新宿区議会 > 2014-02-24 >
02月24日-03号

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  1. 新宿区議会 2014-02-24
    02月24日-03号


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    平成26年  2月 定例会(第1回)      平成26年第1回定例会会議録(第2日)第3号平成26年2月24日(月曜日)出席議員(34名)   1番   中村しんいち   2番   井下田栄一   3番   北島敏昭     4番   桑原羊平   6番   久保広介     7番   佐藤佳一   8番   川村のりあき   9番   豊島あつし  10番   野もとあきとし 11番   池田だいすけ  12番   吉住はるお   13番   ひやま真一  14番   佐原たけし   16番   なす雅之  17番   平間しのぶ   18番   志田雄一郎  19番   あざみ民栄   20番   阿部早苗  21番   鈴木ゆきえ   22番   赤羽つや子  23番   おぐら利彦   24番   下村治生  25番   深沢としさだ  26番   宮坂俊文  27番   のづたけし   28番   えのき秀隆  30番   根本二郎    31番   近藤なつ子  32番   沢田あゆみ   33番   有馬としろう  34番   小松政子    36番   かわの達男  37番   田中のりひで  38番   雨宮武彦-----------------------------------欠席議員(1名)   5番   鈴木ひろみ-----------------------------------説明のため出席した者の職氏名  区長          中山弘子   区長室長        橋口敏男  総合政策部長      針谷弘志   総務部長        寺田好孝  地域文化部長      加賀美秋彦  福祉部長        小栁俊彦  子ども家庭部長     中澤良行   健康部長        福内恵子  みどり土木部長     野﨑清次   環境清掃部長      伊藤憲夫  都市計画部長      新井建也   会計管理者       高橋麻子  企画政策課長      平井光雄   財政課長        木城正雄  総務課長        木全和人   教育委員会教育長    酒井敏男  教育委員会事務局次長  小池勇士   選挙管理委員会事務局長 濵田幸二  常勤監査委員      猿橋敏雄   監査事務局長      河原眞二-----------------------------------職務のため出席した議会事務局職員  局長          名取伸明   次長          北村仁英  議事係長        佐藤勇治   議事主査        濵野智子  議事主査        臼井友広   議事主査        佐藤公彦  議事主査        氏家あふゆ  書記          落合幸子  書記          浅野美智子-----------------------------------  速記士         土田有美-----------------------------------2月24日  議事日程 日程第1 代表質問----------------------------------- △開議 午前10時00分 ○議長(おぐら利彦) ただいまから、本日の会議を開きます。 会議録署名議員は、  6番 久保広介議員  27番 のづたけし議員 を指名します。----------------------------------- ○議長(おぐら利彦) 本日の会議時間は、議事進行の都合により、あらかじめ延長します。----------------------------------- ○議長(おぐら利彦) これから本日の日程に入ります。 日程第1、代表質問を行います。 質問の通告を受けましたので、順に質問を許します。 最初に、30番根本二郎議員。     〔30番 根本二郎議員登壇、拍手〕 ◆30番(根本二郎) おはようございます。第1回定例会、私がしょっぱなでございますが、区民主権の会の根本二郎でございます。会派を代表して区長に質問いたします。 過日、区長の基本方針の説明がございました。区長の平成26年度に向けた基本姿勢はよくわかりました。厳しい財政状況ながら新しい事業や拡充する事業などが網羅されていまして、大変心強く思いました。 特に出生数の増加、あるいは高齢化対応についての高い評価を得ているということにつきましては、区長の長年の御努力の成果というふうに思いまして敬意を表したいというふうに思います。平成26年度も状況はますます厳しくなってきますけれども、区民の皆さんの生活の安定と向上のためにぜひ御尽力いただければというふうに思っています。 その上でですが、基本認識について1つ質問いたします。 平成24年度の区政運営の基本認識については、私は大変感銘を受けて聞いていたのですけれども、ことしのは平成24年度にあったのがなくなっていたなというふうに思って、これは東日本大震災を受けて直後の基本認識というのと3年が経過したという事情もあるんでしょうけれども、平成24年度の基本認識のところを読み上げさせていただきます。 「東日本大震災は、私たちに圧倒的な自然の力を見せつけるとともに、いろいろなことを問いかけました。『今』、そして『未来』のために私たちは何をなすべきか。また多くの皆様が思いやりや支え合いといった人と人とのきずなの大切さを改めて認識したのではないでしょうか。 私は区政運営に当たり、『今』、『未来』、『絆』という3つの言葉をキーワードとして取り組んでまいります。」 原稿では、もうちょっと書いてあるんですけれども、どうも長くなりそうですから、第1に、第2に、第3にということで、「今」、「未来」、「絆」というキーワードで基本認識を示していました。 さっきも言いましたけれども、この基本認識について、私は大変感銘したというか胸を打ったのでありますが、平成25年度からは、この言葉がなくなってしまったということを少し残念に思います。 ちょうどあれから丸3年になります。ぜひ首都直下地震も予想されるこの時期に改めて原点に立っての区長の基本認識について、今を見据えた区長の基本認識について、まずお伺いしたいと。よろしくお願いします。 ◎区長(中山弘子) 根本議員の御質問にお答えします。 平成26年度区政の基本方針説明についてのお尋ねです。 御指摘のとおり、平成24年度の区政の基本方針説明では、東日本大震災を受け、「今」を見据えた災害に強い安全なまちづくり、「未来」を見据えた子育て支援などの施策、地域社会の「絆」を強める触れ合いのあるまちづくりなどのさまざまな施策に取り組む決意を申し述べました。 東日本大震災から来月で3年となりますが、首都直下地震南海トラフ巨大地震発生の切迫性が指摘されており、今後も時間との競争の中で区民の皆様とともに減災社会づくりに積極的に取り組んでいくことが必要と考えております。 こうしたことから今回の区政の基本方針説明では、「災害に強い安全なまちづくり」を第一に掲げており、平成24年度と同じく、「今」を見据えた区政運営の基本認識に立っております。 ◆30番(根本二郎) 感想は後ほどにして、なぜこのことを最初に質問したかといいますと、次のことについて触れたかったからでありまして、2番目に、福島第一原子力発電所の事故から3年、そして被災地についての支援を改めて求めたいというふうに思っているところであります。 私は、ふるさとが福島県のいわき市でございまして、驚いたことに実家は第一原子力発電所から35キロしか離れていないということを原発事故があってから初めてわかったような状態であります。ですから、私のところは35キロですけれども、集落全体で言えば30キロ圏の中の人もいたわけでして、当時は右往左往したような状態でした。今もまだその状態を抜け切っていないというふうに思いますが、そんなようなことで被災地支援ということを一生懸命やってきたつもりでありますけれども、その過程で岩手県や宮城県の被災地を支援している、あるいは被災した皆さんとお知り合いになりました。 それで、現地を訪ねていって最近つくづく思うことは、岩手県や宮城県の被災地はいろいろ困難なことがありますけれども、しかし、復興の槌音が聞こえているということなんです。もちろん、集団移転とかいろいろなことを抱えていますから大変ですけれども、しかし福島県は復興の槌音が聞こえないと言うと、聞こえてはいるんです。多少はあるんですけれども、しかし、いまだに、言えば逃げ回っているといいましょうか、逃げ惑っているといいましょうか、それが実態ではなかろうかということを思いました。 つい最近も第一原発から20キロ圏の中に以前は入れなかったんですけれども、去年の4月から入れるようになって、行ってきました。 2年半たっても3月11日、あるいは3月16日の原発から2年半たっても時間はとまったままの状態で除染作業も進められていません。消防団の赤い車が田んぼの真ん中にどーんとひっくり返っている。あるいはお巡りさんが避難誘導しているときのパトカーがそのままぐしゃぐしゃになったままそこに置かれているという状況なんです。それは放射線量が高いから入れないということなんです。そこが福島県と岩手県、宮城県との違いであるというふうにつくづく感じています。 それから、30キロから離れたところでも飯舘村とか川内村とかいろいろなところであるんですけれども、風景は何かと言えば、除染したビニール袋が田んぼの真ん中に山積みにされているということなんです。それがどんどんふえていっているということなんです。 きのう私の友人が写真を送ってくれて、川には白鳥がいて、田んぼには黒いビニール袋がいるという対照的な写真ですというようなことで送ってきました。これが第一原発を中心にした周囲の福島県の風景になってしまっているということなんです。 いまだに14万人の方々が避難生活を強いられている。特に5キロ圏の中の人たちは、もう戻れない。だんだんそういう気持ちになってきている。そして、またそういう時間の経過の中で帰還困難区域ということを指定されてきているということなわけです。 これが福島の「今」だということを言いたい。 私は、振り返って新宿区はどうかというと、もうイルミネーションは夜中こうこうとどこのまちでも明かりが灯されている。自動販売機は、その結果減ったわけでもない。もちろん、LEDにかえましたとかいろいろなことはあるんでしょうが、いつの間にか「絆」という言葉が忘れ去られようとしているのではないかというふうに思うんです。 私は、新宿区民、あるいはこういう都会に住む私たちが、その福島の「今」を忘れてはならないというふうに思っています。なぜなら、福島から電気をもらってきたわけですよね。それから、東北は農村圏ですから食料も東北から供給してもらいました。しかし、私たちはそのことに対しては余り敏感に感じず、そしてまた今苦しんでいる人たちのことも忘れ去られようとしている。 話は全然関係ない話ですけれども、水源の里全国連絡会議という組織があります。これは、「上流は下流を思い、下流は上流に感謝して」という、何かと言えば、水源の里というのは限界集落のことなんです。限界集落だけども、しかし、そこから下流の人たちに水を提供している。その水をできるだけきれいなものにしようというふうに思って、上流は下流を思い、下流は上流に感謝して、その水を飲めるのは上流の皆さん方が自分、下流のことを考えてやってくれたという、その気持ちを大事にしなければいけないということで集まっている自治体の集まりです。 時間がなくなってきましたので、多摩川の上流の話もしたかったんですけれども、これもまた少し飛ばしまして、檜原村、東京都で唯一の檜原村という村があります。きのうもまだバスが復旧していない。路線バスが復旧していない孤立した状態なんですけれども、これも私たちから見れば上流です。多摩川の水を送ってくれていると。そんな思いから、ずっと檜原村に植樹活動などをしてきましたけれども、原発事故を受けて、エネルギーの供給ということで考えれば、福島県が上流で新宿区は下流だと、あるいは東京都は下流だということをちゃんと思わなければいけないんじゃないかというふうに思ったのです。 そこで、私たちがその上流の福島のことを意識的に積極的にかかわっていかないと、いつの間にかメディアも書かなくなりますし、それから区民の皆さんも情報が入らないから忘れてしまうということになりはしないかと。 そこで、この際、3年たった今、もう一度福島県の自治体に対して継続して支援に入るということができないかということを申し上げたいのであります。 例えば、一番最初に物資を送った二本松市です。二本松市は、新宿区の名誉区民の大山忠作さんのふるさとです。それから、今原発立地の自治体の方々を受け入れて困難な中で頑張ってもらう。 それから、相馬市。相馬市は、ことし完成する「区民ふれあいの森」の実は原型が相馬子爵邸だったということを石川幹子先生を中心に調査の中で明らかになってきました。相馬子爵邸というのは、相馬の殿様は江戸時代の下屋敷は都庁の足元にあったんです。今、それで大正から昭和にあそこに移ったということなんですけれども、その相馬市。今は蟹江杏さんという方が相馬市に入って新宿区のクリエイターズ・フェスタに協力して、あるいは歌舞伎町ルネッサンスにも協力してくれている方であります。そういうえにしがあると。 それから、川内村は、この前申し上げましたが、草野心平さんが新宿で店をやっていて、それで川内村をこよなく愛したという「学校」という店。それは今でも新宿にあったということで川内村にレプリカがあるんですけれども、そういうことをえにしとしてできないか、こういうことを申し上げたいのです。 ぜひ今からでも遅くない。杉並区や港区は、杉並区は南相馬市、港区はいわき市を継続的に支援して、今でも何かがあるたびに区長が行ったり、あるいは向こうから来たりということで、だんだんきずなは深まってきているというふうに思いますので、ぜひこの際新宿区でも考えていただきたい。区長の見解をお伺いいたします。 ◎区長(中山弘子) 福島第一原子力発電所被災地支援についてのお尋ねです。 東日本大震災による原発事故が発生してから3年が経過しようとしています。被災地では復旧・復興に向けた取り組みが着実に進められる一方で、依然多くの方々が厳しい状況の中での生活を強いられていることを認識しております。 区は、発災直後から現在まで福島県をはじめ被災地に向けた支援物資の提供や職員の派遣、区内避難者への対応、義援金の寄附などを行ってまいりました。また、区立大久保公園でのイベントや新宿クリエイターズ・フェスタなどでも被災地を応援するためのさまざまなプログラムを実施してまいりました。 こうした取り組みに対し、去る2月2日に福島県伊達市から33人の小学生とその保護者や関係者がこれまで被災地を応援してくれたお礼として、西新宿のホールで自作の演劇を披露してくださり、参加した多くの区民ときずなを深めたところです。 区は、引き続き福島県をはじめとする被災地に対して、復興に向けたさまざまな支援を行うとともに、東日本大震災の記憶を風化させないよう被災地の現状なども含め、情報発信をしていく決意です。 ◆30番(根本二郎) 続きまして、きょうの質問はずっとエネルギーといいましょうか、上流と下流とエネルギーと省エネルギーというようなことで集中して質問しようと思っていまして、次は「スマートコミュニティ」の推進についてということであります。 区長は、ある団体で「スマートシティ構想」について触れられました。大変うれしかったんでありますけれども、震災後、エネルギー供給の自立化をどのように進めるかというのは大変大きな課題であるというふうに考えていました。 私は、原子力と人間は共存できないというふうに考えています。フクシマの事故以来、特に都市住民の享楽のために、あるいは私たちの世代のために、たった1世代40年か50年の享楽のために人類を滅亡へ向かわせるようなことは断じてすべきではないというふうに考えています。 「それはもっともだが、原発を稼働させないと電力需要に応えられない」という意見もあります。しかし、今は原発が1基も稼働していない状態で電力供給が賄われています。それは、コンバインドサイクルと言うんだそうですが、複合発電方式と呼ばれる高効率火力発電による電力供給と都市の省エネルギーの努力によってであります。 当面この方式で賄いながら、将来は新宿区独自で、あるいは東京都と連携してエネルギーを自給できる自治体として自立すべきであると考えています。 震災後策定された「第二次環境基本計画」によれば、「スマートコミュニティ構想の推進」ということが述べられています。これをぜひ積極的に推進すべきというふうに考えていますが、「スマートコミュニティ」についての認識と検討及び推進状況についてお伺いいたします。 ◎区長(中山弘子) 「スマートコミュニティ」の推進についてのお尋ねです。 スマートコミュニティとは、家庭やビル、交通システムをITネットワークでつなげ、地域でエネルギーを有効活用する次世代の社会システムです。第二次環境基本計画では、重点的な取り組みとして「スマートコミュニティの形成」を掲げ、区民や事業者と連携して情報共有や環境整備を進めております。 一般家庭への電気使用量の「見える化」ができるスマートメーターの設置やエネルギーの効率化の先駆的な取り組みである西新宿地区の地域冷暖房設備スマートコミュニティを形成する一つと考えております。 区では、平成24年度からオール東京62市区町村共同事業として実施している「再生可能エネルギースマートコミュニティ検討会」に参加し、北九州市や横浜市などのスマートコミュニティ先進都市の視察等を行うとともに、他市町村や関係機関と実現に向けての議論を進めております。また、独立行政法人科学技術振興機構炭素社会戦略センターが実施する「家庭の電力使用量見える化実験」に参加をして、スマートメーター導入に向けた検討も進めております。 さらに、新宿駅周辺の物流の改善を図り、CO2排出削減や燃費向上につなげることを目的として、物流システムの効率化の検討を東京都トラック協会新宿支部と協働して取り組んでいます。 今後も省エネルギーの推進と再生可能エネルギーの活用を図りながら、区の実情に合ったスマートコミュニティ実現に向けて情報収集と検討を進めてまいります。 ◆30番(根本二郎) わかりました。大規模事業所がいっぱいありますから、区の権限がなかなか及びにくいというところもあるんでしょうけれども、新宿区での省エネルギーといいましょうか、効果というのは大変意義あるし、大きなことだというふうに思いますので、ぜひ先頭に立って頑張っていただきたいというふうに思います。 次に、環境施策の充実についてということで伺います。 私は、前回は「みどりのカーテン」の施策について伺いましたが、どうも質問の意図が通じなかったようで、もう一回質問します。 さっきのスマートシティはハードの面のことですけれども、みどりのカーテンは区民誰もができるということでできる省エネルギーの施策であるという意味で、この両方をやらなくちゃいけないなというふうに思って、「みどりのカーテン」、「みどりのカーテン」というふうに、時々「内藤とうがらし」も言いますけれども、「みどりのカーテン」をずっと言い続けているんですけれども、もう言うまでもなく、ゴーヤの葉の発水作用を利用して自然のクーラーと言われるように室内を冷却するという効果を持っているということ。同時に緑もふえるし、それからゴーヤなどの食材も自給できるという大変意義ある、あるいは板橋区の学校の先生に言わせると、同時に命をいただくといいましょうか、自分でつくって食べるということも含めて、そういう情操教育の効果もあるという話もありまして、私はこの取り組みは大変重要だというふうに思っています。 そんなようなことを共通認識にしたいと思って質問したんですけれども、どうも「やっていないじゃないか」というふうの質問みたいで、「いや、やっています」という答弁で終わっちゃったもんだから、特に「みどりのカーテンの全国フォーラム」を開催すべきだというところで、「いや、開催する意思はない」ということになってしまって、そういうことを聞きたかったわけじゃなくて、改めて一方でスマートコミュニティ、もう一方で区民一人ひとり省エネルギーなり、そういうことを考えていくという、みんなができるヒートアイランド対策だとか省エネルギー対策、それがまた上流--エネルギーのことです。福島では使わないのに東京の皆さんのために送ってきている。言い方によっちゃ、「そんなこと言ったって、おまえら、補助金もらったり、何か豊かなことをやっているじゃないか」と言う人もいますけれども、しかし、使わないものを東京の皆さんのために送っていただいたという気持ちが大事だなというふうに私は思って、このことを何度も何度も言っているんです。 1つは、これについて改めて今後の展望をお聞きしたい。 それからもう一つは、これをずっとやってきたのは、もちろん最初は環境対策課が政策として発案して、しかし受けてきたのは「環境学習情報センター」なんです。NPOがあそこを指定管理団体として運営していますけれども、私は、いろいろな形で大変充実してきているなというふうに思っているところです。 いろいろな施策をやって、つい最近は、「まちの先生見本市」ということだったんですが、これちょっとうっかり行けなかったんですけれども、大変な盛況だったというふうにお聞きしています。 特に、その施策の中でも伊那市とか沼田市、それからあきる野市などへのエコツアーということをやっていますね。それから、独自に桐生市で山に植樹活動をずっとしながら、桐生市の人たちとの交流なんかもやってきている。 カーボンオフセットということから始めた事業ですけれども、それをさらに向こうの人たちとの交流とか、それから土だとか、あるいは台地、水、そういうことに新宿区の子どもたちや大人が触れて、そういうようなことに発展してきているというふうに思うんです。 そういう経験というのは、都市住民の私たちにとっては大変重要なことだというふうに思いますし、それから、上流の自治体にとっては、そういう交流の機会を得られて、大変うれしく思っているんだろうというふうに思います。 そこで、この「環境学習情報センター」を拠点としての「新宿の森エコツアー」をさらに拡充を図るべきじゃないかというふうに考えているのですが、いかがでしょうか。 それからもう一つは、一方でまたリサイクルセンターも竣工しました。それから、地区協議会を中心にしたみどりのカーテンとか内藤とうがらしとかいろいろな緑、あるいは土に触れる施策も広がってきています。こういうことも含めて、拠点としての「環境学習情報センター」のさらなる施策の充実ということをすべきだというふうに思っていますが、今後の展望を伺いたいということ、これが最後の質問でございます。 ◎区長(中山弘子) 環境施策の充実についてのお尋ねです。 まず「みどりのカーテン」についてですが、「みどりのカーテン」は強い夏の日差しを和らげ、室温の上昇を抑えることができます。エネルギー消費の抑制につながり、区内の家庭、事業所、区有施設で身近にできる地球温暖化・ヒートアイランド対策にとても有効だと考えております。 平成20年度から環境学習情報センターと区民や事業者が連携して「新宿みどりのカーテンプロジェクト」として「みどりのカーテン」の普及に努めております。多くの方々に参加をいただき、年間の設置目標枚数の2,000枚を超えて、町会や地域では数字以上の広がりを見せ、着実に地域コミュニティの環づくりにもつなげています。 「みどりのカーテン」の取り組みは、エネルギー消費について考える機会にもなり、省エネルギー行動につながる効果も期待できます。また、みどりのカーテンコンテストやとれたゴーヤを使った料理教室、ゴーヤと有機野菜の交換会、生育記録のシートを展示する「みどりのカーテン展」、使った土を元気にする土のリサイクル講座など、年間を通じて充実した取り組みも行っております。 このような他自治体と比較して特色ある取り組みについては、環境学習情報センターを視察する全国の自治体や企業などに紹介するとともに、ホームページなどを通じて情報発信をしております。今後も区民の誰もが参加できる省エネルギー対策の一つとして「新宿みどりのカーテンプロジェクト」を推進してまいります。 次に、環境学習情報センターについてのお尋ねです。 環境学習情報センターでは、「新宿みどりのカーテンプロジェクト」や出前講座など区民、事業者、区との連携によるさまざまな事業を展開し、積極的な活動を行っております。3つの新宿の森エコツアーについても、植林や間伐、下草刈りなどを通じて、多くの区民と地元住民との触れ合いを生み出し、大変好評を得ております。センターで実施する環境イベントなどに各自治体の皆さんにも参加いただいており、センターを舞台とした地域交流が進んでいます。 次に、環境学習情報センターの今後の展望についてです。 施設を活用した環境講座や環境イベントを一層充実させるとともに、地区協議会など、地域との連携や区民や事業者との共同による小・中学校への出前講座など、さらに促進してまいります。 また、昨年11月に開設した新宿リサイクル活動センターと西早稲田リサイクル活動センターは、資源循環型社会の構築に向けた3Rの活動拠点として位置づけています。環境学習の拠点である環境学習情報センターと相互に連携して、それぞれの活動による相乗効果を期待しながら、環境都市新宿の実現に向けて取り組んでいきたいと考えております。 ◆30番(根本二郎) 区長から私の質問については、全部答弁いただきました。 きょうの質問は、新宿区は新宿区内単独で生きていけるのかというか、ということについてずっと考えていまして、気がついてみると、大事な空気は伊那市もそうですし、群馬県の沼田市もそうですし、奥多摩町もそうですけれども、そういうところから供給してもらっている。 水も檜原村の上流というのは源流の源流なんです。名前もないようなところから伏流水がぼこぼこと出てきて、それがきれいな水、せせらぎから水に、川になって、我々の飲料水を提供してくれているということ。 電力は、福島県だけじゃありませんけれども、重要な供給源として福島第一原子力発電所があったということを考えると、私は新宿区の都市住民というのは、いろいろな自治体に支えられて、あるいはいろいろな方々に支えられて、この便利な都市生活を享受できているということなのです。と思って、したがって、そういう供給してくれている側の人々のことに思いをはせようと。きずなというのは、そういうことなのじゃないかなと。そこが苦しんでいるときは我々も手を差し伸べるということが重要なんじゃないだろうか。 檜原村の年間予算は36億円です。東戸山の跡地のここ・から広場は40億円近くかかっているんです。ですから、もちろん、新宿区で新宿区の住民の皆さんの税金を新宿区の中で有効に活用するというのは重要なことですけれども、しかし、もうちょっとよく見てみると、いろいろなところから、新宿区以外のいろいろなところからいろいろなお世話になっているという--もちろん、そう思って区長は伊那市や沼田市やあきる野市やいろいろなところ、それから福島県にもそうですけれども、いろいろなところに手を差し伸べているということは承知の上でですけれども、この際、そういうことをみんなで新宿区の中で共有していきたい、そう思って、その点について質問が集中しました。 それから、1つ気になったのは、環境学習情報センターについて触れたことでありますが、これは予算特別委員会の中でも伺っていこうと思っているんですけれども、どうもその施策が環境学習情報センターから区の直轄事業として来年度から移されるということであります。