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平成 7年第1回定例会−03月01日-02号

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  1. 台東区議会 1995-03-01
    平成 7年第1回定例会−03月01日-02号


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    平成 7年第1回定例会−03月01日-02号平成 7年第1回定例会 平成七年 第一回定例会 東京都台東区議会会議録(第二号) ● 三 月 一 日(水) ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 出席議員 (三十七名)    一  番  鈴 木 昭 司 君    二  番  関 根 博 之 君    三  番  中 村 明 彦 君    四  番  高 柳 良 夫 君    五  番  木 下 悦 希 君    六  番  小 菅 康 雄 君    七  番  清 水 恒一郎 君    八  番  杉 山 全 良 君    九  番  伊 藤 友 子 君    十  番  稲 垣 晃 司 君    十 一番  伊 藤 栄 晴 君    十 二番  実 川 利 隆 君    十 三番  寺 井 康 芳 君    十 四番  金 田   功 君    十 五番  田 口 治 喜 君    十 六番  田 中 伸 宏 君    十 七番  麻 生   昭 君    十 八番  足 立 守 夫 君    十 九番  五十川 チトセ 君    二 十番  茂 木 孝 孔 君    二十一番  堀 江 達 也 君    二十二番  伊 藤 征 輝 君    二十三番  熊 木 壽 夫 君    二十四番  川 村 安 久 君    二十五番  飯 田 つね子 君    二十六番  鈴 木 登喜寿 君
       二十八番  木 村   肇 君    二十九番  大 場 功 一 君    三 十番  佐 藤   武 君    三十一番  池 田 富 保 君    三十二番  水 島 武 久 君    三十三番  西 村   晴 君    三十四番  藤 平 一 雄 君    三十五番  河 野 浅 吉 君    三十六番  東 本 竹 治 君    三十七番  吉 住   弘 君    三十八番  小 玉 高 毅 君 欠席議員  な し 欠  員 ( 一 名) ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 出席説明員    区 長    飯 村 恵 一 君    助 役    上 條   源 君    助 役    近 藤 達 仁 君    収入役    平 賀 庸 之 君    教育長    眞 田 重 行 君    企画部長   熊 川 定 輔 君    総務部長   要   久 雄 君    区民部長   奈 良 文 夫 君    産業部長   木 内 勝 三 君    福祉部長   苅 部 雄 孝 君    高齢者福祉部長           渡 辺 孝 行 君    保険児童部長 小 林 謙 光 君    環境保健部長 坪 井 孝 幸 君    土木部長   塚 本 幸 雄 君    建築部長   齊 間 孝 一 君    都市整備部長 戸 田 鐵 三 君    教育委員会事務局次長          財政担当部長予算課長事務取扱)           植 村 俊 治 君           岩 丸 昌 司 君    総務課長   松 澤 邦 雄 君 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 区議会事務局    事務局長   隈 部   孟 君    事務局次長  渡 邉   保 君    議事係長   今 井 良 雄 君    書 記    浅 井 淳 一 君    書 記    廣 澤 知 巳 君    書 記    石 井   彰 君    速 記    坂 田 ゆ り 君 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 議事日程 日程第 一   区政一般質問 追加議事日程 追加日程第 一   第 一 号議案 平成六年度東京都台東区一般会計補正予算(第三回) 追加日程第 二   第 二 号議案 平成六年度東京都台東区老人保健医療会計補正予算(第一回) 追加日程第 三   第 三 号議案 平成六年度東京都台東区老人保健施設会計補正予算(第一回) 追加日程第 四   第 九 号議案 東京都台東区減債基金条例 追加日程第 五   第十 七号議案 東京都台東区特別区税条例の一部を改正する条例 追加日程第 六   議員提出第一号議案 東京都による東京協和・安全信用組合への三〇〇億円支援に反対し、疑惑の徹底解明を求める意見書 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――   午後二時三分開議 ○議長(河野浅吉 君) ただいまから本日の会議を開きます。  この際、あらかじめ会議時間の延長をいたしておきます。  会議録署名議員の指名を行います。  会議録署名議員については、会議規則第百二十八条の規定により、     三十二番  水 島 武 久 君     三十三番  西 村   晴 君 をご指名いたします。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― △日程第一 区政一般質問 ○議長(河野浅吉 君) 日程第一、区政一般質問を行います。  区政一般質問の発言通告がありますから、順次これを許可いたします。二十四番川村安久君。   (二十四番川村安久君登壇) ◆二十四番(川村安久 君) 第十二期台東区議会結びの定例会の本会議におきまして、私は自由民主党を代表して質問の機会を得ましたことは、まことに光栄に存じますとともに、同志諸兄の配慮に感謝をいたします。  さて、質問に先立ちまして、過日の阪神・淡路大震災により、不幸にしてお亡くなりになられました方々とそのご遺族に対し、深く哀悼の誠をささげるものでございます。また、負傷された皆様、家をなくされた、いまだ厳しい避難生活を強いられておられます皆様方の心情に思いをいたし、衷心よりお見舞いを申し上げますとともに、一日、一刻も早く全快、復興され、正常な日常生活に復帰されますようご祈念申し上げるものであります。  また、日夜寝食を忘れ、救援活動にご活躍なされておられます国の内外のボランティアの方々を初め、関係機関、地域住民の皆様方のご労苦に対しましても改めて感謝を申し上げる次第であります。  それでは質問に入りますが、私たち、第十二期の区議会議員は、飯村区政発足とともに四年間の任期についたのであります。そこで、私は飯村区政の四年間を振り返って、次の諸点について質問をいたします。  その第一点は、調和区政について。  飯村区長は区長就任にあたり、調和区政を政治の基本理念として掲げ、平成三年六月、第二回区議会定例会の本会議におきまして、所信表明で、「私の政治信念の基本は調和区政であります。区政のあらゆる分野における調和こそ、区民一人一人の住みやすく、明るい、豊かで生きがいと潤いのある台東区をもたらすものであると確信いたしております。家庭が家族一人一人の調和を基本とするように、台東区というまちの生活に活気と優しさがあふれ、人々が互いを思いやるゆとりを持つためには、人とまちと環境の調和が保たれていなければなりません」と述べられました。  当初、私はこの調和区政の説明を聞き、その内容のすばらしさに感心いたしたのであります。しかし、具体的政策となると、それがどのように具現化していくのかと、戸惑ったのも事実であります。同僚議員の多くも同様な思いをしたとみえ、この四年間の議会審議の中で調和区政の意義について複数の議員から質問がありました。  まず、平成三年第二回議会定例会におきましての質問に対し、区長は、「よりよい生活環境は、それぞれの環境がバランスとハーモニーをもって発展しなければなりません。これがまさに調和区政であります」。また、平成六年の予算特別委員会での質問には、「台東区の地域特性を踏まえた地域保健福祉計画の策定、(仮称)健康センターや(仮称)ケアハウス松が谷の建設。さらには平成五年十月に行った「台東区健康都市宣言」など、ハードとソフトの調和を図ったバランスのとれた独自の施策の展開を目指しております」と述べられています。  こうした議会でのやりとりを通じ、また区長が示す政策の中で、例えば台東区では特別養護老人ホームの設置を二十三区で最初に手がけ、現在では一番整備が進んでおりますが、一方では、産業のまちとして産業部の新設や産業振興センターの建設準備と、まさに調和そのものであります。  昨今の世相は政治の混迷、経済の不透明、さらに社会的問題として学校でのいじめと、全体としてまことにぎくしゃくしたものがあります。こんなときこそ社会の調和が求められるのではないでしょうか。  調和区政の推進は今後もますます必要であり、それが明るい、豊かなまちづくりとなり、飯村区長の政治理念である、人がいつまでも住んでいたい台東区の実現に結びつくものと思います。調和区政を引き続き推進する区長の決意についてお聞かせいただきたいと思います。  第二点は、老人保健施設千束の運営についてお尋ねをいたします。  老人保健施設、すなわち中間施設の必要性につきましては、私は内山前区長時代から訴えてまいりました。その理由は、台東区は二十三区中一番高齢化が進んでいること、加えて、この結果は要介護高齢者の数もふえていること、介護を必要とする高齢者には、医療面と福祉面の施策が一体となって提供される必要があること。区内では自宅で医療と介護を必要とする寝たきりの高齢者数が増加しており、こうしたお年寄りを自宅で介護されるご家族のご苦労ははかり知れないものがございます。こうした方々のニーズにこたえる施設として、病院と家庭との中間にある、いわゆる通過型施設の建設を要望したのでありました。それが飯村区政となり、早速取り上げていただき、二十三区初の老人保健施設千束として、昨年六月にオープンしたことは、私の十二年間の議員生活の中で最高の喜びの一つであり、感慨ひとしおのものがあります。感謝申し上げる次第であります。  そこで、この施設の入所定員は五十名でありますが、現在何名の方が入所されていますか。また、今日までの入所者は三カ月施設利用基準約束どおり、確実に家庭復帰されているのでありましょうか、お尋ねをいたします。  また、現在施設には余裕があり、入所希望者が多数であるにもかかわらず、入所基準が厳しく、入所できないという声を聞きますが、緩和はできないものかお尋ねをいたします。  第三点は、痴呆性高齢者専門入所施設の設置をぜひお願いいたします。  台東区では、台東区健康都市宣言を平成五年九月の区議会で議決をいたしました。この健康都市宣言は、飯村区長がすべての台東区民が健康で文化的な生活を送れるようにとの願いから実現したものであります。  この宣言には、「健康を保持・増進するためには、心身の健康づくりに対する一人一人の自覚と健康的な生活習慣の実践、安全で快適な生活環境の整備などが不可欠である」と述べられています。そして、最後に、「区民と区が一体となって健康施策を積極的に推進することを誓う」となっております。  しかし、不幸にして心身に障害を生じた場合、頼りになるのは当然のことながら家族と行政であります。心身の障害の中で、最も大変なのは痴呆性高齢者を抱えるご家族でございます。私は、先日、NHKテレビ痴呆性高齢者が家族と施設の介護努力でよい方向に向かっている例を見ましたが、少しでもよい方向に向かうことは家族にとって大変な福音であります。  高齢化比率二十三区中一位の台東区にありまして、痴呆性高齢者の数は今後も増加していく傾向と見なければなりません。私はこの問題につきましても、平成五年の予算特別委員会の総括質問で区長にお願いをいたしましたところ、区長におかれましては、「ご提案の、回廊式廊下のある痴呆性専門棟を備えた第二の老人保健施設の設置を、今後検討いたします」との答弁をいただきました。  台東区では、痴呆性高齢者の施策として、昨年六月に老人保健施設千束と軌を一にして、三ノ輪福祉センターの三階に痴呆性高齢者のデイ・ホーム「ゆうゆう倶楽部」が設置されました。この施設により、在宅で痴呆性高齢者の方々にお世話をしておられますご家族にとって、日常生活の大きな支えになりました。この点は、区長に感謝申し上げる次第であります。私はそれを一歩進めて、入所可能な専門施設の設置を、ぜひお願い申し上げる次第であります。  第四点は、上野地区都市整備の現状と見通しについてお尋ねをいたします。  上野地区は、商業、観光、文化、芸術、学術の拠点として栄え、その将来も都の副都心として大いに期待されているところであります。しかしながら、上野がさらに飛躍していくためには、幾つかの課題を背負っていることも事実であります。  その一つに、地下駐車場建設の問題があります。  私は、この問題は上野地区発展、ひいては台東区発展に欠かせないものと認識し、十年前、昭和六十年十一月十八日の定例本会議におきまして提案をいたしました。志を同じくする議員、区民の皆様とともにスイスのレマン湖下駐車場をつぶさに視察し、その結果、不忍池下駐車場は建設可能である。建設によって、かえって周囲の環境を良好とし、かつ不忍池の水の浄化も可能であると確信をいたしました。不忍池の蓮池部分の一部分でございます十二分の一、郷土資料館、精養軒をつないだ線でございますが、五十メートルぐらい西のラインになりますけれども、その地下三層をせきとめまして、構造物を沈めることにより、一層をバスターミナル、二、三層を一般車として駐車場を建設し、完成後はもとの不忍池に変わらぬよう復元することは近代技術で可能であります。  しかしながら、意見を異にする団体もあり、現在中央通り地下へと変更、駐車台数も六百台と、当初の二千台から大幅に後退、しかも建設費に至りましては、想像できない巨額となっているのであります。そこで、現在の財政状況の中で、六百台収容の施設は銀座線を支えての難工事で、果たして建設可能でありましょうか、否か、率直にお答えをいただきたいのであります。  それにいたしましても、浅草地区の地下駐車場が実現の運びになりましたことは、まことに喜びにたえないところであります。  都市整備の二点目といたしまして、御徒町駅周辺再開発についてお尋ねをいたします。  この付近は、商店、事務所が密集し、道路は狭隘で混雑は著しく、交通事故をたえず心配しなければならない状況で、私はこの地域の再開発につきましても、再三区にお願いをしてきたところであります。  その結果、平成三年十一月一日に、この一帯の五・四ヘクタールにわたり、地区計画の決定が行われました。この計画によりますと、目標として「地域特性を十分配慮した、活気ある、複合的で効率的な小売・卸売・商業・業務地区の形成と、歩行者に配慮した快適な、魅力ある町並みの形成を目標とする」としております。  そして、地区施設の整備の方針として「道路は車の利用を配慮しつつ、歩行者の安全を確保し、土地の高度利用を可能にするよう、現在の道路を再編整備する。また同地区内の回遊性に配慮し、快適な買物空間を確保するため、現在道路の一部を歩行者優先道路として整備する」としています。私はこの整備方針、すなわち地区計画決定に共鳴し、大いに期待をしていたところであります。しかしながら、その後松坂屋が整備する地下駐車場の規模縮小が伝えられるなど、一向に進展を見ておりません。そこで、御徒町駅周辺地区計画決定後、その後の状況と整備の見通しについてお尋ねをいたします。  さて、人の千算は天の一断に及ばずとの言葉がございますが、このたびの阪神・淡路大震災は、わずか十一秒の一瞬にして瓦れきの都市となろうとは、だれが考えることができたでありましょうか。砂上の楼閣、日本列島と言わざるを得ないのであります。  横浜市立大学文理学部菊地正幸教授地震学専門の先生でありますが、この方の説明によりますと、米国、東南アジア二十四カ所で記録された三十八の地震波を分析して、第一波は淡路島を中心として東西方向に約二十四キロ、深さ二十キロ活断層がずれ、四秒後に第二波が十キロ、同じく東に深さ約十キロ活断層がずれ、第三波はその東に約十キロ、約三秒と三段階に、合計十一秒と瞬く間に近代都市が壊滅したとの報告が一月二十七日の地震予知連絡会議でなされています。  