• 附帯決議(/)
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  1. 台東区議会 2019-02-08
    平成31年第1回定例会-02月08日-02号


    取得元: 台東区議会公式サイト
    最終取得日: 2021-09-13
    平成31年第1回定例会-02月08日-02号平成31年第1回定例会 平成31年第1回定例会 東京都台東区議会会議録(第2号) ●2月8日(金)                      (以下敬称略)  ───────────────────────────────────────── 出席議員(30名)      1番  小 島 智 史          2番  鈴 木   純      3番  望 月 元 美          4番  本 目 さ よ      5番  中 澤 史 夫          6番  松 尾 伸 子      7番  青 鹿 公 男          8番  鈴 木   昇      9番  伊 藤 延 子         10番  石 川 義 弘     11番  髙 森 喜美子         12番  石 塚   猛     13番  堀 越 秀 生         14番  水 島 道 徳     15番  寺 田   晃         16番  早 川 太 郎     17番  冨 永 龍 司         18番  小 髙   明     19番  太 田 雅 久         20番  君 塚 裕 史     21番  河 野 純之佐         22番  青 柳 雅 之     23番  小 坂 義 久         24番  小 菅 千保子     25番  阿 部 光 利         26番  秋 間   洋
        27番  寺 井 康 芳         28番  木 下 悦 希     29番  伊 藤 萬太郎         30番  田 中 伸 宏 欠席議員 な し 欠  員(2名)  ───────────────────────────────────────── 出席説明員  区長         服 部 征 夫    副区長        荒 川 聡一郎  教育長        矢 下   薫    技監         西 野   仁  企画財政部長     佐 藤 徳 久    総務部長       髙 栁 正 治  区民部長       望 月   昇    文化産業観光部長   河 井 卓 治  福祉部長       吹 澤 孝 行    健康部長       齋 藤 美奈子  台東保健所長     小 竹 桃 子    環境清掃部長     飯 島 守 人  都市づくり部長    伴   宣 久    会計管理室長     嶋 田 邦 彦  教育委員会      田 中   充    企画課長       前 田 幹 生  事務局次長  財政課長       酒 井 ま り    区長室長       柳 川 清 一  総務課長       野 村 武 治  ───────────────────────────────────────── 区議会事務局  事務局長       石 野 壽 一    事務局次長      伊 東 孝 之  議事調査係長     行 田 俊 男    書記         堀 場 奈保子  書記         西 村 健 志    書記         鴨 野 正 徳  書記         髙 保 郁 子    書記         池 田 道 則  ───────────────────────────────────────── 議事日程 日程第1 一般質問  ─────────────────────────────────────────          午後 1時01分 開議 ○議長(河野純之佐 さん) ただいまから、本日の会議を開きます。  あらかじめ会議時間の延長をいたしておきます。  会議録署名議員の指名を行います。  会議録署名議員については、会議規則第136条の規定により、     20番 君 塚 裕 史 さん    22番 青 柳 雅 之 さん をご指名いたします。  ────────────────────────────────────────── △日程第1 ○議長(河野純之佐 さん) これより日程に入ります。  日程第1、一般質問を行います。  一般質問の発言通告がありますから、順次これを許可いたします。  10番石川義弘さん。          (10番石川義弘さん登壇)(拍手) ◆10番(石川義弘 さん) 台東区議会自由民主党政調会長の石川義弘でございます。会派の代表として質問をさせていただけることに会派の皆様に感謝を申し上げ、質問を始めさせていただきます。  最初に、江戸庶民文化についてお伺いいたします。  江戸庶民文化は、日本橋から北の隅田川沿いの庶民のまちに発達しました。特に台東区は浅草寺を擁したため、寺社仏閣の建造などにかかわる大工、金属加工、塗装など、多くの技術集団が暮らし、さらに江戸三千両と言われ、江戸府内で1日1,000両を稼ぐ場所3カ所のうち2カ所がありました。それは、新吉原と猿若町で、ともにさまざまな女性の髪や衣装、音曲、舞踊、その他の雑多な芸能とともに新しい文化の発信地でもありました。このように、台東区は江戸の文化の中心であり、江戸の伝統文化、芸能、技術も連綿と区内に残り、時代とともに変遷し、現在も職業として行われている革製品、ジュエリー、玩具なども発祥は江戸技術集団であります。しかし、庶民文化である植木市、羽子板市、おとりさまなどの市や芸者を中心とした料亭文化、江戸指物などの江戸技巧などは、残念ながら時代に取り残され、衰退に向かっているように思われます。多くの江戸文化の残る台東区では、全ての伝統文化に手厚くすることはできません。これからさらに厳しい状況になると思われますが、江戸庶民文化の保護をどのように考えていくのか、区長のご所見をお伺いいたします。  次に、浅草地区のまちづくりについてお伺いいたします。  U研究会著作の「浅草の文脈」によると、西暦628年、隅田川の河口から観音像が水揚げされたことを機に浅草寺は建立され、これが浅草の歴史の原点であると同時に、都市江戸から東京への始まりであったとも書かれています。時代が下がって、観音の上陸した場所に駒形堂が建てられ、駒形堂は浅草寺参道の南の起点となります。振袖火事のあった1657年の後、江戸に火よけ地として広小路がつくられ、浅草寺の門前に江戸三大広小路の一つ、浅草広小路ができます。移動や撤去の可能な店が立ち並んで、市場が形成され、また、大道芸のほか、よしず張りで囲われた小屋などの芸能興行が行われるなど、盛り場となりました。関東大震災以降、陸上交通が発達し、大正時代からは都電網の整備が始まり、広小路を擁した雷門前が交通の結節点となり、繁栄します。当時は、上野-雷門間を初め、北千住、浅草橋、吾妻橋を渡る路線もでき、戦後の全盛期には6区を一周するトロリーバスの路線までできていました。このように、雷門前は江戸の盛り場としての中心地であったとともに、関東大震災以降は、都電を中心とした交通の結節点でもありました。現在でも雷門前には人があふれ、浅草駅は、東武電車を初め、銀座線、都営浅草線が走り、近隣には大江戸線蔵前駅、つくばエクスプレス浅草駅もあり、見直されてきた水上交通路も考えれば、現在も浅草は交通の結節点となり得る可能性を持っていると思います。  さらに、古くより隅田川は東京唯一のボートレース場であり、明治時代には新宿御苑を陸上スポーツのメッカとし、隅田公園を水上スポーツのメッカとするとの方針のもと、陸上施設の整備、観戦のための遊歩道の設置が行われました。昭和初期には、川面ではボートレースが、周りは桜並木・松屋・大日本麦酒工場という壮大なパノラマがあり、現在でも大日本麦酒のかわりに聖火台を模したアサヒビール、スカイツリーと、過去に負けない壮大なパノラマがあり、桜の時期などには大変な人だかりとなっています。このように、古来より雷門前はにぎわいのある観光商業ゾーンが形成され、江戸、東京の繁華街の中心となっていました。  東京2020オリンピックパラリンピック後に向かって、浅草駅の広域なターミナル化、雷門前並木通りのイベント広場化と隅田川の大きな可能性を利用して、浅草の整備計画を早急に進める必要があると思います。区長のご所見をお伺いいたします。  次に、上野の山の日本遺産認定推進についてお伺いいたします。  文化庁は、2015年4月、40都府県から寄せられた83件の提案から、近世日本の教育遺産群、日本茶800年の歴史散歩、琵琶湖とその水辺景観など、24府県18件を第1回日本遺産に選定したことを発表しました。世界遺産登録文化財指定は、いずれも登録、指定される文化財の価値づけを行い、保護を担保することを目的とするものですが、日本遺産は、既存の文化財の価値づけや保全のための新たな規制を図ることを目的としたものではなく、地域に点在する遺産を面として活用し、発信することで、地域活性化を図ることを目的としている点に大きな違いがあります。日本遺産では、地域の風土に根差し、世代を超えて受け継がれている伝統、風習などを踏まえたストーリーのもとに、有形・無形の文化財をパッケージ化し、これらの活用を図る中で、情報発信や人材育成・伝承、環境整備などの取り組みを効果的に進めていくことが必要であるとの考えから、文化・伝統を語る、そのストーリーを日本遺産として認定しています。このストーリーを語ることで認定され、当該地域の認知度が高まるとともに、今後日本遺産を通じたさまざまな取り組みを行うことにより、地域住民のアイデンティティーの再確認や地域のブランド化等に貢献し、ひいては地方創生に資するものと考えられています。そのため、日本遺産の事業の方向性は地域に点在する文化財の把握とストーリーによるパッケージ化、地域全体としての一体的な整備・活用、国内外への積極的かつ戦略的・効果的な発信の3つに集約され、日本遺産として認定されるためのストーリーには、歴史的経緯や地域の風習に根差し、世代を超えて受け継がれる伝承・風習などを踏まえたものであること。ストーリーの中核には地域の魅力として発信する明確なテーマを設定の上、建造物や遺跡・名勝地、祭りなど、地域に根差した継承・保存がなされている文化財にまつわるものを据えること。ほかに、地域の歴史や文化財の価値を解説するだけのものになっていないことの3点を踏まえた内容となり、日本遺産に認定するストーリーの審査基準は、ストーリーの内容が当該地域の際立った歴史的特徴を示すものであるとともに、我が国の魅力を十分に伝えるものになっていること、日本遺産という資源を生かした地域づくりについての将来像と実現に向けた具体的な方向性が適切に示されていること、ストーリーの国内外への戦略的・効果的な発信など、日本遺産を通じた地域活性化の推進が可能となる体制が整備されていることとなっています。  上野の山には博物館・美術館・動物園・音楽ホールなど、さまざまな文化施設があり、1年を通じて多種多様な展覧会、コンサートなどが催され、数多くの名所や知られざる史跡があるほか、季節ごとの自然も満喫できる都内有数の散策スポットがあると書かれています。上野の山文化ゾーンでは、台東区と上野の山の文化施設などで組織する上野の山文化ゾーン連絡協議会が組織され、上野の山にある文化施設などが相互に交流・連携を深めることによって、上野の山の芸術・文化の拠点として発展させることを目的としています。  平成28年度台東区観光統計・マーケティング調査来訪者パラメーター調査によると、上野地区では、上野公園、文化施設に71.3%、上野動物園に17.2%、上野の山文化ゾーン連絡協議会、上野の山を芸術・文化の拠点とするように発展させることに十分貢献しているように思えます。それに比較し、寺社仏閣、旧跡めぐりでは2件、構成比率1.3%となっています。比較しても余りに少なく、上野東照宮のような黄金殿を持つ観光地では、2018年、金閣寺には約590万人、中尊寺では約200万人と言われており、すばらしい歴史的施設があるにもかかわらず、寺社・名勝・旧跡などの歴史的遺産をめぐる来訪者は少なくなっています。  上野の山は東叡山寛永寺・東照宮を初めとする江戸の歴史資産、戊辰戦争の戦闘の一つである彰義隊ら旧幕府軍と薩摩・長州藩が対戦した上野戦争の旧跡である彰義隊の慰霊碑と西郷隆盛像、明治時代の代表的な建造物の表慶館や現在、国際子ども図書館になっている旧帝国図書館、そして、戦中戦後の松方コレクション西洋美術館の物語等、江戸初期から明治、戦後、そして現在の東京ができてくるまでの歴史的資産の宝庫となっています。上野の山の江戸から東京、そして未来をテーマとしてストーリーを作成し、日本遺産への認定を目指してはいかがでしょうか、区長のご所見をお伺いします。  次に、服部区長は、4年前、「躍進台東 新しい台東区」を上げ、安全・安心なまち、東京で一番エネルギッシュなまち台東の実現を目指して、地域産業と商店街の振興でまちの活性化、安全・安心の防災とバリアフリーまちづくり、優しさと人情が通う福祉の充実、家庭のきずなを大切に、教育改革、歴史と文化のまちづくりの5つのテーマとして4年間進んでまいりました。  歴史と文化のまちづくりでは、隅田川の利用、西洋美術館世界遺産登録、奏楽堂の改修工事等のハード部門と、花の心プロジェクト等おもてなしの心を中心としたソフト部門が進められてきました。隅田川の利用では、隅田川べりのテラス工事が終わり、吾妻橋下の連絡通路、蔵前橋から厩橋間がつながり、両国橋から白鬚橋間も開通し、隅田川のテラスが大変便利となり、区民を含め、多くの海外旅行者が散歩している姿が見受けられます。また、長年懸案であった西洋美術館世界遺産登録に当たっては、当選直後よりフランス大使館、文化庁への挨拶回り等を積極的に進め、平成28年7月には、長年の念願であった世界文化遺産への登録が決まりました。さらに、平成28年11月、横山大観旧宅及び庭園が国史跡・名勝に指定も行われ、多くの評価が得られています。旧東京音楽学校奏楽堂は、日本最古の洋式音楽ホールを有する建造物として重要文化財の指定を受けました。以来、旧奏楽堂は生きた文化財として建物の公開のほか、演奏会や音楽資料の展示を行ってきました。平成25年4月より建物保全のための休館をしていましたが、耐震補強や保存修理等保存活用工事やパイプオルガンの修理を終えて、平成30年11月2日にリニューアルオープンしました。さらに、おもてなしの心を進め、観光客の拡大に伴い、ムスリム旅行者受け入れ促進をするため、飲食店などに対するハラール認証の取得を進め、東南アジアのイスラム圏より大きな評価を得られました。また、夏の暑さの激しい時期に花でまちを彩る手法を検討するため、東京都の花の都プロジェクトと協働し、雷門前の商店街にハンギングバスケットを設置し、2020年東京オリンピックパラリンピックに向け、雷門前の並木通りにおもてなしの庭の整備をし、来街観光客が気持ちよく台東区を歩くことができるように進めています。  地域産業と商店街の振興でまちの活性化では、区内の事業所を有する個性あふれる中小企業などの経営環境改善や販路拡大に取り組む意欲的な事業者を支援するため、台東区産業フェアが行われています。これは、さらに台東区の産業ポテンシャルを高め、企業の定着を促進し、事業所数、従業員数の減少に歯どめをかけるため、シティセールス、異業種間交流に力を注いできました。また、商店街に急増する外国人観光客インバウンド対策だけでなく、軽減税率導入の経済対策として、クレジットカード、QRコード決済等経営者自身が事業の選択ができるように支援していくとともに、IoTの新技術を利用し、さらに進めていっています。  安全・安心対策、教育改革、福祉の充実では、蔵前小学校の新築工事が終わり、浅草保健相談センターの新築、松が谷福祉会館の改修など、おくれていた施設の改修も進んでいます。