それは別に区の区長の独断と判断じゃなくて、いろいろな指摘があったようでありますけれども、この点については時間がありませんから予算特別委員会でしっかりと議論していきたいというふうに思いまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○議長(おぐら利彦) 次に、26番宮坂俊文議員。     〔26番 宮坂俊文議員登壇、拍手〕     〔「よし、頑張れ」と呼ぶ者あり〕 ◆26番(宮坂俊文) 自由民主党新宿区議会議員団の宮坂俊文でございます。平成26年第1回新宿区議会定例会に当たりまして、会派を代表して、区長並びに教育委員会に質問させていただきます。御答弁をよろしくお願いいたします。 去る2月9日に東京都知事選挙が行われました。悪天候の影響やこれといった大きな争点もなかったことから投票率も50%を切る選挙でしたが、結果として都民の懸命なる判断により、大方のマスコミの予想どおり、都民のための政策を堅実に訴えた舛添新都知事が誕生しました。 我々自民党区議団は、舛添都政に対し都区制度改革などの諸課題の進展に向け、これからもより積極的に働きかけてまいりたいと存じます。 さて、昨年の日本の社会経済を振り返ってみますと、デフレ脱却・経済活性化と財政健全化の両立を目指すアベノミクスの「三本の矢」と東京オリンピック・パラリンピックの開催決定が日本を覆っていた閉塞感と縮み志向の経済を払拭し、長期デフレからの脱却も展望できる基盤固めの年となったと言っても過言ではないと思っております。 年が明けた1月の月例経済報告では、景気の基調判断を昨年の9月以来4カ月ぶりに引き上げ、景気回復の動きが一段と高まっているとの認識を示しました。また、昨年の都内での企業倒産が平成18年以来の低水準になったとの報告も出されております。 ところで、最近は消費増税の年ということで、目前に迫った増税の負担増ばかりが取り上げられているような感もいたしておりますが、見方を変えれば、国民、区民に対するサービスがふえ、社会保障の安定につながるといった評価も忘れてはならないと思っております。 以上申し上げまして、具体的な質問に入らせていただきます。 まず初めに、区長の選挙公約について伺います。 中山区長は、2期目の当選直後の定例会での所信表明の中で、具体的な政策の数を挙げながら、公約の実現に努めていくと表明され、結果として2期目の選挙公約の達成率は90%という高い数字が残されました。 そして、前回、3期目の当選後の定例会では、「私はこのたびの選挙において新宿区のまちをつくるための『5つの視点』と『15の基本政策』及びそれを実現するための『70の施策』を区民にお示ししました。これは私の区民の皆様との約束であり、区民の皆様から信託を受けた公約です。私は、今後の4年間、全力を挙げて、その実現に努めてまいります。」、このように述べられております。 現時点においては、区長の任期は約8カ月ほど残されており、少々早いかもしれませんが、ことしは改選の年でもあり、またことし最初の定例会でもありますので、この際、3期目の公約の達成率について検証されているのかどうかお伺いしたいと思います。 また、積み残しの公約があるとすれば、今回の基本方針に反映されていらっしゃると思いますが、今後どのように対処されようとしておられるのか、お伺いいたします。 ◎区長(中山弘子) 宮坂議員の御質問にお答えします。 区長の選挙公約についてのお尋ねです。 私は、平成22年の区長選挙の際にマニフェストをお示しし、その実現に向けて取り組んでいます。 マニフェストの達成状況については、区の決算にあわせて施策ごとに進捗状況を確認し、評価したものを公表するとしており、全104施策の達成状況を区ホームページに掲載しています。 このうち、「マニフェストどおりに達成または達成見込み」が81施策、「おおむねマニフェストどおりに達成または達成見込み」が16施策となっており、90%を超える達成率となっていることから、私は、区民の皆様とお約束した施策が順調に進んでいるものと評価しています。 一方、「マニフェストどおりに達成できない項目がある」、または「マニフェストどおりに達成できないが、実現に向けて検討中」が7施策あります。 これらの施策については、震災の影響や関係機関との調整に時間を要するものなどがあり、課題の整理や事業手法の見直しなど、引き続き達成に向けて取り組んでまいります。 ◆26番(宮坂俊文) 次に、区財政についてお伺いします。 平成26年度予算案と平成25年度2月補正の状況、とりわけ実行計画の最終年度である平成27年度の財政調整基金の見込みなどからしますと、特別のことがなければ、この年度あたりで財政規律が保たれてくるようにも考えられるところですけれども、予算編成を終えられて、今後の財政規律の確保への見通しについては、どのようにお考えでしょうか。 また、財政規律の確保に向けて、このたびの予算編成で心がけた点と、そのことを含めて平成26年度の予算の特徴について編成における工夫や配慮、そして施策面から見て、どのようなことが挙げられるのでしょうか、お伺いしたいと思います。 そして、差し支えなければ、当区においては、いわゆる復活折衝という仕組みはあるのでしょうか。あるとすれば、平成26年度予算においては、どのような事業がどのぐらいの規模で、またその財源の捻出はどのようにされているのか、お聞かせください。 次に、4月から導入される消費増税についてでありますが、歳入、歳出でどのような影響額になっているのか。また、現時点で、そのことが平年度化段階での影響の見込みについては、どのように捉えていらっしゃるのでしょうか。 さらには、中小企業や地域の商店街などの中には、まだ景気の回復が実感できないとの声も聞かれる中、こうした点も含めて予算編成に当たっては、経済対策や中小企業対策としての支援や環境整備などについてどのように図ってこられたのか、お伺いいたします。 また、昨年の秋以降、新聞等でしばしば目にしますのが、大規模な公共工事における入札不調という記事です。このことは、今後景気回復による民間投資の増加や東京五輪関連の工事需要などが見込まれる中では、引き続きコスト高の影響が続くと見られておりますが、この状況を予算編成の過程で何かしら対応されたことがあったのでしょうか。また、当区における平成25年度の入札などでは、このような兆候はないのでしょうか。 そしてまた、ことし1月30日、国土交通省は2月から適用する公共工事設計労務単価を現行比全国平均で7.1%引き上げたという報道がありましたが、このことについては今後どのように対応されるのか、あわせてお伺いいたします。 ◎区長(中山弘子) 区財政についてのお尋ねです。 まず、今後の財政収支の均衡に向けた見通しについてです。 平成26年度予算では、特別区税などの一般財源が前年度予算と比較し、58億円増の818億円となり、財源不足を補う財政調整基金繰入金は前年度と比べて20億円圧縮することができました。御指摘のとおり、平成27年度の財政収支見通しでは、財政調整基金繰入金がさらに減少するものと見込んでおり、財政収支の均衡に向けて、その展望が開けてきたものと考えています。 今後の景気変動等に十分注意を払いつつ、引き続き不断の行財政改革を徹底することで、早期に財政収支の均衡が実現できるよう努めてまいります。 平成26年度予算編成では、限られた財源を効果的に活用するため、2年連続して不用額が200万円以上で執行率が95%未満の事業は、不用額の一定割合を既定経費から削減しています。 さらに、内部管理経費のうち、大きなウエートを占める委託料と役務費については、平成24年度決算で100万円以上の不用額が生じている事業を対象として、重点的に精査を行いました。 平成26年度予算編成の特徴としては、愛日小学校の新校舎建設や本庁舎免震改修工事などの防災対策の充実強化、また特別養護老人ホームや障害者入所支援施設の整備などの高齢者や障害者への支援、加えて保育所建設事業助成などの待機児童解消対策など、積極的に施策の重点化を図りました。 歳入確保の面でも、将来の財政負担を考慮した上で公債費負担の平準化を図るため、借換債を活用するなど、中長期的な財政運営の確保に心がけたところです。 次に、予算編成における復活折衝についてのお尋ねです。 国や都などのように、あらかじめ復活に対応する財源を設けているわけではありませんが、例年、予算原案を各部局に内示した後、復活の要求を受け付けています。復活の財源としては、各部の内示予算枠の中で対応することとしておりますが、平成26年度予算編成では復活要求はありませんでした。 次に、消費税増税に伴う区財政への影響についてのお尋ねです。 歳入面では、平成26年度より地方消費税率が1.0%から1.7%に引き上げられますが、地方消費税交付金が区に払い込まれるまでにタイムラグが生じることから、平成26年度の影響額は9億円と見込んでおり、平年度化した場合は32億円程度になるものと考えております。 また、歳出面では消費税が5%から8%に引き上げられることに伴い、平成26年度予算では、その影響を9億円と見込んでおります。 次に、中小企業や商店会などへの経済対策や支援などについて予算編成に当たって、どのように図ったかとのお尋ねです。 御指摘のとおり、景気は回復傾向にあると言われていますが、区内中小企業や商店会では、いまだ実感できていない状況にあります。 こうした状況を踏まえ、平成26年度予算では中小企業などに対する制度融資の貸付枠を11億円増額し、資金面の支援を行っていきます。また、売り上げ拡大・販路開拓のため、営業業務などの経営支援を行う「中小企業経営力強化事業」や展示会出展費用の一部を助成する「展示会等出展支援事業」を新たに実施します。 商店会に対しては、引き続き「消費拡大推進事業」を実施するほか、イベントや街路灯の設置等の整備補助を行い、にぎわいと魅力あふれる商店街づくりを支援します。 区としては、区内中小企業や地域の商店会などの売り上げが向上し、景気回復を実感できるよう積極的に支援を行ってまいります。 次に、公共工事にかかるコスト高の影響に伴う予算編成の対応についてのお尋ねです。 国は、技能労働者の逼迫傾向や必要な法定福利費相当額の適切な反映のため、平成25年度公共工事設計労務単価を大幅に上昇させるとともに、各地方公共団体にも早期適用に努めるよう要請しました。 区は、国の要請を踏まえ、平成25年4月1日以降に旧労務単価に基づいて契約した工事について、新労務単価に基づく契約変更ができるなど、国に準じた特例措置を講じるとともに、必要に応じて平成25年度の補正予算を編成し、適切に対応しました。 平成26年度予算では、平成25年度公共工事設計労務単価に基づくとともに、建設資材や工賃など適正な単価により積算を行い、編成したところです。 次に、大規模な公共工事にかかる入札不調の兆候についてのお尋ねです。 平成25年度に予定価格5,000万円以上で入札した15件の工事案件で、1月末までに開札したものにおいては入札不調がありませんでした。しかし、2月に開札した(仮称)百人町四丁目精神障害者支援施設建設工事の案件では、入札価格が区の予定価格を超えたことにより不調となりました。本施設は、平成27年度の開設を目指していることから、現在年度内に契約が整えられるよう、工事費の積算見直し等の必要な作業を進めております。 次に、公共工事設計労務単価のさらなる見直しについてです。 平成25年度の公共工事設計労務単価は、全国平均で前年度比15%増となる過去最大の上げ幅となりましたが、国は労務賃金が上昇している実態を踏まえ、平成25年10月に実施した公共事業労務費調査に基づき、全国ベースでは7.1%増となる新単価を平成26年2月から適用することに決定しました。 技能労働者への適切な賃金水準の確保については、国から各地方公共団体への要請も踏まえ、新宿区としても国に準じた措置を講じてまいります。今後とも過去の工事実績に加えて、変動する経済環境や価格動向などを総合的に勘案して、機動的に対応してまいります。 ◆26番(宮坂俊文) 次に、区長の行政報告について伺います。 この質問は、平成21年の決算特別委員会の総括質疑と平成22年の第4回定例会の代表質問の中で取り上げさせていただいた質問です。 その後、結構な時間が経過したわけですが、私としてもなかなかお伺いする機会がございませんで今日に至ってしまったということで、きょうはそうした反省も込めて改めてお伺いしたいと思います。 私が決算特別委員会、そして代表質問で御提案させていただいたのは、「四半期ごとの区議会定例会において、その時々の課題に対する検討状況や経過、あるいは結果について区長が議場から直接区民に向けて情報を発信したらいかがでしょう」というものです。 決算特別委員会での当時の総合政策部長の御答弁は次のようなものです。「今御指摘いただいたような行政報告的なことは、例えば、今までですと、春の段階ですと施政方針演説、今回の決算特別委員会ですと、当初の決算の説明という形で行っているというのが実情です。ただ、御指摘いただいたような部分は、それはもう少し期末ごとに、区長が四半期ごとにどういうふうなことを実際にやっているのかということをかみ砕いて、もう少しわかりやすくやったらどうかという御指摘だと思いますので、そのあたりの今までやっている状況も加味して、どういう方法がとれるか、また、さらに検討させていただく」、このような御答弁をいただきました。 そして、区長からも、次のような大変色よい御答弁もいただいております。 「定例会ごとにどのような区政の進展があったのかということを御報告できることは、私にとりましても皆様と情報をより一層共有できる機会ともなると思いますので、十分そういった方向で報告できるように検討してまいりたいと思います。」というものです。 また、代表質問に対する区長の御答弁も、より具体的になっておりますので、ここで御紹介しておきたいと思います。平成22年の区長答弁は、「本会議で首長が行政の重要課題について報告を行っている自治体があり、区でも各自治体の取り組み事例を参考にして庁内で検討を行っているところです。具体的な検討内容は、報告を本会議のどの時点でどのような形式で行うか、報告する案件の基準をどうするか、常任委員会や特別委員会での報告との関係などについてです。今後課題を整理しながら、引き続き検討を進めてまいります。」。 以上の御答弁をいただきましたので、私も大変期待をしております。 先ほども申し上げましたように、「今」という段階において新宿区では何が問題になっているのか、どうやって解決しようとしているのか。もちろん、報告事項がなければないで行う必要はないと思います。 新宿区のありとあらゆる情報は、区民と共有すべきものです。そうしたことからも、ぜひ区長には、この議場から直接区民に発信していただきたいと改めて御提案させていただきますが、その後の検討内容と現在の状況についてお伺いしたいと思います。
    ◎区長(中山弘子) 区長の行政報告についてのお尋ねです。 現在、他の自治体で行われている行政報告の事例としては、議会日程に位置づけて各分野ごとの取り組み状況を報告するものや、首長の挨拶として行われているものがあります。 私は、本会議の議場で区長みずから区政の重要施策について報告し、情報共有を行うことは、意義のあることと認識しております。 議会で行政報告を行うためには、議会日程への影響や議事手続の方法など、具体的な課題を整理し、議会との間で調整を行う必要があると思いますが、私としても会期ごとに行政報告を行うことで、施策の取り組み状況や今後の展望などを積極的に発信してまいりたいと考えております。 ◆26番(宮坂俊文) 次に、首都直下地震に備えた防災対策についてお聞きします。 東日本大震災の発生から、間もなく丸3年を迎えようとしております。亡くなられた皆様並びに被災された皆様に、改めて心よりお悔やみとお見舞いを申し上げます。 時間の経過とともに、人々の震災の記憶が薄れていくことへの不安と心配をし、改めて私自身は、いつまでも被災地の方々に寄り添っていかねばならないと肝に銘じるところでございます。 東日本大震災の教訓を今後に活かし、災害対策の強化を図るため、阪神・淡路大震災後の改正以来となる「災害対策基本法」が昨年大幅に改正されました。 政府は、東日本大震災における対応を検証し、大震災の教訓を総括するとともに、首都直下地震及び南海トラフ巨大地震、火山、豪雨災害などに備えてきましたが、我々は特に首都直下地震に備えた「減災」に重点を置かねばなりません。そして、それらへの対応はスピード感を持って行う必要があり、計画の修正が整った今、区を挙げて取り組んでいかねばならないと思います。 そこで、まず防災への取り組みの強化についてお伺いします。 最初に、本区の災害対策の基本理念は明確化されているのでしょうか。また、私はよく「減災」という言葉を使いますけれども、災害による被害をなくすことはできませんが、減らす、少なくすることは可能であります。区長の「減災」に対するお考え、そして具体的な取り組みについてお伺いをしたいと思います。 あわせて、各特別出張所地域の特性を踏まえ、かつ各地域の防災力の向上を図るため、特別出張所を単位とした「地区ごとの防災計画」の策定も必要かと考えますが、区長の御所見をお伺いします。 このことは、特別出張所を地域本部として定め、最近では復興模擬訓練を含めたさまざまな訓練が特別出張所単位で行われており、多くのノウハウが危機管理課と同時に、各特別出張所にも蓄積されているため、それらを集大成化しておく必要があるかと思いますが、いかがお考えでしょうか。そのことは結果として各特別出張所別の「地区防災計画」となり得るものと思っております。 次の質問は、地方公共団体の相互応援等を円滑化するための備えの強化についてです。 まずは、市区町村の区域を超える被災住民の受け入れに関する調整規定と23区の災害協定の現状についてお聞かせください。 また、本区に隣接する区との災害協定は締結されているのかどうか。あわせて、日ごろはどのような協力関係にあり、どのような情報交換を行っているのか、お伺いします。 次に、区立小・中学校の防災対策について伺います。 各学校については、それぞれ校舎の構造も異なれば、児童・生徒数も異なります。よって、防災対策も異なって当然のことと思うわけですけれども、中央教育審議会の答申の中にも、全校で安全計画や危機管理マニュアルを作成することが明記されておりますが、各学校ごとの安全計画の作成について、区長並びに教育委員会の御所見を伺いたいと思います。 また、牛込仲之小学校で行われたPTA主導による一泊防災キャンプについて、町会単位での宿泊訓練は一般的に行われておりますが、小学校でのこうした試みについて教育委員会としてどのように評価されているのか、お伺いしたいと思います。 次に、新宿区地域防災計画について簡単にお伺いします。 防災への取り組みの強化を具体化したものが「新宿区地域防災計画」であり、最近2回の修正では、大きくは東日本大震災から学んだ教訓と新たな「被害想定」で明らかになった課題への対応がポイントであると認識しておりますが、この修正でこれまでの課題が整理され、計画化されて、残る課題はないものと理解してよろしいのでしょうか。 また、防災にも積極的に女性力を取り入れるべきと考えておりますが、この地域防災計画の修正に当たっては、どのようなところに女性の視点が活かされているのでしょうか。 そして、今後のさまざまな計画づくりの中で、女性力の発揮が期待できるものとしては、どのようなことをお考えでしょうか、お伺いします。 次に、木造住宅密集地域対策についてお伺いします。 このことは区政における最大級の防災課題であると考えております。東京都においても、木密地域不燃化10年プロジェクトで不燃化特区制度や特定整備路線の推進を図っておりますが、本区の状況について伺います。 大地震による火災が発生したときに備え、上落合地区において建物を新築するときなどに適用される東京都建築安全条例に定める新たな防火規制の導入が検討されています。 木造住宅密集地域は、複雑な土地権利関係、居住者の高齢化、狭小敷地や未接道敷地など多くの問題があり、建てかえなども進みにくい状況があることは重々承知しております。 また、区としても未接道敷地の問題などでは踏み込んだ施策を打ってきていることも承知しているところですが、首都直下地震に備える対策としては、余りにもスピード感が心配になるところであります。 そこでお伺いしますが、他の地区での取り組み状況と既存の支援事業なども数多く取り組んでいただいておりますが、まだまだ周知が徹底していない問題もある中で、今後どのように進めていかれるのでしょうか、伺います。 時間の都合で、この項の最後に危機管理に対する体制の強化について伺います。 今のままの職員体制で十分と言えるのでしょうか。首都直下地震への対応は、区の最重要課題であります。しかもスピード感が求められる「力の要る仕事場」であると言えます。私が見ている限りでは多忙過ぎるようにも見えますが、このことについての課題はないのでしょうか。 以上、御答弁をお願いいたします。 ◎区長(中山弘子) 首都直下地震に備えた防災対策についてのお尋ねです。 まず、本区の災害対策の基本理念の明確化についてです。 被害を最小限に抑え、早期復興を可能とする減災社会づくりに向けた総合的かつ計画的な取り組みが強く求められていた状況のもと、新宿区は平成25年4月1日に新宿区災害対策推進条例を施行いたしました。 この条例では、減災の視点に立ち、自助・共助・公助の理念に基づき、区、区民、事業者等の各主体の役割を明らかにするとともに、災害に強いまちづくり、帰宅困難者対策、地域防災ネットワークづくりをはじめとする災害対策を体系的に示しています。 この条例のもと、「災害に強い、逃げないですむ安全なまちづくり」の取り組みを総力を挙げて推進してまいります。 次に、「減災」に対する考えと具体的な取り組みについてのお尋ねです。 災害の発生自体を防ぐことはできませんが、備えることで被害を少なくすることは可能です。御指摘のとおり、減災対策は防災の取り組みの基本であり、「災害に強い、逃げないですむ安全なまちづくり」を推進しております。 具体的には、早急な対策として、住宅の耐震補強工事費助成や家具転倒防止対策等、中長期的な対策として木造住宅密集地域の整備促進や道路の無電柱化等の命を守るさまざまな減災の取り組みを進めています。 また、日ごろからの防災訓練、防災啓発活動を通じて、自助・共助の理念のさらなる醸成を図っています。 これからも区民の皆様とともに、減災社会づくりに最大限の力を注いでまいります。 次に、特別出張所を単位とした地区ごとの防災計画の策定に関するお尋ねです。 大震災の発生時において被害を最小限にとどめるためには、地域の特性や事情に精通した防災区民組織等の活動が非常に重要になります。そのため、各特別出張所単位で地域防災協議会を開催するとともに、各避難所別に運営管理マニュアルを作成する等の取り組みを行っています。 一方、国は災害対策基本法の改正の上、平成26年4月1日から「地区防災計画」制度を創設し、今年度中に詳細なガイドラインを示す予定です。 今後は、この制度の活用を視野に入れ、地域に根差した自助・共助の防災活動が効果的に行える計画の作成に向けて、ガイドラインに基づき、計画の地区設定範囲を特別出張所単位とするなど、計画に記載する具体的な内容等を検討してまいります。 次に、地方公共団体の相互応援等についてのお尋ねです。 特別区では、区相互間の協力により、応急対策及び復旧対策等の円滑化を図るため、特別区災害時相互協力及び相互支援に関する協定を平成8年に締結しています。この協定により、被災住民の受け入れに関する事項も特別区間で協力して行うこととしています。また、隣接区との個別の協定は締結していませんが、この協定が大規模な地震等の災害が発生した場合の総合的な相互協力の協定になっていることから、災害時の隣接区との協力関係も確保されているものと考えております。 なお、東日本大震災等の経験を踏まえ、特別区間の相互協力を強化する観点から、現在本協定の見直し作業を行っており、年度末までに一定の結論を得る見込みです。 また、特別区では、防災担当部長会や防災担当課長会を開催し、日ごろから防災に関する情報交換等に努めるとともに、区境に近い場所では避難所訓練に隣接区の住民がお互い参加するなどの取り組みも一部行っているところです。 次に、学校安全計画の作成についてのお尋ねです。 区立小・中学校における防災対策と安全対策は、とても重要であり、各学校の学校安全計画についても学校や地域の実情に応じて策定する必要があると考えています。今後も教育委員会と定期的な意見交換をするなど、学校の防災対策と安全対策を進めてまいります。 次に、地域防災計画における課題の整理状況についてのお尋ねです。 平成25年度の修正については、昨年11月の新宿区防災会議において計画の修正を決定しました。その時点での課題については、おおむね整理して計画化できたものと考えております。 地域防災計画は、災害対策基本法第42条に基づき作成するものですが、同条では「毎年市町村地域防災計画に検討を加え、必要があると認めるときは、これを修正しなければならない」旨もあわせて定めています。 現在、お尋ねの地区防災計画や区外からの支援やボランティアを円滑に受け入れるための受援計画等の新たな課題もあるため、効果的な計画となるよう地域防災計画の見直しを行ってまいります。 次に、新宿区地域防災計画の修正で、どのように女性の視点が活かされたのかとのお尋ねです。 今回の修正では、地域における生活者の多様な支援を反映した防災対策を実施するため、女性を主体的な担い手として、防災に関する方針決定過程及び防災の現場における女性の参画拡大や女性や子育て家庭のニーズに配慮した避難所運営に努めることなどを新たに盛り込みました。このように計画づくりから女性の参画を得ることにより、性別を問わず、誰にも配慮した地域防災計画ができるものと考えております。 具体的には、男性には気がつきにくい避難所における着がえや授乳のための場所の確保や、プライバシーを確保するための間仕切りの導入など、女性の視点を活かした避難所整備やルールづくりに取り組んでいるところです。 次に、木密地域不燃化10年プロジェクトにおける不燃化特区制度についてのお尋ねです。 不燃化特区制度は、東京都の防災都市づくり推進計画に定める整備地域内で平成32年度まで市街地再開発事業などのコア事業と一体的に重点的かつ集中的に建築物の不燃化に取り組むことで木造住宅密集地域の解消を推進する制度です。 新宿区では、整備地域内にある西新宿五丁目地区を不燃化特区に指定するよう東京都に申請し、平成25年10月に不燃化特区の事業実施予定地区とすることが公表されました。 12月には、本年4月の不燃化特区事業開始に先立ち、東京都とともに地域密着型集会を開催し、地域住民の方に不燃化特区事業の周知を行いました。 現在は、本年4月からの事業開始に向け、不燃化建てかえを促進するため、税の減免制度など支援策の準備を進めているところです。 今後は、不燃化特区事業の周知を図りながら、不燃化特区事業における整備方針の策定や東京都建築安全条例に基づく新たな防火規制の導入に取り組んでまいります。 次に、不燃化特区以外の木造住宅密集地域における防災対策の取り組み状況についてのお尋ねです。 新たな防火規制の導入については、御指摘の上落合地区において、平成26年7月の区域指定に向けて東京都と手続を進めております。東京都が平成25年9月に公表した「第7回地震に関する地域危険度測定調査」における「災害時活動困難度を考慮した総合危険度の高い地域」である赤城地区及び南榎周辺地区においても、地域住民の方とともに新たな防火規制の導入について検討を進めているところです。 また、上落合地区など、これら3地区においては、建築物の高さ制限を緩和することなどにより、不燃化建築物への建てかえを促進するとともに、緊急車両などが円滑に通行できるよう道路空間の確保へ向け、地区計画の策定を進めています。 次に、既存の支援事業の周知と取り組みについてのお尋ねです。 区では、若葉・須賀町地区で「木造住宅密集地区整備促進事業」を実施するとともに、「細街路拡幅整備事業」や「耐震化支援事業」などを一覧にしたパンフレットを作成し、区民がワンストップでわかるような説明会や相談会を開催してきました。