墨田区議会 > 2019-02-13 >
02月13日-03号

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  1. 墨田区議会 2019-02-13
    02月13日-03号


    取得元: 墨田区議会公式サイト
    最終取得日: 2021-08-11
    平成31年 第1回定例会(2月)       平成31年第1回定例会 墨田区議会会議録1 期日  平成31年2月13日2 場所  墨田区議会議事堂3 出席議員(31人)       1番  坂井ユカコ君   18番  高橋正利君       2番  村本ひろや君   19番  じんの博義君       4番  佐藤 篤君    20番  あべきみこ君       5番  しもむら 緑君  21番  田中 哲君       6番  渋田ちしゅう君  22番  はらつとむ君       7番  西村孝幸君    23番  樋口敏郎君       8番  井上ノエミ君   24番  沖山 仁君       9番  大瀬康介君    25番  田中邦友君      10番  堀 よしあき君  26番  木内 清君      11番  あさの清美君   27番  坂下 修君      12番  としま 剛君   28番  瀧澤良仁君      13番  加藤 拓君    29番  おおこし勝広君      14番  中沢えみり君   30番  加納 進君      15番  福田はるみ君   31番  千野美智子君      16番  はねだ福代君   32番  高柳東彦君      17番  とも宣子君4 欠席議員      なし5 欠員(1人)       3番6 出席理事者    区長        山本 亨君   産業観光部長    鹿島田和宏君    副区長       高野祐次君   福祉保健部長    青木 剛君    教育長       加藤裕之君   子ども・子育て支援部長                                岩佐一郎君    企画経営室長    岸川紀子君   都市計画部長    渡辺茂男君    総務部長      小暮眞人君   都市整備部長    田中正明君    区民部長      石井秀和君   企画経営室参事   郡司剛英君    地域力支援部長   関口芳正君   区民部参事     高橋宏幸君    地域力支援部参事  前田恵子君   環境担当参事    島崎 進君    保健衛生担当部長  伊津野 孝君  立体化推進担当部長 大野暢久君    保健衛生担当参事  岩瀬 均君   会計管理者     中山 誠君    保健衛生担当参事  植原昭治君   教育委員会事務局次長                                後藤隆宏君    危機管理担当部長  酒井敏春君   教育委員会事務局参事                                宮本知幸君    環境担当部長    佐久間 之君  選挙管理委員会事務局長                                小久保 明君7 出席事務局職員    事務局長      浜田将彰君   議事主査      松本光考君    事務局次長     瀬戸正徳君   書記        北條 豊君    議事主査      荒井 栄君     平成31年第1回墨田区議会定例会議事日程 第3号        平成31年2月13日午後1時 開議第1 議案第6号 墨田区議会政務活動費の交付に関する条例の一部を改正する条例第2 議案第7号 墨田区立学校設置条例の一部を改正する条例第3 議案第8号 墨田区自転車の利用秩序及び自転車駐車場の整備に関する条例の一部を改正する条例第4 議案第9号 墨田区道路占用料等徴収条例の一部を改正する条例第5 議案第10号 墨田区立公園条例の一部を改正する条例第6 議案第11号 墨田区女性福祉資金貸付条例の一部を改正する条例第7 議案第12号 墨田区手話言語及び障害者の意思疎通に関する条例第8 議案第13号 墨田区指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営等の基準に関する条例の一部を改正する条例第9 議案第18号 職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例第10 議案第19号 幼稚園教育職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例第11 議案第20号 墨田区災害弔慰金の支給等に関する条例の一部を改正する条例第12 議案第1号 平成30年度墨田区一般会計補正予算第13 議案第2号 平成31年度墨田区一般会計予算第14 議案第3号 平成31年度墨田区国民健康保険特別会計予算第15 議案第4号 平成31年度墨田区介護保険特別会計予算第16 議案第5号 平成31年度墨田区後期高齢者医療特別会計予算第17 議案第14号 特別区道墨122号路線整備工事請負契約の一部変更について第18 議案第15号 物品の買入れについて第19 議案第16号 物品の買入れについて第20 議案第17号 物品の買入れについて第21 議員提出議案第1号 墨田区学校給食費助成条例第22 議員提出議案第2号 墨田区国民健康保険条例の一部を改正する条例     午後1時開議 ○議長(瀧澤良仁君) これより本日の会議を開きます。----------------------------------- ○議長(瀧澤良仁君) まず、会議録署名員を定めます。 本件は、例によって、議長からご指名申し上げます。      10番    堀 よしあき君      32番    高柳東彦君のご両君にお願いいたします。----------------------------------- ○議長(瀧澤良仁君) 昨日に引き続き、一般質問を行います。 順次発言を許します。 9番・大瀬康介君   〔9番 大瀬康介君登壇〕 ◆9番(大瀬康介君) 墨田オンブズマン、大瀬康介でございます。これより一般質問を行います。 最初に、違法貸しルームについて。 昨年末、東京スカイツリー周辺の道路の電柱やガードレールなどに白地に黒文字で「アパート5万円水道料光熱費込み」という貼り紙が大量に貼られていることに気づきました。その貼り紙は、シール状で耐水性のないただの紙に強力なのりが付けられていますので、雨などで濡れてしまいますと、ガードレール等に貼り付いてしまい剥がせなくなります。また、こののりを除去するには大変な労力と専門の薬品が必要になります。これを放置しますと、まちの景観を損ない、治安の悪化要因になりかねません。 貼り紙をした人を特定するために、記載の電話番号に電話をかけ、そのアパートを見たいと言い、現場へ行って驚きました。錦糸町駅南口から徒歩5分ほどのところにある古いオフィスビルの6階のその内部には燃えやすいベニヤで天井に達していない間仕切り壁がつくられ、床、天井により2段に区画され、人が寝られるだけの狭いカプセル状の空間になっています。内部は人がやっと座れるほどの天井の高さで、奥行きや幅は布団の端を折ってやっと入れる程度で、小さな蛍光灯とテレビがあり、窓は全くありませんでした。このような部屋が25室つくられているのです。 さらに換気も不十分で、夏の暑い日はどうされるのかをお尋ねしますと「暑いときはそのスイッチを押せば換気扇が回る」と説明され、スイッチを入れてみると、小さなPC用の電動ファンを回すことで室内の温度を下げる仕組みでした。そのファンも作動させると音が大きく、とてもアパートと呼べる状態ではなく、窓がなく換気も不十分という観点から、建築基準法に違反しているおそれのある違法貸しルームと言わざるを得ません。 本来は、オフィス用のビルの6階ですから、人が居住するとなると建築基準法に基づく用途変更が必要なはずです。 更に問題なのが、小さな部屋を多数つくる関係で、内部にはクランク状に折れ曲がった迷路のような構造となっており、通路も70センチ程度の幅しかありませんでした。 もしもここで火災が発生すれば、燃えやすいベニヤ板つくりですから、火の回りが早い上に、非常口がなく、避難器具は、唯一南側にオリローと呼ばれる、ベルトを腰に巻き付けてロープでおりる器具が1基あるだけでした。しかも、6階部分ですから、地上まで約21メートルもあり、地上の状態を見ますと非常に恐怖感があります。しかも、このオリローのロープを21メートルおろし、さらに21メートル引き上げて次の避難者に装着させる時間を考えますと、燃えやすいベニヤ板が延焼するほうが明らかに速いと思われ、果たして25室の住民が全員逃げられるとは思えません。 このあまりにも危険な状況を見てしまった私は、詳細の図を添えて、すぐに建築指導課に報告いたしました。しかし、驚いたことに、建築指導課で現地を調査したものの、違法性はないとの認識だったことに非常に驚きました。なぜそのような判断が下されたのか聴取してみますと、立入検査の日程を事前に知らせたとのことであり、そのため業者が居住者を一時的に退去させ、都合の悪い部屋は見せなかったことが原因であると考えられます。 ただし、このことは、事前に建築指導課に対して、この業者は映画会社を装い各部屋の名前を「照明」「小道具」「衣装」「撮影機材」と書いて、撮影に必要な機材の保管庫を装っていることも知らせてありました。 私は職業柄、映画会社や映像制作会社に行くことが多いのですが、どこの制作会社でも撮影機材などを個別の区画に保管することは非常に効率が悪いので、必要なときにすぐ取り出せるように棚に保管するのが普通です。特に三脚などは、大変高価な上に、撮影現場の状況により使い分ける必要があり、カメラの大きさや重さも違うので複数あっても不思議ではありませんが、これが一つも見当たりませんでした。このため、単に映画制作会社を装っていることは一目で見抜けました。 このことも含めて建築指導課には報告をしているにもかかわらず、その回答は「違法性なし」というものでした。 その一方で、国土交通省は、こうした違法性のある施設は、火災の際、安全面などで問題があると通報を呼びかけていますが、墨田区のこのような対応は無責任そのものであるとしか言いようがございません。 そこで質問いたしますが、区内の道路の電柱やガードレールなどに白地で黒文字で「アパート5万円水道光熱費込み」という貼り紙が大量に貼られていることに気づいた場合、墨田区はどのような対応をとるべきだと考えていらっしゃるのか。単に貼り紙を撤去するだけなのか、それとも国土交通省の指摘する違法性のある施設ではないかという認識に立って、現場を確認し、安全な施設なのか、立入検査を行う必要があるとお考えになるのか、区長にご認識をお伺いいたします。 また、当該業者は、住民登録も行い、住民票がとれることを強調しておりました。このことから、違法貸しルームの見分け方として、商業ビルやオフィスビル、倉庫といった、本来人が住むような建物でない場所に複数の住民が住民登録をしている場合、建物を検査し、実態を把握すれば、違法貸しルームを発見することができるのではないかと考えます。 そこで区長にご質問いたしますが、不自然な場所に複数の住民が住民登録しているケースがないか、きちんと調査すれば、違法貸しルームの発見にもつながると思われますが、区としてこのような対応を取るおつもりはあるのか、お尋ねします。 さらに、このような違法貸しルームの多くは、狭い空間に大勢の人が居住するため、換気やトイレ、洗面所など衛生面にも問題があること、また、火災が発生した場合、避難路が確保されていない、防火性能が低い上に火災警報装置もないなど、万一火災が発生した場合、多数の死傷者を出してしまうおそれがあります。こうした危険な違法貸しルームは、墨田区から根絶し、地域の安全・安心を図る必要があると思われますが、区長の地域の安全・安心というご認識からどのような対応をすべきか、お答えください。 続きまして、子育て世帯の定住促進について。 現在の墨田区では、相続税対策投資用物件としてワンルームマンションが大量に建てられており、空き部屋も多くなったという声もございます。 墨田区の20年先、30年先を考えますと、今から子育て世帯の定住促進を進める必要がございます。現在のデベロッパー任せでは、コスト優先、利回り優先になるために、小規模の住宅ばかり供給され続けますと、30年後にはこうしたマンションの住民の高齢化は確実にやってきますし、今から具体的な対策をとらねばなりません。 また、独居高齢者の数も多くなり、地域力の衰退は避けられません。 さらに、高齢になっても働ける環境が整備されませんと、その多くが生活保護に頼らざるを得なくなることも推計され、将来の墨田区の財政を圧迫しかねません。 50年先になれば、現在の建てられたワンルームマンションが次々に老朽化しますので、管理の悪いワンルームマンションからスラム化していく可能性が否定できません。その根拠に、国際連合の人間居住推計の統計によれば、世界のスラム住民の数は増加傾向にあり、21世紀初頭のおよそ10億人から、2030年にはその倍の20億人に増えるとされています。この背景には、急激に進んでいる格差社会があります。これを放置しますと、居住者やコミュニティの健康や安全、道徳が脅かされている荒廃した状況を産出してしまいます。 このような状況にさせないためには、やはりファミリー世帯が定着しやすいような地域づくりが欠かせませんし、若者が増えれば地域の活力も生産性も上がり、しかも世代交代もファミリー世帯で育った子どもたちに引き継がれますので、衰退することはありません。 まず最初に、墨田区内にファミリー世帯が住めるようなマンション等の集合住宅が多数建設されやすくなるような施策が必要です。区長はどのような具体的な対策を考えているのか、お答えください。 続きまして、日韓関係悪化に伴う友好都市関係についてご質問いたします。 最近、韓国では、新日鉄住金に対する戦時訴訟で韓国の最高裁判所が賠償金の支払いを認め、1965年に締結した日韓請求権協定に反する判決が出されました。 さらに先月、12月20日には、海上自衛隊のP1対潜哨戒機が韓国海軍の駆逐艦から火器管制レーダーの照射を受け、その謝罪もないまま、今年1月23日には、韓国軍は、我が国の海上自衛隊の哨戒機による韓国軍の駆逐艦に対する威嚇行為が相次いでいると、事実ではない主張をしており、日韓関係は悪化するばかりです。 しかしながら、昨年には西大門区の少年サッカーチームが来られ、区議会には同区の関係者が表敬訪問されるなど、区同士の交流がございます。 この問題は、韓国政府の対応が非常に我が国を敵視しており、アメリカが仲裁に入っても聞き入れない状況です。この状況で韓国の主力製品である半導体の輸出が激減し、韓国経済は絶望的と言えるほど悪化しておりますが、軍事予算だけは我が国の防衛費に匹敵するほど増大させており、仮に半島が統一されますと、核兵器を持った軍事大国となり、我が国の安全保障上の重大な脅威になりかねません。 