新宿区議会 > 2019-09-20 >
09月20日-10号

  • 児童虐待(/)
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  1. 新宿区議会 2019-09-20
    09月20日-10号


    取得元: 新宿区議会公式サイト
    最終取得日: 2021-08-13
    令和 1年  9月 定例会(第3回)        令和元年第3回定例会会議録(第2日)第10号令和元年9月20日(金曜日)出席議員(38名)   1番   木もとひろゆき    2番   時光じゅん子   3番   三沢ひで子      4番   井下田栄一   5番   田中ゆきえ      6番   小野裕次郎   7番   高月まな       8番   藤原たけき   9番   北島としあき    10番   豊島あつし  11番   渡辺清人      12番   大門さちえ  13番   永原たかやす    14番   渡辺みちたか  15番   よだかれん     16番   三雲崇正  17番   久保こうすけ    18番   志田雄一郎  19番   川村のりあき    20番   近藤なつ子  21番   野もとあきとし   22番   中村しんいち  23番   佐原たけし     24番   吉住はるお  25番   池田だいすけ    26番   桑原ようへい  27番   松田みき      28番   伊藤陽平  29番   のづケン      30番   えのき秀隆  31番   鈴木ひろみ     32番   沢田あゆみ  33番   有馬としろう    34番   宮坂俊文  35番   下村治生      36番   おぐら利彦  37番   かわの達男     38番   雨宮武彦---------------------------------------欠席議員(なし)---------------------------------------説明のため出席した者の職氏名  区長       吉住健一    副区長      寺田好孝  副区長      鈴木昭利    総合政策部長   平井光雄  総務部長     針谷弘志    地域振興部長   山田秀之  文化観光産業           菅野秀昭    福祉部長     関原陽子  部長  子ども家庭           橋本 隆    健康部長     髙橋郁美  部長  みどり土木           田中孝光    環境清掃部長   野田 勉  部長  都市計画部長   新井建也    会計管理者    小沢健吾  企画政策課長   大柳雄志    財政課長     遠山竜多                   教育委員会  総務課長     鯨井庸司             酒井敏男                   教育長  教育委員会            選挙管理           村上道明    委員会      木城正雄  事務局次長            事務局長  常勤監査委員   濵田幸二    監査事務局長   下杉正樹---------------------------------------職務のため出席した議会事務局職員  局長       小池勇士    次長       新川金七  議事係長     濵野智子    議事主査     黒木明子                   議会事務局  議事主査     榎本直子             仙崎雄介                   主査  議会事務局           設楽拓也    書記       笠原鉄平  主査  書記       長谷川雅章---------------------------------------  速記士      土田有美---------------------------------------9月20日    議事日程 日程第1 代表質問 日程第2 一般質問 日程第3 第62号議案 新宿区立保育所条例の一部を改正する条例      + 日程第4 第63号議案 新宿区保育所保育料徴収条例の一部を改正する条例  | 日程第5 第64号議案 新宿区立子ども園条例の一部を改正する条例     | 日程第6 第65号議案 新宿区子ども・子育て支援法に基づく過料に関する条例|             の一部を改正する条例               | 日程第7 第66号議案 新宿区立子育て支援施設の設置及び管理に関する条例の|             一部を改正する条例                | 日程第8 第73号議案 新宿区立幼稚園条例の一部を改正する条例      | 日程第9 第43号議案 令和元年度新宿区一般会計補正予算(第4号)    |                           [委員会審査報告]--+ 日程第10 諮問第1号 人権擁護委員候補者の推薦に関する意見の聴取について 日程第11 諮問第2号 人権擁護委員候補者の推薦に関する意見の聴取について 日程第12 諮問第3号 人権擁護委員候補者の推薦に関する意見の聴取について 日程第13 諮問第4号 人権擁護委員候補者の推薦に関する意見の聴取について 日程第14 認定第1号 平成30年度新宿区一般会計歳入歳出決算 日程第15 認定第2号 平成30年度新宿区国民健康保険特別会計歳入歳出決算 日程第16 認定第3号 平成30年度新宿区介護保険特別会計歳入歳出決算 日程第17 認定第4号 平成30年度新宿区後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算 日程第18 第47号議案 新宿区会計年度任用職員の給与及び費用弁償に関する条例 日程第19 第48号議案 新宿区職員の分限に関する条例の一部を改正する条例 日程第20 第49号議案 新宿区職員の懲戒に関する条例の一部を改正する条例 日程第21 第50号議案 新宿区職員の職務に専念する義務の特例に関する条例の一部を改正する条例 日程第22 第51号議案 新宿区非常勤職員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例 日程第23 第52号議案 職員団体のための職員の行為の制限の特例に関する条例の一部を改正する条例 日程第24 第53号議案 外国の地方公共団体の機関等に派遣される職員の処遇等に関する条例及び新宿区職員の配偶者同行休業に関する条例の一部を改正する条例 日程第25 第54号議案 新宿区職員の育児休業等に関する条例の一部を改正する条例 日程第26 第55号議案 新宿区職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例 日程第27 第56号議案 新宿区人事行政の運営等の状況の公表に関する条例の一部を改正する条例 日程第28 第57号議案 新宿区職員の給与に関する条例の一部を改正する条例 日程第29 第58号議案 新宿区職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例 日程第30 第59号議案 新宿区印鑑条例の一部を改正する条例 日程第31 第60号議案 新宿区住民基本台帳制度の適正な運用に関する条例の一部を改正する条例 日程第32 第61号議案 新宿区自動交付機の利用に関する条例を廃止する条例 日程第33 第67号議案 新宿区地区計画の区域内における建築物の制限に関する条例の一部を改正する条例 日程第34 第68号議案 新宿区選挙長等の報酬及び費用弁償等に関する条例の一部を改正する条例 日程第35 第69号議案 新宿区奨学資金貸付条例の一部を改正する条例 日程第36 第70号議案 新宿区幼稚園教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例 日程第37 第71号議案 新宿区幼稚園教育職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例 日程第38 第72号議案 新宿区立の小学校、中学校及び特別支援学校の非常勤の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例 日程第39 第74号議案 訴えの提起について 日程第40 第44号議案 令和元年度新宿区一般会計補正予算(第5号) 日程第41 第45号議案 令和元年度新宿区介護保険特別会計補正予算(第2号) 日程第42 第46号議案 令和元年度新宿区後期高齢者医療特別会計補正予算(第2号)--------------------------------------- △開議 午前10時00分 ○議長(吉住はるお) ただいまから、本日の会議を開きます。 会議録署名議員は、  6番 小野裕次郎議員  26番 桑原ようへい議員 を指名します。--------------------------------------- ○議長(吉住はるお) 本日の会議時間は、議事進行の都合により、あらかじめ延長します。--------------------------------------- ○議長(吉住はるお) 請願及び陳情の付託について申し上げます。 受理した請願及び陳情は、お手元に配付しました請願・陳情付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託しましたので、報告します。     〔巻末諸報告の部参照〕--------------------------------------- ○議長(吉住はるお) これから本日の日程に入ります。 日程第1、代表質問を行います。 質問の通告を受けましたので、質問を許します。 14番渡辺みちたか議員。     〔14番 渡辺みちたか議員登壇、拍手〕     〔「頑張れ」と呼ぶ者あり〕 ◆14番(渡辺みちたか) 自由民主党新宿区議会議員団の渡辺みちたかです。会派を代表いたしまして、質問いたします。 冒頭、本日はギリシャ・レフカダ市の市長、ハラランボス・カロス様、市長御夫人、副市長御一行が区議会の傍聴にいらしております。市長御一行の来日を心より歓迎いたしますとともに、お越しいただきましたことに感謝を申し上げます。(拍手) さて、このたびの代表質問では、主に区政の中長期的な課題について取り上げさせていただきます。喫緊の課題だけではなく、20年、30年という長期的な区政の課題にも提言や質問を行っていくのが30代で議員をさせていただいております私の、そして責任政党たる自由民主党の務めだと強く思うところです。     〔「そうだ」と呼ぶ者あり〕 区長、教育委員会におかれましても、中長期的な視点に立った未来の新宿をつくる立場から御答弁をいただければと思います。 それでは、質問に入ります。 まず一般会計から特別会計への繰入金と国民健康保険制度について伺います。 近年、全国的に高齢化や医療の高度化を原因として医療費が増加傾向にあり、区におきましても同様の傾向が見られます。医療費は国民健康保険特別会計介護保険特別会計後期高齢者医療特別会計の3つの特別会計で、それぞれの保険、医療制度を通じてカバーしているところであります。 この3つの特別会計のうち介護保険特別会計後期高齢者医療特別会計は、近年医療費同様、会計規模が増加傾向にあり、国民健康保険特別会計は加入者の減少等もあり、直近の3年間は減少傾向ではありますが、依然高どまりしている状況です。 こうした中、3つの特別会計に毎年一般会計から繰入金を、一般会計から見ると繰出金ではありますが、3つの特別会計に支出しております。それぞれ平成30年度の決算額を見ますと、国民健康保険特別会計約380億円中約55億円、約14%、介護保険特別会計約245億円中38億円で約15%、後期高齢者医療特別会計約72億円中約30億円、約41%となっています。割合的には決して少なくはないという規模だと思います。 この繰入金に関しても長期で見ると増加傾向にあり、かつ2040年に高齢者人口がピークを迎えることを考えますと、医療費、3つの特別会計の規模、そして一般会計からの繰入金は今後増加していく可能性があると言えます。特に国民健康保険については、事実上、保険料の軽減を行っている、いわゆる法定外繰入が毎年発生しております。 現時点においても、新宿区の財政は経常収支比率が80%を超え、硬直傾向であると言われる水準ですが、こうした国民健康保険特別会計における法定外繰入金について、将来一般会計を圧迫していくのではないかという懸念がありますが、区長に将来に向けての所見を伺います。 次に、国民健康保険の収納率について伺います。 国民健康保険の保険料について、平成30年度の数字で現年分調定額約111億円のうち収納されたのは90億円と、収納率が80.9%となっています。過去の数字を見ましても、ここ数年は83%から80%の収納率となっています。給与から天引きする形で徴収する社会保険と異なり、被保険者が保険料を直接納めていただく国民健康保険や国民年金の徴収は全国でも課題となっており、社会問題になっています。未納のある方については、さまざまな事情もあるかと思いますが、制度運用上、支払う能力のある方にはしっかりと保険料を納めていただくのが筋だと考えております。 80%から83%という収納率についての考えと収納に関しての所見を区長に伺います。 また、新宿区は外国人の住民割合が約12%と、全国でも非常に高い自治体です。この中で海外からの留学生を初めとする一定期間日本に滞在する方も日本の制度上、健康保険に加入しなければなりません。そして、多くは国民健康保険となるのかと思いますが、一方、皆保険制度へのなじみがなく、資格はあるものの制度への理解がなく保険料未納になっているケースも考えられます。 こうした外国人にも、国民健康保険に加入する以上、保険料を払っていただく必要があります。また、それは外国人の方にとってもメリットのあることだと思います。こうした留学生など、外国人の方への対応状況について伺います。 また、外国在住の親族を一時的に日本に呼び寄せ、正当でないビザを取得し、国民健康保険に加入させ、保険を悪用して高額の医療を行うといった報道が一部されております。こうした保険の悪用については、全体の加入者のごく一部ではありますが、公平感や制度の信頼にかかわる問題だと考えておりますが、見解と、また防止策についてお聞きしたいと思います。 ◎区長(吉住健一) 渡辺みちたか議員の御質問にお答えします。 一般会計から特別会計への繰入金と国民健康保険制度についてのお尋ねです。 初めに、一般会計からの法定外繰入金の将来に向けての所見及び国民健康保険料の収納と収納率についてです。 国民健康保険制度は、医療給付に係る費用を、制度的に定められた公費と被保険者の保険料によって賄うことが原則です。法定外繰入金が将来的に増大していけば一般会計を圧迫することとなり、他の社会保険制度との公平性の観点からも、保険料の急激な上昇とならないよう配慮しながら、少しでも早く法定外繰入金を解消する必要があります。 そのため、平成30年度現年分で80.9%と低い収納率を早急に向上させる必要があると考えています。 今後とも、若年層が多く、異動率が高い区の特性を踏まえ、資格の適正化や納付方法の多様化などにより収納率の向上に努めてまいります。 一方、国民健康保険の被保険者は高齢者が多く1人当たりの医療費が高い反面、低所得者が多いという構造的な課題を抱えており、特別区長会を通じ、国及び東京都に対して、さらなる財政支援を引き続き要望していきます。 次に、留学生などの外国人の方への対応状況についてのお尋ねです。 現在、国民健康保険制度の概要を説明した英語、中国語、韓国語、ネパール語、ミャンマー語、ベトナム語の6カ国語のガイドブックを活用しているほか、外国語対応ができる職員を配置した専用窓口を開設しています。 特に外国人留学生に対しては、日本語学校と連携し、別室で団体受け付けをするなど、より丁寧な対応を行っています。 このような取り組みにより、制度のメリットや保険料納付の重要性、保険料の減額制度などについての理解が深まるよう、今後とも努めてまいります。 次に、保険の悪用と防止策についてのお尋ねです。 御指摘のような、医療を受けるため正当でないビザを取得し、公的医療保険を悪用することは、国民健康保険制度の信頼性を確保する観点からも許されないことと考えています。 防止策については、資格取得から1年以内である外国人被保険者が高額療養費などの支給申請を行った場合に、聞き取りや資料の調査を行っています。 現在のところ該当案件はありませんが、偽装滞在の可能性が高い場合は、入国管理局に通知し、入国管理局が必要に応じ在留資格を取り消すとともに、区は給付費の返還請求を行います。 今後も不正利用を防ぎ、国民健康保険制度の公平性と信頼性の確保に努めてまいります。 ◆14番(渡辺みちたか) 続いて、区政の幾つかの課題についてお尋ねいたします。 医療費の適正化について伺います。 先ほど3つの特別会計の質問をさせていただきましたが、繰入や歳出規模の拡大、これは医療費の増大が主な原因となっています。今後一層の高齢化が進む環境で、健全に医療保険制度を運営していくためには医療費を適正化していくことが必須と言えると思います。 既に区当局におかれましては、ジェネリック医薬品の推奨など、医療費を適正化していく努力を行っていると承知をしております。しかしながら、今後の財政状況と高齢化を考えますと、一層の取り組みが必要かと存じます。 平成29年時点で日本の健康寿命は男性72.14歳、女性74.79歳と言われています。平成29年の平均寿命は、女性は87.26歳、男性は81.09歳で、この健康寿命と平均寿命の差を埋めていくこと、つまり病気の予防や早期発見により元気であることが医療費の適正化につながっていくのだと思います。 さて、こうした健康寿命の延伸や病気の予防や医療費の抑制を目的に、ソーシャル・インパクト・ボンド、頭文字をとって「SIB」と言いますが、このSIB手法を用いて事業に取り組んでいる自治体があります。 SIBは、2010年にイギリスで始められた官民連携の手法です。通常、官民連携をして何かしらの契約をする場合、サービスの成果にかかわらず、決まった金額を自治体が支払います。しかし、SIBは、サービスの提供者のサービス提供費用については、民間資金提供者から資金調達を行い、行政と事前に合意した成果目標を達成できれば、後から行政が資金提供者に成果に応じて報酬を支払うという仕組みです。 成果の測定は専門的かつ客観的に行う必要があるため、独立評価機関による評価を行います。自治体としては、官民連携をして事業に取り組み、その成果に応じて費用を支払うことができるメリットがあります。 国におきましても、経済産業省が健康寿命延伸産業創出推進事業の中で生活習慣病予防地域包括ケアシステムに関する取り組みと連携したビジネスモデルを構築し、地域に根差したヘルスケア産業の創出を目指して、SIB手法の導入に向けた環境整備をしているところです。 国内におきましては、平成29年度より八王子市と神戸市でヘルスケア領域でSIBの活用が開始されています。神戸市では、糖尿病性腎症者に対し食事療法等の保健指導を行い、生活習慣の改善を通じて人工透析への移行等の重症化予防を目指す事業が行われ、八王子市では大腸がん検診の未検診者に対して、過去の検診、検査情報と人工知能を活用して個人に応じたオーダーメイドの受診勧奨を行い、大腸がんの早期発見者数の増加を目指す事業が実施されています。 また、認知症予防について福岡市など11の自治体が介護度・医療費の低下を成果目標として実施・計画をし、直近の9月9日には愛知県豊中市がSIB手法を用いて禁煙を推進することで医療費削減を目指す取り組みを始めると発表いたしました。 こうした成果に応じた支出ができる取り組みを各自治体が始めるのは極めて合理的な行動と言えますが、このような手法の活用について区長の所見を伺います。 特にヘルスケア領域では成果指標が具体的に設定しやすい部分があり、SIBとの相性がいいかと思います。こうした新しい取り組みを検討・実施することで、今後厳しくなる財政見通しの中で効率的に医療費の適正化に取り組んでいただきたいと考えておりますが、医療費の適正化について今後どのように取り組んでいくかお考えをあわせて伺います。 また、新宿区では、がんの早期発見・早期治療を目的としたがん検診、生活習慣病予防のための健康診査、虫歯・歯周病の早期発見・重症化予防などを目的とした歯科健診を行っています。区民が積極的にこうしたがん検診、健康診査や歯科健診を受診することで体の状態を把握でき、健康寿命延伸につながると考えています。 一方で、平成29年度時点で特定健診の受診率は33.2%、がん検診についても一次検診受診率で、部位により数値が異なりますが、16.9%から23.7%と、いずれも目標値に届いていない状況があります。また、歯科健診はかかりつけ歯科医を持つきっかけにもなりますので、こちらも受診者をふやしていただきたいと思いますが、各種健診(検診)について、またその受診率向上に向けた区長のお考えをお聞きしたいと思います。 次に、新宿区を初めとした都心の上空を通って羽田空港に発着する新たな飛行ルートについて伺います。 このことについては、新宿区の行動などもあって、「新宿駅周辺は高度約915メートルから1,040メートルに上がる」こととなったところですが、国土交通省は羽田新ルートは2020年3月29日から運用を始めると発表しました。区としては今後どのように対応していくのか、また本件に係る今後の関係区等との連携行動としてはどのような取り組みを考えているか伺います。 また、区長会は、「令和2年度都の施策及び予算に関する要望書」において、「羽田空港の機能強化に係る対応」ということで、「騒音影響や安全管理など、懸念されている課題に対し、住民が納得することができる十分な検討及び説明を行うよう国へ働きかけること」の要望をされているところですが、これがどのような効果をもたらしていると区長会では認識されているのかお尋ねいたします。 次に、プレス資料によれば、住民の不安の一つである騒音に対する対応として、騒音測定局の増設があり、新宿区内にも設置されることとなっていますが、その測定内容と区民や区に対する情報提供の方法等について伺います。 次に、依然として騒音や落下物の問題が残ることから、区民への周知と理解の促進が欠かせません。そして、このことは運用開始とその後においても引き続き欠かせないものと考えますが、これらのことに対する国の今後の進め方と新宿区の取り組みについて伺います。 ◎区長(吉住健一) 区政の課題についてのお尋ねです。 初めに、医療費の適正化に向け、事業成果に応じた支出ができるソーシャル・インパクト・ボンド手法の活用についてです。 ソーシャル・インパクト・ボンドは、行政が抱える社会的課題の解決に当たり、民間事業者のノウハウや資金を活用する成果連動型の官民連携事業です。特に医療や福祉などの分野において、民間資金の活用拡大により、少ないリスクでの支出削減や効率的な公共サービスの提供が期待されています。 一方で、成果指標の評価方法の設定、事業者の選定、費用対効果、投資家のリスクなどが課題とされています。 こうしたことを踏まえ、区では、今後も先行自治体の取り組み事例等を通じ、効果や課題について研究してまいります。 また、医療費の適正化への取り組みとしては、新宿区健康づくり行動計画に基づく生活習慣病予防に向けたさまざまな施策、さらに新宿区国民健康保険データヘルス計画に基づくジェネリック医薬品の普及などを推進しています。 今後もこのような取り組みにより、医療費の適正化に努めてまいります。 次に、特定健診、がん検診、歯科健診についてのお尋ねです。 御指摘のように、特定健診は、区民が自身の健康状態を知り、生活習慣改善につなげるきっかけとして行っています。 がん検診は、早期発見・早期治療により、がんで命を落とす区民を減らすことを目的としています。 歯科健診は、かかりつけ歯科医を持つきっかけをつくるとともに、虫歯や歯周病の早期発見、重症化予防により、区民の生涯にわたる歯と口の健康の維持・増進を図っています。 受診率の向上に向けては、より多くの区民に受診していただけるよう、区報やホームページ等による普及啓発や、対象者の特性に合わせた個別勧奨等の工夫を重ねています。 こうした取り組みが区民の健康寿命延伸の一助になると考えています。 次に、羽田空港に発着する新たな飛行ルートについてのお尋ねです。 初めに、区の今後の対処と関係区等との連携についてです。 区は、これまで国に対し、地域説明会の開催や落下物対策などの安全対策・騒音対策の徹底、新飛行経路となる地域への騒音測定局の設置を要望してきました。 今後も一層の落下物対策などの安全対策、騒音対策の徹底、区民の不安を払拭するための丁寧な説明を引き続き国に強く求めてまいります。 関係区等との連携については、都及び関係区市の部長級職員を構成員とする「羽田空港の機能強化に関する都及び関係区市連絡会」幹事会において、都及び関係区市と情報交換や課題の共有を行っています。 今後も、この会議体を活用するとともに、必要に応じて個別に関係区市と情報交換を図るなど、十分に連携してまいります。 次に、区長会の要望についてのお尋ねです。 御指摘のとおり、令和元年7月に特別区長会として東京都に対し、「令和2年度都の施策及び予算に関する要望」を行っております。 特別区長会では、羽田空港の機能強化に係る対応については、都区双方が緊密に連携・協力して解決すべき重要課題であると認識しており、こうした要望を行うことにより、広域行政の立場から都の積極的な取り組みにつなげていきたいと考えています。 次に、騒音に対してのお尋ねです。 区では、区内への騒音測定局の設置について、国に対し強く要望を続けてまいりました。 その結果、新飛行経路に近い落合第二小学校の屋上に国が測定局を設置し、新飛行経路の運用開始とともに稼働する予定となっています。 測定内容としては、航空機騒音に係る環境基準と比較するための騒音測定となります。 国は、既設の騒音測定局の測定データについて東京航空局のホームページで一般公開しています。 区に設置される騒音測定局についても、今後、同様の扱いとなると聞いていますが、測定データを直接区に提供するよう調整を進めているところです。 今後、このホームページの周知と区ホームページにおいても情報提供できるよう、検討を進めてまいります。 次に、騒音や落下物に対してのお尋ねです。 国は、騒音対策の追加対策として、飛行高度の引き上げを行うとしています。区内では引き上げ高度が約400フィートのため、これだけでは大きな効果は見込めませんが、騒音の要素を組み合わせた着陸料の料金体系の再見直しや、区内への騒音測定局の設置などを含め、全体として効果はあるものと認識しています。 落下物対策については、国は平成30年3月に「落下物対策総合パッケージ」を策定し、未然防止策の徹底や事案発生時の対応強化を図っています。 「落下物対策総合パッケージ」では、新たに落下物防止対策基準を定め、平成31年1月から国内の航空会社、3月からは日本に乗り入れる外国の航空会社に、この基準を遵守することを義務づけています。 国からは、この基準は世界でも類を見ない厳しい内容となっていると聞いております。 このことから、落下物対策及び騒音対策は充実・強化されたものと考えていますが、御指摘のとおり区民への周知と理解の促進が重要であると考えています。 国は、ホームページとあわせ、電車広告や新聞広告、折り込みチラシ等を通じて周知を進めており、今後も続けていくとしていますが、一層の周知について国に要請してまいります。 区では、今後も区民の安全・安心を守るため安全対策・騒音対策の徹底、丁寧な説明と正確な情報提供について国に強く要望してまいります。 ◆14番(渡辺みちたか) 次に、区役所の働き方改革等について伺います。 人口減少が進む中で働き手、市場がともに縮小していく中、我が国では生産性を伸ばしていくことが重要です。数年前より生産性を向上させるべく、働き方改革が日本全国で始まり、民間企業を中心にさまざまな取り組みが始まりました。地方自治体におきましても、職員の働き方に関するさまざまな改革が各地で行われました。 ひとえに働き方改革といっても、業務効率化・残業時間の削減を目的とした消灯時間の設定、ペーパーレス化、定型業務のRPAや女性活躍推進を目的とした育休・産休取得の推奨、ワーク・ライフ・バランスの適正化、副業の解禁など、さまざまな取り組みが各自治体で行われました。 新宿区におきましても、平成27年度より第3期新宿区特定事業主行動計画が始まり、また平成30年度、平成31年度には既に策定された目標に、新宿区女性職員活躍のための特定事業主行動計画第2期として、新たに設定した目標を加えた新宿区職員スマートワーキング・アクションプランを実施していると承知しています。 同プランでは、具体的な数値目標とともに子育て支援制度の周知や、ワーク・ライフ・バランスについての意識啓発、超過勤務の縮減、キャリア育成支援研修など目標達成に向けた取り組みを定めており、この取り組みにより一層職員の方々が仕事に励み、区民の皆様にとってわかりやすく親切な行政運営ができる環境になると期待をしています。 この新宿区職員スマートワーキング・アクションプランが最終年度を迎えていますが、現在の状況と次期行動計画のあり方について伺います。 また、こうした一連の働き方改革は職員の方々のためでもありますが、職場環境の改善が区民の皆様に還元できることが最も重要なことだと考えています。 こうした働き方改革を通じて目指す区役所像を区長にお聞きしたいと思います。 また、臨時・非常勤職員に関しても、来年度より体制が大きく変わろうとしています。平成29年に公布された地方公務員法改正により、会計年度任用職員が創設され、全国の自治体で来年の4月1日までに条例化する必要があります。新宿区におきましても、今回の定例会で区議会で議論される予定です。 会計年度任用職員が創設される背景としましては、総務省が実施した「地方公務員の臨時・非常勤職員に関する実態調査」によれば、平成28年時点で地方公務員全体の23%、約64万人の地方公務員が臨時・非常勤職員となっています。主な職種として、約10万人の事務補助職員や約6万人の保育所保育士がおり、特別職非常勤約22万人、一般職非常勤約17万人、臨時的任用約26万人となっています。 こうした多くの臨時・非常勤の職員は、常勤職員の上限、厳しい財政事情のもとで必要な人員を確保するため、本来の制度趣旨とは少し離れた形で臨時・非常勤職員として運用されている現状があります。新宿区におきましても、約900人程度が会計年度任用職員に移行する見込みと聞いております。 会計年度任用職員の創設と臨時・特別職非常勤職員の厳格化をすることで現在職場で生じている守秘義務や地方公務員法上の罰則などの職員間での差異などを適正化し、また勤務条件の改善を期待されます。 そこで、区に伺います。今後この制度が導入されるとき、区においてはどの程度の人件費増が見込まれ、増額となる部分に相当する経費の捻出はどのようになるのでしょうか。また、今後に向けては、少なくとも増額相当部分については事務事業の見直し等によって極力減額をしていくことが望ましいと考えていますが、現時点ではどのように進めようとされているのでしょうか。 また、厳格化される特別職非常勤職員に引き続きとどまる職の範囲と、会計年度任用職員に移行させる職はどのように整理されるお考えか、さらには会計年度任用職員制度の導入は非常勤職員に対する働き方改革の観点も必要かと考えますが、勤務条件等はどのように改善されるのか、具体的にお聞きしたいと思います。 非常勤職員制度の趣旨が本来あるべき趣旨から離れて運用されないように、しっかりした制度設計を求めるものであります。区長のお考えをお聞きしたいと思います。 ◎区長(吉住健一) 区役所の働き方改革等についてのお尋ねです。 初めに、新宿区職員スマートワーキング・アクションプランについてです。 区では、アクションプランに掲げる数値目標の達成に向け、子育て支援制度の利用勧奨や女性職員のキャリアデザイン研修など、さまざまな取り組みを進めています。 こうした取り組みの成果としては、女性職員の育児休業・部分休業の取得率や、各役職段階に占める女性職員の割合などにおいて、おおむね目標を達成しているものの、年次有給休暇取得率や男性職員の育児休業・部分休業取得率などにおいては、まだ目標に達していない状況です。 こうしたことから、区では、新たに年次有給休暇最低5日間の計画的取得を義務づけたほか、今後、特に男性職員の育児休業・部分休業取得に向けた意識啓発の取り組みなどを強化してまいります。 次に、現計画に引き続くアクションプランについては、新宿区男女共同参画推進計画(第3期)の計画期間に合わせて、令和2年度から令和4年度までを計画期間として今年度中に定める予定です。 この次期アクションプランでは、引き続きワーク・ライフ・バランスの推進と女性職員活躍のための行動計画の達成目標を掲げて、一体的に進めるものとします。 さらに、障害者雇用促進法の改正により各自治体が新たに定めることとされた「障害者である職員の活躍推進計画」を取り込み策定することについて、現在検討しているところです。 このアクションプランの推進による職員の働き方改革を通じて目指す新宿区役所像は、職員が仕事と家庭を調和させながら持てる力を存分に発揮するスマートワーキングを実践することにより、質の高い行政サービスをやりがいを感じながら区民に提供できる区役所の実現であると考えております。 次に、会計年度任用職員制度についてのお尋ねです。 令和2年4月1日から施行される改正地方公務員法及び地方自治法により、非常勤職員の多くは一般職非常勤の会計年度任用職員に切りかわります。 これに伴い、会計年度任用職員に期末手当などを支給することが可能となりましたが、期末手当の支給に要する経費は約4億円から5億円程度と見込まれます。 このように人件費の大幅な増は避けられないところですが、最終的に移行する職及び人数については現在精査を行っているところです。 今回の法改正は非常勤職員における働き方改革の一環であり、会計年度任用職員へ移行させる必要がある職については適切に移行させる一方、組織として最適な執行体制を実現することにより効果的・効率的な行政サービスの提供を行っていくことが重要です。 今後は、事務事業の業務手順の見直しを行い、RPAの導入などによる事務の省力化や執行体制の見直しを初め、廃止を含む事業全体のあり方を検証し、充実すべき業務や新たな業務に職員を振り分けるなど、人的資源の最適化、再構築を図っていきます。 次に、特別職非常勤職員に引き続きとどまる職と会計年度任用職員に移行させる職の整理についてです。 地方公務員法の改正により、地方公務員法第3条第3項第3号に定める特別職非常勤職員については、一般職であれば適用される服務規律等が課されないことから、専門的な知識経験等に基づき、助言、調査、診断等を行う職として統計調査員、学校医や産業医等の職に限定するものです。それ以外の非常勤職員については、令和2年4月1日から会計年度任用職員へ移行するものと捉えています。 次に、会計年度任用職員制度の導入に伴う勤務条件等の改善についてです。 御指摘のとおり、一般職である会計年度任用職員には、常勤職員との権衡を考慮して、適正な任用・勤務条件を確保することが求められています。 このため、一定の要件を満たす会計年度任用職員に対し期末手当を支給するほか、休暇・休業等の勤務条件についても、病気休暇や部分休業等の取得を新たに認めるなど、常勤職員に準ずる勤務条件を確保し、処遇の改善を図ります。 一方、信用失墜行為の禁止等の服務規律の確保や、任用に当たっての手続の明確化など、一般職としての人事制度の適正化を図ってまいります。 今後も任期の定めのない常勤職員による公務運営の原則は維持しつつ、法改正の趣旨を踏まえ、非常勤職員制度の新たな仕組みを整理し、区役所で働く全ての職員が安心して持てる能力を発揮できる環境を整えてまいります。 ◆14番(渡辺みちたか) 続いて、所有者不明土地について伺います。 我が国では、明治32年に不動産登記法が制定されて以来、約120年がたち、相続未登記による所有者不明土地が増加しています。 所有者不明の土地は不動産登記簿などの所有者台帳で所有者がすぐわからないものや、判明しても連絡がつかない土地のことを言いますが、こうした土地が現在日本全国では九州の面積に匹敵する、そういった報告がございます。 地方部の農地や山林だけではなく、都市部においてもこうした所有者不明土地が存在しており、平成28年の地籍調査実施地区においては、不動産登記簿で土地所有者等の所在が確認できない土地が全体で20.1%あり、地帯別に見ると、農地16.9%、林地25.6%がやはり大きな面積ではありますが、一方で都市部、DIDでも14.5%、宅地17.4%という結果でした。 