平成21年 第1回定例会(2月) 平成21年第1回定例会 墨田区
議会会議録1 期日 平成21年2月20日2 場所 墨田区議会議事堂3 出席議員(31人) 1番 福田はるみ君 18番 加納 進君 2番 あそうあきこ君 19番 千野美智子君 3番 山本 亨君 20番 あべきみこ君 4番 樋口敏郎君 21番 江木義昭君 5番 桜井浩之君 22番 高柳東彦君 6番 とも宣子君 23番 木内 清君 7番 高橋正利君 24番 坂下 修君 8番 甚野博義君 25番 中沢 進君 10番 青木いさむ君 26番 中村光雄君 11番 田中 哲君 27番 西原文隆君 12番 はらつとむ君 28番 瀧澤良仁君 13番 林 恒雄君 29番 広田充男君 14番 沖山 仁君 30番 片倉 洋君 15番 田中邦友君 31番 鈴木順子君 16番 出羽邦夫君 32番 西 恭三郎君 17番 大越勝広君4 欠席議員 なし5 欠員(1人) 9番6
出席理事者 区長 山崎 昇君
産業観光部長 藤田 彰君 副区長 田中 進君
福祉保健部長 横山信雄君 教育長 久保孝之君
都市計画部長 渡会順久君
企画経営室長 織田雄二郎君
都市整備部長 渡邊正雄君 総務部長 岡田 貢君 総務部参事 鶴間純治君 区民部長 中武繁明君
危機管理担当部長 森 隆夫君
区民活動推進部長 小川幸男君
環境担当部長 今牧 茂君 新
タワー調整担当部長 河上俊郎君
会計管理者 林 恵子君
子育て支援担当部長 細川保夫君
教育委員会事務局次長 坂本康治君
保健衛生担当部長 西田みちよ君
選挙管理委員会事務局長 岸本佳巳君
都市整備部参事 小山季廣君
監査委員事務局長 永廣 修君7
出席事務局職員 事務局長 深野紀幸君
議事調査主査 東條 清君
事務局次長 有田武雄君
議事調査主査 柳田敏也君
議事調査主査 渡邊久尚君 平成21年第1回墨田区
議会定例会議事日程 第2号 平成21年2月20日午後1時 開議第1 議案第1号 平成20年度墨田区
一般会計補正予算第2 議案第11号 墨田区手数料条例の一部を改正する条例第3 議案第12号 墨田区
職員定数条例の一部を改正する条例第4 議案第13号 職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例第5 議案第14号 職員の育児休業等に関する条例の一部を改正する条例第6 議案第15号 職員の給与に関する条例の一部を改正する条例第7 議案第16号 職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例第8 議案第17号
幼稚園教育職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例第9 議案第18号
幼稚園教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例第10 議案第19号 墨田区
まちづくり条例の一部を改正する条例第11 議案第20号 墨田区景観条例第12 議案第21号 墨田区
シルバーピア条例の一部を改正する条例第13 議案第22号 すみだ
ボランティアセンター条例の一部を改正する条例第14 議案第23号 墨田区
女性福祉資金貸付条例の一部を改正する条例第15 議案第24号 墨田区
介護従事者処遇改善臨時特例基金条例第16 議案第25号 墨田区
ひとり親家庭等の医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例第17 議案第26号 墨田区子どもの医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例第18 議案第27号 墨田区保育所条例及び墨田区特別保育の実施に関する条例の一部を改正する条例第19 議案第30号 墨田区
国民健康保険条例の一部を改正する条例第20 議案第31号 墨田区
介護保険条例の一部を改正する条例第21 議案第2号 平成20年度墨田区
一般会計補正予算第22 議案第3号 平成20年度墨田区
国民健康保険特別会計補正予算第23 議案第4号 平成20年度墨田区
介護保険特別会計補正予算第24 議案第5号 平成20年度墨田区
後期高齢者医療特別会計補正予算第25 議案第29号 平成20年度墨田区
一般会計補正予算第26 議案第6号 平成21年度墨田区
一般会計予算第27 議案第7号 平成21年度墨田区
国民健康保険特別会計予算第28 議案第8号 平成21年度墨田区
老人保健医療特別会計予算第29 議案第9号 平成21年度墨田区
介護保険特別会計予算第30 議案第10号 平成21年度墨田区
後期高齢者医療特別会計予算第31 議案第28号 負担付贈与の受入れについて第32 議案第32号 土地の売払いについて 午後1時2分開議
○議長(西原文隆君) これより本日の会議を開きます。
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○議長(西原文隆君) まず、
会議録署名員を定めます。 本件は、例によって、議長からご指名申し上げます。 14番 沖山 仁君 17番 大越勝広君のご両君にお願いいたします。
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○議長(西原文隆君)
事務局次長をして諸般の報告をさせます。 〔
事務局次長報告〕--------------------------------------- 20墨総総第1202号 平成21年2月17日 墨田区議会議長 西原文隆様 墨田区長 山崎 昇 議案の送付について 平成21年第1回墨田区
議会定例会に提出するため、下記議案を送付します。 〔巻末諸報告の
部参照〕---------------------------------------
○議長(西原文隆君) 諸般の報告を終わります。
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○議長(西原文隆君) これより、一般質問に入ります。 通告がありますので、順次発言を許します。 16番・出羽邦夫君 〔16番 出羽邦夫君登壇〕
◆16番(出羽邦夫君)
区議会自由民主党を代表し、質問通告に沿い、区長、教育長に質問をさせていただきますので、よろしくご答弁のほどをお願いいたします。 まず初めに、平成21年度予算編成についてお伺いいたします。 山崎区長も3期目の
折り返し地点を迎え、順調に
行財政改革も進み、順風満帆かと思われましたが、昨年夏からの原油高騰、サブプライムローン問題を発端に、米国のリーマンブラザーズの破綻と米国発の世界不況が日本にも飛び火し、未曾有の大不況が日本を襲っております。そんな中での予算編成に当たり、大変なご苦労もあったと思われますが、その規模と編成方針についてお尋ねいたします。 東京都3.8%の減、ほぼ前年度同額の区もありますが、10区が前年度比増、8区が前年度比減予算を発表しております。各区の
予算編成方針が分かれた状況となっています。
投資的事業の終了により、減額予算となったところもありますが、各区に共通することとして、このたびの不況に対し、一定程度の財政支出を準備した予算であると思われます。 本区においては、ほぼ前年並みの予算規模としたことについてお尋ねいたします。 この
経済不況下では、本区の特徴として、扶助費等の義務的経費の伸びが予想されます。そして、
緊急経済対策による
商工対策費の伸びや
基本計画事業のうち、
タワー関連事業を優先したことにより、ほかの
投資的事業が相当抑え込まれたのではないかと推測いたします。
予算編成過程において見送るもの、事業手法の見直し等、厳しい選択と収支均衡への苦労があったものと思いますが、予算編成において何を重点にしたのか、
見直し事業は何か、今次予算の特徴についてお尋ねいたします。 次に、予測される
財源不足対策についてお尋ねいたします。 言うまでもなく、本区の主たる財源は区民税と
特別交付金であります。区民税については、時代の変遷を痛感しますが、
納税義務者の増加により、ある程度の安定を見ておりますが、最も影響が懸念されるところは
財政調整交付金の落ち込みであります。23区全体で690億円、本区の当初予算で21億円の減収が見込まれ、さらに、その他交付金を考えると30億円余りの減収が見込まれます。この状況については、21年度のみならず、今後の収入不足への対応についても、どのように対処されていかれるのか、お尋ねいたします。 既存の
区民サービスを継続し、
基本計画事業を円滑に進めていくためには、将来の財政状況や負担を考慮しつつ、基金、起債を活用することはやむを得ない選択であります。21年度については、約40億円の基金の取崩しが想定されているようですが、
財政調整基金、
公共施設基金、それぞれどの程度の額を繰り入れようとしておられるのか、また、どのような事業経費に充当させようとしておられるのか、お尋ねいたします。 そして、基金残高はどのような数値になるのか、今年度の基金積立てが可能であるのか、その規模についてもお伺いいたします。 また、起債についてお尋ねいたします。 21年度は、前年度比7億8,000万円の増額発行を予定しておりますが、どのような事業に充てていかれるのか、また、起債残高及び一般会計の公債費比率の推移見込みを明らかにしていただきたいと思います。 現下の
経済状況下では、財源対策として基金、起債の活用はいたしかたないところでありますが、財政運営の基本にのっとり、基金、起債は特定の目的に充てるものであり、慎重な運用を求めるものであります。 次に、今後の財政予測についてでありますが、区長の所信表明でも触れておられましたが、日銀の経済見通しでは、この不況を脱出するには数年かかると言われております。よって、22年度予算は、本年度予算よりもさらに厳しい状況になるのではないでしょうか。23区で最も少ない基金額や起債の返済で大変な財政運営を経験した本区であり、本年度ペースで基金、起債を活用していけば、近い将来、極めて不安定な状況になるのではないかと危惧いたしております。その間に、経済状況の好転を期待するところではありますが、その可能性は極めて低いものであります。 このような中で、計画事業の見直しを行う必要もあろうかと思いますが、現時点での将来想定についてお尋ねいたします。 次に、新たなる財源確保についてお尋ねいたします。 歳入の確保と行政コストの軽減による従来の
行財政改革の取組は、今後も重要な課題であります。このたび、地元及び関係者に説明が行われている旧
曳舟中学校と旧
西吾嬬小学校や旧立花小学校の跡地については、土地を売却し、大学誘致と
特別養護老人ホーム等への活用を提示してご理解をいただこうとしておられますが、施設の有効性、まちの活性化に対しては一定の理解を得ることはできるでしょうが、土地、すなわち区の財産を売却することに対するアレルギーというか心配があると思われます。 議会としても、区資産の売却については慎重であらねばなりません。このたびの
国際ファッションセンターの底地売却についても、将来の活用性、
国際ファッションセンターとの不適切な関係解消のために、議会として一定の理解をしておりますが、売却収入を今後どのように生かしていくかについては、今
予算特別委員会で十分討議していきたいと思っております。 区民の立場、すなわち旧
曳舟中学校、旧
西吾嬬小学校の近くの区民の方々の立場としても、この
跡地売却収入が区のほかの施策にどのように活用されていくのかを聞きたいのではないかと思われます。区の資産が有効に還元され、生かされていくことが、これからは重要な課題であり、学校跡地以外にも、
まちづくり事業用地として、いまだ具体的活用が決められていない用地についても同様に、また、公会計制度の導入で売却資産をリストアップしていかれるのでしょうが、単に、区の財産を処分してしまうのではなく、次への施策計画や整備に充てていくことを明確にしていくことが必要と考えますが、区長のお考えをお尋ねいたします。 次に、国の景気対策と墨田区の役割についてお伺いいたします。 国においては、総額75兆円の
景気対策法案が提出され、景気対策、不況克服に向けて全力を挙げ、世界の中で最も早くこの不況から脱するのは日本だという意気込みで、今国会での早期成立を目指しておりますが、国の
景気対策実施に当たり、墨田区が担っていかなければならない役割、そして、国の景気対策を使って、どのように墨田区の景気対策に生かしていかれるのか、お尋ねいたします。
定額給付金については、
区民部高橋副参事を中心に準備を進めておられるようですが、いっときも早い給付が功を奏するものであり、
補正予算通過から実施まで、どの程度の期間で区民に給付することができるのか。また、給付に当たっての問題点について、お尋ねいたします。 そして、この
定額給付金が本来目的の消費拡大、経済効果を発揮していくために、区としてどのような方策をとっていかれるのか。また、他自治体やお隣の江東区においては、地域の消費拡大につなげるため、区内の商店街などで使える
プレミアム商品券を発行する方針であるとの発表がありましたが、墨田区内で36億円余りの給付が行われるであろうとの予測のもと、区内消費をどのぐらいに試算し、さらに効果を高める手立てについて、お尋ねいたします。 ほかに、国の経済対策として、学校など公共施設の耐震化・防災対策、1兆円規模の
地域活力基盤創造交付金、地方交付税を1兆円増額、6,000億円規模の地域活性化・
生活対策臨時交付金、地域の雇用をつくるために4,000億円規模の基金、緊急保証・
セーフティネット貸付け枠を30兆円に拡大等々、いろいろと国の
経済対策メニューがありますが、墨田区として活用できる施策としてどのようなものがあるか、お尋ねいたします。 墨田区の
緊急経済対策として追加措置されたところの信用保証料の全額区負担についてでありますが、使いやすくなり、利用者増にもつながっているようであります。 しかし、いろいろな事情があるのでしょうが、最終融資額においては減額をされてしまったり、保証協会から、さらにさまざまな書類提出を求められたりと、区の審査以上に厳しい審査がされているようであります。利用者が円滑に、また、納得された利用ができるように、区からの計らいも必要かと思いますが、区長のお考えをお尋ねいたします。 また、このたびの国の景気対策には盛り込まれておりませんが、2016年の
夏季五輪東京招致運動への我が区の協力についてお伺いいたします。 環境課題クリーンさを前面に出し、コンパクトで安く、そして、これからの新しい形での
オリンピック運営を提案し、国を挙げての招致運動が展開されております。
全国世論調査では、賛成は74%、反対は21%でありますが、東京都に限ると、賛成62%、反対34%との結果であったようであります。
開催都市決定には、
地元開催都市の人たちの意向が重要なポイントになるとも言われており、10月のIOC総会での決定に向け、今の時期の招致活動が一番大事であると考えられます。
オリンピック開催は、国全体での意気高揚、
子どもたちへの夢ばかりでなく、その経済効果は全国で2兆9,400億円、都内では1兆5,500億円と試算されております。そして、我が墨田区としては、その経済効果もさることながら、世界一のタワー「
東京スカイツリー」を全国、全世界にPRする絶好の機会でもあると考えられます。
東京オリンピック開催招致への意気込みとその方策について、区長のお考えをお尋ねいたします。 次に、「すみだ環境区宣言」についてお伺いいたします。
地球温暖化の要因である
温室効果ガス削減に向け、1997年、京都議定書が作成され、1990年を基準に、各国の削減目標が示されたところであります。日本に課せられた目標は6%削減でありますが、逆に、6.2%上回っているというのが現状であり、もう待ったなしの状況に置かれております。
温室効果ガス排出量6%削減を目指し、一人一人が
具体的行動を起こし、
地球温暖化を止めていかなければなりません。 一方、墨田区民の環境問題に対する関心は高く、省エネについては60%近い人たちが実践し、省エネ行動はしていないが、意識するようになった区民は30.6%に上ります。一人一人は意識していても、どのようにしていいのか分からないというのが現状であると思われますので、行政が範を示し、目標を掲げ、区民に
