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2018-09-21 平成30年第3回定例会(第10号) 本文
2018-09-21 平成30年第3回定例会(第10号) 名簿

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  1. 江東区議会 2018-09-21
    2018-09-21 平成30年第3回定例会(第10号) 本文


    取得元: 江東区議会公式サイト
    最終取得日: 2021-10-04
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1    午後1時00分開議 ◯議長(佐藤信夫議員) ただいまから、去る9月20日に引き続き会議を開きます。  まず、本日の会議録署名員を指名いたします。18番見山伸路議員、23番山本香代子議員の両議員にお願いをいたします。   ────────────────────○────────────────────    ◎ 一 般 質 問 2 ◯議長(佐藤信夫議員) 昨日に引き続き、一般質問を行います。  本日の質問者は、22番若林しげる議員、5番吉田要議員、10番川北直人議員、18番見山伸路議員、39番佐竹としこ議員、12番釼先美彦議員、30番菅谷俊一議員、37番白岩忠夫議員の8名ですので、これを順次許可いたします。  22番若林しげる議員。    (22番若林しげる議員登壇) 3 ◯22番(若林しげる議員) 自民党の一員として、大綱3点、質問をさせていただきます。  大綱1点目は、幼児教育の無償化について伺います。  若い世代が理想のこどもの数を持たない理由が、子育てや教育にお金がかかり過ぎるからが大きな理由の一つであり、教育費への支援を求める声が多くなっています。子育てと仕事の両立や、子育てや教育にかかる費用の負担が重いことが子育て世代への大きな負担となっており、我が国の少子化問題の一因とも言われております。  こうした中、国では、幼児教育無償化について、これまで段階的推進に取り組んできたところではありますが、子育て世帯の経済的負担を軽減し、社会保障を全世代型へ抜本的に変えるため、幼児教育の無償化を一気に加速することとしました。  平成30年6月には、経済財政運営と改革の基本方針2018において、消費税増税の時期に合わせて幼児教育の無償化を前倒しし、2019年10月からの全面実施が閣議決定されました。  幼児教育無償化となる対象は、3歳から5歳までの全てのこどもと、ゼロ歳から2歳までの非課税世帯のこどもについての幼稚園、保育所、認定こども園の費用を無償化するというもので、それに加えて、幼稚園、保育所、認定こども園以外の施設の費用についても、保育の必要性があると認定されたこどもで、認可保育所などを利用できないこどもを対象として、上限額を設けて無償化することが示されました。  そこで伺います。まず、本区において幼児教育無償化の対象となる人数は全体でどのくらいになると想定しているのでしょうか。恐らく、たくさんのこどもが幼児教育無償化の対象となると思われます。本区としては、来年10月の全面実施に向けて早急な対応が必要となると考えますが、幼児教育無償化の実施に向けた今後の課題を区はどのように認識しているのか、伺います。  さらに、幼児教育無償化が実施されると、これまで以上に長時間の保育を行う保育所を希望する保護者がふえることが想定されます。本区では、待機児童が減少したとはいえ、3歳児に関しては今年度もふえている現状を踏まえますと、今後もさらなる待機児童の増加も見込まれ、その対策が求められます。  待機児童解消に向けた施設整備はもとより、保育現場での保育人材の確保も懸念されるなど、早急に検討すべき課題が山積していると思われます。そこで、本区は、幼児教育の無償化の実施に伴う待機児童対策をどのように考えているのか、今後の取り組みを伺います。  我が国は、健康寿命が世界一の長寿社会を迎え、まさに人生100年時代であります。このような時代には、全ての人が元気に活躍し続けられる社会、安心して暮らすことのできる社会をつくる必要があり、そのための鍵として人材への投資が必要であります。
     昨今では、人口知能など技術革新が進んでおり、新しい産業や雇用が生まれ、社会ではコミュニケーション能力問題解決能力などの重要性が高まっております。このような能力を身につけるためにも、幼児期の教育が特に重要であり、本区においても、幼児教育無償化の実施を通して、次なる時代を切り開くたくさんのこどもたちが世の中で活躍することを期待いたします。  次に、江東区の豪雨対策について伺います。  ことし7月の西日本を中心とした豪雨では、200人以上の方が亡くなり、400人以上の方が負傷されました。改めて亡くなられた方の御冥福をお祈りするとともに、一日も早い復旧・復興を御祈念いたします。  また、台風21号が猛烈な風による被害と高潮を引き起こし、大阪などが大きな被害を受けたことも記憶に新しいところです。大阪市と本区は湾に面し、大河川の河口に位置する低地という似通った特徴を有しており、とても他人事とは思えない危機を感じ、改めて台風も含めた豪雨への対策の必要性を痛感しております。  豪雨に関しましては、先日8月22日に、本区ほか周辺5区が共同で、江東5区大規模水害広域避難計画と5区共通のハザードマップを発表いたしました。これは、記録的な豪雨や大規模台風が襲来した際の荒川洪水や高潮からの広域避難についての検討結果であり、私もこの計画を拝見しましたが、特徴的なのは、どのような気象条件のときに検討を開始し、その後、どういった段階で区民に対し避難を呼びかけていくのかということを、具体的な数値を用いた条件とともに4段階に整理したことです。  荒川の破堤などで浸水した場合、元来の土地の低さにより浸水期間が2週間以上も続くという本区の状況を鑑みると、建物の上の階に避難する垂直避難だけではなく、広域的な避難についての検討が必要であり、実際の行動を想定した基準が設けられたことは一定の成果であると考えます。そこで、この4段階の基準について、どういった考えで定められたもので、それぞれが何を意味しているのか、わかりやすく伺います。  複数の自治体が共同で避難計画やハザードマップを作成した例はほかにはなく、全国で初の取り組みとして評価をするところですが、一方、この計画では具体的な避難先が定められておらず、親戚や知り合いのところへ自主的に避難することや、都内の西側の非浸水エリアにある区市や他県への避難を呼びかけていますが、どのような手段で避難するのか、鉄道やバスの運行はどのような体制がとられるのか、何も定められておりません。このことは、我が党から既にさまざまな指摘をしているところですが、整理する意味で改めて伺います。これらの課題について今後どのように取り組んでいくつもりなのか、お答えください。  また今回、広域避難を基本とする計画が出されたわけですが、避難する時間がなかったり長距離の移動が困難な方については、垂直避難という考えも従来どおり併用され、今回の計画の中でも、氾濫発生予想の9時間前には域内垂直避難の指示に切りかえるとしています。  私の地元、大島で考えると、垂直避難先の一つとして大島南央小学校が考えられますが、もともと海抜の低い地域にあって、この小学校がどのくらい浸水するのか住民にはよく理解されておらず、それも水害に対する不安の一つになっているのではないかと考えます。土地がどれだけ低いのか、どの場所がどのくらいの海抜なのか、住民にわかるようにする必要性について、緊急時に避難する住民の視点から言えば、例えば学校ごとに表示するなどしておく必要があると考えますが、区の考えを伺います。  次に、東京2020オリンピックパラリンピックボランティアについて伺います。  東京2020オリンピックパラリンピックまで、いよいよあと2年を切りました。今年度に入り、観客、関係者の輸送ルートが公表されるなど、大会に向けた準備が加速していることを感じています。そして9月26日からは、大会ボランティア都市ボランティアの募集が始まります。  大会におけるボランティアは、ロンドン大会に代表されるように、近年の大会において大会の顔として、大会の成功に欠かせない役割を担っていると言われています。また、個人が大会に直接かかわることができるものであることから、区民からの関心も非常に高く、ぜひ参加してみたいという声も多く聞かれます。  こうした状況の中で、大会会場の周辺での道案内等を行う都市ボランティアについて、一定の上限はあるものの、日ごろから地域活動を行っている方に積極的に参加してもらいたいとの考えから、希望する都内の市区町村が地域活動している方を推薦することができる旨、公表されています。  私は以前の一般質問の場において、都市ボランティア等について、江東区の会場では、地域に精通した区民の方に従事してもらうべきであると申し上げてきたところであります。我が江東区でも、観光や防災などで地域活動をされている方も多くいらっしゃいますし、ジュニアリーダーの海外派遣は、まさにこうしたボランティアへの参画を目的としたものであります。こうした方々のうち、ぜひ都市ボランティアをやってみたいと希望する方に、積極的に活躍いただくべきであると考えます。そこで、都市ボランティアの推薦について、対象とする方や推薦方法など、区の見解を伺います。  大会ボランティア都市ボランティアといった大会の公式なボランティアに参加し、オリンピックパラリンピックに何らかのかかわりを持ちたいという多くの方々がいる一方、オリンピックパラリンピックのお手伝いはしたいが、公式なボランティアについては、活動日数の基準などがあり、参加するにはハードルが高く応募できないという方、年齢制限から参加できないこどもたち、難しいことはできなくても簡単なお手伝いならできるという御高齢の方々、また音楽やダンス、踊りなど、オリンピックパラリンピックの力になりたいと考えている多くの方がいらっしゃいます。こうした方々の意欲を生かし、活躍の機会を提供していくことは、オリンピックパラリンピックへのさらなる盛り上がりや区の一体感醸成につながるものと考えます。大会に直接かかわることは困難かもしれませんが、国内外から観戦や観光に訪れた方のおもてなしや機運醸成など、区としてやらなければならないことにかかわってもらうことは十分に可能であると思います。  区では、大会に向けて独自ボランティアについて実施していくとのことですが、現時点での独自ボランティアについての考え方や今後の進め方など、区の見解を伺います。  また、活動の内容や場所等については都市ボランティアとの調整が必要となると考えますが、あわせて区の考えを伺います。  多くの方が大会にかかわり、区全体が盛り上がるすばらしいオリンピックパラリンピックになることを願い、質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手)    (山崎孝明区長登壇) 4 ◯区長(山崎孝明) 若林しげる議員の御質問にお答えいたします。  東京2020オリンピックパラリンピックボランティアについてであります。  近年の大会においてボランティアは、大会成功の鍵となる必要不可欠な役割を担っております。また、ボランティアへの参加を通じて世界の人々と交流することは、1964年の東京大会のボランティアに参加した私自身の経験から、人生の大きな糧となり、区にとっても大会後の貴重なレガシーとなると確信しております。  東京、そしてこの江東区でオリンピックパラリンピックボランティアを経験できることは、二度とない貴重な機会であります。ぜひ、多くの区民の方々に積極的に御参加いただきたいと考えております。  そこでまず、都市ボランティア区市町村推薦についてであります。  御指摘のとおり区内の案内については、地元で生活されている方の正確できめ細かな対応が有効であり、これまで区として区議会とともに、ボランティアへの参加を希望する区民については、区内の会場に配置することなどを都に求めてきたところでありますので、本推薦制度については積極的に活用してまいります。  推薦の対象としては、都市ボランティアの趣旨を鑑み、例えば文化観光ガイドや消防団、御指摘のありましたジュニアリーダーなどを初め、観光・交通案内や外国語のスキルを生かした国際交流活動防犯パトロールなどの防災・防犯活動や、青少年育成活動などの地域活動に参加経験がある方を想定いたしております。  また、推薦方法については、地域で活躍されている方々の幅広い参画を得るため公募とし、区報、ホームページを活用し、十分な周知に努めてまいります。  次に、大会に係る区独自のボランティアについてであります。  大会前から期間中にかけて、江東区を訪れる区内外からの来訪者へのおもてなしや、大会開催に向けた機運醸成のため、多くの区民が大会にかかわる取り組みが有益であることなどから、大会の公式ボランティア以外の区独自ボランティアの仕組みを構築し、今年度から取り組みが開始できるよう準備を進めてまいりたいと考えております。  その具体的な内容については、観光案内や交通案内など外国語や観光の知識といった特定のスキルをお持ちの方が参加できるものだけでなく、例えば町の美化といったきれいな町並みをつくる取り組みや、区内全域にわたる打ち水などの暑さ対策に係る取り組みなど、誰もが気楽に参加できる活動もその一形態としてまいります。  また、区で実施するイベント等で、音楽やダンスなど日ごろの活動を披露し、大会を盛り上げる活動なども取り組みの一つとし、区民全員が大会の成功に寄与するサポーターとなることを目指してまいります。  まずは、今年度、既に町の美化や緑化などで活躍いただいているボランティアの方を、大会に向けたサポーターとして位置づけるとともに、ボランティア事務局の開設準備やユニフォーム等の製作など、来年度からの新たな取り組みの拡大に向けた準備を進めてまいります。  次に、東京都の都市ボランティアとの調整についてであります。  東京都が運営する都市ボランティアは、競技会場最寄り駅競技会場周辺での交通案内等を行うとされていますが、現時点において、都市ボランティアの具体的な活動範囲や活動方法など不明な点が多いことから、引き続き東京都等と役割分担について調整を進め、区の役割とされたものについては、積極的にボランティアの皆さんに参加いただき、切れ目のないおもてなしを目指してまいります。  いずれにしても、まだ全容がはっきりと見えておりませんので、具体的にこうするというところまで至っておりませんけれども、東京都や組織委員会との調整というものをどのようにやっていくか、それがこれからの大きな課題になろうというふうに思っております。  なお、その他の御質問につきましては、所管部長より答弁いたさせます。    (武越信昭教育委員会事務局次長登壇) 5 ◯教育委員会事務局次長(武越信昭) 次に、幼児教育無償化についての御質問にお答えします。  まず、幼児教育無償化の対象人数についてのお尋ねですが、いずれも今年度の人数から推計しますと、幼稚園、保育所、認定こども園に通う全ての3歳から5歳のこどもと、ゼロ歳から2歳の非課税世帯のこどもは、合わせて約1万3,000人を見込んでおります。  また、指導監督基準を満たしていないベビーホテル、ベビーシッターなどの認可外保育事業についても、5年間の経過措置として無償化の対象となっておりますが、区では現在、把握ができていないため、見込み人数を立てることが困難となっております。  御指摘のとおり、今後、無償化の実施に伴い、さらなる保育需要の掘り起こし等により、対象者の増加が見込まれるところであります。  次に、幼児教育無償化に向けた今後の課題についてですが、まず無償化実施に係る財源の確保が挙げられます。無償化により、区立幼稚園及び認可保育園の保育料収入が通年化すると、おおむね15億円ほど減収となります。今後、国において制度設計の上、詳細が示されることとなっており、予算編成過程の中で反映をしていくこととなりますが、いまだその内容は不透明であります。このため、無償化に係る費用については、国がみずから財源確保を行うよう、現在、特別区長会を通じて強く要望しているところです。  2つ目として、独自で無償化を先行実施した自治体において、保育需要の拡大により待機児童が増加した例があることからも、本区も今後、需要が増大し、新たに待機児童が発生することが懸念されます。  3つ目として、認可外保育施設の無償化に伴う保育サービスは、これまでの施設に加え、一時預かり保育や病児・病後児保育なども含まれます。したがって、制度開始前には区民への丁寧な周知を行っていくことはもちろんですが、これまで支給認定を申請していない方による申請件数の大幅な増加や、サービス利用後の償還払いなどによる事務量の増加も想定されるところであります。いずれも、無償化によって生じる新たな課題と認識しております。  次に、幼児教育無償化実施に伴う待機児童対策への取り組みについてですが、昨年度より、全庁的な待機児童解消緊急対策本部を立ち上げ、待機児童解消に向けた保育所の整備等を推進した結果、今年度に待機児童は大幅に減少いたしました。しかしながら、先行自治体の例にあるように、無償化の開始に伴い、さらなる保育需要の増加が見込まれることからも、引き続き保育所の整備を基本に、新設する保育所での定期利用保育事業を拡充していくとともに、保育人材の不足についても、その解消に向け、今後も積極的に取り組んでいく必要があります。  また、区立幼稚園においても、3歳児保育及び預かり保育による長時間預かりの対応を検討するなど、あらゆる手法により待機児童の解消に努めてまいります。    (鈴木亨総務部長登壇) 6 ◯総務部長(鈴木亨) 次に、江東区の豪雨対策についての御質問にお答えします。  初めに、江東5区大規模水害広域避難計画の4つの基準についてであります。  同計画では、気象庁と荒川下流河川事務所の協力により、巨大台風襲来による高潮発生の可能性と荒川上流への豪雨による洪水発生の可能性により、避難勧告や避難指示等を段階的に定めております。  まず、氾濫発生の72時間前を第1段階とし、72時間先において東京地方を襲来する台風の中心気圧が930ヘクトパスカル以下の場合、または、荒川流域の3日間の流域平均雨量が400ミリを超えると予測された場合に、5区による検討を開始することとしております。  次に、第2段階として、48時間先において同規模の台風の東京地方への襲来が予測され、かつ同地方への高潮警報発表の可能性が高くなるか、荒川流域の3日間の積算流域平均雨量がおおむね500ミリまでふえると予測された場合に、区民に向けて自主的な広域避難を呼びかけます。  第3段階では、同規模の台風が東京湾から神奈川県付近へ到達すると予測され、気象庁が高潮特別警報発表の可能性に関する記者会見を開く場合、または江東5区に高潮注意報が発表され、その中で堤防を超える潮位が予測される場合、または荒川流域の3日間の積算流域平均雨量が600ミリを超える可能性があると予測される段階まで危険性が高まった場合に、広域避難勧告を出すこととしております。  最終段階では、氾濫発生の9時間前を目安に、第3段階に加え、高潮警報あるいは高潮特別警報が発表された場合、または荒川が氾濫危険水位に達し、さらなる水位上昇が見込まれる場合に、避難手段の困難さ等を鑑み、域内での建物上階や近隣公共施設3階以上への垂直避難を指示という強い形で発信いたします。  次に、江東5区大規模水害広域避難計画の課題への今後の取り組みについてであります。  本計画は、御指摘のとおり、具体的な避難先や避難手段、緊急時の輸送態勢など、まだまだ今後の検討が必要な課題を数多く抱えるものであります。  本年6月に内閣府と東京都が共同で座長を務める首都圏における大規模水害広域避難検討会が設置され、その中には広域避難場所検討と避難手段・誘導検討のワーキンググループが設置されておりますので、この検討会に本区も参画し、引き続き江東5区が連携して残された課題を整理してまいります。  次に、垂直避難先の海抜表示についてであります。  現在、区では江東区洪水ハザードマップを配布しておりますが、この浸水深は基本的に各地点の地盤高に基づき想定されているため、ハザードマップを見ることで、緊急時の避難先となる学校等がどの程度浸水するかについても理解していただけると考えておりますので、引き続きハザードマップの周知に力を入れてまいります。  また、リニューアル作業中の防災アプリには、地点ごとの海抜を確認できる機能を準備しており、アプリの完成とあわせて機能の活用を十分周知してまいります。     ───────────────────────────────────── 7 ◯議長(佐藤信夫議員) 5番吉田要議員。    (5番吉田要議員登壇) 8 ◯5番(吉田要議員) 江東区議会民政クラブの一員として、大綱3点について質問を行わせていただきます。区長並びに関係理事者の明快な御答弁を期待いたします。  大綱1点目は、児童相談所についてです。  児童虐待に関する報道が大変多く、一児の親として悲しみを覚えるばかりでなく、社会の大きな課題に対してどのようにこどもたちを守れるか考える日々でもあります。  