その犠牲者は戦後最大でございまして、二月二十八日、昨日現在でございますけれども、死亡者は五千四百四十一名、負傷者にいたりましては三万四千六百名、家屋の倒壊は十五万九千五百棟、その他交通機関の壊滅状況は言語に絶するものがあります。  そこで私は、この惨事を教訓として、将来防災対策の再検討が必要であると考えます。一月十七日以来、緊急時の対応につきまして種々見解が披瀝されているのはやむを得ぬところでありますけれども、人命は地球より重く、会議詮議の余地なく、為政者は可及的緊急に施策を決断し、陣頭指揮による断行の必要性を痛感するものであります。  台東区の場合、既に立派な地域防災計画があり、心配無用とは存じますけれども、念のために、区長も去る二十四日の所信表明で区政の最重点課題として、細部にわたり、すべての施策の見直しの強化を図る旨述べられましたが、危機管理体制の確立は、何とも申しましても被災区民の救出・救援には重要と存じますので、組織の確立、万が一隅田川の決壊時、高架橋の落下時、食糧、衣類、衛生医薬品、その他ご家庭での備蓄指導、補給、その他に関して具体的にお示しをいただきたいのであります。我が台東区民の切なる願いであると存じます。よろしくお答えをいただきたいと存じます。  結びに当たりまして、私ごとでまことに恐縮でございますが、私、今期限りで台東区議会議員を引退いたすことになりました。今後は一区民といたしまして、台東区政進展のために、微力ではありますが努力してまいる所存でございます。今後ともよろしくご教導賜りますことを伏してお願い申し上げる次第であります。  区長におかれましては、来るべき四月の選挙に見事当選を果たされまして、調和区政の進展にさらにご尽力賜りますようにお祈り申し上げる次第であります。  また、議員の諸兄におかれましても、同様四月二十三日の選挙に完勝されまして、区長ともども台東区十六万区民の福祉の向上と生活の安定にご活躍賜りますようご祈念申し上げる次第でございます。  区長を初め、議員、理事者の皆様方のご健勝を祈念し、あわせて今日までのご交誼に感謝申し上げまして質問を結びといたします。  ありがとうございました。(拍手) ○議長(河野浅吉 君) 区長の答弁を求めます。   (番外区長飯村恵一君登壇) ◎区長(飯村恵一 君) 川村議員のご質問にお答えをいたします。  ご質問の第一は、私の今後の決意についてでございます。  まず、川村議員の調和区政への温かいご理解とご支援のお言葉に深く感謝するとともに、私自身、区長選再出馬に、さらに意を強くした次第でございます。  議員ご指摘のように、政治の混迷や経済の不透明が続くようなときにこそ、私の政治理念である調和区政、すなわちバランスとハーモニーを持った区政の推進が重要であることを改めて確信した次第でございます。  また、今回の阪神・淡路大震災を目の当たりにし、区民の安全と生命を預かるものとして、区政の役割の重大さに身の引き締まる思いがするとともに、調和のとれた施策の展開が必要であると考えております。
     幸いにして、区民の皆様方の信託を得られたならば、私は調和区政のさらなる推進とともに、「災害に強い安全で住みよいまちづくり」、「人々が住みたいまち、住み続けたいまち台東区」の実現に向け、全力を傾注してまいる決意でございますので、議員の皆様方の格段のご指導、ご支援をお願い申し上げる次第でございます。  質問の第二は、老人保健施設千束の運営についてでございます。  施設の建設につきましては、議会の皆様方のご支援とご理解を賜り、二十三区で初めての公設の施設としてオープンすることができました。  まず、現在の入所者数は、二月二十四日現在で三十五名の方が入所しております。  次に、入所者の家庭への復帰の状況ですが、昨年六月の入所開始以来、現在までに五十二名の方が退所しており、そのうち家庭へ復帰される方は、三分の二に当たる三十五名にも上っております。  次に、入所基準の緩和についてであります。  ご案内のように、入所基準は、区の規則で定めております。家庭復帰が可能なもので、あらかじめ退所先、及び身元引受人が確保されているもの、入所期間は三カ月としております。入所に当たりましては、判定委員会がそれぞれのケースに応じて適切に判定しているところでございます。  今後の運営に当たりましては、広報によるPRはもちろんでございますが、近隣病院や医療機関への周知、また施設見学会等を随時実施し、この施設がより多くの区民の方々に利用され、施設の使命である病院と家庭の中間施設の役割を十分に果たすことができるよう努力してまいりますので、よろしく理解を賜りたいとお願いを申し上げます。  ご質問の第三は、痴呆性高齢者専門入所施設の設置についてでございます。  議員ご指摘のとおり、痴呆性高齢者は今後ますます増加していく傾向であり、その病状も一人一人さまざまであります。当面は具体的事例に適切に対応するため、庁内に設置してあるサービス調整会議などを通して、できるだけサービス向上を図ってまいります。さらに、痴呆性高齢者に対する入所施設や通所施設の連携、専門施設の設置についても引き続き調査・研究してまいりますので、ご理解をいただきたいと存じます。  ご質問の第四は、上野地区における都市整備の見通しについてでございます。  まず、地下駐車場整備についてでございますが、私も地域発展のために駐車場整備は大変重要であると認識をいたしております。現在建設費の低減を図るため、機械式の導入などについて検討をするとともに、駐車場出入り口の位置について道路管理者等関係機関と調整を進めております。また、区の財政負担を軽減するため、事業手法や事業主体、規模などの検討を行うとともに、東京都、並びに国に対しても協力を要請しているところでございます。今後とも早期実現に向けて最大限の努力をしてまいりますので、ご理解、ご協力をお願いいたします。  次に、御徒町駅周辺再開発についてでございます。  ご案内のように、御徒町駅周辺の再開発を推進するため、地区計画整備方針を定めるとともに、具体的な整備計画として松坂屋を中心とする地区の個人施行の土地区画整理事業、並びに南口駅前広場歩行者通路など、公共施設の整備を図ることといたしました。  地区計画が決定してから、土地区画整理事業施行予定者である松坂屋は、事務所の移転など、事業の準備を進めているところであります。区といたしましても、松坂屋を中心とする地区の早期事業化を支援するとともに、駅周辺地区について地元の協力を得ながら、快適で活力あるまちづくりを進めてまいりますので、よろしくお願いいたします。  最後のご質問は、地域防災計画の再検討についてでございます。  ご指摘のとおり、阪神・淡路大震災では、死亡者が五千四百人を超え、ピーク時の避難者数は三十二万人に達する都市型としては未曾有の災害となりました。私は区政を預かるものとして、区民一人一人が安心して住める台東区の実現に向け、かねてより防災施策の積極的な推進に力を注いでまいりました。  このたびの震災を教訓として緊急に点検し、見直しを行った十四項目について地域防災計画の修正を図り、二月二十七日の防災会議において了承していただきました。  その主な内容は、災害対策本部組織の強化を図ることを目的として災害対策課を設置し、迅速、的確な対応を図ることといたしました。また、第一次から第四次の職員非常配備体制の改善、休日、夜間における参集職員を災害発生時には全職員とするなどの充実を図ってまいります。さらに、食糧や医薬品等の備蓄についても数量や品目をふやすなど、改善してまいります。なお、各家庭での備蓄等につきましては、防災訓練等の機会を通じて働きかけてまいりたいと思います。 ○議長(河野浅吉 君) 二十五番飯田つね子君。   (二十五番飯田つね子君登壇) ◆二十五番(飯田つね子 君) 台東区議会第十二期、最終の本会議場において、自由民主党所属議員として質問の機会を得、感謝の心で、一、防災対策について、二、女性プラザ構想について、三、地域まちづくりについて、以上三点についてただいまから質問をさせていただきます。  平成七年一月十七日午前五時四十六分、淡路島直下の深さ二十キロを震源とするマグニチュード七・二の直下型地震が発生し、神戸を中心に兵庫県内で建物の倒壊や火災が相次ぎ、犠牲となられた方々が五千人を超す大惨事となり、日本全国はもとより、世界各国でこの大災害のニュースが駆けめぐりました。  当時、遅々として進まない救援体制にテレビ報道を通じてあせりを募らせ、東京に住む私たちに多くのことを教えてくれました。  関東直下型地震が切迫に警鐘が鳴らされている中、台東区民にとって最も身近な行政側の迅速な対応とは何か。区長は今回の大震災で何を学び、何を教訓とされたのかを、まずお伺いいたしたいと存じます。  二十三区特別区という、全国唯一の行政制度に対し、緊急災害時を、当区は今後どう検討、発言されるのか伺います。  今回感じたことは、余りにも制度、制度にこだわり、情報不足、医療体制のおくれ等々、県も神戸も認める行動がなされました。縦割り行政のまずさと指摘もされております。当区も独自の緊急対策を考えるべきと思います。  災害はいつやってくるかわかりません。特に、大地震は現在の科学技術では正確に予知することはできないのであります。日ごろから十分な訓練と応急物資等を備えておかなければなりません。そのためには、本区においても災害基金を蓄えておく必要があると思います。政令指定都市、東京都には義務づけがありますが、ぜひ当区も早急に設置してほしいと思いますが、区長のご所見をお伺いいたします。  飲料水、食糧などの備蓄についても、数量、内容等も大きく見直さなければなりません。さらに、自分のまちは自分たちで守る。区民の自主防災組織を強化、充実し、住民の意識の向上に努めなければなりません。現在の防災計画の抜本的な見直し、もっときめ細かなマニュアルの作成、応急物資の配送体制の強化等々、上げればきりがありませんが、何点か女性の立場からぜひ実行していただきたい要望を申し上げます。  備蓄品目の中に、女性に月一回くる生理のための衛生用品と始末する黒い袋、ペーパー、ナフキン、消毒液、出産のための用品、また乳幼児のための用品をぜひそろえてほしいと思います。この要望は現地の女性の声でもあります。  また、初期消火の対応に、雨水対策と防火用水器を三軒に一箇ずつぐらい設置をしてほしいと思いますが、お伺いをいたします。  また、防災会議のメンバーにぜひ女性を参加させるべきと思いますが、あわせてお答えをいただきたいと存じます。  阪神・淡路の大震災の悲劇は終わっていません。被害を最小限に食いとめるための対策を緊急に実行してくださるよう、ぜひ区長にお願いし、次の質問に入ります。  昨年の六月に、待つこと久しい台東区女性行動計画が策定され、「はばたきプラン21」というすばらしい発表があり、大変うれしく思っております。当区もコミュニティーの推進によって、女性の社会参加が進んでまいりました。女性の意見をもっと広め、リーダーシップを発揮してほしいと願っております。  それに地域に無関心な人たちの参加、能力を持った人、女性も男性もさまざまな年代の人が地域活動に参加しやすいようにするために、その拠点としてぜひ女性センターが必要であります。  昭和五十三年に、当時の連合婦人部長を先頭に、婦人センターの建設についての活動を開始いたしました。あれから十七年の歳月が経過しております。やっと金竜小学校跡地の教育施設の中に女性プラザが設置され、実現することは大変喜ばしいことであります。しかし、当時の理想とは程遠いプランニングに失望をしております。それは、余りにもスペースの狭さにあるのではないでしょうか。  昨年十月に区民福祉委員会の視察で、熊本と御調町にまいりました。テーマは女性問題及び高齢者福祉についてでありましたが、熊本女性センターを特に視察してまいり、その施設の立派さに驚いております。敷地面積が五千七百一平米、床面積五千三百七十六平米、建設費二十億二千八百万円であります。会議室、研修室、ABC和室、多目的ホール二百人、メーンホール三百七十二人、リハーサル室、スタジオ、編集ルーム等々、それはそれは立派な施設でうらやましく思いました。また、女性活動支援のための、熊本では職員は全部女性を中心に配置され、館長も女性を登用しておりました。面積が十分でない当区とは認識をいたしておりますが、女性プラザに対して、少しでも多くのスペースを確保していただき、女性が安心して生きがいに満ちた暮らしができるように十分配慮していただきたいと思いますが、区長のご所見をお伺いいたします。  次に、当区の地域まちづくりについてお伺いと提言を申し上げたいと存じます。  従来の地域まちづくりとは、国や都が考えて、地方が実践するという形であり、そのために地域の特色が出せない傾向もあるのではないでしょうか。これからは区独自の発想に基づいて計画されるべきと考えますが、区長のお考えを伺いたいと存じます。  当区でいえば、上野と浅草という二大繁華街を持ち、多様な歴史、伝統、文化、地場産業という恵まれた環境にあると思っております。今までのまちづくりはハード面が先行し、ソフト面が生かされていないように思います。これからの地域づくりの施策とは、区民の参加による永続的な取り組みが大事なことと思いますが、いかがでしょうか。この施策によって行政側に頼る他力本願的な考え方が変わって、住民サイドによる人材の育成、地域交流、国際交流にまで発展する、その起爆剤にもなると思っております。行政内部の取り組みだけに終わることのないように、住民懇談会、アンケート、各種集会での検討など、新たな発想に立った地域づくりが大事なことと思いますが、いかがでしょうか。日本で一番の地域づくり、台東区というイメージをぜひ期待したいと願っております。  幾つかの提言をしたいと思います。一つ、アイデアコンクール、もちろんこれは賞金を出します。一つ、若者向け定住住宅の建設、定住促進にもつながります。ただし、赤ちゃんを産んでいただける方のための住宅、一、友好姉妹都市との交流を深め、花嫁さんの募集、これは人口がふえると思います。若年人口が流出しないような対策が必要と考えますが、区長のご所見をお伺いいたします。  これからは、時代の変化に伴った行政の執行機関も、今までと異なる意味での能力が問われてくると思います。  また、上野の山には文化施設が多数あり、文化財の集積では日本一と言われております。しかし、文化施設も老朽化が目立つようになりました。その文化財を借りて、上野のまちの活性化のために山から下におろして展示したらどうでしょうか。現在、重要な品々が十年に一回ぐらいしか表に出さないものもあるそうで、大変もったいないことです。横山大観記念館も訪れる人はわずか。わびしい家屋になっています。上野のまちの中に文化財の展示場をつくったら、もっと客が集まると思いますが、いかがなものでしょうか。  私たち議員も能力ある担当者の足を引っ張らず、応援してまいりますので、理事者の皆さんの熱意のある地域づくりの発想に期待いたしたいと思います。  以上で質問を終わりますが、四月は区長さんの選挙もあり、私ども議員も選挙があります。台東区が安心して住める豊かなまちとして、区民の皆様の代弁者として全議員が再びこの議場での再会を心からお祈りを申し上げて質問を終わります。  ありがとうございました。(拍手) ○議長(河野浅吉 君) 区長の答弁を求めます。   (番外区長飯村恵一君登壇) ◎区長(飯村恵一 君) 飯田議員のご質問にお答えをいたします。  ご質問の第一は防災対策についてでございます。  まず、今回の大震災で何を学び、教訓としたのかとの質問についてでございますが、阪神・淡路大震災は死亡者が五千四百人を超え、避難所生活者がピーク時には約三十二万人に達する、都市型としては未曾有の災害となりました。被災地の各自治体は地震発生後、懸命な救助・救援の対応に当たっております。直下型地震が行政機関等の中枢に重大な打撃を与えたことにかんがみ、私はまず指揮命令系統の強化を図ることを目的に、災害対策課を設置し、迅速、的確な対応を図ることといたしました。また、地域防災計画を緊急に点検し、職員の非常配備体制、被害状況の把握や区民への情報提供の方法を初めとして、避難所の運営や物資の備蓄等について見直しを行い、去る二月二十七日、台東区防災会議で了承をいただいたところでございます。さらに、今後引き続き見直しを図るよう努めてまいる所存でございます。  次に、災害基金の設置についてのご質問でございます。  飯田議員ご指摘のとおり、防災や災害時の経費に充てる財源を確保する必要性は、私も深く認識いたしておるところでございます。今後防災対策の見直しを進める中で、財政状況を見ながら、なるべく早い機会に設置してまいりたいと存じますので、よろしくお願いをいたします。  次に、備蓄品の中に、女性の衛生用品を加えてはとのご提案がございましたが、来年度予算において措置すべく進めているところであり、今後充実に努めてまいりたいと存じます。