• "江戸時代"(/)
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  1. 港区議会 2022-03-11
    令和4年度予算特別委員会−03月11日


    取得元: 港区議会公式サイト
    最終取得日: 2024-07-21
    令和4年度予算特別委員会−03月11日令和4年度予算特別委員会 令和4年度予算特別委員会記録(第10号) 令和4年3月11日(金) 午後1時開会 場  所  議場 〇出席委員(32名)  委 員 長  小 倉 りえこ  副委員長  石 渡 ゆきこ       福 島 宏 子  理  事  丸山 たかのり       土 屋  準        清 家 あ い       池 田 たけし        二 島 豊 司       七 戸 じゅん  委  員  玉 木 まこと       榎 本 あゆみ        なかね  大        黒崎 ゆういち        赤 坂 大 輔       琴 尾 みさと        山野井 つよし       兵 藤 ゆうこ        横 尾 俊 成       やなざわ 亜紀        鈴 木 たかや       榎 本  茂        杉 浦 のりお       なかまえ 由紀        池 田 こうじ       熊 田 ちづ子
           風 見 利 男       阿 部 浩 子        近 藤 まさ子       杉本 とよひろ        清 原 和 幸       うかい 雅 彦        井 筒 宣 弘 〇欠席委員(2名)   ゆうき くみこ  マック 赤 坂 〇出席説明員  区長                      武 井 雅 昭  副区長                     青 木 康 平  副区長   野 澤 靖 弘  教育長                     浦 田 幹 男  芝地区総合支所長  街づくり事業担当部長兼務            岩 崎 雄 一  麻布地区総合支所長  街づくり支援部長兼務              冨 田 慎 二  赤坂地区総合支所長  子ども家庭支援部長兼務             中 島 博 子  高輪地区総合支所長  産業・地域振興支援部長兼務           山 本 睦 美  芝浦港南地区総合支所長  環境リサイクル支援部長兼務           長谷川 浩 義  保健福祉支援部長  新型コロナウイルスワクチン接種担当部長兼務   有 賀 謙 二  参事・みなと保健所長兼務  (保健予防課長事務取扱)            太 田 留 奈  児童相談所長                  田 崎 みどり  企画経営部長                  大 澤 鉄 也  企画課長  オリンピック・パラリンピック推進担当課長兼務  西 川 杉 菜  区長室長  横 尾 恵理子  財政課長                    若 杉 健 次  用地・施設活用担当部長             坂 本  徹  防災危機管理室長                西 川 克 介  総務部長                    新 宮 弘 章  総務課長  人権・男女平等参画担当課長兼務         荒 川 正 行  教育推進部長                  星 川 邦 昭  学校教育部長                  湯 川 康 生 〇出席事務局職員  区議会事務局長                 佐 藤 雅 志  次長    鈴 木 康 司                                              ほか                午後 1時00分 開会 ○委員長(小倉りえこ君) ただいまから本日の委員会を開会いたします。  本日の署名委員を御指名いたします。池田たけし委員、二島豊司委員にお願いいたします。  欠席者についてお知らせします。マック赤坂委員、ゆうきくみこ委員より欠席の届けが提出されておりますので、御報告いたします。  この際、謹んで皆様に申し上げます。本日3月11日は、東日本大震災の発生から11年に当たります。港区議会といたしまして、震災で犠牲になられた方々に対し、哀悼の意を表するとともに、御冥福をお祈りするため、午後2時46分に黙祷を行いたいと存じます。  控室等で委員会審議を視聴している場合、または休憩中の場合は各会派控室で、質疑の途中の場合は、質問、答弁の区切りのよいところで委員会を休憩し、自席にて待機していただき、全館放送に基づき黙祷をささげ、黙祷終了後、委員会を再開しますので、御承知おき願います。質問時間が残っている場合は改めて時間を表示しますので、よろしくお願いいたします。     ─────────────────────────────────── ○委員長(小倉りえこ君) これより審議に入ります。去る3月9日に、風見委員ほか2名から提出されました令和4年度港区一般会計予算に対する修正案、令和4年度港区国民健康保険事業会計予算に対する修正案及び令和4年度港区介護保険会計予算に対する修正案について、一括して議題といたします。  