新宿区議会 > 2020-06-10 >
06月10日-05号

  • コピー機(/)
ツイート シェア
  1. 新宿区議会 2020-06-10
    06月10日-05号


    取得元: 新宿区議会公式サイト
    最終取得日: 2021-08-13
    令和 2年  6月 定例会(第2回)        令和2年第2回定例会会議録(第1日)第5号令和2年6月10日(水曜日)出席議員(38名)   1番   木もとひろゆき    2番   時光じゅん子   3番   三沢ひで子      4番   井下田栄一   5番   田中ゆきえ      6番   小野裕次郎   7番   高月まな       8番   藤原たけき   9番   北島としあき    10番   豊島あつし  11番   渡辺清人      12番   大門さちえ  13番   永原たかやす    14番   渡辺みちたか  15番   よだかれん     16番   三雲崇正  17番   久保こうすけ    18番   志田雄一郎  19番   川村のりあき    20番   近藤なつ子  21番   野もとあきとし   22番   中村しんいち  23番   佐原たけし     24番   吉住はるお  25番   池田だいすけ    26番   桑原ようへい  27番   松田みき      28番   伊藤陽平  29番   のづケン      30番   えのき秀隆  31番   鈴木ひろみ     32番   沢田あゆみ  33番   有馬としろう    34番   宮坂俊文  35番   下村治生      36番   おぐら利彦  37番   かわの達男     38番   雨宮武彦---------------------------------------欠席議員(なし)---------------------------------------説明のため出席した者の職氏名  区長       吉住健一    副区長      寺田好孝  副区長      鈴木昭利    総合政策部長   平井光雄  総務部長     針谷弘志    地域振興部長   山田秀之  文化観光産業           菅野秀昭    福祉部長     関原陽子  部長  子ども家庭           橋本 隆    健康部長     髙橋郁美  部長  みどり土木           田中孝光    環境清掃部長   野田 勉  部長  都市計画部長   森 孝司    企画政策課長   菊島茂雄                   教育委員会  総務課長     鯨井庸司             酒井敏男                   教育長  教育委員会           村上道明  事務局次長---------------------------------------職務のため出席した議会事務局職員  局長       木城正雄    次長       新川金七  議事係長     黒木明子    議事主査     榎本直子  議会事務局            議会事務局           設楽拓也             大場裕介  主査               主査  議会事務局           土肥絵里    書記       長谷川雅章  主査---------------------------------------  速記士      土田有美---------------------------------------6月10日    議事日程 日程第1 代表質問--------------------------------------- △開会・開議 午前9時59分 ○議長(吉住はるお) ただいまから、令和2年第2回新宿区議会定例会を開会します。 本日の会議を開きます。 初めに、今定例会における議席を指定します。 新型コロナウイルス感染症への対策として各議員の密集を避けるため、会議規則第4条第3項の規定により、今定例会に限り、ただいま御着席の議席を指定します。 会議録署名議員は、  16番 三雲崇正議員  36番 おぐら利彦議員 を指名します。--------------------------------------- ○議長(吉住はるお) 本日の会議時間は、議事進行の都合により、あらかじめ延長します。--------------------------------------- ○議長(吉住はるお) 次に、事務局次長に諸般の報告をさせます。 ◎議会事務局次長(新川金七) 区長から、 1、令和2年第2回新宿区議会定例会の招集について 2、承認第1号など22件の議案の送付について 3、令和2年中における新宿区議会に説明のため出席させる者の変更について 4、令和2年中における新宿区議会に説明のため出席させる者の変更について 5、令和2年中における新宿区議会に説明のため出席させる者の変更について 6、地方自治法施行令第146条第2項の規定による令和元年度新宿区一般会計繰越明許費繰越計算書について 7、専決処分の報告について 教育委員会教育長から、 1、令和2年中における新宿区議会に説明のため出席させる者の変更について 監査委員から、 1、令和元年度新宿区歳入歳出例月出納検査の結果について(2月分・3月分・出納整理期間4月分) 2、令和2年度新宿区歳入歳出例月出納検査の結果について(4月分) 3、職員措置請求に基づく勧告に係る措置の実施について 4、新宿区監査基準の制定について---------------------------------------                             2新総総総第403号                             令和2年6月1日 新宿区議会議長  吉住はるお様                           新宿区長  吉住健一         令和2年第2回新宿区議会定例会の招集について このことについて、本日裏面写しのとおり告示したので通知します。 (裏面)(写) 新宿区告示第381号 令和2年第2回新宿区議会定例会を6月10日に招集する。  令和2年6月1日                           新宿区長  吉住健一---------------------------------------                             2新総総総第457号                             令和2年6月2日 新宿区議会議長  吉住はるお様                           新宿区長  吉住健一               議案の送付について 令和2年第2回区議会定例会に提出のため、下記議案を送付いたします。                   記 1 承認第1号 専決処分の承認について 2 承認第2号 専決処分の承認について 3 第41号議案 令和2年度新宿区一般会計補正予算(第4号) 4 第42号議案 令和2年度新宿区国民健康保険特別会計補正予算(第2号) 5 第43号議案 新宿区職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例 6 第44号議案 新宿区特別区税条例等の一部を改正する条例 7 第45号議案 災害に際し応急措置の業務等に従事した者の損害補償に関する条例の一部を改正する条例 8 第46号議案 新宿区危険ドラッグその他の危険薬物撲滅条例の一部を改正する条例 9 第47号議案 新宿区一般事務手数料条例の一部を改正する条例 10 第48号議案 新宿区手話言語への理解の促進及び障害者の意思疎通のための多様な手段の利用の促進に関する条例 11 第49号議案 新宿区立高齢者いこいの家条例を廃止する条例 12 第50号議案 新宿区助産の実施又は母子保護の実施に係る費用徴収条例の一部を改正する条例 13 第51号議案 新宿区家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例 14 第52号議案 新宿区特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業の運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例 15 第53号議案 新宿区放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例 16 第54号議案 新宿区国民健康保険条例の一部を改正する条例 17 第55号議案 新宿区環境土木・都市計画事務手数料条例の一部を改正する条例 18 第56号議案 新宿区立新宿コズミックスポーツセンター及び新宿区立教育センター空調改修その他工事請負契約 19 第57号議案 新宿区立西戸山公園野球場人工芝改修工事請負契約 20 第58号議案 新宿区立西戸山公園野球場照明設備改修その他工事請負契約 21 第59号議案 新宿区立牛込第三中学校擁壁等改築工事請負契約の変更について 22 第60号議案 訴えの提起について---------------------------------------                              2新総総総第16号                              令和2年4月1日 新宿区議会議長  吉住はるお様                           新宿区長  吉住健一 令和2年中における新宿区議会に説明のため出席させる者の変更について(通知) このことについて、令和2年4月1日付け人事異動により、下記のとおり変更しましたので通知いたします。     〔巻末諸報告の部参照〕---------------------------------------                             2新総総総第577号                             令和2年5月1日 新宿区議会議長  吉住はるお様                           新宿区長  吉住健一 令和2年中における新宿区議会に説明のため出席させる者の変更について(通知) このことについて、令和2年5月1日付け人事異動により、下記のとおり変更しましたので通知いたします。     〔巻末諸報告の部参照〕---------------------------------------                             2新総総総第709号                             令和2年6月1日 新宿区議会議長  吉住はるお様                           新宿区長  吉住健一 令和2年中における新宿区議会に説明のため出席させる者の変更について(通知) このことについて、令和2年6月1日付け人事異動により、下記のとおり変更しましたので通知いたします。     〔巻末諸報告の部参照〕---------------------------------------                             2新総総総第741号                             令和2年6月4日 新宿区議会議長  吉住はるお様                           新宿区長  吉住健一     令和元年度新宿区一般会計繰越明許費繰越計算書について(報告) このことについて、地方自治法施行令第146条第2項の規定に基づき、別紙「令和元年度新宿区一般会計繰越明許費繰越計算書」を提出します。     〔別紙は省略〕---------------------------------------                             2新総総総第511号                             令和2年6月1日 新宿区議会議長  吉住はるお様                           新宿区長  吉住健一              専決処分の報告について このことについて、地方自治法(昭和22年法律第67号)第180条第2項の規定に基づき、別紙のとおり報告します。     〔別紙は省略〕---------------------------------------                              2新教教管第67号                              令和2年4月1日 新宿区議会議長  吉住はるお様                    新宿区教育委員会教育長  酒井敏男 令和2年中における新宿区議会に説明のため出席させる者の変更について(通知) 令和2年4月1日付けの人事異動に伴い、地方自治法第121条に基づく議会への出席者を下記のとおりとしたので通知します。     〔巻末諸報告の部参照〕---------------------------------------                             31新監査5380号                             令和2年3月23日 新宿区議会議長  吉住はるお様                        新宿区監査委員  白井裕子                           同     小池勇士                           同     國井政利                           同     豊島あつし     令和元年度新宿区歳入歳出例月出納検査の結果について(2月分) このことについて、地方自治法第235条の2第3項の規定に基づき、下記のとおり報告します。     〔巻末諸報告の部参照〕---------------------------------------                              2新監査59号                              令和2年4月21日 新宿区議会議長  吉住はるお様                        新宿区監査委員  白井裕子                           同     小池勇士                           同     國井政利                           同     豊島あつし     令和元年度新宿区歳入歳出例月出納検査の結果について(3月分) このことについて、地方自治法第235条の2第3項の規定に基づき、下記のとおり報告します。     〔巻末諸報告の部参照〕---------------------------------------                              2新監査第88号                              令和2年5月25日 新宿区議会議長  吉住はるお様                        新宿区監査委員  白井裕子                           同     小池勇士                           同     國井政利                           同     豊島あつし  令和元年度新宿区歳入歳出例月出納検査の結果について(出納整理期間4月分) このことについて、地方自治法第235条の2第3項の規定に基づき、下記のとおり報告します。     〔巻末諸報告の部参照〕---------------------------------------                              2新監査第89号                              令和2年5月25日 新宿区議会議長  吉住はるお様                        新宿区監査委員  白井裕子                           同     小池勇士                           同     國井政利                           同     豊島あつし     令和2年度新宿区歳入歳出例月出納検査の結果について(4月分) このことについて、地方自治法第235条の2第3項の規定に基づき、下記のとおり報告します。     〔巻末諸報告の部参照〕---------------------------------------                            31新監査第5383号                            令和2年3月26日 新宿区議会議長  吉住はるお様                        新宿区監査委員  白井裕子                           同     小池勇士                           同     國井政利                           同     豊島あつし        職員措置請求に基づく勧告に係る措置の実施について 令和2年2月13日付けの職員措置請求監査結果に基づく勧告に係る措置について、地方自治法第242条第9項の規定により新宿区長から別添(写)のとおり通知がありましたので、通知します。     〔別紙は省略〕---------------------------------------                            31新監査第5376号                            令和2年3月23日 新宿区議会議長  吉住はるお様                        新宿区監査委員  白井裕子                           同     小池勇士                           同     國井政利                           同     豊島あつし             新宿区監査基準の制定について 新宿区監査基準を別添のとおり制定したので、地方自治法(昭和22年法律第67号)第198条の4第3項の規定に基づき、通知する。     〔別紙は省略〕--------------------------------------- ○議長(吉住はるお) 会期についてお諮りします。 本定例会の会期は、本日から6月19日までの10日間にしたいと思います。これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(吉住はるお) 異議なしと認めます。 会期は、本日から10日間と決定しました。--------------------------------------- ○議長(吉住はるお) これから本日の日程に入ります。 日程第1、代表質問を行います。 質問の通告を受けましたので、順に質問を許します。 最初に、31番鈴木ひろみ議員。     〔31番 鈴木ひろみ議員登壇、拍手〕 ◆31番(鈴木ひろみ) 新宿未来の会の鈴木ひろみです。 世界に対して猛威を振るい甚大な被害を及ぼした新型コロナウイルスは、世代や国、人種を超えた全人類に対する脅威となる存在であり、我が国においてもその被害の大きさは計り知れぬものとなっており、これにより人的及び経済的被害を受けた皆様には深くお見舞いを申し上げます。 幸いに日本では欧米各国と比較して被害を少なく抑えられた点は評価するとともに、今後懸念されます第2波、第3波については気を緩めることなく緊張感を持って対応していく心構えを強くして、以下、関連した質問を行います。 質問の1つ目は、飲食店等への支援です。 4月7日、国の緊急事態宣言を受けて東京都は、4月11日、外出自粛措置などを取り、6業種に対しては休業を要請し、多くの事業者さんは協力をして休業しました。この結果、感染拡大防止に成果を収め、5月26日午前零時をもって解除が発令されました。現在は抑制状況を見ながら段階的に解除することにしています。 新宿区においては、6月も感染症対策を続けて、引き続き6月を「コロナ警戒期間」と位置づけ、不要不急の外出自粛のお願いを行政無線で継続的に呼びかけています。営業の制限は、いまだ続いています。 休業要請された6業種の方々は、4月16日から5月25日まで収入はほぼない状態です。しかし、家賃や人件費などの支払いは変わりません。家賃補助などの支援策が求められていますが、新宿区は他自治体に先駆けて独自に家賃補助の施策をスタートさせました。大変すばらしいことと評価します。現在の問合せ状況や申請状況、支給決定の実績、今後の見込みについてお問合せいただいた方々からの御意見についてお聞かせください。 個人事業主の飲食店や居酒屋は外出自粛で極端にお客さんが減り、休業や閉業を余儀なくされています。また、全国的なチェーン店やコンビニは、不採算店を閉鎖するなどして対応を模索しています。 新宿区には多様な街並みと伝統文化が活用できる資源として数多く存在します。これらのリソースを守ってきた商店街の皆さんを力強く支援することが今後の新宿区の発展につながります。継続した支援策を取るべきです。 例えば、感染症を予防するための店内改装には一定の費用負担が生じます。そして、開業後の回復のための国の飲食キャンペーン、商店街キャンペーン事業、東京都の補助事業などを積極的に活用しつつ、さらに新宿区独自の上乗せとして飲食店や居酒屋に対する支援が必要と思いますが、いかがでしょうか。 また、最近はテイクアウト等を新たに開始する店舗も出てきています。夏場での食中毒などの注意喚起や啓発の必要性に関して現状と今後について御教示ください。 新たにテイクアウト、ケータリング事業を開始した店舗の中には「LINE@」などを活用して注文を受け付け、感染症対策と同時に、利用者の利便性を図る店舗もあるようです。 都内中小企業者向けの業態転換支援事業でも梱包・包装資材等だけでなくタブレット端末、Wi-Fi導入費までを対象経費としています。これらの活用で新たなビジネスチャンスを広げる店がある一方で、ICTを活用しての可能性について模索中の店があります。 今までも区はホームページ作成のためのアドバイザーの派遣や商店会向けの講習等を行っていました。昔ながらの経営方針の転換に人々の意識が向き始めた今、ICT化の推進のためのオンライン講習等の施策も必要と考えます。 これらは単にウィズコロナ対策にとどまらず、高齢化社会における買物難民への対策にもなると考えます。飲食店や商店などにおいてICT化を推進するための仕組みづくりへの必要性への御所見を伺います。 学生街の飲食店等に対する支援について伺います。 多くの大学や専門学校、外国語学校などが軒並み休校になり、近隣商店は大打撃を受けています。私の住む早稲田では、緊急事態宣言解除後も大学が9月までオンライン授業を行うことを早い段階から決めており、「地域と大学が連携して行っていた校内でのお弁当の販売ができない」「店を開けても以前ほど客足が戻らない」「卒業や入学、新歓の書き入れどきに営業ができなかった」などの窮状を訴える声が届いています。 また、大学の台所として昼間のみの営業形態の飲食店もあり、「同じ商店会に所属しながらも、東京都の感染拡大協力金の受給資格の有無などの差があるので何とかしてほしい」といった声も寄せられています。 大学に通う学生たちと地域を結びつけ、学生たちを地域に迎え入れる中で、産業振興の観点だけでなく持続的な地域コミュニティという観点からもさらなる支援が必要です。現状認識と今後の支援について御所見を伺います。 コロナ感染症発生抑制を契機とした歌舞伎町の新たな街づくりについてです。 新宿区は、歌舞伎町、ゴールデン街、思い出横丁、新宿二丁目など夜間の観光資源が多い街と言えます。 都の新型コロナウイルス感染症を乗り越えるためのロードマップによると、ステップ3の段階になってもライブハウスやクラブなどは開店が認められていません。「ロードマップを守っていたら潰れる」と対象事業者が悲鳴を上げています。 他方で、協力せずに営業しているところは、かなり混雑をしているという声も聞きます。 非協力店では集団感染発生の危険性も高く、6月2日の東京都知事の会見では、「感染者のおよそ4割が夜の歓楽街での感染である。そのうちのおよそ半数は新宿エリアに集中している」と発言をしています。 この際、例えばTMOが前に出て各商店会や社交料飲組合ほかの小零細、個人営業に近い店舗の会員を持つ団体と協力して、一歩踏み込んだコロナ対策を求めてはいかがでしょう。 具体的には、東京都の感染症防止のガイドラインについてセミナーを開催し、セミナー参加証明のシールを発行、ユーチューブによる協力店舗を紹介するなど、将来を見据え新宿モデルを確立するべきと考えます。 先日、会派として思い出横丁の皆さんが営業再開に向け、店舗や商店街の道路等を一斉に消毒するといった取組を視察させていただきました。感染防止に真摯に向き合っている店舗が損をするようなことがあってはならないと考えますし、このような店舗を守っていくことこそが新宿区の安全な夜の街を守ることにもつながると考えます。御所見を伺います。 地場産業に向けた支援策について伺います。 新型コロナウイルス感染症は、本区の地場産業である印刷業への影響も甚大です。人の集まるイベントの開催の中止により、本来使われるはずだった集客用のポスターやフライヤーなどのチラシ、販促物などの注文キャンセルが相次いでいるとのことです。 緊急事態宣言が解除された現在でも、規模の大小にかかわらずイベントの再開の見通しは立っていません。たとえイベントが開催されても無観客開催など、今までの形態が変わることによる影響は今後も続くことが予想されます。 例えば、商店会などと連携してテイクアウトメニュー作成の協力を仰ぐなど、区内事業者を守る取組を推進していただきたいと考えます。御所見を伺います。 次に、熱中症や食中毒に対する備えについて伺います。 厚生労働省が発行したリーフレット「令和2年度の熱中症予防行動」によると、感染防止の基本として、身体的距離の確保、マスクの着用、手洗いや3密を避けるなどの新しい生活様式を前置きをした上で熱中症予防行動のポイントが示されています。 新型コロナウイルスは熱帯地域でも感染者が確認されているということもあり、完全にウイルスを死滅させる可能性は低いと考えられており、WHOも「今後長期にわたり地球上から消えることはない」との見通しを示しています。 新型コロナウイルスが夏になれば終息するという見込みは立っておらず、現段階では夏場もマスクの使用やソーシャルディスタンスを継続するなど、夏場における感染症対策が求められます。 マスクの着用により顔の半分ほどが覆われ熱が籠もりやすくなり、呼吸で体を冷やせず体温上昇を招くこと、それに加え、マスクによる加湿により熱中症に気づくのが遅くなる懸念が指摘されています。つけたり外したりという手間、また「自粛警察」という言葉に象徴されるように、他者の目を気にするあまり、室内でなくともマスクを外しづらいという方が一定数いることも予想されます。 区としてマスク着用により熱中症リスクが高まること、小まめな水分補給の必要を丁寧に周知していくことが必要であります。 特に御高齢の方が心配です。御高齢者は感染症にかかった場合の重症化リスクに加えて、発汗が少なく、暑さ、体温上昇に気づきにくいなど、もともと熱中症のリスクも高まる傾向があります。感染症を警戒して、お一人で御自宅の中で過ごす場合でも、省エネや電気代を気にされ、設定温度を高めに設定することも懸念されます。本年の高齢者に対する熱中症予防啓発についての御見解を伺います。 先日、「まちなか避暑地」の再開の報告がなされました。この施策自体は高齢者の孤立防止の観点からも重要な施策ですが、例年以上慎重な運用が求められます。 例えば、スポットに向かう際、また御自宅に戻る際のマスクの着用や、まちなか避暑地での過ごし方に関して注意喚起や事業の運用についての考えを伺います。 次に、お子さんについてです。 現在、小中学校などでは授業中などもマスク着用が義務づけられており、今後気温上昇が予想される中で感染症対策と熱中症対策が同時に求められます。 現在、小まめな水分補給のために水筒を持参させるなどの対応が取られていますが、うまく水分補給をするタイミングがつかめないようで、水筒の中身をほとんど残した状態で帰宅してくる子どもがいるという情報を保護者から得ています。 夏季休業短縮も決定し、外気温が高い中で、授業において教室の窓の開閉や体育や音楽など、教科の実施方法に対して不安の声もあります。この点に関しては、保護者への正確な情報提供を行うことが大切と考えます。学校現場や学童などにおける感染症対策と熱中症対策の両立に向けた取組について、現状認識と今後の対応を御教示ください。 次に、区有施設での熱中症対策ですが、例年、区有施設では積極的に節電を行っており、現在、職員の皆さんや多くの来庁者はマスク着用です。庁舎内のエアコン設定温度の変更や換気を増す対策を取るなど、コロナウイルス対策下での臨機応変な対応に関して御所見を伺います。 熱中症や食中毒の発生により医療機関を利用する人が増え、医療崩壊につながるようなことは絶対に避けなければなりません。感染症予防対策と同時に熱中症や食中毒予防など健康に留意し、医療崩壊を防ぐ御協力をいただけるように区民全体に対し強くメッセージを発していただきたいと思います。 以上、御答弁願います。 ◎区長(吉住健一) 初めに、新型コロナウイルス感染症により亡くなられた方々の御冥福をお祈りするとともに、御遺族にお悔やみ申し上げます。 また、感染により現在も療養を続けている方々の一日も早い回復をお祈りいたします。 そして、自らの危険を顧みず感染者治療に当たられている医療関係者の皆様に心より感謝を申し上げます。 区民の皆様、区内事業者の皆様のこれまでの感染拡大防止への御協力により緊急事態宣言は解除されましたが、区内では依然、新たな感染者が確認されています。このため、新宿区では6月を「コロナ警戒期間」として、引き続き不要不急の外出自粛と徹底した衛生管理により感染拡大を防止するとともに、新しい生活様式を生活習慣に取り入れる準備期間としています。 今後は感染拡大の第2波を警戒しながら、感染拡大防止の取組と社会経済活動の両立を進めていくことが重要です。区民の皆様、区内事業者の皆様には、引き続き御理解と御協力をお願い申し上げます。 それでは、鈴木議員の御質問にお答えさせていただきます。 新型コロナウイルス感染症への対応と新しい生活様式についてのお尋ねです。 初めに、店舗等家賃減額助成事業についてです。 本制度は、区内事業者の事業継続を支援するため、店舗等の賃貸人が賃借人の家賃を減額した場合に、減額した金額の2分の1を上限5万円まで助成するものです。1賃貸人につき家賃6か月分、一月5物件までを助成対象とすることから、最大で150万円を助成する事業です。 6月8日現在で電話等の問合せは約1,900件、申請が146件となっており、これまでに40件、63物件の助成を決定しています。 今後の見込みとしては、申請件数を増やしていくよう広報新宿やホームページ、SNSで引き続き情報発信するとともに、区内不動産業団体等の協力を得て周知を強化してまいります。 専用窓口を設置した5月7日以来、多くのお問合せをいただいております。賃貸人からは、「建物の建設費用のローン返済などがある中で家賃減額になるべく対応して、テナント事業者の運営を継続してもらう必要があるため、減額分に対する助成はありがたい」といった御意見をいただいております。 