災害時に自ら避難が困難な人の避難行動要支援者名簿の作成が義務づけられています。さらに、名簿に登録された方のうち、避難行動要支援者名簿の外部提供に同意された方については、要配慮者の避難を支援する個別計画を策定することになっています。  この計画は、御承知のとおり、防災と福祉が連携し、災害情報の伝達体制を整え、高齢者や障害者などの避難に支援が必要な人を特定し、その一人一人に誰が支援してどこの避難所に避難させるかを決めておき、訓練を行うとされています。  本区は、平成26年3月に江東区避難行動支援プランを策定後、各地区で町会・自治会の災害協力隊が中心となって取り組み、同意された方に個別計画が策定されました。災害協力隊の空白地や高齢化の問題も指摘されています。  また、個別計画策定に当たっての同意については、3年ごとに見直しがされるとしていますが、現状と課題についての検証はどのようになされていますか。区の関与を大きくした新たな仕組みを検討すべきと考えますが、お尋ねします。  2点目は、拠点避難所運営について。  平成25年度に始まった学校避難所運営協力本部は、拠点避難所をどう開設し運営するかを決めるものであり、学校長が本部長になり主催されます。しかしながら、発災はいつ起こるか分からず、地域住民の命を守る拠点の開設、運営は、地域住民を巻き込んでの活動であり、区の関与が重要となり、責任体制にも問題があるのではないでしょうか。  令和元年、台風19号のとき、初めて学校が避難所になり、様々な課題に対し検証を重ね、新たな仕組みもつくられました。さらに、新型コロナウイルスの感染症の影響により、新たな避難所運営が必要となりました。  昨年8月、第三砂町小学校での訓練のDVDは、12月に各学校に配布されたとのことですが、その前にも学校避難所運営協力本部の会議は行われているのです。私も地元消防団員として参加をしていますが、参加者の少なさもあり、危機感の共有や新たな検討はされませんでした。これで災害時に有効な避難所運営ができるのか、危機感を持ちました。議事録もなく、前回の問題点の改善策の報告もされていない現状を変えなければならないという思いを強くしました。もちろん全ての学校避難所運営協力本部の運営がそうだったとは思いませんが、体制そのものに問題があると感じています。今後の改善について、区の考え方をお尋ねします。  さらに、江東区では、防災備蓄品や資器材を配置しています。残念ながら、これらのものが有効に活用されていません。例えば、各学校に設置された給水栓を使用する用具は、離れた防災倉庫に保管され、学校関係者は一度も使ったことがないとのことでした。資器材の利用には定期的な点検と訓練が必要です。区はどのように考え進められるか、お尋ねします。  3点目は、職員体制についてです。  従来の避難所管理運営マニュアルに加え、風水害や新型コロナウイルス感染症への対応を盛り込んだ避難所管理運営マニュアル(水害編)が、令和2年9月より職員に向け周知されたと聞いています。  拠点避難所には災害情報連絡員2名、避難所配置職員2名が配置されています。それぞれの役割がしっかりと認識されなければなりません。非常に大切な役割を担っている職員です。日頃の研修はどのようにされているのか、災害時に自ら考え行動できる訓練体制についてお尋ねします。  以上をもちまして、質問を終わります。  御清聴ありがとうございます。(拍手)    (山崎孝明区長登壇) 9 ◯区長(山崎孝明) 福馬恵美子議員の御質問にお答えします。  初めに、清掃施策についてであります。  まず、江東区一般廃棄物処理基本計画についてであります。  お尋ねのとおり、国及び都は、カーボンニュートラルに向け、資源循環の取組を加速することを宣言しており、まさにそういったタイミングで本区も計画の改定を迎えることとなります。  そこで、計画の目標値への現状分析についてですが、現在の計画では、4つの基本指標にそれぞれ10年後の目標値を定め、目標達成に向け進行管理を行っております。指標は、区民1人当たりのごみと資源の発生量、区収集のごみ量、資源化率、大規模事業者の再利用率であります。  中間年度となる令和元年度時点で、目標値に向けおおむね順調に推移しておりますが、資源化率については、不燃ごみの資源化開始で大きく向上した後、伸び悩んでおります。これは、資源物の価格が下落したことによる集団回収での回収量減少などが原因であると分析しております。  また、「清掃負担の公平」で合意したごみ減量目標と本区の削減目標との整合性についてですが、御指摘のとおり、各区のごみ減量とリサイクルの達成度は、各区の取組状況に大きな差があり、画一的な比較では実態の理解は困難であります。そのため、本区としては、23区全体の平均値において削減目標の達成をなすという合意を進め、各区の実情に合った削減量を定め、目標値との整合性を図る手法が望ましいと考えております。  次に、食品ロスへの取組についての基本的認識についてであります。  食品ロス削減には、買い過ぎない、食べ残さないなど、廃棄の抑制が最も重要であります。本区ではこれまでも区民まつり等での啓発や、食べ切り協力店登録制度などを実施し、区民、事業者に食品ロスの発生抑制を呼びかけてまいりました。計画策定に当たっては、これらの成果を検証するとともに、さらなる推進のための施策を検討してまいります。  次に、23区のごみ削減目標の進行管理についてであります。  「清掃負担の公平」については、昨年11月の区長会で改正案が了承されて以降、清掃主管部長会が、区収集可燃ごみの減量を目指すため、各区の目標と実績に関する状況を取りまとめることや、プラスチック削減と循環利用に関して、より効果的な対策を検討するとしております。ごみ削減目標の進行管理については、23区の連携の中で進めてまいります。  また、他区への働きかけと発信についてですが、既に区長会での合意以降、容器包装プラスチックの分別回収未実施の11区においては、東京都の補助制度を活用し、来年度以降の開始を決定した区や、導入のための調査に着手する区が表れております。  加えて、本区が先行して実施している不燃ごみの資源化などの資源化手法を他区と共有するなど、23区全体のごみ減量とリサイクルのさらなる推進を主導してまいります。  御指摘のとおり、11区がまだプラスチックを焼却している。これは、考えようによっては、環境問題から考えると、我々の区のように、江東区の清掃工場ではプラスチックは区は燃やしてないと。ところが、燃やしている区は、その区から江東区へはプラスチックが入ってくるんですね、江東区の清掃工場に。これは実際に考えてみると不合理でありますから、こういった点を個々に指摘するわけにもいかないので、徐々にこうしたことも御理解いただいて、各区議会とも検討していただき、やがては全ての区がプラスチックを燃やさないという方向に私は何としても持っていきたいというふうに思っているところでございます。  今後とも、23区をリードする意志と強い姿勢を持ってさらなる働きかけを行ってまいります。  次に、災害廃棄物処理計画についてであります。  まず、災害時の区民、事業者との協働の認識についてでありますが、一昨年の台風15号の際には、被災した千葉県館山市に本区清掃事務所から災害派遣を行い、貴重な教訓を得ております。一例として、迅速な災害廃棄物の処理は、行政による臨時仮置場の設置と周知及び住民による正しい分別を伴った運び出しが肝要と認識しております。  また、仮置場からの運搬や処理体制確保においては、事業者との連携が不可欠であり、計画策定に当たっては、本区の現状やこれらの経験を踏まえた検討が必要であると認識しております。  また、計画の策定体制につきましては、防災部門や公園、道路管理者をはじめ、関連部署と連携の上、環境審議会での十分な意見聴取やパブリックコメントを行い、計画策定を進めてまいります。  なお、その他の御質問につきましては、所管部長から答弁いたさせます。    (長尾潔政策経営部長登壇) 10 ◯政策経営部長(長尾潔) 次に、行政運営についての御質問にお答えいたします。  初めに、江東区長期計画についてですが、新たな長期計画が今年度からスタートいたしましたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響による今後の財政見通しを踏まえ、計画に掲げる公共施設整備・改修について、一部を先送りするなどの見直しを図ったところであります。  見直しの基本的な考え方については、対象期間を長期計画の前期のみとし、また、改築は原則として実施する一方、定期的な改修や各種整備事業については、休止や後期への先送り、規模の縮小を行うことといたしました。  また、令和4年度以降の見直しについては、今後の新型コロナウイルス感染症の動向や社会経済情勢が区財政に及ぼす影響、さらに、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催状況等を踏まえ、見直しの規模及び内容について検討してまいります。  次に、行政評価についてですが、新長期計画の指標については、令和2年度の結果を踏まえ、区の取組の成果が反映された指標の設定となっていると認識をしております。  年次目標値については、各施策の取組の進捗について、社会経済情勢などの影響もあることから、5年後に達成を目指す値としておりまして、各年次における目標値の設定は行っておりません。  また、二次評価における費用対効果の視点については、事務事業評価の中で目的妥当性、有効性、効率性の観点から評価を行い、事業の廃止や委託化などの見直しを行っており、施策評価においても、事業費及び人件費を踏まえた評価を行っております。引き続き、適正な評価を行い、事業の見直しや再構築を大胆に行ってまいります。  次に、外部評価についてですが、外部評価モニターの声を反映しながら、主管部等と評価委員との間で実質的なやり取りが展開されたことは、開かれた区政という点からも、また今後の計画の推進に生かすという点からも、大きな意義があったと評価をしております。  課題と今後の在り方についてですが、外部評価モニターの活用は、区民の生の声を評価に生かせる有効な手法であると認識をしており、引き続き活用する方向であります。  一方、モニター個人の陳情の場になるケースが時折見られ、時間の制約上、議論の深掘りが難しくなることなどが課題と認識をしております。  また、職員の意識改革については、評価委員や外部評価モニターの時には厳しい指摘により、職員が自らの仕事を見つめ直す契機になるとともに、区民等への説明能力の向上にも資するという効果があったと考えております。  今後は、区・区民・評価委員が限られた時間の中でより建設的な議論ができる体制づくりや、区民の方が参加しやすい仕組みの構築が必要であると認識をしております。このため、来年度から再開する外部評価につきましては、オンラインでの開催やモニターにも分かりやすい資料作成と会議の進行、事前の丁寧な案内など、区民が積極的に参加し、かつ議論に入りやすい実施方法を検討してまいります。    (石川直昭総務部長登壇) 11 ◯総務部長(石川直昭) 次に、防災施策についての御質問にお答えをいたします。  初めに、避難行動要支援者対応についてです。  まず、現状についてですが、令和2年度は、昨年7月に3年に1度となる同意確認を行いました。その結果、避難行動要支援者約4万3,000名のうち、個別計画作成の対象者は約6,000名増加し、2万4,000名余りとなっております。  また、昨年11月より、各災害協力隊に個別計画の作成を依頼し、現在、各隊で作成を進めております。  一方、本来は訪問し、対面で個別計画を作成するところ、今年度は新型コロナウイルス感染症の影響により、訪問に支障が出ているとの相談があり、訪問の代わりに電話による作成を助言するなどのフォローを行っております。  次に、課題の検証についてです。  個別計画を作成するに当たって、要支援者の心身の状況や生活実態などの情報が必要ですが、こうした情報の把握が困難であることや、作成を担う災害協力隊の高齢化などが課題と認識をしております。これらの課題の解決に向け、現在、新たな仕組みの構築について検討をしているところです。  今般、国においても、個別計画の作成促進に向け、福祉専門職などの日常の支援者と地域住民が連携して取り組むべきとの方向性が示され、自治体に対する財政支援などの対応が検討されているとのことです。  今後、こうした国の動向を踏まえ、個別計画の作成を支援する体制の構築に向けて、関係部署と連携し、検討してまいります。  次に、拠点避難所運営についてです。  まず、学校避難所運営協力本部の現状についてですが、定例的に開催される連絡会において、避難所運営の各種検討や情報共有を行っており、今年度は、12月末時点で39校が連絡会を開催しております。  現在、各学校において自主的に取り組む一方、その内容が標準化されておらず、防災倉庫の内容確認などを行うといった、会議以外での取組状況に差が生じております。また、さらなる取組に向けた区からの情報提供や、運営支援の改善が課題であると認識をしております。  今後の改善につきましては、学校長や災害協力隊など、御参加いただく方々の御意見を踏まえ、改めて各本部での役割分担の明確化や、各校における取組などの情報集約と参考事例としての共有、また、運営における区職員の派遣など、サポート体制の強化について検討してまいります。  次に、資器材の利用についてです。  今年度、新型コロナウイルス感染症対応の物品を調達したことを受け、現在、防災倉庫内の収納物品の見直しや整理を行っております。また、非常用発電機のように、定期的に点検を要するものについては、適宜対応しております。  今後、訓練などにおいて収納する資器材の活用を図るとともに、備蓄品や資器材の格納状況や使用方法を分かりやすく表示したファイルの作成などの工夫をしてまいります。  次に、職員体制についてです。  日頃の研修や訓練体制につきましては、例年5月から6月にかけて、避難所へ派遣する職員への説明会を行うとともに、災害情報連絡員については、年に2回、各拠点避難所への参集訓練を行っております。  また、本年1月には、新たに避難所配置職員の参集要請訓練を行うなど、初動態勢の確立に向け取り組んでおります。  今後とも、訓練などを通じ、災害時に即応できる職員を育成してまいります。     ───────────────────────────────────── 12 ◯議長(若林しげる議員) 7番吉田要議員。    (7番吉田要議員登壇) 13 ◯7番(吉田要議員) 区議会民政クラブの一員として質問の機会をいただきました。大綱3点について質問させていただきます。  1点目は、公共施設の在り方についてです。
     コロナウイルス感染症が財政計画にも大きく影響を及ぼしている状況です。本区では、税収が落ち込む中で行政需要は増大します。この難局を乗り越えるために、行政と議会は息を合わせ、政策決定スピードを上げて対応していかなければなりません。  まず、今年度スタートした江東区長期計画の主要ハード事業について、改修工事の先送りにより財政負担の平準化を図ると認識をしております。もともとインフラ資産と公共建築物の老朽化を前提とした改修計画です。先送りにより、将来必要となる新規の公共施設整備に影響があってはいけません。将来を見据えた公共施設の総合的な管理運営に果敢に取り組むべきです。  例えばコロナ禍以前の豊洲文化センターと東大島文化センターの合計利用率を比較すると、30ポイント以上の差があり、地域による施設ニーズの違いがうかがえます。利用率が高いスポーツ施設のプールやトレーニング室も、今や同じ機能を持つ民間スポーツクラブは多数あります。また、豊洲西小における地域開放型の発想で、学校改修・改築の際には、プールや体育館を地域に開放することで区民ニーズに応えつつ、公共スポーツ施設の集約化を図れるのではないでしょうか。今後の公共施設の維持管理と更新について、区の認識を伺います。  今後も人口が伸び続けると予想される江東区では、多額の建設費がかかる公共施設整備について、区民ニーズを的確に捉えながらも整備手法を研究していかなければなりません。  先日、民間事業者が自ら資金調達から施設運営まで行うPFIによる手法で建てられた墨田区総合体育館を、建設から10年目の状況を伺ってきました。墨田区では、総整備費106億円に対し、財政負担の軽減と平準化を目指しました。結果として、毎年大きな黒字運営とスポーツを通じた区民の健康増進、さらには、プロスポーツチームの本拠地として、地域コミュニティの醸成にも寄与しておりました。  コロナ終結後も、自治体の財政運営は当面厳しく、大型の公共建設が行える状況ではないと考えると、本区でもPFI手法を活用した新たな公共施設計画を進めるべきと考えます。  新長期計画で示された本庁舎の建て替え、そして、長計から外れているが多額の改修費用が見込まれるティアラこうとう、これらは交通アクセスもよく、民間ノウハウを活用した効率化やサービスの改善が期待できる施設であると考えますが、見解を伺います。  次に、海の森の将来活用についてです。  海の森は未開発のエリアであり、都市計画など町の将来像の検討とともに、交通インフラの整備も進めていかなければなりません。海の森トンネルやゲートブリッジなど、周辺道路は物流車両の交通が多く、混雑も発生します。