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  1. 台東区議会 2017-06-12
    平成29年第2回定例会−06月12日-02号


    取得元: 台東区議会公式サイト
    最終取得日: 2021-09-13
    平成29年第2回定例会−06月12日-02号平成29年第2回定例会 平成29年第2回定例会 東京都台東区議会会議録(第7号) ●6月12日(月)                     (以下敬称略)  ───────────────────────────────────────── 出席議員(31名)      1番  小 島 智 史          2番  鈴 木   純      3番  望 月 元 美          4番  本 目 さ よ      5番  中 澤 史 夫          6番  松 尾 伸 子      7番  青 鹿 公 男          8番  鈴 木   昇      9番  伊 藤 延 子         10番  保 坂 真 宏     11番  石 川 義 弘         12番   森 喜美子     13番  石 塚   猛         14番  堀 越 秀 生     15番  水 島 道 徳         16番  寺 田   晃     17番  早 川 太 郎         18番  冨 永 龍 司     19番  小    明         20番  太 田 雅 久     21番  君 塚 裕 史         22番  河 野 純之佐     23番  青 柳 雅 之         24番  小 坂 義 久     25番  小 菅 千保子         26番  阿 部 光 利
        27番  秋 間   洋         28番  寺 井 康 芳     29番  木 下 悦 希         30番  伊 藤 萬太郎     31番  田 中 伸 宏 欠席議員 な し 欠  員(1名)  ───────────────────────────────────────── 出席説明員  区長         服 部 征 夫    副区長        荒 川 聡一郎  教育長        矢 下   薫    企画財政部長     佐 藤 徳 久  総務部長       石 野 壽 一    危機管理室長     嶋 田 邦 彦  区民部長       齊 藤   充    文化産業観光部長   河 井 卓 治  福祉部長       吹 澤 孝 行    健康部長       清 古 愛 弓  環境清掃部長     飯 島 守 人    都市づくり部長    伴   宣 久  会計管理室長     西 島 久 雄    教育委員会      田 中   充                        事務局次長  企画課長       前 田 幹 生    財政課長       酒 井 ま り  区長室長       梶   靖 彦    総務課長       野 村 武 治  ───────────────────────────────────────── 区議会事務局  事務局長       内 田 健 一    事務局次長      伊 東 孝 之  議事調査係長     行 田 俊 男    議事調査係主査    森 田 孝 次  書記          保 郁 子    書記         松 江 勇 樹  書記         堀 場 奈保子    書記         西 村 健 志  書記         鴨 野 正 徳  ───────────────────────────────────────── 議事日程 日程第 1 一般質問  ─────────────────────────────────────────          午後 1時01分 開議 ○議長(河野純之佐 さん) ただいまから、本日の会議を開きます。  あらかじめ会議時間の延長をいたしておきます。  会議録署名議員の指名を行います。  会議録署名議員については、会議規則第136条の規定により、     2 番 鈴 木   純 さん     3 番 望 月 元 美 さん をご指名いたします。  ────────────────────────────────────────── ○議長(河野純之佐 さん) 事務局長に諸般の報告をさせます。  なお、報告については、既に書類をもって送付しておりますので、内容等の朗読は省略いたします。          (内田事務局長報告)  ────────────────────────────────────────── △日程第1 ○議長(河野純之佐 さん) これより日程に入ります。  日程第1、一般質問を行います。  一般質問の発言通告がありますから、順次これを許可いたします。  20番太田雅久さん。          (20番太田雅久さん登壇)(拍手) ◆20番(太田雅久 さん) 区議会自民党の太田雅久でございます。  平成29年第2回定例会一般質問に当たりまして、大きく4項目の質問と提案をさせていただきますので、どうか区長におかれましては積極的なご答弁をよろしくお願いしたいと思います。  2年間にわたり区議会議長として任務を遂行させていただきましたが、5月18日をもって辞任をいたしました。多くの方々にご協力いただき、心から感謝を申し上げます。ありがとうございました。  さて、ことし台東区は70周年を迎えました。70年、それ以前から先人たちが築いてこられた財産を我々が受け継ぎ、10年後、20年後、そして30年後の100周年を見据えて、次世代にしっかり継承していかなくてはならない。その重要な責務を、服部区政、我々区議会が担っているのであります。私は、この2年間で培った多くのこと、またこれまで経験してきた財産を今後の区政進展にお役に立てるよう、これからも議会の皆さんとともに精進してまいります。よろしくお願いを申し上げます。  それでは質問に入ります。  まず初めに、財政についてお尋ねいたします。  国は、地方創生の旗印のもと、都市部と地方との税源の偏在の是正を進めています。これまでも地方税である法人住民税の一部を国税化し、それを地方交付税の原資にしようと、その見直しを強行するとともに、消費税10%の実施の際には、さらに国税化を拡大するという法整備をいたしました。消費税8%の段階において、国税にされた税金の平成28年度、23区への影響は600億円から700億円と推計されていて、台東区も推定17億円程度の影響があるということであります。さらに消費税10%の段階においては、特別区として1,000億円を超える影響があると予想されていて、本区の財政へも甚大な影響があるだろうと想定されております。  我が台東区議会は、平成27年10月に、地方税財源の拡充に関する意見書を国に提出し、法人住民税の国税化を直ちにやめるとともに、不合理な偏在是正措置を導入することなく、地方が担う責任と権限に見合う地方税の拡充という本来のシステムに戻してもらえるよう要望してきたところであります。  23区議長会としても行動を示そうと、議長在任中、私は副会長という立場で、他の議長さんとともに直接、総務省の土屋副大臣のところに出向き、要望活動をしてまいりました。また、都議会の正副議長を訪ね、地方分権に逆行する税源の偏在是正に統一感を持ち、お互いに断固闘っていこうと、心を一つにしたのであります。  その後、消費税10%への引き上げが平成31年10月に延期になったため、何か要望活動も鎮静化しておりますが、将来の安定的な財政運営を持続するためにも、23区が一丸となって、この失われていく財源の重要性を引き続き、区長会あるいは議長会で主張していくべきだと思っています。今後懸念される法人住民税の国税化拡大が進められている状況とその影響についてどのように認識されているのか、区長の所見をお伺いいたします。  次に、文化・観光・産業についてお尋ねいたします。  まずは、文化振興について質問させていただきます。  国は、地方創生の一環で企業の地方移転を促し、東京の一極集中を緩和させようと呼びかけていましたが、企業側からは、まず政府機関が範を示してもらわないと説得力がないという申し出があったため、政府は、7つの省庁をピックアップし、働きかけました。しかし、どの省庁も消極的で、国会対応や危機管理の問題を上げ、中央省庁は東京に集中しているから意味があるという理由で、多くが見送りとなりました。その中で、文化庁が、危機管理対応が少ないなどの理由から、国会対応が必要な部門は残すものの、全機能を京都市東山区に移転することを明らかにいたしました。この動きは、文化立国日本を説く中で、上野を中心とした台東区が主軸となって推進していこうという思惑があっただけに、残念な思いがあります。今後の本区の文化振興をどのように進めていくのか、また魂は上野に置いていくといって文化庁長官になられた宮田長官が単身赴任で京都に行ってしまうのか、とても心配しているところでありますが、いずれにしても台東区として、どんな状況であってもしっかりと方針を打ち出し、本来の文化行政を力強く推進していくことが大切だと考えます。  そこで、第1回定例会で報告がありました2020年東京大会まで、またその後を見据えた文化振興を図るために、(仮称)台東区文化プログラムの策定についてどのように進めていくのかが興味のあるところであります。現在、策定委員会で検討中ということでありますが、世界文化遺産のあるまち台東区は、象徴する国立西洋美術館があるのですから、そこを中心に考えると文化資源は現状を維持し、次世代に継承していくこと。また、イコモスの調査にあったように、世界遺産の登録に向けて多くの方がかかわってくれたということが評価されましたが、今後も文化資源を理解する方々が多く集まってもらえるような施策も大切であろうと思っています。  また、その魅力を国の内外にPRすることも大事なことだと考えます。そのPRの一つの方法として、先日、政府が発表したbeyond2020プログラムを利用してはどうでしょうか。これは日本文化の魅力を発信するとともに、2020年以降を見据えたレガシー創出のための文化プログラムであります。申請が認証されれば、他の事業とともに広くPRすることが可能になります。また、台東区は官民一体となって進めていくと聞いておりますが、あわせてbeyond2020と統一感を持って推進することが、区の文化振興に大きなエネルギーを与えるものと考えています。  また、海外で行うシティセールスにおいても、文化プログラムの推進も同時に行うことが重要であると思っています。海外へのPRもぜひ積極的に行ってほしいと願います。内需、外需ともいろいろあると思いますが、特にPRのことに絞って質問させていただきますが、区長のご見解をお聞かせください。  次に、観光についてお尋ねいたします。  前段の文化振興は観光につながってくるもので、文化行政が推進していることもあり、昨年は台東区に訪れた年間観光客数が5,000万人を突破いたしました。2020年に向けて、この数字がさらに伸びることは明白であります。この来街者の方々にどのようにおもてなしをしていくのか、今後とても重要なことだと考えています。  来街者の情報発信基地として、5年前に浅草文化観光センターがオープンいたしました。当初から比較すると、利用内容や利用客数もかなり変化がありました。特に利用客数は、平成24年度では92万6,000人、うち外国人の利用者が7万1,000人だったのが、平成28年度では全体で120万2,000人、うち外国人が22万1,000人と、インバウンドの利用客数は初年度と比較すると3倍もの方が利用されております。今後間違いなくこの需要は伸びるであろうし、年々ニーズが複雑化しているため、今後提供する情報も多様化の対応が望まれているところであります。  また、浅草同様、時期的にいえばそれ以上の観光客数を誇る上野は、世界遺産のあるまちとしてその数を大きく伸ばし、花見の時期には前年比100万人を突破するなど、国内外屈指の観光地となり、パンダの赤ちゃんが誕生となれば、その数ははかり知れないことになるだろうと思っています。  そこで持ち上がったのは、上野観光センター設置の待望論であります。改修している上野公園口、袴腰など候補地はあるものの、残念ながら東京都の管轄なので、台東区が率先して推進することができない状況であります。本年3月に行われた東京都議会一般質問において、台東区選出の和泉都議会議員が、東京都の拠点としてふさわしい総合的な観光センターを上野に整備すべきと質問したところ、産業労働局長からは、上野のエリアに関し、観光情報センターの案内体制の充実について検討していくとの答弁をもらっています。設置するまでは参画できませんが、設置が決まった際には、インフォメーションのノウハウを有する本区のデータをフルに蓄積した、上野らしい観光センターを設置していただきたいと思っています。バックアップ体制を築きながら早期の実現を望みますが、区長のご見解をお聞きいたします。  次に、産業振興についてお尋ねいたします。  ファッション、雑貨のものづくりのまちとして知られる台東区ですが、その歴史は古く、江戸の初期から伝統工芸として現在まで継承されてきております。現在では皮革製品や生活関連商品など製造が盛んに行われてきていて、靴、バッグ、帽子、ジュエリー、アクセサリーといったものをつくるさまざまなジャンルのクリエーターたちが、個性的で質の高い製品をつくり出しています。そして、このような製作集団の人たちの起業支援のために、台東デザイナーズビレッジができ、多くの方が卒業され、そのうち約半数の方々が区内で起業され、やがて浅草橋を中心とした南部のイベントとしてモノマチへ発展し、また、数年後には浅草を中心としたエーラウンドが開催されるようになり、こうしたイベントを通し、ものづくりの集積地として台東区を多くの方にPRができたものと考えています。  その後、服部区政が誕生し、さらに地場産業の推進に力を注いでいただいたことや、産業フェアなどを開催したおかげで、この2年間、業界はかなり飛躍したと感じています。その結果、それぞれの事業者も力をつけてきて、さらなる販路拡大を希望しているために、台東区は29年度、海外への販路開拓支援事業を打ち出しました。これは、区内企業の海外事業展開を支援しながら、厳しい競争環境を勝ち抜くために基盤整備をしてもらおうとするものであります。東京都の中小企業振興公社と協力関係を結び支援していくということは大変すばらしいことで、総力を挙げて頑張っていただきたいと思います。  一方、海外での事業展開は、中小企業振興公社マターだけではなく、日本貿易振興機構のジェトロや、中小企業基盤整備機構なども上げられます。それら海外で活動する民間組織あるいは行政組織に、海外との交流の活動支援を行っているのが一般財団法人自治体国際化協会のクレアであります。  先日、議長会で清掃一部事務組合の海外協力事業を視察した際、クレアシンガポール事務所を訪れ、お話をお聞きしました。所管している国は、ASEAN10カ国とインドであり、自治体の国際交流や協力の促進、地方行財政制度、各種政策の調査の情報発信など、団体の活動支援が主な活動内容であります。事務所のスタッフは、所長が総務省からの出向、以下、都道府県や市、また江東区から1名の26名の派遣職員と、現地職員6名、計32名で運営しておりました。中小企業振興公社の事業もクレアから情報を入手していますし、例年本区で参加している海外でのシティセールスも、JNTOと連携し、活動を支援しています。今後起こるであろう海外での活動の自治体間競争に負けないために、より有用な情報を正確に早く入手するべきだと考えています。そのためにクレアと台東区の連携がとても重要だと考えます。職員の派遣も視野に入れたクレアとの連携について、区長のご見解をお聞きいたします。  次に、客引き防止対策についてお尋ねいたします。  世界遺産のあるまちとして、国内外において屈指の観光地となった上野でありますが、夜の繁華街では、観光客や来街者を相手に無謀な客引きが行われているのが現状であります。楽しみに台東区に来られたお客様に対し迷惑をかけていることが、とても残念でなりません。地元でもパトロールを頻繁に行い抑止に努めておりますが、最近ではパトロールに向かってくる者もいて、手を焼いている現状であります。  そんな中、今第2回定例会において、客引き行為等防止条例が提出される運びとなりました。紆余曲折あり、上野地域は文京区との接続部分もあるため調整があったとのことから、多少時間がかかったものの、地元にとっては待望の条例であるので、速やかに制定され、実行に移されることを多くの方が期待しているところです。条例内容については委員会において慎重審議をすることになりますが、もう既に都内13の自治体が条例を制定し実施しているので、それらの経過も鑑み、効果のある内容は全て盛り込んでもらい、罰則も規定されていますが、そこに至るまでも速やかに措置がとれるような内容にしていただきたいと思います。  そして、実施に向けては、同じエリアで文京区と台東区が混在しているため、今回同時に条例制定をすることで、当初は内容に多少乖離があるとのことでしたが、調整の結果、言い回しが違うものの、ほぼ同じような内容で提出されるということであります。また、弁護士の若手のメンバーが、この上野地域の客引き行為等防止条例の制定に早くからかかわりを持っていただいて、万全な協力体制をしいてくれています。このグループの方々は、早くから条例を定めた新宿区や墨田区、豊島区などともかかわっていて、それらの情報も我々に提供していただき、とても心強く感じた次第です。