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  1. 台東区議会 2019-06-11
    令和 元年第2回定例会−06月11日-02号


    取得元: 台東区議会公式サイト
    最終取得日: 2021-09-13
    令和 元年第2回定例会−06月11日-02号令和 元年第2回定例会 令和元年第2回定例会 東京都台東区議会会議録(第6号) ●6月11日(火)                     (以下敬称略)  ───────────────────────────────────────── 出席議員(31名)      1番  拝 野   健          2番  岡 田 勇一郎      3番  鈴 木   純          4番  中 嶋   恵      5番  田 中 宏 篤          6番  中 澤 史 夫      7番  松 村 智 成          8番  山 口 銀次郎      9番  掛 川 暁 生         10番  中 村 謙治郎     11番  望 月 元 美         12番  石 川 義 弘     13番   森 喜美子         14番  河 井 一 晃     15番  松 尾 伸 子         16番  寺 田   晃     17番  青 鹿 公 男         18番  鈴 木   昇     19番  伊 藤 延 子         20番  村 上 浩一郎     21番  石 塚   猛         22番  和 泉 浩 司     23番  堀 越 秀 生         24番  水 島 道 徳     25番  小 坂 義 久         27番  早 川 太 郎
        28番  秋 間   洋         29番  太 田 雅 久     30番  河 野 純之佐         31番  青 柳 雅 之     32番  小 菅 千保子 欠席議員(1名)     26番  本 目 さ よ 欠  員 な し  ───────────────────────────────────────── 出席説明員  区長         服 部 征 夫   副区長         荒 川 聡一郎  教育長        矢 下   薫   技監          西 野   仁  企画財政部長     田 中   充   総務部長        佐 藤 徳 久  区民部長       望 月   昇   文化産業観光部長    岡 田 和 平  福祉部長       原 嶋 伸 夫   健康部長        齋 藤 美奈子  台東保健所長     小 竹 桃 子   環境清掃部長      野 村 武 治  都市づくり部長    伴   宣 久   会計管理室長      吹 澤 孝 行  教育委員会  事務局次長      酒 井 ま り   企画課長        越 智 浩 史  財政課長       関 井 隆 人   区長室長        柳 川 清 一  総務課長       伊 東 孝 之  ───────────────────────────────────────── 区議会事務局  事務局長       石 野 壽 一   事務局次長       吉 本 由 紀  議事調査係長     松 江 勇 樹   書記           保 郁 子  書記         西 村 健 志   書記          諏 訪 ゆかり  書記         池 田 道 則   書記          佐 藤 大 地  ───────────────────────────────────────── 議事日程 日程第1 代表質問  ─────────────────────────────────────────          午後 2時01分 開議 ○議長(石塚猛 さん) ただいまから、本日の会議を開きます。  あらかじめ会議時間の延長をいたしておきます。  会議録署名議員の指名を行います。  会議録署名議員については、会議規則第136条の規定により、     5番 田 中 宏 篤 さん     6番 中 澤 史 夫 さん をご指名いたします。  ────────────────────────────────────────── △日程第1 ○議長(石塚猛 さん) これより日程に入ります。  日程第1、代表質問を行います。  代表質問の発言通告がありますから、順次これを許可いたします。  29番太田雅久さん。          (29番太田雅久さん登壇)(拍手) ◆29番(太田雅久 さん) 台東区議会自由民主党幹事長の太田雅久でございます。令和元年第2回定例会に当たりまして、自由民主党を代表して質問させていただきます。  3月に改選され、32名の新たな体制で19期の台東区議会がスタートいたしました。それぞれの立場で台東区の躍進、また区民福祉の向上に向けて全力で力を注いでいくわけでありますが、立場は違えど進む方向はほぼ一緒でありましょうから、ともに頑張っていこうではありませんか。改めて議員の皆様、4年間よろしくお願いいたします。  そして、前期4年間の輝かしい実績を踏まえ、臨まれた3月の区長選挙において4万7,000人にも及ぶ区民の皆様から再度ご信任を受けられた服部区長におめでとうございますと申し上げますとともに、改めて敬意を表するところでございます。  本日は、平成を振り返り、令和に思いを寄せながら、服部区長の基本姿勢について、初めにお聞きしたいと思います。  そして、今回は特に未来の台東区も展望するような中長期的な視点からお尋ねしたいと思っておりますので、所信表明において詳細についてお聞きしましたが、どうか広い視野で台東区の遠い将来にまで思いをはせながらご答弁をいただければ幸いでございます。  この春は、今申し上げましたとおり、区長、そして我々区議会議員にとりましても、4年に1度の審判をいただく重要な季節でございました。また、同時に、我が国にとりましても平成から令和に元号がかわる歴史的な季節でもありました。思えば30年前、昭和から平成に改元するときは、昭和天皇が崩御され、日本中が悲しみに沈み、新元号の発表も暗く重々しい雰囲気の中で行われたと記憶しております。  その平成の30年間には、我が国にとりまして試練の連続であったと痛感しております。昭和の末はバブルの絶頂期でありました。事業家は皆、大きな夢を抱いていました。そして、平成元年には、それまでの株価最高値をつけたものの、もろくもあっという間に暴落し、今まで経験したことのない長期にわたるデフレに見舞われました。その失われた10年、あるいは20年とも言われる厳しい状況の中で、我が国は未曽有とも言われる大きな自然災害にも見舞われました。阪神・淡路大震災、新潟県中越地震、東日本大震災、熊本地震、また全国各地で甚大な豪雨、台風被害に見舞われました。我が台東区を含め、多くの自治体などの協力もあり、各種の復興は徐々に進んでいるとはいえ、被災された皆様の生活再建はまだまだ時間がかかるのが現実であろうと思っています。  平成26年から27年ごろにかけて矢継ぎ早に経済政策が進められ、それまでの閉塞感から明るい兆しが見えてきました。それが第3次安倍政権であります。そして、時を同じくして誕生したのが、第1次服部区政であります。「躍進台東 新しい台東区」を掲げて、区民福祉の向上に邁進された服部政権は、産業振興、文化政策、まちづくりなど、さまざまな分野で多大なる成果を上げられた、その結果が今回の区長選挙の得票数にあらわれていると考えています。  そこで質問させていただきます。改めてお尋ねしますが、区長ご自身がこの区政運営4年間を振り返り、どのような成果があったとお考えでしょうか。区長の所見をお聞かせください。  国においては、着実に経済を安定させ、豊かな国づくりを進めようとしております。しかし、急速に進む少子高齢化人口減少社会への対応、危機災害への備え、近隣諸国を含む諸外国が抱える問題への対応など、国内外に多くの問題を抱えております。区長がこの4年間で多大な成果を残されましたが、やはり国と同じく新たな課題がこの台東区にも生まれてきているのが現実でありましょう。  区長は、輝く未来へ!継続は力なりというテーマのもと、今回の選挙では五つの公約を上げられました。あらゆる世代が生涯にわたって成長して輝くまち、いつまでも健やかに自分らしく暮らせるまち、活力にあふれ多彩な魅力が輝くまち、誰もが誇りや憧れを抱く安全・安心で快適なまち、家庭のきずなを大切に、日本の歴史・文化・伝統を尊重する心を育みます。いずれも大切なことばかりだと思います。  そこでお聞きいたします。この選挙公約を着実に実現していただきたいと思いますが、区長はこれからの4年間、その先の将来に向けてどのように区政運営を進めていかれ、将来にどのようにつなげていくのか、基本構想に掲げた、「世界に輝く ひと まち たいとう」の実現に向けて、服部区政の基本姿勢について区長の所見をお伺いいたします。  次に、江戸ルネサンス事業についてお尋ねいたします。  新時代の幕あけ2年間は、今までにない躍動的な年になるのが必定であります。ことし9月にラグビーワールドカップが開催され、また2020年オリンピックパラリンピック東京大会が翌年に控えており、世界の目が日本、この東京に一手に集まり、インバウンドを含め、多くの観光客が台東区にも訪れるだろうと考えています。  このオリンピックパラリンピック開催とあわせて大切なのは、文化事業の振興であります。これは、オリンピック憲章でも触れており、東京都も大変重要視しております。文化振興については、我が台東区は先駆的な自治体であり、東京都の東京文化ビジョンの中で、国立西洋美術館がある上野公園を中心とした上野「文化の杜」新構想の中にすばらしい提案があると評価をいただいております。  現在、区では、明治維新から150年の節目を機に、本区に色濃く残る江戸文化の魅力を広く発信する江戸ルネサンス事業に取り組んでおります。昨年質問させていただきましたが、江戸という本区の地域資源が、産業や観光の相乗効果を高めていくこともそうですが、区民のアイデンティティーの一層の醸成が何より大切であろうという区長の思いは、私も全く同感であります。  この江戸のプロジェクトにおける中核的事業である連続講座「江戸から学ぶ」は、キックオフ講演を含め全8回の講演で、いずれも定員を多く上回る応募があり、また受講生の多くの方々がその内容に満足する評価であったとお聞きしています。その要因は、それぞれのテーマの第一人者である講師の先生方による専門的な見地から奥深くわかりやすく解説いただいていて、テーマに関連する台東区の歴史のみならず、文化面や人物像などにも話が及び、自然と話に引き込まれる内容であったと思っています。そして、何より江戸に対する受講生の関心の高さや興味深さが根底にあり、区民の意識醸成のルーツ、手法として、江戸に着眼点を置いた施策展開は、的を射ていたのではないかと評価しております。  この「江戸から学ぶ」の連続講座は、昨年度の新規事業でありますが、今年度も既に当初予算に計上され、さらに本定例会では充実を図るべく補正予算も提案されており、そこで区長にお尋ねいたします。江戸ルネサンス事業の代表的な本事業の昨年度の実績など、どのように評価されているのか、またどのような課題があるのか、またその対応策についても区長の所見をお聞かせください。  