また、暑さ対策、災害時対策のため、早々に体育館のエアコン設置が行われ、100床以上の特別養護老人ホーム施設も検討、長寿命化とファシリティマネジメントの考え方を取り入れて、公共施設の並びかえを早期に行っていく必要もあります。松が谷福祉会館浅草保健相談センターの建てかえでは、子育てから若者まで切れ目ない相談支援など、新しいニーズに対応できるように機能を充実することになっています。  4年前の約束は、現在の計画も含め、この4年間に多くの仕事を行ってきました。区長は、さらに、台東区の将来を見据え、おおむね20年後を展望した台東区基本構想を策定し、区政を堅実に進めていくため、長期総合計画を策定しています。さらに、まちづくりの根幹をなす都市計画マスタープランも改定しています。「世界に輝く ひと まち たいとう」を上げ、台東区をどのようなまちにしていくつもりなのか、区長のご所見をお伺いします。  ご清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(河野純之佐 さん) ただいまの質問に対する答弁を求めます。  区長。          (区長服部征夫さん登壇) ◎区長(服部征夫 さん) 石川議員のご質問にお答えいたします。  ご質問の第1は、江戸庶民文化の保護についてです。  台東区において、江戸時代から息づく多彩で粋な文化は区民の誇りであり、このまちを成長、発展させてきた力の源です。こうした思いから、私は、本区に根づく江戸文化の魅力を広めるため、江戸ルネサンス事業を展開し、伝統的な技芸を披露する場を設けるなど、そのすばらしさに触れていただく機会を提供しています。また、江戸創業の事業所を顕彰し、その魅力を内外に広く発信するなど、区内産業や観光の振興の視点を持って江戸ブランドによるシティプロモーションにも取り組んでおります。しかしながら、石川議員ご指摘のとおり、江戸から続く多種多様な業種の中には、経営環境の厳しい事業者もあると認識しています。引き続き江戸ルネサンス事業を進めていく中で、区としての支援の方策について、公益性とともに、他自治体の事例を踏まえながら、検討を重ねてまいります。  ご質問の第2は、浅草地区のまちづくりについてです。  当該地区では、平成19年に策定したまちづくり総合ビジョンにおけるまちづくりの基本方針や整備メニューに基づき、興行街の再生を図る浅草六区のまちづくりや水辺の活性化を目指した隅田公園整備などの事業を推進してまいりました。一方、近年における観光需要の高まりに伴い、まちの活性化や宿泊機能の充実など、地区の状況も大きく変化していると私も実感しています。本年3月に策定する台東区都市計画マスタープランでは、浅草地域のまちづくりの将来像を「歴史・文化を育み、新たな賑わいを創造するまち」としています。そして、浅草駅を中心とした交通機能の強化や舟運の充実、江戸から続く歴史や文化を感じる町並みの形成、にぎわいの創出など、浅草にふさわしいまちづくりの方針を提示しています。あわせて、まちづくり推進重点地区に選定し、まちづくりの取り組みをさらに推進する方向性も示しています。私は、これらの状況を踏まえ、地域の皆様を初め、多様な主体と協働でまちづくり総合ビジョンの改定を視野に入れた新たな検討を進めるなど、より魅力的なまちづくりを推進してまいります。  ご質問の第3は、上野の山の日本遺産認定推進についてです。  日本遺産は、地域の歴史的魅力や特色を通じて、我が国の文化・伝統を語るストーリーを認定し、それを構成する上で不可欠な魅力あるさまざまな文化財群を総合的に活用する制度です。国では、2020年までに100件程度の認定を行うとしており、現在67件が認定されています。私も、東京2020大会を間近に控え、上野の山の魅力を一層高めるためには、日本遺産の認定は有意義であると認識しています。一昨年に開催された上野の山文化ゾーン連絡協議会においても、認定を推進していくために、東京国立博物館を中心に、関係機関が連携していくことが共有されました。しかし、上野の山という地域を対象に認定申請を行うに当たっては、世界文化遺産である国立西洋美術館を核とした明確なテーマ設定と同時に、多種多様に所在する文化資源をつなぐ、いわゆるストーリーを構成することが要件であり、大きな課題であると受けとめています。日本遺産の認定については、関係機関の連携が不可欠であるため、今後の検討状況を踏まえ、区としても協力してまいります。  ご質問の第4は、「世界に輝く ひと まち たいとう」についてです。  私は、区長に就任して以来、我がまち台東区の輝かしい未来を実現するために、多様化・複雑化している課題の解決に向け、全力で区政運営に取り組んでまいりました。本区のさらなる発展を実現するためには、新たな基本構想のもと、子育て、福祉、まちづくりなど、さまざまな分野におけるこれまでの取り組みを一層充実するとともに、新たな取り組みを積極的に展開していくことが必要です。そのため、子供に関するさまざまな相談に対応できる総合相談窓口の設置などにより、子育て環境のさらなる充実を図るほか、松が谷福祉会館の機能を拡充し、障害者の地域生活を支える支援体制を整備してまいります。また、本区に息づく江戸の文化などの地域資源を活用した観光振興を図るほか、新たな都市計画マスタープランを策定し、地域の特性を生かした魅力あるまちづくりを推進します。さらに、バリアフリー基本構想の改定に着手するとともに、花とみどりの創出や花の心によるおもてなしにより、誰もが安全安心で快適に暮らせる環境づくりに取り組んでまいります。私はこうした取り組みを積極的に進め、ひともまちも輝き、区民の皆様が住んでよかった、暮らしてよかったと誇りと愛着を持ち続けるまちを実現してまいります。 ○議長(河野純之佐 さん) 14番水島道徳さん。          (14番水島道徳さん登壇)(拍手) ◆14番(水島道徳 さん) たいとうフロンティアの水島道徳です。第1回定例会、今期最後の一般質問に会派を代表して、質問させていただきます。  初めに、効率的な自治体経営について、2問質問いたします。  まず初めに、リースの拡大についてお聞きいたします。  近年、自治体の財政状況は厳しさを増す中、事業の予算確保は年々厳しくなっております。そうした状況の中で、事業費負担を複数年に分散し平準化をする手法として、リースの活用が注目されております。本区においては、公用車を初め、コピーなど事務機器を多くリース契約で活用しているところであります。  例えば日野市では、水銀条約が発効したこともあり、街路灯の一斉LED化、それに付随して、市内の各所への災害時無停電照明装置の設置を検討しました。問題は整備費用で、周辺自治体でも1万灯を超える大規模な整備事例はなかったことから、市が独自に試算し、現予算内で行えるのは、毎年100灯程度の更新しか、従来の方法ではできませんでした。そこで、一括整備リース方式による一斉更新を比較した結果、初期費用の抑制や費用負担の平準化などの利点から、リース方式が最適と判断しました。平成28年度にリース方式によるLED街路灯導入促進事業に着手しました。日野市がリース方式で実感した3つの効果は、第1は、初期費用の抑制や費用負担の平準化が可能であること、第2は、短期間での一斉更新が可能になったことや、第3は、維持管理のコストと手間を省けることでありました。  また、学校備品としての楽器に対してのリースの活用もあります。本区では、小学校と中学校では金管バンドやオーケストラなど、力を入れているところであります。昨年は、富士小学校吹奏楽部がマーチングバンドで全国大会で金賞も受賞しました。各学校や行政にとっても楽器の購入や維持管理を行っていくことは大変なことであります。この楽器のリースの大きなメリットは、購入予算が確保できなくても月額で利用できる点、また、メンテナンスも含んだ契約もあり、リース期間中や終了後のサポートも行い、さらに、学校や自治体、社会福祉法人といった固定資産税が非課税の法人には、リース期間の終了後に楽器を委譲し、その後はユーザーの所有物として自由に使ってよいことになっております。また、柏市では、空調設備を1,473教室に一斉に導入しました。もしリース方式でなければ、約2年間は事業期間が延びていたとのことです。  平成29年の九都県市首脳会議でも、公共施設の整備、維持管理等に際してはリースを導入することにより、民間資金の活用、事業コストの削減及び質の高いサービスの提供を目指すことが可能であり、リースの具体的なメリットとして、初期費用の軽減、財政負担の平準化が図られることに加え、場合により供用開始までの期間短縮やメンテナンスも含めた維持管理、事務量の軽減、緊急時や状況変化への柔軟な対応が可能となることが上げられております。そのため、国に対して、リースの導入について、整備手法の一つとして積極的な選択が可能となるよう、他の整備手法による場合と同様に、財政支援を行うことの要望を出しているところでもあります。  このことは、今後建てかえられる予定の施設建設や、まだ先のことと思いますが、区役所の建てかえの整備手法の一つでもあると考えます。多岐にわたり注目や実施されているリースを活用した契約の拡大が必要と考えますが、区長のご所見をお伺いいたします。  次に、RPAについてお伺いいたします。  働き方改革は、今、日本社会全体で取り組む課題となっております。数年前から民間企業を中心として労働時間の削減など、従来の働き方を見直そうという動きが本格化してきました。昨年の6月には、働き方改革関連法案が成立し、企業規模や業種に関係なく、働き方改革は推進をしているところであります。このような民間企業での取り組みにあわせ、働き方改革を推進している本区でも、職員への業務負担を軽減するため、さらに取り組みをしていかなければなりません。  全国自治体で実証実験を行っているRPAこと、ロボティック・プロセス・オートメーションは、画面上のアプリケーションがシステム画面を識別し、人間と同じように操作を行うことができるようなソフトウエアによって実現されています。ソフトウエアロボットは、伝統的なプログラム言語で構築されているわけではなく、事前に設定された実行手順に従って動作いたします。RPAは、業務の精度や優先順位、コストが投資収益率に見合わないなどの観点から、システム化が見送られてきた手作業の業務プロセスを、作業の品質を落とさず、比較的低コストで、かつ短期間で導入できるという特徴があります。具体的な適用業務としては、ダイレクトメールの発送業務、帳簿入力や伝票作成、経費チェック、顧客データの管理、営業支援システムへのデータ入力、定期的な情報収集など、主に事務職員の人たちがかかわる定型業務が上げられます。  茨城県つくば市では、個人住民税、法人税、市民窓口課などで効果検証を行い、市民税課5業務においては、年間336時間の削減、削減率79.2%、市民窓口課1業務においては、71時間の削減見込みができました。市民税課業務全体の5%にRPAが適用できた場合、年間で1,400時間の作業時間が削減できるそうです。また、愛知県一宮市でも、個人住民税、事業税の各業務システムにRPAを適用し、紙の申請書をスキャニングしデータ化したものをRPAツールが自動入力することや、特別徴収異動情報と年金所得異動情報の何度も同じ情報を入力しているものを人が一度入力し、残りはRPAツールが自動入力をさせることや、事業所税申告書の電子申請されたデータの自動入力を行った結果、現状、4業務で1,048時間かかる時間が、RPA導入後に505時間となり、51.8%の作業時間の削減ができたということです。また、大阪府と和歌山県で共同実験の結果、職員の業務負担を大幅に軽減し、作業ミス防止に寄与できることを確認できたということでもあります。港区では、平成29年度に人事課庶務システムからの超過勤務抽出業務において50時間削減し、子ども家庭支援センターの子育て支援業務の産前産後家事・育児支援サービスの利用業務で年間300時間の削減、財産管理台帳の処理業務では250時間、コミュニティバス乗車券の受け付け業務で900時間の削減を行うことができたそうです。この4業務は、民間と取り組む港区の働き方改革とし、民間企業にも協力を得て、管理職希望職員を対象に研修会を開催、動画を見ながらRPAについて職員が理解、認識を深め、約50課にヒアリングをしながら対象業務を抽出し、実証実験を経て、4業務が平成30年度には本格導入済みで、さらに拡大を予定しているそうです。  このように区職員が行っていた事務作業を自動で、しかも短時間で行える点が注目されているところです。さらに、ミスもなく、24時間の稼働も可能で、さらにRPAは幅広い作業をするため、ほかのソフトを使い、業務の効率化を飛躍的に発展できる可能性を持つと考えます。台東区においても、RPAの導入を進めるべきではないでしょうか、区長のご所見をお伺いいたします。  次に、観光案内板のICT活用について質問いたします。  東京都の調査によりますと、東京を訪れる外国人旅行者は、案内サインを利用して困った理由として、多言語表記は小さくわかりづらかった、多言語表記が少なかったことを上げております。外国人旅行者が安心してまち歩きを楽しむためには、必要な情報を多言語でわかりやすく提供していくことが重要であると考えます。台東区内に設置されている観光案内板には、史跡や歴史的建造物などの掲示はされているものの、観光案内板の表示面積が限られている関係もあり、日本語と英語の表記のみで、多言語で表示するクオリティや美観、見づらいなどの理由もあり、史跡などの観光資源の詳細な情報を掲載できないという課題も考えております。ことし開催されるラグビーワールドカップや東京2020オリンピックパラリンピック競技大会を控え、今後台東区には世界中から多くの外国人観光客が訪れることが予想されております。その外国人観光客が安心して快適にまち歩きを楽しむことができる受け入れ環境を整備する上において、観光情報を容易に入手できる環境整備をする必要があると考えます。  区では、これまでも外国人観光客に対しては、英語の観光ウエブサイトやSNS、観光パンフレットなどで観光情報を提供しており、一定の効果があると考えますが、区内に100基以上ある観光案内板の機能も充実させていくことも必要であると考えます。  そこで、観光案内板にICTの技術を付加してみたらどうでしょうか。例えば観光案内板の板面上の史跡の歴史建造物などの表示に特殊加工を施し、スマートフォンでスキャンすることによって、その観光資源の詳細な情報が多言語で掲示される機能などを導入してはいかがでしょうか。ほかにも、アプリを活用して観光資源の情報をスマートフォンやタブレットのカメラの画面上に吹き出し型のエアタグとしてAR表示をする技術もあり、土地勘のない旅行者には目的地までの距離や方向がわかり、大変便利なアプリでもあります。このようなICT技術を活用し、観光資源等の情報をスマートフォンなどの携帯端末で得られるようにすることで、外国人観光客の利便性が向上し、台東区の観光に対する満足度も上がると思いますが、区長のご所見をお伺いいたします。  最後の質問は、母子健康手帳機能つきアプリについてお聞きいたします。  アプリストアで母子手帳と検索をすると、80以上の類似をしたアプリが出てまいります。このアプリは、スマートフォン、タブレット端末、パソコンに対応したサービスで、妊産婦と子供の健康データの記録・管理や予防接種のスケジュールの管理、出産・育児に関するアドバイスの提供など、育児や仕事に忙しい母親や父親を助けてくれる便利な機能が充実しております。その中でも、自治体と連携した母子健康手帳機能つきアプリは、オリジナル原稿の作成が可能で、自治体・医療機関に合わせた情報を提供し、妊婦・出産・子育てに関する理解を深め、子育ての不安を軽減させるサービスです。既存の母子健康手帳にかわるものではありませんので、健診や予防接種のときは母子健康手帳が必要でありますが、成長記録としての妊娠期からの体調・体重記録や胎児・子供の成長の記録、育児期の身長・体重の曲線による肥満・痩の程度の確認などもグラフ化して視覚でわかりやすく表示され、妊婦や子供の健康診断データを記録することもできます。また、自治体や地域の医療機関からのお知らせは、医師や専門家が監修した信頼できる情報を出産予定日やお子さんの月齢に合わせた最適なタイミングで配信してまいります。また、予防接種管理では、標準接種日の自動表示や接種予定と接種実績の管理、受け忘れ防止アラートなどのほか、バックアップ機能もあり、従来の母子健康手帳だけでは紛失や特に災害時等のときの書き込んだデータがわからなくなるなど、記載するスペースの問題や書くことの苦手な方にとっても便利で、その項目に合ったものができると考えます。また、写真の保存もでき、子供の成長記録の思い出のアルバムとしても活用でき、家族のスマートフォンなどでも閲覧やSNSでも投稿が可能であります。使用者のアンケートでも80%の方が従来の手帳とアプリの併用で使うことがよいと感じております。また、自治体連携をしていないアプリを使用している方からは、近隣自治体ではしているのにと、導入希望の声もあるそうです。  台東区でも、ホームページやワクチン・ナビ、子育てメールマガジンなどのほか、情報発信をしておりますが、台東区でも母子健康手帳機能つきアプリの導入を考えるべきと思いますが、区長のご所見をお伺いいたします。  これで私の質問を終わります。(拍手) ○議長(河野純之佐 さん) ただいまの質問に対する答弁を求めます。  区長。          (区長服部征夫さん登壇) ◎区長(服部征夫 さん) 水島議員のご質問にお答えいたします。  ご質問の第1は、効率的な自治体経営についてです。