具体的行動を呼びかけていくことが必要と思われます。 そんな中、「すみだやさしいまち宣言」10周年に当たり、区民の方々に環境にもっとやさしい
まちづくりをとの意味を込め、「すみだ環境区宣言」をされることは、誠に的を射た施策であり、大変期待しているところであります。 まず、行政が範を示す一つとして、ISO14001の認証取得があります。ISO14001とは、企業や自治体などの組織が自らの活動から生じる環境への影響を自主的、かつ継続的に改善していくための経営のやり方や仕組みを定めた
国際標準規格のことですが、現在では、23区のうち約半数が認証取得をしているとのことであり、墨田区においても、行政の姿勢の表れとして取得が必要であると考えられます。 また、
具体的行動の例として、新宿区では、省エネや
カーボンオフセットの取組によって、新宿区内で排出される
二酸化炭素削減を目指すため、長野県伊那市と環境保全の連携に関する協定を締結いたしました。この協定の内容は、我が会派からも、山本議員が昨年の第3回定例会にて提案させていただいた、鹿沼市との友好協力により「すみだの森」をつくろうという提案と同じく、友好都市との連携で
二酸化炭素削減に資するものであります。 新宿区では、森林の間伐、下草刈り等の整備事業を区が支援し、また、区民の体験学習、
ボランティアにて行い、その間伐材を有効利用し、森林の再生、保全をしていこうというものであります。 我が会派からの提案は、長い友好関係にある粟野との交流を生かしていこうというものであり、墨田区の
体験学習施設である「あわの自然学園」を利用する
子どもたちがドングリを拾い、墨田区にて苗木に育て、次の
子どもたちが、その苗木を持っていって「すみだの森」に植え、またドングリを持ち帰り、苗木を育てるという
子どもたちの引き継ぎによる森づくり、そして、幸い、鹿沼市では、間伐材による製品づくりが盛んであり、例えば学校使用の机、いすを製造しており、墨田区内の小・中学校にて使用することで間伐材の利用が増え、豊かな森林を保全することができるのではないかと提案させていただきました。 鹿沼市との交流事業をより進め、「すみだ環境区宣言」の一翼を担っていただけるような友好協定の見直しにもご一考を願いたく思います。 「水と歴史のハーモニー」豊かな環境と文化が織りなすいきいきすみだを標榜し、雨水利用でトップの墨田区が宣言する「すみだ環境区宣言」には多くの期待が寄せられることと思いますが、区長のお考えをお尋ねいたします。 次に、在宅医療と在宅介護についてお伺いいたします。 高齢化が急速に進み、有病率が上昇するとともに、通院が困難な方が増えるなど、在宅医療へのニーズが高まっており、自宅において医療を行うケースが増加しており、在宅医療は、
外来通院医療、入院医療に次ぐ「第三の医療」とも言われ、今後ますますニーズが増加、多様化すると考えられております。在宅医療を担う病院、診療所、薬局、
訪問看護ステーション、
福祉関係者などがそれぞれの役割や機能を分担し、それぞれの間の
ネットワーク化を図ることによる在宅医療を推進していくことが求められております。特に高齢化率の高い墨田区においては、早急に、その
システムづくりをしていかなければならないと思いますが、区長のお考えをお尋ねいたします。 中でも、
かかりつけ医は在宅医療の中心を担い、往診、訪問診療や訪問看護等への指示、介護士との連携と重要な役割を果たすわけでありますが、まだまだその認知度は低く、他区においても、医師会との協力で
かかりつけ医を区民に紹介したりして普及を進めているようですが、墨田区における取組について、あわせてお伺いいたします。 次に、在宅介護の諸問題解決のため、来年度から墨田区が取り組もうとしている
地域包括ケア会議についてお尋ねいたします。 高齢者のいわゆる孤独死や閉じこもりは、豊かで安心した老後をつくっていくためには絶対に避けなければなりません。医療との関係や他団体との協力、かかわりが必要となり、連携にご苦労があることと思いますが、大変期待される事業でありますので、本事業で取り組む課題と今後の事業展開についてお尋ねいたします。 また、在宅介護で発生する軽度な
家事援助サービスでありますが、これらサービスについては、
ボランティアの力に頼らざるを得ないところであります。社会、家庭、地域が協力し合い、助け合っていかなければなりません。そこで重要になるのが「すみだ
ハートライン21」であります。利用会員に協力会員、これを後援会員と区が支援していく仕組みであり、普及して当然のことであろうと思いますが、残念ながら、現在、利用会員が254名、協力会員が208名、後援会員が243名とピーク時より減ってしまったのは残念であります。当初は、協力会員に謝礼金の形ではなく、
協力会員自身への時間預託制度という仕組みで、なじみが薄く、一層の会員拡大のために現在の形になったと承知しておりますが、なぜ普及が進まないのでしょうか。PR不足によるものなのか、
ハートライン21と
ケアマネジャーとの連携はどうなっているのか、お尋ねいたします。 支え合い、共生する社会へ向けて、また、「すみだやさしいまち宣言」の趣旨からも、このたびの宣言10周年に合わせ、さらに
協力会員増強に努めていただきたく思いますが、区長のお考えをお尋ねいたします。 次に、小・中学生の
体力テスト結果について、教育長にお伺いいたします。 本年1月、全国の小学5年と中学2年の
全国体力テストの結果が公表されました。1週間のうち、ほとんど運動しない生徒が中学では女子の30.7%、男子の9.4%、小学生では女子の23%、男子の11%が、1週間に1時間の運動もしないということであります。半数以上の児童生徒で体力水準がピーク時の昭和60年度の平均値を下回るなど、改めて、子どもの体力低下が著しく、特に体力水準のピーク時と比べて、ソフトボール投げや50m走などの3種目で、
小・中学生ともに約7割の児童生徒の記録が下回ったとのことであり、
子どもたちの体力低下を大変懸念することであります。 私は、議員当選以来、公教育のレベルアップと児童生徒の体力アップを訴えてまいりましたが、このたびの
全国体力テスト結果については、予想されていたとはいえ、運動をほとんどしない児童生徒の増加、運動能力の低下結果には愕然とするものであります。 また、今回の調査で顕著なのが、地域差が表れたとのことであります。中学生男子を除いて、人口規模が小さくなるにつれ、体力が上がる傾向が見られ、大阪や東京の都心部は下位層に沈んだとのことであります。 確か昭和60年ごろは、東京都平均は、身長、体重とともに
体力テストにおいても全国平均より上回っていたと記憶していたのでありますが、改めて、都市部の
子どもたちが部屋に閉じこもる傾向であることが証明されたこととなりました。児童生徒の体力低下、運動能力の低下は、とっさ時の身の危険の回避はもとより、将来への生活習慣病にもつながり、ひいては、国民全体の健康状態にもかかわる大変憂慮すべき問題になることでもあります。墨田区においての児童生徒の
体力テストの結果についてと今後の指導について、教育長にお尋ねいたします。 ちなみに中学では、男女ともトップの結果が出た千葉では、学校間で互いに連携し、情報交換や記録の共有化でレベルアップを図っているようであります。また、芝生の運動場のほうが体力が上がるとのうれしい結果も出ているとのことです。 墨田区においては、全国学力テストの結果を踏まえ、すみだ教育研究所を設置し、学力向上に努めているところであり、その対応の速さ、取組のよさは評価されるところであります。ちなみに、全国学力テストで上位だった福井、秋田は、
体力テストの結果もよかったとの発表もあります。ぜひとも、このたびの
体力テストの結果をかんがみ、墨田区の
子どもたちのために、将来の日本人のために、児童生徒の体力向上に向けた努力を期待いたすところであります。 以上にて、私の質問を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。(拍手) 〔区長 山崎昇君登壇〕
◎区長(山崎昇君) ただいまの自由民主党・出羽議員さんのご質問に順次お答えをいたします。 最初に、平成21年度予算編成に関して数点にわたるお尋ねがございました。 まず、21年度
一般会計予算は、前年度に比べ0.5%増となっておりますが、その内容を概括的に申し上げますと、歳出面では、
行財政改革による職員定数の削減等によって人件費や起債の発行を抑制してきたことによる公債費の減が見られる一方で、景気低迷の影響を受けて、生活保護世帯に対する扶助費の増が大きく見込まれております。投資的経費については、新タワー関連施設整備事業や学校施設の耐震補強経費の増が見込まれる一方で、学校統廃合に伴う校舎の改築や京成曳舟駅前東地区の再開発事業の進捗等により、平成20年度対比では減となっております。 他方、歳入面については、基幹的収入である特別区民税において、区民所得の減が見られる一方で、
納税義務者数の増により微増となっておりますが、特別区交付金では、市町村民税法人分の大幅な減少の影響を受けて5.3%の減となるなど、一般財源の大きな減少が見込まれる中で、基金や起債といった臨時的な特定財源を活用して予算編成を行ったところでございます。 施策面で申し上げますと、基本計画の着実な実施をはじめとして、防災対策や公共施設の耐震化、子育て支援対策、環境対策などの重要課題に積極的に取り組むとともに、また、新タワーの開業を見据えて観光
まちづくりや商業活性化等に取り組むこと、さらには、財政基盤の強化に向けて
行財政改革に不断に取り組むこととして予算編成に当たったところでございます。全体を通して、限りある財源を有効に活用するため、優先性、効果性等を勘案の上、予算配分を行ったところでございます。 また、事務事業の見直しといたしましては、ホストコンピューターのダウンサイジングや学校管理業務の民間委託など、行政評価の結果を基に見直しを行ったところでございます。 次に、経済見通しを踏まえた今後の本区の収入見込みについてでございます。 冒頭にも申し上げましたように、平成21年度においては、特別区民税や特別区交付金において景気悪化の影響が見られるところでございますが、こうした影響は、平成22年度以降、さらに拡大するものと想定しております。このため、今後の財政運営に当たりましては、景気の動向に十分に留意する必要があると考えているところでございます。 そこで、このように一般財源の伸びが見込めない状況における財源対策として、臨時的な特定財源である基金や起債の活用がございます。平成21年度予算においては、
財政調整基金としては20億円、公共施設整備基金としては18億円の繰入れを予定しておりまして、それぞれの基金の設置目的に沿って、それぞれの事業に充当を行ったところでございます。
財政調整基金につきましては、不燃化促進助成など防災関係の事業、学校のICT化推進事業などのほか、職員の退職手当に充てることとしております。 公共施設整備基金については、耐震補強をはじめとした学校施設の整備や路面改修、庁舎のリフレッシュ計画などに充てることとしております。 また、平成21年度末における基金残高としては、
財政調整基金が34億円、公共施設整備基金は61億円と推計をいたしております。 次に、起債についてでございます。 今回は、曳舟駅前の再開発事業をはじめとして、耐震補強等の学校施設整備事業等に充てることとしております。そこで、起債残高及び公債費比率の今後の推移についてでございますが、先にお示しをした財政推計を基に申し上げますと、起債残高は約300億円前後、公債費比率はおおむね6%台で推移すると見込んでいるところでございます。改めて申し上げるまでもなく、起債や基金は、財源の年度間調整を図るといった役割がございます。起債は、公共施設の整備など、将来の区民の利用に供するものについて、世代間の負担の公平を図ろうとするものでございまして、将来、元利償還を伴うことから、後年度負担を考慮しつつ、適債事業への活用を図ることとしております。 基金につきましては、大規模な施設建設事業など、多額の費用負担を伴うものや経済変動への対応として、基金の設置目的に沿って活用しているところでございます。安定的な財政運営を行うためには、一定の残高を確保することも必要でございますので、将来の残高も考慮の上で活用を図ってまいりたいと考えております。 次に、今後の財政予測でございますが、2月16日に内閣府が発表した四半期別のGDP速報によりますと、平成20年10月から12月期の実質のGDPの成長率はマイナス3.3%、年率ではマイナス12.7%と大変厳しい内容となっております。 こうした状況を踏まえた場合、本区を取り巻く経済状況は、今後一層厳しさを増すものと見込まれるところでございます。 昨年の決算特別委員会において、平成21年度から5年間における財政推計をお示ししたところでございますが、その時点より、さらに景気の低迷が顕著になっているところでございます。したがいまして、今後とも安定的な財政運営を行うためには、中長期的な視点が一層必要となることから、新たな財政推計を行うことも検討したいと考えております。 なお、現時点では、先に定めた基本計画に沿って事業を着実に実施することとしておりますが、現在の基本計画は中間年で見直しをすることとしておりますので、今しばらく、経済状況の推移を見た上で、改めて優先順位を勘案し、見直しも含めて弾力的に臨んでまいりたいと考えております。 次に、統廃合跡地をはじめとした遊休地の活用についてでございます。 基本的には、区民の共有財産の処分に当たりましては慎重であるべきと、そのように考えております。 一方で、十分に活用されていない状態が長く続いている場合には、より有効に活用されるように検討することも必要と考えております。 こうした観点から、処分するに当たりましても、ご指摘のように、処分後にどのように活用されるのか。また、処分によって得られた財源は、どのように活用されるのかということについても、区民の皆さんにご理解をいただいた上で財産処分を行ってまいりたいと考えておりますので、ご理解のほど、お願いを申し上げます。 次に、国の景気対策の関連で、
定額給付金についてご質問をいただきました。
定額給付金につきましては、新聞等で報道されておりますとおり、現在、国において、その財源の裏づけとなる関連法案の審議が行われているところでございます。現在、この国会の状況を注視しているところでございますが、この関連の法案が可決されましたならば、本区におきましても早急に補正予算のご審議をお願いすることになります。その補正予算の議決が得られ次第、できる限り早く、対象となる方へ申請書を送付し、申請された方から順次給付を行うことになります。この給付に当たりましては、他の区市町村の給付開始時期と比べ、可能な限り、おくれのないように行ってまいりたいと考えております。 また、給付に当たっての問題点でございますが、今回の支給対象者は約24万5,000人の区民の方となります。これだけ多くの方々全員に対しまして、短期間に支障なく給付を行うことになりますので、混乱を防ぐためには、給付に当たっての事前準備、支給時の人員体制等を十分にしておく必要があります。 また、対象者の中には、寝たきりの状態の方や認知症の方などもいらっしゃいますので、そういった方々に対しましても確実に支給ができるよう、全庁を挙げた協力体制を整える必要がございます。そのほか、住民基本台帳等に登録されていない方などの対応についても課題があるわけでございまして、これらについては、国の方針に沿って適切に対応してまいりたいと存じます。 また、この
定額給付金支給の目的の一つは、ご指摘のとおり、地域の経済対策でございます。その目的を達成するに当たって、
定額給付金を区内での消費拡大効果につなげていただくための方策について、これもお尋ねをいただきました。その前提といたしましては、
定額給付金の区内での消費拡大効果でございますけれども、平成11年度に実施されました地域振興券の際には、発行額のおよそ3割に相当する新たな消費需要が喚起されたというデータが経済企画庁より公表されております。 したがいまして、仮に今回の
定額給付金の支給規模に合わせてこれを当てはめますと、約10億円強の新たな消費喚起効果が期待されるのではないかと思っております。 そこで、この新たに創出されると見込まれる消費をできるだけ区内の商店街に取り込んでいくための方策として、
定額給付金の支給時期に合わせまして、