また、江戸ルネサンス事業は、3年を実施期間とする事業と認識しておりますが、将来に向けて今後どのように展開していくのか、現時点でのお考えがありましたら、あわせてお聞かせください。  次に、教育についてお尋ねいたします。  これまでも台東区の教育に関しては、区民の皆様や教育現場から期待を寄せていただいていると同時に、ご理解を得ているものと認識しております。昨年、第2回定例会にて私も質問で触れましたが、昨年12月に教育委員会は、台東区立学校における働き方改革プランを策定いたしました。このプランは、学校における持続的な教育環境の維持向上を目的としており、現場で活躍している先生方の長時間勤務などの実態を踏まえ、その業務時間に関する数値目標を設定するなど、大変具体的な内容になっています。教育環境の質の向上というのは、さまざまな側面があり、校務事務改善でも多くの指摘をさせていただきましたが、先生方が子供たちに向き合う時間を確保するとか、事務的な仕事はできるだけ専門の方にやってもらい、授業の準備や研究に多くの時間が費やせるなど、その効果が望まれるところであります。  過日、各地区町会連合会において町会長の皆様にこの働き方改革プランについて説明し、一定の評価をいただいたとお聞きしておりますが、それぞれ区民の皆様にもぜひご理解をいただき、この改革へのご支援とご協力を賜りたいと思っています。そして、その効果として、学校教育がさらに発展、充実されるように心から期待しているところであります。  そこでお聞きいたします。この働き方改革プランによって教育現場がよりよい環境になってもらうために、家庭や地域の方々に深く理解してもらうことが大切だと考えます。そのためにぜひ学校からの説明の機会をつくるべきだと考えますが、教育長の所見をお伺いいたします。  さて、先日、教育委員会より、新たな学校教育ビジョンを策定すると報告がありました。昨年の10月に検討作業に入り、ことしの10月に策定されると聞いております。現在、中間のまとめができ、その策定の必然性と言える背景についても書かれておりました。言うまでもありませんが、学習指導要領が改訂されたこと、第3期教育振興基本計画が閣議決定されたことが、改定の大きな要因であります。今後目まぐるしく変化する社会に、教育課題もそれに準じていかなければならないという国の方針に、区が迅速に対応したということであります。  時を得た感があるのは、昨年10月に台東区は基本構想を策定し、区全体の方向性を新たに示したのであります。この基本構想を受け、教育委員会を初め、区全体で将来台東区を担う子供たちのためにどのような教育を行い、どのように未来を描いていくのか、その重要な計画を見直さなければ、図らなければならない、ちょうどそのときが来たのではないでしょうか。台東区の教育の根幹である学校教育ビジョンを10年待たずして7年で改定することにご苦労はあるかと思いますが、これまでの台東区の教育の成果と課題を総括する意味においても、意義のあることと認識しております。このビジョンが令和の幕あけにふさわしい教育の道しるべとなることを大いに期待しているところです。  そこでお尋ねいたします。学校教育の基本であるこのたびのビジョンの策定に当たり、今後の台東区の目指す学校教育について教育長の思いをお聞かせください。  最後に、ラグビーワールドカップについてお尋ねいたします。  いよいよ日本でラグビーワールドカップが始まります。9月20日を皮切りに、20カ国の精鋭たちが12都市の会場に分かれ、11月2日まで開催される予定です。先日の区長の所信表明において、ラグビーワールドカップを盛り上げるためにパブリックビューイングを実施されると表明されました。私も、世界3大スポーツのイベントの一つとして、このラグビーワールドカップをぜひとも大会を盛り上げていきたいと考えています。  昨年設置いたしました台東区ラグビーフットボール協会では、うえの夏まつりパレード浅草サンバカーニバル、そして桜橋花まつりなどでラガーマンを動員してワールドカップの広報活動を行ってきました。また、小学校に出向いてラグビー体験教室を事業として行うなど、普及活動に努めているところであります。これらの活動に加え、台東区ラグビーフットボール協会では、ワールドカップの前後半の間にある1週間の休みの合間をとって、台東区、江戸川区両ラグビーフットボール協会の共催で、以前から協力がありました5カ国のクラブチームを呼んで、夢の5カ国対抗戦と銘打って交流戦を開催することになりました。また、交流大会に加え、ワールドカップの機運醸成やラグビーの普及を目的として、台東区内の小学校、中学校に、海外4カ国の選手を講師として派遣し、ラグビーの体験や英会話による交流の実施を計画しております。各学校に意向の調査を行っておりますが、大変大きな反響が寄せられております。今回のワールドカップは、ラグビーの発展のみならず、来年の2020年オリンピックパラリンピック東京大会の前哨戦という形でもあり、この機会にこのような企画を実施することは、非常に大きな意義があるものだと考えております。  そこで質問させていただきます。ラグビーワールドカップをきっかけとした台東区のさらなるスポーツ振興のため、教育委員会としても海外からの選手の派遣事業を多方面から支援すべきと考えていますが、教育長の所見をお伺いいたします。  これで私の質問を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(石塚猛 さん) ただいまの質問に対する答弁を求めます。  区長。          (区長服部征夫さん登壇) ◎区長(服部征夫 さん) 太田議員のご質問にお答えいたします。  ご質問の第1は、区政運営についてです。  まず、これまでの4年間の成果についてです。  私は、区長に就任して以来、我がまち台東区の輝かしい未来を実現するために、区政を進めていく車の両輪である区議会の皆様のご協力のもと、全力で区政に取り組んでまいりました。  中小企業の経営基盤の強化、企業力の向上を図るため、産業フェア海外プロモーションの推進に取り組んできたほか、国立西洋美術館世界文化遺産登録江戸たいとうの魅力を内外に発信する江戸ルネサンス事業等により、まちの魅力と活力の向上を図ってまいりました。  また、全国初となる観光バスに関する条例や、客引き行為等の防止に関する条例の制定のほか、区内に花を広げ、区民のおもてなしの心を育む花の心プロジェクト等により、誰もが安全・安心で快適に過ごすことができるまちづくりを推進してまいりました。  さらに、区民の皆様が安心して子供を産み育てられるよう、妊産婦に対する出産前後の支援のほか、多様なニーズに対応するための保育施設の整備や保育サービスの拡充を図ってまいりました。  加えて、ひとり暮らしの高齢者等を地域で支える社会を実現するための地域包括ケアシステム強化のほか、障害者への相談支援や在宅サービスの充実に取り組んでまいりました。  これらの施策に着実に取り組んできたことで、地域の活力や区民生活の向上が図られるとともに、将来の区政の発展に確実につながるものと認識しています。  次に、今後の区政運営の基本姿勢についてです。  基本構想に掲げる将来像である「世界に輝く ひと まち たいとう」の実現を図るため、本年3月、今後10年間の区政運営長期的指針である新たな長期総合計画を策定しました。この計画では、妊娠期から子育て期までの切れ目のない支援の充実や、誰もが住みなれた地域で安心して暮らし続けられる環境づくりのほか、ものづくりを初めとする区内産業のさらなる振興、地域の力に根差した防災力の向上など、本区が活力ある都市としてさらなる成長と発展を遂げるために必要な施策を位置づけています。  さらに、今定例会に報告する行政計画においては、長期総合計画に掲げる取り組みの具体化を図るため、今後3年間で重点的、優先的に取り組む事業を定めています。  私は、これらの計画のもとで、我がまち台東区の輝かしい未来への道のりを、区民や区議会の皆様とともに力強く歩み、本区の躍進を確かなものとしたいと考えています。そして、将来にわたり人もまちも輝き、住んでよかった、暮らしてよかったと、誇りと愛着を持ち続けられるまちの実現に向け、全力で取り組んでまいります。  ご質問の第2は、江戸ルネサンス事業についてです。  まず、講演会シリーズ「江戸から学ぶ」の評価です。  昨年度は、全8回の講演に定員のおよそ4倍となる約5,000人のお申し込みをいただきました。また、受講者からの大変多くのご好評の声に触れ、私は、江戸に対する関心の高さを実感し、「江戸に学び、未来を拓く」ことこそ台東区の未来を支える力であると改めて確信いたしました。  各講演会は、本区の江戸の文化や資源にゆかりのある寺院やその近隣の区有施設で行いましたが、今年度は、より収容力のある会場で開催し、さらに多くの方に受講していただきたいと考えています。  また、受講者の年齢層が高かったことから、若年層への周知方法を充実するとともに、託児等の受講環境を整えるなど、幅広い年齢層の方々の参加につながるよう努めてまいります。  次に、江戸ルネサンス事業の今後の展開です。  本事業は、来年度までの3カ年を期間として取り組んでいます。昨年度実施する中で、本区に息づく江戸の文化や資源が多彩であるため、テーマが広範であり、かつ奥深いと実感しています。また、区内の各地域には、広く知られていない江戸に関する資源もあると認識しており、これらに光を当てていくことも区民のアイデンティティーや地域の活力の醸成に寄与するものと考えています。  さらに、国内はもとより、海外の方にも江戸文化の中心地であった本区の魅力を広く発信していきたいと考えています。  このため、事業の推進に注力するとともに、その成果を検証しながら、今後の展開についても検討してまいります。  その他のご質問につきましては、教育長がお答えいたします。
    ○議長(石塚猛 さん) 教育長。          (教育長矢下 薫さん登壇) ◎教育長(矢下薫 さん) 太田議員の区立学校における働き方改革プランについてのご質問にお答えさせていただきます。  働き方改革プラン策定後、リーフレットをもとに、台東区町会連合会を初め、各PTA連合会において説明するとともに、各学校園におきましても、保護者会などにおいて説明して、ご理解をいただくよう努めてきたところでございます。  その後、各学校園では、それぞれの実態に応じて、教員の長時間業務を改善し、子供たちと向き合う時間を確保するためさまざまな取り組みを進めております。  こうした各学校園の取り組みは、保護者や地域の皆様から十分なご理解、ご支援をいただくことにより、子供への教育活動の一層の質の向上につながると認識しております。  教育委員会といたしましては、各学校園が行うそれぞれの取り組みについて、学校運営連絡協議会や保護者会のみならず、地域の皆様にもさらなるご理解、ご支援をいただけるよう、学校園へ今後も丁寧にご説明していくよう指導してまいります。  次に、今後の台東区が目指す学校教育についてのご質問にお答えさせていただきます。  これまでも学校教育ビジョンにおいて社会の発展を実現するための人づくりを理念として掲げ、教育施策の充実に取り組んでまいりました。  その後、区の基本構想や新たな学習指導要領、国の教育振興基本計画などが示され、これからの時代に必要となる資質・能力の育成や、新たな価値を創造する社会を生きるために必要となる力の育成が求められるようになってまいりました。  教育委員会といたしましても、このような動きを捉え、多様化、国際化する変化の激しい社会に子供たちが対応できるよう、質の高い学びの実現に向けた取り組みを充実させていく必要があると考えております。  