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2007-11-29 平成19年第4回定例会(第13号) 本文
2007-11-29 平成19年第4回定例会(第13号) 名簿

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  1. 江東区議会 2007-11-29
    2007-11-29 平成19年第4回定例会(第13号) 本文


    取得元: 江東区議会公式サイト
    最終取得日: 2021-10-04
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1    午後1時02分開議 ◯議長(佐藤信夫議員) ただいまから、去る11月28日に引き続き会議を開きます。  まず、本日の会議録署名員を指名いたします。4番若林しげる議員、26番小森弘雅議員の両議員にお願いをいたします。   ────────────────────○────────────────────    ◎ 理事者に対する一般質問 2 ◯議長(佐藤信夫議員) 昨日に引き続き、一般質問を行います。  本日の質問者は、2番竹田将英議員、38番柴田幸雄議員、29番薗部典子議員、22番添谷良夫議員、28番小菅富貴子議員、11番赤羽目民雄議員、41番吉田明議員、24番榎本雄一議員の8名ですので、これを順次許可いたします。  2番竹田将英議員。    (2番竹田将英議員登壇) 3 ◯2番(竹田将英議員) 江東区議会自由民主党・無所属クラブの竹田でございます。初めての一般質問に立たせていただきますので、よろしくお願いいたします。  早速ですが、本日は大綱3点にわたりまして質問をさせていただきます。  区長並びに関係理事者の方々の前向きかつ明確なご答弁をお願いいたします。  初めに、民間における団塊世代の再雇用及びその熟練された特殊技能を次代に継承していくための江東区としての施策の検討についてご質問させていただきます。  本年から2009年までに、いわゆる団塊世代における定年退職者は年間130万人、3年間で約400万人に上ると推計されています。同様に、本区の住民からも定年退職を余儀なくされる方々が多数上ると推察されております。  さきに行われました平成18年度決算審査特別委員会でも質問させていただきましたが、団塊世代の再雇用施策について、江東区として、区内に本社機能を有する大手企業や地場産業の企業各社と連携し、団塊世代の再雇用を促進する「再雇用促進センター」事業を検討、設置すべきと考えております。  また、このような団塊世代の方々が保有している熟練された特殊技能を次代に継承する事業、仮称ではありますが、「テクニカルマイスター」の実施を検討いただきたいと思いますが、ご意見をいただきたく存じます。  これからの日本の活性化には、日本の高度経済成長を支えた団塊世代の復活、再雇用は不可欠であります。引退を余儀なくされる団塊世代の方々の要望の中で、大多数は「働きたい」の一言に尽きます。団塊世代の方々が元気に働き続けられる環境を整備する。これは同時に、高齢化社会における最大の福祉政策にもつながってまいります。いつまでも元気に働き続けられる環境づくりを、国が施策として提示、具現化しないのであれは、地方自治体が提供するのは行政としての義務ではないでしょうか。  また、再雇用促進センターの検討に加え、仮称ではございますが、テクニカルマイスターの実現は、熟練技能の伝承を通して、江東区内でも顕在化している2代目、3代目の跡継ぎ問題等で失われつつある伝統産業を未来永劫継続させるための一助にもなると考えています。  同様の施策を横浜市が「横浜マイスター」事業として、さまざまな産業支援と後継者育成を図る施策を展開し、注目を集めています。
     これらの背景を踏襲、先行自治体の施策を参考にして、団塊世代の再雇用促進センター事業の検討、設置、そして、それに伴いますテクニカルマイスター構想の検討につきまして、区側としての現段階での見解と、今後の方向性について改めてお伺いいたします。  次に、本年10月より施行されました中学3年生までの子ども医療費無料化制度を通した区の政策について質問をさせていただきます。  本件は、既に他区でも実施されており、江東区におきましても、待望の制度であったことは事実であります。また、検討から早期に実現できたことは、スピード行政を掲げる江東区としての象徴的な事案であったと評価いたします。  本制度によって、子育て世帯の方々からは、「子どもを医者に行かせる機会がふえてよかった」という評判を耳にしております。しかしながら、本制度は所得制限がなく、対象世帯一律無料であることは、区の政策のあり方としていかがなものか。政策としての「いわゆる一律化」に関して、江東区としてはどのようにとらえているのかお聞かせください。  本制度は、財政基盤が極めて良好かつ特別区交付金という莫大な依存財源に支えられている特別区、江東区であるからこそできる施策であります。しかし、東京富裕論によって、首都圏への財源一極集中への批判が高まる中、法人二税の配分見直し議論に関連して、東京都と23区における財政制度が今後改正される可能性も出てまいりました。そして、特別区交付金のあり方や依存財源の一部自主財源化など、財政制度の仕組みが大きく変化する可能性も否定できません。50万人都市を目指す江東区は、自立した自治体を確立すべく、今後起こり得る財政制度改革への対策の早期着手を真剣に検討すべきであり、その上で、福祉や高齢者対策等を見据えた財源の確保を考える必要があると感じています。  本件、中学3年生までの子ども医療費無料化に伴う年間予算は、補正追加分で約2億円であり、財政的には大きく影響がある問題ではございません。しかし、区の政策として考えた場合、本制度を例として挙げるならば、本件のように所得制限のない高所得世帯も対象とする一律施策を展開し、税金を投入することはいかがなものでしょうか。  今後の区の政策として、このような「いわゆる一律化」を展開することは、ちりも積もれば莫大な税金の投下につながり、いずれ区財政を圧迫しかねないと危惧しております。  今後の地方財政とは、本当に必要とされている層や対象に税金をきちんと投入していく基本理念を持つことが区政の検討、立案において大変重要であると考えています。そこで、本件も所得制限を設けて、わずかではありますが、その財源を福祉や高齢者対策に充当するなど、さまざまな角度における検討、配慮が必要であると考えています。  区の施策として考えた場合、一律化によって事務作業の効率化を図ることは理解できますが、現在の格差社会をつくった元凶は、この一律化傾向にある国や自治体の政策が起因しているととらえる向きもございます。これからの行政は、スピードと先見性のほか、個別政策が重要であると思います。これだけ格差を生んでしまった社会にすべて一律で対応するのは、税金の投入、そして、徴収の両面において事実上不可能であります。国がやらねば、自治体が可能な限り個別性を設けて、施策の検討を開始、展開するべきであると思います。  そこで、2点質問させていただきます。  区の政策として、本件を含めた「いわゆる一律化施策」に関して、現段階でどのような認識を持たれているのか、また、本制度の対象世帯における段階的な所得制限の実施について検討の余地があるのか。  以上、2点について、ご意見、ご答弁をお聞かせください。  最後になりますが、現在、公立の小中学校において使用されております歴史教科書につきまして、何点か質問をさせていただきます。  現行使用されております歴史教科書に関しましては、約2年半前の2005年8月に、多くの区市町村において採択がなされ、江東区におきましても、同様の時期に歴史教科書を初めとした教科書採択がなされたと記憶しております。一般論として、公立小中学校にて使用されております歴史教科書の記述内容を拝見しますと、さまざまな観点にわたり、その歴史認識について異論、または事実が完全に誤りであるといった記載が存在しており、正しい歴史認識にのっとった配慮に欠けている感は否めません。  現在、大いに議論されている南京事件を例に挙げてみましょう。30万人の大虐殺であるという虐殺の数値的論拠を初め、多くの歴史専門家の研究により、南京事件そのものの事実認識が疑問視されております。一般によく目にする南京事件の映像、写真、記事は、出所元や時、場所の特定ができない、極めてあいまいな「第4次、第5次資料」であり、信憑性に欠けるものが大多数であります。  このような背景があるにもかかわらず、「日本軍は30万人もの中国人を南京にて虐殺した」という記載が多くの歴史教科書で見受けられました。しかし、当時の南京の人口は約20万人であり、30万人もの中国人を虐殺することは物理的に不可能でありました。この認識が大勢を占めたことが影響したのか、一部の歴史教科書の記述に関しては、「日本軍により『多くの』中国人が南京で虐殺を受けた」という表現に変わった教科書も存在するようです。しかし、これはあくまで数値的要素を取り除き、定性的な表現に変更したにすぎません。  近隣諸国条項の影響も大いに存在しますが、その記載には配慮がなく、事実認識さえもあいまいなこの事案については、もっと慎重な姿勢が必要であります。この南京事件の記述は、日本軍及び日本人が卑劣かつ残虐であったことを証明してしまうのに十分な効果があると同時に、子どもたちへの影響ははかり知れないと推察いたします。  その他、従軍慰安婦問題や極東軍事裁判の意義等、後の研究で従来の歴史認識とは異なる見解が大勢を占めている現状において、今の歴史教科書を一般的に総括しますと、記載内容に配慮のない歴史的事象を単なる出来事のように単語として羅列しているだけにすぎないと感じてしまいます。  私見ではありますが、私は、過去の先人・先輩の行った歴史的事案に対して、戦争を含めて美化するつもりはございません。もちろん戦争は反対であります。しかし、歴史という科目は、単なる記憶、暗記の授業ではなく、正しい歴史認識、事実の理解を踏まえ、その歴史的事案を取り巻く環境には何が存在したのか、さまざまな歴史的背景を通して誤りは誤りとして認め、その上で、現在、日本の礎となった先人・先輩に感謝と追悼の念を抱く、そういった教科、授業でなければならないと思っております。  以上を含めて2点ほど質問をさせていただきます。  既述いたしました内容を通しまして、現在、江東区の公立小中学校で採用されている歴史教科書に関しまして、現段階でどのような認識、評価をされているのかお聞かせください。  また、2年後に予定されております歴史教科書採択に向け、区としてどのような方向性に基づいて採択の指針を考え、そして、決定づけていくのか。2点につきまして、明確なご答弁をお願いいたします。  以上をもちまして質問を終わらせていただきます。  ご清聴ありがとうございました。(拍手)    (山崎孝明区長登壇) 4 ◯区長(山崎孝明) 竹田将英議員のご質問にお答えいたします。  中学3年生までの子ども医療費一律無料化についてですが、ご指摘のとおり、行政サービスとして、所得制限等を設けずに対象者全員に提供する、「いわゆる一律化」施策に関しては、一般論として、財政圧迫の原因となることや、極めて高額の所得を得ている方にサービスを提供する必要があるのかという意見があることは、承知いたしております。しかしながら、多額の税金を納めている方々は、多額な税を納めているからサービスを受けられて当然だという意見もあります。一方では、金持ちは自分で全部払えというような意見もあるわけです。それと同時に、最近では、国の「東京富裕論」に関する議論の中でも、同様の考え方が話題になっております。しかしながら、一方では、納税額に見合った行政サービス提供の必要性や、公平感について疑問があるとのご意見もちょうだいいたしております。  そこで、区といたしましては、個々の施策を展開する際には、常に区民の負担について応能であるべきか、応益であるべきか、あるいは、財源を全額投入して負担を求めないこととすべきかについて、個々に検討いたしております。具体的には、その施策の目的を踏まえた上で、広く区民からお預かりした税金等で負担すべきか、または、特定の方に利益が及ぶことから、公平性の観点で、一定の負担をお願いするものかなど、さまざまな観点から総合的に判断をいたしております。  したがいまして、区としては、すべての施策について、ご指摘のような「一律化施策」をとっているものではなく、今後も区民の意見を踏まえた上で、他団体や財政状況等も判断材料としていく考えであります。  次に、子ども医療費助成制度における対象世帯への段階的所得制限の実施についてお答えいたします。  本制度につきましては、福祉目的から開始された制度ではありますが、時代の変遷の中で、その目的に少子化対策及び子育て支援策として、子どもを産み、そして、育てやすい環境を整備することを追加した施策へと方向転換を図ったものであります。  これは、ご承知のとおり、平成14年度に、国における合計特殊出生率が1.29と戦後初めて1.2台に落ち込んだことを受けて、急速な少子化の進行は今後、我が国の社会経済全体に極めて深刻な影響を与えるおそれがあることから、少子化の流れを変えるための施策が必要になりました。  この医療費助成事業は、子どもを産みたい人が、産み育てやすいようにするための環境整備に力点を置いております。つまり、高額所得者であれ、低額所得者であれ、子どもを産むということに関しては、私は、当然平等であろうと思いますし、それが親の気持ち、また、人間の考え方としては公平であるべきだと思っております。国及び地方が一体となって実施する少子化対策の重要な施策の一環であります。  また、この事業の性質は、所得の大小により医療行為を受ける回数が変化するものではなく、病気等の不慮の出来事に対する備えを目的として実施するものでありまして、安心して子どもを産み育てる環境の整備にほかなりません。  さらに加えて、本制度は、区として事業の拡大を実施したばかりのものでありますので、ご質問の対象世帯における段階的所得制限の検討については、現段階では予定をいたしておりません。  しかしながら、将来的には、その時点での社会情勢や財政事情等の状況を踏まえた上で、さまざまな検討を行い、時代に見合った制度への再設計をしていく姿勢も大切であると考えております。  なお、その他のご質問につきましては、所管部長から答弁いたさせます。    (平松宏章区民部長登壇) 5 ◯区民部長(平松宏章) 私からは、民間の団塊世代の再雇用及び熟練した特殊技能の次世代への伝承に関するご質問にお答えいたします。  まず、団塊世代の再雇用を促進する再雇用促進センターの設置についてであります。  団塊世代の定年退職については、ベテラン労働者の大量退職による労働力不足や高度な技術の継承などの問題が懸念されているところであります。  国では、平成18年に高齢者等の雇用の安定等に関する法律を改正し、定年の引き上げ、継続雇用制度の導入、定年の廃止のいずれかにより、少なくとも年金支給開始年齢までの高齢者雇用確保措置の導入を事業主に義務づけ、あわせて、給付金や奨励金などの各種支援を実施しております。  また、ハローワークでは、中高年向けの就職ガイダンスや60歳代前半のシニア向け就職セミナーを実施するなど、若年層とともに定年退職者等を対象とした就業支援及び相談に取り組んでいると聞いております。  一方、ハローワークが所在しない区などでは、区の補助を受けて公益法人等が高齢者を対象に就業支援センターを設置し、就業相談や就業情報の提供、職業紹介を行っておりますが、平成17年度の利用者に対する就職者の平均割合は7.8%と効果的な就業に必ずしも結びついていない状況にあります。  また、民間においては、求人情報サイトの開設や多くの情報誌が発行されていることから、再雇用促進センターの設置については、就労の成果を上げている自治体の手法などを調査、研究しながら慎重に検討する必要があるものと考えております。  次に、仮称テクニカルマイスターについてであります。  横浜市では、平成8年度からすぐれた技能職者を選定し、この活動を通じて後継者の育成、確保、貴重な技能の継承及び社会的評価の向上を図ることを目的とした横浜マイスター事業を実施しております。  また、東京都でも同様な趣旨の優秀技能者を表彰する東京マイスター事業を実施しており、本年度は、本区でも木製家具製造工と衣装着付師のお二人の方が認定されたところであります。  本区では、平成7年度から区内事業所に長年にわたり勤務し、産業発展に貢献した優秀な技能者を表彰する、いわば江東版マイスターである優秀技能者表彰事業を実施しております。  認定された優秀技能者は、江東区無形文化財保持者東京マイスター及び東京都伝統工芸士認定者とともに、江東区優秀技能者人材活用バンクに登録していただき、区内中小企業などが行う後継者育成や技能継承のための研修会等にテクノリーダーとして紹介しており、登録者は現在、163名となっております。  こうした優秀技能者を講師として後継者を育成する事業については、一定期間にわたって定期的に実施する必要があり、受講者のニーズの把握のほか、区内にある都立城東職業能力開発センターとのすみ分けなどの問題がありますので、事業の実施に当たっては、調査、研究を要すると考えております。    (富所博学校教育部長登壇) 6 ◯学校教育部長(富所博) 私からは、区立小中学校で使用されている歴史教科書についてのご質問にお答えをいたします。  教科書の採択は、教科書が教科の主たる教材として、学校教育において重要な役割を果たしていることに鑑み、教育委員会の判断と責任により、綿密な調査研究に基づき適切に行われる必要があります。  本区におきましては、「江東区立学校教科用図書採択要綱」を定め、その第3条において、適正かつ公正な採択を行うことをうたっております。また、採択に係る基本方針においても、適正な採択について、江東区立学校で使用するにふさわしい教科書採択を行うとなっております。  これまでの教科書採択におきましては、この採択要綱と基本方針を踏まえて、適正な手続のもと、採択の公正確保に努めてまいりました。  ご質問の「歴史教科書」についてでありますが、歴史的事象に関しての事実認識には、さまざまな学説が存在することはご指摘のとおりであります。また、その事実認識の根拠となる証言や記録につきましても、南京事件を初め、その信憑性が論議を呼んでいる事例も数多くあります。一つの視点からの学習指導では、子どもたちが歴史的事象の事実認識に対して一面的な見方しか身につかなくなるという課題が生じてきます。小中学校の学習指導要領における社会科の目標においては、社会的事象の意味をより広い視野から考える力を育て、さまざまな資料を活用して、多面的・多角的に考察し、公正に判断する能力と態度を育てることが明記されております。教育委員会では、歴史教科書の採択と、採択後の各学校における学習指導において、この観点を明確にしながら、子どもたちが自ら学習課題を発見し、その学習課題を自らが調べる中で、国際社会に生きる民主的で平和的な国家・社会の形成者として必要な公民的資質の基礎を養っていけるよう学校で指導しております。  そこで、歴史教科書の認識に関するご質問についてですが、現行の歴史教科書の採択につきましては、江東区立学校で使用するにふさわしい教科書という点が採択過程においての審議の柱となりました。事例として挙げられた南京事件の記述については、「多く」「多数」の殺害という表現になっており、審議の際に、一面的な表現ではないと判断した経緯があります。ただ、その犠牲者数については諸説があるところであり、今後も継続した議論が必要であると考えております。  次に、採択の方向性についてでありますが、今後、平成20年度に小学校、平成21年度に中学校の教科書採択が予定されております。これまでの採択と同様、学習指導要領を基準とした教科書の調査研究を十分に行い、その成果に基づいて審議し、適正かつ公正な採択を行っていく考えであります。その中で、子どもたちがより多くの歴史資料を比較し、一面的な歴史的事象の事実認識に陥ることなく学習できるよう配慮してまいります。  江東区の子どもたちにとって、歴史教科書を初めとして各教科の教科書が最もふさわしいものとなるよう、適正な採択事務に努めてまいります。     ───────────────────────────────────── 7 ◯議長(佐藤信夫議員) 38番柴田幸雄議員。    (38番柴田幸雄議員登壇) 8 ◯38番(柴田幸雄議員) 大綱3点についてお伺いをいたします。  大綱第1点目は、山崎区長にとって初めての平成20年度予算編成、そして、本区の財政運営などについて伺います。  現在、国と地方は773兆円という膨大な財政赤字を抱え、苦しんでおります。日本経済の規模は、税収50兆円まで回復してまいりましたが、毎年、国債の償還は20兆円、国家予算80兆円の実に4分の1が借金返済に充てられております。この赤字を少しでも縮小させるための方策は、景気浮揚による税収アップ、歳出削減、増税、そして、インフレの容認などであります。  私は、今後の日本経済は、長いデフレのトンネルを抜けて、インフレへの道を進まざるを得ないのではないかと思っておりますが、本区は今後の日本経済の動向をどうとらえ、また、本区の財政運営にどう生かしていくつもりなのか、本区の基本的な考え方をお伺いいたしたいと思います。  2点目は、来年度予算編成は、山崎区長にとって自らの主導で行う初めての予算編成になるわけでありますが、どのような意欲と決意を持って臨もうとしているのかお伺いをいたしたいと思います。  3点目は、マニフェスト記載の中には数多くの政策を掲げておりますけれども、区長は、来年度予算はさざんかカードのほかにどのような政策を優先的に実施しようと考えているのか、具体的にお答えをいただきたいと思います。  4点目は、室橋前区長は、就任時に「スリーアップKOTO21」構想をいち早く打ち出し、イメージアップ、サービスアップ、そして、カルチャーアップを掲げ、本区の改革に着手いたしました。山崎区長はどのようなキャッチフレーズを掲げて新年度をスタートするつもりなのか、伺いたいと思います。  5点目は、庁舎建設基金の新設について伺いたいと思います。  現在の本庁舎は昭和48年に完成し、以来35年が経過いたしました。