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2005-11-25 平成17年第4回定例会(第13号) 名簿
2005-11-25 平成17年第4回定例会(第13号) 本文

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  1. 江東区議会 2005-11-25
    2005-11-25 平成17年第4回定例会(第13号) 本文


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    最終取得日: 2021-10-04
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1    午後1時02分開議 ◯議長(斉藤久也議員) ただいまから、去る11月24日に引き続き会議を開きます。  まず、本日の会議録署名員を指名いたします。14番星野博議員、38番小出功議員の両議員にお願いいたします。   ────────────────────○────────────────────    ◎ 理事者に対する一般質問 2 ◯議長(斉藤久也議員) 昨日に引き続き、一般質問を行います。  本日の質問者は、38番小出功議員、35番鈴木清次議員、24番川名省三議員、23番添谷良夫議員、5番小森弘雅議員、25番佐藤利三議員、21番中村まさ子議員、9番板津道也議員の8名ですので、これを順次許可いたします。  38番小出功議員。    (38番小出功議員登壇) 3 ◯38番(小出功議員) 私は、大綱4点について質問いたします。  質問の第1は、財政健全化と基金について伺います。  平成16年度決算は、経常収支比率が79.9%と、望ましいとされる80%以下となり、区債と基金も均衡が図られ、区財政の健全化が進みました。これは景気回復のみならず、定員適正化や学校の統廃合、学校給食や図書館の民間委託、マンション寄附金など、財政当局と各所管とが一体となって財政健全化を進めた結果と評価しますが、現況の区財政は数値的に健全であるとお考えか伺います。  平成18年度から、起債は許可制から協議制になり、その発行には信用力が求められ、投資家の信用を得る財政を築く必要が生じます。また、ミニ公募債の発行には財政状況の公表、決算状況の公開などが条件となりますので、一層の財政健全化が求められます。景気上昇による税収の伸びも期待されますが、油断することなく財政健全化を推し進めるには、事業の見直しや指定管理者制度の導入、一層の民間活力の活用など、各所管の積極的な財政運営への協力が不可欠であります。財政当局と各所管は共通の価値観に立ち、財政健全化の計画遂行と達成の果実をともにすべきと考えますが、伺います。  また、これまで基金の積み立てについて、当面の事業につぎ込むべきという議論もありましたが、景気低迷による税収不足が続き、加えて少子高齢社会の進展により行政需要が高まる中で、住民生活に責任を持つ基礎自治体として、23区内で遜色のない区民サービスが続けられたのは、基金残高の賜物であり、基金の積み立ての重要さが認識されました。平成16年度決算では、区債と基金の残高の均衡が図られたとはいえ、いつ起こるか知れぬ災害や、将来の予想される区民ニーズ、行政需要に機動的に出動するためにも、基金残高の維持に努めるべきです。社会基盤整備を考慮した上で、世代間の公平を図る立場から、今後の区債と基金の均衡について、方針と見通しを伺います。  また、20の基金の見直しについては、必要ないか伺います。  今後の区政運営の中で、防災対策と少子化対策は重要な基軸であります。最近の自然災害は、想定外の被害を出しており、想定した被害対策が空回りすることも見受けられます。災害時の被害を想定しての事業の充実は欠かせませんが、想定外の被害に有効に対応できる防災基金の充実こそ、最大の災害対策とも言えると考えますと、防災基金の充実は避けられません。防災センター建設後の防災基金の残高と今後の積み立ての目標を伺います。  少子化対策はこれまで、子どもを産み育てる親への対策が中心でありましたが、これからは「生まれ出る命」「生まれた子どもたち」そのものへ視点を移し、子どもの生まれ育つ環境がどうあれ、すべての子どもには社会から公平に支援を受ける権利があるという、子ども優先のチャイルドファースト型の社会への改革が重要だと考えます。少子化対策は、高齢者の社会保障とも密接であり、むしろ高齢社会を支える基盤づくりでもあります。  政府は今回の内閣に少子化担当大臣を任命しました。児童手当や子どもの医療費、地域の小児緊急医療体制、親の就労に左右されない保育サービスなど、少子化対策の拡充が求められます。高齢者の介護が家庭から社会へと介護保険制度が導入されたように、子育ても家庭から社会へとかじがとられる段階に来ている今日、国や東京都も施策の充実に努めていくでしょうが、本区としても、区政の施策や財源の配分を子ども優先へとシフトすべきです。  保育、教育、医療、安全など、次世代育成支援策の事業や議論を可能とするための経費を賄う、「子育て基金」の創設を考えます。さきに「子育て基金」を創設した港区は、10億円を拠出し、職場の改革や保育サービスの拡充、待機児解消などに助成するとしました。本区においては、財源には区財政からの拠出のほか、少子化対策の側面を持つマンション寄附金や、他の自治体の例に見るような区民に協力を呼びかけるミニ公募債なども考えられますが、区当局の考えを伺います。
     質問の第2は、平成18年度予算編成について伺います。  まず、既に区のホームページに予算編成が公開されています。公開するからには、区民の反応を期待しているものと考えますが、現時点で区民の反応はどうでしょうか。また、要望等については、どのように対応するのか伺います。  財政健全化が端緒に着いた平成16年度決算を受けての平成18年度予算は、さらに健全化を進める予算とすべきです。事業経費などのむだを削除することは区民への責務であるとの意識で、現場から職員が予算編成に参加していくべきと考えます。また、職場へのインセンティブの付与は、事業の効率化につながると考えますが、伺います。  小さな政府といっても、住民に直接責任を負う制度や事業は継続せざるを得ません。それだけに財源に限界と制約のある基礎自治体には、貴重な財源を生かす効率的な事業実施が求められます。職員定数の削減や事業の効率化に限界があるとしても、事業予算の人件費を考慮すれば、事業の民営化を積極的に図るべきです。本格的な指定管理者制度の導入となる平成18年度予算は、民間活力の活用により支出を抑える予算とすべきと考えますが、伺います。  反面、社会状況の変化に対応した新規事業も期待されます。必要と思われる新規事業について、後年度の財政負担にちゅうちょがあれば、貴重な財源や将来の社会状況の変化を考え、サンセット方式により事業を起こすべきと考えますが、伺います。  また、予算編成に当たり、事務事業評価システムを活用されるでしょうが、事務事業評価が内部の積み上げであることを考えますと、一般的に現況報告のように受けとめられます。事業の効率化や新規事業について、事務事業評価システムにとらわれず、社会状況の変化に新たな発想の切り口で区民生活に視点を置いた予算編成を期待しますが、伺います。  次に、具体的に2つの予算要望について伺います。  1つは、子どもの医療費助成についてであります。子どもの医療費助成は、最近、助成の種類や方法に差はあるものの、取り組む自治体が増加しており、区内の病院の受付に「小学生以上の医療費を助成している区の人に」とのお知らせもあるなどの情報により、区民から江東区でも小学生以上の医療費助成の要望が高まっています。本区が東京都の乳幼児医療費助成の拡充の方向など、国や都の動向を注視していることも承知しておりますが、子どもの医療費助成を要望し続けてきた区議会公明党としては、乳幼児医療費無料を先駆的に推し進めてきた本区として、小学生以上の医療費助成に本格的に取り組むべき時期に来ていると判断しています。予算編成に当たり、十分に考慮し、実施されますよう強く要望いたします。区の見解を伺います。  次に、アスベスト対策について伺います。  さきの定例会本会議で、我が党の松江議員から、国レベルでの法整備とともに区独自の対策が必要であると指摘したところ、既に実施済の対策に加え、相談窓口の充実や民間幼稚園等への支援を行っていくとの答弁がありました。さらに、一般住宅などへの調査助成も必要と考えます。区民の不安を取り除くためにも、平成18年度予算に的確な事業として予算計上されますよう要望します。区の方針を伺います。  質問の第3は、亀戸駅前の放置自転車対策についてお尋ねします。  亀戸駅周辺の放置自転車は、以前、都内ワースト1という不名誉な地位を得てしまい、その後、区のご努力もあり、一時改善されましたが、最近の調査では、再びワースト5の地位を得てしまいました。私が北口駅前を調査したところ、駅近隣マンションの住所や地域の高等学校の標識がついた自転車が置いてあり、自転車を利用しなくてもと思われるものが多くありました。放置自転車については、さまざまな対策がとられておりますが、決定的な解決策がなく、今日まで来ているのが実情であります。  私は、以前から亀戸駅は駅出口から見通せる範囲は通行の危険や景観から、絶対に置かせてはいけない地域にすべきと申し上げてきました。このまま手をこまねいていたら、またワースト1に戻ってしまうと交通対策課長に対策を求めますと、土曜日の撤去を実施することになりました。その対応は評価できても、今のままでは放置自転車がなくなることはありません。今後の対策として、駐車場を立体化するなどしての増設も要望しますが、亀戸駅北口と東口の放置自転車対策は、駐車させない監視体制が必要であります。  江戸川区では監視や誘導を含め、総合的に民間業者に委託する対策を実施しています。私も都営新宿線一之江駅を視察しましたが、効果が出ていました。江戸川区方式のような対策も必要と考えますが、マナーが原因であれば、駐車場の増設だけでは放置自転車はなくなりません。自転車放置禁止区域の一部に自転車駐車禁止の概念を取り入れ、警察の協力を得るなど、監視体制をとり、絶対に駐車させない区域をつくるべきです。  先日もある新聞に、まちづくりの識者が、自治体は放置自転車をなぜ放置させておくのだという厳しい意見を載せておりました。放置自転車撤去の後の駅前の開放感は心まで広くなります。町の安全と景観を求める多数の区民の価値観が少数の自転車放置者によって占拠されることは許せません。良識の失地回復のためにも強い決断で、自転車のない駅前地域を実現させるべきです。また、マスコミにも報道の協力を得て、駐車禁止の考え方を広め、他の駅周辺の放置自転車対策と連動させていけば、住民の理解を深めることになると考えますが、お尋ねします。  次に、職員の人事交流と期待される幹部職員像について伺います。  国と地方の税財政改革である三位一体改革は地方分権を進めることは間違いなく、自治体は権限が高まると同時に責任が求められます。今、自立した自治体となるため、各地で官から民へとの行政改革が進められておりますが、社会状況の変化に伴う地域の課題は、公共サービスの民間化だけで済むものでなく、公共サービス向上のため、時代と地域の課題を的確にとらえ、対応できる行政組織こそが求められています。それだけに、自治体職員の政策形成能力事業遂行能力の向上なくして、これからの自治体経営は成り立たないと言われるようになりました。  この対策のため、権限移譲と能力開発の2つの要素を持ち、力を引き出す意味の職員のエンパワーメントを図ることが、各自治体で取り組まれております。エンパワーメントの研修は義務よりも権利で、職員に能力開発の機会と能力を行使する機会を与えることでありますが、本区にはエンパワーメントを指向した人材育成の方針はお持ちでしょうか、伺います。  職員は人件費としてコストになりますが、質的には人材として財産にもなります。事業に精通し、説明がわかりやすく親切で、行動と判断に機敏な職員に接すると、間違いなく職員の質は数値にあらわれない区の財産であると実感します。知識を得る研修もあり、自由な発想をはぐくむ職員提案制度もありますが、自らの能力開発には、区民の立場で自らの職場の仕事の課題に取り組み、改善に努力することが、より区政に関与することになり、実践的であると考えます。  区役所という狭い職場と終身雇用の関係は、遠慮や甘えの構造に陥りやすいということもあり、人材育成や登用のネックともなりかねません。人材の核をつくるためにも、庁内の人事交流は当然として、他区との人事交流は職員のエンパワーメントを図るために効果的であり、区の財産づくりにもなると考えますが、お尋ねします。  また、幹部職員の皆様は、所管の職員を統括して事業の伸展に取り組んでおられ、そのご努力に敬意を表しています。その上で、日ごろ私が実感している何点かについて、率直に伺います。  1つは、全庁的な視野に立っておられるかということです。時折、その時点で全庁的な話題となっていると思われる施策の進捗について、意外と淡白であったり、情報不足を感じることがありますが、庁議では区政の重点課題に対して、情報や意見の交換は十分行われているのでしょうか。また、自らの所管が抱える当面の課題に対し、職員への理解と協力を求めているのかも疑問に感じることがあります。  残念なのは、施策や事業について、所管同士の譲り合いです。対象と思われる課題には、まず、自身の所管でとの気力が欲しいときがあります。反面、今後期待される能力は、区が抱える課題解決のための政策立案、遂行能力は当然として、行革推進のためにも、また、美しいまちづくりのためや、環境問題など、区民と協働する事業も多くなることが予想され、区民の理解や協力を得る説明能力が重要になると考えます。さらに、時代や社会状況の変化を読み取り、条例や規則、事業経緯にとらわれない改革力と決断力も期待されます。現実に、決断により事業が改善されたことを何度も経験しています。このような能力開発には、幹部職員にも研修制度があると存じますが、管理職を望んだ意欲と、管理職試験を合格した能力からすれば、自らの能力の開発は、ご自身に与えられた課題と業務を通して自ら磨けるものと推測します。  今、江東区は水彩都市をさらに進めるため、景観を生かし、財産である内部河川や海岸線を有効利用する憩いのゾーンの創出、人口が急増している豊洲地区の公共施設整備計画、予防を重視した介護保険のソフト事業と施設の拡充、子どもの居場所や幼保一元化を含む保育園の民営化による構造改革など、道筋をつけなければならない課題が多く存在しています。ぜひとも各所管が競い合うように力を発揮していただきたいと期待いたします。  しかしながら、幹部職員といえど能力開発の努力と成果に対価を与えられるのは当然です。「評価が人を育てる」とも言われています。区は幹部職員の能力開発を促すためにも、国が来年度から導入を予定している人事評価制度を参考にするなど、昇給・昇任をもってこたえるべきです。  本区は「住んでいたい町」から「住んでみたい町」へと変貌しています。課題もありますが、発展性を内包する江東区の地域特性には働きがいと希望が持てます。皆様には聞きにくいことを申し上げましたが、幹部職員の皆様と同じ程度に、江東区政の伸展を考える者としての思いから申し上げたものとお許しをいただき、質問を終わります。  ご清聴ありがとうございました。(拍手)    (室橋昭区長登壇) 4 ◯区長(室橋昭) 小出功議員の質問に対し、私からは、財政健全化と基金についての質問にお答えをいたします。  まず、区財政の健全化に対する認識についてでございますが、平成16年度決算において、財政健全化をはかる上での目安となる経常収支比率に一定の改善が見られたこと、並びに区債、基金残高の均衡が図られたことは、従来から進めている行財政改革の効果が大きくあらわれた結果であると考えております。しかし、これらの数値は決して本区財政体質が抜本的に改善されたことを意味するものではありません。特に、依存財源である特別区交付金の増減に財政運営が大きく影響を受ける点や、区民の個人所得が大きく改善されていない状況等を踏まえると、いまだ健全の域には及ばず、まずは健全化へのスタート地点に立ったと認識しているところでございます。  また、各所管課と共通の価値観のもと、財政健全化に取り組むべきとのご指摘でございますが、現行の長期基本計画策定時、健全化に向け、職員の削減等を初めとした6つのアクションプランを掲げ、全庁一丸となって達成に向け取り組んでまいりました。今後とも、ご指摘の趣旨を十分に踏まえ、より一層の連携を図り、健全化の実現に向け努力してまいります。  次に、区債と基金の均衡についてのご質問でございます。  区債発行と基金残高の維持は、社会資本整備に関する世代間の公平性の確保並びに財源見通しの不透明な中での年度間の財源調整等という観点から、欠かせないものでございます。  現在の見通しとして、景気動向等に大きな変化がなければ、当面、一、二年は均衡を保てるものと考えております。しかし、今後、長期基本計画実現に向け、多額の基金取り崩しを予定しており、今後、微減で推移する区債残高との均衡を図るためには、一層の運営努力が不可欠であります。  このため、行財政のスリム化に引き続き取り組み、基金残高の維持・向上に努めてまいります。  なお、定額運用基金を含めた20基金については、おのおの区民福祉向上の観点から、設置の意義が認められるものであると考えておりますが、社会状況の変化を踏まえ、不断の見直しが必要なものと考えております。  なお、防災基金の残高と今後の目標についてのお尋ねでございますが、防災センター完成後の基金残高は約25億円の見込みとなっております。今後は当面、災害予防、応急対策等の財源として活用してまいりますが、耐震補強工事費等の増大や人口増に伴う備蓄物資の拡充等、防災基金の役割は増大していくことが想定されております。当面、基金残高ピーク時以上の残高確保を図りたいと考えておりますが、財源状況等を見据えながら充実に努めてまいります。  次に、チャイルドファースト型社会を支える「子育て基金」設置についてのお尋ねでございます。  本区においては、平成11年度に国からの交付金を原資とした少子化対策基金を設置し、3カ年にわたり、保育所の改修等に活用した経緯がございます。  近年、子ども関連施設については、需要の高まりから継続的、安定的な財源の確保が求められていることも事実であり、その対策としての新基金設置について、他の基金のあり方も含め、目的や活用方法、設置の際の原資について、ご指摘の対応が可能か否か等、課題を十分整理してまいりたいと存じます。  なお、その他のご質問につきましては、所管部長から答弁いたさせます。    (佐藤哲章政策経営部長登壇) 5 ◯政策経営部長(佐藤哲章) 次に、平成18年度予算編成についてのご質問にお答えをいたします。  まず、予算編成のホームページ上での公開に関するお尋ねであります。  近年、一部自治体において、予算編成過程の公開が進められております。本区においても、より一層の行政の透明化を図るため、本年度から編成方針及び要求概算等を公開したものであります。そこで、現時点での区民の反応と対応についてでありますが、要求内容の詳細について区民からの問い合わせがあり、所管課において対応したところであります。  なお、要望等については、各所管課と十分連携を図り、可能な限り情報公開等に努め、区民との信頼関係の醸成に努めてまいります。  次に、職員の予算編成への参加意識についてですが、長年にわたる行財政改革の中で、担当職員も事業の効率的執行の重要性については、十分認識しているものと考えております。また、予算節減額を新規事業の財源として活用する、いわゆるインセンティブ制の導入については、各事業部が主体となり、説明責任を果たしながら、区政運営を行う上で有効な施策の一つと思われます。今後、他団体の実施状況等を踏まえ、実施の可否を検討してまいります。  次に、民間活力導入に関するお尋ねです。  本年度より指定管理者制度が本格的にスタートいたしましたが、人件費抑制と多様化する区民サービスへの柔軟な対応の視点からも、民営化等のアウトソーシングは不可欠であります。今後も区の最重要課題の一つとして、積極的に推進してまいります。  また、サンセット方式による事業展開についてですが、ご指摘のとおり、時代の変化に的確に対応していくという考え方に立ち、3年ないし5年の期限を定め、事業を実施することは極めて有益であります。今後の施策展開に当たっては、こうした点に十分配慮し、対応してまいります。  また、事務事業評価システムにとらわれない予算編成をとのご質問でありますが、区民サービスに最も近い各所管において、事業の効率性を意識し、区民ニーズを的確にとらえた事業展開を図ることが重要であります。その前提として、予算の枠配分方式の導入などが有効と考えておりますので、具体的な方策を前向きに検討してまいります。  次に、子どもの医療費助成についてのご質問にお答えいたします。  子どもの医療費助成事業は、日本の将来を担う子どもたちのため、本来、全国レベルで同一水準であるべきだと考えており、区長会等でも関係機関への要望活動を継続しているところでございます。  そうした状況のもと、さらなる充実を図る区があることは承知しております。長期基本計画において、子ども分野を重点の筆頭に掲げ、ハード・ソフトの両面にわたり、総合的な施策展開を行っている本区としても、なるべく早期に方向性をお示ししたいと考えております。  次に、アスベスト対策についてのご質問にお答えいたします。  