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平成21年第4回定例会-12月02日-03号

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  1. 台東区議会 2009-12-02
    平成21年第4回定例会-12月02日-03号


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    平成21年第4回定例会-12月02日-03号平成21年第4回定例会 平成21年第4回定例会東京都台東区議会会議録(第18号) ●12月2日(水) (以下敬称略)  ───────────────────────────────────────── 出席議員(31名)      1番  石 川 義 弘          2番  髙 森 喜美子      3番  石 塚   猛          4番  成 澤   敬      5番  君 塚 裕 史          6番  小 坂 義 久      7番  東   久仁子          8番  堀 越 秀 生      9番  秋 間   洋         10番  和 泉 浩 司     11番  太 田 雅 久         12番  鈴 木   茂     13番  水 島 道 徳         14番  河 野 純之佐     15番  小 菅 千保子         16番  池 田 清 江     17番  田 中 伸 宏         18番  橋 詰 高 志     20番  高 柳 良 夫         21番  実 川 利 隆     22番  青 柳 雅 之         23番  木 下 悦 希     24番  清 水 恒一郎         25番  杉 山 全 良     26番  杉 山 光 男         27番  茂 木 孝 孔
        28番  寺 井 康 芳         29番  田 口 治 喜     30番  伊 藤 萬太郎         31番  藤 平 一 雄     32番  木 村   肇 欠席議員 な し 欠  員 ( 1名)     19番  ───────────────────────────────────────── 出席説明員  区長         吉 住   弘    副区長        神 子 雅 行  副区長        山 田 哲 也    教育長        野田沢 忠 治  企画財政部長     新 井 幸 久    総務部長       岩 﨑 政 行  区民部長       柳   寛 次    文化産業観光部長   生 沼 正 篤  福祉部長       新 島 一 夫    健康部長       髙 橋 郁 美  環境清掃部長     鈴 木 貴 徳    都市づくり部長    高 木 満 夫  教育委員会      和 田 人 志    監査事務局長     笹 田   繁  事務局次長  財政課長       髙 栁 正 治    区長・広報室長    内 田 健 一  総務課長       太 田 清 明  ───────────────────────────────────────── 区議会事務局  事務局長       矢 下   薫    事務局次長      川 崎 裕 明  議事調査係長     行 田 俊 男    議会担当係長     曲 山 裕 通  議会担当係長     小 松 修 司    書記         近 藤 裕 二  書記         田 中 美世子    書記         松 浦 和 子  書記         浅 見   晃  ───────────────────────────────────────── 議事日程 日程第 1 一般質問  ─────────────────────────────────────────           午後 1時02分 開議 ○議長(鈴木茂 さん) ただいまから本日の会議を開きます。  あらかじめ会議時間の延長をいたしておきます。  会議録署名議員の指名を行います。  会議録署名議員については、会議規則第128条の規定により、      25番 杉 山 全 良 さん    26番 杉 山 光 男 さん  をご指名いたします。  ──────────────────────────────────────────  △日程第1 ○議長(鈴木茂 さん) これより日程に入ります。  日程第1、一般質問を行います。  一般質問の発言通告がありますから、順次これを許可いたします。  20番高柳良夫さん。          (20番高柳良夫さん登壇)(拍手) ◆20番(高柳良夫 さん) 第4回定例会に当たり、自由民主党を代表して一般質問をいたします高柳でございます。  質問の前に一言申し上げます。  天皇陛下におかれましては、本年4月ご成婚50周年、そして11月12日にご即位20年をお迎えになられました。ご即位の慶事に当たり本議会より奉呈いたしました賀詞につき、11月5日、宮内庁沖田侍従から鈴木茂議長あてに電話で「天皇陛下みずから賀詞を手にごらんになられ、感謝の意を表され、関係者に伝えるように」とのお言葉がありましたと伺い、ここに改めて皇室二重の慶事を心よりお祝い申し上げる次第でございます。  それでは質問に入ります。  財政の状況についてです。  国は来年度予算編成に向けて、単なるパフォーマンスともとられる向きもありましたが、事業仕分けなど新たな手法を実施しているところであります。しかし、歳入に関しては極めて厳しく、このままではかつてない赤字国債を発行せざるを得ない財政状況となり、将来、子どもたちに大きな禍根を残すのではないかと大変憂慮されているところであります。当然ながら地方でも状況は同様で、東京都は今月初め、今年度の都税収が当初見込みに比べ5,000億円の歳入割れとなり、来年度の予算編成では7,000億円近い財源不足が見込まれることを明らかにしております。このため、今年度予算については経費の一部執行見直しを求めているほか、過去の事業執行状況を踏まえ、早目に決算見通しを出すように求めているところであります。来年度予算については一度出された要求の見直しを求めるという、かつてない対応を求めている状況であります。  本年第2回定例会で我が党の和泉議員は、このような状況を憂慮し、区の中長期的な財源見通しについて質問するとともに、来年度の予算編成方針まで早々にお聞きしております。その際に「現在約300億円ある基金も、今までのように足りなければ基金を取り崩せばいいかのような予算編成を行っていたのでは、歳入減による影響とあわせ、わずか二、三年で200億円取り崩し、基金残高が100億円を割ってしまうのではないかと大いに危惧されます」と指摘しており、これが我が党の基本的な認識となっております。区長も所信表明で危機感を表明されておられますが、その具体的な内容を含め、区の財政状況についてお聞きしたいと思います。  まずは今年度の状況についてであります。  今回の補正予算で2億8,000万円の繰越金が充てられており、一見財源に余裕があるような印象ですが、これはあくまでも過去の精算金により対処した極めて非計画的なものと考えると、現時点での今年度予算に歳入不足のおそれは生じないのでしょうか。東京都における税収減のうち、その大部分は法人事業税法人住民税のいわゆる法人二税が占めております。ご承知のとおり、法人住民税特別交付金主要財源であります。今年度の交付金は、当初予算額を確保できないことは火を見るより明らかだと思われますが、予算額を確保できないとすれば、どの程度の額と予測し、どのようにして不足分を補おうと考えておられるのか、今年度の歳入見込みと不足した場合の対策について区長に伺います。  次に、来年度の予算編成についてであります。  国や都の状況を見ると、所信表明で述べられたような重大な影響を通り越して、さらに深刻な影響が予想されるのではないかと心配しております。まずは、現在査定の最中であり、まだまだ不確定要素があることは十分承知しておりますが、現時点ではどのような歳入の見込みがあるのか伺います。  次に、歳出の見通しについてであります。  今回の補正予算では、保護費が21億円増額され190億円となりました。この傾向は来年も変わらないどころか、経済不況の中ではさらに増大するおそれがあります。また、たび重なる経済対策で増大した中小企業融資にかかわる利子補給額や台東病院の収支は、今後も区の大きな負担になると考えます。さらに、現在検討されている数々の国の施策が区へ及ぼす影響も多大なものがあるのではないかと心配しております。新しい事業がそれに見合った財源とともに移管されるならまだしも、例えば診療報酬の引き上げがあれば子ども医療費の増大は避けられませんし、さらにメディアが伝えるとおり、子ども手当の財源の半分を唐突に地方自治体に負わせるようなことになった場合、どのような事態に陥ってしまうのか大変危惧しているところであります。このたび、区長が国の動きに対応するため、新政策対応本部会議を早速立ち上げたことを高く評価いたします。この会議が有効に機能することを期待しております。  区長は、6月の時点で予算編成方針会議やプレゼンテーションを通じて考えを示し、徹底していくと述べておられます。また、行政評価の視点での検証を徹底した上で、全事業についてこれまで以上に厳密な予算査定を行うとしております。いわばご自身で事業仕分けを行っていると思いますが、この状況を打開できるとお考えでしょうか。  政府は、埋蔵金と言われる各種基金などをあたかも恒久的な財源であるかのようにはやし立てていますが、本区だけはそれに惑わされず、第2回定例会で指摘したとおり、単なる基金の取り崩しで、単年度限り、その場しのぎの来年度予算を作成するのでなく、思い切った歳出削減も大きな課題とするべきではないでしょうか。かねてより我が党の財政状況についての質問に対し、共通認識として「余談を許さない状況」「厳しい」などと答弁されておられますが、残念ながら区長の思いが毎年度の予算に見えていなかったことを指摘せざるを得ません。そこで、改めて来年度予算編成への区長の取り組みと決意を伺います。単なる所信表明の繰り返しでなく、よりわかりやすく、現在編成中の来年度予算とリンクした答弁を求めます。  次は、学力向上についてであります。  平成20年度の全国学力学習状況調査の国の分析から、就学援助を受けている児童・生徒の割合が多い学校のほうが、少ない学校よりも平均正答率―正解率のことですが、これが低いということが明らかになりました。また、大阪府堺市の職員の調査では、現在生活保護を受けている世帯の世帯主の育った家庭、つまり世帯主の親の家庭の25%が生活保護世帯であり、さらに親が母子家庭の場合は、その子の家庭の40%が生活保護世帯であったという報道もありました。つまり、貧しい家庭の子どもは塾など学習の機会に恵まれないから学力に差が生じ、しかも将来の活躍の機会も与えられない。これを「貧困の固定化」「貧困の世襲」だとコメントされております。したがって、その学力格差や家庭の貧困は固定化し、貧困が実際に世襲化していくという内容であります。報道のように、本人の努力にかかわらず貧困から抜け出すことができない実態があるとすれば、子どもの学習意欲がわくはずもありませんし、将来に夢も希望も見出せないことになってしまいます。義務教育をあずかっている立場からは見過ごすことのできない重大なことであると思います。  ところで、昨年多くの議員、委員が取り上げておりますように、昨年度、今年度の全国学力学習状況調査では、本区の小学校6年生の児童の正答率は全国平均を上回っており、まずまずの成績でありましたが、問題は中学3年生の国語、数学の成績が基礎・活用問題とも全国平均を下回っていることであります。決算特別委員会の髙森委員の総括質問に、教育長は「詳細な分析の結果、大きくおくれがちな層や学習意欲や学習習慣の差などの課題がある」と答えています。区民文教委員会でも、おくれがちな層の原因の一つとして、日本語が理解できないことも明らかになりました。そのためには、今後日本語のサポートなどの一層の充実が求められると思います。また、子どものみならず保護者自身も学力に対する関心や必要性の意識が希薄な家庭では、学習意欲や生活習慣についても課題があるとも聞いております。いずれにしても、大きくつまずいた状態の子どもをそのまま送り出してしまうようでは、義務教育としての役割を果たしているとは言えないと思います。これからは、保護者に対する啓発も含めて、社会人として生きていくために必要な学力を子どもたちの身につけさせてやらねばならないと思います。そこで、教育委員会は、冒頭での貧困の固定化、世襲化というコメントをどう受けとめ、今後本区の子どもの実態を踏まえてどう対策を検討していくのか、その方向性についての考えをお聞かせください。  また、このたび、つまずきの実態や原因などの一部が浮き彫りとなりました全国学力学習状況調査が、来年度からは調査対象の教科こそ拡大の可能性が残るものの、全国の全公立小・中学校から抽出になる可能性が取りざたされています。私は、理想主義、抽象的なスローガンを掲げるだけで、あとは教師の情熱や熱意だけに任せていては、現在の学校の課題を十分に解決できないと考えております。また、教育委員会が一律平等な方針や取り組み学校管理職に檄を飛ばすだけでも解決するはずはありません。各学校にどのような課題が存在するのか、原因はどこにあるのかなど、可能な限りデータとして把握し、取り組みの成果を検証しながら必要な財源や人的配置を含めた対応を検討していくことが、これからの行政には求められているのではないでしょうか。教育委員会は、こういったことについてどう考え、今後どのように対策を検討するおつもりなのかお答えください。  幼児教育の方向性について伺います。  「三つ子の魂百までも」、これほど含蓄のある言葉はないと言われますが、幼児期は生涯にわたる人間形成の基礎をはぐくむ大変重要な時期と言われております。この時期は、知的、感情的な面でも、また人間関係の面でも、目をみはるほど日々急速に成長する時期でもあります。専門的には臨界期と言われるようですが、この幼児期に経験しておかなければならないこと、つまりこの時期だけしか身につけることのできない能力を十分に培うことが、将来、人間として充実した生活を送る上で不可欠であると言われております。  子どもの育ちの環境変化に伴う家庭や地域の教育力の低下や、ワーク・ライフ・バランスとも言われる仕事と生活との調和の実現などが求められる中で、昨年3月、幼稚園の教育要領などとともに保育園の保育指針が8年ぶりに改訂告示されました。従来、保育所保育指針は局長通達であったものが、このたび改訂された保育指針厚生労働大臣の告示という形になりました。このことは、指針がより規範性の強い基準としてその性格を強めたということであります。背景には、保育所の役割がより重要と認められ、責任が大きくなった証拠でもあります。さらに、従来の保育園の保育計画の上位に幼稚園などの教育課程と同様、保育理念や保育目標・方針など、保育所の全体像を示す保育課程を編成することが定められております。このことは、保育所における保育が幼稚園の教育に近づいてきているのではないかと考えております。  台東区においては、こういった社会背景などを先取りする形で、本年4月、就学前教育を教育委員会が一括して担当するような組織改正が行われました。決算特別委員会田口委員総括質問に対し、教育長は「今後の幼児教育の方向性については、協議会やプロジェクトチームの中で、共通カリキュラムや施設のあり方、専門的な支援の方策などを今後検討し、中長期的なビジョンをまとめていきたい」との答えがありました。そこで、就学前教育の一層の充実を期待する立場から、現時点での幼児教育の実態と今後の方向性について質問いたします。  まず、幼稚園の教育要領に準ずるとされている保育園における保育、教育の実態についてであります。  小・中学校はもとより、幼稚園の教育については教育委員会教育専門職である指導主事が配置されております。課題はあるにせよ、指導支援がなされていると思います。しかし、幼稚園の教育要領に準ずるとされている保育園について指導・支援体制は現在どうなっているのでしょうか。本区ではないと思いますが、仄聞するところでは、ともすれば個々の保育士の方の経験や技量や持ち味で保育が行われてきたと聞いております。今後は、一層全体計画に基づき全職員が計画的、組織的に取り組ませるために保育課程を編成していくとすれば、なおさら指導・支援体制の整備が必要ではないかと思います。現在、保育園で教育要領に準ずる教育を進めるについて課題はないのでしょうか。もし体制を含めて課題があるとすれば、それは教育委員会の中で共通認識がなされていないと思われてしまいます。それならば、今後どのようにしていこうと考えているのでしょうか。  また、小学校の教員の中には「幼児の興味・関心を育てることも大事だが、その前に、じっと座って人の話を聞いていることのできる子を入学させてほしい」という率直な意見もあることも聞いております。子育て経験のない保護者は、どういう発達過程を経て幼児が成長していくのか、知識がない場合も少なくありません。こういった中で、勢い幼稚園、保育園の教育への期待は高まっているわけですが、教育委員会は今現在幼児教育のどういった点について問題意識を持っているのか。そして、今後どういう形で検討し、就学前教育に共通なコアカリキュラムに反映していこうと考えているのか。現時点での課題認識と今後の方向性について、検討体制を含めてお答えください。  次は、書道博物館についてであります。  書道博物館は、かつて飯村区長のとき、中村不折画伯のお孫さんの申し出から、たまたま中村家とご縁のあった不肖私が仲立ちさせていただき区へ寄贈いただいたことから、これまでもさまざまな観点から質問や提案を行ってまいりました。今回は、情報発信をテーマにお尋ねしたいと思います。と申しますのも、情報発信の成否こそ書道博物館の来館者をふやすための決め手となるものであり、高度情報化社会の中で台東区の文化施設の魅力を広く伝えていくためには欠かすことのできない重要な手段であると思うからであります。  