本年3月に目黒区で起きた幼女の虐待死はメディアでも大きく取り上げられました。たどたどしい文字でつづられた両親への謝罪文は、悲しみと大きな社会問題を呈しました。  私も江東児童相談所を訪問し、管内で起きている虐待の実態や職員の対応を確認してまいりました。近年急増する虐待通報と対応に追われ疲弊する現場職員の実態。さまざまな現状を知るにつれて、児童相談所の移管には幾つもの大きな壁があることを知りました。弱い立場にある大切なこどもたちを守るために、行政がどのような覚悟で児童相談所の移管という壁に臨むべきか、確認したいと思います。  平成28年5月の児童福祉法改正により、23区でも児童相談所の設置が可能となりました。それを受けて、23区中22区が独自の設置を希望し、本区でも28年度に開設までのロードマップがつくられ、当初は33年の開設予定となりました。その後、都区間の協議の中で職員派遣人数の乖離や、モデルとなる先行3区の確認を優先するとして都区間交渉が難航し、33年開設は困難と結論され、見直しを経て、平成37年開設へと目標が変更されました。  本区では、当初の計画どおり、江戸川、墨田との所管からなる江東児童相談所の移譲を前提としています。江戸川区が32年、墨田区が36年の目標としていますが、本区が37年度開設目標とした理由を伺います。  ハード面に関して、3区の所管からなる江東児相ですが、先行する2区が自前で整備をすれば、必然的に建物が本区に残る形となります。この建物を譲り受ければ、用地確保の問題は解消するかと思いますが、先行モデルとなる世田谷区の運営計画を見ると、区有施設を機能転換の上、設置するようです。この間の都区間交渉を見ても、区側の要求には消極的な東京都の対応を鑑みて、本区がスムーズに用地確保できるのか疑問が残ります。  次に、人材確保の問題についてです。  相談件数の上昇により、江東児相でも1人当たり100件を超える指導や調査を常時担当しているそうです。現場職員は日々寄せられるケース対応に追われており、公務員の働き方改革の面からも厳しい職場環境です。  こどもの権利と利益を第一優先とし、社会から児童虐待を撲滅させることが最優先に求められます。その仕組みとして、区内のネットワークを生かし、きめ細かい相談体制がとれる区立児童相談所の設置は必要であると認識しますが、前述した設置に至るまでの課題を踏まえ、次期長期計画にどのように織り込むか、考えを伺います。  現在、児童虐待の対応は都道府県と市区町村の二元体制で行われており、区には一時保護などの法的権限がないなど、権限を有する都道府県との間で情報の共有不足や認識の相違が課題となっています。児相職員からも、「予防や相談に関するもの全て連絡が入るため、緊急性のある事案への対応がおくれてしまう」とのこと。役割分担を望まれていました。  また、区立児童相談所の設立が目標であってはいけません。こどもたちの心のケアを最優先し、社会的擁護の仕組みづくりを推進させるべきです。そのためにも、専門士の育成や児童精神科との提携等、課題は多いかと思います。  本区では、32年度4月に子ども家庭総合支援拠点の設置を目指しており、現在、子育て支援課と南砂子ども家庭支援センターで担っている体制強化を進めるとしています。  37年度の設置目標が早まらないのであれば、現在の二元体制下においての連携強化が重要です。区内全ての子ども家庭支援センターや児童館、学校等、こどもに関する関係機関との分担強化を進め、全てのこどもたちにとって健全で安全な地域環境をつくらねばならないと考えますが、認識を伺います。  大綱2点目は、地域包括ケアについてです。  2018年度の改革は惑星直列と表現され、医療報酬と介護報酬の同時改定だけでなく、第7次医療計画と第7期介護保険事業計画が重なった年であります。日本型少子高齢化社会の諸課題に対し、医療と介護の垣根を超えて取り組んでいかなければならない大転換期です。  そもそも地域包括ケアシステムは、地域に住んでいる高齢者が、住みなれた地域で自分らしい生活を人生の最後まで持続できるように、介護や医療、住まいや生活支援といった、高齢者を支えるサービスを一体的に提供するシステムです。しかし、介護保険の範囲を超え、医療や地域でのコミュニティまでを構想する壮大なネットワーク構築が、介護保険制度改正のみで語られることに不自然さを感じます。厚生労働省の構想する地域包括ケアシステムは、地域のトータルケアの取り組みであり自治体の責任となるのです。  その前提に立ち、介護保険制度は給付と負担を自治体みずからが行える制度であり、よく聞かれる「国の動向を見て」という答弁は、自治体みずからが考えていないことのあらわれであると思います。大切なことは、区民へのサービスをどこまで行うかという本区の覚悟の問題であります。  まず、第7期がスタートし半年ですが、この間の事業計画に対する評価を伺います。  次に、第7期計画の中で大きなポイントとなるのが、適切な医療と介護の役割分担と連携の推進です。本区における介護療養型医療施設の転換状況と今後の介護医療院の創設の方針について伺います。  2006年度改正以降、国は負担の見直しを進め、7期改定では、2号被保険者の保険料に総報酬割の仕組みを導入し、サービス面では生活援助の報酬が削減されました。  地域共生社会の実現に向けた「我が事・丸ごと」というスローガンのもと、住民主体の運営方針がとられています。本区独自の取り組みとしては、ご近所ミニデイが代表的です。これは、生活援助を担う業務はNPOやボランティアでもできるとして、厚生労働省は非プロフェッショナルのサービスでよしと考えているあらわれです。  在宅サービスにおける生活援助の難しさについて、高齢者の生活パターンは簡単にくくれるものではありません。ボランタリーできめ細かく行う難しさを、地域住民自身が肌で感じているのではないでしょうか。ミニデイの普及に力強さを感じないのも、もともとプロフェッショナル事業者の二次的普及でしかないからかと推察します。  国が負担を抑制しサービスを抑えようとする方針に対し、自治体がそれを認めて追随することがよいことか。国の方針を妄信してボランティアに頼るサービスのあり方を検証するときであると考えます。住民主体の介護のあり方について、見解を伺います。  介護保険制度は普遍性があり、保険料を払っている以上、受給権に合致すればサービスを受ける権利が発生します。どこまでのサービスを行うのか、給付メニューについて自治体は答えを用意しなければなりません。  政治哲学者であるハンナ・アーレントも、公的領域における政治の役割として、もうからないことならば行政がやらなければならないとしています。サービス提供の担い手がいなくなれば、最終的に行政が直接サービスを担わなければならない必要も出てきます。介護行政において、事業者と行政は両輪であることを忘れてはいけません。  今、介護従事者にとって大きな問題となっているのが現場でのハラスメントです。利用者宅で女性従事者が受ける性的ハラスメントや暴力の被害が報道されています。私自身、ヘルパー時代に歯を磨こうとして唾をかけられたり、かまれたり、靴下を履かそうとして頭を殴られた経験があります。  こうした職場環境を職業柄当然のことと片づけてしまっては、介護職に携わる人はますます減り、人材確保が難しくなります。本区は、介護現場におけるハラスメントの実態把握をしているのでしょうか。介護従事者にとって働きやすい環境整備をどのように考えているか、伺います。  4年前に介護の現場から区議会を目指し、幸いにも現在、議員の立場で質問の機会をいただいております。折に触れて関係理事者と質疑や意見交換を行ってまいりましたが、任期最後の一般質問でしたので、介護行政に対する思いの一端を述べさせていただきました。  大綱3点目は、家計相談支援事業についてです。  生活困窮者自立支援制度が平成27年4月より実施されました。自立相談と住居確保給付金支援については、想定を上回る相談件数だったとのこと。  その後の展開として、事業のさらなる周知や庁外の関係機関との連携強化を行ってきたとの報告ですが、数字を見ると、27年度以降の新規相談人数は減少傾向にあります。生活困窮者の支援制度の根幹をなす自立相談支援に行政は広く門戸を開放し、区民に対し寄り添う姿勢で応じるべきと考えます。事業開始から現在に至るまでの評価を伺います。  厚生労働省は、就労準備支援と家計相談支援を効果的に実施した場合に、家計相談支援事業の補助率を引き上げる予定としています。現行の体制でも、多くの自治体が本事業を導入済みと認識しておりますが、他区の状況及び補助率引き上げを受けた場合の区の負担率軽減について伺います。  私は、本件について平成28年2月に一般質問をさせていただきました。家計相談支援事業は、生活困窮に陥る前のセーフティーネットとして、行政が設置すべきサービスであると考えているからです。国や都は、各自治体において任意事業である本制度を本年度までに実施する方向で進めており、前回の答弁では、動向を注視していくとのことでした。  この家計相談支援を初年度から実施し、全国でも好事例として紹介される府中市を視察してまいりました。既存の自立相談支援と制度のはざまで支援が行き届かない方を継続してフォローしていくことが、任意事業である家計相談と明確に位置づけておりました。
     相談者の年代は多岐にわたり、困窮世帯ばかりでなく、子育て世代が将来に向けてキャッシュフロー表を作成したいという動機で来庁される方もふえているそうです。相談事案によって、自立相談員と家計相談員、就労支援員がその場で同席し、専門的に対応していることが、相談者の評価につながっているようです。  周知に関しても、市報やホームページに加え、コンビニやインターネットカフェといった困窮世帯の目に届きやすい場所で、セルフチェック型のカードを設置されていました。相談者にレシートを持参してもらい、家計の収入と支出のチェックを行う。遊興費や過剰な支出に対して、第三者が根拠をもってアドバイスを行う。家計相談は、既にある自身の収入を活用し、安定した生活を維持するための支援制度であり、結果として社会保障費の減に寄与するものと考えます。事業導入について、再度見解を伺います。  家計相談支援は、言うなればお金に関する相談窓口です。大綱1・2点目でもお聞きした問題に対しても有効な窓口となります。児童虐待の大きな要因の一つとして家庭の経済的困窮があり、また、内閣府が行った高齢者の介護に対する意識調査でも、お金に対する不安が上位にありました。  29年度実績によると、生活保護事業費は全体で187億余、民生費総額の820億の2割超を占めます。公正中立な相談窓口が創設され、将来的な保護費抑制の一助となる事業運営を行われることに期待をいたしまして、質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手)    (山崎孝明区長登壇) 9 ◯区長(山崎孝明) 吉田要議員の御質問にお答えします。  児童相談所についての御質問にお答えします。  まず、開設目標時期の延期についてでありますが、区といたしましては、都職員の特別区への派遣や江東児童相談所の建物の移譲など、本区が児童相談所を開設するに当たっての十分な都の支援を前提として、当初、平成33年4月の開設を予定したものであります。  しかしながら、その後の都区協議の中で、都職員の区への派遣や区職員の都の児童相談所における十分な研修受け入れが困難な状況となっております。  また、建物の譲渡など、各区の個別案件について、現時点では都が区との協議に応じないなど、円滑な児童相談所の開設に必要な前提条件が整わない状況となっております。  御存じのように、都はその児童相談所の移管に基本的には反対をしておりましたので、この区側との協議というのはなかなか難しかったのですが、かなり、法律改正もあって、押し込んできました。しかしながら、現実的に職員のその研修、その他についても、非常に難しいことを言っていまして、なかなかこれは進まないと。当面、3つの区を早くしようということにはなっているんですけれども、ほかの22区の全部が、一斉にということはなかなかこれ難しいですよ、そう簡単にはいかない。大事なことは、こどもたちの虐待予防とか、さまざまな対応をどうやってスムーズに事故のないようにするかというのが大事でしてね、制度的にあるいは移管がどうとかって、そういう問題よりもはるかに大事なことは底辺にあるということを、我々認識しているんですけれども、なかなかその辺が一致をしていないというような状況です。  こうした状況を踏まえて、本区においては、拙速な児童相談所開設計画を立てるのではなく、時間をかけてでも十分な職員育成を図りながら開設計画を立てるべきと判断しておりまして、当初の開設予定を延期いたしました。  区は、引き続き江東児童相談所の建物の移譲を都に求めていく考えであり、江東児童相談所が管轄する江戸川区が平成32年度に、墨田区が平成36年度に、それぞれ独自の児童相談所を開設する予定となっていることから、本区では区児童相談所の開設目標を、現時点では平成37年度と設定したものであります。  次に、次期長期計画への織り込みについてですが、児童相談所を開設するに当たりましては、専門職の確保、育成が何より重要であり、区の職員を長期間児童相談所に派遣し、十分な経験を積ませる必要があります。  職員の児童相談所への派遣につきましては、現在特別区全体で調整して、東京都だけでなく、近隣の県や政令市の児童相談所に派遣しておりますが、児童虐待への対応強化から、現在どの自治体も職員の増員を図っており、特別区職員の受け入れ確保が困難な状況となっております。  このような状況でありますので、区としては、開設時期ありきの拙速な計画にするのではなくて、時間をかけてでも十分に職員を育成しながら開設準備を行うことが、結果的にはこどもたちの最善の利益にかなうことになるというふうに考えております。  また、児童相談所の開設には、社会的養護の体制整備が必要となってくることから、次期長期計画作成に当たりましては、このような課題も含めて検討していく必要があると考えております。  次に、役割分担の必要性についてであります。  現在は、児童相談所に比較的軽易な案件から重篤な案件まで、非常に多くの虐待相談が寄せられているため、児童相談所が本来果たすべき機能が十分に発揮できていない状況となっております。このため、28年度の法改正を受けて、都と特別区とで協議した結果、来年度から児童相談所が受けている案件のうち、比較的軽易な案件については区に移すこととなり、現在対応を検討しているところであります。  関係機関の対応強化を図る必要は区としても認識しており、今後、改正児童福祉法により設置が求められている子ども家庭総合支援拠点を含め、虐待予防の観点から、子ども家庭支援センターにおける相談機能の強化について、検討していきたいと考えております。  また、要保護児童対策地域協議会のネットワークを一層強化することで、関係機関が連携し、チームとしてこどもたちを見守ることで虐待予防に努めてまいります。  なお、その他の御質問につきましては、所管部長から答弁いたさせます。    (石川直昭福祉部長登壇) 10 ◯福祉部長(石川直昭) 次に、地域包括ケアについての御質問にお答えをいたします。  まず、第7期介護保険事業計画に対する評価についてですが、江東区高齢者地域包括ケア計画という名称変更が示すとおり、地域包括ケアシステムを構築するという計画の目標を明確にしたことに大きな特徴があります。  いわゆる総合事業については、報酬単価が低いといった課題に対して、介護事業者を初めとした関係者の意見に十分に耳を傾け、改善することによって、事業継続性を高めることができたと評価しております。  また、サービス量の見込みの算定に当たり、広く意見交換等を行い、住民が必要とするサービスを適切に提供できる計画を策定できたことや、介護保険料について、低所得者への軽減策や保険料区分の多段階化など、国の標準的な保険料設定と比べ、被保険者の負担能力に応じたよりきめ細かな設定ができたと評価しております。  次に、介護医療院設置の検討状況についてです。  まず、本区における介護療養型医療施設の転換状況ですが、区内には介護医療院への転換が可能な介護療養型医療施設は1施設ありますが、介護医療院ではなく医療療養病床に転換する方針であると聞いております。  今後の本区における介護医療院の創設の方針ですが、国では、当面は新設による整備ではなく介護療養病床、または医療療養病床からの転換を優先するとしております。  また、介護医療院の必要数や総量規制につきましては、各都道府県の判断によるものとされている中で、都は具体的な指針を示しておらず、都内での整備案件はいまだにない状況であります。  今後、こうした現状を踏まえ、国や都の動向を注視していくとともに、介護医療院も含めた高齢者の介護施設全般において、需要や優先度など、慎重に検討する必要があると考えております。  次に、住民主体の介護のあり方についてですが、平成29年度より実施しているご近所ミニデイは、要支援等と認定されている高齢者を支える拠点として、地域の力で運営をしております。  事業の運営につきましては、ボランティアだけでなく区や社会福祉協議会、長寿サポートセンターなどが常にかかわりながら円滑な運営に努めております。  今後も、こうした事業の成果を検証しつつ、区を初め多様な主体が連携を図り、高齢者を支えていく仕組みを構築する必要があると考えております。  次に、介護現場におけるハラスメントについてですが、現在、実態を把握するための調査等は実施をしておりません。  また、利用者の言動を起因とするトラブルにつきましては、事業所と利用者間で解決すべきものであり、区が介入することは困難であると考えます。  しかしながら、各事業所の環境整備は重要であると認識をしており、介護事業所等職員向け研修を実施し、施設長や管理者などに対して、介護現場での危機管理や職場環境を良好に保つための知識の習得につながる講座を行っております。  今後も、こうした講座の実施など、側面的な支援の充実に努めてまいります。    (杉村勝利生活支援部長登壇) 11 ◯生活支援部長(杉村勝利) 次に、家計相談支援事業についての御質問にお答えいたします。  まず、本区の自立相談支援事業の評価についてです。  生活困窮者自立支援法が平成27年4月に施行され、既に3年を経過いたしました。この間、自立相談の新規相談件数は、平成27年度をピークに減少してきております。しかしながら、自立相談支援事業は、相談者に寄り添い、ともに自立を目指すことを目的とした事業であり、多くが複数回の相談となります。  自立相談においては、繰り返し相談に応ずることで信頼関係を構築し、自立を阻害する諸要因の洗い出しや対策をともに考えることが極めて重要であると考えております。その意味で、新規の相談件数は減少しているものの、延べ相談件数は2,400件から2,500件前後で推移しており、自立相談が減少しているとは捉えておりません。  事業開始から、自立相談支援事業は、生活保護に至る前の相談窓口として着実に区民に浸透し、徐々に定着してきているものと認識しております。今後も、さらなる事業の周知を図るとともに、関係機関との連携強化に努めてまいります。  次に、家計相談支援事業に係る他区の導入状況及び導入した場合の区の負担率軽減についてです。  まず、他区の状況ですが、都内23区中17区で実施されております。また、自立相談支援事業、就労準備支援事業と一体的に実施した際の区の負担率は、今般の生活困窮者自立支援法の改正により、2分の1から3分の1に軽減されることとなります。  次に、家計相談支援事業の導入についてです。  現在、本区では、家計相談は事業としては実施しておらず、自立相談支援事業の中で対応しております。自立相談支援員は、家計相談の研修に参加したり、自己研さんを通じて家計相談に対応しております。また、債務整理等の法的な事案や複雑で専門家の判断が必要な事案については、関係機関と連携し、同行する等の支援を行っているところです。  生活困窮者自立支援法の改正により、家計相談支援事業は家計改善支援事業と名称が改められ、実施が努力義務化となり、国庫補助率の引き上げ等が規定されたことから、国では、家計改善の実施を求め、生活困窮者に対する包括的な支援体制をより強力に推し進めていくものと受けとめております。  しかしながら、家計相談は、家計に関するアドバイスや各種給付の利用調整を行いながら、相談者みずからの家計管理能力の向上を図っていくものであり、事業の導入に当たっては、さまざまな制度上の工夫をする必要があります。  また、年間実績が10件前後の区もあることから、事業の周知方法、相談者が相談しやすい環境づくり、関係機関との連携による紹介の仕組み等、事業の効果を上げるための諸課題を解決しなければなりません。  本区といたしましては、これまでもハローワークと連携した就労相談を初め、相談者それぞれの課題の早期解決に向け、各種支援、相談事業の充実に努めているところであり、生活困窮者に対する包括的な支援体制の強化をうたう法改正の趣旨を踏まえ、引き続き検討してまいります。     ───────────────────────────────────── 12 ◯議長(佐藤信夫議員) 10番川北直人議員。    (10番川北直人議員登壇) 13 ◯10番(川北直人議員) 江東区議会自由民主党の川北直人です。大綱3点について質問いたします。区長並びに関係理事者の明快な御答弁を御期待申し上げます。  質問に先立ち、西日本豪雨や北海道胆振東部地震など、自然災害によってお亡くなりになられた方々の御冥福をお祈り申し上げるとともに、被災者の方々に心よりお見舞いを申し上げます。我々もいつどのような規模の自然災害に見舞われるかわからない中で、過去の事例に基づき、これまで想定外であったことを想定しておく事前防災に全力を尽くす必要があることを申し上げ、質問に入ります。  大綱1点目は、被災時を想定したエネルギーの分散化についてです。  資源のない我が国では、現状、国内で使用されるほとんどのエネルギー源を主に中東からの輸入に頼っており、2016年のエネルギー自給率はわずか約8%という状況です。  国際社会においては、南シナ海、東シナ海において、エネルギー需要を拡大させる新興国による資源獲得競争が展開され、中東からのシーレーンと重なる我が国にとっての安全保障上の脅威となっており、また、シェール革命で天然ガス生産量世界1位となったアメリカの輸出体制の拡大が、中東に依存してきた我が国にとって多角化を進める資源調達先の一つとなって、近年特にLNG輸入量が増加しており、それらを背景の一つに憲法改正の必要性や外交方針、あるいは他国との共同エネルギー技術開発といった、我が国の重要政策や重要課題に結びついております。  東日本大震災後、国民一人一人が、改めて国内外におけるエネルギー情勢の変化や資源のない我が国のエネルギー確保対策に関心を寄せており、我々も、特に被災時のエネルギー確保については、計画されていた物資が届かないという想定外を想定しておく必要があると考えます。  そこでまず、被災時のエネルギー確保に対する計画について、現状と課題、また分散化の状況や必要性に対する認識を伺います。  東日本大震災や熊本地震などの被災地において、都市ガスの復旧や石油製品を中心とした燃料供給体制が整うまでの間、施設の耐震性がすぐれ、他の設備と比較しても被害が少なかったことや、可搬性に富んでいることなどから、LPガスによって熱源を確保した事例が多数報告されており、その後の政府や地方自治体のエネルギー政策においても、LPガス政策に大きな変化が見られます。  主な動向を挙げれば、まず政府は、東日本大震災後の2014年に改定した第4次エネルギー基本計画、そして先日閣議決定された第5次計画においても、LPガスを石油同等に被災時のエネルギー供給の最後のとりでとして位置づけ、北米シェールガス随伴の安価なLPガスの確保と備蓄の拡充、中核充填所の設備強化などを通じて、LPガス供給体制の強化に取り組み、また、避難所となる施設でのLPガス設備の整備と、それに伴う財政措置、LPガス自動車の普及促進などにも取り組んでおります。  また、地方自治体では、避難所となる小中学校の空調設備にLPガス熱源のGHPを導入したり、災害対応バルクの整備、業界団体と災害協定の締結や見直しなども進められており、LPガスを常時、あるいは非常時に使用するエネルギーの一つとして明確に位置づけ、エネルギーの分散化が図られております。  そこで、被災地での実例や政府あるいは他自治体の取り組みを踏まえ、被災時の応急対策としてLPガスを使用することについて、本区のお考えを伺います。  東日本大震災後の2014年、東京都は東京都LPガス協会との間に、災害発生時のLPガス及び燃焼器具の供給等を定めた災害協定を締結しました。  それによると、東京都は、被災時に避難所へLPガス等が円滑に供給されるように、平素から受入体制の整備に努めるよう区市町村に働きかけること、あるいは被災時のLPガス供給については、要請のあった区市町村避難所へ優先的に供給するよう定められておりますが、東京都と本区の間では、LPガスの供給要請や受入体制について、現状どのように整えられているのか、伺います。  現在、特別区23区中7区が東京都LPガス協会や地区支部と防災協定を締結し、同協会の身近な地区支部と連携をとって、被災時の優先供給体制を整えております。  本区枝川には、都内に11カ所あるLPガス供給の中継地点となるLPガス中核充填所の1つが存在していることから、立地条件的にも被災時にLPガスの優先供給を受けやすい地域と言えます。  同協会や地区支部と災害協定を締結し、LPガスの優先供給体制を整備すべきと考えますが、区の見解を伺います。  また、都市ガスが普及する地域においても、被災時等を想定し、意図的にLPガス設備を整備する自治体が出現する中、本区において避難所等へのLPガス燃焼器具の整備や、庁有車にLPガス車両を加えることを検討すべきと考えますが、あわせて御所見を伺います。  大綱の2点目は、災害に強いまちづくりについて伺います。  本区では、災害に強いまちづくりの一環として、耐震改修促進計画に基づいて、戸建て木造住宅の耐震化を進めるため、改修工事による補強、あるいは除却して建てかえの2つの手法に対して助成制度を設けており、対象となる木造戸建て住宅所有者の区民に対しては、地元建築士事務所協会の協力も得ながら、制度の周知や耐震化、あるいは除却、建てかえを推奨しております。  そのような中、今年度より老朽建築物除却助成制度の拡充が図られ、昭和45年以前着工、旧々耐震基準の木造住宅に加えて、昭和46年から昭和56年着工の旧耐震基準によって建てられた木造住宅も助成対象となりました。  災害に強いまちづくりをさらに進める上で、助成制度の拡充は大変評価されることと認識をしており、平成25年当時で旧々耐震4,700戸、今回助成対象に加わった旧耐震3,000戸と合わせて約7,700戸の未耐震木造戸建て住宅が残存する本区において、助成対象となる住宅所有者への本制度の周知と除却、あるいは耐震化の促進については、今後も全力を傾注すべきであります。  災害に強いまちづくりを目指し、老朽建築物を除却していくことに対する本区の決意について、まず伺います。  今回、除却対象範囲が拡大されたものの、現行制度の対象となる昭和45年以前着工の建物の用途が、戸建て住宅に加えて、併用住宅、共同住宅、長屋と広範囲であるのに対し、拡充された昭和46年から昭和56年着工の対象となる建物の用途は、戸建て住宅のみ、かつ所有者居住住宅に限定されております。  これは、助成を受ける上で必須条件となっている簡易耐震診断について、その対象となる建物が前述の用途に限られてしまっているからであり、木造住宅全体の耐震化をさらに進めるためには、併用住宅、共同住宅、また長屋等、多様な用途の木造住宅も対象に加え、さらには所有者居住住宅の要件についても撤廃する必要があるのではないでしょうか。  限定的となっている簡易耐震診断の建物用途を拡大し、老朽建築物、あるいは未耐震建物の除却や耐震化、建てかえの促進を図るべきと考えますが、本区のお考えを伺います。  本年6月には、耐震改修促進法に基づく耐震診断結果が公表されました。特定緊急輸送道路の沿道や大規模建築物について、旧耐震基準で建築された建物の耐震化の進捗状況が公表されたことで、今後は未耐震建物の耐震化が促進されることに期待が寄せられます。  特に、被災時の物資輸送のかなめとなる東西方向に走る特定緊急輸送道路沿道の耐震化について、その必要性、緊急性が高いことから、近年、沿道建築物の耐震化が進んでおります。  一方で、一般緊急輸送道路となる清澄通り、三ツ目通り、四ツ目通りや明治通り、丸八通りといった、南北に走る道路沿道の耐震化に向けた取り組みはどのようになっているのでしょうか。  東西方向の特定緊急輸送道路沿道の耐震化と同時に、南北方向の一般緊急輸送道路沿道の耐震化を進めることが、被災時における区内全域にわたる緊急輸送道路網の機能を維持することにつながり、真に安全なまちづくりに資する取り組みであると考えます。一般緊急輸送道路沿道の耐震化について、現状の取り組みと今後の課題について伺います。  大綱3点目は、障害者施策についてです。  東京2020オリンピックパラリンピック大会まで2年を切り、大会成功に向けた本区独自の取り組みや、大会後を見据えたまちづくり、施策の展開に期待が寄せられます。  特に東京大会成功の鍵は、いかにパラリンピック大会を成功に導くか、あるいはこれを契機としてさらに障害者施策を充実、発展させるかにかかっていると言っても過言ではありません。障害者一人一人に寄り添える組織体制の強化、障害の有無にかかわらず共生できる地域社会の創出、そして障害者の自立支援といった、障害者施策のさらなる発展を求めて質問いたします。  塩浜福祉園については、今般、区で指定管理者の選定を実施し、本定例会にも議案として提出されておりますが、指定管理者制度の導入により、利用者にとってもさらなるサービス充実が図られるものと期待を寄せます。  そこで、塩浜福祉園の指定管理者導入による効果について、利用者の見地に立って具体的にどのような充実が図られるのか、伺います。  一方で、運営が指定管理者へと移行することについては、利用者やその御家族の不安を払拭し、施設の充実を図っていく姿勢が事業者には求められます。この点についてどのように対処していくのか、また、事業者選定に際して区として何を重要視したのか、伺います。  また、真に利用者や御家族に愛される施設へと発展させていくために、今後どのように運営されるべきか、今後の展望についても伺います。  国における平成30年度障害福祉サービス等の報酬改定においては、例えば放課後等デイサービスの給付費については、利用者の状態像の区分に応じて報酬が設定されるなど、障害者の重度化、高齢化への対応、医療的ケア児への支援や就労支援サービスの質の向上などの課題への対応や新サービスの報酬、基準の設定といった大幅な改正が行われております。  引き続き国の動向を注視しつつも、本区においては、人口増加に伴い障害がある方々も着実に増加している中、障害者施設整備については、さらに強力に推進していかなくてはなりません。  障害者多機能型入所施設、放課後等デイサービス、基幹相談支援センターなど、今後の障害者施設全般の整備をどのように進めていくのか、伺います。  最後に、障害者施策の展開に向けた体制強化について伺います。  障害者支援を一層充実させていくためには、着実な障害者施設の整備、指定管理に移行する塩浜福祉園を含めた民間運営による施設への運営指導の強化など、計画立案力やチェック体制の強化などに取り組む必要があります。  中でも、地域における障害者の自立生活支援の推進は極めて重要であり、企業への就労支援や社会生活を築くための定着・生活支援についても、より一層の充実が求められていると考えます。  高齢者施策、あるいは子育て施策においては、複数の課が役割を分担し、施策の展開に当たっておりますが、障害者施策についても、例えば就労支援、定着支援について外部委託するなど、民間の力をさらに活用することも含め、組織の見直しなど、総合的な体制強化を図っていくべきと考えますが、区の見解を伺い、私の質問を終わります。
     御清聴ありがとうございました。(拍手)    (山崎孝明区長登壇) 14 ◯区長(山崎孝明) 川北直人議員の御質問にお答えします。  障害者施策についての御質問のうち、まず、塩浜福祉園の指定管理者導入の効果でありますが、専門性の高い職員により、障害特性に応じた利用者支援の向上が図られるほか、支援時間の延長など、民間のノウハウ活用による柔軟な支援サービスの展開が期待できるものと考えております。  導入に伴う利用者や御家族の不安の払拭については、まず指定管理者として決定した後、事業者を紹介する家族会を早急に開催いたします。  また、11月から5カ月間の運営引き継ぎの確実な実施や、事業者運営施設の見学会の開催など、さまざまな機会を通じて、利用者や御家族との円滑なコミュニケーションの構築に向け、事業者とともに取り組んでまいります。  なお、事業者選定においては、書類審査、法人が運営する施設の現地視察、ヒアリングを通し、法人の実績やノウハウを精査するとともに、特に移行後の職員配置や利用者家族との関係構築を重要視し、審査、選定したところであります。  今後の展望についてでありますが、事業者への運営引き継ぎを確実に行い、利用者、御家族との信頼関係の構築、支援サービスの拡充を期待するとともに、御指摘のような利用者や御家族に愛される施設として発展するため、区といたしましても、事業者とともに努めてまいります。  次に、障害者施設の整備についてであります。  御指摘のとおり、本区の人口は他の自治体に類を見ないほど増加の一途をたどっており、障害者も増加傾向にあります。本区といたしましては、障害者多機能型入所施設を区内の地域支援ネットワークのかなめとして、長期計画(後期)に基づき、平成31年度設計着手を目指してまいります。  日常生活や地域生活への移行を支援する入所施設に加え、短期入所や日中活動の場などの機能についても検討してまいります。  また、地域における相談支援の中核的な役割を担う基幹相談支援センター、放課後等デイサービスなどの障害児通所施設、グループホームなどの各障害者施設につきましても、増加する障害者や高度化、多様化するニーズなどの状況を踏まえ、整備に努めてまいります。  次に、障害者施策の展開に向けた体制強化についてであります。  昨今、障害者の重度化、高齢化の傾向が強まり、医療的ケア児の支援の必要性が増すなど、障害者を取り巻く状況は年々変化してきております。こうした中で、それぞれの障害特性を踏まえ、障害者一人一人が望む地域生活の実現に向けて、きめ細やかで適切な支援を行うことが不可欠であります。  組織体制については、来年度には塩浜福祉園も指定管理者による運営が開始されることから、民間施設への運営指導の強化も含め、障害者施策に係る執行体制の強化について検討してまいります。  企業への就労・定着支援につきましては、今後もハローワークや民間の障害者就労支援機関と緊密に連携し、自立生活に向けたチーム支援として取り組むとともに、障害者をめぐる環境の変化を踏まえ、さまざまな分野における民間活力のさらなる活用についても検討してまいります。  今後とも、障害のある人もない人もともに支え合い、地域で安心して暮らすことのできる共生社会の実現に向けて、障害者施設の適切な整備、運営、障害者施策の展開に向けた体制強化に取り組んでまいります。  なお、その他の御質問につきましては、所管部長から答弁いたさせます。    (鈴木亨総務部長登壇) 15 ◯総務部長(鈴木亨) 次に、被災時を想定したエネルギーの分散化についての御質問にお答えします。  初めに、被災時のエネルギー確保に対する計画等についてであります。  本区では、災害時に電気やガスが使用できない場合の避難所でのエネルギーは、ガソリンを用いた発電機による非常用電源を基本としております。  区では、東京都石油商業組合江東支部とガソリン等の供給について優先供給協定を結んでおり、発災時にも一定の燃料は確保できるものと考えております。  しかしながら、今月6日に発生した北海道胆振東部地震の際の大規模停電の発生と復旧までの混乱に鑑みると、エネルギーの選択肢をふやしておくことについては、さらなる検討も必要であると認識しております。  次に、災害時の応急対策として、LPガスを使用することについてであります。  避難所でのLPガスの活用として、有効性の高いものに炊き出し器具での使用が挙げられます。災害時には避難所は地域の方を中心とした運営となりますが、LPガスによる大型の炊き出し器具は大量の調理に適しております。また、区と協定を締結している麺類協同組合による炊き出しの際などにも有効であると考えます。  次に、東京都との間でのLPガスの供給や受入体制についてであります。  既に東京都より、東京都LPガス協会との協定の説明は受けております。災害時に都を通じて協会にLPガスの供給を要請できることも確認しておりますが、それ以上の働きかけ等は特段ない状況であり、現在本区においては、受入体制等の詳細は定まっておりません。  次に、LPガス協会支部との災害協定についてであります。  LPガス協会の支部と個別に協定を締結している区があることは認識しております。区では現在、日本赤十字社から提供された炊き出し器具を5台所有しており、地域訓練の際に炊き出し訓練に活用するなどしております。  炊き出し用のLPガスの備蓄は、安全管理上の理由から難しいため、災害時のLPガスの調達を確実なものにするためには、協会支部との協定は有効な手段であると考えます。  次に、避難所等へのLPガス燃焼器具の整備や庁有車へのLPガス車の導入についてであります。  燃焼器具としては、現在、灯油を使用する炊き出し用器具を各拠点避難所に2台ずつ備蓄しており、これに加えてLPガスを使用する機器を備蓄することについては、災害時の燃料調達リスクの分散化の視点から有意義であると考えますが、費用対効果等十分な検討が必要であると考えます。  庁有車につきましては、ガソリン自動車に加え電気自動車、プラグインハイブリッド車、水素燃料車を導入しており、地震体験車はLPガス車を導入していることから、エネルギーの調達リスクはある程度分散化されているものと考えますが、今後も更新や導入の際には、災害時のエネルギー調達リスクの分散を考慮しながら選定をしてまいります。    (長尾潔都市整備部長登壇) 16 ◯都市整備部長(長尾潔) 次に、災害に強いまちづくりについての御質問にお答えいたします。  初めに、老朽建築物の除却についてです。  本区は、昭和56年以前に建てられた戸建て木造住宅の耐震化に取り組んでおりますが、これらは建築から40年を超えるものが多くなっております。  こうした住宅は、耐震化や不燃化の必要性に加えて、屋根、外壁、床の段差、衛生設備など、機能全般としても更新時期を迎えつつあることから、建てかえの選択にも対応するため、今年度から老朽建築物除却助成を拡充したところであります。  拡充以前を含め350件余に助成をしてまいりましたが、一層の利用促進を図るため、区報やホームページに利用案内を掲載するほか、区民まつりや区役所で開催する耐震工法展示会の機会に、区民に直接PRを行っております。  今後も災害に強いまちづくりを目指し、建てかえにつながる老朽建築物除却助成の活用を促進してまいります。  次に、簡易耐震診断についてです。  戸建て木造住宅の耐震補強や除却の場合、助成利用の入り口として、本区登録の木造住宅耐震診断士による簡易耐震診断を事前に受診することとしています。  区内の木造住宅戸数は、アパートなどと比較し戸建てが最も多く、ここに居住する区民にいち早く耐震性を周知するため、無料の簡易耐震診断を制度化したことから、戸建て、居住といった申請要件を設けております。  一方で、中古住宅の購入や別居の子による相続などの場合、居住条件が満たせず、簡易耐震診断を直ちに申請できないため、引っ越し前に耐震補強工事を済ませることや、建てかえに伴う除却助成の申請が難しい事例もあります。  また、木造住宅のうち、併用住宅や長屋、アパートなどの共同住宅については、現時点で耐震補強に関する助成がなく、耐震支援制度の課題と認識しております。  住宅の耐震化は、災害に強いまちづくりの重要な柱であり、本制度のより一層の活用を図るため、要件の拡充について検討してまいります。  次に、一般緊急輸送道路沿道建築物の耐震化についてです。  一般緊急輸送道路は、主に区内を南北に走る幹線道路であり、東西の特定緊急輸送道路と同様、沿道建築物の耐震化を進めております。  本区は今年度、警察や消防、避難所となる公園や輸送基地が集まる三ツ目通りを一般緊急のモデル路線とし、集中的に沿道建築物の所有者を訪問しております。  訪問では、耐震化の必要性のほか、無料の耐震化アドバイザー派遣や診断、設計、工事の助成制度の紹介を行って、耐震診断や耐震補強工事を促しています。  特定緊急と同時に一般緊急の沿道建築物を耐震化していくことは、緊急輸送道路網の機能維持の観点からも、防災上重要であると考えております。  本区は、先行する特定緊急に続いて、一般緊急もまずモデル路線の沿道耐震化を果たし、相互の連携によって、災害時のネットワーク確保を進めてまいります。  また、モデル路線の取り組みからノウハウを蓄積し、残る一般緊急路線についても、今後、普及啓発を丁寧に行い、沿道建築物の耐震化を推進してまいります。     ───────────────────────────────────── 17 ◯議長(佐藤信夫議員) 18番見山伸路議員。    (18番見山伸路議員登壇) 18 ◯18番(見山伸路議員) 江東区議会・無所属の見山伸路です。本日は、大綱3点について質問いたします。  大綱1点目は、情報システムの共同化及びクラウド化についてです。  情報システムは、保守期限切れに伴うシステム更新時期が順次到来し、システムの入れかえ時に多額の費用を必要とします。