本区では本年8月、関係部課長等からなる「江東区アスベスト対策連絡会議」を設置し、区民の健康を守るため、総合的な対策の推進と効果的な対策の検討を行ってきたところであります。  お尋ねの一般住宅等に対する助成については、調査の実施を促進し、区民の不安解消を図る上で有効な施策の一つであると考えており、平成18年度予算編成に当たり、前向きに対応してまいりたいと存じます。    (野村俊夫土木部長登壇) 6 ◯土木部長(野村俊夫) 次に、亀戸駅前の放置自転車対策についてお答えいたします。  JR亀戸駅周辺の放置自転車台数が平成16年度秋の調査で、再び都内ワースト5という不名誉な地位を占めてしまったことは、ご指摘のとおりでございます。  放置自転車の問題は、本来的には利用者のマナー、モラルに由来するものであります。しかしながら、駅周辺の放置自転車は、災害時の避難や緊急車両の通行の妨げになるばかりではなく、町の顔である駅前の景観を著しく損なっており、区としてその対策に苦慮しているところでございます。  亀戸駅周辺には、約4,000台の自転車が乗り入れており、そのうち約6割は自転車駐車場を利用しておりますが、残りは駅前の出入り口付近を中心に放置が横行しております。このため、亀戸駅周辺を放置自転車撤去活動の重点対策地域として、昨年度は延べ107回、約7,300台の撤去を実行いたしましたが、依然として北口及び東口には、放置自転車が多くございます。  また、撤去活動と同時に、駅周辺に5名の整理員を配置して、放置自転車の整理とあわせて、駅前の放置禁止と自転車駐車場の利用を呼びかけております。しかし、現在のところ、大幅な改善が見られていないこともまた事実でございます。  このため、撤去活動の強化策の一つとして、亀戸駅周辺について、試行といたしまして、今月から土曜日の撤去に着手いたしました。また、今月末からは、午後の時間帯に放置が集中する地域の撤去を徹底するなど、駅周辺の放置自転車台数の縮減に努めてまいるところでございます。  ご指摘の江戸川区において効果のあった事例は、民間事業者に対して、自転車駐車場の運営と放置自転車の撤去及び搬送並びに撤去した自転車の返還業務に加えて、駅周辺に自転車を放置させない啓発活動も含めて、総合的に業務委託を行ったものでございます。区画整理事業により、駅の地下に大規模な自転車駐車場が開設されたことにあわせて、この啓発活動を開始したと聞いてございます。  亀戸駅北口及び東口には、決して自転車を駐車させないための監視体制の導入が必要であるとのご指摘でありますが、警察を初め、鉄道事業者等関係機関との調整協議のために設けている放置自転車対策協議会において十分に調整を図り、江戸川区の事例も参考にして、駅の出入り口を中心とした区域には、一切放置をさせない方策を検討してまいりたいと存じます。  平成13年度に亀戸駅が都内ワースト1となった後には、地域も一丸となって放置自転車対策に邁進いたしました。また最近では、豊洲地区においても、地元と連携した放置自転車対策に取り組んできたところでございます。  今後とも、商店街や町会・自治会等と地域住民の方々のご理解、ご協力を得るとともに、マスコミ等も活用して、亀戸駅周辺における放置自転車の一掃に向けた取り組みを強力に推進してまいりたいと存じます。    (高橋三喜男総務部長登壇) 7 ◯総務部長(高橋三喜男) 次に、職員の人事交流と期待される幹部職員像についてのご質問にお答えいたします。  地方分権の進展により、行政権限が拡大される中、限られた人材で効率的、効果的な区政運営を推進していくためには、ご指摘のとおり、職員一人ひとり、特に幹部職員の意欲向上と能力開発が必要と考えております。  まず、職員の力を引き出すエンパワーメントを指向した人材育成方針ですが、本区では、平成15年度に「人材育成基本方針」を策定し、区民サービスの向上のため、職務を遂行する意欲と能力を兼ね備えた職員の育成に取り組んでおります。  管理職については、政策形成能力やマネジメント能力に関する各種研修や目標管理を活用した人事評価の実施などにより能力開発に努めているところでございます。今後も、ご指摘の点を踏まえ、人材育成基本方針に沿った具体策について、さらなる充実を図ってまいりたいと存じます。  次に、職員の人事交流についてですが、現在、東京都や特別区相互間の人事交流の制度があり、特別区人事・厚生事務組合等に管理職や係長職を含む一般職員を派遣しております。人事交流により、他の自治体のよいところを学び、本区の施策に反映させたり、広い視野や調整能力を身につけることを期待しております。今後も必要に応じ、職員の人事交流を活用していきたいと考えております。  次に、期待される幹部職員像ですが、管理職は担当職務はもとより、区の重要な施策にも精通し、困難な課題に果敢に取り組む姿勢が必要であり、求められる能力、資質としては、政策形成能力や組織統率力、説明能力、経営感覚などがあります。これらの能力を身につけるためには、研修を活用するほかに、職員自らが意識を高め、自発的に能力開発に努める必要があると考えております。今後とも、ご質問にありました区政の課題に積極的にチャレンジする管理職の育成に努めてまいりたいと存じます。  なお、庁議につきましては、区政の重要課題についての決定や情報交換を行っておりますが、今後とも、その充実に努めてまいりたいと存じます。  次に、能力開発を促す人事評価についてであります。現在、管理職については、目標管理型の人事評価制度を導入しておりますが、評価結果の給与、任用、能力開発の活用については、必ずしも十分とは言えない状況であります。本年度の特別区人事委員会の勧告では、年功的な給与から職務・職責や業績に基づく給与への構造改革を図るとともに、これと一体をなす能力・業績を的確に評価し、能力開発にも活用できる評価制度を確立することは喫緊の課題であるとしております。現在、区長会では、特別区人事委員会の意見を踏まえ、人事評価と連動した給与構造の改革が検討されており、その検討結果を考慮して、人事評価制度の整備を図ってまいりたいと存じます。     ───────────────────────────────────── 8 ◯議長(斉藤久也議員) 35番鈴木清次議員。    (35番鈴木清次議員登壇) 9 ◯35番(鈴木清次議員) 私は、自民党議員として大綱3点にわたり質問させていただきますので、区長並びに関係理事者の明快な答弁を期待いたします。  さきの総選挙では、改革に対する国民の意思が明らかになりました。これは区政も例外ではなく、私はそのようなことを念頭に置きまして質問いたしたいと思います。  まず、長期基本計画実現の取り組みについてであります。  1点目は、現時点での進捗状況と今後達成の見込みであります。平成13年3月に室橋区長は2度目の長期基本計画を策定し、その達成に向かって取り組んでまいりました。私たち自民党もそれを一生懸命応援してきたつもりであります。しかしながら、いつもどんなことでも物事は見直しが肝心であります。現在、マンション建設ラッシュは依然として続き、今後も当分続くと思います。その結果、人口が大幅にふえ、そのほかにも高齢者はますますふえて、高齢化が進み、大問題になっております。さらに、少子化、子育ての問題など、区民の要望はさまざまであり、本区の環境も大きく変化をしております。  国は、小泉総理が総選挙で圧勝し、構造改革や三位一体改革を強力に推進しようとしております。こうしたことを受け、本区では長期基本計画10年のちょうど折り返し地点にかかる本年の3月には、後期計画の改定を行ったわけでありますが、そこで、質問いたします。  こうした状況変化は長期基本計画を実施するに当たり、どのような影響を及ぼしたのでしょうか。また、現時点で、計画の実施については、どのように評価しているのかお伺いいたします。さらに、人口増などを盛り込み、一定の修正を加えた今後の後期計画の達成の見込みはいかがでしょうか。あわせてお伺いいたします。  次に、重点事項についてお伺いいたします。  まず1点目は、観光施策であります。本年度は深川地区と臨海副都心地区を結ぶ深川シャトルバスを初め、観光にかかる予算は、前年度と比較して実に9倍にもなりましたが、これらに対する区民の反応、評価はどうでしょうか。現在の状況をお聞かせいただきたいと思います。私は深川地区出身の議員として、区民の反応もよく、非常に喜んでおりますが、ぜひ今後の方向性をお示しいただきたいと思います。  2点目は、防災対策についてであります。昨年度は新潟県中越地震や台風、集中豪雨等、まさに大変な年でありましたが、本年度に入っても、特に東京においては、頻繁に地震が発生しており、大きな揺れを感じることもしばしばでありました。こうしたことから区民の防災意識も高まっており、区としても積極的に対策を講じなければなりません。今後も防災対策をより一層充実させなければならないと考えておりますが、いかがでしょうか。これまでやってきたことをどう考えておられるのか、あわせてお示しをいただきたいと思います。  3点目は、やはり人件費の問題であります。どこの企業でも、人件費は最もお金がかかります。これを減らさなければ経営は成り立ちません。本区でも削減計画をつくっておりますが、もっと取り組む必要があると思います。区民は我々議員を含め、公務員には厳しい見方をしております。今の計画が終わった後はどうするのか。新しい計画をつくるのか、もうやめるのか、それが大切であります。ぜひとも前向きなご答弁をお願いいたしたいと思います。  次に、来年度予算編成についてであります。  本区は長期基本計画の一層の発展のため、行財政改革を推進してまいりました。先月の決算委員会におきましても、その効果が大きく出ていると説明がありましたが、私も他の区と比べてみても、努力の跡がうかがえると思います。本区の財政状況は、もはや健全の域に達していると言ってよいのではないでしょうか。厳しい財政状況を前面に出し、スクラップ中心の予算編成を行ってきた本区も、ここで方針の転換を図る時期に来ているとの見方もあります。近年の財政状況を踏まえ、来年度の予算編成における基本方針についての考え方をお聞かせいただきたいと思います。もちろん、国や都の方針も大切でありますが、その方針はどういうものなのでしょうか。細かい点はともかく、そういう点にも気を配る必要があります。  江東区長期基本計画は折り返し地点を経過し、あと4カ年であります。一日も早くこの計画の達成が望まれているわけでありますが、本区の現行の財政力を勘案しますと、達成スピードを早めることも可能に思われます。最後に、長期基本計画達成に向けての区の意気込みをあわせてお聞かせいただきたいと思います。  次に、子育て支援についてお伺いいたします。  子育て支援については、ハード(施設面)とソフト(事業運営面)の両面がありますが、まず、ハード面、子どもの健全育成のための環境整備についてお伺いいたします。  子どもの健全育成のための施設といたしましては、保育園、子ども家庭支援センター、児童館、学童クラブなどが考えられておりますが、これらの施設の現況と、現在、本区として考えているハード施策の展望と今後の新設、大規模改修の計画などについてお示しいただきたいと思います。  次に、ソフト面についてお伺いいたします。  1点目は、保育サービスの充実についてであります。  本区内には、現在、公設公営の保育園が38園、公設民営の保育園が3園、私立保育園14園が運営されておりますが、平成18年度の保育園入園のしおりを見ますと、私立の保育園、公設民営のほとんどの園でゼロ歳児保育、延長保育等が実施されておりますが、公設公営の保育園では、ゼロ歳児保育、延長保育等を実施している保育園が少ないように見受けられます。  現在、アウトソーシング基本方針のもと、指定管理者の制度を利用し、区立保育園2園で公設民営化の準備が進められておりますが、この公設民営化を進める中で、少しでも園児の受け入れ枠を拡大するとともに、延長保育についても、1時間から2時間に拡大し、また、延長保育の対象園児の枠もふやし、スポット延長保育等も実施することは、子育て中の保護者の希望、需要にこたえる大切なことだと思いますが、お伺いいたします。
     また、このことと並行して、公設公営の保育園においても、延長保育、スポット延長保育、障害児保育など、今以上の保育サービスの充実に努めるべきだと私は思います。そこで、公設公営の保育園における保育サービスの現状と、今後の保育サービスアップの方向性と課題について、お伺いいたします。  2点目は、児童手当についてお伺いいたします。  保護者の70%以上の人が子育てへの経済的な支援である児童手当が、一番大切な施策であると考えております。最近行われました各種選挙におきましても、我が党のみならず、各会派で議論がされたところでありますが、最近における改正、改定の状況と、また近い将来、改正の動きがあるのかどうか、あわせてお伺いをいたします。  3点目に、小児向けの夜間診療についてお伺いいたします。  10月13日付の読売新聞によりますと、お隣の墨田区は「11月1日から小児向けの平日夜間診療をスタートさせる。同区では、日曜、祝日や年末年始の小児科診療所は設けられておりますが、これまで夜間の診療所はなく、地元医師会や病院の協力を得て実現することになった」と報道されております。  本区でも、平成14年12月から「平日夜間こどもクリニック」を開設しておりますが、現在の状況と、行政地域が広く、急速に人口がふえている本区では、平日夜間診療所をさらに充実すべきだと思いますが、今後の課題と現在の本区の検討状況をお伺いいたします。  最後に、本区における教育問題についてお伺いいたします。  昭和22年、教育基本法が制定されて以来58年が経過し、我が国は科学技術の目覚ましい進歩とともに急速に変化、発展を遂げてまいりました。一例を挙げれば、携帯電話など情報機器が瞬く間に普及したことは、日本人の価値観までも大きく転換させるに至ったと感じているのは私だけではないと思います。本来、人と人のコミュニケーションを拡大するべき機器が、一方では、社会において匿名性をはびこらせ、誹謗中傷の手段になるなど、かえって情報交流の阻害要因ともなっていることも事実であります。  こうした環境の中にありまして、日本の未来を担う児童や青少年が、規範意識や道徳心の欠如、また、自立心の低下など、多くの問題を抱えていることに私は大変心を痛めております。今こそ学校教育、社会教育を担う者がその責に沿って、それこそ待ったなしの対応をするときだと考えます。  しかし、現実には小学校での校内暴力事件、不登校、ニートや引きこもりといった病理現象が新聞をにぎわし、教育の機能低下が叫ばれている状況にあります。  また、学力低下問題も、保護者の方々は大変心配しており、区長部局と教育委員会を事務局とする教育問題懇談会でも、重要なテーマであったと聞いております。  本区では、二学期制の施行、学校選択制の導入やブリッジスクールなど、幾つかの施策を進めていることは承知しておりますが、社会環境の激変に対応できているのか疑問に感じております。  私は、学力低下の根底には、先ほど申し上げました、子どもたちを取り巻く社会状況の変化に大きな要因があると認識しております。例えば、ゆとりの大半をテレビゲームや携帯メールに費やしている現状があります。しかしながら、学習意欲の減退、授業中の集中力の欠如といった課題に対しては、社会や家庭の問題であると逃げることなく、教育のプロである現場の教師がまず対応することが必要であると考えております。  そこで3点、待ったなしの質問をいたします。  まず1点目は、学校週5日制と学力低下についてであります。  週5日制の理念であった「ゆとりの中で生きる力をはぐくむ」という考えは間違ったものではないと考えます。しかし、その理念が理念のままで、現実には十分機能していないことが問題ではないか。つまり、「ゆとり」が結果として子どもたちの「ゆるみ」になっていないかということであります。実際に、土曜日を学習、スポーツに活用している子がいる反面、無為に過ごしている子どもたちがいることも事実であり、まさに二極化の状況にあります。私が聞く限り、「ゆとり」に対する保護者からの声は危惧の念が多い現状であり、このことに対する教育委員会の認識はどうか、お伺いをいたします。  私は、長期休業中や放課後の補習授業など、決して「ゆるみ」に陥らない対策を提案したい。教師の勤務体制など課題があることは十分認識した上で、その課題を乗り越え、保護者のニーズに沿って、教育委員会が学校側に積極的に働きかける時期だと思います。教育委員会として、何らかの対策をお持ちなのかお伺いをいたします。  次に、2点目は、学力向上策であります。教員や学校の活性化、また、小学校の魅力づくりの観点から、文部科学省の地域子ども教室推進事業についてお伺いいたします。  先日、私の地元の八名川小学校のPTAだよりに「げんきっず八名川」の記事が載っており、PTAの皆さんも学校の取り組みに大変感心しております。保護者や子どもたちからは、放課後、宿題を見てもらえる、校庭で安心して遊べるとすこぶる評判がいい。担当の先生方も生き生きとしており、八名川小学校の魅力の一つにもなっております。地元の私も、学校が元気なのは喜ばしいことであります。  この事業は、文部科学省の推奨する地域子ども教室推進事業の小学校版であり、学力向上、そして、先生や学校の活性化、安全な遊び場の提供にも寄与するものではないかと考えます。私は、この事業が他の小学校にも広がっていくことを期待しております。そのためには、教育委員会が直接取り組む事業にした方が財政的に文部科学省の協力もいただけますし、何より学校側がこの事業に乗りやすいと思いますが、いかがでしょうか。見解をお伺いいたします。  最後に、3点目は、子どもたちの問題行動の低年齢化についてであります。  文部科学省の調査によれば、小学校の校内暴力、特に教師に対する暴力が増加の傾向にあるということであります。昨年度の発生件数は1,890件、中学校や高等学校での件数が減少傾向にある反面、小学校のみが増加していることも事実であります。まさに、この状況こそ、子どもたちの規範意識や道徳心の欠如が低年齢化していることの証左であります。  その背景としては、少子化による人間関係の希薄化やテレビ等の暴力シーン、さらに、虐待関係の世代間連鎖などからの悪影響が挙げられております。また、一部の児童による授業中の立ち歩きやキレる子どもたちの事例にも事欠きません。繰り返しますが、教育に対する信頼回復は緊急課題であり、教育委員会は、積極的に予防的措置を講じるべきだと考えます。  本区におきましては、こうした悪質な問題行動はないと認識しておりますが、果たして実態はどうなのか。また、この問題行動の低年齢化の増加傾向に対して、教育委員会がどう認識しているのかお伺いいたします。  あわせて、こういった問題に対しては、対症療法ではなく、予防的措置に重点を置くべきでありますが、どのような予防的対応策を考えておられるのか。一部の学校の取り組みだけではなく、教育委員会全体の問題として、具体的にお示しをいただきたいと思います。  以上で質問を終わります。  ご清聴ありがとうございました。(拍手)    (室橋昭区長登壇) 10 ◯区長(室橋昭) 鈴木清次議員の質問に対し、私からは、長期基本計画実現の取り組みについての質問にお答えをいたします。  初めに、社会情勢の変化の影響についてでございますが、急激な人口増や高齢化は、保育所や介護施設の需要増となり、これら施設の待機者の解消が進みませんでした。また、国の構造改革等は、民間活力の活用による経費の節減などのメリットもありましたが、三位一体改革における税源移譲が不十分であるなど、現時点では一長一短があったものと考えております。  次に、計画事業の実施状況の評価は、平成16年度末での成果指標の達成状況は45.2%でございましたが、目標を大きく上回っているものや、着実に改善しているものもあり、これらを加えた評価は、やや上がるものと考えております。  さらに、長期基本計画改定版の達成の見込みですが、保育所待機児の解消など、大変に厳しいものもありますが、達成度の上昇につながるよう事業展開を図り、目標達成に努めたいと存じております。  次に、観光事業でございます。  区では、今年度から観光事業を計画事業とし、深川シャトルの運行では、平均で1日約300人の乗客があるほか、下町ぶらりマップの作成、名産品・土産品の開発などに取り組んでおります。こうした事業を実施する中で、区民や地域産業関係者からは、多くの期待と評価を得ているものと考えております。  今後につきましても、引き続き観光PRに努めるとともに、「アサリ料理コンテスト」の優秀作品などの活用により、商店街や地域産業の活性化を図ってまいる所存であります。  次に、防災対策についてお答えいたします。  これまでも区は、阪神・淡路大震災や新潟県中越地震から多くを学び、防災対策の充実に努めてまいりました。今後とも、来年4月開設の防災センターにおいて、デジタル防災無線などを活用して災害情報を一元的に管理し、的確な災害対策活動を推進してまいります。  また、都の被害想定の改定にあわせ、備蓄物資の再整備を図ることになりますが、急を要するものについては、先行配備を検討するとともに、小中学校の耐震改修や「地区別防災カルテ」の作成など、既定事業を含めて充実を図ってまいります。  次に、人件費削減のための新たな計画についてのご質問にお答えをいたします。  まず、職員定数につきましては、第1次、第2次定員適正化計画の着実な実行により、両計画の累計目標680名を大幅に超える868名の削減を果たしてまいりました。  今後とも、現行計画の着実な実行に努めるとともに、技能系職員の退職不補充やアウトソーシングの活用により、定数の削減を図ってまいります。