台東区議会 > 2018-10-19 >
平成30年 決算特別委員会-10月19日-01号

  • ヘイトスピーチ(/)
ツイート シェア
  1. 台東区議会 2018-10-19
    平成30年 決算特別委員会-10月19日-01号


    取得元: 台東区議会公式サイト
    最終取得日: 2021-09-13
    平成30年 決算特別委員会-10月19日-01号平成30年 決算特別委員会 決算特別委員会会議録 (総 括 質 問) 1 開会年月日   平成30年10月19日(金) 2 開会場所    第1会議室 3 出 席 者   委員長 君 塚 裕 史    副委員長 田 中 伸 宏   (16人)   委員  鈴 木   純    委員   伊 藤 延 子           委員  髙 森 喜美子    委員   堀 越 秀 生           委員  寺 田   晃    委員   早 川 太 郎           委員  冨 永 龍 司    委員   小 髙   明           委員  小 坂 義 久    委員   小 菅 千保子           委員  寺 井 康 芳    委員   木 下 悦 希           委員  伊 藤 萬太郎    議長   河 野 純之佐 4 欠 席 者   (0人) 5 委員外議員
      (0人) 6 出席理事者   区長                    服 部 征 夫           副区長                   荒 川 聡一郎           教育長                   矢 下   薫           技監                    西 野   仁           企画財政部長                佐 藤 徳 久           企画課長                  前 田 幹 生           経営改革担当課長              福 田 健 一           財政課長                  酒 井 ま り           用地・施設活用担当部長           箱 﨑 正 夫           総務部長                  髙 栁 正 治           総務部参事                 野 村 武 治           区長室長                  柳 川 清 一           総務課長              (総務部参事 事務取扱)           人事課長                  内 田   円           広報課長                  横 倉   亨           経理課長                  雨 宮 真一郎           危機管理室長                松 本 浩 一           区民部長                  望 月   昇           区民部参事                 吉 田 美 生           税務課長              (区民部参事 事務取扱)           文化産業観光部長              河 井 卓 治           産業振興担当部長              梶   靖 彦           福祉部長                  吹 澤 孝 行           健康部長                  齋 藤 美奈子           台東保健所長                小 竹 桃 子           健康部参事                 松 本 加 代           保健予防課長            (健康部参事 事務取扱)           環境清掃部長                飯 島 守 人           都市づくり部長               伴   宣 久           都市づくり部参事              原 嶋 伸 夫           都市計画課長         (都市づくり部参事 事務取扱)           土木担当部長                岡 田 和 平           会計管理室長                嶋 田 邦 彦           教育委員会事務局次長            田 中   充           選挙管理委員会事務局長           齊 藤   充           監査事務局長                中 沢 陽 一 7 議会事務局   事務局長      石 野 壽 一           事務局次長     伊 東 孝 之           議事調査係長    行 田 俊 男           議会担当係長    松 江 勇 樹           書  記      堀 場 奈保子           書  記      西 村 健 志           書  記      鴨 野 正 徳           書  記      諏 訪 ゆかり           書  記      髙 保 郁 子           書  記      池 田 道 則           午前10時00分開会 ○委員長(君塚裕史) ただいまから、決算特別委員会を開会いたします。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ○委員長 はじめに、区長から挨拶があります。 ◎服部征夫 区長 おはようございます。本日は各委員の総括質問に答えさせていただきますので、よろしくお願いします。 ○委員長 よろしくお願いします。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ○委員長 次に、傍聴についておはかりいたします。  本日提出される傍聴願については、許可いたしたいと思いますが、いかがでしょうか。           (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○委員長 ご異議ありませんので、そのように決定いたしました。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ○委員長 本日は、総括質問を行います。  質問者と質問事項については、お手元にお配りいたしました一覧表のとおり通告されておりますので、通告順に従い、ご指名いたします。  質問、応答に当たりましては、一覧表に記載された大きな項目ごとに順次質問し、応答されるようお願いいたします。  なお、本日は多数の委員の質問が予定されておりますので、質問者におかれましては、総括質問の性格を踏まえ、単なる質疑や各会計における質問の繰り返しにならないよう、また、重複を避け、趣旨をわかりやすく簡明にされるよう、ご協力のほどよろしくお願いいたします。  次に、質問時間については、各派ごとの持ち時間制となっております。  本日の各会派の持ち時間は、台東区議会自由民主党59分、たいとうフロンティア59分、台東区議会公明党48分、つなぐプロジェクト37分、日本共産党台東区議団37分であります。  持ち時間には答弁時間を含みません。また、質問席及び答弁席を設けましたので、よろしくお願いいたします。  それでは、質問に入ります。  台東区議会自由民主党髙森喜美子委員。  自由民主党の発言時間を表示いたしましたので、ご確認ください。  それでは、質問をどうぞ。  髙森委員。 ◆髙森喜美子 委員 おはようございます。自由民主党の髙森喜美子でございます。  平成最後となります決算特別委員会、総括質問のトップバッターを務めさせていただきます。  それでは、早速、本題に入ります。自由民主党は、東京都台東区一般会計、東京都台東区国民健康保険事業会計、東京都台東区後期高齢者医療会計、東京都台東区介護保険会計、東京都台東区老人保健施設会計、東京都台東区病院施設会計について認定いたします。  委員会における各委員の意見を十分に考慮し、行政に反映することをお願い申し上げ、総合的観点から区長に総括質問をさせていただきます。  はじめに、税収について伺います。  平成29年度は区制施行70周年の節目の年でした。東京の中心区である台東区の歴史の中でも、戦後の苦しいときから今日までの道のりは、その時々の努力の結果で、先人の功績を忘れてはなりません。経済成長を実現した昭和から、地方分権を進めた平成、そして、今日、高齢社会、少子化が進み、日本全体の人口減少局面に差しかかってきました。殊に地方の危機感が大きくなると、東京一極集中に歯どめがかからないと白羽の矢が向けられ、地方税である法人住民税法人税割を一部国税化し、特別区は628億円の減収、さらに来年度以降、拡大の方向性が示されています。また、30年度税制改正において、地方消費税、清算基準の見直しで、特別区の減収は380億円となり、消費税の趣旨である税収を最終消費地に帰属させる基準から外れています。そして、ふるさと納税についても、30年度は特別区民税の減収が312億円となる見込みで、4年前のスタート時点の34倍にもなります。豪華過ぎる返礼品がふるさと納税の獲得競争に拍車をかけ、趣旨から逸脱していると総務省も問題視して話題になりました。地域間の税収格差は国税により地方交付税として調整されてきましたので、これらの特別区の税収にかかわる国の動きは先人たちが築いてきた地方分権や地方税の基本原則をゆがめるものであり、日本経済を先頭を切って支えてきた東京の人と企業の努力を軽視するものであると憤りを感じます。  本区における、ふるさと納税の影響は、29年度特別区民税3億7,523万円ほどの減収で、25年度と比べると43倍にもなります。納税により、品物がもらえることはこれまでに前例がなく、義務として払っていたのに、米や牛肉、カニなど返礼品を選ぶことができて送ってもらえ、納税もできるのであれば、返礼品はただでもらえたような感じがし、得した気分になることは間違いありません。  ふるさと納税をした方は返礼品分を得して、普通に特別区民税として納税した方々の税金で同じように行政サービスを受けるわけですから、公平性の観点から疑問です。減収による行政サービスの低下も起こしかねません。23区の中にはふるさと納税を始めたり、ガバメントクラウドファンディングによる事業など、新たな収入確保を導入している区もありますが、区長は税収への影響をどのように感じ、対策をお考えでしょうか、お聞かせください。  一方で、どこの自治体へでもふるさと納税できる現状を考えると、税に対する区民の認識を喚起し、納めた税金がどのような行政サービスに生かされ、どのように生活に還元されているのか、区民に知っていただくことが大切になってくると考えます。予算書、決算書、行政コスト計算書事務事業評価など、全て公表されていますが、区民の心にどれだけ届いているでしょうか。利用する施設やサービスの事業ごとに係る経費についても明確化し、表示して、納税者である区民の理解と税の大切さを再認識していただけるように努力する必要があるのだと考えますが、区長のご見解をお聞かせください。  服部区長就任以来、国立西洋美術館世界遺産登録の成功や朝鮮通信使のユネスコ世界の記憶への登録など、世界に認められる結果が出ました。服部区長が進めた産業フェアや海外への投資の拡大、観光バスの予約システムの導入、小・中学校への体育館のエアコン設置、区有施設のLED化の加速、情報システムのクラウド化、妊娠から出産・子育ての切れ目ない支援と産後ケアの導入など、将来につながる事業の展開を評価いたします。さらに、安倍政権誕生以来、景気は順調に回復し、本区においても人口が増加し、ふるさと納税の影響以上に、納税者の増加と景気回復の効果が大きく、順調な財政状況となっています。この時期だからこそ、将来への投資として積極的施策の展開も必要と考えます。区長はこの先、どのようなことを意欲的に進めたいのか、具体的施策があればお聞かせください。 ○委員長 区長。 ◎服部征夫 区長 髙森委員のご質問にお答えいたします。  まず、ふるさと納税の影響についてです。  ふるさと納税制度は、地方行政への関心と参加意識を高めることを目的として創設されたものです。事業の趣旨や内容を具体的に示して寄附を募集する、いわゆるガバメントクラウドファンディングを導入する自治体があることは私も認識をしています。  一方で、制度の趣旨に反して過剰な返礼品を用意し寄附を募集する事例があるなど、課題もあると考えております。  本区におけるふるさと納税制度の活用による効果や課題について、他自治体の動向も見きわめながら、新たな収入確保策も含めて、引き続き検討を進めてまいります。  次に、区民の税に対する認識についてです。  区民の納めた税金がどのような行政サービスに生かされ、還元されているか、事業ごとに係る経費を明確化することで、区民の税への関心を高めることは重要であると私も認識をしています。これまで、区では税金の使途や事業ごとのコストについて、広報たいとう区公式ホームページに掲載し周知するとともに、税に対する意識の啓発に努めてまいりました。特に中学生の税についての作文は、区内の応募率が、これは全国的にも高水準であり、税の使われ方や大切さを理解した大変すばらしい内容です。中学生の皆さんにも税の知識と理解が着実に深まっていると実感しています。区民の税に対する認識を深めるための新たな手法については、今後、他自治体の事例を参考にしながら検討してまいります。  次に、施策の展開についてです。  社会が大きく変革する中にあって、区民生活や経済活動を守り支えることが、基礎的自治体の長としての私の責務であると認識をしています。現在、新たな基本構想に掲げる将来像である「世界に輝く ひと まち たいとう」の実現を図るために、長期総合計画を構成する施策の検討を進めています。今後の施策の展開につきましては、区民生活を支える基盤となる安全安心の取り組みを推進し、本区に住み、働き、訪れる全ての人が希望と活力にあふれ、生き生きと活躍することができるよう、台東区のさらなる発展に向けて全力を傾注してまいります。 ○委員長 髙森委員。 ◆髙森喜美子 委員 ありがとうございます。区長の将来に対する意気込みを聞かせていただきました。21世紀を担う子供たちも、今、学校で勉強しています。ICTが進んでいく中で、タブレットの導入などもぜひ早急に進めていただきたいと、お願いを申し上げておきたいと思っております。  それでは、次に、水害対策の強化について伺います。  ことしは夏の猛暑や地震、豪雨、台風など自然災害に見舞われて大きな被害の爪跡を各地に残しました。東京は幸いなことに大きな被害は避けられていますが、各地の状況は思いもかけない、想定外の事態が発生することを認識させ、大きな教訓を示していると思います。  大阪北部を震源とする6月18日午前7時58分に発生したマグニチュード6.1、最大震度6弱の地震では、大阪高槻市の小学校のブロック塀が崩れて、児童が犠牲になった痛ましい事故に衝撃を受けました。一見、丈夫そうなブロック塀は、地震の揺れでブロック部分が40メートルにわたり道路側に倒れました。実は、建築基準法に違反する構造で老朽化もあったのですが、ふだんは誰も気づかずに盲点でした。その後、全国の通学路のブロック塀を点検するよう、国は全国に通達し、安全の確保が進められました。本区でもブロック塀の点検と改修が進んでいるところでございます。  7月の西日本豪雨は、活発化した梅雨前線が停滞し、記録的大雨による被害を各地に及ぼしました。岡山県倉敷市では、堤防が決壊して、広範に家屋が水につかり、九州、中国、近畿、四国地方でも土砂崩れや河川の氾濫が相次ぎ、死者200人を超える最悪の豪雨被害となってしまいました。このときの雨の降り方は、これまでの経験を超える降雨量で、ダムの水が満水となり放流を余儀なくされたことも、下流の被害につながったのではと批判されました。
     このような事態が東京で起こらない保証はありません。豪雨による被害の予想はハザードマップが作成され、荒川決壊時の浸水予測も公表されています。しかしながら、区役所の水害に対する備えは、震災対策、防火対策が進んでいるのと比較して、おくれていると感じます。区民の生命、財産を守る自治体として、災害対策本部の備品の充実や本庁舎をはじめとする区有施設の水害対策について見直し、強化すべきと考えますが、区長のご所見をお伺いいたします。  また、都市部における地下の利用は進んでおり、公共交通機関、地下通路、地下駐車場、地下商店街、地下飲食店など広さや利用の仕方はさまざまであり、所有者の責任で管理することとなっていますが、水害時の危険の認識は不十分で、地下所有者、管理者への啓発や利用者の安全確保策の啓発が必要と思います。区長のご所見をお伺いいたします。  また、消防団は台風や大雨が降る状況の中、水防非常配備体制が発令されると、分団小屋に参集し待機しています。地元の状況を常に把握している消防団であり、災害時の防災リーダーでもありますが、水害時の装備は十分とは言えません。装備の充実を東京都に要請すべきと思いますが、区長のお考えをお聞かせください。 ○委員長 区長。 ◎服部征夫 区長 ご質問にお答えいたします。  まず、災害対策本部の備品の充実についてです。  水害時においても、災害対策本部の活動を円滑に運営するための備品を充実していくことは必要であり、他地域の災害の教訓を踏まえつつ、今後も備品類の充実を図ってまいります。  次に、区有施設の水害対策についてです。  本庁舎については、浸水時に備え、平成28年度に非常用発電機1台を屋上に増設し、災害対策本部等に3日間、電力の供給が可能となりましたが、庁舎の構造上、水害への万全な備えは厳しい状況にあります。一方、本庁舎以外の区有施設では、改築時等に可能な限り、電気設備を上層階へ移設するなどの対応を行っています。区有施設は区民の生命、財産を守る上で、災害時の拠点となりますので、本庁舎が機能不全に陥った場合には、本部機能を谷中防災コミュニティセンターに移転し、行政機能の維持に努めます。今後、水害に備えた先進的な施設の導入事例を引き続き研究し、区有施設の維持、向上に努めるとともに、水害時における事業継続計画についても検討してまいります。  次に、地下施設における危険性の啓発と消防団の装備品の充実についてです。  地下施設は、閉鎖的な空間であるため、浸水が始まると水位の上昇が早く危険性が極めて高い場所であることは私も認識しています。区では、水害ハザードマップに地下施設の場所や危険性を記載し、注意喚起をしているところです。今後は、マップを活用した訓練や防災講話等で、地下施設における危険性を啓発してまいります。  また、消防団の装備品についても、地域の意向を把握した上で、より一層充実を図るよう、これは東京都に要請してまいります。 ○委員長 髙森委員。 ◆髙森喜美子 委員 ありがとうございます。災害はいつやってくるかわからない、しかも、最近は想定を超えるということでございますので、よろしくお願いを申し上げます。  次に、若者支援についてお伺いをいたします。  平成30年度の文部科学省が公表した未就学から大学卒業後までの進路を追った、学校基本調査によると、中学校から高等学校等への進学率は98.8%で、29年度と同じ数字で高等学校等就学支援金が支給されるようになり、家庭の経済状況にかかわらず、高校進学の機会が得られるようになりました。しかしながら、文部科学省の調査によれば、平成27年度の高等学校中退者は4万9,263人、1.4%、不登校者は4万3,563人、1.5%です。全日制高校では出席日数が足りず単位が取得できなければ、留年や退学となることから、退学者の中には不登校者が多く含まれていると考えられます。中退後の進路は働いている56%、在学中31%、求職中14%と続き、働き方としてはフリーター・アルバイトが76%で、正社員は17%、家業・事業6%の順になっています。退学後に再び学業に進んだ31%では、通信制高校が50%、全日制、定時制高校が33%、大学11%と続いています。いずれの場合でも、社会的に不安定な要素が多く、経験や社会の仕組みについての知識も少ない中で、相談する相手がわからなく困ることが多いそうです。中には、ひきこもりや家庭内暴力、非行など問題が複雑化、長期化し、家族もどうしてよいのかわからない状況に陥るケースもあるほどです。  台東区における若者の支援体制は緒についたばかりですが、極めて重要な事業と評価いたします。若いときのつまずきは支援次第で立ち直りも早く、適応性もあり、軌道修正しやすいと言われています。子育て支援では、妊娠期から切れ目のない支援が実現しています。今後は、中学校卒業以降も、必要な方には切れ目のない支援体制の充実と、わかりやすい相談窓口を設置すべきと考えます。区長のお考えをお聞かせください。  また、区の就労支援事業の利用者は少ない状況です。高等学校卒業、中退者のみならず、大学卒業後、進学も就職もしない人の割合は7%、約3万9,000人いると言われています。このことを考えると、行政サービスが最も受けにくい世代であり、若者からの関心も低いことは予想されます。職探しはインターネットでもできる時代ですが、地に足のついた就職活動となるためには、基本的知識も必要ですし、若い人たちのニーズも考慮に入れ、必要な情報が届くよう周知のあり方にも工夫をしていただきたいと存じます。区長のお考えをお聞かせください。  また、2019年4月1日からは、働き方改革関連法が順次施行されます。時間外労働の上限規制が導入され、人手をふやす必要に迫られる企業も出てくると考えられます。正規雇用と非正規雇用の労働者間の不合理な待遇格差は禁止されます。大学生の就職活動の規制をなくしたい動きもあり、中小企業にとっては人材の確保にかかわる大きな事態と深刻に受けとめているところもあるようです。人手不足の区内中小企業と働きたい若者をマッチングさせる機会の充実が必要です。また、特に就業に困難を感じる若者に対しては、継続した支援を行いながら就業につなげる対策を講じていくべきです。区長のご所見をお聞かせください。 ○委員長 区長。 ◎服部征夫 区長 ご質問にお答えいたします。  まず、若者支援の充実とわかりやすい相談窓口の設置についてです。  若者への支援体制については、ひきこもりなど、社会的な自立が困難な状況にある若者とその家族を支援するため、常設の相談窓口のほか、ひきこもりについての講演会や家族同士の情報交換の場を提供しています。ひきこもりや不登校などは、本人の心境や家庭環境など、その要因が複雑であり、長期化することもあるため、早い段階から継続的に支援を行っていく必要があります。現在、実施している次世代育成支援に関するニーズ調査において、これまでの中学生、高校生相当の調査に加え、18歳から39歳までを新たな対象とし、若者のニーズやひきこもりの実態等の把握に努めています。今後は調査結果をもとに、教育委員会と連携しながら、相談窓口を含めた支援体制の充実を図ってまいります。  次に、若者の就業支援についてです。  区では、若者や女性などを対象に、それぞれの課題やテーマに沿ったセミナーを実施するなど、就業に向けた支援を実施しています。私も若者に対して、必要な情報を確実に届けることが重要であり、一層のアプローチが必要と考えています。今後は、SNSを通じて就職に関する興味、関心の高い情報を発信してまいります。  次に、企業と若者の就業支援の強化とマッチングについてです。  区では、区民の就業機会を創出するために、ハローワーク等の関係機関と連携し面接会を実施しています。今後とも関係機関と連携を図りながら、求人企業と就職したい若者のマッチング機会を充実してまいります。  また、就職に困難を抱えており、このような事業や支援機関を利用できていない若者もいると認識をしています。区では、就業相談員を配置し、若者が抱える不安や課題を把握した上で、適切な関係機関につなぐなど支援を行っています。今後は、継続した支援が必要な方には就職後のフォローまでを一体となって行える就業支援の仕組みを、関係機関とともに検討してまいります。 ○委員長 髙森委員。 ◆髙森喜美子 委員 大変、若者にとって力強いご答弁をいただきありがとうございました。  それでは、次に進みます。多様性を認め合う社会の実現について伺います。  男女差別、外国人差別、障害者差別のない社会を実現するために、法が整備され機運が醸成されてきました。基本的人権は民主主義の根幹であり、日本国憲法の柱の一つです。基本的人権とは、人間が人間である以上、人間として当然持っている権利と辞書に記されています。自由権、生存権などの社会権、参政権、受益権などが明記され、法的整備もされているところです。  しかしながら、社会生活におけるお互いの人権の尊重について、どのように理解されているのでしょうか。私は、教育学の教授から、次のようにお話をいただいたことが印象に残っています。自分は世界でただ1人の大切な存在である、同じように隣の人も世界でただ1人の大切な存在なのだと。人は姿、形、考え方、感じ方、時代や自然を含む生活環境など違いがあり、その違いを認め合うことこそ、社会生活の大前提になると思います。そして、残念ながら100%完璧な人間はいないので、お互いが助け合う関係をつくっていかなくては、間違いが起こりやすいと思うのです。ことし、スポーツ界で起きたパワハラ問題、アメリカのセクハラ被害を訴えたMe Too運動、LGBT当事者の訴えなど、今日の社会においても多様性を認め合うことへの認識は、立場のいかんを問わず深めていかなければならないと感じています。  本区では、私たち女性議員が中心となり、全会派のご理解のもと、東京都台東区男女平等推進基本条例策定に向けて議論を重ね、平成26年、全議員が提案者となり、第4回定例会で可決、平成27年1月1日に施行しています。先日、東京都において性自認及び性的指向を理由とする不当な差別的な取り扱いの禁止について定めた条例が可決されたと聞きましたが、私たちは既に台東区男女平等推進基本条例策定の過程で議論済みです。第7条の中に、性別、性自認及び性的指向を含むに起因する差別的な取り扱い、その他の性別に起因する人権侵害を行ってはならないと定めています。本区の条例が施行されてから3年以上が経過しており、条例の理念である、誰もが自分らしく生きていける社会を実現するために、具体的な取り組みという形にしていく時期に来ています。5月には、男女平等に関する台東区区民意識調査を実施されていますので、結果をもとに計画的かつ具体的に取り組む必要があると考えますが、区長のお考えをお聞かせください。 ○委員長 区長。 ◎服部征夫 区長 ご質問にお答えいたします。  多様性を認め合う社会の実現を目指す、髙森委員の思いについては、私も同様です。性自認、性的指向を含む性別による差別的な取り扱いなどの人権侵害をなくすための具体的な取り組みについては、平成32年度から5年間を計画期間とする台東区男女平等推進行動計画の改定の中で、具体的な内容をさらに検討し、計画事業として位置づけてまいります。  台東区男女平等推進基本条例の理念であります、互いの違いや多様な生き方を尊重し、誰もが自分らしく生きられる社会の実現に向けた取り組みを、より一層進めてまいります。 ○委員長 髙森委員。 ◆髙森喜美子 委員 どうもありがとうございました。これで、私の総括質問を終わらせていただきます。 ○委員長 髙森喜美子委員の質問を終わります。  台東区議会自由民主党、鈴木純委員。  それでは、質問をどうぞ。  鈴木委員。 ◆鈴木純 委員 おはようございます。自民党2番手の鈴木純です。今回、4点、具体的にご質問させていただきますので、ご答弁をよろしくお願いいたします。  1点目の質問に入ります。今後のたばこ税と区の環境整備について伺わせていただきます。  日本たばこ協会は、2018年8月の紙巻きたばこ販売数量は118億本、販売代金は2,580億円であったことを発表いたしました。この販売数量は、前月同月比10.9%減、売り上げ代金は10.3%減であり、9カ月連続で前年同月を下回っています。たばこの販売数量については、年々減少の一途をたどり、販売数量が3,483億本だったのは、たばこの需要がピークに達していた1996年、現在ではその半分にまで落ち込んでいるのが現状です。  一方で、販売代金については販売本数よりも落ち込みが緩やかでありますが、1箱当たりの料金が上がっているため、販売本数ほどの影響が数字上にはあらわれていません。たばこの値上げは喫煙者にとってうれしくないニュースになりますが、今月10月からは再びたばこ税の増税が行われ、1本当たり1円の増税となり、それに伴い日本たばこ産業でもたばこの値上げが行われました。たばこ税は、今後もさらに増税される予定となっていて、喫煙者の懐事情はますます厳しくなっていくことが予想されます。  しかし、値上げを好ましく思わない喫煙者がいる一方、現状でたばこを購入していない非喫煙者からは多くの歓迎の声が上がっているのも事実です。たばこ税増税について賛成と回答したのは、全体の7割にも上り、こうした結果からも喫煙者の肩身の狭さがうかがえます。日本たばこ産業の調査によれば、1966年は男性の喫煙率がピークでしたが、83.7%まで上昇した当時の喫煙率と比べ2018年の喫煙率は27.8%まで減少しているため、本区においても比例するように、たばこ税の歳入は28年度に比べても、29年度は1億2,000万円減の約33億3,000万円となっており、今後の見込みも減収されると想定されています。また、現在でも年代別に見ると、30代から50代の働く世代については喫煙率が35%前後で推移しており、ストレス社会の中でたばこを手放せずにいる現状を推測させます。  喫煙者の方針を聞くと、今後もたばこはやめないとの声も多く、しかし、値上げによる喫煙本数の減少が続いていく可能性は高くなると思われます。受動喫煙防止を強化している東京都では、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会開催に合わせて、飲食店の原則的な全面的な禁煙が予定され、諸外国に比べれば依然として喫煙率が高い傾向にある日本ですが、健康志向の高まりなどから、たばこ離れが進んでいることも事実です。全面禁煙が掲げられるのは時代の流れとして捉えられている風潮もあり、現状を見る限り、今後ますます喫煙者が減少していくことは避けられないと考えられます。  そこで、区長に伺わせていただきます。近年、たばこを取り巻く環境は大きく変化しています。その中で、区の貴重な一般財源である特別区たばこ税について、今後、どのように税収を確保していくのか、区長の所見を伺います。  また、喫煙する人、しない人の共存を目指す本区は、どのような喫煙環境にしていくのか、あわせて伺わせていただきます。よろしくお願いします。 ○委員長 区長。 ◎服部征夫 区長 鈴木純委員のご質問にお答えいたします。  全国の喫煙率はJTの調査ですが、17.9%で過去最低となっており、健康増進法等の改正などを踏まえると、今後も喫煙人口は減少していくものと考えています。  しかし、特別区たばこ税については、本区の貴重な財源であると認識をしており、今後ともJTやたばこ販売者協議会と連携し、税収の確保に取り組んでまいります。  また、区の喫煙環境については、駅周辺や繁華街などを中心に22カ所の喫煙スポットを整備するとともに、喫煙マナー指導員が巡回し、ポイ捨ての防止を呼びかけています。今後、喫煙環境が大きく変化することが予想されますが、都の公衆喫煙所整備などの支援制度を活用し、喫煙する人としない人の双方が共存できるような環境の整備を、さらに図ってまいります。 ○委員長 鈴木委員。 ◆鈴木純 委員 ありがとうございます。約2年後ですね、さらに法律や都条例で厳しくなっていくことがもう確実になっています。その後、さらに税収が減る、ただ、どこまで減るかは本当にわからない状況ではありますが、それが貴重な一般財源でありますので、今後の、来年とかではなく、また数年後の予算編成に影響も可能性があるので十分注視していただきたい。