また、リニアの整備を見ても、陸上の交通インフラについては、調整に時間がかかることも周知の事実です。将来、海の森を区民の憩いの場としていくためには、視野を広げ、交通手段として海や空も活用することを今から検討すべきと考えます。  東京都では、水上競技場やクロスカントリーコースでの観戦を前提に、観客輸送用に船着場を整備しております。大会終了後は、この船着場を活用し、区内の内部河川と連続した新たな水上交通を整備するべきと考えます。区の見解を伺います。  現在、埋立てが続く中防エリアは、都心部最後のフロンティアです。先日発表された「東京ベイeSGプロジェクト」では、海の森を含む中央防波堤埋立地をテクノロジーの実装地とする展望が描かれておりました。  先行事例では、人工島を有し、運河の町である大阪が挙げられます。本区と環境の似た大阪では、空飛ぶ車の実証実験を行い、3年後に空飛ぶタクシーを実現させることを目指しております。空の交通手段としての実用化が大変近い将来に予定されているのです。成長産業である航空輸送テクノロジー分野は、空飛ぶ車やドローンについて、都市部での実証実験エリアを望んでおります。次代の交通手段の主力となる分野で本区は都と連携し、積極的な未来都市整備を行うべきと考えますが、見解を伺います。  2点目は、主体的な障害者支援政策についてです。  今年度制定された「江東区手話言語の普及及び障害者の意思疎通の促進に関する条例」は、障害により意思疎通に不自由がある方たちに大きな進展でありました。条例制定を受けて、議会傍聴席でのヒアリングループが予算化されたことは喜ばしいことであります。  この条例の目的は、障害特性に応じた利用環境の整備により、全ての区民が障害の有無にかかわらず、お互いに分け隔てなく理解し合い、共生する地域社会の実現を目指しております。  障害の特性によって事業の推進に差があってはなりません。平成30年度に厚生労働省より通知のあった「失語症者向け意思疎通支援事業」を受けて、東京都の言語聴覚士会委員と本区で長年支援活動を続けられている団体から、江東区での事業実施の要望をいただいておりました。  昨年末の一般質問でも、同僚議員から取組について問われていましたが、本区では失語症対象者の把握ができておらず、支援方法に課題があるため、今後の研究課題とのことでした。意思疎通支援事業は、市区町村の必須事業となっているが、これまで区では主体的なニーズ把握は行っておりません。これは、手話言語条例の推進目的にある障害特性に応じた環境整備の考えに反するのではないか、区の認識を伺います。  失語症は、3大疾病と言われる脳卒中や事故等の頭部外傷に起因するため、誰にでも起こり得る障害の一種です。話す、書く、聞く、読むといった言語機能が低下するため、日常的なコミュニケーションが不自由になります。  私も、障害者福祉センターで行われている言語聴覚士によるグループリハビリに参加させていただき、失語症の方に共通する情報弱者という特性、そして御自身の意思を伝えることが難しく、もどかしい思いをされている状況に触れました。失語症の方は、困っていること、行政に頼りたいことを言葉にすることができません。ニーズありきの行政で、この声なき声をどのように酌み取り、支援につなげていく考えか、具体的認識を伺います。  平成18年の障害者自立支援法の施行を受け、身体、知的、精神の障害種別にかかわらず、必要とされるサービスを利用できる仕組みが整えられ、本区でも、就労支援や日常生活用具の給付まで多岐にわたり事業を行っております。そうした中で失語症者は、肢体不自由の項目で障害者手帳を取得される実態もあります。聴覚や失語と分けずに包括的な支援体制を取る必要があると考えます。  今年度から意思疎通支援事業を新規で始めた世田谷区の障害福祉部と、失語症会話パートナー世田谷連絡会の代表から、行政と自主グループの連携を学んできました。世田谷区では、区独自のパートナー養成講座や集いのサロンを運営しております。また、支援事業に関して、本区と同じく、実態把握は行っていないがニーズは必ずあると、事業規模は小さくとも支援事業に踏み切り、今後大きく育てていきたいとのことでした。こうした姿勢は大いに学ぶべきです。  私は、今後、地域包括支援の仕組みの中で、コミュニケーション障害についても支援すべきであると考えます。一般的に認知症と失語症は区別がつきにくいと言われます。失語症の実態把握が難しいのであれば、地域包括ケアシステムが本来担うべき役割である医療や介護など、自立した日常生活の中で支援体制を構築するべきです。多忙な業務をこなす長寿サポートセンターです。支援団体との連携を提案します。区の見解を伺います。  3点目は、高齢者福祉と保健所の連携です。  高齢者の新規陽性者数は依然として高い傾向にあり、年代別の死亡者を見ても、60歳以上が9割と、高齢者への感染対策を徹底すべきが明白であります。  本区ではクラスター感染の定義は行っていませんが、これまで一時期で5名以上の陽性者が発生した施設は、1月末現在で9事業所と伺っております。  都内の1日当たりの新規感染者数は減少傾向にある中で、高齢者施設での集団感染と重症化リスクが引き続き懸念されています。  要介護者個々の状態を一番把握しているのは、御家族と身体に触れている介護職員です。そして、外部接触の頻度が少ない要介護者が感染する可能性が高いのは、介助者との接点です。  今後、高齢者に向けて順次ワクチン接種が始まるが、さらなる予防策を進める上で、ワクチン接種が終了するまでの期間は、主たる介助者と区内介護職員全てに対し、週1度の積極的PCR検査を行うべきと考えます。  報道によると、施設等での入所者の感染が確認されるが、入院調整が整わないため、施設内でとどめざるを得ず、その結果、重症化が進むケースが問題化しております。適切な処置が遅れるだけでなく、この状況でも介助を続けなければならない介護職員の心身負担と感染リスクが心配です。  これまで本区保健所でも入院調整が遅れるケースが発生しているのか。また、今後こうした事態に備えた施設と病院間での連携に行政がどのように対策していくか、伺います。  次に、3年ごとに改定し、段階的に構築していく地域包括ケアシステムです。  基盤整備期の最後と、本年4月からスタートする地域展開期において、コロナ禍による地域コミュニティの断絶状態は大変な損失であり、計画の遅れがあったことは否めません。  地域包括ケアシステムは、そもそも団塊の世代が75歳以上となる2025年までに完成させることを目標に取り組まれてきました。  個人的には、7期の大きなテーマであった地域ケアシステムの役割分担について、区民関係者への理解が広く周知されている認識を持ちません。それは、縦割り行政の枠を超えた支援が遅々として進まず、また、支援のはざまでサービスを受けられない実態が散見するからだと思います。  高齢者、障害者、生活困窮者などが分断された扱いの中で、「我が事・丸ごと」の発想をどのように実現させていくか。これらの実情を踏まえて、地域包括ケアシステムの完成は間に合うのでしょうか。今後の展開について伺います。  コロナ禍で外出自粛を求められた高齢者のQOLの低下が懸念されています。高齢者がいる世帯からいただく相談の多くが、長引く自粛による生活全般での機会損失です。今後は、介護相談と保険申請の急増が予想されます。報酬改定のタイミングが重なり、サービス利用控えが起きない配慮が必要ですが、介護保険事業全般でさらなるニーズの高まりが生じることは明白であります。  そこで、かねてより指摘している支援体制と人材確保についてです。高齢者数の高まりを受けて長寿サポートセンターの増設、そして多様なニーズに応えるための機能強化について伺います。  人材確保については、失業率の上昇に対し、常に人手不足である福祉分野での雇用吸収へとつながるための制度支援、さらには、コロナ禍での苛酷な業務で疲弊した現役の就労者の離職防止策について、区の所見を伺い、私の質問を終了させていただきます。  御清聴ありがとうございました。(拍手)    (山崎孝明区長登壇) 14 ◯区長(山崎孝明) 吉田要議員の御質問にお答えいたします。  高齢者支援と介護福祉についてのお尋ねであります。  初めに、高齢者施設と行政の連携についてのうち、ワクチン接種が終了するまでの期間、関係者に対して積極的にPCR検査を行うべきとのことであります。区では、昨年12月に、高齢者施設の職員、利用者を対象としたPCR検査費用の補助事業を実施しております。来年度のPCR検査の在り方につきましては、感染動向やワクチンの接種状況等を踏まえて、今後検討してまいります。  次に、陽性者が発生した場合の入院調整についてであります。  入院調整につきましては、東京都が広域的に行っており、区は、入院が必要な陽性者の方について、東京都に調整を依頼しております。陽性者に緊急的対応が必要で東京都の調整に時間を要する場合は、区が独自に入院先の確保に努めております。施設入所者について、これまでも陽性者の状況に応じて対応してきておりますが、今後も早期の対応に努めてまいります。  次に、地域包括ケアシステムの展開についてです。  まず、「我が事・丸ごと」の発想の実現につきましては、現在、長寿サポートセンターを中心に、各機関との連携体制の構築を図っておりますが、それぞれの分野を包括的に支援する体制整備については、令和3年度に策定予定の地域福祉計画において、具体的な方針を示してまいります。  また、地域包括ケアシステムの完成が間に合うのかとのお尋ねであります。江東区高齢者地域包括ケア計画では、高齢者の主観的幸福感を計画全体の成果指標に設定し、この目標値を江東区版地域包括ケアシステム達成の一つの目安としております。さらに、今般、策定しております第8期計画を着実に実施することで、地域包括ケアシステムの進展を図ってまいります。  また、今後の展開につきましては、地域包括ケアシステムの完成に向け、長寿サポートセンターが地域の核となり、多様な機関との連携体制を一層強化し、よりきめ細かな福祉サービス提供体制の構築に取り組んでまいります。  次に、コロナ後の福祉支援体制と人材確保についてであります。  まず、長寿サポートセンターの増設につきましては、高齢者人口、要支援者及び要介護者数の動向も勘案の上、必要があれば検討してまいります。  また、センターの機能強化につきましては、基幹型地域包括支援センターの整備の必要性も含め検討してまいります。  次に、雇用吸収へとつながる制度支援であります。  区では、福祉のしごと相談・面接会を実施しており、令和2年9月に実施した際には、前年同時期に開催した際の3倍強の採用実績となるなど、コロナ禍による経済低迷等の影響がうかがえる結果となりました。  今後も福祉の仕事の魅力をPRし、他業種からの転職者も含め、より多くの人材確保に取り組んでまいります。  また、就労者の離職防止策につきましては、区でも実施している介護事業所等職員向け研修で、離職防止に資する講座を実施しており、今後の実施内容にコロナ禍の状況等を反映するなど、離職防止に資する内容の見直しを図ってまいります。  なお、その他の御質問につきましては、所管部長から答弁いたさせます。    (長尾潔政策経営部長登壇) 15 ◯政策経営部長(長尾潔) 次に、公共施設工事と都市整備についての御質問にお答えします。  まず、公共施設の運営方針についてですが、長期計画の「施設整備・改修等の基本方針」や、平成28年度に策定した公共施設等総合管理計画に掲げたとおり、既存施設の改修・改築に当たっては、時代のニーズや区民要望等に沿った施設の在り方を検討し、施設の持つ機能そのものを見直すことも重要であると認識をしております。  今後の公共施設の維持管理、更新については、施設の廃止、縮小、代替施設への転換、他の施設との統合を検討し、サービスや機能の高度化を図るなど、限られた財源の中で区民ニーズに的確に対応していくことが重要であります。  区としましては、施設の性格や人口動態、地域バランス、区民ニーズ等を踏まえ、中長期的な視点に立ち、計画的かつ効率的な公共施設の維持管理、更新に努めてまいります。  次に、PFI手法についてですが、PFIは、公共施設等の整備、運営を行うに当たり、設計、建設から維持管理、運営までを、長期間にわたり一括して民間事業者に委ねる手法であります。  民間事業者が持つ経営能力や技術的能力の活用により、財政負担の軽減や良質な公共サービスの提供がメリットとして挙げられ、他の自治体では、庁舎や文化・スポーツ施設等、比較的規模の大きな施設での活用が見られるところです。  一方で、PFIの導入に当たっては、契約に至るまでをコンサルティング会社に委託することが一般的であり、委託経費を踏まえると、財政的なメリットが十分に発揮できないなどのデメリットも懸念されるところであります。  今後、庁舎の建て替えや、ティアラこうとうなど大規模な施設については、従来工事の手法だけでなく、PFIなど官民連携の手法を検討する必要があることは認識をしており、費用対効果を十分に比較検討し、最適な整備手法が採用できるよう努めてまいります。  次に、海の森の将来活用についてであります。  まず、海の森の船着場を活用した新たな水上交通の整備についてですが、海の森エリアは、水と緑に囲まれた豊かな環境の中で、多くの区民がスポーツやレジャーを楽しむことができる憩いの場とすることを目指しております。また、臨海部の活力を全区へ波及させるため、水運の活用に取り組むことも重要と考えております。  大会後に整備する海の森公園をより多くの区民に利用していただくため、都に船着場の有効活用と本区との十分な協議、連携を求めております。  また、都と連携した未来の都市整備についてですが、空飛ぶ車などの空の移動手段に関しては、大阪府において幅広い分野での利活用に向けて検討をされていると聞いております。本区としては、こうした他の自治体の動向を注視しつつ、都の新たな計画の策定やプロジェクトの具体化に当たっては、本区との丁寧な協議や連携を都に求めてまいります。    (市川聡障害福祉部長登壇) 16 ◯障害福祉部長(市川聡) 次に、障害者支援についてお答えいたします。  まず、失語症支援についてです。  本区では、これまで失語症者の実態やニーズの把握等を目的とした調査実績がございませんが、障害者全般の実態を把握するために、3年に1度、障害者実態把握調査を実施しているところです。また、随時、各障害者団体との意見交換を行うほか、国や東京都が行った調査研究報告書なども補足的に活用しながら、障害者のニーズ把握に努め、障害種別ごとの事業を推進しております。  そのため、失語症者の実態把握調査を行っていないことをもって、直ちに条例で規定する「障害特性に配慮した意思疎通手段の利用環境」を満たしていないとは考えておりませんが、互いに理解し共生する地域社会を目指して、引き続き、様々な障害特性に応じた意思疎通手段の確保に努めてまいります。  次に、主体的な障害者支援についてです。  福祉分野における支援策は、困り事を抱える当事者やその家族の声から事業化に結びつくケースや、事故や事件などが社会問題となり、ニーズが顕在化して全国的な制度に至るケースもあります。そのため、救済を求める声を出せない、または、その声が非常に小さくて届きづらい場合、行政がニーズとして把握できていない場合があることは認識しております。  失語症者に対する施策としては、現在、高次脳機能障害者支援促進事業の中で、言語聴覚士によるグループリハビリや交流会の開催などを実施しておりますが、失語症者が地域生活を続ける上での生活課題や、その家族が抱える悩みは様々あることから、当事者から直接話を聞くことが難しい場合においては、その支援者や関係者、または国等の報告書などから課題や悩みを共有してニーズ把握に努め、支援策につなげてまいりたいと考えております。  次に、長寿サポートセンターとの連携についてですが、センターは高齢者の身近な相談窓口であり、相談に応じる中で把握した失語症者を失語症者支援団体につなげる連携は有効な取組であると考えております。  一方で、センターは65歳以上の高齢者を対象としており、失語症が脳疾患に起因する障害であることを踏まえると、脳疾患の治療やリハビリを担う医療機関の地域連携室が参画するなど、全ての年代に対応可能な関係機関全体の支援ネットワークづくりが求められるところです。  また、支援の受皿となる支援団体の質的・量的充実も並行して取り組まなければならない課題であると認識しております。  御提案の長寿サポートセンターとの連携につきましては、区内の支援団体、長寿サポートセンターと協議し、可能な範囲で連携が取れるよう調整を進めてまいります。     ───────────────────────────────────── 17 ◯議長(若林しげる議員) 3番にしがき誠議員。    (3番にしがき誠議員登壇) 18 ◯3番(にしがき誠議員) 江東区議会自由民主党のにしがき誠です。質問の機会をいただきましたので、今年1月4日に突如中止が発表された成人式について、新成人に対する説明責任の観点も含めて、大綱2点にわたり御質問をさせていただきます。  まず、大綱1点目、令和3年成人式についてお伺いをいたします。  質問に先立ち、今年度成人となられた全ての皆さん、また保護者の皆様や関係者の皆様に心よりお喜びを申し上げます。とりわけ保護者の皆様は、お子様の誕生から成人を迎えられるまで、喜怒哀楽をともに歩まれた20年間を回顧され、この節目の年をお迎えになられたこと、感慨無量のことと存じます。