また、出産のための用品につきましては、医師会などの関係機関と相談をしながら検討してまいりたいと存じます。  次に、防火用水器を設置してはどうかとのご提案でありますが、場所等の問題もあり、防火水槽の充実や消火器の設置の拡大について対策を講ずべく、関係機関と調整してまいりたいと存じます。  次に、防災会議の委員に女性の参加をとのご提案がありましたが、法制に定める職制に女性の就任がないことから、専門委員を設置し、女性の参加を進めてまいります。  ご質問の第二は、女性プラザ構想でございます。  かねてから期待されておりました女性プラザにつきましては、昨年九月、生涯学習センター基本計画(中間のまとめ)でご報告させていただいたところであります。この基本計画(中間のまとめ)では、施設の全体規模を一万八千平米とし、効率的な施設運営を図るため、ホール、スタジオ、和室、会議室などはセンター全体の共用施設として位置づけたところでございます。  また、中間のまとめの後、さらに検討を重ね、調整した結果、こども室は女性プラザで運営し、また女性プラザ主催事業は開催できる研修室を設置することにいたしました。  飯田議員ご提案のとおり、女性施策推進の拠点施設としてより一層の拡充を図っているところでありますので、ご理解を賜りたいと存じます。  最後のご質問は、地域づくりについてであります。  飯田議員の地域づくりに関するご意見の趣旨に私も同感でございます。地域のそれぞれの特性を踏まえながらまちづくりを進めることが大切であると考えております。  次に、地域づくりについての幅広い提言につきましては、今後のまちづくりの中で参考とさせていただきます。  ありがとうございました。 ○議長(河野浅吉 君) 三十一番池田富保君。   (三十一番池田富保君登壇) ◆三十一番(池田富保 君) 平成七年三月定例会は今期最後の区議会定例会であり、統一地方選挙後の台東区行政への大きな期待を込めて、同志諸君のご支援により友愛クラブを代表し、飯村区長に質問させていただきます。  質問の第一は、飯村区長の統一地方選挙後の飯村区政第二期目に向けての台東区行政への取り組みの決意と抱負についてであります。  平成三年五月に開会された台東区議会臨時会において、区長は台東区長就任後、初めて所信の一端を述べられました。内山栄一前区長の区政運営の継承と伸展を区民に訴えて台東区長に就任。台東区を住みやすく、明るく豊かで、生きがいと潤いのあるまちを実現し、二十一世紀に伝えていくことが区長自身の責務だと発言され、区政運営の基本に調和区政を掲げられました。  こうして今期四年間、定住促進を初め、中小企業の振興と商店街の活性化、教育・保育環境の整備、健康づくり対策、お年寄りや障害者への対策、区民文化の育成、人と自然に優しいまちづくりの促進、駐車場、駐輪場の設置、常磐新線と都営地下鉄十二号線の早期開業等に力を注がれ、台東区の首長として本来あるべき姿勢を堅持され、今日に至りました。私ども議会も、飯村区長が提案される事業計画や予算等の審議を通じて、台東区行政の推進に力を尽くし、協力してまいりました。  稼働し始めたたこれら事務事業等について具体的に申し上げれば、CATV事業、定住促進のための新婚家庭家賃補助制度を発足させ、三ノ輪総合福祉センターの建設、防災対策用職員住宅の建設、千束老人保健施設の建設、ファミリー世帯への家賃補助等の実施、戸籍情報システムの導入、リサイクルセンターの建設等等でありました。さらに、飯村区長独自の発想である健康都市宣言と、それに伴う事業の推進も光り輝いておりました。  以上、述べましたように、区民生活に密着した事務事業は着実に実現し、飯村区政四年間の実績は極めて高く評価されるところであります。  しかしながら、四小・中学校跡地利用の課題は、経済、社会の大きな変動により、議会においても当初の考え方や認識を改めなくてはならないような事態になり、飯村区長も利用計画の修正を含めて、事業実施の先送りをやむなくした事実も存在しております。こうした台東区政の現実を直視しながら、この統一地方選挙において再び区長に選ばれ、第二期目の飯村区政が誕生した場合、色濃い飯村カラーを台東区行政の前面に打ち出すべきだと私ども友愛クラブは大きな期待を持っております。  そこで、台東区の首長として、飯村区長が現在構想されている区の将来像と、これからの実現や特色のある行政計画等の推進について、決意を含めてお考えをお聞かせ願いたいと存じます。  質問の第二は、台東区の防災対策についてであります。  去る一月十七日早朝に起きた阪神・淡路大震災、これは建物、道路、鉄道の崩壊、そして火災と、大都市災害の怖さと防災都市づくり、災害救助の即応性等の必要性を如実に示し、痛切に感じさせる大災害でありました。特に、本区に似た地場産業のまち長田区を初めとする悲惨な状況は他人事には思えないものがございます。不幸にして亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに、被災された方々には、心からお見舞い申し上げます。  台東区においては、この大惨事の救援にいち早く立ち上がり、地震発生翌日には、職員四名が乾パン、ミネラルウオーター、毛布等の救援物資を現地に送り届け、出発を見送る飯村区長の雄姿は翌日の新聞紙上をにぎわせ、行政の対応が遅いといった批判の多い中、我が台東区行政健在なりと大きく、心強く多くの区民から称賛の言葉を浴びたところであります。同時に、義援金の支出や募金の体制を整えるとともに、現地調査団の派遣等、時宜を得た対応をされ、また災害対策緊急融資の実施、応援職員の派遣等、議会側の要望に早速こたえた区側の措置には目を見張るような思いであり、心から敬意を表するものであります。  さて、今般の地震は多くの教訓を残しているのではないでしょうか。国、県、と、それぞれの役割、連携、そして情報伝達、初動体制、救援体制に多くの課題が指摘されております。区政にかかわる一員として、私も日常の防災意識や防災体制の必要性を改めて再認識したところでありました。飯村区長におかれても、早速災害に強いまちづくりに取り組むとの表明が出され、新年度予算に新規事業を含め、防災対策の充実を図っているとこで、この内容については予算委員会の審議を通じ明らかになると思いますが、私はこの際、次の三点についてお伺いをいたします。  まず、第一点は大きな問題として、今般の地震災害状況を教訓として、今後区のとるべき対策は何かということであります。  震度七クラスの地震が首都圏東京に発生したときに、同様の被害があってはならないとだれもが考えているものであります。国、都の体制、区との連携等は今後専門家や専門機関による研究が進められ、さまざまな課題が提起されることでしょうが、区においても早急に対策を講じるべきものと思いますが、いかがでしょうか、お尋ねいたします。  そこで、不幸にして我々が震度六以上の激震、烈震に襲われた場合を想定したとき、台東区の災害対策本部となるこの庁舎の耐震度がどの程度まであるかという疑問がまず念頭に浮かびます。昭和四十八年に完成したこの庁舎は、地震災害発生時の対策本部となることを想定し、耐震度をレベルアップさせた設計により建築工事が施行されていると聞いております。また、地盤や地質についても、上野の大地につながるこの庁舎の下は、東京礫層という安定した地層が地下三十メートルにあり、建物を支えるくいはここまで届いていると仄聞しております。  私ども議員としては、こうした庁舎の耐震性能や地盤について科学的に十分知っておく必要があり、ご説明を願います。  また、この庁舎の電力の供給については、東京電力から二系統の送電線が引かれ、バックアップ体制がとられていると聞いております。しかし、二系統とも送電が停止してしまった場合を想定し、庁舎自体の蓄電池、自家発電等の施設はどの程度能力があり、保守整備等も含めた機器等、施設の管理体制について詳細にお聞かせ願います。  兵庫県庁のように、送電がとまり、これにかわる自家発電装置の機能等が作動せず、無線による通信等が不能になるなど、不幸な例もあり、台東区の災害発生時に、防災無線による区民への情報伝達の停滞等が心配されるからであります。  第二点は、災害者の避難所の模様が連日テレビに映し出されておりますが、ほとんどが学校を利用されておることは皆様周知のことであります。そして、有事の際に、本区においても学校がその中心となることであろうことは容易に想像がつくところであります。  そこで、顧みまして本区の小・中学校の状態に思いをいたした場合、改築も順調に進み、大部分が新校舎になっておりますが、古い校舎も若干ですが存在しております。戦前からの古い建物が一概に弱いものとは申せないまでも、避難所ともなるべき校舎にいささかの不安を抱かせるものがあってはならないと考えます。早急に耐震力の調査を行い、必要に応じて補強工事を施す等の対策を講ずるべきものと考えますが、区長のお考えはいかがですか。  なお、災害時の食糧ほか備蓄についても、区内三カ所に保存されている聞いておりますが、今回の災害を見る限り、備蓄庫が焼けたり、また運搬するのに道路が遮断されたりすると、全く目的が達成されておりません。この際、各小・中学校の空き教室を利用し、食糧等の備蓄もされたらとつけ加えておきます。  また、災害発生時の応急措置に関連する事項として、台東区が他の自治体と結んでいる災害時の相互援助協定について申し上げます。  現在台東区は姉妹区提携をしている墨田区と、姉妹都市提携を結んでいる古川の二地方公共団体との間で救援協定を結んでおります。この相互救援協定内容は、時を経るにしたがって相互に求める援助物資等の内容等に変化が出てくることが想定されます。そこで、定期的にその内容の確認、見直しを行うことが必要であろうと考えます。この点に対しても区長の見解をお聞かせ願います。  第三点は、今般の地震による死者は九割が倒壊物による圧迫死、窒息死であり、火災による焼死者は一割未満と聞き及んでおります。  関東大震災、東京大空襲と、二度の大火災の恐ろしさを聞いている私たちは、防火に重点を置いた対策を講じてまいりましたが、従来の考えに新たな問題が課せられたものと考えますが、いかがでしょうか。  近隣の人々の協力で倒壊物の下敷きとなった犠牲者を救出したとの朗報と同時に、要介護高齢者が崩れかけた自宅で医療介護をほとんど受けられず、栄養不足で風邪や持病が悪化して亡くなるケースが後を絶たないと報道されております。高齢者の多い台東区の場合、ぜひとも考察する必要のあることを提言いたします。  それは、今回の震災で亡くなられたお年寄りや過酷な避難所生活を強いられている高齢者の大半は、いわゆる在宅老人であります。国も都も台東区も在宅福祉を高齢化対策の柱の一つとしてまいりましたが、危機管理のない在宅福祉は危険極まりないものがあります。  具体的な例を新聞報道の中から一つだけ拾ってみますと、神戸には地震発生前、特別養護老人ホームに入るため、順番を待つ高齢者が八百人いたということです。このうち、二十四時間介護が必要な老人が二百五十人いましたが、地震発生後の十日になっても、その人たちの安否は兵庫県も神戸も正確なところはわからないとのことです。この原因は、民生委員組織を初め、在宅福祉サービスシステムが地震発生と同時に壊滅したからであると報道しておりました。ちなみに、今度の災害で特養ホームや有料老人ホームに入っていたお年寄りの死者はゼロでしたが、在宅老人の死者は、推定二千数百人に達しております。もちろん、死者ゼロというのは施設が被災の中心地から離れている等の理由だと考えられますが、お年寄りを多く抱える台東区として危機管理の重要な項目の一つとして取り上げ、考えるべきであることを提言いたします。これらのことに思いをいたすとき、地域の果たす役割の大きさを改めて認識する次第であります。  そこで、防災団未結成地区の解消を図るとともに、防災団活動への手厚い援助により、全地域が防災対策に自主的に取り組み、地域の問題解決に力を強めていくことが必要であると考えます。同時に、高齢者を初めとする、いわゆる災害弱者の状況把握や倒壊等さまざまなケースを想定した複数のマニュアルを用意し、地域の住民に周知徹底することなど、きめ細かな地域の対策が必要だと考えます。これらの対策は、ひとり行政のみでは困難であり、区と区民が一体となって取り組みが必要だと考えます。  以上で友愛クラブの代表質問を終わらせていただきますが、主として飯村区長にご答弁をお願いいたします。しかしながら、防災対策の質問中、技術的、専門的、あるいは事務的な事柄に関しては、所管の助役、教育長、部長の答弁でも結構です。  最後に、今期をもってご勇退される東本竹治君、川村安久君、佐藤武君、五十川チトセ君、さきに退職された持田敏行君等々、諸先生には本当に長い間ご苦労さまでした。今後も一区民として台東区政伸展のためにご指導、ご協力をお願いする次第です。  また、四月に選挙を迎える飯村区長を初め、我々議員全員が当選を果たしまして、そして再度五月にはここで顔合わせができますよう祈り、終わらせていただきます。  ご清聴いただきありがとうございました。(拍手) ○議長(河野浅吉 君) 区長の答弁を求めます。
      (番外区長飯村恵一君登壇) ◎区長(飯村恵一 君) 池田議員のご質問にお答えを申し上げます。  ご質問の第一は、私の政治姿勢と今後の決意についてでございます。  先ほど池田議員より、区政四年間の実績の高い評価と区政続投についての温かいご支援のお言葉をいただき、大変感激いたしております。  私は、平成三年四月に区長に就任して以来、区政運営の基本に調和区政を掲げ、区議会、区民の皆様方のご協力のもとに区政推進に全力を傾注してまいりました。私は施策を展開するに当たりまして、区政の基本方針である行政計画に、新たに健康づくり推進、定住施設の推進、福祉施策の充実、中小企業の振興、生涯学習基盤づくり、魅力あるまちづくり、リサイクルの推進、防災まちづくりの推進の八つの課題を重点プランと位置づけ、積極的に施策の展開を図ってまいりました。  景気の低迷が続く一方で、区民ニーズはますます増大いたしております。私は、このようなときにこそバランスのとれた区政を展開し、真に豊かな地域社会の実現を目指すことが為政者の責務と感じております。  幸いにも区民の信託を得ることができたならば、私の政治理念である調和区政を基本に、「人々が住みたいまち、住み続けたいまち台東区」の実現に向けて、さらなる努力を重ねることを決意しておりますので、区議会の皆様方のご理解とご支援をよろしくお願いをいたします。  さて、ご質問の第二は、防災対策でございます。  阪神・淡路大震災を教訓として早急に対策を講ずべきとのご提案でございますが、先ほど川村議員にお答えしたとおりでございます。そのほか、今般の阪神・淡路大震災に関するさまざまな調査・研究、原因の究明等が進められており、これらの動きに注目しながら、さらに災害に強い良好なまちづくりを積極的に進めてまいりたいと存じます。  次に、本庁舎の耐震性能についてお答えをいたします。  本庁舎の耐震性能につきましては、建設時はもとより、昭和五十六年建築基準法の改正による耐震基準の見直し時の耐震設計法に基づく耐震性能においても十分であると昭和六十二年に判断され、十階の増築を行ったところでございます。また、基礎構造につきましても、現場造成くいを地下三十メートルの東京礫層に築造しており、十分な耐力を保持しております。  次に、非常電源につきましては、蓄電池設備と自家発電設備を設置し、非常照明、エレベーター、消火設備等、災害時に対応できる設備となっております。さらに、電子計算機システムにつきましても、地下一階に無停電電源装置を設置し、送電が停止しても瞬時に電源を確保する体制にあります。  次に、避難所等における学校の安全性の総点検についてでございますが、平成七年度に区立学校の耐震性の調査、及び設備等の点検を実施いたします。この調査結果を踏まえ、適正に対応してまいりたいと考えております。  次に、学校の空き教室に食料品を備蓄してはとのご提案でございますが、避難所となる学校への分散備蓄を進めてまいります。  次に、墨田区及び古川との防災相互協定の定期的な内容の確認、見直しについてであります。  現在墨田区、古川とも年に一度、それぞれが援助できる物資の内容について意見交換や備蓄品リストの交換を行っているところであり、今後においても十分協議して対応してまいりたいと存じます。  次に、防災対策のみではなく、圧死につながる倒壊物対策でも重点を置いてはとのご指摘でございますが、今後の検討課題とさせていただきたいと存じます。  