こうした状況を踏まえて、区長にご質問いたします。 墨田区と韓国の西大門区との友好都市協定は見直すべきなのか、それとも凍結すべきか、更に発展させる価値として具体的なメリットはあるのか、具体的にお答えください。 これよりもパリ市第7区との友好関係を構築すべきと考えますが、区長の方針をお伺いいたします。 町会・自治会の監査等について。 平成31年度予算案では、町会・自治会活動推進への支援の拡充が図られ、8,400万円の予算が掲げられ、その目的が達成されるためには、補助金の使途の透明化と効果的に使われる仕組みづくりが欠かせません。町会・自治会の監査結果などから、それぞれの活動の実態を正しく把握し、無駄がなく、公平公正に補助する必要があります。 そこで、区長にご質問ですが、現在どのような監査が行われ、その結果に基づく具体的な成果の把握や管理方法について、あまりに町会・自治会の負担となっていないか、また、予算は足りているのかについてお答えください。 続きまして、生活保護費の支給対象について。 平成24年3月16日の参議院予算委員会片山さつき参議院議員のご指摘では「国の生活保護費総額約3.3兆円のうち、仮試算で1,200億円弱も外国人に支払っております。その保護率は、日本人の2から3倍、その3分の2が朝鮮半島出身者の方だそうです」と述べられました。この指摘から早くも7年経過しています。 この件について、墨田区での実態はどうなっているのでしょうか。仮に支払われている方があるとしたら、2014年7月18日の最高裁第二小法廷で出された判決では、永住外国人生活保護法の対象外であるとしています。また、同小法廷は、受給対象を拡大する法改正が行われていないことから、永住外国人は対象には当たらないと判断しています。このことは、外国人は行政措置による事実上の保護対象にとどまり、同法に基づく受給権はないと判断しています。しかし、現状では各自治体では、永住外国人や難民認定された外国人に対し、人道的な観点から、行政措置として既に生活保護費を支給しているケースが多いと聞きます。 そこで区長にご質問いたしますが、現在、墨田区では、外国人の生活保護費を支給しているのかという点と、その数は何名ぐらいいるのかについてもお答えください。 仮に支給されているなら、最近、墨田区で外国人世帯は年々増加をしており、保護対象になる外国人も増えることが予想されます。しかしながら、日本人世帯への生活保護費の支給増に加えて、外国人受給世帯が加わりますと、地方自治体である墨田区の財産を圧迫する一因となりかねません。 そこでご質問ですが、区長の外国人に対する生活保護への考え方についてお伺いいたします。具体的に、生活保護の本来の趣旨では、その対象を国民に限っており、最高裁判例もこれと同じですが、人道的な観点から行政措置として支給するという判断もあるのですが、区長はどちらを選択されているのでしょうか。 墨田区立公園条例の一部改正に伴う公園占用料の改定について。 墨田区立公園条例の一部改正に伴う公園占用料の改定で、写真撮影のための臨時的な占用料が、1回、1時間以内で1万4,625円とは高過ぎるのではないでしょうか。その改定理由として、墨田区は固定資産税に係る固定資産税評価替えに伴い、としていますが、そもそも区立公園は、固定資産税が課税されていないにもかかわらず値上げされる根拠はどこにあるのか、区長に回答を求めます。 隅田公園などで撮影の風景を拝見しますと、結婚式の衣装を着て、プロのカメラマンが写真を撮る光景が多く見受けられます。区内で結婚され人生の記念となるべき写真が高くなり過ぎるために、せっかくの記念撮影を諦める方が出てくるのではないでしょうか。 実際に結婚衣装のレンタル料は、新婦が20万円ぐらいかかりますし、新郎は5万円。さらに、カメラマンが1名で5万円、メークさんが1名で3万円、合計で約23万円前後かかります。これに公園占用料が1回、1時間当たり1万4,625円必要となり、諸経費を入れますと25万円前後かかってしまいます。本来、墨田区は区内で結婚され、隅田公園などで思い出の写真を撮られることは推進されるべきことだと考えます。 また、テレビ番組や映画の撮影などで利用されれば、全国又は全世界にすばらしいドラマの舞台として認識され、ロケ地として観光客を集めることにもつながるのではないでしょうか。 区長にご質問いたしますが、公園占用料の1回、1時間以内で1万4,625円の算出根拠と占用料はなぜ必要なのかをまず答えていただき、結婚など人生の節目で撮影される記念写真は、納税者である区民の皆様が墨田区での営みを記録するものでも、このような高額な占用料を徴収する必要があるのでしょうか。また、映画やテレビドラマのロケ地として撮影されることは、広く墨田区を全国又は世界に知ってもらえるチャンスですが、こうした煩わしさから、プロデューサーや監督がロケ地に選ばなくなるおそれもあるのではないでしょうか。 区長にご質問いたしますが、映画やテレビドラマのロケ地として墨田区の公園が活用されることは好ましいことではなく、何でも金さえ取ればよいとお考えなのでしょうか。また、この占用料は廃止するか減額し、映画やテレビのロケ地や人生の節目の記念撮影の場として活用されるほうがメリットは大きいと思いますが、区長の方針をお伺いいたします。 以上で、私からの質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。   〔区長 山本亨君登壇〕 ◎区長(山本亨君) ただいまの墨田オンブズマン、大瀬議員のご質問に順次お答えします。 第1の質問は、貼り紙への対応についてです。 区内の道路の電柱やガードレールなどに貼られている貼り紙については、屋外広告物法及び東京都屋外広告物条例に基づき除却しています。 ご指摘の「アパート5万円水道光熱費込み」との文面だけでは、建築物の違法性について判断できませんが、通報を受けたり、明らかに建築物に違法性が疑われるものについては、安全な施設なのか、立入りを行う必要があると考えており、現在も関係機関と連携し現場を確認するなどの対応を図っています。 第2と第3の質問は、住民登録の調査についてです。 区内には多くの商業ビルや事務所、倉庫等が存在することから、何も手がかりが得られない中で複数の住民登録を関連付けて違法貸しルームを特定するのは困難です。 しかしながら、パトロールや区民等からの通報等により物件が特定できた場合には、住民登録状況の確認とともに現場調査を行い、違法貸しルームの発見に努めています。 第4の質問は、違法貸しルームへの対応についてです。 ご指摘のとおり、居住者の生命・健康を保護することは重要であると認識しています。また、地域の安全・安心を守ることは、区としての重要な責務です。 今後も違法貸しルームについては、利用実態の把握に努めるとともに、関係機関との連携を強化し、是正指導を続けていきます。 第5の質問は、ファミリー世帯向けマンション等の建設誘導に向けた取組についてです。 区では、平成20年に集合住宅条例を制定し、一定規模以上の集合住宅における専用床面積等の整備基準を定め、良質な住まいの提供を誘導してきました。 また「すみだ良質な集合住宅認定制度」を通じて、子育て世帯に特に配慮された良質な集合住宅の供給誘導に取り組んでおり、集合住宅条例に基づく事前協議の機会などを捉え、ファミリー世帯が住めるマンション等の集合住宅が建設されやすくなるように、事業者等に対して、本制度への理解、活用を促していきます。 さらには、今年度から、区内在住の親世帯と同居又は近居をするため新たに住宅を取得する子育て世帯に対して、住宅取得費の一部を助成する「三世代同居・近居住宅取得支援制度」も実施しています。 引き続き、事業のPR強化に取り組むなど、ファミリー世帯の定住促進を進めていきます。 第6の質問は、日韓関係に伴う友好都市関係についてです。 韓国ソウル特別市西大門区とは、隔年でサッカー少年団の受入れと現地への派遣を行っています。国同士の間では、さまざまな政治的課題が生じており、過去にも交流の延期や休止等がありながらも、草の根の交流が続いています。こうした交流を継続的に行い、顔の見える関係を築いていくことが、互いの国を理解し、尊重することにつながるものと認識しています。 西大門区との交流事業は、未来を担うすみだの子どもたちにとって、身近な外国である韓国を肌身で感じ、経験する貴重な機会であり、今後も継続・発展させる価値やメリットがあります。現段階で友好都市協定の見直しや凍結の考えはありません。 第7の質問は、パリ市第7区との友好関係についてです。 パリ市第7区との友好関係については、昨年9月の現地で行った「すみだと北斎」に関するパネル展をはじめ、文化交流を進めていく機運が高まってきていることから、来年度も区長同士の親書の取り交わしを通じ、交流が継続的に行われるよう、積極的に取り組んでいきます。 第8の質問は、町会・自治会の監査等についてです。 まず、どのように監査が行われているかについてですが、区では、各助成金、補助金の要綱に基づき、活動実績報告書の提出を義務付け、活動の実態や使途の内容を確認し、必要に応じて現場に出向き、報告をいただくなど、適正な管理をしています。 次に、その結果に基づく具体的な成果としては、町会・自治会活動の実態把握ができ、使途の透明性や効果的に使われる仕組みづくりにつながることです。 管理方法における町会・自治会の負担については、現状では負担となっているというご意見はいただいていません。 また、町会・自治会の助成に関する予算についてですが、今回の全町会・自治会実態調査においても、約8割が現在の財政状況で運営ができていると回答していることから、不足はないと考えています。 次に、生活保護費の支給対象についてです。 初めに、第9と第10の質問に一括してお答えします。 墨田区の生活保護受給者数及び生活保護の扶助費の現状ですが、昨年11月分の数値は、日本人が7,679人で、保護率は2.96%、扶助費は約10億4,000万円余りです。外国人が284人で、保護率は在住外国人全体に対し2.28%、扶助費は3,000万円余りです。このうち、お尋ねの地域に当たる2カ国の方は68人で、保護率は3.33%、扶助費は980万円余りです。 第11の質問は、外国人に対する生活保護の考え方です。 生活保護制度は、日本国民を対象とした制度ですが、法務大臣から、日本人の配偶者等や定住を目的とした在留資格を付与された方など、一定の外国人には生活保護法の準用が認められていることや、厚生労働省がこうした一定の外国人生活保護の扶助費に対して国庫負担金を支出していることなどを考慮し、所要の要件を満たす外国人に対して生活保護の扶助費を交付しています。 第12と13の質問は、公園の占用料が固定資産税を根拠としていることと、墨田区立公園条例の一部改正に伴う占用料の改定についてです。 まず、公園占用料の算出根拠と占用料の必要性についてです。 公園占用料は3年ごとに改定しており、その算出根拠は、同じく3年ごとに評価替えが行われる固定資産税評価額を用いて土地の評価を行い、占用料を算出しています。 なお、この考え方による算出は、長年にわたり23区が統一して行っているものです。 ご指摘の写真撮影のための臨時的な占用料については、1回、1時間以内で1万4,625円であり、条例において上限額を定めているものです。 用途において金額は異なりますが、ブライダル業者が婚礼の前撮りなどで商用として撮影する場合の占用料は、平成31年度からの改定額で1回、1時間以内1,657円を予定しています。なお、一般の方が自分たちで結婚の記念写真を撮影する場合は、占用料は徴収していません。 また、公園占用料は、自由利用が原則である公園を例外的に独占使用する、いわゆる占用する場合に支払っていただく対価として定めており、公園の維持管理等に使用しています。 第14の質問は、公園の活用についてです。 公園が映画やテレビドラマ等のロケ地等として活用されることは、区のPRにつながると考えています。そのため、PR効果が高い作品については、フィルムコミッションを通じて公園占用料を免除していますので、占用料を廃止する考えはありません。 今後とも、更なる周知を図り、ロケ地としての公園利用を促進することで観光や文化の振興を図っていきます。 以上で、墨田オンブズマン、大瀬議員のご質問に対する答弁を終わります。----------------------------------- ○議長(瀧澤良仁君) 7番・西村孝幸君   〔7番 西村孝幸君登壇〕 ◆7番(西村孝幸君) 無所属の会すみだの西村孝幸です。 山本区長並びに加藤教育長に質問をいたします。 恐らく私の最後の本会議質問になると思います。これまでの議員生活の中で感じたすみだの課題、またすみだの将来について、区の基本的な考え方を改めてお伺いをいたします。明確な答弁を求めたいと思います。 山本区長は、昨年の第4回定例会の本会議質問の中で、来年度以降も引き続き区政のかじ取りを行っていきたいと区長の再選に意欲を示されました。であるならば、二元代表制の一翼を担う議会としては、区長1期目の区政運営について改めて総括的に確認する必要があると思います。 平成31年度予算案については、予算特別委員会の場で質疑をさせていただきますので、ここでは区長の掲げられた「すみだの“夢”」がどのように進展したのか、そしてその結果を区長ご自身はどのように評価されているのか、順次お伺いをいたします。 第1は「暮らし続けたいまち」の進展についてです。その中でも、特に私のライフワークでもあります未就学の子ども・子育て支援関連を中心に質問をさせていただきます。 まずは、待機児童施策についてです。 区長就任後、現在まで、1,600人を超える大幅な保育所定員枠が増えました。これについては、率直に評価をしたいと思います。ただ、その分、関連する予算は急激に増加しています。 一方で、再三申し上げていることですが、なかなか1歳児になると入園しづらいので、本来は育休があって、できればその間は自宅で育児をしたいのだけれども、ゼロ歳児のときに入園しないと保育園には入れないかもしれないということから、ゼロ歳児のときにあえて申し込むという現実があり、安心して育休がとれる墨田区にはなっておりません。 これらを踏まえ、また幼児教育無償化の影響も含め、改めて抜本的な待機児童対策、保育所のあり方検討が必要だと思います。区長の現状評価及びお考えをお伺いいたします。 子ども・子育て関連施策というと、先の待機児童対策に目が行きがちですが、このほかにも多くの課題が山積しています。例えば私が昨年、問題提起をさせていただきました「みつばち園」のインテーク面接までに3カ月もかかっていた問題。これなどは、当事者の方にとっては本当に切実なことではないかと思います。また、現在、両国・文花両子育てひろばの建替え移転が計画されていますが、相対的に在宅子育て世帯向けの支援が保育所利用児童のいる世帯に比べ、低い水準にとどまっている件など、課題は多岐にわたります。 区長は、子ども・子育て支援の徹底整備を掲げられておりますが、これらについては山本区政1期目の中でなかなか改善が図られなかった部分ではないかと思います。