本件は、9月8日開会の第3回定例会において設置された、16名の委員をもって構成する本委員会に審査が付託されました。
本委員会は、直ちに正副
委員長互選を行い、私が委員長に、副委員長には石川義弘さんが選任されました。
平成27年度は、3月に就任した
服部区長の掲げる
区政運営の5つの考え方をもとに、「躍進台東 新しい台東区」の実現に向けて、新たな
長期総合計画と
行政計画の積極的な推進を図るとした年の決算であります。
本委員会は、平成27年度予算が、
区民福祉のさらなる向上のために、いかに効率的・効果的に執行されたのか、また、今後の予算にどのように反映させていくのかについて、委員会の日程を1日ふやして、各項目、各事業の内容を活発に審査いたしました。
以下、10月4日を初日とし、計6日間にわたる、当委員会の審査の主なものについて、
一般会計歳入歳出決算から順次報告いたします。
初めに、
決算全般について申し上げます。
財政状況の好転を活かした施策の前倒しについて、
東京オリンピック・
パラリンピックへの期待とともに経済が上向き、本区の
財政状況も良好に推移すると考えられる。この機会に、将来を見据えた施策を積極的に展開すべきではないかとの質問があり、
区有施設の
老朽化対策や、
省エネルギー化、庁内の
ペーパーレス化の検討など、さまざまな事業を推進している。今後も、
区民サービスの一層の充実等を目指し、必要な施策を積極的に展開していくとの答弁がありました。
次に、本区の将来像について、人口動態の状況によって、行政に対する区民の要望も変化すると考えられる。特に施設の保全や建てかえは、今後の困難な課題となることから、区民に対して本区の将来像を明確に示すことが大切ではないかとの質問があり、
人口構成や
区民ニーズの変化等に対応した施策の展開は重要であり、既存の
区有施設は、
人口構成等の変化を踏まえ、再編を進めていくことも必要である。本区の飛躍と発展のため、区の将来像を示すことは大切であるとの答弁がありました。
次に、
補助金政策の見直しについて、商業等に対する
補助金事業は、
自立運営を目指し、一定期間の中で段階的に逓減して継続の要否等を判断するべきではないか。また、補助金の見直しによって生じた財源を、
子育て事業等に振りかえてはどうかとの質問があり、補助金の段階的な逓減や交付の継続等を検証する
育成型事業助成については、他自治体の
取り組み等を研究していく。交付額の
見直し等により生じた財源は、さまざまな行政需要に適切に対応しているとの答弁がありました。
次に、
財政運営について、平成27年度決算における本区の
財政状況は、安定的な
財政基盤の強化が少しずつ進捗しているが、今後も決して予断を許さない状況が続いていく。
財政基盤を引き続き強化するとともに、将来の
ランニングコスト削減に向けた
取り組みを行うべきではないかとの質問があり、
区民福祉の充実を図る諸施策等に対応するため、引き続き、
財政基盤の強化に努めていく。今後も、中・長期的な視点に立った安定的な
財政運営を推進していくとの答弁がありました。
次に、歳入について申し上げます。
特別区交付金について、
特別交付金の割合や
都市計画交付金の見直しについての協議が進んでいない。都区の主張と今後の展望はどうかとの質問があり、
特別交付金の割合は、都が変更する必要はないと主張し、合意には至っていない。
都市計画交付金は、
対象事業の拡大等を主張したが、都は、都の予算により対応していくことなどを主張し、具体的な議論には至っていない。都区の
事業実施状況に見合った配分になるよう、
特別交付金の見直しとともに、区長会を通じて強く求めていくとの答弁がありました。
次に、
都区財調協議への要望について、都区間の財源配分の問題は、主要5課題の合意では解決していない。積極的に
特別区長会で発言していくべきではないかとの質問があり、協議に当たり、さまざまな提案を行いながら、各区の実態に沿って交付金が算定されるよう努めてきた。今後も、状況の把握に努めるとともに、高齢者・
障害者施策や
子育て支援等を含め、各区の自主的かつ計画的な
行財政運営が確保できるよう、協議に臨んでいくとの答弁がありました。
次に、歳出について申し上げます。
総務費においては、職員の育成について、管理職に占める女性の割合がふえていない。女性の活躍を応援し、ワーク・ライフ・
バランスのとれた職場へ改善することで、
管理職志望の意欲も高まると考えるが、
女性管理職をふやすための目標と改善策はどうかとの質問があり、係長級以上の女性の割合を、平成32年度までに、35%以上とする目標を掲げた。超過勤務時間の縮減目標を定め、女性が管理職として活躍できる
環境づくりに努めていくとの答弁がありました。
次に、
行政評価について、現在の
事務事業評価は、各担当課の
自己査定の様相を呈してきている。改めて目的を示した上で、実施における工夫が必要ではないかとの質問があり、これまで、
