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平成 9年第2回定例会-06月06日-02号

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  1. 台東区議会 1997-06-06
    平成 9年第2回定例会-06月06日-02号


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    平成 9年第2回定例会-06月06日-02号平成 9年第2回定例会 平成九年 第二回定例会 東京都台東区議会会議録(第七号) ● 六 月 六 日(金)                    (以下敬称略) ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 出席議員 (三十六名)      一  番  鈴 木   茂    二  番  大和田   功      三  番  鈴 木 昭 司    四  番  関 根 博 之      五  番  堂 村 勇 一    六  番  中 村 明 彦      七  番  清 水 恒一郎    八  番  青 柳 雅 之      九  番  伊 藤 友 子    十  番  稲 垣 晃 司      十 一番  高 柳 良 夫    十 二番  実 川 利 隆      十 三番  寺 井 康 芳    十 四番  木 下 悦 希      十 五番  小 菅 康 雄    十 六番  杉 山 全 良      十 七番  麻 生   昭    十 八番  熊 木 壽 夫      十 九番  伊 藤 萬太郎    二 十番  杉 山 光 男      二十一番  金 田   功    二十二番  田 口 治 喜      二十三番  伊 藤 征 輝    二十四番  田 中 伸 宏      二十五番  堀 江 達 也    二十六番  足 立 守 夫
         二十七番  池 田 富 保    二十八番  水 島 武 久      二十九番  藤 平 一 雄    三 十番  茂 木 孝 孔      三十一番  飯 田 つね子    三十二番  服 部 征 夫      三十四番  木 村   肇    三十五番  大 場 功 一      三十六番  小 玉 高 毅    三十七番  河 野 浅 吉 欠席議員 (一 名)      三十三番  吉 住   弘 欠  員  一 名      三十八番 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 出席説明員      区 長      飯 村 恵 一   助 役     上 條   源      助 役      近 藤 達 仁   収入役     平 賀 庸 之      教育長      隈 部   孟   企画部長    瀬 崎 昌 美      総務部長     岩 丸 昌 司   区民部長    苅 部 雄 孝      産業部長     村 尾   操   福祉部長    植 村 俊 治      高齢者福祉部長  野 尻 金 治   土木部長    生 田 育 良      建築部長     野 本 孝 三   都市整備部長  遠 山 伸 一      教育委員会事務局次長         財政担当部長(予算課長事務取扱)               荒 井 藤二郎           浅 津   勲      総務課長     木 村 昇 平 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 区議会事務局      事務局長     野田沢 忠 治   事務局次長   新 井 幸 久      議事係長     今 井 良 雄   書 記     廣 澤 知 巳      書 記      石 井   彰   書 記     西 住 聡 志      速 記      丸 山 珠 美 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 議事日程 日程第 一   一般質問 追加議事日程 追加日程第 一   議員の辞職許可について ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――   午後二時二分開議 ○議長(水島武久 さん) ただいまから本日の会議を開きます。  この際、あらかじめ会議時間の延長をしておきます。  会議録署名議員の指名を行います。  会議録署名議員については、会議規則第百二十八条の規定により、     二十五番  堀 江 達 也 さん     二十六番  足 立 守 夫 さん をご指名いたします。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ○議長(水島武久 さん) おはかりいたします。  三十三番吉住 弘さんから、議員の辞職願が提出されました。これを本日の追加日程第一として追加し、日程の順序を変更して、直ちに議題といたしたいと思います。これにご異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(水島武久 さん) ご異議ないと認めます。よって、本件は、本日の追加日程第一として追加し、議題とすることに決定いたしました。  追加日程第一を議題といたします。   (野田沢事務局長朗読) △追加日程第一 議員の辞職許可について ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ○議長(水島武久 さん) 事務局長に辞職願を朗読させます。   (野田沢事務局長朗読)    議 員 辞 職 願                         私 儀  この度一身上の都合により、辞職いたしたくこの段お届け致します。                     吉 住   弘  平成九年六月五日  台東区議会議長  水 島 武 久  殿 ○議長(水島武久 さん) おはかりいたします。  本件については、許可いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(水島武久 さん) ご異議ないと認めます。よって、本件は許可することに決定いたしました。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― △日程第一 一般質問 ○議長(水島武久 さん) 日程第一、一般質問を行います。  一般質問の発言通告がありますから、順次これを許可いたします。  二十二番田口治喜さん。   (二十二番田口治喜さん登壇) ◆二十二番(田口治喜 さん) 平成九年の第二回定例区議会に当たって、そのトップバッターとして質問の機会を得たことをまず感謝申し上げます。  あと三年七カ月、日数に直すと千三百五日後に訪れる二十一世紀を間近にした今日、「安心」「元気」を基本コンセプトに、現在抱えている多くの課題の中から「行政改革」、そして「健康と福祉」、この二つのテーマに絞って、二十一世紀への架け橋にと努力しておられる飯村区長にお尋ねをいたします。  質問に入る前に一言申し上げたいと思います。  過日、私はこの議場で平成二年に改定をした「長期総合計画」の見直しを提案いたしました。社会情勢が大きく変化したことを踏まえてのことでございます。早速、作業が開始されて、本年五月の企画総務委員会で見直しに当たっての手順と「安心・にぎわい、すなわち元気と個性」の三つの基本コンセプトが示されました。時代のキーワードを的確にとらえているなと感じていますが、今議会で発表される基本的な考え方など、これから始まる中身の議論を楽しみにいたしております。  それでは、質問に入らせていただきます。  本日のテーマのその一、区議会自民党が過去一貫主張している行政改革について、大きく分けて四点、それもかなり具体的にお尋ねいたしますが、これも時代の要請ということでご理解いただき、明快なご答弁を期待いたしております。  まず、最初の質問は、二人助役制と助役の多選についてでございます。  区議会自民党は、可能な限り、一日でも早く二人助役制を一人助役制に戻すべき、また助役の多選を改めるべきというのが基本方針であり、幾度となく表明してまいりました。  過日の再任同意に至る間、自民党内ではその賛否をめぐって激しい論議がありました。一方で助役の任命権者が区長であるということ、その区長が再三「必要なところに適材を」と表明してきた上での同意要請であったことなどの理由から、与党第一党の立場を考慮した決断をいたしました。  しかし、助役の四年の任期一ぱい、このままではいかがなものかという空気が強いことは事実でございます。その理由として、組織のピラミッドはきれいな三角形が理想的と考えているからです。今は三角形の頂点が鋭角ではなく、ぎざぎざになっています。また、優秀な人材が数多く控えているのに、二十数年間変わらないという行政組織の閉塞感が広がっています。  ここであえてお尋ねをいたします。  活力ある行政運営を目指す立場から、任期の途中でも下すべき英断は下さなければならないのではないでしょうか。いかがでしょうか。本当の気持ちをお聞かせください。  行政改革で次の質問は、「部」や「課」の削減についてです。  現在、台東区の行政組織は、区長のもとに、ただいま申し上げた二人の助役、そして企画・総務・区民・産業・福祉・高齢者福祉・環境保健・土木・建築・都市整備の十の部で構成されています。このほかには、教育長を筆頭とする教育委員会や収入役のもとに収入役室などがありますが、スリムな組織でより効果効率の高い行政運営が常に望まれています。  そこで、私は、決算・予算の委員会など機会あるごとに、十ある部の整理統合を進めてはどうかと提案してまいりました。この提案を受けて今年度、保健と福祉を整理統合する検討が始まったようで、心から期待をいたしております。しかし、十ある部を九にするだけではなく、縦割りの弊害をなくす意味からも、さらに八なり七にするように改めて提案をいたします。決意はいかがでしょうか。お答えください。  また、同じように、約五十ある課についても、例えば四十の課に統合してはどうかと提案をいたします。関連する施策の守備範囲を広くして、行政のプロフェッショナル、またはマイスターとも言うべき総合的な視野から、行政運営にかかわれるような人材の養成と組織の構築を図るべきではないでしょうか。ぜひお考えをお聞かせください。  行政改革で三点目の質問です。  現在、十一ある財政支出管理団体、いわゆる外郭団体の半減を求めて、十項目にわたってお伺いをいたします。  各団体の設立目的は、「民間のノウハウを活用し区民サービスや施設運営をより効果的、効率的に行う」となっています。この設立目的に沿って福祉・産業・文化・芸術などの分野で各外郭団体が設立されたことはもちろん承知をしています。また、今日に至る経過の中で多くの方がさまざまな努力をされたことは、感謝の気持ちを深く込めて理解をいたしております。  しかし、時代は常に大きく動いています。その活動が活発に広がっている団体もあれば、最近特に活動が具体的に見えない団体が幾つかあることも事実です。とかく外郭団体というと、天下り先とか、非効率運営とか、休眠団体というイメージを区民は持っています。国や都でも外郭団体の見直し論議が沸き起こっています。  そこで、最初の質問です。  機会があるごとに外郭団体の整理統廃合を提案してまいりました。現況はどうなっているのでしょうか。業務が類似している一つ二つの団体を整理統廃合してお茶を濁すようなことではいけない、積極的に進めて外郭団体を半減するような決意が必要な時代と考えているのですが、いかがでしょうか。お聞かせください。  二番目の質問は、どうしても存続の必要がある団体については独立採算で運営ができないものでしょうか。お答えください。  三番目は、区が外郭団体に行っている財政支出の総額が幾らになるか教えてください。  四番目は、外郭団体への職員総数は何人で、そのうち区の派遣総数は何人でしょうか。また、区の退職者は何人いるのでしょうか。  五番目として、派遣職員の平均就労年数はどのくらいでしょうか。また、再雇用職員の場合、一カ所に何年ほど勤め、その後配置の転換はあるのですか。その場合も含め、再雇用職員の通算就労年数はどのくらいになるのでしょうか。  六番目として、派遣した職員の身分、給与の取り扱いはどうなっているのでしょうか。教えてください。  七番目は、外郭団体の常勤役員で、最高ランクの年収額は幾らぐらいでしょうか。  八番目の質問として、外郭団体の退職金はすべて中小企業退職金共済制度により行われているのでしょうか。もしそうでない場合があったとしたら、どのような方法で行われているのでしょうか。  九番目は、功労金という名目で退職金に上乗せがあると漏れ聞いたことがありますが、そんなお手盛りのようなことが本当にあるのでしょうか。ある場合、だれがどのような基準で判断して上乗せ分を算定するのでしょうか。また、その金額は幾らぐらいでしょうか。最高額と最低額をお答えください。  十番目、外郭団体の質問の最後です。  区で三役まで務めて外郭団体の役員になった場合、就任期間には期限が設けられているのでしょうか。ないのであれば、一期は二年で二期までというように厳密な基準を設けるべきです。いかがでしょうか。
     区の理事者や職員には退職金制度が整っています。また、特別職の中でも区長や助役、収入役、教育長などの三役には、その任期ごとの退職金制度があります。一方、議員には退職金制度はもちろんありません。いずれにしても、これらの情報は「広報たいとう」を活用して区民に公開されてもいます。しかし、区の財政支出管理団体である外郭団体の給与体系や退職金については公開されていません。そこで、外郭団体に関してあえて細かく十項目の質問をさせていただいたわけでございます。ぜひ具体的なご答弁をお願いをいたします。  次に、行政改革での最後の質問は、行政全般の仕事の見直しについてでございます。  すべての事務事業の見直しによって、事業のいわゆるスクラップ・アンド・ビルドが進行していることは評価をしています。しかし、立ちどまることなく、スクラップ・アンド・ビルドの精神で、常に効果効率のよい行政運営のために見直しを進めるべきです。それには、一つの方法として、多様な行政のそれぞれの仕事のコストを具体的に示すことが必要です。  まず、二、三の例を挙げてみます。  区内の保育園に千人近い子供たちが通っています。保護者の方からは保育料を納めていただいています。例えば、三歳未満の子供が一人保育園に入ったとします。前年度の所得税課税額によって、保護者の月々の保育料負担が違ってきます。所得税非課税世帯の保育料、月額千四百円から所得税九十万円以上の世帯の保育料、月額四万一千八百円まで、二十四ものランクに分かれています。所得税非課税世帯の中で、区民税も非課税である世帯と生活保護世帯は保育料の負担がゼロとなっています。  一方、保育園運営のための区の歳出額をここに通う子供たちの数で割ると、子供一人に一カ月十八万円の経費がかかっていることになります。年間ではなく、一カ月十八万円です。寝たきりの高齢者を車でお迎えに行って、区の施設でお風呂にお入れして、また自宅までお送りする。大変喜ばれている施策ですが、一回の入浴に二万円以上かかっていることになります。また、区内にある四つの特別養護老人ホームの定員は二百四十三人です。この施設の運営経費から計算すると、お預かりしているお一人お一人に、月額四十五万円以上かかっていることになります。  誤解のないようにお願いをしたいのです。申し上げたいのは、このような施策のコストを区民の皆様に広くお知らせをして、それぞれの事業により深いご理解をいただきたいからでございます。どれもやらなければならない大切な仕事です。大切な仕事ですが、進め方については常に創意工夫、調査研究、見直し作業をして効果効率よく運営するための努力を続けなければなりません。そのために、ただいま例示したような行政の各分野のコストを含めた基礎データを明示することが重要です。これによって議論の盛り上がりが期待できます。これは、民間にお任せすること、これとこれは行政が担当する仕事と仕分け、区分けを改めて進めることが必要ではないでしょうか。これが、行政改革での最後の質問です。お考えをお聞かせください。  次は、健康と福祉に関する質問です。  私は、つい二十日ほど前まで保健福祉委員会の委員長を務めさせていただきました。多くの委員会関係者のご理解とご協力によって、区民の皆様の健康と福祉の充実に向けて努力をしたのですが、限られた期間ということもあり、委員長の任期中にすべての結論が出たわけではありません。ここで「健康と福祉」に関して、私が気になっている点についてお尋ねをいたします。  まず最初の質問は、「健康」についてでございます。  台東区は「健康都市宣言区」です。健康、すなわち元気であることが有意義な日々を送る上で最も大切なことです。しかし、もし具合が悪くなったとき、近所に安心して相談ができるお医者さんがいたら、これが「かかりつけ医制度」です。区は、医師会とも連携をして、区民お一人お一人が近所に、いわゆる主治医を持つシステムをつくることが理想です。