これらの事業を含め、区長がこれから必要だと考える子ども・子育て支援策のあり方についてお伺いをいたします。 子ども・子育て関連について、もう1点大きな課題として、児童相談所の移管が挙げられます。 現在のところ、山本区長は「地域の子どもは地域で守る」と強い意志を示されております。このスローガンは、聞こえはよいのですが、その結果として児童相談所の移管が準備不足のまま拙速に行われてしまうことには危惧を覚えます。 児童相談所は、虐待をはじめとする要保護児童への支援のほか、14歳未満で刑罰法令に触れる行為をした、いわゆる触法少年への対応等、今までに区が関わってこなかったことにも新たに向き合わなければなりません。また、一時保護所についても、経験のない墨田区が円滑に運営するのは至難の業です。 加えて、何といっても財源が不透明なことが安定的な運営に大きな影を落としています。現在は東京都児童相談所に区の職員を派遣し、人材育成に努めているとこの間伺っていますが、私自身は児童相談所の移管については、急ぐことなく、慎重の上にも慎重に対応されることを望みたいと思っています。事、子どもの命に関わることです。この点を踏まえての山本区長の現状認識と今後の移管プロセスをどのようにお考えなのか、ご所見を伺うとともに、具体的かつ想定される経費及び人件費とそのための財源についても併せてお尋ねをいたします。 次に、学校教育について、総合教育会議議長としての立場から、区長の墨田区における教育関連事業の進展についてお伺いをいたします。 区長は、学校教育について、知・徳・体のバランスのとれた児童の育成を掲げられました。もとより、教育の実施内容については、教育委員会の専権事項ですが、基本計画の策定過程や区長の予算編制権の中で目指す方向性について、その実現に向け何を盛り込んだのか、またその結果どのような状況が生まれたのか、そしてこれからの課題は何なのか、改めてお伺いをしたいと思います。 次に、加藤教育長の目指される学校教育のあり方と現在の認識について伺います。 学力向上新すみだプランの実施も含め、加藤教育長が就任されてから、かなり教育委員会の雰囲気が変わってきたと思います。昨年、教育長に再任されたわけですから、1期目とは異なり、2期目はすみだの教育事情をしっかりと把握された上でのかじ取りとなります。各種の事業については、実態を見据えて着実に実施していただきたいと思っておりますが、ここでお伺いするのは、大きな視点での学校教育の方向性です。 あえて言えば、学校教育や学力向上も一つの手段であり、真の目的はこれからの複雑でスピードの速い混沌とした難しい時代を、子どもたちがどのように乗り越えていくのかという生きる力・生き抜く力をどう養っていくのかということが最重要ではないかと考えます。この点について、加藤教育長はどのようにお考えなのか、伺います。 併せて、この中における学校教育の位置付けと方向性、つまり学校教育がどうあるべきかとお考えなのか、また全体として加藤教育長の目指されている墨田区の学校のあり方について伺います。ここは、思いも込めて丁寧な答弁を求めたいと思います。 さて、昨年度、商工会議所主催のⅰ専門職大学を中心としたシンポジウムに参加をいたしました。この中で登壇者から、ICTをはじめ進んだ教育を受けるなら墨田区というようなまちにしていきたいというお話を受けました。まさに、教育に投資をすることが定住をはじめとするまちづくりに大いに寄与することが伺える話です。教育の充実は、未来への投資として特に重点的に予算配分を行ってほしいと思います。この点については、山本区長に答弁を求めたいと思います。 次に、高齢者施策についても触れておきたいと思います。 今後、高齢化は加速度的に進み、社会保障関連費は明らかに伸び続けることでしょう。その中で、基礎自治体としては、地域の中で長く元気に暮らしていただける環境をつくることが必要です。もちろん施設の充実も必要ですが、医療と介護の連携や元気高齢者施策の充実など、ソフト面での強化が今求められていると感じます。また、従来からの事業の見直しも必要です。 例えば、平成31年度予算でも約8,500万円計上されている「にこにこ入浴デー」の施策が、本当に高齢者施策として有効なのか、公衆浴場の区内偏在が進行する中、公平性は担保されているのか、利用者は固定されていないかなどです。 これは一例ですが、この事例も含め、限られた財源の中で山本区長の考える高齢者施策の課題をお示しいただくとともに、その対策を具体的にお伺いをいたします。 次は、地域関係です。 山本区長は、就任されてすぐに、地域力日本一を掲げられました。しかし、地域コミュニティの核として、そして下町すみだらしい地縁組織としての町会・自治会の運営が昨今、難しくなってきています。 まず、山本区政になり、町会・自治会振興として何に取り組み、どのような成果が出たのでしょうか。この点からお伺いをいたします。 私自身は正直、効果的かつ的確な施策は打てていないのではないかと感じています。現に、町会・自治会の抱える課題は依然根深く、改善の兆しは見えません。しかも、町会・自治会への大がかりなアンケートは、平成30年度、区長就任後4年目になってからです。この点についても、「スピード感を重視している」と言われている区長としては遅きに失した感もあります。 とはいえ、せっかく実態調査を行ったわけです。これを踏まえ、高齢化やマンションの増加等の複合的な要因により年々運営が厳しくなる中で、町会・自治会が地域の中でどのような存在であってほしいと考えているのか、そしてそのためにどのように支援をしていこうとお考えなのでしょうか、お伺いをいたします。 これまで区は、町会・自治会にいて、「すみだの基盤」と言いながら、一方では「任意団体の一つ」というような、その時々で使い分けをしていたような気がします。行政と町会・自治会との距離感、スタンスを明確にしていただきたいと思います。区長のご所見をお伺いいたします。 次にお伺いいたしますのは、「働き続けたいまち」の実現についてです。 時代の流れの中で、墨田区では町工場の減少、サービス産業の多様化等、産業構造が大きく変わりました。その中で、基礎自治体としての的確な産業支援策を打ち出しにくい状況が生まれてきているように感じます。中小企業センターの廃止や産業振興関連予算の縮減など、区の施策にもそれが表れてきています。 個々の私有財産を利することなく企業の支援をしていくことに難しさがあるのは承知をしておりますが、区の独自産業施策としては、すみだモダンや台湾デザイナーとの連携など、さまざまな事業を展開しておりますが、個人的には「フロンティアすみだ塾」以降、語り継がれるような施策が打ち出し切れていないように感じるのですが、全体として山本区長は現在の産業振興策についてどのように評価されているのでしょうか。そして、どうすれば有効な方策がとれるとお考えなのでしょうか。まず、お伺いをいたします。 次に、商業振興です。 墨田区には、公式で41の商店街があるとしています。そして、これに基づいて各種施策を策定しています。もちろん創意工夫をし、活性化に努めておられる商店街も幾つもあります。また、区商連においても、キャッシュレス対応への社会実験を行う等の取組がなされていることも承知をしています。 しかしながら、この41という商店街数には、正直違和感を覚えます。自分自身が認識していた商店街数はこんなに多くなかったからです。区民の私でさえそう感じるのですから、商店街を利用する可能性のある方のうち、最近になって墨田区に来た方などはそれ以上かもしれません。今後の商店街振興に当たっては、この厳しい現実に立脚したものとしなければなりません。この認識のギャップと今後の区の支援策についてお伺いをいたします。 3番目は、これまでの議論のあったシルバー人材センターについてです。 基本計画では、「働き続けたいまち」の施策の一つとして位置付けられていますが、実際には高齢者の生きがい施策というスタンスは崩されていません。また、これまでの議論でも、高齢者の就業については、ハローワークが主体になってと言われています。 しかし、高齢化が進み、また人手不足が顕著な状況を見るにつけ、このアクティブシニアの方々に業務の担い手になっていただくことが重要ではないかと考えます。居場所とやりがいを持ち、生き生きと仕事をしていただける環境があれば、結果として高齢者に係る民生費の削減にも資すると考えます。産業支援として、そして間接的な福祉としてのアクティブシニアの方々への施策について、山本区長のお考えを伺います。 では次に、「訪れたいまち」の実現についてです。 東京スカイツリーの誘致から本格的に始まった本区の観光施策ですが、成果があったもの、課題が見えてきたもの、それぞれについて改めて一度評価する必要があると思います。 まず、観光案内所のあり方、特にソラマチにある「まち処」についてです。 昨年の決算特別委員会でも大きな議論になった「まち処」ですが、設置される時点での説明では、ここからまちに出てもらうための起点としての施設、また、1度目は時間がなくスカイツリー観光のみだが、こんなにすみだの魅力があるのならば、次回来たときには是非まち歩きをしたいと思うような施設を目指していたと記憶をしています。 では、7年を経てどうでしょうか。本当に当初イメージしていたような施設となっているのでしょうか。10年契約とのことですが、観光協会の職員の方の処遇にも関わる問題です。抜本的なあり方検討を早期に求めたいと思いますが、山本区長のご見解をお伺いいたします。 次に、「訪れたいまち」でお伺いしたいのは、区内循環バスについてです。 このバスについては、個人的にもとても関心を寄せた課題でありました。これまでの議論を踏まえ、センサーの設置や台東区との共通切符など、所管として工夫されていることは承知をしております。 しかしながら、現状はどう見ても観光回遊性の向上よりも区民利便性の向上のための事業ではないでしょうか。この現実を直視しない限り、バス施策の今後の展開を見誤るような気がしてなりません。議会からも10の提言が出ているわけですから、実態を捉えた上で、観光に使えるとすればどんなことが考えられるのか、地に足のついた施策を求めたいと思います。山本区長のご所見をお伺いいたします。 このほかさまざまな観光施策を展開していますが、改めて整理する必要があると思います。特に観光振興プランといった計画となると、全区網羅的になりがちですが、例えば南部と北部では全く事情が異なります。つまり観光については、区内においても地域により全く違うアプローチが必要になってくるわけです。この点も踏まえつつ、また区観光課と観光協会の役割分担が不明確では分かりづらいことを含め、今後の観光施策「訪れたいまち」をどのように描いておられるのか、見解を求めたいと思います。 これまでは主に「すみだの“夢”」の三つの柱を中心に質問をしてまいりました。ここからは、それらの施策と並んで区として重要となるであろう課題について、ハード・ソフト両面から質問をいたします。 初めに、ハード面、主に公共施設のあり方についてです。 まず、課題になっている施設、また今後課題となりそうな公共施設三つを挙げて質問をいたします。 まず初めにお伺いいたしますのは、トリフォニーホールの改修についてです。 さまざまな意見のあるトリフォニーホールですが、このホールの存在が錦糸町、特に北口のまちづくりやイメージアップに寄与してきたことは、私自身、高く評価をしています。トリフォニーホールを含めた錦糸町北口の再開発があったからこそ、その後のスカイツリーの誘致や墨田区のイメージ向上があったと言っても過言ではないと思います。 このトリフォニーホールですが、これまでの質疑等を通じて、区ではオリンピック終了後、施設の大規模改修に着手したい旨のお話をされています。また、その中での改修費用は20億円とも30億円とも言われています。 この改修について、区長はどのように進めるべきとお考えなのでしょうか。具体的な改修計画について、現在お示しできるところをお知らせください。特に経費については、当然その圧縮方法と財源の捻出方法を考えておられると思います。その点については特に詳しくお示しください。 最後に、たとえ財源の捻出がかなったとしても、この改修について、区民の理解を得ることができなければ計画は前に進みません。巨額の修繕費の支出について、いかに区民の方の理解を得ようとしておられるのか、どのような取組をしていこうとしているのか、また、区長としてどのような行動やメッセージが必要なのか、お伺いをいたします。 次に、総合運動場です。 平成31年度予算案では、整備事業費として約11億8,000万円が計上され、整備が進んでおります。区民の体力向上に資する施設が増えるのは悪いことではありません。しかし、そう言えるのは、本当にこの施設が有効に使用されてこそです。現在までのところ、具体的に言われているのは、中学生の連合陸上や一部の中学校の運動会等、わずかです。保育園にも使用に関してのアンケートが届きましたが、具体的な活用方法はまだ見出せていません。 そもそも公共施設は、そこに社会性・公共性の高いニーズがあるからこそ税金を投入して建設するものです。建設が始まった後で稼働率の向上を議論するのは本末転倒ではないかと感じます。この点について、山本区長の見解をお伺いいたします。併せて、そのような懸念を払拭するだけの計画やアイデアをお持ちなのであれば、お示しいただきたいと思います。いかがでしょうか。 もう1点、この運動場建設に当たって、あえて区長は建設需要の高い、つまり建設コストの掛かるオリンピック前に行うことについて決断をされました。区はオリンピック・パラリンピックの機運醸成やレガシーにつなげていくということをその理由としていますが、では改めて、この運動場がどのようにオリンピックの機運醸成やレガシーにつながっていくのか、その仕掛けをどのようにいていくのか、決断をされた山本区長のお考えをお伺いいたします。 公共施設の具体例として最後にお伺いするのは、新保健センターについてです。 イメージも固まり、具体化の進んでいる新保健センターですが、1点、気になっていることがあります。それは、教育センター、子育て支援総合センター等、保健的機能以外の機能を付加させていることです。 私は、効率性の観点から、一概に合築を否定するものではありません。しかし、多くの機能を付加したことにより、保健センター機能が割を食ってしまうのであれば、これもまた本末転倒です。例えば、この墨田区役所の本庁舎も建設当時は随分余裕があったようです。しかし、30年が経過し、行政需要が多様化する中で、現在は会議室を使用するのにも苦労するような状況です。このことを考えるにつけても、将来にわたっても新保健センターが、その本来あるべき区民に提供すべき機能が抑圧されることのないように、建築当時から考えていく必要があると思います。山本区長の見解を求めます。 これまで各施設の課題について質問をしてきましたが、この項目の最後にお伺いいたしますのは、公共施設マネジメントについてです。 墨田区では、平成26年より公共施設マネジメント実行計画を作成し「総量を15%抑制する」としています。