彼らの話によれば、条例を生かせるかどうかは地域の方々のかかわり方が大きく関係するということでした。警察だけでも行政だけでもかなうものではありません。三者が一体となって協力することが、この条例を生かすことになるのであります。今後の連携強化のために、地域への働きかけも大切だと考えます。  また、立ち上げの準備段階で、台東区、文京区ともお互いに所管同士でやりとりをしながら、最終的にはいい結果が出そうでありますが、今後も条例改正などを想定し、より一層の協力体制を築いてもらいたいと思いますが、条例の内容について、地域への働きかけについて、そして今後の自治体間相互の協力体制について、区長のご所見をお伺いいたします。  最後に、民泊問題についてお尋ねいたします。  民泊サービスは、今や世界的な大きな社会問題として取り上げられています。パリでテロが起きた2015年11月、主犯格の重立ったメンバーが市内の民泊を利用して準備を重ねていたということでありました。当時のパリの状況は、ホテルのベッド数が11万に対し、民泊が22万8,000ベッドで、専業のホテルが廃業に追い込まれるケースが年々増加している状況でした。  我が台東区でも、民泊が急速に普及したため、近隣住民とのトラブルがふえ、非日常的なことや、反社会的な行為が行われないように、平成28年第1回定例会において、全議員の同意を得て、議員提案として台東区旅館業法施行条例の改正を成立いたしました。しかし、依然無許可で営業している業者が後を絶たず、年々増加の一途をたどっているのが現状であります。もちろん法整備も大切でありますが、それにのっとった行動が伴わなければ全く意味がありません。本区は過去に違法業者に対し、警察との連携もあり、指導から20件程度を営業停止まで追い込んだ事例があります。すばらしい行動だと思っています。しかし、新たな仕事となった民泊対応業務ですが、大変厳しい状況であろうと感じています。国や東京都の人員確保の提言も将来的には行われるだろうと思いますが、先駆的に条例改正をした台東区であるのですから、提言を待たずして、マンパワーの充実に向けて区が率先して対応していただきたいと考えます。2020年に向けて来街者がふえればふえるだけ、違法民泊を取り巻く環境はますます悪化するでしょう。大きな事件、事故につながる前の芽を摘むために、人員の拡充を早期に図っていただきたいと思いますが、区長の所見をお聞かせください。  以上で質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(河野純之佐 さん) ただいまの質問に対する答弁を求めます。  区長。          (区長服部征夫さん登壇) ◎区長(服部征夫 さん) 太田議員のご質問にお答えする前に、この2年間、議長として区政進展のため多大なるご尽力を賜り、心より感謝を申し上げます。  さて、ご質問の第1は、財政についてです。  国は、都市と地方の税源の偏在是正を目的として、地方税である法人住民税の一部国税化と、そのさらなる拡大を行うこととしています。法人住民税は、企業等の地域における活動や、そこで働く人々を支える行政サービスの財源となるべきものです。そのため、このような偏在是正措置は、受益と負担に基づく応益課税という、地方税の原則から逸脱し、地方分権の流れに逆行するものと私は考えております。  また、法人住民税は、区の主要財源である特別区交付金の原資であり、その国税化は、区の財政に影響を及ぼすとの認識は議員と同様でございます。このような措置が継続されると、区の行政サービスの提供にも支障を来すことになります。区では、これまで特別区長会のもと、東京都や東京都市長会・町村会とともに、地方自治の根幹を揺るがす税制改正に反論するとともに、国がみずからの責任において地方税財源の拡充を図るよう、国に対して強く主張してきました。今後も23区一丸となって、東京都や都内の市町村などとも連携し、国へ要請するなどさまざまな機会を捉えて主張してまいります。  ご質問の第2は、文化・観光・産業についてです。  まず、文化振興についてです。東京2020大会に向けた文化振興の機運醸成を踏まえ、歴史と文化のまち台東区の文化の魅力を発信するため、現在、有識者等のご意見もいただきながら、(仮称)台東区文化プログラムの策定に取り組んでいるところです。  私も本区の多彩で豊富な文化資源の魅力を多くの方々に理解していただくためには、国内外に向けたPRが大変重要であると考えています。そのため、プログラムに位置づける事業については、大会組織委員会や国等による認証制度を活用し、国や都との一体的な情報発信を図ってまいります。  また、策定後は、観光・産業分野とも連携を図り、シティ・セールスや海外プロモーション等、さまざまな機会を捉え、本区における文化・芸術の取り組みを積極的に発信してまいります。  次に、観光についてです。  観光客が必要な情報を容易に入手できる観光案内所の設置は、利便性や区内の回遊性の向上を図る上で重要であると考えています。区は、これまでも上野地区への観光案内所の必要性を十分に認識し、設置のあり方を検討してまいりましたが、これは難しい状況でございます。一方、太田議員ご指摘のとおり、東京都では上野地区の観光案内体制の充実を検討していると聞いています。この機を捉え、私は都に対して観光案内所の早期設置を強く働きかけてまいります。  また、都が設置を決定した際には、外国語対応やボランティアガイドの拠点など、充実した案内体制が整えられるよう、区としても積極的に協力・連携を図ってまいります。  次に、産業振興についてです。  これまで、区では、新市場開拓や展示会出展支援として助成するなど、区内中小企業海外販路開拓に向けた取り組みを支援しているところです。今年度は新たに、海外プロモーション推進として、東京都中小企業振興公社と連携をし、タイ、バンコクで開催される国際展示会に台東区ブースを出展いたします。  また、個別事業者の事案に応じた相談体制を強化するため、ビジネス支援ネットワークの拡充に向けて、中小企業基盤整備機構など中小企業の海外展開を支援する機関との連携に取り組んでいます。  太田議員ご提案の一般財団法人自治体国際化協会クレアとの連携については、産業分野のみならず、文化・観光を含めた本区の魅力を海外に発信していくため、私も重要であると考えています。  今後、クレアなどへの職員派遣の必要性の検討も含め、海外展開支援や観光客誘致活動の充実に向け、関係支援機関とのさらなる連携強化を図ってまいります。
     ご質問の第3は、客引き防止対策についてです。  まず、条例制定に当たっての区の考え方についてです。  繁華街での客引き等の迷惑行為は、区民や来街者に不快な思いやあるいは不安感を与えており、上野地区の商店会からは、条例の制定と効果的な対策についての要望書をいただいております。  私は、こうした状況を踏まえ、快適で安全・安心なまちづくりの一環として、客引き行為等の防止対策の強化を図るため、今定例会に条例案を提出しています。  条例案の策定に当たっては、他区の規制内容を参考にしたほか、客引き行為等が特に問題となっている上野仲町通りの対策に万全を期すため、文京区と連携をし、条例の内容、制定時期等について協議を重ね、準備を進めてまいりました。  次に、今後の地域に対する働きかけについてです。  条例制定後は、台東区町会連合会や地域商店会などの関係団体を通じて客引き防止活動への協力を呼びかけてまいります。また、特定地区内で指導を行う方々に向けて、推進員として活動していただくための講習会を開催するとともに、実効性のある対策となるよう警察や区との、より一層の連携と協力をお願いしてまいります。  次に、今後の自治体相互の協力体制についてです。  文京区とは、今後も地域を含めて連携を強化し、効果的な対策に取り組んでまいります。また、豊島区や新宿区など、条例制定8区では、客引き行為の根絶を図るための合同対策会議を開催し、情報共有や施策提案を行っています。本区も、この広域的な会議体に参加して、より効果的な対策を進めてまいります。  ご質問の第4は、民泊についてです。  旅館業の許可のない民泊サービスに関する相談件数が28年度は前年度と比べ6倍と急増しています。相談内容は、ごみの出し方や騒音などであり、区民生活の安全性を脅かすおそれがあるものと認識しております。  区では、相談を受けた際には現地に赴き、状況の確認・指導を行い、問題の解決に努めているところです。  このたび、民泊サービスに一定のルールを定めた住宅宿泊事業法、これが成立をし、来年から施行される見込みとなりました。今後、東京都との協議を行い、条例制定など新たに生ずる事務に的確に対応し、区民の皆様の安全で健康な生活環境の確保のため、適切な人員配置に努めてまいります。 ○議長(河野純之佐 さん) 14番堀越秀生さん。          (14番堀越秀生さん登壇)(拍手) ◆14番(堀越秀生 さん) 第2回定例会に当たり、会派を代表して質問いたします。  まずは、この機会を与えていただいた会派の皆様に感謝いたします。そして、台東区議会の任期前半を終えた今、太田前台東区議会議長の2年にわたるご労苦に心より敬意を表するとともに、皆様のおかげで私も副議長として参画できたことを、心より御礼申し上げます。大変貴重な時間を過ごさせていただきました。ありがとうございました。今後は、河野新議長、望月新副議長のもと、さらに台東区議会が区民に開かれ、発展するよう、一議員として支えることをお誓い申し上げ、質問に入らせていただきます。  さて、今回の一般質問前半では、下町台東区に江戸時代から続き、区民の公衆衛生の面からも区と密接な関係にあり、公的に非常に重要な役割を担っている公衆浴場、銭湯について、そして我々地元の台東区民だけではなく、日本中の人が愛し訪れる上野恩賜公園について、この2点について、議員というよりも、幼いころからずっとなれ親しんだ台東区民として考えたことを服部区長に提案し、お考えをお聞きしたいと思います。  さらに、質問の後半2問では、公会計、監査制度、小学校学区域と、私が議員になってからの18年の間に何度も委員会などで議論した政治課題について、区長、教育長に質問したいと思います。よろしくお願いいたします。  まずは、楽しい夏に向かって明るく、「下町の夏!銭湯の夏!」と題して質問いたします。  実は先日、ことしで26歳になる長男が仕事で赴任している大阪へ、妻、長女、二男と私の4人で行ってきました。久々に家族全員で食事して楽しい時間だったわけですが、実は私にはそれ以上に思い出に残る楽しい時間がありました。それは、大阪の銭湯に初めて入ったことであります。きっかけは、単にホテルの風呂に入るのも味気ないと考えたからでありますが、この体験がいろいろなことを教えてくれました。何と、大阪府の公衆浴場組合に属する銭湯では、文字どおり地域に密着した公共性を重視して、利用者向けにさまざまなイベント企画がありまして、例えば毎週土曜日は銭湯親子ふれあいデイと称して、保護者1人に対して小学生以下の子供3人まで無料というサービスがあったり、また銭湯になれていない今の子育て家庭に向けて、幼稚園児、保育園児の体験入浴事業を実施したり、さらには銭湯の営業時間外を利用して上方落語会や俳句会、そして銭湯絵のシンポジウムなどさまざまなイベントも催されているのです。  ちなみに親子での入浴助成については、東京の渋谷区や目黒区でも実施されているようですが、観光客などの来街者も多い台東区でこれらの銭湯優待制度を商店街連合会や料飲組合などと連携して各店の利用者に配布すれば、台東区に来る方々が食事や買い物をする前や後に銭湯文化に触れる機会もでき、台東区における滞留時間がさらに延びて、区内経済にも効果的と考えます。また、江戸川区で行われているとおり、これらの情報を区の公式ホームページで公開することも非常に大切だと考えます。  区長、私は公衆浴場の利用促進と江戸下町文化の継承を図るために、今述べたような各種施策を区の協力のもと、台東区公衆浴場組合と連携して行うことを提案いたしますが、いかがでしょうか。区長のお考えをお聞きいたします。  次に、上野恩賜公園の台東区移管について要望と提案をさせていただき、区長のお考えをお聞きします。  私が改めて説明するまでもなく、上野恩賜公園は、彰義隊以降、蘭医のアントニウス・ボードウィンの日本政府に対する働きかけによって、1873年、日本初の公園に指定された由緒ある公園です。上野恩賜公園の地は、松尾芭蕉も「花の雲鐘は上野か浅草か」と詠んだように、桜と不忍池で知られ、園内には美術館、博物館、動物園、文化会館などの施設があり、東京にというより、日本に冠たる文化的施設の集積地でもあります。  そんな中、上野恩賜公園は、世界に文化と芸術を発信する文化の杜を創出することを目的として、2010年度から2015年度までの計画で上野恩賜公園再整備事業が行われ、今までに噴水広場、オープンカフェ、園路整備と樹木伐採などの工事も完了いたしました。また、昨年夏には、園内の国立西洋美術館が念願でありましたル・コルビュジエの建築作品、近代建築運動への顕著な貢献の構成資産として世界文化遺産に登録されました。  こうした上野恩賜公園は、区民や来街者の憩いの場であり、催事・文化・芸術に触れる大切な場でもあります。そんな中、特に台東区役所にもほど近いJR上野駅公園口周辺エリアは、公園を訪れる多くの方を迎えるための玄関口であり、非常に重要な場所であります。そこで今までこの公園口については、台東区議会の各委員会などを通して工事の計画や進捗状況が詳細に報告されてきたところでありますが、ここで改めて服部区長のご功績も含め、今進められている上野駅公園口周辺エリア整備の基本的な考え方についてお聞かせいただけますでしょうか。よろしくお願いいたします。  そして、ここから先は私の一議員としての要望なのですが、上野恩賜公園の運営管理について、もっと地域に密着したサービスの提供や迅速な利用者ニーズへの対応、さらには地域の歴史性、文化性に基づいた環境整備など、地域特性を生かしたきめ細かい公園管理のために、公園管理の主体を東京都から我々台東区に権限を移管することはできないものでしょうか。  仄聞するに、東京都と特別区の間では、昭和25年から公園管理の移管が話し合われ、既に台東区においても区内50公園のうち、面積10ヘクタール未満の公園である24園が東京都から移管済みであります。現在は追加の移管対象公園はないとのことですが、何とかその閉塞した空気を打ち破り、地元である台東区に密着した環境整備を行い、行政ニーズに応じて迅速に施策を実施するためにも、この歴史ある上野恩賜公園運営管理の権限を台東区に移管していただきたいと思うのですが、可能でしょうか。なかなか簡単な話ではないと承知していますが、かつては都議会議員であった政治体験豊かな区長に、そのお考えをお聞きします。  区長、次に、今後の公会計と監査制度についてお聞きします。  私は、本当の地方分権社会を実現していくには、国と地方の役割分担を明確にして、基礎的自治体台東区が、責任と権限に応じた地方財源を確保することが何より大切だと思っています。しかし、実際は、平成20年度の国の税制改正以降、特別税及び地方法人税並びに特別譲与税などに見られるように、そもそも地方にある税を地方自治体間の財政調整などで賄ってきているのが現実で、国の地方分権推進における権限移譲や税財源の移譲は極めて消極的であると言わざるを得ません。  そして、ここに来て、消費税増税分と法人住民税国税化による調整など、国は地方交付金の財源をふやすことに再び消極的とも言える態度を示しています。これらの国の姿勢が、都区間における財政調整制度などに影響を及ぼしているのも事実ではないでしょうか。当然のことながら、こうした地方自治体の税財源問題は、住民に対するよりよき行政サービスの原資となるべきものであり、これらのお金は地方公共団体の本旨に従って、公正かつ公明に会計処理していかなければならない公金であります。  さて、そんな中、1990年代後半に始まった地方公共団体の公会計制度改革も、いよいよ仕上げの段階に入りました。総務省は、平成26年4月、今後の新地方公会計の推進に関する研究会報告書を公表し、発生主義に基づく共通の基準のもとで統一化することの重要性を明らかにし、そのため固定資産税台帳の整備並びに複式簿記仕訳の導入の必要性を示しました。この報告書を受けて総務大臣は、具体的なマニュアルを作成した上で、原則として平成27年度から平成29年度までの3年間で、全ての地方公共団体において統一的な基準による財務書類等を作成するよう要請する通知を各地方公共団体に発しました。そして問題の平成29年度である今年度、各地方公共団体においては、この通知に沿う方向で公会計改革が急速に進められているところであります。区長、我が台東区においては、これらの新しい公会計制度の導入に向け、本区の会計処理の方向性と準備状況はどのようになっているのでしょうか、お聞きします。  次に、監査制度について質問いたします。  地方公共団体の監査制度については、平成28年3月16日に第31次地方制度調査会から、人口減少社会に的確に対応する地方行政体制及びガバナンスのあり方に関する答申が総理大臣に提出され、議会制度や監査制度等の地方公共団体のガバナンスのあり方等について調査審議を求めるなど、多くの改革事項が提起されました。これまでの議論の中で、地方公共団体の首長の責任の明確化が語られ、同時に、監査機能の外部化など、今までの議会内監査委員の選出方法や監査委員の専門性に課題があるとの意見が多数あったことは高く評価できると思います。  地方自治法第233条第2項によれば、監査委員制度における監査委員は、決算書と証書類を対照検閲し、必要により関係職員から聴取し、あるいは帳簿等の提出を行政に求めて審査するとなっています。