平成29年 第3回定例会(9月) 平成29年第3回定例会 墨田区議会会議録1 期日 平成29年9月13日2 場所 墨田区議会議事堂3 出席議員(31人) 1番 坂井ユカコ君 18番 じんの博義君 2番 村本ひろや君 19番 おおこし勝広君 4番 佐藤 篤君 20番 あべきみこ君 5番 しもむら 緑君 21番 西村孝幸君 6番 はねだ福代君 22番 はらつとむ君 7番 渋田ちしゅう君 23番 樋口敏郎君 8番 井上ノエミ君 24番 沖山 仁君 9番 大瀬康介君 25番 田中邦友君 10番 堀 よしあき君 26番 木内 清君 11番 あさの清美君 27番 坂下 修君 12番 としま 剛君 28番 瀧澤良仁君 13番 加藤 拓君 29番 加納 進君 14番 中沢えみり君 30番 千野美智子君 15番 福田はるみ君 31番 田中 哲君 16番 とも宣子君 32番
高柳東彦君 17番 高橋正利君4 欠席議員 なし5 欠員(1人) 3番6 出席理事者 区長 山本 亨君
産業観光部長 渡辺一夫君 副区長 高野祐次君
福祉保健部長 青木 剛君 教育長 加藤裕之君 子ども・
子育て支援部長 石井秀和君
企画経営室長 関口芳正君
都市計画部長 渡辺茂男君 総務部長 小暮眞人君
都市整備部長 田中正明君 区民部長 大滝信一君
総務部参事 岩佐一郎君
地域力支援部長 鹿島田和宏君 区民部参事 高橋宏幸君
保健衛生担当部長 北村淳子君
立体化推進担当部長 大野暢久君
保健衛生担当参事 岩瀬 均君
会計管理者 佐久間 之君
保健衛生担当参事 植原昭治君
教育委員会事務局次長 後藤隆宏君
危機管理担当部長 酒井敏春君
教育委員会事務局参事 岸川紀子君
環境担当部長 中山 誠君
選挙管理委員会事務局長 小久保 明君
環境担当参事 島崎 進君7
出席事務局職員 事務局長 浜田将彰君 議事主査 松本光考君
事務局次長 瀬戸正徳君 書記 大場智加君 議事主査 荒井 栄君 平成29年第3回墨田区
議会定例会議事日程 第2号 平成29年9月13日午後1時 開議第1 議案第53号
墨田区立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の
公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例第2 議案第54号 墨田区
コミュニティ住宅条例の一部を改正する条例第3 議案第55号 墨田区立堅川第一公園における仮設の施設の占用に関する条例の一部を改正する条例第4 議案第52号 平成29年度墨田区
一般会計補正予算第5 議案第56号 すみだ健康ハウスの指定管理者の指定の期間の変更について 午後1時開議
○議長(沖山仁君) これより本日の会議を開きます。
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○議長(沖山仁君) まず、
会議録署名員を定めます。 本件は、例によって、議長からご指名申し上げます。 12番 としま 剛君 32番
高柳東彦君のご両君にお願いいたします。
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○議長(沖山仁君) 昨日に引き続き、一般質問を行います。 順次発言を許します。 21番・西村孝幸君 〔21番 西村孝幸君登壇〕(拍手)
◆21番(西村孝幸君) 地域連合「すみだの絆」の西村孝幸です。会派を代表して、山本区長、
加藤教育長に質問をいたします。明快で前向きな答弁を望むものです。 まず初めにお伺いいたしますのは、平成29年度の区政運営についてです。 29年度が始まり、はや5カ月近くが経とうとしております。この間、待機児童の解消や新たな
産業支援体制の構築など、福祉をはじめ、さまざまな事業が展開されていることは承知をしております。 そこで、山本区長は、前半の行政運営を全体としてどのように評価されているのでしょうか。確定的なことは難しいかもしれませんが、区長の掲げる「すみだの“夢”実現」に向けた予算と位置付けられた今年度予算の執行状況を踏まえて、区長の見解をお伺いいたします。 次に、これに関連して、庁内の
業務執行体制についてお伺いいたします。 平成29年度より庁内の組織が大きく改正されました。子ども・子育て部門の担当部から部への格上げ、
産業観光部内での体制の変更等がそれに当たります。昨年の基本計画の策定、そして今年度の予算の編成、そしてそれを執行していくためのこの組織改正と、いよいよ
山本区長自前の体制が整ったと考えておりますが、ご自身はどうお考えなのでしょうか。 今回の組織改正は、区長の意図どおりになっているのかを含め、区長の組織改正に対する現状認識をお伺いいたします。 さて、今回の組織改正の中で特に目を引くのは、
地域力支援部という大きな、巨大と言ってもいい部門の誕生ではないかと思います。常々、縦割り行政の弊害を申し上げてまいりました私たちにとっては、一元化して管理する体制については、異を唱えるものではありません。しかしながら、産業観光を除く区長部局の
事業系セクションの大半、さらには
教育委員会の所管であったものの移管分も所管するわけですから、この大きな組織の中にきめ細かい目配せ、気配りのある行政執行をいかに実現していくかがポイントだと思います。 今申し上げましたことをより具体的に示せば、
地域力支援部は、現に、町会・自治会から区民活動、文化振興、生涯学習、
スポーツ振興、
オリンピック・
パラリンピック準備から国勢調査を含む統計、
交通傷害保険といった幅広い事業を担うとともに、すみだ北斎美術館、トリフォニーホール、地域プラザ、生涯
学習センター、
スポーツ健康センター、
総合運動場から地域集会場まで、数多くの公共施設の管理運営を行っています。また、直近でも、すみゆめ事業や
オリンピック・
パラリンピック地域協議会の発足式、
区内スポーツ大会の開会式がありましたし、今後も北斎関連や
タウンミーティング等、大変幅の広い事業を並走して行っていきます。 さらには、予算についても、前身の
区民活動推進部の28年度予算が、
北斎美術館建設事業費15億9,900万円を除き、約23億円だったのに比べ、
地域力支援部全体では、29年度予算で45億円強と格段に増えています。 先ほども申し上げましたが、このような状況下において、一元化のメリットを享受しつつ、きめ細かい目配せ、気配りを持って適切な事務執行を行うに当たり、山本区長はどのような方向を示し、どのような指示を出しているのでしょうか。ご所見をお伺いいたします。 もう一点、今回の組織改正で注目されるのは、生涯学習分野や
スポーツ部門の
教育委員会から区長部局への移管です。これは、
地方教育行政の組織及び運営に関する法律、いわゆる地教行法第23条の職務権限の特例で、法的にはもちろん問題はなく、これまでご説明いただいているとおり、一元的なメリットがあることも事実です。でも、特例は特例です。結果として、
教育的側面が後退してしまうのではないかという懸念はないのでしょうか。 そこで、これに関し、2点取り上げたいと思います。 1点目は、
スポーツ部門の移管により、学校教育における
スポーツ活動がスムーズに展開されていくのかという点です。 自らの所管でなくなってしまった
教育委員会としては、どのようにスムーズな連携を図っていこうとされているのでしょうか。この点について、
加藤教育長の見解をお伺いいたします。 また、現在建設中の
総合運動場の所管が、区長部局の
オリンピック・
パラリンピック準備室となりましたが、具体的に
教育委員会では、学校教育でどの程度この運動場を活用していくおつもりなのでしょうか。 そもそも
総合運動場は、
教育委員会の所管で、その必要性を説き、進められていた事業ですから、稼働率の向上には、所管の区長部局はもちろんですが、
教育委員会が先頭に立って取り組むことが必要です。せっかく新設するのですから、有効に活用されなくては意味がありません。今までの議論では、連合陸上のほか、中学校の運動会等での利用を考えているということでしたが、その後、活用方法は増えたのでしょうか。現時点で
教育委員会として考えている
総合運動場の
年間利活用予定と
稼働率向上策について、具体的に
加藤教育長にお伺いいたします。 もう一点は、墨田区における社会教育、特に生涯学習分野の今後です。
社会教育法によると、社会教育とは、学校の教育課程として行われる教育活動を除き、主として青少年及び成人に対して行われる組織的な教育活動と規定されております。 このような社会教育の中の生涯学習分野について、移管を受けた区長部局としては、より幅広く、緊密な連携が図れるのではないかと期待をいたしますが、どのように展開、発展させていこうとお考えなのでしょうか。区長部局となり、何がどのように改革されるのでしょうか。生涯
学習センターのあり方をはじめ、課題の多い部門でもあります。区長のご所見をお伺いいたします。 いずれにせよ、今回の組織改正が的確で効果的なものとなったかどうかということについては、もう少し見ていく必要があると思いますが、来年度の
予算編成作業が間もなく始まるわけです。
PDCAサイクルでいえば、組織改正の計画立案、実施というPとDまでは来たのですから、次はしっかりとCのチェック、つまり事業のあり方を含めた庁内全体の組織改正の評価を行う必要があると思います。 私自身としては、このように大きな組織改正を行ったのですから、本年度は、
地域力支援部はもちろんのこと、全体として組織改正のメリット・デメリットを精査し、検証しながら業務執行をし、より効果の上がる
体制づくりを柔軟性を持って目指すべきと考えますが、今後、どのように実効性のある庁内組織の構築をされようとしているのでしょうか。最後に山本区長のご所見を伺います。 次に、子ども・子育てに関連して3点お伺いいたします。 1点目は、
児童相談所の移管問題です。 山本区長は、平成29年第1回定例会での公明党、加納議員の
児童相談所の移管に関する質問に対し、「墨田区の子どもは墨田区が守るという明確な強い意志を持って、
児童相談所の移管を進めていきたいと考えています」と答弁されています。もちろん、このような強い意志を示すことは、区長の姿勢として重要だと思います。そして、その後の第2回定例会の
企画総務委員会では、
新保健センターに
児童相談所機能を盛り込むこと、そして
財政的支援が受けられる平成33年度までを一つの区切りとすることが示されました。しかしながら、現実に目を向ければ、難しい問題が幾つも横たわっています。 その第一は、
児童相談所に係る職員の人材育成についてです。これまでの答弁で、区としては都児相に職員を派遣するなどして人材育成に努めていくとしていますが、実績によると、平成25年度から継続派遣を含め、毎年1名のみです。さらに、先行区はもとより、他区も一斉に人材育成を行う必要があるわけで、都のキャパシティーをはるかに超える人材の派遣・育成希望があることは必至です。 このような状況を冷静に踏まえつつ、区としては、実際に墨田区独自の
児童相談所を設置する場合、その運営に対し、職員数は何人程度と想定されているのでしょうか。専門職も含め、どのような職員構成が必要なのか、答弁を求めたいと思います。そして、これから、これら職員をどのように確保、育成しようとされているのか、その計画の有無も含め、現在の状況をお知らせください。 もう一点は、財政面の担保についてです。 従来の
都区間協議においては、
児童相談所について、権限と財源をセットで移管するとして協議がなされていたと承知をしております。その後、期せずして、法改正により、現在の状況が生まれ、手上げ方式で先行区が準備を進めています。一方で、東京都のほうは、各区が自身の財源で独自に
児童相談所を設置することについては法の認めているところなので、都がとやかく口を挟む問題ではないというスタンスです。つまり、これは平たく言ってしまえば、つくるのは勝手だが、その分財源も自分で賄ってほしいということです。 そこで、この財源について、区としては、まず児相設置の
イニシャルコストをどのくらいと想定していますか。さらに、毎年の
ランニングコストをどの程度と試算されているのでしょうか。そして、それに充てる財源はどこからとお考えなのでしょうか。 どんなに強い意志があっても、財源の担保がなければ、それは現実的な計画とは言えません。山本区長としては、この財源問題についてはどのようにお考えなのでしょうか。時限的な
財政的支援も含め、現実的な答弁を求めたいと思いますが、いかがでしょうか。 もう一点確認しておきたいのが、
区立児童相談所設置後の都児相との関係です。 現在は、いわゆる「東京ルール」のもと、墨田区においては、
子育て支援総合センターが要保護児童の窓口となり、必要に応じて都児相と連携を図っていました。この構図はどうなっていくのでしょうか。この件について、東京都とは議論が進んでいるのでしょうか。
区立児童相談所設置後の東京都と墨田区の役割分担について、山本区長の現時点でのご所見をお伺いいたします。 このほかにも、
児童相談所に関係する問題は山積をしております。例えば、一時保護所の運営をどのように行っていくかは大きな課題です。他の
児童相談所の状況を見ても、一時保護所の入所期間は、年々長期化する傾向にあるようです。 そのような中、入所児童の生活の保障やメンタルヘルスといった擁護的側面はもとより、入所期間中の教育をどのように提供していくのか、
教育委員会との連携も必要になってくるでしょう。 このような点も含めると、
