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令和 3年第1回定例会-02月22日-03号

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  1. 台東区議会 2021-02-22
    令和 3年第1回定例会-02月22日-03号


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    最終取得日: 2021-09-13
    令和 3年第1回定例会-02月22日-03号令和 3年第1回定例会 令和3年第1回定例会 東京都台東区議会会議録(第3号) ●2月22日(月)                     (以下敬称略)  ───────────────────────────────────────── 出席議員(32名)      1番  拝 野   健          2番  岡 田 勇一郎      3番  鈴 木   純          4番  中 嶋   恵      5番  田 中 宏 篤          6番  中 澤 史 夫      7番  松 村 智 成          8番  山 口 銀次郎      9番  掛 川 暁 生         10番  中 村 謙治郎     11番  望 月 元 美         12番  石 川 義 弘     13番  髙 森 喜美子         14番  河 井 一 晃     15番  松 尾 伸 子         16番  寺 田   晃     17番  青 鹿 公 男         18番  鈴 木   昇     19番  伊 藤 延 子         20番  村 上 浩一郎     21番  石 塚   猛         22番  和 泉 浩 司     23番  堀 越 秀 生         24番  水 島 道 徳     25番  小 坂 義 久         26番  本 目 さ よ
        27番  早 川 太 郎         28番  秋 間   洋     29番  太 田 雅 久         30番  河 野 純之佐     31番  青 柳 雅 之         32番  小 菅 千保子 欠席議員 な し 欠  員 な し  ───────────────────────────────────────── 出席説明員  区長         服 部 征 夫    副区長        荒 川 聡一郎  教育長        矢 下   薫    技監         藤 岡 啓太郎  企画財政部長     田 中   充    総務部長       野 村 武 治  文化産業観光部長   岡 田 和 平    福祉部長       原 嶋 伸 夫  健康部長       齋 藤 美奈子    台東保健所長     小 竹 桃 子  環境清掃部長     小 澤   隆    都市づくり部長    伴   宣 久  教育委員会      酒 井 ま り    総務課長       前 田 幹 生  事務局次長  ───────────────────────────────────────── 区議会事務局  事務局長       箱 﨑 正 夫    事務局次長      吉 本 由 紀  議事調査係長     松 江 勇 樹    書記         野 口 文 子  書記         諏 訪 ゆかり    書記         大 黒 俊 介  書記         池 田 道 則    書記         佐 藤 大 地  書記         田 中 奈津子  ───────────────────────────────────────── 議事日程 日程第1 議席の変更について 日程第2 一般質問  ─────────────────────────────────────────          午後 1時01分 開議 ○議長(石塚猛 さん) ただいまから、本日の会議を開きます。  あらかじめ会議時間の延長をいたしておきます。  会議録署名議員の指名を行います。  会議録署名議員については、会議規則第136条の規定により、     27番 早 川 太 郎 さん     28番 秋 間   洋 さん をご指名いたします。  ────────────────────────────────────────── △日程第1 ○議長(石塚猛 さん) これより日程に入ります。  日程第1、議席の変更についてを議題といたします。  おはかりいたします。  本件については、会議規則第3条第3項の規定により、本日に限り、議席表のとおり議席を変更いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。          〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(石塚猛 さん) ご異議ないと認めます。よって、本件については、本日に限り、議席表のとおり議席を変更することに決定いたしました。  ────────────────────────────────────────── ○議長(石塚猛 さん) 議事の都合により、暫時休憩いたします。          午後 1時02分 休憩  ──────────────────────────────────────────          午後 1時02分 開議 △日程第2 ○議長(石塚猛 さん) 休憩前に引き続き、会議を開きます。  日程第2、一般質問を行います。  一般質問の発言通告がありますから、順次これを許可いたします。  22番和泉浩司さん。          (22番和泉浩司さん登壇)(拍手) ◆22番(和泉浩司 さん) 台東区議会自民党政調会長和泉浩司でございます。  新型コロナウイルス感染症により、亡くなられた方々とそのご家族に心からお悔やみを申し上げますとともに、入院、宿泊療養、自宅療養、さらには新型コロナウイルス感染症の後遺症に苦しまれている皆様の一日も早い回復をお祈り申し上げます。そして、医療関係に従事する皆様、エッセンシャルワーカーと言われる社会生活の維持に欠かせない業務に従事されている皆様に衷心より敬意と感謝を申し上げさせていただきます。  それでは、質問に入らせていただきます。  まず最初の質問は、今後の区政運営についてであります。  世界の感染者が1億人を超え、国内でも40万人を超える感染確認と7,000人を優に超える死者を数える新型コロナウイルス感染症。1年以上、全国民が本当に厳しい状況の中でそれぞれの立場で立ち向かってまいりました。特に医療従事者の皆さんは、日々の暮らしを顧みず最前線で治療や看護に当たり、福祉施設で働く方々は、決して施設内にウイルスを持ち込んではいけないという強い使命感で業務に取り組まれております。本当に頭が下がります。  新型コロナウイルス感染症の拡大という未曽有の事態の中、区は、昨年2月に対策本部を立ち上げてから、この1年、服部区長を先頭に様々な対策を打ちながら区政を前に進めてまいりました。融資や経営相談などの事業者支援や福祉施設の感染防止対策、小・中学校における1人1台のタブレットパソコンの配備、妊婦への特別給付金等各種給付事業などを実施してまいりました。財政面でも、今定例会も含め9回にわたって補正予算を計上し、感染症対策経費として約268億円の財政出動を行いました。  また、既定経費の中でのやりくりによる事業の充実や予算を伴わずSNSを活用して区内店舗を応援する「#たいとう愛」など、工夫を凝らした取組を行うなど、これまでの区の対策については評価しているところであります。  私は、昨年の令和2年第1回定例会一般質問で、新型コロナウイルス感染症対応で第一義に考えるべきは、区民の生命と財産を守ることと述べました。その後、感染拡大が繰り返される中で、この思いを強く持って、区民や事業者の方々の声を聞き、行動してきたと自負いたしております。  区も、区政運営の3つの柱を掲げて、区民の生命や健康を守ること、区民生活や事業者を支えることなどを重点的な取組と位置づけ、また、感染拡大防止と今後の財政収支への危惧から、事業の見直しや行政計画の改定を行っております。  また、先日の所信表明で、区長は、安全安心な暮らしの確保を基本とした上で、まちの活力を取り戻し、持続的な発展につなげるという、4つ目の区政運営の柱を掲げました。観光業や宿泊業はコロナ禍で大きな打撃を受けており、国内外からの来街者が以前のように戻ってくる見通しも全く立っておりません。しかし、こうした多くの事業者がまちに活力をもたらしてきたからこそ、今日までの本区が観光立区として躍進することができたのであります。  その意味で、今回の4つ目の柱は、感染対策をしっかりと講じながらできるものから進めていく、また、感染が一定程度落ち着いて、新型コロナウイルス感染症の収束も期待できるという状況を見定めながら準備を進め、観光立区としての活力を取り戻すという、区民に向けての意思表示であると理解し、大いに期待しているところであります。  そこで、区長に伺います。区政運営の4つの柱は、コロナ禍においても、その先の将来においても区政の重要な柱であると考えます。  また、今回の所信表明では、区政運営長期的指針である長期総合計画の改定について触れられています。長期総合計画改定の基本的な考え方について、4つの柱との関係も含めて、区長の所見をお伺いいたします。  次に、今後の財政運営に関して伺います。  財政全般に関しては、我が党、幹事長の代表質問で伺いましたので、私はより具体的にお聞きしたいと思います。  まずは、一般財源の見通しについてです。昨年の4月から6月期の実質GDPが戦後最大の下落を記録するなど、各種経済指標が悪化する中、特別区税や特別区交付金などの一般財源については減収規模リーマンショック時を超えるのではないかとの想定がありました。しかし、今回、区議会に提案された、令和3年度一般会計当初予算に計上された一般財源を見ると、結果として特別区税は約222億円となり、対前年度比で約3億7,000万円、1.6%の減、特別区交付金は263億円となり、対前年度比で13億円、4.7%の減になるなど、合計で約17億円の減収にとどまっています。リーマンショック時の平成21年度決算では、一般財源が対前年度比で約49億円の減収となっている状況からすると、3分の1の減収規模であります。  国は、来年度予算において、法人税の減収を25.4%と見込んでおり、東京都は法人二税において20.1%の減収を見込んでいます。当然ながら単純に比較はできませんが、本区の減収見込みがこの程度で収まっているのはなぜでしょうか。本当ならば喜ばしいことですが、念のため、このように計上された根拠を伺います。また、令和4年度以降についての想定も併せてお示しください。  2点目は、基金と起債についてです。  一般財源の減少が大きくなかった一方で、一般会計で約72億円の基金取崩しを行っており、平成14年度以降の当初予算ベースでは最高額となっています。起債の発行額も約38億円となり、令和2年度の3倍以上の規模となっています。税収等の回復が遅れれば毎年財源不足が生じることになり、対応として基金や起債のさらなる活用を図った場合、平成19年度以前のように起債残高が基金残高を上回る時期も近いのではないでしょうか。将来の区財政にとって懸念材料の1つであると考えます。  一方、今定例会に提案されている第9回の補正予算では、約35億円の基金積立てを行っています。今年度、感染症の影響により実施できなかった事業の不用額などを基金に積み立てることができたものと思われ、令和3年度末の基金残高見込み一般会計で約412億円となっています。令和3年度予算案は、言わば減収幅が想像したほどの厳しさではなかったことや、今年度に実施できなかった事業の未執行分もあり、基金や起債の活用等により、編成にこぎ着けることができたと私は理解しています。ただ、本当に怖いのはその先なのであります。コロナ不況での売上減少等による企業や個人の収入の減が納税額の減として現れるのは令和3年です。区の歳入に本格的に影響するのは令和4年度予算編成からと考えております。今年度のように事業執行不能のための残額も期待できません。健全な持続的行政運営のために財政収支推計の見直しも含め、より計画的な取組が必要と考えます。今後、どのように基金と起債を活用していくのか、区長の所見を伺います。  質問の第3は、行政運営についてであります。  まず初めに、行政評価について伺います。私は以前、事務事業評価の抜本的な見直しについて質問したことがありました。以前といっても、振り返れば、もう10年近くも以前、平成23年第2回定例会の一般質問において、事務事業評価の結果のほとんどが維持であり、維持のための評価になっている、廃止と評価した事業は、工事完了など終了したものばかりであると指摘いたしました。より効果的・効率的な事業執行と目的達成のために行政評価を実施しているのはそのとおりだと思いますが、やはり事務事業評価は事業の優先度を判定する仕組みであり、それは優先的にやるものにお墨つきを与えるだけでなく、やめるべき止めるべき事業を評価によって洗い出すものであるはずです。使い古された言葉になるかもしれませんが、やはりスクラップ・アンド・ビルドは不断に行われなければならないと考えます。  特にこの先、特別区交付金や区税収の減が見込まれ、税制改正や新型コロナウイルス感染症の影響で減収からの回復には相当な年月を要することになります。さらには、新型コロナウイルス感染症対策という新たな行政需要が区財政に大きくのしかかってくる中で、事業の見直し、スクラップの部分にこれまで以上に覚悟を決めて臨まなければならないのであります。  これまでも、事務事業評価の実施方法は何度か改められ、新たな手法を導入してきたことは承知しています。平成27年度から29年度にかけて行われた行政評価は、事業を類型化し、横断的に見渡して評価するというものでしたが、廃止・終了の評価は3年間でたったの僅か8事業にすぎず、その内容も工事完了計画どおり事業が進捗したことなど、いわゆる終了によるものがほとんどです。平成30年度と令和元年度は評価対象を行政計画事業に絞って行われましたが、30年度は廃止・終了は12事業でしたが、しかし、その内訳は奏楽堂工事完了、学校園等の工事完了電線類地中化モデル事業完了防犯カメラ設置完了と、全てが終了となったものであります。令和元年度の廃止・終了事業さわやかトイレ整備事業の完了による1事業のみでありました。  先ほど申し上げたとおり繰り返し申し上げますが、特にこの先、特別区交付金や区税収の減が見込まれ、税制改正や新型コロナウイルス感染症の影響で減収からの回復には相当な年月を要することになります。さらには新型コロナウイルス感染症対策という新たな行政需要が区財政に大きくのしかかってくる中で、事業の見直し、スクラップの部分にこれまで以上に覚悟を決めて臨まなければならないのであります。こうした状況の下では、事務事業評価をどのように行うかは極めて重要です。区民生活に資する大切な予算編成に直結するからです。どのような視点と手法をもって行うのか、ご所見をお伺いいたします。事業の精査には、時間も必要だと思います。例年よりも一層のスピード感とさらなる先を見通す目を持って、勇気ある決断の中、進めていただきたいと思います。  行政運営の2つ目は、職員の働き方改革についてであります。  昨年の第2回定例会の区長発言の中で、区長は、働き方改革に向けた取組を加速させるとおっしゃっておられましたが、その後、どのように取り組んでこられたのでしょうか。コロナ禍での外出自粛要請により、昨年春には、職員も最大で7割減の出勤体制を取り、現在は3割減ですが、通常より少ない職員で各課は業務に当たっています。感染拡大防止に必要な対応である反面、自宅勤務を強いられている状況で、仄聞すると、職場によっては業務遂行に大きな負担となっているとのことであります。  また、時差出勤のパターンが拡大されましたが、これは職員が少ない時間帯が生まれることでもあります。一部の職場では、自宅でも自分のパソコンから職場のパソコンを遠隔操作できるようにしていますが、一体その効果はどうなんでしょうか。