評価シートの改定等、さまざまな見直しを行ってきた。評価の目的は、
事業改善等を推進する一方、評価の過程で、職員が担当する事業の課題解決に取り組むことも重要な役割である。引き続き、評価の手法について創意工夫を凝らし、さらなる
区民サービスの向上に努めていくとの答弁がありました。
次に、人事危機のその後について、フルタイム再
任用管理職がふえてくることが、
若手職員の昇任意欲や
若手管理職のやる気を損なわないために、今後の
職員管理をどのように進めるのかとの質問があり、活力ある組織を維持するためには、将来、管理職として職務・職責を果たせる職員を育成し、計画的に確保することが重要である。能力のある
若手職員を短期間で部長職に登用する
仕組み等の実現により、組織の活性化を図っていくとの答弁がありました。
次に、
指定保養施設について、鬼怒川や熱海の施設は交通の
アクセスもよく、家族での利用にも適していると聞く。家庭のきずなが薄らいでいる現在、きずなを実践するシンボルとして、夏休みの期間に限って中学生以下の宿泊料金を無料にしてはどうかとの質問があり、
保養施設の利用に当たっては、
区内在住者を対象に、大人から小学生以下の子供・幼児に対して補助を行い、
利用者負担の軽減を図っている。
受益者負担の公平性などの課題があり、今後、検討していくとの答弁がありました。
次に、
東京オリンピック・
パラリンピックに向けた都心6区の連携について、
インフラ等の整備での連携が重要と考える。
事務レベルでの協議を立ち上げ、今後の課題の整理や、国や都に対する
財政要望をすべきではないかとの質問があり、本区を含めた都心区は、観光客の
受け入れ態勢の整備や選手・観客の安全面の確保等、共通の課題もあり、関係区での
事務レベル協議については、今後検討していく。関係区での要望活動についても、必要に応じて検討していくとの答弁がありました。
次に、集会室の
有効活用について、
区民館等の集会室の稼働率は決して高いとは言えない。区民の
利用機会を拡大するべく、
利用要件を見直すなど、集会室の
有効活用を図るべきではないかとの質問があり、これまでも、
利便性向上の観点から、
予約開始時期をわかりやすく変更したほか、使用料の全額還付の期間を新たに設けた。現在、区民の
利用機会の拡大に向け、庁内の
プロジェクトチームにおいて、
利用要件の見直しを検討しているとの答弁がありました。
民生費においては、(仮称)
発達相談支援センターの設置について、
松が谷福祉会館で小学1年生までの療育を行っているが、必要とする時間数には届いていない実態がある。保健所・福祉・教育が連携して
トータルサポートを行う、
支援センターが必要ではないかとの質問があり、
総合発達支援体制庁内検討会の体制を強化し、
発達障害児・者の
ライフステージに応じた、一貫した
支援体制の整備の検討を進めている。今年度末までに一定の方向性を示すよう検討していくとの答弁がありました。
次に、
高齢者すこやか入浴について、
公衆浴場の利用を通じ、
健康保持や地域交流の促進等を目的としているが、
事業開始から40年が経過し、高齢者を取り巻く環境も変化していることから、入浴券の
交付枚数をふやすなど、事業の目的に沿った制度の見直しが必要ではないかとの質問があり、これまでも、区内の
公衆浴場を9月に2日間、
高齢者向けに無料開放してきた。
入浴券事業は、申請期間や
使用期間の延長を行うなどの改善を図っており、現行の制度を維持していきたいとの答弁がありました。
次に、介護に関する
負担軽減について、
介護従事者の
負担軽減の推進は、
介護現場の
環境改善だけでなく、利用者への
サービス向上にもつながる。
介護従事者の不足が見込まれる中、
介護ロボット等の
先進技術も含めた従事者の
負担軽減をどう考えるかとの質問があり、今定例会に
介護ロボットの
導入支援経費の
補正予算を提案した。今後は、本事業の効果を検証するとともに、
先進事例の情報収集に努めるなど、さらなる
負担軽減策につながるよう取り組んでいくとの答弁がありました。
衛生費においては、
がん対策への
取り組みについて、乳がんは
自己検診で発見できる可能性があるため、若い世代の女性に対して
自己検診に役立つ
グローブを配布し、
若年性乳がんの患者をふやさない
取り組みを行うべきではないかとの質問があり、区では、
育児相談等で若い世代にも
自己検診法の普及を行っている。
グローブは、若い世代が
乳がん自己検診を行う動機づけのための啓発品として有用であることから、今後、
がん予防の
キャンペーン等で活用していくとの答弁がありました。
次に、
健康づくりの周知・啓発について、検診等の受診率が伸び悩み、
生活習慣病がふえ始める40代から50代への
健康管理や
健康づくりにつながる
スマートフォン用アプリを開発してはどうか。また、
健康予防に関する情報の周知・啓発のため、
