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2015-09-17 平成27年第3回定例会(第10号) 名簿
2015-09-17 平成27年第3回定例会(第10号) 本文

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  1. 江東区議会 2015-09-17
    2015-09-17 平成27年第3回定例会(第10号) 本文


    取得元: 江東区議会公式サイト
    最終取得日: 2021-10-04
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1    午後1時00分開議 ◯議長(山本香代子議員) ただいまから、去る9月15日に引き続き会議を開きます。  まず、本日の会議録署名員を指名いたします。3番中嶋雅樹議員、26番星野博議員の両議員にお願いをいたします。   ────────────────────○────────────────────    ◎ 一 般 質 問 2 ◯議長(山本香代子議員) 一般質問を行います。  本日の質問者は、19番見山伸路議員、9番川北直人議員、1番重松佳幸議員、21番赤羽目民雄議員、6番やしきだ綾香議員、15番高村きよみ議員、16番関根友子議員、36番榎本雄一議員の8名ですので、これを順次許可いたします。  19番見山伸路議員。    (19番見山伸路議員登壇) 3 ◯19番(見山伸路議員) 江東再生会議の見山伸路です。大綱2点にわたり、質問をいたします。  大綱の1点目は、教育についてです。  本年4月1日より、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律が施行され、新たな教育行政がスタートしました。改正法は、首長による大綱の策定、総合教育会議の設置、教育長と教育委員会委員長とを一本化した新たな責任者である新教育長の設置、教育委員会のチェック機能の強化、国の関与の見直しなどが主な内容であります。  まず、新教育長の設置ですが、現教育長の教育委員としての任期が終了後、新教育長を区長が任命するようになります。また、総合教育会議は、区長と区教育委員会とが一緒になって地域の教育課題やあるべき姿を共有し、より民意を反映した教育行政を推進するために、首長と教育委員会が協議を行う場として設けられました。同会議では、教育委員会制度を設けた趣旨から、個別の教科書採択、個別の教職員人事等、特に政治的中立性の要請が高い事項については、協議題とするべきではないと解されている一方で、教科書採択の方針、教職員人事の基準については、首長との自由な意見交換の場として協議を行うことは想定されていると聞いています。  区長は、総合教育会議を主宰する立場から、あるいは新教育長の任命権者として新たな教育施策を今後の選挙で有権者に訴えることも想定され得る立場として、地域の教育課題や総合教育会議のあるべき姿をどのようにお考えなのか。そして、先般も区内公立中学校の教科書採択がありましたが、今後の教科書採択においては、区長もみずからの意見を述べることが可能なのか、お聞きいたします。  また、総合教育会議は教育委員会側からも招集が可能となっており、想定される協議事項として、予算の編成・執行権や条例の提案権を有する首長と教育委員会との調整が挙げられています。そのため、教育委員会に予算執行権はありませんが、調整事項としては、予算の編成等に関与が可能になったことを意味しています。これにより、教育行政に精通した教育委員会ならではの視点がより予算に反映できるようになると考えます。  このようなことから、本区教育委員会による今まで以上のより積極的な教育施策の提言を期待するところです。  設置された総合教育会議を通して、どのような新たな教育行政を展開していくつもりなのか、今後の展望を伺います。  次に、英語教育についてです。  国はグローバル化に対応した教育環境を推進するため、小学校における英語教育の充実・強化、中学校及び高等学校における英語教育の高度化を図り、英語教育全体の抜本的強化を目標としています。
     現行の学習指導要領において、小学校外国語活動では、外国語を通じて言語や文化について体験的に理解を深めること、外国語の音声や基本的な表現になれ親しむことを目的とし、中学校における外国語教科になりやっと、聞くこと、話すこと、読むこと、書くことの、いわゆる4技能の素地を養うことを目的としています。  最大の成果として、平成25年4月に実施された全国学力・学習状況調査での「英語学習が好きか」という問いに、小学校6年生の約76%が「好き」と答え、英語に対して親近感を持つこどもが多いという結果があらわれています。  その一方で、中学校1年生を対象とした小学校外国語活動実施状況調査では、「小学校外国語活動でもっと学習しておきたかったことは何か」という設問に対し、最も多かった回答は、「もっと読み書きを勉強しておきたかった」という回答であり、体験だけでは物足りず、もっと学習をしたいというこどもたちの外国語学習への意欲的な思いが伝わってきます。  文部科学省は、東京オリンピックパラリンピック開催決定を機に、平成25年12月に「グローバル化に対応した英語教育改革実施計画」を策定、公表しました。計画では、現在小学校5・6学年で実施している学級担任による外国語活動を前倒しし、新たに英語指導力を備えた学級担任と、専科教員の積極的活用による教科型英語教育を実施するとしています。これを受けて、学習指導要領を一部前倒しで改訂することを視野に入れていると聞いています。  本区ではこうとう学びスタンダードにて、小学校、中学校おのおので定着させたい項目を示していますが、真に同項目全てを確実に定着させるには、現在の外国語教育では不十分ではないかと感じています。  また、グローバル化を進めるには、英語教育だけではなく、我が国の文化や異国の文化を理解する伝統文化教育と国際理解教育にも力を入れていくことも重要であります。  お隣の中央区教育委員会では、学校関係者と教育委員会事務局とで構成した国際教育推進のための内部組織を立ち上げ、基本的な考え方を整理し、それをもとに学識経験者と地域関係者、保護者などを含めた中央区国際教育推進検討委員会を設置して、パイロット校として指定した中央区立常盤小学校を中心に、国際教育のあり方を検討しています。同委員会を設置した理由の一つとして、区内に東京オリンピックパラリンピックの選手村が配置されたこともあったとのことでした。  常盤小学校では、英語科や国際科という教科として指導をしています。特色ある教育内容として、基本的には外国人英語教師であるALTが英語で授業を進めています。学級担任はT2として補助的な指導をし、毎朝5分の朝英語という時間での指導を行う以外は、授業記録をとったり国際科のカリキュラムの作成などを行っています。  ほかの学校では、ALTによる授業が、1・2学年で年11時間、3学年以上で年35時間のところ、常盤小学校では、1・2学年で英語科で学ぶ年70時間全てがALTによる授業であり、3学年以上では、英語科で学ぶ年105時間の学習のうち70時間をALTが指導しています。  ちなみに本区でのALTによる授業は、1年生から4年生では年5時間、5・6年生では年20時間であり、中央区におけるパイロット校以外の学校よりも少ない現状です。ALTによる授業時間数を大幅にふやすべきと考えますが、伺います。  また、常盤小学校での学習の成果は、こどもたちへのアンケート結果でも顕著です。「ALT等が英語で話していることがわかりますか」とのアンケートに、どの学年においても、70%以上が「よくわかる」、または「だいたいわかる」と回答し、4から6学年では、どの学年でも80%を超えています。  学習を見学していた指導室の方は、大人も聞き取れていないALTの会話を、3学年のクラスでこどもたちが、うなずいたり笑ったりして反応していることに驚いたと語っておられました。  第一言語である日本語を私たちはいつの間にか話せていたように、脳が柔軟であるより小さいうちから多くのネーティブ英語に触れることによる効果は顕著であり、本区外国語学習においても十分参考になると考えます。  ちなみに、常盤小学校はより国際教育を進めるために、国の教育課程特例校に申請をしており、来年度から特例校となる予定です。  また、渋谷区立松濤中学校では、平成16年から英語教育重点校として特色のある充実した英語教育を行っており、一部教科を英語で授業をするというイマージョン授業まで行う取り組みをしています。  本区においても、学習指導要領の改訂を待たずに、ほかの自治体が行っているすばらしい外国語学習を参考にしながら、小学校での英語教科化を視野に入れた先進的な英語教育を展開していくべきです。そのために、中央区のような検討委員会を立ち上げて、具体的で詳細な検討を行うべきと考えますが、所見を伺います。  また、開校予定である(仮称)第二有明小・中学校を英語・国際教育重点校として位置づけ、国の教育課程特例校制度を活用し、英語教育の区内パイロット校にすべきと思いますが、いかがでしょうか、伺います。  大綱の2点目は、安心で快適な環境の形成についてお尋ねいたします。  まず初めは、前任期においてもたびたび質問させていただきましたが、辰巳駅西口の喫煙所についてです。  これまでの経緯から喫煙所の必要性は理解していますが、現在の設置場所はこどもたちの通学路と駅出入り口への動線上にあり、より適切な場所があるのではと申し上げてまいりました。移転を望む大変多くの区民の声を聞いています。移転は実現するのでしょうか、見解を伺います。  また、現在、植栽で喫煙所を囲っている点についても、他自治体で設置をしているようなパーティション型にして煙が喫煙所周辺に拡散しないようにし、またパーティションの高さも十分確保して、できるだけ非喫煙者に配慮した囲いにすべきと改めて提言しますが、区の見解を伺います。  次に、駅周辺の視覚障害者誘導用ブロックの設置について伺います。  辰巳団地方面から駅西口へ向かう途中、児童館の先にロータリーがあるので、歩道がカーブしている形状となっています。毎朝辰巳駅を利用される視覚障害者の方から、カーブしているあたりから駅出入り口まで視覚障害者誘導用ブロックがなく、白杖を用いて駅出入り口までたどり着けないと伺い、また、その方が児童館前の横断歩道を渡り、視覚障害者誘導用ブロックがない辰巳小学校側の歩道を白杖で団地や辰巳小学校の壁を探りながら進み、高潮対策センター入り口の門に白杖がぶつかり、体もぶつかりながらやっとの思いで駅出入り口にたどり着いている姿を目にします。視覚障害者の方も安心して駅出入り口までたどり着けるための視覚障害者誘導用ブロックをきちんと整備すべきと考えますが、伺います。  次は、東雲地区を含む湾岸エリアにおける新規交番の設置に係る要望についてです。  これも以前より東雲地区を中心に要望が多く寄せられていることは、再三申し上げてまいりました。湾岸エリアには、2020年東京オリンピックパラリンピックの開催により、多くの競技会場が配置されることから、開催時の治安対策の強化は当然であります。また、有明北地区では大規模な開発が予定され、今後は職住ともに多くの人口流入が想定でき、東雲地区を含む湾岸エリアにおいて新たな交番を設置することは必須であります。同地区における新規交番設置の見解についてお伺いするとともに、新たな動向等があればお聞かせください。  次に、不燃化特区推進事業についてお伺いします。  現在区では、北砂三・四・五丁目地区において、現地相談ステーションを核とした戸別訪問や各種建てかえ相談会、防災まちづくり懇談会等、地元に密着した事業を行っており、これらについては住民理解が進んでいると認識しています。私も、引き続きこの事業を積極的に推進していくべきものと考えています。  一方で、この北砂地区以外にも大島・亀戸地区等、木造建築物が密集し、首都直下地震に襲われた場合、甚大な被害が予想される地区があります。そこで、区ではこれまで北砂地区以外の木造住宅密集地域への対応について、前向きな答弁をされていますが、改めてその見解を伺います。また、その対応策としてどのような事業を予定しているのかについても、あわせてお聞かせください。  最後に、若者と女性の雇用施策の今後の展開について伺います。  我が国の景気動向は、8月の月例経済報告によれば、緩やかな回復基調が続いているとされ、設備投資や企業収益等は改善傾向にあるようです。  大手企業においては、来年の大学卒業予定者の採用活動は好調ということですが、一方で、区内の中小企業は依然として人材確保に苦戦しているという声を聞きます。企業経営にとって、人材確保や人材育成は非常に重要であり、雇用支援の一環として、本区では平成23年度から中小企業若者就労マッチング事業を実施してきましたが、これまでの実績はどのようになっているのでしょうか。  私は、これまでも若者や女性の就労支援を充実すべきであると訴えてきたところでありますが、その意味でも、本区が10月から開設するこうとう若者・女性しごとセンターには期待をしています。そこで、このセンターではどのような事業が展開される予定なのか、また、本区が行う新たな雇用施策にはどのような特色があるのかを伺い、質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手)    (山崎孝明区長登壇) 4 ◯区長(山崎孝明) 見山伸路議員の御質問にお答えします。  初めに、安心で快適な環境の形成についてお答えします。  まず、辰巳駅西口喫煙所についてですが、この喫煙所は御指摘のとおり、小学校の通学路や駅出入り口から近いため、以前から受動喫煙を懸念する声が区に寄せられております。区といたしましては、喫煙所の移設を前提に、現在、鋭意駅周辺の調査を進めており、なるべく早い時期により適切な場所への移設を実施してまいりたいと考えております。  私も自分で図面を書いたり、いろいろほかのところも見てきまして、今度こそはという思いでいます。しかし、煙の嫌いな人から見れば、それでもまだだめなのではないかという心配もしていますが、やれることは何とかやろうと思っています。  パーティションの設置についてですが、区でパーティションを設置している他区の屋外喫煙所を調査したところ、パーティションの高さが一定程度確保されていれば、たばこの煙やにおいによる周辺への影響が軽減されることが確認できました。このため、喫煙所の移設に当たっては、適切な高さのパーティションの設置も視野に入れつつ、引き続き検討を重ねてまいります。  次に、視覚障害者誘導用ブロック設置についてですが、視覚障害者誘導用ブロックは、視覚障害者の方が混乱することを避けるため、国土交通省の視覚障害者誘導用ブロック設置指針や東京都福祉のまちづくり条例施設整備マニュアルで、統一的に基準が定められております。  その中で設置の対象となる道路は、視覚障害者の方が多く利用する歩道、公共交通機関の駅と視覚障害者の方が多く利用する施設とを結ぶ歩道と定められております。本区におきましても、潮見駅からロゴス点字図書館までなど、この基準をもとに設置しているところであります。  御指摘の辰巳駅につきましては、周辺に多くの視覚障害者の方が利用する施設はなく、歩道に沿った直線的な表示はしておりませんが、横断歩道の前など、危険箇所には注意喚起のための視覚障害者誘導用ブロックを設置しております。今後も、国や都の基準に沿って視覚障害者誘導用ブロックを設置してまいります。  次に、東雲地区を含む湾岸エリアにおける新規交番の設置についてですが、新規交番の設置は警視庁の所管であることから、区では、これまでも湾岸エリアを所管する東京湾岸警察署に対し、新設要請を行ってきました。また、本年7月には、オリンピック・パラリンピックの開催に関する事項として、東京都に対し交番新設を要望したところであります。  東京湾岸警察署においても、人口の増加やオリンピック・パラリンピックの開催を見据え、迅速な対応により住民などの安全・安心を確保するためには、交番の設置が必要であるとの認識を持っておりまして、交番新設を警視庁本部に要望していると聞いております。  今後も、人口動態や開発計画など、交番の必要性を裏づける資料の提供を行うなど、東京湾岸警察署と連携して交番新設を訴えてまいります。  次に、不燃化特区推進事業についてですが、本事業は、東京都から整備地域としての指定を受け、平成26年7月から推進しております。一方、大島・亀戸地区など、北砂三・四・五丁目地区以外にも木造建築物が密集した同様の地区があります。燃え広がらないまちづくりを目指す本区としては、以前からこれらの地区に対しても、不燃化特区推進事業の検討を行っております。  実施に向けては、北砂地区と同様に、調査を重ねながら地区の優先度なども考慮しつつ、北砂地区の実績や効果などを分析し、戸別訪問、各種相談事業や助成事業など、効果的な施策案を検討してまいります。  次に、若者と女性の雇用施策の今後の展開についてです。  初めに、中小企業若者就労マッチング事業の実績ですが、平成23年度から昨年度までの4年間で、30歳未満の若者、合計116名が正社員として延べ96社の区内の中小企業に就職しており、雇用確保の施策として大きな成果を上げています。  こうとう若者・女性しごとセンターでは、区内の中小企業の人材確保のニーズに応えるため、若者と女性を対象とした事業を中心に実施する予定であります。若者については、特に来春、大学などを卒業予定の学生を対象に、少人数制の就業支援プログラムを実施し、企業との交流会等を経て就職へ導くものであります。また、女性については、出産や育児等で離職した女性の再就職を重点的に取り組み、セミナーやカウンセリングの実施など、求職者と企業双方への働きかけを通して、就職しやすい環境づくりを図ります。  このセンターの特色としては、区内の中小企業に限定した雇用事業で独自に求人を開拓することであり、地域に根差した就業を目指して雇用支援を行ってまいります。  なお、その他の御質問につきましては、所管部長から答弁いたさせます。    (石川直昭教育委員会事務局次長登壇) 5 ◯教育委員会事務局次長(石川直昭) 次に、教育についての御質問にお答えします。  まず、新たな教育行政についてです。  教育課題と総合教育会議の今後のあるべき姿ですが、今回の制度改革は、教育行政の責任体制をより明確にするとともに、教育委員会が民意を代表する区長との連携強化を図ることにより、教育現場における迅速な危機管理体制の構築を実現するものであります。したがいまして、総合教育会議は、この趣旨の実現に向け、本区の教育課題に関して協議・調整する唯一の場であると認識しております。  次に、総合教育会議内で想定される教科書採択における首長の自由な意見交換についてです。  国の通知では、総合教育会議において、教科書採択については、特に政治的中立性の要請が高い事項であり、協議題として取り上げるべきではないとの行政実例が示されておりますが、自由な意見交換を制限するものではないとも示されているところです。したがいまして、今後の教科書採択において、区長としてみずからの意見を述べることは問題ないものと考えております。  次に、教育委員会がこの総合教育会議を通して展開する教育施策の今後の展望についてです。  教育委員会といたしましては、今年度、教育推進プラン・江東(後期)の策定に合わせ、今後10年の本区教育の方向性を示す教育理念や施策の柱から成る教育ビジョンを新たに策定します。第1回総合教育会議では、これをもって法定の教育施策の大綱とすることが合意され、現在、策定の途上であります。10月には第2回総合教育会議を開催して策定の進捗状況を中間報告し、来年1月に開催する第3回総合教育会議では教育施策の大綱を決定する予定となっております。この教育施策の大綱は、教育委員会の展望である教育ビジョンを含むことから、総合教育会議での議論そのものが教育施策の展望となるものと確信しております。  次に、英語教育についてであります。  本区では、2020年東京オリンピックパラリンピックにおいて、8つの会場で競技が行われます。世界中から競技者や観光客が多数来訪することから、英語のコミュニケーションの力を高めるため英語スタンダードを策定し、平成26年度より全小中学校において取り組みを始めております。  本年2月に実施したこうとう学びスタンダード定着度調査の結果を見ますと、5年生では88.5%、6年生では84.6%の児童が、「英語活動は楽しい」と答えており、児童が主体的に英語に取り組むことができていると認識しております。  また、本年7月に実施された「聞かせて!あなたのオリンピック・パラリンピックこども編」では、多くのこどもたちが発表の中で、2020年に向けての目標や決意として、英語を身につけたいと意欲的に話していました。