ご承知のように、洋画家で書道家でもあった不折氏が開設し、本区に寄贈された書道博物館には国指定の重要文化財12点、重要美術品5点を含む1万6,000点にも及ぶ国立博物館級の所蔵品があります。私は、これは日本のみならず世界にも誇れる台東区の宝であると考えております。しかし、残念ながら、現状では国内はおろか台東区民書道関係者にもこうした貴重な文化資源の価値が十分認識されていないところであります。最近は博物館の近くにめぐりんのバス停もできました。また、本年は東京国立博物館との連携事業を開催するなど、区や芸術文化財団が利便性を高め、魅力ある展示にするために努力されたかいもあって入館者は徐々にふえてきております。こうした取り組みは高く評価しております。しかしながら、国際観光都市を標榜する本区にあっては、この状況に満足することなく、これまで以上に情報発信を工夫し、国内外から多くの人を呼び込むことが大きな課題であると考えます。そこで、次の点について区長のお考えを伺います。  書道博物館の所蔵品や催し物に関する情報について、現在どのように発信しているのでしょうか。芸術文化財団ホームページでは、収蔵品の紹介や説明の工夫がまだ十分とは言えないのではないでしょうか。書道博物館のすばらしさや魅力を発信するためには、区と芸術文化財団がもっと連携・協力して強力に情報を発信していくべきだと思いますが、区長のご意見をお伺いします。  また、貴重な所蔵品の中に、漢字の歴史や書道にかかわる珠玉の名品が含まれており、こうした所蔵品は書道の初心者から専門的な研究者に至るまでさまざまな立場から学ぶことのできる貴重なものと思います。しかし、区内の書道を学ぶ関係の団体にも余り知られていないのが残念であります。特に、これから文化の担い手となる子どもたちに身近にある本物の魅力に触れる機会をつくることこそ文化施設の真の役割と言えるのではないでしょうか。そこで、区内の書道を学ぶ団体に書道博物館の存在や魅力を認識していただく、また、子どもたち書道博物館の所蔵品に触れる機会を提供するための方策について、あわせてお答えください。  時間がありませんので少し飛ばしますが、台東区は、書道博物館のみならず、本区の文化観光施策を進める上で大変重要な施設が数多く集積している地域であります。こうした施設に対する情報を即座に、また簡単に利用することができれば、多くの人が台東区を訪れ、さらににぎわいが増すのではないでしょうか。しかしながら、ホームページを見ても国や都や区の施設を管理する側が個別に施設の情報を提供しているのが現状であります。そこで、区内の書道を学ぶ団体に書道博物館の存在や魅力を認識していただくよう、どのように働きかけを行うのか、また子どもたち書道博物館の所蔵品に触れる機会を提供するための方策について、あわせてお答えください。区長のご所見を伺います。  以上で質問を終わります。(拍手) ○議長(鈴木茂 さん) ただいまの質問に対する答弁を求めます。  区長。           (区長吉住 弘さん登壇) ◎区長(吉住弘 さん) 高柳議員のご質問にお答えいたします。  ご質問の第1は、財政状況についてでございます。  まず、平成21年度の歳入についてでございます。  本区の特別区交付金は40億円程度の減収が見込まれることから、区の歳入は当初予算を大幅に下回り、財源不足が発生する可能性がございます。事務費の節減や人件費の削減による財源の確保とともに、財源不足という不測の事態におきましても、区民生活に支障を生じないよう、平成20年度からの繰越金、さらに財政調整基金の活用も視野に入れ、柔軟に対応してまいります。  次に、平成22年度予算についてでございます。  歳入につきましては、雇用情勢や物価下落、円高の影響など、経済の基盤が依然脆弱であることを踏まえると、区の主要財源である特別区税や特別区交付金は平成21年度予算と比較し、大きく減少することが強く懸念されます。また、自動車関係諸税暫定税率廃止を初めとする税制改正の議論など、国の動きも十分注視する必要がございます。平成22年度予算につきましては、厳しい経済状況を前提に編成を始めましたが、さらに困難な局面を迎えたと考えております。私は、こうした事態を踏まえ、11月当初に各部に対して、再度事業の効果と優先順位及び事業手法を検討し、予算要求を再提出するよう指示いたしました。今後、不急な事業の先送り、さらなるコスト縮減、歳入確保の創意工夫など、これまで以上に厳しい視点から予算編成を進めてまいります。さらに、中長期的な視点から新たな財政フレームを作成するとともに、年度間の財源調整を図る基金を有効活用し、健全な財政運営に努めてまいります。私は、基礎的自治体の長として、今後とも区民の皆様の日々の生活を守り続け、将来への道筋となる区政を展開していくため、早期に新たな行政経営推進プランの策定に着手し、さらに強固な行財政基盤を構築していく決意でございます。  ご質問の第3は、文化施設についてでございます。  まず、書道博物館情報発信についてでございます。  本区の文化施設の魅力を広く伝えていくために、ホームページなど情報発信の充実を図ることは大変重要でございます。現在、書道博物館の情報につきましては、芸術文化財団ホームページのほか、区の文化専門ホームページヴァーチャル美術館に学芸員による所蔵品の解説を掲載するなど、わかりやすく質の高い情報の提供に努めているところでございます。これらの情報を相互に参照するための方策を一層工夫し、博物館の情報をスムーズにごらんいただけるよう、区と財団が連携し、書道博物館の魅力を最大限に発信してまいります。  次に、区内の書道関係団体への働きかけについてでございます。  これまでも催し物のたびに、区内はもとより全国の書道関係団体や施設へポスターやチラシを送付し、周知に努めてまいりました。今後とも関係団体に関する情報の把握に努めるとともに、博物館の魅力が十分に伝わるよう、きめ細かいPRと来館者への丁寧な対応を心がけてまいります。  次に、子どもたちへの働きかけについてでございます。  私も議員と同様、子どもたちを真の芸術に触れさせることが文化施設の使命の一つであると考えております。そのため、これまでも特別展などにおいて子ども向けの展示解説やワークショップなどを開催してきたところでございます。こうした催し物を充実させるとともに、教育委員会とも十分に連携を図り、子ども向けパンフレットの作成や学校への出前講座の実施などにも取り組んでまいります。  その他の質問については、教育長がお答えいたします。 ○議長(鈴木茂 さん) 教育長。           (教育長野田沢忠治さん登壇) ◎教育長(野田沢忠治 さん) 高柳議員の教育についてのご質問にお答えをさせていただきます。  まず、学力向上についてでございます。  最初は、貧困の固定化などの質問についてでございます。  文部科学省は、平成20年度の全国学力学習状況調査の追加分析の結果を公表いたしました。そこで明らかになりました家庭の経済力と学力の関係や堺市の職員による調査結果などをもとに、マスコミからは「貧困の固定化だ」などとの報道がございました。議員ご指摘のように、家庭の経済力が子どもの学力に影響したり、それが次の代になっても変わらないということであっては、子どもたちが将来に対し夢や希望を見出すことはできません。義務教育をあずかる教育委員会といたしましては、何としても学校が責任を持って子どもたちに必要な学力を確実に身につけることができるようにしなければならないと考えております。  先ほどの文部科学省の追加分析では、経済力のほかにも例えば朝食の摂取などの生活習慣とともに、幼いときから絵本の読み聞かせをしたというような保護者の子どもへの接し方や教育意識も学力に与える影響が大きいことも明らかになっております。さらに、低学力層を減らした取り組みや高学力層をふやした取り組みなど、各学校が学力を向上させた効果的な取り組み例も示されております。今までも子どもの実態を踏まえ、児童・生徒1人1人の状況把握に基づく個別指導の重視など全力で取り組んでまいりましたが、今後はこうした国などの分析も生かしながら、保護者との連携のもとで一層効果的な対策を講じてまいります。
     次に、今後の対策についてでございます。  現在、国においては来年度の全国学力学習状況調査の対象などを見直ししており、これまでの悉皆調査から抽出調査に変更する考え方があるという報道がございます。本区では、今まで全国学力学習状況調査とともに区独自の調査を実施し、小学校4年生から中学校3年生までの学力や生活実態などの調査を行ってまいりました。その調査を分析した結果、学力の三極化や生活習慣との関係など、各学校や各学年、クラスなどの多くの課題を明らかにすることができたと考えております。教育委員会といたしましては、今後とも引き続きこうした調査を行い、課題や原因を分析し、子どもたちの実態に即応したきめ細かい対策を講じてまいりたいと考えております。同時に、対策の成果も検証しながら事業や制度の見直しも徹底してまいります。また、一層各家庭や地域のご協力もいただきながら、社会人としてたくましく生きていくことのできる人材をはぐくんでまいりたいと考えております。  次に、就学前教育の方向性についてのご質問にお答えをさせていただきます。  最初は、保育所における教育の指導、支援体制についてでございます。  まず、保育部門の教育委員会への移管と同時に、児童保育課に園長経験のある保育指導担当を置き、指導支援体制を整備いたしました。そして、幼稚園・保育園・こども園・小学校の校園長も交えた就学前教育の充実に向けたプロジェクトチームを立ち上げ、現状や課題の共通認識とともに、望ましい接続のあり方について鋭意検討を進めております。また、指導課との連携を図り、新たな保育課程作成や初任者など保育士への個別指導や助言など、教育の専門職である指導主事との連携による支援体制の充実についても検討を進めているところでございます。  次に、就学前教育の推進に当たって、現時点での課題でございます。  少子化や核家族化など幼児を取り巻く環境が大きく変化をする中、子どもの育ちの変化として、基本的な生活習慣の確立が不十分なことや、自制心や規範意識の希薄化、またコミュニケーション能力の未熟化などの課題が指摘されております。こうした課題に対応するために、それぞれの施設が連携を深め、幼稚園や保育園・こども園の持つ教育機能を一層拡充し、就学前教育全体の質の向上をさせていくことが重要であると認識をいたしております。教育委員会といたしましては、幼児教育共通カリキュラムの策定や、幼稚園教員、保育士を対象とした研修や各園の支援体制の整備など、今後とも就学前教育のさらなる充実を図ってまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いをいたします。 ○議長(鈴木茂 さん) 続きまして、5番君塚裕史さん。           (5番君塚裕史さん登壇)(拍手) ◆5番(君塚裕史 さん) 区民クラブの君塚裕史でございます。平成21年第4回定例会に当たり、区民クラブを代表いたしまして区長に質問をさせていただきます。  初めに、天皇陛下がご在位20年をお迎えいただきましたことに対し、区民クラブを代表いたしまして心よりお祝いを申し上げます。  まず、長期総合計画後期計画の見直しについてでございますが、長期総合計画は台東区の行政が進むべき道について示したものであります。私は、平成21年度の予算特別委員会で、長期総合計画が台東区のすべての計画の上位計画に当たるので、長期総合計画改定に当たっては計画の根拠となる基礎指標の予測が大切であり、台東区の基本推計人口だけでなく年齢別人口推計、経済推計予測等の各種基礎指標推計の予測を十分行い、施策の目標をより明らかにする形で策定すべきであると質問したところ、区長は「計画が策定された平成17年度以降の社会経済状況の変化により、後期計画を見直す必要が生じております。そのため、基礎となっている数値的根拠の変動や新たに策定された各種計画との整合性、国の制度改正などの要因等を十分に把握してまいります」、また「新年度の本計画の改定につきましては、計画の背景となる各種数値を的確にとらえつつ、施策目標の明確化に努めてまいります」と答弁されております。  そこで、この答弁を踏まえ、次の質問をいたします。  この長期総合計画後期計画の素案はいつできるのか。また、区議会に提示されるのはいつごろになりますか。  区長は上記の平成21年の予算特別委員会で「計画の背景となる各種数値を的確にとらえ」と答弁しておられますが、現在の長期総合計画では基本推計人口しか載っていませんが、そのほかの基礎指標推計を十分吟味して策定されていると期待しているところでございます。  平成21年8月25日企画総務委員会資料の長期総合計画前期計画達成状況を見ますと、「現況」や「前期達成度」に実数が入っており、その達成状況を判断するのに、その数値が多いのか少ないのかで達成、未達成を判断しており、当初もくろんでいたものより達成数が多かったのか少なかったのかがわかりません。  そこで、前期達成度を数値であらわせるのであれば長期総合計画で10年間の目標数値も実数であらわせるはずですので、今回の後期計画の改定に当たってはぜひ達成すべき目標数値を具体的数値で入れてほしいと思いますが、区長の考え方をお伺いいたします。  次に、老朽化ビル及びマンションについてでございますが、東京大震災や東京直下型地震が起こると言われて久しくなりますが、台東区は大正12年の関東大震災のときに甚大な被害を出した地域の一つであります。このような地域においては、震災対策は幾らやっても切りがないと思われるでしょうが、しかしながら、最初から何かのデータにおいて台東区のある地域が倒壊危険地域であると言われた場合、何らかの震災対策を立て、少しでも被害を小さくする施策を施す必要があるのではないでしょうか。  私は、インターネットで、東京都が東京都震災対策条例に基づき地域危険度を平成20年2月に公表したものと、建築アンド住宅ジャーナリストの細野透氏の「東京・危険な街ランキング~建物倒壊編(2008年5月8日)公表」というデータを見ました。これらはともに、5年に一度、首都が震災に襲われたときの危険度を都内5,099町丁目ごとに調査して公表しているもので、東京都の場合は各地域における地震に関する危険性を建物の倒壊及び地震による火災について測定したもので、総合危険度の測定結果では台東区東部が建物倒壊度、火災危険度ともに高い地域とされております。また、一方、建築アンド住宅ジャーナリストの細田氏の公表した「東京・危険な街ランキング~建物倒壊編」では、調査したものをランキングして公表しており、その中に建物倒壊危険度ワースト10というのがありまして、その中に台東区内の地域が2カ所入っています。それは、第2位に台東区竜泉三丁目、第5位に台東区浅草五丁目が入っておりました。ちなみに、第1位が墨田区京島二丁目、3位が墨田区墨田三丁目などでございます。これは一つの例として申し上げましたが、台東区の地域防災計画でもこの台東区竜泉三丁目、浅草五丁目のほかに数カ所の倒壊危険地域が掲載されています。  そこで区長にお伺いいたしますが、特にこのような台東区内の建物倒壊危険度の高い地域について、震災対策として「転ばぬ先のつえ」ということで、耐震化、不燃化等を中心とした事業等を導入すべきと思うが、現状と施策についてお伺いいたします。  2番目としまして、分譲マンションにつきましては、昭和30年代後半から盛んに建設されるようになり、また、近年の建築技術の進歩により建物の大型化、高層化が進んできております。この大型化、高層化に伴い所有者の数も多くなって権利関係も複雑になってきており、老朽化に伴う建てかえについてはこの権利関係を調整することが非常に難しくなってきております。平成7年に起こりました阪神・淡路大震災のときも、分譲マンションに住んでいた住民が、住んでいたマンションが大きな被害に遭ったため建てかえを余儀なくされましたが、既に住宅ローンが組んであり、前のローンが残っている上に建てかえの新しいマンションのローンを組まなければならない状況が起こり、これをどうするかが非常に問題になったことがございました。  また、老朽化した分譲マンションを建てかえる場合、建てかえの費用を払える人、そうでない人等いろいろな人が住んでおり、これを調整するのが非常に難しいと思います。しかし、この問題は民間の問題と言えるかもしれませんが、最初に分譲した会社がしっかりした会社で、建てかえるときまで存続しておればその会社が中心になって建てかえを行えばよいでしょうが、建てて分譲した会社が既に倒産してなかった場合、このマンションに住んでいる住民を救う方法はないのでしょうか。今後、これらに対する施策はまちづくりの一環として重要な施策となってくると思われます。  そこでお伺いいたします。  台東区においても多くの分譲マンションが建設されており、近い将来この問題が起こってくる可能性がありますが、台東区として何か対策を考えるつもりはあるのかお伺いいたします。  最後に、高齢者対策についてお伺いいたします。  台東区は高齢化率が非常に高く、この傾向は今後も続くものと思われます。その結果、今まで日本経済をリードしてきた団塊の世代はその多くが定年を迎え、生活の中心が会社から地域社会へと移っていくことになります。そこで、台東区では、これまですべての高齢者が住みなれた地域で生き生きと暮らし続けることを目指した保健福祉施設や介護保険事業を展開してきたところであります。しかし、今後につきましては、これらの世代の高齢化を見据えた対策が重要であると考えます。  そこで、次の2点についてお伺いいたします。  まず、元気な高齢者に対する取り組みについてでございますが、高齢者の8割以上は要介護・要支援認定を受けない元気な高齢者であること、また、介護を必要とする高齢者は社会全体で支えていくことが必要である一方、元気な高齢者には多様な分野で活躍する場を与えなければなりません。そのため、元気な高齢者の生きがいを高め、健康づくりを進めるための取り組みをさらに充実させることが重要であると考えるが、区長の所見をお伺いいたします。  