こうした既存の支援事業を総合的かつ重点的に周知し、その活用を促進することで、木造住宅密集地域の解消に取り組んでおります。 今後も特別出張所で開催されるイベントや区が後援するイベントなど、さまざまな機会を捉え、積極的にこうした取り組みを行うことで、さらなる木造住宅密集地域の解消を図ってまいります。 次に、危機管理に関する体制の強化についてのお尋ねです。 御指摘のとおり、来るべき首都直下地震への対応は、区政の最重要課題であると認識しています。大規模災害が発生したときに、職員全員体制で臨むのはもちろんですが、平時の備えでも危機管理課が司令塔となり、特別出張所をはじめとした地域本部や各災害対策本部など全庁体制で防災に取り組んでいるところです。 さらに、平成26年度からの区長室に地域防災担当副参事を新設して、地域でのより実践的な取り組みを強化してまいります。 ◎教育長(酒井敏男) 教育委員会への御質問にお答えします。 区立小・中学校の防災対策についてのお尋ねです。 初めに、学校安全計画の作成についてです。 学校における児童・生徒の健康の保持増進と安全の確保を図るため、平成21年4月に学校保健安全法が施行され、学校安全計画を作成することが義務づけられました。 教育委員会では、学校安全計画に安全教育、安全管理、組織活動の項目を必ず盛り込むように学校に指導し、年度当初に提出させています。 各学校の学校安全計画には、学校や地域の実情などに応じ、安全にかかわる毎月の指導内容などが具体的に盛り込まれています。防災に関する項目では、避難訓練や大規模災害を想定した引き渡し訓練、災害時の正しい行動の仕方の指導、校内の防災委員会の開催などがあります。 また、学校では年度末に評価を行い、実施内容などについて検証し、改善を図っています。 教育委員会としては、学校がさまざまな想定をし、学校安全計画が学校にとって、より一層実効性が高いものとなるよう、今後も指導してまいります。 次に、学校における防災キャンプの取り組みについてです。 災害時に避難所となる学校に宿泊体験する防災キャンプは、牛込仲之小学校をはじめ、幾つかの区立学校でPTAや地域との連携として実施されています。 実施に当たっては、単に学校に宿泊するだけではなく有意義なものとするため、保護者の理解と協力が不可欠であるとともに、避難所を管理運営する地域の方との連携が必要であると考えています。 防災教育では、いつ発生するかわからない震災に備え、児童・生徒がみずからを守る力を身につけるとともに、みずから行動し、身近な人と協力し合うことなど、防災意識を高めることが重要です。防災キャンプは、この目的に沿った意義ある取り組みであると捉えております。 このような防災教育の趣旨に合う取り組みが各地域で広がっていくようにするため、これまでも教育委員会の広報紙である「しんじゅくの教育」や各学校のホームページへの掲載などを通して広く紹介しておりますが、今後もさまざまな機会を捉えて周知に努めてまいります。 ◆26番(宮坂俊文) 次に、東京オリンピック・パラリンピック開催と「新宿のまちづくり」についてお伺いいたします。 50年前の東京オリンピックは、日本中にスポーツの魅力と感動を与えるとともに、復興した日本を世界にアピールする絶好の場となり、都市としても首都高速道路やモノレール、そしてオリンピックの開催に合わせた東海道新幹線の開業など、東京のまちの変貌に大きな役割を果たしました。また、この東京オリンピックは、パラリンピックが初めて同時開催された記念すべき五輪でもありました。 今日、このパラリンピックは、五輪において大きな位置を占めるまでに発展を遂げています。今から6年後の東京五輪でも何か新しい価値が誕生するような大会になってほしいと、今から大きな期待を寄せるところであります。 オリンピックの東京開催が決定したことで、首都圏の再開発やインフラ整備と再整備、外国人観光客の誘致などにも弾みがつくと言われておりますが、新宿区としても決して乗りおくれることなく自分たちのこととして捉え、ハード・ソフト両面からインフラ整備、福祉のまちづくりの推進、まちの景観の改善などに取り組み、あわせて地域の活性化・にぎわいにつなげていく絶好の機会と捉えるべきでありましょう。 最近私は、新宿区を訪れる外国人観光客に大きな変化を感じています。といいますのは、五輪の決定前は、圧倒的にアジア地域からの、それも団体観光客が多かったように見えますが、招致決定後は欧米系の、それも個人観光客が目立ってふえてきたということであります。 今後2020年の五輪開催に向けて外国人観光客は確実にふえていくことが見込まれます。政府の成長戦略では、2020年までに年間2,500万人の達成を目指していますが、この数字は夢ではなく、実現可能な目標と捉えるべきでありましょう。世界的に見れば、日本、そして東京の売りは、外国人でもひとり歩きができる安全で清潔、そしてあらゆる面において世界の最先端を行くまちであるということです。 ここで少しだけ他区に目を向けてみたいと思います。 6年後の五輪の競技会場の約半分は、東京湾の埋立地につくられる予定です。また、晴海埠頭に建設予定の選手村を中心に、半径8キロ圏内に85%もの競技施設が配置される予定です。選手村の収容人数は約1万7,000人、1つの町の規模に匹敵し、五輪終了後は「国際交流プラザ」として、文化・教育・住宅関連の複合施設として開発が検討されております。これらの施設は、銀座や臨海都市、あるいはお台場にも近いことから人気が出るスポットになることも想定されます。 また、競技会場が集中する江東区にも内外の耳目が集まるでしょう。ということは、五輪後に都心の人の流れが今とは変わる可能性があるということです。 政府は、観光産業を今後の大きな柱に位置づけております。折しも、新宿区は「新宿観光振興協会設立準備担当」を置き、観光事業にも本腰を入れていこうという体制を整えつつありますが、五輪開催を契機に、そして大会終了後のことも考え、新宿区に内外からの観光客を呼び込むための方策を考えていかねばなりません。 人の流れが変わるということは、観光産業への影響はもちろん、商店街やまちのにぎわいにも影響を及ぼすことも考えられることから、今から将来を見据えた「まちづくり」に取りかかり、商店街の活性化や整備とまちのにぎわいにもつないでいくべきだと思いますが、区としてどのような戦略をお持ちなのか、お伺いいたします。 また、50年前の東京五輪の時代とは異なり、まちづくりの主体が特別区にある今日、新国立競技場や都庁の所在する地元自治体として、まちづくりの絶好の機会を逃すわけにはいきません。五輪に合わせたインフラ整備なども本区のまちづくりに役立てていくべきものであります。2年後のリオデジャネイロ大会が終了したその日から、東京・新宿に世界の耳目が集まるでしょう。2年後ではなく、今から「新宿のまちづくり」をスタートしても早過ぎることはないと思いますが、区長の御所見をお聞きしたいと思います。 次に、新国立競技場建設に関しては、本区が建設費の一部を負担するわけではありませんが、地元の自治体に対して事前に十分な説明はあったのでしょうか。また、区としては競技場周辺の整備について、どのようにお考えなのか、お伺いいたします。 次に、今の新宿のまちを歩きますと、歩行喫煙やポイ捨て、放置自転車、客引きの問題などに取り組んできたことにより、確かに以前に比べて往来がしやすくなるなど、目に見える改善もなされておりますが、五輪招致も決まった今、さらに改善を進めなければならないところであり、そのタイミングをオリンピックに置くことが望ましいと考えます。この際、区や区民に行うべきことをもう一度本腰を入れて取り組んでいく必要があるのではないでしょうか。区長の御所見をお伺いしたいと思います。 次に、新宿中央公園の整備についてお伺いします。 オリンピックスタジアムと選手村を結ぶ大動脈となる環状2号線、「幻のマッカーサー道路」と呼ばれた通称「環二通り」の虎ノ門から豊洲地区までの区間が2015年に完成し、臨海部と都心のアクセスが格段に高まります。そうなりますと、メーンスタジアムのある新宿区にも、内外の旅行者が訪れる機会もふえることにつながると思います。 今でも都庁の展望台から毎日多くの方々が眼下の新宿中央公園を眺めています。ただ、残念なことに、私には、どうしてもこの公園がこの場所にふさわしい魅力ある公園であるとは思えません。決して豪華である必要はありませんが、基本的なコンセプトを持つ公園としての改修も必要かと思います。 昨年12月の広報しんじゅくに「みどり豊かな都心のオアシス新宿中央公園」の記事がありましたが、その中に「西新宿の高層ビル群の中にあって、都心のオアシスとして多くの利用者に親しまれるみどり豊かな公園」という記載がありました。決してけちをつけるわけではありませんが、そうであれば、まさに都心のオアシスにふさわしい公園となるよう、例えば樹木などについても公園全体のバランスなどにも配慮したり、公園内に点在する施設の種類や配置についても整合性をとるなど、再検討の余地があるのではないでしょうか。 区内最大、なおかつ都庁のお膝元にあるせっかくの公園です。五輪開催決定を機に、東京都との連携で新宿中央公園をセントラルパークとして改修すべきと考えますが、区長のお考えをお聞かせください。また、公園の改修費としての補助金を活用すべきと考えますが、いかがでしょうか。お伺いいたします。 この項の最後の質問ですが、五輪開催とまちづくりを推進していく原動力ともなる区の組織づくりについてお伺いします。 東京都は、「オリンピック・パラリンピック準備局」を設置しました。また、港区も「東京五輪・パラリンピック推進委員会」を設置しましたが、港区を含めて10区が全庁的な組織を立ち上げているとのことでありますが、新宿区も民間との協働なども視野に入れ、早急に組織を立ち上げるべきと考えますが、お考えをお伺いいたします。 ◎区長(中山弘子) 東京オリンピック・パラリンピック開催と「新宿のまちづくり」についてのお尋ねです。 初めに、新宿に内外から観光客を呼び込むための方策と将来を見据えた「まちづくり」についてです。 2020年のオリンピック・パラリンピック開催地が東京に決定したことは、新宿区のにぎわいあるまちづくりの大きな原動力となります。また、ことし6月にスタートする「新宿観光振興協会」が機能していくための起爆剤にもなると考えております。 新宿区に、今後もより多くの多々に来訪していただくためには、観光客の視点に立ったグルメやファッションなどを盛り込んだホームページ、情報誌などを作成していくことが大切であると認識しています。 また、新宿駅周辺をアートで彩る「新宿クリエイターズ・フェスタ」や「新宿芸術天国」など文化性が高く、楽しくわくわくするような新宿の多彩な魅力を積極的に発信していくことも必要です。さらには、日本政府観光局の外国人旅行者調査で日本滞在中に不便と感じた案内表示や駅、飲食店などで言語が通じないなどの課題についても対応していくことが必要であると考えております。 こうした取り組みは、企業、商店街、各種団体などが一丸となって進めていかなければなりません。新宿観光振興協会と連携を図り、大会終了後も引き続き多くの方々が繰り返し訪れてもらえるよう、「ひと、まち、文化の交流によるふれあいのあるまち新宿」を創造してまいります。 次に、2020年のオリンピック・パラリンピック開催を踏まえ、今から新宿のまちづくりをスタートすべきではないかとのお尋ねです。 区としても2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催決定は、メーン会場となる新国立競技場を擁する新宿区にとって、にぎわいのあふれるまちづくりを進展させ、新宿のブランド力を高める好機であると捉えております。 オリンピック・パラリンピックの開催に伴い、世界中から訪れる多くの方々が安全で快適に過ごしていただくためには、まちの回遊性や防災性を高め、にぎわいや安らぎのある質の高い都市空間を創造していく必要があります。 現在区では、新宿駅東西自由通路の着工を契機として、新宿駅周辺のまちづくりや東西の駅前広場の再整備等の検討を進めるとともに、四谷駅前地区等の市街地再開発事業や木造住宅密集地域の整備、道路の無電柱化など、まちの魅力やポテンシャルを高めるまちづくりに取り組んでおります。 こうした事業を起爆剤として、東京オリンピック・パラリンピックの開催に向けて、安全・安心の確保や都市基盤の整備、みどりのある良好な景観形成、ユニバーサルデザインの推進などの施策を今から総合的かつ戦略的に推進していくことで、新宿を訪れる全ての人々が再び訪れたいと思えるようなまちづくりを進めてまいります。 次に、新国立競技場建設に関してのお尋ねです。 新国立競技場建設計画については、地区計画等の都市計画決定手続の過程で競技場建設の事業主体である独立行政法人日本スポーツ振興センターから適宜説明を受けてきました。 また、新国立競技場の収容人員が現在と比較して1.5倍の約8万人になることから、新国立競技場周辺における人の流れや交通量も大きく変化することが想定されます。 今後、日本スポーツ振興センターに対して、周辺への交通環境の影響についての調査を求め、必要な対策を事前に講じるよう働きかけていきます。 また、新国立競技場周辺地域においては、日本スポーツ振興センターに競技場建設計画の具体的な内容を確認し、地元の皆様の意見を聞きながらユニバーサルデザインに配慮した快適な都市空間を創出し、暮らしやすさとにぎわいのあるまちづくりを進めてまいります。 次に、路上喫煙、ポイ捨て、放置自転車、客引き行為等防止対策の推進についてのお尋ねです。 区では、路上喫煙禁止パトロール員や自転車整理指導員による巡回指導、地域・警察・区の連携による客引き行為等防止パトロールを初め、各種キャンペーンによる啓発などさまざまな取り組みを通して積極的な対策を進めています。また、喫煙所や駐輪場の充実・整備も行っております。 東京五輪の開催が決まった今、国内外からの来訪者が安心して快適に過ごせるよう、開催に向けてさらに安全できれいなまちを実現することが大切であると認識しています。 区としては、今後も新宿駅周辺の喫煙所の改善や駐輪場の整備、客引き行為等防止活動の徹底、啓発活動の一層の充実など、地域とも連携しながら防止対策に力を注いでまいります。 次に、新宿中央公園の整備についてのお尋ねです。 初めに、新宿中央公園の改修についてです。 新宿中央公園は、昭和43年4月に都立公園として開園し、昭和50年に新宿区に移管された公園です。その後、区では昭和55年に水の広場、芝生広場や区民の森を設置するなどの改造工事を行い、その後も健康増進に配慮した遊具や災害用トイレの設置などの改修を行ってきたところです。 しかしながら、現在、施設が老朽化している、樹木の成長により公園全体が暗くなっているといった課題も生じています。また、最近では気軽にスポーツを楽しめるようなスポーツ施設の充実を要望する声も寄せられています。 区では、オリンピック・パラリンピックの開催を機に老朽化した公園施設の更新を進めるとともに、高くなり過ぎた樹木の整理を行うことにより、明るく開放的な公園として再生していきます。また、来年度は、現在の多目的運動広場にフットサルコートを整備することにより、新宿中央公園に新たな付加価値を創出してまいります。 次に、公園の改修費としての補助金などの活用についてです。 今後、老朽化した施設の改修等に当たっては、国や東京都の動向に注視し、可能な限り交付金や補助金などを有効に活用してまいります。 次に、東京オリンピック・パラリンピック開催に向けた組織づくりについてです。 昨年11月15日特別区長会に特別区が情報を共有し、協力していくための検討組織として「2020オリンピック・パラリンピックを成功させる特別区23人の区長会議」が設置されました。 また、ことし1月20日には、この組織のもとに開催準備に向けた国・東京都と特別区及び特別区間の連絡調整を図るために、「特別区オリンピック・パラリンピック準備担当部長会」「同課長会」が設置されるなど、開催に向けたさまざまな調整・準備等への対応が求められています。 区は、これまで区長室が窓口となり、関係部署と連携しながら、さまざまな業務を進めてきましたが、こうした状況を踏まえ、平成26年4月1日付で区長室に東京オリンピック・パラリンピック開催に向けた「担当部」と「担当課」を設置いたします。 新設する部署は、ハード・ソフトの両面から機動的かつ柔軟に事業を推進できる組織とし、地域や民間事業者などとも、より一層の連携、協働を図ってまいります。 ◆26番(宮坂俊文) 次に、子育て支援についてお伺いをいたします。 区政の基本方針の中で、保育園待機児童解消策について触れられております。「地域で安心して子育てができるしくみづくり」については、「区内5番目の子ども家庭支援センターとなる北新宿子ども家庭支援センター」を開設と述べられ、在宅で子育てをする家庭に心配りをしていただいていることが理解でき心強く感じておりますが、ここで幾つかお伺いしたいと思います。 まず、区内5番目の子ども家庭支援センターとありますが、全体の配置計画はどのようになっているのでしょうか。 「平成25年度新宿区次世代育成支援に関する調査結果」は、まだ公表されておりませんが、「子育てがつらいと思うことがあるか」の問いに対する「就学前児童の保護者」の場合は5年前と比べてどのような結果となっているのでありましょうか。平成20年度の数字は、「いつも思う」「ときどき思う」の割合が47.8%で、まだ5割を切った数字でありましたが、私には平成25年度で改善しているようには到底思えないのであります。 改めて申し上げるまでもないと思いますが、「近年、少子化や核家族化の進行、地域社会の変化などにより、地域の連帯感や人間関係が希薄化しており、子育てが孤立しがち」になっていて、専業主婦世帯が子育ての悩みや不安を抱える現実がある中で、「子育てが大きな喜びもある一方、つらいことも多くある」と感じる人がふえているという現実もあるわけです。 そう考えれば、子育てが「孤独な子育て」にならないよう在宅の子育て家庭への支援も充実させなくてはなりません。すなわち、「必要なときに必要なサービスが受けられる」ことが求められているのです。このことが安心して子育てができることの必要条件なのであり、在宅子育てにあっても同じことが言えるのではないでしょうか。 子ども家庭支援センターなどの施設を利用する立場からは、ベビーカーを押していける範囲に、また雨の日にも安全に通える場所であってほしいというのが理想であります。小規模なものであっても構わないと思います。区長も「子ども総合センターを中核とした子育て支援のネットワークづくり」とおっしゃっていますように、要は組み合わせなのだと考えるわけですが、その点はどのようにお考えでしょうか。 また、待機児童対策の目標が「保育園待機児童解消」とか「待機児童ゼロ」と明確なのでありますが、在宅子育てのサービスにおいても具体的なメッセージが欲しいと思うところですが、どのようなメッセージを用意されているのでしょうか。 本区の場合でも、3歳未満児で保育所や子ども園に入所している割合は4割程度であり、6割の子どもたちは在宅で子育てがされています。子どもの成長には、大人の愛情と適切な保護や世話が必要であり、家庭の子育て力の重要性や地域社会が支えることの必要性を改めて認識する必要があると思います。 しかし、現実には子育て支援というと、ともすると、子どもにかける金額が取り沙汰されるわけですが、そうではなく、子育てにかける時間こそが大事であると思うところですが、こうした考え方に対する区長のお考えをお聞きしたいと思います。 最後に、横浜市の一連の待機児童対策についてお伺いいたします。 横浜市の発表では、平成25年4月1日の待機児童ゼロが10月1日では231人となったということです。ようやく達成した待機児童ゼロもゼロと聞いた子育て世代の流入や新たに就労に意欲を持った親の出現により、かえって入所希望者がふえるという、言葉が適切かどうかわかりませんが、いわゆるイタチごっこが発生するというのが実情のようであります。このような状況を含め、横浜市の取り組みに対する区長の率直な御所見を伺いたいと思います。 ◎区長(中山弘子) 子育て支援についてのお尋ねです。 初めに、次世代育成支援計画に関する調査結果についてお答えします。 今年度実施した就学前児童保護者に対する調査結果では、「子育てがつらいと思うことがあるか」との問いに対し、「いつも思う」が4.9%、「ときどき思う」が53.6%となり、前回調査に比べ、「いつも思う」は1.6ポイント、「時々思う」は9.1ポイント増加しました。これは、「区が子育てしやすいまちだと思う」と答えた人の割合が47%と前回調査に比べ11ポイント以上伸びたこととは対照的であり、課題であると認識しております。 次に、在宅での子育て支援と子ども家庭支援センターの配置計画についてです。 私は、区長就任以来、在宅で子育てする保護者の育児不安や負担を軽減させることが大切と考え、さまざまな支援策を拡充してまいりました。出産や病気、リフレッシュしたいときなどに子どもを預けられる一時保育では、子ども総合センター等で実施している「ひろば型一時保育」を区内4カ所に、保育園・子ども園の「専用室型一時保育」を区内12カ所に整備しました。また、保護者の事情で一時的に宿泊が必要なときに子どもを預かる「子どもショートステイ事業」、地域での相互援助活動である「ファミリーサポート事業」なども行っております。 さらに、子育て家庭が地域で孤立化しないよう、保育園、子ども園、地域子育て支援センター、児童館等で乳幼児親子の仲間づくりを目的とした「幼児サークル」や「子育て相談」などを行うとともに、家庭訪問型の支援として、出産後の育児や家事を支援する「育児支援家庭訪問事業」や「ホームスタート事業」など、在宅で子育てする家庭に向けて多様な事業を展開しています。 在宅で子育てする家庭にとって、子育ての悩みや不安を身近なところで気軽に相談できることも大切です。区では、第二次実行計画に基づき、本年4月に「北新宿子ども家庭支援センター」を開設します。これにより、子ども総合センターを中心に中落合、榎町、信濃町、北新宿の5つのセンターが区内全域にバランスよく配置され、身近なところで相談・支援ができることとなります。 次に、子育て支援に対する考え方についてです。 御指摘のとおり、子どもの成長には多くの愛情と適切な保護や世話が必要であり、特に乳幼児期の子どもには、保護者と過ごす時間が大切だと考えております。また、核家族化や少子化、ライフスタイルの多様化、女性の社会進出の増加などにより、子育て家庭を取り巻く環境は大きく変化し、子育てに関する悩みや不安を抱える保護者もいることから、子育てを地域社会全体で支えることが重要となっています。 今年度実施した次世代育成支援に関する調査で、子どもが何歳のときまで育児休暇を取得したかったかを聞いたところ、多くの方に1歳、または3歳までの取得希望がありました。こうしたことから、在宅でも安心して乳幼児を育てていけるようにすることは、とても大切であると考えております。 いずれにしましても、区が子育てしやすいまちだと思う保護者がふえる一方で、悩みやつらさを抱えながら子育てする保護者もふえているという課題をしっかりと受けとめ、来年度策定する次期「次世代育成支援計画」の中で在宅での子育て家庭への支援策の充実と在宅支援の明確なメッセージづくりについて検討してまいります。 次に、横浜市の一連の待機児童対策についてのお尋ねです。 横浜市は、思い切った緊急対策を行いましたが、その就学前児童の数に対する保育施設の定員は25%程度だと聞いており、都市部における潜在的保育需要がその後の待機児数としてあらわれてきたものと思われます。 一方、新宿区では、これまで地域の実情をしっかりと把握し、保育の質も大切にしながら待機児童対策を進めてきました。その結果、現在新宿区の就学前児童の数に対する保育施設の定員は40%を超え、23区の中でもトップクラスとなっています。 これからも地域の保育ニーズを的確に把握し、地域の保育需要に機敏に着実に対応していくことが肝要と考えております。 ◆26番(宮坂俊文) 次に、行政サービスとコストについてお伺いします。 昨年の第3回定例会で我が会派の下村議員が「ビッグデータとも言うべき国民健康保険のレセプトデータの活用」について質問をさせていただきましたが、区長よりジェネリック使用促進の差額通知について、「今後、導入に向けて積極的に検討を進めてまいります」との答弁を、そしてレセプトデータの予防医療への活用については、「活用を視野に入れながら、医師会等関係者と検討を進める」との大変心強い御答弁をいただきましたことは、区長も御記憶のことと存じます。 また、平成26年度の予算編成に対する要望としても、区長宛て提出をしていることもございまして、我が会派として広島県呉市の保険年金課を視察させていただきました。その結果として、これらの2つの事業を実施することの意義について再確認をしてきたところでございます。そして、何よりも驚いたことは、一般会計からの法定外の繰り入れを一切していないとのことでした。全体的な財政が厳しく、とても一般会計からの繰り入れなどできる状況になかったとのことでしたが、これまで繰り入れについては半ば当然と考えていた私にとりましては、まさに「目からうろこが落ちる」思いであり、特別会計のあり方を再認識いたしました。その特別会計の原則を維持するための事業執行の一つが歳出における「医療費適正化事業」というものでありました。 なお、つけ加えさせていただきますと、法定外の繰り入れをしないため、歳入にあっては、周辺自治体に比べ保険料は高いそうですが、その一方、平成23年度決算ベースの収納率は現年度が92.85%、滞納繰越分が32.07%とのことでした。いずれも当区との比較では10ポイント近くの差があるところですが、高い保険料をいただいているだけに、徴収の公平性により配慮した徴収努力をしているとのことでした。 ただいまは視察の成果の一端を申し上げさせていただきましたが、呉市の取り組みについて区長の御感想を伺えればと思います。 呉市では、医療費適正化事業の制度設計について、レセプトデータを活用してデータベースを構築し、「レセプト点検の効率化」にとどまらず、これを含めて大きく3つの分野にわたり、システム名としては「健康管理増進システム」として運用・管理を図っています。そのうちの1つが「レセプト点検の効率化」であり、2つ目が「ジェネリック使用促進」、3つ目が「保険事業の推進」です。1と2については、効果の金額を明確化しやすいのですが、3については、その効果を金銭ではかることはなかなか困難ではありますが、レセプトデータからハイリスクの方を抜き出し、生活習慣病放置者フォロー事業や糖尿病性腎症等重症化予防事業などにつなぎ、訪問指導が行われていました。このことにより、人工透析の対象となる一人当たり年間約600万円にも及ぶ医療費になる人工透析者の数が新規においても、また継続者においても年々減っている状況にありました。このことは、金銭的な面も去ることながら、御本人にとっても週に何回か透析に通う回数が減ることになり、とても先見性のある事業と感じた次第です。そして、このような事業こそが行政サービスの真髄に触れるものではないかと感じたところでございます。 ところで、新宿区では平成26年度事業として、「ジェネリック医薬品への切りかえによる効果が見込まれる生活習慣病の被保険者約8,000人に年3回通知」とのことですが、このことによる効果をどのように予測していらっしゃるのでしょうか。また、システムの概要、事務の流れについてはどのようにお考えなのでしょうか。 さらには、システム開発費が計上されていないようですが、現在の保有システムで対応できるということなのか。また、レセプトデータの予防医療への活用の検討については、現段階においてどのように進められているのか、あわせてお伺いいたします。 続きまして、新宿区における美術品の行政について伺います。 今回の視察は、呉市のほかに倉敷市の景観まちづくりと美観地区・大原美術館についても行いました。