そして、基本的には吸わない方を優先に考えた施策を進めていただきたいと私は思っています。  次の質問に入らせていただきます。続いて、第2問目はワークライフバランスについて伺わせていただきます。  ワークライフバランスは、仕事と生活の調和を意味し、もともとは1970年代以降の欧米で、働きながら子育てをする人や長時間労働によるストレスで健康を損ないつつある労働者が増加したことを背景に、こうした人々に必要なものとして用いられた言葉だそうです。近年の日本では、個人のライフスタイルやライフステージに応じた多様な働き方の実現を目指す考え方の意味で用いられる、ホワイト企業、ダイバーシティなどの言葉とともに、ワークライフバランスという言葉もかなり普及してきました。企業の働き方改革の上で、ワークライフバランスの向上は欠かせない取り組みです。  しかし、その一方で育児休暇、介護休暇、残業時間の削減、余暇の充実などを思い浮かべる人は多いかもしれません。そのため、業務時間が減ることで仕事の質が低下するのではと懸念する人も少なくありません。そして、その誤解に基づいた企業風土が、企業のワークライフバランス推進を妨げていると考えられます。実際のところ、ワークライフバランスの向上は従業員にとっても、企業にとっても、さまざまなメリットがあります。あえて3つ上げさせていただきますと、1つは限られた時間を大事に使うことで、時間生産性の向上、2つ目は社員のストレスが減って仕事への意欲も上がる生産性の向上、3つ目は時間制約がある社員が働ける体制は、企業のリスク対応力を高めると言われています。  ワークライフバランスは単純に休みをふやすことではなく、仕事と生活を調和させ、その両方を充実させる生き方、働き方であり、その人の置かれた状況に応じて働くことのできる社会を目指し、働く人々の心身の健康を維持し、仕事へのモチベーションを高め、人生の質をも高める取り組みです。ワークライフバランスを実現するためには、職場での情報共有や仕事の進め方の見直しが必要です。そうすることで、育児などの長期休暇、時短勤務、突発的な休みに備えられ、職場は人が抜けても対応できるようになります。ワークライフバランスが提唱されてから、育児休暇の取得や短時間勤務を推奨する企業もふえましたが、実際には制度があっても、例えば戦力外だとみなされるのでは、また、家庭の事情で帰るなんてやる気がないと思われるのではなどの不安があり、十分に利用されていないという現状もあります。その点で言えば、多様なライフスタイルや価値観を受容できる職場風土の改革が、ワークライフバランスの土台ということも言えます。すばらしい制度があっても、結局使われないのでは意味がありません。多様な生き方を受容する風土づくり、働き方改革を進めることがワークライフバランスの核と考えられます。  そこで、区長に伺います。本区においては、ワークライフバランスを普及、推進させるため、ワークライフバランス推進企業認定制度を行っており、平成28年度に5社、29年度に8社を認定しており、本年度も既に11社からの申請があったということで、区内にワークライフバランスが順調に浸透しつつあると考えます。この事業については、申請をすればコンサルタントの派遣を依頼できるという、企業側にとっても非常にメリットがある制度だと考えておりますので、今後、ますます広げていってほしいと思います。今後、認定制度と並行しつつ、ワークライフバランスに取り組むことの意義やメリットを周知することにより、企業の経営者、従業員の双方に対して意識改革を働きかけていくことも重要だと考えます。今後、どのように取り組んでいくのか、区長のご所見を伺います。 ○委員長 区長。 ◎服部征夫 区長 ご質問にお答えいたします。  私も鈴木委員同様に、企業の経営者と従業員の双方に対して、ワークライフバランスの意義あるいはメリットを周知していくことは重要であると認識をしています。  区は、これまで台東区産業振興事業団と連携しながら、経営者に対して、ワークライフバランス推進企業認定制度の活用を促してまいりました。また、広報たいとう区公式ホームページによる認定企業の取り組みの紹介や区民を対象とした家庭と仕事の両立に関する講座の実施など、さまざまな機会を捉えて啓発に努めています。  今後は、従業員の一人一人が働き方の見直しを行った取り組み事例を紹介するなど、より具体的な情報提供を行い、鈴木委員ご提案の経営者と従業員の意識改革に向けて、より一層、取り組んでまいります。 ○委員長 鈴木委員。 ◆鈴木純 委員 ありがとうございます。最近では、仕事もプライベートもどちらも充実させて、互いに融合するというワーク・ライフ・ハーモニーという言葉もあったり、また、今のこのワークライフバランスのそもそもの認知度を自分なりに調べたんですが、言葉も内容も知っているというのが20.8%、言葉は聞いたことがあるが内容は知らない、34.4%、言葉も内容も知らないというのが44.7%という、まだまだワークライフバランス、海外に比べておくれている部分もあるんですが、いろいろなメリットがたくさん、企業にとってありますので、さらに進めていっていただきたいと思います。  また、区の職員の皆さんもそうですが、ワークライフバランス頑張っていっていただきたいと思います。区長もたまには休んでください。よろしくお願いします。  3点目の質問に入らせていただきます。障害者スポーツについて伺わせていただきます。  障害者スポーツが日本に取り入れられたのは1951年、それまで病院や施設の中で安静に過ごしてきた障害のある方は、社会復帰の手段としてスポーツを行い、障害のある方が働く機会が乏しかった当時の社会においては、スポーツに参加することは社会とのつながりを得る手段としての位置づけでもありました。そうして、障害者スポーツは長い間、医療と福祉としての領域にとどまることになったそうです。  これまでの社会は障害のない方の多数派の都合に合わせてつくられてきたという歴史がありましたが、そんな中、近年ではバリアフリーやノーマライゼーションという言葉が一般的になり、2016年4月には障害者差別解消法が施行されるなど、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて、今後、障害のある方を取り巻く環境が変わりつつあります。  東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催を2年後に控え、パラスポーツやパラリンピアンの映像をさまざまなメディアで目にする機会がふえてきました。今や国民の98%がパラリンピックという名称を知るようになり、障害者スポーツへの関心が高まっていることがうかがえます。  障害のある方のスポーツは、第2次世界大戦後の傷痍軍人のリハビリテーションの一環として始まりました。パラリンピックの原点と言われている1948年のロンドンオリンピックでは、開会式当日に第2次世界大戦の戦傷者の脊髄損傷患者16名を集めてスポーツ大会を開催したとされており、パラリンピックの歴史はまだ70年足らずであります。その後、徐々に視覚障害、四肢の切断、欠損、脳性麻痺、知的障害を持つアスリートの参加種目が追加され、2020年東京パラリンピックでは22競技537種目が決定し、史上最多の4,400人の参加が見込まれています。  また、パラリンピック以外にも知的障害があるアスリートに継続的なスポーツトレーニングとその発表の場の提供を目的としたスペシャルオリンピックスや、聴覚障害のある方のみが参加する4年に1度の国際大会であるデフリンピックが開催されています。このように、障害者アスリートが活躍する場もふえ、彼らの競技力も目覚ましく向上しています。  一方、障害者アスリートと呼ばれる選手たちの障害はさまざまであり、それぞれが抱える問題も多種多様なため、障害者アスリートをサポートする側の十分な理解も求められています。  そこで、教育長に伺います。一般に障害のある方のスポーツ実施率は、障害のない方に比べて低い傾向にあり、スポーツ庁が2017年3月に発表した、第2期スポーツ基本計画によると、障害がある成人の週1回以上のスポーツ実施率は19.2%になっており、成人の42.5%と比較しても低い水準となっています。スポーツ庁が目指している2022年3月までに、同実施率を40%に引き上げることを目標としているそうですが、本区では体験会、障害者水泳教室、障害者水泳指導者養成講習会を実施するなどの努力によって、スポーツ庁が目標と定めた数字を多く超える57.5%となっていることは大変評価いたします。  一方で、本区における障害者スポーツを体験したことがある区民は、区民全体の1%にとどまっており、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会開催を控え、さらなる普及啓発や事業の拡大がまだまだ必要であると考えます。本区における、これからの障害者スポーツの振興について、教育長のご所見を伺います。 ○委員長 教育長。 ◎矢下薫 教育長 ご質問にお答えをさせていただきます。  障害者スポーツ振興の重要性は、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会を2年後に控え、ますます高まっており、今後も障害者スポーツを推進していく必要があると私も認識をしております。  教育委員会では、平成28年度に台東区スポーツ振興基本計画を策定し、障害者スポーツの推進を基本目標の一つに掲げました。昨年度は区内で障害者スポーツが継続的に実施できる拠点をつくるため、たなかスポーツプラザにおいて、障スポチャレンジを開始いたしました。  また、障害者スポーツを支える人材を確保する観点から、初級障害者スポーツ指導者養成講習会を開催するなど、新たな取り組みを始めたところでございます。  さらに、今年度はシッティングバレーボールの全国大会を本区に誘致し、区民がハイレベルな障害者スポーツの魅力を身近に観戦できる機会を設けるとともに、大会の運営を台東区体育協会や台東区スポーツボランティア、台東区立中学校などと連携して行うことで、区民が参加する場を創出いたしました。  教育委員会といたしましては、今後も引き続き、障害の有無にかかわらず、誰もが輝く共生社会を実現し、後世にレガシーとして引き継ぐため、積極的に障害者スポーツの推進に努めてまいります。 ○委員長 鈴木委員。 ◆鈴木純 委員 ありがとうございます。実施率が1%だったということは、私も実際に障害者スポーツをやったことはないんですが、まさかここまで低いとは思っていなかったので、引き続き努力していただきたいと思います。ありがとうございます。  最後の質問は産後ケアについて伺わせていただきます。  出産は女性にとって一生の中で一番といっていいほどの大仕事です。新しい命を授かることによって、心と体は大きな変化が起こります。ただ、その変化はネガティブなものもあり、精神的には不安定になってしまったり、体は出産をきっかけに大きなダメージを受けてしまいます。そういった状態の産後のママさんを専門的な知識を持ってケアをするのが、一般的に産後ケアと言われています。  産後の体は出血、感染などの発症率が非常に高いと言われており、産後の体の回復には平均するとおよそ半年かかると言われています。また、この時期というのは、妊娠中に胎盤から大量に分泌されていたホルモンが急減に減少することによって、心理状態の変化がとても大きく、さらに育児に不安を持つのもこの時期が一番多いと言われ、最近よく耳にする産後鬱の症状を引き起こすこともあるそうです。産後鬱は将来的な育児放棄や虐待にもつながることが指摘されるなど、深刻な問題を引き起こすケースもあり、症状が重くなると自殺のおそれもあるそうです。  先月、国立成育医療研究センターが発表したデータによると、おととしまでの2年間の人口動態統計を活用し、出産後1年未満に死亡した女性について分析したところ、自殺が92人で最も多く、次いで、がんが70人、心疾患が24人、出血が20人などでした。自殺した時期を見ると、出産後すぐの1カ月で既に10人、その後も続き9カ月で13人など、1年を通して起きていました。2年間で92人、これはおととしまでの2年間にみずから命を絶った、出産後1年未満の母親の人数です。また、産後の鬱は出産した母親の10人に1人の割合であらわれるとされています。産後の鬱のリスクを高める要因は、育児不安やストレスとされているほか、過去の鬱病の病歴や妊娠中からの強い不安などもあると考えられています。さらに、子育てを母親1人で行わざるを得ない、いわゆるワンオペ育児など、家族などの周囲のサポート不足などもあると指摘されています。  このように、産後というのは決してハッピーなだけの時期ではないことがわかります。産後の母親がみずから命を絶ってしまうケースを減らすには、育児をサポートし、母親の心身の負担を軽くすることが不可欠です。母子だけで放っておくのはまずいと認識し、孤立させないよう、周囲がかかわっていく必要があると考えます。  そうした状況で、今、一番求められる策は男性が育児休業をとることではないでしょうか。父親が早い時期から育児や家事にかかわって、当事者意識を持ち、育児の苦労と幸せを母親と共有できれば、追い詰められる母親は減るはずです。しかし、現状では男性が育児休業をとることが困難な人が多い状況であるのも事実です。  そこで、区長に伺います。このように出産後、家族などからの援助を受けられないなどの理由により、育児に不安を抱えている妊産婦の孤立、産後鬱、自殺等を防ぐため、産後ケアによる支援がこれからも重要であると考えます。そこで、現在、区で行っている産後ケアに加え、新たにデイサービス型、アウトリーチ型のサービスを実施すべきと考えます。区長のご所見を伺います。 ○委員長 区長。 ◎服部征夫 区長 ご質問にお答えいたします。  区では、妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない支援を充実させるため、昨年7月より宿泊型サービスをはじめとする産後ケアを開始したところ、大変これは予想を上回る利用をいただいております。
     鈴木委員ご提案のデイサービス型及び自宅を訪問するアウトリーチ型のケアは、育児不安などの悩みを抱えている母親の身体的回復や不安を軽減することを目的とした産後ケアの一つであると認識をしております。実施に当たっては、実施場所や助産師等専門職の確保など課題もあり、先行自治体等を参考に、今後も検討を進めてまいります。 ○委員長 鈴木委員。 ◆鈴木純 委員 ありがとうございます。本当に産後ケア、今回、私のほうも勉強させていただいて、非常に、このような自殺がたくさんあるということがわかりました。今後も、先ほどのワークライフバランスではないですけれど、こういった区民サービスがワークライフバランスにつながると思います。子育て関係もこれからまた勉強していかなくてはならないんですが、ことし6月に台東区でも、お父さん、お母さんになられた議員の方もいらっしゃるので、そういった身近な声を聞きながら、また、子育て施策を進めていきたいと思います。ありがとうございました。 ○委員長 鈴木純委員の質問を終わります。  台東区議会自由民主党、寺井康芳委員。  それでは、質問をどうぞ。  寺井委員。 ◆寺井康芳 委員 台東区議会自民党の寺井康芳でございます。自民党で最終の質問でありますが、平成29年度の決算を認定する立場で質問をさせていただきたいと思います。  まずはじめに、特別区交付金と国庫支出金、都支出金についてお伺いをいたします。  都区財政調整制度は、都が行う大都市事務に市町村税を充てるために、都区間で財源を配分する機能、財源配分機能であります。個々の区に対する財源を保証する財源調整機能、そして、財源保証機能を持つ制度であります。  制度の財源につきましては、東京都が課している市税相当分のうち、市町村民税法人分、固定資産税、そして、特別土地保有税、これは平成15年度から課税停止をされております、いわゆる調整3税であります。交付金の総額につきましては、調整3税の収入額の55%が特別区交付金の原資となり、このうちの95%が普通交付金、5%が特別交付金として交付されているものであります。特別区55%、東京都45%の配分割合は、地方自治法により、毎年度の都区協議会における都区の合意に基づいて、都条例で定められることになっております。都区間の申し合わせにより、大きな税財政制度の改正や都区間の役割分担の見直し等の変更があった場合には、見直しを協議することとしているのであります。  なお、算定の結果、各区の財源不足額の合計が普通交付金の総額を超える場合は、総額に見合うよう、各区の基準財政需要額を割り落とすとしております。普通交付金の基準財政需要額の算定につきましては、各特別区が標準的な行政を賄うのに必要な経費について、国庫支出金等の特定財源を充てる分は除き、一般財源で対応すべき額を算出するということになっております。具体的には、特別区の平均的な規模である、35万人規模の団体を想定し、そこでどのような経費が標準的に必要となるかを設定し、これをもとに人口規模等に応じて増減させることにより、各特別区の必要額を積算する手法がとられているのであります。  平成29年度、協議経過につきましては、平成28年6月の区長会において、都区財政調整協議に向けた大枠の方向性等について決定、平成28年12月の都区財政調整協議会から始まり、財政調整協議会と財政調整協議会幹事会での協議を経て、翌年2月の都区協議会で29年度の都区財政調整の内容が正式に決定されているものであります。都区協議会での決定を受けて、平成29年5月に、各区の算定に必要な数値の確認を終えて、8月に各区の当初算定額を決定しているのであります。再調整については、3月末までに各区の算定額を決定するのであります。  そこで、質問でございます。平成29年度の本区への特別交付金は、前年度と比べ約6億円の減となっておりました。その要因についてお伺いいたします。  次に、台東区にとって、交付金をより多く獲得するため、積極的に都区協議にかかわることが必要であると考えますが、台東区は29年度の都区協議の中で、どのような提案をしてきたのかお伺いいたします。  また、今後の都区協議の課題はどのようなものがあるかお教えいただきたいと思います。  次に、国庫支出金、都支出金についてお伺いいたします。  特別区長会の要望で、平成29年度は、新たな介護職員処遇改善加算の創設、生活困窮者に対する就労支援の強化、そして、平成28年度は保育所等整備に向けた補助率引き上げ、そして、区長会の要望としてもう一つ、平成29年度防犯カメラ設置に関する補助率の引き上げ、また、平成28年度の要望では、東京2020大会に向けた案内サイン整備支援の拡大という特別な要望は出しておりますが、大体、国庫支出金、都支出金につきましては民生費あるいは保健衛生費にほぼ重点が置かれているということのように私は思っておりますが、区の歳入となる国庫支出金や都支出金が区の事業費に対して十分ではないと考えますが、国や東京都に対して、区はどのような要望を行ってきたのか、区長にお伺いいたします。 ○委員長 区長。 ◎服部征夫 区長 寺井委員の質問にお答えいたします。  まず、平成29年度の本区への特別区交付金が、ご指摘のように前年度と比べ6億円の減となった要因についてです。主な要因は、28年度に限り算定された公共施設の改築工事費の算定終了による減と特別養護老人ホーム整備費の算定増との相殺によるものです。  次に、29年度の都区協議における本区の提案についてです。  区は実態に沿った算定がされるよう、これまでもさまざまな提案を行ってきたところです。29年度においても、区立小学校のスクールカウンセラーに係る経費の算定充実や、体育の日記念行事に係る経費の新規算定などを提案しました。  次に、今後の都区協議の課題についてです。  都区協議においては、特別区が抱えるさまざまな課題を踏まえ、算定項目の追加、見直し等について、十分な検討を行った上で、特別区長会として意見を取りまとめ提案を行ってまいりました。しかしながら、特別交付金の割合の見直しや都市計画交付金の抜本的な見直しについては合意に至っておりません。特別区の財政需要が適切に算定されるよう、今後とも協議を通じて東京都に求めてまいります。  次に、国庫支出金及び都支出金については、区が安定的で継続的な区民サービスを提供する上で、必要な財源の一つです。区では、これまで国や都に対して、全国市長会、特別区長会を通じて保育所整備や防犯カメラの設置に関する補助率の引き上げなど、施策及び予算に関する要望を行ってきたところです。しかしながら、子育て支援の充実や治安対策の強化、高齢者、障害者サービスへのさらなる対応など、区を取り巻く課題は山積しており、その解決のためには、なお多くの面で制度の改善や財政措置の充実、強化が必要です。今後も区民に最も身近な基礎的自治体として、区民のニーズに的確に対応するため、さまざまな機会を捉えて、国や都に対して、財政措置をはじめとする支援を要望してまいります。 ○委員長 寺井委員。 ◆寺井康芳 委員 23区全体でやっていただいているのはよく承知をしておりますが、台東区が、22区より、より多くの交付金を得られるようにご努力をいただきたいと思います。  次の質問に入ります。特別養護老人ホームについてお伺いいたします。  現在は区内の区立の特別養護老人ホーム、これが6カ所、民間3カ所、そしてまた、区外の特別養護老人ホーム10カ所、合計755名が入所している現状であります。これが、私が議員になりました31年半前、特別養護老人ホーム浅草しかなくて、私は議員になりまして、そういう寝たきり老人を介護しているお宅というのは随分見させていただきました。そうすると、みんなやはり自分のお宅で面倒を見るというふうに頑張るお宅もあったんですが、1年、2年たつと介護するほう、家族の皆さんがくたびれてしまうというような状態を、多くのお家で見ました。そしてまた、この間は10月15日の新聞に介護離職で、面倒見なければならなくなったお宅の家族の方が会社をやめるということで、日本的に経済損失が6,500億円と言われている。そうすると、特別養護老人ホームを建設していくほうが経済的な損失が少ないのではないかという記事が、10月15日の新聞に書かれておりました。また、私の母の例ですか、私ごとで申しわけないんですが、20年前に脳梗塞で倒れまして、即座にもう全身動かなくなって、特別養護老人ホームへ入れるわけありませんから、病院、それから民間の老人保健施設、そこへもう、とにかく3カ月たったら出なければなりませんから、頼んで入れたら、もう次の病院を探すというような状態を4年続けました。あるとき、荒川区の民間の老人保健施設で特別養護老人ホームへ申し込んでいれば、入れるまで大丈夫ですよというふうに言われてほっとしたんですが、谷中の特別養護老人ホームにやがて入らせてもらったんですが、やはりそれまで3年半待ちました。現在はもう少しましになっているようですね、もう民間もできましたし。それでも202人の待機者がおります。  3点お伺いをいたします。特別養護老人ホームを新たに整備する予定はあるのでしょうか。  また、最近できた民間施設が適正に運営されているのか調査すべきと考えますが、いかがでしょうか。  そして、待機者を減らすために区内の老人保健施設を特別養護老人ホームに切りかえたらいかがでしょうか、この3点をお伺いいたします。 ○委員長 区長。 ◎服部征夫 区長 ご質問にお答えいたします。  まず、特別養護老人ホームの整備についてです。  区では、介護が必要になっても、高齢者が住みなれた地域で安心して暮らし続けることができるよう、居宅サービスとともに、施設サービスの充実に取り組んでまいりました。昨年4月に新たな民間施設が開設し、現状では整備目標数を上回っています。今後については待機者の状況を踏まえ、既存施設の老朽化対策も含め、さまざまな観点から検討してまいります。  次に、民間の特別養護老人ホームへの調査については、東京都や台東区において、介護保険法等に基づき、実施検査を行うとともに、適時、調査を実施しています。今後も適正に運営されるよう、実態を把握し、必要に応じて支援、指導を行ってまいります。  次に、老人保健施設の特別養護老人ホームへの切りかえについてです。  老人保健施設は介護を受けながらリハビリなどを行い、在宅復帰を目指す施設であり、区内には2カ所整備されています。一方、特別養護老人ホームは日常生活において、常時、介護が必要で自宅での生活が困難な方が生活の場として入所する施設であり、対象となる方が異なります。老人保健施設は、在宅復帰へ向けた重要な施設であり、2つとも満床に近い状況にあることから、現在の数が必要であると考えています。今後も適正な施設整備に努めてまいります。 ○委員長 寺井委員。 ◆寺井康芳 委員 ぜひ、これからも寝たきりになる方がふえていくというふうに私は思っておりますので、どうぞ、この特別養護老人ホームにつきましても力を入れて政策を展開していただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。  次の質問に入ります。皮革関連産業の現状についてお伺いします。  昭和62年当時、靴のメーカーの組合であります東都製靴工業協同組合の組合員は300社以上ありました。これが近年では後継者不足あるいは倒産あるいは廃業などを理由に、3分の1まで減少しているのが現状であります。これが大きく減少した要因の一つには、力のあるメーカーが生産拠点を中国を中心に海外に移している、そうすると、その工場を海外に移したメーカーはいいんですが、それに付随する下請の皆さん、あるいは職人の皆さん、みんな仕事がなくなってしまう。あるいは革屋さんの売り上げがなくなるというような、大変な影響が靴メーカーの本社を取り巻く方々に及ぼされているのであります。  これ、現在の景気につきましては、皆さんご承知のとおり、大企業団体や上場の企業は、確かに間違いなく景気がよくなって利益を上げている。ところが、さまざまな中小企業の、あるいは零細規模の企業につきましては、仕事がない、売り上げがないというのが台東区の皮革関連産業の現状ではないかというふうに思っております。これは恐らく、バッグ、ベルト業界においても同様であり、皮革関連産業全体が直面している課題であると認識しております。  そこで、皮革関連産業のさらなる振興を図るため、どのような展望を持っておられるのか、区長の所見を伺います。これは質問に入れておりませんけれども、今、この中国でつくっているメーカーでも、半製品が25%の関税がかかっているので、これも大変靴業界では大きな影響をもたらされているということ、これはもう質問に入っていませんからいいんですけれども、お答えをいただきたいと思います。 ○委員長 区長。 ◎服部征夫 区長 ご質問にお答えいたします。  これまで、靴やかばんなどの皮革関連産業は、本区の代表的な地場産業として、地域経済を牽引してきました。寺井委員ご指摘のとおり、経済のグローバル化などを背景に、生産拠点が海外に移転していくことで、区内の皮革関連産業に深刻な影響を及ぼしています。そのほかにも、生産過程を自動化する技術革新やインターネット通販サイトの登場など、流通構造の大きな変化によって、業界を取り巻く環境は一層厳しさを増しており、私も危機感を持っております。私は、業界全体がこうした時代の変化に対応しながら活性化し、発展していくことが重要であると考えています。  そのためには、職人による海外製品に負けない確かな技術の継承に加え、ICTやAIによる生産性の向上、ネット通販サイトによる販路拡大など、業界団体とともに検討していくことも必要です。今後とも国や東京都、日本皮革産業連合会、東都製靴工業協同組合をはじめとする業界団体と連携をして、皮革関連産業の支援の充実に努めてまいります。 ○委員長 寺井委員。 ◆寺井康芳 委員 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。  次に、自転車の交通安全対策についてご質問いたします。  この文章は、私ではなくて、私の後援会の方が書いた文章なので、ちょっとおもしろい文章なので読ませていただきます。  自転車利用者に人権をという。最近は、自転車の加害事故が問題になっている。判例の中には、走行中に歩行者を負傷させたり、命を奪ったりしたときの損害賠償額の多額化が話題になっております。当たり前で疑義がない。自転車に限ったことではなく、他人に損害、損傷を与えた場合、妥当な補償が義務づけられ、自転車利用者の自覚不足を認識させることが目的なのであろう。自転車は、基本的に歩道は走行してはならないことになっているから、みずからの身体、生命の危険を冒して車道を走行しなければならない。これは道路交通法に定められている。なぜ、自転車はこれほどまでに道路利用の悪者扱いされるんだろう。誰でも乗れて、年齢、性別、何にも制限がない。もちろん運転免許も必要ない。乗る人の自覚にまつより仕方がない。しかし、便利なものである。自転車利用は気軽で便利だから野方図になっていることも事実である。台東区でも、車道や歩道の一部を自転車通行帯としているが、これが名ばかり。バス停や駐車場入り口、店舗前は除外され、自動車の駐車が続くとなれば動力を持たないし体はむき出しの自転車は命がけだ。歩道を走って横並び、歩行者にチリンとでも鈴を鳴らせば犯罪者を見る目でにらまれる。歩道と車道に段差をつけている理由はあるのか、段差をなくし植え込みをなくしたら安全な自転車通行帯ができるだろう。段差の必要性はどこにあるか。交通の便を犠牲にするほど植え込みが必要か。現在の交通状況にはそぐわない。車社会では車道を狭くして自転車道をつくるなどは論外である。道路は通行が目的であり、全てに優先すべきだ。緑地帯を取れと言えば大きな議論になろうが、目的を再確認しコストを考慮した道路行政を望んでいます。弱い者に強い者は譲り、保護しなければならないし、それを怠れば悪者扱いを受ける。歩行者優先で歩いている人が通行の優先権があると言ってはばからないやからも多いが、通行の優先権などあるわけはない。暴論のはばかりを覚悟で言えば、道路の使用目的を厳しく限定することだ。大小の道路があるが、専用道路として例外なくそこを通行する際は歩行、自転車、車と指定された方法をとる。路上から弱者、強者がなくなり平等になる。こんな暴論を言いたくなるほど憤りと感謝の気持ちをなくした人がいかに多くなったかを嘆く昨今であるということですが、そこで、次の2点を区長に伺います。  自転車は基本的に歩道を走行してはならないが、車道を走行するには危険な場面がある。そこで、歩行者、自転車、車の通行をそれぞれ分け、自転車の安全な走行環境を整備すべきと考えますが、ご所見をお伺いいたします。  また、今後、自転車に関するルールやマナーの啓発について、どのように取り組んでいくのかお伺いします。  1日に数十万台の自転車が区内を走っていると思います。もちろん自動車もそうです。何万人もの人が歩道を歩いているという、この3者の安全をそれぞれ考えていただくように思いながら、区長のご所見をお伺いいたしたいと思います。 ○委員長 区長。 ◎服部征夫 区長 ご質問にお答えいたします。  まず、自転車の走行環境についてです。  私も寺井委員同様に歩行者、それから自転車、それから車、この3者が安全に通行できる環境は大変重要であると考えています。自転車は車道を走行することが原則ですが、駐車車両などにより、安全に走行することが難しい場面が多く見られます。引き続き国や東京都、警察と連携を図り、自転車走行空間の整備に取り組んでまいります。  次に、自転車に関するルール、マナーの啓発についてです。  私は交通ルール、マナー徹底のためには、継続的な周知、啓発活動が不可欠であると考えています。そのため、今年度は区民向けに実施している自転車安全利用講習会の定員の拡大などを図っているところです。今後は、小・中学校で行っている自転車安全利用教室への保護者の参加呼びかけやイベント等でのスタントマンによる事故の再現の実施などにより、自転車に関するルール、マナーの普及、啓発を充実させ、安全安心な交通環境の整備に努めてまいります。 ○委員長 寺井委員。 ◆寺井康芳 委員 ありがとうございました。終わります。 ○委員長 寺井康芳委員の質問を終わります。  台東区議会公明党、小坂義久委員。  