重ねてお喜びを申し上げます。  さて、昨年初めから、新型コロナウイルス感染症の拡大により、本区の様々な事業やイベントが中止となっております。中でも、今年1月の成人式が中止となったことについては、新成人をはじめ、その保護者や関係者の皆様に大きな衝撃を与えました。  成人式とは、本人にとって一生に1度しか経験できない重要な人生の節目となるイベントであり、成人として新たな一歩を踏み出す記念すべき式典であるからです。そのため、主役である新成人はもとより、その保護者の皆様も成人式を迎えることを長い間、楽しみに待っておられたことでしょう。  また、私ごとでありますが、高校卒業後、大学進学のために親元を離れて九州から単身東京に出てきたのですが、当時住んでいた新宿区主催の成人式に友人と2人で参加をさせていただき、成人となった自覚を持つと同時に、両親への感謝の気持ちを再確認することができた大変意義深いものであったと、29年前のことを今でも鮮明に記憶しております。  そこでまず、今年1月に中止された成人式についてお伺いをいたします。  今年の成人式は、新型コロナウイルス感染症の拡大によって、多くの自治体で中止や延期となりました。感染症の拡大を防ぎ、新成人や関係者の方々をはじめ、式典に従事される本区職員の皆様の安全を第一に考えることは、自治体として当然の責務であり、これが守られないのであれば成人式の開催が難しいということは、私も十分に理解をしております。  しかし、一方では、都内23区では杉並区が当初の予定どおりに成人式を開催されております。また、神奈川県では、政令指定都市である横浜市や川崎市なども、会場を増やしたり、2部制を8部制に変更するなど、参加者を分散させることで開催をしております。  なお、横浜市の新成人の数は約3万6,000人、川崎市は約1万4,000人と、およそ4,000人であった本区をはるかに超える対象者でありました。このように、コロナ禍においても開催した自治体がある一方で、本区は残念ながら中止の判断となりました。  そこで、本区でも長い歴史を持つ成人式という事業について、どのように位置づけをしているのか、また、今回の中止についてどのように評価されているのか、お伺いをいたします。  次に、中止ではなく、せめて延期とすることができなかったのか、お伺いをいたします。  例えば、千葉県浦安市は、1月5日の段階で3月7日に延期すると発表されています。また、23区では渋谷区と中野区が延期としていましたが、渋谷区が3月7日に、そして中野区が3月27日に、さらには、当初中止と発表されていた千代田区は3月28日に、それぞれ会場開催すると先日発表がされております。  本区も、一生に1度の成人式であるからこそ、その重みを御理解されているのであれば、コロナ禍の収束が見込まれる時期であることが大前提とはなりますが、今からでも延期という選択肢もあるのではないでしょうか。  本区が延期ではなく中止としていることについて、新型コロナウイルス感染症拡大に関する医学的根拠に基づくものなのか、また、この中止はいつどのように意思決定をされたのか、お伺いをいたします。
     次に、補正予算と成人式の感染症対策についてお伺いをいたします。  昨年、本区は、第5号補正予算で成人式の感染症対策経費についても増額補正を行っております。それによって感染症対策を万全に行い、コロナ禍でも安全に成人式を開催できるよう環境の整備を行うためのものと考え、当該補正予算については私も賛成をさせていただきました。しかし、補正予算を組み、安全対策を進めたにもかかわらず、結果として成人式は中止が発表されております。これでは何のための補正予算であったのかと残念な思いでいっぱいではありますが、この点について本区の見解をお伺いいたします。  次に、新成人への対応についてお伺いをいたします。  昨年9月の補正予算に関する予算審査特別委員会において、私はどのくらいの人数の新成人が成人式に参加されるかは、このコロナ禍においては過去の経験値が参考にならないことは明白であり、事前にその意向を把握するためのインターネット等を活用したアンケート調査を実施してはいかがかと御提案を申し上げました。なぜなら、参加予定人数を事前に把握してから安全対策を検討するのが当たり前であると考えたからであります。  残念ながら、本区はその提案を採用されておりませんが、結果論として、そのアンケート調査を実施さえしていれば、回答のあった新成人のメールアドレス等を把握することができ、成人式の中止が決まった直後にメールで中止のお知らせをお届けできたと考えております。  実際には中止が1月4日に決定され、新成人に対する書面による通知は翌5日発送、到着はさらにその翌日の6日であり、開催予定の5日前に中止を知った新成人も多かったのではないでしょうか。この現実をどのように受け止めているのか、本区の見解をお伺いいたします。  また、今回のコロナ禍によって多くの自治体が会場での開催を中止し、オンライン成人式として動画配信による式典に代えております。本区でも、区の公式YouTubeチャンネルなどで動画配信を行っており、映像から新成人にお祝いの言葉をお届けしております。  さらに、例年は会場で配布している記念品についても、今年は新成人に直接郵送するなど、会場開催こそはできませんでしたが、可能な限り新成人の門出を祝福しようとする本区の気持ちは評価されるべきであると考えております。  しかしながら、やはり新成人は旧友とともに式典に参加し、その多くが中学校卒業後、様々な道を歩んできた5年間を報告し合い、旧交を温め、今後の進路を話し合って将来の展望を描くなど、成人としての新たな一歩を踏み出すことが一番の望みであったと考えております。  動画配信や記念品の送付だけでは、なかなか成人したという自覚を持つことができなかったのではないでしょうか。この点について、本区の見解をお伺いいたします。  次に、成人式に代わるイベント開催についてお伺いします。  コロナ禍によって式典が中止となり、延期も難しいということであれば、感染状況が収束に向かうことを大前提とはいたしますが、改めて成人式に代わるイベントの開催を検討されてはいかがでしょうか。私のもとにも多くの新成人から同様の声が寄せられております。  例えば、「21歳の集い」などとして、何らかの形で今回の新成人が集まる機会を本区が主導して設けることはできないのでしょうか。  なお、イベントの検討に当たっては、インターネットなどを活用して新成人にアンケートを実施するなど、当事者の声を聴取することが望ましいと考えております。そのための予算措置や日程調整なども必要になるとは思いますが、このイベント開催こそが新成人の気持ちに最も寄り添うものと考えますが、本区の見解をお伺いいたします。  次に、大綱2点目、これからの成人式に関する方向性についてお伺いをいたします。  まずは、今後の成人式についてです。  今年の成人式の開催に向けては、2部制から4部制への変更や検温所の設置など、補正予算を組んで様々な感染症対策を進められたと思いますが、次回、令和4年成人式をどのように実施していくのか、現段階での本区のお考えをお聞かせをお願いいたします。  次に、今後の成人式の開催会場についてお伺いいたします。  本区では長い間、ティアラこうとうで成人式を開催しており、区民の間でも成人式の会場として広く親しまれていることは認識をしております。しかしながら、本区は、臨海部を中心に今なお発展を続けており、そこには商業施設や大規模集客施設が近年、充実してきております。  そこで、私から、昨年9月の補正予算に関する予算審査特別委員会で御提案しましたが、東京2020大会の会場となる予定の有明アリーナや、民間ではありますが、住友不動産が有明ガーデンに整備をされた東京ガーデンシアターなど、臨海部の新成人に対しては、新たな会場での開催を視野に入れてはいかがでしょうか、お伺いをいたします。  なお、本質問とは直接関係はございませんが、地下鉄住吉駅のそばに位置するティアラこうとうは、臨海部からの交通利便性が悪いため、豊洲と住吉駅を結ぶ地下鉄8号線の早期開通を強く希望するところであります。  次に、民法改正と新たな式典についてお伺いします。  周知のとおり、民法改正により、令和4年4月から成人年齢が18歳に引下げをされます。現在、日本全国の自治体が、民法改正後の成人式の対象年齢を何歳とするか、検討しているところだと思います。  本区は昨年、区内の高校生にアンケートを実施し、8割以上が現状のまま20歳で開催するのがよいという回答を得ており、また、18歳の1月は受験や就職活動などで多忙であるなどの理由により、今後も20歳を対象に実施されると決定をされております。この決定は、成人式の主役でもある若者の意見を聞き、若者の立場に寄り添ったものであると高く評価をしているところであります。  一方で、法改正後は18歳で成人として認められ、住居の賃貸借契約や携帯電話の契約をはじめ、様々なことが自分の意思で決定できることとなります。そこで、前述のとおり、本区は民法改正後も20歳を対象に式典を開催しますが、成人となったばかりの18歳に対しても、人生の節目として何らかの取組を行う必要があると考えますが、本区の見解をお伺いいたします。  また、これまでの成人式は、成人になった年度に開催していましたが、法改正後は18歳で成人となり、その2年後の20歳で式典を開催することになります。そのため、これまでの成人式とは式典の趣旨が変わってくる部分もあると思います。よって、成人式という名称をはじめ、内容についても変えていく必要があると思いますが、現段階での本区の見解をお伺いいたします。  質問の結びに、コロナ禍においても多くの自治体が会場開催で成人式を実施されましたが、残念ながら一部報道では、新成人が酒に酔って醜態をさらしたりする迷惑行為がおもしろおかしく取り上げられ、注目を浴びました。しかし、報道されていない多くの新成人は、大人の振る舞いを自覚して参加をされたはずであり、私自身はその報道の在り方に多くの疑念を抱いている1人であります。このことは、成人式をやっぱり開催するべきではなかったという方向へ世論を導く偏向報道であり、報道関係者をはじめ、テレビ番組を見ていると、やっぱり成人式は開催するべきではなかったなどと発言をされたコメンテーターには、強く苦言を呈しておきたいというふうに思います。  つきましては、本区におかれましては、このような偏向報道に動じることなく、この大切な人生の節目である成人式を、今後も継続されることはもちろん、今年の新成人に対しては、新型コロナウイルス感染症が収束している時期であることが大前提ではありますが、成人式の延期開催や、もしくは難しければそれに代わる代替イベントを、緊急事態宣言下の今とは申しません、改めて検討されるよう強く要望し、質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手)    (山崎孝明区長登壇) 19 ◯区長(山崎孝明) にしがき誠議員の御質問にお答えいたします。  令和3年成人式についてお答えします。成人式の中止についてです。  まず、成人式の位置づけについてですが、本区の成人式は、記録が残る昭和32年から現在まで、60年以上続く伝統的な行事であります。成人式は一生に1度の晴れ舞台であり、区にとっても将来の区政を担う新成人を迎え、お祝いする重要なイベントの一つとして位置づけております。  次に、今回の式典中止への評価についてであります。  昨年末より新型コロナウイルス感染症の感染拡大が急激に進行し、1月上旬には、東京都だけで連日2,000名を超える感染者が確認される状況でありました。  式典の中止は、新成人やその御家族をはじめ、医療提供体制を守るために下した苦渋の決断であり、私にとっても極めて不本意なものでしたが、中止の判断はやむを得なかったものと考えております。そうした意味で、私自身も直前まで迷いに迷いましたけれども、こうした決断をいたしまして、その責任の全ては私にあります。  1月17日、成人式後初めての日曜日に、私はレインボータウンFMの区政情報番組、ラジオこうとうに生出演し、今回の中止の経緯について、新成人及び全区民に対して説明とおわびを申し上げ、新成人の方々に対しては改めて祝意をお伝えいたしました。また、中止のプレス発表の際や、2月1日付こうとう区報でも説明とおわびを申し上げたところであります。  万全の体制で新成人の門出をお祝いする決意でしたが、緊急事態宣言の発令という危機的状況下での決断であったことを、御理解いただきたいと思います。  次に、いつどのように、延期でなく中止と意思決定したのかについてです。  区は式典の準備を進める中で、国による緊急事態宣言が発令された場合には式典を中止するとあらかじめ決定しており、区議会へ御説明したところであります。  また、こうとう区報や江東区ホームページのほか、式典の招待状にも、感染拡大状況によっては急遽中止となる場合がある旨を御案内いたしてまいりました。  1月4日に政府が医学的な知見を踏まえた緊急事態宣言発令の検討を開始した点や、医療提供体制の逼迫、式典終了後の飲食を伴う会食などの危険性を総合的に判断し、延期のめども立たない状況であることから、同日正式に延期ではなく中止を決定いたしました。  次に、補正予算を行った意義についてであります。  区は、安全・安心な成人式の実施体制を確保するため、補正予算を組み、感染症対策を進めつつ、式典の準備を行ってきたところであります。結果的に成人式典は中止となりましたが、安全で安心な式典を開催するためには必要不可欠な予算措置であったと理解しております。  また、今回、成人式開催に向け、可能な限りの感染症対策に取り組み、その過程でコロナ禍での式典運営に区として一定の知見を得ることができたことは、来年度以降の安全・安心な成人式運営に生かすことができるものと考えております。  次に、新成人への対応についてお答えします。  中止を書面でなくメールによる連絡にすべきだったのではないかという点についてです。区では、成人式に関する情報発信の速報性確保のため、書面のほか成人式専用SNSを開設し、その周知を図るため、こうとう区報や成人式の招待状にQRコードとともにSNSの紹介をしてまいりました。SNSによる情報伝達には即効性があり、メールと異なり、個人情報の取扱いについても容易となります。  中止の決定の翌日である1月5日から成人式当日まで、開催、中止についての問合せ電話は僅か7件であったことからも、SNSによる情報の周知への効果は高かったと認識しております。  次に、式典の開催こそが成人としての自覚を持つことができる機会だったのではないかという点についてです。  区では、会場での式典開催と並行し、事前に収録した動画をオンライン成人式として公開し、コロナ禍により式典参加をちゅうちょする新成人への対応も踏まえ、準備を進めてまいりました。  式典が中止となり、動画配信によるオンライン成人式と記念品郵送の対応となってしまいましたが、区長の式辞、議長の祝辞のほか、新成人のコメントも放映する構成としたことで、御覧になった新成人の中には、動画を通して大人としての自覚をお持ちになられた方も少なからずいらっしゃったのではないかと思います。  次に、成人式に代わるイベント開催についてです。  今回の成人式の中止により、多くの新成人が落胆していることは、区としても強く認識しているところであります。本当に新成人にはかわいそうなことだったと私も思います。  成人式は若者が大人の仲間入りを果たしたことを祝福する式典であり、一生に1度、20歳を迎える成人の日に、時期を逸することなく実施することに意義があると考えております。  成人式に代わるイベントは、成人式の趣旨よりも同窓会としての要素を強く含むものであり、残念ながらコロナ禍にあってこうしたイベントを自治体が主催するという考えは、現時点ではございません。  にしがき議員の御子息がちょうど成人式をお迎えになられたということも聞いておりまして、保護者として、親としての思いは痛いほど私もよく分かります。私自身も何としても実施したかったところでありまして、区のほうも早め早めに中止の通達を出すべきだという意見も担当部課長からもありましたけれども、何とか開催できないかということで、ぎりぎりまで延ばしたという思いがあります。  このコロナによって様々な今回の今年の新成人のみならず、いろんな方がいろんな被害を被った、いい思い出やあるべきものがなくなったと。学校の修学旅行なんかもその一つだろうというふうに思います。  そのほかにも、長年功績のあった方が勲章をいただいて叙勲の栄に浴された方が、今年は何と陛下に拝謁することもできなかったと。中には勲記を宅急便で送られてきたという方々もいらっしゃって、本当につらい、悲しい、悔しい、残念な思いをしたと思います。そうした方々は、このコロナによってたくさん私、いらっしゃると思うんです。今回、成人の方々には本当にかわいそうな、申し訳ないことをしたと思いますけれども、これをばねにしてこれからの人生をしっかりと歩んでいってほしいなというふうに思います。  なお、その他の御質問については、所管部長から答弁いたさせます。    (伊東直樹地域振興部長登壇) 20 ◯地域振興部長(伊東直樹) これからの成人式に関する方向性についてお答えします。  今後の成人式についてです。  まず、令和4年成人式をどのように実施していくのかについてお答えいたします。  