たいとうメールマガジンを活用してはどうかとの質問があり、受診率が低い40代から50代の世代への啓発に効果的であることから、今後、
先進自治体の事例を参考にしながら検討していくとの答弁がありました。
文化観光費においては、シティ・
セールスについて、観光客の誘致だけでなく、区内の文化や産業に興味を持つような、効果的なプロモーションを戦略的に行う必要がある。これからのシティ・
セールスをどのように進めていくのかとの質問があり、これまでも、海外で開催される
旅行博覧会等への出展や、台東区
産業フェアにおいて本区産業のPRを行った。今後は、現在実施している
観光統計・
マーケティング調査の結果等を踏まえ、進め方などを検討していくとの答弁がありました。
次に、
浅草文化観光センターについて、今後の観光客の
利便性向上のためには、
観光案内等といった
ソフト面だけでなく、
エレベーター設備等、
ハード面のさらなる充実も重要ではないかとの質問があり、今年度は、デジタルサイネージの設置など、
情報発信機能等の強化を進め、また、
階段手すり等の設置などにより来館者の利便性を向上していく。今後も、来館者の意見等も取り入れながら、
センターの
機能強化に努めるとともに、設備面の課題にも取り組んでいくとの答弁がありました。
産業経済費においては、
商店街空き店舗対策について、
空き店舗活用が進んでいない実態を踏まえ、対策の一層の推進には、貸し手の事情も考慮した
取り組みが必要ではないか。また、
空き店舗データベースを作成し、借り手と貸し手の
マッチングによる対策を強化すべきではないかとの質問があり、貸し手の意向などの把握に努めることにより、効果的な支援を検討していく。また、
先進自治体の
取り組み等を参考に、
空き店舗データベースの構築に向けて検討を進めていくとの答弁がありました。
次に、新産業を創出するための
取り組みについて、地域を越えて創業者を支援する、都の
インキュベーションHUB推進プロジェクト事業を活用し、新産業の創出等、
区内産業のさらなる発展を図っていくべきではないかとの質問があり、今後、
プロジェクトの参加者と既存企業との
マッチングを区が行い、本区産業の技術革新を加速させていく。また、参加者へは
創業相談等を周知し、
創業希望者の区内誘致に
取り組み、本区産業を支える人材確保につなげていくとの答弁がありました。
土木費においては、
空き家活用モデル事業について、
空き家等に関する
総合相談窓口と連携し、利活用できそうな空き家の所有者に制度を案内するとともに、
入居対象者についても、幅広い
メニューを検討すべきではないかとの質問があり、今後、利活用可能な空き家の所有者に本事業の利用を促すことができるよう、両事業の連携を図っていく。
メニューについては、国や都の
利活用事業等の動向や、
先進自治体の
取り組みを参考に検討していくとの答弁がありました。
次に、
観光バス駐車場整備について、隅田公園を含めた整備など、さまざまな検討が行われてきた。
東京オリンピック・
パラリンピックに向けて早期に進める必要があるが、今後、どのような検討を行うのかとの質問があり、来年2月から
観光バスの
予約システムを導入する。あわせて
予約システムの実効性を高める条例案の検討を行っている。来年度、検討結果に基づいた
駐車場整備の基本構想を策定する。今後も引き続き、国や都と協議をし、取り組んでいくとの答弁がありました。
次に、
シェアサイクルについて、
タウンサイクルを効果的に進めるためには、駐
輪スペースが必要だが、本区には公開空地が少ないといった課題がある。そこで、民有地の活用等により駐
輪スペースのシェアに重点を置いた、新たな
シェアサイクルの
社会実験を早急に実施すべきではないかとの質問があり、駐車場の
空きスペースの
活用事例等について、
民間事業者から情報収集するとともに、本区に適した
シェアサイクルのあり方を、
社会実験も含め検討していくとの答弁がありました。
教育費においては、
リバーサイドスポーツセンターについて、
東京オリンピック・
パラリンピックに向けて、
スポーツへの関心が高まる中、年齢や障害の有無にかかわらず、多くの人が快適に
スポーツを楽しめるよう、本区の
スポーツ施設の拠点にふさわしい施設として整備すべきではないかとの質問があり、利用者の多様なニーズに応え、いつでも気軽に安心して安全に利用できる施設となるよう、
ユニバ-サルデザインのさらなる導入等も含めて検討していくとの答弁がありました。
次に、
ICT教育について、
ICT機器導入のメリットは、さまざまな研究や事例で示されているが、
有害サイトへの接続や
インターネット依存等の課題もある。今後、どのような点に配慮しながら導入していくのかとの質問があり、学校における
有害サイトへの
アクセスは、
ネットワーク環境上で制限をかけているが、
ICT機器利用時のマナーやモラルを指導することにより、日常生活における
スマートフォン等も適切に使用できるよう、情報モラル教育を充実していくとの答弁がありました。