さらに、これらの実績を検証した上で、さらなる民営化を含めた削減案を検討してまいります。  次に、来年度の予算編成についてお答えをいたします。  本区の16年度決算では、経常収支比率の改善や、特別区債と基金の均衡など、早くから進めてきた行財政改革の効果が、具体的に数値となってあらわれたものと認識しておりますので、こうして培われた財政力を発揮すべく、18年度予算編成に当たっては、区民福祉向上の観点から、福祉・教育など積極的な施策展開を図ることを基本理念といたしました。  次に、国と都の方針ですが、国においては、深刻な財政難の中、徹底的な歳出削減を実施し、社会保障制度改革などに取り組むとしております。また、東京都でも、都税の増は見込まれるものの、内部努力や事業の見直しにより、第2次財政再建プランの達成に努めることといたしております。本区といたしましても、ご指摘のとおり、その動向に留意し、予算編成に取り組んでまいります。  さらに、長期基本計画の達成につきましては、財政力の好転を背景に、時代のニーズに合った新規事業の実施やレベルアップなどを行い、早期の達成に努めてまいる所存でございます。  なお、その他のご質問につきましては、所管部長から答弁いたさせます。    (岩上英彦子ども生活部長登壇) 11 ◯子ども生活部長(岩上英彦) 私から、子育て支援についてのご質問にお答えいたします。  まず、ハード面、子どもの健全育成のための環境整備についてであります。  ご質問にありました、児童福祉関連施設の現況でありますが、マンション急増等による年少人口の増加に対応するため、保育園においては、平成14年度以降5園を新設し、また、認証保育所を13カ所整備するなど、過去4年間で約800人の定員増を図ったところであります。さらに、総合実施計画において、今後、2園の保育園増設を予定いたしております。  学童クラブは、平成14年度以降3カ所を新設するとともに、施設の改修等により、約500人の登録児童数の増加に対応してきたところであり、19年度には、さらに1カ所の開設を予定いたしております。子ども家庭支援センターについては、18年度に2施設を新設し、計5施設といたします。  また、改築で保育園2園、児童館3館、学童クラブ2カ所、改修等で保育園2園、児童館4館、学童クラブ7カ所を計画しております。これらの新設、大規模改修等の中で、保育園並びに学童クラブの需要増に対応してまいります。  次に、ソフト面での施策についてお答えいたします。  ご指摘のように、多様化する保育ニーズに対応するため、区立保育園でも延長保育等のサービスを充実する必要がございます。しかしながら、保育に係る経費は、人件費が主たるものであり、特に、低年齢児ほど多くの人員を要することから、本区では民営による保育園の増設を行う一方、既設園の民営化によって定員の拡大や民営化により生じた人員を活用し、公立保育園でゼロ歳児保育や延長保育などのサービス向上を図り、区全体の保育サービスの拡充をしてまいりたいと存じます。  次に、児童手当については、国において、昨年4月から、支給対象を就学前の児童から小学校3年終了前までの児童に拡大いたしました。ご指摘のとおり、児童手当のほか児童扶養手当や児童育成手当など、経済的支援は重要な施策であると認識いたしております。  また、児童手当法改正の今後の動向でございますが、現在までのところ、その情報は把握しておりませんが、最近の各種選挙において、多くの議論もあったことから、昨年同様に急遽改正の動きが出てくることも予測されますので、国の動向等を注視してまいりたいと存じます。  次に、小児向けの夜間診療についてのお尋ねでございます。  まず、現在の状況でありますが、周辺区に先駆けて、平成14年12月に総合区民センターで「平日夜間子どもクリニック」を開設いたしました。保護者等からはご好評をいただき、16年度は1,635人の方が受診しております。  今後の課題として、身近なところで医療を受けたいという区民の強い要望もあり、また、南部地域を中心に、小児人口が急増している本区としては、地域バランスを考えて、小児向け夜間診療の体制を整備していく必要があると認識しております。区といたしましても、小児科医師を確保する方策をさまざまに医師会に提案しており、今後も医療の質を確保しつつ、小児医療の充実に向けてさらに努めてまいりたいと存じます。    (富所博学校教育部長登壇) 12 ◯学校教育部長(富所博) 私から、本区における教育問題についてのご質問にお答えをいたします。  近年、教育の機能低下が大きな社会的問題となっております。校内暴力の増加やニート、引きこもりの問題は、家庭における基本的生活習慣のあり方や、学校における教職員の指導力、協力体制、社会全体の規範意識の低下などに起因する問題であると認識しております。教育問題の根底には、その責任の所在の不明確さや他への責任転嫁など、当事者意識の欠落した現在の我が国の状況があることは否定できません。自分たちの社会の子どもは自分たちで育てるといった強い信念のもとに、家庭と学校と社会がそれぞれの役割を自覚した上で、密接な協力体制を構築していくことが必要であると考えております。  まず、学力低下のご質問についてお答えいたします。  本区では、平成14年度の学校週5日制のスタートに合わせて、子どもたちの「ゆるみ」につながらないよう、社会教育の立場から積極的に土曜日の有効活用のための施策を展開してまいりました。一方で、休業日における学校での補充学習を望む保護者の声も教育委員会や学校に数多く寄せられております。教育委員会では、このようなニーズを受け、今年度、夏休みにおいて、区内全小中学校での補充教室を開催いたしました。また、土曜日につきましても、さまざまな制約がある中で、今年度、土曜補習をスタートさせたところであります。まだ試行的な段階でありますが、補充学習とあわせて、来年度以降も充実、拡大を図ってまいりたいと考えております。  次に、文部科学省の地域子ども教室推進事業についてであります。  ご質問の「げんきっず八名川」は子ども生活部が所管して試行実施しているものでありますが、教育委員会としても、当面は子ども生活部と連携を密にしながら、試行事業の評価とあわせ、学校規模や空き教室の状況、地域協力者等、さまざまな観点から実施条件に合った対象校の調査、検討が必要と考えており、その結果をもとに、選択した候補校と実施に向けて協議していくことを考えております。  今後の方向性といたしましては、学童クラブ事業や児童館等、類似事業との関連から課題も多く、試行事業の進捗状況を見て全庁的視野から関係部局と協議を進め、その確立に努めてまいりたいと存じます。  次に、子どもたちの問題行動の低年齢化についてお答えいたします。  本区におきましては、悪質な問題行動は発生しておりませんが、昨年度における小学校の対教師暴力は2件との報告を受けております。対策としては、教職員の組織的対応、保護者への啓発等を柱として、予防・改善に努めております。また、平成13年度より幼児期からの道徳性育成研修会を、幼稚園、小学校関係者や保護者も交えて開催しており、幼児期における集団の中での子どもたちのかかわりのあり方を先駆的に研修しております。小学校入学時に学級内が不安定となる、いわゆる小1プロブレム対策としても効果を上げてきたものと考えております。  教育委員会といたしましては、問題行動に対して対症療法に終始することなく、予防的見地に立って、今後とも健全育成を推進してまいりたいと考えております。 ───────────────────────────────────── 13 ◯議長(斉藤久也議員) 24番川名省三議員。    (24番川名省三議員登壇) 14 ◯24番(川名省三議員) 私は、自由民主党議員として、大綱5点について、単刀直入に質問をいたしますので、明快な答弁を期待いたします。  まず、質問の第1に、区財政の健全化について質問いたします。  本年9月に実施された衆議院議員選挙において、小泉総理の率いる自由民主党が公明党の協力を得て、リーダーシップを発揮して大勝しました。「改革を止めるな」のキャッチフレーズが大きな期待をいただき、大賛同を得る結果と理解いたしております。国民の多くは、不透明な経済情勢よりも、740兆円、あるいは、794兆円とも言われる、額がはっきりしないような借金に非常に不安を持っております。そして、31存在する特殊法人の赤字を合計しても1,000兆以上、これもはっきりしません。このような、つかめないほどの国の借金に不安を感じて、何としても行政改革を基本に財政改革を進めなければ日本の将来はないと判断した結果のあらわれと考えています。  先進30カ国の調査では、国民が感じている豊かさの度合いは第6番目であります。しかしながら、財政問題は最下位の30位であり、しかも29位と30位の差は、400兆円とけた違いの悪化が証明されているわけでございます。最近、石油価格が1バレル70ドルに達し、一時世界経済が混乱するのではないかと心配されました。アメリカでの石油依存度は50%で、経済に与える悪影響は多大なものがあり、我が国は昭和48年の第1次オイルショックのとき、今の価格に換算して1バレル80ドル、石油依存度は当時100%であり、経済への大混乱が起きたことを思い出します。そのときの教訓から、石油の備蓄、原子力、風力、太陽光発電、環境問題を視野に入れた自動車を初めとした省エネ対策に取り組み、現在では6%の依存度で推移しているため、さほど大きな経済問題を受けず、好調な状態を保っています。  大切なことは、将来に対して国と民間企業の努力によっての施策が明確であったことが挙げられます。いかに先を読み取ることが大事か、そして、経済活力と財政問題に力点を集中して、政治の最重要課題として、押し寄せる社会保障問題を解決することに一刻も早く取り組まなければ、21世紀を乗り越えることはできません。歳出の半分しか歳入のない日本の財政は、余りにもバランスが悪く、思い切った行政改革と収入を中心とした財政改革が必要であり、不良債権も一段落し、増収・増益と順調に推移している現在のこの景気を何とかして継続し、歳入、歳出のバランスのとれるようなことをやっていかなければなりません。しかしながら、増税の道は避けて通れないのであります。  政府は小さな政府の実現に力を入れていますが、都も主要5課題の問題も未解決であり、本音は財調を有利に導きたいとの思いが見え見えであります。また、増税による国内消費の冷え込みも懸念され、景気が減退するおそれも残っています。ゆえに、区財政の健全化の必要性が求められています。  そこで、過去、私が質問し、納得のいかない諸課題を中心に、再質問という形で質問させていただきます。  第1点目に、財政問題であります。質問に対してマンネリ化した答弁が欠点であり、区行政に対して本当に改革する意思があるのかお聞きいたします。  第2点目は、区では長期基本計画をもとに運営されていますが、時代の変化が非常に早く、長期基本計画の見直しも臨機応変にすべきと考えますが、いかがでしょうか。  第3点目は、平成9年に区職員の3割削減を提言したところ、平成18年度末までに2割強の削減が見込まれております。現況の区の削減の中には、外郭団体へ異動した人も減員としてカウントされている部分も見受けられます。国策に沿って区職員の思い切った2割削減の実行を断行すべきと考えております。ただし、3年を目途にでございます。区民サービスの低下を避けるために縦割り行政を改めて、横のつながりを大切にすべきであり、例えば、A部とB部の忙しい時期に、それぞれ臨時に人事異動をしてお互いに補完し合うよう複数の仕事を受け持つ施策を取り入れてみてはどうか、お伺いいたします。  第4点目は、今まで努力してきたことは認めますが、まだむだな印刷物があります。この抑制になお一層努力すべきではありませんか。  第5点目に、区庁舎は大半が日中の活動であり、太陽光発電を利用し、光熱費の削減を図るべきで、設備投資と電力費の支払いの差額等は調査しておく必要があるのではないでしょうか。環境にやさしいイメージを区が率先して推進すべきと考えます。ただし、夜間と雨天は発電ができないため、コンピュータシステムの電源使用には心もとないものがあります。常に使える場所等を検討課題としておく必要があると思いますが、その点をお伺いいたします。  次に、公共事業の工期短縮についてお伺いいたします。  橋の工事については相変わらず工期が長く、効率化を図るため、できるだけ短縮してコスト削減につなげる時間管理概念の導入をすべきで、国等は既に実施しております。本区でも、区民から橋梁架け替え工事の長期化に不満があります。時間管理概念は計画発案から完成まで管理し、しかも公共事業のコストの一つとして考え、費用対効果の算定に取り入れることにより期待できると思いますが、お答えください。  質問の第2は、地方分権を踏まえた問題であります。自主財源の確保は、将来の本区にとって重要な課題であり、日本経済の95%は中小企業貢献で成り立っています。今回、私が取り上げる問題は、一般中小企業に対しての手厚い保護、融資額の大幅アップであります。金額が少ないがために利用者が少ないのが現状であります。尼崎の一中小企業が、熟練したコックは空気を上手に取り入れながら春巻きを1分間に6本しかできないのに、同じ製品を70本製造できる機械を完成させ、話題になっています。ウォータージェットガラス切断機を開発した企業もあり、中小企業の技術力は世界一であります。将来性のある本区の中小企業に対して先行投資をして育成する必要があると思いますが、見解をお伺いいたします。  質問の第3は、観光事業についてお伺いいたします。  区長は本年の所信表明の中で、観光事業を重点課題として取り組む姿勢を発表しましたが、受け皿を整えて施策の充実を図るべきであります。現在のままでは、必ずしも成功するとは思われません。  去る6月25日の土曜日です。大勢の人がリュックサックを背負って歩く姿を目にしたので、何の会ですかと早速聞いてみました。JR東日本主催の「隅田川橋めぐり」です。参加者はなんと4,400人、越中島が最終点となり、証明書とお茶1本が配布され、解散との答えが返ってきました。私も何人かの方に道案内と旧跡の説明をし、大変喜ばれました。この企画を区は把握していたのかお尋ねいたします。残念に思うことは、情報化の時代であり、早くキャッチして、少なくともJR東日本に交渉して協賛に加わるべきと思った次第であります。  次に、観光事業に力を入れるならば、第1に、連絡場所を含めたPRの方法、土産品の開発、ガイドの創設が不可欠であります。最近、史跡や文化施設を案内する観光ガイド、ボランティアを志す中高年者が急増しています。自分たちが暮らす町について学ぶことができ、観光ガイドをすることで大勢の人に喜ばれるからです。やりがいのある第2の人生を送れると、誇りを持って幸せを感じている人が多いようです。参加者の方から頭を下げて冷たい飲み物を差し出されたときの喜びは一番うれしい瞬間と経験者のコメントを聞いたことがあります。この問題は何度も提言してきましたが、日本観光協会のまとめでは、全国に約1,200の会があり、3万6,000人が所属し、毎年1割のペースでふえ続けています。各地でこの施策がどんどん誕生しています。なぜ本区では観光事業に力を入れると公表しながら実行に移さないのか、私は理解できません。ぜひその理由をお聞かせください。  質問の第4は、高齢者の健康づくり、セラピードッグについて質問いたします。  これも以前提言した項目でありますが、当時、一時のひらめきで質問した記憶が残っています。健康なときにペットと一緒に、家族同然に生活し、高齢期を迎え、施設に入所し、さびしい毎日を過ごしているとき、犬、猫等を施設に送り込むことにより昔を思い出し、再会が楽しみで元気になった例は数多く報告されています。前回の答弁は、動物の嫌いな人がいる、衛生的な問題からだということで検討課題になっています。  その後、テレビ、新聞等でセラピードッグと称して、アメリカでは30年も前から高齢者施設において、犬に触れる動物療法を行い、成果を上げていることを知りました。その様子の紹介の中で、手の動かなかった老人が犬を一生懸命なでるたびに動くようになった事例が紹介され、また、中央区では、セラピードッグを導入し、好評を博しているとの放映がありました。私は、できることとできないことは承知しています。しかしながら、実行しなければ役所の姿勢は、改革と叫ばれているこの時代に、時代おくれになるのではないでしょうか。お伺いいたします。  寿命が伸び、最後まで元気で暮らしたい願望は人間だれしもが持っていることであります。高齢者1人に若者が4人で支えなければならない時代が到来しています。健康で運動のできる場所の提供と方法等、一日でも元気で行政に負担のかからない体づくりに町会・自治会を通じて誘導、推進させる必要があると考えますが、区当局のお考えをお聞かせください。  最後に、教育問題について質問いたします。  都教委によると、痴漢で逮捕された男性教員、スーパーで万引きした女性教員、東海道線の車内で女子高校生の足を触り、警察に突き出され、都迷惑防止条例違反で逮捕されたり、警察官の強盗、自衛官の覚醒剤事件、55歳男性が13歳中学生と売春した事件など、数えきれないほど事件が多発し、大人も本当に考え直してほしいことがたくさんあります。  戦後、ある団体の勢力によって教育の根源が狂わされ、まじめに教育に携わっている教員もどうにもならないところへ来ています。家庭で本当の愛情のもとに育った子どもは何%いるでしょうか。父親は厳しく、母親は優しく、心のこもった愛情から食事がつくられおやつ等にも気配りがあり、けじめ等をしっかり教え込んだ子どもは、挨拶や思いやり、奉仕の精神が自然に身についています。見かけの過保護な愛情では、決してよい子どもは育ちません。  先般、10歳代の子ども50人、50歳代の大人50人の対話集会がありました。今、大変ニートが流行しております。その中で、大人は今の子どもたちに、時代は自由な時代だから当たり前だというような発言をしたことに、私は大変びっくりしております。現在、大人たちが日本経済の温室の中で育ち、活動してきた状況から、自分勝手、事なかれ主義、自己中心的、損することには手を出さない、犠牲的精神に欠ける等、大人が深く反省すべき点がたくさんございます。その意味で、何としても教育を改革するには体罰は非常に悪い言葉ですけれども、愛のむちとしての体罰が必要と考えております。大変答弁しづらいと思いますが、勇気ある答弁を期待して、私の質問を終わります。