プレミアム商品券を発行したいと考えており、現在、墨田区商店街連合会と最終的な調整を図っているところでございます。 次に、ご指摘のありました各種交付金につきましては、平成20年度の二次補正予算として予算措置されているもののほか、21年度当初予算に計上されているものもございます。 先に、本区が
緊急経済対策として実施した臨時職員の緊急雇用のほか、来年度に予定をいたしております学校管理業務の民間委託などのように、交付対象になると見込まれるものもございますか、一部の交付金については、いまだ交付内容が未確定のものもございます。 また一方、そのうちの一部は地方交付税における普通交付税の交付団体のみが対象になるというものもございまして、本区の場合は該当しない可能性もございます。 したがいまして、今後、情報の収集に努めまして、本区が対象となる交付金については最大限の確保に努めてまいりたいと考えております。 次に、緊急融資でございますが、ご承知のように、信用保証協会は、中小企業の資金調達の際の保証人となり、中小企業の事業活動を融資面から支援する公的機関でございます。現下の急速な景気の悪化に応じまして、土日を返上して業務をこなし、中小企業の支援体制を強めていると聞いております。 こうした中で、保証額の減額や資料の追加についても、中小企業の便宜を図り、可能な限り、保証承諾を行っているとは伺っております。 しかし、大変な忙しさの余り、利用者に対しまして説明不足が生じているなどの状況も聞いておりますので、保証協会に対しまして、より丁寧な対応をお願いしていきたいと、そのように思います。 次に、東京
オリンピック開催の招致についてのお尋ねがありました。 東京オリンピック、またパラリンピック招致本部が策定した、東京オリンピックの大会計画によりますと、墨田区では、両国国技館がボクシングの競技会場に、また、現在建設中の総合体育館がボクシングの練習会場に登録されているところでございます。 オリンピック競技大会は、スポーツの祭典である以上に、人種や国境の壁を越えて世界を一つに結ぶ地球最大のイベントでもあります。私も
東京スカイツリーが建設される、この墨田区を全世界にPRする、またとない機会であると認識しております。観光振興による経済波及効果はもとより、一流のアスリートの姿を見て、次代を担う
子どもたちをはじめ、さまざまな年代の人々に夢と感動を与える舞台になるものと確信をしております。 このため、本区におきましても、オリンピック招致の機運の醸成を図るため、東京都の推進するオリンピックムーブメント共同推進事業に協力しているところであり、その一環として、昨年開催した第31回隅田川花火大会での招致のPR花火を打ち上げたところでございますし、すみだまつり・こどもまつりでの招致イベントなどを行ってまいりました。また、現在建設中の総合体育館の仮囲いにも、オリンピックムーブメントの招致ポスターを掲示し、招致機運の醸成に努めているところでございます。 さらに、IOC国際オリンピック委員会による現地視察に対応して、今年の3月末から4月にかけて、墨田、台東、中央、千代田、港区をエリアにして行われる予定の広域観光イベント「東京大江戸まつり」が予定されておりますけれども、これについても、墨田区としても積極的に協力していきたいと、そのように考えております。 正式な開催地は、10月2日のIOC総会で決定されるということになっておりますが、それまで、引き続き、さまざまな協力をしてまいりたいと考えておりますので、ご理解をお願いいたします。 次に、「すみだ環境区宣言」について、何点かお尋ねがありました。 出羽議員さんのご指摘のとおり、
地球温暖化防止は待ったなしの状況にあります。区においても、昨年3月に、墨田区
地球温暖化対策地域推進計画を策定し、区内の温室効果ガスを8%削減するという目標を掲げまして、区民の取り組むべき行動や、それを支援する区の施策をお示しいたしました。現在、計画に基づき、CO2の削減区民運動や温暖化防止設備導入助成制度などを展開しておりますが、環境区宣言は、こうした環境への取組もさらに加速し、区内外に環境先進国を目指す墨田区をアピールするものと考えています。 また、行政が範を示すために、ISO14001の認証を取得してはどうかというご提案がございました。 現在、区では、環境施策の基本を定めました「すみだ環境基本計画」、区自身の
地球温暖化防止を図るための「墨田区
地球温暖化防止実行計画」、さらには「墨田区
地球温暖化対策地域推進計画」と、それぞれISO14001の考え方を取り入れて、毎年、評価、検証を行っているところでございます。 したがいまして、当面は、全庁一丸となって環境施策を推進することによりまして、ISO14001取得と同じ効果を上げてまいりたいと考えておりますので、ご理解のほど、お願いを申し上げます。 次に、
具体的行動として、鹿沼市との友好協力により、本区の
子どもたちがあわの自然学園で拾ったドングリから苗木を育て、それを植える「すみだの森」を粟野地区に作り、その保全によって二酸化炭素の削減を図ってはどうかというご提案をいただきました。 本区では、温室効果ガスの吸収源対策の重要性を認識いたしまして、一昨年から山梨市において森林整備体験事業を行っております。ご提案につきましては、環境学習の観点など、さまざまな効果が考えられますので、他区の例も参考にし、施策について検討させていただきたいと存じます。 さらに、鹿沼市の間伐材を利用した机、いすを区内小・中学校で使用できないかとのご質問をいただきました。 ご提案の間伐材で作られた机、いすにつきましては、木製品としてのよさは十分理解しておりますが、一つ一つが大変に重く、また高価であることなどから、機能や経費の面で難点もあると聞いております。 こうしたことから、教育委員会から、教室へ配置する机、いすにつきましては、今後、さまざまな点から比較検討が必要であるという考えが示されておりますので、今しばらく時間をいただきたいと、そのように思います。 なお、現在も小学校8校のランチルームにおいて、旧粟野町の木製品を使用しておりますが、今後、学校に限らず、区民施設も含めて使用の可能性について検討させていただきたいと考えておりますので、ご理解のほど、お願いをいたします。 また、鹿沼市との友好協定締結に際しましては、ご提案のご趣旨も踏まえて協議をしてまいりたいと存じます。 次に、「すみだ環境区宣言」に関する私の考え方と取組についてでございますが、「やさしいまち宣言」10周年の記念として、雨水利用をはじめとしたこれまでの区の取組を生かすとともに、
地球温暖化防止をはじめ、区を越えた課題に墨田区という地域から世界に向けてアピールすべく、10月のすみだまつりにおいて宣言したいと考えております。 また、毎月5日を「すみだ環境の日」に定め、環境への取組を全区的にレベルアップするものにしたいと考えておりますので、よろしくお願いを申し上げます。 次に、在宅医療と在宅介護について、何点かお尋ねがありました。 まず、在宅医療を推進していくためのネットワークづくりについてでございます。 在宅医療をめぐる状況ですが、区民の5人に1人は高齢者で、ひとり暮らし高齢者も高齢者全体の3割を超えているという高齢化の進展等がございます。 また、体が不自由で在宅での医療を必要とする高齢者はますます多くなっており、既に病院に入院し、長期療養されている方についても、できれば、在宅での医療を希望する方が約半数以上に上るという調査結果も出ております。それだけに、患者が身近な場所で、適時、適切に在宅医療を受けることができる仕組みづくりは大きな課題と考えております。 こうした中、国は、平成18年4月から、24時間往診等が可能な在宅療養支援診療所を設置し、区内にも22の診療所が届出をされていると聞いております。 今後、この在宅療養支援診療所が在宅医療の拠点施設となっていくものと考えておりますが、その利用や周知はまだまだ十分とは言えない状況にございます。そのため、区といたしましては、在宅医療に対する区民ニーズ等を調査し、介護や福祉との連携も図りながら、必要な
システムづくりを進めてまいりたいと考えます。 また、がんで亡くなる方の1割程度は在宅で亡くなるという状況を踏まえまして、現在、民間事業者等によるがんの末期患者を対象にした在宅緩和ケアネットワークづくりも始まっておりますので、区といたしましては、このネットワークの支援もしてまいりたいと考えます。 次に、
かかりつけ医の取組についてでございますが、
かかりつけ医は、病気の診断や治療のほかにも、日ごろの健康管理や福祉、介護についての相談にも応じられるなど、区民の健康の維持増進に欠くことができません。 現在、医師会において、区民の方々からの問い合わせに応じて
かかりつけ医の紹介をいたしておりますが、
かかりつけ医を持たれている方が十分にいらっしゃるとは言えません。 したがいまして、区といたしましては、今後、医師会とも協力し、その普及に努めてまいりたいと考えております。 次に、
地域包括ケア会議についてのお尋ねがございました。 今年度実施した、ひとり暮らし高齢者実態調査では、とじこもりがちで社会参加が進まない、食習慣をはじめとした生活環境や住環境などの問題を抱えている高齢者が多いことから、身近な地域における日常生活の支援の希望が多く寄せられております。加えて、認知症高齢者への支援も必要とされております。 こうしたことから、ひとり暮らし高齢者などが地域で安心安全に住み続けられるためには、高齢者それぞれの生活状況に応じた支援を行えるようなネットワークの充実が必要と考えています。 区では、高齢者見守りネットワークにおいて、これまでも対応を進めてきましたけれども、21年度におきましては、(仮称)
地域包括ケア会議を試行的に設置し、一層の取組の強化を図ることとしております。これは、地域包括支援センターを核として、地域における高齢者の情報と知識の共有化を図るとともに、区、社会福祉協議会、民生委員や町会・自治会の代表者などの地域の支援者、医療と介護の専門家が互いに連携して支援のあり方の検討を行い、具体的な支援策につなげていくものでございます。 なお、区内1地域で試行的に実施し、この事業の検討と検証を行いまして、他の7地区につきましても、順次展開をしていきたいと考えております。 最後に、すみだ
ハートライン21についてのお尋ねがございました。 なぜ利用会員等が減り、普及が進まないかというお尋ねでございますが、介護保険制度の発足に伴いまして、預託した時間を利用する必要性がなくなったことなどの理由や、区間相互の利用協定が廃止されたことなどから、会員数の減少につながっているのではないかと考えております。 しかしながら、地域における住民同士の支え合いや助け合いは、福祉の
まちづくりに欠かすことのできない活動でございますので、区としても、今後とも事業の普及に努めてまいります。 社会福祉協議会では、これまでも協力会員の増強策として、隔月に開催していた募集説明会を今年度から毎月開催することや、利用料に100円を上乗せして謝礼金を支払い、協力会員の退会の歯止め策を実施しているところでございますが、引き続き、区のさまざまな広報媒体を通じて、利用会員等の増加につなげていきたいと考えております。 また、区としても、
ケアマネジャーとの連携を密にするため、隔月開催されております「すみだ
ケアマネジャー連絡会」において、事業のPR、会員の入会を促していきたいと考えておりますので、ご理解をいただきたいと存じます。 私からの答弁は以上でございます。 〔教育長 久保孝之君登壇〕
◎教育長(久保孝之君) それでは、私からは、小・中学生の
体力テストの結果についてに関するご質問にお答えをさせていただきます。 出羽議員さんのご指摘のとおり、先日、文部科学省より公表されました「平成20年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査」の結果を見ますと、現在の児童生徒の体力低下は、誠に憂慮すべき状況にあります。本区におきましても、その対策には、是非力を注いでいかなければならないと認識しているところでございます。 そこで、ご質問にもございましたが、今回の調査結果を見ますと、特に小学校におきましては、握力、ソフトボール投げ、50m走の種目に関して、多くの児童が昭和60年度の平均値を下回っているという状況でございます。また、女子においては、特に運動をしない児童が多数いることなどの課題も明らかとなりました。また、中学校においても、こうした傾向は同様でございました。と同時に、運動をする生徒としない生徒ということの二極化も大きくなってきたと言われております。そして、朝食を毎日きちんと食べる集団は、男女にかかわらず、あるいは小・中学校ともに体力の合計点が高い、そして、肥満傾向の児童の出現率が低いというふうな結果等も示されております。 このような調査結果を受けまして、児童生徒の体力を向上させるためには、じかに体力そのものの向上を図るだけでなく、運動習慣や生活習慣の改善に総合的に取り組むことが必要であると指摘をされております。 そこで、本区の状況についてでございますが、今回の調査に参加をいたしました学校は、小学校7校と中学校4校でございます。全体の中での数がやや少のうございまして、そこでの集計値をもって、本区全体の児童生徒の体力度が正確に判明したということはなかなかできないと思いますけれども、運動能力などの全般的な課題については、まさに全国と同様の傾向にあるということが読みとれるところでございます。 こうした課題の解決に向けましては、まずは、学校におきます体力づくり、体育の授業の充実が重要であると考えております。 そこで、本区の各学校に対しましては、児童生徒の体力状況の適切・的確な把握の基に、体育、保健体育の授業を行う際に、授業内容の一層の充実と工夫を凝らすよう働きかけますとともに、始業前の時間の活用や縄跳びや持久走等に取り組む体育朝会の実施、部活動の充実など、学校全体で継続的に体力向上に向けた取組を取れ入れるよう、促してまいりたいと考えております。 また、運動習慣等の向上につきましては、学校のみならず、保護者、地域住民の皆様方による協力や連携が不可欠でございます。そのため、家族で参加できるスポーツイベントの実施をはじめ、地域での少年少女のスポーツ活動や、あるいはラジオ体操の一層の振興など、地域の皆様方とともに、一緒にやれる活動推進にも留意してまいりたいと考えているところでございます。
子どもたちの体力につきましては重要な課題ということで、今後一層、私どもも取り組んでまいりたいということを申し上げておきたいと思います。 私からは以上でございます。
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○議長(西原文隆君) 18番・加納進君 〔18番 加納進君登壇〕
◆18番(加納進君) 墨田区議会公明党の加納進でございます。通告してある点につきまして、区長に質問いたします。 先ほどの自由民主党・出羽議員と重複する部分もございますが、私なりの視点で質問させていただきますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。 初めに、平成21年度予算案から見えてくる課題についてお伺いいたします。 山崎区長は、平成21年度予算案に関し、世界同時不況の影響により経済の先行きが不透明な中、基金の活用や行政改革の推進で直面する重要課題に着実に取り組む予算として編成をした旨、所信表明で述べられました。 個々の事業に関しては、
予算特別委員会での議論を通し、態度を明らかにする所存ですが、予算編成作業には多大なご苦労があったことと推察をいたします。 一方で、新たな課題も見えてきました。そこで、2点に絞り、質問をいたします。 第1に、中長期的な財政見通しについてであります。 今回の世界同時不況は想定を超えるものであり、22年度以降、税収減の影響がさらに拡大することが予想されます。今後の景気の動向に大きく左右されることとなりますが、当面、22年から23年度は、区民税や都の財調も大幅な減少が見込まれます。 区長は、昨年の第1回定例会で、広田議員の質問に対し、現在の基本計画における財政推計では、経済成長率を前期5年は1%、後期5年はゼロ%と固く見込み、計画どおりに事業を遂行していけば、基本計画最終年度である平成27年度末の区債残高は203億円、基金残高は155億円と着実に借金を減らし、基金を増やしていくことができる。ただし、社会経済情勢の大きな変化があれば、計画の見直しも必要になるという趣旨の答弁をしております。わずか1年後に、そうした状況になるとは区長も予想できなかったと思いますが、基本計画における事業の優先順位と財政計画の見直しをする必要もあるのではないかと思いますが、区長のご所見をお伺いいたします。 第2に、地域経済対策に雇用にかかわる視点を取り入れたらどうかということであります。 ともすれば、これまでの雇用対策は、国や都が主導し、地方自治体が後追いするといった側面があると思います。しかし、実際の事業を実施するのは大半が区であり、一層厳しくなっている区民の雇用に対する不安を解消するため、基礎的自治体の役割は今後ますます大きくなると言えます。その意味から、