公明党の発言時間を表示いたしましたので、ご確認ください。  それでは、質問をどうぞ。  小坂委員。 ◆小坂義久 委員 台東区議会公明党の小坂義久でございます。  はじめに、先ほど髙森委員が質問されました、誰もが自分らしく生きていける多様性を認め合う社会の実現、この課題について私も同じ思いで、性的指向に起因する差別的な取り扱いの解消について、ぜひ、区長、具体的に進めていただきたいと思います。よろしくお願いします。  それでは質問に入ります。認知症支援の推進についてお伺いいたします。  29年度決算の認知症支援として、認知症疾患医療センターとの連携、認知症備えて安心ガイドの配布、高齢者等早期発見ステッカーの配布や高齢者見守りメールマガジンの配信などを行い、行方不明者の情報を提供することによって早期発見につなげた事例があること、また、認知症地域支援推進員を各地域包括支援センターへ配置するなど、その状況については審議で確認させていただきました。  認知症地域支援ケア向上事業における地域支援推進員の役割は大変重要と思いますので、改めてここで確認したいと思います。  地域支援推進員が行う取り組みとして、医療、介護と支援ネットワーク構築や認知症対応力向上のための支援、並びに相談支援、支援体制の構築など多岐にわたっていますが、29年度決算において、実際に取り組まれた具体的な内容について、区長の所見をお伺いいたします。  国の新オレンジプランでは、認知症の人の意思が尊重され、できる限り住みなれた地域で自分らしく暮らし続けることができる社会の実現を目指すこととされており、施策は7つの柱に沿って進め、2025年までを対象期間としています。策定時の数値目標は、介護保険事業計画の期間と同様、2017年末で設定していましたが、進捗状況が順調なことにより、新たな目標設定年度として2020年度末を定め、数値目標の変更やより具体的な施策が提示されました。数値目標の達成はもちろん大切であることは言うまでもありませんが、質の向上も含めた実効性ある取り組みをさらに進めていくことが肝要であり、今回の改定では、各省庁で取り組まれている内容や質の向上に関しても盛り込まれているとのことです。本区では事業の必要性として、関係機関と連携した総合的な認知症施策を推進し、認知症の人が適切な医療、介護、生活支援を受けられる体制を構築する必要があるとのことですが、具体的に今後、どう進められようとするのか、区長の所見をお伺いいたします。  また、28年度事業と比較した際に、大きく改善された今年度決算の特徴とはなんでしょうか。事業名ではなく、認知症本人、または家族の感想などお聞かせいただきたいと思います。 ○委員長 区長。 ◎服部征夫 区長 小坂委員のご質問にお答えいたします。  まず、認知症地域支援推進員は医療、介護、地域の支援機関をコーディネートする役割を果たしています。各地域包括支援センターにおいて、出前講座などの啓発活動を行うとともに、認知症高齢者やその家族に対し、年間3,000件を超える相談を実施しています。この相談により、医療機関や介護サービスにつながる事例が多く見られます。  次に、支援体制の構築の推進についてです。  現在、区では認知症サポーター養成講座や早期診断を行い、適切に医療、介護につなげるための認知症初期集中支援チームを設置するほか、早期発見ステッカーの配布など、総合的に認知症対策を実施しています。今後も啓発パンフレットの改定や初期集中支援チームによる訪問回数の増加等、施策の充実に努めてまいります。  次に、平成28年度から改善した点についてです。  家族等の介護を担う方々が集まり悩みを共有、相談する場であった認知症サロンを、29年度からは医療機関と連携した認知症カフェに移行し、介護者だけでなく、認知症の方や専門職、地域の方も参加できるようにしました。参加者からは、認知症の正しい知識が習得できた、あるいは交流が図られ相互理解が深まったなどの声をいただいております。今後も認知症カフェの充実を図り、認知症、高齢者が住みなれた地域で自分らしく暮らすことができるよう努めてまいります。 ○委員長 小坂委員。 ◆小坂義久 委員 私もこの認知症支援については、今までさまざま提案をさせていただいてまいりました。超高齢化社会に向けて、やはり最重要課題になることは明白ですので、今後ともより一層、しっかりと対策を考えていただきたいと思います。  それでは次に、老人福祉管理運営についてお伺いいたします。  まず、小菅委員からありましたが、老人という名称をシニアと変更したほうがよろしいかと、私からも言わせていただきたいと思います。  また、審議の場でも確認しましたが、平成28年度決算と掲載されている表を見比べると、施設整備経費などの項目がそれぞれ違っているために比較ができません。次年度以降、この点もわかりやすくしていただきたいと思います。  それでは、特別養護老人ホームの指定管理委託料についてお伺いいたします。  平成28年度と比較した際、減額となった特別養護老人ホーム浅草、三ノ輪、千束や高齢者在宅サービスセンター浅草、三ノ輪の指定管理委託料については、特別養護老人ホーム谷中の大規模改修による影響であると委員会の場で確認いたしました。  特別養護老人ホームの指定管理委託料を、各施設の平成29年度決算額を入所定員で除して、1人当たりの金額を計算してみたところ、かなり幅があるように見受けられました。なぜ特別養護老人ホームによって、このように入所定員1人当たりの指定管理委託料が施設ごとに違うのでしょうか。また、高齢者在宅サービスセンターにおいても同様に、各施設の利用者数で除して、1人当たりの金額を計算してみたところ、指定管理委託料は施設ごとに幅がありました。区立特別養護老人ホームは、三ノ輪であればシルバーピアや福祉作業所などの入った複合施設であり、台東についても地区センターや子ども家庭センターなどの入った複合施設であります。  一方、浅草、谷中、蔵前は単独施設であるなど、施設の状況に違いがあり、さまざまな事情がおありかと思いますが、特別養護老人ホーム及び高齢者在宅サービスセンターの1人当たりの指定管理委託料が施設ごとに違うのはなぜでしょうか。  また、区立特別養護老人ホームと区立高齢者在宅サービスセンターでは、利用者一人一人に寄り添った質の高いサービスを提供していると思います。同様のサービスを提供している施設であれば、1人当たりの指定管理委託料に差がないことが望ましいと考えますがいかがでしょうか、区長のご所見をお伺いいたします。 ○委員長 区長。 ◎服部征夫 区長 ご質問にお答えいたします。  まず、特別養護老人ホーム等の指定管理委託料についてです。  各施設の指定管理委託料は、原則、基本協定に基づき、介護報酬等の収入で不足する分を補填するものです。各施設において、指定管理委託料が異なる理由は入所者や利用者の要介護度のほか、加算の取得状況、施設の規模、各フロア当たりの定員数、職員構成など複合的な要因があります。
     次に、1人当たりの指定管理委託料に差が生じることについては、運営や設備に係る経費、収入が施設ごとに異なるため、やむを得ないものと考えています。  今後も、各施設において適正なサービスの提供に努めてまいります。 ○委員長 小坂委員。 ◆小坂義久 委員 よろしくお願いいたします。  次に、ワクチン再接種の助成についてお伺いいたします。  乳幼児や小学生が受ける無料の定期予防接種ですが、これにより、はしかなどの感染症に対する抗体ができ、病気を予防できる仕組みとなっています。  しかし、抗がん剤治療や骨髄移植を受けた場合、獲得した抗体が全て失われ、再接種をしなければなりません。本区においても対象者がおり、この再接種については、国の予防接種法には何ら規定がなく、そのため救済措置もなく、費用助成については各自治体の判断次第とされています。患者を抱える家族とともに、患者本人にとっても長期にわたる入院治療は大変つらいものがあり、なおかつ経過観察のためのたび重なる未保険の自費検査や合併症の対策費用等必要であり、付き添いのために収入面に影響する例もまれではありません。保護者にとっては、経済的にも精神的にも大変大きな負担になると思われます。1度失った抗体を再接種するには、全て自己負担となり、接種し直すとなると20万円程度は必要になります。また、予防接種をしなければ感染及び発病の防止ができないばかりか、地域のカバー率が低下し、感染症が蔓延する可能性も否定できないとのことでした。  この世に生をうけ、小さな体で懸命に病気と闘う子供に対し、また、経済的負担に悩むご家庭のためにも、ワクチン再接種における助成制度を、本区において創設する必要性があると主張したいと思いますが、いかがでしょうか、区長の所見をお伺いいたします。 ○委員長 区長。 ◎服部征夫 区長 ご質問にお答えいたします。  子供が抗がん剤治療や骨髄移植を受けた場合、それまでの定期予防接種などにより、獲得した抗体が失われて、再接種が必要となる場合があることは認識をしています。  また、委員ご指摘のとおり、再接種については、現在、自己負担となっています。感染症の発生や蔓延防止のためにも適切な時期に再接種を受けることができる体制を整えることが必要です。費用の助成については、小坂委員ご提案のように、体制の整備を図り、早期に実施してまいります。 ○委員長 小坂委員。 ◆小坂義久 委員 本当に積極的な答弁をありがとうございます。  本当、治療後において、感染症に罹患することはやはり健常者と異なり、より重篤な症状に陥る可能性が高いというふうにお聞きもしていますので、再接種は絶対に欠かすことはできません。よろしくお願いいたします。  最後の質問に入ります。課外活動の環境整備における部活動支援と部活動指導員の受け入れについてお伺いいたします。  私は2年前の決算特別委員会において、リバーサイドスポーツセンターを学校教育で活用していくことについて、提案をさせていただきました。その際、教育長から、各中学校の陸上部が陸上競技の専門家を講師に招き、陸上競技場での合同練習を進めており、陸上競技以外の部活動が活用することについても検討を進めてまいりたいという答弁をいただきました。今回、委員会質疑の場において確認をしたところ、陸上競技以外の部活動、例えば野球部や体育館ではバスケット部やバトミントン部なども部活動でリバーサイドスポーツセンターを利用しているとお聞きし、この件については評価したいと思います。ご存じのように、台東区は23区中一番面積が小さく、当然、各小・中学校のグラウンドも大変狭小であることは、ある意味宿命であると言わざるを得ません。そうした意味もあり、リバーサイドスポーツセンターを部活動などで活用することは大変有効であると私は考えます。  さて、さまざま運動部が活躍しているので、そろそろサッカー部を、もしくはフットサル部を合同による台東区の部活動に加えていたただいてはいかがでしょうか。教育委員会の皆さんはご存じと思いますが、今の森保ジャパン、サッカー日本代表に一時的とはいえ、本区出身で、今、海外のブンデスリーガで活躍しているメンバーが選出をされました。東京2020大会においても、必ずそのメンバーが、けがをしない限り、日本代表として選出されると私は確信しています。世界第1の人気スポーツであるサッカーの部活動がないことは、本区のスポーツ振興にとって大きな打撃かと思われます。  教育長、合同によるサッカー部の創設に向け、働きかけていただきたいと念願しますがいかがでしょうか、所見をお伺いいたします。  そして、陸上競技場の利用に関し、5月から8月まで、サマータイムを実施しており、午後7時まで一般開放に限り展開していることについて、審議で確認いたしました。何度も言わせていただきますが、限られた体育施設しかない本区にとって、リバーサイドスポーツセンターは大変貴重な運動施設であります。そう考えた際、夏の期間は大いに各スポーツ団体、また部活動などに利用案内を行ってほしいと考えております。平日は部活動や各種スポーツ団体、もしくは個人などが利用し、土日、祭日は予約団体等がしっかりフルに利用していただくよう提案したいと思いますが、いかがでしょうか。  審議の場では、指定管理者と相談の上という答弁でした。しかし、これは教育委員会が決断すれば私はすぐできると思います。教育長の所見をお伺いいたします。  次に、部活動指導員の受け入れについてお聞きいたします。  公立小・中学校先生の苛酷な勤務状況が浮き彫りになった2016年度の調査で、教諭の平日1日当たりの平均勤務時間が、小学校11時間15分、前回比で43分増、中学校では11時間32分で、前回比32分増、副校長、教頭の場合は小・中学校ともに12時間を超えました。業務別では、1日当たり、授業が小学校で27分、中学校で15分ふえ、授業の準備も小学校で8分、中学校で15分増加し、脱ゆとり教育を掲げる学習指導要領改訂により、前回の調査時から授業こま数がふえた影響とのことです。さらに中学では、土日部活動、クラブ活動が前回の1時間6分から2時間10分とほぼ倍増、教員の長時間勤務の一因と指摘されており、こうした状況を改善するため、昨年の3月、文部科学省では部活動の指導や大会への引率を行う部活動指導員を学校に置けるよう省令を改正し、地域スポーツ指導者ら外部人材を活用して教員の負担軽減を図る方針としました。  私は昨年、第2回定例会において、長時間労働の是正と題し、本区の小・中学校教員の勤務実態、部活動指導員の活用について一般質問をさせていただきました。会派からは、さらに中澤議員も部活動指導員について伺っております。  ここで、杉並区が取り組んでいる部活動活性化事業をご紹介したいと思います。中学校が希望すれば、区が契約した団体などから運動部のコーチを派遣してもらい、自立指導に当たり、2013年度から3年間のモデル事業を経て、2016年度に本格実施となりました。区内23校中19校がコーチを受け入れ、各部に顧問の教員はいますが、練習はそのコーチが担う、その時間を顧問の教員は授業の準備などに充てることができ、負担軽減につながってありがたいと教員から受けとめられています。  また、専門性がない教員が運動部の顧問を引き受けざるを得ないケースも目立ってきたということで、専門的な指導ができるコーチが入ることにより、子供たちにとっても楽しい部活動につながるのではないでしょうか。昨年の教育長答弁は、部活動指導員を活用することにより、中学校教員の部活動にかかわる勤務を軽減することができるものと考えております。教育委員会といたしましては、東京都教育委員会の動向を注視し、その活用について検討してまいりますとありました。動向も大事ですが、教員の苛酷な勤務状況をしっかり守っていただくのも教育委員会の役目ではないでしょうか。このことにより、勤務実態が少しでも軽減されればと考え、提案をさせていただきたいと思いますが、教育長の所見をお伺いいたします。 ○委員長 教育長。 ◎矢下薫 教育長 ご質問にお答えさせていただきます。  まず、中学合同によるサッカー部やフットサル部の創設についてでございます。  現在、陸上競技部をはじめ、さまざまな部活動がリバーサイドスポーツセンターを活用しており、子供たちの活動の場として大変有効な施設であると認識しております。スポーツセンターを活用し、複数校合同の新たな部活動を創設することは各校の担当する顧問を調整したり、学校間で連絡調整したりする必要があることや、生徒の分散による各部活動の縮小が予想され、学校経営に影響を与える場合も考えられます。したがいまして、中学合同のサッカー部等の創設につきましては、今後、研究をさせていただきます。  次に、陸上競技場の開場時間延長についてでございます。  現在、陸上競技場におきましては、区民が気軽にスポーツを親しめるきっかけづくりとして、個人利用枠の一般開放を実施しているところでございます。夏期には午後5時までとなっている開場時間を午後7時まで延長しており、陸上競技場を個人や中学校の部活動で利用していただいております。今後、一層多くの方に利用していただくため、夏期における午後5時以降の貸し切り枠の設定につきましても検討してまいります。また、時間延長の周知につきましては、広報たいとうやホームページ等を活用しておりますが、今後はさらなる周知の徹底に努めてまいります。  次に、部活動指導員の活用についてでございます。  中学校における部活動指導が、国の勤務実態調査におきましても教員の長時間勤務の一因となっていることは、教育委員会といたしましても認識しております。本区におきましては、既に部活動の外部指導員の配置事業を実施しており、顧問は活動場所を離れて業務を行うことができ、教員の業務軽減に大いに貢献しているところでございます。  委員ご指摘の新たに導入された部活動指導員につきましては、適切な人材の確保などの課題があるため、今後、他地区の採用・実施状況等の情報収集をしながら、本区における実施に向けて検討してまいります。 ○委員長 小坂委員。 ◆小坂義久 委員 ありがとうございます。リバーサイドスポーツセンターのサマータイムの件で、各スポーツ団体、練習場所がなかなかないとかと、やはりそういう話もよく聞きますので、本当に前向きに検討していただければと思います。  以上で、私の総括質問を終わります。ありがとうございました。 ○委員長 小坂義久委員の質問を終わります。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ○委員長 昼食時となりましたので、ここで休憩いたしたいと思います。  なお、台東区議会公明党の残り時間は、31分4秒となっておりますので、ご確認ください。  午後は1時ちょうどに再開いたしますので、よろしくお願いいたします。           午前11時55分休憩           午後 1時00分再開 ○委員長 ただいまから、決算特別委員会を再開いたします。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ○委員長 台東区議会公明党の残り時間を表示してありますので、ご確認ください。  台東区議会公明党、寺田晃委員。  それでは、質問をどうぞ。  寺田委員。 ◆寺田晃 委員 台東区議会公明党の寺田晃でございます。小菅幹事長、小坂副幹事長とともに、本区の発展を思い描きつつ、平成29年度決算審議に参加させていただきました。  私からは大きく4点につき質問させていただきます。  はじめに、防災対策の充実について伺います。  最近では、たび重なる台風や豪雨災害が起きており、要因として、地球温暖化による海水温度上昇に伴う台風の巨大化、都市型高温化、ヒートアイランド現象によるゲリラ豪雨などが上げられます。7月の西日本豪雨は大型台風が停滞したため、1,000ミリクラスの集中豪雨となりました。先日発表された、江東区を中心にした東京東部の広域避難推進協議会では、電気やガス、水道などのライフラインの断絶や浸水が2週間以上も想定されることから、3階等の垂直避難ではなく、各自で確保した親戚や知人宅などに早目に避難するようとの呼びかけにとどまっている状況です。  本区では、現状では上野公園が避難場所となっておりますが、私はこの二、三週間という長期にわたることから、本格的な避難場所計画が必要と実感いたします。まずは現在結んでいる特別区災害時相互協力及び相互支援に関する協定や、9都県市との災害時相互応援に関する協定につき、協定上は避難住民の受け入れ施設の提供など、緊急避難施設の取り決めがありますが、事前に具体的な実施計画など行うべきと考えます。  さらには、本区の姉妹・友好都市との緊急避難施設の提供を含めた相互協力協定を結ぶことも必要と考えます。また、区民に対し、親戚や知人宅など各自の避難先があるかどうかの意識調査も事前防災の一環として一定の効果もあり、さらには高齢者や障害者施設の要配慮者利用施設の具体的避難計画の策定を進め、その上で水害時の際の上野公園周辺6避難所の有効活用も図られるものと感じます。水害時には上野の山の方は避難されることはなくて、いわゆる上野の山周辺の6避難所は、そうでない地域の方に振り分けていただければという思いで、活用もということで入れさせていただきました。  そこで、区長にお伺いいたします。各自治体との緊急避難施設を加えた相互協定の拡充など、さまざまな避難対策を行うことが、水害時の実効性のある避難計画につながるものと考えますが、区長のご所見をお伺いします。  あわせて、気になることが、避難行動要支援者名簿の扱いであります。個人情報のため、公にはしにくい性質があり、なかなか活用が難しく思われがちです。現在、本区では要支援者ご本人から町会、民生委員、警察署、消防署、消防団への開示はご了解をいただいており、防災訓練や地域の見守りの一環として取り扱いをご案内しているところでございますが、言葉でわかっていてもまだまだ行動に移せない現状があります。  このたびの審議にて、区内要支援者の方が、現在4,856名いらっしゃると伺いました。また、貴重な名簿を受け取っていただいた町会団体が96町会と伺いました。せっかく準備、作成した名簿を有効活用し、安全安心をさらに広げる意味でも、名簿の扱い方法をわかりやすく工夫して、丁寧なご案内をするべきと考えます。  そこで、区長にお伺いします。避難行動要支援者名簿をさらに活用してもらえるような取り組み進めるべきと考えますが、区長のご所見をお伺いします。さらには、今後、更新のハザードマップには、あなたがお声がけをするお名前リストの記入欄を設けるべきと考えます。  西日本豪雨が未曽有の被害をもたらした中、一人の犠牲者も出さず、全員無事に避難できた地区として、愛媛県大洲市三喜地区が有名です。三喜地区では、日ごろの避難訓練はもちろんですが、避難マップが含まれた、各自持たされる、私の避難行動に気にかける人を記入して、常々お声がけを行っていたそうです。  そこで、区長にお伺いします。ハザードマップにはお声がけ、お名前記入欄の設置など工夫が必要と考えますが、区長のご所見をお伺いいたします。 ○委員長 区長。 ◎服部征夫 区長 寺田委員のご質問にお答えいたします。  まず、水害時の避難についてです。  荒川の浸水想定区域は、上野公園や谷中地域等を除き、区内の3分の2程度を占めており、さらに他区においても広範囲な浸水が予想されています。このことから、区では今年度より国、都及び首都圏の関係自治体などから成る、広域避難検討会に参加し、総合的な視点から避難方法等について協議を重ねているところです。  寺田委員ご提案の内容については、台東区の状況をより的確に反映していく上で重要であると認識しています。今後の検討においては、その趣旨を踏まえつつ、関係自治体との連携のもと、より実効性の高い避難計画の策定に向けて、積極的に取り組んでまいります。  次に、避難行動要支援者名簿の活用についてです。  避難行動要支援者名簿は、町会をはじめとする避難支援者の方々が、対象者の安否確認などを行うことを目的としています。また、各町会等に提供する際には、その内容を説明し、平常時から、見守り活動にも活用していただいています。  今後、名簿の活用に向け、さらなる啓発を推進するとともに、個別避難支援計画を作成し、名簿に登載された方々の迅速な避難を促してまいります。  次に、ハザードマップについてです。  水害をはじめとする災害発生時の避難では、共助の力が重要であると認識しています。寺田委員ご提案の氏名の記入欄を設けることについては、支援対象者をあらかじめ確認しておけるなど、防災上有効であることから、今後検討してまいります。 ○委員長 寺田委員。 ◆寺田晃 委員 防災に対する備えというのは、ここまででいいということはないと思います。今できることを積み重ねていくことが安全に対する心構えでもありますし、防災に強いまちにつながっていくと思います。  私の町会では要支援者の方が21名というふうに確認させていただいております。まだまだうちの町会でもうまく活用は進んでいない状況ですけれども、また、町会以外でもその人にとって大切な人が身近にいらっしゃって、その方のお名前を書くことだけでも違ってくると思いますので、よろしくお願いいたします。  次に、生活習慣病対策についてお伺いいたします。  食べ過ぎ、飲み過ぎ、運動不足、喫煙など、いわゆる体によくない生活習慣から起こる病気が、生活習慣病と言われ、糖尿病やがん、高血圧、肥満などが該当し、日本人の死亡原因の3分の2を占めています。さらには認知症とも大きく関連することもわかってきました。審議の場でも確認しましたが、上野、千束両健康増進センターでの健康度測定利用者が、平成25年度よりほぼ毎年減ってきており、千束健康増進センターの29年度決算では14名で、25年度の34名と比べると半分以下となっております。主な要因として、担当していただく医師の確保が難しい等が上げられ、課題になっているとのことでした。せっかくの測定希望者を待たせることなく、スムーズに運動プログラムを作成し、区民が健康づくりを推進していけるよう、実施体制を整備すべきと考えます。  そこで、区長にお伺いします。健康度測定の実施体制を整備すべきと考えますが、区長のご所見をお伺いいたします。  一方、これまで区民の自主的な健康づくりを支援するために運営してきた、健康増進センターの利用者増にも力を入れるべきと考えます。施設や設備の利用をまだまだご存じでない方もたくさんいらっしゃいます。若干、PR不足の懸念もあり、さまざまなところでセンターの周知、ご案内をしていただき、新たな利用者をふやして、本区のさらなる健康増進、生活習慣の改善に取り組むべきと考えます。  そこで、区長にお伺いします。健康増進センターの新たな利用者獲得により、生活習慣病対策をさらに進めるべきと考えますが、区長のご所見をお伺いいたします。 ○委員長 区長。 ◎服部征夫 区長 ご質問にお答えいたします。  まず、健康度測定についてです。  健康度測定は、健康増進センターの利用に当たって、循環器等の疾患をお持ちの方の健康状態を確認する手段であり、大変重要なものであります。今後、より多くの方が希望日に利用できるよう、測定時間の変更等を含め、体制を検討してまいります。  次に、健康増進センターについてです。  運動習慣の定着は生活習慣病を予防、改善するに当たって不可欠であり、区民の健康づくりを支援する健康増進センターは、重要な施設であると認識しています。今後は働く世代の利用者の増加に向け、中小企業団体や勤労者サービスセンターを通じてチラシを配布するなど、利用促進に努めるとともに、引き続き運動習慣について周知、啓発を行い、生活習慣病対策を推進してまいります。 ○委員長 寺田委員。 ◆寺田晃 委員 同様の質問を、私は平成26年第1回定例会にもさせていただきました。今度こそ本気で結果が出るようによろしくお願いいたします。  次に、軽度認知障害の早期発見についてお伺いします。  認知症の人が、住みなれた地域のよい環境で自分らしく暮らし続けるために必要な環境整備を考えるにつけ、審議等で触れさせていただいたとおり、高齢者住宅対策しかり、高齢者の見守り支援しかり、私は認知症に気づき、診断を受けるようになってからでは手おくれの感が否めないことを常々感じております。そのような中、さまざま調査を重ねましたところ、軽度認知障害、MCIと呼ばれる認知症になる前のグレーゾーンがあり、かつ、その確認ができる定期チェック方法に出会いました。軽度認知障害とは、日常生活や社会活動に大きな影響はないが、本人や家族からのみ認められる、ごくわずかに記憶障害が感じられる症状で、早期発見で原因の確認とともに、認知症への移行を予防することができます。主に認知機能低下のリスク要因は、脳卒中、糖尿病をはじめ、生活習慣病、高血圧、ストレスや不安、睡眠障害、肥満やメタボ、喫煙、不健康的な食生活などが上げられます。  50歳代からの1年に1度の定期チェックにより、大きく3点の効果があると言われています。1つに認知症を引き起こす病気に、早目の治療で改善可能なものもあり、一時的な症状で食いとめることができます。2つ目に認知症の薬は早い段階からの方が進行をおくらせる効果が大きいと言われております。3つ目に症状が軽いうちに、今後の生活の備えを万全に行い、生活上の支障を減らすことができます。この定期チェック方法とは、名称を「あたまの健康チェック」と呼ばれ、アメリカで研究開発され、高次機能検査などで用いられる10の単語想起テストをもとに、専門家でなくても検査ができ、10分間でテストの実施、評価、採点、結果レポート、データ蓄積作成まで行える簡易認知機能チェックであります。評価に用いられるアルゴリズムは、詳細な診断、医療情報データをもとに開発され、その後、学術、一次医療、専門医療、介護保険領域での利用研究をもとに改良を重ね、高い精度を達成しております。現在では国内研究機関、医療機関、自治体でも認知機能の新たな尺度として採用され始めております。システムの導入につき、専用機器やソフトの購入など一切必要なく、クラウド型のシステム環境で、専用のログインIDを取得後、指定の端末を用いてご利用できるスタイルでございます。しかも、取り扱い検査員の技能も、職能も問わず、施設側の運用効率が大幅に向上する利用的なシステムになっております。説明員と顔を見合わせながら、これは認知症サポーターが活躍できるシステムですねと喜び合ったのもつい先日のことでした。  尾張旭市が2013年に自治体としてはじめて導入し、現在では認知機能低下イコール認知症ではなく、認知機能低下イコール身近な理由としての生活習慣病の改善や予防行動となり、認知症予防効果があらわれているとのことでした。全国では50の自治体で導入され、医療機関や大学機関をはじめ、現在では日本脳ドック学会のガイドラインで推奨項目にも指定されております。  そこで、区長にお伺いします。グレーゾーンである軽度認知障害の早期発見を可能とした認知症予防として、「あたまの健康チェック」の導入をするべきと考えますが、区長のご所見をお伺いします。 ○委員長 区長。 ◎服部征夫 区長 ご質問にお答えいたします。  軽度認知障害を早期に発見し、認知機能低下の原因を確認して、適切に対応することは、認知症への移行を予防するだけでなく、生活習慣病の対策としても有効であると認識しています。区では、早期発見のため、自分でできる認知症のチェックリストを、啓発パンフレットや区公式ホームページに掲載するとともに、認知症地域支援推進員が出前講座や介護の日のイベント等でも説明を行い、積極的に普及啓発に努めています。  寺田委員ご提案の「あたまの健康チェック」は、軽度認知障害の早期発見に資するツールの一つであると考えられますので、導入自治体の活用事例等を参考に研究してまいります。 ○委員長 寺田委員。 ◆寺田晃 委員 現在認知症の検査を受けるタイミングが、いわゆる認知症の初期、中期、重度の中期のときにおかしいなというように感じて検査を受けられ、治療を受けられている状況なんですけれども、ただいま申し上げました「あたまの健康チェック」につきましては、初期の前の軽度段階での認知能力の確認ができるものでありまして、物すごく効果があるということで、出会うことができました。現在区で早期発見の体制を整えていただいておりますので、同時進行の中、研究していただければ、研究から検討に移っていただく確信がありますので、よろしくお願いいたします。