このシステムづくりを進めるには、高度な医療体制が整い、病床数が確保された後方支援、すなわち総合的な病院が必要です。  平成六年のデータですが、区内の一般病院数は十病院、病床数は千二百八ベッド、人口対比で見ると百二十八人に一ベッドということになります。一方、近隣区はというと、文京区や港区の三十一人に一ベッド、千代田区では十一人に一ベッドとなっています。もちろん、医療に区境や県境はありませんが、先ほどのかかりつけ医制度の後方支援として、また災害時などの緊急医療体制のことを考えると、まことに心配な状況です。東京都の「区中央部保健医療圏」が定めている病床数の枠の問題などもあります。  こんな状況の中での下谷病院の移転問題でございます。区議会も区当局も町も、再三にわたって下谷病院の経営母体である私学共済組合や東京都に移転反対を訴えるとともに総合病院の存続、または確保に向けたさまざまな努力が続けられてきました。ことしの第一回定例区議会でも、私学共済組合や東京都への区の積極的な対処を求めましたが、その後の動きが見えません。手をこまねいていて、月日が過ぎ、ある日突然二百余のベット数を持った病院が台東区から消えてしまうことを心配しているのです。  そこでお尋ねしますが、その後どのような努力をされているのか、経過をお聞かせください。また、存続・確保に向けて、今後どのような手順で進めていくのか明確にお示しいただきたいのですが、いかがでしょうか。  二点目は、福祉の問題で、「敬老祝い品」についてお伺いをいたします。  長い間ご苦労されて、社会にも貢献をされ、年月を重ねてこられた方々に感謝の気持ちを深く込めて、区では敬老のお祝い品をプレゼントしてまいりました。大変に喜ばれている事業ですが、このお祝い品の選定方法等については議会でもさまざまな議論がありました。過日の決算・予算の委員会で、自民党議員から、より明朗かつ有効な品種の選定と配布を求める意見が強く出されました。担当の高齢者福祉課では、この春アンケート調査等を実施して、より喜ばれる品物をより明るくプレゼントできるように努力をしています。このアンケート調査では、お茶を望まれる方、水菓子を望まれる方など数の違いは若干あるにしても、実に多様なお答えだったようで、柔軟に対応してほしいと心から願っています。また、品物の選定・購入に当たって、区の契約基準に沿った方法で行われることは当然のことですが、特定の業者・業界だけではなく、選択肢を拡げて対応すべきと考えています。  ことしも敬老の日が近づいてきました。この件の進行状況はどうなっていますか。ぜひお聞かせください。  次の質問は、「公的介護保険制度」についてでございます。  介護が必要な方に対して、ホームヘルパーの派遣など在宅介護サービス、また特別養護老人ホームの入所等の施設介護サービスを提供する公的介護保険法案が衆議院を通過しました。台東区の人口で六十五歳以上の高齢者率は二十三区で最高の一九・八五パーセントです。公的介護の充実はだれもが求めていることですが、この法案で運営主体となる区の立場について、四点お尋ねをいたします。  区内に四つの特別養護老人ホームがありますが、四月末日現在、区内の施設に限らず特別養護老人ホームへの入所を待っている方は三百十三人です。そこで、第一の質問では、公的介護保険制度が目指す特別養護老人ホーム等の施設整備が整うのかどうかということをお尋ねいたします。希望するすべての方が入所できることは理想です。しかし、先ほど行政改革の質問で、区内の特別養護老人ホームの経費を例に挙げました。区内でさらに五つ目、六つ目と特別養護老人ホームが簡単にふやせるのでしょうか。また、この制度のサービスの一つとして挙げられている、例えば「深夜の巡回介護」などは人手を確保できるのでしょうか。これらについて、現時点ではどのようにお考えかお聞かせください。  第二の質問です。この制度では年金受給者のうち、全体の約三割を占める低額受給者については、区が保険料を個別に徴収する仕組みのため、滞納者が多く出るおそれが指摘されています。介護が必要な人が滞納した場合、この制度はサービスの部分カットなどのペナルティーを考えているようでずが、現場で本当にサービスカットができるのでしょうか。また、サービスを受けるための要介護認定は、医師や福祉専門家などで構成する認定審査会で行われます。そのために認定基準が設けられるのでしょうが、痴呆や虚弱の状態は一見してだれもがわかるという一定基準が決めにくく、公平な認定作業が行われるでしょうか。こうした私の疑問、心配にどのようにお答えいただけるでしょうか。  第三の質問は、公的介護保険制度の実施に当たって、区の事務量や経費が増大することが心配されます。これについてはどのように考えていますか、お聞かせください。実施に当たっての財源論も大切なことですが、公正、公平に運営をされることが最も望まれています。一方で要介護認定の基準や保険料、調整交付金の交付など、ことごとく国が決めて、それに各自治体が従うという仕組みは地方分権の流れに反しているという声も聞こえてきます。これについてはどうお考えでしょうか。これを最後の質問とさせていただきます。  私たちは今日を大切に生きると同時に、私たちの子供や孫に安心して手渡せる社会を建設する責務がございます。きょうは「行政改革」、そして「健康と福祉」、この二点に絞って質問をいたしました。このほかにも地元産業や商店街の振興、交通網整備、教育の充実、リサイクルの推進、定住促進、さらには災害に強く快適なまちづくりなどなど多くの課題を抱えています。もっと安心・もっと元気をキーワードに「いい街、創ろう」と努力を続けてまいります。ふるさと台東区の充実・発展を心から願い、簡単明瞭かつ建設的で誠意あるご答弁をお願い申し上げ、質問を終わります。  ご清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(水島武久 さん) 区長の答弁を求めます。   (番外区長飯村恵一さん登壇) ◎区長(飯村恵一 さん) 田口議員のご質問にお答えをいたします。  ご質問の第一は、行政改革でございます。  まず、助役の選任につきましては、議員の皆様からもいろいろとご意見をいただきましたが、私も熟慮の上、さきの定例会において議会のご同意を得て助役を選任したところでございます。私は、助役に限らず、特別職は私の補佐役として在任中は十分活躍していただけるものと信じております。  次に、部や課の削減についてでございますが、今後も組織機構の簡素合理化を積極的に進めてまいりたいと考えております。また、同時に職員の能力開発を進め、さまざまな行政課題に積極的に対応できる職員を養成してまいりたいと存じます。  次に、外郭団体のあり方についてでございます。  外郭団体の統廃合につきましては、現在検討中でございますが、区の外郭団体は公益法人であり、それぞれ役割を持って行政の一翼を担っております。検討に当たっては、かたい決意で見直しを行ってまいりたいと存じます。  次に、独立採算につきましては、難しいとは思いますが、外郭団体が独自の収入を確保していくことは大変重要な課題でありますので、具体的な方策について検討してまいりたいと思います。  次に、外郭団体に対する財政支出の総額についてでございますが、平成九年度当初予算で五十九億円でございます。  次に、外郭団体の常勤職員についてでございますが、平成九年四月現在、四百四十七人となっております。そのうち区の派遣職員は百二十名、期間は平均三年四カ月、区の職員の身分を保有したまま職務専念義務を免除し、兼業許可を行っております。給料は派遣先団体が支給し、区職員と同水準でございます。退職職員管理職は二十名で、就任期間は約六カ年で、期間中、原則として一回程度の配置がえが実施されております。  次に、常勤役員の最高ランクについてでございますが、年収約九百二十万円となっており、退職金の額はすべての団体において報酬月額に勤続年数を乗じ、その二倍相当額となっております。功労金はこの額に満たない中小企業退職金共済制度に加入している団体において、退職金との差を補てんするものであります。  なお、役員の任期は各団体の定款で一期二年と定められており、再任についてはその都度判断いたしております。  次に、行政全般の仕事の見直しについてでございます。  限られた財源を区政の重要課題に効率的に配分していくためには、スクラップ・アンド・ビルドを基本原則として、常に事務事業の見直しを行っていくことが必要であると考えております。今後も議員ご指摘の点を踏まえ、行政と民間の役割分担などを見直すとともに行政施策に要するコストを明らかにし、区民の皆様方のご理解とご協力を得ながら行政改革に取り組んでまいります。議員の皆様方のご支援、ご協力をよろしくお願いをいたします。  ご質問の第二は、健康と福祉についてでございます。  まず、下谷病院の移転問題についてでございます。  区中央部保健医療圏における病床数の規制の問題で、私は去る四月九日東京都に対し、保健医療計画の見直しに際し台東区の実情を訴え、特別な配慮をお願いしてきたところであります。下谷病院の区内存続を願う私の姿勢は今でも変わっておらず、五月には区側と私学共済の常務との話し合いを行ったところであり、今後ともよりよい方向に進展するよう、全力を挙げて取り組んでまいりたいと思います。  次に、敬老祝い品についてでございます。  私も田口議員のご指摘の趣旨は十分うなずけるところがございます。そこで、今年度から、高齢者の方々が区内の商店街で希望する品物を選択することができる買物券を贈呈する方向で検討しているところでございます。  次に、公的介護保険制度についてでございます。  まず、施設整備についてでございますが、区では五カ所目の特別養護老人ホームを旧二長町小学校跡地に計画いたしております。あわせて区外にも区民が入所できる施設の確保を図ってまいる所存でございます。  また、深夜の巡回介護サービスにつきましては、民間事業者の参入も考えられます。区といたしましては、可能な限り人材の確保に努めてまいる所存でございます。  次に、保険料滞納のペナルティーについてでございますが、これまで特別区長会を通じ、国に対し低所得者対策を要望してまいりました。今後とも、介護保険制度が弱者切り捨てにならないよう働きかけてまいりたいと存じます。  また、認定の公平性についてでございますが、国は全国六十カ所で要介護認定の試行を行い、実施に当たっての課題等を調査研究いたしております。私はこうした成果を見定めながら区における認定作業が公平、公正に行われるよう検討してまいります。  次に、事務量や経費の増大につきましては、いまだ不透明な部分が多く、地方分権の立場からも、地域の実情を踏まえた制度となるよう区長会を通じて働きかけてまいりたいと存じます。 ○議長(水島武久 さん) 六番中村明彦さん。   (六番中村明彦さん登壇) ◆六番(中村明彦 さん) 台東民主クラブの中村明彦でございます。  我が台東民主クラブは平成七年五月八日に区民の声を区政に反映させるために八名の同志をもって結成され、以後二年以上、現在に至るまで民主クラブの基本姿勢である政党政治にこだわらず、区民の声を掌握し政策化する集団であり、行政に対し緊張と節度のある関係を保ち、チェック機能を発揮することを目的として活動してまいりました。この間、会派機関紙を二回発刊し、三回目も今年度中に発刊するための作業を進めているところであります。  調査活動も多岐にわたっておりまして、産業振興政策の問題、浅草の再開発の問題、病院医療、高齢者医療、在宅看護、訪問看護、介護保険の福祉医療関係の問題、教育では千代田区の小・中学校の適々審の調査、定住では中央区、港区の定住施策の調査等幅広く活動をしてまいりました。そして、昨年は議長を、また本年は副議長を出している、今最も注目されている台東民主クラブでございます。今回、議長も新しくなり、委員長も交代をし、新たな気持ちで議会運営に当たる第二回定例会におきまして、台東民主クラブを代表して区長、教育長に質問をさせていただきます。  まず、第一の質問は、定住対策についてでございます。  現在、我が台東区の昼間人口は四十万人以上とも言われておりますが、その反面、住民基本台帳人口は十五万人強でございます。約二倍以上の開きがあることは皆さん先刻ご承知のとおりであります。  今回、新婚家庭家賃補助を打ち切り、新たにマイホーム取得支援制度が創設され、より多くの人々に台東区内に住み続けてもらおうとしていることはよくわかりますが、現在の浅草二丁目の金井ビルⅡの区民住宅においては、完成時には入居者が満杯でありましたが、現在は空き部屋が出ているとのことであります。家賃補助をしてまで定住対策をしているのに、部屋があいている状態が何カ月も続いているのでは、果たしてこの制度が有効なのか疑問が出てくるところであります。他の区民住宅条例の住宅には空き部屋が出てなく、特定優良賃貸住宅にも空き部屋が出ていないとのことです。金井ビルⅡだけがなぜ十部屋前後の空室があるのか検討しなければならないと存じます。  区長さんもご自宅のすぐ目の前なのでよくおわかりだろうと思いますが、空き部屋をなくす何か有効な方法を考える必要があると思います。例えば、現在の台東区内の家賃の賃料を調べて見ますと、二、三年前に比べると約二割から三割、極端なところでは五割の値下げをしたとも聞いております。現状に即した行動をとった方がよいのではないかと思われます。条例を変えなければならないのならば変えればよいのではないでしょうか。条例や法律は人間がつくったものです。より人間が快適に暮らすことができるかを定めたものであり、それによって人間を拘束したり、苦しめたりするものではないことは十分承知しているはずでございます。生きた施策とは、人が人のためになる方法を考え、実行することではないでしょうか。今すぐ東京都優良民間賃貸住宅金井ビルⅡを有効に利用できる方法を考えるべきであります。聡明な区長の頭脳でのお考えをお示しください。また、区有財産の遊休地も民間に払い下げるなどして地域活性化を図るべきと考えますが、いかがでしょうか。区長のお考えをお示しください。  政府ではこのたび、容積率の緩和など建築基準法、都市計画法の改正案が先ごろ衆議院を通過しました。また、旧住宅金融専門会社、いわゆる住専などの担保不動産を公共用地として活用するなどの土地流動化に向けて総合対策もまとまりつつあります。  建築基準法などの改正後、自治体は容積率四〇〇パーセントの住宅地などに「高層住宅誘導地区」を指定できることになります。この地区は、住居地区が三分の二以上の建物ならば容積率が最大六〇〇パーセントに割り増しすることができます。また、斜線制限なども緩和され、日影規制も適用除外になるとのことであります。このようなことにより、土地の利用価値が高まり、取引の活性化につながると同時にマンションの価格も安くなり、都心居住も一昔前のように進むものと政府は考えておるようです。  東京都では、改正法施行後は運用基準づくりに着手しますが、指定地区の選定は特別区が主体になるとのことであります。規制の緩和により住居建築が容易になり、二世帯、三世帯の同居ができる家が建てられればよいのですが、以前みたいに地上げ屋による土地の買い占め、買いあさりが横行しては、区内人口の流失につながり、定住対策にはなりません。容積率の緩和に伴う区長の姿勢をお聞かせください。  台東区内には、文化の名所や歴史の旧跡が多く散在しております。人々が楽しみ、安心して憩える町としては申し分のない地域であります。いつまでも住み続けられる町にするためにも、六月二日オープンした健康センターの積極利用も区民にアピールすることにより、区長発言にもありますように、生涯を通じて健康な生活を送っていただき、安心して暮らし、住み続けられ、生き生きとした町を実現できることと思います。  続きましての質問は、区内の中小企業振興策についてでございます。  政府、日銀によりますと、景気の現状について、設備投資の堅調な拡大等を理由として緩やかな景気回復が続いているとの認識であると言われております。しかし、我が台東区内の中小企業の現状を見てみますと、率直に申し上げてこのような認識とはほど遠いものがあると感じております。それは、台東区内の地場産業を中心とした中小零細企業は、最近の景気の低迷による影響もさることながら、大きな産業環境の変化や流通構造の変革の波の中で非常に厳しい現状にあり、新たな存続と発展の道を模索していると考えるからであります。  このような大きな変化の時代は、一面で見れば中小企業の新たな事業機会を創出するよいチャンスなのかもしれません。しかしながら、情報収集力や資金力等において、必ずしも恵まれていない個々の中小企業にとっては困難なことが多いのが実情であると思います。中小企業政策の充実を図る前提条件といたしまして、それぞれの企業による自助努力が必要なことは言うまでもありませんが、このようなときこそ行政として意欲のある中小企業を積極的に支援していく必要があるのではないでしょうか。その意味で、中小企業がそれぞれの持っている経営資源を持ち寄って有効活用しあえる交流の場、ネットワークを充実していくことが非常に大事なことであり、異業種交流の場を積極的に拡大し、充実していく必要があり、このことにより台東ブランド等、交流の場が産業の発進基地になればよいと考えますが、平成九年度の事業の中で具体的に何があるのか、区長のお考えをお示しください。  