     まず、リース契約の拡大についてです。  区はこれまでもOA機器や車両などの調達、区有施設の大規模改修時などに使用するプレハブ施設について、リース契約を行ってきたところです。区では、物品調達等について、経費の平準化や初期費用と維持経費の総額、保守などの付随するサービスの内容、リース期間終了後の使用の可能性などを案件ごとに比較・検討し、リース契約の条件が有利である場合に選択をしています。水島議員ご提案のリース契約の拡大については、メンテナンスを含めた維持管理など、他自治体の事例を参考に検討してまいります。  次に、RPAの活用についてです。  RPAは、パソコン上で行う定型的な業務を自動化、効率化するツールです。これにより、業務時間を削減するだけでなく、コミュニケーションや創造性を必要とする業務の充実、業務プロセスの改善などの効果が見込めるものと期待されています。現在、他自治体においても実証実験が進められており、その効果が検証・確認されています。本区の業務においても、RPAを適切に活用できれば、業務の効率化や区民サービスの向上につながる可能性があると考えています。これまで区では、先進自治体の職員を招いた勉強会の開催や外部講師による研修などを実施しており、引き続きRPAの導入に向けて実証実験の準備を進めてまいります。  ご質問の第2は、観光案内のICT活用についてです。  観光案内板は、目的地まで迷わず移動できるように主に地図情報を中心に表示しており、史跡などの観光資源の詳細な情報の掲載は難しいところです。一方、観光情報の入手を容易にするため、主要な案内板にWi-Fi環境を整備し、スマートフォンからの情報収集の利便性を高めています。また、多言語で展開している区の公式観光ウエブサイトやSNSへの誘導を円滑にするため、QRコードを観光案内板に掲出する取り組みを進めています。今後ともICTによる情報提供の効果的な手法の把握に努め、観光客のさらなる利便性の向上を図ってまいります。  ご質問の第3は、母子健康手帳機能つきアプリについてです。  このアプリは、自治体からの情報を適時配信できるだけでなく、成長の様子を記録したり、母子健康手帳のデータも保存できるなど、スマートフォンの特性を生かしたアプリであると認識しています。現在、区では、妊娠届の提出時に母子健康手帳を交付しています。また、予防接種のスケジュールを管理できるワクチン・ナビやたいとう子育てメールマガジンなどで健診や子育てに関する情報も発信しており、多くの方に利用していただいています。今後も母子の健康や子育てに関する情報の記録や保存・発信のための手法については、日進月歩でツールが開発されますので、水島議員ご提案のアプリを含め、さまざまな角度から検討してまいります。 ○議長(河野純之佐 さん) 15番寺田晃さん。          (15番寺田 晃さん登壇)(拍手) ◆15番(寺田晃 さん) 台東区議会公明党の寺田晃でございます。会派を代表して一般質問させていただきます。区長におかれましては、積極的なご答弁を賜りたく、何とぞよろしくお願い申し上げます。  それでは、質問に入らせていただきます。  初めに、台東区人権条例の制定についてお伺いします。  昨年の10月5日、東京都は、東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例案を成立させました。本条例は、その第1条に、目的として、いかなる種類の差別も許されないとし、第2条では、人権尊重に関する取り組みを推進することを都の責務として規定されました。ヘイトスピーチの規制と性自認及び性的指向を理由とする差別を禁止することが柱となり、本年4月に全面施行となりますが、いわゆる17の人権課題が具体的にされておらず、包括的な要素が望まれます。人権政策の本来の対象は、女性、子供、高齢者、障害者、同和問題、アイヌの方々、外国人、HIV感染者、ハンセン病患者、犯罪被害者とその家族、インターネットによる人権侵害、北朝鮮による拉致問題、災害に伴う人権問題、ハラスメント、性自認、性的指向、路上生活者、さまざまな人権課題など、多岐にわたっております。  台東区では、人権尊重教育推進校を指定し、各学校園においてテーマを決めて研究に取り組み、その成果を研究発表会にて報告いただき、子供たちの成長に取り組んでおります。多様なかかわり合いの中で、偏見や差別の不合理さを正しく認識するための知恵を学び、公平・公正に判断し、行動できる勇気を身につけ、行動できる子供たちを育んでおります。一方、先月14日、浅草公会堂にて開催されました今年度の見事な新成人を祝う会ですが、まるで1クラスが行う和やかなホームルームと感じたのは私だけではないと思います。一概には申し上げられませんが、このような姿は、これまでの人権尊重教育の成果の一つではないでしょうか。  昨年の第1回定例会代表質問にて、私は、同じく人権施策について伺いましたが、2016年9月、国連で採択されたニューヨーク宣言では、難民や移民を悪魔呼ばわりすることは全人類に対する尊厳と平等の価値を心の底から損ねているとの排他主義を真っ向から否定しました。自分の生活環境にほかの地域からいらした方を受け入れることに不安や戸惑いはいたし方ないことですが、それが結果としてヘイトスピーチや敵意に変わると人権侵害につながってしまいます。人権教育は、このような壁を破り、日々の行動や考えを振り返り、軌道修正が行えます。特に青年は、人権教育で学んできた経験を周囲に発信する力を十分に備えており、勇気と行動で平和の心の輪を広げられる存在にもなれます。人権教育は、立場や所属の違いを取り払い、お一人お一人の個性や長所の人間性の光を輝かせ、発揮できる力を与えていただけるものなのです。  2020年東京オリンピックパラリンピックを明年に控え、全国自治体で人権条例が検討される中、服部区長肝いりのおもてなし事業、花の心プロジェクトとともに、今こそ本区も包括的な人権擁護条例、もしくは人権擁護のまち宣言、さらには実行計画、行動計画などの制定も必要なのではと考えます。  そこで、区長に伺います。台東区人権条例の制定を目指すべきと考えますが、区長のご所見をお伺いします。  あわせて、モニタリング事業についてお伺いします。  最近ではSNSやインターネットの普及とともに、その匿名性や情報発信の容易さにより、個人の名誉を侵害したり、差別を行う表現など、ネット上での差別的書き込みの横行が心配されております。本区として、悪質な書き込みを監視し、早期発見とともに、拡散防止について取り組むべきと考えます。  そこで、区長に伺います。インターネットによる人権侵害を防止するため、モニタリング事業を行うべきと考えますが、区長のご所見をお伺いします。  次に、障害者の権利擁護の推進についてお伺いします。  第5期台東区障害福祉計画の中、重点課題の一つとして権利擁護の推進が掲げられ、現在本区は講習会の開催や研修会等での情報発信など、障害者差別解消法を含めた周知、啓発を積極的に行っております。私は、同じく昨年の第1回定例会代表質問にて、障害者施策の充実について伺い、手話言語条例について触れましたが、その当時制定された自治体が127でございましたが、今では、荒川区や豊島区も含め、昨年より98もふえ、2月6日現在225の自治体にて制定しております。改めて制定効果を申し上げますが、手話の教育環境の整備や重度聴覚障害児である聾児やその保護者が手話に関する正しい情報を得られ、手話を習得することができる社会、また、聾唖者が日常生活や職場などで自由に手話を使ったコミュニケーションをとることができる社会が期待されることなど、共生社会の後ろ盾となり、多様性社会の推進に期待が持てるところであります。我が公明党区議団は一昨年、手話や筆談など、サポートが充実した全国初の聴覚障害者高齢者住宅、ほほえみの郷に視察に伺いました。そこで教えていただいたことは、聴覚障害者の全ての方がいわゆる小型のホワイトボードなどでやりとりする筆談が可能ではなく、結果として、手話が言語として認められ、義務教育を平等に受けられる社会の必要性を生々しく感じてまいりました。手話言語を獲得する、手話言語を学ぶ、手話言語で学ぶ、手話言語を使う、手話言語を守るとの5つの権利を保障するために手話言語法の早期制定が求められる中、地方自治体による手話言語条例の必要性を学んでまいりました。  昨年の第4回定例会にて、鈴木純議員より、障害者のコミュニケーション支援の質問があり、その際に区長より、条例の検討を進めていくとの答弁がありました。意思の疎通に苦慮している障害者の方々を広く支援するということは大変重要なことであり、早期に制定を目指すべきと考えますが、先ほど申し上げましたように、手話は聾者の方々にとって何よりも大切なものであり、かつては使用が厳しく禁止されてきたという歴史的経緯もございます。また、さまざまな障害に応じた情報・コミュニケーション条例が1月7日現在、32の自治体で制定されておりますが、そのうち、23の条例に手話が含まれている状況です。  そこで、区長に伺います。障害者のコミュニケーション支援に関する条例を制定するのであれば、言語としての手話の普及など、手話言語に関する内容を含めた条例とすべきと存じますが、区長のご所見をお伺いいたします。  次に、介護支援ボランティアポイント制度についてお伺いします。  現在本区は、従来から行われている高齢者や障害のある方への自立を支える住民参加型住宅福祉サービス、はつらつサービスをボランティアポイント事業の3年間モデル実施として平成29年度より行っております。支えていただく協力会員は資格を問わず、活動内容は洗濯や掃除などの家事援助、通院や食事介助などの介護援助、30分以内で行える身の回り応援サービスなどです。そのほか、協力会員が研修や交流会に参加するなどもポイント評価になり、10ポイントで商品券と交換になります。平成29年度の新規協力会員は33人で、対前年13人増となりました。多い少ないは申し上げませんが、私は平成26年第1回定例会、平成28年第3回定例会と、介護支援ボランティアポイント制度の導入につき質問いたしました。その効果を改めて申し上げますと、ボランティア活動をする高齢者自身が体を動かすことで健康が維持され、社会参加に生きがいを感じ、みずからの介護予防にもつながり、結果として、地域社会としてはふえ続ける介護給付費や医療費などの社会保障費の抑制にもつながります。また、介護社会のマンパワー不足の手助けにもなります。つまり、一石五鳥の効果であります。そもそもボランティアは無償の精神であり、懸念するところでありますが、人手不足の分野でお手伝いを募り、そのお礼としてポイントを貸与するという考え方はいかがでしょうか。体を動かしたい、社会に参加したい、お元気な高齢者の方は台東区にはたくさんいらっしゃいます。そのきっかけづくりとして、間口を大きく広げたボランティアポイント事業に今後進めるべきと考えます。地域包括ケアシステムの自助、互助、共助、公助の4つの助の力を連携の上、さまざまな生活課題の解決を目指しておりますが、自発的な支え合いの互助の部分の参加者がふえやすいシステムを構築すべきと考えます。モデル実施期間もあと1年となりました。現在協力会員になられていない方のご意見もしっかりと集めていただき、使い勝手のよい事業に方向を広げていただき、下町ならではの支える人と支えられる人、さらには互いに支え合いながらの仲むつまじい地域社会にさらに進めてまいりたいと存じます。  そこで、区長に伺います。モデル実施期間もあと1年となり、今後どのように介護支援ボランティアポイント制度を進めていかれると考えますか、区長のご所見をお伺いします。  次に、中小企業支援についてお伺いします。  四半期ごとに報告いただきます台東区の平成30年7月から9月の景況は、サービス業において業況は3ポイント、前期比プラス20ポイントとうれしい報告もありましたが、来期の見通しは水面下に落ち込むとも見込まれている現状です。また、そのほかの景況は厳しい状況が続いております。本年10月からの消費税率10%引き上げとともに、このたび消費者が痛税感の緩和を実感できる家計の恒久的負担軽減策として、酒類や外食を除く飲食料品全般と定期購読新聞を対象に軽減税率が導入となります。国は軽減税率対策補助金を設け、レジ導入費用や受発注システム改修費用など、補助制度を行っており、さらには、このたび補正予算でも厚みのある積み増しを行い、支援の強化をしております。ただし、私が地域を回っておりますと、まだまだ不安の声が多く、区は引き続き対策セミナーの開催や相談会に力を入れるとともに、相談者の声を聞きながら支援の上乗せも考えるべきと存じます。  そこで、区長に伺います。本年10月の消費税引き上げの対策として、中小企業に対し、どのように支援を進めていくと考えますか、区長のご所見をお伺いします。  さらに、国は、2019年度予算案にて、生活を守る消費税対策として、キャッシュレス決済ポイント還元制度と、公明党が主張しました低所得者、子育て世帯向けプレミアム付商品券発行のための経費が計上されました。どちらも消費の冷え込みを防ぐための施策で、中小小売店の支援策が盛り込まれております。世界ではキャッシュレス化が急激に普及し、観光特区の本区も準備が急がれる状況は逃れられないと思いますが、やはり地域では不安を抱いている現状でございます。昨年暮れ、東京新聞にこのような記事が掲載されました。浅草仲見世商店街でスマートフォンを活用したITサービスを40店舗で導入し、キャッシュレス化が進んでいる内容のものです。IT企業の共同出資のキャンペーンにより実現した一例ですが、消費税率変更に伴い、オリンピックを契機に観光客や来街者がふえる中、IT弱者への手厚い配慮と寄り添う事業を積極的に進め、本区ににぎわい創出のため、より多くの店舗でキャッシュレス決済が可能な環境を整えるべきと考えます。らくらくフォンのようならくらくキャッシュレス決済が行えるよう、軽やかに移行が進む支援を進めるべきと考えます。  そこで、区長に伺います。キャッシュレス決済に必要な環境を整えるため、国が補助する対策費をどのように活用し、支援を進めていくと考えますか、区長のご所見をお伺いします。  最後に、商店街振興についてお伺いします。  現在台東区には109の商店街があります。それぞれの商店街が地域の特色を生かしながら創意工夫し、かつ1店舗1店舗それぞれのお店が日々奮闘されております。台東区では、今年度新規事業として商店街活性化アドバイザー事業を行っております。