こどもたちが意欲を持って英語を学び、コミュニケーションの力を高めていくためには、指導する教員の資質・能力を向上させることが重要であります。  現在、英語のみで進めるワークショップ型の研修会を実施するなど、教員研修に力を入れておりますが、学習指導要領の改訂を視野に入れ、ALTの活用も含めて、今後の英語教育のあり方について、総合的に検討してまいります。  次に、英語・国際教育をより充実させるための検討委員会設置についてであります。  本区では、毎年、小中学校の管理職と教員で構成する英語プロジェクト委員会を設置し、教員の指導力向上策、ALTの活用方法等について検討しておりますが、学習指導要領の改訂も踏まえ、本プロジェクト委員会に有識者を加えるなど、委員会の充実を図っていく予定であります。  また、区教育委員会では、今後、オリンピック・パラリンピック教育を推進する組織を立ち上げ、これまで進めてきた国際理解教育を一層充実させてまいります。  次に、(仮称)第二有明小・中学校を英語・国際教育重点校として位置づけ、国の教育課程特例校制度を活用して、英語教育の区内パイロット校としてはどうかということについてであります。  現在、有明小・中学校において、英語教育の連携を図っており、小学校の授業で中学校の英語教員が指導するとともに、小中学校で同じALTが一貫性を持った指導をしております。  (仮称)第二有明小・中学校につきましては、今後設置を予定しております検討組織において、有明小・中学校で進めております英語教育を含めた連携教育の成果を生かし、基本構想を策定してまいります。     ───────────────────────────────────── 6 ◯議長(山本香代子議員) 9番川北直人議員。    (9番川北直人議員登壇) 7 ◯9番(川北直人議員) 無所属・きずなを守る会の川北直人です。東日本豪雨によりお亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りするとともに、被災者の方々へのお見舞いを申し上げます。  大綱3点にわたり質問をいたしますので、山崎区長並びに関係理事者の明確な御答弁をお願い申し上げます。  質問に先立ち、ことしは戦後70年目を迎えました。国家の繁栄の礎となられた300万人を超えるみたまに、心より哀悼の意をささげるとともに、これからの日本を背負うこどもたちが、日本人としての誇りを持って国際社会の中でも堂々と活躍する人材へと成長できるよう、諸環境を整えることで英霊の思いにお応えしていきたいと思います。  大綱の1点目は、戦後70年内閣総理大臣談話についてです。  本年8月14日、歴代内閣として3度目となる戦後の節目に当たる内閣総理大臣談話が、閣議決定を経て安倍総理大臣より発表されました。  この戦後70年談話は、過去の村山・小泉談話を踏まえた上で、改めて国家の態度を国内外に示すものと受けとめ、私も一国民として全文を熟読し、過去の談話との違いやその言わんとすることについて、考察いたしました。  これまでの談話との大きな違いは、現代から100年以上前にさかのぼり、当時世界の動向の中心であった欧米諸国も含む近現代史を要約しつつ、その中で日本が歩んできた道を端的に示していることや、戦争を知らない我々の世代に対しては、史実をしっかりと認識した上で、今後、国際社会の中でどう行動しなければならないのかといった、示唆的なメッセージも込められていると感じました。  「歴史を曇りのない眼で見つめる。歴史とは、国家と個人がそれぞれに力の限り生きてきた営みが集まった大きな流れであり、戦争も平和もその中に生じる。その間、戦略の是非、外交の巧拙はあっても、歴史について倫理的な是非善悪は論じ得べくもない」とは、帝国主義時代において日本がアジアで唯一、国家の独立と立憲政治を確立するに当たり、重要な役割を担った陸奥宗光の姪孫で、昨年御逝去された岡崎久彦元駐タイ日本国特命全権大使が、生前、多くの著書を通じて発していた日本人の歴史の見方に対する忠告であり、今回の談話にも少なからず影響を与えている考えであると思います。  このたびの戦後70年談話は、政府として、戦後の日本において、誤った情報や偏った価値観をもとに歴史を見てしまいがちにある日本の風土や、それらをもとにした歴史認識をめぐる政治的論争にくさびを打ち、我々日本人みずからが史実を通じて、日本の成り立ちをいま一度しっかりと見つめ直す必要性を説いているのではないかと、私は考えます。  そこで、2点伺います。  本区は、このたびの内閣総理大臣談話について、これまでの談話との相違点をどのように捉えますか。また、史実をしっかりと次の世代に伝えていくことを主眼とした近現代史教育の必要性、重要性について、いかがお考えですか。  大綱の2点目は、公共心・自立心を促す教育のあり方について、区教育委員会に伺います。  さきの談話の質問で触れたとおり、戦後の教育のうち、特に歴史教育については、そのあり方を問う声が日増しに強まっていると思います。  戦後、GHQによる占領政策の一環で、日本の歴史教育や修身教育への介入がなされました。それは結果として、我々日本人が歴史を見る際、現代の価値観で歴史の是非や善悪を論じてしまうことや、戦前は闇、戦後は個人の自由が尊重される民主主義国家として、明るく平和ですばらしい国に変わったということを教える教育となりました。戦争の悲惨さを今に伝えながら、同時に公に対する概念を払拭し、個人主義や利己主義を最も重んじる価値観を推奨する教育のあり方が、戦後教育の基礎・基本となってきたと私は考えます。  そこで伺います。1つ目は、教育勅語の精神と江東区教育理念の策定についてです。  敗戦前、学校教育の中心は修身科を中心とする道徳教育であったことは周知のとおりです。その中で、孝行、友愛、夫婦の和、朋友の信、謙遜、博愛、修学習業、智能啓発、徳器成就、公益世務、遵法、義勇の12の精神を教えた教育勅語は、こどもたちに暗記をさせるほど教育の基礎・基本となり、当時の日本人の基礎哲学として、公共心や自立心を醸成するための教育理念となりました。  区教育委員会は、この教育勅語の理念がどのようなもので、それが心の成長過程において、当時の日本人の教育にどのような役割を果たしていたとお考えですか。また、現在の教育では、さきに述べた12の精神と比較してどういった教育理念をお持ちでしょうか。  今後、開催される総合教育会議では、大綱の策定とあわせて、江東区の教育理念についても策定されることとなりました。この理念には、公共心や自立心を養うためにどういった精神を盛り込むお考えなのか、お聞かせください。  2つ目は、近現代史教育についてです。  日本は、主要な世界各国の動向を見定め、欧米列強の干渉を巧みな外交力でかわしつつ、帝国主義時代に国家の独立と立憲政治を確立しました。そのために多くの犠牲を払ったことも事実であり、また、列強による植民地支配によって国家の体を失っていた他のアジアの国々に希望を与えたことも事実です。その後、国際情勢を見誤った政治判断によって敗戦し、戦勝国によって事後法である平和に対する罪で裁かれ、また、7年間にわたる占領政策も行われました。  日本は、この占領期間中の昭和22年に、敗戦後の教育の骨格となる教育基本法を、「伝統を尊重する」などの文言をGHQの介入によって削除された上で制定し、近年改正しつつも、今日の日本のありようをつくり上げています。  近代行われたイギリスにおける教育改革は、歴史教育にあっては自国の過去の恥部だけを誇張し、福祉を初めとする国内の諸制度においては、結果として常に誰かに責任を押しつける価値観を醸成したことで、国家全体が他人依存型社会となってしまったことに端を発して進められた改革で、自国の持つ誇りある史実を強調する歴史教育、正義や人道のために命をささげる生き方に対する敬意などを育む宗教的情操教育を導入するなどの改革が実行されました。今後の日本の教育のあり方を私たち日本人自身で考えていく際に、学ぶべき点は多いと思います。  そこで、伺います。区教育委員会は、近現代史の中で、日本の誇りある歴史とはどういったことと御認識されていますか。  また、さきの教科書採択に際して、その誇りある近現代史についての記述が適正に掲載されているかについて、どういった視点で御確認をされましたか。さらには、近現代史教育に対してどの程度重要性を置かれたのか、お示しください。  3つ目は、区立小学校の集団登校についてです。  私は小学生のころ、集団登校で学校に通っていました。近所に暮らす1年生から6年生までが決められた時間に決められた場所へ集合し、最年長の児童に連れられ、列を整え学校へ通う毎日でした。リーダーを任せられた最上級生は、通学中、列の先頭を歩きながら、横断歩道や交差点に差しかかると、適宜後方を振り返り、我々下級生の安全を確認しながら登校していました。列を乱したり、自分勝手に歩いていると怒られたことがあったことも記憶しています。
     現在、集団登校を行わない小学校の通学路を見学していると、狭い歩道で横いっぱいに広がり、自分がほかの通行人の妨げとなっていることに気づかずに登校している児童を見かけます。  小学校の集団登校については、学校とPTAにその可否について任せているとのことですが、私自身の経験からも、公共マナーを身につける機会として意義のある集団登校については、区教育委員会の方針として、各学校やPTA、父兄に対して推奨していくべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。  4つ目は、公園内での行動規制についてです。  こどもたちの成長の場は、以前と比べかなり窮屈になっているように感じます。私が育ったころと比べても、空き地は減り、公園があっても厳しい行動規制と近隣住民の苦情などによって、キャッチボールやボール蹴りができないなど、日常の遊びの中で体を目いっぱいに使って遊ぶ機会が減っているように思います。  実際に、本年3月の教育に関する意識調査報告書では、日常的に運動を楽しめる機会を求める声が、全体の半数を占める意見として保護者より出されています。  これもまた、私の幼少のころの話とはなりますが、放課後といえば決まって野球をしていました。場所は近所の公園か空き地です。公園内で野球をする場合には、右方向へ打球が飛んだら即アウトなど、自分たち自身でローカルルールをつくり、周囲に配慮をしながら野球をしておりましたし、遊ぶ仲間の数がふえれば、野球をやめて缶蹴りへと遊び方を変えながら、公園の利用方法を遊んでいるみんなで決めていたものです。  先日、千代田区教育委員会の取り組みである、子どもの遊び場事業を視察してまいりました。プレーリーダーを区内5カ所の公園に配置し、次のルールを守ることで、野球でもサッカーでも、こどもたちに何でも遊びたいように遊ばせています。ルールは明確で、プレーリーダーの指示に従うこと、自己責任、借りた道具は自分でもとの場所に返す、道具や場所を一部のグループだけで独占しないという4つのルールだけで、特に行動の規制はありません。  この取り組みは、教育委員会だけでなく、区立公園や児童遊園を所管する部署や地域住民にも協力を求めることを条例で定め、こどもたちの遊び場への理解を町全体で共有していく姿勢が見られることが特徴であり、たまに区に寄せられる「遊び方が危ない」などの苦情に対しては、毅然としてその意義を伝え、理解を得る努力をされているようです。  人間は、自分の行動に責任を持ち、自己中心ではなく他人を思いやり、自分の行動をきちんとコントロールできるようになるためには、それなりの訓練が必要です。その訓練こそがこどもにとって自立への道です。したがって、訓練期間中は失敗が許されます。その失敗が許される間に、自立に向けたいろいろな経験を積ませてあげる場所と機会をこどもたちに用意してあげることは、今も昔も我々大人の責務だと私は確信しています。その意義を、我々、大人の一人一人が共有し、身勝手な苦情には毅然とした態度で臨み、こどもたちの成長にとって重要な場所である公園をこどもたちに開放してあげたいと、私は強く思います。  教育推進プラン・江東の後期計画策定に際しては、さきの意識調査の結果も踏まえて、本区教育委員会の主導により、千代田区で見られるような取り組みに着手することを強く求めますが、御所見を伺います。  質問の最後は、災害対策を地方自治体にとっての安全保障政策と捉えることについてです。  東日本大震災により、被災地沿岸部の自治体では、大津波によって自治体の機能そのものが失われ、計画していた災害発生時の対応が全くとれなくなってしまったことが、被害を拡大させた要因の一つでした。このことは、これまで計画されてきた地方自治体の防災計画を根本から見直す必要性を、いや応なしに突きつけています。  震災発生から1年後、岩手県陸前高田市の戸羽市長、同じく宮古市の山本市長を訪ね、このたびの災害から学ぶべき教訓について、話を伺ってまいりました。  両市長のお話を伺って思ったことは、防災計画は地方自治体にとって安全保障政策そのものとして捉える必要性があるということです。すなわち、想定外があってはならず、一自治体では対処できない事態に対し、複数の自治体で取り組めるよう、他の自治体との同盟力を強固なものにしておかなければならないということだと考えます。大規模災害への備えの一つとして、自治体同士の日ごろの連携強化と実践を見据えた訓練を実施し、自治体間の共助の力を強めることと、より多くの自治体との連携を図っておく必要があると私は思います。  以上の考えを述べ、以下の点について質問いたします。  東日本大震災を教訓として、本区の防災計画にどのような変更がなされたのでしょうか。その主な特徴と、今後さらに取り組むべき課題についてお伺いします。  また、震災後、新たに静岡県沼津市と災害時相互応援協定を締結され、栃木県大田原市、埼玉県秩父市を含め、3市と締結されていますが、今後、さらに協定先の自治体をふやしていくお考えについてはいかがでしょうか。  また、現在の他自治体との災害時相互応援協定では、毎年、地域防災計画の変更点等を資料にて確認し合うという取り決めですが、防災訓練等への相互参加や防災担当部署職員の交流の機会を設けるなど、お互いの顔が見える協力関係を築くことによって、自治体同士の共助の力を高める必要があると思いますが、いかがでしょうか。  以上を伺い、私の質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手)    (山崎孝明区長登壇) 8 ◯区長(山崎孝明) 川北直人議員の御質問にお答えします。  初めに、災害対策を地方自治体にとっての安全保障政策と捉えることについてであります。  私は、平成23年に発生した東日本大震災を契機に、区民の生命・安全を守る基礎自治体の長として、防災都市江東の実現を目指し、事業継続計画や震災復興マニュアルを策定するとともに、長期計画の主要事業に防災施設の整備を新たに位置づけ、本年完成する江東区中央防災倉庫の整備など、安全で安心なまちづくりにスピード感を持って積極的に取り組んでまいりました。  そこで、お尋ねの防災計画についてでありますが、災害対策基本法の改正と新たな東京都の被害想定に基づき、情報伝達体制の整備、備蓄物資の充実、公共施設の耐震化など、重要課題について積極的に改定を行ったところであります。  また、地域防災力向上プロジェクトを立ち上げ、拠点避難所の拡充や避難所運営を円滑に進めるための学校避難所運営協力本部連絡会の開催、災害時における避難行動要支援者の支援体制の確立、災害協力隊へのスタンドパイプの貸与を実施するなど、避難所を中心とした地域連携体制の強化に取り組んでおります。  次に、今後取り組むべき課題ですが、地域防災力の向上を重要課題の一つと捉え、自助・共助の重要性の啓発や災害協力隊へ貸与する資機材の充実など、地域のさまざまな主体がともに連携して取り組む体制整備を図っていく考えであります。  さらに区では、計画の実効性を高めるため、地域防災計画を補完する事業継続計画を策定し、災害発生時に区職員が非常時業務の着実な遂行が可能となるよう、毎年、全庁的、あるいは所管課ごとに訓練などの取り組みの目標を設定し、その進行管理を行っております。  次に、他の地方自治体と締結している協定についてであります。  本区は、大規模な災害が発生し、被災した自治体が独自に応急対応できない場合に、相互応援をする災害時相互応援協定を、大田原市、秩父市、沼津市の3自治体と締結しております。  協定先を拡充してはとの御質問ですが、現在、協定を締結している自治体とは、災害時相互応援協定のほかに何らかのつながりがあります。例えば秩父市とは、荒川最下流に位置する本区と源流地である秩父市で荒川ふれあい教室を相互開催しており、こうした関係を生かして協定締結に結びつけてきたところであります。  災害時相互応援協定の締結には、本区と締結自治体の規模、場所、距離など、災害時の応援が円滑に実施できることも条件になってまいります。引き続き、新たな協定締結について検討してまいります。  次に、災害時相互応援協定を締結している自治体職員間の連携強化についてでありますが、現在、協定を締結している自治体とは、毎年、地域防災計画を初め、災害に関する情報のやりとりを行うなど、相互に大規模災害における被害想定などの把握に努めております。  また、各種災害情報を注視し、大規模な災害が発生したときには、相互間で情報交換を行っており、さきの東日本大震災のときには、大田原市からの要請により、ブルーシート1,000枚、こども用紙おむつ3,000枚の支援物資を輸送したところであります。  さらに本区では、東日本大震災後、平成23年4月から今日まで延べ80人の職員を、被災した仙台市や岩手県上閉伊郡大槌町などに派遣しており、被災自治体の支援のみならず、応援事務に従事した職員の貴重な経験を報告会などで共有し、職員の防災意識の向上にも役立てております。  次に、職員間の連携強化につきましては、これまでの取り組みに加えて、自治体職員間において、顔の見える関係を築くことも大切と考えておりますので、双方の総合防災訓練へ参加するなど、自治体の災害対策の現況を確認するとともに、災害時の応急対策や復興対策の窓口になる担当部局の職員との意見交換などについても、検討してまいります。  今回の大雨によるあのような被害を見ますと、江東区は低地帯でありますので、水害ということについてはまた改めて考えなければなりませんが、江戸川区の区長さんと先日話し合いまして、江東区、江戸川区、葛飾区、足立区、墨田区と、せめてこのぐらいで一体となって水害に対する対策を検討しようではないかということで、今進んでいるところでございます。きのう、いずれきちんとした会議体として、万が一の大水害に対する対応などについて近隣区間でいろいろな協定というか、対策を練っていくことで話がついておりますので、そうした意味でも、これからより充実した災害対策について、新たな視点から努力していきたいと思っております。  なお、その他の御質問につきましては、所管部長から答弁いたさせます。    (井出今朝信総務部長登壇) 9 ◯総務部長(井出今朝信) 次に、戦後70年内閣総理大臣談話についての御質問にお答えいたします。  まず、これまでの戦後50年・60年談話との相違点についてのお尋ねです。  戦後70年談話の中で安倍総理大臣は、「我が国は、先の大戦における行いについて、繰り返し、痛切な反省と心からのお詫びの気持ちを表明してきた。こうした歴代内閣の立場は、今後も、揺るぎない」と述べ、いわゆる村山談話のキーワードと言われる「侵略」、「植民地支配」、「痛切な反省」、「お詫び」の全てを使いながら、歴代内閣の立場を継承する姿勢を明確にしたとしております。  また、「事変、侵略、戦争。いかなる武力の威嚇や行使も、国際紛争を解決する手段としては、もう二度と用いてはならない」と述べ、さきの大戦への深い悔悟の念と不戦の誓いを表明しております。この意味では、戦後50年の村山談話、戦後60年の小泉談話を、全体として引き継いでいるものと理解されております。  一方、今回の談話では、村山談話の「遠くない過去の一時期、国策を誤り」といった抽象的な表現に対し、より具体的に近現代史の大きな流れを述べ、植民地支配、世界恐慌、ブロック経済などの史実を通して、日本が進むべき進路をどのようにして誤ったのかを示しております。その上で、国際秩序への挑戦者となってしまった過去を胸に刻み続けつつ、積極的平和主義のもと、世界の平和と繁栄にこれまで以上に貢献していく考えが表明されております。  また、戦争とは何らかかわりのない世代に、「謝罪を続ける宿命を背負わせてはならない」とも強調しており、さきの大戦への痛切な反省を踏まえつつ、新たな日本の進路を明確に示した点が、過去の談話との相違点であります。  次に、談話で触れている近現代史の史実についてのお尋ねです。  