また、区内業者の売り上げ増につながる具体的な方法についてお尋ねいたします。  平成九年第一回定例会の本会議場で我が民主クラブが質問をした件ですが、台東区が行う諸行事の際の物品の発注や購入について、地元中小企業者に行き渡るようにしてもらいたいとの問いかけに対しまして、区長は「区内中小企業育成の観点から区内業者への優先発注に心がけているところ」と答えられました。そこで、区内の商店の厳しい営業状況を踏まえて、売り上げ増につながる具体的な方法を考えられておられるのか、また事業実施をしようとしているのか、区長の答弁を求めます。  次に、飲料容器等の散乱防止についてお尋ねいたします。  平成八年三月の第一回定例会の本会議において、「町の環境美化を推進するためにも積極的に条例化を」との質問をさせていただきました。飯村区長さんには、「環境美化対策を今後十分検討してまいりたい」との前向きなご答弁をいただきました。その後、区内の多くの地域から飲料容器、たばこの吸殻等散乱防止に関する条例の制定についての陳情が合計二十二本出され、保健福祉委員会で論議されました。町をきれいにするということはモラルの向上にもつながるし、来街者にとってもきれいな町に来てよかったとイメージアップにつながるので、積極的に環境美化をするべきだとの声がありました。平成九年三月の第一回定例本会議で採択されたのはご承知のとおりでございます。  最近ではいろいろな自治体で町をきれいにしようとの発想で、いわゆるポイ捨て禁止条例が制定されております。中でも川崎市や和歌山市、京都市で罰則規定まで盛り込まれております。また、新宿区では平成八年十二月の議会で、いわゆるポイ捨て禁止条例を可決採択し、本年四月から施行されているのであります。ただし、美化推進重点地区を指定し、指定された地区内での違反者に対しては二万円以下の罰金を科しております。あわせて、同地区に置かれている自動販売機の周りは、管理者に対し清潔に保つよう義務づけたものであります。  こうした世間の流れの中で、最近では町田市でも同様な条例を制定し、罰則規定も含めての検討委員会を設置しているところであります。我が台東区におきましても、罰則規定について検討する必要があると思いますが、いかがでございましょうか。区長のお考えをお聞かせください。  また、この問題は行政だけが取り組んでも意味が十分ではなく、商店街や町会とも連携していくことこそが大切だと思われ、地域から環境美化のための推進委員を推選、または指名し、積極的に意識の啓蒙、啓発に取り組んでもらう姿勢も大切かと思われます。区長のお考えをお示しください。  次に、清掃事業の移管についてお尋ねいたします。  さきの都区制度改革特別委員会で、清掃車車庫の予定地には、清川二丁目の旧東京北部小包集中局の敷地一万二百平米と既存の七階建ての建物の一階と地下一階を東京郵政局から借り受け、車庫として改修使用したいとの報告がありました。車庫設置の条件として、車庫用地は広い道路に面していること、二方向以上道路に面していること、用途地域や住居系でないことなどの条件があり、それに見合う土地として取り上げられたものであります。委員会の中では、北部地区の環境改善には何ら役に立たない、土地を払い下げてもらうように努力すべきではないかとの意見が出て、まだ十分に検討するべきであるとのことでありました。自治権の拡充と自治法改正のための基礎的自治体になるには、二十三区がそれぞれの区での清掃車車庫の設置を条件として決められております。清掃事業は身近な自治体が受けるのは当然のことであります。そのための清掃車車庫は区内につくるのが当然だと考えます。  しかし、清掃車車庫は一般的にはマイナスのイメージがあります。台東区の北部地区に設定するには、地元の理解、了解なくして強行してはならないと思います。地元地域に対して十分な説明をするべきと思います。自区内で出したごみは自区内で処理をするということは当然でありますが、もっと小さな範囲で言えば、他地区で出したごみをなぜ自分のところで処理しなければならないのか、そのための車庫をなぜ設置しなければならないのか、いろいろ問題になるところであります。  そうしたことを踏まえて、車庫を設置する地域には十分な配慮が必要と考えます。北部地区にはいろいろな問題で長年苦痛を受けている地域であります。人間の尊厳を基本的に大切にしながら、受けている住民の苦痛をどう解消していくのかを考えなければならないと思います。例えば、玉姫公園の不衛生と強烈なアンモニア的な臭い、三百六十五日、朝四時から始まる区道上での朝市、年末から正月にかけての越冬、玉姫職安前での冬のたき火、これらの問題を解決していくことこそ大切だと思いますが、飯村区長はどのような決意を持って進められるのか、ぜひお聞かせください。  最後に、公立小学校、中学校の通学区域の緩和について、教育長にお尋ねいたします。  現在、区内の少子化は進む一方で、区内二十四の小学校、十の中学校の中で、文部省指導による一学級四十名という編成で適正規模十二学級に至らない学校は当区内、小学校で十五校、中学校で五校で、区内校の約半数が条件を満たしていないのであります。本年三月の政府が決定した規制緩和策の中で、通学区域の弾力化が盛り込まれております。今後の人口推移の中で区内少子化に歯どめをかけることは非常に難しく、学校の統廃合は避けて通れない問題となっている現状の中で、本区でも小・中学校の適正規模、適正配置審議会を設置検討しているところであることはよく存じているのであります。  しかし、ただ単に廃校したり統合したりではなく、現在北海道や他の地区でも行われている「特認校」の考え方を参考にする方法もあるのではないでしょうか。特認校とは、過疎化の進む地域で学校の特色を出す、例えば緑豊かな自然をつくり、小動物と触れ合い、情緒の豊かな子供を育てる。自然の中で伸び伸びとした教育をする。今の教育の中で欠けているのは、受験、受験に追いかけられ、殺伐とした子供、自分のことしか考えない子供、他人の傷みをわからない子供、それらをつくった社会構造にあるとも言えるのではないでしょうか。  教育には三つの大きな柱があります。一つには家庭教育、二つ目には社会教育、三つ目には学校教育があります。一昔前には、家庭にはおじいちゃん、おばあちゃん、父親、母親、兄弟、姉妹が一つの屋根の下で暮らしておりました。その中で一番小さな社会を体験したものであります。老人から昔話を聞き、兄弟とは上下関係を教わり、親は子のよき相談相手となっていました。地域社会に出ればいたずらっ子をしかる近所のおじさんがいたり、困っている子を助けてくれる優しいおばさんがいました。また、地域の子供の中にはがき大将がいて、子供の世界での小さな社会秩序が自然とできていたのです。そうしたことを小さいときから学習し、学校に入ると大きな集団生活を体験しながら勉強していったものです。教師ももっと人間味のあふれている人が多かったように思えます。勉強のできる子には勉強を伸ばし、体育の得意な子には運動会でヒーロー的役割をさせてあげたり、がき大将には他の生徒を面倒見るような立場にさせたり、それぞれの生徒の得意な分野を見つけ出し、伸ばしていく努力、工夫をしていたように思えます。  現在ではどうでしょうか。さきに述べたように受験が優先され、皆いい子になるように指導し、路線からはみ出た子供にはなるべく目をかけないようにしているように思えてなりません。生徒の道徳観の欠如とか言われておりますが、教師の道徳観の欠如もあるように思えてならないのです。  そこで、学校を特定して情緒豊かな心を育て、愛情あふれる子供を育てるため、その学校に関しては、通学区域の指定を外して区内全域から入学できる特認校を設けたらいかがかと思います。ちなみに現在この特認校は、北海道では札幌市で小学校四校、中学校では一校、旭川市では小学校二校、中学校一校、釧路市では小学校、中学校で各一校ずつ、他に石狩町を初め合計十一市町で十五校があります。また、東京には八王子市の夕やけ小やけの碑で有名な恩方第二小学校がこの四月から、同様な方法で学校運営に当たっております。教育長におかれましては、このような方法も考えていかれたらよいと思いますが、いかがでしょうか。お考えをお聞かせください。  以上をもちまして、台東民主クラブ中村明彦の質問を終わらせていただきます。  ご清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(水島武久 さん) 区長の答弁を求めます。   (番外区長飯村恵一さん登壇) ◎区長(飯村恵一 さん) 中村議員のご質問にお答えを申し上げます。  ご質問の第一は、定住対策についてでございます。  まず、区民住宅に対する問題認識は中村議員と同じでございます。今後とも活用方法等について所有者と話し合うなど、空き部屋解消のため努力をしてまいりたいと思います。  次に、区有財産の考え方について申し上げます。  区有財産のうち、将来の活用が見込めない土地については、地域活性化の視点も踏まえ、ご指摘の方向で対処してまいります。  次に、容積率の緩和につきましては、区民の方のご意見や地域の環境に配慮し、適切に対応してまいりたいと考えておりますが、現在国会で審議中でございますので、その状況を見守りたいと思います。  ご質問の第二は、区内中小企業の振興策についてでございます。  まず、異業種交流の場の拡大については、今年度、工業集積地域活性化事業の中で区内の異業種交流グループが一堂に集い、情報交換や交流を図る場としてフォーラムを実施する予定でございます。充実した事業となるよう努めてまいります。  次に、区内業者の売上増につながる具体的な方法についてでございます。  区の物品の買い入れについては、可能な限り区内業者の発注機会の増大に心がけております。例えば、高齢者の敬老祝い品等については、区内で買い物できる買物券を贈呈する方向で検討しているところでございます。  ご質問の第三は、飲料容器等の散乱防止等についてでございます。  いわゆるポイ捨て禁止条例につきましては、条例案策定に向けて検討中でございます。ご質問の罰則規定を設けることにつきましては、他区や他都市の状況を十分調査し、検討してまいりたいと存じます。  次に、環境美化推進員についてでございますが、町の環境美化に積極的に取り組んでいる商店街、町会を含む美化清掃ボランティア団体等と協議してまいりたいと存じます。
     ご質問の第四は、清掃事業の移管についてでございます。  直営清掃車の車庫整備は、都区制度改革に必要な法改正の条件となっており、今区政の最優先課題であります。また、整備に当たっては、地域の方々のご理解が非常に大切であると考えております。私も先頭に立つ気持ちで、地域の方々のご理解とご協力をいただきながら進めてまいりたいと存じますので、よろしくお願いを申し上げます。  次に、北部地域の問題についてでございますが、中村議員のご指摘のような地域の環境問題など、さまざまな問題があることは十分承知いたしております。私は、さきに山谷対策本部会議におきましても、福祉、就労、医療、住宅など総合的な対策を強く要請いたしました。さらに、環境改善の一つとして、玉姫労働出張所の移転は重要と考えており、旧東京北部小包集中局の取得について、一層努力していただくよう都知事に直接お願いをしたところでございます。  今後とも山谷地域の諸問題の解決に向け努力してまいる所存でございます。  最後の質問は、小・中学校の通学区域でございますので、教育長がお答えをいたします。 ○議長(水島武久 さん) 次に、教育長の答弁を求めます。   (番外教育長隈部 孟さん登壇) ◎教育長(隈部孟 さん) 中村議員のご質問のお答えをさせていただきます。  議員ご指摘の特認校制度につきましては、大変特色のある制度と認識をいたしております。本区の地域特性を踏まえ、今後研究してまいりたいと存じますので、よろしくお願いいたします。 ○議長(水島武久 さん) 七番清水恒一郎さん。   (七番清水恒一郎さん登壇) ◆七番(清水恒一郎 さん) 平成九年度第二回定例会に公明を代表して質問をさせていただきます。  最初に、清掃車庫問題についてお伺いします。  現行の地方自治制度では、特別区の区域において、都が広域的かつ基礎的な地方公共団体としての性格を持ち、特別区は都の内部的団体であるとされています。そのため、都と特別区の役割分担や行政責任が不明確になっていること、特別区の自主性が阻害されていること、都が大都市行政に徹し切れないことなどの問題が指摘されています。  これらの問題を解決するために、今回の都区制度改革は、清掃事業を初めとした住民に身近な事務事業をできるだけ特別区に移管するとともに、財政自主権を強化することによって特別区の自主性、自律性を高め、特別区を都の特別区の存する区域における基礎的な地方公共団体に位置づけようとするものであります。改革の実施時期は、清掃事業とその関連事務の移管、税財政制度の改革、特別措置の見直し及び特別区の性格づけについては平成十二年四月とし、その他の事務事業の移管については、できる限り早期に実施するとされています。  そこでお伺いしますが、都区制度改革の条件整備である清掃事業の中の直営車車庫についてであります。  都と区の協議案では、直営車車庫が必要とされているのは、千代田、中央、新宿、文京、台東、墨田、目黒、渋谷、中野、杉並、北、荒川、練馬の十三区であります。本区においては、先般区議会へ清掃車庫候補地として、旧東京北部小包集中局の敷地及び建物を借りて既存建物を改修し、清掃車庫として整備するとの報告がありました。  そこでお伺いしますが、区長、まずここまでに至った経緯と車庫用地の選定理由並びに地域の方々の理解と協力なくしてはできませんが、今後どのようなスケジュールで進めていかれるのかお聞かせください。  私は、この地については、北部地域の環境改善のため、都及び国と交渉し、取得して住宅や玉姫労働出張所の移転等を含め整備していくように訴えてまいりましたが、取得は難しく、車庫用地として一部借りられるということであれば、地域の方々に納得していただけるように真心から訴えていただきたいと思います。  次に、定住促進についてお伺いします。  今定例会の区長発言の中に、長期総合計画の策定について、「我が国は今時代の大きな転換期を迎え、手本のない時代に直面しております。こうした時代であるからこそ、私は二十一世紀に向けた区政運営の指針となる新しい長期総合計画が必要であると考えております」と言われています。現在まで、本区においては定住推進を目指す住宅政策の推進を行ってまいりました。高地価を反映しない住宅供給として、区民住宅、公共住宅、高齢者向け集合住宅、特定優良賃貸住宅の推進。住宅をつくりやすくするための条件整備として、住宅資金融資あっせん、住宅修繕資金融資あっせんの推進。定住のための条件整備としては、ファミリー世帯住み替え家賃補助制度、さらに今年度より新たな定住施策として「マイホーム取得支援制度」が発足いたしました。評価をするところであります。  私は、長期総合計画と住宅マスタープランの改定にあわせて、今戸・橋場の住宅整備については早急に着手すべきと考えます。具体的な目標数値は幾つでしょうか。また、いつごろまでに完成する予定なのか、具体的な方向を示していただきたいと思います。区長のご所見をお伺いいたします。  次に、高齢者の社会参加についてお伺いします。  世界に類例のない急速なスピードで進む日本の高齢化。平均寿命も世界一であります。いまや「人生八十年」の時代が到来し、高齢期は余った人生でなく、人生の完成期としていかに生きるべきか、大きな関心が寄せられているところであります。  一九九四年に男性七六・五七歳、女性八二・九八歳となって、男女ともにほぼ人生八十歳時代を迎えました。まさしく人は五十歳から六十歳の一生ではなく、人生八十歳時代を迎えて、人生一生ではなく二生時代の開幕となりました。この年に六十五歳以上の高齢者が千七百五十八万五千人、高齢化比率一四・一パーセントに達し、高齢化社会から高齢社会へと移行いたしました。  今日、六十五歳以上七十四歳に至る前期高齢者は約千百万人でありますが、国民の四人に一人が高齢者となる二〇二〇年には、七十五歳以上の後期高齢者が高齢人口の過半数を占めると言われています。そして、高齢者の方々の地域社会にあって、積極かつ社会的に生きることが求められると同時に、高齢者の人としての尊厳と自立を保障し、支援する総合的かつ体系的な条件整備の具体化が今日多く求められているところであります。  そこで、本区においては、長期目標として、高齢者が自立して地域社会と交流しながら心豊かに楽しく安定した生活を送れるよう、就労と生きがいの促進を図るために、老人クラブ活動の援助、寿作品展示会、ゲートボールの促進、ひとり暮らし高齢者レクリエーション、長寿大学等を推進し、さらに高齢者が安定した生活を送るため、それぞれの身体的、経済的な状況に応じて入所可能な特別養護老人ホームやシルバーピア、ケアハウスなどの施設や住宅の整備を進めてまいりました。  生涯学習センターが平成十三年に完成の予定となっておりますが、このセンターを生かしながら、高齢者の社会参加を今後どのように進めていかれようとしておるのか、区長のご所見をお伺いいたします。  次に、「老人」というネーミングについてお伺いします。  