重要なのは、現行の監査委員制度において、その会計分析能力及び法的な思考が制度的に緻密に担保された上で、公共性のある監査報告として監査請求者の区長はもとより、主権者である区民、そして代弁者である議会に向けて発信されているかということではないでしょうか。しかし、正直、地方議員として私見を述べれば、今の台東区監査委員制度では、公認会計士である新任の大場先生を初め弁護士の先生もいらっしゃり、専門性にたけているとはいえ、人数と仕事量の関係で広く行政事業を監視、効果的に行政監査を行うには難しいのではと考えます。  この点、国では、地方公共団体による不正な公金の支出が問題となったことを端緒に平成9年に地方自治法が改正されて、そのマンパワー不足、専門性不足を補うように新たに外部監査制度が導入されることになりました。本区においても、平成18年度より個別外部監査制度を導入して保育行政のあり方などを課題にして実施されました。しかし、個別外部監査では、特定の事業について監査するだけで、それだけでは監査全体の透明性や独立性が担保されるとは思えません。  そこで、区長、行政監査の透明性と独立性を保ちながら行政会計全般にわたって監査する仕組みとして、包括外部監査制度の導入が必要と考えますが、区長のご所見はいかがでしょうか。同時に、包括外部監査制度を実施するためには、どのような手続や条件整備が必要なのでしょうか、ぜひお聞かせください。また、各種の監査委員は、行政監査における調査においては独任制の執行機関として独立した活動を担保されている公職ですが、これらの点を踏まえながら予算措置がなされていないのではないかと私は考えます。区長、そのあたりについてはいかがお考えでしょうか。さらに、監査委員の会議内容が公開されていないため、監査の独立性や透明性が担保されているのか、議員から見て非常にわかりづらいのですが、この点について区長はどのようにお考えでしょうか、あわせてお聞きします。  それでは、最後に、私の議会ライフワークでもあります小学校の学区域再編について質問いたします。  台東区立の小学校の学区域には、子供の安全を脅かすような危険で通学距離も長い異様な区割りになっているものがあります。その原因は、今から4期前の議会で小学校の適正規模・適正配置の基本方針が審議され、多くの学校が統合された経緯があるからであります。家からわずか数十メートルの場所に小学校があるのに、わざわざ大きな通りを2本も渡り遠い学校に通わなければならない生徒さんもいます。これはどのように考えても、子供さんの安全上、そして親御さんの安心という側面からも非常に憂慮される事態であります。かつての隈部教育長時代の理事者の皆様には申しわけありませんが、やはり当時、私が主張したとおり、偏在した学区域と統廃合は吉住区政時代を通しての若年層、子育て世帯の定住化による人口増政策の大成功により、一部の学校に生徒数が過剰に偏り過ぎ、まさに修正すべき転換点に来ていると確信いたします。  もし今のまま学区域を放置して、万が一、子供の命にかかわる重大な事故が起きた場合、行政政策の不作為による過失であると法的に責められても仕方ないような状況ではないでしょうか。もちろん区議である私は、この台東区には町会や地域の方々の事情、歴史的、文化的な考えの違いがあって、その方々の要望を反映すれば、画一的に学区域を再構築することは非常に難しいといったことも承知しています。しかし、もはや子供の安全を考えると、一刻の猶予もないのではないでしょうか。また、台東区の各小学校の生徒数を俯瞰してみますと、生徒数の一番多い学校と一番少ない学校ではまだ3倍以上の開きがあります。これは、改善されたとはいえ、まだまだ不十分と言えます。何より一番大切な問題は、子供の安全の問題であります。  そこで、お聞きします。台東区の教育委員会は、現在の小学校学区域における児童数の格差や通学距離の問題など、小学校学区域の現状と課題についてどのように認識していらっしゃるのでしょうか。そして子供の安全のために、小学校の学区域の再編を行う必要性についてどのようにお考えなのでしょうか、教育長の前向きなご答弁をお願いいたします。  以上で終わります。最後まで聞いていただきまして、ありがとうございました。(拍手) ○議長(河野純之佐 さん) ただいまの質問に対する答弁を求めます。  区長。          (区長服部征夫さん登壇) ◎区長(服部征夫 さん) 堀越議員も副議長の職責を全うされまして、区政進展にご尽力をいただいて、まことにありがとうございます。  ご質問の第1は、銭湯イベントについてです。  公衆浴場は、区民の皆様への入浴機会の提供はもとより、健康増進や地域の触れ合いの場として重要な役割を果たしています。一方で、利用者拡大に向け、若者や外国人観光客など、新しい顧客層を掘り起こしていくことが課題となっています。そのため、従来から設備改善の助成や浴場無料開放に加えて、スタンプラリーなどのイベントに対する支援を行っています。議員ご提案の親子での入浴体験などの開催は、いずれも利用者拡大や触れ合いの場として有意義であると考えますので、今後、浴場組合等の関係団体に働きかけてまいります。また、区公式ホームページを利用した情報発信については、本区においても、スタンプラリー情報の掲載などを実施しています。今後も、利用者拡大につながるよう浴場組合と協力し、さらに充実してまいります。  ご質問の第2は、上野恩賜公園の移管についてです。  まず、JR上野駅公園口周辺整備についてです。上野恩賜公園は、世界文化遺産である国立西洋美術館を初め、さまざまな教育・文化施設が集積しており、上野「文化の杜」新構想の推進により来訪者がさらに増加することが見込まれています。このため、公園口周辺エリアにおいて、現在、東京都、台東区、JR東日本が広場整備などに取り組んでいます。このエリアを本区の文化・観光拠点のエントランスにふさわしく、さらに来訪者にとって安全安心な環境とすることは大変重要です。今後も関係機関と連携を強化し、環境整備を進めてまいります。  次に、上野恩賜公園の移管の可能性についてです。昭和25年より23園の都立公園が本区へ移管され、昭和50年の隅田公園の移管が最後となっています。現在、設置管理の役割分担については、都区制度改革実施大綱により、区は、身近な地域住民に利用される10ヘクタール未満の公園を、都は、文化財指定庭園や広域的に都民全般に利用される公園と明確になっております。このため上野恩賜公園の区移管については難しいものと考えていますが、地域特性を生かした公園利用について東京都との連携をさらに図ってまいります。  ご質問の第3は、今後の公会計と監査制度についてです。  まず、新公会計制度についてです。統一的基準による地方公会計制度は、現行の財務会計を補完するものとして今年度中の導入に向けて準備を進めています。会計処理については、現行の会計収支を複式簿記の勘定科目に変換する必要があることから現行の財務会計システムにおける対応や事務負担等を考慮し、導入当初は出納閉鎖後に一括変換を行ってまいります。準備状況については、現在、関係課で構成する庁内検討会を中心に、固定資産台帳や勘定科目への変換システムなど整備を進めているところです。  次に、包括外部監査制度の導入についてです。  本制度は、平成9年の地方自治法の改正により、都道府県、政令指定都市及び中核市において導入が義務づけられ、特別区では任意となっています。法改正以降9区が導入しましたが、廃止した区もあり、現在では4区となっています。監査制度については、今国会で地方自治法が改正され、今後、監査結果に基づく是正措置の勧告や監査専門委員の設置を可能とする制度が設けられます。包括外部監査制度の導入については、こうした新たな監査制度や他区の状況を踏まえ、引き続き研究してまいります。また、導入手続については、地方自治法の規定により、条例の制定、監査委員との調整等の手続を経た上で導入できることとされています。  次に、監査委員への予算措置と監査の情報公開についてです。監査委員への予算措置については、これまでも適切に行ってまいりましたが、今後も活動に必要な予算について監査委員にご意見を伺いながら、より一層の充実を図ってまいります。また、監査の結果については、地方自治法の規定に基づき3名の監査委員の合議により決定した内容を報告・公表することとされており、毎年度、適正な報告と公表が行われております。  その他のご質問につきましては、教育長がお答えいたします。 ○議長(河野純之佐 さん) 教育長。          (教育長矢下 薫さん登壇) ◎教育長(矢下薫 さん) 堀越議員の小学校通学区域再編についてのご質問にお答えさせていただきます。  まず、通学区域の現状認識についてでございます。指定校への通学距離が他の学校より長い場合もございますが、児童数に対する学校数や各小学校の児童数、学級数、通学区域の広さなどから、現在の小学校の配置及び通学区域はほぼ適正であると認識いたしております。  次に、通学区域の再編の必要性についてでございます。児童の通学における安全を確保することは、私も大変重要なことと認識いたしております。教育委員会では、通学路における交通規制や横断歩道の設置などの安全対策を警察と協議の上、行っているほか、児童に対する交通安全指導を徹底するとともに、学校安全ボランティアや保護者、地域の方々による見守りを実施するなど、さまざまな安全確保策を講じております。通学区域の再編につきましては、これまで学校が培ってきた地域との関係や歴史的経緯を十分に尊重する必要があるとともに、保護者や学校、地域への影響が大きいことを勘案いたしますと、慎重な対応が必要であると考えております。 ○議長(河野純之佐 さん) 24番小坂義久さん。          (24番小坂義久さん登壇)(拍手) ◆24番(小坂義久 さん) 台東区議会公明党の小坂義久です。平成29年第2回定例会において、会派を代表し、質問いたします。区長、教育長におかれましては、前向きかつ積極的なご答弁、どうかよろしくお願いいたします。  初めの質問として、長時間労働の是正についてお伺いいたします。  平成28年9月27日、首相官邸において第1回働き方改革実現会議が開催され、全10回の会議を経て、平成29年3月28日に同会議決定として、働き方改革実行計画がまとめ上げられ、その決定内容は順次法案化され、国会に提出及び準備されています。実行計画は多岐にわたりますが、長時間労働の是正や同一労働、同一賃金の導入を盛り込んだものとなっております。これまで働き方改革というと、少子高齢化に伴う働き手の多様化、いわゆるダイバーシティ・マネジメントへの対応や、仕事と育児または介護の両立といったワークライフバランスの観点からその必要性、実現性を語ることが多かったと思いますが、長時間労働などが原因による過労死や過労自死が重大な社会問題としてクローズアップされ、従業員の健康管理やモチベーションの維持、その一方、日本経済の再生には付加価値生産性の向上と労働参加率の向上が不可欠と認識され、喫緊の課題であり、中長期的に実現を図る課題でもある働き方改革に悩みながら必死に取り組む企業、団体がふえております。  今国会で審議中の労働基準法改正案では、労働時間の延長の上限規制が設けられ、違反した場合、刑事告訴され、6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金に処せられます。先般、宅配便最大手のヤマト運輸が労働基準法違反で是正勧告を受け、そのため1万人の新規雇用に踏み切り、その人件費160億円の増加は、配達料金等の値上げで対処するとの報道は記憶に新しいところです。つまり働き方改革の喫緊の課題である長時間労働をいかに是正するかについて、人事評価の基準を労働時間の長さではなく、働き方の質が大切などとする労使双方の意識改革が必要になると思います。  このように国を挙げて取り組みが本格化する中、私たちが考えなければいけない身近な課題が台東区行政当局並びに学校教員の現状であります。今までも予算・決算特別委員会などでさまざまないろいろな角度から質疑されてきました。超過勤務の改善に向けては、区長を先頭に努力されてきたと推察いたします。ここで区長にお伺いいたします。長時間労働における弊害並びに改善について、区長の率直なご意見をお聞かせください。  ことしに入り、業務改善とあわせて超過勤務の抑制に取り組む区が出てきております。会議のあり方や業務フローのマニュアル化を図り、職員の意識改革へ向け研修を行うなど、さまざま工夫を重ねていると聞いております。豊島区では、1月16日から午後7時の一斉消灯を開始しており、昨年度比で残業時間が12%減少したそうです。港区では、働きやすい職場づくり推進担当部長を新設するなど業務改善に向け体制強化を図っており、大田区においては、2月より全庁20時退庁、ノー残業デーを実施し、意識改革、業務の効率化、事務事業の見直しを改革の3本柱として、より効率的で効果的な仕事の仕方につなげ、区民満足度の向上を図るとのことです。区長、本区における長時間労働是正についての取り組みをまずお聞かせください。また、今後の新たな対策はお考えでしょうか、区長の所見をお伺いいたします。  さて、学校現場における校務事務の改善は非常に大切な問題であります。私は、毎回の予算・決算特別委員会のたびに質問し、ことしの予算特別委員会でも状況を確認させていただきました。そんな折、4月28日、文部科学省から平成28年度の教員勤務実態調査が報道発表されました。国が示す過労死ラインに相当する週60時間以上勤務の教員が、中学校では57.7%に上り、小学校でも33.5%とのことです。授業や部活動の増加が要因で10年前の調査と比べ、週の勤務時間は中学校で約5時間、小学校で約4時間ふえています。教員の仕事は、その特殊性から自発性や独創性が暗黙のうちに期待され、決まった勤務時間があってもないようなもので、長時間労働を評価されることもなく、時間外手当は出ません。残業そのものを原則として想定していなく、たとえ授業の準備や部活動の指導、家庭訪問が長引いてもボランティア扱いであり、長時間労働が常態化しやすい環境です。また、労働条件の無法地帯と言ってよく、公立校の先生方は働き方改革の蚊帳の外に置かれているのが現状ではないでしょうか。残業の上限を規制し、健全な労働環境を守る仕組みを整えるべきであると私は考えます。ここで教育長に伺います。この調査結果について教育長はどのようにお考えでしょうか。また、本区の小・中学校教員の現状について所見をお伺いいたします。  教員の長時間労働は、授業の準備や児童・生徒との触れ合い時間、さらには、教員自身の生活時間や自己啓発の時間も奪い、結果的に教育の質の低下を招いていると思われます。さらに言えば、2020年から小学校では英語が必修教科となるなど新たな課題も浮き彫りとなっているため、働き方の改善は急務であり、早急な対策が求められると考えます。  そこでお伺いいたしますが、学校教育法施行規則の一部を改正する省令が、ことし3月14日公布、4月1日から施行され、地域の人材を活用し、スポーツ・文化・科学等に関する教育活動に係る技術的な指導に従事する部活動指導員を学校職員として積極的に任用、活用する法令上の仕組みができました。従来の外部指導者と違い、学校職員として任用され、職務、勤務形態、報酬や費用弁償、災害補償や服務及び解職に関する事項等、必要な事柄を教育委員会規則に定めることになります。また、具体的に、部活の顧問について、試合に子供たちを単独で引率することもできます。この制度化の狙いは、教員の負担軽減であり、特に冒頭申しました部活動など課外活動に対応するためと聞いておりますが、本区における部活動指導員の活用について教育長の所見をお伺いいたします。  次の質問は、バリアフリー観光の取り組みについてお伺いします。  本年3月末、公明党会派として、三重県の鳥羽市へ伺い、NPO法人伊勢志摩バリアフリーツアーセンターを視察してまいりました。この団体は、伊勢、鳥羽、志摩におけるバリアフリーの観光情報を体の不自由な旅行者や高齢者に案内するとともに、この地域のバリアフリーなおもてなしを設備面だけでなく、ソフトにおいても行き届いた地域に近づけることを目的に設立された団体です。設立から4年間は県から補助金をいただいていましたが、その後、県や市の委託事業を受注し、自主財源のみで運営しています。  私がバリアフリーについて当初抱いていた、障害者や高齢者が生活していく際の障害を取り除き、誰もが暮らしやすい社会環境を整備するという考え方を一変させる、つまりバリアフリーをマーケットとして捉えていることに衝撃を覚えました。旅行者は、電話やメールで観光の相談やバリアフリールームの予約などを依頼することができ、それぞれの旅行者に合わせた旅の提案をするパーソナルバリアフリー基準方式を採用し、希望に合わせた伊勢志摩旅行が実現できるよう取り組んでいます。旅行者にとっては当然旅行の選択肢は多ければ多いほどよく、選ぶ基準はそれぞれその人によって違うのは当たり前ですが、障害者の数だけバリアフリーな旅行があるという考え方のもと、障害者や高齢者を一くくりに対応力を数値化し、可否をマル・バツで考えていたバリアフリーの基準を、障害者イコール旅行者、その方が望む旅の楽しみ方によって変化させる考え方に改め、その考え方をベースに旅行の相談を受け付けていました。この基準は、平等、公平を目指したいわゆる福祉ではなく、旅行したいと思っている体の不自由な方々にそれぞれが旅行を楽しめるチャンスを平等に提供するシステムであり、ビジネスモデルになるというしっかりした考え方であると思います。