緊急経済対策の一環として、21年度予算に盛り込まれたトライアル雇用に関する上乗せ支給は、直接若者の雇用促進につながる事業として高く評価するものですが、経済情勢による時限的な措置と言えるでしょう。 同様に、都や国の緊急雇用対策事業も期限付きのもので、恒久的な対策とは言えません。今後は、地域の特性に合わせた地域経済対策をスピーディーに実施する。そして、その取組そのものの中に雇用拡大という視点を入れることも必要ではないかと思います。幸い、墨田区は、3年後に新タワー「
東京スカイツリー」が開業いたします。こうした千載一遇のチャンスがある自治体など全国にありません。このチャンスを雇用の創出と拡大といった視点から生かしていくべきであると考えます。 新タワーに関しては、昨年1月に、新タワーによる地域活性化等調査報告書が出され、その中で、開業後の効果として、経済効果880億円、雇用効果は4,594人と報告されていますが、この雇用効果4,594人という数字の大半は、新タワーと、その街区内における直接効果で、区内産業の活性化につながる間接的な生産誘発効果による雇用の効果は436人と推計されています。すなわち、雇用の場が増えるということと、区民の雇用増につながるということを分けて考える必要があります。 そこで、区民のための雇用の創出・拡大という観点から、新タワー以外の事業を含め提案させていただきます。 まず、新
タワー関連事業では、1、区画内の維持管理部門における区民の優先雇用、2、地域ブランド戦略により開発された新商品と、その他の新タワー・北斎館等観光関連グッズの生産による区内企業の売り上げと、その物販を通した商店街や個店の販売額の増加による雇用の拡大、これは、観光関連グッズ、いわゆるお土産を、例えば500品目開発しようなどといった明確な目標を立て、取り組んでもよいと思います。また、商標や意匠権の問題なども早くクリアにし、事業者の創意工夫が生かされるようにするべきです。さらに、新
タワー関連事業以外として、3、空き店舗対策の強化と新規創業支援による雇用創出、4、21年度予算に盛り込まれた大学の誘致に関し、公募の条件に区民の積極的な雇用を盛り込むことによる雇用の拡大、5、後ほど詳細に述べますが、新産業の誘致、育成による雇用の創出。以上述べたことは、相手のあることでもあり、区の事業としてなじまないものもありますが、3年後の新タワー開業を目途として、これだけの雇用創出・拡大を目指すといったプロジェクトを立ち上げれば、事業者の協力も得られやすくなるのではないでしょうか。このような雇用の創出・拡大に関する取組についての区長のご所見をお伺いいたします。 次に、
プレミアム商品券の発行についてお伺いいたします。 先日の所信表明で、区長は、商業の振興につながるとして、区商店街連合会と
プレミアム商品券の発行に関し協議をしている旨、述べられました。総務省の発表によると、1月29日現在、全国で129市区町村が
定額給付金に併せ、地元の
商工関係団体などと協議し、1割から2割のプレミアムを付けた、いわゆる
プレミアム商品券の発行を予定しているとのことです。また、1月末の日本経済新聞社の
定額給付金に関するインターネット調査では、6割がレジャーや買い物で消費に使うと考えていることが伝えられています。 こうした背景から、短期間のうちに、総額約36億円も区民の手元にお届けできる
定額給付金をいかに商店街の振興や地域活性化につなげるか、区の果たす役割と責務は大きいものがあります。 都内でも、これまで「ハッピー買い物券」という名称で
プレミアム商品券を発行してきた中央区では、景気対策として追加の商品券を発行いたしました。1人5万円の限度額で5万5,000円の買い物ができるということで大変な好評を博し、半日で1億円の追加分を完売したそうです。中央区が成功している要因は、ハッピー買い物券が医療や旅行など、多様な業種に使用できるという点にあります。消費者にとって使い勝手のいい魅力ある商品券であれば、短期間で完売し、消費に回るということです。 また、プレミアムが2割という地域もあります。例えば、総額約30億円の
定額給付金を支給される松江市では、2月3日、2割の特典が付く
プレミアム商品券発行に対する助成など、
緊急経済対策の概要を発表いたしました。この
プレミアム商品券は、1万2,000円分を1万円で販売するというもの。商工団体が総額12億円の発行を予定しており、市がプレミアム分の2億円と印刷などの諸経費を全額負担する総事業費約2億5,000万円を見込んだ補正予算案になっています。 このように、プレミアムの割合、発行額の規模に違いはあるものの、自治体が商品券に上乗せしたプレミアム分や事務費を負担することで、地域経済の振興に結び付けようとする工夫の跡がうかがえます。 そこで、墨田版
プレミアム商品券についてお伺いいたします。 第1に、
プレミアム商品券はどこが発行するのか、基本的なスキームについてお聞かせください。 第2に、区民の期待感も大きいことから、注目度が高まるよう、思い切った割り増し額の上乗せを期待するものですが、どの程度のプレミアムを検討しているのか、区長の決意をお聞きいたします。 第3に、対象となる取扱い店の範囲についてであります。消費者にとって、区内のより多くの店舗で利用できるほうが当然魅力があり、消費刺激効果もあると思います。コンビニやチェーン店はもちろん、大型店や医療機関等も含め、登録制などで対応し、できる限り利用範囲を広げる努力が
区民サービス向上につながると思いますが、現在の検討状況を報告願います。 第4に、
プレミアム商品券の発行と同時にイベントなどを考えたらどうかということです。墨田区商店街連合会の方々からも、活気のある春のお祭りになるような企画を考えたいとの声も聞いております。例えば、区内で消費すると景品が当たる抽せん券をもらえるというような楽しい夢のあるイベントを企画するのもよいと思います。実施主体は検討が必要ですが、ユニークなアイデアで盛り上げてはいかがかと考えます。大型店やチェーン店にも協力を依頼し、景品を提供していただいたり、区も区内スポーツ施設使用料1年間無料券や伊豆高原荘2泊3日ご招待券などを提供するといった形で協力するなど、区民の区内での消費意欲を刺激する事業を検討するよう要望するものですが、区長のご所見をお伺いいたします。 次に、平和都市すみだの取組についてお伺いいたします。 昨年の3月、東京大空襲の模様を取り上げた二つのテレビドラマが放映され、大きな反響がありました。事実に基づいた再現ドラマと生存者の証言などのドキュメンタリー部分により、知られざる歴史の真実が浮き彫りになった気がいたしました。その後、改めてすみだ郷土文化資料館が監修した体験画作品集「あの日を忘れない」を読み、戦争の悲惨さと平和の尊さに対する思いを深くいたしました。 一方、世界では、まだ多数の紛争状態の地域・国があり、テロとの戦いも終焉が見えない状況です。先月までのイスラエル・パレスチナ紛争の生々しい映像は、記憶に新しいところです。 こうした事実を踏まえ、どこよりも平和を希求する自治体として、年1回行っている空襲体験者によるギャラリートークや老人クラブ連合会の方による平和のかたりべ事業などは、未来を担う
子どもたちに平和の大切さを承継するものとして実施回数を増やすなど、さらなる推進・拡充を、まずは強く要望するものです。 さて、東京都慰霊堂には、関東大震災と東京大空襲で犠牲になった身元不明者をおさめており、隣接する都立横網町公園内には、東京大空襲犠牲者を追悼し、平和を祈念する碑があります。設置・管理ともに東京都の事業ですが、墨田区内では平和を発信する大切な場だと思います。こうした点を踏まえて、横網町公園を平和祈念公園等に改称することを検討してもよいのではないかと考えますが、区として、これまで東京都に要望したことや協議したことはあるのでしょうか。 また、東京都の平和祈念館構想が平成11年に凍結されてから10年がたちます。イデオロギーの対立で凍結という結論に至ったことは残念でなりません。区長も、私どもとの懇談の折、東京大空襲体験者の海老名香葉子さんが残念な胸の内を語っておられたことを話してくださいました。そこで、その後、同計画がどういう扱いになっているのか、お聞きいたします。 本来、東京都が実現へ向け努力するべきですが、現実的な対応として、都と連携をとりながら、江戸博にある東京大空襲の記録コーナーを拡充し、平和祈念館にすることや、両国公会堂を平和発信の場として活用することなどが考えられると思います。 昨年12月にも、区長、区議会議長、区議会各会派の代表者あてに旧都立本所工業高校跡地に平和祈念館の建設を求める要望書が出されました。東京都との連携も含め、平和祈念館に対する区長のご所見をお伺いいたします。 墨田区は、平成元年に墨田区平和福祉都市づくり宣言が発表されましたが、その後の具体的な事業として、区庁舎1階に展示されている折鶴のオブジェ「すみだ24万人の平和メッセージ」が、まず思い浮かびます。平和祈念コンサートも実施していますが、開催日時や場所等、もっと工夫できるのではないかと思いますし、同宣言から20年目を迎えるに当たり、平和への取組を再構築する必要性を感じます。例えば、基本計画における平和施策の達成指標について、中間目標である平成22年度までに、地域で戦争体験を語り継ぐことが重要だと思う区民の割合と、民間団体及び行政による海外との相互交流数を増やすと掲げていますが、達成状況のチェックはどのように行っているのでしょうか。また、友好都市交流は中国と韓国で行っていますが、アジア地域以外の国とも平和交流を推進すべきであると思います。全世界の戦争状態などもリアルタイムに知ることができる時代だからこそ、過去の悲惨な出来事を語り継ぎ、平和の大切さをより強く世界に、また、未来に向け発信する必要があると思います。そのためにも、新タワーに世界中から来訪客を迎えるに当たり、(仮称)環境ふれあい館や観光プラザなどに平和へのメッセージを収集・発信できるコーナーを設けるなど、区の平和に対する取組が分かるようにすべきではないでしょうか。また、平和のために尽力をされた個人、団体等を顕彰する制度を創設してもよいと思います。 さらに、墨田区から全世界に向けて平和の重要性を発信する「すみだ平和都市宣言」を制定するよう望むものですが、区長のご所見をお伺いします。 次に、レアメタルの回収・分解事業の支援による高齢者、障害者の雇用の確保についてお伺いいたします。 先ごろ、アメリカのオバマ大統領は、アメリカ経済復興の目玉政策として、グリーン・ニューディール政策を掲げました。これは、CO2を大量に排出してきたアメリカの大きな政策転換であり、経済先進国だけではなく、インド、中国などの新興国にも大きな影響を与え、世界的な産業転換が始まったと言っても過言ではありません。 日本でも、日本版グリーン・ニューディール政策を掲げ、再生可能エネルギー産業を振興していくために、今まで技術において一歩リードしていた太陽光発電やハイブリッドカーの普及を図るほか、電気自動車の開発促進や新たな取組も検討していることに私も期待をしています。 これらの新産業を実用化していくためには、レアメタル(希少金属)が必要不可欠と言われています。パソコンや携帯電話などに多くのレアメタルが使用されていますが、日本は、そのほとんどをアフリカや中国からの輸入に依存しています。 一例を挙げると、自動車の排ガス浄化用触媒に使うプラチナは80%南アフリカからの輸入であり、液晶テレビに使われるセリウムは90%中国からの輸入、ランタン、インジウムにおいては100%中国からの輸入に頼っています。経済発展を続ける中国にとってもレアメタルは貴重であり、今後、日本への安定供給は難しくなると推測する識者も数多くいます。 そうした中で、独立行政法人「物質・材料研究機構」は、「日本で電子製品などに使われているレアメタルを資源と考えると、日本は世界有数の資源大国である」として、「現在、国内で使用されているレアメタルを廃棄物扱いしないで、循環、再生させていくことが大事」と提言しています。実際、携帯電話10万台で3キログラムの金が採取されています。同機構の調査によると、国内の電子製品に含まれているレアメタルの含有量を世界の産出量と比較すると、金が世界産出量の16.4%を占め第1位、銀は22.4%で第1位、パソコンの基盤などによく使われるインジウムは15%で第1位、携帯電話のリチウム電池に使われるリチウムは3.8%で第3位となっています。他のレアメタルもほとんどが5位以内に入っており、そのほとんどが活用されない状態で眠っていることから、日本は「都市鉱山」と呼ばれているのです。 しかし、現在、レアメタルが使用されている電子製品の回収がうまく機能していません。日本の電子製品の3Rは、平成13年と15年の資源有効利用促進法改正後、法人は有償でメーカーに処分を依頼することになっていましたが、ここ数年、レアメタルの高騰により、パソコンなどを無償で引き取る業者に渡り、その後、レアメタルの回収などの目的で違法に中国や東南アジアに売却され、地元で深刻な環境汚染問題が発生していると、多くのマスコミで特集されています。 さらには、小型ゲーム機やデジカメなどにもレアメタルが含まれていますが、資源有効利用促進法の適用外であるため、廃棄物扱いされています。現在、資材は一時の高騰から一転、暴落していますが、新興国では、1台20万円の車や2,000円のパソコンの発売など、再生エネルギー産業の普及により、レアメタルの価値が再び上がるのは自明の理であり、法の再整備やパソコンの3Rについて、実態に即して見直す時期に来ていると思います。 こうした中、我が会派は、先日、奈良県下市町の廃校を活用したパソコンリサイクル事業を高齢者や障害者の雇用の促進に結び付けるとともに、限界集落のにぎわいの復活に取り組む新しいビジネスモデルを視察してまいりました。 廃校は、同町が月10万円でリサイクル事業者に貸し付け、同事業者が大阪に保有している中古パソコン集積所よりリサイクルできるパソコンを搬入、薬品処理や熱処理をせず、ドライバーやペンチなどで分解し、素材ごとに区分けするので、一切公害を出さないとのことでした。 そして、その作業員として地元の高齢者6人を雇用しており、高齢者の方は時給750円、1人平均月12万円ほど稼ぐとのこと。働いている方に話を伺うと、「パソコンの分解には特別な能力など必要なく、数日あればだれでもできる。地元でいい働き口ができて、生活面で本当に助かる」と喜んで語ってくれました。 また、最近では、地元の養護学校と連携し、就業訓練を行い、今年4月から2名の知的障害者が働くことになるそうです。将来は、10人の障害者雇用を実現したいとのことでした。 さらに、地域貢献ということで、中古パソコンを使った無料のパソコン教室を開催し、地域の社交場にもなっているとのことでした。シルバー人材センターが存在しないため、高齢者などの雇用については何ら効果的な手段を講じることができなかったまちが、遊休施設であった廃校を有効活用することにより、高齢者だけでなく、障害者の雇用も促進され、なおかつ、地域の社交の場になるなど多大な成果を上げることができたとのことでした。 分解したCPUは1キログラム約1万円で、基盤ボードは3,000枚を約40万円で鉱山会社に売却されますが、大阪から下市町までの輸送コストに経費がかかることと、折からの資材の暴落により、経営は決して楽な状況ではないようですが、同事業者の社長は、パソコンの3R事業を通じ、地域社会の問題解決につながるこのビジネスモデルを確立させ、将来は、この場所で年間1万台のパソコンを処理し、できれば東京でも実施したいと熱く語っていました。 そこで、区長にお伺いいたします。 