それぞれの商店街が抱えているさまざまな問題に対し、商店街活動や施策に詳しい専門人材を派遣し、適切なアドバイスにより活性化を進める事業です。継続訪問型支援と継続支援につなげるヒアリング調査型支援とがあります。私が大変期待している事業の一つでもあります。一つの商店街が一つの方向性、一つの目標に一緒に目指すものに向かって奮闘できれば、必ず大きな力となり、お客様も引きつけられ、活性化も進むものと感じます。いろは会商店街振興組合は、一昨年12月より、安全・安心対応型商店街活性化支援事業として、老朽化アーケードの撤去工事を防災上の観点も含めて始まりました。今後は、電線電柱工事、下水道工事の後、道路舗装工事を行う予定で進んでおります。いわゆる現在は商店街の長期模様がえを大がかりに行っている真っ最中であります。  例えがいいとは申しませんが、住まいの大掃除の真っ最中も事務所のレイアウト変更や部署移動の真っ最中も、一時的に手がつけられないほど先が見えない状態になるときは必ずあるものです。そのようなときに完成図面ならぬ、商店街の未来予想図のようなものが目につきやすいところにあれば、誰が見ても、将来の予想、すてきな未来に向かって頑張れるものと存じます。一つの商店街が一つの方向性、一つの目標、一緒に目指すものとは、当たり前のことですが、それぞれの商店街によって千差万別、さまざまあると思います。アドバイザーと商店街が一体となって、それぞれの商店街の目指す姿、未来予想図を模索しながら、地域の個性を生かし、各商店街の色を出し、特色を出しながらにぎわいの創出・活性化を進めるべきと考えます。  そこで、区長に伺います。それぞれの商店街が具体的な未来予想図をデザインし、その目標に向けて取り組めるような支援とともに、さらに発展させ、早急に商店街の支援も強めるべきと考えますが、区長のご所見をお伺いします。  あわせて、このたびの地域経済対策として実施されるプレミアム付商品券の発行について、これまで発表された内容では、低年金世帯を含む住民税非課税世帯と、ゼロ歳から2歳のお子様がいらっしゃる子育て世帯が対象で、2万円で購入できる2万5,000円分の商品券です。有効期限は2019年10月から半年間で、消費税引き上げ時の消費の冷え込み対策として計上されました。こちらにつきましても、商店街の意見をよく聞いて、十分に地域に還元されるよう取り組むべきと考えます。さらには、商店街に対し、プレミアム付商品券向け特定支援を考えてはいかがでしょうか。消費者の方が商品券を利用しやすくするために、商品券に限り購入可能な特売品や特別サービス、特売商品の準備や商品券向けチラシ作成などに対し、区の支援が受けられる制度を設け、にぎわい創出の環境づくりの後押しをするべきと考えます。いわゆる商店街プレミアム特定品の活性化支援でございます。  そこで、区長に伺います。プレミアム付商品券による売り上げが地域経済に十分還元されるよう、消費者が商品券を利用しやすくなるような商品づくりの支援を区は行うべきと考えますが、区長のご所見をお伺いします。  以上をもちまして私の一般質問を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(河野純之佐 さん) ただいまの質問に対する答弁を求めます。  区長。          (区長服部征夫さん登壇) ◎区長(服部征夫 さん) 寺田議員のご質問にお答えいたします。  ご質問の第1は、台東区人権条例の制定についてです。  東京2020大会の開催を控え、さまざまな人権課題に対し取り組んでいく必要があるという寺田議員の思いについては、私も同様です。区では、人権のつどいや人権作文、人権メッセージなど、あらゆる機会を捉えて、さまざまな人権課題に関する理解の促進に努めています。今後は東京都が昨年制定した東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例により実施される具体的な取り組みの状況を注視しながら、包括的な条例、計画の必要性について研究してまいります。  次に、インターネットによる人権侵害を防止するためのモニタリング事業についてです。  寺田議員ご指摘のとおり、SNSやインターネットの普及が急速に進む中、情報発信の容易さや匿名性を背景に、差別的な書き込みが増加していることは私も認識しています。区では、現在、インターネットによる人権侵害の対策として、区の職員が定期的にインターネット上に差別的な表現が書き込まれていないかチェックを行い、発見した場合には、法務省の人権擁護機関に相談をしています。モニタリングの事業化については、常に監視するための体制の整備や削除を要請するための明確な基準など、さまざまな課題がありますので、先進自治体の取り組みを参考にしながら研究してまいります。  ご質問の第2は、障害者の権利擁護の推進についてです。  現在、区では共生社会の実現に向けて障害者のコミュニケーション支援に関する基本理念などを含めた条例の制定を検討しています。障害者のコミュニケーション手段は、障害の特性に応じて多様に存在しており、中でも手話は聴覚障害者の方々にとってきわめて重要なものであると認識しています。また、障害者基本法に明記されているとおり、手話は言語であり、その認識を区民の皆様に広げ、利用を促進していくことは、権利擁護推進の観点からも必要であると考えています。寺田議員のご提案も踏まえ、手話言語に関する内容を含めたものが、これは早期にお示しできるよう、準備を進めてまいります。  ご質問の第3は、介護支援ボランティアポイント制度についてです。  ボランティア活動への関心や意欲を高め、活動の促進を図るため、平成29年度からポイント制度のモデル事業を実施しています。これまでにボランティアへの登録や活動意欲で一定の効果が得られています。団塊の世代が75歳以上となる2025年に向け、ボランティアの必要性はより一層高まっています。モデル実施後の取り組みについては、3年間の成果やボランティアを初め、さまざまな方の意見等を踏まえ、制度の充実に向け、検討を進めてまいります。  ご質問の第4は、中小企業支援についてです。  まず、消費税率引き上げの対策についてです。  区では、関係団体と連携してセミナーを開催し、制度の概要や活用できる補助金等の周知を図っていますが、軽減税率の対象品目や準備すべき設備など、十分に理解が行き届いていない現状があります。そのため、相談体制の強化を図り、来週の12日から約1カ月間、中小企業診断士等による無料経営相談窓口を中小企業振興センターに設置してまいります。あわせて、事業者アンケートの実施や専門コーディネーターの派遣などを通じて、事業者が抱える課題やニーズの把握に努め、区内事業者の皆様が混乱なく着実に対応できるような支援を検討し、実施してまいります。  次に、キャッシュレス決済に必要な環境整備の支援についてです。  国がキャッシュレス決済を推進する中、区内事業者にとっては決済方法の多様化や運転資金の管理運用など、さまざまな課題があると認識しています。国や東京都が実施する支援策を適切に活用していただき、決済環境を整備するためには、区も積極的に支援をすることが重要です。そこで、区は、3月にキャッシュレス決済セミナーを開催し、決済の種類や導入方法、メリット等について導入事例も交えながら丁寧に周知してまいります。また、事業者の経営状況に応じた個別相談、これを通じてキャッシュレス決済導入に関する課題を抽出し、必要な支援策を検討してまいります。  ご質問の第5は、商店街の振興についてです。  まず、目標づくりと取り組みへの支援についてです。  商店街の振興のためには、商店街ごとの特性を生かした目標をつくり、各店舗がその実現を目指して取り組みを進めていくことが重要です。区では、今年度から商店街アドバイザーを派遣することにより、商店街が抱えるさまざまな課題を整理し、取り組みの方向性をまとめ、活発な意思の疎通が進むよう支援をしています。今後とも活力ある商店街づくりのため、個性と特色を生かした取り組みを支援してまいります。  次に、プレミアム付商品券についてです。  商品券による消費の効果を地域の経済にもたらすため、商店街がお客様を呼び込む工夫をしていくことは重要です。寺田議員ご提案のように、商品券をきっかけに、より一層来店客や売り上げがふえるよう、すぐれた商品やサービスの企画等について、アドバイザーも活用しながら積極的に支援を図ってまいります。 ○議長(河野純之佐 さん) それでは、ここで10分間休憩いたします。          午後 2時20分 休憩  ──────────────────────────────────────────          午後 2時32分 開議 ○議長(河野純之佐 さん) 休憩前に引き続き、会議を開きます。  17番冨永龍司さん。          (17番冨永龍司さん登壇)(拍手) ◆17番(冨永龍司 さん) 会派つなぐプロジェクトの冨永龍司です。今回の発言の機会を下さった会派の皆様に感謝しつつ、今期最後の一般質問に入らせていただきます。  まず初めに、本区の観光産業について伺います。  私は昭和39年の東京オリンピックが開催された年に、本区の観光の中心の一つである浅草のまちで生まれ育ちました。その当時の記憶は無論なく、物心がついたころには浅草の斜陽化が叫ばれており、土日や物日には多くの観光客が訪れておりましたが、平日も、それも夜ともなれば寂しいものであり、浅草の隆盛のころの話を聞くと想像もつかなく、昔話を聞いているようでした。そのような中、官民一体となり、隅田川花火大会の復活や浅草サンバカーニバル、うえの夏まつりパレード、各商店街のイベントなどを行い、本区への観光客増加のための努力を重ねてまいりました。そして、本区としては、国際観光都市を標榜し、平成13年には23区初の観光部門での長期計画となる台東区観光ビジョンを策定しました。その後、平成22年には新観光ビジョンの策定、そして、平成28年には、服部区長のもと、台東区観光振興計画を策定しました。そのような努力もあり、現在では5,000万人を超える観光客が訪れております。今の浅草を見れば、平日でも昔の土日のような人出であり、夜でも人通りが多く、斜陽化を叫ばれていたころがうそのようです。  本区の観光客数の調査によると、平成20年の観光客数は3,934万人で、そのうち外国人観光客数は191万人となっており、それが平成28年には観光客数5,061万人となり、そのうち外国人観光客数は830万人となりました。増加した観光客数は1,127万人、28.6%の増であり、外国人観光客数は639万人、335%の増となり、外国人観光客数の割合は4.9%から16.4%へと大きく変化しております。外国人観光客数の増加は著しいものであり、この増加の要因としては、アジア地域のビザの緩和やローコストキャリア、いわゆるLCCの普及による航空運賃の低下であると言われております。平成28年における訪日外国人観光客数は2,403万人で、そのうち830万人が本区を訪れており、割合としては34.54%となります。そして、国の訪日外国人観光客における今後の推移目標は、2020年に4,000万人、2030年には6,000万人としており、単純に今の割合で本区に訪れる観光客数を計算すると、2020年には1,381万人で66%の増、2030年には2,072万人で150%増となると試算できますが、同じ割合までは難しいものの、それでも大幅な増加は見込めますので、まさに国際観光都市として世界に知れ渡ることになるでしょう。この観光客がもたらす経済効果は、平成28年の本区において観光消費額が2,672億円とされており、これは主に飲食、買い物、入場料を合わせたものとしておりますので、観光にかかわる他の商業を含めればさらに大きくなり、そして、さきに述べた今後の外国人観光客数の推移を考えれば、これからさらに成長が望めるのではないでしょうか。  現在、区長が進めている台東区観光振興計画において、本物に会えるまちを目標とされ、観光客の受け入れ環境整備やおもてなし向上、多彩な文化資源の魅力の発信、そして、観光の質の向上を述べられ、実行されてきました。また、この計画の中の記述では、観光振興を経済的な側面から見ると、関連する産業分野の裾野の広さにある。観光客の消費を起点として、宿泊業や飲食業、小売業が直接収入を得るだけではなく、これらが製造業にも幅広く波及する。雇用の面についても同様であり、観光振興は、地域経済の発展に広く寄与すると言えるとしておりますし、観光ビジョンにおいても、観光を21世紀のリーディング産業と位置づけるとしております。しかし、本区において、観光振興を観光産業としてはっきりとあらわしていないと感じておりますので、私としては、観光をしっかりと観光産業として捉え、今後の施策を行うべきと考えます。  そこで、区長に伺います。本区においては、多くの観光客が訪れることにより、広く地域経済が潤っていると考えるが、観光産業についてはどのように認識をしているのか。また、今後地域経済のさらなる活性化につながるため、観光を一つの産業として捉え、観光振興を戦略的に進めていくことが必要であると考えるがどうか、あわせて区長のご所見をお伺いいたします。  次の質問は、小学校低学年からの読書習慣のさらなる定着についてです。  昨年の夏に甲子園を沸かせた高校野球選手の一人に、大阪桐蔭高校の根尾選手がおります。彼は野球の才能は言うまでのことなく、学力も高い、まさに文武両道のプレーヤーと言われております。高校野球選手ですから、野球づけの日々を送っているにもかかわらず、学業も優秀である秘訣はと注目され、それが毎月お父さんより送られてくる20冊の本を読んでいることであると言われております。  読書による学習効果とは、本の中にはさまざまな世界があり、想像しながら読むことで想像力が養われ、また、文章を読んで内容を理解する力がつくと、あらゆる教科学習の基礎となる国語力を身につけることとなり、分析的な思考力が身につき、文章を書く力も向上します。ほかにも、集中力やコミュニケーション能力の向上、ストレスの軽減なども言われております。本からたくさんの知識を得ることで、自分の頭で考える習慣を身につけることができるようになるそうです。  このことは、2020年から始まる新学習指導要領における改訂のポイントである主体的・対話的で深い学び、いわゆるアクティブラーニングに必要な能力なのではないでしょうか。国立青少年教育振興機構の2015年の調査による就学前から中学時代の1日に充てる読書時間と学習の関係を見ると、高得点から平均点がとれる子供の読書時間は1日30分から60分が一番多く、次に15分から30分、次がゼロ分から15分となっており、意外にも長時間読書する子は少ないようです。1日の読書時間が多ければよいというものではなく、適切な時間があることが示されております。読書は社会人になってからもメリットが大きく、さきに述べた効果にあわせ、知識量・語彙力・会話力も向上しますので、この先、AIの進化により、新たに生まれる職業、逆になくなる職業があり、この面では不透明な社会を迎える子供たちにとって生き抜くための力が育まれるのではないでしょうか。デメリットとしては、好きな分野の本だけを読むことによる思考の偏りが上げられておりますので、幅広い分野の本を読むことも必要だと考えます。  これらのことより、私は読書をすることは非常に大切なことだと考えます。しかし、私自身もそうであるように、本に触れることが苦手な人は多いと思います。ですから、子供のころからの習慣づけが大切なのではないでしょうか。子供たちが本に触れるようになるには、たくさんの本を手にとりやすい環境をつくり、疑問などを本を通して調べるように促し、読み聞かせや親自身が読書をするなどが有効であるとされております。  そこで、教育長に伺います。学力向上において、文章の理解力は欠かせないものであり、読書が有効であるとされております。そこで、小学校低学年から本に触れる機会をさらにふやすべきと考えますが、教育長の所見をお伺いします。  