それでは、修正案について、提案者の説明を求めます。 ○委員(風見利男君) 2022年度予算修正案の提案を行います。2022年度港区一般会計予算、港区国民健康保険事業会計予算及び港区介護保険会計予算に対する修正案の提案説明を行います。  新型コロナウイルス感染症はいまだ終息の見通しが立たない中、経済も雇用も深刻な状況が続いています。その上、原油価格の高騰などにより、エネルギーや食料品など、生活必需品の価格高騰は家計を直撃し、とりわけ非正規労働者やひとり親家庭、女性、高齢者など、低所得者世帯ほど大きな影響を受けています。皆さんにも、区民の方からいろいろな暮らしの相談が寄せられていると思います。  2022年度予算の審議の中でも明らかなように、国民健康保険料など、区民の負担は増加の一途をたどり、その一方で、森ビルや住友不動産などの大企業が進めている市街地再開発事業には、来年度だけでも43億3,525万6,000円もの税金を投入する予算となっています。これを区民の暮らしや福祉、教育などを応援する方向に転換し、一歩でも二歩でも区民の要求を前進させるため、特に緊急性の高い項目に絞って修正案を提案いたします。  それでは、内容について説明します。まず、一般会計予算に対する修正案の概要を説明します。歳入歳出とも、原案の1,593億円を20億3,480万2,000円増額し、1,613億3,480万2,000円とします。なお、財政調整基金から47億4,454万8,000円を増額して繰り入れます。  次に、修正案の内容を個別に説明いたします。別紙修正案の概要を御覧ください。  まず、歳入ですが、第13款国庫支出金は、市街地再開発事業支援補助金を中止する関係で、国庫補助金21億6,762万8,000円を減額します。  第14款都支出金も同様に、都補助金を5億4,211万8,000円減額します。  第17款繰入金は、財政調整基金から47億4,454万8,000円繰り入れます。  次に、歳出です。第4款民生費では、社会福祉費で、1、介護保険の居宅サービス利用料の利用者負担を全員3%に軽減します。2、心身障害者福祉手当を2級の精神障害者にも支給します。3、75歳以上の高齢者の医療費負担をゼロにします。児童福祉費では、18歳までの医療費負担をゼロにします。これにより、民生費全体で41億3,951万円の増額となります。  第7款土木費では、都市計画費の市街地再開発事業支援の補助金を43億3,525万6,000円減額します。  第8款教育費では、小学校費で、1、小学校に入学する家庭に入学支度金を、区立、私立を問わず、1人当たり2万円支給します。2、小学校における給食費を無料化します。中学校費について、1、中学校に入学する家庭に入学支度金を、区立、私立を問わず、1人当たり3万円支給します。2、中学校における給食費を無料化します。さらに3、中学校修学旅行の助成費、5万円を限度に支給します。これにより、教育費全体では8億3,219万8,000円増額します。  第10款諸支出金は、国民健康保険料の均等割額を1万円引き下げるとともに、第1子以降の均等割額を全額免除するために、国民健康保険事業会計に7億5,235万円、介護保険料基準額を1,000円引き下げるために、介護保険会計に6億4,600万円、それぞれ繰り入れるものです。  以上が、一般会計予算の修正案の内容です。  次に、国民健康保険事業会計及び介護保険会計についてです。  原案、修正案の歳入歳出の金額に変更はありませんが、それぞれの保険料の減額分を一般会計から繰り入れています。長期にわたる不況で疲弊している区民生活が、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、雇用と景気、経済のさらなる悪化の中で、さらに深刻になっています。このようなときにこそ、港区は区民生活と中小企業、商店の営業を守る予算を組むべきです。  この修正案は、この議会で決定されれば、すぐに実施できます。ぜひ審議の上、御賛同いただきますようにお願いいたします。また、部分的にでも御賛同いただけるものがあれば、提案していただければ、受け入れる用意はしていますので、そのことを申し添えて、提案者を代表しての提案理由といたします。  御清聴ありがとうございました。 ○委員長(小倉りえこ君) 説明は終わりました。  なお、令和4年度港区一般会計予算に対する修正案、令和4年度港区国民健康保険事業会計予算に対する修正案及び令和4年度港区介護保険会計予算に対する修正案についての質問はございません。  以上をもって、一般会計予算、国民健康保険事業会計予算及び介護保険会計予算の審議は終了いたしました。     ─────────────────────────────────── ○委員長(小倉りえこ君) これより総括質問を行います。  初めに、自民党議員団を代表して、池田こうじ委員。 ○委員(池田こうじ君) 令和4年度予算特別委員会におきまして、自民党議員団といたしましての総括質疑をいたします。  まず、項目の1つ目、新時代の区政、コロナ禍を乗り越えるウィズコロナの区政についてであります。  まず、1つ目、新時代の都心港区のまちづくりの在り方はどうあるべきかについてお伺いします。