また、平成29年、法務省が行った全国10カ所・約10万筆の所有権登記の調査では、最後の登記から50年以上経過しているものが大都市でも6.6%存在するとの報告がされました。 また、これから人口減少社会を迎え、ますます相続未登記の土地がふえることが予想され、所有者不明土地は2040年には北海道の面積に匹敵すると予測されています。 こうした所有者不明土地の増加は、土地取引や土地の利用を妨げており、所有者を探す費用や公共事業、公共工事のおくれなどの経済損失額は2040年までに累計で約6兆円に上るとの試算も発表されています。 こうした中、国ではこの問題の解決に向けた第一弾として、昨年、所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法を制定し、また引き続き、第一弾では対応し切れなかった部分の解決をすべく、相続登記の義務化や民法改正による所有権の放棄を認める制度の創設、遺産分割の話し合いができる期間の制限などを2020年の制定を目指して検討している状況です。 さて、所有者不明土地の問題は地方部と都市部において生じる課題がそれぞれ異なります。 都市部においては、主に私道などの共有地で一部の所有者が相続未登記や私道部分の登記漏れにより、私道の管理や変更、処分手続に困る問題、同じく共有地などを含む土地の再開発や道路拡張など、公共工事に際して土地収用時に生じる追跡調査の長期化などの問題が現時点で生じております。 昨年の予算特別委員会で我が会派の池田だいすけ議員の質問の中で、まさに前述の私道の共同所有者が相続によって地方に住んでいたり、あるいは所有者の所在がわからないケースがあると言及がありました。私も地元で私道の下を通る配管工事に際して共同所有者の所在がわからず困っている、そういったお話をお聞きしておりまして、所有者不明土地というのは身近にあって、まさに解決すべき問題だと考えております。 また、今後30年以内に70%の確率で起こると言われている首都直下地震などの災害の復興時点で所有者がわからないといったケースも想定できるかと思います。 現実に東日本大震災では、こうした追跡調査の長期化が一因で復興事業の足かせとなり、昨年の特別措置法の制定への流れをつくりました。 さて、区にお尋ねしたいのは、まず第一に、相続時に登記をしていただく重要性を区民にお伝えをしていただきたいということです。 不動産登記は、これを行うことで第三者対抗要件となりますが、反面、紛争となりづらい土地が登記されなかったり、共同所有している私道などが相続登記時に漏れてしまうことがあります。こうした登記漏れが少しでも減らせるよう、区からも周知していただきたいと思います。対応の状況を伺いたいと思います。 2つ目は、都市型の所有者不明土地についての情報共有です。 昨年、解決への第一弾として施行された特別措置法は、地方部における所有者不明の山林や農地、大型公共工事の土地収用の課題から立法につながった背景があり、都市型の所有者不明土地の課題については、一旦見送り状態にあります。第二弾以降の抜本的な解決のためにも、今後区内の公共事業や再開発等で所有者不明土地に直面した場合、国や都などに事例を共有することを考えてはいかがでしょうか。 過去に区内で所有者不明土地に関する問題があったかを含め、区長のお考えをお聞きいたします。 3つ目は、区の支援についてです。所有者不明土地は、地域の大規模再開発のほか、大災害時の復興など経済的インパクトの大きい課題にもつながっております。こうしたケースの調査について区が支援するべきだと考えておりますが、区長のお考えについてお伺いいたします。 ◎区長(吉住健一) 所有者不明土地についてのお尋ねです。 初めに、相続時の登記の重要性に関する区民への周知の状況についてです。 未登記による所有者不明土地は、御指摘のとおり、区においても道路拡張や市街地再開発などに際して大きな問題となります。未登記の土地をそのままにしていると所有者の確認に多大な時間と費用を要するなど、経済的に損失が生じるおそれがあることから、今後、区ホームページやチラシなどに登記の大切さについて掲載し、区民に注意喚起を行っていきます。 また、区では死亡届を提出された方に対して、国民健康保険等の葬祭費の申請や年金を受給されていた方の死亡手続など各種の必要手続の窓口や、その際に持参するもの等について案内を配付しています。 土地・建物の相続登記についてもこの案内に記載しており、相続登記申請の必要性とともに、東京法務局登記電話相談室の問い合わせ先やインターネットのホームページのアドレスを紹介しています。 死亡届出で窓口にお見えになる方は遺族の方のほか、葬祭業者の場合もありますので、相続時の登記漏れを減らせるよう丁寧に周知してまいります。 次に、都市型の所有者不明土地の情報共有についてです。 御指摘のとおり、国は所有者不明土地の対策を推進するため、第一弾として、所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法を制定し、その後、第二弾として、抜本的な解決のための制度改正を令和2年までに行うことを目指しています。 国は、平成29年8月に、複数の者が共有する私道に関して、共有者の所在が不明なため工事できないなどの具体的な事例を自治体アンケート等で収集、整理しました。また、都は、平成30年11月に所有者不明土地に関する特別措置法の円滑な運用に向けた検討のため、現状課題の把握に関する自治体アンケート調査を実施しました。 こうした調査を通じて、私道整備助成において一部の所有者が不明なために申請に支障が出たという事例及び不法投棄や雑草繁茂等の事例について、国や都と情報共有したところです。 今後も新たな事例が発生した場合には、国や都に速やかに情報提供し、所有者不明土地問題の解決につなげてまいります。 次に、大規模再開発や大災害時の復興等における所有者不明土地の追跡調査への区の支援についてのお尋ねです。 国は、本年6月に住民基本台帳法施行令を改正し、住民票及び戸籍の附票の除票の保存期間をこれまでの5年から150年に延長するとともに、5年を超えて保存する除票の写しの交付を制度化しました。 区は、これを受けてシステムの改修等の準備を進めています。 また、国は、今後土地所有者に関する情報を円滑に把握する仕組みを構築するため、不動産登記簿と戸籍等を連携することを検討しているそうです。区は、こうした国の動向を注視し、大規模再開発等における所有者不明土地の追跡調査への支援策を検討してまいります。 ◆14番(渡辺みちたか) 次に、「新しい新宿駅周辺地域のまちづくり」について伺います。 今回、このテーマで代表質問するに当たり、改めてこれまでに出された関連の報告書等を読んでみて、これからの新宿のまちづくりに対して高揚感にも似たわくわくした感じを抱いたものであります。きっとこのような気持ちは、四、五十年前の新宿駅西口に超高層ビル群が建設されていたころに新宿区民の方々が味わられたであろう、ある種の高揚感に似ているのではないかと思っています。 平成28年3月の「新宿駅周辺地域まちづくりガイドライン」の巻頭に、吉住区長は、「世界一の乗降客数を誇る巨大ターミナル「新宿駅」を囲むように、百貨店や老舗・名店等の商業が集積している駅東口地区や、日本有数の業務の集積を誇る駅西口の超高層ビル街地区、世界に知られた飲食・娯楽街の歌舞伎町地区等個性を持った多様なまちが、隣り合い重なり合って存在し、多くの人々が行き交っています。こうした、さまざまな顔を持つ多様性と各地区を行き交う人々が、新宿のまちの原動力となっています。」と新宿駅周辺地域の現状を述べられていますが、まさにこれに尽きると思っております。 そして、さらには、「新宿駅のような巨大なターミナル駅は、一度形づくると次の更新期を迎えるまでには半世紀はかかると考えています。」とありますが、このこともそのとおりだと思っています。 その後、平成29年6月には新宿区と東京都でサブタイトルを「2040年代の新宿の拠点づくり」とする「新宿の新たなまちづくり」を、平成30年3月には「新宿の拠点再整備方針」を、そしてこのたびの「新宿駅直近地区に係る都市計画変更について」がことし7月に出され、毎年のように「新宿の新たなまちづくり」に関する取り組みが発表されているのは、このまちづくりの重みがそうさせているのだろうと思うとともに、まさに今まちの更新期の真っただ中であると言えると思います。 そこで、「新宿の拠点再整備方針」を具体化するため、本年の7月に発表された「新宿駅直近地区に係る都市計画変更について」に関連して、幾つか伺ってまいります。 これからの超少子高齢社会の時代とも言われる新しい時代にあって、とりわけ「2040年代の新宿の拠点づくり」といったときの新宿のまちづくりには、「歩いて楽しい、心地よい空間づくりの回遊性あるまち」ということが欠かせないと考えるとともに、まちづくりの視点の一つに掲げてほしいと思っています。 このことは、新宿駅周辺のまちづくりが新宿区全体のまちづくりに大きな影響を及ぼすものと思われることから、ぜひ新宿区全体のまちづくりをも意識したまちづくりであってほしいと願っておりますが、どのようなコンセプトで臨んでいらっしゃるのか伺います。 次に、この都市計画変更の資料では、「新宿の拠点再整備方針」の実現に向けて、先行して再編する新宿駅直近地区の都市基盤等、具体的に言いますと、新宿駅の東西を結ぶ線路上空デッキ、西口の南北デッキ、東西の駅前広場などについて都市計画変更手続に着手されたところでありますが、今回の都市計画変更に対する考え方はどのようなところにあるのか、また「今後も建物計画などの具体化に合わせ、都市計画の変更を段階的に進めていく」とありますが、今後新宿グランドターミナルの実現に向け、都市計画の変更をどのように行っていくか伺います。 次に、区民や地元への説明と事業者への対応についてお聞きします。 新宿グランドターミナルの実現に向けて、今後は駅ビルなど建物計画が具体化していくことが想定される中、駅ビルの開発計画は区民や地元も関心が非常にあるところですが、今後、区民や地元への説明や事業者への対応はどのように考えているか伺います。 次に、防災に関してです。 都市計画変更に当たって防災都市づくりの視点からの防災機能の充実や拡充などの点はどのように捉えているのか、また一日に約380万人の乗降客を誇る世界一の新宿グランドターミナルの実現に向けては帰宅困難者の受け入れや備蓄物資の確保など災害等非常時の対応も非常に重要だと考えますが、この点ではどのように考えているのか伺います。 次に、現在新宿駅西口の副都心地域では、小田急電鉄などの鉄道、東京医科大学や工学院大学なども含めた16の法人が参加した、発足10年を迎える西新宿のまちづくりを話し合う「新宿副都心エリア環境改善委員会」がありますが、新宿区はこの会とはどのような方針のもとに、どのようにかかわってこられ、今後どのようにしていくのでしょうか。 また、新聞によれば、現在この会は「新宿駅をかなめに、新宿中央公園まで扇のように広がる96ヘクタールのエリアでまちづくりを仕掛けている」ということであり、しかも現に住友ビルや損保ジャパン本社ビルでは、2020年の完成に向けた工事が進んでいるところでもあります。そして、また車道の一部を歩道にしてまち歩きをしやすくするなどの構想も持つとも報じられるところですが、このような事柄は、今後新宿中央公園のあり方に少なからず影響を与えることから、新宿区としても最大限の関心を払っていくべきだと考えておりますが、新宿中央公園と新宿駅直近地区との関係では、どのようにかかわり、どのように導こうとされているかを伺います。 次に、新宿駅東側に目を転じますと、こちらの地区の歌舞伎町でも大きなプロジェクトが進んでいますが、それらと新宿駅直近地区との関係性についてはどのように進めていらっしゃるのでしょうか。 また、新宿駅東口地区において、地元と一体となって、歩いて楽しいまちの実現に向けて、「道路空間の活用によるにぎわいの創出、荷さばき集約化プロジェクト」に取り組んでいるかと思いますが、道路空間の考え方や荷さばき集約施設、いわゆる荷さばき1次デポの検討状況についてはどのようになっているでしょうか。 あわせて関連して伺いますが、荷さばきの問題は駅西口地域におけるまちづくりの中でも課題となるところですが、どのように取り組まれているのかを伺います。 ◎区長(吉住健一) 「新しい新宿駅周辺地域のまちづくり」についてのお尋ねです。 新宿駅周辺のまちづくりのコンセプトについてです。 世界一の乗降客数を有する新宿駅を抱える新宿駅周辺地域の各地区は、商業・娯楽・滞在施設など多様な都市機能をあわせ持っています。新宿駅周辺地域が持続的ににぎわい・発展し続けていくためには、新宿駅周辺の各地区がそれぞれの特色を活かしながら、歩いて楽しい歩行者空間を形成するなど、回遊性を高めることで連携を一層強化し、調和のとれたまちづくりを推進していくことが重要です。 こうしたまちづくりに取り組むことで、にぎわいや消費活動などが区内全域へと波及し、新宿全体のブランド価値の向上へとつながっていくものと考えています。 次に、新宿駅直近地区の都市計画変更についてのお尋ねです。 区と東京都は、更新期を迎えた駅ビルの建てかえを契機として、誰にとっても優しい次世代の新宿グランドターミナルとするため、駅、駅前広場、駅ビル等を一体的に再編することとし、平成30年3月に「新宿の拠点再整備方針」を策定しました。 この再整備方針の実現に向けて、新宿グランドターミナルの基幹となる道路や交通広場、駐車場等の都市施設とともに、土地区画整理事業やまちづくりの方針となる地区計画等について都市計画の手続を進めています。 都市計画の前提の考え方として、現状の自動車中心の駅前広場から、人中心の駅前広場に再編するとともに、「駅とまち」及び「まちとまち」をつなぐ現状の歩行者動線が移動しにくくなっていることから、デッキの新設等により歩行者ネットワークの拡充を図るものです。 今後想定される駅ビルなどの建てかえが「新宿の拠点再整備方針」に即した計画となるよう事業者を誘導し、段階的に地区計画を変更するなど、都市計画に位置づけてまいります。 次に、駅ビル開発計画の区民や地元への説明や事業者への対応についてのお尋ねです。 「新宿の拠点再整備方針」の策定に当たり、地元まちづくり団体の代表者で構成する「新宿駅周辺地域まちづくり協議会」等を通じて地元の皆様へ情報提供するとともに、意見交換を行ってきました。 駅ビル等の建築計画の具体化の際には、地区計画を変更するなど都市計画に位置づけていくことから、都市計画手続に伴う説明会等に加えて、地元の皆様へ情報提供や意見交換を行ってまいります。 また、事業者に対しては、計画の早い段階から地元の皆様へ丁寧な説明を行うよう働きかけてまいります。 次に、防災機能の充実や非常時の対応についてのお尋ねです。 一日に約380万人の乗降客数を有する新宿駅を抱える新宿駅周辺地域の防災機能の充実や拡充を図るためには、東京都や関係事業者などと緊密に連携して進めることが重要であると考えています。 このため、「新宿の拠点再整備方針」では、非常時にも安心して過ごせる空間を駅ビル等に確保することとしています。 防災対策を一層推進するため、駅ビル等の建てかえの具体化に合わせ、事業者等に帰宅困難者の受け入れ空間や備蓄物資等の確保、駅などに滞留者を集中させないように情報発信機能の構築等を働きかけるなど、官民連携して安全・安心な新宿グランドターミナルの実現に向けて取り組んでまいります。 次に、「新宿副都心エリア環境改善委員会」についてのお尋ねです。 「新宿副都心エリア環境改善委員会」は、西新宿地区において超高層ビルの公開空地等を活用するにぎわい形成や防災性向上などの地域価値の向上に資するまちづくりを進めています。 こうしたまちづくりを官民が連携して進めていくため、区は環境改善委員会とともに「西新宿懇談会」を設立し、西新宿地区の将来像を共有するとともに、その実現を目指す「西新宿地区まちづくり指針」を平成26年に策定しました。 また、地域の意向を一層反映するため、本年7月には新たに地元町会、商店街振興組合に御参画いただき、「西新宿懇談会」を拡充しました。今後は、地元まちづくり検討組織である「西新宿一丁目商店街地区まちづくり協議会」等と連携しながら、2040年を見据えた、まちの将来像の検討及びその実現に向けた取り組みを進めてまいります。 次に、新宿中央公園と新宿駅直近地区の関係についてのお尋ねです。 「新宿駅周辺地域まちづくりガイドライン」では、芝生広場の再生やカフェやレストランなどの交流拠点施設の整備を進めている新宿中央公園を「みどりと文化の交流拠点」とし、新宿駅直近地区を「まちへ人を送り出す拠点」と位置づけています。この2つの拠点をつなぐ道路等を「賑わい交流軸」と位置づけ、超高層ビルの足元回りの公開空地等に緑と潤いあふれる全天候型アトリウム広場や地域の人々に開かれた美術館の設置のほか、オープンカフェやイベントの開催など、道路、公開空地、建物低層部を一体的に活用した魅力的な都市空間の形成を図っています。 引き続き新宿副都心エリア環境改善委員会など地元の皆様と連携して、道路を車中心の空間から歩行者優先の広場的空間へ転換していくことや、道路と建物低層部が一体となったにぎわいある街並みを形成すること、公開空地などのオープンスペースに通りごとの特性に応じた多様な活動を創出するほか、エリアマネジメントにより一体的な管理・運営を行うことなどの検討を行っていきます。 こうしたことにより、西新宿地区全体の回遊性の向上を図るとともに、快適で環境に優しい空間を形成することで、さらなるにぎわいや新たな魅力の創出と洗練された都市空間の充実を図ってまいります。 次に、歌舞伎町で進んでいるプロジェクトと新宿駅直近地区との関係性についてのお尋ねです。 新宿駅周辺地域まちづくりガイドラインでは、「歌舞伎町地区」を新宿の文化の創造・発信により「賑わいを創出する拠点」とし、「新宿駅直近地区」を交流等の中心となる「まちへ人を送り出す拠点」と位置づけるとともに、2つの拠点を文化・流行の情報を発信するなどのにぎわいを形成する「文化発信軸」で結ぶことを位置づけています。 歌舞伎町地区では、セントラルロードにおけるイベントの開催や、シネシティ広場と一体となったにぎわい空間等を創出するプロジェクトなどが進んでいます。さらに、新宿駅直近地区からつながる西武新宿駅前通りを快適な歩行者空間とすることなどにより地域全体のにぎわいと交流を創出してまいります。 次に、新宿駅東口地区での道路空間の考え方や荷さばき集約施設の検討状況についてのお尋ねです。 区では、これまで新宿駅東口地区において、まちづくり団体である新宿EAST推進協議会など、地元の皆様とともに道路空間活用によるにぎわい創出や荷さばき集約化に取り組んでいます。 荷さばき集約化により路上駐車が削減され、車道部分を歩道に転換することが可能になります。その広がった歩道を情報発信や人が滞留できる場とすることなどでにぎわいを生み出し、まちの魅力をより向上することができます。 荷さばき集約化を本格的に実施するには、地区内に配送される荷物の受け取り、保管を可能とする荷さばき集約施設の確保が必要となります。現在、内藤町自転車保管場所の一部を活用することに向けて、周辺を含めた車両や歩行者の動線、施設の出入り口や配置等について検討を行っているところです。 次に、新宿駅西口地域における荷さばきの取り組みについてのお尋ねです。 現在、新宿駅西口地下ロータリーなどで、一般交通に支障が生じる路上荷さばきが見受けられます。 「新宿の拠点再整備方針」では、人中心の駅前広場の実現に向け、路上荷さばきを抑制するため共同荷さばき場の確保を目指しています。 また、新宿駅西口地域では、西新宿懇談会や西新宿一丁目商店街地区まちづくり協議会等において、地元の皆様とまちの将来像について検討を行っているところです。 路上荷さばきへの対応については、今後まちづくりを進める中で地域の実情を踏まえ、地元の皆様の意向を確認しながら検討してまいります。 今後も新宿駅周辺地域でのまちづくりを地元の皆様とともに進め、歩きやすく快適に過ごせる都市空間を充実させ、「賑わい都市・新宿」の実現に向け取り組んでまいります。 ◆14番(渡辺みちたか) 続きまして、学校と民間企業の連携、EdTech等、新しい教育について伺います。 以前、千代田区立麹町中学校の取り組みをお聞きする機会というのがありました。校長先生は、新宿区教育委員会の教育指導課長もされていた御経験があるそうですが、非常に先進的な取り組みをされていて有名な校長先生です。 この麹町中学校の取り組みを少し御紹介いたします。 まず、宿題や定期テストは全廃されており、一部授業ではNTTドコモ、パナソニック、富士通といった民間企業と連携し、この企業の提示するミッションを生徒たちが解決するような取り組みを行っています。 また、生徒が学校運営に参加をしていて、学校行事については、生徒がやるべき行事と廃止すべき行事を選択し、その上で計画をつくって生徒が運営までしています。 例えば、修学旅行については、学校が旅行会社と提携して、生徒たちに修学旅行を旅行会社に旅行商品としてプレゼンテーションするというのが修学旅行のカリキュラムに組み込まれているのです。つまり、どういうことかというと、生徒が奈良であれば奈良、京都であれば京都の名所や史跡など、事前に修学旅行に組み込むべきものを調べて勉強します。いろいろな資料を読んだり計画を立てて、それから視察として実際に調べた地域に修学旅行として行くのです。 そこで、今度は現地で調べたり写真を撮ったりして、その視察として行った修学旅行を帰ってきてから旅行商品として仕上げて、提携した旅行会社にその旅行商品をプレゼンテーションするといったものです。もはや目からうろこというか、私はこの取り組みを聞いたときに、学校教育とは一体何を目指すべきなのだろうかと思いました。 校長先生は、「社会の中で生きること」を教育の中で大切にして、それを育てるためにこうした取り組みを公立中学校でやっているとのことでした。 学校における校長先生の権限というのは、やろうと思えば何でもできるもので、とても強いものなんだなと思いました。 こうした取り組みに私が感じたのは、学校の外からさまざまなリソースをうまく活用している点です。民間企業と連携してさまざまなミッションを学校教育の中でこなしていくような取り組みは、民間企業の力をうまく教育に取り込んでいると言えると思います。 さて、新宿区を見渡してみますと、民間企業はたくさんあります。外国人の住民の割合は全国でも非常に高く、牛込のように歴史のあるまちがあり、日本一の観光客数を誇る新宿駅周辺のエリアもあります。こうした地域の特性を学校教育にも活かして次の世代の教育にも取り組んでいただきたいと思っています。 特に新宿区における区立小中学校と民間企業が連携した取り組みが重要であるかと考えておりますが、いかにして民間の力を学校教育の中に取り込んでいくのか、これからの方針や展望をお聞きしたいと思います。 また、国におきましても、経済産業省による「未来の教室」というプロジェクトが平成29年度より始まりました。これは個々の生徒の関心、理解度に応じた「学習の個別化」と「文理横断的な知識理解と活用」、いわゆるSTEAM教育をテクノロジーに用いて行うというものです。 STEAMとはScience、Technology、Engineering、Art、Mathematicsの5つの単語の頭文字を組み合わせた造語です。科学、技術、物づくり、芸術、数学の5つです。 テクノロジーの発展で、現在人間がやっている仕事の多くをAIやロボットが担うこととなる時代を生きる子どもたちは、将来こうしたテクノロジーを使いこなすだけでなく、さまざまな課題解決をするための方策をつくり上げていかなければなりません。そのために求められるのが理数系の知識、技術と同時に芸術の能力であるというものです。 アメリカや中国では国家戦略として組み入れられ、世界の潮流というべき教育の手法です。こうした教育手法は、最新の技術と組み合わせることで、より効果が発揮できると考えています。 エデュケーションとテクノロジー、これを組み合わせた造語で「エドテック(EdTech)」と言いますが、国におきましては、経済産業省と文部科学省が連携し合ってEdTech推進を図りつつ、次の世代の人材を育てていこうとしています。 こうした中で、新宿区内における区立小中学校のプログラミング教育などの実施状況について伺います。 また、これからのICTを活用した学校教育についての所見をあわせて伺いたいと思います。 ◎教育長(酒井敏男) 学校と民間企業の連携、EdTech等、新しい教育についてのお尋ねです。 初めに、民間の力を学校教育の中に取り込んでいくことの方針と展望についてです。 子どもたちが地域に愛着を持ち、次代の地域を担う人材として育っていくためには、民間企業などとの連携による民間の力を活かした教育活動を推進していくことが大切です。 現在、全小中学校において創意工夫ある教育活動を実施しており、一部の学校では、民間企業等との連携による教育活動も展開しています。 また、国際理解教育の中で地域の企業から海外勤務のある方に御講演いただいたり、プログラミング教育の一環でドローンを教材とした学習を提供いただくなど、教育活動に民間企業などの知見を取り入れています。 また、伝統文化理解教育の推進においても、地場産業である染色業等の体験活動に地域の事業者の御協力をいただいているところです。 今後、各校の教育活動の充実を図るためには、これらの取り組み事例などを活かしながら、民間企業等との連携をさらに広げていくことが課題であると認識しています。 そのためには、教育委員会で、学校現場で必要とする民間企業等の知見や連携を期待する活動などのニーズを把握し、多様な機会を通して御協力いただける企業を募ることで、学校と民間企業などとの連携の推進に取り組んでまいります。 次に、新宿区内における区立小中学校のプログラミング教育の実施状況についてのお尋ねです。 小学校では、平成30年度に教育課題研究校の四谷小学校と落合第四小学校において、令和2年度から全面実施される新学習指導要領を見据えた研究を行い、音楽の授業ではプログラミング教育の一環として作曲した曲をさまざまな楽器で演奏させ、曲の感じや音色を楽しむ学習を実施しました。 また、今年度は教育センターの職員によるロボットプログラミングの出前授業を17校で実施するとともに、地域や民間企業等と連携し、自分のイメージどおりにLEDが点灯するようなプログラミングを行う学習なども行っています。 中学校では、技術・家庭科の技術分野で情報通信ネットワークの仕組みや仮想現実・拡張現実などの先端技術、プログラムによる計測や制御の仕組みについて学習し、動画やアニメーションを用いたウエブサイトの作成などの実習も行っています。 小中学校におけるこれらの取り組みとあわせて、希望者を対象とした理科実験教室でも、専門的な知識や技能を持つ民間企業と連携し、光センサや赤外線センサを用いてロボットを制御するプログラミング体験講座を実施しています。 今後も地域・民間企業などの協力を得ながら、ICT支援員による授業支援や新たなプログラミング教材の導入を通してプログラミング教育の充実を図ってまいります。 次に、これからのICTを活用した学校教育についてのお尋ねです。 子ども一人ひとりの「生きる力」を育む質の高い学びを実現し、子どもたちが将来の社会で生きていくために必要な資質・能力を育成するためには、教育活動におけるICTの効果的な活用を一層推進することが重要であると認識しています。 こうした認識のもと、教育委員会では、平成29年度全校の普通教室に電子黒板機能つきのプロジェクターや無線LAN、4K対応の実物投影機などを導入して、ICT環境の整備を進めました。 平成30年度には、教育課題研究校の小学校2校・中学校1校で教育の情報化をテーマとした研究発表を行い、タブレットパソコンを使用したリアルタイムの意見集約や情報共有、音楽室や校庭など教室以外の場所でのICT活用、プログラミング教育の実践など、ICTを活用した多様な学びが展開され、その研究成果を小中学校全校で共有できるように努めました。 今後、一人ひとりの個別ニーズに応じた教育を推進する上でICTは有効なツールであり、特別支援教育や自学自習の推進につながるものであると認識しています。 AI等の先端技術を活用した学習教材等の研究や、文部科学省の先端技術導入の実証研究などについても注視しながら、ICTのさらなる有効活用を図ることで子どもの「生きる力」を育む教育の推進に取り組んでまいります。 ◆14番(渡辺みちたか) 続いて、子どもたちの豊かな学び・育ちと教員の働き方改革について伺います。 EdTechなど新しい教育を現場で行っていくのは教員の先生方です。子どもたちの豊かな学び・育ちのためには、教員が心身ともに健康でやりがいを持ち、授業づくりや子どもたちの指導に専念できる環境を整える必要があります。 教育委員会におかれましても学校における働き方改革を進めていくと、「しんじゅくの教育」などで広く周知に努めていらっしゃるとおり、早急な対応が求められているところです。 教育現場においては、学習指導要領の改正に伴い、小学校で英語の教科化が導入され、また小中学校でプログラミング教育が始まるなど、新たな教育内容にもしっかりと対応していくことが求められており、そのためにも教員が教材研究などに取り組む時間の確保は、喫緊で大きな課題となっているものであります。 このような状況認識については、区教育委員会でも同様であり、そのことを昨年度の第1回総合教育会議での議論として、その議事録の中に見ることができ、大変心強く、大変ありがたいと思うところでございます。 議事録には、「2020年度には小学校で、2021年度には中学校で、それぞれ新しい学習指導要領を全面実施する予定になっています。まさに新しい時代、新しい社会に向かおうとする時期でもあり、教育の重要な役割に意欲的に取り組むとともに、将来から振り返ってみたとき、流れのままに惰性で流され、禍根を残すようなことがあってはならないと考えています。教育が若い世代に及ぼす影響は極めて大きく、将来の日本の姿を決めていくこととなる、その重大性を改めて認識して取り組まなければなりません。」。長い引用になりますが、こうありました。 このような時代認識にあることから、子どもたちの豊かな学び・育ちのためには、教員が心身ともに健康でやりがいを持ち、授業づくりや子どもたちの指導に専念できる環境を整える必要があると思います。 しかし、このような中にある教育界にあって、「小学校教員の不人気 深刻」という新聞記事に目がくぎづけになりました。この記事は、グローバル化時代にあって、学校教育の中でも基礎学力を築く非常に大事な小学校教育が危機的な状況にあることの一面を伝えているようにも感じたものであります。 記事によると、東京都のことしの採用試験の応募倍率は2.4倍と過去最低で、全国の教員採用試験の受験倍率は2017年度の試験で3.2倍となり、過去最低を更新し、低下は7年連続だったとのことです。 記事では、早稲田大学の田中博之教授の言葉として、「学校現場では、受験倍率が3倍を切ると優秀な教員の割合が一気に低くなり、2倍を切ると教員全体の質に問題が出てくると言われている」との話を紹介しています。 この「受験倍率が3倍を切ると優秀な教員の割合が一気に低くなる」ということからすれば、ことしの東京都の小学校の教員の場合、前述したように2.4倍は既にこの状態にあり、この状況がこれまで3年間も続いているということは、そら恐ろしい気持ちになるものですが、一方で、そのようなおそれがあるとしても、同じ記事の中に、教育研究家の妹尾昌俊さんはこういうふうに言っております。「働き方改革を進め、ベテランや中堅が余裕を持って若手を丁寧に育成する仕組みをつくれば、教員の質は上がる」と語っております。 新宿区における若手教員の人材育成の取り組みとして、特色あるものにはどのようなものがあるでしょうか。 また、さらにはこの2.4倍の数字を生んでいるものの一つに、プログラミングや英語など新たな教育内容により「負担がさらにふえる」ことに不安があった、と採用試験を避けた学生を紹介しているのですが、このことは現職の教員にとっても同様の不安を与えるようにも思います。 区教育委員会としては、英語教育の教科化やプログラミング教育の必修化への不安を取り除く努力や、怠りない新教科の導入等の準備にどのような取り組みをされていらっしゃるのでしょうか。 また、このような教育界を取り巻く今日にあって、新宿区の教員の勤務環境の改善、働き方改革への対応は極めて素早く、適切な進め方をしているものと理解をしております。教員が心身ともに健康でやりがいを持ち、授業づくりや子どもたちの指導に専念できる環境を整える必要があることから、区教育委員会が平成30年7月に作成しました「教員の勤務環境の改善・働き方改革第二次報告書」に基づき推進されている取り組みの推進状況等について伺ってまいりたいと思います。 先日の新聞記事では、「OECD調査によると、日本の小学校教員の勤務時間は、OECD参加国・地域の中で最も長い54.4時間。授業にかける時間は他国と同水準だが、事務作業、これは5.2時間、同僚との共同作業や話し合い、4.1時間が長く、中学校教員も参加国平均より17.7時間長い56時間だった」と伝えています。 また、ある新聞の見出しには、「教員志望者減少続く 長時間労働問題影響か」や「魅力はあるけど…多忙なブラック職場?教員の夢 上回る不安」とショッキングな言葉も並びます。 小学校教員の場合、このOECD調査において日本が一番長いのではありますが、救いは、授業にかける時間は他国並みにあるということでありますから子どもと向き合う時間は確保されているということで安心もするのですが、「事務作業、同僚との共同作業や話し合いが他国に比べて長い」ということで、改善していくべきところというのはこのあたりだと思いますが、このOECD調査の記事の分析内容は、新宿区の実態との関係ではどのようであるのでしょうか伺います。 次に、少し具体的に3つの視点から伺ってまいりたいと思います。 1つ目は、教員が担うべき業務に専念できる環境整備の面についてです。 教員業務を担う人員体制の整備、教員業務と学校配置職員の事務分掌の見直しについてであります。このことについてどのように進められるのでありましょうか、伺います。 2つ目は、教員の意識改革の面についてです。このことでは、タイムマネジメントや学校閉校日・定時退校日の設定等があると思いますが、どのように進めていらっしゃるのでしょうか。 3つ目として、いわゆる部活動の適正化があると思います。部活動ガイドラインの策定、部活動指導員の導入等の取り組みはどのような状況でしょうか。あわせて、部活動指導員の導入では、地域人材の活用をどのように進められているのでしょうか、伺います。 ただいま申し上げました項目の多くは既に導入をされているものであるかと思いますが、この第二次報告書に基づく取り組みの効果をどのように捉えているのでしょうか。 また、既に一部の小学校に導入されている副校長の事務を補助するための人材投入の実績と今後についても伺います。 さらに、こうした取り組みについては、何よりも学校教育の質の向上を図ることを目指した教員の働き方改革であって、主眼にあるのは、よりよい教育環境の整備にあることを保護者や地域の方に理解していただくことが大切だと思います。この点についてどのように取り組まれているかを伺いたいと思います。お願いします。 ◎教育長(酒井敏男) 子どもたちの豊かな学び・育ちと教員の働き方改革についてのお尋ねです。 初めに、新宿区における若手教員の人材育成の取り組みについてです。 教育委員会では、東京都で定められた1年目から3年目までの若手教員育成研修に加えて、区独自に4年目の教員にも授業力を高めるための研修を行っています。 若手教員育成研修については、授業力や公務員としての資質の向上などについて、講義だけでなく演習を交えて実施しています。 例えば、新宿区の教育課題である国際理解教育、区のICT環境を活用した授業のあり方など、区の実態に即した内容を取り入れたり、理科実験時の安全指導といった、より実践的な演習を取り入れたりするなど、特色のある研修にしています。 また、校内の先輩教員と協議して取り組む事前課題を設けるなど、各校でのOJTとも十分関連を図るよう配慮しています。 さらに、退職校長を学校支援アドバイザーとして全ての学校へ派遣し、授業観察や学習指導案の作成など、若手教員に対して個別に指導・支援を行っています。これらの取り組みは、若手教員が自己の課題について助言を受けられる機会にもなっています。 今後も若手教員への指導を充実させ、さらなる教員の資質の向上に努めてまいります。 