また、各自治体仕様にカスタマイズしたり、制度改正に伴い運用経費が増加いたします。  まず初めに、本区情報システムについて、直近で更新された時期及びそのかかった費用額、そして次回の更新時期についてお伺いいたします。  自治体個別での改修時は既存ベンダーとの契約となってしまいがちであり、ベンダー側の言い値となり、経費が過大となってしまい、各ベンダーの個別改修となるために、国が進めるシステムへの標準化が困難となります。  先日、中村時広愛媛県知事のお話を伺う機会があり、中村知事が、松山市長時代の事例として、業者からの余りにも高額な言い値に対抗し、民間金融機関のシステム担当だった方を臨時に招聘したところ、システム更新時に考えられないくらい価格が下がったことがあったとお話しされていました。  自治体共通の課題として、財政の状況、独自仕様のシステムを導入したがゆえのベンダーロックやカスタマイズや制度改正対応による運用経費の増加等のITコストの硬直化、複雑化する行政事務、自治体の人員不足、セキュリティー対策の多様化、複雑化、コンビニ収納やクレジット収納、総合窓口対応や官民連携のノンストップサービスの検討など、新たな住民サービスの要請等が挙げられます。  自治体個別の情報システムの維持、構築から、国主導の共同化及びクラウド化が時代の要請ではないかと考えます。  自治体クラウドとは、住民基本台帳、税務、福祉などの自治体情報系システムやデータを外部のデータセンターに置き、そこで管理運用して、複数の自治体でデータを共同利用する取り組みであり、導入の効果として、情報システムの運用コストが3割ほど削減可能、データの集中管理により情報セキュリティーが向上、庁舎が被災しても業務の継続が可能、参加団体間で業務が共通化、標準化できることが挙げられます。  新潟県三条市では、同県内5つの自治体と住民情報系システムの共同化を実施し、住民サービスが大きく向上しています。  具体的にはマイナンバーカードによる独自サービスで、窓口による証明書は、マイナンバーカード所持者は申請書もパスワードも不要とし、手数料も割り引きし、図書の貸出受け付け、避難所の入退所受け付け、選挙の投票入場受け付け、職員の出退勤管理、民間事業者の協力によるカード提示による割引サービス等、多岐にわたるサービスを日々拡充させています。  国が本年6月15日に閣議決定をした経済財政運営と改革の基本方針2018において、「自治体クラウドの一層の推進に向け、各団体はクラウド導入等の計画を策定し、国は進捗を管理する」と明記しています。  また、同日に閣議決定した世界最先端デジタル国家創造宣言・官民データ活用推進基本計画において、地方公共団体がクラウド化導入等計画のもとで、共同化を中心に着実に導入を進めるよう、先行する優良事例における効果や国の支援策の周知を徹底するなど、未導入団体を中心に働きかけを行い、これにより、クラウド導入市町村数を平成35年度末までに約1,600団体、うち自治体クラウド導入団体は約1,100団体まで拡大を図ると目標を掲げています。  クラウド導入市区町村数の推移として、平成26年は550団体であったのが、本年3月時点では1,013団体であり、そのうち2団体以上共同で自治体クラウドを実施している団体は379団体62グループであります。  29年度でクラウドを導入している東京都内の市区町村の割合は53.2%であり、全国平均54.6%よりやや下がっており、また、共同でなく単独でクラウドを導入している自治体がほとんどを占めていますが、単独導入は現状の各自治体仕様にカスタマイズをしてしまい、クラウド導入の大きなメリットが損なわれてしまいます。  自治体クラウドを阻む要因として、市区町村にIT専門家がいないことや作業負担が大きいことを理由に挙げることがありますが、本音としては、自治体側は現状のシステムで問題がないのにわざわざ余計な作業をしてまでシステム変更をしたくなかったり、今まで携わってきた事務に変化が起こることに対する拒否感や、新しいシステムに対する不安感であり、ベンダー側としては、言い値で契約してもらえるおいしい固定客を手放したくはない、法外なデータの移行経費やクラウドのサポートに対して不安をあおり、自治体を囲い込みたいという部分があるそうです。  しかし、住民の側からすれば、メリットこそあり、やらない理由はどこにもありません。クラウド化、共同化に反対する職員やベンダーはいても、反対する住民はどこにもいません。本区における情報システムの現状と共同化及びクラウド化への認識について伺います。  大綱の2点目は、RPAを活用した業務改善についてです。  少子高齢化時代を迎え、生産年齢人口の減少や、現に求人が足りず人材不足や人件費が高騰しており、また、日本人1人当たりの労働生産性は他の先進国と比べて低く、特にアメリカ、フランス、ドイツとの差は拡大する傾向にあり、労働生産性の向上は必須のテーマであります。  まず初めに、本区では、労働生産性の向上のためにどのような取り組みが行われているのか、伺います。  近年、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)が注目され、RPAとは、人が行っていた入力作業やデータ収集など、定型的な作業を自動化するものであり、主にホワイトカラー業務の効率化及び自動化を可能とします。  RPAが得意とする業務は主に3つであり、繰り返し行う業務、大量データを処理する業務、ルールに基づいた業務であり、人が行えば単調作業で苦痛を感じ、しかも時間を大量に要し、ルーチンであるのでミスも生じやすいという欠点がありますが、RPAはそれらの作業を自動的に黙々とこなしてくれます。  単純に人とRPAを比較をすると、労働時間が制約されず24時間稼働する、費用も人件費と比べて大幅に安く、業務の教育コストも大幅に低下します。また、ほかにもエラー率の低下、サービスの改善、納期の短縮、情報漏えいの防止やコンプライアンスの向上等、潜在的なメリットが多くあります。  RPAの導入は、従来の業務を人から取ってかわられ、今まで行っていた業務がなくなり、人が不要になるのではと誤解されることがありますが、決してそうではなく、RPAにバックオフィスを担ってもらい、職員はより住民に寄り添った住民サービスの向上に注力が可能となり、人員が足りずに不可能だった新規プロジェクトに取り組めるようになったり、人のみが可能な創造的な業務を行えるようになります。RPAは人から業務を奪う存在ではなく、ともに支え合う新たな技術だと認識すべきと考えます。  民間では導入が始まっていますが、自治体でも導入をする機運が高まり、本年より茨城県つくば市が全国初として、全業務を対象としてRPAの導入をする計画を発表しました。  このプロジェクトは官民パートナーシップによる官民協働事業からスタートし、研究対象としては、市民税課5業務と市民窓口課1業務、計6業務においてRPA導入の効果測定を行い、導入対象業務では、約8割の業務時間削減効果が確認されました。そして、本格導入を見据えて、市職員みずからRPA導入の事例作成の研究をあわせて行ったそうです。  取り組みの効果として、RPAを契機とした業務手順の見直しを行うことができたり、民間事業者等が開発した新しい情報技術に触れる機会が創出されることで職員の能力向上につながり、共同研究を根拠とした予算計上と調達が可能となり、市民税課のみで年間1,500時間弱の業務時間の削減効果が試算されました。  今後の予定として、共同研究外の納税課、資産税課での本格運用を開始するとともに、福祉分野等の分野にも広げるべく、試験運用を行っていき、日本一RPAが活躍する市役所になるべく、OCRや電子申請等の活用を検討し、適用の拡大をしていくそうです。  本区においても果敢に新しい技術を導入し、さらなる区民サービスの向上を目指すべく、RPAの導入を提案いたします。見解を伺います。  大綱の3点目は、窓口サービスの向上についてです。  本区においてもマイナンバーカードを利用した住民票や証明書等の交付が可能となっておりますが、まずはコンビニ等の機械を利用した交付についてのその件数と、窓口と機械交付を合わせた申請交付件数全体の実績について伺います。  区役所本庁舎や出張所での窓口による各種証明書の申請では、日々多くの証明交付を行っております。これまでにも、例えば外国人対応では各国言語で対応できる人員を配置したり、さまざまな窓口サービスの充実を図ってまいりましたが、これまでの実績とその効果について、区民からどのような声が寄せられているのか、あわせてお伺いをいたします。  区民にとって証明書の申請をより簡単に効率よく受け取れるよう、常にサービスの向上を目指していくことは、行政にとって必須であり、また本区職員の負担を減らす重要な点であります。  記載台にて証明申請を記載する場合、さまざまな種類の申請用紙が置いてあり、申請用紙の記入方法がよくわからない、また、各種申請が複数に及ぶと住所や氏名を何度も記入しなければならず、区民の方からは「わかりにくい」、「書いたり尋ねたりする手間がかかり過ぎる」との声をいただくことがあります。  そして、窓口では申請用紙に記入された内容の確認のために、区民、職員双方に手間や時間がかかっています。申請方法の簡略化と職員事務の効率化をあわせて考えていかねばなりません。  北海道北見市では、新たな窓口サービスとして、かんたん証明申請という方法を始めています。かんたん証明申請の流れとしては、記載台で申請用紙に記入してもらわずに可能で、窓口にて初めに本人確認として身分証明書を提示し、職員が申請する証明書の種類を聞き取り、その場で申請者の住所、氏名が印字された申請用紙が出力されます。申請者は内容を確認して、不足事項があれば追記し、最後に内容を確認し、署名をすれば申請が完了します。  今までであれば、住民に住民票、戸籍証明、印鑑証明、税証明等をそれぞれ別々の用紙に記入していただいていたのが、1枚の申請用紙で受け付けをするだけとなりました。  特徴としては、初めは窓口職員がマイクロソフトアクセスで自作した簡単な受付システムからスタートし、現場で職員が応対内容や手順を研究し、迅速かつ自然な流れで応対できるようシステムに組み込み、法令等も確認しながら、申請用紙作成の対象となる申請のケースや印字する項目、また印字できないパターンを整理しながら、対象となる証明書の種類を段階的に拡大することで、少しずつスムーズに移行していきました。現在は、住民票関係、印鑑証明書関係、戸籍証明書関係、所得課税証明書及び納税証明書等を対象としています。  取り組みを進めていく中で苦労した点として、仕事の手順をチェンジする必要があったために、目指す窓口のイメージの共有や、テストや操作の習熟に時間を要したことなどであり、何より現場で運用できることが大切でありました。  今後の展開として、証明申請だけでなく手続関係にも用紙で出力できるようにする構想があるそうです。簡易受付システムは、既存の市販ソフトウエアで作成し、検索用データも既存サーバーの活用等を通して、新たな費用を発生させずに既存の仕組みで自作したことは特筆に値します。本区においても大いに活用すべきと考えますが、御所見を伺います。  これで質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手)    (山崎孝明区長登壇
    19 ◯区長(山崎孝明) 見山伸路議員の御質問にお答えいたします。  窓口サービスの向上についてのうち、まず、証明書等交付の現状についてですが、コンビニ交付は、各種証明書のうち、住民票、印鑑証明、税証明について実施しており、平成29年度は、自動交付機を含めた実績で約21万7,000件であります。同種証明書の窓口交付を含めた全交付件数は約63万件となっております。  また、窓口サービスの充実にかかわる実績及び効果に関する区民の声についてですが、現在51万人を超える区民のほか、区に本籍のある方等が、出生、転出入、婚姻などのさまざまなライフステージに関連する手続のため、窓口サービスを利用しております。  人口増加や新たなマイナンバーカードの発行手続等に伴い、窓口業務が複雑多岐化しておりますが、長時間に及ぶ待ち時間の解消に努めるとともに、親切丁寧な案内、簡潔明瞭な説明、外国人への専門職員配置や通訳機器導入など、サービス向上のためさまざまな工夫を展開しているところであります。  区民の方々からは、待ち時間がまだ長いなど、厳しい御意見をいただくこともありますが、謙虚に受けとめ、改善を重ねております。中には、以前よりわかりやすく丁寧な説明になったことに感謝するというお言葉もいただいておりまして、今後もたゆまぬ努力を続けてまいります。  次に、かんたん証明申請についてであります。  本区においても、同事例について、窓口混雑緩和の方策の一つとして、かつて検討した経緯があります。  北見市が実施している住民票、印鑑証明、税証明及び戸籍証明にかかわる平成29年度申請件数は、年間約14万件であるのに対し、本区では80万件を超えております。また、同市は申請窓口が個々に分かれておりますが、本区はワンストップによるサービス向上のため、1カ所に集約しております。したがいまして、本区では、申請内容を聴取し、システムに入力する手法ではなく、膨大な事務量をワンストップで処理するため、銀行窓口のようにフロア専門職員による説明、記載補助等の事前対応を行うことで、適切な窓口に誘導する分業体制を確立し、迅速な対応に努めているところであります。  なお、証明書発行のような公証事務においては、戸籍や転出入、DV支援、相続関係など、複雑な相談等もあり、事前対応による適切な窓口を案内することは必須と考えております。  また、システム面からも検討いたしましたが、本区は複数のベンダーによるシステム構成となっており、それぞれのシステム間のデータ共有等には大規模なシステム改修が必要となり、多額の費用がかかる点も懸念されたところであります。しかしながら、各種申請書の一本化等については、利用者の負担軽減の観点から、有用なものと認識しており、今後も検討してまいります。  なお、その他の御質問につきましては、所管部長から答弁いたさせます。    (押田文子政策経営部長登壇) 20 ◯政策経営部長(押田文子) 次に、情報システムの共同化及びクラウド化についてであります。  まず、本区情報システムの現状についてのお尋ねのうち、情報システムに係る機器更改についてであります。  機器の更新については、まず、区民サービスに支障が生じないことを念頭に、制度的に更改時期が制約されるものを除き、一時期に多額の経費が発生しないように年度間の調整を図っているところであります。  具体的には、サーバーOSやネットワーク機器、出先職場のインフラ等は、改修年度をずらし、さらに職員の端末を2年に分けて入れかえを行う等の工夫を行っております。  また、適正な経費の算出については、本区も民間のITアドバイザーを活用し、機器の構築費用について削減を図り、さらに経費が多額となるサーバーも含め、一般競争入札を原則とし、アプリケーション等についてはプロポーザル方式を採用するなど、適正な価格での契約に努めております。  直近では、平成28年度に約6億円でサーバーOSの機器更改を一般競争入札で行っており、次期更改年次は2021年以降を予定しております。  次に、情報システムの共同化及びクラウド化への認識についてであります。  まず、共同化についての認識であります。  共同化は、国が進めるシステムの標準化が重要であり、これにより各自治体が広域に同水準の行政サービスを行い、国の法・制度改正にもそれぞれの自治体の事情を考慮せず1つのシステムを維持管理できるため、運営費に係るコストが軽減されることは事実であります。  しかしながら、特別区においては、各区が個別独自の政策により、特色のある住民サービスを展開しております。  本区においても、国基準の認可保育の補助金に対して、認可外保育の区独自の上乗せ補助を条例を設けて支給するなど、さまざまな区の独自システムを運用しております。区民サービスの向上に向けた取り組みを進める中で、一律に標準化したシステムで対応することは非常に困難であると認識いたしております。  次に、共同化によるシステムの運用については、地方公共団体情報システム機構が公表した平成28年8月のデータによると、自治体クラウドの1つのグループを構成する自治体人口は、5万人以上20万人未満が全体の半数強となっており、愛知県の岡崎市と豊橋市の人口約76万人が全国最大規模の自治体クラウドとなっております。  現在、本区の人口は51万人を超えており、仮に隣の江戸川区と自治体クラウドを構成した場合、120万人規模となります。住民記録システムは、そもそも基礎的自治体人口をおおむね50万人規模と想定し構築されており、120万人となると、データのバックアップやオンライン作業に支障が出るおそれもあり、この点からも共同化は難しいものと考えております。  次に、クラウド化への認識についてであります。  平成18年に防災センターが竣工した際に、クラウド化によるデータセンターの活用も検討いたしましたが、データセンターと本区を結ぶLAN回線等の高価なインフラ整備経費との比較において、結果、本区は耐震構造を持つ防災センターの自庁方式を選択いたしました。クラウドの利用実態は承知しており、今後、機器更改等の時期も見据え、研究、検討が必要であると認識いたしております。  次に、RPAを活用した業務改善についてお答えいたします。  まず、労働生産性向上のための取り組みについてでありますが、本区では、多様化する区民ニーズに的確に対応できる効率的、効果的な行財政運営を実現するため、行財政改革を着実に実施し、業務改善や事務の効率化に努めてまいりました。  特に事務の効率化については、90年代にIT、情報通信技術が登場し、さまざまな分野で業務プロセスの効率化・省力化が劇的に進んだことから、本区においてもIT化の流れを積極的に取り入れ、電子自治体の構築に取り組んできたところであります。  具体的には、基幹系システムの再構築による処理速度の高速化や操作性向上のほか、財務会計システムや文書管理システム等の導入により、全庁統一した事務について、従来の紙処理から電子的処理への転換を図るなど、積極的に事務の効率化を進めてまいりました。  さらに、納税や保険料などの通知、選挙の入場整理券の発送業務など、個々の事務においても情報の電子化を図りつつ、外部委託を同時に推し進めることにより、業務負担の軽減と労働生産性の向上が図られたものと認識いたしております。  次に、RPAの導入についてでありますが、我が国全体が少子高齢化時代を迎える中で、生産年齢人口が減少し、人材不足が懸念されるところであり、自治体においても人材の確保と生産性の維持・向上は重要な課題であると認識いたしております。  こうした中、IoTやロボット、人工知能など、多様な技術革新が飛躍的に進み、全く新しい付加価値の創出が期待されており、政府も平成29年の新しい経済政策パッケージにおいて、これらの技術革新によって生産性を劇的に押し上げる取り組みを生産性革命と位置づけ、その実現を2020年までの中期的な課題としているところであります。  このうちRPAについては、23区においても、葛飾区や足立区で活用効果や想定される課題の検証を行うための実証実験が行われているほか、東京都も導入の意向を示すなど、自治体業務におけるRPAの活用が急速に拡大しているものと承知いたしております。  本区といたしましても、RPAによる業務プロセスの自動化は、業務負担の軽減や労働生産性の向上のみならず、職員が定形業務やルーチン業務から解放され、政策的業務への配置転換が可能になるなど、働き方改革にも資するものと期待しているところであり、事業者からヒアリングを行うなど、情報収集にも努めているところであります。  他方、大量の事務を自動処理するRPAは、障害などで自動化が停止した場合や誤作動が生じた場合には、住民サービスへの影響が甚大であることから、これらのリスク回避に向けた十分な検証と対策が重要であります。このため、引き続き情報収集に努めるとともに、他自治体における実証実験の結果も注視しつつ、RPA導入に向けた研究を進めてまいります。   ────────────────────○──────────────────── 21 ◯議長(佐藤信夫議員) お諮りいたします。  議事進行上の都合により、暫時休憩いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。    (「異議なし」と呼ぶ者あり) 22 ◯議長(佐藤信夫議員) 御異議がないものと認めまして、暫時休憩いたします。    午後2時56分休憩   ────────────────────○────────────────────    午後3時20分開議 23 ◯議長(佐藤信夫議員) 休憩前に引き続き会議を開きます。  この際、本日の会議時間を延長いたしておきます。   ────────────────────○──────────────────── 24 ◯議長(佐藤信夫議員) 一般質問を続けます。  39番佐竹としこ議員。    (39番佐竹としこ議員登壇) 25 ◯39番(佐竹としこ議員) 区議会公明党の一員として、大綱2点について質問します。  公明党は現場第一主義です。子育て、介護、中小企業、防災・減災をテーマに、全国約3,000名の議員が4月から3カ月かけ、100万人アンケート訪問・調査運動を行いました。あわせて、日ごろ地域のところどころで自然開催となる井戸端会議などでいただく御意見、御要望をもとに質問いたします。  初めに、防災・減災対策についてです。今回、多くの議員より質問がありましたが、重要ですので通告に沿って質問いたします。  この夏は、猛暑に加え大阪北部地震、西日本豪雨、台風21号、そしていまだ余震が続く北海道胆振東部地震と、幾つもの大規模災害に見舞われました。今なお、避難生活を余儀なくされている方が多くいらっしゃいます。亡くなられた方々の御冥福を祈るとともに、被害に遭われた方々が一日も早く通常の生活に戻れますよう、心より願っております。自然災害の恐怖を心に刻み、さらなる具体的な対策に取り組まなければと強く決意しております。  防災・減災の100万人アンケート調査結果では、危険で改善が必要な場所として挙げられたのが、空き家が36%、道路34%、河川30.6%と3割を超え、次いで通学路21.7%の結果でした。地域の安全確保のためには、どれもが重要課題です。  また、力を入れてほしい防災行政のトップが、「避難所における安全対策・防犯対策」で、次いで「災害時要援護者の把握・連携」、「避難訓練の強化」と続いています。  初めに、避難所の機能強化について伺います。  アンケート結果には、高齢者やこども、女性、障害者、外国人が安心して避難ができる、防犯も含めた体制の整備が求められています。  第1回定例会での予算審査の際にも、学校トイレの洋式化、段差の解消、また車椅子でも利用できるだれでもトイレの設置、寒さや暑さをしのぐため体育館の冷暖房機器の設置、Wi-Fi環境の整備など質問いたしました。特に体育館の冷暖房機器の設置については、国や都でも検討されているようですが、この夏の異常気象による暑さ等を考えると、早急に進めるべきと考えます。それぞれの進捗状況を伺います。  また、以前、地元中学校で開催の避難訓練で、町会ごとに教室に誘導されたことがありました。避難所となる学校施設を調べてみると、室内運動場が2階以上にある学校が、小学校19校、中学校10校、うちエレベーターのある学校は19校とのことです。そこで、授業が開催されるまでのいっときになるかと思いますが、水害の際など、ときによっては、心配される冷暖房も完備された上層階の教室を避難場所として活用することも必要と考えます。計画にはあるようですが、現況を伺います。  さらに、平成29年第1回定例会でも質問しましたが、粉ミルクのようにお湯に溶かすことなく、封をあければすぐに赤ちゃんに飲ませることができる乳児用液体ミルクは、乳児にとって命の糧となり得ます。厚生労働省は、乳児用液体ミルクの国内での製造販売を可能にする規格基準を定めた改正省令を8月8日に施行しました。国内の粉ミルクメーカーなどが製造に乗り出す見通しで、製造ラインの整備や品質検査などが必要なため、流通は早くても2019年以降になりそうとのことですが、備蓄を含めた災害時の供給体制の整備が必要と考えますが、伺います。  次に、自助・共助における防災力向上のための具体的な施策について伺います。  災害時には、自助・共助・公助のバランスが重要で、地域の方から、実際区はどこまででき、自分たちはどうしたらいいのか、明確に知らしてほしいとの声もいただきます。  マイタイムライン策定の重要性については、昨日の代表質問で答弁いただきました。本区のタイムラインに自分の行動が記入できるフォーマットの作成で、大まかな行動を確認することができます。あわせて、情報が命となり、情報伝達の手段としては、安心安全メール、エリアメールが重要ですが、視覚・聴覚障害の方々への伝達等も考慮すべきであり、停電にも対応できるラジオ放送の活用や、助けを求めるヘルプカードや手話の一般的な認知の向上なども必要と考えます。命を守るための情報伝達、手段の拡充について伺います。  さらに、災害時のトイレについてですが、以前参加した情報交換会での「3度の食事や睡眠は我慢できるが、トイレは我慢できない」との言葉が深く心に残っています。健康のためにも我慢してはいけません。トイレは、上下水道、電気などのライフラインどれか1つでも不全になれば使用できません。  以前にも質問いたしましたが、本区はマンホールトイレやクワトロトイレなど備蓄されていますが、設置までに時間を要します。発災当初は、携帯トイレや簡易トイレを個々に備蓄していることが重要になります。水や食料とあわせ、災害時におけるトイレの確保について、基本的な考え方の周知も必要と考えますが、伺います。  次に、災害時要援護者支援の対策については、町会・自治会の方々より、高齢者が多く、どう守り合えばいいのかとの悩みを打ち明けられることがあります。地域の実態に合わせた検討のための相談体制も必要と考えますが、伺います。  次に、水害対策についてです。  地域では、過去に床上浸水の経験があり、テレビ報道などで流れる映像を見て、「ボートの備蓄が必要ではないか」と心配する声もいただきます。今回、備蓄されているボートについては、点検のための補正予算が計上されていますが、十分な備蓄と言えるのでしょうか。ボートの活用についての計画を伺います。  最後に、企業のBCP策定への支援について伺います。  中小企業の皆さんにとって、被害を最小限にとどめ、事業の継続、早期復旧を行うために必要な対応をあらかじめ決めておくことは重要と考えます。しかしながら、なかなか進まない現状と伺っています。事業主はもちろん、従業員にとっても生活の糧となることを考えると、まずはできることから取り組む、日ごろの業務で使えるものは活用、問題意識の社内共有など、BCPに取り組むためのポイントの周知や支援も必要と考えますが、伺います。  次に、福祉施策について伺います。  初めに、親子に寄り添った子育て支援について伺います。  子育てについてのアンケート調査では、74%が学費など教育費の負担に不安や悩みを抱えていることがわかりました。教育費の負担軽減については、国、都で取り組んでいますが、さらに全体の85%の人が、親としての心配事を抱えていることも明らかになりました。具体的な内容はさまざまですが、中には相談できる相手が身近にいないとの回答もあり、地域を回る上でも実感しております。  これまでも質問してまいりましたが、親子で抱える不安は1つではありません。悩んだら、そこに行くとワンストップで全庁を含んだ担当部署を示していただけるような、よろず相談のできる窓口の設置も必要と考えますが、御所見を伺います。  さらに、相談体制の一つである子ども家庭支援センターについては、未整備地域への施設整備はぜひ進めていただきたいと思います。あわせて、ソフト面の充実も進めていかなければならないと考えます。  平成29年度におけるセンター5カ所での相談件数は、電話424件、面接2,481件、また、専門相談は心理249件、家族193件、発達69件と伺いました。  以前、子育て世代包括支援センターについて質問した際、保健相談所で子ども家庭支援センター等と連携を深め、包括的な支援の充実を図るとの答弁でした。訪問調査で感じることは、センターに足を運ぶことができない支援の必要な方々が多くいらっしゃることです。その方々に支援の手が届くように、保健相談所と連携し、センター職員のアウトリーチ、心理士等の専門職の拡充も必要と考えますが、伺います。  次に、安心して暮らせる高齢者・障がい者支援についてです。  介護についての訪問アンケートでは、現在介護に直面している方からは、家族の負担が大きい、いざというときの相談先などを懸念するなど、家族における負担の軽減を望む方が多く、また、現在介護に直面していない方からは、自分自身、介護が必要になったときの経済的な不安とともに自分が認知症にならないかが不安とのことでした。  また、地域包括支援センター、地域包括ケアシステムの認知度は高くなってきたようですが、認知症初期集中支援チームの認知度が低く、普及啓発の必要性が浮き彫りになりました。  さらに、日常生活で困っていることとして、通院、力仕事、買い物、家事といった回答が多く、介護予防・日常生活支援総合事業の重要性が明らかになりました。  初めに、本区における集中支援チームは、医師の助言のもと、複数の専門職が連携し、認知症が疑われる人や認知症の人及びその家族に対して、訪問、観察・評価等の初期の支援を包括的、集中的に行い、自立生活のサポートを行う位置づけで、この4月より設置されたとの報告がありましたが、現況と今後の課題について伺います。  また、仲間づくりや社会参加に取り組むことができるよう、地域住民の方々が主体となり、要支援者相当の方を対象に、介護予防に資する活動を行うご近所ミニデイの推進が求められていますが、進捗状況を伺います。あわせて、開設準備段階から軌道に乗るまでの寄り添った支援が重要と考えますが、伺います。  最後に、これまでも質問を重ねてまいりましたが、読み書き支援窓口の設置についてです。  この10月1日より、東京都障害者差別解消条例が施行されます。現代社会において、情報の80%以上は視覚から得ていると言われ、視覚に支障があることにより、社会生活を送る上で困難を来す方も多くいらっしゃいます。  また、読み書きに支援が必要な方は、学習障害の方など、視覚障害の方だけではありません。聴覚障害の方でも、その障害になった時期、例えば生まれながらや乳幼児であった場合など、その時期によって書かれた文章を理解できない方など、一人一人読みにくさが違います。  さらに、高齢者においても、「字が小さくて読めない」、「情報がわかりにくい」、「記入欄が狭過ぎて書きづらい」などの声を多くいただきます。  読み書きの支援では、ただ読むだけではなく、相手に理解してもらえるように読まなければなりません。広範囲の知識と状況に応じた正確で迅速な判断、それにあわせてプライバシーの保護などが要求されます。  また、障害者や高齢者の窓口だけではなく、障害のあるなしにかかわらず、誰もが利用する窓口もあわせて、利用者の要望に応えた支援ができるような窓口体制が必要です。そのための養成講座などを実施し、読み書き支援の窓口の設置が必要と考えますが、伺います。  以上で質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。    (山崎孝明区長登壇) 26 ◯区長(山崎孝明) 佐竹としこ議員の御質問にお答えいたします。  まず、福祉施策についての質問のうち、親子に寄り添った子育て支援についてであります。  子育て世代の多くの方が子育てに不安感や負担感を感じていることは、区も認識しております。これまでも区では、保健相談所や子ども家庭支援センターなど、関係機関が密接に連携して、子育て世代包括支援センターとして保護者の相談に対応してきたところでありますが、今後、一層きめ細やかな相談対応という観点から、御提案のようなよろず相談窓口の設置の可能性について検討してまいります。  次に、子ども家庭支援センターにおける職員のアウトリーチ活動や心理職の拡充についてです。  平成29年度にセンター利用者に対して行ったアンケート調査でも、約9割の方がセンターを気楽に相談できる場所だと答えており、一定の評価を得ていると感じております。しかしながら、御指摘のように、センターに来ることができない方がいることも認識しており、そのような方々への支援を強化する必要性は感じております。  また、現在のセンターにおける心理相談は、外部の専門家に委託し、月に1回程度となっていることから、予約のとりづらさや相談に十分な時間をかけられない等の課題があります。
     御指摘の子ども家庭支援センター職員によるアウトリーチ活動や、心理の専門職の拡充につきましては、今後、子ども家庭支援センターのあり方を考える中で検討してまいります。  次に、高齢者・障がい者支援についてのうち、高齢者の不安に応える施策についてであります。  まず、本区における認知症初期集中支援チームの現況についてですが、現時点で11件の支援に当たっており、かかりつけの医療機関や集合住宅の管理者、自治会長等からの相談を通じて、認知症が疑われる方等の支援につながっております。しかしながら、江東区高齢者地域包括ケア計画で示している年間63件という支援件数の目標値との乖離や、事業PRの不足が課題であると認識しております。  こうとう区報への掲載に加え、今後、住宅管理者、自治会長などに対する個別説明会の実施など、さらなる事業の周知と地域ネットワークの構築に取り組んでまいります。  また、ご近所ミニデイの進捗状況についてですが、平成29年度に4団体で試行的に実施し、30年度より総合事業に位置づけました。現在10団体が活動しており、利用登録者数も当初の16名から58名に増加しております。  実施団体に対する支援についてですが、準備段階では、区職員のほか長寿サポートセンターや社会福祉協議会の職員も交えて、事業開始に向けた綿密な打ち合わせを実施しており、事業開始後も、利用者対応や事業継続について丁寧に相談に応じるなど、関係機関とも連携し支援を行っております。  次に、読み書き支援窓口の設置についてであります。  読み書きに支援を要する方が社会生活を円滑に営むためには、区からの通知など、さまざまな情報を理解できるよう、適切な支援を受けられることが重要であると認識しております。既に本区においては、障害者差別解消法の趣旨にのっとり、江東区職員の障害を理由とする差別の解消の推進に関する対応要領を定めております。  本要領においては、区職員に対して、合理的配慮の基本的な考え方や、障害特性に応じた対応を示しております。また、区の各窓口には、支援する際のポイントを記載した、支援を必要とする方への接遇ガイドを備えており、障害種別ごとのきめ細やかな接遇に努めております。  さらに、区では、全職員を対象とした人権研修において、障害者差別解消法に基づく差別的な取り扱いの禁止や、合理的配慮の基本的な考え方について、理解の促進を図っております。  こうした取り組みにより、窓口に来られた方々がどのような支援を必要とされているのかを把握して、代読や代筆を行うなど、区においては、それぞれの職員が一人一人に寄り添った支援を行っているものと認識しております。  御指摘の読み書き支援窓口の設置や養成講座の実施に当たっては、全庁的な窓口のあり方や、既に実施している研修との整理などの課題もあるため、引き続き他自治体での事例の研究を通して、本区での実施について検討してまいります。  なお、その他の御質問につきましては、所管部長から答弁いたさせます。    (鈴木亨総務部長登壇) 27 ◯総務部長(鈴木亨) 次に、防災・減災対策についての御質問にお答えします。  初めに、避難所の機能強化についてであります。  学校トイレの洋式化は、現在、小中学校全体で69%、だれでもトイレは57%、校舎昇降口への段差解消のスロープは61%と、いずれも改善を図っております。  なお、体育館の冷暖房機器の設置については、現在検討を進めております。  拠点避難所となる小中学校等全校の昇降口と体育館には無料Wi-Fiの設置が完了しており、発災時には家族との連絡や情報収集に活用していただけます。  また、地震と水害では、校内で使用する場所の考え方が異なり、水害時の避難先は3階以上の上層階であることが求められますが、地震を想定した計画の場合、活動拠点とする災害協力隊の属する町会・自治会等が、避難の際どこを使用するかマニュアルで学校ごとに定めており、階層にとらわれずに教室等を使用することになっております。  次に、乳児用液体ミルクについてでありますが、現在、都が大手流通企業と協定を締結し、災害時に海外から乳児用液体ミルクを緊急輸入する体制を構築しており、都が緊急調達したものを区市町村においても活用できるようになっております。  国内メーカーによる乳児用液体ミルクの調達については、安全性や保存年限等の状況も確認する必要があることから、販売される製品の動向を注視してまいります。  次に、自助・共助における防災力向上のための具体的な施策についてであります。  命を守るための情報伝達、手段の拡充についてでありますが、全ての方に情報を伝達できるようにすることが重要であります。そのために、読み上げ機能のあるメールやSNSなどに加え、停電時に情報入手手段ともなるラジオ放送は有効な伝達手段であり、毎年区主催の防災訓練にレインボータウンFMに参加してもらうなど、地元コミュニティFMと災害時の情報発信体制の連携を図っているところであります。  レインボータウンFMは、災害時を想定し、ことし11月により強力な電波に増強するため周波数変更を予定しており、今後さらなる効果が期待されると考えております。  ヘルプカードや助けを求める手話等の認知度向上も同様に重要であると考えており、木場公園での総合防災訓練機関訓練の際には、聴覚障害者団体による手話コミュニケーションカードのPRなどを行っていただいておりますが、今後は、地域の方やこどもが参加する地域訓練での実施なども検討してまいります。  携帯トイレや簡易トイレの備蓄については、震災により下水道が使用できなくなったときや、住居の排水管が損傷したときのために不可欠なものであります。そのため、防災訓練や防災講話の機会を捉えて、その重要性と備蓄の必要性を区民に呼びかけているところであります。  また、意識啓発のきっかけとするために、昨年度と今年度、年間4万人ほどが参加する各災害協力隊等による自主防災訓練の参加賞として携帯トイレを配っており、普及啓発に努めております。  災害時要援護者支援の対策については、災害協力隊が中心となりつつ、避難所に避難してきた中学生や保護者、地域の若い方にも協力を求め、支援を行っていくことが現実的な対策であると考えており、地域での防災講話や相談を通じ、この支援方法を周知してまいります。  次に、水害対策についてであります。  区では現在、冬木の艇庫や区内防災倉庫に計33そうのボートを備蓄しており、大規模水害が発生した際には、浸水域内に取り残された方の救出や物資の搬送、情報伝達に活用することを想定しております。  ボートの活用についての計画でありますが、区のほぼ全域が浸水するような場合に、救出等にどれだけのボートがあれば十分であるかは、大変算出が困難なものであります。まずは現状を把握し、必要な入れかえを行った後に、消防署や消防団などと連携を図りつつ、配置や拡充も含め検討してまいります。  次に、企業のBCP対策についてであります。  企業のBCPについては、事業者の社会的責務として策定が必要なものであると考えております。とりわけ都内においては、都が帰宅困難者対策条例の中で、事業者の取り組みとして、従業員の一斉帰宅の抑制と事業所内にとめ置くことを求めており、事業者によるBCPの策定は連動するものでもあります。  今後とも区としては、帰宅困難者対策の啓発とあわせ、事業者の責務としてのBCPの作成を区報やホームページ、SNSなどを活用し、呼びかけてまいります。その際には、あわせて東京都中小企業振興公社が行っている策定支援事業の紹介や、要点の周知なども行ってまいります。     ───────────────────────────────────── 28 ◯議長(佐藤信夫議員) 12番釼先美彦議員。    (12番釼先美彦議員登壇) 29 ◯12番(釼先美彦議員) 自由民主党の釼先美彦です。自由民主党の一員として、一般質問をさせていただきます。  まず初めに、北海道胆振地方を震源とした大地震にて亡くなられた方々にお悔やみを申し上げますとともに、被災された方々へ心からお見舞いを申し上げます。  私からは、大綱3点の質問がございます。  1つ目は、区立公園の改善と区役所の活用について、2つ目は、長期計画策定における区民等の参画について、そして3つ目は、青少年対策地区委員会について、以上3点を質問させていただきます。  まず初めに、区立公園の改善についてです。  区立公園も都立公園のように樹木を多用し、安らぎを与えてくれる公園、コンパクトな森の整備を以前要望させていただきましたが、今回は楽しんで遊べる遊具と健康遊具について質問します。  ことしは戦後一番暑い夏で、台風も数多く発生し、甚大な被害が日本を襲いました。この猛暑の中、区立公園で安らぎを与えてくれる公園の整備は進んでいたのでしょうか。  改修された南砂一丁目公園は既存樹をそのまま残したため、多くの高齢者が、その木陰の下に新設された円形ベンチで休息をされていました。  南砂一丁目公園は、都営住宅進入路を間に、こどもたちと高齢者が交流できるようになっており、改善前にはなかった健康遊具や公衆便所からのバリアフリースロープができ、高齢者も活用しやすい公園となっているのです。  また、馬丁たちが働く荷馬車の絵がある馬頭観世音の案内板を移築されたことはすばらしいことだと感じているところです。  そこでお伺いします。今後、公園改善において、高齢者向きの健康遊具と児童遊具の設置の割合はどのような判断で整備されるのでしょうか。