これで私の質問は終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(河野純之佐 さん) ただいまの質問に対する答弁を求めます。  区長。          (区長服部征夫さん登壇) ◎区長(服部征夫 さん) 冨永議員のご質問にお答えいたします。  ご質問の第1は、観光産業についてです。  年間5,000万人以上の観光客が訪れる本区にとりまして、冨永議員ご指摘のとおり、観光産業は重要な産業の一つであると捉えています。観光産業は、宿泊、飲食業等、関連する産業分野が多岐にわたる特徴があり、観光客の消費活動が地域経済に広く寄与するものです。区は、台東区観光振興計画を策定し、これまでも関係団体との連携や情報の共有を図りながら、観光施策に取り組んでまいりました。今後も観光統計・マーケティング調査の分析結果等をもとに、効果的な観光振興の取り組みを推進することにより、観光消費を拡大し、本区のさらなる地域経済の活性化を図ってまいります。よろしくお願いいたします。  その他のご質問につきましては、教育長がお答えいたします。 ○議長(河野純之佐 さん) 教育長。          (教育長矢下 薫さん登壇) ◎教育長(矢下薫 さん) 冨永議員の小学校低学年からの読書習慣のさらなる定着についてのご質問にお答えさせていただきます。  現在、小学校におきましては、朝読書の時間を設定したり、教員等による読み聞かせや本の紹介などを授業に取り入れたりするなど、低学年から本に触れる機会を意図的に設け、読書習慣の確立を目指しております。また、保護者会や土曜学校公開日等で読書の大切さを伝えたり、教職員のお薦めする本を学校だより等に掲載したりして、家庭でも読書を身近に感じることができるような取り組みを行っているところでございます。  中央教育審議会の答申におきましても、小学校低学年の学力差の大きな背景に語彙の量と質の違いがあると指摘されていることから、教育委員会といたしましては、読書がもたらす低学年における学力向上等の教育的効果につきましても普及・啓発を図り、低学年からの読書習慣の定着について、保護者と連携した取り組みをさらに充実させるよう、各学校に働きかけてまいります。 ○議長(河野純之佐 さん) 9番伊藤延子さん。          (9番伊藤延子さん登壇)(拍手) ◆9番(伊藤延子 さん) 日本共産党の伊藤延子です。  私が4年前、区議会議員選挙に挑戦した動機は、台東区内の勤務した診療所で国民健康保険料を払えずに受診ができず、手おくれで亡くなるという、こういう方に連続して遭遇したことにあります。区民の皆さんからバッジを預かり、この4年、医療や介護をはじめ、住まいの問題など、さまざまな相談を受けてまいりました。経済的な理由で人間らしい生活ができない区民をなくすこの区政をと、全力を挙げてきました。しかし、事態はどうでしょうか。一向によくならないだけではなく、区民の負担はふえていると思います。この根底には、2015年の医療保険制度改革関連法に基づく、国の医療費総抑制策があります。本来、国が責任を果たすべき社会保障制度を受益者負担と相互扶助として国民に押しつけること、この押しつけることが憲法違反の重大問題ではないでしょうか。  そこで、私は高過ぎる国民健康保険料について質問をいたします。  そもそも国民健康保険は、年金生活者、失業者、非正規雇用の労働者、零細自営業者など、所得の低い人が多く加入する医療保険です。高齢者も医療を切実に必要とする人たちが少なくありません。一方、社会保険加入者の拡大で被保険者がどんどん減っている状況です。所得の低い加入者が多い国民健康保険料が協会けんぽの1.3倍、組合健保の1.7倍も高いのです。国民健康保険加入世帯の平均所得は、この25年間で276万円から138万円と半減しております。国民皆保険制度のセーフティーネットである国民健康保険が大きく構造的に変化をしています。ところが、今年度から始まった財政運営の都道府県化は、市区町村が一般会計から保険料抑制のための繰り入れをなくし、保険料だけで成り立たせようと促しています。構造問題を解決するどころか、天井知らずの保険料値上げと制度の破壊を進めるものです。
     服部区長は、この国の動きを容認し、区長会方針に従い、今年度から6年間で繰り入れをなくす方針を明らかにしています。このままでは際限のない値上げになることは間違いありません。区長は、台東区国民健康保険の構造的な変化をどのように認識しているのでしょうか。一般会計からの繰り入れを6年間でなくす方針にあくまで固執し、毎年保険料を値上げするつもりなのでしょうか、それぞれお答えください。  高過ぎる国民健康保険料を軽減していく上での大きな課題は、他の被用者保険にはない、ゼロ歳児にもかかる均等割という算定方式です。23区の国民健康保険料では、39歳以下で1人5万1,000円。家族が1人ふえるごとに5万1,000円ずつふえるんです。給与収入400万円の4人世帯では、均等割が20万4,000円で、所得割保険料と合わせて42万6,000円にもなります。協会けんぽ加入世帯は19万8,000円ですから、2分の1、国民健康保険は倍以上の負担となります。こんなに高い保険料は払いたくても払えないという悲鳴が聞こえてきます。  ここに焦点を当て、各地で均等割の減免に踏み出す動きが広がっています。東京でも、清瀬市に続き、武蔵村山市などで来年度から子供の均等割保険料の減免が始まります。台東区国民健康保険加入者の18歳以下の子供の均等割保険料を全て免除した場合、人数から試算しますと、約2億2,000万円でできます。国は法定外繰り入れを入れることは禁止しておりません。区長、零細な個人事業者の子育て世帯を支援するためにも、台東区として均等割減免に踏み出すべきではありませんか、お答えください。  最後に、台東区の国民健康保険行政の重大な問題点について質問いたします。  日本共産党東京都委員会が昨年8月の時点でまとめた調査では、台東区の有効期限が限られている短期被保険者証と全額自己負担の資格証明書の発行率、滞納世帯への差し押さえ率の高さが明らかになりました。23区比較で、短期被保険者証と資格証明書の発行率は、この数年、常に3位以内、滞納世帯に対する差し押さえ件数は昨年1,079件で、この数年の割合は常にトップ争いです。払えるのに払わない悪質な滞納者には厳しく対応すべきですが、台東区のこの高い率は、そうではないことを証明しています。短期被保険者証の発行と強権的な取り立てで強引に収納させているのではありませんか。  先日、ある職人から相談がありました。国民健康保険料を滞納し、分納を続けているが、別世帯で扶養している母親の後期高齢者医療保険料が滞納になって短期被保険者証にされてしまった。台東区は母親の資産と取引先を調査すると言ってきたというのです。説明をしようとすると、問答無用という態度で話を聞いてくれず、本当に悔しいと嘆いていました。まさに金の切れ目が命の切れ目という現実です。  このような経済的に困窮したときに減免制度を活用することが大事ではないですか。台東区が条例で定めた制度があるのに、昨年度はたったの1件しか執行されておりません。区長、短期被保険者証発行と差し押さえの乱発は見直すべきではありませんか。滞納せざるを得ない区民の痛みに心を寄せ、区のルールに基づき、保険料と一部負担金の減免制度を執行すべきではありませんか。それぞれ答弁を求め、私の質問を終わります。(拍手) ○議長(河野純之佐 さん) ただいまの質問に対する答弁を求めます。  区長。          (区長服部征夫さん登壇) ◎区長(服部征夫 さん) 伊藤延子議員のご質問にお答えいたします。  まず、国民健康保険の構造に関する認識についてです。  国民健康保険については、従来より、被保険者の年齢構成が高く、1人当たりの医療費が高いことなどの課題が指摘されていました。これらの課題に対応するため、平成30年度からは、国が毎年3,400億円の公費拡充を行うとともに、都道府県が財政運営の責任主体となって国民健康保険運営の中心的な役割を担うという大きな制度改革が実施されたところです。本区においては、社会保険の適用拡大等による被保険者数の減少、また、高齢化の進展が続いており、都市部ではおおむね共通の現状であると認識しています。また、一般会計からの法定外繰入金の取り扱いについては、国が決算補填等を目的とする部分を赤字と定義し、その削減、解消を求めています。これを受け、東京都国民健康保険運営方針においても同様に取り組むとしています。こうした状況の中で、平成30年度、特別区においては、統一的な算定方式に基づき保険料負担の急激な変化が生じないよう、繰入金による独自の激変緩和措置を講じ、可能な限り制度改革による影響の抑制に努めたところです。今後も国や都へ財政措置を要望していくとともに、制度の安定的な運営のため、適切に対応してまいります。  次に、子供の均等割保険料についてです。  子供に係る均等割保険料を一律に減額、または免除することについては、法に抵触するおそれがあり、実施は困難ですが、法改正時の附帯決議の内容から、国も課題として認識しているものと考えています。特別区長会といたしましても、既に国や都へ要望しているところであり、引き続き要望してまいります。  次に、短期被保険者証については、納付相談や生活実態を把握する機会を確保し、納付につなげることを目的としています。差し押さえについては、早期に納付を促し、たび重なる催告に対しても、なお納付されない場合に、滞納処分として執行しています。また、保険料と一部負担金の減免制度については、災害等の特別の理由がある場合に実施しているものです。医療保険制度において、負担の公平性を確保することは、自治体として重要な責務であり、今後も法令に基づき、適正に対応してまいります。 ○議長(河野純之佐 さん) 12番石塚猛さん。          (12番石塚 猛さん登壇)(拍手) ◆12番(石塚猛 さん) 自由民主党の石塚猛であります。会派を代表して質問をさせていただきます。  最初は、大規模用地活用について。  旧坂本小学校跡地活用については、大規模用地活用の一つとして大変重要な問題であると認識しております。そこで、旧坂本小学校跡地活用検討状況を聞いているところでは、平成30年度から区が東京藝術大学と連携、協力し、地域活性化や行政需要、避難所確保の視点を踏まえた活用を検討している。平成31年1月現在では、横浜市にある大学院映像研究科の移転を視野に入れた藝大との協議やスポーツ施設などの公共施設の検討を進めている。今後、早期の活用構想策定を目指し、東京藝術大学と協議を進めるとともに、整備する公共施設について具体化を図っていくという説明を受けております。  このように進んでまいりますと、東京藝術大学との協議を進める場合、大事なことは、区としての考え方を地域住民の要望を聞きながらしっかりとした事柄を持っていなければ協議にならないと思う。区としてまとめ上げて、しっかりした素案をもって協議に臨んで、進めるべきと考えます。  また、この跡地の活用については、地域の区民の声を反映できなければならない。防災の問題は一貫して地域の方々が意見を述べられております。建物は当然直下型地震に耐えられるものでなければならないし、避難所として機能しなければならない。そして、震災直後には近隣の人々が初期防災の拠点になり得る場所を求めているのではないかと考えます。また、あわせて、交通の便のよいこの場所は、人々が多く気楽に集まることができる、例えば中規模劇場で、通年、多くのジャンルの演目が開催される劇場の場合も望まれている。そこで、私は、この場所は、出入り口が大変狭いことはわかります。ついては、この跡地活用と並行して、近隣の住民とも相談をし、あわせてまちの整備も考えなければならないと思います。  以上、旧坂本小学校跡地の活用に当たり、東京藝術大学との協議について、区が主体性を持って進めること、防災をはじめとした地域要望に配慮すること、周辺の道路環境の向上を図ることの3点を踏まえて検討を進めるべきと考えますが、区長のご所見をお伺いいたします。  2つ目は、国内都市交流についてお尋ねいたします。  本区では、国内8都市、海外で3都市と姉妹・友好都市として提携を結び、また、平成29年度から国内3都市と連携都市として特定分野における連携に関する協定を新たに結び、それぞれの地域社会が抱える課題の解決に取り組み、地域活性化と相互の発展を図る地域の特色を生かしたさまざまな交流事業を展開しております。また、平成26年9月に区長会が特別区全国連携プロジェクトを立ち上げ、東京を含む、全国各地域がともに発展・成長し、共存共栄を図る取り組みを推進しております。本プロジェクトの一環として、新たに広域連携を推進していくため、北海道十勝地域との交流を進めていることも承知をいたしております。また、ふるさとPRフェスタ、ふるさと交流ショップなどの事業を通じて、全国各地の自治体が幅広い交流を進め、互いの魅力を高め合いながら、両都市の地域の活性化と発展を図っております。また、互いの持つ資源や特徴、先進的な技術などを生かした複数の自治体による広域的な交流を図り、さらなる地方創生に向け、取り組んでいっております。さらに、姉妹・友好都市などとの交流事業に関する情報を収集・発信する機能を充実し、区民などが参加しやすい環境づくりを進め、参加意欲の向上を図っております。  このことにより、さまざまな分野における区民主体の交流が一層推進され、活力ある地域社会の形成を目指していることも承知いたしております。そこで、私は、北海道鹿追町とは、吉田町長初め、町議の皆さん、町役場の人たちと私どもの議員は交流を深めております。また、昨年は、たいとうフロンティアの議員の方々も鹿追町を視察に訪れてくれています。  さて、鹿追町とは、人口5,437人2,489世帯、総面積は404.7平方キロメートル、何と台東区の40倍の面積であります。特徴といたしましては、農村地帯、純農村地帯であります。酪農と畜産、畑作農業で、生乳は11万トン、鹿追町の農業生産割合の半分を占めています。畑作は、小麦、バレイショ、豆類、キャベツは鹿追町の第5の作物として、とかち高原キャベツの商品名で全国に出荷されています。さらに、鹿追町と十勝全体、北海道全道の経営形態別で比較してみると、農家件数、鹿追町が209件、十勝全体で5,843件、北海道全体でも4万714件、1件当たりの耕作面積では、鹿追町55ヘクタール、十勝で43.6ヘクタール、北海道全体では28.2ヘクタールと、大変効率のいい町経営をいたしております。乳牛頭数は、鹿追町が195頭、十勝全体で160頭、北海道では116頭になっております。1件当たりの農業生産額は、鹿追町で1億1,000万円、十勝全体で5,500万円、北海道全体では2,900万円の年商であります。さらに、観光交流では、美しい農村景観と壮大な大自然の魅力に年間77万人観光客が訪れ、然別湖、大雪山国立公園唯一の湖であります。私は、夏と冬、然別湖に行ってまいりました。また、グリーンツーリズム、地元農業や大自然を生かした体験型観光のことをいいます。私は、子供たちとそば打ち体験をしてまいりました。子供たちは大変喜んでおり、また、満天のあの星空で、雪の中をのたうち回っていた子供たちを見て、大変うれしく思ったものであります。また、とかち鹿追ジオパークがあります。ジオパークとは、貴重で美しい地層や地形の保護、観察などを通し、人々が地球に親しむ地質遺産公園のことです。平成25年には日本ジオパーク委員会から認定を受けております。  そこで、私は、鹿追町とは産業分野と連携協定を結んでおり、小学生の受け入れやイベントの参加など、交流を行っております。今後は防災協定の締結をすべきと考えますが、区長、いかがでございましょうか。  3つ目は、台東区の耐震化の状況について、次の2点について区長にお尋ねいたします。  首都直下型地震で建物倒壊には、想定死者数の約6割を占める東京都内の全体62区市町村で住宅の耐震化率が90%以上に達しているのは4区市にとどまっております。国の中央防災会議では、今後30年以内に70%の確率で首都直下型地震が発生することを予測している中、昨年6月には、大阪北部地震が発生するなど、首都圏における地震への対応は喫緊の課題であります。