次に、日常生活を支援する取り組みについてでございますが、高齢者が地域において在宅での生活を継続するためには、日常生活のちょっとした困り事への対応など、安心して暮らせる多様なサービス、例えば各家庭を訪問して細かな相談に乗るなどのきめの細かい対応が必要と思います。私の近所に、家族が仕事に出て日中に独居になってしまう方がおいでになります。その方は、玄関先の段差を越えるのにも介助が必要でありますが、それを越えればシルバーカーを利用して外出や散歩に出られ、それを習慣として続けることにより健康を維持していこうとする意欲も高まることとなります。さらに、介護認定において自立と認定された人など、要介護状態に至らない高齢者に対しても日常生活を支援する取り組みを充実させることにより、高齢者に自立を促すとともに介護予防の観点からも効果が大きいと考えますが、区長のご所見をお伺いいたします。  以上で私のすべての質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(鈴木茂 さん) ただいまの質問に対する答弁を求めます。  区長。           (区長吉住 弘さん登壇) ◎区長(吉住弘 さん) 君塚議員のご質問にお答えいたします。  ご質問の第1は、長期総合計画後期計画の見直しについてでございます。  長期総合計画の改定につきましては、本年の予算特別委員会におきましても議員よりご質問をいただいたところでございます。議員ご指摘の指標や計画事業における目標の数値化は、取り組みの内容をより明らかにし、事業などを計画的に実施する上でも、また区民の皆様にわかりやすい計画とするためにも非常に重要であると認識いたしております。現在進めております本計画の改定におきましては、目標のパーセンテージ表記や実施回数の明示など、可能な限り数値化、明確化に努めており、本定例会にてその素案をお示しいたします。  ご質問の第2は、老朽化ビル及びマンションについてでございます。  まず、建物倒壊危険度の高い地域についてでございます。  そのような地域におきましては、建物の耐震化や不燃化を進めることは重要であると認識いたしております。現在、耐震化事業につきましては、平成20年12月に建築物等への耐震化助成制度を見直し、助成額の充実や助成範囲の拡大などを行いました。特に、倒壊危険度の高い地域につきましては、重点地域として助成額を手厚くいたしております。また、不燃化につきましては、避難路の確保など、防災上早急に整備する必要がある地域を不燃化促進区域に指定し、住宅等の建てかえに当たり、建築費の一部を助成する都市防災不燃化促進事業を実施いたしております。さらに、防災性を高めるため、「住まいの共同化と安心建替え支援制度」により助成を行っております。今後は、これらの制度をより多くの方々に活用していただくため、耐震助成制度周知のための戸別訪問など、一層のPRと施策の充実を図ってまいります。今後とも、災害から生命や財産を守り、安心して住み続けられる防災まちづくりを目指してまいります。  次に、分譲マンションの老朽化についてでございます。  今後、老朽マンションの増加が見込まれる中、大規模修繕工事を初め、適切な管理による建物の長寿命化を促進していくことが重要であり、さらに、建てかえも大きな課題であると認識いたしております。老朽マンションの適切な管理につきましては、アドバイザー派遣やセミナー、相談会を開催するなどの支援を行っております。議員ご指摘のように、老朽マンションの建てかえが必要となる場合、その合意形成は複雑化し、建てかえが進まない状況がございます。現在、「マンションの建替えの円滑化等に関する法律」などにより、合意形成や権利変換の円滑化が図られるよう、法整備がなされております。本区では、国や東京都の建設費補助制度を最大限に活用して建てかえを促進するとともに、耐震診断や耐震改修に対する助成を行っております。老朽マンション対策は、今後ますます重要となってまいりますので、国や都の動向を注視しながら、必要となる情報の提供や相談窓口の充実などを行い、老朽マンションの再生に向けて積極的に取り組んでまいります。  ご質問の第3は、高齢者対策についてでございます。  まず、元気な高齢者に対する取り組みについてでございます。  元気な高齢者の生きがいを高め、健康づくりを進めることは、私も議員と同様に重要であると認識いたしております。本区では、生きがいづくりの観点から、老人福祉センターや老人福祉館での各種事業を初め、寿作品展示会の開催、生涯学習としてのシニアライフ応援など、さまざまな事業を実施いたしております。また、シルバー人材センターの活動は、高齢者の就業機会を確保するとともに、生きがいづくりにも寄与しているところでございます。さらに、健康づくりを目指して、筋力向上トレーニングや各種健康体操教室、プールを利用したトレーニング、口腔機能向上など、多岐にわたる施策を展開し、介護予防にも効果を上げております。私は、今後も元気な高齢者の方々のニーズや環境の変化に適切に対応し、健康と生きがいづくりなど、生活の質の向上に資する施策を充実させてまいります。  次に、日常生活を支援する取り組みについてでございます。  本区では、要介護者には介護保険サービス、要支援高齢者やそれに準ずる方には介護予防事業、また、元気な高齢者には健康づくりを目指した事業など、法律に基づく事業と区独自のサービスを組み合わせて実施いたしております。議員ご指摘の外出や散歩の介助につきましては、区独自施策の生活支援ヘルプサービスや社会福祉協議会の家事介護援助サービスを利用することにより対応が可能でございます。私は、引き続き、高齢者が住みなれた地域でいきいきと暮らし続けられるよう、日常生活を支援するきめ細かな施策につきましても必要に応じ適切に実施してまいります。 ○議長(鈴木茂 さん) 6番小坂義久さん。           (6番小坂義久さん登壇)(拍手) ◆6番(小坂義久 さん) 区議会公明党の小坂義久です。平成21年第4回定例会におきまして、会派を代表して質問いたします。  初めに、天皇陛下がご在位20年をお迎えいただきましたことに対し、心よりお祝いを申し上げます。  それでは質問に入ります。  新政策対応本部会議についてお伺いいたします。  区長の所信表明であるように、新内閣はさまざまな施策の創設・改廃を検討しており、その動向によっては区政運営に影響があるものと考えられます。第173回臨時国会において、鳩山首相の所信表明の中に「子ども手当の創設、高校の実質無償化、奨学金の大幅な拡充などを進める」との所信がございました。鳩山政権は今後の方針を打ち出し、また事業仕分けも賛否両論ありましたがマスコミ等により話題となりました。例えば、子ども手当を創設する際、新しい制度を開始しますから当然法律化し、予算を組み、執行の手続に入り、給付の手続はほとんどが各自治体の仕事となると思われます。その執行体制の面から考えても、受給者調査やそれに伴う人員、経費の問題等、山積する課題はたくさんあるのではないかと思われます。前定例会において、子育て応援特別手当が補正予算一部執行停止の影響を受け廃止となりました。各地方自治体は少なからず混乱し、台東区議会としても国に対し意見書を提出し、その際、廃止に伴う余分な経費等が新聞報道等でなされたのは御存じのとおりであります。本区では、今回、国政に対する情報の収集・分析を行う新政策対応本部会議を新設し、政府が打ち出す施策について十分に注視していくとのことですが、この新政策対応本部会議について区長にお伺いします。  「先んずれば制す」ということで、国の動きについて新しい組織を立ち上げたことは大変結構なことと思いますが、まず、この会議のメンバー構成はどのような形態になるのかお伺いいたします。  そして、今後の国の動き等についての情報収集はいかに行っていくのかお伺いいたします。最後に、混乱なく区政運営にどう反映なされようとするのか、所見をお伺いいたします。  続きまして、平成22年度予算編成についてお伺いします。  まず、今年度の都税収入4兆7,600億円が5,000億円の歳入割れになり、来年度の予算編成では6,000億円近い財源不足が見込まれることが明らかになりました。景気後退の影響をもろに受けており、国の税制改正の行方が見えず、2010年度の税収はまだはっきりしませんが、現在の経済状況からすると、悪くなることはあっても好転することは期待できないとのことです。また、鳩山政権がマニフェストに盛り込んだ諸政策を具体化していくと、自治体への負担転嫁が新たに出てくる可能性があり、財源不足はさらに拡大するのではないかと思います。こうした事態の多大な影響が本区の財政状況に明確にあらわれることは間違いないと思います。  企業収益の大幅な減少が区の基幹財源である特別区交付金に大きな影響を及ぼし、雇用情勢の悪化などによる特別区民税の減収も懸念されると思います。生活保護などの扶助費の増大、進展する少子高齢化への対応、区有施設の維持保全等、さまざまな財政需要を抱えており、さらに厳しい財政運営が続くのではないかと思います。これまでも歳出の見直しや歳入の拡充など、いかに効率的な財政運営の取り組みを行い、子育て、まちづくり等、区の重要施策に積極的に取り組んでおられることについては評価をいたしますが、一向に好転しない景気の問題、雇用の状況など、昨今の経済状況においてなおこの限られた財源を一層有効に活用するために、また多様な区民ニーズにこたえながら健全な財政運営を行うこと、そのためには予算をどのように組んでいくべきなのかが重要な本区の課題となります。区長は、所信表明でも今年度の税収について国や東京都の大幅な減収、特に東京都の法人二税の減収について触れられておりますが、この厳しい局面を迎えている現在、どう有効的かつ価値ある22年度の予算編成を考えておられるのか決意をお聞きするとともに、具体的な予算編成に対する構想、また重点施策について所見をお伺いいたします。  続きまして、補助金についてお伺いします。  企業収益の大幅な減少、雇用情勢の悪化、昨今の経済状況等、さきの質問で触れたように、年々本区の財政状態も予断を許さない展開となってくるのは間違いなく、また政権交代に伴い政策指針等にも大きな転換が求められる状況と思われます。こういった劇的な変化の時代に、台東区の補助金、助成事業は既存のままでよいのか。前にも各会派の議員がさまざまな視点から質問されておりますが、結論から申し上げますと、ゼロベースからの視点、見直しということが大切ではないかと思われます。安易に比べられないかもしれませんが、民間企業においては、企業利益が伴わない、また売り上げが伸びない現状においていろいろな観点から業務内容、人員整理、福利厚生等見直しをして生き残りに対し懸命に努力している現状があるのは皆さんご承知のとおりです。  さて、本区において官公庁関係の団体、地域振興に関する団体、特定の職業にかかわる業界団体、文化活動やサークル活動にかかわる団体など助成がされております。この補助金の原資は主権者である区民からの税金であり、この貴重な浄財を渡すことになる各団体やイベントに代表される事業等について有用であるかどうかという判断は、常に必要性、妥当性があるものでなければならないと思います。  そこで区長にお伺いしますが、庁内でも事務事業評価を活用し、個別の事業ごとに必要性や効果などを検証し見直しを図ってきたことは評価しておりますが、緊迫化していく財政状況の中で、補助金制度に対する本区の基本的な考え、姿勢を改めてお伺いしたいと思います。  また、区民からの視点、行政運営の上からの視点などから、必要な補助金のあり方について外部の有識者など交えた専門委員会というような検討のあり方も必要と思われますが、区長の所見をお伺いいたします。  続きまして、町会運営についてお伺いします。  区政の進展を図る上において、また魅力ある台東区をつくり上げる上で、地域の力そして区民との協働は絶対不可欠であり、本区では200町会が区政に積極的に協力し、その結果において本区の事業が順調に推移されているすばらしい特色があります。昨年12月には盛大に台東区町会連合会創立50周年が行われ、かつ年間を通し祭礼や運動会、納涼大会やもちつきなど多彩な催し物が行われ、地域の防災、健康の増進、福祉の向上、保健衛生、リサイクル活動等、区が行政を円滑に推進していくためには欠かすことのできない大切な組織であることは言うまでもありません。  昨今、人間関係や連帯意識の希薄化、また高齢者世帯の増大、マンションの増加など地域社会も大きく変化し、一概には言えませんが、町会の運営に関して並々ならないご苦労があることもお聞きしております。町会役員になる方も高齢化が進み、年々減少状態にあり、戸建ての居住人数が減少し、かつ高齢化世帯がふえ、昔からまちに根づいていた方々がどんどん少なくなっているのが現状ではないのでしょうか。さらに、マンションが林立し、そこに住む新しく台東区に転入された方々にどうやって町会活動に参加してもらうかと必死に努力している町会もありますが、後継の育成等、苦慮している現状があると思われます。当然、本区においてこのような現状を把握し、かつ対策に取り組んでおられると思いますが、長いスパンでこの町会の運営ということを考えると、今こそ具体的かつ有効な対策、アドバイス等、求められてくるのではないのでしょうか。  そこで区長にお伺いしますが、区政進展に重要な役割を果たしてきた、またこれからもパートナーとしての大切な役割を担っていく町会の運営についてどのような支援を行っていくのか、所見をお伺いいたします。  続きまして、避難支援プランの策定についてお伺いします。  ここ数年の災害において、亡くなられた方、行方不明の方の多くが高齢者となっており、消防庁では平成21年3月31日現在においての全国1,800市区町村を対象にした災害時要援護者避難支援対策の取り組み状況、調査結果を公表いたしました。調査結果の内容は3点あり、1点目は、個別計画の策定状況として、個々の要援護者ごとに避難支援者との関連づけ等を明らかにした具体的な計画、2点目は災害時要援護者名簿の整備状況、そして3点目は全体計画の策定状況ということで、地域の実情を踏まえ要援護者対策の基本的な方針、対象範囲、情報収集・共有の方法など、災害時要援護者対策の取り組み方針を明らかにしたものとなっております。この結果、避難を手助けする全体計画を策定した市区町村が全体の32%に当たる576自治体にとどまり、東京23区では11区が策定にとどまっております。災害はいつ、いかなる状況で起こるか予測不能であり、特に高齢者や障害者等災害時要援護者についての対策プランを早急に明確にすることは、区民の安心・安全を守る上で欠かせないことと言えます。本区においての現状は、個別計画は検討中、要援護者名簿は整備中と伺っております。消防庁は全市区町村に対して2010年3月までに全体プランの策定を求めておりますが、そこで区長にお伺いいたします。  まず、要援護者名簿の作成について、高齢者、障害者等把握をしていると思いますが、この名簿の整備状況をお伺いいたします。  また、本区の避難支援プランの策定状況の今後の対応、予定について所見をお伺いいたします。  続きまして、ヒブワクチン接種助成についてお伺いいたします。  本年の第2回定例会において我が党の杉山全良議員も質問いたしておりますが、継続して質問を行いたいと思います。  そもそもヒブとは「インフルエンザ菌b型」のことを言いますが、今流行拡大している新型インフルエンザとは異なります。このヒブによって抵抗力を持たない生後3カ月ごろから4歳代の乳幼児が細菌性髄膜炎を発症し、発熱後1日から2日で死亡する例があり、国内では年間約1,000人の子どもが罹患し、そのうちの5%が亡くなり、25%の子どもが知的障害、運動障害、難聴などの後遺症が残ると言われております。東京都では、ヒブワクチン接種について、都議会公明党が本年第1回定例会において代表質問を行ったことを契機として包括補助制度に組み込み、区市町村が接種の助成を行う場合、その助成額の2分の1を補助することになりました。このような状況を踏まえ、本区でも助成制度を設けてのヒブワクチン接種が行われるよう、期待を込めて区長にお伺いいたします。  区長は、答弁の中で「国は、さらにデータを蓄積する必要があることから、安全性と効果について現在専門家による検討を進めている」と答えておりますが、どういう状況になれば助成の対象となるのか。  また、私の調べたところ、このヒブワクチンの助成について東京23区では今現在6区が助成を行っており、来年には文京区でも実施すると聞いております。国の動向にかかわらず、区民からのニーズ、必要性から実施に踏み切っている自治体が着実にふえている現状であります。区長、「子育てするなら台東区」のとおり、ここは英断を持って助成制度に踏み切るべきと思いますが、所見をお伺いいたします。  最後に、就学前教育の充実についてお伺いいたします。  本区では、国の新教育要領実施を受け、本年4月、学びのまち台東区アクションプランを改定し、保・幼・小・中の連携の強化、就学前教育の充実に着手しております。いかに幼稚園・保育園から小学校への接続を見据えた質の高い教育、幼・保・小の連携の充実が問われておりますが、小1プロブレムに代表されるような現象が残念ながら話題となっております。  先月、区民文教委員会で、今「坂の上の雲」で話題の松山市へ視察に伺いました。松山市では、保・幼・小連絡協議会として教職員を対象に各小学校単位で開催しており、接続期における個別幼児・児童の情報交換を主に、子ども同士の交流活動や松山市幼児教育研修会を年間18回開催して収録を作成し、全保育所、幼稚園、小学校に配付、幼・小の教員各1名が人事の交流を行っているとお聞きいたしました。幼児・児童の実態と地域の特性を踏まえ、発達や学びの連続性を生かした教育活動を効果的に展開することにより主体的に活動し、ともに伸びる幼児・児童の育成に主眼を置いているとのことです。  そこで教育長にお伺いいたしますが、東京都教育委員会が11月12日に公表した第1学年の児童の学校生活への適応状況にかかわる実態調査によれば、昨年度、23.9%の学校長が不適応状況の発生を回答しております。本区の状況はどうでしょうか、対応についてはどうお考えでしょうか、所見をお伺いいたします。  そして、幼児を取り巻く環境の変化、子どもの育ちの変化から、幼児教育から小学校教育への接続期に子ども1人1人が十分に対応できない状況がありますが、本区としての課題をどう把握し、どう対応されようとしていくのか、所見をお伺いいたします。  