成人式は、新成人の皆様の新たな門出をお祝いするとともに、これから成人としての権利と責任を担い、社会の中核として活躍する新成人の前途を激励する重要な伝統行事であり、区にとっても新成人や保護者の方々に祝意をお伝えできる大切な式典です。  よって、令和4年成人式につきましても、新しい生活様式に適応した開催方法により、コロナ禍においても区民から理解を得られる安全・安心な成人式となるよう、国や東京都の動向を注視しつつ、感染症対策を徹底して式典の開催に向け取り組んでまいります。  次に、臨海部の新たな会場での成人式の分割開催についてです。  本区の臨海部には、民間の大型商業施設をはじめ、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の競技会場や国際展示場など、多くの大規模集客施設が整備されております。こうした大規模施設を活用すれば、コロナ禍においてもおよそ4,000人の新成人を一堂に会しての式典を開催することが可能となります。  しかしながら、成人式という区の伝統的な行事において、特定の地域の新成人のみ別の場所で他地域の新成人と分割して式典を開催することは、区の式典としての一体性を欠くことになると考えております。  また、ティアラこうとうは、江東区民に長く親しまれてきた区を代表する文化・芸術施設であり、区内でも交通利便性のよい立地場所であることからも、成人式典の開催には最も適した会場であると認識しております。  ただし、ティアラこうとうも平成6年の竣工から既に26年が経過していることから、今後いずれかの時期に大規模改修等が必要となりますので、その際には、ティアラこうとうに代わる式典会場を選定することになると考えております。  次に、民法改正と新たな式典についてです。  民法改正に伴う令和4年4月からの成人年齢の引下げに対しては、区は、成人を祝う式典の対象年齢をこれまで同様に20歳とすることを、区内全高校生へのアンケート結果を踏まえ、今年度に決定したところです。  民法改正後、18歳で成人となる若者に対し、区が取り組むべき責務としては、成人としての権利、義務が生じることへの啓発や、一般的な商行為に対する基礎的な知識の習得機会の提供などが考えられます。  一方で、人生の節目を祝う記念式典としての行事は、2年後の20歳となった際に成人を祝う式典を開催することから、18歳の新成人に対しては、お祝いの言葉や成人としての自覚を促すメッセージなどの発信について検討してまいります。  次に、民法改正後の成人を祝う式典の名称や内容についてです。  令和5年以降の成人を祝う式典の実施については、名称や内容を今後検討してまいりますが、これまでの式典内容をベースに再構築していく必要がありますので、区議会の御意見も伺い、また、昨年実施した区内高校生へのアンケート結果も踏まえながら、来年度には式典の実施細目について検討を進めてまいります。   ────────────────────○──────────────────── 21 ◯議長(若林しげる議員) お諮りいたします。  議事進行上の都合により、暫時休憩いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。    (「異議なし」と呼ぶ者あり) 22 ◯議長(若林しげる議員) 御異議がないものと認めまして、暫時休憩いたします。    午後3時07分休憩   ────────────────────○────────────────────    午後3時25分開議 23 ◯議長(若林しげる議員) 休憩前に引き続き会議を開きます。  この際、本日の会議時間を延長いたしておきます。   ────────────────────○──────────────────── 24 ◯議長(若林しげる議員) 一般質問を続けます。  17番鈴木綾子議員。    (17番鈴木綾子議員登壇) 25 ◯17番(鈴木綾子議員) 民政クラブの鈴木綾子です。大綱3点について質問を行います。区長並びに関係理事者の皆様には、明快で前向きな答弁を期待いたします。  大綱1点目は、行財政改革について伺います。  まず、オンラインを活用した行政手続の拡充についてです。  ICTを活用した区民サービスの向上は重要な課題であり、コロナ禍により窓口業務のオンライン化を求める区民の声が一層強まっています。  本区においても、令和3年度予算編成の基本的な考え方にICTを活用した業務の効率化を掲げています。江東区行財政改革計画において、RPAやAIなどを活用した定型業務の自動化や事務作業の効率化などを推進しており、今後予定されている保育園の入園選考業務におけるAIの活用、AI会議録や統合型GISの導入など、より一層のICT活用を期待するところです。  足立区では、来年度からオンラインを活用した行政手続の拡充を進め、オンライン申請できる業務を現在の64種類から200種類まで大幅に拡大するなど、近隣自治体も取組を進めています。  また、政府は2025年までに全国の地方自治体に対し、行政システムをクラウドに移行する方針を固めるなど、行政のデジタル化も加速しているところです。まずは、江東区における行政手続のオンライン化の取組状況と今後の導入について伺います。  また、行政のオンライン化を実現するためには組織体制の整備も重要です。目黒区では、デジタルトランスフォーメーション戦略課を新設し、区の業務のデジタル化と効率化を全庁的に推進することとしています。本区もデジタル化推進のための組織整備を行うべきだと考えますが、見解を伺います。  次に、自治体版マイナポイントについて伺います。  政府は来年度から、地方自治体がマイナンバーカードを活用し、キャッシュレス決済で使えるマイナポイントを住民に付与できる自治体版マイナポイントの仕組みを創設します。ポイントを付与する事業や対象者などの具体的実施方法は各自治体に委ねられており、利用用途としては、子育て世帯を対象とした出産祝い金やタクシー利用補助などの給付金、プレミアム付き商品券の買物額の一定割合の還付など、様々な事業に活用できます。マイナンバーカードの普及率向上や行政のデジタル化にも役立つ仕組みと考えますので、ぜひ導入すべきと考えますが、見解を伺います。
     3番目に、区の職員のテレワークと働き方改革について伺います。  新型コロナウイルス感染拡大防止と事業の継続のため、民間企業だけでなく多くの行政機関がテレワークや在宅勤務を導入するなど、日本人の働き方は大きく変化しました。23区の自治体においても、緊急事態宣言を機にテレワークの導入が加速しています。  私が特別区を対象に行った調査によりますと、23区中16区が区職員のテレワークを試行も含めて実施しており、23区中18区が令和2年度、または令和3年度予算でテレワークに関する事業を予算化しています。  テレワークの導入については、ネットワーク環境や機器整備のほか、テレワークで行う業務の洗い出し、職員の労務管理、人事評価、勤務条件等制度面の検討、情報セキュリティー対策など、様々な課題はあるが、多くの区でスピード感を持った検討を行い、テレワークの導入を実現しています。  昨年の緊急事態宣言を受けた本区の出勤抑制や在宅勤務の状況を受け、6月の区議会本会議で私が代表質問を行った際の答弁は、様々な課題はあるが、テレワークをはじめとする新たな働き方については、全庁横断的に検討を行うというものでした。その後の検討状況と今後の予定について伺います。  まずは、既に区が保有している約100台のテレワーク端末を使い、各部署で実際に使用して検証するなど第一歩を踏み出し、本格実施を目指してはいかがでしょうか、区の見解を伺います。  次に、ワクチン接種について伺います。  新型コロナウイルス収束の切り札とも言われる新型コロナウイルスワクチンの接種について、2月17日から医療従事者への接種が始まり、ワクチン接種に向けた自治体の取組が活発化しています。  本区においても、新型コロナウイルスワクチン接種推進室を新設し、対応を行っているところですが、区民に対し、迅速に安心・安全なワクチン接種を行うために全力を尽くしてほしいと願っております。まずは、新型コロナウイルスワクチンの接種体制について伺います。  ワクチン接種を着実に進めていくために重要な人員確保について、まず伺います。  保健所や庁内の各部署の応援、医師会との連携が想定されますが、具体的にはどのように行うのでしょうか。民間事業者との連携で人員の確保を行っている自治体もありますが、本区における体制について伺います。  また、ワクチン接種については、スムーズな予約や接種管理システムなども重要です。接種証明については、厚労省では、ワクチン接種時に付与される予防接種済証を保管し、活用することとしていますが、紙の接種済証の運用管理の場合、紛失や汚損時に接種履歴の確認などがスムーズに行えないことも想定されます。オンラインによる接種情報管理や予約システムの活用をすべきと考えますが、見解を伺います。  次に、新型コロナウイルスワクチン接種に関する広報と相談体制について伺います。  ワクチン接種について正しい情報を迅速に伝えていくことは、区民の不安を払拭し、接種率の向上にもつながります。区報やホームページ、SNSのほか、様々な手段での周知や啓発が必要になりますが、区としての方針を伺います。  また、ワクチン接種に関するデマや詐欺による被害の発生も懸念されます。消費者庁では、注意を呼びかけ、専用の相談ダイヤルなども開設したところです。本区としても、被害防止や相談などにきめ細やかに取り組むべきと考えますが、区としての対応を伺います。  次に、ワクチン接種は努力義務であり任意でもあるため、接種しないことを自ら選択する人も存在します。この場合、ワクチン接種をしていない人への誹謗中傷や差別も想定されますが、その対応について伺います。  3番目に、帯状疱疹ワクチンについて伺います。  帯状疱疹は、こどもの頃に水ぼうそうに感染後、体内に潜伏していた水痘・帯状疱疹ウイルスが、加齢並びに過労や疲労、ストレスなどに伴い免疫が低下することで再活性化し、水ぶくれを伴う赤い発疹が体の左右のどちらかに帯状に出る疾患です。強い痛みを伴うことも多く、皮膚症状が治った後でも、50歳以上の約2割の方に長い痛みが残る帯状疱疹後神経痛になる可能性があります。日本では、80歳までに約3人に1人が帯状疱疹にかかると言われています。  最近では、コロナ禍のストレスで帯状疱疹を発症する人が増えているとも言われています。50歳以上から高齢者世代のほとんどが、こどもの頃に水ぼうそうを発症していますが、平成26年に幼児へ水ぼうそう予防ワクチン接種が定期化されてからは、こどもが水ぼうそうを発症することが減り、そのために子育て世代の親の免疫が再活性化されなくなったことで、子育て世代及び高齢者について、帯状疱疹が増加傾向にあることが報告されています。まずは、帯状疱疹の発症者が増えている現状を区としてどのように把握しているか、伺います。  次に、帯状疱疹ワクチンの接種助成について伺います。  国内においては、生ワクチンが帯状疱疹の予防として、平成28年の3月に50歳以上の方に対して承認されました。ワクチンには生ワクチンと、令和2年に接種可能となったサブユニットワクチンの2種類があります。任意接種ではありますが、帯状疱疹ワクチンの接種助成をしている自治体も増えてきており、名古屋市では50歳以上、文京区では65歳以上などの方々を対象に、帯状疱疹予防接種の助成を行っています。  ワクチンで防ぐことが可能な病気については、病気を防ぎ、健康レベルや生活の質を高める観点からも、有効なワクチン接種の活用を考慮していくべきだと考えます。人生100年時代に向け、江東区として、帯状疱疹ワクチンの接種費用を助成すべきと考えますが、区の見解を伺います。  大綱3点目は、新しいまちづくりについて伺います。  まず、都市計画マスタープランについて伺います。  コロナ禍により、都市計画マスタープランの策定は1年延期し、令和3年度に策定されることになりました。  都市計画マスタープランのうち、地区別まちづくり方針の策定に区民意見を取り入れるため、地区別ワークショップがこの4月から開催される予定です。万全な感染症対策やICTの活用など、創意工夫を行った上で区民の声を計画に反映していただく場となることを期待いたします。  今回の都市計画マスタープランの策定延期に伴い、まちにおける感染症対策、コロナ禍における生活様式や開発動向の変化に対応したまちづくりが求められていることからも、昨年度作成したまちづくり基本方針案の見直しをしていく必要があると考えます。具体的にどのような見直しを検討していくのか、区の考えを伺います。  次に、海の森地区のまちづくりについて伺います。  海の森は、一昨年裁判で、中央防波堤帰属問題が解決し、その後、公募により町名が決定され、江東区海の森一丁目から三丁目が誕生し、海の森の用途地域などの都市計画を定めることになり、いよいよ本格的なまちづくりに向けた動きの活発化が期待されています。  一方、海の森に隣接する大田区の令和島のまちづくりについては、本年2月に大田区が、空港臨海部グランドビジョン2030を策定し、まちづくりの将来像や基本方針などを独自に検討を進め、令和島をエネルギー拠点や次世代モビリティの実証拠点を目指した「港湾及び研究開発、実証実験の場」として位置づけるなど、新たなまちづくりに向けた計画策定を進められているようです。本区の海の森地区のまちづくりの進め方について伺います。  また、本区では、海の森に隣接する若洲公園において、管理運営にPark-PFIを活用した手法の検討を進め、民間活力の導入によるカフェ等の整備など、公園の魅力向上と財政負担の軽減を進めていくとされています。  若洲公園と海の森公園の連続性を生かしたまちづくりを行うことにより、スポーツやレジャーの拠点として、また広大な土地を活用してドローンや空飛ぶ車、自動運転など、最先端技術の実証実験の場として非常に大きなポテンシャルが発揮できると考えます。区として、若洲と海の森の連携したまちづくりのビジョンについて、今後、埋立てが完了する中央防波堤外側、新海面処分場も見据えてどのように考えるか、区の見解を伺います。  3番目に、臨海部のまちづくりについて伺います。  臨海部のまちづくりについては、東京2020大会後と今後の日本を牽引するベイエリアの将来像を描くため、平成30年10月から、東京都が東京ベイエリアビジョンの策定に向けた検討を行っていましたが、コロナ禍による大会の延期に伴い、策定時期も延びております。  一方で、東京都は、この2月に都政の方向性を示す長期計画「『未来の東京』戦略(案)」を公表し、その中で、持続可能性と経済の両立を目指す東京ベイeSGプロジェクトを臨海部で新たに計画すると発表するなど、新しい動きも出ています。  本区としても、計画策定段階において東京都と緊密に連携を取り、これらの計画内容を都市計画マスタープランに盛り込むなど、整合性の取れた臨海部のまちづくりを計画・推進していくことが求められます。  本区の臨海部における新たなまちづくりについては、新たな開発動向として有明南地区において、昨年12月にコナミホールディングス、テレビ朝日の新たな進出が決定し、多目的ホールやイベント、エンターテインメントスペースなどのにぎわい、文化発信拠点として開発が進められることとなりました。今後、これらの開発事業者に区としてどのようなことを期待していくのか、見解を伺います。  また、青海地区では、昨年9月に東京国際クルーズターミナルが開業しました。コロナ禍によりクルーズ客船のほとんどが入港できず、まだ有効に活用できておりませんが、観光面のポテンシャルは大きく、コロナの収束に向けて今後は盛り上げていく必要があります。クルーズターミナルを活用した区内観光の振興に向けて、区の見解を伺います。  最後に、有明地区の公共施設の整備について伺います。  開発による人口増、行政需要増に伴い、有明地区の公共施設の整備が引き続き課題になっています。令和2年の4月に有明子ども家庭支援センターが開設されたところではありますが、文化センターや出張所、図書館などの整備を求める住民の声も根強く上がっています。  これまでの議会答弁や長期計画においては、まだ具体的な計画はないが、今後の人口動態や行政需要を鑑み、検討するとされています。今後の本格的な出張所の整備を見据え、有明ガーデンなどの大型商業施設に区民サービスセンターや図書サービスコーナーを設置してはいかがでしょうか。  区民サービスセンターで区民ニーズの高い業務を扱い、図書サービスコーナーで区立図書館の所蔵図書の取り寄せ、貸出し、返却などができると、地域住民の利便性も大幅に向上いたします。商業施設の活用など、民間と連携した整備手法も有効であると考えますが、区の見解を伺います。  以上で質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手)    (山崎孝明区長登壇) 26 ◯区長(山崎孝明) 鈴木綾子議員の御質問にお答えいたします。  新しいまちづくりについてのうち、まず、都市計画マスタープランについてであります。  昨年度作成したまちづくり基本方針案の見直しについては、新型コロナウイルス感染症による生活環境の変化などを反映していくことが、今後のまちづくりの視点として欠かせないものと認識しております。  