また、賃借人からは家賃減額の交渉に関する御意見や相談があり、こうした相談等の際には、区から賃貸人に対して制度活用を踏まえた家賃減額を依頼した文書をホームページからダウンロードできることを案内するなど、賃借人の家賃減額交渉の心理的負担を軽減できるように努めております。 次に、国のキャンペーン事業や都の補助事業の活用に加え、飲食店や居酒屋に対して区独自の上乗せ支援をすることについてのお尋ねです。 国は、第1次補正予算でGo Toキャンペーン事業の実施を決定し、約1兆7,000億円の事業費を計上しています。この事業は、新型コロナウイルス感染症の流行収束を見据え、観光・飲食・イベント・商店街振興の4つの分野について割引クーポンやポイント付与を行うことで需要喚起を図るものです。 また、第2次補正予算案において、持続化補助金に事業再開枠を新たに設けています。こちらの事業は、業種別ガイドライン等に基づき導入する飛沫防止対策や換気設備の更新をはじめ、必要とされる消毒等の実施に要する経費について上限50万円まで全額補助するものです。 今のところ、国のこれらの事業について区独自の上乗せをすることは考えていません。 また、東京都は加入店舗数が100店舗以上の商店会に対して3密状態の回避につながる取組へ、限度額を300万円とし、10分の9の経費を補助しています。区では、今般この補助金への上乗せを決定し、経費の10分の1を補助することといたしました。 今後も区は、区内事業者の皆様に国や都の事業を幅広く活用していただくために引き続き周知の強化に努めるとともに、新型コロナウイルス感染症影響収束後の経済浮揚を図るため、飲食店や居酒屋を含めた中小企業支援策を検討してまいります。 次に、食中毒などの注意喚起と啓発についてのお尋ねです。 夏を迎えるこれからの季節は高温多湿となり、細菌性の食中毒が多発する時期でもあり、今年は特に新型コロナウイルスの影響からテイクアウト等を開始する店舗が多いため、食中毒について注意喚起を行うことは重要です。 区では、食品等事業者に対し、東京都、区・市と協力して夏期対策事業を実施するほか、ホームページやチラシ等を活用した食中毒予防の普及啓発を実施しています。 また、毎年夏に一斉取締りとして、弁当屋などに立入り細菌検査を行うとともに、食品や調理器具などの衛生的な取扱いを指導しています。 今後も従事者の健康管理や食品等の衛生的な取扱いの徹底など監視指導を継続し、新たにテイクアウト等を開始する店舗を含め、食中毒発生の未然防止を図り、区民の食生活の安全を確保してまいります。 次に、飲食店や商店などにおいてICT化を推進するための仕組みづくりについてです。 飲食店や商店においては、これまでも事業革新のためにICT化が必要とされてきましたが、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点も加わり、取組が一層重要となってきていると認識しています。 区では御指摘のとおり、ビジネスアシスト新宿事業における専門家派遣や新宿区商店会連合会のホームページである「新宿ルーペ」の活用講習会を補助事業として行っています。 現在、国では持続化補助金にコロナ特別対応型として、飲食店や商店が新型コロナウイルス感染症の影響を乗り越えるために行うICT化への補助を行っています。 また、東京都は、より専門性の高い相談窓口を設け、ICT化への支援を行っています。 区は、このような支援策を新宿区商店会連合会と連携して広く周知し、活用を支援することにより、区内の飲食店や商店におけるICT化の普及に努めてまいります。 次に、早稲田など学生街の飲食店への新型コロナウイルス感染症による影響の現状認識と今後の支援についてのお尋ねです。 区では、区内商店会の現状把握のため、緊急事態宣言が解除されて以降、商店会サポーターによる訪問活動を再開しています。 御指摘のとおり、大学の休校に伴い、早稲田地域の商店街では学生の来店が急激に減り、新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けていると認識しています。 商店主からは、「これから商店会イベントの実施に向けての準備を始めたい」「各会員店が感染防止策について工夫しながら営業を再開している」と、そういった前向きなコメントや、区への要望として「他の商店会との連携や情報共有」「新宿応援セール等の実施」が挙げられています。 区では、新宿区商店会連合会と連携し、同会のホームページである「新宿ルーペ」において、テイクアウトやデリバリーを行う飲食店の情報を4月から発信しています。 また、商店会に対して来街者誘致のためのイベントや商店会マップの作成などの商圏拡大・PR事業についての補助を行っています。 引き続き、商店会サポーターにより商店会活動を支援するとともに、情報誌「新宿商人」等を通じて飲食店や商店に、より有益な情報を提供していきます。 さらに、今後、新型コロナウイルス感染症の影響収束を見据えながら、商店街の活気を取り戻すための施策を検討してまいります。 次に、新型コロナウイルス感染症発生抑制を契機とした歌舞伎町の新たな街づくりについてです。 区では、これまでに区内における繁華街等での感染増加傾向を踏まえた繁華街の利用自粛及び休業要請など、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止に向けた様々な取組を行ってきました。 また、御指摘のとおり、6月末までの期間を「コロナ警戒期間」と定めて警戒を継続し、引き続き不要不急の外出自粛を呼びかけています。 一方で、事業者が休業要請の緩和のステップに基づき事業を再開するに当たっては、感染拡大防止ガイドラインに基づいた対策など、慎重に対応することが重要です。 区といたしましては、繁華街における新型コロナウイルス感染症対策を一層強化するため、まずは歌舞伎町において事業者と区で構成される連絡会を設置し、国や都との連携を図りながら官民一体となって感染拡大防止に取り組んでいきます。 次に、地場産業である印刷業に向けた支援として、商店会等と連携した取組を行うことについてのお尋ねです。 新宿区商店会連合会は、5月に新型コロナウイルス感染症対策として、デリバリー、テイクアウトの店頭でのPR表示物の配布を区の補助事業として行っています。これらの印刷物や昨年度の委託事業である新宿応援セールのくじ引券、チラシ、ポスター等も区内印刷事業者で作成しています。 区では、これまでも新宿区商店会連合会等に対して区内印刷業を可能な限り活用するよう促してきました。今後も様々な機会を捉え、区内事業者を守る取組を進めてまいります。 次に、本年の高齢者に対する熱中症予防啓発についてのお尋ねです。 区は近年の夏の猛暑により、高齢者の熱中症予防がとても重要と認識しております。本年は新型コロナウイルス感染症予防のため、マスク着用の機会が増えることで体内に熱が籠もりやすく、特に注意が必要です。 区では、高齢者が熱中症の健康被害を受けることのないよう、本年から75歳以上の一人暮らしの方及び75歳以上のみの世帯に、室温の上昇が目で見て察知できるように温度計付きシートを配布し、注意を呼びかけています。 また、熱中症予防啓発パンフレットを例年より早くお届けできるように、5月末までに温度計付きシートとともに郵送で配布しました。 あわせて、広報新宿6月5日号では、熱中症対策として、マスクの着用により熱中症のリスクが高まることや、高齢者は喉の渇きに気づきにくいため、小まめに水分を補給することなど、予防のポイントを掲載しました。 夏期期間は今後も毎月1回、広報新宿と一人暮らし高齢者への情報紙「ぬくもりだより」にて熱中症予防についてお知らせするとともに、区ホームページでも啓発に努めていきます。 次に、まちなか避暑地についてです。 シニア活動館や地域交流館等で高齢者の熱中症予防のために実施している「まちなか避暑地」では、厳しい暑さの中、マスクを着用して来館する高齢者が熱中症になることのないよう、来館時には体温を測定するなど体調の確認を行っています。 館内でも、マスクの着用による熱中症のリスクについて説明し、小まめに水分補給をしていただくとともに、お帰りの際も改めて水分補給をお勧めするなど、例年以上に熱中症対策を徹底しています。 また、まちなか避暑地の実施中は暑い中を食事のために帰宅しなくてもよいように、館内で軽食をお取りいただくことができます。今年度は必要に応じて団体用の部屋を使用するなどしてスペースを確保し、マスクを外す際に利用者が対面することのないように座席をレイアウトして、水分補給や食事をしていただいています。 このように、新型コロナウイルス感染防止対策を行いながら、高齢者が涼しい館内でゆっくりお過ごしいただけるよう十分に配慮して事業の運営に当たっています。 次に、学童クラブでの感染症対策と熱中症対策の両立に向けたお尋ねです。 現在学童クラブでは、マスクの着用や手洗い、うがいを促すほか、子どもが一定の距離を保ちながら活動できるよう、学童クラブ室以外の部屋の使用や職員の声がけにより感染症の予防を図っています。 また、夏にはエアコンによる適切な温度管理や小まめな水分摂取の促し、炎天下での活動の制限などの対策を取り、熱中症予防に努めています。 そのほか、消毒液、体温計やサーキュレーターなどの購入を検討してまいります。 これから暑い夏を迎えるに当たり、これらの対策をうまく組み合わせながら、学童クラブを利用する子どもの感染症対策と熱中症対策を行ってまいります。 次に、新型コロナウイルス感染症対策下における区有施設での熱中症対策についてのお尋ねです。 区有施設では、新宿区環境マネジメントに従い、冷房使用時の室温目安を28度にするなど空調機器の使用を抑制し、省エネルギーの推進に取り組んでいるところですが、天候や混雑状況に応じ、適宜設定温度を変更するなど柔軟な対応を行っております。 こうした取組に加え、待合用の椅子の間隔を空け、窓や出入口を開放することで庁舎内の換気をよりよくするなど、新型コロナウイルス感染症対策下においても、引き続き臨機応変な対応に努めてまいります。 次に、健康に留意し、医療崩壊を防ぐための協力についての区民全体へのメッセージを強く発信することについてのお尋ねです。 今後想定される新型コロナウイルスの第2波に対応するためには、医療体制の整備とともに、熱中症や食中毒など新型コロナウイルス感染症以外の症状により医療機関を利用する人が増えないようにすることが重要です。 区では、広報紙やホームページ、SNSなど様々な媒体を通じて熱中症や食中毒の予防について発信していますが、第2波による医療崩壊を防ぐためにも、熱中症や食中毒の予防について、あらゆるツールを活用し、周知を徹底してまいります。 ◎教育長(酒井敏男) 教育委員会への御質問にお答えします。 学校現場における感染症対策と熱中症対策の取組の現状と今後の対応についてのお尋ねです。 区立学校では、文部科学省の「学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル」を参考として、感染源を断つこと、感染経路を断つことを中心に感染症対策に取り組んでいます。 具体的には、感染源を断つこととして、登校時に健康カードに記入された検温結果などから児童・生徒一人ひとりの健康状態を把握したり、発熱等の症状がある場合には登校しないよう保護者に協力をお願いいたしたりしています。 感染経路を断つこととしては、手洗いやうがい、マスクを着用した咳エチケットの指導を行っています。また、児童・生徒が触れる頻度の高い箇所については、1日1回以上アルコール消毒液を用いて消毒を行っています。 学習については、御指摘の音楽や体育といった感染リスクの高いとされる教科は、接触感染や飛沫感染のおそれの少ない学習内容から優先して指導することや、互いの距離を保って活動することなど、年間の指導計画を見直し、順序を入れ替える工夫をしています。 熱中症対策については、これまでも休み時間などに給水時間を設定して声かけをしたり、体育などで運動する際には休息を挟みながら学習を行ったりするなどを励行してきました。また、熱中症計を活用して、温度・湿度の把握や屋外等の学習活動の判断を行ってきました。 新型コロナウイルス感染症拡大防止のために、基本的には常時マスクの着用が適切としていますが、熱中症計の値を目安として熱中症が発生する可能性が高いと判断した場合には、換気や児童・生徒などの間に十分な距離を保つなど、感染症予防対策を講じた上でマスクを外すように働きかけます。 今後も校内放送などを活用して学校全体で手洗い、うがい、水分補給などの注意喚起・指導を適時適切に行い、感染症対策と熱中症対策の両立を図りながら児童・生徒の健康を守り、学校教育活動が円滑に行えるよう周知してまいります。 以上で答弁を終わります。 ◆31番(鈴木ひろみ) ただいま区長及び教育長から非常に丁寧な御答弁をいただきまして、ありがとうございました。 私もコロナの件でここにマスクをつけて登壇をするというのは初めての経験ですけれども、5分ぐらいしゃべると結構息が切れるなというような印象を持ち、結構驚いているところなんですけれども、そういったことを考えても、これから飲食店とかでも皆さんマスクとかをつけられているので、かなり熱中症のリスクというものは上がってくると思います。なので、そういった部分の啓発であったり、お水をちゃんと小まめに、またマスクをつけっ放しじゃなくても大丈夫な場合もあるんだよということをしっかりと発信していっていただければありがたいなと思います。 以上で私の質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(吉住はるお) 次に、11番渡辺清人議員。     〔11番 渡辺清人議員登壇、拍手〕 ◆11番(渡辺清人) 自由民主党新宿区議会議員団の渡辺清人です。令和2年第2回定例会に当たり会派を代表して代表質問を行いますので、よろしくお願いいたします。 まず初めに、新型コロナウイルス感染症によりお亡くなりになられた方々の御冥福と感染された方々の一日も早い回復を心からお祈りいたします。また、感染拡大防止に向け日夜奮闘されている医療従事者の方々をはじめ、感染リスクの高い仕事への従事者の方々に敬意と感謝を申し上げます。あわせて、新宿区役所におかれましては、全庁での新型コロナウイルス感染症対策に全力での取組に感謝をいたします。 本6月の区議会定例会は「新型コロナウイルス感染症議会」とも言えるものとも思うところであり、新型コロナウイルス感染症対策を踏まえて各議員の密集への対応、また各委員会におかれましても換気やマスクの着用、消毒の徹底など、今までにない異例の議会となっております。 我が会派の代表質問では、新型コロナウイルス感染症(以下、「新型コロナ」と省略します)に関わって伺ってまいりたいと思います。息が切れないように頑張ってまいりたいと思います。     〔「頑張れ」と呼ぶ者あり〕 まず初めに、新型コロナへの対応状況についてお伺いいたします。 政府におかれましては、国民の命と健康を守り、一刻も早く収束をさせることに全力を挙げてきました。ここでは「命」と「健康」と申し上げましたが、一般には「生命及び財産」と言うところであります。 国民に最低限の社会活動・経済活動を営みながら、できる限りのぎりぎりの自粛をお願いするという国民の大変な辛抱の中で、日本では国民の高い健康意識と積極的な集団感染の対策が、封じ込めに寄与するなどの自粛により感染拡大を防ぐことに成功し、収束を図ってきており、その結果として、今トンネルの出口が見える状況にもあるように思われるところまで来た今日この頃であり、今後の課題は感染拡大の第2波を抑えつつ、社会活動・経済活動をいかに軌道に乗せていくかに移りつつあります。 しかしながら、いまだに新型コロナウイルス感染者の方がいなくなったわけでもなく、ただ静まっているにすぎないと思うところであり、引き続き「密集」「密接」「密閉」のこの3密を避けるなどの自粛に心がけていく必要があると思います。 いずれにしても、政府の新型コロナ対応についてはいろいろな意見、批判もありますが、ここまでのところでは日本では感染拡大を防ぐことができ、死亡率も欧米先進国の約50分の1にとどまることは注目に値するところであり、WHO(世界保健機関)も日本の対策を「成功」と評価しております。 私たちは、新宿区の区長をトップとする新宿区新型コロナウイルス感染症対策本部の対応、あわせて、保健所における感染リスクの高い現場で自らを危険にさらして新型コロナと果敢に立ち向かわれた職員の方々の休日・祝日も返上した日夜に及ぶ献身的な奮闘ぶりに対しまして、区民の一人として心より感謝とお礼を申し上げる次第でございます。 また、6月7日に行われました西村経済再生担当大臣の記者会見では、「吉住新宿区長と意見交換をさせていただき、保健所や業界団体と連携して感染防止策を進める新宿区の取組を挙げて、全国のモデルとなるようにしたい」と話しておりました。 ここで、新型コロナへの対応状況について幾つか伺いたいと思います。 これまで東京都の自粛要請、国の緊急事態宣言を受け、区民、区内事業者の皆様の御協力により感染者数も減少してきているところと思いますが、現在の区内における感染者数とこれまでの推移について、併せて現状を区はどのように分析しているのかお伺いいたします。 また、この間の経過を見てみますと、4月7日に1都1府5県に出された緊急事態宣言は、4月16日には全国に拡大しました。その後は5月14日に39県、5月21日には2府1県の解除、そして25日には1都3県と北海道が解除され、全ての都道府県で緊急事態宣言は全面解除となりました。 これから社会活動・経済活動が再開、始動してまいりますが、感染拡大の第2波に備え、引き続き感染拡大防止に取り組むことが重要でありますが、区の現在の課題と取組をお聞かせください。 次に、新宿区新型コロナウイルスPCR検査スポットについてですが、新宿区医師会と区内の8つの医療機関の協力の下、4月27日から開始した検査スポットは検査体制強化と陽性が判明した患者を重症度に応じて振り分けを行うことで病院や保健所の負担を軽減し、重症の患者への対応を確実に行う環境を生み出すことができているものと思います。 そこで、これまでの検査スポットにおける検査はどのぐらいの実績に上り、また現在検査スポットは国立国際医療研究センター病院内に設置されていますが、検査スポットの運営における課題などがあれば、今後の対策も併せてお聞かせください。 また、検査結果で陽性となった方についてですが、新型コロナに感染した方、そしてその御家族は非常に厳しい社会活動の制限を強いられ、家庭内の感染対策にも大きな負担となりますが、そのような方の御負担を支援する必要があるかと思いますが、区のお考えをお伺いします。 様々な状況下にあって、新型コロナによる影響は区民の生活や地域経済にも甚大な影響があり、新宿区では国や東京都も支援する中、区民に最も身近な基礎自治体として物心(ソフト・ハード)の両面からの各種支援を行われております。区民の方々からは「大変心強く助かった」と感謝の言葉をいただくところであります。 そのような支援の中、区民の関心が高く、一日も早い給付が待たれています特別定額給付金について伺います。 4月30日に成立した国の補正予算において、新型コロナウイルス感染症緊急経済対策として、住民基本台帳に記録された全ての人に一律10万円を支給する特別定額給付金の実施が決まりました。 特別定額給付金は、迅速かつ的確に家計への支援を行うことが目的とされていますが、各家庭に速やかに給付金を支給するために、区ではどのように取り組まれているのかお伺いします。 そして、早速5月1日から組織を立ち上げ、5月11日にはオンラインでの申請受付を開始されていますが、現時点での申請の状況について伺います。 次に、5月11日からのオンライン申請を受けた5月分の支給実績と現在での支給実績はそれぞれどのような数字になっているのかお聞きいたします。 また、特別定額給付金の受給権者は4月27日現在の住民登録者の属する世帯の世帯主となっておりますが、DV避難者等要配慮者の中には住民登録を異動せずに区内にお住まいの方もいらっしゃいます。 世帯主ではなく本人に支給を行う必要のある方々への支給はどのようになっているのでしょうか、併せてお伺いします。 特別定額給付金については区民からの関心も高く、多くの問合せや相談が寄せられていると思いますが、5月1日から現時点までの問合せ・相談の件数とその内容、また夜間・休日の相談体制についてお聞きいたします。 次に、この特別定額給付金の申請では、マイナンバーカードを活用したオンライン申請も実施されております。 区でも5月11日からオンライン申請の受付が開始されましたが、受付開始当初は、パスワードを忘れたため再設定を希望する区民で窓口が混雑し、システムの遅延や重複申請など多くの問題が発生しました。 このことから、自治体の中には郵送よりオンライン申請のほうが作業量が増え、逆に時間がかかることが分かり、郵送より支給が遅くなりかねないと、オンライン受付中止が相次いでいると聞きますが、区ではこのような問題にどのように対応し、現在どのような状況にあるのか。 また、区では今回のオンライン申請と、この申請に活用されたマイナンバーカードについて、どのような課題認識をお持ちか伺います。 ◎区長(吉住健一) 渡辺清人議員の御質問にお答えします。 新型コロナウイルス感染症への対応状況についてのお尋ねです。 初めに、区内における感染者数については、6月8日現在、累計458名となっています。これまでの推移としては、3月後半から感染者が増え始め、特に繁華街で夜間から早朝にかけて営業している店舗等での感染者が増加しています。 4月中旬からは会社員や高齢者等に市中感染が広がり、その後減少傾向となりましたが、高齢者の感染が続き、介護サービス事業所での感染事例が複数発生しました。 現在、繁華街の飲食店における若年者の感染が再び増加する傾向が見られるなど、緊急事態宣言は解除されましたが、予断は許さない状況と考えています。 次に、社会活動・経済活動の再開に伴う区の現在の課題と取組についてです。 緊急事態宣言解除後において行動制限が緩和される中、新型コロナウイルス感染症を再び拡大させないため、感染防止策を継続することが重要です。区内では宣言の解除後も、依然新たな感染者が確認されており、いかに新型コロナウイルスを正しく理解し、日常生活の中で感染予防の意識を持ち続けられるかが課題です。 また、第2波の備えとして4月下旬から実施している医療体制の強化を目的とした区内医療機関等との連携による新宿モデルを充実させていくことも課題と捉えています。 このような中、区は6月を「コロナ警戒期間」と定め、新型コロナウイルスへの警戒を継続し、不要不急の外出自粛、徹底した衛生管理、新しい生活様式の十分な理解を呼びかけています。 具体的な対策としては、3密の回避や人と人との距離の確保、マスクの着用や手洗いなど、一人ひとりが決して意識を緩めることなく感染予防に努めることが大切です。 このため、コロナ警戒期間にこうした生活習慣を取り入れ、警戒期間以降においても新しい生活様式に基づいた日常生活が定着していくよう、区ホームページや広報新宿臨時号、防災スピーカーを通じた感染予防への意識啓発に取り組んでいます。 また、社会経済活動の再開に向けては、繁華街における感染拡大防止が重要かつ喫緊の課題と考えています。今後は国や都の理解と協力を得ながら、当事者との情報共有や感染防止体制を構築する(仮称)新宿区新型コロナ対策連絡会を設立し、検査と衛生管理が十分に行われるよう取り組んでまいります。 そのため、検査体制を強化し、医療機関の役割分担を明確にした上での体制強化を図るなど、新宿モデルの一層の充実に向けて取り組んでまいります。 次に、新宿区新型コロナウイルスPCR検査スポットの実績についてのお尋ねです。 検査スポットの検査実績については、4月27日から6月2日までに1,020名がPCR検査を受け、このうち陽性者は56名、陽性率は5.5%です。なお、1日の受検者数は最大90名となっています。 また、検査スポットの運営課題としては、速やかにPCR検査スポットを開設する必要があったことから、国立国際医療研究センター病院の敷地内にテントを設置していますが、夏季にはテント内が高温となり、患者や従事者が熱中症になることが危惧されます。さらに、台風等への備えも不可欠です。今後は空調を完備した区施設への移転を視野に入れ、検討を進めていきます。 次に、新型コロナウイルスに感染した方への支援についてです。 御指摘のとおり、新型コロナウイルス感染者は、本人だけでなく、その家族にも厳しい社会経済活動の制限が課せられ、家計にも大きく影響しています。 そこで、区は区内在住者で新型コロナウイルスに感染した方への見舞金として10万円を支給する事業を本定例会で追加提案する予定です。この事業により、新型コロナウイルスに感染した方の生活を支援するとともに、軽い症状の感染者であっても、可能な限り病院やホテルでの療養をしていただけるよう働きかけてまいります。今後も、必要な方が必要な検査を迅速に受けられる環境を整えていきたいと考えています。 次に、特別定額給付金についてのお尋ねです。 初めに、各家庭に速やかに支給するための区の取組についてです。 区では、4月30日の国の補正予算成立を受け、同日付で区の補正予算を専決処分しました。翌5月1日には特別定額給付金対策室を設置して本事業をスタートさせるとともに、本事業を円滑かつ総合的に進められるように庁内連絡会議を設置し、配偶者等からの暴力を理由に避難している方への対応や詐欺被害等の犯罪の未然防止、多言語対応などを含む地域への効果的な情報発信、システム連携による事務作業の効率化など、個別具体の事象に対して庁内で連携することにより丁寧に対応することとしました。 また、大型連休以降、土日や夜間も含めて応援体制を組み、申請書や案内書の作成、広報臨時号の発行、よくある質問と回答のマニュアル作成・更新、支給対象者の抽出と二重支給を防止するプログラムの構築などに取り組みながら、DV避難者等要配慮者への対応を進めるとともに、5月11日から開始したオンライン申請の確認作業を開始し、5月29日には郵送申請分として全22万428世帯に申請書を発送しました。現在、郵送による申請が集中していますが、区民の皆様に一日でも早く支給できるよう全速力で作業を進めてまいります。 次に、オンライン申請の申請状況についてです。 申請開始日の5月11日には5,120件の申請がありましたが、その後5月12日には2,013件、13日は1,174件と申請件数の増加ペースは緩やかになっていき、6月9日現在、累計で1万4,915件の申請となっています。 オンライン申請については、入力された世帯情報と住民基本台帳の情報を区の職員が目視で1件ずつ確認する必要があり、作業には多くの時間を要します。区では、確認作業を効率的に行うためのプログラムを5月中旬に構築し、世帯情報の確認と二重給付のチェックを自動的に行うことにより、確認作業の効率化を図りました。 さらに、入力された口座情報の確認のため、対策室の職員だけでなく、他課からの応援体制を組み、夜間や土日にも作業を進めました。 その結果、オンライン申請分の支給については、5月29日に907件、6月9日までに6,022件の振込をしました。さらに、現時点では約1万4,000件の確認作業を終了させ、6月18日までに支給できる見込みです。 次に、配慮が必要な方々への給付金の支給についてです。 DV被害を受けて避難されている方については、諸事情により住民票を移すことができなくても、避難している旨をお申出いただき、お住まいの自治体から給付金を受給していただくことができます。 区では、DV避難者の方一人ひとりの御事情を伺い、丁寧に寄り添った対応をしています。 また、施設に入所している児童や虐待等により措置入所となっている高齢者・障害者については、施設管理者等と連絡を取り、保護者等ではなく本人に支給するための申請書を送付しました。 今後も配慮を要する方々に対してはきめ細かく対応し、迅速な支給につなげてまいります。 次に、区民からの問合せや相談についてです。 コールセンターは、土曜日、日曜日、祝日も含め、午前9時から午後7時まで区民からの問合せや相談に対応しています。6月9日時点でのコールセンターの電話受付件数は1万1,261件です。 また、郵送申請の申請書発送直後の6月1日月曜日からは、相談に応じるための臨時窓口を5つ設け、1日は465名、2日は434名の方が相談に来られました。3日、4日に来庁された方は187名、163名と少なくなり、あまりお待ちいただくことなく対応させていただいています。 相談や問合せの内容は、コールセンターでは、「オンラインで申請したが、受付されているのか」「いつ振り込まれるのか」といったものが多く、窓口では申請書の書き方や本人確認書類についての相談が多くなっています。 また、申請書への押印を不要としていたにもかかわらず、同封した案内書に「押印してください」と誤記載したため混乱を生じさせてしまったことについておわびいたします。直ちにホームページで訂正をさせていただき、現在コールセンターでは、オペレーターが応答する前に音声ガイダンスを流し、押印不要であることをアナウンスしています。 今後も区民の方からの問合せ・相談に丁寧に対応してまいります。 次に、今回のオンライン申請と、この申請に活用されたマイナンバーカードについてです。 特別定額給付金のオンライン申請については、手続開始直後は、御指摘のとおり、パスワードを忘れたことにより再設定などを希望される方による窓口の混雑やマイナポータルへのアクセス集中によりつながりにくい状態になるなどの問題が発生しておりました。 こうしたことを受けて、現在国は、今後の給付金等の支給手続を円滑に進めるため、マイナンバーと口座情報とのひもづけを検討しています。このような取組が実現すれば、給付金等の迅速な支給が可能となり、申請手続の簡素化や事務量の削減にもつながるものと考えています。 ◆11番(渡辺清人) 次に、新型コロナと区民や児童・生徒の心のケアについてお伺いします。 私は、新型コロナに感染すれば、最悪の場合、死に至ることも覚悟しなければならないのだと、これまでの45年間の人生で初めて死や命というものを身近に感じたものでした。 そして、感染はしておりませんが、家族や身近な方々にうつすことになってはいけないと、自らの日々の行動には気をつけ、また地域や区議会の会派の中にあっても、自分が発生源になってはいけないと、小まめな手洗いと消毒等に心がけました。 このようなことから、私自身のこのたびの新型コロナによる教訓の一つが命の大切さというようなことでしたが、区長御自身にとってはどのようなものであったのか伺います。 現在、緊急事態宣言が解除され、大事なことは、区民のこれまでの長い様々な活動の自粛による生活の変化とともに、感染の不安などから心身にストレスを受けた気がつかない心の不調などを取り除き、新しい日常を取り戻すことであります。 私の例で言えば、死や命というものを考えたときの不安な気持ちなどがそれに当たると思いますが、多くの方が何か分からない不安などを感じ、気づかないまでも、何がしかの心の不調を来しているのではないかと思われます。 とりわけ、新型コロナというものの状況がよく理解できない、まだ人生経験の少ない子どもたちにとってはストレスの多い、大変厳しい生活環境下にあったに相違ありません。 この心の不調、ストレスにより、SNS等では誹謗中傷が目立つようになり、多くの方がつらい思いをしております。自粛でつらい思いをしている中で追い打ちをかけるこの状況に大変憤りを感じております。 