次に、防災団についてでありますが、議員指摘のように、防災団は地域における災害対策のかなめとして位置づけ、その育成に力を注いでいるところでございます。今後においても、この制度の充実を図ってまいりたいと存じます。また、防災団未結成地区の解消につきましては、防災団の結成率の低い地域を重点に、防災地域の普及活動を実施し、早期に結成率の向上を図ってまいります。  次に、災害弱者向けのマニュアルの策定についての提案でございますが、一部については既にもう都で策定しているものがあり、その周知に努めてまいりたいと存じます。また、その他のマニュアルについては、関係機関と検討してまいりたいと存じます。 ○議長(河野浅吉 君) 三十八番小玉高毅君。   (三十八番小玉高毅君登壇) ◆三十八番(小玉高毅 君) 平成七年第一回定例会に当たり、台東区議会公明を代表いたしまして区長に質問いたします。  初めに、今回の近畿地方を直撃した阪神大震災は、神戸を中心に甚大な被害をもたらし、戦後最大の大惨事を招きました。ここに謹んで被災した方々に心からお見舞いを申し上げる次第でございます。  次に、質問の前に一言申し上げます。  私たちは、昨年十二月五日に第二章の幕を開く新時代に向けて、新党「公明」として新出発をいたしました。私たちが結成した公明は、過去に例のない地方議員を主体とした住民党であり、区民党の草の根の地域新党であり、本格的な地方の時代の幕開けにふさわしい、まさに時代の要請の中で誕生した人間主義の党であります。私たちは再び「庶民の中へ」を合言葉に、台東区議会公明として力強い船出をいたしました。区民の皆様とともに、生活者のための施策の充実に向け、さらに全力を傾注してまいる所存でございますので、よろしくお願いいたします。  次に、四月の区長選について申し上げます。  前定例会における飯村区長の第二期目の出馬表明がありましたが、我が公明においても、四年間の実績を高く評価し、このたび東京都本部におきまして、飯村区長の推薦を機関決定させていただきました。微力ではありますが、今後は飯村調和区政の一翼を担い、ご支援申し上げますので、よろしくお願いいたします。  それでは、質問に入らせていただきます。  質問の第一は、防災対策についてであります。  この度、公明台東総支部は阪神大震災の実態に照らし、防災都市づくりを推進するため、青年党員により台東区在住者の、特に若い世代をターゲットとして地震災害についてのアンケート調査を二月四日から十九日までの二週間にわたって実施いたしました。サンプル数は男性二百一、女性六百五十九、トータル八百六十人、世代別では二十代六百五十六、三十代七十八人、四十代三十八人、五十代以上八十八人となっており、若い世代を中心とした防災に対する意識といろいろユニークな提言も記されておりました。今回は、このアンケート調査結果を踏まえて、防災対策全体にわたり、次の十二点について区長に質問いたします。  第一点目は、現在の避難計画の全面的な見直しを図るべきではないかという点であります。  すなわち、現在は一時集合場所に集まり、それから上野公園の避難所に向かい、しかるのちに、場合によっては各学校の避難者収容施設に振り分けるとなっておりますが、一時避難場所を各学校として、そこが危険となったら第二次として上野公園に避難するよう改めてはどうかと思いますが、いかがでしょうか。区長のご所見をお伺いいたします。  また、上野公園を避難場所と知っていた人は七二パーセントもありましたが、自分の一時集合場所や自分の収容される学校はどこか知っている人はほとんどおりませんでした。そこで、広報たいとうにおいて、防災特集としてガイドブック的に別冊で全世帯に徹底してはと思いますが、ご所見をお伺いいたします。  次に、避難袋や防災グッズ等の配布の希望が数多くありました。  何らかの方法で全世帯に行き渡るように配布できないでしょうか。防災意識の高揚の上からも、今こそ効果的であると思われますが、ご所見をお伺いいたします。  次に、防災団の強化育成と装備の充実についての強い要望があります。  現在の各町会の予算では、装備の充実までは手が回らないのが現状です。また、防災マニュアルを改めて指導者向けにつくり、各団に徹底してほしいとの要望と、防災団の指導者講習会も定期的に行ってはどうかと思いますが、ご所見をお伺いいたします。  次に、生活必需品、食料品の備蓄内容の充実と備蓄量の拡大と、さらに備蓄場所の分散についてお尋ねいたします。  現在、台東区では乾パンやアルファ米を初め、六十一品目にわたり生活必需品、食糧が備蓄されておりますが、阪神大震災における状況を考え、昼間人口にも対応できるように現在の二倍以上にすることを提案いたします。また、備蓄の内容も、阪神大震災での状況を踏まえ、救急医療品、組み立て式トイレ、テント、異動ふろセット、生理用品、紙オムツ、下着、非常用飲料水ポリ袋等の充実を強く訴えるものであります。  さらに現在、台東区では浅草公会堂地下二階備蓄倉庫と上野七丁目備蓄倉庫の二カ所に緊急災害時のための生活必需品、食料品を集中備蓄しています。しかし、区内に在住する台東区職員は少なく、災害発生時、被災者に備蓄品が速やかに配られる保障はありません。こうした実情を踏まえ、区内全域にバランスのとれた備蓄が必要であると考え、備蓄場所の分散を提案するものであります。特に、避難所となる小学校、中学校、都立高等学校等の空き教室などが備蓄場所として利用できれば最適と考えますが、ご所見をお伺いいたします。  次に、防災無線の難聴地区の解消についてであります。  特に荒川区、文京区、墨田区との隣接地域に対する多くの苦情が寄せられております。早急に総点検を実施し、善処すべきと思いますが、区長のご所見をお伺いいたします。  次に、都市防災の視点で住宅問題についてお尋ねいたします。  今回の直下型地震による住宅の被害は、マンション等の損壊もさることながら、多数の犠牲者は古い木造住宅が密集している地域で発生しており、台東区の震災対策の再構築を行う上で貴重な教訓を得たところでもあります。また、建築基準法改正前に建築されたビルの多くが倒壊しており、本区における老朽化している、特に高層の都営住宅の耐震調査の早期実施を求めますが、見解を伺います。  また、台東区においても木造住宅が密集した地区が広がっており、これらの地区の整備と震災予防対策として緊急、かつ強力に進めることが重要と考えます。そこで、老朽木造家屋を不燃の住宅に建てかえ促進のため、低金利住宅建築資金融資の拡大を図るべきと考えますが、あわせて見解をお伺いいたします。  次に、避難所等になる公共施設の安全性の総点検を早急に実施するよう強く要望いたします。  台東区では、現在災害時の避難施設として小学校、中学校、都立高校などの区内四十五カ所を指定していますが、阪神大震災における状況を考え、こうした諸施設や区民施設の安全性の調査、点検の実施を具体的にどのように実施されようとしているのかお伺いいたします。  また、上野公園までの避難路を横断する昭和通りの高速道路や上野の山へ通ずる寛永寺橋、凌雲橋、両大師橋等の三本の橋梁、及び立体交差橋の耐震対策、及び安全対策はどのようになっているのでしょうか。今回の大震災において、一般道路の立体交差橋も一部で橋げたが落下しており、そうした場合、二次災害の発生、震災後の復旧活動に大変な支障を来す恐れがあります。鶯谷の凌雲橋は建設年度が古く、大正時代にかけられたと思われます。この間、過去四回にわたり耐震基準が改正されておりますが、橋梁の安全性は果たして大丈夫なのでしょうか。この凌雲橋は台東区が責任管理するものとされておりますので、早急に総点検し、緊急補強対策をするなど、しかるべき処置をすべきと思いますが、このご所見をお伺いいたします。  次に、被災地におけるごみ、し尿処理対策についてお伺いします。  被災後、時がたつにつれて深刻になるのがごみ処理の問題であります。倒壊した建物から出る家具、生ごみ等が被災地にあふれることによって都市機能や環境衛生の両面から大きな問題が生じます。現行台東区地域防災計画によれば、災害発生時のごみ処理については、第一次、第二次、第三次処理に分けて順次処理をしていくとされております。しかし、神戸の例でもわかるように、いかに立派な計画を立てても、それを支える職員、車両、工場が確保されなければ絵に書いた餅にすぎないのであります。区において、具体的に今後職員、車両、工場の確保についてどのように考えているのでしょうか。  また、し尿対策についてであります。  今回の大震災では、被災者が生活している避難所に仮設トイレが設置されたのでありますが、中にはトイレがあふれ、使用不能になったケースが随所に出ております。仮設トイレのし尿収集については、大量のバキュームカーと熟練した収集職員が必要となりますが、本区では下水道の普及に伴い、皆無であります。予備のバキュームカーを設置するとともに、し尿収集職員だけではなく、区職員、並びに民間業者との連携などでバキュームカー操作方法についても日ごろから習熟しておく必要があると考えます。  以上、二点について所見をお伺いいたします。  次に、防災ボランティアについてお尋ねいたします。  各分野にわたる防災ボランティアを平時に登録しておく制度を確立するとともに、災害時には、必要なものを必要なところへ派遣できるようコーディネートできる仕組みを整備することが必要と考えます。防災ボランティアについてのご所見をお伺いいたします。  次に、今回のアンケートの最後の項目に、台東区にこれだけは備えてほしいものがあればお書きくださいとの欄を設けましたが、最も多かったのが、意外にもお金でありました。次いで救急薬品、生理用品、毛布、下着、靴、コンロ、トイレの順で、テレホンカード、おふろなど、ユニークなものもありました。神戸の被災地でも義援金のありがたさが訴えられておりました。  そこで、台東区においても災害の予防や応急対策及び復旧に要する費用として積み立てをするために、防災基金の創設を開始してはと思いますが、ご所見をお伺いいたします。  以上、アンケート調査結果を中心に、区民の最も不安を感じている点を中心に十二点にわたって細々と質問をいたしましたが、区民の不安を解消すべく、明快なる答弁を求めます。  質問の第二は、区の最重要課題の一つである定住対策推進のために、新たなる住宅建設五カ年計画の策定を提言し、区長の所見をお伺いするものであります。  仄聞するところによりますと、旧金竜小学校跡地に建設予定の二十四戸の住宅建設を、生涯学習センターのゆとりある建設のために白紙に戻したいとの話が出ていますが、全く遺憾に思うのであります。  区長は、この地に住宅が建設されるに至った経緯をご存じでしょうか。当時、人口の急速な減少による危機感から定住対策推進の機運が盛り上がり、この地に複合施設でもよいから、十戸でも二十戸でもという差し迫った区民の思いから、一万名を超える住宅建設への要望の署名が集められ、当時の内山区長が決断して決定されたのであります。この構想、基本計画を飯村区長は継承されて、今日に至るわけですが、ただ短絡的に生涯学習センターは独立館がよい、広い方がよいというのでは賛成できかねるのであります。もし、設計を詰める中で機能的に、構造的にどうしても住宅建設部分が必要であるというなら、それにかわる二十四戸以上の住宅建設案を具体的に区民の目に見える形で示すべきだと思うのであります。  現在、平成三年より平成七年までの公的住宅供給五カ年計画があり、三千三百六十戸の目標に対して、現在二千十二戸と、あと一年を余して約七〇パーセントの達成率となっており、数字で見るとかなりの達成率になっておりますが、現在まではソフトの部分が多く、目に見えてこない住宅促進の実効が上がってきていないのが実情です。しかし、台東区住宅整備指針によれば、ハードの公有地活用の住宅建設六百戸の計画は後期の八年から十二年の五年間となっております。  私は、七年度より既に入谷の都営住宅の建てかえ作業は始まっておりますし、忍岡住宅、今戸、橋場の住宅建設や二長町小跡地の住宅建設への環境も整いつつありますので、ここでこれらの住宅建設を含めた六百戸のハードの住宅建設五カ年計画を策定し、区民に目に見える形で各年次別に目標戸数を示し、計画を発表すべきであると思いますが、区長の定住対策促進への決意とともに、明快なる答弁を期待するものであります。  以上をもって私の質問を終わります。  ご清聴大変にありがとうございました。(拍手) ○議長(河野浅吉 君) 区長の答弁を求めます。   (番外区長飯村恵一君登壇) ◎区長(飯村恵一 君) 小玉議員のご質問にお答えする前に、私の再出馬についてのご支持に深く感謝を申し上げます。  ご質問の第一は、防災対策についてでございます。  まず、一次避難場所と広域避難場所の役割の見直しについてでございますが、一次避難場所は学校等において学童の避難について定めているところであります。また、広域避難場所は、火災が拡大し、身の危険が迫った場合に避難する場所で、それぞれ災害時に安全に避難するため必要な場所であると考えております。したがいまして、このような避難場所等の役割や避難方法につきまして、防災訓練時や広報紙により区民への周知徹底を図ってまいりたいと考えております。  次に、防災グッズの各戸配布についてでございますが、防災用品等の配布につきましては、既に区で実施した経緯や、一部町会等においても実施しているところもありますので、今後財政状況を踏まえながら慎重に検討してまいりたいと考えております。  次に、防災団の装備の拡充や防災マニュアルの作成についてでございますが、防災団の装備につきましては、五年ごとの資器材補充助成を行っており、またマニュアルの作成につきましては、防災組織づくりの手引きを作成しております。今後、防災団の活動の活性化を図るため、鋭意検討してまいります。  次に、防災団の指導者の育成についてでございますが、現在年に一回の講演会を中心とした防災指導者講習会を実施いたしております。今後、議員ご提案の内容を含め開催回数をふやしたり、実技を入れるなど、内容の充実を図ってまいりたいと存じます。  次に、備蓄内容の充実についてでございますが、先ほど川村議員にお答えしたとおりでございますので、よろしくお願いいたします。  また、避難場所の安全性の総点検でございますが、これも先ほど池田議員にお答えしたとおりでございますので、よろしくお願いをいたします。  次に、防災無線の難聴地区の改善を図るべきということですが、スピーカーを設置する際には十分な音響調査をし、聞き取りにくい地区を発生しないように整備を進めてまいりました。しかし、その後ビル建築等により、聞き取りにくい地区が発生する場合もあり、その都度調整を行い、難聴箇所の改善を行っております。  次に、老朽化した都営住宅の耐震性の調査についてでございますが、早急に都に要望いたしてまいります。  次に、木造住宅の建てかえを促進するため、補助や融資制度の拡充を図ったらどうかというご質問についてでございます。災害に強いまちづくりの推進という観点からも、今後の国や東京都の制度の動向を踏まえながら、補助や融資制度について検討してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。  次に、高速道路等、耐震性調査についてでございますが、区が管理する施設につきましては、新年度早々にも老朽化の度合い、立地環境、地盤の状況等に留意し、点検調査を実施する予定でございます。また、他の管理者が管理する施設につきましては、それぞれの管理者に要請いたしてまいります。  次に、被災後のごみ、し尿についてでございますが、関係機関に協力を要望してまいります。  次に、防災ボランティアの登録制度についてでございますが、災害時には防災ボランティアの活用が不可欠であり、今後ボランティアの登録制度を含め、役割分担等について検討してまいりたいと考えております。  次に、防災基金条例の制定についてのご質問でございますが、先ほど飯田議員にお答えしたとおりでございます。よろしくお願いをいたします。  ご質問の第二は、新たなる住宅建設五カ年計画の策定についてでございます。  まず、公的住宅供給計画の達成率でございますが、前期計画で五千四百六十四戸に対し、平成六年十一月現在、三千三百八十四戸で、六一・九パーセントとなっております。  次に、新たなる住宅建設五カ年計画の策定としてはどうかということでございますが、住宅の建設計画につきましては、住宅整備指針に基づき、それぞれの計画が具体化した段階で議会に十分にご相談申し上げながら進めてまいりたいと考えております。  なお、今戸、橋場地区における住宅建設計画及び都営入谷アパートの建てかえの具体的計画については、今定例会でご報告してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いをいたします。 ○議長(河野浅吉 君) それでは、ここで十五分間休憩いたします。   午後三時四十五分休憩 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――   午後四時一分開議 ○議長(河野浅吉 君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  三十番佐藤 武君。   (三十番佐藤 武君登壇) ◆三十番(佐藤武 君) 私は日本共産党台東区議団を代表して、次の質問を区長、並びに教育委員長に行います。  第一は震災対策であります。  兵庫県南部を襲った直下型地震は戦後最悪の人的、物的被害をもたらす大惨事となりました。私は痛ましい犠牲となった方々に、改めて哀悼の意を表するとともに、被災者の皆さんに心からお見舞いを申し上げます。  私ども日本共産党は、国民の生命と財産を守ることを立党の精神としてきた党として、震災の起こったその日から、全国で救援活動に全力を尽くし、今後もこの活動を続ける決意であります。  阪神大震災の経験は、全国民への警告と同時に、政治とは何かをするどく問いかけました。当初、政府は関東大地震の二倍の震度と、日本では前例がないように発表しましたが、私ども日本共産党はこの非科学的な見解を地震学の到達点から国会でも取り上げ、批判した結果、現在ではマスコミも科学的な立場から政府見解を批判するようになっています。  区長は、防災対策の充実をこれからの区政の最重要課題として区政の中心に据え、すべての施策の見直しと強化を図ることを所信表明で述べましたが、見直しと強化の基本点は、安政の大地震と同じ震度七を想定すべきでありますが、区長の見解を求めます。  あわせて、震度七では台東区はどのような状況になるのか、ライフラインの実情を含めて答弁を求めます。