     ありがとうございました。(拍手)    (室橋昭区長登壇) 15 ◯区長(室橋昭) 川名省三議員の質問に対し、私からは、財政問題についてお答えをいたします。  まず、改革の意思に関するお尋ねでございます。  国の三位一体改革や税制改正、あるいは、東京都の施策の見直し等、改革の波は待ったなしで押し寄せており、本区はこうした外部からの改革にも耐え得る弾力的かつ強固な財政基盤を構築すべく、早くから区民、議会一体となって行財政改革を進めてまいりました。  しかし、行財政改革にゴールはありません。行財政をスリム化し、真に区民福祉の向上を目指すためにも、本区行財政改革は未完であると認識いたしております。したがいまして、今後、財政環境が大きく変化する中、より一層、本区行財政のかじ取りは厳しさを増すものと覚悟いたしております。いま一度、さらなる区財政の健全化に向けて、新たな意気込みで取り組んでまいります。  次に、長期基本計画の見直しにつきましては、10カ年計画の中途で改定版を策定するなど、実質的には、四、五年で見直し、さらにその間の社会経済情勢の変化に対しては、行政評価システムを活用するなど、毎年の実施計画の中で対応しているところでございます。今後ともご質問の趣旨を踏まえまして、常に状況の変化に意を注ぎ、臨機応変な施策展開に努めたいと考えております。  次に、国の施策に沿った職員削減についてのご質問にお答えをいたします。  国の指針では、5年間で4.6%を上回る純減を求めておりますが、本区では、2回にわたる適正化計画の実行により、9年間で868名、23%を超える削減を既に達成しているところでございます。むろん、この結果に甘んじることなく、現行の職員適正化計画に加え、技能系職員の退職不補充やアウトソーシング基本方針を着実に実行することにより、国の目標を上回る削減を図ってまいります。  また、個々の職員が組織横断的に、より柔軟で機動的な協力を行うとともに、業務の繁閑に応じた対応を可能とするための具体策として、縦割りの係長制ではない、課内協力が可能な担当係長制の活用など、グループ制の導入についても検討してまいります。  次に、印刷物の抑制についてお答えをいたします。  印刷費については、財政健全化計画において、9年度から12年度までの4年間の累計で約1億5,000万円の財政効果を上げたところでございます。その後、現在までも統合、廃止等による印刷物の見直しに努めてまいりました。今後は、インターネット等による情報配信の積極的な活用や、区報の活用などを行い、区民向けの印刷物については整理の上充実を、庁内印刷物は簡素合理化を図るなど、引き続き適正な印刷物の発行に努めてまいります。  次に、太陽光発電の利用と庁舎光熱費の削減についてお答えをいたします。  現在建築中の防災センターでは、環境への負荷が少ない太陽光発電を一部に導入し、光熱費の削減に努めております。太陽光発電は環境にやさしい無尽蔵のエネルギーとして活用が期待され、今後建設される環境センターなどにも導入を予定しているところでございます。  太陽光発電を庁舎で利用した場合の経費と光熱費削減の試算は行っておりますが、今後、技術面での発展も期待され、また、ご指摘にもありましたが、安定供給や設置場所の問題もありますので、引き続き検討を進めてまいりたいと存じます。  次に、公共工事の工事期間短縮につきましては、国において、「公共工事コスト縮減に関する新行動計画」を平成12年度に策定し、新技術の活用による工事の時間的コストの低減に取り組んでいることは、ご指摘のとおりでございます。その結果は、近々改定される橋梁の技術基準等に反映されると聞いております。  本区といたしましても、橋梁の工事期間中、交通渋滞や騒音等で区民生活に多大な不便を及ぼしていることは十分認識しており、コスト低減も考慮し、工事期間の一層の短縮に努めてまいります。  なお、その他のご質問につきましては、所管部長から答弁いたさせます。    (平松宏章区民部長登壇) 16 ◯区民部長(平松宏章) 私からは、まず、地方分権を踏まえた中小企業に対する支援についてのご質問にお答えします。  地方分権の推進により、住民に最も身近な基礎自治体の役割と責任は増大しております。こうした中で、企業が納付する市町村民税法人分は、財調交付金の財源である調整三税の一つであり、企業の活況は、本区にとりましても財源確保の観点から、これまで以上に重要となっております。  区では、経営基盤の弱い中小企業に対し、低利率の各種融資制度を設け支援を行っており、平成16年度は1,658件、約77億円の融資を行ったところであります。  また、経営の近代化を図るためのIT化支援やホームページ作成費の助成、ビジネスチャンス拡大のための展示会への出展助成や中小企業のビジネスプラン発表会の実施、さらに、新製品・新技術の開発を支援するための研究・開発経費の助成を実施するとともに、本年5月には、産学連携の相談室として北砂に「こうとう産学交流サロン」を開設するなど、中小企業に対し多様な支援事業を実施しているところであります。  そこで、新しい製品や技術を有する将来性のある中小企業に対し、融資限度額を引き上げ、先行投資して育成してはとのご質問ですが、小規模企業特別資金では、限度額を1,250万円としており、平成16年度は58億円の融資を行っております。このうち1,000万円を超える融資件数は80件で、全体の5.6%で、ほとんどの中小企業は限度額まで活用していない状況であります。  しかしながら、将来性のある中小企業の発展は、税収の増加に加え、雇用の拡大などのメリットがあることから、限度額の引き上げについては、貸付額の動向に注視しながら対応してまいります。  次に、本区の観光事業に関するご質問にお答えします。  まず、ご質問の「隅田川橋めぐり」につきましては、残念ながら情報を把握しておりませんでした。  観光PRは、区民に対しては区報やパンフレットの配布、区内広報版の活用などにより比較的容易に行うことができますが、区外や地方に対する情報発信は、ホームページや広域的に発行される新聞や雑誌に取り上げられる記事など、その方法が限られているのが現状であり、ご質問のように、ツアーなどで本区を訪れた人たちへの対応や本区の魅力を広くPRすることは、本区の今後の観光振興にとって重要な課題と考えております。  こうしたことから、本年11月13日に辰巳の森海浜公園で開催された「医師と歩こう健康増進ウォーキング大会」では、本区も後援団体として加わるとともに、区外からの多くの参加者に対し、観光パンフレットの提供を行ったところであり、今後もこうした情報の把握に努め、適切に対応してまいりたいと存じます。  次に、連絡場所を含めたアピールの方法につきましては、パンフレットには深川・亀戸の両観光協会と所管課である経済課の電話番号を原則として記載するようにしております。また、PR方法につきましては、深川シャトル事業においては、本区として初めてでありますが、鉄道車両内のポスターの掲出や季節ごとのイベントカレンダーの発行など工夫を凝らしております。今後も引き続き、効果的なPRに努めてまいります。  また、土産品の開発につきましては、本年度から名産品・土産品の開発経費の助成を実施したところであります。  観光ガイドにつきましては、本年度からシルバー人材センターで観光ガイドを事業化しており、また、教育委員会では、今後、文化財ガイド員に観光スポット関連科目の講習会等を実施し、ガイド範囲の拡大を図る予定でありますので、本区の観光ガイドとして活用を図るとともに、ご提案されております中高年の生きがいづくりとしての観光ガイドボランティアについては、シルバー人材センターやボランティアの登録事業を実施している社会福祉協議会などと協議、連携を図りながら活用を進めてまいります。    (岡部正道保健福祉部長登壇) 17 ◯保健福祉部長(岡部正道) 次に、高齢者の健康づくりについてのご質問にお答えいたします。  まず、高齢者の健康を支えるセラピードッグの導入についてであります。  特養ホームなどの施設に入所している高齢者が、犬などの動物に触れることによって癒され、生きていく意欲がわき、身体機能が回復するという動物療法は大変効果があるということは、ご指摘のとおりであります。前回のご質問に対する答弁では、動物の飼育環境や衛生面などに触れ、検討課題といたしましたが、さまざまな動物療法の実例を踏まえ、評価も定着し、最近では、多くの施設で自ら飼育したり、あるいは、外部からの訪問を受けて、動物療法に取り組んできているところであります。  本区といたしましては、今後とも各施設が工夫を重ね、セラピードックの導入など、有効と思われる手段を積極的に取り入れ、入所されている方々の生きがいづくりや機能回復などに努めるよう働きかけてまいります。  次に、健康で長生きできる推進策についてでありますが、現在、10年後の本区の高齢社会像を念頭に置き、「江東区高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画」の改定作業を進めているところであります。この計画改定の視点の一つとして、一日でも多く、元気で長生きすることを目的とした「活動的な85歳」を目指す取り組みを挙げているところでありますが、その実現に向けては、行政だけではなく、区民一人ひとりの自主的な行動や地域ぐるみの活動が不可欠であります。  したがって、ご指摘の町会・自治会の健康づくりや生きがいづくりに対する取り組みがますます重要になってまいりますことから、区といたしましては、町会・自治会と連携を深め、その自主的な活動を支援してまいりたいと存じます。    (富所博学校教育部長登壇) 18 ◯学校教育部長(富所博) 私から、教育問題についてのご質問にお答えをいたします。  ご指摘のとおり、大人が引き起こすさまざまな事件等が子どもの健全育成に深刻な悪影響を与えております。家庭では親が子どもを育てていく自信と力を失い、しつけを学校や他人に任せる、学校では個性と自由を尊重する余り、子どもたちの規範意識の低下を招く、また、地域では大人から教わったり、叱られたりすることがなくなっているなど、本来子どもをしつけるはずの大人が十分な責任を果たしていない現状があると憂慮しております。  このような時代背景の中で、愛情と学問を子どもたちに真に伝えることができる教育者が求められております。  さきの中央教育審議会答申には、教師に対する揺るぎない信頼を確立することが重要であるとし、質の高い教師の養成の必要性が述べられております。教育に対する強い情熱、確かな力量、総合的な人間力を備えた教師を育成するために、採用、養成を含めて教師自身を鍛える場が必要になってきております。  教育委員会といたしましては、次代を担う子どもたちに対し、正義感や倫理観、思いやりの心など、人が生きていく上で不可欠な内容について、一人ひとりの子どもたちに確実に身につけさせることができるよう、教師の指導力を向上させることが重要な課題であると考えております。  また、反社会的な問題行動などを繰り返す子どもには、その行為の善悪を十分理解させるために、時と場合によっては、厳しい指導も必要になります。  指導に当たっては、児童・生徒の心身の発達段階に応じた十分な配慮が必要となりますが、善悪の判断、いじめや暴力など、人権にかかわるような事例の指導については、学校や教師は毅然とした姿勢で臨むべきものであり、保護者など関係者の協力を得ることも必要であると認識しております。  今後とも、ご指摘の趣旨を踏まえ、区長部局とも連携をし、区議会の協力もいただきながら、教育問題に取り組んでまいります。 ───────────────────────────────────── 19 ◯議長(斉藤久也議員) 23番添谷良夫議員。    (23番添谷良夫議員登壇) 20 ◯23番(添谷良夫議員) 私は日本共産党区議団を代表し、大綱3点について質問します。  まず、第1は、介護保険制度についてです。  介護保険法改悪により、10月から特養ホーム入所者やショートステイ利用者の居住費と給食費が保険給付から外され、利用者負担が大幅に値上げとなりました。利用者やその家族からは、「利用料がこれまでの2倍の10万円になり、払い続けられない」など深刻な声が寄せられています。低所得者に対しては補足給付という負担軽減措置があるものの、それ以外の人に対しては原則対象外とされ、負担増の影響をまともに受けます。そのため、お金の都合で特養ホームを出ざるを得ないなど、深刻な事態が懸念されます。施設入所者の実態をつかみ、そうした事態を招かないよう、区として対策を講じるべきです。伺います。  デイサービス利用者の給食費については、低所得者向け軽減対策がないことから、その影響は特に深刻です。区内のデイサービスでは、事業者の努力はあるものの、1食800円と2倍近くになったところもあります。利用者にとっては、食事は健康と心のケアの源泉です。食費の値上げで利用を控えるような事態は絶対にあってはなりません。既に荒川区など5区では、低所得者の負担軽減策を区独自に実施し、だれもがお金の心配なく必要なデイサービスを受けられるようにと、行政としての努力を行っています。本区でもデイサービス利用の低所得者に対する給食費補助制度を創設すべきです。伺います。  次に、地域支援事業は要支援状態になる前から介護予防を継続的に強化するとして、老人保健、介護予防・地域支え合い、在宅介護支援センターの3事業を再編、統合し、介護保険の中で実施するとしています。しかし、これは介護予防の名のもとに、これまで国や区が税金で行ってきた福祉事業を介護保険に組み込んで、国の負担を減らすのがねらいです。しかも、この事業の総費用は「給付の2%程度」という枠まではめられており、それでは本区が取り組んできた介護予防対策事業はとても収まりません。そのためサービスを後退させるか、または区の持ち出しにするか、あるいは、利用料を徴収するかということになってしまいます。  そもそも介護予防対策として実施してきた事業であり、国に財政負担を求め、現行水準を維持すべきです。また、利用料徴収は絶対にすべきではありません。あわせて伺います。  次は、保険料についてです。  来年4月以降の新しい介護保険料について、中間のまとめでは「標準世帯で4,000円から4,300円になる」との試算が示されました。ここでもまた負担増です。今、高齢者の収入は、厚生労働省の調査でも減り続け、「せめて自分の葬式代ぐらいは残しておきたいと思っていたが、もらう年金は減っているのに負担ばかりが多くなって、お金を残せるはずがない」など不安が広がっています。こうした高齢者の暮らしに所得税、住民税の課税強化、それに連動する医療・介護保険料の雪だるま式増大、医療改悪などにより逃げようのない負担が次々とかぶせられています。国は今度の改定で低所得者対策を取り入れたと言いますが、もともと所得が少ないから税負担を免除してきた人を標準的保険料負担者と定め、所得の低い人ほど負担割合が重くなるという制度上の根本欠陥はそのままに、今度も国の負担を減らし、自治体と高齢者への負担増を迫っています。「金のない者は保険料だけ取られて利用できない」との声も聞きます。保険料を値上げしないよう、必要な国庫負担を国に求めるとともに、区としても財調基金を活用するなど、低所得者対策の拡充を進めるべきです。伺います。  第2は、保育問題についてです。  4月1日現在、511名だった待機児は10月1日には747名にふえました。無認可保育所も認証保育所も、どこに行ってもいっぱいで預けるところがありません。「来年入所児の募集が始まって、育休明けで復職しようと思ったら、『今、働いていないから難しい』と言われた」、また、双子の子がいる母子家庭の母親は、「祖母のパート収入で暮らしている。何としても保育園に入れてほしい」など、悲鳴に似た声が区内各所から寄せられています。区は21項目にわたる調整指数に加え、さらに14項目の優先順位指数まで示して受け入れ児童の順番を決めようとしています。しかし、こんな小手先のやり方では解決できません。保育園に入れるか否かは、親にとっては生活がかかった切実な問題です。この願いを受けとめ、待機児解消に取り組むことこそ本区子育て支援の緊急、最大の課題と言うべきです。認識を伺います。  区はこの間、待機児がふえ続けている原因は、南部地域のマンション急増に追いつかなかったからと言い続け、今後、豊洲地区に3つの保育園を新たに開設するとしています。しかし、これは将来の需要に対する対策であって、現に今いる待機児を減らし、解消する力にはなりません。10月1日現在の出張所管内別の待機児数は、豊洲の171名を筆頭に、砂町110名、南砂88名、白河81名、亀戸77名、富岡72名など、どこを見ても一、二カ所以上保育園をつくらなければとても追いつきません。まさに全区的課題です。  しかも、4月1日現在の本区認可保育園の定員数に対する待機児の割合は、23区中最も高く、特にゼロ歳児では55.9と23区平均の4倍以上、1歳児でも2倍以上と23区中最悪で、認可保育園の整備のおくれは明らかです。待機児解消は民間任せでなく、公立保育園の新設で集中的に取り組むべきです。伺います。  次は、都加算補助についてです。  東京都は認可保育園への都加算補助や学童クラブ運営費補助など13事業を廃止し、新たに「子育て推進交付金」を創設すると市町村に提案しました。認可保育園への加算補助事業は、余りに低い国基準を補い、東京の保育水準を保障することを目的に、ゼロ歳児保育のための保健師配置や離乳食を初め、質の高い給食を提供するための調理員の増配置、延長保育のための職員配置や障害児保育のための経費など、それぞれの事業に対して補助してきました。この補助制度を廃止し、新たにつくる交付金の使途について、「13事業に限定されない」としたことは、東京の保育水準を維持するための積算根拠をなくし、後退を招くこととなります。  大田区の私立保育園園長は、「こんな重大な問題が自治体や保育園の関係者に知らされないままなぜ進むのか疑問。うちの園では年間4,200万円以上が都加算補助分で子どもたちを守っている。都加算補助をなくす提案は撤回してほしい」と都に求めています。本区保育事業にも重大な影響を及ぼす都加算補助の廃止と交付金化は撤回するとともに、拡充するよう求めるべきです。伺います。  最後は、中小企業対策についてです。  政府は8つの政府系金融機関を統廃合し、貸し出し残高を対GDP比率で半減させ、直接貸し出しも縮小しようとしています。中でもターゲットにされているのが、中小企業向け融資を行ってきた国民生活金融公庫、中小企業金融公庫、商工組合中央金庫の3つの金融機関です。民間銀行が社会的責任を放棄し、不良債権処理で中小企業への猛烈な貸し渋り・貸しはがしを行ってきた最中も、中小企業金融公庫は、中小企業の資金繰りを支えるために貸し出しをふやし、中小企業からの要望が強い長期貸付も行っています。商店、飲食店などが中心の国民生活金融公庫は、貸し渋り・貸しはがしに対応し、セーフティネット貸付を2001年からの3年間で7倍以上にふやしてきました。政府系中小3金融機関は、民業圧迫どころか民間金融機関が見捨てた中小企業の命綱の役割を果たしてきました。だからこそ、日本商工会議所など、中小企業関連4団体は「中小企業や地域経済の活性化のために政府系金融機関は必要である」として、その存続と機能強化を政府に求めています。  中小企業の町江東区として、政府に対し、中小企業向け3金融機関の統廃合の中止と貸付規模、組織、機能の強化を求めるべきです。伺います。  次は、中小企業支援のためとして、東京都が設立した新銀行東京についてです。  同銀行は当初、「個人の白色申告者は対象にしない」との態度をとりました。その後、商工団体の強い改善要求を受けて、同銀行と東京都は「青色申告が条件ではない。白色も受け付ける」「都の制度融資は9月15日より本店で扱っている」などと回答を寄せました。しかし、同銀行ホームページには、依然、旧来の条件が掲載されており、直接電話をすると、現場からは「青色以外の審査スタイルがなく、白色の人は無理」との答えが返ってきました。都民の税金を使って設立しながら、申告方法が青色か白色かの違いだけで差別待遇するなど許せません。都並びに新銀行東京に対し、商工団体への回答に沿ってホームページを修正するとともに、実際に利用できるよう全支店に改善方の徹底と、都の制度融資を全支店で取り扱うよう求めるべきです。伺います。  次は、商店街対策についてです。  区の景況調査によれば、小売業は長期の消費低迷に加え、大型店に客を奪われ、人の出も売り上げも半減という大変な状況となっています。ある商店会会長は、「装飾灯は買い物客の利便だけでなく、防犯効果も大きい。しかし、電気代の負担は商店街にとって一番の重荷」と言います。現在、約30%となっている補助率を江戸川区並みの100%に引き上げるべきです。伺います。  また、防犯効果を向上させ、安全な買い物をと防犯カメラの導入を決めた商店会役員は、日常のメンテナンスとともに、六、七年後にやってくる機械の更新に補助がないことが導入に当たっての一番の心配事だったと言います。この声にこたえて、補助対象を拡大すべきです。伺います。  地元商店街支援の一環として、区内共通商品券事業がスタートして6年になりますが、区の利用は2万9,950枚、その大半がハッピーセカンド事業です。隣の江戸川区に比べ、金額も利用割合も大変なおくれです。区としてさらに利用拡大を図るべきです。また、区商連から「共通商品券は印刷代が高いので、プレミアつきのものだけでなく、通常のものについても区が援助してほしい」との要望が寄せられています。この声にこたえるべきです。伺います。  次は、観光支援事業についてです。  深川観光協会と門仲商店街は、深川不動尊など地元の観光資源を生かすとともに、一店逸品運動などで多くの観光客を呼び込んで、町の活性化を図る取り組みを進めています。さらに、大型観光バスの誘致を進めていますが、ネックとなっているのが駐車場の確保です。首都高の福住入り口付近の高架下など、首都高速道路株式会社の所有地や周辺の事業所の敷地の空き時間帯の利用など、周辺各事業所との協力関係をつくることは、そのための有力な手段の一つと考えます。観光事業振興に区としてもさまざまな支援をすべきです。伺います。  最後は、中小企業振興基本条例についてです。  江東区中小企業景況調査によれば、本年第2・四半期の業況判断指数は、前期に比べて悪化しています。また、経営上の一番の問題として、全業種とも売り上げの停滞、減少を挙げています。こうした状況だからこそ、地域経済活性化に責任を持つ自治体が、まちづくり、ものづくりに取り組む中小企業の支援、育成の姿勢を明確にすることが重要です。中小企業振興基本条例は、墨田区など既に13区で制定され、区独自の支援策が強化されており、北区も制定に向け検討すると表明しました。本区においても速やかに制定し、地元中小企業への支援、育成の姿勢を明確にすべきです。  以上伺って、私の質問を終わります。  ありがとうございました。(拍手)    (室橋昭区長登壇) 21 ◯区長(室橋昭) 添谷良夫議員の質問に対し、私からは、介護保険についてのご質問にお答えをいたします。  まず、施設給付の見直しに係る施設入所者の実態把握と対応策についてのお尋ねでございます。  国は、施設給付の見直しに当たり、住民税非課税層を対象とする補足給付の実施や、利用者負担額軽減制度の改正など、多様な低所得者対策を行うとともに、課税層の利用者が施設側と適切な契約を結ぶための「利用料に関するガイドライン」を明示いたしております。  本区といたしましても、これらの円滑な実施を目指して、改正法成立の直後から、介護施設、ケアマネジャー等への説明会を重ねるとともに、区報による周知や全施設利用者への改正内容の周知と申請手続の勧奨、また、さまざまな問い合わせへの対応などを行ってまいりました。  その結果、改正後も何ら問題なく施設サービスが実施されております。  また、施設給付の見直しに関する影響等の調査についても、近々、国が実施する予定とのことであり、お尋ねの実態把握や対応策については、区として実施する考えはございません。  次に、通所施設サービス利用者の負担軽減策についてお答えをいたします。  10月からの利用料金改定は、在宅で生活する方と施設に入所して生活している方々との負担のアンバランスを低所得者にも配慮して是正するものでございます。通所施設サービスの利用につきましても、食費の改定はあったものの、生計困難者に対する利用者負担額軽減措置の対象者を拡大したところでございます。  本区といたしましては、利用料補助制度などの低所得者対策は、国の制度として対策が講じられるべきものと認識しており、お尋ねの通所施設サービス利用者の負担軽減策につきまして、本区独自の補助制度を設ける考えはございません。  次に、地域支援事業についてお答えいたします。  まず、地域支援事業について、国に負担を求めていくべきとのことでございますが、今回の介護保険制度改正により、新たに実施される地域支援事業の財源は、国等の負担割合も明確になっていることから、改めて国に負担を求める考えはございません。  また、これまでどおりの事業実施を継続すべきとのことでございますが、地域支援事業としての介護予防事業は、事業費の一部が保険料により賄われることから、保険料を負担する区民の理解が得られる事業を選定する必要があるものと考えております。  さらに、地域支援事業になっても利用者負担を求めるべきではないとのことでございますが、まずは、新しい制度、事業の定着を優先することとし、地域支援事業全体の利用者負担のあり方については、定着の状況を見ながら検討してまいりたいと考えております。  次に、介護保険料、低所得者対策につき、国への財政負担を求め、保険制度外での対応策をとのお尋ねでございます。  本区といたしましては、今回の改正に当たり、これまでも全国市長会等を通じ、国の負担金の確実な配分等を申し入れてまいりました。今後も適宜、適切な財政負担を求めてまいりたいと存じます。  また、お尋ねの保険制度外での低所得者対策は、国の制度として対策が講じられるべきものであり、本区独自の対応策を行う考えはございません。  なお、その他のご質問につきましては、所管部長から答弁いたさせます。    (岩上英彦子ども生活部長登壇)