安倍総理大臣は記者会見で、「できるだけ多くの国民と共有できる談話づくりを心がけた」と語っており、未来を語る上での歴史認識が、国内的に一定の整理、集約を見たものとの評価もなされていると理解しております。  歴史とは教訓であり、そして今後の目指すべき道の指針であります。今回の談話で示された日本の近現代史は、世代を超えて真正面から向き合うべきものであり、教育においても、さきの大戦への道のり、戦後の歩みをしっかりと次の世代に伝えていく必要があると考えております。    (石川直昭教育委員会事務局次長登壇) 10 ◯教育委員会事務局次長(石川直昭) 次に、公共心・自立心を促す教育のあり方についての御質問にお答えいたします。  まず、教育勅語の内容と当時の日本人の教育に果たした役割についてです。  文部科学省「学制百年史」によると、教育勅語は、小学校の教育、特に修身教育に大きな影響を与えており、修身は、授けるべき徳目として、孝悌、友愛、仁慈、信実、礼敬、義勇、恭倹等を挙げ、特に「尊皇愛国ノ志気」の涵養を求めると示されております。  国民学校令が発令され、それまでの修身の週当たりの指導時数が2時間から3時間にふえたことからも、教育勅語はこどもたちの見方や考え方の醸成に大きな役割を果たしていたと言えます。  次に、現在の教育と教育勅語の12の精神を比較した教育理念についてです。  教育勅語の孝行や博愛の精神などは、道徳の時間に扱う思いやりや公共心、勤労観に通じる内容であります。現行の道徳の内容項目は、小学校低学年で16、中学年で18、高学年で22、中学校で24に分かれており、これに基づくきめ細やかな心の教育を推進しております。  現在の教育委員会教育目標は、「人権を尊重し、正義感や他人への思いやりにあふれる人」、「自ら学び考え行動する、個性と創造力の豊かな人」、「ともに学び合い、支え合い、社会の一員として役割を果す人」を目指すこども像として掲げております。  今後は、現在の教育目標にこどもたちの実態や区民の教育に関する意識調査結果等を取り込み、新たな教育理念を策定する予定です。  次に、近現代史教育についてです。  中学校学習指導要領解説社会編の中で、近現代の人々が欧米諸国と対等の外交関係を樹立するために努力したことや、国民が苦難を乗り越えて新しい日本の建設へ努力したことなど、その時代の人々のさまざまな努力に気づかせることが示されており、それらの学習は重要であると認識しております。教育委員会といたしましては、相異なる価値観や対立する立場の一方に偏らない客観性の高い資料に基づき、歴史的事象を多面的・多角的に考察し、公正に判断して、適切に表現する能力と態度を育んでまいります。  次に、教科書採択に際する近現代史の記述に対する視点についてです。  国際社会において我が国の役割が大きくなり、今後こどもたちがグローバル社会で活躍していくことを考えても、近現代史教育は重要であると捉えております。  採択については、江東区立学校教科用図書採択要綱並びに江東区立学校教科用図書採択に係る基本方針を踏まえ、江東区立学校で使用するにふさわしい教科書を、適正かつ公正に審議し、内容や構成、分量等について、総合的に判断しております。  次に、集団登校の推奨についてです。  文部科学省交通安全業務計画において、集団登下校については、各学校において通学路の道路事情、交通事情、防犯環境等を具体的に検討した上で、個々の通学路ごとに実施するかどうかを決定することとされております。本区においても、各学校が地域の事情を考慮し、小学校35校で集団登校を実施しております。教育委員会といたしましては、登下校ではこどもの安全確保を第一に考え、学校、PTA、関係機関と協力した通学路合同点検を行うとともに、交通安全教育の充実に努めております。また、各学校では、日々の学校生活はもとより、道徳の授業、校外学習等、機を逃さず公共マナーを身につける指導に取り組んでおります。  次に、公園内での行動規制についてです。  公園での遊び方については、原則自由使用となっておりますが、他の利用者の迷惑になる遊び方は禁止となっております。  本区においては、こどもの体力向上は喫緊の課題であり、教育推進プラン・江東の後期計画にも、体力向上は重要施策に位置づける予定であります。体力低下の要因の一つに、遊び場の減少も挙げられていることから、今後は関係部署との連携も図りながら体力向上に努めてまいります。     ───────────────────────────────────── 11 ◯議長(山本香代子議員) 1番重松佳幸議員。    (1番重松佳幸議員登壇) 12 ◯1番(重松佳幸議員) 江東区議会自由民主党の重松佳幸でございます。このたび初めての本会議質問の機会をいただきましたことに、同僚議員各位並びに関係者各位へ感謝申し上げます。今回、大綱3点について伺います。区長並びに関係理事者の前向きな御答弁をよろしくお願い申し上げます。  まず、大綱1点目といたしまして、2020年東京オリンピックパラリンピック開催に向けた地域整備についてお伺いいたします。  本区は、長期計画に基づき、計画的に地域整備を進めていることは承知していますが、オリンピック・パラリンピックの開催決定を受け、都内最多の8カ所に及ぶ競技会場の配置や、競技会場を初め、区内をめぐる観光客の動線予測等、安全・安心、おもてなし、オリンピック・パラリンピック開催後のまちづくりなど、従来とは異なる視点も勘案しながら、優先順位をつけて、さらには、できるところは集中整備していくべきと考えます。  そこでまず、防犯カメラについてお伺いいたします。  既に本区も東京都との連携事業として、地域団体、または商店街が主体となって設置する場合には、補助を行うことで整備を促進しており、昨年度までに14地区272台の設置実績だったものが、今年度は既に20地区157台の申請が見込まれているとのことで、区民の安全・安心への意識の高まりを痛感しています。しかしながら、申請に至る地区は城東・深川地域が主であり、臨海部における設置数は少数にとどまっています。  東京都の補助制度を活用し、小学校通学路にも昨年度から5カ年をかけて整備が進められていますが、映像の保管・管理体制や照会時の提供ルールなど、課題も多いと推察いたします。しかし、オリンピック・パラリンピックの成功に向け、そしてその後のまちづくりにおいても、安全・安心は最優先すべき事項です。そこで、公園や、いまだ地域団体の結成されていない臨海部については、競技会場周辺並びに最寄り駅からの動線を勘案し、本区が主導する形で優先的に整備促進すべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。  次に、公衆便所についてお尋ねいたします。  「公衆」という名称を冠する公衆浴場などと並び、区民生活に密着した施設であるのと同時に、今や観光地の価値を高める要素としてもトイレが見直されているところであり、政府与党が推進する「すべての女性が輝く社会づくり」政策の一環にも、快適なトイレをふやすことが掲げられています。一方で、和式トイレを使うことができない児童がふえており、学校内だけではなく、登下校時、通学路に公衆便所があるにもかかわらず、間に合わなかったという事例も聞いています。  現在、区内には189カ所の公衆便所があり、そのうち多目的トイレである「だれでもトイレ」への改修済みのトイレが100カ所となっていて、長期計画にのっとり順次改修を進めているところでございます。  オリンピック・パラリンピック開催時においては、国内外から観光客が訪れ、洋式トイレ、多目的トイレの需要は高まるものと予想されますが、競技会場周辺並びに観光客の動線上、または周辺の公園等にある公衆便所の多目的化を優先させる、さらには新設も検討すべきと考えますが、本区の考えをお聞かせください。  3点目にシティ・イン・ザ・グリーンについてお尋ねいたします。  本区は、平成24年7月に、江東区CIGビジョンを策定し、目指すべき都市の姿として明確な方向性を打ち出しました。区民生活の質の向上に資することはもちろん、都市の価値を緑によって高めていくことは国際標準の考え方でもあり、オリンピック・パラリンピックを契機とした、国際社会へのアピールにも大変有意義なものであると考えます。  また、先月末の豊洲シビックセンター竣工視察では、臨海部の緑化のあり方としてのシティ・イン・ザ・グリーンを実際に拝見してまいりました。地上から高層部に至るまでの大胆な緑化は壮観で、特に8階から11階、屋上にかけてベランダ部分での高木を含めた植栽は、降り注ぐ光と相まって、利用者が心から安らぐことのできる空間となっていたのが印象的でございました。まさに「現代の里山」の具現化であり、季節ごとに変化し成長する緑は、豊洲シビックセンターのみならず、豊洲の町全体の品格を高めてくれると確信しています。  臨海部においては、オフィスビルや大規模マンション周辺の緑化は進められても、中高木の植栽は難しいところです。成長過程にあるこの臨海部で、この点についてどのように取り組まれるのか、お尋ねします。  そして、区内外の方々へのアピールを考えると、オリンピック・パラリンピック開催時に東京都の協力も得て、競技会場周辺の緑化整備は一定の水準以上で進め、これもレガシーの一つとすべきと考えますが、本区の方針をお聞かせください。  続きまして、大綱2点目といたしまして、江東湾岸地域のまちづくりについて伺います。  日々姿を変えている湾岸地域ですが、人口増加により当初予測できなかった問題点も出てきています。湾岸地域は区民の生活の場であり、新しく江東区に来られた方々も、そこでこどもを産み育てて、江東区で生まれ育つ彼ら、彼女らにとっても、この江東区がふるさとになるわけでございます。  あわせて、この湾岸地域は、区外から多くの方々が通勤や観光で訪れる場でもある点を踏まえ、質問をさせていただきます。  まず、辰巳桜橋についてお尋ねいたします。  辰巳桜橋は東雲から辰巳運河を越えて辰巳駅へ向かう歩行者・自転車専用橋ですが、強風時には迂回することを促す看板が設置されており、辰巳橋を渡るように案内されています。昨年実績で2万8,000人を超える辰巳駅利用者の半数以上が、東雲地域から辰巳桜橋を渡って利用していると推察され、また、東雲地域から第二辰巳小学校、辰巳中学校への通学路となっており、特に強風時は、小学校低学年の児童には苛酷な道のりでございます。  区民の生活で日常的に使用する橋が、天候によって使用できないということは問題であると考えます。架設してから約20年ということで、改修、またはかけかえについての基準は私も十分理解をしていますが、さきに申し上げたとおり生活に密着した橋でもあります。また、地理上、辰巳、夢の島から東雲、有明にかけての中心部にあり、オリンピック・パラリンピック開催時の利用者増も想定されるため、ぜひ改修、またはかけかえを検討すべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。  次に、豊洲駅周辺地域における交通網についてお尋ねいたします。  既に商業施設や娯楽施設への来訪者でにぎわう豊洲駅周辺ですが、豊洲北部のマンション群、豊洲シビックセンターのある交差点付近、豊洲市場予定地との間には、気軽に歩いて周遊できるとは言えない距離がございます。地下鉄8号線延伸が実現した際には、さらなる乗降客数の増加が見込まれる中、地域内交通の要望は今以上に高まってくるものと思われます。  丸の内、日本橋、お台場では、ビジネスや買い物、観光のための身近な足として、地元企業による巡回バスが活躍しています。また、そのことが町の価値を高める要因になっており、自主的な民間の力がまちづくりに生かされている好例であると考えます。  そこで、豊洲駅周辺地域について、地元企業や地域団体との協業を推進し、行政として積極的に御支援をいただきたいと考えますが、本区の考えはいかがでしょうか、伺います。  次に、有明の児童遊園、遊び場についてお尋ねいたします。  東雲・豊洲地区に続き、有明地区のまちづくりが本格化してまいりました。1,000戸を超える大規模マンションの建設が先行する中、オリンピック・パラリンピック競技会場の配置や跡地利用を見越したまちづくりは、本区の大きな課題であります。  昨日の堀川議員による我が会派の代表質問に対して、「有明地区を含む南部地区における公共施設の整備を、長期計画後期の重点プロジェクトの一つとして新たに位置づけ、子育てに関連する施設や小中学校、保健・福祉施設等を中心に、必要な公共施設の選定や整備時期、民間活力の活用を含めた効率的、効果的な整備手法等の検討を進める」との答弁がありましたが、日々人口が増加する中で、成長していくこどもたちの遊び場の整備はまさに待ったなしであると考えます。  私は、去る5月21日に開催されました(仮称)第二有明小・中学校建設計画説明会に参加させていただき、配置計画、平面設計を拝見し、周辺のオープンスペースへの遊具の配置、校舎や校庭の活用ができるのではないか、さらに既に子育てひろば事業を展開している有明スポーツセンターや有明テニスの森公園などの既存の公共施設の活用ができるのではないかと考えます。  提案させていただきましたアプローチによる、こどもたちの遊び場設置についての検討はいかがでしょうか、伺います。
     大綱3点目といたしまして、新公会計制度の導入についてお尋ねいたします。  平成27年1月、総務省より、地方自治体は、原則平成29年度までに複式簿記・発生主義会計を用いた統一的基準による財務書類等を作成し、公表することが求められ、本区もその前段として、固定資産台帳整備を進めていると伺っています。そこでまず、本区の新公会計制度導入に対する認識について伺います。  総務省は、地方自治体によって採用する財務書類作成システムが異なることを許容するスタンスであると思われ、地方自治体の独立性を鑑みると、本区も本区の特性に応じたシステムを採用するよう検討するべきと考えます。  また、システム検討に当たっては、本区職員の作業負担を含めたコストを必要十分な水準に抑え、予算編成、資金マネジメント等、分析結果の利活用の結果として得る効果を、最大限に高めていくという視点が肝要であると考えます。  新公会計制度の導入に当たっては、総務省が無償の標準ソフトウエアを公表する予定となっていますが、その仕様は現時点では不明な点も多くございます。ミドルウエアを含めると全く無償で構築できるというわけではなく、標準ソフトウエアに柔軟なカスタマイズができない場合、財務会計システム側に大きな改修を余儀なくされる可能性も考えられます。総務省の無償の標準ソフトウエアを採用した結果、想定以上の支出をせざるを得ない事態にもなりかねません。  ハード面では、財務会計システム、ミドルウエアの改修を限りなく抑え、ソフト面では、職員の作業負担を必要十分なものとするために、本区の独自の採用基準を持って、さまざまな事業者の作成システムを検討すべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。  さらに、総務省は、財務書類等を作成することにより、分析に使える公会計制度を要請しています。本区においても、公会計データの利活用を事前に十分検討する必要があり、例えば事業別財務諸表はもちろん、予測財務諸表、財務シミュレーション、資金マネジメント等が考えられます。  予算措置をして新公会計制度を導入するわけでございますので、これを機に本区にとっての明確なメリットを想定して採用すべきと考えますが、検討に当たっての本区の求めていくメリットをお示し願います。  本日、多くの方々が傍聴においでいただいており、また、インターネット中継をごらんの方もいらっしゃるかと思います。区民の皆様の負託に応えるべく、先輩議員の皆様方とともに、微力ではありますが尽力してまいることを改めてお誓い申し上げまして、以上で質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手)    (山崎孝明区長登壇) 13 ◯区長(山崎孝明) 重松佳幸議員の御質問にお答えします。  初めに、江東湾岸地域のまちづくりについての御質問です。  まず、辰巳桜橋についてでありますが、辰巳桜橋は、東雲と辰巳の両地区を結び、平成8年に架設されました。この橋は、斜張橋という形式で、桁自体は軽く、たわみやすい構造となっております。このため、強風時には橋の揺れも加わり、歩行者に危険が及ぶ可能性があるため、暴風警報が発令された場合、通行どめとしております。  改修につきましては、過去に橋の両側に風よけを設けることを検討しておりましたが、橋本体の揺れがより大きくなり、危険であるということから断念しております。  また、かけかえにつきましては、橋の耐用年数は100年を目安に設定しており、橋梁定期点検でも劣化、損傷はなく、今後も長期の使用に耐えるものと想定しております。多額の建設費を要することも勘案すると、現時点でかけかえは難しいと考えております。  次に、豊洲駅周辺地域における交通網についてであります。  豊洲地区では、人口の急増や大規模開発に伴い、地域内交通の需要が高まっており、交通網の拡充が必要であると認識しております。区としては、その中心的な役割は都営バスが担うべきと考えており、さらなる路線充実を東京都に強く求めているところであります。  丸の内、日本橋、臨海副都心の地元企業の協賛による巡回バスは、誰もが無料で気軽に利用できることから、日常的に多くの方に利用されており、地域内の回遊性や利便性向上に寄与しているものと考えております。同様に、今後、商業施設や事業所などの集積が進む豊洲地区においても、その運行が期待されるところであります。  まずはまちづくり協議会など、地権者の主体的な取り組みが前提となりますが、実現に向けた機運が生じた場合には、既存の地域交通との調整を図るなど、区としても必要な支援をしてまいります。  次に、有明の児童遊園、遊び場についてであります。  開発の進む有明北地区での、不足する遊び場の整備は、私も喫緊の課題であると認識しております。  有明北地区の地区計画では、東京都による公園整備、また民間マンション開発に伴う児童遊園の整備も予定されていますが、開園にはまだ数年を要する見込みです。そのため、(仮称)第二有明小・中学校のオープンスペースの一部と、有明スポーツセンターの正面の広場は結構広くなっており、先日、そちらに私も行って検討してきました。あそこなら遊具ぐらいならばかなり置けるのではないかと考えていまして、今、その方向で検討を進めているところでございます。  また、(仮称)第二有明小・中学校の開校後は、学校開放事業により、休日等に校庭や屋内運動場をこどもたちに開放したいと考えております。さらに、有明テニスの森公園につきましては、オリンピック・パラリンピック開催のための改修工事が予定されております。あそこの芝生の広場などには、小さなこどもたちが遊べる遊具が置けるのではないかということで、今、東京都と直接折衝しておりまして、ここもこどもたちのために開放したいと考えております。  今後も、公共施設の活用を初め、遊休地の利用や民間の開発に伴う遊び場の提供など、関係機関と検討してまいります。  また、大きなマンションができる場合には、やはりそういったところにこどもの遊具も設置してもらうように、私としても要望していきたいと思うのですが、管理責任として、マンションの管理組合、あるいは開発事業者は、こどもがけがしたときに責任を負うのは嫌だからつけないのです。本来、私は、こどもたちがたくさんふえるわけですから、そうした事業者がもっと自分たちから進んで考えるべきだと思っております。  なお、その他の御質問につきましては、所管部長から答弁いたさせます。    (並木雅登土木部長登壇) 14 ◯土木部長(並木雅登) 次に、2020年東京オリンピックパラリンピック開催に向けた地域整備についての御質問にお答えします。  まず、防犯カメラについてであります。  近年、各自治体において、補助制度を設けた上で、地域団体による防犯カメラ設置の推進が図られております。本区でも、町会・自治会や商店街に対して、防犯カメラを設置するための補助金を交付しておりますが、補助金の交付に当たっては、防犯パトロール団体を結成していただき、地域での防犯パトロール活動の実施を要件としております。  これは防犯の分野においても、自助・共助の意識を醸成し、ハードとソフトの両面から町の防犯力を高めることを目的としているものであります。  臨海部では、地域団体の結成が進展しておりませんが、区としても、防犯カメラの必要性は認識しており、今後、臨海部の防犯カメラのあり方について研究してまいります。  なお、オリンピック・パラリンピック開催に向けた治安対策として、本年7月に、東京都に対し、競技会場周辺の広範囲に防犯カメラを設置することを要望したところであります。  次に、公衆便所についてであります。  