我が区では、平成20年度より耐震改修促進計画を定め、耐震化の向上を図っていることは承知いたしております。例えば台東区の耐震化状況を見ますと、特定緊急輸送道路沿道建築物耐震化状況、平成31年で約82%の耐震化になっております。旧耐震建築物耐震化については、約50%となっており、都内平均が平成30年12月で42%となっております。また、住宅の耐震化率は平成28年度に策定した耐震改修促進計画において、住宅・土地統計調査をもとに推進した数値として、平成26年度で84.6%となっている。平成28年度から30年度にかけ、約140件の耐震化の助成を行っていると聞いております。今後耐震化を一層推進、促進していくために、個々の建物の課題を聴取し、耐震化に取り組むための新たな制度について都と連携し、観察していくとされております。大地震は必ず起きる。古い家屋は壊れやすく、事前の対策が必要であります。まさに備えあれば憂いなしであります。一戸建てでは高齢者の改修意欲を高めるのは難しく、また、マンションでは工事の実施に所有者の過半数の賛成が必要であります。そこで、今後の耐震化の取り組みについて、区長にご所見を伺います。  また、我が区では高齢者の方には家具の転倒を防ぐ器具の取りつけなどに助成をしております。これは1995年の阪神大震災で家具転倒の危険性を示すデータがあり、当時の調査で、神戸市の一部地域では犠牲者の1割が家具やピアノの下敷きになっていたと見られることが判明され、被災地域では重傷者の半分が家具の下敷きになったとされております。政府の中央防災会議のまとめた首都直下型地震の被害想定では、都内では家具類の転倒で最高600人が死亡するとされています。一方で、転倒防止の実施率を100%にすれば、死者数を3分の1程度に減らせる効果があり、家具転倒防止器具は数百円から、設置工事も5万円程度と言われております。比較的防災に弱い高齢者だけではなく、未就学児童がいるひとり親世帯や障害者の世帯も含め、幅を広くすべきであり、また、家具の転倒は死傷の原因となるだけでなく、逃げおくれたり、救助活動の妨げにもなり、できるだけ多くの世帯に向けて転倒防止対策を考えるべきと思います。  そこで、壁に穴をあけるなどの工事が難しい賃貸住宅にお住まいの高齢者の方にも家具転倒防止器具の設置をさらに推進すべきと考えますが、ご所見を伺います。  幼児期の教育環境について、最近は、女性の社会進出が進み、保育園への入園希望がどんどんふえています。その需要に応えるため、区はこれまでに保育園やこども園の整備を進め、また保育士の処遇改善などに取り組んでまいりました。その結果として、保育園やこども園に通っている児童は増加傾向であります。さて、区内の私立幼稚園では、平成18年度以降は7園であり、区立幼稚園は11園であり、認定こども園も設置されました。乳幼児の増加に伴い、保育園も増加されています。また、幼児教育に関する国の政策の変更や今日の経済状況悪化も懸念されております。これらのことは私立幼稚園の経営にも大きな影響を受けております。新制度に伴い、そして、幼児教育の無償化が始まろうとしています。  今日、区立幼稚園、保育園の保育料の変動がありましたが、保護者の保育園志向はさらに進んでいると言っても過言ではありません。私は、台東区の私立幼稚園が幼児教育の振興に長年努力してきた歴史と実績を十分見聞きしてまいりました。私立幼稚園の現状を見てまいりますと、入園希望者数の伸び悩みのみならず、処遇面の問題から教員の保育園などへの流出が起こり得る現状があるとのことでありました。大変ご苦労されている様子で伺います。本区のこれまでの幼児期の教育について考えますと、地域とのつながりを生かしながら幼児教育の振興に長年努力してこられた幼稚園が担ってきた役割が大変大きなものだと考えています。これからも……。 ○議長(河野純之佐 さん) 石塚議員、規定の時間を超過しておりますので、発言を中止し、お願いいたします。 ◆12番(石塚猛 さん) 残念です。以上であります。(拍手) ○議長(河野純之佐 さん) ただいまの質問に対する答弁を求めます。  区長。          (区長服部征夫さん登壇) ◎区長(服部征夫 さん) 石塚議員のご質問にお答えいたします。  ご質問の第1は、旧坂本小学校跡地についてです。  本用地については、にぎわいの創出やまちづくり、文化・産業の振興など、地域はもとより、区全体の活性化に資する活用を実現していくことが重要であると認識しています。石塚議員ご指摘の点については、現在実施している東京藝術大学との協議において、大学院映像研究科移転の条件を明確に示すとともに、活用の効果を高める地域貢献の実施についても求めているところです。また、公共施設の検討に当たっては、地域要望である避難所確保を前提とした上で、区民ニーズや地域偏在の解消などを踏まえ、スポーツ施設等を検討しています。施設を整備する際には、十分な歩行空間の確保など、周辺道路環境の向上についても十分考慮してまいります。今後は早期に活用構想を策定し、議会や地域の皆様のご意見を丁寧にお聞きしながら、本用地の活用実現に向け、積極的に取り組んでまいります。  ご質問の第2は、国内都市交流についてです。  災害時の応急対策等を円滑に実施する上で、同時に被災するおそれの少ない遠方の自治体と防災協定を締結しておくことは私も重要であると認識しています。現在、本区と鹿追町との間では、平成29年度から4年間、産業分野などにおいて連携協定を締結しています。さらに、石塚議員はじめ、もう本当に先ほどのお話を聞いて、鹿追町の大自然のすばらしいものが私の胸にも伝わってまいりますけれども、多くの方々のご尽力により、幅広い交流が行われているところでございます。  防災においても、日ごろから連携を密にし、昨年の北海道胆振東部地震の際には、私も直接町長に連絡をして、被害状況、あるいは必要な支援などを確認させていただきました。石塚議員ご提案の鹿追町との防災協定の締結については、現在の連携協定の実績や成果を踏まえ、総合的に検討してまいります。  ご質問の第3は、本区の耐震化の状況についてです。  石塚議員ご指摘のとおり、首都圏においては直下型地震の切迫性が指摘され、さらに、今後国内外からの来街者の増加も予想されていることから、本区においても耐震化への取り組み強化が重要であると考えています。区では、これまで耐震改修促進計画に基づき、人的被害の軽減、早期復興が重要であるとの共通認識のもと、国や都と連携を図りながら、不特定多数が利用する店舗などの特定建築物及び災害時の物資の輸送経路となる沿道建築物の耐震化への費用助成等を実施してまいりました。このような取り組みにより一定の成果を上げていますが、計画の目標達成には至っておりません。そのため、助成額の見直しなど、支援制度を充実してまいりましたが、さらなる耐震化の推進に向けては、資金面や合意形成などの課題があります。今後は、国や都とより一層の連携を図り、支援策のさらなる充実による耐震化の取り組み強化に鋭意努めてまいります。  次に、高齢者に対する家具転倒防止器具設置の推進についてです。  家具の転倒防止は、地震発生時における家屋内での事故を防止し、高齢者の安全を確保する重要な取り組みです。これまでも壁などを傷つけずに設置できる家具転倒防止ポールなどの助成を行っていますが、より簡易に取りつけ可能な器具を助成対象に加えてまいります。さらに、多くの方にご利用いただくため、助成制度の周知や家具固定の重要性の啓発により一層努め、高齢者の安全対策の充実を図ってまいります。 ○議長(河野純之佐 さん) それでは、ここで10分間休憩いたします。          午後 3時21分 休憩  ──────────────────────────────────────────          午後 3時32分 開議 ○議長(河野純之佐 さん) 休憩前に引き続き、会議を開きます。  22番青柳雅之さん。          (22番青柳雅之さん登壇)(拍手) ◆22番(青柳雅之 さん) たいとうフロンティア、青いネクタイでおなじみの青柳雅之でございます。平成31年第1回定例会におきまして、大きく6項目にわたり、区長に質問、ご提案申し上げます。いずれも前向きにご検討いただきますようお願い申し上げ、質問に入ります。  先日、区内のある駅で区政報告をさせていただいたところ、救急車のサイレンの音が聞こえました。マイクをとめて、交差点をすんなり通過するように見守っておりました。ちょうど横断歩道の信号が青だったのですが、歩行者の方は救急車の通路をあけて整然と立ちどまっていました。一時停止していた救急車が動き出そうとしたそのときでした。立ちどまる皆さんをかき分けるように悠々と歩き出す外国人観光客のグループがいたのです。当然救急車は停車し、さらに安全確認をして動き出すまでに大幅な時間をロスしました。立ちどまっている皆さんも皆、唖然とし、そばにいて何もできなかった私は、この一部始終をしっかり記憶に刻みました。こうした緊急車両に道を譲らないという問題は、外国人観光客だけでなく、日本各地で残念な現象として報告されていることも承知しております。しかし、緊急車両、歩行者双方にとって危険な状況を目の当たりにし、この問題を決して見過ごすことはできない、そんな思いでご提案申し上げます。  外国からの観光客・定住者の皆さんとのトラブルは、ごみの出し方、銭湯や温泉の入浴マナー、トイレの使い方などなど、生活習慣や文化の違いから今までもさまざまな課題がありました。ごみ収集の案内を多言語化したり、入浴やトイレの使い方の啓発ポスターをつくったりといった効果もあり、深刻なトラブルに発展するケースは激減しているとの報告もあります。しかし、シェアサイクルなどの広がりによる危険な自転車走行の問題や交通ルールの問題など、最近新たに、そして、生命にかかわる可能性もある課題が浮き上がってきました。文化や生活習慣の違いをしっかりと理解した上で、誰もが笑顔でおもてなしの心で外国からの観光客や定住者の皆さんと良好な関係を築いていけるよう、今まで以上に行政としてマナー啓発に取り組むべきと思いますが、区長のお考えをお聞かせください。  次に、食の多様性への対応について質問します。  ムスリム対応、ハラール対応という言葉を使って初めて発言したのは今から5年前、平成26年の決算特別委員会でした。当時は、この聞きなれないワードに皆さんから温かいやじを頂戴したことを記憶しております。  きっかけは、区内で米菓製造を営む社長さんからのご提案でした。国際線の機内食に提供する経験の中で、しょうゆやみりんをハラール対応にした経験をお伝えいただき、国際観光都市を目指す台東区にもこうした対応が求められるようになるぞと教えていただきました。服部区政になってから、ムスリム旅行者の受け入れ体制が本格的にスタートして、ハラール認証取得助成制度も全国初の取り組みとして注目を集めています。その成果も抜群で、位置情報サービスとの連携で観光客の動向を調べたデータでも、浅草の中心部から離れたハラール対応の店舗をめぐる人の流れが新たに生まれています。本区の食に関する対応は、ピクトグラムのシールをつくり、飲食店のメニューの情報を充実する取り組みなどを行っています。食の多様化は観光客の受け入れがふえるとともに広がっています。以前より認識のあったベジタリアンだけでなく、ビーガンやグルテンフリー、台湾の五葷、さらには世界一食に関する制限が厳しいと言われるジャイナ教徒への対応など、実は都内で唯一のジャイナ教徒への対応したレストランは御徒町にあったりするんですが、こうした食のユニバーサルデザインとも言える対応の先進区としての取り組みと発信をさらに強化して、多様性に対応した観光都市のスペックをさらに強化していくべきと思いますが、いかがでしょうか。  次に、台東デザイナーズビレッジについて質問します。  デザイナーズビレッジ、通称デザビレが誕生して、ことしの4月で15年となります。その取り組みと成果については、ここで言うまでもありませんが、まちの雰囲気までも変えてしまったこの施設の成功は、全国からの視察の受け入れ回数の多さにもあらわれています。この施設の立ち上げに当時担当課長としてかかわった荒川副区長も鼻高々ですね。しかし、残念なことに、デザイナーズビレッジの成果や実績が整理され、報告したことはありません。将来的なビジョンが示されたこともありません。ものづくりのまち、若きクリエーターを呼び込み、定着していただく取り組みは、全国各地で始まっています。そんな自治体間競争に負けないために、これまでのデザイナーズビレッジの総括と今後の展開について区長のお考えをお聞かせください。  次に、SNS広告の活用について質問します。  皆さんはふだんどんな媒体から情報を取得しますか。新聞や雑誌、テレビやラジオ、かつてはほとんどがこうした媒体からのものでした。しかし、インターネットの普及に加え、スマートフォンの誕生とツイッター、フェイスブック、そしてLINEの登場で、情報取得の方法は劇的な変化の時代を迎えました。複数回答で行ったある調査では、20代の86%がスマートフォン、テレビは50%、新聞は13%、40代以上でもスマホが60%、テレビが57%、新聞が36%となっています。総務省の調査によれば、スマホの利用率は毎年増加し、平成28年の調査で70%を上回りました。  本区でもそうした傾向を踏まえ、防災対策の一環として、台東区防災アプリの配信を開始し、このたび、そのバージョンアップの機を捉えて、普及に努めています。循環バスめぐりんの車内にアプリのバーコードを表示したり、商工会議所を通じて在勤者の皆さんにリーチしたりと、工夫を凝らしていますが、どこか違う気がします。私も街頭区政報告で防災アプリの話をしていたら、次々とスマホを取り出す人に囲まれ、すっかり勘違いしたという経験があります。目的はポケモンでした。そうです、ゲームは外でやりますが、アプリのダウンロードは外でやりません。フリーのWi-Fi環境の中でもやりづらいんです。防災アプリの場合、ご自宅などのセキュリティーが整った環境でいかに広報するか、それは近年、地域別、年代別などのターゲッティングを設定できる上に、驚くほど安価に表示ができるSNS広告の活用が適しています。既に観光分野では、海外向けのSNS広告、芸楽祭では区民向けのSNS広告が実施されています。今後は、観光、文化のジャンルだけではなく、防災の分野をはじめ、生活に密着した情報などにも活用前提のガイドラインを整え、各分野でSNS広告を積極的に活用をスタートすべきと思いますが、区長のお考えをご披瀝ください。  防災対策についてご提案します。  先日の防災フェアでスタンプラリーに参加しました。水道局のブースでは、台東区の応急給水所は何カ所あるでしょうかとのクイズの答え、何と2カ所でした。えっそれだけ、公園や学校の深井戸は、貯水槽からも生活用水は給水されるはずでは、幾つもの疑問をその場で反問してしまいました。東京都水道局が管理する広域型の応急給水所は台東区に上野公園と山谷堀広場の2カ所というご丁寧なご説明をいただきました。水道局の皆さん、ありがとうございました。  さて、災害時の給水施設、こんなアナウンスでいいわけありません。公園内や学校施設の深井戸、また、民間の井戸など、その位置づけを明確にし、誰もがわかるように表示を工夫していただきたいと思います。  そして、あわせて、災害時のトイレ問題、1人1日5回、これが災害時のトイレ設置数を計算する基準です。先日、柏市の住宅地の中の避難場所に指定されている公園に行くと、マンホールがずらりと3列に100個以上並んでいる光景に唖然としました。本区でも地域の公園はもちろん、広域避難場所の上野公園などは、これくらいの規模の、いえいえ、これを大きく上回る規模のマンホールトイレが準備されていなくてはならないのでは、そんな思いがよぎりました。マンホールトイレの整備では、とても1人1日5回の基準を満たすことはできません。簡易型、携帯型などの新しいタイプの導入も含め、災害時のトイレ不足問題にしっかりと予算化して対応をお願いします。  