児童相談所移管に関しては、多方面にわたるしっかりとした事前準備が必要になってきます。法改正により、先行区と言われる幾つかの区は、独自に設置に向けての方向性や計画を打ち出してきています。独自といえば聞こえはいいですが、言いかえれば、23区が一枚岩となって
都区間協議をしていく体制は崩れつつあるということではないでしょうか。 そのような中にあって、山本区長はどのように移管を進めていこうとお考えなのでしょうか。私自身は、こと子どもの命に関わる問題なのですから、先ほども申し上げましたように、しっかりと準備を進め、確実な
体制づくりをしていくことが重要であると考えます。そして、この問題は、地に足をつけ、粛々と進めていくべきと考えます。 報道によれば、練馬区は、当面、区として
区立児童相談所を設置せず、都児相との連携強化の方針を打ち出したとのことです。23区の間でも、このように考え方が分かれる課題です。今こそ、山本区長の首長としてのリーダーシップが問われています。この点について山本区長の見解を伺います。 次にお伺いいたしますのは、
子ども版地域包括センターと位置付けた児童館のあり方です。 昨年の
決算特別委員会や本年の
予算特別委員会でも大きく取り上げられた児童館について、その後、区としてはどのように改築、建替えを進めていこうとしているのでしょうか。 現在の児童館数は11館であり、最も新しい
さくら橋コミュニティセンターでも築31年、最も古い
墨田児童会館では46年が経過しています。しかしながら、基本計画では「老朽化が進んだ児童館は、計画的に大規模修繕等を行い、地域の
子育て支援施設として整備します」との文言はあるものの、財政措置も含め、前期の中に児童館の改修についての計画は、子ども未来館の整備以外示されてはおりません。当然、一気に改修ができるわけではないのですから、どのように進めていくのかを明らかにしていくことが求められると思います。子ども・
子育て会議の学齢部会でも議論されているようですが、まず、建替え・改修計画についての現在の状況を確認するとともに、それに対する経費をどのように積算されているのかについてもお伺いいたします。 もう一点は、その多くが児童館に設置されている
学童クラブの拡充と環境の確保についてです。 保育所の急ピッチな増設により、保育所に通う児童数が急増しています。これは、子育ての社会化ということで、望まれる方向性だと認識しております。一方で、次に課題になってくるのが
学童クラブです。平成29年4月1日現在、
学童クラブの待機児童は、昨年度より48名増の187人となっており、今後もこの状況はしばらく続くと考えられます。 このような中、区としてはどのように
学童クラブの拡充を図っていこうとお考えなのでしょうか、お伺いいたします。併せて、
学童クラブの質の向上も重要です。正直、児童館内の
学童クラブの現状を見ると、老朽化だけでなく、自由来館やランドセル預かりの児童もいて、施設内はかなり窮屈な印象を受けます。このような環境は、児童の健全育成という観点からすると、かなり課題があると感じます。山本区長は、子ども・子育て政策を最重要課題と掲げられているわけですから、この現状をよしとは思われないはずです。この児童館、そして
学童クラブの質、環境の向上について、山本区長の見解と今後の改善策についてお伺いいたします。 最後に、子どもの居場所におけるさまざまな施策の整合性について伺っておきます。 現在、区では、放課後の子どもの居場所として、児童館における
学童クラブやランドセル預かりのほか、
教育委員会では、
校庭開放事業やいきいきスクール等の施策を展開しています。これらの施策について、今後どのように展開していこうとされているのでしょうか。諸条件はあるでしょうが、基本的には全ての事業を拡充していこうとお考えなのでしょうか。もちろん、それら関連事業が連携を図りながら、補完し合うようなことを考えられていると思いますが、改めて山本区長、
加藤教育長に、それぞれの立場から、これらの事業への拡充方針、連携強化について、所見をお伺いいたします。 さらに、この中で特にいきいきスクールについてお伺いいたします。 いきいきスクールは、事業開始後約10年が経過していますが、3カ所の設置にとどまっています。これは、3件でよしとされているのか、環境が整わないからなのか、事業自体の成果に疑問を持たれているのか、財政上の問題なのか、それとも他の要因があるのでしょうか。この事業についての現状の評価と、今後の見通しについて、
加藤教育長に伺います。 次にお伺いいたしますのは、大学誘致についてです。 本年3月に、墨田区は千葉大学と包括協定を結び、ようやく誘致の方向が見えてきました。一方で、これまでの区の説明では、敷地面積から考えると、学生数2,000名程度を想定しているとの答弁が繰り返されていました。しかしながら、いざ協定の結果を見ると、約500名程度とのこと。また、敷地も千葉大学が使用するのは当面、旧すみだ
中小企業センターだけで、その他の予定地は他大学の進出も視野に入れながら、このエリアを「大学の杜」としていきたい旨の話になっていました。 交渉が一段落した今、改めてこれまでの大学誘致に係る考え方の変遷をお伺いします。特に、いつ一大学ではなく、複数大学の進出という方向性になったのか。そして、いつ、どのようにして「大学の杜構想」が決定されたのか、意思決定のプロセスを明らかにしていただくとともに、この「大学の杜構想」と、まだ生きていると思われる
グローバル教育構想との整合性、関係性をどのように整理されているのかお伺いしたいと思います。 次に、千葉大学以外の大学との交渉についてです。 これに関連し、区の方針に対し、大変な逆風になるのではないかと思われるのが、国の骨太の方針2017、そしてそれを受けた
文部科学省の方針です。これによれば、今後23区における私立大学の定員増は認めないとされています。そして、もしこの方針が決定されると、今後の大学誘致に関し、大いに影響が出て、場合によっては、「大学の杜構想」そのものが頓挫しかねない状況になるのではないかと危惧をいたしますが、山本区長はこの件をどのように捉えられているのでしょうか。区長会としては、国に要望を出されたようでありますが、今後、区としては、どのように行動されていこうとお考えなのでしょうか。ご所見を伺います。 さらには、仮に誘致が厳しい状況になったときにはどうされるのでしょうか。もちろん、第一義的には、誘致に向け努力されると思いますが、区の運営責任者としては、当然ながら、次善の策もお考えのことと思います。現時点でのお考えをお伺いいたします。 次に、大学に関してお伺いいたしますのは、進出が決まった千葉大学と区や区内事業者、
区内小・中学校との連携による効果についてです。 区は、これまで早稲田大学との包括協定を取り交わして連携を図っていますが、正直、当初はともかく、最近はそれほど機能しているようには思いません。また、しばらく前に、台東区と東京芸大との連携によるGTSというプロジェクトもありましたが、残念ながら一過性という印象です。 この点について、区は早稲田大学はもとより、他大学とも、学部、ゼミ単位で連携を図っているとお話しされていますが、実際に本区進出の決まった今、千葉大学との連携についてどのようにお考えなのでしょうか。そして、どのような波及効果を期待されているのでしょうか。この点については、山本区長並びに、学校教育という観点から
加藤教育長にも
教育委員会としての見解をお伺いいたします。 大学誘致に関し、最後にお伺いいたしますのは、
大学進出予定地のエリアの
まちづくりについてです。 これまで、地域の核となる大学がなかなか決まらない中、
まちづくりの方向が見えてきませんでした。大学誘致が動き出し、また
中小企業センターの廃止などもあった中、この地域の
まちづくりについて、
グランドデザインを描く必要があると感じています。この点について、現時点での区の考え方をお伺いいたします。 また、もう一点、この地域の課題として、環境ふれあい館跡地の活用も大きな課題です。 旧
中小企業センターにほど近いこの土地についての活用をどのようにお考えなのか、この点についても山本区長のご所見をお伺いいたします。 いずれにしても、懸案の一つであった大学誘致が動き出したことは歓迎したいと思っておりますが、これだけ時間が掛かってしまった結果、先ほども述べましたように、23区内に私立大学の定員増は認めないといった大逆風ともいえる方針が出されてしまったのも事実です。 今まで述べたような大学誘致に係る
意思決定プロセスの変遷や、
文部科学省の方針といった誘致環境の変化を踏まえ、早い段階でしっかりと総括をし、基本計画の中間の見直しには、この地域の
まちづくりも含め、反映すべきと考えますが、区長のご所見をお伺いいたします。 今回、最後にお伺いいたしますのは、山本区長の行政運営におけるキーワードについてです。 山本区長は常々、行政運営に当たっては、民間感覚とスピード感を重視するとお話しされています。私は、区長は政治家として、また区の行政運営のリーダーとして、このスローガンを掲げられるのは理解できますし、賛同するところでもあります。しかしながら、墨田区政を担うという観点からすると、副区長以下、職員の皆さんがまず持つべきは、民間感覚ではなく公務員感覚、つまり公平性や透明性、説明責任をしっかり果たす中で、区民の生命や財産を守ること、そして、区民福祉の増進に向け、各種事業を行っていくことが求められているのではと考えます。 このあたりを、区長と区職員の皆さんとで、役割が異なることをしっかり意識してほしいと思います。この点についての山本区長の現状認識をお伺いいたします。 もう一点は、スピード感についてです。 スピード感覚を持って事業を執行されるのは大いに結構なことだと思います。例えば、先ほどの児童館のあり方の計画策定等は、一層のスピード感を持って取り組んでいただきたい課題です。しかしながら、職員の皆さんは、スピード感が拙速と言われるようなことがあってはならないと思います。例えば、これまでも、新設条例の区長部局からの提案に関し、その内容を詳細に把握しないまま、所管の理事者の方が委員会に臨まれて、議論が立ち往生してしまうようなことがありました。今後は、このようなことのないよう、そして、スピード感を持って行うことを履き違えることのないよう、あえて苦言を述べさせていただきますが、山本区長の見解を伺います。 また、スピード感とともに大切なのが、全庁的な共通理解です。第2回定例会の
企画総務委員会でも指摘しましたが、
新保健センターの基本計画のストーリーの中に、男女共同参画の視点がしっかり組み込まれていたようには思われませんでした。そして、そのまま委員会の報告事項になっていました。全てのことを吟味してというわけにもいかないのかもしれませんが、もう少し多角的、多層的な視点からの庁内における検討、議論がなされるべきと考えます。ここにこそ、行政の縦割りの弊害を排するという民間感覚が求められていると思います。この点について、山本区長の所見を求めたいと思います。 以上で、地域連合「すみだの絆」を代表しての質問を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。(拍手) 〔区長 山本亨君登壇〕
◎区長(山本亨君) ただいまの地域連合「すみだの絆」、西村議員のご質問に順次お答えします。 最初のご質問は、平成29年度前半の行政運営についてです。 今年度の予算は、「すみだの“夢”実現に向けた着実な事業推進により、新たなステージを切り拓く予算」と位置付けて、本区の持続的な発展につながる取組を進めることとしています。 予算の執行においては、年度当初に早期の事業着手や創意工夫を凝らし、適切な執行管理に努めることなどを全庁に指示しました。現時点では、待機児童の解消、すみだビジネスサポートセンターの運営、東京2020
オリンピック・パラリンピック関連事業、東武伊勢崎線とうきょうスカイツリー駅周辺立体化推進事業をはじめとする主要事業を中心に、今年度予算に計上した事業については、おおむね順調に進捗していると認識しています。 次に、平成29年度の事務執行状況及び組織改正についてです。 まず、今回の組織改正に対する現状認識についてです。 今回の組織改正は、昨年6月に策定した基本計画を効果的・効率的に進めていくために実施しました。組織改正後、半年を経た現在、関連事業の連携や情報の共有などがより円滑に行われるようになり、一体性を持った取組やスピード感を持った事業の展開が徐々に推進されつつあると、私は認識しています。 次に、
地域力支援部に係る方向性等についてです。
地域力支援部は、「地域力日本一」を目指し、これまで築いてきた区民活動という基盤をさらに強化するために設置した組織です。地域力の向上に向けた多くの業務が一元的に管理されることで、関連性を生かし、これまで以上に効果的・効率的に事業を展開する体制が整いました。これらの事業を確実に実施していくためには、部内組織が横断的に課題に取り組んでいくことはもちろん、区民との協働や庁内連携の推進役となることが重要です。 したがって、私は、部長を筆頭に、職員の全てがコミュニケーションを密にとり、組織一丸となり、課題解決へ向け取り組んでいくよう指示しているところです。 次に、社会教育の中の生涯学習分野の今後についてです。 生涯学習の考え方は、社会環境の変化などを受け、これまでの個の学びから「社会参画」、「地域の課題解決の担い手の育成」へと変遷しています。