東京オリンピックパラリンピックの期間中は、世界中から訪れる多くの選手や大会関係者、観光客が快適に過ごすために、わかりやすい案内や多言語表示を初め、誰もが使いやすい公衆便所を含めた環境整備が必要となります。  区は既に東京都に対して、競技施設内トイレの外からの利用を初め、競技会場周辺及び来訪者の動線上でのトイレの整備を強く要望しております。引き続き、国内外からの来訪者に、来てよかったと感じていただけるよう、関係機関と検討してまいります。  次に、シティ・イン・ザ・グリーンについてであります。  平成24年に策定した江東区CIGビジョンでは、区民が緑の豊かさを実感しながら生活できる緑の中の都市を目指しております。特にオリンピック・パラリンピックの際に、緑のおもてなしをしたいという声は、「聞かせて!あなたのオリンピック・パラリンピック」でも多く聞かれました。  競技会場とその周辺の緑化については、本年6月策定の江東区オリンピック・パラリンピックまちづくり基本計画でも、「湾岸エリア内のみどりのネットワークの強化」などを掲げ、その実現を目指して東京都に要望しているところです。  さらに、個別の競技会場整備に関しても、現在の緑化基準を超えたレベルでの緑化、開催後のまちづくりを考慮した植栽の整備などを要望しております。  本区としても、臨海部に多い大規模な敷地の開発には、高木をより多く植えるよう基準を引き上げたところであり、オリンピック・パラリンピックの観客動線も考慮して緑化を進め、レガシーとして緑あふれる都市を残せるよう取り組んでまいります。    (押田文子政策経営部長登壇) 15 ◯政策経営部長(押田文子) 次に、新公会計制度の導入についての御質問にお答えします。  まず、新公会計制度の導入に対する認識についてです。  御指摘のとおり、国は、全国的に人口減少社会を迎える中、老朽化に伴い公共施設が大量に改築・改修時期となるなど、地方財政をめぐる厳しい状況を踏まえ、公会計を用いた財政のマネジメント強化が極めて重要としており、地方自治体に対し、全国統一的な基準による公会計を導入することを要請いたしました。その中で、まずは資産情報を網羅的に把握するための固定資産台帳を早期に整備することが求められています。  本区においても、平成29年度に、平成28年度決算に基づく新たな財務書類等を作成する予定であり、本年度はその前段として、固定資産台帳の整備に向け、土地、建物や道路など、対象となる資産についての状況調査を行い、その結果も踏まえた台帳の整備方針について検討するなど、関係所管と十分に連携を図りながら、着実に実務を進めているところであります。  新たな公会計制度の導入は、先行して整備する固定資産台帳をもとに財務書類等を作成、公表し、資産の形成や減価償却費など、従来の単式簿記・現金主義会計では見えづらい正確な行政コストを明示することが可能となります。これまで以上に区民や議会に対する説明責任を果たし、効果的、効率的な財政運営の促進を図る重要な手段の一つであると認識しております。  次に、財務書類作成システムの採用基準とその検討状況についてであります。  財務書類作成に係るシステムの導入に当たっては、自治体の裁量によることから、財務書類の活用までを見据え、費用対効果を十分に勘案した上で決定する必要があることは、御指摘のとおりであります。  国は、全国的に統一的な基準による公会計制度の導入を促進するため、無償で標準ソフトウエアを開発、提供するとしておりますが、その詳細はいまだ明らかにされておらず、ハードウエアの整備、導入後の運用や保守等は全て自治体の責任において行うこととなっているなど、課題も多いものと認識しております。  本区は、平成29年度の新たな公会計制度の導入に向けて、鋭意準備を進めているところですが、職員の負担や開発スケジュールなど、本区の取り組みに合ったシステムを採用するため、国のソフトウエアのみならず、さまざまな事業者のシステムについて、十分検討の上、選定してまいります。  次に、財務書類作成によるメリットについてであります。  新たな公会計制度の導入に当たっては、財務書類等を作成することが目的ではなく、それらをいかに活用するかが最も重要であると認識しております。国においても、公会計制度を通して自治体みずからが詳細な財務状況を把握、分析し、主に公共施設マネジメント等に有効活用することを強く求めているところであります。本区としましても、先進自治体の事例を研究しつつ、引き続きその活用について検討を進めてまいります。     ───────────────────────────────────── 16 ◯議長(山本香代子議員) 21番赤羽目民雄議員。    (21番赤羽目民雄議員登壇) 17 ◯21番(赤羽目民雄議員) 私は、日本共産党江東区議団を代表して、大綱3点について質問します。  まず、安全保障関連法案、いわゆる戦争法案について伺います。  安倍自民・公明政権は、今まさに国会において戦争法案の強行採決を狙っています。国民の民意を踏みにじり、民主主義、立憲主義、平和主義を破壊する歴史的暴挙であり、私たちは絶対に許しません。  この法案は、アメリカが起こすあらゆる戦争に日本の自衛隊が参加し、軍事支援や武力行使を行えるようにするもので、歴代の内閣法制局や最高裁判所の元長官を初め、一部の右翼的な憲法学者を除くほとんどの学者が、憲法違反であると断じています。  8月30日には、国会周辺に12万人、全国では1,000カ所以上で数十万人の国民が一斉に立ち上がり、また、これまで江東区内でも集会やパレードが開催され、多くの区民が参加して、戦争する国づくりは許さないと声を上げています。とりわけ青年や学生、こどもを持つ母親など、若い世代が自主的に行動するなど、憲法違反である戦争法案の廃案を求める声と運動が空前の規模で広がっています。区長はこうした国民、区民の世論と運動をどう受けとめますか、伺います。  国会審議の中で法案の危険な問題点が次々と明らかになり、国民の怒りが渦巻いています。政府は、法案の根幹部分についてさえ整合的な答弁ができなくなり、日本人を輸送する米艦の防護やホルムズ海峡の機雷掃海など、集団的自衛権行使の具体的根拠としていたものがことごとく崩れ去っています。  また、米軍への武器輸送など、軍事支援の内容について防衛大臣は、非人道的兵器であるクラスター爆弾、さらには核兵器まで法律上は輸送できると答弁したことからも、米軍に対する自衛隊の軍事支援に制限がなく、戦争法案の危険性も明白です。  さらに、我が党が暴露した防衛省統合幕僚監部の文書には、戦争法案の8月成立、来年2月施行を前提に、自衛隊が運用計画を検討し、あらゆる事態で自衛隊が日常的に米軍の指揮下に入り、米軍と一体となって軍事作戦を行うことや、これまで憲法で禁じてきた駆けつけ警護などを始めるとした、詳細な日程表まで記載されていました。  区長はこれまで我が党の質問に、戦争法案は「憲法第9条のもとで許される」、「江東区平和都市宣言に相反するものではない」と答弁してきましたが、戦争法案は、武力の行使を禁じた憲法第9条を壊して、アメリカと一緒になって海外で武力行使を行うもので、戦争の抑止どころか戦争実行法にほかなりません。区長は、それでも戦争法案は憲法違反ではないと思うのか、答弁を求めます。伺います。  ことし4月に改定された日米防衛協力のための指針、いわゆるガイドラインでは、他国を防護するために、自衛隊だけでなく自治体職員や民間人まで戦争に動員される仕組みがつくられています。万が一戦争法案が制定、発動されれば、区長の名において区民を戦争に巻き込むことになるのではないですか。区長の見解を伺います。  紛争解決に当たり、安倍政権のような軍事一本やりの対応では、憎しみの連鎖を生み出し、危険な悪循環に陥ってしまいます。今、日本に必要なのは、紛争はあっても、それを絶対に戦争にしないための平和の外交戦略を打ち出すことです。区長は、日本を戦争する国につくりかえる戦争法案の廃案を求めるべきです。伺います。  大綱2点目は、高齢者の住宅支援について伺います。  この間の消費税の増税やたび重なる社会保障制度の改悪、食材や日用品など諸物価の上昇で、高齢者に対する負担は大幅に増大しています。一方で、年金削減など、収入は減り続け、高齢者の貧困が大きな問題となっています。  区内でも、収入200万円以下の高齢者は、高齢者全体の55%に達し、高齢者の生活保護受給世帯は、この5年間で900世帯以上もふえ続けています。  私たち区議団にも、「1日の食事回数を減らし、お風呂に入るのも我慢するなど、節約を重ねて何とか暮らしているが、もう限界」と悲鳴が寄せられています。まず、区長は、高齢者の暮らしの状況をどう認識していますか、伺います。  高齢者の貧困が広がる中で、「家賃が高いので都営・区営住宅などに入れてほしい」と相談が相次いでいます。しかし、都営住宅シルバーピアの応募倍率は42倍、ことし6月に行った区営高齢者住宅の空き家の入居者募集には117倍もの申し込みが殺到するなど、高齢者が増加している中で、公営住宅の建設は緊急かつ切実な要求となっています。  平成23年度に再編された地域優良賃貸住宅制度は、住宅の整備費用や家賃引き下げなどに国が財政支援を行い、高齢者等に賃貸住宅の供給を推進するもので、足立区、墨田区、中央区、北区などが活用しています。  区長もこの制度を活用するなどして、区営高齢者住宅の建設やUR賃貸住宅など、借り上げ住宅を整備するとともに、東京都に対し、都営住宅及び高齢者住宅の建設を強く求めるべきです。あわせて見解を伺います。  次に、高齢者世帯民間賃貸住宅あっせん事業について伺います。  この事業は、宅地建物取引業協会や不動産協会の協力を得て、住宅に困っている高齢者に民間賃貸住宅を紹介するものです。これまで一定の改善があり、昨年1年間で100件以上もの申請はありますが、成立件数は12件にとどまっています。  成立が進まない原因は、住宅家賃が高いことや、物件がバリアフリーでないこと、さらに孤独死など事故のリスクから、家主の貸し渋りがあると聞いています。  文京区は、高齢者が入居すると、家主に毎月1万円を支給します。バリアフリーなど、環境改善にも支援し、入居者には住みかえ費用と家賃助成を行うほか、日常生活の支援を行う生活援助員の派遣や、緊急通報システムを無料で設置して安否確認を行い、家主負担の軽減を図っています。本区の事業でも、契約金等の一部助成はありますが、さらなる充実が求められています。  区長は、住宅家賃や転宅費用の助成をするとともに、生活援助員の派遣や緊急通報システムの設置などを行い、家主負担の軽減を図るなど、住宅に困っている高齢者に対するあっせん事業を拡充すべきです。伺います。  次に、高齢者住宅改修助成について伺います。  手すりの設置やトイレ、浴槽をバリアフリーにして、長年住みなれた自宅で暮らし続けたいと、住宅改修に対する助成を求める声も広がっています。  現在、本区が行っている高齢者住宅改修助成は、要介護認定を受けた人が対象ですが、この間の介護保険制度の大改悪で、一部2割負担が導入されてしまいました。  区長は、介護予防の観点からも、費用負担の軽減や対象年齢の引き下げを行い、高齢者住宅改修助成を拡充すべきです。伺います。  大綱の3点目、保育問題について伺います。  ことし4月、認可保育所に申し込んでも入れない待機児童数は1,397人に上り、いまだ深刻です。私たち区議団に区内の保護者から、「こどもが預けられないと職場に戻れない、生活が壊れてしまう、夜も眠れない」との切実な声が多数寄せられています。  江東区は今後、民間の認可保育所などを整備して待機児童を解消するとしていますが、保育所整備と同時に、保育の質の確保が重要となっています。  まず、株式会社が運営する保育所について伺います。  本年5月、江東区内の株式会社立の保育所で職員が大量退職し、つい先日には園長も退職、後任の園長も退職の意向を示すなど、こどもと保護者に多大な負担を与える深刻な問題が起きてしまいました。これまで我が党は、さまざまな事例を挙げ、営利を目的とした株式会社が運営する保育所の整備は見直すよう求めてきました。それに対し、運営上問題はないと答弁して、株式会社の保育所整備を推進してきた区長の責任は重大です。区長はこのような事態をどう受けとめていますか、伺います。  こうした問題を二度と起こさないために、現在、区の指導、援助が行われていますが、極めて不十分と言わざるを得ません。現在、100を超える認可保育園と認証保育所を含めた70以上の認可外保育施設に対し、指導や援助を行う区の職員は7名と少なく、月に8から10施設にしか指導に入れていません。区長は職員を増員して、区内全ての保育所の運営状況や保育士の離職状況を把握し、必要な指導、援助を直ちに行うべきです。伺います。  次に、区立保育園の民間委託について伺います。  区長は、今定例会に南砂第四保育園を民間企業に委託する議案を提案していますが、区立保育園の民間委託は、こどもに負担を与えると区も認めており、さらに営利目的の株式会社は、人件費を大幅に削らない限り利益を出すことはできず、保育士の処遇を悪化させ、保育の質の低下を招くことは避けられません。  区長は、これまで江東区と保護者、保育関係者で築き上げてきた江東区の保育の充実にこそ力を入れるべきであり、区立保育園の民間委託は中止すべきです。伺います。  次に、区立の認可保育園の整備について伺います。  これまで我が党が明らかにしてきたとおり、民間事業者が運営する認可保育園は、職員が定着せず、保護者から不安の声が多数上がっています。また、民間任せの保育所整備で園庭がなく、ビルの一室に設置された施設が増加しており、こどもの健全な成長と発達に影響を及ぼし、安心して子育てしたいという保護者の願いに応えることはできません。安定した保育を保障するためにも区が責任を持つ公立の認可保育園を増設し、待機児童を解消すべきです。伺います。  次に、サテライト保育について伺います。  分園から本園にこどもをバスで送迎して保育するサテライト保育事業について、区は来年度から新たに亀戸-大島間で実施するとしています。しかし、江東湾岸サテライトスマートナーサリースクールで、こどもを乗せた送迎バスが接触事故を起こしてしまいました。バス運行である以上、今後も交通事故のリスクは避けて通れません。また、保育で重要な、担任保育士と保護者間で日々こどもの状態を直接確認するということもできていません。区がサテライト保育事業を開始する際に行った保護者へのアンケート調査でも、圧倒的多数の保護者が、自宅に近い場所に認可保育所の設置を望んでいます。  区長は、サテライト保育事業を見直し、保護者が直接送り迎えできるところに認可保育園を設置すべきです。伺います。  次に、保育士の確保と処遇改善について伺います。  安定した保育を行うために、保育士の確保と処遇の改善は喫緊の課題です。厚生労働省が行った調査では、全職種の労働者の平均賃金が32万5,600円であるのに対し、保育士は21万4,200円と10万円以上も低くなっています。区は、国や東京都の処遇改善対策により、一定程度、保育士の給与は上がったとしていますが、格差を是正するには至っておらず、専門職としてさらなる処遇の改善、賃金の引き上げが必要です。
     区長は政府や東京都に対し、さらなる処遇改善策を求めるべきです。また、保育士確保のため、千代田区、世田谷区、大田区が行っている家賃助成を江東区としても行い、保育士確保を進めるよう求めます。区長の見解を伺い、私の質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手)    (山崎孝明区長登壇) 18 ◯区長(山崎孝明) 赤羽目民雄議員の御質問にお答えします。  保育問題についてであります。  まず、株式会社が運営する保育所についてです。御指摘の認証保育所での事案につきましては、一刻も早く事態を収拾し、在園児に影響を与えることのないよう、区として、指導・監督権限のある東京都に対して強く申し入れるとともに、都区間での連携を図りながら対応しているところであります。  また、区内の保育所等に対する区の指導、援助についてですが、子ども・子育て支援新制度により、検査及び一定範囲内の処分について、区にも権限が付与されたところです。児童福祉行政の適正かつ円滑な実施を確保することに主眼を置き、都区それぞれに付与された権限を行使し、効果的、効率的な指導等検査を実施するため、より一層の連携を図っていく必要があるものと認識しております。  次に、区立保育園の民間委託についてであります。  効率的な施設運営や保育サービス向上の観点から、長期計画において定められた移行計画にのっとり、平成28年度以降の4年間で毎年1園ずつ、指定管理者制度を順次導入してまいります。移行に当たっては、在園児へ負担を与えることのないよう、2年間の準備期間を設け、合同保育等の丁寧な実施に努めてまいります。  また、指定管理者の選定においては、運営実績や保育士の確保・育成、質の高い保育サービスの継続的・安定的な提供が可能であるかなど、さまざまな観点から評価、選定に当たっており、株式会社の参入が保育の質の低下につながるとは考えておりません。  次に、区立の認可保育園の整備についてであります。  待機児童の解消は区の喫緊の課題であり、保育需要の高まりにスピード感を持って対処していくためには、民間活力を最大限に活用していくことが重要であると思います。認可保育施設の整備については、引き続き民設民営により進めてまいります。  次に、サテライト保育についてであります。  本事業は、平成26年4月に全国初のサテライト保育所として開設し、続く本年4月には、大規模商業施設との連携による2園目をスタートさせ、臨海部エリアにおける待機児童解消に大きな役割を果たしているところであります。  交通利便性の高いエリア等にステーションを設置することで、保育を必要とする保護者のニーズに応え、より広い敷地の本園でこどもたちが伸びやかによりよい保育を享受できることこそが、この事業の趣旨であります。  保育施設の整備に当たり、用地確保が困難な既成市街地ではなおさらのこと、サテライト保育の事業手法を活用していくことが待機児童解消の策として効果的であると考えており、現時点で見直すことは考えておりません。  次に、保育士の確保と処遇の改善についてですが、本区は過去2年、保育士の処遇改善事業を行い、本年度においても、キャリアアップ補助等を補正予算案に計上するなど、さらなる処遇改善を目指しております。また、国、東京都へも、既に保育士等の人材の安定確保に取り組むことを、特別区長会を通じて要望しております。  なお、保育士の家賃助成につきましては、現在、他自治体での導入事例等の調査を行っているところであります。  なお、その他の御質問につきましては、所管部長から答弁いたさせます。    (井出今朝信総務部長登壇) 19 ◯総務部長(井出今朝信) 次に、安全保障関連法案についての御質問にお答えします。  まず、国民の世論と運動についてでありますが、国会周辺でのデモを初め、法案反対を掲げた運動が展開されていることは承知しております。その一方で、法案に賛成する有識者が記者会見し声明を発表したり、賛成デモが行われるなど、国民の間にもさまざまな声があることも事実であり、非常に高い関心が示されている事案であると捉えております。  次に、安全保障関連法案の違憲性等についてのお尋ねです。  これまでも御答弁しておりますが、この法案は、我が国を取り巻く安全保障環境が厳しさを増す中、国民の生命と平和な暮らしを守るための、必要最小限の自衛の措置の枠組みを決めるとともに、我が国及び国際社会の平和と安全のための切れ目のない体制整備を内容とするものであります。  内閣法制局は、安全保障関連法案の基礎となる集団的自衛権の行使の限定容認について、「これまでの憲法第9条をめぐる議論と整合する合理的解釈の範囲内のものであると考えている」との見解を示しており、また、自衛の措置の新3要件は、あくまで自国防衛のために他に手段がない場合に限り、必要最小限の実力行使を認めるもので、専守防衛の範囲内であるとされております。  国会審議の中では、さまざまな角度から議論を重ねておりますので、その動向を注視しておりますが、これらの点を踏まえると、安全保障関連法案の内容は、憲法第9条のもとで許容される自衛の措置に相反するものではないと考えております。  次に、法案が制定、発動されれば、区民を戦争に巻き込むことになるのではとのお尋ねです。  日米防衛協力のための指針、いわゆるガイドラインは、本年4月に18年ぶりに改定されました。ガイドラインは、平時から緊急事態までの日本の平和及び安全を確保するため、また、アジア太平洋地域及びこれを越えた地域が安定し、平和で繁栄したものとなるよう、日米両国間の安全保障、防衛協力及びその調整のあり方についての一般的な大枠と、政策的な方向性を示すものであります。  