次に、英語の教科化やプログラミング教育の必修化への準備についてのお尋ねです。 教育委員会では、小学校における英語の教科化に向けて、教員の負担や不安を軽減するため、平成30年度から授業補助を行う外国人英語教育指導員の配置時間数を拡充してきました。 今年度は、研修内容の一層の充実を図り、文部科学省の教科調査官を講師とした公開授業や東京都の体験型英語学習施設における実践的な研修、各学校からの疑問や不安に答える英語教育アドバイザーの訪問及び校内研修の充実などの取り組みを進めています。 今後は、10月に教育課題研究校である四谷第六小学校と淀橋第四小学校による研究発表を行い、研究成果を小学校全校で共有するとともに、新たな教科書に対応したデジタル教材の導入などを行うことにより、教員の不安を軽減してまいります。 プログラミング教育については、教員の不安を軽減できるよう、9月末までに指導案や指導書、サンプルプログラムが附属したプログラミング教材の配備を完了する予定です。配備がなされた学校から順次、導入教材の操作や指導方法に関する研修を実施していきます。 また、11月にプログラミング教育推進校である落合第四小学校の実践報告会を行い、研究成果を小学校全校で共有するとともに、ICT支援員による授業支援や、地域・民間企業等の協力を得ながら、プログラミング教育の実施に向けた準備を進めてまいります。 次に、OECD調査の記事の分析内容と新宿区の実態との関係についてです。 教育委員会では、平成29年6月から7月にかけて、区立小学校3校、中学校2校、特別支援学校1校、幼稚園3園をサンプル校として勤務実態調査を行っています。調査の方法が違うため単純に比較することはできませんが、その調査結果によれば、小学校の教員については平日の勤務時間の中で、授業と授業準備が5割、生活指導や成績処理など児童の指導にかかわる業務が3割、その他事務作業や打ち合わせなどが2割を占めています。 新宿区においてもOECD調査結果と同様の傾向が見られるため、事務作業や打ち合わせなどの時間の軽減を図ることが課題であると捉えています。 次に、教員が担うべき業務に専念できる環境整備についてのお尋ねです。 初めに、教員業務を担う人員体制の整備についてです。 平成29年度の勤務実態調査の結果からも、教員の長時間勤務や授業以外の業務に要する時間が多くなっている実態が明らかになっています。 教員の負担を軽減し、児童・生徒に向き合う時間を確保するため、教員にかわって提出物の確認や授業準備の補助など、教員が行う業務の補助を担う職員を配置することが必要であると考えています。 次に、教員業務と学校配置職員の事務分掌の見直しについてです。 教育委員会では、小中学校の副校長や教員、学校事務職員、教育委員会事務局職員を構成員とする「事務事業見直し部会」においてこれまで検討を進めてまいりました。 この部会では、学校における事務作業について、必ずしも教員が担う必要がない業務や、教員以外が担うことが適切な業務などの分類を行い、新たに教員から学校事務職員などに移行することが可能な事務作業量・年間739時間分を整理いたしました。 今後は、この整理した結果を区立小中学校において標準的な職務内容として位置づけ、副校長補助の視点も加味しながら、業務の事務職員等への移行に向けた補助職員の配置の見直しを行ってまいります。 次に、教員の意識改革についてです。 各学校・園では、教職員が持てる力を十分に発揮できる環境づくりを進めるため、校園長みずからがスマートワーキングリーダー宣言を行い、校内の働き方改革を推進し、教員の意識改革を進めています。 また、教育委員会では、区立小中学校、特別支援学校及び幼稚園にタイムレコーダーを設置し、平成30年9月から運用を開始しています。各学校・園では、教員の勤務状況について把握するとともに、教員に対して客観的データに基づき適切な指導・助言を行い、時間を意識した効率的な業務遂行を促すなど、各教員のタイムマネジメントに対する意識向上に努めています。 そのほか、各学校・園では月に1回以上の定時退庁日を設定し、各学校の実情に応じた日数や曜日、退校時刻を設定するとともに、夏季休業期間には、区として休暇取得促進期間を設け、緊急時の連絡体制を確保した上で、「教育活動の停止」「交換便の停止」「電話対応を行わない」などの休みやすい環境整備を行っています。 こうした取り組みを通じて、各学校・園の教員からは、「授業準備に集中することができる」などの声が出てきています。少しずつではありますが、教員の働き方に対する意識改革が進みつつあるものと受けとめています。 次に、部活動ガイドラインの策定及び部活動指導員の導入などの取り組みについてのお尋ねです。 区立学校では、平成30年6月に策定した「新宿区立学校における部活動ガイドライン」に基づき、外部人材の活用などにより教員の働き方改革に寄与する効果的・効率的な部活動の運営に取り組んでいます。 具体的には、児童・生徒が適切にスポーツや文化に親しむ環境を構築する観点から、各学校において部活動の活動方針を定めるとともに、年間・月間の活動計画を作成しています。この活動方針や活動計画では、適切な活動時間や休養日数を設定するとともに、教育課程との関連を図ることで、学校全体として部活動の適正な運営に係る体制を確保しています。 また、部活動指導員については、現在、硬式テニス、陸上競技、バレーボール、吹奏楽など支援が必要な部活動に対し、公募により11名の部活動指導員を配置しています。そのうち、これまで学校における地域人材活用の中核を担ってきた「スクールスタッフ制度」において、有償ボランティアとして御活躍をいただいてきたスクールスタッフの方を部活動指導員として採用するなど、積極的に地域人材の活用を進めているところです。 なお、地域のスポーツ・文化団体や大学、企業等への協力も依頼しているところであり、今後もこれらの団体などとの連携を図りながら、地域人材の活用が図られるよう取り組んでまいります。 次に、第二次報告書に基づく取り組みの効果をどのように捉えているかについてです。 教育委員会では、第二次報告書の中で当面の目標を掲げるとともに、具体的な取り組みの方策を示し、各学校・幼稚園とともに総合的に対策に取り組んでいます。 これまでの間、学校の法律相談体制の整備やタイムレコーダー、留守番電話の導入、夏季休業中の一斉休暇取得促進期間や定時退庁日の設定など、実践できるものから速やかに実施しています。 タイムレコーダーによる令和元年6月の集計結果によれば、土日を含む1週間当たりの教諭の勤務時間の平均は、小学校では47時間48分、中学校では48時間48分、特別支援学校では44時間53分、幼稚園で48時間17分となっています。 この時間数は平成29年度に実施した勤務実態調査とは実施時期・方法が異なり、単純に比較することはできませんが、小学校で10時間5分、中学校では15時間34分、特別支援学校では11時間12分、幼稚園で1時間48分の勤務時間の減となっています。 また、学校現場からは、夏季休業中の一斉休暇取得促進期間の設定により長期の休暇をとる教員がふえた結果、「リフレッシュして子どもたちと向き合える教員がふえた」との声も届いており、一定の効果が出ているものと捉えています。 今後、さらなる取り組みを進めることにより、教員が学び直しの時間を持てるようになり、より新鮮な授業を展開できるようになるなど、一層の効果が期待できるものと考えています。 次に、一部の小学校において導入されている副校長の事務を補助するための人材投入の実績と今後についてです。 現在、児童数が多いなどの事由がある区立小学校9校については、教職員の出勤簿の管理を初めとする副校長の事務を補助するため、事務職の再雇用職員である区政推進員が配置されています。 今後は、副校長の補助業務だけでなく、教員業務と学校配置職員の事務分掌の見直しに基づき整理した年間739時間分の業務の事務職員等への移行に向けて、区立小中学校における補助職員の配置の見直しを行ってまいります。 次に、教員の働き方改革の意義を保護者や地域に理解していただくための取り組みについてです。 教育委員会では、教員の職務が子どもたちの成長に大きくかかわることから、教員の長時間勤務を解消し、心身ともに健康でやりがいを持って質の高い教育活動を継続できるよう、平成30年度から教員の勤務環境の改善・働き方改革に取り組んでいます。 この取り組みの意義を保護者や地域の方々に御理解いただくために、昨年度は幼稚園及び小中学校のPTA総会や区町会連合会で説明を行うほか、理解促進のためのチラシを作成し、保護者や地域協働学校運営協議会、地区青少年育成委員会などの学校関係者に配付いたしました。また、今年度は、教育ビジョンリーフレットに働き方改革の意義や具体的な取り組みを載せて全保護者に配付するとともに、教育広報紙「しんじゅくの教育」に同様の記事を掲載し、広く周知に努めています。 このほか、各学校では保護者会や「学校だより」などの機会を捉えて、保護者への理解促進を図るとともに、学校ごとの取り組みについても保護者や地域に発出する文書のひな形を作成し、学校へ提供するなど、教育委員会が積極的にかかわり、理解を深めています。 今後も学校と教育委員会とが十分に連携しながら、働き方改革の取り組みを着実に推進していくことが子どもたちの豊かな学び・育ちの実現につながっていくものと考えています。 以上で答弁を終わります。
    ◆14番(渡辺みちたか) 区長、教育長より御答弁をいただきました。 区役所や教員の働き方改革、所有者不明土地、財政、殊に特別会計といった、地味と言うと語弊がありますが、とても目立つテーマとは言えないけれども、将来にかかわる非常に重要なテーマにも引き続き光を当てていきたいと考えております。 区におかれましても、ぜひ10年、20年先を見据えた行政運営をしていただくようにお願いを申し上げまして、本日の質問を終わります。 御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(吉住はるお) 以上で代表質問は終了しました。--------------------------------------- ○議長(吉住はるお) 次に、日程第2、一般質問を行います。 質問の通告を受けましたので、順に質問を許します。 最初に、28番伊藤陽平議員。     〔28番 伊藤陽平議員登壇、拍手〕 ◆28番(伊藤陽平) スタートアップ新宿の伊藤陽平です。 最初の質問は、決算についてです。 決算は、来年度予算を初め、今後の方針を決めるためにも非常に重要です。第3回定例会で設置される決算特別委員会では、より詳細な議論が行われることになりますが、今回は実績がゼロ円の箇所についてお話をさせていただきます。 予算が計上されていながらも実績がゼロ円になっている事業を確認しました。例えば、新宿区特別職報酬等審議会の実績はゼロ円です。 ホームページを確認したところ、平成30年度に審議会を開催した記録はなく、審議会は必要に応じて開かれるべきものであるため、ゼロ円になる理由もわかります。 一方で、たばこ商業協同組合への事業助成もゼロ円です。 先ほどの審議会とは異なり、助成を利用する相手方の状況や事業の妥当性が認められることで実績が発生するものです。 この事業は平成3年からスタートしていますが、平成29年と平成28年も利用実績ゼロであり、3年連続同様の傾向が続いています。 担当課に確認したところ、環境美化を推進する事業のようです。平成27年以前には、ごみ袋の購入等を目的とした50万円から75万円ほどの実績がありました。もちろん、環境美化活動の意義がないわけではありませんが、昨今はさまざまな形態の清掃活動が活発となり、別の部署や民間でも行われています。特定の組合に助成を限定する必要性は感じません。今後は自己負担で御対応いただけるようお願いをすることも必要です。 また、決算では執行率が重要な指標となります。評価については、その背景によりケース・バイ・ケースだと思いますが、今回のように実績がゼロ円の事業をどのように評価するかは来年度予算にもかかわってくるでしょう。 昨今、さまざまな社会課題についても議論されていますが、今後も新たな行政サービスがふえることで、区民にとっても負担になるかもしれません。それは望ましい状態ではなく、既存の事業を廃止・縮小しながら新たな課題に対応する区政であってほしいと願っています。 ゼロ円の事業を改革することが全体の財政に与える影響は少ないかもしれませんが、より効率的な税の使い道が選択できるようになることで、職員の新たなリソースを生み出すことにもつながると考えています。こうした小さな改革の積み重ねが大切です。 ここで3点伺います。 1、たばこ商業協同組合の事業助成のように、3年連続実績がゼロ円かつそれ以前も100万円に満たない実績の事業は廃止・縮小をするべきだと考えています。次年度以降の予算をどのようにお考えでしょうか。 2、予算と決算実績の乖離について、どのようなケースでポジティブ、またはネガティブな評価をされるのでしょうか。評価の基準を教えてください。 3、長期的に予算化されている案件についても、決算の実績を確認しながら見直しが必要だと思いますが、どのように対応されているのでしょうか、区長のお考えをお聞かせください。 ◎区長(吉住健一) 伊藤議員の御質問にお答えします。 決算についてのお尋ねです。 当初予算と執行実績の乖離については、事業実施に至る前の業務手順の工夫や仕様の見直しによる経費節減、入札等の契約差金など、さまざまな事由に起因するものと認識しています。 必ずしもその乖離のみで事業のよしあしの評価とはなりませんが、不用額が多額の場合には、効果的・効率的な行財政運営を行う観点から課題であると考えています。 予算編成では、決算実績から、規模により不用額の一定割合を既定経費から削減するとともに、全事業について書類審査等を通じて、事業ごとに査定を行っています。 事業ごとの査定に際しては、画一的な基準によらず、決算実績を初めとして各事業を多角的に審査し、総合的に判断しています。 令和2年度予算編成においても、基本方針の一つとして、引き続き行政評価や決算実績などに基づくPDCAサイクルによる全ての事務事業の見直しや徹底した歳出削減に取り組むこととしています。 ◆28番(伊藤陽平) 次の質問は、スタートアップについてです。 スタートアップでは、AI等のテクノロジーを活用し、イノベーションを起こしています。また、自治体がスタートアップと連携しながら課題の解決に取り組む事例もふえ、新宿区でも検討されていました。 以前、AIを用いたサービスの部分的な導入が決まったことがありました。しかし、システムを開発されている企業の社長から、最終的に契約には至らなかったと御連絡をいただきました。 企業の方は、新宿区から「1万円の単発プランでも契約が必要で、契約書は押印が必要だ」と言われたので、「対応が難しいです」とお返事をしたら、「今回はサービスを利用しないことになりました」と区から連絡が来ましたとお話をされていました。 今回の事例に限らず、規模の小さな企業では、事務員を雇用するのではなく、システムやITツールを導入するなど、経営の効率化をする傾向があります。経営の効率化が質の高いサービスを適正な価格で提供することにもつながっています。 実際に私も、電子による申込書、契約書、請求書を利用した経験があります。業務の停滞や事務コストを考えると、小規模な案件ごとに本来対応していない事務が発生することで業務が非効率になり、経営的な損失が発生する可能性もあります。 今回の契約は、金額や契約の継続性を考えても、電子的な申込書だけで十分だったのではないでしょうか。 その企業が提供するサービスは複数の自治体でも採用されていますが、その企業が現地に行かなかったケースも多く、請求書も全てPDFで送るだけだったとのことです。企業が新宿区のルールに合わせていただくのではなく、区が柔軟に対応を変えることができる範囲のことではないでしょうか。 特に単発の案件、金額が数万円程度の案件に関してはルールの見直しが必要です。企業側が仕事を避けることになる可能性があり、選択肢が狭くなってしまうと区民の利益を優先することができないと考えています。 ここで3点伺います。 1、昨今の電子申請や電子請求書等の電子契約の現状について把握をされていますか。契約書等の対応を企業が行うことについて、どのようにお考えですか。 また、契約に至らなかった原因は、契約書のほかにありましたか。 2、本件のように紙ベースの契約書でないと対応できないために契約に至らないことは課題だと認識しておりますが、いかがでしょうか。 3、新たな価値を生み出す企業と連携するためにも、電子契約などに柔軟に対応することで解決することが必要だと考えています。先行自治体や企業の御意向を参考にしながら、ルールの見直しを行っていただくことはできませんか。区長のお考えをお聞かせください。 ◎区長(吉住健一) スタートアップについてのお尋ねです。 初めに、電子申請や電子請求書等の電子契約の現状把握と紙ベースの契約書についてです。 電子契約については、インターネットが普及し、電子的な手段を用いた商取引、主に企業間の取引において請求書・契約書の印刷、押捺、郵送及び収入印紙も不要となるため、徐々に浸透し始めていることは認識しています。 一方で、電子契約の場合、電子的に企業が発行したことを簡便に保証する仕組みが現在ありません。企業が発行する請求書等については、企業代表者、または企業代表者から委任された担当者の電子署名で処理する必要があります。このため、担当者の異動や退職後に疑義が生じた場合のリスク回避が確立されていないなどの課題もあります。 また、電子データの真正性を保存期間内にわたって保証するタイムスタンプについて、法的な位置づけがないなどの課題があります。 これらの課題については、現在、総務省のワーキンググループにおいて電子契約等の信頼性の確立について検討されているところです。 今後、「紙からデジタルへ」の実現に向けて、データの信頼性を確保し、安心・安全なデータ流通を支える社会的基盤が構築されていくと考えています。 なお、御指摘の件については、「しんじゅく若者会議」において試験的に音声認証システムを導入するに当たり契約を締結しようとしたところ、紙での契約書に記名押印することを御了解いただけなかったため、契約に至らなかったものです。 次に、先行自治体や企業の御意向を参考にしたルールの見直しについてです。 自治体における電子契約の取り組みについては、まだ緒についたばかりです。区としては、総務省や本年2月に静岡県などが立ち上げた自治体電子契約研究会等、他自治体、企業の動向等を注視してまいります。 ◆28番(伊藤陽平) 次の質問は、子どもの健康についてです。 公益財団法人健康・体力づくり事業財団が運営するウエブサイト「厚生労働省のたばこ情報」によると、中学生男子の喫煙経験率は1996年で34.6%、2014年は6.6%、高校生男子の喫煙経験率は1996年で51.9%、2014年は11.9%となっており、大幅に減少しています。学校で実施されている喫煙防止教育、たばこの値上げ、価値観の変化等さまざまな要因があると考えられています。 しかし、未成年喫煙がゼロにはなっておらず、喫煙をしている中高生がいる可能性があります。 誤解をされている方も多いようですが、未成年喫煙禁止法で子どもたちが罰せられることはありません。 特に高校では、喫煙をやめたいと思っていても、退学等の処分を恐れて言い出せないことがあるようで、表面化しないことがあります。ニコチン依存が深刻になる前に治療へつなげることが大切です。 しかし、子どもの禁煙外来に対応している医療機関は非常に少なく、新宿区内では確認できませんでした。他自治体では、禁煙相談の窓口や未成年の禁煙治療ができる医療機関をホームページでも周知をされていますが、こうした取り組みを参考に、新宿区保健所、あるいは学校現場での対策が有効だと考えています。 ここで4点伺います。 1、新宿区保健所を中心に未成年喫煙の相談に応じる環境を整えることが大切だと考えていますが、いかがでしょうか。 2、未成年喫煙の相談について保健所や学校で情報提供をされてみてはいかがでしょうか。 3、新宿区で行われている喫煙防止教育では、どのようなことをお伝えしていますか。 4、小中学校でも状況に応じて治療へつなげることが必要だと考えています。学校、特に養護教員へ適切な治療に関する情報提供や治療へつながる体制を構築することが必要だと考えていますが、いかがでしょうか。 区長と教育委員会のお考えをお聞かせください。 ◎区長(吉住健一) 子どもの健康についてのお尋ねです。 子どもの健康、未成年の喫煙についてです。 未成年者の喫煙は、喫煙早期に健康影響を及ぼすとともに、短期にニコチン依存症に陥ることが報告されており、保健所・保健センターが中心となり、喫煙者が禁煙できるよう相談を受け、支援していくことは必要であると考えています。 区では現在、未成年者を含め、保健センターで随時禁煙相談を受け付けています。また、区のホームページを通じ、区が実施する禁煙相談のほか、医療機関が実施する禁煙外来や禁煙方法について情報提供をしています。 未成年の禁煙治療は薬物治療だけでなく、心理的アプローチや家族等への対応など、心理社会的治療をあわせて行うことが必要とされています。 このため、今後、未成年者の禁煙治療に関する情報収集に努め、未成年者も相談しやすいよう、相談窓口や治療について区ホームページに掲載するとともに、区内中学校等を通じて情報提供をしてまいります。 ◎教育長(酒井敏男) 教育委員会への御質問にお答えします。 喫煙防止教育についてのお尋ねです。 喫煙が健康に与える影響等については、小学校では第6学年、中学校では第2学年の保健の学習の中で指導しています。 具体的には、喫煙により呼吸や心臓の働きに影響があることや、受動喫煙により周囲の人々の健康にも影響を及ぼすこと、常習的な喫煙により、がんや心臓病にかかりやすくなることなどに触れています。 また、中学校では、未成年者の喫煙は身体に大きな影響を及ぼし、ニコチンの作用などにより依存症になりやすいことについても伝えています。 これらの学習を通し、児童・生徒が健康の大切さや病気の予防について理解し、生涯にわたって自己の健康を保持増進できるよう指導しています。 ○議長(吉住はるお) ここで、議事進行の都合により休憩します。 △休憩 午前11時58分--------------------------------------- △再開 午後1時14分 ○議長(吉住はるお) ただいまから、会議を再開します。 質問を続行します。 ◆28番(伊藤陽平) 次の質問は、危機管理についてです。 最初に、他自治体や関係機関との連携について伺います。 自然災害等が発生した際は、各自治体との連携が必要です。東京都災害時受援応援計画によると、カウンターパート方式により自治体の割り当てが行われることになります。もちろん、新宿区が独自に自治体と連携することは妨げられるものではなく、重要だと考えています。 新宿区地域防災計画を確認したところ、23区相互に協定を結んでいますが、より効果的な連携は、同時期に災害等の影響を受けない遠方の自治体です。 グリーンヒル八ヶ岳でもお世話になっている山梨県北杜市とは過去に協定を締結し、ボランティアのあっせんについて決められています。さらに、友好提携都市の長野県伊那市、地球環境保全協定を結んでいる群馬県沼田市と連携が行われています。 もちろん、関係が良好な自治体との連携は大変意義のあることですが、危機管理の観点から有効な連携を進めることも大切です。 例えば、救援物資という観点で遠方の自治体との連携を考えることが必要です。その際に支援物資の空輸は有効です。東日本大震災の際に、神奈川県は自衛隊や在日米軍と連携し、救援物資の空輸が行われていました。 ここで2点伺います。 1、危機管理の観点から、既存の連携自治体やカウンターパート方式による連携自治体以外にも、遠方の自治体との連携が必要だと考えていますが、今後どのように対応されますか。 2、救援物資の確保において空輸は有効な手段だと考えていますが、いかがでしょうか。関係機関と空輸を含めた救援物資の確保について協議を行うなど、今後の取り組めることがあれば教えてください。 区長のお考えをお聞かせください。 次に、児童・生徒を守るための不審者・防犯対策について伺います。 京都アニメーションや川崎市のカリタス小学校などで痛ましい事件が起きてしまいました。さらに、お隣の中野区など近隣でも不審者が問題になりました。 子どもたちも不審者対策の重要性を認識し、落合第三小学校で開催された「小・中学生フォーラム」では関連する発表が行われていました。 刺股を利用した不審者対策の訓練が行われていますが、実施頻度が少ないと子どもたちが指摘をしていました。私もその感覚は正しいと感じました。 以前から防災教育には注目が集まっていますが、防犯教育についてもさらに力を入れるべきです。 最近では、悪意を持ち危害を加えることを目的にした殺傷事案など計画的な犯行が起きています。テロリストと同様の存在であり、徹底した対策が必要です。ハード面での防犯対策はもちろん、防犯に対するマニュアルや対策を見直すことが大切です。 新宿区立の学校では、入り口を施錠することで不審者の侵入を防いでいます。しかし、明確な意図を持って侵入しようと思えば、門や塀を乗り越えてしまう可能性があります。また、行事によっては入り口が開放されることもありますが、そのような場合の対策を考える必要があります。 実際に悪意のある侵入者が入ってきた場合、児童・生徒がどのように逃げ、隠れるかについては、さらなる対策が必要です。 他の自治体の訓練では、不審者の位置が確認されていない段階で、児童・生徒を講堂や体育館に避難誘導している例も見られます。極めて危険で、児童・生徒のリスクを高めるような誤った訓練だと専門家も指摘しています。 校内に悪意を持った不審者が入ってきたらどう動くか、教職員だけでなく児童・生徒にも避難する訓練をしておくべきだと考えています。 アメリカでは、「スクールセキュリティ」が重要視され、危機管理の専門家との連携が積極的に行われています。強固な守り、不審者の早期発見、時間稼ぎ、緊急対応が行えるよう指導されています。刺股等による対応も想定されますが、近くにない場合もありますので、十分ではないと考えています。 海外では、生徒が近くにあるものを一斉に投げる抵抗方式や教室に鍵をかけて電気を消すことで身を隠す方法、バリケードのつくり方など、ノウハウの共有や訓練が行われています。日本でも子どもたちが不審者に対し適切に対処する手段や隠れ方を学ぶことが必要です。 そのためにも、海外の事情にも詳しい危機管理の専門家の知見を活用することが有効だと考えています。 そして、教員や児童・生徒に向けたマニュアルや啓発資料を作成し、演習の強化が必要です。 ここで3点伺います。 1、区内の学校で不審者が壁を乗り越える可能性について、どのようにお考えでしょうか。 2、子どもが不審者と遭遇した際の対応などについて、どのように指導されているのでしょうか。 3、海外のスクールセキュリティのような危機管理の専門家との連携が必要だと考えていますが、いかがでしょうか。 教育委員会のお考えをお聞かせください。 ◎区長(吉住健一) 危機管理についてのお尋ねです。 初めに、他自治体との連携についてです。 首都直下地震等の大規模災害時には都内全域が被災するおそれがあるため、全国自治体からの支援については、都が平成30年1月に策定した東京都災害時受援応援計画に基づき、カウンターパート方式による職員派遣や物資支援を各区に行うこととしています。 区においても、都の計画を踏まえ、今年度、新宿区受援応援計画を策定し、受援応援体制の一層の強化を図ってまいります。 そのほか、区は独自に伊那市、北杜市、沼田市及び義士親善友好都市の全国22の自治体と相互援助協定を締結し、職員派遣や物資援助に係る協力体制を構築しています。 災害時の協定締結に当たっては、相互援助が前提であり、また応急業務等を迅速かつ効果的に実施するためには、平時から親密な関係が築かれていることが重要であることから、これらの自治体については日ごろからさまざまな事業等を通して交流を深めているところです。 今後の他自治体との連携についても、平時から交流のある自治体とパートナーとなることで、実効性のある協力体制が築けるものと考えています。 次に、救援物資の確保等については、被害状況によっては道路が寸断されることも想定されることから、区の地域防災計画において自衛隊機の臨時離着陸場を定め、支援を受けることとしています。 今後も国、都、他自治体、防災関係機関との連携を密にし、物資輸送や確保を初めとする防災対策の充実・強化を図ってまいります。 ◎教育長(酒井敏男) 教育委員会への御質問にお答えします。 児童・生徒を守るための不審者・防犯対策についてのお尋ねです。 初めに、区内の学校で不審者が壁を乗り越える可能性についてです。 御指摘のとおり、侵入しようとする明確な意図を持った者がいた場合、区立小中学校の門や囲い塀を乗り越えることは可能であると考えます。 現在、区立の小中学校では、通用門にモニターつきインターホンを設置するとともに、敷地内にも防犯カメラを設置し、モニターでの確認や監視を行うことで不審者の侵入を抑止しています。また、不審者が学校内に侵入した場合は、校内に設置した緊急防犯システムを用いて、教室等のフラッシュランプの点滅やサイレン発報により危険を知らせるなど、緊急事態に迅速に対応できる体制を講じて児童・生徒の安全確保に努めています。 次に、不審者への対応に関する指導についてのお尋ねです。 現在、各学校においては、不審者対応のために、警察署にも御協力をいただきながら、不審者が侵入した際の避難訓練や教職員の対応訓練を実施しています。 具体的には、児童・生徒が鍵をかけて教室内でバリケードを組み、ドアから離れて身を潜めるなど、身を守るすべを学んでいます。 避難の際は、不審者の居場所を特定した上で暗号化した放送で指示を出し、より安全な移動ができるように工夫しています。 また、校外で不審者と遭遇した際の対処法については、不審者から距離をとることや防犯ブザーの使用の仕方を身につけられるようにしています。特に対応の基本である「いかない」「のらない」「おおごえをだす」「すぐににげる」「しらせる」の頭文字をとってつくられた防犯標語「いかのおすし」は、覚えやすい歌などとともに指導しています。 次に、危機管理の専門家との連携についてです。 児童・生徒の命や安全を守るためには、危機管理の専門家と連携を図ることが重要であると考えます。 現在、各学校では、子どもたちを犯罪被害から守るための取り組みとして、学校・家庭・地域・関係機関などの連携によるセーフティ教室を実施しています。この教室では、警察署や警備会社などの民間企業から外部講師を招き、児童・生徒が専門的な話を聞いたり、身を守る方法を実際に体験したりするだけでなく、集まった関係者が防犯について協議するなどしています。 また、小学校では、地域や警察の方と地域をめぐって「地域安全マップ」を作成し、学校周辺の「子ども110番の家」や犯罪が起こりやすい危険な場所を確認できるようにしています。 今後も専門家の指導や助言を受けるなどして、児童・生徒、教職員が危機管理意識を高め、危険を予測して回避する能力や対応力を高められるよう指導してまいります。 以上で答弁を終わります。 ◆28番(伊藤陽平) 区長、教育長、大変丁寧な御答弁をいただき、まことにありがとうございました。 書類の電子化の話をさせていただいたんですけれども、電子申請もそうなんですけれども、企業との契約、こういったところも改善していただけると今後ありがたいなというふうに思いました。特に小さい企業だと、なかなかそういった事務員の方がいらっしゃらなかったりとか、そういった事情もあるので、今後はそういった電子的なやりとりにも対応していただきたいということを改めてお願いいたします。 あと1点だけちょっと伺いたいことがあるんですけれども、私は決算特別委員会に入れるかわからないものですから、最初の質問に戻りたいと思っているんですけれども。 具体的に、最初に、たばこ商業協同組合の事業助成について伺おうと思って書いたんですけれども、私の書き方も若干、具体的にたばこ商業協同組合について御答弁いただきたいという意図が伝わらなかったのかもしれないんですけれども、そこについて伺いたいと思っています。 実際にこの事業、実績が3年間ゼロということになっておりまして、ゼロでも残っている理由。まず1点目が、ゼロでも2回ゼロで、3回目もゼロで残した理由というのをまず伺いたいというのと、あと今回ゼロであったことの評価というのがこの事業に関しては具体的に見えてこなかったんで、たばこ商業協同組合の事業助成がどういう評価になっているのかというのを伺いたいというのと、まだ検討中かもしれないんですけれども。 実際にこの事業の必要性に関して、私はこれは実際事業の必要性は余り感じていないんですけれども、これがまだ必要性があるのかというあたりも伺いたいなと思いまして、改めて御答弁をいただければと思いました。よろしくお願いします。 ◎総務部長(針谷弘志) 再質問にお答えさせていただきます。 たばこ商業協同組合の事業助成ですけれども、平成3年からスタートしているといったこともございまして、当時はたばこの吸い殻をきれいにするといいますか、ポイ捨てに対してまちをきれいにしていきたいといったようなことで灰皿のようなものを設置したりですとか、携帯用のものをお配りしたりとかというようなことをされておりまして、そういった意味では、まちの中をきれいにするといったような活動に私たちといいますか、新宿区としても助成をさせていただいていたといったような実態がございました。 ところが、今般といいますか、最近におきましては、たばこに対する大きな法改正などもございまして、なかなかたばこについて、許容しながらもどういうふうにやっていったらいいのかといったようなことを考えたときには、たばこ商業協同組合の側といたしましても、どういうようなことに活動していけばいいのかといったところで悩まれているところもあるようでございまして、ここ数年、執行額としてはゼロといったことになってございますけれども、まちをきれいにしたいというところでは、そのまま事業として残させていただいているところでございますが、今般の御指摘もございましたので、協同組合といろいろお話もしながら、今後どういうふうに進めていきたいかというのを考えていきたいと思います。 ◆28番(伊藤陽平) 御答弁いただき、ありがとうございました。私もこの事業のもともとの趣旨自体が問題があるとは全く思っていませんし、むしろ、いいことだというふうにも思っているんですけれども、こういった事業のあり方を見直したりとか、この組合以外にも課題の解決の方法というのがもしかしたらいろいろあるかもしれないんで、そういった広い観点で見直していただければいいのかなと思います。 実際、組合と今後お話をしていただくということなんで、またそのあたりも今後伺っていきたいとは思っておりますが、きょうはこの辺で終わりにいたします。 どうもありがとうございました。(拍手) ○議長(吉住はるお) 次に、15番よだかれん議員。     〔15番 よだかれん議員登壇、拍手〕     〔「頑張れ」と呼ぶ者あり〕 ◆15番(よだかれん) ちいさき声をすくいあげる会のよだかれんでございます。本日は、3つ質問をさせていただきたいと思います。 質問の第1は、「長生きをして若い人に迷惑をかけたくない」と思わせない社会づくりについてお伺いいたします。 4日前の9月16日は敬老の日でした。 新宿区では、古希・喜寿・米寿という人生の節目を迎えられた方、そして96歳から99歳になられた長寿の皆様にお祝い金をお贈りしています。さらに、100歳を迎えられる方が希望すれば、何と区長が訪問して直接お祝い金をお渡しするというすばらしい事業がございます。 先日、米寿を迎えられた区民の方から、「新宿区から1万円ももらっちゃったわ。かれんさん、どうもありがとう。年金は2カ月に1度入るのだけれども、今月は年金が出ない月だったから助かっちゃった」と、それはそれはうれしそうな声でお電話を頂戴いたしました。私がお支払いしているわけでもなく、私がお祝い金制度を整えたわけでもないので少々心苦しかったのですが、うれしそうなお声を聞いて、こちらまでうれしくなり、とうとい事業を行ってくれているなと新宿区政に対して感謝の気持ちが湧いてきました。 しかし、その直後、その方が「お祝いしてもらってうれしいのだけれども、あんまり長生きをして若い人に迷惑をかけたくないのよね」、そうおっしゃったのを聞いて、私は衝撃を受けました。激動の長い人生を歩んできた偉大な人生の先輩です。その方たちに長生きをしたら若い人に申しわけないと感じさせる社会は、とても悲しいです。 