このようなことでは、先の見通せない自粛であれば、より一層不安があおられることになります。しかも、このたびの新型コロナの影響としては、第2波も考えた長丁場に耐えることが求められており、まだまだ解除されたとはいえ、不安は付きまといます。 そうした点から、今後のさらなる長丁場に備えた心のケアが欠かせないものとなっており、特に解除されても引き続き、3密の一つである社会的距離を保てば、おのずと人間関係も希薄になるところから、社会的動物と言われる人間にとっては耐え難きつらい面でもある3密であり、よりしっかりとした心のケアが欠かせないものだと思います。 このことでは、大人にとってもそうでありますが、2か月遅れの新学期が始まった児童・生徒にとりましては、授業の遅れと同時に心配なのが心身のケア、とりわけ心のケアであると思います。 このようなところから、区民や子どもたちの心身の健康とケアについて、区長と教育委員会に伺ってまいります。 区における新型コロナに関係した不安や心の不調などを訴えられる区民からの相談はどのような状況となっていて、それらへの対応としてはどのように取り組まれているのでしょうか。 このようなことでは、区ではこれまでも3月5日号や3月25日号の広報新宿にあるように、高齢者をはじめとした区民の健康の維持には常に配慮しているところであり、区民、とりわけ一人暮らしの高齢者に対する心身の健康づくりと心のケアに関する新型コロナ下でのこれまでの取組と長丁場が見込まれる今後の取組はいかがされるのでしょうか。 また、不安定になりやすい妊婦さんに対する心の健康についても、「ゆりかご・しんじゅく」事業などを通じて対応されているところですが、これまでの取組と今後の取組をお伺いいたします。 次に、教育委員会に伺います。 区立学校に通う児童・生徒は、新型コロナの影響による自粛が求められる中にあって、事実上、3月の初めから在宅生活となりましたが、ようやく6月から徐々に授業が再開されてきたところです。 児童・生徒は、この間の3か月にも及ぶ長い自粛生活の環境では、いつ学校に行けるかなど不安な状態の中で過ごしてきたのではないかと心配しております。そのところから幾つか伺いたいと思います。 最初に、この3か月間の休業による在宅生活は、児童・生徒にどのような影響を及ぼしていると捉えているのかお伺いいたします。 次に、不安な状況の中での在宅期間における児童・生徒の不安を解消する取組をどのように行われたのでしょうか。 さらには、児童・生徒の心身の健康、とりわけ心のケアの面から、学校再開に向けて児童・生徒に対して、また教員を含めて学校側の準備などの体制づくりとしてはどのようなことに取り組まれてきているのでしょうか。 そして、現在では既に学校も再開されたところですが、児童・生徒の様子をどのように捉えていらっしゃって、その対応としてはどのようにされているのでしょうかお伺いいたします。 ◎区長(吉住健一) 新型コロナウイルス感染症と区民や児童・生徒の心のケアについてのお尋ねです。 初めに、新型コロナウイルス感染症の教訓とはどのようなものであったかについてです。 感染力や致死率も知られていない未知のウイルスが流行し始め、いかにして感染拡大を防止できるかを考え続けてまいりました。 自分が感染して他人に感染させてしまったらと恐れる方々と、人生の結晶とも言える店舗等が廃業の危機にさらされている方々の姿を見ながら、感染の連鎖を止めなくてはならないと考えました。 感染防止のためのお願いが生活に影響を与えてしまう場面もありましたが、相手の立場への想像力を持つことが重要だと感じました。 次に、新型コロナウイルスに関係した区民からの相談状況と新型コロナウイルスに関係する不安や心の不調等への対応についてです。 区では、新型コロナウイルスに関する相談数が増え始めた1月29日に専用の相談電話を設置し、現在6回線まで増設して対応しています。相談件数は現在までに約1,800件となっていますが、そのうち感染不安が強い方や精神的症状を訴える方などから心の相談が20件弱ありました。感染予防策等を説明することにより不安が解消した事例もありますが、引き続き支援が必要な方については保健センターの相談へつなげるなどの対応をしています。 また、保健センターでこれまで支援してきた方の中には、新型コロナウイルス感染症の影響による通所施設の休止で不安が強くなった方、飲酒量が増えて再入院になる依存症の方などがいました。こうした相談対応数が5月末までに延べ180件ほどあり、医師や保健師による精神保健相談等で対応しています。 このような対応により、引き続き新型コロナウイルス感染症に関する不安の解消に努めてまいります。 次に、一人暮らし高齢者に対する心身の健康づくりと心のケアに関する取組についてのお尋ねです。 一人暮らし高齢者は、外出を自粛し、周囲との交流が減ることによる心身への影響がとりわけ懸念されます。 そのため、区では広報新宿や一人暮らし高齢者への情報紙「ぬくもりだより」等において新宿いきいき体操やしんじゅく100トレなど体力低下予防のための自宅でできる体操の紹介や日常生活の注意点について情報発信してきました。 また、シニア活動館や地域交流館等では介護予防・フレイル予防に関するパンフレットの配布、区オリジナル体操のDVD・CDの貸出しを行ってきました。 これらの施設の休館中は、一人暮らし高齢者が抱える不安の解消につながるよう、施設職員が電話をかけたり、館だよりや健康づくりのリーフレットを送る際にメッセージを添えるなど、心身の健康を維持するための支援を行っています。 今後は、新型コロナウイルスによる影響が長期化することで生活の変化や外出機会の減少等により、これまで以上に悩みや不安を誰にも相談ができず、一人で抱え込んでしまう高齢者が増えることも危惧されます。 一人暮らし高齢者が悩みや心の不調を感じたときには、早期に電話相談できるように高齢者の様々な相談に対応している高齢者総合相談センターを広報新宿などで改めて周知し、一人暮らし高齢者の心身の健康づくりや心のケアに努めていきます。 さらに、地域活動が再開できるようになった際には、感染を予防しながら活動するための注意点について分かりやすくお知らせするなど、高齢者が地域で安心して交流できるよう支援を行っていきます。 次に、妊婦の心の健康への取組についてのお尋ねです。 区では現在、出産・子育て応援事業「ゆりかご・しんじゅく」での妊婦と看護職との面接の中で最新の情報を提供するとともに、里帰りができなくなったなどの個別の状況に応じた支援をしています。 今後の取組としては、妊婦を対象に新型コロナウイルス感染症の予防対策用品の購入等にも利用可能なこども商品券1万円分を「ゆりかごプラスギフト」として配布します。ギフトの配布に当たっては、全ての妊婦と連絡を取り状況を把握することで、自ら困り事を相談できない方にも支援につながるきっかけになると考えています。 今後も様々な機会を活用し、妊婦の不安に寄り添ってまいります。 ◎教育長(酒井敏男) 教育委員会への御質問にお答えします。 新型コロナウイルス感染症と区民や児童・生徒の心のケアについてのお尋ねです。 臨時休業が約3か月の長期にわたる中で学校からの安否確認や電話連絡において、児童・生徒が先生や友達と長い間会えないことによって生じる不安や学習面での不安などがあると聞いており、教育委員会としても児童・生徒一人ひとりの状況に差はありますが、それぞれストレスを抱えていると認識しています。 次に、この期間の不安を解消するために、各校の取組として、定期的な健康観察と教職員全体で個別に面談や電話相談を実施し、必要に応じて関係機関と連絡を取ったりするなどの対応を行ってきました。 学習面では児童・生徒が持ち帰っている教科書等を活用した学習が進められるよう課題を提示し、質問などがあれば個別に対応することや、タブレット端末やインターネットを用いた学習を行うことができるよう整備し、各校と新たな学びに向けて現在も推進しているところです。 再開へ向けて様々な心理的ストレスを抱えた児童・生徒に対して、不安や悩みを大人に相談できる体制づくりをきめ細かく行うよう学校に働きかけています。 再開後は、新型コロナウイルス感染症対策のため欠席する児童・生徒もおりましたが、多くの児童・生徒は学校再開を楽しみにしていた様子が現場からは聞かれました。 教育委員会では、今後も引き続き各校に対して学校再開を喜ぶ一方で、心のケアを必要とする児童・生徒のためにも適切な支援を行うために、各校の状況を把握し、早期に児童・生徒の心のケアに努めることができるよう指導・助言を行ってまいります。 ◆11番(渡辺清人) 次に、新型コロナ対策施策の幾つかについてお伺いいたします。 初めに、新型コロナと中小企業をはじめとする事業者等への支援についてであります。 今や、新型コロナ対策については一定程度の抑え込み、そして新しいステージに入り、そのような中、経済活動の再開・始動に向けては感染防止と経済活動は1つ得れば1つ失うトレードオフのような関係かと議論になりがちではありますが、今日のように経済活動が国民や区民の生活に大きく関わる時代には、トレードオフの関係ではなく新型コロナの感染拡大を抑えながらも、いかにして経済へのマイナスの影響を最小限にとどめることが必要であります。 先日の新聞に、1918年から1920年に流行したスペイン風邪の際のアメリカの主要43都市での感染対策と生産・雇用の関係を調べた分析として、「より早く強固な対応をした都市ほど、数年後の経済の回復度合いが大きかった」という記事が掲載されていました。 この記事の中で経済学の渡辺安虎東京大学教授は、「強固な感染対策は人の命や健康を支えるだけでなく、経済の回復にとっても重要ということを指し示している」と述べられており、このことは基礎的な自治体における対策にあっても同様であるものと思います。 私たちは、このたびの区長の新宿区の地域経済の特性などを踏まえた中での事業者等の方々のことを考えた新宿区独自での商工業緊急資金の導入と、再度の補正予算編成での持続的で素早い融資枠の拡大、また店舗等家賃減額助成、そして本定例会に上程予定の文化芸術復興支援など事業者等に向けた支援、ほかにも予備費を活用してのPCR検査スポットの設置なども行われたことなど、この間の対応につきまして大変高く評価しております。 このような支援こそが中小企業をはじめとする事業者の方々への大きな力となり、地域経済の活性化につながってくるものと思うところであります。 今後の対応についてですが、まだまだ新型コロナの影響が色濃く残る現下の区内の中小企業をはじめとする事業者等への経済状況などをどのように見ており、その対応としては一義的には国や東京都の役割ではありますが、区としての支援についてはどのようにお考えでしょうか。 また、今後事業を再開・継続していく中で各種給付金等の申請や現在の状況に合った事業活動の変更、新たな労務管理などが生じてきます。それらに対して専門家の活用を支援していく必要もあるかと思いますが、どのようにお考えでしょうかお伺いします。 いずれにしましても、支援の遅れなどが事業者等の廃業の引き金にならないように引き続きしっかりと支援していただきますようお願いいたします。 次に、新型コロナ対応としての危機管理体制についてです。 これまで新宿区では、平成25年4月の新型インフルエンザ等対策特別措置法の施行に伴い、平成26年3月に新型インフルエンザ等対策行動計画を改定し、病原性が高い新型インフルエンザと同様に社会的な影響が大きい新たな感染症にも対応できるようにと備えるとともに、平成25年3月の新宿区新型インフルエンザ等対策本部条例の制定で体制の強化を図ってまいりました。 そのような中、このたびの新型コロナの発生では、区では新型コロナウイルス感染症対策本部を設置しましたが、これまでの対応の中で現行の新型インフルエンザ等対策行動計画における課題にはどのようなことがあり、今後に向けた対応として基礎自治体として区が取り組むべきことにはどのようなことがあると現時点で捉えていらっしゃるのでしょうか。 次に、近年の度重なる大雨や台風による洪水などの災害対応をはじめとして、このたびの新型コロナ対応にあっても公的機関の余力のなさが指摘され、危機管理の脆弱性が指摘されるところであります。 このたびの新型コロナでは、病床が足りず、軽症者はホテルに移ってもらい、検査能力も十分ではなかった、また保健所の業務過多や人員強化の必要性などが言われております。 これらの多くは、国や都に関わるものですが、新宿区における新型コロナ対応の最前線に立つ保健所では、1、住民からの相談への対応と感染者の発見、2番、PCR検査で陽性となり感染が判明した場合、陽性患者の入院等を調整し、接触状況や行動履歴を聞き取る、3番、濃厚接触者の健康観察などに加え、感染防止に関する普及啓発や感染拡大防止など様々な役割を有したところでございます。 新宿区は東京都内で2番目に感染者が多い自治体であるところから保健所での業務は大変厳しい状況だったのかと思いますが、このようなことも含め、6月1日には広報新宿の臨時号「新型コロナウイルス感染症関連情報」を出され、「6月はまだ油断できない!新宿区は『コロナ警戒期間』です」のメッセージを発信されていますが、現時点での新宿区の状況をどのように見ていらっしゃるのでしょうか。 また、このたびの新型コロナを含む感染症への対応ですが、私たちは新型コロナ対応における体制としては必ずしも十分とは言えませんが、基礎自治体としての日常的な公衆衛生の安全と安心の確保という点では、人的な資源の保有を含め、新宿区は一定程度の体制はできているものと考えます。 このたびの新型コロナへの対応などでは、これまでの状況を振り返るとき、今後に向けた課題があるとすれば、どのようなことがあるのでしょうか。 いずれにしましても、一段落したら改めて危機管理面からの様々な検証をお願いしたいと思っております。 次に、この質問の最後に、危機管理ということで関連して伺います。 6月に入り、間もなく梅雨の季節を迎えますと同時に、台風の季節ともなります。近年の度重なる大雨や台風による洪水などを踏まえた備え等はどのようにされてきているのでしょうか、その取組についてお伺いしたいと思います。
    ◎区長(吉住健一) 新型コロナウイルス感染症対策施策の幾つかについてのお尋ねです。 初めに、現下の区内の中小企業をはじめとする事業者等の経営状況についてです。 区では、新型コロナウイルス感染症が区内中小企業等に与えた影響を調査するため、新宿区中小企業景気動向緊急調査を5月に実施しました。この調査では、全体の76%が「新型コロナウイルス感染症により現在事業への影響が出ている」と回答しています。また、4月の売上高が前年と比較して3割以上落ちたという事業者は全体の約46%であり、多くの区内中小企業等が新型コロナウイルス感染症の影響を受けていると認識しています。 次に、区としての支援についてです。 区では、新型コロナウイルス感染症の影響を受ける区内中小企業等への支援策として、商工業緊急資金(特例)の融資あっせんをはじめ、店舗等家賃減額助成や3密状態の回避につながる商店会の取組への支援等を行っているところです。 また、新宿区内の文化芸術施設に対し、同施設における映像配信を行うための機材、設備等に係る経費及び撮影を行う際に必要な人件費を助成する文化芸術復興支援事業に対する補正予算案を本定例会に上程させていただいています。 今後も国や東京都の動向を注視しつつ、区内中小企業等が事業活動を継続していくことができるよう、きめ細やかな支援を行ってまいります。 次に、事業を再開・継続していく中で各種給付金等の申請や現在の状況に合った事業活動の変更、新たな労務管理等が生じることに対しての専門家の活用支援についてです。 現在、国や都及び区による様々な給付金等が実施されていますが、その申請手続の複雑さが指摘されています。 また、中小企業基盤整備機構が4月に行った新型コロナウイルス感染症の中小・小規模企業影響調査によれば、今後の事業活動の対策や労務管理対策の状況について3割以上の中小企業が「対策していない、対策が分からない」と回答しています。 このような状況から、御指摘のとおり新型コロナウイルス感染症の影響を受けている事業者が各種給付金等の申請の支援をはじめ、それぞれの状況に合った事業活動の変更や新たな労務管理等に対応するために専門家を活用することに対して支援を行う必要性は高いと考えています。そこで、新たな専門家活用支援策について早急な実現に向けて具体的な検討に着手してまいります。 次に、新型インフルエンザ等対策行動計画における課題と今後の基礎自治体として取り組むべきことについてのお尋ねです。 新型インフルエンザ等対策行動計画は、対策を行うことにより感染拡大のピークを遅らせ、ピーク時の患者数等を少なくすることで区民の生命及び健康を守ること、さらに区民の生活及び経済活動に及ぼす影響を最小とすることを目的としています。 区では、この計画により本部を設置し、迅速に全庁態勢を構築できた一方で、新型コロナウイルス感染症については未知の感染症であることや急速に流行が拡大したことなど、計画で想定されていないことが多く、手探りでの対応を余儀なくされたものもありました。 今後、対策の最前線である基礎自治体として国や都と連携しながら、区の特性や状況に応じた対策を行うことで感染拡大防止に努めていく必要があります。 次に、新型コロナウイルス感染症の現時点での状況と、今後の課題と対応についてのお尋ねです。 区では、3月中旬以降、発生届出数が増加し、4月上旬をピークとして減少に転じていました。5月下旬からは発生が散見してきており、今後も予断を許さない状況にあります。 4月のピーク時には急激な患者数の増加に対して入院体制が十分でなかったことから、自宅療養せざるを得ない方がいらっしゃいました。現在は入院体制の強化に加えて、都が実施する宿泊療養事業などにより当初の課題は解消されつつあります。今後も現在の体制を維持することで、患者が増加した際にも対応できるよう対策を行っていきます。 今後の改善点としては、患者情報を電子データ化することで全体像をつかみやすくすること、データ処理等専門職以外にも支援が可能な分野をあらかじめ決めておくことで、感染拡大時に保健師の過重な負担を軽減することが必要と考えています。 次に、梅雨、台風の季節への対応等の取組についてです。 区では、昨年の台風19号や低気圧による豪雨などの課題を踏まえ、現在、避難勧告や避難所開設の判断のためのタイムラインの作成、交通機関の計画運休を見据えた職員の参集体制、水害時の非常配備態勢要員の拡充、自主避難所運営マニュアルの整備などに取り組んでいます。 また、近年の台風や豪雨対策を反映させた都の防災計画の見直しを踏まえて、来年度、区の地域防災計画を修正するとともに、引き続き気象庁、国交省、都、消防、警察などの機関とも緊密に連携し、風水害対策の強化を図ってまいります。 さらに、新型コロナウイルス感染症が収束していない現状を踏まえ、避難所を開設する場合には、できる限り避難所に避難者が集中しないよう在宅避難や知人宅等への疎開避難に加え、ホテル等民間施設を含めた避難の分散化について、都や関係機関と具体的な協議を行っています。 あわせて、検温計、手指の消毒液、マスク等の感染防止用品の備蓄や避難所の3密を防止するためのレイアウト図の作成など、避難所における感染症対策にも万全を期してまいります。 ◆11番(渡辺清人) 次に、新型コロナで顕在化した区民の潜在ニーズとしてのオンライン行政についてお伺いいたします。 東京都の新型コロナ感染者数の集計をめぐる報道に対して、「緊急性を要しているのにファクスなのか」「5Gの時代にファクスなのか」と、「IT都政」と言われている中でIT技術が遅れていると思ったのは私だけではなかったと推測します。 しかし、これが今の日本の情報技術、IT化の現状であり、多くの行政機関の現状なのだと再認識するところとなりました。 このたびの新型コロナの危機への対応の中では、個人や行政、企業等に行動変容が求められました。その一つがIT化、情報技術に関わるものであり、危機対応の中で日本社会のIT化の遅れが顕在化することとなりました。 行政にあっては、各種の経済的支援に際してのオンライン申請手続やオンライン診療、オンライン授業という中に、また企業等の民間にあっては、対面式を基本とする商習慣などを中心とした事務処理と、それと密接になる書面と印鑑で進める仕事のやり方を改め、電子化による、在宅勤務でも完結する仕組みが求められました。 この中で最もニュースなどで取り上げられたのが、契約書の印や上司の決裁印であり、このようなことを除けば、多くの企業でリモートワークでも解決するが、契約印や決裁印のためにわざわざ出勤を余儀なくされるという声でありました。 このような状況から、4月28日の政府の規制改革推進会議では、新型コロナの感染拡大を受け、窓口に人が集まるのを防ぎ、テレワークを推進する狙いの下、対面や押印による行政手続や民間契約を減らすための議論を始め、法改正などを探るとのことであり、関係省庁との間で5月にも具体的な議論を始め、可能なものから実現を目指すとしております。 このようなことでは、これまでも多くの自治体で、申請書用の押印を見直しの形で、住民や事業者の利便の面から手続の簡略化を進めてきているかと思いますが、新宿区における取組としてはどのように進められ、現時点での進捗状況はどのようであるのでしょうか。 今、高齢社会にあって各種の区民サービスにおいては、待ちの行政からアウトリーチ型の行政への転換が求められているものと思います。すなわち、区民が区役所へ行かなくても済む、極力在宅で申請ができ、受付が可能となる行政サービスへの転換が求められてきたところですが、このたびの新型コロナ対応で、改めて行政サービスの提供に対して求められた行動変容の一つがオンライン行政であったのではないでしょうか。 古くて新しいテーマではありますが、そこに改めて求められたのが、このたびの各種の経済的支援における行政手続と、その処理の「一日も早く」という切実な声としての行政のスピード化であり、また個人の行動変容における3密防止の関連では、やはり「行かなくても済む区役所」への在り方が求められたのだと思います。ここから導き出されることはオンライン行政であり、デジタル区役所の推進であるかと思います。 このあたりの区民や事業者等の区政に対する切実な思いを区長はどのように受け止められているのでしょうかお伺いします。 このことでは、最も身近な例で申し上げますと、昔も今も、転出入に際しては幾つかの窓口に伺って何度も住所・氏名など同じ記載内容を書くことが求められております。 総合窓口とならないまでもシステム的にデジタル化が進めば、1回の入力で複数枚の書類の入力に代えることが可能であり、このたびの新型コロナ対応から、改めてデジタル区役所を目指していただきたいと考えます。 このことでは、昨年の5月に行政手続を原則電子申請に統一するデジタル行政推進法が成立し、2019年度から順次実施するとなっております。このことにより、引っ越しや相続などの手続がインターネット上で完結できるようになり、利用者の利便性を高めるとともに行政の効率化にもなり、1、手続をITで処理する「デジタルファースト」、2、同一の情報提供は求めない「ワンスオンリー」、3、手続を一度に済ます「ワンストップ」の3つの原則が柱となっております。 デジタル化という利益を国民が享受できる社会の実現は、今後の自治体の取組にかかってきているとされるところであります。 このたびの新型コロナからも、一日も早い実施が待たれていると思います。折しも本年は、第二次実行計画策定の年度でもあります。ぜひデジタル区役所の具体化に一定のめどをつけていただければと思いますが、お考えをお聞かせください。 そのデジタル区役所での1つのものとして「あいまい検索」が可能とされるチャットボット(自動応答システム)があります。まだまだ人工知能の働きも十分ではないところではありますが、まずは導入してレベルアップを図っていくということも今後の社会の進む方向性から考えるときに必要であると思います。 このことでは、このたびの新型コロナに関する支援策等をはじめとして各種情報を調べるとき、区のホームページの現状では、「かなり正確な知識、情報を持っていないと探し求める情報に行き着かない」との声があります。 また、同様なこととして、新聞は、政府の専門家会議がPCR検査の件数が十分に伸びていない背景の一つに、相談センターの業務過多を指摘しており、改めて人員の強化を訴えていると伝え、聖マリアンナ医科大学の感染症学の國島教授は、「相談に対応できる保健師や看護師はとにかく人手不足であり、チャットボット(自動応答システム)を使った相談の仕分などで業務を効率化していくことも検討すべきだ」との指摘があると報じるところですが、区においても区ホームページや各種相談窓口などで活用の場もあるかと思われますが、いかがでしょうかお伺いいたします。 ◎区長(吉住健一) 新型コロナウイルス感染症で顕在化した区民の潜在ニーズとしてのオンライン行政についてのお尋ねです。 初めに、申請書用の押印の見直しについての新宿区における取組についてです。 区の入札事務は、東京都内の区市町村で構成される東京電子自治体共同運営電子調達サービスを利用しているため、企業等は入札参加資格審査申請、入札をインターネットから行うものとしています。 一方、契約については企業間の取引において徐々に電子契約が浸透し、契約書への押印が不要になるなど、業務の効率化が進んでいると承知していますが、区の契約書は紙ベースで作成しています。 電子契約は国の一部の工事契約での導入開始や静岡県が立ち上げた自治体電子契約研究会の検討が進められています。 また、国は本年4月に開催された第6回経済財政諮問会議において押印制度を見直し、電子契約が進むよう指示するとともに、御指摘の規制改革推進会議において議論が始まりました。 区としても、押印制度見直しを含めた電子契約が受注者の負担の軽減につながることから、今後も国や他自治体における電子契約の取組を注視してまいりたいと考えています。 次に、対面による行政手続を減らす取組と、その進捗状況についてです。 区では、東京電子自治体共同運営電子申請サービスを活用し、平成17年より行政手続の電子化を進めてまいりました。 現在、8分野47手続が電子申請サービスとして利用可能となっており、今後も電子申請サービスの拡充に取り組んでまいります。 次に、行かなくても済むデジタル区役所についてのお尋ねです。 今回の新型コロナウイルス感染症拡大予防の対応から、行かなくても済む区役所としてのオンライン行政が求められていることは認識しています。 区では、新宿区情報化戦略計画において、「ICTを効率的かつ効果的に利活用した電子自治体を構築し、区民が「利便・活力・効率」を実感できる行政サービスを創造すること」を「本区におけるICTの役割」と位置づけています。 そして、この中で「ワンストップサービスの実現に向けた業務改革の推進」を重点目標の一つとして掲げ、行政手続の簡素化とオンライン化に取り組むこととしています。 今後も引き続きこの計画を踏まえ、デジタル区役所の具体化に取り組んでまいります。 次に、区におけるチャットボットの活用についてのお尋ねです。 チャットボットを活用し、新型コロナウイルス感染症に関する情報を提供している自治体が増えてきていることは認識しています。これらの自治体の多くは維持管理にかかる負担や費用対効果の検証段階にあると聞いています。このため、他自治体における導入事例等を参考に、チャットボットの活用を検討してまいります。 ◆11番(渡辺清人) 次に、新型コロナと財政についてお伺いします。 このたびの新型コロナ対策の中で持続可能な財政というものについて考えますと、区の新型コロナ感染症での社会経済活動の影響対応ということでは、極めて的確な、持続的で素早い補正予算の編成でしのいでこられました。 この補正予算の編成に当たっては、歳出の計上の一方では、限りある財政力というはざまにあると同時に、場合によっては第2波、第3波も念頭に置かざるを得ない状況の中にあると思います。 その意思決定には、正直なところ、心労の重なる思いもあったかと思うところですが、このような点ではどのような考えの下に編成に当たられたのかお聞かせください。 あわせて、このたびの補正予算の編成と持続可能な財政ということについてのお考えについてもお聞かせいただければと思います。 次に、このたびの新型コロナ対応の補正予算額としては、本定例会への上程分を含みますと、3次にもわたる一般財源ベースでの総額は約30億円に上り、そのほか予備費の中にも計上されて、融資資金の貸付け等、店舗等家賃減額助成、文化芸術復興支援事業等の新宿区の地域特性に応じた事業者支援施策として、また予備費ではPCR検査スポットの設置やマスク、消毒液等の購入、新型コロナウイルス感染症拡大防止のための商店会の3密回避への取組の支援、そして児童・生徒へのタブレット端末の貸出しなど、いずれも素早く的確に実施されていることに対して高く評価をしております。 このような区独自の支援策等も今後の状況次第によっては、まだまだ続く長い道のりとなるかもしれませんが、本議会に上程される予定の補正予算である4号補正までのコロナ対策に係る予算総額と、その主な事業内訳と財源構成はどのようになっているのかお伺いします。 あわせて、これらの事業における債務負担行為による当該事業に係る後年度負担はどのようになっていくのかお尋ねします。 令和2年度補正予算における歳入財源の多くは、特別定額給付金に関わる国庫支出金を除けば、その多くは財政調整基金の繰入れにより賄われることとなると思われますが、令和2年度の既に計上の繰入金を含めた総額と財政調整基金の今後をどのように見通されているのかお伺いします。 このことでは、このたびの新型コロナが日本経済に与える影響は、平成20年9月のリーマンショックよりも大きいとされるところでございますが、そのリーマンショックが新宿区財政に与えた影響の全てではないかもしれませんが、財政調整基金の推移を見てみますと、平成20年までの9年間、取崩しはなかったのですが、平成21年度は50億円、以後、平成26年度までの間、50億円、35億円、35億円、18億円、10億円と6年にわたって取崩しが続いたのであります。これらの取崩し額は、総額で198億円に及びます。 また、その一方の積立金の同期間の総額は137億円であり、取崩し額と積立金の差引額は61億円で、これが影響額と言えるかもしれませんが、いずれにしても大きな財政調整基金の減額につながっていることは相違ないところでございます。 また、同様のこととして、今回東京都にあっては、このたびの5月議会における補正予算後における財政調整基金の現在高見込額は平成元年度末の現在高が9,032億円と、1963年の基金設置以来の最高額を見込んでおりましたが、この間のコロナ緊急対策で蓄えのほとんどを使うことになり、今年度は17年ぶりに1,000億円を割る493億円に縮小する見通しとのことであります。 この1,000億円を割ったのは財政再建の途上にあった2003年度だけであり、しかも今後を考えると法人税の減収等の減収要素が多く、薄氷の財政運営が続くとされているところであります。 次に、区では新型コロナに関係して、現在区税の猶予の申請受付が行われておりますが、過去3年間の猶予の件数と現時点での相談等の状況、そして、そのような状況から見た今後の猶予申請などの見込みを伺います。 さらには、本年度や、これまでのリーマンショック後の収納結果の状況などから、今後への影響をどのように見ていらっしゃるのでしょうか伺います。 