ノーマライゼーション社会の実現あるいは障害者の生活の質の向上を全て行政やボランティアが支えると考えるのではなく、ビジネスが成り立つものであれば、それも取り入れる柔軟さが必要と思います。  さきの例は、福祉のバリアフリーを観光産業において実現するためであり、かつこのようなシステム、事業を継続させるためには当然経済システムとして成り立つことが必要だということを教えてくれています。ここで区長にお伺いいたします。旅行に不便を感じるような障害のある人を、今までにないお客様、つまり新しいマーケットとして捉え、日本で全く開拓されていなかったこのバリアフリーマーケットを獲得することにより、観光客の増加、増収を実現し、体の不自由な方々と観光地がともに満足できる社会の実現を目指すことは重要なことだと考えますが、いかがでしょうか、区長の所見をお伺いいたします。  このバリアフリーマーケットには、大きく分けて2つのグループがあります。1つは、今までお話ししてきた障害者の方々で、年齢を問わずさまざまなタイプの方がいらっしゃり、パーソナルバリアフリー基準の主な対象の方々で、もう一つのマーケットは、加齢によって体の自由を失われた方々、ほぼ高齢者に限られますが、旅行される場合にはほとんどが家族あるいは介護の方の同行があります。実はこちらのグループが人数や頻度的にもバリアフリー観光のメーンターゲットであり、今後さらなる増加が期待されています。  このパーソナルバリアフリー基準は、前者の障害者の方々を対象としたバリアフリー観光地を開発することによって、メーンターゲットである高齢者マーケットの誘客をさらに図ることが目的とも言えます。こうした方向性は、まさしく観光立区である本区にとって大切な視点であると思いますが、実施に向けて考えてはいかがでしょうか。このような取り組みで培われた考え方や成果は、台東病院を活用した医療ツーリズムやムスリムツーリズムへも飛躍できるものであり、観光都市台東区の価値を高めるものであると考えます。2020年東京オリンピック・パラリンピック大会に向け、日本一のバリアフリー観光立区台東区を目標に、障害者や高齢者の気持ちに立つ優しいまちづくりをさらにぜひとも目指すべきと考えます。区長のご所見をお伺いいたします。  次の質問は、トイレ対策についてお伺いします。  本区では、今年度、トイレ整備として、池之端2丁目公衆トイレ、小島2丁目交番裏公衆トイレ、山谷堀公園トイレの整備を進めることになっており、総額として約7,600万円の予算を見込んでいます。このことにより、現在、本区では、未改修の公衆トイレは7棟、未改築の公園トイレはあと3棟となりました。公園トイレに関し、古いものだと改築工事が終わってから既に40年近く経過しており、そうしたトイレは和式が多く、使いなれない若者や子供が多い、また、衛生面など女性に敬遠されることが多々あると聞いています。トイレはまちづくりにおいても大切であり、誰もがお世話になる施設なので、きれいで使いやすいことが最低条件でなくてはならないと考えます。  ここで区長にお伺いいたします。従来型の40年から50年間の長期使用を前提とした頑丈なつくりを想定としているため、改築費がどうしても割高になってしまいます。今後の改築について、10年から20年程度の更新を見込み設計施工一括方式で民間から提案を求め、建てかえに係るコストの大幅な削減を図る必要があるのではないでしょうか。民間と連携し、短期間使用を前提とした整備仕様に変え、コストを抑制し、これまでのいかにも公衆トイレといったデザインを変更することも可能でしょう。また、家庭で使用しているトイレの機能性、衛生性、デザイン性の進化は著しいものがあり、公衆トイレも短期間で更新することにより、今後、施設、設備の利便性向上に対応できると考えますが、区長の所見をお伺いいたします。  また、未整備分の10棟に関し、スピードを上げ、2020年東京オリンピック・パラリンピック大会までに改修すべきものと提案しますが、いかがでしょうか。加えて、改築後かなりの年月が経過している公園トイレの再整備についてはどのように計画していくのか、区長の所見をお伺いいたします。  厚生労働省が作成した障害者差別解消法ガイドラインに次の記載があります。それは、トイレや浴室をバリアフリー化・オストメイト対応にすること、また、バリアフリー新法もオストメイトへ配慮したトイレ整備について規定しており、さまざまな障害への細やかな配慮がより必要な時代へ進んでいると実感しています。オストメイトは、腹部に人工的な排せつ、排尿のためのストーマを増設し、そこにストーマ装具を貼付、排せつ以外の場面ではほとんど健常者と大差ない生活ができるオストメイトが大半ですが、排せつ頻度は健常者より多い人がほとんどであります。  本区では、ストーマとしての支給対象者は330名と聞いております。オストメイトにとっての最大の課題は外出時の排せつと言われており、現在、公共施設を中心に徐々にオストメイトに配慮した洋式トイレの設置が進んでいますが、その数は極めて少ないのが現状です。また、避難所対応において、災害時要配慮者への配慮は進んでおりますが、オストメイト対応トイレを設置しているケースはほとんどありません。また、備蓄品としても完備されていないため、数日を超える避難状況に至った場合、ストーマ装具の確保は死活問題になります。こうして見ると、建物が古い施設では、ほぼ設備がなく、多機能トイレがある公園などもオストメイト設備が少ない現状です。  ここで区長にお伺いいたします。区有施設において、オストメイト対応トイレが少ない現状であるため、今後、この設備の整備を推進すべきと考えますが、いかがでしょうか。また、スペース等の制限でオストメイト対応トイレの導入が困難な場合は、簡易式のオストメイトに配慮した前広な便座に切りかえる方策を推進していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。さらに、災害時対応として、オストメイト用のストーマ装具の確保策を推進していただきたいと以前から念願しておりますが、区長の所見をお伺いいたします。  以上で私の一般質問とさせていただきます。ご清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(河野純之佐 さん) ただいまの質問に対する答弁を求めます。  区長。          (区長服部征夫さん登壇) ◎区長(服部征夫 さん) 小坂議員のご質問にお答えいたします。  ご質問の第1は、長時間労働の是正についてです。  まず、長時間労働については、仕事と家庭生活の両立を妨げる要因の一つとなるほか、健康障害のリスクや疲労による事務効率の低下などにつながるものと認識しています。国は、ことし3月、罰則つきの残業時間の上限規制導入などを基本方針とする働き方改革実行計画を定め、平成31年4月には関連法案の施行を目指しています。この規制は民間事業者を対象としたものですが、本区においても当然に上限規制を守るべきものと考えています。  次に、是正に向けた取り組みについてです。本区では、昨年策定した特定事業主行動計画において、32年度までに月平均の超過勤務時間数を1割以上縮減する目標を掲げ、これまでのノー残業デー・ノー残業ウイークや閉庁後の一斉消灯などの取り組みに加え、勤務時間の臨時変更制度の導入などに取り組んでいます。しかしながら、複雑化、高度化する行政ニーズや新たな区政課題への迅速な対応を求められる中で、さらなる対策が必要と考えています。今後の対策については、適切な人員配置や業務改善、職員の意識の醸成等が重要です。また、職場ごとの個別具体的な解決策を講じるためには、今まで以上に管理職のマネジメント力や職員一人一人の能力の向上も必要であると考えています。そのため区では、本年4月に働き方改革推進委員会を設置し、全庁的な検討を開始したところです。私は、区民サービスの向上と職員の長時間労働是正の両立を目指し、取り組みを進めてまいります。  ご質問の第2は、バリアフリー観光の取り組みについてです。  区では、これまでも観光客の利便性の向上を図るため、交通施設やトイレなどのバリアフリー情報の発信、観光客に対する車椅子の貸し出しサービスを行っています。また、浅草文化観光センターにおいては、民間のバリアフリー旅行相談窓口と連携した案内も始めたところです。小坂議員ご指摘のとおり、障害のある方が十分満足される旅行を提供する取り組みは、旅行需要を喚起し、地域経済の活性化に寄与することから、私も重要であると認識しております。区としても、障害のある方だけでなく、今後ますます需要が見込まれる高齢者や外国人観光客等、あらゆる方々が安心して快適に観光できるよう民間事業者との連携を強化し、バリアフリー情報の収集・発信に努め、さらなる誘客促進につなげてまいります。  ご質問の第3は、トイレ対策についてです。  まず、公衆・公園トイレ整備についてです。清潔で使いやすいトイレを整備することは、観光振興やまちづくりを推進していく上で重要であると認識しております。本区の公衆・公園トイレについては、安全面、管理面を踏まえ、耐久性のあるつくりとなっています。このうち、道路脇などにある公衆トイレは敷地等に制約があることから、当面、内外装や設備を更新していくことで利便性の向上を図ってまいります。また、公園トイレについては、園内にスペースの余裕があることから、改築の際は、ご提案の内容も含め検討してまいります。  次に、未改修・未改築のトイレの整備についてです。公衆トイレについては、順次改修工事を行ってきており、未改修の7棟についても平成32年度までに改修していく予定です。未改築の公園トイレ3棟については、今年度中に1棟を整備し、残り2棟については、老朽度や利用実態など、さまざまな観点から早急に検討してまいります。
     次に、改築後に年数が経過した公園トイレの再整備についてです。私は、外国人観光客など来街者の増加を見据え、東京2020大会までにトイレの洋式化を先行して実施していきたいと考えています。その上で、さわやかトイレ整備方針に基づき、それぞれの公園にふさわしい個性あるトイレとして今後も計画的に整備を進めてまいります。  次に、区有施設へのオストメイト対応トイレの設置についてです。東京2020大会を控え、私は、区有施設のユニバーサルデザイン化の一層の推進が必要であると認識しております。その一環として、区は、新築工事や大規模改修工事等の機会を捉え、これまで24施設においてオストメイト対応のトイレの整備を進めてまいりましたが、まだ十分とは言えない状況にあるものと考えています。今後は、今年度着工する山谷堀公園や蔵前小学校等へオストメイトの方々に配慮したトイレを設置するとともに、既存の施設についても、トイレスペースの拡張など整備が可能な場合においては導入を進めてまいります。  次に、小坂議員ご提案の便座の取りかえについては、流しなどの設備やスペースを必要とせず、一般トイレでの簡易な改造によりオストメイトの方々がトイレを利用しやすくなることから、有効な手段であると考えています。今後、関係団体や実際に利用される方々などのご意見を伺いながら、導入に向けた取り組みを進めてまいります。  次に、災害時のストーマ装具の確保策についてです。オストメイトの方々が災害時にもストーマ装具を確実に確保できる体制を構築することは私も必要であると考えています。現在、区では、ストーマ装具の形状に個人差があることや、倉庫等での管理面の課題から各自で備蓄してもらうことをお願いしているところです。今後については、この自助の取り組みに加え、汎用性のある装具も開発されていると伺っておりますので、そのような装具を一定数備蓄することも検討し、確保してまいります。  その他のご質問につきましては、教育長がお答えいたします。 ○議長(河野純之佐 さん) 教育長。          (教育長矢下 薫さん登壇) ◎教育長(矢下薫 さん) 小坂議員の長時間労働の是正についてのご質問にお答えさせていただきます。  まず、文部科学省による平成28年度の教員勤務実態調査の結果についてでございます。長時間労働が常態化している現状は、教育の質の低下を招きかねない課題の多い状況であり、改善が必要であると私も認識しているところでございます。  次に、本区の小・中学校教員の現状についてでございます。昨年度実施した勤務意識調査において、小学校で約70%、中学校で約80%の教員が平日に2時間以上の時間外勤務をしている状況でございました。議員ご指摘のとおり、学校現場における校務事務の改善は非常に大切な問題であると考えております。今後、教育委員会からの調査や校務分掌の見直し等を含め、さらなる業務改善の方策を検討してまいります。  次に、部活動指導員についてでございます。部活動指導員を活用することにより、中学校教員の部活動にかかわる勤務を軽減することができるものと考えております。教育委員会といたしましては、東京都教育委員会の動向を注視し、その活用について検討してまいります。 ○議長(河野純之佐 さん) それでは、ここで10分間休憩いたします。          午後 2時28分 休憩  ──────────────────────────────────────────          午後 2時39分 開議 ○議長(河野純之佐 さん) 休憩前に引き続き、会議を開きます。  7番青鹿公男さん。          (7番青鹿公男さん登壇)(拍手) ◆7番(青鹿公男 さん) つなぐプロジェクトの青鹿公男です。議員として2年がたちました。現場に足を運び、肌に感じたニーズに応えていくという初心を忘れずに一般質問に入らせていただきます。  その前に、今お話がございました報道のほうで、パンダの赤ちゃんが生まれたというお話がございました。すくすく育っていることを願いながら一般質問に入らせていただきます。  まず最初に、新たなタウンサイクルの取り組みについてご質問いたします。  台東区では、昭和60年4月に東京都台東区自転車の放置防止及び自転車駐車場等の整備に関する条例を施行し、その後、区民が自転車を共有することにより区全体の自転車の総量を減らし、放置自転車台数の減少を目的に平成9年度からタウンサイクル事業を開始いたしました。平成14年11月に社会実験を行い、平成17年度に東京都台東区レンタサイクル条例を施行いたしました。利用台数は、平成22年の約5万9,000台をピークに減少に転じ、平成27年には約3万3,000台の利用となっております。また、利用の目的も、観光が約50%、仕事が35%、買い物が12%、通勤通学が3%となっており、いわゆる外来者型になっており、事業の目的である区民が自転車を共有することによる放置自転車台数の減少につながっていないように思われます。  また、新たな課題として、台東区の人口は平成11年まで減り続けておりましたが、一転して増加傾向となっております。区内では新たなマンションの建設が進み、マンション建設時には駐輪場の附置義務として1世帯に1台の自転車置き場を確保しておりますが、入居後、時間が経過することで家族構成が変化し、1世帯の保有する自転車がふえ、駐輪場が不足するマンションがふえており、最近では駐輪場におさまり切らない自転車が歩道を占拠し、通行の妨げとなっているのをよく見かけます。  また、最近、上野や浅草エリアを中心に観光目的のホテルが台東区内に多く建設されております。台東区には、上野や浅草以外にも多数の観光資源があり、それらを回遊することで台東区の魅力を高めることも重要と考えております。区内には電車やバス、めぐりんがあるものの、各地域への補助機能としてタウンサイクルを拡充すべきと考えております。現在行っているタウンサイクル事業は台東区独自で事業を展開していることから、区としてできるさまざまな対策を講じてきておりますが、限界があるように思います。結果、平成28年度の事務事業評価シートにおいても、評価の視点、目的達成度の評価が2、評価結果は改善となっており、今後、新たな駐輪場の確保や民間建物内での事業を展開する必要があると思われます。  これまでも一般質問や各委員会審議の中で多くの議員からタウンサイクル事業について、シェアサイクルの視点で質問がなされておりました。シェアサイクルとは、誰もが気軽に借りられ、どこでも返せることで利便性が向上する乗り物です。便利に利用するためには数多くの駐輪ポートを用意することが重要となります。都心6区で展開しているシェアサイクルは、公有地と公開空地に約240の駐輪ポートを整備しております。しかし、台東区は公開空地が都心6区に比べ極端に少ないため、台東区内でシェアサイクルを展開するためには新たな方法で駐輪ポートを確保する必要がございます。  そこで、民間が展開しているシェアサイクルと公有地や駐輪場の一部が連携を図ることや、民間事業が活動しやすいように、最初のスタートアップを台東区がサポートするなど民間ができることは民間に委ね、区として実施すべきことを着実に実施し、官と民が協働してタウンサイクル事業の拡充、進化を図るべきと考えております。現在、中野区等において民間主導で展開しているシェアサイクルは、コインパーキングや店先のすき間を利用して駐輪ポートを整備し、さらに、自転車も地元の自転車店から調達しております。また、今後は、マンションでの自転車のシェア化を進めようとしており、これらの方法は台東区内でも駐輪ポートの設置が可能であり、マンション周辺の駐輪対策や地場産業の育成にも寄与するものと考えております。  このことは、これまで田中議員が取り組んできた自転車や駐輪場シェア化を進めることで自転車の総量を減らし、結果的には放置自転車の減少につながる取り組みにもつながると考えております。土地や建物を有効活用するといった視点では賛同する企業や団体も多く、公共と民間が一緒になり、オール台東でタウンサイクル事業に取り組めるものと信じております。