東京には、オフィスや官公庁が集中し、数え切れないパソコンがあり、輸送コストも抑えられる地の利があります。廃校も今後増えることから、高齢者や障害者などを雇用することを条件に、パソコンなどの回収・分解事業を実施する事業者に廃校を貸し付けてはいかがでしょうか。有限責任中間法人パソコン3R推進センターとも連携し、シルバー人材センターや障害者就労支援センターなどとタイアップするなど、さまざまな方法が考えられます。新しい雇用を創出し、循環型ものづくり産業にもつながるなど、幾重にも意味のある事業に育つと思いますが、区長のご所見をお伺いいたします。 また、経済産業省の調べでは、レアメタルが含まれる携帯電話の契約件数が約1億件を超えているものの、使用済み携帯の回収状況は年々悪化し、昨年はピーク時の約半分の644万台しか回収できずにいるとのこと。東京都では、昨年10月から11月の2カ月間、都内20カ所で試験的に携帯電話の回収ボックスを設置した結果、約2,000台の携帯電話を回収でき、レアメタルの推計量は、金25グラム、銀156グラム、銅9,220グラム、パラジウム12.6グラム、コバルト4,311グラムとのことでした。さらに、同時に実施したアンケートでは、今後、リサイクルに協力したいという人が半数を占めたことを受け、今後は回収拠点を拡大するとしています。 現在、区では、ホームページ上で携帯電話のリサイクルへの協力を呼びかけていますが、庁内には回収ボックスなどは設置されていません。情報流出対策は講じなければなりませんが、PRの意味からも、都と連携し、回収ボックスの設置など、積極的に展開すべきと考えますが、区長のご所見をお伺いいたします。 次に、女性の健康週間についてお伺いいたします。 国は、平成19年に策定した「新健康フロンティア戦略」において、女性のさまざまな健康問題を社会全体で総合的に支援することが必要であるとし、女性の健康週間を創設。国連が3月8日を国際女性の日としていることにちなみ、3月1日から8日を女性の健康づくりや知識の向上、健康課題に対する社会的関心を促すため、国や地方公共団体、関連団体等が一体となって各種の啓発を行う週間として、平成20年度からスタートさせました。 そこで、墨田区における女性の健康施策、特に子宮頸がんと乳がんの予防の啓発活動についてお伺いいたします。 今、20代から30代の子宮頸がんが急増しています。日本では、毎年約7,000人が発症し、2,500人が亡くなっています。子宮頸がんの原因は、性交渉によるヒトパピローマウィルスの感染であり、一般女性の80%が一度は感染すると言われ、ほとんどの場合は免疫力によって死滅しますが、まれに持続感染するケースがあり、5年から10年かけて異形成と呼ばれるがんになる前の状態に変化し、さらに進化するとがんになる危険性があります。すなわち、子宮頸がんは、他のがんと違い、がんになる前に発見できる唯一のがんで、発症原因がウィルスであることから、感染を阻止するワクチンも世界108カ国で使用され、先進国では、既に11歳から14歳の女性に対する公費負担での予防接種を行っている国もあります。日本においても、やっとワクチンの使用が認可される見込みが出てきました。その場合、区で行っている子宮頸がん検診やワクチンの有効性は大変大きなものですが、子宮頸がんの正しい情報が伝わっていない現状では、その受診率の低さから十分な効果が期待できません。今後のワクチン接種を考慮すると、中学生でしっかりと女性の健康管理の基礎を学習する機会が必要だと考えますが、学校での健康教育のあり方についてお伺いいたします。 また、十分な健康教育を受けてこなかった20代、30代の若い女性にも、啓発の場が必要です。受診対象者にはダイレクトメールで通知するなど、正しい情報の周知が必要と考えますが、区長のご所見をお伺いいたします。 次に、乳がんについても、子宮頸がん同様に検診受診率が低いことが課題ですが、東京都では、昨年10月のピンクリボンキャンペーンでマンモグラフィー検診車を導入し、積極的に啓発活動を行いました。我が区でも、こうした検診車の活用や若年性乳がん患者の実話を映画にした作品上映会などを通し、受診機会の拡大と検診の必要性をアピールしてはいかがでしょうか。 また、乳がんについては早期発見のために定期的な検診はもとより、日ごろの自己検査が大切です。北区では、乳がん検査法の普及に努め、乳がんの早期発見のためのテキストやチラシ、シャワーカードを配布するとともに講演会を実施。昨年のピンクリボンキャンペーンでは、自己触診補助用具であるブレスト・ケア・グラブを区内商店街の協力を得ながら配布し、乳がん予防の啓発を図ったと聞きました。こうした取組なども参考にしながら、さまざまな工夫をして乳がん予防の理解、啓発を図っていくことを提案します。 さらに、総括として、我が区における女性の健康をサポートするための相談窓口の設置を要望いたします。区長のご所見をお伺いいたします。 以上で私の質問を終わらせていただきます。ご清聴、大変ありがとうございました。(拍手) 〔区長 山崎昇君登壇〕
◎区長(山崎昇君) ただいまの公明党・加納議員さんのご質問に順次お答えいたします。 最初に、中長期的な財政見通しについてのお尋ねがございました。 ご指摘のとおり、ここに来て、景気の悪化が顕著となっており、去る2月16日に内閣府から示されました四半期別のGDP速報によりますと、昨年10月から12月期の成長率はマイナス3.3%、年率でマイナス12.7%と、大変厳しいものとなっております。 さらに、こうした景気の停滞の状況は、平成22年度以降も数年は引き続くのではないかと見込まれております。 一方で、本区としては、今後、新タワーに関連する施設整備や公共施設の耐震化など、新たな行政需要への対応も求められていることから、昨年の決算特別委員会に今後の財政運営の基礎的な資料として、直近5年間の財政推計をお示ししたところでございますが、現下のこのような急激な経済状況は全く想定外の内容となっております。 ご質問にありました現在の基本計画は、平成18年度から27年度までの10年間という長期にわたる計画であり、基本計画策定時と社会経済状況が大きく異なるような状況が生じた場合は、当然のこととして見直しを検討する必要があると考えております。 したがいまして、現在の経済状況が基本計画策定時と大きく異なってきておりますが、この経済状況がどの程度継続するのか先を少し見通すことによって、この計画の見直しもしていきたいと、そのように思っています。 21年度は、現基本計画の前期5年の4年目に当たりますことから、前期終了時点で見直すということになりますが、ただいま申し上げましたように、今後の経済状況の推移を十分見極めまして、改めて財政推計を行って、その上で計画事業の実施について優先順位を勘案し、見直しも含めて弾力的に臨んでまいりたいと考えているところでございます。 次に、地域経済対策の取組に雇用の創出・拡大にかかわる視点も取り入れてはとのお尋ねがありました。 先ほども申し上げましたとおり、現下の急速な経済悪化に伴いまして、雇用環境も極度に厳しい状況になっております。そうした中で、国や都においてもさまざまな雇用対策が講じられておりますが、区においても、単にこうした対策の効果を眺めるのではなく、区独自での可能な限りの取組も進める必要があると認識しております。 そういった中で期限付きの緊急的な対策ではなくて、地域経済対策に取り組む中で、しっかりと常用の雇用の創出あるいは拡大を図るという視点から、5項目にわたってご提案をいただきました。 まず第1は、新タワー区画内の維持管理部門における区民の優先雇用についてでございます。ご指摘のありました新タワーによる地域活性化等調査報告書の中で、かなりの雇用効果が見込まれておりますので、既にタワー事業者に対しまして、区民を優先的に雇用するように申入れをしておりますが、今後も引き続き働きかけてまいりたいと考えております。 第2は、新商品開発や観光関連グッズの生産販売への取組との連携についてでございます。区内企業は、どちらかというと下請体質が強く、自社製品の開発や販売においては弱い面がございます。これまでも、こうした面での振興策に力を入れてきておりますが、今後は、新タワーの開業を控えて、ご指摘がございました地域ブランド戦略との連携や、新タワーに係る工業所有権の活用などの方策につきましても、関係団体とも連携し、具体的な支援策を強めてまいりたいと考えております。 第3は、空き店舗等を活用した新規創業支援についてでございます。地域や商店街の活性化を図るためには、空き店舗の活用は重要な課題でございます。これまでも、都及び区の空き店舗対策支援制度を活用して、新規起業者を誘致する取組を行ってきているところでございます。 しかしながら、なかなか実績が上がらず、現在、この取組を行っている商店街は1カ所にとどまっておりますので、今後も機会をとらえて各商店街に強く働きかけてまいりたいと存じます。 第4は、大学の誘致に伴って、区民の雇用拡大を図ることでございます。区内に初の大学が誘致される副次的な効果として、区民の雇用拡大が図られる意義は大きいと思いますので、公募の際の地域貢献策の一つとして位置付け、事業者選定時における判断材料の一つとして検討させていただきたいと考えております。 第5は、新産業の誘致・育成についてでございます。後ほどお答えいたしますレアメタルの回収・分解事業については、有望な新産業分野であると認識をしております。さらに、新タワーでの高齢者や障害者の雇用創出も大きな課題と強く認識しており、シルバー人材センターや障害者就労支援センターを中心に、新たな就労先として開拓するよう考慮してまいりたいと存じます。 以上の五つのご提案に対して基本的な考え方をお示しいたしましたが、新タワーの開業が本区の雇用創出においても千載一遇のチャンスととらえ、雇用拡大に努力をしてまいりたいと存じます。 次に、
定額給付金に伴う
プレミアム商品券についてでございます。
定額給付金は、生活支援と併せて経済対策に資することを目的としておりますが、区内の商店街での使用を促進することにより、区内の商店街振興にも大いに役立つものと考えております。そこで、現在、いわゆる
プレミアム商品券の発行に向けて、墨田区商店街連合会と協議を進めているところでございます。 そうした中での最初のお尋ねは、
プレミアム商品券の発行主体に関してでございます。発行される商品券が区内の商店街で十分に活用されるためには、
定額給付金の給付に併せて、短期間にできるだけ数多くの商店に取扱い店の登録をしていただく必要があります。区商連が自ら発行主体となることで、傘下の加盟店の登録を促すことが望ましいと考えております。ただし、商品券のうち有効期間が6カ月を超えるものにつきましては、前払式証票の規制等に関する法律による規制の対象となり、任意団体である区商連は、これを発行することができないという制約がございます。できるだけ速やかに、区内での消費を喚起する意味合いからも、今回発行する商品券につきましては、有効期限を6カ月以内の短い期間に設定した上で区商連が発行し、プレミアム分を区が補助するという方向で協議を進めているところでございます。 商品券に関する二つ目のお尋ねは、割増しの上乗せに関してでございます。ご指摘のありましたように、幾つかの自治体で2割あるいはそれ以上のプレミアム率による商品券の発行を検討していると伺っております。 しかしながら、一方では、東京をはじめとする大都市圏におきましては購買人口が非常に大きいことから、仮にプレミアム率が1割であっても十分な消費喚起の効果が得られるのではないかという推測もされております。したがいまして、プレミアム率の設定に関しましては、費用対効果の面も勘案しながら、1割を基本に検討を進めたいと考えております。 商品券に関する三つ目のお尋ねは、取扱店の範囲についてでございます。消費者の利便性を考えますと、発行する商品券は区商連傘下の商店街に限らず、大型店やチェーン店なども含めた幅広い業種、業態の店で利用できることが望ましいと考えております。したがいまして、できるだけ多くの店で取り扱えるよう、区商連とも協議を進めてまいりますが、特に大型店に関しましては消費を吸引する力が非常に大きいことから、区内の中小小売店にも消費の効果が及ぶように配慮して、一定の参加条件の設定なども併せて検討させていただきたいと考えております。 商品券に関する最後のお尋ねは、商品券の発行に併せ、活気のできるようなイベントの実施についてでございます。区商連では、加盟店の販売促進のために、毎年9月から10月のすみだまつりの時期にかけて、全区を挙げての商業まつりを実施しております。今回の商品券の発行に併せた、このような販売促進イベントの効果は大きいと考えますので、区商連においてイベントを実施する場合には、区としても、できる限り支援したいと考えております。 また、実施に当たっては、区商連において、さまざま工夫されると思いますが、区内のスポーツ施設の利用券や伊豆高原荘の宿泊券の活用といったご提案につきましても、内部で調整をして、そういったことについて協力もしてまいりたいと考えております。 次に、平和都市すみだの取組に関しましてお尋ねがございました。 まず、東京都平和祈念館の建設についてでございます。 お話にもありましたように、東京都が横網町公園に平和祈念館を建設するという計画を発表し、その建設資金の寄付を募り、区民をはじめ、多くの都民が協力いたしました。 しかし、残念ながら、平成11年第1回都
議会定例会で建設関連事業案について、「都の厳しい財政状況と従来の経過を踏まえ、展示内容のうち、まだ議論が不十分な事実については、今後さらに検討を加え、都議会の合意を得た上で実施すること」との付帯決議がなされ、被災者名簿を安置する「東京空襲犠牲者を追悼し平和を祈念する碑」を設置したのみで、建設関連予算執行は凍結をされました。その後、この取扱いについての大きな動きはなく、当時の取扱いが継続されていると聞いております。 したがいまして、平和祈念館の建設につきましては、これまでの経緯を踏まえ、東京都において、その基本的な考えを改めて示すことを求め、その上で、区としてどのような連携ができるかを考えてまいりたいと存じます。 また、横網町公園を平和祈念公園等に改称するように、都に対して要望した事実はあるかというお尋ねでございましたが、要望したことはございません。といいますのも、横網町公園は、ご承知のとおり、戦災のみでなく、震災での被災者の慰霊も兼ねた記念堂が設置されていることにも十分配慮することが必要であるとの認識からでございます。 次に、平和に対する取組につきまして、幾つかご提案がございました。 本区では、元号が昭和から平成に変わることを契機に、新しい時代に向けての区民の共通の願いとして、平和への希求が区民福祉の向上につながるとの理念に基づき、墨田区平和福祉都市づくり宣言を行い、平和意識の啓発・普及に向けた各種事業を実施しております。 すみだ24万人の平和メッセージでは、平成元年以降、区民の皆さんから平和への願いを込めた折り鶴やメッセージを作成していただき、啓発に努めております。 また、3月10日の平和祈念コンサートをはじめ、国技館での第九コンサートでも、「人類は皆兄弟である」とのシラーの平和への詩を5,000人の大合唱で国の内外に発信しているところでございます。 さらに、空襲体験者が体験画の前で語るギャラリートークや小学校でのかたりべ事業につきましても、実施回数の拡大を図るなど、充実に努めているところでございます。 なお、海外の諸都市との交流に関しましては、機会を捉え、さまざまな国の各都市との友好交流を推進し、平和意識の普及・啓発に努めるとともに、