ましてや、遠隔操作が導入されていない職場で自宅勤務をしている職員は、どれほどの成果を上げているのでしょうか。今回の出勤抑制や時差出勤の拡大、遠隔操作によるテレワークの試験導入などは、コロナ禍において緊急対処として実施されたものであると思います。すなわち決して働き方改革が進んだということではないということであります。しかし、言い換えれば、この状況は区役所の働き方改革を前に進めるチャンスでもあると思います。  1年前に人材育成として、管理職試験等の受験状況の改善について質問しました。区長は、キャリア形成支援などにより、昇任意欲の向上を図り、管理監督職の確保に努めると答弁されましたが、職員の意欲向上が働き方改革の狙いなのでしょうか。それとも、職場環境の改善が目的でしょうか。こういう時期だからこそ働き方改革の目的を明確に掲げて進めていかなければ、負担が増えている状況で、かえって職員の意欲は失われていってしまうのではないか非常に心配であります。高いモチベーションで働ける環境でなければ新たな人材の確保も困難です。また、多様な人材の能力を最大限発揮することで組織は有効に機能するものであります。  私が初当選した20年近く前の理事者は、行政で決定された案件は議会と丁々発止の議論を繰り返しながらも、一歩も引かない侍のような職員が多かったように思い出されます。議会と真剣な議論の中に、真に区民の皆さんの役に立つ施策が生まれるのではないでしょうか。区役所の働き方改革の最大の目的をどうお考えか、区長の所見を伺います。  改革を進めるに当たって、今回の様々な緊急対応をどのように生かしていくのか、併せてお示しください。  質問の第4は、事業者支援についてであります。  現在の感染状況を正面から受け止めれば、今優先すべきは、日々の暮らしが苦しい中でも、やはり感染拡大防止のために自らの行動を律して感染予防に努めること。また、自分が感染しているとの疑いを持って他者との接触を極力少なくすること。これに尽きると言わざるを得ません。しかし、飲食や宿泊、製造、物販などを生業としている多くの皆様は、感染症拡大防止のためと頭では理解していても受け入れ難い状況であります。苦悩の中で何とか頑張って踏ん張って商売を続けていらっしゃる、本当に多くの皆さんが耐え忍んでいるのが現状であります。  このコロナ禍という国家的危機において、暮らしに制約を強いる大号令を発し、それとともに負担を極力軽減するための方策を示すのは、もちろん国、政府の努めであります。また、移動の制限や休業要請、様々な活動の自粛などの具体的な方針を打ち出していくのは、都道府県、東京都がその役を担うべきであることは言うまでもありません。  それでは、区は、この第三波の中で一体何をなすべきなのでしょうか。これまで、国や東京都、区も様々な経済対策を打ち出してきました。決して十分なものとはなっていないと思いますが、支援を受けて、この1年余りを何とか乗り越えてきた方がいるのも事実です。ただ、現在の第三波は、これまでの頑張りを一気にのみ込んでしまうかもしれません。支援に手が届かず、もう耐え切れないという方々がさらに出てくることが容易に想像できます。区内事業者に対し、今日のような切実な状況下で、今後、区はどのように支援していくべきなのでしょうか。今は、一人一人の事業者に寄り添うことが基礎的自治体である区に最も期待されることであるはずであります。零細な事業者の中には、どの支援策を活用したらいいのか、それ以前に、自分が使える支援制度があるのかすら正確に知らない方もおられます。  昨年より、国や都の支援策のメニューは多岐にわたり、今現在でも日々刻々と変更、追加が行われています。先日も新たな支援策が経済産業省から発表されました。来月も追加支援が発表される予定と伺いました。しかし、そのほとんどがネットからのお知らせや電子申請が主流となっています。周知についてホームページでお知らせしている、それぞれが告知している、相談窓口や電話回線を増やしたと報告がありましたが、こんなときこそ区の職員がまちに出て、1件1件御用聞きに回るべきと申し上げてまいりました。その点では、先頃、担当課が補助事業のチラシを直接配布に歩いたことは評価しております。しかし、まだまだ不十分であります。財源的にも厳しい区の財政を考えると、有効活用されていないと感じる国や都の制度を十二分に活用していただくことが急務であり肝要です。  今後、区として事業者にどのように寄り添い、手を差し伸べていくのか、区長の姿勢が問われる事態でもあります。お答え、お考えを伺います。  区は、コロナ禍において、中小企業の資金繰りを支援するため、昨年3月に新型コロナウイルス感染症対策特別資金を創設し、また、6月には新たに経営持続化特別資金を構築し、こちらは受付期間を今年の9月までさらに延長すると聞いております。融資の受付は既に4,000件を超えていて、この数字を見ただけで、事業者の皆さんがどのような状況に置かれているかが分かります。経営を続けるための資金繰りは、言うまでもなく、中小企業にとって生死に関わる問題です。返済や様々な支払い期限が差し迫ってきたときの経営者の気持ちがどのようなものかご理解いただけませんか。ぜひご自分のこととしてお考えいただきたいと切に切にお願いを申し上げます。期間の延長は、この状況下で必要な判断であると思いますが、ここで問題になるのは、今後の返済であります。区の特別融資を利用し、コロナ禍で懸命に事業活動を続けてきたものの、依然として続くコロナ不況の中でコスト削減を図りながら必死に頑張っていても、借りた資金は返済しなければなりません。ワクチン接種が国の示すとおりに順調に進み、新型コロナウイルス感染症の収束のめどがつき、商売に明るい兆しが見えてきたとしても、やはり返済という局面はいやが応にでもやってくるのであります。  昨年3月に開始した特別融資の返済は既に10月から始まっています。6月に開始した現在の特別融資は、早い人で今年の7月からの返済が始まることになります。先ほど申し上げましたが、資金繰りは事業者にとって血液、生死に係る問題でありますが、その後の返済が重くのしかかってくるものでもあります。事業者に手を差し伸べ、血流を止めないためにも、さらなる融資制度の今後の展開について、どのように考えていらっしゃるのか、区長のご所見をお伺いいたします。  次は、防災対策についてであります。  区内で起こる災害の状況を目にするたびに、コロナ禍においても災害への備え、防災対策に終わりというものはないと強く考えさせられます。特に最近は、大地震への備えだけでなく、大規模水害に対して日頃から何を準備し、実際に被害が起きた際にどう対応するかが強く自治体に問われております。  令和元年9月の台風15号以降、遅れていた風水害対策についての検討が進められました。私ども台東区議会自由民主党は、南房総市、鴨川市など視察に伺い、被害に遭われた方々や市長さんをはじめとして、行政の皆さんと意見交換をしてまいりました。本区としても、昨年の10月に、台東区風水害対応方針を策定し、今後の風水害への備えや、いざというときの行動についての整理が改めてなされました。大変重要な方針です。  確かに、近年、全国各地で水の被害が多発しています。風水害への備えはもちろん重要ですが、ただ、そのせいか、災害に対する世間の関心が地震から風水害へとシフトしてしまっているような気がしてなりません。風水害は、特に台風の場合は、発生から被害が生じるまでの間に進路や勢力の予想を基に準備をする時間がある程度あります。しかし、地震は予知できません。今このときにも起こるかもしれない災害が地震なのであります。  2月13日、深夜、福島県沖を震源とするマグニチュード7.3の東日本大震災の余震と考えられる地震が発災いたしました。100名を超える方々がけがをされたり、お住まいが被災された方もおられます。改めて心からお見舞いを申し上げます。  このように、いつ、いかなるときでも行動に移さなければならない地震災害に対する意識が風水害への関心の高まりと相対的に薄れてしまっているのではないかと大変危惧しています。ましてやこのコロナ禍です。地震や台風、大雨などの自然災害への意識をいま一度高めるとともに、災害対策の基本的な事項である避難所運営について、改めて整理することが肝要であると考えます。  今定例会には、国土強靱化地域計画の策定や地域防災計画の改定について、所管課からの報告が予定されています。計画は大切です。事大地震に関しては、発災後の初動対応が重要であり、そのためには、情報発信や避難所運営といった基本的なことがしっかりと計画で定まっていなければなりません。また、基本がしっかりしていればこそ、現場でも柔軟かつ臨機応変な対処ができるというものであります。災害対応の基本である避難所運営について、避難者が安心して過ごすことができ、運営側もスムーズに行えるよう、改めて細部まで確認し、見直すべきものは速やかに改める必要があるのではないかと思いますが、区長のご所見を伺います。  東日本大震災からちょうど10年、この質問の通告後に先ほど述べた地震が発生いたしました。まさに最重要かつ喫緊の課題であると意を強くした次第であります。
     質問の第6は、まちづくりについてであります。  私が都議会から戻り、区議会議員として2度目のスタートを切った最初の質問の場は、令和元年第2回定例会の一般質問でありました。3年ぶりの区議会復帰でありましたが、その3年の間に、台東区における2つの重要な方針が策定されていました。  1つは、20年後の将来を展望する区政運営の最高指針である基本構想であります。将来像に「世界に輝く ひと まち たいとう」を掲げ、服部区長の我がまち台東区への熱い思いが込められた、言わば将来を見据えた服部区政の全貌であると言えます。  そして、もう一つの重要な方針が都市計画マスタープランであります。平成31年3月に策定された現在のプランは、基本構想に基づいてまちづくりの将来像を示し、その実現に向けた基本的な考え方や取組の方向性を示す台東区のまちづくりの根幹をなすものであります。他の分野の計画は大体3年から5年が計画期間であり、基本構想を具体化するための区政運営長期的指針である長期総合計画でも、計画期間は10年です。しかし、数ある区の計画の中で、この都市計画マスタープランだけは基本構想と同様におおむね20年後の将来を見据えて策定されています。計画期間の長短が重要度を表しているわけではありませんが、先を見通す目を持って策定しなければならない。また、中身の実現に長い時間を要するこの都市計画マスタープランは、基本構想と同様に区の将来を描く最も重要と言える計画なのであります。だからこそ私は、策定されて間もなく、区議会に復帰して最初の質問の場で、区長のまちづくりにかける思いについて問わせていただきました。区長も全力で取り組んでいくという強い決意を答弁の中で述べられておりました。  しかし、それから1年とたたずにコロナ禍に見舞われ、台東区政は大きな影響を受けており、まちづくりも例外ではありません。いや、まちづくりが受けた影響は非常に大きなものであり、長引いてしまう可能性もはらんでいます。それは、まちづくりが目の前の暮らしや仕事、健康、生命にすぐさま大きな影響を及ぼすものではないからであります。また、区民が何度も集まり、議論を交わし、少しずつ進める必要がある事業だからであります。この影響は来年度予算に顕著に表れています。令和2年度と比べて、都市整備総務費全体としては約4,400万円の増となっていますが、職員費で約1,200万円の増とJR浅草橋駅ホームドア整備助成で1億3,000万円の増を差し引いて考えれば、まちづくりに係る予算は実質的に1億円ほどの減となってしまっています。しかし、これは仕方のないことだと理解はしています。コロナ禍で福祉や健康、教育、産業などに予算が重点的に配分されるのは当然であります。また、まちづくりは区だけで実現するのが難しい取組であります。まちづくりの主役である区民やまちづくり協議会、各種協力団体、事業者、専門家など、多くの方々と協働してこそまちづくりは前に進みます。ただ、現在の状況では、区が積極的な姿勢を見せても、民間事業者に新たなまちづくりへの投資を期待するのは困難なことだと思います。区民も日々の暮らしに追われるのが現実です。  各地区のまちづくりは、検討スケジュールの見直しを求められています。時世がよくないといえば、それまでかもしれません。また、まちづくりは人づくりと言います。多種多様な人が異なる立場からまちづくりに関心を持ち、役割を担うことで、暮らしやすい誇れるまちになっていくものであります。  区長は、関係機関から多くの人材を招聘し、都市づくり部に配しているのは、まちづくりに係る人材育成という面もあってのことだと思います。まちづくりが止まってしまうと、人づくりも止まり、都市計画マスタープランの実現が遠のくことになってしまいます。まちづくりは時間がかかるからこそ、その歩みを止めてはならず、少しずつでも着実に堅実に進めていくべきであり、それが将来に大きな花を咲かせることになると考えます。  今回の所信表明は、今後の区政運営に当たり4つの柱を掲げ、危機感をしっかりと持ち続けながら、安全安心を前提にまちの活力を取り戻していこうという、誠に現在の状況にふさわしいものであったと思います。ただ、残念ながら今後のまちづくりについては、区長のお考えが示されておりませんでした。改めて区長のまちづくりに対する姿勢をお聞かせください。  最後に、コロナ後を見据えた事項について伺います。  今、区にとっては、新型コロナウイルス感染症対策が最重要かつ最優先の課題であることについては共通の認識であると思います。来年度予算においても、新型コロナウイルス感染症関連以外には新規事業がほぼ計上されておりません。今後、数年にわたる歳入予測の難しい状況下では、当然のことであると思います。しかし、その中で旧竜泉中学校跡地の福祉施設の建設や旧上野忍岡高校跡地の福祉施設の建設を進めていくという姿勢を高く評価いたします。今後の財政負担を考えれば、中断もあり得る中で進めることは英断であります。  そこで、私からも、コロナ後を考えれば、今から考えておくべき事項について、細かいことかも分かりませんが、幾つかの提案があります。  まずは、ペットに関する質問です。  このコロナ禍で新たな家族として迎えられる犬や猫が増えていると聞いております。ペットと過ごすことで、幸せホルモンと言われるオキシトシン等が増えるという研究もあるようで、コロナ禍の中でストレスを軽減し、生活を豊かにするためには大変よい選択であると考えます。しかし、新たに飼い始める人が増える一方で、コロナ禍で住環境などが変わり、飼い続けることができなくなった不幸なペットが増えている現実もあります。  小池知事は、2019年4月の記者会見で、東京都は犬猫の殺処分ゼロを達成したと、声高らかに、1年前倒しで達成と繰り返されましたが、これはうそで、全くお得意のパフォーマンスであり、現実は大きく異なります。一部のショップや一部のブリーダーの話は目をつぶっての結果であります。  さらに何度も訪れましたが、東京都の動物愛護相談センターの本所、城南島の分所、ともに収容された犬や猫がゼロになったわけではありません。センターに収容された犬や猫が殺処分に至らないように動物愛護団体が引き取り、新たな飼い主に譲渡し、飼い主が見つからない場合は団体が最後まで保護し続けているのであります。飼い主に譲渡するといっても決して簡単なことではありません。保護した時点で治療が必要な犬や猫も多く、必要な治療を施し、ワクチンを打ち、新しい飼い主になじむようにしつけや訓練を行います。コロナ禍で譲渡会も開けず、今も1年以上、我が家に人慣れさせるためにお預かりした犬が1匹暮らし続けています。すなわち知事が高らかに宣言した殺処分ゼロは、都の取組ではなく、動物愛護団体やボランティア活動に支えられているのが現実なのであります。  先ほど申し上げたとおり、コロナ禍の下でペットを飼う方が増えております。その中では十分な準備と覚悟を持って飼い主になられた方ばかりではなく、そのことにより様々な問題も生じてきています。東京都における飼い主からの引取り理由の8割は、飼い主の病気や死亡といった健康問題、残りの2割は経済的理由からだそうであります。区内の団体にも区民の皆さんからの相談も増える中、飼い主の高齢化や新型コロナウイルス感染症による経済的な影響等を考えると、動物愛護団体にさらなる努力を求めざるを得ません。  