このようなことをリーマンショック後の特別区税について見てみますと、平成20年9月のリーマンショック後の特別区税の状況は、その影響が全てリーマンショックによるものではないのは当然として、平成21年度の412億円は、424億円となる平成26年度までの5年間は回復を見なかったのであります。 次に、本6月議会が終わりますと、程なく区においては予算編成作業に着手されるところとなります。このことでは、国においては諸般の状況から、作業の着手は例年より1か月遅れとのことであるようですが、現時点での当区における、このあたりの進め方と編成に臨む基本的な考え方について伺います。 次に、新型コロナへの文化施設への影響等について伺います。 報道されるところでは、新型コロナ拡大防止のための休館に伴う劇場やホールを運営する事業者の積み上がる損失の記事が紹介されております。記事によれば、ホールを所有し、運営をする事業者にあっては自らの主催公演の中止や延期による影響に加え、貸ホール事業による収入の影響もあり、事業者の中には3月までの令和元年度分だけでも5,000万円以上の損失が発生したと報じております。 さらには、緊急事態宣言の延期によって6月以降の公演等も相次いで中止に追い込まれているようであります。 このような中、区では新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防ぐため、都の休業要請の対象となった区内のライブハウスや劇場等の文化芸術施設への支援事業を本定例会の補正予算(案)として上程が予定されております。 音楽などの芸術に触れることは豊かな人間性を育む上で欠かすことができないものであり、基礎自治体としても文化・芸術振興を欠かすことはできないものであるところから、この支援事業は欠かせないものと考えますが、このたびの補正予算計上に至る区長の思いをお伺いしたいと思います。 新宿区にあっては、新宿区立新宿文化センターは、新宿未来創造財団(レガス)が指定管理者として運営し、自ら主催公演も行います。 新宿文化センターの休館により影響等が出ていると思いますが、影響額としては3月までと4月、5月とでは、それぞれどのような状況になっているのでしょうか。 このように、新宿区の指定管理施設の中には、新宿文化センターのほかにも休館等により影響が出ているところですが、その対応方針について伺います。 最後に、新型コロナの介護事業への影響等についてです。 同様のことは介護事業所においても影響があると聞くところです。新型コロナに関わっては、介護事業所は休業要請の対象とはなっていないものの、判断を迫られた事業者の中には感染予防とサービスの維持のはざまで揺れる中、新型コロナの感染拡大で高齢者のデイサービスなど介護事業所の休業も多数に上り、経営に支障を来しているとの報道があるところです。介護事業所の場合にあっては経営上の問題もさることながら、通所等をする高齢者へのサービスがなくなることにより、対象高齢者の生活支援が絶たれるというところでゆゆしき事態ともなるものでありますが、区内における事業者の運営状況を区はどのように把握され、指導などはどのように行われているのでしょうかお聞きします。 このことでは、新宿区社会福祉事業団の運営状況について事業の状況と、そのことによる課題などをどのように把握されているのでしょうか。 さらには、そのような課題等に対する新宿区社会福祉事業団を含む介護事業者への区としての対処方針はどのようであるのかお伺いいたします。 ◎区長(吉住健一) 新型コロナウイルス感染症と財政についてのお尋ねです。 新型コロナウイルスの急激な感染拡大により、4月には緊急事態宣言が発出され、外出自粛や休業要請などにより社会経済活動が停滞し、区民生活や区内中小企業者等の経営環境が厳しい状況に置かれました。 こうした中、区は国や都などと連携し、新型コロナウイルス感染症のさらなる流行を防ぐとともに、区民生活及び地域経済への影響を最小限にとどめるため、新型コロナウイルス感染症緊急経済対策を迅速かつ的確に実施することとし、本定例会に上程している補正予算第4号を含め、3回にわたる補正予算を編成しています。 この対策に係る補正予算の事業費総額につきましては404億円で、主な事業内訳としては特別定額給付金357億円、融資資金の貸付け等17億円、店舗等家賃減額助成12億円、子育て世帯臨時特別給付金2億円、さらに予備費を15億円増額しています。これらの財源としては、特定財源として国庫支出金を359億円、一般財源として財政調整基金を45億円充当しています。また、債務負担行為の補正として商工業融資資金利子補給について、融資見込件数の増に伴う利子補給金を21億円増額しています。 財政調整基金の残高については、令和元年度末見込みの303億円から83億円取り崩すこととなり、現段階で令和2年度末では234億円を見込んでいます。財政調整基金は今後の歳入動向によっては、さらなる取崩しも必要となります。 こうした中にあっても、区民生活を支え、質の高い行政サービスを提供し続けていくことが必要です。このため不断の行財政改革に徹底して取り組み、将来にわたり持続可能な行財政運営を確立してまいります。 次に、新型コロナウイルスの感染拡大に関連した特別区税の猶予の申請・相談状況や、今後の特別区税への影響見込みについてのお尋ねです。 初めに、過去3か年の猶予の実績についてです。 地方税法に基づく猶予の件数は、平成29年度36件、平成30年度37件、令和元年度11件です。 コロナウイルス感染症の影響を受け、無担保かつ延滞金なしで納期限から最大で1年間徴収を猶予できる特例が地方税法の改正により、4月30日から施行されました。この特例制度については、5月末時点で合計17件の申請を受け付けています。 また、新型コロナウイルス感染症の影響に関する納付相談事案数は、5月末現在で約500件です。 今後の特例猶予申請の見込みについては、6月末が納期限となる令和2年度特別区民税・都民税の第1期の普通徴収分の納税通知書の発送に伴い、相当数の申請が見込まれるものと考えています。 次に、今後の特別区税への影響見込みについてです。 本年度は、コロナウイルス感染症の拡大防止に伴う休業の影響により、納税が困難となるケースが相当数増えることが予想されます。また、平成20年9月に始まったリーマンショック後の特別区税の状況を振り返ると、平成22年度の特別区民税の収入が前年度対比で約30億円の減となり、後年の区税収入に大きな影響を与えました。 このことから、今後の特別区税収入については特別区民税を中心に、区民所得の減少や収入率の悪化による令和3年度以降の課税・徴収額の落ち込みといった厳しい状況が想定されます。 具体的な影響の程度を現時点で見込むことは難しいですが、納税者への新型コロナウイルス感染症による影響を十分に把握しながら、猶予の適用など適切に対応していくとともに、今後の区税収入の動向を注視してまいります。 次に、来年度の予算編成作業の進め方と基本的な考え方についてのお尋ねです。 来年度の予算編成作業については、現在のところ、これまでと同様のスケジュールで行う予定でいます。予算編成に当たっては、新型コロナウイルス感染症の影響を見極めながら、区民生活の安定化への対応や地域経済の支援を重視するとともに、感染を防止するための新しい生活様式に即した施策なども併せて対応してまいります。 次に、文化芸術施設復興支援事業に対する思いについてのお尋ねです。 区内には多くのライブハウスや劇場などの文化芸術施設があり、新宿区の大きな魅力と捉えています。 御指摘のとおり、文化芸術施設は東京都の緊急事態措置等により休業等の要請を受け、営業の自粛により収入を得られないなど非常に大きな影響を受けています。そのため、こうした文化芸術施設の支援に早急に取り組む必要があると考え、文化芸術復興支援事業を実施することとしました。 この事業は、文化芸術施設による映像配信という新たな取組に対して助成を行うことにより文化芸術に関係する施設や団体などを支援するとともに、ウェブ上でそのすばらしいパフォーマンスを楽しめるようにする事業です。 営業自粛中にも動画の配信を通して文化芸術施設の魅力をしっかり発信し続け、新型コロナウイルス感染症の収束後には、ぜひ文化芸術施設に足をお運びいただき、すばらしいパフォーマンスを生でお楽しみいただきたいと思います。 次に、新宿文化センターの休館による影響額についてです。 2月末からの自粛要請及び4月8日からの休館により、新宿文化センターは施設使用料や主催公演の入場料などを得ることができません。 こうしたことによる影響額は、2月から3月までで約2,500万円、4月及び5月の2か月で約4,100万円、合計で約6,600万円となっています。 今後は、新型コロナウイルス感染症の状況を十分に注視しながら、開館に向けた取組を進めてまいります。 次に、区の指定管理施設に対する区の対応方針についてです。 指定管理施設の中には、新宿文化センターやスポーツ施設等、休館により利用料金収入が減少する等の影響が出ている施設があります。 こうした施設に対しては、減額となった利用料金収入分について指定管理料を増額するなど、施設の運営に支障がないよう対応しているところです。引き続き、施設の運営に影響が生じないよう十分に対応してまいります。 次に、新型コロナウイルスの介護事業への影響等についてのお尋ねです。 初めに、介護事業所の運営状況の把握と指導についてです。 新型コロナウイルス感染症の感染予防のため、自主休業や自粛による利用者減少についての相談が区にも寄せられているところです。 介護サービスは、利用者や家族の方々の生活を維持する上で欠かせないものです。このため、感染予防対策を十分に行った上でのサービス提供を求めるとともに、通所系サービスに対しては利用者の生活に支障が出ないよう、訪問によるサービスも可能であることを周知してまいりました。 さらに、区が作成した感染予防のためのチェックリストにより、介護サービス事業所における対策の実施状況を確認するとともに、改善方法等のアドバイスを行いました。あわせて、介護報酬における減収を補う様々な臨時的取扱い等経済的支援策の情報提供も行い、事業者の不安軽減に努めています。 次に、新宿区社会福祉事業団の運営状況についてです。 事業団とは常に連絡を取り合い、運営状況を把握しています。事業団が運営している介護施設は、感染症対策を行いながら、休業することなく介護サービスを行っています。 デイサービス事業については、他の事業者と同様に、利用者の減少などによる影響と課題が生じています。 区は介護事業者に対し、利用者への継続したサービス事業が運営できるように、感染予防や介護報酬の取扱い等の介護関係情報を分かりやすく提供するとともに、適切な助言・指導を行ってまいります。 ○議長(吉住はるお) ここで、議事進行の都合により休憩します。 △休憩 午後0時05分--------------------------------------- △再開 午後1時20分 ○議長(吉住はるお) ただいまから、会議を再開します。 質問を続行します。 ◆11番(渡辺清人) 最後の質問は、新型コロナと第二次実行計画についてお伺いします。 本年は、令和3年度を初年度とする3か年の第二次実行計画の策定の年に当たっております。その策定年度となる令和2年度の最初の日の4月1日は多くの企業や組織においては新入社員などの入社式で華やいだ1日となる予定でしたが、本年は新型コロナによる自粛が求められる中で行われたところでございます。 企業によっては本社に集合して行うのではなく、インターネットを活用した入社式などによって各支社や事業所をネット中継する中で、それぞれの地域での入社式を行うところもありました。 同様の環境下にあって、学校における卒業式や入学式についても、これまでとは大きく異なる運営方法により行われたものでありました。 このように、新型コロナは各方面での式典や仕事のやり方に大きな変化をもたらしました。そうした中では、「ニューノーマル(新たな日常)」や「新しい生活様式」などの言葉の下に、いろいろと行動様式などがさま変わりする今日この頃となっております。確かに新型コロナへの対応という点では一過性に終わるものなのかもしれませんが、ニューノーマル時代というのはグローバル化の時代にあっては引き続くものであるかとも考えられます。 いずれにしましても、この新型コロナの影響はトヨタ自動車の豊田章男社長の言葉によれば、「新型コロナウイルスはリーマンショックよりもインパクトが大きい」とあります。だとすれば、リーマンショック後の区財政の状況を思い起こせば、そのすごさは明らかです。 前置きが長くなりましたが、このたびの新型コロナは社会や経済に大きな変化をもたらすことは間違いないのですが、それを受けた第二次実行計画は、その背景をなす社会経済状況が大きく変わるものと考えますが、このような大きな変化をどう捉えて計画づくりに臨まれるのか伺います。 あわせて、第二次実行計画の策定を前にして、第一次実行計画の事業評価についてはどのような状況と捉えているのでしょうか。 さらには、先ほども述べたように、トヨタ自動車の豊田社長の「リーマンショックよりもインパクトが大きい」ということですが、財政計画、財政収支見通しについてはどのようなスタンスで臨まれようとしているのでしょうかお伺いします。 次に、先ほど申し上げたように、社会経済が大きく変化する、場合によってはさま変わりするようなニューノーマル時代に突入するのであれば、計画策定の前段階として不要不急の事業はないところですが、いま一度事業の取捨選択を全ての施策にわたって、これまで以上に見極めていくことが求められるように思いますが、いかがでしょうか。 このことでは、多くのイベントが中止になっている折から、見直しの機会としてもよいように思います。計画の策定を前にして、どのように取り組まれているのか伺います。 財政面では、さきの御答弁にもありましたが、財政調整基金もこのたびの新型コロナ対策等で本年度は既に3分の1に近い83億円余を繰り出している状況にあります。 次に、リーディングプロジェクトについてです。 これまでも述べてきておりますように、現在は新型コロナ下にありますので、これまでと違い、ニューノーマルや新しい生活様式などの中にある区政の核となるような事業としてはどのようなリーディングプロジェクトを用意されているのでしょうか。 あわせて、SDGsについてですが、区におかれては当然のことながら、SDGsに掲げる開発目標を意識して基本計画を策定されてきていることは承知しております。 それらは個々の事業において縦割りでSDGsが掲げる目標を視野に入れて取り組んでいるということでありますが、今日必要なのは部局横断的に新宿区の現状や地域特性などに基づいて、新宿版のSDGsのプロジェクトづくりに取り組むことであるかと思いますが、いかがでしょうかお伺いいたします。 ◎区長(吉住健一) 新型コロナウイルス感染症と第二次実行計画についてのお尋ねです。 初めに、新型コロナウイルス感染症による社会経済状況の変化をどう捉えているかについてです。 4月7日に発出された緊急事態宣言以降、外出自粛や休業要請など人との接触機会を減らす行動は、区民生活や地域経済に大きな影響を与えています。 5月25日には緊急事態宣言が解除されましたが、感染拡大の第2波襲来のおそれが指摘されており、区内では依然、新たな感染者が確認されていることから、感染拡大の防止と社会経済活動の維持を両立するための新しい生活様式を定着させることが急務であると考えています。 第二次実行計画がスタートする令和3年度以降においても、新型コロナウイルス感染症の社会経済への影響は継続していくことが想定されます。 このため、第二次実行計画の策定に当たっては、第一次実行計画に位置づけた個々の事業の評価を今までの手法で行うだけでなく、新型コロナウイルス感染症による影響を検証するとともに、新しい生活様式を踏まえた事業の見直しや再構築につなげていくことが必要と考えています。 第二次実行計画の財政収支見通しについては、新型コロナウイルス感染症の影響を見極めながら、限られた財源を重点的・効果的に配分することとし、財政調整基金をはじめとする各種基金や区債の効果的活用も考慮しながら策定してまいります。 次に、社会経済の変化における第二次実行計画の策定に向けた取組についてです。 第二次実行計画では、基本政策である「暮らしやすさ1番の新宿」「新宿の高度防災都市化と安全安心の強化」「賑わい都市・新宿の創造」で取り組む個別の事業について新型コロナウイルス感染症への対応を前提に見直し、再構築する必要があります。 このため、計画の策定に当たっては、新しい生活様式への対応を基軸として行政需要や区民ニーズへの的確な対応、ICTの活用や公民連携等による業務の効率化と生産性の向上などの視点により策定作業に取り組んでいきます。 リーディングプロジェクトに位置づける個別の事業については、これら第二次実行計画の策定や今後の予算編成の過程において具体化していきます。 次に、SDGsの取組についてです。 区では、これまで総合計画に掲げる「5つの基本政策」の下、生涯にわたり心身ともに健康で暮らせる健康寿命の延伸や、未来を担う子どもたちの生きる力を伸ばす教育の充実、災害に強いまちづくり、地球温暖化対策の推進と資源循環型社会の構築、平和都市の推進など様々な施策に取り組んでおり、これらはSDGsで示している保健、教育、都市、エネルギー、気候変動、平和など17の開発目標と合致するものと考えています。 総合計画に示した施策に取り組む第二次実行計画では、SDGsの開発目標と計画事業の一つ一つを関連づけることで分かりやすく発信し、新宿区版SDGsの達成につなげていきます。 ◆11番(渡辺清人) ただいま区長、そして教育委員会より大変御丁寧な御答弁をいただきまして、誠にありがとうございます。 今回は新型コロナを中心というか、もう新型コロナの対策のことで質問をさせていただきましたが、私はその中でも経済のほうで、また第2波、第3波が経済のほうで押し寄せてくるのかなというふうに考えております。 大変だと思いますが、ぜひとも引き続き区民に寄り添った、また支援、施策をお願いしたいと思いますので、ぜひともよろしくお願い申し上げます。 それでは、会派を代表した代表質問のほうを終了させていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(吉住はるお) 次に、4番井下田栄一議員。     〔4番 井下田栄一議員登壇、拍手〕     〔「頑張れ」と呼ぶ者あり〕 ◆4番(井下田栄一) 新宿区議会公明党の井下田栄一でございます。令和2年第2回定例会に当たり、会派を代表して区長並びに教育委員会に質問をさせていただきます。 初めに、新型コロナウイルス感染症でお亡くなりになった方々に心から哀悼の意を表しますとともに、療養中の方々に心よりお見舞いを申し上げます。また、医療従事者の皆様をはじめ、昼夜を分かたずウイルスと闘いながら区民の生活や暮らしを守るため、この間様々な現場で働いてくださっている方々に心から感謝を申し上げ、以下質問に入らせていただきます。 質問の第1は、コロナ禍における区政運営について質問いたします。 新型コロナウイルスの感染拡大の影響が続く中で政府は5月27日、2020年度第2次補正予算案について1次補正予算等と合わせて財政支出は120兆円、事業規模は230兆円を超える経済対策を閣議決定しました。安倍総理は、「GDPの4割に上る世界最大の対策によって日本経済を守り抜く」との決意を表明しています。 東京都の小池都知事は3月時点で約9,000億円以上あった基金を取り崩し、休業要請に応じた中小事業者などに対する協力金の支給やPCR検査の拡充など、5月時点で財政調整基金を半減する規模で思い切ったコロナ予防対策や経済雇用対策を講じています。 そこで、コロナ禍における新宿区の区政運営について3点伺います。 1点目は、コロナ禍の影響に対する区長の政治姿勢について伺います。 収束が見通せない感染拡大の中、苦境に立たされている区民の側に立って山積する課題を解決していかなければなりません。“戦後最大級の危機”とも言われる今、区政がどれだけ区民に寄り添った対策を打ち出せるか、自治体の知恵と意気込みが問われているときと考えます。感染症の影響から区民生活をどう守っていこうとされているかが重要です。なかんずく、区長のリーダーシップがどう発揮されるか区民が注視しているところであります。吉住区長の政治姿勢を伺います。 2点目は、コロナ対策に対する財政運営について伺います。 新宿区においては、吉住区長のリーダーシップの下、商工業緊急融資や賃貸人に対する家賃補助など感染症対策の関連費用を含む支援策を執行されています。その結果、令和元年度には約303億円あった財政調整基金は新型コロナ対策として約45億円を投入して、令和2年度6月補正後には基金残高を約234億円になると見込んでいます。今後、区財政は企業収益の収益悪化の影響で解雇や減収による特別区民税の大幅減が見込まれ、大規模災害対策に対する備えなど、先行きが見通せない状況になっています。 しかし、今は新型コロナ感染による区民生活への影響を最小限に抑え、困窮する中小企業や個人事業者を支える緊急経済対策に全力を挙げて取り組んでいかなくてはなりません。財政運営は区民生活の安全・安心を確保する責任と使命を担っていることは言うまでもありません。 そこで、財政調整基金を含めた財政運営方針をどのように考えておられるかお伺いします。 3点目は、実行計画等の見直しについてです。 想定していなかった新型コロナウイルスの感染拡大により、これまで策定してきた実行計画等を見直す必要に迫られています。感染症の影響で東京2020オリンピック・パラリンピックの延期、各種協議会の開催ができなくなるなど多方面に影響が出てきています。今後、事業執行への影響を洗い出し、優先順序をつけながら区民生活に支障が出ないように考慮しながら、次年度以降に延期したり、縮小したりするなどの対応が必要です。この点について区の御所見を伺います。 以上、御答弁願います。 ◎区長(吉住健一) 井下田議員の御質問にお答えします。 コロナ禍における区政運営についてのお尋ねです。 初めに、コロナ禍の影響に対する政治姿勢についてです。 4月7日に発出された緊急事態宣言以降、外出自粛や休業要請など人との接触機会を減らす行動は区民生活と地域経済に大きな影響を与えています。5月25日には緊急事態宣言が解除されましたが、感染拡大の第2波襲来のおそれが指摘されており、区内では依然、新たな感染者が確認されていることから、感染拡大の防止と社会経済活動の維持を両立するための新しい生活様式を定着させることが急務であると考えています。 私は区民の生命を守ることが最も重要であると考え、6月を「コロナ警戒期間」として、引き続き不要不急の外出自粛や徹底した衛生管理などについて区民の皆様に御理解と御協力をお願いしているところです。 区は、これまでも新型コロナウイルス感染症対策として、感染予防と拡大防止に関する相談体制の構築、医療機関との連携による医療体制の強化、商工業緊急資金の融資あっせんや店舗等家賃減額助成による中小事業者への支援など、機動的に取り組んできました。 さらに、本定例会では休業要請となった文化芸術施設が行う映像配信の新たな取組を支援するための補正予算を提案しています。 今後は、新しい生活様式を取り入れながら、感染拡大の防止と社会経済活動の維持の両立に向けて、区民に最も身近な基礎自治体の長として区民生活を守る施策に果敢に取り組んでまいります。 次に、コロナ感染症対策に対する財政運営についてのお尋ねです。 我が国経済の基調判断は、5月の月例経済報告によれば、「景気は、新型コロナウイルス感染症の影響により、急速な悪化が続いており、極めて厳しい状況にある」とされています。また、先行きについては、「感染拡大の防止策を講じつつ、社会経済活動のレベルを段階的に引き上げていくが、当面、極めて厳しい状況が続くと見込まれ、金融資本市場の変動等の影響を注視する必要がある」としており、区財政を取り巻く環境は、先行き予断を許さない状況にあります。 こうした中、区は区民生活や中小企業者等の経営環境が厳しい状況にあることを踏まえ、特別定額給付金等の給付や融資資金の貸付け等を迅速かつ的確に実施するため、補正予算を編成しました。 その結果、御指摘のとおり、財政調整基金の残高は令和元年度末見込みの303億円から83億円取り崩すこととなり、現時点で令和2年度末では234億円を見込んでいます。財政調整基金は、今後の歳入動向によっては、さらなる取崩しも必要となります。 今後も新型コロナウイルス感染症の影響を見極めながら、限られた財源を重点的・効果的に予算配分することとし、財政調整基金をはじめとする各種基金や区債の効果的活用も考慮しながら、将来にわたり持続可能な行財政運営に努めてまいります。 次に、実行計画の見直しについてです。 御指摘のとおり、第一次実行計画の事業の中には、新型コロナウイルス感染症の影響により中止せざるを得ない事業があります。さらに、延期や内容変更して実施する事業であっても、新型コロナウイルス感染症への対策を十分に講じることが求められます。 こうしたことから、これから策定する第二次実行計画では、新しい生活様式への対応を基軸として、行政需要や区民ニーズへの的確な対応、ICTの活用や公民連携等による業務の効率化と生産性の向上などの視点により策定作業に取り組んでいきます。 ◆4番(井下田栄一) 質問の第2は、マイナンバーカードの普及促進等について質問いたします。 特別定額給付金のオンライン申請において、マイナンバーカードの暗証番号の再設定や発行・更新が急増し、自治体の窓口が大変混雑している状況がマスコミ等で報じられました。また、マイナポータルのシステムと住民基本台帳システムがすぐには連動できないため、目視による確認作業等が必要で、郵送申請よりも時間がかかると、全国で13の自治体がオンライン申請を中止したとの報道もありました。 しかし、マイナンバー制度の導入時に総務省が作成したロードマップを見ると、2018年までには様々な情報連携が始まっており、行政が効率化され、国民の利便性が高められている姿が描かれています。 今回の給付金申請からは、それが途中の様々な議論により、当初の予定どおりには進められなかったことが明らかになったわけです。また、各国の新型コロナウイルス感染症における経済対策の対比で度々取り上げられるのは、個人情報の共通利用についてです。 マイナンバー制度の導入時から、日本は先進国の中でも共通利用は遅れていましたが、その差がさらに顕著になったとも言えます。 各国のように支援金が円滑に支給されるためには、共通利用を外して、その仕組みを考えることはできません。情報化がもたらす社会的メリットとプライバシー保護のバランスをてんびんにかけ、片方の利益を最大化するのではなく、相互補完の関係であることを再確認した上で、マイナンバーカードの普及啓発等について、以下2点にわたり質問いたします。 1点目は、マイナンバーカードの普及啓発についてです。 今年度の事業には「個人番号カードの交付等」とあり、申請サポートのための取組が予定されておりました。しかし、コロナ禍では実施が大変難しい状況には置かれていると思います。まず、この事業の実施見込みについてお聞かせください。 なお、マイナンバーカードの通知カードについては、5月25日以降、新規発行や再交付申請が終了しますが、私の周りでもこれをにマイナンバーカードを申請しようという方もいらっしゃいます。あるいは、国ではオンライン申請における給付のスピード向上のため、金融機関口座とマイナンバーのひもづけの法整備に取り組むとしています。このような利活用は、既にカードを持っている方だけでなく、これからカードを申請しようという方への動機づけにもなっています。 このような情勢変化をカードの普及促進に活かしていくべきと考えますが、いかがでしょうか。 なお、動機はあるものの、感染リスクを考え、カードの受け取りをためらい申請を控えているという方もいます。このような方に対しては、交付期間に余裕があること等、安心してカードを受け取ることができることが分かる案内をすべきと考えます。区の御所見を伺います。 2点目は、デジタル人材の育成についてです。 今後の新型コロナ対策として予想されるのは、支援金の給付だけでなく消費を喚起するような政策の実施です。このような施策にもマイナンバーカードの利活用は考えられ、国が一律に行うだけでなく、各自治体がマイキープラットフォームを活用して推進していくことも求められると考えます。 その際に重要になってくるのが、このようなプラットフォームを企画・管理できるデジタル人材です。この人材には行政手続の簡略化や地域経済の活性化等の企画だけでなく、民間との連携における個人情報のリスク管理や外部からのアタックに対するセキュリティ管理も求められます。 そこで伺いますが、デジタル人材については外部からも人材を受け入れながら、中長期的には内部での人材育成が重要だと考えます。区の御所見を伺います。 以上、御答弁願います。 ◎区長(吉住健一) マイナンバーカードの普及促進等についてのお尋ねです。 初めに、個人番号カードの交付等事業の実施見込みについてです。 本事業では、本庁舎及び特別出張所でのカードの交付のほか、本年度は新たに専用タブレット端末を用いたオンライン申請サポートや、区内イベント会場等においてマイナンバーカード申請用の写真を無料で撮影し、その場で申請を受け付ける出張申請サポートを実施する予定でした。しかしながら、今般のコロナ禍においてオンラインに必要な機器の納入の遅れ、イベントの自粛などの状況から、いずれも当初の予定どおりには実施できていない状況です。 オンライン申請サポートについては、6月に入って機器が納入されたことから、用意が整い次第実施してまいります。 イベント時の出張申請サポートにつきましては、各種イベントの開催が前提ではありますが、感染症への対策を十分に確保し、慎重に実施してまいります。 次に、情勢変化をカードの普及促進に活かしていくべきとのお尋ねです。 御指摘のとおり、通知カードの新規発行や再交付が終了しました。また、7月からはマイナンバーカードを活用したマイナポイント制度も国で実施される予定です。 このような情勢変化を捉え、区といたしましても、さきに述べましたオンライン申請サポートなどをはじめとして、カードの積極的な普及促進に努めてまいります。 次に、安心してカードを受け取ることが分かる案内をすべきとのお尋ねです。 区ではカード交付は予約制とし、窓口の混雑緩和を図っています。また、交付期間につきましてもコロナ禍の状況を受け、通常3か月の期間を延長して受け付けているところです。 さらに、緊急事態宣言期間中にカードの受け取りを控えていた方に対しまして、7月の第2日曜日にカード交付の窓口を臨時に開設するなど、カードの交付が円滑に進むよう対応してまいります。 こうした取組につきまして、区のホームページ等で丁寧に案内してまいります。 次に、デジタル人材の育成についてのお尋ねです。 区では、新宿区情報化戦略計画に基づき、ICTの活用に必要な手順の標準化や外部機関の研修の積極的な活用等により、将来を見据えたデジタル人材の育成に取り組んでいます。 また、個人情報のリスク管理や外部からの攻撃に対するセキュリティ管理に対しても、全庁職員を対象とした情報セキュリティ自己チェックや不審メール受信時対応訓練のほか、各所属のシステムを対象とした内部監査等を通じ、区全体の情報セキュリティレベルの維持・向上を図っているところです。 一方、ICT技術の高度化に伴い、専門的知見からの支援も必要となっていることから、外部人材の必要性も視野に入れてデジタル人材の育成に取り組んでまいります。 ◆4番(井下田栄一) 質問の第3は、新型コロナウイルス感染症対策と支援について質問いたします。 1点目は、感染リスクに直面しながら介護や障害者施設で働く従事者の皆様への処遇の充実についてお伺いします。 本年5月7日、公明党の新型コロナウイルス感染症対策本部は、加藤厚生労働大臣に対して、介護と障害福祉のサービス継続に向け、従事者への特別手当支給や防護機材の確保など、支援策の拡充を求める提言を行いました。 この提言は、「職員、関係者が安全に業務に従事し、利用者が安心してサービスを利用できるよう対応を」と強調しています。 その上で、感染リスクのある環境下でサービスを提供する従事者の負担を踏まえ、特別手当の支給や感染した場合の損失などへの補償などを要望し、国の第2次補正予算案に反映されました。 私ども新宿区議会公明党のもとにも、介護や障害者福祉施設の事業所を運営する事業者の皆様や関係団体の皆様などから、「感染拡大防止策として現場で不足するマスクや手袋、エタノール(消毒液)などの衛生物資、防護機材の確保や感染の疑いのある職員や従事者らが優先的にPCR検査を受けられるように配慮してもらいたい」との御要望を頂戴し、区議会公明党として5月20日に、こうしたことを含む第5回目の緊急要望書を吉住区長に提出させていただきました。 感染リスクに直面しながら介護や障害者施設で働く従事者の皆様への衛生物品の支給や特別手当等の処遇改善を実施すべきです。区の見解をお聞きします。 2点目は、就労継続支援事業等の対策についてお伺いします。 今回の緊急事態宣言のため、障害福祉サービスの利用者の皆様をはじめとする多くの障害者が外出を控え、自宅で長い時間を過ごされていたとお伺いしました。 そこで、就労継続支援事業の在宅での支援についてお伺いします。 事業所の方から、「在宅での利用者に対して、どのような支援をしたらいいか最初は戸惑った」というお声や、保護者の方からは、「生活のリズムを整えることに苦労した」とのお声を頂戴しました。 区として、利用者の在宅での支援や体調管理、相談支援、家族と関係機関との連携等、事業者や利用者に対してどのようにされていたのかお聞かせください。 また、今回の新型コロナウイルス感染症対策として、就労継続支援事業等における在宅での支援を行うべきと考えます。御所見を伺います。 次に、就労継続支援B型の工賃についてお伺いします。 就労継続支援A型では、障害者を含む職員や支援員等には一時的に休業等を行い、休業手当を支払った場合は雇用調整助成金の対象となっていますが、就労継続支援B型事業の利用者は対象外となっております。 区としてB型事業者へはどのような対応をされたのかお伺いします。 次に、一般就労している障害者の支援についてお伺いします。 ふだんは職場に通勤をし、日中、障害福祉サービスを利用されていない障害者の方々も、勤務先の休業等により自宅で過ごす時間が長くなっていました。 一般就労をしていて在宅で一人暮らしの身体障害者等にとっても、ふだんと異なる状況に一定期間置かれると体調や生活リズムが乱れ、職場復帰が困難になるケースも出てくると思われます。 こうした方々に対して、円滑な職場復帰の支援に必要な見守り等が重要になってくると思いますが、区としての対応をお伺いします。 3点目は、新型コロナウイルスの感染者の支援について伺います。 新型コロナウイルス感染者は、長期にわたり仕事や外出ができず、さらには御家族も感染の可能性から社会活動を自粛しており、収入が途絶えるなど厳しい状況に置かれています。また、体調が悪くても陽性となった場合の生活の不安から、検査に踏み切れない方もいるかもしれません。 そこで、新型コロナウイルスの感染者に対しても区独自の経済的支援を実施することで感染者やその家族、そして感染の疑いがある方の不安を少しでも和らげるべきと考えますが、区の御所見を伺います。 以上、御答弁願います。 ◎区長(吉住健一) 新型コロナウイルス感染症対策と支援についてのお尋ねです。 初めに、介護サービス事業所や障害者施設の従事者への衛生物品の支給や特別手当等の処遇改善についてです。 マスクなどの衛生物品については区でも購入し、都からの提供や寄附も含め、調達でき次第、衛生物品の入手困難な介護サービス事業所や障害者施設へ優先的に配布してきました。また、消毒液は国が必要性の高い施設や医療機関が優先的に調達できる仕組みをつくったため、区は事業所との調整を行い、迅速に入手できるよう努めています。 特別手当等の処遇改善については、国会で慰労金についての第2次補正予算案が審議されており、事業が実施される際には速やかに事業所に周知できるよう、国の動向を注視してまいります。 次に、就労継続支援事業の在宅での支援についてです。 在宅支援の実施に当たっては、区にも事業者と利用者の双方から相談が寄せられているところです。 区では、就労継続支援事業所の利用者に対して在宅支援の具体例を示すなど、分かりやすい説明を行うことにより、安心して在宅支援に移行できるよう努めています。 また、事業者に対しては、利用者や家族から希望や配慮する事項等を聞き取り、同意を得た上で移行することや、在宅支援利用者が生活のリズムを維持できるよう、家族や関係機関とも連携しながら対応することなど、在宅での支援方法を説明しています。 さらに、サービス等利用計画を作成する指定特定相談支援事業所に対しては、在宅中の生活状況を確認することを依頼し、総合的な相談体制により支援を行ってきました。 今後も利用者個々の状況を丁寧に確認し、在宅支援の継続を含めた適切な支援の提供につなげていきます。 次に、就労継続支援B型の工賃についてです。 就労継続支援B型の利用者の工賃については、利用者の作業意欲の向上のためにも継続して支払われることが望ましいことから、支払いが困難な場合には、事業所が準備している工賃変動積立金等を取り崩して工賃を補填することとなっています。 また、今回の新型コロナウイルスの影響下においては、特例として、事業所の運営経費となる自立支援給付費を工賃補填に充てることができるとされています。そのため、区では国が示している工賃の考え方や特例的な扱いを、区内の就労継続支援B型事業者に対して改めて通知を行い、工賃の適切な支払いを促してきました。今後も国の動きを注視し、速やかに情報提供を行うなど、必要な支援を行っていきます。 次に、円滑な職場復帰の支援に必要な区の対応についてのお尋ねです。 新宿区勤労者・仕事支援センターでは、障害のある方への就労支援・生活支援に関する事業を行っており、仕事に対する不安や悩みを解消できるよう、様々な御相談に応じております。 当センターの職場定着支援事業では、専門の就労支援コーディネーターが担当ケースごとにそれぞれ対応しています。 新型コロナウイルス感染症対策として、緊急事態宣言の期間中は対面による相談を中止していましたが、その間も電話やメールにより個々の相談にしっかりと応じてまいりました。 今後も、それぞれの障害の状態に応じて就労先の職場での状況などをきめ細やかに考慮しながら、適切な頻度で見守りを実施してまいります。 次に、新型コロナウイルス感染者に対する区独自の経済的支援の実施についてのお尋ねです。 御指摘のとおり、新型コロナウイルス感染者やその家族は、長期にわたる厳しい外出制限など、収入面でも厳しい状況にあると認識しています。 そこで区は、区内在住者で新型コロナウイルスに感染した方への見舞金として10万円を支給する事業を本定例会で追加提案する予定です。この事業により新型コロナウイルスに感染した方の生活を支援するとともに、軽い症状の感染者であっても、可能な限り病院やホテルでの療養をしていただけるよう働きかけてまいります。 今後も必要な方が必要な検査を迅速に受けられる環境を整えていきたいと考えています。 ◆4番(井下田栄一) 質問の第4は、妊産婦の支援について質問いたします。 新宿区は、これまで妊娠期から安心して過ごせるように、妊娠・出産から始まる子育ての取組に全力で取り組んでこられました。しかし、現在のところ、新宿区で開催されてきた母親学級・両親学級は、新型コロナウイルス感染拡大の防止を図るため、開催が中止となっています。 そのため妊婦の方から、「妊婦への情報が少な過ぎる」、また「初産なので母親学級等が中止になってしまい、学ぶ場所がなくなり、とても心配です」との不安の声を聞いています。 そこで、新型コロナウイルス感染症流行期間における妊産婦の支援について、4点にわたり質問いたします。 1点目は、母親学級などの学ぶ機会の提供について伺います。 初産の妊婦は母親学級が中止になっているため、不安を抱えながら自ら情報を収集しています。私の知人からは、「本、雑誌、SNS、動画ユーチューブ等から知識を取り入れて出産・育児の準備をしていますが、悩んでしまいます」との声も伺っています。 新宿区において母親学級等は、対面の取組を基本としています。その上で新型コロナウイルスの影響による外出自粛や母親学級に集えない人のために、オンラインによる講習や現在行っている沐浴の動画配信のほかに、離乳食の動画など必要な動画を配信して妊産婦の不安に応える工夫が必要と考えます。区長の所見を伺います。 2点目は、妊娠初期から子育て支援策として無料通話アプリの活用について伺います。 妊娠中や子育て中にお母さん方は初めての経験ばかりで不安が多く、手軽なネットで子育ての情報を収集されている方が多くおられます。しかし、一方で情報が氾濫して、かえって不安を募らせるケースがあると聞きます。そういう意味で、新宿区が妊娠や子育てについて安心できる正確な情報を提供することが大切です。 静岡県焼津市は無料通話アプリを活用して人工知能を使ったチャットボットシステムによる24時間365日対応の子育て相談窓口を昨年開設し、子育てを支援しています。市民からは、「スマホですぐに返事をもらえて助かる」「仕事をしているので、市役所の開所時間以外でも利用できて助かる」、市職員からも、「業務負担軽減につながる」とシステム導入を喜ばれる声が多くあります。 新宿区として無料通話アプリのチャットボットシステムを導入して子育て支援の充実を図るべきと考えますが、区長の所見を伺います。 3点目は、ICTを活用した母子手帳の取組について伺います。 厚生労働省は2019年6月7日に、2018年の人口動態統計月報年計(概数)を発表しました。出生数は91万8,397人で、出生率は1.42に低下したため、出生数、出生率ともに3年連続の減少となりました。晩婚化、晩産化、核家族化などにより子育て環境は大きく変化しています。 このような状況の中にあって、子育てしやすいまちづくりの支援策として、ICTを活用した母子手帳の取組が期待されています。 内閣官房日本経済再生総合事務局は、ICTを活用したサービスの例を挙げ、その中で令和元年10月時点で208の自治体がICTを活用した母子手帳アプリの取組を実施していることを紹介しています。 例えば、一般的に、予防接種のスケジュール管理は複雑です。このアプリは予防接種のスケジュールをAIで自動的に提案します。ICTを活用した母子手帳アプリを行政が採用することにより、お子さんに合わせたスケジュール作成や予定の日に接種できなかった場合のスケジュール調整を自動で行い、適切な時期に必要な接種を案内することができます。 スマホやタブレットを利用するお母さん方のために、新宿区は子育て支援の一環として、ICTを活用した母子手帳の取組を推進すべきと考えます。区長の所見を伺います。 4点目は、感染症流行期間に出産する妊婦への経済的支援について伺います。 緊急事態宣言が5月25日に解除されましたが、再び感染が拡大する第2波が予想されるなど長期化が予想されています。 妊婦の方からは、収入が減り経済的に大変な状況下において、育児にかかる費用も切り詰めなければならないというお話を伺います。 また、感染症の影響で里帰り分娩ができない中で不安を抱えながら出産し、乳児の養育をする方もおられます。 東京都は、妊婦を対象に感染防止のために必要な物品やタクシー券を配布するための区市町村に向けた補助を行うとしています。新宿区においても、新型コロナウイルス感染症流行の困難な時期に宿った生命を大切に育み、感染の不安や孤独を乗り越えて出産する母子に対して、経済的負担と不安な気持ちを軽減する取組を実施すべきと考えます。区長の所見を伺います。 以上、御答弁願います。 ◎区長(吉住健一) 妊産婦の支援についてのお尋ねです。 初めに、母親学級などの学ぶ機会の提供についてです。 新型コロナウイルス感染症の感染拡大の防止のため、母親学級や離乳食講習会など、保健センターで行う集合形式の妊産婦向け講座は現在中止しています。 一方で、母子手帳交付の際などに行う看護職との面接や助産師等による新生児訪問の際、産前産後の困り事や不安などがあれば、保健センターに御連絡いただくよう案内し、電話や来所による個別相談を行っています。 また、区のホームページから離乳食のリーフレットを見ることができるほか、沐浴等の動画コンテンツへのリンクを設けているところです。 現在、集合形式の講座の再開の検討をしているところですが、今後離乳食の動画も含め、有用な動画コンテンツへのアクセスをより充実する方策も検討してまいります。 次に、妊娠期からの子育て支援策としての無料通話アプリの活用についてです。 区では、妊娠期から就学前の子どものいる方を対象に、無料で利用できるアプリ「しんじゅく子育て応援ナビ」を提供しています。スマートフォンのプッシュ通知機能を利用して、乳幼児健診や予防接種の受け忘れなどがないよう定期的に通知するなど安心できる正確な情報の提供に取り組んでいます。 また、子育て相談への対応としては、子ども総合センターと区内4か所の子ども家庭支援センターで実施している「子どもと家庭の総合相談」として、相談員が妊娠中の方や子育て中の保護者、お子さんと直接お会いしてお話を伺うことで、家庭状況や御要望を丁寧に確認し、その方に合った育児支援サービスや子育てサークルを御紹介するなど、きめ細やかな対応を行っています。 このほか、御家庭の事情や相談内容に応じて電話やインターネットによる相談への対応も行っています。 今後も対面や電話、インターネット等、様々な方法により、きめ細やかに相談に対応するとともに、チャットボットのような自動応答による情報提供の仕組みも他自治体の導入例等を参考にしながら検討してまいります。 次に、ICTを活用した母子手帳の取組についてのお尋ねです。 区では、しんじゅく子育て応援ナビや母子健康手帳副読本アプリを妊娠期から機会を捉えて紹介し、身長や体重、予防接種の記録などに活用していただいています。 現在、国においてマイナンバーを使った母子保健の記録確認や時期に応じて自治体から情報提供する仕組みの構築が進められています。さらに、スマートフォン等のアプリがマイナポータルと連携することにより、母子保健に関する情報管理が容易になることも期待されています。 区としても、国の動向を注視しながら、ICTを活用した母子保健情報管理の利便性向上に今後も努めてまいります。 次に、妊婦の経済的負担を軽減する取組についてです。 区では、御指摘の東京都の補助を活用して、看護職と面接をした妊婦に感染症の予防対策用品の購入等にも使える「こども商品券」1万円分を対象者を広げて配布します。 また、妊婦を対象としてヘルパーを派遣し、掃除、洗濯、買物のほか、食事の下ごしらえや、上のお子さんの保育園の送迎等の支援を行う育児支援家庭訪問事業を行っています。 このサービスの自己負担額は1時間当たり1,000円であり、自ら民間事業者に依頼するよりも廉価で利用することができます。 こうしたサービスを活用いただき、妊婦が経済的負担だけでなく、精神的・身体的な負担感も軽減されるよう、一層取り組んでまいります。 ◆4番(井下田栄一) 質問の第5は、感染症の影響に伴う家庭支援について質問いたします。 新型コロナウイルスの影響による外出自粛や経済・雇用情勢の悪化などにより、DV(配偶者などからの暴力)や児童虐待の被害を訴える相談が寄せられるようになり、今後の増加や深刻化を懸念する声が上がっています。 DV被害者の支援団体に対して、「夫が在宅ワークになり、子どもも休校となったため、ストレスがたまり、夫が家族に暴力を振るうようになっている」、また、「経済的不安からいらいらして、ちょっとしたことで大声を出す」といった相談が増加していると言われています。 実際に我が会派の議員にも、「夫や妻からの暴力があった」という相談がありました。 このようなDV被害者が一人で悩みを抱えることがないよう、私たち公明党は国に対して相談体制の拡充を求めてまいりました。 それを受け内閣府は、今まであった「DV相談ナビ」に加え、新たに「DV相談+(プラス)」をスタートさせました。 この新規事業では24時間、電話相談やメールに加え、初めてSNSを活用した相談や10か国語の多言語に対応できる相談体制へと充実強化しています。 以上の現況を踏まえて、何点か質問をいたします。 1点目は、区民へのDV被害に関する相談先の周知について伺います。 現況においては、内閣府の相談先をはじめ、より身近な新宿区配偶者暴力相談支援センターなどでのDVの相談窓口は、区民にとってとても心強い存在です。しかし、相談先を知らない人が多いのが現状です。DV防止への対策を講じるためにも、相談先の周知はとても重要です。区としてのお考えをお聞かせください。 2点目は、相談支援体制の強化について伺います。 外出自粛で配偶者や子どもが在宅する環境は電話相談をためらうことから、相談のツールが幅広くあることは被害を深刻化させないためにも大切です。そこで今後、区においてもSNSを活用した相談体制を拡充することは、より早く地域の関係機関と連携を図ることができ、早期対応につながると考えます。区のお考えをお聞かせください。 3点目は、児童虐待防止の支援について伺います。 コロナの感染拡大を防ぐため、3月2日から区立小中学校等の一斉休校となる状況がありました。この休校は、ふだんから虐待を受けて悩んでいた子どもにとっては、いつも以上に親からの暴力にさらされるようになり、逃げ場を失い、おびえた生活を送ることになります。また、収入激減など将来に不安を感じている親たちが、自身のストレスを一緒に過ごす時間が増えた子どもに暴言や体罰の形でぶつけてしまうケースもあり、その精神的虐待により自己肯定感が低くなっている子どもの声も耳にしています。 そこで、児童・生徒の現在における状況の把握等について伺います。 通常、虐待の早期発見のためには、子どものSOSを身近にキャッチできる先生等のいる学校の存在が必要不可欠です。しかし、休校中だったこともあり、気になる児童・生徒はもちろんのこと、休校の長期化に伴い、新たに虐待を受けている子どもの発見機会は激減している状況に置かれています。 そこで、子どもの状況を把握するための方策として、面談や家庭訪問は虐待の早期対応につながると考えます。また、子どもたちに相談先を周知することも早期発見には大切です。児童・生徒一人ひとりの現況把握について教育委員会のお考えをお聞かせください。 4点目は、ひとり親家庭への経済的支援について伺います。 ひとり親世帯は働き手が1人であり、低所得世帯が多い状況にあります。こうしたひとり親世帯は、勤め先の休業要請による減収や学校等の休校や休園による家庭での生活費支出の増加の影響を特に受けやすい状況です。 そこで、このような状況を配慮して、国は、低所得のひとり親世帯に対して臨時特別給付金を支給する方向で検討しています。新宿区においても感染症の影響で収入が減り、国の給付金の支給基準に該当しなくても経済的に困窮するひとり親世帯があります。感染拡大の影響で収入が減るひとり親世帯に対し、区独自の経済的支援を実施すべきと考えます。区の御所見を伺います。 以上、御答弁願います。 ◎区長(吉住健一) 感染症の影響に伴う家庭支援についてのお尋ねです。 初めに、DV被害の相談先の周知についてです。 区では、平成29年10月に設置した配偶者暴力相談支援センター「DV相談ダイヤル」について広報新宿、区ホームページへの掲載や広報ビデオ動画の配信のほか、携帯しやすい案内カードやリーフレットを特別出張所や図書館、保育園等で配布し、本庁舎をはじめとした区有施設の女性トイレ内にも掲示するなど、相談者の目に触れやすい方法での周知を行ってきました。 DV相談ダイヤルの相談件数は初年度の月平均約14件から27件、45件と年々増加しておりますが、相談先の一層の周知はとても重要なことと認識しています。 今後も相談先については各種情報紙への掲載やイベントの機会を捉えた周知を行うことにより、DV被害を受けている方への一刻も早い支援につなげてまいります。 次に、相談支援体制の強化についてのお尋ねです。 DV相談については、女性相談をはじめとした庁内の既存の窓口やDV相談ダイヤルにより対応を行っているところです。 国の相談ナビダイヤルでは、相談電話を最寄りの都道府県の配偶者暴力相談支援センターに自動転送しています。また、今年4月に追加で設置されたSNSやメール相談もできる「DV相談+(プラス)」でも、相談者に最寄りのDV相談窓口の情報を提供し、保護が必要な場合は婦人相談所等に連絡が入ります。 区では、DV相談ダイヤルに加えて、こうしたSNS相談等にも対応している国や都と連携しながら、DV被害への早期対応に努めてまいります。 次に、ひとり親家庭への経済的支援についてのお尋ねです。 御指摘のとおり、子育てと仕事を一人で担うひとり親世帯にとって新型コロナウイルス感染症の影響による経済的な負担は大きいものと考えます。 区では、国の補助事業として児童手当を受給している子育て世帯への臨時特別給付金の支給を6月26日から開始いたします。また、国は現在、低所得のひとり親世帯を対象とした臨時特別給付金を支給するための準備を進めているところです。さらに、東京都においては児童扶養手当を受給しているひとり親世帯を対象として食料品等を提供する事業の準備を進めています。 区独自の経済的支援につきましては、これら国や都の対応策の状況を見ながら検討してまいります。 ◎教育長(酒井敏男) 教育委員会への御質問にお答えします。 児童虐待の支援についてのお尋ねです。 教育委員会では、この臨時休業期間中において、学校に対して虐待等の未然防止、早期発見、早期対応のために全ての児童・生徒について定期的な連絡を行い、電話連絡、家庭訪問、個別面談を通して悩みや不安を聞くことや関係機関の相談窓口一覧表を配布するなど、きめ細かく対応できるよう依頼をし、学校からの報告により状況を把握しています。 こうした中で、虐待等につながっているケースや個別に配慮が必要な家庭については、学校、教育委員会、関係機関が情報を共有し、必要に応じて対応しています。 今後も学校全体で児童・生徒一人ひとりの状況を的確に把握し、児童虐待の未然防止、早期発見、早期対応に努めてまいります。 ◆4番(井下田栄一) 質問の第6は、困窮する事業者や区民生活の支援について質問いたします。 新型コロナウイルスの感染拡大が長期化する中、区民生活や深刻な経営難に直面する中小事業者・個人事業者等に対し、即効性ある支援が必要です。 そこで、具体的な支援策について3点伺います。 1点目は、各種給付金の申請手続のサポートについてです。 国や東京都、そして新宿区は感染症の影響を受ける区民や売上げが減少している事業者の事業継続を支援するために雇用調整助成金や持続化給付金、感染拡大防止協力金など各種の給付金の支給を実施しています。 しかし、その支給率は低く、例えば東京都の休業要請に応じ支払われる感染拡大防止協力金は申請受付が開始され、1か月たつ5月22日時点で申請が9万件、そのうち支給されたのが約5,000件、支給率にすると5%という低さでした。その原因は、対応する人員の不足や提出書類の不備などが挙げられています。 私たちが商店主のお話を伺うと、「申請に要する負担が大きい」「申請手続が複雑で申請を諦めている」「制度そのものを知らなかった」という御意見をいただきます。 こうしたことから、幾つかの自治体では士業団体の御協力をいただきながら無料相談窓口を開設して、申請書類の作成を支援する取組を行っています。 新宿区においても、個人事業者等の申請に関する負担を軽減させ、速やかに給付金が手元に届くように行政書士や社会保険労務士など士業団体の御協力をいただきながら、相談窓口の開設や申請書類の作成を支援すべきと考えます。区の御所見を伺います。 また、特別定額給付金について、高齢者や障害者などが一人も漏れなく必要な申請手続ができるように新宿区として取り組んでいくべきと考えます。併せて御所見を伺います。 2点目は、毎期一定に支払う固定費の支援について伺います。 固定費の工面にも窮する中小企業等にとって、事態が長引けば事業が継続できなくなるリスクが高まります。それだけに家賃など固定費の支援の意義は大きいものがあります。 そこで、政府は売上げが大幅に減少する中小・小規模事業者など賃借人に対しての家賃助成をする考えです。 東京都においても、都議会の第2回定例会の補正予算案の中で家賃を含めた固定費負担などの経営に与える影響について実態を調査するとしています。 新宿区においても既に賃貸人が店舗等賃借人の事業を継続できるように、店舗等家賃減額助成を実施しておられることは承知しています。区内の中小企業や個人事業者を支援することは区民の暮らしと地域経済を支える意味からも重要です。今後、より支援を強化する上から、売上げが減少して経営が厳しい事業者の事業継続支援として国の家賃助成への上乗せによる支援や水道光熱費分などの固定費を助成すべきと考えますが、御所見を伺います。 3点目は、新しい生活様式に取り組む事業者の改修経費の補助についてです。 緊急事態宣言が5月25日に全国で解除されましたが、事業者は事業を再開する上で感染拡大の防止を考慮しながら事業を前進させる必要に迫られています。 具体的な支援として、感染拡大防止のために飲食店のテーブルや椅子の配置を過密にしないようにする配慮や飛沫飛散防止のための仕切り板の設置、強力に換気する高性能の装置の設置、テレワーク等に対応するための通信インフラ整備などが必要となっています。 今後新宿区として事業者が新しい生活様式の変化に積極的に対応していくための経済的支援を実施していくべきと考えます。御所見を伺います。 以上、御答弁願います。 ◎区長(吉住健一) 困窮する事業者や区民生活の支援についてのお尋ねです。 初めに、個人事業者等の各種給付金申請に関する負担を軽減するための相談窓口の開設や申請書類の作成支援についてです。 現在、国や東京都、そして区は新型コロナウイルス感染症により影響を受けている事業者に対して様々な給付金等の支給を行っています。 御指摘のとおり、これらの給付金の手続は複雑であり負担が大きく、申請につながらない場合もあると聞いています。 このようなことから、御指摘のとおり個人事業者等が各種給付金等の申請の際に専門家を活用することに対して支援を行う必要性は高いと考えています。 したがって、新たな専門家活用支援策について早急に具体的な検討に着手してまいります。 次に、特別定額給付金について、高齢者や障害者などが一人も漏れなく必要な手続ができるようにするための取組についてです。 区では、4月30日の国の補正予算成立を受け、同日付で区の補正予算を専決処分しました。翌5月1日には特別定額給付金対策室を設置して本事業をスタートさせるとともに、本事業を円滑かつ総合的に進められるように庁内連絡会議を設置し、配偶者等からの暴力を理由に避難している方への対応や詐欺被害等の犯罪の未然防止、多言語対応などを含む地域への効果的な情報発信、システム連携による事務作業の効率化など、個別具体の事象に対して庁内で連携することにより丁寧かつ迅速に対応することとしました。 高齢者や障害者など申請手続が困難な方々に対しては速やかに給付金の申請をしていただけるよう、申請書発送直後の6月1日月曜日からは相談に応じるための臨時窓口を5つ設け、御自分で記載することが難しい場合は代筆を行うなど、丁寧に対応しています。 また、高齢者については高齢者総合相談センターと連携して問合せに対応しているほか、日頃から高齢者と関わっている訪問介護事業者に対して申請手続のお手伝いをしていただくようお願いしました。 障害者については障害者団体に代筆・代読のサービスを行うことを周知するとともに、視覚障害のある方には申請書送付の際、封筒に点字を打刻しました。 今後も引き続き、障害者や高齢者などが速やかに申請できるよう丁寧に対応してまいります。 次に、毎期一定に支払う固定費の支援についてです。 店舗等家賃減額助成事業は、区内事業者の事業継続を支援するため、店舗等の賃貸人が賃借人の家賃を減額した場合に、減額した金額の2分の1を上限5万円まで助成するものです。 1賃貸人につき家賃6か月分、一月5物件までを助成対象とすることから、最大で150万円を助成する事業です。6月8日現在で電話等の問合せは約1,900件、申請が146件となっており、これまでに40件、63物件の助成を決定しています。今後も広報新宿やホームページ、SNSで情報発信するとともに、区内不動産業団体等の協力を得て周知を強化してまいります。 御指摘の国の家賃助成については、現在第2次補正予算案が審議されているところです。テナント事業者に対する様々な支援策が実施されていく中で、賃借人の家賃や光熱水費などの固定費の支援については国や東京都の動きを注視するとともに、区としては家賃減額を実施した賃貸人を支援することで、限られた財源の中で効果的に区内事業者を支援してまいります。 次に、事業者が新しい生活様式の変化に積極的に対応していくための改修経費の補助についてのお尋ねです。 御指摘のとおり、緊急事態宣言の解除を受け、事業者は業種別ガイドライン等に基づいて感染拡大防止のための様々な取組を行い、事業を再開していく必要があります。 国は、第2次補正予算案において持続化補助金に事業再開枠を新たに設けています。この事業は、業種別ガイドライン等に基づき導入する飛沫防止対策や換気設備の更新をはじめ、必要とされる消毒等の実施に要する経費について上限50万円まで全額補助をするものです。 今のところ、区では事業者の改修経費等への補助を行うことは考えていませんが、事業者が国の補助金を有効に活用できるよう、広く周知を行っていきます。 ◆4番(井下田栄一) 質問の第7は、災害時の対策強化について質問いたします。 近年は大規模地震、大規模水害、また大規模風害と想定を超える災害が頻発し、それら想定外の事象への対応に迫られています。 新宿区内においても昨年の9月、10月の台風15号、19号などにより道路冠水や倒木、民間建築物等の被害が発生しており、本年も間近に迫る出水期への備えを急がなくてはなりません。 1点目は、区内の河川と豪雨対策についてです。 昨年10月の台風19号により多摩部を中心として長時間に大雨の降雨となり、都内で初めて大雨特別警報が発表されました。 記録的な降雨の中、区内の河川である神田川や妙正寺川は氾濫してもおかしくない事態に一時は陥ったものの、これまでに整備した時間当たり50ミリ対応や施設により浸水被害が発生することはありませんでした。 中でも、このことに一定の効果を発揮した神田川・環状七号線地下調節池が総容量9割の約49万立方メートルを貯留したことで、下流地点における水位低下効果がありました。また、区部下水道の56か所雨水貯留施設のうち、新宿区に関係する雨水貯留施設にも容量約1万3,000立方メートルを流入させ機能を発揮したとされています。しかし、今後想定外の降雨量も十分に予想されることから、東京都は現在、環状七号線地下広域調節池の整備を推進しています。 