平成17年から3カ年をかけて12億円以上の予算を投入してリニューアル工事を現在進めておりますので、今後10年間、設備的には使用が可能となります。しかしながら、一方、耐震強度の面から庁舎の建築構造を見ますと、庁舎3階を中心に、強度の面で問題があるのも事実であります。もし阪神・淡路大震災級の地震が東京に発生すれば、一部崩壊等の大きな被害を受ける可能性が高いとも言われております。したがって、設備面では使用可能であっても、構造的には大きな問題を抱えており、近い将来、この本庁舎建設は実施せざるを得ないのではないかと私は考えております。現在の本庁舎が建設された時点におきましては、その七、八年前の昭和41年に「江東区役所庁舎建設基金条例」が制定されました。当時、東陽町の土地は7億円、建設費は約20億円であり、基金は最終的には19億円の積み立てを行い、そのほとんどすべてを土地の購入費と建設費に投入いたしました。今後新たに庁舎を建設する場合、100億円を超える予算を用意しなければなりませんが、それに見合う基金を積み立てるとすると、少なくとも10年以上の時間的余裕を持って準備しなければならないと思います。  私は、新庁舎建設基金創設を、そろそろ庁内で実施に向けて真剣に検討すべき時期に来ているのではないかと思っておりますが、山崎区長は新庁舎建設について、また、新たな建設基金創設について、どのようなお考えなのか伺いたいと思っております。  6点目に、実務的に新庁舎はこの場所で改築が可能なのか。用途地域、建築基準法、コストの面から見て、その可能性を具体的にお答えいただきたいと思います。  7点目は、本区では一度も発行したことのない「ミニ市場公募債」について伺います。  今後、臨海部には公共施設の建設が続きます。豊洲文化センターの改築、(仮称)豊洲西小学校、有明小中学校などが建設され、それらの幾つかは区債を発行する予定になっておりますが、それらの区債を区民から公募するミニ市場公募債として発行してはどうでしょうか。今、国民の所有する金融資産残高は1,500兆円にもなります。本区においても、比較的所得の高い区民が大勢住んでおります。銀行預金や国債の金利よりも少々高い利率の公募債であれば、区民は喜んで購入すると思います。山崎区長1期目の事業として、本区初の市場公募債を発行すべきと考えますが、区長のお考えをお伺いしたいと思います。  最後に、首長多選禁止条例について伺います。  本年10月12日、神奈川県の松沢知事が選挙公約で掲げていた多選禁止条例案を、全国に先駆けて県議会に提出し、本会議において全会一致で可決されました。しかしながら、法的根拠が不明確なため、条例は直ちに公布することができず、地方自治法の改正を待たなければなりません。総務省の「首長の多選問題に関する調査研究会」は、本年5月に「多選制限は憲法上許される」との報告書をまとめています。  アメリカ合衆国では、第2次世界大戦後、憲法を修正し、大統領選挙の3選出馬禁止を明文化いたしました。戦前も2期までというのが不文律になっていましたが、これは初代大統領ワシントンが2期できっぱりとやめたことに由来いたします。「独裁者への警戒心は米国民主主義の魂である」との強い決意のあらわれが憲法明文化であります。  山崎区長は首長選挙の多選について、また、多選禁止条例について、どのような見解をお持ちなのかお伺いをいたしたいと思います。  大綱第2点目は、本区の清掃事業のあり方について伺います。  まず初めに、マイバッグ推進運動について伺います。  アフリカ、ケニアのノーベル平和賞を受賞したワンガリ・マータイ女史が来日し、日本で感動したことが2つあると述べておりました。1つは、トイレの洗浄水が大小2種類に分かれていることです。そして、もう一つ、「もったいない」という文化が定着していることでした。日本人では当たり前の考え方ですが、全世界ではそのような概念がないことに、逆に私たちは驚かされました。しかし、現在、この「もったいない」という言葉を口にする人は数少なくなり、消費こそ美徳というバブル的発想が幅をきかせる時代になってしまいました。今こそ私たち江東区民は、リサイクル先進区に恥じない「もったいない運動」を積極的に推進すべき時が来たのではないかと考えています。その意味からも、私たちが身近でできることの一つに、「マイバッグ推進運動」があります。買い物時にレジ袋をもらわず、各自がマイバッグを持参するだけでも大きな資源の節約に寄与いたします。  本年4月に改正容器包装リサイクル法が施行され、大手小売業者はレジ袋の使用量や削減に向けた取り組みを国に報告することが義務づけられました。このため、レジ袋の有料化や買い物袋の配布をする店舗がふえ、自治体によっては、レジ袋削減の啓発運動を支援するところも出てまいりました。本区はこの法改正に対し、どのような取り組みを行うのかお伺いいたします。  杉並区では、この法改正を受けて、店舗ごとにレジ袋の削減計画を義務づけるなどの条例を検討しており、この条例が来年2月に可決されれば、全国初となります。本区はリサイクル先進区として、杉並区同様、速やかに条例の検討を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。  ごみの減量化、資源のリサイクルは、区民、行政、企業が足並みをそろえて初めて効果を発揮するものであります。レジ袋削減をさらに進めるためには、消費者の意識向上が不可欠ですが、本区はリサイクル先進区としてリーダーシップをとり、もったいない運動の一環としてマイバッグ運動をさらに推進すべきと考えますが、本区のお考えをお伺いいたしたいと思います。  次に、歩きたばこ対策について伺います。  平成19年度の新規事業として、本区は喫煙所モデル事業を実施しております。喫煙所モデル地区は、JR潮見駅と東西線の南砂町駅の2カ所であります。日本たばこ産業が喫煙所を設置し、維持管理はシルバー人材センターに委託する方式をとり、歩行喫煙やたばこのポイ捨て状況などの調査を行います。今後、この状況調査の結果によっては、複数の駅前等に設置を考えているようですが、今後の方針を伺いたいと思います。  次に、平成8年度から、23区では、まちをきれいにする条例の制定が活発に行われました。本区においても、平成9年10月に「みんなでまちをきれいにする条例」が制定されました。その主な内容は、空き缶、吸殻の散乱防止等であり、吸殻をみだりに捨てることを禁止する規定はありますが、歩きたばこと路上喫煙に関しては、何の記述もありません。現在、23区の中で歩きたばこ禁止に関する規定がない区は、江東区、北区、江戸川区の3区のみとなりました。歩きながらの喫煙は、たばこの火がちょうど子どもの目の高さに当たり、非常に危険な行為です。本区は今後、歩きたばこ、路上喫煙ともに禁止に関する規定を盛り込んだ条例改正を行うべきと考えますが、本区のお考えをお伺いいたしたいと思います。  大綱第3点目は、区役所周辺の環境整備についてお伺いをいたします。  江東区役所が東陽町に移転してきた当時、周辺は建築資材置き場や貯木場など、インフラの整備がほとんどできておりませんでした。イースト21や、その前のパチンコ「リオ」の土地も、鹿島建設の資材置き場でありました。しかし、今では太鼓橋の井住橋も1.5メートル切り下げが完了し、周辺の遊歩道と一体化した見通しのよい橋に生まれ変わり、環境面においても、大きく様変わりいたしました。そして、本年、私が長年執念を持って訴え続けてきた四ツ目通りの5メートルの歩道拡幅の工事認可が国土交通省から下りました。平成24年度までに歩道の拡幅、街路樹、街路灯の整備、電線の地中化、中央分離帯の新設など、東陽町駅から井住橋までの470メートルは、都市景観上、見違えるような変貌を遂げることになります。  そこで幾つかお伺いをいたします。  まず第1は、東京都は本年度中に地元説明会を開催し、事業内容を説明し、理解と協力をいただいた上で用地買収交渉に入りますが、本区としては、都と協力して一日も早く用地買収が完了するよう、あらゆる努力を傾注すべきと考えますが、本区のお考えを伺いたいと思います。  第2は、整備計画についてですが、本事業は区役所前の都市景観上最も重要な道路ですので、都の設計段階から区の要望を最大限取り入れるよう、区としても庁舎前の景観をどのようなコンセプトのもとに整備していけばよいのか、明確な方針を立てた上で都と協議していくべきではないかと思いますが、お考えを伺いたいと思います。  第3は、区役所側歩道が5メートルセットバックされますと、深川高校側の歩道の幅員と比べ、大きなアンバランスが生じます。現段階ではどのような整備計画が考えられているのでしょうか。また、中央分離帯を設ける計画と聞いておりますが、そのスペースを歩道の拡幅に充てることができれば、より広い歩道の拡幅が可能と思いますが、いかがでしょうか。  最後に、区庁舎周辺のイルミネーションについてお伺いいたしたいと思います。  晩秋から新春にかけて、きれいに整備された井住橋の北側、ステーキハウス「フォルクス」前周辺の樹木には、夕暮れどきから美しいイルミネーションが点灯し、役所を退庁するときなど、しばしその美しさに見とれてしまいます。夜空に光り輝くイルミネーションを見て、素直に美しいと感動したのは私一人ではないと思います。昔の豆電球と違い、今では発光ダイオード、LEDのイルミネーションですので、発熱はほとんどなく、長寿命であり、電気代も今までの10分の1程度で済み、樹木にも負担がほとんどかかりません。輝きもまた鮮明です。  したがって、私は、区庁舎を中心とした、この四ツ目通り周辺の新しい都市景観として、庁舎前の樹木からコミュニティ通りの樹木をLEDのイルミネーションでライトアップしてはどうかと考えます。江東区役所前とその周辺には多くの樹木があり、冬の夕方5時から9時ぐらいまで、イースト21と一体化したイルミネーションを施し、区庁舎を中心とした四ツ目通りの周辺を美しくライトアップすれば、区内でも有数の名所となり、区民の話題に上ることは間違いないと思っております。観光行政の観点、都市景観という観点、また、山崎新区長の新しい区政のシンボリックな事業として大変に有効な事業であると考えています。あわせて、2016年のオリンピック招致に向けての絶妙なタイミングのPR事業にもなると思います。区長にはぜひ決断を下していただきたいと思います。ご所見を伺いたいと思います。  以上で私の質問を終わります。  ご清聴大変にありがとうございました。(拍手)
       (山崎孝明区長登壇) 9 ◯区長(山崎孝明) 柴田幸雄議員のご質問にお答えいたします。  平成20年度当初予算編成及び本区の財政運営に関するお尋ねであります。  まず、今後の日本の景気動向と本区の財政運営についてのお尋ねですが、政府、日銀の見解によれば、我が国の景気は緩やかに拡大を続けるものの、海外経済や国際金融市場における不確実な要因が日本経済に影響を与える可能性があり、その動きを注視していく必要があるとしております。  本区財政運営は、景気動向に左右されやすい都区財政調整交付金が歳入の根幹をなす脆弱な財政基盤に立脚しており、一時的な景気動向に一喜一憂せず、堅実な財政運営を行う必要があると考えております。室橋前区長が就任したのが平成3年でありまして、そのころは日本経済も大変な状況で、各自治体も財政的には非常に厳しい状況に陥っていたわけであります。そうした厳しい状況の中、室橋前区長の政策判断、あるいは、議会の先生方のお力、そしてまた、区の幹部職員の努力によって区の財政が立て直ってきたと思います。近年の景気回復による税収増にも助けられまして、私が就任した今日は、安定した区財政であるという状況でございまして、私は区長として、今までの前区長、あるいは、皆さん、先輩方の、あるいは、区の幹部職員のそうした努力をしっかりと手本にして、この財政をしっかりと守っていかなければならないと決意をしているところでございます。  次に、予算編成に向けた意欲と決意でありますが、区長就任以来7カ月が経過いたしましたが、本区が抱える課題は山積しており、一朝一夕に解決できるものではないことを改めて痛感いたしました。マンション規制条例も今回ご提案しましたが、きのうのNHKのニュースを見ていまして、赤ちゃんを抱える若いお母さんの声を聞きますと、これは大変だと。352人の保育待機児の数を絶対減らさないといけないという強い気持ちを持ちました。私に与えられた責務は、着実かつスピーディな区政運営を行い、44万区民の期待と信頼にこたえ、江東区に住んでよかったと思える魅力ある江東区を築き上げていくことだと思っております。  まずは、平成20年度予算編成を通じ、喫緊の課題解決を図る一方、長期的な展望に基づく体系立った施策は、本区の「未来予想図」でもある新たな基本構想や長期基本計画の中で、その具体化を図っていきたいと考えております。  次に、優先的な政策の実施に関するお尋ねであります。  現在、予算編成中でありますが、ご指摘のさざんかカードを初めとしたマニフェスト記載の事業について取り組むことはもちろん、今申し上げたように、保育待機児解消へ向けた施設の整備、南部のまちづくりや後期高齢者医療制度開始へ向け、こうした点に積極的に取り組んでいく決意でございます。  また、どのようなモットーを掲げるのかとのお尋ねですが、私は、区長就任以来、一貫して「チーム江東」として力を合わせ、スピード感を持って山積する諸課題に対応してきました。今後も私の政治信条であります「政治家は大きな耳を持つ鷹であれ」のとおり、区長としてあらゆる動きを察知し、区民の声を聞き、江東区の輝く未来を切り開いていく決意であります。  お尋ねの「スリーアップKOTO21」に類するキャッチフレーズを設けるか否かについては、来年度の基本構想策定の中で考えていきたいと思っております。  次に、庁舎建設基金の新設についてですが、現庁舎は昭和48年の建設以来35年を経過し、今後の庁舎のあり方について、本格的な検討を行う時期に来ていると私は考えております。  新庁舎建設については、建て替えの時期を初め、新庁舎にいかなる機能、規模を求めるのか、建設手法はどうするかなど、さまざまな問題の検討が必要であります。  また、経費についても100億円を超えることが想定され、それに見合う財源担保については、ご指摘の新たな基金の創設も含め、十分な準備期間が必要であります。  柴田議員ご指摘のとおり、本庁舎は、かなり古くなって耐震強度も十分でない。この庁舎には約1,000人の職員が毎日仕事しておりますから、大地震のときに、その職員の命を守らなければならないという区長としての責務もあります。また、44万区民が大災害のときに最後に頼る司令塔は、防災センターもありますが、さまざまなデータを持っている庁舎は本拠地になるわけですから、そうしたことも考えなければいけないと思います。ただ、庁舎をつくるといいますと、これはどこの自治体でもそうですが、大変な反対が起きるのは当然でありまして、一体いつごろということになりますと、そう簡単に答えが出せる問題ではないと思います。ただ、次の世代のためにもだれかが犠牲になって思い切ったことを今からやっておかなければいけないのではないかと私は感じておりまして、その辺も皆さんと議論しながら、新庁舎建設に関する検討を進め、平成20年度から始まる基本構想や長期基本計画策定の中で重要な課題として位置づけてまいる考えでございます。  また、現在地における建て替えの可能性については、コスト面での課題はありますが、現庁舎での業務を行いながら庁舎西側緑地と駐車場の位置に現庁舎の2倍程度の規模の高層による建築が法律的には可能であります。  次に、ミニ市場公募債に関するお尋ねです。  ミニ市場公募債は、公的資金縮小の動きの中で、資金調達の一手法として導入されました。急激な人口増に伴う南部地区における公共施設整備のための財源担保は課題の一つであり、ミニ市場公募債の活用も選択肢の一つであります。一般の区債発行と比較して、将来へ向けての財政負担が大きいこと、適債事業の選定が困難であることなど課題はありますが、住民の行政への参加意識の高揚が望めるとして取り組んでいる自治体もあります。  今後、全区民的な施設としてコンセンサスが得られるようなものについて、活用が可能か、また、他団体における効果、財政状況等、総合的に勘案して検討してまいります。  次に、首長選挙の多選禁止条例の考え方についてのお尋ねであります。  多選についてはさまざまな議論があるところですが、首長自身の判断、そして、有権者の選択が基本であろうと思います。総務省の調査研究会の報告では、法律で根拠を規定した上で多選制限自体の是非や制限の具体的内容について、それぞれの自治体の条例に委ねることが地方分権の考え方と整合するとされておりまして、当面は、地方自治法の改正など国の動きを注視してまいります。  この多選については、任期が長いことが決していいとは思っておりませんし、ただ、その首長による能力を有権者がどう判断するか、その辺の声をまた首長たるものがしっかりと察知していかなければならないと思っていまして、私は私なりの考えがありますが、きょうのところは、この程度にさせていただきます。  なお、その他のご質問につきましては、所管部長から答弁いたさせます。    (鳥海武環境清掃部長登壇) 10 ◯環境清掃部長(鳥海武) 私からは、本区の清掃事業のあり方についてのご質問にお答えいたします。  1点目のマイバッグ推進のお尋ねであります。  まず、本年4月の法改正に対する本区の取り組みについてでありますが、今回の法改正は、一定量以上の容器包装を利用する事業者に対し、レジ袋等に係る削減取り組み状況の報告を義務づけたものであります。現在、事業者はレジ袋の有料化やスタンプカードの発行など、レジ袋削減に向け業態に応じた多様な取り組みを開始しているため、区といたしましては、当面、これら事業者の自主的な取り組み状況等を見守ってまいりたいと考えており、レジ袋規制の条例化については、他区の動向等にも注視しつつ、今後の研究課題とさせていただきます。  また、マイバッグ運動のさらなる推進についてでありますが、区では、一般廃棄物処理基本計画の中で、マイバッグ使用を区民によるごみの発生抑制策の一つとして位置づけ、区民まつりにおけるマイバッグ無料配布や、ホームページ等による啓発活動などにより、広く区民に呼びかけております。  しかしながら、ごみの減量化が一層求められる中、マイバッグの使用をさらに区民に浸透させていくためには、区民、事業者、行政の三者がそれぞれの立場で協働し、取り組むことが不可欠であると考えており、今後のマイバッグ運動の展開に当たっては、環境学習情報館「えこっくる江東」を拠点に、三者協働のもと、「マイバッグ作り方教室」の共同開催など、新たな取り組みを推進してまいりたいと考えております。  次に、歩きたばこ対策についてのお尋ねであります。  本区では、歩きたばこなどの迷惑喫煙対策として、喫煙者個人のモラルに訴えるべく、路面標示の設置や区民、事業者と協働したマナーアップキャンペーンなど積極的な啓発活動を展開しておりますが、今月からは、区民からの要望等も踏まえ、新たに駅周辺における対策として、ご指摘の2駅においてモデル喫煙所を設置いたしました。  現在、駅周辺でのたばこのポイ捨て状況等の調査を実施しており、今後、この調査結果をもとに、効果的であればほかの駅への拡大や、その他地域での設置もあわせ検討してまいりたいと考えておりますが、効果が得られないようであれば、区民との連携を一層深めつつ、新たな対策の検討も含め、迷惑喫煙の解消に向け粘り強く取り組んでまいりたいと考えております。  また、歩きたばこ・路上喫煙禁止条例についてでありますが、区民からの禁止条例制定の要望も多い中、区の迷惑喫煙に対する姿勢を明確に示すという点では、条例化も必要なことと考えられますので、これまでの取り組みの効果も見極めつつ、今後前向きに検討してまいりたいと考えております。    (野村俊夫土木部長登壇) 11 ◯土木部長(野村俊夫) 私からは、四ツ目通り、庁舎周辺の整備についてのご質問にお答えいたします。  四ツ目通りの東陽町駅から庁舎までの区間は、歩道部の幅員が2.75メートルであります。このため、東陽地区の発展に伴い、大幅に歩行者が増加した結果、通行に大きな支障を来しております。この状況を改善するため、東京都は平成16年度から測量等の準備作業を初め、本年7月25日に都市計画事業として国土交通大臣から事業認可されたところでございます。現在、平成24年度の完成を目標として、用地買収交渉に着手しております。  次に、この事業への本区の協力についてお答えいたします。  四ツ目通りの拡幅は、本区にとりましても、東陽地区の発展のために重要な事業であり、東京都はその推進に江東区の協力が不可欠であるとしております。本区としては、都に対して協力を惜しまない旨伝えており、今後とも都区の連携体制のもと、早期完成に努める所存でございます。  次に、庁舎前の景観のお尋ねにお答えいたします。  東京都が昨年公表した「10年後の東京」では、道路整備などの機会をとらえて、落ち着きと風格のある景観を創出していくとしております。これを踏まえ、四ツ目通りの拡幅整備においても、本区の中心市街地にふさわしい景観となるよう都に積極的に働きかけてまいります。  次に、歩道の幅員についてでございます。  計画では、両側の歩道幅がそれぞれ4.5メートルとなる予定であります。  また、中央分離帯のスペースをさらなる歩道の拡幅に充ててはとのご提案ですが、用地交渉に着手した現時点では、標準的な構造で地元説明が進められております。最終的な構造につきましては、警察の考えや地元の要望等を十分に踏まえて決定することになります。  次に、庁舎周辺のイルミネーションについてでございます。  観光振興に資する施策でありますが、自治体が主体となって実施しているところでは、多額の経費負担が問題となっており、実施に当たっては、民間の協力が課題となります。全国各地では、年末の11月ごろから新年にかけて、民間が主体となってまちをイルミネーションで飾るイベントが盛んに行われ、冬の風物詩として多くの方々に楽しまれております。  区内では、青海のヴィーナスフォートの噴水広場における、オーロラをイメージしたイルミネーションが人気でございます。コミュニティ道路など、庁舎周辺の樹木をイルミネーションで飾ることができれば、新たな観光資源としての魅力を有することになるものと考えております。     ───────────────────────────────────── 12 ◯議長(佐藤信夫議員) 29番薗部典子議員。    (29番薗部典子議員登壇) 13 ◯29番(薗部典子議員) 私からは、大綱3点について質問いたします。  初めに、「孤立」させない子育て・子育ち支援について伺います。  私は、2003年からの1期目、子どもの命を守るための虐待予防や支援の体制づくりを大きなテーマとして活動してまいりました。児童福祉法や児童虐待防止法の改正も後押しとなり、この4年間で江東区の虐待に対する施策は大幅に充実してきています。  1つ目の質問です。  江東区の虐待防止のこれまでの取り組みでどのような成果があったのか。そして、虐待のない江東区をつくるには、課題はどこにあると認識しているのか伺います。  江東区の虐待への対応・支援施策は、区内の各機関や多くの方たちの力で、ゆっくりですが、一歩ずつ確実に進んできています。法改正により、区の責任、負担は重くなり、解決できていない課題も多くありますが、その一つとして、私は、子ども在宅サービス(ショートステイやトワイライトステイ)、虐待対応の一時保護の整備を求めてまいりました。今後の整備計画などを伺います。  虐待については、虐待の発生を未然に予防することが極めて重要です。国の社会保障審議会の報告書でも、予防のポイントとして、一般の子育て支援、虐待リスクのある家庭の把握、虐待リスクの軽減などを挙げています。支援を望む人に「幅広く」から「よりきめ細かく」という発想の転換が必要だとも指摘しています。  保健所で行う4カ月未満の新生児を持つ全家庭を訪問する「新生児・産婦訪問指導事業」への期待は大きく、孤立しがちな親支援の入り口として、虐待を未然に防ぐ支援体制づくりにもとても有効です。しかし、訪問後の対応と連携が十分ではなく、課題だと聞きます。保健所と子ども家庭支援センター、子育て支援担当課などとの連携、協働が必要になってきます。そのためには、関係機関を横断的に結び、それぞれのケースに合った、切れ目のない必要な支援をコーディネートできる人材が重要になってきます。  イギリスの日本の子ども家庭支援センターと同様の地域包括支援センターでは、教員、ソーシャルワーカー、臨床心理士、保健師、保育士、言語療法士などの多様な専門職が約20人程度在籍し、予防的な介入を重視しています。以前に紹介した足立区のこども家庭支援センター「風の子くらぶ」は、専門相談指導員が6人体制をとっています。  そこで、3つ目の質問です。虐待を起こさない予防的虐待防止、対応のコーディネート機能の強化のために、早急な専門職の人員増が必要だと考えますが、区の見解を伺います。  さらに、地域での孤立を防ぐには、行政だけでは限界があります。地域に根ざした市民活動は、さまざまなニーズに対応できる柔軟性と、制度のはざまを埋める多様性を持っています。そして、この市民活動は地域の人材育成となり、結果、地域の教育力、地域力の再生にもつながります。  私は、江東区は区内で「子どもの命を救いたい」「孤立して苦しんでいる親と子を支えたい」と活動している民間の市民団体との協働を考える時期に来ていると実感しています。  そこで、4つ目の質問です。このような市民活動と自治体施策の協働、連携について、どのように考えているか、区の見解を伺います。  次に、だれもが支え合いながら、地域で暮らすための共生型の「地域福祉」について伺います。  在宅を支えるはずの介護保険が改正により大きくほころび、家族が近くに住んでいると生活援助や院内介護のケアプランも立てられず、適正化のもとに給付は引き下げられ、在宅介護がなくなるとの危機感を覚えます。介護の社会化をうたったはずの介護保険だけでは高齢者を支えられなくなっています。少子化、超高齢化に伴って、地域の課題は多様化し、縦割りの制度だけで支えていくのは不可能になってきました。縦割り福祉を超えた地域で支え合う地域福祉システムの構築が必要ではないでしょうか。  そこで質問です。超高齢社会に向かい、地域資源を活用した近隣での支え合いの仕組みづくりや、在宅を支え、地域を支える地域福祉をどう描くのか、区の見解を伺います。  在宅と施設との間にあるのが地域です。私は、江東区の地域福祉のあり方を求めて、富山市で行われました「地域共生ホーム全国セミナー」に参加してまいりました。富山からスタートした高齢者、障害者、子どもも一緒の共生型の居場所づくりは、滋賀県や熊本県、長野県、千葉県など全国に広がっています。久留米市では、夕方空いている託老所で共生型の放課後支援を行い、放課後ぐらいいろいろな人と一緒にと、障害児童や中学生、高校生も一緒に過ごす場になっています。また、介護保険の小規模多機能型居宅介護を高齢者だけではなく障害者も受け入れ、地域ぐるみの共生型の取り組みで、まちの誇りになっていると聞きました。集合住宅が多く、孤立しがちな高齢者や家族が多い都会の江東区にこそふさわしい地域福祉の仕組みではないでしょうか。  昨年10月から富山型デイサービスは全国どこでも実施することができるよう規制緩和されています。キーワードは「近い」「小さい」「みんな一緒」。自治体が縦割り福祉を飛び越える勇気を持てば、大きな設備投資をしなくても、人や場所などの地域の財産を活用してすぐにでも始められる事業です。その場は地域コミュニティを再生していく一つの仕掛けとも言えます。  セミナーの中で、厚生労働省の社会・援護局長は、「長年、縦割りの個別制度と補助の組み立ての中で行われてきた福祉の枠組みを変えていこうとしている」と発言しています。縦割りの壁を越えた地域づくりに果たす自治体の役割は大きく、その第一歩が共生型を地域福祉の新しい形として受けとめ、認識することです。その上で、居場所づくりを行い、縦割り対象別福祉からはみ出すことを規制しないとともに、対象別福祉の活用(制度をうまく使いこなす)などの支援のプログラム化を図ることを挙げています。  そこで質問です。縦割り福祉の壁を越えて横につなぎ、制度のほころびやすき間を埋め、地域の暮らしを支える一つの仕組みとして、小規模な共生型の居場所づくりについて、区の見解を伺います。  最後に、廃棄物処理施設を多く抱える江東区の廃棄物行政について伺います。  東京二十三区清掃一部事務組合の清掃工場で、稼働していた炉を調べますと、2003年度から2005年度までの2年間で37炉減っていますが、炉自体は同じ2年間で逆に31炉ふえています。休止した炉は2003年度は190炉、17.5%、2005年度は258炉、約23%です。年間293日稼働、7%の余裕を持たせた23区全清掃工場の年間焼却能力に対する昨年度の搬入実績は77.8%。当然ですが、約23%の炉を休止させていたのと一致してくるわけです。  23区のごみは減り続けています。さらに、どの区も今後のごみ削減をうたっています。にもかかわらず、今後、順次多額の経費をかけて建て替え、補修を行い、施設を維持し、新たにプラスチックを燃やし、売電事業でサーマルリサイクルだから、「ごみを有効にリサイクルしている」という説明では、区民の納得は得られません。そもそも清掃一部事務組合の設立の趣旨は、23区の清掃事業を連携して円滑に行うことにあったはずです。この清掃一部事務組合に対して江東区の負担金は、2006年度決算で約19億円、清掃事業費の約4分の1以上を占めています。しかし、清掃一部事務組合の管理優先の運営は不透明で、多くの税金を負担している区民に説明責任は果たされておらず、全く区民から遠い存在となっています。今回のごみ政策の大きな転換に際して、どうするのが23区の区民、そして、江東区民にとってよい選択となるのか。それを決めるのは23区の区民の意思を背負った、区長を初めとするトップの仕事です。  山崎区長は、「プラスチックを安易に燃やすことには賛成できない」と発言していらっしゃいます。ごみ先進区として23区をリードし、多大な経費と環境負荷をもたらす清掃工場の削減と、リサイクル拡充を方針とするようリーダーシップを発揮していただきたい、これが区民の願いです。これを言えるのは、これまでごみで多大な迷惑をこうむってきた江東区しかないのではないでしょうか。  そこで1つ目の質問です。このような東京二十三区清掃一部事務組合のあり方について、区はどのように認識しているのか。また、この間の決定に際して、江東区はどのような姿勢をとってきたのか伺います。  800万人を超える人口密集地の23区で、2008年度からプラスチック全量焼却が開始されます。江東区でも10月1日から、モデル収集・焼却実証確認が始まっています。昨年度の4区のモデル実証確認で、基準をクリアしているから燃やしても安全という評価で本当に大丈夫なのでしょうか。公表されているデータを見ても、私だけではなく、普通の区民は、安全と言われればそうかなと思いながら、でも、どこがどう安全なのかよくわからないというのが本音で、調査方法やデータの示す意味を読みこなすことはできません。  そこで、区民自らが自分たちの暮らす環境の安全性を確認するための環境指標を持とうとカンパを集め、松葉を採取して大気中のダイオキシン調査を行いました。松葉による調査は、アメリカ合衆国環境保護庁によりオーソライズされた方法で、EU諸国ではダイオキシンモニタリング対象試料として、ドイツやオーストリアなどで採用されています。  日本の環境基準は年間平均といっても、春、夏、秋、冬のたった4日間の平均であることを考えると、松葉による調査はモニタリング指標としてより実態に合ったデータを得ることができます。ことし3月に採取した松葉の測定・分析結果によると、江東区臨海部が全国平均の約8倍の0.41ピコグラムTEQ/m3、以下単位は省略させていただきます。江東区全域が同7倍の0.36と高く、2006年度の同様の調査の中で最も高い値を示しています。  日本のごみ焼却施設は、ドイツの60、アメリカの148と比べ、けた違いに多く1,300を超える世界一の焼却大国です。環境省によると、日本のダイオキシンは、その8割が家庭ごみの焼却由来です。1999年の国連発表によりますと、日本は世界のダイオキシンの約半分を排出、世界一のダイオキシン汚染大国でもあるわけです。日本の大気中ダイオキシン濃度基準0.55は、野放しの焼却が行われていた1999年に甘く設定された基準で、今や意味がないと言われ、国の基準をクリアしているから問題はないとは決して言えないのです。ダイオキシンの値は都市部が高いのですが、2005年度の全国平均0.051でも、国際的に見ると、EUやアメリカの都市の約5倍から6倍の高さです。世界的に見て、今回の松葉調査による臨海部の0.41という値の高さがわかります。その原因は、臨海部には複数の焼却関連施設が林立し、1年を通じて吹く北北東の風によって、23区内の清掃工場の影響が累積的に及んでいるせいではないかと指摘されています。さらに、重金属汚染を心配してEUで規制している焼却施設の排ガス中の12種類の重金属(カドミウム、鉛、砒素、水銀、クロム、タリウム、アンチモン、コバルト、銅、マンガン、ニッケル、バナジウム及びその他化合物)の調査も行われ、先週、松葉の採取が終了し、年内か年初めには分析結果が出るそうです。全面焼却開始1年後の2009年度には、再度松葉による大気中のダイオキシンと重金属の調査を行い、どのような影響があったのか、市民の監視を続けると聞いております。  日本一の新江東清掃工場を初め、現在、事故で休止中の日本最大級の灰溶融施設など、臨海部のさまざまな廃棄物関連施設や、23区内の清掃工場による累積的負荷は、松葉の調査の結果からも来年度から本格的に実施されるプラスチックごみの焼却による江東区が背負っているリスクの大きさを示しています。  そこで2つ目の質問です。区の清掃事業において、ごみ政策の転換によって予想される区民への影響や負荷に対して、区民の健康を守る責任は区にあると考えますが、認識を伺います。  このように、多大なリスクを負う江東区が今すべきことは、ごみの分別を徹底し、拡大生産者責任のもとに、生産者に対して物をつくる段階からごみになるものを減らし、有害物を減らすよう義務づけていくことではないでしょうか。  そこで3つ目の質問です。江東区は循環型社会づくりを方針とし、3Rを進める立場から、拡大生産者責任を求めていくとしていますが、容器包装プラスチックの資源化をせずに、どのように拡大生産者責任を追求するのか、拡大生産者責任に対する認識とともに伺います。  資源化にはお金がかかるからと資源化の拡大に二の足を踏んでいては、区民の健康は今後ますます脅かされることになります。多大な環境負荷を負う江東区は、区民の健康へのリスクを回避し、循環型社会づくりを推進するために拡大生産者責任を追求し、不十分とはいえ、容器包装リサイクル法によるプラスチックの資源化に向かうべきです。  そこで質問です。江東区は率先して容器包装プラスチックの資源化を進めるべきと考えますが、見解を伺います。  そして、最後の質問です。江東区の環境は、区内にあるさまざまな廃棄物処理施設とともに、23区全域の清掃工場の影響を受けています。容器包装プラスチックの資源化を決めていない10区に対して、資源化を求めていく必要があると考えますが、区の見解を伺います。  以上で質問を終わらせていただきます。  ご清聴ありがとうございました。(拍手)    (山崎孝明区長登壇) 14 ◯区長(山崎孝明) 薗部典子議員のご質問にお答えいたします。  廃棄物処理施設を多く抱える江東区の廃棄物行政についてであります。  まず、東京二十三区清掃一部事務組合のあり方と江東区の姿勢についてのお尋ねでありますが、平成15年、区長会は、平成18年度以降も当分の間、一部事務組合方式によるごみの共同処理を継続していくことを決定するとともに、清掃一部事務組合の抜本的改革による効率的、効果的運営を図るべきとの決定をいたしております。  清掃一部事務組合では、この方針に沿って経営委員会を設置し、アウトソーシングや情報公開などを推進しており、基本的には、区長会決定に沿った運営がなされていると受けとめておりますが、最近の事故対応などで情報連絡に迅速さを欠くなど区民本位の姿勢に不十分な面もあり、区民にとって一層身近な清掃一部事務組合となるよう、今後とも強く改革を進展させてまいりたいと思っております。  清掃一部事務組合の副管理者にも私はそのとき言いましたが、清掃一部事務組合というと、かつては東京都清掃局だったわけでして、清掃一部事務組合の副管理者というのは、都で言えば清掃局長なわけです。ですから、そういう認識が薄いのではないかということで、大分強く私からも申し入れをいたしました。会いたいと言ってきても会わないときもありました。強い姿勢でこれから指導していくつもりでおります。  次に、清掃事業における区民の健康を守る責任の所在についてのお尋ねでありますが、来年度から23区の全域において、廃プラスチックサーマルリサイクルが本格実施される予定であり、現在、各区においてモデル収集や清掃工場での実証確認が実施されております。  本区でも現在、新江東清掃工場で実証確認が実施されておりますが、ダイオキシンなどの有害物質が基準値以上に検出された場合には焼却炉の停止を求めるなど、区民の健康に影響を及ぼさないよう迅速な対応をとってまいりたいと考えております。  次に、3Rを進める拡大生産者責任に対する認識についてのお尋ねでありますが、拡大生産者責任は、生産者が製品の生産・使用段階だけではなく、廃棄・リサイクル段階まで責任を負うという考え方でありますが、区の一般廃棄物処理基本計画においても、この考え方をごみ減量のための重要事項として位置づけて、その実現を図っていくこととしております。  現在、本区では、他の自治体と連携の上、容器包装リサイクル法における収集運搬・選別保管への費用負担や家電リサイクル法における対象品目の拡大等を国などへ働きかけておりますが、今後とも拡大生産者責任の一層の進展のため、法改正などを強く求めてまいります。  次に、容器包装プラスチックの資源化についてのお尋ねであります。  容器包装プラスチックの資源化により、清掃工場へ搬入されるごみの量は減少いたしますが、分別回収された廃プラスチックの半分程度が残渣として焼却処分されることや、選別保管施設の確保が困難なことなど、実施には多くの課題があります。  しかしながら、一般廃棄物処理基本計画の施策として、リサイクル品目拡大の検討も示されていることから、容器包装プラスチック類についても、今後、この観点から環境審議会において検討してまいりたいと考えております。
     次に、容器包装プラスチックの資源化を他区に求めることについてのお尋ねでありますが、区長会において、廃プラスチックのサーマルリサイクル実施が確認された際、ペットボトルについては23区で資源収集体制の拡充を図ることとされ、その他のプラスチックについては、各区の判断で再生利用を推進することとされました。  現在、この方針に沿って、各区がその考え方や実情に応じた資源化施策を展開しておりますので、本区といたしましては、その取り組みをしばらく見守ってまいりたいと考えております。  日本一の新江東清掃工場を持つ本区、しかも、長い間のごみ戦争の経験、そうした問題と対決してきた歴代の我々の先輩たちもいらっしゃることで、東京全体を視野に入れて、やはり江東区は区民、都民の安全に対して強いリーダーシップを持って私も対決していく決意でございまして、その点について、今、具体的にこうというわけにはいきませんが、しっかりと時間をかけてこの問題にぶつかっていく決意でございます。  なお、その他のご質問につきましては、所管部長から答弁いたさせます。    (菊間惠子ども生活部長登壇) 15 ◯子ども生活部長(菊間惠) 私からは、孤立させない子育て・子育ち支援についてのご質問にお答えします。  初めに、児童虐待防止の取り組みと成果についてであります。  近年、親から食事を与えられない、暴行を受けるなどの虐待によって乳幼児や児童が死亡する事件がしばしば発生し、社会的に児童虐待が認知されるようになりました。平成12年には児童虐待防止法が成立し、東京都の児童相談所が通告を受けて保護措置などを行う体制が整備されています。  しかし、その後も予想を超える勢いで虐待通告が増加し、より身近な地域での対応の必要性が認識されるようになったことから、本区においても、平成15年に児童虐待防止ネットワーク会議を設置し、地域の民生・児童委員、保育園、学校などの関係機関の間で、児童虐待に関する連携を開始いたしました。  さらに、その後の法改正で、区も児童虐待相談を行うこととなったため、南砂子ども家庭支援センターに児童虐待ホットラインを開設して児童虐待対策ワーカーを配置するとともに、子育て支援担当課に保健師を配置し、相談や調査などの対応を実施しています。  ご質問の取り組みの成果といたしましては、体制が整ったことで区民の認知度が高まり、相談や通報を行いやすくなったことから、早期発見が進んだことが挙げられます。その結果、虐待児童数は、一昨年の1けた台から200名以上へと激増しました。そのうち対応が終了したケースは、児童相談所への送致が5名、他自治体への転居が24名、虐待が落ち着いたと判断したケースは18名など、計60名程度となっています。  一方、平成19年度の新規相談件数は既に100件を超えており、児童虐待件数は引き続き増加傾向にあります。  また、児童虐待のない江東区をつくるための課題でありますが、大きく2つあります。  第1に、関係機関との連携の中で、児童虐待の早期発見と予防や対応の手法をいかに構築していくかということ。第2に、児童虐待を行う非社会的な保護者は転々と居住地を移動する場合が多く、自治体間の連携をいかにスムーズに行うかということであります。  次に、子どもの在宅サービスとしてのショートステイについては、本来、虐待を受けている子どもを保護する事業ではありませんが、区の権限の範囲の中で実施すべき内容等の検討を進めてまいります。また、一時保護所につきましては、東京都に早急な整備を求めているところです。  これら児童虐待をめぐる課題の解決に向けた取り組みを着実に進めるためには、コーディネートの役割を果たす専門職が必要であると認識しており、引き続き、職員の育成を図ってまいります。  次に、市民活動との連携についてでありますが、現在、民生・児童委員による安否確認や、ファミリー・サポート事業のボランティアによる子どもの見守りなど、区民との連携にも取り組んでおり、これらについては、今後さらに発展させていきたいと考えております。  市民団体につきましては、専門性の高いノウハウを持つ人を数多く擁する団体も徐々に育ちつつありますので、今後の児童虐待防止、対応の制度設計の中で、どのような連携や協働のあり方が適切かについて研究してまいりたいと存じます。    (須田雅美保健福祉部長登壇) 16 ◯保健福祉部長(須田雅美) 次に、だれもが支え合いながら、地域で暮らすための共生型の地域福祉についてのご質問にお答えをいたします。  まず、在宅を支える江東区の福祉施策の展開についてのお尋ねでございますが、本区では、平成18年に改定した江東区保健福祉計画において、ひとり暮らしや認知症を有していても地域で安心して暮らせる「やすらぎのしくみづくり」、地域で高齢者を支える「みんなが支える人の輪づくり」を基本目標に掲げ、さまざまな施策を推進するとともに、地域福祉の推進を図っております。  地域資源を活用した近隣での支え合いの仕組みづくりとしては、ご案内のとおり、ボランティアセンターの運営、ふれあいサービス事業の拡充等、社会福祉協議会の事業支援を中心に、民生委員制度の運営、地縁組織活動の支援、老人クラブやNPO活動など、さまざまな地域における自主活動を活性化するための施策を展開しております。  在宅を支え、地域を支える地域福祉をどう描くのかという点に関しましては、これからの福祉における「施設から地域へ」の流れの中で、地域での個々の生活を支えられる自助、共助の強化を図っていかなければならないことは論を待ちません。現在、東京都では地域ケア体制整備構想を策定中ですが、構想の視点として、地域を活性化する存在となる元気な高齢者の活躍に期待するとともに、24時間安心して暮らせる見守りサービスの提供といったものを打ち出しております。  本区としても、こうした視点に基づき、地域力向上に向けて、新基本構想のもと、次期保健福祉計画等の中で方向性を描いていきたいと考えております。  