しかし、団体の力にも限界があります。民間の動物保護を担っているNPO団体などからは、新たな経費の増加が訴えられています。保護団体が引き取った犬の予防接種代の負担などであります。いわゆるまち猫の不妊手術代の補助を行い、世界的にも評価された本区ですから、犬猫の殺処分ゼロを目指す民間団体への支援も検討すべきではないかと考えます。仄聞したところ、他区においては、譲渡会の場所の提供もされているようであります。このように予算を伴わずともできる支援もあります。  あと一つは、ペットコミュニティエリアの充実です。この事業は、木下前議員と私が、党派を超えて連携した事業であります。最近あまり話題にも上りませんが、今こそその活性化は重要だと考えています。現在あまり告知もなく、利用者が1日10件に届いていない日もあります。現在、隅田公園、Aゾーンで犬の散歩をされている方の半分近くが桜橋を渡ってこられているように感じられます。台東区の犬の中には、お友達のほとんどが墨田区という現実もあり、桜橋のたもとという立地を考えると、姉妹区の墨田区民にも開放してはいかがでしょうか。登録費に対しても、今までどおり、区民は無料でよいと思いますが、他区の方は設備整備協力金として有料でもよいと言っておられます。それによってコミュニティエリアとしての有効性が一段と高まると思います。あまり知られてはおりませんが、隅田公園は土地の所有者が台東区ばかりではなく、国や東京都の部分もあり、拡張にも課題があることは十分承知しておりますが、拡張も検討すべきです。  次に、これまで区で作成してきた観光や産業に関する計画の見直しに関する視点についてであります。  今年度予定されていた産業振興計画の策定は、残念ながら延期されています。将来がウィズコロナなのか、アフターコロナになるのか、見極めは極めて難しいのですが、コロナ以前の状態に戻ることは簡単ではありません。インバウンド向けに整えられた体制は簡単には変わりません。誤解を恐れずに言えば、人を集めることを目指した観光や産業の分野では、それだけに頼らず、振興を図る方法も模索する必要性を強く感じております。今年度は、観光課や都市交流課の職員の多くが新型コロナウイルス感染症対策に従事しており、その他の課でも兼務体制やテレワークといった状況で、十分な人員体制がないことは庁舎を歩けばすぐに分かります。しかし、来年度にはどのような視点を持って振興の諸計画をつくっていくのか、まずそこから始めなければならないのであります。新たな創意工夫が求められています。新たな生活の中、そうした計画の見直しという大きな問題やペットのような身近な問題について、今まさに検討を進めるべきだと考えますが、区長のご所見をお伺いいたします。ご清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(石塚猛 さん) ただいまの質問に対する答弁を求めます。  区長。          (区長服部征夫さん登壇) ◎区長(服部征夫 さん) 和泉議員のご質問にお答えいたします。  ご質問の第1は、今後の区政運営についてです。  長期総合計画は、基本構想における将来像の実現を図るため、区が取り組むべき11の分野において、10年間の施策の方向と指標、取組を示した区政運営長期的指針です。また、今後の区政運営の4つの柱は、健康、福祉、産業、観光、行政運営などの分野を中心に感染症や社会経済活動の状況に応じ、ウィズコロナの時代における適切な対策を迅速に講じるための考え方です。  長期総合計画は、新型コロナウイルス感染症の影響など、区を取り巻く様々な社会経済状況が大きく変化したことに伴い、内容の改定をいたします。4つの柱は、ウィズコロナの時代はもとより、今後の区政運営においても特に重要であることから、その考え方や今後の取組、実績、効果などを見定めながら計画に反映してまいります。また、計画期間中の歳入歳出予算の見通しを示す財政収支推計についても計画に記載いたします。  私は、社会経済状況の変化を的確に捉え、各分野の施策を効果的・効率的に展開し、コロナ禍を乗り越えた後も基本構想における将来像「世界に輝く ひと まち たいとう」の実現に向けて、全力で区政運営に邁進してまいります。  ご質問の第2は、財政についてです。  まず、歳入予算についてです。特別区税については、例年、納税義務者数や所得の動向、税制改正の影響など、様々な社会経済の実態を踏まえ予算計上を行っていますが、令和3年度については、雇用・所得環境の悪化が想定されることから、リーマンショック時の指標も参考としたところです。令和3年度当初予算の特別区税は、令和2年度当初予算と比較すると1.6%の減となっていますが、令和2年度第9回補正後の歳入予算との比較では4.5%、約10億4,000万円の減となり、コロナ禍による景気低迷が本区の税収に影響をもたらすと考えています。特別区交付金については、財源である調整税のうち、市町村民税法人分は21%の減となりますが、調整税の占める割合が大きい固定資産税は増となるため、特別区交付金全体としては3.4%の減と大幅な減収にはならないとの見込みが示されています。  しかしながら、和泉議員ご指摘のとおり、本区の税財政への影響については、令和4年度以降に大きく表れてくるものと想定しています。こうしたことから、引き続き事業の見直しをはじめ、財政状況を踏まえた減収対策を行ってまいります。  次に、基金と起債の活用についてです。  基金と起債は景気変動に伴う大幅な歳入の減や、大規模な施設整備などの臨時的な歳出の増に対応する財源調整の機能を有しており、必要な区民サービスを維持するために重要な役割を担っています。基金については一定程度の残高を確保する必要があり、起債については長期的な償還の負担にも留意する必要があることから、これまで慎重かつ有効に活用してきました。令和3年度は、こうした考えに基づき、財政調整基金の活用を前年度並みに抑えるとともに起債を積極的に活用した結果、持続可能な財政基盤を堅持しつつ、減収にも柔軟に対応した予算編成を行うことができたものと考えています。今後とも必要な区民サービスを維持し、区民の生命と暮らしを守るため、直近の経済情勢や事業の見直しの結果などを踏まえた財政収支推計に基づき、基金と起債の計画的な活用を図ってまいります。  ご質問の第3は、行政運営についてです。  まず、行政評価についてです。本区では、毎年事務事業評価を実施し、前年度の事業内容を検証することで社会経済状況の変化による行政需要を的確に把握し、区民ニーズに即した事業の改善を図ってまいりました。しかし、これまでの評価は、必要性、効率性、手段の適切性、目的達成度の視点から実施しており、事業内容の改善については成果があったものの、和泉議員ご指摘のとおり、廃止や終了については極めて少ない状況です。新型コロナウイルス感染症の影響により、歳入では特別区交付金や特別区税の減収が見込まれる一方で、歳出では感染症対策をはじめ、様々な行政需要が増大しており、今後これまで以上に厳しい財政運営を強いられるものと考えています。  こうした状況の中、令和3年度は従来の方法による評価ではなく、新型コロナウイルス感染症が区民生活や区財政へ与える影響を踏まえ、事業の重要性や緊急性、規模、実施時期などについて検証を行い、スクラップ・アンド・ビルドを進めてまいります。また、この取組については、早期に着手し、令和4年度の予算編成に反映させてまいります。  次に、職員の働き方改革についてです。  私は、区民福祉の向上のため、複雑化、高度化する行政ニーズや新たな区政課題へ迅速かつ適切に対応することが区の役割であると認識しています。その上で区の働き方改革の目的は、職員のモチベーションやあるいは仕事の質を高め、効率的な業務の遂行につなげることにあると考えています。そのためにはAIやRPAなどのICTを活用するとともに、休暇取得率の向上や職員の事情に応じた柔軟な働き方などを推進することが重要です。  区では、新型コロナウイルス感染症感染拡大防止の観点から、昨年3月以降、時差出勤の拡大や在宅勤務を実施し、一部の部署においてはパソコンの遠隔操作によるテレワークも試行しました。これにより自宅で懸案事項を集中的に検討するなど、効率的に業務に取り組める効果もあることが確認できました。しかしながら、民間企業とは異なり、主な業務が窓口であることや対面で連絡、調整が必要な業務があること、また、自宅で個人情報を取り扱うことができないことなどから、テレワークの拡大には課題があります。現在全庁的に実施しているテレワークの試行を踏まえ、それに適した業務の検証等を行い、恒常的な制度として導入の検討を進めるとともに、ICTを活用し業務の効率化を図るなど、引き続き働き方改革を推進してまいります。  ご質問の第4は、事業者支援についてです。  私も和泉議員と同様、コロナ禍の影響を乗り越えようと懸命に取り組む事業者に寄り添い、より丁寧な情報提供に努め、必要な支援策を活用していただくことが大変重要であると考えています。区では、再度の緊急事態宣言の発出を受け、さらに厳しい事態に直面する事業者に有効な支援策を早期に活用していただくため、緊急経営相談ダイヤルの土日、祝日の開設や中小企業診断士による出張相談会を区内各所で開催しています。こうした情報を確実にお伝えするため、1月下旬から区の職員が区内の事業所を訪問し、支援内容や相談窓口を案内するチラシの配布を行うとともに、事業者の声をお聞きする活動を進めています。また、浅草商店連合会や上野商店街連合会などからも窮状を訴える声をいただいており、より厳しい経営状況に置かれていると認識しています。  そこで、2月から3月にかけて台東区商店街連合会が実施する緊急調査に対しても経費を補助いたします。さらにこれらの取組で得られた現況や切実な声を私が国に直接届け、支援の拡大について強く要請してまいります。  次に、融資制度についてです。いわゆる第三波による影響が今後も続くことが予想されるため、区では、信用保証料と利子を全額負担する台東区経営持続化特別資金を本年9月まで受付期間を延長し、事業者への資金繰り支援を継続してまいります。また、和泉議員ご指摘のとおり、既に区の制度融資をご利用されている事業者から返済に関するご相談もいただいており、先行きの見えない中で返済に不安を抱える方への支援も必要であると考えています。  そこで、事業者それぞれの課題に応じた助言を行う融資相談員の増員や特別相談窓口を継続し相談体制を充実してまいります。そして、ウィズコロナの時代においてもチャレンジしていく事業者を応援し、それぞれの経営状況に応じた資金繰りを支援するため、早期に新たな借換制度を創設してまいります。  ご質問の第5は、防災対策についてです。  避難所運営は災害時における基礎的自治体の重要な役割の一つであり、運営方法については、全国各地で発生している自然災害への対応を教訓として絶えず見直す必要があると考えています。区では、新型コロナウイルス感染症対策や多様な避難者を想定し、その実情に合わせた対応など、避難所の運営体制や運営方法の見直しを行ってまいりました。しかしながら、災害時に円滑な運営を行うためには、各避難所における詳細な手順についても検証していく必要があります。そのため、避難所運営委員会とともに避難所運営キットを使用した実践的な訓練を繰り返し実施し、運営の実効性を高めてまいります。引き続き避難所運営を含めた災害対策の充実を図り、被災者が安全に避難し、安心した生活を送ることができる、その環境づくりに取り組んでまいります。  ご質問の第6は、まちづくりについてです。  まちづくりについては、長期総合計画及び都市計画マスタープランに基づき、長期的な視点を持って施策を着実に推進していく所存です。和泉議員ご指摘のとおり、まちづくりは継続して進めることが重要であると認識しています。そのため、引き続き地域の方々や事業者など様々な主体による協働の下、滞ることなく協議を重ねてまいります。また、区としても各地区の課題の整理や解決方法について検討を継続してまいります。コロナ禍による社会経済状況などへの影響を鑑み、各地区のまちづくりについては、事業の進め方を見直していますが、今後も魅力あるまちの実現に向けて着実に進めてまいります。  ご質問の第7は、コロナ後を見据えた取組についてです。  新型コロナウイルス感染拡大が続く未曽有の危機の中、区では、感染症の影響を最小限に抑え、区民や事業者を守り、支えるために、この間、全力で感染症対策に取り組んでまいりました。和泉議員ご指摘のとおり、動物の愛護と適正飼養の推進は、コロナ禍の厳しい状況を乗り越えていくためにも大切な取組であると私も認識しています。また、ペットコミュニティエリアの充実など、様々な課題はありますが、区民の皆様の心を豊かにし、日常を支えるための取組についてもしっかりと検討していかなければなりません。さらに感染症の影響により社会の変革が加速し、人々の意識や価値観、行動も変化していることから、産業や観光など様々な分野において、これまでの取組の見直しを図っていくことも必要です。こうした状況を踏まえ、今後、区では、区政運営長期的指針である長期総合計画の改定に着手し、各分野における施策の見直しを図ってまいります。私は、コロナ禍を乗り越えたその先の明るい未来を切り開くために引き続き全力で区政運営に邁進してまいります。 ○議長(石塚猛 さん) 24番水島道徳さん。          (24番水島道徳さん登壇)(拍手) ◆24番(水島道徳 さん) たいとうフロンティアの水島道徳でございます。  新型コロナウイルスの感染が始まって1年が過ぎました。拡大と収束を繰り返し、昨年の暮れからは全国的に第三波が到来して、東京都では1月初めに1日に2,369人の過去最多の感染者を記録いたしました。緊急事態宣言後も高い感染者数が続き、減少傾向にはなってきたとはいえ、現在も数値は増減を繰り返し、昨日では272人となり、まだ安心できる状況には至っておりません。専門家の話ですと、100人が1か月続かないと、すぐ元に戻ると言われております。さらには新たな感染力の強い変異株なども出現し、医療従事者などに対するワクチン接種が始まりましたが、4月から始まる高齢者方をはじめとする全ての人にワクチン接種が完了するまでにはまだ時間が必要であり、その間にさらなる爆発的感染拡大が起きる可能性もあり、予断できない状況は変わりないと考えます。  今回は、第三波が全国で猛威を振るう中で台東区でも比例して多くの感染者が出ることとなり、私たちの身近に新型コロナウイルス感染症が忍び寄ってきた感じがいたしました。私自身も濃厚接触者になりかけたこともあり、年明けから一報を聞いたその日から逆算して2週間目まで自宅で自粛をしておりました。12月の暮れであったことで外部との接触がなかったのは幸いでした。手持ちの抗体検査キットで陰性ではありましたが、濃厚接触1日前だったということで、潜伏期間内は言いようのない不安でもありました。この感染拡大の緊急事態に対応した医療従事者の皆さんや保健所など、第一線で対応を行った皆様方には、大変な年末年始であったと感謝を申し上げます。  今回、私が接した感染者は39度近い熱を発しておりましたが、受け入れられる入院先がないため、ホテルに行きたいとの要望はありましたが、発熱者は利用できないため自宅療養となってまいりました。そして、PCR検査をした日から6日間、SNSを通じ体調の変化を聞き、私ができる範囲の対応を取ってまいりました。そのことを踏まえお聞きしたいと思います。  ニュースやワイドショーでは、自宅療養の方の死亡のニュースが流れる中、防げない事例もあり、改めて新型コロナウイルス感染症の怖さを感じたところであります。台東区の1月の自宅療養は、ピーク時で200人程度の患者がおり、保健所の対応も熾烈を極めたことと思われます。その対応について、大変厳しい状況下の中であっても業務を遂行したことは高く評価いたします。  それでは、自宅療養の対策について、3つお聞きいたします。  まず1つ目は、自宅での診療と処方の体制づくりについてお聞きいたします。自宅療養者はPCR検査後、陽性となると、保健所から体調の聞き取り調査や注意事項を聞き、静養に入ります。その後、医師の診察や薬の処方については、看護師センターとのやり取りの中でインターネットで検索してオンラインによる診療をするようにと指示されたそうです。