次に、学びのキャンパス台東アクションプランについて、推進する上で最も大切なことは何か。また、本区の子供たちの将来像についてどのように考えているかとの質問があり、校園長が区を取り巻く状況や、学校・園の実態を十分に把握した上で、アクションプランを学校・園の運営にいかに位置づけるかが最も大切である。また、地域力を学校に取り入れることにより、子供たちが健やかで、志が高く、将来の区を担う人材となるよう、ひとづくりを推進していくとの答弁がありました。
次に、
スポーツ振興について、障害者の
スポーツ実施率が低い要因には、身近に
スポーツができる環境が整備されていないことなどがある。障害者
スポーツの今後の普及啓発についてどのように考えているのかとの質問があり、誰でも参加できる体験会の実施や、施設の整備にあわせたバリアフリー化等に取り組んでおり、今後も、障害の有無や年齢にかかわりなく、誰もが
スポーツに親しめる環境をさらに整備していくとの答弁がありました。
次に、区民生活への認識と支援策について、区民の生活が厳しさを増す中、保育料の引き上げ等が行われている。区民の暮らしを守るために、保育料の軽減措置を拡充するべきではないかとの質問があり、認可保育所などの保育料については、現在、国が定める保育料基準より低い金額を区独自で設定している。また、認証保育所保育料に対する利用者補助を拡大し、利用者の
負担軽減に努めているとの答弁がありました。
次に、2020
東京オリンピック・
パラリンピック教育と平和について、オリンピック・
パラリンピックは、平和を考える大変重要な機会である。平和の大切さを台東区オリンピック・
パラリンピック教育プランの中で明確にすべきではないかとの質問があり、プランは国際オリンピック委員会が示すオリンピックの価値や平和の理念を踏まえ、本区独自のものとして策定した。今後もこの考えのもと、オリンピック・
パラリンピック教育をさらに推進していくとの答弁がありました。
次に、特別会計について申し上げます。
介護保険会計においては、介護保険制度改正における利用者の実態把握と対策について、施設利用者の負担増や、高齢者の病院から在宅介護へのシフトが進む中、介護サービスの利用限度額を超えている方などの実態を把握し、対策を講じるべきではないかとの質問があり、現在、第7期高齢者保健福祉計画、介護保険事業計画の策定に向けて行っている高齢者実態調査の中で、生活実態を把握するとともに、介護保険サービスの利用状況等を調査しており、その結果を計画に反映していくとの答弁がありました。
次に、地域包括
支援センターの拡充・強化について、地域包括
支援センターは、高齢者の相談への迅速かつ丁寧な対応が求められており、相談機能の充実が重要ではないか。また、相談件数が増加している中、さらなる増員、後方支援の拡大を行うべきではないかとの質問があり、27年度に各
センターの体制強化を図るとともに、本年4月より
機能強化型地域包括
支援センターを区に設置し、後方支援に取り組んできた。今後も、
センターの機能が十分に発揮されるよう努めていくとの答弁がありました。
本委員会はここに審議を終了し、一般会計決算、各特別会計決算のいずれも認定すべきものと決定いたしました。
なお、6報告のうち、一般会計決算、国民健康保険事業会計決算、後期高齢者医療会計決算及び介護保険会計決算の4報告については、
伊藤延子委員は小髙明委員の賛成を得て、
少数意見を留保いたしましたことをご報告申し上げます。
議員各位におかれましては、本委員会の意のあるところをご賢察いただき、
委員会報告書どおり、ご決定賜りますようお願い申し上げます。
また、理事者におかれましては、本委員会の席上、各委員から意見や要望のありました事項に十分ご配慮をいただき、今後の予算編成に反映されますことを要望いたします。
最後に、連日、長時間にわたり、ご審議をいただきました委員各位、また答弁をいただいた理事者の方々に、心から感謝申し上げ、委員長報告といたします。ありがとうございました。
○議長(
太田雅久 さん) 以上で、委員長報告は終了いたしました。
次に、日程第1から第4までについて、
少数意見の報告がありますので、これを許可いたします。
10番伊藤延子さん。
(10番伊藤延子さん登壇)
◎10番(伊藤延子 さん) 日本共産党の伊藤延子です。
ただいま上程されました平成27年度一般会計、国民健康保険事業会計、後期高齢者医療会計、介護保険会計の各会計決算について、認定に反対する立場から、小髙明委員の賛同を得て留保した
少数意見の報告を行います。
まず、平成27年度一般会計決算です。日本共産党台東区議団は、平成27年度一般会計予算について反対しました。それは、住宅施策の後退や実質賃金が18カ月連続して低下しているもとで、幼稚園、保育園の保育料を値上げし、子育て層に負担を強いるなど、区が安倍内閣の暴走政治から区民生活を守る防波堤の役割を果たさず、区民の痛みを取り除く予算となっていなかったからです。平成27年度決算は、その予算の執行の結果であり、同様の問題を抱えたものです。