莫大な昼間人口を抱えております都心港区は、世の中の働き方が変われば、まちの在り方まで変貌してまいります。ウィズコロナの都心は、開放かつ、そして密ではなく、疎の中で非接触のまま多様な人が集まるウォーカブルな都市であるべきです。どこにいても働くことができる社会においては、居住エリアで過ごす時間が格段に増えることから、地域コミュニティの重要性はさらに高まるとともに、日々の活動やアクティビティを楽しむ圏域の拡大、充実が求められることになろうかと思います。外部空間の重要性も、以前にも増して増えるはずであります。  人口の多い都心港区の利点と存在意義が問われる時代になってまいりました。多様な機能が集積する港区には、コロナ禍で都心離れが言われようとも、創造的な活動家の人々がきっと引きつける力があろうかと思います。昼間人口層の動態に共存しつつも、区民主体のコミュニティが形成できる、新しい発想のまちづくりが必要であります。  お伺いします。都心港区として、ウィズコロナのまちづくりの在り方はどうあるべきか、区長はどう考えるか、お伺いします。  2つ目、今こそ不合理な税制改正を正す主張を強くすべきではないかという質問です。全国で最も多くの新型コロナウイルス感染症の感染者を抱えている東京都特別区でありますが、その対応のため、膨大な財政需要が生じております。新型コロナウイルス感染症対策における国や東京都の補助金を除いた特別区の負担は、令和2年度で約597億円、令和3年度で約510億円となっており、今後さらにその負担が増えると見込まれております。  港区だけで見てみましても、令和2年度と令和3年度の予算を合わせれば、この2年間で、国、東京都の補助を除いた区の負担は82億円になります。これは、中小企業対策を含め、都心区港区の責務をコロナ禍の中で果たしていると言えると思います。  法人住民税の一部国税化や地方消費税の清算基準の見直し、ふるさと納税などの不合理な税制改正によって、特別区の貴重な税源は一方的に奪われてきましたが、新型コロナウイルス感染症の影響による昼間人口の激減、対応コスト増など、都心には多くの負担がかかり、さらに理不尽さが顕在しております。  今必要なことは、地方自治体が自らの責任で真に必要なサービスを提供するとともに、自治体間の積極的な交流や協働によって、共存・共栄する良質な良好な姿をつくることであり、税源の奪い合いにより自治体間に不要な対立を生むような制度は認められません。  港区におけるふるさと納税控除額は41億円、区民税に占める割合は5.94%と、23区でも突出しております。港区は、今こそ不合理な税制改正を強く主張すべきではないか。区長の考えをお伺いします。  また、ふるさと納税の本来の在り方さえ定義できないとも言える昨今の状況を踏まえ、ふるさと納税の在り方に反対している港区がふるさと納税を実施する意義があるのか。いま一度考え直してもいいのではないかと私は考えます。これは要望として申し上げておきます。  次に、地域の絆の強化にどう取り組むかお伺いします。区長の所信表明の、今こそ地域の力を結集し、区民の力、区民の命と健康、暮らしを守り、区民の皆さんとともに笑顔と活力あふれる明るい未来を切り開いていくとの発言のとおり、地域の絆の強化と区政の連携こそ、ウィズコロナを乗り越える礎となっております。ウィズコロナの中での町会・自治会の支援について、本年度も様々な支援策を港区は講じてまいりました。  私も長年、町会の役員をしておりますが、役員の担い手不足や会員減少、回覧等の負担等、町会・自治会の課題はコロナ禍の中でさらに顕在化していると思います。今年度の支援策における成果を踏まえた上で、来年度の町会・自治会の支援の在り方と意気込みについて、区長の姿勢をお伺いしたいと思います。  町会・自治会の支援は、区民一人一人の支援の礎となるものですが、現在、228団体、会員数6万5,000戸。26万人近い人口に比しても、3分の1にも満ちません。区内住民の8割以上と言われている集合住宅に住む区民に、区政情報がなかなか届かない現状があります。私もマンション管理組合理事長を長年務めておりますが、町会に比べて、なかなか区政情報が届いておりません。地域の絆の醸成には、区民と区政の連携は必要であります。1,500件以上と言われる集合住宅の管理者を把握している港区は、マンション管理組合を区政に引き込むことはできないか。  防災課では、住宅管理者の皆様を対象に、港区共同住宅の防災対策に関するアンケートを行っております。このような管理組合という地域資源の活用を住宅課と連携しながら、地域振興課の事業として検討し区政情報を届けられないか、お伺いします。マンション管理組合を入り口とする区民の区政への参画についての区長の考えをお伺いいたします。  次に、打撃を受けた活気を取り戻すためにどうするか、お伺いします。港区が都心港区らしくあるのは、自治体日本一の数を誇る多様な飲食店やライブハウス、世界中の人を魅了する歴史や海や緑あふれる観光資源、地域の人情味あふれる商店街、時代を牽引し人々の生活を支える多様な中小企業などが混然一体となって魅力を放っているからだと思います。その多くが、コロナ禍の中で甚大な影響を被っております。各項目について活気を取り戻すべく、区長の考えをお伺いします。  飲食店、ライブハウスなどの事業者の影響は甚大です。