次に、地域の暮らしを支える小規模な共生型の居場所づくりについては、現在、高齢者や障害者、子育て中の親子などを囲んで、地域の住民が共同で企画、運営する自主的な交流の場としての「ふれあい・いきいきサロン」が社会福祉協議会の支援のもとに、区内56カ所で開催されており、さらに、面的広がりを見せております。  このような自主的な活動は、一つの共生型の居場所とも考えられ、こうした活動の中から、地域での見守りや支え合いの関係が生まれ、これが地域力向上につながることを期待しております。  ご提案の久留米市などで行われている共生型の居場所づくりに係る見解についてでありますが、高齢者を日中預かっている施設に障害児童や中学生、高校生が集まってくる共生型の居場所づくりは、縦割り組織の垣根を越える試みとして注目すべき活動と考えます。  しかし、本区における公共施設運営においては、行政組織が役割分担をし、子育て施策や高齢者、障害者、放課後対策等、それぞれの持ち場で多様な施策が展開されており、一定の成果を上げていることから、高齢者や障害者施策を同じ施設で運営する必要があるか、そのニーズや施策の効率性、本区の地域特性の観点から慎重な検討が必要であり、当面は、現在の保健福祉計画に基づく施策や施設の充実を図ってまいりたいと考えます。     ───────────────────────────────────── 17 ◯議長(佐藤信夫議員) 22番添谷良夫議員。    (22番添谷良夫議員登壇) 18 ◯22番(添谷良夫議員) 日本共産党区議団を代表し、大綱3点について質問します。  第1は、介護保険制度の改善についてです。  軽度要介護者の家事援助に一律に上限が設けられたことで、高齢者の自立どころか、閉じこもり状態をひどくしています。また、訪問介護において、「外出介助は通院以外認めない」など都の勝手な規制強化で、一緒に買い物することもできなくなりました。現場で働くヘルパーは、「会社の時間管理も厳しくなり、希望の料理をつくってあげられないなど、人間らしい介護ができない」と告発します。家事援助などの充実は、引きこもりをなくす効果もあり、認知症の予防や孤独死を減らす上でも重要です。墨田区などでは、病院帰りの買い物について、「合理的な理由があれば」などの条件つきで認めています。本区でも「病院帰りの買い物」を訪問介護の一部と認めるべきです。伺います。  介護の現場で広がる深刻な事態に、渋谷区では、「昨年の介護保険法改正による給付抑制が区民に影響を与えている。不都合な部分を区の施策で修正したい」として、要支援2の利用者に対し、1時間半に制限されていた家事援助の時間を2時間から2時間半まで上乗せするなど、5種類の独自の追加サービスを来年1月から実施すると決めました。  本区でも軽度要介護者に対する区独自の家事援助サービスを実施すべきです。また、国に対し、一律の制限を改めるよう求めるべきです。伺います。  次は、日中独居高齢者の問題についてです。  同居家族がいる要介護高齢者への生活援助について、政府答弁は、「家族が健康であって家事ができる状態でも、仕事などで日中、要介護高齢者がひとりとなる場合は介護保険給付の対象になる」と明快です。さらに、「自治体が一律に規制することは好ましくない。介護保険の仕組み上からも、現場のケアマネジャーが妥当と認めたものは支給する」と答えています。区は前定例会で、我が党の議員の質問に、「正確な理解が進むよう周知に努める」と答えています。それは政府答弁と同じ立場で行うものと理解しますが、確認を求めます。  また、豊島区では、同居家族がいても生活援助ができることを事業所に文書で示しています。本区でも文書で示すべきです。あわせて伺います。  また、軽度要介護者に対する給付の抑制は、介護の支え手にも大きな打撃となりました。東京都社会福祉協議会が行ったアンケート調査では、昨年4月以降、経営が厳しくなったとする事業所が84%に上り、ヘルパーの労働環境の切り下げで乗り切ろうとしていると指摘しています。また、直行直帰の登録型のヘルパーは、移動時間が労働時間として認められないため、4割が収入減になりました。ケアマネジャーも利用者と役所の板挟みになり追い詰められる、高い専門性の割に給与が低いなどの理由でやめていくといいます。介護を支える専門職としての人材確保と育成を進めるためにも、国に対し、介護従事者の処遇改善を図るよう直ちに求めるべきです。伺います。  次は、地域包括支援センターの強化についてです。  地域包括支援センターは、高齢者虐待の防止や高齢者についての多様なニーズや相談受付、困難を抱えるケアマネジャーの相談など、高齢者支援の中核組織として設置されました。しかし、本区の地域包括支援センターでは、1人で月70件から80件もの介護予防ケアプランの作成に追われ、他の業務を圧迫しています。こうした事態に区は、「事業者に職員の増員を要請する」としていますが、人員増に見合う補助がなければ、事業者は給与支払いに必要な収入を上げるため、結局、1件当たり4,000円の予防プラン作成に追われるだけです。増員を求めるならば、それにふさわしい補助金の増額を行うべきです。伺います。  また、地域包括支援センターは、主任ケアマネジャー、社会福祉士、看護師の配置が義務づけられ、介護、医療、福祉などの連携をとり、地域の高齢者のあらゆる相談にこたえ、生活を総合的に支える拠点とされています。介護疲れによる虐待や、ひとり暮らし高齢者がふえているもとで、地域で要介護高齢者が孤立することなく住み続けられるよう、地域包括支援センターの拡充は急務です。少なくとも出張所ごとに1カ所となるよう緊急に整備するとともに、より身近なところで相談できるよう、さらに増設すべきです。その際、全体の中核となる区直営の基幹型地域包括支援センターを設置すべきです。あわせて伺います。  第2に、子どもの放課後対策について伺います。  学童クラブについて、働く親たちは、「学童保育でなければ安心して預けられない、安心して働けない」と学童保育の制度化や設置、拡充を長年求めてきました。こうした親たちの願いが実り、1997年の児童福祉法改正で法制化されました。さらに、ことし10月、家庭にかわる毎日の生活の場を保障するため、育成室の広さの最低基準などを定めたガイドラインも策定されました。これは、放課後子ども教室が育成室など特定の施設も持たず、すべての子どもを対象に放課後の居場所を確保するとしているのに比べ、その目的も、内容の違いも明らかです。放課後子ども教室を学童クラブのかわりにすることはできません。認識を伺います。  今、本区では、人口急増と働く女性の増加で、学童クラブへの入会希望者がふえ続け、4月の年度当初から定員いっぱいで、年度途中の加入申請にこたえられないというクラブがいくつもあります。また、保護者や職員から詰め込みと指摘されるほどのぎゅうぎゅう詰めで、あるクラブでは、昼寝の際、隣の子どもと体がくっついて落ち着いて休めないからと廊下で寝た子もいたといいます。区は育成室の広さを1人当たり1.5平方メートルとしてきましたが、厚生労働省のガイドライン「おおむね1.65平方メートル以上」に足りません。育成室が「子どもたちが休息し、静養もできる生活の場」としての役割を果たせるよう、早急に現在の基準を見直すべきです。伺います。  また、自分が通う小学校区にクラブがなく、別の学校に設置されたクラブに通わなければならない子どもがいます。移動の距離と時間が長くなり、事件・事故に巻き込まれる危険が増加します。子どもたちに安全な放課後を保障し、また、落ちついた人間関係を育てられるよう、学童クラブを速やかに増設すべきです。伺います。  次に、放課後子ども教室についてです。  子どもをめぐる痛ましい事件などが繰り返される中、放課後の安全・安心な子どもの居場所確保は、日中、親が家にいる家庭でも切実な要求です。こうした親の要求を受け、本区では、げんきっず八名川を他に先がけて運営してきました。子どもたちにも好評と聞いていますが、それには学校の事情や子どものことを知り尽くした専任指導員と他の指導員とのチームワーク、学校長を初めとする教職員や父母、さらに、地域関係者の強力な支援があったとのことです。ところが、10月に開設した2つの放課後子ども教室は、この間の教訓を検討もせず、短期間に立ち上げました。そのため、現場では、学校の本来業務に対する影響や、雨の日の子どもの居場所はどうなるなど、心配する声が上がっています。  学校施設を使うならば、設置に当たっては、少なくとも学校関係者と十分な調整を図りながら進めるべきです。伺います。  また、円滑な運営のために学校ごとに保護者、教職員などによる運営委員会をつくるべきです。あわせて伺います。  放課後子ども教室も多くの関係者が共同してつくり上げていく事業です。ところが、区は、新たに開設した2つの放課後子ども教室を民間企業に委託しました。受託した株式会社日本保育サービスは、学童保育を今後の大きなビジネスチャンスと位置づけ、株主に30%配当することを基本方針だとしています。将来を担う子どもたちの健全育成にかかわる事業をこのような高利潤追求型の営利企業に丸投げしていいのでしょうか。既に民間委託をした渋谷区では、指導員がくるくる変わるため、子どもとの人間関係をつくれない、子どもがいつ帰ったか気がつかないなど、子どもの安全にかかわる重大な事態も起きています。子どもの健全育成と安全にかかわる事業は公設公営で行うべきで、民間丸投げはやめるべきです。あわせて伺います。  最後に、中小企業対策と江東さざんかカード事業について伺います。  中小企業は、その営業活動を通じて地域コミュニティの中心としての役割を果たし、また、消防団や町会活動など、さまざまな地域貢献をしてきました。しかし、今や全売り場面積の8割にも達するほどの大型店の出店や、大企業の中小企業に対する単価切り下げなどの影響で、その経営は長期にわたり大変な状況が続いています。さらに今、原油価格高騰の影響がトラック運送業界を初め各業界にコスト上昇をもたらし、経営を圧迫しています。私たちは、こうした中小企業の実態も示しながら、中小企業振興基本条例を制定し、支援強化を繰り返し求めてきました。区が条例制定の準備を進めていることは新たな前進です。  ところで、この条例に血が通い、生きた力を発揮するためには、つくる過程で条例を区民自身のものにするための特別の努力が必要です。隣の墨田区では、条例制定に当たって、係長以上の区の職員が町に出て、製造系の9,000の事業所の実態調査を行いました。また、条例に大企業の地域経済に果たすべき責任も明記した千葉県では、県内の各地域に県職員が出向き、中小企業経営者から直接要望を聞く地域勉強会を行いました。こうした中で、中小企業家から「自分たちが参加してつくった条例だから、もっとよいものにしたい」との声が出たといいます。  ところが、本区では、わずか3回の会議で取りまとめまで終了です。実態調査も、きめ細かく区民から要望を聞く場もありません、このままでは、つくっただけということになりかねません。本区でも区職員を先頭に悉皆調査を行うなど、実態調査にまず力を尽くすべきです。  また、各地域ごとや業種ごと、消費者団体など幅広い団体、個人との懇談会などを実施すべきです。伺います。  さらに、できた条例に魂を入れるための継続した努力が必要です。隣の墨田区では、区内の産業人と学識経験者、区職員とで構成する産業振興会議をつくり、施策を進めてきました。その中で、中小企業センターなどがつくられ、技術の向上と製品に対する信頼確保に大きな力を発揮したと報告されています。条例を生かし、実施するための組織を設置するよう求めます。伺います。  最後に、江東さざんかカード事業と商店街支援について伺います。  区が来年4月実施に向け準備を進めているさざんかカード事業について、まちの中では、「社会貢献の事業というのにおれたちばかりに負担を求めるのはおかしい」「対象者が事実上不特定多数で負担が重過ぎる」との声が圧倒的です。さらに、「既に子ども料金を設定し、割り引きしている」「目玉商品や特売日等を設定して顧客サービスを行っている」「お客とのトラブルが心配」などの声も寄せられています。こうした町の声を無視しての4月実施は、慎重に見直すべきです。伺います。  商店では、区内共通商品券をもっと普及してほしいとの声が寄せられました。江東区商店街連合会は、プレミアムつきのときだけでなく、通常の発行に当たっても印刷代の補助を求めています。装飾灯への電気代補助引き上げは、売り上げが少なくなっているもとで商店街から歓迎されています。隣の江戸川区では全額補助をしています。こうした商店街の願いに沿った支援策こそ強化すべきです。あわせて伺い、質問を終わります。(拍手)    (山崎孝明区長登壇) 19 ◯区長(山崎孝明) 添谷良夫議員のご質問にお答えいたします。  まず、中小企業対策と江東さざんかカード事業のうち、中小企業振興基本条例についてであります。  現在、区では地域経済の活性化に関する基本方針と、区、中小企業、商店会及び区民の責務や役割を定め、協働意識の醸成と行動を促し、活力ある地域社会の実現を目的とした基本条例の制定に向け準備をいたしております。  条例制定に当たっては、関係者の声を反映させるため、中小企業、商店会及び区民代表者で構成する関係者会議を設置し、基本条例に盛り込む事項について検討を行ってきたところであります。  関係者会議では、国や都の各種調査結果、また、区の中小企業景況調査を活用し、また、商店会に対しアンケート調査を実施しておりますので、悉皆調査を行うつもりはありません。  また、関係者会議では、関係者のそれぞれの立場から活発な発言をいただいて、意見、要望等の集約を行っており、これを踏まえ作成した基本条例の骨子を今定例会の所管委員会にご報告し、区民代表である区議会のご意見もいただき、来年第1回の区議会定例会に議案を提出する考えであります。  また、基本条例制定後の運営組織でありますが、平成16年に区内中小企業の活性化について協議、検討するため、中小企業、商店会などの関係者で構成する「江東区中小企業活性化協議会」を設置しておりますので、この協議会を活用してまいる考えであります。  次に、江東さざんかカード事業についてであります。  この事業については、さざんかカードの交付対象者である子育て世帯、高齢者及び障害者からは、大きな要望をいただいております。大きな期待も寄せていただいております。早期実施を求める声もたくさん聞いておりまして、なぜ4月実施を見直さなければならないのか理解ができません。  次に、商店街支援についてであります。  商店街振興組合連合会が発行している区内共通商品券については、ハッピーセカンド事業などでプレミアム分を除いた約73%を区が利用するなど、その普及に貢献をいたしております。また、プレミアムつき共通商品券では、プレミアム分と印刷経費、通常券では印刷経費のそれぞれ2分の1を助成しており、補助の拡大は考えておりません。  さらに、商店街の装飾灯の電気料金の助成については、本年1月分からの電気料金について、約20%の補助率の引き上げを行ったところであり、全額補助については考えておりません。  なお、その他のご質問につきましては、所管部長から答弁いたさせます。    (須田雅美保健福祉部長登壇) 20 ◯保健福祉部長(須田雅美) 私から、介護保険制度の改善についてのご質問にお答えをいたします。  まず、軽度者の家事援助サービスについてであります。  国が介護予防訪問介護の報酬について、定額制を導入した趣旨は、利用者の求めがあれば無定量にサービスを提供するという考え方ではなく、身体機能の向上に向けた「介護予防サービス計画」及び「介護予防訪問介護計画」に基づき、サービス担当者会議等の評価のプロセスを経て、利用者の状態に合わせた予防サービスとして提供していくためのものであります。  したがって、予防給付の観点から、利用者の状態の維持・改善を図ることを主眼としており、閉じこもりを防ぐために活用するサービスと考えております。  次に、通院介助について規制強化することなく、買い物も一緒にできるよう弾力的にすべきとのことであります。これも家事援助サービスと同様に、介護予防サービス計画等に基づき提供されるもので、利用者の状況によってやむを得ない場合には提供することも可能であります。  したがって、一律に規制しているとは考えておりませんが、自立支援の観点から、より効果的なサービスの提供について検討したいと思います。  また、渋谷区のような、家事援助における区独自の法定外の上乗せをすべきとのことでありますが、江東区においては、介護保険法によるケアプランや訪問介護計画に基づくサービス提供をしており、同様のサービスについては、社会福祉協議会のふれあいサービス等もあることから、現在のところ、実施の考えはありません。  次に、同居の家族がある場合の高齢者への家事援助の利用は、「家族等の障害、疾病等の理由により、家族が家事を行うことが困難なこと」が条件となりますが、障害、疾病等がない場合であっても、同様のやむを得ない事情により家事が困難な場合には、利用が認められております。  そのことの周知については、今後ともケアマネジャーの研修会、事業者連絡会等を通じて適切な周知を図ってまいります。  次に、介護従事者の処遇改善についてですが、登録型ヘルパーの移動時間については、労働時間として認められており、その旨の国からの通知もあること、また、介護従事者への処遇改善については、ことし8月に国が示した、いわゆる「新人材確保指針」におきまして、社会的評価に見合う処遇の確保や従事者の努力が報われる仕組みをつくっていくとしていることから、今後の推移を待ちたいと考えます。  次に、地域包括支援センターの強化につきましては、当初、法定専門職の3人体制で発足いたしましたが、現在は1施設当たり4名から6名の体制で運営されているほか、区内20カ所の在宅介護支援センターとの連携、協力体制の中で機能強化を図っているところであります。  なお、区内4カ所の地域包括支援センターでは、介護予防ケアプランの作成を行いながら、虐待や権利擁護に限っても、平成18年度は延べ500件を超える相談を受けており、他の業務も着実に実施しているところであります。  区からの業務委託費の増額につきましては、受託法人の自主的な対応と今後の業務量の推移を見ながら、その必要性について精査をしてまいります。  また、地域包括支援センターの増設や基幹型地域包括支援センターの設置等につきましては、同センターのあり方や在宅介護支援センターとの連携、役割分担などを含めて、今後、その必要性の有無を検討してまいりたいと考えます。    (萩原博治生涯学習部長登壇) 21 ◯生涯学習部長(萩原博治) 次に、子どもの放課後対策についてお答えいたします。  本区の学童クラブは、1年生から3年生を対象に、家庭的な雰囲気の中、子どもがくつろげるスペースを確保し、区内全域44カ所で実施しています。一方、放課後子ども教室は、全児童を対象に、校庭や体育館等、学校内のさまざまな場所を利用した安全な遊び場を提供する事業であります。  そこで、双方の事業の認識についてですが、学童クラブ機能の一部を放課後子ども教室に包含することは可能と考えておりますが、育成スペース等検討すべき課題もあるため、国の放課後子どもプランの趣旨を踏まえ、当面は両事業を並行して実施してまいります。  また、基準の見直しについてですが、国のガイドラインは、最低基準ではなく、あくまでも望ましい方向を示すものであります。現時点では、本区クラブ室の面積基準は、大都市である本区の実情を考慮したものでありますので、見直す考えはありません。  次に、クラブ未設置の小学校区にクラブ増設をとのご質問であります。  クラブ未設置の小学校区には、隣接区域に登室または帰宅時に児童の安全が図られるよう複数のクラブを配置し、対応を図っているところであります。とりわけ、南部地域においては、今後の需要を考慮した上で、放課後子ども教室の拡大も視野に入れながら、総合的に放課後対策の充実に努めてまいります。  次に、放課後子ども教室事業についてであります。  まず、学校関係者との調整についてですが、扇橋小学校、平久小学校の開設に当たっては、それぞれの学校で教職員に対して事業の説明会を開催するとともに、校長、PTA役員、町会長など地域の関係者で構成されている学校評議員会で説明を行い、学校関係者のご理解、ご協力を得ながら開設準備を進めてまいりました。また、保護者に対しては、開設前に説明会を開催するなど、節目節目で調整を行っております。特に、学校関係者からの不満は聞いておりません。  10月開設後は、保護者、教職員などによる保護者会を開催し、事業に対する要望等について聴取し、事業内容の改善に努めております。