また、今回の学校教育ビジョンにおきましても、まち全体を人が成長するための環境と捉え、豊かな文化や歴史、伝統などを生かすとともに、世界に飛躍し未来を創造する子供たちを育んでまいります。  教育委員会といたしましては、今後も学校、家庭、地域、行政がともにその責任と役割を理解し、信頼と支え合いによる学校教育のさらなる充実を目指してまいります。  次に、ラグビーワールドカップについてのご質問にお答えさせていただきます。  今年開催されるラグビーワールドカップ2019日本大会は、世界最高レベルのプレーを観戦できる貴重な機会であり、大会の機運を醸成することは、スポーツの振興にとって重要な取り組みであると認識しております。  そのため、教育委員会では、区民を対象としたラグビーの体験会や、区内の小・中学校に対する講師派遣等を実施し、大会の機運醸成に努めてきたところでございます。  今後は、大会の開催を目前に控え、ラグビーの普及のために引き続き大会のPR活動等に取り組んでまいります。また、台東区ラグビーフットボール協会の小・中学校に対する外国人選手の派遣については、スポーツ振興に有意義であると考えており、教育委員会といたしましても積極的に支援してまいりたいと考えております。 ○議長(石塚猛 さん) 23番堀越秀生さん。          (23番堀越秀生さん登壇)(拍手) ◆23番(堀越秀生 さん) 今年度第2回定例会、令和元年の新任期に当たり、会派たいとうフロンティアの議員の総意を代弁する代表質問をさせていただきます。幹事長の堀越秀生であります。  まずは、厳しい選挙戦を勝ち抜いて2期目の区政をスタートされた服部区長に心よりお祝いを申し上げます。よく言われるとおり、行政と議会は車の両輪と言われています。我々たいとうフロンティア一同は、安心・安全な台東区民の生活向上のため、区長に協力しながら、しかし時には区民の代弁者である我々区議会議員の意見も強く厳しく主張させていただきながら、台東区政という政治のわだちを行政と一緒に前に進めてまいる所存でございます。  我がたいとうフロンティアは、国民民主党、立憲民主党、旧自由党、そして無所属議員で構成する会派であります。国民民主党が掲げる多様な価値観や生き方、人権が尊重される自由な社会、誰もが排除されることなく互いに認め合える共生社会、未来を生きる次世代の責任を果たす社会を目指し、真っ当な政治をメッセージとする立憲民主党が掲げるボトムアップデモクラシー宣言、多様性を誇りに、分かち合いを力に、そして支え合いを安心につなげる政治、そしてしがらみのない無所属という立場で考える政治観も共有しながら、真のリベラルという立場で物を考える政策集団でありたいと考えております。  今、日本の政治を俯瞰しますと、国政と都政では与党を形成する政党の枠組みが違っていたりして、単純に右、左で語れる政治状況ではない複雑さを感じております。そんな中、我々地方議会である台東区議会に必要なものは、いたずらな対立ではないと考えます。そしてもちろん安易な迎合でもありません。我々たいとうフロンティア一同は、国政、都政から連なる既存の政治系列の枠組みで、台東区行政、そして台東区民の暮らしを考えていくだけではなく、区政に山積するさまざまな課題について、各人の政治的立場を超えて、区民の皆様、議会の皆様と真摯に語り合い、区民主導、政治主導で区民がよりよい生活を送ることができることを最優先に考えてまいりたいと思います。どうぞこの点、区議会の皆様、区長を初めとする行政の皆様、ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。  それでは、質問に入りたいと思います。  新任期初の今定例会に当たり、区長は新たな補正予算を議会に上程されました。改めて説明するまでもなく、ことし2月の予算特別委員会での予算案は、直後に区長の1期目の任期が満了するので、選挙によって新しい区長が選出されるまでは、区政運営に必要な暫定的な予算措置のみを行っていくという慣例的な仕組みに従ったものであり、今回上程された新たな補正予算にこそ、新任期に区長が目指す行政政策の思いが示されていると思う次第であります。  区長は、所信表明の補正予算についての中で、主に大項目五つを掲げ、ご自身の政策への思いを語っておられますが、その中から今回は行政運営に関する財政について、子育て・教育にかかわる子供の人権について、そして文化・産業・観光にかかわる観光地域づくり、日本版DMOについての3点に絞り質問させていただきたいと、会派の議員と質問をまとめてまいりました。  まずは、財政について質問させていただきます。  ことし初頭、選挙前の第1回定例会において、区長は、今年度の予算については、編成に先立ち、予算編成方針会議を開催し、区政の課題や財政状況などについて全庁的な意識の共有化と庁内議論を深めたとおっしゃっていました。区議会議員の1人として、私も、それくらい意識を集中して行政全体が心一つで各事業に取り組んでいかないと、今後の安定的な財政運営を維持していくのが難しくなる局面が、地方自治体である台東区の将来にあるのではないかと考えた次第です。  今、日本を取り巻く国際環境を眺めると、1985年のプラザ合意以降、世界経済が推進してきた金融グローバル化の流れの中で、トランプ米国大統領に象徴される、時代に逆行したような一国至上主義の台頭、そしてそれに伴う不均衡是正による通商問題が世界経済に与える影響や、金融資本市場の変動の影響など、まさにモダンとポストモダン、グローバリズムと反グローバリズムという真反対の現象が同時にあらわれているような不思議な時代になってきた感があります。そんな時代では、行政における税収見込みも簡単には立ちづらい、難しい時代になったと痛感しております。  そして、23区の一つである台東区において、常に行政運営、財政運営の点で大きくかかわる東京都の税収の動きについても、国の平成20年度税制改正によって、全体の収入額を人口及び従業者数を基準に地方法人特別譲与税として都道府県に譲与する制度が創設され、改正後わずか6年で東京都は累計1兆円にも上る税収減になったと言われています。このあたりについては、区長にご就任される前、都議会議員をなさっていた服部区長は深くご理解されていると思います。こうした都財政の変化は、当然のことながら、都区間で交わされる財政調整などにも多大な影響を及ぼし、結果として特別区である台東区の予算見通しについても影響してくるのではないかと、区議会議員の一人として考えるところであります。  我が台東区の状況はどうでしょうか。歳出削減という観点から、区長も所信表明で触れられた、そして以前我が会派の水島議員が一般質問で提案したRPAの活用の中での業務改善など、行政事務のさまざまな項目で将来は業務効率化が図られていく流れになっていくと想像されますが、その一方で、区長が所信表明で述べられた我が区の年少人口比率の低下に伴う高齢化比率の上昇による労働生産力の低下、あるいは人口密集地である都心の宿命でもある防災対策への負担、そして何より日本の高度経済成長期及びバブル期に建築された区内区有施設の老朽化に伴う修繕・保守への負担などの行政需要が歳出を広げていく大きな要素となり得る可能性があります。また、区の歳入では、今秋に予定されている消費税率10%引き上げ時における法人住民税のさらなる国税化など、本区の主要財源である特別区交付金の減も懸念されております。そうしたことを全て鑑みますと、よほど慎重に事を運ばないと台東区も財政運営上難しい局面になるだろうと推測いたします。  そんな中、区長は新任期に当たり、引き続き基本構想に掲げる「世界に輝く ひと まち たいとう」の実現に向けて積極的に施策を展開されていかれると思いますが、今後持続可能な財政運営を維持していくには、中長期的視点に立った取り組みが必要と考えます。  そこで区長に質問いたします。まずは、区長2期目のスタートに当たり、どのような思いを込めて今回の補正予算を編成したのか、その思いをお聞かせください。  そして、今回の補正予算編成だけではなく、これからの中長期的な区政の推進に当たり、今後の財政見通しをどのように捉えていらっしゃるのか、区長のご所見をお聞かせいただきたいと思います。  また、それらの見通しの中、安定的な財政運営のためにはどのような取り組みを行っていくのでしょうか。  そして、財政に関する質問の最後に、先ほど私が懸念を表明した、国が予定している秋の消費税増税の際、国がさらに拡充を進めるであろう地方税の国税化等の動きがあると思われますが、これに対して台東区の首長として区長はどのような取り組みを行っていくのでしょうか。ぜひそのあたりのお考えをあわせてお聞かせください。  次に、子どもの権利条例について質問いたします。  ユニセフの報告によれば、1989年11月20日に子どもの権利条約が採択後、世界的に5歳未満の子供たちの死亡率が低下し、危険な労働を強いられる子供の数も減少してきたと言われています。しかし、今現在、こうした成果から取り残されている子供たちが数多く存在していることも、政治に携わる人間として我々は深く理解しているところであります。  そんな中、子どもの権利条約を批准した日本としては、条約の各条項が規定する子供たちの権利を実現するために、国内法の整備などを具体的に進めており、その動きの中で、多くの自治体で子どもの権利条例の制定が行われてきた経緯があります。  また、この条約制定の中でもうたわれてきた子供の権利、つまりは生きる権利、育つ権利、守られる権利、参加する権利などを尊重しつつ、台東区でも学校教育ビジョンなどさまざまな行政方針が示されてきたことはもちろん理解しているところでありますが、昨今の報道でもわかるとおり、社会にはまだまだ子供の人権を無視した犯罪や虐待、子供の生活環境を脅かす貧困化など、さまざまな問題が山積しております。  そんな悲しい状況を眺めるにつけ、我々政治に携わるものが率先して心を新たに子供の人権について深く学び、その普遍的価値を区民の皆様に広く伝えていく責務があると痛感する次第であります。  こうした時代の流れに即し、我が会派としては、他の多くの自治体に倣い、子供の権利に関する基本条例の意味合いを持つ、子どもの権利条例の制定が台東区でも必要な時期に来ていると考えております。区長、この条例制定についていかがお考えでしょうか。ぜひご所見をお聞かせください。  そして、子供の人権に関して、子供の発育、生育に大きくかかわり、日ごろから教育的視点で施策を展開されている教育の長である教育長にもお聞きします。  これまで台東区の教育現場における人権教育については、委員会などさまざまな場面で聞いておりますが、改めて教育現場における人権教育全般の現状についてお話をお伺いできますでしょうか。よろしくお願いします。  そして、質問の最後に、質問の流れから順番の前後がありますが、また新たに区長にお聞きします。  昨今、虐待による子供の死や児童ポルノの氾濫、保護者の経済状況による子供の貧困化など、多様化する社会の中で子供の人権が侵害される懸念がさらに大きくなっています。このような中、子供たちの状況について、区長はどのように認識されているのでしょうか。その点に関してもぜひご所見をお聞かせください。  それでは次に、最後の質問、3番目、観光地域づくり、日本版DMOについて質問いたします。  DMOとは、私が改めて説明するまでもありませんが、地域が一体となって市場調査や情報発信、収益事業などを展開し、官民などの幅広い連携によって地域観光を積極的に推進する法人組織、英語で言うデスティネーション・マーケティング/マネジメント・オーガニゼーションの略であります。  