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  1. 台東区議会 2020-02-15
    令和 2年第1回定例会-02月15日-02号


    取得元: 台東区議会公式サイト
    最終取得日: 2021-09-13
    令和 2年第1回定例会-02月15-02号令和 2年第1回定例会 令和2年第1回定例会 東京都台東区議会会議録(第2号) ●2月15(土)                     (以下敬称略)  ───────────────────────────────────────── 出席議員(32名)      1番  拝 野   健          2番  岡 田 勇一郎      3番  鈴 木   純          4番  中 嶋   恵      5番  田 中 宏 篤          6番  中 澤 史 夫      7番  松 村 智 成          8番  山 口 銀次郎      9番  掛 川 暁 生         10番  中 村 謙治郎     11番  望 月 元 美         12番  石 川 義 弘     13番  髙 森 喜美子         14番  河 井 一 晃     15番  松 尾 伸 子         16番  寺 田   晃     17番  青 鹿 公 男         18番  鈴 木   昇     19番  伊 藤 延 子         20番  村 上 浩一郎     21番  石 塚   猛         22番  和 泉 浩 司     23番  堀 越 秀 生         24番  水 島 道 徳     25番  小 坂 義 久         26番  本 目 さ よ
        27番  早 川 太 郎         28番  秋 間   洋     29番  太 田 雅 久         30番  河 野 純之佐     31番  青 柳 雅 之         32番  小 菅 千保子 欠席議員 な し 欠  員 な し  ───────────────────────────────────────── 出席説明員  区長         服 部 征 夫    副区長        荒 川 聡一郎  教育長        矢 下   薫    技監         西 野   仁  企画財政部長     田 中   充    総務部長       佐 藤 徳 久  区民部長       望 月   昇    文化産業観光部長   岡 田 和 平  福祉部長       原 嶋 伸 夫    健康部長       齋 藤 美奈子  台東保健所長     小 竹 桃 子    環境清掃部長     野 村 武 治  都市づくり部長    伴   宣 久    会計管理室長     吹 澤 孝 行  教育委員会      酒 井 ま り    企画課長       越 智 浩 史  事務局次長  財政課長       関 井 隆 人    区長室長       柳 川 清 一  総務課長       伊 東 孝 之  ───────────────────────────────────────── 区議会事務局  事務局長       石 野 壽 一    事務局次長      吉 本 由 紀  議事調査係長     松 江 勇 樹    書記         髙 保 郁 子  書記         西 村 健 志    書記         諏 訪 ゆかり  書記         池 田 道 則    書記         佐 藤 大 地  ───────────────────────────────────────── 議事日程 日程第1 第25号議案 和解及び損害賠償の額の決定について 日程第2 代表質問  ─────────────────────────────────────────          午後 2時01分 開議 ○議長(石塚猛 さん) ただいまから、本日の会議を開きます。  あらかじめ会議時間の延長をいたしておきます。  会議録署名議員の指名を行います。  会議録署名議員については、会議規則第136条の規定により、     26番 本 目 さ よ さん     27番 早 川 太 郎 さん をご指名いたします。  ────────────────────────────────────────── ○議長(石塚猛 さん) 事務局長に諸般の報告をさせます。  なお、報告については、既に書類をもって送付しておりますので、内容等の朗読は省略いたします。          (石野事務局長報告)  ────────────────────────────────────────── △日程第1 ○議長(石塚猛 さん) これより日程に入ります。  日程第1、第25号議案、和解及び損害賠償の額の決定についてを議題といたします。  本案について、提案理由の説明を求めます。  副区長。          (副区長荒川聡一郎さん登壇) ◎副区長(荒川聡一郎 さん) ただいま上程されました第25号議案につきまして、提案理由のご説明を申し上げます。  本案は、上野6丁目8番2号先で発生した負傷事故について、被害者との和解及び損害賠償の額の決定に関し、地方自治法の規定により、議会の議決を経るものでございます。  よろしくご審議の上、可決賜りますようお願い申し上げます。 ○議長(石塚猛 さん) 以上で、提案理由の説明は終了いたしました。  おはかりいたします。  本案については、企画総務委員会に付託いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。          〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(石塚猛 さん) ご異議ないと認めます。よって、本案については、企画総務委員会に付託することに決定いたしました。  ────────────────────────────────────────── △日程第2 ○議長(石塚猛 さん) 日程第2、代表質問を行います。  代表質問の発言通告がありますから、順次これを許可いたします。  29番太田雅久さん。          (29番太田雅久さん登壇)(拍手) ◆29番(太田雅久 さん) 台東区議会自由民主党幹事長太田雅久でございます。  第1回定例会代表質問に際し、会派を代表して質問させていただきます。区長並びに教育長には真摯なご答弁をひとつよろしくお願いしたいと思います。  昨年の選挙において服部区長は、4万7,000を超える票を獲得し、見事に2回目の当選を果たされました。まことにおめでとうございます。当選後、直ちに、基本構想で掲げた「世界に輝く ひと まち たいとう」の実現に向けて、長期総合計画及びその具体化を図るための行政計画を実行に移されました。令和という新しい時代に入り、日本が内憂外患、厳しく揺れ動く中、区長は、前期同様、2期目においても常にスピード感と緊張感を持ち、区民の皆様のニーズに柔軟かつ大胆に応えようとする、その積極果敢な姿勢に改めて敬意を表する次第です。不肖、私も区長と同日、区民の皆様の負託を受けて5回目の当選を果たすことができました。議員として年数を重ねるに連れて、区民の皆様の代弁者として、その声を区政に反映させる難しさを痛感しているところでございますが、これからも台東区のさらなる躍進に向けて、19期議員の皆さんとともに粉骨砕身努力していく所存ですので、よろしくお願いいたします。  昨年は、区長の再選早々、江戸たいとう伝統工芸館がリニューアルオープンいたしました。また、8月には、浅草寺並木通りおもてなしの庭が完成いたしました。まさに行政計画を順調に進捗させ、長期総合計画、また、最上位計画である基本構想の実現に向け、着実にその第一歩を進められたということであります。また、昨年は、区の人口が20万人を突破いたしました。その人口増に伴い、区税収入も着実に増加しております。まさに区政は順調に推移しておりますが、国内外の情勢は大きく揺れ動いているのもまた事実であります。SARSウイルス以来、感染拡大が懸念されている新型コロナウイルスは、今後どのような広がりをするのか、大変危惧しています。国内では、国の新年度予算の歳出が過去最大になるとともに、政府は新たな経済政策を織り込み、来年度の経済成長率を実質で1.4%と見込んでおります。一方で、日銀が発表した12月の調査で、景況感は大企業製造業で4期連続、大企業非製造業で2期連続悪化しており、政府は景況判断を引き下げたのであります。また、中長期的に見て、日本全国の少子化のペースは加速しており、厚生労働省人口動態統計の年間推計では、昨年の国内出生数は、前年度を5%下げ、統計開始以来、初めて90万人を下回り、少子化問題がさらに危惧される事態になっております。また、昨年の台風がもたらした被害は甚大なものでありました。改めて亡くなられた方々のご冥福を心からお祈り申し上げますとともに、被害に遭われた皆様にお見舞いを申し上げます。一刻も早い復興をお祈りしています。区議会でも水害時の被害状況の伝達方法の仕組みづくりに早急に取り組んでいるところですが、災害への備え、また、減災への取り組みも待ったなしの状態であります。今回の台風災害は、本区へ多くの課題を残していったのも事実でありましょう。  こうした国内の状況に加え、さらに見えにくくなっているのが国際情勢であります。日韓関係は、年末に首脳会談が行われたものの、抜本的な解決には至っておらず、中国との関係も先行き不透明であり、米中の貿易摩擦も歩み寄りを見せ、緊張緩和に一歩踏み出したとはいえ、新型コロナウイルスも関連し、予断を許さない状況であります。また、ことしの暖冬が示すように、地球温暖化対策は急務でありますが、いまだ国際的な合意がとれていないのが現状であります。  こうした国内外の混沌とした状況の中で、東京で2回目のオリンピックパラリンピックがいよいよ開催されます。56年ぶりに開催される大会では、本区の魅力を発信する千載一遇のチャンスであり、そのための準備を怠りなく進めなければなりません。しかし、大切なことは、この東京大会での効果や成果をどのように将来に生かしていくかということだと考えます。身近に迫った東京大会、また、一刻を争う防災対策、そして、少子化や温暖化対策など、常に中長期的な視野で捉えていくことが大切です。  そこで、質問させていただきます。前段でも述べましたが、喜ばしいことに人口が着実に増加の状況でありますが、一方、財政的には待機児童を初めとする子育て支援、高齢者・障害者へのサービス、浅草公会堂の大規模改修や竜泉二丁目福祉施設の整備など、区有施設の保全といった中長期的な投資的経費が増し、歳出全体がふえていくのは必定であります。歳入は、地方税を国税化して再配分する不合理な税制改正による財政運営の影響も心配されます。人口増加による行政需要に対し、さまざまな施策事業を展開するためには、何より安定な財政運営が必要になるのであります。  そこで、現在の本区の財政状況の認識と、中長期的な視点から安定的な財政運営をどのように進めていくのか、区長のご所見をお聞かせください。  次に、まちづくりについてお尋ねいたします。  昨年、都市計画マスタープランを策定し、そのプランに基づき、令和2年度予算において、上野地区、浅草地区、谷中地区、北部地区、そして、鶯谷周辺地区など、まちづくり推進重点地区におけるまちづくりを進めるためのビジョン策定の予算が多く示されています。このビジョン策定にかかわる事業は、魅力あるまちづくりを計画的に進めるためのものとして評価しておりますが、これらの重点地区におけるまちづくりに取り組む、その意義について、また、そのまちづくりをどのような手法で進めていかれるのか、あわせて区長の所見をお伺いいたします。