医療・年金・介護と増大する社会保障費を初めとして、高齢者をめぐる話題というのはとかくネガティブなものになりがちですが、本来高齢者の皆様はお荷物などではなく、宝物です。財産です。 それを証明する、戦争を体験した区民のお話を伺える映像作品「未来に語り継ぐ平和へのメッセージ」を作成し、ホームページや学校等で活用しているのはすばらしい事業だと思います。 さらに発展させて、この新宿区の誇る財産である御高齢者を最大限活用するような取り組みを行っていただきたいと思います。 そこで質問です。 1、長生きをして若い人に迷惑をかけたくないと御高齢者に思わせない社会を生み出すため、もっと身近に、手軽に、SNSなどで若者にも目を向けてもらえる形で、高齢区民の皆様が人生から学んだ信念や教訓などを発信するコーナーを既存のSNSコンテンツや「広報新宿」等に加えるのはいかがでしょうか。 2、区として、今の段階で、長生きをして若い人に迷惑をかけたくないと御高齢者に思わせない社会を生み出すことにつながるような事業や計画はございますでしょうか。 区長のお考えをお聞かせください。 ◎区長(吉住健一) よだ議員の質問にお答えします。 「長生きをして若い人に迷惑をかけたくない」と思わせない社会づくりについてのお尋ねです。 区は、新宿区総合計画において「暮らしやすさ1番の新宿」を基本政策の一つに位置づけ、高齢者の誰もが社会貢献活動などを通して意欲的かつ前向きに毎日を過ごすことができ、健康づくりや介護予防にも取り組むことのできるまちを、めざすまちの姿としています。 このめざすまちの姿を実現するため、区は高齢者が地域活動の担い手として主体的に参加する「地域支え合い活動」を推進しています。 活動の拠点である薬王寺地域ささえあい館では、高齢者が地域の担い手として活躍できるよう、さまざまな講座を開催しています。講座の修了者は、館の屋上庭園で育てた鉢植えを地域行事で配布して多くの方々に喜ばれたり、保育園で絵本の読み聞かせを行いながら園児たちと楽しく触れ合うなど、地域でいきいきと活躍しています。 あわせて、各地域のシニア活動館や地域交流館では、高齢者が高校生とグループで話し合ったり、地域のお祭りで子どもや保護者と交流しながら盆踊りを教えるなど、多世代による交流が積極的に行われています。 このような地域における多世代交流は高齢者の社会参加の場であるとともに、高齢者がみずからの経験等を若い世代に伝える機会となっています。 また、「広報新宿」や広報番組でもこうした活動を取り上げ、高齢者の方々を紹介しています。 今後も引き続き、高齢者がいつまでも安心して、いきいきと暮らせる地域づくりを積極的に進めるとともに、区民の皆様が互いに理解し合い、助け合い、支え合う地域づくりの意識を持てるきっかけとなるよう情報発信に努めてまいります。 ◆15番(よだかれん) 質問の第2は、ヘアドネーション男子についてお伺いします。 ヘアドネーションというのは、がんや白血病、先天性の無毛症、不慮の事故などにより髪の毛を失ってしまった人々、主として子どもにオーダーメイドの人毛ウィッグをプレゼントするため髪の毛を寄附することを言います。 大人用のウィッグと違い、子どもサイズのウィッグは量産されておらず、低価格で粗悪なウィッグをかぶっていると見た目でウィッグとわかってしまい、いじめられたりからかわれてしまったりという問題がありますが、自然に見える人毛ウィッグはとても高価で、購入できる家庭は限られています。 そこで、病気に苦しみ、さらに髪の毛の問題で塞ぎ込んでいる子どもに自信を取り戻し、元気に笑顔で日常生活に戻ってもらおうと、このヘアドネーションが始まりました。 髪の毛を寄附するためには31センチ以上の長さが必要なのですが、この趣旨に賛同し、女性のみならず、男性でもヘアドネーションを行っている方がいらっしゃいます。 大人の男性でも、職場の環境によっては髪の毛を伸ばせないということもありますが、特に問題となるのがヘアドネーション男子です。 小学生の男の子の場合、ヘアドネーションのために髪の毛を伸ばしていると、からかわれたりすることも多いようですが、強い信念ではね返したり、先生も温かく見守ってくれることが多いようです。しかし、中学生になると校則の問題が出てきます。校則で認められずに、伸ばした髪の毛を切らざるを得なかったり、そもそも髪の毛を伸ばすことが認められていなければ、ヘアドネーションはできません。苦しんでいる子どもの役に立ちたいという崇高な心の芽を摘むこととなり、また同時に、ウィッグの完成を待っている子どもの提供を受ける機会を奪うことにもつながります。 ヘアドネーションによるウィッグ製作を行っている、あるNPO法人では、現在250人以上の子どもが順番を待っています。1つのウィッグを製作するためには20人から30人分の髪の毛が必要なので、少なく見積もっても5,000人以上から髪の毛の提供を受ける必要があります。 そこで伺います。 1、ヘアドネーションを行うためには、31センチ以上の髪の毛の長さが必要です。新宿区立中学校では、ヘアドネーションをするために髪の毛を伸ばしたいという女子生徒、また男子生徒がいる場合にどのような対応をとることとなりますか。 2、大人の男性でも就業規則などによりヘアドネーションのために髪を伸ばすことができないという方がいらっしゃいます。新宿区役所では、性別問わず、職員がヘアドネーションのために髪の毛を伸ばすことは可能でしょうか。 区長のお考えをお聞かせください。 ◎区長(吉住健一) ヘアドネーション男子についてのお尋ねです。 初めに、区では、性別を問わず、職員がヘアドネーションのために髪の毛を伸ばすことは可能であるかとのお尋ねです。 区は、「好感度1番の区役所」の実現に向け、接遇の向上などについて研修を実施するとともに、一人ひとりが新宿区の顔であるとの認識のもと、全職員に「職員マナーブック」を配布しております。 「職員マナーブック」では、好感度アップの身だしなみのポイントとして、不快感を与えない、清潔な印象を与えることを求めております。 区民との信頼関係を築く接遇の基本として、常に清潔さを心がけ、職務に支障のない限り、性別を問わず、職員がヘアドネーションのために髪の毛を伸ばすことは差し支えありません。 ◎教育長(酒井敏男) 教育委員会への御質問にお答えします。 新宿区立学校におけるヘアドネーションを行うために髪の毛を伸ばしたいという生徒への対応についてのお尋ねです。 教育委員会では、各学校と常に情報共有を行っていますが、現在までヘアドネーションを行うために髪の毛を伸ばしたいという相談が生徒からあったとの報告はありません。 学校には、生徒・保護者からさまざまな相談が寄せられ、実際に宗教上の理由からピアスを身につけたいなどの相談があった際には、対話を続け、よりよい方法を模索するなどの対応をとっています。 現状では相談はありませんが、ヘアドネーションのために髪の毛を伸ばしたいという生徒からの相談があった場合にも生徒・保護者との対話を重ね、その意思を尊重した対応ができるものと考えています。 ◆15番(よだかれん) 質問の第3は、LGBTプラスの社会的養護への貢献についてお伺いします。 現在日本では、虐待や経済状況などさまざまな事情で親と暮らせない子どもが約4万5,000人存在しています。こうした子どもを社会全体で育てていこうというのが「社会的養護」という考え方で、「施設養護」と「家庭養護」の2つに分けられます。 欧米主要国では、社会的養護のうち9割以上が家庭養護という国が存在するのに対し、日本では家庭養護の割合は2割にも満たない状況です。 施設養護にかかわる皆様の御尽力を否定するわけではなく、家庭養護においては、特定の大人との愛着関係のもとで養育されることにより、安心感、自己肯定感が増し、家庭生活を体験することで将来自身が家庭生活を築く上でのモデルとすることができるなどメリットが大きいことから、里親家庭をふやすべく、2016年に児童福祉法が改正され、「社会的養護は家庭養護が原則である」ということが法律において明確化されました。 ちなみに、間もなくやってくる10月、11月は里親月間です。 里親認定基準においては、厚生労働省里親委託ガイドラインが2011年に策定された段階で、同性同士のカップルが養育里親となることは禁じられておらず、2017年、大阪市で男性同士のカップルが全国で初めて養育里親に認定されました。 こうした流れの中、2018年10月、東京都の里親認定基準もおくればせながら改正され、同性同士のカップルも養育里親として認められることとなりました。 里親登録の申し込みや相談は、住んでいる地域を担当する児童相談所に行うこととなっておりますので、現在、児童相談所の設置を目指している新宿区におきましても、設置の後には同性同士のカップルの里親登録申し込みや問い合わせをお受けすることが予想されます。 さらに、現在は東京都における里親登録認定の可否は東京都知事が行いますが、これから区において児童相談所が設置されると、区独自の認定基準を定め、区長が里親認定の可否を行うこととなります。 里親制度は、子どもを育てたい大人のための制度ではなく、あくまでも温かな家庭養護を必要とする子どものための制度です。子どもが家庭養護を受ける機会を失わないよう、適切な認定基準を策定することが求められます。 そこで伺います。 1、里親登録申し込み・問い合わせ・相談窓口でもある児童相談所設置に向けて、新宿区はその準備に力を入れているさなかかと思いますが、要件を満たしていれば、同性同士のカップルであっても里親家庭の大切な担い手であるとする国や都と同様の認識の上で認定基準の策定が行われていますでしょうか。 2、児童相談所を中心とした社会的養護、特に家庭養護である里親制度を広めてゆくためには、里親家庭、同性同士のカップル家庭、ひとり親家庭、外国人家庭、障害者もいる家庭など、多様な家族のあり方というものを区民の皆様、特に子どもたちに知ってもらい、理解や共感を深めてゆくことが大切だと思います。 そのために新宿区としてどのような取り組みを進めてゆくのか、区長のお考えをお聞かせください。 ◎区長(吉住健一) LGBTプラスの社会的養護への貢献についてのお尋ねです。 東京都は、平成30年10月の里親認定基準の見直しにより、配偶者がいない場合に必要な補助者について親族または事実婚の同居者から要件を緩和し、親族以外の同居者も可能としました。 区が児童相談所を設置した場合も同じ認定基準で都区統一することを東京都と児童相談所設置希望区との協議の中で確認しているところです。 また、区では里親制度の周知、啓発活動として、毎年、都と共催で養育家庭体験発表会や児童虐待防止の街頭キャンペーンを行っています。 今後は、こうした取り組みに加え、広く区民の方が里親や多様な家族のあり方について理解を深めてもらえるよう、親しみやすいパンフレットやDVDを作成するなど、周知・啓発活動を検討してまいります。 ◆15番(よだかれん) 区長、教育長、丁寧な御答弁、ありがとうございました。 まず1つ目の「長生きをして若い人に迷惑をかけたくない」と御高齢者に思わせない社会づくりについてですが、すばらしい取り組みを数々されているということで感謝を申し上げます。これからも、さらにその周知、広報にも力を入れていただけたらと思います。 10月17日、18日には、77歳以上の区民の方を対象にした敬老事業が行われます。私も新宿区議会議員として初めて参加させていただきますので、新宿区の人生の先輩にお会いできるのを楽しみにしております。 この77歳以上の区民の方に御案内が行っているとは思うんですが、御存じない方もいらっしゃるようですので、まだ日もあるので、さらなる周知をお願いできたらと思います。 それから、2つ目のヘアドネーション男子についてなんですが、教育長から大変心強いお言葉を頂戴しました。大々的に「ヘアドネーションできるよ」と言っていただく必要はなく、希望する生徒に個別対応していただけるという、それだけでもとてもありがたいことです。 このヘアドネーションというのは、年齢、性別、国籍、学歴、障害の有無、そういったことを関係なく、誰でもできるボランティアの1つの形です。私もこれから髪の毛を伸ばしてヘアドネーションにトライしたいと思いますので、区長初め職員の皆さんも、この趣旨にぜひ賛同していただいてヘアドネーション男子になっていただけたらと思います。よろしくお願いいたします。 それから、3つ目のLGBTプラスの社会的養護、ここで1つ再質問をよろしいでしょうか。ありがとうございます。 国や都と同様の基準で策定していただけているということで大変うれしく思っており、感謝申し上げます。 そこで再質問なんですけれども、現在は東京都知事が判断をするということで、東京都福祉保健局へ確認しましたところ、同性同士のパートナーであっても、里親として認定できると。ただ、そのときにその里親の同居の安定性、継続性、そういったものを審査する際に、パートナーシップ証明制度というものがあるとプラスに働くという言葉をいただきました。そういう意味で、区長おっしゃるように婚姻制度のあり方というのは国において結論を出すべきものかとも思いますが、同性婚が認められるのがいつになるのかは今の段階ではわかりません。しかし、新宿区が児童相談所を設置するのは2024年と目標がございます。ある程度の期間が決まっておりますので、それまでの間にパートナーシップ証明制度を整えていただくと、区長が里親の登録認定をする際に、申請する側も同居の安定性、継続性を証明しやすい、判断する区長側も同居の安定性、継続性…… ○議長(吉住はるお) よだ議員、この場は再質問の場でございますので、ただいまの御発言はそもそもの質問から少し外れてきているように感じますが、大丈夫ですか。 ◆15番(よだかれん) はい、大丈夫です。見事に着地させていただきたいと思います。 なので、審査をするときにパートナーシップ証明制度があると、同居の安定性、継続性、判断しやすくなると思います。そういった意味でパートナーシップ証明制度を新宿区で整えることはいかがでしょうか、お願いいたします。 ○議長(吉住はるお) すみません、よだ議員、パートナーシップの御質問ということになりますと、そもそもの出された質問とはまた別の御質問ということになりますので。再質問というのは、そもそもされた質問の答弁が不十分だった場合に聞くケースがほとんどでございますので、こちらの場合は議題外にわたっているというふうに判断できると思うので、よろしいですか。 ◆15番(よだかれん) かしこまりました。議長の判断に従います。大変失礼いたしました。区長、失礼いたしました。 それでは、再質問は結構でございます。ちいさき声をすくいあげる会、よだかれん、質問は以上でございます。御清聴、まことにありがとうございました。(拍手) ○議長(吉住はるお) 次に、27番松田みき議員。     〔27番 松田みき議員登壇、拍手〕 ◆27番(松田みき) 新宿区民を守る会、松田みきです。よろしくお願いいたします。 冒頭に、このたびの台風15号に際し、被害に遭われた皆様に心よりお見舞い申し上げますとともに、一日も早い復興をお祈りいたします。 それでは、質問に入らせていただきます。 まず、新宿区が支払うNHK受信料とその義務についてお伺いをいたします。 私が所属しているNHKから国民を守る党は、7月に行われた参議院議員選挙において政党要件を満たし、政治団体から公党となることができました。これは皆様の多大なる御支援、そして私たちNHKから国民を守る党に、NHKをぶっ壊してほしいと真剣に願っている方々の思いの強さによって歩み出すことができた大きな一歩であると思っております。 今後も公約に掲げたとおり、NHKの被害に遭われている方を全力でお守りするとともに、NHKのスクランブル放送の導入に向けて邁進してまいります。 ただいま申し上げたように、NHKから国民を守る党から初めて国会議員が誕生したことによって知ることができたのですが、参議院議員控室に設置されたテレビの受信契約は、設置者本人に契約の締結義務が発生いたします。 そのため、国会議員がNHK受信料を踏み倒すということを実行するため、あえてNHKから国民を守る党の党首である立花孝志の参議院議員控室にNHKの放送を受信することができるテレビを設置いたしました。 実際にNHKから立花孝志宛てにNHK受信料の請求書が送られてきておりますが、支払いはしておりません。 放送法には受信設備を設置した者に対する契約義務については記載がされておりますが、NHK受信料の支払いについては記載がないため、国会議員がNHK受信料を支払わずに踏み倒していたとしても、何ら問題はありません。 一方で、参議院議員控室のテレビとは異なり、新宿区議会の議員控室に設置されているテレビは、議員ではなく新宿区で契約をしており、NHK受信料の支払いも区で行っていると伺っております。 ニュース番組等を見ることで調査研究等に必要な情報を入手できるように控室にテレビを設置しているとの説明がありましたが、有料放送であるNHKをわざわざ税金を利用してまで見る必要性がどれほどあるのでしょうか。 NHKに限らず、娯楽番組も多く放送されるテレビで、公共性の高い情報を必要なときに必要なだけ入手するのは困難であり、非効率的なだけでなく、どれだけ有効利用されているかわからないものに対して税金を投入するという行為に疑問を抱きます。 実際に私が自身の控室でテレビの電源を入れたのは、1度だけです。当選後に議員控室を用意していただき、その際に、設置されていたテレビでNHKが視聴できるのかどうか確認をするために電源を入れてチャンネルを合わせました。 私の議員控室にテレビを設置するかどうかについては、二度にわたって不要な旨をお伝えしておりましたが、2019年5月24日から現在に至るまで設置されたままとなっております。 情報収集のために必要であるというのであれば、テレビの設置よりもインターネット環境をより便利で安全なものに整えるほうがよほど有益であると考えます。     〔「そのとおり」と呼ぶ者あり〕 せめてテレビが必要か、不必要であるかの選択の余地を持たせ、控室に設置したテレビに関しては、税金で受信料を支払うのではなく、参議院議員控室のようにテレビを利用している議員個人が支払うことが妥当ではないかと考えます。 また、令和元年第2回定例会で、NHKの契約とワンセグ機能つき携帯電話やカーナビについて質問をさせていただいた際、緊急の連絡や業務調整等を目的として、新宿区はリースを含めて173台を管理・保有しているとの御回答をいただきました。 緊急の連絡や業務連絡であれば、NHKの放送の受信を目的として設置されたものではなく、ワンセグ機能、フルセグ機能がついている機種を必要としているとは考えにくいものがあります。 例えば、NHKを初めとするテレビ放送で災害情報を取得しようとした場合、いつ、どのタイミングで自身の必要としている地域の情報が流れてくるか予想がつきません。いつ放送されるのか、そもそも自身が必要とする内容の放送自体があるものなのかどうかもわからないままテレビの前で待機しているよりも、東京都新宿区という狭い範囲での情報であれば、インターネットを利用して政府や気象庁等から情報を得たほうが早く正確で、おのおのの都合のよいタイミングで必要な情報を確認することができます。 前回の私の質問に対し、「新宿区としては受信契約締結義務に係る裁判の動向を見守っていたため、これまでワンセグ、フルセグ機能つきの携帯電話やカーナビについて受信契約を行ってこなかったが、今後適切に契約をしていく」との御回答をいただきました。 しかし、先ほども申し上げましたとおり、携帯電話やカーナビを緊急の連絡や業務調整等の目的で使用しているのであれば、NHKの放送を受信するために保有しているとは言えず、ワンセグ、フルセグ機能がついていない機器に買いかえるという選択肢もあったはずです。 当然のことではありますが、契約対象となる機器を持っていなければ、NHKとの放送受信契約締結義務も発生いたしません。 携帯電話やカーナビをワンセグやフルセグ機能がついていないものに買いかえることで新たなコストが発生いたしますが、機器の維持費や古くなった場合、故障した場合などの買いかえ費用に加えて何年、何十年とNHK受信料を支払い続けることに比べれば、はるかに安いコストになるのではないかと思われます。 そこでお伺いします。 1、新宿区で保有しているワンセグ、フルセグ機能つきの携帯電話やカーナビについて、設置日にさかのぼってNHKと受信契約を締結したと聞いておりますが、区としてNHK受信料を幾ら支払ったのか、今後は年間幾ら支払っていく予定となるのかお教えください。 2、NHKと受信契約を締結するのではなく、なぜワンセグ、フルセグ機能がついていない機器に買いかえるという選択をしなかったのか、区長のお考えをお教えください。 3、議員控室に設置されているテレビのNHK放送受信契約とその支払いについて、なぜ議員ではなく新宿区が負担しているのかについても理由をお聞かせください。 ◎区長(吉住健一) 松田議員の御質問にお答えします。 新宿区が支払うNHK受信料とその義務についてのお尋ねです。 初めに、ワンセグ、フルセグ機能つきの携帯電話、カーナビのNHK受信料の支払い額についてです。 これらの機器については、テレビ放送を受信できる機能を有している点で受信契約の対象となることをNHKに確認し、令和元年7月17日付で受信契約を締結したところです。 携帯電話については、その保管場所に受信契約を締結しているテレビが設置されている場合には、2台目以降の受信機として新たな受信契約は不要とされるため、区で保有する携帯電話の多くで契約義務がなく、受信契約を締結した携帯電話は1台です。 一方、カーナビについては、自動車ごとに受信契約が必要なため、保有する12台全て契約を締結しました。 携帯電話とカーナビを合わせた13台の受信料は、設置した月から今年度末までの支払い額として、約93万円です。 なお、来年度以降の受信料は年間で約9万円を見込んでいるところです。 次に、ワンセグ、フルセグ機能がついていない機器に買いかえることについてのお尋ねです。 テレビ放送を受信できる機能を有する機器については、設置した月から受信料を支払う必要があることから、現在、区が保有しているワンセグ、フルセグ機能を有する機器について、受信機を設置した月にさかのぼって受信料を支払う内容の受信契約を締結しました。 現在保有している機器については、受信料の負担経費や買いかえ費用のコストを踏まえ、買いかえの要否を検討してまいります。 また、今後携帯電話やカーナビを購入する際には、テレビ視聴の有無などの使用目的を考慮した上で、購入する機器を適切に判断してまいります。 次に、議員控室に設置されているテレビのNHK放送受信契約と、その支払いについてのお尋ねです。 議員控室のテレビは、調査・研究や情報収集等の議員活動で必要になることを考慮し、議会棟における設備の一つとして設置しています。 したがいまして、受信契約の締結や受信料の支払いについては区が行っています。 ◆27番(松田みき) 次に、新宿区職員の住所要件についてお伺いいたします。 先日、新宿区選挙管理委員会より、私の当選が無効であるとの通知を受けました。 市区町村議会の被選挙権である公職選挙法第10条は、選挙権である同法第9条に依存しているため、私が投票をすることは許されているのに、私の当選のみが無効となるということについて矛盾を感じております。 居住実態の有無によって私の被選挙権が無効であるというのであれば、選挙権も無効になるべきであり、私が4月に行われた新宿区議会議員選挙の際に投じた票を特定するための調査が必要となるのではないでしょうか。 また、選挙権を得るために必要な公職選挙法第9条の「住所を有する」ということが住民票などの書類ではなく、居住実態によって判断されるのであれば、有権者とおぼしき区民全員の居住実態の調査をすべきです。 書類ベースでの判断ではなく、居住実態という明確な基準がない、とてもあやふやで個人的主観に大きく左右されるものによって被選挙権の有無を問うと、先ほども申し上げたように選挙権との矛盾が生じ、有権者全員の居住実態を調査することは非現実的であることからも、仮に住所要件は適当であったとしても、居住実態の有無を問うことは不適当であると考えます。 このようなことを主張すると、私が公職選挙法に記載されている住所要件について反対しているように聞こえるかもしれませんが、私個人は地方議員たるもの、その地域に根差した活動をし、率先してその地に納税すべきという考えから、住民票は当該地区に置くべきと思っております。 なぜ選挙前3カ月が適当な期間であるのかについては議論の余地があり、それによって居住の自由を奪われているとも感じますが、少なくとも当選してからは当該地域に住民票を置くのがいいのではないかと考えています。 したがって、なぜ区長や区の職員には住民票を異動させる必要がないのか、新宿区職員に新宿区民を優先的に率先して採用しないのかについて合理的な理由が見当たりません。 新宿区職員は、議員以上にその地域の方との交流が多く、日々たくさんの御相談も寄せられていることと存じます。新宿という地域ならではの御意見や御相談もあることでしょう。 平成30年度の区内在住職員数は10.6%にとどまり、災害などの緊急時に区役所や区内の施設に集合することを考えても、他区や他県から通う職員では迅速に現地に駆けつけることができないというのは火を見るよりも明らかであり、区内に住民票を置いている方を職員として採用するほうが、区民の方への安心につながるのではないでしょうか。 先日の台風15号の影響で、鉄道の計画運休が発表された際にも、区役所を定時に開庁させるために、泊まり込みで対応してくださった職員の方々がいると聞いております。 このような有事の際にも、近隣に在住している職員であれば負担が少なくなり、職員の方々に大変な思いをさせてしまう必要がなくなるのではないでしょうか。 また、新宿区が職場と労働の対価を提供しているのですから、そこで働く職員は納税という形で区へ還元すべきではないかとも思います。 ふるさと納税によって多額の税金が地方に流れている現状からも、区の職員が区への納税義務が発生しないことに疑問を抱きます。 区内在住の職員を率先して雇うことで、余計な通勤手当を支払う必要もなくなるでしょう。 区民の方との結びつきが強い基礎自治体に勤める区の職員に住所要件を課していない合理的な理由をお聞かせください。 ◎区長(吉住健一) 新宿区職員の住所要件についてのお尋ねです。 地方公務員法第19条では、職員採用試験における受験の資格要件として、「人事委員会等は、受験者に必要な資格として職務の遂行上必要であつて最少かつ適当な限度の客観的かつ画一的な要件を定めるものとする。」と規定しています。特別区人事委員会では、この要件を定めるに当たり、地方公務員制度の根本基準である「平等取扱の原則」や任用における「成績主義の原則」等に照らし、受験に当たって住所要件を課しておらず、各区に提示する「採用候補者名簿」においても、受験者の住所は考慮していません。各区においても、憲法の保障する「居住移転の自由」に照らし、採用した職員に区内居住を義務づけておらず、住所地に応じて最も経済的な通勤方法による通勤手当を支払っています。 また、職員は税法に基づき適切に納税義務を果たしています。 なお、区では、新宿区地域防災計画や新宿区事業継続計画(BCP)に基づく災害時非常配備態勢要員名簿や災害時応急活動マニュアル等を整備し、災害時の応急態勢や各部の活動等を明確にしているほか、これに基づく防災訓練を実施しています。 また、休日・夜間の災害等に備えるため、区役所本庁舎に管理職1名を防災対策要員として交代で待機させているほか、区内在住の災害対策要員を確保するため、区内に職員防災住宅を整備しています。 こうしたことから、今後も新宿区職員に住所要件を課す考えはありません。 ◆27番(松田みき) このたびは丁寧な御答弁をいただき、ありがとうございました。 以上で私の一般質問を終了いたします。ありがとうございました。(拍手) ○議長(吉住はるお) 次に、37番かわの達男議員。     〔37番 かわの達男議員登壇、拍手〕 ◆37番(かわの達男) 社民党新宿区議会議員団のかわの達男です。 最初に、区財政の現状と区政運営について、区長にお聞きします。 2018年度決算から新宿区の財政を見ると、実質単年度収支は6年連続の黒字決算となり、基金の取り崩しである繰入金は、特定目的基金のスポーツ施設整備基金などの繰り入れはありましたが、財政調整基金などは1円も取り崩しませんでした。 財政積立金は、当初予算では32億円を見込んでいましたが、財政調整基金を31億円積み立て、決算では56億円を新たに積み立てました。 この結果、前年度末469億円の基金残高は、2018年度末では63億円増の532億円となり、とりわけ財政調整基金は対前年度比31億円増の303億円となり、過去最大の財政調整基金となりました。 区の借金とも言える特別区債は、道路整備費などで9億円発行しましたが、2018年度末の残高は199億円と、1998年の554億円から大きく減少しました。 これら財政指標から見ても新宿区財政は極めて堅調であり、この財政状況を区民にもしっかりと伝え、今こそこの財政を区民の暮らしと区政に活かすときです。 吉住区長は、区財政の現状についてどのように認識されているのか、最初にお聞きします。 また、今後の基金と区債の見通しについてもあわせてお聞きします。 2点目は、税収見込みについてお聞きします。 特別区税の2018年度は、対前年度比16億円増の494億円とバブル絶頂期の491億円を上回る区政史上最高の税収となりました。 国内企業の業績は特定の大企業に集中しているとはいえ、内部留保も巨額となっています。 しかし、新宿区内の中小企業の景況は、本年4月から6月期では、これまでわずかによかった情報通信業も来期予想ではマイナスに転じ、地場産業の染色業、印刷を初め全産業で相変わらず極めて厳しい業績となっています。労働者の実質賃金は低下し、労働分配率も低下し続けています。アベノミクス政策から7年間、個人消費はふえていません。このような状況下での消費税値上げは中止すべきです。 本年度も半年が経過しましたが、本年度及び今後の本区の特別区税の税収見込みについてお聞かせください。また、法人住民税の一部国税化では、都区財政調整にどのぐらいの影響が予測され、本区への減収がどのぐらいになるのかお答え願います。 さらに、ふるさと納税による減収はどのぐらいになると想定しますか、お答えください。 3点目は、特別区交付金についてお聞きします。 2019年度都区財政調整算定額が決定し、新宿区は前年度比8.5%増の271億円と決定しました。本来の特別区の固有財源である固定資産税や市町村民税法人分税収額からすると、とても納得できる金額ではありません。 普通交付金と特別交付金の割合は、今回も95対5となっています。2018年度の特別交付金の内訳を見ると、基準財政需要額で捕捉されなかった財政需要が2億4,000万円となっています。本来普通交付金として交付されるべき財源と言えます。間もなく来年度の財政調整協議も始まります。本来の98対2に戻す取り組みについて、区長の所見をお聞きします。 4点目は、都区財政調整制度、とりわけ都区の配分割合55%の根本的見直し問題です。 さまざまな機会に提起してきましたが、前進していません。児童相談所の開設や施設建設直前の今こそ23区が、いや、新宿区長が先頭に立って東京都と交渉・前進させてください。 今現在も、幼い命が親の虐待により失われていく事件が続発しています。一刻も早く児童相談所の新宿区内開設が待たれます。しかし先日、2021年4月開設予定の新宿区児童相談所を、最低3年程度延長するという考えが示されました。その理由は人材確保が困難なためだということだそうです。なぜこのような事態になったのか御説明ください。 児童相談所は、都区のあり方検討委員会の中で、他の項目とは切り離し、区移管を進めることで基本合意したわけです。この方針であれば、人材配置も都と区の協議の中で進められていたはずです。ここでも東京都の身勝手さを指摘します。しかし問題は、救いの手を待ついじめや虐待に遭っている子どもたちです。 区長は今後、人材確保にどう取り組み、早期の開設に全力を挙げるべきと思いますが、答弁を求めます。さらに、財政確保問題では待ったなしです。もうすぐ始まる来年度の都区財政調整の協議では、児童相談所を基準財政需要額に入れさせ、55%の配分割合を上げるための都区協議にしなければなりません。吉住区長の所見と決意をお聞かせください。 ◎区長(吉住健一) かわの議員の御質問にお答えします。 区財政の現状と区政運営についてのお尋ねです。 初めに、区財政の現状認識についてです。 平成30年度決算では、歳入面において納税義務者数の増などにより、特別区税が16億円の増など、一般財源は前年度と比べ20億円の増となりました。歳出面では、臨時福祉給付金の事業終了などにより扶助費が2億円の減、公債費が2億円の減となったことから、義務的経費は4億円の減、その他の経費では私立保育所の管理運営の充実などにより補助費等が10億円の増、各種基金への積立金が18億円の増となりました。 その結果、実質単年度収支が6年連続の黒字となったものの、前年度と比べ24億円の減となりました。 財政調整基金は4年連続で取り崩すことなく、区債残高も減少傾向にあります。 こうしたことから、区財政は一定の財政対応力を確保しつつあります。 一方、財政の弾力性を示す経常収支比率は、前年度と比べ0.1ポイント減の80.8%となりましたが、依然として一般的な適正水準と言われる70%から80%を超えており、財政構造が硬直化していることを示しています。 我が国の経済情勢は緩やかな回復が続くことが期待されるものの、通商問題を含め、海外経済の動向や金融資本市場の変動の影響などに十分留意していく必要があります。また、国による不合理な税制改正やふるさと納税による特別区民税の減収などの影響が危惧されるなど、区財政を取り巻く環境は、依然として先行き不透明であり、予断を許しません。 そのため、特別区税などの一般財源は増収が見込まれるときこそ積極的に基金へ積み立て、将来、経済変動が発生したときでも良質な区民サービスを提供できるよう、また災害時にも適切な対応がとれるよう備えることが重要であると考えています。 次に、今後の基金と区債の見通しについてです。 基金については、財政調整基金からの繰り入れを行わなかったことなどにより、平成30年度末残高は前年度と比べ、63億円増の532億円となっています。 区債については、償還進行により償還額が起債額を上回ったため、平成30年度末残高は前年度と比べ10億円減の199億円となりました。 今後増大する行政需要に対応するため、引き続き世代間の公平性や後年度負担に十分配慮し、基金や区債を効果的に活用してまいります。 次に、本年度及び今後の税収見通しについてのお尋ねです。 令和元年度の特別区民税は、納税義務者数が予算策定時と当初課税実績との比較で1,958人の増となることなどから、現段階では当初予算額約431億5,000万円を上回るものと見込んでいます。 一方、特別区たばこ税は、8月末時点で前年同月比約4億1,000万円減となっており、こちらは当初予算額約57億円を下回ると見込んでいます。 また、令和2年度以降の特別区税の見通しについては、今後の経済状況や税制改正等に大きく左右されるところから、不透明であり、楽観視できないと考えています。 次に、法人住民税の一部国税化とふるさと納税による減収についてのお尋ねです。 法人住民税の一部国税化による影響額ですが、特別区全体では消費税率が5%であった平成25年度と比較すると、令和元年度は約628億円の減収と試算されています。これを新宿区のシェア率で算出すると、令和元年度は約19億円の減収があると見込まれます。 また、ふるさと納税による減収額は寄附者の増加により、前年度比36.1%増の約21億5,000万円になるものと見込んでいます。 次に、特別区交付金の普通交付金と特別交付金の配分割合についてのお尋ねです。 交付金の割合は、平成19年度の都区協議において、普通交付金が98%から95%に変更されました。この間、特別区は普通交付金の割合の引き上げを主張してまいりましたが、いまだ都との協議は整っていません。新宿区としては、特別交付金の透明性・公平性を高めるとともに普通交付金の充実を図ることが重要と考えており、引き続き東京都に交付金の割合の見直しを強く求めてまいります。 次に、児童相談所の開設延期についてのお尋ねです。 区は児童相談所の開設に当たり、円滑な運営のためには、児童相談所での実務経験を積んだ児童福祉司及び児童心理司が配置予定数の約7割程度必要と考え、これまで都や近隣県市での派遣研修により人材の育成に努めてきました。 しかし、平成31年4月1日に施行された児童福祉法施行令の一部改正で示された新たな配置基準では、区の児童相談所に配置すべき児童福祉司は10名から19名、児童心理司は5名から10名となり、想定していた約2倍の人数が必要となりました。 