観光庁では、観光地域づくりのかじ取り役となる日本版DMOの形成、確立を支援するため、平成27年11月に、日本版DMOの登録制度を制定しました。日本版DMOは、地域の経済効果を高めるとともに、地域への愛着を醸成する観光における経営的要素に重点を置いた観光施策、観光振興組織として大きく期待されております。ちなみに、平成31年3月29日現在、全国で123の法人が日本版DMOとして登録されていて、先行事例の一つである京都市のDMO、公益社団法人京都市観光協会では、体験型観光プランの企画販売、祇園祭を初めとしたイベントでの有料観覧席の販売などに一定の成果を上げております。  翻って、我が台東区は日本を代表する国際文化都市であり、本区の観光が持続的に発展していくためには、日本版DMOの仕組みを取り入れた観光推進組織を設立し、地域が一体となった魅力的な観光地域づくりや、戦略に基づく一元的な情報発信、プロモーションなど、これまでより一歩進んだ観光振興に取り組むべき時に来たと考えます。  そこで区長に3点お伺いいたします。  区長は、私が今述べたDMOのような新たな観光推進組織による観光振興についてどのようなお考えをお持ちでしょうか。ご所見をお伺いします。  また、他の地域に倣い、台東区でこの日本版DMOを創設する場合、制度上どのような課題があるのでしょうか。お教えください。  そして、例えば台東区の新たな観光振興のために、先行して日本版DMOを活用している地域との情報交換などにより、観光振興に対する新たな機運を、区民、区内関連団体、議会などに広めていく必要があると考えますが、この点について区長はいかがお考えでしょうか。区長のご所見をぜひお披瀝ください。  いずれにいたしましても、会派たいとうフロンティアは、歴史・文化・芸術に囲まれたこの愛すべき台東区が世界に冠たる観光都市としてさらに進歩・発展していくことを切に願うところであります。どうぞ区長、これからも観光政策に向けて元気に頑張っていただきたいと思います。  以上で、会派たいとうフロンティアの代表質問を終わります。最後までご清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(石塚猛 さん) ただいまの質問に対する答弁を求めます。  区長。          (区長服部征夫さん登壇) ◎区長(服部征夫 さん) 堀越議員のご質問にお答えいたします。  ご質問の第1は、財政についてです。  まず、このたび提案した補正予算については、基本構想に掲げる「世界に輝く ひと まち たいとう」の実現に向け、次世代の育成や、安全で安心なまちづくり、本区の活力のさらなる創出につながる事業を計上いたしました。私は、これらの予算執行を着実に進め、区民の誰もが誇りを持ち、安心して暮らし続けることができるまちの実現に向け、全力で取り組んでまいります。  次に、中長期的な財政の見通しについてです。  長期総合計画での今後10年の財政収支推計においては、人口増加や物価変動などの社会経済状況の変化や、公共施設の大規模改修等による投資的経費の増などを見込んでいます。一方、歳入は、特別区民税の増を見込むものの、特別区交付金については、国の不合理な税制改正等による影響があると考えています。今後も厳しい財政状況が懸念されることから、本区の財政運営は依然として予断を許さない状況でございます。  そのため、安定的な財政運営に向けては、一層の歳入確保や事務事業の見直し、管理的経費の節減に取り組むとともに、基金や起債を慎重かつ有効に活用し、景気変動や臨時的な行政需要の増加に対応してまいります。  最後に、地方税の国税化等への対応についてです。  区では、これは特別区長会のもと、東京都や東京都市長会、また町村会とともに、地方自治の根幹を揺るがす税制改正に反論するとともに、国の責任において地方税財源の拡充を図るよう強く主張してきたところです。今後も23区一丸となって、東京都や都内の市町村などとも連携し、さまざまな機会を捉えて国へ要請してまいります。  ご質問の第2は、子どもの権利条例についてです。  まず、子どもの権利条例の制定についてです。  国連の、児童の権利に関する条約においては、平成28年に児童福祉法が改正された際、第1条に条約の理念である、全ての子供が持つ権利についての規定が盛り込まれました。また、その他の子供に関する法律においても、権利の擁護、啓発について規定されていることから、本区では、これらの法律に基づき、子供の権利を第一に児童福祉施策を進めているところです。  子供の人権に係る条例の制定については、今後研究してまいります。  次に、多様化する子供の人権侵害への認識についてです。  子ども家庭支援センターにおける児童虐待及び養育困難家庭への対応件数は、いずれも増加傾向にあります。また、昨年度実施した、次世代育成支援に関するニーズ調査においても、子供の貧困等を示唆する結果が見られます。これらのことから、本区においても、子供の権利を守るためにさらなる対策を講じていく必要があると認識しています。  そこで、今後、関係機関との連携を強化するとともに、地域で子供を支援するNPO等との協働をさらに推進してまいります。  ご質問の第3は、観光地域づくり、日本版DMOについてです。  まず、観光振興への思いについてです。  私は、本区の観光の持続的な発展に向け、観光関係団体や事業者などを結びつける新たな組織を設立し、一元的な情報の発信、あるいは戦略的なプロモーション、サービス品質の向上支援など、さまざまな取り組みをより強力かつ一体的に推進していきたいと考えています。  次に、制度上の課題についてです。  国の検討会では、日本版DMOに関し、有用性が評価される一方、専門人材の確保や育成、安定的な財源の確保、地域の多様な関係者間のマネジメントなどが課題とされており、本区において日本版DMOを創設する場合も同様であると認識しています。  次に、機運醸成についてです。  新たな組織の設立などによる観光振興を進めるためには、区民や事業者等の十分な理解のもと、地域が一体となって取り組んでいくことが必要です。そのために、有識者や観光関連団体、区民の代表者等で構成される検討委員会を設置し、行政との役割分担、組織体制等について議論を深めるとともに、その意義や必要性について広く周知し、機運醸成に努めてまいります。  その他のご質問につきましては、教育長がお答えいたします。 ○議長(石塚猛 さん) 教育長。          (教育長矢下 薫さん登壇) ◎教育長(矢下薫 さん) 堀越議員の教育現場における人権教育の現状についてのご質問にお答えさせていただきます。  現在、各学校園におきましては、全教育活動を通じて、自分の大切さとともに他の人の大切さを認める人権教育を推進しております。具体的には、一人一人の意見を学級全員がきちんと傾聴する等、人権が擁護されている状態を望ましいと感じたり、反対に、いじめに関する学級討議を通して、人権が侵害されている状態を許せないと感じたりする人権感覚を育んでおります。  その上で、例えば、言語・文化・宗教・生活習慣等の違いやこれらの無理解から起こる外国人に対する偏見や差別、性的マイノリティーの方々が社会の中で偏見の目で見られ、差別的な扱いを受ける事実等、現在も生じている人権問題について、特別の教科道徳や、総合的な学習の時間等の全ての教科等で、意図的・計画的に子供たちに伝えることにより、その不合理性を強く感じて、人権侵害を解決せずにはいられないとする人権意識を高める教育を行っております。  今後もこれらの人権教育を推進し、自他の人権を尊重することのできる子供の育成を図ってまいります。 ○議長(石塚猛 さん) 25番小坂義久さん。          (25番小坂義久さん登壇)(拍手) ◆25番(小坂義久 さん) 台東区議会公明党の小坂義久です。新しい元号令和がスタートし、初の定例会において、会派を代表し、代表質問をさせていただきます。  台東区議会19期の出発に当たり、責任の重さを痛感しつつ、今後、区民の負託にしっかりとお応えするよう、職務に邁進してまいる決意でございます。区長、教育長、そして議員の皆様、職員の皆様、今期も何とぞよろしくお願いいたします。  服部区長は就任以来、「躍進台東 新しい台東区」をキャッチフレーズに掲げ、台東区産業フェアの開催や中小企業振興施策、観光バス対策や花の心プロジェクトの推進など、さまざまな施策の展開、また、高齢者・障害者福祉の推進や、子育て支援サービスの充実に取り組んでこられました。6月4日における所信表明では、私はこれまでの4年の間、本区が区民の皆様にとって誇りと愛着を持てるまちとなるよう全力で区政運営に邁進いたしました。これからの4年間は、区の将来像である「世界に輝く ひと まち たいとう」の実現に向け、家庭や地域社会のきずなを大切にし、地域の力を高めていくことが、私の最も重要な責務であると考えておりますと、2期目に向け政治姿勢を明らかにされました。  私たち公明党区議団も、台東区のさらなる発展のため、子育て支援、健康づくり、教育・文化支援や、安心安全なまちづくりなど、毎年の予算要望書や議会での発信などを通じ提案させていただきながら、区長の政治姿勢に賛同し、応援をさせていただいております。  区長は、今後の区政運営について、将来像を実現するための四つの基本目標及び多様な主体と連携した区政運営の推進に沿って施策を掲げられ、この実現に向けて、またさらなる区民サービスの向上に向け、邁進されることと存じますが、さまざまな行政需要がある中、区長が今重要視されている行政課題を教えてください。  また、その課題の解決に向け、今後どのような対策をなされようとするのか、所見をお伺いいたします。  区政運営において、重要な位置を占める観光施策についてお伺いいたします。  本年9月20日からラグビーワールドカップ2019が日本で開催され、そして来年にはいよいよ東京2020大会が開催されることとなり、いやが応でも東京中、いや、日本中が盛り上がることは必然と思われます。現在でもたくさんのお客様が国内外から本区へお見えになられていますが、これからさらに来街者が増加することは間違いなく、本区は観光先進国日本の実現に向けたトップランナーであると私は強く実感しております。  まさしく観光産業としてさらなるビジネスチャンスの到来でもあり、活気にあふれる一方、観光客の急増に伴うさらなる弊害対策も必要になると思います。民泊における問題・トラブル、観光バスの駐停車問題や、騒音、ごみ問題など、現在もそうですが、今後さらに地域住民の生活に弊害が及ぶことが懸念され、さまざまな諸問題が発生すると思われます。ことしから来年にかけ、宿泊や交通、また環境面対策などを含めた観光施策において、さらなる対応が求められると考えます。区長はどのような認識をお持ちでしょうか。所見をお伺いいたします。  次に、区民、子供の安全・安心を守るため、交通安全対策についてお伺いいたします。