本区では老人クラブ、老人福祉センター、老人福祉館、老人ホームという名称はありますが、時代状況から見て老人という名称はそぐわないと私は思います。高齢社会、社会変化に伴い、婦人という名称が女性に変わってきています。区の認識を改めて、新しい名称を考えたらいかがでしょうか。区長のお考えをお聞かせください。  次に、教育問題について教育長にお伺いします。  現在の学校教育の最も大きな課題は、登校拒否、いじめの問題であります。地域でいろいろな問題に接する私たちの耳にも、これらの課題に直面している話が特に最近多く聞こえてきており、改めて問題の広がりの深刻さを感じておるわけでございます。  全国の公立小・中・高校などで一九九五年に起きた「いじめ」が約六万件に上ったことが文部省の調査でわかりました。実質的に過去最高だった前年度よりもさらに約三千件ふえており、いじめが原因で転校した小・中学生も一・六倍増の四百十人になっております。いじめと関連する生徒間暴力、教師への暴力、器物損壊を含めた「校内暴力」の発生件数は、中学で二七パーセント増の五千九百五十四件、高校で一六パーセント増の二千七十七件になっており、いじめとともに暴力の日常化もうかがえる状況になっております。  本区においては、教職員の先生方がいじめ、不登校に対し、全力で取り組まれていることはよくわかっておりますが、本区のここ数年間の実態を見ますと、いじめの発生件数が平成七年六月、小学校十二件、中学校八件、平成七年十二月、小学校八件、中学校十七件、平成八年六月、小学校十八件、中学校二十一件となっております。そして、登校拒否児童・生徒数は、三十日以上で、平成五年度、小学校十人、中学校四十六人、平成六年度、小学校十九人、中学校八十七人、平成七年度、小学校二十一人、中学校九十六人で、小学校・中学校ともに平成五年度と七年度を比べると、ともに二倍にふえております。この問題に対し、教育長はどのように認識されておられるのかお聞かせください。  次に、不登校対策についてお伺いします。  本区では、長期学校を欠席状況にある児童・生徒に対し、相談活動や学習指導等を通し、自立心や社会性を育てて、学校生活へ復帰することができるよう援助するため、あしたば学園がございます。学級の実施日は、月曜日から金曜日までの毎日、時間は午前九時三十分から十一時五十分、午後一時から三時二十分までとなっております。  新潟市では、本年の五月から市教育相談センターで、不登校に悩む中学生を支えるための夜間学習、進路相談室を開設いたしました。全国初の公的機関による適応指導教室の夜間版として注目を集めております。  同センターでは、学校に通う気持ちがあっても雰囲気になじめないなどの理由で不登校になった生徒の多くは、日中家に閉じこもり夕方から夜間には気軽に外出できるとの傾向にあるため、夜間の相談室を開設いたしました。当面は、進路決定を控え、高校受験に間に合わせるため、学力不振や進路不安で悩む中学生三年生を対象に、毎週月、火、水、金曜日の午後六時から九時まで開設し、親子面談を行い、十五人程度を受け入れ、学習指導や進路相談には経験豊かな教員、OB三人と顧問的な立場で心理学専攻の教授が当たることになっており、将来は二年生、一年生にも広げていくことになっております。私は、本区の実態から見て、あしたば学園の中で夜間教室を開設することによって、不登校の解消につながるのではないかと考えますが、教育長のご見解をお聞かせください。  次に、体罰についてお伺いします。  文部省の調査によりますと、一九九五年に体罰が理由で懲戒などの処分を受けた公立の小・中・高校教員の数は四百三十六人であり、前年度より五十人ふえております。いじめ、非行化が深刻化する現代、教育現場にもさまざまな事情はあると思います。親の側にも教師の愛のムチを望む声があると聞いておりますが、しかし体罰のよくない点は、それがほとんどの場合、教師の側のこらえ性のなさ、すなわち精神性の敗北につながっているからであります。一方的に生徒が悪いと非難することは簡単であります。しかし、背景にある社会の矛盾を見つめ、それと正面から向き合わずして根本的な解決はありません。また、口で言ってもわからないと不信の目で体罰を加えるのではなく、生徒の持つ無限の可能性を信じ、忍耐強くはぐくみ続ける豊かな心こそ、あらゆる知識や技術以前に教師に求められる資質ではないかと私は考えます。その精神性の輝きによってこそ、生徒の心の中の宝石もきらめくのであります。生徒の内部変革、それは教師自身の心の容量を広げることだと思いますが、教育長のご所見をお伺いします。  次に、空き教室の有効活用について申し上げます。  高齢化、少子化が続いている中で、学校の空き教室の有効活用がそれぞれの地域で実施されています。大阪ではデイサービスを、神奈川では高齢者福祉施設に、また仙台では校舎を改造し、コミュニティー施設と児童館を開設し、利用しています。  本区においては、現在、余裕教室が小学校八十一室、中学校四十五室あり、一時転用として特別教室、多目的教室、資料室、倉庫等に使用されております。現在、教育委員会では、この問題について専門の委員会を設けて検討されていると聞いておりますので、答弁は結構でございますけれども、我が会派の意見を反映されるよう要望しておきます。  次に、姉妹都市を通じて国際交流を図ることについてお伺いします。  本区の姉妹都市でありますオーストラリアのマンリー市との交流は、社会福祉ボランティア海外研修、中学生教育使節団海外派遣、ロータリークラブの提携、マンリージャズフェスティバルへの参加、姉妹都市締結十周年記念親善訪問団派遣等、数多く行ってきております。本区の中学生教育使節団海外派遣については、毎年二十名の代表を派遣し、交流を深め、報告会や体験発表会等を行っています。また、学校独自の取り組みとして、中国の北京市の胡同小学校と台東小学校が昭和五十六年から双方に友好団を派遣し、交流を深めています。若いときに海外交流を体験することは極めて大事なことだと思います。私は、本区の小学生、中学生に対して、交流内容の周知徹底をさらに図っていくべきと考えます。また、台東区民の方々に対しましても、工夫をして知っていただくことが必要だと考えますが、教育長のお考えをお聞かせください。  最後に、こども議会についてお伺いします。  子供たち一人一人を独立した人格を有する区民として認め、区政に対する子供たちの意見を積極的に尊重していくことは、大変に大事なことだと考えます。このことから、子供たちが区議会の働きを模擬的に体験する「こども議会」を開催し、そこで発せられる区政に対する意見や提言を生かしていくことは、多くの区民の方々が区政への参加意欲を持つことにも通ずると思います。  ある自治体では、小学生議会を午前、中学生議会を午後と、それぞれ質疑応答、一人五分程度で十八人の子供議員が登壇し、一般質問をさせて、こども議会を開催しているところもあります。子供たちの意見を尊重し、区政に反映させることは、子供たちの社会勉強に役立つだけでなく、子供たちみずからが議会活動を体験し、その仕組みを知ることによって、区政や区議会をより身近なものとして感じることができます。また、将来の有権者として選挙への関心も高めてもらうよい機会にもなります。このことから、ぜひこども議会を開催していただきたいと思います。教育長のご所見をお伺いし、私の質問を終わります。  ありがとうございました。(拍手) ○議長(水島武久 さん) 区長の答弁を求めます。   (番外区長飯村恵一さん登壇) ◎区長(飯村恵一 さん) 清水議員のご質問にお答えをいたします。  ご質問の第一は、清掃車庫問題についてでございます。  平成十二年四月の特別区制度改革の実現に向け、受け入れ準備の一環として直営清掃車の車庫用地の選定について、これまで努力してまいりました。道路条件、用途地域、必要面積などを考慮して、旧東京北部小包集中局を予定地とさせていただきましたが、現時点で取得が困難なため、当面土地及び建物の一部を借りて車庫を整備することになりました。整備に当たりましては、地域の方々のご理解とご協力を求めながら、誠意を持って当たってまいる所存でありますので、よろしくお願いをいたします。  ご質問の第二は、定住促進についてでございます。  今戸・橋場地区の再整備の時期と戸数についてでございますが、長期総合計画及び住宅マスタープランの改定にあわせ、その時期や戸数などの検討を含め、関係機関と協議して推進してまいります。  ご質問の第三は、高齢者の社会参加についてでございます。  明るく豊かな地域社会を形成していく上で、高齢者の方の社会参加は大変重要と考えております。区では、これまでも高齢者の方の社会参加に努めてまいりましたが、生涯学習センターの完成を機に、さまざまな機会に社会参加していただけるよう施策の充実を図ってまいりたいと考えております。  次に、老人というネーミングについてでございます。  清水議員ご指摘のように、時代の変化に対応した親しまれるネーミングになるよう努力してまいりたいと思います。  最後のご質問は、教育問題でございますので、教育長からお答えをさせていただきます。 ○議長(水島武久 さん) 次に、教育長の答弁を求めます。   (番外教育長隈部 孟さん登壇) ◎教育長(隈部孟 さん) 清水議員のご質問にお答えをさせていただきます。  いじめ、不登校ともに、議員ご指摘のとおり緊急の課題と受けとめております。学校現場と教育委員会が一体となって解決していかなければならないというように考えております。  あしたば学園につきましては、指導内容の充実に努めているところでございますが、夜間の開設につきましては、条件整備等で課題が多く、現状では困難でありますのでご理解賜りたいと存じます。  体罰につきましては、教育委員会としての基本的な考え方は、学校教育法の規定を待つまでもなく個人の尊厳、人間尊重の精神に反するもので、あってはならないものであると考えております。  次に、台東区中学生教育施設団海外派遣につきましては、区及び各学校において体験報告会等で交流の成果を発表しているところでございます。  議員ご指摘の周知については、今後「広報たいとう」、CATV等を活用してまいりたいと考えております。  最後にこども議会につきましては、児童・生徒が議場において議会を直接体験することにより、議会制民主主義や区政の役割を理解し、区政を身近なものとしてとらえることを目的として実施するものであると認識しており、開催につきましては区長部局と十分協議してまいりたいというように考えおります。よろしくお願いいたします。 ○議長(水島武久 さん) 清水議員。 ◆七番(清水恒一郎 さん) 私は、先ほど冒頭に「平成七年度第二回定例会」と言ったような気がしますので、「平成九年度第二回定例会」に訂正させていただきます。 ○議長(水島武久 さん) 三十七番河野浅吉さん。   (三十七番河野浅吉さん登壇) ◆三十七番(河野浅吉 さん) 平成九年第二回台東区議会定例会に当たり、友愛クラブを代表いたしまして、区行政に関する一般質問をさせていただきます。  まず初めに、公共交通機関等の調査についてお尋ねをいたします。  今日、高度情報化社会及び社会経済情勢の急速な変化に伴い、点から点、あるいは面と面をつなぐ都市交通問題の解決は、都市の発展を支えるための最重要課題の一つであると考える次第であります。また、近年、本区での高齢化社会の進展は、従来とは異なった観点から公共交通を見直す必要を生じ、福祉的観点や日常生活に密着した交通網を考察する観点が不可欠となっております。このため、私はこれからの公共交通施策は総合的かつ体系的に進めていくことが大切ではないかと考えておる次第であります。  現在、区内には新しい交通路線として常磐新線や都営地下鉄十二号線各駅の建設が鋭意進められているところでございます。こうした新たな交通手段や新駅の設置によって、区内交通体系はますます充実し、区民にとっての交通利便性が向上することはもとより地域の活性化にも大きく寄与するものと期待しております。そのために、これら交通網のぜひとも早期開業の実現を強く願うものであります。  また一方、都営バスにつきましては、都交通局の経営の合理化の一環として、昭和五十七年には全面的に見直しが行われ、廃止や短縮がなされました。特に橋場・今戸方面は、陸の孤島とまで言われた地域でありました。その後昭和六十年には、台東区北部地区住民の方々は熱い熱意と情熱によって台東区北部バスの運行が実現したのであります。その後、南部地区におきましても、平成三年六月より都営バス東四二乙路線が復活することができました。これは、東京都交通局と台東区の大きなご理解のものに復活運行が実現した次第であります。当時は、これにより地域住民は長年の悲願により、都バス路線の開通に対し喜びに満ちまして、盛大に大祝賀会まで開催されたほどの盛り上がりを見た次第でございます。しかし、当区は高齢者比率が二十三区で一番高いという現状や台東区に住み、台東区に職場があるという職住兼用の住民が多いのも他区にない特色であるわけでございます。このような背景の中で、身近な交通機関として利用できる都バスこそが求められるわけでございます。  しかし、この路線につきましては、台東区が運行費の一部を支出しており、その後都営バス東四二乙路線につきましては、乗客数の伸び悩みや運営面など種々の課題が持ち上がってきておるわけでございます。本年の予算特別委員会でも議論のありましたように、一部の負担額も当初より大幅に上昇いたしました。今日の財政状況のもとでは多額の負担となってまいったことは事実であります。区財政面から見た場合には、当然慎重に検討しなければならない問題であると思います。しかし、この路線近辺の住民にしてみれば、単なる福祉の切り捨てのような考え方では困る問題だと思います。  そこで、区長はこのような背景の中で、区としては都バスの問題等を含めた本区の公共交通機関について調査を進めると拝聴いたしておりますが、この調査につきまして、三点についてお伺いをいたします。  まず第一点は、調査の内容についてでございます。  どのような調査をどういう視点で行うつもりなのか。ただ単に財政面からだけの調査なのか。この地域の状況変化や住民の都市交通に対する意識調査なのか。そもそもこの地域の住民が真に交通の不便さを感じ、都バス路線導入の悲願からできあがった唯一の交通機関を念頭に置いた調査なのか。赤字が出るから調査して、廃止をする方向の調査では絶対に困ります。この路線の開通に当たっては、並々ならぬ思いの中から地元町会はもとより、この地域住民は物心両面に大きな犠牲と熱意から実現し、でき上がった路線であります。その点を含んだ調査を実施してほしいと思いますが、いかがでございましょうか。  第二点目は、調査の継続についてでございます。  このような調査は単年度限りの一過性のものとせずに、何年か継続して実施することによって、データの収集・分析や新たな交通システムの検討などもできると考える次第です。区長はこの調査を来年度以降も継続して実施することを考えているのかどうかをお伺いいたします。  第三点は、前にも述べましたように、調査結果についてどのような施策に反映させていくのかが問題であります。都バスは公共交通機関であり、また生活路線でありますので、くれぐれも調査結果を見て廃止の方向だけは考えないでいただきたいと思いますが、区長の現在の所信をしっかりとお聞かせいただきたいものであります。よろしくお願いをいたします。  次に、都営地下鉄十二号線蔵前駅の新設に伴い、駐輪場対策についてお伺いをいたします。  区内では、常磐新線や都営地下鉄十二号線の建設に伴い、それぞれの新駅が四駅設置されるのを契機に、新しいまちづくりを行うことは、台東区の産業の面や定住対策の一環としてまことに喜ばしい事態でございます。しかし、その一方では、鉄道路線の駅周辺で違法に自転車が放置してあり、町の活性化の障害となっているのも事実でございます。このことは、歩行者にとりましても危険であるばかりでなく、救急活動の障害となる心配があります。さらには、都市景観を損なうなど、環境の悪化をもたらすことからも、放置自転車対策と自転車交通に対応した整備が必要であると考えます。  現在、区内では常磐新線や都営地下鉄十二号線の建設に伴い、それぞれの駅には駐輪場の設置が予定されておりますが、この蔵前駅には当面、駐輪場の設置予定がないと伺っております。この駅につきましては、従来の浅草一号線蔵前駅と地下道で連結し、双方の駅を一体化することにより、乗客の乗りかえが自由にできる大蔵前駅の構想にも、地元住民はいまだその将来の向けて熱意を持って取り組んでおる次第でございます。  このような状況のもと、平成十二年には地下鉄十二号線の開通が予定されており、目下工事も順調に進捗しておるように拝聴しております。この路線、蔵前駅の開業により、駅の利用者は相当に増加するものと予想されております。  区内の各駅の放置自転車の状況を考察すると、この蔵前駅付近にも相当多くの放置自転車が置かれることが予想されます。現在の蔵前駅周辺でも、常時二百台ぐらいの自転車が放置してあります。そのために、しばしば歩行者の通行に支障を来しておるのが実際でございます。その上にさらに新駅の開業に当たりましては、大きな懸念をしておる次第でございます。  そこで、鉄道事業者は鉄道整備を進めると同時に、こうした自転車対策等に協力をする責務があるのではないかと考える次第でございます。この駅には、特に隅田川を挟んだ墨田区側からの乗客が多く見込まれるものと考えております。このような観点から考えるならば、特に地下鉄十二号線の鉄道事業者に対して、駐輪場の設置については強く働きかけるべきだと考えますが、区長はいかがでしょうか。地下の駅舎と一体に設置のスペースがないならば、ぜひとも周辺の土地を求めてでも設置する必要があると思います。早急に対応すべきと存じますが、区長のご所見をお伺いいたしまして、質問を終わります。  ご清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(水島武久 さん) 区長の答弁を求めます。   (番外区長飯村恵一さん登壇) ◎区長(飯村恵一 さん) 河野議員のご質問にお答えをいたします。  ご質問の第一は、台東区内の公共交通機関等の調査についてでございます。  まず、調査の内容とその視点についてでございますが、この調査は高齢者に優しい町の実現や定住促進に向け、区内の交通状況を把握し、将来の交通ニーズに適合した交通対策を検討することを目的としております。  次に、調査の継続につきましては、鉄道、バス等公共交通に加え、自転車、徒歩などの多方面の分析を必要とするもので、来年度以降も調査を継続してまいります。  次に、調査結果につきましては、内容を十分検討して施策に反映させるよう努力してまいります。