東京スカイツリーの完成を契機に、世界中から訪れる多くの来訪者に対するアピールにつきましても、今後の検討課題とさせていただきたいと存じます。 また、平和のために尽力された方を顕彰する制度につきましては、平和への取組は幅広く、その評価は大変難しい面もありますことから、ぜひご理解をいただきたいと存じます。 すみだ平和都市宣言のご提案でございましたが、先にも申し上げましたとおり、本区は、震災、戦災という大きな惨禍を経験し、区民の平和や防災意識は他の自治体に比べ、大変高いものがあると認識をしております。今後とも、区民の皆様とともに、墨田区平和福祉都市づくり宣言の理念に基づき、行動してまいりたいと存じますので、ご理解をお願いいたします。 次に、レアメタル回収・分解事業の支援による高齢者・障害者の雇用の確保について、何点かご質問がございました。 まず、レアメタルの回収をもっと進めるべきではないかとのご質問でございます。 資源の少ない日本にとって、電子製品を廃棄する際に、製品に使われているレアメタルを回収して、資源として再利用することは、今後も経済成長を持続していくためには不可欠であると考えております。 現在、家庭から出されるパソコン、携帯電話については、資源有効利用促進法に基づき、生産者責任、拡大生産者責任を明確にし、製造メーカーや販売店が使用済みの機器をリサイクルする仕組みとなっております。 現状では、パソコンについては回収実績が高まっておりますが、携帯電話については回収実績が伸び悩んでいることから、昨年、東京都では、携帯電話の駅、区役所でのモデル回収、利用者アンケートを実施し、検討に着手したところでございます。 現在、区では、携帯電話、パソコン等のリサイクルの仕組みにつきましては、ごみの分け方、出し方のパンフレット、ホームページ等によりPRをいたしておりますが、今後も生産者責任によるリサイクルが円滑に進むように、国、東京都と連携して対応していきたいと考えております。 次に、パソコンの回収・解体事業に、高齢者・障害者を雇用できないかとのお尋ねがございました。 奈良県の事例は、産業廃棄物として処理するパソコンについて、その作業場を学校跡地に誘致し、高齢者・障害者の雇用に結び付けたものと聞いております。本区においても、これまでも高齢者・障害者の就労先の確保に努めてきたところでございますが、現下の厳しい経済状況も踏まえ、シルバー人材センターや障害者就労支援センターを中心に、これまで以上に就労の場を確保する努力が必要と考えております。 こうした中で、ご指摘のあったレアメタルの回収・分解事業所の学校跡地への誘致についてでございますが、その必要性は十分認識しているところでございますが、地域の理解と協力も一方で不可欠でございます。 そこで、今年度に入りまして、障害者就労支援センターから携帯電話の解体業務をしている企業に就職した方もありますので、当面は、高齢者や障害者の適性にも十分配慮した上で、新たな就職先の一つとしてあっ旋をしてまいりたいと考えております。 最後に、携帯電話の回収ボックスの設置についてでございますが、現在、国、東京都で生産者責任、拡大生産者責任を基本として回収が円滑に機能するような方策を検討中と聞いておりますので、その結果を見て、適切に対応させていただきたいと存じます。 最後に、女性の健康週間について何点かお尋ねがありました。 まず、子宮頸がんについてでございます。 子宮頸がんの検診につきましては、他の検診も同様でございますが、国のがん検診指針に沿って、20歳以上の方を対象に、2年に1回受診できる方式で実施をいたしております。区民検診での受診率につきましては、平成19年度は4.1%となっておりますが、区民全体の受診率につきましては、職場や人間ドック等で受診されている方もおられますので、もっと高い率になっているのではないかと考えます。 ご指摘の子宮頸がん予防のワクチンですが、子宮頸がんの原因と言われるヒトパピローマウィルスのうち、二つの型のウィルスを予防するワクチンで、この二つの型は、我が国の子宮頸がんの原因の6割程度と言われております。免疫が付かない場合も考えますと、ワクチンで予防できるのは半分程度で、ワクチンが導入されても、すべてこれで検診の代替になるということには、必ずしもなりません。 したがいまして、区といたしましては、今後のワクチン接種の有効性等の科学的知見を見ながら、国の動向を十分注視してまいりたいと考えております。 また、がんに対する健康教育や啓発についてでございますが、まず、小・中学校において、女性の健康管理の基礎を学習する機会としまして、小学校では、体の発育・発達によって起こる初経や精通の仕組み、エイズや感染症の予防について学習するとともに、中学校では、エイズと併せて性感染症についての正しい知識を身に付け、その予防法を理解させることなどが指導内容となっております。 なお、指導に際しましては、児童生徒にとって自らの健康は自らの責任をもって維持し、増進させていくものであるとの自覚が持てるようにしております。 しかし、いずれにいたしましても、がん予防につきましては、若いときからの良好な生活習慣や健康管理が肝心でございますので、健康教育や啓発のさらなる充実を図りまして、正しい情報の周知に努めてまいります。 次に、乳がん検診の啓発についてでございますが、乳がん検診につきましては、40歳以上の方を対象にマンモグラフィーによる検診を実施しており、受診率は、平成19年度で5.3%となっております。40歳代から50歳代の女性がかかるがんとしては一番多くなっておりますので、ご指摘の啓発活動や自己検査方法なども参考にしながら、検診の必要性や予防策の周知を図ってまいりたいと考えております。 女性の健康週間の最後に、女性の健康をサポートするための相談窓口の設置のご要望がございました。 健康相談につきましては、現在、向島・本所両保健センターにおきまして、随時、実施をしております。相談員は、保健師など主に女性でございますので、特に女性の方が相談しづらいとのご意見はいただいておりません。しかし、今後、女性の健康相談窓口を設けたり、女性の健康週間に併せて啓発事業を実施するなど、女性が相談しやすい環境づくりには是非努めてまいりたいと考えております。 以上で、私からのご答弁を終わらせていただきます。
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○議長(西原文隆君) 議事の都合により暫時休憩いたします。 午後2時50分休憩
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○議長(西原文隆君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 一般質問を続けます。 32番・西恭三郎君 〔32番 西恭三郎君登壇〕
◆32番(西恭三郎君) 私は、日本共産党区議団を代表して、区民生活の実態に対する認識、
緊急経済対策、予算案及び介護保険問題、さらには
国際ファッションセンター問題などについて、区長に質問をいたします。 質問の第1は、区民生活の実態に対する認識についてであります。 区長は、施政方針説明で、景気の先行きなどについて、政府や日銀の動向を引きながら、厳しい経済状況と述べるにとどまっています。率直に言って、区民の暮らしと営業、地域経済に責任を負う最も身近な区政が、これでいいのかと疑わざるを得ませんでした。 今、区民生活は、国の構造改革によって定率減税の廃止や相次ぐ国保料の引上げなど、大増税負担増、物価の高騰などで苦難を強いられています。同時に、アメリカ発の恐慌的不況で、中小零細企業の仕事がないなど、ものづくりのまち墨田の工場数も、この10年間で5,000から3,500に激減し、危機的状況を呈しています。 また、雇用問題も深刻で、求人倍率は全国0.72に対して、墨田のハローワークでは0.46となっています。区民所得も低下し、所得200万円以下の世帯が52%、300万円以下を合わせると、実に71%に及びます。年々、所得低下が引き起こされているのであります。 内閣府が16日に発表した2008年10月から12月期の国内総生産GDP速報値によると、物価変動の影響を除いた実質GDPは前期比で3.3%の減少、年率に換算すると、12.7%の減となりました。これは、第1次石油ショック当時、1974年以来、35年ぶりの急激な落ち込みで、戦後最大の不景気との指摘もあります。大幅なマイナスとなった原因は、輸出と設備投資が減少したのに加えて、個人消費が大きく落ち込んだためであります。このようなもとで、今必要なのは、外需から内需へ、輸出大企業応援から家計応援へ経済の軸足を移すことです。雇用を守り、賃上げで国民の懐を温めることが内需を増やし、経済の成長につながります。さらに、社会保障を充実させ、中小企業の経営を支えることなどは、暮らしの安定に不可欠であります。 我が党は、1月25日、一般紙を含めた朝刊紙に7万部の区民アンケートを実施し、1週間で500余通の回答が寄せられました。今も引き続き回答が寄せられていますが、500通の中間集計では、「前年と比べて生活が苦しくなった」が昨年のアンケート以来、2ポイント増えて81%に及んでいます。その要因についての問いに、年金の手取り額の減少、増税と保険料などの負担増、物価の高騰、仕事の減少や売上げ減、医療や介護の負担増などでした。その結果、区民は、食費を削り、外出を控え、閉じこもりも増えていると言われています。 ところが、区長の施政方針には、区民が今日直面している営業や暮らしの分析、実態がどうなっているのか、何も語られていないのです。そこで語られたのは、区の事業をおおむね目標どおり実施してきたとか、今後、区の事業を確実に推進する、そのための財源確保に行革のさらなる推進をと語るだけでありました。区長は、このような区民生活の実態、区内業者の減少、雇用問題などをどのように認識され、区民生活と区内企業の防衛をどのように図られようとしているのか、見解と対策を伺いたいと思います。 質問の第2は、
緊急経済対策についてであります。 区は、1月に、追加
緊急経済対策と区に対策本部の設置を発表されました。中小企業・業者への融資では、私も繰り返し要求し、論戦してきた問題ですが、信用保証協会の保証料の全額補助の実施や幼稚園など公共物の耐震事業の前倒し発注などは評価しますが、しかし、雇用対策として打ち出した40人の臨時職員の採用については、応募はわずか4人にとどまりました。応募者が少なかった問題点について、新聞報道では、雇用期間が1カ月だけ、とても安心して働き続ける仕事ではないこと。関係者からも「行政として何もしないわけにはいかないから」「行政の単なるパフォーマンス」とか、厳しい指摘を受けています。識者からも、「行政が本当に雇用を創出するためというなら、人手不足の業種に雇用を生み出すための職業訓練などが大事」と指摘しています。 冒頭述べたように、墨田のハローワークの求人倍率は0.46で、仕事を探して必死の努力をしている方々は多いわけですから、このように応募者が少なかったことをどう見るのか。また、トライアル雇用制度の活用でも、補助金の上乗せは、他区との比較でも墨田区は少ないと言わなければなりません。さらに、都が
緊急経済対策として実施する30万人雇用創出事業の活用でも、5年に一度の中小企業センターの企業台帳の更新を業者委託で実施しますが、これは、
緊急経済対策でしょうか。本来業務ではありませんか。 また、小学校の警備事業6校を民間委託するとしていますが、これもシルバー人材センターの仕事をはがして民間に委託しただけで、
緊急経済対策の財源を使って一般施策の置きかえに終わらせています。これでは、今日の緊急事態に対応した
緊急経済対策と言えるものではありません。区長の見解を問います。 我が党は、暮らしと営業を守る対策を繰り返し提案してきましたが、改めて提案し、その実現を求めたいと思います。 まず、雇用対策であります。品川区では、区民を新たに雇う区内の介護サービス事業所を支援し、100人の雇用を生み出すとしています。支援の内容は6カ月以上雇用する事業所に1人当たり100万円を助成し、ホームヘルパー2級の資格を取得するための費用として、10万円を補助するとしています。中野区でも人材育成支援を行うなど、介護現場の人手不足・人材不足を解決することと併せて、緊急雇用対策として介護事業者や従事者への支援策を講じる自治体が増えています。 東京都も、ホームヘルパー2級取得の受講料の全額補助や介護事業所への助成金の支給等を実施しますが、区としても、都の事業を活用することと併せて、区独自の上乗せを行い、介護サービスの向上に努めるべきと考えます。 また、新宿区は、ハローワークと連携して、住宅付きの職業相談や就職面談会を実施しています。臨時職員などに公営住宅を提供する自治体も少なくありません。本区としても、空いているコミュニティ住宅などを活用し、雇用と住居を連動させた対策を図るべきではありませんか。 さらに、臨時職員の緊急雇用についても、賃金の引上げや雇用期間の延長、生活資金の貸付けなど、拡充を図るよう求めたいと思います。 次に、暮らしを応援する施策です。 現在、入学資金融資のあっ旋制度を、23区中5区で実施しています。江戸川区では、融資額200万円以内で利率0.5%、毎年100人以上は利用していると言われます。区としても、このような教育資金の貸付け制度の拡充が求められていると思います。 また、社会福祉協議会の応急小口貸付けを拡充するところもあります。ところが、区の新年度予算案では、応急小口貸付け事業の補助金を、967万円から106万円に大幅に削減しています。さらに、福利厚生資金の貸付けをやめた代替措置はどうなっているのか。国や都も一定の貸付金の拡充を図っていますが、区として、その隙間を埋めるような区民の実態に合った貸付金制度を構築するよう求めたいと思います。 さらに、区は、学校給食法で保護者負担に区分されているとして拒否していますが、学校給食費に助成を行う自治体が全国に広がっています。墨田区では、毎年のように値上げをしていますが、値上げをやめ、給食費に助成を行うよう、改めて要求します。 また、区民から高過ぎる、値下げしてほしいと要望の強い区民施設の使用料も値下げすべきではありませんか。区長の明確な答弁を求めます。 質問の第3は、新年度予算案についてであります。 区長は、新年の職員訓示で、「ここ数年、景気のほうも少し回復し、何と言っても、墨田区においては新タワーということがあって、組織の中に何か変えよう、新しいものにチャレンジしよう、新しい発想で何かを変えようと、そういうことが私にはふつふつと沸いてきている実感をしています。新タワーを核とした
まちづくり、組織づくり、行政のそういった課題についても積極的に取り組んでいく姿勢が私は重要だと思っています」と述べられました。私は、このような認識では、
緊急経済対策でも、区民生活の危機的状況の打開でも、暮らし応援の政策を打ち出すような発想は出てこないのだなと実感をします。景気が少し回復したと言われましたが、ここ数年の定率減税や諸控除などの廃止やフラット化などの増税、国保料や医療、介護の負担増など、区民の暮らしは困窮しています。区の税収増もこのような増税とマンション建設による人口増などの要因によるものではありませんか。こういう認識で予算編成をされたとすれば、区民生活の認識とのずれ、乖離が生まれることは当然ではありませんか。ですから、マスコミも、墨田区の予算案に区民の暮らし応援の施策が見えない。その結果、目玉が東京マラソンの誘致を打ち出し、「タワーの下を走ってほしい」などの見出しが踊る程度しかないのであります。 一方で、新年度予算案は、財政の厳しさを言いながら、北斎館の建設など、箱物行政を進めるというものであります。区長の頭の中には、タワー建設と、それに関連する