確かに総量抑制については、多くの方が同意できることでしょう。問題になるのは、各論となったときです。実行計画では、公共施設を四つに区分し、必要性などを割り出していますが、そうすんなりいくとは思えません。 そうこうしている間に新保健センターや運動場ができてくれば、そして旧保健センター建物の廃止がかなわなければ、逆に総量が増えていくことすら考えられます。このような状況下において、山本区長はいかに総量の抑制を図っていこうとしているのでしょうか。達成に向けた区長の決意をお聞かせいただくとともに、具体的なロードマップをお示しください。 さらには、それぞれの施設を利用している方々等は、廃止反対を掲げられるかもしれません。このようなときに、いかに理解を得ようとしているのか、その方策についてもお考えを伺います。 次に、ソフト面としての効率的・効果的な事務執行についてです。 再三懸念を表明している業務改善プロジェクトをはじめ、庁内業務のスリム化や意欲を持った職員の育成は、今後の墨田区政を進展させていく上で大変重要ではないかと考えています。これまでの議会の議論を踏まえ、どのように今後していこうとされているのか、業務改善プロジェクトの具体的な展開と考えられる成果を、1、区民の方の利便性の向上、2、働き方改革、3、業務の効率化、4、経費の削減という多角的な視点からお示しください。 このほかにも、大学誘致、北斎館の今後等、区政の課題は多数存在しています。区民の思いにかなった事業展開を望みたいと思います。 さて、これまで分野ごとに山本区政1期目の現況について、私なりの思いも込めて質問をさせていただきました。これまでの山本区政の主なものを振り返ってきたわけですが、押しなべて思うのは、山本区長は、昔からすみだにいらっしゃる方、新しく住民となった方、子ども、高齢者、障害者、産業、商業など、全ての関係者、ステークホルダーに前向きなお話をされてきたと感じます。 区長が「すみだの“夢”」を語ることを否定するものではありませんが、区長は、夢物語の童話作家ではありません。厳しい現実の中にある墨田丸の船長なのです。この4年間、そのキャラクターもあって、安全運転を第一に心がけられてきたような気がしています。区長が区民の誰からも親しみやすく共感をされることは、悪いことだとは思いません。しかしながら、現実は厳しさを増しています。法人住民税の一部国税化、社会保障費の増大、少子高齢化のますますの進展、地球温暖化による環境破壊や異常気象等、枚挙にいとまがありません。その一方で、財政は厳しさを増すばかりです。 もういい顔ばかりはしていられません。むしろ区民にとって厳しい話をしなければいけないようなことのほうが多くなるでしょう。そして、そんな逆境のときほど、トップのリーダーシップが求められるのではないでしょうか。そして、厳しい話もしっかりと区民にその必要性を語る、それこそが真に力強いリーダーだと思います。 もし山本区長が今後も引き続き区政を担われるご意志があるというのであれば、その覚悟というものをはっきりと区民の皆様に伝えるべきです。厳しい現実を乗り越えた先にしか「すみだの“夢”」実現はないのだということを心にとめていただければと思います。 最後に、山本区長1期目の総括と併せ、墨田区を取り巻く厳しい状況に立ち向かうご覚悟をお伺いいたします。 以上で、私の最後の本会議質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。そして、これまで本当にありがとうございました。(拍手)   〔区長 山本亨君登壇〕 ◎区長(山本亨君) ただいまの無所属の会すみだ、西村議員のご質問に順次お答えします。 最初のご質問は、「暮らし続けたいまち」の実現についてです。 まず、幼児教育無償化の影響も含めた待機児童対策及び保育所のあり方についてです。 待機児童対策については、保育所定員を拡大してきましたが、待機児童の解消には至っていないことから、今後も引き続き対策を推進していく必要があると認識しています。 ご指摘のように、1歳から保育園に預けることのできるような子育て環境の実現には、社会環境の整備が必要なことから時間がかかると考えています。この中で、今年度は認証保育所整備・運営事業者の公募に当たって、1歳児定員をゼロ歳児の倍以上を設ける提案を優先するなど、取組を行っています。 今後は、来年度の子ども・子育て支援事業計画の策定作業において、幼児教育無償化に伴う影響も踏まえた待機児童対策や保育所のあり方を検討していきます。 次に、これから必要となる子ども・子育て支援策のあり方についてです。 区では、京成曳舟駅高架下の「キラむこ」の開設や、両国・文花両子育てひろばの再整備など、在宅子育て世帯向けの支援策にも力を入れてきました。 私としては、墨田区子ども・子育て支援事業計画において基本理念に掲げる「子どもの利益を優先する」ことを念頭に、多様な保育ニーズに応えられる、また、納税者の視点からも広く区民から理解を得られるような子育て支援策を今後とも積極的に推進していきます。 次に、児童相談所の移管のプロセスについてです。 児童相談所の区設置については、解決すべき困難な課題が山積しているため、先行区や東京都による諸課題への対応状況を十分に検証した上で、その方向性や移管のプロセスについて、慎重に判断する必要があると考えます。 一方で、各地で痛ましい児童虐待死の報道が相次ぎ、児童虐待への対応は喫緊の課題であることから、私は改めて本区における相談事例の再確認を指示しました。さらに、来年度に要支援家庭を対象としたショートステイ事業を実施するとともに、子育て支援総合センターの機能強化のため、東京都と児童相談所に係る人材育成など、新たな連携事業に取り組むこととしました。 なお、児童相談所の区設置に伴う経費については、現時点では具体的に積算できない状況にあります。また、財源については、都区財政調整において現時点で合意に至っていない状況ですので、引き続き協議をしていきます。 次に、墨田区における教育関連事業の進展についてです。 私は、基本計画の考え方を基に総合教育会議での議論を経て、平成28年6月に教育施策の基本方針である墨田区教育施策大綱を策定し、目指す子どもの将来像を定め、教育委員会と連携し、関連事業を実施してきました。 その中で、グローバル化を視野に入れたオリンピック・パラリンピック教育の推進をはじめ、国際理解教育の一環として中学生海外派遣事業を実施しました。また、地域防災力の向上として、中学1年生を対象とした普通救急救命講習を開始したほか、郷土の文化・歴史に関する教育の推進のため、北斎美術館の活用などを実施してきました。それぞれの場面で、生き生きと活動する子どもたちの姿に接し、目指す子どもの将来像に近づいていると感じています。 しかし、学力向上やいじめ・不登校の問題など、解決すべき課題はあると感じており、今後も知・徳・体のバランスのとれた教育を目指し、教育委員会と連携して取り組んでいきます。 次に、教育の充実と予算配分についてです。 すみだで育つ全ての子どもたちが自分の意志で夢を切り開くことができるように、教育の充実は、すみだの未来への投資として非常に重要であると考えます。来年度の予算としては、教育環境の向上や避難所施設の機能向上のための区立中学校全校の屋内運動場に空調設備の整備を行います。 また、新学習指導要領を見据え、小学校への英語講師の派遣の拡充、子ども読書活動推進条例を受けた小学校の学校図書館司書の拡充など、教育予算の配分にも十分意を用いています。 今後、開学予定のⅰ専門職大学や千葉大学と教育分野での連携を進め、より多くの子育て中の方々にすみだに定住したいと思っていただけるような教育環境づくりに取り組んでいきます。 次に、高齢者施策の課題と対策についてです。 区では、施設整備のほか、さまざまな高齢者福祉事業や在宅医療・介護サービスの連携強化に取り組んでいます。今後、高齢者人口が増加する中で、住み慣れたまちで生き生きと暮らし続けるためには、健康長寿に向けた取組や、医療と介護の連携など、地域包括ケアの充実が課題です。 こうした課題を受け、各地域やいきいきプラザ、福祉総合型高齢者支援総合センターなどにおいて、地域のつながりの中で介護予防を行う取組を展開しています。 ご指摘の高齢者施策の見直しについては、今後、成果等を検証した上で、利用者や区民の声も聞きながら、見直し・改善を図り、効果的な取組につなげていきます。 次に、町会・自治会振興として何に取り組み、どのような成果が出たかについてです。 私は、町会・自治会支援として、従来のさまざまな取組に加え、町会会館建設補助に関する対象の拡大や加入促進支援の取組も新たに始めました。加えて、地域力の源としての町会・自治会の活性化が必要という認識から、より詳細に町会・自治会に関する実態調査を行いました。今回明らかになった課題解決に向け、一層取り組んでいきます。 なお、成果については、基本計画改定時に改めて指標等を基に検証します。 次に、町会・自治会の存在及び支援に係る考え方についてです。 私は、町会・自治会には地域の課題を自主的・自立的に発見し、解決する力を更に持っていただきたいと考えていますので、今後も活動のPRや情報発信などの加入促進策、将来の担い手となる人材の育成などを支援していきます。 次に、行政との距離感、スタンスについてです。 地域の課題を解決するためには、行政が果たすべき役割と町会・自治会が果たす役割がそれぞれあり、これらを適切に分担する距離感と、ともに地域をつくるという協働のスタンスが必要であると考えます。 次に、「働き続けたいまち」の実現についてです。 まず、現在の産業振興策の評価についてです。 産業振興マスタープランでは、ものづくりを中心に、墨田区に住み、働き続けることに誇りを持つ人々の姿を将来像として掲げ、3M運動やすみだ地域ブランド戦略推進事業等のものづくりを通じたブランディング具現化事業を実施し、区内産業の進展に大きな成果があったと考えています。 また、新ものづくり創出拠点整備事業では、ものづくりベンチャーによる新規事業の創出やクリエイティブな人材の流入が生まれ、世界各国から人が集まるコミュニティの拠点となっており、効果があったものと考えています。 特に人材育成事業の「フロンティアすみだ塾」は、卒業した若手経営者が志高く未来にチャレンジし、地域を牽引する動きにもつながっており、全国に誇れる施策と認識しています。 これらの成果を踏まえ、将来につながる有効な産業振興策としては、社会経済状況の変化等を踏まえつつ、これまでの成果を生かしたベンチャー支援や、新しい人材育成事業等の取組を軸にした施策体系を構築していきたいと考えています。 次に、商業振興についてです。 商店会の中には店舗数が減少して、商店街として認識されにくい商店会も増えてきています。区の補助金を活用している商店会も6割程度にとどまり、単独の商店会では催しを主催する体力がなくなってきています。 これらの現状を踏まえ、区内商店や商店街を巡回している商業コーディネーターなどを活用し、商店街が単に買い物をするだけの場所ではなく、安全・安心や防災上の地域の生活インフラとしてどう存続していくかを一緒に考えながら事業を実施していきます。 具体的には、商店街のエリアにこだわらず、墨田区全体を一つの商店街と捉え、広域的な商店街支援事業を区商連と連携して実施することで、やる気のある商店がつながり、さらに各商店街への波及効果を生み出していきます。 引き続き、個店支援と商店街支援とのバランスを図りつつ、商店街がチャレンジしやすい支援を実施していきます。 次に、シルバー人材センターにおける福祉としてのアクティブシニア施策の考え方についてです。 シルバー人材センターは、就業を通じた地域高齢者の生きがいづくりに貢献しています。引き続き、アクティブシニアの皆さんがセンターの会員となって、仕事を通して生きがいを感じていただくことや、区内外の事業者等がセンターへの発注を増やすことなど、機会を捉えて周知し、支援していきます。 アクティブシニアの中には、雇用関係を結んで社員として働きたいと意欲を持つ方も出てくると思いますが、その際はセンターの労働者派遣事業やハローワークと連携した本格就労につなげて、高齢者の生きがいづくりを支援していきます。 次に「訪れたいまち」の実現についてです。 まず、観光案内所と産業観光プラザすみだまち処のあり方についてです。 区内の観光案内所は、観光回遊や情報発信の拠点であり、まち処は区内で生産された商品の展示や伝統工芸の実演を行うなど、スカイツリーに訪れた観光客にすみだの魅力を伝えるために設置しました。 しかし、近年は情報取得方法の多様化等により、観光のスタイルも変化しつつあることから、案内所のあり方については見直す時期に来ており、商業施設や宿泊施設の活用、連携により、これらのさまざまな機能の代替も含め、考えていく必要があると認識しています。特にまち処は、次期の契約更新を見据え、真に必要な機能やふさわしい場所も含め、抜本的な検討を進めていきます。 次に、現時点での区内循環バスの利用実態を踏まえた観光の視点からの施策展開についてです。 昨年10月から開始した「台東・墨田 下町周遊きっぷ」の協力店舗・施設の更なる充実と積極的なPRなど、既存の観光施設と連携しながら観光利用の促進につなげていきたいと考えます。 次に、今後の観光施策「訪れたいまち」をどのように描いているのかについてです。 私は「訪れたいまち」とは、ほかにはない魅力的な観光コンテンツがあり、訪れた人を受け入れる環境が整っているまちであると考えています。すみだには、歴史的に培われた魅力的な地域の日常があります。今後はこうした日常を掘り起こし、すみだならではの観光資源として活用していくことで、地域特性を生かした観光推進につなげていきます。 また、地域の日常を観光資源とすることで、観光客と地域の方との交流が生まれ、観光客を自然と受け入れる環境が整っていくものと考えています。 そのために区は、地域の中のさまざまな担い手や観光資源を結び付け、観光協会は結び付いた担い手や観光資源と連携し、観光事業を実行する役割を果たしていくことで「訪れたいまち」の実現につなげていきます。 次に、すみだトリフォニーホールの改修計画については、多額の費用が見込まれることと、修繕箇所を改めて精査する必要があることから、コンストラクション・マネジメントの実施を予定しています。その中で、効率的な工事の実施と経費の圧縮を図り、実施時期については、財政推計等の調整を図りながら決定し、議会に報告する予定です。 財源の捻出方法については、ネーミングライツの導入、クラウドファンディングなど、さまざまな手法の検討を始めたところです。 次に、区民の理解を得ることについてです。 まずは、すみだトリフォニーホールが文化芸術拠点として地域で果たしてきた役割や、区立小中学校での音楽指導、コミュニティコンサートなどのアウトリーチ活動について、広く周知していきます。その上で、今まで以上に区民の皆さんから愛され、我がまちの誇れる文化施設であるとご理解をいただけるよう努めていきます。 次に、区長としての行動やメッセージについてです。 