     次に、まちづくりについて伺います。  今、地域の中では、残念なことに建設反対ののぼりが立てられたり、言い争いが多々見られる建設説明会も行われております。決して紛争はよいことではありませんが、地域住民の皆様は、子供たちに地域の文化をよい形で引き継ぎ、残していきたいとの強い思いで必死に参加していただいております。私の町会では、高層マンションが、ここ一、二年で、新しく5棟建設されます。そのうち1棟が強引な業者で難儀しましたが、地域住民が団結し、のぼりも立てずに、感情を抑えながら粘り強く交渉し、何とか合意の上で工事協定書を作成し、工事を始めることができました。  審議の中でも、平成29年度の建築相談受理件数は361件につき、確認させていただき、区の対応状況も聞かせていただきました。振り返ってみますと、この1年間、台東区の北部のさまざまなところの建設事業の説明会に立ち会わせていただきました。立場をわきまえて発言できないときもありました、眠れない日もありました。何度も何度も現場に行ったり、調査をしたりしました。本区の中高層建築物の建築に係る紛争の予防と調整に係る条例の改正をした場合の効果のいかん、豊島区での狭小住戸集合住宅税条例のメリット・デメリット、13種あります用途地域の見直しの効果などさまざま考えさせていただきました。そんな中での基本構想、長期総合計画の策定とあわせての都市計画マスタープランの策定は、大変期待をさせていただいているところであります。中でも、北部地域のまちづくり方針では、人々が共生し、住み働き続けられる便利なまちと題して、地域コミュニティーを大切にする、住みやすい生活圏の形成などでは、まさしく継承と発展の調和の方向を指し示していただくべきものと私は懇願いたします。先ほども述べましたが、民間事業者の中には、地域住民の皆様を余りに軽視した進め方や、周囲と不釣り合いな建設計画もふえており、このまま地域の文化や生活が脅かされる危うさを危惧するところであります。  そこで、区長にお伺いします。北部地域の住環境を守り、発展させるため、北部地域のまちづくりをどのように進めていかれるか、区長のご所見をお伺いいたします。  一方、今年度の区政サポーターアンケートに、よいまちづくりに生かすべく、住環境についてのテーマのものがありました。主なものを紹介しますと、近くに1棟総戸数の半分以上がワンルームのマンションが建設されたらとの質問に対し、事務所や民泊に使われそうで心配、ごみ出し等のルールが守られなさそうで心配との回答、また、近くに1棟総戸数の半分以上がワンルームのマンションが建設されましたかの質問に対し、建設されたが4割強、わからないが4割強、建設された方のうち建設後の印象に、住民がふえたが、地域活動に参加してもらえなくて残念、建設前の建物と比べると、災害、防火に強い建物になって安心などの回答でした。そのほかのご意見には、住民がふえることはまちの活性化になり、大いに歓迎したい、一方で、管理の徹底と管理組合と町会との融和を期待したい、単身者も多いと思いますが、ファミリー世帯向けのマンションで子供がふえることも期待したいなどさまざまでした。ワンルーム等を含めた新築マンションにご入居された新住民と地域との融和も、今の時代の本区の一つの課題ではないでしょうか。  民間事業者による建設計画は、北部地域に限らず2020年東京オリンピック・パラリンピックを控え、区内のさまざまなところで見られると思います。区内の皆様のこれまでの生活環境の維持が求められる反面で、個別の建設計画が現行の用途地域をはじめとする法律への適正、適合性のいかん、まちとしての更新や活性化の必要性、適切な経済活力を追い求めることなど、さまざま求められるものに目を背けることはできません。上野、浅草の一大観光地を有する台東区には、歴史と伝統など変わらず伝え残していかなければならないもの、それとは反対に、活力を生み出し、まちを発展させ、更新していくべき2つの方向性がまちづくりにはあると思います。心ない建設計画をどのように変化させ、本区の歴史と伝統をしっかりと残していくべきか、このたびの良好なまちづくりにターゲットを絞った条例をも視野に入れた都市計画マスタープランの策定の重要性を大いに実感いたします。  そこで、区長にお伺いします。地域の特徴に応じた理想的な台東区のまちづくりをどのように進めていかれるか、区長のご所見をお伺いします。 ○委員長 区長。 ◎服部征夫 区長 ご質問にお答えいたします。  まず、北部地域のまちづくりについてです。  北部地域においては、平成29年度に調査を実施し、防災性や回遊性の向上などを図ることにより、さらなる活性化の可能性がある地域であると考えています。現在策定中の都市計画マスタープランにおいて、北部地域については、にぎわいや人々の交流を図る広域拠点やまちづくり推進重点地区に位置づけ、施策の展開を図ってまいります。そのためには、地域の皆様をはじめ、事業者や関係機関などとともに機運醸成を図りながら、北部地域のまちづくりビジョンを策定してまいります。  次に、理想的なまちづくりについてです。  台東区には、ものづくりや観光などによりにぎわう地域をはじめ、商業と住宅などが共存する地域や閑静な住宅街など多彩なまちが点在しており、そこではさまざまな考え方の方々が、多様な生活を営んでいます。まちづくりにおいては、地域にお住まいの方々や企業、商店主などの事業者と多くの皆様が主体的に参画し、多様な意見の調整や合意形成により魅力的なまちが実現するものと考えます。  そこで、地域の皆様による取り組みや合意形成などへの支援を通じ、地域のルールを法的に支える地区計画などの制度の積極的な活用によりまちづくりを推進してまいります。 ○委員長 寺田委員。 ◆寺田晃 委員 このたびのことで法令や条例を扱う前に、人々の常識やマナーや礼儀などが土台にあるものとつくづく感じました。理事者職員の皆様には、条例や制度などをお伝えするとともに、心も伝えていただきたいと感じております。来街者の方、観光客の方、新住民の方、私どももそうですけれども、この台東区の心が好きだから集まってくるものと思います。心もともに伝えていただき、良好な台東区をつくっていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。以上です。 ○委員長 寺田晃委員の質問を終わります。  台東区議会公明党、小菅千保子委員。  それでは、質問をどうぞ。  小菅委員。 ◆小菅千保子 委員 台東区議会公明党の小菅千保子でございます。平成29年度台東区一般会計をはじめとする各会計決算を認定する立場から、質問を行います。  早速、本題に入ります。はじめに、発達障害児支援の対策として、ペアレントメンター育成事業などの導入について伺います。  第3回定例会に当たり、区長から、発達障害の認識の広がりに伴う支援ニーズの増加をはじめ、障害者を取り巻く課題に対応するため、松が谷福祉会館の機能拡充に向けた整備検討を始めるとのご発言がありました。いつも申し上げていることですが、子供たちは日々目覚ましく成長を続けています。その意味で、適切な年齢に応じた適切な療育支援を速やかに受けられることが最も望ましく、重要であると考えております。その意味では、幼少期から青年期へとライフステージに応じた療育支援や教育、また就労などの相談が受けやすい環境を一日でも早く整備していただくことを強く望むところでございます。このライフステージに対応した施策の実現が、次の世代の人材育成につながっていくことは間違いないと信ずるものでございます。この点につきましては、先ほど髙森委員からもお話があった内容でございます、かぶっています。  そこで、2点伺います。1つには、発達障害などの特性のある子供を療育していらっしゃるご家族のために、台東区では毎年、講演会を開催していただいております。ですが、やはりそこを少し発展させていく、そして、できれば横の、親のつながりが持てるような、親の会が設立できるようなアプローチをしていくべきではないかと考えております。  2つには、ペアレントメンターは、発達障害のある子供の療育経験をされてきた方、同じ悩みを抱えている親御さんからの傾聴や情報提供などを行う、まさに信頼できる相談相手という意味でございます。東京都では、29年度からペアレントメンターの派遣事業を開始しており、育成事業も展開しております。  本区におきましても、ペアレントメンター育成事業の導入と、メンターとなった方々が活動しやすい環境整備に取り組むことで、発達障害に対する支援の輪がさらに効果的に広がっていくことが考えられます。この点について、区長のご見解をお聞かせください。 ○委員長 区長。 ◎服部征夫 区長 小菅委員のご質問にお答えいたします。  まず、発達障害児の保護者支援についてです。  発達障害の悩みを持つ保護者への支援は、行政や専門機関だけでなく、保護者同士の交流も重要であると認識しています。現在松が谷福祉会館では、配慮を要する子供を養育した経験がある保護者の話を聞くプログラムを実施し、情報交換や悩みの共有につなげています。また、平成28年度に策定した台東区発達障害児(者)支援方針に基づき、発達障害に特化した子育て支援プログラムとして、新たに保護者向け講演会を開始しています。今後はさらに子育て支援プログラムの内容を充実させ、小菅委員ご提案の保護者同士の自主的な活動につながるよう支援してまいります。  次に、ペアレントメンターについてです。  東京都では、区市町村から推薦を受けた区民が養成研修を受講し、地域で活動を行うペアレントメンター養成・派遣事業を昨年度から開始をしています。この事業の推薦対象者は、発達障害のある子供の養育や相談活動等の経験を有する方となっており、対象者の確保が難しい状況にありますが、発達障害児(者)の支援の充実を図るため、都と協力し、ペアレントメンター養成に向けて取り組んでまいります。また、あわせて活動場所の提供など環境整備についても検討してまいります。 ○委員長 小菅委員。 ◆小菅千保子 委員 非常に力強いご答弁をいただきました。ありがとうございます。  もう今、このときも、やはりグレーゾーンのお子さんも含めて、非常に次の大事な人材と考えていきますと、いかに手を打ったかということが、まさに大事なポイントになってくるというふうに思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。  次に、がん検診受診率向上のためのオプトアウト方式の導入について伺います。  ちょうどきょうピンクリボンをつけさせていただいていますけれども、この10月が乳がん撲滅のアピール月間でございます、そういう意味でも、本当に唯一自己チェックできるがんでございますが、さらに周知、アピールをお願いしたいと思います。  さて、日本ではがんに罹患する方は年々増加傾向にあり、がん対策は喫緊の課題であります。国では、第3期がん対策推進基本計画で、がん対策の目標として、がん予防、がん医療の充実及びがんとの共生、この3つの柱が掲げられております。国立がんセンターによれば、2016年にがんで死亡した人の中で肺がんが死亡率の1位との報告が出ています。総務省が公表している2016年度の肺がん検診の受診率は、職域を除いて、全国平均で7.7%、そしてがん検診受診率の目標50%には遠く及ばない状況であります。  本区の状況は、2016年度東京都がん検診精度管理評価事業によると、肺がん検診受診率は、男女平均で1.7%という、非常に厳しい結果でございます。健康たいとう21推進計画によると、台東区民の死亡原因の第1位はがんで、その死亡率は、残念ながら国や東京都よりも高い状況にあります。2008年から2012年までの平均で、胃がん、大腸がん、肝がん、肺がんなどの死亡率が、国と東京都の平均を全て上回っている状況であります。台東区保健所事業概要でも、平成29年度の死亡の割合は、気管、気管支、肺のがんが3割を超えてトップであります。加えて、肺がん検診受診率の1.7%という低さと国の平均を上回る死亡率の高さが示していることからも、歴然としております。  日本対がん協会によれば、肺がんも早期発見で、症状の出ないうちに治療することで、約8割が治る時代になったとのことです。そう考えますと、いかに早期に発見し、早期の段階で治療を開始するか、まさにここに尽きると言えます。本区においても、がん検診受診率を上げるためのさまざまな工夫を図り、2015年からは、本区で実施しているがん検診については、要精密検査と判定された方へ精密検査の受診勧奨、また、結果把握に関する取り組みを始めていることは大変評価いたしております。  厚生労働省は、検診受診率を上げる有効な施策として、特定健診とがん検診の同時受診の際に、検査項目のオプトアウト方式を紹介しております。現在の検診方法は、希望をすればがん検診も受けられますというオプトインで、これに対し、オプトアウトとは、受診者が断らない限りは、特定健診と同時にがん検診を、セットで受診することができるという前向きな手法でございます。23区でも実際にこのオプトアウト方式でがん検診の受診率が上がっている実態がございます。  そこで、本区におきましても、区民の大事な命を守るため、がん検診受診率向上のための対策として、オプトアウト方式を導入することを提案いたします。区長のご所見をお伺いいたします。 ○委員長 区長。 ◎服部征夫 区長 ご質問にお答えいたします。  がんは男性の3人に2人、女性の2人に1人が罹患すると言われており、早期発見のための検診受診率の向上は、大変重要であると認識しています。現在胃がん、肺がん、大腸がんの同時受診は、お申し出をいただいた場合、区内4カ所の医療機関で実施をしております。しかしながら、これらのがん検診と総合健康診査の同時受診は、医療機関の設備や人員等の体制により、一部の医療機関で実施している状況にあります。  小菅委員ご提案のオプトアウト方式の導入については、がん検診委託医療機関と実施方法について検討してまいります。引き続き区民の皆様にとって受診しやすい環境整備に努め、受診率向上対策を図ってまいります。 ○委員長 小菅委員。 ◆小菅千保子 委員 ありがとうございます。  もう今このときもがんで苦しんでいる方がいると思うと、やはり予防という観点にしっかりと合わせていく、方式をとっていくことが、まさに費用対効果で価値的ではないかというふうに考えております。  次に、糖尿病性腎症重症化予防について伺います。  国は、2016年4月、厚生労働省、日本医師会、日本糖尿病対策推進会議での三者で糖尿病性腎症重症化予防プログラムを策定いたしました。このプログラムは、糖尿病が重症化するリスクの高い医療機関の未受診者、また受診中断者について、関係機関からの適切な受診勧奨、保健指導を行うことにより治療に結びつけるとともに、リスクの高い通院患者に対して保健指導を行い、人工透析などへの移行を防ぐことを目的としております。  本区においては、2016年の総合健康診査の結果では、糖尿病が強く疑われるヘモグロビンA1c6.5以上の割合が、年齢が上がるにつれてふえています。本区では、糖尿病判定基準値ヘモグロビンA1c6.5以上の国民健康保険加入者への受診勧奨を実施していることは、高く評価いたしております。  そこで、伺います。今後の取り組みとして、国民健康保険加入者へのレセプトデータなどを活用し、治療を中断されている方や、過去の健診結果で糖尿病との診断を受けているにもかかわらず、治療を受けていない方に適切な受診勧奨を行い、かかりつけ医と連携して保健指導を徹底することで、糖尿病腎症重症化を防ぐことができるのではないかと考えております。結果として、区民の健康を守り、医療費の適正化も図ることができる施策であると考えております。区長のご所見をお伺いいたします。 ○委員長 区長。 ◎服部征夫 区長 ご質問にお答えいたします。  糖尿病性の腎症の重症化予防対策については、平成28年4月に国が、また30年3月には東京都が、それぞれ指針となるプログラムを策定しています。本区では、国民健康保険の加入者を対象に、これらのプログラムとデータヘルス計画に基づき、今年度から健診により糖尿病が疑われる方に、医療機関への受診勧奨等を行っています。また、現在、重症化のリスクの高い方や、小菅委員ご提案の治療中断者等を対象とした保健指導を含め、より効果的な予防事業について、国民健康保険糖尿病重症化予防事業検討会を立ち上げ、医師会等の関係機関と協議しているところです。糖尿病は知らないうちに重症化し、放置しているとさまざまな合併症を引き起こす病気です。早期の予防に努め、区民の健康を守ってまいります。 ○委員長 小菅委員。 ◆小菅千保子 委員 以前にも健康づくりという視点で質問を行いましたけれども、やはり自分の健康は自分でつくる、そして自分で守るというセルフメディケーションという考え方で、予防という観点で、積極的に健診を受けていく、そのようなお一人お一人の意識啓発がまず必要であると考えております。今回データヘルス計画も策定をされて、位置づけされたということは、非常にありがたく感じておりますが、やはり、まさにこのことが健康寿命、また活動寿命を延ばすことにつながっていくというふうに考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。  最後に、複数税率にかかわる中小小規模事業者への支援策について伺います。  昨今のニュースなどでも、2019年10月には消費税率を10%にすることが報じられております。2019年10月の時点では、軽減税率の導入も財務省で決定しておりますので、お酒類を除く飲み物や食料品と日刊の新聞については8%で据え置きとしております。食品などを扱う小売業者の方は、税率が8%と、また10%と複数になることから、売上高や仕入れ代金を仕分けして計算し、納税することになります。そのため、国は2016年から軽減税率対策補助金の事業を開始しております。これによりまして、複数税率に対応したレジの導入や受発注システムの改修などの準備が必要となることから、中小小規模事業者の負担軽減のための施策を実施しているところでございます。  台東区では、中小企業振興センターが相談窓口となり対応していただいておりますが、ここ数日の報道で、多くの関係事業者からの動きが出てくると推測されます。また、この軽減税率対策補助金については、期限があるというふうに伺いました。2019年12月16日ということで、一応期限の締めがあるということですので、ぜひ積極的に進めていただきたいと思います。  そこで再度、複数税率導入にかかわる中小小規模事業者への支援策を広く周知徹底していただくこと、また、相談に速やかに対応できる体制の拡充を整えていただきたいと考えます。区長のご所見を伺います。 ○委員長 区長。 ◎服部征夫 区長 ご質問にお答えいたします。  消費税率の10%に伴い、食料品等の税率を据え置く軽減税率制度が始まります。来年10月に向けて区内事業者の皆様には、着実に対応を進めていただく必要があります。区では、複数税率の導入に伴い、区内税務署と連携して説明会を開催し、変更となる業務の準備や活用できる補助制度等について丁寧に説明し、周知を徹底してまいります。また、特設の窓口を設けるなど相談体制の拡充を図り、円滑な移行ができるよう、区内事業者を支援してまいります。 ○委員長 小菅委員。 ◆小菅千保子 委員 ありがとうございます。  消費税については、本当は上がらないほうがうれしいんですけれども、やはり私たちのさまざまな社会保障制度をさらに充実していく、その意味においては、非常に重要な財源になってくるというふうに思っております。全世代が安心できる社会保障制度を維持していくためのものでございますので、来年の10月からは、幼児教育の無償化など、また教育費負担の軽減にも充てられるということが決定しております。いずれにしても、産業の担当部署だけのことではなくて、やはり税務課ですとかさまざまなところで、また区民の方にその辺の流れをしっかりとご理解いただくことも大事かと思いますので、よろしくお願い申し上げます。  以上で総括質問を終わります。ありがとうございました。 ○委員長 小菅千保子委員の質問を終わります。  日本共産党台東区議団、伊藤延子委員。  日本共産党台東区議団の発言時間を表示いたしましたので、ご確認ください。  それでは、質問をどうぞ。  伊藤委員。 ◆伊藤延子 委員 日本共産党の伊藤延子です。  台東区の高齢化率は、23区中第4位と高い割合になっております。私は、看護師、ケアマネジャーとして長年、医療、介護に携わる中で、区民の誰もが必要な医療や介護が受けられ、安心して暮らせる台東区にしたいとの思いで活動してきました。さらにこの台東区を区民一人一人が自分らしく生き、住み続けられるまちにしていきたい、こう思っております。  しかし、現実はどうでしょうか。相談活動の中で、高齢者や低所得者の方々がやむを得ず台東区を出ていく姿、これらを多々見ます。本当につらいものです。これらをどうにかしなければいけない、この立場から、住み続けられる台東区にするために、区長に質問をいたします。  はじめに、安心してかかれる医療、介護についての質問です。  国民健康保険料は、この決算年度で7,252円、1人11万8,441円と大幅に上がりました。今年度国民健康保険の財政運営は都道府県化され、一般会計からの法定外繰り入れ、いわゆる赤字分を縮小、廃止する方針が進められています。一般会計からの繰り入れは、高過ぎる保険料を抑える役割を果たしてきたわけです。これをなくせば、年金加入者や非正規雇用、無職の方など低所得者の方が多くを占めるこの国民健康保険料は、とどまることのない値上げになることは明らかです。ところが、服部区長は、23区区長会の方針に従い、今後6年間で一般会計からの繰り入れをなくす方針を明らかにしました。台東区では、ここ10数年、保険料の値上げを毎年続けてきましたが、区長は、ずっとこれからも毎年の値上げを宣言したということになります。  区長、来年度の保険料率を決める指標になる最新のデータから見ると、法定外繰り入れをゼロにした場合、台東区の保険料は幾ら値上げになるのか推測できますか。それをお答えください。  また、都道府県化のもとで足並みをそろえていると言いますが、自治体が独自で繰り入れをすることを禁止しているわけではありません。千代田区、中野区、他の県でも独自に保険料を維持したり、下げたりしているところはあります。  そこで、区長がこの区民の負担軽減を決断すればできることです、値上げをしないということをここで皆さんに約束していただけたらと思います。いかがでしょうか。 ○委員長 区長。 ◎服部征夫 区長 伊藤延子委員のご質問にお答えいたします。  まず、平成31年度の保険料についてです。  保険料算定の前提となる東京都への納付金額が決まっておらず、現時点での予測は困難ですので、ご理解願います。  次に、保険料の負担軽減策についてです。  本区においては、30年度の制度改革に際し、これまでの経緯等も踏まえ、特別区における統一的な方法に基づいて保険料算定を行うことといたしました。また、国による公費拡充や都独自の財政支援策に加え、特別区独自の激変緩和措置を講じ、可能な限り制度改革による保険料負担への影響の抑制に努めたところです。しかし、依然として国民健康保険を取り巻く環境は厳しい状況にあることから、今後も国や都へ財政措置を要望していくとともに、制度の安定的な運営のため、適切に対応してまいります。 ○委員長 伊藤延子委員。 ◆伊藤延子 委員 今でも高過ぎる保険料です。これらがさらに引き上げられれば、台東区は非常に滞納者が多いわけですね、この方たちがさらにふえ、受診控えによる病気の重症化などが広がります。私たちの健康、命を守るのが自治体の役割、社会保障の役割だと思いますので、その意味では、これには納得がいきません。  次に、保険料についてです。  この7月値上げされた介護保険料の通知書を見て、また受け取る年金が減るという声、これは区内各地で聞きました。介護保険料は年間6万7,800円から7万3,700円と大幅な値上げになりました。介護保険料は3年間の事業期ごとに見直されます。この決算年度は第6期事業の最終年度でしたが、介護保険会計の基金は10億円を突破しました。本当に介護保険料を値上げしなければならなかったのでしょうか。区は、事業期ごとに介護給付総額を予測し、それを根拠に保険料を毎回値上げしてきました。ところが、実際の給付は、5期で16億円、6期で23億円も予測より少ないんです。一方、保険料の値上げは、5期で20億円、6期で14億円の増収をもたらしました。そのために、2期連続で3億円ずつ剰余が生まれ、これが10億円を超える基金の原資となっているわけです。少なくとも決算年度までの6年間、介護保険料を値上げする必要はなかったのです。値上げをしなくても現水準の給付を、必要な基金も維持できたのです。  日本共産党の区議団のこの指摘に対し、理事者は、介護従事者の処遇改善への対応のために基金を残したと答えました。私は、決算特別委員会で処遇改善に幾ら、どう充当するのかと質問しました。これに対し、理事者は、国の方針に沿った実施をすると答え、区がみずから行うという姿勢ではありません。  区長、次の介護保険事業計画では保険料の値上げをやめるべきではありませんか。介護従事者の処遇改善は、国の方針のもとでの対策では全く不十分であることは、この間の経験から明らかです。不足する介護従事者を確保するため、一般会計からも充当する方策を講じるべきではありませんか。それぞれお答えください。  次に、平成27年度末から導入された介護予防・日常生活支援総合事業、いわゆる総合事業についてです。  介護保険では、要支援1、2の方が介護保険給付から外され、台東区の総合事業となりました。安上がりの介護としてつくられた制度としか言わざるを得ません。台東区独自の緩和型サービスを利用した場合、入浴介助や買い物付き添いなどの身体介護はできません。訪問看護は、60分から45分に縮まります。  私は、緩和型サービスが導入されたことで、利用者、介護従事者、事業者に大きな負担があることをたびたび指摘し、制度は導入すべきではないと主張してきました。2年が経過しましたが、ますます事業者や区民への負担がふえています。緩和型サービスは、訪問介護事業所の2割は扱わないんです。通所介護事業者では半分以下です。さらに昨年よりも数が減っている、事業者数が減っているんです。当然利用者にも、サービスの影響が起こるわけです。ヘルパーからは、1件当たりの訪問時間が短くなり、移動時間はふえ、給料は減ってしまうとの不満、これではモチベーションも上がりません。事業者は、報酬が下がるのにヘルパーの賃金は下げられない、これ以上ヘルパーがいなくなっては困るということでの運営の実態、非常に苦労している実態があります。これらの声を区はつかんでいるのでしょうか。  区長、2年が経過した総合事業の検証を行い、その結果を踏まえて総括が必要と考えますが、いかがですか。  国では、要支援者だけではなく、要介護1、2を介護保険から外し、総合事業化する動きがあります。要介護者の自立促進、生活援助サービスの利用制限などサービス後退の役割を自治体に担わせる方向を一層強化しようとするものです。  区長、国に対し、要介護1、2を総合事業化すべきではないと意見を上げるべきかと考えますが、どうでしょうか。
    ○委員長 区長。 ◎服部征夫 区長 ご質問にお答えいたします。  まず、介護保険料についてです。  介護保険料は、負担能力に応じた負担を求める観点から、所得状況により段階的に設定をされています。3年ごとの保険料の算定に当たっては、高齢者人口や要支援、要介護、認定者数、介護給付費などさまざまな傾向や要因を勘案しています。第7期の保険料については、約7億円の介護給付費準備基金を活用し、上昇を抑制したところです。また、低所得者に対する保険料軽減も実施しています。次期計画においても、引き続き、適正な介護保険料の算定に取り組んでまいります。  次に、介護従事者の処遇改善についてです。  国は、介護人材確保の取り組みをより一層進める観点から、消費税引き上げ分を財源とし、来年10月より一定の経験、技能のある職員への処遇改善を行うこととしています。区において独自の処遇改善を行うことは、現在のところ考えておりませんが、介護人材の確保、定着に向け、技術向上のための研修や資格取得の費用助成等については、一般会計の事業として行っています。引き続き介護事業者の支援に取り組んでまいります。  次に、介護予防・日常生活支援総合事業についてです。  総合事業は、高齢者が要介護状態となることを予防し、地域において自立した日常生活を営むことができるように支援することを目的とした事業です。本区では、従来型のサービスに加え、基準緩和型の訪問型、通所型サービスなどを実施しています。事業開始から2年が経過しましたが、介護予防給付利用者の総合事業への移行も終了し、サービスの利用件数、事業所数、いずれも増加しており、順調に運用できていると認識しています。また、高齢者保健福祉推進協議会において総合事業の進捗管理、検証を行い、課題の改善に取り組んでいます。引き続き総合事業の適切な運用に努めてまいります。  次に、要介護1、2の総合事業化についてです。  現在国では、介護給付のさらなる重点化、効率化を図るため、要介護1、2の方の生活援助サービス等について、第8期計画期間中の総合事業への移行を具体的に検討していくこととしています。区としては、国の動向を注視してまいります。 ○委員長 伊藤延子委員。 ◆伊藤延子 委員 ただいま区長より答弁をいただきましたが、今の答弁では、ますます介護の事業者の撤退、サービスの提供ができなくなるなど、いろいろな困難が出てくると思います。そして結果的には、介護保険があって、そしてサービスなし、このような状況になるのではないでしょうか。私は、消費税をこの介護保険に投入をすると言いましたが、全くこの間、消費税が上がっても社会保障関係は改善していない、このことを見ましたら、やはり危惧をするところです。しっかりと、今後もこの国との交渉も含めて、区民の命を守っていただきたい、介護を守っていただきたいというふうに考えます。  次は、特別養護老人ホームについてです。  先ほど寺井委員からも特別養護老人ホームの件、話されました。私は、違う角度から話させていただきます。  特別養護老人ホームの入所は、要介護3から5で、寝たきりか寝たきりに近い、在宅生活が困難な方が入所するところです。認知症など家族介護が困難な場合は、要介護1、2でも申し込みはできます。住みなれたまちで過ごしたい、家族として介護はしたいが、老老介護で負えない、介護離職になってしまうなど特別養護老人ホームの入所理由はさまざまですが、台東区内にあり、生活圏にあることが重要なのです。  区は、第7期介護保険事業計画で特別養護老人ホームの開設予定はない、高齢者の状況を見て考えるという消極的な姿勢でした。このような中、先日の保健福祉委員会で、特別養護老人ホームの入所指針が改正され、住所地特例の入所者の配点を見直すとの報告があり、区内特別養護老人ホームの674人よりはるかに多い837人の方が、この区外施設の入所者であるということかわかりました。私は、認知症の家族の事例なども挙げ、区内の特別養護老人ホームに入ることがどんなに家族共倒れの防止になるかを訴えた際、理事者は、特別養護老人ホームの申し込みをして、区内の施設ではなく、場所を選ばなければ郊外の特別養護老人ホームには入れるとの答弁でした。これは全く区民の要求を認識していない答弁ではないでしょうか。  そこで、区長、特別養護老人ホームの入所指針の改正により、住所地特例で、区外施設に入所されている方を住みなれた地域である区内施設に入所できるよう、特別養護老人ホームの増設を考えるべきと思いますが、所見を求めます。 ○委員長 区長。 ◎服部征夫 区長 ご質問にお答えいたします。  区では、介護が必要になっても、高齢者が住みなれた地域で安心して暮らし続けることができるよう、居宅サービスとともに、施設サービスの充実に取り組んでまいりました。特別養護老人ホームについては、昨年4月に新たな民間施設が開設し、現在の整備目標数を上回っています。今後の特別養護老人ホームの整備については、既存施設の老朽化対策も含め、さまざまな観点から検討してまいります。 ○委員長 伊藤延子委員。 ◆伊藤延子 委員 引き続き、次は、高齢者の住宅問題についてです。  台東区の高齢者実態調査では、約6,000人が借家住まいと推定されます。台東区は、マンション建設ラッシュですが、一方では、高齢者の立ち退き、高齢を理由にした貸し渋りなどが深刻な問題となっています。長年、区民として地域を支えてきた高齢者が、区内で生きていくことができなくなっているのが現状です。台東区の高齢福祉相談窓口への相談件数は、このような相談も含め、年々増加していると聞いています。高齢者の住宅確保支援施策のあっせん、家賃等債務保証、住み替え居住支援などの具体的な支援実績はほとんどありません。29年度は住み替え居住支援がわずか1件あっただけです。アパートあっせんの申請は10件ありましたが、成立は一件もありませんでした。  区長、この高齢者の住宅支援に対する課題をどうお考えですか。  私は、続けて、こんな相談を受けています、3階の持ち家だか、1階は仕事場だった、夫との思い出もあるので、この家に住んでいたい、高齢になり、2階、3階まで上がれないので、改装したいが、資金がないとの相談です。