オンライン診療はスマホ機器での診療とその症状による薬の処方の手配を、その日のうちに配達してくれるシステムであります。しかし、この間、入院の依頼や診察の薬の処方の仕方で、2日目となり高熱での自己手配の難しさ、家族はいますが、陰性なので、隔離のためうまく対応もできません。たまたま昨年引いた風邪の解熱剤を含む薬が残っていたため、薬が手に入るまでは事なきを得ましたが、このように診察もせずに自宅療養に入るケースは、事故にもつながりかねない大変危険なことだと考えます。感染者それぞれ感染した状況や体調の状態など、無症状から高熱を発症している方々など様々なケースの方がいると思いますが、PCR検査後に陽性と判明した際には、療養に入る初期の段階で診療を受け、薬の処方が必ず受けられるような体制をつくるべきと考えますが、区長のご所見を伺います。  次に、自宅療養者に対する日用品の配布についてお聞きいたします。  厚生労働省は、昨年の8月に改定した新型コロナウイルス感染症の軽症者等に係る自宅療養の実施に関する留意事項の改定で、新型コロナウイルス感染症対策事業に基づき、生活支援として配送による食事の提供を行うことが可能になっており、解除までの期間、軽症者等に対しては外出せずに自宅療養に専念してもらうため、食事の配布を確実に行うサービスの導入が重要であるとあり、このことは私が対応した対象者の時期にはまだできておらず、陰性の濃厚接触者の家族がやむにやまれず買い出ししたとのことでした。  1月下旬以降は、東京都がこの制度を運用し、希望者に食料と飲料水は配布していると聞き、食事等については安心いたしましたが、しかし、足立区では、昨年の第一波の4月から生活必需品等の物資を自宅で療養する方に対して支給することとしております。支給する物品は区が指定した食料品22品目、日用品5品目、女性用日用品1品目を希望者に、加えてマスク、消毒液など、区の災害用備品を使用し、自宅療養となった方の希望を聞きながら実施しております。このことは軽症者がホテルに滞在しない感染者に向けた事業でありました。  現在は、本区では食配を行っているので食料品は不要としても、日用品については生活にとって必需品であり、感染者や濃厚接触者の家族が快方するまでの期間を自宅から外出せずにいることは感染防止の観点からも精神的にも重要であり、日用品の配布をすべきと考えますが、区長のご所見をお伺いします。  ちなみに感染者の家族は、本人の陽性確定後6日間と感染者快方後の2週間、20日間にわたり自宅待機でありました。  次に、パルスオキシメーターの貸与についてお聞きします。  今回の新型コロナウイルス感染症の特徴は、重症化すると肺炎など呼吸器系器官の炎症が出るとされ、低酸素症になり、最悪の症状では呼吸困難になって自己呼吸ができないケースもあります。私自身も肺炎経験者でありますので、抗生剤が投与され、改善するまでの間、呼吸困難の苦しさは本当に大変なものでありました。新型コロナウイルス感染症の重症化の目安となる血液中の酸素飽和度の測定ができるパルスオキシメーターが今注目を浴びています。健康な成人が急に酸素飽和度が90%以下になるような低酸素症に陥ると、通常は強い呼吸困難に苦しめられます。ある医大生の実習でパルスオキシメーターを装着した後に酸素飽和度が90%になるまで息を止める実験したところ、9割以上の学生が苦しくなって脱落してしまったそうです。  今回の新型コロナウイルス感染症での肺炎では、ウイルス感染によって酸素飽和度が70%から80%のような重度の低酸素症の状態になっているのにもかかわらず、患者が息苦しいと訴えないことがあり、そのことは幸せな低酸素症、ハッピー・ハイポキシアの可能性が高いと言われ、低酸素症になると、多幸感といい、とても具合よく気持ちのよい気分になることであり、そのため重症化の発見が遅れるとされております。軽症として自宅で経過観察を指示された方が突如重症化して亡くなってしまうということがテレビなどで多々放映されております。私が関わった療養患者には、私が持っていた機器をお貸しいたしました。高熱と腹痛が続き、重症化するのか心配な中でパルスオキシメーターが手元にあることで、新型コロナウイルス特性の肺炎に至る数値が測れることが何よりも安心でありがたかったそうです。  本区でも50個用意したと報告は聞いております。今は100個ぐらいまであるそうですが、今回は自宅療養者200名、第四波が来るとは想像はしたくないものではありますけれども、このことから、医療に常に見守られていない自宅療養者の必要な方全てに貸与することが必要ではないかと考えます。区長のご所見をお伺いいたします。以上で私の質問を終わります。(拍手) ○議長(石塚猛 さん) ただいまの質問に対する答弁を求めます。  区長。          (区長服部征夫さん登壇) ◎区長(服部征夫 さん) 水島議員のご質問にお答えいたします。  自宅療養対策についてです。まず、診療と処方の体制づくりについて、本区では、新型コロナウイルス感染症の陽性者の方には、入院または宿泊施設での療養を勧めてまいりましたが、先月の新規陽性者が急増した際には、病床や宿泊施設が逼迫したため、多くの方が自宅療養となりました。  現在、自宅療養者は大幅に減少しておりますが、自宅療養者の不安を軽減するため、これまで個別に対応してきた電話等による医療機関での診療や処方、薬局からの処方薬の配送などについて、より利用しやすい方法としてまいります。  次に、日用品の配布についてです。  現在配布を希望する自宅療養者に対し、区の調査に基づき、東京都が食料品等を配布しています。配布物品については都が選定していますが、日用品の配布についても都に要望してまいります。  次に、パルスオキシメーターの貸与についてです。  パルスオキシメーターとは、皮膚を通して酸素飽和度と脈拍数を測定するための装置で、新型コロナウイルス感染症の重症化の判断の目安として有効とされています。区では、現在、必要数を確保しており、年齢や全身状態などから必要と判断した場合には、自宅療養者に貸出しをしております。今後も新型コロナウイルス感染症の陽性者の方には、入院または宿泊施設での療養を勧める方針に変更ありませんが、自宅療養される方の支援につきましても、全力で取り組んでまいります。 ○議長(石塚猛 さん) それでは、ここで10分間休憩いたします。          午後 2時14分 休憩  ──────────────────────────────────────────          午後 2時24分 開議 ○議長(石塚猛 さん) 休憩前に引き続き、会議を開きます。  32番小菅千保子さん。          (32番小菅千保子さん登壇)(拍手) ◆32番(小菅千保子 さん) 台東区議会公明党の小菅千保子でございます。会派を代表して一般質問を行います。区長におかれましては、積極的な答弁をお願いいたします。  初めに、脱炭素社会について2点伺います。  近年、国内外で温暖化の影響による異常気象が相次ぎ発生しています。昨年はフランスでは史上最高の46度を記録、イタリアのベネチアでは最悪の高潮、オーストラリアやアマゾンでは大規模な森林火災、日本でも、ここ数年、ゲリラ豪雨による被害が激化しています。2020年、南極は気温20度超えを計測、このままでは海面が上昇し、水没する国や地域が出てくるとしています。今月、インドでも氷河が溶けたことで海面上昇による大洪水が報じられました。現実の課題が待ったなしであることの事実を突きつけられた思いであります。これにより経済格差を招くと危惧されております。  昨年10月、菅総理は、2050年までの温室効果ガス排出量実質ゼロを表明いたしました。続く11月には、地球温暖化対策に取り組む決意として、気候非常事態宣言を決議、公明党も2050年脱炭素社会の実現を訴えております。2020年度第3次補正予算編成では、税制改正や補助制度の拡充、基金創設で技術革新を後押しする事業、カーボンリサイクルの推進、水素社会の加速化などを予算化されました。この点については、速やかに区民の皆様に情報発信していただきますようお願いいたします。  ここで、SDGs目標13の観点から、脱炭素社会への本区の取組について伺います。  まずは、日本は2030年までに温室効果ガスを2013年度比26%削減するとしています。この脱炭素社会への取組については、基礎的自治体として着実に区民の皆様の行動変容を促す取組の推進が鍵になってまいります。令和2年3月に策定されました台東区環境基本計画の中でも、脱炭素社会の形成を主要課題の一つに位置づけ、取組方針を示し、気候変動分野の基本目標にのっとり、様々な取組が強化されていることについては評価いたします。そして、同時にこれらの本区としての基本目標である地球環境に配慮し、脱酸素に向かうまちを達成していくためにも、この地球と生命をどう守っていくのか、世代を超えて学び合い、みんなで行動発信していく必要があると考えます。  そこで、国の示す温室効果ガス排出実質ゼロの取組を進めるとともに、環境分野の創業や新たな雇用創出を図るためにも人材を育成する(仮称)ダイバーシティ青年会議の設置が必要であると考えますが、いかがでしょうか。区長の先見性のあるご所見をお聞かせください。  2点目は、SDGs目標12と14、プラスチックごみの問題について伺います。  毎年最大1,200万トンのプラスチックごみが海に流れ出ているということです。想像もつきませんが、毎分トラック1台分に相当する量と言われております。日本のプラスチックごみの排出量は1日約10トン、海を汚すだけではなく、細かく砕かれたプラスチックごみや化粧品などに使われているマイクロプラスチックは海洋での食物連鎖で体内に取り込まれるリスクが懸念されているところです。  石油を原料としているプラスチックは、生産から廃棄までの段階でたくさんの温室効果ガスを排出します。政府では、プラスチックごみの削減やリサイクル促進を強化するため、プラスチック資源循環促進法を制定する方向との報道がありました。制度開始は2022年度を目指すとしております。まずは、政府は2019年5月に策定したプラスチック資源循環戦略に基づき、2030年までに使い捨てプラスチック製品の排出量25%抑制を目標としています。現状では、プラスチックごみのほとんどは可燃ごみとして焼却していますので、焼却したときの二酸化炭素排出量や最終処分場の状況からも取組は喫緊の課題であります。台東区環境基本計画の主要課題の一つとして循環型社会の形成と位置づけ、基本目標として廃棄を抑制し、資源を大切にするまちを目指して他区に先駆けて戸別収集を開始するなど、食品ロス削減をはじめ、様々取組を開始していることについて評価いたしております。  本区の取組として、期限までに目標を達成していくために、区民のさらなる理解と協力を呼びかけ、取り組んでいくことが急務であります。そこで、本区におきましても、できる限り早期にプラスチックごみの回収を開始すべきと考えますが、いかがでしょうか。以上2点、区長のご所見をお伺いいたします。  次に、SDGs目標1、「断らない相談」窓口の設置による包括的支援体制の構築について伺います。  1990年、バブル崩壊、2008年、リーマンショック、2011年の東日本大震災と、相次ぐ社会的背景の変化の中で経済的に困窮する人々が急増したため、国は生活保護受給手前の予防措置として、第2のセーフティーネットとしての生活困窮者自立支援法を制定しました。これに伴い、本区では、保護課生活困窮者支援担当が設置されました。  昨今、介護、生活困窮、虐待、ひきこもり、ダブルケア、ヤングケアラー、8050問題、ごみ屋敷等々、個々人の問題は一層複雑多様化してきております。その上、今回新型コロナウイルスの感染によってすっかり私たちの生活スタイルも変わり、経済的にも甚大な影響を受け、人生設計が大きく変わってしまった方々も大勢いらっしゃいます。それぞれの家庭で抱える複合的、複雑多様化した課題への対応、解決は難しく、どこに相談すればよいのか分からず、また、行政側も苦慮するケースが増えてきているのではないでしょうか。  コロナ禍という異常事態の中での生活が1年以上続いている中で、今回のコロナ危機は、世界銀行によると、第二次世界大戦以降で最悪の景気後退になると見ています。そうした中で、ほとんどの業種で収益が急激に悪化し、かつてないほど多くの人々が職を失い、これまで安定した生活を送っていた方々も突然困窮という事態に陥っている現状があります。
     厚生労働省は、今年2021年4月、社会福祉法の改正により、重層的支援体制整備事業を新設し、複合的な課題解決への糸口として、市区町村に断らない相談窓口の設置を促しております。国は2021年度予算で複数の部署にわたる、断らない相談窓口への財政支援が一体的にできるよう、新たな交付金を計上しております。本区としても、誰一人取り残さないとの姿勢を断らない相談業務として体系づけ、検討していく必要があると考えます。なお、その際、例えばAIを活用したワンストップ相談に取り組んではいかがでしょうか。もちろん深い相談は対面で行うべきですが、職員の負担軽減を図り、問題を整理してその道筋をつけることが可能になると思います。  そこで、本区においても、多様な機関との連携を強化するなど、断らない相談窓口の設置による包括的支援体制を構築すべきと考えます。区長のご所見をお伺いいたします。  次は、SDGs目標11、セーフティネット住宅の家賃低廉化制度について伺います。  本区では、昨年、住宅について困窮されている方々のための居住支援協議会による相談窓口を設置いたしました。これについては、提案者としても高く評価しているところであります。しかしながら、現状はニーズに応じていくにはなかなか難しい状況のように感じております。平成29年10月に施行された改正住宅セーフティネット法の成立に伴い、居住支援協議会が創設されましたが、高齢の方、障害のある方、子育て世帯、住宅に困っている方など、住宅確保要配慮者の入居を断らない住宅の登録を進め、その情報を要配慮者に提供することで住宅を探しやすくすることを目的とした制度です。国は、登録してくださった家主に対し、住宅改修費や家賃を下げるための経済的支援を行うものです。また、要配慮者に対しては、一緒に住まいを探したり、入居後の見守りや家賃債務保証を行う居住支援法人を指定し、支援するという仕組みです。今政府が打ち出している新たな住宅セーフティネット制度を活用した家賃低廉化制度は入居者への経済的支援として家賃と家賃債務保証料の低廉化に対する補助があります。  豊島区では、一般社団法人と連携し、空き家物件をセーフティネット住宅として活用する取組で、家賃滞納や孤独死などを懸念され入居を拒否されるケースが多い現状から、その問題解決のため、居住支援法人として空き家を借り上げ、家賃保証や見守り支援を行い、入居者に不測の事態が起こった場合の対応を確約することで貸主も借主も安心できる仕組みができています。また、東京都においても、要配慮を必要とする方々に向けて、東京ささエール住宅への補助制度を昨年から開始しています。あわせて、例えば住宅所有者が高齢で単身世帯である場合、リバースモーゲージの手法でその所有者も住み続け、空いた部屋を改修し、低廉の家賃で多世代シェアハウスとして活用していくケースも考えられます。  コロナ禍で、国は第3次補正予算において、家賃低廉化制度を改正し、住居確保給付金などを受給される方については、現在住んでいる住まいの家主さんが要件を満たし、セーフティネット住宅として登録した場合、従前からの入居者がそのまま引っ越すことなく、住み続けることができるようになりました。  そこで、本区におきましても、住み続けたいと願う区民の皆様にとって、言わずもがな住まいは生活の根幹であります。国と東京都のそれぞれの住宅に関する事業を精査していただき、福祉と住宅の縦割りを超えて、セーフティネット住宅の家賃低廉化制度の導入について前向きに取り組んでいただきたいと考えます。区長の積極的な考えをお聞かせください。  次は、SDGs目標1と3、女性並びに非正規労働者の就労支援について伺います。  昨年12月に野村総合研究所が行った、パート・アルバイト女性の実態に関する調査によると、コロナ禍、シフトが半減し、収入も大幅に減少しているものの、休業手当もない状態で経済的に困窮し、精神的にも厳しい状況に直面しているパート・アルバイト女性が増えている実態が明らかになり、実質的な失業者が2020年12月時点の推計で90万人に上るとの実態が浮き彫りになりました。