基本構想を見据え、中長期的な視野でご答弁いただければ幸いです。  次に、オリンピックパラリンピック競技大会に向けた取り組みについてお尋ねいたします。  いよいよ東京オリンピックパラリンピックが開催される2020年の幕が開けました。このオリンピックパラリンピックイヤーでは、日本国内はもとより、世界中でスポーツと文化にスポットが当たる年であり、また、世界中の目がこの日本、東京に集中する年でもあります。注目といえば、昨年開催されたワールドカップラグビー日本大会では、世界中の目が日本に向けられました。チームジャパンの大活躍とラグビー精神の浸透で、にわかファンラグビー旋風に酔いしれた1カ月でありました。また、台東区ラグビーフットボール協会が企画した海外から招待したクラブチーム80余名の5カ国対抗交流大会は大成功で終了し、翌日のラガーマンを派遣して行った区内小・中学校でのラグビー体験教室英会話教室も、子供たちは大喜び、最後のフェアウェルパーティーでは、各国が交流を図り、大変な盛り上がりで、再会を祈り、無事終了いたしました。その後、ラグビー体験をした児童からサンクスレターが届き、感激の中で読ませていただきました。ラグビーワールドカップは世界中から大注目され、ラグビー業会はもちろんですが、ワンチームに象徴される多民族共生やその他にも大きなレガシーを残してくれました。  ことしは、オリンピックパラリンピック開催により、区民のスポーツへの関心がさらに高まるとともに、世界中の目がこの台東区にも注目され、多くの来街者が訪れることが期待されます。ぜひともこの機会をスポーツ振興や台東区内のにぎわいの創出、2020年以降の本区のさらなる発展につなげていくべきだと考えます。東京2020大会は、地域社会の活性化に向け、台東区が大きく飛躍するまたとないチャンスであります。区はこれまで、大会に向けて、オリンピックパラリンピックの理念に基づくスポーツ、文化、教育に観光都市として培ってきたおもてなしと安全・安心等を加えた五つの分野を中心に取り組んできました。さらに、先日の所信表明において区長は、開催都市東京の一員として大会の成功に向け尽力するとともに、そこで生まれた感動やこれまでのさまざまな取り組みレガシーとして継承し、地域の活性化や区民生活の向上につなげていくと表明されました。こうした区長の思いを実現するために、東京2020大会成功に向け、一人でも多くの区民が大会への参加意識を持ってもらうように機運を高めていくことが重要だと考えます。  そこで、東京2020大会まで半年を切った今、大会への期待感をより一層高めてもらうための取り組みが必要だと考えますが、区長の所見をお伺いいたします。  私は、これまで、パラアスリート数人とお会いする機会がありました。障害を持っている方は、腕や脚などの身体、また、視覚や知的発達など、障害の部位や種類、そして、その障害の程度はさまざまで、大会に臨むためのクラス分けは、個々の障害が競技に及ぼす影響をできるだけ少なくするために、カテゴリーを細分化して実施しております。アスリートたちは、その障害と向き合い、日々進化を重ね、上を目指しています。そして、その歩みは工夫に満ち、千差万別であります。トレーニングの方法や用具の手入れ、自分に課している生活の規律など、常に厳しい環境に自分を置き、気持ちを強く保っています。何より、そのスポーツにかける熱い思いが彼らを動かす原動力になっています。  しかし、ここに来るまで、全てのアスリートが壮絶な人生を送ってきた事実があります。20歳のときに、通学途中、あの福知山線の事故に遭い、骨髄損傷して車椅子生活になったアーチェリーの選手。中学3年生のときに交通事故に遭い、右足大腿部を切断した現在21歳の陸上幅跳びの選手。34歳のときに多発性軟化症と診断され、車椅子生活となり、下肢だけでなく、上半身にも障害があり、片手でペットボトルが持てない、体温調整が難しく、体温を上げ過ぎると命の危険がある、こんな状態で400メートル車椅子の競技を頑張っている56歳の選手など、全てのアスリートが失意のどん底からはい上がって、現在に至っています。中には記者のインタビューで、障害を持つ前に戻れたらどういう人生を歩みたいですかという問いに、もう一度同じ人生を歩みたいと言った方がいらっしゃった。私はパラアスリートたちを心から応援しようと思いました。健常の我々が細かいことで愚痴をこぼしたり、不平不満を言ったりすることが何とおぞましいことか、何と恥ずかしいことかと自問自答したのであります。  ロンドンもしかり、パラリンピックを開催した国や自治体では、障害に対し理解が深まり、障害者の就職率が高くなるそうです。また、バリアフリーユニバーサルデザインといったハード・ソフトの壁が少なくなると言われています。私は、今回の東京大会において、特にパラリンピックレガシーとして、真の共生社会実現を念頭に置いて事業を実施すべきと考えますが、区長のご所見をお伺いいたします。  最後に、教育についてお尋ねいたします。  先日の令和2年度予算案のプレス発表の際、小学校のICT教育関連の発表がありました。いよいよ小・中学校へのタブレットパソコンの整備に向けて、財政的な確保がなされることになりました。  そこで、改めて教育長にお尋ねいたします。新たなICT環境によって教育委員会が目指す学校教育をどのようにお考えなのか、ご所見をお聞かせください。  また、タブレットパソコンの全校への導入、また、具体的な環境整備について、どのように進めていくのか、この見通しについてもお聞かせいただきたいと思います。  タブレットパソコンの活用の中で、大きな課題があると思っています。特に各校の教員が端末を十分に使いこなせるのかが問題になると考えます。整備後に支援員などのフォローアップが必要だと考えますが、教育長のお考えをお聞かせください。  将来的に1人1台のタブレット端末を整備するという構想を国が打ち出しました。この構想におくれをとらないよう、教育委員会には未来に向けてさらなる努力をしていただきたいと考えますが、教育長のご所見をお伺いいたします。  教育界ではかなりの大きな改革となりますので、教育委員会にはさらに頑張っていただきたいと思っております。  これをもちまして、私の質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(石塚猛 さん) ただいまの質問に対する答弁を求めます。  区長。          (区長服部征夫さん登壇) ◎区長(服部征夫 さん) 太田議員のご質問にお答えいたします。  ご質問の第1は、財政についてです。  区の財政状況は、歳入では、特別区民税の増を見込むものの、特別区交付金は、国の不合理な税制改正により、財源となる市町村民税法人分が約1,900億円以上の減収となることなどから、本区の予算でも減を見込んでいます。この影響が平年化するのは令和3年度以降になるため、今後もマイナスの影響により大きく減収となることを危惧しています。一方、歳出では、太田議員ご指摘のとおり、子育て支援の充実や待機児童対策、災害対策の強化、区有施設の保全や長寿命化への対応など、さまざまな行政需要が増大しています。さらに、昨年策定した財政収支推計では、令和3年度以降、大幅な投資的経費の増によるさらなる財政規模の拡大を見込んでいます。このような状況の中、令和2年度予算においては、積極的に基金を活用し、多様な行政需要に対応したところです。しかしながら、本区の財政は、歳入歳出両面において、さまざまな課題を抱えていることから、今後厳しい局面に立たされる可能性があり、予断を許さない状況であると認識しています。そのため、将来を見据えて財政基盤の強化を図っていく必要があり、より一層の財源の確保や事務事業の見直し、管理的経費の節減に取り組むとともに、景気変動や財政需要の増加などによる財源不足に備え、基金や起債を有効に活用し、太田議員ご指摘のとおり、安定的な財政運営を推進してまいります。  ご質問の第2は、まちづくりについてです。  まず、まちづくり推進重点地区において、まちづくりに取り組む意義についてです。私は、区民の皆様の安全・安心な暮らしを基本に捉え、各地域の特性を十分に生かしながら、より魅力あるまちづくりの推進を図るため、昨年度末に都市計画マスタープランを策定しました。このマスタープランで掲げた、区全体の将来イメージである世界に輝く魅力があるまちを実現するためには、各地域の特性を生かした施策を精力的に展開することが重要であると認識しています。そのため、マスタープランでは、さまざまな機能が集積する拠点性の向上やまちづくりの課題解決の必要性が高い地区として、七つのまちづくり推進重点地区を設定し、施策を集中的に実施することとしています。これにより、効果的な都市施策を展開しつつ、地域全体への波及も図ることができるものと考えています。  次に、区全体のまちづくりの手法についてです。まちづくりは、行政だけでなく、区民や企業など、多様な主体の協働のもとに進めることが重要であり、各地域のビジョンなどの個別計画を地域の方々の意思を反映しながら検討、策定していく必要があります。まちづくり推進重点地区においては、この考えに基づく取り組みを進めてまいりますが、重点地区以外においても同様に、まちづくり活動の展開を図る必要性があると認識しています。そのため、よりよい市街地の形成に向け、今後行うべき適切な誘導、規制方策のあり方を検討し、地域の方々との協議を踏まえ、各地域のまちづくりを進めてまいります。また、区民等のまちづくりへの参画や組織化などを促進する仕組みを反映した総合的な条例の制定についても検討します。多様な主体がまちづくりに積極的に参画できる仕組みを講じながら、マスタープランの将来イメージの実現に向けたまちづくりを推進してまいります。  ご質問の第3は、オリンピックパラリンピックに向けた取り組みについてです。  まず、機運醸成取り組みについてです。オリンピックパラリンピック大会の開催までもう半年を切り、日に日に祝祭感が盛り上がる中、私は、より多くの区民に大会への参加意識を持っていただくため、さらなる機運醸成を図ることが重要であると認識しています。そのため、区では、区民や来街者に大会への祝祭感をより一層高めていただくため、台東区名誉区民である朝倉文夫氏の傑作であります「生誕」の像の設置、区有施設や区内の鉄道駅等における花の装飾、循環バスめぐりんの車体にラッピングを行うなど、取り組みを進めてまいります。また、特に次世代を担う子供たちには、オリンピックパラリンピック競技を直接観戦する体験を通じて、大会の感動を味わってもらい、一人一人の人生の糧となるかけがえのないレガシーを残してもらいたい、そのように考えています。  次に、パラリンピックレガシーとして、真の共生社会の実現に向けた事業の実施についてです。パラリンピックレガシーとして、障害者を初め、配慮を必要とする多様な方々がスポーツなどを通して社会参画することができるよう、区として、さまざまな事業に取り組んでいくことは、私も太田議員同様に大変重要であると認識しています。そのため、区では、障害の有無にかかわらず、誰もが気軽に参加できる大会開催100前イベントやボッチャの交流大会などを通し、区民の障害に対する理解をさらに深めてまいります。  今後もオリンピックパラリンピックに向け、区民にも来街者にも利用しやすいまちづくりとして、ハード・ソフト両面バリアフリー化を進めるなど、障害の有無に関係なく、誰もがともに歩むことができる共生社会の実現に向け、取り組んでまいります。  その他のご質問につきましては、教育長がお答えいたします。