まちづくりへの財政投入だけですか。これまでも繰り返し述べてきましたが、タワーで24万区民が食えるわけではありません。東武のひとり勝ちが常識で、むしろ自然環境、住環境、交通問題、治安、ものづくりの立地環境の悪化などが懸念されているのであります。 また、区内全域における道路整備・補修、歩道の段差解消、電柱の地中化、鉄道の立体化など、タワーと無関係でインフラ整備は要望されているのであります。 ところが、タワー周辺には惜しみなく財政投入されるが、その他の地域は整備されないのかという区民の批判も寄せられています。職員の中からも、予算の内示を受けたとき、「一般道は置いてきぼりか」という声も聞かれました。 北斎館の建設でも、20数億円かけるなら、経済対策と区民の暮らし応援に回してほしい。大体、北斎館は区民から出た要望ではないという意見が多く寄せられています。私たちのアンケートでも、「賛成」が18.75%に対して、「反対」43.4%、これと延期を合わせると55.9%に上ります。「分からない」25.35%となっていて、区民の理解は得られていないのであります。北斎館の建設は凍結し、再検討されるべきではないでしょうか。区長の答弁を求めたいと思います。 次に、今急がれる課題としての区民の切実な住宅要求に応える問題です。 都営、区営の住宅応募の倍率は、依然、数十倍であります。区は、住宅マスタープランの見直し、前倒し実施されることは評価しますが、緊急に民間空き室を活用した借上げ住宅の提供や高齢者住宅借換え補助制度の実施など、他区でもやっている安心して住み続けることができる施策の推進が求められています。区民の住宅要求への対応について、区長の具体的な政策を伺いたいと思います。 また、孤独死や閉じこもり対策も、繰り返し我が党は要求してきました。具体的な施策は見当たりません。生活保護の受給者だけでも、だれにも見取られずに亡くなられる方は、19年度158人に及びます。対面による安否確認などの実施が強く求められていますが、区長のこの問題に対する認識も伺います。 さらに、高齢者の負担軽減策は、75歳以上の方のインフルエンザ予防接種の自己負担補助にとどまっていますが、入院見舞金の創設やこの間、切り捨ててきた施策の復活などを検討すべきではないでしょうか。 次に、多重債務者対策についてですが、ここでも見るべき施策はありません。多重債務者の掘り起こしを含めて、相談体制や全庁的な支援制度の構築などは、将来、担税力を持った、希望を持った元気な区民を生み出す上からも、重要な施策であります。多重債務の解消で生きがいを持って人生の再生ができるように支援することは、政府を挙げての事業と位置付けられていますが、区長の改めての見解を伺いたいと思います。 また、昨年10月から私的債権の調査・整理で、サービサーへの委託業務が実施されました。この事業は、例えば、小規模企業特別融資は、区の直貸し融資として34年前から実施され、多くの成果を上げてきました。しかし、当然、経済活動上、心ならずも借り主の倒産、保証人も含めて死亡などの理由で返済が滞る部分もありました。区は、銀行が3カ月返済を滞った場合、損失補償を行い、その後は、区が直接回収業務を行ってきました。この金額と件数は、総貸付件数は3,257件、貸出し総金額45億円、うち返済されたものは2,587件、38億円で、未済又は返済中のものを含め454件、5億円余となっています。 この間、区も借り主の実態を考慮しながら自主回収に努力されてきました。しかし、今回委託したサービサーという会社の性格はどういうものなのか。一言で言えば、金融不良債権の取立てを専門とする新ビジネスであります。2万7,000社あったサラ金業者等が利息制限法の成立でうまみがなくなり、このサービサー業務に参入してきたものであります。銀行などの不良債権が公的資金の投入等で不良債権をサービサー会社に売却しました。その結果、サービサー会社は、この10年間で急成長し、取扱い件数も15万件から5,000万件と、何と300倍になっています。取引額も7兆円だったものが200兆円を超え、トヨタの売上げを超える、回収金額も390億円だったものが21兆円に及ぶビジネスとなっているのであります。 この急成長の裏には、債権回収で悲惨な事件、悲劇が起こり、第二のサラ金地獄を生んでいると指摘しています。また、銀行の貸し渋りなどで不良債権が減るもとで、この業界が目につけている新しい分野が自治体だと言われています。住民税、国保料、年金保険料、公立病院の未収医療費の回収業務などです。また、公的債権を徴収するには弁護士法と同等な格上げの法改正が必要なようですが、現在、国会で与党の議員立法として継続法案となっているのであります。 区長は、このような性格を持ち、第二のサラ金地獄を生むであろうと言われる債権取立て会社に区民との私的債権の整理をなぜ委託したのか、真意を示してほしいと思います。 しかも、業務委託では、来年度1,050万円の委託料で、回収見込み想定額は1,000万円と言われています。これは費用対効果もゼロであります。なぜ区職員が直接回収業務を行ってきたのに、改めて債権回収業者に委託しなければ区の債権委員会が処理できないのか。さらには、サービサー会社への業務委託の拡大を考えておられるのかどうか、私は、公行政がとるべき道ではないと考えますが、以上の点について答弁を求めたいと思います。 次に、国保料の値上げをやめる問題であります。区民負担の増大が区民生活を脅かしている現状で、しかも、前述したように、国保料の不納欠損がここ3年間だけでも毎年度4億円から6億円に及ぶ膨大な金額を生み出している状況は、負担増が区民にとって耐えがたいものとなっているあかしであり、ただごとではありません。先ほど来引用しているアンケートでも、国保料の引下げの要望は切実であります。 来年度も国保料の引上げ案が示されました。均等割を現行4万8,000円を300円値上げする。限度額を68万円から69万円に引き上げる。賦課率を住民税の100分の140から110に引き下げるといっても、住民税のフラット化による影響は重大で、低所得者ほど大幅値上げになります。 区長会では、フラット化の負担増の影響を避けるため、2年間の激変緩和措置をとってきましたが、来年度、緩和措置が切れます。区民には大幅な負担増となることは明瞭であります。激変緩和措置の廃止に伴う区民への影響、とりわけ収入の少ない区民の負担増は明らかであります。その影響について具体的に説明を求めるとともに、国保料の引上げをやめるべきではありませんか。区長の認識を伺います。 質問の第4は、4期の介護保険の対応についてであります。 4期の介護保険制度がスタートします。これまでの改定でも、「保険料あって介護なし」と指摘されているように、認定が軽く認定される、その基本は介護給付費の抑制にあると言われてきました。特に本区では、「認定が低く抑えられている」との質問に、区長は、繰り返し「国基準に基づいて妥当に判定されている」と答弁してきました。国の基準を金科玉条のごとく言われることは、介護保険の実施主体の本区の長として全く遺憾と言わなければなりません。介護現場の実態、利用者の声や
ケアマネジャーの意見など、実態を直視する必要があります。区長は、国基準と差異がなければよしとされるのですか。新しい国基準では、寝たきりの方が自立とされるとさえ言われているのであります。 4月から実施される厚生労働省の新しい要介護認定方式では、コンピューターによる一次判定の調査項目が、現行の82項目から74に削減されます。この結果、認定の軽度化がさらに進むおそれがあります。 また、二次判定の審査会に提出される統計資料が削減されるため、コンピューターの判定を審査会の裁量権とともに、審査会で是正することが困難になります。まさに介護給付費のさらなる抑制にあると言われております。介護保険の認定の根幹にかかわる要介護認定制度を、受給者にさらに不利益をもたらすシステムに改変することは絶対に認めるわけにいきません。区長の見解を求めるものであります。 我が党が、介護保険制度の発足に当たり強調したように、基本は、福祉と保険の結合ですが、今やるべき問題として、第1に、保険料、利用料の引下げです。経済的理由で制度が利用できずに排除されている人々に応能負担の原則を取り入れること、高齢者や所得の少ない人の保険料や利用料を免除することです。 第2に、介護現場で働く人々が情熱を持って働くことができる労働条件の改善、当面、月額3万円の引上げとともに、介護報酬の5%アップを図ることと併せて、人員配置基準を改善し、常用雇用を主流にし、介護労働者に研修の機会を保証することです。 第3に、保健、福祉、公衆衛生などの面で、区として取組の再構築を図ることです。包括支援センターは、介護保険法ではなく、老人福祉法に位置付け、拡充を図るべきと考えます。 第4に、国民負担が重い最大の原因は、介護費用の50%だった国庫負担が25%とされ、三位一体の改革で22.8%まで引き下げられたことにあります。この国の負担率を50%に戻していくために、当面、5%の引上げなど、段階的に引き上げることではないでしょうか。 介護は、人間の尊厳にかかわる生存権の問題として真摯に受け止め、制度発足時に、仮にも言った理念である家族介護から社会的介護にということを実現するためにも、区長の決意が求められているのではないでしょうか。保険制度の維持という財政論、括弧付き負担の公平論は、もう結構であります。社会に長く貢献した人々が安心して老後を過ごすことができるものに改善が求められていると考えますが、区長の答弁を求めます。 最後に、
国際ファッションセンターについて伺います。 この問題は、区政の三大失政の一つであり、ホテル中心の旧庁舎跡地開発で、区民に1円の負担もかけないと言って開発を強行してきました。この後、50億円の融資、地代14年間無償、権利金10億円の値引き、その上、区の貸付金50億円の一部返還に区が損失補償するというものでした。しかも、毎年、事業補助を行い、地代を取るようになったら1億2,500万円の当初算定を3分の1の4,000万円に減額してまけてやる。しかも、区内ファッション産業支援を目的にしながら、その事業もほとんど成果を上げることができない始末でした。 そして、このファッションセンター支援問題は、私たちだけの指摘にとどまらず、与党からも批判が続いていました。このほど、区長は、「三つの改善」と称して、1、会社の底地権を13億円で売却する、2、損失補償を解消する、3、売却によって、結果、地代免除を解消するというものであります。 しかし、確かに損失補償の解消は言われますが、実態は、損失補償の解消を名分に、会社の経営基盤をさらに強化するための新たな枠組みを作り出したと言わなければなりません。会社は借地から所有権になり、名実ともに会社の資産になるからです。しかも、地価の安い今日、底地権を買い取り、今後、地代を払わなくて済む、すなわち当初算定の地代なら、10年間で会社の財産になるからであります。 会社はこの間、財政基盤が順調で、当初見込みより利益を上げています。この利益を本来なら真っ先に区に償還すべきところ、高い利息のところから返済するとして、銀行返済を優先してきました。だからこそ、区民の理解が得られなかったのではないでしょうか。 そもそも、今度の売却価格、坪単価底地権の3割、72万円、総額13億円という土地の売却価格は妥当とは言えません。近隣の売出し物件を見ますと、これと比較しても異常に安くなっているのであります。この土地の値下がりのご時世に売却することが、区民の利益にかなうのかどうか問われます。しかも、重大なのは、損失補償の解消は当然ですが、貸付残金の21億円の返還に触れていないのであります。今次の経済状況のもとで、区民生活の応援に回すことこそが求められています。なぜ21億円の貸付金の返還を要求しないのか。区長の明確な答弁を求めて、私の質問を終わります。(拍手) 〔区長 山崎昇君登壇〕
◎区長(山崎昇君) ただいまの日本共産党・西議員さんのご質問に順次お答えいたします。 多岐にわたるご質問がございましたので、すべてに適切にお答えできているかどうか分かりませんが、一生懸命ご答弁を申し上げますので、よろしくお願いいたします。 初めに、区民生活の実態に対する私の認識についてのお尋ねでございます。 先の施政方針の中に、現下の中小事業所や区民の生活実態について何も語られていないとのご指摘がございましたが、平成21年度予算では、景気後退の影響を大きく受ける中小零細事業者が多い本区の地域特性を踏まえ、区が独自でできる可能な限りの対応を図ったところでございます。特に本年1月に策定した
緊急経済対策は、企業経営、区民生活の実態を踏まえて策定したものであり、商工業融資、経営安定化資金の拡充、工事契約等における前払い金の運用拡大、臨時職員の緊急雇用等に取り組むこととし、この対策は21年度予算にも引き継いでいるところでございます。 これらは、中小事業所が多い本区におきまして、世界的規模での景気の急速な悪化による影響が大変大きく、それに伴う区民生活の実態が極めて厳しいことを踏まえまして、これまで以上の強い認識から対応したものでございます。 今後も、状況の推移を見ながら、今回の緊急対策以外にも、改めて、即時即効的な対策を実施いたしまして、区内企業と区民生活を守ってまいりたいと存じます。 続きまして、
緊急経済対策について何点かお尋ねがございました。 まず、臨時職員の採用への応募状況についてでございますが、1月から
緊急経済対策の一つとして、職を失った区民の方等を対象に、窓口補助等の業務について、臨時職員の緊急雇用を募集したところでございます。現時点では14人の採用となっております。40人の募集枠が埋まらない要因につきましては、西議員さんご指摘のとおり、短期間の雇用に対する不安もあろうかと存じます。今回の臨時職員の雇用は、あくまでも緊急の対策として退職を余儀なくされ、現に生活に困窮している方々に対しまして、次の雇用先が見つかるまでのつなぎの就労を提供する目的で実施したものでございますので、ご理解を願います。 また、都の
緊急経済対策を活用した雇用対策についてもお尋ねがございましたが、活用に当たりましては、雇用対策として効果があることを前提としております。したがいまして、単に業務の置換えではなく、委託に際して新規雇用を条件に盛り込むなど、社会全体に雇用が広がるような事業展開を図ってまいりたいと考えております。 次に、都の事業に併せて、区独自の介護サービスの向上に努めるべきとのご提案でございます。 区独自の対応として昨年度までに実施しておりましたホームヘルパー2級講座では、定員割れと修了者の介護職への就職率の低さにより、事業を廃止したという経緯がございます。介護現場の人手不足は、給与等の処遇面の要因が大きいとも言われており、国においても、その改善の措置が実施されることになりました。したがいまして、現時点では、都の事業に併せた独自の施策については、これらの推移を見て対応してまいりたいと考えております。 また、コミュニティ住宅等を活用した雇用対策を図るべきとのご提案でございます。 現在、国で公営住宅等の提供と連携を図った雇用対策を講じているところでございますが、本区及びハローワークの窓口における住宅相談は、これまで数件にとどまっているほか、都内の幾つかの自治体で提供している公営住宅等についても、実績がない状況と聞いております。 また、区営住宅やコミュニティ住宅の本来的な使用目的等も踏まえ、庁内で種々検討をいたしましたが、ご提案の趣旨に沿うことは難しいとの判断をいたしたところでございます。 次に、区が実施した
緊急経済対策における臨時職員の賃金につきましては、通常の臨時職員と同様の賃金で雇用契約を結んだところでございますが、21年度につきましては、通常の賃金の改定を予定しているところでございますので、それに連動させていきたいと思っています。 さらに、緊急雇用の期間につきましても、現下の経済状況から、引き続き延長することが必要であると考えております。また、生活資金の貸付け等につきましては、社会福祉協議会が実施している応急小口貸付制度等、既存の制度、相談体制を活用し、対応してまいりたいと存じます。 次に、教育資金の貸付制度拡充についてでございます。 現在、金融機関から融資を受けることができない方や社会福祉協議会での修学資金を借受けできない方を対象に、そのすき間を埋めるため、私立高等学校等入学資金貸付制度を行っているところでございます。今後とも、現制度の利用をPRしていきたいと存じます。 次に、応急小口貸付事業補助金が削減されているということについてでございます。 社会福祉協議会における事業補助金につきましては、今年度まで各事業ごとに人件費を組み入れておりましたが、21年度からは人件費を一本化し、別科目として計上したことから、表面上は減額となっておりますが、前年度の水準を維持するため、毎年80万円であった貸付原資を21年度におきましては100万円に増額し、充実を図ったところでございます。 次に、福利厚生資金の貸付けをやめた代替措置についてのお尋ねです。 福利厚生資金融資の制度は、昭和48年以来、延べ1,900人近くの方々にご利用いただきましたが、近年は、利用実績がほとんどない状況が続いていたことなどから、この制度が一定の役割を果たしたものとして廃止をいたしました。 なお、代替として、東京都が行っております中小企業従業員生活資金融資制度がございますので、当該の制度をご紹介することで対応をいたしております。 次に、学校給食への助成についてでございます。 ご質問にもありましたとおり、給食費の負担のあり方につきましては、学校給食の実施に必要な施設及び設備に要する経費並びに運営のための人件費等については公費負担とし、これ以外の食材に係る経費は保護者負担を原則に実施をいたしております。 なお、経済の低迷や食材費の高騰、国による米飯給食の一層の推進などを背景として、本区でも、学校給食協議会が主体となって、今後の給食費のあり方について協議がなされると聞いておりますので、その推移を見守りたいと存じます。 次に、区民施設の使用料値下げについてでございます。 区民施設等の使用料につきましては、3年ごとの見直し、検証を行っており、その際、高齢者施設、児童施設、集会施設などにつきましては、その性格からして使用料の引上げ幅の圧縮をする等の対応をいたしております。 こういった状況を踏まえ、今後、見直しを行うに当たりましては、受益者負担の観点から、コストの面も十分考慮しながら、適切な使用料を設定してまいりたいと考えております。 次に、新年度予算についてお尋ねがございました。 まず、現在の経済状況に関する認識についてでございます。 本区の財政状況につきましては、ここ一、二年、かつての危機的な状況からようやく明るい展望が開ける状況となり、各種の財政指標においても改善が見られたところでございます。 こうした中で、これまでややもすると縮小均衡といった発想で職務に当たってきた職員に対して、新しい発想を持って職務に当たり、さまざまな課題に対して積極的にチャレンジすることの必要性を年頭の職員への訓示で話したところでございます。 しかし、ここに来て、サブプライムローン問題やリーマンショックを契機として、景気の急速な悪化が見られるのはご承知のとおりでございます。 もとより、区民に最も身近な自治体に勤務する者として、区民の目線に立って、区民の生活実態を肌身で感じるように職員にも求めているところでございますし、私自身もそのように心がけているところでございます。 次に、平成21年度予算案についてでございます。 予算編成に当たりましては、ご指摘のような新