あいにく新宿区の名誉区民でもある高階秀爾館長は御不在でしたが、本館ではエル・グレコの「受胎告知」や西洋近現代の絵画と彫刻が、分館では日本の近代洋画から現在活躍する作家たちの作品が展示されていました。全部をじっくり見るには、1日ではとても足りない作品群だと感じたものであります。 ここでは、現在区が保有する美術品がどのように活用されているのかをお伺いしたいと思います。 最初に、新宿区の美術品に対する取り組み姿勢についてですが、現在、区には通常美術品と言われる絵画、彫刻等がそれぞれどのようなものを何点ぐらい所蔵されているのでしょうか。そして、所蔵するこれらの作品について、区民の鑑賞に供する等の展示などでの活用状況や展示に先駆けた収蔵作品のどのような作品の展示を希望されるかなどの区民アンケートや芸術・美術に対する区民の意識調査などは行われているのかどうか、伺います。 次に、美術品をどのように管理されていらっしゃるのか伺います。と申しますのも、私などが日常的に目の保養をさせていただいております本庁舎5階のフロアや会議室に展示されております秋元清弘氏の絵画が6点ほどあり、その備品としての単価の総額は1,300万円にも及ぶようであります。また、議長室にもほかの画家の方のものが2点あり、合計で200万円とお聞きしております。これらの美術品は、いずれも備品の扱いになっているようでありまして、歴史博物館の管理外にあるようであります。素人の私にはよくわかりませんが、このような高価な美術品が歴史博物館の管理下にないというのは、少々意外なところであります。 くれぐれも申し上げますが、御寄贈された御家族の意向などもあるかと思いますので、私は現在のような展示の仕方をどうこう申し上げているものではございません。作品の保存状況等を考えるとき、美術品に関する専門知識を必ずしも有しない部や課に通常の一般の備品類と同様に管理を委ねても支障がないものなのかということであります。展示場所が博物館内ではないとしても、専門家の目を入れて万全を期した管理をすることが望ましいのではと素人として思う次第であります。 あわせて伺いますが、区民ギャラリーについてです。この施設の所管はどこで、名称が「ギャラリー」となっているのはどのようなことによるのでありましょうか、お伺いいたします。 次に、区有施設の使用料・手数料と消費税の関係についてであります。 自治体のサービスには消費税は課税されないところでありますが、区として、このたびの消費増税に対して平成26年度はどのように対応されるのかを伺います。また、使用料・手数料の算出に当たっては、どのようなものが積算の対象品目に上がっているのか伺います。 御答弁をお願いいたします。 ◎区長(中山弘子) 行政サービスとコストについてのお尋ねです。 初めに、呉市の取り組みについてです。 呉市で行っている「レセプトデータの予防医療への活用」、「ジェネリック医薬品使用促進の差額通知」などは、被保険者の方には医療費負担の軽減や健康寿命の延伸、保険者にとっても医療費の節減につながるという先進的な取り組みであると考えています。 区においても、医療費の適正化については、これまでレセプトの点検強化、ジェネリック医薬品希望カードの配布による利用促進に取り組んでまいりましたが、さらなる取り組みが必要と認識しています。 平成26年度からは、「ジェネリック医薬品使用促進の差額通知」を実施し、さらに「レセプト・健診データの分析」、「糖尿病対策の推進」についても検討を進め、具体的な取り組みに着手してまいります。 このような取り組みにより、被保険者の方の医療費負担の軽減や保険者の医療費の適正化を進め、また歳入の確保については、これまで以上に国民健康保険料の収納率の向上に積極的に取り組み、国民健康保険特別会計の健全化を目指していきたいと考えております。 次に、ジェネリック医薬品の差額通知の効果についてです。 平成26年度は、生活習慣病で治療中の被保険者のうち、ジェネリック医薬品への切りかえが可能と見込まれる約8,000人に対して7月、10月、2月に差額通知を送付し、発送の4カ月後にはジェネリック医薬品へ切りかえた効果を把握する予定です。 既に実施している他区の状況から見て、通知当初ジェネリック医薬品に切りかえる方は、1割程度と見込んでおります。 また、ジェネリック医薬品の差額通知の作成は業者委託により実施するため、区のシステム開発費用は必要ありません。 次に、レセプトデータの予防医療への活用の検討についてです。 レセプトデータの活用については、健康部内でプロジェクトチームを立ち上げ、先進自治体である呉市の取り組みなども参考にし、特に糖尿病の重症化予防対策について検討を開始しました。 今後は、糖尿病治療中であっても血糖コントロールが不良な方について、区内の病院と地域のかかりつけ医が連携した医療を提供するための体制の構築と専門的な知識を持った栄養士等による効果的な保健指導を受けられる体制の整備を進めるため、医師会などとの協議を行ってまいります。 その際、区が保有する国民健康保険レセプトデータや健診データの活用により、医療費の適正化を図っていく取り組みもあわせて検討してまいります。 次に、新宿区における美術品の管理・活用についてのお尋ねです。 まず、各区立施設にある絵画、彫刻等についてです。区には、寄贈や購入等により取得した貴重な文化資源が多くあります。 平成25年12月26日現在の備品台帳では、美術工芸品として280点、うち本庁舎5階のフロアや会議室に展示してある秋元清弘氏の油絵を初めとする絵画・写真・書は230点、本庁舎1階ロビーに設置している名誉区民富永直樹氏の「素晴らしき1日」の像や角筈地域センターの入り口にある氏家慶二氏のモニュメントなど50点、また博物館資料として岩田藤七・久利親子のガラス工芸品など474点があります。 次に、区民の鑑賞に供するなどの活用状況としては、それぞれの備品を所有する施設での公開のほか、新宿歴史博物館では毎年度4回、所蔵資料展として来館者アンケート調査も参考にしながら、新宿未来創造財団と協議して企画・開催しています。 次に、美術品の管理については、それぞれの施設で寄贈者や寄託者の御意向に沿う形で公開・活用しているほか、佐伯祐三作「下落合風景」のように、特に貴重かつ管理に配慮を要する文化資源については博物館収蔵庫への保管をするなど、適正な保存管理をしております。 次に、区民ギャラリーについてのお尋ねです。 区民ギャラリーは、区民により身近な施設とするために、平成20年度に教育委員会から区長部局に移管され、地域文化部生涯学習コミュニティ課の所管としました。 名称については、この施設の設置目的が「区民の文化活動、学習活動等により創作されたものを展示し、または発表する場を区民に提供」するということから、「区民ギャラリー」としたものです。 次に、施設の使用料や手数料と消費税の関係についてのお尋ねです。 消費税は、最終的には消費者に負担を求めることを予定している税であるという基本的性格に鑑み、本来、施設の使用料などは消費税の増税相当分を転嫁すべきものです。 また、手数料は、消費税法により非課税とされている法令に基づく許可・検査等に係る手数料などを除き、消費税の課税対象とされています。 しかしながら、消費税率引き上げに伴う区財政や区民生活等への影響のほか、受益者負担とすべき経費等の変動を見きわめる必要があることから、平成26年度については施設の使用料などを現行どおり据え置くこととしました。 次に、使用料や手数料の算出に当たっての経費の積算対象についてのお尋ねです。 施設の使用料については、光熱水費、消耗品費、委託料、人件費等により積算した施設維持管理経費をもとに、施設の目的やサービスの性質に応じた受益者負担割合等を考慮して算出しております。 また、手数料については、戸籍謄本の交付手数料のように、「地方公共団体の手数料の標準に関する政令」で標準とすべき金額が定められているものや住民票の写しの交付手数料のように、近隣自治体との均衡を踏まえて定めているものがある一方、例えば、自転車等返還手数料のように、特定の者に提供する役務に対しては、受益者負担の原則に基づき、施設の使用料と同様に経費をもとに負担を求めるべきものがあります。 今後は、消費税率引き上げに伴う経済状況を注視しつつ、減価償却費の取り扱いなど他区での対応状況も踏まえ、受益者負担とすべき経費の変動等について調査を行い、受益者負担の適正化に向けた検討を進めてまいります。 ○議長(おぐら利彦) ここで、議事進行の都合により休憩します。 △休憩 午後0時02分----------------------------------- △再開 午後1時20分 ○議長(おぐら利彦) ただいまから、会議を再開します。 質問を続行します。 ◆26番(宮坂俊文) それでは、午前中に引き続きまして質問をさせていただきます。 私の最後の質問になりますけれども、教育委員会に学校教育のあり方についてお伺いしたいと思います。 最近、「学力向上」主義の陰で「体力・運動能力の向上」という大事な課題が見過ごされがちになっているのではと気になるところです。 本来、中学生期は生涯にわたってスポーツに親しむ習慣を身につけ、体力・運動能力の向上を図る上において重要な時期であるとされております。まずは、そのような観点から最近発表された報告書に関連してお伺いいたします。 私が関心を持ちました報告が国と私の出身県であります長野県から出されております。「子どもの体力と運動能力が少しずつ向上している」との報告が国から出されています。このことは一見喜ばしいように聞こえますが、ピークだった昭和60年には及びません。今の子どもの体力や運動能力が少しずつ向上していることは、体力づくりに力を入れる小・中学校がふえたこと、主要教科と同時に体育の授業時間数をふやしたことなどが理由との見解もあるようですが、新宿区の児童・生徒の現状と特徴があればお聞かせください。 ある識者は、体育の授業や部活動などで鍛えられる力は向上しているが、日常生活や子ども同士の遊びの中で培われる力は「横ばい」、あるいは「低下」をしているとし、家庭や保護者の役割がより重要になってきているとしています。また、対象となった中2女子の23%が「1週間の運動時間ゼロ」で、3年前より6.2%増加しているとの数字もあります。 このことから文部科学省では、「部活動やスポーツクラブに所属していないと体を動かす機会が少ない。特に女子では顕著で、気軽に運動できる場を提供する必要がある」としていますが、このように運動する子どもとしない子どもの二極化現象が見られる中、大事な中学校の体力づくりが「部活頼み」に見えてなりませんが、この現状について御見解をお聞かせください。 また、基礎体力をつくる上で義務教育の時期はとても大切であり、伸ばす時期にしっかり伸ばしてあげることが重要です。義務教育そのものが日本国民としての基礎づくりとしてあるならば、そのことは体力づくりにも当然同じことが言えるのではないでしょうか。教育委員会の御所見を伺いたいと思います。 さて、よく長野県は教育県であると言われるわけですが、新春恒例の「全国都道府県対抗駅伝」では、男子はことしで6回目の優勝を飾り、最多優勝の新記録をつくり、運動面においても、大いに活躍しております。 そんな中、先日のある新聞記事のリードが「中学校の部活動の朝練習は原則禁止」で始まっており、長野県教育委員会の有識者委員会が「朝練習は睡眠不足を招き、成長に弊害がある」として、原則やめるべきだとする報告書をまとめたという記事でした。 有識者委員会は、朝食が十分にとれないおそれもあり、心身の成長を妨げかねないと指摘、平日の練習は放課後の2時間程度が適切で、1週間のうち2日は休養に充てるべきだとしています。このことについて、新宿区の教育委員会としては、どのような御見解をお持ちでありましょうか。 また、教育委員会として中学校の部活と「健全な成長と発達」、「運動と学習」の面からどのようなお考えで、どのように指導されているのか、現状をお伺いしたいと思います。 次に、小・中学校の教壇の設置についてお伺いいたします。 いつごろから学校の教壇が消えてしまったのでしょうか。どのような理由から消えてしまったのか、私にはさっぱりわかりませんが、どうやら、ないほうがいい理由として、教壇は権威の象徴で好ましくないとか、先生と生徒は対等な姿勢であるべきだとか、あると危険、オープンスペースとして活用するときの邪魔になるなどの理由があるようです。 しかし、その一方で、先生と生徒の対等はあり得ない、勉強を教えてくれる人間と対等でよいのか、教えたりしかったりすることは対等ではできないこと、子どもが先生を尊敬しなくなるし、敬う気持ちが芽生えない、こういった意見もあるようです。 人それぞれ考え方はあると思いますが、私は教室の中で40人からの児童・生徒に目が行き渡り、子どもたちが少しばかり見上げた目線の先に先生がいる。自然と先生を敬う精神が芽生えてくるでしょう。先生には当然威厳も必要ですし、子どもたちとの間には、いい意味での上下関係も必要と考えております。 お聞きいたしますが、なぜ教壇を撤去してしまったのか。その経緯と今後は教壇を復活させるべきと考えますが、いかがでしょうか。 最後に、特別支援教育についてお伺いさせていただきます。 新宿区の取り組みでは、特別な支援を必要とする児童・生徒の就学に際して、適切な教育環境を考えていただくために、就学支援委員会で検討した所見を保護者にお伝えし、就学の参考にしていただいている現状があります。しかし、身体や知的発達等の障害状況により特別な支援を必要とすると判断された場合でも、特別支援学級や特別支援学校ではなく、普通校の通常学級への就学を希望される方もいらっしゃいます。 新宿区での通常学級の中における特別な支援を必要とされる児童・生徒の支援として、「特別支援教育推進員」の派遣制度がありますが、これはLDやADHD、アスペルガーといった知的発達のおくれを伴わない発達障害の方が支援の対象となっております。 また、「学校肢体不自由児等補助員」の配置がされています。この支援は、肢体不自由等の身体障害の方が通常学級の中で教育課程に沿った学習ができ、安全で円滑な学校生活を送れると判断された場合に対象とされています。 3つ目の支援として、「学級運営補助員」の配置があります。これは、特別な支援が必要と就学指導委員会で判断された方が通常学級に通うことになった場合に、担任の先生だけでは安全の確保等の学級運営が困難と判断された場合に1年生のときに限り、一定の期間配置し、学級全体の補助的な支援を行うものとされています。 今申し上げた支援体制の中でも、特に3つ目の「学級運営補助員」の支援制度については、1年生のときの一定期間の配置に限るということではなく、区として児童・生徒に対してきめ細かな人的配置をしていただきたいと思うわけでございます。新宿区から先駆的な支援体制の見直しをしていただきたいと思うわけですけれども、決意のほどをお聞かせいただきたいと思います。 障害のある児童・生徒が障害のない子どもたちとともに、できるだけ同じ環境の中で学べるようインクルーシブ教育システムの構築に向け、御配慮いただきたいと思っております。同時に、保護者を精神的、経済的困難から解放するためにも、区としての前向きな対応が求められていることを申し添えておきたいと思います。 以上を申し上げて、私の代表質問とさせていただきます。 ◎教育長(酒井敏男) 学校教育のあり方についてのお尋ねです。 初めに、新宿区の児童・生徒の体力の現状と特徴についてです。 「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」の結果によると、新宿区の児童・生徒の体力の平均は、平成21年度には小・中学校ともに全国・東京都の平均を下回っておりました。しかしながら、平成25年度の調査の結果によると、小学校では男女とも全国の平均を上回っております。中学校では、依然全国や東京都の平均を下回っているものの、持久力などを中心に生徒の体力が向上してきています。 新宿区の児童・生徒の特徴としては、短距離走の記録が高い一方で、体のやわらかさやボールを投げる力にかかわる項目が低い傾向があります。 次に、中学校の体力づくりが「部活頼み」になっているのではという見解についてです。 運動部活動に所属していない生徒にとって、保健体育の授業は貴重な運動の機会となるため、授業を充実させていくことが何よりも重要です。 区立中学校では、保健体育科の授業において、運動の技能や技術を高めるだけではなく、生徒の基礎体力の向上を重視した取り組みを進めています。ある中学校では、授業の全般にスポーツ選手が行うウオーミングアップを取り入れ、生徒が楽しみながら体を動かして全身の筋力を高められるよう工夫しています。今後も、これらの取り組みを各学校で共有し、活動を充実していくことが必要であると考えております。 次に、義務教育の時期での基礎体力づくりについてのお尋ねです。 教育委員会では、児童・生徒の「基礎体力と健康な体づくり」を教育ビジョンに位置づけ、全ての小学校では休み時間に楽しみながら運動し、記録に挑戦できる「スポーツギネス新宿」を進めるなど、各学校における体力向上の取り組みを支援しています。 義務教育の時期には、児童・生徒に知・徳・体の「生きる力」をバランスよく身につけさせる必要があり、基礎体力を向上させることは、この時期に欠かせない要素であると考えています。 次に、中学校の部活動における練習量と指導についてのお尋ねです。 部活動における練習量については、練習時間を適切に設定するとともに、適度な休養を設けるなど、心身の成長を妨げることのないよう配慮する必要があると考えています。 中学校の部活動については、学年に応じた役割の明確化や異年齢の生徒の自主的、自発的な参加により、健全な成長と発達を促していくことが重要であると考えています。 また、部活動を通して生徒みずからが目標を設定することや部員同士の話し合いを通して課題解決の過程を経験することで、学習面においてもみずから積極的に取り組む姿勢を身につけるよう指導してまいります。 次に、小・中学校の教壇の設置についてのお尋ねです。 小・中学校の教壇を撤去した経緯については、教育委員会には記録がないため、退職校長にも問い合わせをしましたが、明確な理由は不明です。 一方、文部科学省は、学校内の床には気がつかずにつまずくような段差や突起などを設けないこと、障害のある児童や教職員が支障なく活動できるように段差などを設けないことを学校施設整備指針に示しています。現在では、この指針に沿って教室内に教壇を設置していません。 今後も、同様にこの指針に沿って教室などの施設整備を進めてまいります。 次に、特別支援教育についてのお尋ねです。 教育委員会では、小学校入学に当たり、特別な支援を要する子どもについては、就学相談を実施し、就学支援委員会において最もふさわしいと思われる教育の場についてお示しをしています。それぞれの子どもが特別支援学校や特別支援学級で、その特性や実態に応じた教育を受けることにより、学習への意欲や能力を伸ばしています。 御指摘のように、特別支援学校や特別支援学級で学ぶことが適当とされた場合でも、保護者の希望により通常の学級に就学する場合があります。 そのような場合、安全管理に配慮を要するなど、学級運営上必要であると判断したときには、学級運営補助員を配置しています。現在は、従来の運用を見直し、1年生の一定期間に限るということではなく、校内の支援体制や安全配慮が必要な状況を勘案し、配置期間や配置日数を決定しています。 これからも特別な支援を必要とする子どもの可能性を最大限に伸長するため、個別の状況に応じたきめ細かな支援を行ってまいります。 以上で答弁を終わります。 ◆26番(宮坂俊文) ただいま区長、そして教育委員会から御答弁をいただきました。ありがとうございました。 区長の行政報告につきましては、毎回、その回ごとに前向きな御答弁をいただいているような気がいたします。きょうもそういった意味では大変前向きな御答弁をいただいたというふうに思います。 いろいろ課題もあるわけですけれども、どうかこのまま順調にさらに引き続き御検討をいただければというふうに思います。 あとまだ幾つか再質問をしたい点がございますけれども、その点については、また改めて別の機会に質問させていただくことにいたしまして、まずは予算特別委員会の中で私の同僚の議員からの同僚の質疑に委ねたいというふうに思いますので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。 以上で私の代表質問を終わります。御清聴いただきまして、まことにありがとうございました。(拍手) ○議長(おぐら利彦) 次に、34番小松政子議員。     〔34番 小松政子議員登壇、拍手〕 ◆34番(小松政子) 平成26年第1回定例会に当たり、新宿区議会公明党を代表して区長並びに教育委員会に質問いたします。 景気の先行きに明るさが見え始めました。そして、舛添都知事も誕生し、首都東京は2020年に向け大車輪で回転を始めました。もちろん、新宿がその中心にあることは間違いありません。 さて、さきの東京オリンピックが開催されてより50年。あの日、小旗を振りながら聖火を迎えた800万人以上の中学生・高校生であったベビーブームの申し子たち、今でいう団塊の世代も既に60代半ばに入り、10年後には国民の3割以上が高齢者となります。ピカピカであった高速道路に代表されるインフラも老朽化し、今や国家的課題となっており、ライフスタイルも生きる上での価値観も見直す時期を迎えていると言えましょう。 特に相互扶助の生き方、社会のあり方が求められます。 35年前「ジャパン・アズ・ナンバーワン」を出版したハーバード大学名誉教授のエズラ・ヴォーゲル氏は、「成長をきわめた日本の新たな鍵はグローバル化でしょう。日本はもっと世界に出ていくべきです。私は、今83歳で元気ですが、日本には私のような人が大勢いる。このパワーをどう活かすか。再び日本をテーマにした本を書くなら『よりよい国へ』という感じだろうか」と述べています。豊かな成熟社会をどう築いていくか、政治の課題は大変大きいと考えます。 一方、稲妻のごとくSTAP細胞の炸裂とともに躍り出た30歳の若き日本人女性研究者の登場、そしてローザンヌで日本の高校生が1位2位という快挙は、女性の活躍・若者の活躍を大きくアピールするものであり、未来に心から期待するものであります。 それでは、具体的な質問に入ります。 質問の第1は、予算及び予算編成についてお伺いします。 平成26年度予算は、第二次実行計画の3年目として着実な計画推進に向けての取り組みとともに、待機児童解消、防災対策の強化など、まさに昨年から引き続く重点課題に対し、限りある財源のやりくりの中での予算編成だったことがうかがえます。 さて、新宿区では先進的に平成11年度決算から貸借対照表を作成し、平成20年度決算からは総務省改訂モデルに基づく財務諸表を作成し、公表してきました。そして、区財政の健全度をさらにアップするため、固定資産台帳の整備を前提とする基準モデルに移行し、平成23年度、平成24年度決算を比較分析されてきました。 1点目の質問は、少子高齢化や首都直下地震対策などの喫緊の課題を前に、資産と債務の適正なバランスを保つ自治体経営を今こそ思い切って遂行しなければなりません。当然、今回の公会計財務書類から今まで見えにくかった情報の分析評価をされたことと思いますが、歳入歳出面でどのように活用され、このたびの予算編成にどのような視点が活かされたのかお伺いします。 2点目の質問は、直面する区政課題を思い切って推進するためにも並行してやらなければならないのは行政改革です。 内部評価、外部評価、そして事業別行政コスト計算書と115の計画事業と124の経常事業について実施された効果は、予算上どのように反映されたのか、財政面、政策面あわせてお聞かせください。 3点目の質問は、固定資産台帳を整備している新宿区だからこそ、次の大きな課題はインフラ対策であるとおわかりになっていると思います。このような行政需要に対しての道筋として、この平成26年度以降、どのような構想があるのかお伺いします。 以上、御答弁願います。 ◎区長(中山弘子) 小松議員の御質問にお答えします。 予算及び予算編成についてのお尋ねです。 まず、新公会計における財務諸表の歳入歳出面での活用や予算編成に活かした視点についてです。 現行の公会計は、現金主義・単式簿記で歳入歳出による現金取引を対象としています。これに対して、企業会計的な視点を取り入れた新公会計は発生主義・複式簿記を活用することにより、資産や負債などのストック情報、収益や費用など全てのフロー情報を対象とした財務諸表となっております。 区では、財務諸表について、土地・建物などの資産や公債・退職引当金などの負債の総額を捕捉し、前年度と比較分析するなど、財務状況の的確な把握により、将来的な財政運営の指標として活かしております。 予算編成における歳入歳出面では、金融資産のうち基金積立金の減少が大きいことから、基金繰入金の圧縮を図り、基金残高の確保に努めるとともに、非金融資産のうち、減価償却による建物資産の減少が大きいことから、施設の計画修繕などに取り組んだところです。 さらに新公会計では、一般会計と特別会計とからなる現行の公会計と異なり、新宿土地開発公社や新宿未来創造財団などの外郭団体を含めた財務諸表も作成していることから、今まで見えにくかった団体の資金繰りや基本財産の状況を確認しながら、団体の経営状況を的確に捉えた助成ができるよう活用しております。 次に、行政評価実施結果の財政面及び政策面への反映についてのお尋ねです。 平成25年度においては、御指摘のとおり115の計画事業と124の経常事業について行政評価を行いました。 区では、この行政評価の結果を踏まえて事業や施策の見直しを進めるとともに、改革・改善の方向性が明確になったものは、平成26年度の予算編成や実行計画ローリング等に反映させております。 例えば、実行計画事業では、「雇用促進支援事業」を「障害者、高齢者、若年非就業者等に対する総合的な就労支援事業」と事業統合して効果的・効率的な事業運営を図ることとし、予算に反映させています。 また、経常事業では、「地域防災コミュニティの育成事業」において、防災区民組織活動助成の支給基準を、より地域の防災力向上につなげる視点で見直し、予算に反映させています。 さらに、実行計画ローリングにより、今後一層新宿区がにぎわいと創造性にあふれたまちとして発展していくために、官民一体で「(仮称)一般社団法人新宿観光振興協会」を設立し、地域や企業の枠組みを超えた「ALL新宿」の取り組みを本年6月から始動させることとしました。 このように、行政評価の結果を踏まえた財源の重点的配分と施策、事業の見直しを進めているほか、区の大きな政策課題にも的確に対応し、区民に成果の見える効果的・効率的な区政運営の実現に取り組んでいるところです。 次に、インフラ対策についてのお尋ねです。 区では、庁舎などの区有施設を初め、道路や橋梁など多くのインフラを管理しています。これらインフラの維持修繕や大規模修繕に係る工事費、将来の更新経費など区財政に与える影響は大きいものと考えています。 このため、平成18年度からは、区有施設について予防保全の考え方に立った中長期修繕計画を策定し、施設の長寿命化を図るとともに、修繕経費の削減と平準化を行っています。 また、平成23年度には、橋りょう長寿命化修繕計画を策定し、橋の計画的な補修・補強に取り組んでいます。さらに、道路や公園などの損傷状況等の情報をデータベース化した土木アセットマネジメントシステムを構築し、平成25年度から本格的に運用しています。 今後も、これら予防保全の考えに立った計画的な修繕を行うことで、インフラの長寿命化や修繕経費の削減と平準化を行ってまいります。また、区有施設の改修、更新等に係る将来コストの試算方法について研究し、区有施設のあり方についても検討してまいります。 ◆34番(小松政子) 質問の第2は、2020年東京五輪に向けてのまちづくりについてです。 