放置自転車対策として、また、新たな回遊性を高めるための補助交通として、民間主導型のシェアサイクルと連携を図った新たなタウンサイクルに取り組むべきかと考えておりますが、区長の所見をお伺いいたします。  次に、区立幼稚園、小・中学校のさらなる安全・安心についてご質問いたします。  警視庁の資料によると、学校、幼稚園で発生した刑法犯罪認知件数は、平成15年が4万6,700件に対し、27年は1万6,800件と減少傾向にあるものの、最近のニュースを見ていると、小さな子供たちに対する凶悪な犯罪や犯罪組織も含めた強盗殺人が発生している今日、学校にも、自分たちの安全は自分で守らなければならないという機運が高まってまいりました。暴漢に近づくことなく、警察官が到着するまでの間の時間を稼ぐ点で大変有効なことから、台東区内の小・中学校では、各教室に刺股と催涙スプレーを配備し、さらには、各学校に1台、網で犯罪者を捕まえるネットランチャーが配置されております。そのほかに、台東区の学校には非常110番というボタンが校内に1カ所以上設置されており、それを押すことで警察への連絡が可能となっております。  ただし、それだけでは事件発生とのタイムラグが発生するということで、最近のシステムとして緊急通報システムがございます。万が一のときにボタンを押すと、職員室のコントローラーが異常を表示すると同時に、廊下のフラッシュマルチサイレンが作動し、非常事態の発生を全校に知らせます。ワイヤレスタイプの腕時計型、ペンダント型などがあり、校庭やプールなど、どこにいても異常発生をすぐに職員室に連絡することが可能とのことです。  次に、区内の全小学校に導入されている登下校メールシステムの安心でんしょばとについては、最初の学校が平成22年、運用開始しまして、最後に導入した学校でも既に5年が経過しております。今後、接触機器の劣化に伴う交換の必要性が出てくる中、IT技術の進歩によってGPS機能つきなど、時代のニーズに合わせたシステムも出てきております。平成27年第1回定例会において、所管より、登下校メールの成果や課題を検証し、また、ほかの事業者を研究した上で、重層的、総合的にいろいろな安全対策を講じていくと答弁がございましたので、新システムの検討は進めていただいていると思いますが、早期に結論を出すようにお願いいたします。  最後に、防犯カメラについては、27年度から4年間にわたって各学校の通学路に1台ずつ設置を進めていただいておりますが、各施設内に既に設置されている防犯カメラについては、機種が古くなっていて画像が粗いなど、何かあったときに使えないことがないように交換、更新をする必要がございます。子供たちの安全・安心を向上させるための製品、システムにつきましては、日進月歩進化しております。更新時期に来ている機器もあり、いま一度検討し、あらゆる点の緊急時に備え、配置、見直しをするべきかと思いますが、教育長の所見をお伺いいたします。  以上で、一般質問を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(河野純之佐 さん) ただいまの質問に対する答弁を求めます。  区長。          (区長服部征夫さん登壇) ◎区長(服部征夫 さん) 青鹿議員のご質問にお答えいたします。  ご質問の第1は、新たなタウンサイクルの取り組みについてです。  区のタウンサイクル事業については、これまでも外国人向けのパンフレットの作成や夜間利用など利便性の向上に努めてまいりましたが、当初目的の一つである自転車の総量を減少させるまでには至っていない現状でございます。私は、自転車の総量を減らすためには、区民が自転車を共有する、いわゆる生活型のシェアサイクルが重要であると考えています。現在、区では、空きスペースやマンションの敷地を活用した民間のシェアサイクル事業が区内の一部で展開されている状況もあることから、民間企業とどのような連携が可能か、検討を始めています。今後も、議員ご提案の内容も含め、事業目的が達成できるよう新たな自転車対策に取り組んでまいります。  その他のご質問につきましては、教育長がお答えいたします。 ○議長(河野純之佐 さん) 教育長。          (教育長矢下 薫さん登壇) ◎教育長(矢下薫 さん) 青鹿議員の区立幼稚園、小・中学校のさらなる安全・安心についてのご質問にお答えさせていただきます。  学校、幼稚園におきましては、不審者侵入時の危機管理マニュアルを作成し、不審者が侵入してきたことを想定した訓練を警察の指導を受けながら行うとともに、侵入者対策のバリケードを設ける実技研修などを実施しております。  また、設備・機器等につきましては、必要に応じて修理、更新を行っており、昨年度には非常通報装置、学校110番を一斉更新したところでございます。議員のご指摘も踏まえ、引き続き設備・機器等の情報収集に努めるとともに、計画的な更新も視野に入れた整備を行うなど、学校、幼稚園等における安全・安心対策をさらに進めてまいります。 ○議長(河野純之佐 さん) 9番伊藤延子さん。          (9番伊藤延子さん登壇)(拍手) ◆9番(伊藤延子 さん) 日本共産党の伊藤延子です。区議団を代表して、介護保険、受動喫煙防止、区職員の働き方改革、この3つのテーマで質問いたします。  第1は、介護保険についてです。  国は、来年度から給付の抑制と病院ベッドの大幅削減計画を本格的に始めるとともに、診療報酬、介護報酬を同時に改定するなど、医療と介護を一体で削減します。都道府県は、基礎的自治体などの保険者に対し、医療費をどれだけ減らしたか、介護保険からどのくらい卒業させたか、保険料の徴収、差し押さえをどれだけ行ったかで交付金を増減させる露骨な支配を強めてきます。住民福祉を使命とするこの台東区が区民の命と健康を守る立場に確固として立てるかが鋭く問われています。来年度から新しい高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画が始まります。計画策定に当たり、台東区は、区民、事業所、従業者の現状をどう改善していけばよいのでしょうか。  私は、この間、高齢者と事業者から多くの声を聞き取り、介護保険制度に翻弄されている実態を見てきました。大きく2つの課題を取り上げます。  1つは、昨年3月から開始された介護予防・日常生活支援総合事業、いわゆる総合事業です。要支援の方を従来の国で定めた介護予防の公的給付の対象から外し、区独自基準のサービスに切りかえたのが緩和型サービスです。訪問型サービス、ホームヘルパーは、45分以内、身体介護は対象外で、無資格者でも従事できます。通所型サービス、デイサービスでは、入浴介護は含まれません。基本報酬は約10%減です。  もう一つは、通所型の短期集中予防サービスで、送迎はなく、無料、しかし、3カ月で終了というものです。介護度が要介護から要支援になった利用者の事業所が緩和型サービスの提供事業者になっていないため行き場を失った、要支援の方が、本意ではなかったが、短期集中予防サービスに誘導されたという事例が出ています。ケアマネジャーは、このような方の対応に苦慮しております。いわゆる卒業ということです。総合事業が導入されたため、介護保険制度の矛盾から卒業を余儀なくされた方ということになります。健康になって卒業するのはいいことですが、介護予防の質が保証された従来の制度から、安上がりにするために卒業させられるのでは本末転倒です。  総合事業開始直前の昨年2月現在利用者より、ことしは利用対象者はふえているのですが、利用者はホームヘルプで48人減っています。事業所は訪問型で6割、通所型で4割です。無資格者の介護員はゼロです。区長は、以前、私に、新たな総合事業は柔軟で多様なサービスを提供できるとお答えになりましたが、始まって1年たった現在でも同じようにお考えなのでしょうか。来年度からの台東区の新しい事業計画の策定に当たっては、総合事業が介護や介護予防が必要な区民にとって、サービスの質の低下、日常生活能力や心身の健康悪化につながっていないかどうかを十分検証し、改善すべきではないでしょうか、それぞれお答えください。  2つ目の課題は、地域包括ケアを大もとで担う介護従事者と事業所の環境を改善することです。区は、新たな計画策定のため、昨年9月、高齢者実態調査を行いました。事業所の回答を見ると、2015年の介護報酬2.27%引き下げを半数以上が影響があったと答えています。ほぼ全ての業種、分野にわたり6ないし8割の事業所が減収となっています。経営は厳しい、やや厳しいで54%、やはり5割を超えています。とりわけ小規模事業所ほど厳しいと答えている割合が高く、心配です。  私は、一昨年、報酬引き下げの影響を質問しました。ところが、区は、影響がないと言わんばかりの答弁で、現場での苦境を聞いていた私は怒りを感じました。そして小規模の事業所が痛手を負うことを指摘し、実態を調査するよう求めましたが、28年度の高齢者実態調査で調べると消極的な答弁でした。その調査でこういう事業所の状況が出てきたのです。区長、これでも事業所が介護保険制度改定の影響で経営が困難になったとお考えになりませんか。今期計画で十分検証し、新たな事業計画に支援策をお示しになる意志はありますか、お答えください。  総合事業は、報酬引き下げに加え、さらなる苦しみを介護従事者と事業所にもたらしています。緩和型のホームヘルプサービスを提供しているある事業所は、訪問時間が45分になり、コミュニケーションの時間が奪われたことが問題だと話しています。利用者はヘルパーとの会話を楽しみにしており、ヘルパーは利用者の変化などに気づく大切な時間が削られたのです。ヘルパーは、専門職として行うべき仕事とプライドが奪われ、給料も下がります。介護事業所は、介護職の確保が大変な中、緩和型だからといって賃金を下げにくいのが実情です。また、ある事業所は、緩和型サービスを引き受けた影響で、介護保険のサービスを提供していたときよりも収入は月7万6,500円も減収になると試算しています。区長、介護保険のサービスでも緩和型サービスでも、介護従事者は同じ質のサービスをする努力、事業所はそれに報いる努力をして地域の介護力を維持されているのです。  区長は、一昨年、総合事業によるマイナスの影響を懸念した私の一般質問に、介護報酬が引き下げられたこともあり、区民初め事業者、従業者に対する影響は不透明な部分があると答えました。明らかに現場ではマイナスの影響が出ております。事業所の自助努力では無理があります。区長、介護保険給付であれば十分ではないにしろ、処遇改善加算があります。しかし、緩和型サービスには加算がありません。区が定めた介護予防の質を落とすわけにはいかないはずです。区長、緩和型サービスにも処遇改善加算に見合う支援を行うべきではありませんか、答弁を求めます。  私は、今回の聞き取りで改めて実感したのが、介護事業所のヘルパーの確保が困難であるということです。ヘルパーの不足は区としてのサービス提供の低下につながり、介護難民を生むのではと危惧されるものです。介護職を確保するために給料を上げれば、募集などの人材確保経費が削られる悪循環が小規模事業所ほど顕著です。通年で募集を行う経費は負担が重く、日々の介護記録、介護報酬事務や運営管理など、管理費の圧縮には限界があります。区長、職員の募集について、複数の事業者を集めて台東区内で職員募集をする機会をつくるべきではありませんか、答弁を求めます。  複数の事業者が、募集をかけても時給をアップしても人材が集まらない、ヘルパー資格を取る人自体がふえていないのではないかと話されていました。区長が昨年、予算特別委員会で、我が党の鈴木昇委員の初任者研修の研修受講費用負担補助について、国や都における支援事業で十分であり、区としての助成は考えていないと答弁しました。無職の方が対象の助成はありますが、仕事をしながら資格取得者は受講負担補助がありません。ヘルパーの低賃金では、その自己負担を取り戻すのは苦しいことは目に見えています。区長、初任者研修の費用を補助している区はあります。台東区も初任者研修利用者に補助をすることを再度考える時期に来ているのではありませんか、答弁を求めます。  区長は、地域包括ケアの充実を政策の大きな柱に位置づけています。ところが、区内の現状は、それを大もとで支える介護従事者と事業者の苦境が広がっています。来年度からの事業でこの苦境を打開する具体策を強く求め、次の質問に移ります。  次は、受動喫煙防止対策についてです。  受動喫煙は、肺がんを含む全てのがん、虚血性心疾患、脳卒中など、数多くの疾患につながります。厚生労働省は、喫煙を原因とする死亡が年間12万人、受動喫煙で1万5,000人死亡していると推計しています。台東区は、区民や飲食店を対象とした講演会、小・中学生への喫煙防止教育の実施、禁煙または分煙を実施している店舗への支援など、対策を講じてきました。しかし、条例化には背を向けています。区内全域を喫煙禁止区域に指定している千代田区を初め19区が条例で喫煙禁止区域の指定を行っています。条例で指定していないのは台東区初め、わずか4区です。台東区は23区の中でも対策がおくれていると言わざるを得ません。  区議会の姿勢の反映もあるのではないでしょうか。昨年は、受動喫煙防止にかかわる5本の陳情が区議会に出されましたが、そのうちの3本は受動喫煙防止条例に反対する陳情であるのに、趣旨を了として採択してしまいました。不採択を主張したのは私たち共産党だけでした。台東区政では、行政、議会とも分煙や喫煙マナーという考え方が受動喫煙防止対策の前進を阻んできました。分煙は受動喫煙防止にはなりません。喫煙はマナーの問題ではなく、他の人の生存権を脅かす重大な問題との認識が大切ではないでしょうか。  たばこ規制枠組条約のガイドラインは、100%の無煙環境以外のアプローチは効果がないとしています。東京都医師会の都知事への要望書でも、分煙では受動喫煙を防ぐことは不可能と明記しています。台東区は、分煙という考え方を転換する時期に来ています。区長は、昨年の予算特別委員会で区有施設の受動喫煙防止対策については、国や都の動向も注視しながら方針を明確にすると答弁しましたが、この期に及んで国や都の様子見でいいはずがありません。小・中学校や保健所は当然、建物・敷地内全面禁煙になっていますが、本庁舎を初め多くの公共施設が分煙の名目で禁煙にしていません。保育園でも、他施設との合築の場合、敷地内は禁煙になっていない園もあり、子供の受動喫煙のリスクをふやしています。区長、まず、区有施設の建物内を全面禁煙にすべきではありませんか。また、飲食店を含む不特定多数または多数の者が出入りすることができる屋内の公共空間及び職場を全面禁煙にする受動喫煙防止条例を23区に先んじてつくるべきではありませんか。それぞれ所見を求めます。  子供は、乳幼児突然死症候群、ADHD、アレルギー性鼻炎、気管支炎、ぜんそくなどのリスクがあります。台東区は、喫煙防止教育として、平成25年度に蔵前小学校の6年生を対象に保護者も含めて保健師が講義を行ったのを機に機運が広がり、昨年は小学校7校で外部講師を呼び教室が開かれたようです。教育長、これをさらに拡大させ、小・中学校全校が取り組むようにすべきではないでしょうか、ご答弁ください。  また、妊婦は早産や流産の危険が高まるほか、生まれる子供が低体重になりやすいという報告もあります。区長、妊婦への禁煙指導の強化が必要と考えますが、所見を求めます。  次に、区職員の働き方についてお聞きします。  電通の若い女性社員の過労自殺が大きな社会問題になりました。2015年度に過労死、過労自殺と労災認定されたのが189件、2日に1回、過労死事案が発生しています。過労死が国際語となってから40年、改善どころか、悪化しているのが現実です。業務量も成果主義もそのままで、残業するな、職場から離れろというだけの働き方改革が横行しています。日本共産党台東区議団は、区民の暮らし、福祉を充実するために、働く区の職員が安心して職務に専念できる職場環境、労働条件を整備することが区長の大きな職務の一つだとして重視し、議会でも取り上げてきました。昨年の決算特別委員会で我が党の小委員が、台東区職員の年次有給休暇取得が23区最低の12.3日であることを指摘し、正規職員の人数増と基幹的業務を担当している非常勤職員の正規化を要求しましたが、不十分な回答でした。  区が議会に報告している超過勤務の時間は、職員1人当たり10時間程度です。日ごろの働き方を見ていると、とてもこの数字におさまっているとは思えません。しかし、サービス残業について、ありませんかとの問いに対して、区長は、所属長の超過勤務命令に基づき適切に支給していますと答弁しました。ことしの予算特別委員会では、過労死ラインと言われる月80時間を超える残業を行っている職員が延べ32名、実数で16名いることを明らかにさせ、このような台東区の労働実態を改善するよう強く求めてきました。  このようなもとで、4月21日付で財政課長、人事課長連名の時間外勤務手当等の執行についてという文書が各所属長宛てに発せられました。その文書では、今年度発足した副区長をトップとする庁内の働き方改革推進委員会において、超過勤務の支給のあり方が課題になっていることを指摘し、超過勤務は個々の職員の判断で行うものではなく、あくまでも所属長の勤務命令によって生じるものと改めて原則を確認しています。これを読むと、職員が課長の命令を受けることなく残業していたことが類推されます。それが我々が指摘するサービス残業ではないのですか。なぜ改めてこのようなことを通知する必要があったのですか、その理由をお聞かせください。  台東区は、人口が増加しています。それに伴い、区民要求も増加、多様化し、業務量が増大しています。このような状況のもとで事務の簡素化・効率化などの対応で超過勤務を縮減する、有給休暇をきちんと取得するのは困難であることは明らかです。