認定できない第1の理由は、アベノミクスの失敗による区民生活の厳しさの認識が弱く、順調な区財政を区民生活の応援に使っていないということです。27年度一般会計予算の執行についての依命通達は、持続可能な
財政運営、一層の歳入確保を指示しており、決算では初めて1,000億円を超えました。毎年多額の基金の積み立てを行い、基金は400億円を超えています。与党の委員からも、
財政状況の好転を生かした施策の展開や、高齢者入浴券の
交付枚数をふやしてほしいなどの質問が出されています。保育料の引き上げに対し、我が会派の小髙委員が総括質問で求めた保育料の軽減措置には冷たい答弁でした。区民の生活応援より、ため込みに力点が置かれているのは明らかです。
第2は、区長の政治姿勢として、区民の命と安全を守る点が弱く、安倍首相の進める戦争できる国づくりからの防波堤になっていないことです。安保法制の運用が南スーダンで始まろうとしているにもかかわらず、安保法制を美化し、国会の議論を注視するという姿勢にとどまっています。
東京オリンピック・
パラリンピックに向けた子供たちの教育プランでは、平和について一言も触れておらず、平和の大切さを教育するものになっていません。平和都市宣言を行っている台東区の区長としての姿勢が問われます。
第3は、行政を第一線で担う職員の勤務実態への認識が間違っていることです。人員の不足と長時間労働により、23区最下位の年次休暇取得率、一向に減らない超過勤務、そして区長は否定していますが、サービス残業の横行。職員が安心して職務に専念できる労働環境とは言えません。しっかりと実態を調査し、改善すべきです。
以上の理由により、27年度一般会計決算は認定できません。
次に、国民健康保険事業会計決算です。平成27年度の国民健康保険料は、平均2,150円の値上げでした。連続13年の値上げです。国民健康保険は、自営業者、非正規雇用者、年金生活者などが加入しており、医療のセーフティーネットの役割を果たしています。高い保険料により、27年度の資格証明書の発行は807世帯ありました。この世帯は、家族を含め、事実上医療にはかかれません。この現実は、憲法第25条に保障された生存権を奪うものです。8,000万円程度の一般財源を投入すれば値上げはしなくても済んだのです。これでは区民の健康と暮らしを守ることはできません。
よって、国民健康保険事業会計を認定することはできません。
次に、後期高齢者医療会計です。平成27年度は保険料の変更はありませんでしたが、75歳を年齢で差別し、高齢者に重たい保険料の負担を負わせたことには変わりありません。平成27年度の保険料滞納者は607人で、26年度より36人ふえています。短期保険証の発行も30人から48人ふえております。ここには高齢者の貧困問題が如実にあらわれています。全国では、保険料を引き下げている広域連合もあります。高齢者にとって一番切実な医療は、本来無料であるべきです。かつて美濃部革新都政の時代に老人医療費が無料になり、この無料化が全国に広がった時期もありました。
よって、後期高齢者医療会計は認定できません。
最後に、介護保険会計です。平成27年度は介護保険料も値上げになりました。標準保険料で6,000円の値上げ、一番低い所得の第1段階でも2,000円の値上げです。さらに一定所得者の利用料が1割から2割負担になり、デイサービスなどの利用を週2回を1回に減らすなどしている区民が少なからず出ています。さらに、国が病院から在宅へとシフトを強めている中、医療・介護の必要度の高い方が在宅に帰ってきます。在宅で必要なサービスを受けようとするときは、保険給付の上限を超えると、利用者は自費を余儀なくされます。家族の経済的、精神的負担はふえるばかりで、介護離職者、介護難民を生み出しています。区長の答弁は、適切に対応するというものでした。いかに区民の暮らしへの心配りが足りないかを示しています。
よって、介護保険会計も認定できません。
以上、
少数意見報告を終わります。
○議長(
太田雅久 さん) 以上で、
少数意見の報告は終了いたしました。
日程第1から第4までについては、起立により採決いたします。
おはかりいたします。
本件については、いずれも
委員会報告書どおり決定することに賛成の方の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(
太田雅久 さん) 起立多数であります。よって、本件については、いずれも
委員会報告書どおり決定いたしました。
おはかりいたします。
日程第5及び第6については、いずれも
委員会報告書どおり決定いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(
太田雅久 さん) ご異議ないと認めます。よって、本件については、いずれも