    ○議長(石塚猛 さん) 教育長。          (教育長矢下 薫さん登壇) ◎教育長(矢下薫 さん) 太田議員ICT教育についてのご質問にお答えさせていただきます。  教育委員会がこのたび整備するICT環境によって目指すものは、新たに策定した台東区学校教育ビジョンが掲げる新しい時代に対応する資質・能力の育成でございます。具体的には、ICTの効果的な活用によって、自分の考えを明確にしたり、問題を解決したりするなどの情報活用能力の育成がその重点となっております。  次に、タブレット型パソコンの全校導入につきましては、校内で無線LAN接続ができるネットワーク環境を構築するとともに、3学級に1学級分のタブレット型パソコンの整備を進め、令和2年度の2学期から順次運用開始を予定しております。  あわせて、環境整備後の教員へのフォローアップにつきましては、モデル校での実施結果からも極めて重要であると考えておりますので、授業での活用をサポートするICT支援員の配置とともに、研修会の開催や実践事例の発信等を計画的に実施してまいります。  また、国が昨年12月に打ち出したGIGAスクール構想につきましては、新しい時代に対応する資質・能力の育成を促進するものであると認識しております。教育委員会といたしましては、引き続き国や都、他の自治体の動向も捉えながら、ICT教育のさらなる推進を目指してまいります。 ○議長(石塚猛 さん) 23番堀越秀生さん。          (23番堀越秀生さん登壇)(拍手) ◆23番(堀越秀生 さん) 東京オリンピックパラリンピックの年、令和2年初頭、第1回定例会に当たり、会派を代表して質問させていただきます。  この機会を与えていただいた会派の仲間に深く感謝いたします。ありがとうございました。  私たちの会派、たいとうフロンティアは、国民民主党、立憲民主党、旧自由党、そして無所属議員で構成する7人の会派であります。私たちは静かに変化するリベラリズムの進展と社会的価値観の変容の中で、人、個人個人の多様性を認め、強者の論理に支配されない繊細な政治意識を持ち、台東区にあるサイレントマジョリティ、声なき声に耳を傾ける、そんな真っ当な政治を是々非々の立場で貫いてまいります。  私たちが住む東京・台東区は今、非常に厳しい時代の分水嶺にあります。国によって地方創生が始まって5年、東京一極集中は是正されるどころか加速し、地方分権が叫ばれた20年前から変わることのない中央集権が、祖国日本の現実の姿です。東京23区である台東区においても、人口の回帰による子育て世帯への大きな予算シフトが強いられ、同時に高齢者医療と介護といった福祉予算への加重が増大してきました。そんな流れの中にあって、税収は正比例していくのかといえば、ずっと続く低成長経済、そして、予期せぬ災害や世界的な感染症のリスクといった、まさに先行き不透明の中で台東区の財政はどうなっていくのか。きょうはこの視点で、まず、会派を代表して令和2年度予算について質問してまいります。  予算全体に対する区長の思いについては、先ほど来、自由民主党さんからも質問がありましたので、私は予算編成後に起きた新型コロナウイルスの行政事業に対する影響と、今後の対策について、そして、この令和2年度予算に向けて都と行われた厳しい財政調整協議の問題点、課題について、さらには、今後予想される厳しい財政運営の中での自治体、台東区としての財源確保について、課税自主権の可能性も踏まえながら、質問させていただきたいと思います。  それでは、新型コロナウイルス感染症の影響と対策について質問します。  区では、新型コロナウイルス感染症の対策等を検討するため、保健所と医療機関の連携についていち早く対応していることを初め、今月3には、台東区新型コロナウイルス感染症対策本部を設置し、感染拡大の防止に取り組んでいると聞いております。また、同日には、区民への相談対応として、コールセンターを設置するとともに、チラシの配布や区ホームページでの周知を行い、来街者、観光客への対応については、観光連盟や旅館業営業者などと連携した周知を行っているとも聞いております。このように区では、着実に新型コロナウイルスへの対策を進めていると考えますが、中国人観光客の減少や中国からの材料などの輸入がストップするなど、台東区の地場産業である皮革産業を初め、区内産業への影響も大きく懸念されています。こうした中、区では中小企業を支援するため、中小企業振興センター内に特別相談窓口を設置して対応していますが、今後、さらに新型コロナウイルス感染が拡大した場合、新たなる対応が必要になってくるのではないかと考えます。他区では特別融資などにより中小企業の支援を実施しているところもあると聞いております。今後、本区としては区内業者に向けてどのような支援を行っていくのでしょうか、区長のご所見をお伺いします。  次に、令和2年度の都区財政調整についてお聞きします。  今回の財政調整については、当初のスケジュールでの都区協議では合意に至らず、ことし1月28に開催された再協議でようやく合意に至ったと聞いております。そのことを見ても、今回は大変厳しい協議であったと推測いたしますが、協議結果を見ると、都区間の配分割合の変更があり、区側の配分割合が0.1%ふえ、55.1%となり、また、特別区相互間の財政調整については、新規算定が15項目、算定改善などが21項目、その他が1項目となっています。特に都区間の配分割合については、区側から世田谷区や江戸川区、荒川区が令和2年度から児童相談所を開設することから、0.26%の変更を求めたのに対し、結果として、特例的な対応として0.1%ふやし、令和4年度に配分割合のあり方について改めて協議するとの都区合意となりました。この結論について、都区協議会では、区側の委員から0.1%の積算根拠がないなど、不満が出たようですが、そんな状況を鑑みると、協議結果は都区双方の努力のたまものとはいえ、真に特別区の実態を反映した協議結果ではなかったのではないかと私は思います。実際、このように、都区間の見解の相違から解決に至らない課題はまだまだ多く、特別区交付金の割合や特別区における減収補填対策、そして、都市計画交付金の見直しは引き続き協議課題となっています。  そこで、令和4年度に予定される配分割合のあり方の協議も含め、都区財政協議上の諸課題の解決に向けて、今後どのように区長は台東区の代表として取り組んでいくのか、区長のご所見をお伺いします。  そして、この予算における質問の最後に、今後の財源確保のお考えについてお聞きいたします。  令和2年度予算を見ると、一般会計の当初予算額は1,037億円となり、過去最高額となりました。子育て支援や教育環境の整備、福祉施設の充実、災害対策の強化、区有施設の保全や長寿命化など、さまざまな行政需要に対応した予算であると思います。しかし、歳入予算を見ると、特別区交付金が国による不合理な税制改正の影響により減収となるなどしたことから、基金の活用額は、近年にはない57億円という大きな規模になっており、将来への不安要素もあります。今後も社会情勢が大きく変化していくと予想される中、多様な行政課題に区として責任を持ち、対応していくためには確実な財源確保が必要であると考えます。例えば外国からの観光客、来街者が多い台東区の特性に鑑み、観光財源としての独自課税を実施するなど、自治体としての課税自主権の活用について検討してはどうかと考えますが、区長のご所見はいかがでしょうか。また、今後の財政見通しを踏まえ、さらなる財源確保に向けてどのように取り組んでいかれるのか、区長のお考えをお聞かせください。  次に、災害対策についてお聞きします。  災害は忘れたころにやってくる。だから、平常時に災害に対する備えをする。そんな考え方で我々は今までやってきた気がします。しかし、災害が起きない日常の中で、常に災害が起きた非常時を想定して生きる。逆の言い方をすれば、災害が起きる非常時を平穏な日常の暮らしの中に取り入れて生きていく。そんな考え方も大切なのではないかと考えます。先日、湯島に事務所がある社会起業家の佐藤唯行さんという方にお会いする機会がありました。彼は、平常時と災害時という社会のフェーズ、時期、状態を取り払い、ふだん利用している商品やサービスが災害時に適切に使えるようにする価値を提案した人です。そして、その考え方を非常時と日常時の壁をフリーにするという意味で、フェーズフリーと名づけ、団体も設立して、建築業界や自治体などにフェーズフリーの考え方を広める運動をしています。例えば区役所で考えると、平常時に使用する自転車を災害時にも使えるノーパンクタイヤにする。ふだん使う食器を災害時にも割れない材質のものにする。あるいは、庁舎内の食堂にある食材備蓄を予算をつけて多少ふやし、災害時の緊急の備えにするなど、また、単に物だけでなく、先日、議会でも提案させていただきましたが、日ごろの議会連絡網をそのまま非常時には緊急連絡網に移行するなど、常に平常時と非常時をパラレルに見る思考、そんな当たり前のような概念ですが、区長、区長はこのフェーズフリーという考え方を多分日ごろの行政施策の中で意識的、ある意味、無意識に既に取り入れておられると思いますが、改めてこのフェーズフリーという新しい概念について、区長のご感想、お考えをお聞きします。一つ、他区の事例を挙げますと、豊島区の防災公園でもある南池袋公園のカフェにおいて、そこで備蓄した食材を災害時に提供するという試みが展開されています。このようなフェーズフリーに関する取り組み、本区ではどのような形で行われているのでしょうか、区長、お聞かせください。  それでは、次に、大きな項目の3番目の質問に入ります。これは、最近、蔵前の地域で大きな話題となっている蔵前一丁目郵政施設跡地の再開発に関する質問です。蔵前橋の手前、右側にある郵便局、あの地域の話ですね。  ことし1月31の報道によりますと、その郵政跡地について、民間である日本郵政不動産が延べ床面積10万平方メートルの施設を開発するとありました。この開発は、オフィス棟、住宅棟、物流施設棟によって構成され、一部上場企業の本社移転もうわさされる大型複合施設開発です。このような大規模な施設の開発は、約2キロ四方の小さな台東区ではまれです。例えば役所の近く、昭和通り沿いで行われた旧タカラホテルの跡地開発のときのように、施設の計画段階より、地域の要望も踏まえて、地域に貢献するような施設や機能について事業者に区からさまざまな働きかけをすべきだと考えますが、そんな働きかけはなされてきたのでしょうか。また、この開発、区の立場としては、台東区のまちづくり方針に沿った内容と認識しているのでしょうか。区長の見解をぜひお聞かせください。  そして、もう1点、この郵政跡地開発は、それだけ大きな開発ですから、地域への影響も大きく、また、関心も非常に高くなっています。よって、地域の方々は施設に係る詳細な情報を一も早く知りたいとおっしゃっているのですが、事業者から今後開発に係る詳細な情報を区が得た場合、地域住民の方々にも周知、情報共有を強くお願いしたいと思います。この対応について、区長のご所見を伺いたく思います。よろしくお願いいたします。  それでは、最後の質問に移ります。質問内容は、本区行政の意思決定の最高機関である政策会議の情報公開、そして、それに係る行政文書の管理についてであります。  これは、委員会、本会議などで私が何度も行政に質問してきたことです。前の区長にも、その前の区長にも質問しました。時代が流れ、情報公開、行政の透明性を求める時代になった今も、台東区では一向に変わらないので、改めて強く質問させていただきます。  区長、本区の行政意思最高決定機関、政策会議は、議会にいる我々のみならず、区民の大きな関心の的です。なぜなら、そこで区民に係る台東区の行政施策が決定されるからです。この政策会議の議事録を広く公開するお気持ちはありませんか。情報公開の時代、この議事録公開は、行政の政策立案過程を区民が詳細に理解するために必要不可欠と考えます。当然のことながら、公の機関である行政の事業政策決定過程については、いずれ全てが情報公開の対象になっていくのでしょうが、まずは、都心にあって、先進的な自治体である台東区が既に公開している自治体と同様に、行政意思決定過程を区民に示す政策会議議事録を作成し、完全に公開すべきと考えます。