働き方改革推進委員会は、先月、各課・事業所に働き方改革検討のためのアンケートを実施しました。このアンケートでは、超過勤務が生じている要因を尋ねていますが、そこには、人員の不足という選択肢がありません。次に、その要因を改善する方法を尋ねていますが、人員増という選択肢もありません。このアンケートは、職場の意見を聞くと言いながら、最も大切な人員問題に最初から目を向けない様式になっているのです。  働き方改革は、適切な人員配置を中心に据えてこそ実現性があります。区長、働き方改革推進委員会設置の目的には、人員問題は関係ないのですか。超過勤務問題、有給休暇取得に人員問題が関係ないとお考えなのですか、答弁を求めて私の質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(河野純之佐 さん) ただいまの質問に対する答弁を求めます。  区長。          (区長服部征夫さん登壇) ◎区長(服部征夫 さん) 伊藤延子議員のご質問にお答えいたします。  ご質問の第1は、介護保険制度についてです。  まず、介護予防・日常生活支援総合事業についてです。開始から1年以上が経過した総合事業においては、国の基準に加え、区独自の基準によるサービスを実施することで、より利用者の状態に合ったサービスを提供しています。また、提供する介護事業者の数も順調にふえており、適切な運用ができていると認識しております。第7期の高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画の策定に向けて、これまでの状況について検証を行うとともに、引き続き総合事業の適切な運用に努めてまいります。  次に、介護事業者等への支援についてです。平成28年度の高齢者実態調査において、事業者の約半数以上が経営が厳しいとの回答をしておりますが、29年度の介護報酬改定により、月額平均1万円相当の処遇改善加算の拡充が図られたところであります。区でも、現在、事業者支援策として、第三者評価を受ける際の費用助成や介護従事者への技術向上のための研修を実施しています。次期計画においても、引き続きこれらの支援を行ってまいります。  次に、基準緩和型サービスへの処遇改善加算に見合う支援の実施についてです。基準緩和型サービスの導入に当たっては、介護事業者と協議し、サービスの基本報酬の設定を行いました。この結果、処遇改善加算に相当する単価が含まれた基本報酬額となっています。  次に、人材確保についてです。事業者の人材確保を支援するため、東京都では合同面接会を行っており、区では、事業所の求人情報を区公式ホームページに掲載しています。また、初任者研修の受講費用の補助については、国や都において資格取得に対する支援事業が実施されており、現時点では、区では補助をすることは考えておりません。今後とも、国や都と連携して介護人材の確保や定着に向けて取り組んでまいります。  ご質問の第2は、受動喫煙防止対策についてです。  まず、区有施設における対策についてです。受動喫煙が健康に大きな影響を与えることについては私も十分認識しています。そのため、区有施設のうち、主に子供が利用する施設は原則として敷地内禁煙とし、その他の施設についても可能な限り建物内禁煙としています。また、禁煙とすることが困難な場合には、施設の状況や利用者のニーズに応じ、給排気設備を設けた喫煙室を設置するなど適切な対策を講じています。  受動喫煙防止条例の制定については、現在、国や東京都において対策強化に向けた法改正や条例制定の議論が進められているところです。本区は、飲食業、宿泊業、サービス業などが営まれている商業地域であることも踏まえ、引き続き国や都の動向を注視してまいります。  次に、妊婦への禁煙指導についてです。区では、全ての妊婦を対象に面接を行うゆりかご・たいとうや、父親も参加するハローベビー学級において、たばこによる胎児への影響を説明し、受動喫煙防止についての指導を行っています。また、本年4月から、区内の歯科医療機関で開始した妊婦歯科健康診査においても、妊婦自身の禁煙及び受動喫煙にも注意するよう歯科医師に指導をお願いしております。今後も、子供の健康を守るため、妊婦だけでなく、同居の家族を含めた受動喫煙防止対策に努めてまいります。  次に、区職員の働き方改革についてです。  時間外勤務手当については、所属長の超過勤務命令に基づき適切に支給しています。今回の通知は、超過勤務の原則について再度全庁的に確認したものです。  次に、人員配置についてです。人員については、業務内容や事業量等を勘案しながら適切な配置に努めており、この2年間で約70名の増員を図ったところです。今後とも、長時間労働の是正の観点等も考慮しつつ適切な人員配置に努めてまいります。  その他のご質問につきましては、教育長がお答えいたします。 ○議長(河野純之佐 さん) 教育長。          (教育長矢下 薫さん登壇) ◎教育長(矢下薫 さん) 伊藤延子議員の喫煙防止教育についてのご質問にお答えさせていただきます。  喫煙防止教育につきましては、小学校6年生の保健、中学校3年生の保健体育の授業において、喫煙による自分自身の害だけではなく、周囲の人々にも悪影響がある受動喫煙について既に全校で学習を行っているところでございます。今後も引き続き、外部講師を活用した喫煙防止教育についても充実を図ってまいります。 ○議長(河野純之佐 さん) 1番小島智史さん。          (1番小島智史さん登壇)(拍手) ◆1番(小島智史 さん) 自由民主党の小島智史でございます。今回のテーマは、民主主義を支える教育です。  さて、本年1月10日、アメリカ合衆国オバマ大統領は最後の演説において、民主主義の重要性を訴えました。民主主義では、時に自分が望んでいなかった結果が出る、しかし、そうであっても、よりよい社会をつくるために前進し続けることが重要だ、民主主義は不断の努力なしには成り立たない、みずから行動を起こすことが必要だと述べました。また、1月18日、ホワイトハウスでの最後の記者会見において、メディアは権力を持った者たちに対して批判的な目を向け、私たちを支持した人たちへの責任を自覚させてくれる、自由な報道活動が民主主義にとって必要だと強調しました。新大統領との違いが見事にあらわれていると思いますし、マスコミは懲らしめる対象ではないということを教えてくれています。私は、この視点を忘れた、時の権力は衰え、廃れていくと思っております。  私は、研究生活を通し、批判的検討の大切さをみずからの経験として学んでまいりました。批判的検討は単なる批判ではありません。批判的検討を行った結果、賛成の場合もありますし、反対の場合もあります。批判的検討を行った上で、自分には判断がつかないという結論もあり得ます。批判的検討をし、多様な価値観を持った人々が自由に対話や議論を重ねることによって新たな価値を生み出していくことの大切さを学んだのです。  国会議員の秘書時代には、行政とは異なる情報源と視点を持つ立法補佐機関の力をかり、わずか119人の議員で民主党政権に対する野党の責任を果たしていきました。この経験は、権力への対抗軸としての野党の役割の重要性を認識させ、私のその後の政治姿勢を形づくることになりました。また、自民党が、この苦しい野党時代、谷垣総裁のもとで掲げた標語が「一人ひとりを強く、豊かに。」でありました。自助自立を基本とした一人一人の頑張りが国や地域を支えていく、一人一人の成長、発展が社会全体の成長、発展につながる、こうした思いを込めたものでありました。
     今回の質問は、民主主義を担う人材の育成、民主主義の土台となる生涯学習基盤の確立、これらを民主主義を支える教育と位置づけ、子供、成人問わず、学校教育、生涯学習、社会教育分野を題材にし、区の姿勢を問うていきたいと思います。  第1に、教育委員会制度や政治的中立性に対する認識を伺います。  私は、去年の一般質問にて、生涯学習課、スポーツ振興課、図書館の区長部局への再編をご提案させていただきました。それに対しては、教育行政の政治的中立性、継続性、安定性を踏まえ研究するとの答弁でした。そもそも行政委員会は、GHQによる対日占領政策の一環で日本の民主化を目的として導入されたものであります。地方行政の場合には、それに加え、執行機関の多元主義、すなわち首長ないし一般行政からの独立の目的も大きな理由でした。ただし、教育委員会の場合は、選挙管理委員会や監査委員などとは異なり、一般行政からの独立性は目的ではなく、政治的中立性の確保のための手段であるとの主張も有力です。手段なのか、目的なのかは大きな違いであり、手段が目的化してはいけません。  また、戦後の行政委員会導入当時の反対論を見ますと、首長も公選によって選ばれるから教育行政の全ての権限と責任を彼らに与えるべきだ、総合行政の見地から見て、教育行政を切り離すことは望ましくないなどが主張されています。政策は振り子でありますから、これらは以降もたびたび登場する議論であります。教育大綱の策定、総合教育会議の設置、新教育長制度への移行などは、大津市のいじめ自殺事件など、教育委員会による迅速で的確な対応がなされなかった事案をきっかけとしたものでありましたが、その際にも展開された主張でありました。  なお、この際の中央教育審議会における議論では、教育委員会の存廃が大きな争点となりました。廃止案は、福祉やまちづくり等、ほかの行政分野と同様に、教育行政の責任が首長に明確化されるメリットがあるが、首長の影響力が強くなり過ぎるのではないかという懸念が指摘された案でありました。これは最終的に改革案として位置づけられました。存続案は、区の答弁のように、教育の政治的中立性、継続性、安定性が確保されるという点を強調するものであり、現行制度の課題が解決できないのではないかという懸念が指摘されたものでした。これは、最終的には改革案に対する別案として位置づけられました。現状維持は退歩なりと思っております。  区議会においては、私の一般質問以後も政治的中立性の問題が議論されています。委員会議論や行政の答弁を聞くにつけ残念に思うことは、政治的中立性があたかも政治と完全に距離を置くこと、すなわち非政治化として捉えられている点です。本来、問題なのは、戦前の思想善導、国民教化のように特定の政治思想だけを取り上げることであります。GHQないし、その民間情報教育局CIEによる戦後の教育関連政策を経て、1950年代には、本来、教育基本法第14条により政治教育を促進させるためのものであった中立性が、同2項への過度な反応により教育を非政治化するための中立性になってしまったとの研究論文もございます。  私は、1950年代の認識に拘泥せず、教育分野における戦後レジームからの脱却が必要だと思っております。さきの中央教育審議会に委員として参加した小川教授は、教育委員会制度を活性化するためには、逆説的かもしれないが、政治化することだ、政治的な中立性をベースとして首長の権限を排除してきた今の仕組みというのは時代錯誤と言うべきで、見直すべき時が来ていると述べています。また、近年、シチズンシップ教育が着目されており、18歳選挙権、成人年齢の見直しとも相まって啓蒙主義的教師像ではない政治的コーディネーターとしての教師像が公教育に必要だとの議論が盛んになっています。政治学分野では、教育政治学という新たな学問分野も体系づけられようとしていますし、政治思想研究においては、熟議民主主義、闘技民主主義という有力な考え方も隆盛しています。  自主的、自律的な人格として成長、発達するための途上であり、他者からの影響を受けやすく、十分な価値判断能力、批判能力が備わっていない子供に対しては、さらなる特別な考慮が必要だとしても、なお、ただいま申し上げた本来の意味での政治的中立性が担保されれば、生涯学習関係3課のうち、教育委員会に残すべきものは一体何があるのでしょうか。非政治化にとらわれている教育委員会制度のもとではなく、むしろ区長部局のもと教育を政治化し、批判的検討のための材料を与え、多様な価値観、選択肢を示し、台東区をともに発展させる地域共同体の担い手としての人材が育つような仕組みづくりに舵を切るべきではありませんか。これが私の考える教育の政治化であります。  こうした、みずから考え行動する主体的、能動的な市民は、時に批判の刃を向けてくるかもしれませんが、国家や自治体に何かをしてもらうのではなく、何ができるか、何をなすべきかを考えることのできるよき市民であり、民主主義の担い手なのだと思います。政治的中立性をどのように捉えているのか、また、生涯学習関係3課を区長部局で担うことについて見解をお伺いいたします。  第2に、読書教育についてお伺いします。  これまで本区は、読書感想文や読書時間増進など、すぐれた読書教育の取り組みを行ってきました。また、おはなし会やブックトークなど、図書館や読書に関心を持ってもらうための取り組みを行ってきました。これらは非常に大事なことであります。台東区子ども読書活動推進計画では、読書に関する教育を一層進展させることを計画目標の柱に据えておりますが、現在のこの分野の潮流である読書の質の向上に当たる取り組みが学校教育、生涯学習、社会教育を通してほとんど見当たらず、興味関心の喚起、読書環境の整備にとどまっています。計画後に、みずからの方針としてみずから打ち出した区立図書館の基本的な考え方に至っては、さらにその点が後退しています。  この点、既にある程度の広がりを持つものとして、読書指導メソッドであるアニマシオンがあります。重要なことは、テキストの要約や分析、解釈だけでなく、テキスト批判の技術が子供の発達段階に応じて段階的、系統的に指導されることです。区内の一部の学校では、アニマシオンをイベントとして行っていると聞いておりますが、現在では、年間計画のもと、継続的かつ全学年で取り組む学校も全国的にふえております。公共図書館における取り組みも盛んになってきました。アニマシオンに限らず、読書教育、読書指導、読書の質の向上について今後どのように取り組んでいくのか、お尋ねします。  第3に、調べもの学習についてお伺いします。  調べもの学習は、知りたいテーマをみずから設定し、徹底的に考え、表現するもので、知的好奇心、情報リテラシー、読解力、思考力、言語力、論理性が磨かれる学びです。主体的な学習と言語的表現力を重視する学習指導要領との関係からしても、また、近年重要なものとして認識されてきた探求的学習との関係からしても非常に有益です。私は、学校図書館、区立図書館を積極的に活用した調べもの学習に区として本腰を入れて取り組むべきだと考えます。  この点、図書館振興財団が行っている図書館を使った調べる学習コンクールというものがあります。コンクールには、財団が主催する全国コンクールのほか、各自治体が主催する地域コンクールがあり、荒川区、墨田区、文京区を初め、地域コンクールを主催、共催する自治体は年々ふえています。区内では、学校図書館振興に積極的な一部の教員の指導により、一部の児童が全国コンクールに参加している状況にとどまっています。みずから考え、みずから調べ、みずから表現することのできる人材を育成する、そして図書館の利用促進、図書館振興にもつながるこの取り組みについて区の積極的な関与を求めますが、答弁を求めます。  第4に、メディアリテラシー教育についてお尋ねします。  イギリスのEU離脱やアメリカのトランプ大統領の誕生によって、ポスト真実、ポストトゥルースという言葉が盛んに使われるようになりました。真実でなくても感情に訴える部分が重要視されるとか、真実でないことが真実のごとく広まってしまうということをあらわしたものであります。今やインターネット上には、デマやフェイクニュースがあふれています。それがSNSにより容易に拡散される、さらには、コンピューターが勝手にインターネット上の情報をつなぎ合わせて新たなうそ記事をつくる時代です。表現の自由等がありますから、北朝鮮のような国でない限り、とり得る対策はただ一つであります。それは、みずからの側にとりでを築くことであります。ドイツでは、ナチスの台頭を許した反省から、戦後、徹底的にメディアリテラシー教育に取り組んできたと聞いております。  台東区では、男女平等推進プラザの地域のチカラ講座で一度取り上げられたことがあり、私も参加し、大変よい講座であったと評価しております。また、携帯電話・スマートフォンルール普及啓発を図書館と指導課が新規事業としてやっておりますが、長時間スマホ防止が主眼であるようです。子供、成人を問わずメディアリテラシーに関する取り組みを積極的に求めますが、答弁を求めます。  第5に、学校図書館のさらなる充実策についてです。  学校教育を充実させることを目的に設置されている学校図書館でありますが、台東区の現状は決して誇れるものではありません。図書室として一つの教室すら確保できていない学校があります。まず、責任の所在が極めて曖昧です。庶務課、指導課、一体どこが学校図書館に対して責任を負っているのでしょうか、お答えください。  次に、予算面です。先生方や学校司書、図書ボランティアは、みずから書棚をつくるなど、少ない予算で工夫してくださっています。学校図書館の環境整備は行政みずからの責任です。まず、予算面での充実が必要だと思いますが、現状認識と来年度の予算に向けての対応をお尋ねします。  次に、学校司書の配置についてです。現在、小学校は週2日、中学校は週1日、学校司書を配置しています。これでは、来校しないときのたまった事務作業で一日が終わってしまい、読書指導を初めとする子供たちのためのさまざまな取り組みができないとの声が届いています。