年金暮らしであり、年齢が75歳を超えていることから、区に相談したが、住宅修繕資金融資あっせん制度は受けられずに、解決しておりません。借家暮らしの方だけではなく、持ち家の方も大変困っている、このような状況が今ふえています。  区長、家を所有しているが、資金がなく、修繕することができない高齢者がこれからも地域で住み続けるためには、住宅リフォーム助成を拡充すべきかと考えます。いかがでしょうか。  台東区の高齢者住宅問題で実際に効果を上げている政策は、高齢者住宅の借り上げ事業、いわゆるシルバーピアです。しかし、ここ数年の応募は180世帯前後、入れるのは20数世帯です。倍率は6倍から8倍と非常に高い、とにかく足りないという状況です。5年前に三ノ輪にシルバーピア東泉ができたのが最後です。その後整備されていません。第7期台東区高齢者保健福祉計画では推進とされていますが、具体的な整備目標がありません。今、台東区は、不動産価格が上昇している中で、推進するには誰かが手を挙げるのを待っているだけでは実現しないのではないでしょうか。  区長、シルバーピアを増設すべきと考えますが、どうでしょうか。所見を求めます。 ○委員長 区長。 ◎服部征夫 区長 ご質問にお答えいたします。  まず、高齢者の住宅支援についてです。  本区では、入居に対する各種支援に取り組んでおりますが、高齢者が住まいを確保するには課題があることも認識しています。今後とも高齢者の多様なニーズを踏まえ、住みなれた地域で安心して暮らし続けることができる環境の整備に向けて取り組んでまいります。  次に、高齢者の持ち家リフォーム助成の拡充についてです。  現在日常生活の動作に困難がある高齢者を対象として、段差解消などの改善工事等の際に助成を行う高齢者住宅改修給付を実施しています。高齢者を対象とした一般的なリフォーム助成の拡充については、今後研究をしてまいります。  次に、シルバーピアの増設についてです。  本区では、計画的に供給を進め、17棟、284戸のシルバーピアを、建物所有者と協議の上、維持管理しています。また、本年第1回定例会において、新規供給についての報告を行い、現在整備に向け準備を進めています。 ○委員長 伊藤延子委員。 ◆伊藤延子 委員 いろいろな施策がある中で、なかなか効果が少ないという状況です。引き続きしっかりと頑張っていただきたいというふうに考えております。シルバーピアについては、ぜひとも増設をお願いいたします。  最後の質問は、近隣型商店街を振興し、買い物に困る高齢者の支援をすることについてです。  長年、商店街と地域を支えてきた生鮮産品の小売店や地元スーパーが、ここに来て次々に店じまいをし、高齢者の買い物困難者、買い物難民がふえています。ある商店街は、最近、大型店の出店で地元スーパーが閉店したため、移動販売の魚屋さんを週1回呼んで、地元の高齢者に喜ばれていると聞きました。これらを話しますと、この商店街だけではなく、他の商店街でも出張しているとのことです。  審議の中では、移動販売を誘致しようという近隣商店街への支援をすべきではないかと質問したところ、これに対して、理事者は、買い物支援対策は行っていると答弁しました。しかし、実績は、確認したところ、まだゼロということです。制度の内容が不十分なのではないでしょうか。さらには、この周知が十分にできていないということでしょうか。20数年前、佐竹商店街から八百屋さんがなくなるというとき、台東区は、その店舗の跡に生鮮食料品を扱うスーパーの誘致を支援したと聞いております。  区長、買い物支援対策の制度を一層周知し、空き店舗対策とあわせて買い物難民を救う実効ある近隣型商店街振興策にすべきと考えます。区長の所見をお願いいたします。 ○委員長 区長。 ◎服部征夫 区長 ご質問にお答えいたします。  区では、魅力ある商店街育成支援事業の中で、商店街等が実施する買い物弱者対策への支援を行っています。今年度も商店街に対する説明会を実施いたしました。今後とも商店街に派遣しているアドバイザー等を通じて、事例のさまざまも紹介も含め、周知を図ってまいります。 ○委員長 伊藤延子委員。 ◆伊藤延子 委員 服部区長は、所信表明の中で、第1に、元気な地域産業と商店街の創造、そして第3には、人情あふれる福祉と健やかな暮らしの創造というものを上げています。そして高齢者のためには、医療、介護、住まいなどのサービスを充実させ、一体的に提供していくと所信表明されています。  しかし、今、この答弁を伺いますと、本当にこのような形で進むとは思われない部分が多々あります。やはり今、区には450億円という基金などもあります、これらをしっかりと使うことで、区民一人一人がこの台東区で暮らしやすい、そして住み続けられる、こういうこの台東区をつくっていただきたいと考えます。  これで私の発言を終わります。 ○委員長 伊藤延子委員の質問を終わります。  日本共産党台東区議団、小髙明委員。  それでは、質問をどうぞ。  小髙委員。 ◆小髙明 委員 日本共産党の小髙明です。  はじめに、区民生活と区財政及び自治体の役割についての区長の認識をお聞きします。  2017年の家計調査では、勤労世帯の可処分所得は、2012年と比較して2.2%しかふえていません。一方で、消費者物価は、消費税増税もあり、5年間で4.4%上がっています。安倍内閣の5年間で勤労者の生活がそれだけ厳しくなったことがわかります。また、10月からは、生活保護基準の見直しが行われ、区内の生活保護受給者の83%が減額になっています。国民健康保険料は、10数年連続して値上げされており、この決算年度でも7,252円引き上げられています。  私は、審議の中で区民の税と社会保険、国民健康保険等の負担割合を示す国民負担率の変化をただしました。理事者は、給与収入500万円で、夫婦と子供2人の世帯で26.5%、昨年に比べ3万9,613円、0.8%アップしたと答えました。区民の負担は増加しています。さらに来年は消費税が10%に引き上げられようとしています。区民の負担が増加し、暮らしと営業が厳しくなっていることは明らかです。  区長、区長はこの区民生活の厳しさを、どう認識しているのでしょうか。見解をお示しください。  また、厳しさに追い打ちをかけるような来年の消費税10%への引き上げをやめるよう、国に意見を上げるべきと考えますが、いかがですか。  区は、少子高齢化や施設管理等の行政需要を理由に、毎年、財政は予断を許さないとの主張を繰り返しています。しかし、人口増による納税義務者の増加もあり、歳入は好調です。決算を見ると、27年度で39億4,000万円、28年度、39億8,000万円、そして今回の29年度も43億7,000万円の差し引き残額が見られ、基金が積み増しされています。財政状況が好転をしていることは明らかです。今回の決算の結果、区の基金は458億円に膨らみました。基金が146億円です。  区長、これ以上の基金の積み増しをやめ、厳しい区民の暮らしに寄り添い、生活、営業、福祉等にしっかり予算をつけ、区民を支援していくべきと考えますが、いかがでしょうか。  先日、沖縄県知事選挙が行われ、辺野古新基地建設反対を表明した玉城デニーさんが当選しました。しかし、安倍政権は、沖縄県民の意思を無視し、新基地建設を続けようとしています。地方自治をないがしろにし、県民の意思を無視したものと言わざるを得ません。地方自治体は、国の下請機関ではありません。国の仕事を自治体が行う場合に、その財源が保障されない超過負担の問題も解消していません。今度の決算でも、区民のプライバシーにとって大きな問題のあるマイナンバーカード事務で1億5,000万円もの超過負担があることが、審議の中で明らかになりました。また、本来地方税である法人住民税の一部国税化は、区の歳入を圧迫するものです。  区長、このような状況を踏まえ、3点伺います。1つは、地方自治の役割、その本旨についてどのように認識していらっしゃいますか。  2点目は、国と自治体の関係についてはどうでしょうか。  3点目は、国による自治体財政への圧迫から自治体を守る区長の決意についてそれぞれお聞かせください。 ○委員長 区長。 ◎服部征夫 区長 小髙委員のご質問にお答えいたします。  まず、区民生活への認識についてです。  先月の内閣府月例経済報告では、景気の先行きについては、雇用、所得環境の改善が続く中で、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待されるとしています。一方、本区の中小企業の景況によると、一部に改善が見られるものの、業種によっては厳しさが強まっている側面も見られます。また、個人消費は持ち直しているとされていますが、引き続き景気動向等を注意深く見守っていく必要があると考えています。  次に、消費税引き上げについては、国において種々の経済状況や引き上げが及ぼす影響等を勘案した上で適切に対応していくものと考えており、国への申し入れについては考えておりません。  次に、区民生活の支援と基金についてです。  区の財政は、歳入・歳出両面においてさまざまな課題を抱えており、今後も予断を許さない状況が続くことが予想されます。そのため、予算執行の結果生じた歳計剰余金は、基金へ積み立て、将来の行政需要の増加や景気変動などによる財源不足に備えることが重要であると考えています。私は、区民の皆様が安心して暮らせることを第一に考え、区民生活や経済活動への支援に積極的に財源配分を行っています。今後も区民サービスの向上を図るため、基金や特別区債を有効に活用し、安定的な財政運営に努めてまいります。  次に、地方自治の本旨についてです。  地方自治には、地方自治体が国から独立した立場で、みずからの判断と責任のもと、地域の行政を担当する権限を持つ、いわゆる団体自治と、地方自治体の運営が住民の意思に基づいて行われる住民自治という側面があります。私はこの2つが車の両輪として機能することにより、区が基礎的自治体として、責任を持って区民の視点に立った施策を迅速かつ的確に実施していくことができると認識をしています。  次に、国との関係についてです。  国と地方は対等、協力の関係にあります。その上で、国と地方の役割分担を明確にし、地方自治体がその責任と権限に応じた役割を果たせるよう、必要な財源を国が責任を持って保障することが重要であると考えています。区は、これまでも東京都と23区一丸となって、国に対し、国がみずからの責任において地方財源の拡充を図り、適切かつ確実な財政措置を講じるよう繰り返し強く主張しており、今後も国に対し、さまざまな機会を捉えて要請してまいります。 ○委員長 小髙委員。 ◆小髙明 委員 厳しい区民生活への認識がまだ不十分ではないかというふうに私は思います。  とりわけ消費税10%についても、適切に対応というような形で、事実上容認をしていると。午前中の答弁では、丁寧な説明というような言葉も聞かれましたし、そういった点では、やはり区民を増税から守っていくという姿勢が非常に弱いということを言わざるを得ないと思います。  区民生活の応援についても、そういう点では、基金を有効に活用という言葉はありますけれど、実際にどんどん基金が膨らんでいくと、こういう状況の中で、厳しい区民生活をしっかりと立て直していくため、区政がきちんとした役割を果たすということが必要だと思います。  地方自治を守る問題についても、私たちの問題意識とはかなりずれた問題意識だと思いますけれど、どちらにしても、区長が答えられたように、住民を守っていくと、最大の任務を、自治体は果たしていくということを改めて要求しておきます。  次に、行政を実際に執行している区職員が置かれている職場の状態について質問させていただきます。  私は、区役所出身のはじめての議員であります。そのこともあって、区の仕事を第一線で担っている職員が働きやすい職場をつくること、これを目指して活動してまいりました。台東区は、これまで内山元区長の株式会社台東区、ロボット行政などのスローガンに象徴されるように、人減らし合理化の先進区として、現業職員をはじめとする大幅な人員削減を行ってまいりました。その後も財政健全推進計画などによって福祉の切り捨てが進みました。  その結果、台東区はどうなったでしょうか。29年度の資料を見ると、年次休暇の取得状況は、1人平均12.6日、23区で最低です。病気休暇、休職は、27年度の55人から28年度、67人、29年度は84人へと大幅にふえています。心の病の増加との答弁です。超過勤務も減っていません。1人当たりの年間の超勤時間は、企画財政部で551時間、選挙管理委員会、387時間、議会事務局、336時間等々です。月100時間または月80時間が2カ月続くと過労死ラインと言われていますが、それに該当する職員が29人もいるというふうに答弁されています。長時間過密労働は明らかです。  さらにこの年度に行われた任用制度の変更に伴う主任主事、2級職から一般職員、1級職への切りかえは大きな問題を引き起こしました。切りかえは、すなわち降格と言えるものです。激務である係長にはなりたくないということで、切りかえを希望した職員は127人、うち105人が女性です。台東区の切りかえ率は23%、文京区の6%、荒川区の11%と比べても異常な高さです。とりわけ女性を見ると、29%になります。しかも、希望がゼロだった保育士を除くと35%の女性職員が切りかえを希望したんです。この件について、理事者は、23区で最も高い数値だと認めました。働きにくさと関連して、係長などの女性の割合は、23区でも1、2位を争う低さとも答弁しました。職員、とりわけ女性職員が管理職はおろか、係長にもなりたくないという職場は、どういう状況なんでしょうか。  加えて、先日の企画総務委員会で、国や地方自治体で発覚している障害者の雇用率について、台東区でも同様の誤りがあったと報告がありました。障害者の雇用機会を奪う重大な裏切り行為というべきものです。  区長、このように幾つもの指標で他区と比べて厳しい状況に置かれている区の職場実態を、どのように認識していらっしゃるんでしょうか。お考えをお示しください。  しかも、この任用制度の変更が、特別区人事委員会の勧告にも波及し、民間や国、都が賃上げというもとで、23区の人事委員会勧告は、史上最悪の賃金引き下げ、平均で9,671円、2.46%もの月例給の引き下げです。一般職員の最大賃下げ額は、月1万5,800円、主任主事で月1万5,100円、管理職よりも引き下げ幅が大きくなっています。第一線で働く職員にやる気が出るはずがありません。このような職場に区民のために働こうという有能な若い人が入ってくるんでしょうか。  私は、平成28年秋に行った27年度決算の総括質問で、サービス残業の有無を区長に尋ねたことがあります。区長は、適正に処理していると答えられました。29年4月に副区長をトップにした働き方改革推進委員会が設置をされ、10月から超勤のルールが変更になりました。この経過を見ると、本当はサービス残業があったのではないかなと疑問が残ります。  区長、職場実態を無視した大幅賃下げは、区職員のモチベーションを低下させ、行政にも悪影響をもたらすものです。よりよい行政サービスを維持するためにも、今回の勧告は実施しないとの姿勢を明確にすべきではないでしょうか。いかがでしょうか。  また、働き方改革推進委員会を実効あるものにするために、区長を本部長とし、識見を有する外部の第三者と労働組合の代表なども含む組織に再編成する気持ちはありませんか。  また、職場改善に向けた方向性についてもお聞かせください。 ○委員長 区長。 ◎服部征夫 区長 ご質問にお答えいたします。  まず、職場環境への認識についてです。  休暇取得率の向上や長時間労働の是正は、職員のモチベーションや仕事の質を高め、効率的な業務を行うために大変重要であると考えています。そのため、これまでも特定事業主行動計画に基づき、年次有給休暇の取得促進や超過勤務時間の削減に努めるとともに、それらに資する適切な人員配置などを行ってまいりました。私は、今後も働きやすい職場づくりと、区民サービスの向上のために、これらの取り組みをさらに推進していく必要があると認識をしています。  次に、特別区人事委員会勧告についてです。  私は、本年の勧告は非常に厳しい内容であると受けとめています。この勧告の取り扱いについては、人事委員会勧告の制度の趣旨や特別区の置かれた厳しい諸状況、さらには職務に精励する職員の適正な給与、勤務条件の確保といった観点を踏まえるとともに、国や他団体、民間の動向も勘案し、区民の理解と納得が得られるよう、慎重に検討してまいります。  次に、働き方改革推進委員会についてです。  区では、働きやすい職場環境づくりを進めるため、働き方改革推進委員会において対策を検討し、実施可能なものから順次取り組んでいるところです。委員ご提案の組織の再編については、現時点では考えておりません。今後も国や他自治体のAIやRPA等のICTを活用した業務効率化などの取り組みも参考にしつつ、全庁を挙げて実効性のある働き方改革を進めてまいります。
    ○委員長 小髙委員。 ◆小髙明 委員 今の答弁では、やはり職場の実態、十分に認識をされているとは思えないですね。本当に言葉だけですよ、率直に言わせていただいて。  実際に年次休暇の取得については、毎年最下位争いをやっているわけですよ。そういうことも含めて、やはり本当にしっかりした人員増をやって、職員の長時間労働や超勤を減らしていくということに全力を挙げていただきたいということだけ、改めて申し上げておきます。  人事委員会勧告についても、任用制度の見直しに伴うものですから、現実に、そういう点では、職員の給料が高いとか、そういう問題とは全く別の問題でありますから、これについては、改めて、その点からも、区長の人事委員会勧告をとめるという決意を促しておきたいというふうに思います。  最後に、平和と教育に関連してお聞きいたします。  私は、いわゆる団塊の世代になります。1964年の東京オリンピックを見て、オリンピックは本当に平和の祭典だと感動した記憶が残っています。しかし、台東区の東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた取り組みには、平和の視点がほとんどありません。とりわけ、オリンピック・パラリンピック教育に平和の視点がないことについては、これまでも質問してまいりました。そして、今回の集中審議でも十分な改善が図られていないということが明らかになりました。  昨年の今ごろは、北朝鮮の核実験、長距離ミサイルをめぐって一触即発の危機が語られていました。それが2月の平昌オリンピックを契機に、朝鮮半島の緊張緩和が進み、南北会談や米朝会談につながっていきました。オリンピックが平和の祭典であることを再認識いたしました。先日は、IOCが紛争地の難民選手代表団の結成を決定したということが大きな話題となりました。  さて、全国知事会は、7月に米軍基地負担に関する提言を全会一致で採択をして、日米両国政府に日米地位協定の改善を申し入れました。東京では10月から横田基地にオスプレイが配備され、都民から強い抗議の声が出されています。これらのことは、平和の問題、基地の問題が地方自治体にとっても重要な課題であることを示しています。  先日、区長に答申された台東区の新しい基本構想の案では、第3章で、区政運営の項で、平和と多様性の尊重という考え方が取り入れられました。私は、昨年の第1回定例会の一般質問で、基本構想に平和のまち台東区を位置づけるように求めてまいりましたので、この点は高く評価いたします。平和祈念事業での中学生の広島訪問も高く評価をされています。これからの時代を担う子供たちが平和をしっかりと学ぶことは極めて大切です。しかし、区長が23区で一番早く制定したと自負している教育大綱には、平和の文言が見当たりません。今、進められているオリンピック・パラリンピック教育に平和の視点がない、弱点の大もとがここにあるのではないでしょうか。  区長、区の教育分野での最高方針として位置づけられている教育大綱に平和をきちんと位置づけることが必要だと思いますが、いかがでしょうか。  ことしの3月、江戸川区が東京大空襲の常設展示場、平和祈念展示室を開設いたしました。小ぢんまりした施設ですが、平和を考える上では大切な施設です。  区長、今期で私は区議会議員を辞しますので、これが区長に対する最後の質問となります。もう何度も要求していますが、台東区こそ東京大空襲の資料を集めた常設展示場の開設を決断すべきと思いますが、いかがでしょうか。 ○委員長 区長。 ◎服部征夫 区長 ご質問にお答えいたします。  まず、台東区教育大綱については、今定例会に上程している新たな台東区基本構想の策定を踏まえて、改定の必要性を含め、総合教育会議において検討してまいります。  次に、東京大空襲の常設展示場の開設についてです。  本区では、平和を考える展示として、毎年8月、平和に関するパネル展を実施するほか、3月に行われる東京大空襲資料展についても共催しています。常設展示場の開設については考えておりませんが、昨年度から実施している中学生の広島派遣を含め、今後とも平和の大切さを後世に伝えていく取り組みをさらに進めてまいります。 ○委員長 小髙委員。 ◆小髙明 委員 教育大綱を検討するというお答えですから、しっかりと新しい基本構想を踏まえて検討していただきたいというふうに思います。  とりわけ、先ほども触れましたけれども、児童・生徒が平和について学ぶことは大変重要です。とりわけ、憲法第9条を持つ日本では当然のことです。実力集団である自衛隊を前にして、安倍首相が憲法第9条を改正しようと、このように訴えるような異常な状態を見ると、そのことをより一層痛感いたします。平和の取り組みについても、さらに進める、充実させるということでありますから、その点をしっかりと進めていただきたいと思います。  ただ、触れておきますが、江戸川区の大空襲での死者は800人というように言われております。台東区は1万人です。数だけで比較をする気はありませんけれども、やはり台東区は、東京大空襲と言われたときに、文字どおりその悲惨さを象徴する地域として、写真その他で紹介をされるわけですよ。その台東区がしっかりと常設展示場をつくって、平和を望む多くの区民の願いに応えていただくということは、絶対に必要だということを改めて申し上げておきます。  この総括質問で区長の答弁、いろいろいただきましたけれども、区民に寄り添うものとしては非常に不十分であります。また、区民の負担もふやすという、国民健康保険の問題等についてもお考えが変わっておりません。基金の活用についても、消費税10%の増税についても極めて不十分な答弁であります。私たちは、行政の第一線で働く職員の皆さんのための職場づくりも、まだまだ不十分だということも改めて指摘させていただきます。  したがって、日本共産党としては、今回の平成29年度一般会計、同国民健康保険事業会計後期高齢者医療会計介護保険会計、この4つの会計については認定できないということを申し上げて、総括質問を終わります。 ○委員長 小髙明委員の質問を終わります。  つなぐプロジェクト、冨永龍司委員。  つなぐプロジェクトの発言時間を表示いたしましたので、ご確認ください。  それでは、質問をどうぞ。  冨永委員。 ◆冨永龍司 委員 つなぐプロジェクト、冨永龍司です。決算特別委員会総括質問に当たり、区長に3点質問させていただきます。  まずはじめに、若者の居場所づくりについて伺います。  近年、学校や社会生活の中で自分の居場所を見失い、居場所かないと感じる若者がふえているのではないでしょうか。居場所を失うと、ひきこもりにつながる原因の一つとなります。内閣府の平成29年度版子ども・若者白書によると、15歳から39歳で自室及び自宅から出ない者が5.5万人、近所のコンビニまでなら行く者が12万1,000人とされています。この方たちを狭義ひきこもりと分類して合わせて17.6万人おられ、自分の趣味に関する用事のときだけ外出する者が準ひきこもりとして36.5万人おり、全て合わせて広義ひきこもりとして54.1万人と発表しました。これは、15歳から39歳の人口に占める割合の1.57%になります。原因としては、職場や学校になじめない、就業や受験の失敗、不登校や人間関係などさまざまですが、これらに値しないその他も多く、その中でも具体的にあらわせないもやもやした心境など、この決算特別委員会においても、本区の不登校者の理由の中で不安と答えている人が増加していることでもあらわされているように、主な原因がなくひきこもりになる方がふえているように感じます。現在では、ひきこもりが長期化して、親に支えてもらい生活していた方で、親が高齢になり、所得が減少し、また介護が必要になったとして、子供を支えられなくなり、ともに生活が厳しくなることが新たな社会問題となっております。このことが8050問題と言われるようになりました。ひきこもりになった方への対応、支援は、重要なことでありますので、現在もさまざまな対応をされていると認識しておりますが、今後もさらなる対応をお願いいたします。  しかし、ひきこもりからの脱却は簡単なことではないので、ひきこもりになる前の対策も必要なのではないでしょうか。さきに述べた内閣府の数値の中で、自分の趣味に関する用事のときだけ外出する準ひきこもりの方が36.5万人でしたが、その予備軍とされている方は155万人いると言われております。ひきこもりになる方の原因としては、本人独特の性格によるものと言われており、その性格にはさまざまありますが、多くはナイーブさを持っている方で、無口であったり、内向的であったり、人に対して優しかったり、人と争うことを苦手にしたり、目の前の問題を回避しがちだったり、自意識が強かったりなどが合わされてできている性格と言われております。このような方は、子供のころにはおとなしくて優しくて、親の言うことをよく聞くよい子と言われていることが多いです。ですから、親や他人の言うことをよく聞く、悪く言えば、他の価値観に縛られて自分自身があらわせなくなり、孤独感につながって引きこもってしまうのではないでしょうか。  人それぞれの生き方の価値観は多様ですので、まずその人を認めることが大切だと言われております。家族や周りの人は、その人の多様性を認め、理解することが重要であり、そのための啓蒙も行うべきですが、なかなか理解されなく、理解してくれる方もいない方たちのために、ひきこもりや社会から孤立することなく、安心して社会生活を送るための、いつでも気軽に相談や集うことができる施設を整備すべきと考えますが、区長の所見をお伺いします。 ○委員長 区長。 ◎服部征夫 区長 冨永委員のご質問にお答えいたします。  社会から孤立した若者やひきこもりに対応するため、区ではひきこもり等の相談を実施し、本人や家族の心理的な負担軽減に努めているほか、必要に応じて医療や就労など、次の機関につなぐ対応をしています。また、ひきこもりについての啓発を目的とした講演会や家族同士の意見交換の場を提供しています。  現在実施している次世代育成支援に関するニーズ調査では、18歳から39歳の若者を新たに調査対象とし、若者のニーズやひきこもりの実態等の把握に努め、冨永委員ご提案の若者の居場所づくりも含め、必要な施策を今後検討してまいります。 ○委員長 冨永委員。 ◆冨永龍司 委員 区長、前向きなご答弁ありがとうございます。  若者の居場所づくり、本当に難しいことだと思います。ただ、数年前に、便所飯という言葉、衝撃的な言葉がありました。何かなと思ったら、一人でトイレでご飯を食べる、今でいうと、ランチメイト症候群という名前に、最近なったそうですけれども、本当にそういった若者で、居場所が見つからない方もいます。若者の悩みの中の多様性という中ではLGBTの問題もありますので、そうした方がしっかりと理解できるような区政になっていただけると、私は願っております。  次に、創業支援について伺います。  2004年4月に旧小島小学校の校舎を利用しスタートした台東デザイナーズビレッジは、ことしで15年目を迎えました。この施設を設立した経緯としては、当時、地場産業であるファッション雑貨産業が中国をはじめとするアジア諸国からの安価な製品と欧米の高級ブランド製品との激しい競争にさらされ、業績悪化に苦しむ企業が増加し、台東区の地場産業は大変厳しい状況に直面していました。地場産業が厳しい競争を勝ち抜くためには、各企業が独自の企画による付加価値の高い、差別化された製品を生産していくことが求められていました。しかし、区内産業の多くは中小零細で、受注型ビジネスがメーンであり、商品企画、デザインに関する人材を確保しておらず、また、商品企画やデザイン開発に必要な資源も、蓄積も少ない状況でした。そこで、デザイナーに事務所や製作室、商談室などの創作活動や新たに創業する場を提供し、デザイン分野の人材と機能集積を図り、新しい創造的なものを生み出す拠点としてデザイナーズビレッジが創設されたと伺っております。  創設以来、86社が卒業し、その約4割が区内に起業しているとのことですが、第1回卒業の15社について検索してみたところ、そのうちの少なくとも4社が、現在も区内で営業されておりました。移り変わりの激しいファッション業界において、さらに台東デザイナーズビレッジがスタートしたばかりの時代の卒業生と考えてみれば、私としては大変健闘していると思っております。その卒業生たちの活躍により、現在では約10倍を超える申し込みがある年もあり、台東デザイナーズビレッジに入居できれば成功できるとのうわさも耳にするほどになっております。この施設は、モノマチなどのイベントの中核として、ものづくりのまちとしてのイメージを広げ、デザインプロダクトショップのコンセントやオリジナル文具のカキモリなど近隣にデザイン性の高いショップが開業され、すばらしい成果を上げております。また現在、この台東デザイナーズビレッジが入居する施設の中に、台東区産業振興事業団が移転され、創業への支援がさらに充実されたことにより、新たに創業を目指す方々が訪れるようになってきており、今や注目が集まる施設となってきました。しかし、施設公開日以外は原則非公開となっており、施設のポテンシャルを引き出し切れていないことが残念でなりません。  入居者以外の中小企業や創業したい方にも施設を利用させ、異業種が集まり、交流できるような場所をつくるなど、さらなる創業支援の拠点施設としての機能を整備すべきと考えますが、区長の所見を伺います。 ○委員長 区長。 ◎服部征夫 区長 ご質問にお答えいたします。  本区の中小企業振興センターは、創業支援施設である台東デザイナーズビレッジと中小企業の支援を行う窓口をあわせ持ち、創業期から成熟期までの経営相談など、さまざまな支援を行っています。  冨永委員ご指摘のとおり、台東デザイナーズビレッジは、入居者の事務所であり、管理運営上、原則非公開となっていますが、年1回の施設公開や創業者向けセミナーの開催などを通じて、地域の皆様や事業者の方と交流できる機会を設けています。私は、これからの区内産業の成長、発展のためには、その担い手となる新たな創業者を支援し、区内にしっかりと定着していただくことが重要であると考えています。今後、中小企業振興センター全体の機能強化を図っていく中で、創業支援の拠点として最大限にその能力が発揮できるよう、必要な設備や機能などについて検討を進めてまいります。 ○委員長 冨永委員。 ◆冨永龍司 委員 本当に区長、よろしくお願いいたします。  今、徒蔵地域ですね、本当に注目されております。先ほど申したコンセントさん、余談ですけれど、コンセントは和製英語だそうで、海外では全く通じないということでしたけれども、あの方のインタビューを見ました。なぜ青山や表参道ではなく、蔵前に出店したのかという質問で、その方は、蔵前らしさがとても気に入ったと、大切だということを申していました。  私、ここで逆に思ったんですけれども、やはりいつかですね、青山や表参道に出店した人が、なぜ蔵前ではないんだと言われるようなまちになっていただきたいと、私は本当に思っております。都市計画マスタープランを作成している最中ですが、やはり台東区それぞれの地域のよさを生かしたまちづくりを発展させていただけると、服部区長には思っておりますので、ぜひともよろしくお願いいたします。  それでは、最後の質問です。広報活動の一層の充実について伺います。  