私は六本木という繁華街に住んでおりますので、毎月のように店が閉店するのを見て、肌身でそれを感じております。現在、その実態把握を港区がしているとは言えません。そこからしか国や東京都の一律ではなく、地域に根差した港区の支援策が展開できると思います。ぜひこの事業者の皆さんからコロナ禍の影響を聞き、実態把握することはできないか、お伺いします。  次に、観光振興ビジョン策定についてお伺いします。来年度から次期観光振興ビジョンの策定準備に入ると聞いておりますが、まず、観光動態基礎調査をすると聞いております。広く意見を聞くとのことですが、区民や事業者は入っておりません。区民こそが主体の観光、マイクロツーリズムの観点からも、変貌する観光業界の実態を把握する意味でも、意見を聞いてほしいと思います。また、事業者の意見も多様であり、取り入れるべきであります。そして、有名人に頼らない港区観光大使、今、実働できるのは73人と聞いておりますが、港区観光大使の意見活用ももっと力を入れてほしいと思います。  お伺いします。このような観点も踏まえ、区長として、打撃を受けた港区の観光業界を再生する意気込みと、観光振興ビジョン策定に向けた姿勢をお伺いします。  次に、「トキメク、ミナトク。お得に宿泊キャンペーン」についてお伺いします。これも観光に関する質問でありますが、この事業こそ港区のマイクロツーリズムに資するものだと思います。この事業は、区民及び区外から訪れる人を対象に、区内宿泊施設における宿泊料を補助するものでありまして、商店街振興に結びつけたり、中央区が実施している名所のスタンプラリーのようなイベントを実施したり、区内の観光事業者と連携したり、柔軟な発想で盛り上げられるものだと思います。  どのようにこの事業を区内観光や商店街振興に結びつけていくのか、区長のお考えをお伺いいたします。  商店街小規模イベント支援についてお伺いします。これは、鈴木委員の思いをお伝えいたします。コロナ禍で大きなイベントができない中、これまで各商店街が様々な工夫を凝らして取り組んでいる小規模なイベントに対し、東京都の補助が絡む場合は、区としても臨機応変な支援が難しいため、我々は区の支援をお願いしておりましたが、来年度予算化されたことを大変うれしく思います。ぜひプレミアム付き区内共通商品券の発行支援と併せて、このような政策を積極的に進めていただきたいと思います。コロナ禍における新たな支援の形として期待したい。  また、この支援制度をどのように進めていくのか。このようなきめ細かい商店街支援こそ港区が担うものだと思います。令和4年度から新たに始める商店街小規模イベント支援の狙いについて、区長にお伺いします。  次に、産業振興センターについて伺います。新たな産業振興拠点として、産業振興センターがいよいよ4月に開設されます。産業振興センターは、企業、人、地域の力を一つに結びつけ、最新の情報や技術を提供する未来発展型の産業振興拠点と期待されております。ビジネスサポートファクトリー、コワーキングスペース、創業者同士の交流会など、様々な事業が行われるとのことであります。
     産業振興センターが設立される札の辻という立地は、とてもすごいところであります。江戸時代の高札場の跡であります。高札は、通行人の多いまちの入り口に立てられ、決まり事などを民衆に周知する役割を担っていたわけでありまして、江戸初期の元和2年、1616年、この札の辻に芝口門が建てられ、江戸正面入り口としての形式が整えられたと聞いております。  まさに産官学の新たなコミュニティで多様な人が行き交うこの産業振興センターに、歴史的に人が行き交った札の辻があるということを重ねてブランディングし、起業家や人が憧れるような在り方、箱物ではない場所を活用した在り方を考えていただきたいと思います。  お伺いします。産業振興の拠点として、傷ついた区内経済の回復とさらなる発展のため、様々な施策を展開してもらいたいと思っておりますが、併せて区長の産業振興センターにかける意気込みをお伺いします。  次に、新時代の職員研修についてであります。多様な行政課題は常に変貌し、解決方策となるデジタルテクノロジーも、日進月歩のスピードで変化し続けております。そういった時代には、地方自治体の職員研修がますます重要になってまいります。莫大な情報量の中で的確な判断をするため、PDCAに加えてOODA思考も取り入れるべきことなどは総務費で質疑もいたしました。  鈴木委員が予算特別委員会の中で質疑したEBPMとは、政策の企画をその場限りのエピソードで頼るのではなく、政策目的を明確にした上で、合理的根拠に基づいて行うもので、DX化の加速に合致するものであります。政策の有効性を高め、区民への行政の信頼を増すものでもあります。  東京都は、総務費で紹介いたしましたとおり、東京都デジタル人材確保・育成基本方針の中で、OODA思考について触れられております。決められたプランを実行するPDCAだけではなく、併せて刻々と変化する現場で考え解決していくOODAの思考法も職員研修に取り入れるべきだと思います。思考法やスキルを上げれば、莫大な情報量を手にしている全ての職員が生き生きと職務を遂行できます。新時代における職員研修の在り方について、区長にお伺いします。  次に、コロナ禍の中での子育てについてお伺いします。  