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  1. 新宿区議会 1995-11-01
    11月09日-14号


    取得元: 新宿区議会公式サイト
    最終取得日: 2021-08-13
    平成 7年 11月 定例会(第4回)        平成七年第四回定例会会議録(第一日)第十四号平成七年十一月九日(木曜日)出席議員(四十四名)    一番  山添 巖          二番  くまがい澄子    三番  とよしま正雄        四番  染谷正明    五番  俵  正          六番  山口健二    七番  斉藤 博          八番  川村一之    九番  麻生輝久          十番  えのき秀隆   十一番  小野きみ子        十二番  久保合介   十三番  小畑通夫         十四番  羽深真二   十五番  加藤清久         十六番  甲斐勝夫   十七番  宮坂俊文         十八番  桑原公平   十九番  中村吉彦         二十番  野口ふみあき  二十一番  かわの達男       二十二番  根本二郎  二十三番  山田敏行        二十四番  中口伊佐美  二十五番  やはぎ秀雄       二十六番  権並 勇  二十七番  小沢弘太郎       二十八番  はそべ力  二十九番  長森孝吉         三十番  秋田ひろし  三十一番  小倉喜文        三十二番  内田幸次  三十三番  近藤なつ子       三十四番  沢田あゆみ  三十五番  笠井つや子       三十六番  雨宮武彦  三十七番  下村得治        三十八番  新井康文  三十九番  馬場謹爾         四十番  内田 武  四十一番  長谷川順一       四十二番  田中のりひで  四十三番  佐藤文則        四十四番  松ヶ谷まさお  -----------------------------------欠席議員(なし)  -----------------------------------説明のため出席したの職氏名  区長        小野田 隆   助役        志萱正男  助役        高橋和雄    収入役       漆原順一  企画部長      山田外彦    総務部長      井上正信  区民部長      座間勇司    生活文化部長    吉野道雄  福祉部長      深沢暉一郎   衛生部長      大山泰雄  環境部長      山崎輝雄    都市整備部長    生田征夫  土木部長      金澤 正    建築部長      岩崎正實  企画課長      土谷尊宏    予算課長      武井幹雄  総務課長      永木秀人    教育委員会教育長  森岡泰弘  教育委員会            莇 彦一    常勤監査委員    福岡 厚  事務局次長                    選挙管理委員会  監査事務局長    尾高 茂              山口貞雄                    事務局長  副収入役      小野堅郎  -----------------------------------職務のため出席した議会事務局職員  局長    中野 勇        次長    早川 順  議事係長  大川芳久        議事主査  今川耀悦  議事主査  木村達也        議事主査  冨士正博  議事主査  新妻信嘉        議事主査  久保 昇  調査係長  木原彬也        書記    正井秀憲  書記    和田久美子       書記    中村公子  -----------------------------------  速記士   五十嵐登貴子   ----------------------------   十一月九日     議事日程日程第一  認定第一号 平成六年度東京都新宿区一般会計歳入歳出決算日程第二  認定第二号 平成六年度東京都新宿区質屋事業特別会計歳入歳出決算日程第三  認定第三号 平成六年度東京都新宿区国民健康保険特別会計歳入歳出決算日程第四  認定第四号 平成六年度東京都新宿区老人保健特別会計歳入歳出決算日程第五  第六十三号議案 東京都新宿区島田育英基金条例の一部を改正する条例日程第六  第六十四号議案 政治倫理の確立のための東京都新宿区長の資産等の公開に関する条例日程第七  第六十五号議案 東京都新宿区特別出張所設置条例の一部を改正する条例日程第八  第六十六号議案 東京都新宿区立区民センター条例の一部を改正する条例日程第九  第六十七号議案 東京都新宿区議会議員及び東京都新宿区長の選挙における選挙運動の公費負担に関する条例の一部を改正する条例日程第十  第七十二号議案 都営住宅及び仮称東京都新宿区立百人町高齢在宅サービスセンター合築建物の建築工事経費の負担に関する協定(その二)日程第十一 第六十八号議案 東京都新宿区心身障害福祉手当条例の一部を改正する条例日程第十二 第六十九号議案 東京都新宿区立区民住宅条例の一部を改正する条例日程第十三 第七十号議案 東京都新宿区立学校設置条例の一部を改正する条例日程第十四 第七十一号議案 東京都新宿区立区民ギャラリー条例の一部を改正する条例日程第十五 第六十二号議案 平成七年度東京都新宿区一般会計補正予算(第四号)  -------------●--------------   開会・開議 午後二時三分 ○議長(長森孝吉) ただいまから平成七年第四回東京都新宿区議会定例会を開会します。 本日の会議を開きます。 会議録署名議員は、   八番 川村一之君  三十七番 下村得治君を指名します。  -------------●-------------- ○議長(長森孝吉) 本日の会議時間は、議事進行の都合により、あらかじめ延長します。  -------------●-------------- ○議長(長森孝吉) 諸般の報告がありますので、次長に朗読させます。   〔次長朗読〕  ----------------------------七新総総第一七五一号平成七年十一月二日              東京都新宿区長  小野田 隆東京都新宿区議会議長  長森孝吉殿   平成七年第四回東京都新宿区議会定例会の招集について このことについて、本日別紙写しのとおり告示したので通知します。 (別紙)(写)東京都新宿区告示第二九七号 平成七年第四回東京都新宿区議会定例会を十一月九日に招集する。  平成七年十一月二日      東京都新宿区長  小野田 隆  ----------------------------七新総総第一八三五号平成七年十一月六日              東京都新宿区長  小野田 隆東京都新宿区議会議長  長森孝吉殿           議案の送付について 平成七年第四回東京都新宿区議会定例会に提出のため、左記議案を送付いたします。               記一 第六十二号議案 平成七年度東京都新宿区一般会計補正予算(第四号)一 認定第一号 平成六年度東京都新宿区一般会計歳入歳出決算一 認定第二号 平成六年度東京都新宿区質屋事業特別会計歳入歳出決算一 認定第三号 平成六年度東京都新宿区国民健康保険特別会計歳入歳出決算一 認定第四号 平成六年度東京都新宿区老人保健特別会計歳入歳出決算一 第六十三号議案 東京都新宿区島田育英基金条例の一部を改正する条例一 第六十四号議案 政治倫理の確立のための東京都新宿区長の資産等の公開に関する条例一 第六十五号議案 東京都新宿区特別出張所設置条例の一部を改正する条例一 第六十六号議案 東京都新宿区立区民センター条例の一部を改正する条例一 第六十七号議案 東京都新宿区議会議員及び東京都新宿区長の選挙における選挙運動の公費負担に関する条例の一部を改正する条例一 第六十八号議案 東京都新宿区心身障害福祉手当条例の一部を改正する条例一 第六十九号議案 東京都新宿区立区民住宅条例の一部を改正する条例一 第七 十号議案 東京都新宿区立学校設置条例の一部を改正する条例一 第七十一号議案 東京都新宿区立区民ギャラリー条例の一部を改正する条例一 第七十二号議案 都営住宅及び仮称東京都新宿区立百人町高齢在宅サービスセンター合築建物の建築工事経費の負担に関する協定(その二)  ----------------------------七新総総第一六三九号平成七年十月三日              東京都新宿区長  小野田 隆東京都新宿区議会議長  長森孝吉殿   平成七年中における東京都新宿区議会に説明のため出席させるの変更について 十月一日付けで助役を任命したことに伴い、下記のとおり変更します。   〔以下職名及び氏名の朗読は省略〕〔巻末諸報告の部参照〕  ----------------------------七新監第四一七号平成七年十月二十五日         東京都新宿区代表監査委員  名波倉四郎東京都新宿区議会議長  長森孝吉殿   平成七年度新宿区歳入歳出例月出納検査の結果について(九月分)  このことについて、地方自治法第二百三十五条の二第三項により別紙のとおり報告します。   〔別紙の朗読は省略〕〔巻末諸報告の部参照〕  ----------------------------七新監第三五八号平成七年十月二十七日           東京都新宿区監査委員  名波倉四郎           同           福岡 厚           同           馬場謹爾           同           新井康文東京都新宿区議会議長  長森孝吉殿          定期監査等の結果について 地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第百九十九条第四項及び第七項の規定に基づき、平成七年度定期監査等を行った結果について、同法同条第九項の規定に基づき、報告いたします。 なお、平成七年四月三十日までは、磯部芳直監査委員、木本義正監査委員が関与し、平成七年六月五日からは、馬場謹爾監査委員新井康文監査委員が関与しました。 馬場謹爾監査委員は、新宿区土地開発公社新宿納税貯蓄組合連合会・新宿区防火協会所管に係る事項について、新井康文監査委員は、新宿区土地開発公社新宿納税貯蓄組合連合会・新宿区商店会連合会新宿交通安全協会所管に係る事項について関与していません。   〔以下の朗読は省略〕〔巻末諸報告の部参照〕  ----------------------------七新総総第一七八〇号平成七年十一月二日              東京都新宿区長  小野田 隆東京都新宿区議会議長  長森孝吉殿   平成六年度東京都新宿区各会計歳入歳出決算審査意見書及び東京都新宿区基金運用状況審査意見書の提出について 地方自治法第二百三十三条第三項及び同法第二百四十一条第五項の規定に基づき、本区監査委員の「平成六年度東京都新宿区各会計歳入歳出決算審査意見書及び東京都新宿区基金運用状況審査意見書」を提出します。   〔別紙の朗読は省略〕〔巻末諸報告の部参照〕  -------------●-------------- ○議長(長森孝吉) 会期についてお諮りします。 本定例会の会期は、本日から十二月四日までの二十六日間にしたいと思います。御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶあり〕 ○議長(長森孝吉) 異議なしと認めます。 会期は本日から十二月四日までの二十六日間と決定しました。  -------------●-------------- ○議長(長森孝吉) 区の一般事務並びに教育委員会の事務について質問の通告を受けましたので、順に質問を許します。 最初に、四番染谷正明君。   〔四番染谷正明君登壇、拍手〕 ◆四番(染谷正明) 平成七年第四回定例会開会に当たり、新宿区議会公明を代表して、区長並びに教育委員会に質問をいたします。誠意ある御答弁をよろしくお願い申し上げます。 新宿区は、去る十月十五日、北京市東城区との友好提携の調印式を無事終了することができました。区長を初め参加された議会の代表及び関係一同には、心よりお喜びをいたします。また、訪問団の皆様方の御苦労と御努力に対し、敬意と感謝を申し上げる次第でございます。特に調印式はもとより、中国側代表団に対し、核実験に抗議する意見の表明をなされたとも伺っております。ともかく東城区との友好が今後一層進展されますよう祈って質問に入らせていただきます。 今議会では、平成六年度の区の財政状況が明らかになるわけでありますが、打ち続く不況の中での税収不足と財政の硬直化がはっきりと解明されるものと思います。現在区では、「開かれた区政推進計画」の策定が進められており、既に中間のまとめが発表されました。 そして、この中間のまとめでは、平成八年度から幾つかの事業の廃止、縮小、見直しなども盛り込まれております。区では、平成八年度予算編成に係る依命通達の中で、財政非常事態宣言がうたわれました。これは、かつてない財政状況の中ではやむを得ないことだとは思いますが、予算編成に当たって内部管理経費を削減することはもちろんでありますが、「開かれた区政推進計画」で方向づけされた既存事業の見直し、しかも、それが福祉の領域にまで及ぶわけでありますから、事は重大であります。 そこで、質問の第一点目は、区民への周知についてであります。開かれた区政推進計画を実現するに当たっては、まず第一に、区民に区財政の現状と将来をわかりやすく知らせることが大切であります。それを通り一遍の区の広報に掲載するだけではなくて、あらゆる媒体を使って区民に理解してもらうことであります。区民の理解なくしては、何の改革もできないことを肝に銘じていただきたいと思うわけであります。そこで、区では、区民への周知をどのように考えられておられるのでしょうか。 第二点目は、中間のまとめの具体化についてであります。開かれた区政は、区民の区政に対する信頼を確保することを目的としていることは当然であります。そのために、区はあらゆる努力を傾けて区民に対し、身近でわかりやすい、そして区政策決定の場に区民の参加と情報の提供をするものでなければならないと思います。この中間のまとめを見る限り、その点、抽象的な面が多く、もっと考える区役所、もっと行動する区役所、もっと話せる区役所の行動指針がよく見えてきません。 「中間のまとめ」二十三ページでは、検討課題一覧の「Ⅱ、区民が参加する区政」の項の①区民要望・提案等への対応、②区民への情報提供、③会議体のあり方、④事業計画段階からの住民参加について、いずれも今後の対応は検討となっております。これでは、まさに竜頭蛇尾の感があります。「開かれた区政」のネーミングから言っても、区民はその点を期待し、積極的な対応を望んでいるものです。今年度末の計画策定まで具体的に提示すべきと考えますが、区長のお考えをお伺いいたします。 第三点目は、歳入確保の問題であります。この点で大切なことは、歳出を抑えるばかりではなく、歳入の確保に全力を挙げるべきであると考えます。区の歳入の大枠を占めるのは、言うまでもなく特別区民税であります。平成六年度の決算でも、区民税の滞納繰越分が六十八億円余に達しているにもかかわらず、その回収はわずか八億八千万円、収入率は一二・九%にとどまっており、時効完成による不納欠損額は三億円余になっております。さらに、国民健康保険特別会計でも、保険料の滞納は著しく、平成六年度で十一億八千万円余になり、このうち収入したものは二億四千万円弱で、収入率二〇・三%にとどまり、不納欠損額は三億九千百万円余となっております。 