区長のご答弁を求めます。  さらにお聞きしますと、政策会議は、各所管から上がる議題を精査し、最終的に合意する場であると認識しています。そうなると、各行政事業立案、決定については、各所管から政策会議に上がる報告文書が非常に重要であると考えます。この行政文書管理について、台東区では、どのような規則で管理されているのでしょうか。文書ですから、最終的には総務課管理だと思いますが、所管課から文書が提出された後、どのような文書がどのような年限で保管されているのか、この点に大きな関心があります。区長、お答えいただければ幸いです。よろしくお願いいたします。  以上で、たいとうフロンティアの代表質問を終わります。最後までご清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(石塚猛 さん) ただいまの質問に対する答弁を求めます。  区長。          (区長服部征夫さん登壇) ◎区長(服部征夫 さん) 堀越議員のご質問にお答えいたします。  ご質問の第1は、令和2年度予算についてです。  まず、新型コロナウイルス感染症対策に関して、中小企業対策についてです。  区の中小企業振興センターでは、新型コロナウイルスの感染症対策として、特別相談窓口を設置し、事業者からの相談体制を整えました。また、専門コーディネーターが区内事業者を訪問し、売り上げの減少や材料供給の停止に伴う仕入れ先の変更など、状況把握に努めているところです。現在、国や都では、中小・小規模事業者への緊急対応策について検討が進められています。区では、こうした国などの動向を注視し、関係機関との連携を図りながら、新たな制度融資を構築し、区内事業者へのサポートを充実してまいります。  次に、都区財政調整協議上の諸課題の解決に向けた取り組みについてです。  配分割合の変更につきましては、堀越議員ご指摘のとおり、双方の努力の結果として、最終的に都区合意に至ったところです。しかしながら、依然として、都と区の考え方には乖離があり、引き続きの協議が必要となっています。そのほかにも、特別交付金や都市計画交付金のあり方については、今回も議論を前に進めることができなかったなど、解決すべき課題が残されている状況です。特別交付金については、普通交付金による算定を優先するよう割合の見直しを提案しましたが、都は財政需要を確実に受けとめるためには現行の5%が必要と主張したため、協議は調いませんでした。また、都市計画交付金についても、特別区の都市計画事業の実績に見合うよう、抜本的な制度の見直しや都市計画事業のあり方についての協議体の設置等を提案しました。しかしながら、都は、各区から課題等を直接聞くなど、適切に対応していくと主張して、具体的な議論には至っておりません。私は、これらの課題解決に向けて引き続き、特別区長会の一員として、各区との連携をさらに緊密に図り、今後の都区財政調整協議に臨んでまいります。  次に、課税自主権の活用についてです。  課税自主権の活用に当たっては、その政策目的を明らかにし、区民の十分な理解を得るほか、公平、中立、簡素といった税の三原則を考慮するなど、慎重な検討が必要です。区では、課税自主権の活用の方法として、法定外税等について、平成18年度に収入確保対策検討委員会において検討した結果、導入の効果や影響、課税の公平性などに課題があったことから、導入には至っておりません。今後は、社会経済情勢や行政需要の変化などを踏まえ、研究してまいります。  次に、財源確保についてです。  自主財源の確保を主体的に進めていくことは、重要な取り組みであると私も認識しています。これまで区では、区公式ホームページやめぐりんなどを活用した広告事業の推進や自動販売機の設置に係る公募入札制度の導入など、収入確保の取り組みを推進してまいりました。また、私債権等の適正な管理及び効率的かつ効果的な回収の推進を図るため、平成28年4月に私債権等の管理に関する条例を施行するとともに、私債権等管理・回収マニュアルを策定し、債権の適正な管理や収入未済対策により、財源の確保に努めているところです。今後もこうした取り組みを推進していくほか、先進自治体の事例を参考にしながら、より効果的な財源確保の手法について検討してまいります。  ご質問の第2は、フェーズフリーについてです。  まず、フェーズフリーに対する認識についてです。私は、事業の推進において、平常時のみならず、災害時の活用も意識して取り組むことが大変重要であると考えており、この視点がフェーズフリーの考え方にもつながるのだと、そのように認識しています。  次に、フェーズフリーに関する取り組みについてです。区では、平常時のみならず、災害時にも活用できることを意識し、かまどベンチなどの備品等を整備しております。また、区民への意識啓発として、ふだん使っているものを常に少し多目に備える日常備蓄についても啓発しています。今後もこのフェーズフリーの考え方を意識して、事業を推進してまいります。  ご質問の第3は、蔵前一丁目の開発計画に係る地域への配慮についてです。  まず、開発への働きかけについてです。堀越議員ご指摘の東上野二丁目の開発については、これは都市計画法に基づく特定街区制度、これを活用、適用しており、区と事業者において、公共貢献に資する機能整備の協議を行った上で、容積率等を緩和しています。一方、本計画については、都市計画法等の特別な制度を使用しないものであることから、公共貢献に関する協議は行っておりません。なお、大規模マンション等の建設における保育所等の整備に係る事前届出等に関する条例に基づく協議では、事業者から、保育所等の整備への協力が可能な旨の回答をいただいており、地域の待機児童の解消に寄与するものと期待しています。また、町会活動や防災に関しての地域との連携についても協力を求めてまいります。  次に、開発とまちづくり方針についてです。台東区都市計画マスタープランで示した蔵前地区を含む南部地域まちづくり方針では、業務や都心居住の複合的な土地利用を誘導するエリアと位置づけつつ、オープンスペースや緑の確保、子育て支援機能の誘導など、魅力的な住環境の創出を図ることとしています。本計画は、おおむねこの方針に沿ったものであると認識しています。  次に、開発の周知についてです。区では、建築計画の早期周知に関する指導要綱を定め、一定の開発については、事業者からの事前周知を義務づけています。本計画については、今月19に、本要綱に基づく説明会を開催する旨、報告を受けています。引き続ききめ細かく地域への情報提供を行っていただくよう、事業者に伝えてまいります。  ご質問の第4は、政策会議の情報公開と行政文書管理についてです。  まず、政策会議についてです。区政に関する情報を区民に理解していただくことは、区政の透明性の確保や情報共有の観点から重要です。政策会議の内容は、検討途中の事項が多く、公開に適さないものもあることから、会議内容等の公開については、引き続き研究してまいります。  次に、行政文書管理についてです。区では、適正な保存管理を図るため、文書の保管及び保存に関する規定並びに文書保存年限設定基準を定めています。保存年限は、7種類としており、当該文書の重要度、資料価値等に応じて、永年、15年、10年、7年、5年、3年、1年のいずれかを設定しています。例えば条例や規則の制定、改廃に関する文書は永年保存、決算の調製に関する文書は10年保存とし、法令に定めがある文書については、当該法令に定める年限に基づき保存しています。 ○議長(石塚猛 さん) 32番小菅千保子さん。          (32番小菅千保子さん登壇)(拍手) ◆32番(小菅千保子 さん) 台東区議会公明党の小菅千保子でございます。会派を代表して代表質問を行わせていただきます。  まず、質問に入る前に一言申し上げます。新型コロナウイルス肺炎対策に、区当局も体制を整え始めているさなか、1月29、我が会派として、服部区長新型コロナウイルス肺炎対策について、特に相談窓口の設置や区民、宿泊施設などへの対応策についての周知徹底などについて、緊急要望書を提出いたしました。速やかに対応策を図っていただいておりますことに感謝いたします。  同時に、亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げますとともに、罹患された皆様や、今なお船舶やホテルなどで不安な状況で待機されていらっしゃる皆様にお見舞いを申し上げます。一も早く終息することを願っておりますが、引き続きアルコール消毒液の活用や手洗い・うがい、せきエチケットの周知徹底をお願いいたします。  それでは、質問に入ります。初めに、令和2年度予算についてお伺いいたします。  本区の令和2年度の一般会計は1,037億円と過去最高額となりました。歳入においては、特別区民税は約225億円、人口が20万人を超え、納税者の増加などにより、特別区民税は年々プラスの状況が続いております。そして、国の税制改正などにより、また、都からの各交付金など、増減も大きく影響するところではあります。本区の令和2年度予算案の概要によれば、地方消費税交付金は約59億円で、昨年度に比べて約11億9,000万円のプラスとなります。本区の令和2年度の地方消費税交付金の税率が引き上げられた2%分の相当額は、約27億9,000万円を見込むとありました。なお、この約27億9,000万円は社会保障の年金・医療・介護・子育て、これに加えて社会福祉や社会保険及び保健衛生に関する施策に充てることが社会保障制度改革推進法第2条に明記されていることを確認いたしました。まさに全世代型の社会保障が整備された第一歩と言える予算であります。  さらに、ことしは東京オリンピックパラリンピック競技大会の開催に当たり、本区としても万全な体制で無事故、大成功のための環境整備に取り組み、国内外に台東区の魅力を大いにアピールしていく予算として4億円余りが予算化されました。この予算については、オリンピックパラリンピック後のレガシーとよく言われますが、大事な税金を配分しておりますので、オリンピックパラリンピック後も区民に還元される施策としても事業化されている予算編成となっております。しかしながら、少子化や地方税の国税化、また、ふるさと納税などによる減収については、依然、懸念材料であり、行政に対するニーズや課題も山積している状況であることから、引き続き歳入の確保への工夫、また、国や都のさまざまな情報を速やかにキャッチしていくことが重要であると考えます。  そこで、このような状況のもと、区長はどのような決意で令和2年度予算を編成されたのか、お伺いいたします。  次に、SDGs、誰ひとり取り残さない地域社会構築について伺います。  私は、2017年第3回定例会一般質問において、2030年までの国連の持続可能な開発目標への取り組みとして、基本構想策定に当たり、地域共生社会実現のため、まずは基本構想のベースに、誰ひとり取り残さないというSDGsの考え方を盛り込むべきであると提案いたしました。2015年9月、国連サミットで採択された持続可能な開発のための2030アジェンダにおいて、発展途上国のみならず、先進国もともに取り組む、持続可能な開発目標、SDGsとして、誰ひとり取り残さない社会の実現を目指すというビジョンが示されました。貧困、教育、エネルギー、気候変動といった17の目標と具体的な実施指針として169項目のターゲットが明示され、全ての国連加盟国が共有する国際目標として示されております。2030年SDGs達成期限まで、ことしからちょうど10年であります。それを見据え、2019年12月、国は誰ひとり取り残さないSDGs実現のための実施指針を3年ぶりに改定いたしました。今後4年間でより加速、拡大していく指針を示し、改定された実施指針では、地方自治体としての役割がさらに求められております。