また、幼保一体について、幼稚園は幼稚園教育要領、保育園は保育所保育指針に基づいて教育課程を編成し、具体的な教育、保育を進めております。就学前教育のさらなる充実を図るため、本区において幼児教育のカリキュラムの充実強化が望まれると思いますが、所見をお伺いして、私の一般質問を終了いたします。ご清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(鈴木茂 さん) ただいまの質問に対する答弁を求めます。  区長。           (区長吉住 弘さん登壇) ◎区長(吉住弘 さん) 小坂議員のご質問にお答えいたします。  ご質問の第1は、新政策対応本部会議についてでございます。  国におきましては、新たな内閣が発足して以降、さまざまな施策の創設や改廃が検討されており、現在、平成22年度の予算編成に向けた作業が行われているところでございます。私は、このような状況の中、国の政策等に関する情報を全庁的に収集するとともに、共有化を図り、さらに本区への影響が想定されるものについてはその内容を検証し、適切な対策を検討することが必要であると考え、このたび新政策対応本部会議を設置いたしました。この本部会議は、私の主宰のもと、副区長、教育長などで構成しております。また、部長級職員で構成する連絡会議を設置し、全庁的な情報の共有を図ることといたしました。現在の本部会議の状況でございますが、各部へ最新情報の報告を指示し、集約いたしました。その上で、区に影響があると思われる主要な施策を抽出し、現時点で想定される区への影響の内容について情報の共有を図ったところでございます。  なお、国政に関する情報源は、国会における審議状況や政務三役の記者会見などさまざまな形態がございます。現在のところ、こうした情報につきましては各省庁のホームページや新聞報道等を通じて入手している状況でございますが、今後はさまざまな手法を工夫し、迅速な情報収集に努めてまいります。  区政運営への反映につきましては、本部会議において収集した情報を分析し、本区の財政運営や事業の実施などにどのような影響を及ぼすのか的確に検証し、適切な対応策を講じてまいりたいと存じます。  ご質問の第2は、平成22年度予算編成についてでございます。  平成21年度の国や東京都の税収は大幅な減少が見込まれております。また、我が国経済の先行きは、雇用情勢や物価下落、円高の影響などのリスクが存在し、経済の基盤が依然として脆弱であり、予断を許さない状況にございます。こうした点を踏まえると、平成22年度予算においても区の主要財源である特別区税や特別区交付金が大きく減少することが強く懸念されます。私は、この事態に当たり、11月当初に各部に対して、再度事業の効果と優先順位及び事業手法を検討するよう指示いたしました。今後、不急な事業の先送り、さらなるコスト縮減、歳入確保の創意工夫など、これまで以上に厳しい視点から予算編成を進める一方、子育て支援、健康、まちづくり、環境、文化観光など、区の重要課題に対する予算の重点配分を徹底してまいります。また、中長期的な視点からも健全な財政運営に努めるとともに、早期に新たな行政経営推進プランの策定に着手し、さらに強固な行財政基盤を構築していく決意でございます。  ご質問の第3は、補助金についてでございます。  まず、補助金制度に対する区の基本的な考えと姿勢についてでございます。  補助金は、公益上必要がある場合に、団体または個人の行う事業に対し、その事業目的の効果的、効率的達成のために交付するものでございます。その執行につきましては、事務事業評価や予算編成の過程であらゆる視点から検討しているところでございます。これまでの取り組みとして、補助金は本来、団体の事業や区民の自主的な事業を対象に補助するものであり、団体補助から事業補助への転換を図ってまいりました。また、客観的な評価を行えるようにするため、区へ提出する実績報告書の統一化などの見直しを図ってまいりました。今後とも、厳しい財政状況を踏まえ、補助対象ごとにその必要性及び効率性の検証を行い、補助金の適正な執行と区民や団体との協働を推進してまいります。  次に、外部の有識者などを交えた専門委員会での検討についてでございます。  補助金にはさまざまな形態や目的があり、その内容について評価を行う手法についても多角的な視点から検討していく必要がございます。その際に、外部の視点からご意見をいただくことも有効な手法であると認識いたしております。議員ご提案の外部の有識者を入れた専門委員会の設置も含め、補助金のあり方について引き続き検討してまいります。  ご質問の第4は、町会運営についてでございます。  私も小坂議員と同様に、町会の皆様の日ごろの区政情報の周知、地域での防犯・防災などの活動は、区政運営を進める上で大変重要であると認識いたしております。町会が役員の高齢化に伴う後継者不足やマンション建設等による未加入者の増大等、さまざまな問題に直面していることも承知いたしております。私は、人と人とのつながりを基礎とする町会は、安全・安心な生活を確保するために非常に大切であると考えており、町会へのさまざまな支援を行っているところでございます。具体的には、「台東区集合住宅の建築及び管理に関する条例」に、集合住宅の事業者や建築主に対する町会加入協力の条項を明文化し、加入促進に努めているところでございます。また、町会事務所の新築・増改築等の建築費用・登記費用の一部を助成し、町会活動の拠点を整備しているところでございます。さらに、各地区の活動の拠点となる区民事務所・区民館の整備にも取り組んできたところでございます。私は「にぎわい いきいき したまち台東」を実現する上で、町会との連携は不可欠であると考えておりますので、今後も可能な限りの支援を行ってまいりたいと存じます。  ご質問の第5は、避難支援プランの策定についてでございます。
     まず、災害時要援護者名簿の整備状況についてでございますが、平成19年から作成し、毎年追加を行い、現在、高齢者や障害者など約2万6,000名の方の登録がございます。要援護者名簿につきましては、ご本人の同意のもと、警察署や消防署等と情報の共有化を図っております。  次に、避難支援プランの策定状況についてでございます。  避難支援プランは、災害時における高齢者などの災害時要援護者対策について定め、基本的な考え方を示す全体計画と、1人1人の要援護者に関する個別計画により構成されるものでございます。本区においては、全体計画は、要援護の対象者の範囲や警察署などとの連携などについて台東区地域防災計画の中で定めております。また、個別計画につきましては、要援護者ごとにその意向を確認の上、安否確認や避難誘導などの支援方法を定める必要があり、さらに、要援護者の家族構成や疾病等の個人情報を取り扱うため、現在、慎重に検討を進めているところでございます。  ご質問の第6は、ヒブワクチン接種助成についてでございます。  ヒブワクチンは、平成20年12月から国内において接種が可能となりました。接種助成につきましては6区が導入したところでございます。現時点で対象者の二、三割の方が接種され、重篤な副反応は出現していないと伺っております。国におきましては、さらにデータを蓄積する必要があるとし、専門家により、現在その安全性と効果や定期接種について検討を進めております。ご提案の助成制度に関しましては、実施している区の実情を調査の上、引き続き鋭意検討してまいります。  その他の質問については、教育長がお答えいたします。 ○議長(鈴木茂 さん) 教育長。           (教育長野田沢忠治さん登壇) ◎教育長(野田沢忠治 さん) 小坂議員のご質問にお答えをさせていただきます。  まず、小学校第1学年の児童の学校生活への不適応の状況についてお答えをさせていただきます。  台東区の小学校1年生におきまして、学級経営に著しく支障を来す児童がいるという報告は受けておりませんが、課題のある児童は見られるところでございます。そこで、慎重な学級経営とともに、指導主事が学校を訪問し、1人1人の児童に応じた丁寧な指導・支援が行われるよう教員を指導しているところでございます。各学校におきましては、学力向上推進ティーチャーや、「大学生が先生」などの制度を活用し、特に年度当初には1年生の学級を重点的に支援できるよう実態に応じた体制を組んでおります。また、小1プロブレムなどの課題により学級経営に困難な状態が発生した場合には、学級サポーター制度など、学校を支援していく体制も整えております。  次に、教育現場の課題についてでございます。  議員ご指摘のとおり、子どもの環境や育ちの変化、さらには家庭の教育力の低下などに伴い、幼稚園・保育園・こども園などと小学校への接続の課題がございます。本区では、従来から幼稚園併設校などを中心に幼児と児童や教員同士の交流を行ってまいりました。さらに、平成15年度からは、台東区立の学校・園に通う子どもたちの基礎学力の定着・向上及び生活指導の一貫とした指導を図るため、教員相互のより一層の交流を深めていくことを目的に、「幼・小・中連携の日」を設けております。今年度は、児童保育課が教育委員会の所管となったことに伴いまして、保育園も含めて交流や協議会などを行い、幼・保・こども園と小・中学校の相互理解を図り、教育の連続性や滑らかな接続について考える機会を設けているところでございます。  次に、幼児教育のカリキュラムの充実についてお答えをさせていただきます。  幼稚園教育要領保育所保育指針が新しく改訂されたところでございますが、教育にかかる部分はほぼ同一の内容でございます。そこで、小学校への円滑な移行などを目的に、幼児の課題を踏まえた就学前教育についての共通の教育カリキュラムの作成が求められております。教育委員会では、幼稚園・保育園・こども園・小学校連携にかかわるプロジェクトチームを立ち上げ、現在、相互理解の促進と連携のあり方などについて鋭意検討をいたしております。今後、早期に小学校接続期におけるカリキュラムを作成し、就学前教育の一層の充実を図ってまいります。 ○議長(鈴木茂 さん) 18番橋詰高志さん。           (18番橋詰高志さん登壇)(拍手) ◆18番(橋詰高志 さん) 日本共産党の橋詰高志です。党区議団を代表して、区長及び教育長に質問いたします。  新政権が誕生して2カ月たちましたが、「コンクリートより人を」をスローガンに掲げた鳩山内閣も、当初の国民の期待とは裏腹に、後期高齢者医療制度の先延ばし、普天間基地の移転問題など選挙公約に背を向ける姿勢のもとで、強引な国会運営や事業仕分けに見られるように不安を感じる国民も多くなっています。そもそも国民が総選挙の審判にかけた思いは、自公政権によってもたらされてきた耐えがたい暮らしの苦難、平和の危機を取り除きたい、政治を変えたいという強い願いでありました。日本共産党は、新政権のもとで政治を変えてほしいという国民の期待にこたえるとともに、不安や批判を代弁して問題点をただし、日本の政治をさらに前に進める建設的野党として奮闘するものであることを表明して、質問に入ります。  第1の質問は、区長が所信で表明した新政策対応本部会議の新設についてであります。  区長は、国政に関する情報の収集・分析を行うために設置すると述べました。確かに新政権が具体的に施策を明らかにしていないもとで情報の収集・分析は必要であります。だからといって新たな組織が必要なのでしょうか。これまで行ってきた政策会議では対応できないのでしょうか。新組織をつくって今以上に仕事をふやす必要があるのかとの意見もあります。大切なことは、吉住区長が新政権のもとで打ち出される問題に対して、どういう姿勢でどのように対処するかであります。  鳩山政権のもとで、この間、仕分け作業がテレビでも連日報道され、小泉構造改革と同様、劇場型で行われてきました。無駄の洗い出しということで、1事業1時間で廃止、縮小、見直しを多数決で結論づける乱暴なやり方で行われました。無駄を削るのは当然ですが、診療報酬の引き上げの議論はされず、入院時の食料・居住費は安過ぎると自己負担の増額が必要とされたり、保育基準の緩和など生活関連予算が切り込まれる一方、後期高齢者医療制度や外環道などの大型公共事業、政党助成金や官房機密費など、仕分けの対象にただすべき本当の無駄な事業は含まれていません。  こうした事業仕分けのやり方を見ると、この間、台東区が行ってきた財政健全推進計画、その後の行政経営推進プランによる事務事業評価制度と同様であります。その結果、平成12年以降、524項目の事業が見直され、単年度だけで計算しても約34億円の削減であります。この事務事業評価は、一口に言えば区民生活に関連した事業の削減で、一方、上野中央通り地下駐車場などの大型公共事業は、必要性、効率性、有効性などすべて満点で推進してきたのであります。しかし、開業された地下駐車場は惨たんたる状況であり、区民生活より大型事業に偏重された評価であることが証明されているのであります。  区長は、区民の皆様が安心して生活が送れるよう区民福祉の向上に努めると繰り返し表明されましたが、区政運営の実態は全く逆さまであります。今、区長に求められていることは、みずからが行ってきた区政運営を反省し、抜本的に改めることなしに新政策対応本部会議を立ち上げても区民福祉の向上にはならないのであります。また、新政権のもとで後期高齢者医療制度の先延ばし問題や診療報酬の引き上げの問題、保育の改悪など区民生活に影響を及ぼすおそれのあるものには区民の立場に立って反対し、雇用の確保や高校の授業料の無償化など区民にとってよいものについては、実現に向け国や都に対して積極的な行動をとるべきであります。区長の所見をお答えください。  2点目の質問は、産業振興戦略についてであります。  今議会の区長所信表明では、浅草ものづくり工房の開設には触れていますが、残念ながら産業振興策の展望は見えてきません。27日の落成式の吉住区長のあいさつも一般的で、「ものづくりを支える若手の育成も急務になっています」などの表現は、皮革履物産業の置かれている現状をいかに安穏と考えているかとしか思えません。我が党区議団は、第3回定例会での一般質問決算特別委員会総括質問でも追及してまいりましたが、浅草ものづくり工房の開設を機に、本格的な産業振興戦略を位置づけるべきであります。まず、台東デザイナーズビレッジと今般開設した浅草ものづくり工房の連携を中心に都靴学校を含めた協議会を立ち上げることです。そして、三者を中心に業界の理解も得て台東区のものづくりを振興、発信する事業を展開する、そのための予算を計上すべきであります。答弁を求めます。  我が党区議団は、産業別の実態調査の必要性を繰り返し要求してきました。かつては、台東区は産業別の調査も行い、業界とともに振興ビジョンをつくり上げてきたのではないですか。この調査や教訓を、極めて深刻な事態に業界が置かれている今だからこそ改めて生かすべきではないですか。決算特別委員会総括質問の答弁にあった、ことし夏の中小企業調査は雇用対策が中心で、内容も信用金庫組合からデータを購入している景況調査と基本的に変わっていません。台東区で20年前に実施された中小企業調査と対比できるような規模や内容の調査と検討を行ってこそ台東区の産業戦略が見えてくるのではないでしょうか、答弁を求めます。  最後に、台東区の経済は観光だけで成り立つものではありません。ものづくりに焦点を当てた工業生産振興の基本ビジョンを立て数値目標を持つなど、振興策を展開すべきであります。区長の産業振興対策に関する所見をお聞かせください。  次に、新型インフルエンザ対策についてであります。  第3回定例会で我が党の茂木団長の一般質問に対して、区長は「情報提供はさまざまな方法で正確な情報を迅速に、対策については全庁挙げて取り組んでいる」と答弁されましたが、この間の状況を見ても危機管理体制が機能しているとは全く思えません。接種の予約は受け付けられませんと断られたお母さんたちの不安などを一日も早く解消するために、正確な情報を与えるべきであります。区長の答弁を求めます。  区内の医療機関に配給されているワクチンは約6,400回分とのことですが、現在どの程度接種が終了しているのか、また、医療機関でのワクチンの過不足状況はどうかなどを区が掌握していないことは重大であります。区の中核病院である永寿総合病院は、過去に受診経験がないと接種できませんが、いつ接種できるかは手紙で知らせるとのことであります。一方、台東病院では初診も受け付けますが、この間のワクチン百数十名分は医療従事者と入所の患者分だけ、その後のワクチンは入荷未定で接種の予約は受け付けられない、しかも未就学児の接種はしないとのことであります。区立の病院でありながら区民の衛生管理を担えないのは重大であります。改善すべきです。区長の答弁を求めます。  接種の補助については、区民が他区の医療機関で接種した場合、区の補助は受けられません。文京区などでは近隣区での接種も認めています。また、既往症のある人はかかりつけ医の証明を保健所に届けなければならないのも問題です。他の区では、かかりつけ医がカルテなどで確認して接種できます。速やかな接種ができるよう、これらの点については大いに改善が必要であります。区長の答弁を求めます。  次に、台東病院について質問いたします。  開設から半年たった台東病院について、現段階での課題など6つの問題で区長の見解を求めます。  第1は、台東病院を運営する地域医療振興協会みずから自覚していますが、外来患者が伸び悩んでいる問題です。  これは、開設当初の混乱や準備の立ちおくれと病院の姿勢が原因で、近隣の区民、医療機関からの信頼が損なわれていることです。整形外科に行ったが断られたという声を区民から数多く聞きますが、当初体制がとれず数回窓口で受診を断ったケースがどんどんうわさとして広がって定着したようです。時間外だからだめとつれなく断られた、冷たい姿勢にがっかりした、二度と行かないという声も聞きます。地域の医療機関からは、若干の認知があることを理由に入院を断られた、手のかかる患者を敬遠するなど、安心して紹介できないという声もあります。地域連携相談室ですが、当初は区内の医療・介護関連団体を一度訪問し、その後は定期的に会合などを開いて情報交換はしているようですが、地域連携という台東病院の一番の特徴が生かされず、逆に地域住民や区内医療機関との信頼を損ねているとしたら重大です。