今後、高齢者に配慮した健康遊具をさらに設けたり、既存樹に囲まれるなど、心温まる公園への改善を期待するため、その方向性についてお伺いします。  また、こどもたちが楽しめる公園の提案があります。千石二丁目の都営団地内の公園や、扇橋三丁目の同じく都営団地内のつばめ幼稚園前の公園、どちらも小高い山が増設されており、このような盛り土をした高さのある小高い山のある公園が必要であると考えます。開園したばかりの豊洲ぐるり公園にも設置されていました。  国営武蔵丘陵地の森林公園は、日本一大きなエアトランポリン、ぽんぽこマウンテンが有名ですが、そこは勾配ある芝生広場で、段ボールをお尻に敷いて楽しんでいるこどもたちの姿はほほ笑ましいものです。都立の小金井公園でも同じ光景を見ました。  江東こどもまつりでの岩手県北上市の雪のブースは大人気で、こどもたちは雪ぞりを楽しんでいます。  健康遊具が設けられた高齢者に配慮した公園や、小高い山があり、こどもたちが楽しめる公園について、考えがあればお聞きします。  次に、区役所の有効スペースの活用についてです。  北海道胆振東部地震で感じたことは、区役所の有効スペースを活用することです。耐震工事が済んだ本庁舎と防災センターの前に防災活用スペースが必要であると考えます。  区役所右側の2020オリンピックパラリンピック5年前イベントの、こどもたちの夢や抱負が詰まったタイムカプセルがある芝生と、樹木が生い茂る緑地がありますが、休憩場所は屋根つきの石の椅子だけで、通路はコンクリートで埋められ、水と緑豊かな環境に優しい江東区にはふさわしくない光景です。  そこでお伺いします。通常時は、区に訪問される方や駅や文化センターの利用者が使用できる芝生スペースや木製ベンチ、健康遊具もある高齢者に優しい公園に改善し、また、緊急時には、いずれ来るであろう大地震に対応する拠点となる防災センター前の災害対応に活用すべきと考えます。  大地震時に炊き出しを行う場所が必要です。安全である区役所に避難する前の一時避難エリアも、駐車場だけでは足りません。区役所玄関右側の安らぎある公園と災害対応スペースの活用について、お考えがあればお聞きします。  次に、ネクスト・プランの区民会議についてです。  江東区長期計画の展開2018は、区の基本構想に定める将来像「みんなでつくる伝統、未来 水彩都市・江東」を具体化するため、平成27年3月に策定された長期計画(後期)を着実に実施するため、社会経済情勢の変化や多様化するニーズに対応し、新たな事業展開や既存事業の見直しを進め、区政の方向性を明らかにするものでした。  そこでお伺いします。2020年からの次期長期計画[ネクスト・プラン]はどのような事業展開が考えられ、施策の計画化をされるのでしょうか。  人口推移は10年間伸びていくということが予想され、戦略的で実効性のある計画を望むところですが、区民とともにつくるという視点から、区民の意見やアイデアを反映させた計画として、区民会議の取り組みについてもどのような実施内容になるのか、考えをお伺いします。  また、参加者への告知方法や募集についても、あわせてお聞きします。  次に、区内大学との協働についてです。  多様な世代、主体の参画を通じて、区民の意見、アイデアを反映させる大学との協働について、お伺いします。  次期長期計画の策定に当たっては、区民会議とともに大学連携を図る予定であり、参加大学は有明教育芸術短期大学、芝浦工業大学、東京有明医療大学、武蔵野大学が参加されていることはお聞きしました。各大学には、緑化での環境整備、健康で元気で暮らせるまちづくりへの政策提言を望んでいるのでしょうか。  以前より協力いただいている芝浦工業大学は、文化コミュニティ財団が主催した、親子で作ろう豊洲ロボットセミナーを初め、こどもたちへ早い段階からロボット講座を実施していただき、各文化センターや環境フェアへの展開も行っていただきました。  そこでお伺いします。同大学はテクノキッズプログラムを全国展開しており、地域活性化を目指した知の拠点事業として、区との新たなコラボレーションは具体化されたのでしょうか。  建築学科の学生が、6月9日から17日に深川東京モダン館にて、「河川・水辺と歴史資源を活用するコミュニティデザイン」と「まちと暮らす小学校」をテーマにした、地域・建築設計実習作品展のミニチュア展示がありました。そして区のパートナーとして、高架下の公園を維持管理する協議会を立ち上げるという学生の提案は現実的なものでした。  そこでお伺いします。8月28日に庁舎7階にて砂町銀座商店街のまちづくりについての模型展示イベントが開かれ、未来の魅力ある砂町銀座を考える機会になり、また、芝浦工業大学生によって改善の提案がありました。来週の9月27日と29日には、砂町銀座現地にて、店先のオーニングや自転車駐輪場の課題等について、まちづくり協議会の商店街部会等で学生の意見も反映させることになるかもしれません。  海外帰国した日本語指導が必要な児童・生徒への授業や、学校生活全般をサポートする日本語指導員派遣事業では、武蔵野大学の学生にボランティアで協力いただいております。同大学は、データサイエンス学部が新設され、キャンパスも拡張があり、学生はふえていくことでしょう。このようなボランティアを含めた区内大学生との協働について、考えがあればお聞きします。  リサイクル事業や区民サービスでも、大学生の支援、協力は考えられます。古着の積み込みなどの力仕事でも、職員を補佐して助けてくれるでしょう。そこで、大学生が政策提言やボランティア、アルバイト等にかかわれる窓口を一本化して新設することはどうでしょう。  2020オリンピックパラリンピックにおいての、区独自のボランティア事務局開設にも一翼を担うでしょう。大学生側としても、区への政策提言やボランティア、アルバイト等でかかわることで、江東区を好きになり、卒業後にも、教育や介護、民生などの行政の仕事に携わることになるかもしれません。  現在の新卒採用の実情は、建築や土木などの専門を学んだ学生が、民間企業に多く就職していると聞いています。区内大学生が気軽に相談でき、江東区を身近に感じてくれる場づくりや窓口の一本化、題して「カレッジサポート窓口」の新設の提案を考えておりますが、それについて考えがあればお聞きします。  次に、青少年対策地区委員会の評価と各地区間の補完についてです。  児童や生徒の健全育成にかかわる活動を通した、多くの地域のバックアップや学校関係者の協力に感謝します。  青少年対策地区委員会は、こどもたちの問題解決及び青少年健全育成のため、9地区を所管区域として地域社会の力を結集し、こどもたち並びに青少年へ学校教育にはない社会教育を行う団体であります。  各地区の委員会は、青少年問題協議会会長の山崎区長より任命、委嘱されており、PTAや子ども会出身の経験者が多く、各地区の町会から推薦されています。現役のPTA会長と教員の生活指導主任、町会と学校のパイプ役である青少年委員、そして江東区少年団体連絡協議会を母体とする町会、学校、子ども会、民生・児童委員と更生保護女性会、スポーツ推進委員等です。  委員の任期は2年間ですが、PTA出身や育成者として長きにわたり御尽力された経験者も多く、委員長も役員会にて選出されます。委員会の人数は40から70名と各地区によって違いがありますが、育成、環境、文化体育、調査広報の4専門部会が設けられ、活動内容は、地域とかかわる伝統的なイベントで、スポーツや展覧会、講演会などがあります。  代表的なものを紹介しますと、白河地区では、パラリンピック選手を招いた講演会、豊洲地区では、親子凧揚げ大会、私が所属している小松橋地区では、夏休み作品展覧会やカローリング大会、そして中学生対象の東京ナイトウォークを行っています。亀戸地区では、夏休みこども映画大会、大島地区では、ボッチャで親と子のスポーツ教室、砂町地区では、管内全校が参加するエリアコンサート、南砂地区では、中学生生徒がかかわる親子スポーツフェアと、先人たちがつくり上げた伝統ある事業が多く引き継がれています。  そこでお伺いします。区内の児童・生徒は、これらのスポーツ大会等を通して、学校では学ぶことのできない体験ができ、助け合うバランス力や自立心を自然に学んでいるのです。また、参加された保護者は、さまざまな立場でかかわってくださる地区委員会の応援によって、こどもたちは見守られていることを知ります。学校、町会を超えて、お互いに尊重し、同世代の地域協力者となり、活動を通して結束していく例は各地区でも多いでしょう。  行政として各地区の委員会の位置づけをどのように考え、評価しているのでしょうか。  各出張所、区民館単位が所管区域となり、連合町会を担当する地域振興課の職員1名を事務局長としているのは、過去の慣例からでしょうか。  9地区委員会の活動行事には増減もあり、職務についての仕事量は地域によってかなり開きがあります。  青少年委員会が5地区になっているように、例えば担当を5地区ぐらいとして活動を隣の職員が補完することも考えられます。お互いが主となる行事に対して補完し合い、助け合うことで、他地区の事業を経験することもできます。各事務局長がチームとなって補完することについてお聞きします。  都の青少年活動についての表彰制度はありますが、区では活動に対しての表彰制度はありません。経済課が企業に江東ブランド認定しているように、青少年の指導、育成等を審議している青少年問題協議会が事業について認定することはどうでしょうか。活動が認定されたり区報等で広報されることで、地区育成者は励みになり活力が生まれてきます。各地区委員会の認定制度について、考えがあればお聞きします。  次に、青少年対策地区委員会の役割の方向性についてです。  8月1日の江東花火大会の運営について、砂町・南砂地区合同で青少年対策地区委員会の方々に、町会や城東消防団とともに安全な警備体制に協力をいただいていますが、高齢化に伴いサポートが大変になっていると聞いています。どこの地区委員会も若い育成者に頼るところが多いため、2年ごとの委員選出については課題があり、また、区が頼っている町会運営についても同じ課題です。  新しい住民の方も含め保護者は、小学校、中学校のPTA活動や青少年対策地区委員会のイベントに、こどもたちと一緒に参加していただいたときに協力を仰ぐと、快く引き受けてくれます。また、サポーター制度で講演会にも多くのお母さんたちも参加したり、お父さんたちの若いパワーでイベントを盛り上げてくれている地域もあります。  その育成者がPTAを卒業しても地域の協力者として残っていただくのは、地区委員会活動の機会しかないと考えます。保護者の中には、PTA活動だけではなく、青少年対策地区委員会の活動にかかわることで、地域に対して愛着が生まれ、視野も広がり、卒業しても携わってくれる育成者は少なくありません。  町会や地域でも、青年部や青年会、睦会、子ども会で若い方々が活躍していますが、町会組織で世代交代できる例が多くあるとは思いません。防災対策や高齢者支援も含め、町会、地域に行政からの依頼がふえています。  そこでお伺いします。各地区における青少年対策地区委員会の活動を見直し、地域を活性化する育成部間の強化を図るのはどうでしょうか。  改めて、委員会の対象を青少年だけではなく、若い方々に地元とつながりが持てる活動に参加していただき、町や町会を好きになってもらうことが大切です。  青少年問題協議会で指針を改めることもありますが、行政での地域振興にかかわる組織もともに協議して、内容や施策を試みながら、委員会名称を青少年・地域活性委員会と変更し、町会とともに、地域にかかわる活動全体に若い力、育成者が参加し、体験していただき、町を支えてくれることを期待するところです。青少年活動を含め、各地区委員会の活性化について、考えがあればお伺いします。  現在、幾つかの地区委員会での育成活動が個々のつながりと結束を生み、地区活性化の役割を保ち、町の勢いになっていることに行政が気がついてくれることを願い、質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手)    (山崎孝明区長登壇) 30 ◯区長(山崎孝明) 釼先美彦議員の御質問にお答えいたします。  区立公園の改善と区役所の活用についてであります。  まず、区立公園の改善についてですが、区立公園の改修は、老朽化した公園施設の改修と、時代の変化に対応した新しい機能を盛り込むため、長期計画に基づき、年間2園を全面リニューアルしております。この夏も猛暑の中、作業員の体調を管理しつつ、公園の整備を進めてまいりました。
     健康遊具と児童遊具の割合についてですが、大規模改修時の設計では、公園の利用状況や地域のニーズを調査し、改修のコンセプトを定めております。  児童や幼児を対象とした遊具や高齢者向けの健康遊具は、このコンセプトに基づき、公園の面積や設置スペース等を考慮し、全体のバランスをとりながら配置しております。  次に、こどもたちが楽しめる公園についてですが、小高い山である築山は、千石二丁目公園や扇橋三丁目公園のほか、牡丹町公園などにあります。扇橋三丁目公園には滑り台を、牡丹町公園にはアスレチック遊具をあわせて設置しており、多くのこどもたちが毎日楽しく遊んでおります。  築山はこのこどもたちに人気のある施設ですが、公園の広さや公園の広場の配置、遊具の配置等を勘案すると、設置できる公園は限られています。可能なところにはできるだけ設置してまいりたいと考えております。  今後も地域のニーズに対応した設計を行い、こどもたちが遊びの中で心身を育み、高齢者が生き生きと健康の増進を図り、地域の誰もが安らぎを感じる公園整備を進めてまいります。  次に、区役所の有効スペースの活用ですが、安らぎのある公園への改善と災害対応スペースへの活用についてのお尋ねですが、災害対策用としては、既に江東区地域防災計画において、芝生エリアを初めとする庁舎緑地と駐車場を災害時の食品集積地として指定しております。  これは、災害時に区が都に生活必需品等の支援物資を要請した場合や、他道府県から支援物資等が輸送された場合、地域内輸送拠点である区役所本庁舎のほか3施設に物資が集積され、仕分け後、防災倉庫もしくは避難場所に配送する計画となっております。  当該敷地を公園に改善するに当たっては、木製ベンチや健康遊具の設置等が支援物資の配送等に影響を及ぼすことも想定されます。  また、芝生エリアやその他の有効スペースは、防災上の食品集積地として指定されているほか、コミュニティサイクル事業やタイムカプセルの埋設、東京2020オリンピックパラリンピックデーカウンターの設置など、現状においてもさまざまな形で活用いたしております。  公園を含めたさらなる有効活用に向けては、今後の検討課題と考えております。  なお、その他の御質問につきましては、所管部長から答弁いたさせます。    (押田文子政策経営部長登壇) 31 ◯政策経営部長(押田文子) 次に、長期計画策定における区民等の参画についてお答えいたします。  まず、ネクスト・プランの区民会議についてであります。  次期長期計画は、現行計画との連続性を保ちつつ、平成32年度からの10年を基本構想の実現に向けた次なるステージと捉え、(仮称)ネクスト・プランとして策定するものであります。  お尋ねのネクスト・プランにおける事業展開や施策の計画化につきましては、今後も予測される人口増への対応を初め、東京2020大会後のレガシー形成など、新たな課題にも取り組むことが想定されますが、御指摘のとおり、戦略的かつ実効性のある計画とするためには、社会の潮流や区民ニーズ等を的確に捉える必要があり、本年度に実施する現状と課題分析や区民会議等における区民意見も踏まえ、今後策定を進めてまいります。  次に、区民会議の実施内容ですが、公募区民100名によるワークショップを本年度中に5回開催する予定であり、初回はカフェのようなリラックスした雰囲気の中で対話を行う、ワールドカフェを実施することとしております。  ワールドカフェは、議論の絞り込みや到達点の設定は極力行わない拡散・発散型の討議方式であり、行政にない区民ならではのアイデア創出を期待しているところであります。  また、参加者への告知方法や募集については、区報、ホームページでの周知を初め、出張所、文化センターなど、区内57施設で案内チラシを配布しているほか、子育て情報アプリ等を活用するなど、幅広い参加を募っているところであります。  次に、区内大学との協働についてでありますが、次期長期計画策定に向けた大学連携につきましては、基本構想に掲げた5つの大綱から、グループごとにテーマを選択し、政策提言をいただくこととしており、お尋ねの緑化や健康分野の提言もなされるものと考えております。  次に、芝浦工業大学との知の拠点事業につきましては、平成25年度に文部科学省の採択を受け、ロボット技術による見守り・健康支援等スマートタウン構築に資する取り組みを進めてまいりました。また、平成27年度より深川江戸資料館とも連携し、開発中のロボット実証実験を行っているところであります。  次に、ボランティアを含めた区内大学との協働についてでありますが、大学は、活力ある地域づくりや人材育成など、地域社会の発展に寄与する重要なパートナーであると考えております。このため、芝浦工業大学、東京海洋大学、武蔵野大学の3大学とは包括連携協定を締結し、区政のさまざまな分野で連携、協働を進めているところであります。  次に、大学生が政策提言やボランティア、アルバイト等にかかわれる窓口の一本化についてでありますが、現在の大学との協働は、区と大学の相互発展に資するものとなるよう、各大学の専門性や特殊性を発揮しつつ、学生の学習や研究の一環とする取り組みが主であることから、各分野の所管部署と大学とが協議をしながら効果的な連携を行っているところであります。  このため、窓口を一本化した「カレッジサポート窓口」の新設については、現在のところ予定しておりませんが、大学生が参画しやすく、また、区政への関心を高めることができる協働のあり方については、各大学や学生の意向も踏まえながら検討してまいります。    (大塚善彦地域振興部長登壇) 32 ◯地域振興部長(大塚善彦) 次に、青少年対策地区委員会についてのお答えをいたします。  まず、青少年対策地区委員会の評価と各地区間の補完についてです。  青少年対策地区委員会は、区長の附属機関である青少年問題協議会と連絡、調整を図りつつ、地域の団体や住民などと連携、協力をしながら、各地区で主体的に青少年の健全育成活動に取り組む団体です。各地区の地域性や地区委員の知識、経験を存分に生かしながら、地区の青少年のために地域に根差したさまざまな活動を展開しております。  近年、青少年を地域ぐるみで育てるという意識が薄れつつある中で、地域の教育力を高めていくことは、安全・安心な生活環境をもたらすだけでなく、住みやすく魅力あふれる地域づくりにつながることから、地域社会の力を結集して、青少年健全育成活動を推し進める地区委員会の果たす役割は大きなものがあると考えております。  地区委員会は発足時、区内5地区に設けられていましたが、昭和55年に現地域振興担当係長が区内9出張所に配置され、地域と行政の密接な関係を構築し、地区委員会活動をより円滑に執行するため、地区委員会の事務局長を担う現在の形となりました。  各事務局長がチームとなって補完することについてのお尋ねですが、それぞれの地区委員会で、構成メンバーや委員会の運営方法、事業の進め方等が異なる中で、事務局長間で日ごろから情報の共有化を図るとともに、定期的に担当係長会等を開催し、各地区の円滑な事業実施並びに連携に努めております。  また、薬物乱用防止講演会や夜間巡回活動、委員研修といった事業を複数の地区委員会で合同で実施するなど、相互協力が行われております。  次に、各地区委員会の認定制度についてです。  東京都には、青少年健全育成地区委員会等推進モデル事業としての活動への表彰制度があり、本区としては、こちらの制度を活用している状況です。認定制度とは異なりますが、各地区委員会の活動を広く周知すべく、青少年健全育成広報紙「きずな」で、各地区委員会の活動を紹介し、区立小中学校や区内高校の全児童・生徒に配布、また、文化センター等の区内各施設に配架する中で、引き続き活動の認知度を高めてまいります。  次に、青少年対策地区委員会の役割の方向性についてです。  まず、地区委員会の名称変更についてですが、地区委員会の名称は、「地区対」の略称で、地域において長きにわたって親しまれております。  一方で、地域における青少年健全育成の担い手として若い力が加わることは、活動の活性化に必要であることなどから、名称変更に当たっては、各地区委員会の意向を十分に確認し、丁寧な合意形成の上、対応していくべきものと考えております。  また、活性化に向けた各地区委員会の活動の見直しについてですが、平成28年度より、他地区の委員同士の情報交換や共通課題への対応などを検討するため、地区委員学習会を実施しております。地区委員会の横の連携を深めるとともに、活動の活性化に向け、今後も有効に活用していきたいと考えております。     ───────────────────────────────────── 33 ◯議長(佐藤信夫議員) 30番菅谷俊一議員。    (30番菅谷俊一議員登壇) 34 ◯30番(菅谷俊一議員) 日本共産党を代表し、大綱3点について質問いたします。  質問の1点目は、児童虐待問題についてです。  5歳の女の子が食事を与えられないなどの虐待で亡くなる痛ましい事件が目黒区で起こるなど、全国の児童虐待件数は、昨年度13万3,778件で過去最多です。こうした事態を受けて政府は、児童相談所の体制強化を打ち出し、また東京都も全庁的なプロジェクトチームを立ち上げ、児童福祉司や児童心理司の増員など、総合的な対策を進めるとしています。  本区においても、虐待相談件数が6年前の2倍以上、1,037件に達するなど、増加の一途であり、児童虐待対策の強化が必要です。  児童虐待相談の本区での対応は、現在、庁内の子育て支援課と南砂子ども家庭支援センターの2カ所で行っています。そのうち、南砂子ども家庭支援センターでの相談件数は、昨年度で573件、現在6人の職員で対応中ですが、職員1人当たり95件にもなります。また、虐待の受理件数でも、1人平均65件抱えています。国は、1人当たり20から30件が妥当としており、専門職員を増員するべきです。伺います。  さらに、きめ細やかで迅速な対応を図るためにも、他の4カ所の子ども家庭支援センターに児童虐待相談窓口を設置するべきです。中でも、児童の増加が著しい豊洲子ども家庭支援センターに早期設置を求めます。また、亀戸地域や有明地域に子ども家庭支援センターの早期増設を求めます。伺います。  虐待防止対策について伺います。  一昨年度、全国の虐待死77件のうち、ゼロ歳児が32人で一番多く、3歳未満で全体の8割を占めています。本区の虐待相談では、乳幼児が4割、小中学生が5割、両者で全体の9割を占めています。また、虐待者では実母が大多数で、精神疾患も少なくありません。  医療機関との連携強化とともに、妊婦健診や妊婦訪問指導、新生児・産婦訪問指導、乳幼児健診時でのチェックや啓発強化、保健師等の訪問支援、保育所の子育て相談の拡充など、産後鬱、心のケアへの支援強化を図ることを求めます。また、学校での対応強化に向け、全ての小中学校にソーシャルワーカーの配置を求めます。伺います。  本区の児童虐待の家庭環境では、ひとり親家庭が多数です。国の調査でも、ひとり親家庭の6割は生活が苦しく、生活苦や貧困は児童虐待を起こす大きな要因です。ひとり親家庭など生活が苦しい家庭に対し、家賃助成や保育料軽減、学校給食費の無料化、就学援助の拡充など、経済的支援の強化が必要と考えますが、区の見解を伺います。  区は、児童虐待対策の中心機関となる児童相談所と一時保護所を平成37年4月に開設する計画です。区は、枝川にある東京都の児童相談所と一時保護所の移譲、譲渡を要請していますが、都は応じる姿勢がないと伺っています。また、児童福祉司などの専門職員の確保、育成でも、都の児童相談所への研修受け入れ数が23区の希望数の半数以下であり、このままでは区の計画がおくれかねません。都が施設の譲渡にあくまで応じないのであれば、区の独自整備に向けた検討を行うべきです。また、都に対し、職員育成受け入れ数の拡大を求めるなど、緊密な連携強化を構築するべきです。さらに、他の自治体に対しても、職員育成の受け入れ拡大を図るべきです。あわせて伺います。  大綱2点目は、受動喫煙防止対策についてです。  東京オリンピックパラリンピック開催を控え、都は、ことし6月に受動喫煙防止条例を制定しました。また、国においても、健康増進法が7月に改正され、いずれも来年9月から施行されます。これにより、行政機関や医療機関、学校等を初め、事務所、飲食店などでの受動喫煙防止対策が講じられることになります。  初めに、たばこの健康被害についてですが、たばこは単なる嗜好品ではありません。ニコチンによる麻薬性中毒の依存症と多大な健康被害を起こす有害なものです。がんや心疾患、肺炎、脳血管疾患など、我が国の4大死因全てをふやし、毎年13万人が喫煙で死亡しています。  また、受動喫煙の被害は、喫煙に伴う副流煙の有害性が極めて高く、肺がん、虚血性心疾患、呼吸器疾患など、多くの致死的な疾患を引き起こすことが世界保健機関(WHO)で結論づけられ、日本でも、国立がんセンターの調査によると、年間1万5,000人が受動喫煙で死亡しています。  たばこによる健康被害について区の見解を伺うとともに、禁煙に向けた区民への啓発活動の強化が必要と考えますが、見解を伺います。  都条例及び改正健康増進法のもとで区は、受動喫煙防止に向け、区役所の屋内喫煙所を廃止し、庁舎敷地内に屋外喫煙所の設置を検討しているとの報道があります。  国際オリンピック委員会(IOC)とWHOは、2010年にたばこのない五輪推進で合意し、開催国で実施されています。東京五輪開催で本区は、世界各国の人々から注目されます。屋外喫煙所設置では、出入り口でのたばこ粒子の拡散、喫煙者の衣服付着による被害など、受動喫煙は防げないと考えます。  大田区や江戸川区では、敷地内全面禁煙を検討しています。本区も、たばこのない五輪推進の立場に立ち、庁舎敷地内も全面禁煙にするべきです。同時に、区民センターや文化センターなども敷地内禁煙とすることを求めます。伺います。  また、行政機関外の議会棟の屋内喫煙所も廃止するべきものと考えます。  次に、区内飲食店への対応について伺います。  国の基準より規制を強化した都条例では、従業員を雇用している飲食店について、客室面積にかかわらず屋内禁煙とし、これにより都内飲食店の8割以上が義務化されます。一方、個人や家族経営店は経営者の判断になっています。  近年の五輪開催都市では、飲食店は全て屋内禁煙です。禁煙にしたらお客が減るのではなどの不安の声がありますが、各国の調査でも、全面禁煙によって飲食店やバーなどでの来客数がふえ、増収となっています。また、国内のレストラン調査でも、来客も売り上げも増加しています。業者の不安払拭と飲食店禁煙を広げるために、区の啓発活動の強化を求めます。伺います。  同時に、店内禁煙が義務となる従業員がいる店舗の調査、点検、現場からの告発などによる指導等の対応に向け、保健所体制の拡充が必要と考えますが、区の見解を伺います。  受動喫煙防止に向けた都条例や改正健康増進法は、WHOや五輪開催国の水準に比べて規制が緩くなっています。ニコチンなどの有害物質を出している加熱式たばこの規制強化を初め、飲食店の室内全面禁煙、行政機関等の屋外喫煙施設容認の見直しなど、速やかな改善を都や国に求めるべきです。伺います。  大綱3点目は、障害者支援についてです。  初めに、障害者の多機能型施設整備などについて伺います。  区は、多機能型施設整備に向け、来年度での設計着手を目指していますが、まだ設置場所が未定と伺っています。  私たち区議団のアンケートには、医療的ケアが必要な重度の身体障害者を在宅で7年間介護している母親から、「レスパイトを含むショートステイなど、安心して預けられる施設を一日も早く整備してほしい」との切実な声が寄せられています。  当初の計画では、平成27年度開設であり、これ以上の先延ばしはあってはなりません。土地購入を含め、区みずから施設整備するなど、区の責任で早期に整備することを求めます。伺います。  また、亀戸、東砂の福祉園についても、東京都の補助制度を活用して看護師等を配置し、医療的ケアが必要な重度障害者の支援につなげるべきです。伺います。  次に、障害児の放課後等デイサービス施設の増設について伺います。  区は、臨海部地域で不足している放課後等デイサービスの整備を求める区民の議会陳情を受け、今年度、開設前の補助として予算を計上しましたが、まだ具体化されていません。臨海部地域は家賃が高く、物件確保が困難と伺っています。開設後の家賃補助の実施など、支援拡充が必要です。また、中学生以上の放課後デイ不足が深刻との陳情者の要望を受けとめ、早期整備を求めます。あわせて伺います。  障害福祉サービス等の報酬改定について伺います。  国はことし4月に、障害者通所施設などに支払う基本報酬を改定しました。これにより、一般就労が困難で工賃が低い障害者が働く就労継続支援B型事業所では、基本報酬が、障害者に支払う工賃の金額に応じて7段階に区分されたために、平均工賃が低い事業所ほど報酬が下がり、減収になります。  本区では、B型事業所が31カ所あり、「減収になれば職員を減らさざるを得ない」との声が上がっています。  また、放課後等デイサービス事業所についても、重い障害児を多く持つ事業所に報酬を厚く、そうではない事業所への報酬を下げたことで、区内36カ所の事業所への影響が懸念されます。区として各事業所の実情を把握し、必要な支援を行うことを求めます。また、国に対し、基本報酬の改善を求めるべきです。伺います。  次に、障害者スポーツの普及・振興について伺います。  私ども区議団が求めてきた初級障がい者スポーツ指導員の養成講習会が平成28年度から始まり、3年間で82人が受講しました。この講習会には、講習費と登録料で1万2,800円が必要です。健康スポーツ公社の職員やスポーツ推進委員は区の補助等で無料ですが、受講者の半数を占める一般公募区民は全額自己負担です。  区内障害者スポーツの普及振興に携わる公募区民への講習料等の補助とともに、毎年3,800円かかる登録更新料も補助することを求めます。中級資格取得の講習会実施や資格を取得した指導員の活躍の場を広げるなど、指導員養成事業を拡充することを求めます。伺います。  また、自閉症の子を持つ区民からは、区のプールに介助員を配置してほしいとの声が上がっています。介助員配置に向けた区の支援とともに、月1回のスポーツ会館での障害者水泳教室をふやすなど、障害者スポーツ事業の拡充を求めます。伺います。  次に、塩浜福祉園の指定管理について伺います。  区は、塩浜福祉園の管理運営を民間事業者に委託する議案を今議会に提出しました。これまで区は、「父母の会の理解を得る」、「丁寧な説明をしていく」と繰り返し述べてきました。しかし、父母の会は、「ことし3月と4月の園との定例会でも、指定管理者の事前説明は一切ありませんでした」と言っています。父母の会からは、「私たちの合意なしで決められることに不信感でいっぱい」との声が上がっています。  国連の障害者権利条約は、私たちのことを抜きにして私たちのことを決めないでと定めています。父母の会の理解も合意もない民間委託は中止するべきです。同時に、父母の会の切実な願いを受け入れ、トイレに車椅子が入れるようにするなど、塩浜福祉園の大規模改修を最優先することを強く求め、質問を終わります。(拍手)    (山崎孝明区長登壇) 35 ◯区長(山崎孝明) 菅谷俊一議員の御質問にお答えいたします。  受動喫煙防止対策についてであります。  初めに、たばこの健康被害と対策についてですが、喫煙は健康に悪影響を及ぼすことが科学的に明らかになっており、受動喫煙のある人とない人を比較すると、肺がんになるリスクは約1.3倍と言われています。また、乳幼児突然死症候群やぜんそくなど、こどもの受動喫煙による健康影響についても指摘されているところであります。  東京2020オリンピックパラリンピックの開催を控え、また、何よりも区民の健康増進の観点から、受動喫煙防止対策の推進は、区として喫緊の課題であると認識しております。  区は、これまでも健康寿命の延伸やがん予防のために、5月の世界禁煙デーに、たばこに関するパネル展示や肺年齢測定を実施するとともに、妊婦や小中学生に対するたばこの健康影響についてのリーフレットの配布等を行っております。今後とも、たばこに関する健康影響についての正しい知識の普及啓発を行ってまいります。  次に、行政機関等の敷地内禁煙についてであります。  まず、本庁舎の敷地内全面禁煙に対するお尋ねですが、区では現在、法令上認められる屋外喫煙所設置について、庁舎内喫煙所撤去に対する代替機能や路上喫煙防止対策としての側面も踏まえつつ、まだ詳細が明らかになっていない施設要件等が政令及び都条例施行規則で明らかになり次第、全体的な均衡を図った上で方針を決定してまいります。  次に、区民センターや文化センターなどの敷地内禁煙についても、複合施設にかかわる取り扱いや施設要件等、詳細が不明なため、引き続き詳細の把握に努めながら方針を決定してまいります。  次に、区内飲食店への対応についてですが、改正健康増進法では、飲食店について一部の店舗を除き、原則屋内禁煙としており、都条例では、屋内禁煙の対象となる施設がさらに拡大されることになります。このため、飲食店事業者の不安を解消し、御理解、御協力を得ることが必要となります。  現在、東京都では、ホームページでのQ&Aの掲載や専用電話等での相談窓口を設置し、理解促進を図っているところであります。  区としても、東京都と連携しながら、区報やホームページ、リーフレット等を活用して、条例の趣旨や目的等について丁寧な説明を行ってまいります。  また、改正健康増進法や都条例では、保健所が飲食店への指導、勧告や命令、罰則の適用、立ち入り検査の業務を担うこととなっております。  区は、2020年の法及び条例の全面施行までに、都と連携しながら適切に業務を遂行できるよう準備を進めてまいります。  次に、東京都の受動喫煙防止条例と改正健康増進法の見直しについてですが、国及び都は、法及び条例の施行5年経過後に、規定の施行状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づき必要な措置を講ずるとしております。区としては、国及び都の動向を注視してまいります。
     なお、その他の御質問につきましては、所管部長から答弁いたさせます。    (伊東直樹こども未来部長登壇) 36 ◯こども未来部長(伊東直樹) 次に、児童虐待問題についての御質問にお答えします。  まず、本区の児童虐待対策の強化についてです。  南砂子ども家庭支援センターの虐待対応ケースワーカーを増員すべきとの御意見ですが、区ではこれまでも非常勤職員を常勤化するなど、必要に応じて対策の強化を図ってきたところであります。今後も、必要に応じて対応を検討してまいります。  また、豊洲子ども家庭支援センターを初め、他のセンターにおいても虐待相談窓口を設置すべきとのことですが、虐待対応ではケースの適切な進行管理が重要で、拠点をふやすと調整が複雑になり、迅速な対応にデメリットが生じるおそれもあることから、現在、子育て支援課と南砂子ども家庭支援センターのみで対応しております。このため、全ての子ども家庭支援センターで虐待対応を行う考えはありません。  亀戸・有明地区における子ども家庭支援センターの整備についてですが、これまで大規模開発の事業者と調整を行ってまいりました。その結果、亀戸地区はサンストリート跡地の開発の中で、有明地区は有明北地区3-1-B街区の開発の中で、それぞれ整備を図ることができる見込みとなり、現在、関係者と詳細を詰めているところであります。  次に、虐待防止対策についてです。  まず、産後鬱や心のケアへの支援強化を図るべきとの御指摘であります。区では、保健相談所において、妊娠から出産、子育て期に至るまで、各種事業を通じて切れ目のない支援を提供しております。これらの事業を通じて、必要な場合には、医療機関を含む関係機関と適切な連携を図っているところであります。  スクールソーシャルワーカーの配置についてですが、こどもたちの抱える課題は複雑化、深刻化しており、これらの問題を解決するため、これまでも教員と連携して活動する専門職であるスクールソーシャルワーカーを配置し、派遣型支援とともに巡回型支援を実施してまいりました。今後、課題を抱える児童・生徒への一層きめ細やかな支援と迅速な問題解決を図ることができるよう、検討を進めてまいります。  また、生活が苦しい家庭に対する経済的支援の強化ですが、区では、これまでも保育料の軽減措置や中学生への就学援助費の前倒し実施等、子育て世帯に対する必要な経済的支援施策を行ってきたと認識しております。今後も必要な事業につきましては、充実を図ってまいります。  次に、本区の児童相談所等の設置についてです。  まず、本区独自の整備に向けた検討を行うべきではないかとの御指摘であります。枝川にある江東児童相談所は築年数も短く、また一時保護所も併設していることから、区といたしましては、現時点では、引き続き、都に建物の譲渡を求めていくことを優先的に考えていきたいと思っております。  また、都や近隣の他の自治体に専門職の研修受け入れ枠の拡大を求めるべきとのことですが、現在、区職員の都や近隣自治体の児童相談所への派遣研修については、特別区全体で調整を図っており、本区独自の枠を設定することはできません。これまで特別区として、都に対して受け入れ枠の拡大を求めてまいりましたが、引き続き要望を行ってまいります。    (武田正孝福祉推進担当部長登壇) 37 ◯福祉推進担当部長(武田正孝) 次に、障害者支援についての御質問にお答えいたします。  まず、障害者の多機能型施設整備等についてでありますが、多機能型入所施設につきましては、平成31年度設計着手を目指し、整備用地の確保も含め、全庁的に検討を進めてまいります。  東京都の補助制度を活用した医療的ケアが必要な方の受け入れについては、職員配置や設備などが施設ごとに異なることから、慎重な検討が必要と考えております。  次に、放課後等デイサービス施設の増設についてですが、臨海地区に特別支援学校が開校する来年4月の開設に向けて取り組んでおります。平成30年度予算において開設前家賃等の補助を計上しておりますので、開設後の家賃については、現在のところ区独自の補助を実施する考えはありません。  また、平成30年9月現在、区内の放課後等デイサービスは36施設であり、中学校や高校に通う生徒を対象としている施設も多く、区全体として放課後等デイサービスの施設はおおむね充足していると認識しております。  次に、障害福祉サービス等の報酬改定についてであります。  就労継続支援B型事業所については、定員規模の設定に加え、平均工賃月額に応じた基本報酬が新たに設定されております。工賃が高いほど障害者の自立した地域生活につながることや、生産活動の支援には労力を要することから、めり張りをつけた報酬設定となっております。  また、放課後等デイサービスの給付費についても、これまで一律の単価設定だった基本報酬が、障害児の状態や提供時間に応じた報酬設定に見直されたものであり、このため、いずれについても区独自の支援を実施する考えはなく、国に基本報酬の見直しを求める考えもありません。  次に、障害者スポーツの普及・振興についてであります。  まず、受講料等の補助についてですが、一般区民の方は、個人的な資格取得やスキルアップを目的に受講されている方もおり、補助を行う考えはありません。  また、中級障がい者スポーツ指導員養成講習会は希望者数が少ないこと、指導員養成事業の拡充はスポーツイベントなどへの派遣協力依頼がふえていることの現状を踏まえますと、実施は困難と考えております。  プールでの介助員の配置や障害者向け水泳教室の拡充についても、障害特性に応じた対応や、ほかの教室や一般公開とのバランスから困難と考えてございます。  次に、塩浜福祉園の指定管理についてでありますが、これまで利用者家族には、都内通所施設の視察や家族会、懇談会、9割の世帯で行った個別説明会などを通して、指定管理者制度について丁寧な説明や意見交換に努めてまいりました。本年3月、4月の家族会では、募集要項の説明、質疑応答を行ったところであります。  区といたしましては、指定管理者制度導入については、多くの御家族の御理解をいただいていると認識しており、制度導入を中止する考えはありません。  また、塩浜福祉プラザの大規模改修につきましては、新たな長期計画を策定する中で検討してまいります。     ───────────────────────────────────── 38 ◯議長(佐藤信夫議員) 37番白岩忠夫議員。    (37番白岩忠夫議員登壇) 39 ◯37番(白岩忠夫議員) 民政クラブの一員として、大綱3点についてお尋ねいたしますので、区長を初め関係理事者の誠意ある御答弁をお願いいたしまして、質問に入ります。  大綱の第1点目は、高齢者の医療・介護の連携についてです。  江東区も超高齢社会にあり、区の推計では、特に75歳以上の高齢者は、平成28年度の5万人から平成37年度には6万4,000人にまで達すると聞いております。  高齢になると骨折や病気などを機会に、その後の体調に大きな変化がもたらされ、日常生活が不自由になるものです。若い世代の同居家族があれば、インターネットなどでサポートできる事業などを調べることもできますが、高齢者世帯や独居老人の場合は、特に退院後の生活が不安なまま、どうしていいかわからずにいるケースも多くあります。  また、高齢者になると日々の判断能力も衰えがちとなり、認知症への漠然とした不安も大きくなるのです。そこで、高齢者の医療・介護の連携についてお伺いいたします。  1点目は、社会や行政とのつながりについてです。  