     ご質問の第二は、都営地下鉄十二号線、仮称蔵前駅の新設に伴う駐輪場対策についてでございますが、鉄道事業者に対して強く協力を求めてまいります。また、駐輪場につきましては、区といたしましても今後とも努力してまいりますので、よろしくお願いをいたします。 ○議長(水島武久 さん) それでは、ここで十五分間の休憩をいたします。   午後四時一分休憩 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――   午後四時二十二分開議 ○議長(水島武久 さん) 休憩前に引き続き会議を開きます。  十番稲垣晃司さん。   (十番稲垣晃司さん登壇) ◆十番(稲垣晃司 さん) 一九九七年第二回定例区議会に当たり、日本共産党台東区議団を代表し、質問いたします。  今、国会では、日本共産党以外の「オール与党勢力」による翼賛政治とも言われる政治状況のもとで、国民無視の悪政がまかり通っています。消費税増税、沖縄の土地取り上げ、そして医療保険改悪、サッカーくじの導入など、区民の大きな怒りが広がっています。しかも、東京都政では同じ政治勢力によって、革新都政の成果への総攻撃が行われています。ことしは憲法制定五十周年、地方自治法施行五十周年、国の悪政から住民の命と暮らしを守る地方自治体の役割が今ほど問われているときはありません。飯村区長がこの立場で毅然とした姿勢を示されるよう、四点にわたって所信をお尋ねいたします。  まず第一は、医療保険改革関連法案についてであります。  政府は、医療保険の赤字を最大の理由にしていますが、世界一高い薬価にメスを入れれば解決できるということが国会論戦で既に明らかになっており、医療保険の国の負担を八〇年度の水準に戻しただけで、保険財政にゆとりが生じてくるのであります。医療保険赤字の国民転換は筋違いと言わなければなりません。  今、医療保険改悪法案に反対する国会請願署名千七百万人とかつてない早さで広がり、全国各地の医師会からも「国民の権利を奪い、また病院からもお年寄りや病人を締め出すような改悪は許せない」と怒りの声が上がっています。区長はこうした国民・区民の声に耳を傾け、「医療保険改悪法案」に明確な反対の態度を示し、関係機関に要請を行うべきであります。区長の答弁を求めます。  第二は、介護保険法案についてであります。  今国会で成立を図ろうとしている介護保険法案は極めて不十分な内容であります。基盤整備への国の責任もあいまいで、サービス水準の具体的計画も示されていません。これでは、保険料を払い続けても必要な介護が受けられる保障はありません。区長会からも「国民の信頼にこたえられる制度の実施や区の財政が過大にならないよう十分な配慮を」と国に要望書を上げていますが、国の責任を明確にし、国の負担をふやし、低所得者層からは保険料を取らず、公費による措置制度を拡充し、利用料の無料化や介護手当の支給などの内容を政府に要請すべきと考えますが、区長の答弁を求めます。  第三は、「サッカーくじ法案」についてであります。  何よりもフェアプレーの精神を大事にするスポーツをギャンブルで汚し、ゆがめるものとして、過去五回にわたり世論の反対でつぶされてきたものであります。それを日本共産党を除くスポーツ議員連盟が、今国会が「最後のチャンス」として、十分な国会審議もしないで、一気に衆議院で強行通過させました。日本PTA全国協議会、主婦連合会、日本弁護士会など九十八団体からの抗議の声が上がり、マスコミも「テラ銭頼みの無定見だ」「本末転倒のサッカーくじ」といった社説を掲げています。青少年の人間形成やモラルの発達に大きな影響を及ぼし、真のスポーツ振興の妨げになるサッカーくじ法案に対し、反対の態度を表明し、廃案とするよう関係機関に要請を行うべきであります。区長の答弁を求めます。  第四は、東京都が決定した都民の暮らしへの総攻撃、都政史上最悪とも言える「財政健全化計画」についての所見を伺います。  六月二十七日から東京都議会議員選挙が始まりますが、この「財政健全化計画」を許すのかどうかが最大の争点になります。東京都政が自民党都政に変わって十八年、豪華な東京都庁の建設に加えて臨海部副都心開発など、ゼネコンだけが喜ぶ大型開発事業に湯水のように都民の税金をつぎ込んできました。その結果、「赤字をつくった」と自民党が総攻撃をした革新都政最後の七十九年から五兆円も赤字をふやし、現在の赤字は七兆円にも達しています。臨海部開発などのむだ遣いには手をつけないばかりか、今後とも三兆六千億円、毎日三億円もの税金投入を続ける一方で、革新都政時代の成果を根こそぎ、大なたをふるって、都民犠牲によってこの財政赤字に対処しようとする、とんでもないものであります。この計画には、区民の暮らし・福祉に直接大きな影響を受ける制度が数多く含まれていますので、三点について区長の見解をお聞きいたします。  まず、シルバーパスについてであります。  現在、全都で無料パスが六十八万人、有料パスが四万九千人、台東区では無料パスが一万四千二百二十九人、有料パスが八百八十七人、実に一万五千人以上の高齢者が、かけがえのない「生活の足」、「社会参加のきずな」として利用しています。このシルバーパスを都議会議員選挙が終わったら廃止も含めて見直そうというものです。一部政党は、「日本共産党がデマを言っている」などとビラをまいているようでありますが、四日の都議会本会議で、日本共産党の木村ようじ都議会議員が「シルバーパスを取り上げないと約束せよ」と青島知事に迫りましたが、「具体的な内容については今後検討の中で明らかにされていくもの」との答弁しかありませんでした。台東区における高齢者無料離入浴券支給制度に見られるように、行革での見直しが施策の大改悪になることは、区民は絶対に忘れてはいません。  私は、―――――――――――――――――――――、「シルバーパスは絶対守ります」と連日街頭から訴えておりますが、「シルバーパスを取り上げられたら、病院への通院も回数を減らさなければならない」と涙ながらに訴えてこれらるお年寄りが何人もありました。区内高齢者の貴重な生活の足として欠かせないシルバーパスの存続を図るよう都知事に申し入れるべきであります。区長の答弁を求めます。  二点目は、老人医療費助成についてであります。  東京都の六十五歳からの医療費助成は、自民党政府の妨害をはねのけて、革新都政のもとで都民の運動で実現した制度で、全国の自治体に広がり、遂に政府も老人医療無料制度を実施せざるを得なくなったものであります。  「財政健全化計画」は、「平均寿命が伸びたから」というひどい理由で見直そうとしています。廃止をされれば、台東区では約六千人以上が対象から外され、金額では年間四億五千万円もの負担増が区民にのしかかってきます。この制度は、高齢者の長寿を支える命綱であり、高齢者比率の最も高い本区の区長として見直し反対の立場を表明し、都知事に要請すべきであります。区長の所見を伺います。  三点目は、都の中小企業施策の要とも言うべき「制度融資」を大後退させる問題であります。  本区の都の制度融資利用件数は一万三千六百件、借り入れ金額とも九五年度で全都最高クラスであります。「健全化計画」では、「政策目標に沿った制度融資に重点を移す」「成長産業分野の企業を育成する方向性を強化する」と改悪を進めようとしていますが、これでは不況で苦しむ中小企業は対象から外されてしまうことになります。  本区は中小零細企業、地場産業の密集した町であります。都の制度融資を命綱としている中小企業者を守る立場から、この制度を後退させないよう強力な働きかけを行うべきであります。  四点目は、「財政健全化計画」そのものについてであります。  今回の「健全化計画」は、都の財政破綻を切り抜けるという理由のもとで、さきの三点を含め、私学助成カット、公共料金一斉値上げなど十一項目にわたり、区民生活に直接深刻かつ重大な影響をもたらす区民いじめの大計画であります。しかし、臨海開発など途方もないむだ遣いをやめれば、暮らし・福祉・教育に犠牲を押しつけなくても済みます。区長として、都知事に「計画」の撤回を強く申し入れるべきであります。答弁を求めます。  第五は、清川二丁目の郵政省用地への清掃車庫の設置についてであります。  もとより、台東区など二十三区が「基礎的自治体」となるための制度改革は重要な課題であり、地方自治法の改正には、清掃問題の解決として台東区への清掃車庫の設置が義務として課せられているのであります。飯村区長は、この清掃車庫を平成十二年までに開設するとして、清川二丁目の郵政省用地への清掃車庫の設置を提案いたしました。  しかしながら、この提案には承服しがたい重要な問題を含んでおります。日本共産党区議団は十数年前からこの郵政省跡地への都営住宅建設を提案してまいりました。また、六十三年には「台東区内に都営住宅建設をすすめる会」の同趣旨の陳情が、平成元年三月に地元町会からの「公立住宅建設並びに玉姫労働出張所移転についての陳情」が台東区議会に提出され、それぞれ採択されています。これら台東区議会が採択した陳情は、浅草北部の環境問題の解決策として郵政省用地を有効に利用しようとするものであり、当然のことであります。  ところが、今回の清掃車庫の提案は、郵政省のビルを現状のまま借り上げ、その一階と地下のみを使用しようとするものに過ぎません。浅草北部の抱える問題の解決には全く役立たない提案でしかありません。この土地を利用しての解決策の実現を遠くのかなたに追いやってしまうものでしかありません。  我が党区議団は、この提案を受けて早速、都労働経済局、都・山谷対策室、郵政大臣官房施設部資産管理運用室から実情を聴取してまいりました。しかし、これらの聴取からは「都営住宅建設や山谷問題の解決にはどうしても必要な土地」としての熱意が全く感じられず、価格が折り合わないために、郵政省から東京都への譲渡は当分様子を見るとの態度でありました。このような国や都の態度を「仕方なし」として巨大な空きビルの一部にだけを利用して、清掃車庫を設置しようとする飯村区長の提案は、浅草北部の環境改善をおくらせるだけであり、十年、二十年と放置される可能性があります。「引き続き努力する」との理事者答弁がありましたが、いつ具体化するのか何の保障もありません。区長の答弁を求めます。  一部に「台東区の清掃車庫の設置のおくれで、地方自治法の改正がおくらされる事態は避けなければ」との意見がありますが、解決に協力しない郵政省と東京都が責任を負うべきものであり、台東区が負うべきものではないことを最後に申し述べておきます。  第六は、都電荒川線の台東区への延伸についてであります。  昨今、路面電車が人と環境に優しい公共機関として見直されてまいりました。国内各地でも路面電車の延伸が検討され、ヨーロッパ諸国でも路面電車の復活を実行した都市も相次いでいます。  ところで、東京都交通局は、ことし二月に発表した中期計画で「都電荒川線の延伸」の検討を明らかにしました。ご承知のように、都電荒川線は台東区の区境からわずか百メートルの三ノ輪橋から早稲田までの、都内に残された唯一の都電線であります。また、東京都都市計画局も本年度八百万円の高性能路面電車の基礎調査費を計上し、来年度はモデル地区の選定に入ることを、三月定例会での日本共産党都議会議員の質問への答弁で明らかにしています。  さらに、荒川区は九五年に「都電荒川線の延伸に関する調査」を行っています。この計画によれば、三ノ輪橋から南千住、白髭西地区を通った都電新線は清川二丁目の郵政省用地の明治通りを挟んだ北側まで来ることになっていますし、調査書は浅草までの延伸にも触れています。この方向で実現すれば、浅草北部地域の交通問題の解決にも大きく寄与いたします。  ところで、飯村区長も都議会議員時代に都電の延伸を検討されたと聞いておりますが、現在の状況はモータリゼーションの見直しも含めて状況は大きく変わり、都電荒川線の延伸が具体化される状況になっています。もちろん技術的には常磐線や日光街道との交差など解決しなければならない問題が多々ありますが、東京都や荒川区の検討がここまで進んでいる中で、台東区が座視したままでは浅草・上野への延伸も含めて台東区民の要望にこたえられなくなってしまうのではないでしょうか。この際、都電延伸も含めて、台東区内の交通体系がどうあるべきなのかの検討もなされるべきであると考えますが、いかがでしょうか。  第七は、本区の医療機関の充実強化についてであります。  一点目は、下谷病院の存続問題について質問いたします。  本年第一回定例会で、区長は「みずから先頭に立って解決に全力を挙げ、その経過については議会に報告する」と答弁されました。しかしながら、五月二十三日の例月常任委員会では、この問題は何ら報告されず今日まで至っております。この間、区長は、都に要望書を提出した以外どのような対応をしてきたのか、まず答弁を求めます。  区民の存続の願いにもかかわらず、私学共済組合は移転に向け、国、都、移転先自治体と積極的に働きかけを行っているだけに、この問題の解決に当たる区長の姿勢が問われているのであります。同時に下谷病院の移転がどうしても避けられない場合は、二百一床ベッド数を区内に確保するための新たな方策を考える時期ではないかとの意見も聞きますが、区長の見解を求めます。  次に、旧都立台東病院についてであります。  「旧台東病院あり方検討委員会」の報告によると、新たな台東病院の規模は従来と同じ百二十床、医療機能は高齢者医療とし、財団法人東京都保険医療公社が運営するとしています。当区議会が区民の要望をまとめて提起してきた七項目のうち、総合医療機能、救急医療機能、産科・小児科医療など六項目は全く取り入れられませんでした。しかもその運営は予約制・紹介制を基本としている保険医療公社であり、これまでの台東病院のようにだれでも気楽に通院、入院できる病院ではありません。健康宣言で最重要課題の一つに上げている台東区がこうした方向だけの台東病院の再建を容認するわけにはいきません。区長はこの報告をどう受け止めているのか答弁を求めます。  下谷病院が移転を譲らず、旧台東病院が予約、紹介制の高齢者中心の医療機関になったらどうなるでしょうか。下谷病院移転等との関連も考え、ベッド数をふやし、総合病院としての役割を果たせるよう再検討すべきであります。  三点目は、永寿病院の建てかえに当たり、旧西町小学校用地を借りたいとの申し入れが区長に正式にあったそうでありますが、この点での区長の見解を伺います。  この項目の最後に、下谷病院、旧台東病院、永寿病院と数少ない病院しかない台東区で、病院をめぐる情勢が揺れ動いています。それだけに、来年度から見直しが開始される第二次医療圏に当たって、台東区のベッド数規制の緩和は避けて通れないものとなっています。区長を先頭にあらゆる角度から強力に語りかけるべきと考えます。この点での区長の決意を伺います。  最後に、先ほど区長の答弁に当たり、一言申し上げさせていただきます。敬老祝品についてであります。  我が党区議団は、台東区の物品購入がデパートに偏っていること、またこの入札をめぐってのデパートの不正談合を追及してきました。また、四年前には、敬老祝品を区内商店街で自由に買い物ができる共通買物券を発行する条例を提案いたしました。残念ながら私ども以外の議員によって消されましたが、今日我が党の条例提案の方向で検討が明らかになったことを大いに歓迎するものであることを表明して終わります。(拍手) ○議長(水島武久 さん) 区長の答弁を求めます。   〔「議長、動議」と呼ぶ者あり〕 ○議長(水島武久 さん) 区長、答弁お願いいたします。   〔「動議優先だよ」と呼ぶ者あり〕 ○議長(水島武久 さん) 議事の都合により暫時休憩いたします。   午後四時二十二分休憩 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――   午後五時二十三分開議 ○議長(水島武久 さん) 休憩前に引き続き会議を開きます。  稲垣晃司さんから発言を求められております。これを許可いたします。  十番稲垣晃司さん。 ◆十番(稲垣晃司 さん) それでは、削除及び一部訂正を行いたいと思います。  