     保護者会については、今後とも実施校ごとに定期的に実施し、関係者との調整に努め、円滑な事業運営に努めてまいりたいと考えております。  次に、先行して実施した八名川小学校、毛利小学校の2校の教訓を生かすことについてですが、実施に当たっては、指導員や学校長、保護者、地域関係者との連携、協力を図るため、本区が事業者にきめ細かな指導を行うとともに、新規2校の指導員を事前に八名川小学校、毛利小学校に派遣し研修を行うなど、先行実施校の実施結果を踏まえ、実施しております。  最後の公設公営で行うべきとのお尋ねですが、実施に当たっては、区の職員が学校や地域などとの連絡調整に緊密にかかわるなど、きめ細かな対応をしており、先行実施の2校の実施状況や人材の確保、ノウハウの問題などを踏まえ、公設民営で実施したものであります。   ────────────────────○──────────────────── 22 ◯議長(佐藤信夫議員) おはかりいたします。  議事進行上の都合により、暫時休憩いたしたいと存じますが、ご異議ありませんか。    (「異議なし」と呼ぶ者あり) 23 ◯議長(佐藤信夫議員) ご異議がないものと認めまして、暫時休憩いたします。    午後3時00分休憩   ────────────────────○────────────────────    午後3時21分開議 24 ◯議長(佐藤信夫議員) 休憩前に引き続き会議を開きます。   ────────────────────○────────────────────    ◎ 会議時間延長の件 25 ◯議長(佐藤信夫議員) この際、本日の会議時間を延長いたしておきます。   ────────────────────○──────────────────── 26 ◯議長(佐藤信夫議員) 一般質問を続けます。  28番小菅富貴子議員。    (28番小菅富貴子議員登壇) 27 ◯28番(小菅富貴子議員) 私は、質問の機会を得ましたので、区議会公明党議員として、さらなる子育て支援策の拡充について質問させていただきます。  少子化の進行などによる急速な人口減少は、社会保障や経済産業の問題にとどまらず、国や社会の存立基盤にかかわる問題であり、少子化対策が国の最重要政策課題の一つであることは言うまでもありません。  少子化対策は、これまでの子どもを産み育てる親への対策から、「生まれ出る命」「生まれた子どもたち」そのものへ視点を移し、子どもの生まれ育つ環境がどうあれ、すべての子どもには社会から公平に支援を受ける権利があるという「子ども優先」のチャイルドファースト型社会へとシフトされていくべきです。  「国づくりは人づくり」とありますが、子どもたちが本来持っている生命力や可能性、その生きる力を引き出していく家庭や教育環境をバックアップしていくこと、つまり、子育て施策はまちづくりの基本であると考えます。本区としても、区政の重要課題として子育て支援について、子どもを産み育てたいと望む方が不安なく、また安心して子育てができる、ソフト・ハード両面からの環境の整備に取り組んでおられることは評価いたします。  山崎区長は、区政推進の基本的姿勢として、「意欲」「スピード」「思いやり」を掲げ、区職員には「チーム江東」として、この旗印のもと、一体となって邁進すると訴えておられ、私もそのとおりであると思っております。今後、さまざまな区民ニーズにこたえる施策の実行に当たっては、縦割り行政を廃し、区民にとってよりよい充実した政策の内容とし、スムーズに行政運営を進めていくべきであります。また、これからも区政の重要課題としての子育て支援を初め、各部署の職員の配置については、適切に必要とするところには配置すべきです。  さて、子どもを取り巻く環境は、依然として児童虐待やいじめ、不登校、また、校内暴力の増加など、安心できるものではありません。  初めに、児童虐待防止対策の推進について伺います。  子どもたちが元気に、また、健やかに育つためには、あってはならないのが児童虐待です。しかし、いまだに幼い命が奪われる痛ましい事件が後を絶ちません。児童虐待問題は社会全体で早急に解決すべき重要な課題です。  11月の児童虐待防止推進月間に、東京都を初め、全国で児童虐待防止のシンボルであるオレンジリボンの普及推進を図り、児童虐待の未然防止、早期発見につなげるため、オレンジリボン運動を展開しています。  本区においては、昨年5月に南砂子ども家庭支援センターに「児童虐待ホットライン」を設置し、虐待対策ワーカーを配置して、相談や調査、援助活動などに取り組み、対応されてきました。また、本年1月には、東京都は区市町村との連携を円滑に行うための「東京ルール」を策定し、江東区においても、区内の児童虐待の全ケースを把握し、ケース管理を行うための体制も整備することとなったようですが、あわせて、本区の現状と取り組み状況について伺います。  次に、平成17年の児童福祉法改正により、本年3月には、平成15年に立ち上げた「江東区児童虐待防止ネットワーク」を改組し、「江東区要保護児童対策地域協議会」を設置されましたが、関係機関の役割と連携について、実情はどのようになっているのでしょうか。  また、その経過と今後の方向性についてお尋ねいたします。  児童虐待防止の抜本対策は「予防」です。虐待死の約4割がゼロ歳児という現状もあり、国は今年度から生後4カ月までの赤ちゃんを訪問する「こんにちは赤ちゃん事業」を始めました。既に、本区においては新生児・産婦訪問指導事業を第1子からすべての新生児に拡大しており、評価いたすところでありますが、対象家庭への訪問実績が100%となるように、きめ細やかな家庭訪問の実施を願うものです。  そこでお聞きいたします。現状は、いかがでしょうか。  また、この訪問結果を踏まえての具体的な対応についても伺います。  いずれにしても、子育て家庭を孤立させないために、行政や地域の目がいかに個々の家庭の中に入り、見守りができるかが大切であります。今こそ地域社会全体で子どもの健全育成に取り組んでいくべきです。  次に、子ども家庭支援センターを中心とする「つどいの広場」事業について伺います。  本区においては、平成11年に東陽子ども家庭支援センターを開設して以来、大島、深川北、南砂、そして本年、豊洲子ども家庭支援センターが整備され、23区の中でもトップクラスと伺っております。これら子ども家庭支援センターは、親と子どもがのびのびと遊び、交流する「子育てひろば」として多くの方々に利用されており、とても好評と聞いております。  ひろば事業の親子の利用状況は、各センターにおいて広さの規模の違いはあるものの、毎月2,500名近く、多いところでは3,500名の親子の利用があります。特に人口増加が著しい南部地域については、今後、この子ども家庭支援センターの新たな整備が望まれますが、お尋ねいたします。  また、児童館を初め、児童会館や私立保育園においても、「子育てひろば」事業が実施されております。身近な地域に育児の相談などできる相手がいないなど、在宅で育児をしている家庭の子育ての負担感が増大している中で、このひろば事業は大変有効な施策であります。  働いている、いないにかかわらず、親と子の育ちを地域で支え、家庭の中だけでの孤独な子育てをなくしていくことが必要です。  すべての子育て家庭が歩いて行ける場所に気兼ねなく親子で集まって、相談や交流ができるようにするためにも、今まで以上に地域に点在する区立幼稚園や保育園などにも子育て支援の拠点として積極的に働きかけていくべきだと考えますが、伺います。  次に、だれもが必要なときに、いつでも気軽に利用できる、保護者のリフレッシュのための預かり保育を子ども家庭支援センターで実施することについて伺います。  本区の子育てのニーズに関する調査では、子どもを一時どこかに預け、リフレッシュしたいと思う保護者の要望が非常に多く、利用率の高い子ども家庭支援センターにおいて預かり保育が可能になれば、在宅子育て家庭への心身にわたる負担が少しでも軽減されると考えますが、お尋ねいたします。  府中市の子ども家庭支援センターは、東京都で最初のセンターとして、預かり保育のほかにトワイライトステイを初め、ショートステイ事業も実施されています。これらの事業推進に当たっては、保育スペースや人的配置なども考慮しなければなりませんが、本区についても、今後検討していくべきと考えますが、見解をお尋ねいたします。  次に、ファミリー・サポート事業の拡充について伺います。  区民の相互協力により、仕事と育児の両立や一時的な育児支援の環境の充実を目指すファミリー・サポート事業は、本区においても大変好評です。この事業は、会員同士の信頼関係によって成り立つもので、仕事と育児を両立させ、地域で安心して子育てができる環境づくりを目指しています。年々、会員数も増加し、平成18年度は利用会員数1,656名と、発足当時の約4倍となり、現在でも会員数は増加しております。しかし、育児の手助けを必要としている利用会員数に対して、育児の手助けができる協力会員数は約4分の1程度であり、協力会員の増員が課題でありますが、協力会員をふやすための具体的な対策を持っておられるか伺います。  区報への募集掲載を初め、子育て関連の施設などへのアピールも実施されておりますが、今後もっと幅広い世代の方々へのアプローチが必要と考えますが、いかがでしょうか。  また、私どもがかねてより協力会員になるために開催されている講習会の会場の巡回や日程などを工夫し、より多くの協力会員の獲得に対応すべきであると主張してまいりましたが、現状について伺います。  次に、活動内容についてお尋ねいたします。  この事業の開始当初は、保育園、幼稚園の送り迎えの利用が多かったと記憶しておりますが、現在の利用内容については、いかがでしょうか。また、どのような傾向があるのかお聞きいたします。  最近の働く母親からの子育て支援策の要望で一番多いのは、労働時間の短縮など、仕事と生活の調和のとれた働き方の実現に向けた環境整備、つまり、社会的認知度の広がりを背景に、ワーク・ライフ・バランスの実現に向けた取り組みと、そして、次に望む施策は、放課後対策を充実することでした。これらから考えられることは、急な残業などで、夕方から夜間にかけての援助が増加しているのではないかと推測されますが、実情はいかがでしょうか。このように、活動内容については、利用される方々のニーズを的確にとらえ、利用しやすいサポート内容にしていくべきと考えますが、区の見解をお聞かせください。  次に、家事援助サービスなどを実施しているふれあいサービス事業ですが、高齢者、障害者とともに産前・産後の母親やひとり親家庭など、広くすべての区民の方を対象としています。地域の方々の協力を得て、一時的に家事・介護支援が必要になったときに利用ができ、好評の事業であります。私は常々思うことですが、ファミリー・サポートサービスを利用している家庭が家事援助を必要とする状況になったときには、ファミリー・サポートの協力会員に子どもの援助と一緒に家事の援助も受けることができればとても便利と考えます。  そこで、ファミリー・サポート事業とふれあいサービスの両方のサービスを同じ窓口で受けられるように体制を整備して、ファミリー・サポートのよさである1対1の自由な関係が生かされるように利用会員、協力会員の便宜を図ってはどうでしょうか。この2つの事業については、人材の確保が何より大事です。隣近所の人の手助けや、近所の人同士がお互いに助け合うことで信頼を得、また、その輪が広がっていきます。今後、この協力会員、また、ボランティアの確保、育成について、どのような対応策を考えているのでしょうか。  南部を初めとして、人口増加が続いている本区にとって、区民の方々の協力が必要なこのような事業については、新たな地域住民を初めとして、区民に広く理解をしていただき、地域連携の強化を図ることが何より必要と思いますが、あわせて見解を伺います。  次に、緊急一時保育と非定型一時保育の拡充について伺います。  在宅で子育てをしている保護者にとって、出産や病気などの入院で緊急に一時的に保育ができなくなった場合に利用することのできる、ニーズの高い、また、重要な保育サービスです。  緊急一時保育は、区立、私立、公設民営保育園や保育室、家庭福祉員などで実施されていますが、果たして利用者にとって、いざというときに十分にこたえられているのでしょうか。いつでも必要になったときに利用できなければ、一時保育としての意味がありません。  これまでも私どもが主張してまいりましたように、区立保育園こそ「保育はサービス」との視点に立ち、保育ニーズに柔軟に対応すべきであり、一時保育についても積極的に取り組むべきと考えます。一時保育の実績と課題についてお尋ねいたします。  次に、緊急・非定型一時保育の保育料について伺います。  一時保育の保育料については、緊急一時保育は、区立、私立、公設民営保育園は1日700円、保育室、家庭福祉員は1日2,500円となっております。また、非定型一時保育は、1日利用の場合3,000円、また、半日の場合は1,500円となり、料金に格差が生じております。同じ一時保育のサービスを受けながら、利用する施設により保育料に格差が生じていることは、区民には理解できません。また、一時保育は普段、保育サービスの恩恵を受けていない方々が利用するものです。在宅で子育てをしている保護者の子育て支援策としての視点に立ち、一時保育に係る保育料は、利用する保護者にとって同一の保育料とするよう、負担の軽減など区が講じていくべきと考えますが、伺います。  以上で質問を終わります。  ご清聴ありがとうございました。(拍手)    (山崎孝明区長登壇) 28 ◯区長(山崎孝明) 小菅富貴子議員の子育て支援策の拡充についてのご質問にお答えいたします。  初めに、子ども家庭支援センターを南部地域に増設すべきとのご意見についてでありますが、本年1月、豊洲駅前に豊洲子ども家庭支援センターを開設いたしました。先日、私も視察に行ってまいりまして、たくさんの子どもたちやお母さんもそこで一緒に交流をしている姿を見ましたが、利用者数が非常に多い。当初予測したより多かったようでございます。施設も少し狭いということで、これからあの地域全体のことを考えながら、豊洲子ども家庭支援センターの拡充を図らなければいけないと私も感じまして、今、検討いたしているところでございます。  新たなセンターの開設につきましては、豊洲子ども家庭支援センターの今後の利用状況を見ながら、当該地域の人口の推移や開発動向を踏まえ、総合的なまちづくりの計画の中で検討を進めてまいります。  また、子ども家庭支援センターなどで実施している子育てひろば事業を区立幼稚園や保育園でも行うべきとのご提案についてですが、現在、本区では子ども家庭支援センターの5カ所、児童館及び児童会館の19カ所、私立保育園の3カ所で子育てひろばを実施しております。また、区立の幼稚園や保育園におきましても、地域活動としての園庭開放や未就園児親子への読み聞かせ、子育て相談などの事業に取り組み、地域の在宅子育て家庭に遊びと交流の場を提供し、保護者の育児や幼児教育不安の解消を図っています。  このように、現在、実質的に区全域で子育てひろば事業を展開しているところであり、親子が交流できる機会は確実に増加し、子育てしやすい地域づくりにつながっていると認識しております。  ご質問のひろば事業の拡充についてでありますが、安全かつ有効に在宅子育て家庭への支援につながる形で子育てひろばを開催するためには、施設本体の事業とは独立した、一定の場所の確保などが必要になります。したがいまして、今後の拡充につきましては、区民のニーズを勘案し、施設の物理的な状況を踏まえつつ検討してまいります。  次に、子ども家庭支援センターでリフレッシュ一時預かり保育を実施することについては、子育て疲れや生活上の不便さに悩む在宅子育て家庭への支援策として重要であると認識しておりまして、早期実現に向けて努力をしてまいります。  また、トワイライトステイ及びショートステイについては、保育園の延長保育や一時保育の整備状況を踏まえつつ、実施可能な施設の物理的な条件が整った段階で内容等の検討を進めてまいります。  なお、その他のご質問につきましては、所管部長から答弁いたさせます。    (菊間惠子ども生活部長登壇) 29 ◯子ども生活部長(菊間惠) 次に、本区における児童虐待防止対策の現状についてお答えします。  平成17年に児童虐待防止法が改正され、児童相談所のほか基礎自治体である区市町村でも児童虐待の通告を受け付けるとともに、児童の安全確認を行うことが規定されました。  そこで、本区においても、平成18年5月に児童虐待ホットラインを開設し、相談や通告を受けたケースの調査や対応を行うとともに、平成19年3月に設置した要保護児童対策地域協議会の構成員である関係機関などと連携して、潜在する児童虐待ケースの掌握に努めています。  相談体制を整備した結果、昨年度の区内の虐待児童数は、本区が220名、墨田児童相談所が110名、合計330名と、認知件数としては過去最多となりました。このような中、本区といたしましても、早急な児童虐待への対応力の強化を図ってきたところであります。  ご質問にありました「東京ルール」は、ことし4月に東京都が児童相談所へのケース送致や協力要請などの連携ルールを定めた行政担当者の運営指針であり、主に児童虐待の見落としや二重対応を防ぎ、切れ目ない対応を行うことを目的としています。本区ではこのルールに基づき、重篤かつ緊急度の高いケース、一時保護など権限を伴う専門的な対応が必要なケースを児童相談所に送致し、比較的重篤度、緊急度の低いケースは個別にケースマネジメントを行い援助方針を定め、保育園や学校などの関係機関や民生・児童委員などと協力して、地域での援助や見守りを実施しています。また、相談や調査の中で掌握した全ケースをカルテ方式で管理し、児童相談所と定期チェックを行う進行管理会議を開催して、漏れのない対応に努めています。  次に、要保護児童対策地域協議会の実情についてでありますが、大きく3段階の会議により運営を行っています。関係機関の代表者による会議で、ネットワーク総体の方針決定や構成員への周知を行うとともに、虐待を受ける児童と直接のかかわりを持つ関係者が参加するケース会議を適宜開催し、個別ケースの重篤度の判定や援助方針の決定など、具体的な対応を決めて援助につなげています。また、実務者による会議で、機関ごとの役割や対応方法を整理したマニュアルを作成するなど、実務課題の整備を進めているところです。  今後の協議会の方向性につきましては、実務者会議を中心に、身体面や精神面など医学的所見から潜在する児童虐待をチェックできる具体的かつ専門性の高いマニュアルを作成して、関係機関での活用を進め、児童虐待の早期発見と適切な対応を行うための連携力の向上につなげてまいりたいと考えております。  また、「こんにちは赤ちゃん事業」については、児童虐待の早期発見と予防のため、区内の新生児を持つ全家庭を対象に、助産師や保健師が家庭訪問を実施しているところであります。  訪問後の対応としては、育児不安や軽度の虐待ケースについて、保健所の母子保健事業や家庭訪問を中心とした地区担当保健師による個別支援を行いつつ、子ども家庭支援センターの子育てひろばへの誘導や育児支援ヘルパーの派遣、緊急一時保育を含めた保育園の利用やファミリー・サポートのボランティア紹介など、ケースの実情に合わせたアドバイスを行い、地域の資源を活用した支援を行っています。  さらに、より専門的な対応が必要と判断されるケースについては、虐待対策ワーカーが家庭訪問や面接を行い、児童相談所の一時保護につなげるなど連携した対応を図っているところであります。  次に、ファミリー・サポート事業の拡充についてですが、平成13年の開始後6年を経過した現在、当初の会員の幼児が小学生となり、利用が一巡する一方、南部地域の子育て家庭の増加などに伴い、新たな需要も顕在化しています。  年間利用回数が9,000回と、当初の4倍を超えてふえ続ける中、9割近くを占めていた保育園、幼稚園の送り迎えのための利用が6割程度に落ち込む一方、学童クラブの送り迎えのための利用が15%に急増し、また、保護者の病気や急用時の子どもの一時預かりといった在宅子育て家庭の需要も25%に達するなど、利用目的の多様化がますます進んでいます。  利用者のニーズを的確に把握し、需要に対応するためには、身近な地域で協力していただけるボランティア協力会員の確保が欠かせません。  本区といたしましても、ご質問にありました協力会員の拡充対策についてのさまざまな方策の実施に着手しているところであります。会員募集のための講習会の開催について、新設マンションの管理組合を直接訪問して居住者への周知を依頼したり、養育家庭発表会など他のイベントを活用した広報活動などに取り組んでいます。さらに今後は、講習会の平日開催回数の増や土曜日開催、豊洲など需要の高い地域への講習会場設定、大量退職を迎える団塊世代をターゲットとした周知など、有効と考えられる手法を検討し、実施していく予定です。  子育て家庭の近隣に一人でも多くの協力会員の参加を得ることを目標の第一に掲げ、有効と考えられる取り組みに着手してまいります。また、協力、利用の両会員の利便性を向上させるため、会員資格の年齢制限の緩和や利用事由の適正化などを進めることにより、地域ボランティアによる子育て地域力の向上を後押ししてまいります。  なお、保護者の急な残業などで必要とされる夕方から夜間にかけての援助については、仕事と育児の両立を目的として制度設計されたファミリー・サポート事業が本来、一義的に担うことを期待されている支援であり、現状においても、手助けを必要とする利用会員が近隣の協力会員と継続的なサポート関係を築く中で、柔軟な対応を行っています。さらなる充実に向けて必要なのは、数多くの協力会員の獲得であり、今後とも知恵を絞りつつ、鋭意取り組んでまいりたいと考えています。  なお、ふれあいサービスによる食事の用意や洗濯などの家事援助ヘルパーの派遣については、ファミリー・サポート事業の充実を図る中で、支援内容の精査や一体的なサービス提供の方策等の課題について整理を進めてまいります。  次に、母親の出産や家族の急な入院などで、一時的に家庭で保育ができない場合の緊急一時保育については、認可保育所のほか、保育室及び家庭福祉員制度の中で実施しております。平成18年度においては、認可保育所で137名、延べ1,522日の利用がありました。緊急一時保育につきましては、乳幼児人口の増加とともに利用希望者も増加しておりますが、現在のところ、認可保育所ですべて対応できている状況でございます。  また、育児疲れのリフレッシュや通院などで利用のできる非定型一時保育につきましては、昨年度、1,901名、延べ6,966名の利用がありました。  次に、一時保育の保育料についてでありますが、緊急一時保育については、通常の月額保育料を基礎に算定しており、その差につきましては、認可保育所と保育室、家庭福祉員制度における月額保育料の違いによるものであります。  また、非定型一時保育については、専用保育室の設置や専任保育士の配置等が必要であることから、緊急一時保育に比べ、保育料が高くなっております。一時保育事業につきましては、在宅子育て世帯に対する重要な支援策であると認識しており、利便性の確保の視点から、その整備、拡充に努めてまいります。     ───────────────────────────────────── 30 ◯議長(佐藤信夫議員) 11番赤羽目民雄議員。    (11番赤羽目民雄議員登壇) 31 ◯11番(赤羽目民雄議員) 私は、日本共産党江東区議団を代表して、大綱3点について質問します。  まず、ごみ問題について質問します。