具体的には、働く場と居住の場の融合に加え、オープンスペースの充実やゆとりある歩行者空間の形成などについて、検討していく必要があると考えております。  次に、海の森地区のまちづくりについてであります。  海の森を含む湾岸地区には、産業・物流機能とスポーツ・レクリエーション機能が調和する地区を目指しているほか、区内外の人を引き寄せる交流機能の集積を図るとともに、臨海部の魅力向上に資するにぎわいの拠点として検討を進めております。  海の森地区のまちづくりの進め方については、まずは、こうした方向性について、現在策定中の都市計画マスタープランに位置づけていく考えであります。  また、若洲と連携したまちづくりのビジョンについてですが、海の森と若洲、中央防波堤外側埋立地は、本区の湾岸軸として一体をなしております。  各地区が有している資源やポテンシャルを最大限に生かして、地域の国際競争力を高めていくとともに、水辺のにぎわい創出など、多様な性格を持った空間づくりなどを連携させてまいります。  さらに、現在帰属が確定していない新海面処分場についても、本区と密接不可分な連続した一体的な地域であることから、10年後、20年後を見据えつつ、都と協議、連携を図りながら、本区の湾岸地区と一体となったまちづくりを進めていく必要があると認識しております。  次に、臨海部のまちづくりについてであります。  有明南地区における開発事業者に対する期待については、施設の集客力による地域全体のにぎわいや、区民が憩える地域に開かれたオープンスペースなどの創出のほか、開発事業者が保有する高い情報発信力により、本区の魅力度や知名度が一層向上していくことを期待しております。  また、東京国際クルーズターミナルを活用した区内観光の振興につきましては、新型コロナウイルス感染症が収束した際には、多くの観光客が本区を訪れることが見込まれており、区内各地への誘客やおもてなしに関する事業について、江東区観光協会や民間事業者等と連携を図りながら取組を進めてまいります。  次に、有明地区の公共施設の整備についてですが、現時点において具体的な整備計画はありませんが、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会後の開発動向や人口動態を見据え、区民ニーズを踏まえた公共施設整備が必要であることは認識しております。  必要な公共施設については、地域バランスを考慮した上で規模や機能を検討し、施設の性格や費用対効果も踏まえ、他の施設との複合化・集約化やPFI等の官民連携手法、さらには民間施設の借用についても併せて検討してまいります。  なお、その他の御質問につきましては、所管部長から答弁いたさせます。    (長尾潔政策経営部長登壇) 27 ◯政策経営部長(長尾潔) 次に、行財政改革についての御質問にお答えします。  まず、オンラインを活用した行政手続の拡充についてのうち、本区における行政手続のオンライン化の取組状況と今後の導入についてであります。  現在、オンライン申請が可能な手続は、東京電子自治体共同運営電子申請サービスと、マイナンバーカードによるオンライン申請を合わせて35手続となっております。  江東区情報化推進プランにおいて、電子申請の拡充を施策として掲げており、オンラインで利用できる手続を増やすために、庁内各部署に活用を促し、申請可能な手続が増加しているところであります。  今後は、デジタル化による利便性の向上を区民が実感できるよう、他自治体の取組も参考にしながら、オンラインで行政手続が完結できるデジタル環境の整備を進めてまいります。  また、デジタル化推進のための組織整備についてですが、現在、情報システム課においては、専門的知識を有するエキスパートの配置や、研修や資格取得による知識習得など、ICT人材の活用を図っております。  今後、国のデジタル庁設置や本区におけるさらなるデジタル化の推進によっては、現行の組織体制の見直しや強化を検討してまいります。  次に、自治体版マイナポイントについてであります。  自治体マイナポイント事業については、現金と同様に利用することができる一定額のポイント給付をオンラインから迅速に実現することが可能となる利点があります。  一方で、利用者は、自治体と連携するキャッシュレス決済の導入に加えて、マイナンバーカードの取得とマイキーIDの設定が必要となるなど、利用手続が煩雑であることや、カード保有者に利用者が限られるといった課題があり、マイナポイント給付施策の制度設計によっては、目的に沿った十分な効果が得られない懸念があります。  国においては来年度、自治体マイナポイントモデル事業を実施するとしており、このような先行事例の成果を検証した上で課題の整理を行い、実現の可否を研究してまいります。  次に、区職員のテレワークと働き方改革についてであります。  昨年の出勤抑制を振り返った中で、本区においては、テレワークになじまない業務もあったところであります。しかし、テレワーク対応が可能な業務につきましては、他区の導入事例等も参考とし、御指摘の諸課題を解決して検討を進めてまいりたいと考えております。  なお、テレワーク用端末の使用につきましては、小中学校、保育園、福祉施設等を管理する部署でのコロナ対応に特化した緊急的な業務に活用し、テレワーク実施に向けた検証を行ってまいります。    (綾部吉行健康部次長登壇) 28 ◯健康部次長(綾部吉行) 次に、ワクチン接種についての御質問にお答えいたします。  まず、新型コロナウイルスワクチン接種体制についてです。  本区では、スポーツ施設における集団接種と医療機関での個別接種による接種体制を構築し、接種に必要な医師、看護師等の確保については、江東区医師会のほか、民間事業者委託により体制を整備いたします。  また、高齢者施設の接種体制や接種者の把握において、所管部署と連携し、準備を進めております。接種開始に向け、全庁的な体制で準備を進めてまいります。  さらに、接種状況の管理につきましては、接種情報管理システムにより一括管理を行います。接種券及び接種済証を紛失された場合に、システム上での確認を取ることで円滑に対応してまいります。  予約管理につきましては、オペレーター100人体制での電話予約とWeb予約システムにより、管理してまいります。  次に、新型コロナウイルスワクチン接種に関する広報・相談体制についてです。  ワクチン接種に関する情報は、対象者への個別通知において会場案内や注意事項を示すとともに、区報、ホームページ等でスケジュールや実施会場の案内、ワクチンに関する情報などを随時発信してまいります。  現在、ワクチンの供給状況など、国からの情報が限られておりますが、国、都の動向を注視し、正しい情報発信に努めてまいります。  ワクチン接種に関するデマや詐欺につきましては、被害防止のための啓発を行うとともに、相談があった場合には、適切な機関につなげてまいります。  また、ワクチン接種は、御指摘のとおり努力義務であり、任意接種であります。事情により接種されない方が誹謗中傷や差別を受けることがないように、啓発に努めてまいります。  次に、帯状疱疹ワクチンについてです。  帯状疱疹は、過去に水ぼうそうになった際に感染して神経に潜伏していた水ぼうそうウイルスが、再び活性化して皮膚に痛みを伴う水疱が生じる病気です。加齢や過労、糖尿病などにより、免疫が低下することにより発症し、50歳頃から発症のリスクが高くなり、80歳までにおよそ3分の1の人が経験するとされる感染症であります。  人口構成の高齢化や水痘ワクチンの定期接種化に伴う水ぼうそう患者との接触機会の減少により、免疫が再活性化されることがないため、結果として患者数は増加していると認識しております。区としては、区民の健康を守る上で、医療機関とも連携し、適切に対応することが大切であると考えております。  この帯状疱疹の予防に対して、平成28年に、帯状疱疹ワクチンが50歳以上を適用年齢として承認され、任意接種として現在使用されております。定期接種化については、国の審議会において検討がされていたところですが、今般のコロナウイルスワクチンの検討が最優先となり、議論は一旦止まっているところです。  特別区においては1区のみが費用助成をしていると承知しておりますが、区では今後、国の定期接種化に向けての検討の状況を注視してまいります。     ───────────────────────────────────── 29 ◯議長(若林しげる議員) 18番河野清史議員。    (18番河野清史議員登壇) 30 ◯18番(河野清史議員) 江東区議会公明党の一員として、江東区長期計画のSDGsの精神にある誰一人取り残さない社会の実現の視点を持って、大綱3点にわたって質問いたします。  大綱1点目は、防災の備えの充実についてです。  2021年、来月3月11日で東日本大震災から10年を迎えます。さらに、2019年10月の台風19号では、江東区でも初めて避難勧告が発令され、現在は新型コロナウイルス感染症の拡大が続いております。今後は、地震、水害、感染症と単独での災害だけではなく、複合災害も考え、防災への備えの充実を図っていかなければなりません。  現在、本区の避難の考えでは、在宅避難を重視しており、今以上に在宅での避難における準備が重要となります。そこで、自助の取組について伺います。
     今まで食料、飲料水の準備は比較的進んでいますが、トイレへの備えはまだまだ進んでいないと感じます。特にマンションなどの集合住宅が多い江東区は、停電した場合、水を上層階に上げることができなくなり、断水します。また、配管の亀裂のおそれもあり、トイレの水が流せず使用ができなくなります。だからこそ、各家庭で携帯トイレの備蓄などが必要です。  また、避難所に避難する場合でも、避難所に備蓄されている携帯トイレだけでは対応が困難になるため、食料、水とともに携帯トイレも持参してもらうことが重要です。携帯トイレの必要性をしっかりと区民に周知していき、携帯トイレ等の備蓄の推進をしていくべきと考えますが、見解を伺います。  次に、共助についてです。  大規模水害時の避難で高齢者や障害者をどのように避難させるべきか、地域の方は大変苦慮されております。広域避難や上層階への避難などの避難場所の確保が課題になります。  江東5区でも、江戸川区が事前の広域避難への宿泊補助や、足立区も区内の大学やホテル等と協定を結び、避難先の確保に動いています。本区でも、水害時協定を結び、避難先の確保に取り組んでいますが、なお一層の拡充が必要です。  その中で、都営住宅は共有スペースへの避難を本区と協定を結んでいますが、大規模水害時は、その後の避難生活も含め、以前より我が会派からも、都営住宅の上層階の空き部屋を避難場所として確保を急ぐべきと提案してまいりました。本区としても、都営住宅上層階の避難場所確保をさらに力を入れて交渉し、協定を進めていくべきと考えますが、見解を伺います。  また、本区では、高齢者や障害者などの個別支援計画の策定も進めているところです。個別支援計画は計画だけにとどまらず、実際の支援につなげていくことが重要です。  現在、国では災害対策基本法の改正が行われる予定で、個別支援計画の策定も努力義務になり、今後、計画策定に福祉専門職の関わりが重要と言われております。  大分県別府市では、誰一人取り残さない防災として、ふだんから高齢者や障害者のケアに携わるケアマネジャーや相談支援専門員の福祉専門職に計画づくりへ参加してもらう取組を進めており、別府モデルとして兵庫県でも採用しています。その計画策定とともに、避難を手助けする地域住民との調整が重要で、市の防災部署の職員が調整役を担い、地域住民とともに計画を練り上げ、作成後はそのとおりに避難できるか防災訓練を行い、検証・改善を試みています。  地域住民からは、障害者らと住民が直接話し合う機会ができ、どうすれば皆が助かるかという防災意識が高まったとのことです。  国は、新年度に個別支援計画策定への財政支援を考えており、本区でも、別府モデルのような、実際のコミュニティの中で連携しながら、顔の見える個別支援計画の作成をしていくべきと考えますが、見解を伺います。  次に、拠点避難所について伺います。  現在、避難所の防災倉庫は、備蓄品を置くスペースがとても限られているのが現状です。今年度は、携帯トイレやテント、マスクなどの衛生用品の備蓄を強化してきましたが、今後もさらなる備蓄品の充実が求められていくと思います。そのためには、備蓄スペースの確保が必要です。様々な防災関連の展示を見る中で、タオルや毛布を圧縮袋に入れて保存することができることを知り、防災倉庫のスペース確保に有効ではないかと思いますが、御所見を伺います。  さらに、避難所における防災トイレ計画も重要です。全国で6割の自治体が未整備との報道もあり、本区もその中の一つです。東日本大震災後もいろいろな災害が発生しておりますが、その中で一番困ったことがトイレであると報告されております。水や食べ物は我慢できてもトイレは我慢ができません。また、我慢することで命の危険にさらされることもあります。また、在宅避難の方も、昼間は避難所のトイレを使用するケースがあると聞きます。本区もトイレ対策の司令塔を明確にした防災トイレ計画をしっかりと策定していくべきと強く要望いたしますが、見解を伺います。  また、避難所運営においては、スムーズな受付も密を避ける上で重要です。  新潟県三条市は、マイナンバーカードのICチップの空き容量を活用して、避難所の入退所受付を実施しております。用紙記入だけではなく、読み取り機器を使い、パソコンで管理する方法です。入力ミス防止や人数の把握、今後、避難者がどの避難所にいるかをすぐに探すことができるなど、管理がしやすくなります。本区においても検討してはどうかと考えますが、伺います。  さらに、風水害対策の準備として、昨年10月、我が党の山口代表が気象台OB、OGの活用を提案した気象防災アドバイザーとの連携も、今後有用と考えます。風雨予測や避難の見極めなどで専門の経験が風水害に備える本区の防災力強化につながると思いますが、見解を伺います。  大綱2点目は、教育施策についてです。  2021年度からGIGAスクール構想の実施により、小中学生1人に1台のパソコン端末が貸与され、学校でも家でもそれ以外でも幅広く活用ができ、児童・生徒の可能性を大いに広げていただきたいと期待をしているところです。  その上で、不登校対策について伺います。  本区でも、不登校の児童・生徒は全国と同じく増えている状況です。本区の不登校対策は、問題の早期発見・早期対応に力を入れながら、学校と家庭が連携して未然防止の取組を進めております。  また、新年度予算では、ブリッジスクールにスクールカウンセラーの派遣や、家庭学習に適した教育支援ソフトの導入など、拡充が図られております。  先日、コロナ禍で初めてオンラインの学校公開に参加いたしました。授業や教室の雰囲気が分かり、オンラインでも教室の一番後ろで一緒に出席しているように感じました。  また、青森市では、ICTを活用した授業が不登校の生徒の学習や登校に向けた意欲の向上につながっているとの報告もあります。  今後、朝の会や教室で行う授業に自宅等で参加できるようにするなど、本人に配慮しながらもできるところから始めるべきと考えますが、見解を伺います。  また、オンラインなどでの授業やフリースクールでの授業など、要件を満たせば出席扱いにしていくことも進めていくべきと考えますが、見解を伺います。  次に、NIE(教育に新聞を)について伺います。  NIEとは、学校などで新聞を教材として活用することです。2020年度から順次始まった新学習指導要領には、全ての小中高の学校で、情報活用能力の育成のため新聞などの活用を図ることが初めて明記され、文部科学省の学校図書館整備等5か年計画でも、新聞配備について、単年度で約30億円の予算が計上されています。  本区は、その計画では図書配備や学校司書配置を進めています。しかしながら、学校での新聞配備は、23区を調査したところ、配架をしていないと回答した3区に含まれております。学校における新聞配備の現状について、本区の見解を伺います。  新聞の配備については、児童・生徒が現実社会の諸課題を多面的に考察し、公正に判断する力等を身につけることの重要性に鑑み、発達段階に応じた学校図書館への新聞の複数紙配備を図ると計画ではうたっております。しかしながら、自治体ごとに予算措置をしないとかないません。  世田谷区では、各中学校の3年生の各学級に配備したり、北区では、平成22年度より新聞大好きプロジェクト事業を実施しています。現在、新聞を購読しない世帯も増える中、一方的な情報や好きな情報のみを得るだけではなく、公正に判断する力を身につけるためにも、新聞の活用はICTが進んでも必要なものであると思っております。  最近のコロナ禍で、全校のこどもたちのためになればと、こども新聞等を提供したいとの提案もされているところもあります。本区ゆかりの渋沢栄一氏も日本経済新聞や毎日新聞の前身の会社に関わり、また、各新聞社の印刷工場もある本区としても、教育に新聞を各学校任せではなく、地域貢献も考慮して、教育委員会事務局として考えていくべきと思いますが、見解を伺います。  今後も司書教諭や学校司書とともに、新聞の活用がさらに進むことを期待しております。  大綱3点目は、相談体制の充実についてです。  ひきこもりについて、今まで若者のひきこもりの相談体制の充実などを訴えてまいりました。