そして、防災の視点からの無電柱化対策についてご提案します。  これまで、馬道通り、かっぱ橋本通りなど、景観や観光の視点から無電柱化を進めてきました。無電柱化は災害時におけるライフラインの安定供給や避難経路の確保など、防災面においての効果も高いことから、今後は避難所周辺など、防災性を優先順位の一つとして進めていくことが求められていると思いますが、いかがでしょうか。  最後に、骨髄ドナー助成制度の充実について、再度ご提案します。  前回の骨髄ドナーとして提供手術を経験してから約2年、先日、骨髄バンクさんより2回目の適合通知が届きました。こんなに早く2回目の通知が届いたことにはとてもびっくりしましたが、1回目とは違い、不安は一切ありません。献血の延長みたいなもの、終わってしまえば、そんな感覚だからです。台東区で昨年度からスタートした骨髄ドナー助成制度は、初年度3名、本年度は既に4名の区民がこの制度を使い、白血病患者への提供手術を行いました。本区の人口規模からすれば、大きな成果が得られたと評価できます。そこで、2回目の提供手術に向け、コーディネートを進めている立場から、よりドナーの気持ちに寄り添った制度の充実の道が見えています。それは、5人程度のドナー候補から手術に実際至るのは、より条件の整った1人だけです。しかし、それまでに最低1回は健康チェックと面談の時間を病院の診察時間の平日の日中につくらなくてはなりません。助成制度があるからと、職場や家族を説得してコーディネートを進めても、手術まで至らなかった方々は助成の対象になりません。また、ドナーに選ばれて数回の通院を経ても患者サイドの事情により手術に至らないケースもあります。今の仕組みでは、そのケースも助成の対象となりません。私が思うには、そうした経験を踏まえた方は、次にまた適合の通知が届いたときに、職場や家族を説得することがなかなか困難になってくるんだというふうに考えています。全国の中でも、2回目の提供手術へと進んでいる議員を抱える自治体はめったにありません。ここまできめ細かい支援制度はもちろん全国初の取り組みとなります。  服部区長のご決断をご期待申し上げ、私の質問を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(河野純之佐 さん) ただいまの質問に対する答弁を求めます。  区長。          (区長服部征夫さん登壇) ◎区長(服部征夫 さん) 青柳議員のご質問にお答えいたします。  ご質問の第1は、外国人の観光客、定住者のマナー向上についてです。  区では、これまでも生活習慣等の違いに起因する問題について、マナー啓発の充実が重要であると認識し、歩きたばこの禁止、トイレの使用方法など、日本のマナーについて、SNSや区公式ホームページ、パンフレット等の媒体を活用して啓発に努めてまいりました。さらに、定住者に対しては、地域の方から日本の生活習慣を伝えるため、コミュニケーションブックを作成するなど、多文化共生の地域づくりに努めています。今後は、国や東京都と連携し、発信する情報を一層充実させるなど、さまざまな取り組みにより、外国人の観光客、定住者のマナー向上につなげてまいります。  質問の第2は、食の多様性への対応についてです。  東京2020大会を控え、世界中から多くの観光客が訪れることから、食事に関する対応も重要であると考えています。区は、これまでも全国に先駆けて、ハラール認証取得助成や講習会等を実施し、ムスリム旅行者受け入れ促進に取り組んでおり、今ではハラール認証店舗の集積地として多くのムスリム旅行者が訪れています。今後は、青柳議員ご提案のように、区内の飲食事業者等に対し、ムスリム旅行者だけでなく、ベジタリアンやビーガンなど、観光客の多様な文化・習慣への配慮について啓発を行い、食の多様性への理解を促進してまいります。  ご質問の第3は、台東デザイナーズビレッジについてです。  台東デザイナーズビレッジは、ファッション関連ビジネスに特化した創業支援施設として、今、平均約6倍の高い入居希望倍率を維持しています。また、卒業生の約半数が区内に定着していることなど、良好な実績を上げており、全国から注目を集めています。卒業生の中には、毎日新聞社が主催する毎日ファッション大賞の受賞者や伊勢志摩サミットで各国首脳が胸につけられたラペルピンのデザイナーなど、世界的に活躍している人材も輩出しています。一方で、さらなる区内産業の活性化には、入居者と地元企業、産業団体との交流を促進するとともに、区内中小企業や創業予定者が広く利用できる場として、人と情報が集まる拠点としていくことが重要となります。今後は、中小企業振興センターの機能強化を図っていく中で、台東デザイナーズビレッジの運営方法や機能についても検討を進めてまいります。  ご質問の第4は、SNS広告の活用についてです。  区では、区公式ホームページやメールマガジンなどのICTを活用して、広く区内外への情報発信に努めています。また、情報の取得に際して、SNSの利用が拡大している動向を踏まえ、ツイッターやフェイスブック、インスタグラムなどのSNSも効果的に活用しています。SNS広告については、国や地域、年齢、性別など、配信先を細かく設定し情報発信ができるなどの特性があることから、現在、一部のイベントや観光情報の発信に利用しています。今後もそれらの効果等を検証し、他の分野での活用について検討してまいります。  ご質問の第5は、防災対策についてです。  まず、災害時に使用する給水所の周知と災害時のトイレの充実についてです。  災害時の給水所を区民の方が平時から認識しておくことは、私も重要であると考えます。区では、これまで給水所の位置を記載した防災地図を全戸配布したほか、深井戸や応急給水槽の看板設置、防災訓練における給水訓練の実施などを通じ、周知に努めてまいりました。今後も認知度を高めるため、掲示の工夫なども行ってまいります。  次に、災害時のトイレについては、区では現在、下水道が使用できなくなった場合を想定し、避難者数に応じた簡易トイレを各避難所に備蓄するとともに、自主防災組織や集合住宅での購入助成も行っています。また、避難所周辺の道路や公園には382カ所のマンホールトイレを整備しています。災害時の衛生環境の確保は必須であることから、今後も必要な備蓄を維持し、公共施設の改修等にあわせたマンホールトイレの整備を推進してまいります。  次に、防災性を重視した無電柱化についてです。  本区では、これまで都市防災機能の強化、安全で快適な歩行空間の確保、良好な都市景観の創出を目的として、馬道通りやかっぱ橋本通りなどにおいて無電柱化を進めてきました。現在は、無電柱化が難しいとされる歩道がない路線を検討するため、谷中防災コミュニティセンターにつながる六阿弥陀通りや浅草一、二丁目において調査を行っています。今後も災害時等における安全・安心の確保に向け、防災の視点も踏まえた無電柱化に取り組んでまいります。  ご質問の第6は、骨髄ドナー助成制度の充実についてです。  区では、平成29年4月から骨髄移植ドナー支援事業を開始したほか、ドナー登録の機会を拡充するなど、移植の推進を図ってまいりました。本事業の対象者は、骨髄等の提供を完了した方としています。しかしながら、青柳議員ご指摘のとおり、提供に至るまでには所定の段階があり、中止となる場合もあると聞いております。今後も骨髄バンク事業の動向や他自治体の状況等を注視しながら、研究してまいります。 ○議長(河野純之佐 さん) 16番早川太郎さん。          (16番早川太郎さん登壇)(拍手) ◆16番(早川太郎 さん) つなぐプロジェクト、早川太郎でございます。今回は、大きく2点提案、質問させていただきます。
     まず初めに、新たな産業を育む台東区について伺います。  昭和から平成へと時代が移り変わる中、特に平成に入ってからの30年間は、グローバル化やICT、AI技術の進展に伴い、情報、物流や経営そのものが変化し、我が国の産業構造も大きく変わっていった結果、台東区においてもまちの姿が大きな変化を起こしています。共同住宅戸数が全体の9割に迫る勢いで、土地利用比率では、住宅用地比率が商業用地比率を上回ってしまいました。総務省の統計調査によれば、全産業の事業者数は、昭和63年の3万5,178事業所から平成25年には1万以上の事業所が減少していて、製造業や卸売業、広域型対応店舗を除く小売店は大幅に減少しています。区内就業者数比率も、平成12年の61.3%から27年の36%と、4割も減、昨年の決算特別委員会総括質問で木下議員が懸念を述べていたとおり、衣食住近接の零細中小企業のまちから、観光と住宅のまちになりつつあると私も思っていて、区内事業者をふやしていく新たな試みが必要なのではないかと考えています。  基本構想策定審議会の検討資料にも、区の抱える課題として、既存産業の再活性化を図るとともに、新たな活力をもたらす企業の区内誘致や創業、起業の促進など、区内産業の活力、競争力を高めていく必要がある旨の記載があり、そういった課題解決に向けて、区ではこれまでも台東デザイナーズビレッジや浅草ものづくり工房といった創業支援施設の運営や産業振興事業団による創業、起業支援を行っており、産業フェアの開催などで販路拡大にも力を入れ、ものづくり産業や伝統工芸など、既存産業の再活性化には尽力されていることは十分評価しています。しかし、それだけでよいのかとの懸念があります。  現在では、朝、インターネットで注文した商品が夜には自宅に届いてしまう、そういう時代となってきていて、IT関係などから派生していくこれまで想定していなかった産業も出現してきており、今後もその動きは加速していくことでしょう。そういった新たな産業の区内誘致も積極的に仕掛けていくべきではないでしょうか。以前視察した大阪市では、大阪駅に直結した施設に世界市場に挑戦する起業家や技術者、支援者が集まるビジネス創出支援拠点としてイノベーションハブを設置していて、既存産業と新たな産業の担い手が交流し、新規ビジネスを生み出すような支援が行われています。創業したての企業にとって、そうした拠点は新しい取り組みができるきっかけの場となっています。  また、IT企業の経営者からは、いろいろな人が集まり、情報交換ができる場が仕事につながるとも聞きます。例えば鶯谷駅や入谷駅近くの旧坂本小学校跡地に東京藝術大学の大学院映像研究科の移転を視野に入れた活用を検討しているのであれば、映像関係などのビジネスを手がける方々との交流拠点施設を整備したり、IT版の創業支援施設やNPO法人などの拠点施設を集約することで新たな産業の拠点づくりを目指してみてはいかがでしょうか。  個人事業主を含めた新産業を担う企業を支援することは、職住のバランスがとれる昼間人口創出にもつながり、また、その人々が台東区の地域コミュニティの新たな担い手になってくれるかもしれません。衣食住近接は、子育て世帯の方々にも魅力となるのではないでしょうか。企業誘致は、台東区においては、法人住民税が都税となっていて、直接的に特別区税の増収にはつながりませんが、昨今、都においては、企業のドーナツ化現象があらわれており、都内から出ていく企業もふえていると聞きます。台東区がその流れに待ったをかける意義は大きいと思います。基本構想とともに答申された施策の方向性では、新たな産業を育み、区内の産業集積を維持、発展させることが必要との記載があり、施策に取り組むよう求めています。新たな産業を育む取り組みについて、どのように進めていくのか、区長の所見を伺います。  次に、子供の感染症対策の充実について伺います。  厚生労働省の発表によれば、1月21日から27日の1週間にインフルエンザ患者は、1施設当たり57.09人となり、調査が始まった1999年以降、最多の流行となっています。インフルエンザに感染するとせきや高熱などの症状が発生するだけでなく、インフルエンザ脳症や重症肺炎など、命にかかわる重大な合併症を併発することもあります。特に高齢者や5歳以下の子供たちなどは重症化しやすい傾向にあり、感染症予防の対策は重要です。65歳以上の高齢者には予防接種が定期接種化されていますし、台東区においては、23区では6区しか実施していない子供たちへの予防接種の助成を他区よりも手厚く実施していることは大いに評価するものであります。  私が区議会議員になった8年前には、4,000万人強と言われていた来街者は、スカイツリーの完成やインバウンド対策などの効果もあり、5,000万人を突破しています。ことしの9月にはラグビーワールドカップも開催されますし、来年にはオリンピックパラリンピックも控えていて、世界各地からさまざまな方が訪れることを考えれば、感染症のリスクは今以上に高まってくるのではないでしょうか。デング熱やジカ熱なども記憶に新しく、世界のどこかで発症した感染症がタイムリーに台東区へやってくる、そういう時代となっています。感染症の発症も災害と同じく完全に防ぐことは不可能であり、震災対策でいうところの減災、つまりは感染症の広がる範囲を少しでも抑えていくためのできる限りの予防対策の充実が重要となります。  子供を感染症から守る対策の一つに、学校欠席者情報収集システムというものがあります。感染症の集団発生を早期に探知し、早期対応するために、記録連携、早期探知を一元化したサーベイランス、つまりは注意深く監視するシステムで、保健所、教育委員会、医師会、園医などが同じツールを活用し、施設及び地域情報を把握して見守り体制を構築することで、感染症を施設だけの責任とせず、子供の健康を確保していくことができる画期的なシステムです。現在、全国の幼稚園、小学校の約6割の2万7,000校で、また、保育園では1万園以上で導入、活用されています。都内では5自治体の学校で、保育園では10区6市に導入されており、近隣の墨田区、文京区、中央区などでも活用されています。  現状、台東区においての保育園や学校などでの感染症に対する対応は、保育園においては10名以上の発生が、学校や幼稚園においては設置者の判断で実施される学級閉鎖が報告基準となっていますが、このタイミングでは既に流行が広まっていることもあり、介入効果が十分ではないのではと危惧します。また、感染症が報告され、集団発生が確認されると、保健所などが施設への訪問調査を実施、保健所が収束を判断するまでは連日ファクスなどで報告を求めて、経過把握に努めているようですが、流行時における施設側の事務的負担が大きいのではないでしょうか。学校欠席者情報収集システムを導入すれば、毎日の感染症の欠席数や症状の人数をタイムリーに把握でき、また、自分の施設はもとより、区内の中学校区ごと、また、導入されている近隣自治体の状況も確認できることなどから、流行に備えての準備対策が可能になりますし、保健所や関係部署も早期発見、介入することで集団感染を未然に防ぎ、拡大防止が可能となります。サーベイランスシステムは、学校や幼稚園、保育園など、台東区の全ての施設が加入することで、より効果的な感染症の予防対策が実現可能と考えますので、早急に全施設への導入を図るべきではないでしょうか。  昨年、都内の保育園などで発生した細菌性赤痢の集団感染が報道されていました。細菌性赤痢が保育園で流行するなど、今までは想定されていなかったことですが、グローバル化が進む中で、他国で起きている感染症が短期間で国内に入り、重症化しやすい子供の集団生活の場を脅かす可能性が高くなってきた一例ではないでしょうか。ことしのラグビーワールドカップや来年のオリンピックパラリンピックに向けては、感染症に対するより一層の対策が必要ですし、国や都もサーベイランスの強化を求めてくるはずです。感染症の早期の把握、そして、その情報を関係部署で速やかに共有できる体制を構築する必要があると考えます。台東区新型インフルエンザ等対策行動計画の中にも、感染拡大の抑制に向けての対応策として、サーベイランス体制の確立、情報を速やかに収集、分析することの重要性が述べられています。感染症の予防対策として、日ごろからの備えを充実しておくべきです。  