その上、経済的理由でこの先生きていくのが難しいと感じることが増えたと答えた方が2人に1人と、この調査結果には胸が痛みます。今回の実態調査は、パート就労など、女性が対象で行われましたが、多くの非正規就労の方々の実態と受け止めていかなければと実感しております。  本区においても、昨年から様々な相談が急増しています。担当所管の職員の皆さん、また、それに伴う業務の職員の皆さん、そして、就労支援員さんも骨身を惜しまず、相談者に対応してくださっていることにここで改めて感謝申し上げ、評価いたします。  第3次補正予算で生活困窮者自立支援制度の機能強化を促進する新型コロナウイルス感染症セーフティネット強化交付金も計上され、ぜひこれを活用して、各事業の体制強化を図っていただきたいと考えております。また、国の雇用対策パッケージの中の休業支援資金や東京都の緊急雇用対策等、有効活用して、コロナ禍だから求められるリモートワークのマッチング事業や新たな分野のスキルアップのための事業、専門分野のリカレント教育など、就労に資する施策の情報発信をしていただきたいと強く願っております。  一つここでご紹介させていただきたいと思いますが、昨年12月、労働者協同組合法が成立しました。施行されるのは2年後の予定です。この法律は、協同労働の協同組合、つまり出資、経営、労働を一体化した協同労働を行う組織に法人格を与える法律です。組合員がそれぞれ資金を出し、経営に運営に関わり、意見を述べ、ともに働く、収入だけではなく、やりがいや生きがいを持って働くことを目的としている働き方です。既に40年以上の活動実績もあり、国内外、または国内各地で多くの方々が働いています。合議と納得の上で、年齢、性別、障害のあるなし、子育て中の方もそれぞれの状況に応じて柔軟に就労することができます。また、場合によっては創業も様々な分野で可能となります。  もう一つ、静岡県富士市では、日本財団プロジェクトと連携して、働きづらい人に寄り添い働きたい方を後押しするユニバーサル就労という働き方も始まっています。様々な就労形態があります。これによって働くチャンスが広がります。ぜひ情報提供をお願いいたします。  さて、女性並びに非正規労働者については、国や東京都からの様々な就労支援策が打ち出されていますが、この非常時においては、各法律に基づいた縦割りではなく、就労支援と福祉が一体となって、就労のことなどで今苦しんでいる方々へ速やかに支援策が行き届くようにするべきであります。そこで、誰一人取り残すことがないよう、就労を希望している方への情報提供や支援制度の拡充、体制の整備などに取り組むべきと考えます。区長の率直なお考えをお聞かせください。  最後は、SDGs目標、糖尿病重症化予防について3点伺います。  新型コロナウイルス感染症がやや落ち着いてきたかのように見えますが、コロナ禍で糖尿病患者の重症化リスクが注目されております。  昨年12月、厚生労働省は、新型コロナウイルスワクチンの優先接種の対象とする基礎疾患に糖尿病を加える決定をいたしました。糖尿病の方は免疫に関わる細胞の働きが弱いため、様々な感染症にかかりやすいと言われております。その一方で、アメリカ糖尿病学会では、糖尿病であっても血糖コントロールが良好であれば、新型コロナウイルス感染による危険は糖尿病でない人と同等であるという見解を示しております。その意味でも、医師の下、適時適切な治療が大切であると言えます。  国は、2016年4月に糖尿病性腎症重症化予防プログラムを策定いたしました。このプログラムは、糖尿病が重症化するリスクの高い医療機関の未受診者、また、受診中断者について関係機関からの適切な受診勧奨、保健指導を行うことにより治療に結びつけるとともに、リスクの高い通院患者に保健指導を行い、人工透析への移行を防止することを目的としています。透析や糖尿病性腎症などの重症化へ移行しやすい治療中断者を一人でも多く受診勧奨していくことは、区民の皆様の生命、健康寿命の延伸につながり、ひいては医療費の抑制にもつながります。  そこで、3点お伺いいたします。  現在、本区において、特定健診の結果が糖尿病判定値の方や治療中断者への受診勧奨はどのように行っているのでしょうか。それによってどのように受診の状況が改善したのか、現在の状況をお聞かせください。  2つ目に、本区では、この糖尿病歴ありで、現在健診を受けていない治療中断者への受診勧奨は行っているのでしょうか。  3点目に、レセプトデータは5年間保存されると聞いております。治療中断が長くなればそれだけで重症化リスクは高まります。ぜひこのデータを活用し、過去5年間遡って健診を受けていない治療中断者への受診勧奨を拡充し実施すべきと考えます。区長のご所見をお伺いいたします。  今回、国は、第3次補正と令和3年度予算を15か月予算と銘打って、切れ目なく様々な支援事業などを盛り込んでいます。しっかりと区民生活を守るため、野心的に獲得し、コロナ禍を乗り切っていける予算措置を図っていただきたいと強く要望して一般質問を終わります。ご清聴いただきありがとうございました。(拍手) ○議長(石塚猛 さん) ただいまの質問に対する答弁を求めます。  区長。          (区長服部征夫さん登壇) ◎区長(服部征夫 さん) 小菅議員のご質問にお答えいたします。  ご質問の第1は、脱炭素社会についてです。  まず、自治体の取組についてです。私も、社会と生活を維持しながら、地球環境問題を克服していくため、環境保全と経済成長が両立した持続可能な発展を目指した脱炭素社会を実現する必要があると考えています。  区では、昨年3月に、台東区環境基本計画を策定し、温室効果ガスの削減目標を定めましたが、国の温室効果ガス排出量を実質ゼロにする方針を踏まえ、新たな目標について検討を進めてまいります。  これまで区では、環境(エコ)フェスタを開催し、環境行動の促進や意識啓発を行うとともに、小学生が大人とともに環境について学ぶ、こども環境委員会を実施し、長年にわたり未来のエコリーダーを目指す人材育成に取り組んできました。  小菅議員ご提案の(仮称)ダイバーシティ青年会議については、これらの活動と併せ、国や環境に関連する団体などの情報を収集しながら検討してまいります。  次に、プラスチックごみについてです。  脱炭素社会に向け、環境負荷の低減に寄与することからも、プラスチックごみの資源化を推進することが重要であると認識しています。本年3月に策定する台東区一般廃棄物処理基本計画においても、重点的取組として位置づけています。プラスチックごみの資源化については、国の法整備の状況を注視するとともに、効率的な収集・運搬体制や選別・保管を行う処理ルートの構築、区民の皆様にとって分かりやすい周知など、円滑な事業の実施に向け、検討してまいります。  ご質問の第2は、「断らない相談」窓口の設置による包括的支援体制の構築についてです。  現在、区では、介護や生活困窮者支援などの様々な相談業務において支援を必要とする方の状況を丁寧に伺うことで、実態を把握するとともに適切な支援につなげるよう努めています。  断らない相談については、国において検討が行われ、世代等を問わず、相談を受け止める相談支援事業をはじめとした包括的な支援体制を区市町村が整備するよう努めるものと、本年4月に施行される改正社会福祉法で規定されています。区においても、小菅議員ご提案の多様な機関との連携強化等を含め、来年度策定する台東区地域福祉計画において検討してまいります。  ご質問の第3は、セーフティネット住宅の家賃低廉化制度についてです。  セーフティネット住宅には、高齢者等の住宅確保要配慮者の入居を拒まない登録住宅と住宅確保要配慮者のみが入居可能な専用住宅の2種類があり、家賃低廉化補助等を受けることができるのは専用住宅のみとなっています。専用住宅は、不動産事業者や物件オーナーが通常得られる更新手数料や礼金が得られないなどの課題があり、登録が進んでいないのが現状です。既に家賃低廉化制度を導入している他区においても、専用住宅の数が少なく、実績が上がりにくいという実情から、特別区長会から国に対し要件の緩和を求める提案を行っています。家賃低廉化制度を導入するためには、より活用しやすい制度となるよう国に求めていくことが必要であり、今後も引き続き働きかけてまいります。  ご質問の第4は、就労支援についてです。  新型コロナウイルス感染症の拡大は、パート、アルバイトなどの非正規雇用で働く方にも深刻な影響を及ぼしています。区では、これまでもそれぞれの就労課題に関する支援事業を実施するとともに、ハローワークや労働相談情報センターとも連携し、相談者に応じた情報提供と相談支援に努めています。コロナ禍の影響を受け、国では休業支援金・給付金事業を実施しているほか、東京都でも早期再就職緊急支援事業など、職を失った方を対象とした様々な支援を実施しています。就労については迅速な対応が必要であり、生活支援情報と一体となった就労情報の発信ができるよう工夫するとともに、区の各窓口とハローワークなどの関係機関との連携を一層密にし、一人一人が目指す就労につながるよう全力で支援してまいります。  ご質問の第5は、糖尿病重症化予防についてです。  区では、国民健康保険加入者を対象に糖尿病に係る未受診者対策及び重症化予防についてデータヘルス計画に位置づけ、令和元年度から実施しています。  まず、現在の治療中断者等への受診勧奨の方法と受診の状況についてです。特定健康診査の結果から対象者を把握し、最大で4回の通知と電話による勧奨を行っています。その結果、令和元年度は勧奨対象者のうち約半数の方について、医療機関への受診が確認できたところです。次に、健診を受診していない治療中断者への受診勧奨及びその拡充についてです。現在は健診受診者を対象としておりますが、治療中断者は重症化リスクが高く、医療機関の受診につなげる必要性はより高いと認識しています。小菅議員ご提案の過去5年間のレセプトデータの活用を含め、拡充について関係機関と協議し検討してまいります。 ○議長(石塚猛 さん) 17番青鹿公男さん。          (17番青鹿公男さん登壇)(拍手) ◆17番(青鹿公男 さん) つなぐプロジェクトの青鹿公男です。  つい先日も東北地方を中心に震度6の大きな地震がありました。気象庁によると、今回の地震は2011年3月の東日本大震災の余震であると考えられ、しばらくの間、まだまだ大きな揺れが心配であるというふうに報道があります。今年は東日本大震災からちょうど10年目の年でもございます。いま一度帯を引き締め直さなければいけないと私も思っておりますし、実は、この年は日本だけでなく、トルコやニュージーランドのほうでも大きな地震がありました。さらに10年前に遡りますと、2001年はアメリカ同時多発テロ、さらにその10年前に遡りますと、1991年湾岸戦争とバブル崩壊という、日本の経済破綻が起きた年でもございます。こうやって、10年に一度、甚大な被害に皆さん見舞われてきましたが、そのたびごとに人々は結びつきを強くし、乗り越えてまいりました。  今現在、このコロナ禍であらゆる業種のみんなが苦労しております。それでもみんな歯を食いしばって日々懸命に生きております。それは、いつかきっとこの台東区も明るい未来が来るだろう、また、あのにぎやかな台東区が来るであろうというふうに信じているからで、そんな区民に寄り添い、新型コロナウイルス感染症対策を万全にした上で現場に足を運び、肌に感じていくのが区議会議員の役目だというふうに思っております。  本日は3点ご質問をさせていただきます。  まず、1点目は、将来の交通の在り方を踏まえたまちづくりについてです。新型コロナウイルス感染症感染拡大は仕事や生活環境に多大な影響を及ぼし、個人の価値観に大きな変化をもたらしつつあり、今後社会状況は大きく変化すると見込まれております。そういった中、最新技術の進展を取り込みながら将来を見据え、交通施策のあるべき姿を検討する必要があると強く感じております。  交通分野での技術革新はパーソナルモビリティーや自動運転などのテクノロジーが進歩しており、交通を取り巻く環境は大きく変化しつつあります。そして、このテクノロジーの一つにMaaSが上げられます。  MaaSとは、サービスとしての移動、モビリティー・アズ・ア・サービスの略語であり、交通をその種別などにかかわらず移動のための一連の手段として位置づけ、それらをICTの活用により、一つの統合されたサービスとして捉える概念です。  カーシェアリング、相乗りするライドシェアのほか、スマートフォン1台で最適な移動手段、経路の検索から予約、決済までを完了できるサービスなど、新たな形態のMaaSが相次いで生まれており、都市部における交通手段不足など、各地域の交通課題の改善につながることが期待されております。また、鉄道やバス等の既存モビリティーの利便性を高めるだけでなく、AIオンデマンドバスなどの新しいモビリティーとの組合せや小売店舗や宿泊施設等の周辺サービスと連携した一体的なサービス提供ができる点もMaaSによって実現される新しい価値です。  東京都は、東京の稼ぐ力の中核となる第4次産業革命技術の社会実装を通じ、経済発展と社会的課題の解決を両立させるSociety5.0の実現に向け、このMaaSを重点プロジェクトとして位置づけ、2019年度から実証実験を行っております。その実証実験報告書によると、竹芝エリアや臨海副都心、立川駅周辺で実施された結果では、回遊性の向上や渋滞緩和などの成果が出ているのが分かります。台東区は上野や浅草といった観光拠点を有しており、コロナ後の地域経済を活性化させるために国内外からの多くの観光客を招き、区内を広く回遊して十分に満喫していただく取組が必要となります。また、少子高齢化の進展や高齢者の運転免許返納後の移動手段確保や公共交通機関を利用しづらい区民に対し、移動利便性の向上を図るためのユニバーサルなまちづくりを一層深める必要もあります。このような交通に関する課題を解決するためにもMaaSを有効に活用する必要があり、近い将来、パーソナルモビリティーやオンデマンド交通など、区内での新型輸送サービスの展開が実現されると考えております。  現在、上野地区や浅草地区ではまちづくりの検討が進められており、それぞれのターミナル駅を中心とした交通結節機能を強化する方向性が、平成30年度に策定した台東区都市計画マスタープランに示されておりますが、そこにはシェアサイクルやパーソナルモビリティーの導入についての方針が示されております。ただし、このMaaSについての記載が残念ながらありません。今後は今まで以上に既存の交通機関とパーソナルモビリティーなどの新たな交通サービスを融合させる交通施策の実現が求められると思われます。  コロナ後の明るい台東区を取り戻すためには、他自治体に先駆けた取組を進めていく姿勢を示すことも重要だと考えております。このMaaSのように台東区の住民及び来街者にとって、より移動しやすいシステムの導入を含め、将来の交通の在り方を踏まえたまちづくりを積極的に検討するべきかと考えますが、区長のご所見を伺います。  2点目は、保護司についてです。  地域社会を守り安全安心な暮らしを提供すること、守っていくこと。これは行政に求められている大変重要な役割ではありますが、行政だけでできることではなく、例えば地域活動の一番の担い手である町会役員の方々や日々地域を巡回し、高齢者や児童の様子を見守る民生・児童委員の方々、地域、学校、PTA等と連携し、青少年の健全な育成のために活動する青少年委員の方々、また、犯罪や非行をした人に寄り添いながら再犯防止の支援を行う保護司の方々などの様々な活動があって安全安心な暮らしが成り立っております。  そこで、本日は保護司についてご質問いたします。  区内の多くの場所で、再犯防止のペンギンのポスターを見たことはありますでしょうか。なぜペンギンなのかご存じでしょうか。2つメッセージが込められております。  1つは、皇帝ペンギンではなく更生ペンギンだということ。もう1点は、ペンギンだから飛べない、つまり飛ぶ「飛行」はできないので、社会の決まりなどに背く行為などの「非行」もしませんという意味合いが込められております。  保護司の使命は、社会奉仕の精神をもって、犯罪をした者及び非行のある少年の改善、更生を助けるとともに、犯罪の予防のため世論の啓発に努め、もって地域社会の浄化を図り、個人及び公共の福祉に寄与することとされております。  