地域を巡回して苦情や声を聞き、姿勢を改めてこそ患者がふえるはずです。地域連携相談室を中心にした信頼回復対策に取り組むべきではありませんか、区長の見解を求めます。  第2は、老人保健施設の入所が停滞していることです。  4人部屋や個室料がかからない認知症ベッドはすぐにいっぱいになったが、個室は半分も入っていません。この原因は、1日3,000円の個室料金にあることを地域医療振興協会も認めています。特に、ショートステイではすべて個室対応になっていますが、現在七、八人、計画の4分の1程度しか利用されていません。10月の決算特別委員会で我が党の秋間区議が指摘したとおりであります。地域医療振興協会は、現在、区外からの利用者も見込んで老人保健施設のベッドを埋めたいとしています。区長、それでいいのですか。区民の税金を多額につぎ込んでつくり、運営している医療と介護の施設が、真に区民のための施設になるか、今試されているのであります。老人保健施設への入所やショートステイを切実に望む区民に対して、個室使用料を減額するとか個室の幾つかを多床室に改修するなど、緊急策をとって区民が利用しやすくすべきであります。区長の決断を求めます。  第3は、医療従事者、とりわけ看護師の確保です。  区は、台東病院のスタートのつまずきは看護師不足にあったと認めています。現在、看護師の離職率が2割を超えていると言われており、争奪戦は専ら資金力のある大病院に有利です。地域医療振興協会は区内に職員寮を設けていますが、小規模です。区内に居住する看護師には住宅補助を行う、院内保育を行うなど福利厚生面で対策を講じ、看護師を安定的に確保できるようにすべきではありませんか、区長の見解を求めます。  第4は、区立病院にふさわしく、公衆衛生での役割をしっかり位置づけることです。  台東病院は特定健診を1日5人までしか受け付けていません。これは地域の小さな診療所以下です。インフルエンザ対応をしっかりするために枠を広げなかったということですが、季節性インフルエンザワクチン接種も1日20人程度にすぎません。区立病院ですから、特定健診を初め、区が位置づけるすべての健診に一番積極的に取り組むべきです。区長の答弁を求めます。  次に、東京都に運営補助金を求める問題です。  この間、区は、かかりつけ医でぐあいが悪くなった方を受け入れるための後方支援病院としてのベッドを確保するモデル事業としての補助を求めるなどの動きをしていますが、そこだけに限定した要求にすべきではありません。東京都が事実上、再開の約束をほごにして廃止になった台東病院ですから、都の運営費補助は当然であるという構えで正面からぶつかっていくべきであります。区長の見解を求めます。  地域医療振興協会側は知名度を高めようと、酉の市では事務部長を先頭にパンフレットを数百枚ずつ声をかけて配布していました。この建物が台東病院とわかるようにと2階部分に病院名の切り文字を設置しましたが、余り目立ちません。通りがかりの車から見てもすぐに台東病院だとわかる表示物を表と裏2カ所に早急に設置すべきです。区長、いかがですか。  最後は、保育問題についてです。  新政権の事業仕分けの姿勢の危うさは、保育所の国の最低基準を緩和する姿勢に端的にあらわれています。長妻厚生労働大臣は、地方分権推進会議の提言に基づき、認可保育所の面積基準を自治体にゆだねる方針をまとめました。避難用の外階段、医務室や園庭の設置、耐火などの基準もなくそうとしています。特に保育待機児童が多い東京が照準です。この方針に対して、子どもの詰め込みを深刻化し、保育環境を悪化させると父母、保育関係者から一斉に厳しい批判が上がっています。  赤ちゃんの急死を考える会は、このほど、1962年から2008年までに保育所で起きた死亡事例240件を分析いたしました。認可外施設での事故が全体の85%と多いものの、認可保育所でも2000年までの40年間で15件だった死亡事故が、小泉政権の待機児ゼロ作戦のもとで定員以上の詰め込みや保育士の非常勤化が進められた2001年からの8年間だけで22件と急増していることを明らかにし、政府に面積基準の緩和方針の撤回を求めました。  現在の国の最低基準は昭和23年、61年前の第一次ベビーブームのころできましたが、極めて貧困な基準です。保育士の配置についてはその後改正されましたが、現在問題の面積基準は当時のままです。ゼロ歳児1人当たりの面積では、スウェーデン7.5平米、フランス5.5平米、アメリカのワシントン州4.64平米、ドイツのバイエルン州3.5平米で、日本の1.65平米は異常に狭く、基準の引き上げこそ求められています。ことし3月の厚生労働省の委託研究報告書でも、現行の最低基準以上のものとなるよう取り組みを進めることが重要であるとしています。  そこで教育長に質問いたします。  まず、面積基準が保育所設置の障害になっているという新政権の見解についてです。  長妻大臣は、東京などの都市部で待機児を解消するには、施設を設置しやすくするため緩和すると言っています。現在、台東区は保育待機児の解消に向け新たな認可保育所を建設する方針ですが、設置したい地域にふさわしい場所がないということで実現がどんどんおくれています。台東区が新たな認可保育所をつくるために必要な用地が見つからないのは、現在の面積基準が厳し過ぎるからでしょうか、教育長の見解を伺います。  台東区は、保育の質を高めるため、国や都を上回る基準を定めています。保育士の配置はすべての年齢で小数点以下を切り上げて配置する、1歳児は国の6人に1人の保育士に対し区は5人に1人です。区の面積基準はゼロ歳と1歳で1.21平米、2歳から5歳児では1.23平米、国より広げています。調理員や用務員配置でも国基準を上回っています。子どもの成長と安全を第一に考えればこれは当然のことであり、さらなる引き上げこそ行なうべきです。教育長、政府が基準を地方にゆだねるという方針を進めたとき、台東区は現在の基準は維持するとまず約束していただきたい、いかがでしょうか。答弁を求めます。  待機児童の解消は、詰め込みではなく、認可保育所の増設で実現すべきです。認可保育所の一刻も早い開設は待ったなしです。区長が認可保育所の新設を約束してもう2年近くになりますが、適当な物件がないことを理由にいまだにめどが立っておりません。それなのに、その間、区は寿保育園を廃園にしてしまいました。逆行も甚だしいではありませんか。私は区の基本的な認識をただすべきだと考えます。  次世代育成地域行動計画の後期計画では、前期計画で認可保育園への入所ではおおむね区民のニーズを満たしているとしていた認識の誤りを改めるべきです。行動計画の基礎資料となるニーズ調査では、保育需要は58.4%が67.1%へと5年間で飛躍的に高まっています。まともな雇用が破壊をされ、両親ともに働かなければ子育てできない世代が急増しております。区は、前期計画では専ら保育ニーズの多様化にばかり政策を傾斜させてきましたが、保育が必要な子どもすべてに保育所が保障されることを正面に据え、次世代育成地域行動計画に盛り込んでいただきたいと考えます。そして、早急に約束の認可保育所を開設すべきです。少なくとも開設が決まるまでは旧寿保育園の施設をそのまま活用すべきであります。  教育長の答弁を求め、私の質問を終わります。(拍手) ○議長(鈴木茂 さん) ただいまの質問に対する答弁を求めます。  区長。           (区長吉住 弘さん登壇) ◎区長(吉住弘 さん) 橋詰議員のご質問にお答えいたします。  ご質問の第1は、私の政治姿勢についてでございます。  私は常に区民生活を第一に考え、区民の目線に立った施策を展開しているところでございます。例えば、障害者自立支援法施行の際に、区独自に利用者負担の軽減措置を講じるなど、福祉分野を初めとして、社会経済情勢の変化に対応したさまざまな施策に取り組んでまいりました。新政権が打ち出す新たな政策への対応につきましては、迅速かつ確実に情報を収集し、機動性を持って区政への影響の検証や対策を検討することが重要であると考え、新政策対応本部会議を新設したところでございます。私は、この組織を有効に活用するとともに、必要に応じ実効性のある対応を果断に実施してまいりたいと考えております。今後も地方自治体の長として区民の皆様が安心して暮らすことができるよう、区政運営に全力を傾注してまいります。  ご質問の第2は、産業振興戦略についてでございます。  まず、議員ご提案の協議会についてでございます。  本区の地場産業である皮革履物産業は、大変厳しい状況にあると認識いたしております。地場産業の将来を担う若手の育成を支援するため、台東デザイナーズビレッジに引き続き、浅草ものづくり工房を開設したところでございます。両施設を中心として幅広く関係団体との連携を深め、地場産業のさらなる振興を図ってまいります。  次に、産業別の実態調査についてでございます。  本区では、本年4月と9月に区内中小企業や商店街などを対象に景況調査を実施するとともに、さまざまな機会をとらえて職員が業界のご意見を伺うことなどにより、業界の実態把握に努めております。また、工業統計調査や貿易統計などの統計データを活用し、業界の動向の把握にも努力しているところでございます。  次に、ものづくりに焦点を当てた基本ビジョンについてでございます。  本区の産業は、観光に関連する飲食業や宿泊などのサービス業、地場産業・伝統工芸などの製造業だけではなく、商店街を初めとする小売業や卸売業等さまざまな業種から成り立っております。私は、産業の振興は、時代の変化をとらえながら、これらの業種について総合的に施策を展開することが重要であると考えております。今後とも、これまでの調査・分析や現状把握を踏まえ、関係団体等と協議しながら積極的に産業振興に取り組んでまいります。  ご質問の第3は、新型インフルエンザ対策についてでございます。  まず、正確な情報の提供についてでございます。  本区では、これまで「広報たいとう」、区ホームページ、町会回覧等で区民の皆様への情報提供に努めてまいりました。しかしながら、国や都の対策が直前まで確定せず、十分な情報が提供できなかった面もございます。また、ワクチンの入荷がおくれたため、予約が殺到し混乱を来したことも事実でございます。このような状況を踏まえ、今月13日に台東保健所において、1歳から小学3年生までを対象とした医師会による集団的接種を行います。今後も、接種可能な医療機関等について個別の相談で対応するなど、可能な限り情報提供に努めてまいります。  次に、台東病院の対応についてでございます。  台東病院では、基礎疾患のある高齢者や小学生以上の対象者については、かかりつけ患者以外の方にも接種することといたしておりますが、配布されたワクチン数は接種を必要とする入院患者の数にも足りていないところでございます。ワクチンが追加配布され次第、予約を受け付けてまいります。  なお、乳幼児の接種につきましては、小児科専門医が不在の現状では、リスクを考慮し、控えているところでございます。  次に、他区で接種した場合の助成についてでございます。  区民が他区の医療機関で接種した場合、本区の接種費助成を利用できないことにつきましては、ご要望があることは認識いたしておりますが、各区がそれぞれ独自の方法で実施しているため、相互調整が困難となっております。ご理解いただきたいと存じます。  なお、妊婦の場合は、区内で接種可能な医療機関が少ないことから、例外的に一部の近隣区医療機関で利用できるようになっております。  かかりつけ医の証明書を保健所に持参いただくことにつきましては、非課税世帯の費用を全額助成する関係で、税情報を保健所で確認する必要があるためでございます。  なお、来所が困難な方は郵送などで柔軟に対応しているところでございます。  ご質問の第4は、台東病院の運営についてでございます。  まず、受診者数につきましては、当初の想定を下回っておりますが、徐々に伸びてきております。台東病院では、開院当初、診療や入院の受け入れ体制に関してご意見をいただいておりましたが、これらを受けて診療体制の改善や職員1人1人の接遇の向上に取り組んでまいりました。また、病院が主体となって研修会を実施するとともに、定期的に開催される医師会や地域包括支援センターなどとの会議に積極的に参加しております。さらに、地域の行事にも参加するなど、関係機関や地域との交流を深めております。現在、さらなる受診者数の増加に向けて、病院では地域連携相談室を中心として、地域の医療機関や介護保険事業者等との積極的な連携に取り組んでいるところでございます。また、区といたしましても、病院とともに広報活動や医療機関の充実に努めてまいります。  次に、老人保健施設の利用を高めることについてでございます。  施設が移転・増床してから8カ月が経過いたしましたが、当初は相談体制が十分でなかったこともあり、入所するまでに期日を要することもございましたが、既に運営体制が改善され、利用率も向上しつつあります。老人保健施設千束の個室料につきましては、近隣の施設と比較して低額に設定されているため、現時点では見直しをすることは考えておりませんので、ご理解いただきたいと存じます。また、個室の多床室への転換につきましても同様でございます。私は、引き続き、療養床の利用状況やリハビリテーションなどのサービス内容の情報を地域包括支援センターや介護保険事業者に広く周知して施設利用の促進を図ってまいります。  次に、看護師確保のための福利厚生面の対策についてでございますが、看護師を初めとした職員の確保は指定管理者の責任において行っております。指定管理者と協議を行う中で、区としても協力してまいります。  次に、公衆衛生の拠点の役割を果たすことについてでございますが、台東病院においては、各種健診やワクチン接種などを保健所や医療機関と連携して実施しており、今後も区民の皆様の健康保持のため取り組んでまいります。  次に、病院運営に対する補助についてでございます。  本年10月に東京都から在宅医療拠点病院モデル事業として台東病院が指定され、在宅療養する方の緊急一時入院の受け入れや、在宅医療を担うさまざまな職種の連携推進に対する事業補助を受けることになりました。運営費に対する直接の補助につきましては、これまでも東京都と協議してまいりましたが、引き続き要請してまいります。  次に、看板の設置についてでございますが、現在、敷地入り口から見やすい、建物2階のガラス窓に簡易的な看板を設置しております。今後、利用者にわかりやすい場所を選定し、設置してまいります。  その他のご質問については、教育長がお答えいたします。 ○議長(鈴木茂 さん) 教育長。           (教育長野田沢忠治さん登壇) ◎教育長(野田沢忠治 さん) 橋詰議員の保育所問題についてのご質問にお答えをさせていただきます。  まず、認可保育所の設置基準が保育所整備に与える影響についてでございます。  現在、新たな認可保育所の整備につきましては、待機児童数や保育所の配置バランスなどさまざまな条件を考慮しながら、鋭意検討を進めているところでございます。現状では、区内における適切な物件の確保が課題となっているものでございまして、ご質問の面積基準が直接影響しているものではございません。  次に、保育所の設置基準についてでございます。  議員ご指摘の認可保育所の設置基準の地方への権限移譲につきましては、報道などにより国の動向について確認をしている段階でございます。こうした国の動向を注視し、今後につきましては、保育サービスの供給と保育環境の質の確保とのバランスを踏まえ、適切に対応してまいります。  次に、認可保育所の整備についてでございます。  旧寿保育園につきましては、本年4月から対象を拡大し、ことぶきこども園に移行したものでございますので、跡地において開設の予定はございませんが、今後とも既存の区有施設の活用や用地の確保なども含めて、認可保育所の早期の開設に向けて鋭意努力してまいります。 ○議長(鈴木茂 さん) それでは、ここで15分間休憩いたします。