この傾向は、ここ数年来変わっていないようであります。つまり、毎年度、区民税と国保料で約七億円が時効完成により欠損金として処分されているわけであり、これでは、まじめに納税をしている多くの区民から見れば、正直がばかを見る区政と思われても弁解のしようがないのではないでしょうか。税務課及び国民健康保険課の皆さんの努力は十分に評価をいたしますが、この点については、今後どう対応していくのか、お尋ねをいたします。 第四点目は、今回若干使用料改定も行われるやに聞いておりますが、これらの使用料なども応益、応能の原則に基づいて再度見直しを図っていくのか、お尋ねをいたします。 第五点目は、我々議会をも含めて区としてのリストラについてであります。職員定数の思い切った見直しや通常の管理運営費の節減、工事費単価の見直しなど、行政側自体でやるべきことはたくさんあると考えます。開かれた区政推進計画の実現には、こうした区の不断の努力がなくしては、真に区民のために役に立つ区政の展開など不可能と言っても過言ではないと思います。この点については、どのように考えられておられるのでしょうか。以上の五点について、小野田区長の御見解と決意のほどをお伺いいたします。 質問の第二は、福祉施策の充実についてであります。 第一点目は、余裕教室の福祉転用についてであります。現在、少子化による全国の余裕教室の数は、昨年五月の文部省調査では、五万二千教室に達しております。中でも、大都市部で著しい実態が明らかにされております。また、総務庁で行ったことし四月から七月にかけての調査では、東京で全体の約三割が余裕教室となっております。 さて、新宿区の現状は、ことしの五月一日現在、小学校では保有普通教室五百十三に対して百六十一が余裕教室、中学校では保有普通教室二百三十二対して九十五が余裕教室となっております。これら余裕教室すべて学校側がさまざまな形で利用しており、余裕教室小・中学校ともゼロとなっているようでありますが、一時転用を含め、再度検討をする余地は十分にあると考えます。今回、防災備蓄倉庫に活用をすることが決まっており、従来の文部省関係の施設という転用枠を一歩出たことには、教育委員会の英断を高く評価するものであります。 そこで、高齢化の急激な進展で、介護支援やデイ・サービス拠点づくりが行政の緊急課題となっており、その一方で、厳しい財政危機に直面している現状から考えますと、余裕教室の福祉転用は極めて効率的・効果的な措置と考えます。この手法によれば、新たに土地を購入したり、建築するよりは、はるかに費用はかかりません。また、もともと小・中学校などは利用しやすい場所に配置をされており、その面からも、高齢向け施設の整備には格好の存在であります。 余裕教室の増大に文部省も平成五年には「余裕教室活用指針」で、学校施設の充実、社会教育施設等への転用を打ち出しております。さらに、ことしに入ってから、文部省と厚生省の協議の上で出された厚生省の課長通知で、これまで文部大臣の承認事項であった転用の際の財産処分が報告事項となりました。同時に、高齢施設がその対象として明記されております。このことは、福祉転用の道が開かれたものであり、あとは各自治体、教育委員会がどう積極的に対応するかだけであります。 そこで、新宿区においても、早急に仮称「余裕教室活用計画策定委員会」を設置して、学校統廃合問題を考慮に入れながら、福祉転用への積極的対応を強く望むものであります。区長並びに教育委員会の見解をお伺いいたします。 第二点目は、現在新宿区においては、要介護の高齢に対してさまざまな施策を実施しておりますが、御本人はもとより、その家族は体の機能障害に応じた介護サービスの種類や利用方法について、十分な専門知識を持ち合わせていないケースが少なくありません。また、高齢に対しては、保健・医療・福祉にわたる総合的なサービスがますます必要となってまいりますが、現状では、高齢の抱えている状況を的確に把握し、今必要な支援を明らかにした上で、実際のサービスの供給が必ずしも十分とは言えないと思います。 「区民一人一人の福祉ニーズに適切かつ効果的にサービスを提供するため、ケースごとサービスの利用状況に至る諸情報を管理する個別情報システム(仮称)を整備し、関連所管課相互の情報の共有化を図っていく」と、新宿区社会福祉計画ではうたっておりますが、急速な高齢化に伴い、介護支援サービスの画一化を避け、できるだけ要介護高齢やその家族のニーズに沿ったサービス提供を目指すために、利用情報を共有できるコントロールタワー(調整機関)を構築することが急務であります。 平成元年に高齢サービス調整チーム体制がスタートして、チームのメンバーも福祉部、衛生部関係課の係長を初め区民健康センターの看護婦、保健所の保健婦、そのほか社会福祉協議会、福祉公社、在宅介護支援センター等の職員及び医師等を含めて総合的に構成をされ、その会議も本年度は四回開催し、個々ケースも九件と運営されていることは承知をしております。個々のケースで具体的にどのような対応をしていくか、検討をされているかとは思いますが、地域を回ってみますと、このケースから外れている方々もいらっしゃいます。また、関係職員からも共有の情報があればとの声もあります。決して現在の体制に難癖をつけるつもりはございませんが、予想以上のスピードで進む高齢化の進展から考え、さらに充実させるべきだとの観点で質問をいたします。 そこで、質問の第一点目は、一つ、区民の側から立って考えますと、どこに相談をすれば、一人の申請が訪問看護、ヘルパー等、さまざまな福祉の対応をしてもらえるのか。二つ、訪問看護ステーションとの連携については、どのようになっているのか。 次に、二点目は、さきに述べたように、高齢サービス調整チームは高齢化が進展していく中で重要な役割を担っております。一人の人を大切に、家族のニーズに沿ったサービスの提供ができるよう一日も早くケア・マネジメントのモデル実施を行うべきと考えます。 既に岩手県遠野市は、訪問看護ステーション介護支援センターが一緒になって事業を進めております。また、調整会議を週一回または月二回行って、看護婦、保健婦、ホームヘルパーなどの連絡・調整の円滑化を図っております。さらに、福祉事務所、保健所、病院などを結ぶパソコン通信網を使って、サービスの実施状況などを情報交換できるよう整備されています。これによって、高齢一人一人に提供されているサービス内容がどの機関にも把握でき、介護に必要な支援が十分に実施できる体制が整えられています。実に一人の要介護に対し、かゆいところに手が届くようなサービスが実施をされており、ぜひ参考にすべきと考えます。 第三点目は、高齢介護には情報収集・管理が不可欠であります。新宿区では、情報の整理及び管理を平成十二年度を目標にOA機器、コンピュータを導入していく方針であり、その準備を進めていると聞いておりますが、その進捗状況と目標年度達成はできるのか、お伺いいたします。以上、三点について区長の御所見をお伺いいたします。 質問の第三は、震災対策についてお伺いいたします。 阪神大震災の教訓を踏まえ、六月定例会では、緊急震災対策費として区有公共建築物耐震診断調査と補強工事に向けた設計の経費などが計上されました。区有公共建物には区民福祉会館や保育園、さらに学校施設などがありますが、特に阪神大震災では、学校が住民の避難場所として大きな役割を果たしました。幸い、いずれの学校も大きな被害がなく、住民も安心して長期の避難所生活を送ることができました。 ところで、当区の学校で昭和四十五年以前に建てられた学校は、小学校二十六校、中学校十一校、計三十七校もあり、住民の中には安全度に不安を持っておられる方もおります。 このことから、区においては、これら区有公共建物の耐震診断を行い、補強を要する建物については耐震工事を行うこととしておりますが、まずこの点についてお伺いをいたします。一つ、耐震診断の時期及び方法について、二つ、その結果、補強を要する建物はどのぐらいあるのか、三つ、工事を要する建物についてはどのような形で工事を行うのか、四つ、工事に当たっては保育園や学校など業務や学業に支障なく行うことができるのか、五つ、第二期調査はどのぐらいを予定しているのか、六つ、補強工事に要する経費の総額はどのぐらいになるのか、以上、六点について区長の御見解をお伺いいたします。 第二点目は、避難所としての学校についてであります。せっかく補強工事を行い、いざというときに避難場所として活用しようとしても、食糧や飲料水が確保されていなければ、安心して生活することはできません。ついては、備蓄物資をどのような形で保管し、いざというとき、どのような形で配付しようとしているのかお伺いいたします。 さらに、非常時に世話をする方々との問題であります。阪神大震災では、学校の先生がボランティアとして活躍をされましたが、これを教訓に、ほかの自治体では、先生の役割分担を明確にして震災時に備えていると聞いております。当区として、どのように考えておられるのか、区長並びに教育委員会のお考えをお聞かせください。 質問の第四は、清掃事業の移管問題についてであります。 新宿地区の清掃工場の建設候補地については、平成六年十月七日、東京都清掃局から市谷本村町の厚生省統計情報部を中心としたその隣接地を含む約二ヘクタールが候補予定地として発表をされました。その後、当区も清掃工場建設特命担当課が中心に、近隣住民・町会・商店会への経過報告や説明会での参加等からの意見聴取に積極的に取り組んでこられましたことは、十分承知をしており、その努力に敬意を表するものではあります。 この清掃工場建設問題については、我が党は、一年前の平成六年第四回区議会定例会において、清掃工場建設については、近隣住民と十分に協議を行い、周辺の要望を取り入れ、納得の得られるまで各関係機関は全力を挙げて努力をし、近隣住民の同意を得られない場合は着工すべきではないとの見解を示してきております。 そこで、その見解を踏まえ、清掃工場建設問題について二点について質問をいたします。 第一の質問は、清掃工場建設問題も早くも一年を経過しましたが、現在までの進捗状況はどの程度まで進んできているのか。第二の質問は、今までも住民サイドでは白紙撤回の要求を強く希望している方々もおります。この点については、今後どのように建設合意に結びつけていくのか、以上の二点について区長の見解をお伺いいたします。 次に、質問の第三は、清掃事業に関連し、し尿処理問題についてお尋ねいたします。東京都のし尿処理量は、下水道普及率がおおむね百%を達成したこともあり、年々減少をしていると思われます。しかし、工事現場や各種イベントの仮設トイレがあることや下水処理区域にあっても水洗化されていない便所があるため、し尿の収集体制がなくなるわけではありません。現在、二十三区内でくみ取り便所を使用している世帯は約三万戸以上とも言われております。清掃事務所では、原則的に月二回の収集をバキューム車で吸い上げております。このし尿は、船舶積みかえ施設で集積をされ、東京港十三号地でさらに海洋投入船に積みかえられ、陸地から五十海里以遠への海洋投入によって処分されております。 さて、当区内においても、くみ取り便所は六十三戸が報告されております。内訳として、戸建ての都営住宅で十三件、再開発地域内が六件、裁判による係争物件が八件、住宅の老朽化十三件、地形的に建てかえ不能三件、その他改造計画中が七件ほかとなっております。 清掃事業の移管に伴い、この事業は清掃一部事務組合で管理をし、共同処理を行っていくことになっております。当区は、副都心の中でも、国際都市、二十四時間都市、高度情報都市とも言われております。このような都心の中に六十三戸のくみ取り便所があることについて、どのように受けとめられておられるのか。また最終処分については、環境保護の観点からも、今後の対策をどのようにお考えになっておられるのか、区長の御見解をお伺いいたします。 最後に、教育委員会にお尋ねをいたします。 学校給食についてであります。学校給食は、学校教育の一環として実施されてきましたが、これまでその是非や功罪が論じられてきております。このことは、教育的効果もあるかわりに問題点も多くあるということであり、また学校給食に対する考え方が時代とともに変化をしているということでもあると考えます。現在の当区における学校給食の現状は、文部省が提唱する楽しい、ゆとりある学校給食というものとはほど遠く、一つ、子供たちの食生活の変化に対応できず、残飯が多く出ている、二つ、学校給食のマンネリ化が進んでいる、三つ、短い給食時間といった点が常に課題とされてきました。 私は、今学校給食の是非を論じようというつもりはなく、新宿区が目指す健康の増進、体位の向上を図るとともに、望ましい食習慣を身につけ、好ましい人間関係を育てるといった多様な教育的効果をさらに増進するために、学校給食に一工夫も二工夫もすべきであるということを訴えたいのであります。 そこで、私は、学校給食に外国料理を是非とも取り入れるべきてあると提案をいたします。今、各自治体で子供たちの国際感覚を養おうと給食に外国料理を取り入れる学校がふえてきており、子供たちにも好評を博していると聞いております。例えば、インドのキーマカレーやロシアのビーフストロガノフ、イタリアの本格なスパゲティなど、給食に出てくる品々は幅広いものがあります。 当区においては、本年四月一日現在、帰国子女の児童・生徒数は二百人、外国籍の児童・生徒数は三百二十八人と、多くの子供たちが小・中学校で学んでおります。国際都市新宿にとって外国料理を給食に取り入れることは、それらの子供たちのみならず、日本の子供たちに外国の料理を通して、その地方の気候や国土、習慣に加え、子供たちの生活を知ることができるのではないかと考えます。 新宿区は、幸いにもギリシャ・レフガタ町やドイツ・ティアガルティン区、そして去る十月十五日に調印をしたばかりの北京市東城区と友好都市提携をし、さらには中学生の海外派遣のオーストラリア等と既に友好関係にあります。 そこで、ギリシャ料理やドイツ料理や中国料理等を取り入れることにより、遠い国ギリシャやドイツのイメージが近くなり、外国の料理を味わうことで、国際感覚は磨かれ、二十一世紀の中心となる子供たちが将来国際交流の一翼を担う一員にもなるものと確信するとともに、新宿区が交流をしている都市とその文化を教え、国際理解を進める教育の一環に必ずなるものと考えますが、教育委員会の御所見をお伺いいたします。 以上で代表質問とさせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手) ◎区長(小野田隆) 染谷議員の代表質問にお答えをいたします。 まず一番最初の「開かれた区政推進計画」の中間のまとめについて、五点ほどのお尋ねがございましたが、区財政の現状につきましては、区民の皆様に正しく理解をしていただく必要性は、今日のような財政状況のもとでは、とりわけ重要であると認識をいたしております。 区といたしましては、さきの第三回区議会定例会での御指摘を踏まえ、目下区財政をわかりやすく解説した冊子を準備中でございます。区民の皆様には、近々広報誌にこの冊子からの抜粋を掲載し、広く御理解をいただく一助としてまいりたいと考えております。また、広報誌での扱いには、紙面の都合上限界があることから、より詳しくお知りになりたい区民の皆様のために、区役所一階の区政情報コーナーにも冊子を用意をし、頒布をする予定でございます。さらに、町会等の方々にも御理解をいただくため、町会連合会の会合などの場に配付をさせていただくことも考えているところでございます。 いずれにいたしましても、十分御指摘の趣旨を踏まえ、意を用いてまいりたいと考えております。 