今後の取り組み優先課題として、女性活躍の促進、防災・減災対策、気候変動対策など、8項目が上げられております。この目標達成に向けては、政府や経済界、住民といったステークホルダー、つまり利害関係者が協働してさまざまな課題に取り組むことを確認しております。また、若者が未来の社会を担う中核の存在だと位置づけ、教育、啓発を強化していく方針も盛り込まれております。さらに、地方議会には、課題解決への政策提案を期待するとしており、地方自治体においては、SDGs達成に向けた取り組みの加速化と各地域の優良な事例の発信について明記されております。  そこで伺います。さまざまな分野におけるIT化など、変化が速い社会だからこそ、誰ひとり取り残さない地域社会構築のためには、ダイバーシティ台東として、多様性への配慮を要するニーズにどのように包摂性を持って対応していかれるのか、また、台東区として2030年までの行動の10年間、SDGsへの実施指針について、基礎的自治体としてどのように取り組んでいかれるのか、区長のご見解をお伺いいたします。  また、SDGsへの理解や行動を推進し、広げていくために、区民や企業等への啓発活動として、図書館において、例えば国連と連携するなど、SDGs関係の書籍コーナーの設置や展示などを通して、広く認知度を高めていく役割を担っていただきたいと考えております。教育長のご見解をお伺いいたします。  次に、子どもの権利条約についてお伺いいたします。  2019年は、国連で子どもの権利条約が制定されて30年、日本が批准して25年の節目でした。児童の権利に関する条約(子どもの権利条約)は、子供の基本的人権を国際的に保障するために定められた条約です。18歳未満の子供に対し、権利を持つ主体と位置づけ、大人と同様、一人の人間としての人権を認めるとともに、成長の過程で、特別な配慮が必要な子供ならではの権利を定めております。前文と本文54条から成り、子供の生存、発達、保護、参加という包括的な権利を実現、確保するために必要となる具体的な事項を規定しております。  先日の新聞報道で、児童虐待が16万件という痛ましい実態が明らかになりました。これについても、急ぎ取り組んでいかなければならない課題であり、大人の責務であります。目に見える虐待は氷山の一角であり、大人の怒りに任せた虐待に苦しんでいる子供がいるということ、それによって、また子供同士のいじめに発展してしまう負の連鎖が予測されます。子どもの権利条約の第19条には、抜粋ですが、身体的、もしくは精神的な暴力、傷害、もしくは虐待、放置、もしくは怠慢な取り扱い、不当な取り扱い、または搾取から、その児童を保護するため、全ての適当な立法上、行政上、社会上及び教育上の措置をとると明確に明文化されております。  そこで、子どもの権利条約を子供たち、そして、大人もともに学び合うことが必要であると考えます。早稲田大学名誉教授、増山均氏は、子供たちとかかわる仕事において最も大切なことは、子供たちを信頼すること。子供たちから信頼されること。キーワードは信頼にあると。子供たちへの信頼は、一人一人の子供の人格を尊重することが大前提であると。そのためにも、子どもの権利条約の子供観に深く学ぶことと述べられております。子供は決して大人の所有物ではなく、一個のとうとい大事な大事な生命であるということをお互いに確認し合っていく機会を設けていくことで、まず子供たちがおのずからの権利を学ぶことは、同時におのずからの役割や使命を自覚するところに通ずるものと考えます。本来、子供たちが秘めている力を発揮できることにつながるものと確信いたします。  公明党創立者の池田大作氏は、使命を自覚するとき、才能の芽は急速に伸びると述べております。SDGsの優先課題の中にも、子供の貧困対策、教育の充実、そこには不登校やインクルーシブ教育が含まれており、さらに、児童虐待などの対策推進が盛り込まれております。まずは、子供たちや親世代、教育者、地域の方々と子どもの権利条約にのっとり、SDGsの優先課題の達成に向けて動いていくことが全ての子供たちを導くことにつながり、現状でさまざまな事情や原因でつまずいてしまっている不登校の児童・生徒、また、さまざまな要因で引きこもっている青年、生きづらさを抱えている方々や子供たちに対する導きとなっていくものと考えます。まずは、子供たちの中に「世界に輝く ひと まち たいとう」の花の心を咲かせていきたいと強く願うところです。  そこで、2016年の代表質問で私は、どこよりも多様性に富んだダイバーシティ台東として、課題解決のため、次の台東区を担う青年世代に力を発揮していただき、本区の未来を持続的に構築していくための青年会議の設置を提案いたしました。これについては、引き続き要望するところであります。今回、子供たちの未来をともに生きる青年世代を対象に、まず子どもの権利条約とSDGsを学ぶ機会を設けていくことが、遠回りのようですが、意識啓発につながり、子供の命を守り、育むことになると考えております。区長のご見解をご披瀝ください。  また、同時に、教育現場においても、今を生きている子供たちが社会人として社会の中軸となるころには、経済状況、働き方、職種なども大きく変わると言われております。今までの社会情勢とは比較にならない大きな変化の中で生き抜いていく力が一層求められる子供たちです。子供たちの自己肯定感をもっともっと高めていく必要があります。だからこそ、普遍的な価値観に裏づけられた精神性が重要であると強く認識いたしております。  そこで、子どもの権利条約について、深く学び、子供たちが子供の人権について認識できる環境を整えていただきたいと考えます。教育長のご見解をお聞かせください。  最後に、マンション実態調査を受けた今後の方向性について伺います。  本区においては、住宅戸数の約8割が集合住宅となっております。これまで集合住宅に関して、災害対応や長期振動対策、適正な維持管理のための条例の必要性、相談体制の充実、コミュニティづくり、災害時への備えとして、町会との協定など、さまざまな提案を区議会公明党として行ってまいりました。今回、マンション実態調査の実施については高く評価いたしております。これによって課題も明確になり、さまざまな施策などが展開されると期待するところであります。  そこで、今後のマンション対策の方向性について、区長のご見解をお伺いいたします。  以上で、代表質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(石塚猛 さん) ただいまの質問に対する答弁を求めます。  区長。          (区長服部征夫さん登壇) ◎区長(服部征夫 さん) 小菅議員のご質問にお答えいたします。  ご質問の第1は、令和2年度予算に込めた決意についてです。  私は、区民の皆様が誇りと愛着を持ち、安心して暮らし続けることができるまちの実現が重要であると考えています。区の財政状況は、歳入では、特別区交付金が地方税を国税化して再配分する不合理な税制改正によって減となっており、歳出では、子育て支援の充実を初めとしたさまざまな行政需要が増大するなど、今後、健全な財政運営をより一層推進していかなければならない状況です。令和2年度予算は、そのような中においても、区民福祉の向上に向け、長期総合計画行政計画に基づく事業を着実に実施するとともに、東京2020大会の成功に向けて関連事業を推進できるよう、重点的に財源配分を行いました。また、記録的な大雨や暴風を観測した昨年の台風19号において明らかになったさまざまな課題を解決し、激甚化する自然災害から区民や来街者の生命と財産を守り、災害に強い台東区の実現を図る事業について、財源配分を行いました。私は、この予算を着実に執行することにより、「世界に輝く ひと まち たいとう」の実現に向け、全力で取り組んでまいります。  ご質問の第2は、誰ひとり取り残さない地域社会の構築についてです。  まず、ダイバーシティ台東としての多様性への配慮についてです。誰ひとり取り残さない持続可能で多様性と包摂性のある社会を実現していくためには、年齢、性別、国籍、障害の有無などにかかわらず、全ての人々の人権が尊重され、多様な人々が活躍できる地域社会を構築していくことが重要であると認識しています。そのため、区政運営の最高指針である基本構想において、区政運営の基盤となる考え方として、平和と多様性の尊重を定めています。また、その実現に向けては、長期総合計画において、人権の尊重や多文化共生の推進などの施策を位置づけており、引き続き本計画に定める施策を推進していくことで、誰ひとり取り残さない地域社会の実現を図ってまいります。  次に、2030年までの国の実施指針についてです。国はSDGsを達成するための中長期的な国家戦略としてSDGs実施指針を定め、ビジョンとして誰ひとり取り残さない2030年の社会を目指すことを掲げています。また、ビジョンの達成に向けた取り組みの柱として、健康、それから長寿の達成や平和と安全・安心社会の実現など、日本として特に注力すべき八つの優先課題を掲げています。区では、長期総合計画において、SDGs理念を踏まえた区政の推進を示しており、この考えのもと、区民や地域の団体、事業者などと連携を図りながら、福祉やまちづくりなどの各分野の施策を着実に推進してまいります。  ご質問の第3は、子どもの権利条約についてです。  私も子供たちや全ての大人が子どもの権利条約にのっとり、SDGsの優先課題の達成に向けて行動していくことは大変重要なことであると考えています。現在策定中の台東区次世代育成支援計画では、第1章において、子どもの権利条約の概要を掲載するとともに、SDGsの優先課題と関連する取り組みを定め、計画の着実な推進を図ることで、SDGsの達成につなげていくこととしています。また、国のSDGs実施指針改訂版において、次世代の若者たちは、2030年やその後の社会、そして、ポストSDGsの議論の中核を担う存在であり、自分たちが主役となる時代をどのような社会に変革していくかを考え、行動し、発信していくかが期待されています。今後は、次世代育成支援計画に掲げる子供食堂や学習支援などの事業のほか、成人式や青少年フェスティバルなど、青年世代が集う機会を通じて、子どもの権利条約やSDGsを学ぶ機会を提供することで、自分たちが中心となって生きる未来のために、提言、発信できる人材を育成してまいります。  ご質問の第4は、マンション実態調査を受けた今後の方向性についてです。  今年度は、実態調査の結果を踏まえ、マンションの適正管理や老朽化したマンションの再生等を促進するため、庁内検討会を立ち上げ、課題の整理や施策の方向性について、横断的に検討を進めています。来年度は、管理組合の設立支援やマンションと町会が連携した取り組みの啓発・支援、防災力向上のための意識啓発、環境対策のPRなど、早期に対応すべき事業を実施します。さらに、国や都の動向も踏まえ、施策の方向性や事業などを位置づけたマンションの適正管理等を促進するための取り組み方針を策定してまいります。  その他のご質問につきましては、教育長がお答えいたします。 ○議長(石塚猛 さん) 教育長。          (教育長矢下 薫さん登壇) ◎教育長(矢下薫 さん) 小菅議員のSDGsに関する区民や企業等への啓発活動についてのご質問にお答えさせていただきます。  図書館の大きな役割の一つは情報発信でございます。世界の共通目標と言われるSDGsは、今日的な課題であり、情報発信を行い、その啓発に努める必要性が高まっていると認識しております。図書館では、これまでも区民の方々への啓発活動として、ビジネス関連や人権問題、介護予防などをテーマとした特集展示を行ってまいりました。また、平成30年度に策定した台東区立図書館取組方針においては、区民の方々のより広く知りたい、深く学びたいといった要望に応えるため、これまでの特集展示をさらに充実させ、関心の高いテーマを中心とした本や資料を集めたコーナーを設置することとしております。SDGsにつきましても、関係機関から情報を収集して、資料の充実を図るとともに、コーナーでの展示を実施するなど、広く周知に努めてまいります。  教育委員会といたしましては、今後もさまざまな知的欲求に応え、社会を取り巻く諸課題について、理解が深まるよう情報発信をしてまいります。  次に、教育現場における子どもの権利条約を学ぶ環境の整備についてのご質問にお答えさせていただきます。  変化が大きい社会を生き抜くためには、子供たち一人一人が自分自身の価値や権利を知り、自分が世の中でかけがえのない一人であるという自己肯定感を持つことが重要であると認識しております。子どもの権利条約については、国際連合の役割や基本的人権の尊重の学習の中で、国際連合で採択された条約として学習しているところでございます。また、人権教育の中に位置づけられている人権課題、子供という学習を通して、子供の人権が侵害されている事案について、具体的に考えたり、それらの人権侵害は許されないことであることを知り、子どもの権利条約に対する理解を深めております。