行政がどのような事業を行っているのかを伝え、理解していただくことはとても大切なことだと思っております。私も区議会議員になる前は、行政や議会の重要性を理解することなく、多くの区民と同じように、区の事業の一部においては無駄だとか、必要ないなどと思っておりましたが、区議会議員となり、さまざまな本区の事業を理解するようになり、重要性を認識いたしました。区議会議員は、行政の事業を区民に伝える責務がありますが、伝えることの難しさを感じております。  実際に本区においては、全国に先駆けて行った子ども医療費無料化などの子育て支援対策や地場産業や商店街への支援、地域コミュニティへの支援、高齢者や生活困窮者の支援など、本区の区民や区内産業に沿う、大きな行政にはできない事業を行っております。このことが地方自治体の根源であるのですから、このことがしっかりと伝わらないと、区民の暮らしが向上しませんし、各事業の重要性を理解していただけないと、近年ではふるさと納税などによる税収減につながってしまうのではないでしょうか。そのほかにもさまざまな啓発、普及による区民の健康維持や犯罪予防なども重要だと思います。  人々に何か意味を込めて伝えるアイテムとして、リボンが多く使われております。現在では数多くのリボンがあり、それぞれの問題に対して啓発・普及活動が行われております。その中で一番認知度が高いのが、今月行われている乳がん予防月間でのピンクリボンではないでしょうか。この活動の知名度が上がったきっかけとして、2000年に東京タワーがピンクの照明に染められたこととされております。私も見に行きましたので、よく覚えております。このようなことをきっかけに、行政においてもさまざまな啓発活動を行い、検診率を向上させ、予防及び早期発見に努めてまいりました。しかし、近年では、著名人が乳がんを公表するなどがあると、検診率が向上する傾向はあるものの、検診率が伸び悩んでいるのではないでしょうか。区民の生活にかかわるがん検診受診率向上は、本区においてもとても重要な事業です。キャンペーン期間は無論、日々においても職員全員が意識を持ち、啓発、普及を行い、さらにそれぞれの対象者だけに行うのではなく、職場や家庭などにも理解を得るための活動を行うなど、広く普及啓発させるためにも、行政における広報活動はとても重要なのではないでしょうか。メディアや企業なども啓発・普及活動を行いますが、やはり民間事業者であるゆえ、視聴率や企業イメージ向上などが伺えます。そのようなことが不要な行政こそが、着実に普及啓発への広報を努め、区民の皆様が笑顔で暮らせる台東区になるように、新規事業の周知は無論重要ですが、定期的に行うさまざまな事業においても、区民の認知度向上と事業効果を高めるため、広報活動の一層の充実を図るべきと考えます。 ○委員長 区長。 ◎服部征夫 区長 ご質問にお答えいたします。  私も各事業の認知度と、その効果を高める上で、広報活動の充実を図ることは大変重要であると考えています。現在、区では、職員の広報に対する意識と能力の向上に努めています。  平成28年度には広報の意義や重要性、広報媒体の特性や活用方法などをまとめた効率的な広報を行うためのガイドラインを策定し、職員に周知するとともに、昨年度から若手職員を対象としてガイドラインを教材とした研修を実施しています。  また、区民の情報入手の利便性を高めるため、本年8月からは広報たいとうをスマートフォン向けアプリなどで配信しています。今後も新規事業に限らず、各事業が的確に区民に伝わり、目的とする効果が高まるよう、全庁的に広報活動のさらなる推進に取り組んでまいります。 ○委員長 冨永委員。 ◆冨永龍司 委員 少し地味な質問かとは思ったんですけれども、普及啓発、本当にそうしたことによって、やはり1人でも悲しい思いをする区民がいなくなる、これが大切だと思っております。  私自身、区議会議員で8年目を迎えました。やはり議員として、どうしても世間から注目されてしまうような仕事をしがちですけれども、やはり地味な活動こそ大事だと、今回自分への戒めも込めまして質問させていただきました。ありがとうございました。 ○委員長 冨永龍司委員の質問を終わります。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ○委員長 ここで休憩いたしたいと思います。3時15分に再開いたしますので、よろしくお願いいたします。  なお、つなぐプロジェクトの残り時間は24分31秒となっておりますので、ご確認ください。           午後 2時58分休憩           午後 3時15分再開 ○委員長 ただいまから、決算特別委員会を再開いたします。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ○委員長 つなぐプロジェクトの残り時間を表示してありますので、ご確認ください。  つなぐプロジェクト、早川太郎委員。  それでは、質問をどうぞ。  早川委員。 ◆早川太郎 委員 つなぐプロジェクト、早川太郎でございます。  今回は3点、区長に質問、提案させていただきます。  まずはじめに、区財政について伺います。  決算にかかわる資料や5日間の委員会審議における答弁などから、平成29年度の台東区の財政状況を分析してみると、歳入では主要収入源である特別区税は、前年を5億円も上回る約215億円となっておりますが、午前中、髙森委員からもお話がありました、ふるさと納税の影響額は、27年度の税制変更以来、着実にふえてしまい、29年度では3年間で10倍以上の約3億8,000万円、30年度では当初予算見込みを大幅に増加し、約5億3,000万円となっています。野田前総務大臣の会見では、一部過熱した返礼品についての規制の話がありましたが、制度の根幹的な改正がなされていない以上、今後も寄附額の増加及び特別区民税への影響額も増加していくのではないかとの答弁もありました。  また、鈴木委員もおっしゃっていましたが、たばこ税でいえば、国では健康増進法の改正があり、より厳しい東京都の受動喫煙防止条例も成立し、2020年4月の全面施行に向けて徐々に一部施行が始まっていきます。喫煙できる環境が減っていくのなら、売り上げも落ちてくるのではないでしょうか。たばこ税率の引き上げに伴い、喫煙者の減少も予想されることなどから、今後もたばこ税収については減少するとの答弁もありました。特別区税の今後の減収が危惧されます。  また、地方消費税交付金は、消費動向による増などにより約3億円の増収でしたが、税率引き上げによる影響は、区が支払う消費税や法人住民税の国税化などの影響で、29年度はマイナス3億6,000万円となっており、区財政へのプラス要因とは言えません。30年度税制改正では、地方消費税の配分見直しが盛り込まれ、東京都全体で約1,000億円、台東区では約9億円の減収との推計もなされています。31年10月に消費税のさらなる引き上げが行われれば、地方消費税交付金の歳入と消費税支払いの差し引き影響額は平年度化すると、7億円弱のマイナスになるものと推計されているそうです。特別区交付金は対前年度マイナス約6.8億円となってしまいましたが、消費税増税後には、さらに国税化が強化される可能性も高く、特別区交付金に与える影響は深刻です。また、景気の低迷による歳入減や消費税増税分の転換措置として、国、都からの支出の減などの懸念もあります。さらに消費税増税を財源として始める幼児教育の無償化、保護者負担が一部を除いてなくなることはよいことだと思いますが、区の財政支出はふえるのではないかとの答弁もありました。29年度の歳入総額は、前年度より約21億円の増となり、区政史上2回目の1,000億円を超える結果となりましたが、将来の税収懸念はめじろ押しであります。  一方、歳出においては、子ども・子育て支援新制度にかかわる総事業費が年々上昇し、約110億円となっています。その110億円のうち整備経費、大規模改修経費などの整備コストを除いたランニングコストは約92億円かかっていて、新制度が開始される前の26年度と比べると、わずか3年間で29億円の増額、約1.5倍となっています。  先日の所管委員会の報告でも、子ども・子育て支援事業計画の中間改定の確保数では、既に待機児童対策が十分ではなく、本年度、ニーズ調査を改めて実施しておりますが、現行の対応を続けていくとするならば、かなりの数の保育施設整備が必要となってくるのではないでしょうか。保育園などの施設整備費やランニングコストはさらにふえていくことになるでしょう。それに加え、子供の人口増加に伴い、学校施設の整備、子ども医療費助成など、子育て支援経費は今後大幅な上昇が予想されます。  また、区有施設の維持管理、保全計画上での対策事業は40億円近くとなっています。施設保全は必ず実施していかなくてはならない事業であり、今後とも多額な経費がかなりの期間で必要となってきます。  そのほかにも、障害者施策における福祉サービスの充実や施設整備、高齢者対策における特別養護老人ホーム施設の再整備、震災・水害など自然災害への減災対策など、多額な費用が見込まれる課題は多数あります。  また、都市計画マスタープランの中間のまとめも、先日、所管委員会に報告されましたが、まちづくりもインフラ整備を伴うことから、将来的には多額な経費がかかっていくことでしょう。リーマンショック後とは要因が変化しておりますが、先ほど区長の答弁にもありましたが、区の財政状況はまさに予断を許さない状況であると私も思っています。  特別会計を含む台東区の全会計でいえば、29年度は歳入の増額などの効果により、当初予算で計上していた基金の活用を約20億円取り崩すことなく、事業執行を行うことができただけでなく、基金は約20億円積み増すこともできて、基金残高は約458億円、区債においては約22億円を活用しておりますが、返済も17億円しているので、残高は約146億円になっていて、今後の行政需要に応えていくための安定的な財政基盤の強化が、少しずつではありますが、進捗していると認識しておりますが、現在の基金や区債について区長はどのように認識しているのか、ご所見を伺います。 ○委員長 区長。 ◎服部征夫 区長 早川委員のご質問にお答えいたします。  台東区の財政において、今後、特別区民税等は減収の懸念があり、子育て支援をはじめ、高齢者対策、災害対策のなどの行政需要は増加するという見通しは、私も早川委員と同様であり、本区の財政運営は予断を許さない状況です。  現在、基金については、残高が増加傾向にあるものの、平成27年度以降、積立額は年々減少しております。特別区債については、平成29年度から残高が増加に転じておりますが、今後も区有施設の老朽化対策を計画的に進めるため、その財源として活用する必要があります。引き続き区民福祉の向上に寄与するさまざまな行政需要に対応するため、基金や特別区債を有効に活用しながら、安定した財政運営に努めてまいります。 ○委員長 早川委員。 ◆早川太郎 委員 区長も改めて今の台東区の財政状況、予断を許さない状況だとご答弁をいただきました。本当に今回、29年度の審議の中で、ずらずら今までいろいろなことを言ってまいりましたが、その消費税増税に関しての法人住民税の国税化ですとか、消費税配分の見直し、幼児教育の無償化に関しても、本当にいいことだとは思うんですが、なかなか国がその財源を確保してくれない事業が最近とみにふえてきていて、偏在是正というのは大事であるということを私も承知はしておりますが、本当にこのままいったら23区の財政状況はどうなってしまうんだろうかと真剣に憂いております。  ですから、そういうことの中で、今回、区の最高指針である20年後を見据えた基本構想が策定されましたけれど、それら施策を実現するためには、将来的な財政状況の悪化に備え、本当に投資的経費をふやしてでも、固定費の削減につながる施策を着実に実施していかないと、なかなか今後、台東区の財政状況が厳しくなるのかなと私は思っております。  そこで、固定費削減にもつながる事業の一つである区有施設の地球温暖化について、2問目を伺います。  6年間で43施設にLED照明を計画的に行っていく区有施設省電力型照明の整備事業が、この決算年度である平成29年度から始まっています。審議の場で効果を伺ってみれば、29年度は9施設で実施、電気使用量で9%、電気料金で4%の削減ができたとの答弁がありました。照明機器も多く、使用時間の長い雷門地下駐車場では、照明における電気使用量の削減は、1つ置きに間引きしていた時期と比べても45%の削減効果があり、さらには十分な照度が確保されたことで、運転手の負担の軽減や、犯罪の起きにくい環境にもつながり、大きな成果を感じているとの答弁もあったほどで、服部区長の英断を私は大変評価しています。  しかし、省エネ、再生可能エネルギー対策は照明だけではありません。公共施設保全計画に示した環境配慮の設計指針による実績や効果を伺ったところ、LED照明のほか、高効率の設備機器設置や節水仕様のトイレ機器などの導入、断熱性能を上げるため、サッシやガラスなどで省エネ化を図り、太陽光や地中熱などの再生可能エネルギーも活用していて、例えば忍岡中学校では約13%の削減を確認できたとの答弁もありました。  気候変動の影響により、干ばつや異常気象、海面水位の上昇、感染症の拡大、生物種の絶滅など、気候変動による被害は着実に世界中で広がっています。その影響は日本においても例外ではなく、猛暑日が続くことによっての熱中症や、西日本豪雨など局地的な集中豪雨による洪水、浸水被害などがあり、また、大型台風の日本列島縦断による各地での被害は甚大でした。昨今の異常気象による自然災害が日本を震撼させており、温暖化対策は待ったなしの状況に来ています。  2016年に開催されたCOP21において、世界の気温上昇を産業革命前と比較して2度未満に抑え、さらに1.5度未満となるよう努力するための取り組みを実施することなどのパリ協定が採択され、2020年以降、排出削減目標の作成と提出、対策実施の義務を負い、永続的な対策を続けることとなりました。日本はパリ協定を受けて、2030年度に2013年度比で26%削減というCOP21に提出した約束草案の達成に向けて、国内対策の整備を進めるべく、平成28年5月には地球温暖化対策計画が閣議決定され、高断熱化と高効率設備により、できる限りの省エネに努め、太陽光などの活用で年間に消費するエネルギー量をゼロにする建物、つまりはZEB、ネット・ゼロ・エネルギー・ビルなどの取り組みが示されました。公共建築物については、2020年までに新築公共建築物で、2030年までには新築建築物の平均でZEB実現を目指すとされています。
     お隣、千代田区では、本年作成された地球温暖化対策第4次実行計画において、全ての区有施設を対象に、2022年度までの5年間で2015年度を基準年として33.3%の削減を目標としています。しかし、台東区においては、平成28年に作成された区有施設の地球温暖化対策推進実行計画では、31年度までに4%以上、つまりは毎年1%の削減が目標となっています。これで十分なのでしょうか。区は率先して温暖化対策に取り組む責務があります。民間施設の模範となるよう、率先して省エネ化、再生エネ化を進めるべきであり、LED化の推進で達成してしまえるような目標数値ではなく、もっと踏み込んだ目標数値を掲げるべきです。  電気料金も、委員会審議の場で上昇傾向にあるとの答弁もありました。まだまだ化石燃料に依存した日本のエネルギー供給の実態を鑑みれば、昨今の国際情勢のきな臭い状況もあり、さらなる上昇も十分考えられるのではないでしょうか。  将来においても、決して楽観できる財政状況が期待できない中、省エネ機器の導入はランニングコストも減り、かつCO2削減に貢献できる。太陽光発電など、再生可能エネルギーの活用により、災害時の電力供給を賄うことができるようにもなり、災害時の事業継続にも有益で、環境教育の推進、区民の意識啓発にもつながります。  さらに、できる限り電力量を減らしていく、再生可能エネルギーの活用をふやしていく、こういった取り組みを積極的に推進していくことは、原発からの脱却を早期に実現するためにも大変重要な取り組みであるはずです。省エネ、再生可能エネルギーの導入は、今まさにアクセルを踏むべき施策であるはずです。  区は温暖化対策として、幾つかの事業を実施しております。事務所にはアドバイザーを派遣し、エネルギー削減効果を高める機器導入の助成を行っておりますし、家庭向けには太陽光や断熱二重サッシの助成なども行っておりますが、区有施設でそれらの対策がとられている施設は、決して多数ではありません。人に勧めるのなら、まず自分のところから整備を終えるべきではないかと思います。  公共施設保全計画作成後の大規模改修では、指針にのっとり、環境配慮はしっかりと行っていると思っておりますが、それ以前の改修では、環境配慮対応がしっかりとなされていない施設も多く、大規模改修を待っていたら、かなりの期間、放置されてしまう施設も多いのではと危惧しています。  消費電力の多い施設については、省エネ機器を導入する投資額とランニングコストとの試算を行い、その試算をもとに効果が高いところから、大規模改修を待たず、省エネ・再生エネ機器導入を行うべきです。区有施設のCO2削減をしっかりと進めていくために、実態としての区有施設のエネルギー消費量削減の成果をはかりにくいCO2削減目標だけでなく、施設ごと、エネルギー種別ごとの削減の数値目標を立て、しっかりとした進捗管理を実行できる仕組みを構築すべきと考えますが、区長のご所見を伺います。 ○委員長 区長。 ◎服部征夫 区長 ご質問にお答えいたします。  エネルギー使用量の削減は、区みずからが率先して模範を示し、先導的役割を果たしていくことが重要です。  本区では、区有施設全体の削減目標を設定した第4次区有施設地球温暖化対策推進実行計画を策定し、その取り組みを推進してまいりました。また、全庁的な推進体制を構築し、環境マネジメントシステムにより、各施設の使用量を把握するとともに、内部環境監査や研修を行っています。しかし、平成28年11月に発効したパリ協定のもと、温室効果ガスの大幅な排出削減が求められています。来年度に第5次計画を策定する中で、施設ごと、エネルギーごとの数値目標や、先進的な事例等を参考にした、より効果的な進捗管理について検討してまいります。 ○委員長 早川委員。 ◆早川太郎 委員 今、区長の答弁で、来年度、計画策定の中で検討していただけるということでございました。ぜひとも踏み込んだ目標数値を台東区として設定していただいて、その計画を着実に実行していただきたいと要望して次の質問に移らせていただきます。  最後に、区有施設の適正化、ファシリティマネジメントについて伺います。  昨年8月より基本構想を策定するための審議会に私も委員として参加させていただき、20年後の台東区を見据え、区政全般にかかわる施策についての議論をする機会を得て、大変勉強させていただきました。その審議会の中で、区有施設の総合的、計画的な管理について議論があり、副会長から、施設の維持・保全・適正化は同列で論じる話ではない、適正化があって維持・保全の方針が決まる旨の発言がありました。私も以前から申し上げておりましたが、まさにそのとおりだと考えます。  区は、今後の区有施設の整備に当たっての3つの基本方針を平成26年に作成した台東区施設白書で示し、その基本方針の3つのうちの2つ、予防保全型管理の推進と計画的な施設更新、施設管理の一元化の推進などを進めるために、台東区公共施設保全計画を作成しました。しかし、基本方針の2つ目、中長期的視点からの施設の再編、つまりはファシリティマネジメントについては残念ながら公共施設保全計画には反映されず、その後、平成29年に作成された台東区公共施設等総合管理計画において、その方針は示されましたが、現在に至るまで具体的な検討が進んでいたのか疑問に感じておりました。  今回の審議の中で、区民館について稼働率を伺ったところ、43%とのことで、27年度に伺ったときに比べ微増でありました。28年度から区外の方の利用も認めるようになりましたが、数字的にはなかなか伸びていません。今年度から、個人や少人数でも利用できるように、利用対象者の拡大を行うなど改善策を講じていることは評価していますが、5カ月間で25件、周知が行き渡っていないのかもしれませんが、稼働率を引き上げるまでには至っておりません。  同じような集会室を持つ社会教育館や社会教育センターでも、稼働率を伺ってみました。29年度より指定管理者も変更となり、新たな利用層の参加につながる講座なども開催していただいているようで、ホールは29年度66.4%、会議室は46.3%、和室は27.5%と、全ての施設で稼働率を上げています。しかし、社会教育センターや社会教育館の利用者の70%は60代、70代という答弁でした。5つある施設でエレベーターが設置されているのは社会教育センターだけであり、4つの社会教育館では、1階にある根岸を除く3つの社会教育館には現状設置されておりません。さらに老人施設でも入谷老人福祉館はエレベーターがなく、バリアフリー基本構想では大規模改修時に対応となっておりますが、32年度までの事業計画には実施時期も記載されていません。  審議の中で、老人福祉館や社会教育館などの今後の保全について伺ったところ、これまでの改修工事の対応状況の説明ではありましたが、建物の構造や敷地の状況などによって、必要なスロープやエレベーターが設置できない施設があることも事実、そういった場合、階段昇降機で対応したものやソフト面で対応するなど、総合的にバリアフリーの対応を図るようにしているとの答弁でした。エレベーターなどのバリアフリー対応が大変困難な施設で、利用者が高齢化していく中、現状の施設で利用者の方々にご不便をかけるのではと心配でなりません。  例えば、社会教育館や老人福祉館、区民館など、活用内容が類似する施設については再編、統合を視野に入れた整備計画も検討すべき時期に来ているのではないでしょうか。特別養護老人ホームについても、谷中は大規模改修が終了しておりますが、浅草や蔵前、三ノ輪などの施設でも老朽化が進み、改修は待ったなしの状況であります。このままの規模で介護保険料では賄い切れない運営コストを区が払い続けるのか、それとも保険料で施設運営が賄えるような施設規模とする施設のあり方を検討していくのか、早期に結論を出さなければならない問題も抱えています。また、障害者施設もグループホームやデイサービス、医療的ケアを必要とする人が利用できる施設の確保など、障害者施設の整備は今後さらなる需要が見込まれるとの答弁もありました。  さらに子育て施設、財政の質問のときにも述べたとおり、まだまだ保育施設の整備は必要でありますし、小学校では、昨今の就学前児童数の増加により、学区域以内の児童だけでも受け入れが困難になる学校が、改築している蔵前小学校のほかにも顕在化してきており、区としての対応も迫られてきています。  総合管理計画では、施設を改築する際、複合化、多機能化を図る方針となっており、既存の施設を更新するためのスペースは必要です。区有施設の絶対数は決して多くはなく、財政状況を考えれば、土地をどんどん買うわけにもいきません。台東区への転入も年々増加し、2万人を超え、転出も1万7,000人を超えています。台東区にお住まいの方が確実に変化しておりますし、制度変更や時代推移により、行政に求められる施設は変化します。限られた区有施設を、より行政需要に合った有効的な施設へと転換していかざるを得ません。  そういった状況が進行している中、今定例会の区長発言において、中長期的な視点からの施設再編など、効果的、効率的な施設のあり方についても検討し、必要な区民サービスを持続的に提供できる環境づくりに取り組んでいくとの発言がありました。区長も区有施設について同じ課題認識に立ち、ファシリティを進めていただけるものだと大変評価し、思わず聞き入ってしまいました。  施設の適正化は、統廃合なども含む施設の再編であり、総論賛成、各論反対となるケースも多く、また、区の将来推計においても、まだまだ人口が増加するという中で、再編をどう進めていくかは大変難しい行政課題であると思っています。しかし、基本構想をしっかりと実現していくためには、区有施設の適正化は避けては通れない道だと思っています。そのためには、庁内の体制整備も必要だと思いますが、区有施設の適正化について区長のご所見を伺います。 ○委員長 区長。 ◎服部征夫 区長 ご質問にお答えいたします。  区有施設の適正化については、必要な区民サービスを持続的に提供する上で重要であると認識をしています。  早川委員ご指摘のとおり、区では平成28年度に台東区公共施設等総合管理計画を策定し、改築の際における複合化、多機能化の推進や延べ床面積の縮減など、中長期的視点からの施設の再編を基本方針の一つとしています。  区有施設の適正化を進めるためには、増加傾向にある人口動向や行政需要の将来予測、施設再編における地域との合意形成などのさまざまな課題があります。こうした課題を踏まえ、区有施設の適正化については、新たな基本構想に定める将来像を実現するために、庁内の体制整備を含めて引き続き検討してまいります。 ○委員長 早川委員。 ◆早川太郎 委員 今、区長からご答弁いただいて、新たな基本構想に定める将来像を実現するために、庁内の体制整備を含めて、引き続き検討していきますというご答弁をいただきまして、ありがとうございます。  先ほどもちょっと申し上げましたが、去年の8月から基本構想策定審議会、私もありがたいことに、会派の代表として委員のメンバーの一人とならせていただきました。20年後を見据えて台東区をどうしていくかという本当に大きな話で、まさに時代は昔の20年とは違うスピード感で進んでおりますので、例えばICT一つとっても、では今から20年前にICTのスマホがこんなに普及していたのかとか、そういうことが想像できたのか、そんなこと決してなかったと思います。  例えば、ここのところ、区の重要な課題となっている保育施設の拡充についても、20年前とは言わず、10年前であったとしても、子ども・子育て支援新制度ができて、その保育の要件が変わって、待機児童ゼロに向けて、各自治体が今のペースで保育園整備を進めていくことを誰が想像できたのか。望んでいた人はいたと思いますが、このペースで進んでいくことを誰が想像できたのかと考えると、なかなか難しかったんではないかと。  あと、質問の中でも述べましたが、台東区の区民の方々が、ここのところずっと1万5,000人単位で出たり入ったりしていて、なかなかもともと地場で住んでいた台東区民の方と入ってきた方が一緒になって今の区民を形成しているので、そうなってくると、行政に求めてくる施設のあり方も変わってきているし、さらに今後、国の制度やいろいろなものができてくると、さらにまた新しい施設を求めるということが出てくるんだと思います。そういう意味では、しっかりファシリティを行っていただいて、なるべく有効的に使える場をつくっていかなくては本当にいけないんだろうと思っておりますので、その辺、ぜひとも頑張っていただきたいと思います。  29年度においての行政計画事業の達成率が約8割だったことについては、若干の物足りなさを感じますが、この決算年度においても、しっかりと行財政基盤の強化に努められておりますし、今後も安定した財政運営に努めていくとの答弁もいただきましたので、つなぐプロジェクトといたしましては、29年度決算について認定させていただきます。  ご清聴、ありがとうございました。 ○委員長 早川太郎委員の質問を終わります。  たいとうフロンティア、伊藤萬太郎委員。  たいとうフロンティアの発言時間を表示いたしましたので、ご確認ください。  それでは、質問をどうぞ。 伊藤委員。 ◆伊藤萬太郎 委員 夢とロマンの下町計画、たいとうフロンティアの伊藤萬太郎でございます。  決算特別委員会質疑に当たり、幾つかの疑問や感じたこと、また、これからの予算に反映していただければと、何点か総括的に質問をさせていただきます。  最初に、台東区独自の食品ロス問題と子供食堂の建設についてお尋ねをいたします。  まずは、公共的子供食堂設置を検討すべきと思います。食べられるのに捨ててしまう、この行為が私たちには耐えられないというのが原点かと思うのであります。  さきに私が発言したSDGsの中で、平成27年9月に開幕された持続可能な開発サミットにおいて、2030年までに世界全体の1人当たりの食料の廃棄を半減させ、生産・サプライチェーンにおける食料の損失を減少させるとの目標が掲げられています。貧困を撲滅し、持続可能な世界を実現するための関連した食品を提供する側と購入する側の行動に対して、食品ロスを抑えるための先進的かつ総合的な取り組みが急務としております。  一方、国内では、平成27年度で2,842万トンの食品廃棄物が排出され、食品ロスが646万トンあるとされています。まず台東区が基礎的自治体として考えることは、食品ロスを生活保護や就学援助制度の支援につなぐ取り組みから、子供食堂への連携を誘導することについて研究を急ぐべきと考えます。台東区の子供の飲食状況が十分に足りているとは思いません。まずは、現在ある幾つかの民間の子供食堂に加え、区全体に公平に食事が提供できる公共的子供食堂の設置を台東区が検討すべきと考えます。  一方で、根本的な食品ロス問題に対して、台東区民の意識変換を醸成すべきと考えます。当区は食料品店や居酒屋などの飲食関係の店舗などが多いまちであります。区では現在、食品ロス問題に対して意識啓発のために、区民に向けて年に3回程度の食品ロス削減講座を開いて啓発活動に取り組んでいます。しかし、さらに食品衛生協会などと連携をとりながら、この問題に本格的に取り組む必要性を感じます。まずは食品ロスに対してのコーディネーターを強化、育成していく必要があります。そして、ロスを出すほうからの飲食店の経営者や調理師やホール担当に対して講習会を実施して、きめ細かく人材をつくるべきだと考えます。  例えば、常に飲食現場に飲食に対する心構えが身につくようなキャッチフレーズを、店先に掲げてあるというような啓発を図るべきと思います。さらに、食品ロスについて、根本的な台東区民の意識感覚を醸成すべきと考えます。その食品ロスコーディネーターに食料の無駄をチェックさせて、その対策に総合的に全区的に取り組むべきであると考えます。  さらに、家庭で使われていないまま保管されている食品を募って寄贈するフードドライブ活動を台東区で取り入れ、実施すべきと考えます。加えて、飲食店や食料品店の食用可能な食品ロスと言われる食材を生かして、再生料理の調理拠点を台東区が整備すべきと考えます。それを子供食堂にも配食し、家庭の貧困対策や親の勤務環境改善につなげていけると考えます。区長のご見解をまず1つ、お尋ねいたします。 ○委員長 区長。 ◎服部征夫 区長 伊藤萬太郎委員のご質問にお答えいたします。  まず、子供食堂についてです。  区では、保護者の就労や家庭事情等により、孤立しがちな子供や家庭を支援するため、食事の提供と学習支援を行っている団体に対し、費用を補助しています。  現在、補助している4つの団体は、区内全域で事業を実施しています。さらに、区と補助団体等で構成するネットワーク会議を設置し、情報交換や周知活動をするほか、区内の食品事業者と子供食堂をつなぐなど、積極的に事業の展開を図っています。今後は、このような協働の取り組みをさらに推進してまいります。  次に、食品ロスについてです。  食品ロスを削減するためには、区民のもったいない意識を醸成し、実践行動につなげていくことが重要です。そのため、食品ロス削減を地域に広げていくための人材を育成する講座を実施してまいりました。今後は、その人材を活用して調理実習を行い、家庭への意識啓発を進めるとともに、飲食店などには業界団体と連携して、各店舗でできる取り組みや先進事例に関する講座の実施など、さらなる啓発に努めてまいります。  また、フードドライブ活動については、これまで活動団体に対し、エコフェスタへの出展機会を提供するなど、支援を行ってきたところです。これからもこうした活動の場や機会をふやすなど、団体への支援に努め、フードドライブ活動の充実を進めてまいります。  次に、再生調理する拠点の整備についてです。  飲食店などで食品ロスとなるものを食材として生かし、調理するためには、衛生管理、安定的な食材の確保、運営体制の構築などの課題がありますので、今後研究してまいります。  