              午後 2時59分 休憩  ──────────────────────────────────────────            午後 3時17分 開議 ○議長(鈴木茂 さん) 休憩前に引き続き会議を開きます。  7番東久仁子さん。          (7番東 久仁子さん登壇)(拍手) ◆7番(東久仁子 さん) いぶきの会の東久仁子です。会派を代表して一般質問をさせていただきます。  最初は、4月に開設され8カ月がたちました台東病院についてです。  先ほど橋詰議員からも質問をされ、答弁もなされましたが、私からも質問をさせていただきますので、ご答弁お願いをいたします。  開設当初は本当にすべてにおいて「体制を整えながら、順次」と、ゆっくりしているなと思って見ておりましたが、体制が整い、入院の病床利用率は想定数を上回り、着実に増加してきています。力を入れた地域連携相談室の実績を見ると、10月末までの入院の相談はトータルで338件、そのうち95件が入院され、入所は254件の相談で121件が入所されました。台東病院からの入所が30件、台東病院への入院も33件と連携の実績が出ていることは大変うれしく思います。在宅で療養や生活ができない人、その家族にとって引き受け先の確保は、不安、困難、労力を伴います。特に、持病や医療行為が必要な人たちは、安定しているとの理由で入院の適用にはならず、施設では逆にそれがネックとなって受け入れてもらえない。特別養護老人ホームに入所希望して待機となっている人は、最終的に特別養護老人ホームに入れるまで受け入れてくれる施設を探し続け転々としているのが現状なのです。病院と老人保健施設、区が協働している地域連携相談室だからこそ、その人の状況に応じて療養病床への入院、老人保健施設の入所で状態の維持や向上を図りながら療養生活を支えることができると思います。困った、大変という家族やご本人のセーフティネットとして、在宅困難者の方々とその家族を助けて支えていただきたいと思います。  区長にお伺いいたします。  在宅が困難な方が相談に来たら、とりあえずも含めた入院や入所で対応し、その人にとっての落ち着き先を話し合い、ご本人・ご家族が納得される先に引き継いでいただきたいのですが、そのような取り組みができる体制が整いましたか。また、逆に老人保健施設で問題となっている3カ月の入所期間での退所はこの千束では行わず、6カ月まで延長して適切に対処していくと言われてきました。現在、その6カ月を迎える人たちが出てきていると思いますが、ご本人・ご家族が納得される落ち着き先へ、在宅やほかの施設などへの準備、引き継ぎができていますか、お答えください。  11月13日に「台東区の在宅医療を考える会」があり、いろいろな分野の方からの取り組みや現状の報告がなされました。会場は立ち見の方がいるほど大盛況でした。この盛況ぶりは、台東病院の建設に伴った多くの話し合い、台東病院が在宅医療の後方支援病院の役割を担うこと、地域連携相談室が連携の協力のお願いなどを頑張っていることのあかしであると感じ、大変期待が持てました。在宅で介護や看護を行っていくためには、その環境を整えることが必要不可欠となります。ベッドや福祉用具を準備したり、手すりをつけたり、洋式のトイレに変更するなどの改築です。しかし、台東区の住宅事情を考えると、狭い住居が多く、入浴サービスを受けたくてもそのスペースをとることすら難しいケースも少なくありません。また、居住スペースやトイレ、おふろなどで階段を利用しなくてはならず、歩くことが大変になると車いすでの生活をすることができないために、在宅生活が困難となってしまって家に引きこもってしまう生活になってしまいます。また、世話をする家族は、一緒に住むことができず別居していたり、自営業を含めて働いているなど、台東区の実情に合った在宅を支えるあり方でなければならず、台東区での連携体制が求められています。  平成19年8月から休院していた柳橋病院が、12月7日より新規オープンとなります。浅草寺病院、浅草病院、上野病院などの入院病床を有する小規模の病院は、療養病床に変更したり、医師不足や採算に取り組んでいますが、厳しい状況に置かれていて、他区でよく見られるように廃院に陥ってしまう懸念もあります。下谷病院の撤退と永寿病院の建てかえのときに守った台東区の病床を確保していくために、またそれぞれの病院が頑張ってもらうためにも連携をとって支え合っていくことが必要だと思います。高齢者の慢性期医療と在宅医療の後方支援病院としての台東病院、中核病院としての永寿病院がある台東区であるからこそできる連携の形があると思います。連携を築いていくために、一堂に集まる機会を設けてくれていますが、話し合いでお互いを理解するのみではなく、目指す台東区独自の連携の形をビジョンとして明確にし、皆の共通認識として情報共有と連携を行っていくことが必要だと思います。また、連携のツールとしての地域連携パスの実践は目標にとどまってしまっています。  そこでお伺いします。  台東区としての連携を築き、強化していくためにどのような組織で取り組みを行っていきますか。そして、どのような形でビジョンや地域連携パスを策定していくのでしょうか、お聞かせください。  台東病院の外来患者の9割は台東区民でした。しかし、外来患者数は想定数を下回っており、広報活動と連携強化がまだまだ必要であります。しかし、とても気になるのは、病院も老人保健施設も個室利用が少なく、あいている現状です。老人保健施設の入所は現在では院内の審査も1週間ほどで行われ、空床や個室利用でベッドコントロールができているので2週間くらいの待ち時間で対応できているとのことですが、個室の希望や利用が少ないことは、利用率を上げるためには大きな課題であると思います。個室利用料は収入として必要であることもあり、ほかの施設の現状を参考に決定されましたが、利用者である区民の反応と実情で、負担感と抵抗感が明らかになりました。先ほどの答弁で個室利用料の変更は考えていないとのことでしたが、上野中央通り地下駐車場は利用の現状から利用しやすくなるように料金体系を変更されました。  そこで区長にお伺いいたします。  台東病院、老人保健施設千束の個室料金も、区民には状況によっては減免して、利用しやすくすることは本当にお考えいただけないのでしょうか。そうであるならば、区民が利用しやすい病院、施設となるために取り組まなければならない課題は何だとお考えですか、お答えください。  次に、中核病院としての永寿病院について質問をいたします。  台東区は永寿病院の建てかえの際に、下谷病院の撤退に伴う台東区の病床と、産科・小児科の確保、台東区の中核病院としての役割をお願いして、病院施設の建設費に対する補助として21億7,900万円、医療設備整備費に対する補助として4億円、合わせて25億7,900万円という大きな金額の財政負担をし、産科・小児科の医師不足が問題になると、継続とさらなる拡充のために20年度から年間1億円を拠出しています。その経緯と整備の理念に基づき、地域完結型の医療供給体制の医療連携の中心となる病院として、地域、区民から信頼される病院としてもっと積極的にその存在と役割を果たしてほしいと思います。区の支援にふさわしい便益の還元を確実に、十分に遂行してもらうことは当然だと思います。  保健福祉委員会での永寿病院の報告は、「産科・小児科の医師を確保し、分娩数は増加、小児科の外来・入院患者数ともに増加しています」と、依頼している役割は遂行できているような報告です。けれども、病床利用率は、採算的に90%を切ると赤字になると言われているのに、平成20年4月に療養病床92床のうち46床を一般病床に転換したにもかかわらず、その20年度の利用率は一般病床で86.7%、療養病床に至っては68.7%と大幅に下回っています。私が面会に行ってもあいているベッドが多く、医師や看護師が不足しているので閉鎖しているのかと思うくらいです。  また、利用した方々からの対応にかかわる苦情や提言を聞いているのは私だけではないと思います。この状況を改善し、中核病院としての役割を果たしてもらうためには、地域、区民から信頼される病院としての医療と看護のレベルの向上と確保、検査機器と診断の協力、紹介の受け入れなどの体制を確立して、地域の診療所、病院に医療機能のPRと周知を行って紹介をいただくこと、すなわちドクターや患者さん、区民の方々に選ばれる病院でなくてはなりません。台東区中核病院運営協議会が評価・検証を行い報告されていますが、そこにおいても「中核病院として地域の診療所との連携を一層強化されたい。退院や転院に際してどのような病院、施設に移動したかという情報を収集されたい」と改善方針で報告をしています。区は、区民への説明責任と区民に必要な医療の提供をする責任において、永寿病院に中核病院としての役割を十分に果たしてもらうように求めていくべきであり、提言にとどまらない積極的な働きかけが求められていると思います。  さらに、区としても中核病院としての活用が不十分であるように思います。インフルエンザの流行の中、永寿病院からは台東区準夜間・休日こどもクリニックの患者数のみの報告です。入院例がなかったか、待ち時間の対応などの不満がないかなど、区内の状況として把握するのは当然だと思います。区として行う施策に協力をしてもらうのみならず、健診の結果などを共有化したり、またデータベース化するなど、データの活用もあると思います。  そこでお伺いします。  中核病院としての永寿病院に対して、区としては積極的な姿勢で役割と責任を果たしてもらうように求めていただきたいと思いますが、どのように働きかけていきますか。  区として、中核病院として永寿病院を今後改めてどのように活用していこうと考えていますか、お聞かせください。  医療・福祉・区の連携は待ったなしの課題であり、相手方のあることですが、区としての責任と役割を果たしていただく明快な答弁をお願いして、質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(鈴木茂 さん) ただいまの質問に対する答弁を求めます。  区長。           (区長吉住 弘さん登壇) ◎区長(吉住弘 さん) 東議員のご質問にお答えいたします。  ご質問の第1は、台東病院の課題の解決についてでございます。  まず、医療連携と在宅生活が困難な方への対応についてでございます。  老人保健施設千束は、病院を併設しているという特長を生かし、保健・医療・福祉の強い連携のもとで運営しているところでございます。まず、地域連携相談室では、緊急的に入院や入所が必要となる方の相談、他の医療機関への転院、福祉施設への入所等の相談を受け、利用者の事情に応じた調整や引き継ぎにつきまして、ご家族とともに問題解決に当たっております。次に、老人保健施設では、在宅復帰を目指したリハビリテーションの提供のみならず、入所中からサービス担当者会議を開くなど、ケアマネジャーや介護保険事業者等との連携を密にして、速やかに施設サービスから在宅サービスに移行できるよう調整いたしております。一方、早期に在宅復帰が見込めない利用者に対しては、その身体状況や次の施設入所までの事情を考慮して入所期間を延長するなど、柔軟な対応をいたしております。私は、今後も引き続き区民の皆様が住みなれた地域で安心して暮らせるように、継続的かつきめ細やかな支援をしてまいります。  次に、台東区としての医療連携及び体制の確保についてでございます。  区では、健康たいとう21推進計画において、連携のビジョンとして「地域完結型医療の充実」を掲げ、その実現に向けて医師会、歯科医師会、薬剤師会の代表などを委員とした「台東区医療連携推進会議」を開催いたしております。その中で、区民の皆様が必要なときに身近な地域で適切な医療が受けられるよう、かかりつけ医、中核病院を初めとした病院、保健所、介護サービス事業者などのさまざまな保健医療機関が連携することにより、地域の中で一貫したサービスを提供するシステムの構築に取り組んでまいりました。この会議には4月より台東病院の医師も委員として参加し、積極的に連携に努めております。さらに、本年10月に東京都から「在宅医療拠点病院モデル事業」として台東病院が指定され、在宅医療連携の推進を図り、地域完結型医療の充実に向けた取り組みを実施してまいります。また、地域連携パスは連携の手段として効果的であると認識いたしており、このモデル事業を実施する中で、作成に向けた土台づくりに取り組んでまいります。  次に、区民の皆様が利用しやすい病院・施設についてでございます。  個室料につきましては、近隣の施設と比較して低額に設定されており、現時点では見直しを考えておりませんので、ご理解いただきたいと存じます。現在、空床状況について地区医師会を通じ地域医療機関へ周知するなど、利用率の向上を図っているところでございます。今後さらに利用しやすい施設とするためには、患者等の目線に立ったサービスの提供が第一であると考え、ご意見箱の設置により積極的に意見を伺うとともに、講演会や研修会を企画、開催し、利用者・地域・関係機関との交流に取り組んでまいります。また、病院がその役割や機能を適切に果たしているかどうかを区民の皆様の立場に立って評価・検証する運営協議会において、運営の透明性や区民の皆様に対する説明責任を確保してまいります。  ご質問の第2は、中核病院の役割と責任についてでございます。  区では、学識経験者、医師会や区民の代表などを委員とした「台東区中核病院運営協議会」を設置し、永寿総合病院の運営に対して評価・検証を行い、その結果を同病院へ提言しております。産科・小児科、急性期医療等につきましては、区内の中核病院としての役割を果たしているところでございますが、今後ともより一層の充実、医療連携のさらなる強化等を強く求めてまいります。  次に、中核病院としてのさらなる活用についてでございますが、今回の新型インフルエンザの封じ込め期におきましては、外来患者の受け入れについて中心的な役割を担いました。また、永寿総合病院が中心となって合同症例検討会や合同研修会を開催し、地域の医療機関と情報共有を図り、区全体の医療の質の向上に向けた取り組みが実施されております。健診データの活用等につきましては、区民全体のデータ分析の中で必要な情報の提供を求めてまいります。今後とも永寿総合病院には地域に必要とされる医療機関や時代の変化に対応した医療機能の充実に向けて、中核病院としての役割を果たすよう、働きかけてまいります。 ○議長(鈴木茂 さん) 続きまして、1番石川義弘さん。           (1番石川義弘さん登壇)(拍手) ◆1番(石川義弘 さん) 台東区議会自民党の石川義弘でございます。会派を代表して、平成21年第4回定例会に一般質問させていただきます。  第1は、区役所本庁舎についてです。  現在の本庁舎は昭和48年に竣工いたしましたが、その庁舎もことしではや36年を迎え、電気、給排水等のさまざまな基幹設備の老朽化が進んでおり、現在、改修・改築についての検討が進められていると聞いております。第3回定例会企画総務委員会において、改修4案、改築で主に4案の報告がなされましたが、その後、進捗状況はどのようになっているのでしょうか。  本庁舎は、言うまでもなく地方自治推進の中心的存在であります。設備機器の故障などにより、一日たりとも区民サービスが停滞することは許されるものではありません。特に、災害時などは区民の生活・生命を守る最前線になるため、安心した区民生活のよりどころとなる庁舎機能の維持に向けた整備が急務であると考えます。一方、本庁舎以外にも直接区民が利用するさまざまな施設があります。それらの施設も続々と改修・改築の時期を迎えることが予想されます。しかしながら、本区の財政状況は、区長の所信表明でも触れられたとおり、昨年来の経済危機の影響により、今まで以上に厳しい状況を迎えております。こうした状況にあってもさまざまな課題に適切に対応し、安心して生活できる地域社会を構築していくことが重要であります。そのためには、これまで以上に事業内容、事業手法等を見きわめることが大切であると考えます。本庁舎の整備についても、より一層そうした観点が必要であり、主眼である老朽化対策には真に今何が必要か、工事期間中の区民の利便性への影響は何が少ないかなど、スピード感を持って進められるべきであると考えます。同時に、単に老朽化対策のみにとどまらず、将来のこの街区のあるべき姿、発展性をも視野に入れ、グランドデザインを描き、進めていくことが重要であります。区を取り巻く社会経済状況などさまざまな観点から検討し、早急に対応すべきものと考えますが、区長のお考えをお聞かせください。  次に、大規模地震災害についてです。  最近は国内で大規模地震災害の発生は見られません。しかし、平成19年3月には能登半島地震、同年7月に山古志村で有名になった新潟県中越沖地震が発生し、翌20年6月には岩手・宮城内陸地震が発生しています。また、国外に目を転じれば、本年8月、9月、10月とインドネシア周辺で震度8以上の地震が続き、アメリカ領サモアでは大津波を伴う大地震が発生しました。災害はいつやってくるかわからないと言いますが、災害に強い台東区の実現を図るため、平成20年11月に台東区地域防災計画の修正をし、本年3月に台東区内事業所防災意識アンケート調査結果、台東区耐震改修促進計画を策定しています。現実に大地震が発生すると、本格的救助開始やライフラインの回復に約3日間かかると言われています。3日72時間の間はそれぞれ独自の初期消火、負傷者の救出・救助、飲料水・食料の確保、帰宅困難者対策など、区の特徴に合った対策が必要であると考えます。本会派でも、実川利隆委員が平成21年3月の予算特別委員会で帰宅困難者について質問を行っています。今回は、医療関係の危機管理を問題として、2点について質問させていただきます。  まず、地元医療関係団体との関係をお伺いします。  台東区は災害時の医療救護活動について各関係団体と協定書を締結し、さきに述べたように、3日72時間の間は負傷者の救出・救助を行わなければなりません。医師会では、区内に数カ所の救護所を設置し、最小限の機材の中で最大限の結果が得られるように計画中ですが、点滴を行うための機材が余りに少ないなどの問題点があります。また、歯科医師会では、柳橋病院に設置されていた病院内歯科が閉院され、台東区内には緊急時に診療のできる歯科医院は確保されていません。備蓄ではデジタルレントゲン機械のみで、歯を抜くための診療器材一つないと聞かされています。薬剤では、備蓄医薬品は慢性期を中心として用意され、急性期用の医薬品など、鎮痛剤、抗生剤とも1,000錠程度で緊急時には対処できそうもないなどの問題があります。医療関係の機材及び薬品の横断的利用などを考慮し、最小限の備蓄の中、最大限の効果を上げられるよう、災害における医療救護体制の見直しを早期に進める必要があると考えます。現在の進捗状況をお示しください。  次の質問に移らせていただきます。  平成20年度決算特別委員会総括質問で、台東病院周辺の地震に関する地域危険度調査報告書の危険度について質問させていただきました。区長より「住宅の耐震制度助成を初め、住まいの共同化と安心建てかえ制度の活用の促進を図り、周辺地域の防火性向上に努める」という答弁をいただいております。台東病院を災害時に活用するためにも火災から守ることは必要なことと考えますが、倒壊危険度の高いこの場所で負傷者を運び込むための連絡路の確保も非常に大事なことだと考えます。地震発生時に閉塞を防ぐべき道路、台東区実施路線が台東病院付近には見当たらないように思います。早急に対応をしていただければと考えますが、区長のお考えをお聞かせください。  危機管理問題は、いつやってくるかわからない災害に対処するためです。災害が発生してからでは間に合いません。ぜひスピード感を持って問題の解決に当たっていただけるようにお願いして、次に進めさせていただきます。  次に、観光についてお伺いします。  国・都は観光を一つの産業に育てるため、国外からの観光客の流入にさまざまな取り組みを行ってきています。そして、区長は所信表明で、新観光ビジョンを策定し、文化、産業などのさまざまな視点から本区の魅力を発信、本区を訪れる多くの人々が再び訪れたいと思う魅力ある台東区を実現していく、と述べられました。新観光ビジョン策定に当たり大事な関連施策についてお伺いします。  まず第1には、国立西洋美術館世界遺産登録についてです。  