区長は平成26年度区政の基本方針説明で「メーン会場となる国立競技場の地元自治体として、国内はもとより世界中の皆様が東京オリンピック・パラリンピックを楽しめるようハード・ソフトの環境整備を促進して、おもてなしに努めていきたいと思います」と述べておられます。 2020年東京五輪は、多文化共生・ユニバーサルデザイン・ボランティア等、新宿区の目指すまちづくりにとってすばらしいメルクマールとなり、6年間はちょうどいい準備期間でありましょう。 1点目の質問は、ボランティアの育成についてです。 昨年は、「おもてなし」という言葉が日本列島を駆け巡りました。ある町会の新年会でも90歳になられる地域の名士の方が「オリンピックでは、どういうおもてなしをすることができるのかを考えております」と御挨拶をされていました。まさに好機到来。区長がよく言われる「誰かの役に立つことを心楽しく思える」まちづくりへの絶好のチャンスを迎えたと思います。大会運営だけで8万人以上のボランティアを必要とする五輪開催に向け、地元自治体として区長はどのように取り組んでいかれるおつもりですか、お伺いします。 2点目の質問は、多文化共生のまちづくりについてです。 まず外国語について伺います。昨年日本を訪れた外国人旅行者は1,000万人を超えました。しかし、観光面で日本に不満を持つ外国人は少なくなく、日本政府観光局が一昨年丸の内の案内所を訪れた455人にアンケートを行った結果、最も不便を感じたことは「英語が通じない」など言葉に関する問題でした。オリンピック28競技中15競技の会場のある江東区長は、「江東区は義理と人情とおせっかいのまち。外国人にめちゃめちゃお節介をやいてやろうかと計画している。まずできることとして、教育現場での改革・学校現場で少なくとも5カ国語の挨拶を教えていきたい。こういうところがおもてなしの第一歩」と豊富を述べています。 お隣の渋谷区長は、「職員を含め、英語ないし外国語の講習を開こうと思っている。急には覚えられないので」と語っていますが、区長はオリンピックに向けた外国語に関し、どのようにお考えですか、お伺いします。 新宿区は外国人留学生への支援策として、新宿区外国人留学生学習奨励費制度を設けており、すばらしい国際貢献をしていますが、こうした外国からの留学生による日本語スピーチコンテストや、あるいは区内小学生・中学生による英語スピーチコンテストなどの開催も語学力アップの1つの方法ではないかと御提案しますが、御所見をお聞かせください。     〔「そうだそうだ」と呼ぶ者あり〕 次に、国際都市新宿のアピールについてです。 経済評論家の大前研一氏は、新宿区同様に在住外国人の多い港区の国際化と新宿区の国際化を対比して「港区には日本にある大使館134カ国中64カ国があり、新宿区にはわずか2カ国しかない。しかし、これからの国際化は新宿区の国際化であり、生活の国際化である。ただ、1,000万人の外国人が日本を訪れることではなく、外国人庶民との居住生活が一体となる時代が来ていることの認識である。ニューヨーク・ロンドン・パリなど先進国の大都市は、それを経験してきており、リトルイタリア・チャイナタウン・リトルトウキョウなどエスニックタウンがまちの重要な拠点になっている。求められる新しい文明、生活の出会いであり共存である」と新宿の多文化共生に高い期待を寄せております。日本の国際化にとって、新宿の使命は大変大きいと考えます。 区長は、新宿の多文化共生をどのように位置づけ、また今後どのように展開されるおつもりなのか、お伺いします。 さらには、本年は新宿区の新成人のおよそ3人に1人が外国籍ということでしたが、多文化共生先進自治体である新宿区の成人式として、今後は例えば国際交流の場の提供等、国際都市新宿をアピールする工夫をされてはいかがかと思いますが、この点どのようにお考えですか。 3点目の質問は、心のバリアフリーについてです。 車椅子ランナーの伊藤智也氏がある雑誌で、「ヨーロッパの古いまちにバリアフリーはないけれども、車椅子で段差の前にいると、誰かがガッと寄ってきて、パッと持ち上げて、サッと去っていく。余りの素早さにありがとうを言う暇もない」と紹介していました。 実は、私もかつて、まだ大久保駅にエスカレーターがない時分、外国の女性が急いで階段を駆け上り、若い日本人男性の大きなキャリーバッグの片側をひょいと担いで上まで一緒に持っていった場面に遭遇し、感心した思い出があります。果たして日本人にできるかどうか。こうした勇気ある行動をどうすればシャイな日本人がとれるのか。 昨年の夏、南浦和駅でホームのすき間に落ちた女性を助けるために、多くの乗客たちが「押しますよ、せーの」という駅員のかけ声のもと、8分間にもわたる電車押しを協力し、無事救出とのニュースが海外で絶賛報道されましたが、元来日本人は農耕民族としての助け合いのDNAを持っているはずで、「押しますよ、せーの」という駅員さんのかけ声が重要なポイントであったのではないでしょうか。 町田市は、「私にもできる支え合うまちづくり」という冊子を作成し、「私たちにできることもあります!」とさまざまな場面をイラスト入りで紹介して市民の喚起を促す工夫をしていますが、確かに心のバリアフリー教育として一定の価値があると考えますが、区長は新宿区として心のバリアフリーをどのように展開していかれるおつもりですか、御所見をお伺いします。 あわせて、歩道上の看板や品物の陳列など、パラリンピック開催までに大いに改善しなければならない課題にどのように取り組んでいかれるのか、お伺いします。 4点目の質問は、広報の充実についてです。 2020年までに漱石山房や新宿の森もオープンされ、新宿のまちには多文化共生のまちから、坂と石畳と和食のまち・デパート群・風格ある江戸外濠風景等々、国内外のお客様に訪れていただきたい場所がたくさんあります。五輪開催時には、おもてなし精神から言うならば、区民こそが最高の観光ガイドということになります。しかし、そのためには、区民自身が自区内にある林芙美子記念館や佐伯祐三アトリエ記念館などの多くの観光資源の存在を知ることが必要です。それには、なんと言っても区報のあり方いかんで大きく左右されるのではないでしょうか。紙面の工夫や配布等々、区長はどのように考えておられるのか、お伺いします。 5点目の質問は、2020年オリンピック招致委員会が昨年提示したマラソンコース図によると、国立競技場から飯田橋区間の5キロ、つまり往復の10キロ区間が新宿区内ということになります。オリンピックの華とも言われるマラソンの、しかも最後の勝負の5キロメートルは最大の注目地点であり、世界中に映像も流れるでしょう。見事な歴史的景観・江戸城外濠風景が世界に発信されるわけですが、日本のイメージアップには夏場でもありますので、外濠の水質改善が大変重要かと考えます。ぜひともこの際、国・都に働きかけ、外濠の水質改善を開始すべきだと考えますが、御所見をお伺いします。 あわせて、外国の報道関係者や観戦者も利用するでありましょうマラソンコース内にある区立市谷見附公衆便所及び区立牛込見附公衆便所の整備は、洋式便器の設置等を含め、どのように検討されているのか、お伺いします。 6点目の質問は、清潔なまちでお迎えすることがおもてなしには肝要かと考えます。現在水曜日の区役所とまちの人たちによる歌舞伎町クリーン作戦によって区役所周りはきれいなまちになりました。クリーン作戦の拡大をどのようにお考えですか、お伺いします。 以上、御答弁願います。 ◎区長(中山弘子) 2020年東京五輪に向けての街づくりについてのお尋ねです。 初めに、東京オリンピック・パラリンピックに向けたボランティアの育成についてです。 昨年東京では、54年ぶりに国民体育大会が開催され、新宿区においても正式競技である「ハンドボール競技(成年女子)」及びデモンストレーションとしてのスポーツ行事である「3B体操」をそれぞれ開催し、盛大かつ滞りなく大会を終了することができました。 この成功は、区内各界各層から成る実行委員会の皆様をはじめ、体育協会・レクリエーション協会・スポーツ推進委員協議会などの社会体育関係団体のほか、地域や企業のボランティアの皆様の多大な御尽力によるものです。 また、毎年1月に開催している新宿シティハーフマラソン・区民健康マラソンも町会・自治会や地域団体、体育関係者など約1,300人のボランティアの方々に支えられ、年々参加者が増加している人気大会へと成長してきています。 2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、東京国体や新宿シティハーフマラソンで培った経験をもとに、社会体育団体や地域団体をはじめ、さまざまな分野で活動する団体などとも連携して、有意な人材を掘り起こしながら、ボランティアの育成に努めてまいります。 次に、多文化共生のまちづくりについてのお尋ねです。 平成24年3月に閣議決定された新たな「観光立国推進基本計画」では、訪日外国人旅行者の増加を図り、将来的には3,000万人を目指すとしています。こうした中で昨年は、ASEAN諸国に対する査証発給要件の緩和や円高是正を背景とした訪日旅行の割安感等により、タイやマレーシア等のASEAN諸国からの旅行者が増加し、外国人入国者数が1,125万人と発表されました。2020年のオリンピック・パラリンピックの東京開催がこうした流れを加速することは疑いの余地のないところです。 新宿のまちを訪れる多くの外国人観光客とのコミュニケーションを図り、交流を深め、互いの文化を理解し合うためにも、外国語の習得は大変重要と考えています。 語学力アップの方策として、区立中学校では、日ごろの英語学習の成果をスピーチや英語演劇で発表し合う「新宿区立中学校英語学芸発表会」を毎年夏休みの期間に開催し、ことしは30回目を迎えます。 また、新宿区内には、多くの専修学校、各種学校や日本語学校が集積しており、1万人を超える留学生が居住しています。新宿未来創造財団と四谷ライオンズクラブの共催により、来日2年以内の外国人を対象とした日本語スピーチコンテスト「しゃべれおん」を新宿文化センターで毎年開催しており、ことしで22回目を迎えます。 こうした区内の小・中学生や留学生から東京オリンピック・パラリンピックの運営に語学ボランティアとして携われる人材を数多く育成できるよう、未来創造財団や関係機関とも協力して取り組みを強めてまいります。 次に、国際都市新宿としての多文化共生のまちづくりについてのお尋ねです。 現在、新宿区には国籍数では110カ国以上、人口で3万4,000人以上の外国籍の方が暮らしており、新宿区民の10人に1人が外国人です。都内でも、外国人住民の率が最も高い自治体です。 区では、こうした多様な人々が集うまちにあって、互いの文化を理解しながら地域でともに生活し、多様性をまちの魅力として広く発信する多文化共生のまちづくりを区政の重要課題の一つとして進めてまいりました。 今後も、文化や生活習慣の違いから来るさまざまな課題を地域で連携しながら解決して、世界に開かれた懐の深い新宿区をつくる努力を粘り強く続け、日本人と外国人住民がともに安心して暮らせるまちづくりに取り組んでまいります。 次に、成人式についてのお尋ねです。 ことしの成人式の対象者は3,344人で、そのうち外国籍の方は1,103人でした。また、参加者数は約1,300人で、そのうち外国籍の方は約100人となっています。 成人式は大人になったことを自覚して、みずから生き抜こうとする新成人の皆さんをお祝いし、励ますための式典です。式典と立食パーティの形式による区の成人式は、昔の友人や仲間と歓談するとともに、同年齢の多くの方と交流する場であり、外国籍の方にとっては日本の文化に触れることができるよい機会と考えています。 新宿区は、外国籍の方も含め、多くの夢を持った若者が集まるまちです。今後は、しんじゅく多文化共生プラザに集う団体や学生サークルなどと協力して、成人式記念式典会場に外国籍の方との交流の機会を設けるなど、外国籍の方に新宿のまちの魅力を知ってもらえるよう開催方法を工夫してまいります。 次に、心のバリアフリーをどのように展開するかについてのお尋ねです。 区では、区民一人ひとりが互いの多様な個性を理解し合い認め合うとともに、地域の一員としてともに生きていくことを目指しています。このため、コミュニティ施策や福祉施策、多文化共生施策等を通して、地域や企業、福祉団体、NPOなどとともに、心のバリアフリーの取り組みを進めてきています。各地区の地域センターや地区協議会、区立障害者福祉センターでは、高齢者や障害者をはじめ、多くの地域の方や団体・企業が参加する中で、センターまつりや声かけ運動、防災講座等、互いに支え合う取り組みが行われています。 また、外国人区民も参加する中での4言語による「災害時のセーフティカード」の作成や障害者が周囲の配慮や手助けをお願いしやすくするための「ヘルプカード」の普及啓発を通して、相互理解を進めてきています。そして、新宿未来創造財団と連携し、障害者をはじめ、誰もが参加できるアダプテッド・スポーツの普及等に努めてきているところです。 今後も、さまざまな区事業や地域・企業・各種団体との取り組みを通して、心のバリアフリーを促進し、誰もが心通じ合えるコミュニティの醸成に努めてまいります。 次に、歩道上の看板や品物の陳列についてです。 歩道上の看板や品物の陳列は、歩行者の通行の妨げとなるばかりでなく、まちの景観を損ねる原因となっています。このため区は、これまでも違反物件の是正指導や撤去活動を行ってまいりました。これにより、従来よりも違反看板等が減少するなどの成果もあらわれていますが、店舗等によっては、繰り返し看板や品物が道路上に置かれるなどのケースも見受けられます。 今後、オリンピック・パラリンピックの開催により、内外から多くの方々が新宿のまちを訪れます。区は、これをまちの美観向上の機運を盛り上げる絶好の機会と捉え、地域の方々を中心に国や東京都ともこれまで以上に連携をとりながら、新宿区が魅力的なまちとなるよう道路利用の適正化に取り組んでまいります。 次に、広報の充実についてのお尋ねです。 新宿区は、賑わいある繁華街、坂と石畳の粋な町並み、水辺や緑豊かな住宅地など多彩な顔を持ち、夏目漱石をはじめとする多くの文化人の足跡に加え、アートやファッション等の多彩なイベントなど、魅力ある観光資源がそろうまちです。 これら新宿区の財産とも言うべきさまざまな資源については、広報しんじゅくの1面や裏表紙になる8面に掲載をし、区民にわかりやすくお知らせするとともに、ホームページやツイッター、フェイスブックでも積極的に情報発信に努めております。また、多くの区民にごらんいただけるよう新聞折り込みのほかに、区施設を初め、区内の駅、郵便局、スーパーやコンビニ、公衆浴場など、合わせて318カ所での配布に加え、2,700を超える区民に自宅への戸別配布を行っております。 今後は、広報しんじゅくに観光資源を紹介するコーナーを設けるなど、紙面づくりも工夫しながら、多くの区民が多様な媒体を通して情報が入手できるようホームページ、広報番組、大型街頭ビジョンなどさまざまな手段を活用してPRを進めます。 さらに、これらの区の情報発信に加え、この6月にスタートする一般社団法人新宿観光振興協会と一体となって、オール新宿での新宿の魅力の発信に努めてまいります。 次に、外濠の水質改善についてのお尋ねです。 外濠は、江戸城の外郭をしのばせる貴重な歴史的財産であると同時に、新宿区にとって都市に潤いと品格を与える貴重な水辺とみどりの資源です。 一方で、御指摘のとおり、外濠には臭気や藻の発生などといった水質の課題があります。今回のオリンピックでは、外濠の沿道がマラソンコースに予定されており、水質の改善は喫緊の課題であると認識しています。区としては、水質の問題を解消し、外濠を新宿のイメージアップにつながるよう魅力ある場所にしたいと考えております。 東京都においても、外濠の水質を課題と捉え、その対策の検討を行っていると聞いていますが、今後、外濠が多くの方に潤いを与え、より親しまれる水辺空間となるよう、国や東京都に働きかけてまいります。 次に、公衆便所の整備についてです。 市谷見附公衆便所と牛込見附公衆便所には、全て和式便器が設置されています。この2つの公衆便所がオリンピックのマラソンコースに当たることから、今後洋式便器の設置など、施設改修を検討してまいります。 次に、クリーン作戦の拡大についてのお尋ねです。 区では、歌舞伎町クリーン作戦のほか、新宿駅及び高田馬場駅周辺でのポイ捨て防止・路上喫煙禁止キャンペーン、春のごみゼロデー、秋のごみゼロ運動等を通じて、町会、商店会、事業者、ボランティアの方々と協働・連携し、区内全域でのまち美化活動の普及啓発に努めています。 きれいなまちづくりには、協働による取り組みが不可欠です。 区は、今後ともキャンペーンや各種掲示物による普及啓発はもとより、ボランティアへの用具の貸し出し等の支援によって、自分たちのまちを自分たちできれいにする清掃活動と美化意識の向上に積極的に進めてまいります。 ◆34番(小松政子) 質問の第3は、耐震化支援事業についてお伺いします。 昨年12月、政府の中央防災会議は30年間に70%の確率で起きるとした首都直下地震の被害想定を公表しました。それによると、死者2万3,000人、避難者720万人、経済被害額95兆円と報告書には衝撃的な数字が並んでいました。また、現在計画が見直されている新宿区耐震改修促進計画(素案)においては、東京湾北部地震(マグニチュード7.3)の新宿区の被害想定は、死者293人、負傷者6,792人、建物全壊棟数3,683棟と示されています。 さきの中央防災会議では、建物の耐震化や出火防止、住民による初期消火訓練といった対策を進めれば被害は大幅に減らせると指摘、改めて「事前の備え」を急ぐ重要性を認識するものであります。 中でも建築物の耐震化は、区民の生命と財産への被害を最小限にとどめる最も重要な対策の一つであると考えます。阪神・淡路大震災の被害でも死者数の8割以上が建物の倒壊によるものであり、建築物の耐震化を進めることは倒壊及び倒壊に伴う出火による死者数を減少させることにつながります。 1点目の質問は、区はこれまでも耐震化支援事業については、先駆的に取り組み、大きな成果が上がっていると認識しています。しかしながら、耐震診断の件数に対して耐震改修工事の件数が少ないように感じますが、その原因や理由をどのように考えているのか、お聞かせください。 2点目は、耐震化支援事業の制度周知についてです。 建築物の耐震化を促進するには、建築物所有者が耐震化の必要性や重要性について十分に認識することが極めて重要であります。新宿区の制度は、かなり充実しており、現在、区の広報・ホームページ・パンフレット等やさまざまなイベント、防災訓練などの機会を通して周知・啓発活動を行っており、高く評価いたします。 一方、平成25年度第1回区政モニターアンケートでは、建築物等耐震化支援事業について「聞いたことはあるが、よくわからない」と回答した人が37.8%、「知らない」と回答した人が38%、また耐震補強工事を行っていない理由に「集合住宅のため自分の考えだけではできないから」と答えている人が45%います。 それ以外にも耐震診断を行っていない理由として、「テナントとして入居しているので、建物には手がつけられない」「集合住宅に賃貸入居しているが、建築物所有者が居住していないため、耐震化が進まない」などの声も聞かれます。 これらの状況を踏まえると、耐震診断から工事だけではなく、耐震ベッド・耐震シェルターへの支援などメニューが多岐にわたることも含め、制度全体を広く周知していくことがさらに求められます。 そこで耐震化の促進を図るため、対象建築物で耐震診断の未実施な建築物所有者等に対し、区の制度や耐震化の必要性、重要性がわかるような簡易なチラシ的なものを配布することはできないでしょうか、お考えをお聞かせください。 3点目は、建築物の耐震化に対する支援制度についてです。平成19年10月に区内の事業者を対象に行った「新宿区内事業所の防災対策の実態に関するアンケート調査」によると、「建築の耐震に関して行政に望むこと」については、「耐震診断・耐震補強に対する補助金制度」との回答が5割強で最も多く、現状においても事業者に限らず、補助金制度や融資制度の充実を望む声が多くありました。 区は、これまでも建築物の耐震化への助成制度は充実してこられましたが、例えば、年金生活の高齢者の方が耐震診断を行い、改修工事の必要性ありと診断された場合でも、補助金以外の自己負担分の資金調達ができず、耐震化を断念せざるを得ないケースなどもあります。 そこで、建築物の改修について区からの補助以外の自己負担分を借り入れで賄う場合、自己所有の不動産などを担保として借り入れし、耐震化を促進させるなど、関係金融機関に働きかけ、融資制度を構築すべきと考えますが、お考えをお聞かせください。 以上、御答弁願います。 ◎区長(中山弘子) 耐震化支援事業についてのお尋ねです。 まず耐震診断の件数に対して、耐震改修工事の件数が少ない原因や理由についてです。 耐震診断と耐震改修工事では、耐震改修工事費助成に所得制限を設けるなど助成要件が異なることや助成制度を活用しないで耐震化を実施している方もいることから、その件数に差が生じていると考えられます。 耐震診断が耐震改修工事につながらない理由として、木造住宅では、工事費の資金準備が困難な場合などが挙げられます。また、分譲マンションでは居住者の高齢化や所有者みずからが居住していないことなど、関係者のさまざまな事情が耐震改修工事に向けた合意形成を難しくしています。 一方、住宅の耐震化率を見ると、平成19年3月の83.6%から平成25年3月には88.2%に増加しており、耐震化は着実に進んでいます。これは、新宿区の耐震化支援制度が他区の制度に比べて手厚くなっていることが一因であると考えられることから、まずは、この支援制度の一層の周知を図ってまいります。 さらに、木造住宅については、資金の準備が比較的容易な簡易耐震改修や耐震シェルター、耐震ベッドなど多様なメニューの周知を図るとともに、分譲マンションについては、耐震改修に向けた合意形成の円滑化を図る耐震アドバイザー派遣制度の周知を図り、一層の耐震化を推進してまいります。 次に、耐震化支援事業の制度周知についてのお尋ねです。 御指摘のように、耐震化の必要性や区の支援制度を簡潔にまとめたチラシの配布などにより、わかりやすく耐震化支援事業の普及・啓発することは大変重要であると考えております。 区では、「耐震化モデル地区事業」や耐震化のための「マンション啓発隊」事業による戸別訪問の際に制度周知のためのチラシを配布してきました。 今後は、支援制度などの全体像や重要なポイント、活用のメリットなどをわかりやすく簡潔にまとめたチラシを作成・配布し、より効果的な制度周知を図ってまいります。 次に、建築物の耐震化に対する融資制度についてのお尋ねです。 御指摘のとおり、区ではこれまで助成制度の充実を図ってきたところですが、自己負担分の資金調達が困難なケースもあります。そこで、新宿区耐震補強推進協議会を通じ、会員でもある金融機関に対して、年金生活の高齢者の方などでも借り入れしやすい融資制度の創設を働きかけてきました。 こうした働きかけにより、今年度一部の金融機関が高齢者でも借り入れが可能な木造住宅の耐震改修工事への融資制度を創設しました。この制度を活用すると、工事費用から新宿区の補助金相当額を控除した額に対して500万円まで無担保で借り入れが可能となります。 今後も新宿区耐震補強推進協議会と連携し、高齢者を含めた全ての人にとって利用しやすい支援事業とすることで、いつ起きてもおかしくない首都直下地震などに備え、時間との競争の中で一日でも早い全ての建築物の耐震化に取り組んでまいります。 ◆34番(小松政子) 質問の第4は、子育て支援の充実についてです。 我が党は結党以来、福祉の党として一貫して子育て支援に取り組んでまいりました。女性も働きながら子育てするのが一般的な時代になった今、子育ての負担を過重にしない支援策と生活を犠牲にしない働き方、この2つを大きな柱として、児童手当の拡充を初め、出産育児一時金や保育サービスの充実などの経済的支援と育児休業をとりやすい環境づくりや女性の再就職支援などを大きく進めてまいりました。 これらのことを踏まえ、4点にわたりお伺いいたします。 1点目は、待機児童の解消についてです。 区は、昨年4月に待機児童解消緊急対策を打ち出し、予算計上も含め、取り組みを大きく加速してきました。その結果、平成26年4月1日までに、認可保育所と認定子ども園で6所、保育ルーム3所を開設し、保育の受け入れを527名拡大することを平成25年度区議会第3回定例会の記者会見で発表されました。 この緊急対策では、箪笥町特別出張所管内を中心とした地域に力を入れましたが、来年度の申し込み状況を踏まえ、どのように分析されているか、お伺いします。 2月12日の文教子ども家庭委員会の質疑の中で、来年度の待機児童が落合地域で発生する可能性が高いとの報告がありました。こうした新たな変化に対して重点的な取り組みをすべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。 2点目は、1歳児枠の拡充における対策についてです。 安心して育児休業制度を活用していただけるように、4月に開設する認可保育所と保育ルームでは、対象年齢を1歳児からとしました。昨年4月時点の1歳児の待機児童数は81名でしたが、本年4月の時点では受け入れ枠が何名拡大し、1歳児の待機児童数をどのように見込まれているのか、お伺いいたします。 また、1歳児の待機児童解消のために、今後も受け入れ枠を拡充していくべきと考えますが、御所見をお聞かせください。 3点目は、子ども・子育て支援新制度についてです。 現在、政府の子ども・子育て会議では、現行の「保育に欠ける」事由を平成27年度からの新制度では、就労時間に係る下限を月48時間から64時間の範囲で市町村が定めることになると報道でも取り上げられました。 現在、区では保育の実施基準の下限を「保育園・子ども園の開園時間帯に週12時間以上の就労を常態とする」としていますが、求職中の場合でも条件つきで申し込むことができます。新制度への移行に伴う下限基準については大きな影響はないものと思いますが、現段階において課題をどのように分析されているのか、お伺いいたします。 4点目は、新宿区における子ども・子育て支援事業計画についてです。 現在、区では次世代育成支援計画の次期計画策定とあわせて保育事業等の推計ニーズ量の把握を行い、子ども・子育て支援事業計画を包含する調査を行っています。 この調査結果をもとにニーズ量を検討し、来年度は専門部会で具体的な事業計画の素案を検討することとしています。このニーズ量の検討作業については、その都度区民に公表していくことが大切であると考えます。 ここでお伺いします。 昨年末に国からニーズ量推計の作業手引きや基本指針の提示が行われる予定であったと聞き及んでいますが、その内容を区民にわかりやすく御説明ください。 また、平成26年度の子ども・子育て支援事業計画の策定に関しては、子育て支援の全体像をより丁寧に理解しやすいように説明することが大切です。この点、どのようにお考えか、お伺いいたします。 以上、御答弁願います。 ◎区長(中山弘子) 子育て支援の充実についてのお尋ねです。 初めに、待機児童解消についてです。 2月初旬に締め切った平成26年4月入園の新規申込者数は1,678名で前年比166名の増となっています。待機児童数が急増した昨年4月入園の申込者数が219名の増だったことに比べ、増加率は頭打ちになっていることと、区がこの1年で527名分の定員拡大を行っていることを考え合わせれば、本年4月の待機児童数は一定の改善が見込めるものと予測しています。 また、落合地域での待機児童対策に重点的に取り組むべきとの御指摘についてですが、落合地域は認証保育所も少なく、保育受け入れ枠の整備率が他地域と比べて低くなっており、申込者数も近年増加傾向にあります。 こうしたことから、今後は落合地域を中心に必要な整備を進めたいと考えております。 次に、1歳児枠の拡充における対策についてです。 