次に、開かれた区政推進計画中間のまとめにおける行動指針につきましては、今後も検討を重ね、来年二月ごろの計画策定では、できるだけ具体的に示していきたいと存じております。 区民が参加する区政の検討課題の今後の対応についてでございますが、例えば、会議体のあり方では、既に会議、議事の公開が行われている会議体もございますし、実行委員会方式も既に定着している事業もございます。一方、条件整備に時間がかかるものもあるため、広い意味での検討としたものでございます。 いずれにいたしましても、できるものにつきましては、準備等も含め、八年度から取りかかる所存でございます。 次に、歳入確保についてのお尋ねでございますが、御指摘のとおり、歳出を抑えるばかりでなく、歳入の確保にも全力を挙げることは、極めて重要なことと認識をいたしております。 お尋ねの区民税及び国民健康保険料の滞納繰越分不納欠損額につきましては、バブル経済が終息し、引き続く景気の低迷を受け、かつてない厳しい状況のもとにあります。このような局面に対して、税務課では、高額で困難なケースの専門班の新設、国民健康保険課では、徴収嘱託員制度を導入するなど、歳入の確保に努力をしているところでございます。 今後も滞納金の徴収はもとより、現年度課税分についても、より一層の努力をし、公正な納税の推進を図るとともに、税収等の確保を図ってまいります。 次に、使用料等の見直しについてでございますが、適正な受益負担の視点から、昭和六十一年三月に策定をいたしました行財政効率化推進計画に基づき、三年ごとに見直すことを原則としてまいりました。 今回の開かれた区政推進計画中間のまとめの中でも、区が供給する行政サービスのうち、サービスと受益とが明確に対応するような事務事業につきましては、住民間の負担の公平を図る見地から、受益に応じて所要経費を負担することを原則とする考え方が示されております。 今後もこのような基本的な考え方に立ちまして、既定の使用料、手数料につきましても、社会・経済情勢の変化、他団体等の状況、区民生活への影響等を総合的に判断しながら、見直してまいりたいと考えております。 次に、開かれた区政による経費削減についてのお尋ねでございますが、区民要望の増大・多様化、あるいは今日の厳しい財政状況を踏まえますと、区政のリストラクチャリング、すなわち再構築が区にとって欠かせないものであることは、御指摘のとおりと考えております。 また、御指摘にありますような職員定数、管理運営費、工事費単価の見直しなどにつきましては、現在開かれた区政推進計画中間のまとめの中でも検討を加えているところでございまして、重要な課題であると考えております。もちろん、区政の効率的運営自体は常日ごろから、まさに御指摘にありますように、不断に努力すべき課題であると十分認識しており、今後とも積極的に努力してまいりたいと存じます。 次に、福祉施策の充実についてのお尋ねの中で、余裕教室の福祉施設への転用についてお答えをいたしますが、御指摘のとおり、先ごろの文部・厚生両省の協議により、余裕教室の高齢福祉施設への転用が可能になりました。 高齢在宅サービスセンター等の高齢福祉施設の設置につきましては、社会福祉計画により順次建設を進めることとしておりますが、余裕教室の利用が可能な高齢福祉施設につきましては、その運営方法等、検討すべき課題が数多くありますので、今後教育委員会と十分詰めながら、検討を進めてまいりたいと考えておりますので、御理解を願います。 次に、福祉施策の充実についてのお尋ねでございますが、御指摘のとおり、高齢社会は現実のものとなっておりまして、要介護高齢に対する総合的なサービス提供体制の確立は、区政における最重要課題であると認識いたしております。 まず、福祉の相談と訪問看護ステーションとの連携についての御質問でございますが、現在総合相談室では、区民の立場に立って保健・医療と福祉の総合的な相談に応じながら、サービスの提供を行っております。また、保健所や訪問看護ステーションとも、その都度必要な連携を図りながら、対応をしているところでございます。 今後とも高齢サービス調整チームの活用を図ることにより、多様なサービス供給機関との連携を密にして、サービスの漏れをなくすため、さらに努力してまいる所存でございます。 次に、ケア・マネジメントについてでございますが、今年度衛生部と福祉部で「保健医療・福祉連携検討委員会」を設置をし、連携に向けて鋭意検討を重ねているところでございます。今年度内には一定の方向性を示し、ケア・マネジメントが行えるような体制づくりやモデル事業の検討に努めたいと考えております。 次に、OA化の進捗状況についてお答えをいたします。 福祉保健情報システムにつきましては、総合相談の窓口体制の充実を図るため、各課が保有している福祉・保健に関する各種の情報の連携を図り、相互に有効活用ができるシステムを構築するものでございます。 福祉情報システムにつきましては、現在プログラム作成に着手をしており、平成九年一月に本稼働を予定いたしております。また、保健情報システムにつきましては、現在基本設計に着手しており、平成八年度にプログラムを作成し、平成九年四月に本稼働を予定しております。 この福祉保健情報システムが全面的に稼働した暁には、関係間での情報共有を図ることができ、高齢への総合的なサービスの提供がより一層充実するものと考えております。 次に、区施設の耐震対策についてでございますが、学校等につきましては、阪神・淡路大震災においても、比較的軽微の被害があったものの、倒壊等の大規模被害は発生していない状況にあったことは御指摘のとおりでございます。 したがいまして、本区の施設におきましても、阪神・淡路大震災程度の地震が発生した場合でも、被害は阪神・淡路大震災の被害と大きくかけ離れた状況に至らないと考えております。 しかし、大震災時に避難所となる公共施設につきましては、より一層の耐震性の向上を図るため、他自治体に先駆け、率先して耐震性の調査を行ったところでございます。 まず、お尋ねの耐震診断の時期と方法につきましては、区有の公共建築物で昭和四十五年以前に建てられた施設は、小・中学校三十七校を含め、六十六施設あります。そのうちから、三十五施設を第一期調査として七月上旬から九月末にかけて、委託により耐震診断を実施いたしました。診断を進めるに当たり、学識経験を委員長とした調整会議を設置し、適正な結果が得られるよう努めております。 次に、診断の結果でございますが、三十五施設、九十四棟を調査し、うち七十五棟に何らかの補強が必要との診断結果となりました。 工事を要する建物につきましては、どのような形で工事を行うのかでございますが、これから補強設計を行いますので、施設により多少は異なりますが、基本的にはコンクリートまたは鉄骨で壁を増設する等の工事を行います。 次に、業務に対する支障についてでございますが、保育園や学校等業務に支障なく工事を行うためには、収容対策等や機能上の制約等、建物管理者との調整を図る必要があります。今後十分協議を進めてできるだけ業務に支障のないよう努めてまいります。 次に、第二期調査につきましては、四十五年以前に建てられた施設のうち、残りの三十一施設を平成八年度に行う予定でございます。 補強工事に要する経費の総額でございますが、これから補強設計を行いますので、現段階では正確にはわかりませんが、今年度調査分をすべて行えば、耐震補強工事に要する経費は概算で約二十五億円、収容対策その他を含めた金額は約四十億円になるものと予想をしております。 次に、区立小・中学校における備蓄物資の保管方法につきましては、本年度から三年計画で、すべての小・中学校に空き教室を利用して備蓄倉庫を設けていく予定でございます。ここでは、区民の方々の被災初日分の食糧や防災用品、医薬品などを備蓄していく計画です。また、備蓄物資の配付方法につきましては、現行計画では、原則として区職員が当たることになっております。 しかしながら、阪神・淡路大震災の事例を見ますと、区職員の対応だけでは困難な面がありますので、今後、住民、学校、防災関係機関及び区との間で、備蓄物資の配付方法も含め、具体的な避難所の管理運営方法について、来年度中に取りまとめていきたいと考えております。 次に、学校教員の震災時における役割についてのお尋ねでございますが、御指摘のとおり、阪神・淡路大震災におきましては、学校の教職員の方々の献身的な働きぶりが高く評価されておりました。 当区といたしましても、こうした貴重な経験を踏まえ、避難所の管理運営のあり方について、学校の教職員の方々の参加をいただきながら、検討を行っているところでございます。現在のところ、避難所の管理運営に御協力をいただく方向で検討を進めているところですが、文部省や東京都教育委員会においても、震災時の教職員の役割について検討を進めていますので、それらの検討結果をもとに最終的な調整をしていきたいと考えております。 次に、清掃事業移管問題についての御質問にお答えをいたします。三点ほどございますが、逐次お答えをさせていただきます。 新宿地区清掃工場の建設につきましては、昨年の十月七日に発表されて以来、本区といたしましては、地元自治体としての立場で、区民の皆様の御意見、御要望をお聞きし、事業主体である東京都へ働きかけてまいりました。 御質問の第一点目の現在の進捗状況につきましては、本年二月から三月にかけて航空測量及び交通量調査等の基礎調査が行われました。現在はこれらの調査結果をもとにして、平成八年度末を目途として基本方針の検討に入っていると、東京都から説明を受けております。 本区といたしましては、基礎調査の結果等を含め、そのつど進捗状況を地元町会・商店会の皆様にお知らせするとともに、清掃事業の現状を御理解いただくために、清掃施設の見学会を開催したところでございます。 御質問の第二点目の建設合意に向けた取り組みについてでございますが、当該建設候補地は区内で唯一の建設候補地と考えております。清掃工場は、年々深刻化するごみ問題の解決のために必要不可欠な基幹的都市施設であり、また地域から出たごみはその地域で処理をするという自区内処理の原則を実現するためにも必要な施設であると考えております。 これらの考えを地元を初め区民の皆様に御理解いただくとともに、搬入車両や公害に対する不安を解消するための御意見、御要望を地元自治体としての立場で、積極的に東京都へ働きかけていきたいと考えております。 御質問の第三点目のし尿処理問題についてでございますが、現在のし尿処理は東京都が事業主体となっており、都区制度改革後は、収集・運搬は各特別区が行い、処分は清掃一部事務組合による共同処理となる予定でございます。 本区の下水道普及率は百%となっておりますが、御指摘のとおり、個々の理由によりくみ取り方式が残っており、平成六年四月時点では六十三軒でございましたが、現在でも五十一軒となっております。 また、今後のし尿の最終処分につきましては、環境保護の観点から、平成十年度末を目途に、海洋投入処分から下水道への投入を想定をした新たな処分方法を東京都において検討中でございます。 いずれにいたしましても、し尿を含むごみ問題は、非常に大きな社会問題となっておりますので、本区といたしましても、都区制度改革を視野に入れながら、区民の皆様の御理解、御協力をいただけるよう積極的に努力をしてまいりたいと考えております。 以上、私に対する御答弁を終わらせていただきまして、後は教育長からお答えいたします。 ◎教育長(森岡泰弘) 教育委員会に対する御質問にお答えをいたします。 最初は、余裕教室の福祉転用への御質問でございます。 区立小・中学校において、児童・生徒の減少により余裕教室が生じていることは御指摘のとおりであります。 そこで、教育委員会といたしましては、小学校の余裕教室につきましては、学校が多様化する学習活動を展開できる施設であると同時に、地域に開かれた学校施設であることを目指して、会議室、音楽室、多目的室等、計画的な整備をしてきたところであります。また、中学校の余裕教室につきましては、適正配置計画の進捗に伴い、今後学校整備を考えていく必要があり、十分な施設的余裕が見込めておりません。さらに、阪神・淡路大震災の例からも、学校を避難所として使用することを考慮し、今後全校に備蓄倉庫が設置されることになっております。 余裕教室の利用状況は、以上のような実情でありますので、仮称「余裕教室計画策定委員会」というような検討組織の設置につきましては、今のところ考えておりません。 お尋ねの福祉転用につきましては、福祉部内で余裕教室を利用する高齢福祉施設の内容や運用方法等を検討していると聞いておりますので、私どもといたしましては、幼稚園を含めた学校施設の状況を見ながら、関係部局と十分協議し、学校教育に支障のない範囲内で協力させていただきたいと思っております。 次に、震災対策におきまして、震災時の先生の役割分担を明確にすべきではないかというお尋ねでございます。 ことし一月の阪神・淡路大震災におきましては、多くの学校が避難所として利用され、教職員が被災住民の救援に当たるなど、大きな役割を果たしました。大地震災害が発生し、学校が避難所となった場合における当区の教職員の役割分担についてのお尋ねでございますけれども、現行の新宿区地域防災計画の中では協力することにはなっておりますが、具体的な役割が明確になっておりません。 したがいまして、現在、地域防災計画の見直しを学校長を構成員に含めた避難所運営管理部会で検討を進めております。その中で、避難所の管理運営に当たっては、教職員は、学校長の指示のもとで積極的に協力することとし、その役割分担などを具体的な内容について、現在詰めているところでございます。 最後に、学校給食について、国際理解のために学校給食に外国料理を取り入れてはという御質問でございます。 新宿区の学校給食では、現在週五回の給食のうち、米飯給食を二回、パン給食を二回、麺給食を一回の割合で献立を構成しており、和食、洋食、中華料理、合わせて四百種類以上のメニューを使い分け、給食を提供しております。また、これらのメニューには、広範囲にわたる食品や多数の外国料理も取り入れております。 これまでの学校給食では、栄養管理、正しい食習慣、好ましい人間関係などを目的に、楽しく、おいしい給食を目指して、日本の郷土料理や外国料理を含む多様な献立を作成してまいりましたが、今後はさらにこうした給食を通して、その国や地域の理解が及ぶという効果にも着目して、子供たちへの指導の方法を研究してまいりたいと思います。 以上で答弁を終わります。 ◆四番(染谷正明) 自席から発言をさせていただきます。 ただいまの私の質問に対しまして、一点一点細かく区長並びに教育委員会から誠意ある御答弁をいただきました。私の質問が今後の区政に反映されますことを願い、また決算特別委員会等でもお伺いいたしますことを申し上げ、質問を終わります。(拍手) ○議長(長森孝吉) 次に、二十二番根本二郎君。   〔二十二番根本二郎君登壇、拍手〕 ◆二十二番(根本二郎) 平成七年第四回定例会に当たり、日本社会党新宿区議会議員団を代表し、区長並びに教育委員会に質問をいたします。 第二次大戦の終結から五十年目を迎えたこの年は、一月十七日の阪神・淡路の大震災から始まり、オウム真理教による無差別殺人事件、中国・フランスの核実験の強行、そして米軍による沖縄での少女暴行事件と県民総ぐるみの闘いなど、歴史的な大事件の連続でありました。この一つ一つの事件が、あるいは出来事が戦後五十年目にして生じたことを偶然のこととしてではなく、蓄積した矛盾のあらわれとして教訓化し、これからの日本の歩むべき道について合意の形成を図らなければならないと思います。 このような問題意識のもとに、それでは、新宿区として今何が求められているか提言しつつ質問をいたします。どうぞ誠意ある答弁をお願いいたします。 