まず、全ての子ども・子育て世代の支援についてでございます。これは、やなざわ委員の思いをお伝えいたします。当たり前のようにあった子どもたちの笑顔あふれる日常は、まちの内外で奪われています。それがもう2年に及ぶ上、いまだに続いて、まだ先も見えない状態です。  大人の2年と子どもの2年とは、その重要性や貴重さが全く違います。子どもへの影響は計り知れません。実際に子どもの自殺や鬱、体力の低下、家庭での虐待も増えております。そしてまた、都心の子育ては、各家庭によって事情が全く違い、千差万別であります。一くくりに支援を全国一律の所得制限に区切るのではなく、また、低所得者だけではなく、今こそ子どもたちが希望や夢、期待を持てるような、全員の子どもへの支援が必要であります。  それが、子育てするなら港区の責務であります。この輝ける港区に住み続けたいからこそ、時間と身を削り、歯を食いしばってお金を稼いで港区に住んでいる世帯も多いのであります。民生費の答弁でも、全ての子どもたちが生き生きと子どもらしい生活が送れるよう支援することは必要、子どもたちが楽しめる事業の実施について検討、子どもの最善の利益の実現を念頭に、様々な角度から子育てを支援するとの答弁がありました。ぜひとも実現をしていただきたいと思いますが、区長の見解を伺います。  次に、子育て支援における未就学児の「ちぃばす」無料化についてであります。ゆうき委員の思いを伝えます。民生費では、港区の子育て支援における所得制限の考えについて、土木費では「ちぃばす」の未就学児の無料にすることについて伺いました。この両方に共通するのは、今だからこそ、子育て世帯への支援を行っていただきたい、頑張って働いている子育て世帯に対して応援していただきたいという思いがあるからであります。  国は、このコロナ禍の中で、児童1人当たり10万円の子育て世帯への臨時特別給付金を行いました。港区も多方面で子育て支援を行っておりますが、さらに頑張って働いている母親、とりわけひとり親のお母さんを支援していただきたいと思います。その中で「ちぃばす」の未就学児の利用料金について、区長は、3人目以降を無料にすることについては、子育て施策を計画的に推進する中で検討すると発言しておりましたが、いつ発動するのでしょうか。まさに今、「ちぃばす」の未就学児の無料化を実現していただきたいと思いますが、子育て施策の計画の中で、未就学児の無料化について、区長の見解を伺います。  次に、区民に寄り添う保健福祉行政についてお伺いします。  まず、区民が迷わない窓口、断らない窓口、たらい回しにしない窓口を目指す福祉総合窓口についてであります。  私が初めて福祉総合窓口の設置を訴えたのは、2015年の10月の質疑。そのときは、総合的な相談機能の充実に向け検討するとの答弁にとどまりました。2019年9月の質疑で、区民からの福祉に関するあらゆる相談にワンストップで柔軟に対応できる相談体制の充実を検討と答弁が前進。検討会が設置され、2020年に設置が正式決定し、いよいよ来年度、全国的にも先駆的な福祉総合窓口が実現することになりました。心から感謝したいと思います。  福祉総合相談体制の構築は、福祉ニーズで抜け落ちていく人の支援という意義が強くあります。これは、私がケアマネジャーや特別養護老人ホームの施設長や児童養護施設を運営する中で、利用者の皆さんと接してきたことが起点になっております。例えば、いわゆる老老介護の現場で介護者の方の方が先に亡くなる。障害者とその親御さんの高齢化。介護は家族の問題、世帯の問題であります。児童虐待についても、親の関係、家庭の中の関係が強く影響しております。児童虐待しているお母さんがDVを受けている、貧困に陥っている、介護のストレスに陥っているなど、家族は一つ屋根の下に住んでいなくても、家族の1人に福祉ニーズが生じれば、ほかの家族にも影響を与えるのは当たり前のことであります。  また、一人の高齢者、一人の障害者、一人の被虐待児童が複数の福祉ニーズを抱えていることも多く、断片的な福祉ニーズの陰に深刻な福祉ニーズが隠れていることも多くありました。それを解決するのが、家族の包括的アセスメント機能と区民サービスの総合相談を担う福祉総合窓口の取組であります。  区民主体となる抜本的な業務改革の中で、この福祉総合窓口をスタートするわけでありますが、修正、観察、改善の在り方もあらかじめ構築し、この事業を区民に寄り添う福祉の入り口として、最善の事業としていかなくてはならないと考えます。本事業のスタートに当たり、区長の考えをお伺いいたします。  次に、全ての子どもたちの希望を守る要、要保護児童の施策についてであります。  まず、一時保護所の第三者評価についてであります。一時保護所の運営は、高度のスキルと判断を必要としております。一時保護の第一の目的は、子どもの命の安全を確保することであります。保護者や虐待者からも、職員が予期せぬハラスメントを受けることもあります。ぎりぎりの判断を迫られていることが多いわけであります。  一時保護所の外部評価は、一時保護所自らその行う業務の質の評価を行うとともに、定期的に外部の者による評価を受け、それぞれの結果を公表することで、一時保護中の児童の権利擁護と一時保護運営の質の向上を図る仕組みであり、職員の資質にも資するものであります。