     今後も子どもの権利条約や人権教育を通して、自分たちも大人と同様に人権があるということ、そして、それらは擁護されなければならないことを実感させる教育を進めながら、子供たち一人一人が自分の存在の大切さに自信を持ち、未来を力強く生き抜いていく力を育成してまいります。 ○議長(石塚猛 さん) それでは、ここで15分間休憩いたします。          午後 3時21分 休憩  ──────────────────────────────────────────          午後 3時36分 開議 ○議長(石塚猛 さん) 休憩前に引き続き、会議を開きます。  27番早川太郎さん。          (27番早川太郎さん登壇)(拍手) ◆27番(早川太郎 さん) つなぐプロジェクト、早川太郎でございます。会派を代表して区長に2点伺わせていただきます。  まず初めは、財政についてです。  今定例会で提出された補正予算案では、区民税は約2億8,000万円、特別区交付金に至っては25億円の増収が新たに計上され、一般会計では基金の活用を36億円見込んでいるものの、公共施設建設基金や財政調整基金など、約72億円を積み増したことにより、基金残高は約508億円となっており、台東区の財政状況は安定してきているようにも見えます。しかし、令和2年度一般会計予算案を分析してみると、区民税は、前年度当初予算に比べ約3億7,000万円ふえて、約195億円となっているものの、ふるさと納税の影響額は約10億円の減収見込みであり、影響額は平成27年度推計値、約3,500万円から、わずか5年で30倍近くになっています。昨年3月の法改正により、返礼割合は3割以下になどの規制が強化され、違反した自治体への寄附を特例控除の対象から除外するなど、国は本来の制度から行き過ぎてしまった実態を改善すべく動き出しましたが、制度自体が浸透してきていることなどもあり、ふるさと納税を選択する方は確実に増加していて、今後も減収懸念は一向に払拭されておりません。  昨年10月に実施された消費税10%への引き上げにおける区財政への影響では、地方消費税交付金は約12億円の増額となっていますが、区が支払う消費税も増額となっており、8%から10%への引き上げによる影響額は約5億円、また、法人住民税の国税化が消費税率引き上げ時にさらに強化されたことなどの影響で、特別区交付金は今回増額された補正予算後の額と比べればマイナス29億円にもなっています。翌年度以降もさらに影響額が増加していくので、さらなる減額となっていきます。さらに、令和2年度の東京都の予算では、法人事業税の一部国税化など、昨今の国の制度変更による都の減収は1兆円近くとなっています。来年度は都知事選も実施される予定であり、その影響はほとんどないように思えますが、今後、都の補助金なども見直しが検討されることは十分想定される事態であり、台東区への財政的な影響を非常に懸念せざるを得ません。消費税引き上げは、その引き上げとセットで行われた不合理な税制改正などによって、台東区にとってはプラス要因どころか、大変なマイナス要因となります。  さらに、2年前には35億円あったたばこ税も今年度は約30億円、受動喫煙防止対策の法整備が進められ、昨年7月から本庁舎など、区有施設内において喫煙場所が廃止されたように、喫煙場所の規制強化が一部実施されました。喫煙機会の減少は、たばこの売り上げに影響を及ぼし、売上本数は、前年と比べ6%を超える減で、税率の引き上げによって9,000万円強の減額見込みとなっておりますが、本年4月には全面的な規制強化が実施されることになっていて、今後大幅な減収が危惧されます。  歳出面を見てみれば、人件費は前年度に比べて約13億円の増で、約192億円となっています。来年度から会計年度任用職員制度がスタートとなり、非常勤職員の処遇改善などの規定整備が行われ、期末手当や共済費が増額となり、影響額は5億5,000万円となりました。今後も多様化する区民ニーズへの対応や働き方改革の対応などによっては、職員数は増加していきます。当然人件費は増加していき、固定費は上昇します。  子育て支援対策では、子ども・子育て支援新制度にかかわる総事業費が約137億円となり、そのうち保育園、幼稚園などのランニングコストは約113億円かかっていて、新制度が始まった27年度と比べると5年間で51億円も増額となっています。今年度、新たな子ども・子育て支援事業計画を作成することとなっており、新たに試算された保育需要数を確保するための施設整備が行われていきますが、保育の需要は年々増加しており、今後も増加していくことでしょう。そうなれば、目標数値と現実の需要の乖離を埋め切れていない状況が続いていきます。また、次期計画期間内では0~2歳児保育後の3歳児の受け皿となる連携園対応を行うこととなるので、現行の対応を続けていくとするならば、かなりの数の保育施設整備が必要となってくるのではないでしょうか。施設整備費やランニングコストはさらにふえていくことになるでしょう。また、1校当たり2,000万円強の支出を伴う放課後子供教室の拡充や約8億円の支出を計上したICT教育推進のための環境整備のさらなる充実など、子育て支援経費はさらに上昇が予想されます。  心身障害者福祉費では、前年度に比べて2億円増の約53億円、グループホームなどの施設整備は現状で足りているわけではありませんし、その施設利用者が高齢化したときの対策を検討していかなければなりません。また、子供たちが対象の児童発達支援や医療的ケアなどの充実など、今後も事業費は増大していきます。  区有施設の維持管理では、保全整備費の総額は30年間で約853億円との試算でしたが、昨年12月の委員会で報告された内容によれば、人件費や材料費の上昇と消費税増税などから、約1.4倍、約1,184億円になるとのことでした。今後とも多額な経費がかなりの期間必要となってきます。さらに、区有施設の適正化を図っていくのなら、例えば竜泉二丁目福祉施設のような新たな施設整備費やその整備によってあいた施設を整備するための費用が必要となります。また、検討が進められている大規模跡地の整備や100億円近い工事費がかかりそうな凌雲橋のかけかえなど、多額な費用が必要であり、投資的経費も増大していきます。そのほかにも、上野、谷中、北部地区に続いて、浅草地区、鶯谷駅周辺のまちづくりの検討がスタートし、インフラ整備が行われていく予定であり、よりリアルになった風水害などへの減災対策の充実、ユニバーサルデザインへの対応などもしっかりと推進していかなくてはなりません。  多額な費用が見込まれる課題は多数あります。新型コロナウイルス感染拡大による観光、製造業への影響や、中東地域の緊張など、景気後退リスクは多数あり、我が国の経済は先行き不透明感が増してきています。  令和2年度一般会計予算案は、投資的経費が約75億円と、例年に比べ少ない年度であるにもかかわらず、予算総額は1,037億円で、区政史上最高額となっており、基金の活用はリーマンショック後の24年度と同じ規模、57億円となってしまいました。かなり近い将来、1,100億円も超えていくでしょう。人件費、扶助費などの義務的経費の増加や、特別区交付金などの一般財源の減収が見込まれる中、30年度で84.5%だった経常収支比率は高まっていくことでしょう。結果、財政構造の硬直化も進んでいきます。昨年7月に作成された行政計画での財政フレームでは、令和2年度の歳出総額は約1,008億円だったはずであり、既に大幅に超過せざるを得なくなっています。台東区の財政状況は、予断を許さないどころか、大変な危惧を抱かざるを得ない状況となっています。ここ数年は、将来に備え、基金をしっかりと積み増してきましたが、令和2年度を転換点として、厳しい財政状況が現実化してくるのではないかと強く懸念しています。しかし、今後財政状況が悪化していくような状態になっても、多様な行政ニーズへの対応、さらなるセーフティーネットの確立、未来に向けた投資などは充実していかなくてはなりません。  令和2年度予算案編成を終えて、区長は、区財政に対してどのような認識を持ち、今後どのような区政運営をしていくのか、所見を伺います。  次に、情報化推進について伺います。  先ほど述べたように、財政状況が厳しくなってきたとしても、区民サービスの拡充やさらなるセーフティーネットの確立、未来に向けての投資はできる限り実施すべきであり、そのためにも行政経営の改善はしっかりと進めていかなくてはなりません。そのツールの一つがICTの活用であり、日進月歩の発展を続けているICTを効率的・効果的、そしてタイムリーに使いこなしていくことが必要です。台東区では、平成13年に全庁LANの基盤整備を行ったほか、公共施設予約システムなどの導入を実施、そして、現在の情報化推進計画では、さらに活用を進めていて、ペーパーレス化の対応や情報システムのクラウド化、オープンデータの実施、無料公衆無線LANの環境整備など、ICTの活用を推進してきており、大変評価しています。今後もさらにアクセルを踏み込んで、ICTの利活用を積極的に推進すべきと考えます。  総務省の通信利用動向調査によれば、平成30年のインターネットの人口普及率は約8割、スマートフォンを保有している世帯の割合も約8割であり、多くの方が暮らしの中で当たり前のようにICT機器やインターネットを活用する時代になってきました。また、台東区民のパーソナリティーも変化し、区内で就業する方も減り、ダブルインカムの世帯もふえたことにより、仕事を休まないと役所に来れない、そういった人もふえています。グローバル化も進み、区民の外国人比率も8%、外国人観光客も激増しています。そういう時代に対応するよう、行政も取り組みを進めていかなくてはなりません。  区民サービスの拡充でいえば、例えばマルチペイメントの導入、台東区では集会室などを利用する際に公共施設予約システムを導入していますが、事前に窓口に行っての現金払いが必要です。昨年10月の消費税率引き上げに伴い、国はキャッシュレスサービスポイント還元事業を行い、クレジットカードや電子マネーなどでキャッシュレス決済を推進しています。行政計画では、令和3年度に多様な手段による納付方法の導入を実施としていますが、多様な電子決済を可能とするマルチペイメントの導入を一刻も早く実施すべきと思いますし、電子申請、昨年、デジタル手続法が成立し、行政手続のオンライン実施が原則化されました。マイナポータルを活用し、電子申請を実施している自治体は増加しています。台東区では、マイナポータルに子育て関係の幾つかの手続を掲載していますが、書式をダウンロードした後に、窓口申請となるため、電子申請となっていません。