満1歳まで取得できる育児休業を切り上げてゼロ歳児枠に申し込むという事例が多く見られることから、1歳児の待機児童解消のため、平成26年度に開設する私立認可保育所4園はゼロ歳児枠を設けず、1歳児からの受け入れ園として整備し、本年4月の時点での1歳児の受け入れ枠は、平成25年度との比較で108名拡大となります。これにより、1歳児の待機児童の状況について一定の改善が見込まれるものと考えております。 今後も1歳児の保育需要を把握しながら、必要に応じた整備を進めてまいります。 次に、子ども・子育て支援新制度についてのお尋ねです。 御指摘のとおり、新制度の保育認定における就労時間の下限については、現行制度の実態を踏まえ、1カ月当たり48時間以上64時間以下の範囲で区市町村が定めることが基本とされています。 区では、保育園・子ども園を利用している保護者の方の便益を損なうことがないよう十分配慮したいと考えていますので、下限時間についても適正に定めていく予定です。また、求職中の方も含め、現行制度で入園申し込みができる方については、新制度においても保育認定することができますので、大きな影響はないと考えています。 次に、現段階における新制度の課題をどのように分析しているかのお尋ねです。 新制度では、現行の保育時間に相当する「保育標準時間」に加えて、「保育短時間」の区分を設けることが決定されています。「保育短時間」の区分があることにより、短時間就労の保護者の方が保育園・子ども園に入園しやすくなることが期待されているところですが、「保育短時間」を実効性のある制度に組み立てていけるかが、今後の課題であると捉えております。 次に、子ども・子育て支援事業計画についてのお尋ねです。 初めに、子ども・子育て支援事業計画策定の基礎資料となるニーズ量推計のための作業の手引きや基本指針についてです。 国からは、作業の手引きが本年1月下旬にずれ込んで提示されました。これを受け、次世代育成協議会の専門部会では、早々にニーズ量推計等について調査、協議を始めたところです。専門部会では、国から示された作業の手引きや基本指針をわかりやすく加工し、説明を行っており、部会で使用した説明資料等については、随時区のホームページで区民の皆様にお示ししてまいります。 次に、子育て支援の全体像の区民への説明についてです。 子ども・子育て支援事業計画は、平成27年度からの次期「新宿区次世代育成支援計画」に内包され、地域における子育て支援のネットワークや多様な子育て支援施策と有機的なつながりを持って機能するものです。 区では、本年秋を目途に、子ども・子育て支援事業計画を含む次世代育成支援計画素案を作成します。その後、広く区民の皆様の御意見を伺うため、パブリックコメントを実施するとともに、それぞれの地域で説明会を開催していく予定です。説明会等では、子育て支援のあり方や両計画の関係、内容等を区民の方がより理解を深められるよう資料作成や説明方法等についても工夫してまいります。 こうした取り組みにより、区民の皆様の御意見をいただきながら、これまで以上に子育てしやすいまちと感じていただけるよう、子育て支援の充実に努めてまいります。 ◆34番(小松政子) 質問の第5は、健康寿命の延伸についてです。 本年のある新年会で米寿のお祝いを受けた方が「私の88年を祝っていただき涙が出ます」と謝辞を述べられているお姿に私は大変感動しました。88年間を生きてこられた人生の大先輩の存在ほど私たちを勇気づけるものはありません。その新年会に参加して、私は「自分なんかまだまだこれからだ」という清新な勇気をいただくことができました。 文部科学省超高齢社会における生涯学習のあり方に関する検討会報告書の書き出しに「本来長寿社会というのは人類が夢見た社会であり、それを実現した社会はすばらしいはずであるのに、それが『課題』や『問題』と意識されてしまう背景には、高齢者を『既に役割を終え、社会から支えられる者』という従来の高齢者観が反映されていることが考えられる」とありました。まさに、そのとおりでありましょう。 内閣府の高齢社会対策の基本的あり方等に関する検討会委員を務めた関芙佐子横浜国立大学准教授は、「長寿社会と総人口の長期的な減少は、人類の長い歴史でも初めてのこと。発想を転換すれば新しい社会のあり方を描く好機とも言える」と述べています。 高齢になっても元気でいきいきと暮らせる社会をどう築くか。そのためには、一人ひとりが自身の健康維持に努力する意識啓発が必要です。 1点目の質問は、健康維持へのインセンティブについてです。 新宿区健康づくり行動計画素案に対するパブリックコメント等の意見の中に「健康づくりに自覚がない人に意識を持って実践してもらうのは大変なこと、夫に運動を勧めても、保健所の催しを勧めても本人は動かない。このような人への動機づけは大変難しい」とありました。かくいう私もコレステロール値が高いにもかかわらず、食生活の改善に真剣になれなかったのですが、ある書物の中で「生活習慣こそが問題。2型糖尿病を悪化させ人工透析が必要ともなれば、年間500万円から600万円の医療費がかかる」というくだりの文章に出会って目が覚めました。自分の健康は自分だけのことにあらず、社会のためにも必要なのだということを理解しました。新宿区は、日本経済新聞社の高齢化対応度調査で第3位の高評価を受ける自治体でありますが、どんなに充実したサービスも受け手の心構えが大切です。区民へのインセンティブをどのように高めていかれますか、お伺いします。 2点目の質問は、区民に親しまれる保健センターについてです。 保健センターは、地域の保健活動の拠点として区民の健康の保持及び増進を図るために設置された施設でありますが、出張所や地域センターほど区民に親しまれているとは思えません。小さな子どものいる御家庭では、予防接種や定期健診等で一時期利用する機会がありますが、子どもが育ってしまうと、また縁遠くなってしまうようです。 先般、福祉健康委員会で戸山ハイツにある「暮らしの保健室」を視察しました。小規模であるからかもしれませんが、大変親しみやすい雰囲気でした。保健センターも身近な区民の健康づくりに役立つ施設として、誰もが気軽に訪れ相談のできる施設であるべきですが、少し敷居が高いようです。区民の健康づくりをさらに強化するには、保健センターの区民に親しまれるための努力が必要と考えますが、御所見をお伺いします。 3点目の質問は、保健所におけるエイズ検査の周知努力についてです。 昨年検査目的の疑いのある献血血液を輸血された患者2人のうち1人がHIVに感染していることが確認されたという衝撃的なニュースがありました。保健所が匿名でしかも無料でエイズ検査を実施していることが、もっと社会に認知されるべきです。昨年のあってはならない事故の報道を受け、新宿区として保健所でのエイズ検査の周知徹底及びより検査を受けやすい環境整備のあり方について検討・改善をされたのかどうか、お伺いいたします。 4点目の質問は、まさに本日2月24日、女性の健康支援センターが四谷保健センター内に開設されましたが、総合的な女性の健康づくりの拠点として区内全域の女性の皆様にぜひ支援センターを知っていただきたいと心から願うものであります。特に若い独身の女性は、婦人科に足を運びにくいものです。どんなことでも御相談くださいとのスタンスで広報活動に当たっていただきたいと思いますが、今後の周知活動についてお聞かせください。 5点目の質問は、食育ボランティア制度の充実についてです。 厚生労働省が昨年2月に発表した平均寿命に関する調査で、男女ともに長寿日本一となった長野県の佐久市に昨年10月、福祉健康委員会で視察に行きました。かつて塩分の摂取が多く、平均寿命も長いほうではなかった佐久市が保健補導員制度による草の根の食生活改善運動で平均寿命を延ばしたことを学びました。保健補導員は長野県各地で制度化されており、県内女性の5人に1人が経験をしていることになるそうです。保健補導員を経験したことで健康意識が高まり、野菜摂取の増加や減塩に努めるようになったとの声も寄せられているとか。私は、新宿区の食育ボランティア制度がこの「保健補導員制度」に非常によく似た制度ではないかと思うのですが、食育ボランティアの活躍の場の拡大を御検討されてはいかがでしょうか、御所見をお伺いします。 6点目は、健康生活に向けた環境整備について質問します。 足立区は、「あだちベジタベライフ~そうだ、野菜を食べよう~」をキャッチフレーズに企業・団体と協力しながら糖尿病対策を強力に展開しております。野菜を食べる環境づくりとして、北足立市場と覚書を結び、野菜の専門家の立場から「旬に合わせた野菜のおいしさや効能」などの区民向け情報の提供を受けています。また、野菜や野菜惣菜の販売、野菜たっぷりメニューやベジファーストメニューの提供で、野菜を食べやすい環境づくりに貢献する「あだちベジタベライフ協力店」を現在の20店舗から200店舗に拡大すること、さらに「血糖値はかり隊」による簡易血糖値チェックを成人式・区民まつりなど6イベントで1,200人実施と具体的な目標値を決めて取り組むそうです。 こうした健康的生活への環境づくりは、行政としての力の見せどころではないかと思いますが、区はどのような工夫を考えているのか、お伺いします。 7点目は、労働寿命の延長についてです。 元厚生労働大臣の坂口力氏は、長寿日本一の長野県が現在もなお病院嫌いの人が多い中、野菜摂取量・高齢者の労働率がともに全国一であることに着目し、「労働寿命」の延長こそ高齢社会を乗り切る道であると提案しています。 内閣府が2009年に行った「高年齢者の地域社会への参加に関する意識調査」では、60歳以上の人の約9割は65歳以上まで、約7割は70歳以上まで働きたいと考えているとのことです。現役シニアが活躍できる環境整備に、シルバー人材センターの改革、そして社会福祉協議会ボランティアセンターのプラットフォーム機能の強化が必要と考えますが、御所見をお伺いします。 以上、御答弁願います。 ◎区長(中山弘子) 健康寿命の延伸についてのお尋ねです。 初めに、区民に対する健康維持へのインセンティブをどのように高めていくかについてです。 健康は全ての人々の願いであり、明るく活力のある社会の構築のためにも、かけがえのないものです。 区では、区民一人ひとりの健康づくりを支援するため、気軽に相談できる環境づくりやわかりやすい健康情報の提供を行っています。この中で、女性には健康は美しさにつながること、中高年層には第二の人生の充実には健康維持が大切なことなど、各自が健康づくりに意欲的に取り組めるよう、対象や年齢に応じたメッセージを健康教育に込めるなどの工夫をしています。 今後も地域で健康づくりの輪が広がるよう、区民同士の仲間づくりや日ごろから気軽にかかりつけ医に相談できるような環境づくりを進め、まち全体の健康づくりへの機運を盛り上げてまいります。 次に、区民に親しまれる保健センターについてのお尋ねです。 保健センターは、地域の保健活動の拠点として母親学級や乳幼児健診、健康教育、こころの相談など乳幼児から高齢者まで幅広い年代及び幅広い健康分野の事業を行っています。また、精神疾患や難病などの医療費助成の窓口となっています。面接だけでなく、電話相談や家庭訪問などを行い、支援サービスにつなげるなどの相談対応もしています。 関係機関である地域の民生委員やかかりつけ医、地域団体、福祉施設などと連携をとりながら、保健センターが誰もが気軽に相談できる施設であることをさまざまな事業を通じて、今後も積極的に発信してまいります。 次に、保健所におけるエイズ検査の周知と受けやすい環境整備についてのお尋ねです。 エイズ検査については、これまでも広報しんじゅくやホームページ、アルタビジョンなどをはじめ、「はたちのつどい」などで若年者を対象とした予防に関する普及啓発や検査の周知を行っています。 また、新宿の地域特性を踏まえ、外国語による電話案内や民間の患者支援団体等と連携した検査情報の提供など、情報が届きにくい層に対しても積極的に周知を図っています。 受けやすい検査環境については、夜間検査などを実施するほか、外国人への相談対応ができるよう外国語のカウンセラーを配置するなど環境整備に努めています。 今後も検査を希望している方が保健所の検査に確実に結びつくよう、特に感染者の多い若い世代などへの普及啓発を行うとともに、受けやすい検査の環境整備により一層努めてまいります。 次に、女性の健康支援センターの周知活動についてのお尋ねです。 このたび開設した女性の健康支援センターでは、広く区民にこの施設を知っていただくため、3月8日に女性の健康週間に合わせ、センターのオープン機能を兼ねたイベントを開催します。 女性の健康支援センターでは、来所者が自由に健康情報の収集や血管年齢などの測定ができるコーナーを設置するとともに、女性医師による健康専門相談を実施するなど、気軽に相談できる体制を整えています。 また、女性の健康支援センターの機能や世代別の健康課題を掲載したわかりやすいリーフレットを作成し、各特別出張所や図書館、児童館、子ども家庭支援センターなどの関係機関に配布し、周知に努めているところです。 今後もこれらの取り組みを継続するとともに、20歳、30歳、40歳の女性に送付する女性の健康手帳にも女性の健康支援センターに関する情報を盛り込むなど、広く周知をしてまいります。 次に、食育ボランティア制度の充実についてのお尋ねです。 平成20年に発足した食育ボランティアの登録者数は、現在84名です。区の食育ボランティア制度は、登録者それぞれの資格や経験を活かして、多様な食育活動ができるよう研修を通じて育成し、地域において自主的な活動を展開していくというものです。 これまでの主な活動は、児童館・学童クラブでの親子料理体験、地域センターでの高齢者会食グループや障害者施設での食事づくりなどです。 昨年行った正しい箸の使い方の啓発を目的とした「箸の講座」のように、食育ボランティアが自主的に食育活動を企画し、実施につながるような研修を充実させ、活動の拡大を支援してまいります。 また、高齢期の低栄養予防を目的としたシニアを対象とする食育講座の検討も進めてまいります。 今後とも食育ボランティアがやりがいを持ち、地域の健康づくりのリーダーとして活躍してもらえるよう支援してまいります。 次に、健康づくりに向けた環境整備についてのお尋ねです。 区は、区民の健康づくりを推進するため、健康を支援する環境づくりも重要であると考え、取り組みを進めています。 食を通じた環境づくりとして、「食育推進ネットワーク」の構築に向けて、昨年7月に準備会を実施しました。準備会には、区内の食品事業者、青果店、保育園、図書館、高齢者給食グループの方などの参加がありました。この食育推進ネットワークを通じて、食に関する情報提供がされたり、連携や協働を強化して多様な取り組みがなされることにより、社会環境整備を進めることを目指しています。 また、平成20年度からメニューコンクールを実施しており、今年度は優秀作品のレシピカードを作成し、地域のスーパーマーケットで配布したり、学校給食や区役所の職員食堂でメニューを取り入れるなどの周知を行うことにより、地域の健康づくりに広がりを持たせることができました。 区は今後も区民が健康に生活できるよう、環境整備に取り組んでまいります。 次に、労働寿命の延長についてのお尋ねです。 初めに、新宿区シルバー人材センターの改革についてです。 団塊の世代が65歳を迎え、定年退職等に伴い地域に活動の場が移行していく中で、就労や社会参加の意欲を持つ高齢者が地域で活躍できる環境を整備することは重要です。 これまでシルバー人材センターでは、就業機会の確保・拡大と社会貢献活動の推進に努めてきました。今後も地域が求めるニーズと高齢者の就労ニーズにマッチした新たな分野への就業開拓や就業機会の創出に積極的に取り組むよう、区は連携・支援を強化してまいります。 次に、新宿区社会福祉協議会ボランティア・市民活動センターのプラットフォーム機能の強化についてです。 地域での活動に関する総合相談窓口、情報提供などについては、ボランティア・市民活動センターが担っています。高田馬場事務所に加え、平成26年2月に区の東地区を担当する東分室を開設し、ボランティアや地域活動の支援拠点を拡充します。そして、地区ボランティア交流会などを活用し、ボランティア活動のPRを行い、地域での支え合い活動の担い手をふやしていきます。 さらに、平成26年度からは、四谷、牛込、大久保、落合、淀橋の5カ所のボランティア・地域活動サポートコーナーに加え、若松町特別出張所内に新たに1カ所を設置して、相談しやすく気軽に来所できるコーナーとしてまいります。 区では、このように支援拠点の拡充などを通じ、プラットフォーム機能を強化し、現役シニアの方々を含め、地域の皆様の社会参加やボランティア活動の機会を拡充してまいります。 ◆34番(小松政子) 質問の第6は、地域協働学校(コミュニティスクール)の推進についてです。 ある識者の提言に、「全ての子どもの生命にある『伸びゆく力』と『創造力』を開花させるのは、やはり教育の現場、また家庭や地域における人格と人格の触発以外にないと思う。そのため、私ども大人が目指すべき教育と社会の関係は、『教育のための社会』であり、社会のために教育があるのではないという意識こそが重要である。教育のために社会があり、国家があるのだと私どもが発想を大きく転換して、21世紀こそは子どもたちが『生きる歓び』に輝く世紀としていきたい」とあります。 まさに一部地域とはいえ、新宿区の地域住民、保護者、教職関係者によって学校の運営に参画する「新宿型地域協働学校・コミュニティスクール」の推進は、質の高い学校教育として高く評価するものであります。 モデル校や準備校の現場から、「学校と地域が情報を共有するようになった」「地域と連携した取り組みが組織的に行えるようになった」「学校に対する保護者の理解が深まった」等、多くの方々から、この制度に満足されているという声をいただいています。 そこで1点目の質問は、2006年から慎重に準備・推進してきた「新宿型コミュニティスクール」を教育委員会としてどのように総括されていますか、今後の区内における導入校の計画も含め、お聞きします。 2点目の質問は、実施校であれ、準備校であれ、関係者の方々は、この事業に着実な手応えを実感されています。しかし、準備校の校長のお話では、この新しい学校運営のスタイルがそれぞれの地域でまだまだ理解されていないことに対して、大変に御苦労されているとのこと。 確かに、今までの、ただ学校を支援するという形から一歩踏み出して、学校経営に地域がどのように参画すればよいのか。まさに地域ごと、学校ごとにさまざま試みていかねばならないことが生じるのではないでしょうか。今までの事例も含めて、教育委員会として、こうした課題に対して、どのような方策やお考えをお持ちか、お聞かせください。 3点目の質問は、先月四谷地区の四谷第六小学校、四谷中学校を文教子ども家庭委員会で視察しました。 一般的な学校支援から学校経営や運営に参画するという大きな変化は、一定期間の準備に、また環境づくりに時間がかかってしまうのも無理のないことだと思いました。もちろん、最初のモデルといったこともあったかと思いますが、できれば、今後毎年の準備校の指定も手挙げ方式のままではなく、なるべく多くの学校が少しでも早くスタートできるような仕組みをつくるべきと考えますが、教育委員会のお考えをお聞かせください。 4点目の質問は、2点目の質問に関連しますが、「新宿型コミュニティスクールとはどんな特徴を持つ仕組みなのか」「学校運営協議会の委員は、どんな選出方法でどのようなメンバーなのか」について説明ください。 また、地域協働学校になると、どのような成果を生み出し、導入したことによる課題として何があるのかなど、学校関係者や地域の方々などへの啓発として、そろそろ区内全域的に広報するべきと考えますが、いかがでしょうか。学校教育システムを大きく変革するパワーとなる、このコミュニティスクールは、「地域とともにある学校づくり」であり、今国を挙げて推進する機運の中にあるのですから、区としてもすばらしいモデル校をより多く誕生させていただきたいと考えます。 教育委員会のお考えをお聞かせください。 以上、御答弁願います。 ◎教育長(酒井敏男) 「地域協働学校」の推進についてのお尋ねです。 初めに、これまでの取り組みの総括についてです。 地域協働学校は、地域・保護者の学校運営への参画による教育活動の充実と地域コミュニティの活性化を図り、子どもたちを地域全体で育んでいくことを導入の目的としています。 先行実施校では、地域協働学校の概念の共有化から初め、協議会の立ち上げや進め方、学校と地域と行政が一緒になって討議を行い、地域・保護者の方とともに運営する学校の実現に向け、一歩一歩進んできたと考えています。 平成23年度は、協議会の組織や実践活動の視点から、実施校の取り組み内容の検証を行いました。協議会の役割としては、学校支援が主となりがちな傾向があったものの、学校と保護者・地域の相互理解が深まっていること、学校支援活動を通して地域の連携につながっていることなど、一定の成果を上げていると考えています。 今後の計画については、四谷地区での実績を踏まえて、平成24年度に各校へ意向調査を行った結果、来年度には3校、平成27年度には11校を新たに指定する予定です。 次に、学校支援から学校運営への参画へと進めていくための方策についてです。 学校運営への参画という新たなステージに移行していくためには、地域の方の理解や学校側の意識改革が必要です。 四谷中学校では、学校評価の評価項目を学校運営協議会で検討し、委員からの意見を踏まえ、地域や保護者の目線で項目を修正したり、新たな項目を入れたりしています。結果についての討議も行っています。また、昨年度実施した研究発表会では、生徒と協議会委員の方で進行するなど地域協働学校ならではの内容となりました。こうしたことは、学校支援から学校参画への変化の一つと捉えています。 このような先行事例の積極的な発信や学校向けのマニュアルを改訂して参画する方へのわかりやすいリーフレットを作成するなど、多様な試みを行ってまいります。 次に、早期指定の仕組みづくりのお尋ねです。 地域協働学校をその目的に沿ったものとして推進していくためには、学校・地域の理解と主体的なかかわりが最も重要なため、導入に当たっては、各校への意向調査を踏まえた実行計画上のスケジュールで進めてまいりたいと考えています。 次に、新宿型コミュニティ・スクールの特徴、学校運営協議会の選出方法、区内全域への広報についてです。 新宿区の地域協働学校の特徴は、国の制度と異なり、協議会に教員の任用に関しての意見を述べたり、校長の学校経営方針を承認するような役割を持たせるのではなく、協働という視点を大切にし、地域・保護者が学校長などと同じ目線で責任感を持って学校運営に携わっていく仕組みとなっています。 学校運営協議会の委員は、学校長がPTAやスクール・コーディネーターなどの学校関係者に加え、地区青少年育成委員、民生・児童委員、町会などから学校運営に理解のある方を選んでいます。 地域協働学校の取り組み内容については、教育委員会の広報紙「しんじゅくの教育」に特集記事を掲載したり、リーフレットを作成するなど周知に努めてまいりました。こうした周知に加え、今後は実際に学校運営に参画するとはどういうことなのかなど、より具体的な内容について各学校や地域での説明会、次年度開催予定のシンポジウムなどで区民に説明を行ってまいります。 モデルとなる学校については、目指す学校運営を大切にしながら各校の特色を活かし、各地域にふさわしい多様なモデル校の設置に努めてまいります。 以上で答弁を終わります。 ◆34番(小松政子) 大変御丁寧な御回答をありがとうございました。 昨日の東京マラソンのテレビ映像の中で、牛込見附付近の外濠の水面が映っていましたが、お世辞にもきれいとは言えない汚濁した緑色でありました。水量・堤ともに現存する外堀の中では屈指の風致地域を預かる自治体として、2020年東京五輪開催の好機を逃さず、外濠の水質改善に努力していただきたいことを申し上げ、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○議長(おぐら利彦) ここで、議事進行の都合により休憩いたします。 △休憩 午後2時52分----------------------------------- △再開 午後3時10分 ○議長(おぐら利彦) ただいまから、会議を再開します。 質問を続行します。 20番阿部早苗議員。     〔20番 阿部早苗議員登壇、拍手〕 ◆20番(阿部早苗) 日本共産党区議団の阿部早苗です。2014年新宿区議会第1回定例会に当たり、区長と教育委員会に会派を代表して質問をいたします。 最初に、区長の政治姿勢について質問いたします。 安倍内閣の「海外での戦争する国づくり」への暴走は、ますます拍車がかかり、この間の衆議院予算委員会で安倍首相は「集団的自衛権行使の判断は、政府が新しい解釈をすることで可能」「憲法改正が必要だとの指摘は当たらない」「政府の最高責任者は私だ。政府の答弁に私が責任を持って選挙で審判を受ける」などと述べ、選挙で勝てば自由に憲法解釈を変更できるとの立場を示しました。これには自民党内からも批判が続出し、憲法が権力行使のあり方を規制する立憲主義を破壊するものだと幅広い層から批判の声が上がっています。 区長は、昨年の第2回定例会で立憲主義に関する我が会派の質問に対し、「憲法を尊重し、擁護することは公務員としての義務であり、憲法改正についても憲法の規定に基づいて行われることは当然」と正当な答弁をされました。安倍首相の発言は、区長の答弁と全く異なり、立憲主義を否定するものだと考えますが、区長はどのように受けとめていますか。安倍首相の一連の発言は、憲法第96条に基づいて国会で発議され、国民投票にかけられて、初めて憲法改正が可能になるという国民主権をも踏みにじるクーデターだと考えますが、この点についても区長の見解をお聞かせください。 安倍首相の異常な歴史認識も国内外で矛盾を拡大しています。昨年末に安倍首相が靖国神社参拝を強行したことは、中国・韓国はもとより、アメリカ政府からも「失望した」との異例の批判を受け、国連事務総長、欧州連合などからも批判されています。戦時中は国民を戦争に駆り立て、現在も侵略戦争を美化・宣伝し、戦争犯罪人であるA級戦犯を犠牲者として合祀する靖国神社を参拝することは、みずからが侵略戦争の肯定者であることを世界に宣言することです。戦後の国際秩序は、日独伊の侵略戦争を不正義と断罪することを共通の土台にしています。安倍首相の靖国参拝は、今日の世界秩序に真っ向から挑戦する行為であり、絶対に許されません。 区長は、安倍首相の靖国参拝について、どのような見解をお持ちでしょうか。また、安倍首相がNHK会長に据えた籾井勝人会長の「従軍慰安婦問題は、どこの国にもあった」などの発言も国内外から厳しい批判を受け、百田尚樹経営委員の南京大虐殺や東京裁判をめぐる発言には、アメリカ大使館から取材に難色を示されるほどです。世界中を敵に回し、近隣諸国との友好という国益を大きく損なう言動は、区長が推進している多文化共生と相入れない行為だと考えますが、いかがですか。お答えください。 ◎区長(中山弘子) 阿部議員の御質問にお答えします。 私の政治姿勢についてのお尋ねです。 初めに、内閣総理大臣の発言等についてです。 集団的自衛権行使に関する内閣総理大臣の一連の発言に対して、さまざまな意見があることは承知をしています。自治体の長としましては、今後も国会での議論を注視していきたいと考えておりますが、憲法の改正や集団的自衛権行使に関する憲法解釈については、現行憲法に即して慎重な議論が必要であると考えております。 また、内閣総理大臣の靖国参拝についても、さまざまな意見があることは承知していますが、何よりも大切なことは、新宿区という地域の中で異なる文化や歴史を持つ人々がお互いに理解を深めながら、日常的に互いに信頼できる関係を地道に築いていくことが重要であると考えております。 ◆20番(阿部早苗) 次に、基本方針説明と財政運営について質問します。 