どのようにこの一時保護所の外部評価を実施し、取り組んで、それを活用するのか、区長の考えをお伺いします。  そして、将来的には、児童相談所自体も第三者評価をすることも、将来の検討課題にしていただきたいと要望しておきます。  次に、一時保護所における食育についてお伺いします。食育は、私は教育費でも質疑いたしました。私ごとなのですが、この4月から、私は環境省に登録される環境カウンセラーという仕事、資格につきます。そこで進めたいのが、SDGsとESD、そして、環境教育としての食育であります。中でも、社会的弱者を含む裾野の広い子どもたちや若者への食育、児童養護施設や子ども食堂、そして、きょうここで質疑する一時保護所などで暮らす、家庭に恵まれない子どもたちに向けられた食育であります。  私は、児童養護施設を運営する現場で、生まれてから初めて温かい手作りの食事をすることで、その児童が劇的に立ち直る現場を常々見てきました。地球環境は、地域や社会とつながっております。親とも家庭とも地域とも全くつながりがなかった子どもたちが、環境教育、食育を通してつながりを知ることは、彼らの未来を照らす希望となり、つながりを再生する糸口になります。  そのような施設で、日常生活を通して身近で起きている食育を通して環境問題について学び、問題意識を持ち、解決策を考えることは、子どもたちの将来の生きる力を育むことにもなります。それは、子どもたちの健康にも資するものであります。適切な温かい健康的な心のこもった食事に恵まれてこなかった要保護児童の食育こそ、彼らの心を再生していく糸口であります。一時保護所における食育について、区長の考えをお伺いします。  次に、要保護児童における18歳以降の支援についてであります。児童福祉法において、施設入所期限は原則として18歳までとなっています。それでも、今までは20歳までは成人ではないので、法的な支援の手だてがありました。今回、民法に基づく契約年齢が20歳から18歳に引き下げられることで、要保護児童が法的養護から、つまり、18歳から20歳という世代になりますが、完全に取り残される懸念があります。児童福祉法の一部が改正され、児童自立生活援助事業の対象者などの年齢要件などを弾力化することや、生活、就労、自立に関する相談などの機会や措置解除等の相互相談の場を提供する位置づけなどが示されてはおりますが、要保護児童の18歳は、一般の児童とは比べようのないぐらい支えがないまま社会人になり、進学したりしております。  私は、児童養護施設卒園生の奨学金の運営をしておりますが、学校に通いたくても、途中でやめてしまわざるを得なくなる奨学生も少なくありません。支えがないからです。児童相談所を担う港区として、要保護児童における18歳以降の支援について、区長の考えを伺います。  次に、区民の安心を担う高齢者介護についてであります。様々な支援策が講じられている保育士の人材確保施策に比較すれば、都心の深刻な高齢者介護の担い手である、その担い手不足を解消する支援策はほぼ存在していないと言ってもいいと思います。保育士の確保支援事業をざっと挙げただけでも、保育扶助、延長保育扶助、私立保育所費補助、私立保育所特別助成、保育士等キャリアアップ補助、保育サービス推進事業補助、保育従事職員宿舎借り上げ支援事業補助、私立認可保育所等安全対策事業、保育体制強化事業補助金、私立認可保育所等ICT化推進事業補助金、認可保育所等建物賃借料補助事業など、数え切れません。  一方、高齢者介護を担う施策はほとんどないと言っても過言ではないわけでありますが、このたび、この予算特別委員会でもお話が出ましたが、東京都の介護職員宿舎借り上げ支援事業が拡充されましたが、やはり地域に寄り添った港区の支援策が必要だと考えております。  そこでお伺いします。今後の高齢者人口の増加を考えても、介護人材の確保支援策は必要だと考えておりますが、区長の考えをお伺いします。  続きまして、医療費適正化の取組についてであります。医療費適正化計画とは、持続可能な医療制度と提供体制の確保を目指し、住民の健康増進と医療費適正化をするための取組であります。急速に進行する少子高齢化や、国民生活とその意識の変化を受け、誰もが等しく医療を受けられる国民皆保険制度を維持するには、医療費の過度な増大を抑制するための取組が必要であります。  また、データヘルス計画というものがありますが、国の成長戦略として、医療情報や健診結果の情報等のデータ分析に基づき、効率的、効果的な保健事業を実施する取組であります。このデータヘルス計画の活用の観点からも、港区の医療費適正化をどのように進めるのか、区長にお伺いしたいと思います。  続きまして、特定健診の受診率の向上についてであります。今、質問した医療費適正化を促進する意味でも重要な課題なので、質問いたしました。特定健診は、メタボリックシンドロームに注目した健康診断で、生活習慣病の予防の早期発見のため、区が実施しております。昨年、私も対象になってしまいました。令和3年度は、3万3,008人の対象者のうち実施者は1万2,436人と、37.7%。国の平均は2019年は55.6%と、約20%も高い数値であります。ただ、国の掲げる目標は70%と、まだまだ及んでおりません。  質問は、医療費適正化の入り口とも言える特定健診の現在の受診率をどのように上げていくのか、お伺いしたいと思います。  