    22 ◯子ども生活部長(岩上英彦) 私から、保育問題についてのご質問にお答えいたします。  まず、保育園の待機児についてであります。  女性の社会進出や雇用形態の多様化などを背景として保育需要は増大しており、加えて、全国的な少子化傾向とは異なり、本区においては、マンション急増などによって乳幼児人口がこの8年間で約30%増加しているという状況にございます。  こうした保育需要の急増に対応するため、区といたしましては、廃園後の幼稚園園舎や旧区民館、旧出張所などを活用した認可保育園の整備や、学校の余裕教室を利用した保育室の整備、認証保育所の整備など、公有財産の有効活用と民間活力の導入によって保育施設の拡充に努めており、この4年間で約800名の保育定員増を図ってまいりました。さらに、平成18年4月には、東雲キャナルコート内に民設民営の認可保育園を開設する予定といたしております。  今後とも、待機児解消を区の重要課題として取り組んでまいります。  なお、「入園のしおり」に掲載した調整指数等は、要綱で定めていたものを審査の透明性を図る意味で公表したものであります。  次に、公立保育園の新設についてお答えいたします。  ご質問にありますように、現在のところ、18年度に東雲地区に1園、19年度及び20年度で、豊洲地区にそれぞれ1園の新設を計画しております。待機児の発生は南部地域だけではなく、全区的な保育施設の整備が必要とのお尋ねでありますが、今後とも区全域における集合住宅建設計画の中で、必要な場合は事業者側と協議するなど、機会をとらえて民営保育施設の整備を推進するほか、既存の保育園での定員拡大も図ってまいりたいと存じます。  また、新設の保育園につきましては、民設民営あるいは公設民営によって、効率的で柔軟なサービス提供を図ってまいります。  次に、都加算補助についてのご質問であります。  東京都は認可保育所運営費補助や学童保育事業費、定期予防接種補助など13の補助金について、人口を基礎に算定する基本分を80%程度、延長保育等の実施率を考慮して配分する政策誘導分、20%程度を「(仮称)子育て推進交付金」として再編し、交付金化する方針で市町村と協議を進めていると聞いております。  例えば、ゼロ歳児保育特別対策として、保健師と調理員の増配置を実施要綱で定め、その人件費相当分の3分の2を補助金として交付しておりましたが、個別の事業に対する補助金ではなく、使途を限定しない包括交付金とする内容であろうと考えております。  特別区におきましては、これらの補助金の多くは財調の基準財政需要額の中に算定されておりますので、一部直接都補助対象となっている事業について、都と協議を行っております。  補助制度の変更が現行の職員配置等に即影響を及ぼすかとのご意見でありますが、現実の事業水準は別個にあるべきものと考えております。また、交付金制度の詳細と、それが財調算定の中でどう反映されていくかについて、今後の推移を見守ってまいりたいと存じます。    (平松宏章区民部長登壇) 23 ◯区民部長(平松宏章) 私からは、中小企業問題に関するご質問にお答えします。  まず、政府系金融機関の統廃合問題でありますが、報道によりますと、対象となる8機関については、民営化するものなどを除いて1機関に整理統合する調整が行われており、今月29日に開催される経済財政諮問会議において基本方針を決定するとしております。  区といたしましては、今後の議論の推移を見守りたいと考えており、統廃合の中止及び貸付規模や組織、機能の強化を求める考えはありません。  次に、新銀行東京における都の制度融資の取り扱いは本年9月から開始したところであり、取扱店の拡大については、今のところ予定はなく、しばらく様子を見るとのことであり、また、ポートフォリオ型融資などの定型融資商品については、事業者の業績を青色申告書に基づいて数値化することで、審査期間の短縮を図っていることから青色申告者に限られ、白色申告者は利用ができないと聞いておりますので、区として申し入れることは考えておりません。  また、定型融資商品以外の融資については、他の金融機関と同様に、申告形態に関係なく、一般業務として受け付けていると聞いておりますので、こうした業務までホームページに新たに掲載することを申し入れる考えはありません。  次に、商店街対策についてです。  商店街装飾灯は地域の防犯灯の役割を担っていることから、電気料助成については、昨年度は47商店会に約1,020万円、実績額の37%を助成しており、防犯カメラについては、多大な設置費用を要することから、設置経費の4分の3を助成しています。  また、区内共通商品券の発行にかかわる助成については、商品券のプレミア分とPR経費のそれぞれ2分の1を助成しており、昨年度は約200万円を補助したところですが、いずれの補助事業も、商店会の活性化に伴う受益者として一定の負担は必要であると考えており、補助率の引き上げや対象の拡大は考えていないところであります。  また、区内共通商品券の活用については、昨年度は、発行実績枚数の約25%に相当する3万枚をハッピーセカンド事業など区で活用しておりますが、新たな事業等で商品券の活用につながるものがあれば協力していく考えであります。  次に、観光支援事業についてであります。  これまでにも一般質問でお答えしているところですが、多くの観光客を誘致し、その消費活動の拡大による地域の活性化を図るためには、観光バス等の大型バス駐車場の確保も必要であると認識しております。大型バス駐車場については、駐車場の維持管理などの課題がありますので、観光協会や商店会などと連携を図りながら検討してまいりたいと考えます。  次に、中小企業振興基本条例の制定についてですが、これまで再三にわたりお答えしているとおり、現在、区では中小企業基本法に基づき、地域に合った施策を展開しているところから、条例を制定する必要はないものと考えております。   ────────────────────○──────────────────── 24 ◯議長(斉藤久也議員) おはかりいたします。  議事進行上の都合により、暫時休憩いたしたいと存じますが、ご異議ありませんか。    (「異議なし」と呼ぶ者あり) 25 ◯議長(斉藤久也議員) ご異議がないものと認めまして、暫時休憩いたします。    午後3時15分休憩   ────────────────────○────────────────────    午後3時38分開議 26 ◯議長(斉藤久也議員) 休憩前に引き続き会議を開きます。   ────────────────────○────────────────────    ◎ 会議時間延長の件 27 ◯議長(斉藤久也議員) この際、本日の会議時間を延長いたしておきます。   ────────────────────○──────────────────── 28 ◯議長(斉藤久也議員) 一般質問を続けます。  5番小森弘雅議員。    (5番小森弘雅議員登壇) 29 ◯5番(小森弘雅議員) 質問の機会を得ましたので、私は、大綱3点にわたって質問させていただきます。  最初の質問は、城東地域の河川整備とコミュニティバスについてであります。  昭和22年、深川・城東の2区が合併し誕生した江東区も、半世紀の時を経て、「だれもが住みたい江東区、住んでよかった江東区」と人々に語られるほど、今では、まさに「伝統と未来が息づく水彩都市・江東」へと発展いたしました。中でも、太陽の光を遮るほどの黒煙を出す煙突が立ち並んでいた大島地域は、現在では船番所資料館などの公共施設を初め、地域住民に親しまれる町へと、その姿を大きく変えました。  先月、江東デルタ地帯の災害時の新しい広域的な防災ネットワークと河川を利用した観光などを目的に建設された荒川ロックゲートが開通し、いよいよ隅田川と荒川が小名木川によって東西に一直線に結ばれ、さらに水辺の環境整備を進めることによって、今以上に区民に親しまれる地域へと変わっていく可能性が見えてきたのであります。  そこで伺います。本区は今後の旧中川河川敷の親水性ある整備について、どのようにお考えか伺います。また、船番所資料館がある小名木川と旧中川の合流地点付近は、東京都による河川マリーナの設置構想もあり、同時に、川岸の散歩道や休憩所などの周辺整備を進めるべきと強く考えますが、ご所見を伺います。  また、江東内部河川の中にあって、数少ない土手を有する旧中川の河川敷で、中川大橋からもみじ橋周辺は雑草も生い茂り、他の区間と比べ整備がおくれ、整備の必要性を感じております。区内の土手全体の整備は乗り越える課題も多くなると承知しておりますが、そのような大がかりな整備ではなく、水際に安全に魚釣りなども楽しめる遊歩道桟橋の設置整備などを推進することで、現在と違った雰囲気を醸し出せると思いますが、あわせて伺います。  次に、小名木川の整備状況について伺います。  大島と砂町を厚くて高い護岸で分けていた小名木川の整備も進み、人道橋の整備も着手時期はおくれるものの、整備のめどもつきました。しかしながら、現在の護岸整備の推進状況は、1年間に約160メートル程度で、当初の整備完成予定より大幅におくれてしまうのではないでしょうか。これでは人道橋を初め、小名木川の護岸整備そのものが悲願だった地域住民は納得できません。季節の花々が咲き乱れる情緒あふれる景色の親水性ある河川整備は、どうなってしまうのでしょうか。当初予定はもちろんのこと、少しでも早い完成を都へ強力に働きかけるべきです。ご所見を伺います。  また、歩行者や自転車の大きな負担となっている丸八橋の勾配対策も早急の取り組みが必要です。本年第1回定例会の一般質問で私は、「架け替えが無理なら丸八橋の下に歩行者自転車専用橋を架け、丸八橋は自動車専用橋にしてはどうか」と質問いたしました。「改善策として都に申し入れたい」との答弁をいただきましたが、その後はどのようになっているのでしょうか。高齢者や車いす利用者のことも考えたとき、現況にエレベーター設置も考えられる対策の一つと思いますが、方法はどうであれ、対策が必要です。改善策の推進状況を伺います。  最後に、城東地域のコミュニティバスの運行について伺います。  私どもの会派としても、政策実現に向け全力で取り組んでまいりました、コミュニティバス「しおかぜ」が今月1日から江東南部地域を交通不便解消と地域住民の思いを乗せ、いよいよ運行を開始いたしました。年間の乗車人数目標の達成など、しおかぜ号の今後の活躍に期待が寄せられるところでありますが、と同時に、城東地域運行のための青写真を描き出すべきと考えます。平成15年6月、私も議員になり初めての定例会一般質問において、「南部地域のコミュニティバスの早期実現と区内各地域における実現」に触れさせていただきました。城東地域においても、よくはなってきたものの、交通不便を感じさせられるところは多く残っており、特に南北交通の不便解消は地域住民の悲願であり、対策の一つとして、城東地域へのコミュニティバスの運行計画を進めるべきです。本区のご所見をお伺いし、次の質問に移ります。  質問の第2点目は、本区の産業振興施策について伺います。  今、日本の景気はよくなっているとの見方が政府や大手企業を中心に主流となっております。しかし、中小零細企業への波及はいまだ見られていないのが現状であります。  本区は「やる気」のある中小企業を後押しするため、活性化の柱として新たな技術や製品を開発するための産学連携事業を推進しております。これまでのニーズ調査を踏まえて、本年5月から芝浦工業大学や東京海洋大学の協力を得て、相談や研究機関を紹介する「こうとう産学交流サロン」を開設し、積極的な取り組みを開始しましたが、その状況はいかがなものか、まずお伺いいたします。  さて、来年4月の芝浦工大の豊洲移転を機に、産学の連携を深める環境がさらに強化されることになります。中小零細企業では、よいアイデアがあっても独自に新技術の研究開発を行うことが困難でありましたが、大学の研究機関の活用により新技術、競争力を有することとなり、これからの区内産業振興に大いに寄与するものであります。  そこで、実効を上げるためにも、委託、研究の支援として新たな施策が必要であると考えますが、いかがでしょうか。お伺いいたします。  次に、我が国は70年代、80年代に次いで第3次のベンチャーブームにあると言われております。政府では経済活性化と雇用創出を図る手法として、ベンチャー事業などの創業に対し、多面的な支援を行っていると言われておりますが、個人創業を目指す人は、創業に必要な人、物、金の経営資源をほとんどが持ち合わせておりません。  とりわけ、子育てを終えてからの母親ビジネスの実例も多くある今日、女性の社会進出、さらに、お元気な定年退職者などを含めて支援する上からも、創業意識を把握するための調査をすべきと考えますが、どうでしょうか。  さらに、本区としてこれまでの産業振興施策とあわせた積極的な創業支援策を打ち出すべきと考えますが、お伺いいたします。  次に、ニート問題と本区の中小企業対策についてです。厚生労働省によると、学校にも通わず、求職活動もしていない、いわゆるニートと呼ばれる若者が全国で64万人もいると言われております。葛飾区では、ニートなどの就労対策として専門の機関であるハローワークなどが中心となって「かつしか夢プラス」を立ち上げ、巡回相談会を数回開催したところ、予約はゼロとのこと。これは深刻さと対策の難しさを痛感させるものです。  ニートは他とのかかわりを避ける引きこもりも多く、不登校との関連も指摘されている中、本区でも中学校で職場体験学習を実施していますが、その効果をどうとらえているのかお伺いいたします。  しかしながら、少子化の進展や団塊の世代が退職を迎える2007年問題を考え合わせるとき、就労人口の減少は、本区の中小企業にも大きな影響を及ぼすものです。中小企業対策の観点からも、何らかの対応策が必要と考えますので、お伺いいたします。  質問の最後は、江東区の子どもたちについてであります。  近年、子どもたちを取り巻く環境は、決して安全であるとは言えません。家庭や社会においては、児童虐待や犯罪への誘惑、また、学校においても、いじめやそれによる死亡事故、校内への犯罪者の乱入、教職員によるセクハラなど、子どもをめぐるさまざまなことが深刻な社会問題にもなっており、子どもたちはいつも危険と隣り合わせの時を過ごしていると言わざるを得ません。そして、その分だけさまざまな悩みを抱え、人に相談することができず、ひとりで悩みと戦い続けている多くの子どもたちがいるのが現実です。  本区においては、それらの問題に対応するため、現在、中学校においてはスクールカウンセラーを置き、それ以外にも、昭和53年から電話相談を行っております。平成8年には「なやみいつでも電話相談」と名称を変え、教育センターで行い、学業不振、不登校、いじめ、家族関係など、それ以外にも合わせて平成16年度は180件の相談があり、平成17年度も9月までに100件近い相談を受けていると聞いております。そこで、「なやみいつでも電話相談」事業について伺いますが、区教委は本事業開始以来、今日までの成果に対し、どのような評価をされているのでしょうか、伺います。  また、日ごろからさまざまな悩みを抱え苦しんでいる子どもたちや保護者が、本事業を1人でも多く利用されることが望まれます。そして、相談者は子ども本人や保護者などに分かれると思いますが、やはり悩みの傷が深く大きくなる前に早期に問題を解決するためにも、悩みを抱えている子ども本人が相談をしてくることが大切であると考えます。区教委は、子どもたちへの周知にどのような工夫、努力をされているのか、また、小学校では悩みを持つ子どもの対応にどのようなことをされているのか伺います。  他の自治体では、よく名刺サイズの電話相談の案内カードを作成し、公共施設の窓口に置いてあるのを見かけることがあります。本区も子どもたちが見て「電話してみようかな」と思えるようなカードを作成し、全生徒に配布してはどうでしょうか。あわせて伺います。  江東区の子どもたちがさまざまな悩みを乗り越え、子どもらしく未来に向かい、生きる権利を価値的に使えるよう、これからも区教委のご努力をお願いいたします。  次に、(仮称)「江東区こども憲章」の制定について伺います。  現在、本区には「江東区平和都市宣言」「江東区交通安全宣言」や「区民のちかい-江東区民憲章-」などの宣言文や憲章があり、今日まで江東区民の文化する心をはぐくんでおります。しかしながら、本区においては、子ども自身に光を当てた宣言文や憲章などはなく、今や人口43万人になろうとしている大江東の子どもたちが未来に向け、江東区を慈しみ、価値ある人生を歩んでいく心をはぐくめるよう、憲章などの必要性を感じております。  愛知県の高浜市では、憲章が従来型のシンボル的憲章にとどまらず、市民や子どもたちに日常生活の中で実際に活用してもらえるような実効性ある憲章にしていきたいと検討委員会をつくりました。大人側委員と子ども側委員の意見、双方を大切にした憲章づくりを行い、可能な限り、子どもからの提案を取り入れ、未来に向け歩んでいく自分たち自身のことを子ども側から、子どもに対しての振る舞いや思いなどを大人側からと、それぞれの文章を作成し、「子ども市民憲章」を完成させました。  本区においては、教育目標や基本方針など、大人の目標はあります。しかし、子ども自身が自分の将来のため、どのような生き方をしていくべきなのかという指針となるべきものも大切なのではないでしょうか。江東区の子どもたちがつくる、子どものための「こども憲章」。今以上に、さらに本区の未来を託せる子どもたちに成長してもらうため、ご所見をお伺いし、以上、私の質問といたします。  ご清聴ありがとうございました。(拍手)    (室橋昭区長登壇) 30 ◯区長(室橋昭) 小森弘雅議員の質問のうち、私からは、本区の産業振興施策に関するご質問にお答えをいたします。  まず、「こうとう産学交流サロン」についてでございますが、昨年実施した区内約2,700事業所の産学連携に対するニーズ調査結果を踏まえ、より身近なところで大学と気楽に相談できる場を提供するため、東京海洋大学と芝浦工業大学の協力を得て、本年5月に北砂に開設した相談室であります。  この相談室は、毎週木曜日の午前に開設しており、これまでに14件の相談がありましたが、引き続き周知に努め、利用の拡大を図ってまいります。  次に、産学連携への新たな支援策としての委託研究の支援についてでございます。産学連携の目的は、区内中小企業者が独自では困難な新製品・新技術の開発を大学の研究施設を活用して実現し、中小企業の競争力を高めることにございます。  こうした目的を有する産学連携は、企業と大学の相談の次のステップとして委託研究や共同開発につながってまいります。  しかし、委託研究や共同開発は相当な経費を要する場合もあり、先進自治体では、経費助成や融資制度などの経済的な支援策を講じているところもありますので、本区としての効果的な支援策の実施について検討してまいりたいと考えております。  次に、創業意識の調査についてでございます。本年度の商工相談件数は、前年同時期と比較すると全体としては減少しておりますが、創業に関する相談の割合は増加し、また、融資件数では倍増の状況となっており、今後も増加傾向が続くものと考えております。  本区は、創業の支援事業として創業支援セミナー、創業相談、創業支援融資事業を実施しておりますが、創業を考えている業種としては、サービス業と商業がほとんどを占めている状況にございます。  そこで、創業意識の調査ですが、これらの事業を通して創業意識の把握が可能であると考えておりますので、その中で意識の把握を図り、施策に反映させていく所存でございます。  次に、ベンチャー企業等の創業支援についてでございますが、最近の創業を目指す方の特徴としては女性の増加があり、また、間近に迫った団塊世代の定年退職者による創業意向の増加も予想されることから、今後は女性や定年退職者を対象とした創業支援セミナーの実施など、きめ細かな支援策が必要であると考えますので、こうした動向を把握しながら、具体的な支援策を検討してまいります。  次に、本区中学生の職場体験学習の効果についてでございますが、職場体験学習は、子どもたちが自己の能力、適性等についての理解を深め、地域社会への奉仕や産業へ目を開くとともに、将来の職業や進路に対し関心と理解を深める上で、大変有効であると考えております。  次に、ニート問題と本区の中小企業対策についてでございます。  少子高齢社会の中でのニートの増加は、中小企業にとって労働力の確保がさらに困難になると懸念されます。ニート対策は国や都が対応しておりますが、本区では、中小企業支援の観点から、就業体験する高校生や大学生を受け入れる事業所を支援するインターンシップ事業や、次代を担う児童・生徒に、ものづくり文化に触れる機会を提供する事業所を支援する産業スクーリング事業を実施しております。  これらの事業は中小企業にとっては、就労人口が減少する中での人材確保や育成が期待でき、一方、参加者にとっては、就労意欲の高揚によるニートの予防効果が期待できますので、協力事業所及び参加者の拡大に努めてまいる所存でございます。  なお、その他のご質問につきましては、所管部長から答弁いたさせます。    (野村俊夫土木部長登壇) 31 ◯土木部長(野村俊夫) 次に、城東地域の河川整備とコミュニティバスについてのお尋ねにお答えいたします。  まず、水辺の環境整備についてであります。  本区は多数の水路が縦横に走る水辺の町であり、これらの水辺は、潤いを感じさせる景勝地として区民に親しまれているところでございます。  そこで、ご質問の旧中川河川敷の水辺環境整備の考え方についてでありますが、旧中川は東京都において河川の安全性を向上させるため水位を低下し、引き続き河道整備を実施しているところでございます。整備は低水路整備、高水敷整備、堤防整備の3段階で行われており、引き続き区が実施する親水整備については、連続した水辺環境の整備を実現するため、東京都と協議し、計画してまいります。  次に、小名木川との合流部分の整備についてでございますが、東京都が平成19年度に護岸の整備を行う予定と聞いております。また、東京都のマリーナ構想は、実現に相当の期間を要すると思われますが、区としては、環境整備について着実に進めてまいります。  なお、旧中川の遊歩道桟橋の整備につきましては、水路敷地内構造物等の制約や財源の確保など課題も多く、整備計画立案における研究課題としてまいります。