     4月19日、東京・池袋で80代の男性が運転する車が暴走し12人が死傷した事故や、その後も高齢者が運転する車の事故が相次ぎ発生しております。また、5月8日には、滋賀県大津市の県道交差点における園児ら16人が死傷した痛ましい事故など、一瞬で未来が奪われる事故が発生しました。ここに謹んで亡くなられた皆様のご冥福をお祈りいたします。  大津市の事故現場を訪れ、散歩コースを歩いたというNPO法人日本こどもの安全教育総合研究所によりますと、保育者としてできる限りの安全対策をとっていて事故に巻き込まれた。ガードレールなどで物理的に被害を防止できたはずで残念でならないとあり、縁石はあったがガードレールがなかったことが大きな被害を生みました。  国土交通省が定めた防護柵の設置基準に基づき、日本道路協会がつくった防護柵の設置基準・同解説によると、防護柵を設置する区間を、歩行者等の通行が多い区間や児童、園児の登下校に利用する区間としており、事故現場は該当していなかったとのことです。また、基準は技術的な助言で、道路管理はあくまでも道路管理者である自治体が行うものと説明しています。  このたび国は、これらの事故を受け、5月21日、首相官邸で交通安全対策に関する関係閣僚会議を開催。安倍首相は、高齢者の安全運転を支える対策のさらなる推進、高齢者の移動を伴う日常生活を支える施策の充実、未就学児を中心に、子供が日常的に集団で移動する経路の安全確保について、政府一丸となってとり得る対策を早急に講じるよう指示されました。  保育需要の高まりにより、保育園が増加。それに伴い、散歩する園児たちをよく見かけますが、国における防護柵の設置基準は曖昧で、判断は自治体任せとなっているのが現状です。  私は、区民や子供たちの安全・安心を守ることは最重要課題と認識しております。また、公明党区議団として、事態の重さを深く受けとめ、5月24日に服部区長へ、交通安全対策の強化について4項目にわたり緊急要望として提案させていただきました。  そこで次の2点について所見をお伺いいたします。  まずは、本区における高齢者を初めとした区民に対するこれまでの交通安全対策について、区長の所見をお伺いいたします。  そして、子供の交通安全対策について、教育長の所見をお伺いいたします。  次に、希望ある幸齢社会についてお伺いいたします。  我が国の高齢化率は、2017年に27.7%となり、2065年には約4割まで高まると推計されています。その結果、社会保障給付費は年々ふえ続けており、2016年度には、年金・医療・介護などに充てられた社会保障給付費は116兆9,027億円となり、高齢者人口がピークを迎える2040年を見据え、社会保障給付費や負担の姿を幅広く共有するため、政府は社会保障の将来見通しを公表しました。団塊の世代が75歳以上になる2025年以降の見通しを初めて明示したものであり、2040年には社会保障給付費が約190兆円にまで増加すると推計されています。  こうした中、国は、高齢者の通いの場を中心とした介護予防、フレイル対策と、生活習慣病等の疾病予防、重症化予防を一体的に実施する仕組みづくりについて検討しています。  一方、人口構造の推移を見ると、2025年以降は高齢者の急増から現役世代の急減に局面が変化。あわせて雇用のあり方や、家族、地域の変容も想定され、リスクに脆弱な単身者の増加も見込まれています。  このような将来推計を踏まえながら、世界有数の長寿国となった我が国、また本区が目指すべき方向は、いつまでも健やかに住みなれた地域で暮らし続けられるよう、疾病などの予防や早期発見に重点を置いた施策を展開するとともに、地域における区民の自主的な健康づくりを支援し、健康寿命の延伸を図ることではないでしょうか。  その上でさらに、公明党として、活動寿命の延伸について取り組みを展開すべきと考えます。活動寿命とは、賃金を得るための労働に限らず、ボランティアや地域活動などを通して社会とかかわり、支え合いの社会づくりに貢献できる期間を指します。健康を維持しながら幾つになっても元気に働き、地域への貢献も果たしながら生涯現役の生きがいにあふれた生活を送ることが肝要ではないかと考えます。  ここで区長にお伺いいたします。健康寿命より一歩踏み込んだ活動寿命の延伸について、所見をお伺いいたします。  先ほど単身者の増加について触れましたが、少子高齢化の進展、現役世代の急減に加え、未婚率も上昇していることから、2040年には単身世帯が全世帯の4割近くとなり、このうち45%が65歳以上であると予想されています。それに伴い、社会との関係性が希薄で、周囲に頼れる人がいない社会的孤立の増加が懸念されます。こうした孤立を防ぐ社会的な基盤の一つが、地域包括ケアシステムの取り組みですが、昨年公明党が行ったアンケート調査、100万人訪問・調査運動では、住民の認知度が44.5%にとどまり、まだ十分に認知されていない結果が明らかになりました。来年度、台東区高齢者保健福祉計画の策定作業の過程において見直しが行われることと思いますが、地域包括ケアシステムについてあらゆる機会を通じて取り組みの普及啓発を図るべきと考えます。区長の所見をお伺いいたします。  幸齢社会の実現には認知症施策の充実が急務であると考えます。2025年には約700万人、高齢者の5人に1人が認知症になると言われており、誰でも発症する可能性があり、しかも誰もが介護者となり得るため、認知症施策の推進は極めて重要です。公明党として質問の機会をいただくたびに、認知症施策についてさまざま伺ってまいりました。ますます認知症サポーターが地域で活躍できる場所づくりや、若年性認知症への支援並びに認知症初期集中支援チームの体制強化や認知症本人のピア活動など、さらなる推進が必要と考えます。今後の認知症施策について、区長の所見をお伺いいたします。  地域で暮らす一人一人が役割を持ち、そして支え合いながら自分らしく活躍できる地域コミュニティの育成、そして公的なサービスと協働して助け合いながら暮らすことのできる、人と地域を生かす共生社会の実現に向け頑張ることをお誓いし、区議会公明党としての代表質問を終了いたします。ご清聴本当にありがとうございました。(拍手) ○議長(石塚猛 さん) ただいまの質問に対する答弁を求めます。  区長。          (区長服部征夫さん登壇) ◎区長(服部征夫 さん) 小坂議員のご質問にお答えいたします。  ご質問の第1は、区政運営についてです。  人口構造の変化や来街者の増加など、区を取り巻く環境は大きく変化しており、待機児童対策を初めとする子育て支援や地域包括ケアシステムのさらなる強化、また、激甚化する自然災害への備えなど、取り組むべき重要な行政課題が多岐にわたっています。  私は、これらの課題解決に向けた取り組みを着実に進め、区の将来像である「世界に輝く ひと まち たいとう」の実現を図るため、新たな長期総合計画を策定いたしました。また、今定例会にてお示しする行政計画では、四つの基本目標及び多様な主体と連携した区政運営の推進のもと、おやこサポートネットワークやコミュニティ防災の構築など、長期総合計画の具体化を図るため、令和元年度から3年間で重点的、優先的に取り組む事業を定めています。  今後は、これらの計画をもとに、本区が誇りと愛着を持てるまちであり続けられるよう、地域の皆様との対話を大切にするとともに、効果的・効率的な行財政運営を推し進め、本区の一層の発展に向け、邁進してまいります。  次に、来街者の増加への対応についてです。  区ではこれまでも区民生活への影響を考慮し、管理者が常駐しない住宅宿泊事業の制限や、観光バス予約システムの導入等による安全・安心な交通環境の確保などに取り組み、一定の成果を上げています。また、騒音やごみのポイ捨てについては、パンフレットの配布やSNSによる多言語情報発信等により、マナー啓発に努めています。一方で、さわやかトイレ整備やバリアフリー化の推進、Taito Free Wi−Fiの整備など、さまざまな受け入れ環境の整備にも取り組んでいるところです。  しかしながら、観光客の増加傾向は今後も続くことが予想されることから、さらなる対応が必要だと認識しています。そのため、地域の皆さんのご意見も伺いながら、宿泊や交通、生活環境対策など、これまでの取り組みを一層充実させてまいります。あわせて、多様な文化・習慣を持つ外国人旅行者それぞれに合った情報発信を行うことなどにより、住む人も、そして訪れる人も快適に過ごせる環境のさらなる整備に努めてまいります。  ご質問の第2は、交通安全対策についてです。  小坂議員ご指摘のとおり、高齢者の運転による交通事故が全国で多発しています。区では、平成21年度から運転免許の自主返納制度にあわせて、延べ3,000人を超える方に支援を実施しています。高齢者が車を運転しなくても日常生活への支障を来さない環境を整えることが重要であり、現在、台東区循環バスめぐりんの実証実験において、主要な病院への通院など利便性の向上に取り組んでいます。今後も高齢者の移動支援の充実を一層図ってまいります。  また、このたびの事故を受け、区道上で交通事故の多い場所において要因等の調査を実施しています。今後は、調査結果を踏まえ、関係部署や国・都、あるいは警察などの関係機関と連携して、安全・安心な交通環境の整備に努めてまいります。  ご質問の第3は、希望ある幸齢社会についてです。  幸齢というのは、幸い、幸せの年齢という幸齢、いい言葉ですよね。そうありたいと私も思っています。  まず、活動寿命に対する私の考えについてです。  高齢者が健康で自立した生活を営み、その知識や経験を生かして意欲的に活動できる社会の実現は、大変重要であると認識しています。その点において、活動寿命というご提案は、貴重なものと考えております。  今後とも、台東区基本構想に掲げる、いつまでも健やかに自分らしく暮らせるまちの実現に向けて、誰もが安心して健やかに過ごせるまちづくりや、誰もが生きがいを持って活躍し、自分らしい生活を営める環境の創出等に取り組んでまいります。  次に、地域包括ケアシステムの取り組みの普及についてです。  地域包括ケアシステムは、住みなれた地域で自分らしい暮らしを続けることができるよう、医療・介護・生活支援などのサービスを一体的に提供していく取り組みをあらわしたものです。現行の第7期台東区高齢者保健福祉計画では、地域包括ケアシステムの強化を掲げ、総合相談窓口の充実、地域包括支援センターの体制強化、地域ケア会議の開催などを推進しているところです。  地域包括ケアシステムの取り組みへの理解は、大変重要なことと考えていますので、今後とも介護の日などのイベントや日ごろの相談業務など、さまざまな機会を捉えてその周知に努めてまいります。  次に、認知症施策についてです。  私も認知症高齢者が増加していく中で、認知症施策の充実は大変重要なことと認識しています。  区では、認知症になっても住みなれた地域で、自分らしく暮らし続けられるよう、これまでも認知症高齢者への理解を深める取り組みや、本人・家族への支援等さまざまな施策を実施してまいりました。  認知症施策の充実として、養成した認知症サポーターが、家庭や職場など身近な場所での正しい理解を広めていく取り組みや、認知症予防として、適度な運動や適切な食事などの重要性の啓発などを着実に進めてまいります。さらに、現在、国が策定を進めている認知症対策の大綱の作業状況を注視しながら、新たな取り組みを検討し、令和3年度からの次期台東区高齢者保健福祉計画へ反映してまいります。  その他のご質問につきましては、教育長がお答えいたします。 ○議長(石塚猛 さん) 教育長。          (教育長矢下 薫さん登壇) ◎教育長(矢下薫 さん) 小坂議員の交通安全対策についてのご質問にお答えさせていただきます。  子供の交通安全対策につきましては、私も大変重要なことと認識しております。  教育委員会では、通学路における交通安全確保のため、随時通学路点検を行い、警察や道路管理者と協議の上、交通規制や横断歩道の設置、交差点の強調表示や路側帯のカラー化などの実施をしております。