     ごみ問題の解決については、大量生産、大量消費、大量廃棄の社会を根本から改め、区民、事業者、行政の協働のもと、「廃棄物は出さない、資源をなるべくむだにしないで廃棄物は再資源化していく」という環境に負荷をかけない循環型社会を目指すことです。しかし、国内の実態は、その逆を行っています。一般廃棄物の焼却施設は、現在、全国に1,300を超える施設があり、イギリスではわずか15しかないことからも、いかに我が国のごみ政策が、「ごみを減らす」ことではなく、「ごみをどう処理するか」に偏っていることがうかがい知れます。今では焼却施設を大型化、広域化し、一般廃棄物の焼却能力は全国で1日当たり20万トンとなり、実際に焼却されるごみの量は11万トンしかないため、ごみ減量どころか、ごみが足りないという状況が生まれています。  こうした大量廃棄型、焼却主義を改めて、国や企業など拡大生産者責任を明確にし、ごみの発生抑制に重点を置く政策への転換が求められていると思いますが、区の見解を伺います。  本区においても、ことし3月に一般廃棄物処理基本計画が改定され、これまでのごみ行政の方向が大きく変わりました。これまで不燃物だったプラスチックを可燃ごみとして収集し、清掃工場で燃やし、焼却時に発生するエネルギーを回収し利用するサーマルリサイクルが、ことし10月からモデル収集が実施されています。最終処分場の延命を理由に、23区の区長会の方針に基づき、2008年度の本格実施に向けて行われていますが、これまでのごみ発生抑制や地球環境保全に逆行するものです。  廃プラスチックの焼却について、専門家は「プラスチック製品は添加剤という多種類の化学物質などで構成され、高温で燃やすことでダイオキシンより発がん性、毒性の強い物質が数百万種類も生成される。そのほとんどが未解明のものであり危険だ」と指摘しています。廃プラスチック焼却で生じるダイオキシンや有害物質について、区の認識を伺います。  本区には、新江東清掃工場、有明清掃工場と大型焼却施設が2カ所あり、東京区部から発生するごみの約16%を焼却しています。今後、サーマルリサイクルが本格実施されれば、他の自治体とは比較にならないほどの大量の廃プラスチックが区内で焼却されることになり、区民の健康と環境に影響を与える危険性が高まります。長年、本区はごみ問題に苦しめられ、「自区内処理の原則」「迷惑負担の公平性」を掲げ、23区に提起するなど、ごみ問題のリーダーシップをとってきました。サーマルリサイクルの実施は、迷惑負担の公平どころか、迷惑負担の拡大につながります。サーマルリサイクルの見直しを求めますが、区の見解を伺います。  サーマルリサイクル実施を前に、容器包装リサイクル法の改正を契機に廃プラスチックの資源化が広がり、ことし10月現在、東京23区中12区でプラスチック製容器包装の資源回収が実施されています。江戸川区では、シャンプーなどのボトル、カップ、卵のパック、レジ袋など7品目を資源ごみとして回収しており、杉並区と中野区では、容器包装プラスチックを資源ごみとして回収することを区内全域に広げています。ごみ先進区としてリーダーシップを発揮してきた本区だからこそ、廃プラスチック焼却を改め、発泡トレー以外の容器包装プラスチックの資源回収を区内の全集積所で実施し、多分別回収の抜本的な拡充を行い、ごみ減量を図るべきと考えますが、区の見解を伺います。  次に、事業系ごみ処理手数料の値上げについて伺います。  来年4月から実施される事業系ごみ処理手数料の値上げは、区内の零細企業や商店、障害者作業所などの経営、運営に大きく影響することは明らかです。ある障害者作業所に伺ったところ、「ごみ経費が今でも月平均9,000円と高額なのに、これ以上ふえたら運営が厳しくなる。障害者自立支援法の施行で、ただでさえ負担がふえているのに」と頭を抱えていました。景気回復が一部の大企業だけのもので、地域の商店や零細企業はまだまだ不況のただ中にあり、ごみ処理手数料の値上げは許されない負担増です。区内の零細企業や商店、障害者作業所などの事業系ごみ処理手数料の減免を行うべきと考えますが、区の見解を伺います。  次に、都立墨東病院問題について質問します。  東京都が都立墨東病院を地方独立行政法人化に移行させようとしている問題について、多くの区民や患者、団体、病院関係者から都直属で存続してほしいという声と運動が大きく広がっています。しかし、東京都の都立病院経営委員会は、11月26日に、制度的には非公務員型の地方独立行政法人が最も柔軟な経営形態と報告をまとめました。  独立行政法人化をめぐって、これまでに移行された国立大学病院、大阪府立病院などでも問題が指摘されています。国立大学病院では、国からの交付金が3%削られ、医療費を3%節減しなくてはならず、合計6%の負担にこたえることは現実的に不可能、「国立大学病院が白い廃墟となる」と告発されています。大阪府立病院では、法人化によって行政職を76人削減したため、職員の給与や交通費の誤支給、患者や職員の質問に答えられる人がいなくなって、法人に対する信頼を損ねています。また、経営効率が優先されることから目標に追われ、「やりがいがなくなった」と年間200人もの看護師が退職、その後、採用年齢を40歳まで引き上げましたが、看護師を確保できない事態になっています。こうした問題が示しているように、地方独立行政法人では必要な体制が保障されず、患者に負担を強いることは明らかです。既にさまざまな問題が指摘されている地方独立行政法人化問題について、区はどのような見解をお持ちですか、伺います。  都立墨東病院の果たしてきた役割でも明らかなように、これまで周産期医療や精神科救急、リウマチなど難病やリハビリといった採算の合わない行政的医療を担ってきました。墨東病院の平成17年度の経常収支は6億円の赤字ですが、東京都が補てんし、こうした医療を守ってきました。しかし、独立行政法人になると必要な補助金が削られ、不採算の医療が継続できなくなります。  江東区はこれまで、都立墨東病院の持つ重要な役割を認めながらも、地方独立行政法人化を進める都の動向を見守るとしてきましたが、このまま法人化が進められれば、区民に大きな影響を及ぼします。区民の命と健康を守るという自治体本来の責任を果たし、都立墨東病院を都直属で存続させるよう東京都に強く働きかけるよう求めます。伺います。  最後に、ワーキングプア、労働問題について質問します。  「働いても、働いても生活が楽になりません。ワーキングプア、格差社会を本気でとめてほしい。安心して働ける江東区にしてほしい」日本共産党江東区議団がことしの夏に実施した区民アンケートに寄せられた声です。ワーキングプア増大の原因は、構造改革の名のもとに進められてきた派遣労働法など、労働法制の改悪によるものです。ワーキングプアの広がりは、ネットカフェ難民といった新たな問題を生じています。  厚生労働省の全国調査では、全国で5,400人もの方が家賃分の収入も得られず、インターネットカフェで生活していることがわかりました。しかも、ネットカフェ難民の多くは、20代から30代で、若者を取り巻く雇用状況がいまだ深刻な事態であることが浮き彫りになりました。先日、私が区内数カ所のネットカフェに伺ったところ、常時二、三名の方が寝泊まりをしているというお話を聞かせていただきました。本区内においても、ネットカフェ難民が存在するほど身近な問題になっています。こうした問題を解決するためには、実態を把握することが重要です。江東区独自に実態調査を行い、ネットカフェで暮らしている方が生活再建できるよう家賃助成制度を創設し、政府に対し、労働法制の改正を求めるべきと考えますが、見解を伺います。  本来、住民の命と暮らしを守るべき江東区が率先して正規雇用をふやし、労働条件の改善に努め、ワーキングプアをなくす先頭に立たなければなりません。しかし、行政改革の名のもとに正規職員を非常勤やパート、臨時職員に置きかえたり、公立保育園や児童館、さらに、窓口業務の民間委託を推し進め、非正規雇用を広げ、新たなワーキングプアを生み出していることは大問題です。江東区の臨時職員の時給は890円と、区内で働く高校生の平均時給よりも安く、非常勤職員の賃金は正規職員とほぼ同じ仕事をしているのに、時給ベースで正規職員の半分以下、一生懸命働いても、いくら技術を身につけても、区民の暮らしに貢献しても、昇給や一時金、退職金がありません。せめて残業代だけでも払ってほしいという切実な声も聞かせていただきました。国の人事院勧告でも初めて非常勤職員の適正な待遇について触れられました。非正規職員の待遇の改善は、地域で格差に苦しんでいる労働者全体の底上げにもつながります。江東区は非正規雇用の拡大をやめ、正規雇用をふやし、臨時職員の最低時給を1,000円以上にするなど、待遇改善を図ることを求めます。伺います。  次に、本区の国民健康保険料徴収嘱託員は時給770円で、報酬は月によっては10万円程度にしかなりません。また、区から支給される徴収経費も不十分で、徴収先と連絡をとる際に使う携帯電話の通話料や、訪問に使う自転車が故障したときの修理代など、経費の多くを自己負担しています。公金を受領し、管理する上でも正規職員を充て、行わなければいけない事業を非常勤に丸投げし、十分な手当をしない区の態度はひどすぎます。携帯電話の貸与や必要経費の増額など改善を求めますが、区の見解を伺います。  次に、労働法制の周知について伺います。  これまで私たちは労働に関するトラブルや労働法を知らないがゆえに不利益を受ける青年を少しでも減らすために、東京都が発行している「ポケット労働法」の普及を再三求めてきました。昨年度、労働相談情報センター亀戸事務所の相談件数は、過去最高の7,321件でした。これらの中には、労働法の知識があればトラブルにならず、不利益を受けずに済んだのではないかと思われるものもあったはずです。  台東区や日野市では、成人式で新成人に配布、お隣の中央区では、ホームページにリンクを張って啓発活動を行っております。本区としても積極的に取り組むべきではないでしょうか。伺います。  さらに、安心して働ける環境を整えるためにも、青年への健康診断の実施は重要です。非正規で働く青年労働者には定期的な健康診断の機会はありません。高校、大学を卒業してから何年もの間、健康診断を受けられずに、気がついたときには重い病気になっていた、こういう若者も少なくありません。葛飾区では要綱を作成し、20代への健康診査、子育てママの健康チェックを実施しています。千代田区では、平成15年度から区民健康診査の対象を20歳まで引き下げ、年間で約450人の青年が受診、大変喜ばれています。港区や杉並区でも30歳から実施をしています。本区においても、若者が健康の心配なく働き、暮らせる環境をつくっていくために若者向け健康診査の創設を求めます。区長の見解を伺いまして、私の質問を終わらせていただきます。  ご清聴ありがとうございました。(拍手)    (山崎孝明区長登壇) 32 ◯区長(山崎孝明) 赤羽目民雄議員のご質問にお答えいたします。  1点目のごみ問題の基本についてですが、本区では、発生抑制を施策の大きな柱と位置づけ、事業者による発生抑制を促進するため、拡大生産者責任による環境負荷の少ないものづくりや簡易包装の推進などを働きかけることとしております。また、拡大生産者責任の進展に向け、「全国都市清掃会議」などの全国組織を通じて、国等に対し法改正等も要望しております。  次に、廃プラスチック焼却についてですが、サーマルリサイクルを既に実施している政令指定都市や、平成18年7月よりモデル事業を実施している品川区ほか4区における実証確認等の結果などからも安全性は確認されておりますが、今後とも注意深く見守ってまいります。  次に、迷惑負担の拡大につながるサーマルリサイクルの実施についてですが、本区といたしましては、可燃ごみの増加などを伴うサーマルリサイクルの本格実施には、負担の公平化の実現が前提であると考えております。現在、23区において是正策が鋭意検討されており、その解決に向けて取り組んでまいります。  次に、多分別回収の抜本的拡充についてですが、プラスチック製容器包装は資源化の過程で半分程度が残渣となるなどの技術的課題や中間処理等に多額の経費を要することなどから、現時点では、プラスチック製容器包装の全集積所での回収は考えておりません。  また、多分別回収の拡充につきましては、現在、廃蛍光管回収に取り組んでおり、他の品目については、今後、費用対効果等も勘案しつつ研究してまいりたいと考えております。  次に、事業系ごみ処理手数料の値上げについてですが、現行の廃棄物処理手数料は、平成6年に改定されて以降13年間改定されておりません。このため、実際のごみ処理経費と処理手数料に大きな乖離が生じているため、その是正を図るものでありますが、改定に当たっては、事業者の負担増も考慮しつつ、乖離額の一定部分のみを改定額としたところであり、減免措置を設ける考えはありません。  なお、その他のご質問につきましては、所管部長から答弁いたさせます。    (井口ちよ保健所長登壇) 33 ◯保健所長(井口ちよ) 次に、都立墨東病院問題についてのお尋ねであります。  まず、地方独立行政法人化問題の件についてお答えいたします。  都は平成18年7月に策定した行財政改革実行プログラムで、都立病院について、地方独立行政法人化などを視野に入れ、経営形態の検討を行っておりましたが、有識者による都立病院経営委員会で本年11月26日に報告が発表されました。報告によれば、事業運営の自立性が高まり、公務員の制約にとらわれない柔軟な対応が可能になり、さらに機動性、弾力性が向上し、より経済性が発揮できるなどという総合的な判断のもと、制度的には非公務員型の一般地方独立行政法人が最も柔軟な経営形態であるとの考え方が示されたと認識しております。しかし、同時に、他の道府県での導入事例が極めて少なく、現段階では十分な検証がなされていないことなど、解決すべき諸問題が挙げられたところであります。  都ではこの報告を踏まえ、今年度中に第2次都立病院改革実行プログラムを策定することとしております。今後、都議会における諸課題の議論など、区としては注意深く推移を見守ってまいりたいと存じます。  次に、都立墨東病院を都直属で存続させることについてお答えいたします。  同病院の役割については、区東部二次保健医療圏を中心に広範な地域を対象に、高度・専門的な医療を提供しております。都立病院改革実行プログラムにおいては、再編整備後においても、周産期医療などの行政的医療のほか、複数のセンター的機能を有する区部の基幹となる都立病院としての役割を果たしていく基本方針に変わりはないとしております。  また、地方独立行政法人の場合、原則として独立採算ではありますが、法人の設立者である地方公共団体が負担する経費の基本的な考えは、現行の一般会計繰出金の考えと変わりはありません。  医療を取り巻く環境は、ここ数回の診療報酬の引き下げや医師不足の深刻化などで自治体病院の経営にも大きな影響を及ぼしている状況にあると言われます。したがいまして、高齢化の進行による医療需要の増大など、今後一層厳しさが増すことが見込まれる医療環境の中で、一方で、変化に対応した病院運営が必要なことも確かなことでございます。  本区としましては、江東区民の利用割合が高い現状を踏まえ、今後とも区部の広域基幹病院として都民の安心と安全に寄与し、充実した医療サービスを提供していく重要な役割を果たしていくことを基本に、都の動向を見守ってまいりたいと存じます。    (平松宏章区民部長登壇) 34 ◯区民部長(平松宏章) 私からは、ワーキングプア、労働問題に関するご質問にお答えいたします。  まず、ネットカフェ難民についてであります。  東京都では、低所得者生活安定化プログラムを策定し、その中で、ネットカフェ難民について、来年度からサポートセンターを設置して、生活、居住及び就労支援に取り組むこととしておりますので、区独自の実態調査及び家賃補助は考えていないところであります。  また、労働者派遣法を含む労働法制については、労働市場を取り巻く状況の変化と課題に対応するため、国会の審議を経て定められていることから、今後の国の動向を見守ることとし、改正を求めることは考えておりません。  次に、本区の非正規職員の待遇についてであります。  非正規職員は、時期的、あるいは時間的に繁閑のある業務や、専門的な知識を有する業務などで活用しており、効率的な区政運営のために必要と考えております。  また、非正規職員の報酬等については、それぞれの職務内容や勤務形態、民間及び他の自治体の状況などを考慮して定めており、現時点で適切なものと考えておりますが、格差社会の是正という課題もあり、現在、国や他の自治体の動向を踏まえ、その処遇について検討しているところであります。  次に、国民健康保険料徴収嘱託員の待遇についてであります。  徴収嘱託員は、滞納している被保険者の生活実態に合わせた徴収を実現するために導入したもので、その職務も一定時間を拘束するものではなく、報酬は徴収の実績に応じたものとなっております。このため、徴収の実績に応じて必要となる携帯電話等の経費もその中で対応いただくことを前提としております。  さらに、昨年度からは、そうした経費に固定的な経費も含まれていることを勘案し、徴収経費として報酬に上乗せして支給しており、待遇としては実態に即したものであると考えております。  次に、ポケット労働法の配布についてでありますが、ポケット労働法の冊子は、亀戸労働相談情報センターでも一般に配布されており、また、東京都のホームページからも、ポケット労働法の冊子を含め、各種の冊子のすべてを出力できることから、区独自の冊子の作成は考えておりません。  次に、青年への健康診断についてであります。  本区では40歳未満の区民を対象に、4カ所の保健相談所において、毎月1回、無料で生活習慣病予防健診を行っております。そのほか、毎月2回実施している一般健康相談では、身体測定、血圧測定、胸部レントゲン検査、肝炎ウイルス検査を無料で受けることができますので、青年の方々が区の健診の機会を利用し、自らの健康管理ができるよう、今後とも普及啓発に努めてまいります。     ───────────────────────────────────── 35 ◯議長(佐藤信夫議員) 41番吉田明議員。    (41番吉田明議員登壇) 36 ◯41番(吉田明議員) 私は、民主クラブ所属議員として、区長及び執行機関の方に、2点について質問をさせていただきます。  初めに、都区のあり方と今後の行財政運営の基本姿勢について伺います。  地方分権は本来、行政、議会、住民のすべてがみんなで知恵を出し合い、その地域に合った施策を展開していくことが基本であり、その前提として、まず、財源の確保がなくては地方分権はあり得ません。現実はまさしく、財源の確立がなくては行政運営は成り立ちません。言うまでもなく、行財政運営の基本は、最小の費用で最大の効果を上げることであります。本区においては、いち早く行政と議会が一体となり、職員定数の適正化を実施し、施策や組織の見直しを進めた結果、人件費換算で442億円の削減を実現いたしました。一方、平成18年度の決算ベースで見ていくと、経常収支比率71.6%、実質収支比率4.5%、公債費比率3.7%、基金と区債残高の差が256億円と極めて健全な財政運営に意を持って進められてきたこと。とりわけ、行政の唯一と言っていい財産である職員の削減に努めたことをまずもって評価させていただきます。  しかし、本区を取り巻く環境は、必ずしも楽観してばかりはいられない状況が数多くあります。区民ニーズが多様化する中で、新たな行政需要がより求められておりますが、とりわけ本区の特性でもある人口急増に伴う保育需要の拡大であります。本来は南部地域を中心とした若年層の増加は率直に歓迎すべきでありますが、気がついてみると、いつの間にか歳出で一番多い民生費450億円のうち45%が子どもにかかる費用であり、今後ますます施策の充実が求められ、対応しなくてはなりません。まず最初に、この点について、いかなる展望、認識をお持ちか伺っておきます。  本区にあっては、入りをはかる面では、都区財政調整交付金と特別区民税の適切な確保が基本となることは論を待たないところであります。さきに述べたように、都心に近い本区の地理的状況を考えると、私は、特別区民税は緩やかに右肩上がりで推移すると思われます。  そこで、現行の都区制度を前提とした上で、特別区交付金をいかに制度的にも交付額の面でも安定的に確保していくかが当面の最重要課題であると私は考えます。  しかしながら、特別区制度調査会においては、東京大都市地域における行政の一体性について、基礎自治体の横断的な事務処理機構が必要になるシナリオ1と、一般の府県と市町村の関係になるシナリオ2についての論議がなされております。と同時に、本年1月からスタートした「都区のあり方検討委員会」において、事務の役割分担、区域のあり方、税財政制度問題について論議をしているところです。本来、この問題は同時並行で議論していくべきと考えますが、特別区制度調査会と都区のあり方検討委員会の整合性について、どのようにお考えかお伺いをいたします。  都区のあり方検討委員会において仄聞するところによると、移管検討事務444項目は承認されたが、23区再編を事務配分とセットで論議したい都側と、事務の配分がまず先とする区長会側の意見と大きな開きがあると聞いております。なぜ都側はこの時期に23区再編を強く打ち出しているのでしょうか。本来ならば、都の権限・権能が減少する再編問題に否定的であるのが都側の立場では当然です。現在、大都市圏と地方の格差是正で言われる「東京富裕論」、すなわち都税収入の半分近くを占める法人二税を地方に配分せよという政府・与党、とりわけ総務省を中心に、来年度予算案に何とか組み込もうという動向に対し、いち早く都は財政再建中の夕張市へ職員などを派遣し、地方を支援する姿勢を見せることによって、この圧力をかわそうとしています。しかしながら、都の再編が一向に進んでいない中で、この間、3,300あった自治体がいつの間にか1,800になったように、私は国の真のねらいは、さらなる再編、特に都市部をターゲットに現在の都道府県制度を廃止し、道州制度の確立にあると考えます。そして、都側は、ことの本質を承知しているがゆえに、事務配分と23区再編を同時並行で進めることにより、危機感を持って国の思惑をかわそうとしていると私は思います。私は、将来的には独立を目指す特別区制度調査会のシナリオ2の自らの規模、能力に応じた体制を整え、権限や財源を徹底的に移し、地域に応じた施策を展開し、消防、上下水道の事務を行う一般の「市」になる普通地方公共団体になることを目指すべきであると考えます。