この整備は、神田川・環状七号線地下調節池と白子川地下調節池を連結するもので、そのことにより神田川などの時間当たり100ミリの局地的かつ短時間の集中豪雨にも効果を発揮すると言われています。 新宿区としても、この整備促進に向けて早期に整備できるよう都へ要望すべきと考えます。また、区内河川は時間当たり50ミリ対応はほぼ完了していますが、神田川に架かるJR山手線橋梁の架け替えによる河川改修事業がいまだに未着手であり、このことも早期着手に向けて都へ要請すべきと考えますが、区長のお考えをお聞かせください。 2点目は、災害時における情報伝達についてです。 区では、これまで災害時における情報伝達として区ホームページ、気象情報メール、エリアメール、SNS、防災スピーカーなど様々な手段を活用して情報発信をする体制を整えてきました。また、昨年の台風19号の影響により、区の気象情報ページ等についてアクセスが集中したことで表示が遅延するという事態が発生しました。このことに対して区は、早期にシステム改修を行い、改善にも努めてこられました。しかし、一方では様々な情報伝達ツールはあるものの、的確に伝わっていないケースもあります。 私のもとにも昨年の台風のときなど、ネット環境やスマホなどを持たない高齢者の方々より、「風雨が強いと、室内にいて防災スピーカーも聞こえず不安である」との声を多くお聞きしました。 現在、これらの課題解決の手段の一つとして、災害時を含め、緊急情報の伝達として、各地において防災行政無線を受信する防災ラジオを普及させる動きが加速しています。 中央区においては、本年1月末現在で1万7,980台が普及、事業所には1台8,500円で販売され、区民は1台1,000円で購入可能で、活用を促しています。毎月15日の試験放送では、防災ラジオの電源が切れていても自動的に起動し、災害時などの緊急放送が大音量で発信され、AMラジオなどを聞いている場合には割り込み放送が行われる仕組みになっているとのことです。 また、総務省消防庁は昨年度の補正予算で、新型コロナウイルス感染症対策に向けた情報伝達手段の強化として、防災ラジオの配備として7億8,000万円を手当てしました。防災ラジオについて新宿区では現在、防災区民組織に1台の貸与を行っていますが、災害時や緊急時に高齢者世帯をはじめとし、地域住民の迅速な行動につなげるためにも防災ラジオの普及に取り組むべきと考えます。お考えをお聞かせください。 3点目は、避難所の3密を防ぐための取組についてです。 区では、これまで地域防災計画の課題や対策の見直しを行いながら防災対策を推進してきました。しかし、これまでの地震や風雨災害などの対策に加え、現下のコロナ禍において、感染症対策としての避難所運営の在り方が求められています。 災害発生、またはそのリスクが高まった場合、区民は避難をしなければなりませんが、現在の指定避難場所等では多くの避難者との集団生活を送らざるを得ない状況にあり、感染症対策としての避難所対応が必要となります。 国は本年4月、避難所における新型コロナウイルス感染症への対応について各自治体に通知を出しました。これを受けて自治体によっては、既に避難所運営のマニュアルなどを改訂するなど、準備を進めているところもあります。 新型コロナウイルスの感染拡大が懸念される中で豪雨災害や地震が発生した場合に、避難所において3密を防ぐための配慮、分散避難の仕組みづくり、マスクや消毒液の備品の拡充などの課題が浮上しています。新宿区は、感染拡大下における避難所運営の体制を早急に整備すべきと考えます。区長のお考えをお聞かせください。 4点目は、土のうステーションについてです。 台風や集中豪雨の際に家屋等への水の浸入を防ぐため土のうを積むことは、有効な手段とされています。 昨年の台風19号の際、区民からの土のう要望に対し、区では工事事務所、公園等21か所で約4,200袋の土のうを配備しておりましたが、そのうち約3,500袋の土のうを使用しました。そのときの状況を踏まえ、改めて土のうの重要性が認識され、区では土のうの配備量を昨年度中に5,000袋以上に増量し、また土のうを配備する土のうステーションを5か所設置されてきました。 土のう増量と土のうステーションの設置については、昨年の定例会において我が会派の質問でも提案させていただきましたが、土のうステーションについては大雨時に区民の方が土のうをいつでも取り出せるステーションとして、さらなる設置が必要と考えますが、お考えをお聞かせください。 5点目の質問は、道路等の損傷や不具合についての通報システムについてです。 この通報システムについても昨年の定例会において道路等の損傷や不具合についてスマートフォンを活用した専用アプリの使用について提案させていただきました。 一方、東京都では東京大学と連携し、本年2月より都民の皆様から、より多くの情報を受けることにより、きめ細やかな道路状況を把握することを目的に、住民らがスマートフォンで道路の損傷や不具合を撮影し、通報することができる道路通報システムの試行を開始しました。対象エリアを品川区の都道や葛飾区の都道と区道とし、試行期間を経た後、その有効性を確認し、本格実施の判断を行うとしています。 新宿区においても、災害時の後や日常において区民等からのスマートフォンを活用した通報システムを使用することで、道路損傷等や不具合にさらなるスピード感を持った対応を推進すべきと考えます。 都の取組も踏まえて、スマートフォンを活用した通報システムの実施についてお考えをお聞かせください。 以上、御答弁願います。 ◎区長(吉住健一) 災害時の対策強化についてのお尋ねです。 初めに、区内の河川と豪雨対策についてです。 昨年の台風19号においては、記録的な豪雨にもかかわらず、河川や下水道における地下貯留施設等の整備が進むなど、降雨に対する安全性が相当程度向上していることから、区内では大規模な水害は発生しませんでした。 しかしながら、近年では大量の雨が降る頻度が増加している傾向があり、水害の危険性について楽観視することはできません。 御指摘のとおり、現在都では区内を含む神田川流域等のさらなる治水安全度の向上を図るため、令和7年度の稼働を目指して環状七号線地下広域調節池の整備を進めています。 区といたしましては、この地下広域調節池の完成が下流域である当区の水害軽減に大きく寄与すると考えることから、一日も早い完成を都に対して引き続き要望してまいります。 また、都は現在、神田川の源水橋から清水川橋まで約600メートルの区間の河川改修事業を進めていますが、御指摘のJR山手線橋梁部はJR東日本と調整中であり、工事の予定は未定と聞いています。 区内の河川護岸未整備区間については、その代替として分水路や調節池群などの整備により、治水上一定レベルの安全性は確保されていますが、区としては、より高い治水安全度を目指し、今後も引き続きJR山手線橋梁部を含めた未整備区間の早期改修を都へ要望するなど、水害に強い安全・安心なまちを目指してまいります。 次に、災害時における情報伝達についてのお尋ねです。 区では、災害発生時に防災行政無線やインターネットを活用し、迅速に区民へ情報伝達することとしています。 防災スピーカーにつきましては、気象状況によっては放送内容が聞き取りにくいことがあります。そのため、区ではホームページやSNS等のデジタルツールを活用した災害情報の発信も行っているところですが、これらデジタルツールを使わない方々にも確実に情報を伝達することは重要な課題であると認識しています。 御指摘の中央区が導入している防災ラジオにつきましては、FMラジオの周波数84メガヘルツ帯を利用した専用のラジオ機能つきの個別受信を使い、地域のコミュニティFM局との協定により緊急放送を伝達する仕組みとなっていますが、利用する電波の特性や出力が小さいことにより、放送が届きにくい等の課題もあります。 一方、国が整備支援する防災ラジオは、一般ラジオ機能も備えた専用受信を利用する点では中央区のシステムと同じですが、ポケットベルで使用していた280メガヘルツ帯の周波数を使うことから、建物内でも、ほぼ全ての場所で聞くことができます。 今後、これら防災ラジオの先行導入自治体の事例研究や既存の災害情報支援システムの充実を図るなど、区民の生命と財産を守るための確実な情報伝達の構築に引き続き取り組んでまいります。 次に、避難所の3密を防ぐための取組についてのお尋ねです。 大規模災害が発生した場合、多くの方が避難所に避難することが想定されるため、災害時の避難所運営では感染症対策の重要性が指摘されています。 区は、これまでも災害に強い、逃げないですむ安全なまちづくりとして、建物の耐震化や家具転倒防止対策、食料等の備蓄の推進など、命を守るための在宅避難を進めてまいりました。これらの取組は、避難所の感染防止対策としても有効であると考えます。 区は現在、今回の新型コロナウイルスの拡大を受け、在宅避難が難しい場合でも、親類や知人宅等への疎開避難のほか、ホテル等の民間施設の活用も含めた避難の分散化について都や関係機関と具体的な協議を行っています。 今後、これらの対策を進めていくとともに、新型コロナウイルス感染の収束が見られない中、避難所での感染症対策の重要性が一層高まっていることから、検温計、手指の消毒剤、マスク等の感染防止に必要な物品の備蓄や3密を防止するためのレイアウト等を盛り込んだ避難所運営マニュアルの改訂など、様々な対策を早急に進めてまいります。 次に、土のうステーションについてのお尋ねです。 御指摘のとおり、昨年の台風19号においては、土のうに関する非常に多くの問合せがあり、改めて土のうの重要性が認識されたところです。 このことから区では、今年の出水期に備え、昨年度土のうステーションを5か所で整備するとともに、区内の土のう配備量を約5,500袋に増量しました。 土のうステーションは、大雨時にいつでも容易に土のうを取り出せるなど、便利で機能性が高いことから、今年度は曙橋地区など4か所で新設するとともに、既に設置している新宿中央公園の土のうステーションについては、土のうの配備量を増量する予定です。 次に、道路等の損傷や不具合についての通報システムについてのお尋ねです。 区では、区民生活に密着した道路等のインフラ資産を適正に管理するため、区内の地理に精通した職員による巡回点検を定期的に行い、必要な補修を進めております。また、区民から連絡があった場合には、東西2つの事務所の職員が直ちに現地を確認して応急補修を行うなど、迅速な対応に努めております。 夜間・休日においても、区役所に電話をいただければ職員が内容をお伺いし、年間を通じて契約している委託業者を活用しながら24時間対応できる体制を確保しています。 東京都が令和2年2月から試行している道路通報システムは、対象を道路の損傷等に限定して運用しています。 また、こうしたシステムを活用するに当たっては、個人の特定につながる情報や写真の取扱い、利用者登録をする際の虚偽内容での登録などの課題があります。 このため、この通報システムの都道での導入状況や効果などの情報を収集していくとともに、一部の先行している自治体の動向なども踏まえながら、ICT等の先端技術を活用した通報システムの必要性等について研究してまいります。 ○議長(吉住はるお) ここで、議事進行の都合により休憩します。 △休憩 午後2時53分--------------------------------------- △再開 午後3時10分 ○議長(吉住はるお) ただいまから、会議を再開します。 質問を続行します。 ◆4番(井下田栄一) 質問の第8は、環境施策の推進及びごみ収集事業について、4点にわたり質問いたします。 1点目は、レジ袋有料義務化への対応についてです。 経済産業省は昨年12月、容器包装リサイクル法の関係省令を改正しました。全ての小売店を対象にプラスチック製買物袋、いわゆるレジ袋の有料化を義務づけるとした制度が本年7月1日より施行されます。 省令改正に先立ち公表された制度実施のガイドラインによれば、バイオマスプラスチックが配合されたレジ袋や海洋生分解性のレジ袋が対象外となるなど、消費者に分かりにくい側面があります。 また、指定容器包装利用事業者は、省令に従い、消費者による容器包装廃棄物の排出抑制のための情報の提供や容器包装使用の合理化を図るための体制の整備を行うこと等が求められています。そのため、事業者及び消費者への制度周知を徹底しなくてはなりません。 初めに、どのような制度となっているのか、その概要と事業者及び消費者への制度周知はどのようになっているのかお伺いいたします。 2点目は、レジ袋有料義務化に伴う環境関連施策の推進についてです。 ガイドラインによれば、レジ袋有料化義務づけの大きな目的は、消費者のライフスタイル変革を促すこととしており、このレジ袋有料義務化をきっかけに区民が環境に目を向け、また区として環境施策を大きく推進する機会にするべきであると考えます。 区は、地球温暖化対策の推進や資源循環型社会の構築など、様々な環境施策の取組を行っておられます。ごみの発生抑制の推進として行っている新宿エコ自慢ポイントは、このレジ袋有料義務化をきっかけに大きく推進すべき事業で、ガイドラインに示される消費者のライフスタイル変革にも寄与する事業であると思います。 より多くの区民が気軽にエコ活動に取り組めるように、例えばスマートフォンなどの電子媒体を活用した健康ポイントのような仕組みの導入や参加登録、ポイント加算、景品交換できる場所を拡大する等、さらなる推進に向けた取組を検討するべきではないでしょうか。 レジ袋有料義務化に伴う新宿エコ自慢ポイントにおけるレジ袋辞退の取扱いと併せ、区の御所見を伺います。 3点目は、環境学習・環境教育のさらなる充実についてです。 環境に対する意識啓発において、環境学習・環境教育は非常に重要です。区はエコリーダー養成講座や環境絵画展、環境日記展等の取組を行い、区民の環境への意識啓発や具体的な実践行動の普及啓発を行っています。中でも「みどりの小道」環境日記では、上位入賞者の作品から環境に対する高い関心を持つ様子がうかがえ、非常に有意義な取組となっています。 区は実行計画において、環境絵画展、環境日記展の応募者数目標を今年度末までに1,450人と定めて事業を行っておられます。 ここ数年の状況を見ると、応募状況において学校単位で差が生じており、全体的な底上げができれば、よりよい取組となると考えます。環境日記は子どもだけでなく、保護者など大人にも環境への関心を高めることが期待できることから、内容の充実を含む、さらなる推進が必要と考えますが、区並びに教育委員会の御所見を伺います。 4点目は、緊急事態宣言中におけるごみの収集作業についてです。 初めに、新型コロナウイルス感染症と隣り合わせで日々のごみ収集作業に携わっていただいている方々に感謝を申し上げます。 今回の新型コロナウイルス感染症の影響は、ごみの収集作業においても大きな影響がありました。緊急事態宣言に伴う在宅勤務や学校の休校により在宅者が増え、ごみの量にも大きな変化があったとの委員会報告がありました。改めて、緊急事態宣言中におけるごみの量の変化についてどのような状況であったのか伺います。 環境省では、「新型コロナウイルスなどの感染症対策のためのご家庭でのごみの捨て方」や「マスクの捨て方」をホームページなどで公表しています。今後の第2波、第3波の感染拡大が想定される中、緊急事態宣言中のようなごみ出し状況の変化への対応や、ごみの捨て方の周知は必要不可欠と考えますが、区の御所見を伺います。 以上、御答弁願います。 ◎区長(吉住健一) 環境施策の推進及びごみ収集事業についてのお尋ねです。 初めに、レジ袋有料義務化への対応についてです。 今回の制度改正では、原則として全てのプラスチック製買物袋、いわゆるレジ袋を無料で配布することを禁止し、1枚1円以上で頒布することが定められています。対象となるレジ袋とは、消費者が購入した商品を持ち運ぶためのもので、景品や賞品等を入れる袋やクリーニングの袋、持ち手のない袋などは対象外となっています。 あわせて、一定の環境性能が認められるものについても有料化の対象外とすることも定められています。 具体的には、レジ袋の素材の厚さが0.05ミリメートル以上のもので繰り返し使用を奨励する旨の記載等があるものや、海洋生分解性プラスチックのみで作られているもの、動植物に由来するバイオマス素材が25%以上配合されたものがそれに当たります。 次に、事業者や消費者への周知についてです。 今回の制度改正は多岐にわたるものであり、周知を図るための広報が大切であると考えています。 区では、事業者に向けた周知として、新宿区3R推進協議会のメンバーを中心とする区内のデパートやスーパー、コンビニエンスストア等に対して、各店舗で有料化に関する方針等を消費者に的確に伝えるようお願いしています。 また、消費者に向けた周知として、本年4月にホームページに制度を紹介するページを立ち上げ、概要をお知らせするとともに、関連する国のホームページへのリンクを貼っています。今後、6月15日号の広報新宿で改めて紹介記事を掲載するとともに、SNSなども活用して事業者、消費者双方への周知の徹底を図ってまいります。 次に、レジ袋有料義務化に伴う環境関連施策の推進についてです。 御指摘の新宿エコ自慢ポイント制度は、新宿区3R推進協議会で運営しているものであり、区民のエコな行動をポイントに換算してためる制度です。レジ袋を辞退したり、区立新宿リサイクル活動センター等が主催する環境講座に参加した際などにポイントを付与しています。ためたポイントによって景品と交換できるほか、年間でためたポイントの上位者の方の表彰もしています。 この制度では、当初紙製のカードをお配りし、レシート等と一緒に御持参いただくことでポイントを加算していました。しかしながら、「カードが小さく見失いやすい」「紙製のため破損しやすい」などの御意見を踏まえ、平成30年度から交通系ICカードを用いたポイント加算を始めたところです。 御指摘のスマートフォンなどにも対応するためにはシステム改修が必要であり、直ちに実施することは困難ですが、今後これらの機器が利用できるよう検討を進めてまいります。 こうしたポイントの加算や景品との交換等は、現在、ごみ減量リサイクル課のほか、区立新宿リサイクル活動センターと西早稲田リサイクル活動センター、環境学習情報センターで受け付けているところですが、利便性の向上に向け、窓口の拡充も検討してまいります。 また、これまでレジ袋を辞退した際に付与してきたポイントについては、7月以降もレジ袋を購入していないことが分かるレシート等をお示しいただくことで、これまで同様、ポイントを付与する予定です。 今後もこうした制度を活用し、消費者のライフスタイルの変革を促し、プラスチック資源のより有効な利用を図ってまいります。 次に、環境学習・環境教育のさらなる充実についてです。 「みどりの小道」環境日記は、一般財団法人グリーンクロスジャパンが毎日の生活の中で環境問題を考える取組として、環境省等の後援を受け、全国的に行っているものです。 区では、より身近に環境日記に取り組めるよう、新宿版のガイドブックや日記帳を独自に作成し、区立小学校の4年生以上の全児童を対象に、学校を通して配布しています。 令和元年度は、区立小学校29校のうち21校から応募があり、積極的に取り組んでいる学校では、応募者が100名を超えている状況となっています。 応募された日記には、家庭でごみの減量について話し合ったことや、家族旅行中に発見した環境に配慮した取組などが記入されており、環境問題を家庭で考えるよいきっかけになっていると考えています。 区では、環境学習情報センターの学校向け出前授業として、「環境日記の書き方講座」を実施しています。また、新宿版のガイドブックでは、積極的に環境日記に取り組んでいる学校や児童の紹介などを行っています。 こうした取組を進めていくことで、より多くの学校から応募してもらえるよう努めてまいります。 今後、保護者の環境への関心を高めることができるよう、環境日記コンテストにおいて保護者と取り組んだ環境活動を対象とした賞の新設を検討するなど、一層の推進を図ってまいります。 次に、緊急事態宣言中におけるごみの収集作業についてです。 ごみの収集量については、5月分までを速報値として集計しています。4月、5月に区が収集した家庭ごみの一日平均量を前年同時期と比較しますと、可燃ごみが4.7%、不燃ごみが9.8%それぞれ増加しています。このほか、古紙・びん・缶の回収量も大きく増えています。家庭で過ごす時間が長くなり、家での食事の回数が増えたことや、片づけなどを行い、多くの不用品が排出された影響と考えています。 次に、緊急事態宣言中のように、ごみの排出状況が変化した場合の対応についてです。 再び感染拡大が起きれば、また家庭ごみが増えることが想定されます。夏を迎え、飲料の消費に伴う排出物が増加する時期でもあり、収集作業の安全確保と職員の体調管理の徹底が求められます。 現在区では、収集作業の保護具としてマスク・手袋の必要量を十分に確保し、着用の徹底を図っています。併せて車両の消毒実施、ごみ袋を開ける指導業務の中止など、収集作業中の感染防止に取り組んでいるところです。 また、待機時間中においても休憩時間や洗身時間を分散するなど、職員同士の接触を減らすなどの対策に努めています。 これからの時期は、熱中症対策にも十分留意し、区民生活を支える清掃事業の安定した継続を図ってまいります。 次に、ごみの捨て方の周知についてです。 現在、区のホームページで御指摘の「新型コロナウイルスなどの感染症対策のためのご家庭でのごみの捨て方」を掲載し、周知を図っています。また、6月15日号の広報新宿でも環境・リサイクルの特集ページで詳しく御案内する予定です。 今後も環境省通知などを参考に、ごみの捨て方の周知徹底を図ってまいります。 ◎教育長(酒井敏男) 教育委員会への御質問にお答えします。 環境学習・環境教育のさらなる充実についてのお尋ねです。 環境絵画コンテストや「みどりの小道」環境日記コンテストは、児童・生徒が身近な環境問題に気づき、自分の生活を見直すとともに、地球環境や新宿区の理想的な環境について考え、表現する態度を養うことを目的に開催されており、環境を変える取組の輪を周囲に広げていく上でも大切な学びの機会であると認識しています。 令和元年度は、環境絵画に23校から118点、環境日記には21校から1,061点の応募がありました。 各学校では、こうした取組をはじめ、学校周辺の環境や地域の実情に応じた様々な環境学習・環境教育に取り組んでいます。みどりのカーテン作りや神田川の水質調査、地域協働学校の取組の一環として行われている清掃活動などでは、子どもたちが体験的な活動を通して地球環境や環境問題を学んでいます。 環境絵画や環境日記については、従来、夏季休業期間中に取り組んでいました。今年度については、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う夏季休業日の短縮により、従来どおりの取組は難しい状況であると認識していますが、この活動は環境教育において重要な取組であることから、引き続き各校に対する働きかけを行ってまいります。 ◆4番(井下田栄一) 質問の第9は、教育支援について質問いたします。 文部科学省は、学校における「3つの密」を徹底的に避け、マスクの着用及び手洗いなどの手指衛生など基本的な感染対策を継続する新しい生活様式を学校においても導入することを公表しました。 新宿区においては、緊急事態宣言の解除に伴い、6月1日から分散登校を開始しました。 最初に、学校における物品の整備等衛生環境の取組について3点伺います。 1点目は、児童・生徒のマスク着用についてです。 マスクについては依然として不足しており、高額なため購入することが難しい状況です。文部科学省では、手作りマスクの作り方も紹介しておりますが、学校で使用するマスクの供給が求められています。教育委員会のお考えを伺います。 2点目は、手洗いのための環境整備についてです。 手洗いを推進するとともに、小中学校の水道に非接触の自動水栓やレバータイプの水栓を設置していくことも有効です。教育委員会のお考えを伺います。 3点目の質問は、検温と風邪症状の確認についてです。 今後、学校教育の段階的な開始に伴い、登校前の家庭での検温と風邪症状の確認が大切となります。家庭への丁寧な説明と体温計を所有していない家庭へのきめ細かな配慮が求められます。また、必要に応じて、学校における非接触デジタル体温計やサーモグラフィーなどを配備すべきです。現在の取組状況を伺います。 次に、学校給食の取組について2点伺います。 1点目は、学校給食の感染防止対策についてです。 新宿区は、6月1日からの分散登校に伴い、学校給食を再開しました。各学校において感染防止対策をどのように取り組まれているのか、また課題をどのように把握されているのか、その対応についてのお考えも併せて伺います。 2点目の質問は、緊急対策として学校給食の無償化についてです。 これまでの学校休業等により家庭での食費が増えており、新型コロナの感染拡大の影響により収入が減じた家庭などから、我が会派にも経済的な支援を求める声をいただいております。今後、分散登校を経て段階的に学校の通常登校が行われますが、特に収入が減じた配慮が必要な家庭への支援として、学校給食を無償化するなどの取組が求められます。教育委員会のお考えを伺います。 次に、コロナ禍におけるICT教育の環境整備について伺います。 新宿区内の感染者数は、5月31日現在までに421人を超えています。この数字は全国の感染者数の3%を占め、人口比率から見れば都内1位となります。したがって、今後来るであろうと言われる第2波、第3波の感染において、学校再開後の区民が受ける影響は容易に想像ができます。それだけに、今後の新型コロナ感染症対策は長期戦を覚悟した最もハイリスクな対策を想定したものにならざるを得ません。 文部科学省は、本年4月、新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言を受け、GIGAスクール構想を早期実現するための支援を積極的に推進すると表明し、2020年度第1次補正予算では2,000億円を超える予算を計上しました。これにより全国の小中学生にパソコンやタブレット端末を1人1台整備する目標が大幅に前倒しして実施することになりました。 このような状況を踏まえ、以下2点について伺います。 1点目は、オンライン学習環境の早急な整備についてお聞きします。 GIGAスクール構想は、将来を担う多様な子どもたちを誰一人取り残すことなく、公正に個別最適化された学びを実現するためのものです。また、感染症の再拡大や災害などで学校を臨時休校にする場合も児童・生徒が端末を持ち帰り、オンライン学習が可能になります。 我が会派は、これまで1人1台端末のICT環境を活用した協働学習や個別最適化学習の早期実現を再三にわたり要望してまいりました。今回の感染拡大の影響で、臨時休校の期間中でも切れ目のない学習環境を提供できるように、教育委員会はオンライン学習環境の整備を早急に実施すべきと考えます。教育委員会のお考えを伺います。 あわせて、新宿区における1人1台端末の整備や、同時双方向型の一斉授業の導入スケジュールをお聞かせください。 2点目は、コロナ禍における学びの保障についてお聞きします。 文部科学省は、5月15日付の「新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた学校教育活動等の実施における「学びの保障」の方向性等について」の通知の中で、コロナの影響によりカリキュラムが学年内に指導を終えられなければ、次学年、次々学年に移して教育課程を編成するとし、さらに、教科書の重要ポイントも自治体に示すとしました。また、それぞれの学習の指導時間に関しては学校の裁量で決められます。この点については、都内で子どもたちの学びに格差が出てしまうおそれもあることから、我が会派としては都議会公明党とともに、現在東京都教育委員会に対しガイドラインを示すよう要望しています。この点について再度休校した際の新宿区教育委員会の見解をお聞かせください。 以上、御答弁願います。 ◎教育長(酒井敏男) 教育支援についてのお尋ねです。 初めに、児童・生徒のマスク着用及び手洗いのための環境整備についてです。 新型コロナウイルス感染症予防のため、マスクの着用を保護者にお願いしているところです。マスクは御家庭で御用意いただくようお願いしていますが、マスクを忘れた場合や汚損した場合に児童・生徒にマスクを提供できるよう、標準サイズのマスクと小型マスクを合わせて、1校当たり約4,000枚を配布しました。 手洗いのための環境整備については、新型コロナウイルス感染症予防対策として手洗いの励行や水栓に手が触れないことは有効だと考えており、自動水栓については電源の確保や工事の必要から時間を要するため、今後の検討課題としますが、各学校へ感染予防対策として有効で、かつ迅速な設置が可能なレバー式水栓の設置を検討していきます。 次に、検温と風邪症状の確認についてです。 学校における新型コロナウイルス感染症予防を進めるためには、登校前に家庭での検温や健康状態の確認をお願いし、健康管理票等へ記載してもらった上で、毎朝学校で確認しています。検温や健康管理票などを忘れた場合は、1校当たり4台配備した非接触型体温計で検温を実施しています。今後、サーモグラフィーについては、国や東京都の補助金などを活用して購入を検討していきます。 次に、学校給食の感染防止対策についてです。 各学校では、給食の際の新型コロナウイルス感染症予防対策として、食事前の手洗いの徹底や食事中の会話を控えること、机を向かい合わせにしないこと、机と机の間隔を空けることといったことを行っています。また、低学年の場合、教職員が配膳を行うなどして、新型コロナウイルス感染症予防対策に努めています。 給食における感染症予防対策の課題についてですが、喫食時の児童・生徒の距離が取れていることもあり、現在のところ大きな課題はありませんが、今後一斉登校になった際に環境を整えて給食を実施していくことが求められています。 そのため、学校の全面再開へ向けた対応を整理する中で各学校と相談しながら検討を進めてまいります。 次に、緊急対策としての学校給食の無償化についてです。 緊急事態宣言の発令に伴い、様々な業態に影響が生じる中で、収入が減じた家庭があることは認識しています。 学校給食の無償化については、法改正や必要な財源措置など、国がその方向性を定めて行うものと考えています。 一方、就学援助制度の運用については、昨年の収入により認定を行う基本的な取扱いとともに、今年の収入見込額も認定の対象にするなどし、今年の4月、5月の収入が大幅に減じた家庭の給食費の負担軽減を積極的に図ってまいります。 次に、オンライン学習環境の早急な整備についてのお尋ねです。 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う区立学校の臨時休業の長期化や学校再開後の分散登校による教育活動の制限などを踏まえ、児童・生徒の学習機会を確保するため、オンライン学習ができる環境整備を早急に実施する必要があるとの認識の下、緊急措置として、進学を控えた中学校第3学年の全生徒及び御家庭にネットワーク環境のない小学校第3学年以上の児童・生徒を対象としたタブレット端末の貸与を5月末から順次実施しているところです。 国のGIGAスクール構想については、子ども一人ひとりの生きる力を育む質の高い学びを実現し、子どもたちが将来の社会で生きていくために必要な資質・能力を育成する観点から、タブレット端末の1人1台化を進めていくこととしていましたが、このたびのコロナ禍を受けて、同時双方向にコミュニケーションを図りながら遠隔授業を実施できる観点からも、早急に環境整備を進めていく必要があると考えています。 