さらに、学校安全ボランティアや保護者、地域の方々、子供の安全巡回パトロールによる見守りのほか、学校園におきましては、安全な歩行や交差点の横断の仕方を初めとした交通安全指導を計画的に行うなど、さまざまな安全対策に取り組んでおります。  また、今般の事故を受け、小・中学校のほか、幼稚園、保育所、認定こども園において、学校安全計画や危機管理マニュアルについて再点検を行うとともに、通学通園や校外活動、園外活動の経路における交通環境の改善を図るため、調査を実施しているところでございます。今後、この調査結果を関係機関と共有することにより、さらなる安全対策の強化を図ってまいります。 ○議長(石塚猛 さん) それでは、ここで15分間休憩いたします。          午後 3時21分 休憩  ──────────────────────────────────────────          午後 3時36分 開議 ○議長(石塚猛 さん) 休憩前に引き続き、会議を開きます。  27番早川太郎さん。          (27番早川太郎さん登壇)(拍手) ◆27番(早川太郎 さん) つなぐプロジェクト、早川太郎でございます。平成から令和に改元が行われ、台東区においても服部区政の2期目を迎えるとともに、台東区議会も19期がスタート。20年先の将来を見据えて策定された基本構想、その基本構想実現のための施策を計画づけた長期総合計画がこの年度からスタートいたします。そういった時期に、改めて区長並びに教育長に3点伺わせていただきます。  まずは、区財政についてです。  今年度当初予算は、対前年度11億円のマイナス、995億円でありましたが、これは3月に行われた台東区長選挙、区議会議員選挙を控え、原則として政策的な新規・充実事業の計上を見送った結果でありました。今定例会において、通常の当初予算で含まれている新規・充実事業が補正予算として計上され、予算総額は1,014億円、2年連続で1,000億円を超えていて、区政史上最高額となっています。しかし、3月には台東区の人口が20万人を超えていて、1人当たりの行政コストで比較してみれば、29年度は51万円、30年度は51万3,000円、今年度は50万9,000円となり、人口当たりで見れば今年度予算もここ数年の財政規模とほぼ変わらない予算だと言えます。特別区民税は納税義務者数の増などにより8億6,000万円増となりましたが、特別区交付金は7億円減となるなど、前年同様、基金の取り崩しは30億円を超えて約34億円、区債発行も20億円を超える額が計上されています。  さらに、将来の懸念材料を申し上げれば、歳入では、本年10月に消費税10%への税率引き上げが予定されていて、地方消費税交付金も増額となることでしょう。しかし、28年度税制改正により、特別区交付金の財源である法人住民税の国税化が、消費税率引き上げ時にさらに強化されることや、区が支払う消費税の増額などにより、区財政への影響は大幅なマイナスとなります。また、31年度税制改正で法人事業税の一部国税化が決定され、法人住民税、事業税の国税化や、30年度に実施された地方消費税の配分見直しなどを合わせると、昨今の国の制度変更による東京都の減収は1兆円近くとなっています。一般会計7.5兆円規模の都が1兆円近くの減収となれば、支出金なども見直しが検討されることは十分想定される事態であり、都支出金83億円を活用している台東区への財政的な影響を非常に懸念せざるを得ません。  また、ふるさと納税の影響額は、27年度の決算額の推計値、約3,500万円から年々増加し、今年度予算では約7億4,000万円程度の減額見込みとなっています。国も3月に法改正を行い、返礼割合は3割以下になどの規制を強化し、違反した自治体への寄附を特例控除の対象から除外するなど、本来の制度から行き過ぎてしまった実態を改善すべく動き出しておりますが、今後の減収懸念がなくなるものとは思えません。  さらに、約31億円の税収があるたばこ税も、受動喫煙防止対策の法整備が進められ、この7月から喫煙場所の規制強化が一部実施され、来年4月には全面的な規制強化が実施されることになっています。喫煙機会の減少は、たばこ税の大幅な減収に直結します。将来の医療費の減少につながるかもしれませんが、その効果があらわれるまでには相応の期間が必要であり、財政の視点からだけ見れば、30億円を超える貴重な自主財源であるたばこ税の減収は、大変な懸念材料と言えるのではないでしょうか。  歳出面で言えば、子育て支援対策では、子ども・子育て支援新制度にかかわる総事業費予算が当初予算でも約136億円となっていて、新制度が始まった27年度予算額と比べると、約60億円の増額。保育園・幼稚園のランニングコストは約106億円かかっていて、わずか4年間で44億円の増額となっており、今回の補正分が加われば、さらなる増額となることでしょう。子ども・子育て支援事業計画も29年度中間改定を行い、保育施設の整備に努めてきましたが、目標数値と現実の需要の乖離を埋め切れていない状況が続いています。今年度は新たな計画策定を行うこととなっており、新たに試算された保育需要数を確保するための施設整備を行うこととなります。また、次期計画期間内では、0〜2歳児保育後の3歳児の受け皿となる連携園対応を行うこととなるので、かなりの数の保育施設整備が必要となってくるのではないでしょうか。施設整備費やランニングコストはさらにふえていくことになるでしょう。  さらに、放課後子供教室の拡充やICT教育推進のための環境整備、子供の人口増加に伴う学校施設の整備、子ども医療費助成など、子育て支援経費は今後さらに上昇が予想されます。  また、心身障害者福祉費では、障害者差別解消法施行前の27年度当初予算と比べ、今回の補正を含む予算では約51億円と、4年間で約7.5億円の増。グループホームなどの整備は現計画の目標整備数のめどは立ちつつありますが、まだまだ施設整備は足りているわけではありませんし、その施設利用者が高齢化したときの対策を検討する時期にも来ています。また、子供たちが対象の児童発達支援や、障害者差別解消法を積極的に支援していくためのバリアフリー対応など、今後も事業費は増大していきます。  さらに、区有施設の維持管理、行政計画上の老朽化対策事業では、約29億円が計上されており、公共施設保全計画どおりに保全整備を実施していくのなら、今後とも多額な経費がかなりの期間必要となっていきます。維持管理だけでなく、区有施設の適正化を図っていくのなら、区民ニーズに対応するための改修・改築など新たな施設整備費用が必要となりますし、道路や橋梁などの災害対策にも多額な費用が必要であり、投資的経費も増大していきます。  そのほかにも基本構想で掲げた将来像を実現するために、例えば、暮らし続けられる台東区実現のための介護・医療・住宅政策や、安全・安心のための減災対策や防犯対策、まちづくりに伴うインフラ整備などなど、多額な費用が見込まれる課題は多数あります。  政府が発表した5月の月例経済報告では、景気全体の判断については下方修正しているものの、景気が緩やかに回復しているとの判断は維持していますが、10月実施予定の消費税率の引き上げや、米中貿易摩擦の影響など、景気後退懸念は否めません。  今後も歳入が削られ、国や都からの支出金が絞られるようなことになっていけば、区の一般財源からの支出が増大せざるを得ません。また、行政に求められるサービスも多様化・複雑化してきており、その需要に応えるために行政が行う事業は増加していきますし、国の制度変更などに対処するための事業もふえていきます。  基金残高は、30年度末で474億円ありますが、長期総合計画に示された財政フレームでは、10年間で繰入金は591億円が必要との試算もあり、必要な行政サービスの維持、推進に努めていくことは、大変厳しくなっていくことでしょう。  今後の台東区の財政状況が厳しくならざるを得ない状況を鑑みれば、今のうちに将来を見据えた対処策をしっかりと検討していくことが重要であり、今後も行財政基盤の強化に向けての取り組みを推進すべきと考えますが、区財政についての認識と今後の対応について区長の所見を伺います。  次に、協働について伺います。  19期台東区議会がスタートした5月より、台東区では、下谷神社などの祭礼を皮切りに、区内至るところで盛大なお祭りが行われています。お祭りは、神事という側面だけでなく、地域の一大イベントとして、町会を維持発展することにも多大な影響力を持っていて、台東区が日本一の地域コミュニティとしての町会組織を保持できていることの一因となっているかもしれません。台東区政にとって町会は区政運営をともに牽引してきた最大のパートナーであります。災害時の避難運営や地域の安全対策、ごみ収集、広報や広聴などなど、数え上げれば切りがないほど区のパートナーとして協働事業を行っていただいていて、現在の区行政の根幹を支えている団体となっています。  しかし、近年は、台東区の製造業や卸売業、小売店は激減し、区内就業者も平成12年の61.3%から、平成27年の36%と4割も減。マンション建設も激増しており、年間2万人が台東区に転入し、1万7,000人が転出しています。区民の働き方がかわり、ライフスタイルも多様化し、文化や価値観の違う方々もふえてきました。新住民への町会加入で苦労しているだけでなく、町会員のパーソナリティーが変化したことにより、町会活動を担ってきた役員のなり手が集めにくい状況になっています。現状のまま推移していけば、将来活動を維持できない町会が出てくることも懸念されます。  また、教育現場のパートナーであるPTAも、入学式などの式典のほか、運動会・研究発表などの公式行事のサポートや広報誌などの学校PRなどなど、幾多の事業を行っており、学校運営に欠くことのできないパートナーとなっています。しかし、子育て世帯の転入者やダブルインカム世帯も増加しており、他区の事例を見るまでもなく、今までのような活動を時間的にできない保護者も増加していますし、今までの活動に変化を求める保護者も増加していくのではないでしょうか。  それ以外にも、区内商工団体など、区民との協働事業を実施している団体は枚挙のいとまもなく、区民との協働は台東区の行政の強みでありました。しかし、それらの団体も、時代の変化によりパートナーとしての協働の土壌も弱まってきているのではないでしょうか。  一方で、やる気やノウハウのあるNPO法人などの団体や、公益活動を実践する企業などと区が力を合わせて公共的な課題解決に取り組む協働事業提案制度が29年度に実施されておりますし、区が実施している講座受講者の有志グループが団体を立ち上げ、区の協働パートナーとして活動を始めるなど、新しい協働の動きも始まっています。  今年度からスタートした基本構想を策定するための審議会に、私も委員の一人として参加する機会を得て、大変勉強させていただきました。前基本構想策定から14年がたち、社会の変化に対応するための策定でありましたが、私は社会の変化として、多様性への対応、飛躍的に進歩・普及したICTへの対応、そして協働への対応が新たな基本構想を策定する上での大きな変化だとの認識に立ち、委員として発言させていただきました。新たな基本構想にはそれら三つの変化への対応もしっかりと取り入れられ、大変評価しておりますが、もともとの強みであった既存の協働、新たに育み始めたNPOや企業、新たな団体などとの協働、どちらも大変重要なことであります。多様化・複雑化する区民ニーズに行政だけで対応していくのが困難になってきている現状を鑑みれば、協働をさらに推進していかなくてはなりません。