委員会報告書どおり決定いたしました。
──────────────────────────────────────────
○議長(
太田雅久 さん) 日程第7を議題といたします。
(
内田事務局長朗読)
△日程第7 区民文教委員会陳情審査報告書
本委員会に付託された次の陳情は、
慎重審査の結果、趣旨に沿いがたいという理由により、不採択と決定しました。
陳情28-39 台東区に
養子縁組届と相続の注意点の
情報啓発強化を求める陳情
平成28年9月30日
区民文教委員会委員長 水 島 道 徳
台東区
議会議長 太 田 雅 久 殿
──────────────────────────────────────────
○議長(
太田雅久 さん) 本件については、起立により採決いたします。
おはかりいたします。
本件については、委員長報告を省略することとし、
委員会報告書どおり決定することに賛成の方の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(
太田雅久 さん) 起立多数であります。よって、本件については、
委員会報告書どおり決定いたしました。
──────────────────────────────────────────
○議長(
太田雅久 さん) 日程第8を議題といたします。
(
内田事務局長朗読)
△日程第8 保健福祉委員会陳情審査報告書
本委員会に付託された次の陳情は、
慎重審査の結果、趣旨に沿いがたいという理由により、不採択と決定しました。
陳情28-33
障害者支援施設での生活についての陳情
平成28年9月29日
保健福祉委員会委員長 髙 森 喜美子
台東区
議会議長 太 田 雅 久 殿
──────────────────────────────────────────
○議長(
太田雅久 さん) 本件については、起立により採決いたします。
おはかりいたします。
本件については、委員長報告を省略することとし、
委員会報告書どおり決定することに賛成の方の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(
太田雅久 さん) 起立多数であります。よって、本件については、
委員会報告書どおり決定いたしました。
──────────────────────────────────────────
○議長(
太田雅久 さん) 日程第9から第11までを一括して議題といたします。
(
内田事務局長朗読)
△日程第9~第11 保健福祉委員会陳情審査報告書
本委員会に付託された次の陳情は、
慎重審査の結果、趣旨を了とし採択すべきものと決定しました。
陳情28-35 台東区における、
バランスのとれた
受動喫煙防止対策を求めることについて
の陳情
陳情28-36 東京都台東区における、
バランスのとれた
受動喫煙防止対策を求めることに
ついての陳情
陳情28-37 台東区における
受動喫煙防止に関することについての陳情
平成28年9月29日
保健福祉委員会委員長 髙 森 喜美子
台東区
議会議長 太 田 雅 久 殿
──────────────────────────────────────────
○議長(
太田雅久 さん) 本件については、起立により採決いたします。
おはかりいたします。
本件については、いずれも委員長報告を省略することとし、
委員会報告書どおり決定することに賛成の方の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(
太田雅久 さん) 起立多数であります。よって、本件については、いずれも
委員会報告書どおり決定いたしました。
──────────────────────────────────────────
○議長(
太田雅久 さん) 日程第12から第23までを一括して議題といたします。
なお、
委員会報告書については、朗読を省略いたします。
△日程第12・第13 企画総務委員会議案審査報告書
本委員会に付託された次の議案は、
慎重審査の結果、原案を可決すべきものと決定しました。
第62号議案 平成28年度東京都台東区
一般会計補正予算(第3回)
第63号議案 平成28年度東京都台東区
介護保険会計補正予算(第1回)
平成28年10月3日
企画総務委員会委員長 石 塚 猛
台東区
議会議長 太 田 雅 久 殿
──────────────────────────────────────────
△日程第14 区民文教委員会議案審査報告書
本委員会に付託された次の議案は、
慎重審査の結果、原案を可決すべきものと決定しました。
第64号議案 東京都
台東区立小中学校等の学校医、
学校歯科医及び
学校薬剤師の公務災害
補償に関する条例の一部を改正する条例
平成28年9月30日
区民文教委員会委員長 水 島 道 徳
台東区
議会議長 太 田 雅 久 殿