私は、これからもさまざまな機会を捉えて、すみだトリフォニーホールの修繕のご理解がいただけるよう説明をしていくとともに、クラシック以外の演目等でもホールが活用され、区民に親しみやすい公演が行われるようメッセージを発していきます。 次に、総合運動場についてです。 総合運動場の稼働率については、準備段階から関係団体等へのヒアリングやアンケート調査を行っており、運動会や部活動などの学校行事や各種の競技大会の開催など、一定のニーズがあると判断し、整備を進めてきました。 次に、稼働率向上のための計画やアイデアについてです。 区の事業や学校行事で積極的に活用していくほか、大学や企業運動会等のイベントの実施による地域の活性化のための活用、さらには保育園や幼稚園、地域の方への開放など、多くの区民に使われる親しまれる施設にしていきます。 次に、どのようにオリンピック・パラリンピックの機運醸成やレガシーにつながるかについてです。 まずは、12月の開場記念式典において、オリンピック・パラリンピックの機運醸成を目的として、アスリートによるトークショーや競技体験などを予定しています。その後も、総合運動場を活用したマラソン大会の実施や陸上、サッカー、フットサルなどのスポーツ教室の実施、パラアスリートとの交流など、多彩なイベントを実施し、多くの区民の方がレガシーとして、継続してスポーツに親しんでもらえる環境整備を行っていきます。 次に、新保健施設等複合施設についてです。 現在、関係者との意見交換や関係部署からのヒアリングなどにより、効率的な施設整備に向けた要求水準を作成しています。 複合施設の機能については、平成29年度に策定した整備基本計画において、機能連携イメージを取りまとめ、施設が各地域の拠点から情報の結節点となるとともに、保健所を核として、子育て支援・福祉・教育が連携し、複数の問題を抱えた方についても迅速に対応するなど、各機能の有機的な連携を図り、サービス向上に貢献できる施設整備を目指しているところです。 今後も関係者との調整を重ね、汎用性が高く、多様化する行政需要に対応できるよう、将来の機能転換等にも柔軟に対応できる施設の整備に努めていきます。 次に、公共施設マネジメントについてです。 多様化する行政需要に対応するため、一時的に総量が増加する場合もありますが、この間、着実に総量圧縮を進めているところです。今後も全庁で公共施設マネジメントの考え方を共有し、効率的な施設整備を行うとともに、跡地の活用などを計画的に行うことにより、総量抑制に努めていきます。 次に、施設保有総量15%圧縮に向けた決意と具体的なロードマップについてです。 区では今後、一斉に老朽化等による大規模修繕や建替えの時期を迎えます。今ある施設を全て維持し続け、大規模修繕等を行っていくことは区の財政運営上、困難な状況です。限られた財源を有効に活用し、真に必要な公共サービスを提供し続けるため、長期的・経営的な視点を持って公共施設マネジメントを進めていきます。 目標達成に向けた具体的なロードマップについては、まずは第2次公共施設マネジメント実行計画を着実に進めるとともに、次期計画の中で区議会の皆さんからもご意見をいただきながら、さらなる公共施設の再編に取り組んでいきます。 次に、施設利用者の理解を得る方策についてです。 これまでも施設の廃止を行う際は、利用状況や老朽化の説明とともに、既存施設で代替可能な施設を案内するなど、利用者の立場を意識した対応に努めてきました。今後も丁寧な説明を心がけ、区民の皆さんの理解を得られるよう努めていきます。 次に、業務改善推進プロジェクトの今後の展開と成果についてです。 現在、本プロジェクトを全庁一丸となって推進しているところですが、これまでの議会の皆さんとの議論も踏まえ、「事業の廃止・統合」「AI・RPA等の導入」「全庁共通業務の簡素・効率化」といった大きく三つの柱で事業を展開しています。 具体的には、窓口業務の簡素化と受付時間の短縮に向けた取組により区民サービスの向上を図り、働き方改革との連携により時間外勤務の縮減等につなげていきます。また、ICTの導入による事務の効率化と庁内プロジェクトチームによる業務改善の取組を行っています。 私は、これらの取組全体を通じて、行政として担うべき業務の選択と集中を進め、総業務量を圧縮し、経費の節減とともに行財政改革の推進を図ります。 最後に、私の1期目の総括と区を取り巻く厳しい状況に立ち向かう覚悟についてです。 私は、平成27年4月に区長に就任し、大きな可能性を持つこのまちを、「夢と希望がかなう、どこよりもすてきで魅力的なまちにしたい」という強い決意を持ち「暮らし続けたい、働き続けたい、訪れたいまち」の実現に向けて全力で取り組んできました。 「人と人とのつながり」の中で、区民全てが輝くまちであってほしいとの強い思いを持ち、さまざまな施策を議会や区民、事業者の皆さんと協働で進めてきたものです。 先の施政方針で述べたとおり、それらの取組が着実に進行し、目に見える形でまちの姿が変わってきており、若い世代の転入の増加やまちのにぎわい、地域や企業との協働の取組など、さまざまな場面で成果が表れてきていると感じています。 しかし、ご指摘のように、歳入環境が先行き不透明な中、幼児教育の無償化など、新たな行政需要も見込まれていることから、持続可能な財政運営を行うために具体的な課題を財政白書にまとめ、議会及び区民の皆さんにお示しし、議論をさせていただきたいと考えています。 今後、基本計画や行財政改革実施計画等の改定に着手していきますが、事業の選択と集中を進め、リーダーシップを発揮して、一層の行財政改革に取り組んでいく覚悟です。 以上で、無所属の会すみだ、西村議員の私へのご質問に対する答弁を終わります。   〔教育長 加藤裕之君登壇〕 ◎教育長(加藤裕之君) 無所属の会すみだ、西村議員のご質問にお答えします。 まず、これからの時代を乗り越えていく力をどう養っていくかについてです。 昨年4月に公示された新しい学習指導要領では、その改訂の背景として、今後の社会構造が急速に変化し、予測困難な時代となることを示しております。 将来の社会を生きることになる子どもたちには、知識や技能の習得だけではなく、それらを活用し、変化に積極的に向き合う力や、他者と協力して課題を解決していく力などが求められます。 学力はこの基盤となるものであり、そのほかにも自律性や主体性、道徳心、コミュニケーション能力など、総合的に養っていく必要があります。 これらの力を養っていくためには、学校、家庭、地域社会のあらゆる教育の場面を通じて、自らの将来について夢や希望を持たせ、社会の中でよりよく生きようとする意識や姿勢を高めていくことが重要であり、学校・家庭・地域・それぞれの主体が子どもたちに働きかけていくことが必要です。 次に、学校教育の位置付けと方向性についてです。 学力向上や不登校対策、いじめ防止など、さまざまな課題解決に向けて、学校が家庭や地域との連携を一層深めながら、組織的・体系的な教育活動を展開していくことが今後求められる学校教育の姿であると考えますので、実現に向けて尽力してまいります。 以上で、無所属の会すみだ、西村議員のご質問に対する答弁を終わります。----------------------------------- ○議長(瀧澤良仁君) 議事の都合により、暫時休憩いたします。     午後2時25分休憩-----------------------------------     午後2時45分再開 ○議長(瀧澤良仁君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 一般質問を続けます。 1番・坂井ユカコ君   〔1番 坂井ユカコ君登壇〕(拍手) ◆1番(坂井ユカコ君) 議席番号1番、自由民主党の坂井ユカコです。私からは、先に通告した内容3点について質問いたします。区長、教育長には是非とも前向きなご答弁をよろしくお願いいたします。 初めに、手話及び聾者への理解促進について伺います。 手話がどこでも使える社会へ向けた大きな一歩となる「墨田区手話言語及び障害者の意思疎通に関する条例」が今定例会に議案として提出され、聾者から喜びの声が多数寄せられています。 平成21年の学習指導要領改訂以降の今日、日本の聾教育は手話教育が中心となっていますが、つい20年前まで、聾学校では手話を使うことは禁止されていました。口で話す訓練をする「口話教育」が重要視されていたからです。聞こえないのに声を出すことを求められ、当時、つらい思いをされた方も多くいらっしゃったと聞きます。この度の条例で手話などの非音声言語が音声言語と同様に「言語」と定義付けられることになります。聾者苦難の歴史を顧みれば、実効性のある、よりよいものにしていかなくてはと意を強くするものです。 さて「手話は言語である」ということが世界で初めて定義されたのは、平成18年の障害者権利条約の国連総会による採択です。国内においては、平成23年に障害者基本法が改定されました。その後平成25年に全国の自治体で初めて鳥取県が手話言語条例を制定し、昨年末で全国で234自治体、都内では4自治体が手話言語や障害者の意思疎通に関する条例を制定しています。 まずは、条例案制定に至る経緯を伺うとともに、先達自治体が多くある中での条例案提出における本区独自の特色について伺います。具体的に他自治体と違う点、工夫、踏み込んだ点をお示しください。 続いて、条例案の第5条、区民の役割としての障害者の意思疎通に関わる理解を深めることについて伺います。 秋篠宮佳子内親王殿下が手話を使いお言葉を述べられるのをニュースでご覧になった方も多いと思いますが、今、佳子殿下のように手話を学ぶ人が増えています。全国手話研修センターが実施する「全国手話検定」を1万59名もの方が昨年受験されました。現在、墨田区では手話を知る機会としては、すみだボランティアセンターで行う年間40回の手話専門講座、手話が話せる方向けの手話サークルといった活用が既にありますが、条例制定後は更に日常的に多くの区民が手話を知ることができ、手話表現に触れることができる仕組みづくりが求められます。今後、どのような方法でこの機会を増やしていくおつもりか伺います。 音の世界から全て隔てられている聾者の孤独を健聴者が想像することは不可能です。だからこそ、聞こえないことはどういうことか、考えたり想像する機会をつくっていくことが大切です。聾者を知ることは見た目に分からない障害をお持ちの方への理解を深めることにもつながります。区民全体、そして児童・生徒への取組を積極的に展開すべきと考えますが、この点について区長並びに教育長の所見を伺います。 併せて、広報についても触れておきます。 昨年、手話言語条例を制定した江戸川区では、区民だよりに特集号を発行し、聞こえない人の毎日や日常生活で困る場面、身近な手話表現、条例制定を機に始まる庁内オープンスペースでどなたでも参加することができる初心者向け手話体験など、大きく掲載しておられました。条例制定に対する機運を区民に見える化することも重要ですので、しっかりと取り組んでいただきたいと考えますが、区長の見解を求めます。 次に、情報保障について伺います。 情報保障とは、個人の「知る権利」を実質的に保障するものです。特に聴覚障害者は音声によって提供される情報や会話を理解できないため、日常的に情報から疎外されています。そのため一般的に情報保障とは、聴覚障害者に対するコミュニケーション支援を指して用いられ、具体的には手話通訳や要約筆記、字幕等の対応を指しています。私が区議会に入って、区の大きな行事には登壇者の傍らに必ず手話通訳者が立ち、同時通訳をしていることを知りました。東京都の定める「区市町村・事業者のための『心のバリアフリー』及び『情報バリアフリー』ガイドライン」を参考に、こうした対応を行っているとのことですが、参列者の中に手話通訳による情報保障を必要としている方が本当にいるのか、いつも不思議に思っていました。なぜなら、聾者は手話通訳者と正対して通訳してもらったほうが理解しやすいだろうと考えたからです。 そこで、まずこれまで手話通訳者を派遣した行事等で、実際に手話による情報保障を必要とする方を把握されているのか、個別に対応したほうがよい場合等なかったのか伺います。 一方で、区主催の行事でも中規模の行事となると、急に手話通訳者を見かけなくなります。区の行事等において、手話通訳を派遣する、しないの基準はあるのか、この点についても併せて伺います。 本日開催の本会議のように、事前の申出で手話通訳等の対応ができる行事もありますが、区民にお知らせする行事のほとんどは実質的に健聴者のみが対象となっています。折しも平成31年度予算案にはタブレットを使った手話通訳サービスの提供を準備しているとあります。このサービスがスタートすれば、より簡便に手話通訳を行うことができる環境が整います。 そこで、私からは区主催及び区後援行事を案内するポスターやパンフレット等に、統一した文言やマークを配するなどして「すみだの情報保障」をうたい、積極的にコミュニケーション支援を推進することを提案します。 障害者差別解消法が平成28年4月に施行され、障害をお持ちの方に対する不利益取扱いの禁止や合理的な配慮の提供が行政機関においても法的義務となっています。「墨田区手話言語及び障害者の意思疎通に関する条例」制定を機に、手話通訳や要約筆記、磁気ループ補聴器等を活用したコミュニケーション支援が一層進展していくために、また、障害をお持ちの方への合理的配慮の確かな一歩とするために、この提案への区長の明快なご答弁を求めます。 最後に、訪日外国人増加に伴う対応について伺います。 東京都の訪都旅行者数等実態調査結果によれば、平成29年、東京を訪れた外国人旅行者数は過去最多の約1,377万人、対前年比5.1%増で、そのうち1,030万人が都内に宿泊しています。スカイツリー等多くの観光資源を有する我が区にも、多数の外国人が滞在していることが推測されます。 また、本区在住の外国人に関しても、5年前の9,351人が今年2月1日現在、1万2,629人と着実に増加をしています。数年前と比べて外国人を見ることが本当に増えたなという実感は、誰もがお持ちのことと思います。 昨年6月に住宅宿泊事業法、いわゆる民泊新法が施行され、新法における民泊の登録がスタートしました。 そこで、まず本区における施行半年の届出状況及び受理状況、併せて旅館業法におけるホテル・旅館・簡易宿所の申請状況を伺います。 併せて、23区全体の届出・受理状況、他区との比較などから分析できる点についてもお示しください。 地域住民からは、外国人旅行者を見かけることにかなり慣れてきたといったご意見と同様に、マナーに関する摩擦を懸念する声も聞こえてまいります。本区は民泊、簡易宿所等に責任者の連絡先の明記を求めていますので、まずは実際に苦情等を受けた件数とその内容、苦情発生後の対応についてお伺いします。 確かに一部にマナーが悪い方がいることも事実ですが、多くの外国人はその国の文化に敬意を払い、ローカルルールを楽しみたいと思っています。ところが、そのローカルルール、暗黙の了解過ぎることから、文化の異なる訪問者が理解をするのは、また至難のわざであることも事実であります。