具体的には、犯罪や非行をした人に対し、更生を図るための約束事、遵守事項を守るように指導したり、生活上の助言を与えたりする保護観察、少年院や刑務所に収容されている人の仮退院、仮釈放後の帰住先や就職先の確保等を行う生活環境調整、犯罪や非行をした人の改善更生について、社会全体の理解を深めるとともに、犯罪や非行を未然に防ぐ活動を行う犯罪予防活動など、保護司は多岐にわたる活動を行っております。  近年、薬物やアルコール依存、高齢、精神疾患、発達障害など、保護観察対象者の抱える問題が複雑・多様化しているほか、家族関係や地域のつながりの希薄化が進み、家族や地域の協力が得られない対象者が今増加しております。  さらに、現在の厳しい社会経済情勢を背景として、自立困難な対象者が増加するなど、更生保護に対する国民の関心と期待が高まる中、保護司の処遇活動はますます大変になり、結果、平日昼間の時間帯に保護司としての活動をする必要が生じてしまっていることなどの理由もあって、保護司として活動できる人材の確保も難しくなっていると指摘されております。  先月、総務省は、保護司の活動を支える環境整備や退任後の後任探しといった担い手を確保する取組が不十分だとして、法務省に改善を勧告いたしました。台東区は、民生委員は定員213名に対して200名、青少年委員は37名の定員に対して、今は37名、保護司は114名の定員に対し77名、大幅に足りておりません。  そんな中、荒川区では、荒川区長が区内在住の区役所職員に対し、地域社会における更生保護の重要性を訴え、保護司就任の呼びかけを行った結果、職員保護司として6名が委嘱され、荒川区保護司会では7名の区役所職員保護司がいる状態となっております。区役所職員が保護司を務めるメリットは、生活保護、就職支援、教育相談等の問題を担当する同僚職員によるバックアップが受けられることにあると指摘もあります。まさに安心・安全な社会づくりの根底を支えているのが世間の目にも見えづらい保護司活動ではないでしょうか。  このような観点から、誰もが安心して暮らせる安全な地域社会をつくり上げるには、保護司の方々の協力が不可欠であり、保護司がやりがいを感じ、長く活発に活動を続けられるよう、支援を講じる必要があると考えますが、区長の所見をお伺いいたします。  3点目は、SMSについてです。  SMSとはショート・メッセージ・サービスの略で、主に携帯電話でやり取りされる短いメッセージサービスのことを示します。宛先はメールアドレスではなく電話番号を利用いたします。日本では2011年頃まで携帯電話キャリアごとに独自の仕様が採用されていたため、同じキャリア同士でのやり取りのみでしたが、現在ではキャリアに関係なく使用できるなど利便性が向上しており、利点を幾つか上げますと、SMSは開封率が高いということです。そもそもSMSは本人認証や重要な通知などで送られることが一般的だったので、その他のチャネルと比較し、自然とメッセージの流通量が制限されておりました。そのため、メッセージが埋もれること自体が少ないため、受信者の目に入りやすくなっております。  また、SMSはメール同様、インストールが不要で、スマホ、携帯電話に標準搭載されているため、SMSが届いた際はポップアップ画面に通知が届くため、受け手の目に留まりやすいメリットがあります。  さらに、アプリなどと比較し、SMSはリーチが広いということ。2018年に総務省が発表した調査データによれば、国内のスマホ、携帯電話の保有率は、2台持ちもいることから133.8%となっており、ほとんどの人が携帯電話を保有していると言えます。そのため、SMSはリーチする幅が非常に広いと言えます。アプリを使用した場合は送信対象がインストールしていない場合、メッセージを送信すること自体ができません。このようにアプリを利用してメッセージのやり取りをする場合、受け手も同じアプリをインストールしていることが大前提となるため、メールなどと比較すると、アプローチをする敷居がどうしても高くなってしまいます。  ただし、SMSのデメリットとしては、SMSの一斉送信は特定電子メール法という法令に準拠した配信を行う必要があります。特定電子メール法は電子メッセージを送る際に適用される法令であるため、SMSも該当となります。送信対象に本人の許諾を得てからコミュニケートするパーミッションを取らずメッセージを送信した場合、クレームや通報されるリスクが高まります。そうなると、結果的に信頼を損ね、罰金を科せられるリスクもございます。  しかし、電話がつながらない、郵送で送っていた書面に対するリアクションがない、そんな方に対し、SMSでアプローチすることは民間企業では既に一般的となっており、SMSにおける高い着眼率から圧倒的なレスポンスやコスト削減などの効果につながっております。  台東区で活用する場合、利用に当たっては、高度なセキュリティーを維持した行政専用ネットワーク、通称LGWANを通じSMSを送信することも現在は可能で、セキュリティーの確保も取れており、大規模なシステム構築の必要もございません。  東京都主税局は携帯電話のSMSを使い、都税の未納者に対し、納税に関する確認を求めるメッセージを送信する取組を2019年度から進めております。また、隣の墨田区では、特別区民税、都民税、または軽自動車税に加え、国民健康保険料において、未納がある方の携帯電話へSMSによる催告を昨年から開始しております。納付期限が過ぎ、督促状を送付済みの人に納税するよう求める手段として、これまで電話や郵送、訪問による催告を行ってきましたが、新たにSMSによる催告を行うことにして成果を出しているとのことでした。郵送や電話が中心だった住民への連絡は、所持しているデバイスや環境の変化により、変革の時期に来ているのではないでしょうか。  台東区でも、例えば国民健康保険の未収の催告についてのSMSの活用です。令和元年度の国民健康保険の督促件数は9万5,123件、さらに支払いがない方への催告は2万2,336件となっております。これまでの督促や催告に加え、SMSを積極的に活用した、より効果的なアプローチをするべきです。  そこで、東京都や近隣区でも活用を始めているSMSの税や料への活用を台東区も検討する時期に来ていると思いますが、区長のご所見をお伺いいたします。  以上で私の一般質問を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(石塚猛 さん) ただいまの質問に対する答弁を求めます。  区長。          (区長服部征夫さん登壇) ◎区長(服部征夫 さん) 青鹿議員のご質問にお答えいたします。  ご質問の第1は、将来の交通の在り方を踏まえたまちづくりについてです。  青鹿議員ご提案のMaaSについては、様々な交通機関などの連携により、移動サービスの一元化が期待できることから、現在、東京メトロが進めるMaaSの取組の連携先として、めぐりんの事業者である本区も参加しています。今後、このMaaSによるサービスのさらなる展開やパーソナルモビリティー、自動運転などの新型輸送サービスの実現が、本区の交通に係る課題解決を図るとともに、安全で利便性の高いまちを構築することにつながるものと認識しています。  一方で、それらを実現するためには、まちづくりとしての整理も必要になると考えています。そのため、交通結節点や歩行者も含めた街路空間の在り方など、都市基盤整備に係る課題については、各地区のまちづくりにおいて、しっかり検討を進めてまいります。  今後、誰もが安全、安心、快適に移動できるまちの実現に向けて、施策を推進してまいります。  ご質問の第2は、保護司についてです。  保護司の皆様には、犯罪や非行歴のある方の立ち直りを支えていく保護観察をはじめとする更生保護活動に強い使命感を持ってご尽力いただいております。また、台東区保護司会は、東京藝術大学と連携した親子ワークショップを実施するなど、地域への啓発活動にも積極的に取り組んでいただいております。これらの精力的な活動に対し、大変感謝しております。  区はこれまでも、台東区保護司会が実施する啓発事業や研修に要する経費の一部助成、各種会議や事業の準備段階からのサポートなど、保護司の活動を支援してまいりました。さらに、保護対象者との面談、研修、会議など、保護司の活動拠点である「更生保護サポートセンター」の設置場所として区有施設の一部を提供するなど、活動場所の確保にも努めています。  今後とも保護司の皆様が様々な更生保護活動を円滑に行えるよう、引き続き支援してまいります。  ご質問の第3は、ショート・メッセージ・サービスについてです。  ショート・メッセージ・サービスの活用により、仕事等で電話に出られない方や訪問してもご不在の方への連絡手段の拡充を図ることができます。また、税や保険料の未納者に対し、これまでの督促や催告の方法と組み合わせることで、より効果的なアプローチが可能になると認識しています。一方で、個人情報管理の問題や特殊詐欺に間違われてしまうなどの課題があると考えてもいます。  今後、ご指摘のように、本サービスを活用できる事例や費用対効果等を精査して、他自治体の状況等も踏まえ、検討してまいります。 ○議長(石塚猛 さん) 18番鈴木昇さん。          (18番鈴木 昇さん登壇)(拍手) ◆18番(鈴木昇 さん) 日本共産党の鈴木昇です。  質問に当たり、新型コロナウイルス感染症でお亡くなりになった方へのご冥福をお祈りするとともに、医療従事者をはじめとする私たちの生命を支えていただいている皆さんに感謝を申し上げます。  国はGoToキャンペーンで感染拡大にアクセルを踏みました。その影響は、飲食店はもちろん、農業、水産業という国の基幹産業にすべき方々の収入にまで大きな影響を与えています。この世界的感染症災害は様々な方の生活を一変させました。日本共産党はPCR検査の徹底と、保護、追跡、医療関係者への財政支援、自粛と一体に生活の保障を求めます。
     まず1つ目の質問は、生活保護についてです。  コロナ禍の今、パートやアルバイト等の期間・時間契約の方々が苦境に立たされています。大手飲食店で夜のバイトをしながら生活を何とか営んでいた方が、営業時間の短縮も始まり、収入が減り、別のバイトを探していたが、なかなか見つからず、貯金も底をつきそうだと思ったとき、「#困ったときは共産党に相談を」をインターネットで見つけ、連絡をいただいた方がいます。社会福祉協議会の緊急小口資金などの手続を支援し、一時的に生活はつなぐことができました。この期間に仕事を探しましたが、年齢的に仕事に就くこともできませんでした。就職活動を行っている間、生活保護の利用をしようと勧めました。つながりが持てたことで解決はしましたが、台東区の生活保護のホームページを見ても、病気や障害などのために、生活や医療に困り、他の方法がないときは、生活保護法による保護が受けられます。保護には生活、教育、住宅、医療、介護、出産、生業、葬祭の8つの種類があり、収入が厚生労働大臣の決めた最低生活の基準に達しないとき、その不足額が支給されますと数行記載されているだけです。文京区は憲法25条の条文も載せ、生活保護利用のPRをしています。  そこで区長に伺います。コロナ禍で区民生活は大きな打撃を受けています。区長、区長自ら、生活保護は憲法に保障された権利です、生活に困ったら利用してください、と言葉を発するべきではありませんか。お答えください。  次に、保護費について伺います。まず、住宅扶助についてです。  年齢や世帯構成などで違いはありますが、単身者は5万3,700円です。台東区の家賃相場からかけ離れた支給です。先ほど話をした方は、共益費も含め、7万5,000円の家賃でした。この方が保護費で出る家賃分で足りない金額は、食費などを削り捻出しなければなりません。今住んでいるところの家賃と保護の住宅扶助との差額を考えると、生活ができない、そんな話にもなりました。引っ越しをすればいいじゃないかと言われても、そのような低家賃の物件はなかなか見つかりません。今まで住んできた町との関係もあり、引っ越しをすることは困難なこともあります。賃貸物件を借りるのに、生活保護というだけで断られることもあります。保護利用者への偏見は、残念ながらなくなってはいません。私はこれまで何人もの生活保護の相談を受けてきました。その中で苦労するのが住宅です。住まいは人権の基本でありながら、その住むところを探すのが非常に困難です。家賃水準と住宅扶助との差を非常に感じます。保護課でも住宅支援をする係はありますが、その係でも住宅を見つけるのにも大変時間がかかっていると感じています。この数年で生活保護扶助額は大幅に削られています。通常の買物以外に、今は感染を防ぐためのマスクなどの衛生用品購入の出費も増えているのが実態です。  そこで区長に伺います。区として、住宅扶助と生活扶助の増額支給をすべきではありませんか、ご所見を伺います。  次に、年末年始、連休などの相談窓口開設についてです。  コロナ禍において、自らの命を絶つ方が増えているのは、報道もされ、ご存じだと思います。我が日本共産党台東区議団はSNSなどを通じ、いつでも相談を受け付けることを発信しました。年末年始には日比谷公園で労働組合や市民団体などが主催し、日本共産党国会議員、都議会議員を含め、コロナ相談を行いました。相談を受けた後、自治体が開庁するまでの間、市民団体などが生活支援を行い、行政につなぐという共助を行っています。未曽有の新型コロナウイルス感染症災害です。公助である区の窓口が開いていないということは、あってはならないことです。  そこで提案します。生活相談ができる相談員を配置し、年末年始や連休中など、閉庁日にも相談窓口を開くべきと考えますが、区長のお考えをお聞かせください。  次に、ケースワーカーの増員についてです。  緊急事態宣言が発出され、区役所も出勤人数を減らし対応しています。テレワークなどが簡単にできない業務があるのが福祉現場であり、公務労働です。ケースワーカーが行うべき生活支援の内容は多岐、多様になり、今までと同じような生活支援だけではありません。社会福祉法で定めるケースワーカー1人当たりの担当世帯標準数は80世帯です。しかし、台東区は長きにわたり、標準世帯数を大幅に超えた状態が続いています。ケースワークというものは知識や経験が必要な仕事です。配属されたらすぐにできるというものではありません。今すぐにオーバーワークをなくし、きめ細やかな生活支援をするためにも、ケースワーカーの増員を行うべきと考えますが、区長のお考えはいかがですか、お答えください。  次は、誰も取り残さない教育環境についてです。  コロナ禍の今、GIGAスクール構想に基づいて、生徒、児童にタブレットなどの配付を前倒しして整備しています。現場教員はICT機器の研修などを行い、業務負担は増えています。しかし、子供たちの未来をつくる教育の充実のためにと奮闘されています。機器の活用で子供たちの健康に関わることや教職員の業務が増えることについては、今まで指摘をしてきました。パソコンなど機器の取扱いの得手不得手は、大人、子供を問わずあるものです。無理に使うツールではないことも指摘をしておきます。  一方で、パソコン、タブレットなどを活用してほしいという声は全国各地で出ています。持病があり、感染症にかかりやすい子供が自宅で学校やクラスの友達とつながりを持ちたい、授業を共有することで、友達と一緒にいる感覚を持ちたい、もう一度巻き戻して授業についていきたいなど、理由は様々です。現在、教育委員会新型コロナウイルス感染症関連で出席できない子供は欠席扱いにしない対応は取っています。しかし、それだけでは不十分です。先進的自治体では、黒板と教員が写る位置にカメラを固定して、オンライン配信を始めた学校もあります。変異ウイルスの拡大もある中で、疾患などがある子供たちや保護者は不安を広げています。日本国憲法第26条には、すべての国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する、と記されています。  そこで、教育長に伺います。どんな子供も取り残さない教育をすべきと考えますが、教育長はどのようにお考えですか。あわせて、オンラインによる学習体制を速やかに実施することを求めます。見解をお示しください。  次に、少人数学級について伺います。  