今月行われた都知事選挙では、原発・エネルギー問題が大きな争点となり、原発積極利用を掲げた候補の得票はわずかで、即時原発ゼロを主張する2人の候補の得票合計は約40%、舛添新知事も脱原発を表明しており、圧倒的多数の都民の声は原発からの離脱です。しかし、安倍政権が発表した「エネルギー基本計画案」では、原発を基盤となる重要なベース電源とし、将来にわたって維持・推進し、再稼働を進めるとしています。これは、事故から3年たってもふるさとに帰るめどがつかない原発被災者の願いと国民の民意に挑戦するものです。 区長は、2012年の第1回定例会で「電力を原子力に依存する体制から脱却する必要があると考えている」と答弁していますが、将来にわたり原発を維持・推進する方針をどのように受けとめ、原発再稼働についてはどのような見解でしょうか、答弁願います。 基本方針説明で区長は、内閣府の景気回復の報告をそのまま述べています。しかし、これは一時的なもので、異常な金融緩和や公共事業の積み増しは国の借金をふやすなど、将来に大きなツケを残すことになります。政府はアベノミクスで株高と自賛してきましたが、アメリカが量的緩和縮小を開始したことから、新興国に流れ込んでいた投機マネーが流出し、世界的な株安も起こりました。一時的に株価が持ち直しても、アベノミクスが続けば格差の拡大、金利上昇による消費や投資の冷え込みなどが起こり、矛盾は深化するばかりです。 日本銀行は、消費税増税が見込まれる2014年度の物価上昇見通しを3.3%としており、一部大企業はもうかるかもしれませんが、大多数の国民の苦しみは増すばかりです。投機とバブルをあおるアベノミクスはきっぱりやめ、国民所得と雇用拡大をして実体経済を立て直すことが必要です。アベノミクスとその区民生活への影響についての区長の評価をお聞かせください。 アベノミクスによる円安で物価は高騰したまま下がりません。輸入小麦・大豆が高騰し、パン・うどん・豆腐・乳製品など各種の加工食品が値上げしました。異常気象で生鮮食品も品薄な上、原油高で魚やハウス栽培の野菜も高値続きで家計を直撃しています。灯油・ガソリンも2008年の最高値に近づいています。電気料金も値上げ続きで、その上液化天然ガス高騰を理由に3月には電気・ガス料金が一斉値上げ、5月にまた消費税増税に伴い、電気料金の大幅値上げが予定されています。財政的に厳しい地方でも低所得世帯に灯油代の一部を助成する「福祉灯油」制度を実施している自治体が広がっています。新宿区でも冬の暖房代と夏の冷房代の助成を検討すべきと考えますが、いかがですか。 家計収入はどうでしょうか。労働者の賃金は18カ月連続で減少しており、年金支給額が昨年10月から1%下がり、ことし4月にはさらに0.7%引き下げると厚生労働省は言っています。生活保護に続き年金受給者約12万人が異議申し立ての審査請求に立ち上がったのは当然です。 年金支給額は、今後も合わせて2.5%削減が決まっていますが、これにより区民の年金収入は総額で幾ら減り、区民税はどの程度減額になると試算しているのか伺います。年金が頼りの高齢者を無慈悲にいたぶる年金削減は正しいことだと区長はお考えでしょうか。もし、そうでないなら、政府に対して抗議すべきと考えますが、いかがですか。 そして、これに追い打ちをかけるのが4月からの消費税増税です。区財政は、地方消費税の増税分で今年度は9億円の増収とのことですが、区民の家計には増収要素はありません。収入減と支出増で区民生活が悲鳴を上げているのに、来年度予算には区民生活を守るための対策が見当たりません。まずは政府に対して年金はじめ収入が減らされているもとで消費税増税はやめるべきだときっぱり意見を述べるべきと考えますが、区長の見解を伺います。 区長は基本方針説明で「社会経済状況の変化に迅速かつ的確に対応し、区民生活を支えていくことが重要」と述べておられますが、消費税増税にさらされる区民生活は、どのような影響を受けるとお思いですか。そして、それに対して区長はどのような対策を講じて区民生活を支えるのかお答えください。 2008年の原油高の際、区は中小企業や学校給食、社会福祉施設に対して緊急経済対策を実施しましたが、今改めてこうした対策が必要ではないでしょうか。 学校給食費は、2年前に緊急経済対策を取りやめて、小学生1食10円、中学生と養護学校で15円値上げして間がありませんが、その後の食料品高騰に加え、消費税増税でどのような影響が出ると見込んでいますか。家計収入が減っている中で、また値上げともなれば、保護者の負担は大変です。値上げせずに質量を確保するためには区の財政支援が必要だと考えますが、教育委員会の見解を伺います。 原油高の際は、社会福祉施設等への影響を調査した上で具体的な支援策を講じました。今回の消費税増税で区が直接支払う分は約9億円ふえると伺いましたが、保育所や介護施設など福祉施設にどの程度影響が出るのかも調査し、支援策を打ち出すべきと考えますが、いかがですか。 今後の財政見通しについても伺います。 来年度予算は、中山区長就任以降最高の予算となっています。歳入では、納税者人口がふえて区民税が増収となり、企業の収益回復で特別区交付金がふえる見込みです。地方消費税の増収は、今年度はタイムラグがあり9億円を見込んでいますが、ほぼ同額が増税分の支出増に費やされるとのことです。来年10月には、さらに消費税10%への増税が予定されていますが、来年度以降の地方消費税の増収見通しをお示しください。 一方、この増収分は社会保障制度改革に活用するとされています。介護の分野では、要支援者向けの訪問・通所介護を介護保険サービスから外し、区市町村の事業に移す方向で議論されていますが、具体的な内容はまだ示されていません。社会保障全般にわたって、国の負担分だけ軽減され、区市町村の持ち出しが消費税の増収分を上回る可能性について、区としてはどのような認識を持っておられますか。 昨年12月に特別区長会として国に要望書を提出していることは承知していますが、具体的方針が示される前に、区独自に、より強く国に要望すべきです。 区民税に次いで歳入の比率が高い特別区交付金も削減の危機にさらされています。法人住民税の一部を国税化する法案が今国会に提出されたことは、今後の区の歳入に大きな影響を及ぼします。これにより、都・区の収入は1,000億円程度減り、新宿区の特別区交付金は約16億円マイナスと伺いました。来年度予算の特別区交付金は約268億円ですから、16億円は6%に当たります。この削減が今後の区の財政運営に大きな支障を来すことは必定です。区長はこのことについてどのような見解なのか、明快にお答えください。 特別区長会は、昨年自民・公明両党と全国の自治体の首長に要望文書を出していますが、その効果もなく法案が国会に出されました。ほとんどの区民は法人住民税の国税化や区財政への影響についても区長会がどのような見解かも知りません。まずは区報等を通じて早急に区民に知らせ、区民の総意として政府や自民・公明の与党に廃案を迫るべきではありませんか。また、税制の変更がある場合には都区財政調整制度の都と区の配分割合を見直すことになっていると思います。都知事もかわりましたし、23区として素早くアクションを起こし、区側の配分割合をふやすべきと考えますが、あわせてお答えください。 ◎区長(中山弘子) 基本方針説明と財政運営についてのお尋ねです。 まず、国の原発を維持・推進する方針をどのように受けとめるかとのことです。私は、以前から原子力に依存する体制から脱却する必要があると考えております。エネルギー基本計画の原案においても「可能な限り原発依存度を低減させる」、そして「再生可能エネルギーの導入を最大限加速していく」といった方針を示しています。区では、できる限りの省エネルギーの推進と再生エネルギーの活用を図りながら、今後閣議決定されるエネルギー基本計画及び国の動向を見守ってまいります。 次に、原発再稼働についての見解とのお尋ねですが、原子力規制委員会においてさまざまな観点から安全性を検討し、再稼働を行うと聞いております。最大限の安全を確保した上で必要性について十分に議論するべきだと考えております。 次に、「アベノミクス」とその区民生活に与える影響についてです。 「アベノミクス」は「大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略」の三本の矢を基本方針として取り組まれているところです。 2月の月例経済報告では、「景気は緩やかに回復している」として、景気の基調判断を据え置くとともに、輸出及び雇用情勢についての判断をそれぞれ上方修正しています。また、大震災からの復興を加速させるとともに、デフレからの早期脱却と経済再生を実現させるため、政府は「好循環実現のための経済対策」を着実に実行することとしています。 こうした政府の経済政策が持続的な経済成長へと発展し、雇用情勢の改善や個人所得の上昇など景気の回復が区民生活の現場まで行き渡ることが重要であると認識しています。 一方で、長期金利の上昇や株価の変動、円安による輸入価格の値上がりなどの懸念もあることから、アベノミクスの今後の進展を注視するとともに、区民生活や区財政に与える影響について慎重に見きわめていく必要があると考えております。 次に、低所得世帯への冬の暖房代と夏の冷房代の助成についてのお尋ねです。 電気・ガス料金の値上げは、区民生活全般にさまざまな形で影響を与えることから、その影響について十分注視していく必要があると考えています。 寒冷地の自治体で灯油購入費用の助成制度が実施されていることは承知していますが、区独自の低所得世帯への冬の暖房代と夏の冷房代の助成については、現時点で考えておりません。 次に、年金支給額が平成25年10月から段階的に2.5%引き下げられることに伴う、区民の公的年金収入額及び特別区民税への影響についてのお尋ねです。 障害年金や遺族年金等の非課税年金を除く区民の公的年金収入額は、平成25年度実績において非課税者の年金収入を含め約730億円で、その2.5%は約18億円です。 特別区民税の実際の税額の算定では、年金以外の収入を合算し、社会保険料や扶養の状況に応じた控除を行うため、公的年金の引き下げのみによる影響額を推計することは困難です。 年金削減に対する考えについてのお尋ねです。 高齢化により社会保障費が急増し、少子化により人口構成が激変する状況においては、世代間・世代内の公平性を確保することも大切であると考えており、国から丁寧な説明がなされることが受給者の方の理解につながるものと考えております。 次に、消費税増税に反対を表明すべきとのお尋ねです。 少子高齢化の急速な進展や国・地方ともに厳しい財政状況のもとで、国民が安心して希望が持てる社会保障の実現が求められています。そのためには、安定財源の確保は避けられない課題であり、消費税の税率を引き上げる政府の決定については、一定の評価をしています。 しかし、消費税率の引き上げに当たっては、厳しい地域経済状況に配慮することが必要であり、政府の経済政策の効果が国民の所得にまで及び、経済再生に向けた道筋が確かなものとなるよう全国市長会を通じて要望しているところです。 また、消費税率の引き上げに際しては、低所得者に与える負担の影響に鑑み、適切な配慮が必要と考えます。消費税の逆進性を踏まえた低所得者対策としては、国民健康保険等の保険料軽減制度の拡充など平成26年度予算でも対応しているところですが、引き続き臨時福祉給付金等支給事業などの対策に迅速に対応してまいります。 次に、消費税増税に伴う福祉施設への影響についてです。 例として挙げられた保育所等については、国や都の運営費補助において、消費税に係る部分については引き上げ、要綱の改正が行われることを確認しています。これに伴い、区においても単独で補助している賄い費等は同等の対応を行う予定です。 また、介護施設等については、昨年国の社会保障審議会介護給付費分科会において、消費税増税分の影響調査が行われ、介護サービス施設及び事業所の実質的な負担が生じないよう、平成26年4月から平均0.63%増の介護報酬改定を行う予定となっております。 このほか、区内福祉施設への指定管理料や委託料等の消費税増税分については、平成26年度予算案に反映させています。 以上から、今回の消費税増税に対するさらなる区独自の支援策を行う考えはありません。 次に、地方消費税交付金の増収見通しについてのお尋ねです。 平成26年度より地方消費税率は1.0%から1.7%に引き上げられますが、地方消費税交付金が区に払い込まれるまでにタイムラグが生じることから、平成26年度の影響額は9億円と見込んでおり、平年度化した場合には32億円程度になるものと考えています。 さらに、地方消費税交付金が2.2%に引き上げられた場合の平年度化による影響額は、52億円程度になるものと試算しています。 次に、社会保障全般にわたる国の負担分が軽減され、区市町村の持ち出しが消費税の増収分を上回る可能性についてです。 平成26年度の国の地方財政対策を見ますと、消費税率引き上げに伴う税収増は、国・地方合わせて5兆円で、うち国費分が4.3兆円、地方分が0.7兆円とされています。消費税率引き上げに伴う増収分は、少子化対策・年金・医療・介護などの社会保障の充実や安定化などに活用する財源とされています。具体的な充実内容などが示されていない現時点で社会保障制度に対する地方財源の変動などの影響を捉えることは難しい状況ですが、今後の社会保障制度改革をめぐる動向を十分注視し、的確に捕捉してまいります。 次に、介護保険の制度改正に関して国への要望についてのお尋ねです。 要支援者の訪問介護・通所介護サービスが介護保険制度内の「新しい総合事業」に移行するに当たっては、昨年12月に特別区長会の緊急要望で厚生労働大臣に対し、国の責任において確実な財源措置を行うことを要望しました。また、全国市長会を通じても適切な財政措置を要望しているところですので、現在区独自の要望については考えていません。 次に、法人住民税の一部国税化に対する認識についてです。 平成26年度税制改正では、法人住民税の一部国税化に伴う地方法人税の創設とその全額を地方交付税の原資とする見直しが示されています。 法人住民税は、法人の地域での活動やそこで働く人々を支えるためのさまざまな施策の財源として負担を求めているもので、これを地方自治体間の財源調整に用いることは、地方税の原則をゆがめるとともに、地方分権に逆行するものと言わざるを得ません。また、特別区の区域は、首都として人口や経済活動が集中する地域であり、老朽化しているインフラの整備、切迫している首都直下地震対策や急速に進展する少子高齢化への対応など、膨大な行政需要を抱え、法人住民税は極めて重要な役割を担っています。 こうした考えから、特別区長会として「税源偏在是正議論についての特別区の主張」を表明するとともに、国に要望書を提出し、法人住民税の一部国税化に対して反対の立場を明確にしています。 区のホームページに「税源偏在是正議論についての特別区の主張」を掲載して区民の皆様への周知に努めていますが、都市基盤の整備や産業の活性化など、さまざまな施策を展開している都市の自治体の努力が報われるよう他団体とも連携を図りながら、これからも国に対して強く要請してまいります。 また、法人住民税は都区財政調整制度の原資であり、一部国税化の影響が直接及ぶことになることから、配分割合の変更等も含めて都区協議の中で検討してまいります。 ◎教育長(酒井敏男) 教育委員会への御質問にお答えします。 初めに、消費税の引き上げによる学校給食費への影響についてのお尋ねです。 学校給食の提供に要する経費のうち、調理業務委託費、設備費や光熱水費などは公費で支出し、保護者には食材料費だけを負担していただいています。食材の購入は、消費税の課税対象になるため、これまでと同じ水準の栄養量を満たし、おいしい給食を提供していくためには、保護者に消費税引き上げ相当額の負担増をお願いする必要があると考えています。 次に、学校給食費に対する区の財政支援についてのお尋ねです。 平成20年度に実施した緊急経済対策は、原油価格の急激な上昇とそれに伴う燃料、原材料及び食料の価格高騰に対する一時的な措置であったのに対し、消費税は消費一般に広く公平に負担を求める恒久的な制度であるため、学校給食費の負担増に対する新たな財政支援を実施する考えはありません。 なお、経済的に学校給食費を支払うことが困難な保護者には、これまでどおり就学援助で対応してまいります。 ◆20番(阿部早苗) 次に、国民健康保険料と後期高齢者医療保険料について質問します。 初めに、国民健康保険料についてです。 今定例会には、来年度の国民健康保険料を均等割が2,100円上がり5万8,500円、1人当たり保険料は4,908円上がり13万1,507円となる条例案が提案されており、上げ幅は今年度の約2倍です。23区のモデルケース試算を見ると、給与収入が200万円の夫婦と子ども1人の世帯で今年度13万6,562円が2万3,654円上がり16万216円になります。月約16万円の収入で毎月1万3,300円を保険料として支払うことは、国民健康保険料が生活を圧迫し、格差と貧困を拡大する以外の何物でもありません。 高齢者はどうでしょう。年金受給者夫婦2人世帯の保険料を9年前と比較すると、年収200万円の世帯は3万2,100円から7万4,369円、年収300万円の世帯は8万5,348円が16万7,709円と、いずれも9年間で約2倍になります。 私たちのところにも「高い保険料を払い切れない」と相談が寄せられています。子ども2人の母子世帯の方は、賦課方式変更で保険料が一気に上がり、年収110万円で7万5,100円の保険料です。都営住宅にお住まいなので家賃は低額ですが、月収約9万円で1回の支払いが7,510円というのがきつくて分納を申し出ましたが「1回に5,000円は払ってもらわないと困る」と言われ、途方に暮れていると言います。 今年度と来年度23区が独自に賦課方式変更の激変緩和策として実施している減額措置の財源11億円は一般会計から繰り入れず、高額療養費を保険算入して対応しています。これに続き、高額療養費賦課額を一般会計からの繰り入れで補填して保険料上昇を抑制してきたこれまでの独自策を来年度から4年かけて廃止するロードマップを明らかにしました。 来年度の1人当たりの保険料は、そのことによる値上げ分約2,000円がプラスされ、合計で平均4,908円の値上げとなります。 厚生労働省は都道府県に対し、広域化に向けた「広域化等支援方針」の要領の中で一般会計繰り入れによる赤字補填分について「保険料の引き上げ、収納率の向上、医療費適正化策の推進等により、できる限り早期に解消するよう努めること」とし、東京都もこれを受け区市町村に厳しい指導を行っています。 保険者である地方自治体は、被保険者の負担を考慮して一般会計から繰り入れして保険料値上げを抑え、国民皆保険制度を維持してきました。本来国がなすべきことを自治体が肩がわりして実施してきたのに、国は国庫負担を1980年代の50%から半分の25%にまで削減し、その上広域化をてこに一般会計からの繰り入れをやめろと迫るのは、本末転倒も甚だしいと言わざるを得ません。 区長は、この点どのようにお考えですか。保険料値上げを抑えるため、国庫負担割合引き上げをこれまで以上に国に強く要求するとともに、国の言いなりに一般会計からの繰り入れをやめるのではなく、繰り入れをして値上げ幅を抑えるべきと考えますが、いかがですか。 また、保険料の大幅な値上げが区民の生活を直撃し、さらに景気を冷え込ませると区長はお考えにはならないのでしょうか。 保険料値上げで窮地に追い込まれる区民生活を支えるために、保険料負担を軽減する対策として、国民健康保険加入の低所得者に対し、区として独自の手当てを支給することを検討してはいかがでしょうか。 さらには、東京都に対して区市町村への支出金の増額を求めるべきです。都は1980年度に320億円あった都独自の支出金を今では40億円まで縮小しています。新宿区にも都費補助金は昨年度決算で5,600万円歳入されていますが、1980年度並みになれば5億円ほどになり、保険料値上げを一定抑えることができます。国と保険者である区市町村が責任を持つのは当然ですが、都民の約3分の1は国民健康保険加入者であり、都民の暮らしを支える施策として国民健康保険料値上げ抑制のために都支出金の増額を求めることは何ら筋違いなことではありません。区長の見解を伺います。 次に、後期高齢者医療保険料についてです。 1月31日の東京都後期高齢者医療広域連合議会において、2014・2015年度の保険料が決定しました。均等割は2,100円引き上げ4万2,200円、所得割は8.19%から8.98%、賦課限度額も2万円引き上げ、1人当たりの平均保険料は4,118円上がり9万7,098円になります。 財政安定化基金については、2012・2013年度に206億円を活用し、保険料値上げを抑制するとしていましたが、実際は41億円しか活用せず、大きく余らせました。給付の見積もりを誤らなければ保険料はもっと安くなったはずです。後期高齢者が対象であり、正確な給付見通しに基づいて保険料を算定することは国民健康保険以上に要求されると考えますが、区長はこの点、どのように考えますか。 現在の基金残高211億円のうち145億円を活用し、来年度からの保険料値上げ幅を一定抑制したことは当然です。しかし、今回は毎年出すべき国と東京都の基金への拠出を行いませんでした。3者が従来どおり基金に拠出すれば、さらに保険料値上げを抑制できたのではないでしょうか。区長の認識をお答えください。 世代間格差を広げる後期高齢者医療制度は廃止し、高齢者が安心して医療を受けられる制度を再構築することを国に求めるべきと思いますが、いかがでしょうか。お答えください。 ◎区長(中山弘子) 国民健康保険料と後期高齢者医療保険料についてのお尋ねです。 初めに、国が国庫負担金を削減し、一般会計からの繰り入れの解消を求めることについてです。 国民健康保険特別会計においては、ここ数年毎年度30億円余りの法定外繰入金を繰り入れています。区では、法定外繰入金の削減に向け、医療費の適正化、収納率の向上等に積極的に取り組み、国民健康保険特別会計の健全化を目指しています。 次に、国庫負担割合に関する国への働きかけについてです。 区は、これまでも全国市長会を通じて国に国庫負担の引き上げなど国民健康保険財政基盤の拡充・強化を求めています。昨年11月には全国市長会において平成26年度国の施策及び予算に関し、国民健康保険制度等に関する重点提言を取りまとめ、国に対し要請いたしました。 次に、一般会計からの繰り入れにより、保険料の値上げを抑えるべきとのお尋ねです。 23区では、これまでも国民健康保険料の上昇を抑制するため、毎年度相当額を一般会計から繰り入れしてまいりました。したがって、区財政の状況が厳しい中でさらに繰入額をふやすことは考えておりません。 次に、区民生活への影響と都支出金の増額についてです。 国民健康保険は保険制度により運営されているため、加入者の方々には一定の保険料を御負担していただく必要があります。保険料改定に当たり、加入者の皆様、特に低所得者への影響ということも当然想定されますが、低所得者の方々への配慮の仕組みも保険制度の中で用意されています。 平成26年度は、保険料均等割軽減対象の拡大を実施します。その結果、例えば35歳の2人世帯で年収200万円の給与所得者の方については、新たに均等割軽減対象となることから、年額保険料が平成25年度と比べ、約1万2,000円の減になると試算しています。 このように、国民健康保険に加入している低所得者の方々に対しては、保険制度の中で一定の対応が図られていることから、区独自の手当てを設ける考えはありません。 次に、都支出金の増額を求めることについてです。 東京都は、法令等に基づき、都内区市町村が行う国民健康保険の財政を調整するため、「東京都国民健康保険調整交付金条例」を設け、調整交付金を区市町村に交付するなど、都道府県としての役割を既に果たしているため、都支出金の増額を求める考えはありません。 次に、後期高齢者医療保険料についてのお尋ねです。 まず、保険料の抑制のための正確な給付費の見込みと財政安定化基金の拠出についてです。正確な給付見通しに基づき保険料を算定することは、国民健康保険同様に重要であると考えております。 広域連合における医療給付費は、単年度でも1兆円を超える予算規模ではありますが、直近の決算実績による執行率は98%程度となっており、おおむね適切に算定されたものと考えています。 財政安定化基金については、医療給付費の増大等による財源不足が生じた際の対応のために設置されており、平成26・27年度は、この費用66億円を留保しています。 昨年11月時点の広域連合の試算により、保険料の大幅な増加が避けられないことが明らかになったため、広域連合が国及び都との協議を行い、留保分を除く基金残高145億円を保険料抑制に活用することとなったものです。 区が基金にさらなる積み増しを行うには、一般会計から繰り入れた上で拠出する必要があります。既に区は葬祭費や審査支払手数料の負担などの特別対策も実施しており、一定の保険料抑制措置は講じられているものと考えます。 次に、後期高齢者医療制度の廃止の是非についてのお尋ねです。 この制度は、世代間の負担のあり方を調整することも創設の大きな目的であると認識しています。また、「社会保障制度改革国民会議」において、「後期高齢者医療制度については、現在では十分定着しており、現行制度を基本としながら、実施状況等を踏まえ、必要な改善を行うことが適当」とされました。 区の窓口においても、現在では高額療養費についての問い合わせなど一般的な保険制度についての相談が多く、制度が定着していると感じていることもあり、後期高齢者医療制度の廃止について、国に要望する考えはありません。 ◆20番(阿部早苗) 次に、保育園と学童クラブの待機児童解消についてです。 初めに、保育園の待機児童解消についてです。 区長は、所信表明で「待機児童の解消を目指し、保育園や子ども園等の整備に積極的に取り組みます」と述べられました。今回の都知事選挙でも待機児童解消は大きな争点となり、舛添知事は、4年以内の待機児童ゼロを公約し、国も待機児童解消を2017年には実現するとしています。 私どもが提案してきた認可保育園や保育ルームを増設する緊急対策も打ってきた結果、ことし4月は527名の定員拡大を実現しました。その努力は評価するものですが、待機児童解消にはまだ遠く、さらなる対策を求め、以下質問します。 第1に、ことし4月1日の待機児童数についてです。この2月1日現在、新定義で351名、旧定義で466名に上る待機児童数となっています。ことし4月入園の申し込みは、第二次締め切りで1,678名で昨年同時期の1,512名と比べてもふえています。2月19日には不承諾通知が発送されましたが、4月1日時点での待機児童数をどの程度見込まれているのか、新定義・旧定義別でお答えください。 第2に、待機児童ゼロを目指した認可保育園増設についてです。新宿自治創造研究所の人口推計によると、今後10年間はゼロから4歳の人口増が見込まれています。さらには全国的には人口減でも都市部への集中傾向が強まっていることや女性の社会進出が進んでいることをあわせ考えれば、保育園ニーズが一層高まることは論を待ちません。計画が示されている2016年7月開設予定の1園に加え、昨年の第4回定例会で私どもが求めた待機児童が多く見られる落合・北新宿・戸塚地域での認可保育園の増設については、認可保育園2カ所の追加整備の予算が計上されました。しかし、現状では待機児童ゼロにならないどころか、今後も需要がふえることを考えれば、認可保育園の次なる増設計画を急ぐべきです。認可保育園をふやすことは、将来子どもの数が減少した際には、高齢者施設への転換など他の行政需要に対応することも可能であり、合理性があります。 舛添知事は、都有地活用に加え、国有地の活用についても国に照会するなど積極的な公有地活用を表明しています。この機会を捉え、都立障害者センターなどの都有地や日銀宿舎跡地などの国有地の活用について、市場価格より有利な売却や無償貸し付けなどを働きかけるべきと考えますが、いかがでしょうか。 また、この間の待機児童解消緊急対策は、全てゼロ歳児枠のない施設でしたが、私どもの指摘どおり申込者の3分の1はゼロ歳児です。