トラブルや苦情を未然に防ぐためにも、受け入れる側も日本ならでは、下町ならではの慣習やマナーをあらかじめ宿泊客に説明すべきです。 そこで、区民から寄せられた苦情や意見を基に、本区の実情を反映、集約した「下町滞在のしおり」のようなものを電子データなど含めて用意することはできないでしょうか。宿泊施設事業者が予約時にメールに添付したり、チェックインのときに手渡しするなどすることができれば、住んでいる人も海外からの旅行者も良好な関係を築ける仕組みとなると思いますが、区長のご所見を伺います。 併せて、その内容を観光協会や旅行会社を通じて周知できるような動きができないか、さらに、外国人の区内居住者が生活する上での参考資料とできないか、これらの視点についても伺います。 さて、外国人の増加に伴い、思わぬ事態も発生しています。昨年末、日の丸の国旗を売り付けようとする外国人グループに注意するよう、港区愛宕警察署が注意を呼びかけたと伺いました。この事案は被害が少額であることや100%詐欺に当たるという判断が難しいため、犯罪として表面化はしていませんが、外国人は1人や2人ではなく、今年に入り浅草やスカイツリー等の観光地だけでなく、区内の住宅街や飲食店等で活動する姿が目撃されています。また、聴覚障害を持つ旅人を装っている例というのも多く目撃されております。こうした類いは今後も手を変え品を変え、続くことが予想されます。訪日外国人に対する私たちの善意やおもてなしの気持ちを踏みにじるこれらの誘いに乗らないよう、今後の目撃・被害・通報状況次第では、注意喚起することや警察などの機関とも連携して、情報提供するなど対応すべきと考えますが、区長のご所見を伺います。 以上で、私からの質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)   〔区長 山本亨君登壇〕 ◎区長(山本亨君) ただいまの自由民主党、坂井議員のご質問に順次お答えします。 最初のご質問は、手話及び聾者への理解促進についてです。 まず、条例提案に至る経緯と本区独自の特色についてです。 この条例案は、区議会や関係団体から、手話言語条例や障害のある方のコミュニケーションに関する条例の制定要望があったことなどを踏まえ、障害者関係団体を含めた検討会を設置し、議論を行ったほか、個別の団体や関係者の皆様と多くの意見交換を行い策定しました。 これらを通じて、手話を言語として認識することや、障害の有無にかかわらず、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する地域社会の実現を目指すことを条例案に規定しました。 また、この条例案は多くの自治体で制定している手話言語条例のように、手話だけに焦点を当てるものではなく、障害のある方の意思疎通支援を目指そうとするものです。検討会等のご意見を可能な限り反映させ、前文において、「人と人とのつながりを感じる下町情緒を大切にし、障害者の意思疎通について暖かな配慮を行っていくこと」や「『国際観光都市すみだ』の実現を目指し、墨田区に暮らす人や働く人だけでなく、墨田区を訪れる障害者が必要とする情報の取得や意思疎通に資する環境の整備に意を用いていくこと」を表明しています。 次に、手話を知る機会を増やすこと、及び音のない世界の理解を深める機会についてですが、この条例案では、区は手話及び意思疎通手段の普及啓発や、手話等を取得する機会の提供などの取組を進めることとしており、さまざまな媒体を活用して施策の推進に努めていきます。 次に、条例制定に伴う広報活動についてですが、ご指摘のとおり、条例の趣旨や内容をご理解いただくためには、時機を得た広報活動が重要です。この条例の制定を契機に、区報をはじめ、さまざまな手段を活用しながら、手話や障害のある方々の意思疎通に関する区の姿勢をしっかりと示していきます。 次に、情報保障についてです。 まず、手話通訳士を派遣した行事などで、手話による情報保障を必要とされた方の実績ですが、把握する限りでは、昨年度の場合で約1,100名、今年度は12月末時点で約830名となっています。個別の対応がない場合でも、支障がないように手話通訳士の近くに優先席を設けるなどの対応をしています。 なお、こうした行事などに手話通訳士を派遣する基準については、本区の要綱に基づいているところです。 次に、本区が主催する行事のパンフレットなどに統一のマークなどで「すみだの情報保障」について表示することは、ご指摘のとおり、障害者差別解消法が施行され、合理的配慮の提供の観点から重要と考えます。 また、来年度はタブレットを使った手話通訳サービス、コミュニケーション支援ツールの作成等に取り組んでいきますが、条例制定を契機に、こうした点についても前向きに検討していきます。 次に、本区及び23区内の住宅宿泊事業及び旅館業の状況についてです。 本区における住宅宿泊事業は、本年1月11日現在、届出数383件、受理済件数370件、また、23区全体では届出数4,642件、受理済件数4,287件で、両件数とも23区で5番目であり、上位の区はいずれも交通の便がよく、観光スポットが多い地域であると分析しています。 また、本区における旅館業の施設数は本年1月末現在、申請中のものを含めると153件で、昨年7月1日時点での許可件数から47件増加しています。 なお、23区全体の旅館業については、各区が公表していないので把握できていませんが、増加の傾向にあると聞いています。 次に、苦情の件数及びその内容と対応についてです。 昨年7月1日から12月末までの苦情は77件で、依然としてごみ出し、騒音、見知らぬ人に対する不安、無届けの疑いが中心となっています。苦情への対応ですが、届出によって改善指導の対象となる事業者の連絡先が把握できるようになったため、迅速に解決できるようになりました。 次に、区民から寄せられた意見を集約した「下町滞在のしおり」と、その活用についてです。 宿泊客と周辺に住む方々が良好な関係を築く有効なツールと考えられますので、住宅宿泊事業法で苦情等への対応が義務付けられている管理事業者だけでなく、住宅宿泊事業者が宿泊客にも提供でき、外国人の区内居住者にも参考となるものを作成して、区のホームページからダウンロード可能な環境を整備します。 また、墨田区観光協会が運営する「すみだDMO」ホームページでも、観光情報やバリアフリー情報とともに発信していきます。 最後に、外国人による詐欺行為が疑われる事案への対応についてです。 ご紹介の国旗を売り付けようとする事案については、区内警察署に区民から通報があったとのことですが、これまで都内で犯罪として検挙に至った例はないと聞いています。引き続き警察署との連携のもと、区民への注意喚起や情報提供を行っていきます。 以上で、自由民主党、坂井議員の私へのご質問に対する答弁を終わります。   〔教育長 加藤裕之君登壇〕 ◎教育長(加藤裕之君) 自由民主党、坂井議員のご質問にお答えします。 聾者への理解を深める児童・生徒への取組についてです。 ご指摘のとおり、聾者の心情や障害の特性について、児童・生徒が考え想像する学習の機会をつくっていくことは、障害に対する理解を深める上で重要です。 また、聴覚障害に限らず児童・生徒がさまざまな障害のある方の特性について理解を深めることは、共生社会を実現するためにも必要不可欠であると考えております。各学校では教科や道徳、総合的な学習の時間において、障害者の心情等を理解し、自分たちができることを考える学習を行っています。 また、障害者理解や福祉について学習する際、実際に障害のある方々と交流をしたり、手話や点字などに触れたりしております。 障害のある児童・生徒との交流の機会としては、副籍制度による都立特別支援学校との交流活動を推進しております。これはさまざまな相手の立場から物事を考え、共に生きる社会を実現しようとする態度を育むことを目的としております。 今後も、児童・生徒の発達の段階に応じて、障害のある方の立場や気持ちを想像する学習機会を設け、自分や他者の大切さを認めながら、態度や行動に表すことができるよう、人権教育、道徳教育等の充実を図ってまいります。 以上で、自由民主党、坂井議員のご質問に対する答弁を終わります。----------------------------------- ○議長(瀧澤良仁君) 8番・井上ノエミ君   〔8番 井上ノエミ君登壇〕 ◆8番(井上ノエミ君) 新しいすみだの井上ノエミです。山本区長と加藤教育長、よろしくお願いします。 まず、トリフォニーホールについてお伺いします。 トリフォニーホールについては、昨年11月の定例会で自民党が代表質問で取り上げています。また、これまでも本会議や委員会でたびたび取り上げられています。多くの意見は維持管理にお金が掛かり過ぎる、民営化も含めた抜本的な改革を求めるものです。バブル期のようにお金がたくさんあるときとは違って、現在の墨田区の財政状況では、トリフォニーホールの維持は大変難しいと思います。まして数十億円規模の大規模改修を行うことなどは、とても区民の理解を得ることができないと思います。 北斎美術館に関しては、葛飾北斎が墨田で生まれた人であり、日本の伝統芸術を国内だけでなく世界に発信する意義があります。また、インバウンド対策としても重要な役割があります。しかし、西洋文化であるクラシック音楽の場であるトリフォニーホールとオーケストラを墨田区民の多額の税金を使って振興していくのは、財政的な観点から限界ではないでしょうか。また、実際にクラシック音楽に関心を持つ区民の数もそれほど多くないと思います。 現在、日本には33のプロオーケストラがあります。1年間に約3,800回の演奏会が行われて、約425万人が来場しています。日本の成人人口は約1億人ですから、1人1回の割合で計算すると、国民の約4%が演奏会に足を運んでいることになります。恐らく墨田区でもその程度だと思います。また、東京には日本のオーケストラの3分の1である9団体が集中しています。新日本フィル以外にもNKH交響楽団、東京都交響楽団、日本フィル、東京フィルなどの一流のオーケストラがあります。また、音楽専用ホールもサントリーホール、東京芸術劇場、東京文化会館、杉並公会堂などたくさんあり、そこで毎週さまざまな演奏会が行われています。 人口800万人のニューヨークには、オーケストラはニューヨークフィルしかありません。また、ロンドンでも5団体です。したがって、東京ではあまり数の多くない聴衆を演奏会が奪い合っている状態で、それだけにコンサートホールやオーケストラの運営は厳しい状態だと言えます。また、今後は聴衆の高齢化により、更に厳しくなると思われます。 トリフォニーホールは墨田区文化振興財団が指定管理者で、ここ数年は議会からの声もあり、経費削減にはいろいろ努力していると思います。とはいっても、来年の予算では4億3,000万円が要求されており、抜本的な改革が行われているとはとても言えません。 一方、新日本フィルは先週、ここにおいてもコンサートを行うなど、区内の各地でミニコンサートを開いて、地域社会との関係も強化する取組を行っています。ただ、今後も墨田区民だけでトリフォニーホールを維持し、新日本フィルを応援することは大変難しいと思います。例えば地元にオーケストラのない足立区、荒川区や江戸川区にもトリフォニーホールの運営に協力してもらい、一緒に新日本フィルを応援していく。つまりトリフォニーホールと新日本フィルを城東地域の公共財として盛り上げていくことが必要だと思います。 山本区長は、11月の定例会で「大規模修繕に関しては、30億円を超える可能性もある」「指定管理料の圧縮、大規模修繕に関しては、新たな財源確保の手法を検討する」とご答弁されています。トリフォニーホールの大規模修繕をどうするか。また、今後の維持管理費をどうやって削減するかは、今後、数年間の墨田区政における最大の課題です。 そこで、山本区長にお伺いします。 民間の活力を使ってPFI方式を検討することも必要だと思います。コンセッション方式を使えば、トリフォニーホールの運営権を民間会社に委ねて、その会社が融資を受けて大規模改修を実施することになります。そうすると、墨田区民は膨大な改修費を負担する必要がなくなります。もちろん民間会社ですから、赤字が出たら補填する必要があるかもしれません。しかし、もしPFI方式がだめなら、最終的には売却するという覚悟で、ゼロベースで真剣に検討していただきたいと思いますが、区長のご見解をお伺いします。 また、区民の税金で修繕費を負担することは、現在の墨田区の財政状況から不可能だと思います。また、区民の賛成を得ることはできないと考えますが、山本区長はどのようにお考えかお伺いします。 次に、交通安全対策についてお伺いします。 昨年の日本における交通事故死亡者は3,694人で、戦後最少でした。現在、国は交通事故死亡者を年間2,500人以下にして、世界一安全な道路交通を目標にしています。また、東京都も2020年に向けて「世界一の交通安全都市TOKYO」をスローガンにして、交通安全対策を実施しています。このような国や東京都の目標に併せて、是非墨田区も「東京一の交通安全都市すみだ」を目標に掲げて、交通安全対策を充実していただきたいと思います。 昨年の12月に地元の方が交通事故に遭い、脳挫傷という大変な障害を負いました。自転車に乗って区役所通りを走っているときに、路地から出てきた車にはねられました。私たちの身近な場所でこのような重大な交通事故が起き、被害者の方は大変重い障害を負い、ご家族も大変なご苦労をされています。このような事故が二度と起こらないように、交通事故対策をもっと充実させなくてはなりません。 以前にも質問しましたが、墨田区では自転車を利用する区民の方が大変多いです。現在はまだ自転車レーンは整備されていないので、歩道では歩行者と自転車、車道でも自転車と車が混在する状態です。自転車が安全に走行できるように、自転車レーンを早急に整備する必要があります。また、自転車が転倒した場合に道路に頭をぶつけて障害を受ける危険があります。ヘルメット着用と未着用を比べると、未着用は事故の際に死亡率が3倍以上になります。 「東京都自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例」では、高齢者と子どものヘルメット着用を求めています。区内でもヘルメットを着用している子どもは見かけますが、まだまだ数は少ないです。高齢者の方でヘルメットを着用している方はいません。ヘルメットの着用を増やすキャンペーンを実施する必要があると思います。 また、生活道路においては、車がスピードを出しにくい道路構造をつくること、一時停止を必ず守らせるような道路の標識やペンキによる表示を増やす必要もあります。 この春には全国交通安全運動が行われます。是非、区長自らヘルメットを着用して自転車に乗って、ヘルメット着用の重要性を訴えていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 また、墨田区の交通安全対策の充実についてご見解をお伺いします。 次に、住宅政策について山本区長にお伺いします。 