初めに、平成八年度予算編成方針についてであります。 十月二日、志萱正男、高橋和雄両助役名で「平成八年度予算の見積について」依命通達が出され、現在、来年度の予算の編成中であります。この通達の特徴は、平成八年度から平成十二年度までの区の財政収支予測を厳しくとらえ、このまま推移すれば、「起債制限団体」への転落を免れないとして「財政非常事態」を宣言していることであります。 ここ数年の不況は依然として先行き不透明であり、厳しく認識しなければなりません。そして、不要不急の事業の見直しは確かに行わなければなりません。このことについては、全く同意するものであります。その上に立って幾つかの質問をいたします。 第一は、こういう時期にこそ、区民の置かれている状況を的確につかみ、区政の積極性が求められているということであります。区税収入が落ち込むということは、とりもなおさず、区民の営業や生活が苦しいということの反映であるからであります。 例えば、私の知り合いに印刷業を営んでいた御夫妻がいます。まだ若い五十前後の御夫婦でありますけれども、この不況で仕事が極端に減り、昨年十月、思い切って飲食店へと職種の転換を図りました。ちょうど一年がたとうとしている時期に、御主人が体を壊し入院してしまいました。店は奥さんが一人で何とか切り盛りをしている状態であります。 このように、一方で不況による減収、他方でかさむ支出。特に新宿区は景気の動向に敏感に左右されるまちであります。恐らく多くの区民の皆さんが同じような状態に置かれているでしょう。非常事態を宣言するとすれば、不況の影響を受けての区民生活について「非常事態」を宣言し、そして働く区の職員の自覚と献身を促すこと。そして今、何を最も優先すべきかという全庁的な討論と合意の形成を図ることが最も大事なことではないのかと思うのであります。 そこで、区長にまず予算編成に当たり、区民の置かれている現状をどのようにとらえているかをお伺いいたします。また、その認識の全庁的な形成は、どのように行われているかについてお伺いいたします。 第二番目は、具体的な区財政の運営についてであります。私たちは、バブル期に各種目的基金の積み立てや財政調整基金の蓄えなどを積極的に行ってきた区当局の実績を評価してまいりました。なぜなら、税収はその性格上、不安定であり、なおかつ当時のように、一〇%台の伸びなどはそう続くものではないというふうに認識していたからであります。後年度負担の平準化を図らなければなりません。そして、ここ数年の税収の落ち込みの中でも、基金の活用や起債の積極的な発行により区民生活に影響があるものについては、これを削減すべきでないと主張してまいりました。 区が出した予測によれば、しかし、それも限界に近づいているということであります。平成九年度以降は、財政調整基金も底をつき、二十五億円の財源の不足が予想されるとのことであります。 区民も「非常事態」、区財政も「非常事態」、だとすれば、区民のより切実なところへ重点的に予算配分をせざるを得ません。そうだとすると、来年度どのような特徴を持つ予算が想定されるか、お伺いいたします。 二つ目には、超過負担の解消や自主財源の確保の努力、財政自主権の確立に向けた運動など一層努力しなければならないと思いますが、この点はどのようになさるおつもりか、お伺いいたします。 三つ目は、当区の公債費比率は、二十三区平均と比べて今でもかなり低い水準にあります。適債事業については、起債を発行しつつ事業を進めるべきと考えますが、来年度起債は何を、どの程度予想しているかについてお伺いいたします。 第三は、戦後五十年、特にこの十年は区政運営に多くの教訓を残しました。地価の高騰、乱開発、人口の急激な減少、コミュニティの崩壊など、激動とも言える十年でありましたが、それが治まっている今、十年後、二十年後の新宿像を描く時期であります。これは後ほどの質問にいたしますが、今こそ世界に誇れる美しいまちをつくるための、その一歩を踏み出すべきであると思います。平成八年度予算は、そういう一歩として何が予定されているか、お伺いいたします。 次は、新宿区基本構想の見直しについてであります。 平成八年度末に策定予定の基本構想の見直しの作業は、十月九日、第一回の審議会が開かれました。私たちは、三月と六月の定例会でも、この問題について質問いたしました。そもそも二十一世紀を目指して策定した現在の基本構想について、見直しを諮問するとするならば、区当局の強烈な問題意識なり、理由が明らかにされなければなりません。一体それが何なのかということが、私たちの質問の趣旨でありました。いまだに明確にはなりません。 そこで、本日は、私たちはこう考えるということを述べ、区長の見解をお伺いいたします。 高度に発達した生産力にもかかわらず、真のゆとりを感じられない日本、その戦後五十年を総括し、平和で豊かなゆとりあるまちをつくろう、新宿区をこれだけは世界の都市の中でトップにするというような決意が必要です。私は、その中身は新宿区は住環境の破壊は絶対許さない、緑豊かなまちにしよう、そして、ゆとりある美しいまちを子孫に残そうということであると思います。 例えば、具体的には公園面積を十年後に今の倍にするという案であります。倍にしても、実は一人当たり平均十平米にも満たないのです。ちなみに、神戸市は一人当たり十五平米の公園面積を持っていたのであります。世界の主要都市から比べ、まだまた低い公園面積であります。防災の見地からも、環境保護の見地からも重要であります。 もう一つは、ゾーン制を厳格にし、住環境を守る。そして、新しく指定した用途地域は将来にわたって変えない。このような点を明確にすべきであると考えます。 世界中の都市で、そのすぐれた評価を得ているのは、歴史的な建造物が大事にされ、美しい町並みが残され、そして緑に囲まれたまちであります。当たり前と言えば当たり前でありますけれども、戦後の日本は、それと逆行するまちづくりを行ってきました。緑を切り捨て、空き地をなくし、無秩序に業務ビルをつくり、都市をつくり上げた結果、東京は過密化し、地方は過疎に苦しんでいる状態です。 今、時代は地方分権の時代であり、趨勢は国会や官庁などの機能を地方に移し、東京の人口を削減し、国土全体を均衡あるものにしようということであります。この十年間、新宿区は他の自治体に先駆けて努力してまいりました。 したがって、私は新宿がその気になれば、その先端をいけると考えているのであります。改めて区長の御見解をお伺いいたします。 次に、都市マスタープランの策定と住宅付置義務要綱の見直しについてであります。 この項の質問の趣旨は、一つには、マスタープランの策定時期を延ばすべきであるということであります。もう一つは、付置義務要綱の見直しに対しての区長の考えについてであります。 都市マスタープランは、新しくつくられる基本構想に基づいたものでなければなりません。ところが、基本構想はこれから審議に入るところであるにもかかわらず、この都市マスタープランの素案は既に発表され、来年三月には決定されるという進行予定であります。 都市マスタープランの策定は、さきに改正された都市計画法によって義務づけられたために、区は従来の都市整備方針をもとに、さらに発展させて策定すべき作業に入ったものであります。作業に入る時点では、基本構想の見直しの計画がなかったのであります。そのために、このように逆転した状態になってしまったわけであります。 しかし、都市マスタープランは策定が義務づけられてはいますが、期限は定められていません。基本構想の策定作業の予定がないならばともかく、これから始まるところで個別のプランが先に出てしまうということは矛盾します。 質問の意図をもうちょっと明確にするために申し上げますと、用途地域の指定についても、このような逆転した状態でありました。これは、本来まちづくりは自治体固有の権利であるのでありますが、現在の都市計画法はそうなっていない、何から何まで中央政府が決めてしまう。ここに官主導、中央主導の問題があると言いたいのであります。時期を延期して、基本構想とのすり合わせを図るべきであると考えます。区長の見解をお伺いいたします。 続いて、現在進められている住宅付置義務要綱の見直しについてでありますが、「住商混合」のまちづくりなのか、ゾーン制を厳格にし、住環境を守るというまちづくりなのか、この間のまちづくりを総括し、さらに発展させるという見地から整合性を持たせるべきであります。「とばし」をどのように位置づけるのかは、大きな問題です。区長の見解をお伺いいたします。 続きまして、開かれた区政の推進について質問いたします。 過日、開かれた区政推進本部から「中間のまとめ」が出されました。変化の先取りなど、意欲的な提言などもあり、さらに検討を深めることを期待するものであります。 そこで、特に「区民が参加する区政」の項について申し上げたいと思います。意欲は感じられるが、それでは、何を、どう改善するかということになると、なかなか具体的なものが出されていません。区民参加とは、実は区民サービスの、あるいは区政の質的転換こそが求められているということではないでしょうか。 そこで、私は、五年前の住宅基本条例の直接請求の運動の教訓を申し上げ、提言したいと思います。バブル期の乱開発に対抗し、九十年の九月から「住宅及び住環境に関する基本条例」の直接請求運動が始まりました。この新宿区でです。そして、九十一年二月にその条例が成立いたしました。直接請求による条例の成立は新宿区政史上初めてのことでありました。区民が条例案をつくり、署名を集め、区議会の議決を得るということは、大変エネルギーの要ることであります。よほどの情熱と真剣さがなければできません。 しかし、当時の区長は、この条例に反対したのであります。今の小野田区長じゃないわけでありますけれども。それはなぜか。「直接請求の条例案を認めることは、区行政の立ちおくれ、あるいは欠陥を認めることになる」というような行政の閉鎖性によるものでありました。 私たちは、地方自治法の直接請求権は、市民の直接政治参加を保障しているのであり、住民の提案制度に近いものである。区民の政治参加を促進するものとして積極的に評価、支援すべきであると主張しました。 それまで法律や条例は、国や役所がつくるものだと思っていた区民の皆さんが自分たちで条例をつくったことにより、自治意識が大きく芽生えたのであります。これこそが市民自治の姿であると思うのであります。つまり、行政主導主義、この転換こそが今求められていると考えるのであります。そのためには、まず第一に、区の持っている情報を積極的に区民に公開する姿勢、第二に、政策決定過程への区民の参加を積極的に推進すること、そして市民団体の政策提言運動への支援などであります。 このような観点から、以下幾つか質問いたします。開かれた区政推進のために、行政の側の発想の転換が求められているというふうに私は思うのでありますが、この点について区長の見解をお伺いいたします。 また、そのような観点に立って、この開かれた区政推進計画の策定についても、区民への説明会などを開催し、意見を求めるべきであるというふうに思いますが、いかがでしょうか。 第三に、各種審議会などの委員について公募方式をとるべきであると思います。 第四に、審議会等の運営の改善についてであります。現状は、事務局主導の運営で、委員の自由な雰囲気での発言の場になっていません。これを改めるために、ワーキンググループとしての研究所の専門委員を委員会構成に入れ、そのワーキンググループ、あるいはプランナーも意見を述べ、その意見に基づいて、区民、区議、あるいは学者も自由闊達な議論ができるようにすべきであります。そのためには、会議の回数もふやしたり、会議時間の工夫も必要であります。 五番目は、今問題になっている官官接待についてでありますが、中央集権と補助金行政のゆがみが、これほどまでに腐敗を進めていた事実を明らかにしました。しかし、真に解決すべきは、市民に対して官、あるいは行政の優位、地方に対して中央の優位という非民主政から、市民主権、地方主権への転換であります。 そこで、当区は、いわゆる官官接待の現状はどうなっているか。私は一切廃止すべきと考えるが、区長はどのように考え、今後どうしようとしているのか、お尋ねいたします。 続きまして、高齢福祉の充実についてであります。 あかね苑が開設して五年になります。この五年間、高齢福祉の充実のために努力された職員や関係の皆さんに心から敬意を表します。ここに五年間入所された御家族の手記があります。大変感動いたしましたので、抜粋して読まさせていただきます。抜粋ですから、ちょっと意味が通じないかもしれません。 「平成二年春、寝巻き浴衣の襟もはだけ、寝かされているだけの母に幾度目かの転院の病室の枕元で私は、「あかね苑」入苑を説いた。しばらくいきまして、「あかね苑」での生活が始まった。かたくなに寝巻きを脱がなかった母が昼間は洋服に着がえるようになった。寝たきりだった母は、やがていつ行っても車いすにかけテレビを見ている。新聞も講読し、政治や社会に関心を示すようになった。私の買い求める洋服の色やデザインにも注文がつく。私がおむつに触れるのを嫌った。それは親としてのぎりぎりの尊厳だろうと理解した。大学の教え子が面会に来れば、数年間の闘病生活などなかったごとく、しっかりとした姿勢を保ち通した。このように母は立ち直った。五年の歳月がたち、ことしの満開の花も過ぎたある日、私の娘の運転で母を乗せ、ドライブとしゃれこんだ。「来年もまたね」言葉にはならず、心の中で母に語りかけていた。」 人間としての尊厳、そのことを尊重し、高齢介護に携わる職員の皆さんと、利用の皆さんの努力と信頼が目に見えるようであります。恐らくかしわ苑でも同じような努力をされていると思います。この五年間、福祉の最先端で福祉水準の向上のために献身されてきたことに心から敬意を表します。 しかし、それでも日本の特養ホームのサービス水準は、ヨーロッパと比べ、低いと言わなければなりません。基本的には、国の補助基準の低さに問題がありますが、基本介護に追われ、趣味や生活を楽しむ余裕はまだまだ少ないと言われます。職員の過重な犠牲にならないよう配慮すべきであります。これが一つです。 第二に、質的に前進したと言っても、今までも待機は三百五十人に上ります。入所まで二年以上待たなければならない自治体は、全国でも四%だけだそうであります。そして新宿区は、この四%の自治体の一つに、残念ながらなっているわけであります。特養ホームの増設を急がなければならないと思います。基本計画にある第三特養ホームの区内建設は、今いかなる段階か、急ぐべきであるということの視点から、質問いたします。 第三に、在宅ケアに対するホームヘルプサービスの充実を急がなければなりません。待機に対するホームヘルプサービスは、社会福祉計画と比較してどの程度進んでいるのか。在宅ケアの目標は、二十四時間ホームヘルプ事業であります。例えば、品川区は二十人を試験的に選び、ことし六月から民間企業に委託し、二十四時間ヘルパー派遣をスタートさせたそうであります。本区は、ことし七月から来年十月にかけて推進計画の見直しを進めるとしているわけでありますけれども、この点については、どのように御検討されているのか、お伺いいたします。 続きまして、福祉のまちづくりについてであります。 これは、九月の定例会で、我が党のかわの議員が質問いたしました。続いて重ねて質問をいたします。 福祉のまちづくりについては、この数年でかなり進んできていると認識しております。特に平成六年度からは、「福祉のまちづくりモデル地域」の指定を受け、事業が開始されました。平成六年度は、「人にやさしい道づくり技術指針」に基づいて、東京女子医大通りの歩道を整備いたしました。