今回の改定に当たって、離島の不法占拠など、武力攻撃に至らないグレーゾーン事態を想定した平時の協力を新たに盛り込んでおりますが、この新ガイドラインのもとで、自治体職員や民間人を直接的に戦争に動員することになるとは考えておりません。  次に、安全保障関連法案の廃案を求めるべきとの声ですが、いかなる紛争も、武力ではなく国際法に基づき、外交による平和的解決を目指すべきは当然のことであり、その上で、万が一の専守防衛の備えと平和国家としての役割についての法整備であると認識しております。  区といたしましては、国家の極めて高度な安全保障にかかわる関連法案であることから、十分な議論が国権の最高機関である国会の場で尽くされるよう、その動向を注視しており、国に廃案を求める考えはありません。    (吉川甲次都市整備部長登壇) 20 ◯都市整備部長(吉川甲次) 次に、高齢者の住宅支援についての御質問にお答えします。  まず、高齢者の暮らしの状況についてです。  高齢社会の進展の中で、生活保護を受給する高齢者世帯が増加するなど、厳しい状況にあると認識しております。その一方で、平成25年に実施した高齢者の生活実態等に関する調査において、日常生活における不安要素として、病気や介護、または家族やひとり暮らしなどの不安に次いで、経済的な不安が6番目にとどまっております。したがって、本区としては、医療・介護サービスや生活支援など、高齢者が自宅で安心して暮らせるサービスの充実を図るとともに、引き続き高齢者のニーズに沿った適切な施策を推進してまいります。  次に、高齢者住宅の建設や借り上げ住宅の整備についてです。  地域優良賃貸住宅制度は、高齢者世帯や障害者世帯、子育て世帯といった、居住の安定に特に配慮が必要な世帯に対し、地方公共団体が良質な賃貸住宅を供給するための整備費用や、家賃低廉化費用の一部を国が補助する制度であると承知しております。  本区といたしましては、当制度を活用した区営高齢者住宅の建設や借り上げ等による住宅整備を行う計画は、現時点ではありません。しかしながら、都営住宅の建てかえに際し、団地居住者の意向も踏まえ、東京都に対して高齢者住宅の整備への働きかけや、既存の民間賃貸住宅ストックを活用したより効率的な高齢者の住宅確保支援を実施しています。したがいまして、東京都に対して都営住宅、高齢者住宅の新規建設を求める考えもありません。  次に、高齢者世帯民間賃貸住宅あっせん事業についてです。  本事業は、立ち退きや家賃過重などの理由から転居せざるを得ない高齢者を対象に、民間賃貸住宅の情報提供を行う事業であり、本区の住宅確保支援事業として有効な施策であると認識しております。そのため、真に住宅を必要としている方に活用していただけるよう、さらなる周知をしてまいります。  入居者への費用負担に対する支援については、契約金の一部助成を既に実施しており、家賃や転居に伴う費用のさらなる助成は考えておりません。  加えて、福祉部門で実施している高齢者地域見守り支援事業の御案内を入居者の方に行い、家主の負担軽減につながるよう支援も実施しております。このため、生活援助員の派遣や緊急通報システム設置を行う考えは現在のところありません。  次に、高齢者住宅改修助成についてです。  住宅設備改修は、転倒の防止や動作の容易性の確保、介護負担の軽減効果を得るなどを目的として、手すり取りつけ、浴槽・トイレ改修費用等の一部を助成しており、住みなれた自宅で安心して暮らし続けられる環境づくりとして、地域包括ケアシステムの構築に資する取り組みと考えております。  費用負担の軽減については、今般の介護保険制度改正の趣旨を踏まえ、一定所得以上の方の利用者負担割合を2割とする方向で検討しており、また、対象年齢については、現在のところ引き下げる考えはありません。   ────────────────────○──────────────────── 21 ◯議長(山本香代子議員) お諮りいたします。  議事進行上の都合により、暫時休憩いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。    (「異議なし」と呼ぶ者あり) 22 ◯議長(山本香代子議員) 御異議がないものと認めまして、暫時休憩いたします。    午後2時57分休憩   ────────────────────○────────────────────    午後3時20分開議 23 ◯議長(山本香代子議員) 休憩前に引き続き会議を開きます。  この際、本日の会議時間を延長いたしておきます。   ────────────────────○──────────────────── 24 ◯議長(山本香代子議員) 一般質問を続けます。  6番やしきだ綾香議員。    (6番やしきだ綾香議員登壇) 25 ◯6番(やしきだ綾香議員) 維新・民主・無所属クラブに所属しております、やしきだ綾香と申します。ことしの統一地方選挙で初めて当選しました。先輩議員さんに習いながら生まれ育った江東区をさらに暮らしやすい地域にするため、全力で議会活動に取り組んでまいります。今回初めて質問のお時間をいただきましたことに感謝いたします。  今回は大きく2つ質問をさせていただきます。山崎区長並びに関係理事者の皆様の誠意ある御答弁に期待し、必ずや今後の江東区につながることを願い、質問を始めさせていただきます。質問のお時間が15分間と決まっていますので、手話での表現はこれで終わらせていただきます。よろしくお願いいたします。  まず、全国的に人口減少が問題となる中、このたび江東区の人口がことしの6月12日で50万人に達しましたことを、大変うれしく思います。待機児童問題等、人口増加により抱える問題もございますが、江東区にお住まいの皆様の実態に合わせた政策がますます期待されていると思われます。  内閣府の調査によりますと、20歳代、30歳代の子育て世代の所得分布を見ると、20歳代では、1997年には年収が300万円台の被雇用者の割合が突出して最も多く、2012年でも最も多いですが、200万円台前半の被雇用者とほぼ同じ割合になっています。また、30歳代では、1997年には年収が500万円から699万円の被雇用者の割合が最も多かったのに対し、2012年には300万円台の被雇用者が最も多くなっているのが現状です。  子育て世代の所得分布は、1997年から2007年までの10年間で低所得層にシフトし、その後この状態が続いていることが調査でわかります。  また、国立社会保障・人口問題研究所が実施した「第14回出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)夫婦調査」によりますと、夫婦に尋ねた理想的なこどもの数は、前回の調査に引き続き低下し、調査開始以降、最も低い2.42人となっています。また、夫婦が実際に持つ予定のこどもの数も2.1人を下回り、2.07人となっています。  理想のこどもの数を持たない理由として最も多いのが、「子育てや教育にお金がかかりすぎるから」が60.4%であり、年代別に見ると、若い世代ほど割合が高くなる傾向があります。次に多いのが「高年齢で生むのはいやだから」が35.1%であり、年代別に見ると、年代が高くなるほど割合が高くなる傾向が見られるそうです。  また、平成26年3月の江東区こども・子育て支援事業計画の策定に伴う意向調査結果報告書によりますと、配偶者に対する子育て分担の満足度について、父親の53.3%に対して母親の満足度は18.1%と、父親と母親では35ポイント近く満足度に差があり、「子育てに関して不安感や負担感を感じていますか」という問いに対して、「非常に不安や負担を感じる」は8.2%、「なんとなく不安や負担を感じる」は43.3%と、半数の方が不安や負担を感じています。  江東区の子育て環境の充実度に関する項目の中で、妊婦健康診査や乳幼児健康診査など母子保健サービスについて、「充実している」、「まあ充実している」と答えた方の合計が76.1%に対して、こどもや子育てを応援する地域の力は「どちらとも言えない」、「やや不足している」、「不足している」と答えた方の合計は73.6%、子育て家庭への経済的支援は「どちらとも言えない」、「やや不足している」、「不足している」と答えた方の合計が81.3%という調査結果が出ております。  このような調査の結果でも、働く環境や周りの理解、経済的な負担の軽減が子育て世代において必要とされている今、全国でたくさんの区市町村がある中で、江東区を選んで子育てをされているお父さん、お母さんを支えることが、人生の大先輩である御高齢の皆様を支える大きな柱になると考えますが、本区の子育て世代への支援の現状と課題をどう認識しているのか、お聞かせください。  お父さん、お母さんがともに心を一つにして子育てができる、安心して暮らしやすい環境づくり、子育て世代を応援する政策がますます期待されている江東区の子育て事業に私、やしきだ綾香からの提案です。それは、生まれてくるこどもたちを江東区で迎えるに当たり、「パパ・ママのスターターキット」を出生届と引きかえにお渡しするということはいかがでしょうか。  このスターターキットはフィンランドで、「生まれてくれてありがとう、赤ちゃんようこそ」という思いを込めて、国から両親にプレゼントしている制度の一つです。  フィンランドでは男女平等も早くから重要視され、女性も小さなこどもも高齢者も、みんなが同じ1人の人間として平等で、大事にする風土が根づいている国でもあります。  中身を見てみると、さまざまなサイズの多くの洋服や肌着が用意されており、衣類以外にもおくるみにもなるバスタオル、さらに母親の体のケアも考えた品物が入っているそうです。このようなスターターキットを、期間を制限しないで日本・江東区版として取り入れてはいかがでしょうか。  例えば生まれたばかりの赤ちゃんが生きるために必要なもの、それは食料、すなわち母乳、もしくはミルクです。地震大国とされているこの日本、そして江東区では、特に災害が起こり、生きるために必要なものが制限されてしまったとき、生きるか死ぬか、生命に大きくかかわります。大きな災害が起こったとき、こどもたち、特に乳飲み子を守るのはお母さんやお父さんたちです。我が会派の防災対策についての問いに対する前回の関係理事者の回答では、自助・共助・公助の中で自助がとても大切であり、備蓄については、区報などで日ごろから区民の皆様にお願いをしているとのことでしたが、実際に危機を感じるようなことがなければ、人は行動になかなか移しません。  そこで、(仮称)江東区版スターターキットには、衣類やガーゼはもちろん、生まれたばかりの赤ちゃんを守るために、例えば災害用として、消毒不要の使い捨て哺乳瓶「ステリボトル」を中に入れることにより、災害時における衛生面やもしもお母さんの心身の状態で母乳が出なくなってしまった場合など、さまざまな事情でミルクをあげられないときに、赤ちゃんにミルクを飲ませることを絶やさないようにしたり、先日のえこっくる江東で出展されていましたビニール素材の簡易トイレを一緒に入れるなど、江東区独自に、地域でこどもを守る江東区として、生まれたばかりの赤ちゃん、そしてお父さん、お母さんのために力を入れてはいかがでしょうか。  そして、このスターターキットと一緒に山崎区長や、議長、副議長を初めとする44名の議員全員が、生まれてくるこどもたち、あるいはパパ、ママになるお二人へ、自筆のメッセージを印刷したものを添えてお渡しできるのなら、議会と行政がより身近になるのではと私は思いますが、伺います。  そして、これに関連し、2つ目の質問です。  今年度、地方創生という目標で、全国の地方自治体は、プレミアムつき商品券という地域で使うことができる商品券を発行しました。どの地域も大盛況であったのと同時に、各地域独自の課題もあり、本区でも現状を踏まえた課題解決に取り組んでいることと思います。  ことしの7月、発販日には私も販売会場の様子を見に行きましたが、長蛇の列で、ほとんどの地区が完売でした。その様子から、地域で使えるお得なクーポンがあれば魅力を感じ、需要が多いという区民の皆様のお気持ちを、とても強く感じ取りました。そこで、先ほどの「パパ・ママのスターターキット」に加えて、子育て支援事業について、もう一つ提案がございます。  私の妹は1歳のこどもを持つ母ですが、子育ては楽しいだけではなく大変なこともたくさんあり、周りの子育てに対しての物資面、精神面の支援があることが大きな助けになります。  乳幼児の子育てにおいて、必要経費が一番かかると言われているおむつに対して、子育て世代の経済的な負担を軽減するために、「おむつクーポン」という名の、地域の薬局で使えるクーポン券も発行したらいかがでしょうか。  例えば東京23区内ですと、杉並区では杉並子育て応援券という名の子育て支援サービスに利用できるチケットを交付し、サービスを利用しやすくする事業を展開しています。特に生まれたばかりのお子さんや、日中家にいることの多い2歳以下のお子さんのいる家庭に、地域とつながるきっかけとなるよう、無償の応援券を交付しています。  無償の応援券には、出生時に交付する4万円分の応援券とゼロ歳から2歳児用に交付する2万円分の応援券があります。応援券で利用できるサービスは、例えば、子育て相談など、親をサポートするサービス、一時保育などこどもを預けるサービス、インフルエンザの予防接種等です。  また、富山県と市町村で行われている「とやまっ子 子育て応援券」は、平成20年から富山県でスタートした子育て応援事業で、富山県にお住まいで3歳未満のお子さんのいる御家庭に交付されています。第1子、第2子には1万円分、第3子には3万円分の応援券を発行し、利用できるサービスは、母乳、育児相談や乳児健康診査、保育所の一時保育、読み聞かせ絵本の購入などです。  さまざまな区市町村が出生届と引きかえに独自でサービスを行っています。そのサービスは、その地域の特性にも十分に配慮されたものであると私は思います。本区でも、継続的に子育て世代の経済的な負担を軽減するシステムが築かれることで、その分、お父さん、お母さんがお子さんと一緒に使えるお金をふやせるような施策の第一歩として、ぜひ本区で独自のクーポン券を発行されることを望みます。  この提案するクーポンは、例えば1万円の商品券で1万3,000円分のおむつを地域の商店で購入できるといったものです。プレミアムつき商品券の課題であった枚数を限定することなく、子育てをされている御家庭がいつでも購入できるクーポンをぜひ発行願いたいです。  以前、本区はハッピーセカンド事業を行っていましたが、50万人都市となった現在、子育て世代に優しい一つ踏み込んだ施策が必要です。  おむつは赤ちゃんの排泄に必要なものであり、おむつの費用が経済的に負担になっていること、地域の商店、この場合は薬局ですが、1店舗でも多く活性化してほしいという思い、そして地域の薬局を利用するお父さんやお母さんが、このクーポンをきっかけにして、地域と一緒になって子育てをするコミュニティを築いてほしいと思います。  子育て世代を支える、すなわち若者世代を支えることが高齢者を支えることにつながり、江東区の未来につながっていくと私は思います。このクーポンを利用した子育て施策が、子育て世代の孤立化の解消と地域経済の発展、新たなコミュニティの醸成に役立つ有効なツールになると考えますが、区のお考えを伺って質問を終わらせていただきます。  御清聴ありがとうございました。(拍手)    (山崎孝明区長登壇) 26 ◯区長(山崎孝明) やしきだ綾香議員の御質問にお答えします。  子育て支援施策についての御質問で、本区の子育て世代の現状と課題についてであります。  本区では、総人口の増加に伴い、14歳以下の年少人口も大幅にふえており、毎年1,000名以上増加するなど、多子化とも言える状況になっております。一方で、子育てを取り巻く環境の変化により、子育てに悩む保護者が非常に多くなっております。このような本区の状況をもとに、子育て世代に対する働く環境の改善や周囲の理解、また経済的な負担の軽減等、子育て世代への支援の現状と課題の認識についてであります。  まず、子育て世代に対する働く環境の改善でありますが、御質問にもありましたように、近年全国的には子育て世代の所得の低下が見受けられます。本区におきましては、子育て世代のうち高所得者が比較的多い実態もあるものの、特にひとり親家庭について、経済的に厳しい方も多数いると認識しております。  区では、これまで積極的に保育施設の整備を行うなど、働く環境の改善について側面支援を行ってまいりましたが、基本的には子育て世代に対する働く環境の改善は、国による経済政策や企業の人事政策の課題であり、区として一義的に対応するものではないと考えております。  次に、子育て世代に対する周囲の理解を高めるという点であります。  本区におきましては、地域で孤立し不安を抱えた子育て世代が少なくない状況となっております。このような状況が生じた背景といたしましては、近年核家族化が進んでいることや、地域コミュニティが希薄になっていること、転入者が増加していることなどにより、子育ての悩みを気軽に相談できる相手がいなくなっていることにあると分析しております。  子育てへの不安感の増大は児童虐待の増加に結びつくおそれもあり、区といたしましては、虐待予防の観点からも、子育て世代の孤立化防止や相談体制の強化など、子育て世代を地域全体で支え、不安感の軽減に資する施策の充実が課題であると認識しております。  現在、区では、区内5カ所の子ども家庭支援センターや58園の区立保育園、私立保育園などにおいて、子育て相談や親子の交流を図るための遊び場の提供などを行うことにより、保護者の仲間づくりや子育てに関する不安感の軽減を図っております。今後ともこれらの事業の一層の充実を図り、保護者支援に努めてまいります。
     また、子育て世代のニーズは多岐にわたり、行政のみにおいて全てのサービスをきめ細かく提供することには限界があることから、ボランティアやNPO法人など、地域のさまざまな子育て支援団体と連携を図りながら事業展開を行ってまいります。  次に、経済的な負担軽減であります。  本区におきましては、児童手当や児童扶養手当など、国制度に基づく子育て世代への経済的支援のほかに、区独自の制度として、中学校卒業までのこどもに対する医療費の無料化、認可外保育施設の保育料助成など、これまでも子育て世代に対する経済的な援助には力を入れてまいりました。  全ての子育て世代を対象とした一層の経済的負担軽減策の導入につきましては、財政的な影響も大きく、慎重に検討すべきものと認識しております。  一方で、子育て世代のうち、特にひとり親家庭では低所得者が多いことから、国ではことし8月に、内閣府の子どもの貧困対策会議において、ひとり親家庭、多子世帯等の自立応援の方向性をまとめ、その中で児童扶養手当について、財源確保策とあわせて手当の機能充実について検討するとされております。ひとり親家庭に対する経済的な支援の充実につきましては、今後の国の動向を見据えて対応を検討してまいります。  なお、その他の御質問につきましては、所管部長から答弁いたさせます。    (伊東直樹こども未来部長登壇) 27 ◯こども未来部長(伊東直樹) 次に、(仮称)江東区版スターターキットについての御質問にお答えいたします。  本年3月に策定した江東区こども・子育て支援事業計画では、一人一人のこどもが地域で健やかに成長していけるよう、妊娠・出産期からの切れ目のない支援の実現を計画の大きな柱としています。  この計画の推進に当たり、区が進める子育て支援施策を拡充するものとして、東京都の「ゆりかご・とうきょう事業」に取り組むことを検討しています。この事業は、助産師等の専門職が全ての妊婦と面接し、妊娠期から子育て期まで行政が積極的にかかわることにより、妊娠・出産期からの切れ目のない総合的な支援施策を構築するもので、出産・育児に関する不安を軽減することを目的としております。施策の一環として、生まれてきた赤ちゃんに、地域で子育てすることへの応援の意味を込めた区独自の育児パッケージを送ることも検討しております。区といたしましては、この育児パッケージが、フィンランドのスターターキットに似た取り組みになるのではないかと考えているところです。  次に、子育て世代と地域をつなぐきっかけづくり、クーポン券の発行についてです。  転入世帯が多い江東区において、地域で子育て中の世帯を温かく見守り、孤立を防ぐことは、子育て支援を進める上で区が重点的に取り組む必要がある課題だと認識しているところです。  そこで、お尋ねのクーポン券ですが、区では本年7月に、1万円で1万3,000円分の買い物が可能なプレミアムつき商品券を発行し、盛況のうちに完売したところであります。また、他の自治体における子育て応援券の取り組みは、区としても承知しております。  子育て支援の観点から、クーポン券等の発行について考える際、経済的な支援のみを目的とした物品購入という機能にとどまらず、広く子育て全般の支援に資するようなサービスについても検討する必要があるのではないかと考えているところです。  