亀沢の家庭センターの跡地には、現在保育園が建設中です。学童クラブも設置されると聞いています。近くには二葉小学校もありますから、子育てには大変便利な場所になると思います。多くの若いカップルにこの地域に住んでいただきたいと思います。しかし、墨田区の不動産は今大変高く、若いサラリーマンではとても買えません。本所地域のファミリー世帯向けマンションは4,000万円以上です。中古でも同じぐらいします。4,000万円以下のマンションは築30年以上の大変古い物件だけです。 それでは、賃貸マンションはどうか調べてみました。亀沢では2DKでも15万円以下の物件は大変少ないです。ワンルームマンションは大変多いですが、ファミリー世帯向けの賃貸住宅は不足しています。墨田区ではワンルームマンションを規制していて、最低面積25平方メートルで、25戸以上のマンションの場合は30%を40平方メートル以上としています。最近のマンションは全て洋室ですから、40平方メートルではリビングと寝室の2部屋しかない物件がほとんどです。カップルで住むにはいいですが、子どもが2人いれば最低50平方メートルないと狭過ぎると思います。 逆にワンルームに関しては、最近の若い人は料理もしませんから、キッチンもないようなコンパクトマンションが人気です。ワンルームは最低面積は20平方メートルでいいですから、逆にファミリー世帯向けは50平方メートル以上にするのが政策的に目的に合っていると思います。 家賃は需要と供給で決まります。本所地域の賃貸住宅の実態を調査して、ファミリー世帯向け賃貸住宅の不足とワンルームマンションの供給が過剰であることが分かれば、これからマンションを建設しようとする家主も、ファミリー世帯向けを重視すると思います。是非実態調査をしていただきたいと思いますが、山本区長のご見解を伺います。 また、住宅に困っている高齢者も多く、家主が貸したがらない実態もあります。23区の中でも積極的に対策に乗り出してきたところもあります。墨田区でも是非高齢者の住宅問題に積極的に取り組んでいただきたいと思いますが、ご見解を伺います。 最後に、加藤教育長に英語教育について伺います。 今年の4月に実施予定の全国学力試験から中学生の調査科目に英語が追加になります。これまで英語が学力試験に入っていなかったのが不思議ですが、今回からは英語の4技能をはかるということで、スピーキングのテストもあります。また、都立高校でも来年度から入試に英語のスピーキングテストを試験的に取り入れることが決まっています。これまでの中学の英語の授業は翻訳と文法の説明が中心で、スピーキングの練習は大変少ないように思います。これではこれらのテストに対応できないと思います。新学習指導要領に沿って、英語の対話や発表を本格的に授業に取り入れていく必要があります。 加藤教育長は、昨年の11月の所信表明で英語教育の充実をおっしゃいました。今後どのように小学校、中学校の英語の授業を新学習指導要領に沿った形で実施していくのか、具体的な方法についてお伺いしたいと思います。 以上で、新しいすみだの質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。   〔区長 山本亨君登壇〕 ◎区長(山本亨君) ただいまの新しいすみだ、井上議員のご質問に順次お答えします。 最初のご質問は、トリフォニーホールの運営にコンセッション方式を導入してはどうかについてです。 現在、区では民間活力活用の観点から、昨年度策定した「墨田区PPP/PFI手法導入優先的検討指針」に基づき、10億円以上の費用が見込まれる公共施設の整備等については、PPP/PFIの導入を検討することとしています。 今後、すみだトリフォニーホールの大規模修繕に当たっては、本指針に基づき、コンセッション方式も含めた民間活力の導入可能性を検討していきます。 一方、売却については、民間ですみだトリフォニーホールと同規模のホールが運営されている事例は少なく、現段階では難しいと認識しています。 次に、多額の修繕の負担は区民の賛成を得ることはできないとのご指摘です。 先の無所属の会すみだの西村議員の質問に答弁したとおり、大規模修繕に向けて、来年度行う予定のコンストラクション・マネジメントにより、効率的な工事と経費の圧縮を図る予定です。その上で、すみだトリフォニーホールがこれまで行ってきたアウトリーチ活動をはじめとする地域貢献事業について広く周知し、区民のご理解をいただけるよう努力していきます。 次に、交通安全対策についてです。 現在、本区は「世界一の交通安全都市TOKYOを目指して」のスローガンのもと、警察署をはじめ、地域や関係団体と協力して交通安全運動に取り組んでおり、ここ数年、交通事故発生件数が減少するなど成果を上げています。 自転車レーンの整備は来年度、区役所通りと北斎通りに自転車レーンやナビマークを設置します。 また、ヘルメットの着用を増やすために、放置自転車追放キャンペーン等に合わせて、ヘルメット着用の周知を図ります。 さらに、生活道路においては、警視庁と協力し「ゾーン30」の指定、路面標示や注意喚起看板の設置等を行っていきます。 今後も、本区における交通安全対策の充実のため、ヘルメット着用の重要性を私自らが訴えるなど、交通安全対策の先頭に立って取り組んでいきます。 次に、住宅政策についてです。 まず、ファミリー世帯向け賃貸住宅の確保についてです。 区内では小規模敷地が多いため、賃貸マンションにおいて、一定面積以上のファミリー向け住戸の供給が少ない状況となっています。事業者が賃貸マンションを計画する際には、需要と供給のバランスのほか、敷地条件や周辺環境、利益率等を総合的に勘案すると聞いています。区はワンルームタイプの住戸が多い現状を認識していますが、こうしたことから、改めて実態調査を行ったとしても、必ずしもファミリー向け住戸の整備誘導につなげることは難しいと考えます。 引き続き、今後の市場動向を注視しながら、集合住宅条例による良質な住まいの誘導や「すみだ良質な集合住宅認定制度」を通じた、子育て世帯に特に配慮された集合住宅の供給を促進していきます。 次に、高齢者の住宅問題への積極的な取組についてです。 区では、これまで公営住宅法に基づく「シルバーピア住宅」や墨田区独自の施策である「高齢者個室借上げ住宅」など、高齢者向けの公営住宅等の供給に取り組んでいます。 また、来年度からは墨田区版の住宅セーフティネット制度である「すみだすまい安心ネットワーク」をスタートすることとしています。ご指摘のとおり、家主へのインセンティブや負担軽減につながるような仕組みづくりが必要であると考えており、本制度では「家主成約謝礼金」や「少額短期保険加入に係る補助」など、区独自の支援策も整備し、制度の実効性を確保していくこととしています。 引き続き、高齢者等の住宅確保要配慮者に対する居住支援に取り組んでいきます。 以上で、新しいすみだ、井上議員の私へのご質問に対する答弁を終わります。   〔教育長 加藤裕之君登壇〕 ◎教育長(加藤裕之君) 新しいすみだ、井上議員のご質問にお答えします。 これからの英語教育についてです。 新学習指導要領の外国語科では、小学校、中学校ともに目標の「話すこと」が「やりとり」と「発表」に分けられ、具体的な条件や場面に応じた活動内容が示されており、スピーキングについて重視し「即興で話す」力の育成が求められています。 小学校においては、平成32年度から英語学習が教科化されることを踏まえ、ネイティブ・ティーチャーの配置を充実させ、児童一人ひとりの会話量を増やすことにより、英語教育の充実を図っていきます。 また、小学校担任を対象とした研修では、児童の発話する機会を意図的に設定する指導法等を取り上げ、教員の指導力向上に取り組んでいきます。 中学校においては、東京都教育委員会が示す「少人数・習熟度別指導ガイドライン」に基づき、少人数指導により、生徒一人ひとりの発話量を増やし、ペアワークやグループワークなどの学習形態を適宜取り入れながら、実際に英語を使用してコミュニケーションを図る活動をより一層充実させていきます。 また、入試制度改革等への対応を踏まえ、スピーキングの試験を含む実用英語検定受験を促進していきます。このことに合わせ、就学援助対象の生徒に対しては、受験料を補助することを考えております。 以上で、新しいすみだ、井上議員のご質問に対する答弁を終わります。----------------------------------- ○議長(瀧澤良仁君) 11番・あさの清美君   〔11番 あさの清美君登壇〕(拍手)
    ◆11番(あさの清美君) 日本共産党のあさの清美です。 私は、児童虐待問題の解決、障害者施策の充実、高齢者等の住宅対策、外国にルーツを持つ子どもの支援などについて、山本区長、加藤教育長に質問をいたします。 質問の第1は、児童虐待問題の解決についてです。 親から虐待を受けた子どもの命が失われる悲劇が、またも起きてしまいました。千葉県野田市で犠牲になった小学4年生の女の子は、父親の暴力を訴えるSOSを発信していただけに、なぜ命が救えなかったのか、悔やんでも悔やみ切れません。児童虐待防止法の制定から20年近く経過する中、政府・自治体の対策はとられつつあるものの、依然多くの子どもが虐待被害に遭い、小さな命が奪われている現実はあまりに深刻です。 2月3日付け朝日新聞の声の欄に「なぜ大人はこの子を放置したの」という中学生の投書が載りました。「女の子は学校のアンケートで『お父さんにいじめを受けた』と訴えた。どれだけ勇気が必要だっただろう」「一体どうすれば大人は虐待されている子の意見をきちんと受け入れてくれるのだろうか」と訴えています。 実際に学校は女の子のあざを確認し、児童相談所は一時保護しますが、その後、父親から猛反発されたことから関係行政機関の姿勢が後退し、父親にアンケートのコピーまで渡すという、絶対にあってはならないことまでしていました。父親の不当きわまる要求になぜ市の教育委員会は屈してしまったのか。転校した女の子が学校を休むなど危険な兆しがあったのに、なぜ危機感を持って適切な対処ができなかったのか、関係機関の情報共有や連携のあり方などを含め、掘り下げた検証と原因究明を行い、再発防止に向け関係者が議論し、改めるべき点を正していくことが不可欠です。 きちんと対応していれば防ぐことができたと思われる今回の事件を、区長はどのように受け止めているのか、見解をお伺いします。 野田市の事件では母親もDVを受けていたため、児童虐待を黙認していたと言われています。このような黙認のケースは過去にも繰り返されており、関係機関の情報共有と連携が必要であると指摘されています。 2017年度の児童相談所での虐待対応件数は約13万4,000件と、過去最多に上っています。本区においても児童虐待の相談対応は2018年度10月末時点で新規相談が201人。前年度から引き継いだ人数223人と合わせて424人の子どもの調査対応を行ったと仄聞しています。 現時点では子育て支援総合センターを中心にして、関係機関の情報共有や連携のあり方などを更に充実・強化していくことが求められます。そのためには、関係機関による会議を早急に開催し、この間の虐待問題を墨田区に置きかえて問題点を洗い出し、その対策を検討することが必要です。 また、虐待への対応では、早期発見が重要な鍵を握ります。虐待のサインに気づける大切な場所であるはずの学校も、教員の多忙化などにより丁寧な対応ができているのか疑問もあります。子どもを守る土台を確かなものにするため、学校などの教育機関、保育園などの児童福祉施設に職員を十分に配置し、虐待問題に対応できるよう育成を図ることが必要です。 さらに、児童相談所の児童福祉司をはじめとして、専門的な技術や豊富な経験を持つ職員の配置が不十分であり、その育成や増員も急務となっています。 区長は、深刻な児童虐待の解決に向けてどのように取り組まれるのか、見解をお伺いします。 質問の第2は、障害者施策の充実についてです。 初めに、重度障害者のグループホームの整備について質問します。 区の基本では2025年までに重度障害者向けのグループホームを2カ所設置することになっていますが、区長は知的・身体ともに平成32年度の開設を目指すと答弁されています。知的障害者に関しては、来年度開設の見込みが立ちましたが、身体障害の施設は用地の確保もめどが立っていないと聞きます。このままでは来年度の開設な難しいとの心配の声も出されています。 昨年の第2回定例会で、我が党の村本区議が「東駒形の旧公共職業安定所跡地」での開設ができないか検討するように提案しましたが、都有地や国有地の活用の検討や要望活動は行われてきたのでしょうか。改めて現在の進捗状況について答弁をお願いします。 毎年、障害者の皆さんからグループホーム建設の要望をいただきますが、親が高齢化する中で日々切実さを増しているように思います。当事者の方からは「来年の開設が難しいとしても、せめていつまでには必ずつくるという確約が欲しい」との切実な声が寄せられています。区長はこうした声をどう受け止め、最低限いつまでにグループホームを建設するお考えなのか、見解を伺います。 次に、重度障害者の就労支援についてです。 さいたま市は来年度より重度障害者が在宅で就労する際に、ヘルパーを派遣する支援を実施します。これまで重度の障害の場合、ヘルパーが自宅を訪れて排せつや入浴などの支援を行ってきましたが、就労中は経済活動とみなされ、全額自己負担でした。 2月5日付けの東京新聞によると、さいたま市では昨年4月時点で75人が重度訪問介護を利用していますが、このうち2人が自宅で就労をしています。このお二人は介護を受けられる昼の休憩時間以外はトイレにも行けず、市に改善を要望されてきました。在宅での就労にもヘルパーの派遣をするという市の判断に「ちゃんと働ける」「一歩も二歩も前進した」と喜びの声を新聞に寄せています。 墨田区では重度訪問介護の利用は13人おり、現在、自宅での就労者はいないと聞いていますが、さいたま市のように在宅就労へのヘルパー派遣が実施されれば、在宅就労が広がる可能性があります。区としてもこのような施策を行うべきと考えますが、区長の見解をお聞きします。 質問の第3は、高齢者等の住宅対策についてです。 初めに、すみだすまい安心ネットワーク事業についてです。 近年、建物の老朽化やマンション建設の影響で、区内のアパートの建替えが進んでいます。高齢になられますと家賃の問題や、たとえ払えたとしても、高齢を理由に入居を断られることがあります。私たちもご相談を受けますが、特に単身の高齢者で保証人の付けられない方は深刻です。高齢者の住宅確保は全国的にも問題となり、国は家主と入居希望者のマッチングなどを進めていますが、貸してもよいと登録している家主はごくわずかで、区内には該当がない状態です。 区の新年度予算案では、従来のマッチングに加えて、家賃低廉化への補助、家賃の債務保証の保険料、清掃などに係る保険料の補助や家主に対して5万円の成約金を支払う補助を新設しています。こうした取組で住宅にお困りの方が、住み慣れたまちで暮らし続けられるようになることを期待します。