しかしながら、さきに述べたように、本区の財政基盤がまだまだ脆弱であり、再編問題に絡む数多くある難題を考えるならば、現行の財調制度を堅持し、今後予測される保育などの膨大な行政需要に対し、今のうちに財政力をつける中で、長年の「大都市地域における行政の一体性」から名実ともに解放され、都区のあり方検討委員会に臨むべきであり、当面は444項目の事務配分の議論を優先すべきであると考えますが、区当局のご見解を伺います。  次に、妊産婦、乳幼児への水銀蓄積予防対策について伺います。  水俣病でもわかるとおり、有機水銀、とりわけメチル水銀の毒性は、各研究機関や厚生労働省の調査でも明らかになっています。メチル水銀は、妊娠中の母親から胎児へ移行し、先天的な負荷を負わせてしまいます。特に胎児の脳には、母親より1.5倍から2倍蓄積されるという事実も出ています。ご承知のように、メチル水銀は神経毒性が非常に強く、細胞、遺伝子レベルで悪影響を与え、大きいところでは、免疫力の低下によってアレルギー、アトピー、細胞の老化、リウマチなどの膠原病の原因でもあります。また、感覚異常や不眠、イライラなど、さまざまな症状を引き起こすことから、最近ではエチル水銀とあわせて自閉症の原因とも言われ、各国の研究機関から調査報告が出ています。  このような状況において、2003年には厚生労働省が「水銀を含有する魚介類等の摂取に関する注意事項」を発表し、注意を促しています。厚生労働省の「水銀を含有する魚介類等の摂取に関する注意事項」とともに、さらに妊産婦と乳幼児が、メチルとエチルの両水銀を摂取する可能性のあるものに対して、適切な注意喚起と行政指導、検査体制の確立をまずお願いいたします。  妊産婦と乳幼児が有機水銀を摂取する可能性があるものとして、1つは、歯科用アマルガムがあります。これは虫歯の充てん剤であり、組成は水銀50%、銀35%、すず9%などです。最近の使用は減少傾向にあるとはいえ、1970年から1990年代には、全国で年間4トンから10トンが使用されたそうです。10代に歯科医院でアマルガムの治療を受けていれば、20代の結婚、出産年齢です。アマルガムに使用される無機水銀は、体内でメチルコバラミンという物質により水俣病の原因となったメチル水銀となります。さらに劣化が進むと溶解は早くなると言われています。  そこで、幾つか伺います。区内の歯科医師会と協力してアマルガムの使用状況を調査し、アマルガムなど金属充てん剤にかわるレジンを勧め、アマルガムの除去促進を喚起する必要があると考えますが、区当局の見解を伺います。  さらに、歯科医院の治療、除去でアマルガムを削ることにより水銀が下水道へ入ります。下水道法による総水銀の排除基準は、1リットル当たり0.005ミリグラム以下となっています。産業廃棄物として適切に処理されているかも伺います。  2つ目は、インフルエンザワクチンについてです。  インフルエンザワクチンは不活化ワクチンであるため、エチル水銀のチメロサール(水銀防腐剤)が添加されています。チメロサールも有機水銀であり、化学構造もメチル水銀に近いと言われ、後遺症としては、発熱、じんましんなどと明記されています。さきにも述べたように、水銀と自閉症の因果関係について研究報告が取りざたされているのも事実です。アメリカ科学アカデミーの医学協会が、ワクチンとチメロサールの自閉症に対する因果関係が否定も肯定もできない現在、チメロサールを含まないワクチンに変えるべきと勧告。同じように、アメリカの小児科アカデミーと合衆国衛生サービスも同じ勧告を共同声明で出し、WHO(世界保健機構)が2000年に勧告に対する支持を出しています。  一方、国内では、横浜市の調査では、1979年以前の療育手帳(知的障害者手帳)の発行数は毎年200人前後でした。そのときの出生数は、1975年で4万9,110人で、その後減少が続き、1979年には4万人前後になりました。ところが、インフルエンザワクチンと同じチメロサールが添加された不活化ワクチンのDPT(三種混合)ワクチンが始まった1981年以降は、療育手帳発行は500人以上となっているそうです。1992年には801人とふえています。出生数は3万2,383人と減っているにもかかわらずです。また、ご案内のように、前橋医師会のインフルエンザワクチンの接種追跡調査で、効果が低いとされているにもかかわらず、本区は高齢者のインフルエンザワクチン接種に、年間約1億円の予算を使っています。チメロサールが平成6年当時より減少したとはいえ、危険にかわりはないと考えます。子どもへのインフルエンザワクチンは任意接種ですが、タミフルの異常行動の因果関係への問題から、医療機関によっては勧めているというのが現況です。  そこで伺います。微量ではありますが、水銀が入っていること、乳幼児に影響を与える可能性など、接種医による必要なインフォームドコンセントがなされているのでしょうか。なされていない場合は、予防接種医療機関で説明するよう指導していただきたい。また、任意の予防接種を希望する場合は自費で受けるべきと考えますが、いかがでしょうか。  あわせて、本区では今後、乳幼児の著しい増加が予測されていますが、健診などの場を利用して、予防接種やチメロサールが含まれていないワクチンを希望できることなど、一人ひとりに丁寧な対応が必要とされていますが、区当局のご見解を伺いまして、私の質問を終わります。  ご清聴ありがとうございました。(拍手)    (山崎孝明区長登壇) 37 ◯区長(山崎孝明) 吉田明議員のご質問にお答えいたします。  都区のあり方と今後の行財政運営の基本姿勢についてのご質問のうち、まず、本区の行財政運営の展望、認識についてでありますが、平成12年都区制度改革により、都を広域自治体とし、特別区を基礎自治体とする二層制の自治が実現し、現在、都区制度は新たな時代に入っております。  都と区は互いに連携する一方で、適切な役割分担のもと、地域住民の福祉向上を図っていく必要があり、その施策展開のため、財源の確保が欠かせないことはご指摘のとおりであります。  そこで、まず民生費、中でも子どもにかかる費用の増加、施策の充実に関する展望、認識についてのお尋ねでありますが、少子化対策の必要性に加え、人口の急増という本区特有の事情から、保育を初めとする子育て支援施策に対する需要は今後も高い水準で推移していくものと考えております。  私は、今後、子育て支援を区政における最重要課題と位置づけ、全力でバックアップするという考えに立ち、未来を担う子どもたちが健やかに成長できる環境整備に全力を傾注してまいります。そのための財源確保は容易なことではありませんが、行財政改革の着実な実施や施策の選択等を行いつつ、基金、起債の活用による対応を図っていく考えであります。  次に、特別区制度調査会と「都区のあり方検討委員会」との整合性についてのお尋ねであります。  特別区長会は、平成15年10月に特別区制度調査会に対し、制度改革後の特別区のあり方に関する調査研究を諮問し、平成17年10月に「東京における新たな自治制度を目指して」という第1次報告がまとめられたところであります。この報告では、各特別区が現状の区域のままであることを前提とした上で、東京大都市地域において一体的に処理すべき行政を都に預けるのではなく、住民に身近な基礎自治体たる特別区が自ら処理するとすれば、どのような制度が理論上考えられるのかという観点に立って、ご指摘のとおり、2つのシナリオを示しております。  具体的には、一体的に処理すべき行政の必要性が大きいと判断する場合、都にかわる新たな共同処理機関を設置するシナリオ1と、逆に小さいと判断する場合には、一般市へ移行するシナリオ2が提起されております。  具体的な制度設計や財政の仕組みなどは、今年度中に第2次報告としてまとめられる予定でありますが、今後の特別区のあり方に関する極めて重要な方向性を提示するものであると認識いたしております。  また、特別区制度調査会は、第2次報告をまとめるにあたり、道州制や大都市のあり方など、国や都の議論の行方を見定める一方、区長会との意見交換を行い、将来の特別区の具体像を提示するものと聞いており、したがって、その報告は、今後「都区のあり方検討委員会」での東京都との議論を進める上で、特別区側の理論構成を側面からサポートするものになると考えております。  次に、都区のあり方検討委員会に対する本区の姿勢でありますが、都区のあり方検討委員会は、平成18年2月の都区協議会において、懸案でありました主要5課題に係る合意事項の一つとして、本年1月に都区共同で設置されたものであります。  検討委員会では、事務配分、再編を含む区域のあり方及び税財政制度の3点について、平成20年度中に基本的方向性をまとめることとしており、現在、府県事務を含め444項目の事務について、都と区のどちらが担うべきかを行政の一体性や効率性、専門性などの観点から検討し、対象事務の方向づけを行う作業に着手しております。その作業を進めていく上で、移管事務の効率的運営の観点から区域のあり方についても整理し、それに見合う税財政制度の構築を検討するという流れになっております。  この協議の中で、東京都は、事務配分と区域の再編は一緒に議論する必要があると主張しておりますが、特別区側は、事務配分が必ずしも区域の再編には連動しないこと、また、区民視点の欠如した再編を前提とした議論は困難であるとしており、都区間での認識に違いがありますことは、ご指摘のとおりであります。  区域の再編につきましては、各区の区域と日常生活圏との乖離や、特別区間の人口、財政面での格差なども指摘されており、将来的に避けて通れない課題であると認識しておりますが、それには都区間でさまざまな角度から検討を加えるとともに、再編統合によるメリット・デメリットを明らかにする必要があると考えております。  したがいまして、区といたしましては、都区のあり方検討委員会においては、基礎自治体優先の原則の観点から、事務配分見直しの議論を優先し、それに見合う財源の移譲を積極的に求めるべきであると認識しており、区域のあり方については、将来的な課題として今後、区議会とも十分な議論を重ねてまいります。  都側の考えと区側の考えがかなり乖離があることも事実でありますが、しかしながら、この問題は避けて通れず、ともに真摯な議論を重ねながら、私の感じでは、平成20年度と言いながらも相当時間がかかる問題だと思います。しかし、地方自治の原点というのは住民が第一でありますので、住民からの意見をかなり吸い上げるというか、自然に住民からの声が上がるのが本来の筋ですが、しかし、それを待っていたのでは、50年、100年改革はできないと思います。それにはやはり行政の我々、あるいは、区議会の先生方が、より一層リードする立場に立たなければいけないとも思っております。  なお、その他のご質問につきましては、所管部長から答弁いたさせます。    (井口ちよ保健所長登壇) 38 ◯保健所長(井口ちよ) 次に、妊産婦、乳幼児への水銀蓄積予防対策についてお答えいたします。  各国の水銀に関する調査を受け、平成17年度に国は「妊婦への魚介類の摂取と水銀に関する注意事項」を公表いたしました。これらのことを受け、保健所においても、両親学級などにおいて妊婦にパンフレットを配布するなど注意喚起を行っております。
     また、水銀が含まれている歯科用アマルガムの使用状況については、19世紀前半から使用が始まり、歯科材料として扱いやすいことから、長い間、歯科治療に対し頻繁に用いられてきました。現在も医療保険の適用にもなっておりますが、健康への悪影響が指摘されたり、歯科材料の進歩から、1980年代後半から使用が激減し、現在では、日本でもほとんど用いられておりませんので、現時点で調査の必要はないものと考えております。  また、医療保険適用になっていることから、アマルガムを除去するかは、歯科医師と患者のインフォームドコンセントにより行われるべきものと考えております。  除去されたアマルガムは、医療廃棄物として処理いたします。現在、一般に歯科で使用されている歯科ユニットにはバキューム装置がついており、削り取った破片もフィルターにより集められますので、適切な処置が行われていると認識しております。  次に、インフルエンザワクチンについてのご質問にお答えいたします。  インフルエンザワクチンは、その年の流行を予測してワクチンを製造するので、毎年接種が必要であること、また、保存剤としてエチル水銀のチメロサールが添加されていることなど、課題のあるワクチンです。この保存剤については、1999年にアメリカで自閉症との関係が懸念され、調査がなされましたが、2004年に出された結論は、因果関係を否定するものでした。しかし、使用を減らすようWHOからも勧告が出され、保存剤が添加されていないワクチンが製造され、出回るようになっております。  現在、予防接種は主治医のもとで個別接種により実施するようになっておりますので、十分な説明がなされ、接種を受ける方に適した製品が使用されているものと認識しております。  また、任意の予防接種につきましては、万が一副作用が発生した場合に、接種を受けた人が因果関係を証明しなければ補償が受けられません。補償の内容も予防接種法に定められている予防接種と大きな差があります。  国の制度上からも、任意接種については、接種を希望する方が自分で必要性などを考えて選んでいただくべき予防接種なので、情報を十分に理解された上で、自らの判断の上、自費でお受けいただくべきものであると考えております。  これからも予防接種の必要性やワクチンなどの情報は、お子さまの健診の機会などを利用して丁寧にお知らせしてまいります。     ───────────────────────────────────── 39 ◯議長(佐藤信夫議員) 24番榎本雄一議員。    (24番榎本雄一議員登壇) 40 ◯24番(榎本雄一議員) 私は、区議会自由民主党・無所属クラブの一員として、大綱3点につき質問させていただきます。  区長を初め、関係理事者の明快な答弁を期待いたします。  質問の第1点は、区長の区政に対する基本姿勢と、来年度予算編成の取り組みについて伺います。  この質問に関しましては、既に同僚議員から同趣旨の質問が出されておりますが、私なりの視点でお尋ねしますので、よろしくお願いをいたします。  山崎区長が本区第5代の区長に就任されてから半年余りが過ぎました。これまで中学3年生までの医療費無料化やさざんかカード発行に向けた準備といった自らの選挙公約実現のため、2度にわたり補正予算を編成されたこと、さらにここ数年、本区まちづくりの最大の課題であったマンション規制条例の問題について、基本的に受入困難地区を廃止し、学校や保育園などの公共施設の整備は区が最大限責任を持つと決断した積極的な姿勢は高く評価しますが、山崎区長にとって初めての予算編成がこれから佳境に入ります。そこで、予算編成を目前に控えた山崎区長の区政運営に対する基本的な理念を改めてお聞きしたいと思います。  今から16年前、室橋前区長は、当時の第3回定例会で、初めての補正予算編成時に「イメージアップ」「サービスアップ」「カルチャーアップ」のいわゆる「スリーアップKOTO21推進事業」を高らかに掲げました。この理念は区が定めた基本構想と同様に、その後の室橋区政の大きな指針となったことはご承知のとおりです。私は、地方自治体の首長にとって、予算編成時に基本理念を明確に掲げることは、住民に政策をアピールし、また、理解していただく意味でも、また、本区の職員に対して行政トップの意識を徹底させる意味でも非常に重要なことだと考えています。この点、山崎区長はどのような基本理念をもって区政を運営されようとしているのかお示しください。  次に、具体的姿勢としての平成20年度予算編成について伺います。  バブル経済崩壊後の苦しい時代を乗り越え、近年の本区の財政状況は極めて順調に推移しています。しかし、一方では、地域間格差の是正を理由とした地方法人二税の税源配分見直しや、都区のあり方検討委員会の議論、さらに、医療制度を初めとする各種制度の改革など、本区を取り巻く環境は予断を許さないものがあります。こうした状況の中、平成20年度予算編成について、まず、次の点で基本的な考え方を伺います。  1つは、マンション規制条例廃止にも関連した人口増加に対応する公共施設の整備、あるいは、再開発や観光振興を目的とした土地の取得について、どのような考えをお持ちでしょうか。豊洲、東雲、潮見等の人口急増地区や、亀戸、大島、砂町等の既成市街地において、既に具体的に土地取得の話が出ていると聞いておりますが、いかがでしょう。また、関連して、現在休眠状態である本区の土地開発公社をどう活用していくのかもあわせお答えください。  さきに述べたような、好転した財政状況や上昇に転じた土地の価格等を総合的に考えれば、私は、今が土地取得のタイミングであることは間違いないと考えますし、その意味では、積極果敢に土地を取得していくのも選択肢の一つであります。したがって、地元住民の理解が十分得られるまちづくりのため、例えば、地価の2分の1で取得できる都有地や、長期的展望に立った公共施設用地の取得は、大いに検討されるべきと考えます。また一方では、私の地元でもあります旧三大小や旧三大中など、統廃合後の公有地をどのように活用していくのかも議論の対象となっています。いずれにしても、公有地を取得するにせよ、売却するにせよ、その地域の特性と公共施設の全体的なバランスを十二分に勘案して判断する必要があると思いますが、区の考えをお聞かせください。  次に、財政運営の一つの大きなポイントである基金と区債の活用について伺います。  現時点で平成19年度末の基金残高は600億円を超え、また区債残高は350億円程度と見込まれています。そして、今後、多額の出費が予想される小中学校や保育園の土地取得や建設費用、あるいは、各種公共施設の改築や大規模改修に係る経費をどのような方法で捻出していくのか、大きな課題となっています。この点、基金と区債をどのような考え方で活用していくのか、その基本的な方針を持っておられるのかお尋ねをいたします。  一般的な財政指数とは異なり、基金と区債の適正レベルというのは、数字的には存在しませんが、区が現時点でめどとしている数字があればお示しください。この基金と区債の活用は、まさに区財政当局の手腕が問われる課題でありますので、率直なご答弁を期待いたします。  次に、本区の防災対策について伺います。  本年7月、新潟県中越沖地震が発生し、その被害状況や原子力発電所の状況を見るにつけ、地震災害のおそろしさを再認識させられました。また、2030年までに東京湾北部地域を震源とする震度6以上の地震が発生する確率は70%との説は、既に地球物理学の専門家の間では定説になっていると聞いております。加えて、地球温暖化の影響で海面水位の上昇や大型台風の襲来が問題となり、東京湾や各種河川に囲まれた本区においては、高潮対策も大きな課題となっています。  本年春、新しく議会が構成されてから、多くの同僚議員から防災に関するさまざまな質問が出されましたが、私からもこの機会に何点かお伺いをしたいと思います。  まず第1点目は、地域防災計画の見直し作業における避難所の拡充についてであります。  東京都は昨年5月、新たな首都直下型地震の被害想定を公表しましたが、それによると、マグニチュード7.3、冬の夕方6時、風速6メートルの条件下で、区内の避難所生活者数は約13万8,000人に達するとしています。ところが、現在の本区の地域防災計画における避難所の収容可能人員は、小・中・高等学校を含む公共施設に民間の施設を加えても123カ所、約9万7,000人となっており、およそ4万人分が不足する数字となっています。人口が急増している本区において、この数字以上の不足が明らかであり、早急に何らかの対応が必要と考えます。したがって、新たに幼稚園や保育園などを避難所として指定するとともに、区内に存在するホテルや旅館組合等と協定を結んで避難所の拡充を図るべきと考えますが、いかがでしょう。  次に、本区が毎年発行している「江東区防災対策の現況について」を見ると、それぞれの地域における災害協力隊ごとの一時集合場所、避難所及び避難場所が掲載されていますが、実情に全く合わない一時集合場所や避難所が見受けられます。これは町会側から要望のあったものを掲載したと聞いておりますが、ぜひ地元町会と再度検討して修正すべきであります。区のご見解をお聞かせください。  また過日、大島地区のある町会から、地元の都立ろう学校を避難所とすることはできないのかとの要望がありました。当該校は災害時における災害要援護者用避難所に指定され、また、本区と「障害者を対象とした避難所施設利用に関する協定書」を締結しており、原則的には、介護を要する障害者のみが使用できる施設であることを知りました。もちろん、施設の性格上、災害時に障害者の方を優先することは理解しますが、教室等で余裕のある場合は、一般住民の方も使用できる旨の条項を都との協定書につけ加えるべきと考えますが、ご所見をお聞かせください。  次に、備蓄倉庫の増設について質問いたします。  区は平素から、災害時に避難者に対して支給する当面の食料品や生活必需品を区内19カ所の防災倉庫や35カ所の小中学校に備蓄をしております。食料品については、クラッカー、サバイバルフーズ、アルファ化米などがありますが、数量的に心もとない状況であると考えます。さらに、区内の小中学校の中には、空き教室の関係で備蓄物資を備えていない学校もあります。したがって、余裕教室のない学校や幼稚園でも、空きスペースを利用して格納庫を設置し、積極的に備蓄物資の増量を図るべきと考えますが、いかがでしょう。  この点、本区の教育委員会の関係者にもぜひご理解とご協力を賜りますよう要望しておきます。  人口が急増し、また、地形的特徴から橋脚の多い本区にとって、災害発生時の応急物資の必要性は極めて高いと思われます。理事者の前向きな答弁を期待いたします。  次に、本区が位置する江東デルタ地帯における高潮対策について伺います。  地球温暖化による海面上昇の問題が深刻化しているのは、さきに述べたとおりです。また、2005年にアメリカを襲ったハリケーン・カトリーナ、ごく最近でも、バングラデシュでサイクロンによる高波で死者1万人以上の甚大な被害が出ているなど、世界的な規模での異常気象は、台風が頻発して来襲する我が国にとっても深刻な問題であります。本区の市街地の多くは、東京湾の満潮水面以下の、いわゆるゼロメートル地帯であり、隅田川と荒川沿い及び南の東京湾に整備された外郭堤防により防護された地域です。