例えば、民地側を下げるという方法をとったり、あるいは支道接続部分の三角ブロックをとるなどして、新しい方法を取り入れながら、切り下げ勾配、歩道上の切り下げ勾配というのがあるわけですが、ちょっと今ウォッチングの会が発行した本を持って来るのを忘れましたので、ちょっと紹介できないわけですけれども、切り下げ勾配五度以上のところがすべてなくなるなど、かなり改善されました。 しかし、福祉ウォッチングの会の調査によれば、不十分な点が幾つか指摘されています。これは、工事前に区の方に指摘したそうでありますけれども、改善がされなかったということであります。いかなる理由からか、お伺いいたします。 第二に、この工事は技術指針を越えた改善点があると聞いています。そうだとすると、それをさらに技術指針に取り込み、これをまたこれから続くであろう八年度、九年度の工事に取り組むべきであると考えますが、いかがでしょうか。 第三に、高田馬場駅通りの歩道整備についてでありますが、これも福祉ウォッチングの会で、かなり細かい調査を行っているのでありまして、ぜひこういう団体と共同して進めていただきたいと思うのであります。 第四に、平成八年、九年と改善工事が予定されていますが、ぜひ障害団体や関係など、区民の皆さんと共同したまちづくりとしてこれを進めていただきたいと思うのであります。以上、お伺いいたします。 次は、北朝鮮の水害被害への支援についてであります。 人道的見地から緊急に支援すべきであるということでのお伺いであります。 既に御承知のように、朝鮮民主主義人民共和国では、七月下旬から八月中旬まで降り続いた未曾有の集中豪雨により、甚大な被害をこうむりました。この豪雨によって引き起こされた大洪水により、住宅流失や農地、牧場の冠水を初めダム、医療機関、工場、学校、交通機関など壊滅的な打撃を受け、全国百四十五の市、郡、五百二十万人が被災したと言われています。このことは、国際的にも広く知れわたり、国際赤十字社を通じて多くの国々から救援の手が差し伸べられています。 ところで、去る十一月一日に、在日本朝鮮人総連合会新宿支部の皆さんが区長を尋ね、新宿区に人道的立場からの支援を要請いたしました。国交がないということがこの支援に対しての困難な材料になっているようであります。しかし、既に東京都は五万ドル、五百万ですね、そして、葛飾区、港区、墨田区、目黒区、豊島区、板橋区などが支援金や支援物資を送っているのであります。ぜひ新宿区も人道的見地から緊急に支援を行うよう求めるものであります。 次は、フジテレビ移転後の跡地活用についてであります。 昨年、この地域のまちづくりについて質問をいたしました。この地域三十三ヘクタールの特徴は、地下鉄十二号線の新駅設置により、今までの曙橋駅を中心とした導線が変わること、あるいはフジテレビや税務大学など移転が予定されている大規模な公共施設が多く存在していること。それだけにまちの変化は激しく、多くの不安や期待が入りまじっている、跡地利用も含め一体的なまちづくりをぜひ行うべきだというものでありました。 さて、いよいよフジテレビが平成八年度、つまり来年中に臨海副都心に移転することになりました。今地元では大変に不安を募らせています。何よりも跡地の利用計画がいまだに決まらないからであります。この空白期間が長引けば長引くほど、地元商店街にとっては死活の問題であります。民間デベロッパーによる事業ならともかく、東京都が入っての事業であります。一刻も早く事業主体を決め、まちの活性化と潤いのあるまちづくりのため、早急に取り組むよう関係機関に働きかけるべきであると思います。ぜひ区長の積極的な姿勢をお願いしたいと思います。 最後は、教育委員会への質問であります。 図書館サービスの向上について、今日、生涯学習の機運の高まりや、週休二日制の定着による余暇時間の増加などを背景として、地域の図書館を利用する区民の皆さんがふえており、図書館サービスに対するニーズが以前と比べ大きくなってきています。平成六年度の区民の貸し出し登録数を見ても、五年前に比べて二倍以上にふえています。この間の人口減少の中での絶対数の伸びでありますから、図書館への需要がいかに高まっているかがわかります。特に近年は、平成元年に角筈図書館が、また昨年度は大久保図書館が、それぞれ小さな分室時代から図書館へと衣がえし、地域における生涯学習のセンターとして定着しつつあります。 現在、平成九年度からの開館に向けて改築工事を進めている新宿図書館の完成により、新宿区における図書館のハード面からの整備計画も一段落を迎えることになり、図書館情報システムのネットワークも完成します。しかしながら、図書館サービスの現状を見ると、例えば司書職の配置や、地域行政資料の体系的な収集、整備など、少なからぬ課題が横たわっているように思われます。 そこで、お伺いいたします。二十一世紀を目前にして、図書館の整備計画やネットワークシステムの完成により、図書館に対する区民の期待も、需要も一層高まることと思われます。これらを踏まえて、今後新宿区における図書館サービスをどのように展開しようとしているのか、基本的方向をお伺いいたしたいと思います。 中央図書館の中枢機能についても、改めて検討すべきと考えます。さらに、西早稲田地区など九館構想では補えない地区についても、増設すべきと考えますが、いかがでしょう。 また、現在の開館日や開館時間などについても、大都市に住む区民の生活の実態やニーズに、より一層近づけるよう努力する必要があると思うのでありますが、どのようにお考えか、教育委員会の見解をお伺いいたします。 以上で私の質問は終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) ◎区長(小野田隆) 根本議員の代表質問にお答えをいたします。 まず第一点目の平成八年度予算編成方針に関連しての御質問でございますが、不透明な経済状況は、もう既に四年に及んでおりまして、御指摘のように、区民生活の経済的側面にも多くの影響があらわれております。 当区といたしましては、これまでに何度かの商工業緊急融資の実施を初め生活保護や教育扶助の増高に適切に対処するとともに、七年度予算の編成に当たりましても、区民生活にきめ細かく配慮した予算を編成したところでございます。このような区民生活の厳しい実態につきましては、職員一人一人にも十分理解されているものと考えております。 また、財政非常事態に対する職員の共通認識の確立などにつきましては、職員報による周知を図るとともに、区財政の状況をわかりやすく解説した冊子の配付を行うなど、十分に留意していく所存でございます。 その上で、今後の区政の展開に向けて活発な政策論議が巻き起こるような組織、風土の確立にも意を用いてまいりたいと考えております。 次に、まず来年度予算の特徴についてでございますが、基本的には、区民生活にきめ細かく配慮すると同時に、現下の厳しい財政状況にも十分対応し、公平公正で、かつ長期的な財政の安定性の確保にも留意をした予算を編成してまいりたいと考えております。 次に、御指摘の超過負担の解消を初め財政自主権の確立に向けた対応といたしましては、当面、特別区制度改革の実現を着実に進めるとともに、さまざまな機会を通じて基礎的な自治体である二十三区が一体となって、区の立場を関係各方面に強く主張していく所存でございます。 最後に、起債の活用につきましては、後年度負担に十分配慮するとともに、現に管理する施設全体の運営経費にも留意しつつ適債事業につきまして、積極的な活用を図ってまいりたいと考えております。 次に、戦後五十年の節目を前に、この十年はバブル経済とその崩壊に見るように、殊に大きな社会経済の変動の波が国、地域社会、住民を容赦なく襲った時期でありました。その激動の中で、区政も多大な影響を受けましたが、今日の区財政の急迫状況もその一つでございます。将来に目を転じましても、先行き不透明で展望が持ちにくい時代であります。 しかし、区政は、どのようなときにも、区民福祉を目指した努力をおろそかにできないことは、申すまでもございません。現在着手しております基本構想の見直しにつきましても、このような不透明な時代にあるからこそ、主体的に将来目標を立てて区政に取り組む必要があるという認識を持つからでございます。 美しく、住みよいまちづくりにつきましても、どのような時代にあっても、その視点を失うことはできないものと考えており、八年度の予算編成に当たっても、創意工夫をし、そのような方向に向けた努力をする考えでございます。 次に、基本構想の見直しにつきましては、基本構想審議会条例に基づく審議会を設置しまして、去る十月九日の第一回の審議会におきまして、新宿区基本構想の見直しについて並びに新宿区基本計画に盛り込むべき施策のあり方についての二つの事項につきまして、諮問したところでございます。見直しの基本方針としましては、現在の基本構想の理念であります「人間性の尊重」、「自立と交流連帯」、「地域性の重視」を継承し、発展させることとしております。 検討に当たりましては、基本構想の基礎である社会・経済情勢が戦後半世紀をへて大きな転換期を迎えており、区民の生活環境や意識も変化してきていること、また高齢・少子化、高度情報化、国際化、環境問題、人々の価値観の多様化、さらに地方分権の潮流や特別区制度改革の動向等、二十一世紀初頭に向けてのさまざまな変化を十分勘案すべきという考えを諮問文で述べさせていただきました。 御指摘の都市のあり方につきましても、この十年間の努力を土台にしながら、二十一世紀初頭における新宿区のあるべき将来像、豊かな都市と地域社会づくりの方向性等、十分な御審議をいただきたいと考えております。 今後、一年間かけて御審議いただくわけでございますが、二十一世紀初頭に向けて、区民が生き生きと安心して暮らせる新宿区づくりの方向性について、的確な答申がいただけるものと期待をいたしております。 次に、都市マスタープランに関連しての御質問でございますが、新宿区の都市マスタープランは、平成六年度から策定を開始し、用途地域の告示にあわせて今年度中の策定を目指しております。 御指摘のように、都市マスタープランは、現行の基本構想の理念をまちづくりの面から実現しようとするものでありますが、新宿区基本構想の見直しに際しても、現基本構想の理念は継承するという立場をとっておりますので、新基本構想が策定されましても、現在策定中の都市マスタープランとの齟齬は生じないものと考えております。 仮に基本構想の見直しがされた結果、都市マスタープランとの乖離が生じた場合には、その時点で整合を図っていくことになると思います。 また、新宿区定住化の推進に関する指導要綱は、平成二年施行以来、協議成立百八十五件、住宅戸数四千百十五戸の実績に見られるように、新宿区の定住化の促進に寄与してきたと思っております。 一方、この中には用途上、同一の建物に住宅を取り込むことが難しいものもあり、運用上の措置としてやむを得ず隔地での付置住宅の建設を認めてきたものもあります。土地利用について見ると、利用上、住宅専用地域、住商混合地域、商業業務の特化の進んだ地域のおおむね三つのゾーンに分けられます。 都市マスタープランでは、「新都心業務商業形成型整備地区」を商業業務特化地域と位置づけており、今回の要綱見直しに当たっては、この地域について隔地を認めるものであります。その他の住商混合地区等については、従来どおり、同一建物に住宅を付置することを原則として指導し、定住化の促進を図っていくものでございます。 次に、開かれた区政の推進について、五点の御質問でございますが、まず第一に、開かれた区政推進計画中間のまとめでは、広く住民サービス全体にわたってサービスを受ける立場から考える、区民サイドからの発想をしていくことを基本としております。こうした発想のもと、区民自身が地域行政の主体としての役割を担えるよう条件整備を進めていきたいと存じます。 次に、開かれた区政推進計画の策定につきましては、十五人の区民の方々からなる開かれた区政推進懇談会の御意見をいただき、また議会にも報告を行ってまいりました。区民の皆様には、開かれた区政推進計画中間のまとめの要旨を広報に掲載する予定でございます。今後も計画策定に向けて皆様の御意見を伺ってまいりたいと存じます。 第三点目の各種審議会への区民枠に公募方式をとの御質問でございますが、開かれた区政推進計画中間のまとめでも、会議体委員の構成への配慮を述べております。審議会は、それぞれの性格から一概には言えませんが、今後は公募による委員がふえていくものと考えます。 なお、既に基本構想審議会で公募による委員の選任方法がとられております。 また、審議会は担当部署が事務局を務めることとなっておりますが、自由闊達な意見交換ができるよう構成員を初め審議会運営には今後も配慮していきたいと存じます。 次に、官官接待についてのお尋ねでございますが、地方自治体が中央官庁を接待するということに端を発したこの問題は、幅広く社会的問題になっております。 新宿区では、国等からの補助金を確保するために行う懇談会等は実施しておりません。新宿区で行っているのは、区政を円滑に執行するために、東京都などと会議を開催し、その際に会議の性質や時間の都合上、会食を必要とする場合でございます。この場合でも、区民の皆様から御批判を受けないように、厳正に実施しているところでございます。 また、会議の開催はできる限り区役所内で開催するようにして、食糧費の支出削減に努めているところでございますが、今後一層適正な執行に努力をしてまいりたいと考えておりますので、御理解を願いたいと思います。 次に、高齢福祉の充実についてでございます。 特別養護老人ホームのサービス水準と施設職員についてのお尋ねでございますが、区立の特別養護老人ホームは、区内に二カ所設置し、既に区民にとってなくてはならない施設となっておりますが、時代の趨勢からも、職員の勤務条件の向上は必要であると考えております。 国でも老人保護措置費の中で、勤務条件改善の費用を盛り込んでいるところでございまして、区といたしましても、職員勤務時間改善に要する経費の加算を行っております。また、人員配置につきましては、都加算のほかに区独自の寮母職等を加算しており、他の特養ホームに比較して手厚い配置となっております。 なお、施設では、基本的介護はもとより、入所の趣味や生きがい等、各種の活動や事業に参加してもらうことにより、施設において生き生きと充実した生活を送っていただけるよう今後も努力をしてまいりたいと存じます。 次に、第三特養ホームの建設についての御質問でございますが、特別養護老人ホームの入所待機は、九月末現在で三百四十九人となっており、入所するまでに一般的には一年から二年待っていただいているような状況でございます。 第三番目の区立特別養護老人ホームの建設につきましては、介護を要する高齢の増加にかんがみ、基本計画において建設を予定していますが、財政状況の厳しい中、用地の確保問題等もありますので、国・公有地利用等も含め、実現に向けて検討してまいりたいと考えております。 次に、ホームヘルプサービスの充実についてのお尋ねでございますが、特別養護老人ホーム待機を初めとする要介護高齢への対応につきましては、区としても重要な課題と位置づけております。社会福祉計画でも、マンパワーの確保、資質の向上、サービス提供時間の拡張など、必要に応じたホームヘルプサービスの充実に取り組んでいるところでございます。 また、要介護高齢の在宅生活の維持と家族の負担の軽減のためには、従来の滞在型派遣に加えて二十四時間対応できる巡回型の派遣が必要であることは、御指摘のとおりでございます。この事業につきましては、早朝から深夜に至る介護サービスを、安定かつ効果的に実施できるよう相談機関との連携、派遣の拠点、従事の確保などの検討を進めており、これらの整備ができ次第、できるだけ早く実施してまいりたいと考えております。 