     次は、来年度予算であります。  防災対策費は一億一千万円余、全体の予算のわずか〇・一二パーセント。五年前に比べても、用地取得費を除いて一億円以上少なく、しかも、その内容は防災センター情報室の基本設計、区有施設を初め、安全性の調査点検、民間建築物の耐震予備調査、不燃化促進事業の基礎調査等であり、所信表明での決意とはほど遠いものであり、今回の教訓を組み入れたものとはなっていません。予算を抜本的に組みかえるべきと考えます。区長の答弁を求めます。組みかえない場合は、いつの時点で補正をするのかも答弁してください。  また、我が党が議員提案として準備し、各党も必要と認め、議会運営委員会で議長から発言のあった防災基金条例も早急に制定すべきであります。  五年前に東上野に土地を購入し、基本設計まで策定していた防災センターの建設は、来年度予算にも計上されておらず、庁舎十階への情報室の基本設計で済ませようとしていますが、防災センターの建設は今後どうするつもりなのか、明確な答弁を求めます。  区有施設や民間建築物の耐震性調査も、あくまで予備調査の段階であり、民間建築物については中央区、練馬区のように本格的な耐震診断にも助成すると同時に、調査の段階でとどまるのではなく、問題のあるものはすぐ改善すべきであり、また災害時を想定した区職員の登庁訓練も行うべきであります。区長の所見を伺います。  不燃化促進事業については、十数年前の三四物産石油基地阻止闘争の中で、橋場通りなどが基礎調査もなく指定されました。当時、日本共産党は危険度五の地域においては、沿道沿いの線的な不燃化ではなく、面的に指定し、建築物に対して助成すべきであると要求しました。  二年前に発表された都の地震に関する地域危険度測定調査報告では、建物危険度五は、全都の一二パーセントを台東区が占め、最高になっているわけであります。土手通り、地方橋通り沿いの地域もこの中に入っています。いまさら何を調査しようとするのかについて答弁を求めます。  今回の教訓から、危険度の高い地域には借地・借家人を含め、住み続けられ、災害に強いまちづくりが必要です。  私たち日本共産党は地域の皆さんとともに、ジャングル長屋と言われた、あの橋場二丁目の地域であらゆる困難を乗り越え、住宅改良事業を成功させ、不燃化促進と定住促進に貢献してきました。今こそ住民が主体となった公共住宅の建設を急ぐべきと考えます。区長の答弁を求めます。  次は、地域防災計画書の問題であります。  阪神大震災後、この計画書を理事者や職員の机の上で多く見かけるようになり、研究が進んでいることを力強く思います。この計画書は震度七に見合ったものに改正されると思われますので、そのときも今以上に研究実践させることを希望いたします。  この計画書の備蓄品を見た場合、食糧が居住人口一人当たり一・四食分、毛布は避難人口五人で一枚、テントはわずか十四張りで、避難八百世帯に一張り、仮設トイレは二百十六人に一基、バキュームカーもなく、トイレの処理をどうするかの対策もありません。さらに、災害復旧に使うブルドーザーやショベルカーなどについては、建築・土木業界との合意文書はありますが、これらの器材は区内にはないとのことであります。このほかにも、計画待ちではなく、早急に改善・対処すべき問題点として自主防災組織の未結成地域への対応、民間井戸の活用、大型消火器の設置の拡大等がありますが、それぞれどう対応するのか。そして何よりも議員や職員、区民の意見を謙虚に聞くことが大切であります。以上について答弁を求めます。  第二の質問は、行政改革についてであります。  前定例会でもこの問題を取り上げ、真に行うべき行革は、大企業ゼネコン奉仕の大型開発などを抜本的に見直し、住民自治の推進、住民サービスの拡充を図り、地方自治の原点に立った自治体をつくることを指摘しました。ところが、今定例会で区長は、この間職員を約三十名減らし、その上に立って新たに行革大綱を策定し、特に職員の定数を抑制することを誇らしげに所信表明しました。職員の削減は住民サービスの低下はもちろんのこと、いざというときに大変なことになるというのが阪神大震災の教訓の一つでもあります。  かつて、学校の警備を機械化にしましたが、夜間や休日に災害に見舞われたらどうなってしまうのでしょうか。近所の人にかぎを預けてあるのでは済まされない問題であります。  住民サービスの第一線に働く職員を行革の対象として、少なければ少ないほどいいといった認識は住民サービスや住民の生命、財産を守る責務を有する地方自治体本来の姿を見失った論理で、極めて遺憾であります。住民に負担を転嫁し、サービスを切り捨て、ゼネコン、大企業に目を向けた国や都の言いなりの行革ではなく、憲法を暮らしに生かす自治体に行政を改革すべきであります。区長の答弁を求めます。  第三に、乳幼児医療費助成の対象年齢拡大について質問いたします。  三歳未満児の医療費は、昨年度から無料化され、乳児を持つ親に大変喜ばれています。子供は自分の病状を正確に伝えることができず、また、ちょっとしたことでも病気が悪化することもあり、少しぐあいが悪いとすぐ医者にみせなければなりません。病状によっては、手持ちの現金では足りないかもしれないと親の不安があります。現在では、三歳になると医療費助成が打ち切られるので、せめて学校にあがるまで延長してほしいという親の声が強くなっています。三歳になると幼稚園、保育園に通い、外で遊ぶ機会も長くなり、風邪などをうつされる機会もふえてきます。  全国的な少子化現象の中で、特に都心部での子供の減り方は激しく、子供を産み、育てやすい環境づくりが求められています。その施策の一つとして、新宿区では昨年七月から就学前までの医療費助成が始まり、千代田、中央、荒川、大田の各区では来年度実施を予算化し、文京区では歯科診療のみに限ってはいますが、やはり就学前までの助成が予算計上されています。  二十三区の中でもっとも少子化現象の激しい本区でも、この対象年齢拡大をと、我が党区議団は昨年の第三回定例会に条例改正提案を行いましたが、残念ながら他会派の皆さんの賛成を得られませんでした。しかし、このときに他会派の皆さんが述べられた、条例改正への反対理由は、主として三歳未満児への助成を始めたばかりで、時期尚早というものであったと理解しております。そして、昨年末の決算特別委員会では、他会派の委員から子育て支援策として、新宿区のように医療費助成を就学前まで延長してはどうかという意見も出ているのであります。若い年齢層の皆さんが子供を産み、育てやすい台東区にするために、医療費助成の対象年齢拡大を早急に実施すべきと考え、区長の所信を伺います。  第四に、夜間巡回型ホームヘルプサービス実施について質問します。  区長の所信表明で、来年度はみのわ高齢者在宅介護支援センターでチーム制ホームヘルパー派遣事業をモデル的に実施し、ホームヘルパー養成研修受講者の中の希望者を登録して、時間単位の派遣を行うとありました。サービスを必要とする方の希望にあわせた、柔軟な派遣体制に一歩前進することを歓迎いたします。  一方、国や都が夜間巡回型ホームヘルプサービスを始めることに伴って、二十三区の中で、これまで報道されただけでも荒川、大田、江東、千代田の各区が二十四時間対応巡回型ヘルプサービスについてモデル実施、または調査・検討する予算を今回計上しています。高齢化率が二十三区最高の本区でこそ、他区に先駆けてサービスの時間延長を図るべきではないでしょうか。  我が党区議団が昨年末視察した秋田県鷹巣町、昨年十月区民福祉委員会が視察した広島県御調町などでも、夜間巡回型ヘルプサービスを実施しています。  一定の入院期間が過ぎて、退院を余儀なくされた高齢者、特養ホーム待機者、老人保健施設退所者などがこれからふえていきますが、在宅介護体制が整えば、入院や入所しなくとも自宅で暮らすことができるようになります。  今回、区が打ち出した時間単位のサービスは、養成研修受講者の条件が許せば、朝や夕方にも派遣できるようにするというものですが、養成研修をふやし、都の養成研修を受けた人にも積極的に働きかけて登録ヘルパーを増員し、必要なときに必要な人に派遣できるような体制を早急に整えるべきと考え、区長の見解を伺います。  第五に、台東区史編さん、発行について質問します。  区史の編さん、発行は、前回から二十九年目であります。この間の歴史学の発展の中で、十分学術的にも耐え得るものでなければならないことは当然であります。しかし、この間同和問題ではいろいろな問題が台東区でも起きています。同和問題は台東区史の上で避けて通ることのできない重要課題であり、正しく解決しなければならないことは皆さんもご承知のとおりであります。  現在、区内の中学校で使用している教科書には、次のように書かれています。「江戸幕府は鎖国を完成させた後、兵農分離の身分支配を一層強めた。えた・ひにんを農民・町民以下の身分と定め、身分による差別支配を強く加えるようになった。えたは生活の向上に努め、農民や町民との対等なつきあいを求めるようになった。すると幕府や藩はそれを抑えるために、服装や履物での差別を強めた」。教科書は具体的事例として岡山県の渋染一揆や信州での村役人の差別に触れ、「考えてみよう、調べてみよう、人権を求める運動は近代においてどのように発展していくだろうか」と、江戸時代の記述を結んでいます。  台東区史は、このような問題にも史料を提供しなければならないことは当然であります。しかし、「部落出身者以外はすべて差別者だ」という非科学的、非歴史的な俗論が発生して以後、民間で発行される台東区の歴史書については、この問題には触れていません。台東区の編さん、発行する区史について、どのような認識のもとに、この問題をどのように取り上げていくのか、具体的な答弁を求めます。  最後に、中学校社会科副読本発行について、教育長ではなく、教育委員長に質問します。  私はみずからの健康管理のために、時間の許す限り隅田川のテラスを歩いています。歩きながら感じたことを区当局や区議会に提起してまいりました。  生態系に配慮した護岸堤防の提起については、全議員の賛同を得、都知事に要望書を提出した結果、区当局の努力もあって、現在東武鉄橋から吾妻橋にかけて二億二千万円をかけて要望書に沿った工事が今月完成を目指して進められています。このような工事は隅田川では初めてであります。  また、高齢者や障害者が車いすやシルバーカーでテラスに降りられるためのスロープ設置については、実現のために努力すると区長が答弁し、今後区議会での総意をもって、ぜひ実現できればと願っています。  今回の提起は、中学生との会話からによるものです。「あの橋はなぜ言問橋というんだ」との質問に、「そんなことは知らない」との返事。学校でも教わらなかったとのことで、平安時代の文化の花であり、在原業平が主人公と言われる伊勢物語の一節、「名にしおば、いざ言問はむみやこどり、わが思う人はありやなしやと」を説明すると納得したようでありました。  ところで、歴史分野の教育体系を見ますと、伊勢物語は高校生でないと教えていません。しかし、文部省は博物館や郷土資料館などの活用を図るとともに、身近な地域及び国土の遺跡や文化財などの観察や調査を行い、それに基づく表現活動が行われるよう配慮する必要があると指示し、これに基づいて、台東区では小学三年生副読本として「わたしたちの台東」がつくられ、この本の中には、調べるものとして、建物、お寺、神社、公園、橋などが入っています。中学生の場合、身近な地域の学習を充実すると指示していますが、台東区にはなぜか副読本はありません。隣接の墨田、荒川、文京、中央の各区には副読本はありますが、なぜ台東区には小学生には副読本があって、中学生にはないのかの答弁を求めます。  墨田区の副読本には、在原業平や言問橋も、梅若丸との関係で橋場の妙亀塚も説明されています。荒川区の副読本には奥州街道、日光街道、橋場の渡し、上野寛永寺、谷中しょうがなど、台東区になじみの深い説明があります。  このように、子供たちに身近な歴史を教えることは、台東区を愛することにつながり、定住促進にも役立ちます。副読本をつくるべきと考えますが、答弁を求め、質問を終わります。(拍手) ○議長(河野浅吉 君) 区長の答弁を求めます。   (番外区長飯村恵一君登壇) ◎区長(飯村恵一 君) 佐藤議員のご質問にお答えをいたします。  ご質問の第一は、震災対策についてでございます。  まず、被害想定を震度七にすべきだということですが、東京都が平成六年度から直下型地震の被害想定の調査を進めており、その推移を見守りながら対応してみたいと存じます。  次に、震度七で台東区はどのような状況になるかということですが、被害想定を見ながら、防災関係機関と協力し、今後とも住民の生命、財産を守るため、防災対策を進めていきたいと考えておりますので、よろしくご理解賜りますようお願いいたします。  次に、来年度予算につきましてご質問でございます。  当初、予算案では新規事業を含め、予算編成時点では考えられる事業を計上したものでございます。今後防災対策を見直していく中で、先般の震災の教訓を生かしてまいりたいと存じます。見直しに当たりまして、若干の期間をいただきたいと存じますが、早急に取り組めるものについては、可能な限り早期に措置してまいりたいと存じます。  次に、防災基金条例を早急に制定すべきとのご質問でございます。  先ほど飯田議員にもお答えをしたとおりでございますので、よろしくお願いいたします。  次に、防災センターの整備についてお答えをいたします。  防災センターの整備については、庁舎内に災害対策本部機能と防災センター情報室を東上野五丁目に本部機能のバックアップや防災教育啓発、職員待機寮等の施設を整備し、一体として防災センターの機能の実現を図ってまいります。  整備スケジュールは、平成七年度から災害対策業務の中枢となる災害対策本部機能及び防災センター情報室の整備に着手し、東上野五丁目の施設については、引き続き整備を進めてまいります。  次に、民間建築物の耐震性の確保は、震災対策上重要であると同時に、本来、その所有者等の責任において適正に行われるべきであると認識しております。  予備調査助成はできるだけ多くの建築主の方に実施していただきたいという趣旨から事業化を図ったものでございます。  改修工事費の助成等については、現在の段階では非常に困難でありますが、予備調査を省略して、初めから本格的な耐震審査をしたいという要望に対しては、予備調査費相当分の助成も含めた検討をしたいと思いますので、ご理解をいただきたいと思います。  次に、職員登庁訓練の実施についてでございますが、休日・夜間等の非常災害時における初動体制を確立するため、職員の参集訓練を実施する方向で検討してまいります。  次に、不燃化促進事業基礎調査についてでございます。  