港区では、マイナポータルに88の手続を掲載しており、そのうち、保育園申し込みといった子供関係の手続など、36の手続が電子申請可能となっています。台東区でも早期に実施すべきではないでしょうか。また、窓口など、区民との応対でいえば、多言語への対応やわかりやすい説明など、タブレット端末導入の効果は高いのではないでしょうか。導入効果の高い部署から実施すべきです。  さらなるセーフティーネットの確立でいえば、要保護児童対策として、虐待に至る前のサポート環境を充実させるための初期対応などが迅速、的確に行われるような体制整備を充実させるべきであり、妊娠期からの母子情報や家族情報、サービス利用の状況などを一元管理し、保健サービス課や子ども家庭支援センターなど、関係部署との迅速な情報共有及び支援体制の構築のため、システムのデータ連携は必須だと考えます。また、今まさに新型コロナウイルスなど、感染症への不安が増しています。感染症の広がる範囲を少しでも抑えていくための予防対策の充実が重要です。その対策の一つに学校欠席者情報収集システムがあります。感染症の集団発生を早期に探知し、早期対応するためのサーベイランスシステムで、保健所、教育委員会、医師会、園医などが同じツールを活用し、施設及び地域情報を把握して見守り体制を構築することで、子供の健康を確保していくことができる画期的なシステムです。台東区では、現在幾つかの私立保育園で導入されているようですが、学校や幼稚園、保育園など、台東区の全ての施設が加入することでより効果的な感染症の予防対策が実現可能と考えますので、早急に全施設への導入を図るべきではないでしょうか。  行政経営の改善でいえば、今年度はRPAを3事業でモデル実施していて、来年度は3事業ふやすこととしていますが、RPAのシステムは導入に当たって、事業をもう一度洗い直して業務の改善をしっかりと行ってから導入することで、より効果を発揮します。そういったことも含めて、業務改善をしっかりと行っていただきたいし、できる限りスピーディーに、かつできる限り導入事業も拡大すべきです。また、オープンデータも現在CSV形式で35のデータを公開していますが、協働の推進などの二次利用を促進するため、データ数の充実やアイデアソンの開催など、取り組みを推進していただきたいと思っていますし、協働ということでは、千葉市では、ちばレポという事業を行っていて、例えば道路が傷んでいるなど、地域での困った課題をICTを使って市民がレポートすることで、市民と行政、市民と市民の間でそれらの課題を共有し、合理的、効率的に解消することを目指す取り組みを実施しています。多数の自治体で既に同様な取り組みが実施されています。ぜひとも検討していただきたいと思います。  将来に向けての投資でいえば、ICT教育の推進、予算案では全ての小・中学校に無線LAN環境を構築し、3学級に1学級分のタブレットパソコンを整備することとしています。しかし、国では、さらにアクセルを踏み込んでいて、1人1台端末や高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備するなどのGIGAスクール構想の実現に向けて、昨年12月に閣議決定された総合経済対策の中で、2023年度までに全学年の児童・生徒一人一人がそれぞれ端末を持ち、十分に活用できる環境の実現が盛り込まれ、さらに、今年度の補正予算にて1人1台端末の整備などの補助事業を行うこととしています。モデル校である蔵前小学校では、6年生に1人1台の活用も研究しています。将来的にはICTを利用しない仕事はないとも言われており、学校教育でも鉛筆や消しゴムと同様、当たり前のように利用できることが必要です。台東区としても1人1台体制の実現に向けた検討や活用内容に合わせた機器の検討、キャリアつき機器の検討なども早期に行っていただきたいと思います。  来年度は、5年に1度の情報化推進計画の作成年度であり、その年度に合わせて、情報政策課を開設することは、教育委員会も含めて、全庁的にICT活用をしっかりと推進し、早期の実施に向けてアクションを起こしていく、そういった意気込みだと思っていますが、区長の意気込みも含めて、情報化推進についての所見を伺います。  以上で、質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(石塚猛 さん) ただいまの質問に対する答弁を求めます。  区長。          (区長服部征夫さん登壇) ◎区長(服部征夫 さん) 早川議員のご質問にお答えいたします。  ご質問の第1は、区財政についてです。  令和2年度予算においては、子育て支援の充実や教育環境の整備などにより、一般会計予算規模は過去最高額の1,037億円となりました。一方、歳入は、不合理な税制改正などによる減収の影響もあり、これまでに積み立ててきた基金を積極的に活用し、行政需要に対応したところです。しかしながら、特別区交付金は今後も大きく減収となることが危惧され、歳出では、引き続き待機児童対策区有施設の長寿命化への対応などの需要増が見込まれることから、区の財政状況は今後、厳しい局面に立たされる可能性があり、予断を許さない状況であると認識しています。そのため、さらなる事務事業の効率化を進めるとともに、国や都支出金などの確保や区有財産の有効活用など、より一層の財源確保に努めてまいります。また、今後の景気変動や財政需要の増加などによる財源不足の際には、基金や起債を有効に活用し、健全で安定的な財政運営をすることで、長期総合計画行政計画に基づく事業を着実に実施するとともに、喫緊の課題に対しても的確に対応し、区民福祉の向上に努めてまいります。  ご質問の第2は、情報化推進についてです。  近年、ICT環境は急速に変化しており、IoT、AI、5Gなど、さまざまな技術の発展と普及は区民生活や行政サービスに大きな変化をもたらします。区民サービスの向上や行政運営の効率化を実現する上で、ICTの効果的な利活用が重要な要素となっていることは私も認識しています。そのため、新設する情報政策課のもと、AIやRPAの導入推進、オープンデータ化の推進など、区の情報化施策を計画的かつ統括的に展開してまいります。また、区民サービスの利便性向上に向けて、電子申請を一層推進するために、区への申請や届け出について、従来の書面申請に加えて、電子申請を可能とする条例を今定例会に提出しています。区の情報化推進計画は、計画期間の4年目を経過しようとしており、策定当時は想定していなかった先端技術が既に活用され始めています。また、国はソサエティー5.0という目指すべき社会の姿を示し、デジタル社会への変革を推し進めています。私は、急速に変化するICT環境に柔軟、かつ的確に対応するため、区民サービスの向上、業務の効率化などの視点から情報化推進計画を改定し、区政の課題解消に向けた取り組みを適時適切に講じてまいります。今後ともICTの効果的な利活用を通じて、区の情報化を力強く進め、区民の利便性の向上と地域の活性化に努めてまいります。 ○議長(石塚猛 さん) 28番秋間洋さん。          (28番秋間 洋さん登壇)(拍手) ◆28番(秋間洋 さん) 日本共産党の秋間洋です。  日本共産党台東区議団を代表しまして、三つの角度から服部区長の政治姿勢について質問いたします。  第1は、個人の尊厳、多様性についての認識です。  区長、あなたは所信表明で、国は、誰もが個性と多様性を尊重され、生きがいを感じられる一億総活躍社会の実現に向け改革を進めている、こう評価しました。これには驚きました。安倍政権のもとで、日本のジェンダーギャップ指数は過去最悪の121位に転落いたしました。安倍首相は昨年の参議院議員選挙党首討論で、選択的夫婦別姓にただ一人反対、LGBTの法的権利にも反対しました。先日は、日本は一つの民族とアイヌの人々の誇りを傷つけた麻生副総理の暴言を擁護する閣議決定まで行ったのであります。今の政府や政権幹部は、女性や性的少数者、他民族を冒涜してばかりいるではありませんか。区長、この政府のどこに個性と多様性を尊重する姿勢があるというのでしょうか。区長の所信表明の認識では、個人の尊厳を尊重する区政は進められません。ジェンダーの視点を基本にした次期男女平等推進行動計画が策定されますが、区長のもとでは計画倒れになるのではありませんか。区長、国が個性と多様性を尊重する政治を進めているという所信表明での見解は改めるべきであります。答弁を求めます。  第2は、区民生活についての認識です。  区長は所信表明で、雇用、所得環境の改善が続き、内需を中心とした景気回復が見込まれるという国の経済見通しをそのまま引き写す一方で、区内中小零細企業は、多くの業種では売上額、収益ともに減少しており、依然として厳しい状況が続いていると発言しました。どちらが本音なのか、矛盾する認識ですが、区政が一番配慮しなければならないのは、区民の暮らしの現状です。  まず、消費税増税の影響です。景気悪化の中で断行した昨年10月の10%への増税は、新たな不況を引き起こしつつあります。家計消費は前年比で3カ月連続のマイナス、景気動向指数は4カ月連続の悪化です。日銀世論調査では、個人の景況感が6年連続で悪化し、5年ぶりの低さに落ち込みました。2人以上世帯の実質家計消費支出は、消費税8%前の年額360万6,000円から、昨年10%後、10、11月には年換算で332万2,000円と、年額31万4,000円も減りました。安倍政権になってからの2度の消費増税は、家計の1カ月分丸ごと奪ったのであります。さまざまな新年会で景気はいかがですかと聞きますと、例外なく、悪くなっていると、返ってきます。台東区商店街連合会の新聞の新年号には消費税増税への批判、プレミアム付商品券への怒りがちりばめられています。日本共産党は消費税は直ちに5%に減税せよと全力を挙げます。区長、私は、10%への増税は、8%のとき以上に景気にマイナスの影響を与えている、と実感しています。年末年始、数多くの忘年会や新年会に参加された区長は、今回の消費税増税がもたらしている区民と区内中小事業者への影響について、どう認識しているのでしょうか、ご答弁ください。  社会保障の後退も区民生活を暗くしています。政府は、いよいよ75歳以上の医療費窓口負担を2割に、介護施設の食費負担を大幅に引き上げようとしています。厚生労働省は、先月、来年度の年金支給額について、実質0.3%減と発表しました。安倍政権7年間で、これで実質6.4%のマイナスであります。年金が上がらない仕組み、マクロ経済スライド制度を導入してから、2年連続で引き下げになるのは初めてのことです。しかも、現在、37、38歳が受給開始になる年齢まで給付を減らし続け、基礎年金を現行より3割、7兆円も削ろうとしていることが昨年の老後2,000万円問題で明らかになりました。老いも若きも社会保障切り捨てです。区長は所信表明で、国は全ての世代が安心できる全世代型社会保障制度に向け、政策を進めている、こう評価しました。これのどこが全世代型社会保障なのでしょうか。区長は、75歳以上の医療費窓口負担の2割、介護施設での食費負担増という国の方針をどう評価しているのでしょうか。負担増をやめるよう政府に進言する意思はありませんか、お答えください。  また、区民生活の現状認識に基づく政策は、来年度予算の中にどう展開されているのか、お示しください。  第3の質問は、安心して住み続けられる台東区についてであります。  区長は所信表明で、いつまでも健やかに自分らしく暮らせるまちの実現への決意を表明しました。この課題は、基本構想長期総合計画の大柱の一つであります。しかし、台東区は、高齢者・障害者の住宅確保の困難、近隣型商店街の後退、介護や医療が受けられず、区外に転出する区民の増加、高層ビルやマンション、ホテルの建築ラッシュで平穏な生活が脅かされ、コミュニティの弱体化が進んでいます。安心して住み続けられるまちどころか、逆に遠ざかっているのではないでしょうか。  