     次に、小名木川の整備状況についてですが、「下町河川の明日を創る会」の知事答申を踏まえ、河川整備に当たっては、江戸情緒を考慮した整備に努めることとしております。樹木等の整備につきましても、水面からの風景に配慮した修景緑化による水辺づくりを東京都とともに目指してまいります。  現在、東京都が整備を進めておりますが、整備完了までには今後十数年ほどかかると聞いております。そうしたことから、今後とも早期完成を東京都に強く要望してまいります。  次に、丸八橋の勾配対策についてお答えいたします。  都道における急勾配橋梁につきましては、東京都としては、橋梁の架け替え、耐震補強工事の際に解消に努める方針であり、丸八橋につきましても、架け替え等の大規模改修時に検討していくとのことであります。したがいまして、現況橋梁とは別の人道橋設置については、都としては、現在のところ計画がないのが現状であります。  しかしながら、急勾配橋梁の問題につきましては、本区といたしましても重要な問題であると認識しており、ご提案のエレベーターの設置も含め、引き続き都と協議してまいります。  次に、城東地域へのコミュニティバス導入を計画すべきとのお尋ねについてお答えいたします。  コミュニティバス「しおかぜ」につきましては、江東区内で際立って交通不便な南部地域における交通弱者対策として、今月1日より本格運行を開始いたしました。城東地域におきましては、従来から既存の都バスの充実を基本として、東京都に再三強く要望してまいりました。しかしながら、依然、便数や路線の拡充に顕著な改善が見られないのはご指摘のとおりでございます。  地域の実情や住民の要望、さらには、区政世論調査の分析等を踏まえ、城東地域における地域交通のあり方につきましては、鋭意検討してまいります。    (富所博学校教育部長登壇) 32 ◯学校教育部長(富所博) 私から、江東区の子どもたちについてのご質問にお答えをいたします。  まず、子どもの悩み相談事業についてであります。  現在、学校の保健室を訪れる児童・生徒の中には、身体面だけではなく、学習面、友人関係、進路、家庭事情など、さまざまな悩みを持ち、相談を求めてくる例が見られます。学校では、このような児童・生徒一人ひとりが発する「心のサイン」に対する「早期発見」と「早期対応」が重要であります。教員はカウンセリングマインドを身につけ、子どもたちから信頼される相談相手となり得るよう、教育相談研修等でスキルアップを図っているところであります。  また、各学校においては、教育相談室等の整備を初め、教員が養護教諭やスクールカウンセラーと連携して校内の教育相談体制を構築したり、教育相談期間を設け、児童・生徒にとって相談しやすい雰囲気づくりを工夫するなど、教育相談の充実に努めております。  悩みを持つ小学校の児童に対しては、「親と子の相談員」や「相談スタッフ」が支援したり、SSC(スクーリング・サポート・センター)の臨床心理士、適応支援員等が保護者や子どもたちの心のケアに取り組んだりしております。  「なやみいつでも電話相談」は、気軽に電話を通して相談ができるという利点から、子どもの悩み相談の重要な窓口と考えております。この事業は平成8年度から始まり、相談件数は、平成16年度180件であり、そのうち児童が利用した割合は77件、生徒は48件であり、さまざまな悩みを抱える児童・生徒にとって、気軽に話せるという電話の利点を生かした身近な相談窓口として有効に機能していると考えております。  電話の相談内容によっては、臨床心理士や小児精神科医による専門的な面接につなげるなど、児童・生徒、保護者の相談状況に応じた適切な対応を行っております。  なお、本区の相談事業や機関の周知につきましては、学校におけるさまざまな連絡会等を通して、各相談事業のリーフレットを配布し、それらのねらいや活動内容等を伝え、区民に対しては、「江東くらしガイド」やホームページなどで利用についての紹介を行っております。  子どもたちへの直接的な周知につきましては、ご提案も参考にさせていただきながら、多様な方法を工夫してまいりたいと考えております。  次に、(仮称)「こども憲章」の制定についてお答えをいたします。  本区におきましては、長期基本計画の重点分野の最初に子ども分野を挙げ、子ども関係施策を重要課題の一つと位置づけ、学校教育部、生涯学習部、子ども生活部がそれぞれ積極的に子ども関係施策の展開を図っているところでございます。  ご質問の「こども憲章」でございますが、幾つかの自治体で策定しておりますが、そもそも「憲章」とは、国や自治体が理想として定めた行政上の重要な原則のことであります。  そうした点からいたしますと、本区教育委員会では、基本目標や基本方針にあります「正義感や思いやり」及び「豊かな個性や創造力」「学びあい、支えあい、社会の一員としての役割」などの目標を掲げておりますし、また、子育て支援の分野におきましても、「こうとう子育て未来プラン」の基本理念として、「安心して子育てができ、家庭や地域社会の将来に夢や希望が持てるまち・江東」を宣言しております。これらの方針等に基づき、さまざまな施策を展開する結果として、ご質問にありますような、江東区の未来を託せる子どもたちに成長していくものと存じます。  したがいまして、現在ある教育目標や方針、プランの理念などに沿って着実な施策展開を図るとともに、子どもの手による憲章につきましては、子ども関係部局が連携して、他区の策定状況や効果などを調査、研究してまいりたいと存じます。     ───────────────────────────────────── 33 ◯議長(斉藤久也議員) 25番佐藤利三議員。    (25番佐藤利三議員登壇) 34 ◯25番(佐藤利三議員) 自民党の佐藤利三です。質問の機会をいただきましたので、大綱2点につきまして質問をいたします。  我が党の鈴木(清)議員、川名議員からもございましたので、私は違った面から質問をさせていただきます。  低年齢化してまいりました犯罪について、高校生の事件に見る倫理観の欠如と学校教育のあり方について質問をいたします。  また、このたびも広島で小学校1年の生徒が殺害され、段ボール箱に入れられて、捨てられるという痛ましい事件がございました。皆さんご承知のとおりでございますが、今年に入りまして、高校生の衝撃的な事件も連続して発生しております。6月には山口県の県立高校の男子生徒が授業中に火薬入りの瓶を教室に投げ込み、17人の生徒にけがを負わせ、東京の板橋区では、都立高校の男子生徒が両親を殺害し、その後、ガス爆発を起こすという事件がありました。高知県では、私立高校の男子生徒が授業中に同級生をナイフで刺し、重傷を負わせるという事件がありました。7月には、墨田区の公園で都立高校の男子生徒2名が酒に酔った末、路上生活者を殺害し、10月には静岡県の県立高校の女子生徒が母親に劇物を摂取させ、殺そうとする事件がありました。11月には町田市で、都立高校の男子生徒が同じ高校に通う女子生徒の自宅に侵入し、刃物で殺害したという事件が発生したことは、記憶に新しいところであります。  新聞等では、これらの事件を起こした高校生たちの背景として、同級生とのトラブルや家庭教育の問題が報道されておりますが、友達とけんかをしたり、親に厳しくされたりといったことはだれもが経験することであり、そのことが今回のような傷害や殺人といった凶悪な事件の原因と直結するとは私は思っておりません。  一連の事件がもたらした結果の重大さを憂う一方で、その動機が余りにも安易で短絡的に見えたり、あるいは、理解の範囲を超えていると感じます。事件を起こした動機の不透明さから、言いようのない不安を感じざるを得ません。  そのため少年非行が質的に変化しているのではないかという疑問もございます。一方、「私たちの社会では、どのような子どもが育ちつつあるのか」「一体、私たちの社会はこれまでどおり維持されていくのか」といった存在そのものが脅かされているような言い知れぬ気持ちで私たちはおります。  さらに、これらの事件を起こした高校生たちは、有名な進学校に在学していたり、事件を起こすまではまじめに通学していたり、いずれもごく普通の生徒であったと聞きます。このことは生徒の心のサインをいち早く察知し、非行防止に向けて対処するといった従来の健全育成の手法は通用しないことを示しております。  それは、「事件を起こした少年に限らず、今の子どもたち全体を育成する環境に根本的な欠陥があるのではないか」「今のやり方は間違っているのではないか」との思いに駆られます。我々大人の自信も失われつつあるのではないかと思います。  しかも、「今後どのようにしたらよいか」「大人として何かできるのか」という問いに対しても、明確な回答は見つからないまま、強い焦りの感情を抱いているのは私だけではないでしょう。  しかし、このような状況の中だからこそ、人間形成の原点に立ち返り、人としての生き方や命の尊さについて、私たち大人は本気になって繰り返し繰り返し、子どもたちに説き、倫理観や規範意識を育成していくことが大切なのではないでしょうか。  さらに、このような事件は高校生だけの問題ではなく、どこの小学校や中学校で起こっても不思議ではございません。また、このような高校生にならないように、小学校、中学校の子どもの健全育成のために学校教育が果たす役割は、ますます重要になっていくと考えます。  そこで質問ですが、高校生が起こした一連の凶悪事件を重大に受けとめ、東京都教育委員会は、11月14日に全都立高校長と全区市教育委員会の室課長を招集し、臨時の連絡会を開催したと聞いております。本区の教育委員会としても、児童・生徒の倫理観等の育成について、どのような取り組みを実施していくのでしょうか。お聞きいたします。  また、子どもたちに倫理観を育成していく上で、学校で行われている道徳の授業が重要な役割を担っているわけです。道徳授業の現状と、今後より一層、内容を充実していく上での課題は何でしょうか。お聞きいたします。  さらに、少年事件が起こるたびに命の尊さについて教える教育を推進していかなければならないと思いますが、その充実のため、具体的にどのような方策や取り組みがなされているかをお聞きいたします。  私がいつも思っていることに、「家庭では明朗は健康の父、愛和は幸福の母、子は親の心を実演する名優である」、この言葉が好きです。また、皇室の問題でも、今、皇室の伝統皇位継承がニュースで多いところでございますけれども、このたびの皇室の御婚儀、まことにおめでたく、日本古来の礼儀作法は本当にすばらしいと私は思いました。  最後になりますけれども、教育の問題は小泉信三先生の「善を行うに勇なれ」という言葉。また、福沢諭吉先生の心訓で、「一番みじめなことは教養のないことです。一番美しいことは、すべてのものに愛情を持つことです。一番悲しいことは、うそをつくことです」。こういうことが守っていかれれば、教育の問題は大変すばらしいことになるだろうと思います。「一年の計は稲を植えること、十年の計は樹を植えること、百年の計は人を育てること」と聞いております。先人の言葉にはすばらしい言葉が多いのです。現代社会は早過ぎるのです。すばらしい子どもを育成するために、小学校や中学校からも、区教委にはこれからの対応をしっかりやっていただきたいと思います。  次に、私は中国に何回か行っておりますが、そのたびに思うことを少し質問させていただきます。  中国と本区経済の交流についてでございます。  世界的にもアジアの時代と言われております。現在、目覚ましい発展を遂げつつある中国との、経済面を主体とした交流についてお尋ねをいたします。  近年、中国は産業面において、大変大きな発展を遂げつつあります。2000年からの経済成長率を見ても、7%台から9%台を記録しております。本年度も9%台強の経済成長率になると予測されております。その成長の速さと規模の大きさから、特に、近年においては世界的な原油の高騰を招いている要因として、中国経済の発展による石油の消費が挙げられております。中国全土にわたっての経済発展がなされているところでございます。  現在、江東区はカナダのサレー市と姉妹都市を提携し、交流を実施しておりますが、日本から余りにも遠く、現状では産業界との交流はほとんど実施されていない状況にあります。私も最初は期待し、参加させていただきましたが、経済交流、文化交流ともに余りにも遠い感をいたしております。  また、日本の経済は大企業を中心に回復基調にあると言われているところでございますが、中小企業を取り巻く状況は、依然として厳しいものがございます。国においては、制度融資を初めとする中小企業を支援する施策を実施しております。日本と大変近い距離にあり、経済発展が続いている中国との経済面での交流がなされることになれば、区内中小企業にとって販路の拡大はもとより、収益の向上に結びつくものと考えられます。中国の経済市場については、どのような認識を持っているかお伺いをいたします。  次に、本区においては、本年度から臨海部に訪れた観光客を誘致するために、シャトルバスを運行したり、「観光キャラクターコンテスト」や「アサリ料理コンテスト」等を実施するなど、観光面での施策にも力を入れている状況にございます。これは私も大いに評価いたしております。  既に中国からは多くの観光客が来日されているところであります。人口13億人を擁する中国からの観光客の誘致を図っていくべきだと考えます。そこで、中国からの観光客の現状と、本区における観光振興についてお聞きいたします。  他の区においては、北京市の区と友好都市等を結んでいるところもあると聞いております。また、既に区内の企業においては、工場を建設したり、中国の企業と取引を盛んにしているところも出ております。区からの支援があれば、より安心、より良好な形での推進が望めると考えられます。  一方、これまでの中国に対する民間支援についても、ここで申し上げたいと思います。当区深川ライオンズクラブでは、10年前からの実績があります。それは中国広西荘族自治区毛南族の子どもたちのために小学校建設に協力する事業の展開でありました。当区平野にある中国大使館教育処の教育書記官との話もあり、深川ライオンズクラブのメンバー各位の協力で実現し、友愛と社会奉仕を深めております。小学校の名前は深川希望小学校となりました。いろいろなことで、毎年交流を深めております。こういうことも含めまして、いろいろな角度から見ても、中国大使館との交流もできると存じます。区として、経済面を主体とした交流拠点の開発を図ったらどうか、区としてどう考えているかお聞きいたします。  ちなみに日本への食料品の輸入等についても、米国は26.4%、中国は15.1%、オーストラリアは8.4%であります。年々中国はふえております。これらの問題も含めて、当区もこれからの豊洲市場を考え、姉妹都市づくりにつなげていくべきものと考えます。日出る江東区、中小企業発展のために行政の後押しがあれば、すばらしいものとなります。  以上で私の質問を終わらせていただきます。  ご清聴ありがとうございました。(拍手)    (室橋昭区長登壇) 35 ◯区長(室橋昭) 佐藤利三議員の質問のうち、私からは、中国と本区経済の交流に関するご質問にお答えをいたします。  まず、中国経済市場についての認識でございますが、中国経済は、1978年の改革開放以降、市場経済を拡大しながら20年以上の長期にわたり年平均9%以上の国内総生産の成長率を達成しており、また、2003年の輸出入額を見ますと、輸出額では日本に次いで世界第4位、輸入額では第3位の規模になるなど、世界経済の中でも目覚ましい経済成長を遂げております。  中国は、安い労働力を背景とした世界の工場として、諸外国からの資本導入が盛んに行われ、日本からも多くの企業が進出しております。また、人口は13億人を擁しており、特に、都市部における個人消費の拡大は、消費市場としての経済的魅力を大いに有しておりますが、他方で、固定資産投資の拡大に成長の多くを依存した近年の中国経済は、物価上昇圧力の高まり、電力不足の深刻化、不動産価格の上昇や不良債権の拡大などが指摘されており、将来への懸念要因も生じていると認識しております。  次に、中国観光客と観光振興についてでございます。  観光振興は、経済活性化などを目的に、国においては、平成15年度に観光立国行動計画を策定し、外国人観光客を1,000万人に拡大することを目標に「ビジット・ジャパン・キャンペーン」を実施しており、また、東京都においても、平成13年度に観光産業振興プランを策定し、外国人観光客を倍増の600万人とすることを目指して、積極的に誘致策を展開しております。  本区におきましても、本年度から観光施策を計画事業に位置づけ、深川シャトルバスの運行、下町ぶらりマップの作成、各種のイベント事業を積極的に展開しているところでございます。  そこで、中国からの観光客と本区の観光振興でございますが、平成16年度の中国から日本への訪日旅行者数は約62万人で、韓国、台湾に次いで3番目に多い人数となっており、国や東京都の取り組み、中国の経済成長、本年7月の団体観光ビザ対象地域の中国全土への拡大を勘案しますと、中国からの観光客はさらに増加するものと考えております。  今後の増加が見込まれる中国を含めた外国人観光客にとって、本区の有する史跡や下町情緒など日本文化を表現している観光資源は、大変魅力的であることから、こうした外国人観光客の本区への誘致を図るため、外国語によるパンフレットの作成なども含め検討してまいります。  次に、産業と観光の交流拠点についてでございます。  中国とは、経済活動の交流や民間レベルでの文化交流も盛んに行われており、また、ご質問にありましたように、区内に中国大使館教育処があることや、深川ライオンズクラブの活動についても承知しているところでございます。  特別区の行政レベルでの中国との交流については、区長会と議長会が相互に訪問して交流を図っておりますが、23区レベルでは中国の都市と友好都市などを締結している区において、相互訪問や産業見本市への参加などの交流が行われていると聞いております。  しかし、現在の中国は、経済的には自由主義に転換し高成長を続けておりますが、政治体制は社会主義国家であり、今後、どのような政策転換が行われるかわからないという不安や、経済市場が未成熟で、企業の情報開示が不十分であるなどの経済的な不安定要素を指摘する経済ジャーナリストもいることから、ご質問の中国との交流拠点づくりにつきましては、さまざまな角度から研究させていただきたいと存じます。  なお、その他のご質問につきましては、所管部長から答弁いたさせます。    (富所博学校教育部長登壇) 36 ◯学校教育部長(富所博) 私から、高校生の事件に見る倫理観の欠如と学校教育のあり方についてのご質問にお答えをいたします。  一連の凶悪事件につきましては、本区としましても、高校生だけの問題としてとらえるのではなく、どこの小学校や中学校でも起こり得ることとして重大に受けとめております。  特に、11月に起きた町田市での事件は、かけがえのない生命が同じ学校で学ぶ生徒によって奪われた、極めて深刻な事件であり、このようなことが二度と学校で起こらないようにしていかなければなりません。ご指摘のとおり、最近は、学校や家庭等で一見問題のないように見える子どもが突然凶悪な事件を起こしており、今や、どのような子どもでも問題行動を起こしかねないという不安感が高まっております。子どもの危機の一般化、複雑化の時代とも言われており、何がこのような状況を生み出したのか、ただ一つの確かな答えはありません。  