次に、福祉のまちづくりについてでございますが、人にやさしい道づくり事業は、既存の道路の歩道について、横断歩道部、歩道巻込部、車両乗入部の箇所を改修するもので、交通管理者、沿道家屋、土地所有の理解と協力を得て推進するものでございます。 平成六年度実施をいたしました東京女子医大通りは、沿道関係、交通管理者、福祉関係団体との協議の上、「人にやさしい道づくり技術的標準」に基づき、設計、施工をいたしました。その結果、東京女子医大通りは、大きく改善をされました。 しかしながら、一部箇所については、沿道家屋、地形的の影響、道路線形のため、限定的な改善にとどまらざるを得ませんでした。御理解を願いたいと思います。 また、平成六年度の施工結果からさまざまな技術的成果を得ましたので、改善すべき事項につきましては、検討の上、取り入れてまいります。 次に、御指摘の高田馬場一丁目地内の歩道整備につきましては、平成九年度に「人にやさしい道づくり技術的標準」を基準に、詳細な現地調査を行うとともに、福祉関係諸団体と意見交換を行いながら、進めてまいります。また、平成八年度以降のその他の改善事業につきましても、同様の姿勢をもって実施をしてまいります。 次に、北朝鮮の水害被害の支援についてのお尋ねでございますが、朝鮮民主主義人民共和国におきまして、七月下旬から八月中旬にかけて降り続きました集中豪雨により甚大な被害をこうむったことは、大変お気の毒であると存じております。 新宿区といたしましては、過去において、平成二年のイラン地震や平成三年のバングラデシュの水害に対する義援金等を送ったことがありますが、すべてそれぞれの正式機関へ送付したものでございます。 我が国は、朝鮮民主主義人民共和国とは国交がありませんので、当該国とか大使館等の正式機関へ送ることはできません。援助の要請等については、当然私的団体からの依頼ということになり、先日、在日本朝鮮人総連合会新宿支部からの要請があったところでございます。 私は、公の支配に属しない慈善等への公金支出につきましては、慎重にする必要があると考えております。今回の在日本朝鮮人総連合会新宿支部からの要請につきましては、今まで新宿区として在日本朝鮮人総連合会新宿支部と特に関係を持っておりませんでしたので、慎重に考えたところでございます。 なお、今後、国など正式な機関からの要請があった場合には、十分検討してまいりますので、御理解を願いたいと思います。 次に、最後の御質問でございまして、後は教育長から御答弁をいたしますが、フジテレビ跡地の開発につきましては、東京都の跡地利用委員会の答申や地元の要望を踏まえ、早期に開発主体を決定するよう東京都を初め関係機関に働きかけを行っておりましたが、まだ開発主体が決定されておりません。 フジテレビの臨海副都心への移転も平成九年三月末までにと聞いております。また、跡地の開発に空白期間が生じれば、地元に多大な影響を与えることになるということも十分認識をしているところでございます。跡地開発の事業主体の決定に向けて、今後とも関係機関に強く要望してまいりたいと考えております。 以上で私の答弁を終わります。 ◎教育長(森岡泰弘) 教育委員会に対する御質問にお答えをいたします。 図書館サービスの向上について、第一点は、今後の図書館サービスをどのように展開しようとしているのかというお尋ねでございます。 生涯学習社会の進展によりまして、区民の自己教育を支援し、その読書要求にこたえる図書館の役割は、ますます高まっていることは御指摘のとおりであります。 現在、改築中の新宿図書館が平成九年度に新装開館することにより、当区における図書館及び図書館情報システムの整備も一段落を迎えることになります。これによって、地域に住む人のだれもが、どこででも利用できるという、私どもの目指す「開かれた図書館」に向けての条件整備が大きく前進することとなります。 今後は、全館オンライン化のメリットを最大限に生かして、図書館資料の相互利用や利用からのリクエスト制度等を活用することにより、公立図書館の中心的な使命であります貸し出しサービスとレファレンスサービスの一層の充実を図り、区民の図書館利用の便宜を図ってまいりたいと思います。 次に、中央図書館の役割についてのお尋ねでございます。中央館は、図書館サービスの展開においては、原則的には地域館と異なるところはありませんが、九館一分室の中心館としまして、区内における図書館サービスを確保するための地域館との連絡・調整や地域館の機能の一部を補完する役割を果たしております。 お尋ねの特色ある中央館の役割につきましては、今後研究してまいりたいと考えております。 次に、現在の九館構想では補えない地区について増設すべきではないかというお尋ねでございます。新宿図書館の改築によりまして、本区の図書館の施設整備計画は終了することとなりますが、今後はソフト面でのサービスの内容の充実に一層力を入れる必要があると考えております。 現在、お尋ねの地区を初め区内には幾つかのいわゆるブランクエリアが見受けられますが、現在の厳しい財政環境のもとでは、図書館の新設も困難な状況であり、当面は、団体貸し出し制度の充実等を図り、地域におけるサービスポイントの充実に努め、利用の便宜に資してまいりたいと考えております。 最後に、開館日、開館時間等についての御質問でございます。開館日、開館時間の拡大につきましては、かねてから区民の要望もあり、実施のためには一定の体制の整備が必要となりますが、他の区の状況等も踏まえながら、今後検討してまいりたいと思います。 以上で答弁を終わります。 ◆二十二番(根本二郎) 自席より発言させていただきます。 北朝鮮の水害被害については、慎重に今後も検討するということですから、ぜひ私どもも積極的に区長とお話し合いをしながら、実現に向けて努力していきたいし、いただきたいと思います。その他の項目については、この後決算特別委員会が設置されますので、そこでの同僚議員の質疑に期待いたしまして、私はこれで質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○議長(長森孝吉) ここで議事進行の都合により、十五分間休憩します。   休憩 午後三時五十四分   再開 午後四時十三分 ○議長(長森孝吉) 休憩前に引き続き会議を開きます。 質問を続行します。 十二番久保合介君。   〔十二番久保合介君登壇、拍手〕 ◆十二番(久保合介) 新宿区議会の平成七年第四回定例会に当たり、私は新宿区民クラブを代表して一般質問をいたします。 最初に、質問項目を大別して述べておきます。第一は、新宿区財政非常事態宣言についてであります。第二は、国際化に学ぶ区行政のあり方についてであります。第三は、高齢の健康と生きがいの対策についてであります。 さて、具体的な質問に入る前に、議員の海外視察について触れておきたいと存じます。私は、去る十月二十三日からの十二日間、北米大陸西海岸の主要都市の行政を勉強する第十五回新宿区議会海外事情視察団の一員として派遣され、十一月三日無事帰ってまいりました。その中で、学校教育、高齢福祉、震災対策、廃棄物処理、まちづくり、自治行政、そして議会制度と運営について、まさに百聞は一見にしかずで、貴重な多くのことを学んでまいりました。この場をおかりして、新宿区民の皆様に心からお礼を申し上げます。ありがとうございました。 さて、その詳細は追って派遣議員九人全員から各課題ごとに報告書が提出され、確実に区政に生かされるものと存じますが、本日は、視察後初の議会でありますので、私が学んだことの一端を披露させていただきます。 最初に概括的に申し上げれば、カナダ、アメリカの自治体は、「行政は納税との契約であり、したがって契約相手方の住民の利益第一」との思想に立っています。その上で、自分たちは「よりよい住民サービスを提供するという契約内容を合理的に、効率的に履行するプロであることに徹する」という信念を持って、政策の形成と施策の選択、そして実行に臨んでいるということに強い感銘を受けました。視察先での担当、例えばアメリカのカウンティー、つまり日本での県の防災局長やシティマネージャー、つまり市長代行、そしてうら若い女性の再開発担当に至るまで、お会いした十数人の行政官が一人の例外もなく、与えられた時間きっちりと、しかも細かい数字に至るまでノー原稿で真剣に説明してくることに少なからずショックを受けました。 次に、政策遂行の中で、人間性の尊重と少数への配慮は予想以上のものでありました。それは、学校教育に顕著にあらわれています。バンクーバーの小学校で、三、四年クラスの授業を参観しましたが、二けたの足し算が三けたになる計算を教えていました。日本では、一年生後期から二年生にかけての授業です。 その後の懇談会で、そのことを日本人の母親に尋ねたところ、「初めは不安で、子供たちを連れて日本に帰ろうとまで思いました。ところが、小さいうちからすべての物事を自分の頭で考えること、自然や人間を大事にすることを教えるのに徹底している教育に接してきて、日本のような読み書きそろばんの技能習熟の教育よりは、私の娘たちにとっては、長い人生を幸せに送れるもとになると今では安心しています。しかも、私たち数少ない日本人のために、日本を勉強するという課題に先生はもとより、全児童、保護を含めて取り組むという日本では考えられない教育をしているのです」と誇らしげに答えてくれました。 現に、私たち視察団の全校歓迎集会を授業を切り上げて開いてくれた校長先生は、「日本からの議会議員の訪問は初めてです。国際親善の大切さを子供たちに知ってもらうまたとない機会ですから、ふだんの授業にはかえられません」と明快であります。我が国だったら、教育ママが黙ってはいないところであります。 ところで、このことから、先ほどの染谷議員の外国料理給食質問は大変意義のあるものと傾聴をしておりました。 さて、人間らしく生きることの大切さや体の不自由な人たちとか、少数なるへの行き届いた配慮は、高齢福祉、あるいは公園づくりでも驚くほど徹底して生かされていました。 最後に、制度が違うので、直接的には参考にできませんが、財政運営について述べておきたいと思います。カナダ、アメリカの自治体もさまざまな行政サービスを賄う財源をどうするかが、最も頭の痛い問題となっています。税負担率の高い国で、これ以上自治体独自の増税ができない自治体は、州政府及び連邦政府に対し、補助金・交付金をふやすか、税の一部を回すようロビィストと呼ばれる専門家を雇ってまで、要請行動を繰り返しています。先ほども根本議員が触れておりましたけれども、日本の官官接待と比べたらいかにもアメリカらしいやり方であります。 他方で、これらの自治体は、必死な自主財源の確保と徹底した事業の効率化と人件費削減に工夫を凝らしています。サンフランシスコ市では、市有地を巨大ホテルに貸し付け、毎年の収益の五%をレンタル料としてとり、さらには周辺の再開発にそのホテルから多大な協力を仰ぎ、大国際会議場を建設して、他のホテルをも誘致して、そこから上がる多額な税収を見込んでいます。再開発は、市民と市経済の活況と、そしてここがポイントですが、税収の増加を計算して実施されています。基本的な課税権がない二十三区には、非常に難しい問題ではありますけれども。 さらに、ロサンゼルス近郊のレイクウッド市では、市の宴会場使用権を企業に高く売りつけ、市有地を駐車場にして料金をとり、その上、そこに広告を出してもらい、広告料を稼いでいます。また、去勢していない犬から二千四百円、去勢した犬からは千二百円の年ごとの鑑札料をとるなど、市民との協定締結の上で集めた、これをユーザーフィーと言うんですが、何と市財政の二三%を占めているユーザーフィーを市は財源としています。 こうした財源確保の上に立って、ペット所有へのきめ細かなサービスや、そして高齢六十歳以上と、そして体の不自由な市民への無料バスの派遣事業に取り組んでいます。さらには、警察や消防はカウンティー、つまり日本の都府県に、廃棄物の収集処理などは民間に委託し、委託先は費用対効果を考えて随時変更しています。市の支配人チェンバーさんは、「支出の最大は警察費で、普通なら八百万ドルから千五百万ドル必要ですが、私たちはロサンゼルス県の八万人の警察官からよい人を雇うことで、四百万ドルで済ますことができました」と語ってくれました。 日本での国の機関委任事務とは逆に、アメリカの地方自治のように市町村から都府県や国への業務委託が民主主義の本来の姿だと、つくづく考えさせられました。 それでは、第一の質問に入ります。新宿区「財政非常事態宣言」についてであります。 本区は、去る十月二日、志萱、高橋両助役名での依命通達によって、新宿区「財政非常事態」の宣言を発しました。その内容を抜粋すると、「平成八年度から十二年度までの財政収支予測では、極めて厳しい区の財政の姿が浮き彫りになっています。現状のままで推移すれば、「起債制限団体」にすら転落しかねません。したがって、本区が、真剣に行財政改革に取り組む姿勢を明らかにするために、ここに「財政非常事態」を宣言します」というものであります。 「起債制限団体」になると、借金の許可を自治省から簡単には得られないわけですから、俗に言う「準禁治産」と同じであります。そうなっては、新宿区は、世界平和や地球の環境保全はもとより、区民の生命財産を守り、幸せを確保する義務を果たすことはできません。 ちなみに、本区の財政収支予測を見ると、平成十二年の財源不足額は、百九億円、普通預金に等しい財政調整基金はマイナスの三百三十九億円であります。まさに「財政非常事態」宣言は、遅きに失した感はあるとはいえ、時宜を得た措置と共感し、議会の一員として協力を惜しまないものであることを申し上げておきます。 そこで、区長にお伺いしたい第一は、基本構想の見直しについてです。区長は、「構想の基礎である社会・経済情勢が戦後半世紀をへて大きな転換期を迎えており、区民の生活環境や意識も変化してきていることから、これら社会的要因の変化への対応が求められている」と見直しの必要の論拠を述べておられます。そして、その要因の具体例として、高齢・少子化の急速な進行や国際化・高度情報化の進展、地域規模の環境問題、リサイクルのうねりや人々の価値観の多様化、さらには政治的要因として地方分権の潮流や特別区制度改革の動向などを挙げておられます。 そのとおりであります。的確な区政の課題認識ではあります。しかし、画竜に点睛を欠いているように思えてなりません。それは、自治体財政運営がそれに依存し、左右される内外経済情勢の分析と日本経済の動向把握について、構想見直しの最大要因と位置づける認識をすることからあえて逃げているのではありませんか。これなくしての構想策定は、絵にかいたもちだと申し上げたら失礼でしょうか。この点、区長はどのように考えておられるのか、お聞かせください。 あえて私見を述べさせていただきますが、戦後、日本の発展をつくり出した高度経済成長は今後望むべくもありませんし、望むべきではないと考えています。私たちは国民一丸となって、戦後初めての長期にわたる停滞経済を一日も早く早く回復させ、以後、日本の成熟経済を安定成長下に進めていくことであります。私は、それが歴史の必然であると考えています。 なぜなら、先進諸国が自国のみの現在の物質生活の向上を目指し、低開発国が先進国の生活スタイルを目標とした経済発展を現在のように追求していくならば、それは当然のこととして自他ともに認められることではありますが、限りある地球資源の枯渇と地球規模での環境破壊は必然であります。そのとき、人類はその生存をかけて、想像を絶する大きなつけを払わなければならないと思うからであります。 私が申し上げたいのは、国の政治も、自治体行政も、日本社会のあらゆる分野での公平と公正をより一層進めることを柱に、もう一本の柱として自然と人の心と生活の質を犠牲にして、便利さや物質的豊かさをひたすら追求してきた日本社会と文化・文明のあり方を根本から見直すことをしっかりとその土台に据えなければ、二十一世紀の区民の幸せを保障する新宿区基本構想見直しの真の意義は失われるということであります。 