これからも区では、食品ロス削減の実践行動を地域に広げていくため、区民の意識の醸成と主体的な取り組みの支援に努めてまいります。 ○委員長 伊藤委員。 ◆伊藤萬太郎 委員 ありがとうございました。  次、短くまいります。上野、浅草、あるいは谷中地区に集中している観光地などに対して、台東区に新しい有名地区をつくり、売り込む必要があると考えています。それには、各町会を中心とした地域の代表と有識者と、「(仮称)地域台東区わがまち自慢・お宝自慢協議会」を設置して、その地域の自慢のできる、あらゆる観点から名所、名跡、物産などの名乗りを上げていただき、一つ一つ検討していったらどうかと思います。そして、1カ所でも2カ所でも誇れる台東区の名所、名物を指定して、それを磨き、上野、浅草、谷中の3カ所以外にクローズアップされる名所、名物をつくり上げていくことが必要だと考えます。  台東区のあらゆる場所に眠る多くの有名箇所が、宝の持ち腐れになってしまう気がしてならないのです。そして、台東区で意識的に取り上げさせて、名所、名跡、名物を戦略的につくり上げていく必要性を感じます。区長のご見解をお伺いいたします。 ○委員長 区長。 ◎服部征夫 区長 ご質問にお答えいたします。  本区は江戸から続く豊かな歴史や文化資源の集積などにより、多くの観光客を引きつけています。これらの地域特性を生かすとともに、新たな観光資源を掘り起こし、地域の魅力を高めることが私も重要であると考えています。  また、観光客の受け入れ環境整備をはじめ、観光消費の拡大や回遊性の向上を図ることにもさらに取り組んでいく必要があります。  区は、これまでも観光振興計画推進会議などをはじめ、観光・産業関連団体や、町会等からのご意見を踏まえ、観光振興施策を推進してまいりました。今後も、これらの団体との連携を深め、上野、浅草のみならず、区内全域にわたる観光魅力の向上に努めるなど、区民が愛着や誇りをより一層持てる観光都市を目指してまいります。 ○委員長 伊藤委員。 ◆伊藤萬太郎 委員 ありがとうございました。質問より長い答えをありがとうございました。  次に、地球環境保全問題に関しては、繰り返し、また、何年も追及してまいりました。  このほど、ストックホルム大学の国際研究チームがまとめた分析結果の報告によりますと、2020年以降の温暖化対策を定めたパリ協定の目標を達成しても、世界の気温上昇はとまらず、数百年後には地球の気温が4ないし5度高くなって、海面が現在より10ないし60メートル高くなり、地球がホットアース化して、人類が住めなくなっているだろうと温暖化対策の強化を訴えています。人類全体の問題を、足元から一人一人の人間がまずは認識することが大切かと思います。  以前にハチドリの話をさせていただきました。大森林の大火事に対して、ハチドリは火を消そうと1滴1滴の水を必死になって運んだそうです。私たち人類も地球温暖化がいかに解決困難であろうとも、未来世代にツケを残さないためにも、ハチドリのように一人一人自分にできることをやることが大切だと思います。現在の地球環境がいかに深刻であるかは、まず子供から知らしめていくことが必要かと感じます。国として取り組むためには、地球全体の環境教育の教科書をつくって、新しい教科として環境教育を徹底すべきと考えます。まずは台東区教育委員会として、地球環境を特別教科の授業として取り組んでいただきたいと考えます。環境教育といったら台東区と、ほかの自治体にその範を示す一歩を踏み出すべきと考えますが、教育長のご見解をお示しください。 ○委員長 教育長。 ◎矢下薫 教育長 ご質問にお答えをさせていただきます。  地球環境の保全は、全人類が国境を越えて取り組まなければならない重要な課題であると認識をしております。  そこで、学校教育におきましては、環境教育を発達段階に応じて位置づけ、実施しているところでございます。就学前では、遊びを通して自然に触れるなどの環境教育の素地を身につけ、小学校では社会科で清掃工場の見学等により、環境保全の仕組みを学び、理科では動植物の生活と自然環境との関係を、観察や実験を通して学んでおります。また中学校社会科では、国際社会の諸課題として地球環境の保全を取り上げ、その重要性を学ぶとともに、理科では義務教育の環境教育の集大成として、自然環境の保全と科学技術の利用について学習し、科学技術の適切な利用が自然環境と社会との調和に資することについて議論し、環境保全を地球規模で捉えさせております。そして、自分にできることは何かについて真剣に考えさせ、持続可能な社会に貢献し、人類の未来を切り開く人材を育成しているところでございます。しかしながら、環境教育を教科として位置づけることにつきましては、現状では難しいと考えております。  教育委員会といたしましては、環境教育を重要課題の一つと認識し、教科等の学習を通してさまざまな場面に触れさせることにより、環境教育の充実をさらに図ってまいります。 ○委員長 伊藤委員。 ◆伊藤萬太郎 委員 次に、世界の観光客を台東区全体で歓迎する体制づくりを構築するべきだと思います。  2020年がやってきます。台東区民は、比較的に外国人に対して内向的な面を持っていると考えています。それを区民全体で積極的にコミュニケーションがとれる体制を、意図的につくっていくことの必要性を感じます。たとえ外国語ができなくても、コミュニケーションの方法はあると思います。身ぶり手ぶりでいつもにこにこと、簡単な日本語で意思は通じると考えます。  東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会を2年後に控えて、観光客に積極的に対応ができるすべを教える講座を無数に開いていくことが必要です。現在、区では、おもてなしの人づくりの事業を行っています。外国人旅行者接遇研修会として、英会話と実践研修を年に数回のみ行っています。  そこで、区民のできる限りの多くの各層、各界の皆さんに、また、台東区の地域の隅々まで、外国の人たちと気軽に接遇のできる、そんな区民をどんどん意図的につくり出していくことが必要かと考えます。今から町会や各種団体、社会教育団体、小・中学校などに向けて、講座を戦略的に開いてもらう。区からはインストラクターや講師を区民の中からどんどん抜てき、育成し、派遣し、実践を中心に、目標3割から5割ぐらいの区民が、外国人と平気で対応ができる社会体制をつくっていくことです。そして台東区に一歩踏み入れたら、外国人が安心して区民の温かさに包まれ、ちょっと違うな台東区は、と思われるようにできたら、一段と台東区の評判は上がり、観光客も千客万来です。  東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会は目の前です。台東区インバウンド歓迎、おもてなし大改革計画を直ちに実施すべきです。計画ばかりでございますね。よろしくどうぞ。 ○委員長 区長。 ◎服部征夫 区長 ご質問にお答えいたします。  私も東京2020大会に向けて、区民一人一人がおもてなしの心を持って観光客に接することは大変重要であると、伊藤委員同様に考えております。  区は、これまでも、おもてなしの人づくり事業をはじめ、優しい日本語を用いた外国人とのコミュニケーション方法を学ぶ講座や、おもてなし語学講座などを行ってまいりました。また、小学校においては、指定校に専属の外国語指導助手を配置するなど、子供たちのおもてなしの意識や国際感覚の向上を図っているところです。  今後、さらにこれらの事業への区民の参加を促し、地域が一体となって外国人観光客をお迎えすることができるよう、おもてなしの心の醸成に努めてまいります。 ○委員長 伊藤委員。 ◆伊藤萬太郎 委員 次に、人生100年時代の対策についてです。  人生100年時代を迎え、ことしは全国で100歳以上が6万9,000人に達し、まだまだ増加しているそうであります。日本人はついに誰でも100歳まで生きる可能性がある時代に突入しました。100年といえば、現在高齢者が65歳からと言われていますので、35年間以上は最低生きなければなりません。35年といえば、かなり長い期間です。その間、私たちはどう生きたらいいのでしょうか。個人に任せるには限界があります。それこそ社会全体で総合的に、グローバルに対策を講じていかなければなりません。それが政府のつくる100年時代構想会議なのであります。  実は滋賀県は健康寿命推進課を以前から設置しています。男性の平均寿命が日本一、健康寿命は日本2番目となりました。女性はそれぞれ4位と2位です。さて、その構想に対して、各自治体がそれぞれに特性に応じて対策を講じていかなければなりません。70歳まで働く社会を構築すると同時に、まずは健康寿命延伸対策です。健康で長生きすることで、そのためには生きがい対策です。まずは、独居老人の孤独人生を壊滅させる対策が必要です。そのためには、屋外に出して、人と接して楽しい場をどんどんつくって、明るく楽しく元気に生きる環境をつくってやることです。まずは、人生100年時代に呼応して、台東区行政の中に健康寿命推進課を大胆に明確に打ち上げるべきと考えます。  さらに、台東区社会教育関係団体の活性化についてです。区には社会教育関係の登録制度があります。文化・スポーツ団体が毎日かなり積極的に活動を続けています。その団体をもっともっと広げて、高齢者の方々が、ほとんどその団体に参加してくれるようにすべきと考えます。もっと広報や公共媒体に積極的に掲載し、連絡先や活動内容を区民に広く知らしめる必要を強く感じます。  また、新しい団体が創設されるように、支援していくべきだと考えます。行政としてかかわることより、各地域の隅々まで、あらゆる文化・スポーツ関係団体が存在することにより、ひとり暮らしや消極的なお年寄りを、地域活動や趣味の世界に取り込んで、常に明るく楽しい人生の仲間入りを果たすことになります。それが介護予防対策と健康寿命を延伸することになり、人生100年時代に大きく花を咲かすことになります。台東区の社会教育関係団体の活性化作戦を実施すべきと考えるのですが、いかがでしょうか。  また、人生100年時代に呼応して、平成29年10月には、政府は自治体戦略2040構想研究会を立ち上げました。高齢化がピークを迎える2040年に向けて、自治体のあり方を検討しています。30年4月に第1次報告、7月に第2次報告が取りまとめられました。それによりますと、人口減少で、そのころには今の半数の公務員で行政を支える必要があるとして、圏域行政や共助の法制化を提唱しています。危機感を醸成して、変化を迫る報告に対して、自治体では戸惑いや反発も見られます。自治体の中には、さらに進んで、独自の将来像を描くところも出始めているということであります。台東区も圏域行政にも慎重な姿勢を示し、自治体戦略2040構想研究会に対応して、台東区の将来像をきちんと見据えるべきと考えます。自治体戦略2040構想に対しても、また、圏域行政に対しての台東区としての対応について、お伺いいたします。 ○委員長 区長。 ◎服部征夫 区長 ご質問にお答えいたします。
     まず、健康寿命推進課の設置についてです。  健康寿命の延伸は、人生100年時代を見据え、生涯を通じて穏やかで心豊かな生活を送るために重要であると認識をしています。  本区では、健康寿命の延伸を目指し、健康たいとう21推進計画をはじめ、高齢者保健福祉計画など、さまざまな計画を通して、あらゆる世代の健康増進施策を進めているところです。  伊藤委員ご提案の健康寿命推進課の設置については、他自治体の事例などを参考にしながら研究してまいります。  次に、自治体戦略2040構想についてです。  委員ご指摘の圏域行政については、現在、国の地方制度調査会において、圏域における地方公共団体の協力関係のあり方について調査、審議されており、引き続き国の動向を注視するとともに、研究会の報告内容とあわせ研究してまいります。  その他のご質問につきましては、教育長がお答えいたします。 ○委員長 教育長。 ◎矢下薫 教育長 ご質問にお答えをさせていただきます。  台東区社会教育関係団体の活性化についてでございます。  区民が地域で生き生きと楽しく暮らすために、社会教育活動への参加が有効であることは私も認識をしております。区内では音楽やスポーツ、趣味、地域活動等を行う多くの団体が活動しております。教育委員会では、会員が自主的、主体的に社会教育活動を行う団体を社会教育関係団体として登録し、活動場所の紹介や活動の発表の場の提供を行うとともに、入会希望者へは学習相談を通じた団体の紹介を行っているところでございます。  今後も社会教育関係団体の活発な活動を支援するため、団体活動に関する相談、活動の周知への協力、新たな団体を創設する際の助言など、さまざまな支援を通じて社会教育関係団体の活性化に一層取り組んでまいります。 ○委員長 伊藤委員。 ◆伊藤萬太郎 委員 ありがとうございました。  次に、地域に密着した話を申し上げます。区道の雨水ますについてお尋ねいたします。  常日ごろ、皆さんも感じていると思います。道路の脇などに無数にある升目状のふたがかぶったますのことです。まず、雨水ますへの吸い殻やごみのポイ捨てなどをやめさせる対策を講じるべきだと強く思っております。  そのふたに3種類あるということです。台東区の多くは、目の粗い、ちょうど吸い殻を捨てるに格好な大きさの升目状に口をあけているふたがほとんどではないでしょうか。喫煙者は、そのふたに目がけて、当然のごとく投下していく。私には、その行為に耐えられない憤慨を覚えています。雨水ますは、吸引車が清掃している姿を見かけますが、ふだんはそのままに放置されております。よく小動物の死骸や食べ物の残骸、嘔吐物が放置され、通行人が避けて通るほど異臭を放っていることがあります。どうして投げ入れやすいふたにしているのでしょうか。  ほかには、大きな穴が3つあいているコンクリート製のますと、前出と同じ鉄製で、より目の細かい形状のものがあります。ごみの入らない対策としては、目の細かい吸い殻などが入らないふたに変えるべきと考えますが、いかがでしょうか。  また、雨水ますに吸い殻やごみの投げ捨てはやめましょうと立て札を取りつけるなど、広報にも常に掲載し、注意喚起して、関係団体に周知徹底を図るべきです。また、周辺住民がポイ捨てなどの行為を見かけたら、みんなで注意するなど、啓発活動を図るべきと考えます。区長のお考えをお聞かせください。 ○委員長 区長。 ◎服部征夫 区長 ご質問にお答えいたします。  まず、雨水ますのふたの交換についてです。  区道には多くの雨水ますが設置されていますが、小さい網目のふたはごみなどが詰まりやすいため、歩行者の安全上、必要な箇所に限り使用しています。それ以外の箇所では、雨水を効率的に処理するため、大きい網目のふたを使用しています。降雨時における被害が懸念されることから、小さい網目のふたへの交換は難しいと考えています。  区では適宜、雨水ますなどの清掃を行っており、引き続き道路の良好な維持保全に努めてまいります。  次に、ポイ捨て防止への啓発活動についてです。  たばこの吸い殻やごみのポイ捨て防止は、まちの美化のために重要です。今後は雨水ますへのポイ捨て防止も含め、マナー指導員の巡回を強化してまいります。 ○委員長 伊藤委員。 ◆伊藤萬太郎 委員 残念です。ありがとうございました。  最後に、区政運営の今後の進め方についてお尋ねいたします。  台東区政は、過去において一番身近な区民組織の町会連合会に全面協力をいただき、区政の歴史をつくってまいりました。しかし、最近は生活環境が著しく変化し、町会組織そのものが老齢化し、弱体化の傾向が著しく、活力、機能が低下してきています。  さらに、再開発が進行してマンションが急増し、従来の住民も転居したり、マンションの一室に閉じ込められているような気がしております。そして、町会に関心のない新しい住民に占拠されて、まちが高層ビル群に覆われ、新住民のまちへと変換されています。台東区民の人口は増加していますが、現実は区内に住んで10年未満の人たちが約9万人となり、全人口の45%を占めるようになっています。  また、若年齢層が増加しているために、地域の風習やルールを知らない人たちもふえています。したがって、地元事業者が減少し、サラリーマンが増加してきていると。さらに外国人も多くなり、町会への加入や行事への参加も減少しています。  このように、区民の職業や年齢層が大きく変化している現在、町会が弱体化して、区政運営そのものに支障を来していることは否めません。まずは町会組織を強化して活性化することが、台東区政の最大の課題であると考えます。  23区の中で町会活動を活性化するための条例を豊島区が平成30年4月1日に、また、渋谷区が29年4月1日に施行しています。町会活性化条例を制定するなど、強力な活性化対策を講じるべきと考えますが、区長のお考えをお聞かせください。 ○委員長 区長。 ◎服部征夫 区長 ご質問にお答えいたします。  町会は、よりよいまちづくりのために活動を行うなど、区政を推進する上で長きにわたる大切なパートナーです。しかしながら、近年、町会では役員確保が困難な状況や、集合住宅居住者の加入が伸び悩むなど、課題が生じています。  区ではこれまでも転入者等に対し、町会が行っている地域のふれあい活動などの案内や、集合住宅の建築主等に対し、入居者の町会への加入協力を求めることなどを行ってまいりました。今後は、現在行っているマンション実態調査の結果などを参考に、新たな視点で課題を整理し、町会の活性化支援策を検討してまいります。 ○委員長 伊藤委員。 ◆伊藤萬太郎 委員 明るく楽しく元気よく、夢とロマンの下町計画、伊藤萬太郎でございました。ありがとうございました。 ○委員長 伊藤萬太郎委員の質問を終わります。  たいとうフロンティア、田中伸宏副委員長。  それでは、質問をどうぞ。  田中副委員長。 ◆田中伸宏 副委員長 今期で最後というか、36年間、議員を務めさせていただきました。その間、関係各位に改めて感謝を申し上げたいと思います。したがって、今決算特別委員会が私の最後の総括質問になろうかと思います。認定する立場で、大きくまちづくりについて、区長に2点にわたって質問をさせていただきます。  今、36年間やった中で、一体何が一番大切なんだろうと一生懸命考えたんですね。そしたら、結局は最後に行き着くところは、区民の経済活動の向学心の援助をすることだということを感じたんです。というのは、区民が、いわゆる露骨な言い方をすれば、もうかれば、福祉の世話になることもないし、財政だって豊かになってくるし、いろいろなものが大方それでやって解決されると。私たちは、議員も理事者の方々も、区民のために仕事をしているわけですから、区民が本当に豊かに生活できるようにというのはそういうことだろうと、このように思うんですね。  今、私がちょうど72歳になりますから、生まれたときは戦争が終わって、そのときは台東区なんて、もう商業のまちですよね、大きく言うと。商業と職人さんのいるまちなんですよ。そのときはみんな家業だったんですね、考えてみると。大体家業が多かった、企業は少なくて。その家業がだんだん流通の変化だとか、いろいろな変化、社会変化によっていろいろと流通も変わってきたんです。そのために、個人経営の近隣型商店街、特にそういうものが立ち行かなくなってきたと、こういうことだろうと思うんです。  ところが、台東区の全部の商店街がだめかというと、そうではないんですね。どこの商店街がいいかというと、台東区はご承知のとおり観音様がありますよね、上野のアメ横だとかという、広域型商店街は結構いいんですよ、別に悪くはないんです。したがって、近隣型商店街をよくするためにどうするかということは、もう限界があるということになるのと同時に、近隣の方々の購買力を高めるということは、人口をふやす施策をしていかなくてはならないと。人口はふえるわ、商業も活発になるわ、静かな環境が欲しいわというと、ある意味では矛盾しているんですよね。それを本当に皆さんできちんと整理をして、どのようにするかということを区民の方々一人一人が意識をしなくてはいけないと。わがままばっかり言わないで、私たちのまちはどういうことをやっていくべきだということを各自が認識する必要がこれからあろうかと、このように考えるんですね。そうすると、今決算特別委員会でも、建築紛争の問題がありましたね。こういうこともありましたし、そういう点を考えると、これからのまちづくりというのは台東区民にとって物すごく極めて重要だと、経済活動をするためにも。  ということは、子供が生まれて、今はおやじの仕事を継ぐ人がいなくなってしまっているんですよ。おやじの商売はもうからないからやめて、サラリーマンになっている。サラリーマンになって、どこかに勤めて、やがて郊外にうちを持ったりなどして、跡継ぎがいなくなってきたんです。ところが、今やっている方々は、今の商売に資本投下することもできないんですよ。自分の資本投下をして、それでうちを建て直そうとかなんだとかとやって、子供たちもこうなって、生活環境も変わってきたと。それではどうしたらいいのかということになると、台東区民の多くの方々は、残念ながら現金を持っていないんですよ。  ところが、あるのは土地なんですよ、地べた、固定資産は持っているんですよ。すると、その莫大な固定資産というのは、地価が高いですから、それを活用した経済活動をこれからやるということは極めて重要な要諦ではないかと思うんですね。今度はそれがまちづくりの共同化につながってくる話なんです。それが建築紛争をやっていて、この間の話の建築紛争というのは、この中では、感情論で建築紛争が行われているんですよ。それをやはりきちんとした考え方のもとでちゃんとした議論をしていかなければならないと、そのようなあり方になっていかなくてはいけないと。それは日ごろのまちづくりの話をみんながするような環境をつくる。環境をつくるということが、台東区にとって極めて重要な施策だと、こう考えるんですね。  ですから、そういったことで、今の建築紛争のあり方というのはどういうことかというと、感情論ですから、いわゆる前の施主が出てくるわけではないんですよ。設計の専門家と集団の素人の方々が出てくるんですよ、建築を知らない方々が、感情論でぶつけるんですよ。そうすると、その中には向上心がないんですよ、感情だけ生まれてだめになってくる。だから、だんだんそういうことになってくるということなんで、これからのまちづくりというのが極めて大事だということで、それを、いわゆる観光客が大勢来ていて、広域型商店街に少し変えられるところは変えていくと。それから、近隣型商店街の人たちは、人口をふやして近隣の需要を喚起するには、まちづくり。これは高いものを建てて工夫して、隣の1坪と表通りの1坪と地続きであっても、隣の裏通りの1坪とは値段が倍ぐらい違うんですよ。隣は20階でも建てられるけれど、うちは3階建てしか建てられないと、こういうところがたくさんあるんです。そういうことをうまくきちんと話ができる環境、そういったお手伝いをすることが極めて重要であると、このように考えます。  そんなことで、こうした課題を解決していくために、近隣住民が日ごろから話し合えるような環境をつくるということで、今の建築紛争のあり方というのは、標識が立ってから、ここ建てますよということが立ってから起こるわけですね。そのときには、建て主はたくさんの費用をかけて、設計費から何からいろいろな費用をかけて説明会に臨むわけですから、幾ら周りで言っても、その費用負担がありますからね、今のシステムだと建築紛争はなくならないと。なくならないというか、紛争の解決につながっていかないと、ガス抜きにしかすぎないというのが現実だと思うんですね。その辺のこれからの工夫というのをどのように区長が考えていらっしゃるか、これからはそういうことの施策というのを考えなくてはいけないと思うんですが、どのように考えていらっしゃるか、お聞かせください。よろしくお願いします。 ○委員長 田中副委員長、もう一つ、次のやつも言ってください。 ◆田中伸宏 副委員長 いや、これを聞いてからにしようと思ったんですけれどもね。それから、それに絡めて、旧坂本小学校跡地の問題がありますよね。そうすると、旧坂本小学校跡地はそういうことに活用するべきではないかと思うんですね。ということは、この中で、物すごくすばらしいことは、東京藝術大学との協働でやっていこうとしているんですよ。だって、一番大事なのは、住民がそのような東京藝術大学を活用して、一生懸命自分たちがよくなろうというような意識が盛り上がってこないと、なかなかうまくいかないと、このように思うんですよね。  ですから、そういったような住民の中の自分たちの狭隘な土地を広くして、もっと土地を有効活用しようという機運が高まるようなあり方というんですか、まちづくりはそういう区民の意識を高める視点を持った検討をすべきではないかと考えますが、区長のご見解、それから所見をお伺いいたしたいと思います。 ○委員長 区長。 ◎服部征夫 区長 田中副委員長のご質問にお答えいたします。  まちづくりの推進には、区民の意識を高め、地域全体の機運を醸成していくことが重要です。私も副委員長同様、マンション建設などにおける紛争を回避し、良好なまちづくりの実現につながるような事前の情報提供も必要であると考えています。  現在策定中の都市計画マスタープランでは、開発計画などの早期把握や、地域で共有化する仕組みについて検討しています。今後とも地域主体のまちづくりを着実に推進してまいります。  次に、旧坂本小学校跡地については、現在、地域から提出された意見書を踏まえ、東京藝術大学と連携、協力し、活用の検討を進めているところです。  本用地をはじめとした大規模用地は、いずれもまちづくりの核となり、地域はもとより区全体の活性化に資する貴重な財産です。引き続き地域の皆様と十分に議論するとともに、ご意見を丁寧にお聞きしながら、まちづくりの機運を高め、地域の活性化につながる活用を目指し、検討を進めてまいります。 ○委員長 田中副委員長。 ◆田中伸宏 副委員長 ありがとうございます。  極めてこの問題は難しい問題なんですね。ということは、個人の所有財産というか、そういったものに入り込むようなすれすれのことがなされないと、なかなか解決しないような、非常にデリケートな難しい問題をはらんでいますんで、難しさというのはよくわかるんですけれど、それだけに物すごく大事なことだと思うんで、ぜひひとつ、今これからいろいろな相続の問題だとか、各ご家庭の生活環境、それから各ご家庭の価値観というのはみんな違いますから、それをあわせて一緒にやろうということはなかなか難しいことだというのは承知しているんです。ただ、そのように区民の方々がみんなで協力してやることによって、自分たちがいい思いをするんだということに気がついて、お互いにそれぞれそういう価値観を認め合って前へ進めていくという施策の助けをするということは極めて重要な要諦だと思うんで、ぜひその辺はしっかりとやっていただきたいと。  それから、旧坂本小学校跡地の件については、とってもすばらしいことだと思います。東京藝術大学とコラボして、そして、その地域の経済活動に役立たせようという、すばらしい考えがありますんで、それはぜひ、そういったことの地域の住民、一番大事なのは住民ですから。地域住民の発展ということは極めて重要なことなんで、ぜひひとつその点をよろしくお願い申し上げまして、質問を終わります。ありがとうございました。 ○委員長 田中伸宏副委員長の質問を終わります。  たいとうフロンティア、堀越秀生委員。  それでは、質問をどうぞ。  堀越委員。 ◆堀越秀生 委員 決算特別委員会では言いたいことを大体言わせていただいたんで、基本構想を中心に質問させていただきます。  まずは、基本構想に対する考え方ですが、服部区長のお考えに反対とか、そういう嫌みを言うとかいうことではなくて、私なりの立場もお伝えしたいなということで、自民党さんなどはアベノミクスをもちろん、自党の総裁ですから掲げて、成功しているというお話ですが、私は必ずしもそうは思っていません。  というのは、去年までの3年間で確かに4.8%以上物価も上がりましたけれど、うち2%は消費税等を含めての増税、それから残る2.8%は円安、為替による作用が非常に大きいと言われています。何よりも、このアベノミクスをやってからマネタリーベース、この激変緩和というか、異次元緩和によってマネタリーベースはどんどんふえていますけれど、マネーストックの変化というものはあんまり変化がないと。これは、きっとこれから来る、後の荒廃、これが非常に恐ろしい、オリンピック後の荒廃が恐ろしい、そういう立場で私は認識しております。  ですので、ちょっと基本構想に対する考え方も違うところがあるかもしれません。また、基本構想策定審議会の中では、ITの問題やロボットの問題も語られておりますが、そこの部分をもっと重点を当てて、これから20年ということでありますから、まさにこの21世紀に入って、亡くなったスティーブ・ジョブズがiPodやスマートフォン、これを世に送り出したことを契機に、インターネットでつながる技術や環境が整い始めて、世の中は急激に変化しています。これは物のインターネット、インターネット・オブ・シングスということの、この世の中の流れの中にあらわれているわけですが、このインターネットでつながり始めた社会の未来像、このことを、行政が20年間を語るならば、まず先頭に持ってきて、この行政効率も含めて語っていくことが非常に重要ではないかと思います。  インターネットは、もはや単なる報道の道や情報の保管庫ではなく、物に会話させ、物を動かし、物をつくり、さらに物を考える働きをし、ついには世界の経済の根幹に影響を与える、それぐらいの力があるものだと思っているところでございます。  そんな中で、企画総務委員会の中でも基本構想が語られ、ちょっと1点、区長にお聞きしたいんですが、行政答弁では、人口減社会だった吉住区政時代と人口増傾向にある服部区政の違いに、ここにこの新しい基本構想をつくる意味があるということを、平成30年5月の企画総務委員会、青柳委員に対する答弁でも語っています。しかし、現行基本構想が策定された吉住区政時代の課題、つまりは少子高齢化時代に対応しながら、台東区の人口動態や区内マンション建築予定などによる人口増加を見込んで、18万都市構想プラスアルファを視野に入れてきたこの吉住区政時代の課題と、台東区の行政需要は基本的に同じではないかと私は今でも考えております。  つまりは、日本の昭和30年、40年の高度経済成長時代から昭和の終わりにかけて起きた東京近郊、あるいは郊外に居を移す、いわゆる人口のドーナツ化現象による都心人口減少時代から、バブル崩壊、リーマンショックなどにおける都心の土地価格の下落や、核家族化などによる都心回帰の流れの中で、あの吉住区政時代に起きた都心人口増傾向、台東区の人口増傾向が続いており、今でもそれが行政需要の中で非常に重要な問題であると思います。  そこで区長、お聞きします。基本構想を新たに作成するこの必要性というのは、私は吉住前区長と同じ立場に立っていくならば理解できるんですが、その辺の新しい服部区政の思いというものが、その基本構想の報告を読んでいて、私がばかなのかもしれませんが、なかなか伝わってこないと。どうしてもこの行政答弁だけを聞いていると、人口減社会だった吉住区政との違いが殊さらに言われるわけですが、服部区長の基本構想に対する思い、この辺をぜひお聞かせいただきたいと思います。  いかんせん行政の委員会の答弁とかでは、区民ワークショップや区民意識調査などの区民の声を踏まえながら基本構想を作成するという方向で頑張っていらっしゃるわけですが、なかなか区長のじかのお声が聞こえないので、ぜひその辺についてお聞きしたいと思います。よろしくお願いいたします。  それと、この基本構想の中で大きく語られるものがいっぱいあるわけですが、委員会でもちょっと私が質問させていただいた多様化の時代、LGBT、それからヘイトスピーチなど、何というか、差別的発言に対する問題について、この多様性、この多様化社会について、区長がどのように考えているのか、お聞きしたいと思います。  インバウンドの外国人観光客、これも観光局によりますと、2017年末で2,869万人になったと言われています。これは日本の人口の4分の1に近い人口が一時的にふえたということにもなり、観光客ばかりでなく、90日を超えて日本に滞在し、生活している外国人住民もふえています。法務省入国管理局によると、2017年末までには256万人強、日本人人口の全体の50人に1人の割合にも達しています。  思えば1990年に入管法が改定され、祖父母が日本人であれば日本での就労も可能になり、南米や中国から多くの日系人も在住するようになりました。ほかにも興業や留学、技能実習など、多くの外国人が日本で暮らしています。今後もさまざまな業種分野で外国人がふえる傾向にあり、多様な言語、文化、生活習慣など、まさに日本国内は多国籍、他人種が構成する多様性のあるオルタナティブな局面に入ったと言えると思います。  そんな中、性的マイノリティーに関するLGBTQ、さらにはAIの問題における差別的な言動、行動、また、他者、他国を排する差別的なヘイトスピーチ問題は、これは重要な問題で、各人の個性を尊重する教育を重視し、他者、他国を寛容に受け入れる国際観光都市である我が台東区の寛容性とも相入れないものであります。  そんな中、区長が以前在籍しておりました日本会議では、ジェンダーフリー教育の横行の是正など、性的マイノリティーに対する多様性の完全なる受容とは相反した運動があり、杉田水脈議員など、日本会議に属する国会議員による性的マイノリティーに対する差別的発言もありました。そこで、区長の政治理念、政治信条にかかわる重要な問題についてお聞きします。もちろん区長に対する個人的な恨みも何もありませんが、やはり台東区の首長ということで、どういう政治信条を持っていらっしゃるのか、そこをどうしても聞きたいので、お聞きします。  ある意味で、日本会議をおやめになったというのは、よい意味での政治的変節があったのでしょうか。この辺をぜひ区長に、その日本会議を辞した理由、ここを明確に答弁していただきたいと思います。これは今後の基本構想の審議の中でも、我々台東区議会が区長と語る上でも非常に重要な問題だと思いますので、よろしくお願い申し上げます。  そして、さらにお聞きします。先ほども髙森委員の質問にありましたが、つい先日、東京都が制定した東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例、これは今までの男女参画などの基本条例と違って、LGBTやヘイトスピーチについてはっきりと明文化して示す条例であります。台東区も今後、こうした明文化に追随していく気概が区長にはおありでしょうか、お聞きします。よろしくお願いします。 ○委員長 区長。 ◎服部征夫 区長 堀越委員のご質問にお答えいたします。  まず、新たな基本構想の策定理由についてです。  現行の基本構想の策定から10年以上が経過し、当時、16万8,000人だった本区の人口は19万人を超え、今後も増加が続くものと見込まれています。  この間、少子高齢化の進行や首都直下地震の発生が想定されるほか、情報通信技術が飛躍的に進展するなど、本区を取り巻く環境は大きく変化しております。また、安全で暮らしやすいまちづくりや厳しい経営環境にある中小企業への対策、待機児童数の増加など、区政の課題は山積をしています。  こうした多様化、複雑化する行政課題にきめ細かに対応し、本区が活力ある都市としてさらなる成長と発展を遂げていくため、新たな方針のもと、区政を展開する必要があると考え、基本構想を策定したところです。  今後は、基本構想で掲げる将来像、「世界に輝く ひと まち たいとう」の実現に向けて、総合的かつ計画的な行政運営を図ってまいります。  次に、日本会議についてです。  台東区長に就任時、辞しております。平成27年第2回定例会における秋間議員のご質問に、日本会議地方議員連盟には都議会自由民主党の一員として加入していたものです。現在、私は会員ではありませんと答弁しています。  私の政治信条については、日々の区政運営の中で明らかになっていると思います。  次に、LGBTQ、ヘイトスピーチに対する考え方についてです。  台東区男女平等推進基本条例では、性自認及び性的指向に起因する差別的な取り扱いを禁止し、また、ヘイトスピーチ解消法では、本邦外出身者に対する不当な差別的言動は許されるものではないと規定されています。このような法令に基づき、互いの違いや多様な生き方を尊重する社会の実現を目指していくことは重要であると考えています。  また、東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例の趣旨は、区の基本条例や法と同様であることから、今後も人権尊重の理念が広く区民に浸透するよう努めてまいります。 ○委員長 堀越委員。 ◆堀越秀生 委員 ありがとうございました。