区では、これまでの子育て世代へのさまざまな支援に加え、今後、妊娠期から支援を開始することにより、育児の孤立化を防止し、子育て家庭の健康の保持・増進を図るべく、一人一人のこどもが地域で健やかに成長していけるよう、江東区こども・子育て支援事業計画を積極的に推進してまいります。     ───────────────────────────────────── 28 ◯議長(山本香代子議員) 15番高村きよみ議員。    (15番高村きよみ議員登壇) 29 ◯15番(高村きよみ議員) 公明党の一員として質問の機会を得ましたので、大綱3点にわたって質問いたします。  大綱の第1は、高齢者施策についてです。  内閣府の平成27年版高齢社会白書によると、2014年の高齢化率は26%で、団塊の世代が75歳となる2025年の高齢化率は30%を超えると予想されています。急速な高齢化の一方で、社会保障費の見直しや介護の担い手不足なども予想される中、介護保険法の改正により、今までの介護予防事業が新しい総合事業に位置づけられました。本区は、新しい総合事業を元気な高齢者を初めとする地域住民やボランティア、NPOなど、多様な担い手により多様なサービスを提供する、高齢者を支える地域づくりとして取り組んでいます。  事業を進めていく上で、主体者である高齢者が自立の意欲を持って自助に取り組み、地域での暮らしを継続していけることが最も大切です。そのために、運動機能の改善や生活の質の向上など、高齢者が実感できるような効果的な介護予防の提供と、自助を促す支援が重要だと考えます。本区のお考えを伺います。  次に、健康不安を抱える高齢者への対応策についてです。  本区の高齢者の調査で、在宅で生活を継続していくために必要な支援を見ると、50%以上の方が、緊急時にすぐ診てもらえる「身近な医療機関の整備」と答えています。しかし、この高齢者の抱える不安は、通院や入院だけでなく、退院後の生活や日常の服薬、日々の体調の変化など、医療に関する身近な相談先がないことへの不安も多いのではないでしょうか。  このような健康不安に応える医療・介護連携の取り組みが新宿区で行われています。都営住宅戸山ハイツの空き店舗を利用した、学校の保健室のように困りごとを気軽に相談できる暮らしの保健室です。看護師や介護経験者のボランティアが常駐し、医師、薬剤師のサポート体制、区との連携で、地域の高齢者の暮らしや健康、医療、介護の相談、居場所として、また地域の在宅療養の拠点として高齢者を支えています。  本区も、ひとり暮らし高齢者、高齢者のみの世帯、認知症高齢者の大幅な増加が予想されています。医療を含めた相談ができる場所を提供することは、高齢者の大きな安心につながります。区内の中核の総合病院では、高齢者の患者が年々増加していると伺いました。しかし、高齢者の方からは、診察の際に時間をかけて相談することは難しく、不安を感じているというお声をお聞きします。  常設に限らず、例えば入所・通所施設の看護師による医療相談や、調剤薬局など、身近な場所に看護師が巡回して医療相談を行うなど、既存の資源を活用した保健室の開設に取り組んではいかがでしょうか、伺います。  次に、地域交流・介護予防の拠点整備についてです。  本区で初めて、東大島地域の14番目の特別養護老人ホームに設置された健康増進スペース、地域交流サロンが、大変好評とお聞きしています。3,300人以上の利用登録があり、連日多くの利用者が健康づくりに取り組み、地域の交流拠点としても大変にぎわっています。高齢者のニーズを的確に捉えた事業であると評価いたします。区民から新たな施設の整備を求める声も多くいただいていますが、塩浜に建設中の15番目の特別養護老人ホームや既存の高齢者施設などを活用して、区内に健康増進スペース、地域交流サロンの増設を進めるべきと考えますが、今後の展開について伺います。  次に、住民主体の介護予防事業についてです。  高齢者の介護予防の運動教室が各所で開催されていますが、高齢者の方から、教室では運動するが1人で続けるのは難しいとお聞きすることがあります。この運動の習慣化に成果を上げているうんどう教室が、全国17の自治体で実施されています。  このうんどう教室は、江東区内に事業所がある公益財団法人体力つくり指導協会の高齢者運動習慣化事業のプログラムをもとに、公園に設置した専用の健康遊具を使って、転倒予防などに効果がある4種類の簡単な運動を習得し、運動の習慣化を行うもので、2年間のプログラム実施の間に、参加者の中から指導員を育成し、住民主体の運動教室として自立し継続していく事業です。  現在23区では、葛飾区、大田区、品川区、墨田区の4区が、このプログラムによるうんどう教室を介護予防事業として実施しています。  私が視察した葛飾区では、平成23年度から5年目を迎えており、平成26年度の教室の開催回数は43回、参加人数は1,751人、指導員数は338人でした。年1回の体力測定では、全ての実施場所で実年齢より体力年齢が若いとの結果が出ています。本区でも、住民主体の自主的な介護予防として、うんどう教室を実施してはいかがでしょうか、伺います。  大綱の第2は、本区の情報発信についてです。  東京オリンピックパラリンピック開催まで5年を切り、国民の関心と期待が高まっています。自治体で最多となる本区の競技会場も、8会場で8競技が行われることが決定し、大会の主要都市として世界から注目を集めることになります。本区は、この千載一遇の機会に、区の魅力を国内外に発信するため、江東区ブランディング戦略として、区のブランドコンセプトや戦略的な広報の検討を行っていると思います。江東区ブランディング戦略の進捗状況と今後の展望について伺います。  現在、本区のホームページは、全面改修から10年が経過しています。この間、少しずつ改修を行っていますが、必要な情報を探すのが難しいという区民の声をお聞きします。本区ホームページの閲覧状況はいかがでしょうか。閲覧の傾向やアクセス数の推移を伺います。また、英語、中国語、韓国語の3カ国語に対応していますが、使用傾向を伺います。  今後、国内外からの閲覧がふえると予想されます。必要な情報が閲覧しやすいだけでなく、江東区の魅力を発信する観点が重要であると考えます。ホームページを全面リニューアルしている近隣区も多いようです。本区も、公式ホームページを全面的にリニューアルし、新たな区の魅力を発信する体制をつくる時期だと考えます。本区の見解を伺います。  総務省による平成26年末の調査で、携帯電話・PHS及びパソコンの世帯普及率は94.6%、そのうち64.2%はスマートフォンです。情報の検索が気軽にできるため、利用が急増しています。本区ホームページも、早急にスマートフォン対応にするべきではないでしょうか。また、バナー広告についても、歳入確保に取り組む本区として実施すべきと考えます。本区の見解をお示しください。  インターネット利用者が人口の8割を超え、SNSの利用が一般的になりました。ツイッターやフェイスブックなど、SNSを活用した情報発信を行っている自治体もふえています。本区もホームページの中にツイッターを掲載していますが、防災課や地域振興課などの一部の課が活用しているもので、区としての公式ツイッターはありません。ホームページの全面リニューアルに合わせ、SNSによる情報発信を検討するべきと思いますが、本区の見解を伺います。  大綱の第3は、若者の夢を育む施策についてです。  現代の若者は、自分の将来に対して余り夢や希望を持たない傾向があると言われています。文部科学省の教育研究機関が2012年8月に公表した高校生対象の調査では、「自分は価値がある」と回答した比率は、米国が89.1%、中国が87.7%、韓国が75.1%に対して、日本は36.1%と低く、また「自分に満足している」と回答した比率では、米国が78.2%、中国が68.5%、韓国が63.3%に対し、日本は24.7%と、これも低い数字で、自己肯定感がとても低いという結果になっています。これは世界的な傾向というより、日本の若者に限って見られる問題のようです。  若者が夢を持てないのは、景気の低迷が続く時代に育ち、格差社会の広がりや心の問題の増加など、社会的な不安が増す中で、将来への不安を感じているためだという見解もあります。  一方で、多くの若者は食べるものや着るものに困ることはなく、SNSを使って情報や楽しみを手軽に得ることができ、それなりにやっていけるという人が多く、あえて何かに挑戦しようという意欲がそがれてしまい、夢を持てなくなっているとも言われています。こうした夢を持てない若者がふえていくと、日本の将来、本区の未来がどうなるのかと心配になります。  本区で7月に開催された「聞かせて!あなたのオリンピック・パラリンピックこども編」では、区内の多くの小学生が「英語を生かしたおもてなし」や「スポーツ選手になる」など、具体的な夢を語ってくれました。本当に心強く、うれしく思いました。  また、本区は、強化選手としてパラリンピックのカヌー競技出場を目指す瀬立モニカ選手、諏訪正晃選手の挑戦を応援しています。区長はさまざまな機会でお二人の紹介をされますが、夢に向かって頑張る若者を応援するという本区のメッセージを、積極的に発信していただいているものと思っています。  将来の夢を描くというのは、自分の人生を設計するということです。すばらしい夢を描いて、その夢にチャレンジする若者を応援し、次の世代を育むことは、本区の発展に欠かせない取り組みであると考えますが、本区の見解を伺います。  現在、若者が夢を持てない状況を打破していこうと、若者を応援する取り組みを行う自治体が出てきています。  愛知県の小牧市では、市の基本計画に「こども夢・チャレンジNo.1都市」を掲げ、学生など若い世代の夢の実現に向けた活動に費用の助成を行っています。  新潟県の燕市でも、将来を担う人材育成として、住みやすい燕市を目指して、若者が企画した地域活動や提案などに助成を行う羽ばたけつばくろ応援事業を行っています。  福井県、富山県、山形県でも、若者が地域を応援する活動を支援し、若者の夢の実現と将来の地域の活性化をつなげる取り組みが広がってきています。若者の夢を育み、夢へのチャレンジに対して地域で応援することは、地域の魅力創造にもつながる重要な施策と考えます。  若者の就労や青少年の団体支援、区民協働などを行ってきた本区だからこそ、一歩進んで若者の夢へのチャレンジに対する支援を行うべきと考えます。本区のお考えを伺い、私の質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手)    (山崎孝明区長登壇) 30 ◯区長(山崎孝明) 高村きよみ議員の御質問にお答えいたします。  まず、高齢者施策についてのうち、高齢者の自助を促す支援についてです。  高齢者の誰もが継続して介護予防に取り組むためには、取り組みの効果を高齢者自身が実感できることが必要であり、特に参加率の低い男性は、効果や理論が明確な取り組みを希望する傾向があります。  また、高齢者は自助の主体であり、高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画の中で、加齢に伴い生じる心身の変化を自覚し、健康の保持・増進、有する能力の維持・向上に努めるよう明示するとともに、医療従事者や介護事業者には、高齢者の自助を促す役割を求めているところであります。  区はこうした取り組みが促進されるよう、介護予防講演会等の普及啓発において効果のある取り組みや、セルフマネジメントをプログラム提供し、また、地域による住民主体の介護予防活動の場、いきいきサークルを推進するなど、支援策の充実を図ってまいります。  次に、健康不安を抱える高齢者への対応策についてです。  本区が行った高齢者の生活実態等に関する調査では、ひとり暮らし高齢者や高齢者のみ世帯にとって、健康や病気のこと、高齢への漠然とした不安を、日常生活上の不安として挙げており、その不安解消を図ることが、安心して自宅で暮らせる地域包括ケアシステムにつながると考えております。  そこで、区では、地域包括支援センターの質的・量的機能強化を図って、療養相談や生活相談にきめ細やかに応じる体制を構築するとともに、区内3カ所の老人福祉センターにおいて、看護師を配置して気軽に健康相談ができる体制を検討してまいります。  また、家族全員の健康管理や緊急時の適切かつ迅速な対応が可能なかかりつけ医制度の推進に向け、江東区医師会と連携、協力してまいります。  次に、地域交流・介護予防の拠点整備についてであります。  14番目の特別養護老人ホームについては、介護施設や医療施設を初め、健康増進スペースや、地域交流サロンを併設し、地域に開かれた施設として運営しております。  健康増進スペースでは、歩行用プールやリハビリマシンを備え、高齢者が気軽に運動できるスペースを確保しております。地域交流サロンでは、キッズコーナーや地域の方がくつろげる場を提供し、幅広い世代が交流できるスペースとして好評を博しております。  健康増進スペースや地域交流サロンの増設については、今後整備していく特別養護老人ホームや老人福祉センター、グランチャ東雲等の高齢者施設において、そのスペースの確保や健康器具の充実、利用しやすい環境づくりなどに引き続き努めてまいります。  次に、住民主体の介護予防事業についてです。  これからの介護予防事業は、高齢者を年齢や心身の状況等によって分け隔てることなく、住民主体の介護予防の場を充実させ、人と人とのつながりを通じて、継続的に拡大していくような地域づくりを推進していくことが重要であり、身近な公園の健康遊具を活用した高齢者運動習慣化事業のプログラムは注目すべき取り組みであります。当該プログラムの研究を進めるとともに、今年度より実施している介護予防インストラクターを自主活動団体、いきいきサークルに派遣する地域介護予防活動支援事業をさらに充実させ、住民主体の介護予防の体制づくりに努めてまいります。  なお、その他の御質問につきましては、所管部長から答弁いたさせます。    (押田文子政策経営部長登壇) 31 ◯政策経営部長(押田文子) 次に、本区の情報発信についての御質問にお答えします。  まず、江東区ブランディング戦略の進捗状況と今後の展望についてです。  ことし6月に立ち上げた、職員、企業、学識経験者等による江東区ブランディング戦略検討委員会をこれまで2回開催し、基本理念となるブランドコンセプトの検討を行ってきました。今後、11月までにブランドコンセプトを決定し、区報等で区民の皆様にお知らせするとともに、あわせてコンセプトを図案化したシンボルマークの公募を実施いたします。  また、平成28年度以降のPR事業につきましては、今後新たに実施する有識者ヒアリングや区民参加型ワークショップでの意見等も踏まえ、戦略的な情報発信について検討してまいります。  次に、現在のホームページについてであります。  本区のホームページは、平成17年3月の全面リニューアル以降、「重要なお知らせ」の欄の追加や、ヤフー検索機能の導入など、各種の改良を加え、利便性やわかりやすさの向上を目指してまいりました。しかし、この10年の間に蓄積した情報量は膨大であり、総ページ数は1万ページを超えております。このため、現在既に変更や不要になった掲載情報の削除作業を実施中であります。  お尋ねの閲覧状況につきましては、一時的には花火大会等イベント開催情報が、また、年間を通しては、粗大ごみの出し方や保育園関連情報など、生活に密着した情報の閲覧が約1,800万件に及んでおります。  アクセス数の推移は、総ページ数でありますが、東日本大震災直後である平成23年度の約2,000万件が最高で、昨年度は年間約1,900万件、月平均約160万件のアクセスがあり、微増傾向が続いています。  外国語翻訳機能につきましては、平成26年度で約2万件の利用がありました。翻訳可能な3カ国語のうち、英語が8割以上を占め、ついで中国語、韓国語の利用割合で、年度により利用件数の違いはありますが、この割合はほぼ変わりがありません。  次に、本区ホームページのリニューアルについてです。  来年の8月22日、リオデジャネイロオリンピックの閉会式において、次回開催都市にオリンピック旗が引き継がれた瞬間から、改めて東京は世界の注目を集めることとなります。同時に、1自治体で最大数の競技会場が設置される本区も、国内外からの耳目を集めることになります。本区としては、この機を逸することなく、国内のみならず世界に向けて、本区の魅力を発信する広報活動を展開する必要があると考えており、その手段としてホームページは非常に有効なツールであります。今後は、生活情報のわかりやすい発信とともに、町の魅力の情報も誰もがわかりやすく閲覧できるホームページが求められます。  御指摘の全面リニューアルについては、着手すべき好機と強く認識しており、実現に向けた検討を進めてまいります。また、スマートフォン対応とバナー広告の導入につきましても、この中で検討してまいります。  次に、ツイッターやフェイスブック等、SNSの活用については、その特徴である即効性と伝播性は、これからの情報発信の有効な手段と認識しております。今年度は利用方針案を検討、策定し、導入時期や利活用について検討してまいります。    (谷口昭生地域振興部長登壇) 32 ◯地域振興部長(谷口昭生) 次に、若者の夢を育む施策についての御質問にお答えします。  まず、若者の夢への応援についてです。  国立青少年教育振興機構が、本年8月に発表した「高校生の生活と意識に関する調査報告書-日本・米国・中国・韓国の比較-」によると、日本の高校生は、自己肯定感や自尊感情が他の3国と比較して低いという数字が示されており、「将来への不安を感じている」の回答は、韓国に次いで高くなっております。  また、余暇生活や学校生活、友人関係に関する満足感が高い反面、自分自身への満足感が他の3国と比較してかなり低いという結果も出ております。そこからは、総じて自分に自信が持てず、ネガティブ思考の高校生の現状が感じられます。  一方で、「きまりやルールをきちんと守るほうだ」との項目で高い社会規範意識が示され、勉強の目的を「社会の役に立つ人間になるため」と回答した人の割合が、4カ国中、最多となっております。  また、自然体験が豊富な者ほど正義感や思いやりに基づく行動が多く、自尊感情などの意識が高くなるとの結果も出ており、次代を担う若者の将来は決して悲観することばかりではなく、さまざまな体験の場や機会を与えることによって、大きく飛躍する可能性を持っていると認識しております。  本区としても、こうした現代の若者の意識を踏まえ、夢にチャレンジする若者を応援し、次の世代を育むことは、本区の発展にも寄与するものであり、チャレンジ精神にあふれる若者が活躍する活力に満ちた社会をつくり上げていかなければならないと考えております。  次に、若者の夢へのチャレンジに対する支援策についてです。  現在、本区では、青少年センターにおいて、中高校生の居場所づくりや、ニート、ひきこもりなど社会生活に困難を抱えている若者などへの自立・社会参加支援に力を入れております。特に中高校生の居場所づくりでは、バンドや演劇の公演の企画・運営を高校生たちが主体的に取り組める場を提供するなど、将来につながる多彩な体験や活動の場を用意しております。今後とも、若者の意識や実態を踏まえ、若者支援の充実に努めてまいります。  一方、他自治体では、若者チャレンジ応援事業として、夢の実現に向けての経済的支援や若者が企画、提案する事業を通じ、地域の活性化につなげる取り組みなどを行っている事例もあります。こうした取り組みについて、本区でも行うべきとのお尋ねでございますが、今後青少年センターの大規模改修に合わせた事業全体の再構築を図る中で、実施に当たっての課題等、他自治体の状況把握に努めながら、支援のあり方について検討してまいります。     ───────────────────────────────────── 33 ◯議長(山本香代子議員) 16番関根友子議員。    (16番関根友子議員登壇) 34 ◯16番(関根友子議員) 江東区議会公明党の一員として、大綱3点にわたり質問いたします。  大綱の1つ目は、地域福祉の推進についてです。