この項での第二は、厳しい財政状況のもとでの財政運営についてであります。この件に関して、区長は、本年度基本方針説明の中で、優先施策の選択、第三次実施計画事業の精査、そして土地開発公社を活用しての財政負担の平準化などで対処すると述べられておられます。それらを開かれた区政推進計画策定の過程で、毎日のように取り組んでおられることは承知していますし、評価もしております。 しかし、他国に例を見ない、しかも歴史上も未曾有の高齢社会の計り知れない需要を一つとっても、その努力は焼け石に水の危惧を感じざるを得ません。単年度の、あるいは数年度の財源削減の工夫と努力だけで乗り切れるものではないと思うのです。 区長は、開かれた区政推進計画策定委員会の中間報告において、所要財源の確保策として、一つに税収の確保、将来に備えた基金の確保、不用財産の売却を挙げて検討されています。また、今後の区政財政運営上の課題として、一つに地方財政制度の強化、二つに特別区政制度の改革、三つに国庫支出金の改善、四つに地方債許可制度の見直しを挙げておられます。これら七点は、具体的にどういうことなのか、差し支えない範囲でお知らせ願いたいと存じます。 このことに関連して、東京二十三区は、特別区の固有財源の拡充を掲げていますが、その内容を見ると、現在、都に配分されている市町村税十二目のうち、入湯税、ゴルフ場利用税納付金、特別地方消費税交付金、航空機燃料譲与税の四つの税を東京都から区によこすというものですが、現時点で計算した場合、新宿区に入る額は、それぞれ幾らになるのか、お教えください。それらは、きっと雀の涙ほどのものであろうと存じます。 ところで、区財政確立のための抜本的対策は、都区一体となった国に対する財政自主権の確立が基本ではありますが、当面は都に対しての「財政戦争」こそが第一歩であります。 ひるがえって、昭和二十二年五月の地方自治法の施行によって誕生した特別区は、今や働き盛りの四十八歳であります。にもかかわらず、いまだに独自の収入を得る権利を奪われているのであります。市町村税十二目の課税権は奪われ、法定外普通税の新設には都の同意を必要とし、起債には特別の制限が課せられています。自主立法権と自主行政権を備えているにもかかわらず、地方自治の基本的権能である自主財政権のみ制限されているのであります。 したがって、財政上の非常事態は他区も同じでありましょう。この機に東京二十三区は、自主財政権確保に向かって立ち上がるべきではないでしょうか。それこそが区民から区財政に対する理解と協力をいただける最短の道だと存じます。具体的には、少なくとも固定資産税と都市計画税は、区に課税権を委譲するよう迫るのが本筋ではないでしょうか。 一九八一年八月の特別区政調査会第五次答申が述べているように、固定資産税は、普遍的な税源と安定した収入を持ち、受益と負担の対応関係が明らかであり、基礎的自治体である特別区の税としてふさわしいというものだからであります。都市計画税は、特別区が行う公園や道路などの都市計画事業に充当される税であって、都が分担する都市計画事業の費用は、当該の区が相応の負担分を都に納入すればよいものであります。アメリカの先ほど触れた自治体の財政運営なり地方自治制度がはっきりとそれを示しています。 このようなインパクトある要求を打ち出さなければ、当面の課題としている都区財調制度の改善、すなわち一つに、調整三税の配分割合を中期的に安定なものとする、二つに、府県事務の特別区長への委任事務経費については府県財政を充てること、三つに、毎年度の総額補てん主義を廃止すること、四つに、納付金制度を廃止することなどのささやかな財調改善も実現不可能だと考えますが、いかがでしょうか。この件についての区長の御見解をお伺いいたします。 この項の最後は、長期的視点に立った財政削減計画の策定についてであります。本区の特別区税決算表を見ると、平成元年から五年まで、区税の収入率は着実に低下しています。ちなみに、平成四年度四百九十四億円あった区税が五年度は一一・一%の減、六年度は一五%の減であります。平成二年度六百三十四億円あった基金を七年度までに五百二十七億円取り崩しています。さらには、平成二年度二百五十一億円あった財政調整基金は今や底をつこうとしています。片や容易に削減することの難しい経常経費の比率は、平成二年度五四・八%であったものが六年度で何と八五・一%に達しています。しかも、区施設の管理運営経費が年々大幅にふえ、今年度中に百億円を突破する見込みであります。 まさに掛け値なしの財政非常事態ではあります。だからといって、二十一世紀に向かっての新たな住民要望に手を抜くことは許されませんし、したがって、従来から言われてきた「サンセット方式」を新規事業はもとより、既定の事業にも適用すべきと存じますが、いかがでしょうか。 次に、できるだけ数多くの区民集会を開催して、思い切った「スクラップ・アンド・ビルド」を区民の理解のもとに断行すべきと存じますが、いかがでしょうか。 次に、それに基づき、また並行して徹底した部内並びに部間討議を経てシーリングの見直しをすべきと存じますが、いかがでしょうか。 結論を言えば、長期にわたる財政削減計画を策定し、これを公にして区民の理解と合意と協力を仰ぐことが大事だと考えます。区長の御決意のほどをお聞かせください。 ところで、緊急不可欠のもの以外の箱物施策は当分の間凍結すべきで、さらには箱物建設に当たっては、耐震要素を除いては質素なものにすべきと存じます。華美、上質感、高級感を持った箱物は、建設費はもとより、管理運営費の増高をもたらします。華美、上質感、高級感は、バブルの池に咲いたあだ花であります。それよりか野菊の美しさ、いとおしさをめでようと、新宿区民に呼びかけるのが私たち日本の政治にかかわるの使命ではないかと申し上げて、この項の質問を終わります。 質問の第二項は、国際化で学ぶ区政のあり方についてであります。 本区で国際化が言われてから久しいわけですが、そもそも国際化とは何でしょうか。開かれた区政のまとめ、中間報告等を見ましたけれども、やたらと横文字がいっぱい出ています。国際化というのは、横文字を使うことではないと思います。 人的交流を初めとして、社会のあらゆる分野において国と国との垣根が急速に取り除かれつつあることを意味しているでありましょう。その中で、他国から学ぶべきことを学ぶことが今一番大事なことであります。その前提に、日本人の生き方・考え方や日本的価値観は広い世界の中で、実は少数派なのだということをしっかりと認識することが必要ではないでしょうか。同窓会などで、「お仕事は何やっていますか」と問えば、決まって「OO会社に勤めています」、あるいは「通産省にいっています」で事足れりで、その人の仕事の内容は二の次、三の次であります。安定した収入と終身雇用が保障され、見栄えがよいことが大事であり、それこそが社会的信用になるという日本独特の価値観が横たわっているからにほかなりません。 ところが、多国籍企業や国際機関や先進国と呼ばれる国々では、どこで働いているかより、どんな仕事ができるかがその人の価値であり、評価とされています。ですから、大企業が一番とか、新宿区よりは東京都というような価値観は、専門性を重視する国際舞台では通用しないと言われております。 したがって、大きな機械の小さな歯車にすぎなく、専門性を持てない大企業の社員よりは、専門性を身につけなければやっていけない中小企業の社員の方が、これからの国際化社会では通用するとさえ言われています。 ひるがえって、「公務員の世界は公務のプロの世界であり、プロをアマから分かつのは、仕事の能力であります。アマの住民から見て、プロの仕事ぶりが下手で、鈍重で、高価につくのでは、プロに仕事を委ねている意味が失われてしまいます」と特別区職員研修所編集の研修読本は、自治体職員としての課題と題して述べています。 さて、この点に関しての新宿区の実態はどうでしょうか。私は長年のおつき合いから、本区職員の相当数が能力があることを知っています。決してお世辞ではありません。では、プロとしての専門性はどうでしょうか。残念ながら、相当数は「ノー」だと言わざるを得ません。 我が国の自治体では、職員は課や係という所属組織の一員として仕事を分担して働いています。欧米の自治体に見られるように、今回もすべての自治体がそうでしたけれども、職位ごとに職務の内容と権限が細かく定められた個室で執務するのとは対照的に、日本では概括的に規定されている課や係の任務を、課の全員が一つところにいて協力しながら行う大部屋主義が原則となっています。ここからは、専門性を身につけた職員はなかなか生まれにくいわけであります。この弱点を補い得るのは、一定期間をへた後、職員の志望を尊重しながら、一つの分野の仕事に専念してもらうことです。 ちなみに、本区職員の在職年数を調べてみました。三月三十一日現在、技能・専門職を除く一般職員二千七十九人中、一つの部に五年以上いた職員は二百六十八名、十年以上いた職員は二十二名、十五年以上は七名、二十年以上十二名です。八五%を超す千七百七十人もの職員が五年未満であります。 大部屋から大部屋への人事異動は、以上の観点から再検討する時期にきていると思います。タクシー乗務員への一番の不評はブスッとして口をきかないことであります。区の職員への不評、それは電話のたらい回しです。私自身も何度も経験しました。公務のプロなんですから、自分の課の、百歩譲って自分の係の仕事ぐらいは全部が知っていてほしいものであります。そういう人事配置が必要だと私は思います。区長の見解をお聞かせください。 質問の第三項目は、高齢の健康と生きがい対策であります。 「五十、六十はな垂れ小僧、七十、八十働き盛り、九十になってお迎えが来たらまだ早いと追い返せ。これが私たちみんなの合言葉です」と語ってくれた老人クラブ会長当山哲男さん七十五歳。そのお母さん九十六歳は、右手の出刃包丁で大きな魚をさばいていた。沖縄八重山列島の黒島でのお話であります。人口二百二十一名、うち三分の一の七十四人が六十五歳以上、三十五人が七十五歳以上、寝たきりや痴呆の人は一人もいない。ここでは、みんな働いているから元気なのであります。 「人は歳月を重ねて老いるのではない。理想を失うときに老いるのである。大地と人間と神から、美しさ、勇気、崇高さ、力などを感じることができる限り、その人は若い」ドイツ生まれのアメリカ実業家サミュエル・ウルフマンの名言であります。希望を失わず、他への愛情を持って、喜びや楽しみや感動を持ち続けることが若く、そして健康に生きることだと教えてくれています。 ところで、現在三十五歳の人が六十五歳になる二〇二五年には、四人に一人、つまり二六%高齢という超高齢時代が日本にやってきます。にもかかわらず、我が国の高齢福祉は、先進国の中で最低のレベルだと言われています。そのとおりだと思います。 ちなみに、日本には寝たきりの人が百二十万人ぐらいいます。福祉先進国であるスウェーデンでは、寝たきりの人はゼロです。新宿区でも三カ月以上の寝たきりに支給される高齢福祉手当受給は千六百六十七名で、率で三・九三%、全都平均の三・五三%を上回っています。人生の最後を寝たきりで過ごさなければならないという悲惨さをつくり出したのは、日本社会と私たち自身が物質的豊かさのみを追い求め、高齢の人権を軽んじた結果でないでしょうか。 もちろん、寝たきり高齢への施策は十二分に行われて当然であります。しかし、寝かせきりを助長するような施策ではなく、健康で生きがいを持って生活できるような、寝かせきりにさせない施策が今こそ必要なのではないでしょうか。 健やかに暮らす、豊かに生きる、二十一世紀に向けた福祉ビジョンとうたわれた国の新ゴールドプランからも、新宿区の本年度基本方針からも、この視点からの取り組みを残念ながら実感できません。確かに、これまでの事後的福祉施策としては、本区は他の自治体にまさるとも劣らぬ高齢事業を進めてきていること思います。しかし、事は本質的に違う視点からの事業であって、福祉部門のみならず、区の全部門の統一戦線の結成なくしてはかなわぬ施策であります。 時間も時間ですから、以下説明を抜きにして箇条書きにお伺いいたします。 一つは、寝たきりにさせない施策の体系づくりに早急に取り組むべきだと思いますが、お考えをお聞かせください。 二つに、健康に生きるための施策について、今後新たに検討しているものがあれば、それをお聞かせください。 三つ目に、生きがいを持って暮らしてもらうための施策について、今後新たに検討しているものがあれば、お聞かせください。 四番目に、高齢が利用しやすい区施設の改善と他の公共的施設への改善要望をしていただきたいことであります。高齢には、階段を登ることは健康にとって非常にいい結果をもたらします。しかし、新宿区の施設のすべての階段の手すりを見ても、高齢がしっかりと握れると言われる直径二・五センチの手すりにはなっていません。ひどいのは、ここら辺はもう六センチぐらいです。二・五センチで今まで調べた中であったのは、JRの列車の中のトイレと、そしてこの間伺った高遠町の役所のバスの中の手すりでした。やはり高齢には、二・五センチ、そういう直径の手すりをつくる、それが利用しやすい第一番であります。 また、踊り場を数多くとるようにすべきであります。また、階段の奥行きや高さを検討すべきであります。また、踊り場で手すりが一時切れることのないように配慮すべきであります。細かいことでありますが、高齢がまちに出て、活動し、生きがいを持って健康づくりをするためには、いろんな施設改善が必要であります。新宿区の施設でなくても、区長は、そういう観点から働きかけていただきたいと思います。 例えば、自動販売機の硬貨入れの高さを、今の高さよりは利用しやすい九十センチぐらいにしてもらうとか、その硬貨入れの穴を縦ではなくて斜めにしてもらうとか、お年寄りは縦では入れられないという結果が出ています。 また、外出する機会を多くつくってもらうためのまちづくりが必要です。道路上に電柱、あるいは電話柱、その他のポール類が路上にできるだけ出ていないような道づくりに励むべきだと思います。多くのお年寄りからその要望がきています。また、町じゅうに小広場やベンチを設置するようにすべきです。今回伺った外国の町々には、非常にやはりきれいなベンチが設置されています。また、気持ちをリラックスさせる景観を配慮したまちづくりも大切だと思います。景観がいいまちを歩くには、お年寄りは倍以上歩けるという結果が出ています。 さらに、移動手段の整備について、地下鉄とか地下街の階段の整備を働きかけていただきたいと存じます。また、公共バスの存続と高齢のためのミニバスの検討に取り組んでいただきたいと存じます。 御承知のとおり、高齢にとって、あるいは障害にとって、子供たちにとって、現在の地下鉄は利用しにくい機関であります。バスしか今利用できないと言っても過言ではありません。それが先般の都議会でも明らかになったように、例えば大久保通りの下を走る十二号線が完成したその後の一年の間に確実に都バスは廃止されてしまいます。お年寄りや障害や子供たちはどうやって移動したらいいのでしょうか。そのときのためにも、早急に高齢の移動手段の検討を始めていただきたいと思います。 先ほども申し上げましたけれども、レイクウッド市ではそれをやっていますし、十一月三日、武蔵野市はミニバスを走らせ出しました。常に、お金というのは区民が一番必要としているところに使うものであります。 さらに、シルバーパスは、現在のように手に持って見せなければならないものではなくて、首かけのカードとか、腕輪、あるいはバッチなどの形にして、お年寄りでも荷物を持ちます。