今後、感染症のリスクが高まる可能性の高い台東区において、集団感染が起きやすく、抵抗力が低い子供たちへの備えとして、日ごろからのサーベイランスの強化など、感染症予防のより一層の充実を図るべきと考えますが、区長のご所見を伺います。  また、教育・保育施設を所管する教育委員会として、サーベイランスシステムの積極的な導入を図るなど、感染症への備えをより一層充実すべきと考えますが、教育長のご所見を伺います。  以上で、質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(河野純之佐 さん) ただいまの質問に対する答弁を求めます。  区長。          (区長服部征夫さん登壇) ◎区長(服部征夫 さん) 早川議員のご質問にお答えいたします。  ご質問の第1は、新たな産業を育む台東区についてです。  区では、地域産業の活性化を図るために、創業支援施設の運営や若者、女性などに対する経営セミナーの開催など、創業、起業の支援に取り組んでいるところです。私も産業構造が変化していく中で、新たな技術や発想を取り入れられるよう、さまざまな産業分野の人々が交流できる拠点が必要であると考えています。今後、台東区基本構想に掲げる活力にあふれ多彩な魅力が輝くまちの実現に向けて、拠点の整備や区内産業に新たな効果をもたらす企業を誘致することで、多種多様な産業の集積を一層進めてまいります。  ご質問の第2は、子供の感染症対策の充実についてです。  体力、免疫力の弱い子供に対する感染症対策は重要であり、グローバル化の進展により、対策強化の必要性はさらに高まっていると認識しています。現在、感染症の発生届や発生動向調査をもとに、区公式ホームページなどで感染症に関する注意喚起を行うほか、保育園や小・中学校等の職員向けに毎年講演会を実施し、普及啓発に努めています。感染症の拡大を防止するためには、サーベイランスの強化などにより、発生を早期に把握し、対応することが重要です。今後も教育委員会、医師会等の関係機関と連携しながら、感染症対策の充実に努めてまいります。  その他のご質問につきましては、教育長がお答えいたします。 ○議長(河野純之佐 さん) 教育長。          (教育長矢下 薫さん登壇) ◎教育長(矢下薫 さん) 早川議員の子供の感染症対策の充実についてのご質問にお答えさせていただきます。  教育委員会では、関係機関と連携し、感染症が発生した際には、速やかに対象の学校園から情報を収集し、各学校園や関係機関に対して情報提供することで注意喚起を図るなど、これまでも感染症対策に取り組んでまいりました。さらに、学校園におきましては、感染の仕組みや効果的な予防方法についての保健指導や保健だよりを通じた啓発、室内の清掃・消毒による衛生管理の徹底等の感染症対策を行っているところでございます。  グローバル化の進展等により、今後新たな感染症の発生も予想されるため、感染症対策はこれまで以上に重要になると認識しております。教育委員会といたしましては、学校園及び関係機関と協議をしながら、サーベイランスシステムの導入も含め、感染症への備えをより一層進める方向で検討してまいります。 ○議長(河野純之佐 さん) 8番鈴木昇さん。          (8番鈴木 昇さん登壇)(拍手) ◆8番(鈴木昇 さん) 日本共産党、鈴木昇です。  区長、教育長に対し、教育、子育て、消費税増税について質問いたします。  憲法第26条において義務教育はこれを無償とするとされています。しかし、国の調査でも公立小学校で年間10万円、公立中学校で約18万円の教材費などの私費負担があります。台東区の給食費は、小学校で毎月4,300円から5,100円、中学校で5,600円が保護者の大きな負担です。いまだ義務教育の無償化にはほど遠い金額です。アベノミクスの失敗により長引く景気低迷、そして、家計では教育費の占める割合が高くなっています。あわせて、教育環境の悪化が懸念されています。子供たちを育てることは保護者だけの責任ではありません。子供たち一人一人が輝く存在になることを考えたとき、今私たちが何ができるかを真剣に考え、取り組む必要があります。子供の貧困が7人に1人と言われる中で、子供の置かれている生活環境を考えれば、家庭だけの問題ではありません。公的役割は必要不可欠であり、保育や教育の充実など、子育てしやすい環境を整えていかなければなりません。  そこで、教育長に伺います。公立の幼稚園、こども園、小・中学校に通う子供の私費負担の調査を行い、全額を公費で負担することで、保護者の学校教育費用負担をなくすべきではありませんか、お答えください。  心と体が大きく成長するこの義務教育期間に栄養バランスというものを学びます。体づくりの基本を学ぶ大切なときです。給食の献立を家庭でもつくれるようにと給食だよりでお知らせするなど、学校は工夫をしています。しかし、家庭の中で学校給食のような栄養バランスはなかなか難しいです。おなかをいっぱいに満たすためには、主食を多く、副食は肉に、野菜は高いので少しだけ、それではバランスのよい食事にはなりません。台東区と社会福祉協議会が先日開催した市民活動シンポジウムでも、子供食堂を運営しているNPOの代表は、一人で食事をとらざるを得ない孤食になりがちな子供は圧倒的に炭水化物に偏った食生活になっていると実感を込めて話をしていたと聞きました。1日1回でも栄養バランスのよい食事を食べることはとても大切です。  私が以前勤めていた高齢者施設でも、自宅の食事は好きなものだけを食べ、バランスが悪かったけれど、施設の食事を食べるようになってから体調がよくなったという方もいました。それが食事です。  給食は、季節の食事を学ぶことができます。ひな祭り時期にちらしずしが出る、暑い時期になれば体を冷やす野菜を食べ、栄養士さんが季節の野菜の話をする、給食の学びでは、動植物が体をつくるもととなることや、朝早くから給食の準備をする調理師さんの苦労を知る、配膳のときには仲間と協力することを学び、食べるときには食に感謝し、食べる楽しみも学べます。食育の中で、子供たちが給食を通し、経験して学ぶことはとても重要であります。  一方で、家庭の中で学費や給食費は重くのしかかっています。平成30年度、文部科学省が行った調査で、給食無償化のメリットは次のように評価しています。子供は、給食費が未納・滞納であることに対する心理的負担の解消ができる。保護者は、経済的負担の軽減、安心して子育てできる環境の享受ができる。教職員は、給食費の徴収や未納・滞納者への対応負担の解消ができる。自治体は、食材費の高騰による経費増加の際、保護者との合意を得ずに措置が可能になるなどの結果が出ています。だからこそ、支援策として全国で給食費無償化の動きが広がりを見せ、近県自治体でも無償化が進み、就学援助対象世帯でなくても給食の補助をする自治体もふえています。しかし、台東区は教育に対しての保護者負担を減らそうとはしていません。給食は、子供の権利でもあり、教育です。  そこで、教育長に伺います。学校給食は食育の一環です。食材費も含み、給食無償化にすべきではありませんか、答弁を求めます。  次に、子供の医療費についてです。  中学生までの子ども医療費助成は、平成17年度から始まり、この制度が始まり、しばらくすると、子育て世代のバッシングとも捉えられるコンビニ受診という言葉もつくられました。そして、台東区議会の中でも、子供の夜間救急を受診することが過剰受診もある、モラルハザードだと発言をした議員もいます。とんでもない発言です。私自身も子供が生まれ、介護職という知識がありながらも、子供が高熱を出し、そのとき夜間救急を利用したことがあります。夜間救急電話相談に連絡しても、様子を見て、つらそうなら受診をしてくださいという一般的な答えでした。電話相談では、身体状態を見ていないことから、深い回答まで得られないのが現状です。過剰受診でもコンビニ受診でもありません。子供の医療的心配事が解決できないから医者にかかるんです。  私は区議会で何度も子育てしている家庭で医療費負担が大きいことを取り上げてきました。義務教育が終わった子供で、抗アレルギー剤を継続的に飲まなければ、かゆみなどで授業に集中できない、慢性疾患やぜんそくなどで入退院を繰り返している、そんな子供がいます。小児医療を取り巻く環境は非常に厳しいと私自身も実感をしています。そして、ある親からの話で、親子で発熱、熱のある子供を自転車に乗せ通院をする。少し前までは自宅近くにかかりつけ小児科があったが、先生が亡くなり、閉院。少し離れた診療所に通院する。それが実態としてあります。また、小・中学校の学校医の担い手もなかなか大変な状況であると聞いています。子供を育てる、その環境を整えることは区長が決断をすればできます。  そこで、区長に3点伺います。  1つ目は、台東区内の小児医療の必要性をどのように認識しているのか、お答えください。  2つ目は、台東区の夜間小児救急を台東病院で実施すべきと考えますが、区長の所見をお答えください。  3つ目は、18歳までの医療費無料化に踏み切る考えは今もありませんか、ご答弁お願いします。  最後に、区民生活を直撃する消費税増税についてです。  消費税が10%に増税されたらどうなるでしょうか。年収300万円の世帯で年間約4万円もの負担がふえます。そもそも消費税は所得の少ない人に負担が重くのしかかる最悪の不公平税制であり、日本共産党は消費税の増税には反対です。消費税が5%から8%に上がった後、個人消費は現在も5%の時代に戻っていないことが明らかになっています。今度は10%への引き上げです。経済も暮らしも底が抜け、結局税収も上がらないで、財政再建も進まないことになります。  区民の皆さんと消費税の話をすれば、個人商店の店主は、仕入れの値段が上がれば売り値も変えなくてはならない、売り値を高くすれば売り上げ全体が減るのではと心配であるや、一時的なポイント還元をつくっても、お客さんが買い控えをしてしまえば全く意味がない、複雑な制度をつくるなら、増税はするなと思う。年金暮らしの人は、これ以上何を削ればいいのかもうわからない、医者に行く回数を減らすことを考えなければならないのかなど、強い不安や厳しい意見が相次いでいます。  消費税10%増税の根拠の一つであった、政府の毎月勤労統計調査があります。統計不正は2004年以来のものですが、厚生労働省は2018年1月から不正調査を修正する措置を秘密裏に行っていました。消費税増税の根拠となる賃金構造基本統計調査をはじめとする複数省庁の不正統計調査が明らかになるとんでもない安倍政権です。台東区の31年度予算編成の基本的考え方では、こう書いています。国は、平成31年度の経済見通しについて、同年10月に消費税率の引き上げが予定されている中、各種政策の効果も相まって、雇用・所得環境の改善が続き、内需を中心とした景気回復が見込まれるとしています。勤労統計の不正、賃金偽装の疑いが濃厚になった今、この認識を変えないのでしょうか。  区長、消費税増税の前提が崩れた不正統計は、台東区の31年度の予算編成にはどのような影響があるとお考えですか。台東区議会の第1回定例会、小髙区議の消費税率10%への引き上げによる区民生活の影響についての質問に対し、区長は、少なからず区民生活へ影響を及ぼすものと考えていますと答弁をしています。区民生活に影響を及ぼすものは、自治体の長として反対の声を上げるべきです。区長、消費税増税はきっぱり中止を表明し、区民生活と景気を壊す消費税の10%増税を取りやめるよう、政府に申し入れるべきではありませんか、お答えください。  国の悪政から区民の生活を守り、区民の生活を温める台東区政になることを求め、私の質問を終わります。(拍手) ○議長(河野純之佐 さん) ただいまの質問に対する答弁を求めます。  区長。          (区長服部征夫さん登壇) ◎区長(服部征夫 さん) 鈴木昇議員のご質問にお答えいたします。  ご質問の第2は、子供医療についてです。  まず、小児医療は、子供の健康を守るとともに、安心して子育てをするためにも重要であると認識しています。そのため、永寿総合病院に政策的な補助を行い、小児医療の安定的な確保に努めています。また、診療時間外の小児初期救急医療に対応するため、医師会に委託し、台東区準夜間・休日こどもクリニックを実施しています。さらに、地域の小児科医を講師とした健康学習会を開催し、子供の病気やけがの対処法などの普及啓発にも努めているところです。  次に、台東病院における夜間の小児初期救急の実施についてです。  台東病院は、高齢者医療の拠点病院として整備しているため、実施に当たってはさまざまな課題があり、現状では難しいと考えております。  次に、18歳までの医療費無料化についてです。  区では、中学校3年生までの児童を対象に医療費及び入院時の食事療養費を助成しています。また、ひとり親家庭や障害のある子供を養育している家庭を対象として、18歳までの医療費助成事業を実施しています。子ども医療費助成における18歳までの医療費無料化については考えておりません。  ご質問の第3は、消費税率の引き上げについてです。  まず、区の予算編成に対する各省庁の基幹統計の影響についてです。  平成31年度予算編成に当たっては、国の経済見通しを踏まえ、国の制度改正や社会経済状況の変化に対応しつつ、これまで取り組んできた各施策を着実に実施できるよう、予算配分に努めたところです。現在、国で議論されている基幹統計は、国の各種政策の基礎となるものであり、調査手法等について検証が進められています。区としては、国の動向を注視し、必要に応じて適切に対応してまいります。  次に、消費税率引き上げ中止の申し入れについてです。  消費税率については、平成28年11月に法律が改正され、本年10月からの引き上げが決定しています。この決定に当たっては、国において適切に判断したものと考えており、国への申し入れについては考えておりません。  その他のご質問につきましては、教育長がお答えいたします。 ○議長(河野純之佐 さん) 教育長。          (教育長矢下 薫さん登壇) ◎教育長(矢下薫 さん) 鈴木昇議員の子供の教育環境についてのご質問にお答えさせていただきます。  まず、教育の私費調査の実施と学校教育費用の全額公費負担についてでございます。  区立小・中学校、幼稚園、こども園の私費負担につきましては、規則に基づく各学校園が作成する学校徴収金会計管理計画の教育委員会への報告、東京都教育委員会が実施する保護者が負担する教育費調査、また、各学校園からの情報提供などにより実態把握を行っているところでございます。教材に要する経費につきましては、区が負担することが原則であり、本区におきましても消耗品や備品の購入に係る経費は公費で負担しております。  一方、笛や絵の具など、専ら本人が消費、使用するものにつきましては、その利益が本人に還元されることから、実費を負担していただいており、このような経費負担の考え方に基づき、教材費等を保護者に負担していただいているところでございます。  経済的に困難な家庭につきましては、就学援助制度等により経済的な支援を行っており、議員ご提案の私費負担全額を公費で負担することにつきましては、現時点では考えておりません。  次に、学校給食費の無償化についてでございます。  給食費につきましては、経済的に支払いが困難な場合には、同様に就学援助制度がございますので、議員ご提案の無償化につきましては、現時点では考えておりません。  教育委員会といたしましては、給食が引き続き食育の教材として活用できるよう、安全で質の高いものを提供してまいります。 ○議長(河野純之佐 さん) 以上で、一般質問は終了いたしました。  ────────────────────────────────────────── ○議長(河野純之佐 さん) これをもって本日の会議を閉じ、散会いたします。          午後 4時28分 散会                 議長    河  野  純 之 佐                 議員    君  塚  裕  史                 議員    青  柳  雅  之...