問題はどうやって物件を貸してくれる人を抜本的に増やすかですが、その対策をどのように考えているか伺います。 また、今回の対象者は30人ですが、区には住まいの相談は年間何件ほど来て、そのうちどのくらいの方が今回の制度の対象に該当するのか。また、障害者世帯やひとり親世帯なども対象となりますが、潜在的な需要をどのくらいと見て、周知をどのように行うのか、見解を伺います。 中野区は今年1月より、単身高齢者の電話での見守りサービスについて、初回登録料の助成を開始します。併せて、入居中に亡くなった場合の葬儀代や清掃代を100万円まで負担する取組を始めました。単身での入居の場合、孤独死の不安から部屋を貸さないという状況もあり、見守りと併せて葬儀代を出す取組は注目に値します。墨田の場合、部屋の清掃に係る保険料の補助ですが、中野区のように葬儀費用の助成まで踏み込めないでしょうか。また、身寄りがない場合、親族が見つからず葬儀を家主が行うことがあります。そのような負担の大きさが貸出しへのネックになっています。 そこで、葬儀や納骨まで区で代行するシステムなどを検討すべきと考えますが、区長の見解をお伺いします。 さらには、人による定期的な見守りも行い、認知症などの傾向が表れたら、病院や施設を紹介するなどの取組を行えば、家主の不安も和らぎ貸出しが増えると考えられます。区長の見解をお伺いします。 次に、家賃助成の実現についてです。 先日、私の知り合いがアパートの更新時の費用が大変だと相談に来られました。アパートの更新には通常の家賃とは別に更新料と手数料などが掛かり、一度に大きなお金を用意しなければなりません。ところが、この方は厚生年金を受けていますが、アルバイト収入の減少で貯金が底をつく状態でした。我が党は高齢者の家賃助成について、せめて更新料等の助成を行うべきではないかと繰り返し主張してきましたが、改めて区長の見解を問うものです。 質問の第4は、外国にルーツを持つ子どもの支援についてです。 初めに、就学支援についてです。 さまざまな事情で日本に来られた子どもたち、いわゆる外国にルーツを持つ子どもたちへの学習支援を更に充実させるため、先進的な取組をしている浜松市の「外国人の子どもの不就学ゼロ作戦事業」、外国人の子どもの就学状況の把握と就学していない子どもの解消に取り組んできた事例を平成29年の第1回定例会で質問しました。 併せて、全ての年齢層の外国人登録者数と推移、外国人児童・生徒の戸籍の内訳、日本生まれ、日本育ちの外国人の子どもたちの割合などを国別に細かく分析し、実態を調査し把握することで、問題点や改善点が見えてくるのではないかと求めましたが、ところが、区長は明確な答弁をしてきませんでした。このような中で、先日の毎日新聞では「既に帰国している事例も見られるが、外国籍の子は義務教育の対象外とされているため就学状況を確認していない自治体も多く、教育を受けられていない子どもが多数いる可能性がある」とし、本区では就学不明児数として50人から99人いると報道されました。この報道をどのように受け止めたのか、教育長の認識をお伺いします。 子どもたちの学ぶ権利を保障するためにも、浜松市のような実態調査を継続的に行い、不就学の子どもたちの実態をきちんと把握して、きめ細かな就学支援を実施することが求められます。区としても浜松モデルを調査研究し、外国にルーツを持つ子どもへの就学支援を積極的に進めるべきと考えます。改めて教育長の見解をお伺いします。 次に、学習支援の強化についてです。 外国にルーツを持つ子どもたちへの学習支援についても、ここ数年、外国籍の方が増えて、併せて日本語を十分に理解できない子どもが増加傾向にあることから、日本語通級指導教室やすみだ国際学習センターへの指導員、支援員の育成を踏まえた職員配置など、体制の強化を求めてきました。4月からは入国管理法改定により外国にルーツを持つ子どもたちへの教育環境の整備が更に必要になります。 岐阜県美濃加茂市では、昨年9月から自閉症など発達面での特性があり、日本語の習得が不十分な子どもたちを受け入れる放課後デイサービスや特別支援学級に通う子どもが毎日、家庭内で使っている言語ができる支援者らのもとで、学校の宿題や日本語を学ぶ取組が行われています。区としてもこのような取組が求められるのではないでしょうか。教育長の見解を求めます。 質問の第5は、中学校標準服の改善についてです。 おととしの第1回定例会、昨年の第2回定例会の本会議質問で、私はLGBT・性的マイノリティの方々の人権保障について取り上げました。その中で小学校や中学校で性的マイノリティの児童・生徒が、自分らしく学校生活を送ることができる支援や配慮を区として行うことを提案しました。また、他の自治体の具体的な取組を紹介し、本区でも踏み込んだ施策の検討をするよう強く求めました。 中野区は2月1日に区内に10校ある区立中学校で、4月から女子のスラックス着用も認めると発表しました。記者会見した中野区の酒井区長は、小学校6年の女子児童から「ズボンをはきたい」との声が多くあったことを紹介し、中学校の女子の標準服導入を決めたのは、子どもたちの声を受け止めてのことだと話しました。また、酒井区長は、男子生徒がスカートを希望する可能性にも言及し、各学校長に協議をお願いしているとも語りました。 世田谷区では、区立中学校全29校で4月以降、新入生に女子用のスラックスも用意し、スカートかスラックスか制服を選択できるようにするとしています。 性的マイノリティの方は、自分が認識している性「性自認」と違う性を前提とした制服を着用されることが苦痛である方が多く、自分を否定されているような気持ちになる方も少なくないとされています。 男女共同参画推進プランの改定で「多様な性の理解と尊重」について区の施策の課題として位置付けられることになりました。その精神に立って、踏み込んだ施策の検討を進めるべきだと思います。特に思春期は自分の性自認について自覚する時期とされ、この時期の対応が子どもたちに大きな影響を与えると考えます。また、多様な性に対する子どもたちの理解を深めるきっかけになるとも思います。 本区でもアンケートなどで児童・生徒の声をよく聞き、ジェンダーや価値観の多様性を教育の現場にも取り入れる観点から、区立中学校の標準服について、女子生徒がスカートかスラックスかを選択できるように改善を図っていただきたいと考えます。教育長の前向きな答弁を期待して、私の質問を終わります。(拍手)   〔区長 山本亨君登壇〕 ◎区長(山本亨君) ただいまの日本共産党、あさの議員のご質問に順次お答えします。 最初のご質問は、野田市での児童虐待による死亡事件に対する私の認識についてです。 この事件はマスコミ報道を見る限り、児童相談所や学校等の関係機関がしっかりと連携しながら、迅速・的確に対応していれば防止できた事例であると認識しており、こうした悲惨な事件を墨田区で発生させてはならないと決意を新たにし、改めて本区における相談事例の再確認を指示したところです。 次に、区の具体的な取組についてです。 本区では、今年度から新たに「子どもを守る地域ネットワーク巡回事業」を実施し、区内の保育園、幼稚園、小・中学校等を子育て支援総合センター職員が巡回して、児童虐待の早期発見、未然防止等の対応に努めています。 また、来年度からは児童相談所との更なる連携強化を図るため、東京都と協定を締結します。協定の内容は、要支援家庭の児童を一定期間、乳児院で預かる「要支援ショートステイ事業」の実施や、江東児童相談所に子育て支援総合センター館長を月4回派遣して、要保護児童に係る情報や援助方針を共有しながら、協働で子どもや保護者を支援することを推進するものです。 また、人材の育成・強化については、児童相談所への区職員の派遣や児童相談所OBの採用を継続していくほか、児童相談行政に精通した弁護士の活用も図っていくなど、児童虐待の予防や深刻化防止に向けた取組を強化していきます。 次に、障害者施策の充実についてです。 重度の身体障害者グループホームの整備用地については、これまでに都有地である旧公共職業安定所跡地や区内の国有地なども検討し、それぞれ所管する機関等にも相談してきましたが、活用には至りませんでした。私としても当事者の皆さんの声を重く受け止めており、再来年度までの開設は難しい状況ですが、現在、再度、区有地の活用も含めて検討していますので、できる限り早い段階で適地をお示しします。 次に、重度障害者の就労支援についてです。 ご指摘のように、さいたま市では独自事業を開始しますが、障害者総合支援法に基づく国の基準では、経済活動中の介護支援は対象とされていません。区としては直ちにこうした事業を実施する考えはありませんが、障害者の就労支援は大切な取組であるため、今後の他の自治体の動向及び国等の方針などを注視していきます。 次に、高齢者等の住宅対策についてです。 まず、「すみだすまい安心ネットワーク」における住宅供給の促進に向けた考え方についてです。 対象住宅の登録を促進するためには、家主へのインセンティブや負担軽減につながるような仕組みづくりが不可欠であると考えており、本ネットワークでは「家主成約謝礼金」や「少額短期保険加入に係る補助」など区独自の支援メニューを整備し、制度の実効性を確保していくこととしています。 次に、本制度の対象者数についてです。 現在、区への住宅あっせんに係る相談は、年間60件から80件程度で、そのほとんどが高齢者からの相談です。今回、本ネットワークの対象となり得る高齢者世帯は、住宅・土地統計調査などから最大で7,400世帯程度と分析しています。 なお、障害者世帯や子育て世帯については、客観的なデータが十分ではなく把握が困難ですが、今後、区報や区ホームページ、チラシ配布等を通じて、事業の周知徹底を図っていきます。 次に、葬儀費用の助成等についてです。 中野区の「あんしんすまいパック」は、区と協定を締結した民間事業者が、ご案内のメニューを提供し、その利用者に一定の補助を行うという仕組みであり、本区の家主の負担軽減という観点からの保険料補助制度とは趣旨や対象が異なるものと考えています。 本区では、このようなサービスを必要とされる方には、東京都防災・建築まちづくりセンターが提供する「あんしん居住制度」を紹介するとともに、身寄りがない方の葬儀等については、既存の福祉施策の枠組みの中で対応していきます。 また、入居者の定期的な見守りについては、住宅・福祉の両部門が一体となって取り組んでいくことが重要であり、居住支援法人のほか、高齢者みまもり相談室等との連携強化を図りながら、高齢者等の居住支援を実施していきます。 次に、更新料等の助成についてです。 本ネットワークでは、家主に対して差額分家賃の補助を行うこととしていますが、更新料の助成を含む入居者への直接的な家賃助成等については、特定個人に対する長期的な公費支出となり、公平性の観点から課題があるので、実施する考えはありません。 以上で、日本共産党、あさの議員の私へのご質問に対する答弁を終わります。   〔教育長 加藤裕之君登壇〕 ◎教育長(加藤裕之君) 日本共産党、あさの議員のご質問に順次お答えします。 新聞報道についてですが、現在、外国人に就学義務が課せられておりませんが、外国人の子どもが区立の小・中学校入学を希望する場合には、教育委員会はその入学を認め、就学の機会が失われてはならないと考えております。そのため国の通知により、現在、学齢期に当たる外国籍の子どもの保護者には就学案内を送付しておりますが、区ではルビふりに加え4カ国語に対応した内容としており、今後も就学機会の確保に努めていく必要があると認識しております。 また、外国籍児童・生徒の就学支援を積極的に進めていくことについては、これまでは就学案内のみを行い、墨田区立学校以外の就学先の調査を行っておりませんでしたが、今後は他自治体の事例等も参考にしながら、可能な範囲で調査を行っていく考えです。 次に、学習支援についてです。 日本語を十分に理解できない児童・生徒に対しては、すみだ国際学習センターや日本語通級指導教室、日本語指導加配教員等による日本語の定着指導を行っております。また、在籍学級での学習を支援するため通訳派遣も実施しております。 支援を必要とする児童・生徒が増加している傾向を受け、本年度「墨田区外国人児童・生徒等受け入れの手引き」を改訂し、支援方法、国際学習センターにおける指導との効果的な連携等について、教員の理解を図っております。 また、平成27年度からは教員を対象として、さまざまな学力層の児童・生徒に対し、効果的な指導を行うための多層指導モデルMIMの研修を実施しております。この指導法は学習のつまずきが生じる前に必要な支援を行うことに有効であり、日本語を十分に理解できない児童・生徒の学習支援にもつながるものと考えております。各学校ではこれらの資源等を活用し、児童・生徒に対する学習支援の充実に努めていきます。 放課後等における学習支援についてですが、本区においても放課後補習等の取組がされておりますので、日本語を十分に理解できない児童・生徒等への効果的な学習支援の可能性について研究していきたいと考えております。 最後に、中学校標準服の改善についてです。 文部科学省が示す性的マイノリティの生徒の服装に関する学校における支援事例では「自認する性別の制服・衣服や体操着の着用を認める」としてり、墨田区立学校でも、この事例に沿った対応を基本としております。 女子生徒のスカートとスラックスの選択についてですが、今のところ相談の事例がありませんが、教育現場においては多様性を尊重する環境整備が求められていることから、性的マイノリティに配慮した標準服のあり方について、今後、校長会等と協議をしていきたいと考えております。 以上で、日本共産党、あさの議員のご質問に対する答弁を終わります。----------------------------------- ◆14番(中沢えみり君) この際、議事進行の動議を提出いたします。 本日の会議はこれをもって散会されることを望みます。 お諮り願います。 ◆13番(加藤拓君) ただいまの中沢議員の動議に賛成いたします。 ○議長(瀧澤良仁君) ただいま14番・中沢えみり君から、本日の会議はこれをもって散会されたいとの動議が提出され、所定の賛成者がありますので、動議は成立いたしました。 よって、本動議を直ちに議題といたします。 お諮りいたします。 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(瀧澤良仁君) ご異議ないものと認めます。 よって、本日はこれをもって散会することに決定いたしました。----------------------------------- ○議長(瀧澤良仁君) 本会議は、明14日午後1時から開会いたします。 ただいまご着席の方々には、改めて開議通知をいたしませんから、さようご承知願います。 本日は、これをもって散会いたします。     午後4時14分散会                           議長  瀧澤良仁                           議員  堀 よしあき                           議員  高柳東彦...