本調査につきましては、延焼遮断帯である土手通りの一部と地方橋通り沿道地区の不燃化を促進するため、不燃化促進事業地区の新規指定に必要な土地、建物等の現況調査や住民意識調査などの基礎調査を行うものであります。  延焼遮断帯は、大規模な地震等に伴い、発生する火災の拡大を阻止する機能を持ち、都市防災上重要な役割を担っております。  なお、議員ご指摘の面的な指定につきましては、今後国や都の動向を踏まえ、検討してまいりたいと存じます。今後とも防災まちづくりの推進に努めてまいりますので、ご理解を賜りたいと存じます。  次に、住民が主体となった公共住宅の建設についてでございます。  これまで区では、優良再開発建築物整備促進事業や市街地環境整備促進事業などにより、公的住宅の建設を進めてまいりました。  議員ご指摘のとおり、区民が安心して住み続けられる、災害に強いまちづくりのためには、住民が主体となって進める公共住宅の建設は大変重要なことと考えておりますので、よろしくお願いをいたします。  次に、地域防災計画書についてでありますが、備蓄品等の充実につきましては、川村議員にお答えしたとおりでございます。  次に、道路啓開については、そのご指摘のとおり、台東区道路建設協力会では、建設機械等を区外に保管しておりますが、対応は可能であると認識いたしております。  次に、防災団の未結成地域への対応ですが、結成率の低い地域へ重点的に防災知識の普及活動を実施し、早期に結成率の向上を図ってまいります。  次に、民間井戸の活用については、被災時に活用可能かを含め、今後検討してまいります。  次に、大型消火器の設置につきましては、設置場所の確保が極めて困難となっており、今後は歩道が整備されているすべての路線に路上消火器を設置してまいります。  ご質問の第二は、行政改革についてでございます。  私は、行政改革は区政を担うものとして、最大の責務であると認識し、今後とも区民の期待にこたえるべく、簡素で効率的な行財政運営に努め、区民サービスの向上に努力してまいる所存でありますので、ご理解のほどをよろしくお願いいたします。  ご質問の第三は、乳幼児医療費助成についてでございます。  この医療費助成制度は、各区がそれぞれ実施してきた制度を東京都が補助対象事業として整備したものでございます。年齢を引き上げることにつきましては、今年度の実績を踏まえるとともに、所得制限撤廃等を東京都に働きかけながら、今後引き続き検討を重ねてまいりたいと思います。  ご質問の第四は、夜間巡回型ホームヘルプサービスについてでございます。  私の所信表明で申し上げましたが、来年度より登録ホームヘルパー制度及び地域拠点からのチーム制によるホームヘルパー派遣を始める予定であります。また、ホームヘルパー養成研修も引き続き実施してまいります。今後の派遣時間帯の拡大や夜間巡回型サービスについては、来年度からの新しい派遣体制の状況も踏まえながら十分調査・研究し、取り組んでいきたいと考えております。  ご質問の第五は、台東区史の編さん、発行についてでございます。  同和関係の取り上げ方につきましては、区史の編さん目的、基本方針に沿い、また、いまだに心理的差別など、差別があるという同和問題の現状を十分に踏まえ、調査・執筆を進めてまいりたいと考えております。  最後のご質問は、中学校の社会科副読本の発行でございますので、教育長がお答えいたします。 ○議長(河野浅吉 君) 次に、教育長の答弁を求めます。   (番外教育長眞田重行君登壇) ◎教育長(眞田重行 君) 佐藤議員の中学校社会科副読本の発行についてのご質問で、委員長にということでございますが、私からお答えを申し上げます。  中学校社会科副読本の発行についてでございますが、二十一世紀を担う子供たちが地域を愛し、地域とともに生きる区民として成長していくことは教育委員会の願いであります。そのため、小中学校の学習指導につきましては、文部省学習指導要領に示されております目標及び内容が児童・生徒一人一人に確かに身につくよう、地域の実態に即し、各学校で作成した年間指導計画に従って指導しております。  さて、小学校三年生用社会科副読本「わたしたちの台東」は、台東区の歴史や産業、身近な地域の遺跡や文化財を学習するために児童に配布しております。  中学校では小学校で学習した内容を基盤にしまして、教科書、地図帳、掛図、VTR、十六ミリフィルムなど、学習の目標、内容に応じて、さまざまな資料を活用した教育が実践されております。また、生徒が地域の中からみずから主体的に課題を設定し、解決していく学習なども進めながら、学習指導要領の趣旨に即した指導を展開しております。  本区には、「下谷、浅草の明治、大正、昭和」など、関係部課の作成したすぐれた資料があり、学習内容に応じてその活用が図られております。教育研究所等で購入した地域に密着したビデオテープ、十六ミリフィルムなど、活用できる立派な資料も多数あり、目的に応じて教師の指導資料として活用したり、生徒の学習用手引としても利用されております。そのほか、台東区の歴史や郷土に関する出版物は大変膨大な資料が発行されており、資料一覧表を配布するなど、工夫をしながら郷土愛が一層はぐくまれますよう考えてまいりたいと思います。  副読本の作成につきましては、基本的に台東区教育研究会社会科部や校長会、社会科担当教諭等の意思を十分尊重しながら進めていくことが大切であります。  ご質問の要旨につきましては、十分理解できますので、関係機関等に伝え、検討してまいりたいと思います。 ○議長(河野浅吉 君) 三十番佐藤 武君。再質問を許可します。   (三十番佐藤 武君登壇) ◆三十番(佐藤武 君) るるご説明があったんですが、私の質問は、台東区にはなぜ副読本がないのかと。隣接の墨田、荒川、文京、中央区には副読本があるけど、台東区にはなぜないのか、またなぜつくらなかったのかということを聞いているわけですから、いろんな本が発行されているからいいとか、悪いとかということを言っているんではないんで、そこら辺をもうちょっと明確に。 ○議長(河野浅吉 君) 教育長。   (番外教育長眞田重行君登壇) ◎教育長(眞田重行 君) お答え申し上げます。  台東区の中学校の社会科の教育の先生方は、台東区にはそういう資料が多いので、それを使いながらやっていて、それで小学校で副読本がありまして、台東区のことは一応小学校で基礎をやって、その上に積み重ねるわけです。中学校の場合は、三年間の中に公民、地理、歴史と三つもやらなきゃならない。その中で台東区のことばっかりは授業でやってられないわけです。その中で、時折、この部分についてはこの資料を使って説明しようと、そういうことをやりながら社会科全体としての授業をやっているわけてす。それで、特に言問橋が知りたいというときは、こういう資料が図書館でもどこでも行けばありますから、そういうふうにして郷土という勉強というものは一生涯を通じてやるもので、何も小中学校の間に台東区のものを全部教えようとしてもそれはとても無理な話ですので、そういうことを社会科の先生方は、中学校の場合は考えて、小学校の場合はなぜあるかというと、小学校の教科書が姫路の例の地域の問題が教科書になってまして、それでいろいろ地域のことを考えるというような教科内容になっておりますので、したがって、副読本をつくって、やはり台東区のこと、そんな遠いところじゃなくて、台東区とこの単元では教えようというようなことでつくったというふうに聞いております。  いずれにしましても、先生ご質問の趣旨については十分伝えていきたいというふうに思います。   〔「議長、自席で再質問」と呼ぶ者あり〕 ○議長(河野浅吉 君) 佐藤議員に申し上げますが、本件に関する発言は既に二回に及んでおりますので、発言を中止願います。 ◆三十番(佐藤武 君) 議長、議会運営委員会なんか再々質問は自席でできるというふうになっているんですよ。そういうの読んだことある、あんた。議長、もっとね、議会の運営になれてもらわなきゃ困るんですよ。自席でやってもいいんですよ、二回目は。そこへ行くのは二回目は三分間できるんですよ、ここは一分間できるんですよ。 ○議長(河野浅吉 君) 第五十三条の、質問は同一議員につき、同一議題について二回を超えることができない。ただし、特に議長の許可を得たときはその限りでない。議長が判断しました。  二十九番大場功一君。   (二十九番大場功一君登壇) ◆二十九番(大場功一 君) 平成七年第一回区議会定例会に当たりまして、民意の会を代表し、防災問題を柱に、大要二点につきましてご質問を申し上げます。
     質問に先立ち、このたびの阪神・淡路大震災において犠牲となられました方々の御霊の安らかならんことを心よりお祈り申し上げる次第でございます。また、被災者の方々に心からお見舞いを申し上げますとともに、せめて一日も早い暖かな春が訪れますことをただただ願うばかりでございます。  民意の会からも直ちに二名現地調査に赴かせていただきましたが、国の責任において完全な、速やかな救援復興対策が迅速に展開されますことを強く要請いたすところであります。  震災の発生後、直ちに救援活動を実践された区の姿勢を評価いたしつつ、質問に入らせていただきます。  災害対策基本法では、国、都道府県、市町村の責務を明確に区分し、現行の特別区も防災対策に関しましては既にとみなされ、基礎的地方公共団体としての責務を負っております。さらに東京都は、東京都地域防災計画の中でそれぞれの区を第一次防災機関として位置づけ、法令及び東京都防災計画、さらには各区地域防災計画の定めるところにより、その所有する全機能を発揮して災害応急対策の実施に努めることを規定しており、本区に対しましても防災対策の完全樹立を強く求めているところであります。  こうした法令の要請を受けて、本区には平成四年修正の台東区地域防災計画が厳として存在しておりますが、今回の未曾有の大都市直下型地震を経験し、震災対策の見直しが国を初め、全国津津浦浦の自治体において叫ばれているところであります。  そこでまず、飯村区長は、現時点において、いかなる基本理念に立脚して本区の防災対策を推進していかれるのか、まずお尋ねをいたしたいと思います。  被災地復興の都市基盤整備事業費が八兆五千五百十八億と積算される今回の大震災に思いをはせますとき、「完全」の二文字を期す政策構築は至難のわざと思われますが、この時点に立って、私どもも明確な指針と能う限りの対策は構築しておくべきとの熱い信念に燃えております。  このたびの大震災において何より憂慮すべきは、世界各国からも厳しい批判がなされましたとおり、あの第二次災害は、まさしく人災ではなかったかとの指摘についてであります。初期の被害状況把握のおくれ、緊急連絡システムの欠如、指揮命令系統の未整備等々、いわゆる危機管理体制の脆弱さが第二次災害を加速、拡大されたという冷厳な事実であります。こうした事実にかんがみ、本区における一日も早い危機管理体制の確立が強く希求されるところであります。  この間の事実の重大さにかんがみ、区長は早急に危機管理に関する調査費を計上なされましたが、いつごろまでに、どのような方針と手順で危機管理体制を構築なさるのかお聞かせをいただきたいと存じます。  とうとい犠牲をはらったこのたびの大震災に率直に学ぶとすれば、非常時における自治体の長の権限強化に大きく道を開くべきものだと国民の多くの皆様が思ったのではないでしょうか。ぜひとも、飯村区長におかれては区長会等において積極的なリーダーシップを発揮されて、この分野の解決にご努力をいただきたいと要望する次第であります。  防災対策につきましては、以下は具体的な課題につきましてお尋ねをしてまいります。  備蓄品の補充等につきましては、直ちに対応できる、そのように思われますが、そういう種類のものは別といたしまして、基本的な防災対策は、どうしても中・長期の展望に立って、全庁的に着実に積み上げていくことになると思料いたされます。そして、その中心の柱となるべきものは、当然平成四年修正の現行の台東区地域防災計画であろうと確信をいたす次第でございます。世界に冠たる我が民主憲法、平和憲法も問題意識の欠如したものにとっては並みの法律の一つにしか過ぎません。しかし、ひとたびこの憲法を地方自治に、あるいはまた暮らしに反映させるという立場に立てば、突如この憲法は本来の光彩を放ってくるのであります。被災者の皆様の苦悩や無念さを思うにつけ、このたびの大震災の膨大にしてとうとい経験、教訓を私たちは後世に生かす責務を負ったのであります。すなわち、本区地域防災計画もこの時点より机上のプランから真に血の通った計画へと昇華されたものであると思うのでございます。本区地域防災計画の位置づけにつきまして、区長の明確なご所見をお伺いいたす次第であります。  四十九名の委員からなる台東区防災会議が、これまでいかほどの緊張感と使命感とを持って運営されてまいったかは残念ながら承知いたしておりませんが、今後は本区防災会議も単に形式的な存在にとどまることは許されず、区民に開かれた姿で大きく機能することが求められております。いわゆるライフライン、また都市の基盤部分を構成するインフラストラクチャーにかかわる企業、機関、組織の代表がこぞって網羅されている防災会議でありますので、この存在を広く区民にアピールいたすとともに、その本来の機能発揮が大きく要請されるわけでありますが、本区防災会議のあり方につきましても、ここであわせて区長のご所見をお伺いいたす次第であります。  続いて、総合防災センターに関してお尋ねいたします。  平成七年度予算に防災センター情報室という名目で基本設計料が八百万計上されております。区長会を通じて都に要望しておった総合防災センター構想でありますから、私どもも一日も早い完成を大きく待ち望んでいるところでありますが、今回の大震災発生に伴う条件の変化や東京都新庁舎防災センターとの関連を考慮いたしますとき、内容をさらに充実させる方向で見直しを行う必要がないのでしょうか。防災センター情報室という名称も、私の偏見でございましょうか、どこか総合防災センター構想より後退しているような印象を受けますが、この間の経緯も含め、お伺いをいたす次第であります。  このたびの大震災は、我が国が初めて経験した大都市における直下型大地震であったため、国はもちろん、当該自治体の混乱ぶりが浮き彫りにされました。世界各国にその混乱ぶりが喧伝されました。加えて、周辺自治体同士の連携の希薄さと稚拙さもクローズアップされました。総合防災センター構想が区長会のチームプレーで実現したことを思いますにつけ、ぜひ二十三区一体の連携、連帯を区長の大きなリーダーシップで発揮していただきたいと、このことは強くまた要請いたしたいところでございます。  防災問題に関しまして、あと二点につきましては、少々視点をかえましてお尋ねをいたしたいと思います。  その第一点は、自助努力とでも申しましょうか、住民サイドから見た防災体制についてでございます。  防災計画がその本来の使命を達成するために不可欠の条件の一つは、住民自身の防災意識の確立であると思われます。期せずして、世界のマスコミが政府を初め、公的組織の無機能ぶりに痛烈な批判を浴びせかけた一方で、我が日本国民のモラルの高さ、沈着さ、そして気高いまでの自己抑制に感嘆と称賛の声を含めてそれぞれの本国にそれぞれ打電されるなり、映像を送り届けたのであります。  この現実から言いますと、我が国民については心配は、また我が区民についても心配はご無用かと思われますが、一つの大切な生涯学習のテーマとして、区民総ぐるみ防災意識の高揚に努めることは大切なことであると認識する次第であります。  さて、ここで私が課題といたしたいのは、このとうとい意識に裏打ちされた濃密な地域コミュニティーの醸成についてでございます。  大震災発生後、はや四十日余が経過しようといたしておりますが、その間の膨大なマスコミ報道によっても、いかに地域コミュニティーの存在が重要であるかをうかがい知ることができたのであります。また、あわせて地域に存在する学校の果たす役割の重要さも改めて認識させられたわけであります。小学校区単位の一層の濃密なコミュニティーの醸成が強く求められるゆえんであります。  先見鋭く、本区では既に全小学校区を単位とする地域コミュニティーが着々と形成されておりますが、現状はいささかスポーツ活動主体のコミュニティー運営がなされているようであります。もちろん、それはそれでよしといたしますが、その小学校区の全住民を対象とした、いうところのノーマライゼーションも具現化された、そんな小学校区コミュニティーがこの機に醸成されていくことを強く望むところでございます。区長の卓見をお伺いいたしたいと存じます。  防災問題の最後といたしまして、ボランティアについてお尋ねをいたします。  被災者の皆さんの避難生活も長期化して、日々さまざまな問題が発生しているようでございます。