シルバーパスについての質問の項目の中で、―――――――――――――――――――――――を削除いたします。  次は、清掃車庫の設置についての質問で一部訂正をさせていただきます。  郵政省と東京都が責任を負うべきものであり、台東区が負うべきものではないことを申し述べておきます。  以上であります。 ○議長(水島武久 さん) おはかりいたします。  会議規則第六十二条の規定により、稲垣晃司さんからの発言取り消しの申し出を許可いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(水島武久 さん) ご異議ないと認めます。よって、稲垣晃司さんからの発言取り消しの申し出を許可することに決定をいたしました。  区長の答弁をお願いいたします。   (番外区長飯村恵一さん登壇) ◎区長(飯村恵一 さん) 医療保険改革関連法案について、稲垣議員のご質問にお答えをいたします。  ご質問の第一は、医療保険改革関連法案についてでございます。  これらの法案は、医療保険制度の財政の安定性を確保するとともに負担と給付の公平を図るためのものと理解をいたしております。  今回の改革は、区民が安心して暮らす礎となる国民皆保険制度を維持するためのものであり、私は必要であると考えております。  質問の第二は、介護保険法案についてでございます。  私は、本格的な高齢社会に備えて、新たな介護の仕組みをつくることは重要であると考えております。現在、介護保険法案が国会で審議されておりますが、必要な場合はこれまで同様国に要請してまいります。法案自体につきましては、国会の動向を見きわめてまいりたいと考えております。  ご質問の第三は、サッカーくじ法案についてでございます。  現在、スポーツ振興の財源確保のため、国会で審議されております。一方、青少年に影響を与えるとの意見のあることも承知いたしております。今後とも慎重に推移を見守ってまいりたいと考えております。  ご質問の第四は、東京都財政健全化計画についてでございます。  まず、シルバーパスにつきましては、現在都が見直しているところでございますので、その推移を見守ってまいりたいと思います。  次に、老人医療費の助成につきましては、社会状況も変化してきたために都が見直しをしていると認識しております。高齢者の多い本区にとって関心の高い問題でありますので、今後注意深く見守ってまいりたいと思います。  次に、中小企業制度融資についてでございますが、見直しの具体的な内容について、真に区内の中小企業に役立つ融資制度となるよう、機会をとらえ、できる限り対応してまいりたいと思います。  次に、都知事への撤回の申し入れについてでございますが、この計画は都民の新たなニーズにこたえ、また強固な財政体質を確立していくために策定するものと承知しております。東京都が策定するものであり、ご理解をお願いをいたします。  ご質問の第五は、清掃車庫設置についてでございます。  直営清掃車庫として、その一部の利用を予定している旧東京北部小包集中局に関しましては、地元からの陳情の趣旨も踏まえ、これまでも東京都に国からの取得を強く要望してきたところでございます。現時点での取得は困難な状況にありますが、今後もねばり強く国や都に働きかけてまいりますので、ご理解を賜りたいと思います。  ご質問の第六は、都電の延伸についてでございます。  区では、これまで公共交通のあり方について検討してまいりました。今年度からは、新たに都電荒川線を含め、台東区内全域の公共交通等について調査を行ってまいります。  最後のご質問は、地域医療機関の充実強化についてでございます。  最初に、下谷病院の区内存続についての対応ですが、去る五月二十二日に私学共済の常務が来庁するなど、話し合いを継続しております。今後ともよりよい方向に進展するよう全力を挙げるとともに、局面に応じて議会にも報告をしてまいります。  次に、下谷病院の移転問題についてですが、私は厳しい状況の中で、これまで二次保健医療圏の病床数の規制の問題や都有地の問題について、東京都に対して要請活動を行ってきたところであり、都も台東区の実情について理解を示してくれていると考えております。  さらに、今後の方針についてですが、下谷病院の区内存続についての私の姿勢は今も変わっておりません。  続いて、旧都立台東病院についてでございます。  最初に、検討委員会の報告書に対する私の評価についてでございます。  検討委員会は、区議会や区民からの要望を十分検討した上、台東区を取り巻く医療環境を考慮して、新しい病院の規模や機能などのあり方を打ち出したものと理解をしております。  次に、旧台東病院の総合病院化についてですが、私は二次保健医療圏における病床数の計画を調整している東京都が、みずから病床数を拡大して総合病院化を図るのは困難であろうと考えております。  次に、永寿病院の建てかえについてであります。
     私は、永寿病院関係者からの要望内容につきましては、庁内で幅広く検討の上、結論を出していきたいと考えております。  最後に、病床数の確保に向けた取り組みについてであります。  私は、今後とも台東区内の医療体制の確保に向けて全力を挙げて取り組んでまいります。  以上です。 ○議長(水島武久 さん) 十九番伊藤萬太郎さん。   (十九番伊藤萬太郎さん登壇) ◆十九番(伊藤萬太郎 さん) 台東区議会再生クラブを代表して質問させていただきます。  まずは、地球温暖化問題についてであります。  地球が温暖化すると自然や私たちの生活環境にさまざまな影響が生じます。今のままで推移していきますと、二十一世紀末までに地球の温度が二度上昇し、世界の海面が一メートル以上上昇します。東京下町に当たる部分は海水面より低くなり、日本全国では新たに三十七兆円の資産がゼロメートル地帯に入ると試算されています。また、急激な温暖化のために地球の植生が移動に追いついていかれなくなり、世界的な農業生産への影響、病気や害虫の被害増大、畜産業における繁殖力の低下、漁業における漁場の変化、人体への高温障害、ストレスなどの健康への影響、挙げれば甚大な影響が予想されるわけであります。  地球温暖化の原因は、地球温度を一定に保つ働きをする温室効果ガスの濃度が急上昇することにより温暖化が進む現象をいいます。温室効果ガスとは、二酸化炭素、メタン、亜酸化窒素、対流圏オゾン、フロンの五つが主な物質であります。  発生を抑制する具体的なことは、石油や石炭などの化石燃料の使用削減、排ガス規制、火力発電の電力量の制限であります。そしてメタンは農業から主に排出されます。フロンは一〇〇パーセント人為的なものであります。対流圏オゾンは工場・自動車などから排出される窒素酸化物や炭化水素が光化学反応で起こす結果、発生します。亜酸化窒素は、物の燃焼や窒素肥料が原因です。世界各国が温室効果ガスの削減の数値目標を定めるなどして真剣に今取り組みつつあります。  リオデジャネイロの国連環境開発会議・地球サミットからはや五年、ことしは二十一世紀に向けた目標、政策、行動を検証し、決定する大きな国際会議が開かれます。一つはニューヨークの第二回地球サミット、もう一つが本年十二月に京都で開催されます「気候変動枠組み条約」・地球温暖化防止京都会議であります。  この会議には、日本が議長国となって百五十カ国以上から政府代表やNGOが参加いたします。温暖化の主要因であるCO2 について、二〇〇〇年以降の先進国の削減計画を盛り込んだ「京都議定書」が採決される予定であります。議定書は法的な拘束力を持ち、議長国となる日本の環境政策は一転して世界各国をリードする形となり、法律や条例など国や地方での産業を初め各界、各分野の社会構造そのものの大きな転換を求められることとなります。現在ある電力会社による電力量当たりの二酸化炭素排出規制、産業界の二酸化炭素削減についての業種ごとの自主行動計画をつくるといった動きが一気に加速されるわけであります。  このように温暖化防止に規制が高まることにより、都市部、工業地域から農村地域に至る全国各自治体に対し、さまざまな変革を求めることとなります。特に足腰の弱い中小企業を多く抱える台東区にもかなりの対応が予想され、一方でその対策を真剣に考えておく必要性をまず指摘しておきます。  こんな状況の中、この地球温暖化に対する当区としての姿勢と具体的な取り組みについて区長のご見解をまずお聞きしておきます。  続いて、台東区の環境保全政策であります。  環境配慮率先行動指針は、二十三区では板橋区に次いで二番目の取り組みだと存じております。環境庁の環境家計簿も早速購入して配布することになり、喜んでおるわけです。しかし、すべての環境施策が他区より決して進んでいるとは見えていません。環境基本条例や環境基本計画などの総合的な環境対策が策定されていないのは江戸川区と台東区だけだとも聞いております。飯村区長の調和区政の基本は人との調和、地域との調和、環境との調和があります。  そこで、今年度末に策定されます長期総合計画の基本にもきちっと環境政策を位置づけていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。  次に、「エフェクティブ マイクロ オーガニズムズ」、すなわち有用微生物群の活用についてお尋ねいたします。  現代用語辞典をひも解きますと、EMという欄に「有用と微生物の組み合わせた造語で、乳酸菌や酵母菌、放線菌、光合成細菌など約八十種類の微生物を集めて共存させた培養液。琉球大学の比嘉照夫教授が開発し、農業を初め環境、医療など幅広い分野でその効用が期待されている。比嘉教授は日本の土壌のほとんどが農薬や化学肥料、除草剤に侵され腐敗型になっているが、このような問題のある土壌を蘇生の方向へ転換させる力を持つのが有用微生物群EMでであると主張いたします。EMは、稲作や畑作、果樹栽培でも目ざましい実績を上げ、養豚、養牛の排せつ物の悪臭を除去したり、ごみ減量にも貢献している。岐阜県可児市では、生ごみ処理にEMを使い、年々ふえ続けていた市のごみ回収費が減少しているという」と明記してあります。  微生物は、地球が誕生して間もなく、酸素もないときに出現し、数十億年絶えることなく生き続けてまいりました。微生物は原生動物、藻類、酵母、カビ、細菌などの総称です。小さじ一杯の土の中に地球の総人口に匹敵するほどの微生物が存在します。そして人の肌にも、一平方センチメートル当たり二千から七万の微生物がすみ着いています。有用な微生物は、ご承知のとおり納豆、みそ、しょうゆ、日本酒、ワイン、ビール、ヨーグルトの酵母菌を初めビヒィズス菌、乳酸菌、あるいは動物の反すうの部分には微生物の助けを借りて分解、吸収しています。また、物を腐らせたり悪臭を放ったりするばい菌、あらゆる病原菌などは有害微生物です。その微生物はいつも空中、土中、水中、生物の中に、体の中にいて活動しています。そんな中から有益なものだけを五科十属、約八十種を取り出して混ぜ合わせたものがEM菌なのであります。今までは、性質の異なるたくさんの微生物を同居させることはご法度とされていたのです。しかし、比嘉教授は、安全性をチェックして繰り返し繰り返し混合培養してみたところ、そういった画期的な結果が得られ、こうして昭和五十五年にEM菌が完成を見たわけであります。  有用な微生物を集めて混合培養した例はまだほかにもあり、東京農業大学の高島教授が開発した百五十種の微生物を混合したEM・BCは、さらに強力な効用があるとも聞いております。その他対応微生物研究所が開発したOM菌というのもあります。しかし、比嘉教授のEM菌が今のところ最もメジャーなものであり、アジアのタイ国では国策として農業、畜産、ごみ処理などにEMを取り入れてアジアの拠点となっております。インドネシア、スリランカ、インド、中国、韓国などに普及しています。韓国の釜山市では、「生ごみを分別したら九〇パーセントごみ問題は解決する」という韓国清掃局の現場の声を聞いて、EMの生ごみリサイクルシステムで大成功し、韓国の法律で本年九七年一月から生ごみをごみ捨て場に捨てることを禁止しました。その他アメリカ、カナダ、ブラジルなど約五十カ国でその成果が上がっているそうであります。また、国内では先ほどの可児市の生ごみリサイクルを発端に全国約五百自治体が生ごみ、農業、畜産、水質浄化、悪臭対策などさまざまな分野にEM技術を取り入れております。  再生クラブは、この五月一日に行政にEM技術を取り入れて名高い和光市の生ごみ処理センターを視察に行ってまいりましたところでもあります。また、この六月四日のNHKの生ごみの処理の番組でも、最も有効な方法としてEMコンポストを取り上げております。  そんな中、私たち再生クラブは五月二十八日に比嘉照夫琉球大学教授に面会の機会に恵まれ、二時間のすばらしい会談をすることができました。そしてEM菌関連施設、下水処理で有名な具志川図書館、さらに沖縄ランセンター、今帰仁村の有機農場、生ごみ処理場、混合浄化施設などを視察してまいりました。実に目を見張る成果を私たちは体験することができたところであります。  土の中に病原菌が多くいれば腐敗型となり、作物が病気になり害虫に侵されます。反対に有益な微生物が多ければ、土は柔らかく健康で丈夫な作物をつくる蘇生型の土壌となるのです。化学肥料や消毒によって腐敗した土をEM菌は蘇生します。微生物は有機物を食べて生きます。  今帰仁村の企画財政課長さんの庭には、生ごみのため池があります。それも見てまいりました。EM菌を使うと何日たっても何カ月たっても臭いもしないし、ハエもたかりません。それが最高質の堆肥となるわけであります。浄化槽に流すと、汚物を分解して最終的に飲める水になります。事実、具志川図書館の浄化槽の水を私たちは飲んでまいりました。その浄化槽のふたや金属部分はすべてさびていません。においも全くありません。EMを注入してから六年間、汚泥の掃除は一回もしていないとのことです。最終処理槽の水は底まで見えました。河川や池などに、EMによってヘドロや汚泥などの汚染物質を死滅させ、浄化し、魚や生物がすめるようになります。人間の病気は、病原菌などの微生物により体が酸性化することにより発症すると言われます。有用な微生物の繁殖により、体内の抗酸化作用が活発化し、病気の治癒力を高めます。――――――――――――――――――――――――――――――――――――。  食糧危機、環境破壊、資源の枯渇、医療問題、すべてにわたってこの有用微生物群EMが解決し、地球を救うとまで比嘉教授は言い切っているのであります。  平成四年の東京都清掃局の調べでは、家庭系の生ごみは二一・七パーセント、事業系生ごみは四八・六パーセントとのことです。生ごみ対策に有用微生物群を活用し、生ごみ処理工場をつくって完結リサイクルすれば、東京都は猛毒ダイオキシンの発生する清掃工場をふやすどころか今の半分に減らせます。各家庭はもとより飲食店、公共施設、小・中学校の給食などの生ごみ対策に、公共施設の浄化対策に、あるいは隅田川、不忍の池、あるいは公園の池や河川などの浄水に、この有用微生物群の活用の検討をしてはいかがでしょうか。  以上で私の質問を終了させていただきます。ありがとうございました。(拍手) ○議長(水島武久 さん) 区長の答弁を求めます。   (番外区長飯村恵一さん登壇) ◎区長(飯村恵一 さん) 伊藤萬太郎議員の質問にお答えをいたします。  ご質問の第一は、地球温暖化についてでございます。  地球温暖化は、将来の世代の生活基盤を揺るがす重大な問題と受けとめております。区といたしましても、環境月間を中心に区民・事業者への意識啓発を図るとともに、区みずからも省資源、省エネルギー、熱帯木材の使用抑制、リサイクル推進等、温暖化対策に貢献する施策を積極的に進めております。  また、本年は新たに区民が家庭でエネルギー使用量などが容易にチェックできる環境家計簿による取り組みを始めたところでございます。  ご質問の第二は、環境保全政策についてでございます。  環境問題は、従来の産業型公害から都市活動に伴う問題や地球環境問題へと広がってきております。議員ご指摘の環境基本計画など総合的な対策の必要性は、長期総合計画の改定の背景として私も十分に認識いたしております。したがいまして、ご提案の趣旨も踏まえ、環境に配慮した計画策定に努めてまいります。  最後のご質問は、有用微生物群の活用についてでございます。  ご提案の微生物群の多様な活用につきましては、研究段階と聞き及んでおりますので、今後の推移を見守りたいと存じております。  以上です。 ○議長(水島武久 さん) 四番関根博之さん。   (四番関根博之さん登壇) ◆四番(関根博之 さん) 平成九年第二回定例会区議会に当たりまして、飯村区長さんに二つの大きなテーマで質問させていただきます。  一つは、地方分権の推進の姿勢と、そして都区制度改革の取り組みについてお伺いしたい。それから、二点目が、台東区財政の健全化についてという大きなテーマをご質問させていただきます。  飯村区長さんに質問に入ります前に、台東区議会議員として最後の本会議での質問の機会を十分に与えていただきました三十五名の議員の皆様に深く感謝申し上げます。本当にありがとうございます。  私、関根博之は、台東区議会議員としての責任をできる限り全うできるよう、今平成九年第二回定例会の終了後に議員を辞職いたしますことをご案内させていただきます。  