派遣研修生の受け入れ先の児童相談所においても、新たな配置基準による職員の増員が必要となることから、区が希望する人数の派遣研修生の受け入れは難しく、また児童相談所経験者の採用も複数の自治体が同時期に募集を行うため、必要数が確保できない状況です。 こうした理由から、当初区が目指していた令和3年4月の開設までに、目標としてきた7割程度の派遣研修生の配置が困難であるため、最低でも3年程度の延期が必要と判断しました。 今後は、引き続き都や近隣県市の児童相談所のほか、令和2年度に児童相談所を開設予定の世田谷区、荒川区、江戸川区への派遣研修の依頼も検討するほか、国や都が開催する研修会や講演会などの機会を有効に活用し、引き続き児童相談所の設置に向けた人材確保に取り組んでまいります。 次に、都区財政調整制度における児童相談所設置に伴う財源についてです。 特別区は、令和元年度都区財政調整協議において、児童相談所に係る事務が政令指定により特別区の事務となることから、当然に基準財政需要額に算定した上で配分割合の変更をすべきこと、また準備経費については児童相談所の設置時期によって各区の算定額に不公平が生じないようにするため、当面の間、特別交付金で全額算定すべきことを繰り返し主張しましたが、都区の見解は一致しませんでした。 児童相談所の設置については、既に都と設置希望区との間で設置に向けた調整が進んでおり、引き続き特別区は一丸となって基準財政需要額への算定及び都区間の配分割合の変更、準備経費の取り扱いについて都との協議に臨んでまいります。 ◆37番(かわの達男) 次に、第一次実行計画の推進状況と今後の課題について区長と教育委員会に質問します。 2017年12月に議決し、新宿区基本計画を策定、そして新宿区第一次実行計画が示され、本年1月には第一次実行計画ローリングも行いました。 今、3年間の計画のちょうど半分、1年半が経過しました。そこで、この間の第一次実行計画がどのように推進しているのか、財政収支見通しも含め、事業の総括的な推進状況と認識を最初に区長にお聞きをします。 次に、具体的に何点かお聞きします。 事業番号29の「学校施設の改善」について教育委員会にお聞きします。 昨年は6月には梅雨が明け、連日の猛暑の中、補正予算を急遽計上し、ローリングの中でも枝番号を設定して屋内運動場の空調設備整備に着手しました。学校によって整備時期に差が出ることは好ましくありませんし、冷房された体育館を利用できないで卒業する児童・生徒が出てくるのはかわいそうです。2020年度までに設置する計画となっていますが、できるだけ前倒しで実施すべきです。空調化の進捗状況と今後についてお聞かせください。 この際、教員の長時間労働をなくす取り組みについてもお聞きをします。 私は、この間何度もこの件について質問し、その実行を求めてきました。教員の長時間労働の実態は、一昨年実施したサンプル調査で、小学校55時間40分、中学校では59時間45分であり、正規の労働時間38時間45分を大きく上回る勤務実態が判明しました。いわゆる過労死ラインを相当超えて勤務する教員の長時間労働の実態が明らかになりました。 これは、昨年3月に示された「教員の勤務環境の改善・働き方改革第一次報告書」の中の最初の部分です。そして、教育委員会は、「学校だけの問題とすることなく、教育委員会が果たすべき責務として取り組む」と提起をしています。 昨年7月には第二次報告書を示し、その中で34の具体的な取り組みの方策を示しました。 当初の調査から2年が経過をしました。正規の労働時間、週38時間45分にどれだけ近づきましたか。タイムレコーダーの導入で常時教員の勤務時間は把握できているはずです。最新の教員の勤務時間の実態をお示しください。 そして、34の具体的な取り組みの方策はどこまで進みましたか、お聞かせください。 また、取り組みの方策の30番「教職員定数の改善の要請」については、国や都に要請するだけでなく、新宿区教育委員会として、教員の働き過ぎをなくすためにも、小学校及び中学校全学年の35人以下学級の実現に区として財政の裏づけができる今こそ踏み出すときであると私は考えますが、区長並びに教育委員会の考えをお聞かせください。 そして、教員の長時間労働をなくすため、具体的にいつまでに取り組みを進め、その成果を得ようと考えているのか、教員と児童・生徒のためにも早期の実行を求めます。 教育委員会の考えをお聞きをいたします。 次に、70番「ユニバーサルデザインまちづくりの推進」についてお聞きをします。 私は、バリアフリーでノーマライゼーションのまちづくりをさらに進めるため、ユニバーサルデザインのまちづくりの推進について機会あるたびに指摘し、条例制定を提起してきました。 新宿区は、2011年3月、ユニバーサルデザインまちづくりガイドラインを作成し、その後、普及啓発を行ってきました。そして、今、(仮称)新宿区ユニバーサルデザイン条例(案)の骨子を示して、パブリックコメントを実施しています。 そこで、最初に条例制定の目的や区民、事業者、新宿区の役割など、骨子の概要についてお聞かせください。 ユニバーサルデザインには、7原則というものがあります。1、公平性、2、自由度、3、単純性、4、わかりやすさ、5、安全性、6、体への負担の少なさ、7、スペースの確保です。 新宿区が制定しようとする条例では対象施設は多岐にわたり、飲食店や小売業、鉄道の駅など、規則では29の都市施設を想定しています。事業者の理解と協力は、この条例の根幹をなすと言ってもよいと思います。とすれば、条例づくりからの参画は欠かせません。もちろん、制定後の実施段階でも当然です。そのためにも事業者への理解・協力をどう進めようと考えているのか、お聞かせください。 次に、108番「中長期修繕計画に基づく施設の維持保全」についてお聞きします。 第一次実行計画のローリングにおいて、2019年度8億7,000万円余を計上しました。2018年度の実績と2019年度の見通しについてお聞きをします。 さらに、次のローリングではどのように考えているのか、お聞かせください。 中長期修繕計画と新宿区公共施設等総合管理計画との連関についてもお聞きをします。 さまざま議論もあり、問題点を指摘してきた総合管理計画ですが、建設から50年以上経過した小中学校や庁舎等が区内に多くあることが明らかになりました。 今後、総合管理計画をどう進めようと考えているのか。例えば、実施計画のようなものを策定するのか、現行の実行計画に取り入れ進めていこうとするのか、どのように進めていく考えなのか、区長の所見をお聞きします。 最後に、今年度の実行計画ローリングについてお聞きをします。 2020年度は第一次実行計画の最終年度です。次の第二次実行計画につながることになると思いますが、ローリングの概要と財政収支見通しの概算についても吉住区長の考えをお聞きします。 以上、答弁ください。 ◎区長(吉住健一) 第一次実行計画の推進状況と今後の課題についてのお尋ねです。 初めに、第一次実行計画の総括的な推進状況についてです。 区では、基本構想に掲げる“めざすまちの姿”「『新宿力』で創造する、やすらぎとにぎわいのまち」の実現に向け、総合計画で示す5つの基本政策のもと、第一次実行計画の各事業に取り組んでいます。 実行計画の推進に当たっては、行政評価の結果に基づき、事業の進捗状況や新たな行政需要、国や都の制度改正なども踏まえ、ローリングを行うとともに、財政収支見通しに反映しています。 第一次実行計画については、このようなPDCAサイクルのもと、実行計画の各事業を着実に推進しているものと認識しています。 次に、教職員定数の改善と教員の働き方改革についてです。 区では、これまでタイムレコーダーの導入や法律相談体制の整備、留守番電話の導入、部活動のあり方の見直しなど、教員の勤務環境の改善について教育委員会を支援してまいりました。 今後も教員の長時間労働を解消し、質の高い教育活動を継続できるよう、教育委員会と連携して取り組んでまいります。 35人以下等の少人数学級の全学年への拡大については、国・都の学級編制基準に基づき実現するものであり、区が独自に行う考えはありません。 次に、ユニバーサルデザインまちづくりの推進についてのお尋ねです。 高齢者や障害者を初め、妊婦や子ども連れの人、外国人等全ての人が社会のあらゆる活動に参加するため、区民や事業者、区が協力・連携してユニバーサルデザインまちづくりについて、これまで以上に推進していくことを目的に、(仮称)新宿区ユニバーサルデザインまちづくり条例の制定を進めています。 次に、条例案の骨子の概要についてです。 骨子では、条例の目的のほか、ユニバーサルデザインまちづくりや条例の対象となる都市施設等について定義するとともに、ユニバーサルデザインまちづくりに取り組む区民や事業者、区の役割を示し、普及啓発や相互に協力・連携して、一体的に推進することを示しています。 また、都市施設等について努めるべき「整備基準」や、このうち特に守るべき基準となる「遵守事項」を定めるとともに、整備推進に向けた取り組みとして、計画の早い段階からの事前協議や工事着手前の届け出及び工事完了報告や整備基準適合証等を示しています。 都市施設等の整備が着実に実施されるよう、調査や指導、助言、勧告、公表等についても示しています。 さらに、区が意見を聴く機関として、学識経験者や事業者、区民から成る新宿区ユニバーサルデザインまちづくり審議会を設置することとしています。 次に、事業者への理解と協力についてです。 御指摘のとおり、区はユニバーサルデザインまちづくりを推進するためには、都市施設を所有・管理する事業者の理解と協力が大変重要であると考えています。 このため、条例案の骨子の策定に当たっては、新宿区商店会連合会や東京商工会議所新宿支部等の意見を聴きながら進めてきました。 また、パブリックコメントの際も資料を提供して、意見をお願いしているところです。 条例制定後の運用に際しては、PDCAサイクルに基づき、事前協議等で把握した区民や事業者の意見を踏まえ、審議会の意見を伺いながら、継続的に改善を進めるスパイラルアップに取り組んでまいります。 次に、中長期修繕計画に基づく施設の維持保全についてのお尋ねです。 中長期修繕計画に基づく修繕経費については、平成30年度の実績が約8億2,000万円であり、今年度についても同程度の修繕経費がかかるものと見通しています。また、令和2年度に実施する中長期修繕計画に基づく修繕工事については、老朽度や緊急度等を総合的に勘案して対象施設を決定し、実行計画のローリングに反映してまいります。 公共施設等総合管理計画の進め方については、計画に定める「施設からサービスへ発想を切り替える」「効果的・効率的な施設・インフラ等の管理を実現する」「必要な施設・インフラ等を適切に維持する」等の基本方針と施設類型ごとの現状や課題を踏まえ、進めています。 こうした方針に基づき、区立東戸山高齢者在宅サービスセンターについては、民間の通所介護事業者によるサービス供給が充実し、利用者が減少している現状等を踏まえ、廃止することとし、学童クラブの定員拡大のための施設として活用していきます。 今後も施設の長寿命化を図るとともに、行政需要や地域需要、財政状況等を踏まえた検討を行い、方向性が定まった施設については実行計画に位置づけ、統廃合や複合化、多機能化などの施設マネジメントに取り組んでまいります。 次に、今年度の実行計画ローリングの概要と財政収支見通しについてです。 計画事業については、現在、行政評価の結果に基づき、事業の進捗状況や新たな行政需要、国や都の制度改正なども踏まえ、事業の拡充や縮小、手段改善、スケジュール変更など、各部でローリングの検討を行っているところです。 今後は、各部から提出されるローリング対象事業について、その内容を十分に精査し、予算編成に合わせて財政収支見通しに反映させ、来年1月に政策決定する予定です。 令和2年度は第一次実行計画の最終年度となることから、各事業の総仕上げや第二次実行計画の橋渡しとなるよう、適確なローリングに取り組んでまいります。 ◎教育長(酒井敏男) 教育委員会への御質問にお答えします。 初めに、屋内運動場空調化の進捗状況と今後についてのお尋ねです。 令和元年度は、小学校11校11施設、中学校7校9施設について整備を進めています。 9月1日現在、小学校1校1施設、中学校6校7施設の整備が完了していますが、資材生産のおくれなどから整備スケジュールを変更し、残りの12施設は来年2月末までの整備完了を予定しています。 令和2年度は、残りの小学校16校16施設と中学校3校の武道場整備を行う予定であり、令和2年度中の全校屋内運動場空調完備に向けて、着実に整備を進めてまいります。 次に、教員の勤務時間の実態についてのお尋ねです。 教育委員会では、区立小中学校、特別支援学校及び幼稚園にタイムレコーダーを設置し、平成30年9月から運用を開始しています。令和元年6月の集計結果によれば、土日を含む1週間当たりの勤務時間の平均は、小学校の教諭で47時間48分、中学校の教諭で48時間48分、特別支援学校の教諭で44時間53分、幼稚園の教諭で48時間17分となっています。 しかしながら、個々の教員を見ていくと、1週間当たりの実働勤務時間が60時間を超える者もいることから、今後ともさまざまな取り組みを通して教員の勤務環境を改善し、長時間勤務の解消に努めてまいります。 次に、34の具体的な取り組みの方策の進捗状況についてです。 教育委員会では、第二次報告書の中でも示した具体的な取り組みの方策について、実践できるものから速やかに実施しています。 昨年度は、御指摘のタイムレコーダーの導入のほか、学校の法律相談体制の整備、夏季休業中の一斉休暇取得促進期間や定時退庁日の設定、留守番電話の導入などに取り組みました。 今年度は、4月から部活動指導員を配置するとともに、夏季休業中の一斉休暇取得促進期間の日数をふやすなど、取り組みの充実を図っています。 今後は、必ずしも教員が担う必要がない業務や教員以外が担うことが適切な業務の事務職員等への移行に向けた補助職員の配置の見直しを行ってまいります。 次に、小学校及び中学校全学年における35人以下学級の実現についてです。 35人以下等の少人数学級の全学年への拡大については、国、都の学級編制基準に基づき実現するものであり、区が独自に行う考えはありません。 次に、教員の長時間労働をなくすため、具体的にいつまでに取り組みを進め、その成果を得ようとしているかについてのお尋ねです。 報告書の中で当面の目標に掲げた「1週間当たりの実働勤務時間が60時間を超える教員をゼロにする」ことの実現については、具体的に期日を定めているものではありませんが、これまでの取り組みにより、平成29年度に実施した勤務実態調査に比べ、1週間当たりの勤務時間数に減が見られるなど、一定の効果が出ているものと捉えています。 今後も、子どもたちの豊かな学び・育ちに向け、教員が心身ともに健康でやりがいを持ちながら質の高い教育を継続できるよう、第二次報告書の中で示した具体的な取り組みの方策を着実に推進し、当面の目標の早期実現を目指してまいります。 以上で、答弁を終わります。 ◆37番(かわの達男) ただいま区長と教育委員会から答弁をいただきました。 聞きたいこと、特に都区の問題、財政もそうですし、あるいはあり方もそうですけれども、いろいろありますけれども、決算特別委員会に入れさせていただけるようですので、その場でもう少しまたしっかりお聞きをしたいと思いまして、この場での質問は以上で終わります。ありがとうございました。(拍手) ○議長(吉住はるお) 次に、1番木もとひろゆき議員。     〔1番 木もとひろゆき議員登壇、拍手〕 ◆1番(木もとひろゆき) 新宿区議会公明党の木もとひろゆきです。 外濠の水質浄化と神楽坂の入り口となるJR飯田橋駅のホーム移設について質問いたします。 東京都は新たな長期戦略策定に向け、「『未来の東京』への論点~今、なすべき未来への投資とは~」をまとめ、本年8月に公表いたしました。 ここでは平成30年間の東京を検証し、人口減少や首都直下地震など今後起こり得る変化・変革を展望した上で、2040年代の目指すべき東京の姿を描き出し、その実現のために10年後の2030年に向けてなすべきことについて課題を整理しています。 その中の論点4「我々が目指すべき未来の東京の姿とは」には、例として、「「待機児童」は死語になっている」「政治家や企業トップの半数が女性となる」「平均寿命・健康寿命がともに90歳を超える」「自動運転車・空飛ぶクルマ、遠隔医療、キャッシュレスなど、「Society 5.0」都市となっている」などと2040年代を想定した目指すべきイメージが示され、その中に、「玉川上水や、河川等の清流が復活し、浄化や自然環境の改善が進んだ外濠では蛍が舞い、江戸の昔ながらに再生された美しい水と緑が東京を代表するシーンとなっている」との文言が盛り込まれました。 外濠の水質浄化については、これまでも区議会において機会を見て質問させていただき、公明党としても竹谷参議院議員を座長、太田元国土交通大臣を顧問とし、関係区の都議会、区議会議員をメンバーとしたプロジェクトチームを立ち上げ取り組んできただけに、都の長期戦略策定に向けた未来ビジョンに「外濠の水質浄化」を盛り込めたことは大きな前進だと思います。 本年8月27日、東京都の関連部局で構成する検討会と公明党のプロジェクトチームメンバーで意見交換会を行いました。 そこでは、外濠の現状把握と浄化手段の検証、課題の整理等の報告があり、今後水質の調査と関係区との連携を進めていくとの話がありました。新宿区としても、蛍が舞う外濠、美しい水と緑が東京を代表する外濠とのイメージを共有し、積極的に水質の浄化に協力をしていただきたいと考えますが、区の御見解をお聞かせください。 あわせて、都の事業ではありますが、しゅんせつの進捗状況、貯留管の整備状況についてもお聞かせください。 外濠の水質浄化とともに地域の方が注目しているのがJR飯田橋駅のホームの移設と新駅舎の工事です。 2020年に完成予定と伺っておりますが、進捗状況と今後の予定についてお聞かせください。 新西口駅舎には2つの出口が設置され、新導線の出口として千代田区の区道、日本歯科大学体育館前に通じるものと、神楽坂下の早稲田通りに通じ主導線となる出口が計画されています。 神楽坂の住民の方々から、主導線の出口となる駅舎の案内表示に、千代田区側の地名に加え、「神楽坂」の名称もぜひ加えてほしいとの声があります。JR飯田橋駅の新西口駅舎は神楽坂への起点となる最重要地点であり、そこに「神楽坂」の地名の入った案内表示を設置できるか否かは、今後の神楽坂の繁栄に大きくかかわると考えます。ぜひ区から関係所管に対し案内表示への「神楽坂」の記載を要望していただきたいと考えますが、区の御所見をお聞かせください。 以上、御答弁ください。 ◎みどり土木部長(田中孝光) 木もと議員の御質問にお答えします。 外濠の水質浄化と神楽坂の入り口となるJR飯田橋駅のホーム移設についてのお尋ねです。 初めに、外濠が目指すべきイメージを共有し、水質浄化に協力することへの区の見解についてです。 区では、新宿区都市マスタープランにおいて、外濠の将来イメージを「水に親しむことや自然を感じることができ、さらに憩うことができる空間」としており、今回都が提示した目指すべきイメージと共有できるものと考えています。 外濠の水質浄化のために現在都が実施している汚泥のしゅんせつ工事については、区も連携して地元説明を行うなど、協力して事業を推進しています。 今後、さらなる水質浄化の取り組みについても、都の動向を見ながらどのような協力ができるか、外濠に接する千代田区、港区とともに協議してまいります。 次に、現在進められているしゅんせつ工事については、市谷濠、新見附濠が完了し、今年度中の完了を目指して、最後となる牛込濠で工事が行われております。 また、外濠に流入する下水を抑制するため、現在都が外堀通りなどの地下に整備している貯留管については、令和2年度に完了する予定です。 このしゅんせつ工事や貯留管の整備が完了することで水質が改善され、東京2020オリンピック・パラリンピックに伴い世界中から訪れる人々に快適な水辺空間が提供できるものと考えております。 ◎都市計画部長(新井建也) 次に、JR飯田橋駅のホームの移設と新駅舎の工事についてのお尋ねです。 JR飯田橋駅の工事の進捗状況については、現在新たなホームの移設工事に伴い、既設ホームの高さを下げる工事を行うとともに、新西口駅舎の鉄骨躯体の立ち上げ工事を行っているところです。 新たなホームと西口駅舎については、東京2020オリンピック・パラリンピック開催までには使用を開始する予定です。東京2020オリンピック・パラリンピック開催後、残る仮駅舎の撤去及び駅前広場やホームドアなどの整備について、順次工事を進めていくとのことです。 また、新西口駅舎における案内表示については、駅構内には神楽坂への出入り口を、駅前広場には神楽坂への経路をわかりやすく案内表示をするよう、JR東日本など関係機関に要望してまいります。 以上で答弁を終わります。 ◆1番(木もとひろゆき) 前向きな御答弁いただきまして、ありがとうございます。 先日、マラソングランドチャンピオンシップが行われました。この外濠の神楽坂下から市谷の間、ここがレースの一番大きな見どころとなったところです。来年はオリンピック・パラリンピック、この外濠の映像とともに、それが今度全世界に放映をされるわけです。ぜひ新宿区としても、さらなる周辺のまちづくりを行っていただきたい、そのように重ねてお願いしまして質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手) ○議長(吉住はるお) ここで、議事進行の都合により休憩します。 △休憩 午後2時58分--------------------------------------- △再開 午後3時15分 ○議長(吉住はるお) ただいまから、会議を再開します。 質問を続行します。 次に、32番沢田あゆみ議員。     〔32番 沢田あゆみ議員登壇、拍手〕 ◆32番(沢田あゆみ) 日本共産党新宿区議会議員団の沢田あゆみです。 私は、高齢者の生活実態と就労支援について及び戸塚第一小学校内学童クラブの設置について一般質問いたします。 最初に、高齢者の生活実態と就労支援について質問します。 さきの参議院選挙で、年金2,000万円問題が大争点となりました。政府は年金財政についての検証結果を選挙後に公表しましたが、長期にわたって年金給付水準が下がり続けることが明らかになりました。 厚生労働省のモデル世帯の場合、65歳時点での所得代替率は現在の約6割が二十七、八年後には5割程度にまで低下し、経済成長や雇用が進まないと5割を割り込む場合もある。条件によっては3割台になるという衝撃的な試算です。モデル世帯は厚生年金受給者の場合ですから、国民年金のみの人はさらに深刻です。年金が減り続ける仕組み、マクロ経済スライドの弊害は明らかです。 区長は、現在でも国民年金のみで生活していくことは大変だという認識がおありでしょうか。国民年金に関する国の検証結果についてどのように思われますか。国は年金支給開始年齢をさらに繰り延べようと狙っていますが、このような動きにはきっぱり反対して、生活できる年金制度へ抜本的な充実を国に対し求めるべきと考えますが、いかがでしょうか。 今でも年金だけでは生活できない高齢者や無年金の高齢者が多く、国の統計で高齢就業者数は14年連続増加の807万人と過去最多となり、特に70代で増加しています。 新宿区でも、本来は生きがいを得るための就業を目的としているシルバー人材センターも、生活のための就労の場となっています。区の公園清掃の仕事でもシルバー人材センターだけでなくNPOなどに随意契約で発注することで、多くの高齢者に就労の場を提供しています。 区民の生活実態から見ても、新宿区としてこれまで以上に高齢者の就労を支援していく必要があると思いますが、いかがでしょうか。 私たち日本共産党新宿区議会議員団はこれまでも、高齢者の就労支援に取り組んでいるNPO等の団体をシルバー人材センターに準ずる団体として認定し、支援することを求めてきました。 高齢者等の雇用の安定等に関する法律では、「高齢者の就業の機会を提供する団体を育成し、その他その就業の機会の確保のために必要な措置を講ずるように努めること」と規定し、これに関連し改正された地方自治法施行令第167条の2第1項第3号で、随意契約の方法により契約を締結することができる者の範囲の拡大が行われ、シルバー人材センターに準ずる団体にも随意契約で仕事を発注することが可能となっています。 今でも高齢者就労福祉事業団などNPOに随意契約で仕事を発注する形で一定の支援をしていることは評価していますが、シルバー人材センターに準ずる団体の基準を早急につくって認定することで、より一層明確な根拠のもとで支援が充実できるのではないでしょうか。 この間、委員会でも質疑をしてきましたが、担当課は「基準を検討する。もう少しお時間を」という答弁を繰り返してきました。今後、年金の実態からいっても、就労を希望する高齢者はますますふえることが予想されます。今こそ高齢者就労支援団体の法に基づく認定を行い、援助・育成していくべきです。 このことにいち早く取り組んできた高知市では、市内に居住する者がその団体に属する者の5分の4以上で、市内居住者である構成員のうち60歳以上の者の割合がおおむね3分の2以上または55歳以上の者の割合がおおむね4分の3以上などの基準を設け、毎年団体を募集し、現在は4団体が認定されています。仕事の発注はホームページ上で契約課の「地方自治法施行令第167条の2第1項第3号を適用する随意契約の発注情報」、いわゆる「3号随契」と言われるページにて公開され、認定された団体が応募するという仕組みです。 高知市を参考に、早急に団体の認定を行うべきです。当面、現在も実施されている随意契約による高齢者の仕事確保を拡大すべきと考えますが、いかがでしょうか。 そして、仕事の賃金単価を引き上げることも重要です。公園清掃の委託単価は平米当たり、世田谷区のある公園では8.39円、江東区は7.9円なのに対し、新宿区は3.1円と低い水準にとどまっています。東京都の最低賃金がこの10月より時給985円から1,013円に上がりますから、当然新宿区公契約条例で示された基準1,020円も引き上げられることになります。これを機に、公園清掃の単価も引き上げてはいかがでしょうか。 次に、戸塚第一小学校内学童クラブの設置について質問します。 先日の文教子ども家庭委員会で、東戸山小学校内にある東戸山在宅サービスセンターを廃止し、学校内学童クラブの定員を40名から80名に拡大するとの報告を受けました。 東戸山小学校の学校内学童クラブは、定員40名に対し52名の登録と、定員オーバーでしたから、これが解消されることは大いに評価します。 私はこれまでも可能な限り学校内学童クラブを設置すべきと主張し、高田馬場第二児童館・学童クラブの定員オーバー解消のためにも戸塚第一小学校内に学童クラブを設置するよう求めてきましたが、その際、休園中の戸塚第一幼稚園の園舎に設置されている保育ルーム早稲田の移転・認可保育園化が実現した暁には、園舎を活用して設置すべきと提案してきました。 来年4月1日、西早稲田一丁目に新たな認可保育園が開設されることになり、保育ルーム早稲田はここに移行するため廃止となる予定で、いよいよ園舎があきます。 戸塚第二小学校には学童クラブがあり、定員60名に対し76名が登録し、これに加えて学童クラブ機能付き「ひろばプラス」も昨年度から設置され、44名が登録しています。 戸塚第一小学校の「ひろばプラス」は52名の登録で、高田馬場第二学童クラブが定員50名に対し61名と、1.2倍の定員オーバーです。戸塚第一小学校にも戸塚第二小学校同様、「ひろばプラス」とあわせて学童クラブも設置すべきです。 幸い保育ルームの跡は、ほとんど改修の必要なく学童クラブへの転用が可能です。今も2階部分は学校が使用していますが、引き続き学校の要望も聞きながら、保育ルーム廃止後の施設活用について直ちに検討を開始し、学童クラブも取り込んだ計画とすべきと考えますが、いかがでしょうか。 以上、答弁願います。 ◎健康部長(髙橋郁美) 沢田議員の御質問にお答えします。 高齢者の生活実態と就労支援について及び戸塚第一小学校内学童クラブの設置についてのお尋ねです。 初めに、国民年金のみで生活していくことについてです。 現在の老齢基礎年金額は満額で月額約6万5,000円であり、仮に他に収入がなく、財産も預金もない場合などは新宿区で安定した生活をしていくことは容易ではないと認識しています。 次に、国民年金に関する国の財政検証結果についてです。 財政検証では、経済成長と労働参加が進むケースであれば、標準的な厚生年金の所得代替率は50%以上確保できるとしています。 一方で、このケースでも基礎年金部分の水準は大幅に低下するとされていることについては課題であると認識しています。 年金支給開始年齢の繰り延べについては制度の持続可能性を高め、現役世代が高齢期に入ったときの給付水準を確保していくために検討されていると認識しており、国の動向を注視してまいります。 ◎総務部長(針谷弘志) 次に、高齢者の仕事確保の拡大などについてのお尋ねです。 初めに、高齢者の就労支援についてです。 区では、これまでも新宿区勤労者・仕事支援センターや新宿区シルバー人材センターへの運営助成を通じて高齢者の就労支援を行ってきました。 今後も一人でも多くの高齢者が希望する仕事につけるよう、関係機関と連携しながら高齢者の就労を支援してまいります。 次に、シルバー人材センターに準ずる団体の基準を作成し認定することで支援を充実させることについてです。 地方自治法施行令等では、随意契約できる場合として、シルバー人材センター、もしくはシルバー人材センター等に準ずる者として、2人以上の学識経験者の意見を聴いた上で地方公共団体の長が認定した者と契約ができることを規定しています。 基準を作成し具体的に認定する場合は、シルバー人材センター等との類似点の検証や対象団体の業務履行能力、選定理由など随意契約の透明性、公平性、経済性の担保など多くの課題があります。 基準の設定や認定については今後も他自治体の状況を研究しながら、引き続き検討してまいります。 次に、随意契約による高齢者の仕事確保を拡大することについてです。 新宿区では、地方自治法施行令、新宿区契約事務規則の規定に基づき、契約件名、契約内容などを事前にホームページにおいて公表し、契約締結した後においても締結状況の結果を公表しています。 今年度についても、新宿区シルバー人材センターと16件の委託契約を締結しています。 区が発注する限られた契約件数の中で、契約の公平性、透明性を担保しながら高齢者の仕事を確保できるよう、引き続き検討してまいります。 ◎みどり土木部長(田中孝光) 次に、公園清掃の委託単価についてのお尋ねです。 新宿区では、公園清掃の委託単価について、東京都が定めた最新の労務単価等に基づき適切に積算しており、引き上げは考えておりません。 なお、各区の単価の違いは、委託内容や条件等により異なるものと認識しています。 ◎総合政策部長(平井光雄) 次に、戸塚第一小学校内学童クラブの設置についてです。 戸塚第一幼稚園の園舎を活用して設置した保育ルーム早稲田の廃止後の施設活用については、教育財産として使用しない場合には、施設活用検討会で検討いたします。 ◎教育委員会事務局次長(村上道明) 戸塚第一小学校内学童クラブの設置についてのお尋ねです。 現在、教育委員会では今後の児童数見込みによる普通教室整備等の検討を行っています。 戸塚第一幼稚園園舎の教育活動への使用については、令和2年度新入学予定児童数がおおむね確定する本年度末に決定する予定ですが、引き続き教育活動に使用しない場合には区長部局と連携し、施設活用について検討します。 以上で答弁を終わります。 ◆32番(沢田あゆみ) ただいま区長部局と教育委員会から答弁いただきました。 また、引き続き決算特別委員会もありますので、私もそこの委員にさせていただく予定ですので、その決算特別委員会の場でもまた引き続き議論をさせていただきたいと思います。 以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○議長(吉住はるお) 次に、17番久保こうすけ議員。     〔17番 久保こうすけ議員登壇、拍手〕 ◆17番(久保こうすけ) 立憲民主党・無所属クラブの久保こうすけです。令和元年第3回定例会に当たり、児童相談所の設置について一般質問いたします。 昨年3月に目黒区で起こった児童虐待死事件や、ことし6月に起こった札幌市の児童虐待死事件では、関係機関の連携不足により保護者の虐待を防ぐことができず、幼い子どもの命が失われてしまいました。二度とこのような事件を起こさず、子どもたちを虐待の被害から守ることは、行政だけでなく地域社会においても大変大きな課題です。 2016年の児童福祉法改正により、特別区においても児童相談所の設置が可能になりました。新宿区は2021年4月の児童相談所開設に向けてこれまで準備を進めてきました。しかし、9月10日に行われた吉住区長の記者会見において、児童相談所の開設の3年程度の延期が発表されました。 そこで、今後の児童相談所の設置について区長に伺います。 平成30年12月18日にまとめられた「児童虐待防止対策体制総合強化プラン(新プラン)」では、地域において児童相談所と市町村が役割分担しながら全ての子どもに対して切れ目のない支援を提供するための取り組みとして、2019年度から2022年度までに児童福祉司、スーパーバイザー、児童心理司及び保健師の増員や要保護児童対策地域協議会の強化などを進めるとされました。 今回の国の指針について平成30年第4回定例会の私どもの会派の代表質問で、「2021年4月までにどのようにして新プランに対応した専門職の配置体制を整えるおつもりなのか」とお聞きしたところ、吉住区長から、「新プランの発表を受けて、児童相談所職員の配置人数の見直しと育成計画の再検討を早急に行ってまいります」との答弁がありました。 この答弁から1年たたずして児童相談所開設の計画が大幅に変更されてしまいました。 まず、その延期を決定した詳しい経緯についてお聞かせください。 9月10日の吉住区長の記者会見において、「児童相談所の専門的な業務に対応するために、配置予定の7割の職員の派遣研修を新宿区として計画してきた」--これは人材育成についてのことですけれども、これまでどの関係機関に派遣しているのか、またその成果などをお聞かせください。 さらには、開設延期の理由として、「児童相談所の職員の配置基準の変更により、人員確保が困難になったこと」とおっしゃっておりましたが、専門職員の需要がふえている中で、開設を延期する3年程度で、不足している人材をどのように確保・育成していくのか、区のお考えをお聞かせください。 目黒区や札幌市の事件では、各関係機関において情報共有が適切に行えず、対応のおくれの一因となったと指摘をされています。新宿区においても、今後児童相談所開設までの3年間、現在と同様に東京都と協力して児童虐待防止に取り組んでいくことになりますが、子どもたちの命を守ることが何よりも重要です。 そのためにも、都と区での連携を一層強くする必要がありますが、役割分担や情報共有、連絡体制の強化など、今後の対応についてお聞かせください。 あわせて、新プランで示された要保護児童対策地域協議会の設置については、現時点でどのような計画になっているのかをお聞かせください。 以上、答弁願います。 ◎子ども家庭部長(橋本隆) 久保議員の御質問にお答えします。 児童相談所の設置についてのお尋ねです。 初めに、児童相談所の開設を延期した経緯についてです。 区は児童相談所の開設に当たり、円滑な運営のためには、児童相談所での実務経験を積んだ児童福祉司及び児童心理司が配置予定数の約7割程度必要と考え、これまで都や近隣県市での派遣研修による人材の育成に努めてきました。 しかし、平成31年4月1日に施行された児童福祉法施行令の一部改正で示された新たな配置基準では、区の児童相談所に配置すべき児童福祉司は10名から19名、児童心理司は5名から10名となり、想定していた約2倍の人数が必要となりました。 派遣研修生の受け入れ先の児童相談所においても、新たな配置基準による職員の増員が必要となることから、区が希望する人数の派遣研修生の受け入れは難しく、また児童相談所経験者の採用も複数の自治体が同時期に募集を行うため、必要数が確保できない状況です。 こうした理由から、当初区が目指していた令和3年4月の開設までに目標としてきた7割程度の派遣研修生の配置が困難であるため、最低でも3年程度の延期が必要と判断しました。 次に、これまでの職員の派遣先とその成果、今後の人材確保・育成についてのお尋ねです。 