行政の懸命な対応にも目の行き届かない点が多々存在し、こうした目の行き届かない分野を立派に埋め、救援活動に尽くしておられるのが民間ボランティアの皆々様であります。  このたびの阪神大震災に関していえば、一億二千万でありましょうか、我が日本国民すべてが被災地に直ちにはせ参じ、せめて一日たりともボランティア活動に従事したい、そんな思いにかられたのではないでしょうか。そんな思いを受けて、実際、諸外国を初め、多くの方々が被災地にボランティアとして駆けつけられました。しかし、自治体の受け入れ体制の不備や混乱で実際の活動に入ることもなく、むなしく現地を去った方々も相当数に上っているとの報道がなされております。  今日では、我が国にも世界に名をはせるNGOも生まれておりますが、このたびの貴重な経験から、ボランティアにかかわる問題を区で一元的に掌握するセクションを設置することの必要性を痛感をいたした次第であります。  我が国においては、通常ボランティアと申し上げますと、主として福祉関連ととらえがちでありますが、そうした垣根を外し、区行政全般にかかわるボランティアとの位置づけを確立し、広く、深くボランティアに対応するシステムを導入すべきと考えますが、区長のご所見をお伺いいたす次第であります。  想像を絶する被害ゆえに、従来の法規範を超えて個人補償に踏み込むべきとの議論まで昨今展開され始めておりますが、全国民レベルの対応で、被災者の皆様に希望の持てる日の訪れが一日も早からんことを願い、また日本を代表する都市として、不死鳥のごとくよみがえる日に向けて、一刻も早く復興の軌道に乗ることを衷心より祈りつつ、防災問題に関する質問を終了させていただきます。  質問の大要第二は、本区の基本的な活性化対策についてであります。  飯村区長は、平成七年度予算を骨格予算とせず、総合予算として提示されました。これは二期目への並み並みならぬ決意をあらわすものとして、私どもも心強く受けとめさせていただいているのであります。しかしながら、本区を取り巻く環境は極めて厳しく、まことに無念の極みでありますが、台東区の現実のパワーにいたしましても、また秘めている潜在の能力にもいささか陰りが見え隠れしているのではないかというのが大方の指摘であります。こうした状況下において本区の活性化の基本をなすものは、何と言いましても効率的な予算の執行、ダイナミックな区政運営であります。  昨年十月、最近の都財政に関する研究会が一つの研究会報告をまとめ、「平成七年度予算は都のみならず、二十三区が一つの大きなターニングポイントを迎える、そんな位置づけの予算である」。そんな提言をいたしました。東京都もこの提言に沿う姿勢を示しております。  そして、いわくその基本方針として、一つ、事務事業の徹底した見直し、思い切ったスクラップ・アンド・ビルド、二つ、簡素で効率的な運営、そして機能的組織の構築、三つ、財源の重点的、効率的配分と都民生活に密着した施策の推進、四つ、所要財源の確保への努力と、長期的視点に立った財政運営の四項目を列挙しておりますが、都と不可分に連動する本区の区政運営においても、そのまま当てはまる内容であります。厳しい環境に立ち向かうことも為政者の醍醐味でありましょう。やがてまちに元気な子供たちの声が満ちあふれる、そんな視点を大切に、本区の活性化を見据えた財政運営を強く望むものでありますが、区長のご所見をお伺いいたします。  活性化に関する第二点は、マンパワーについてでございます。  気骨ある明治人とよく言われてまいりましたが、現に、第一線で八十を超えられた方々がかくしゃくとして働いておられる姿には心打たれるものであります。  こうした日本的美徳を尊重しながらも、今日、日本の有力企業を中心に産業界では、終身雇用制度が大きく瓦解をし始めております。一大競争時代に突入した世界経済の流れの中で、自動的に大きな転換が進行しているのであります。新しい事業分野を切り開き、事業の抜本的な改革を遂行しなければ生き残れない時代を反映し、いわゆる一社専属の、同質化した人材では、もはや対応できなくなってきているのであります。もとより、行政と産業界は異質のものでありますが、一歩常に先をいく産業界のマンパワーのあり方は、やがて政治の世界、行政の分野にも当然反映されてまいります。  こうした時代の流れを前提として、私は本区活性化のかぎはマンパワーの活用にあると確信をしております。したがいまして、区政運営を担う職員の皆様にも心から、職員各位におかれては時代感覚と広い視野に立った積極果敢な職務の推進を、職員間では自由活発な交流と連携を、そして、組織全体としては新陳代謝と柔軟さと強力なエネルギーを区民の皆様とともに心から期待いたしたいと思います。  企業は人なり、行政もまた人なりであります。区の各種委員会等への民間人の登用につきましても、時代を反映する青年、壮年層を積極的に活用していただきたいと思います。だれもが愛してやまないふるさと台東区の活性化のためでありますゆえ、区長のとうといご卓見をご披瀝いただきたく、強く切望する次第であります。  次は、本区の存立にかかわる産業振興策についてであります。  私は過去二十年、本区が日本を代表する中小企業の集積地であることにかんがみ、一貫して産業振興を担当する専門部の設置と体系的、継続的な産業振興施策の実施を主張続けてまいりました。昨年ようやくにして産業部が創設されました。この意味から、私は平成七年度を台東区の産業振興元年と、これは勝手でありますけど、みずから位置づけまして、明日の発展を展望してまいりたいと考えておるのであります。  そこで、平成七年度予算に計上されております産業ビジョン、及び振興計画の策定についてでありますが、過去にも数多くの実態調査やビジョン策定が実施されましたが、それが有効な施策として反映されたという実績が存在しません。今回のこの策定を過去の各種調査等の集大成とされ、もって有効な施策がここから次々と打ち出されてくる、そんな産業振興の金科玉条となることを期待しているのであります。区長のご所見をお伺いいたします。  また、この分野は、行政においても、いわゆる攻めの性格を有するセクションでありますので、外部の実力あるスペシャリストの活用とともに、職員スタッフの強化、充実が必須の条件と考えるものでありますが、この点につきましてもご見解をお聞かせください。  さらに、本来的には個別事業、業種団体が自助努力を展開する分野であるわけでありますので、行政と相まって、所期の目標を達成すべき、(仮称)台東区中小企業振興対策審議会、こんな審議会の設置をご提言いたす次第でありますので、ご検討いただければ幸せでございます。  最後となりましたが、当面する景気浮揚策についてお尋ねいたします。  第一義的には国家レベルの課題でありますが、打ち続く不況の中で区内零細規模の事業所の多くは塗炭の苦境にあえいでおられます。こんな折、明日に希望をつないでいただくため、行政としても精いっぱいの努力を傾注すべきではないかと思料いたすところであります。まずは、苦境の実態を把握する意味からも、一層の相談業務の充実、官公需の可能な限りの区内業者発注、そしてかの下町ライブなどは、本年度は「不況ぶっとばせ下町ライブ」と銘打って、各種事業を展開するぐらいのしなやかな発想がなぜとれなかったかと憂慮する次第であります。この点に関する区長のご所見をお伺いいたします。  二期目を目指されます飯村区長と歩みをともにさせていただく決意を固めております。私どもはさらに謙虚さを失わず、民意を尊重し、自己研さんを重ねて奮闘してまいる決意でございます。本議場におられる議員ともども、さらに台東区政発展のために一層の努力をお誓いする次第であります。  古く仁徳天皇の民のかまどの故事に待つまでもなく、飯村区長におかれましては、区民の総意を胸に一層の善政を展開されんことを願い、質問を終わらせていただく次第であります。  ご清聴まことにありがとうございました。(拍手) ○議長(河野浅吉 君) 区長の答弁を求めます。   (番外区長飯村恵一君登壇) ◎区長(飯村恵一 君) 大場議員のご質問にお答えを申し上げます。  ご質問の第一は、防災対策についてでございます。  防災対策の基本的な理念は、区民の生命、身体、財産を災害から保護するために災害予防、応急対策、災害復旧に至る防災行政を総合的、かつ計画的に推進することであります。したがいまして、私は区民一人一人が安心して住める台東区の実現に向け、今後とも災害に強い総合的なまちづくりを積極的に推進してまいりたいと思います。  次に、危機管理体制確立についてでございますが、災害対策本部組織の強化及び非常配備体制の改善等の充実に加えまして、地域の被害状況の把握のため、防災協力員制度を創設し、休日、夜間等の情報連絡体制の充実を図ってまいります。さらに、幹部職員への連絡体制、都及び二十三区の連携の強化等について検討してまいります。  次に、現行の台東区地域防災計画の見直しについてでございますが、緊急に点検し、見直しを行った十四項目について地域防災計画の修正を図っております。  次に、台東区防災会議の定期的な開催についてでございます。  防災会議の役割は、地域防災計画を作成し、その実施を推進し、災害発生時に災害に関する情報を収集することであり、会議の開催は、必要に応じ実施しております。  次に、総合防災センター構想についてでございます。  ご提案を含めて、今後引き続き検討をしてまいりたいと存じますので、よろしくお願いをいたします。  次に、地域コミュニティの醸成についてでございます。  阪神・淡路大震災の例を申すまでもなく、学校が地域の避難拠点として重要な役割を担っていることは、大場議員ご指摘のとおりでございます。  本区では、現在小学校区域等を基本とするコミュニティづくりを進めているところであります。今後ともこうした点を踏まえて、幅広いコミュニティ活動の推進を区内全域に進めてまいりたいと思いますので、ご理解願いたいと存じます。  また、ボランティア団体すべてを一元的に掌握する部署の設置につきましては、困難な面があると考えられますが、今後ボランティアの登録制度の創設の中で検討してまいりたいと考えております。  ご質問の第二は、活性化対策についてでございます。  まず、財政運営についてお答えいたします。  大場議員のご指摘のとおり、これまで以上に効率的な財政運営に徹しなければならないと認識いたしております。そこで、私は先日の所信表明で述べたとおり、行政改革の推進に、より積極的に取り組むべく、台東区行政改革大綱を策定いたします。策定に当たっては、議員のご指摘を十分参考とさせていただきたいと存じます。今後の行財政運営に当たっては、財政改革を推進するとともに、積立金や特別区債の活用など、その都度財政計画を見直し、議会と相談しながら区政の活性化に努めて進めてまいりたいと存じます。  次に、果敢なるマンパワーの導入・活用についてでございます。  大場議員ご指摘のように、人々の価値観や経済社会の構造が大きく変化し、時代の転換期に当たる今日、時代に即応した人材の育成やマンパワーの活用が求められているところであります。  そこで、職員には台東区が置かれた厳しい現状を正しく認識させ、広い視野を持って職員同士がさらに切磋琢磨し、活力ある台東区の実現に向けて果敢に取り組むよう、意識の改革を進めてまいりたいと思います。  次に、従来からの固定観念にとらわれない、新たな発想による人材育成や活用方法についても今後研究してまいりたいと思いますので、ご理解をいただきたいと存じます。  次に、産業振興についてでございます。  まず、実態調査実施による施策への反映についてでございますが、区ではこれまでにも中小企業実態調査や商業実態調査を実施し、各種の振興策に反映してきたところですが、必ずしも十分ではないことも認識いたしております。現在行っている実態調査は、全産業を視野に入れ、バブル経済崩壊後の実態把握に力を入れております。今後は、この実態調査を詳細に分析し、産業振興ビジョンと産業振興計画に十分反映させたいと思います。また、産業振興計画の策定に当たっては、でき得る限り振興策を体系化して、現実に即したものとしてまいりたいと考えております。  なお、この産業振興ビジョン及び産業振興計画が今後の区の産業振興策の基幹をなすよう努力してまいります。  次に、スペシャリストの養成については、今後とも計画的なジョブ・ローテーションや職能研修などの充実により、専門的な知識を有する職員の育成に努め、区民の負託にこたえてまいりますので、ご理解を賜りたいと存じます。  次に、議員ご指摘の、審議会の設置につきましては、現在建設推進中の産業振興センターの事業計画等にあわせて検討してまいりたいと考えております。  次に、当面する区内景気浮揚策でございます。  さきにお答えしたとおり、区では現在実態調査を実施しており、アンケートやヒアリングなどにより実態調査に努めているところであります。今後とも継続して積極的に中小企業者との話し合いを持つなど、実態把握に努め、でき得る限り諸施策に反映し、中小企業振興に努めてまいります。  また、区内中小企業者への発注機会の拡大について、これまでも区内中小企業育成の見地から可能な限り区内業者優先を基本として発注に当たってきたところでございます。今後も引き続き、区内中小企業者への受注機会の増大に努めてまいります。  また、東京・下町ライブ計画につきましては、区内産業の活性化という目的もございますので、この点に十分留意しながら事業展開を図ってまいりたいと考えております。 ○議長(河野浅吉 君) 最後になりましたが、十六番田中伸宏君。   (十六番田中伸宏君登壇) ◆十六番(田中伸宏 君) 平成七年第一回定例会に際し、いぶきの会を代表いたしまして、区長に質問させていただきます。  阪神大震災については、各議員が述べられておりますが、私も堀江議員とともに、震災直後の、去る一月二十三日、現地に行ってまいりました。  実は、この視察を実施するに当たり、私たちは大変迷いました。現地の人たちの苦難を思ったとき、こんな大変な時期にボランティアで避難場所の手伝いとか、瓦れきでも片づけに来るのなら理解するけれど、視察とは不謹慎ではないかとのそしりを受けるのではないかと危惧したからであります。しかし、区民の安全な生活を守ることを第一義的に果たすことが議員の役割と考えたとき、議員の立場で現地の悲惨な状況を肌で感じ、区行政に生かしていくことができるとするならば、阪神の方々にも理解いただけるのではないかと考え、視察に行ってまいりました。  鉄道でのアクセスが全くないため、関西国際空港から船で神戸に入りました。聞きしにまさる惨状でありました。しかし、現地の人たちは現状への不満、将来への不安とで心の中は大変なことと存じますが、絶望感でうなだれて悲しんでいるのではなく、それを隠し、みんなが助け合い、相協力しあって働いておりました。それは躍動感ある動きで、人間の生きるたくましさに感動いたしました。  現地では多くの被災者が出る中、台東区では災害直後にすぐ必要な食糧や水などを、災害翌日の一月十八日に緊急物資を神戸に輸送したことは大変意義深いことで、被災者の人々にとって、まさに干天の慈雨であったと確信いたします。区長を初め、いち早く救援物資を神戸に届けていただいた関係各位に心より感謝申し上げます。  その行為は迅速で的確な決断の対応でありました。国の危機管理体制が問われている現在、早々本区の危機管理体制について検討されることと存じますが、台東区でいち早く対応し、救援物資を神戸に届けた行為は、まさしく危機管理そのものです。本区にすばらしい危機管理体制ができることを予感させた行為であります。  「人間の愚かさで起こるのが戦争ならば、人間の傲慢さで起こるのが天災だ」と、ある識者が申しておりました。天災は忘れたころにやってくる。忘れるという傲慢さが備えを甘くする。このたびの震災は、すべての日本人に貴重な教訓を改めて再認識させたのではないでしょうか。  阪神大震災は死者五千四百人を超す大惨事となり、その九〇パーセントが家屋の倒壊による圧死と言われております。これまで多くの人が死ぬとは、と耐震工学や防災の専門家たちは絶句したと聞いております。  ちなみに、関東大震災では、死者の八〇パーセント強が焼死と言われ、したがって、地震に強い絶対壊れない堅固な建物を追及し、耐震性、耐火性を最優先させたまちづくりを目指すべきかと、私は今般の被災地の視察で得た教訓として、ここに改めて共同建築による耐震、耐火のまちづくりを訴えたいと思います。  平常時においても、住宅や都市の整備の推進は当区にとって大変大きな課題であり、また住環境の改善良好な市街地住宅の供給促進などは区民にとっても切実な問題です。また、低層木造密集市街地は地震、火災など、災害発生の危険性、町並みとしての魅力の欠如など、市街地環境上改善すべき問題に迫られております。  