本区では、15歳以上39歳未満を対象に、こうとうゆーすてっぷの青少年相談事業を実施されております。  その後、ひきこもりの高齢化が進み、内閣府も一昨年、40歳から64歳のひきこもり調査をし、全国で推計61万3,000人で、7割以上が男性、ひきこもりの期間は7年以上が半数との調査結果が発表されました。それは、39歳未満の若者のひきこもりの推計54万1,000人を上回り、ひきこもりの高齢化・長期化が鮮明になったと言われております。  本区のひきこもりの人を本年1月の人口で推計すると、15歳から39歳で2,253人、40歳から64歳で2,765人となり、全国と同じような傾向になります。これからは、本区でも8050問題について本腰を入れて取り組む必要があると考えますが、御所見を伺います。  現在本区では、福祉事務所、保健相談所、障害者支援課など、それぞれの課で対応して連携をしてきましたが、今後はさらに部署横断的な取組が一層求められると考えます。  8050問題でも、親の介護の相談からひきこもりのこどもの相談になったとの話も伺い、今後、本人支援とともに家族支援が重要であり、かつ継続的な支援が求められています。  本年4月からは地域共生社会関連法が施行され、国は、介護や貧困など、複合的な問題を抱えて苦しむ住民に一元的に対応する「断らない窓口」を、全国の市町村に設置していく事業がこの春から本格化していきます。  本区でも8050問題など、複合的な問題解決を目指す窓口をはっきりと打ち出して、組織横断的取組として、国が言う「断らない窓口」の設置・体制整備を進めていくべきと考えますが、御所見を伺います。  次に、おくやみ相談について伺います。  生まれてくるこどもよりお亡くなりになる人が多い社会となり、その傾向は少子高齢化で今後ますます続くと思います。御家族の方がお亡くなりになり、悲しみも癒されない中、数多くの行政手続が必要で、御遺族の負担は大きいと感じます。  昨年の予特で、神戸市のおくやみコーナーの取組を紹介し、本区でのおくやみ相談の実施について要望いたしましたが、その後の検討はいかがでしょうか、伺います。  現在、窓口業務は職員の方の努力により改善されてきております。今後は、マイナンバーカードへの対応の拡充がされるとお聞きします。その中でも、死亡後の手続の簡素化は遺族にとってかなりの負担軽減につながることから、できるところからでも改善をしてほしいとの思いで、改めて質問いたします。  最初に、手続する内容の絞り込みです。  神戸市や松阪市、別府市のおくやみ相談では、窓口での聞き取りで申請内容を整理したり、取手市のおくやみデスクでは、死亡届が提出されたら関係各課で情報を共有し、どの手続が必要かを調べ、それを取りまとめた後に、届出人宛てに案内通知の郵送などを行っております。  また、手続をワンストップにするために、必要書類の作成で同じことを何度も記入しないで済むように、氏名、住所などの基本情報をあらかじめ記載しておくことで、窓口をたらい回しにならないことが大きなメリットです。これは、関係課の窓口の混雑緩和や相談対応などに係る職員負担軽減にもつながると言われております。  内閣官房情報通信技術(IT)総合戦略室も昨年、おくやみコーナー設置ガイドラインを作成して、実施に向けて支援を行っております。  今後、御遺族への負担軽減のため、本区に合ったおくやみ相談の実施、期日や必要書類などを明記した分かりやすいおくやみハンドブックの作成などの取組を進めていくべきと考えますが、本区の所見を伺います。  以上で終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手)    (山崎孝明区長登壇) 31 ◯区長(山崎孝明) 河野清史議員の御質問にお答えします。  初めに、防災の備えについてであります。  まず、家庭における携帯トイレの備蓄についてでありますが、区ではこれまで、災害時に拠点避難所において使用する仮設トイレや簡易トイレなどを備蓄してきました。それに加えて、今年度は新型コロナウイルス感染症対策として、新たに9万8,000回分の携帯トイレを備蓄しております。一方、現在、風水害時の垂直避難や新型コロナウイルス感染症対策としての在宅避難などにおけるトイレについても、事前の備えが必要となります。  また、災害の長期化を想定した場合、避難所への避難に当たっても、携帯トイレの持参について区民に理解してもらうことが必要であります。  今後、災害時に向けた家庭での携帯トイレについて、過去の災害時の事例を紹介するなどして、備蓄の必要性を周知してまいります。  次に、都営住宅の上層階避難所についてであります。  東京都は、令和2年6月、水害時の緊急避難先としての都営住宅等の空き住戸使用に関する要綱を制定しております。これは、水害時の垂直避難の一環として、区市町が都営住宅等の上層部分の空き住戸を使用するため、東京都が一時使用を許可するものであります。現在、23区では足立区及び北区が当該要綱に基づく協定を都と締結しております。本区につきましても、現在、要綱や協定の内容につき、東京都と協議を行っております。  一方、当該取組につきましては、入居状況により年度ごとに使用可能な住戸が変動し、固定されないことや、災害時における区職員の派遣体制等の課題があるものと認識しております。今後、引き続き東京都と協議してまいります。  次に、個別支援計画についてであります。  区では現在、避難行動要支援者名簿登録者のうち、名簿の外部提供に同意された方を対象に、要配慮者の避難を支援する計画である個別計画を作成しております。今年度は、昨年11月より、各災害協力隊に個別計画の作成を依頼し、新型コロナウイルス感染症の影響もある中、現在、各隊で作成を進めております。  また、国においても、個別計画の作成促進に向け、別府市や兵庫県における取組を踏まえ、福祉専門職等の日常の支援者と地域住民が連携して取り組むべきとの方向性が示され、自治体に対する財政支援等の対応が検討されていると聞いております。  今後、こうした国の動向を踏まえ、個別計画の作成を支援する体制の構築に向けて、関係部署と連携して検討してまいります。  次に、避難所の防災倉庫についてであります。  今年度、新型コロナウイルス感染症対策用の物品を新たに調達したことを受け、現在、拠点避難所における防災倉庫内の備蓄物品の見直しや整理を行っております。今後、必要な備蓄物品の確保と併せ、収納器具等を用いた収納と効率的な収納方法について、引き続き検討してまいります。  次に、防災トイレ計画についてであります。  現在、地域防災計画において、トイレの確保及びし尿処理として、区や事業所及び家庭における災害用トイレの確保、し尿の収集・運搬体制の確保、災害用トイレの普及啓発について盛り込んでおります。  他方、国においては、平成28年に避難所におけるトイレの確保・管理ガイドラインを策定しております。当該ガイドラインでは、各種災害用トイレの組合せ例や災害時のトイレの必要数の計算方法など、詳細かつ具体的な内容を記載しております。  今後、当該ガイドラインを参考に、避難所におけるトイレの必要数の確保や、利用の際の組合せなどについて検証してまいります。  次に、避難所入退所受付でのマイナンバーカードの活用についてであります。  これは、マイナンバー自体を用いるものではなく、マイナンバーアプリケーション搭載システムを利用して、マイナンバーカードのICチップにある空き領域に、独自のアプリを書き込むことで運用するものと認識しております。こうした活用により、避難者の居所を正確に把握することができるという効果が期待される一方で、活用に当たっては、専用アプリの開発や、既に配布されたカードへの当該アプリの搭載、また、専用端末の配備等の課題があるものと認識しており、今後、動向を注視してまいります。  次に、気象防災アドバイザーとの連携についてであります。  気象防災アドバイザーは、気象庁が委嘱する防災の知識を兼ね備えた気象の専門家で、住民を対象とした気象講演会の講師や、災害時の気象の見通しの解説等の活動を行う人材であると認識しております。  他方、区では現在、気象庁東京管区気象台と連携し、災害時の気象情報の取得等を行っており、昨年の台風接近時には、新たにオンタイムでのテレビ会議を開催し、情報共有を図るなどの取組を行っております。  気象防災アドバイザーとの連携につきましては、今後、気象台との連携の際のアドバイスや、日頃からの気象解説を通した住民への啓発活動など、気象防災アドバイザーとの連携を既に行っている他自治体の例も参考にしながら研究してまいります。  なお、その他の質問につきましては、所管部長から答弁いたさせます。    (武越信昭教育委員会事務局次長登壇) 32 ◯教育委員会事務局次長(武越信昭) 次に、教育施策についての御質問にお答えいたします。  まず、不登校対策とICT活用についてであります。  オンラインを活用した授業への参加につきましては、現在、緊急時の対応として取組を行っているところですが、ブリッジスクールや民間施設等での指導を受けることが困難な場合において、自宅でオンラインで配信された課題を基に学習を進めることなどが考えられます。  今後、保護者と学校が連携し、ICTを十分に活用することにより、朝の会も含め、個々のこどもの状況に応じた適切な支援について検討を進めてまいります。  また、オンラインやフリースクールの授業の際の出席の取扱いについては、学校とこどもたちの対面による定期的な指導はもちろん、何よりも学校と家庭との十分な連携が必要と考えております。  現在、不登校児童・生徒の出席の取扱いについて、ガイドラインを作成しているところであり、その中で要件を整理し、きめ細やかに対応してまいります。  次に、NIE(教育に新聞を)についてであります。  まず、学校における新聞配備の現状ですが、学校図書館への配架用として一律に購入はしていないものの、多くの学校では新聞の定期購読を行っており、それらを授業にも活用して、複数の記事を比較したり、自分たちの考え方を深め合ったりするなど、効果的な実践が行われているものと認識しております。  次に、新聞を教材として購入することについてであります。  学校図書については、国の図書標準が示されていることもあり、教育委員会が直接購入を行っているところですが、今後は、新聞の配架についても、授業等での活用状況等を確認しながら検討を行ってまいります。  また、区内の新聞社との連携についてですが、既にこども向け新聞の提供を受けている社もあり、今後の活用拡大につきましては、御提案の趣旨も踏まえ、研究を進めてまいります。    (堀田誠福祉部長登壇) 33 ◯福祉部長(堀田誠) 次に、相談体制の充実についての御質問にお答えいたします。  初めに、8050問題等についてであります。  地域のつながりの希薄化や核家族化の進行等に伴い、近隣住民や親族等から支援を受けることが難しくなったこと等により、8050問題やダブルケアなど、制度のはざまの課題や複合的な課題が顕在化してきております。  また、地域福祉計画の策定に当たり実施した調査におきましても、区民等からそれらの課題への対応に関する意見が寄せられております。  これらの問題に適切に対応するためには、行政の縦割りを排除し、包括的な相談支援を行う必要があると認識しております。  また、御指摘の「断らない窓口」につきましては、本人、世帯の属性にかかわらず、相談者の課題を受け止める相談支援であり、地域共生社会の実現のためには必要なものであると認識しております。  今後、先進自治体の事例や区民から寄せられた御意見等を踏まえ、調査研究してまいります。  次に、おくやみ相談等についてであります。  死亡後の行政手続に関しては、本区では7部局9課にわたるため、御遺族にとって負担が大きいことは認識しております。
     一方、死亡届の御遺族からの届出は全体の5%にとどまり、そのほとんどが葬祭業者からの届出となっており、大きな課題と位置づけております。  また、人口増加が続く本区では、大量の転入手続や公証事務に加え、マイナンバーカードの交付や電子証明の更新等が急増しており、コロナ禍において窓口の混雑緩和が喫緊の課題となっております。このため、現時点では、おくやみに特化したワンストップ窓口の創設は困難なものと認識しておりますが、引き続き検討してまいります。  今後は、来年度中に、多岐にわたる行政手続を分かりやすくまとめたおくやみ専門パンフレットを作成する予定であり、御遺族の負担軽減の一助となるよう努力してまいります。     ───────────────────────────────────── 34 ◯議長(若林しげる議員) 43番中村まさ子議員。    (43番中村まさ子議員登壇) 35 ◯43番(中村まさ子議員) 市民の声・江東の中村まさ子です。大綱2点について質問いたします。  まず、江東区の教育について。  この1年、新型コロナウイルスによって教育の分野も大きな影響を受けました。3か月にわたる休校、短縮された夏休みや冬休み、学習時間の不足、各種行事の中止など、こども、保護者、学校が翻弄された1年でした。  昨年の2月27日、安倍前首相は全国一斉の臨時休校を要請しました。その要請に全国99%以上の学校が応えたのですが、その対応を検証する必要があります。  基本原則として、学校保健法には、休校措置の権限は学校設置者にあるとしています。また、新型インフルエンザ対策特措法でも、都道府県知事が学校設置者に休校を要請し、市町村長は教育委員会に必要な措置を講ずるよう求めることができるとされています。首相が一斉休校を要請する法的根拠はありません。新型コロナ対策に名を借りた政治力の行使ではないでしょうか。  また、地方教育行政の組織及び運営に関する法律では、自治体の教育委員会に生徒・児童の保健や環境衛生に関する権限がある。つまり、地域決定の原則があること。そして、教育委員会は学校保健に関して、保健所の協力を求めるという専門機関活用の原則があります。  さらに、学校保健安全法では、一斉休校の前に出席停止や一部休業などの段階的対処の実施が求められています。  幾つもの教育関連法の中で、こどもの健康や安全を保障するために体系化されてきた感染症対策を無視した一斉休校の要請でした。この安倍前首相によるいきなりの一斉休校の要請について、区教委の認識を伺います。また、今後同様な事態になったときの対応はどのように考えているか、伺います。  首相要請による一斉休校の影響は、現在まで深刻なものがあります。こどもの学びの機会がその分、失われたわけですが、文部科学省は学習の遅れを取り戻すよう、学習指導要領の全面実施を求めました。そのため、再開後は、詰め込み教育、こどもや教師の多忙化、家庭の負担増などで教育現場も家庭も限界に追い込まれたのではないでしょうか。  先週、昨年自ら命を絶った小中高校生が過去最多になったことが、文部科学省の有識者会議で報告されました。コロナ禍による社会不安が影響した可能性があると文部科学省は言っています。  それに対して専門家は、休校で学習格差が広がったこと、友人との関係が難しくなったこと、詰め込み教育でこどものケアをする余裕が学校になかったことなどを指摘しています。  保護者が家庭学習に十分関われる家庭ばかりではありません。経済的格差が教育格差に一層あらわに結びつく事態も報道されました。一斉休校によるこどもと学校、家庭への影響はどのようなものだったか、区はそれにどう対応したか、伺います。  GIGAスクール構想について伺います。  2019年12月、突然GIGAスクール構想が発表されました。日本は、教育分野でのICT活用が世界の後塵を拝していることは事実ですが、GIGAスクール構想を無批判に前のめりで進めてよいものでしょうか。  萩生田文部科学大臣は、GIGAスクール構想推進に当たって、Society5.0時代に生きるこどもたちのためにICT環境を整えるとメッセージを発しました。Society5.0は、IT技術の発展と活用により、新たな経済成長と社会的課題の解決も期待できる成長戦略として、経済界の要請で政府が取り入れたものです。GIGAスクール構想はSociety5.0を背景にしています。  国と経済界は、Society5.0を担うことのできる人材育成を公教育に求めています。教育基本法第1条には、「教育は、人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない」とあります。経済界や産業界に貢献する人材育成を目指すわけではありません。まず、Society5.0と公教育の目的について、区教委の認識を伺います。  2018年からの新指導要領では、主体的・対話的で深い学びが強調され、アクティブラーニングが重視されています。しかし、それが定着する間もなくGIGAスクール構想がいきなり立ち上げられました。  GIGAスクール構想では、ITを活用した学習の個別最適化が目指されています。個別最適化が行き過ぎると、学びの質がやせ細ることはないのでしょうか。対話的で協働して進める深い学びとの整合性をどう認識していますか。  オンライン教育は補完的措置であり、対面での教育に取って代わるものではないと考えます。補完的措置が家庭の経済力による教育格差を生み出してはなりませんが、その懸念は払拭できません。教育格差が生じることのないよう、区の取組が必要です。具体的には、少人数学級と職員定数の改善が必要と思いますが、認識を伺います。  