区も議会も民間もそれぞれ、平成20年3月に世界遺産登録推進会議、平成20年6月に世界遺産登録上野地区推進委員会、平成20年9月に世界遺産登録推進議員連盟を立ち上げ、官民挙げて応援体制を築き、本年4月には区長、議長とともに会長がフランスを訪れ、6月には副区長、会長が25時間をかけスペインのセビリアの第33回ユネスコ世界遺産委員会に出向き、世界遺産委員会終了後も11月には区長、議長がオーストラリアに出向き、近代建築として世界遺産登録されているシドニーオペラハウスの視察をするなど積極的な活動が行われていると感じています。  イコモスの現地調査の報告書の提出のもと、第33回世界遺産登録委員会で審議が行われた結果は、記載、情報照会、記載延期、不記載の4段階の中、上から2番目の情報照会となりました。世界遺産としての価値は認められましたが、登録するためにまだ追加資料の提出が必要であるという決定であり、2010年以降の世界遺産委員会で世界遺産登録を目指すことになりました。世界文化遺産の内容は、世界遺産条約第1条で次のように定義されています。「歴史上・芸術上あるいは学術上、顕著な普遍的価値を有するものである」となっています。情報照会とする決議では、22資産全体に対して、顕著な普遍的価値の正当性の証明、緩衝地帯の改善、地方自治体や地域コミュニティの関与の3点が求められています。  今、国立西洋美術館の世界遺産登録の実現に向けて懸案となっていることは、1つは国立西洋美術館での改修された部分への対応、2つ目はJR上野駅公園口付近の環境と景観整備、そして3つ目は地域コミュニティによる市民レベルでの応援体制が求められていることであります。その中で、国立西洋美術館の改修工事と友の会の発足を含む民間の盛り上がりについては進み始めていると聞いております。JR上野駅公園口付近の環境と景観の整備の取り組みについては、大変時間がかかり難しい課題であると存じますが、国や都とともに進めていただきたいと考えております。台東区内の施設を世界遺産にするため、問題点の解決に向けた区長の強い決意をお示しください。  次に、観光事業の振興についてお伺いいたします。  台東区内には浅草観光連盟、上野観光連盟、下谷観光連盟、浅草みなみ観光連盟の4団体が存在します。近年、どの地域でも国が観光立国を表明したことで、観光事業を振興していくため観光連盟、観光協会などを立ち上げ、それぞれの地域の特色を広報して地域の活性化に努力しています。もちろん任意団体ですので区の関与については難しいと思われますが、台東区内では4つの観光連盟が互いに切磋琢磨することで、それぞれ独自に活性化されていることは大変よいことと思います。  その反面、観光連盟がない場所でも多くの観光資源は多数点在し、観光関連補助も受けることができず、広報活動もままならないというのが現状です。台東区のお祭りなどは、春には5月の第2週から始まり、6月の第3週まで6週も続けて行われます。しかし、よく知られているのは三社祭と鳥越神社のお祭りで、それ以外はほとんど宣伝もされていません。通常、観光連盟などは市区町村単位で構成されています。それは、区域内の観光・商業イベントを把握して総合的に広報していく必要があるからだと考えます。区内の観光連盟のない地域に関して、どのように観光事業の振興を支援していくつもりか、方向をお示しください。  次に、水辺の整備についてお伺いいたします。  墨田区業平にできるスカイツリーも11月23日現在、215メートルまで建築され、吾妻橋、駒形橋間のたもとからよく見え、タワーに向かって観光客が写真を撮っている姿が多数見られるようになってきました。吾妻橋たもとの船宿と東京都の合意形成もなされ、平成22年3月には船は移動され、建物は撤去されるとの見通しが立ってきています。当然、堤防の補強を含むテラス化工事は進み、もちろんテラス完成時には船の数を減らし現地に戻りますが、眺望のよいきれいなテラス整備がなされるものと期待しています。しかし、テラス整備がなされただけでは、後背地の建物が川を向くわけではありません。吾妻橋と駒形橋間の堤防の裏側にある管理用道路をかさ上げし、遊歩道化するべきです。そうなれば、水辺に向けた連続したタワービューがつくられ、川に顔を向けた建物の建築を促進することは間違いありません。水辺に店が並ぶ風景はよいものです。浅草に来た観光客の回遊性を高めるためにも、滞在時間を延ばすためにもぜひ進めていただきたいと考えています。  しかし、管理用道路の遊歩道化については幾つかの問題点も指摘されています。管理が東京都である点、吾妻橋、駒形橋間には都営浅草線が川底を走り、構造上重たいものを載せられない点、隣接住宅の安全性などでありますが、まず構造上できなければ意味がありません。東京都は、荷重をかけない軽い構造を工夫すれば可能ではないかと言っていますが、管理用道路の遊歩道化について、現在の状況と台東区の方向性についてお伺いいたします。  ぜひ区長の力強い答弁をお願いして、会派での本年の最後の質問とさせていただきます。  ご清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(鈴木茂 さん) ただいまの質問に対する答弁を求めます。  区長。           (区長吉住 弘さん登壇) ◎区長(吉住弘 さん) 石川議員のご質問にお答えいたします。  ご質問の第1は、区役所本庁舎についてでございます。  私も議員ご指摘のとおり、本庁舎は区民サービスの拠点であり、また災害時には防災拠点になるなど、区政運営のかなめであると考えております。昨年度実施した老朽度調査によりますと、設備全般にわたり劣化が進行しており、早期に大規模改修等の対策が必要とのことでございました。そのため、今年度は専門的見地から改修・改築のさまざまな方法について比較検討を実施いたしました。私は、老朽化への対応は、安心して使用できる庁舎とすること、また工事に伴う区民サービスへの影響を少なくすること、さらに可能な限り財政負担を抑えた方法で対策を実施することが重要であると考えております。現在、比較結果を踏まえ、さまざまな観点から鋭意検討しているところでございますので、今定例会中には老朽化対策の方向性をお示ししてまいります。  ご質問の第2は、大規模災害についてでございます。  まず、医療団体との連携についてでございます。  区では、いつ起きるかわからない災害に迅速に対応するため、心肺蘇生や熱傷等に対応可能な緊急医薬品などの医療資材を備蓄しております。また、近年発生した地震災害などの教訓を取り入れた医療救護体制を構築するため、区内の医療関係者と医療連携推進会議の災害時連携体制整備部会において、課題の整理や対応策を検討しております。さらに、区の総合防災訓練において、同部会で検討した方法で被災者の治療優先順位を決める振り分けを行い、その訓練結果を関係者で検証するなどしております。今後は、議員ご指摘のとおり、医療関係者の横断的な連携という視点も含めて課題の整理をより一層進め、早急に災害時の医療体制についてさらなる強化を進めてまいります。  次に、災害時の台東病院への連絡路の確保についてでございます。  これまで区では災害時における応急対策活動確保のため、避難所・備蓄倉庫に接続する道路を緊急道路障害物除去路線の台東区実施路線に指定してまいりました。現在、医療連携推進会議の災害時連携体制整備部会において災害時の医療救護体制の課題を整理しておりますので、その結果を踏まえ、路線の指定について検討してまいります。  ご質問の第3は、観光についてでございます。  まず、国立西洋美術館の世界遺産登録についてでございます。  さきの世界遺産委員会における情報照会の決議を受け、10月下旬にはフランスにおいて関係6カ国による会議が開催されました。現在、フランス政府が中心となり、関係国が連携・調整を図りながら、追加資料に関する具体的な対応策などについて検討を始めております。JR上野駅公園口付近の環境や景観整備への対応は、かねてより解決すべき重要な課題であると認識いたしております。私は、今後とも国・東京都・JRとの連携を図りながら、1つ1つの課題を着実に解決し、世界遺産登録の実現に最大限の努力を傾注してまいります。  次に、観光事業の振興についてでございます。  私は、区内各地域が持つ個性的な特色や魅力を生かして、きめの細かい情報を観光客に提供することがさらなる誘客につながるものと認識いたしております。区では、これまで区内全域を視野に入れ、観光スポットやイベントについてホームページを初め、総合観光ガイドブックや観光マップ、テレビ・ラジオなどでPRをしてまいりました。また、現在策定中の新観光ビジョンにおきましても、新たな観光資源データベースの構築やホームページの充実、新たな観光コースの開発などを検討いたしております。今後も広く地域の皆様のご意見を伺いながら、さらなる誘客の促進に向けて、一層の観光資源の掘り起こしと発信に努め、総合的な観光振興を進めてまいります。  次に、水辺の整備についてでございます。  浅草地域まちづくり総合ビジョンでは水辺の活性化を大きな柱としており、隅田川沿岸のにぎわいを高めるため、水辺空間の整備に積極的に取り組んでいるところでございます。ご指摘の河川管理用通路は東京都が管理をしており、堤防の上部からは約2メートルほど低く、隅田川を見ることはできません。吾妻橋、駒形橋間の管理用通路をかさ上げして遊歩道化してはとのご提案につきましては、吾妻橋下流の親水テラス整備とあわせ、東京都が総合的に検討しております。管理用通路は、河川の維持管理や水防活動のために堤防に設けられる河川管理施設でございます。この場所では人の通行を想定しておりませんので、遊歩道に面することとなる住宅への影響などが考えられます。また、堤防への負担となる構造物は載せられないとのことです。ご提案の趣旨につきましては、引き続き、親水テラスの整備状況を見ながら、東京都に確認をしてまいりたいと存じます。 ○議長(鈴木茂 さん) 30番伊藤萬太郎さん。           (30番伊藤萬太郎さん登壇)(拍手) ◆30番(伊藤萬太郎 さん) 台東区議会区民クラブの伊藤萬太郎でございます。区民クラブを代表して一般質問をさせていただきたいと存じます。  「無限の風光剣峰にあり」という言葉がございます。新中国建国の父、毛沢東の名言であります。絶景と言われるような美しい景色は、だれも登ることができないような険しい峰にこそ存在する、本当に苦労し努力してこそ真実に出会うことができるという意味もあるのだろうかと私は思います。果たして自分は一体こんな最大限の努力をしたことがあったのだろうかと悩んでしまいます。過去に3,000メートル級の登山は経験したことがあり、苦労して登頂したときの達成感に深く感動した覚えがあります。でも、この毛沢東の言葉はまさに究極の苦労や努力を指しているものと考えます。達観の境地というものは、だれもが登ったことのない剣峰に登り切ることと同一のものなのでしょう。そして、その無限の風光こそがこの上もない幸せ、すなわち至福であるのかもしれません。「私を滅しての幸せ」は真の幸せでしょうか。法華経の大乗精神では、私の真髄である宮沢賢治の「雨ニモ負ケズ」の詩の精神が人間の最も美しい心境を諦観していると何かで読んだ気がいたします。瀬戸内寂聴僧正の法話の中では、幸せとはまず自分が幸せになることも大事だ、その上で他人に幸せを与えることができると言っていました。  さて、人間の生きる目的は何でしょうか。幸せを求めて生きているとするならば、何をなしてそれが幸せなのでしょうか。そして、どんな状態が幸せなのでしょうか。やはり、そしてそこに到達するのは、ただ、私たち凡人が当たり前のこととして思い願うのは、万民が心安らかで不満のない相応の幸せを得ることだという考えに至ります。不信を持ったり、悪いことをして人に迷惑をかけないこと、人と人とが信頼し合ってお互いに安心で安全な地域社会を実現することであります。そして、政治家は選良としてその役割を与えられている責任感と使命感をしっかりと持たなくてはなりません。まずは悪を排除し、正しく平等な社会をつくることであります。私は議員になる前、議員とは別の世界に住む特殊な人たちだと思っておりました。議員になって久しい今も、時として選良たる自分を忘却するときも多い昨今であります。今も、国民、区民の皆さんのまなざしがまぶしいときがあり、はっと我に返ります。政治家として凡人もまた真なり。しかし、人の先に立つことは、毛沢東の「無限の風光剣峰にあり」の言葉どおり、それだけの極限を求める崇高な精神の上に立脚していなければならない、そして「雨ニモ負ケズ」の詩のように常に自分を律し、人々の真実の幸せを模索していかなければならないと考えます。  私も区長とは、私が鳩山邦夫事務所在勤の時代より30年に及ぶ政治人生を一緒に歩んでまいりました。ここで改めて、なおも長い政治人生をたくましく通り抜けてまいりました区長の政治家として、人間としての人生観、幸福感、政治姿勢、政治信条をお聞かせいただければ幸せであります。  次に、平成22年度予算編成についてであります。  国は民主党政権にかわって2カ月半余り、きょうで77日目になりました。官僚政治から脱却を目指し、およそ半世紀を経て政権交代を実現した今だからこそでき得る行政の大掃除を断行しているところであります。明治以来の無血革命ともいうべき大改革ですから、各方面から多くの戸惑いや批判のあることは当然のあらわれであります。スタートして2カ月半で実績を求めるのが無理難題というものでありましょう。それはそれ、国民も織り込み済みとして、まずまずの評価、容認の姿勢を見せています。各マスコミの報道では、平均してほぼ65%の高支持率を確保しております。官僚に頼らず、各大臣は自分の言葉で真っすぐに向いて答弁をしております。さらに、副大臣と政務官が積極的に国民に向けて発信していることは過去にはありませんでした。まさに政治主導の本物の民主政治の始まりであります。食い違いと指摘される閣僚たちの発言は、国民のため、国の利益のための真剣な証左です。今までの内閣と違う、その時点における大臣という立場として逃げのない責任ある明確な考え方の表明であります。まさに、かかる事態の進行過程の説明責任の行使であると認識しております。鳩山総理はトップダウンではない調整型の政治手法で、噴出するあらゆる反応を勘案しながら最後により的確な判断を下すものと確信いたしております。  来年度の予算要求の無駄を洗い直す行政刷新会議の事業仕分けワーキンググループも27日に第一弾、第二弾の9日間の全日程を終了して、これからは財務省と各省庁との折衝の段階に入ってまいります。これから予算編成作業が本格化し、行政刷新会議の方針を踏襲しながら、今までと違った大臣、副大臣、政務官による政務三役を中心に新しい予算編成の作業が示されることでしょう。例えば、今まで省庁と事業主体の中間にあった独立行政法人や公益法人のような天下り法人を入れないで、その人件費などを排除する「中抜き」というものや、複数省庁間で重複している類似事業にも仕分け判定を適用させる「横串し」など、仕分け作業の対象事業以外の予算に対しても容赦なくメスを入れて、隠れている無駄を追求する構えであります。そして、予算の年内編成に向けて、またマニフェストに掲げた経済対策、雇用、介護、環境など新しい国民の真の必要な政策のための財源確保を目標に期限ぎりぎりまで作業を継続してまいります。そして、今後は新政府においての小さな政府を目指し、地方主権国家を標榜して、国からの事業や財源の大幅な移管がなされてまいります。一層、自治体の仕事の量が拡大され、地方自治の拡充強化を余儀なくされてまいります。  さて、そんな中、基礎自治体台東区としての平成22年度予算編成の作業工程も、9月第3回定例会の決算特別委員会の意見も十分に反映をしながら、12月の最終査定に向けて各部課との駆け引きが続いているものと思います。新内閣の事業仕分けも進行中であり、さまざまな施策の創設や改廃を予測される中、国政に関する情報収集や分析を行う台東区行政の新政策対応本部会議を新設すると区長から表明がありました。既にお答えがありましたが、決算特別委員会における私たちと同じ懸念が具体的にあらわれて対策を講じたところであります。まずはこの新政策対応本部会議の作業内容とメンバー、位置づけ等についてお尋ねいたします。  さらに、長く続いた今までのシステムと違って新しい国の予算編成が大幅に変化してくるものと思います。まず、台東区の来年度予算編成について、現時点で予算規模の縮小など、大まかな変更点が予測されているものと思います。その概要をわかる範囲でお尋ねいたします。  次に、また国に戻りますけれども、事業仕分けの考え方についてお尋ねいたします。  そもそも事業仕分けというのは、構想日本という非営利団体が提案し、2002年から実施している行政の無駄を徹底チェックする仕組みのことであります。まず、自治体における事業仕分けの例は、実施する自治体職員と事業仕分けチーム、すなわちほかの自治体の職員、民間、地方議員などで構成したメンバーが国や自治体の行政サービスについて、予算事業1つ1つについて議論をしていくことです。