既存の協働の土壌も弱まってきている状況を看過せず、協働が機能していくよう対応策を検討すべき時期に来ているのではないでしょうか。  定住施策を含むまちづくり政策、商住近接、ワーク・ライフ・バランスの推進などの産業政策、住民政策など、大きな政策の中でも、協働パートナーを育んでいく視点を持って施策展開していく必要もあると考えます。  基本構想長期総合計画において、台東区の行政運営における協働をどのように位置づけ、どのように対応していくのか、区長のご所見を伺います。  最後に、ICT教育について伺います。  文部科学省の中央教育審議会において、新時代の学びを支える先端技術活用推進方策の中間まとめが本年3月に公表されました。中間まとめでは、学校ICT環境が脆弱であり、地域間格差があることが危機的な状況とされていて、これまで高等教育機関などが教育研究用として利用してきた世界最速級の通信インフラを、希望する全ての初等中等教育で利用できる環境の整備を進めるとし、今まで推進してきた校務系システムと学務系システムの通信経路を遮断していく方針を大きく転換、クラウド活用の検討も記載されており、ICT教育についての方向性が大きく転換されようとしています。  台東区においては、ICT教育の推進に向けて全小・中学校に電子黒板・実物投影機の配備、教員用タブレット型パソコンの配置、デジタル教科書の導入を行い、29年度には特別支援学級に、昨年度には小・中学校3校をモデル校として児童生徒へタブレット型パソコンの整備を行っています。昨年末にモデル校である浅草小学校の視察に伺いましたが、ICTの活用能力向上だけでなく、プレゼンテーション能力向上にもつながり、アクティブラーニングにも適したツールであるとの認識を持ちました。しかし、タブレットがフリーズしたり、ペンが利用できなくなったりと、同時に複数の子供たちに問題が起こったときの対応など、課題も認識できました。導入当初のバックアップ体制の整備は必須であります。他自治体では、1人1台キャリアつきのタブレットを配付しているところもあります。台東区のモデル校では、無線LAN対応で3学級に1学級分の配備を行っておりますが、習うよりなれろという言葉もあります。経費もかなりかかることではありますが、それらも検討すべきではないでしょうか。  さらに、小学生でも扱えるプログラミングソフトのスクラッチが利用できないタブレットを導入してしまうという事例もあると聞きます。環境整備に向けては、アンテナを十分高くして対応してほしいと思っています。将来的には、ICTを利用しない仕事はないとも言われており、学校教育でも、鉛筆や消しゴムと同様、当たり前のように利用できることが必要となってきます。一刻も早く区としてICT教育推進のための方策を決め、環境整備を図っていかなくてはなりません。  2020年、新学習指導要領の全面実施時期を見据え、ICT教育環境の整備に学校差が生じないよう、区内全校に児童生徒用タブレットの整備を進めていくと思っていますが、ハード整備は推進のためのスタートであり、その環境において子供たちが当たり前のようにICTを活用し学習すること、つまりは情報活用能力を育むことが重要です。今後のICT教育をどのように進めていこうとしているのか、教育長の所見を伺います。  以上で、質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(石塚猛 さん) ただいまの質問に対する答弁を求めます。  区長。          (区長服部征夫さん登壇) ◎区長(服部征夫 さん) 早川議員のご質問にお答えいたします。  ご質問の第1は、区財政についてです。  ただいまは、区財政の現状、あるいは将来の懸念について、歳入・歳出の両面からさまざまなご意見をいただきました。  私も、不合理な税制改正等の影響による減収の影響や、さまざまな行政需要への対応による財政負担を懸念しており、財政運営は依然として予断を許さない状況であると認識しています。  このような状況の中、区民サービスの向上を図るため、行財政基盤の強化に向けた取り組みを推進することが重要です。そのため、債権の適正な管理や収入未済対策のさらなる強化、新たな収入確保策や歳出抑制につながる取り組みの検討を進めるとともに、効果的・効率的な業務の推進のため、ペーパーレス化やRPAの導入などによる業務の効率化を図ってまいります。  また、景気変動や財政需要の増加などによる財源不足に備え、基金を積み立てるとともに、起債を慎重かつ有効に活用し、健全な財政運営を推進してまいります。  ご質問の第2は、協働についてです。  社会状況が大きく変化する中、多様化・複雑化する地域の課題に行政だけで対応していくことは困難となってきており、協働による区政運営を一層推進していくことが必要となっています。
     一方で、町会活動等において、高齢化による担い手の減少や、ライフスタイルの変化による人間関係や連帯意識の希薄化等により、協働の土壌は弱まってきています。  基本構想においては、区政運営の基盤となる考え方である、多様な主体と連携した区政運営の推進の中で、パートナーシップの促進を位置づけ、区民や町会のほか、NPOなどとともに、地域の活性化や課題解決に取り組んでいくこととしています。  また、新たな長期総合計画においても、協働の促進や区政の透明性の向上と区民参画の促進を施策として定め、パートナーシップの促進に向けた取り組みを示しています。  私は、多様化・複雑化する地域の課題解決を図っていくためには、その大きな原動力となる区民や町会、PTA、NPO、企業など、多様な主体との協働を促進していくことが大変重要であると認識しています。そのため、区民に対する協働意識の醸成や、区と協働で取り組む事業の提案募集、社会貢献活動を行う団体を支援する窓口の運営により、子育て、福祉、産業、まちづくり等、区のさまざまな分野における取り組みにおいて、多様な主体との協働を推進してまいります。さらに、地域の課題解決に取り組む団体相互の連携の促進や、民間企業の有する知見及び物的・人的資源の活用等により、地域の活性化やさまざまな課題解決を図ってまいります。  その他のご質問につきましては、教育長がお答えいたします。 ○議長(石塚猛 さん) 教育長。          (教育長矢下 薫さん登壇) ◎教育長(矢下薫 さん) 早川議員のICT教育についてのご質問にお答えさせていただきます。  社会の急速な情報化が進む中、変化の激しい社会を生き抜くために必要な情報活用能力の育成には、ICT教育の推進が重要であると考えております。  平成29年度に検討会を立ち上げ、ICT教育環境の整備について検討し、平成30年度からは区立小・中学校3校をICTモデル校として指定し、現在も実践研究を進めているところでございます。  モデル校の実践におきましては、タブレットパソコンを教員が活用するとともに、子供たちもそれらを道具として使いこなすことで、主体的に考えたり、お互いに考え方を共有したりするなどして主体的・対話的な学びをしております。  教育委員会といたしましては、こうした実践は、教員の指導力向上に関する知見を得る上で有効であるとともに、情報活用能力の育成に資するものであると考えております。  今後もモデル校における教育実践から得た知見に基づき、ICT教育環境の全校整備を見据えながら、その環境を効果的に活用できるよう、教員の指導力向上に力を注ぐことで、子供たちの情報活用能力の育成を図るICT教育の推進を目指してまいります。 ○議長(石塚猛 さん) 28番秋間洋さん。          (28番秋間 洋さん登壇) ◆28番(秋間洋 さん) 日本共産党の秋間洋です。服部区長の政治姿勢を四つのテーマで質問いたします。  第1は、区民生活についてです。  日本共産党は、消費税増税を中止して、8時間働けば普通に暮らせる社会、暮らしを支える社会保障、お金の心配なく学び子育てできる社会、これを実現することが日本経済を立て直す道であることを提案しています。大企業と大資産家が応分の負担をし、アメリカの兵器の爆買いなどの無駄遣いをやめれば、財源は十分にあります。区民生活もこの道を進んでこそ希望が開ける。こう確信するものであります。  服部区長は、前期の就任以来、基礎的自治体である本区の最も基本的な役割は、区民生活や経済活動を支援することと表明してきました。これは憲法と地方自治法に基づく正しい見識であります。  しかし、区長、台東区政は今、その基本的な役割をしっかり果たしているでしょうか。台東区は前年度、待機児童率が23区ワースト2になりました。国民健康保険料滞納者への差し押さえは、ここ数年23区で2位という高さであります。区内で介護できない高齢者もふえ続けています。マンションやホテルの無秩序な建設ラッシュで地価が高騰し、住まいや仕事場を手放す区民がふえています。地域コミュニティが壊され、暮らしの安全・安心が脅かされています。台東区政は基本的な役割を果たしていないではありませんか。  区長の区民生活についての認識は、区民の実感と離れています。我が党区議団は、区民の暮らしへの認識を区長に毎年質問してきました。そのたびにあなたは、アベノミクスなど政府の経済政策を高く評価し、政府の評価を認識の基本に置いてきました。昨年私が第1回定例会で、区民が景気回復を実感できないのはアベノミクスの失政によるものと思わないかと、このように質問すると、国が示す現状と区民一人一人の消費行動に乖離があると区長は答弁しました。生活がよくなっていないことを認めた点では前進ですけれども、景気は回復基調という国の現状認識を実感できない原因が、あたかも区民の側にあると言わんばかりの逆立ちした姿勢であります。  安倍首相はことし年頭の記者会見で、景気回復の温かい風が全国津々浦々に届きつつあると述べ、10%増税を前提とした今年度予算案を成立させました。ところが、その直後、毎月勤労統計での調査の誤りが発覚。厚生労働省が昨年1月以降の計算方法をそっくりかえ、賃金上昇率がかさ上げされた可能性が高まりました。アベノミクスによる景気回復という首相へのそんたくがあったという疑惑まで生じているのであります。  内閣府が7日発表した4月の景気動向指数は、前月に続き悪化となりました。2カ月連続の悪化は6年5カ月ぶりのことであります。先月発表の国内総生産速報値は、消費も設備投資もマイナスなのに、輸入が減ったために見せかけのプラスになりました。マスメディアさえ一斉に内需が弱いと指摘しているのであります。  区長、これでもまだあなたは政府の経済政策、アベノミクスを評価するのでしょうか。区民生活についての率直な認識とあわせ、お答えください。  本定例会には、17億円を超える補正予算が提案されました。本年度当初予算は、選挙のため、法律で定められたものや継続的な事業が中心であり、私は、今回の補正予算が文字どおり第2期服部区政の顔となるだけに、注目していました。しかし、予算書を見てがっかりいたしました。区長の信条とする自治体の基本的な役割が全く見えません。補正予算の中に区民生活を守るために区が独自に決意を持って行う事業がほとんどないではありませんか。驚いたのは、所信表明で、消費者や商店街など区民を苦しめる消費税増税を前提としたプレミアム付商品券を評価したことであります。プレミアム付商品券は、購入対象となる区民にとっては消費税増税の負担増のほうがはるかに重くのしかかります。暮らしを守る対策には全くなりません。  区長、本定例会に提出した補正予算に、区政の基本的役割は区民生活の支援だというあなたの政治姿勢がどのように反映されたのですか。お答えください。  