新型コロナウイルス感染症を経て、全国で広がった少人数学級のうねりは、文部科学大臣の考え方も変えさせてきました。学級編制標準を5年かけて35人に引き下げることを決めました。子供たちの安全と学びを保障するため、将来は20人程度の学級編制を目指し、まずは30人学級を小・中学校全学年で実現すべきです。日本共産党は学びの環境整備をと長きにわたり求めてきたものが少し前進しました。しかし、今求められている感染予防の観点から考えれば、5年も待っていられません。少人数学級を行うには幾つものハードルを越えなくてはならないのは分かっています。現状の校内だけで少人数学級を行うことは無理がある学校もあります。学区域の変更をしなくてはならないかもしれませんし、活用していない学校の利活用も考えなければなりません。台東区は、子供たちを我が町で見守ろう、という土壌のある地域です。教育委員会だけで少人数学級が解決をするというものではありません。少人数学級実現のためにも、全庁挙げて様々な視点から検討すべきです。今まで我が党の少人数学級に関連する質問に対し、答弁では、国やほかの自治体の様子を見るという後ろ向きな答弁でした。今、国は少人数学級を進めていこうと大きくかじ切りをしました。感染症予防の観点からも早急に進めるべきです。  そこで、教育長に伺います。他区に先んじて、台東区は全学年、少人数学級にするべきと考えますが、いかがですか、所見を求めます。  次に、標準服の在り方についてです。  帽子、ジャケット、スカート、ズボンなどを導入している学校園があります。駒形中学校はこの4月から、女子生徒がスラックスでもスカートでも、と選べるようになりました。スラックスが選べるようになったことは、性自認の観点からも一歩前進したと思います。  昨今、保護者からの声として聞くのが、標準服の衛生管理問題です。下着やシャツは毎日洗濯ができるのに、ジャケットやスカートは毎日洗濯ができない。コロナのときだからこそ、衛生管理には気をつけたいと、それが保護者からの声です。子供たちは標準服を着てこないと、なぜ着てこなかったのと、話になると聞きました。  そこで、3点伺います。  1つ目は、標準服について教育委員会はどのようにお考えなのでしょうか、お示しください。  2つ目は、ジェンダー平等や性自認の観点から、標準服ありきではなく、ふだん着の選択制を導入し、性別を問わず選べるようにするべきだと考えます。それらの観点も含め、児童・生徒、保護者、教員で標準服の在り方について話合いの場をつくるべきと考えますが、教育長のお考えをお示しください。  3つ目に、標準服を着てこなくても構わないと学校から発信すべきではありませんか、お考えをお示しください。  次に、介護従事者及び学校園関係者のPCR検査について伺います。  ワクチン接種は必要ですが、それで全てが安全安心というわけではありません。ワクチンは魔法のつえではありません。検査の徹底が鍵です。  しかし、台東区はどうでしょうか。高齢者と障害者施設で働く人に1月から、たった1回だけPCR検査を実施します。やっと始まるのか、それも1回かというのが私の実感であり、現場の声として聞いています。  区内でクラスター化した施設では、新型コロナウイルス感染症で亡くなった方もいます。面会者は原則リモート面会の現状から考えると、職員が持ち込み、利用者に広がると想像ができます。最初の職員はどこからの感染なのか分からない、外食をしたわけでもない、感染者と接触していた記憶はないという話も伺いました。入所施設で感染が起きれば、ショートステイの受入れをやめる、そのショートステイを利用して休養を考えていた方が休めないなど、家族をも含め、負担は大きくなります。感染発生の施設は経営面や風評被害での不安が広がります。そのような状況下での施設運営です。働く人たちの不安は計り知れません。介護で働く仲間は、常時アルコール消毒液を持ち、手指の消毒をし続けている、精神的なプレッシャーは自分の心を壊しそうだ、手荒れもひどくなったと話をしてくれました。台東区は科学的知見に立って、特別養護老人ホームや介護老人保健施設の感染拡大の感染経路の検証をすべきと思いますが、検証は難しいという区の姿勢です。いつ、どこで感染するのかは分かりません。感染して発症するまで数日間あるという研究もあります。無症状感染者も多くいるはずです。  そこで伺います。安心した介護体制を整えるためにも、まずは高齢者や障害者の入所施設職員のPCR検査を毎週1回受けられるようにすべきと考えますが、区長の所見をお聞かせください。  次に、教育長に伺います。  学校園での新型コロナウイルス感染症発症は幾つもの学校で出ています。多くは家族感染のようですが、教職員からや子供同士の感染も懸念しなければなりません。子供たちの不安解消のためにも、学校園で感染者が発生した場合には、速やかに濃厚接触者に狭めず、希望者全員の検査を行うべきです。教育長のお考えをお聞かせください。  最後に、苦境に立つ商店に対し、全力支援を求めます。  私たち日本共産党台東区議団は、浅草の商店の店主の方々と懇談、調査をしてまいりました。仲見世で土産物屋を営んでいる方は、借入金をして、台東区の利子補充は助かるが、100年ローンにしてほしいと話をしていました。毎月の返済額を少なくすることもそうですが、言い換えれば、孫、ひ孫の代まで店を続けていきたいという意気込みではないでしょうか。別の店主からは、昨年支給された持続化給付金は年末にはなくなった、これだけ長期化しているのだから、再度支給してほしい。飲食にはこれまで保障があるが、それ以外の商売に対する保障は非常に貧弱である。今回の緊急事態宣言で影響が出る商店には一時支援金が検討されているが、これでは足りない、と怒り心頭でした。日本共産党は国会や都議会でも広範な支援をと求めていますが、その支援では当てはまらない業種も出てきてしまう可能性は捨て切れません。  そこで伺います。区内事業者への支援として、緊急事態宣言の影響緩和に係る一時支援金に対して、台東区独自に上乗せをするとともに、影響を受けているがその制度に当てはまらない事業者に対し、台東区独自の支援金を考えるべきと思いますが、区長のお考えをお示しください。  ご商売をされている方に伺った話で、資金繰りが大変なとき、一時的に消費税納税分を運転資金に使用したと聞きました。コロナ禍で苦労をしながら、何とか事業を継続していきたいと多くの方が考えています。感染症を乗り越えたときの景気はどのようになっているのかを考えると眠れなくなると、店主の方は話をしてくれました。  区長、今こそ緊急に消費税を5%に減税し、経営の苦しい中小事業者に対して19年、20年分の納税は免除すべきと、国に申入れを決意すべきです。区長のお考えをお聞かせください。  区長と教育長に区民の声として質問いたしました。区民に分かりやすく答弁をお願いいたします。  以上で私の質問を終わります。(拍手) ○議長(石塚猛 さん) ただいまの質問に対する答弁を求めます。  区長。          (区長服部征夫さん登壇) ◎区長(服部征夫 さん) 鈴木昇議員のご質問にお答えいたします。  ご質問の第1は、生活保護についてです。  まず、生活保護制度の周知についてです。  これまでも区民の皆様には、区公式ホームページや暮らしのしおりによる周知のほか、保健福祉サービスを提供する区の窓口や社会福祉協議会等の関係機関において、生活保護制度の案内をしています。今後とも、憲法に定められた生存権を保障する生活保護制度の適切な周知と案内に努めてまいります。  次に、扶助費の上乗せ支給についてです。  扶助費の限度額は、生活保護基準として、国の審議会における検証結果により定められており、区独自で上乗せ支給した場合、制度上、収入と認定されます。そのため、実質的な支給額は変わらないことから、住宅扶助、生活扶助の上乗せ支給については考えておりません。  次に、長期の閉庁期間の相談窓口についてです。  年末年始等の長期の閉庁期間は、保護課の職員が交代で緊急対応できる体制を組み、相談者に必要な支援を提供しています。今後とも相談者に寄り添い、適切な支援を行ってまいります。  次に、ケースワーカーについてです。  これまでもケースワーカーの増員に加え、高齢者支援員や生活支援員等の専門的な知識と経験のある職員の採用や就労支援等の業務委託など、体制の充実を図ってきたところです。現在、区の被保護世帯数は微減傾向にありますが、今後も引き続き、新型コロナウイルス感染症の影響など、被保護世帯の動向に留意し、所要の人員配置に努めてまいります。  ご質問の第5は、高齢者・障害者施設における職員のPCR検査についてです。  入所施設職員の方々には、これまで感染予防のために、日常の健康管理やマスクの着用、手指消毒など、感染拡大防止の取組を徹底されていることに感謝しています。今後とも、継続的な取組を支援してまいります。  ご質問のPCR検査は、対象者の検体を利用して、検査時点でのウイルスの状況を判定するためのものであり、その後の感染を把握できるものではありません。検査等の在り方については検討してまいります。  ご質問の第6は、商店への支援についてです。  緊急事態宣言の影響緩和に係る支援については、東京都による飲食店等への休業協力金のほか、現在、国において、一時支援金の準備が進められています。区ではこれら一時支援金等を有効に活用していただくため、中小企業診断士による出張相談会の開催など、相談窓口を充実したほか、区職員が個々の事業者を訪問し、支援策の案内や相談窓口の周知に努めています。一時支援金の上乗せや区独自の給付金の創設、消費税に関する国への申入れは考えておりませんが、引き続き支援金等の制度の周知や相談に努めるとともに、事業者に適切な支援が行き渡るよう、関係機関へ要望してまいります。  その他のご質問につきましては、教育長がお答えいたします。 ○議長(石塚猛 さん) 教育長。          (教育長矢下 薫さん登壇) ◎教育長(矢下薫 さん) 鈴木昇議員の誰も取り残さない教育環境についてのご質問にお答えさせていただきます。  まず、どのような子供も取り残さない教育についてでございます。  教育委員会といたしましては、予測困難な時代を生きる児童・生徒の健全な育成のためには、一人一人の児童・生徒に応じた質の高い教育活動が必要と考えております。また、学習指導要領等が示す基礎的・基本的な学力の定着を通して、誰一人取り残さない学校教育を確立することが不可欠であると考えております。  次に、オンラインによる学習体制の実施についてでございます。  今年度整備いたしましたICT教育環境につきましては、GIGAスクール構想に基づく児童・生徒の情報活用能力等の育成を目指したものでございます。また、オンラインの学習を通して、多様な学習機会を提供することは誰一人取り残さない教育を実現するために極めて有効なものであると考えております。  加えて、コロナ禍における学習の機会を確保するためにも、ICT教育環境の活用は大きな意義があると認識しております。  現在、各学校におきましては、オンラインを活用した学習に資する教員研修とともに教育実践を積み重ね、機器の活用に関する校内の推進体制を整えているところでございます。  教育委員会といたしましては、今後も児童・生徒の資質・能力のさらなる育成を図る教育環境を構築してまいります。  次に、少人数学級についてのご質問にお答えさせていただきます。  現在、国では法律の改正を進めており、小学校における学級編制の標準を5年かけて35人に引き下げることが示されております。それを受け、都においても、令和3年度から小学校第2学年の学級編制基準を35人とする準備を進めており、本区におきましては、都の基準に基づいた学級編制の実施に向け、対応を進めております。  次に、標準服についてのご質問にお答えさせていただきます。  まず、標準服に対する見解についてでございます。  標準服につきましては、児童・生徒がその着用の義務を負うものではなく、望ましいと各学校が推奨している服装であると認識しております。また、衛生管理等の理由で標準服を着用することができない場合は、体育着等の着用を推奨する等、各学校が個別に対応させていただいております。  次に、標準服の在り方について話し合う場を設けることについてでございます。  各学校では児童・生徒の意見を参考にして標準服を定めてまいりましたが、今後必要に応じて、児童・生徒が自ら標準服について話し合う場を設けたり、学校運営連絡協議会や保護者会等で話し合ったりする機会を設ける等の方法を取るよう、各学校に助言してまいります。  次に、標準服の着用についての学校からの情報提供についてでございます。  これまでも児童・生徒の状況に応じて、各学校が個別に対応してまいりましたが、個別対応が可能であるとの情報を保護者に対して積極的に提供するよう、各学校に指導してまいります。  次に、各学校園におけるPCR検査の実施についてのご質問にお答えさせていただきます。  これまで、学校園において園児、児童・生徒、教職員の新型コロナウイルス感染者が発生した際には、感染者の行動履歴等を踏まえ、必要に応じ、PCR検査や臨時休業を実施いたしました。結果として、学校園において感染が広がることはございませんでした。  学校園においては、基本的な感染症対策を確実に行うことで、感染が広がるリスクを下げると考えておりますので、希望者を対象としたPCR検査を実施することは考えておりません。教育委員会といたしましては、引き続き、台東区立学校園版感染症予防ガイドラインに基づき、感染症対策に全力を挙げて取り組んでまいります。 ○議長(石塚猛 さん) それでは、ここで10分間休憩いたします。          午後 3時47分 休憩  ──────────────────────────────────────────          午後 3時58分 開議 ○議長(石塚猛 さん) 休憩前に引き続き、会議を開きます。  20番村上浩一郎さん。          (20番村上浩一郎さん登壇)(拍手) ◆20番(村上浩一郎 さん) 都民ファーストの会台東区議団の村上浩一郎でございます。我が会派、中村謙治郎議員の賛同を得て、会派を代表いたしまして、服部区長に対しまして質問をさせていただきます。よろしくお願いいたします。  質問に先立ちまして一言申し上げます。  緊急事態宣言が発出されている現況の中、新型コロナウイルス感染拡大防止につきまして、区民の皆様の生命を守るべく、今までに経験したことのない未知への献身的な対応をしていただいております医療従事者の皆様、そして、服部区長をはじめ、区職員の皆様に衷心より感謝申し上げます。また、今もなお、新型コロナウイルスに感染し入院加療中の方々にお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方々に心よりお悔やみを申し上げます。  それでは、質問に入らせていただきます。  初めに、新型コロナウイルスワクチン接種について、質問させていただきます。  令和3年1月26日、小池百合子都知事が、我が都民ファーストの会、保坂まさひろ都議会議員の招聘依頼を快く受けていただき、台東保健所職員の激励と意見聴取のため、保健所に来訪されたことは記憶に新しいところです。来区当日の保健所職員との意見交換では、日々の対応状況や今後行われる新型コロナウイルスワクチン接種に関する問題など、多方面にわたる情報の提供や意見具申が行われ、今後の対応について話し合われました。  また、都民ファーストの会東京都議団においては、2月8日、東京都に対して、実に50回目の新型コロナウイルス感染症関連への対応に関する緊急要望書を提出したところであります。その内容は、感染拡大防止における医療体制強化、経済体制などに関する様々な要望であり、特に新型コロナウイルスワクチン接種については、ワクチン予約システム、副反応などに対応する体制整備について、また、この施策を実行するための財源としての予備費の充当などであります。  このように我が都民ファーストの会は常に様々な政策を提言し、都民、区民目線に立って施策を具体化し、実行しており、保坂まさひろ東京都議会議員もそれらの政策の重要メンバーの1人として、地元台東区のため、様々な提言を行っております。  こうした中、今、区民の方々が一番関心を寄せられている問題は言うまでもなく、新型コロナウイルスワクチン接種であります。特に、高齢化率の高い本区においては、充実先行区と言われております練馬区モデル以上の中身の濃い、そして手厚い方法が必要不可欠であります。  しかし、残念なことでありますが、国からの情報も少なく、区民の方々はいつになったらワクチンを接種してもらえるのかと不安を抱いています。  そこで、国、東京都とより緊密に連携を取り、区民の方々に対して速やかにきめ細かく、そして、丁寧で分かりやすい情報の提供を区民の方々に積極的に発信していくべきと思いますが、区長のご所見をお伺いいたします。  次に、台東区立台東病院について質問させていただきます。  令和2年度第3回定例会の一般質問で、岡田勇一郎議員の台東病院存続に対して、区長は台東病院を存続させてまいりますとのご答弁がございました。私たち都民ファーストの会台東区議団も台東病院存続をより強く要望するものであります。台東病院の理念「ずっとこのまちで暮らし続けたいを応援します」とあるように、今では多くの区民の方々から信頼され、ご利用していただいている台東病院を廃止するなど、1人の区民としてとても容認できるものではありません。地元の方々の多くが、近くに大きな病院があるというだけでも安心して生活ができるものだと話してくださいます。