──────────────────────────────────────────
△日程第15 保健福祉委員会議案審査報告書
本委員会に付託された次の議案は、
慎重審査の結果、原案を可決すべきものと決定しました。
第65号議案 東京都台東区
公衆浴場法施行条例の一部を改正する条例
平成28年9月29日
保健福祉委員会委員長 髙 森 喜美子
台東区
議会議長 太 田 雅 久 殿
──────────────────────────────────────────
△日程第16 保健福祉委員会陳情審査報告書
本委員会に付託された次の陳情は、
慎重審査の結果、趣旨を了とし採択すべきものと決定しました。
陳情28-32 住民の
健康増進と2020
東京オリンピック・
パラリンピックにむけて受動喫煙
防止条例の早期制定を求めることについての陳情
平成28年9月29日
保健福祉委員会委員長 髙 森 喜美子
台東区
議会議長 太 田 雅 久 殿
──────────────────────────────────────────
△日程第17 産業建設委員会陳情審査報告書
本委員会に付託された次の陳情は、審査中のところ9月14日、陳情者から取り下げ願いが提出されたので、審査打切りとした。
陳情28-28
教育環境に配慮した
ワンルームマンション計画に改善を求めることについて
の陳情
平成28年9月27日
産業建設委員会委員長 青 柳 雅 之
台東区
議会議長 太 田 雅 久 殿
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△日程第18 産業建設委員会陳情審査報告書
本委員会に付託された次の陳情は、審査中のところ9月14日、陳情者から取り下げ願いが提出されたので、審査打切りとした。
陳情28-29
地域環境に配慮した
マンション建設を推進する
住宅対策についての陳情
平成28年9月27日
産業建設委員会委員長 青 柳 雅 之
台東区
議会議長 太 田 雅 久 殿
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△日程第19 産業建設委員会陳情審査報告書
本委員会に付託された次の陳情は、
慎重審査の結果、趣旨を了とし採択すべきものと決定しました。
陳情28-30
教育環境に配慮した
マンション建設を推進する
住宅対策についての陳情
平成28年9月27日
産業建設委員会委員長 青 柳 雅 之
台東区
議会議長 太 田 雅 久 殿
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△日程第20 子育て支援特別委員会調査報告書
本委員会は、平成27年5月18日付託された次のことについて、鋭意調査中であるが、引き続き調査を必要とするので閉会中も調査できることに決定しました。
子育て環境について
平成28年9月20日
子育て支援特別委員会委員長 本 目 さ よ
台東区
議会議長 太 田 雅 久 殿
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△日程第21 環境・安全安心特別委員会調査報告書
本委員会は、平成27年5月18日付託された次のことについて、鋭意調査中であるが、引き続き調査を必要とするので閉会中も調査できることに決定しました。
環境及び安全安心について
平成28年9月21日
環境・安全安心特別委員会委員長 望 月 元 美
台東区
議会議長 太 田 雅 久 殿
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△日程第22 文化・観光特別委員会調査報告書
本委員会は、平成27年5月18日付託された次のことについて、鋭意調査中であるが、引き続き調査を必要とするので閉会中も調査できることに決定しました。
文化政策及び観光について
平成28年9月23日
文化・観光特別委員会委員長 田 中 伸 宏
台東区
議会議長 太 田 雅 久 殿
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△日程第23
交通対策・地区整備特別委員会調査報告書
本委員会は、平成27年5月18日付託された次のことについて、鋭意調査中であるが、引き続き調査を必要とするので閉会中も調査できることに決定しました。
交通対策及び地区整備について
平成28年9月26日
交通対策・地区整備特別委員会委員長 鈴 木 純
台東区
議会議長 太 田 雅 久 殿
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○議長(
太田雅久 さん) おはかりいたします。
本件については、いずれも委員長報告を省略することとし、
委員会報告書どおり決定いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(