続きまして、長期化するコロナ禍を見据えた自殺対策についてであります。この3月は、自殺対策強化月間であります。港区の自殺者は、毎年30人から40人の間で推移しておりますが、世代で見れば20代、そして50代から70代の世代が多いわけであります。50代以降は健康問題がその主要因となっていると思われますが、20代は、時代的要因など多様であります。コロナ禍の影響もあり、若い世代や女性の自殺者が全国的にも増加しております。ゲートキーパーの育成やSNSの活用、民間団体とも連携し、総体的な対策を立てる必要があります。  質問です。長期化するコロナ禍を見据えた一歩踏み込んだ自殺対策について、区長にお伺いします。  続きまして、心豊かな都心を形成する港区のスポーツ行政についてであります。  まず、地方自治体におけるスポーツの多様性についてであります。スポーツは、見て、参加して、支えて楽しめるものです。子どもの心身の健全育成、成人病や介護予防、地域コミュニティの形成、障害者や高齢者の希望、全世代の生きがいに寄与します。心身の健康の保持増進にも重要な役割を果たし、健康で活力に満ちた長寿社会の実現に不可欠であると、スポーツ基本法にも定義されております。生活習慣病の予防、改善や介護予防を通じて、健康寿命の延伸や社会全体での医療費抑制への貢献が期待されております。港区庁内でいっても、産業振興課、協働推進課、障害者福祉課、高齢者支援課、健康推進課、教育委員会、様々な所管にまたがる多様性を持っております。後ほどお伺いするeスポーツも、多様なスポーツの裾野を教育委員会だけで担うのは適さないと考えております。  そこで質問いたします。地方自治体におけるスポーツの多様性を区長はどのように考えているのか、お伺いします。  次に、庁内にスポーツ担当課を設置することと、オリンピックレガシーの継承についてお伺いします。オリンピック・パラリンピック推進担当は、スポーツを通して様々な施策を庁内横断的になす役割を果たし、様々な成果を上げたと私は評価しています。オリンピック・パラリンピック推進担当をスポーツを所管する教育委員会の中に置かなかったのは、区長がスポーツの多様性を担うのには、区長向け部局である必要があると感じたからだと考えております。区長部局において、スポーツを担ってきたオリンピック・パラリンピック推進担当が、来年度、消滅してしまうのは残念なことであります。オリンピック・パラリンピック推進担当の成果の火を消さず、スポーツ文化課のようなものを区長部局に設置することを、オリンピック・パラリンピック推進担当の成果を検証し今後の検討課題にできないか、区長にお伺いしたいと思います。  また、地域とオリンピック・パラリンピック推進担当の成果である東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会のレガシーをどのように受け継いでいくのか、併せて見解を伺いたいと思います。  付け加えて、港区の究極のスポーツイベントでもありますMINATOシティハーフマラソンも、教育委員会ではなくオリンピック・パラリンピック推進担当で所管していたことも、その象徴であり、私はこの要望を今後も強くしていきたいと思っています。  続きまして、運動する場所の確保についてであります。これは、黒崎委員の強い思いを会派として伝えたいと思います。都心で運動する場所を確保するには、区の組織的な意欲がなければ実現しません。教育費の質疑では、引き続き運動する場の確保については、区内の限られた資源を最大限に活用するため、学校施設などのさらなる活用拡大や、区内大学や企業などと連携を進めるとともに、区内では土地の取得が困難ではありますが、区長部局と連携し、大規模開発においては、開発事業者に計画段階からスポーツ施設の整備要望を伝えるなど、積極的に取り組んでいきますという課長の答弁でございました。都心だからこそ、心豊かな都心を目指す港区だからこそ、積極的に運動する場所を確保してほしいというのは、強い思いであります。教育長の姿勢をお伺いします。  そして、根本的に運動する場所が足りないからこそ、学校施設開放の効率化の中で多くの課題や要望が存在してきた、顕在してきたということを認識していただいた上で、今回のオンライン予約システムの導入について、地域との関係性を重視したやり方で進めていくプロセスについて、教育長に考えをお伺いします。  次に、eスポーツについてであります。世界で競技人口が1億人を超え、観客は3億8,000万人とも言われるコンピュータ対戦型ゲーム競技、eスポーツは、競争性が高く、従来のスポーツ同様の厳しいトレーニングを求められることから、スポーツ競技として欧米や中国、韓国などで発展し、日本でも近年、各地で大会が開催されております。eスポーツを日本の文化にという思いから始まった全国高校eスポーツ選手権は、年々参加校が増え、前回の第3回大会では194校346チームがエントリーし、多くの若者たちが仲間とともに勝利を目指しました。  年齢、性別、国籍、障害にかかわらず、文化、スポーツ、産業振興、国際交流など多様な分野に影響を、その裾野を拡大しております。港区のシンボルである東京タワーには、日本最大級のeスポーツ施設も開設されました。eスポーツのこれまでの取組と今後について、教育長にお伺いします。  