平成13年9月の台風15号では、区内に大きな被害をもたらした昭和24年のキティ台風に匹敵するA.P.プラス3.15メートルの高潮を亀島川水門で記録しましたが、防潮堤や水門の整備により、大きな被害には至りませんでした。このように、区民を守っている外郭堤防は、今から約40年前に整備されたと聞いておりますが、現状、課題や問題点はないのか、また、この外郭堤防の外側に位置する新木場、若洲、豊洲、有明、青海地区における高潮対策については、どのようになっているのかお答えください。  また、区部で高潮災害が想定される13区の区長及び区議会議長で構成する「東京高潮対策促進連盟」の会長を現在、山崎区長が務められており、先日も佐藤議長とともに、国土交通省に提案要求活動を実施されたと聞いております。要求書の内容は、河川、海岸両事業における防潮堤や水門、排水機場における耐震対策や管理システムのIT化などのための予算要求が中心となっています。私も平成16年に、室橋前区長と要請活動を行いましたが、本区以外の区の関心度は極めて低く、その傾向は現在も続いているとのことで、非常に残念であります。このような状況下、昨年12月に「10年後の東京」を策定し、災害に強いまちづくりを宣言した東京都も巻き込んで、国に強く要望することが肝要と考えます。今後の取り組みと展開についての区の考え方を伺います。  また私は、最近参加したシンポジウムで、ある著名な大学教授が「東京湾の高潮対策は昭和34年の伊勢湾台風を基準に設定されているが、いわゆるくさび型の伊勢湾とは異なり、地形的には袋状で、また、水深の極めて浅い東京湾ではどうなのか」と話されているのを拝聴しました。東京湾をホームグラウンドとした釣りを趣味としている私には実感させられるお話でありましたが、専門のコンサルタント会社に計算させても、水深の浅い東京湾では、仮に強い直下型地震が起きても、津波はせいぜい1.5メートルぐらいとのことであります。さらに、大型台風で気圧が下がり、暴風雨が吹いた場合は、どの程度の高潮の被害が出るのか、私には想像もつきませんが、この点も含めて、現在の国土交通省の東京湾における高潮対策について、区の見解をお聞かせいただきたいと思います。  次に、2016年夏の東京オリンピック開催を目指す招致活動について質問をいたします。  今月19日、東京オリンピック招致委員会は、26競技の会場配置を盛り込んだ開催基本計画を発表しました。それによると、ほとんどの競技会場をメーンスタジアムから半径8キロメートル圏内に集中させて、「世界一コンパクトなオリンピック」を掲げ、「人を育て、緑を守り、都市を躍動させるオリンピック」を開催理念としています。また、本区臨海部では、有明テニスの森、東京ビッグサイト、夢の島競技場、辰巳の森海浜公園、若洲、今後整備される中央防波堤内側の海の森などが競技会場となり、有明北地区に選手村が計画されていることは、既にご承知のとおりであります。  一方、我々江東区議会も昨年、オリンピック招致議員連盟を立ち上げ、ことしに入ってからは、早朝の駅頭キャンペーンや、1964年の東京オリンピックの映画鑑賞を兼ねた決起大会を開催してきました。そして、再来年10月の開催都市決定に向けて、今後さらに招致を盛り上げる運動を続けていかなければならないと考えております。  そこでまず、本区として今後どのような姿勢でこの招致活動に関与されていくつもりか。そして、予算面では、どのような対応を考えているかお聞かせください。  また先日、東京都の招致計画の担当者から、本区内に予定されている競技会場について説明を受けました。それによると、例えば水泳会場では、東京辰巳国際水泳場は飛び込みの会場として使用し、競泳やシンクロナイズドスイミング、水球競技については、隣接の辰巳の森海浜公園に特設会場を建設するとのことであり、また、馬術やアーチェリー競技は夢の島公園を利用すると聞きました。さらに、正式な競技会場のほかに選手の練習会場を確保することも課題であると伺っております。現時点では、計画段階の話ではありますが、日常、区民に利用されている夢の島公園内のスポーツ施設を初めとした区内の既存施設と、この五輪計画との整合性について、事前に東京都の担当者と十分協議する必要があると思いますが、区の考え方をお示しください。  さて、私自身、基本計画を発表した19日の決起集会に参加させていただきましたが、東京都はもちろん、JOCや体育協会、政界、財界、マスコミ、また、パラリンピック開催の関係から、障害者団体の皆さんに至るまで、各界・各層の方々が集まりました。そして、会長の石原都知事や事務局の話を聞いた限りでは、オリンピックの根本理念である世界平和の追求を初め、次世代を担う子どもたちへの感動、さらに、環境に極力配慮した具体性のある計画等、予想以上に地に足の着いた計画であると認識いたしました。さらに、1964年の東京オリンピックの際に使用された国立霞ケ丘競技場、国立代々木競技場、東京体育館、日本武道館などの施設も主力競技の会場として計画されていることは、四十数年の月日が流れても、国際競技場として十分通用するという、まさに日本人の英知と技術を世界に再認識してもらう絶好の機会になるのではないでしょうか。  この点、五輪開催は都市の乱開発につながると招致活動に反対をしている一部の方々のご意見もぜひ伺っておきたいと思っております。これまでIOCの開催国決定のプロセスを見る限り、立候補した国の世論の動向が大きなポイントとなることは、山崎区長も再三再四、区民の皆様に力説されてきたところであります。2016年オリンピック開催の最大のライバルと言われているアメリカのシカゴや、スペインのマドリードに打ち勝つためには、今後、都民のみならず、多くの国民に幅広い支持を求めていかなければなりません。山崎区長を初め、理事者の皆さんの力強い意気込みをぜひこの場でご披露いただくことを願い、私の質問を終わります。  ご清聴ありがとうございました。(拍手)    (山崎孝明区長登壇) 41 ◯区長(山崎孝明) 榎本雄一議員のご質問にお答えします。  区政に対する基本姿勢と、来年度予算編成の取り組みについてのお尋ねであります。  まず、区政運営に対する基本理念についてのお尋ねですが、私が区長に就任してから、はや7カ月が経過しましたが、この間に2度の補正予算を編成し、子ども医療費助成の拡大や保育施設の整備、さざんかカード事業への取り組みなど、区が直面する課題への対応や、区民福祉の一層の向上に心を砕いてまいりました。現在、私にとって初めての本予算となる平成20年度当初予算の編成作業を行っておりますが、私は就任当初より区政運営の基本姿勢として、「意欲」「スピード」「思いやり」を掲げ、これを機会あるごとに区の内外に示してまいりました。これが私の区政運営の理念とお考えいただければと思います。  改めて申し上げるまでもなく、江東区は大きな変貌のただ中にあり、日々刻々と変わりゆく区民ニーズを的確にとらえ、行政としてスピーディに対応していくことが区民の信託を受け、区政のかじを取る私に課せられた最大の使命だと思っております。また、区政運営に当たっては、職員一人ひとりが直面する課題に積極的に挑戦していくとともに、「チーム江東」として一致団結し取り組んでいくことが不可欠であります。  なお、「スリーアップKOTO21」のような、より具体的な指針は、私は室橋前区長の政策方針と考えておりまして、理念とは少し違うのではないかという印象を持っています。今後、基本構想や長期基本計画策定の中で検討していきますけれども、私が、区長選挙に出るに当たって、昔と違ってマニフェストという新しい考え方が出てきまして、室橋前区長のころの平成3年には、選挙でいろいろ公約と言いますけれども、そういったマニフェスト的な考え方はまだあまりなかった時代ですから、私も議員選挙でもそうでしたが、ああやる、こうやるというのはかなり軽く考えていましたが、今回、区長に立候補した折のマニフェストについては、時間と労力を相当費やしてマニフェストをつくり、しかも、それが絵にかいたもちではなくて、実現しないといけない。しかも、ある程度の期間も設定しなくてはいけない。あるいは、予算もある程度出さないといけない。これは大変なことでして、私はそちらにかなり労力を費やしました。そういった意味では、「スリーアップKOTO21」という政策方針というか、そういったものは選挙当時は具体的にはまだ打ち出しておりませんでした。そういった意味で、これからまた皆さんのご意見も賜りながら、政策方針という具体的なものを出していかなければいけないと考えておりますので、ご理解を賜りたいと思います。  次に、土地の取得及び公有地の売却についてであります。  現在、本区では有明地区における学校用地や、東雲一丁目の複合施設用地等の確保に努めているところでありますが、近年の本区の財政状況の好転や、土地価格の上昇などから、先行取得を含め、公共施設用地取得の環境が整いつつあることはご指摘のとおりであります。  そこで、本区としても用地取得の好機を的確にとらえた対応が必要であると考えておりまして、今後の公共施設整備や再開発、観光行政等の施策を展開していく中で、区民要望や全区的な施設のバランス等を十分に踏まえ、学校跡地等の区有財産の有効活用を図りつつ、長期的展望に立った公共施設用地取得について前向きに検討してまいります。  また、土地開発公社についてでありますが、ここ数年、地価が大きく上昇している豊洲、東雲地区等や、今後開発が見込まれる臨海部地域での先行取得に大きな効果が見込まれることから、今後の具体的な用地取得の中で、土地開発公社の活用を図ってまいりたいと考えております。  次に、基金と区債の活用についてであります。  本区における行財政改革への不断の取り組みは、議会や区民のご理解とご協力のもと、平成17年度末には11年ぶりに基金残高が起債残高を上回るなど、財政状況の急速な改善をもたらしました。こうした積年の努力の賜物である基金と起債余力は、将来需要と後年度負担、そして、長期的に安定した財政運営も勘案しながら、区民福祉向上のために活用していくことが極めて重要であると思います。  そこで、基金と起債の基本的な活用方針でありますが、まず、総合実施計画のハード事業や、今後策定いたします新長期基本計画における施設整備については、事業目的や適切な後年度負担を踏まえながら、積極的に活用してまいります。また、ソフト事業につきましても、安定的な区民サービス供給という観点から、財政調整基金等を有効に活用していく考えであります。  次に、基金と起債の目途としている数字に関するお尋ねですが、これはなかなか難しいのですが、新長期基本計画の内容や地域間格差是正をめぐる税源配分見直しの動向を初めとする財政環境の変化など、不確定要素が非常に多いわけです。今、都市と地方の格差ということで、財務省や政府が東京の財源を地方に回そうということで、当初、二、三カ月前は1兆円という話があったのですが、少しずつ抵抗に配慮してか、だんだん下がってはきているのですが、まだ確定はいたしておりません。法人二税は、東京にとっても、東京にとってということは23区にとっても重要な財源であります。しかも、この間ある数字を見ましたけれども、江東区民が区外に出ていく人数、それから、昼間、江東区で働く方、どこから来ているかといったデータもいろいろ調べてみますと、区民だけでなく、就業で来られる方に対する財政負担もかなりあるわけですから、そういった意味で、東京だけでも約二、三百万人が他県から昼間お越しになって働いて帰るという状況を見ますと、都の財政自体も、そういった意味では、豊かとは言いながらも大変な財政出動をしなければなりません。また、災害に対する問題、都市基盤に対する問題も相当な費用がかかるわけです。そういった意味では、法人二税等、地方に回されるということは大変な痛手ですから、私も財務大臣や総務大臣のところへ陳情に行きまして、ほかにも自民党の税制調査会に対しても、こういった問題をかなり詳しくお願いして歩いているところでございます。イギリスのサッチャー前首相が、「金持ちを貧乏人にしたからといって、貧乏人は金持ちにはならない」と言ったことがあります。東京が裕福だからといって、東京を疲弊させて地方が金持ちになって豊かになるかというと、決してそうではないわけです。東京が持っている潜在力は日本を引っ張っているわけですから、そうした意味では、今ですら東京の国税が地方に、都民1人当たり140万円納税している。そのうち東京に戻ってくる国税は9万7,000円ぐらいです。そのように、東京は地方に対してそれだけの貢献は、今もう既にしているのです。そのほかに分割基準の見直し等で、東京の財源はかなり地方に行っているのですから、それをまたここでひっくり返そうというのは、私は大間違いだと思っております。  そうしたことで、封建時代の江戸時代でも、諸藩の諸侯は江戸幕府に対していろいろやられたけれども、それぞれの大名は自分の地域でかなり努力をして、地域の産業を興し、産物を掘り起こし、そういう努力をして、江戸時代の各諸藩の諸侯は頑張ったわけですから、今も地方の知事たちは、もっともっと頑張るべきだと私は思っているところでございます。  今後、有明地区における学校用地取得に当たり、多額の区債発行が見込まれることなども勘案し、適切な基金と起債の活用に努めてまいります。  なお、その他のご質問につきましては、所管部長から答弁いたさせます。    (宍戸孝総務部長登壇) 42 ◯総務部長(宍戸孝) 私からは、防災対策とオリンピック招致についてのご質問にお答えをいたします。  まず、防災対策のうち、現行の地域防災計画の見直しと避難所の拡充についてであります。  都が平成18年5月に発表いたしました新たな被害想定では、区内の避難所生活者数は13万8,000人と予想され、前回の平成9年の被害想定の7万5,000人と比べると、6万3,000人の増加となっております。現在の本区の地域防災計画では、避難所の収容可能人員は9万7,000人であり、避難所確保は大きな課題となっております。このため、今回の地域防災計画の改定におきましては、既存の避難所の見直し等を行うとともに、新たに区立保育園、幼稚園等の施設を避難所に指定することを含め、被害想定の13万8,000人を受け入れられるよう検討を進めているところであります。  さらに、近年、人口が急増している本区にとりましては、公共施設だけではなく、民間施設等を避難所として確保することは極めて重要な課題であると認識しております。そこで、ご指摘の区内ホテル等との協定締結につきましては、避難所の確保に限らず、物資の供給や災害時要援護者の受け入れなど、民間施設の保有するさまざまな機能を考慮しながら、今後積極的に協議を進めてまいりたいと考えております。  また、各災害協力隊の一時集合場所や避難所につきましては、各隊で自主的に指定しておりますが、現状に適応していない部分もありますので、今後修正するよう働きかけてまいります。さらに、都立ろう学校につきましては、現在、介護を要する障害者等を受け入れる二次避難所としての協定を締結しておりますが、ろう学校の再編等も聞いておりますので、それらを踏まえて検討してまいります。  次に、備蓄倉庫の増設についてであります。  備蓄倉庫は、拠点避難所となる区立小中学校にクラッカー、サバイバルフーズ等の食料品や、毛布などの生活必需品を備蓄しているものでありますが、学校の余裕教室等を倉庫に改修、整備していることから、現在、小学校で15校、中学校は18校が未設置となっております。  しかし、災害時に避難してきた区民の方々に対し、できるだけ早く確実に物資を届けるなど、効率的な物資の配分は極めて重要な課題であります。  このため、ご指摘の備蓄倉庫の増設につきましては、来年度中に全小中学校に備蓄倉庫を整備するよう検討してまいります。  次に、高潮対策についてであります。  まず、現在の外郭堤防は、伊勢湾台風を契機として昭和38年から3カ年で緊急整備されました。  当初、多くのカミソリ型堤防で整備されていましたが、現在では46%が緩傾斜型堤防やスーパー堤防に、そして、30%がテラス護岸に改良され、堤防機能が強化されております。  また、外郭堤防の課題と問題点でありますが、外郭堤防の54%は築造後四十年余を経過しており、老朽化した施設の更新と、阪神・淡路大震災で改定された基準に適合する耐震補強の早期完了が重要な課題となっており、現在、その整備に努めているところであります。  次に、新木場等の高潮対策についてであります。  外郭堤防より外側の地域のうち、豊洲、有明、青海地区は都市的土地利用を図る地域であり、高潮防潮堤を整備する計画となっております。また、新木場、若洲は工業的土地利用を図る地域として埋立地盤高によって高潮に対応しております。  次に、東京高潮対策促進連盟の今後の取り組み等についてであります。  施設の老朽化対策や耐震対策の促進には莫大な経費を要することから、国費獲得が極めて重要であります。今後とも都と連携し、連盟活動の強化を図りつつ、国費の重点的な投入を国に強力に要請してまいります。  最後に、国の東京湾高潮対策計画についてお答えをいたします。  大正6年台風、キティ台風及び伊勢湾台風の3つの台風を想定し、来襲するコースをモデル化して10ケースについて計算した結果の最大潮位5.1メートルを計画潮位とし、これに基づいて、外郭堤防等の施設を計画、整備しております。  したがいまして、現時点では、信頼に足るものであると認識しておりますが、現在、危惧されている海面上昇や超大型台風の来襲に備えまして、今後とも国等に積極的な対応を求めてまいります。  次に、2016年夏季五輪東京招致についてのご質問にお答えをいたします。  まず、今後の本区の取り組み姿勢についてのお尋ねであります。  2016年のオリンピック、パラリンピックの東京招致を実現するためには、招致を支援する多くの皆さんの賛同の広がりが不可欠であり、そのために、これまでも機運を高めるための取り組みを行ってまいりました。江東区議会オリンピック招致議員連盟とともに、駅頭活動や映画と講演会の集いを行ったのを初め、区民まつりでは、オリンピック招致委員会と協力して署名活動に取り組み、2日間で5,337人の署名をいただいたところであります。  また、恒常的なPR活動として、庁舎や区内スポーツ施設等にポスター、のぼり旗等を掲出するとともに、多くの区民が参加するイベントなど、さまざまな機会をとらえ、機運の盛り上げに努めてまいりました。  その結果、オリンピック招致委員会から町会連合会に協力要請のあった署名活動では、既に約3万人の署名をいただいているところであります。  今後とも、都やオリンピック招致委員会と密接な連携を図りつつ、区の招致議員連盟とも協力し、積極的に活動を推進してまいります。  また、予算面での対応につきましては、今年度補正予算で講演会の実施等、啓発を推進するための経費を計上したところでありますが、来年度予算におきましても、東京都やオリンピック招致委員会との連携を図りつつ、招致機運を高めるとともに、オリンピック・ムーブメントを推進していくことを目的に、区民まつりなど、区のイベントでの招致応援や講演会の実施などの必要な措置を講じてまいりたいと考えております。  次に、区内の既存スポーツ施設との関連についてであります。  本年11月に決定されましたIOCへの申請ファイルにおける競技会場の配置では、オリンピックの競技26のうち、本区では水泳など14競技、実に半分以上が本区で実施されることとなっております。また、以前発表されました練習会場につきましても、スポーツ会館など、区のスポーツ施設の使用が予定されております。  今後の立候補都市承認後に行われる立候補ファイルの提出に向け、さらに詳細な検討が加えられ、計画が変更される可能性もありますが、ご指摘の夢の島公園内の施設を初め、区民に日常利用されている施設については、工事期間を含め一般の使用ができなくなり、区民大会等の実施にも影響が出てくることも想定されます。  招致実現のため、区といたしましても、積極的に協力してまいる所存でありますが、今後、既存施設の活用につきましては、都と十分な協議を行ってまいります。  さて、本年10月には、都と区市町村が一体となりまして、招致活動や競技大会開催準備等を行っていくための必要な取り組みを検討する場として「都区市町村連絡協議会」が設置され、東京全体の共同活動の推進が図られております。  また、去る11月19日には、ご質問にもありました招致決起集会が開催され、その席で、日本が一体となって招致に取り組んでいくため、「オリンピックを東京に、2016年!」という従来のスローガンを「オリンピックを日本に、2016年!」と変更したことが発表されております。  地元区である江東区といたしましては、江東区議会オリンピック招致議員連盟との連携を図りつつ、先ほども申し上げました、オリンピック・ムーブメントを推進していくことを目的に、区を挙げてオリンピック招致に向けた運動を積極的に展開してまいります。そして、区民の機運をさらに高めていくとともに、その姿勢を力強く区の内外に発信することで、東京都のみならず、日本全体に招致への支持を広げることに貢献してまいります。開催決定まであと2年と迫ったIOC総会で朗報がもたらされるよう、全力を傾けて活動していく所存であります。
    43 ◯議長(佐藤信夫議員) 以上をもって、一般質問を終了いたします。   ────────────────────○──────────────────── 44 ◯議長(佐藤信夫議員) おはかりいたします。  明11月30日から12月12日までは委員会審査のため休会し、来る12月13日午後1時から継続本会議を開会いたしたいと存じますが、ご異議ありませんか。    (「異議なし」と呼ぶ者あり) 45 ◯議長(佐藤信夫議員) ご異議がないものと認めまして、さよう決定いたします。  ただいまご着席の方には改めて通知いたしませんから、ご承知の上、ご参集を願います。  本日は、これをもって散会いたします。    午後5時27分散会                                         ( 了 ) Copyright (c) Koto City Assembly Minutes, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...