     介護保険制度改正に伴い、本区では、平成28年4月から介護予防・日常生活支援総合事業、いわゆる新しい総合事業を実施します。高齢者の多様な生活支援のニーズに対し、効果的かつ効率的な支援を目指すことになります。  現在、要介護認定者については、地域の長寿サポートセンターや民間のケアマネジャーがそのコーディネートを担っていますが、要介護認定を受けていない方の中には、足腰が痛み、掃除もできない生活状況の方もおります。江東区社会福祉協議会のふれあいサービスやシルバー人材センターにお願いしても、登録の手続をしていないとすぐには利用できません。また、近所にボランティアさんの登録がない場合、いつ来ていただけるのか見通しも立たないということもあります。お金も2時間で2,000円以上かかり、介護保険のサービスでお掃除をお願いするとしても、高齢者2人暮らしですとお掃除代が2倍の金額となってしまいます。このようなお困りの場合などに、地域内でボランティアの仕組みが構築されていれば安心です。  本区では、住民主体による支援について、地縁組織などによる自主的な取り組みを拡大、支援し、参入を徐々に促して構築していく方針です。そこで大いに期待されるのがボランティアです。  本区では、各種イベントや災害時など、一過性の事業を中心にボランティアを活用していますが、高齢者の生活を支える活動など、福祉分野にもボランティアをふやしていく取り組みを、今からしていく必要があると思います。  そこでまず、ボランティア制度について、区内の個人ボランティアやボランティア団体の活動はどのような状況か、伺います。  江東区社会福祉協議会では、江東ボランティア・センターを運営し、区のボランティア制度の中核を担っています。江東社協だよりやボランティアだよりでボランティア制度がアピールされ、先日は江東ボランティアまつりが開催されるなど、私も評価をしていますが、今後は、地域で顔の見える地域ボランティアの構築が一番大事になってくると思います。このことを踏まえて、区はボランティア活動をどのように支援していくのか、伺います。  本区の高齢者でボランティアをしている方々は、人のお役に立つことをして、なおかつ自身の健康を保っていきたいと活動されています。  愛知県の日進市では、高齢者の健康増進や介護予防を目的に、介護支援ボランティア事業の「にっしんおたっしゃボランティア」を昨年の7月から始めました。65歳以上の高齢者を対象に「にっしんおたっしゃボランティア」を募集、1時間1ポイントとし、それ以上何時間活動しても1日2ポイントまで、年間で50ポイント、5,000円を上限として交付金を差し上げるという施策で、ボランティアの希望者からの問い合わせが殺到していると伺いました。  ほかにもボランティアポイント制を導入している自治体がふえています。ぜひ本区でも地域ボランティアが地域の支え合いの一助になるよう、ボランティアメニューもきめ細やかに工夫し、高齢者の健康増進につながるよう、そして万が一の災害時や緊急事態にも「近所力」として地域の力になっていけるよう、地域ボランティア制度の構築が必要と思いますが、ボランティアポイント制の導入とあわせて区の所見を伺います。  次に、地域福祉コーディネーターについてです。  現行の福祉制度は、障害があっても認定などで状態が固定していないと利用できないなどの弱点があります。みずから認定の申請をする力のない方やひきこもりの方など、そのまま放置しておくと心配です。  先日も、80歳代の父親とひきこもり生活が長年続いている50歳代の娘さんの2人暮らしの家庭で、親が叱られ、物を投げられ、追い出されたという連絡を受けました。警察も駆けつけるという緊急事態にまで発展し、御近所さんや民生委員のみんなで集まり話し合いになりました。親は大したことではないと子を守り、大げさにしたらかわいそうだと言う人もいましたが、私はひきこもりのケアをしてあげなければ、繰り返しこのような事態が起こりかねないと思いました。  このような場合、民生委員から直接お電話できる専門の方がいらっしゃると大変に助かります。そこで、今後配置される生活支援コーディネーターと地域福祉コーディネーターの役割の違いと、その周知について伺います。  また、東京都社会福祉協議会がまとめた地域福祉推進に関する提言2015では、地域包括ケアシステム実現のため、地域福祉コーディネーターの配置が提言されています。本区の地域福祉コーディネーターの配置の計画や考え方を伺います。  大綱の2つ目は、がん対策についてです。  本年6月に厚生労働省が開催したがんサミットでは、年内をめどにがん対策加速化プランを策定すると発表され、がん対策を国家戦略として加速させる方針が打ち出されました。  また、毎年10月はがん検診受診率50%達成に向けた集中キャンペーン月間でもあります。本区では、毎年1,000名以上ががんで亡くなっています。がんは予防、早期発見、早期治療が大切で、これからもがん予防、がん検診の受診率向上に向けた環境づくりが重要と考えます。  現在、本区では、5大がんと前立腺がんについて検診を実施しています。中でも胃がん、肺がんについては、受診率がまだまだ低迷していると感じます。  これまで私たちは受診率向上を訴えてまいりました。本区は検診車での受診数向上を図るために電話での予約も可能にし、検診車に加え外部の検診機関でも受診ができるようになり、さらにはがきだけではなく電話予約も追加されて、受診環境が充実されてきました。  これからも死因の上位を占めるであろうがんについては、受診環境の充実とともに、さらなる受診率向上への取り組みが必要です。そのため、一度も検診を受けていない方への勧奨及び再勧奨が有効と訴えてきました。一層の周知と工夫で検診を受ける習慣への一歩を踏み出してもらうことが大切と思います。  例えば、案内通知の内容には限りがあるため、QRコードなどを利用して、日本対がん協会が作成しているがん検診のコーナーや動画などの情報が得られるようにし、関心を持ってもらうという工夫をしてはいかがでしょうか。本区のがん検診に対する現状の認識と課題、そして今後の取り組みについて伺います。  先日、国立がん研究センターが発表した、2013年にがんと診断された症例数では、男性は大腸がんが初めて1位になり、女性は2位でした。食生活の欧米化などにより大腸がんになる方がふえてきていると感じます。大腸がんについては、国のがん検診無料クーポンなど、受診への後押しもされてきていますが、がんにならない生活習慣への取り組みにもさらに力を入れていくべきと考えます。  本区では、江東区がん対策推進計画を策定しています。がん予防の知識、技術を実践につなげるよう、もっと広く区民へアピールすべきと考えますが、本区の取り組みについて伺います。  次に、男性のがんとして年々ふえてきているのが前立腺がんです。このがんは進行が遅いと言われ、気づいたときには悪化しているケースも少なくありません。本区では独自に、前立腺がん検診を平成23年から実施しておりますが、前立腺がんはこれからもふえていくことが予想されています。早期発見のためには、現在の55、60、65歳だけではなく、50歳まで対象を拡大し推進できればと考えますが、伺います。  また今回、国ががん対策加速化プランの策定作業を進めていますが、我が党が政府に上げた提言の中に、2020年東京オリンピックパラリンピックに向けた受動喫煙対策があります。  受動喫煙を原因とする肺がんや心筋梗塞で、年間6,800名もの人が死亡しているそうです。2020年東京オリンピックパラリンピックでは、8つの競技会場を有する本区においても重要な対策であると考えます。喫煙防止教育など、こどもたちへの取り組みは進んできていると思いますが、さらに受動喫煙の害などについて啓発に取り組んでいくべきと考えますが、本区の見解を伺います。  また、がん予防とともに、今後はがんと共存し、その人らしい人生を生き抜くがんサバイバーもふえていくと思います。治療しながら生活していくことは大変なことですが、そのためにも応援できる環境をつくってあげることが重要です。  本区の中でも、昨年度、がん患者の治療と仕事の両立への取り組みを行う優良企業が、東京都から表彰されています。本区は、「がんになっても安心して暮らせるまち・江東区」を基本理念に掲げています。これからも相談支援の充実を図っていくことこそ、がんサバイバーがその人らしく人生を生きていく力になっていくと思います。本区の見解を伺います。  大綱の3つ目は、障害者の自立支援についてです。  我が国における障害者に対するノーマライゼーションの理念が深められる中、障害を持つ方々の社会参加が進み、企業や地域など、さまざまな場所で活躍している障害者の方々もふえ、同時に就職を希望される人も多くなっています。  近年、委託訓練等、障害者の就労を支援する仕組みも普及し、企業においても、大企業を中心とした特例子会社で、障害を持つ方々の働く場が拡大されてきています。しかし、このような状況にはあるものの、障害者が生き生きと働き生活していくためには、事業主やそこで働く人、地域の人たちの理解と支援が必要です。そのために本区では、障害者の就労促進と地域における自立した生活を支援し、社会参加の促進を図ることを目的に事業が推進されています。  障害者の経済的な自立に向けては、区役所に江東区障害者就労・生活支援センターが設置され、障害者の御相談に対応しています。  就労支援サービスの中で、本区の就労移行支援の過去4年間の利用者数を見てみますと、年々ふえており、昨年度の利用実績においては、特に知的障害者と精神障害者の利用者数が顕著な伸びを示しています。このことから、本区の障害を持つ方々が、就労に必要な知識と能力を向上させようとしている機運の高まりを感じます。そこで、就労移行支援サービスの利用者がふえている要因と認識について伺います。  次に、効果として、就職できた方の人数について伺います。また、就労された方たちへのフォローについてはどのように取り組まれているのでしょうか、伺います。  就労移行支援サービスの利用者がふえていくことは、障害を持つ本人や家族にとって明るい希望につながっていくと感じます。本サービスのさらなる利用者拡大への取り組みについて伺います。  障害者自立支援法の改正により、これまで相談支援の充実が図られてきました。さらに、法定雇用率の引き上げがあり、障害者への求人がこれから多くなっていくと思います。  本区では、NPOとの協働によるエコミラ江東があります。みずから給与を得て納税者になり、生活保護に頼らず自立した社会人として、その保護者に安心を与え、企業にも社会貢献の機会を与えるというすばらしい理念のもとで、環境・福祉事業が行われています。今後は、このような企業形態も視野に入れ、地域の意識も高めながら、障害者が住みなれた地域で喜びと自信を持って働き、生活できるように区に要望し、私も障害者のために全力で頑張ると決意し、質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手)    (山崎孝明区長登壇) 35 ◯区長(山崎孝明) 関根友子議員の御質問にお答えします。  障害者の自立支援についての御質問ですが、就労移行支援事業は、一般企業等での就労を希望する65歳未満の障害者に対して、知識、能力向上のための訓練を行うサービスであります。利用状況につきましては、平成26年度の実績で193名と年々増加を続けております。  まず、サービス利用の増加要因については、障害者の数が全体的にふえているということもありますが、障害者が積極的に社会参加し、自立して生活していきたいという意欲が強くなってきていると考えております。また、平成25年度から26年度にかけて、区内で4事業所が新たに開設されるなど、施設の充実に伴い、サービスを利用しやすくなってきているという環境面での改善も要因の一つと考えております。  就労移行支援事業を利用することによって、作業訓練等を通して、基礎体力や集中力、持続力の向上を図ることができます。また、職業習慣や挨拶などのビジネスマナーの習得やコミュニケーションスキルの向上も図ることができます。さらに、実習などの職場体験を行うことで、自分に合った仕事や自分らしい働き方を考える大切な機会を得ることができるという効果があるため、サービスを利用できる方は積極的に活用することが望ましいと認識しております。  次に、就職実績につきましては、平成26年度は、区内7事業所で16名の方が一般企業への就職を達成することができました。平成25年4月に適用された、障害者雇用促進法に基づく障害者の法定雇用率引き上げの効果もあり、障害者雇用は進みつつあります。本区では、NPO法人との協働によるエコミラ江東で、知的障害者を正規職員として雇用し、一定の給与水準を確保するなど、積極的に支援しておりますが、実際に一般企業への就職に至るまでの道のりはまだ厳しいと認識しております。  一般企業への就職を果たした後の支援策ですが、職場への定着支援が重要と考えております。一度就職できても、対人関係等を理由として退職してしまう方を多く見受けますので、区では課題の一つと捉えております。  就労移行支援事業所で定着支援を行うとともに、区に設置している江東区障害者就労・生活支援センターや就労先の担当者などの関係者が一体となって、チームで支えていく体制を整えております。利用者に寄り添い、それぞれの立場から適切な助言や励ましなど、就労を継続できるように粘り強く支援を行っております。  次に、サービス利用者の拡大への取り組みですが、障害者の一般企業への就職に向けて、さまざまな能力向上を図ることができ、みずから仕事や社会と向き合う機会を創出することができる就労移行支援事業所の活用は有効と考えております。さらなる支援体制の強化が必要であり、江東区障害者計画・障害福祉計画に基づき、利用者のニーズも確認しながら、事業所の拡大に向けて検討を進めてまいります。また、事業所のレベルアップもあわせて必要であると考えておりますので、各種研修の案内、研修受講の勧奨や、それぞれの事業所間で連携し、情報共有できる事業者連絡会の開催を検討するなど、サービスの質の向上を図ってまいります。  なお、その他の御質問につきましては、所管部長から答弁いたさせます。    (大塚善彦福祉部長登壇) 36 ◯福祉部長(大塚善彦) 地域福祉の推進についての御質問にお答えいたします。  まず、ボランティア制度についてのうち、区内のボランティア活動の状況についてですが、現在、江東区社会福祉協議会に設置しているボランティア・センターに登録された個人ボランティア、約1,500名が、高齢者施設など福祉分野を中心に、食事介助等の各種ボランティア活動を行っております。また、朗読や手話などの97団体が登録し、区内において慰問活動など、さまざまなボランティア活動を行っております。  また、ボランティア活動の支援についてですが、区では、ボランティア・センターを通して、地域拠点を活用した地域密着のボランティア養成を図り、その活動によって地域で活躍するボランティア体制の構築を進めてまいります。同時に、ボランティア活動のコーディネートの充実を図るとともに、各種のボランティアの養成や団体への支援、助成を引き続き行ってまいります。  また、ボランティアポイント制の導入についてですが、地域支え合いのまちづくりを推進していく上で、地域ボランティアの参画を促し、多様な生活支援サービスを充実させていくことが求められております。  介護保険制度の改正により実施される総合事業の国の指針では、地域のサロンや話し相手などのボランティア活動を行った場合にポイントを付与する取り組みを、総合事業の一般介護予防事業の枠組みとして活用可能としていることから、住民主体による支援の仕組みの一つとして検討してまいります。  次に、地域福祉コーディネーターについてのうち、生活支援コーディネーターと地域福祉コーディネーターの役割と周知についてであります。  生活支援コーディネーターは、介護保険法に基づき、今年度より区市町村に配置が義務づけられたところであります。その役割は、総合事業や高齢者生活支援の基盤整備として、地域に不足するサービスの創出や担い手の養成など、資源開発と関係者間の情報の共有化や連携体制づくりなどのネットワーク構築を行います。  本区では4月より、江東区社会福祉協議会に1名を委託により配置し、地域福祉フォーラムの開催や関係者等を集めた下町支え合い会議を通して、その役割と活動内容を周知したところであります。  これに対し地域福祉コーディネーターは、高齢者のみならず地域福祉全般において、地域からの困りごとの総合相談窓口となり、地域主体で課題の発見、解決を図る仕組みづくりを行うとともに、制度のはざまにある課題を抱えた個人に対しても、中心となって関係機関や専門家につなげるなどの支援を行うもので、その役割については、地域に十分周知を図ってまいります。  また、地域福祉コーディネーターの配置計画についてですが、東京都社会福祉協議会が検討を始め、他区の社会福祉協議会では地域課題の解決に成果を上げております。これを踏まえ、江東区社会福祉協議会では、昨年度策定した江東区地域福祉活動計画において、地域福祉コーディネーターの配置を計画し、現在、区と江東区社会福祉協議会で計画の実施に向け検討を進めております。    (福内恵子健康部長登壇) 37 ◯健康部長(福内恵子) 次に、がん対策についての御質問にお答えします。  まず、がん検診に対する現状の認識についてですが、がんは我が国において死因の第1位を占め、本区においても、死亡者の約3分の1ががんで亡くなっています。今後、高齢社会の進行とともにがん罹患者の増加も予測され、早期発見で死亡率を減少させるがん検診は、有効ながん対策の一つと認識しています。そのためには受診率向上が課題ですが、検診受診の必要性を含む健康意識の啓発や、検診機会や場の拡充などの取り組みが必要と考えております。  これまでに受診期間の延長や個別受診券の送付を行い、今年度は胃・肺がん検診で特定年齢の未受診者への個別受診勧奨や検診の受診箇所数の拡大など、区民の利便性の向上を図っています。今後も、御提案の案内通知へのQRコード対応の検討や、他自治体の実施状況等を参考に、受診率の向上に取り組んでまいります。  次に、がん予防の知識、技術を実践につなげる取り組みについてです。  がんは食生活や喫煙などの生活習慣との関連が深く、がんを予防し罹患を減少させるためには、生活習慣の改善が重要であります。区はこれまで、塩分摂取と胃がんの関係性や減塩をテーマに、食と健康づくり教室や食と健康展を開催するとともに、喫煙防止啓発教材を作成し、中学校での喫煙防止教育で活用を図っております。今後もテーマや対象を工夫し、がん予防に取り組んでまいります。  次に、前立腺がん検診の対象年齢の拡大についてですが、対象年齢は江東区医師会と協議を行い、専門医の意見も参考とし、平成23年度から検診を開始しました。  50歳を対象とすることについては、高齢社会と食生活の変化等により罹患者が増加しているものの、前立腺がんは特に高齢になるほどかかりやすい病気であることや、進行が非常にゆっくりで、それ自体が生命に影響を及ぼさないこともある等も勘案しつつ検討してまいります。  次に、受動喫煙対策についてですが、世界保健機関と国際オリンピック委員会は、たばこのないオリンピックの実現と健康的な生活習慣を奨励しており、区は区民のみならず、世界中から集まる人々の健康を守るために、たばこ対策の取り組みは重要であると認識しております。  現在、区の施設は分煙設備のある一部を除き、原則屋内禁煙としていますが、区内飲食店で禁煙、分煙の店については、健康づくり応援店として登録し、ステッカーを掲示するなど、周知に努めています。また、母子健康手帳交付時や両親学級等でリーフレットなどを活用し、受動喫煙防止を働きかけており、今後も普及啓発に取り組んでまいります。  次に、がんサバイバーなどへの相談支援の充実についてですが、区は本年6月、がんも含めた在宅医療に関する相談窓口を、江東区医師会訪問看護ステーションに開設し、相談に応じております。  また、がん研有明病院を初めとするがん診療連携拠点病院には、がん相談支援センターが整備されており、専門相談員が治療や療養生活全般の相談を実施しています。今後は、在宅医療相談窓口とがん相談支援センターなどとの連携により、がん罹患者や家族のニーズに合った相談支援の充実を図ってまいります。     ───────────────────────────────────── 38 ◯議長(山本香代子議員) 36番榎本雄一議員。    (36番榎本雄一議員登壇) 39 ◯36番(榎本雄一議員) 私は江東区議会自由民主党の一員として、大綱3点にわたり質問させていただきます。区長を初め、関係理事者の明快な答弁を期待いたします。  質問の第1点目は、長期計画前期の総括と後期計画について伺います。  平成21年3月に策定された本区の新たな基本構想に基づき、翌平成22年3月に10カ年の長期計画が策定され、本年3月にその前期期間の5カ年が終了し、先ごろこの前期期間に実施された主要事業の実績報告書が出されました。この間、東日本大震災の発生や2020年のオリンピック・パラリンピック東京開催の決定などがあり、区政を取り巻く環境は大きく変化しましたが、重点プロジェクトとして掲げた豊洲の昭和大学江東豊洲病院や豊洲シビックセンターが順調に開業、また開所の運びとなったのは大変喜ばしいことであります。  