区では、児童福祉司及び児童心理司について、これまで東京都、埼玉県、さいたま市、横浜市の児童相談所での派遣研修を行ってきました。 児童相談所で実務経験を積むことで、児童虐待が疑われる家庭への介入、法的対応、施設措置や家庭復帰に向けた支援等、児童面接や保護者対応のノウハウを学ぶことができています。 今後は、引き続き都や近隣県市の児童相談所のほか、令和2年度に児童相談所を開設予定の世田谷区、荒川区、江戸川区への派遣研修の依頼も検討するほか、国や都が開催する研修会や講演会などの機会を有効に活用し、引き続き児童相談所の設置に向けた人材確保・育成に取り組んでまいります。 次に、児童虐待防止に向けた都区の連携強化についてのお尋ねです。 区は、平成29年度に東京都と「児童相談に係る連携強化事業」の実施に伴う協定を締結し、平成30年度からは都児童相談センターに管理職を通年で派遣しているほか、区のケース検討会議に出席した都の児童福祉司から助言を得たり、児童相談所の援助方針会議に区の職員が出席して情報共有を図っています。 そうした中で、区は子育て支援サービスを活用した寄り添い型の支援を担い、より専門的で広域的な対応は児童相談所が引き受けるよう役割を分担し、さらなる連携強化に取り組んでいます。 次に、要保護児童対策地域協議会の設置についてのお尋ねです。 区では、平成17年6月に設置した「新宿区子ども家庭・若者サポートネットワーク」を児童福祉法第25条の2に規定する「要保護児童対策地域協議会」に位置づけ、法に基づく守秘義務のもとで関係機関が連携して、保護や支援が必要な児童やその保護者及び妊婦への支援を行っています。 今後も、このネットワークを活用した連携により、児童虐待に迅速に対応してまいります。 以上で答弁を終わります。 ◆17番(久保こうすけ) 御答弁ありがとうございました。 多くの関係者の方が開設を楽しみにしているというか、待っていたわけですが、私どももその開設自体がおくれたことを今回区に対して御意見を申し上げるというよりは、準備をしっかりしていただいて、スタートを切るのであれば、しっかりとスタートを切っていただきたいと思っております。 ただ心配なのは、その3年間の間、都との連携がうまくいかない。先ほど連携の例を挙げさせていただきましたが、そういうことがないように、これから3年程度という区長からの記者会見の発言がありましたが、それにこだわらずに、しっかりと子どもたちの命を守るために頑張っていただきたいということを重ねて申し上げて、私の一般質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手) ○議長(吉住はるお) 次に、30番えのき秀隆議員。     〔30番 えのき秀隆議員登壇、拍手〕 ◆30番(えのき秀隆) 新宿未来の会のえのき秀隆です。訪日外国人旅行者対策についてお伺いいたします。 10年ほど前、約800万人であった訪日外国人旅行者数は、昨年3,100万人となり、ここ数年で大きな伸びを見せています。政府による観光ビザ免除やアベノミクス以降に生じた円安、LCC増加などが主な原因とされています。 また、情報化社会の進展により、日本の観光資源の豊かさや治安のよさといった面が世界の人々に認知されたことも数値の伸びに大きな影響を与えていると言えます。 訪日外国人の急増による我が国のメリットとしては、経済効果が挙げられます。買い物、宿泊、飲食、交通、娯楽やサービスのそれぞれによる消費額は、昨年度4兆5,000億円を記録したとのことです。 一方、最近ではデメリットも注目されるようになってきました。文化や習慣の違いにより、施設や店舗でのルール順守にそごが生じる、急速な外国人旅行者数の増加に、まちの整備が追いつかないといったことが指摘されています。 これまで新宿区においては、文化観光課が主体となって新宿観光振興協会など関係団体と協力し、さまざまな努力をされておられます。多言語による観光情報の提供、Wi-Fi環境の整備、絵文字などを活用した交通案内や地図の用意、また歌舞伎町における交通環境整備のために観光バス駐車場の設置にも取り組まれ、それぞれ一定の成果を上げていると考えます。 そこで、3点質問いたします。 第1点目は、観光公害について伺います。東京2020オリンピック・パラリンピック開催に伴い、都心部ではさらに訪日外国人数の急増に拍車がかかることが予想されています。国立競技場周辺の自治体として大きな影響を受ける可能性が高い新宿区において、住民生活環境を守るための対策が求められます。 これまでもたびたび民泊に関して、宿泊施設利用者の騒音やごみなどをめぐるトラブルなどが生じていることが議会でも問題視されました。区も条例制定などで対応しましたが、民泊問題は現在も都心部における観光公害として注目されています。 そこで、お尋ねいたします。 まずは、新宿区において観光公害と言われる事象について区の現状分析と対策について御見解を伺います。 ここで関連で申し添えますが、さきの第2回定例会で、新大久保駅周辺地区の混雑緩和に関する質問がありました。大久保通りとその周辺区道は、訪日外国人も含んだ多くの人々で大混雑し、特にことしのゴールデンウイークは人であふれ、区民生活にも大きな影響があったということでありました。 こうした状況を受けて、区は7月の下旬から、巡回スタッフによる啓発活動、交通誘導員による注意喚起、西大久保公園での飲食スペースの提供など、大久保地域の環境・混雑対策に取り組み、一定の効果を上げていると伺っております。引き続きこの対策を継続していただき、地域の良好な生活環境づくりに取り組んでいただければと思います。 第2点目は、新たなテクノロジーを活用した情報発信について伺います。 外国人訪日客対策に限らず、SNSやソーシャルメディアの活用については、手軽に取り組める、比較的予算もかからないという点で積極的に導入すべきと考えます。 他自治体の例を見ても、多言語化、ソーシャルメディアを用いたコミュニケーションにより訪日外国人へアプローチし、自治体施設への誘導など集客する事例が散見されます。 訪日外国人は日本語を理解できないケースが多く、日本語対応のみでの集客は困難と考えます。 新宿区や観光振興協会のホームページにおいては、既に多言語対応がなされています。訪日外国人に対して、今後SNSやソーシャルメディアを活用すること、多言語化・コミュニケーション対策について現状分析と、これからの取り組みについて考え方をお聞かせください。 また、SNSやソーシャルメディアの活用により、文化観光関連区有施設を宣伝すること、来場者数増加への効果を上げることに関して、現状分析と今後の対応について区のお考えをお聞かせください。 第3点目は、文化観光課及び関係する部課の組織について伺います。 一般的に組織は、その運営や業務内容に関して時代の流れに合わせて改編・拡充していくことが大切です。 文化観光関連事業に関して言えば、東京2020オリンピック・パラリンピックを迎えるに当たり次第に事業が複雑になり、業務が高度化していくことが推測できます。今後も新たな取り組みをこなしていくためにも、区役所以外の外部の方も含めた多様な関係者との連携・協力、人材確保と育成が求められると考えます。訪日外国人旅行者増に対して区の組織改編、強化に対するお考えをお聞かせください。よろしくお願いいたします。 ◎健康部長(髙橋郁美) えのき議員の御質問にお答えします。 訪日外国人旅行者対策についてのお尋ねです。 初めに、観光公害の一つである民泊の現状と対策についてです。 民泊に起因する苦情数は、今年度8月末現在で166件となっており、昨年度の同時期の苦情数295件より減少しています。 苦情内容は、ごみや騒音、喫煙に関するものなど宿泊者のマナーに起因するものが全体の約47%を占めています。 苦情への対応としては、関係部署間で連携を図りながら、事業者に対して是正指導を行っており、今後も引き続き適切な指導を行っていきます。 また、宿泊者のマナー向上に向けた対策としては、「新宿区住宅宿泊事業ルールブック」に宿泊者が注意すべきマナーについて4カ国語で記載し、事業者に配布しています。 さらに、本年6月には大手住宅宿泊仲介業者、Airbnbと「新宿区における住宅宿泊事業等の適正な運営及び健全な発展のための連携に関する協定」を締結しました。この協定に基づき、8月にAirbnbが開催した事業者向けセミナーにおいて宿泊者のマナー向上についての講習を行ったところです。 今後も、住宅宿泊事業の適正な運営を確保することなどにより、観光公害への対策に取り組んでまいります。 ◎文化観光産業部長(菅野秀昭) 次に、テクノロジーを活用した情報発信についてです。 SNS・ソーシャルメディアは、10代、20代だけではなく、多くの世代で手軽に利用でき、ハッシュタグなどの機能により情報の検索性にもすぐれていることから、有効な情報発信の手段であると認識しています。 また、多言語化・コミュニケーション対策については、近年のアクセス数の増加を踏まえ、区内在住、新宿区を訪れる外国人が情報を取得できるよう、区ホームページでは14言語、ツイッターなどでは3言語に対応しています。 今後も区政情報をより多くの方に発信できるよう、写真・動画をメーンとした言語に頼らない投稿や、訪日外国人目線に立った記事など、他自治体の成功事例を参考にしながら、SNS等の効果的な発信方法を研究してまいります。 また、SNS等の活用による文化観光関連区有施設の宣伝については、昨年度、漫画「文豪ストレイドッグス」とのコラボ企画を企業と連携して発信を行い、来館者の45.6%の方がSNS等の情報により来館されました。 今後も文化観光関連区有施設に興味を持ち、お越しいただく契機となるよう、継続してフェイスブック・ツイッターなどのSNSを活用した情報発信を新宿観光振興協会と連携して行ってまいります。 次に、文化観光課及び関係する部課の組織についてのお尋ねです。 区では、東京2020オリンピック・パラリンピックとその後を見据え、平成28年4月に文化観光産業部を新設し、文化観光の振興等に関する施策をより重点的かつ機動的に推進できるよう組織を強化するとともに、職員については研修や民間事業者等との連携・協力の場を通じて、人材育成を実施してまいりました。 お尋ねの組織改編や強化については、引き続き職員の人材育成に努めるとともに、一般社団法人新宿観光振興協会を初めとし、民間事業者や大学等との連携・協力を今後も進め、官民一体による観光振興施策を総合的に推進し、「国際観光都市・新宿」としての魅力の向上に努めてまいります。 以上で答弁を終わります。 ◆30番(えのき秀隆) 前向きな御答弁、ありがとうございました。 以上で発言を終わります。ありがとうございます。(拍手) ○議長(吉住はるお) 次に、35番下村治生議員。     〔35番 下村治生議員登壇、拍手〕 ◆35番(下村治生) 自由民主党新宿区議会議員団の下村治生です。 地域の清掃活動と個人ボランティアについて一般質問いたします。どうぞ誠意ある御答弁をお願いいたします。 早朝の職安通りや大久保通りを通行すると、さまざまな風景に出会います。 まずは職安通りですが、ヘッドホンをつけて、ほうきとちり取りを持ってガード下を清掃する方、早足で歩きながらビニール手袋をして路上のごみを一つ一つ手拾いしていく通勤途中と思われる男性、マンションの前を清掃している管理人の方、山手線の内側のエリアの細街路を黙々と掃除をされている方、山手線の外側のエリアを清掃されている方。 また一方、大久保通りでも、7時ごろになると、大久保駅のガード近くを清掃しているビルオーナーやボランティアの方、昼休みになると通りを車道まで出て清掃される方。これらの大久保地域のボランティアの方々は、ほぼ毎日お見かけしますが、まさに頭が下がる思いです。 一方で、大久保地区では、組織・団体をベースにした清掃活動も盛んに行われています。 大久保・百人町地区クリーン活動協議会として、町会、商店街振興組合が一緒になって月1回、大久保通りを新宿区、東京都第三建設事務所、新宿警察署と一緒に清掃活動などを行っています。 そのほか、外国人コミュニティ、その他の団体で月に1回か2回、清掃が行われています。 こういった風景は、新宿区のどこの地域でも見かけるものだと思います。 そこで、改めて新宿区全体でどのような清掃事業、環境美化活動が行われてきたのかを見てみますと、年に2回のごみゼロと年末のクリーン大作戦があります。 これらの全区的な活動は最近すっかり定着した感じがありますが、新宿区のホームページからその数字を見てみますと、ごみゼロと年末クリーン大作戦の参加規模は、新宿駅と高田馬場駅を含めて延べ8,000人を超えています。 そのほかにも、ポイ捨て防止・路上喫煙禁止キャンペーンも同様に年に数回行われており、参加者は延べ2,400名となっています。 さらには、清掃活動そのものではありませんが、地域の清掃・環境美化に貢献いただいた団体・組織を「まちの美化推進功労者」として表彰しています。 このような団体や組織がパートナーとして活動することは新宿区の環境美化にとって基本であり、大切なことであります。 一方で、清掃事業は地域の協力、とりわけ一人ひとりの個人の協力が得られなければ前に進まないと思います。 新宿区が決めたごみの出し方に従って民間事業者や個人が毎日ごみを出す。このことは、毎日行う必要のある道路の清掃にとっても大変重要です。 例えば、誰かが道路でごみを捨てれば、それはさまざまな区民に迷惑を及ぼします。さらに税金を投入して、これを清掃しなければなりません。逆に、誰かが道路のごみを拾えば、道路を利用する方々にきれいな環境を提供することになり、税金を投入することも少なくなります。 このような状況の中、最も行政が把握しにくいのが個人の清掃活動であると思います。 組織的にやっている団体は、そのネットワークを使い、みずから広報し、行政と連携し、自分たちの輪を広げていくことを目的にして活動しています。 しかし、個人の方は特別な目的というより、自分の健康維持や地域への思いのために活動している方も多くいると思います。 また、自分の家の前は自分で掃除をして新たな一日を迎えたいという思いや、よい習慣で行っている方も多いのだと思います。 とりわけ高齢者の方々は朝に強く、これまでも高齢者クラブの方々がごみゼロや年末クリーン大作戦に積極的に参加されてきました。 こうしたいろいろなスタイルや時間帯での活動を新宿区が全て把握することは困難だと思いますが、個人の方々の思いを行政がうまく後押しできれば、まちがもっときれいになる可能性があるのではないでしょうか。     〔「そうだ」と呼ぶ者あり〕 個人が一軒家やマンションの前を清掃する、店主が店舗の前を清掃することによって、まちの美化がもっと進むとも考えられます。 そこで第1の質問は、個人の清掃ボランティアと行政との結びつきについてです。 個人の清掃ボランティアと新宿区が、1、連携して活動する。具体的にはイベントのように日時を決め、ボランティアを募集して、賛同いただいた方と行政が一緒に清掃活動する。 2、個人として登録して自主的な清掃活動を行う。 3、個人に呼びかけて清掃活動を促す。これも広い意味でボランティア活動の推進と言えるかもしれません。 以上のような幾つかの方法があると思います。行政から一歩前に出ることは難しいことかもしれませんが、個人から手を挙げれば、その活動がしやすくなるよう、これを支援するような施策はこれまでも新宿区はさまざまな分野で行ってきました。 区長は、1から3の清掃ボランティアについてどのようにお考えなのでしょうか、お聞かせください。 第2の質問は、個人の清掃ボランティアのリスクと保険についてです。 清掃活動にそれほど大きなリスクはないと思いますが、個人ボランティアのリスクをどのように考えるのか、またどのように対応するのか、具体的にそのリスクをどのように保険制度に乗せることができるのか考えてみることは必要だと思います。 あるいは、現在のさまざまなボランティア組織に対する保険で個人の清掃ボランティアのリスクをカバーできるか検討してみてはいかがでしょうか。 質問の第3は、個人の清掃ボランティアへの表彰についてです。 これまで清掃協力会で町会・自治会レベルで表彰し、またそれぞれの中で表彰してきていますが、町会や自治会に直接かかわらない形で個人を表彰することを区長はどのように考えられますか。 これからは、いわゆるスーパーボランティアの時代かもしれません。もちろん、個人ボランティアの方が区からの表彰の申し出を受けるかどうかの問題もありますが、新宿区で名誉区民とは違うコンセプトでスーパーボランティア賞のようなものを考えてもよいのではないでしょうか。区長のお考えをお聞かせください。 質問の最後に、清掃イベントではなく、先ほどの3のような日々の生活の中での清掃活動、キャンペーンの企画をぜひ考えてみてはいかがでしょうか。 区民の皆さんが自分の家の前を、自分のお店の前を清掃しよう、みんなで掃除をすれば新宿区全体もきれいになる、そんなキャンペーンを改めて行ってはいかがでしょうか。 キャンペーンの参加者には帽子やベストなどを渡したり、あるいは小さなリボンやバッチを胸や腕につけてもらったりして、この活動を積極的に推進してはどうでしょうか。 高齢者の社会参加と健康維持、オリンピック・パラリンピックなどを機に、新宿区を訪れたインバウンドのお客様に新宿区民のおもてなしの心をあらわす機会にもなるのではないでしょうか。 以上で質問を終わります。 ◎環境清掃部長(野田勉) 下村議員の御質問にお答えします。 地域の清掃活動と個人ボランティアについてのお尋ねです。 初めに、個人の清掃ボランティアと行政の結びつきについてです。 現在、区ではイベントとして、ホームページ等で広く参加者を募集し、新宿駅等でキャンペーン清掃活動を実施しています。 また、個人の自主的な活動を行う際には「美化清掃活動参加票」で登録していただき、清掃用具の貸し出しなどを行っています。これらに加えて、個人に呼びかけて清掃活動を促すことも、まちの美化に効果があると考えられることから、いずれの清掃ボランティアも大切なものと捉えています。 次に、個人ボランティアのリスクと保険についてのお尋ねです。 区では、ボランティア活動においても事故が発生するおそれはあると考えており、清掃活動の際には、あらかじめ登録書類として「美化清掃活動参加票」を提出していただくことでボランティア保険の補償対象としています。 御指摘の個人で清掃する場合のリスクに対しても、この保険で対応できることから、個人ボランティアのお申し出を受けた際には参加票の提出をお願いし、保険の対象とすることでそのリスクをカバーしてまいります。 次に、個人ボランティアの表彰についてのお尋ねです。 現在、清掃活動等、まちの美化に特化した「新宿区まちの美化推進功労者」の表彰を毎年行っています。この表彰制度は団体だけでなく、一定の要件に該当する個人も対象としています。これまでは個人に対する推薦はなかったことから、今後、個人ボランティアについても表彰の対象であることについて広く周知を図ってまいります。 次に、イベントではなく、日々の生活の中での清掃活動へのキャンペーンの企画についてのお尋ねです。 区民の方が家や店の周りなどを御自身で清掃する活動は、まちの美化に寄与するだけでなく、高齢者の社会参加と健康維持にもつながり、新宿区を訪れるインバウンドのお客様へのおもてなしの心をあらわす機会となることから、大切な活動だと考えています。 今後、こうした活動での活動の推進に向けたキャンペーンについて、具体的な内容を検討してまいります。 以上で答弁を終わります。 ◆35番(下村治生) ただいま区長より、大変御丁寧な答弁をいただきまして、ありがとうございます。 私も10年ぐらい、ある組織と一緒になって早朝の清掃活動を、年に数回ですけれども、やってきておりますけれども、改めて最近感じるのは、この個人ボランティアの方々の存在でございまして、ぜひそういったものを進めていっていただければと思っております。 以上で質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○議長(吉住はるお) 次に、10番豊島あつし議員。     〔10番 豊島あつし議員登壇、拍手〕 ◆10番(豊島あつし) 公明党の豊島あつしです。 網膜色素変性症患者への支援について一般質問いたします。どうか誠意ある御答弁をよろしくお願いいたします。 皆様は、網膜色素変性症という難病を御存じでしょうか。この難病は、目の中で光を感じる組織である網膜に異常が起こり、暗い場所で物が見えにくい夜盲や視野が狭くなる視野狭窄が進み、さらには視力が低下する進行性の病気です。いまだ治療法が確立されておらず、国の指定難病の一つになっています。 私の地域には、この網膜色素変性症の方が何名かいらっしゃって、さまざまな御苦労を伺っていますが、特に暗くなると何も見えなくなってしまうため、外が明るいうちに帰宅できるような仕事に変えるなど、病気が進行してからは生活が一変してしまったそうです。 視覚障害者の補装具は数十年もの間、盲人安全杖、義眼、眼鏡の3種類から新しいものが開発されずにいました。 しかし、ここ数年で高度な技術を活用した眼鏡が開発されたなど、支援の気運が高まりつつあることを感じ、網膜色素変性症患者への支援について、以下2点にわたり質問いたします。 1点目の質問は、暗所視支援眼鏡の購入助成についてです。 先ほども申しましたように、近年高度な技術を活用し、網膜色素変性症の方でも暗いところが見える眼鏡が開発されました。これは、超小型の高感度カメラで捉えた画像を自動補正して眼鏡のディスプレーに映し出すもので、暗い場所でも明るく昼間のように見ることができます。 私も体験しましたが、この眼鏡があれば、患者の方々が感じている日常生活での制限から解放されると思いました。しかし、この眼鏡は約40万円と高額なため、購入にはなかなか踏み切れないのが実情のようです。 そこで、ことし3月、この暗所視支援眼鏡を熊本県網膜色素変性症協会の山本悟会長と医学博士でもある公明党の秋野公造参議院議員が厚生労働省の大口善徳前副大臣に対して日常生活用具として位置づけるよう要望。結果、国も認めました。また、このことが後押しとなって、天草市議会の公明党・赤木武男議員の議会質問により、全国では初めて天草市で暗所視支援眼鏡が日常生活用具給付等事業の対象として追加されました。 そこで伺いますが、新宿区において、この暗所視支援眼鏡を日常生活用具に認めていただくことはできませんでしょうか。 先日、私は東京都網膜色素変性症協会の土井健太郎会長とお会いしてきました。会長からも、「この眼鏡は、就労や社会参加の推進はもちろん、災害時における避難支援になる」と、御自身の体験をもとに御要望を頂戴しました。 日常生活用具の3つの要件、すなわち1つ、障害者等が安全かつ容易に使用できるもので実用性が認められるもの、2つ、障害者等の日常生活上の困難を改善し、自立を支援し、かつ社会参加を促進すると認められるもの、3つ、用具の製作、改良、開発に当たって障害に関する専門的な知識や技術を要するもので、日常生活用品として一般的に普及していないものをこの眼鏡は満たすものであると考えます。区の御所見を伺います。 2つ目の質問は、網膜色素変性症患者のような障がいのある方への区有施設での合理的な配慮についてです。 先ほども申しましたように、網膜色素変性症の方は夜間や暗い場所が見えづらく、いろいろなことを諦めています。障がいの種類や程度によって対応できることはさまざまかと思いますが、障がいのある方の声を丁寧に聞き、区有施設を利用する際に、できる限り不便がかからないよう、それこそ合理的に配慮する必要があると考えます。 そこで伺いますが、網膜色素変性症患者のような障がいのある方への区有施設での合理的配慮について区はどのように考えていますか、御所見を伺います。 以上、御答弁願います。 ◎福祉部長(関原陽子) 豊島議員の御質問にお答えします。 網膜色素変性症患者への支援についてのお尋ねです。 初めに、暗所視支援眼鏡の購入助成についてです。 網膜色素変性症は、暗いところで物が見えにくく、視野狭窄も起きるため、特に夜間の単独外出が困難となる疾病と認識しています。 御指摘の新規開発の眼鏡については、区も製作業者から製品説明を受け、当該患者の日常生活動作の改善と活動範囲拡大に効果があると判断しました。 そこで、障害者の日常生活用具である「視覚障害者用拡大読書器」の機能と同等と認め、障害者手帳所持者及びこれと同じ程度の難病患者を支給対象としています。 ◎総務部長(針谷弘志) 次に、網膜色素変性症患者のような障害のある方への区有施設での合理的配慮についてのお尋ねです。 障害のある方に対しては、区有施設を利用していただくに当たり一定の配慮が必要と認識しています。 こうしたことから、区有施設の建設や改修の際には、バリアフリー法や東京都福祉のまちづくり条例等に基づくとともに利用者の意見を把握し、建設や改修の際に反映させるなど、丁寧な対応に努めています。 網膜色素変性症患者のような障害のある方の症状については、支障のある明るさの度合いについてもさまざまであり、また光覚障害の症状の中には、明るい照度に支障がある方もいらっしゃいます。さまざまな障害のある方々に対して、引き続き配慮の方法を検討してまいります。 以上で答弁を終わります。 ◆10番(豊島あつし) 大変丁寧な御答弁、まことにありがとうございました。 以上をもちまして、私の一般質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(吉住はるお) 次に、16番三雲崇正議員。     〔16番 三雲崇正議員登壇、拍手〕 ◆16番(三雲崇正) 立憲民主党・無所属クラブの三雲崇正です。一般質問をいたします。 新宿区における子どもの貧困対策、居場所づくりへの取り組みについてお聞きします。 子どもの貧困への対応やその健全な成長にとって不可欠な人との触れ合いを可能にする居場所づくりを目的とする子ども食堂が登場したのは、平成24年と言われています。同じころ、先進国であるはずの我が国の子どもの貧困率が16.3%であり、OECD加盟国の中でも下位にあるとの事実が衝撃を持って報じられました。 思い返せば、「子どもの貧困」や「子ども食堂」という言葉は、「失われた30年」とも形容される平成時代最後の10年を象徴するキーワードであったのかもしれません。 新宿区議会において「子ども食堂」という言葉を用いた質問が初めてなされたのは、平成27年の第3回定例会ですが、その後も本会議質問や委員会質問において、各会派の議員により、新宿区の「子ども食堂」や「子どもの貧困」問題への取り組みが質問されてきました。 本質問では、新宿区の取り組み状況と今後の施策の発展について、改めてお聞きします。 まず、新宿区における「子どもの貧困」対策の進展についてお聞きします。 区は、平成27年10月に子どもの貧困対策検討連絡会議を設置し、子どもの貧困対策における区全体の取り組みと、またそもそも何が問題になっているのかについて検討を進めてきたものと理解していますが、この4年間の取り組み状況と成果、そして現在認識している課題について御説明ください。 また、平成28年4月に設置された新宿区子ども未来基金について、過去3年度及び本年度のそれぞれの助成実績について御説明ください。 その際、この基金は子どもの貧困対策だけでなく、子どもの育ち全体を支援する趣旨で設置されていることから、特に子どもの貧困に関連する活動に対して行った助成の件数及び金額をお聞かせください。 また、本年6月に子どもの貧困対策法が改正され、基礎自治体においても子どもの貧困対策についての計画策定が努力義務として盛り込まれました。 区は、この法改正にどのように対応するのか。特に今年度策定する「次世代育成支援に関する次期計画」において子どもの貧困対策をどのように取り扱う予定か、御説明ください。 また、新宿区においても、ボランティア団体が各地で子ども食堂を運営していますが、こうした団体への区の支援や協働の状況についてお聞きします。 まず、新宿区の子どもの貧困対策において、民間団体、特に子ども食堂を運営する団体との協働は、どのように位置づけられているのか、また今後どのように位置づけるおつもりか御説明ください。 とりわけ、最近は区内の子ども食堂がネットワークを形成しているようですが、こうしたネットワークへの支援や協働の状況について伺います。 また、東京都が実施する「子供食堂推進事業」について、平成30年度は都内26自治体、23区中14区がこれを利用して地域の活動団体による子ども食堂運営経費を助成していますが、新宿区においてはこの事業の活用がなされておりません。すなわち、都民の税金を原資とする支援が新宿区では活用できない状況にあります。区がこのような対応をとる理由を御説明ください。 なお、区ではこれまで独自施策である子ども未来基金を活用して区内の活動団体を支援してきましたが、子ども未来基金の助成は4年までであり、今年度で助成が終了する団体も出てきます。 こうした団体について、都の「子供食堂推進事業」の活用の道を開くべきと考えますが、区の方針をお聞かせください。 区内の子ども食堂のうち、地域センター等区有施設を利用する団体は、子ども未来基金の助成を受けている間、区の後援を受ける活動として施設の優先予約を行うことができるため、年間を通じて特定の週の特定の曜日に子ども食堂を開き、またそれが利用者に周知されることにより、安定的な運営が可能になっています。ただ、子ども未来基金の助成は4年までであり、今年度で助成が終了する団体も出てきます。 こうした団体についても、継続して安定的な子ども食堂運営を可能にするために、施設の優先予約を含む支援や助成を継続すべきと考えますが、区の方針をお聞かせください。 以上、御答弁願います。 ◎子ども家庭部長(橋本隆) 三雲議員の御質問にお答えします。 新宿区における子どもの貧困対策、居場所づくりへの取り組みについてのお尋ねです。 初めに、子どもの貧困対策検討連絡会議についてです。 同連絡会議は、子どもの貧困に関する実態や課題についての共通認識のもと、関係部署が連携し、実効性の高い施策と切れ目のない支援を展開することを目的として設置いたしました。 取り組みとしましては、各部の関連する事業内容及び実績の情報共有を行い、国の「子供の貧困対策に関する大綱」の重点施策に区分し、「子どもの貧困対策等に資する新宿区の事業」として整理いたしました。そして、「新宿区における子どもの貧困の連鎖の防止に関する指標」を設定し、区の関係施策の効果について検証・評価を行っています。 さらに、困難を抱えている家庭が区の施策の情報を得て支援につながることを重要課題として捉え、区の主な施策と相談窓口を一覧にした「子育て支援施策ガイド」を平成30年度より作成し、区立小中学生全世帯及び教職員並びに地域活動団体等に配布しています。 子どもの貧困対策等に資する事業や区の指標については定期的に進捗状況を調査し、情報を共有しており、関係事業の全庁的展開が着実に図られております。 また、子育て支援施策ガイドの作成、配布により、支援を必要とする家族への周知の充実も進んでいると考えております。 なお、国は子どもの貧困対策の推進に関する法律の改正に伴い、「子供の貧困対策に関する大綱」の内容の見直しを進めており、見直し後の内容に対応した区の取り組みを検討することが今後の課題と認識しております。 次に、新宿区子ども未来基金の助成実績についてのお尋ねです。 平成28年4月に新宿区子ども未来基金を設置し、平成28年度は5活動に149万6,000円、平成29年度は8活動に197万円、平成30年度は9活動に167万8,000円、令和元年度はこれまで7活動に100万2,000円の助成を行っています。 このうち、子どもの貧困に関連する子ども食堂や学習支援の活動に、平成28年度は4活動に120万円、平成29年度は5活動に134万6,000円、平成30年度は6活動に110万6,000円、令和元年度はこれまで5活動に75万4,000円の助成を行っています。 次に、子どもの貧困対策の推進に関する法律の改正への対応についてのお尋ねです。 本年6月に子どもの貧困対策の推進に関する法律が改正され、市区町村は、子どもの貧困対策についての計画を定めるよう努めることとなりました。 区では、子どもの貧困対策に関する計画を別途策定する考えはありませんが、今年度中に国が見直しを予定している「子供の貧困対策に関する大綱」の内容も踏まえ、今年度に策定する(仮称)新宿区子ども・子育て支援事業計画(第二期)の中で子どもの貧困対策に関する区の状況や取り組みの方向性等についてお示ししていく考えです。 次に、区の子どもの貧困対策における子ども食堂を運営する団体との協働についてのお尋ねです。 子どもの貧困対策において、子どもや子育て家庭を支えていくためには、行政とともに地域の中でさまざまな活動をされている方の支援が必要です。 子ども食堂の利用者の中には、貧困の家庭の子どももおり、子ども食堂を運営する団体と協働することは貧困家庭への支援策の一つであると考え、今後も継続して取り組んでまいります。 また、子ども食堂を運営する団体のネットワーク活動も重要であると考えており、区は研修会の後援や講師の派遣、食材の寄付に係る情報提供及び各団体の活動周知などの支援を行っています。 次に、東京都が実施する「子供食堂推進事業」を活用しない理由についてです。 区では、子ども食堂に対しては、新宿区子ども未来基金を活用した資金の助成による支援を行っています。同基金は、都の「子供食堂推進事業」と比べ、活動1年目と2年目の助成額が大きく、特に資金を必要とする活動初期にある団体が子ども食堂の運営を軌道に乗せやすいというメリットがあるため、都の制度は活用していません。 次に、今後の子ども未来基金の活用方針についてです。 子ども未来基金を活用した助成制度については、子ども食堂を初めとする各種活動の実績を踏まえるとともに、都の補助制度の動向や区の基金残高等を鑑みながら、助成額の引き上げや現在4年目までとなっている助成期間の見直し等について検討しております。 あわせて、資金面のみならず、施設の優先利用を含むさまざまな手段により、子どもの育ちを支えるための活動に対する支援を継続してまいります。 以上で答弁を終わります。 ◆16番(三雲崇正) 大変丁寧な御答弁、ありがとうございました。 子どもの貧困対策、居場所づくりに関しては、当然区の施策というものが一番柱になってくると思いますので、これは新たな計画をつくるに当たって、これまでの取り組みを踏まえながら、これからも進めていただきたいというふうに思っております。 それと同時に、地域に根差して子どもを支援してくださっている方々の団体がたくさんあって、そことも協働していかれるということ、してこられたということについては承知しております。そういった団体に対する支援をこれからもしっかりと充実させること。特に今、「助成期間の見直し」という言葉がありましたけれども、そういったことも踏まえて検討を進めていただければ子どもたちの将来がもっと明るくなるというふうに思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。 以上で質問を終わりにいたします。ありがとうございました。(拍手) ○議長(吉住はるお) 次に、29番のづケン議員。     〔29番 のづケン議員登壇、拍手〕 ◆29番(のづケン) 新宿未来の会のづケンです。新宿区議会第3回定例会に当たりまして、VR(バーチャル・リアリティ)を活用した防災施策について質問をいたします。どうか誠意ある御答弁をお願いいたします。 まずバーチャル・リアリティ--以下「VR」と省略いたしますが--とは、コンピュータによってつくられた仮想空間を現実として知覚させる技術のことですが、近年、その技術はますます進歩を遂げ、内容についても従来のものよりもさらに高度化されております。 現在において進化したVRは、エンターテインメントの方面で積極的に活用されておりますが、娯楽分野だけでなく行政が行うさまざまな施策に活用することも十分に可能です。 新宿のまちをよく知ってもらい、よりリアルな形で広く情報発信するために観光施策の一環として活用したり、今後身近に起きる可能性のある事態への対処方法を学ぶ機会として教育の場に取り入れたりすることも、とても有意義なことであります。 このようにさまざまな活用の可能性を秘めておりますVRの技術ですが、最も有効に活用ができる分野は防災に関連するものではないでしょうか。 ほとんどの人々は、首都直下型大地震が迫っていると言われても、いざ大災害に直面しないと、その惨状がうまくイメージできないため、実際には適切な行動をもって災害に対応できないということが懸念されます。 東京消防庁では、「VR防災体験車」という「360度の立体映像と揺れ・風圧・熱などの演出による地震、火災、風水害の疑似体験ができる車」が防災訓練を目的として導入されており、その体験者にも非常な好評を得ているようです。 