太田雅久 さん) ご異議ないと認めます。よって、本件については、いずれも
委員会報告書どおり決定いたしました。
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○議長(
太田雅久 さん) 次に、各委員会付託の陳情の継続審査について、閉会中の継続審査の申し出があります。
本件については、お手元に配付の陳情継続審査件名表のとおり、閉会中の継続審査に付したいと思います。これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(
太田雅久 さん) ご異議ないと認めます。よって、本件については、閉会中の継続審査に付することに決定いたしました。
陳情継続審査件名表(平成28年第3回定例会)
企画総務委員会
陳情27-33 沖縄の米軍普天間飛行場代替施設建設の早期実現、沖縄米軍基地の整理縮小
及び
負担軽減を求める意見書の採択を求めることについての陳情
陳情28-27 川内原発の停止及び原発再稼働の中止を求める意見書の提出を求めることに
ついての陳情
保健福祉委員会
陳情28-25 「福祉用具レンタルなどの現行の制度の継続を求める意見書」を採択するこ
とについての陳情
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○議長(
太田雅久 さん) 次に、常任委員会及び議会運営委員会の特定事件について、閉会中の継続調査の申し出があります。
本件については、お手元に配付の特定事件継続調査事項表のとおり、閉会中の継続調査に付したいと思います。これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(
太田雅久 さん) ご異議ないと認めます。よって、本件については、閉会中の継続調査に付することに決定いたしました。
特定事件継続調査事項表(平成28年第3回定例会)
企画総務委員会
1 区政一般の企画及び調整について
2 財政について
3 情報システムの管理運営について
4 統計について
5 広報及び広聴について
6 公有財産及び契約について
7 営繕について
8 人権及び男女共同参画について
9 危機管理について
10 国際交流及び都市交流について
11 選挙管理について
12
区政運営について
区民文教委員会
1 区民事務所及び区民施設について
2 コミュニティの育成について
3 多文化共生について
4 国民年金について
5 区民相談及び消費生活について
6 特別区税及び税外収入について
7 国民健康保険料、後期高齢者医療保険料及び介護保険料の滞納整理について
8 戸籍及び住民の記録について
9 青少年の育成について
10 教育行政の企画及び調整について
11 教育施設について
12 義務教育及び幼児教育について
13 生涯学習について
14 社会教育及び社会体育について
15 図書館について
保健福祉委員会
1 社会福祉について
2 高齢者及び障害者の福祉について
3 介護保険について
4 福祉事務所について
5 保健衛生について
6 健康及び地域医療について
7 国民健康保険について
8 後期高齢者医療について
9 保健所について
10 清掃事業について
11 外郭団体の経営状況について
産業建設委員会
1 産業について
2 都市づくりについて
3 道路及び河川について
4 公園について
5 建築について
6 住宅について
7 外郭団体の経営状況について
議会運営委員会
1 議会運営について
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○議長(
太田雅久 さん) おはかりいたします。
「
人権擁護委員の推薦に伴う区議会の
意見聴取について」を本日の
追加日程第1として追加し、議題といたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(
太田雅久 さん) ご異議ないと認めます。よって、本件については、本日の
追加日程第1として追加し、議題とすることに決定いたしました。
追加日程第1を議題といたします。
(
内田事務局長朗読)
△
追加日程第1
28台総総第675号
平成28年10月25日
東京都台東区
議会議長 太 田 雅 久 殿
東京都台東区長 服 部 征 夫
人権擁護委員の推薦に伴う区議会の
意見聴取について(依頼)
台東区の区域内におかれる
人権擁護委員として下記の者を推薦いたしたく、
人権擁護委員法(昭和24年法律第139号)第6条第3項の規定に基づき、貴議会の意見を聴取する必要があるので、よろしくお取り計らいくださるようお願いいたします。
記
東京都台東区東上野1丁目24番5号 杉 野 茂 雄
東京都台東区松が谷2丁目31番9-1101号 山 勝 幹 之
東京都台東区入谷1丁目26番5-1102号 谷 貝 知 紀