最近、区内で1街区軒並み買収話を持ちかけてくる不動産ブローカーとよくぶつかります。中高層マンションディベロッパーが進出する露払い役のような彼らは、金額と期限を定めて、一方的に提示し、軒並み買収を働きかけてきます。台東区で底地買いをしているある不動産業者は、台東区は高い建物が建てやすく、投資に魅力的な地域だと、私に露骨に言いました。昨年、第2回定例会で、私は中高層建物の立地を誘導するような区の都市計画マスタープランでは、現在住んでいる区民が住み続けられなくなるのではないか、こう質問しました。これに対し、区長は、中高層建物をふやすことで、生活、住環境が向上すると答えました。決算特別委員会では、それまで検討するとしていたワンルームマンションの規制について、現在の緩い規制のままでよいとの見解を示しました。区内の中高層建築物の新規建設件数は、標識設置件数で見ますと、2014年度の142件が2018年度は272件と倍近くにはね上がっています。中高層建物による日照の妨げや強風、町会、商店街など、コミュニティの衰退は看過できないところまで進んできています。区長、本当に区民の生活、住環境がこれで向上していると思われるのでしょうか。台東区の土地、区民の財産を市場原理のほしいままにされていたら、住み続けられる台東区は実現できません。谷中では、空の見える住み続けられるまちに進もうと、住民と行政が話し合いをもとに、高さ制限を含む地区計画を策定しようとしています。  そこで、区長に質問します。谷中以外の地域でも、住民参加を前提に建物の高さや建て方に一定の規制を設けるなど、住み続けられるまちをつくる目的での地区計画や土地利用方針を進めるお考えはありませんか。  また、当面、ワンルームマンションの住戸割合を減らす、一住戸面積を広げる、商店街に面したマンションは1階を商店に義務づけるなど、集合住宅の建築に係るルールを強化する意思はありませんか、あわせてお答えください。  ホテルや民泊の増加も重大です。1部屋からホテル営業ができる規制緩和から1年半たちました。ホテルの許可申請件数は、緩和当初の2018年第3・四半期が312件申請だったところ、どんどんふえて、昨年の第4・四半期は461件と5割近くもふえています。ホテル建設は、2014年度2件だったのが、2018年度は42件と、5年で20倍以上になり、新規の中高層建築物全体の15%を占めるまでに膨れ上がっているのであります。民泊の届け出件数もふえ続け、昨年12月には684件と、開始時の6倍になりました。最近、賃貸マンションの空き室をターゲットに、民泊事業者が営業攻勢をかけてきています。集合ポストが虫食いのように、民泊の届け出シールが張られ始めているのであります。昨年夏、台東区から転出した若いご夫婦は賃貸契約が1年以上残っているのに、大家から民泊にするのでと強引に立ち退きを持ちかけられ、やむなく立ち退いた。台東区にいたかったが、家賃が高くて無理だったと話していました。京都では、ホテルの供給過剰による倒産がふえていると報道されています。区民を追い出してできたホテルや民泊が潰れたら、その後、台東区はどうなるのでしょうか。国のホテルの規制緩和に対して、台東区は一定のルールづくりをしました。しかし、増加はとまりません。区長は現在のホテル急増をどう思っているのでしょうか。構造や運営に関するルールの強化など、一歩踏み込むべきではありませんか、あわせてお答えください。  高齢者・障害者が住み続けられる台東区にするためには、住宅と施設、福祉施策を一体で進めることが必要です。現状はどうでしょうか。区内の有料老人ホームやサービスつき高齢者住宅は不足している上、入居や毎月の費用が高過ぎて入れません。シルバーピアも足りません。病院から退院した後の生活を支える施設の不足は極めて深刻です。老人保健施設は区内に二つしかありません。特別養護老人ホームは、区内施設にはいつになったら入れるかわかりません。身体障害者のグループホーム整備は喫緊の課題です。知的障害者のグループホーム、医療的ケアが必要な障害者のショートステイのベッドの確保も早急に解決が求められます。区の来年度予算で障害者施設整備の補助金を拡充することはいいことです。しかし、地価、家賃が高騰する区内での整備は、物件の確保が大変です。先日もある事業者が送迎車の駐車場確保にさえ苦労している、こう私に話しました。区有財産を活用しなければ打開できないことは明らかです。  もう一つの重要課題は、高齢、障害福祉の現場を支える人材の決定的な不足です。在宅、施設問わず、介護人材の確保はどの事業者も切実で、人手問題で事業継続が困難になっているところまで出始めています。前年度から介護資格で初任者研修への補助が始まり、もっと活用されることが期待されます。さらに、処遇改善を進めるとともに、区内の介護人材を育成、確保するため、知恵と力を絞るときではないでしょうか。区長、三つの区立特別養護老人ホームを統合してできる竜泉二丁目福祉施設の特別養護老人ホームは、統合前よりベッド数を最大限ふやすべきであります。  また、統合で廃止になる跡地、三つありますが、ここを課題となっている身体障害者グループホームや医療的ケアのショートステイ施設として優先的に活用すべきです。  また、住みなれた地域で暮らしたい、こう思う障害者や高齢者を現場で支える抜本的な台東区福祉人材戦略を策定し、その確保に向け、今こそ踏み出すときではないでしょうか。  それぞれ所見を求め、私の質問を終わります。(拍手) ○議長(石塚猛 さん) ただいまの質問に対する答弁を求めます。  区長。          (区長服部征夫さん登壇) ◎区長(服部征夫 さん) 秋間議員のご質問にお答えいたします。  ご質問の第1は、個人の尊厳、多様性の認識についてです。  国では、誰もが個性と多様性を尊重され、生きがいを感じられる一億総活躍社会の実現に向け、改革を進めています。子育て支援や働き方改革など、各政策の実行に加え、男女共同参画に関連する法制度の整備など、さまざまな取り組みが進んでいると認識しています。  ご質問の第2は、区民生活の認識についてです。  まず、消費税率10%引き上げの影響についてです。区内中小事業者の中には、経営上の問題として、売り上げの停滞・減少を上げている事業所もあり、消費税率の引き上げがその要因の一つとして考えられます。また、本年1月時点での東京都区部における消費者物価指数が対前年比同月比で0.6%上昇するなど、区民生活に影響を及ぼしているものと認識しています。  次に、75歳以上の医療費窓口負担2割化と介護保険施設の食費についてです。後期高齢者医療制度や介護保険制度は、負担の公平性と制度の持続性を確保するため、法に基づき、その一定割合をご負担いただくことで、社会全体で支え合う社会保障制度となっています。国の審議会においては、75歳以上の医療費窓口負担の2割化について、具体的な所得基準等の議論が行われています。また、介護保険の施設利用における食費についても一部の利用者負担内容を見直す案が示されたところです。国への進言は考えておりませんが、今後とも国の動向を注視しつつ、社会保障制度を適切に運営してまいります。  次に、令和2年度予算における区民生活の支援についてです。今回の予算は、子育て支援、高齢者・障害者にかかわる施設の充実などを計上しており、多胎児家庭支援、(仮称)竜泉二丁目福祉施設整備などを新たに実施いたします。また、デジタル化に対応した防災ラジオの貸与や被災者用として蓄電池を避難所に配備するなど、災害対策の強化も図ります。私は、区民の皆様が安心して暮らせることを第一に考え、今後とも区民生活の支援に積極的に財源配分を行ってまいります。  ご質問の第3は、安心して住み続けられる台東区についてです。  まず、地区計画や土地利用方針についてです。昨年度末に策定した都市計画マスタープランで掲げたまちづくりの将来像を実現するためには、自分たちのまちは自分たちの意思でつくるという意識が必要です。まちづくりは行政だけでなく、区民や企業など、多様な主体の協働のもとに進めることで、継続的な取り組みが可能になると考えています。そのまちづくり手法の一環として、地区計画等のルールづくりは有効であり、地域特性を生かした魅力あるまちの形成を図ることができます。そこで、現在、講ずべき適切な誘導、規制方策のあり方の検討を進めており、地域の方々と協議しながら、各地域のまちづくりに関するルールづくりに取り組んでいきたいと考えています。また、区民等のまちづくりへの参画や組織化などを促進する仕組みを反映した総合的な条例の制定についても検討します。私は、より多くの地域においてまちづくり活動が展開され、誰もが生き生きと暮らし続けられるまちづくりを目指していきます。  次に、集合住宅の建築に係るルールの強化についてです。昨年度実施したマンション実態調査の結果では、広い住戸にも単身者が住んでいるなど、必ずしも世帯人数と住戸面積との間に明確な相関性が見られませんでした。そのため、単身者向け住戸の設置割合の縮小や住戸面積の拡大については考えておりません。また、商店街に面した集合住宅の1階に店舗の設置を義務づけることについては、特定の地区を対象とした地区計画による方法がありますが、区内全域への適用にはさまざまな課題があります。以上のことから、ルールの強化は難しいと考えております。区としては、今後も地域と共存できる集合住宅のあり方について検討を進めてまいります。  次に、ホテル急増の認識と規制についてです。平成30年6月の旅館業法改正で、規制が緩和された際、適正な運営を図るため、区では条例を改正し、事前周知などのルールを新たに規定しました。区内の新規の旅館業施設は、平成28年度は28件でしたが、昨年度は113件と増加しています。これは、本区の宿泊需要の増加に基づくものであると認識しています。区では、これまで旅館業の許可申請に対して、消防署等の関係機関とも連携し、施設の構造や設備に関し、法令等に基づき、厳格に対応してまいりました。旅館業のルールの強化については、国や他自治体の動向を注視してまいります。  次に、福祉施策と介護人材の確保についてです。区立特別養護老人ホームは、入所者の要介護度の重度化や身体状況の変化に伴い、居住環境の向上への対応が求められています。そのため、区立特別養護老人ホーム3施設の再編成を行い、竜泉二丁目に特別養護老人ホームを含む高齢者福祉施設を新たに整備するものです。定員数については、再編成前より多く確保していくよう努めてまいります。  次に、統合で廃止となる三つの区立特別養護老人ホーム跡地の活用についてです。私も障害者のグループホームやショートステイ施設の整備は重要であると認識しています。区としましては、このような行政需要や立地条件等、これを勘案し、より有効な活用を図るべく、さまざまな観点から検討してまいります。  次に、福祉人材の確保についてです。質の高い福祉サービスを提供するためには、福祉に携わる人材の確保、これを進めていくことが重要であると考えています。このため、区ではこれまでも事業者等への支援として、介護職に特化した就職フェア、従事者向けの研修や資格取得支援、障害者に対するヘルパー養成事業などを行ってまいりました。福祉人材の確保に関する区の考え方については、令和2年度に策定する地域福祉計画の中で示してまいります。 ○議長(石塚猛 さん) 以上で、代表質問は終了いたしました。  ────────────────────────────────────────── ○議長(石塚猛 さん) 次の本会議は、17月曜日の午後1時に開きます。  これをもって本日の会議を閉じ、散会いたします。          午後 4時22分 散会                 議長    石  塚     猛                 議員    本  目  さ  よ                 議員    早  川  太  郎...