新宿区においても、このようなツールは積極的に活用されるべきと考えます。また新宿区のまちに適応した独自のソフト開発も検討することも有効であると思われます。 防災に関連して、救急救命の際に行われるAEDの講習においても、VRの活用は有効ではないでしょうか。 通報から救急車の到着まで平均約8分ほどかかってしまう現在の救急現場においては、心拍停止後数分以内の措置がとても重要になってきます。一刻を争う救急措置が必要な状況にあって、AEDは大変有効な救命手段です。つまり、誰もが簡単に、かつ迅速にAEDを使えるようになる必要性があるわけであります。 しかし、実際のAED使用に関してはさまざまな課題が残されています。例えば、救命対象者に対して、死亡やけが、障害を与えた場合でも、悪意がなければAED使用者は本人や遺族からその責任を問われないとはいえ、面倒なことには巻き込まれたくないという心理からAEDの使用をちゅうちょするという問題があります。 また、男性が女性に対してAEDを使用する場合、相手の素肌を露出しなければならない関係上、使用に対して抵抗を感じるケースも想定されます。 先日、京都大学を初めとする研究グループが全国の学校の構内において心拍停止した生徒232人について救急隊が到着する前にAEDのパッドが装着されたかどうかの調査を行いました。 その結果、小学生と中学生では男女に大きな差はありませんでしたが、高校生になると大きく男女差が見られたようです。 具体的には、高校生の男子生徒83.2%にパッドが装着されたのに対し、女子生徒の場合は55.6%と30ポイント近く低かったわけです。 緊急時におけるこのような不都合を避けるためにも、AEDの講習においてもVRの活用が重要になってくると考えられます。 さらには、心拍停止時における心臓マッサージの講習に関しても同様のことが言えるのではないでしょうか。 さきに指摘した、男性が女性に対してちゅうちょしてしまうという問題のほかにも、対象者の肋骨を折ってしまうのではないかという懸念から、心臓マッサージの強さをかげんしてしまうという事態も考えられます。 現在の防災訓練では、主に人体模型を使って心臓マッサージの講習を実施しておりますが、人形相手には適切な心臓マッサージができても、いざ実際に生身の人間を前にすると、不必要な抵抗感を持ってしまうというケースも想定されます。 あらかじめVRを用いて、より現実感のある講習を行うことで、このような事態を回避することもできると期待されます。 以上のような、VRの技術を防災の施策に活用することに対する区長の御見解をお聞かせください。 ◎総務部長(針谷弘志) のづ議員の御質問にお答えします。 VRを活用した防災施策についてのお尋ねです。 災害時に大切な命を守るためには、あらかじめ大地震等の災害が発生した際の状況を想定し、自分のとるべき行動を具体的にイメージしておくことが大切です。 地域の防災勉強会での意見交換において、既に飲料水や食料の備蓄に取り組んでいるという方がいる一方で、防災対策を進めるには何から始めたらいいのかわからないという声があります。 このような意見にあるように、発災時の状況をイメージすることは難しい場合があるため、その状況をより現実的なものとして体験できるVRは有効であると考えます。 今月開催した「しんじゅく防災フェスタ」において、新宿のまちの特性を踏まえたVR体験を実施し、子どもから大人まで多くの方が参加し、臨場感のある体験ができたと好評を得ました。 また、一部の避難所防災訓練においてもVRを活用したプログラムを導入し、災害の模擬体験を実施しています。 このようにイベントや訓練で好評を得ているVR体験は効果的であることから、今後もさまざまな機会においてVRを活用した訓練を実施し、自助による防災対策を進めてまいります。 次に、防災訓練で行う心肺蘇生については、消防による指導のもと、現在専用に開発された人形及び模擬AEDを用いて実施されています。 現時点では、これらの資機材を用いた実技による訓練方法が心臓マッサージに必要な技術及びAED使用方法の習得に最も有効とされ、全国の消防本部等で使用されています。 また、救急現場における一般の方による心肺蘇生に関して、東京消防庁が発行した「東京の消防白書2018(平成30年版)」によると、AEDを実施が29%、未実施が71%という結果が報告されています。 応急救護訓練において、消防は傷病者を発見したときはちゅうちょなく心肺蘇生を行うよう指導していますが、一般の方による心肺蘇生の実施には御指摘の点を含め、さまざまな課題があるものと認識しています。 このことから区では、一般の方による心臓マッサージ及びAEDが適時適切に行われるよう、関係機関との情報共有を図りながら一層取り組みを進めてまいります。今後、AEDなどを活用した訓練におけるVR技術の開発の動向を注視してまいります。 以上で答弁を終わります。 ◆29番(のづケン) 御答弁ありがとうございました。 実際にその局面にならないとわからないことって結構あると思うんです。例えば、水が入ってくるとドアってあかなくなっちゃったとか、そういうこともありますし、何でこの時期にこんなVRの質問をしたかというと、私もこういうのに関心があって10年前ぐらいから注目していたんです。もうこの一、二年の技術の発展ってすごいんです。まさに--昔はちゃちというわけじゃなかったんですが、それなりだなというものがあるんですけれども、もう最近のやつは、例えばエンターテインメントでも、何か地上100メートルのこういう板を渡ってくださいなんていうのをやってみると、見ると、普通のところを歩くだけだろうって思うんです。いざそのところに入っちゃいますと、もうとてもじゃないけど、本当にその世界に入って怖いんです。それまで技術が発展したということは、もうちょっといろいろな分野--これは今回防災の話をしましたけれども、観光にしても何にしても、そういうような新しい進化したものというのは取り入れたほうがいいんじゃないかということで今回は質問させていただきました。ありがとうございます。(拍手) ○議長(吉住はるお) 次に、23番佐原たけし議員。     〔23番 佐原たけし議員登壇、拍手〕 ◆23番(佐原たけし) 自由民主党新宿区議会議員団の佐原たけしでございます。 マンション居住者の町会・自治会加入の促進について質問いたします。 町会・自治会への加入率は長期にわたって低減する傾向にあり、今後においても現在のような状況であるならば、にわかに増加に転じるという明確な展望を描ける状況にはないというのが多くの都市自治体における町会・自治会の加入の実情のように思うものでありますが、まずこのような点について区長はどのように見ておられるのか、御認識を伺います。 このような状況下にあります町会・自治会の実情にあって、加入の促進に当たっての課題としては、役員等の後継者不足、町会・自治会への関心の低下、近所づき合いの希薄化、単身・共働き等による不在がちな世帯の増加などとともに、マンション等の共同住宅の増加が挙がるところであります。 このような中、区においては、平成28年度に「新宿区マンション実態調査報告書」を出されておりますが、そのことにも少し触れつつ、ここではマンション居住者の町会・自治会加入の促進に絞って伺ってまいります。 このことに入る前に、改めて、今何ゆえに町会・自治会加入の促進が必要なのかについてです。 今超高齢化社会を目前にして、2025年問題とか8050問題、ひとり住まいの高齢者の増加の問題など、これから迎える少子高齢化の中では高齢者が住みづらい時代を迎えるという警鐘がたびたび話題に上っているところであります。 このような社会を乗り切っていくには、共助・共生の地域社会づくりがこれまで以上に必要となり、「地域力」が重要となると言われるところであります。 と同時に、東日本大震災の教訓を踏まえますと、対応が急がれる首都直下地震の課題解決としても、共助・共生の地域社会づくりが求められるところであります。 このような状況を考えるとき、現在の地域社会における数ある地域団体の中で、地域力を有するとともに、地域にあって、幅広く中核をなす地域団体としては、町会・自治会をおいてほかにないと思うのであります。 そのところから、町会・自治会の加入率を引き上げていくことは、地域の喫緊の課題となると同時に、今後の少子高齢化や首都直下地震への対応などを考えるとき、自治体にとっても大きな喫緊の課題でもあると思うのであります。 しかも、新宿区のように加入率が50%を割ることとなれば、日常生活における助け合いや首都直下地震などのことを考えてみても、このことは深刻な問題と言わざるを得ず、かつ、役員の高齢化と後継者不足なども顕在化しているのが現状であります。 加入率と地域力には正の相関関係があるものと考えております。このように考えるとき、何をおいても喫緊の課題である地域力増進のためにも、町会・自治会の加入率向上は待ったなしの状況にあり、加入率低下の原因の一つにマンション等の共同住宅の増加があるところから、またマンションには比較的若い年代層の入居が見られるところでもあり、現在の町会・自治会の会員の高齢化や役員の高齢化などをも考えるとき、マンション居住者の町会・自治会加入の促進は、加入率の向上の1つのターゲットとしては時宜を得ているのではないかと思うものであります。 このあたりのことを、区が平成28年度に行ったマンション実態調査によりますと、「分譲マンション内に自治会組織はない」と回答したマンションは78.6%に上っております。また、町会加入の状況については、分譲マンションでは「マンション全体で参加」が55.5%、「居住者が個別に参加」が22.3%、賃貸マンションでは「マンション全体で参加」が39.0%、「居住者が個別に参加」が17.8%となっています。 マンションを単位にしますと多くの居住者が町会・自治会に加入しているようにも見えますが、全体の加入率が5割に満たない状況から、世帯を単位としてみるとマンションは居住者の町会・自治会への加入率が高いとは言えない状況にあると考えます。 このようなところから、区においてもいろいろと手を尽くしていただいているところでもありますが、積極的にさらなるマンション居住者に向けた加入促進策を講じる必要があるものと思うものであります。 このことでは、町会・自治会は既にこれまでもパトロールや災害に備えた訓練、街路灯の点検など、防犯・防災活動で、自治体の役割のみならず警察や消防の役割も補ってきた経過があります。 このように、町会・自治会加入率と地域力には間違いなく正の相関関係があるとともに、新宿区の居住実態からも、加入率向上の一方法としてマンション居住者の町会・自治会加入の促進が極めて有効と考えるものでありますが、区長のお考えをお聞かせください。 次に、具体的なマンション居住者の町会・自治会加入の促進の方策についてです。 この問題に対処するに当たって、これまでは入り口対策として、建築確認の際の建築主への協力依頼と、宅地建物取引業協会や不動産協会と連携しての加入促進などをされてきていますが、これらの取り組みの効果などはどのように捉えておられるのでしょうか。 また、反応がよい場合としては、どのような事例に多いのでしょうか。 さらには、入り口対策としてではなく、既にマンションに入居中の方々に対しても、居住地の「マンション向け地元町会・自治会の紹介パンフレット」の作成などが行われているところですが、どのような形で加入してほしいマンション居住者に届いているのでしょうか。 私などは、ある面ではこれ以上はないと思われる取り組みでありながらも、必ずしも十分な実績につながっていないように映るのでありますが、どのように捉え、もし改善する点があるとすれば、どのようなところにあるとお考えなのでしょうか。 また、マンションに既に入居中の区民に対する加入促進の取り組みにおける町会・自治会と区との役割分担についてはどのような方針で臨まれているのか伺います。 そして、今年度はタワーマンションの実態調査も計画されているところですが、この調査の中でのタワーマンション内のコミュニティづくりや町会・自治会との関係づくりについても調査されるのか伺います。 最後に、町会や自治会が存在しない地域や団地等があるというのは、地域に暮らす人たちにとっても、また区にとっても決してよいこととは思われませんが、このような地域や団地等に対する区の立ち位置はどのようにしておられるのでしょうか伺います。 ◎地域振興部長(山田秀之) 佐原議員の御質問にお答えします。 マンション居住者の町会・自治会加入の促進についてのお尋ねです。 初めに、町会・自治会加入率に対する区の認識についてです。 御指摘のとおり、町会・自治会の加入率は、平成28年度46.01%、平成29年度45.53%、平成30年度44.79%と低減傾向です。また、近隣区の傾向を見ても加入率は減少している状況にあり、にわかに増加に転じることは困難な状況であると区としても認識しています。 次に、マンション居住者に対する町会・自治会加入の促進についてのお尋ねです。 防犯や防災、地域の見守りなど、さまざまな地域課題がある中、区民が安心して暮らせる地域社会づくりを進めていくためには、共助の地域社会づくりの核となる町会・自治会の活動を支援していくことが欠かせません。現在、新宿区民の約8割がマンション等集合住宅居住者であることから、マンション等居住者への加入促進の働きかけは地域力を高めることにつながるものと認識しています。 次に、入り口対策としての建築主への協力依頼や、全日本不動産協会東京都本部新宿支部、宅地建物取引業協会新宿区支部との連携による加入促進の効果と事例についてです。 区では、建築確認の際の建築主への町会・自治会加入への協力依頼や、新宿区町会連合会と全日本不動産協会東京都本部新宿支部や、宅地建物取引業協会新宿区支部と協定を締結し、転入者への町会・自治会の加入を促進するとともに、窓口でも建築計画や不動産の売買の業者に当該地域の町会長・自治会長の連絡先を案内し、町会・自治会につなげています。 こうした取り組みにより、個人会員だけでなく、たな子である事業所の町会加入にもつながる例や、新たに地域の清掃活動に参加する学生や外国人がふえたなどの声も寄せられています。 次に、既にマンションに居住されている方についての取り組みと改善点、町会との役割分担についてのお尋ねです。 区では、新宿区町会連合会と連携して、平成28年度から「マンション向け地元町会紹介パンフレット」を作成しています。作成したパンフレットの配布については、各町会・自治会でマンション居住者や転入者にポスティングをしていただいていますが、オートロックマンションがふえてきているなどのこともあり、マンション居住者に届きづらい状況にあります。そのため、町会・自治会のイベントでの配布のほか、区主催のイベントでも積極的に配布するなど、マンション居住者に手にとってもらえる機会を確保してまいります。 さらに、平成30年度からは、個々の町会・自治会に合った加入促進の方法などについてコンサルタントを派遣する事業を実施しています。令和元年度は須賀町町会、大京町町会、西富久町会の3町会にコンサルタントを派遣する予定です。 これらの取り組みを通して、町会・自治会への加入促進を全力で支援してまいります。 次に、今年度計画しているタワーマンションの実態調査についてのお尋ねです。 今年度に実施する「タワーマンション実態調査」では、タワーマンションの居住者及び管理組合に対して、タワーマンション居住者の属性やマンションの維持管理に関することとあわせて、マンション内のコミュニティや町会を初めとする地域とのつながりについて調査することを予定しています。 また、タワーマンションのある地域の町会・自治会に対して、タワーマンションとのつながりや町会・自治会から見た課題についても調査を行う予定です。 この結果は、タワーマンションにおけるコミュニティづくり、地域コミュニティ施策、マンション維持管理への支援などの今後の施策に反映してまいります。 次に、町会や自治会が存在しない地域や団地などにおける区の立ち位置についてです。 現在、区内に町会・自治会が存在しない地域などがあります。そこに居住している方に対しても、町会・自治会がある地域と同様に区政情報が届くよう、区では近隣町会等の協力も得て、その地域の掲示板に区政情報の掲出等を行っています。 また、町会・自治会は地域力の核であることから、地区町会連合会とも連携し、当該地域に居住している方に働きかけ、町会・自治会を立ち上げる希望があった場合には専門のコンサルタントを派遣するなど、積極的に支援を行ってまいります。 以上で答弁を終わります。 ◆23番(佐原たけし) 御答弁ありがとうございます。久しぶりの質問で、大変緊張いたしました。 この質問については今までもさせていただいたんですが、なかなか難しいことは承知しておりますけれども、これからも粘り強くしっかりと取り組んでいただくことを要望いたしまして、質問を終わります。ありがとうございます。(拍手) ○議長(吉住はるお) 次に、33番有馬としろう議員。     〔33番 有馬としろう議員登壇、拍手〕 ◆33番(有馬としろう) 新宿区議会公明党の有馬としろうです。 高田馬場駅周辺地区のまちづくりと西武新宿線の安全対策について一般質問いたします。 まず初めに、高田馬場駅周辺地区のまちづくりについてお伺いします。 新宿区では、これまで新宿区まちづくり長期計画の中で、まちづくり戦略プランの一つとして、高田馬場駅周辺エリアのまちづくりを地域の方々や関係機関と一体となり推進をしてきました。 この間、平成28年3月に駅東側を対象区域とした高田馬場駅周辺地区まちづくり協議会が設立され、まちの課題や将来像などについて9回の協議を重ね、議論が行われてきました。 そして、それらを踏まえて昨年12月、「高田馬場駅周辺地区まちづくり構想案」を策定し、区長へ提出されてこられました。 1点目の質問は、まちづくり協議会から提出されたまちづくり構想案について、区長はどのように捉えているのかお聞かせください。 また、まちづくり長期計画におけるエリア戦略では、駅西側を含む広域的な範囲で、「賑わいとユニバーサルデザインのまちづくりの推進」を戦略の方向性としています。 前述のまちづくり構想案を受け、区として高田馬場駅周辺地区のまちづくりを早期に進めるべきと思いますが、お考えをお聞かせください。 2点目の質問は、高田馬場駅東口地区再開発についてです。 高田馬場駅東口地区における共同化事業の検討を行い、地権者の意向を尊重しながら市街地再開発事業の事業化を目指すことを目的として、平成28年9月に高田馬場駅東口再開発協議会が設立されました。この協議会もこれまでの議論を経て、本年4月に「高田馬場駅東口地区再開発構想案」を策定してきましたが、今後、区は再開発協議会に対しどのような支援、働きかけを行っていくのでしょうか、お考えをお聞かせください。 次に、西武新宿線の安全対策についてお伺いします。 1点目の質問は、あかずの踏切対策についてです。 西武新宿線のあかずの踏切対策は、現在、中井駅付近から野方駅付近、また東村山付近の2区間において連続立体交差事業に着手中であります。 一方、区内では高田馬場駅から西側の14カ所の踏切対策については、今後の課題となっていました。 このような状況の中、西武新宿線の混雑緩和や輸送力増強のため、平成5年に都市計画決定をしていた複々線化事業、いわゆる急行線地下化をその後の混雑率低下などを理由に、東京都と西武鉄道は複々線化事業の廃止に向けて、本年6月、新宿区内においても説明会を行いました。 この複々線化の廃止について、私のほうにも「新宿区内のあかずの踏切対策が大きく後退するのでは」との不安の声をさまざまな方からいただいております。 区は、この複々線化事業の廃止について、どのように受けとめ認識しているのでしょうか。 また一方では、昭和45年に東京都施行の事業として都市計画決定されている西武新宿線を高架化して、踏切対策を行う連続立体交差事業については、新宿区内においては現在まで未施行となっています。 今回の複々線化事業の廃止を受けて、現時点で計画継続中の立体交差事業の推進をしてほしいとの要望をさまざまな方からいただいております。区としても、推進に向けて関係機関へ働きかけていくべきと考えますが、お考えをお聞かせください。 2点目の質問は、西武新宿線下落合駅南口の改札口についてです。 現在、この南口改札口の利用時間は午前7時30分から午後10時までとなっています。これまでも利用者の方より、安全対策として踏切を渡ることなく利用できるよう、改札口の利用時間延長を望む声を聞いておりましたが、区としても西武鉄道に積極的な働きかけが必要と考えますが、お考えをお聞かせください。 3点目の質問は、西武新宿線のホームドア設置についてです。 ホームの安全対策としてのホームドアの設置については、これまでもさまざまな機会を捉えてお聞きしてきました。区においても第一次実行計画をローリングするなど、西武鉄道と連携をして、着実に高田馬場駅と西武新宿駅への設置計画が推進されていると思いますが、現在の進捗状況をお聞かせください。 また、今後の課題である下落合駅と中井駅についても、ホームドア設置に向けて西武鉄道や関係機関に働きかけていくべきと考えますが、お考えをお聞かせください。 以上、御答弁願います。 ◎都市計画部長(新井建也) 有馬議員の御質問にお答えします。 高田馬場駅周辺地区のまちづくりと西武新宿線の安全対策についてのお尋ねです。 初めに、高田馬場駅周辺地区まちづくり協議会から提出された「まちづくり構想案」についてです。 昨年12月に策定された「まちづくり構想案」は、駅東側エリアを対象に、地元の皆様が主体となり議論を重ね、地域の総意として取りまとめたものと考えています。 福祉施設の集積や若者など多様な人々が行き交うといったまちの特徴を活かしながら、さらにまちを成長させていくために「まちの将来像」や「テーマ別の目標」を掲げています。 区は、この「まちづくり構想案」をまちづくりの共通指針とし、地元の皆様とともにまちの将来像の実現に向けて取り組んでまいります。 次に、高田馬場駅周辺地区のまちづくりを早期に進めることについてのお尋ねです。 御指摘のとおり、区は、まちづくり長期計画において駅西側エリアも含む広域的な範囲を「高田馬場駅周辺エリア」と位置づけており、まちの課題の解決や生活利便性の向上、来街者の増加などによるまちの活性化や、その効果を周辺地域に波及させることを目指しています。 駅東側エリアを対象に、地元の皆様が取りまとめた「まちづくり構想案」を踏まえるとともに、まちの課題の解決には、駅西側エリアも含めた一体的なまちづくりを検討する必要があることから、区は広域的な「高田馬場駅周辺エリア」のまちづくりの検討に着手していきたいと考えています。 次に、高田馬場駅東口再開発協議会に対する支援と働きかけについてのお尋ねです。 高田馬場駅東口周辺では、道路や駅前広場などの歩行者と車両の動線がふくそうするとともに歩行者空間にゆとりがなく、快適で歩きやすい環境になっていません。また、多くの建物は、建築年数が長期化し、更新時期を迎えています。 こうした課題に対応するため、地権者で組織する高田馬場駅東口再開発協議会は、土地の高度利用や建物の共同化などによる市街地再開発の事業化に向けて、平成31年4月に土地利用や都市基盤整備、空間づくりの方針などを「再開発構想案」としてまとめました。 協議会が構想案をまとめるに当たり、区はUR都市機構に協議会に対する技術的支援を要請し、UR都市機構とともに構想案の策定への支援を行ってきました。 この構想案に基づき、協議会は、おおむねの事業区域の設定や道路などの都市基盤整備、建物・空地の配置計画などについて検討しており、今後、再開発事業の基本計画としてまとめていく予定です。 区は、協議会に対して、引き続きUR都市機構と連携し、基本計画の策定を支援するとともに、高田馬場駅周辺エリアの拠点にふさわしい事業となるよう働きかけていきます。 次に、西武新宿線の安全対策についてのお尋ねです。 区内の西武新宿線の高田馬場駅から西側の区間には14カ所の踏切があり、その全ての踏切が、いわゆるあかずの踏切になっています。この区間には、御指摘の複々線化事業も含め2つの都市計画が決定されています。 1つは、西武新宿線を高架化して踏切を撤去する連続立体交差事業で、昭和45年に東京都の事業として都市計画決定され、昭和46年に事業認可されましたが、地元の理解が得られず、昭和54年に事業認可が失効し、今日まで未施行のままとなっています。 もう一つは、このたび廃止に向けて説明会が行われた複々線化事業です。 この複々線化事業の区間のあかずの踏切の中には、路線バスも通る下落合駅西側の踏切もあり、日常の暮らしや災害時の活動にとって地域の大きな課題となっています。 この廃止する複々線化事業は、地下化により輸送力を増強しようとするものであることから、この都市計画決定の廃止は、連続立体交差事業の必要性がこれまで以上に増すものと認識しています。 東京都は、今回の都市計画の廃止に当たり、引き続き連続立体交差事業を推進していくとしています。 区としては、こうした地域の課題を東京都に対し強く認識してもらうとともに、連続立体交差の推進を強く要望してまいります。 次に、下落合駅南口の改札の利用時間についてです。 御指摘のとおり、現在の改札の利用時間は午前7時30分から午後10時までとなっています。区では、これまで西武鉄道に対し、地域の利便性やアクセス向上のため、南口改札の利用時間を初電から終電まで利用できるよう、利用時間の延長について要望してきました。 西武鉄道では、利用時間の延長への対応を検討しているとのことで、区としては、早期に利用時間を延長するよう、引き続き要望してまいります。 次に、西武新宿線のホームドアの設置についてです。 高田馬場駅及び西武新宿駅では、現在ホームドアの設置が進められており、高田馬場駅においてはホームドアの機器の製作中で、来年度までに設置するよう調整を図っているとのことです。西武新宿駅に関しては、工場でのホームドアの製作が終わり、今年度中に設置する予定です。 次に、下落合駅と中井駅のホームドアの設置についてです。 現在、国や東京都はホームドアの整備に対し、一日の利用者数が10万人以上の駅を優先して補助対象としていることから、利用者が10万人未満の下落合駅や中井駅などのホームドアの整備推進が課題となっています。 このため、区では全ての駅にホームドアを設置するべきと考えていることから、駅の利用者の多寡にかかわらず、区独自の補助制度を設けています。 区では、この補助制度を活用し、ホームドア整備を進めるよう西部鉄道に働きかけを行うとともに、国や東京都に対しては、利用者数が10万人未満の駅も補助対象とするよう要望しているところです。 引き続き区は、区内の全ての駅にホームドアが設置されるよう、積極的に取り組んでまいります。 以上で答弁を終わります。 ◆33番(有馬としろう) 御丁寧な御答弁、大変ありがとうございます。 高田馬場駅周辺地区のまちづくりと西武新宿線の踏切対策、これは簡単にできることではなくて、当然長期的な取り組みになるわけですが、今後も粘り強く着実に取り組んでいただくことを要望して、私の質問を終わります。 以上で終わります。ありがとうございます。(拍手) ○議長(吉住はるお) 次に、11番渡辺清人議員。     〔11番 渡辺清人議員登壇、拍手〕 ◆11番(渡辺清人) 自由民主党新宿区議会議員団の渡辺清人でございます。令和元年第3回定例会に当たり、富久町・余丁町地域のまちづくりについて一般質問をいたします。よろしくお願い申し上げます。 富久町は新宿区の中心部の位置にあり、主に住宅地域として多くの区民の方々が暮らしております。富久町は4つの町会に分かれておりまして、東富久町会、富久北町会、富久町中町会、そして西富久町会で構成されており、富久町での人口は平成31年1月1日時点で7,243人となっております。 その昔、東京監獄市ヶ谷刑務所があり、富久町児童遊園には慰霊塔も存在しております富久町は、長年にわたり閑静な住宅街として暮らしている住宅地でございます。 昭和60年ごろから始まったバブル期の土地の高騰により、無秩序な土地の売買が活発となり、空地が点在する、いわゆる虫食いの状態になりました。そのため、多くの住民や私の友人が引っ越していき、その後は地域コミュニティの崩壊や住民がいなくなったまま時が過ぎていきました。 昔話が続きますが、平成9年に西富久の地元の有志にて「街づくり組合」が立ち上がり、その後は市街地再開発準備組合を結成し、地域住民主体のまちづくりとして第一種市街地再開発事業の都市計画が決定となり、平成27年9月に富久クロスが誕生しました。 長年の住民減少や防災・防犯面で問題を抱えていた地域が地元地域の力でよみがえり、多くの住民が帰ってきました。 人口も富久クロスの完成により約2,000人増となり、近隣の富久小学校では児童数も倍増、長年開催できなかった西富久町会の祭礼や盆踊りも復活し、新しい住民とのコミュニティが形成されております。 このような中、富久町ではもう一つの大きな計画が進んでおり、環状第4号線の延長計画でございます。 平成21年に東京都より、環状第4号線の都市計画について説明がありました。富久町に大きな道路が開通することとなり地域住民は困惑しておりましたが、当時の東京都の説明によりますと、都市の骨格である幹線道路の整備がおくれたために慢性的な渋滞が発生し、都市機能の弱点となっている。交通渋滞の緩和と防災面での安全性の向上のため、早期の整備が必要との見解でした。 平成21年7月に富久地区まちづくり協議会が発足し、翌年の平成22年に地域住民が主体となり、環状四号線沿道部会と富久公園部会が発足、地域住民にて世話人が選出され、私は公園部会の世話人をさせていただきました。 その後は世話人会小単位ミーティングを数回にわたり開催し、今後の進め方やわかりづらい点などを話し合い、進めていきました。 その後、4年後に第2回富久地区まちづくり協議会が開催されましたが、それ以降は開催されておりません。 質問の1点目は、環状第4号線の都市計画道路事業についてです。 環状第4号線の開通時期は2022年ごろと伺っておりますが、現在の事業の進捗状況と見込みについてお伺いいたします。 質問の2点目は、富久の都市計画公園についてです。 この都市計画公園は、富久町23番から27番地を含む都市の公園計画ですが、将来的にこの地区は公園になると話しておりました。その後、同じく富久町にありました法務省の官舎の跡地に富久さくら公園を整備した結果、都市公園の代替として、富久町23番から27番における公園の整備は不必要との意見が出ております。 しかしながら、いまだに都市計画公園地域では都市計画がかかっている状況であります。今後の方向性について、新宿区の見解をお伺いいたします。 次に、現在地元で話し合われております富久町・余丁町地区のまちづくりについてです。 富久町中町会地区では、環状第4号線が開通することにより町会が大きな幹線道路で二分されてしまいます。また、道路の立ち退きにより多くの地域住民が引っ越ししております。高齢化も進み、単身高齢者での住宅や空き家も増加している状況であります。また、富久町は木造密集地域もあり、防災面や空き家増加による防犯面でも不安を抱えております。 環状第4号線の開通時には、計画上、余丁町児童遊園が大きく削られることになります。地域の方々は、余丁町児童遊園の存続を願っております。新宿区としても余丁町児童遊園の存続についてお力をいただいていたことは存じております。しかしながら、環状第4号線の延長計画は東京都の事業であり、今までどおりの形で存続することは極めて困難だと考えます。 町内会でも空き家対策や地域の活性化について議論をしていた中で、民間企業により地域コミュニティの再生について地域の方々との懇談をしたいとの要望がありました。地域有志による話し合いを進める中で、このままでは住環境の悪化が進行する状況との見解となり、この解決に向け、令和元年の7月に地域住民で構成されております「富久町・余丁町地区市街地再開発準備組合」が発足されました。これは西富久地区再開発事業に類似した地域組合であり、地域課題として空き家の増加、防災・防犯面での問題など、こちらも西富久地域の課題と類似しております。 富久地区は、都心生活適地ではありますが、町並みは緊急車両の進入が困難な幅員の狭い道路により細分化されており、古くからの木造住宅が密集した防災上危険な状態です。 こうした状況を踏まえ、準備組合では、地区内道路の計画的な廃道や外周道路の拡張を計画し、さらに環状第4号線都市計画道路事業とあわせて、広場などの公開空地を確保するなど、地域課題の解決に向けた話し合いが進められています。 一方で、コミュニティ再生の核となる余丁町児童遊園の代替機能の確保や防災面での安心感の向上につながるかどうかについて不安を抱えている方もいます。 そこで、3番目の質問でございます。 環状第4号線の整備など、まちの環境が大きく変化し、地域の方々による課題の解決に向けた取り組みが行われる中で、富久町・余丁町地域のまちづくりをどのように進めていくか、新宿区としての御意見をお伺いいたします。 ◎都市計画部長(新井建也) 渡辺清人議員の御質問にお答えします。 富久町・余丁町地域のまちづくりについてのお尋ねです。 初めに、環状第4号線の都市計画道路事業についてです。 環状第4号線の都市計画道路については東京都が事業を進めており、事業認可の期間は平成23年2月14日から令和4年3月31日までとなっています。 現在用地の取得を行っている段階で、ことし7月末の時点での用地取得率は約52%であり、引き続き用地の取得を進めていくとのことです。 次に、富久の都市計画公園についてのお尋ねです。 御指摘の都市計画公園のあり方については、富久公園部会において、平成22年から平成26年にかけて議論を重ね、都市計画を廃止するものとして意見を取りまとめています。 都市計画を廃止するためには、その周辺地域内で廃止する都市計画公園と同等の公園機能を確保する必要があります。このため、富久さくら公園や富久クロスの市街地再開発事業で整備した広場、近隣の既存公園などにより公園機能を確保することについて東京都と調整を進めているところです。 あわせて、環状第4号線の整備事業との調整も進めており、引き続き都市計画公園の廃止に向け、東京都との調整を積極的に進めてまいります。 次に、富久町・余丁町地域のまちづくりの進め方についてのお尋ねです。 富久町・余丁町地域では、環状第4号線の整備や都市計画公園の廃止などにより、今後の土地利用の転換が予想されます。また、御指摘のとおり、環状第4号線の整備事業に伴う用地の取得が進み、空き地が点在するなど、まちの状況が変わってきています。 こうした中で、地元では、ことし7月に「富久町・余丁町地区市街地再開発準備組合」が設立され、地域課題の解決やコミュニティの再生に向けたまちづくりの検討が始まっています。 区は、住環境や防災面など地域課題の解決やコミュニティの再生に向け、地元の皆様のさまざまな御意見を伺いながら、ともに富久町・余丁町地域のまちづくりを進めてまいります。 以上で答弁を終わります。 ◆11番(渡辺清人) 大変御丁寧な答弁をありがとうございます。 まちづくりは、当然一朝一夕でできるものではございませんので、引き続き御指導いただきながらお願いしたいと思います。 以上で渡辺清人の一般質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