今回発表された主要事業実績報告書によると、前期5カ年の実績は、施設、非施設合わせて82事業で、約1,040億円となりましたが、実は平成22年当時の計画では1,038億円との数字を出しており、まさに数字の上では100%の実績となっています。ただ、この点は、全ての事業が計画どおりに推移した結果ではなく、例えばCIG関連施策や庁舎の耐震工事など、計画策定の後から追加された事業の数字も含まれています。  さて、次に、施策の大綱として5項目、34施策別に検証してみたいと思います。  まず、「水辺と緑のネットワークづくり」における水辺・潮風の散歩道の整備では、目標を上回る数字を残し、また新たに加えたCIG関連事業も順調に推移していると考えます。  次に、大綱2の「未来を担うこどもを育むまち」では、平成26年度末で待機児童ゼロを目標とした保育所の整備において、予想以上に伸びた保育の需要や施設計画地の不足もあり、本年4月1日現在で167人の待機児童を残す結果となりました。  また、学校関係では、有明小・中学校、豊洲西小学校の新設や児童数増加に伴う10校の増築、さらに老朽化に伴う改築・改修工事もほぼ計画どおりの進捗状況と言えます。  さらに、ソフト面では、学力の強化として学びスタンダード強化講師の配置にも積極的に取り組みました。  大綱3の「区民の力で築く元気に輝くまち」では、特に観光活性化事業で、観光ガイドの活用により、ガイドの案内者数が目標より大幅にふえたことや、亀戸の梅屋敷、東大島の川の駅のオープン、水陸両用バスの運行など、区外からの訪問者をふやす取り組みもありましたが、課題も多いと考えています。  次に、大綱4の「ともに支えあい、健康に生き生きと暮らせるまち」では、施策25の総合的な福祉の推進の中で、14カ所目の特別養護老人ホームを初め、地域包括支援センター、小規模多機能型居宅介護施設は順調に整備されたものの、障害者の多機能型入所施設の整備は当初計画からおくれており、早急な対応が求められていると思います。  また、大綱5の「住みよさを実感できる世界に誇れるまち」における施策32の災害に強い都市の形成では、民間建築物耐震促進事業の中で、木造住宅や民間特定建築物及び緊急輸送道路沿道建築物に対する各種助成件数が目標値より低いこと。また、計画に加えられた不燃化特区推進事業も、不燃領域率の伸展等、期待されたほどの数字になっていないのが現実であります。  以上、施策別に検証してきましたが、区当局はこれらを振り返ってどのような評価をお持ちでしょうか。また、評価が低い施策ではどのような対応策をお考えでしょうか。  特に保育所整備の今後の展開をどうするのか。学びスタンダード強化講師の配置でこどもの学力は確実にアップしたのか。今後さらに外国人観光客がふえると予想される観光施策では、どういった分野、方向に力を注いでいくべきなのか。また、高齢者・障害者施策のハード・ソフト両面での課題、防災都市江東の実現のために建築物の耐震化をいかに推進していくのか等々、御所見をお聞かせいただきたいと思います。  次に、長期計画後期について伺います。  後期計画の主要事業は、予算上は約1,234億円となっていますが、内訳を見ると、保育所の整備、改修及び新制度移行化事業で約130億円、(仮称)第二有明小・中学校の新設や既存の小学校の増築、改修で約530億円と、いわゆる子育ての分野で計画予算の半分以上を占めています。また、区立公園の改修25億円を初めとして、文化センター、スポーツセンター、ティアラこうとう、男女共同参画推進センターなど、公共施設や生活道路、橋梁などの改修工事が、計画予算の大半を占めています。一方で、さきに述べたCIG関連施策や防災施設の整備、不燃化特区推進事業、保育施設の新制度移行化事業などは、その時期の要請に応じて新たに計画に盛り込まれた事業であります。  そこで、お尋ねしますが、区を取り巻く現状及び将来の需要を見込んだ従来計画の見直しについて、また、新たに盛り込むべき施策について、区はどのような考えをお持ちでしょうか。この点、現在検討中である江東区長期計画の展開2016で示された新たな重点プロジェクトのうち、例えばオリンピック・パラリンピックに関する取り組みで言えば、基金充当事業として既に後期計画に盛り込まれている会場周辺道路の無電柱化を初め、メロディーロード事業、機運醸成のためのイベントや江東区ブランディング戦略などが挙げられています。  私は、さらに一歩踏み込んで、これは東京都との事前協議が前提となりますが、これから整備される競技会場周辺のインフラ整備や、ソフト面では観光施策とも連携したボランティアの育成など、施策を積極的に取り上げていくべきと考えています。  また、次の質問に関連しますが、南部地域の公共施設の整備では、再開発に関連した小学校の新設なども検討されるべきであります。  さらに、災害に強いまちづくりで言えば、既に計画にある不燃化特区推進事業の推進に加えて、私の地元で事業計画が進んでいる大島三丁目地区市街地再開発など、新たな再開発事業にも目を向ける必要があると考えますが、区の見解をお聞かせください。  質問の第2点目は、潮見地区のまちづくりについて伺います。  潮見駅周辺の土地利用について、駅東側地区では、大手企業のオフィス機能や物流拠点として利用され、また、駅西側地区では、今から30年以上前に、当時の公害防止事業団による印刷工業団地、いわゆる東京プリンティングシティが竣工し、さまざまな経緯を経て今日に至っています。  この間、平成10年には都市計画マスタープランで地域核に位置づけられ、平成16年には都市計画の変更手続により、この東京プリンティングシティの敷地の用途地域が、工業専用地域から準工業地域に変更となり、JRの駅の目の前に工業専用地域が存在しているといった異常な状況に終止符を打ちました。  その後、区の指導による潮見地区まちづくり連絡会が発足し、東京都、江東区、地元地権者、町会・自治会、地元企業によるまちづくりのための協議が始まりました。  一方、平成20年10月、区は当時のまちづくり推進課が、潮見地区まちづくり方針の概要を示し、今後見込まれる大規模な土地利用転換を適正に誘導すること、また、新たな小学校の建設を盛り込んだ整備方針を打ち出しました。ところが、その直前に起こった米国のリーマンショックに端を発した世界的な経済の落ち込みにより、その動きも急速にトーンダウンした経緯があります。  しかしながら、2020年のオリンピック・パラリンピックの開催が決まり、周辺に多くの競技会場が整備されることや、地下鉄8号線の延伸も現実味を帯びてきたことから、ここへ来て再度新たなまちづくりの機運が高まってきました。さらに、駅の北東に位置する大手物流会社が、来年3月以降に新木場に移転することが確定しています。
     また、区が潮見地区まちづくり方針の中に新しい小学校の建設を盛り込んだ背景には、通学区域の枝川小学校に既に大勢の児童が通っており、新規の集合住宅の建設が困難な状況にある一方で、当該地には違法駐輪された自転車の保管場所などで使用した約7,500平米の区有地があること、また、周辺に集合住宅が建設された場合、1戸当たり125万円の公共施設整備協力金を新校の建設費用に充当できることが挙げられます。  このような状況下において、私はこの機を捉え、区が潮見地区まちづくり方針に沿った形でイニシアチブを発揮し、駅東側及び西側の再開発を誘導する姿勢をはっきりと示すべきと考えますが、いかがでしょうか。  昭和58年に東京プリンティングシティが竣工してから三十数年が経過し、印刷業界を取り巻く環境も大きく変わりました。江東区内で騒音等の理由で潮見に移られた業界の皆さんも、代がわりが進んでいます。また、用途地域が変更されてから既に10年以上の歳月が流れました。万が一にもそれぞれの地権者がそれぞれの思惑のみで土地を処分してしまうことがあったとしたら、秩序ある潮見のまちづくりができなくなってしまうおそれがあります。都心に近く、JR京葉線で東京駅まではわずか7分という大変恵まれた立地条件を持つ潮見において、豊洲や有明地区と同様、活気と秩序あるまちづくりを進めていく必要性が極めて高いと考えます。これらの状況を十分勘案していただき、区の明快な答弁を期待して、次の質問に移ります。  質問の第3点目は、城東地区の耐震・耐水対策について伺います。  先週、日本を襲った台風18号が上陸した後、栃木県、茨城県、宮城県を中心に、記録的豪雨による甚大な被害が発生しました。大雨特別警報が関東地方に発令されたのは初めてのことでありましたが、本区の区民借上保養施設となっている鬼怒川プラザホテルを含め、被害に遭われた方々には心からお見舞いを申し上げます。幸い本区では大きな被害はなかったものの、東京の東部低地帯を抱える本区にとって、治水対策の重要性を改めて認識させられる災害でありました。  さて、東京都は、平成24年12月に策定した東部低地帯の河川施設整備計画に基づき、将来にわたり想定される最大級の地震が発生した場合においても、津波や高潮による水害から江東区民を守るため、水門や排水機場の耐震・耐水対策を初め、江東内部河川の堤防の耐震対策を進めていると聞いています。  さらに、平成26年12月に策定された東京都長期ビジョンの中では、これらの対策工事の具体的な内容とスケジュールが発表され、本区内では現在、隅田川防潮堤耐震補強を初め、新小名木川水門、清澄排水機場、大島川水門などの耐震・耐水対策工事が進行中であります。  さらに、この工事に加えて、本年末から平成29年8月までの期間で小名木川の排水機場を、また、その後、平成29年9月から平成32年3月までの期間で、木下川の排水機場の耐震・耐水工事を行うことが決定しました。  本区の城東地区に位置する旧中川、小名木川、横十間川、北十間川の4つの河川は、水位低下河川と呼ばれ、平常時、水位を低く一定に保つことで沿川地域一帯を水害から守ってきました。近年、これらの水位低下河川では、その特性を利用して、旧中川の高水敷整備や川の駅を初め、小名木川塩の道、横十間川の散歩道などが整備され、多くの区民が水辺に親しめる憩いの場になっています。そして、この水位低下河川の水位を一定に保ち、安全な水辺として大きな役割を果たしてきたのが、小名木川及び木下川の両排水機場であります。  この2つの排水機場の工事により、小名木川排水機場の工事の際には、通常時の41%の排水能力、木下川の場合は60%の排水能力となってしまうとお聞きしました。そこで、お伺いしますが、まずこの工事で排水能力が落ちた場合、どの程度の雨量で内部河川の水位上昇による浸水等の危険性が出てくるのでしょうか。さらに、水位上昇した場合の安全対策については、どのように考えているのでしょうか。  また、本定例会で審査する平成27年度江東区一般会計補正予算(第1号)で、工事期間中の排水能力低下に伴い、集中豪雨等による親水公園内への水の流入を防ぐ工事や、親水公園内の水位を適切に保つための工事に係る予算が計上されています。当該工事により、間違いなく通常時と同様の水位を保つことができるのか、その安全性についてお答えください。  最近の気象現象の傾向として、局地的かつ短時間に降る、いわゆるゲリラ豪雨の多発が顕著です。ここ何年か本区に目立った水害は発生していませんが、本区の治水対策の強化のみならず、区民や本区を訪れる多くの方々に快適な憩いの場を提供している親水公園の現状を見ても、大変重要な施策であると考えますので、区の明快な答弁を期待いたします。  以上で、私の質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手)    (山崎孝明区長登壇) 40 ◯区長(山崎孝明) 榎本雄一議員の御質問にお答えいたします。  潮見地区のまちづくりについてです。  区では、平成20年10月に潮見地区全体を対象として潮見地区まちづくり方針を策定しております。これは、町会等を含めた地元地権者との連絡会や対話を通じて、本地区における課題の抽出や解決方法、よりよいまちづくりに向けたコンセプト等を集約し、まちづくりの方針としてまとめたものです。ここに集約された地区の課題の一つとして、御指摘の小学校新設の必要性も挙げられております。  また、潮見二丁目西地区地区計画は、関係権利者の合意形成を経て、平成16年6月に都市計画決定をしております。この中で本地区計画区域においては、印刷業を営む事業者に配慮するという観点から、主に住宅用途の建築が規制をされました。こうした方針や地区計画の策定後、2020年東京オリンピックパラリンピックの開催決定など、本地区を取り巻くさまざまな状況も変化してまいりました。  しかし、一方で、方針策定当時集約された本地区における諸課題については、現在に至るまで状況に変化はないと考えております。  開発に伴う小学校新設については、義務教育を担う区の責務であると認識していますが、道路や公園など、都市基盤の不足による土地の低・未利用や駅周辺のにぎわいづくりなど、解決すべき課題はそのほかにも存在しております。これらの課題を一体的に解決することが、この潮見地区が持つポテンシャルを最大限引き出すとともに、江東区都市計画マスタープランにおける地域核を形成していくことに資すると考えております。  区としては、今後もこの潮見地区まちづくり方針を基本として、地元地権者や住民の動向、ニーズを把握しつつ、町の課題の解決に向けた誘導を図ります。  さらに、このたびの物流施設の移転などを契機とした、駅東西を含む潮見地区全体のまちづくりに向けた機運を逸することなく、必要に応じて地区計画の変更や、小学校を初めとした社会的なインフラ整備等を検討してまいります。  なお、その他の御質問につきましては、所管部長から答弁いたさせます。    (押田文子政策経営部長登壇) 41 ◯政策経営部長(押田文子) 次に、江東区長期計画についての御質問にお答えいたします。  まず、長期計画前期の総括について、前期5カ年の主要事業の評価についてのお尋ねであります。  前期計画期間では、昭和大学江東豊洲病院や豊洲シビックセンター、14カ所目の特別養護老人ホームの整備など、区民生活に密接にかかわる施設整備を初めとして、ハード・ソフト両面で的確な事業展開が図れたものと認識しております。  また、前期5カ年の主要事業の執行率は85.3%となっており、おおむね順調に事業進捗が図られたものと考えております。  一方、御指摘のとおり個別事業では、計画や目標を下回る事業もあり、必要な対応を図ったところであります。  まず、保育所の整備は、地域ごとの保育需要を勘案しつつ、多様な整備手法を活用するなど、待機児童の解消に向け、重点的に取り組んでまいります。  次に、小中学校の学力強化につきましては、前期計画で掲げた目標値を上回る結果となるなど、学びスタンダード強化講師を初めとした取り組みの成果があらわれているものと認識しております。  観光施策については、豊洲市場の開場やオリンピック・パラリンピックの開催などにより、これまで以上に外国人観光客を含む多くの観光客の来訪が予想されます。現在、江東区観光推進プランの見直しを行っており、その中で観光をめぐる情報化の進展といった社会環境の変化なども踏まえ、より戦略的な観光施策の展開に向けて検討を進めてまいります。  高齢者・障害者施策につきましては、これからの団塊世代の高齢化や人口増に伴う障害者の増加を見据え、誰もが住みなれた地域で安心して暮らせる環境づくりに向け、ハード・ソフト両面から取り組みを推進してまいります。  なお、障害者多機能型入所施設については、前期では計画着手に至りませんでしたが、後期計画での事業着手を目標とし、整備に向けて引き続き取り組んでまいります。  次に、建築物の耐震化等についてです。  後期計画では、民間建築物耐震促進事業の助成制度を拡充し、不燃化特区推進事業は開始して間もないため、制度の周知徹底とともに、助成要件の拡充を図りました。また、建築物の耐震化については、区立施設は平成27年度までに耐震化100%を達成する見込みです。  次に、長期計画後期について、計画化された施策の見直しや新たに盛り込むべき施策についてのお尋ねであります。  後期計画では、前期計画の実績を踏まえ、また今後の人口動向や社会経済状況の変化等を勘案し、全庁を挙げて策定したものであり、まずは計画化した施策、事業を確実に進めていくことが重要であると考えております。  前期計画においては、社会状況の変化等に伴い、防災施設の整備など新たな主要事業も選定してきたところです。後期計画においても、社会経済情勢等の変化に的確に対応した施策、事業の展開を図っていく必要があると考えております。  また、新たに盛り込むべき施策として、オリンピック・パラリンピックの競技会場周辺のインフラ整備やボランティア育成等の御提案についてであります。  後期計画では、オリンピック・パラリンピック開催への準備を重点プロジェクトとして位置づけ、その上で、今年度は(仮称)オリンピック・パラリンピック開催準備プランを策定することとしており、これらの中で具体的な検討を進めてまいります。  また、そのほか、義務教育施設の整備、不燃化特区推進事業や市街地再開発事業等に関する御提案につきましては、今後の動向等も踏まえながら、必要な検討を行っていきたいと考えております。    (並木雅登土木部長登壇) 42 ◯土木部長(並木雅登) 次に、城東地区の耐震・耐水対策についてお答えします。  まず、排水機場の工事で排水能力が落ちた場合の浸水等の危険性についてです。  現在、扇橋閘門より東側の旧中川、小名木川、横十間川、北十間川は、水位低下河川と呼ばれ、周辺河川から締め切られ、平常時は水位が周辺地盤より低いAPマイナス1メートルに保たれております。降雨時、この水位低下河川には、下水道のポンプ所から雨水が流入しますが、小名木川排水機場及び木下川排水機場が稼働することにより、河川の水位上昇を抑えています。  今回の両排水機場の耐震・耐水工事の施工により、本年末から東京オリンピックパラリンピック開催までの約5年間は、排水能力が通常の半分程度となる予定です。そのため、これまで時間当たり50ミリメートル程度の雨量では水位の上昇はありませんでしたが、工事中は50ミリメートル以下の雨量でも上昇することになります。  都の説明では、城東地区全域に3時間50ミリメートルの降雨があった場合は、内部河川の水位上昇が約1.2メートル、通常は考えにくい100ミリメートルの降雨が3時間続いた場合でも、約2.1メートルの上昇にとどまるとしています。このため、豪雨でも既設護岸を越流することはなく、沿線市街地に危険はないとしています。  しかし、旧中川の高水敷や散歩道は護岸の内側にあるため、時間当たり20ミリメートル程度の降雨でも、長時間継続すると冠水する可能性があります。このため都では、安全対策として、この高水敷や散歩道への出入り口に降雨時の立ち入りを禁止する注意看板を設置し、沿川の学校や町会等への広報をするとしています。  さらに、排水機場のポンプをあらかじめ稼働することにより、降雨前に水位低下河川の水位を20センチメートルから30センチメートル程度下げるとしています。  区でも、職員によるパトロールと水位監視を強化します。さらに、水位上昇時の防災行政無線等による区民への注意喚起も検討しております。  なお、アジサイなどが植えられ、区民の憩いの場として親しまれている旧中川の高水敷も、工事期間中は年に数回程度冠水すると予想されるため、区としては都に対し、可能な限りの環境対策を講じるよう強く要請しているところです。  次に、平成27年度江東区一般会計補正予算(第1号)による工事についてです。  今回の水位上昇時の親水公園内への流入防止工事が完了することにより、工事前は人力で角落としを積み上げ、護岸の高さを維持してきた方式から、無人で自動閉鎖されるフラップゲート式に変わります。水位上昇時の閉鎖にかかる時間が短縮し、安全性が格段と高まることになります。 43 ◯議長(山本香代子議員) 以上をもって、一般質問を終了いたします。   ────────────────────○──────────────────── 44 ◯議長(山本香代子議員) お諮りいたします。  明9月18日から10月20日までは、委員会審査のため休会し、来る10月21日午後1時から継続本会議を開会いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。    (「異議なし」と呼ぶ者あり) 45 ◯議長(山本香代子議員) 御異議がないものと認めまして、さよう決定いたします。  ただいま御着席の方には改めて通知いたしませんから、御承知の上、御参集を願います。  本日は、これをもって散会いたします。    午後5時10分散会                                         ( 了 ) Copyright (c) Koto City Assembly Minutes, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...