     台東病院のホームページを見ますと、高齢者が住み慣れた地域でいつまでも安心して生活できるよう、継続して治療が必要な慢性疾患への対応に重点を置いた病院として、区内外からも高く評価されていることはご存じのとおりであります。高齢化率の高い本区においてはなくてはならない病院であり、今後も区民の健康のため、地域密着型のサービスを提供し続けていくよう、区民の方々からも熱い視線が注がれています。これらの状況を十分にご賢察をいただき、台東病院存続のため、より一層東京都や関係機関と連携していただきますようお願いいたします。  本院も平成21年4月1日に開設以来、11年経過した現在では、当時と違い、区の人口も増加に転じています。高齢者に対しての医療・介護などの質を下げることなく運営していくことは当然のことでありますが、子育て世代が多く区内に転入しております現況を勘案し、区民の方々から寄せられる切なる願望となっている診療科目の増設を実現すべきであると思います。  この件に関しては、さきにかの議員から同様の質問がございましたが、私どもといたしましては、この問題を解決するに当たっては、より多種多様な検討を重ねるべきものとともに、非常に難しい問題と認識し、了承していますが、区長のご所見をお伺いいたします。  以上、服部区長の積極的かつ具体的なご答弁を心よりお願いし、私の質問を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(石塚猛 さん) ただいまの質問に対する答弁を求めます。  区長。          (区長服部征夫さん登壇) ◎区長(服部征夫 さん) 村上議員のご質問にお答えいたします。  ご質問の第1は、新型コロナウイルスワクチン接種についてです。  感染症拡大防止の決め手となるワクチンに対しては、大きな関心や期待が寄せられているものと認識しています。ワクチン接種に係る有効性や安全性、副反応のリスク、医学的知見が必要となるもの等については、国や都が情報を整理して発信しています。  区としては、国や都などの様々な情報と合わせ、広報たいとうや区公式ホームページなど、各種広報媒体を活用し、ワクチン接種の時期あるいは会場、予約の取り方などを正確に分かりやすく、迅速かつ丁寧に発信してまいります。また、接種券の発送に併せて、区民が必要とする情報を個別にお知らせしてまいります。  ご質問の第2は、区立台東病院についてです。  台東病院は、高齢者医療の拠点病院と位置づけ、運営しています。産婦人科や小児科等の診療科の追加は医師の安定的な確保等に課題があり、現状では難しいと考えています。産婦人科や小児科等の政策的医療については、本区の中核病院である永寿総合病院で引き続き確保してまいりますので、ご理解をいただきたいと思います。 ○議長(石塚猛 さん) 5番田中宏篤さん。          (5番田中宏篤さん登壇)(拍手) ◆5番(田中宏篤 さん) たいとうフロンティアの田中宏篤でございます。再び質問の機会をいただけたことに感謝し、早速質問に入らせていただきます。  私からは大きく2点お伺いさせていただきます。  まずは、台東区役所及び関連機関のテレワークの推進についてであります。  緊急事態宣言の発令に伴い、国は基本対処方針において、出勤者数7割削減を目標に掲げて、企業にテレワークの推進を要請しています。1月下旬に経団連が行った調査では、テレワークが困難な製造現場などの従業員を除いた削減割合は、7割には届かないながらも、65%であったということです。  翻って、台東区においては、職員の3割の出勤抑制を現在実施していると承知しております。企業と行政はその役割が違うことから、単純に比較はできませんし、業務内容においても窓口業務が非常に多いことも認識しておりますが、それを考慮しても、テレワークの実施状況について大きな乖離があるように感じています。  この課題については、先日の区長の所信表明においてもテレワーク環境の整備を進めていくとの発言があり、来年度予算案にもテレワークの環境整備予算が計上されていること、そして最初の、和泉議員の質問への答弁からも強く認識されていることと察します。  しかしながら、予算規模やスケジュールからすると、3割の出勤抑制の範囲内で在宅勤務者の業務の質の向上を図るものであって、テレワークの拡大までには至らず、大企業とのテレワーク実施状況の乖離を埋めるには、なお時間を要するのだと感じました。  行政においては業務継続性の確保が非常に大切なことで、慎重になるのは理解しておりますが、業務継続性が大切なのは大企業であっても同様で、その中で短期間に工夫をしながら試行錯誤を経て、テレワークを実施しております。区役所内の業務でも現状の環境下において工夫することで、テレワークを拡大する余地はまだ残っているのではないかと考えております。  そこで伺いますが、先ほど和泉議員の働き方改革の質問と重複する部分はございますが、特にテレワークの部分について、台東区の実施状況についてどのように評価・分析をしており、7割とはいかなくても、現状より拡大させるためにどのような課題があるのか、区長のお考えをお聞かせください。  大企業のテレワーク実施状況との乖離については、私が自分なりに考察しましたが、大きな要因としては、当然のことながら、自治体は公的機関であるために、民間企業に比べて適用される法令も多く、その法令に対して厳格なコンプライアンスが求められるため、導入が容易ではないという側面があるのだと思いますが、直接的な要因としては、職場環境のICT化の遅れがあるのではないかと推察しております。私自身、今まで大小様々な会社で働いた経験がありますが、各社で情報セキュリティーマネジメントレベルの違いはあれど、基本的には外部から社内データにアクセスして業務を行う環境は確保されており、自宅や出張先から様々な業務を行っておりました。そういった環境がなければ、効果的なテレワークは困難です。それならば、まずは3割の在宅勤務者のテレワーク環境の整備が急務であって、とてもテレワーク対象を拡大する状況にないということは理解できます。  その環境整備のためには、前回定例会の企画総務委員会で中間報告があった、令和3年3月策定予定の台東区情報化推進計画が非常に重要な位置づけになると考えております。この計画の中間報告について、多くの委員が高く評価しておりましたが、私もこの内容について非常に高く評価しております。  計画の中身については、本定例会の企画総務委員会で最終案の報告があろうことかと思いますが、これから続くであろうウィズコロナの状況を踏まえると、5か年計画を3年で行うぐらいのスピード感で推進する必要があると考えています。  そのための1つの方法として、何らかの形で民間の有識者の活用を検討してみてはいかがでしょうか。個人的な見解ではありますが、企業と自治体の風土の差として、企業は高い目標を設定することで、未達であってもその目標に向かって高みを目指すのに対し、行政は堅実性を第一として、目標の実現性を重視しているというふうに感じております。それは企業と行政の役割の違いから来るものであって、どちらがよい悪いという性質のものではございませんが、今のコロナ禍のような事態においては、民間企業の対応力に学ぶ点は多々あると思われます。特にICT分野においては、民間のスピード感は目をみはるものがあります。  また私自身の様々な会社での経験ですが、組織において何かを強力に推し進めようとするときに、往々にして様々なハレーションが起こりますが、外部の力はそれを突破するカンフル剤にもなります。民間の活用というのは1つの方法の例であり、それが必須というものではありませんが、ICT推進に限らず、これからの区政において民間をどのように活用するかというのも1つの大きなテーマであると考えております。  テレワークのさらなる推進に当たり、民間活用の検討も踏まえて、どのように情報化推進計画の取組のスピード感を高めていくか、区長のご所見をお伺いいたします。  国の働き方改革においても、テレワーク推進は非常に重要視されており、平時であれば数年を要するであろう導入が民間企業において、このコロナ禍において数か月で一気に広まりました。そして、この広まったテレワークは既に定着し、仮にコロナ禍が収まっても、コロナ前に戻ることはないと思われます。行政においても、業務の質をしっかりと担保しつつ、ぜひ強力に推し進めていただくよう要望して、次の質問に移ります。  次は、鶯谷駅周辺のまちづくりについてお伺いいたします。昨年の予算特別委員会の総括質問においても質問させていただきましたが、その後に周辺の大規模区有地の動きがあったため、再度質問させていただきます。  前回定例会の企画総務委員会において、旧坂本小学校第2校庭跡地の華学園に対する貸与を10年間延長する旨の報告がありました。また、本定例会で審議される令和3年度予算案において、旧坂本小学校跡地の解体予算が計上されており、この土地の活用の検討を進めている状況だと認識しております。  まず、華学園に貸し付けている土地については、過去の経緯において華学園より買い取りたいという打診があったり、今回の契約更新においても、30年という長期の延長希望が当初あったと聞き及んでおり、華学園側にとってはこの土地に長期にわたり根差したいという望みがあったと推察しております。その上で、最終的に10年間の延長期間として再延長を行わないと決めたのは、台東区としてこの土地をもっと有効に生かすため、この10年でしっかり活用方法を検討していくという決意の表れだと認識しております。  旧坂本小学校跡地については、本定例会にて4本の関連する陳情も上がっているように、以前より現校舎の保全活用を要望する声も多く、我が会派内でも保全を主張する意見もあり、意見が分かれております。そんな中で校舎解体を進めようとしているのは、老朽化している現校舎を維持しようとすると、活用の幅が限られてしまう中で、長期にわたって硬直化してしまっている現状を少しでも前に進めようという決意の表れだと理解しております。  この2つの土地について共通して言えることは、今後10年間の中で活用の方法について再度しっかりと検討していかなくてはならないということです。区内の様々な行政施設の地域偏在もあって、この地域に様々な行政需要があることは認識しておりますが、この2つの土地は非常に広い上に大きな道路に面していて、大きな建物を建てることも可能であり、行政需要を満たしながらも、都市計画マスタープランにある駅周辺のにぎわいの創出につながるような活用を同時にすることも可能です。  有効活用の方法については、会派内でも様々な意見がありますが、共通して言えることは、これらの用地は鶯谷駅周辺のまちづくりにおいて非常に重要な位置づけになるため、まちづくりの検討の中で用地の活用方法を検討すべきであるという点です。  そこで区長に伺いますが、今後のまちづくりの検討と大規模用地活用の検討の関連性についてどのようにお考えでしょうか。区長のご所見をお聞かせいただきたく、お願いいたします。  今年度に予算計上されていた鶯谷駅周辺のまちづくり基礎調査の予算が来年度予算案に計上されていないことは大変残念ではございますが、コロナ禍における財政逼迫の中では致し方ないことだと理解しております。  しかしながら、これからの10年が鶯谷駅周辺の発展にとって非常に重要だと考えますので、予算をかけずに取り組めることに取り組みつつ、しかるべきときにしっかりと予算を投入し、このエリアの価値向上に寄与していただくよう要望し、質問を終わらせていただきます。  以上、ありがとうございました。(拍手) ○議長(石塚猛 さん) ただいまの質問に対する答弁を求めます。  区長。          (区長服部征夫さん登壇) ◎区長(服部征夫 さん) 田中議員のご質問にお答えいたします。  ご質問の第1は、テレワークのさらなる推進についてです。  まず、現状のテレワークの実施状況に対する評価と課題についてです。  区では、昨年4月から6月に実施した在宅勤務において、自宅から庁内のパソコンを遠隔操作するテレワークも一部の部署で試行したところです。テレワークは通勤による新型コロナウイルス感染症の感染リスクの回避や、集中して業務に取り組める効果が確認できた一方、対面での調整業務の遂行や個人情報を取り扱うことができないなどの課題があります。  今後は、現在、全庁的に実施している自宅でのパソコンを使用した試行の実施結果も踏まえ、引き続きテレワーク環境の整備に向け、検討してまいります。  次に、台東区情報化推進計画の取組と民間活用についてです。  職員のテレワーク環境の整備については、本年3月に策定する台東区情報化推進計画の中で、セキュリティーの高い端末やネットワークの整備とともに、コミュニケーションツールの充実などの取組を掲げており、既に検討を開始しているものもあります。区役所業務に適したテレワーク環境を整備するためには、広く事例を収集し、分析、検討する必要があります。そのためには、田中議員ご提案の民間有識者の活用をはじめ、先行する企業や他自治体への意見聴取など、様々な方策があります。  今後、CIO補佐業務委託事業者からの先行事例に関する情報提供や助言に加えて、システム事業者から提案を受けるなど、民間事業者を適宜活用しながら、テレワークのさらなる推進に取り組んでまいります。  ご質問の第2は、鶯谷駅周辺のまちづくりについてです。  鶯谷駅周辺のまちづくりについては、都市計画マスタープランで示した方針のとおり、地域の玄関口にふさわしい駅前空間を整備するなど、地域の拠点性を向上させるための方向性を導き出すことを事業目的としています。まちづくりを進めるための基礎調査に今年度着手し、土地・建物の権利関係の把握などを行っています。今後、基礎調査の結果を踏まえ、まちの課題整理や交通量調査などを行った後、地域の皆様とまちの在り方を検討していく予定です。  旧坂本小学校跡地については、文化やスポーツ、防災機能を中心とした施設を整備する方針で検討を進めていますが、建物の老朽化や地域から早期の活用が望まれていることから、更地にして、広場としての暫定活用を進めてまいります。  また、旧坂本小学校第2グラウンドについては、学校法人華学園と協議を行い、当初の契約より10年間、貸付期間を延長することとしました。この用地についても、将来的に地域の皆様のご意見を聞きながら、幅広く活用方法を検討してまいります。  鶯谷駅周辺のまちづくりと大規模用地については、地域の皆様のご意見を聞きながら、それぞれ検討を進め、その検討状況をしっかりと共有し、相乗効果が最大となるよう、取組を進めてまいります。 ○議長(石塚猛 さん) 以上で、一般質問は終了いたしました。  ────────────────────────────────────────── ○議長(石塚猛 さん) これをもって、本日の会議を閉じ、散会いたします。          午後 4時26分 散会                 議長    石  塚     猛                 議員    早  川  太  郎                 議員    秋  間     洋...