荷物がある場合に両手がふさがらないように配慮する等のお年寄りの立場に立った施策が必要だと思います。 最後にいたします。西口の東京ガスショールームにある高齢疑似体験施設「うらしまたろう」の活用についてお伺いをいたします。これは、加齢に伴う高齢の身体的・心理的変化がどのようなものであるかを疑似体験できる装備を備えた施設であります。やはり私たちは高齢になった、そのときの立場に立たなければ見えてこないものがいっぱいあります。その意味で、まず区の高齢福祉担当の関係職員、そして次に各課の企画担当職員、そしてボランティア区民、一般区民といった順で、新宿区がこの高齢疑似体験施設、そして装備を経験できるように事業化していただきたいと存じます。 以上をもって長くなりましたけれども、私の代表質問といたします。御清聴ありがとうございました。(拍手) ◎区長(小野田隆) 久保議員の代表質問にお答えいたします。 まず第一点目の御質問の基本構想の見直しについてでございますが、基本構想の見直しにつきましては、基本構想審議会条例に基づく審議会を設置いたしまして、去る十月九日の第一回の審議会におきまして、新宿区基本構想の見直しについて並びに新宿区基本計画に盛り込むべき施策のあり方についての二つの事項につきまして、諮問をしたところでございます。 検討に当たりましては、「基本構想の基礎である社会・経済情勢が戦後半世紀をへて大きな転換期を迎えており、区民の生活環境や意識も変化してきている」こと、また、「高齢・少子化、高度情報化、国際化、環境問題、人々の価値観の多様化、さらには地方分権の潮流や特別区制度改革の動向等」二十一世紀初頭に向けてのさまざまな変化を十分勘案すべきという考えを諮問文で述べさせていただきました。 御指摘のとおり、内外経済情勢の分析や日本経済の動向につきましては、二十一世紀初頭における新宿区のあるべき将来像を描くに当たって欠くことのできないことと考えます。とりわけ、基本計画に盛り込むべき施策のあり方の検討に当たりましては、この視点からの認識がより一層重要な要素と考えます。 今後、一年間かけて御審議をいただくわけでありますが、二十一世紀初頭に向けて、区民が生き生きと安心して暮らせる地域社会づくりの方向性について、的確な答申がいただけるものと期待をいたしております。 次に、非常事態宣言についての御質問でございまして、まず御質問の第一点についてお答えいたします。 開かれた区政推進計画の中間のまとめにおける効率的な区政の推進の章では、おおよそ網羅的に、現在の時点で考えることのできるあらゆる手だてを講じて行財政運営を行う必要があるという認識のもとに、御指摘の各項目をまとめているものでございます。 具体的に申し上げますと、一、税収の確保では、収入未済・滞納繰越額の圧縮を、次に二の基金の確保では、将来に備えた基金積み立ての工夫を、また、三の不用財産の売却では、有効活用の見込めない区有地の整理をそれぞれ指摘しているものであります。また、地方税制度の強化では、地方分権と自主財源の拡充を、特別区制度の改革では、都区間の財源配分の明確化などを、国庫支出金の改善では、超過負担などの解消を、さらに、地方債許可制度の改善では、地方の自主的財政運営が損なわれることがないように、許可制度などの見直しをそれぞれ関係方面に働きかける必要があるとしているものであります。 次に、第二点目の御質問にお答えいたしますが、現在東京都が課税しております税目のうち、特別区へ税源委譲となります税等の本区での収入予定額につきましては、平成三年度の決算ベースでは、入湯税が五百八十四万七千円、特別地方消費税交付金が十億七千七百十五万円となっております。ゴルフ場利用税交付金、航空機燃料譲与税につきましては、本区は該当いたしません。 また、東京都とのいわゆる「財政戦争」につきましては、現在、都区財政調整制度のもとで、都区協議の場が設けられておりますので、そうした機会を活用して、区側の主張を全面に押し出してまいりたいと考えております。 さらに、固定資産税と都市計画税についての御指摘につきましては、現在の特別区制度改革に関するまとめでは、残念ながら、区の固有財源の扱いとはなっておりません。 したがいまして、当面は特別地方消費税交付金などを確実に区の固有税として確保していくべきものと考えております。 次に、長期的視点に立った財政削減計画の策定についてという御質問ですが、まず行財政運営上の手法としての「サンセット方式」につきましては、八年度の予算編成方針の中でも御指摘のとおり、可能な限り、規定事業についても、終期を設定するよう督励しているところでございます。 次に、「スクラップ・アンド・ビルド」につきましては、区民集会の開催はともかくとして、区民の皆様の御理解を得られるよう十分に配慮してまいりたいと考えております。また、シーリングの見直しにつきましても、本来の歳出抑制効果が十分に機能するよう今後とも工夫を重ねてまいります。 最後に、財政削減計画につきましては、御指摘のとおりの名称が適当であるかどうかはさておき、区の財政を破綻させずに、今後の財政運営を円滑に行う目安として当然必要なものであると認識しております。 したがいまして、今後十分検討してまいります。 次に、国際化で学ぶ行政のあり方についてのお尋ねでございますが、変化の激しい今日、とりわけ自治体の仕事も年々専門性が問われていく中で、自治体に勤務する職員こそ、行政のプロとして自分の職務について専門性を身につけなければならないのは当然のことでございます。あわせて、こういう時代であればこそ、自治体の人事管理においても、中長期的な視点から人材育成が求められています。 新宿区におきましても、多様化する住民ニーズに対応していくためには、職員一人一人が特定の専門分野に秀でるとともに、対人能力、課題発見、解決能力等を身につけ、行政のプロとして、さまざまな分野の課題にも対応し得る能力を有する、言うなれば、複合専門型職員の育成が欠かせないものと考えております。この複合専門型職員の育成のためには、個々の職員に対応した職場内研修や集合研修を実施するとともに、人事異動においても、職員の職務経験に応じてジョブ・ローテーション(職務遍歴)のルートを設けて異動を行うことが不可欠と考えております。 また、質問中にありました電話のたらい回しにつきましては、まことに遺憾なことであります。今後とも行政のプロとして常に行政効率の向上を目指し、住民の信頼と信託にこたえる新宿区の職員として、もっとプロとしての誇りを持つように接遇研修等を実施してまいります。 次に、高齢の生きがいの施策についての御質問でございまして、高齢の健康と生きがいの施策のうち、寝たきりにさせない施策についてのお尋ねでございますが、本区におきましても、高齢化の勢いは衰えず、高齢化の率は一六%を超えるまでになりました。高齢になっても、生涯健康で生き生きとした生活を送ることができれば、本人ばかりか、社会にとっても大変喜ばしいことでございます。 本区におきましても、「社会福祉計画(高齢保健福祉の現状と目標)」を策定いたしまして、その実現に努めているところでございます。 そこで、「寝たきりゼロ作戦」の一環としまして、老人保健法に基づき、保健所や高齢福祉センター等において健康教育や健康相談、あるいは健康診査や訪問指導、訪問看護など、さまざまな機会を通じまして、寝たきりをつくらないための指導に力を入れております。特別養護老人ホーム等の施設におきましても、なるべくおむつを外して生活してもらう等、寝たきりをつくらない方針で臨んでいるところでございます。 今後も保健所、高齢在宅サービスセンター、高齢福祉センターにおける通所リハビリテーションの展開など、寝たきり予防対策の充実に努めてまいります。 なお、保健医療面におきまして、寝たきりの主要な原因の一つである骨粗鬆症による骨折予防のために、骨密度の測定を行い、指導をしております。 次に、人生八十年時代におきましては、有意義な生活を送る上で、健康は欠かせないものとなっております。 当区におきましては、高齢の皆様が成人病などの慢性疾患を持ちつつ、健康的な生活を送ることができるよう、きめ細かな健康相談などを行い、より一層の健康の保持増進に努めているところでございます。このような健康づくりは、区民の皆様の「自分の健康は自分で守り、つくる」という自覚と日ごろからの実践が基本でありますが、健康づくりをより促進していくためには、区における総合的な健康施策の推進並びに地域ぐるみの健康づくり体制の整備も重要でございます。 そこで、区では、各部で行っている健康づくり施策を体系化するとともに、地域の健康づくりのリーダーの育成や民間施設の有効活用など、多様な施策の展開を目指そうとしております。このような方向に沿いまして、昨年から、地域において区民とともに健康づくりを推進していただける方々を「地域健康づくり指導養成研修」に派遣し、地域リーダーの育成に努めているところでございます。 今後は総合的な健康づくり施策を推進するため、区民、民間及び行政の役割分担を明確にしながら、「地域健康づくり行動計画」の作成及び「地域健康づくり推進委員制度」の発足などを検討してまいる所存でございます。 次に、区では、幅広い分野において高齢の生きがい施策を実施していますが、特に高齢が主体的に地域社会の諸活動に参加することができるよう、老人クラブへの援助を行うほか、働く意欲を持つ高齢の就業機会を提供するため、授産場・シルバー人材センターの整備を行っております。また、各種講座への参加などにより、ゆとりのある生活を送れるよう区民福祉会館の運営なども行っているところであります。 高齢化社会を迎えた今日、健康な高齢の方々が増加し、老後の生活を楽しいものにするための生きがい事業に対するニーズも多様化してきております。このような中で、例えば高齢によるボランティア活動の推進を働きかけるなど、新たな生きがいづくりについて十分研究してまいりたいと考えております。 次に、高齢が利用しやすい公共施設への改善と、きめ細かな配慮についてでございますが、区の施設につきましては、新増築及び改修工事等に合わせて改善を行ってまいりましたが、今後ともこの方針で努力してまいります。他の公共的施設につきましては、建築確認が提出される時点や事前に相談があった時点などで指導しておりますが、今後も積極的に指導してまいります。 なお、施設改善の基準につきましては、新宿区身体障害・高齢等の利用に配慮した建築物整備要綱のほか、法令や都条例に基づき、きめ細かく改善指導を行ってまいります。 次に、高齢や障害が利用しやすい自動販売機につきましては、硬貨投入口が低い位置にあり、かつ受け皿式になっているものが開発されており、区立障害福祉センター等においても、既に設置をされているところでございます。 高齢や障害を含むすべての区民が安全で快適に地域の中で地域の中で暮らしていくためには、建物や道路、公園等の整備のほかに、家具や備品なども使用しやすいものにしていくことが大切なことであると考えます。 今後も福祉のまちづくりへの理解と協力を広く呼びかけていきたいと思います。 次に、電柱、電話柱、電話の柱ですが、その他のポール類などは設置の基準があり、その基準に基づいて通行の支障にならないように設置しているところであります。歩道上に設置する場合は車道側に寄せたり、道路幅が狭い道では電柱に電話線も配線させたり、街路灯を電柱につけたりして、歩道の幅を確保しております。区道の歩道は、国道や都道に比べて幅員の狭いものが多い状況にありますが、今後とも地域の実情に合わせ、企業の協力も得ながら、電柱類の整理、歩行スペースの確保に努めてまいります。 次に、当区では、道路整備方針に基づき、歩行にとって安全で快適な道路づくりを進めており、道路上の小広場やベンチの設置につきましても、限られた空間の中で、歩道に求められる多くの機能との調整を図る必要がありますが、今後個々の道路の状況を勘案して検討してまいります。 景観づくりについての御質問でございますが、新宿区の景観基本計画のテーマは、「歩く人にやわらかな都心景観をつくる」でございます。人にやわらかな雰囲気を醸し出すためには、だれもが接する道路や公園などの公共空間の快適な環境づくりと、道沿いの建築物の歩行への配慮が重要です。 そこで、新宿区では、新たに建設を行う事業に対して、魅力的な歩行空間づくりのために、町並みを意識した良好な景観がつくり出されるように誘導を行ってまいります。 次に、地下鉄、地下街を高齢の方が利用しやすいものにするためには、エレベーターやエスカレーターの設置が有効であると考えております。鉄道駅のエレベーター、エスカレーターに関しては、運輸省が整備指針を制定し、新設または大改良が行われる際に、鉄道事業が設置することとなっております。 新宿区といたしまして、区内の地下鉄駅に関しても、この整備指針にのっとった整備が行われるよう事業に要望してまいります。 また、既存地下街へのエレベーター等の設置につきましては、設置スペースの確保等、困難が予想されますが、その可能性について検討をするよう、今後施設管理者に要望をしてまいります。 次に、バスは鉄道に比べまして、乗降に際して高低さが少ないなど、高齢等の交通弱者にやさしい交通手段でありますので、今後とも適切なバスサービスが区内で確保されるよう、事業に要望してまいります。 高齢のためのミニバスの実現につきましては、さまざまな困難が考えられますので、今後の研究課題としてまいります。 次に、シルバーパスのお尋ねでございますが、シルバーパスの交付につきましては東京都の事業として実施しているもので、区には交付事務が委任され、パスの形状や様式等は、東京都において定められているところであります。現在は、各自において定期入れに入れひもをつける等、それぞれが使いやすいように工夫して使用しているのが現状でありますが、御要望の事項につきましては、東京都へ伝えてまいりたいと考えております。 次に、高齢疑似体験については、福祉のまちづくり講演会の一環として、平成六年度に北新宿特別養護老人ホーム等において、関係職員、ボランティア区民及び一般区民が参加し、実施をいたしました。高齢や障害の体力や心理状況を自ら体験することで、ハンディキャップのある方への理解をしていただくことができたと考えております。 今後も福祉のまちづくりの一層の理解を深めていただくため、御提案の件も含め、このような事業の実施を検討してまいります。 以上で私の答弁を終わらせていただきます。
    ◆十二番(久保合介) 何しろ帰国後のぼけの中でつくった質問に懇切丁寧にお答えいただいて心からお礼を申し上げます。 何と言っても、お年寄りが健康で生きがいを持って生きるということが寝たきりにならないことでありますから、そういう意味では、新宿区民のお年寄りがこの新宿区のまちのなかに喜んで出て来る、そういうまちづくり、あるいはそういう楽しみ事をぜひつくる、そういう高齢福祉施策をさらに御努力いただくことをお願い申し上げまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○議長(長森孝吉) 以上で本日の質問は終わりました。  -------------●-------------- ○議長(長森孝吉) 本日の会議は議事進行の都合により、これで延会したいと思います。御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶあり〕 ○議長(長森孝吉) 異議なしと認めます。 本日の会議はこれで延会することに決定しました。 次の会議は十一月十日午後二時に開きます。ここに御出席の皆様には改めて通知しませんので、御了承願います。 本日はこれで延会します。   延会 午後五時十分        議長    長森孝吉        議員    川村一之        議員    下村得治...