また、学校現場には機材だけでなく、民間事業者が提供する教材やプログラムが流れ込むようになります。その質は保証されるのでしょうか。デジタル教育を通じた公教育の民営化に注意が必要です。公教育の公共性が損なわれることはないのでしょうか、伺います。  GIGAスクール構想の開始に伴う電磁波のリスクについて伺います。  WHOは電磁波と電磁波過敏症の関連について、科学的根拠はないとしています。しかし、実際に電磁波による健康被害を訴える人の相談は、今まで何人かの区民から私は受けておりますし、私の家族にも私が感じない電磁波を感じる者がいます。  GIGAスクール構想により無線LANが整備されると、こどもたちは、高周波、低周波の様々な電磁波に囲まれる時間が多くなります。そこで伺います。江東区で電磁波過敏症の児童・生徒、そして教職員を把握しているでしょうか。また、健康被害を出さないために、電磁波の飛ばないエリアや教室を用意することや、有線でつなぐこと、各教室にWi-Fiのスイッチを設置することなどを検討するべきと思いますが、区教委の見解を伺います。  1月のNHKスペシャルで、こどもたちの視力が統計を取り始めてから最も悪くなっていること、その原因として、スマホやゲーム機、オンライン授業で目を酷使することが多くなっていることが報道されました。せめてこども1人1台配付する端末にブルーライトをカットするフィルムを貼って目の保護を図るべきと思いますが、区の認識を伺います。  電磁波について、現行の基準値を超える曝露でないから安全であるという対応ではなく、こどもの健康や安全に関しては、予防原則に基づいた対応を求めるものです。  次に、気候危機について質問いたします。  2020年10月、所信表明演説において菅内閣総理大臣は、2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにすることを宣言しました。それを受けて小池都知事も、2030年までに二酸化炭素50%削減を目指すことを表明しています。  区の環境基本計画(後期)では、現状ベースの対策が進んだ場合、2030年度は2013年比で7.3%の二酸化炭素減少が見込まれるとしています。東京都のゼロエミッション計画と整合を図ると、2030年の削減目標は37.6%と設定されています。今回の国、東京都の脱炭素宣言を考慮すると、江東区の削減目標の見直しが必要になると思いますが、認識を伺います。  炭素予算(カーボンバジェット)という考え方があります。二酸化炭素の過去の排出量とこれからの排出量を勘案し、気候危機を招かないためには、あとどれくらいの排出量が残されているかということです。  パリ協定では、21世紀末までに気温上昇2度以内、できれば1.5度以内に抑えるという国際的な合意がされました。人口を基に計算した場合、江東区の炭素予算はどれくらい残されているでしょうか。2度と1.5度のケースの場合をお伺いします。  それに基づいて、江東区は2050年ゼロカーボンにするために、残された30年間でどのようなペースで二酸化炭素削減を進めなければならないか、お伺いします。そのための取組への決意もお聞きします。  そして、2月15日現在、東京都や世田谷区をはじめ、262自治体が2050年までにゼロカーボンシティとなることを表明しています。江東区もそれに連なるべきではないか、区の意向を伺います。  具体的な施策についてお尋ねします。  区の環境白書によれば、江東区の公共施設では16か所の太陽光発電、3か所の風力・水力発電、そしてPPSからの電力購入など、再生可能エネルギーの導入で7,400トンの二酸化炭素削減ができています。しかし、区内で調達できる太陽光発電は、16か所のうち11か所が10キロワット以下で、規模が大変小さく、二酸化炭素削減量は17トンしかありません。今後どのように太陽光発電を拡充、充実させていくか、伺います。  また、ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)やZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の導入については、どのように進めていくのか、お伺いします。  最後に、熱帯材の利用についてです。  江東区は環境基本計画の中で、地球温暖化の防止に大きく寄与するとして、公共建築物への木材利用の推進をうたっています。  一方で、日本は熱帯材、中でもインドネシアのサラワク材の輸入量は世界で最も多くなっています。  グリーン購入法には、公共事業で使われるコンクリート型枠として、再生材料か、適正な手続を経た持続可能な森林の木材が推奨されています。  東京都の環境物品調達方針には、熱帯木材使用抑制方針が盛り込まれ、板橋区でも区の建築・土木に係る環境配慮手順書に熱帯材型枠の使用抑制が記述されています。  江東区の環境配慮方針、あるいは調達指針などに熱帯材使用抑制は盛り込まれているでしょうか。なければ検討するべき時期だと思いますが、区の現状と今後の対応をお示しください。  森林の破壊と劣化による二酸化炭素排出量は、世界の排出量の17%を占めると言われています。熱帯林は、大気の循環の調整、気候危機防止、保水や土壌保全など、様々な恩恵を人類に与えてきました。生物多様性の宝庫でもあります。行き過ぎた森林開発は、未知の危険なウイルスを人間の社会に呼び込みます。自治体が取り組める世界の森林保全対策と気候危機対策として、公共事業における熱帯材の使用抑制を求めて、質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手)    (山崎孝明区長登壇) 36 ◯区長(山崎孝明) 中村まさ子議員の御質問にお答えします。  気候危機についてであります。  まず、国や都の脱炭素宣言を考慮すると、区においても削減目標の見直しが必要となる認識についてであります。  区では昨年3月、環境基本計画を改定し、二酸化炭素排出量の削減目標について、国や都の計画を踏まえ、2030年を中期目標として37.6%と設定しました。  今般、国や都において宣言や表明が改めてされたところでありますが、現在策定している削減目標の到達点は、国・都が掲げる2050年二酸化炭素排出実質ゼロと同一であります。  区としては、現在の削減目標を維持し、区の施策でこれまで以上に二酸化炭素量の削減を進めてまいります。  次に、炭素予算についてであります。  国が策定する長期低炭素ビジョンによると、気候変動に関して、パリ協定では温室効果ガス排出実質ゼロの目標を達成するためには、科学的知見を踏まえ、炭素予算を使いながら世界全体で取り組むとしており、2012年以降の世界全体での二酸化炭素の累積排出量を約1兆トンに抑える必要があるとしております。しかし、これらは国や国際機関の試算で、地球規模での提言でもあることから、特定の一自治体における条件で算出方法が提示されておりません。また、研究者によって定義や結果は採用する条件で異なるとされております。  本区では、温室効果ガス排出量は、東京都内の全区市町村が使用するみどり東京・温暖化防止プロジェクトを採用しています。この排出量算定は、62区市町村共通の算定手法を用いており、各自治体の地球温暖化防止に係る計画策定や施策に用いる温室効果ガス排出量のデータを算定する手法として活用されております。  温室効果ガス排出量の把握は、温暖化防止施策を展開する上で基礎情報となるものであります。本算定手法の結果を活用し、温暖化防止事業を一層効果的に推進してまいります。  次に、ゼロカーボンシティの表明についてであります。  本区においては、環境基本計画の中で区が目指すべき姿を掲げており、これらの表明と同質の内容を有しております。区の計画を広く周知し、理解を得ることが重要と考えており、引き続き計画で定める取組を着実に進めてまいります。  次に、太陽光発電についてであります。  本区では、区立施設の新築・改築等の機会を捉え、二酸化炭素排出削減と環境負荷の軽減を図るため、太陽光発電を可能な限り設置しています。来年度以降では、住吉の児童向け複合施設、第二大島中学校、第二大島小学校などへの設置を予定しております。また、地球温暖化防止設備導入助成事業において、太陽光発電を導入する区民や事業者に対し、設置費用の一部を助成しており、区報やホームページをはじめ、様々な媒体で周知を行い、引き続き事業の拡充に努めてまいります。  次に、ZEB(ゼブ)やZEH(ゼッチ)の導入についてでありますが、国によれば、どちらも高効率の省エネ設備を備え、消費するエネルギー量を再エネ設備によって大幅に削減させる最先端の建築物であるとされております。本区の公共施設においては、今後研究してまいります。  次に、熱帯材の使用抑制についてであります。  区では平成26年3月に、江東区公共建築物等における木材利用推進方針を定め、公共建築物の建築に当たっては、積極的に国内の木材を使用し、建築物の木材化、木質化を図るとしています。  区の環境配慮方針や調達方針には、特に熱帯材の使用抑制を明記しておりませんが、公共工事においては、契約図面の特記仕様書を定めており、今後も引き続き、適正な手続を経た木材を使用してまいります。  なお、その他の御質問につきましては、所管部長から答弁いたさせます。    (武越信昭教育委員会事務局次長登壇) 37 ◯教育委員会事務局次長(武越信昭) 次に、江東区の教育についての御質問にお答えいたします。  まず、昨年の一斉休校についてですが、新型コロナウイルス感染症の拡大が懸念されつつあった昨年2月25日、今後の臨時休業等の適切な実施など、国の対策本部の決定方針等を受け、教育委員会では、その対応についてあらかじめ情報を収集するとともに、関係部署と協議をしていたところであります。  その後、27日に政府より、全国一斉の臨時休業を要請する方針が示されましたが、これを受け、翌28日には東京都において都立学校は春季休業まで臨時休校とすることを決定するとともに、各区市町村においても適切に対応するよう通知が発出されました。  このような状況下において、区教育委員会として、区の危機管理対策本部会議での決定方針も踏まえ、こどもたちの命を守るため徹底した感染症対策を講じる必要があると判断し、やむなく全校臨時休校の措置を取ったものであります。  なお、今後同様の事態となったときの対応については、国、都の方針や感染状況等を踏まえて判断してまいります。  次に、一斉休校による影響についてですが、休校によりこどもたちは、学校で友達と一緒に学んだり遊んだりするなどの関わりを持つことができなくなり、家庭で個別学習を進めることが求められました。学校は対面での授業ができなくなり、こどもの学びを支えるために、家庭と緊密に連携を図る工夫が必要となり、また、家庭には、こどもの学習への支援や長時間の家庭生活でのフォローが求められたところであります。  このような状況の中で、教育委員会では、学校と家庭をよりよく結び、こどもたちの学びを止めない取組として、オンライン環境の整備と自宅での学習支援を早急に行うとともに、連絡用携帯電話の配備により、家庭でのこどもの様子を定期的に確認し、必要に応じてスクールカウンセラー等による教育相談につなげるなど、各家庭に寄り添いながら適切に対応してきたところであります。  次に、GIGAスクール構想についての御質問のうち、まず、Society5.0と公教育の目的についてのお尋ねです。  Society5.0は、ICT等の技術の活用により、経済発展と社会的課題の解決を両立する人間中心の社会のことで、社会の在り方そのものが劇的に変化することが想定されており、区の新たな教育推進プランでも、教育を取り巻く大きな動きとして記載しております。  また、公教育において、このSociety5.0時代に向けて育むべきものは、変化を前向きに受け止め、社会生活を人間ならではの感性を働かせ、より豊かなものにする資質、能力であると認識しております。  次に、ICTを活用した学習の個別最適化と対話的で協働して進める深い学びとの整合性についてですが、本区で進める新しい学びのスタイルは、両者のベストミックスを目指すものであります。  GIGAスクール構想による1人1台の端末を活用することで、個々のこどもたちの考えを踏まえた双方向型の学習活動をより充実させることが可能です。一人一人の興味や関心に即した主体的な学びや多様な考えに触れる協働的な学びの機会を増やし、こどもたちの深い学びにつなげてまいります。  次に、少人数学級と職員定数の改善についてですが、本区では、これまでも学びスタンダード強化講師等を配置し、個に応じた教育の充実を図っております。今後はこれに加え、ICTをより積極的に活用したきめ細かな教育により、誰もが平等に学べる環境づくりを進めてまいります。  なお、職員定数については、都教育委員会の教職員配置基準に基づき適切に配置されていると認識しております。  また、デジタル教育を通じて公教育の公共性が損なわれているとのお尋ねですが、学習指導要領においては、地域の人々や民間企業等と連携し、協力を得ることが有効であると示されており、民間等の学校外の人的・物的資源の活用については、今後も十分に配慮しながら適切に実施してまいります。  次に、GIGAスクールの開始に伴う電磁波リスクについてですが、電磁波を原因とした体調不良を訴える児童・生徒、教職員がいるとの報告は、これまでのところ受けておりません。  無線LANの整備は、国の電波防護指針に定める、人体に有害な影響を及ぼさない基準値内で実施することから、電磁波の飛ばない場所の確保やWi-Fiスイッチの設置等は必要ないものと考えております。  また、ブルーライトが健康面に与える影響については、医学的な評価が定まっていないことから、現時点で端末へのフィルム貼付等は考えておりませんが、ディスプレイを長時間見続けることのないよう、また、適切な画面の角度や正しい姿勢での使用を指導するなど、児童・生徒の健康には十分留意してまいります。     ───────────────────────────────────── 38 ◯議長(若林しげる議員) 1番金子ひさし議員。    (1番金子ひさし議員登壇) 39 ◯1番(金子ひさし議員) 自由民主党の金子ひさしです。  冒頭、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け逝去された方々に心よりお悔やみを申し上げるとともに、今もなお療養されている方々に心からお見舞いを申し上げます。また、最前線で御奮闘いただいている医療従事者の皆様、日々の生活を支えていただいているエッセンシャルワーカーの皆様に心から感謝を申し上げます。一日も早く日常が戻ってくることを切に願います。  それでは、私より、大綱3点について質問をさせていただきます。区長並びに理事者の皆様、明快な御答弁をよろしくお願い申し上げます。  大綱1点目では、区内新型コロナウイルス陽性患者について質問させていただきます。  年末年始から1月半ばまで、都内での新型コロナウイルス感染患者が急激に増加したことは周知の事実です。本区でも、入院調整等、大変な御労苦があったかと推察いたしますが、区内の陽性患者の現状について、区の認識を伺います。  陽性患者の中には、病院に入院されている方、ホテル療養されている方、自宅療養されている方など、陽性患者の置かれた環境や状況によって様々な療養方法を取っているように聞き及んでいます。陽性患者の方がどのような療養方法を取るかの決定について、保健所はどのような形で関わっているのか、お伺いします。  次に、自宅療養に関して質問させていただきます。  陽性患者は原則、入院措置が取られてきたかと思いますが、現在どういった方が自宅療養となっているのでしょうか。また、その自宅療養者へのバックアップ体制はどうなっているのか、伺います。  従前、自宅療養サポートキットを区は提供してきたかと思いますが、その実績についてお示しください。