教育委員会から移管を受けた区長部局としては、これまでの教育・学習という視点に加え、地域の課題解決やさまざまな地域活動への参画、そして、これら地域づくりの担い手・支え手の育成など、地域活動との連動を重視した事業実施を図るため、事業の整理・統合を含め、見直しを図っていきたいと考えています。 このような考え方を踏まえ、すみだ生涯
学習センターは、これまでの役割を見直し、別館の統合と併せ、地域コミュニティの活性化や地域活動の支援も担う施設として、その位置付け及び運営方法を検討していきます。 次に、今後の実効性のある庁内組織の構築についてです。 今回、大きな組織改正を実施しましたが、柔軟性を持って、より効果の上がる
体制づくりを目指すべきとのご意見については、私も同様に考えます。 今後、具体的に事務事業を実施し、検証・評価を行い、改善を図っていくプロセスにおいて、組織目標の達成を図る観点から課題を捉え、より適切な
体制づくりに積極的に取り組んでいきます。 次に、
児童相談所の移管についてです。 まず、
児童相談所に係る職員の人材育成についてです。
児童相談所に配置する専門職の職員数については、人口などに基づく基準が児童福祉法等の関連法令で定められており、本区の場合、児童福祉司7人、児童心理司4人が基準数となり、これに虐待件数やローテーション勤務に応じた加配をします。 専門職員の確保・育成のためには、これまでも江東
児童相談所に毎年1人を派遣してきましたが、東京都の受入れ枠にも制限が設けられています。一方で、児童福祉法改正により、児童福祉司任用資格を取得するために必要な実務経験ができる施設に、子ども家庭センターが指定されています。 今後は、引き続き東京都に派遣受入れを要望するとともに、他の自治体への受入れ要請を検討するほか、子ども家庭センターである本区の
子育て支援総合センターでの職員育成にも取り組んでいきます。 なお、
児童相談所には、児童福祉の専門職のほか、児童福祉に精通した弁護士や医師等も必要となるため、その確保策についても調整していきます。 次に、財政面の担保についてです。 本区では、
新保健センターに
児童相談所機能を併設することを予定していますが、
新保健センターの設計は未着手であることから、
児童相談所の
イニシャルコストは今後積算することとなります。また、
ランニングコストについても、
児童相談所移管に伴い、必要となる
児童相談所設置市事務の事務量等の詳細が東京都から示されていないことから、今後精査します。 なお、これに充てる財源については、特別区
児童相談所移管準備連絡調整会議において、都から区への財源移譲に関する方針の検討を進めており、この中で整理していきます。 次に、
児童相談所設置後の東京都
児童相談所との関係についてです。 現在は、「東京ルール」に基づき、都区の連携を図っていますが、児童福祉法の改正により、新たに都
児童相談所から区子ども家庭センターへのいわゆる逆送致が規定されたことなどを受けた見直しが今後進められる予定です。
児童相談所設置後の基本的な考え方は、「
児童相談所設置区は、児童相談行政の全てについて、最終責任を持つもの」となります。しかしながら、一時保護所や里親など、自治体間での相互利用が有効なものや、職員研修、また共同実施することで、より効率的・効果的に実施できる事務もありますので、これらについては、各区で協議をしながら連携していきます。 また、ご指摘のとおり、これまでの23区一律移管の方針から手上げ方式に変わり、23区の中でも取り組み方に違いが出てきています。本区としては、「東京ルール」のもとでの東京都との連携強化を図っていくとともに、「墨田区の子どもは墨田区が守る」という強い意思のもと、引き続き、
児童相談所の開設準備に取り組むとともに、人材確保・育成などに注力していきます。 次に、児童館のあり方についてです。 児童館は、
子ども版地域包括センターとして位置付け、機能の充実を図っています。ご指摘のとおり、施設の老朽化も進んでいることから、今年度、「児童館のあり方検討」を実施して、児童館に求められる機能を整理し、その内容を基に、個々の施設構成や、周辺施設との関係などを考慮した児童館のあり方を検討しています。 この結果を踏まえるとともに、公共施設長期修繕計画との整合も考慮しながら、今後、児童館の改修・建替えの方針を定めていきます。また、経費については、基本計画上の財政計画との整合を図りながら精査していきます。 次に、
学童クラブの拡充と環境の確保についてです。
学童クラブの待機児童は、保育ニーズに連動し、増加傾向にあります。このため、現在、
学童クラブがない小学校区域や待機児童の多い地域への増設を進め、これによって、館ごとの利用者数の適正化を図り、質と環境の向上につなげていきます。 次に、子どもの居場所におけるさまざまな施策の整合性についてです。 放課後の子どもの居場所については、親の就労等により、昼間、家庭において保護者の適切な保護及び育成を受けることができない児童への対応として、
学童クラブの充実を図ります。また、どの子どもでも利用・参加できる児童館の機能強化に努めるとともに、放課後子ども総合プランの中で、これらの整合を図りながら、
教育委員会とも連携し、推進していきます。 次に、大学誘致についてです。 大学誘致の考え方についてですが、千葉大学との協議の中では、まず旧すみだ
中小企業センターを活用し、「デザイン・建築スクール」を運営していきますが、さらに隣接する用地の活用については、学内で意見調整が進んでいないことから、他の複数の大学の誘致を検討していくこととしました。また、複数の大学を誘致する場合においても、千葉大学との相乗効果が図られ、国際化に資する大学を誘致したいと考えています。 次に、国の方針に対しては、昨日の自由民主党、加藤議員の質問にもお答えしたとおり、本区の大学誘致活動に支障を来しかねないものと考え、私自らが「まち・ひと・しごと創生本部」及び「
文部科学省」に要望書を提出しました。また、
文部科学省の告示改正案に対し、パブリックコメントの意見書を提出しました。今後も、引き続き国への働きかけと協議を行っていきます。 次に、次善の策については、国への働きかけを行うなどを通じて、是が非でも更なる大学誘致を実現したいと考えていますので、ご理解をお願いします。 次に、千葉大学との連携と波及効果についてですが、千葉大学は10学部を備える総合大学であることから、本区で授業・研究を行う予定の「デザイン・建築スクール」のみならず、多くの学部と連携することで、産業、観光、教育、福祉などさまざまな領域での活性化につなげていきます。 次に、大学誘致用地周辺の
まちづくりについてです。 周辺の
まちづくりの
グランドデザインについては、大学の分野・規模とも関連するため、まずは今年度中に地域のご意見も伺いながら取りまとめる、大学誘致用地活用構想の策定を進めていきます。併せて、改定準備を進めている都市計画マスタープランの中に、周辺
まちづくりを反映していきます。 次に、環境ふれあい館跡地の活用は現時点で未定ですが、周辺の
まちづくりとの整合を図りながら、活用方法を検討していきます。 これら大学誘致の経緯や周辺
まちづくりについては、基本計画の中間見直しの際に総括し、反映させていきます。 次に、区長と職員の役割を意識すべきとのご指摘がありました。もとより、全体の奉仕者である区職員には、高い専門性や職業倫理、コンプライアンスの意識に加え、責任を持って、分かりやすい説明ができることも求められていると認識しています。職員には、スピード感やコスト意識を持ち、失敗を恐れずにチャレンジできるとともに、公平・公正・誠実であることが第一に求められていると考えます。 また、スピード感を持つということを履き違えないようにとのご指摘がありました。行政の説明責任が果たせるように、常に意識して、必要十分な議論を重ねた上で職務に当たっていくべきことも当然のことと考えます。 最後に、行政の縦割りの弊害を排する民間感覚についてです。 区が実施する事業は、さまざまな視点、ニーズが複雑かつ密接に関連し合い、従来の分野ごとの組織の中では対応が難しくなっているものも少なくありません。そのような場合においては、組織の枠を超え、関連部署が情報を共有し、課題解決に向けて協調していくことが重要であると考えます。また、一つのことをあらゆる視点・角度から見て、しっかりとした意思決定・政策形成のプロセスを経て、的確な方向性を見定める思考力を持ちながらも、スピード感やコスト意識を持つことが職員に求められていると考えます。 本区の職員全てがこのような力を持ち、常に効果的で効率的な行政施策を選択し、適切に実施していくことができるよう、職員の育成にも努めていきます。 以上で、地域連合「すみだの絆」、西村議員の私へのご質問に対する答弁を終わります。 〔教育長 加藤裕之君登壇〕
◎教育長(加藤裕之君) 地域連合「すみだの絆」、西村議員のご質問に順次お答えします。 最初のご質問は、
スポーツ部門の移管に関わる学校教育への影響についてです。 区立学校における
スポーツ活動は、教育活動の一環として行われるものであり、これまでと同様に、
教育委員会の所管として適切に行われるようにしていきます。 運動会などの学校行事や中学校部活動での区立運動施設の使用、地域のスポーツ団体の協力を得て行う学習活動、区民体育大会等への児童・生徒の参加など、区長部局との連携・調整を必要とする機会もさまざまにあります。所管は替わりましたが、児童・生徒の
スポーツ活動が円滑に実施されるよう、総合教育会議などの機会を通して情報交換を密に行い、十分な連携を図っていきます。 次に、(仮称)
総合運動場の利用についてですが、これまで区外施設を借りて実施しておりました連合陸上大会や、中学校の運動会などで活用することとしており、このことにより、優先的な利用場所の確保が可能になるものと考えております。また、これ以外の日常的な活用方法としては、運動系部活動の練習や対外試合などでの活用、小・中学校の合同体力テスト、学校行事やPTA主催の行事等での活動、教員の実技研修会の開催等も考えています。 現時点で活用予定日数をお示しすることは難しいですが、設計内容が具体化されることと併せて、活用方法についても小・中学校の積極的な利用ができるよう、より具体的に検討し、区長部局と連携して、稼働率の向上に努めていきます。 次に、子どもの居場所におけるさまざまな施策の展開についてです。
教育委員会では、「校庭開放型」と「いきいきスクール」という二つの種類の放課後子ども教室を展開しています。いずれも、PTAや町会など地域の方々に委託する方式で実施しており、児童と地域の交流の機会として意義も大きいと考えているため、今後も全校での実施や内容の充実を目指していきます。 また、全ての児童が、放課後を安全・安心に過ごすことができるように、放課後子ども総合プランの中で、区長部局とも連携・調整しながら推進していきます。 次に、「いきいきスクール」については、多くのスタッフが従事し、校庭での自由な遊びのほか、学習や茶道・書道などの特別な活動を行っており、非常に充実した活動になっていると考えております。しかし、運営者の負担や施設の制約により、実施校数の増加は困難な状況であるため、現在は「校庭開放型」の全校実施を推進しておりますが、スタッフの体制や学校施設の状況などの条件が整う場合は、「いきいきスクール」の実施も個別に検討していきます。 最後に、千葉大学との連携についてです。
教育委員会では、区立小・中学校の授業支援や放課後の学習指導等にご協力いただける方を、「すみだスクールサポートティーチャー」として登録し、各学校へ派遣をし、児童・生徒の学力向上に取り組んでおります。千葉大学の学生に対して、この「すみだスクールサポートティーチャー」に登録してもらえるよう、今後、協議を行っていきます。多くの千葉大学の学生の登録が可能となれば、区立小・中学校のニーズに応じた人材の活用が期待されます。また、教育学部、医学部等のある千葉大学には、子どもの発達や心理、教育技術等でも専門性の高い指導者がおり、本区の教員研修や各学校における研究活動等での協力を得ていくことも考えております。 以上で、地域連合「すみだの絆」、西村議員のご質問に対する答弁を終わります。
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○副議長(高橋正利君) 10番・堀よしあき君 〔10番 堀よしあき君登壇〕(拍手)
◆10番(堀よしあき君) 墨田区議会民進党の堀よしあきでございます。会派を代表しまして、既に通告してあります大綱5点について、山本区長並びに
加藤教育長にお伺いいたします。 まず初めに、大学誘致に関してお伺いします。 昨日の加藤議員、本日の西村議員の質問と重なるところもあるかと思いますが、よろしくお願いいたします。 本年3月22日に、千葉大学と人的・知的資源の交流を図ることにより、地域社会の発展と人材の育成に寄与することを目的とした包括的連携に関する協定を結びました。23区で唯一大学がなかった本区において、念願の大学誘致であり、2021年には日本初のデザイン・建築スクールが墨田区にやってくることになっています。 そんな中、衝撃的なニュースが舞い込んできました。
文部科学省は、東京の一極集中を避ける目的で、2018年度から東京23区内における大学の定員増を認めないことと、2019年度からは学部・学科の新設や増設を認めないという方針を打ち出しました。一連の