私は、六年一カ月前に初当選して以来、本日が五回目の一般質問となりますが、今までの四回は自民党議員としての発言であり、今回は無所属としての発言でありますが、台東区への思い、そして台東区民への思いに立った発言には何ら変わりはないのであります。  区民の皆様よりご信託をいただき、地方政治に参加させていただいて以来、台東区政の中で私は中小商店、中小企業、商店街、地場産業の活性化の諸問題、そして定住促進、子育て支援、医療、福祉、教育、文化と振興の諸問題を訴えさせていただきました。これらのすべての発言は、日本を代表する下町の独特の息づかいのある魅力ある町をつくること、すなわち魅力ある台東区をつくりたいという強い思いからでありました。若者たちに、次の子供たちの世代に自信と誇りを持って自分たちの町をつくってもらいたい、家族や地域の人々を愛し、町を愛する子供たちが育つ台東区をつくりたいという思いからでもありました。  若者たちは、あらゆることにエネルギッシュです。若いから非常に元気であります。若者たちがいないと町に元気がありませんし、子供たちの姿も少なくなって、健全な社会構造も崩壊してしまいます。元気な若者たちに区外に流出されない、次代を担う人たちが魅力を感じ、まちづくりに参加してもらえる環境をつくることが大切なことだと思います。間違いなく若者たちが次の時代を、地域を担っていくのであります。高齢化社会、少子化社会、情報化社会、国際化社会の中で台東区のアイデンティティーが、台東区のオリジナリティーが地域に必要なのであります。そして、地方分権が推進されていく中、地域主権の社会とまちづくりに向けて、この地域アイデンティティーと地域オリジナリティーを区民の皆さんと一緒につくることが重要な時代となってまいりました。  しかしながら、今の地方政治の中では、思い切った地域の独自性を実現することや、地域の主張を実現することは難しいことと区議会二期の区政活動を通じて深く感じました。それは余りにも中央集権的な政治体制と行政システムだからであります。中央官僚主導型の政治と行政のシステムが、中央のデザインの枠組みや規制や権限で、地域特性を発揮した地域らしい施設建設やサービスの提供や魅力あるまちづくりを実現させることに大きな弊害となっているのであります。地域主権の真の民主政治と社会づくりを急がなければなりません。  地方の時代と言われて久しく、ようやく平成七年に地方分権推進法が時限立法され、昨年の十二月には地方分権推進委員会から第一次答申が発表されました。地方の自立に向けて大きく動こうとしております。変わろうとしているのであります。台東区は東京都の特別区という附属機関としての存在ですが、今都区制度改革の中で基礎的自治体としての条件整備をしているところの東京都の構成員であります。東京都は今地方分権に向けての受け皿づくりに懸命のようですが、全国地方自治体三千三百余のリーダーとしての自覚と責任を持って、もっと積極的に区民生活や都民生活やまちづくりに密着した権限や規制をつかみとるぐらいの姿勢が東京都には必要と思っております。自主財源の確保や新たな法定受託事務の中で、自己決定権の確保など大きな課題もありますが、積極的に取り組まなければならないと感じているところであります。  そこで、飯村区長さんにお尋ね申し上げます。  やがて迎えます分権型社会に向けて、台東区はどのような姿勢で地域主権の台東区をつくろうとしているのでしょうか。地方分権に対しての飯村区長さんの姿勢をお尋ねいたします。  また、都区制度改革が進められている中で、特に平成六年五月以来、ごみ問題を中心とする清掃事業の移管がまずありきで、区民の皆さんにもごみ処理が基礎的自治体としての大きな仕事のように受けとられてしまっておりますが、これには私も同感であります。平成十二年度の制度改革に向けて来年の法改正が目前に迫っているところで、さらに新しい段階を迎えて、二十三区の中でも自主権確立のリーダーとして飯村区長さんにはぜひ頑張っていただきたいとご期待を申し上げるところであります。  そこで、飯村区長さんにお尋ねいたします。  日本を代表する下町台東区の魅力あるまちづくりや区民生活の向上や次代の人々に地域への愛情の生まれる台東区がつくれるよう、真の地域主権の確立に今こそ力を注ぐときと思いますが、いかがでしょうか。都区制度改革への取り組みにつきましてお尋ねいたします。  また、当初の都区制度改革に関するまとめと今回の法改正に向けた内容には隔たりがあり、もっと区長会でも頑張ってもらいたいと思いますが、いかがでしょうか。  大きな二点目の質問は台東区財政の健全化の問題であります。  財政健全化に向けた大きな改革目標は行政改革であります。さきの予算委員会で明らかになりましたが、行政改革の大きな柱となっておりました職員数の削減でも、外郭団体への百二十五名の職員派遣など実質的な削減には当たらず、行政改革に向けた真の実行が強く求められているところであります。これも、財政の健全化には強く影響を及ぼすものであります。また、前の決算委員会から比べても、公債比率も予算委員会で修正されました。財政の健全化に向けた管理意識をもう一度持ち直していただかなければなりません。  昨年、台東区財政調査会から出されました「台東区財政と今後のあり方」にも示されております財政運営の基本方針と財政収支の見通しにあります平成十一年の財政調整基金が底をつくという、台東区財政の危機を回避しなければなりません。これらの将来不安を払拭するためにも、早急に東京都の財政健全化計画のように、区議会にも区民の皆様にも理解される財政運営と行政運営が進められるよう、台東区の健全化計画を作成していただきたいと思いますが、飯村区長さんにはお取り組みいただけますでしょうか。  東京都も行政改革大綱を受けて健全化計画が作成されました。台東区も区民の皆さんの目に見える健全な財政運営と行政改革が必要で、その指針と目標を持つことはとても重要なことであります。  飯村区長さん、これが私の台東区議会での最後の質問となりました。飯村区長さんにはご健康に留意され、ますます台東区民の幸せのため、台東区の発展のためにご活躍されますことをご祈念申し上げます。  また、台東区議会の議員の皆様、理事者の皆様、六年一カ月、本当にお世話になりました。ありがとうございます。大変多くのことを学ばせていただきました。思い出もたくさんできました。驚きも感動もありました。政治活動を通じて多くの区民の皆様とも接することができました。すべてのものは人の心から生まれ、人の心からつくられることも改めて実感いたしました。これからも大勢の人々と接していくと思います。お一人お一人の心から生まれるものを大切にし、できれば大勢の皆様の心とエネルギーで新しい台東区をつくっていきたいと思っております。新しい政治をつくっていきたいと思っております。ぜひ、台東区議会の皆様には区民主権の真の民主政治をつくるため、地方の政党は本当の区民政党になっていただきたいと思います。与党という表現は、行政が主役になってしまうのであります。与党という立場は区民から離れてしまう場面も多く、残念であります。私の都政への思いは台東区への思いであり、台東区民への思いであります。魅力ある町をつくりたい、魅力あるすばらしい台東区をつくりたいと厚く思うのであります。台東区議会の大勢の同志の皆様、本当にありがとうございました。  以上で終わります。(拍手) ○議長(水島武久 さん) 区長の答弁を求めます。   (番外区長飯村恵一さん登壇) ◎区長(飯村恵一 さん) 関根議員のご質問にお答えを申し上げます。  ご質問の第一は、地方分権推進の姿勢と都区制度改革の取り組みについてでございます。  まず、地方分権の推進は、地方公共団体の自主性を高めるとともに、区民福祉の向上にも極めて重要な意義を持っているものと考えております。この問題につきましては、二十三区が一体となって取り組みを行っており、このたび地方分権推進委員会の第二次勧告が出される前に、この委員会に対し区長会として意見を取りまとめ、要望を出す予定でございます。  さらに、都区制度改革の取り組みについてでございます。  昭和六十一年の都区制度改革の基本的方向についての都区合意は、今回の制度改革の契機となった大変意義あるものでございます。今回の制度改革で移管される事業につきましては、議員ご指摘の点もあるものの、おおむねそのときの考え方が生かされていると考えております。今後ともまちづくりや産業振興などの分野について、地方分権の推進の観点から基礎的自治体としてできるだけ区が行うよう、なお一層働きかけてまいります。  ご質問の財政収支を見通した財政健全化計画の策定についてでございます。  台東区財政調査会の報告では、台東区行政改革大綱との整合性を持たせた財政計画の必要性が提言されております。私は、財政の健全化に向け、受益者負担の適正化や自主財源の確保対策のために収入未済対策委員会を設置するなど、財政の健全化に向け、具体的に取り組んでいるところでございます。  ご提案の財政健全化計画については、財政調査会の提言の趣旨を踏まえ、当面は行政改革の具体的な取り組みの中で推進していくとともに予算に反映させてまいりたいと存じます。  また、将来の財政需要については、改定作業中である長期総合計画の中で財政収支の見直しを示してまいりたいと存じます。  以上です。 ○議長(水島武久 さん) 一番鈴木 茂さん。   (一番鈴木 茂さん登壇) ◆一番(鈴木茂 さん) 自由民主党の鈴木 茂でございます。新人でありながら今回第三回目の質問の機会をちょうだいしましたこと、自由民主党同志の皆様に感謝いたします。  時計も既に六時を回りました。長い間論議され、大変議員の皆様も、また理事者の皆様もお疲れのことと思いますが、私で最後の質問でございますので、どうぞよろしくお願いいたします。  最初に、地方分権についてお尋ねいたします。  この問題につきましては、去る三月議会におきまして、我が会派の鈴木昭司議員が質問したところでありますが、時間の関係で質問の積み残した部分がございますので、再度質問させていただきます。  まず、国の動向の経過を見てみますと、平成七年七月に地方分権法により地方分権委員会が設置され、国と地方の事務のあり方について検討されてまいりました。そして、昨年十二月、「第一次指針」の勧告が出されました。その冒頭で、この改革を「分権型社会の創造」とし、さらに明治維新、戦後改革と並ぶ我が国の第三の改革と位置づけております。そして、その社会実現に向け、強い意思表示を行っております。  また、この委員会が、「国民の生活意識が自己の自由と責任による多様なライフスタイルを選択しようとする意識と行動の高まりにより、政治、行政のあり方も『選択型社会』の実現に向けて、中央集権型社会から地方分権型社会の構築を目指す行政改革を進める」というものであることを承知しております。加えて、それに伴い、地方公共団体の行政システムは、あくまでも個性的な地域社会を築いていくための住民参加の拡大による暮らしづくりを目指すものであり、行政はそれをより積極的、自主的に展開していくために、自己決定権と自己責任の拡大を図っていくような変革を進めなければならないと述べております。要するに、この勧告の内容は、中央集権型行政システムの象徴と言われてきた機関委任事務の廃止と、国と地方の間に新しい事務の分担を決めようとするものであります。  ところで、この機関委任事務ですが、この勧告では、国から地方へ機関委任事務の三分の一を「法定受託事務」にしようとする考え方が出されました。そこで注目しなくてはならないことは、この法定受託事務には、「事務を地方に移譲する、ただし、これに要する財源は国庫負担で措置しない」という考え方が存在することです。これでは、国の事務を地方に移譲することにより、前段で述べました「個性的な地域社会を築いていくために云々」と格調高くうたいあげた前文の一言一句がうつろに聞こえてきます。問題なのは財源なのです。  ことしの前半に、次の勧告が出され、その中に財源についての考え方や移譲事務の中に生活保護事務などが含まれていると聞いておりますが、大変気になるというより不安に思うところであります。  というのは、国及び地方の長期債務残高は平成九年四月で四百七十六兆円、これに「隠れ借金」を単純合計すると五百二十一兆円になる見通しということです。加えて心配なことは、政府は財政改革による地方交付税の見直しを行うと報道されています。当然のことですが、地方自治体の財源に大きく影響を与えることは免れません。区を含め、都は不交付団体ですが、もちろん大きな影響を受けることは間違いありません。  さらに、都においては、国に先立って「都から区市町村への分権の在り方検討委員会」が発足、平成八年十一月には「中間まとめ」、また去る五月三十日に、税源や財政調整のあり方などの項目で、国から地方自治体に税源を移し、地方自治体の組織編成などを細かく定めた地方自治法の法定要件を見直すように求めた最終答申をまとめました。税源移譲では、消費税を全額地方税化したシミュレーションを実施し、他の自治体ではとても言えないような思い切った内容の報告書を国の地方分権推進委員会と関係各庁に送り、「三割自治」の改革を強く促しました。その中で、お百度参りして頭を下げていただくような国の補助金を廃止し、相当額を地方税にするように要求しております。それから、問題なのは、同時に都から区市町村への補助金を廃止し、自前の財源に移行するよう提言しております。  そこで質問ですが、国も大きな債務を抱え、当然財政負担軽減の動きが強まることは十分に予想されます。来年度は、都は三千百億円の財源不足が生ずると言われております。また、今申し上げましたような都の分権在り方検討委員会の報告書も出ております。そうすると、「自己決定権を持った個性的な地域社会の確立を目指す」と言いながら、結局は事務のみを移譲し、財源は自己責任ということも考えられますが、これは私の思い過ごしでしょうか。  そこで、大切なことは、国の動きを注意深く見守り、財源確保のために国に対して積極的に働きかけていくことであり、それこそが急務であると考えます。国や都の動向、さらには制度改革に向けた動き、税財源の帳尻などにどのように対応していくのか、区長のお考えを、区民が納得できるようにわかりやすくご説明いただきたいと思います。  続きまして、都区制度改革についてお尋ねいたします。特に、また財源問題についてお尋ねいたします。  平成十二年の制度改革実現のため、平成十年に法改正が必要であることは、都区制度改革特別委員会で何度も説明をいただきました。そして、法改正の条件整備として清掃事業移管のための清掃車車庫整備が急務とされ、先日の都区制度改革特別委員会でようやく候補地の報告がありました。  この二年間、制度改革イコール清掃問題という感がありましたが、区民に直接影響を与える問題であり、また法改正に向けてのかぎを握る重要な問題であることは十分承知しております。ただ、清掃問題のみが大きく取り上げられるばかりで、他の問題、とりわけ制度改革に伴う財政問題については、今ひとつ活発でなかったような気がいたします。  そこで、都区制度改革の中の財政問題についてお尋ねいたします。  制度改革は平成十二年に予定されています。それまでに残された期間は既に三年を切っています。先日、地方分権在り方検討委員会は税財源や財政調整のあり方について最終答申をまとめたということを先ほど申し上げましたが、財源の配分についてはどうなっていくのでしょうか。ぜひお聞かせください。  さきに四月一日から国民保険料が改定されましたが、料率の決定の中身について目を向けると賦課率、賦課割合の変更が行われております。このことから平成十二年に向かって料率の改正が行われると推察するわけです。実際、国民健康保険料の例を挙げるまでもなく、制度改革へ向けて税財政の検討が行われていると聞いております。特別区が制度改革によって都から移管され、分担する事務に対して、財源の裏付けは当然のこととしても、果たして清掃を初めとする事業に対して要する多大な費用が財調制度の調整額によって確保できるでしょうか。さらに、平成十二年以降のごみの収集、運搬運営事業費、清掃工場への委託費用などはどうなってくるでしょうか。また、事務見直しによる大都市事務と府県事務の見直しや、それぞれの都と区の分担割合はどうなるのでしょうか。その財源配分はどう考えられているのでしょうか。  新たな財調制度が平成十二年からスタートしようとしています。平成八年四月の「特別区制度改革」のパンフレットを見ますと、固有財源の移譲は入湯税――お湯に入る税金だそうです――、航空機燃料譲与税――これは羽田とか調布あたりにあるやつです――、ゴルフ場利用交付税――これは河川敷にあるゴルフ場だそうです――、特別地方消費税の四税です。先ほど申し上げました入湯税も航空機燃料税もゴルフ場利用税も我が区からは一銭も都に上がっておりません。最後の特別地方消費税も三年後には廃止される。ということは、移譲される税源は我が区にとってはゼロということになります。事務だけ移譲され、財源は移譲されないという事態も考えられるのではないかと思うわけです。移管される事務とこの四税のバランスはだれが見ても不自然です。調整税の法人、固定資産、特別土地保有税の三税は変わらないと言われていますが、調整基本額の歳出のための四四パーセントはどうなるのでしょうか。  最後に制度改革に伴い、台東区の財政はよくなるんでしょうか、悪くなるんでしょうか。悪くなるとすればどうしたらいいのか、区長のお考えをお聞かせください。大変素人の質問で申しわけありませんが、大変心配に思うところであります。  三番目、区有財産の効率的活用についてお尋ねします。  私は議員になって日が浅く、悲しいかな経験も不足、区行政の大きな範囲の中でいまだに理解できない部分も多いわけです。これからお伺いすることもその中の一つです。大変素朴な疑問でありますが、区民の大部分の疑問であろうと思いますので、ぜひわかりやすく答弁お願いいたします。