     また、都の自宅療養者フォローアップセンターの対象地域拡大に伴い、食料品等の提供について、都が対応するようになると伺っておりますが、今後の区の対応はどう変わっていくのでしょうか。自宅療養サポートキットの区による提供はなくなるのでしょうか、伺います。  各種報道機関が連日、新型コロナウイルスに関わるニュースを報道しております。他自治体のパルスオキシメーターの導入についての報道を目にした際、本区について調べてみたところ、本区では既に貸与を始めている状態でした。本区のパルスオキシメーターの貸与実績についてもお示しください。  次に、自宅療養者の経過観察についてお伺いいたします。  自宅療養されている方には、御家族でお住まいの方、単身でお暮らしの方、障害や重度の疾患を経験された方など様々です。殊単身の方については、お近くに親類や頼れる方がいない場合、全てのことを御自分でしなければならない場合もあり、一切の外出を控えるということも難しい方もいるように感じます。現在、本区において陽性患者の経過観察、管理はどのように行っているのでしょうか、お伺いいたします。  緊急事態宣言下、いまだ予断を許さぬ状況は変わっておりませんが、都民の皆様の外出制限協力や保健所の皆様の御努力もあり、都下の陽性患者発生件数も少しずつ抑えられてきたように思います。  今後、御年齢、御家族とお住まいの方、単身でお住まいの方、認知症や障害をお持ちの方など、陽性患者の属性を細分化し、トリアージしていくことも必要なのではないでしょうか。どの陽性患者を最優先で経過観察すべきかなどを考慮していただくことを要望いたしまして、次の質問に移ります。  大綱2点目では、新型コロナウイルス感染症に係る区の緊急支援策についてお伺いいたします。  本国では、新型コロナウイルスの蔓延により緊急事態宣言が発令され、それとともに日本国全体の経済は大打撃を受けました。国、都、そして区は、停滞した経済に対して、打開策として企業に対して数々の融資策、給付金、補助金を投入してきたかと思います。  そこで伺います。本区でも感染症対策資金融資に始まり、持続化支援家賃給付金、食品卸等支援家賃給付金、テイクアウト・デリバリー応援事業補助金などの緊急支援策を行ってきたかと思いますが、これらの緊急支援策の現状と評価についてお示しください。  緊急事態宣言下で、国民は感染予防のため不要な外出制限の協力を強いられ、それに伴い、外食の減少、余暇の過ごし方の変更など、生活形態もさま変わりしました。外出が減ることで、言うまでもなく、外食サービス産業や観光業などは大打撃を受けることとなりましたが、それらの産業を下支えするための多くの補助がなされてきたと思います。  ここまで国、都、区がそれぞれ支援策を打ち出してきましたが、その支援策に関して少し偏りがあるように感じます。一般的な食品小売業以外の小売業や、観光に携わるサービス業、小売業への助成が足りていないと考えますが、区の見解を伺います。  支援策の偏りに関しましては、国では、地方創生臨時交付金から新たに一時支援金を拠出し、幅広い事業者の支援を行うようであります。しかし、企業、業種の景況感などは区それぞれで特色があり、事情は異なると考えますが、区としてはどういった業種に対して今後支援を行っていくのでしょうか、見解を伺います。  緊急事態宣言下で数々の支援策が行われてきたのはさきに述べたとおりです。少し質問の方向性が変わりますが、こういった支援策や平常時の区内業者向けの助成補助を予算化し、妥当性を検証する際、本区ではどういった指標を判断材料としているのでしょうか、伺います。  現在の緊急事態宣言下での支援策と平常時の助成補助では、判断基準が大きく異なると思いますので、それぞれお答えください。  区内の各法人がどういった経営状況にあるのか、産業の実態把握などはどうやって行っているのかなど、区内業種、各法人の実態把握を完全に行うことは難しいとしても、少なくとも区内法人の業種ごとの景況感などを数値化し、それに沿った支援策を打ち出していくべきと考えますが、区の見解を伺います。  支援施策決定を行う上で、その支援の妥当性を明確な数字、データ等で説明できる必要性を感じます。その点要望いたしまして、次の質問に移ります。  大綱の3点目は、今後の本区の観光推進についてでございます。  初めに、観光推進プランについて伺います。  国の旅行・観光消費動向調査を見ると、2020年7~9月期の日本人国内旅行消費額は、前年同期比56.3%減の2兆9,241億円、日本人国内延べ旅行者数は、前年同期比49.4%減の8,574万人、日本人国内旅行の1人1回当たり旅行単価は、前年同期比13.7%減の3万4,104円となっております。  これらは緊急事態宣言前の統計なので、2度目の緊急事態宣言下にある現在は、GoToトラベルも停止し、不要不急の外出自粛が求められるため、さらに激減していることは想像に難くありません。  新型コロナウイルスの感染拡大が収束に向かい、緊急事態宣言が解除され、通常の日常生活が営めるよう願うばかりでございますが、私の地元である亀戸地区を見ても、観光客は激減し、商店街や観光関連施設も実に寂しい限りです。そこで、まず、現在の区内観光事業についての区の認識を伺います。  江東区は、観光に関するマスタープランである江東区観光推進プランを平成23年3月に策定し、中間年である平成27年度に、オリンピック・パラリンピックの開催や観光を取り巻く社会情勢の変化等を反映した見直しを行っております。ただし、現在のプランは本年度、すなわち令和2年度までの計画となっているとのことです。そこで、伺います。次期観光推進プランの策定はいつ頃考えているのか、そしてプランのない中で、令和3年度以降の観光推進をどのように進めていくのでしょうか、お示しください。  次に、亀戸梅屋敷について伺います。  亀戸梅屋敷は、亀戸地区の5つの商店街の発展のために、地元の資源を活用して、地元住民の集客の核となる商業コミュニティ施設である一方、休憩施設や観光案内所も併設しており、地元住民と観光客が相互に楽しめる空間を提供するものです。本施設は、設置から既に8年余り経過しておりますが、率直に言って、観光案内所であることが旅行者にあまり知られてないというのが私の実感です。亀戸梅屋敷はにぎわいの場として、江戸・下町・亀戸の粋な歴史と文化を発信する拠点として位置づけられています。  コロナ後を見据え、外国人の観光客などが和服を着用して亀戸天神や香取神社にお参りし、食事やまちの散策を楽しめるよう、例えば和服のレンタル業者と提携し、記念写真や食事などもパッケージにするなど、観光を楽しむ場としてもっと工夫が必要だと思います。亀戸梅屋敷の現状についてどのように認識されているのか、区の見解を伺います。  また、亀戸梅屋敷は、経営状況が設置当初よりあまりよくなかったと聞いておりますが、現在は改善されたのでしょうか。コロナウイルスの影響も含め、現在の経営状況と今後の見込みについて伺います。  さらに、区との土地賃貸借契約は令和4年8月をもって終了するとのことですが、今後も引き続き継続するのでしょうか、それとも見直すのでしょうか。今後の見直しについて、区の認識を伺います。  次に、渋沢栄一についてお伺いします。  日本の近代経済社会の基礎を築いた渋沢栄一は、明治9年から12年間、深川福住町、現在の永代二丁目に住み、倉庫会社をはじめ、様々な会社の設立に関与、出資したほか、深川区会議員や区会議長、深川区教育会会長を務めるなど、江東区と深いつながりがあります。  ただ、渋沢栄一と聞くと、生誕の地である埼玉県深谷市や終えんの地である北区は有名ですが、本区に居を構え深いつながりがあったことはあまり知られてはいないのではないでしょうか。この点、区はどう認識しているのか、そして、今までどのような取組を行ってきたのか、お聞かせください。  本年1月に江東区は、埼玉県深谷市や北区、東京商工会議所などで構成する「渋沢栄一翁の顕彰に関する包括連携協定」に新たに加盟したとのことですが、この協定の内容はどのようなものなのか、また、この協定への加盟を機に令和3年度に何か事業展開を考えているのか、お尋ねします。  渋沢栄一は、現在放映中のNHK大河ドラマ「青天を衝け」の主人公であり、令和6年には新1万円札の顔となることが決定しています。旧渋沢家住宅が一般公開となった際には、多くの観光客が訪れるものと思いますが、こうした流れを一過性のブームに終わらせず、継続的な観光資源として地域に生かしていくべきと考えますが、区の見解を伺います。  新型コロナウイルス感染拡大により、地域のにぎわいが乏しくなり、観光推進はなかなか先が見えない状況であります。ぜひとも区内企業や住民とも連携した施策の展開を強く要望して、私の質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手)    (山崎孝明区長登壇) 40 ◯区長(山崎孝明) 金子ひさし議員の御質問にお答えします。  区の観光推進についてのお答えであります。  まず、現在の区内観光事業についての区の認識についてですが、現在、緊急事態宣言が再度発令され、不要不急の外出自粛が求められている中、観光機運そのものが低迷しております。こうした状況下で、区内観光関連事業者は厳しい経営状況に直面していると認識しております。  次に、観光推進プランについてです。  次期観光推進プランの策定につきましては、まずは新型コロナウイルスの感染を抑え込み、新しい生活様式を踏まえた観光の定着や観光の将来予測が見込めるのかを見極めた上で、検討してまいります。  当面の観光推進に当たっては、国の観光立国推進基本計画や都の東京都観光産業振興実行プランなどを参考に、江東区長期計画の指標を活用しながら進めることといたします。  次に、亀戸梅屋敷の現状についての区の認識についてです。  亀戸梅屋敷は、有機野菜の販売や寄席、その他地域と連携したイベントを実施し、ホームページやフェイスブックなどを通じた情報の発信に努めており、また、観光案内用のスペースの拡充を図るなど、設置目的を踏まえた運営が展開されております。  次に、現在の経営状況と今後の見込みについてです。  設立当初は、建築費の増加に伴う借入れの償還額が増加し、厳しい経営状況が続きましたが、人件費の削減や貸室利用料金の見直し、駐車場収入の確保など、経営努力を行った結果、徐々に経営状況は改善されてきております。しかしながら、本年度はコロナ禍で収益が安定しない状況にあると認識しております。  土地賃貸借契約終了後の見通しについては、現時点では確定しておりません。コロナ禍という特別な事情があるとしても、これまでの実績や経営改善策、今後の運営計画などを総合的に検討しながら、適切な時期に判断をしてまいります。  次に、渋沢栄一についてです。  渋沢栄一翁と本区のつながりについては、全国的に知名度は低いと認識しております。そのため、中川船番所資料館において特別展「渋沢栄一と江東」を開催し、大河ドラマに合わせて開催期間を延期したほか、深川東京モダン館や古石場文化センターでは関連講座を、また、江東区観光協会では渋沢栄一ゆかりのまちあるきツアーを行ってまいりました。  次に、本区が1月に加盟した「渋沢栄一翁の顕彰に関する包括連携協定」についてです。  協定の内容は、地域活性化を目的に、渋沢栄一の精神の普及啓発、ドラマ等のメディア誘致、情報収集などについて、互いに連携して取り組むことであります。区では、この協定への加盟を記念し、来年度は講演会や展示会、物産展、イベントツアーなどを企画してまいります。  また、渋沢栄一翁を継続的な観光資源とするため、区では庁内にプロジェクトチームを設置いたしました。今後は、ゆかりの企業等とも連携し、さらにふるさと納税活用事業に位置づけ、展開してまいります。  なお、その他の御質問につきましては、所管部長から答弁いたさせます。    (北村淳子健康部長登壇) 41 ◯健康部長(北村淳子) 次に、区内新型コロナウイルス陽性患者についての御質問にお答えいたします。  まず、区内陽性患者の現状についてです。  区内陽性患者数は、国や都の患者数の増加と同様に、昨年11月に入ると増加し、本年1月7日に1日98人の発生があり、以後、減少に転じて、現在1日10人程度の発生となっております。この間、患者発生時の対応として、患者への保健指導、入院等療養の調整、患者搬送、疫学調査や濃厚接触者対応など、保健所全体で感染者対応と感染拡大防止に努めてまいりました。  新型コロナウイルス感染症患者は、療養方法といたしまして、病院での入院、宿泊療養、あるいは自宅療養があります。その決定方法ですが、保健所は発生届が提出されると、医師、保健師による患者調査を行い、症状の程度や基礎疾患の有無、年齢や介護の必要性などを把握します。その上で、東京都が示す療養形態の判断フローに従い、適切な療養方法を決定いたします。  基本的には、新型コロナウイルス感染症は、感染症法では2類相当に位置づけられており、原則入院となりますが、病床に限りがあるため軽症者は宿泊療養になります。さらに、一定の条件に合致した場合のみが自宅療養になります。  現在、自宅療養者につきましては、20人程度となっております。自宅療養となるのは、65歳未満で無症状または軽症者で、糖尿病や心臓病などの基礎疾患がなく、ひとり暮らしやほかの家族から隔離可能な方が対象となります。自宅療養者には、医師や保健師から毎日電話で発熱や呼吸器症状などの健康観察を行い、症状増悪等が認められた場合には、入院の必要性を判断し、入院時には自宅から医療機関へ搬送しております。  また、自宅療養者のうち、食料提供の希望者には、他区に先駆けて昨年4月28日から、区独自に自宅療養サポートセットとして提供しており、これまで約600人の利用がありました。  なお、本年1月25日からは、都の自宅療養フォローアップセンターが食料品の提供を始めておりますが、療養日数が短いなど、都の対象とならない場合には、従前の区の療養セットをお届けしております。  また、病状把握のためのパルスオキシメーターにつきましても、区は、自宅療養者の急増に伴い、本年1月8日から症状のある方や不安が強い方などに貸出しを行っております。パルスオキシメーターは呼吸器症状の変化の把握に非常に有効であるとされており、これまで120人程度の利用がありました。  自宅療養者の経過観察につきましては、毎日電話で発熱や呼吸器症状等を聞き取り、症状の把握に努めております。症状の有無や変化、パルスオキシメーターによる酸素飽和度、療養上の不安や困り事などを丁寧に聞き取り、その上で必要に応じて、保健所医師の往診や、外来受診並びに入院等の支援を行っております。  今後も引き続き、的確に自宅療養者の支援を行ってまいります。    (伊東直樹地域振興部長登壇) 42 ◯地域振興部長(伊東直樹) 新型コロナウイルス感染症に係る区の緊急支援策についての御質問にお答えします。  初めに、本区の緊急支援策の現状と評価についてです。  コロナ対策資金融資については、1月末時点において約3,000件、232億円の融資のあっせんを行っております。  また、持続化支援家賃給付金及び食品卸等家賃給付金については約2,000件、6億円の家賃支援を行っております。  さらに、テイクアウト・デリバリー応援事業については、延べ100店舗に対し、約700万円の助成を行ったところです。  令和2年度1月末までの本区における倒産件数は28件となっており、前年同月の45件と比べて17件の減少となっています。減少率で見ますとマイナス37.8%となっており、東京都全体の減少率マイナス37.1%をやや上回る数値となっております。  区としましては、国や都の支援も含め、重層的に手厚い支援を行ってきたことにより、事業継続の下支えの効果があったものと考えております。  次に、助成が足りていない業種があるのではないかという点についてです。  持続化給付金をはじめとする国の給付金や、本区の緊急融資や家賃給付など、主な支援は業種を限定せず実施してきたところであり、支援自体に偏りがあったとは認識しておりません。一方で、事業規模によって支援の効果が及びにくい事業者もあるのではないかと考えております。  このほか、国等において様々な施策を実施していることから、事業者がどの支援を受けられるか分かりづらく、結果として支援が届かないこともあると考えます。そのため、本区におきましては、給付金の申請等でお困りの事業者の方を対象としたサポートとして、産業会館にことなびを設置し、相談事業の拡充に努めてきたところです。  次に、区としては、今後どのような業種に対して支援を行っていくのかという点についてです。  区としては、個別業種への直接的な助成よりも、まず、中小企業全体を包括的に支援する制度融資及びそれに伴う利子と保証料の補助を中心とした支援を行ってまいります。その上で、国や都の支援の状況を踏まえ、区として補完すべき支援の在り方を検討してまいります。  次に、助成補助の妥当性を判断する際の材料についてです。  本区では、経済センサス等のデータを参考にするほか、中小企業活性化協議会などを通じた各種経済団体や東京商工会議所などとの情報交換、金融機関へのヒアリングなどにより、各業界の状況把握に努めているところです。また、非常時には、加えて情報交換の頻度を高め、他区との連絡を密にし、判断に生かしてまいりました。  次に、業種ごとの景況感を数値化し、それに沿った支援策を打ち出すべきという点についてです。  区内事業者の景況感につきましては、本区では四半期ごとに製造業、卸売業、小売業、サービス業の景況調査結果をデータ化しているところです。区としましては、景況調査結果や各種業界などからの意見も参考にしながら、迅速かつ公平、妥当性のある施策決定に努めてまいります。  また、来年度には産業実態調査を実施することにより、コロナ禍の影響も含めて、事業者の状況を的確に把握し、区の施策に適切に反映してまいります。 43 ◯議長(若林しげる議員) 以上をもって、一般質問を終了いたします。   ────────────────────○──────────────────── 44 ◯議長(若林しげる議員) お諮りいたします。  明2月26日から3月14日までは、委員会審査のため休会し、来る3月15日午後1時から継続本会議を開会いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    (「異議なし」と呼ぶ者あり) 45 ◯議長(若林しげる議員) 御異議がないものと認めまして、さよう決定いたします。  本日は、これをもって散会いたします。    午後5時23分散会                                         ( 了 ) Copyright (c) Koto City Assembly Minutes, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...