高齢者自身が健康なときに、福祉会館など公共施設を日常で使用する、あるいはボランティア活動などに参加するなど、何らかの社会活動や行政とのつながりにより、情報を得る機会や相談がしやすい環境に身を置いておくことが大変重要と考えていますが、区の見解と取り組み、現状についてお伺いいたします。  2点目は、退院後の在宅医療についてです。  どのようなアプローチがあり、不自由なく治療を受けられるのでしょうか。知識がなく、ただ不安な思いだけでは、相談するにしても具体的な内容には結びつかないために、患者や家族から能動的に相談できる環境だけでなく、周囲からの知識の付与が重要と考えます。退院後の治療を確実に受診できるようにするために、どのような支援があるのでしょうか。  3点目は、医療分野と介護の情報の連携についてです。  訪問診療や往診、緩和ケアなどの医療の部分と、訪問介護や通院の補助などの介護の分野との切り分けが一般の方々にはわかりにくく、栄養面などの専門的な知識やサポートを必要とする場合にも、どこに相談すればいいのか、どういった観点から相談すればいいのか、混乱してしまうことも多いようです。また、病院とかかりつけ医との連携についてもわかりにくいようです。  高齢者やその御家族にとって、こうしたわかりにくさを解消し、安心して医療や介護を利用できるように、高齢者の情報を正しく共有できる体制を整えるべきと考えますが、退院時に医療情報等を介護事業者に伝えるようなシステムはあるのでしょうか。また、病院とかかりつけ医との情報連携の方法はどうなっているのでしょうか。さらに、医師と訪問看護師との連携はどのようになっているのでしょうか、お伺いいたします。  また、高齢者が住みなれた地域で暮らしていくためには、医療・介護連携が不可欠であると考えています。本年度策定された江東区高齢者地域包括ケア計画にも記載がありますが、本区の取り組みの現状についてお伺いいたします。  4点目は、在宅療養や介護サービスに関する広報についてです。  情報は日々発信されているものと思われますが、しかしながら、残念なことに区民としては、必要に迫られないとなかなか情報を自分のものとして蓄積はしないものです。いざ必要な事態になったときは、混乱してしまう、うまく情報を入手できないということ、特に高齢者には多いようです。区は情報をどのように整理し、区民にとってわかりやすく、また、入手しやすいような工夫をしているのでしょうか。  5点目は、長寿サポートセンターのサービス拡充と緊急時の対応についてです。  本区には、住民同士の見守り活動を行っている地域もあり、下町の人情や若い力でサポートを期待できることがあります。しかしながら、住民同士の見守りでは、想定外のことや解決策を得られないような事態が起こります。また、このような緊急事態は、夜間など長寿サポートセンターの開設時間外に発生することがあります。このようなときでも対応してもらえる仕組みの一つとして、センターの開設時間の拡充を行うことによって、隣近所の住民も安心してサポートができるものと考えております。現状はどのようになっているのでしょうか。  大綱の2点目は、地域のにぎわいの創出についてです。  本区は、東京2020オリンピックパラリンピックの競技大会を2年後に控え、今後、国内外から多くの観光客が訪れることが予想されています。そのため、こうした観光客をお迎えするためには、地域のにぎわいを創出し、区内商店街の活性化や観光振興が欠かせないものと考えております。特に訪日外国人の増加により、区内の商店街、商店にとりましては、販売機会の拡大への期待が膨らむまたとないチャンスだと考えております。  地元地域での買い物や飲食店を訪れる方がふえることによって、地域がにぎわい、そして商店振興が図られるものと確信しております。  しかしながら、現状の商店街は、大規模小売店舗の進出や消費者の嗜好の多様化、商店主の高齢化や後継者の不足等により、活気が失われているのではないかと感じることもあります。そこで、商店街の活性化についてお伺いいたします。  本区においては、これまで商店街のイベント補助等、さまざまな施策を講じてきていることは承知しておりますが、こうした環境変化を踏まえて、訪日外国人等を取り込んだ地域一帯のにぎわいの創出に資するような商店街支援策について、本区での取り組み内容と今後の展望についてお聞かせ願います。  次に、江東ブランド推進事業についてですが、地域の活性化のためには地元企業の活力が欠かせません。本区におきましては、地域ブランドとして26年度より、時代の激しい動きの中ですぐれた製品や技術でものづくりを行い、それを守りながら継承し発展を続けている企業を認定し、区とともに、さまざまなPR活動を通じて、江東ブランド推進事業を展開していることは承知しております。  江東ブランドは、区内外の人に江東区のものづくりのすばらしさを認識してもらい、江東区のブランド力を向上させ、企業と区のイメージアップを図り、産業の活性化や次の世代にものづくりをつないでいくことを目的としていると聞いております。こうした取り組みをさらに積極的に推し進めて、魅力ある江東区の産業を広く発信し、産業全体の活性化につなげていくことが重要と考えております。そこで、江東ブランドについて、本区での取り組み内容と今後の展望についてお聞かせ願います。  次に、観光協会の一本化についてお伺いいたします。  現在、区は、一般社団法人江東区観光協会に亀戸観光協会と深川観光協会を統合するという、観光協会一本化の取り組みを進めていると聞いております。まず、現在の一本化に向けた具体的な取り組みについて、その進捗をお伺いいたします。  また、単に3つの観光協会を1つに統合するだけでは何も変わりません。せっかく一本化するのですから、江東区全体として観光施策の充実や地域を巻き込んだ取り組みを行う必要があると考えます。  私が以前、視察を行った地域では、いずれの市も市役所と観光協会の職員の積極的な取り組みがさまざまな観光イベントの充実につながり、結果的に地域の活性化に大きく貢献しておりました。  本区も、観光協会が連携をとり、区全体を巻き込んで実施するようなイベントを開催し、地域の活性化に大きく貢献していただきたいと考えております。そこで、改めて観光協会の一本化のメリットと統合後の江東区観光協会の役割、取り組みについて、区の考えをお尋ねいたします。  この大綱の最後に、公共サインの表記についてお伺いいたします。  これまで地域のにぎわい創出をテーマに、商業振興、観光振興について述べさせていただきましたが、今後、訪日外国人が多く訪れることが想定される中、本区のさらなる商業振興、観光振興を進めていくためには、訪日外国人等の旅行者が迷うことなく目的地に行けること、また、回遊性を確保することが重要であると考えます。  本区は昨年度、公共サインガイドラインを策定し、サインの再整備を進めておりますが、そのサインの整備に当たり、訪日外国人等へのわかりやすい表記等については、どのような方向性を持っておられるのか、お伺いいたします。  大綱の3点目は、こどもたちの教育環境に関する取り組みについてであります。  まず、小中一貫校の今後の取り組みについてお尋ねいたします。  本年4月に、区内初の小中一貫校として有明西学園が開校いたしました。先日、視察で訪ねたところ、木をふんだんに使用したすばらしい校舎であることは言うまでもなく、これまでの小学校、中学校という垣根がなくなり、1年生から9年生まで1つの学校の中で日々の教育活動が一体となって実施され、その中でこどもたちが生き生きと学校生活を送っている様子を拝見し、大変に感銘を受けました。  本区は、これまでも保幼小中の連携の取り組みを進めてまいりましたが、私が住んでいる地区の香取小と第二亀戸中学校の連携など、一定の成果を上げていることは承知をしております。  一方で、今後はとりわけ中1ギャップと言われるような、学校間の境目を少なくし、小学校から中学校への接続が問題なく円滑になるよう、取り組みを一層進めていく必要があると考えています。  そこで、義務教育学校として、小中一貫教育をスタートした有明西学園の取り組みを検証し、その成果を全区に広げ、他の小学校においても、地域や学校の特徴を生かした9年間の学びの充実を図っていくべきと考えますが、区の見解をお伺いします。  次に、中学校の校外学習の取り組みについてお伺いいたします。  富士見高原学園では、これまで区立中学校の校外学習活動において、八ヶ岳山系への登山や自然活動、歴史文化施設などの見学など、さまざまな活動を実施してきていると思いますが、施設の老朽化が著しいということで、区は検討を重ねた結果、平成30年度をもって学園の廃園を決定したということであります。  私は個人的には、木造でとても趣がある施設ですし、学園周辺の自然環境もすばらしく、長年の愛着もあり、廃園になるのは大変残念ではありますが、やむを得ない判断だと思っております。  今後、廃園後は、民間の借り上げ施設を利用すると聞いておりますが、その進捗状況をお伺いいたします。  また、今後の校外学習ですが、私は、富士見周辺の活動にこだわらず、農業体験、そして沖縄の平和学習のような体験学習を取り入れてもよいのではないかと思っています。区の考えをお伺いいたします。  次に、外国人の教育環境整備についてであります。  本区は年々人口が増加しており、外国人住民の方々もふえております。私の住む亀戸も例外ではなく、近所のスーパーなどに行きますと、外国語での会話をよく耳にします。  先日、学校行事の際に近くの学校を訪問したところ、外国人のこどもたちがふえていることを改めて実感いたしました。休み時間や放課後など、同じ母国語のこどもたち同士で過ごすことが多くなりがちで、日本語の習得がなかなか進まないお子さんもいると伺っております。日本に来たこどもたちが日本になれ、日本の学校で学ぶに当たっては、日本語の習得が進まなかったり、日本の学校になじめなかったりして悩んでいるこどもや保護者もいると聞いています。そこで、今後一層ふえることが予想されている外国人のこどもの日本語教育の充実について、区の見解をお伺いいたしまして、私の質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手)    (山崎孝明区長登壇) 40 ◯区長(山崎孝明) 白岩忠夫議員の御質問にお答えいたします。  地域のにぎわいの創出についてであります。  まず、商店街の活性化についてですが、訪日外国人等を取り込んだにぎわいの創出については、区としては、商店街ホームページ等の多言語化の支援や、外国人記者の直接取材によることみせ英語版ウエブサイトの開設のほか、コミュニケーションボード等による英会話講座の開催など、環境整備を進めております。  また、今年度から地域連携型商店街事業を立ち上げ、商店街だけでなく町会やNPOをも巻き込んだ特色あるイベントに対する支援を予定しており、外国人を含めた地域全体の盛り上げにつながるイベント支援を実施するなど、引き続き商店街の活性化に努めてまいります。  次に、江東ブランド推進事業についてですが、区では、現在32社の江東ブランド認定企業について、これまでPR冊子を作成しているほか、東京ビッグサイトの展示会に江東ブランドブースを設けて出展するなど、認定企業の製品、技術のPRを行うことにより、認知度の向上や販路拡大に貢献をいたしております。  またさらに、区内外の多くの方に江東区のものづくりの魅力をPRすることを目的に、本年5月には、専用ウエブサイトを開設して、いつでもどこからでも江東ブランドとつながることを可能とし、企業のビジネスチャンス拡大への支援を行っております。  せんだって、認定したブランド企業の皆さんとの対談を行いましたが、お見えになった方々は、販路が広がったと、また企業同士の連携がとれていると、大変喜んでいらっしゃいました。また、経営者も若い方々が中心でして、そうした意味では、ブランドが徐々に浸透しているなというふうに感じているところでございます。  今後の展望としては、区の代表となり得る企業の参加を積極的に促すとともに、情報発信の強化等により、広く江東ブランドの認知度を高め、区内産業の活性化に努めてまいります。  次に、観光協会の一本化についてのうち、一本化に向けた具体的な取り組みと進捗についてですが、昨年度、江東区観光推進体制強化検討会において、江東区観光協会に組織を統合する方針を定め、今年度より各観光協会等と協議を行い、統合に伴う組織・人員体制や会計処理などの検討、ホームページの多言語化に向けた取り組みを進めております。  一本化のメリットとしては、全区的な観光推進体制の強化や、観光情報の一元化によるさらなる江東区の魅力発信につなげることなどが考えられます。  また、江東区観光協会の役割などについては、江東区の観光推進の中心として地域の観光関係者やさまざまな施設などと連携を図り、江東区と車の両輪として観光振興を図ることで、地域経済の活性化や江東区を訪れる観光客の満足度を高める役割を担うものと考えております。  次に、公共サインの表記についてでありますが、公共サインの整備については、昨年度、江東区公共サインガイドライン・整備計画を策定し、今年度から2カ年で整備していく計画であります。  お尋ねの訪日外国人等へのわかりやすい表記についての対応ですが、今回の公共サインにおける案内地図表示や誘導表示については、原則として日本語、英語の2カ国語表記となっておりますが、鉄道駅や外国人も多く利用する集客力の高い公共施設、文化観光施設については、中国語、韓国語を加えた4カ国語表記といたします。さらに、ピクトグラムなどの絵文字表記やWi-Fi機能を付加するなど、区内を訪れる外国人観光客に対しても、わかりやすい情報提供に努めてまいります。  なお、その他の御質問につきましては、所管部長から答弁いたさせます。    (石川直昭福祉部長登壇) 41 ◯福祉部長(石川直昭) 次に、高齢者の医療・介護の連携についての御質問にお答えをいたします。  まず、社会や行政とのつながりについてですが、高齢者が地域や行政とつながりを持つことで、社会的孤立を防止することは重要であると認識をしております。そのため、福祉会館や老人福祉センターでは、憩いの場所を提供するだけでなく、介護予防等を目的とした講座を実施し、必要な情報の提供に努めております。  また、シニア世代地域活動あと押しセミナーでは、社会福祉協議会などと連携をして、地域活動への参加を促すための相談会を実施するなど、高齢者がボランティア活動など、社会に参加しやすい仕組みづくりを進めております。  次に、退院後の在宅医療についてです。
     患者が自宅に戻り、安心して療養生活を継続するためには、入院中から患者一人一人の状態に合わせて、退院後の生活を見据えた退院支援を行うことが必要です。区内の病院では、退院調整看護師や医療ソーシャルワーカーなどが配置されており、患者からの相談に応じるとともに、患者に対して病院のスタッフから働きかけ、患者の家族も交えて医療等の情報提供をするなど、退院後の在宅での医療や介護に関する支援を行っております。  また、区では、こうした病院職員などを対象とした研修を開催しており、今後も継続してまいります。  次に、医療・介護の情報の連携についてです。  退院時に直接、介護事業者に医療情報を伝えるということは原則としてございません。しかし、介護事業者との調整に当たるケアマネジャー、かかりつけ医、訪問看護師などと患者の医療情報等を共有するため、退院前に必要に応じてカンファレンスを行っております。また、病院の医師とかかりつけ医、訪問看護師の間では、診療情報提供書や看護サマリーにより情報の連携を図っております。  また、医療・介護連携に対する取り組みの現状についてですが、本区では、地域ケア会議を定期的に開催をしております。この会議を通して、地域の医療・福祉資源を把握し、医療・介護の関係者が情報を共有して活用するとともに、認知症初期集中支援チームの関係者が出席するチーム員会議の場を使うなどして、多職種連携の強化に取り組んでおります。  次に、在宅療養や介護サービスに関する広報のうち、在宅療養についてですが、自宅における療養やみとりについての相談案内、在宅医療の情報等を掲載したガイドブックを作成し、長寿サポートセンター等に配布をするとともに、ホームページにも掲載をしております。  また、介護サービスに関する広報につきましては、制度の内容と相談窓口の情報をまとめた印刷物を、介護保険証や認定結果通知に同封し、送付をしております。  さらに、町会・自治会や高齢者団体等からの依頼に応じて介護保険制度の説明会を実施するなど、区民が必要なときに情報を取得できるよう努めております。  次に、長寿サポートセンターのサービス拡充と緊急時の対応についてです。  センターの開設時間外に発生した高齢者の健康状態にかかわる緊急時には、救急要請し医療機関での対応を、また、緊急に保護が必要な高齢者虐待などの場合は、警察への通報をお願いをしております。センターの開設時間を拡充することでサービス向上が期待できますが、人員確保や費用負担の課題があり、拡充の必要性についても慎重に検証する必要があることから、今後の研究課題と考えております。    (武越信昭教育委員会事務局次長登壇) 42 ◯教育委員会事務局次長(武越信昭) 次に、こどもたちの教育環境に関する取り組みについての御質問にお答えします。  初めに、小中一貫校の今後の取り組みについてですが、現在本区では、江東区保幼小連携教育プログラムをもとに、同じ地域の保育所、幼稚園、小中学校の保育士と教員が一堂に会し、保育や授業を参観したり協議会を開催するなど、連携教育の推進に取り組んでおります。  本年4月に開校した有明西学園は、本区初の義務教育学校として、9年間を通した教育課程のもと、小中学校段階の接続の円滑化や一貫性、継続性のある指導の充実、また、あす開催予定のAri-nishi Sports Dayでは、こどもたちが小中の垣根を超えて一緒に大縄跳びや全員リレーなどの競技を行うなど、異年齢活動の充実等を図っており、これらの取り組みを通して、教職員の意識改革も進めているところであります。  今後は、有明西学園における実践を踏まえ、小中一貫教育の取り組みの成果を検証し、そのすぐれた部分については、全校に少しずつ広げていきながら、既存の取り組みや地域連携を活用し、小中連携を積極的に推進してまいります。  次に、中学生の校外学習の取り組みについてです。  まず、富士見高原学園の廃園後の借り上げ施設についてですが、各校の意見や要望をできる限り反映しながら、昨年度に選定を行っており、現在予約の手続を進めているところであります。  また、現在の富士見の活動の場所にこだわらず、農業体験や平和学習のような活動を取り入れるべきとのお尋ねですが、廃園後もノウハウがある富士見での活動を続けたいという各校の意向に沿い、同様の活動が可能な八ヶ岳周辺等で民間施設を借り上げることとしております。  お尋ねの農業体験については、現在も実施している中学校も複数ありますが、今後もさまざまな自然体験学習の中から選択できるよう、また、平和学習については、社会科や総合的な学習の時間と校外学習とを結びつけて実施をするなど、効果的な学習について検討してまいります。  次に、外国人の教育環境整備についてですが、御指摘のとおり、本区は、外国人住民の増加に伴い、学校においても日本語指導を必要とする児童・生徒が年々増加しております。本区では現在、要請に応じて、各校に日本語指導員を12回から18回程度派遣し、初期の日本語指導を行っており、学習が難しくなる中学生には、区の非常勤講師を派遣するなど、継続的な支援を行っております。  また、有明西学園に日本語学級、深川第八中学校に日本語クラブを設置するとともに、区内6校に日本語指導加配教員を配置し、さらには大学と連携し、日本語ボランティアの派遣を行うなど、日本語指導の充実を図っているところであります。  しかしながら、近年、学習のみならず、日本の習慣や学校になじめず悩んでいるこどもが増加しているため、今後とも課題を把握し、保護者面談等を通じて早期に解決が図られる取り組みを進め、外国人のこどもの教育環境の充実に努めてまいります。 43 ◯議長(佐藤信夫議員) 以上をもって、一般質問を終了いたします。   ────────────────────○──────────────────── 44 ◯議長(佐藤信夫議員) お諮りいたします。  明9月22日から10月22日までは、委員会審査のため休会し、来る10月23日午後1時から継続本会議を開会いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。    (「異議なし」と呼ぶ者あり) 45 ◯議長(佐藤信夫議員) 御異議がないものと認めまして、さよう決定いたします。  ただいま御着席の方には改めて通知いたしませんから、御承知の上、御参集を願います。  本日は、これをもって散会いたします。    午後5時17分散会                                         ( 了 ) Copyright (c) Koto City Assembly Minutes, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...