しかし、このような時だからこそ、教育委員会、学校、家庭が一体となって教育の原点に立ち返り、今、具体的にできることを着実に地道に、そして、繰り返し実行していくことが肝要であります。  そこでまず、子どもの倫理観の育成についてでありますが、本区の各学校においても、各教科、総合的な学習の時間、道徳及び特別活動などあらゆる教育活動を通じて人権を尊重し、豊かな人間性をはぐくむ教育を推進し、子どもたちの倫理観や規範意識の育成に努めております。  さらに、確かな倫理観、すなわち正しい善悪の判断基準に基づいて行動するためには、子どもたち一人ひとりに自尊感情を培うことが必要です。自分を認め、自分のよさを知り、自分に自信を持つことによって精神的な強さとたくましさがはぐくまれ、子どもたちはきちんとした倫理観のもと、社会のルールに従って行動できる人間に成長していくと思われます。  本区としましては、今後も子どもたち一人ひとりに自尊感情を着実にはぐくむため、各学校の特色ある教育活動等におけるさまざまな人々との交流、社会体験を通して自ら課題を克服し、自分に自信を持つ体験を積み重ねる活動を実践してまいります。  また、区民を講師として学校に招き、伝統が息づく江東区の地域性を生かして、礼法やマナーを学ぶ機会を設定するなど、地域社会との連帯感や人間関係のつながりを重視する中で、子どもたちの規範意識を高めていく取り組みを行ってまいります。区民を講師として招くことにより、地域と学校との連携強化や地域、家庭の教育力の向上、さらに、社会生活を営む上での基盤となる力の育成に努めてまいります。  次に、道徳の授業の現状と課題についてでありますが、道徳教育は、人間尊重の精神と生命に関する畏敬の念を家庭、学校、その他社会における具体的な生活の中に生かし、豊かな心を持ち、個性豊かな文化の創造と民主的な社会及び国家の発展に努め、進んで平和的な国際社会に貢献し、主体性のある日本人を育成するため、その基盤としての道徳性を養うことを目標としております。この目標に基づき、学校における道徳の時間は、各教科を初めとする全教育活動で実践されている道徳教育との密接な関連を図りながら、計画的、発展的な指導によって道徳的実践力を育成するものとしています。  本区においては、道徳授業地区公開講座を全小中学校において実施しており、学校全体で行われている道徳教育と、そのかなめである道徳の時間を学校の教職員だけでなく、広く保護者や区民にも公開し、多くの方々からのご意見をいただきながら、道徳の授業の質を高め、道徳の時間の活性化を図ってまいりました。  しかし、学校における道徳教育の内容が保護者、区民に十分に理解されていないという課題もあります。今後も公開講座の取り組みを継続するとともに、授業後の道徳教育や健全育成に関する意見交換会を学校、保護者、区民が共通理解していく場として位置づけ、学校、家庭、地域が一体となった道徳教育を推進してまいります。  次に、命の尊さについて教える教育の推進についてでありますが、相次ぐ青少年の凶悪事件を受け、今年度は7月と11月に、東京都教育委員会から生命尊重の視点に立った生活指導の徹底についての通知が出されました。  本区としましては、この通知の趣旨を踏まえ、校園長会、副校園長会、生活指導主任連絡会等を通じて、区内の全校園に指導、徹底を図るとともに、理科、保健及び家庭科等の各教科や道徳、総合的な学習の時間等を活用し、自他ともに生命を尊重する態度を、子どもたち一人ひとりに着実にはぐくんでいく考えであります。     ───────────────────────────────────── 37 ◯議長(斉藤久也議員) 21番中村まさ子議員。    (21番中村まさ子議員登壇) 38 ◯21番(中村まさ子議員) 市民の声・江東の中村まさ子です。大綱4点について質問をいたします。区長並びに関係理事者の明快なご答弁をお願いいたします。  まず、先ごろ650億円の費用をかけて行われた国勢調査について、何点かお伺いします。  今回の調査で、従来の国勢調査と大きく異なる点がありました。総務省が全世帯に封筒を配ったことです。この封筒は、表に「書類整理用」と書かれており、プライバシー保護に関しては、あいまいで中途半端な扱いと言わざるを得ません。中野区、世田谷区、練馬区では独自の判断で、全世帯封入を原則にしました。江東区でも封入を原則にするべきだったのではないでしょうか。伺います。  今回、調査員からの苦情、悩みが急増したことも特徴的でした。新聞報道によれば、オートロックなど居住環境の変化やプライバシー意識の変化、治安に対する不安などの理由から、調査員が住民に対面できない、調査票を手渡せない、さらに回答を拒否されるといった苦情が多く挙がってきています。調査員の確保も難しくなってきており、訪問調査という現在の方法が従来にも増して困難になってきたことを示しています。統計調査の重要性を否定するものではありませんが、現在の訪問調査方式は、もう限界であり、抜本的な見直しの時期に来ていると考えます。そこで、今回の国勢調査について、以下の点についてお伺いします。  封入提出の件数、郵送提出の件数、また、未回収の件数について。今回の国勢調査に要した職員数と経費について。さらに、区民からの問い合わせや苦情の件数と主な内容。区として国勢調査データをどの程度活用しているのか。最後に、今回の国勢調査に対して自治体としての国への意見や要望についてお聞かせください。  次に、障害者の就労支援策についてお尋ねいたします。  10月下旬に成立した障害者自立支援法に先立って、6月に障害者雇用促進法の改正が行われました。主な改正点は、精神障害者に対する雇用政策の強化、在宅就業障害者に対する支援、障害者福祉施策との有機的な連携などです。  精神障害者に対する雇用政策の強化として、新たに精神障害者を雇用率の算定対象としたわけですが、民間企業の障害者の法定雇用率は1.8%のままで、枠が広がったわけではありません。他の障害者に比べて、精神障害者の就労に対する希望は高く、就労支援は自治体にとって重要な課題です。板橋区では、社会福祉法人のJHCを中心に、通所授産施設、地域生活支援センター、グループホーム、リハビリテーション事業、就業・生活支援センター、ピアサポートなどの事業がネットワークをつくり、精神障害者の生活と就労を支えてきました。20年以上の住民の取り組みと行政のサポートが実を結び、精神障害者の就労や生活支援に効果を上げています。  江東区ではことし、精神障害者地域生活支援センター「ステップ」を開設し、生活相談を受けていますが、就労支援と生活支援を一体的に提供するための今後の取り組みの方向性をお聞かせください。  一方、中野区では、中野区障害者福祉事業団に知的障害者の就労支援事業を委託し、事業団は公設民営の外郭団体として活動しています。この事業団の「企業内授産事業」や「職場実習制度」などの先進的な取り組みは、国の施設外授産事業、トライアル雇用という恒久事業に反映されているそうです。また、授産施設や民営の小規模作業所、養護学校など、区内23の施設だけではなく、区外のNPO法人「WEL’S新木場」、さらに、新宿区、杉並区などともネットワークを組み、障害者雇用を推進しています。  障害者雇用の推進は、障害者が福祉サービスの受給者としてだけでなく、納税者、消費者として地域社会を活性化することにつながります。そのかぎは、障害者雇用にかかわる機関とのネットワークの構築にあると思います。企業へのサポートも必要です。残念ながら、江東区はまだ障害者就労対策に関する関係機関との連携が十分とは言えません。長期基本計画によれば、区内の法定雇用率達成企業の割合は30%台にすぎません。今後の江東区のネットワーク化への取り組みを伺います。  また、平成14年、厚生労働省は「障害者を多数雇用する事業所、授産施設等に対する官公需の発注等の配慮について」という通知を出しています。通知には、障害者多数雇用事業所は中小企業が多く、官公需の発注に配慮し、支援すること。授産施設等の製品について、自治体が優先的に発注すること。役務提供を積極的に活用することなどが盛られています。役務の例として、印刷、公共施設の清掃、除草、クリーニング、会議のテープ起こしなどが挙げられています。江東区は役務の発注の配慮については、具体的にどのような取り組みをしているのでしょうか。  そして、区役所での障害者雇用をさらに進めることを求めたいと思います。例えば、宮城県庁や中野区で取り組んでいる知的障害者の職場づくりの例として、廃棄文書の回収・リサイクルがあります。錠つき文書回収キャビネットで情報セキュリティを確保しつつ紙類を回収し、湿式シュレッダーで文字を判読できない状態にしてから100%リサイクルするという事業です。庁内での回収やシュレッダーにかける作業を障害者が担当します。情報セキュリティの確保と紙資源のリサイクル、循環型グリーン購入を実現することにあわせて、障害者の雇用創出につなげることができる、大変有意義な事業です。区役所での雇用の一例として検討していただきたいと思います。
     また、昨年の第4回定例会の一般質問で、総合評価型入札制度について取り上げ、その導入を求めたところですが、競争入札の参加資格に障害者雇用の促進に資する条件を盛り込むことも、今、検討すべきではないでしょうか。再び区の認識をお伺いいたします。  3番目は、防災における女性施策についてです。  江東区では間もなく防災センターが完成し、区の防災対策が一歩前進するものと思います。もとより防災対策では、要援護者として、障害者、高齢者、外国人、子どもなどが想定されてきましたが、今回は防災と女性という視点でお伺いします。  昨年の相次ぐ台風と新潟県中越地震、年末のインド洋の大津波、記憶に新しいハリケーン「カトリーナ」やパキスタン北部の地震など、この1年、日本も世界も大きな災害に見舞われました。日本では10年前の阪神・淡路大震災の経験を踏まえ、国も自治体も耐震診断や防災対策の充実、法整備を進めてきたところですが、残念ながら、今まであまり対策がとられてこなかった分野に「防災における女性施策」があります。新潟県中越地震の際、内閣府は初めて女性職員を女性の視点担当として現地支援対策室に派遣しました。被災地では、子どもへの授乳や男女共用トイレの悩み、着替えの問題など、男性の支援者には訴えにくいニーズが発生します。その報告書では、性別に配慮した避難所の設計、救援要員への女性の参画、女性向けの支援物資の備蓄、女性に配慮した相談窓口などの必要性を痛感したことが報告されています。江東区でも女性の視点から防災計画を見直すべきではないでしょうか。  また、阪神・淡路大震災についての国の事例研究の中で、被災時には増大した家庭的責任が女性に集中することや、家庭内暴力、性暴力の増大など、平常時の問題がより凝縮してあらわれたとの報告がされています。さらに、アメリカでの大地震やハリケーンの後、避難所でのレイプや家庭内暴力の増加、子どもへの虐待の増加が報告されています。昨年末、インド洋大津波に襲われたスリランカ、インドネシア、タイなどでも女性用の救援物資の不足、妊婦や出産女性のケアの問題、避難所での性的虐待、また、真っ先に女性が解雇されるなど、女性に対する深刻な人権侵害が報告されています。大災害という危機的な状況では男性も女性も大変なストレスを受けるわけですが、男性のストレスが暴力となって、女性や子どもなど、弱い立場の人々に向かわざるを得ない状況が世界各地で起きているのです。  これらの日本や世界の状況を受けて、ことし5月、内閣府は男女共同参画基本計画の改定に向けた中間報告の中に、新たな取り組みを必要とする分野として、男女共同参画の視点を取り入れた防災・災害復興体制を確立する必要性を盛り込みました。  また、7月26日開催の内閣府の中央防災会議では、防災基本計画の修正が行われ、その中で数カ所にわたって「女性の参画」と「男女のニーズの違い」に言及しています。例えば、避難場所の管理運営について、「地方公共団体は避難場所における生活環境に注意を払い、常に良好なものとするよう努めるものとする。また、避難の長期化等必要に応じてプライバシーの確保、男女のニーズの違い等、男女双方の視点等に配慮するものとする」として、自治体の取り組みを求めています。  災害時には、女性や子どもへの暴力がふえることを認識した上で、防災・復興計画に暴力防止対策を盛り込むべきと思います。具体的には、女性のための相談室の設置とその周知徹底、性別に配慮した避難所の設計、支援する側、される側に女性の代表を入れること、子ども家庭支援センターなど子どもの虐待に取り組む組織を防災計画に位置づけることなどです。区の認識をお伺いいたします。  最後は、介護保険法の改正についてです。  今回の介護保険制度改革の視点として、国はまず、「制度の持続可能性の確保」を挙げています。この言葉が示しているように、今回の改革の底を流れているのは、社会保障支出の削減ではないでしょうか。もちろん要介護状態にならない努力は必要なことですが、財政削減のため、必要なサービスまで使えなくなることは避けなければいけません。  財政論に押しきられて、江東区の介護保険制度が利用抑制に傾かないようにするべきであるという大前提のもとに何点かお伺いいたします。  この10月から徴収を開始した居住費と食費は、特に厚生年金層に多大な負担となっています。施設利用者と在宅利用者で給付額の差があるということは、当初からわかっていることでした。その徴収が制度改革の半年前倒しで実施された理由はどこにあるのでしょうか。  また、制度改革の中心である新予防給付について、現在の要介護1の利用者を要支援2に区分する場合の公平性、客観性をどのように担保するのでしょうか。介護予防メニューにある筋力トレーニングなどを好まない人、かえって悪化する人もいると聞いていますが、その対応はどうなるでしょうか。また、今までのサービスを利用できなくなり、生活が困難になる利用者への対応を伺います。  地域密着型サービスについては、在宅の中・重度の高齢者を支えるサービスとして、小規模多機能型居宅介護、認知症高齢者グループホーム、認知症高齢者対応型デイホームなどが挙げられていますが、それらの整備の見通しはどのようになっているのでしょうか。  また、地域包括支援センターは、地域における総合相談や支援、介護予防マネジメント、包括的、継続的マネジメントを担う中核機関として大変な業務量となるようです。基本方針に示された4カ所で十分な対応は難しいのではないかと考えますが、4カ所で可能でしょうか。そして、他の在宅介護支援センターは窓口業務を担うことになりますが、保健師などの人的配置はされるのでしょうか、伺います。  最後に、新規事業を踏まえた第3期の第1号保険料は幾らになるのかお伺いして、質問を終わります。  ご清聴ありがとうございました。(拍手)    (室橋昭区長登壇) 39 ◯区長(室橋昭) 中村まさ子議員の質問のうち、私からは、国勢調査についてのご質問にお答えをいたします。  今回の国勢調査は、各種行政施策の基礎となる人口、世帯等について最新の実態を明らかにする目的で行われたもので、全国でおおむね4,900万世帯を対象に行われました。5年に1度の調査ではありますが、個人情報保護法の施行など、国民のプライバシー意識の高揚等があり、国においては、今回の実施に先立ち、学識経験者、統計利用代表者等で構成される統計審議会で慎重に審議を重ね、数回の試験調査を経て、その実施方法が決定されたものであります。  その内容としては、調査員に個人情報保護マニュアルを配布し、プライバシー保護に努めるとともに、調査票とあわせて全世帯に整理用封筒を配布し、記入者が調査票を見られたくない場合は封入した状態で提出できるとしたものであります。なお、調査方法については、全国共通で、決められた方法で調査を行うよう国から指導がなされ、本区もそれに従い、実施したところでございます。  次に、封入提出件数、郵送提出件数、未回収の件数についての質問ですが、調査票については、指導員から11月1日に提出され、現在、集計作業中で数値が確定していない状況でございます。なお、今回の国勢調査の従事者数については、統計調査係の職員10人、臨時職員10人のほか、指導員392人、調査員3,535人となっており、国勢調査の予算額は2億7,200万円余となっております。  また、区民からの問い合わせや苦情の件数については、まだ集計中でありますが、問い合わせの主な内容としては、記入の仕方や回収日の変更に関するものが一番多く、苦情については、調査の必要性、調査員の選任の仕方のほか、プライバシーに関しての苦情等が主なものであります。  次に、区としての国勢調査データの活用についてでございますが、都区財政調整における測定数値、交通安全対策特別交付金、地方消費税交付金、所得譲与税の交付基準、長期基本計画における指標数値のほか、各部における基礎データとして利用しているところでございます。  最後に、国への要望、意見についてでございますが、既に新聞等で報道されているように、不在世帯、オートロックマンションの増加等、調査環境が大変厳しく、また、調査員の確保が難しい状況となっており、国においても、調査票の配布、回収について、郵送やインターネットの活用、調査項目の簡略化を目指し、制度を見直す方針を固めたとのことでございます。  今後、本区としてもヒアリング、報告等を通じて改善について要望していきたいと考えております。  なお、その他のご質問につきましては、所管部長から答弁いたさせます。    (岡部正道保健福祉部長登壇) 40 ◯保健福祉部長(岡部正道) 私から、まず、障害者の就労支援策についてのご質問にお答えいたします。  初めに、精神障害者の就労支援についてであります。  精神障害者は外見では障害がわかりにくく、病状に対する一般の理解が得られていないことから、就労状況は厳しい現状にあります。こうした状況の中で、本区は本年8月の精神障害者地域生活支援センター「ステップ」の開所を機に、就労支援や生活支援の事業を一体的に同センターに委託したところであります。  今後、同センターを本区の中心的な精神障害者支援機関として育成し、区内の精神障害者の期待にこたえていくよう努力してまいりたいと存じます。  次に、障害者の就労支援のネットワーク化についてであります。  障害者雇用促進法の法定雇用率を達成している区内企業の状況は、ご指摘のとおりであります。本区では障害者の就労促進を図るため、本年4月「障害者就労・生活支援センター」を設置したところであり、授産施設、ハローワーク、東京しごと財団等と連携し、定期的な求人情報の提供により就労を促し、また、離職防止策の検討などを行っているところであります。  これにより、本区の障害者の就労実績は、平成16年度20人、本年10月時点で10人と、これまでの年数人程度を大きく上回る成果を上げております。  今後とも関係機関との連携を強め、より一層の障害者の就労拡大に努めてまいりたいと存じます。  次に、区役所での障害者雇用等についてであります。  まず、官公需の発注等の配慮についてでありますが、本区では障害者の就労の場を確保する観点から、障害者関連の社会福祉法人や特定非営利活動法人に、印刷や清掃業務などの一部を優先的に発注しているところであります。今後もその拡大に努めてまいりたいと存じます。  次に、区役所での障害者雇用についてでありますが、本区では身体障害者の雇用に努め、現在、雇用率は2.53%となっており、国、地方公共団体の法定雇用率の2.1%を上回る状況にあります。今後も障害者の計画的な採用に努めてまいります。  また、入札参加資格における障害者雇用の条件についてでありますが、今後、他の自治体の先進的な事例等を研究してまいりたいと存じます。  次に、介護保険制度改革についてのご質問にお答えいたします。  まず、新たな居住費、食費の徴収が半年前倒しで実施された理由についてのお尋ねでございます。  施設と在宅の負担のバランスを図ることとして、居住費等の徴収がこの10月から実施されましたのは、保険給付費が伸び続ける中、第3期の介護保険料の大幅な引き上げが見込まれる自治体も多く、少しでも保険料の上昇を抑えるため、できるだけ早急に取り組む必要があると判断されたためと認識いたしております。  次に、新予防給付についてであります。  まず、新予防給付対象者の選定に当たっての公平性、客観性の担保についてですが、現在、新たな判定審査の円滑な導入を目指し、要介護認定モデル事業を実施しており、これらの結果を国の一次判定ソフトの改良に生かすとともに、二次審査に当たる審査会の習熟を図り、現行と同様、公平性、客観性を有する審査を実施してまいります。  また、利用者の選択性、現行サービスが利用できない場合についてのお尋ねですが、新予防給付について、国での検討が進む中、8月末に示された「中間のまとめ」では、利用者の選択が基本であり、できることはできる限り本人が行うという考えのもと、適切なケアマネジメントに基づくサービス提供が行われることが示されており、利用者の状況に合った必要なサービスが提供できるものと認識いたしております。  次に、地域密着型サービスについてお答えいたします。  施設整備に関するお尋ねのうち、まず小規模多機能型居宅介護につきましては、関心を寄せている事業者は多いものの、施設基準及び介護報酬額等が示されていない段階で、具体的な計画はまだございません。認知症高齢者グループホームにつきましては、東京都の緊急整備3カ年事業の地域指定を受けて整備に努めており、12月1日には区内3カ所目となる施設が開設する運びとなっております。  最後に、認知症高齢者対応型デイホームでありますが、積極的な整備の結果、現在、区内に11カ所、定員150人となっております。