このため、国のGIGAスクール構想の補助金を今年度内に活用して、1人1台端末の早期実現を図るとともに、同時双方向型の一斉授業の実施についても検討を進めてまいります。 次に、学びの格差を生まないための指導内容や指導時間に対する考え方についてのお尋ねです。 教育委員会では、各校が令和2年度の学習内容をできる限り学年内に終えることができるように、小中学校とともに各教科などの指導計画の見直しを進めています。見直した指導計画は、限られた時数の中で子どもたちが必要な知識や技能を確実に身につけることができるように、各教科の指導ポイントを整理したものとなっています。 再度休校となった場合には、小学校第6学年と中学校第3学年については、土曜授業や長期休業日も活用し、学年内に学習を終えることを優先していきたいと考えています。 他学年については、休校の期間に応じて一部の指導内容を次年度に移すことも検討します。次年度に指導内容を移した場合は、次年度内に確実に指導を終えるようにし、学校間で学びの格差が生じないように努めてまいります。 学習の指導時間については、各校に対して単に学習の指導時間を短くするのではなく、学習内容の中で学校で指導する部分と家庭で学習する部分を明確にした上で指導計画を作成するよう指導しています。 家庭学習については、タブレット端末を活用するなど、児童・生徒が家庭で自学自習を進めやすい環境を整えてまいります。 以上で答弁を終わります。 ◆4番(井下田栄一) 今回、我が会派の質問は、新型コロナウイルス関係の質問を様々させていただき、それに対して区長並びに教育委員会から大変誠意のある答弁をいただきまして、誠にありがとうございました。 最後に一言。私は今現在、議会運営委員会の理事をさせていただいておりまして、今定例会を迎えるに当たりまして、新型コロナウイルス対策の議会運営として委員長、副委員長、また各会派の理事の皆様と長時間にわたり、また長期間にわたり様々協議をして本日を迎えることができました。これは私にとって本当に大きな財産になったなと思っております。 また、今定例会というか、こうした形での本会議をすることに対しまして、議会事務局の皆様の御尽力、御努力も大変に大きなものがあったと思います。この場をお借りいたしまして、議会事務局の皆様にも心から感謝を申し上げたいと思います。 以上で私の代表質問を終了させていただきます。御清聴、大変にありがとうございました。(拍手) ○議長(吉住はるお) 次に、8番藤原たけき議員。     〔8番 藤原たけき議員登壇、拍手〕 ◆8番(藤原たけき) 日本共産党新宿区議会議員団の藤原たけきです。2020年第2回定例会に当たり、会派を代表いたしまして質問いたします。 まず冒頭に、このたびの新型コロナウイルス感染症で亡くなられた方々に心より御冥福をお祈り申し上げるとともに、御遺族にもお見舞いを申し上げます。また、療養中の方々の一日も早い回復をお祈り申し上げます。 新宿区は6月8日時点で感染確認者数が累計458名で、全国的に見ても感染者数が突出しています。区民は自粛や休業に協力しているのに、補償となる給付金などは一向に手元に届かず、暮らしと営業は困難を極めています。 区の生活保護申請数は前年同月比で、4月83件増の196件、5月45件増の154件で困難さが分かります。 コロナ対策と補償をめぐり国の対応は後手後手で、区民の怒りも沸騰しています。 5月末の共同通信の世論調査では、政府の支援のスピードについて「遅いと思う」が81.2%、PCR検査態勢整備について政府の取組は「不十分だ」が77.4%でした。 安倍内閣の支持率は毎日・朝日2紙の調査ではついに2割台となり、国の対応の遅れで身近な地方自治体に救いを求める声はますます大きくなっています。今こそ区長は、区民や区議会、現場で奮闘する職員の声に耳を傾け、共にコロナ禍に立ち向かい、住民の福祉増進に力を尽くさなければなりません。 最初に、まず新型コロナウイルス対策と区政のあり方について質問します。 質問の第1は、感染情報の公開についてです。 世田谷区は、正確な情報発信に地域の混乱を避け、危機感を共有して協力を仰ぎ、感染症予防の取組をより強固にするため、男女別、年齢別の陽性者数と入院、宿泊治療、自宅療養、退院、死亡者数、PCR検査数を公開しています。江戸川区も同様です。 新宿区は区有施設での発生しか報告しておらず、区民とともにコロナに立ち向かう姿勢に欠けています。今後第2波に備えた検証のためにも、政策決定過程の情報公開は必須であると区長はお考えになりませんか。 区の、これまでのPCR検査数と陽性、入院、自宅療養、退院、死亡の各人数、主な感染ルート、感染地域について伺います。 質問の第2は、検査体制のさらなる充実についてです。 緊急事態宣言は解除されましたが、第2波に備えなければなりません。当初、PCR検査の受けにくさが感染増大につながりました。新宿区医師会の協力でPCR検査スポットが立ち上がり、検査体制が充実しました。その経費は予備費で対応したとのことですが、内訳と今後の経費をどうするのか、なぜ補正予算で組まないのかをお答えください。PCR検査スポットの検査能力を活かして積極的な検査を行うことで感染者の洗い出しと治療を行うべきです。同時に、第2波が発生する前に感染状況を把握するため、区としてサンプリング調査を行うべきです。そのため、さらなる検査体制の充実と検査の実施、スポットを運営する医師会への財政支援が必要と考えますが、区長の見解を求めます。 質問の第3は、保健所の体制強化についてです。 オフィス街や繁華街があり、海外からの流入も多く、感染症が広がりやすい特性を持つ新宿区では、公衆衛生と防疫の柱として保健所が重要な役割を担っています。当初保健所はPCR検査実施の調整を担ったため、過重な業務体制を強いられ、結果的に区民の不安に十分に応えられませんでした。この体制のまま第2波が来たら、再び機能不全に直面しかねません。保健所の人員を直ちに継続的に拡充し、十分な処遇を行うよう国や都へ要請するとともに、区としても対策が必要と考えますが、区長の見解を求めます。 質問の第4は、専決処分などの議会軽視を改め、議会と一体となって取り組むかについてです。 4月中旬から二度にわたる議会運営委員会理事会で臨時会開催を想定した準備をしていたところ、4月27日に投稿された区長のSNSに、店舗等家賃減額助成や特別定額給付金について月末に専決処分を行うこと、それを議会の過半数が理解した旨の記述があり、4月30日付で総額384億1,540万円の補正予算を専決処分により成立させました。予算の内容も含め、議会に対し一切説明がないままの専決処分を私的なSNSのみで公表し、実行したのです。議会軽視も甚だしく言語道断と言わざるを得ません。 ほかの区では、2つの区が4月中に、1つの区がゴールデンウイーク中に臨時会を開いています。また、専決処分を行った区も、おおむね5月第4週までに臨時会を開き、議決を得ています。 臨時会開催について杉並区長は、「たとえ緊急時でも新しい事業はきちんと議会に諮るべき」と述べています。23区のうち22区は臨時会を開き、区民の意見を反映すべく活発な議論が行われています。臨時会を開催しなかったのは、新宿区だけです。区長は、この独自の判断をするに当たり、二元代表制の枠組みを超えた独断専行で、民意を聴く気がないと区民に評価されるとは考えなかったのでしょうか。もし考えずに行ったのであれば、二元代表制の下、一方の区議会を通じた民意の反映に対してあまりに鈍感であり、もし考えたにもかかわらず行ったのであれば、区議会を通じた民意に対し、傲慢と言うほかなく、許し難いものです。議会に対し正式に相談はなく、何をもって「議会の過半数が理解した」と言うのですか。区長の投稿内容の事実経過と投稿に至った経緯、臨時会を開催しなかったことになった経緯を御説明ください。 質問の第5は、未曽有の危機にふさわしい積極的な補正予算の編成についてです。 コロナ禍は、かつてのリーマンショックを超えるものになっています。品川区が財政調整基金を「有事の際に活用することが目的。100年に1度とも言われる感染症の被害なので、所得制限を設けずに支援したい」と、区民1人に3万円を給付することが大きな話題となっています。区長提案の4月、6月の補正予算では、事業者への支援は一定予算が組まれていますが、区民生活への直接的な支援は目立ったものがありません。 江戸川区では1,000件以上の職員の提案を基に、独自の支援策60項目をボトムアップで決定し、区民から好評を得ています。新宿区でも、あらゆる英知を結集し、財政調整基金を活用して区民の暮らしと営業を支える独自策を打ち出すべきと考えますが、いかがでしょうか。 以上、答弁を願います。 ◎区長(吉住健一) 藤原議員の御質問にお答えします。 新型コロナウイルス対策と区政のあり方についてのお尋ねです。 初めに、感染情報の公開としての政策決定過程の情報公開についてです。 区では、感染者数等の公表について「新宿区における新型コロナウイルス感染症に係る公表基準」を定め、区ホームページ等を通じ、情報提供を行っています。 また、広報新宿6月1日臨時号では、感染者数累計の推移とともに、流行の概要として、4月後半以降には減少傾向が見られるものの、高齢者及び20歳代の若者や飲食店での感染が続いていることを示しました。 このような状況を踏まえ、区として引き続き「コロナ警戒期間」として警戒すべきという考えを示しました。さらに、検査スポットについても、開始から直近までの検査数と陽性率を示すなど、区民に感染状況を理解していただくため、適切な情報提供に努めています。 次に、PCR検査スポットについてです。 新型コロナウイルス感染症の影響を受け、4月7日に政府より緊急事態宣言が発令されました。区内においても、区民の感染者数が3月末から急激に増加していたために、感染症指定医療機関である国立国際医療研究センター病院のほか、区内の基幹病院では、新たな陽性患者の受入れがすぐにできない等、医療体制が逼迫し、自宅待機者が増えている状況でした。 こうした切迫した状況の中で、医療崩壊を防ぎ、区民に対する迅速な検査体制と病状に応じた診療体制を図る必要があることから、区は国立国際医療研究センターと新宿区医師会と協議し、新型コロナ検査スポット運営業務委託を4月20日に契約締結することとなりました。 このため、事業内容の検討から契約締結までを短期間で行う必要があったため、補正予算編成ではなく、予備費を充用し実施することとしました。 事業の総経費1億6,520万円の内訳としては、開設準備経費約320万円、検査に直接関わる医師、看護師、検査技師等の人件費約3,000万円、検査スポット運営業務経費約5,400万円、そして検査費用約7,800万円となっています。 今後の経費については、新型コロナウイルスの感染状況や対応の緊急性等を総合的に判断し、適切に対応してまいります。 次に、積極的な検査と治療、サンプリング調査を行うための検査体制の充実と実施についてです。 検査スポットの能力を活用した検査体制については、国立感染症研究所の新型コロナウイルス感染症患者に対する積極的疫学調査実施要領などの改訂状況を踏まえ、必要に応じて対応してまいります。 次に、検査スポットを運営する医師会に対する財政支援についてです。 今回のPCR検査スポット運営業務委託については、受託先である国立国際医療研究センター及び医師会との役割分担の上、双方に対し適正な金額で契約しております。 次に、保健所の人員を継続的に拡充し、十分な処遇を行うよう、国・都への要請と区としての対策についてです。 今回の新型コロナウイルス感染症への対応に当たり、保健所職員は区内での感染者が急増する中で相談体制の充実を図るとともに、医療体制が崩壊しないよう感染拡大防止に取り組んできました。 この間、全庁的対応として健康部内及び他部から医療職などの専門職員や事務職員による応援体制を取ってきました。また、現在都から職員の派遣を受けておりますが、国や都へは特別区長会を通じて保健所の一層の体制強化等について要望しております。 次に、専決処分についてのお尋ねです。 専決処分という手続は、地方自治法第179条に、「普通地方公共団体の長において議会の議決すべき事件について特に緊急を要するため議会を招集する時間的余裕がないことが明らかであると認めるとき」に、「その議決すべき事件を処分することができる」と定められています。 4月中には新型コロナウイルス対策に関する事件が全国各地の自治体で専決処分により推進されています。また、国会での審議日程が不透明な中、補正予算が可決される日程や議決内容が日々変化している状況でもありました。 都の発表によると、区内では4月中だけでも286名の感染者が確認され、社会経済活動が大幅に抑制されており、速やかに家賃減額助成事業や給付金事業の準備に入ることが重要となっていました。 そのため、このたびの専決処分は議会と区民にも御理解をいただけるものと判断いたしました。 4月27日に専決処分を視野に入れた上で補正予算編成等を早期に実施することについての要望文を頂きました。区議会の過半数を超える議員の所属する複数の会派からの申入れでございましたので、議会開催時に報告をした際に承認していただけるものと判断し、国会議決後、直ちに専決処分を行うことを決断いたしました。 その後、4月27日17時以降、複数の区議会関係者のSNSへの投稿状況を見極め、早急に事業を開始することには賛同していただいていると判断し、「よほどの場合でない限り、この権限は行使しません」というコメントつきで早急に補正予算を決定し、事業を確実に実行する意志を投稿いたしました。 次に、区の独自策を打ち出すことについてです。 区ではこれまで、感染拡大防止に関する相談体制の構築、PCR検査スポットによる医療体制の強化、商工業緊急資金の融資あっせんや店舗等家賃減額助成による中小事業者への支援などに取り組んできました。 本定例会では、休業要請等となった文化芸術施設が行う映像配信の新たな取組を支援するための補正予算を提案しており、さらに新型コロナウイルスに感染した方の支援事業も追加で提案させていただく予定です。 今後も区民生活と地域経済を支える施策に迅速かつ的確に取り組んでいきます。 ◆8番(藤原たけき) 次に、コロナ禍から区民生活を守る施策について質問します。 質問の第1は、特別定額給付金についてです。 5月30日、申請書がようやく多くの区民に届きました。区民の誰一人取り残さず、一日も早い支給が求められています。 現時点で申請書発送数・送達数と申請書受理数、振込実績、さらに対策室への電話、来庁、コールセンターそれぞれの相談件数と相談内容別の件数について伺います。 1つ目の質問は、区民が漏れなく給付金を受け取るための対策です。 特に配慮が必要なのは外国人、高齢者、生活保護受給者などの方々で、6月1日と2日に窓口に殺到した500人に近い方々の多くもそうした方々でした。外国人には多言語による周知と相談対応が必要です。ホームページだけではなく、コールセンターの多言語対応やLINEなどSNSを活用した情報発信も行うべきではないでしょうか。 生活保護受給者は例示した身分証明書がない方がほとんどなのに、代替可能な生活保護決定通知書や障害者手帳などの説明が申請案内書にはありません。確実に申請するための支援をケースワーカーが丁寧に行うべきです。 高齢者は添付書類をコピーするのも大変で、ケアマネジャーや民生委員などの力を借りて申請のお手伝いをするべきです。返信用封筒の宛先が京都になっているため、不審に感じて出すのをためらう方も多くいました。 区の窓口の3密状態を避けるために、相談窓口を区役所本庁舎だけでなく各地域センターなどに設置し、無料コピーサービスも行うべきではないでしょうか。 以上の周知をホームページだけでなく広報の臨時号を発行し、区民に知らせるべきです。 以上、指摘した点も含め、区民が漏れなく給付金を受け取るための対策についてお答えください。 2つ目は、困窮している方に一刻も早く支給することです。 江戸川区は、5月1日から20日の間、特例・緊急の受付を実施し、17日までに1万3,000件の振込が行われたと報道され、板橋区、荒川区、墨田区の各区も同様な対応を実施しました。 生活困窮の方に給付金の支給を急ぐべきです。口座を持たない方の支給は後回しですが、困窮している可能性があります。生活困窮の方に即日支給できる窓口を設置すべきです。お答えください。 3つ目は、申請から支給までの期間についてです。 東京新聞では、「給付金10万円いつ届く?東京23区で時期にばらつき」と報道され、世帯数が新宿区と同規模の葛飾区は郵送申請の場合、5月25日支給開始、中野区は5月28日、品川区は5月29日です。新宿区は郵送申請の振込開始はいつで、今申請するといつ振り込まれますか。 区は業務のほとんどを民間委託しており、申請書のデータ入力が当初50人体制、1日4,000件しかできないと聞いていましたが、現在の処理能力は1日何件になったでしょうか。 振込業務を行う金融機関はみずほ銀行のみ、1日に1万2,000件で、週に1日か2日しか新宿区分の振込を行わないと聞きました。現在は1日何件、週何日まで増やすことができたでしょうか。申請が集中しても速やかに振込ができるように、みずほ銀行だけにとらわれず他の金融機関とも協議し、振込業務を依頼すべきと考えますが、いかがでしょうか。 また、申請日ごとの入金予定日をホームページ等で情報提供すべきと考えますが、いかがでしょうか。 4つ目は、区独自の給付金についてです。 国の給付金とともに多くの自治体が児童扶養手当の上乗せ支給などを行ったところですが、国の第2次補正予算でこれが実現することになりました。 一方、品川区が国の給付金に加え、区独自に区民1人当たり3万円、中学生以下の子どもには、さらに2万円の給付金支給を決めました。新宿区も品川区のような独自の給付金を実施してはいかがでしょうか。 質問の第2は、生活困窮者に対する支援です。 コロナ禍で生活に困窮した区民の相談窓口として特に大きな役割を果たしているのが、社会福祉協議会や生活福祉課の窓口です。まず、緊急小口資金貸付、総合支援資金生活支援費、住居確保給付金、生活保護制度、それぞれ3月以降の相談件数、申請件数の推移を伺い、以下質問します。 1つ目は、家賃補助です。 住宅確保給付金の相談件数と申請件数の乖離が大きく、理由は収入や家賃の基準が生活保護並みで、資産要件も僅かながらの貯金でも基準を超えてしまうためです。制度の基準自体が家賃の高い新宿区の現状に見合っていないのです。そういう方々に区独自の家賃補助制度で、少なくとも住居確保給付金の支給期間と同じ3か月、または最長9か月の補助を実施し、救済するべきではないでしょうか。また、学生をはじめ若者の生活困窮が社会問題化しています。若者単身者向け家賃補助制度の新規募集を再開すべきと考えますが、いかがでしょうか。 2つ目は、生活保護制度についてです。 社会福祉協議会や生活支援相談窓口に貸付けや給付金の申請に来られた方の中には、生活保護の申請につなげるべきケースも少なくないと思います。特にゴールデンウイーク前にネットカフェ難民と言われる方々をビジネスホテルへ案内したときの区の対応は、本来生活保護の対象である人に申請をしてもらうこともせず、連休中も窓口を開くように国から要請があったにもかかわらず、区は1日も開かなかったため、食べるにも事欠いたホテル宿泊者が支援団体に助けを求める事態が起こりました。 また、東京都の5月22日の通知では、行き場のない方は6月7日まで、6月1日の通知では6月14日まで滞在可能とされていたにもかかわらず、区は6月1日月曜日朝までにチェックアウトせよとの文書を5月29日金曜日の夕方以降に配布し、土日も窓口は開けませんでした。「相談のある人は福祉事務所へ」と書いてありますが、東京新聞は、「都の担当者は区の対応について「利用者本人と接触できずに追い出すのは乱暴と思うが、運用は各自治体が担う。都側が結果的に押し切られた」と説明する」と報じました。 生活困窮者の支援団体である「新型コロナ災害緊急アクション」の抗議や、続く朝日・毎日・読売の報道を受け、6月9日、区長は配慮の不足を謝罪し、再発防止に取り組む旨を発表しました。しかし、問題の本質は毎日新聞の解説にもあるとおり、区が意図的に虚偽の告知をしたことです。なぜこのような事態が起こったのか、なぜ連休や文書発出後の土日に窓口を開けなかったのか。今後も倒産など失業者の急増が危惧されており、生活困窮者が路頭に迷うことがないよう、連休や年末年始の相談体制の確立と同時に、生活保護制度を改めて周知し、他の相談窓口に来た方には積極的に申請を促す制度につなげるべきではないでしょうか。 以上、答弁願います。 ◎区長(吉住健一) コロナ禍から区民生活を守る施策についてのお尋ねです。 初めに、定額給付金についてです。 現時点での申請書発送件数は22万428件で、郵便局から返戻された件数は6月9日現在で2,228件です。申請書受付件数は、同日現在、郵送申請分は14万2,458件、オンライン申請分は1万4,915件です。現時点での振込実績は、オンライン申請分が6,022件、郵送申請分が40件です。 対策室での電話受付件数は、6月9日現在3,195件、来庁者数は6月1日から6月9日までで1,689名、コールセンターの電話受付件数は、6月9日現在1万1,261件です。 相談内容別件数については、申請方法全般についての相談が1万1,100件と最も多く、次いで、いつ振り込まれるのかといった支給についての問合せが1,750件、特別定額給付金の事業概要についてが256件、そのほかが3,039件となっています。 次に、外国人向けの情報発信についてです。 外国人向けには、様々な方法で多言語による周知を行っています。区ホームページ、外国語版ホームページに10か国語のチラシを掲載しているほか、外国語版SNSとしてツイッター、フェイスブック、LINE、ウェイボーでも情報を発信しています。 また、コールセンターでは、英語、中国語、韓国語の3か国語での対応が可能です。 窓口で外国人から相談を受けた場合は、14か国語で対応可能なテレビ通訳システムを使用するほか、外国人相談窓口と連携して外国人の方に必要な情報を確実に伝えています。 なお、申請書に同封した案内書は日本語だけでなく英語、中国語、韓国語の3か国語でも記載しています。 次に、生活保護受給者の申請の支援についてです。 生活保護受給者の方から相談があったときは、確実に申請していただけるよう丁寧に対応しています。 相談の内容としては、本人確認書類についての相談が多く、保護受給証明書を本人確認書類とする場合、速やかに用意できるよう、必要に応じてケースワーカーに連絡しています。 また、ケースワーカーに生活保護受給者の方から相談があった場合は、本人に届いた申請書を一緒に確認し、記入支援をするとともに、保護受給証明書を交付して、確実に申請していただけるよう丁寧に対応しています。 なお、現在区では、本人確認書類として保護受給証明書が有効であることをホームページで周知しています。 次に、高齢者の申請手続の支援についてです。 高齢者については、高齢者総合相談センターと連携して問合せに対応しているほか、日頃から高齢者と関わっているケアマネジャーや民生委員に対して申請手続のお手伝いをしていただくようお願いしています。 また、申請書発送直後の6月1日月曜日には、相談に応じるための臨時窓口を5つ設け、御自分で記載することが難しい場合は代筆を行い、添付書類のコピーも含めて申請手続を支援しています。 次に、相談窓口を地域ごとに設置し、無料コピーサービスを行うことについてです。 現在、相談に応じるための臨時窓口を対策室前に設け、あまりお待たせすることなく対応できており、地域ごとに相談窓口を設置することは考えていません。また、窓口に申請書をお持ちになった方には添付書類を無料でコピーして、すぐに申請できるようにしています。 次に、広報臨時号による周知についてです。 特別定額給付金の広報新宿による周知は、5月15日号の1面で行ったほか、5月25日に臨時号を発行し、申請方法の詳細や、よくある質問と回答などを掲載しました。また、6月25日号では、申請書が届かない場合や申請書の記入を誤ったときの対応などについてもお知らせしてまいります。 今後も広報新宿やホームページなどを活用した情報発信を行うとともに、配慮が必要な方々に対して申請の支援を行い、区民が漏れなく給付金を受け取ることができるよう全力で取り組んでまいります。 次に、生活に困窮している方への支給についてです。 特別定額給付金は、原則として金融機関の口座への振込により支給しますが、口座を持たない方などについては窓口で支給することとしています。即日給付はできませんが、予約をしていただき、速やかな支給につなげてまいります。 次に、申請から支給までの期間についてです。 郵送申請分の支給については、配慮が必要な方々に対しては6月上旬に振り込み、その他の郵送申請分については6月26日から支給開始いたします。 現在、非常に多くの申請をいただいているため、確認作業等に時間を要していますが、できるだけ早急に支給できるよう全力で取り組んでまいります。 次に、申請書データ入力等の処理件数と1日当たりの振込件数についてです。 申請書データ入力等の処理件数は、現時点では1日4,000件ですが、今後は処理スピードを上げていくとともに、みずほ銀行でも振込件数拡大への対応を確認しています。 指定金融機関であるみずほ銀行は、必要な口座振替処理を行う能力は十分にあり、他の金融機関にも振込業務を委託することは考えておりません。 なお、特別定額給付金については、法令により、その支払い事務を他に委託することはできません。 次に、申請日ごとの入金予定日をホームページ等で情報提供することについてです。 現在、入金予定日については、確認作業が完了次第、支給決定通知に記載して世帯主宛てに郵送しているところです。そのため、申請日ごとに入金予定日をホームページ等でお知らせすることは考えていません。 次に、区独自の給付金の実施についてです。 5月25日に緊急事態宣言が解除されましたが、感染拡大の第2波襲来のおそれが指摘されており、区内では依然、新たな感染者が確認されていることから、引き続き新型コロナウイルス感染症対策に取り組む必要があると考えています。 区では、これまでも感染拡大防止に関する相談体制の構築、PCR検査スポットによる医療体制の強化、商工業緊急支援の融資あっせんや店舗等家賃減額助成による中小事業者への支援などに取り組んできました。 現段階では、品川区のような区独自の給付金を実施することは考えていませんが、引き続き区民生活と地域経済を支える施策に取り組んでいきます。 次に、生活困窮者に対する支援についてのお尋ねです。 新宿区社会福祉協議会で行っている新型コロナウイルス感染症対策のための特例措置による緊急小口資金貸付と総合支援資金生活支援費の来所相談件数については、4月6日以降、この2種類を合わせて記録しています。 4月が1,219件、5月が2,006件です。緊急小口資金貸付の申請件数は、3月が63件、4月が950件、5月が2,160件、総合支援資金生活支援費の申請件数は4月が60件、5月が482件です。 次に、住居確保給付金の来所相談件数については、給付金の申請ができる生活支援相談窓口に来所相談された件数です。3月が32件、4月が753件、5月が784件、申請件数は3月が8件、4月が152件、5月が703件です。 生活保護制度についての相談件数は、3月が539件、4月が886件、5月が565件、申請件数は3月が128件、4月が196件、5月が154件です。 なお、住居確保給付金と生活保護制度の5月の件数は、速報値となっています。 次に、家賃補助についてのお尋ねです。 新型コロナウイルスの感染拡大による休業等に伴う収入の減少は、一人ひとり様々で、その方にとってふさわしい支援が重要と考えています。 住居確保給付金は、離職等により住居を失うおそれのある方などに家賃相当額を有期で給付し、安定した住居と就労の確保に向けた支援を行う制度です。 支給額や支給要件につきましては、例えば単身世帯の場合、支給上限額は月5万3,700円、収入基準の上限額は月13万7,700円、金融資産の上限額は50万4,000円となります。 また、支給上限額を上回る家賃の住居でも、上限額まで支給することができます。離職、または廃業した方に加えて、今年度から新型コロナウイルスにより個人の責に帰すべき理由・都合によらない就業機会等の減少により経済的に困窮する方へも対応できるよう給付対象者が拡大され、支援を行っています。 また、区では、民間賃貸住宅家賃助成制度や次世代育成転居助成制度により、現在、学生及び勤労単身者67人と子育てファミリー世帯218世帯を対象に家賃負担を軽減するため、家賃助成を行っているところです。 これらの助成制度は、住居確保給付金を受給していないことが資格要件の一つにありましたが、本年5月に新型コロナウイルスの感染拡大の影響で収入が減った場合には、住居確保給付金を受け取れるように変更し、居住の安定確保を図っています。 今後は、住宅に困窮された方が区内に引き続き住み続けられるように、6月中旬から再開する住宅相談で対応するとともに、居住支援協議会において支援の在り方について協議をしてまいります。このため、御指摘の家賃補助を実施することは現在考えておりません。 次に、学生及び勤労単身者向け民間賃貸住宅家賃助成制度についてのお尋ねです。 御指摘の家賃助成制度は、定住化対策の一環として、平成5年度に家賃の軽減を図るために事業を開始したものです。単身者向けの助成は、バブル期の人口流出期の定住化に寄与しましたが、バブル期後の地価高騰は鎮静化し、近年は人口動態も都心回帰に転じるなど、社会情勢の変化を踏まえ、新たな募集は令和元年度までとしました。 新型コロナウイルスにより個人の責に帰すべき理由・都合によらない就業機会等の減少により経済的に困窮する若年単身者の方々は住居確保給付金を御利用いただけます。改めて、この支援制度を区ホームページ等で周知し、御利用いただけるように努めてまいります。 次に、生活保護制度についてのお尋ねです。 令和2年4月10日に、東京都は休業要請対象施設を発表し、ネットカフェが対象施設に含まれました。休業によりネットカフェ利用者の居所がなくなることから、東京都はホテルを借り上げ、TOKYOチャレンジネット事業の利用を希望した方については、緊急事態宣言終了日である5月6日までホテルを利用する対応を取りました。あわせて、TOKYOチャレンジネット事業の対象にならない方についても、各区の福祉事務所が窓口となり、東京都が借り上げたホテルを利用できることになりました。 これを受け、区では翌11日土曜日及び12日日曜日に休日電話相談窓口を急遽開設し、居所を必要とする方への支援を行いました。 ホテル利用者に対し、福祉事務所への相談を促す案内を個別に配付し、必要に応じて生活保護制度へつなぐ等、個々の状況に応じた支援を行ってきました。 区では、今後の生活の相談や生活保護申請について福祉事務所に相談するよう、5月29日に改めてお知らせを配付しました。このお知らせで、ホテル宿泊事業期間が延長されたことを利用者へお伝えしなかったため、多くの方が退出する結果を招いてしまいました。利用者の皆様に対して寄り添った対応ができていなかったことを率直におわびしたところです。 現在、連絡先を把握できている方には、福祉事務所より、引き続き6月末までホテルを利用できる旨を御案内させていただいておりますが、6月1日以降、14日までで宿泊できなかった期間の宿泊料相当額を支給させていただくことといたします。 