文部科学省の動きは、千葉大学の誘致に続き、旧西吾嬬小学校と旧曳舟中学校跡地において複数の大学を誘致するという本区の構想にも多大な影響を与えるものであります。
文部科学省の方針どおり2019年度から学部・学科の新設が認められないことになれば、墨田区における大学誘致の方針転換も考えなければならず、残された時間的な余裕はありません。現状で、複数の大学を誘致する構想はどの程度話が進んでいるのか、区長にお聞きします。 東京23区内にある大学の定員増を2018年度以降は認めないとする等の大学設置に関する告示の改正案が国によって公表されたことを受け、山本区長は8月28日に文部科学大臣と地方創生担当大臣に対して、「大学の立地を前提とした自治体の
まちづくり施策として、現時点ですでに計画されており、大学と調整している案件については、特に配慮すること」などを盛り込んだ、「東京23区の大学の新増設及び定員抑制に対する要望書」を提出しました。このままでは、墨田区における大学誘致に多大なる影響を与えることが予想されます。本区としても、引き続き国の方針の撤回や例外措置等を強く求めていくことが必要だと思いますが、区長の所見を伺います。 また、今回の国の方針では、東京23区における私立大学の学部・学科の新設や増設、大学の定員増について規制が述べられていますが、国立大学をはじめとした公立大学においては扱いが言及されていません。ただ、本年の6月9日に閣議決定された「まち・ひと・しごと創生基本方針2017」の中では、東京23区の大学の学部・学科の新増設を抑制し、定員増も原則として認めないと明記されており、その影響が国立大学に及ぶことも否定できません。現在、墨田区としては、国立大学に対する影響についてどのように考えているのか、区長にお聞きします。 また、本区における大学誘致に関する配慮がなされなかった場合や、国立大学にも影響が及んだことを想定し、大学誘致を引き続き目指すのであれば、その代案も考えなければなりません。 例えば、千葉大学ですが、現在のところ、大学の用地として活用を希望しているのは旧すみだ
中小企業センターのみでありますが、旧西吾嬬小学校と旧曳舟中学校の跡地の活用に関しては、現時点で未定となっております。当初は時間的な余裕もあり、旧
中小企業センターの活用状況も含め、旧西吾嬬小学校と旧曳舟中学校の跡地の活用については総合的に判断されるということでしたが、国の方針が変わらず、国立大学も対象となるのであれば、時間的なタイムリミットを設けて、旧西吾嬬小学校と旧曳舟中学校の跡地の活用について、千葉大学に結論を出してもらう必要があるかと思いますが、区長のご所見を伺います。 ただ、当然のことながら、千葉大学も旧
中小企業センターの活用状況を見た上で、旧西吾嬬小学校と旧曳舟中学校の跡地活用を考えるでしょうし、現在推し進めている複数の大学を誘致する構想も、国の方針を受けて大学自体の動きが鈍ることも予想されます。また、最終的に、東京23区における大学の新設・増設が認められなければ、最悪の場合は、旧西吾嬬小学校と旧曳舟中学校の跡地活用について、大学誘致以外にも見直さなければならない状況も発生するかと思いますが、区長のご所見を伺います。 次に、2020年の東京
オリンピック・パラリンピックに向けた区内の小・中学校におけるオリパラ教育についてお伺いします。 本区も、両国国技館が
ボクシング会場に選ばれ、先日行われた区制70周年記念式典においても、2020年に向けて地域協議会が発足され、今後ますますの機運醸成が期待される中で、教育的観点からもしっかりとオリパラを捉え、レガシーの継承を次世代につなげていくという取組が期待されます。 東京都は、2016年に東京
オリンピック・パラリンピックの実施方針を定め、2016年から2020年までの5カ年において都内の全ての公立学校において実施するとしています。 昨年9月に、都内の全公立学校の小学校4年生以上の児童・生徒に対し、
オリンピック・パラリンピック学習ノートを配布しましたが、現在墨田区ではどのように活用し、どのような効果が現れ、この学習を通して児童・生徒に対してどのような成果があることを期待しているのか、教育長に伺います。 東京都は、本年6月に、都内の公立学校で実施されている
オリンピック・パラリンピック教育の更なる推進を目指し、都内の学校における社会奉仕の精神や思いやりの心を培う取組をしていくことを目的とし、都内の公立学校や児童・生徒を対象とし、ボランティア活動に関する情報を積極的に発信させるために、東京ユースボランティア・バンクを開設しました。 東京都によれば、「これまで各学校で取り組んできた地域清掃や地域防災等のボランティアに加え、子どもたちがさまざまなボランティア活動に参加できる機会を増やしていくための情報等を提供していくことで、ボランティアマインドの醸成、障害者理解の促進を図るとともに、子どもたちにボランティア文化を根付かせ、共生・共助社会の実現を図る」としています。 現在までに3,000以上の情報が提供されているとのことですが、墨田区において東京ユースボランティア・バンクについてはどのように捉えているのでしょうか、教育長にお伺いします。また、実際に、区内の小・中学校でこの制度を活用していく予定があるのか、併せてお伺いをします。 次に、パラリンピック教育についてお尋ねをいたします。 国際パラリンピック委員会は、公認教育プログラム「アイムポッシブル」を発表しました。2010年より開催国において、パラリンピック教育が始められておりますが、特に2012年のロンドンパラリンピックにおいて実施された「ゲット・セット・プログラム」というパラリンピック教育の評価は高く、同取組によりパラリンピックへの理解が進み、結果としてチケットは全て完売、また来場者数の75%は親子連れだったというふうに、その効果が顕著に表れました。 今回、国際パラリンピック委員会が公認教育プログラムとして発表した「アイムポッシブル」は、パラリンピック史上初めての取組であり、パラリンピックはもちろんのこと、障害者スポーツを契機とした共生社会の実現に向けた取組としても期待されています。 東京都によれば、教材は大きく分けて、「パラリンピックの価値」と「パラスポーツ」の二つのテーマに沿って構成されており、教室で行う座学と、パラリンピック競技を体験する実技の2種類存在しており、それぞれ1限を目安とし、実施時間が45分に設定してあります。 本区においては、
オリンピック・パラリンピックアワード校として、区内の三つの小学校が東京都から選ばれていますが、その中でも小梅小学校は、障害者理解校として、都からも認定されています。こうしたことを踏まえ、既に小梅小学校において本教材を使用した授業を実施されていますが、他の学校においても実施する予定があるのか、教育長にお伺いします。また、教材の活用方法や、この事業を通じてどのような効果を期待しているのか、併せて教育長にお伺いします。 次に、本区が所有する南会津町の未利用地についてお伺いします。 本用地は、1995年に第二保養所予定地として、約13万平方メートルの土地を約15億円という多額な金額で購入しました。以後、ご承知のとおり、保養所計画は頓挫し、1995年から2001年にかけては、ゴルフ練習場として多いときは年間200万ほどの使用料を取り、貸し付けを行っていましたが、2004年からは景観形成を目的としたソバ栽培用地として、無料で地元の農業公社や南会津町に貸付けを行っている状況です。購入時から20年以上にわたり有効活用ができていない状況について、区長のご所見を伺います。 先ほど述べたとおり、1995年に購入してから現在に至るまでの20年以上にわたり、特段の有効活用もないまま、本区としても保有し続けてきました。自治体の所有ということもあり、固定資産税は掛かりませんが、多額の税金を投じて購入したにもかかわらず、いわば毒にも薬にもならない状態については指摘せざるを得ません。今まで売却について検討したことがないのか、区長に伺います。 また、購入時は約15億円で購入したものの、時代のニーズの変化、不動産価格の下落などもあり、現在の資産価値はかなり下がっていることが予想されます。一度しっかりと不動産鑑定を行い、現時点の資産価値を区としてもしっかりと把握する必要があると思いますが、区長の考えを伺います。 現在、ソバ栽培用地として無償で膨大な土地を南会津町に貸付けを行っていますが、それを知っている区民はどれほどいるでしょうか。毎年9月上旬には「南会津そばウォーク」が開催されると聞いております。無償で広大な土地を提供しているのですから、少なくとも区民へのイベント周知は必要かと思いますが、区長のご所見を伺います。 また、ソバ栽培用地として約13万平方メートルの広大な土地を使用していますが、管理費等などで南会津町の収益にはつながっていないと聞いております。これだけ広い用地で食物を栽培しているにもかかわらず、収益につながっていないというのは疑問が残ります。年間にどのぐらいの収益につながっているのか、区としてもしっかり把握しているのでしょうか。また、広大な用地を地元の農家に有償で貸し出すとか、少しでも収益を上げるような創意工夫が必要だと思いますが、南会津町の未利用地の活用について区長の考えを伺います。 次に、伊豆高原荘の維持管理、売却方針についてお伺いします。 区民の保養所として1979年の開設から約40年間にわたり、その役割を担ってきましたが、区民利用の低迷や建物の老朽化に伴い、将来的な大規模改修や建替えの必要性も鑑み、惜しまれつつ2016年3月に廃止となりました。 伊豆高原荘関係の今年度予算は2,000万円以上計上しており、現在使用していない施設に対し多額の維持費を支払っていることになっています。昨年度の
決算特別委員会の中でも、公明党の高橋議員が早期売却を区に求めたのに対し、理事者側はスピード感を持って年度内に売却する方針であると答弁されていますが、2017年9月現在、売却には至っておりません。これまでどのようなアプローチで売却を検討してきたのか、その上で課題はなかったのか、区長にお聞きします。 過去の委員会答弁でも、法令上の規制が厳しいことが売却の妨げになっているということをおっしゃられていますが、伊豆高原荘の建物自体、築年数が40年ほど経過しており、建物の老朽化に伴う将来的な大規模改修や、建替え費用の負担が現実的ではないとして閉鎖に至った経緯があります。そういったことを鑑みると、現在行っている建物を残したままの売却は現実性があるのかという疑問も生じます。現状の建物を残したままでのアプローチの期限は定めているのでしょうか、区長にお聞きします。 今後、売却がかなわなかった場合は、当然のことながら他の売却方法も考えなければなりません。法令上の規制もネックの一因と考えますが、建物自体築年数が古いことや、土地の広さも影響し、対象となる買い手の層を狭めてしまっている側面もうかがえます。今後、売却が進まなければ、毎年発生する維持管理費も軽視できず、区側で建物を解体し、土地を分割して売却するということも考える必要があるかと思いますが、区長の見解を伺います。 次に、災害廃棄物の処理についてお伺いします。 大規模災害が発生するたびに、想定外という言葉が繰り返されていますが、災害大国で暮らす私たちは、想像力を駆使して、未経験の災害リスクに対応する力を日々の生活の中で構築していかなければなりません。物資の輸送、災害弱者対策、災害ごみの対策など、具体的な事例を基に十分な検証を行い、大規模災害時においても、自治体としての行政機能を確実に維持していく必要があります。 これまでも我が会派では、防災対策についてさまざま質問してまいりましたが、今定例会では大規模災害時の災害廃棄物、いわゆる災害ごみの対応と清掃工場の運用について伺います。 まず、災害時における瓦れき等の処理についてです。 災害により、瓦れきやごみが大量に発生し、その処理体制の迅速な確保が重要課題となるのは言うまでもありません。しかしながら、災害後の映像に、うずたかく積まれた瓦れきやごみの山があります。2011年3月に発生した東日本大震災では、津波による災害廃棄物量は1,100万トンを含む3,100万トンであり、その処理期間は、福島県を除き、約3年を要しました。また、2016年4月に発生した熊本地震では、災害破棄物量は289万トンで、処理期間は2年を目標としていましたが、2016年10月末の災害廃棄物の処理実績は72万トンで進捗率は25%となり、翌年6月には、災害廃棄物の処理実績は217万トンで進捗率がようやく75%に達し、同年6月をもって地震災害ごみ特別収集は終了しています。 熊本地震で災害のごみの収集率が上がらなかったのは、災害ごみの収集のうち、民間に委託している契約書には、通常ごみ収集後に余力があれば災害ごみの収集に従事するとあるため、通常ごみの収集に手間取り、災害ごみまで手が回らなかった、さらには、災害ごみまで積極的に収集しようとの意欲がないようにも見受けられました。結果として、災害ごみの処理率が5月の連休明けの段階で、直営地区の半分しかなく、市長の命により直営者が委託地域に入り、進捗率を直営地区と同等になるまで応援体制が敷かれたと聞いています。 このことから、墨田区の民間事業者との委託契約においては、災害時の収集体制についてきちんと盛り込まれているのか、また災害時に東京都及び東京二十三区清掃協議会に要請し、収集、運搬機材、仮置き場や最終処分場の確保は可能なのでしょうか。区内のマンパワーや資機材の活用が不可欠と考えますが、区長の考えを伺います。 併せて、大量に出される瓦れき等の災害廃棄物を置くための集積場が必要になってきます。