    ○議長(吉住はるお) 次に、13番永原たかやす議員。     〔13番 永原たかやす議員登壇、拍手〕     〔「頑張れ」と呼ぶ者あり〕 ◆13番(永原たかやす) 自由民主党新宿区議会議員団の永原たかやすでございます。 消費増税とキャッシュレス決済の導入における新宿区の対応について一般質問させていただきます。 先日、ソフトバンクの孫正義社長の「日本のAI分野は完全な後進国」「日本に投資したくてもできない現実がある」というショッキングな発言がありました。 日本では、新しい技術を開発しても、新しいものに対して慎重である国民性から、有益な技術であっても普及するのに時間がかかる状況にあります。 キャッシュレス決済においても、1994年、新宿においてスーパーキャッシュという電子マネーの実験を世界に先駆けて実施しました。当時大学生であった私も実験に参加し、現金を使わない買い物を体験しました。 それから15年、クレジットカードとモバイル端末をひもづけし電子マネー決済することが可能になり、飛行機や新幹線などの公共交通機関だけでなく、実店舗やネットショッピングで現金を使わないという生活も日常の光景になってきています。 しかし、お隣の中国の深センでは、日本の技術によって日本のキャッシュレス決済を超えるリアルなキャッシュレス決済が進行し、QRコードから始まり、顔認証システムによる決済が現実のものになっています。 中国では偽札問題や衛生面から現金が嫌われ、携帯電話網の整備によってスマートフォンが普及したことから、導入コストが安いQRコードで爆発的に受け入れられ、キャッシュレス決済が進行しました。 日本では新宿でのスーパーキャッシュしかり、Suicaなど電源を必要としないソニーが開発した非接触型ICによって普及していますが、手数料の問題やリーダー費用の問題、カードデポジットの問題、セキュリティに対して懐疑的な人が多いなどの理由で、セキュリティレベルが高いキャッシュレス決済があるにもかかわらず、中国のように爆発的にはキャッシュレス決済が進まない状況にあります。 多くの消費者がキャッシュレス決済を利用したいと考えるのに対し、特に中小・小規模事業者からは、キャッシュレス決済に対応できる人材がいない、使い方がわからない、手数料の分を代金や料金に反映できないなどの声が聞かれます。 しかし、キャッシュレス決済することで売り上げ計算などの作業が軽減され、キャッシュレス決済ができないことによる機会損失がなくなるなど、トータル的に見れば経理業務の削減や人件費削減、売り上げへの貢献などにも役立つと考えられます。 来年、東京2020オリンピック・パラリンピックを迎えるに当たり、今まで以上の外国人が来日し、まちで消費を行うと考えられます。その際、利便性や所持金、使用感など、お金を使うという敷居が下がることから、キャッシュレス決済できる店とできない店とでは購入動機に差が生じると思われます。 2019年10月1日に消費税が現行の8%から10%に引き上げられる予定の中で、財務省は引き上げの理由として、少子高齢化により現役世代と高齢者の増加による社会保険料など、現役世代の負担が年々高まる中で、社会保障財源のために所得税や法人税の引き上げを行うと一層現役世代に負担が集中することから、特定の者に負担が集中しないよう、広く浅く国民全体で広く負担する消費税が高齢化社会における社会保障の財源にふさわしいと考えるからと述べております。 そして、税制抜本改革法第7条に基づく消費税率引き上げに伴う低所得者対策として、同日に軽減税率制度が実施される予定です。軽減税率の対象品目は酒類及び外食を除く飲食料品と定期購読契約が締結された週2回以上発行される新聞とあります。 また、その消費増税の負担軽減策として経済産業省では、中小・小規模事業者を対象としたキャッシュレス・消費者還元事業が行われることになっております。 還元事業の対象となる決済手段は、電子的に繰り返し利用できる決済手段が対象となり、クレジットカードやデビットカード、電子マネー、QRコード、モバイル決済によるものです。 日本商工会議所がことしの4月に中小・小規模事業者に対して、キャッシュレス決済時のポイント還元制度適用を申し込むかどうかを調査したところ、「申し込み予定」が34.1%、「申し込みは行わない予定」が34.2%、「制度の対象かわからない」が31.7%でした。 しかし、私がまちの中小・小規模事業者に対して意見をお伺いしたところ、申し込みは行わない予定という部分には、制度が複雑過ぎてよくわからないから対応できないという声を多く聞きました。 このようなことに関連して、ことしの第2回定例会の我が会派の代表質問において、国によるキャッシュレス決済の導入促進の把握と区の取り組みについて質問させていただき、前向きな御答弁をいただきましたが、これまでの取り組みや現在の状況、また他区の状況をお伺いします。 また、区民の皆様からも、ポイント還元制度により戻ってくる消費税の割合が2%、5%の2種類があり、どこで何を買ったとき、何の決済で何%還元されるかわからないといった相談を多くいただいております。 キャッシュレス決済の導入の実施まであと1カ月を切りましたが、区民の皆様や事業者に向けて、今後この制度をどのようにわかりやすく周知していかれるのかをお伺いします。 ◎文化観光産業部長(菅野秀昭) 永原議員の御質問にお答えします。 消費増税とキャッシュレス決済の導入における新宿区の対応についてのお尋ねです。 初めに、キャッシュレス決済導入促進に向けたこれまでの取り組みについてです。 区では、今回のキャッシュレス決済導入に関しての国の補助制度が区内中小企業者のキャッシュレス決済導入の好機になるとともに、消費増税の負担軽減策でもあることから周知に取り組んでまいりました。 区ホームページでは、国が行う事業の案内や電話相談窓口を掲載するほか、メールマガジンにより周知を図ってきました。 また、新宿区商店会連合会と連携し、キャッシュレス決済導入に向けた説明会をこれまで13回開催しました。あわせて、キャッシュレス決済導入のメリットや、わかりやすい導入手順を記載したチラシを作成し、区内約4,000店舗の商店に配布したところ、区へのお問い合わせもいただき、対応させていただいているところです。 次に、現在の状況についてです。9月5日現在、国の「キャッシュレス・消費者還元事業」の加盟店登録申請数は全国で約58万件あり、事務局の審査を通過し登録された店舗が約28万件、うち新宿区は2,013件となっており、一定程度登録が進んでいます。 また、他区においては、約半数の区が商店会連合会が主催する説明会やセミナーについての周知を行っていますが、登録件数は区によってさまざまであり、取り組みの成果がなかなか見えてこない現状もあるようでございます。 次に、区民の皆様や事業者に向けた今後のわかりやすい周知についてです。 国は、9月5日までに制度事務局に申請書が到達した店舗については、10月1日からのキャッシュレス・ポイント還元事業の開始に間に合うよう登録作業を行っているところですが、登録申請はその後も随時来年4月末まで可能であり、今後もよりわかりやすい周知を行ってまいります。 区では、引き続き現状のホームページやメールマガジンでの周知を行い、個別具体的な相談については商工相談員が経営相談とあわせて対応していきます。 また、12月発行予定の「新宿商人」では、キャッシュレス決済を導入した店舗を取材し、決済事業者をどのように選んだかなど導入の流れや注意点、導入後のメリットなどを実例として紹介する予定です。 さらに、区民の皆様に対しては、経済産業省作成のチラシとポスターによる周知を行うほか、「何%還元されるかわからない」といった相談には問い合わせ窓口を御案内するなど、丁寧に対応してまいります。 消費増税に際しては、キャッシュレス決済導入のほかにも、複数税率対応レジ導入支援など、事業者が対応しなければならない制度があり、まだ十分に浸透し切れていないと認識しています。 今後は、新たに国が中小・小規模店に個別訪問を行い、それぞれの個別事情に応じたアドバイスを行う事業を開始するとのことですので、関係機関や新宿区商店会連合会との連携を密にし、消費増税やキャッシュレス決済導入、軽減税率への対応の支援を強化していくとともに、区民の皆様へ丁寧に周知してまいります。 以上で答弁を終わります。 ◆13番(永原たかやす) 丁寧な御答弁をいただきまして、ありがとうございました。 今回一般質問するに当たり、区民の皆様、事業者の皆様に対して聞き取りをさせていただきました。やはり皆さんは一様に心配されています。どうか区民の不安が解消されるように今後御尽力をいただきたいと思います。どうもありがとうございました。(拍手) ○議長(吉住はるお) 以上で一般質問は終了しました。--------------------------------------- ○議長(吉住はるお) 次に、日程第3から日程第8までを一括議題とします。     〔次長議題朗読〕 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △第62号議案 新宿区立保育所条例の一部を改正する条例 △第63号議案 新宿区保育所保育料徴収条例の一部を改正する条例 △第64号議案 新宿区立子ども園条例の一部を改正する条例 △第65号議案 新宿区子ども・子育て支援法に基づく過料に関する条例の一部を改正する条例 △第66号議案 新宿区立子育て支援施設の設置及び管理に関する条例の一部を改正する条例 △第73号議案 新宿区立幼稚園条例の一部を改正する条例     〔巻末委員会審査報告書の部参照〕 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(吉住はるお) なお、文教子ども家庭委員会審査報告書はお手元に配付しましたとおり、可決です。 お諮りします。 本案を、いずれも委員会審査報告のとおり決定することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(吉住はるお) 異議なしと認めます。 本案は、いずれも委員会審査報告のとおり可決されました。--------------------------------------- ○議長(吉住はるお) 次に、日程第9を議題とします。     〔次長議題朗読〕 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △第43号議案 令和元年度新宿区一般会計補正予算(第4号)     〔巻末委員会審査報告書の部参照〕 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(吉住はるお) なお、総務区民、福祉健康、環境建設、文教子ども家庭の各委員会審査報告書はお手元に配付しましたとおり、いずれも可決です。 お諮りします。 本案を委員会審査報告のとおり決定することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(吉住はるお) 異議なしと認めます。 本案は、委員会審査報告のとおり可決されました。--------------------------------------- ○議長(吉住はるお) 次に、日程第10から日程第13までを一括議題とします。     〔次長議題朗読〕 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △諮問第1号 人権擁護委員候補者の推薦に関する意見の聴取について △諮問第2号 人権擁護委員候補者の推薦に関する意見の聴取について △諮問第3号 人権擁護委員候補者の推薦に関する意見の聴取について △諮問第4号 人権擁護委員候補者の推薦に関する意見の聴取について     〔巻末議案の部参照〕 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(吉住はるお) 提出者の説明を求めます。     〔吉住健一区長登壇〕 ◎区長(吉住健一) ただいま一括して上程されました諮問第1号から諮問第4号までの人権擁護委員候補者の推薦に関する意見の聴取について御説明いたします。 いずれも、人権擁護委員法第6条第3項の規定に基づき、人権擁護委員候補者の推薦に当たり議会の意見を求めるものです。 まず、諮問第1号は、野尻信江さんを推薦するものです。 次に、諮問第2号は、吉村誠さんを推薦するものです。 次に、諮問第3号は、二宮麻里子さんを推薦するものです。 次に、諮問第4号は、上野昭子さんを推薦するものです。 以上、御審議の上、御賛同いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。 ○議長(吉住はるお) 説明は終わりました。 これから委員会付託を省略し、順次起立により採決を行います。 最初に、諮問第1号について採決します。 本案を諮問のとおり決定することに賛成の方は御起立願います。     〔賛成者起立〕 ○議長(吉住はるお) 起立全員と認めます。 本案は、諮問のとおり決定しました。 次に、諮問第2号について採決します。 本案を諮問のとおり決定することに賛成の方は御起立願います。     〔賛成者起立〕 ○議長(吉住はるお) 起立全員と認めます。 本案は、諮問のとおり決定しました。 次に、諮問第3号について採決します。 本案を諮問のとおり決定することに賛成の方は御起立願います。     〔賛成者起立〕 ○議長(吉住はるお) 起立全員と認めます。 本案は、諮問のとおり決定しました。 次に、諮問第4号について採決します。 本案を諮問のとおり決定することに賛成の方は御起立願います。     〔賛成者起立〕 ○議長(吉住はるお) 起立全員と認めます。 本案は、諮問のとおり決定しました。--------------------------------------- ○議長(吉住はるお) 次に、日程第14から日程第17までを一括議題とします。     〔次長議題朗読〕 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △認定第1号 平成30年度新宿区一般会計歳入歳出決算 △認定第2号 平成30年度新宿区国民健康保険特別会計歳入歳出決算 △認定第3号 平成30年度新宿区介護保険特別会計歳入歳出決算 △認定第4号 平成30年度新宿区後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算     〔巻末決算の部参照〕 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(吉住はるお) 提出者の説明を求めます。     〔吉住健一区長登壇〕 ◎区長(吉住健一) ただいま一括して上程されました認定第1号から認定第4号について御説明いたします。 最初に、認定第1号の平成30年度新宿区一般会計歳入歳出決算ですが、歳入決算額は1,465億5,107万8,673円で、予算額に対する収入率は97.6%です。 なお、1億9,761万9,439円の不納欠損処分をいたしまして、収入未済額は23億9,462万3,806円となりました。 また、歳出決算額は1,419億7,089万9,290円で、予算額に対する執行率は94.6%です。 翌年度への繰越額を除いた不用額は71億5,809万1,710円です。 この結果、歳入歳出差引額は45億8,017万9,383円となり、翌年度予算へ繰り越すべき財源の6億8,865万2,000円を差し引いた実質収支額は38億9,152万7,383円となりました。 次に、認定第2号の平成30年度新宿区国民健康保険特別会計歳入歳出決算ですが、歳入決算額は380億7,897万8,398円で、予算額に対する収入率は99.7%です。 なお、9億2,553万6,168円の不納欠損処分をいたしまして、収入未済額は41億718万7,360円となりました。 また、歳出決算額は377億2,768万2,310円で、予算額に対する執行率は98.8%です。 不用額は4億7,270万8,690円です。 この結果、歳入歳出差引額は3億5,129万6,088円となりました。 続いて、認定第3号の平成30年度新宿区介護保険特別会計歳入歳出決算ですが、歳入決算額は245億300万5,027円で、予算額に対する収入率は98.2%です。 なお、9,379万7,100円の不納欠損処分をいたしまして、収入未済額は2億2,281万9,777円となりました。 また、歳出決算額は237億5,233万3,649円で、予算額に対する執行率は95.2%です。 不用額は12億945万8,351円です。 この結果、歳入歳出差引額は7億5,067万1,378円となりました。 最後に、認定第4号の平成30年度新宿区後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算ですが、歳入決算額は72億2,103万8,828円で、予算額に対する収入率は99.9%です。 なお、821万4,300円の不納欠損処分をいたしまして、収入未済額は6,042万693円となりました。 また、歳出決算額は71億8,811万5,578円で、予算額に対する執行率は99.5%です。 不用額は3,708万4,422円です。 この結果、歳入歳出差引額は3,292万3,250円となりました。 以上で説明を終わりますが、各会計歳入歳出決算事項別明細書等の附属書類並びに主要施策の成果の概要を説明する書類をあわせて提出しておりますので、御審議の上、認定いただきますよう、よろしくお願いいたします。 ○議長(吉住はるお) 説明は終わりました。 ただいま一括議題となっています認定第1号から認定第4号までは、18名の委員で構成し、副委員長を2名とする決算特別委員会を設置し、一括して付託したいと思います。 これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(吉住はるお) 異議なしと認めます。 認定第1号から認定第4号までは、18名の委員会で構成し、副委員長を2名とする決算特別委員会を設置し、一括して付託することに決定しました。 次に、委員の選任については、委員会条例第5条第1項の規定により、お手元に配付しました決算特別委員会委員名簿のとおり指名します。---------------------------------------             決算特別委員会委員名簿  3番   三沢ひで子      4番   井下田栄一  5番   田中ゆきえ      6番   小野裕次郎  7番   高月まな      11番   渡辺清人 12番   大門さちえ     13番   永原たかやす 15番   よだかれん     19番   川村のりあき 21番   野もとあきとし   22番   中村しんいち 25番   池田だいすけ    26番   桑原ようへい 29番   のづケン      31番   鈴木ひろみ 32番   沢田あゆみ     37番   かわの達男--------------------------------------- ○議長(吉住はるお) 次に、日程第18から日程第38までを一括議題とします。     〔次長議題朗読〕 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △第47号議案 新宿区会計年度任用職員の給与及び費用弁償に関する条例 △第48号議案 新宿区職員の分限に関する条例の一部を改正する条例 △第49号議案 新宿区職員の懲戒に関する条例の一部を改正する条例 △第50号議案 新宿区職員の職務に専念する義務の特例に関する条例の一部を改正する条例 △第51号議案 新宿区非常勤職員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例 △第52号議案 職員団体のための職員の行為の制限の特例に関する条例の一部を改正する条例 △第53号議案 外国の地方公共団体の機関等に派遣される職員の処遇等に関する条例及び新宿区職員の配偶者同行休業に関する条例の一部を改正する条例 △第54号議案 新宿区職員の育児休業等に関する条例の一部を改正する条例 △第55号議案 新宿区職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例 △第56号議案 新宿区人事行政の運営等の状況の公表に関する条例の一部を改正する条例 △第57号議案 新宿区職員の給与に関する条例の一部を改正する条例 △第58号議案 新宿区職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例 △第59号議案 新宿区印鑑条例の一部を改正する条例 △第60号議案 新宿区住民基本台帳制度の適正な運用に関する条例の一部を改正する条例 △第61号議案 新宿区自動交付機の利用に関する条例を廃止する条例 △第67号議案 新宿区地区計画の区域内における建築物の制限に関する条例の一部を改正する条例 △第68号議案 新宿区選挙長等の報酬及び費用弁償等に関する条例の一部を改正する条例 △第69号議案 新宿区奨学資金貸付条例の一部を改正する条例 △第70号議案 新宿区幼稚園教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例 △第71号議案 新宿区幼稚園教育職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例 △第72号議案 新宿区立の小学校、中学校及び特別支援学校の非常勤の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例     〔巻末議案の部参照〕 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(吉住はるお) 提出者の説明を求めます。     〔吉住健一区長登壇〕 ◎区長(吉住健一) ただいま一括して上程されました第47号議案から第61号議案まで、第67号議案から第72号議案について御説明いたします。 まず、第47号議案の新宿区会計年度任用職員の給与及び費用弁償に関する条例ですが、本案は、地方公務員法の改正に伴い、会計年度任用職員に係る給与及び費用弁償について定めるものです。 次に、第48号議案の新宿区職員の分限に関する条例の一部を改正する条例ですが、本案は、地方公務員法の改正に伴い規定を整備するものです。 次に、第49号議案の新宿区職員の懲戒に関する条例の一部を改正する条例ですが、本案は、地方公務員法の改正に伴い規定を整備するものです。 次に、第50号議案の新宿区職員の職務に専念する義務の特例に関する条例の一部を改正する条例ですが、本案は、地方公務員法の改正に伴い、会計年度任用職員に係る職務に専念する義務を免除されることができる場合について定めるものです。 次に、第51号議案の新宿区非常勤職員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例ですが、本案は、地方公務員法の改正に伴い規定を整備するものです。 次に、第52号議案の職員団体のための職員の行為の制限の特例に関する条例の一部を改正する条例ですが、本案は、地方公務員法の改正に伴い、非常勤職員が休日、または代休日において、給与を受けながら、職員団体のためその業務を行い、または活動することができることとするものです。 次に、第53号議案の外国の地方公共団体の機関等に派遣される職員の処遇等に関する条例及び新宿区職員の配偶者同行休業に関する条例の一部を改正する条例ですが、本案は、地方公務員法の改正に伴い規定を整備するものです。 次に、第54号議案の新宿区職員の育児休業等に関する条例の一部を改正する条例ですが、本案は、地方公務員法の改正に伴い規定を整備するものです。 次に、第55号議案の新宿区職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例ですが、本案は、子を養育する職員等に係る早出遅出勤務制度を導入するほか、地方公務員法の改正に伴い規定を整備するものです。 次に、第56号議案の新宿区人事行政の運営等の状況の公表に関する条例の一部を改正する条例ですが、本案は、地方公務員法の改正に伴い、人事行政の運営の状況について任命権者が区長に報告すべき事項を改めるものです。 次に、第57号議案の新宿区職員の給与に関する条例の一部を改正する条例ですが、本案は、地方公務員法の改正に伴い、会計年度任用職員の給与に関する事項を別に新宿区条例で定めることとするほか、規定を整備するものです。 次に、第58号議案の新宿区職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例ですが、本案は、地方公務員法の改正に伴い、フルタイム会計年度任用職員が退職の日、またはその翌日に再度その職についた場合における在職期間の計算について、引き続いて在職したものとみなすほか、規定を整備するものです。 次に、第59号議案の新宿区印鑑条例の一部を改正する条例ですが、本案は、住民基本台帳法施行令の改正に伴い旧氏による印鑑登録を行うことができることとするとともに、自動交付機の廃止に伴い規定を整備するものです。 次に、第60号議案の新宿区住民基本台帳制度の適正な運用に関する条例の一部を改正する条例ですが、本案は、行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律の改正等に伴い、規定を整備するものです。 次に、第61号議案の新宿区自動交付機の利用に関する条例を廃止する条例ですが、本案は、自動交付機の廃止に伴い、新宿区自動交付機の利用に関する条例を廃止するものです。 次に、第67号議案の新宿区地区計画の区域内における建築物の制限に関する条例の一部を改正する条例ですが、本案は新宿駅東口地区地区計画の都市計画変更決定に伴い、当該地区計画の区域内における建築物の敷地及び構造に関する制限について定めるものです。 次に、第68号議案の新宿区選挙長等の報酬及び費用弁償等に関する条例の一部を改正する条例ですが、本案は、公職選挙法施行令の一部を改正する政令の施行を踏まえ、投票所の投票管理者及び期日前投票所の投票管理者の従事時間を投票時間の2分の1にした場合における報酬の額を定めるものです。 次に、第69号議案の新宿区奨学資金貸付条例の一部を改正する条例ですが、本案は、奨学資金の貸し付けの対象に専修学校の高等課程の在学者及び入学予定者を加えるものです。 次に、第70号議案の新宿区幼稚園教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例ですが、本案は、地方公務員法の改正に伴い規定を整備するものです。 次に、第71号議案の新宿区幼稚園教育職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例ですが、本案は、子を養育する職員等に係る早出遅出勤務制度を導入するほか、地方公務員法の改正に伴い規定を整備するものです。 次に、第72号議案の新宿区立の小学校、中学校及び特別支援学校の非常勤の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例ですが、本案は、公立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償の基準を定める政令の一部を改正する政令等の施行に伴い、介護補償の額を改定するとともに、補償基礎額表における医師等としての経験年数の加算要件に関し所要の改正を行うものです。 以上、御審議の上、御賛同いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。 ○議長(吉住はるお) 説明は終わりました。 ただいま一括議題となっています第47号議案から第61号議案まで及び第67号議案から第72号議案までは、お手元に配付しました議案付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託します。     〔巻末議案付託表の部参照〕 ○議長(吉住はるお) なお、第47号議案から第50号議案まで、第52号議案から第58号議案まで、第70号議案及び第71号議案につきましては、地方公務員法第5条第2項の規定に基づき、あらかじめ特別区人事委員会の意見を聴取したところ、異議がないとの回答を得ておりますので、報告します。---------------------------------------                            31特人委給第191号                            令和元年9月18日 新宿区議会議長  吉住はるお様                    特別区人事委員会委員長  中山弘子       「職員に関する条例」に対する意見聴取について(回答) 令和元年9月10日付31新議議第5114号により意見聴取のあった下記条例案については、異議ありません。                   記 第47号議案 新宿区会計年度任用職員の給与及び費用弁償に関する条例 第48号議案 新宿区職員の分限に関する条例の一部を改正する条例 第49号議案 新宿区職員の懲戒に関する条例の一部を改正する条例 第50号議案 新宿区職員の職務に専念する義務の特例に関する条例の一部を改正する条例 第52号議案 職員団体のための職員の行為の制限の特例に関する条例の一部を改正する条例 第53号議案 外国の地方公共団体の機関等に派遣される職員の処遇等に関する条例及び新宿区職員の配偶者同行休業に関する条例の一部を改正する条例 第54号議案 新宿区職員の育児休業等に関する条例の一部を改正する条例 第55号議案 新宿区職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例 第56号議案 新宿区人事行政の運営等の状況の公表に関する条例の一部を改正する条例 第57号議案 新宿区職員の給与に関する条例の一部を改正する条例 第58号議案 新宿区職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例 第70号議案 新宿区幼稚園教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例 第71号議案 新宿区幼稚園教育職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例--------------------------------------- ○議長(吉住はるお) 次に、日程第39を議題とします。     〔次長議題朗読〕 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △第74号議案 訴えの提起について     〔巻末議案の部参照〕 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(吉住はるお) 提出者の説明を求めます。     〔吉住健一区長登壇〕 ◎区長(吉住健一) ただいま上程されました第74号議案の訴えの提起について御説明いたします。 本案は、区営住宅に係る建物明け渡し等の請求に関し、訴えを提起するものです。 御審議の上、御賛同いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。 ○議長(吉住はるお) 説明は終わりました。 ただいま議題となっています第74号議案は、お手元に配付しました議案付託表のとおり、環境建設委員会に付託します。     〔巻末議案付託表の部参照〕--------------------------------------- ○議長(吉住はるお) 次に、日程第40から日程第42までを一括議題とします。     〔次長議題朗読〕 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △第44号議案 令和元年度新宿区一般会計補正予算(第5号) △第45号議案 令和元年度新宿区介護保険特別会計補正予算(第2号) △第46号議案 令和元年度新宿区後期高齢者医療特別会計補正予算(第2号)     〔巻末予算案の部参照〕 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(吉住はるお) 提出者の説明を求めます。     〔吉住健一区長登壇〕 ◎区長(吉住健一) ただいま一括して上程されました第44号議案から第46号議案について御説明いたします。 まず、第44号議案 令和元年度新宿区一般会計補正予算(第5号)についてですが、今回、歳入歳出予算を補正する額は、それぞれ18億7,941万9,000円です。 歳出予算から述べますと、地域振興費においては、協働推進基金積立金及び東京2020オリンピック・パラリンピック区民参画基金助成金等3,477万6,000円を計上するものです。 文化観光産業費においては、夏目漱石記念施設整備基金積立金及び都支出金の収入超過に伴う返納金62万9,000円を計上するものです。 福祉費においては、障害者福祉活動基金積立金及び国、都支出金の収入超過に伴う返納金5億2,819万6,000円を計上するものです。 子ども家庭費においては、子ども未来基金積立金及び国、都支出金の収入超過に伴う返納金等1億8,798万8,000円を計上するものです。 健康費においては、後期高齢者医療特別会計繰出金3,227万1,000円を減額し、国、都支出金の収入超過に伴う返納金2,640万8,000円を計上するものです。 土木費においては、諸収入の収入超過に伴う返納金及び放置自転車等対策の推進に要する経費等747万円を計上するものです。 教育費においては、小学校及び中学校の一般修繕に要する経費等1億7,850万9,000円を計上するものです。 諸支出金においては、財政調整基金積立金及び社会資本等整備基金積立金9億4,771万4,000円を計上するものです。 これらの財源としては、繰越金、繰入金、国庫支出金及び都支出金等を充当するものです。これを補正前の予算額と合わせますと、歳入歳出予算の総額は、それぞれ1,545億3,276万3,000円となります。 次に、工事請負契約等の債務負担行為の補正ですが、四谷特別出張所等区民施設及び四谷図書館特定天井等改修工事設計委託については、設計委託が2年度にわたり、早稲田小学校擁壁改修工事及び牛込第三中学校擁壁等改修工事については、工期が2年度にわたり、いずれも分割して契約することが困難なため債務負担行為を設定するものであり、限度額の総額3億3,775万4,000円を追加するものです。 次に、第45号議案 令和元年度新宿区介護保険特別会計補正予算(第2号)について御説明いたします。 今回、歳入歳出予算を補正する額は、それぞれ7億3,354万円です。 補正の内容は、基金積立金においては介護給付準備基金積立金4億1,175万7,000円を計上するものです。 諸支出金においては、第1号被保険者保険料の過誤納還付金276万9,000円を減額し、国庫支出金、支払基金交付金及び都支出金の収入超過に伴う返納金3億2,455万2,000円を計上するものです。 財源としては、繰越金を充当するものです。これを補正前の予算額と合わせますと、歳入歳出予算の総額は、それぞれ258億9,661万2,000円となります。 次に、第46号議案 令和元年度新宿区後期高齢者医療特別会計補正予算(第2号)について御説明いたします。 今回、歳入歳出予算を補正する額は、それぞれ2,650万6,000円です。 補正の内容は、広域連合納付金においては、保険料等納付金2,570万7,000円を計上するものです。 諸支出金においては、受託事業収入の収入超過に伴う返納金79万9,000円を計上するものです。 なお、平成30年度広域連合納付金及び前年度繰越金の確定に伴い、各款関係経費の財源更正もあわせて行うものです。 財源としては繰入金を減額し、諸収入及び繰越金を充当するものです。これを補正前の予算額と合わせますと、歳入歳出予算の総額はそれぞれ73億9,668万円となります。 以上、御審議の上、御賛同いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。 ○議長(吉住はるお) 説明は終わりました。 ただいま議題となっています第44号議案から第46号議案までは、お手元に配付しました議案付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託します。     〔巻末議案付託表の部参照〕 ○議長(吉住はるお) ここでお諮りします。 第44号議案中、歳出第3款地域振興費、第1項地域振興費、第1目地域振興総務費、東京2020オリンピック・パラリンピック区民参画基金助成金及び歳出第4款文化観光産業費、第1項文化観光費、第2目文化観光振興費については、オリンピック・パラリンピック・文化観光等特別委員会に付託したいと思いますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(吉住はるお) 異議なしと認めます。 第44号議案中、歳出第3款地域振興費、第1項地域振興費、第1目地域振興総務費、東京2020オリンピック・パラリンピック区民参画基金助成金及び歳出第4款文化観光産業費、第1項文化観光費、第2目文化観光振興費については、オリンピック・パラリンピック・文化観光等特別委員会に付託することに決定しました。     〔巻末議案付託表の部参照〕--------------------------------------- ○議長(吉住はるお) 以上で本日の日程は終わりました。 次の会議は10月16日午後2時に開きます。ここに御出席の皆様には改めて通知しませんので、御了承願います。 本日はこれで散会します。 △散会 午後5時57分                  議長    吉住はるお                  議員    小野裕次郎                  議員    桑原ようへい...