今後も新型コロナウイルス感染症の影響により、生活に困窮する方の増加が懸念されます。国や都の動きを注視し、状況に応じた適切な相談体制を確立させていくとともに、税や保険料の納付相談等を所管する各課が連携し、支援を必要とする方が生活保護等の必要な支援につながるよう取り組んでまいります。 ◆8番(藤原たけき) 次に、中小事業者への経済的支援について質問します。 歌舞伎町や新宿二丁目の飲食店主の方々が結成した「新宿の灯を守る会」が4月10日に東京都や新宿区に休業補償を求める要望書を、5月19日には区長に同様の署名1,271筆を提出しました。新宿2丁目振興会も5月15日に署名2,738筆を区長に提出し、区内では休業補償を求める運動が広がりました。当初国は、家賃助成を求める声には、持続化給付金があるからと否定的でしたが、「休業と補償は一体に」という国民の世論や国会論戦を受け、第2次補正予算に店舗家賃の3分の2を助成する予算を盛り込みました。ただ、募集開始は6月下旬で、いつ支給されるかは不明です。補償は何よりも支援のスピードが求められます。 質問の第1は、店舗テナントへの家賃助成についてです。 5月7日に始まった区の店舗等家賃減額助成では、家賃を減額しているオーナーに対し減額分の2分の1を月5万円まで助成する制度です。飲食店などの方々の運動の成果と言えますが、1人のオーナーにつき月5店舗までという条件や、自らも負担が生じるため使いづらく、6月1日時点の問合せでは1,500件以上あったものの、申込みは99件、支給決定は40件63店舗、予算上は4,000店舗を想定していますから、使いづらさが数字にも表れています。 5月26日に行われたオリンピック・パラリンピック・文化観光等特別委員会でも、区の家賃助成について与野党問わず「使いづらい」「テナントへの直接助成が必要」との意見が出ました。区も「賃借人は持続化給付金があるから」と言いますが、多くの自治体で行っているようにテナントへの直接助成を実施すべきです。その際、家賃の高い新宿区の実態に合った額が必要です。国の家賃助成3分の2に、区が独自に3分の1を上乗せして実施すべきと考えますが、いかがでしょうか。 質問の第2は、協力金・給付金等の相談窓口についてです。 持続化給付金のコールセンターは問合せが殺到し、つながらない状況が続き、そもそも「オンライン申請のみでは困る」との相談を多数受けています。都内には代々木にある新宿会場を含め、36か所の相談窓口が設置されましたが、今後持続化給付金の対象に給与所得や雑所得として申告しているフリーランス、今年創業した中小事業者等も加わることになり、申込みの増加が予想されます。 東京都の感染拡大防止協力金も2次の受付が始まります。墨田区はそうした相談に応じるため、6月から中小企業診断士協会と連携した相談窓口を開設しました。新宿区でも税理士などの専門家を配置した相談窓口を本庁舎や地域センターに設置すべきと考えますが、いかがでしょうか。 質問の第3は、売上げが減少した事業者への支援についてです。 感染拡大防止協力金の対象外となる事業者、売上げ減少が50%に満たない持続化給付金対象外の事業者はたくさんいます。 江東区は、売上げが前年から20%減少した事業者に家賃補助30万円を給付します。新宿区も独自施策として都のテイクアウト助成に上乗せする事業を計画していましたが、これは頓挫しました。それに代わる施策として、あらゆる業種を対象に、売上げが20%以上減少した事業者には30万円を補助してはいかがでしょうか。 質問の第4は、文化芸術支援事業についてです。 ライブハウスは都のロードマップの第4ステップとされ、最も長い休業が強いられる上、コロナ後の観客同士の間隔を2メートル以上空けるなどの指針で、これまでと同じようなライブはできず、独自の補助が必要です。 福岡市はライブハウス等の施設に対し、無観客での映像配信する設備等に係る経費を最大50万円まで補助し、出演者や制作者には別の事業として最大50万円を支援しています。しかし、区の補正予算では上限50万円でも人件費も含めた助成で、区内のライブハウスオーナーによると、映像配信をすると機材等で約100万円、さらに人件費がかかります。人件費等も対象とするなら、長期間の休業も考慮して助成額を上限100万円にするべきではないでしょうか。 以上、答弁を願います。 ◎区長(吉住健一) 中小事業者への経済的支援についてのお尋ねです。 初めに、店舗テナントへの家賃助成についてです。 店舗等家賃減額助成事業は、区内事業者の事業継続を支援するため、店舗等の賃貸人が賃借人の家賃を減額した場合に、減額した金額の2分の1を上限5万円まで助成するものです。1賃貸人につき家賃6か月分、一月5物件までを助成対象とすることから、最大で150万円を助成する事業です。 家賃減額を実施するに当たっては、賃貸人自身にも減額した金額の2分の1以上を負担していただいており、区が賃借人に直接補助するよりも、賃借人にとっては家賃負担を大きく減少できることから、賃借人の事業継続の支援につながるものであると考えています。 御指摘の国の家賃助成については、現在、第2次補正予算案が審議されているところです。テナント事業者に対する様々な支援策が実施されていく中で、賃借人への家賃助成については国の動きを注視するとともに、区としては家賃減額を実施した賃貸人を支援することで、限られた財源の中で効果的に区内事業者を支援してまいります。 次に、国や都の協力金・給付金等の申請に関して、税理士等の専門家を配置した相談窓口を本庁舎や地域センターに設置することについてのお尋ねです。 国の持続化給付金は感染拡大を避けるためオンライン申請が基本となっていますが、オンライン申請が困難な事業者に対しては、国が予約制の申請サポート会場を設置しています。サポート会場は順次増設されており、6月5日時点では、都内42か所となっています。新宿エリアにおいては、代々木の新宿会場に加え、6月4日には大久保の新宿ガーデンタワーに高田馬場会場が開設されました。 また、東京都の感染拡大防止協力金第2回の受付は6月17日から開始されますが、第1回に引き続き、申請される事業者に対しては申請書類を簡素化すると聞いています。 したがって、区では本庁舎や地域センターに専門家を配置した相談窓口を設置する考えはありませんが、各種給付金等の申請の支援の必要性は高いと考えています。 そこで、新たな専門家活用支援策について早急な実現に向けて具体的な検討に着手してまいります。 次に、あらゆる業種を対象に、売上げが20%以上減少した事業者に対して30万円を補助することについてのお尋ねです。 今般の新型コロナウイルス感染症の拡大により、事業者の方々は様々な経済的影響を受けていると認識しています。国や東京都は持続化給付金や感染拡大防止協力金を設け、一定の条件の下に事業者に対し給付を行っているところです。このような給付による支援は、一義的には国や東京都の役割であると考えています。 区といたしましては、限られた財源の中でどのような方にどのように重点的かつ効果的に配分するべきかを総合的に勘案し、このたび店舗等家賃減額助成事業を実施するとともに、今回、文化芸術復興支援事業を補正予算案として上程させていただいています。このため、あらゆる業種の事業者に対し、一律に30万円を補助することは現在考えておりません。 次に、文化芸術復興支援事業の助成上限額についてのお尋ねです。 映像配信に係る助成事業として、東京都ではアーティスト等を支援する「アートにエールを!東京プロジェクト事業」を実施しています。このため新宿区では、文化芸術復興支援事業として新宿のまちの魅力となっているライブハウスや劇場などの文化芸術施設を支援するものとしました。機材等の金額は様々であり、会場や撮影方法によって必要な機材等も変わることから、レンタルした場合の経費についても対象としています。 また、既に機材等を持つ施設も想定されることから、人件費も対象といたしました。 したがって、上限額を100万円にすることは考えておりませんが、多くの施設に御活用いただけるよう周知に努めてまいります。 ◆8番(藤原たけき) 次に、医療崩壊・介護崩壊を防ぐ対策について伺います。 新型コロナウイルス感染者を受け入れる病院や、地域医療を支える医療機関の減収、医療機器や物資の不足、人材不足などにより医療崩壊が危惧されています。高齢者や障害者を支える介護体制も、入所・通所施設、訪問介護の利用抑制、休業が相次ぎ、崩壊寸前です。また、最前線で働く医師、看護師、介護職員は感染リスクの高い現場で極度の緊張の中業務に当たっています。新宿区として手厚い支援を行い、医療・介護体制、高齢者・障害者を本気で守り抜くことを求め、以下質問します。 質問の第1は、医療・介護関係者のPCR検査、抗体・抗原検査等についてです。 現在、PCR検査が極めて限定的に行われている中、医療・介護従事者、患者、利用者、家族を含めて誰が陽性者か分からず、感染の恐怖の中で勤務しています。また、病院や入所施設でも感染者が出た場合、感染拡大をいかに防ぐかが問われます。 5月7日、地域の住民から、「高齢者デイサービスAの利用者から感染者が出て心配」という相談を受けました。調査すると、その感染者が通う別のデイサービスBで複数の感染者が出たため、利用者・職員全員のPCR検査が行われました。その感染者は無症状ですが、陽性でした。デイサービスAでは報告を受けた後、感染が心配と、職員・利用者への検査を求めましたが、無症状であったことや濃厚接触者はいないと保健所が判断したため、検査は行われませんでした。 陽性者が出たのに、なぜ関係する全ての利用者・職員に対するPCR検査をしなかったのかお答えください。 また、医療・介護の関係者に対し、優先的に抗体・抗原検査、PCR検査を実施することや、サンプリング検査、検査キットの配布をするなど、安全確保のための対策を講じるべきと思いますが、お答えください。 質問の第2は、医療・介護現場への感染防止のための物資の支給についてです。 医療や介護の現場には必須のマスク・防護服といった物資が依然として不足し、ある訪問ヘルパーは、「感染の疑いのある利用者宅にこのまま通うのは精神的にもつらい」と言っています。日々多くの利用者宅を訪問し、危険と隣り合わせの上、感染を恐れる利用者からは、面会拒否など差別的な取扱いを受けることもあります。歯科医院でも価格が高騰しているマスクをはじめ、フェイスシールド、患者用エプロンの購入など出費がかさんでいます。区として、このような現場の声をどのようにつかんでいるのか。また、現物支給を手厚くするとともに、現金による補助も行うべきではないか伺います。 質問の第3は、医療機関への減収補填、財政支援などです。 多くの医療機関は受診抑制などで大幅な減収となっており、東京保険医協会が開業医に行った緊急アンケートでは、3割の医療機関で収入が半減しているという深刻な実態が明らかになりました。 コロナ患者を受け入れている区内の大学病院では、収入源となる手術、一般診療を軒並み延期し、新規患者の受入れも最小限にし、数億円から十数億円の減収となっています。また、賃借している診療所の家賃が重い負担となっており、東京保険医協会や東京都医師会は、地域医療を守るため、賃料の補助、減額、支払い猶予の制度を国や都に求めています。また、危険な現場で働く医師や看護師への手当が必要です。 全国医師ユニオンのアンケートでは、「危険手当など特別な給付がある」との回答は2割以下にとどまっています。医療崩壊を防ぐために、まずは収入補填や従事者への支援が急務ではないか。 福岡市は、緊急事態宣言中に感染患者を受け入れた病院へ特別給付金を1患者につき上限30万円、医療関係者への特別給付金を1医療機関当たり上限600万円支給します。予算額は、計12億2,565万円です。最前線で働く方への感謝を表し、支援するというのが福岡市の考えです。新宿区でもこのような考えの下、医療関係者への支援を行うべきではないか伺います。 質問の第4は、介護・障害福祉サービス従事者への支援です。 品川区は、新型コロナウイルス感染症のリスクと向き合いながらサービスの提供をしている介護・障害福祉サービス従事者の苦労をねぎらい、引き続き大事な事業を担ってもらうため、介護・障害福祉サービス業務継続支援金を1億7,800万円の予算で交付し、介護サービスに従事する常勤職員に最低でも2万5,000円相当以上を支給する事業を打ち出しました。新宿区でも同様の対策を講じるべきではないか、区長の見解を伺います。 質問の第5は、コロナ禍における障害福祉施策です。 減収した障害福祉施設などへの補償、病院に行けない障害者が検査できる体制づくりなど、障害福祉分野にも多くの課題があります。特に家族などが感染した場合の生活に、多くの障害者が不安を感じています。 杉並区では、6月から介護者等が新型コロナウイルスに感染した場合の障害者等の生活支援事業として3,791万4,000円の予算で実施しています。介護する家族が感染した場合、14日間一人で生活できない方は区有施設に宿泊し、自宅以外での生活が困難な方には在宅での生活支援をするという事業です。新宿区でも感染拡大を防ぐために障害者への生活支援策を講じることを求めますが、区長の御所見を伺います。 以上、答弁願います。 ◎区長(吉住健一) 医療崩壊・介護崩壊を防ぐための対策についてのお尋ねです。 初めに、施設内で陽性者が出た場合に、関係する利用者及び職員全員にPCR検査を行わなかったことについてです。 保健所における検査については、国立感染症研究所の新型コロナウイルス感染症患者に対する積極的疫学調査実施要領などに基づき、適切に実施しています。 なお、5月29日にこの実施要領が改訂され、濃厚接触者については全て検査対象となりました。 医療・介護関係者に対する安全確保対策については、引き続き国等が示す指針などに基づき、適切に対応してまいります。 次に、感染防止のための物資が不足している医療・介護現場の声をつかんでいるかについてです。 区では、新型コロナウイルス感染症の予防策として重要となるマスク、消毒用エタノールなどが不足している状況を踏まえ、物資の調達に努めるとともに、できる限り迅速に医療現場や介護・福祉施設などに配布してまいりました。 また、現在、医療、介護、福祉の現場等より、フェイスシールドや防護服などについての要望もいただいていることから、今後も引き続き感染防止のために必要な物資、特に調達が困難な物資については区として取りまとめ、積極的に配布できるよう努めてまいります。 なお、現金による補助については考えておりません。 次に、医療機関への減収補填や財政支援、医療関係者への支援についてです。 御指摘のとおり、区内の医療機関においても新型コロナウイルス感染症の影響により経営が厳しいとの声を聞いています。 区では、店舗等家賃減額助成事業など様々なセーフティネットの活用により、地域医療を担っていただけるよう支援してまいりたいと考えます。 また、国では補正予算において新型コロナウイルス感染症に伴う医療関連の支援として、重症や中等症の患者を受け入れた病院の診療報酬加算の特例対応、感染症対応従事者への慰労金の支給などを計画しています。 次に、介護・障害福祉サービス従事者への支援についてのお尋ねです。 介護・障害福祉サービスは、利用者やその家族等の生活を支える上で欠かせないものであり、適切な感染予防対策を行った上でサービスを継続していく必要があります。 そのため、継続的なサービスを提供できるよう、区が作成したチェックリストにより介護サービス事業所における感染予防対策の状況を確認するとともに、改善方法等のアドバイスを行いました。今後は、障害者施設に対してもチェックリストを送付し、感染予防対策を図ります。 介護・障害福祉サービス従事者への特別手当等については、国会で慰労金についての第2次補正予算案が審議されていることから、区独自で実施する考えはありません。国の支援が決定次第、介護・障害福祉サービス事業所へ速やかに周知してまいります。 次に、感染拡大を防ぐための障害者への生活支援策についてです。 感染拡大を防ぐための障害者への生活支援については、障害の程度、必要な医療の種類や頻度、家族構成等の様々な要因を勘案して対応しています。 介護者の感染が疑われた障害者で自宅での支援が可能な場合は、居宅介護等を増量することで対応してきました。また、自宅での支援が困難な場合は、障害特性に合った施設との調整を行うなど、柔軟な対応を行っています。 今後も既存のサービスを活用し、感染を防いで、障害者の個別の状況に合わせた生活支援を実施してまいります。 ◆8番(藤原たけき) 次に、感染拡大防止に対応した小中学校、保育園・子ども園・幼稚園の運営についてお尋ねします。 緊急事態宣言が解除され、6月1日から区立小中学校、幼稚園が再開しました。保育園は6月いっぱい登園自粛が要請されていますが、登園園児は増えています。それぞれ感染拡大防止には努めていますが、専門家会議が指摘するように第2波は必ず来ますし、長期的な闘いになるという前提で取り組まなければなりません。以下、質問します。 質問の第1は、感染防止対策についてです。 1つ目は、小中学校についてです。 6月1日から2週間は分散登校、通常登校への移行は教育委員会の判断ですが、北九州市では小学校でクラスターが発生し、4校が休校に追い込まれました。無症状の児童からクラスターが発生し得るということに衝撃が広がりました。 文部科学省の「学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル」による対応だけでは十分と言えず、無症状の感染者の存在を前提に万全な対策が求められると考えますが、いかがでしょうか。 杉並区では、杉並区立学校感染症予防ガイドライン(新型コロナウイルス感染症)として、13ページにわたる考え方と具体的な事項を示し、ホームページ等で周知しています。区教育委員会は、文書で感染防止対策について各学校へ通知していますが、新宿区の感染確認数は人口比で23区中最も多いことを踏まえ、現場の教員の意見も取り入れて対策の見直しを行い、文書やホームページで示すべきと考えますが、いかがでしょうか。 教育委員会は、文部科学省の衛生管理マニュアルに基づき準備を進め、マスク、アルコールジェル等を配備、密を避けるための工夫と消毒時間の設定など御苦労されていると承知しています。感染拡大防止のために、非接触型体温計の配備は各校に1個では足りませんから、追加購入やサーモグラフィーの設置などが必要ではないでしょうか。また、新型コロナウイルスは無症状で肺炎が進行するため、保健室にパルスオキシメーターを配備すべきと考えますが、いかがでしょうか。 このウイルスの特徴として、排せつ物からの感染があり、トイレ、洗面所の対策が必要です。児童・生徒が利用する水栓については、直ちに自動水栓化するか、最低でもレバー式にすべきで、ペーパータオルも必須と考えますが、いかがでしょうか。 体調が悪い児童が出た場合の保健室の対応については、発熱・せき等の症状があり感染が疑われる児童・生徒は別室で対応しなければなりません。別室の確保と簡易ベッドや椅子、ティッシュに至る備品などがどのように準備されているのかお聞かせください。 2つ目は、保育園、子ども園、幼稚園についてです。 特に保育園については園長から、「どうすれば、保育園で密を避けることができるのか。食事一つ取ってみても全員が登園するようになったら本当に難しい」とお聞きしました。私立の認可保育園や私立幼稚園、認証保育所、保育室、ベビーホテルに至るまで、感染防止のための指針やマニュアルを示し、研修できる体制を整えるべきです。 既に介護サービス事業所については区がチェックリストによる確認と改善のアドバイスを始めていますが、保育・教育施設にも早急に実施すべきではないでしょうか。また、長期化を見通して物理的に感染防止を行うための設備を整えるために、技術的・財政的支援を行うべきと考えますが、御所見を伺います。 質問の第2は、子どもの学びの保障についてです。 1つ目は、授業の在り方についてです。 3月2日の一斉休校以来、約3か月にわたり子どもたちは授業を全く受けられず、再開後も2週間の分散登校期間があり、通常のカリキュラムからは相当な後れを取っています。土曜授業や夏休みの短縮が行われますが、単なるカリキュラムの詰め込みでは、児童・生徒ばかりではなく教員の指導にも困難が生じます。 文部科学省が学習指導要領の弾力的運用を踏まえた学習内容の精選や重点化を示しましたが、指導計画を作成する小中学校に対し、どのような助言・援助をするか、それぞれお示しください。文部科学省の言う対策だけではなく、必要に応じて補習を行うなど、きめ細かな指導を行うべきではないでしょうか。その体制をどのようにお考えか。区費講師を増員すべきと考えますが、お答えください。 2つ目は、少人数学級です。 少人数学級の実施は感染防止の最も有効な対策であり、避けられない課題です。身体的距離の確保において、子どもたちが生活する教室も例外ではなく、通常授業になれば、2メートルはもちろん、最低1メートルの確保も今のままではできません。感染防止対策はもちろん、きめ細かな指導という点でも、少人数学級の実施を国や都に強く要望すると同時に、教室の確保など具体的な検討を始めるべきではないか。当面、区費講師を年度途中でも思い切って増員し、少人数学級を徹底すべきと考えますが、いかがでしょうか。 3つ目は、ICTを活用した遠隔授業の実施についてです。 今後、新型コロナウイルスの再流行やインフルエンザ流行に備え、遠隔授業の実施と充実を急いで進める必要があります。新宿区も児童・生徒にタブレット端末の貸与やデジタル教材の提供をしましたが、双方向での授業という点では不十分です。 文京区では、学校再開に向け、児童・生徒の学習機会の確保、学習意欲の喚起、生活リズムを整える取組として、5月18日からZoomを使った同時双方向型の指導を行っています。 遠隔授業を行っている文京区、豊島区のほかに、朝会などに活用している千代田区、渋谷区、中央区などがあり、「心と体の安全確保と子どもの不安や鬱に対しての効果が期待できる」「児童や生徒が学校生活に前向きになっている」「先生の顔を見るだけでも子どもが元気になる」などを伺いました。 千代田区、豊島区、文京区、渋谷区では、課題の提出や添削、質疑応答にも対応し、遠隔授業の準備は着々と進んでいます。新宿区でも早急にタブレットを全児童・生徒に配布し、ICTを活用した双方向コミュニケーションが取れる環境を整備し、アウトリーチの支援も行うICT支援員を増員すべきではないでしょうか。 以上、答弁願います。 ◎区長(吉住健一) 感染拡大防止に対応した小中学校、保育園・子ども園・幼稚園の運営についてのお尋ねです。 初めに、保育施設に対する感染防止対策の確認や改善のアドバイスと感染防止のための技術的・財政的支援についてです。 保育施設における感染症対策では、抵抗力が弱く、身体機能が未熟な乳幼児が集団で長時間生活するという特性上、正しい知識や情報に基づき、適切に対応することが求められます。 そのため、厚生労働省発出の「保育所における感染症対策ガイドライン」を踏まえ、マニュアル等を整備して適切な対応をしていることを指導検査において確認しています。対応に不備がある場合には助言指導を行い、改善を確認しています。 新型コロナウイルスへの対応については、ガイドラインのほかにも随時厚生労働省から通知が発出され、行事における注意点など細かな場面に対する対応策が示されています。この通知は、区から各園に情報提供をしています。このほか、各園とは綿密に連絡を取り合い、園の抱える不安や疑問に寄り添って助言をしています。 ベビーホテルなどの認可外保育施設については、幼児教育・保育の無償化に伴い、区にも立入り権限が付与されたところです。区内には、5月1日現在で47の認可外保育施設がありますが、これらの施設に対する指導や支援を行うため、今年度から巡回サポートチームを立ち上げました。今後、認可外保育施設に対しても様々な形で支援をしてまいります。 また、財政的支援として、令和元年度末には私立認可保育所等や認証保育所を対象に、感染症対策に必要な消毒液や体温計などを購入するための費用を補助しました。今年度は、認可外保育施設にも対象を広げて実施するための準備を進めています。 ◎教育長(酒井敏男) 教育委員会への御質問にお答えします。 初めに、感染防止対策についてのお尋ねです。 各学校では、登校前の家庭での検温や健康状態の確認をお願いし、健康管理票等へ記載してもらった上で登校時に学校で確認しています。また、マスクの着用、児童・生徒の離間距離、手洗い等を指導し、感染防止対策に努めています。 教育委員会が各学校へ通知した区立学校における新型コロナウイルス感染症予防に係る文書は、文部科学省のマニュアルや東京都のガイドラインを参考に作成したもので、区のホームページにも同様に新型コロナウイルス感染症対策として学校での対応と御家庭での対応について掲載しています。今後、国・東京都の方針や地域の感染状況などを踏まえるとともに、現場の状況も反映し、適宜見直しを図ってまいります。 非接触型体温計の準備状況については、現在、各学校に4台配備し、今後必要に応じ追加で配備していく予定です。 また、サーモグラフィー及びパルスオキシメーターについても、その有効性や必要性を検討していきます。 水栓に手が触れないようにすることも感染防止対策としては有効だと考えており、自動水栓については電源の確保や工事の必要から時間を要するため今後の検討課題としますが、各学校へ感染予防対策として有効で、かつ迅速な設置が可能なレバー式水栓の設置を検討していきます。 ペーパータオルについては、子どもたちがタオルやハンカチを忘れた場合に対応できるよう、既に配備しています。 また、新型コロナウイルス感染症の感染が疑われる児童・生徒の対応については、感染の疑いのある児童・生徒とその他の児童・生徒を分離して対応できるよう、各学校が別室を用意するなどの工夫をしています。 次に、私立幼稚園の新型コロナウイルス感染症予防対策への支援についてのお尋ねです。 区立幼稚園については、区立学校における新型コロナウイルス感染症予防に係る教育委員会事務局が作成した通知を参考に、感染予防対策を進めています。 また、区内の私立幼稚園についても、区立学校における新型コロナウイルス感染症予防に係る通知を送付しています。園児数の規模や設備などの状況が各私立幼稚園により異なりますが、送付した通知を基に感染予防対策を進めていくものと考えています。 教育委員会では、区内の私立幼稚園が感染予防対策の充実を図るに当たっては、区の健康管理助成や安全安心助成などを有効に活用し、私立幼稚園の実情に合わせた財政的支援を行ってまいります。 次に、指導計画を作成する小中学校に対してどのように助言・援助をするのかについてのお尋ねです。 教育委員会では、小中学校が限られた時数の中で児童・生徒に必要な知識や技能を確実に身につけさせることができるように、指導計画を作成する上で参考となる資料などを提供しています。各校では、資料を参考として、各教科などの学習内容を「学校で学習する内容」と「個人で学習することができる内容」の整理を進め、限られた授業時数を有効に活用できるようにしています。 例えば、算数・数学では、学習指導要領で取り上げている各単元における基礎的・基本的な知識や技能については、学校での授業で確実に習得できるようにし、習熟を図るための問題演習などを「個人で学習することができる内容」として、家庭での自学自習の中で進めていきます。 家庭での自学自習を進めるに当たっては、学校が児童・生徒や保護者に対して進め方についての丁寧な説明を行うとともに、教育委員会においてもタブレット端末を提供するなど、児童・生徒が家庭で自学自習を進めやすい環境を整えてまいります。 次に、児童・生徒に対するきめ細かな指導と、その体制、区費講師の増員についてのお尋ねです。 現在学校では、臨時休業の長期化や分散登校の実施によって不足している授業時数の中で、指導計画を工夫するなどして、令和2年度の学習内容を終えることができるように努力しています。 学校によっては、学習内容の定着が不十分な児童・生徒や、進学に向けて学習に不安を抱える児童・生徒に対して、授業とは別に補習の時間を設定することを計画しているところもあります。 こうした取組は、担任や教科担当の教員だけでなく、学校の教職員全体が協力しながら進めるものであり、各校とも限られた人員の中で校内体制の工夫をして今後の計画を立てているところです。 区費講師については、こうした学校の現状を踏まえ、今後の新型コロナウイルス感染症の状況や東京都の対応及び学校の取組状況を慎重に検討した上で判断してまいります。 次に、少人数学級のお尋ねです。 少人数学級の推進については、これまでも全国市長会や特別区教育長会を通じて国や都に要請してまいりましたが、引き続き要請してまいります。 また、少人数学級に対応する教室の確保については、今後策定する個別施設計画により、各学校の状況等も踏まえて考えてまいります。 なお、少人数学級に対応した区費講師については、先行して配置する考えはありません。 次に、ICTを活用した遠隔授業の実施についてのお尋ねです。 教育委員会では、児童・生徒の学習機会を確保するための緊急措置として、進学を控えた中学校第3学年の全生徒及び御家庭にネットワーク環境のない小学校第3学年以上の児童・生徒等を対象にタブレット端末の貸与を5月末から順次実施しているところです。 本区における遠隔授業の実施に向けては、GIGAスクール構想に基づく端末1人1台化の中で実現することを目指し、緊急措置で調達したタブレット端末の運用状況などを見極め、課題の洗い出しなどを行いながら早急に整備を進めてまいります。 また、御指摘のICT支援員の増員については、現在もICT支援員が各校を訪問し、必要な支援を行っているところです。今後、GIGAスクール構想に基づく1人1台環境を整備していく中で安定的な運用を図れるよう、ICT支援員による支援体制の在り方についても検討してまいります。 以上で答弁を終わります。 ◆8番(藤原たけき) ただいま区長、それから教育委員会から答弁をいただきました。ありがとうございました。 ただ、答弁を聞いて、何なのかうまく言えませんけれども、今区民のために、区民と一緒に何を行うのか、そういうことを組み立てて考えていく、何か構想力といいますか、この仕事が区民にどういう影響を与えるか、そういうことを考える想像力がちょっと足りていないんじゃないかというような気分で、ちょっと残念な気分です。 それで、答弁の中でもいろいろあったんですけれども、専決処分で、SNSで意思確認をするような話とか、なぜネットカフェ難民が追い出されたとかの部分では、ちょっと納得いかないような答弁もありましたけれども、こういうことに関して再質問はしませんけれども、今後の審議を通じて区民の立場に立って問題点を究明していくと、こういうことを決意しまして、そういうことを申しまして、会派を代表いたしまして行いました質問につきまして、これで終了させていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(吉住はるお) 本日の代表質問は終了しました。--------------------------------------- ○議長(吉住はるお) 以上で本日の日程は終わりました。 次の会議は6月11日午前10時に開きます。ここに御出席の皆様には改めて通知しませんので、御了承願います。 本日はこれで散会します。 △散会 午後5時06分                  議長    吉住はるお                  議員    三雲崇正                  議員    おぐら利彦...