墨田区では収集まで私有地で管理するようになっていますが、墨田区の住宅事情を考えると、公園や駐車場、空き地など、事前に候補地をリスト化し、臨時の瓦れき用の集積場を設置するべきと考えますが、区長の考えをお聞きします。 次に、車両の確保についてお伺いします。 し尿の処理については、避難所環境にも大きな影響を与えるものです。下水道普及率がほぼ100%の本区において、し尿の収集運搬車の確保が非常に困難と考えますが、区長のご所見を伺います。 また、劇的に増えるごみ量に対し、パッカー車での災害ごみ収集は、不燃物、瓦れきやブロックの収集で、回転軸の破損やホッパー内の変形など、車両の故障が発生します。災害ごみの収集には、プレスパッカー車やダンプカーが必要になってくると思います。墨田区で使用している小型プレス車で対応は可能なのか、また瓦れきを運ぶダンプカーの確保はできているのか、区長にお聞きします。 次に、収集や排出方法の周知について伺います。 災害時には、メディアや広報紙による情報発信が難しい場合があるため、広報車による広報、町会・自治会への個別通知、戸別訪問等が必要と考えます。また、生活ごみ、災害ごみの分別等排出方法の周知をどのように行うのか、区長に伺います。 また、災害時要支援者への災害ごみへの対応については、ボランティアセンターとの連携も必要になってくると思いますが、区と社会福祉協議会との連携について併せて伺います。 併せて、戸別訪問収集宅世帯への対応について伺います。 練馬区の地域防災計画の中に、各清掃事務所では有事の際、戸別訪問収集宅へ安否確認を行うことを盛り込んでいます。また、清掃事務所独自の訓練として、日常作業の中で、戸別訪問収集宅への安否確認訓練を年1回行っているそうです。墨田区においても必要な対策と考えますが、区長のご所見を伺います。 熊本地震でのごみ処理では、直営者や応援自治体職員・車両が支援しないとごみ処理が早期終了できなかったという事例から考えると、戸別訪問収集宅への安否確認や被害状況の確認、巡回パトロールなどの対応、他の自治体からの応援、ボランティアが入ってきたときの地域での活動の水先案内人として、日常作業の中で地域の特性、道路事情を網羅している清掃職員の体制をしっかりと構築するべきと思いますが、区長の考えを伺います。 環境省の災害廃棄物対策指針では、各地方自治体が地域防災計画の被害想定等を踏まえ、発災時における混乱を避けるため、平常時に災害廃棄物処理計画を策定することになっています。特別区では、確実な処理体制を構築するため、特別区、清掃一組、東京都、又民間事業者等が緊密に連携し、災害廃棄物処理を行っていくこととして、2015年3月に災害廃棄物処理対策ガイドラインを作成し、これを受けて、墨田区でも災害廃棄物処理計画を策定中だと伺っています。 災害ごみの早期処理は、住民の日常生活や都市機能を回復するためにも重要な課題であり、事前に処理計画を備えておくことは必要と考えます。これまでの質問の趣旨を勘案し、早急に災害廃棄物処理計画の策定を進めるよう求めますが、区長のご所見を伺います。 次に、災害時の清掃工場の稼働について伺います。 東京都は、災害時には活動拠点となるオープンスペースとして、自衛隊、警察災害派遣隊、緊急消防援助隊、その他の広域支援、救助部隊等のベースキャンプとして活用する大規模救出救助活動拠点を、国や区市町村及び関係機関と協議の上、あらかじめ確保するとしています。 そのため、東京都と東京二十三区清掃一部事務組合は、震度6弱以上の地震が発生した際、大規模災害時における清掃工場の使用に関する協定を締結し、救出救助機関や民間ライフライン機関の活動拠点として清掃工場を使用することになっています。 清掃工場の敷地内には、部隊車両の駐車スペースを確保できるとともに、管理棟の会議室等使用ができ、24時間稼働している清掃工場は、夜間や休日に災害が発生した場合でも受入れが可能な点からも、協定の意義は十分理解しますが、プラントが停止した際の点検・復旧、廃棄物の搬入・処理に支障がない体制が構築できるかシミュレーションを行い、実質的な訓練を実施するなどの対応が必要と考えますが、区長のご所見をお伺いします。 以上で、墨田区議会民進党の代表質問を終わらせていただきます。ご清聴誠にありがとうございました。(拍手) 〔区長 山本亨君登壇〕
◎区長(山本亨君) ただいまの民進党、堀議員のご質問に順次お答えします。 最初のご質問は、大学誘致についてです。 まず、複数の大学を誘致する構想の進捗状況についてですが、千葉大学のほかにも学生数、校舎の規模等を具体的に提案している法人がありますので、誘致の実現に向けて協議を進めています。 次に、国への働きかけについてですが、国への要望書の提出に加えて、
文部科学省が行った告示改正案へのパブリックコメントに意見書を提出しました。今後も、引き続き国に対し、これまでの区の取組状況を伝え、是が非でも更なる大学誘致を実現したいと考えます。 次に、国立大学に対する影響についてですが、現状では、東京23区における大学・学部等の設置、収容定員増の規制は私立大学に対してのものですが、今後、国公立大学にも同様の規制が行われる可能性は否定できませんので、その動向を注視していきます。 次に、千葉大学による大学誘致用地の活用についてですが、学内において意見の調整中であることから、一部学校跡地の活用の余地も残しながら、他大学の誘致の可能性も含めて、千葉大学とは継続的な協議を行っていきます。 次に、23区における大学新増設の抑制に伴う大学誘致の見直しについては、区として、国への働きかけを行うことなどを通じて、更なる大学誘致の実現のために全力を挙げて取り組んでいきますので、ご理解をお願いします。 次に、南会津町に本区が所有する第二保養所用地についてです。 第二保養所建設用地として平成7年に取得した南会津町の土地については、有効活用に向けて議会の皆さんからもさまざまなご意見をいただきました。これまでに、太陽光発電やバイオマス発電等の設置による事業者への有償貸し付けなども検討してきましたが、立地環境面から採算性の確保が難しい状況であることが分かりました。 現在は、南会津町に維持管理を行っていただき、土地は無償貸し付けを行っていますが、ご指摘のとおり、区民への還元といった点では、有効活用が図れていない状況にあると認識しています。 今後も土地の利活用に向けて、さまざまな可能性を検討していきます。 次に、本物件の売却検討及び資産価値の把握についてです。 本物件については、近年の社会経済状況を勘案すると、区自らが新たな施設を建設する考えはありません。このため、今後の資産管理の選択肢の一つとして売却という手法もあり、検討した結果、現時点では具体的な引き合いはありません。また、不動産鑑定士への評価依頼については、現在の価値を把握する上で最も適切な方法と認識しておりますが、その費用も要するため、課題とさせていただきたいと考えます。 次に、「南会津そばウォーク」などの南会津町で開催されるイベントの区民への周知ですが、今後、周知の方法等も含めて南会津町とも相談し、検討していきます。 次に、本物件について、南会津町の収支と区が収益を上げる工夫についてです。 南会津町としては、観光PRとして活用している一方、その収支は黒字にはなっていないと報告を受けています。本区としては、現在約13万平方メートルを一括して、南会津町へ景観形成を目的としたソバ栽培用地として無償で貸し付けているため、収益はありませんが、本来必要となる維持管理コストについても負担していない状況です。しかし、隣地の他自治体が所有する土地は、木が茂り、荒れた状況になっていることを考えますと、区としては、適正に管理しながら今後の活用策を検討していきます。 次に、伊豆高原荘の維持管理、売却方針についてです。 伊豆高原荘は、平成28年3月に廃止し、同年6月に策定した「第2次墨田区公共施設マネジメント実行計画」において、「売却等の資産の有効活用策を検討・推進する」としました。その後、本物件は、土地が約1万平方メートルあり、建物は築年数が経過しているため、不動産取引業者が持つ専門的なノウハウや情報等を活用することとし、事業者を同年7月に募集、10月に選定しました。そして、本年1月から売却手続を開始しましたが、契約に至らず、8月から再度売却手続を進めています。 次に、現在ある建物や土地の売却についてです。 現段階では、建物を改修して活用する事業者がいれば、少しでも高く売ることができるため、現状の建物を含めて売却手続を進めています。したがって、建物を残したままでの売却期限は設けていませんが、維持管理費を最小限に抑えながら、早期に売却するように努めます。また、建物を解体して、土地を分割して売却することについては、今後の課題と考えています。 次に、災害廃棄物の処理についてです。 まず、民間事業者との委託契約についてです。 東京二十三区清掃協議会を通じて、雇上会社と契約するごみの収集・運搬業務は、協議会と一般社団法人東京環境保全協会が締結した災害時の協定により、災害時は各区からの要請に基づき、協議会が臨時配車を指示することが契約の中で盛り込まれています。災害時の収集運搬機材の確保については、清掃協議会を通じて雇上会社に要請し、供給を受けることができます。ただし、産業廃棄物となるコンクリート破片等の瓦れき類は、別途民間事業者と契約して処理を行います。 仮置き場や処分場の確保については、まず瓦れき処理において、区が設置する一次仮置き場で分別し、これを貯留する広域的な二次仮置き場を23区全体の対策本部で確保します。仮置き場で分別した瓦れきを、再利用が不可能なものは焼却処理等減量化した上で、都が管理する埋立処分場に搬入します。瓦れきの処理に当たっては、区内企業を含む民間事業者に協力を求めます。 瓦れきの臨時集積所については、まずは道路の瓦れきを速やかに処理し、道路開通後、順次家屋の瓦れきを仮置き場に集積することが定められていますので、臨時集積所を設置する考えはありません。 次に、し尿の収集運搬車については、区が民間事業者と締結した災害時の協定に基づき、優先的に供給を受けます。その供給数が不足する場合には、23区内の一般廃棄物処理運搬業者や、多摩地区の市町村等への応援要請を東京都を通じて行い、必要台数の確保を図ります。 区保有の小型プレス車は、大型ごみの破砕には十分対応できないため、中型プレス車等の必要車種を、清掃協議会を通じて雇上会社に配車要請します。また、必要となるダンプ型車両は民間事業者の協力を求めます。 次に、収集や排出方法の周知については、災害時に広報車を積極的に活用するほか、必要に応じて町会・自治会単位、又は個人宛てに情報提供や戸別訪問を行います。ごみの分別についても、広報車のほか、区ホームページや広報紙、避難所での掲示等により、周知、情報提供を図ります。 次に、災害時におけるボランティアセンターとの連携については、墨田区職員災害対策マニュアルに基づき、区内の被害状況、区民の需要、区災対各部の活動状況等を考慮した上、区の災対総務部が、社会福祉協議会への災害ボランティアセンター開設要請と連絡調整をします。 次に、ふれあい収集事業利用者の安否確認は、収集の際に行います。また、特に訓練という形態はとりませんが、災害時でも円滑に業務遂行できるよう、担当職員の指導・教育を今後も継続して行っていきます。 次に、清掃職員の体制構築については、災害時には日常的な生活ごみや避難所ごみの収集運搬のほか、瓦れき処理等も並行して行いますので、これらの任務の遂行に必要となる人員及び機材は確保していきます。 災害廃棄物処理計画の策定については、23区で策定した「災害廃棄物処理対策ガイドライン」に沿った災害時の対応の実効性に幾つかの課題があるため、現在これを検討しており、終了次第、都の計画も踏まえ、速やかに本区の災害廃棄物処理計画を策定していきます。 最後に、災害時の清掃工場の稼働についてです。 まず、プラントが停止した際のシミュレーションについては、東京二十三区清掃一部事務組合が、「特別区災害廃棄物処理対策ガイドライン」に沿って、焼却炉等の稼働停止をはじめとした災害時のさまざまな状況を想定しながら、安全かつ安定的な操業を継続できるよう備えています。 また、墨田清掃工場では、委託職員も含めた特別非常配備体制をしいた災害対策訓練を年1回実施しています。 以上で、民進党、堀議員の私へのご質問に対する答弁を終わります。 〔教育長 加藤裕之君登壇〕
◎教育長(加藤裕之君) 民進党、堀議員のご質問に順次お答えします。 まず、
オリンピック・パラリンピック学習ノートについては、日本選手団壮行会やフェスティバルなどのイベント時に参加した際の記録や、オリンピアン・パラリンピアンによる講演会の事前事後の学習の記録として活用しています。また、学校にアスリートを招いた際にサインをしてもらったということもあります。 こうした学習ノートの活用を通して、新聞や報道に取り上げられたスポーツやアスリートへの興味・関心が高まるとともに、自分が知らなかったスポーツ、アスリートの生き方や考え方について調べ、理解を深めるなどの効果が見られます。 今後も、東京2020
オリンピック・パラリンピックに向けて、学習したことや体験・経験したことを書きつづることで、一層
オリンピック・パラリンピックへの機運を高めていくとともに、自分なりのノート作りが生涯の思い出になることや将来の自分の生き方の糧となることを期待しております。 次に、東京ユースボランティア・バンクについてです。 東京ユースボランティア・バンクは、各学校における社会奉仕の精神や思いやりの心を養う取組を充実・拡大させていく機会と捉えております。 東京都から重点校として指定されている本区の