タワー関連事業のみでなく、
基本計画事業の着実な実施をはじめ、公共施設の耐震化をはじめとした防災対策、子育て支援対策、高齢者対策、環境対策などの喫緊の課題にも積極的に対応し、区民福祉の増進を図る予算として編成をさせていただきました。 一方で、新タワー関連予算についてでございますが、ご存じのとおり、新タワーが着工となり、現在、順調に工事が進んでおります。本区としては、この新タワーの建設を千載一遇のチャンスととらえ、本区の産業の活性化のために最大限の効果が得られるようにしたいと考えております。国内はもとより、海外からも多くの観光客が本区を訪れることから、周辺の環境整備はもとより、区内を1人でも多くの方に回遊していただけるような仕掛けづくりも重要と考えております。 また、交通渋滞や騒音、環境対策など、新タワーの建設に伴う負の部分への対応についても的確に対応してまいりたいと考えております。 なお、基本的に、新
タワー関連事業については、他の一般施策に影響することがないように、
まちづくり交付金の確保とともに、
特別交付金の確保にも努めているところでございます。 したがいまして、一般道路の維持補修を置いてきぼりにしたという事実はございませんので、念のため申し上げておきます。 次に、北斎館の建設の凍結、再検討についてでございます。 ご承知のとおり、北斎館の建設事業は、墨田区基本計画においてリーディングプロジェクトとして位置付けられている重要な課題でございます。また、北斎館は、国際観光都市を目指す本区にとりまして、
東京スカイツリーに対峙する文化・観光の拠点施設として、観光客の回遊性を誘導し、さらに新たな
まちづくりやまちの活性化を図る上で、どうしても欠くことのできない施設であると認識しております。 したがいまして、現段階では、北斎館建設の凍結や再検討は考えてはおりません。今後、改めて北斎館の位置付けや役割、本区にもたらす効果等につきまして積極的に周知を図り、区民の皆さんの理解をいただけるように努力をしてまいりたいと思います。 次に、住宅に関する具体的な政策についてでございます。 低所得者層を対象とする都営住宅や区営住宅が空き家を募集するたびに、高い競争率で推移していることはご指摘のとおりでございます。本区といたしましても、平成18年度に改定した第4次住宅マスタープランに基づきまして、低所得の高齢者向けに個室借上げ住宅等を計画的に供給してきたところであり、平成21年度も10戸の追加供給を予定しております。 なお、この住宅マスタープランは、本来ならば、計画期間10年間の中間年に当たる平成23年度中に改定する予定でございます。 しかし、この間、住宅関係法令の大幅な改正や改定当時に想定できないさまざまな社会経済情勢の変化もございますので、こうした情勢変化を踏まえまして、本区の住宅政策においても軌道修正を図る必要があると判断し、このたび、住宅マスタープランを1年前倒しで改定することといたしました。 なお、マスタープラン改定に当たりましては、今年度、実施したひとり暮らし高齢者実態調査の分析も踏まえながら、区民ニーズの実態把握に努め、真に住宅に困窮する方に対する効果的な居住支援のあり方について、総合的な視点から具体策を検討したいと考えております。 ご提案をいただきました民間の空き住宅等を活用した住宅施策につきましても、改定の中で調査・検討してまいりますので、今しばらくお時間をいただきますようお願い申し上げます。 次に、現在改定中の墨田区高齢者福祉総合計画の中では、高齢者の見守り施策の充実を図るとともに、日常の交流を通しまして認知症発見と閉じこもり防止に取り組む専門相談窓口を設置いたしまして、いわゆる孤独死や認知症発見、閉じこもり対策に積極的に取り組んでまいります。 かねてから申し上げておりますとおり、福祉施策は現金給付ではなくて、サービス提供を基本に推進することとしておりますので、ご提案の入院見舞金の創設は考えておりません。 次に、多重債務対策についてお尋ねがございました。 多重債務問題につきましては、消費者センターを相談窓口として、相談、助言、法律問題等を含む複雑なケースは、国や東京都とも連携を図っているところでございます。今後とも、相談体制の充実に努めてまいりたいと存じます。 次に、私的債権の整理と回収を、いわゆるサービサーに委託した理由についてお尋ねがありました。 ご指摘にもありましたように、小規模企業特別融資は、信用や担保力の不足により、商工業融資を利用できない小規模企業者向けの融資制度として34年前から実施しております。この間、さまざまな理由で返済が滞った債権の損失補償を行い、区が直接回収業務を行ってまいりましたが、現在でも未済額が5億円にも上っております。 このような状況の中で、平成19年4月に成立いたしました墨田区の債権の管理に関する条例の趣旨に沿って、小規模企業特別融資資金の損失補償に係る譲渡債権と福利厚生資金貸付債権について適正な債権管理をさらに促進するため、本年度から調査回収等の業務を、債権管理回収業に関する特別措置法に基づく債権回収株式会社、いわゆるサービサーに委託いたしました。 委託の大きな目的は、債権の管理回収専門業者としてのノウハウやネットワーク等の活用により、区の職員ではできない効果的で質の高い債権管理を確保することにございます。そして、今回の委託業者は、他の官公庁実績を重視しながら、3社によるプロポーザル方式により選定いたしました。また、特に本年度は、債権整理のための調査に重点を置いており、これまでの債権回収の対応を基本として、決して不当な取立てを強行する委託ではございません。したがいまして、第二のサラ金被害が生じるとのご懸念は無用かと存じます。 さらに、今後のこうした業務委託の拡大についてのお尋ねもございました。 今年度の委託による回収実績は、この1月末現在で約1,350万円で、委託前の同時期の比較では約2.6倍となっており、本年度の委託料の840万円の経費と単純に比較いたしましても、相応の金額面の効果が認められ、ほかに数的に表れない債権の調査や整理の面でも成果が上がっております。したがいまして、今後は、さらに今回の委託結果をきちんと検証した上で、債権の適正管理をさらに促進するため、他の私的債権への活用も検討してまいりたいと考えております。 次に、国保料の値上げについてお尋ねがありました。 現状の区民生活の実態からして、引上げが区民生活を脅かすというご指摘でございます。ご承知のとおり、国保会計の制度上、原則として医療費の半分、50%を保険料収入で賄うこととされております。保険給付費等の増加が続く中で、必要な保険料の値上げを行わない場合、不足分は一般会計から補てんすることになります。国民皆保険制度の中で、すべての方が各種の保険に加入され、保険料を負担されているわけですが、現状では、国保加入者のためにのみ公費を投入するということについては、区民の皆さんの納得が得られにくい面もあることも、是非ご理解をいただきたく存じます。 また、激変緩和措置につきましては、実施後2年が経過したことから、廃止をさせていただきました。 措置の廃止に伴う住民税額の変化並びに均等割、所得割等の改定など、全体の調整によりまして保険料が増加する世帯及び減少する世帯がございますが、23区平均で1人当たり年額928円の保険料の増というふうに試算をいたしております。 今回の保険料改定は、特別区の統一保険料方式を堅持しつつ、国民健康保険制度を維持・運営していくための不可欠な改定でありますので、是非ご理解を賜りたいと存じます。 次に、第4期介護保険の対応についてでございます。 初めに、要介護の認定制度に関するお尋ねがございました。 ご指摘のとおり、本年4月から要介護認定制度の見直しが行われますが、これは、調査員の考え方によって介護度にばらつきが出ないよう、調査内容の平準化等を目的に実施されるものでございます。この制度改正に当たり、全国モデル調査が行われましたが、その集計では、現行制度と特に大きな差がないとの結果報告となっております。 また、本区におけるモデル調査におきましても同様の結果が出ており、これらを考え合わせますと、新認定方式の実施によって、特に軽度化が進むことは考えられません。 なお、コンピューターによる1次判定について、認定審査会でその妥当性を審査するのは、これまでと同様でございますので、利用者に不利益をもたらすシステム変更とは考えておりません。 次に、保険料、利用料の引下げや免除についてのお尋ねでございます。 まず、保険料についてでありますが、昨年の第4回定例会におきましても答弁いたしましたとおり、介護保険制度は税等を財源とした一定の公費負担を前提に、給付に応じたご負担をいただく社会保険方式として取り入れた制度でありますことから、利用者の方の応分の負担は必要と考えております。 また、所得の少ない方に対する利用料の減免につきましては、現行におきましても高額介護サービス費や施設の食費、部屋代を減免する特定入所者介護サービス費の支給、社会福祉法人等サービス利用料支援事業、低所得者介護サービス利用支援事業を実施しておりますので、是非ご利用いただきたいと存じます。 次に、介護現場で働く方々の労働条件の改善についてでございます。 昨年の介護従事者の処遇改善法の成立を踏まえ、このたび、緊急特別対策として介護報酬改定率をプラス3%とすることが決定されました。この報酬改定により、介護現場で働く人々の労働条件の改善が図られるものと期待をしているところであり、その推移を見守ってまいりたいと考えております。 また、今回の改正では、人員配置基準の見直しや研修の実施、常勤職員が一定割合雇用している場合には、報酬への加算措置が講じられるなど、改善が図られているところでございます。 次に、保健、福祉、公衆衛生における取組の再構築と地域包括支援センターの位置付けについてでございます。 高齢者が地域において安心して暮らしていくためには、保健、医療、介護といったものが総合的かつ一体的に提供される必要があります。今後、これらの連携の充実を図ってまいります。 また、地域包括支援センターは、介護保険法において、地域住民の心身の健康の保持及び生活の安定のため必要な援助を行うことにより、その保健・医療の向上及び福祉の増進を包括的に支援する中核機関として位置付けられておりますので、この視点に立って、引き続き機能の充実を図ってまいります。 次に、国庫負担割合の引上げについてでございます。 介護費用の50%が国庫負担だったとのご指摘は、老人福祉法における措置のときの割合を指されているものと存じますが、ご承知のとおり、介護保険制度は、従来の老人福祉と老人医療に分かれていた高齢者の介護に関する制度を再編成し、相互扶助による社会保障制度として確立されたものでございます。 したがいまして、国庫負担の引上げは、介護保険制度の根幹にかかわることであり、国の慎重な対応もなされるべきと、そのように考えております。 最後に、
国際ファッションセンターにかかわる問題についてお答えいたします。
国際ファッションセンター株式会社に対する区の支援策につきましては、これまでも何度か支援スキームの見直しを行ってきたところでございます。そうした中で、損失補償、利子補給、地代減額の三つが大きな懸案として残っておりましたので、これらを解消するための対策として、区が保有しております
国際ファッションセンター株式会社の底地を売却する議案を、今次定例会の追加議案として提案させていただいたところでございます。 こうした提案に対して、今回の支援スキームの見直しは、損失補償の解消を名目として、会社の経営を強化するための枠組みを作り出すのが実態ではとのご指摘をいただきました。 今回の見直し策では、底地の売却によって会社の資産担保価値が高まることにより、会社独自の資金調達を容易にすることが前提でございます。したがいまして、今回の支援スキームの見直しにより、会社の経営基盤の強化に資する面も確かにございますが、このことは、区にとりましても、大きな三つの懸案事項の解消が図られることになり、メリットが大きいものと考えております。 しかし、一方で、これで会社の経営基盤が全く安泰かということになりますと、まだ依然として70億円前後の債務も残っておりますので、今後とも慎重な経営が必要な状況にございます。 次に、この時期に、底地を総額13億円で売却することの妥当性についてでございます。 今回の売却価格につきましては、区と会社の双方で第三者機関による鑑定を実施し、それらの結果に基づいて価格を決定したものであり、現時点での適正な価格であると考えております。また、土地が値下がりした時期の売却が区民の利益にかなうのかというご指摘もございました。現時点におきましても、サブプライムローン問題等の影響から、さらに地価は値下がりの傾向にあり、この先、一層の地価の下落を予想する声も多い中で、昨年10月時点での鑑定を基にした売却価格の決定は、一概に妥当性を欠くものとは言えないのではないかと思っております。また、売却による13億円の収入は、経済状況の急速な悪化に伴い、区財政も厳しくなる中では、一時的ながら、財政的にも寄与するものと考えております。
国際ファッションセンターに関する最後の質問は、貸付金21億円の返還についてでございます。 先にも述べましたとおり、今回の対策後も会社の経営が全く安泰という状況ではないことから、繰上げ返還までには至ってはおりません。したがいまして、今後とも会社の経営状況を慎重に見極めながら、機会を捉えて貸付金の繰上げ償還について、引き続き協議をしてまいりたいと考えております。 以上で、私からの答弁を終わらせていただきます。
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◆13番(林恒雄君) この際、議事進行の動議を提出いたします。 本日の会議は、これをもって散会されることを望みます。 お諮り願います。
◆3番(山本亨君) ただいまの林議員の動議に賛成をいたします。
○議長(西原文隆君) ただいま13番・林恒雄君から、本日の会議はこれをもって散会されたいとの動議が提出され、所定の賛成者がありますので、動議は成立いたしました。 よって、本動議を直ちに議題といたします。 お諮りいたします。 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(西原文隆君) ご異議ないものと認めます。 よって、本日はこれをもって散会することに決定いたしました。
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○議長(西原文隆君) 本会議は、23日午後1時から開会いたします。 ただいまご着席の方々には改めて開議通知をいたしませんから、さようご承知願います。 本日は、これをもって散会いたします。 午後4時6分散会 議長 西原文隆 議員 沖山 仁 議員 大越勝広...