     まず、基本構想についてですが、区長の思いもよく伝わってまいりますけれども、ぜひ私が述べたとおり、前回の決算特別委員会ですが、私、シェアリングエコノミーについても言いましたけれど、このIT、それからIoTの進化、これに即したものをぜひ全面的に基本構想の頭に持ってきていただいて、その中で行政効率をどう考えていくか、こういう視点に立ってやっていただきたい、それがまさに20年後は全く別の日本社会になっていますから、全然通用しないものにならないよう、ぜひお願いしたい。  それから、LGBT、それからヘイトスピーチのお考えも、いま一つ、ふだんの政治行動からとお話がありましたけれども、この間の委員会でも、男女参画の話を出してみたり、このヘイトスピーチやLGBTをはっきり明文化する、条例化するというお気持ちがなかなか伝わってこない。だから、もしそういう行動を示すというのであれば、ぜひそれはこの台東区、多様性を許容する台東区の首長として、はっきり区長の所信表明なり、その条例化に向けて、議会とともにやっていただきたいと強く思うところでございます。  続きまして、委員会中にも話しました、医療と介護の連携について、お聞きします。  先日の新聞、テレビニュースで、いよいよ政府自民党が次回の臨時国会で医療、介護の連携を目指す、一体的な法整備を図ると報じていました。これは慢性的に肥大する医療費、介護費用を構造的な連携改革により抑制していこうという取り組みの端緒とも言われております。  翻って、我が区を取り巻く医療関係を見てみても、ここ20年間、急速に進展する少子高齢化による疾病構造の変化により、これまでの急性期中心の病院医療、直す治療から、慢性期、在宅での見守り、支える医療へと区内環境は大きく変化してきました。  ここ数年の診療報酬改定では、医療機関の機能分化、強化と連携が示されており、また、地域医療構想の策定においては、地域において必要な病床、機能の把握と効率的な医療提供体制の構築が求められています。  また、医療連携のあり方も、以前の検査、治療による診療所から病院への一方的な紹介から、入院、治療から地域での外来、在宅治療への双方向性紹介への流れへと変わりつつあり、急性期の病院と回復期、慢性期の病院と病床連携、さらには介護施設との連携など、これまで以上に医療と介護の連携が重要となってくる局面に入りました。  そうした情勢変化を分析し、考えてみると、決算審議の中でも私が述べたとおり、厚生労働省の指針に即しながら、医療介護の連携のつなぎ役として台東区行政の課題はますます増大するばかりだと考えます。そうした中、特に私は区役所が率先して行うべきこととして、地域医療、福祉資源の把握や在宅医療、介護連携に関する会議の開催及び促進、さらには24時間体制の在宅医療、介護体制の構築などが必要と考えますが、台東区の現在の取り組みと今後の展開について、来年度予算に向けて区長はどのようなお考えを持っていらっしゃるのか、お聞かせください。よろしくお願いします。 ○委員長 区長。 ◎服部征夫 区長 ご質問にお答えいたします。  在宅医療、介護連携の現状についてです。  高齢者が安心して地域で暮らし続けられるためには、医療、介護の連携が、より一層必要となります。区では、関係者から成る協議会の設置や、入退院時における関係機関の情報共有のための入退院時情報連携シートの作成、地域の医療・介護資源の把握及び提供を目的とした医療・介護情報検索システムの構築など、連携推進に取り組んでまいりました。  今後も、在宅医療と介護が24時間切れ目なく提供される体制の充実に向け、協議会で検討するなど、区民が安心して療養生活を送ることができるよう、医療、介護の連携の推進に努めてまいります。 ○委員長 堀越委員。 ◆堀越秀生 委員 区長、ありがとうございました。  区長は日ごろ、歯科医師会、医師会、薬剤師会、三師会、六師会、こういった方々、また、福祉事業者と、本当に時間を割いて一生懸命、台東区の高齢者医療、福祉部の問題について語り合っていることは承知しておりますが、さらに前進するようによろしくお願いいたします。  それでは、最後の質問に入ります。  基本構想の中で、人口増傾向にあるという行政の捉え方もありましたので、またかと言われるかもしれませんが、私の質問、またことしもやらせていただきます。  これまでの区民文教委員会審議などを通じてご承知だと思いますが、台東区立の小学校の学区域には、子供の安全を脅かすような、危険で通学距離も長い異様な区割りになっているものがあります。その原因は、今から4期前の議会で小学校の適正規模適正配置の基本方針が審議され、多くの学校が統合された経緯があるからです。  家からわずか数十メートルの場所に小学校があるのに、わざわざ大きな通りを2本も渡り、500メートル以上も遠い学校に通わねばならない生徒さんもいます。これはどう考えても子供さんの安全上、そして親御さんの安心という側面からも、非常に憂慮される事態であります。私は、すぐにでも改善されるべきだと考えております。もし、今のまま学区域を放置して、万が一、子供の命にかかわる重大な事故が起きた場合、それは行政の政策の不作為による過失であると法的に責められても仕方ないような状況ではないでしょうか。もちろん区議会議員である私は、この台東区には町会や旧統合小学校区域の方々の事情、歴史的、文化的な考え方の違いがあって、お祭りなど、その方々の要望を反映すれば、画一的に学区域を再構築することは非常に難しいといったことも承知しています。しかし、もはや子供の安全を考えると、一刻の猶予もないのではないでしょうか。  そして、さらに区民の高齢化や町会組織率の低下といった地域コミュニティの問題を考えても、小学校学区域を適正な位置、距離関係に再編して、新しい時代に即した小学校のあり方、コミュニティのあり方を考える時期に入ったと思います。  そこでお聞きします。このように人口が増加していく状況を踏まえ、今後の小・中学校、幼稚園の配置、再編については、どのように教育長は考えていらっしゃいますか。  また、今述べたとおり、現在の小学校の通学区域は、通学時における子供の安全確保の視点からも問題があると考えます。そこで、通学区域の再編の必要性が改めてあると思うのですが、教育長のお考えをお聞かせください。よろしくお願いします。 ○委員長 教育長。 ◎矢下薫 教育長 ご質問にお答えをさせていただきます。  まず、小・中学校、幼稚園の人口増への対応についてでございます。  教育委員会では、これまでも児童・生徒数及び就学前児童数の増加への対応として、小・中学校、幼稚園について必要な施設の改修や教室整備などを行ってまいりました。今後も増加傾向が続くことが予測されておりますが、これまでと同様に既存施設を活用し、良質な教育環境の整備に全力で対応してまいりたいと考えております。  次に、通学における安全安心のための通学区域の再編についてでございます。  通学区域につきましては、指定校への通学距離が他の学校より長い場合もございますが、各小学校の児童数、学級数、通学区域の広さなどから、ほぼ適正であると認識をしております。  児童の通学における安全安心の確保は、私も大変重要なことと認識をしており、教育委員会では、通学路における交通規制や横断歩道の設置などを警察と協議の上、行っているほか、学校安全ボランティアや保護者、地域の方々による見守りを実施し、防犯カメラを設置するなど、さまざまな安全安心の確保策を講じているところでございます。  通学区域の再編につきましては、これまで学校が培ってきた地域との関係や歴史的経緯を十分に尊重する必要があるとともに、保護者や学校、地域への影響が大きいことを勘案いたしますと、慎重な対応が必要であると考えております。 ○委員長 堀越委員。 ◆堀越秀生 委員 ありがとうございました。  ほぼ適正であるということでございますが、どう考えても距離的な、例えばコンパスを使って同心円を描いていけば、明らかに偏りがあると私は思います。確かにいろいろな地域の文化や町会の脈々とつながってきた考え方もあるでしょうが、これは大人のことではなく、子供の安全の問題ですんで、教育長、ぜひよろしくお願いしたいと思います。  この間の定例会でも、通学路の問題だけではなくて、中学校の学校の中でいろいろ空調設備が落下して、危うく本当に子供の命にかかわるような問題が起きています。これは学校内、学校外を問わず、子供の安全というのは非常に重要な問題で、もし万が一、これだけ議論をしたのに起きたというときには、知らなかったでは済まされないし、教育長が職を辞すとか、そういうレベルの話ではなくなってきます。ですので、私も、これはいつもいつもやっているので、もういいかげん飽きられているかもしれませんが、そのくらい本当に重要な問題だと思いますので、真剣に取り組んでいただきたいと思います。  以上で質問を終わります。ありがとうございました。 ○委員長 堀越秀生委員の質問を終わります。  たいとうフロンティア、木下悦希委員。  それでは、質問をどうぞ。  木下委員。 ◆木下悦希 委員 いよいよ今決算特別委員会、総括質問の最後になりました。理事者の皆さん、お疲れさまでございます。  では、最後の質問に入らせていただきます。時間をたっぷりいただきましたんで、ゆっくりじっくりと最後を楽しませていただきながら質問させていただきます。  では、早速質問に入ります。私が生をうけてから70年たちます。区議会議員になってから32年がたちました。その間、台東区から一度も離れることなく、旅行は別ですけれどね、このまちに住み続けています。その間に、このまちは大きく変化してきました。また、その変化に沿って、このまちは下町気質と住民の郷土愛で台東区ながらのまちを守ってきたのだと私は思っています。  しかし、この10数年の間に国が進めてきた規制緩和により、大きく変わりつつあるのではないでしょうか。区の人口は19万3,822人になり、この中には外国人の人口が含まれており、その数は1万4,690人と、全人口の7.5%を占めています。また、住宅の変化を見ると、戸建て住宅が1万9,304戸、長屋が2,460戸、共同住宅が14万6,324戸となると、共同住宅戸数が全体の80%のまちになりました。それに伴い、商業用地比率が34.4%になり、住宅用比率が36.6%と、住宅用比率が商業用地比率を上回ってしまいました。また、税制面で見ると、特別徴収義務者は大幅にふえていますが、区内特別徴収義務者は大幅に下がっています。という状況が今決算の数字でありました。先ほど、まちづくりの中で田中副委員長がいみじくも指摘したことの心配の一つです。  また、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向けての外国人観光客の大幅な増加に伴い、ホテル、旅館数も大幅にふえました。このような状況を見ますと、今の台東区は衣食住近接と零細中小企業のまちから、観光と住宅のまちになりつつあるのではないでしょうか。区長の現在の台東区の姿についての認識をお聞かせください。 ○委員長 区長。 ◎服部征夫 区長 木下委員のご質問にお答えいたします。  本区の人口は、平成11年以降増加を続け、既に19万人を超えているほか、外国人人口についても近年、増加傾向にあります。また、区の昼間人口は長期的に減少しているほか、本区に居住し、かつ区内で働く人の割合も減少傾向となっています。さらに、共同住宅が増加し、外国人を含む観光客数は5,000万人を超えています。こうした状況は、居住形態や産業構造の変化の兆しを示すものと認識をしています。  台東区は江戸時代以来の歴史と伝統のもとに、個性豊かな文化を育んできた歴史と文化のまちです。また、本区には多種多様な産業が集積し、歴史を感じる町並み、緑、水辺といった自然など、数多くの地域資源を有しています。さらに、支え合いを基調とし、互いに協力しながらさまざまな課題に取り組んできた地域性が、今なお引き継がれています。  私は、こうしたさまざまな魅力を生かして、多くの人を引きつけ、活力あるまちを形成していきたいと考えております。よろしくお願いします。 ○委員長 木下委員。 ◆木下悦希 委員 確かに私は今ざっくりと台東区のまちのイメージというものを言っただけで、基本的にはいろいろな要素も含んで、それなりの行政対応をしていかなくてはならないなというふうには思っています。  しかし、大きなくくりで台東区の進む道を決めるとなると、どういうまちなのかというざっくりした形のものを持っていないと、台東区のまちの進み方がちょっとずつ狂ってくるのかなという心配がありましたので、しょっぱなにこの質問をさせていただきました。  次に、新たな基本構想を実現するための取り組みについて質問させていただきます。  衣食住近接と零細中小企業のまちを支えてきたのは、区内特別徴収義務者の方々と言っても過言ではないと私は思っています。その内訳を見ると、区内特別徴収義務者が6,053人、区内納税義務者数は1万4,657人です。単純にこの数を199町会で割ると、区内特別徴収義務者数は約30人、区内納税義務者数は約73人になります。先ほど、伊藤委員が言っていた町会の問題とか、そういうところがこの数字で出てきているのかなと私は思っています。この数値を見ると、我が区が基本的に進めていったコミュニティ主導の方針が崩れていくのではないでしょうか。  また、約8割のマンション住民の区に対してのニーズは、最近の国の働き方の変化により、共働きの世帯がふえてきて、生活の大半が仕事をする場所で、住宅地としてこのまちに帰ってくるのではないでしょうか。当然、区に対する要望等々が大きく変わります。それに対しての施策の展開は、大きく変わらざるを得ないのではないでしょうか。こうした区を取り巻く環境の変化を踏まえ、本区の活性化を図り、新たな基本構想の将来像である「世界に輝く ひと まち たいとう」を実現するために、今後どのように対応していくのか、区長の所見をお伺いします。 ○委員長 区長。 ◎服部征夫 区長 ご質問にお答えいたします。  山積する課題に的確に対応し、本区が引き続き活力ある都市として発展していくために、区政運営の最高指針である新たな基本構想をお示ししたところです。  今後は、新たな基本構想の将来像を実現するために、10年間の施策や取り組みを示す長期総合計画を策定してまいります。策定に当たっては、さまざまな環境の変化を踏まえるとともに、長期的な課題と、その解決に向けた取り組みの方向性についてしっかりと示していくことが重要です。  さらに、長期総合計画に掲げる取り組みの具体化を図るために、今後、重点的、優先的に取り組む事業を見定め、さまざまな行政需要に着実に対応していくことで、本区の明るい未来を切り開いてまいります。 ○委員長 木下委員。 ◆木下悦希 委員 先ほど伊藤委員のときにも、町会の活性化とか、町会を助けていくとか、区長はこれから計画しているという答弁がありましたけれども、実際に、やはり台東区というのは、コミュニティに頼って行政を進めている、これがまた台東区のよさであり、台東区の強さだなと私、実は思っています。  ただ、このコミュニティが崩壊してしまうと、もう要するに安全対策もできなくなってくる、全てのものが詰まってくると。そういう意味では、この基本構想ができた中から、次の長期総合計画の中でどのようにここを支えていくかというのは、私はすごく大きな問題だなというふうに思っていますので、そういうことを含めて、ソフト面の長期総合計画なり、これからそういう政策を進めていく中で施策を展開していただきたいと思います。  最後に、今後のまちづくりについてお伺いします。  先ほどソフト面の話をしましたけれど、そのソフト面を支えていくのはハードの面だと思っています。そのハードの面について質問をさせていただきます。  先ほど申し述べたように、国の規制緩和の方針で、住宅・土地統計調査を参考にすると、平成25年時点で戸建て住宅戸数が1万9,320戸と、5年前の調査の時点より1,650戸、約8%の減で、共同住宅の非木造は7万4,740戸で、5年前の調査時点より1万9,460戸、約35%の増になっています。この調査は5年ごとに行われる調査なので、平成30年の調査結果でも、この傾向はもっと加速しているものと推定せざるを得ないと私は考えています。その裏づけになる数値は、平成24年度から平成28年度までの5年間で1万5,049戸のマンションが着工されました。それは、年間3,010戸が着工されるということになります。また、耐震基準、昭和56年5月31日以前に建築確認を受けて建築された建物の中で、共同住宅の非木造の住宅戸数は約1万4,900戸になります。当然この共同住宅の建てかえ問題は、これからの大きな課題の一つになってくるでしょう。  その上で、決算特別委員会の観光費の中で課長答弁があったように、台東区全体が観光地ですと言われると、確かに台東区の観光ビジョンでは課長の言うとおりでしょう。しかし、80%に上る住宅戸数が点在する我が区で、住宅と観光という相反するまちが可能でしょうか。  また、教育費でお伺いしましたが、ゼロ歳から5歳が平成7年の時点で5,818人で、平成29年では8,088人に上っています。また、決算特別委員会のときにも各委員から現状の小学校の教室不足の質問もありました。私が今一番心配しているのは、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会が終わった後に、この台東区に大きな波が押し寄せてくるんでないかと思っています。  そこで、今後のまちづくりの行政指針である都市計画マスタープランの策定作業を進めているとのことですが、どのようなまちづくり行政の展開を考えているのか、区長の所信をお聞かせください。 ○委員長 区長。 ◎服部征夫 区長 大変長期的に、また俯瞰的な区政についてのご意見、本当にありがとうございました。  近年の区内の土地利用の変化や集合住宅への建てかえが進むなど、まちの姿が変化していることは私も認識をしております。そこで、まちづくりについての状況の変化や、多様な価値観・生活に対応した長期的な展望を示す必要があると考え、基本構想とあわせて新たな都市計画マスタープランの策定を進めています。  区内には拠点性をさらに高める地区がある一方、江戸から続く歴史や文化を大切に継承する地域など、多彩な地域があります。各地域の特性に応じた市街地環境を形成することが不可欠であり、そのための誘導・規制方策についても引き続き検討してまいります。  さらに、まちづくりには経済活動を重視する方や生活環境を大切にする方など、さまざまな方がかかわっています。そうした異なる立場の方々の意見調整や合意形成を図り、協働によるまちづくりを進めることを目的としたまちづくりの総合的な条例の制定にも取り組んでまいります。  今後とも地域性豊かな多彩なまちをさらに生かし、発展させるよう、「世界に輝く ひと まち たいとう」の実現を目指し、まちづくりを計画的に推進してまいります。よろしくお願いいたします。 ○委員長 木下委員。 ◆木下悦希 委員 東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会が終わると、当然、私もある程度の高齢になっている。それから、先ほど田中副委員長も言ったとおり、台東区の人たちは土地を持っているけれどお金は持っていない。そうなると、自然と相続税だとかそういうときに、土地を売って、それで分配しなくてはならない。そこにまたマンション業者が入ってきて、そこの土地を買ってマンションを建ててくる。多分、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会が終わった後、土地価格が、がっと下がってくる、物資も流通してくる。そうすると、もう中央区とかそういうところが飽和状態になっていて、そこのマンションが普通のサラリーマンでは買える金額でなくなってきたら、当然ここの区にどんと入ってくる。そのときに台東区が何か手を打とうとしても、もうががががっと開発されてしまって、手のつけられない状態になってくる。そういうことを私はすごく心配しております。そういう面で、本当に気を引き締めて、ここの部分はやっていただきたいなと思っています。  かねてから私は、人口は歳入歳出の両面を左右する重要な要素であり、この変化をどう捉えるかが区政運営のかなめであると主張してきました。今、台東区は、人口増とともに区民の方々の構成やまちがさまざまな面で急速に変化しています。行政需要の変化を見定め、いかなる社会経済状況においても、区民生活に支障を来さないよう、また、将来にわたり区民の皆さんが安心して生活できるよう、中長期的な視点に立ち、健全で安定的な財政運営を含め、区政運営に当たっていただきたいと思います。  それと、台東区は戦後すぐに大きなまちの変化に見舞われました。その時代に私の両親はこのまちに来ました。来たころは、新参者がえらそうにと言われたそうです。ですが、このまちはおやじたち若い夫婦を受け入れ、このまちの習慣、伝統を教えて育ててくれました。私は今の状況は、ある意味では戦後のまちの変化と同じではないかと考えています。このまちに来た人たちとともに、伝統と人情あるまちにしていくのか、大きな時代の波にのみ込まれていくのかは、これからの皆さんが決めることでしょう。私も70歳になり、今期限りで32年間お世話になった議員生活を終わります。私が80歳になったとき、このまちに住んでいられるようなまちを希望して総括質問を終わります。ありがとうございました。 ○委員長 木下悦希委員の質問を終わります。  以上で総括質問を終了いたします。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ○委員長 これをもって、本委員会に付託されました一般会計及び各特別会計の歳入歳出決算の審議を終了いたします。  これより採決いたします。  はじめに、報告第1号、平成29年度東京都台東区一般会計歳入歳出決算について採決いたします。  本件については、挙手により採決いたします。  本件について、報告どおり認定することに賛成の方の挙手を求めます。           (賛成者挙手) ○委員長 挙手多数であります。よって、本件は、報告どおり認定することに決定いたしました。  伊藤延子委員。 ◆伊藤延子 委員 少数意見を留保いたします。 ○委員長 本件について、伊藤延子委員から少数意見の留保がありますが、これに賛成の方は挙手を願います。           (賛成者挙手) ○委員長 所定の賛成者がありますので、少数意見は留保されました。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ○委員長 次に、報告第2号、平成29年度東京都台東区国民健康保険事業会計歳入歳出決算について採決いたします。  本件については、挙手により採決いたします。  本件について、報告どおり認定することに賛成の方の挙手を求めます。           (賛成者挙手)
    ○委員長 挙手多数であります。よって、本件は、報告どおり認定することに決定いたしました。  伊藤延子委員。 ◆伊藤延子 委員 少数意見を留保いたします。 ○委員長 本件について、伊藤延子委員から少数意見の留保がありますが、これに賛成の方は挙手を願います。           (賛成者挙手) ○委員長 所定の賛成者がありますので、少数意見は留保されました。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ○委員長 次に、報告第3号、平成29年度東京都台東区後期高齢者医療会計歳入歳出決算について採決いたします。  本件については、挙手により採決いたします。  本件について、報告どおり認定することに賛成の方の挙手を求めます。           (賛成者挙手) ○委員長 挙手多数であります。よって、本件は、報告どおり認定することに決定いたしました。  伊藤延子委員。 ◆伊藤延子 委員 少数意見を留保いたします。 ○委員長 本件について、伊藤延子委員から少数意見の留保がありますが、これに賛成の方は挙手を願います。           (賛成者挙手) ○委員長 所定の賛成者がありますので、少数意見は留保されました。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ○委員長 次に、報告第4号、平成29年度東京都台東区介護保険会計歳入歳出決算について採決いたします。  本件については、挙手により採決いたします。  本件について、報告どおり認定することに賛成の方の挙手を求めます。           (賛成者挙手) ○委員長 挙手多数であります。よって、本件は、報告どおり認定することに決定いたしました。  伊藤延子委員。 ◆伊藤延子 委員 少数意見を留保いたします。 ○委員長 本件について、伊藤延子委員から少数意見の留保がありますが、これに賛成の方は挙手を願います。           (賛成者挙手) ○委員長 所定の賛成者がありますので、少数意見は留保されました。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ○委員長 次に、報告第5号、平成29年度東京都台東区老人保健施設会計歳入歳出決算について採決いたします。  本件については、報告どおり認定することにしたいと思います。これにご異議ありませんか。           (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○委員長 ご異議ありませんので、報告どおり認定することに決定いたしました。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ○委員長 次に、報告第6号、平成29年度東京都台東区病院施設会計歳入歳出決算について採決いたします。  本件については、報告どおり認定することにいたしたいと思います。これにご異議ありませんか。           (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○委員長 ご異議ありませんので、報告どおり認定することに決定いたしました。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ○委員長 それでは、事務局次長に委員会審査報告書を朗読させます。  なお、年月日、委員長名及び議長名の朗読については省略いたします。           (伊東議会事務局次長朗読) ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ○委員長 本日の予定は以上で終了いたしました。  次回の委員会は、10月25日木曜日午前11時30分から委員長報告の文案についてご確認願いたいと思います。  文案の作成については、正副委員長にご一任いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。           (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○委員長 ご異議ありませんので、そのように進めさせていただきます。  なお、文案についてご意見等がございましたら、あらかじめ正副委員長までお寄せください。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ○委員長 これをもちまして、決算特別委員会を閉会いたします。           午後 5時13分閉会...