オリンピック・パラリンピック教育アワード校3校が、まず登録をし、その実践等を参考に、他の学校が積極的に登録していくことができるようにしていきます。 最後に、公認プログラム「アイムポッシブル」についてです。 本教材は、授業を行う際の必要な情報や使用する教材がセットとなっているため、例えばDVDの映像を見て、パラリンピックスポーツの魅力について話し合ったり、シートを使ってクイズ形式でパラリンピックの理解を深めたりするなど、パラリンピック教育の実践に活用しやすいものとなっております。小梅小学校での取組が他の学校のモデルとなるよう、
オリンピック・パラリンピック担当者連絡会で各校に伝達することで活用を広げていきます。 この事業を通じて、多様性を尊重し、障害者を理解するバリアフリーの心を子どもたちへ育むことを期待しております。 以上で、民進党、堀議員のご質問に対する答弁を終わります。
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○副議長(高橋正利君) 議事の都合により、暫時休憩いたします。 午後2時30分休憩
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○議長(沖山仁君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 一般質問を続けます。 9番・大瀬康介君 〔9番 大瀬康介君登壇〕
◆9番(大瀬康介君) 墨田オンブズマン、大瀬康介でございます。 これより一般質問を行います。 初めに、横網町公園内の関東大震災朝鮮人犠牲者追悼碑の記載内容についてご質問いたします。 8月24日の新聞報道により、小池百合子東京都知事が9月1日に行われる横網町公園内の関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式典に式辞などは送らないことが判明し、その後、8月30日には墨田区長も同様の方針をとられたことを高く評価いたします。 その理由を申し上げます。 都立横網町公園内にある関東大震災朝鮮人犠牲者追悼碑には、「あやまった策動と流言蜚語のため六千余名にのぼる朝鮮人が尊い生命を奪われました」と書かれています。この碑文にはさまざまな問題があり、その一つは、「あやまった策動」とは何かについて、何ら具体的な内容や根拠が示されていない点です。このような漠然とした表現は、時間の経過とともに、意図的に解釈が変えられるようにつくられていると疑わざるを得ません。また、「流言蜚語のため」と書かれていますが、保存されている当時の警視庁が記録した「災害時下殺傷事犯一覧」という資料には、災害時下に起きた殺傷事件で逮捕されたり、被害に遭われた方の記録があり、その中には朝鮮人の暴動が起きて、放火、略奪、婦女子を暴行し逮捕されたことが記載されています。こうした事件がいつの間にか「流言蜚語のため」という書き方にすり替えられ、さも善良な人たちが殺されたかのような書き方に置き換わっているのはなぜでしょうか。 最大の疑問点が「六千余名にのぼる朝鮮人が尊い命を奪われ」という部分で、これは何を根拠にこのような数になったのか調査してみますと、当時の上海にあった朝鮮臨時政府が発行した新聞にこのような記載があったらしいのですが、当時の臨時政府の役人が現地へやってきたのは、災害後、数カ月も経ったのちのことです。このため、正確な数をどうやって数えたのか、その根拠がいまだに何も示されていません。また、当時物資もない、輸送もできない状態で、六千余名を殺害することができたのでしょうか。 彼らの話では、軍隊や警察が機関銃で撃ち殺したなどという話がございますが、当時、機関銃はあまり普及しておらず、大型で輸送も大変だったようです。しかも、都市部での銃撃となりますと、焼け野原で銃声を遮るような建物もない状態で、しかも、平坦な地域の当区では、機関銃の銃声が響きわたり、それを聞いた人たちは現場に駆けつけたり、死体の処理に携わった方がいても不思議ではありませんし、何が起こったのか目撃した方が子孫に伝えているはずです。江戸っ子の多い当区では、このような伝承を聞かれた方が一体何人いらっしゃるのでしょうか。 さらに疑問なのは、六千余名も殺害されたなら、ご遺骨が発見されても不思議ではありませんが、そのような大量の遺骨が今日に至っても発見されていないのはなぜでしょうか。仮に、ご遺骨が出てきたならば、DNA検査を行えば、日本人であるかそうでないか、現在の技術から正確に鑑定できるはずです。 また、当時の司法省刑事局が作成した「震災後に於ける刑事事犯及之に関連する事項調査書」には、現在の墨田区内、柳島元町洋品店、同165番地洋食店及び同169では、朝鮮人十数名による強盗窃盗事件があったことが書かれています。つまり、こうした人たちが災害の混乱の中で犯罪を行っていたことは確かであると言わざるを得ません。 こうした貴重な部分が隠され、関東大震災朝鮮人犠牲者追悼実行委員会、日朝協会東京都連合会が作成したチラシの宣伝文句には、「全く罪のない朝鮮人が6,000人以上、中国人が700人以上も当時の天皇の軍隊、警察や自警団によって殺害された」と書かれています。 このことは、当時の資料を見れば大うそであることは分かるはずですが、うそでも派手に宣伝されたり、年月が経つに従って当時を知る人がいなくなりますと、うそが真実だと誤認されるおそれがあります。我々日本人がいわれなき罪を負わされることは、罪もない将来を担う子どもたちをおとしめる行為です。 本当は仲よくなれるはずの人類が、なぜ民族対立を生み出す民族紛争の種になりかねないこのような謀略的宣伝がなされるのかということについて、その背景を見極める必要がございます。つまり、あえて民族対立を起こさせようとする人たちの間接侵略という観点から、その謀略を見抜く必要があるのです。 世界情勢を見ますとお分かりになると思いますが、最近の中東情勢を思い出してください。アラブの春で独裁政権が次々に民衆の力で崩壊し、アラブ諸国が一つに結束するのかと思えば、これを阻止しようとする勢力が民族対立や宗教対立をあえて起こさせるために、ISILを利用して各国を分断させ、弱体化させてしまいました。これと同様に、この矛先が現在のアジアに向けられていることに気づくべきです。例えば、朝鮮半島で、同じ民族なのに、北と南で対立しているのは、統一されては困る人たちが互いに敵対するように仕組んでいるからではないでしょうか。 横網町公園内の関東大震災朝鮮人犠牲者追悼碑も災害から94年も経ち、当時を知る人がおらず、検証が難しい時代に、なぜこのように日本人を悪者にし、対立軸をつくり出すような宣伝工作が行われるのかについて冷静に分析する必要があります。 例えば、慰安婦問題を思い出してください。そもそも慰安婦問題は、朝日新聞が公式に謝罪しているとおり、朝日新聞の捏造記事が発端でこのうそが拡散され、ソウルの日本大使館前には、ウィーン条約に違反して慰安婦像が設置されました。平成27年12月18日には、慰安婦問題日韓合意がなされ、日本政府から我々の税金10億円も拠出したにもかかわらず、日本大使館前の慰安婦像はいまだに撤去されず、さらに釜山の日本領事館前に新たに像が建てられています。 こうした経緯を考えると、横網町公園内の関東大震災朝鮮人犠牲者追悼碑を放置していますと、いつの間にか多額の賠償請求をされたり、日本や墨田区を攻撃する材料に使われかねないことは、誰の目からも予想できるのではないでしょうか。最も重要なことは、何も罪のない現在の私たちや将来を担う人たちが、謀略によりおとしめられたり、民族紛争に巻き込まれることがないように、禍の芽は小さいうちに摘むべきです。 そこで質問いたします。 墨田区は、将来に禍根を残し、我々の子孫がおとしめられ、民族対立に巻き込まれる前に碑の撤去を東京都に申し入れることが賢明と考えますが、区長の方針をお伺いいたします。 錦糸町駅周辺の客引き行為防止について。 第2回定例会では、錦糸町駅周辺の客引きについてご質問いたしましたが、区長は客引きの人数は激減したと答弁され、警察OBの増員は必要ないとのご答弁でした。そこで、条例の効果が出て、区長のおっしゃるとおり客引きは激減しているのかを確認するために、8月上旬深夜12時ごろに、錦糸町の繁華街を調査に行きました。しかし、路上にはあふれんばかりの客引き、客待ちの人がいました。さらに、8月中旬の午後10時半ごろから11時まで調査し、客引きと見た目ですぐに分かるインカムと呼ばれる無線機とハンドフリーマイクを付けている者、店の宣伝が書かれたパネルを持っている者、ホステスと分かる服装で路上に立って往来の人に声をかけている者の数を調べてみますと、合計で160名の客引き、客待ちの人たちの数を確認いたしました。驚いたことに、条例施行後、姿を消していた外国人が再び激増し、条例施行前と変わらない光景になっていることが確認されました。こうした状況から、区長の答弁は実情を先読みできなかったと言わざるを得ません。 このことから、2014年12月1日に施行された「墨田区客引き行為等の防止に関する条例」は、ほとんど効果がない状態で放置されており、条例そのものの実効性が問われると予想されますが、区長は、そうさせないために何が必要と考えていらっしゃるのでしょうか。 また、こうした事情に詳しい方のお話では、新宿や六本木での警察や自治体の取組や犯罪組織の縄張り争いなどで追い出された客引きが錦糸町に来ており、都内でもかなりたちが悪いと言われているそうです。これだけではなく、路上に張り出した風俗店や居酒屋の看板も取り締まりを強化すべきだと思いますが、区長のこうした問題への取組はどのようにされるのかお伺いいたします。 また、国際観光都市という観点や2020東京
オリンピック・パラリンピックで、多くの観光客が当区に来場されると思いますが、しつこい客引きや料金トラブルが発生し、墨田区や錦糸町のイメージを悪化させないためには、違法行為に対して、毅然として指導や取り締まりを強化すべきだと思われます。 そこで区長にお伺いいたしますが、国際観光都市という観点から、錦糸町の本来のあり方についてどのような状態を理想とされているのか、具体的にお答えください。 2020東京
オリンピック・パラリンピックでは、全国、世界中から観光客が来場されると思いますが、当区によいイメージを持っていただくためには何が必要なのか、お伺いいたします。 続きまして、認可保育所の設置に関する近隣住民とのトラブルについてご質問いたします。 待機児童問題の影響で、墨田区は認可保育所の設置が急がれていることは、墨田区が待機児童問題に積極的に取り組んでいる点では評価しています。しかし、近隣住民側の立場からすれば、急激に増え続ける認可保育所に対する不安は、住環境だけではありません。それは狭い土地に建てられる上に、収容人数を増やすためには容積率ぎりぎりに建てられることが多く、建物を高層化する傾向があります。さらに、少ない保育士や職員で運営せざるを得ないために、各階の人員が適正に配置できるのかという問題です。 近隣の住民から、不安の声として、園庭も駐輪場も十分に確保できない状態で、万一災害が発生した場合、児童の避難誘導体制、一時避難場所の確保ができているのか、避難訓練が適切に行われているのかという心配の声がございます。 実際に、法律で定める保育士の数から、1階部分はゼロ歳児から1歳児が多いために多くの保育士がいますが、2階は3歳児で、ぎりぎりで避難誘導に必要な人員を確保できますが、4歳から上の児童がいる3階から上の階には、保育士が各階に1人程度しか配置できないことがうかがわれます。 しかし、このような建物の場合、最低でも避難路は2カ所以上確保する必要がございます。このため、たった1人の保育士や職員で、両方の避難路に誘導することは、現実の問題として不可能です。 そこで、区長にお伺いいたしますが、こうした状態の認可保育所は、区内にどれぐらいあるのかお答えください。 また、事業者に対しても、トラブル防止策を講じる必要性があると思います。例えば、設置に関する説明会では、事業者が近隣住民に対して、横柄な態度で接したり、一方的な都合を押し付けてしまうケースが見られます。 区長は、区として今後事業者に対して、近隣住民とのトラブル防止のための対策をどのようにされるのかお答えください。 最後に、公園を認可保育所の園児の遊び場として使われているケースが多く、公園を独占してしまうために、一般の公園利用者が利用できないという声が絶えません。特に、保育所を利用せずに、自力で家庭で育てられている子どもたちが遊具で遊んでいると、そこに保育所の園児がどっと遊具に押しかけ、それまで遊んでいた子どもたちが追い出されてしまうために、お母様方からこのような状態を何とかしてほしいと言われます。 そこで区長にお伺いいたしますが、公共施設である公園が、一部の事業者の園庭代わりに使われ、家庭で子育てを行い、保育所に通わせていない幼児の遊び場を独占してしまうことについて、区ではどのように対処し、指導していくのか。幼児の場合、ライフスタイルが一緒ですから、時間をずらすのは困難であるという現実を踏まえた上で、ご答弁ください。 続きまして、シルバー人材センターからの派遣について。 先日、ある企業の経営者から、急に仕事が増えて射出成型機のオペレーターが欲しいという相談がございました。「場合によっては、定年退職後の人で仕事ができる人なら正規社員として採用したい」とのことでした。