     ここに新政府の行政刷新会議が行いました事業仕分けの考え方の資料をお示しいたします。まず、1つ目は必要性です。そもそもその事業が必要であるかどうか。不必要だとすると廃止の結論を出します。必要だとすると、2つ目は担い手です。その事業を官か民が行うか、国か地方が行うべきかを決めます。国で担うと判断したら、3つ目は緊急性です。来年度行う必要性があるか。なければ予算は見送りです。4つ目は内容、手法です。改革の余地が認められれば改革を指示。認められれば予算規模。予算はこんなに必要か。必要でなければ予算縮減。最後に残る事業に予算を認めるということになります。施策事業シートによる担当官に説明を求め徹底議論し、結論を出す方法であります。仕分け人は現場の声を聞く。仕分けの各界のプロフェッショナルが、1時間で仕分けをするということなく、数十時間かけて事前調査をして審査に臨みます。そしてこの議論はすべて公開であります。  既に事業仕分け第一弾は岐阜県で2002年2月から実施され、国と地方の税制を考える会の宮城、新潟、岐阜、和歌山、高知、福岡など10県の知事が参画、加えて太田、草加、横浜、新潟、多治見、静岡など10の市長、町長が事業仕分けプロジェクトとして参画、スタートをいたしました。自治体事業仕分け予算編成に反映させた結果、何と約1割の予算を削減できた具体例もありました。この実績を背景に、2009年には京都府、静岡県、大阪市、熊谷市、富士見市、藤沢市、小田原市、和光市、高松市、奈良市、新発田市、草津市など急速に拡大され、今や50を超す自治体で実施され、さらに次々と検討されている状況です。実際のところ、この事業仕分けは国を一番対象にすべきということで、2008年8月、自民党政調会の河野太郎、無駄遣い撲滅プロジェクトチームが初めて文部科学省などの事業仕分けを行い、有名なアニメの殿堂などの廃止の方針を示しましたが、あっさりと補正予算に盛り込まれたそんな経緯があります。そして、新政権はこの事業仕分けをマニフェストに掲げ、全面的かつ本格的に取りかかったところであります。  さて、台東区においては、内山区政の時代より行財政改革が進んでいて、役所体質そのものが常に進取改革の姿勢を保ちつつ、ほかの自治体と比較して安定した財政運営が行われてまいりました。しかし、この厳しい未曾有の経済環境は生易しいものではないと思います。そして、台東区の財政運営においても万全な構えで対処しなくてはなりません。台東区評価制度においても施策評価に多少の民間が参入しているとはいえ、事務事業もすべてが庁内でのチェックにすぎません。幾ら厳しい評価とはいえ、9割以上が拡大、維持、改善とされております。無駄は決してないと言い切れれば結構でありますが、すべてにわたり減収、補助金削減などの歳入減が進行する中、新税の当てもない。これから政治経済の状況の変化に対応して基金の取り崩しも予測されます。そして、先般の決算特別委員会の今後の財政刷新対策に対しては、新たな行政経営推進プランの中で検討していくとの答えでありました。区長は、この事業仕分けについてどのようにお考えでしょうか。台東区の財政運営の新たな手法の中に、この画期的な事業仕分けへの導入の検討がなされているのかお尋ねいたします。  私たちは、常に区民に区政の課題や新しい情報の提供や公開を行う義務があります。そして、間違った情報があればその誤解を公の場で修正していかなければなりません。そんな喫緊の課題とともに、区民が今知りたい関心事を2点質問いたします。  まず1点目は、上野動物園のパンダの借り受けの問題についてです。  既に9月定例会や決算特別委員会などで取り上げられて答弁がありましたが、以降2カ月が経過しており、刻一刻とその事態が変化していて、その情報も錯綜して実態が不明なところがございます。23区議長会に台東区議会の要請により、本年8月25日、希少動物の保護と東京都の観光客誘致の観点から22年度の都への要望事項として認められました。最近も地元上野地区の皆さんが東京都への要望活動を行ったようでございます。私たちもつい先日、総理大臣官邸で中国大使館の劉少賓公使にお会いして、中国政府側の考え方をお聞かせいただいたところであります。その話の中で少し興味深い話をお聞きいたしました。それは、日本に寄せる中国観光客は年々増加傾向にありますが、台東区を訪れる理由の一つとして、上野動物園にパンダがいたからということで、台東区が旅行ツアーのコースに入っているとのことであります。いずれにせよ、この問題の一番の地元である区長がすべてを把握しながら活動を展開しているわけです。ごく最近の報道にも、両国政府の交渉事が進展したと話を耳にいたしました。そこで、現時点までのパンダ借り受けにかかる主な活動の実態と成果、そして現在の進捗状況をお聞かせいただきたいと存じます。  関心事の2点目、既に質問もありお答えもありましたけれども、国立西洋美術館の世界遺産登録の問題であります。  これも9月定例会で取り上げられてから2カ月が経過をしております。ご案内のように、第33回世界遺産委員会は、本年6月27日に国立西洋美術館の世界遺産申請の結果は、情報照会という決議を下しました。その決議の内容は、1番目が登録、2番目が情報照会、3番目に登録延期、4番目に不登録の4段階ですから、当該の場合は情報を整理して出し直せば登録の可能性が一番高いランクにあるということであります。ちなみに、みちのく平泉の決議は3番目の登録延期であります。しかし、ちまたには世界遺産登録はだめであったというような話がかなり流れております。まだあきらめは早いのです。そしてもう一点は、情報照会の再提出の折には、ル・コルビュジエ作品の6カ国22カ所の建造物のうち、作品を10カ所程度に絞るという条件が付されているというようなことをお聞きいたしました。果たしてその場合、国立西洋美術館はその10カ所に入ることができるのかという不安がありますが、可能性についてお尋ねいたします。そして、これまでにさまざまな活動が展開されたものと思われますが、せんだっても区長、議長、地域の皆さんが首相官邸を訪問したと伺っております。世界遺産登録の実現に向けて、その主な活動状況と今後の区長としての戦略と行動計画をお示しください。  何が何でも区民がみんなで世界遺産登録に最大限の努力を積み重ね、あのときああすれば実現したのにとか、こうすればよかったという後悔のないように、区民にも私たち議会にも的確なご指示もいただきたいと思っております。  政治家は常に国民、区民に夢とロマンを与え続けることも使命であります。閉塞感の漂う世の中においては、自己中心の欲望が台頭して犯罪もふえれば、文化に力を注ぐ余力もありません。秩序を整え安全安心な未来に明るい希望を持てる社会を構築し、幸福と文化を育成していかなければなりません。  夢とロマンの第1弾は、カラオケ文化についてであります。  カラオケは日本が発明した世界に誇る技術であり文化であります。録音したレコードを流してマイクを通して歌う空のオーケストラ、すなわちカラオケという和洋折衷の造語であります。それが世界各国の繁華街などでカラオケの片仮名文字が踊っています。そのカラオケは、当初は酒場の余興として時代を過ごし、間もなく歌を真剣に学ぼうと各地区各所で練習する人たちがあらわれてまいりました。以来、全国の盛り場も発表の場であり、大舞台のカラオケ大会も盛んになり、素人歌手の技術に磨きがかかってまいりました。そんな中、平成2年に文化庁によりカラオケが文化として認められました。以来、私たちカラオケファンも一層自信と誇りを持ち、カラオケを愛し、真摯に技術向上に、地域文化進展にと活動を続けてまいりました。また、カラオケは、演歌、ポップスのみならず、童謡、唱歌はもちろん民謡や詩吟のような伝統芸能の分野にも進出しております。そして、先日11月15日、吉住区長、野田沢教育長のご臨席を賜り、カラオケのグループ、20団体の参加のもとに延べ380名の出席を得て台東区カラオケ協会が結成されました。  カラオケの効用は、健康と美容と生きがいのためという生涯学習の観点から、また健康寿命の延伸や介護予防や心身の障害を持つ人たちのリハビリにと多大の効果が科学的に実証されております。結果的に医療費、介護費などの社会保障費の削減へとつながり、国家財政に貢献することにもなります。また、今後も福祉、文化などの産業としての経済効果に寄与することも甚大であります。カラオケに対していまだ残される過去の概念を払拭して、広く文化としてお認めいただき、さらなるご理解と啓発をお願い申し上げます。そして、台東区としてすべての施策事業に各分野において積極的にご活用いただきたいと思います。さらには、介護予防など過去においての各分野での活用事例と今後の活用予定があればお示しください。  次に、夢とロマンの第2弾、結婚活動、「婚活」についての応援体制についてお尋ねいたします。  現在の国も地方自治体も最大の苦悩は少子化対策です。今の推移でいくと日本の人口は2005年がピークの1億2,700万人であり、2050年には人口が7,650万人と6割に減少すると予測されております。ちなみに65歳以上は3,324万人、43%となります。台東区は、人口問題研究所の推計で、データが少し古いので事実とは異なりますけれども、2010年の15万6,300人を、これは今は16万人ですね、ピークに減少傾向になり、2030年には14万7,600人と予測をしております。  人口増加対策は最大の課題になります。子どもが少ない要因の一つは、子育て環境の悪さから子どもを産まない、産み控えることだと思います。生活環境の変化から共働きが多くなったこともまた要因の一つと考えます。さらには、結婚をしていない男女が多いことが挙げられます。独身主義の方は別にしても、結婚したくても機会がない人たちが多いのではないかと思います。全国の生涯未婚率、結婚をしていない率の推移を見ますと、国勢調査直近の2005年のデータは、男は25歳から29歳まで71%、女は59%。適齢期と言われる30歳から34歳までは男47%、女32%。50歳になりますと男15%、女が7%。ちなみに10年前の1995年には男25歳から29歳までが66.9%、女が48%。30歳から34歳に移りますと男が37.3%、女が19.7%であります。50歳では男9%で女が5.1%となります。50歳での結婚しない率も増加しておりますけれども、適齢期と言われる30歳から35歳が男が10ポイント、女が13ポイント減少しております。台東区の未婚率は、調べましたが統計にはないそうです。全国平均よりはかなり低い水準だと予測しているようでございます。私の周辺を見渡しても、適齢期を過ぎてしまったが、まだ可能性は十分という独身の男女がかなりの数見受けられます。  そんな中、私たち台東区長野県人会が昨年暮れ、結婚相談所を開設いたしました。この1年間かけてその仲介の活動を進めてきたところであります。区長にもご理解いただいて「広報たいとう」にも掲載していただき、この12月13日に第5回ふれあいの集いが開催の予定であります。広報の広告を見て申し込みされてくる男女の比率は半々であり、若年層、中年層、高年層にわたり応募がありますが、30代後半から40代後半までが最も多く、男女とも35%前後を占めております。ちなみに、まれな例ですが、最高齢の男性が62歳、女性が71歳となります。中高年の部をつくれという要望も出ております。会員数は104名。過去4回にわたる出席者総数は166名に及び、決して大きな会ではありませんが、その都度新たな出会いが生まれ、楽しい時間が過ぎ、大変有意義な会として着実に育ちつつあります。  さて、そこで、私たちのこの活動としてはボランティアの域から脱した次のステップの必要性を感じております。子育て政策を充実すると同時に、大切な定住対策は結婚することです。結婚しなければ子どもは生まれません。先般も浅草料理飲食業組合が会員子女を対象に第1回婚活パーティーを開催して大盛況だったとのことでした。やはり、お見合い風習が敬遠される昨今は、合コンと言われるふれあいパーティー形式のような新しい多様なスタイルの男女交流が活発です。そんな多様な結婚活動への本格的な応援体制を検討したらと考えます。また、結婚活動の総合的に集約するセクションの設置、台東区結婚相談所の新たなステージの復活をあわせ、ご検討をお願いいたします。  最後に、我が台東区名誉区民、元東京芸術大学学長平山郁夫先生におかれましては、本日12月2日12時38分ご逝去されました。ここに生前の多大なご功績に対し敬意を表すとともに、心より深く哀悼の意を表しまして、以上で私の一般質問を終了いたします。ありがとうございました。(拍手) ○議長(鈴木茂 さん) ただいまの質問に対する答弁を求めます。  区長。           (区長吉住 弘さん登壇) ◎区長(吉住弘 さん) 伊藤議員のご質問にお答えいたします。  今お話を聞かせていただきました。もう30年お付きあいさせていただいているのかなと思うと、本当に感無量な部分もあります。私の人生観や幸福感、そういったものをお尋ねになりましたが、私はこれまでも長い間、多くの皆様のご協力をいただきながらこの政治の世界に身を置かせていただき、私の持てる力を十分尽くしてきたつもりでございます。また、幸福感ですとかそういったことは、2人でちょっとまたゆっくり話し合う時間をつくっていただきたいなと。  私は今後とも政治家として、また台東区の行政をあずかる区長として、本当に皆様が真に豊かでそれこそ生き生きと、今のお話ではございませんが、夢とロマンを持てるようなそんな暮らしができるような地域社会をこれからも実現していきたい、そんなことでこれからもお力をぜひお貸しいただきたいと思います。  それでは、ご質問の第2は、新年度予算編成についてでございます。  まず、新政策対応本部会議についてでございます。  国においては、新たな内閣が発足して以降、さまざまな施策の創設や改廃が検討されております。そこで、このたび国政に関する情報の収集・分析を行うため、私の主宰のもと、副区長、教育長などで構成する新政策対応本部会議を設置いたしました。また、部長級職員で構成する連絡会議を通じて、全庁的な情報の共有を行うこととしております。まず、各部へ最新情報の報告を指示し、集約いたしました。その上で、区に影響があると思われる主要な政策を抽出し、現時点で想定される区への影響の内容につきまして、情報の共有を図ったところでございます。  次に、国の予算編成の変化に伴う区の新年度予算への影響についてでございます。  国において検討されている子ども手当の創設や揮発油税の暫定税率の廃止などは、区の予算に影響するものと考えております。また、国の予算編成スケジュールにつきましては、年内編成を目指して作業が進められていると報道されておりますが、このスケジュールにおくれが生じた場合なども区の予算編成に影響が出てくる可能性がございます。そのため、新政策対応本部会議を中心に情報収集に努め、施策の変更などが新年度予算に反映できるよう迅速かつ柔軟に対応してまいります。  次に、事業仕分けについてでございます。  先般行われた国の事業仕分けは、行政が実施している事業の必要性、実施主体等につきまして、公開の場で外部の視点を入れて議論し、決定していくものでございます。予算要求の内容を国民の目に見える形として、事業評価の公開性・客観性の向上を図る一つの試みとして国民の関心を呼んでおり、私としても注目をいたしております。しかしながら、短時間の議論で結論を出すことについて懸念の声があること、仕分け人の選定基準の明確化などの点につきましては課題があると認識いたしております。本区では平成17年度から学識経験者や区民などで構成する外部評価委員会による評価を実施し、外部からの視点を取り入れた区政を推進いたしております。これからも厳しい財政状況が予想される中、将来を見据えた施策を展開し、一層の行政経営の向上を図っていくため、事業仕分けの手法につきましても検討してまいります。  ご質問の第3は、上野動物園のパンダ借り受けについてでございます。  パンダは、文化と観光のまち台東区のシンボルとして、なくてはならない存在でございます。パンダを待ち望む区民の皆様の熱い思いにつきましては、私も十分に理解いたしております。私は、その熱い思いを伝えるため、鈴木議長とともに11月16日に東京都を訪問し、上野動物園へのパンダ受け入れの早期実現に関し、議会並びに私からの要望書を提出してまいりました。都におきましても真摯に本区の思いを受けとめていただいたところでございます。今後も引き続き議会及び区民の皆様とともに、上野動物園へのパンダ受け入れの早期実現に努めてまいります。  ご質問の第4は、国立西洋美術館の世界遺産登録についてでございます。  まず、構成資産の絞り込みについてでございます。  10月下旬にフランスにおいて関係6カ国による会議が開催されました。その会議において、現在22件ある推薦資産につきましては、フランスとスイスの資産を対象に絞り込みを行うことが検討されました。日本の国立西洋美術館のように1カ国1件の資産につきましては、絞り込みの対象としない旨の報告を国から伺っております。  次に、現在の推進活動状況についてでございます。  これまでも区民の皆様に理解を深めていただくための啓発事業を展開してまいりましたが、10月5日より新たに庁舎1階に情報コーナーを開設いたしました。11月には近代建築遺産として世界遺産登録されているシドニーオペラハウスを鈴木議長とともに視察し、情報照会決議で指摘されている緩衝地帯の課題などについて意見交換を行ってまいりました。また、首相官邸で開催された会議に出席し、国や東京都、地域の関係者と情報交換を行ったところでございます。私は、今後とも世界遺産登録実現に向けて議会と区民の皆様のご支援をいただきながら、情報照会への対応や地元の機運をさらに高めていくための啓発事業を行ってまいります。  ご質問の第5は、カラオケ文化についてでございます。  文化は、美術や音楽、文学などのすぐれた芸術から、個人の創作活動や趣味を同じくする人々の交流まで、大変広い領域を含むものでございます。カラオケにつきましては、我が国で生まれ、今や世界じゅうに普及し定着している文化の一つであると認識いたしております。区では、これまでも生涯学習や社会教育活動を初め、介護予防、高齢者福祉などで幅広くカラオケの活用を図り、心と体の健康づくりを推進してきたところでございます。今後ともカラオケの効果を利用し、どのような分野で活用できるかを研究してまいります。  ご質問の第6は、結婚活動の応援体制についてでございます。  私も議員ご指摘のとおり、未婚者の増加が少子化の原因の一つであると認識いたしております。その要因といたしましては、経済的な問題や雇用環境などさまざまな事由が考えられますが、男女の出会いの機会が少ないことも理由の一つと考えております。一方、民間における結婚相談・結婚情報サービスがインターネットの普及もあり急速に拡大している状況もございます。台東区長野県人会がボランティアとして新たな出会いの場の仲介活動を行っていることは大変有意義なことと存じます。こうした活動に対する支援につきましては、他のボランティア活動との均衡性などの課題もあり、今後検討してまいります。区立の結婚相談所の復活につきましては、官民の役割分担や費用対効果、さらに民間の結婚関連産業の動向なども踏まえ、研究してまいります。 ○議長(鈴木茂 さん) 以上で一般質問は終了いたしました。  ──────────────────────────────────────────  ○議長(鈴木茂 さん) これをもって本日の会議を閉じ、散会いたします。           午後 4時32分 散会                議長    鈴  木     茂                議員    杉  山  全  良                議員    杉  山  光  男...