12クラス以上の学校に必置の司書教諭は、そのほかの仕事を行いながら学校図書館の仕事を受け持ちますし、わずか5科目10単位で取得できるという実態を考えれば、結局は個人の意欲や資質に左右される部分が少なくなく、実際、区内の学校の場合も学校図書館に積極的にかかわってくださっている先生がいる学校と、そうでない学校との差が顕著にあらわれています。専ら学校図書館の勤務に従事する学校司書の配置を拡充させる必要があると思いますが、区のお考えをお聞かせください。  蔵書についても問題です。蔵書数に関しては、文部科学省学校図書館図書標準を満たしている旨、これまでの議会質疑で盛んに強調されています。しかし、蔵書の質はどうでしょうか。区内の学校図書館を視察した際、当初予想していたソビエト連邦の世界地図はさすがにありませんでしたが、それでも90年代後半の世界地図と地理資料が置いてありました。適切な廃棄と収集を行った上での蔵書数で計算してほしいと思います。  また、文学に分類されるものが多く、調べもの学習のための図書館としての役割をしっかり果たせているのか、疑問に思っています。子ども読書活動推進計画には、各教科、総合的な学習で学校図書館を活用するとうたっておりますし、パブリックコメントに対するお答えで、学校図書標準の達成だけでなく、図書の質の充実にも努める旨、回答されています。この点、全国学校図書館協議会の学校図書館メディア基準は、図書以外の資料にも目を向けており、さらには、分野ごとの蔵書割合、年間購入冊数や購入費、すなわち書架の鮮度にも基準が設定され、文部科学省の基準に比べて現代的、実用的なものになっています。私は、こうした望ましい基準なり、図書標準はあくまで目安として柔軟に捉えるべきとの考えですが、一定の目安にはなり得ます。また、学校図書廃棄基準をつくり、廃棄権限を現場に委ねることも重要です。以上の点をお伺いします。  第6に、公民館的な要素を持つ社会教育センター・社会教育館について簡潔に質問します。  公民館は、単なる集会施設ではなく、集まった人々が学びにつながる仕掛け、学習のための機能を持っていなければなりません。文部科学省告示、公民館の基準及びその取り扱いによると、中学校区が想定されていますが、その圏域における日常の学習活動の拠点としての機能を果たさなければなりません。この点、台東区では、ホームページにホール、集会施設として区民館と並んで社会教育館が分類されていますし、団体登録の有無を問わず、予約、貸し出し、使用料等についてもほぼ同様の取り扱いがなされています。  また、区民館を主な活動場所に指定している団体も多いと聞いております。このように、本来、社会教育館と区民館は性格を異にするものの、その実質は機能や役割において接近しているのではないかと思います。公民館不要論を打破し、社会教育館が有する学習機能を高めるためにも、むしろあえて社会教育館と区民館のより一層の連携が必要ではないかと思っておりますが、この点、答弁を求めます。なお、施設白書においては、その基本的考え方に建物の複合化・多機能化という考え方が示されております。  第7に、教育機関としての博物館について簡潔に質問します。  本区においては、文化観光産業部に位置づけられている博物館行政。来館者数の増加、観光客の利便性向上などの取り組みも大変重要ですが、博物館の本来機能である教育的観点も忘れてはなりません。博物館展示のメッセージ性、博物館と利用者、地域住民等との相互作用など博物館教育の持つ可能性は非常に大きいと思っておりますが、教育的観点からのこれまでの取り組みがあれば、今後の方向性とあわせて答弁を求めます。  最後に、さきの一般質問にて図書館部門へ要求した大学図書館との利用協定、生涯学習課へ要望した生涯学習事業改革も今回の質問テーマからして大変重要な点であります。以上、その点を引き続き注視していくことを申し上げ、質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○議長(河野純之佐 さん) ただいまの質問に対する答弁を求めます。  区長。          (区長服部征夫さん登壇) ◎区長(服部征夫 さん) 小島議員のご質問にお答えいたします。  教育委員会制度の政治的中立性についてです。  個人の精神的な価値の形成を目指して行われる教育において、その内容は、中立公正であることが極めて重要であり、教育行政の執行に当たっても、個人的な価値判断や特定の党派的影響力から中立性を確保することが必要であると認識しております。こうした認識のもと、平成27年5月に台東区教育大綱を策定し、教育は人づくりの観点から、学校教育と社会教育がより密接に連携をしながら事業を推進しています。そのため、議員ご提案の生涯学習課等を区長部局で担うことについては、他自治体の事例なども参考にしながら引き続き研究してまいります。今後も区の組織については、区民サービスの向上、効率的な行政運営、区民ニーズや社会情勢の変化などを踏まえ、常に最適な体制の整備に努めてまいります。  その他のご質問につきましては、教育長がお答えいたします。 ○議長(河野純之佐 さん) 教育長。          (教育長矢下 薫さん登壇) ◎教育長(矢下薫 さん) 小島議員のご質問にお答えさせていただきます。  まず、読書の質の向上についてでございます。各校におきましては、国語科の学習や朝読書、週に1回の図書の時間等を活用し、発達段階に応じた読書教育を行っているところでございます。また、あわせて、親子で絵本に触れ合うおはなし会や読み聞かせ講習会を通した図書ボランティアの養成など、台東区子ども読書活動推進計画の取り組みを着実に行うことにより、読書の質の向上に資するものと認識いたしております。今後も、子供たちが読書に興味、関心を持つことにつながる読書活動をさらに推進し、読書の質を高める取り組みの一層の充実を図ってまいります。  次に、図書館を使った調べる学習コンクールについてでございます。全国的な規模で実施されている図書館を使った調べる学習コンクール等に参加し、図書館を効果的に活用している学校もございます。みずから考え、みずから調べ、みずから表現できる人材の育成のために、このような取り組みについて各学校へ周知し、積極的な参加を促してまいります。  次に、メディアリテラシーについてでございます。さまざまな情報があふれている現代では、学校教育において、情報を主体的に捉えるだけではなく、さまざまな情報に惑わされない、正しい情報を取捨選択できること等の資質、能力の育成をすることがますます重要になっております。教育委員会といたしましては、現在作成している台東区立学校の携帯電話・スマートフォンルールの内容を初め、SNSによるいじめの防止を一層図るとともに、小・中学校におけるメディアリテラシー教育の充実に努めてまいります。また、児童・生徒以外のメディアリテラシー学習につきましては、実施している自治体の取り組みなどを参考に今後研究してまいります。  次に、学校図書館についてでございます。司書の配置や読書教育等については指導課が、図書購入や備品の整備等については庶務課が担っております。今後とも両課が密に連携を図りながら円滑な運営に努めてまいります。  次に、学校図書館の予算についてでございます。教育委員会では、毎年、予算編成に当たり学校の現状や要望について学校と十分に協議を行っており、今後も学校の実態に即して適切に対応してまいります。  次に、学校図書館司書の配置の拡充についてでございます。本区では、学校図書館司書を全小・中学校に配置するほか、図書館ボランティアとして保護者や地域の方々のご協力をいただき、蔵書の点検や貸し出し業務等を行っております。また、司書教諭が学校図書館司書と十分な連携を図るとともに、図書担当者研修会の内容を充実させることにより、昨年度の調査では貸出冊数や図書室への来室者数が増加しております。したがいまして、現在のところ学校図書館司書の配置の拡充については考えておりません。  次に、蔵書についてでございます。蔵書の購入や廃棄につきましては、学校の教職員や専門性を持つ司書が児童・生徒の意見を聞きながら適切に行っております。また、現在、廃棄基準はございませんが、今後検討してまいります。学校図書館メディア基準で示された視点も参考にしながら、今後とも学校と教育委員会がさらに連携を深め、学校図書館の充実を図ってまいります。  次に、社会教育センター・社会教育館についてでございます。社会教育センター・社会教育館は、社会教育の振興を図る目的で整備し、多くの方々にご利用いただいております。議員ご指摘のとおり、社会教育団体は社会教育センター・社会教育館のほか、区民館などにおいて活動を行っている団体が少なくないと認識いたしております。社会教育センターと区民館との連携につきましては、既に一部の区民館において生涯学習のきっかけづくりの学習講座であるラーニングスクエアを実施しているところでございます。今後も各種講座を区民館で実施するなど関係部署との連携を強化してまいります。  次に、博物館教育についてでございます。区内にある大学や博物館など、地域の資源を活用したさまざまな教育活動につきましては、ふだん学ぶことのできない発見や感動を得ることができ、こうした地の利を生かした教育が十分に展開できることは本区の強みであると認識いたしております。各学校におきましては、校外学習等で博物館を見学するとともに、本区の特色である学びのキャンパスプランニングを活用するなど、博物館での体験的な活動を通じて学校で得た知識、理解をさらに深めることができるような学習活動を展開しております。また、生涯学習講座につきましては、区内博物館等から講師を招聘し、実施しているところでございます。教育委員会といたしましては、関係する部署や機関と連携を図りながら、今後も博物館等の積極的な活用に取り組んでまいります。 ○議長(河野純之佐 さん) それでは、ここで10分間休憩いたします。          午後 3時45分 休憩  ──────────────────────────────────────────          午後 3時56分 開議 ○議長(河野純之佐 さん) 休憩前に引き続き、会議を開きます。  23番青柳雅之さん。          (23番青柳雅之さん登壇)(拍手) ◆23番(青柳雅之 さん) 憲法第15条第2項には、全ての公務員は全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない、このように明記されていることは皆さんご存じのことと思います。しかし、加計学園問題で渦中の人となっている前川氏は、皆、志を持ち公務員となり、世の中全体の奉仕者として公僕として仕事がしたいと思っている。しかし、最近は、一部の権力者の下僕になることを強いられていることがあるような気がするとインタビューの受け答えの中で明言しました。我々区議会議員も、一部の地域や一部の支援者や団体のみの奉仕者になっていないか、そんな立ち位置で発言していないか、みずからを振り返り、自問自答を繰り返しながら日々の活動を立ちどまって考えるときがあります。国会でこんな部分が問題になり、マスコミを通じていろいろな考え方が連日のように発信されている。こうしたたくさんの情報に触れたことを記憶の片隅にしっかりととどめ、公務員人生の節々で思い返すことができたらいいのかなとひとり言を申し上げ、たいとうフロンティア、青柳雅之、区長及び教育長に大きく3点にわたり質問を始めます。  (1)行政委員会・審議会等のネット中継について、区議会では、2012年度より日額5,000円の費用弁償を廃止しました。そしてその経費の一部で委員会室にネット環境を整え、ウエブカメラを設置しました。ここから完全実施までの試行錯誤の取り組みが始まります。途中で中継が遮断されてしまうなどの技術的な問題、委員のメンバーが全員映り込む角度など映像や画質の問題、放送禁止用語や差別用語など発言が訂正できない生中継への対応、ライブ動画を配信するウエブサービスへの課金や動画の保存の問題など、一つ一つの課題に対して話し合いを重ね、慎重に、そして大胆に歩みを進めました。その後も、委員長席の背後に委員会名を大きく記したボードを設置したりなどの視聴者からの意見を反映し、議会運営委員会を含む9つの委員会全てのライブ中継が実施されています。  同様の取り組みを目指す他の自治体の議員から、成功の秘訣はなどと質問を受けます。台東区民の民族性というか、特徴、特性の一つに、実は新し物好きという部分があるのですが、そんな区民の特性を受けて新しい取り組みを柔軟に取り入れ、まずはやってみようという気風がベテラン議員の皆さんを中心に台東区議会の伝統として脈々と引き継がれています。そんな新し物好きで失敗を恐れない気風こそが成功の秘訣ですよとドヤ顔で答えさせていただいております。  さて、地方自治体の中には、ここ議会だけではなく、行政から独立した形として、地方自治法第138条及び180条に定められた行政委員会という組織があります。詳しい内容は、先ほど小島議員からも説明がありましたが、ウィキペディアによると、行政委員会は、政治的中立を確保する観点から、自治体の長の指揮、監督を受けない、また、委員は議会の同意を受けた上で選任される、執行機関が一つの機関に集中して行政の公平さが損なわれることを防ぐための日本の地方自治制度は、行政委員会制度を設けることにより執行機関の多元主義をとっているのであるとあります。  台東区におきましては、教育委員会、監査委員、選挙管理委員会が区条例で定められた行政委員会として存在しています。区議会と同様に費用弁償を廃止し、6階、9階の会議室にカメラを設置し、委員会をオープンにすべきでありませんかと上から目線でご提案させていただきたいところですが、独立性の担保からそこまでは申し上げません。とはいえ、新し物好きな台東区民を代表して重責をお引き受けいただいている委員の皆さんは、きっとご自分たちの委員会も同様の取り組みを始めたいとお考えのことと推測させていただきます。区議会と同じ試行錯誤をゼロから始めるのは余りにももったいないのです。我々が蓄積したノウハウと委員会室の設備、事務局職員が身につけた技術的スキルをご活用いただければ、次の委員会からでも完全公開、ライブ中継を始めることが可能です。  投票率のアップが至上命題の選挙管理委員会さんは、定例の会議から公開することで選挙に対する関心を集めることができます。また、教育委員会さん、かつて野田沢元教育長が掲げた、できない理由を並べるよりやる理由を探そう、そんな言葉のとおり、積極果敢なチャレンジに期待したいと思いますが、教育長のお考えをご答弁お願いします。  そして区の意思決定を方向づけたり、足りない部分を外部の有識者を招いて補完したり、予算上、独立している形式による理由だったりなど、本区には区政概要に記されているだけでも30を超える審議会や協議会、そして評議員会などが存在します。会議の性質により公開には適さないものももちろんありますが、多くの皆さんが興味、関心を持って見詰める会議体も存在します。区長が推し進める花の心プロジェクト推進協議会などは、その会議体の存在そのものが普及啓発の役割を担っており、情報公開を通じて会議に注目を集めることで花の心の精神や事業に区民相互の共通の理解が広がるきっかけになるのではないでしょうか。  とはいえ、既存の会議体で突然生中継を始めるというのは、各委員の皆さんの深いご理解が必要となります。ライブ中継を前提にスタートする会議体であれば、その部分の課題も解決しやすいのではないでしょうか。今定例会に設置が提案されている基本構想策定審議会、台東区の未来を語り合うこの会議こそは、新たな技術を駆使して多くの区民に、そして世界に向けて広く開かれた会議であった、そんな足跡を次世代の区民に残したいものです。  いずれにしろ、ゼロから仕組みを整えろと申し上げているわけではありません。7階フロアの委員会室には、どなたでも利用可能なカメラが天井に設置され、3年の間に蓄積された技術や実績があります。今回の都議選の大きな争点ともなりそうな情報公開の視点ではなく、各会議体の存在そのものや、それぞれが取り扱う課題やテーマに関心を集める、そんな取り組みの一つとして、台東区では区議会だけではなく、いろいろな委員会や審議会が生中継されているよ、いいね、超いいね、すごいねと評価される環境が整っていると考えておりますが、台東区民を代表する区長のリーダーシップをご発揮いただけるでしょうか、お答えください。  そして次の質問です。2020年オリンピック・パラリンピックを見据えて区内の受け入れ態勢は、ソフト面、ハード面ともに充実されてきました。数年前のアンケートでは、外国人観光客が不便に感じていたWi−Fi環境、観光バス問題、駅のバリアフリー化、ムスリム対応などなど、課題解決に向けたスピードは加速し、次々と実現しています。それに伴い観光客も増加の一途をたどりました。  そこで、今回、改めて課題として提案させていただきたいのが、トイレの問題です。本区では、さわやかトイレ推進計画を策定し、公園のトイレを爽やかに維持管理し、公共施設のトイレをわかりやすく表示し、観光客にも広げ、さらには、マップをつくってネットでも公開しています。観光課では、外国人観光客に向けたピクトグラムを作成し、飲食店などのトイレを適正に使用していただけるような取り組みまで始めています。さらには、民間の事業者にも広く呼びかけて、官民両サイドからトイレ問題の解決に邁進しています。しかし、増加する観光客、来街者にその絶対数が追いつかず、適正な配置や適正な利用実態といった点でも課題が残っているのが本区の現状ではないでしょうか。  先進自治体の事例では、京都市が観光トイレとの位置づけを規定し、民間のトイレに設置費用と運営経費の一部に助成を始めています。現在では34カ所のトイレが観光トイレとして開放されています。また、大田区では、商店街のお休みどころや共用スペースにトイレを整備し、その運営経費に助成を続けています。