そこで、シルバー人材センターを紹介しますと、再び経営者から連絡があり、「墨田区の会社でも工場が区外にある場合は派遣できないと言われた」とのことで、大変不快な思いをされたようです。 墨田区は産業構造の変化で工場は減り、区内に本社機能はあっても製造は区外という小規模企業が多いことは言うまでもありません。その経営者のお考えでは、区内には過去に職人として働いた方がかなりいらっしゃるはずなので、そうした人材を活用したいという思いがございましたが、そうした思いを打ち壊すようなシルバー人材センターからの回答に愕然とされ、「しょせん天下りの外郭団体で、墨田区の産業の発展や仕事を求める区民のほうを向いていないな」というご指摘を受けました。 現実の問題として、定年退職後に仕事をしたいとシルバー人材センターに登録しても、仕事をもらえない方が大部分で、それも継続して勤められる仕事はほとんどないと言われています。 そこで、この点に関して区長にご質問いたしますが、シルバー人材センターの登録者数と登録した人が仕事をもらえる割合、継続して働ける仕事の割合を教えてください。 また、区内だけの仕事ではとても限られてしまいますし、かつてはものづくりのまちと言われた墨田区も工場がなくなり、専門技術を持つ職人さんが技術や能力を生かせないことは大きな損失であると思いますが、区内に本社があって、区外の職場まで電車やバスで通勤できる場合でも仕事を受けないのはなぜでしょうか。さらにその結果、定年退職後の再就職先となる可能性がある場合でも断るのはなぜか。区としても、国としても、勤労者が勤勉に働き、国民総生産に寄与することが大切だと思います。この観点から、シルバー人材センターに仕事の依頼が来たときの対応として、どこに問題があると認識されているかについて、ご所見をお伺いいたします。 最後に、旧町名の活用について。 先日、区民の皆様から、墨田区は江戸時代から引き継がれたすばらしい地名があるが、戦後、連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)の占領政策により、地名までもが変わってしまったというお話がございました。当用漢字については、1946年(昭和21年)11月5日に漢字表を公表後、わずか11日後の16日に内閣告示という極めて性急なもので、その後、漢字については町名変更等のさまざまな問題が発生していることは言うまでもありません。 最近注目されているのは、旧地名が災害対策の目安になる点で、旧地名を知ることで、昔はどのような地形であったかが分かり、水害や震災等の危険性を住民に周知させるために必要ではと言われていることです。 私も宅建士という資格を持つ関係で、地歴と呼ばれるもの、その土地の歴史を知る際に、旧町名から住宅に適した場所なのか、地盤が頑丈な場所なのかを旧町名から地歴を推測できることは学んでおります。 区としても、旧町名から地域の特性を把握することや、歴史を再認識し、歴史遺産を残す工夫が必要です。例えば、墨田区には立川という地域がございますが、昔は堅川中学校に使われている漢字、「堅川」が使われていました。ほかに横川という地名もありますが、なぜ堅川と横川と言われるのか。ここに住む私たちにとって逆ではないかと思われます。こうした名前が付けられた背景には、江戸時代は江戸城が中心であり、江戸城から見て縦に走る運河を堅川と名付け、江戸城から見て横に走る運河を横川と名付けられたそうです。 そこで、今では時代も変わり、当用漢字も改正されてまいりましたので、旧町名に戻したり、旧町名を生かすことでまちおこしや災害対策に活用すべきだと思いますが、区長のご意見をお伺いいたします。 以上で私からの質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。 〔区長 山本亨君登壇〕
◎区長(山本亨君) ただいまの墨田オンブズマン、大瀬議員のご質問に順次お答えします。 最初のご質問は、横網町公園内の関東大震災朝鮮人犠牲者追悼碑についてです。 関東大震災時の混乱の中で、殺傷及び殺人事件があったことは認識していますが、その背景や犠牲者数などについて諸説がある中、個別の団体等の主張もさまざまであると認識しています。 そうした中で、公平・公正の観点から、横網町公園内の関東大震災朝鮮人犠牲者追悼碑の撤去を東京都に申し入れることは考えていません。 2点目のご質問は、客引き行為等の防止に関する条例の実効性が問われるようになることが予想されるが、そうさせないためには何が必要と考えるかについてです。 第2回定例会においてもお答えしたように、条例改正後、本年4月から、警察官OBの対策員を2名増員し体制の強化を図りましたが、地域の方々からはJR錦糸町駅南口広場の客引きやスカウトが激減したと評価をいただいており、一定の効果が現れているものと認識しています。また、深夜帯の対策については、装備や強制手段・権限を有する警察主導とならざるを得ないことは、改めてご理解をお願いします。 条例の実効性を確保するためには、区、警察、地域等が協力し、効果的な対策について知恵を出し合いながら、まち全体で粘り強く諸対策を講じていくことが不可欠であると考えています。 区としても、7月からは防犯パトロールカーを巡回し、車載スピーカーで客引きに対し牽制を行うなど、新たな対策を開始しています。また、外国人客引きの多いダービー通り周辺の対策として、すみだリサイクルセンターを防犯拠点として活用することについて、現在、地域の方や関係機関等と協議を進めており、引き続き、多様な対策を検討し、実行に移していきます。 3点目のご質問は、悪質な客引きや道路に張り出した看板に対して、どのように取り組むのかについてです。 客引きは都内の繁華街を行き来しているとも聞いていますが、警察の協力を十分に得ながら、悪質な客引き対策を粘り強く進めていきます。また、看板の取り締まりについては、適宜指導を行っていますが、特に平成27年度からは警察の協力のもと、道路上に不法占用している置き看板等の広告物に対して、駅周辺を中心に面的な監察業務を実施しています。今後は、看板所有者への指導を行い、撤去の強化に取り組んでいきます。 4点目のご質問は、国際観光都市の観点から、錦糸町の本来のあり方について、どのような状態を理想としているのかについてです。 「墨田区観光振興プラン」では、錦糸町エリアは、「音楽、ショッピングモール、エスニックフードなど、多彩な文化に出会えるターミナルのまち」と位置付けています。観光客の方々が安心して訪れ、音楽や買い物、食事などを楽しみ、気持ちよく宿泊していただけるよう、客引きはもとより、放置自転車やごみなどのない「安全できれいなまち錦糸町」を目指します。 5点目のご質問は、全国、世界中からの観光客によいイメージを持ってもらうために何が必要かについてです。 私は町の安全・安心を基本にすみだならではの歴史や文化、景観等が織りなすまちの魅力をさらに高め、広く国内外のお客様にすみだの魅力を積極的に情報発信していくシティプロモーション戦略が必要であると考えています。 6点目のご質問は、議員ご指摘の状態の認可保育所が区内にどれくらいあるかについてです。 認可保育所は児童福祉法第45条の規定に基づき、東京都が定める基準を上回る設備及び運営をしなければならないとされています。また、都の基準では、非常災害に対する具体的な計画を策定し、避難訓練及び消火訓練は少なくとも毎月1回実施することも義務付けられており、各園ともこうした基準に沿って運営をしています。 7点目のご質問は、区としての認可保育所の設置に伴う近隣住民とのトラブルへの対策についてです。 認可保育所の整備に当たっては、保育事業者に対して、近隣に迷惑を掛けないための十分な対策と説明を指導していますが、ご指摘のように、近隣住民から保育事業者の対応についてのご意見をいただいている事例もあります。このような状況は、開設後の保育の円滑な実施にも影響を及ぼしかねないため、引き続き区内で保育所整備を行う保育事業者に対して、近隣の理解を得るための対応を強く指導していきます。 8点目のご質問は、保育所の園児の遊び場としての公園の利用についてです。 公園が一部の事業者の園庭代わりに使われ、保育所に通わせていない幼児の遊び場である公園を独占してしまうとのご指摘ですが、保育主管部門や公園主管部門において、そのような苦情等が多数寄せられているという情報はありません。これは区内の各保育所において、公園を遊び場として利用する際には、時間にも配慮したり、既に利用者がいるスペースは避けて利用するなど、自主的に他の公園利用者へ配慮しているからであると聞いています。 このような状況から、区において、改めて保育園児の公園利用に対するルールづくりや指導を行う予定はありませんが、各保育所との連絡会等において、情報提供を行っていきます。 9点目のご質問は、墨田区シルバー人材センターの登録者数等についてです。 墨田区シルバー人材センターの登録者数は、平成29年3月31日現在、1,798人で、仕事に就業された方の割合は、全登録者の73.5%、同センターが受注している仕事のうち、継続就業の従事者の割合は68.6%となっています。 10点目と11点目のご質問は、区内に本社があっても区外の職場の仕事を受けないこと、さらには、その結果、定年後の再就職先となる可能性も断念するのはなぜかについてです。 勤務地が区外にある場合の就業依頼については、全国のシルバー人材センターの共通の取扱いとして、その地域に人材センターがある場合は、そのセンターが受注することが原則であり、例外として、そのセンターの了解が得られれば受注することができることになっています。 区のセンターに問い合わせたところ、お話のあったケースは、工場のある地域にその自治体のシルバー人材センターがあるため、この原則に従い、本区のシルバー人材センターが受注することが適当でないと判断されたものとの回答がありました。このことから、全国のシルバー人材センターの共通取扱いによる判断であったと認識しています。したがって、こうしたケースにおいては、定年後の再就職先となる可能性を断念することも、全国のシルバー人材センターの制度上、やむを得ないと考えます。 最後のご質問は、旧町名の活用についてです。 墨田区における住居表示制度は、昭和37年に公布・施行された「住居表示に関する法律」に基づき、昭和39年に制定した「墨田区住居表示に関する条例」の規定により、昭和39年7月から昭和42年7月にかけて実施したものです。実施に当たっては、区議会に「住居表示制度実施に関する調査特別委員会」を設置し、調査・審議を行いました。新しいまちの名称については、簡潔で、歴史上由緒があり、親しみ深く、語調のよいもの等を選択するなどの配慮をし、可能な限り、当時の当用漢字を用い、簡明なものとした経緯があります。 旧町名を知ることは、地域の歴史を再認識する意義があり、また、旧町名等を説明する高札の設置などにより、観光や健康づくり等に活用しています。 本区の住居表示制度は、実施から50年以上が経過しており、災害対策に活用すべきとのご意見もありますが、区民の日常生活に深く浸透していることから、旧町名に戻すことは困難であると考えます。 以上で、墨田オンブズマン、大瀬議員のご質問に対する答弁を終わります。
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○議長(沖山仁君) 7番・渋田ちしゅう君 〔7番 渋田ちしゅう君登壇〕
◆7番(渋田ちしゅう君) 議席番号7番、民進党墨田の会、渋田ちしゅうでございます。発言通告に従いまして、平成29年第3回定例会一般質問を行います。 1点目は、特別区・東京23区の今後のあり方について質問します。 今年6月16日の朝日新聞に次のような記事がありました。「23区、一人前ではない」という記事です。都に財布を握られていることや、仕事の役割分担をめぐり、区には「一人前ではない」との反発が根強い。区側は2007年、区が「東京◯◯市」にそれぞれ移行し、都からの自立性を高める構想を打ち出しているとあります。平成20年2月に、特別区制度調査会報告として発行されました「制度改革後の特別区のあり方」によれば、「平成12年改革」は、東京大都市地域を一つの市と捉えて、「都の区」を特別区とする都区制度に内在する「大東京市の残像」とうたっています。東京大都市地域の人口増加は、全国他の地域との相互依存の関係による。他府県からの編入や流入人口を前提として成り立ってきた。900万人の東京23区地域が、名実ともに住民に最も身近な政府として自らを確立していくには、「大東京市の残像」のイメージが残る「都の区」の制度から離脱することが必要としています。東京23区地域における広域自治体と基礎自治体の役割を明確に区分し、都が法的に留保している市の事務と、現在、都が課している市の税を特別区(東京◯◯市)が引き継いで、都区間で行っている財政調整の制度を廃止する必要があるとしています。都に留保されている事務として、消防は東京23区地域を「一つの市」とみなして管理を都知事とし、上下水道は東京23区地域を「一つの市」とみなして都が行うとしています。 この報告書では、「都の区」の制度廃止後の東京大都市地域、具体的には23区地域の基礎自治体は、「東京◯◯市」として実現する。「東京◯◯市」は、東京都から分離・独立した存在として、地域における行政を自主的かつ総合的に担うとします。長い間特別区が「都の区」とされてきたことから脱却していくためにも、政令指定都市の行政区や基礎自治体の内部団体である地域自治区などと区別するためにも、「区」という名称から決別するべきと書かれています。 