今後とも計画的に整備を進めてまいります。  次に、地域包括支援センターについてお答えいたします。  設置数が4カ所では少ないのではないかとのことでありますが、本区においては、在宅介護支援センターが16カ所整備され、地域の相談窓口として定着し、円滑に機能していることから、これらを活用することによって対応可能と判断しております。また、在宅介護支援センターに保健師などを配置するのかとのお尋ねでありますが、地域包括支援センターに専任配置いたしますので、それ以上の配置は、現在のところ、考えておりません。  次に、第3期介護保険料についてであります。  第3期介護保険料は保険給付費が増大する中、新予防給付、地域支援事業など新たな改正内容を見込んだものとなります。また、新第2段階の設定など、低所得者に配慮しつつ、3カ年の事業運営に過不足ないものとする必要があります。  こうした点を勘案いたしますと、次期介護保険料は、準備基金の活用を図り、給付の精査に努めたとしても、現状を維持することは非常に難しいものと考えております。    (高橋三喜男総務部長登壇) 41 ◯総務部長(高橋三喜男) 私からは、防災における女性施策についてお答えいたします。  初めに、女性の視点から防災計画を見直すことについてですが、本年7月の国の中央防災会議において、防災基本計画の修正がなされ、障害者、高齢者等の災害時要援護者や女性の参画を含めた多くの住民参加による定期的防災訓練、防災思想の徹底等を図る必要性が規定されております。  また、防災知識の普及、被災時の男女のニーズの違い等、男女双方の視点に十分配慮するよう努めることが盛り込まれております。さらに、避難所の運営管理においても同様の規定が追加されております。  被災時には、トイレや着替え場所が少ないなど、避難生活上、通常とは異なるさまざまな課題が発生することも想定されます。そのため、性別に配慮した避難所の設計や、女性向けの支援物資の備蓄など、男女のニーズの違いに配慮した対策が必要となります。  したがいまして、今回の防災基本計画の修正を受け、都が本年度中に被害想定を見直し、地域防災計画の修正を行う予定であり、それに合わせて、本区の地域防災計画を修正する際、男女のニーズの違い等、男女双方の視点にも配慮した対応に努めてまいりたいと存じます。  次に、防災・復興計画に暴力防止対策を盛り込むことについてお答えいたします。  男女共同参画社会においては、男女の個人としての尊厳が重んじられ、男女が性別による差別的取り扱いを受けないことが求められています。しかし、被災時には被災のストレスを女性や子どもへの暴力で晴らそうとするなどの傾向があると国の事例研究で指摘されております。  こうした対策として、本区は災害時医療救護活動マニュアルの中に、健康管理活動とは別に巡回精神相談チームが医療機関とも連携を図りながら、災害発生後の各時期に応じたメンタルヘルスケアを行う取り組みを位置づけております。この取り組みの中に、身体面、心理面をあわせてサポートする女性や子ども向けの相談体制を構築し、周知してまいりたいと存じます。     ───────────────────────────────────── 42 ◯議長(斉藤久也議員) 9番板津道也議員。    (9番板津道也議員登壇) 43 ◯9番(板津道也議員) 質問の機会をいただきましたので、私からは、大綱3点について質問をさせていただきます。  質問の1番目は、環境問題についてお伺いします。  ことしの夏も近年同様、記録的な暑さで、6月には42年ぶりに6月の最高気温を更新しました。地球温暖化はますます深刻になり、我が国でも天災などの被害が多発しています。アメリカでは、ハリケーン「カトリーナ」によって、建国以来最悪の被害を受け、ヨーロッパ南部では、第二次世界大戦以降最悪の干ばつに見舞われました。1980年代以降、異常気象が原因と思われる急激な気候変動が頻発し、被害額、損害保険支払額とも、この20年間に30倍以上に激増しています。地球温暖化の有効な対策の一つとして、全体が何かをするのではなく、個々や小さなコミュニティなどが意識を持ち、やり続けることが重要であると言われています。  そこでお伺いします。本区においては、今後、小中学校で冷房化する計画をしていますが、現在の記録的な夏の暑さでは、小中学生に優良な就学環境を保つためには必要な施策と考えますが、どのように使用するように指導していくのか。何時から何時まで使用を許可するのか。また、体育の時間などで生じる普通空き教室などの指導など、現時点でどのように考えているのかお聞かせください。  また、これを機に、小中学生への本区独自の環境教育を考えていくべきだと思います。若洲の風力発電施設などを有効利用するなど、個々の児童・生徒の問題意識を高めるための指導は行っていますが、冷房化を機に、小中学校で児童・生徒に節水や節電の重要さを考えてもらうため、公共料金に基準値を設け、前年度比からの減の多さを比較するなどして、各校の喚起を促すのはいかがでしょうか。お伺いします。  次に、ドイツのフライブルグという都市では、市民と自治体が一体となって環境保全のために風力発電施設や、市の中心部600メートル四方を車両乗り入れ禁止地域に指定し、パーク・アンド・ライドを導入するなど、積極的に施策を推進し、ドイツの「環境首都」として世界で知られるようになり、100を超える環境関連機関や施設を誘致しています。このように、市区町村においても国の施策に従うだけでなく、独自の環境対策を行っていくべきと考えます。企業を初め、日本や日本人の環境に対する意識は、ドイツと比較しても高いものがあると、環境先進国のドイツの著名な環境学者であり、現在では国会議員を務められているワイツゼッカー博士も言っておられます。  そこでお伺いします。最近では、都バスを初め、宅配便事業者などもトラックのアイドリングストップを励行していますが、駅前で乗客待ちをしている数十台のタクシーは、夏も冬もアイドリングをしたまま客待ちをしています。本区はJRを初め、都営、東京メトロなどたくさんの駅を抱えています。そこで、本区が現在進めている環境行動計画の中で、アイドリング禁止地域を駅前に設けてはいかがでしょうか。  20世紀は「消費の世紀」と呼ばれ、大量生産、大量消費の経済活動を優先してきました。先日までは3R、つまり、リユース、リデュース、リサイクルと言われていましたが、最近では、リペア(修理可能なものは修理して使うなど)、リニューアブル(再生可能なエネルギー、太陽エネルギー)を加えて5Rとも言われています。特にリニューアブルでは、カーボン・ニュートラルと言われる、半永久的に循環する仕組みであります。例えば、ブラジルなどでは、サトウキビからエタノールを精製し、ガソリンにかわるエネルギーとして車などに利用しています。この5Rを最も実践していたのが江戸時代の江戸と、その周辺農村部で形成される地域と言われています。  また、2001年にイギリスで出版された「環境の思想家たち」という本の中で、唯一日本人として本区でも記念館を運営しているなど関係の深い松尾芭蕉が紹介されています。このように、江戸文化を色濃く残している本区こそ、ごみ問題を中心に、今後とも特別区23区をリードして環境対策に努力していただきたいとお願いして、この質問を終わります。  質問の2番目は、アスベスト対策について伺います。  アスベストは1970年以降、日本では「奇跡の鉱物」などと珍重され、建設資材、電化製品、自動車、家庭用品など、さまざまな用途に広く使用されてきました。しかし、人の髪の毛の5,000分の1程度の細さであるアスベストは、潜伏期間が長く、近年では「静かな時限爆弾」と世間では恐れられています。そして、日本においては、21世紀に入ってから死亡者が増加しており、2040年までにアスベストが原因で発生する中皮腫や肺がんで10万人を超える死亡者が出ると予想され、今後の被害が懸念されています。  そこでお伺いします。小中学校に備品として整備されている理科実験用や、美術教材の陶器焼きふた等、石綿が使用されている教材があると思うのですが、渋谷区や世田谷区では、教育委員会の指導により、既に撤去及び処理業者への処分を委託していると伺っていますが、本区では他区と同様に処分を行ったのか。また、まだ処分が行われていないのなら、速やかに適切な対応をとり、父兄及び学校関係者への説明等を行うべきと考えますが、今後、どのような対応をしていくのかお伺いします。  次に、区内の事業所内の処分について伺います。  経済産業省の「アスベストを使用した製品の製造工程、作業に従事した作業員の健康被害の調査」では、石川島播磨重工のアスベスト原因の死亡者は20人と、調査、公表された企業の中でも多い部類に当たります。そこで、豊洲再開発に当たり、石川島播磨重工跡地周辺のアスベストなどの環境調査を行い、今後とも周辺住民の健康には十分な配慮を期待します。  また、環境省によりますと、今後、建物の改築、解体によるアスベストの排出量は、2020年から2040年ころにピークを迎えると予測され、年間10万トン前後のアスベストが排出されると見込まれ、今後の解体などに当たっては、建築物周辺の住民の健康への影響が懸念されています。区としては、これまでも解体業者には法令に基づいた指導を行っていると承知していますが、今後、区内にある建物の中で1960年代から1975年9月の吹きつけアスベストの使用が禁止されるまでに建てられた鉄骨づくり建築物は、ビルの寿命による建て替えが本格的に始まり、解体件数が増加すると思われますが、区民の不安解消と被害の未然防止のため、アスベストの飛散防止の一層の徹底と適切な除去工事の施工をどのように確保していくのか、区のお考えをお伺いします。  質問の3番目は、災害発生時の区内備蓄品及び防災用品について質問いたします。  まず、災害時緊急医薬品についてですが、どのような見地から医薬品の選定、数量の確定を行っているのですか。また、災害とはどのような規模を想定しているのでしょうか。近年においては、災害とは地震などの天災だけでなく、テロなどの人為的災害も想定する必要があるのではないでしょうか。  特に、本区は臨海部の大型ショッピングセンターやショッピングモールなどを初め、数々の施設と地下鉄駅などの駅を多数抱えており、東京都は地下鉄サリン事件という、世界でもまれな大規模バイオテロ災害に見舞われた経験のある場所です。実際、東京都では、地下鉄サリン事件発生時、サリンの殺傷作用機序に対抗する拮抗剤である硫酸アトロピンの備蓄量が負傷者に対して圧倒的に不足し、助かるはずの方々が命を落とされ、重度の障害を負わなくても済んだ方々が多数いらしたと聞いております。サリン事件の事例は、確かにまれな事例ではありますが、例えば、地震時にメタンガスなどが流出し、中毒を起こした場合でも神経伝達障害を阻止するために硫酸アトロピンで治療を行うそうです。  今月の初めにも、親米アラブ国であるヨルダンの首都アンマンで自爆テロが起き、50人を超える死者が出ました。本区でもテロや天災などにでき得る限り区民の安全を図るべきと考えますが、いかがでしょうか。  そこで、現時点で備蓄されている薬品類は、もう一度有識者の意見を聞き、本区の地域事情に合った、災害医療に即した備蓄をするべきだと思いますが、お伺いします。  また、経費面でも多くの見直すべき点があると考えますが、いかがでしょうか、伺います。  また、医薬品については、ジェネリック医薬品を優先的に採用するべきと考えますが、あわせてお伺いいたします。  次に、防災用品についてですが、こちらについても同様であります。備蓄場所である学校や区の施設の統廃合が進む中で、町の変化にあわせて実践的かつ十分な備蓄を行う必要があると考えます。事実、阪神・淡路大震災の折は、1月という寒い時期でしたが、火を起こす際に工事用具であるU字溝を使い火をおこし、お湯をわかしたり、炊き出しをしたそうです。最近では、さまざまなアイデア災害用品が売られていますが、これらを精査して、率先的に採用したり、納入業者に定期的に災害用品の保守点検を行うよう要請するなど、長期使用に耐え得る物品を選定するなどして見直しを行う必要があると考えますが、お伺いします。  また、このような見直しを行うことによって、経費面で少しでも軽減を図るべきと考えますが、お伺いします。  以上で質問を終わります。  ご清聴ありがとうございました。(拍手)    (室橋昭区長登壇) 44 ◯区長(室橋昭) 板津道也議員の質問のうち、私からは、アスベスト対策についてのご質問にお答えをいたします。  まず、学校の備品などについてのお尋ねでございますが、理科教材等におけるアスベストの使用状況につきましては、本年8月16日付の都教委の通知に基づき、石綿つき金網及び耐熱手袋に関する調査を実施いたしました。その結果、耐熱手袋はありませんでしたが、石綿つき金網は小中学校計16校で保有しておりましたので、直ちに回収し、適正に廃棄処理したところでございます。また、調理機器の回転がまについても調査をいたしましたが、アスベスト使用のものを保有している学校はなかったなど、安全性は確認されております。  次に、アスベストを使用していた区内事業所周辺住民の健康に配慮すべきとのお尋ねでございます。  全国的には、一部市町村において、周辺住民や従業員の家族の健康にまで影響が及んでいたことが明らかになっておりますが、現在、本区はそうした状況ではございません。しかしながら、区民の不安を解消するため、既に保健所等に窓口を開設し、アスベストに関する健康相談を行っておりますとともに、希望する区民に対し、レントゲン検査を無料で実施しております。  また、アスベストによる健康被害に関する補償等の検討が国において進められておりますが、区といたしましては、そうした国の動向等を見据えつつ、引き続き区民の健康を守るための対策を行ってまいりたいと考えております。  次に、建物の改築、解体についてのお尋ねでございます。  吹きつけアスベストが使用されている建築物は、昭和30年ごろから昭和55年ごろまでに建築された建築物の一部であり、それらが築後30年を経過し、建て替えによる解体がふえることが見込まれるのはご指摘のとおりでございます。必要な措置を施さずに解体するとアスベストが飛散するおそれがあるため、対策が必要となってまいります。
     そこで、具体的な対策といたしましては、都の環境確保条例において、建築物等の改修工事や解体工事の際には、アスベスト含有建材の使用状況を事前に調査し、適切な工事を行うよう建築主に義務づけております。  区では、その定めに基づき、工事施工計画の届け出を受けて現場調査を実施するとともに、労働基準監督署と連携を図りつつ、適切な工事の施工を確保しております。また、本年10月からは、条例上の届け出に該当しない規模のものについても、区独自に届け出を求め、区民の安全の確保に一層取り組むことといたしたところでございます。  国では、大気汚染防止法や建築基準法を改正し、建物の解体やアスベストの除去についての規則を厳しくするよう検討していると聞いております。区としては、そうした動向等にも注視しつつ、アスベストの飛散を防ぐため、今後とも必要な措置を講じてまいりたいと考えております。  なお、その他のご質問につきましては、所管部長から答弁いたさせます。    (鳥海武環境清掃部長登壇) 45 ◯環境清掃部長(鳥海武) 私からは、環境対策についてのご質問にお答えいたします。  初めに、冷房化とあわせた小中学校における環境負荷低減の取り組みと環境教育の進め方に関するお尋ねであります。  小中学校の冷房化につきましては、平成18年度には中学校、19年度には小学校、それぞれの普通教室を冷房化することとしております。小中学校の図書室は、既に17年度において冷房化を実施いたしましたが、その際、冷房化に伴う環境負荷低減の取り組みとして、各学校に対し、冷房使用の際の注意事項を定めた通知を配布の上、校園長会などを通じて使用上の注意を周知いたしました。具体的内容としては、冷房使用基準として室温が28度を超えたときに使用すること、冷房期間を6月1日から9月30日までとすることとしております。  さらに、冷房機器の使用については、特に体育の時間の後には体が乾いておらず、冷房を使用すると風邪を引きやすくなるため、使用上の注意を入念に呼びかけております。  また、体育の授業などで教室を使用しない際には、節電のため必ず冷房を切ることを注意しており、環境教育の実践として奨励しております。  次に、児童・生徒への本区独自の環境教育につきましては、今後、新設する学校にはできる限り太陽光発電装置等を設置し、自らの学校生活の中で、省エネや自然エネルギー利用の重要性を学ぶ場をつくることにより、環境問題についての意識を高めていきたいと考えております。  また、冷房化を機に小中学校での節水や節電に基準値を設け、前年度からの減の多さを比較するなど、各校の喚起を促してはとのご提案ですが、節水や節電については、毎年徹底を図っていくことは当然のことであります。しかしながら、電気、上水道の使用量はその年度の気候に大きく影響を受けるものであり、基準値の設定については、今後の検討課題とさせていただきたいと存じます。  次に、環境対策について、区独自の取り組みを行ってはどうかとのお尋ねであります。  アイドリングストップにつきましては、都の環境確保条例で、都内全域において信号待ちなどの場合を除き、駐停車の際にはエンジンを停止することが義務づけられております。  区におきましても、環境基本計画の重点プログラムの一つに自動車低公害化の促進を挙げ、路上指導によりアイドリングストップを遵守させるとともに、区民や事業者向けの啓発活動を行っているところです。  しかしながら、一部の場所においては、エンジンを停止せずに長時間駐停車を行っている事例が依然として見られるのは、ご指摘のとおりであります。  現在、区では環境基本計画を推進するための取り組みを具体化する環境行動計画の策定を進めております。アイドリングストップ対策につきましても、環境行動計画の中で、区民や事業者、行政がそれぞれの立場に応じた役割を担った上で、環境負荷低減の取り組みを協働して進めるという考え方に立ち、具体的な取り組みを進めてまいりたいと考えております。    (高橋三喜男総務部長登壇) 46 ◯総務部長(高橋三喜男) 私からは、災害発生時の区内備蓄薬品及び防災用品についてのご質問にお答えいたします。  まず、災害時の区内備蓄薬品の選定及び数量の確保についてですが、現在は、平成9年の東京都の東京直下地震被害想定に基づき、また医師会等関係機関の意見を踏まえ、応急医療活動に必要な抗生物質等の医薬品や注射器等の医療器具を145セット、定期的に購入して医師会に貸与し、災害時の応急医療活動に備えております。不足が生じた場合は、区の要請に基づき、東京都が医療救護班等の派遣及び医薬品等の供給を行うこととなっております。  また、ご指摘のとおり、近年における災害対策は、テロ等の人為的災害、特に核物質、生物剤、化学剤が使用される災害の発生も想定した対策が求められております。そのため、平成16年9月に国民保護法が施行され、現在、東京都で保護計画を策定しており、これに伴い、本区も保護計画を策定していく予定であります。  なお、備蓄薬品の見直しやジェネリック医薬品の採用につきましては、今後も医師会等関係機関の意見を踏まえて検討してまいります。  次に、防災用品についてですが、阪神・淡路大震災以降、さまざまな災害用品が開発されております。これまで区では、阪神・淡路大震災等の教訓を踏まえ、備蓄物資の整備を行ってまいりましたが、昨年の新潟県中越地震の発生により、本区の備蓄物資の見直しを検討しております。  本年度は、災害時にアルファ化米やミルク等を温めて供給できるよう、加熱剤を購入いたします。  また、各小中学校に炊き出しと兼用できるコンロ型ストーブの備蓄、車いす、女性が安心して利用できるマンホール対応型のパネル式仮設トイレの導入も検討しております。  災害用品の保守点検につきましては、専門的な技術を要する造水機や濾水機等は定期的に納入業者等の専門業者に保守点検を委託し、実施しているところでございます。新たな資機材の購入につきましては、長期使用に耐え、専門業者への定期的保守委託が不要な機器を選定し、維持経費の節減を図ってまいります。  また、備蓄品の購入に当たりましては、保存年限の長い物品の選定に努め、既に乾パンにつきましては、保存年限の長いクラッカーへ変更し、経費の節減を図っております。  なお、現在、東京都において、新たな東京直下地震の被害想定の調査研究を行っております。その結果を踏まえ、新たな備蓄計画の作成の折においても、経費面や耐久性を考慮してまいります。 47 ◯議長(斉藤久也議員) 以上をもって、一般質問を終了いたします。   ────────────────────○──────────────────── 48 ◯議長(斉藤久也議員) おはかりいたします。  明11月26日から12月11日までは委員会審査のため休会し、来る12月12日午後1時から継続本会議を開会いたしたいと存じますが、ご異議ありませんか。    (「異議なし」と呼ぶ者あり) 49 ◯議長(斉藤久也議員) ご異議がないものと認めまして、さよう決定いたします。  ただいまご着席の方には改めて通知いたしませんから、ご承知の上、ご参集を願います。  本日は、これをもって散会いたします。    午後5時31分散会                                         ( 了 ) Copyright (c) Koto City Assembly Minutes, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...