同様の助成事業を新設する自治体は増加しています。ある意味、一番の迷惑施設とも認識されてしまう公衆トイレを、台東区直営という形で増設していくことに余り期待はできない状況にあることは承知しています。また、下町七夕まつりなどでは、飲食店や商店が来店客以外にもトイレだけ開放したりといった取り組みが続けられていますが、日常的にそういった取り組みが続けられるわけではございません。設置に対する補助金や運営経費に対する補助の仕組みを整えて、民間との協働を進めていくことによりこの課題に取り組んでいくべきとも考えますが、台東区のトイレ課題全体に対する区長のお考えをどうぞご披瀝ください。  「今年、2万人のヒーローが引退します。」、そんなキャッチコピーと一緒に、ブルーのアイマスクにブルーのマントをつけた中年の男女が笑顔で並んでいるポスターをご存じでしょうか。身近な場所では、区役所の7階、議会フロアのエレベーターの前に掲示されています。同様のテレビCMをご記憶の方も多いのではないでしょうか。そうです、これが最新の骨髄バンクのPRです。最後の質問は、つい先日、私自身が骨髄ドナーとして移植手術を受けた経験を踏まえ、ヒーロー気分でご提案をさせていただきます。  昨年11月末に民進党本部にて骨髄ドナーの登録会が実施されました。それまで興味、関心は持っていましたが、ドナー登録を実際する機会に出会うことがなかった私は、当時48年の人生の中で初めて骨髄提供の第一歩を踏み出しました。血液と同じように骨髄にもHLAと言われる型があり、両親から半分ずつ受け継いでいく部分は同じですが、移植に当たっては遺伝子レベルで同じ型を持つことが求められ、兄弟間では4分の1の確率で一致しますが、非血縁者間では数百から数万分の1の確率でしかフルマッチと言われている完全一致の相手は見つからないとの説明を受けました。そのときは、まさか自分と同じHLA型を持つ方が白血病と闘っていることなど夢にも思わず、登録をしたということだけで、青いマントとマスクをつけたヒーローの仲間入りをしたという自己満足の鼻高さんでおりました。その間に台東区でも、本目議員の本会議の提案を受け、服部区長の英断により、都内で11番目となる骨髄ドナー助成制度が立ち上がりました。年明けに予算内示が発表された直後でした。骨髄バンクの財団よりA4サイズの大きな封筒が送られてきました。何じゃこりゃとばかりに封筒の中身を見てみると、適合しましたとの通知とともに、具体的な移植までの説明が記された骨髄ドナーハンドブックが同封されていました。その瞬間は、不思議と驚きはなく、極めて冷静に、再生可能な私の体の一部が名も知らぬ誰かの役に立てるんだなとの思いと、私の体で本当に大丈夫なのだろうかなどなどの思いが頭の中をぐるぐるしたことを覚えています。  それから先を振り返れば、実にあっという間でした。担当の移植コーディネーターの方が親身になって世話をやいていただき、細かな検査をクリアし、家族も同伴の上での最終合意、日程等を調整し、入院先の病院や手術の日程が決定、次は、手術時に自分の血液を輸血するための2回の自己採血、2週間のインターバルの間に800tの血液を貯血しました。この間、鉄剤と呼ばれる血液増強のための服薬を開始、残りわずかですが、きょうもこの鉄剤を私は服用しています。こうしているうちに、いよいよ入院の日を迎えます。入院先の病棟のフロアは、血液の病気を持つ方の専用スペースで、懇談スペースでは、たくさんの情報に触れることができました。  中をちょっと省略しますが、全身麻酔を施した関係で手術前後の記憶はなく、この部分の経験談を語ることはできませんが、麻酔が覚めてから半日後に採取した私の骨髄が、無事、患者さんのもとに届き、移植の施術が始まったという報告を受けた瞬間、こんな私でも、どこかで背負っていた大きなお荷物がふっとクリアされ、残った痛みもどこかへ消え去った瞬間でした。まだまだ小さな報告がたくさんありますが、この経験からご披瀝させていただきたいことは、まずは骨髄移植への誤解を解くことです。ドナーに選ばれたという話をすると、決まって返ってくるのが、極めて危険でリスクが高い手術だとの誤解です。多くは脊髄と骨髄を混同されているケースで、もちろん手術ですのでリスクがゼロということはありませんが、年間1,300件にも上る骨髄バンクを通した手術においては深刻な手術ミスは起きていません。  次には、他の先進国に比べドナー登録をする方の人数が極端に少ないということ。本区の取り組みとしてすぐに始められることをご提案すれば、常設された献血ルームでの登録、これは秋葉原の献血ルームが最寄りなのですが、そちらへの登録を呼びかけるのはもちろんですが、身近で行われている献血カーによる献血の際にあわせてドナー登録を行うことです。区役所の1階や区内の小学校等で行われる献血の際、ドナー登録を同時に行うことで、今回始まるドナー助成制度の普及とあわせて広く登録をふやすことができます。また、ドナー登録の後、検査、検診へと進むが、その途中において患者の事情で検査等が中止となり、骨髄提供に至らない例が少なくないと聞いております。そこで、このようなドナーにぜひとも区の支援事業を活用すべきと考えますが、区長のお考えをお答えいただきたいと思います。 ○議長(河野純之佐 さん) 規定の時間を超過しておりますので、発言を中止願います。 ◆23番(青柳雅之 さん) 以上で私の質問を終了いたします。ありがとうございました。(拍手) ○議長(河野純之佐 さん) ただいまの質問に対する答弁を求めます。  区長。          (区長服部征夫さん登壇) ◎区長(服部征夫 さん) 青柳議員のご質問にお答えいたします。  ご質問の第1は、審議会等のインターネット中継についてです。  選挙管理委員会や附属機関である審議会等においては、非公開とすべきものを除き会議を公開するとともに、可能なものは、議事の要旨などを区公式ホームページ等で公開しています。議員ご提案のインターネットによる中継は、審議内容や会議の様子をより多くの方々に周知できるものと考えています。しかしながら、中継に対する各審議会等の考え方や数多くの会議を安定して中継できる会場の確保などの課題もあることから、今後、他の自治体等の状況も含め研究してまいります。  ご質問の第2は、不足するトイレの対策についてです。  台東区は、これまでさわやかトイレ整備方針に基づき、区有施設の一般利用、外国人利用者への対応など、誰でもどこでも安心して利用できる公共トイレの整備に努めてまいりました。多くの来街者を迎える本区では、おもてなしの施設としてトイレ整備は大変重要な施策であると認識しております。そのため計画的に実施している整備に加え、今お話がありましたように、民間との協働を見据えた新たな支援策などにより、多くの来街者にとって一層利用しやすいトイレ環境の充実に向けて取り組んでまいります。  ご質問の第3は、骨髄提供にかかわる推進策についてです。  初めに、今回、青柳議員がドナーとして骨髄を提供されたことに敬意を表したいと存じます。  まず、ドナー登録の推進と支援事業の周知についてです。これまでも広報たいとうにより10月の骨髄バンク推進月間を周知し、この4月からは骨髄移植ドナー支援事業を開始するなど、ドナー登録推進策を実施してまいりました。今後、登録の機会の拡充を図るとともに、区の支援事業の周知を図ってまいります。  次に、ドナー支援事業の充実についてです。本事業は、骨髄等の提供を完了した方を対象としています。青柳議員のご提案については、今後、この支援事業への申請状況の推移を注視しながら研究してまいります。  その他のご質問につきましては、教育長がお答えいたします。 ○議長(河野純之佐 さん) 教育長。          (教育長矢下 薫さん登壇) ◎教育長(矢下薫 さん) 青柳議員の教育委員会のインターネット中継についてのご質問にお答えさせていただきます。  教育委員会における議論を公開し、区民への説明責任を果たすとともに、その理解と協力のもとで教育行政を進めていくため、教育委員会につきましては、これまでも会議を公開するとともに、会議録を区公式ホームページに掲載しているところでございます。  インターネットで中継することにつきましては、通信環境がある場所ならどこからでも即時に会議内容を知ることができ、区民に開かれた教育委員会の一層の推進につながるものと私も考えております。しかしながら、安定して中継できる会場の確保や運営面の課題などもあることから、区議会の手法も参考にさせていただきながら、引き続き研究してまいります。 ○議長(河野純之佐 さん) 26番阿部光利さん。          (26番阿部光利さん登壇)(拍手) ◆26番(阿部光利 さん) 私が、本日最後の質問者でございますが、つなぐプロジェクト、阿部光利より、北朝鮮のミサイル攻撃などの不安が広がる今、本区における危機管理と安全安心についてお尋ねを申し上げます。  今月11日で東日本大震災から6年3カ月になります。改めて犠牲になられた方々のご冥福をお祈り申し上げます。  そして本区では、これまで阪神・淡路大震災、東日本大震災からの教訓を踏まえて、台東区地域防災計画など各種の計画を策定並びに更新を行い、区の防災力向上に努めてまいりました。具体的には、防災・減災の観点から初期消火器材の配備の推進などを進めてまいりました。また、昨年発生した熊本地震では、生活再建への第一歩である建物の被害状況を証明する罹災証明の発行が重要であることがわかりました。本区では、この教訓から東京都と罹災証明発行までの手続や方法を協議して、23区の自治体で統一的なガイドライン策定に向けての作業を進行しており、罹災証明の発行と他の給付など、一括管理可能な被災者生活再建支援システムの導入を平成29年には実施する予定であると聞いております。これらは全て区民の安心安全に寄与する施策として進めてきたものであります。  しかし、今後は、自然災害の対応に加えて、北朝鮮のミサイルや爆弾テロの発生を視野に入れた不測の事態への対応と備えが重要になってまいりました。最大の脅威は、何といっても北朝鮮のミサイル攻撃であります。今月8日にもミサイルを発射しており、実に4週間連続での発射となっています。その数もことしに入り10回、日本の排他的経済水域内への落下は実に4回に達しています。安倍首相は、国際社会と緊密に連携しながら国民の安全確保に万全を期すと強調しておりますが、北朝鮮は、日本政府が国際会議で北朝鮮の弾道ミサイル発射を批判していることなどを非難し、今のように日本が不届きに振る舞うなら有事にアメリカより先に日本列島が丸ごと焦土になり得ると恫喝を繰り返しております。  一時期インターネット上では、北朝鮮が4月27日に軍事的挑発を仕掛ける可能性があることから、4月27日戦闘危機説が流布されて、ついに北朝鮮戦争が秒読みとなった、Xデーが近づいてきたなどと不安をあおる情報が飛び交いました。トランプアメリカ大統領は、北朝鮮の核ミサイル開発をめぐって外交的な解決を望む姿勢を示しながらも、膠着状態となれば、最終的に北朝鮮と大きな紛争が起きる可能性はあると開戦を示唆いたしました。一方、北朝鮮は、ミサイルの打ち上げは在日アメリカ軍基地を攻撃する訓練だと公言しており、一歩も引かない姿勢を堅持、両国の緊張が頂点に達している状態であります。
     次なる恐怖は、テロリズムの嵐が世界を席巻しています。ロンドン中心部ロンドン橋で今月3日、車が歩行者に突っ込み、7人が死亡するテロが勃発、同じイギリスで5月22日夜、マンチェスターのコンサート会場で自爆テロ事件が発生し、22人が死亡、100人以上が負傷いたしました。まさに蛮行の連鎖が世界中を恐怖に陥れています。アメリカの保険関連会社Aonがテロのリスクに関する最新のレポートを発表しています。これによりますと、2016年に全世界で発生したテロ事件は実に4,151件、2015年の3,633件から14%増加しています。そして、最も多くテロの標的となっているのは一般市民であります。実に1,342件、一般市民を狙ったテロが発生しています。2位は軍隊で件数は799件、この恐るべき数字は世界中でテロが増加していることだけではなく、その刃が市民に向けられている現実を再認識いたしました。  これらのテロや北朝鮮がミサイルを発射した際には、私たちはどのような行動をとるべきなのでしょうか。また、行政としてできることは何があるのでしょうか。台東区では、このような不測の事態に備えて、国や東京都と連動して台東区国民保護計画を策定しています。これは、武力攻撃や大規模テロなどから区民の生命・財産を保護し、武力攻撃災害への対処など国民保護措置を円滑に実施することを目的として策定されました。国の国民保護に関する基本指針及び東京都国民保護計画などを踏まえて作成されたものでございます。第1章、台東区の責務、計画の位置づけで、台東区は、区民の生命及び財産を保護する責務に鑑み、国民の保護のための措置を実施するために台東区の責務を明らかにするとしております。  しかし、果たしてこれが有事の際にはどこまで有用活用されるのか、いささか不安を抱いております。それは、有事が発生した際には、ありとあらゆることがパニック状態となり、混乱をきわめる状態が予想されるからであります。そこで区長にお尋ねを申し上げますが、台東区国民保護計画上、区民を安全に保護することが区の責務となっていますが、区民の保護を的確かつ迅速に行うため、国や都との連携が不可欠であると考えますが、区長は具体的にどのような役割を担うのか、ご答弁をお願い申し上げます。  2問目は、計画の中では、国民保護措置のために組織及び体制、職員の配備及び服務基準等の整備を図り、各部局の平素の業務、職員の参集基準等について定めております。そこで区長にお尋ねいたしますが、国民保護措置を行うため、平時からの職員の自覚と心構えが重要であると考えますが、職員に対してどのような意識づけをしていくのか、また、新人職員にはどのような教育をしていくのか、あわせてお伺いを申し上げます。  そして最後の質問ですが、国際的に知名度の高い観光地を擁する本区では、大規模テロやミサイル攻撃などの新たな脅威にさらされる可能性が高まってまいりました。そこで、今まで以上に緊張感のある対処が必要であると考えますが、自治体の首長としての区長の決意をお伺いいたします。  以上で質問を終了させていただきますが、区長は九州の出身でございます。同じ九州の佐賀県にかつて鍋島藩がございました。そこに武士道を著した兵法の書「葉隠」がございます。武士道とは死ぬことと見つけたりという一節がございます。皆さん方もご存じのことかと思いますが、その中で、いろいろなことを前もって検討しておくこと、大事の思案を軽くして小事の思案を重くすべしという一節がございます。これは、大事については平生から考え、準備をし、小事でも確固たる理念のもとに選択されなければならない、小事をおろそかにすれば大事も危うくなるというものでございます。行政に携わる者は、今に生きる武士なのかもしれません。公僕として常に平時より準備を怠ることなく、規範とフィロソフィーと理念を堅持していただきたい。そして台東区の安全安心の進展にともに努力してまいりましょう。  最後に、アリアナ・グランデさんのコンサートでテロの犠牲となった方々を初め、多くの方々に心より哀悼の意を表し、私の一般質問を終了とさせていただきます。まことにありがとうございました。(拍手) ○議長(河野純之佐 さん) ただいまの質問に対する答弁を求めます。  区長。          (区長服部征夫さん登壇) ◎区長(服部征夫 さん) 阿部議員のご質問にお答えいたします。  まず、国民保護計画における国や東京都との連携についてです。  台東区国民保護計画では、武力攻撃事態等となった場合、国や東京都などと連携して対処することとなっており、区の役割は、区民の方々への情報伝達や都からの避難指示を受けての避難誘導、安否情報の収集などを実施することです。昨年度、台東区は、東京都との合同の国民保護訓練を実施しました。国を初め各機関との連携体制等を確認いたしました。今後も、警察署、消防署などで行われるテロ対策訓練などに参加し、関係機関との連携に努めてまいります。  次に、職員への意識づけについては、昨年度実施した合同訓練において、国民保護計画や区職員の役割を確認させることにより行っています。また、昇任した職員に対し、国民保護計画を含む危機管理全般についての研修を行うとともに、新規採用職員に対しても同様の研修を行っています。今後も、引き続き研修等の場において職員の意識啓発に努めてまいります。  次に、国民保護措置に対する決意についてです。現在の世界情勢は、テロの多発やミサイル実験など、平和な社会が脅かされている状況です。このような中、区では、国立西洋美術館世界文化遺産に登録されたことや東京2020大会を迎えることから、国内外からの観光客がますます増加することが予想されます。こうしたさまざまなおもてなしなどもこれから観光地としてするわけでありますけれども、私が思いますのは、最大のおもてなしはやはり安全と安心だ、そのように考えています。今後とも、国や都を初めとする関係機関と密に連携を図り、「安全で安心なまち 台東区」の実現に向けた取り組みを進めてまいります。 ○議長(河野純之佐 さん) 以上で、一般質問は終了いたしました。  ────────────────────────────────────────── ○議長(河野純之佐 さん) これをもって本日の会議を閉じ、散会いたします。          午後 4時33分 散会                 議長    河  野  純 之 佐                 議員    鈴  木     純                 議員    望  月  元  美...