「東京◯◯市」は、「対等・協力」の関係を前提にしています。特別区間には、行政需要や財源の極端な偏在があり、これらを乗り越える関係の構築が必要になります。そのため、法的根拠を有する「基礎自治体連合」として設計する。「基礎自治体連合」は、住民投票により承認された憲章のもとに、地域の実情に合わせた多様な自治の選択を可能とする新たな制度です。財政制度は「共有税方式」として、「基礎自治体連合」が共同徴収し、「東京◯◯市」の共有税とします。首都については、この報告書では、首都を定めた法令がないが、東京が日本の首都と呼ばれている。歴史的に考えれば、天皇陛下、昔は「みかど」がおられるところというのが一般的な考えで、江戸時代は首都は徳川幕府が置かれた「江戸」ではなく、「みかど」がおられた京都です。「京に上る」、「江戸に下る」という考えです。首都の役割を広域自治体としての都が当然のように行っている。「都の区」の制度が廃止されれば、首都の役割は「東京◯◯市」の連合、又は、いずれかの「東京◯◯市」が担うこともできるとしています。 この報告書では、関東6県と多摩地域から東京23区への通勤・通学の流入人口は約328万人です。東京23区が事実上の首都ではないか。民間事業者や大学など、東京23区に集まるのは自然な流れではないか。 私は、この考え方は全国にも通用し、すばらしい考えではないかと考えます。東京都内で考えれば、警察、消防、上下水道や道路、鉄道、バス等のインフラ整備については、東京23区地域と多摩地域として、それぞれ整備したほうが現実的と考えます。 この報告書は前の区長の時代に報告されています。改めて、山本区長には「都の区」の制度廃止と、「基礎自治体連合の構想」、山本区長が考える今後の23区のあり方について、今後の都と区の関係についてのご所見を伺います。 また、この報告書は、現在、特別区区長会においてどのような位置付けになっているのかについてもお答えください。 2点目は、東京2020
オリンピック・パラリンピックに向けた準備について質問します。 最近、数回にわたって、都が2020年の東京
オリンピック・パラリンピックに向け、隅田川にかかる橋のライトアップ及びLED化の記事がありました。このことは大変よいことではありますが、区の担当部局との事前の情報共有に若干疑問を感じる場面が感じられました。 早速、担当準備室が、この件に限らず情報収集に動いていることは、大変よいことです。都が行う施策であっても、情報について、地元の区民が問い合わせをしてきて対応に当たるのは、地元の区役所の担当課です。3年後の今ごろは既に閉会しています。 今後の東京2020
オリンピック・パラリンピックの都との情報共有及び連絡体制はどのようになっているのかお答えください。 次に、区役所内の連携体制について質問します。 各部局及び関連団体において、それぞれいろいろな形で東京2020
オリンピック・パラリンピックに関する事業が行われていきます。それらの事業の情報共有及び連携体制はどうなっているのか、区長はどのような指示を出しておられるのかお答えください。 そこで、私から提案があります。 準備室の人員にも限界がありますので、各部局に東京2020
オリンピック・パラリンピック担当者を決めていただいて、準備室との連絡職員とし、東京2020
オリンピック・パラリンピック関連事業は準備室にて一括して情報を集結してはどうか、区長のご所見を伺います。 また、関連事業の来年度の予算編成体制と執行体制及び執行管理についての区長の考えをお示しください。 また、聖火リレーのコースについての現状もお示しください。 次に、区内在住の有望選手への支援について質問します。 この質問は過去にも質問しました。前に質問しました女子新体操の選手が、また今年も世界大会団体競技で銅メダルに輝きました。都との有望選手の連絡体制はどのようになっているのか。今後、有望選手への支援体制について、都との連携が必要と考えますが、現状はどのようになっていますか。今後の予定についてもお答えください。ただし、本人に必要以上にプレッシャーをかけてはなりません。 次に、まちの整備について何点かお尋ねします。 まず、2020年に向けて、幹線道路の公衆トイレの洋式及びバリアフリー化について、今後の計画はどのようになっていますか。 地元の公園のトイレが2カ月ほどで工事が終わりまして、きれいに建て替えられました。3カ年間は、予算規模を拡大してでも整備を進めるべきと考えます。 本所吾妻橋駅交差点付近では、相変わらずトイレを探している通行客が見られます。近くのトイレは、業平橋詰めと源森橋の先、区立隅田公園のトイレがありますが、交差点にこの2カ所のトイレの案内板の設置も含めて、区長のご所見を伺います。 次に、区内案内板の整備計画はどのようになっていますか、お答えください。 英語、中国語、韓国語の3カ国語への統一化についての状況についてもお答えください。 続いて、地下鉄駅のホームドアについて質問します。 この問題は、毎年、障害者施策推進協議会で質問していますが、乗降客数の基準等により難しいとの答弁です。 東京2020
オリンピック・パラリンピックに向けて、乗降者数とは別に、観光客対応の観点で、都と鉄道事業者との三者での協議が改めてできないか。駅に人件費をかけて、日中、人がまばらな駅に臨時駅員がぽつんと立っています。区長のご所見を伺います。 最後に、まちの美化について質問します。 今年6月に発表された「墨田区一般廃棄物処理基本計画中間見直し」では、区内に在住する外国人の啓発活動として、英語、中国語、韓国語版の冊子の作成とあります。今の状況と東京2020大会までにある程度対応する必要がありますので、予算措置も含めてお答えください。 次に、区外からの来街者や生活習慣が異なる外国人世帯や観光客も増えます。区内を気持ちよく回遊してもらうに当たり、現状は人数や集積車の事情もありますが、真夏の午後にまだ集積に来ないごみがあるのは、東京2020大会に向けて対応する必要があります。数年かけて対応を考えるとともに、23区での問題でもあります。23区の状況も含めて、現状の認識と今後について、区長のご所見を伺います。 また、組成分析調査対象地域が偏っているように思われますので、再検討するべきと考えますが、この件についてもお答えください。 以上で質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。 〔区長 山本亨君登壇〕
◎区長(山本亨君) ただいまの民進党墨田の会、渋田議員のご質問に順次お答えします。 最初のご質問は、「都の区」の制度廃止と、「基礎自治体連合」の構想、今後の東京23区のあり方と都と区の関係についてです。 まず、地方自治法第281条第1項に規定する都区制度については、都には区が当然に設置されることを前提としており、明治期から現在に至るまで、歴史的、沿革的にさまざまな経緯を経て現在の形となっています。この制度は、人口が高度に集中する特別区の区域において、行政の一体性・統一性の観点から、都区の事務等の配分や都と区及び特別区相互間の調整などにおいて、特別な関係を維持する固有の制度となっています。 例えば、区行政の自主的かつ計画的な運営を確保するために設けられている都区財政調整制度においては、調整三税を都に留保し、都区間の配分と区相互間の水平調整により、各区の地域特性を生かし、かつ、23区全体としてひとしく適正な行政水準が保たれています。 この制度によって、本区においては、大都市東京の中で充実した行政サービスが提供でき、区民福祉の向上につながっていますので、都区制度の廃止と基礎自治体連合の構想については賛同できないと考えます。 今後の特別区のあり方と都区の関係については、将来の人口減少や超高齢社会、成熟社会を見据えつつ、「都区のあり方検討委員会」で整理された都区の役割分担を明確にし、権限と財源の移譲を求めた上で、住民に最も身近な基礎自治体として区が担うべき役割を果たし、地域経営を行っていく必要があると考えます。 なお、ご指摘の報告書「制度改革後の特別区のあり方」について、特別区長会では制度の研究について、特別区制度研究会を設置し、さまざまな角度から行っているものの、明確な方向性は出されていないと認識しています。 次に、東京2020
オリンピック・パラリンピックに向けた準備についてです。 まず、東京2020大会に向けた東京都との情報共有及び連絡体制についてですが、23区担当部長会や課長会を通じて、大会組織委員会、東京都などから情報提供があるほか、個別の案件については適宜調整を行っています。 次に、庁内の情報共有及び連携体制についてですが、本年5月に「東京2020
オリンピック・パラリンピック推進本部」を設置し、情報共有のみならず、大会に向けた施策を総合的かつ横断的に推進していくこととしています。本部長である私からは、この大会をスポーツや平和の祭典として捉えるだけではなく、これを契機に本区が活性化するような仕組みづくりや取組を推進するよう指示をしています。今後も推進本部を中心に、全庁連携のもと、取組を進めていきます。 次に、各部局等に連絡職員を配置し、情報を一元的に管理してはどうかとのご提案ですが、現在、各課に連絡調整担当職員を配置し、情報の共有化を図っています。 次に、来年度の予算編成体制と執行体制及び執行管理についてです。 大会に向けた取組は、機運醸成やレガシー構築の観点からも重要な課題と認識していますので、そうしたことを踏まえ、予算編成に当たりたいと考えています。また、管理体制等については、庁内推進本部を中心に行っていきます。 次に、聖火リレーの現状ですが、本年8月に大会組織委員会は、IOC(国際
オリンピック委員会)に対して、「
オリンピック聖火リレーコンセプト」を提出したと仄聞しています。ルートの選定などについては、来年4月以降、各都道府県に実行委員会が設置され検討される予定です。 次に、今後の有望選手への支援体制に関する東京都との連携についてです。 区にゆかりのある選手が大会に出場することによって、さらに区民の機運が盛り上がると思いますので、今後も引き続き、選手の発掘や育成事業を行っている東京都、都や区の体育協会などのほか、
教育委員会と連携を図りながら情報を把握し、選手の応援やPRなどに努めていきたいと考えます。 次に、まちの整備についてです。 まず、幹線道路の公衆トイレの洋式化とバリアフリー化についてです。 公衆トイレや公園トイレについては、施設の老朽度に合わせて順次改築を進めており、その際に「だれでもトイレ」を設置し、洋式化とバリアフリー化を図っています。現在のトイレの改築は年3カ所程度行っていますが、東京2020
オリンピック・パラリンピックを控えていることから、両国駅周辺やとうきょうスカイツリー駅周辺を中心に、既存トイレの洋式化を東京都の補助金を活用し整備していきます。 次に、本所吾妻橋駅交差点付近へのトイレ案内板の設置についてです。 現在、本所吾妻橋駅の4カ所の出入り口周辺に公共サインを設置しており、その中でトイレ情報を表示しています。今後は、ホームページ上の公衆トイレマップをPRするなど、来街者の利便性向上に努めていきますので、ご理解をお願いします。 次に、区内案内板の整備計画についてです。 墨田区では、墨田区公共サイン整備マニュアルに基づき、駅から主要な公共施設へつなぐ案内板として公共サインの整備を行っています。また、広域的な案内板としては、東京都がインフォメーションボードを主要な道路上に多数設置しており、区内にも78基設置されています。これらの整備に当たっては、東京都が策定した「案内サイン標準化指針」に合わせ、多言語表記の統一化を図り、外国人観光客の受入れ環境を整えており、引き続き進めていきます。 次に、地下鉄駅のホームドアについてです。 昨年末に国の検討会は、ホームドアに関する中間報告をまとめ、原則として1日に10万人以上が利用する駅を対象に、平成32年度までに設置することを決めました。区内の地下鉄駅は、一部の駅を除き、条件に達せず、又は、達していても設置条件が厳しいため困難という回答でした。東京2020
オリンピック・パラリンピックに向けて、観光客対応の観点での協議については、改めて働きかけをしていきます。 最後に、まちの美化についてです。 まず、外国人向け啓発冊子の作成については、これまで英語、中国語、韓国語版の啓発冊子を全戸配布しており、今後は内容を見直した上で増刷し、啓発を強化します。予算措置については、予算編成過程を通して検討します。 次に、ごみの収集時間についてです。 現状は、清掃事業を限られた財源の中で効率的に行うため、朝から午後までの作業が必要となり、23区においても全区が午後まで収集を行っています。今後は、東京2020
オリンピック・パラリンピックに向けて、観光客に対する美観向上や交通規制への対応を図る必要がありますので、総合的に対応していきます。 平成27年に実施した排出ごみ組成分析調査の対象地域については、職住混在地域や繁華街地域、住居地域等の特性に合わせて、前回調査から5地域増やし、12地域を抽出しており、偏在しているとは考えていません。サンプル調査であることから、区内全地域を対象に調査を行う予定はありませんが、今後も地域特性のバランスを十分配慮して抽出していきます。 以上で、民進党墨田の会、渋田議員のご質問に対する答弁を終わります。
◆7番(渋田ちしゅう君) 議長、7番。
○議長(沖山仁君) 7番・渋田ちしゅう君 〔7番 渋田ちしゅう君登壇〕