3月の区議会議員選挙で、私たち日本共産党は、10月の消費税増税を中止させよと訴えました。私が街頭で話していると、今からでもとめられますかとたくさん声をかけられました。かっぱ橋道具街では、ある若い経営者が、8%になってから消費税を納付期限に払えなくなった。分割納付の繰り返しだが、10%になったら分納もできなくなる。店を閉めるしかない。訴えがありました。浅草橋の玩具問屋は、9月いっぱいで商売をやめ、不動産を売却して消費税滞納分を清算して区外に転出すると話していました。  区長は、我が党区議団の再三の質問に、消費税の増税は必要であり、国に反対の意思表明をするつもりはない、このように答弁してきました。区長、10%増税が区民と区内中小事業者にどれだけの痛みになるとお考えですか。また、10月からの増税で苦しむ区民や中小事業者を支援する区独自の対策を講じるつもりはないのでしょうか。あわせてお答えください。  そして、改めて10%増税を直ちに中止すべきだと政府に進言することを求めますが、いかがですか。答弁を求めます。  第2は、憲法についてであります。  自由民主党は、昨年3月の大会で、第9条を含む改憲4項目を決定し、年内の国会提出を目指しましたが、世論の前に断念をいたしました。しかし、安倍首相は今国会の所信で、改憲議論が進むことを期待すると表明。昨年は9月の自衛隊高級幹部会、10月の陸上自衛隊の観閲式と、政治的中立が最も厳しく求められる実力組織の前で相次いで改憲の決意を示したのであります。明らかな閣僚の憲法遵守義務違反であり、立憲主義を否定する暴挙であります。  私は、一昨年第1回定例会の代表質問で区長に対し、憲法を守る義務を負った同じ行政の長として、首相に改憲を議会に働きかけるべきではないと進言すべきだと問いました。しかし、あなたは、みずからの憲法遵守義務を認めながら、首相への進言については答弁を避けたのであります。きょうは進言するとはっきりとお答えください。  自由民主党改憲4項目の一つに、緊急事態条項があります。緊急事態条項とは、総理大臣が災害や有事を理由にして緊急事態を宣言する権限であります。その期間、内閣は法律と同一の効力を有する政令を制定でき、国民はこれを守らなければならない。事実上の戒厳令であります。自治体の長である区長も、私たち区民も、大幅に権利が制限され、国家に従属せざるを得なくなります。私は3年前、2016年第1回定例会で、この動きに反対するよう区長に求めましたが、区長は、自然災害などから国民の生命・財産を守ることにつながる議論であり、注意深く見守っていくと容認したのであります。  その後どうでしょうか。昨年6月の大阪府北部地震の際、安倍首相は赤坂の高級料亭で会食。7月の西日本豪雨では、自由民主党幹部を呼んで赤坂自民亭なる宴会を開いていました。自然災害に適切に対応できないのは、憲法に原因があるのではありません。被災者や被災地を顧みない政治家・内閣に責任があるのではないでしょうか。  原発事故での避難者はいまだ3万人います。熊本地震では1万人以上が現在も仮設住宅生活を余儀なくされているのであります。大規模な自然災害は災害対策基本法で対応できます。むしろ国がやるべきことは、自治体が日ごろから準備している施策・対応訓練を、自治体に権限や財源を与えて支援することであります。緊急事態条項など全く必要ありません。  区長、地方自治を破壊する緊急事態条項を憲法に書き込むことを今でも支持されるのですか。見解を求めます。  安倍改憲の中心は、第9条であります。自由民主党改憲案は、第9条第2項の後に自衛隊を明記します。前条の規定は我が国の平和と独立を守り、国及び国民の安全を保つために必要な自衛の措置をとることを妨げずというのがこの改憲案であります。前条とは、交戦権と戦力保持、これを否定した第9条の中心部分です。安倍政権は、集団的自衛権容認の閣議決定を行い、その後、安保法制、戦争法を成立させました。日本が攻められていなくても、地球の裏側で同盟国アメリカが行う戦争であっても、日本の安全に必要とみなせば必要な自衛の措置となり、自衛隊が海外で武力を行使することになります。自由民主党は、違憲のままでは自衛隊員がかわいそうだと盛んに宣伝しています。しかし、日本を守ることではなく、海外での戦争に命を差し出せということこそ、自衛隊員やその家族はかわいそうではありませんか。  服部区長は、2016年10月の決算特別委員会で、我が党、小前区議の質問に対し、安保法制は国際社会の平和と安定に一層積極的に貢献することを通じて、我が国の平和と安全を確かなものにすると評価しました。9条改憲については、反対する意思はないことも服部区長は表明してきました。安倍首相は、2020年新憲法制定に執念を燃やしています。今国会、秋の臨時国会はまさに平和憲法の正念場であります。  区長、現在の自由民主党9条改憲案についての見解を求めます。  第3は、まちづくりについてです。  区長は今回の所信表明で、住みなれた地域で暮らし続けられるまち、地域の特色を生かしたまちづくりを表明しました。しかし、台東区は地価の高騰で、高齢者や障害者が暮らし続けることや、地域の特色を生かすまちづくりが困難になっています。戦後の焼け野原から浅草橋に住んでいる高齢者は、一昨年から夜討ち朝駆けの地上げ攻勢に遭い、ここで人生を全うしたいと2年間頑張ってきましたが、近隣がどんどん買収され、友達もいなくなり、ついに先月自宅を売って出ていくことになりました。障害があるご夫妻でマンションでの生活は車椅子では暮らしづらく、人間関係も希薄になると、引っ越し前から悩まれていました。  台東区は不動産ディベロッパーが活動したい放題であります。マンションではワンルーム規制が甘く、民泊やホテルに区が一定の規制をしていますが、歯どめになっていません。  ところが、この3月に策定した都市計画マスタープランはどうでしょうか。土地利用方針について、言問通り以南の大半を都市型複合市街地とし、中高層の建物の立地を誘導する地区と区分しているのであります。現在でもこれ以上マンションやホテルは必要だろうかというのが多くの区民の声です。地域コミュニティが壊れ、安全・安心が脅かされていることに危機感が広がっています。  区長、中高層を誘導するようなこの土地利用方針は撤回すべきではありませんか。現在居住している人が住み続けられることを中心にまちづくり政策を展開すべきではありませんか。あわせて答弁を求めます。  最後は、区議会に対する姿勢についてです。  我が党区議団は、区長が2017年都議選告示日に区議会を退席して自由民主党候補者の出陣式に参加したことを議会軽視の姿勢として厳しく批判しました。区長は、みずからの政策実現のために問題ないとの見解を示しました。地方自治体の政治は、憲法の定めにより、首長と議会がそれぞれ直接選挙で選出される二元代表制によって進められています。区長は、議案や条例案を議会にはかるとともに、行政の長として法令執行のチェックを議会から受けることが必要です。区長は全ての議会への出席を大原則にすべきではありませんか。区長の見解を求め、私の質問を終わります。(拍手) ○議長(石塚猛 さん) ただいまの質問に対する答弁を求めます。  区長。          (区長服部征夫さん登壇) ◎区長(服部征夫 さん) 秋間議員のご質問にお答えいたします。  ご質問の第1は、区民生活への認識についてです。  本区の中小企業においては、業種によっては厳しさが続くなど、区民生活は依然として厳しい状況にあると認識しています。こうした認識のもと、私は、基礎的自治体の長として、引き続き区民生活や経済活動を支援するため、さまざまな施策を展開してまいります。国の経済政策については、今後ともその動向を注視してまいります。  次に、補正予算における区民生活の支援についてです。  今回の補正予算は、次世代の育成や安全で安心なまちづくり、本区の活力のさらなる創出につながる事業などを計上しており、おやこサポートネットワーク、在宅療養連携支援、コミュニティ防災の構築などを新たに実施してまいります。  また、当初予算においても、区民生活を守るための事業に必要な経費を計上しました。私は、区民の皆様が安心して暮らせることを第一に考え、今後とも区民生活の支援に積極的に財源配分を行ってまいります。  次に、消費税率引き上げによる影響についてです。  消費税率の引き上げは、少なからず区民生活や区内事業者へ影響を及ぼすものと認識しています。  区では、同時に始まる軽減税率について、区内中小事業者向けに、関係団体と連携したセミナーの開催や、中小企業振興センターに無料相談窓口を開設し、対応レジ購入の支援補助制度等について周知を図ってまいりました。引き続き、軽減税率制度への理解を深め、適切に対応できるよう、相談支援を充実してまいります。  また、プレミアム付商品券の発行準備を着実に進めてまいります。  消費税率については、平成28年11月に法律が改正され、本年10月からの引き上げが決定しており、国への申し入れは考えておりません。  ご質問の第2は、安倍政権の改憲への姿勢についてです。  まず、憲法遵守義務についてのご質問ですが、憲法改正は、憲法の規定に基づき、国民の承認を得る手続により進められるものであり、私がお伝えするものではないと考えています。  次に、緊急事態条項への認識についてです。  緊急事態条項は、法律の制定を待ついとまがない大規模災害時に、政府が国民の生命、身体及び財産を保護するため政令を制定できるとした条文案と認識しています。  次に、9条改憲案への認識についてです。  第9条を含め、憲法の改正については、今後衆参両院の憲法審査会を初め、国会で議論を深めていくものと考えています。私は、区民の生命及び財産を守る自治体の長として、引き続き議論の推移を注意深く見守ってまいります。  ご質問の第3は、まちづくりへの基本姿勢についてです。  まず、中高層建築物を誘導することについてです。  昨年度末に策定した都市計画マスタープランでは、20年後のまちづくりの将来像を示しています。本区のまちは、商業を初め、業務、住宅等のさまざまな機能が複合していることから、地域ごとの特性を生かして、多様な人々が暮らし活動し続けられるよう、複合かつ多様な土地利用を誘導する方針としています。  この方針に基づき、都市型複合市街地については、主に中高層の建物の立地を誘導し、オープンスペースにおける緑の創出や、狭隘道路の解消など、生活・住環境の向上を図ってまいります。  次に、住み続けられるまちづくりについてです。  マスタープランには、生活・住宅まちづくりに係る方針を示しており、誰もがいきいきと暮らし続けられるまちを目標として掲げ、現在お住まいの方々も含め、多様な人々が共生できる生活・住環境を形成することとしています。  今後とも愛着を持って安心して住み続けられるまちづくりを推進してまいります。  ご質問の第4は、区議会への姿勢についてです。  区議会の各委員会への出席につきましては、これまでの慣例に従い、可能な限り出席してまいります。 ○議長(石塚猛 さん) 以上で、代表質問は終了いたしました。  ────────────────────────────────────────── ○議長(石塚猛 さん) 次の本会議は、あす午後1時に開きます。  これをもって本日の会議を閉じ、散会いたします。          午後 4時22分 散会                  議員    石  塚     猛                  議員    田  中  宏  篤                  議員    中  澤  史  夫...