当区は二十三区で平均敷地規模が最も小さく、極端な場合は十坪に欠ける敷地も多々見受けられます。また、敷地が未接道であったり、敷地が狭小な上に、不整形な場合も多く見受けられます。したがって、このような悪条件のため、建てかえることができない。必要な床面積が確保できない。十分な屋外空間が確保できず、日照、通風などに対し悪影響を与えたり、駐車場を確保できないなど、多くの場合、地権者の望む方向で土地の適切な高度利用を図ることができない状況にあります。  そこで、これらの問題に対しては、細分化された敷地を共同化し、土地の高度利用を図り、オープンスペースや駐車場など、適切な屋外空間を確保していくことが重要であると言えます。敷地を共同化することにより、低度にしか利用できなかった裏宅地や不整形の敷地が活用でき、土地の利用率の増加を図ることができます。そして、エレベーター、廊下、冷暖房設備、駐車場などの共同施設の効率的な配置及び利用、かつ合理的な構造計画の建築物にすることもできます。このように、敷地や建物の共同化はさまざまな点でメリットがあり、市街地整備上、大変有効な手段であります。  また、現在区内の建物非耐火率はおおむね四〇パーセントで、その大部分は木造で老朽化しており、それを再建築するには、防火地域が区全体の七〇パーセントを超えていますので、大半が耐火建築でなければなりません。したがって、狭隘な敷地などでの個別建てかえでは鉛筆ビルやかみそりビルとなり、高額な費用ばかりかかり、不経済そのものです。このことからも共同建築を真剣に考えるべきです。  現在の経済不況では、バブル崩壊後の深刻な不況が続いております。したがって、この時期に共同であれ、個別であれ、具体的な建築活動はやりにくい状況にあります。しかしながら、まちづくりの課題は永遠です。区としては、今はまちづくりの基本的な考えを区民に啓蒙し、具体的な建築活動に役立つよう、鋭意努めなければならないと考えます。これは私が今回の被災地視察で学んだ最大の教訓であります。  そこで、質問の第一は、四校跡地の見直しであります。  区では、学校跡地はそれぞれについて基本構想をまとめ、基本計画や基本設計を進めていますが、それぞれの跡地周辺には何件かの民有地が隣接いたしております。しかしながら、それぞれの基本計画を見ますと、隣地など、周辺民有地を取り込んだ計画とはなっていないことであります。  私は、先ほどから述べた、市街地整備と防火の観点から周辺民有地、またそれ以上に区画整理事業、再開発事業を取り込んだ計画が望ましいものと確信いたしております。  区は、隣接地を含めた共同化計画やその地権者への折衝は内々では行っていることと存じますが、積極的に行う様子が見受けられません。この折衝は、地権者の猜疑心と不安とエゴで相当な努力が要り、大変難しいこととよく承知いたしております。酒田の大火の後の区画整理事業も、何回も何回も地権者のところへ足を運び、大変な思いをしたと、今の市長がテレビで語っておりました。このことからも、行政主動での再開発事業など、大変長期の期間を要し、かつ粘り強い努力が必要であります。民間の建てかえには共同でまちづくりをと呼びかけている一方で、区の施設の建物は初めから単独では区の本意が問われます。  魁より始めよという言葉もあります。学校跡地を利用して、区はまちづくりのプロセスの手本を見せてもらいたいと思います。
     ここに一つの事例があります。中野区では、野方五丁目にある老朽化した地域センターを区民ホールの建てかえに際し、隣接の民地を含む共同ビル計画を立て、二十名の権利者と検討を重ね、約十年かけ市街地再開発事業として完成させております。台東区も理想のまちづくりを目指し、まずは最大限の努力をして、その後に相手のあることであり、合意が得られなかったとしてもそれはやむを得ないことであります。これから着手する跡地計画について、共同化の検討を強く望みます。このことについての区の基本的な考えと、その取り組みについてお伺いいたします。  そしてまた、今般の震災の教訓で、台東区の防災計画も根本的に見直されなければならないことと存じます。見直しの一つとして、学校跡地も重要な活用場所となることが予想されます。  学校跡地の利用については、関係各位の大変なお骨折りで着々と進められていることと存じます。いまさら後に引けないと思う気持ちはよくわかります。しかし、救難ヘリポートの設置、一時避難場所の見直しなど、緊急に検討すべき課題が山積いたしております。いま一度学校跡地の利用は、基本計画から見直す必要があると思います。今ここで再検討をする勇気を持たなければならないと強く感じております。区長のお考えをお聞かせいただきたいと存じます。  いずれにいたしましても、見直されるであろう台東区の防災計画は、各議員が述べられていることはそれぞれ重要なことと存じますが、近いうちに阪神大震災でのあらゆる問題、課題が、専門家の間で徹底的に調査されたことがまとまると思います。その調査内容を踏まえ、台東区にとってふさわしい防災計画ができると思います。そして官民一体となってその計画を邁進していくことが、災害に強いまちを実現する方法であると思います。  第二の質問は、災害対策として緊急に整備すべき課題であります。  今日の阪神大震災で亡くなられた方の九〇パーセントは、家屋の倒壊による圧死と報道されております。このことを教訓として、地震が起きて家屋が倒壊したとき、一番最初にやらなければならないこと、これは生きているもの同士で家屋の下敷きになっている人を助け出すということです。地震直後は警察、消防署、自衛隊を頼ることは不可能です。災害時における最大のボランティアは地域のコミュニティーだと言われております。ジャッキ、チェーンソー、消火器など、助け出す道具がないので、何人もの人を見殺しにしてしまったと多くの人が訴えておりました。ぜひとも、倒壊した建物から救出する用具を、住民が最も周知した公園などに整備することが大切と考えますが、区長のお考えをお聞かせください。  そして、第三の質問は、区画整理事業の推進であります。  去る一月二十六日、読売新聞夕刊にかなり大きく「区画整理が分けた隣接地区の明暗」というタイトルで記事が載っておりました。それは、同じ地区で区画整理されたところとされないところでは、著しく被害状況が違うという内容のものです。つまり、道路が狭いところは、倒壊した建物は両側から道路をふさいだため、消防車や救急車、あるいは救助者も近づけず、建物の下敷きになっていた人々を救出することができなかったものです。  台東区にも震災復興土地区画整理事業などによる道路整備がなされていない区域が谷中と根岸地区にあります。阪神大震災の教訓から、区画整理事業による道路とオープンスペース整備の早急な対策が望まれます。区長の考えをお聞かせください。  第四の質問は、まちづくり公社についてであります。  公社は、まちづくりについて住民と一体となって弾力的、効率的に行動する組織であり、区が実施する安全で住みよいまちづくり事業を補完するために設立されたものであります。この公社は、現在八名の職員でまちづくり促進のため、いろいろの事業を行っていますが、いま一つ設立の折に期待した成果、活躍の場が見えていないように思います。  確かに、不況下であるため、建築活動が極端に不振であり、具体的に目に見える再開発事業などが実現しにくい状況にありますが、今の公社は素直に申せば、宝のもちぐされのような気がします。そこで、もっと公社の事業範囲を充実させて、災害に強いまちづくりの推進についても活躍の場を模索させたらいかがでしょうか。区長のご所見をお伺いいたしたいと思います。  最後に、このたびの震災で影響をこうむった台東区内の事業者の方々に最大限の援助をしていただきたく、要望いたし、質問を終わらせていただきます。(拍手) ○議長(河野浅吉 君) 区長の答弁を求めます。   (番外区長飯村恵一君登壇) ◎区長(飯村恵一 君) 田中議員のご質問にお答えを申し上げます。  ご質問の第一は、四校跡地の見直しについてでございます。  今回の阪神・淡路大震災は、今後の防災対策について数多くの教訓を与えております。中でも、議員ご指摘のような耐震・耐火のまちづくりが災害を最小限に食いとめるために非常に大切であります。  私は、このような観点から共同建築による不燃化の促進、災害に強いまちづくりを進めるところであります。  四校跡地の利用構想につきましては、定住促進や産業の振興など、本区が抱える課題に対して台東区全体を視野においた上で、地域特性を多角的に検討し、策定したものであります。そして、これらの構想に基づいて、現在それぞれさらに調査・検討を進め、各跡地利用計画の推進に努めているところでありますので、ご理解をお願いいたします。  また、今回の大震災を受けて、本区の防災計画の危機管理体制、救援体制、救護体制、それから避難所運営等のあり方について見直しが必要であり、議員ご指摘の趣旨につきましても、その見直しの中で可能な限り反映させていきたいと考えております。  ご質問の第二は、災害対策として緊急に整備すべき課題についてでございます。  議員ご指摘のように、発災直後において容易な方法で救助できるのは地域に住む区民の皆様であります。しかし、ジャッキ、チェーンソー等の用具を用いた救助については、二次災害発生の危険性もあり、警察、消防等の専門機関によることが望ましいと考えられますので、今後ご指摘の点も踏まえ、関係各機関と協議、検討してまいります。  ご質問の第三は、区画整理事業の推進についてでございます。  私は、災害に強い安全なまちづくりの推進が最も重要であると認識いたしております。区内でも戦災を免れた谷中・根岸地区は、道路等の基盤整備がおくれており、災害時の避難路の確保、延焼の遮断帯としての機能確保、道路交通の安全確保などの課題を抱えております。  区といたしましては、谷中・根岸地区の歴史的な町並みや緑豊かな環境に配慮しながら、地区計画制度等を活用して、道路、オープンスペースなどを整備した防災まちづくりの推進に努めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いをいたします。  最後のご質問は、まちづくり公社の役割の推進についてでございます。  まちづくり公社は、魅力あるまちづくりを促進するため、まちづくり大学や共同化の推進、まちづくり団体の育成など、区民主体のまちづくりを進めているところであります。区といたしましては、今後とも台東区まちづくり方針に沿ったまちづくりを一層促進するため、公社としての特性を十分に生かした事業運営ができるよう支援してまいりたいと存じます。 ○議長(河野浅吉 君) これをもって区政一般質問は終了いたしました。  議事の都合により、暫時休憩いたします。   午後五時三十六分休憩 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――   午後七時二十九分開議 ○議長(河野浅吉 君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  おはかりいたします。  企画総務委員会議案審査報告書を本日の追加日程第一から第五として追加し、議題といたしたいと思います。これにご異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(河野浅吉 君) ご異議ないと認めます。よって、本件については、本日の追加日程第一から第五として追加し、議題とすることに決定いたしました。  追加日程第一を議題といたします。  なお、日程朗読のうち、委員会報告書の委員長名と議長名の朗読は省略いたします。   (隈部事務局長朗読) △追加日程第一  企画総務委員会議案審査報告書 一、第一号議案 平成六年度東京都台東区一般会計補正予算(第三回)  本委員会に付託された右議案は、慎重審査の結果、原案を可決すべきものと決定した。  右、報告する。  平成七年二月二十八日          企画総務委員会委員長  田 口 治 喜 台東区議会議長  河 野 浅 吉  殿 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ○議長(河野浅吉 君) 本件については、起立により採決したいと思います。  おはかりいたします。  本件については、委員長報告を省略することとし、委員会報告書どおり決定することに賛成の方の起立を求めます。   (賛成者起立) ○議長(河野浅吉 君) 起立多数であります。よって、本件については委員会報告書どおり決定いたしました。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ○議長(河野浅吉 君) 追加日程第二から第五までを一括して議題といたします。   (隈部事務局長朗読) △追加日程第二  企画総務委員会議案審査報告書 一、第二号議案 平成六年度東京都台東区老人保健医療会計補正予算(第一回)  本委員会に付託された右議案は、慎重審査の結果、原案を可決すべきものと決定した。  右、報告する。  平成七年二月二十八日          企画総務委員会委員長  田 口 治 喜 台東区議会議長  河 野 浅 吉  殿 △追加日程第三  企画総務委員会議案審査報告書 一、第三号議案 平成六年度東京都台東区老人保健施設会計補正予算(第一回)  本委員会に付託された右議案は、慎重審査の結果、原案を可決すべきものと決定した。  右、報告する。  平成七年二月二十八日          企画総務委員会委員長  田 口 治 喜 台東区議会議長  河 野 浅 吉  殿 △追加日程第四  企画総務委員会議案審査報告書 一、第九号議案 東京都台東区減債基金条例  本委員会に付託された右議案は、慎重審査の結果、原案を可決すべきものと決定した。  右、報告する。  平成七年二月二十八日          企画総務委員会委員長  田 口 治 喜 台東区議会議長  河 野 浅 吉  殿 △追加日程第五  企画総務委員会議案審査報告書 一、第十七号議案 東京都台東区特別区税条例の一部を改正する条例  本委員会に付託された右議案は、慎重審査の結果、原案を可決すべきものと決定した。  右、報告する。  平成七年二月二十八日          企画総務委員会委員長  田 口 治 喜 台東区議会議長  河 野 浅 吉  殿 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ○議長(河野浅吉 君) おはかりいたします。  本件については、いずれも委員長報告を省略することとし、委員会報告書どおり決定したいと思います。これにご異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(河野浅吉 君) ご異議ないと認めます。よって、本件については、いずれも委員会報告書どおり決定いたしました。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ○議長(河野浅吉 君) おはかりいたします。  ただいま議員提出第一号議案、東京都による東京協和・安全信用組合への三〇〇億円支援に反対し、疑惑の徹底解明を求める意見書が提出されました。  これを本日の追加日程第六として追加し、議題としたいと思います。これにご異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
    ○議長(河野浅吉 君) ご異議ないと認めます。よって、本案は、本日の追加日程第六として追加し、議題とすることに決定いたしました。  追加日程第六を議題といたします。   (隈部事務局長朗読) △追加日程第六 議員提出第一号議案 東京都による東京協和・安全信用組合への三〇〇億円支援に反対し、疑惑の徹底解明を求める意見書 ○議長(河野浅吉 君) 本案については、提案理由と委員会付託を省略し、起立により採決いたします。  おはかりいたします。  本案については、原案どおり決定することに賛成の方の起立を求めます。   (賛成者起立) ○議長(河野浅吉 君) 起立多数であります。よって、本案は原案どおり決定いたしました。 ―――――――――――――――――――――――――――― ○議長(河野浅吉 君) これをもって本日の会議を閉じ、散会いたします。   午後七時三十五分散会                           議 長   河 野 浅 吉                           議 員   水 島 武 久                           議 員   西 村   晴...