今後の施設整備については、当然ゼロ歳児から受け入れる施設にすべきと考えますが、区長の御所見を伺います。 次に、学童クラブの待機児童についてです。 学童クラブの定員オーバー館問題、学童クラブを全児童対策に解消しないことなどについては、昨年の第3回定例会の一般質問で取り上げましたが、今回特にせいが学童クラブの待機児童問題について質問いたします。 せいが学童クラブは、主に落合第四小学校の児童が申し込んでいますが、待機児童が発生したことから、同地域に学童クラブの増設を求める陳情が議会に提出され、継続審査となっています。来年度の利用申し込みは、申請者が昨年より9名ふえて60名になり、36名の定員に対し24名も多くなりました。1月23日の入所決定で定員を超える47名の受け入れを行うとの報告がありましたが、保護者の皆さんが懸念していたように、待機児童が大幅にふえることになりました。文教子ども家庭委員会で区側は「学童クラブに入りたいお子さんは学童クラブへ、学童クラブ機能付き放課後子どもひろばに入りたいお子さんは機能付きひろばへ」と真っ当な答弁をしており、区はこの約束を履行する義務があります。 子どもの安全で健全な放課後を保障する観点で、以下質問します。 第1に、学童クラブの増設についてです。今回、申込者数がふえたことは、単年度に限ってのことではなく、この地域を含む落合地域の保育園待機児童がふえていることを見れば、今後も申し込みがふえることは明らかです。既に子ども家庭部は、学童機能付き放課後子どもひろばの場所として、専用室を教室の3分の1の広さから、1教室分を使えるように2015年度に向け、学校・教育委員会へ働きかけを行っています。もともと学校内学童クラブをつくることは困難だと説明してきた区側の最大の理由は、「専用室が確保できない」というものでした。1教室を確保できるとなれば、学校内学童クラブを開設できる物理的条件が整います。 そこで区長に伺います。 1教室を学童クラブ室に転用し、遅くとも夏休みからは学校内学童クラブを開設すべきと考えますが、いかがでしょうか。 第2に、待機児童となった方への対応についてです。 13名のせいが学童クラブに入れなかった児童のほとんどが落合第四小学校の放課後子どもひろば、学童クラブ機能付き放課後子どもひろば、ほかの区立学童クラブを利用することになるでしょう。やむなく学童クラブ機能付き放課後子どもひろばを利用する児童については、ひろばが閉鎖する土曜日の対応などに万全を期すべきと考えますが、区長の御所見を伺います。 第3に、「学童クラブ機能付き放課後子どもひろば」の改善についてです。 新宿未来創造財団、レガスが運営する落合第四小学校のひろばについて、保護者の方から「見守りと言うが、監視しているだけで、子どもとのかかわりが不十分」との指摘があり、区はレガスに対し「指導した」とのことです。しかし、保護者からは「改善されていない」「これで4月から学童のかわりになるのか、チラシに書いてある一人ひとりに対応しますということなどが絵に描いた餅になるのではないか」と不安の声が寄せられています。 レガスは学童クラブを運営したことはなく、保護者が心配するのは当然です。レガスが2人追加配置すると報告を受けましたが、研修については学童クラブの体験研修と座学、学童クラブとして配慮することを区が伝えることを含め、1週間程度と聞いております。4月まで実質あと1カ月しかありません。区の言う一人ひとりへの対応は連絡帳だけの問題ではなく、文字通り心に寄り添うことが必要です。研修計画を練り直し、十分なものにすることと同時に、区の巡回指導はもちろん、区の指導員を数カ月は補助でつけるなど、十分な対応を行うべきと考えますが、区長の御所見を伺います。 ◎区長(中山弘子) 保育園と学童クラブの待機児童解消についてのお尋ねです。 初めに、保育園の待機児童解消についてです。 まず、ことし4月1日の待機児童数の見込みについてですが、御指摘のとおり、ことし4月の入園申込者数は昨年に比べて166名の増となっていますが、待機児童数が急増した昨年4月入園の申込者数は219名の増だったことに比べ、申込数がやや鈍化していることと、区がこの1年で527名分の定員拡大を行っていることを考え合わせれば、本年4月の待機児童数は一定の改善が見込めるものと予測しています。正確な待機児童数につきましては、例年同様4月下旬を目途に調査し、確定する予定です。 次に、都有地や国有地の活用についてのお尋ねです。 保育・教育施設の整備については、今後も地域の保育ニーズを的確に把握し、機敏に対応していくことが肝要と考えます。必要な場所に必要なサービスを的確かつ効果的に提供していく中で、適地として都有地または国有地があれば検討してまいります。 次に、ゼロ歳児受け入れ施設の整備についてです。 新宿区のゼロ歳児保育の実施率は23区の中でもトップクラスとなっており、ゼロ歳から入園できる子どもの定員枠は、1歳から入園できる子どもの約2倍となっています。その結果、勤務先から保障されている育児休業期間を切り上げて、ゼロ歳児枠の4月入園を申し込まれる保護者も少なくないのが実情です。 こうしたことを踏まえ、今後はニーズ調査の結果などに基づいて、適正なゼロ歳、1歳の入園可能枠を確保してまいります。 次に、学童クラブの待機児童についてのお尋ねです。 初めに、夏休みからの学校内学童クラブの開設についてです。 平成26年4月から落合第四小学校内の放課後子どもひろばに学童クラブ機能を付加し、連絡帳や個人面談などを通じて、保護者と連携して子どもの成長を見守っていけるよう新たな取り組みを始めます。 ことし4月の学童クラブ機能付き放課後子どもひろばの利用者は、十数名と見込んでおります。ひろばを年度途中に学童クラブに切りかえることは、利用料を初めとした制度の違いもあり、難しいと考えています。 次に、土曜日の対応についてです。 放課後子どもひろばは、土曜日は開設していないため受け入れができません。対応が必要な児童については、土曜日の居場所としてせいが学童クラブのほか、他の近隣の児童館・学童クラブへ御案内するなど、丁寧に対応してまいります。 次に、職員の研修計画及び巡回指導についてです。 放課後子どもひろば事業に従事する職員についても、学童クラブの運営等を学ぶことは大切であると考えています。このひろばへの配属職員については、区立学童クラブで体験研修を実施し、学童クラブの運営の留意点や連絡帳の書き方、保護者や子どもへの対応など、区の職員が直接指導してまいります。 また、3月の春休みには、落合第四小学校の放課後子どもひろばに児童指導業務経験のある区の職員が入り、実際の現場での子どもへの対応等について、しっかり指導してまいります。 4月以降も適宜巡回に入るなど、学童クラブにかわって学童クラブ機能付き放課後子どもひろばを利用する全てのお子さんに対して、現場の職員が保護者と連携して一人ひとりに寄り添った対応がしっかりできるよう、区も十分にサポートしてまいります。 ◆20番(阿部早苗) 次に、震災対策について質問します。 初めに、耐震改修促進計画についてです。 1月に「新宿区耐震改修促進計画」の素案が出され、パブリックコメントが行われました。今回の改定は、社会情勢の変化、「建築物の耐震改修の促進に関する法律」改正、「東京都耐震改修促進計画」改定、「新宿区地域防災計画」の修正等を踏まえて、2008年3月策定の現行計画を見直すものです。 改定の主な内容は、計画期間を2015年から2020年に5年延長し、住宅の耐震化率の目標を90%から95%に引き上げ、取り組むべき施策として、液状化対策、天井落下防止、長周期地震動対策等が追加されています。区民の生命・財産に係る大事な計画であるにもかかわらず、1月15日から2月14日までに寄せられたパブリックコメントが4件27項目と少なかったことは残念です。 我が党も10件の意見を提出しましたが、以下3点について御所見を伺います。 第1は、被害想定についてです。 今回の被害想定は、東京都の見直しに応じて新宿区も見直しをし、建物の倒壊棟数、死者数がふえていますが、中央防災会議は、それを上回る想定を出しています。中央防災会議が「危機管理上は、より厳しい想定のもと有効な対策を講じることが望ましい」と指摘しているように、建物倒壊、火災、死者、負傷者数などを中央防災会議の指摘する最悪の想定を前提に耐震化計画を進めるべきと考えますが、いかがですか。 第2は、耐震改修を促進するためのリフォーム助成の実施についてです。 取り組むべき施策の(3)で「リフォームにあわせた耐震改修の誘導を進める」としています。これは現行計画でも示されていますが、実績が上がっていません。やはりリフォーム工事部分に助成がないことが原因ではないでしょうか。リフォームにあわせて耐震改修を誘導するのであれば、リフォーム工事部分にも区が助成すべきではないでしょうか。 第3に、外づけ室外機の落下防止についてです。 区内には、区道等に面した古いビルがあり、鉄枠で固定されている外づけ室外機が多く見られますが、老朽化が進むと大きな揺れで落下する危険があります。実態調査を行い、改善指導し、安全対策をとることを加えるべきと思いますが、いかがでしょうか。 次に、耐震補強工事をさらに促進するために、建物の建てかえにも助成を広げることです。 新宿区は2004年度から建築物等耐震化支援事業に取り組み、木造住宅の耐震改修工事費助成は2014年1月現在までに181件となりました。2010年から2011年度に赤城下町などで耐震化支援事業調査を実施し、無接道と道路突出建物にも支援を拡大し、さらに昨年11月からは工事費の委任払い制度を取り入れたことも私どもは評価しております。その上、さらに建てかえにも助成すれば、耐震化が大きく前進することは他区の事例からも明らかです。 北区は、50万円を限度に耐震建てかえ工事に助成しており、2011年度は50件の実績、2012年度に助成限度額を100万円に引き上げて61件の実績がありました。2007年度からの建てかえ耐震工事費助成の実績は合計約170件以上とのことですから、新宿区の耐震化支援に匹敵する成果を上げています。その結果、2項道路のセットバックと不燃化も進み、防災もまちづくりも前進しました。新宿区に建てかえ助成制度があれば、国の耐震助成制度の30万円の助成が活用できますから、これに区が上乗せをすればよいのです。新宿区も耐震建てかえ工事助成を実施し、耐震化率を95%に近づけるべきと考えますが、区長の御所見をお聞かせください。 最後に、地域団体・関係団体との連携をより強化し、地震に対応できるようにすることです。建設職人の組合である東京土建本部は、「まちの救助隊(チームNAMAZU)」を創設し、地震発生後、大工さんなどの組合員がボランティアとして救助に取り組めるように募集しているとのことです。東京都と協定を結び、500棟の木造仮設住宅を建設することを含め、まちの救助隊として直ちに対策がとれるようにしています。現在2,030人が登録しており、5,000人が当面の目標です。東京土建新宿支部でも2010年に救助隊を創設し、29名が登録しており、東日本大震災のときはリフォーム協議会の呼びかけに応じて被災した屋根をブルーシートで覆う区の緊急対策に従事しました。土建に限らず、地域に住み、まちの状況に詳しい建設業の団体との連携をより強化し、必要に応じ「まちの救助隊」のような組織を各地域防災協議会単位に組織していくべきと考えますが、お答えください。 ◎区長(中山弘子) 震災対策についてのお尋ねです。 まず耐震改修促進計画の被害想定についてです。 中央防災会議の被害想定は、東京都全域で想定したものであり、建築物の全壊棟数は、東京都防災会議では約11万6,000棟、中央防災会議では約11万2,000棟と想定しています。 想定する震源位置によっても被害想定に差が生じる可能性はありますが、2つの被害想定は、おおむね同程度と捉えています。 「新宿区耐震改修促進計画」は、建築物の耐震化を促進することにより、減災社会の実現を目指しています。このことは、中央防災会議の取り組むべき対策の方向性にも示されており、一日も早く全ての建築物の耐震化を図ることが減災社会の実現に何よりも大切なことであると考えております。 このため、本年3月に改定を予定している「新宿区耐震改修促進計画」では、東京都が「東京都耐震改修促進計画」で採用している東京都防災会議の被害想定を前提といたします。 次に、リフォームにあわせた耐震改修と、その助成についてのお尋ねです。 リフォームにあわせた耐震改修は、リフォームと耐震改修を同時に行うことが工事期間やその費用の面から合理的であることから、リフォームにあわせた耐震改修工事の実施を誘導しています。 木造住宅の耐震改修工事費助成では、耐震性の向上に資する屋根の軽量化やリフォーム工事の一部に相当するような補強壁設置に伴う仕上げ工事についても助成対象としています。 また、区は耐震化の推進や居住環境の向上などの観点から、新宿区住宅リフォーム協議会と連携した施工業者の紹介や東京都建築士事務所協会新宿区支部と連携した「安全安心・建築なんでも相談会」により、住宅などのリフォームを支援しています。 したがって、新たなリフォーム工事部分への助成の実施は、現在のところ考えていません。 次に、「外づけ室外機の落下防止」についてのお尋ねです。 御指摘のとおり、外づけ室外機などの落下防止対策は、震災時の安全対策として重要であると考えています。区では、これまでも一定規模以上の建築物について、特殊建築物定期調査報告制度を活用し、建築物の落下物防止対策を指導してきました。 平成26年度に区内全域の建築物を対象に、所在地や所有者、規模などを記載した「既存建築物台帳」の作成を予定していることから、その台帳を活用し、外づけ室外機などの落下物も含めた建築物全体の適正な維持管理を所有者に要請してまいります。 また、「新宿区耐震改修促進計画」の改定に当たっては、落下物防止対策として、外づけ室外機についても改善指導の実施や安全確保を推進する旨を加えます。 次に、建築物の建てかえに対する助成についてのお尋ねです。 新宿区の耐震化支援制度は、所得制限を設けているものの、他区の制度に比べて手厚い制度となっており、住宅の耐震化率は平成19年3月の83.6%から平成25年3月には88.2%に増加するなど、耐震化は着実に進んでおります。 建築物の耐震化は、それぞれの建築物の所有者がみずからの責務として取り組むことが基本であると考えており、高額な費用を準備できる方が行う建てかえ工事に対して新たに助成を実施することは現在のところ考えておりません。 次に、地域団体・関係団体との連携をより強化し、地震に即応できるようにすることについてのお尋ねです。 区では、震災時の応急活動などに迅速に対応するために、御指摘の建設業団体を含め、さまざまな地域団体や関係団体と災害協定を締結しています。 また、区立施設の電気設備の復旧業務を行う新宿区災害対策電設協力会と水道設備の応急修繕を行う新宿管交会には、日ごろから避難所運営管理協議会や避難所開設訓練にも参加してもらい、発災時の対応の強化を進めています。こうした専門性の高い地域の企業が災害時の復旧・復興に協力していただくことは、大変心強く思っております。 今後とも避難所単位、地域防災協議会単位、あるいは区全体のエリアで各種団体と連携を進め、災害対応力を強化してまいります。 ◆20番(阿部早苗) 最後に、スポーツ環境の整備について質問をいたします。 一昨年制定されたスポーツ基本法は、スポーツは「国民が生涯にわたり心身ともに健康で文化的な生活を営む上で不可欠なものとなっている。スポーツを通じて幸福で豊かな生活を営むことは、全ての人々の権利」とうたっており、新宿区でも昨年2月にスポーツ環境整備方針、「スポーツ方針」というふうに略称させていただきますが、が策定されました。 2010年に区が行ったスポーツ環境調査では、スポーツ・運動への取り組みについての設問では、「スポーツ・運動を行いたいと思うができない」が45.7%と最も多く、次いで「スポーツ・運動を行っているが、もっと行いたい」23.3%とスポーツに対する要求の高さが示される一方、スポーツ方針でも指摘されているように、週1回以上のスポーツ実施率は新宿区は38.4%で全国の45.3%、東京都の43.4%と比較して低く、誰もが気軽にスポーツに取り組める環境を整備することが課題です。 2020年に東京オリンピック・パラリンピックが行われますが、スポーツのすそ野を広げることは健康で文化的な生活につながり、トップアスリートもそうした中から育ってくるのではないでしょうか。スポーツ方針では、「地域資源の活用」「障害者がスポーツを楽しめる場や機会の創出」「気軽に楽しめる都市環境の整備」がうたわれていますが、その実現のために、以下質問します。 第1に、スポーツ施設の整備についてです。 現在、大智学園に10年契約で貸与されている淀橋中学校跡地は、約3年後に契約が切れます。北新宿地域は、公園や緑の少ない地域です。地元の皆さんからスポーツができる多目的運動場が欲しいなどの切実な要求が出ています。契約終了後に、現在のグラウンドを多目的運動場として整備し、震災時の避難場所としても活用できるようにすべきと考えますが、いかがでしょうか。 また、愛日小学校の体育館は、校舎の建てかえに伴って新しい体育館ができるため、その後の活用の検討を急ぐ必要があります。箪笥地域は、スポーツ施設が少ない地域です。地元の要望も聞いて、スポーツ施設として活用すべきではないでしょうか、お答えください。 第2に、スポーツ施設の利用料についてです。 1つ目は、屋外施設の使用料と照明利用料です。野球場の利用料は、平日夜間2時間の場合、西戸山、落合中央公園とも利用料5,100円プラス照明利用料1万2,600円、計1万7,700円です。牛込第三中学校、西早稲田中学校も夜間の校庭開放を行っており、利用料は無料ですが、照明利用料は2時間で1万円にもなります。 これに対して、中央区の月島運動場は、利用料2,000円プラス照明利用料6,000円で計8,000円です。港区の麻布・青山運動場は、利用料3,600円プラス照明利用料5,200円で計8,800円。千代田区の外濠公園は、利用料4,400円プラス照明利用料3,000円、計7,400円と、近隣3区と比べても西戸山、落合中央公園は倍以上高く、中学校校庭の照明利用料も他区より高くなっています。 照明利用料は実費相当額で設定しているとのことですが、施設利用料、照明利用料とも近隣3区と同等程度に引き下げるべきではないでしょうか。 中学生のサッカーチームが校庭の夜間利用をできるよう規定を見直すことが検討されていると思いますが、その改善とあわせて、せめて中高生や子どもの団体については、利用料の減免制度をつくるべきと考えますが、いかがでしょうか。 2つ目は、体育室の利用料についてです。 スポーツセンターの大体育室の全面バレーコート3面分を全日利用すると、15万6,200円です。一方、近隣区のスポーツセンターは、港区7万2,900円、千代田区9万3,600円、渋谷区8万円、中央区7万3,800円、文京区8万700円です。文京区以外は、バレーコート2面分の広さで利用可能時間帯も条件が若干違いますが、そのことを考慮しても明らかに他区より高く、文京区の倍近い料金です。せめて近隣区と同額程度に利用料を引き下げるべきです。 3つ目は、プールの利用料です。プール利用料は大人が400円です。23区の利用料は200円から600円となっていますが、高齢者を無料にしているのは23区中8区、軽減しているのが10区、合わせて18区が減免しています。新宿区でも高齢者はせめて半額とし、高齢者が利用しやすくすべきです。お答えください。 第3に、障害者スポーツについてです。 2020年には東京でパラリンピックが行われます。障害者も参加しやすいようルールの修正などを行ったアダプテッド・スポーツを楽しめる場や機会をふやすことで、障害者スポーツのすそ野を広げることが重要です。 1つ目は、施設利用料についてです。 2011年にアダプテッド・スポーツの1つである関東ローリングバレーボール大会が新宿区のスポーツセンターで行われました。主催者は、区に利用料の軽減を申し入れましたが、「新宿区が共催すれば軽減できるが、参加者の多くは区外の方なので難しい」と言って減免に応じず、大体育室と会議室の利用料に12万5,800円もかかりました。ところが、翌年同じ大会を葛飾区で行いましたが、葛飾区の総合スポーツセンター体育館は無料でした。葛飾区は、障害者は個人・団体とも区内・区外を問わず、スポーツ施設を無料で利用できるからです。新宿区も障害者の利用料は区内・区外を問わず免除し、障害者がスポーツに親しむ機会をふやすべきです。 2つ目は、プールの利用料です。障害者の利用料を免除しているのが23区中14区、軽減しているのが5区、合わせて19区が減免しています。新宿区の障害者利用料は、介助者は無料ですが、本人は大人料金と同じです。新宿区も障害者の利用料を無料にし、より利用しやすくすべきです。お答えください。 第4に、気軽に利用できるスポーツについてです。 区有施設等の階段に消費カロリーを表示するように検討しているとのことですが、このように身近なところで体を動かす環境づくりが大切です。神田川の遊歩道のように、キロ数が表示されるのも意欲につながります。そのほかにも、例えば中央公園や箱根山の周囲をウオーキングコースとして整備し、距離がわかるようコース表示をしてはいかがでしょうか。 以上、お答えください。 ◎区長(中山弘子) スポーツ環境の整備についてのお尋ねです。 初めに、旧淀橋中学校の活用についてです。 御指摘のとおり、旧淀橋中学校については、約3年後の平成29年3月に現在の契約が終了となります。区では、区有施設の跡活用において、区全体の行政需要や地域の要望、区財政の動向等を総合的に勘案した上で、活用方針を策定しています。旧淀橋中学校の跡活用についても同様に検討を行い、第三次実行計画を策定する中で有効活用を図ってまいります。 次に、愛日小学校体育館の活用についてのお尋ねです。 愛日小学校の建てかえに伴う現体育館の活用については、あいじつ子ども園と合築になっている施設の状況等を踏まえ、適切な活用を検討してまいります。 次に、スポーツ施設の利用料金の設定と減免についてのお尋ねです。 新宿区は、他区に比べて料金が高く、近隣区と同程度に引き下げるべきとのことですが、施設利用料等については、土地の価格・面積や施設維持管理費等を踏まえ、受益者負担の考え方に基づく一定の算定式によって計算し、条例で規定しているものです。 お尋ねのスポーツ施設については、施設の性格上、「市場的・選択的サービス」として位置づけ、利用区分による料金を御負担いただいております。 現時点では、条例上の施設利用料等の見直しは考えていませんが、今後は消費税率引き上げに伴う経済状況を注視しつつ、減価償却費など受益者負担とすべき経費の調査なども行い、御指摘の利用料の減免等も含め、受益者負担の適正化に向けた検討を進めてまいります。 次に、気軽にできるスポーツについてです。 まず、身近なところで体を動かす環境づくりがとても大切であるとのことですが、区といたしましても、競技スポーツだけではなく、スポーツの場や活動のすそ野を広げていくことが重要であると認識しています。 御指摘の区有施設における消費カロリー表示については、各施設の階段等、施設の状況も異なることから、効果的な表示のあり方について引き続き検討を行ってまいります。 また、新宿中央公園のウオーキングコースについては、距離表示等の整備を今後進めてまいります。 なお、箱根山がある都立戸山公園の距離表示等については、所管である東京都に対し、要請をしてまいります。 ◆20番(阿部早苗) 御答弁いただきましてありがとうございました。 スポーツ環境の整備のところは、もう少し細かくお答えいただけるものと思っておりましたが、全て一括でお答えをいただいたと思いますけれども。 それで、一つ一つについては、これから設置される予算特別委員会で同じ会派の同僚議員が質問させていただくと思いますけれども、再質問ということで、少なくとも障害者の利用の部分については、減免の問題等々で何らかの回答をいただきたいというのが再質問の1点です。 それから、学校給食費については、消費税の値上げに合わせて上げなければ、質量の確保が難しいという趣旨の答弁があったかと思いますけれども、いつごろ、どの程度どういうふうになさろうとしているのか、もう少し突っ込んだ御答弁をお願いしたいと思います。 3点目に、落合第四小学校の学校内学童クラブについては、年度途中は難しいという御答弁があったと思いますけれども、例えば来年4月、これは年度途中じゃないと思いますけれども、2015年度の年度初めから学校内学童クラブを設置するということについては、どのような見通しを持っておられるのか。 この3点について再質問させていただきたいと思います。 ◎地域文化部長(加賀美秋彦) 阿部議員の御質問に再答弁させていただきます。 障害者の方のスポーツ利用に当たっての利用料の免除等の御質問でございますけれども、先ほど区長のほうから答弁申し上げましたように、市場的・選択的サービスの中で条例で上限を定めて利用料を定めさせていただいております。 今後スポーツ施設だけじゃなくて、全庁的に施設の利用料等については、受益者負担の適正化の観点から、他区の状況等も踏まえながら御指摘のような減免の条件等も含めて検討してまいると。今の時点では、このことしかお答えできませんので、御理解いただきたいと思います。 ◎教育委員会事務局次長(小池勇士) 学校給食費についての御質問でございます。 現在校長会と協議を行ってございまして、御案内のとおり、給食費につきましては小学校低学年から始まりまして、新宿養護学校、それぞれ金額は違います。それで、現在増額分として上がっておりますのは7円から10円の幅で値上げをするということで承認依頼がございますので、今協議しておりますので、協議が固まり次第決定ということになります。7円から10円です。     〔「時期を聞きたいんですけど」と呼ぶ者あり〕 4月からということでございますので、決定次第周知いたしまして、なるべく早い時期にその辺は周知してまいりたいと、そのように考えております。 ◎子ども家庭部長(中澤良行) 落合第四小学校内の専用室を確保した上での活用の仕方でございます。 平成26年度は初めての試みとして学童クラブ機能付き放課後子どもひろばというのをやらせていただきます。そこで実際にやらせていただいて、いろいろな課題を整理させていただいた上で、平成27年度以降のたたずまいを決めていきたいと思ってございますので、今の時点で学童クラブにするのか、学童クラブ機能にするのかといったところについて、今結論を持っているところではございません。 ◆20番(阿部早苗) 御丁寧な答弁ありがとうございますと言いたいところなんですけれども、特にスポーツ環境の部分では、余りにも大ざっぱな御答弁に、ちょっと私としては唖然といたしました。随所に見解の違いですとか、ちょっと不誠実と思える御答弁もありました。ちょっと私としては不本意な御答弁をいただいたという思いが拭い切れません。しかし、これについては、これから設置されます予算特別委員会で同僚議員から逐一、るる改めて質問させていただきますので、よろしくお願いいたします。 以上で、私の代表質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○議長(おぐら利彦) 本日の代表質問は終了しました。----------------------------------- ○議長(おぐら利彦) 以上で本日の日程は終わりました。 次の会議は2月25日午前10時に開きます。ここに御出席の皆様には改めて通知いたしませんので、御了承願います。 本日はこれで散会いたします。 △散会 午後4時31分                        議長    おぐら利彦                        議員    久保広介                        議員    のづたけし...