     区有財産については、本来の使用目的があるわけですから、その目的に沿った使用に限られていることは承知しております。そうした認識の上で、区の土地、建物などの財産について見渡してみますと、果たして建物や土地が十分に生かされているか、また目的に合った使い方がされているか疑問に感じられるものが幾つか見受けられます。膨大な区有財産、特に建設当初の目的が終わり、再度活用するということを一〇〇パーセントなし遂げるということはなかなか難しいと思います。しかし、より効率性を持たせる活用の仕方があるのではないかと思われるものが幾つか見受けられますので、私の知る限り列挙させていただきます。  決算委員会、予算委員会で問題になりました検査センターの一階部分、十年にわたってほこりをかぶってクモの巣だらけだということであります。  二番目、今戸にある都市整備用地。  三番目、学校施設。少々説明いたします。  児童・制度の急激な減少に対して、施設はもとのままという感じがいたします。空き教室などの活用について、我が区ばかりではなく全国的に話題になっております。学校の適正規模、適正配置については、教育委員会で熱心に検討されておりますので、検討委員会に任せるとしても、現在の学校を見ますと、もうひと工夫して学校開放、空き教室利用など地域のために進めたらいかがでしょうか。  四番目、福井中、坂本小学校の跡地。  五番目、新たに建設された施設に対して、残された旧施設の取り扱い、また現在活用中の施設で使用方法に工夫を要するもの。  例えば、区立忍ヶ岡住宅の検討は既に何年たっているでしょうか。建物の維持管理、空き室状況を考えますと、早急に結論を出し、方向を見出すべきではないでしょうか。  また、三味線堀市場もあります。ほかでは旧東上野出張所、旧浅草橋出張所、これからの竹町出張所、シルバー人材センターの跡、旧浅草保健所、旧下谷保健所、以前からの伝統工芸センターなどです。  以上、列挙させていただきましたが、新たな行政需要があって施設の近代化を図ることはよいとしても、残された施設や土地の利用などについては、より計画性を持って活用するべきと思います。  私は、議員になってから、先輩議員からスクラップ・アンド・ビルドの原則を常にたたき込まれました。したがって、跡地や旧施設について、このままでよいのかという疑問が常に胸にあります。施設、跡地を地域に開放するのも一つの方法でしょうが、すべてというのではなく売却、貸し付けなど財産活用も考えられるのではないでしょうか。学校跡地はタイミングよく私立学校に貸し付けています。御徒町駅前の土地も駐輪場をつくるより財政的に活用すべき土地ではないでしょうか。財政的に苦しい時期という理由にするのではなく、土地建物の新設、改廃は当然のことと思いますので、その有効活用をより真剣に検討していただきたいと考えます。区長のお考えをお聞かせください。  次に、教育委員会にお尋ねいたします。  まず、教育の規制緩和でございます。  現在、地方分権推進に伴う小・中学校における教育の規制緩和に関して、教育関係者ばかりではなく子供を持つ親、多くの人々が大きな関心を寄せています。この規制緩和、教育長は十分ご承知だと思いますが、具体的には学校選択の弾力化、それから教育課程作成の弾力化、教科書採択の小規模化、それから中学校卒業認定試験の受験資格緩和、幼稚園・保育園の連携などです。このうち、学校選択の弾力化と幼稚園・保育園の連携については、先ほどの三月の予算委員会で教育長から答弁をいただきましたので、今回は教育課程の弾力化について質問いたします。  この教育課程の弾力化に関しましては、政府の地方分権推進委員会が、昨年十二月二十日に発表した「地方分権推進委員会第一次勧告……分権型社会の創造……(教育関連部会)」で述べられています。教育課程の編成については、「地域の実態を踏まえ、特色ある学校づくりを推進する観点から、教育課程の基準の一層の弾力化を図る」とあります。しかも、この委員会は昨年三月の中間報告「労働型社会の創造」の中で、「現行法令の下では各学校が教育課程を自主的に編成することになっているものの、現実には裁量の余地はほとんどない。児童・生徒のさまざまな可能性を引き出すためには、地方公共団体が教育課程について、これまでより柔軟に主体的に判断を示せることが重要でないか」と言い切っています。  そういえば前教育長の時代に、ある中学校で地域の人々が参加しやすいように第二土曜日や祝日に行事を組んだところ、指導主事からクレームをつけられたと聞いております。また、年間計画に学校の独自性を入れようとしても、既に連合行事が入ってしまっている。学校独自の特色ある教育課程がなかなか組みにくいなどという話を聞いたことがあります。  現在、そんなことはないと思いますが、ではこの委員会の第一次勧告を教育委員会はどう受けとめ、どのように義務教育の使命と役割を果たしていこうとしているのか、お考えをお聞かせください。というのは、選択の多様化や規制の緩和の進行は、教育行政や学校運営に混乱を来すという考え方も一方には存在するわけです。その点について教育長はどうお考えでしょうか。この委員会がたとえ中間報告にせよ、「現実には裁量の余地がない」と言い切っている根拠は何であると教育長はお考えですか。  二番目、台東区の公立小・中学校において、この指摘は当てはまりますか。  三、地方公共団体が教育課程について、「これまでより主体的に判断を示せることが重要ではないか」と述べている点をどう考えますか。このことは現在次第に大きな流れになりつつありますが、しかし、どんな場合にも問題点はあります。それは何であると予想しますか。また、その障害をどう乗り越えていこうと思うのか、お考えをお聞かせください。  続きまして、覚せい剤乱用についてお尋ねいたします。  昨年三月、千葉県松戸市小学校で、六年生の男子児童が覚醒剤取締法違反の疑いで補導され、「覚せい剤がついに小学生までに」と、大きな衝撃を与えたことは記憶に新しいところであります。この事件に続いて、福岡県の高等学校で、男子生徒が授業の合間に覚せい剤を使用したというニュースが大きく伝えられました。身近なところでは、草加市で女子高校生がダイエットによいといって覚せい剤を使い、補導されました。また、最近では五月十七日に大田区で、区立中学校の三年女子生徒が警視庁池上署に逮捕されました。浜松市では、二十二日に浜松市立中学校三年男子二名が浜松中央署に覚醒剤取締法違反の疑いで補導あるいは逮捕されました。これらの事件は、急増する薬物犯罪の陰で最近青少年の覚せい剤の乱用が増加傾向にあり、しかも戦後第三の乱用期にあることを如実に物語っております。  警察庁の発表によりますと、覚醒剤取締法違反で補導や逮捕された青少年は無職少年が多いと言われていますが、現在では中学生や高校生への浸透が深刻で、どんどん低年齢化しているということであります。平成八年に補導された少年の数の千七十九人という発表でさえ、その人数は氷山の一角に過ぎないと言われています。  ところで、この覚せい剤使用少年といえば、かつては暴走族や暴力団と関係のある不良の先輩絡みで手を染めるケースがほとんどだったようですが、現在では特に非行歴のない少年が繁華街で買ってくるなど、手に入れやすくなっているようであります。使用法も昔は注射、今はスピードと呼ばれ、火であぶって煙を吸引したり、ジュースに混ぜて飲む方法などもあるということです。しかも、それが格好いいと見られ、これは大変危険な傾向です。一番問題なのは、「ダイエットによい」とか「徹夜で勉強しても眠くならない」とか「やる気が出る」とか「気分がすかっとする」というばかりが前面に出され、罪悪感が薄れていることであります。  よく禅問答に「知っていて悪いことをするのと知らずに悪いことをするのとどっちが悪いか」とありますが、教育長はどう思いますか。  また、こういう現状の中で教育委員会としてもさまざまなケースのデータを集めて対策を研究なさっていると思いますが、松戸市や福岡市、近くの大田区の事例などについて、それぞれの教育委員会は諸機関とどのように連携したか、学校、家庭へどのように指導したのか等もあわせてお聞かせいただければありがたいと思います。  また、それらの事例から何を学び、もし台東区に同じような事件が発生した場合、いわゆる危機管理体制についてお聞かせください。  最後に、教科書問題についてお尋ねいたします。  中学校の社会科歴史教科書について。この件に関しましては、平成八年第三回定例会で「従軍慰安婦」という記述に代表される東京裁判歴史観やゆがめられた歴史観の押し売りとも思われる見本本について、「明確な根拠がないにもかかわらず、過去を、特に日本の近代史を全面的に悪と決めつける姿勢は問題でなかろうか」と、さらには「母国を一方的に断罪し、子供に誇りを失わせるような教科書は世界にその例を見ない、そういう教科書は教科書でない」と申し上げました。そのことについて、教育長の見解をお尋ねしたところ、「歴史的事実に対し、さまざまな見方、考え方がございますが、本区の中学校におきましては、学習指導要領に基づき、国際社会の平和に貢献できる児童・生徒を育てていくことが何よりも大切なことと考え、適切に歴史の指導を進めるよう指導・助言してまいりたいと考えております」という答えをいただきました。  さて、前回の質問の段階では、まだ見本本であったのですが、今回既に四月にこの教科書は一年生全員に支給され、私が前回指摘しました「従軍慰安婦」などについて、一字一句変わることもないまま中学一年生の手に渡っております。台東区の教科書は日本書籍という会社のものを使っております。そこで、私の知る限り問題と思われるところをちょっと指摘させていただきます。  「多くの朝鮮人、中国人が軍隊に入れられた。また、女性を慰安婦として従軍させ、ひどい扱いをした」、「ベトナムでは米を取り上げ、凶作も重なり、二百万人が餓死した」「一九三七年、日本軍は北京郊外の蘆溝橋付近で夜間演習をきっかけに中国軍と戦いを起こした。日本軍がしかけた」と。  しかし、そのように記述されていますが、この挙げました事実について、すべてが未確認であり、未確定の要素が多いということであります。  私は、教科書というものは、一面的な見解だけで十分な配慮なく取り上げるべきではないと考えます。それは、一たん教科書に記述された以上、親や有識者が間違えだと教えても、子供たちは信じないからです。それほど教科書は真実として訴える力が大きいのであります。  少々説明が長くなりましたが、「従軍慰安婦」に代表される誤った記述をどう考えるか、また前回の回答に「適切に歴史の指導を進めるよう指導、助言してまいりたい」とおっしゃっていましたが、具体的にどのように指導、助言したのかお聞かせください。  ご清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(水島武久 さん) 区長の答弁を求めます。   (番外区長飯村恵一さん登壇) ◎区長(飯村恵一 さん) 鈴木 茂議員のご質問にお答え申し上げます。  ご質問の第一は、地方分権についてでございます。  地方分権推進委員会から中間報告及び第一次勧告の中で機関委任事務の廃止が盛り込まれるなど、地方分権の実現に向け、着実に進んでおります。住民に身近な地方自治体にとって、地域の実情に即した行政サービスを実施するには、地方分権の推進が欠かせません。地方分権も実際実効あるものとして自主的、自律的な行財政運営を行うためには、国から地方への権限移譲とそれを裏付ける税財源の移譲が必要と考え、今後第二次勧告がなされるものと聞いておりますが、特別区区長会として地方分権推進委員会に対し、要望書を提出することを初めあらゆる機会をとらえ、税財源の充実確保のために国や東京都に働きかけてまいりたいと存じます。  ご質問の第二は、都区財政改革についてでございます。  まず、東京都の地方分権在り方検討委員会より出された最終答申についてでございますが、内容をよく吟味し、特別区全体として対応してまいりたいと存じます。  次に、事務事業の都区財政調整制度への反映の仕方についてでございますが、清掃事業を初め事業の移管や役割分担の変更によって、事業主体に変更があったものについては、これに伴う経費を算定し、都区間の財源配分に反映させるべく検討を行っているところでございます。  次に、大都市事務及びその財源につきましては、都区制度改革推進委員会の中の税財政検討会で検討を始めておりますが、東京大都市事務の範囲の特定について、協議がさらに時間を要する状況でございます。また、調整率については、大都市事務及びその財源を確定することにより決定いたします。  最後に、都区制度改革の実施後の本区の財政についてでございますが、改革により本区が財政的に充実するよう、なお一層努力してまいります。  ご質問の第三は、区有財産の効率的活用についてでございます。  行財政運営の基本は、最小の経費で最大の効果を上げることにあります。限られた財源の中で、区民のニーズにこたえていくために、私はこれまでも区有財産の利用状況などを常に見直し、有効活用を図ってきたところであります。議員が例示された施設や跡地につきましては、既に活用方法を決め、また現在検討しているものもあります。このような跡地や旧施設は本区の貴重な財産でありますので、今後とも計画性を持ってより有効な活用に努めてまいります。  また、区有財産の積極的活用の視点から、暫定的に利用できる建物や必要性が低下した土地などの財産につきましては、引き続き貸し付けや売却の可能性を検討してまいりたいと存じております。  第四は、教育の規制緩和ですから、教育長にお答えをお任せいたします。 ○議長(水島武久 さん) 次に、教育長の答弁を求めます。   (番外教育長隈部 孟さん) ◎教育長(隈部孟 さん) 鈴木 茂議員のご質問にお答えをさせていただきます。  まず、教育課程の弾力化についてでございますが、「現実には裁量の余地がない」という根拠につきましては、文部省が示す教育課程の基準である学習指導要領の指導内容と標準時数との関係によるものと考えております。  区立学校における状況についてでございますが、各学校におきましては、創意工夫により教育課程が実施されております。しかし、月二回土曜日が休業日となりましてからは、授業時数の確保がやや窮屈となっていることも事実であります。  次に、地方公共団体の教育課程についての判断と問題点についてでございますが、学校が児童・生徒や地域の実態を的確に把握し、主体性を十分に発揮し、特色ある教育課程にするには、地方分権推進委員会の指摘のとおりであると考えております。しかし、教育課程の編成実施におきましては、法令に従い、教育水準を確保しなければならないということがございます。教育委員会といたしましては、各学校が法令や指導要領の内容について、さらに理解を深め、適切な教育課程が実施されるよう指導、助言してまいりたいと考えております。  次に、覚せい剤の乱用についてお答えいたします。  青少年の覚せい剤等の薬物乱用につきましては、議員ご指摘のとおり極めて深刻な状況にあります。新聞報道にありました大田区では、薬物乱用防止教室等で指導の徹底を図ったと聞いております。児童・生徒が絶対に使用しないという自覚を持たせることの大切さを改めて認識いたしております。  現在、教育委員会といたしましては、都教育委員会作成のパンフレットをもとに薬物乱用の危険性や有害性を的確に認識させるよう、具体的な指導を進めております。今後とも校内の指導体制の充実を図るとともに警察、保健所等関係機関と連携し、より一層の危機管理体制の強化に努めてまいりたいと存じております。  最後に、教科書問題についてでございます。  今年度新たに採用された中学校社会科教科書の「従軍慰安婦」等の記述につきましては、教科書図書検定基準にのっとった文部省の教科書検定により記述を認められたものと考えております。各学校に対しましては、今後とも学習指導要領に基づいた歴史の指導が行われるよう指導、助言してまいりたいと存じております。  それから、禅問答の件でございますが、教育長という公人ではお答えしにくい部分がありますので、別の機会で親しくお話をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 ○議長(水島武久 さん) 以上で、一般質問を終了いたしました。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ○議長(水島武久 さん) これをもって、本日の会議を閉じ、散会いたします。   午後六時四十分散会                           議 長   水 島 武 久                           議 員   堀 江 達 也                           議 員   足 立 守 夫...