次に、安全・安心な都心港区の形成についてであります。大規模災害は地震だけではありません。昨年10月、国連では、過去20年間で大規模な自然災害が発生し、世界各地で甚大な経済的及び人的被害が生じていること、その原因は気候変動が大きいことを報告書で述べ、今後このレベルが続けば、世界はより住みにくくなると警告をしました。  東京都でも、ゲリラ豪雨や度重なる台風など、自然災害が増加しており、港区もその例外ではありません。災害時には消防署との連携は欠かせませんが、消防署は地域を守る消防団ともつながり、指揮系統でつながっているところであります。大規模災害時に連携が課題となっていた地域防災計画における消防署との連携について、区長の考えをお伺いします。  また、やなざわ委員の質疑にもありましたように、災害時の滞留者対策については、きめの細かい組織的な連携をしていただきますことを重ねて要望いたします。  消防団の支援についてお伺いします。東京都は、最大震度7の激しい揺れで、建物の倒壊や火災などによる死者がおよそ1万人に上るとしていた首都直下型地震の今の被害想定を10年ぶりに見直し、早ければこの4月にも新たな想定を公表する方針であります。高齢化が進み、ひとり暮らしの割合が増えていることや、デジタル化が進み、通信インフラへの依存が高まっていることも背景にあります。  本日は、3月11日であります。東日本大震災で死亡・行方不明となった消防団員は、253名おります。地域は地域で守る。消防団員の使命感が地域の誇りであるということを、図らずもそれを示す悲しい事態となりました。消防団活動は、地域と家族の理解なくしては継続できません。コロナ禍であろうと、団員は家族の支え、地域の支えの下で活動を継続しております。コロナ禍の中でも継続すべき港区の消防団の支援活動の在り方について、お伺いします。  次に、新耐震基準の木造住宅における耐震性の確保についてであります。きめの細かい耐震化の取組も、災害時の都市機能の影響を軽減する大切な施策であります。平成28年に発生した熊本地震では、耐震基準がさらに強化された平成12年5月31日以前の新耐震基準の木造のうち、18.4%に倒壊等の被害が確認されました。新耐震基準の倒壊、この事態の対処は新たな課題であります。  お伺いします。区内における新耐震木造住宅の耐震性確保をどのように進めるのか。制度の在り方や徹底的な周知の方策も含め、区長にお伺いします。  続きまして、交通安全対策、交通事故の根絶についてであります。第11次港区交通安全計画の重点課題には、高齢者と子どもの交通安全の確保が挙げられております。港区内の子どもの交通事故者数は、毎年40件前後で推移しております。保護者や学校関係者の気持ちを考えると、胸が締めつけられる思いであります。  港区内の公立小学校に通う小学生が交通事故で亡くなるという痛ましい事故が、一昨年発生いたしました。子どもの交通事故は絶対にあってはならず、根絶に向けて全力で取り組むべきであります。  また、小学校のPTAからは、全ての子どもたちの交通安全事故根絶を願うモニュメントを制作するため、モニュメントの設置の協力を依頼する要望書が、昨年末、港区に提出されました。港区として、ぜひ協力してほしいと思います。区長の見解をお伺いします。  次に、輝ける繁華街と絆あふれる地域コミュニティが共生する六本木の諸課題についてです。  まず、六本木のまちの在り方についてであります。既に完成した、六本木の個性を担っている再開発も多数ありますが、今後も再開発が多く予定されている六本木地域の課題として、再開発地域のはざまにある地域住民や商店街が取り残されないよう、再開発地域が単体だけで独立しないよう、六本木の総体としての魅力を保ちつつ、まちの連続性を担保しながら住民とも共生していかなくてはならないと思います。住民主体のまちづくり条例なども、区民の思いを反映する仕組みとして機能すべきだと思います。これからの六本木のまちの在り方について、区長の考えをお伺いします。  続きまして、繁華街六本木の美化についてです。区長は、まちの美化に関して、代表質疑において、地域の皆さんが積極的に環境美化に取り組まれている中で、様々な課題がある繁華街を対象とした取組の強化が必要、このため、区が先頭に立ち地域住民、企業をはじめ、警察や国、東京都などの関係機関と一体になり、早朝清掃や、不法投棄が頻発する場所での重点的な注意喚起、落書き消去など、あらゆる視点から対策を推進し、これまで解決が困難であった状況を改善していくと力強く答弁されました。  コロナ禍の中で活動を見合わせている団体もありますが、繁華街六本木には、数多くの団体が自主的に清掃活動やパトロールをしております。六本木安全安心パトロール隊、六本木をきれいにする会、今井町親睦会、市西町会、市兵衛町町会によるわが街クリーン作戦、六本木ヒルズ自治会によるクリーンアップなどであります。それらの活動の絆を保ちつつ、この事業を進めることは、地域コミュニティにとっても、継続的なまちの美化保全という意味合いにおいても、大切なことであります。繁華街六本木において、この繁華街の美化事業をどのように進めていくのか、区長の姿勢をお伺いします。  次に、六本木三丁目の児童遊園周辺のまちづくりについてであります。本事業は、平成23年、地域から提出された六本木五丁目交差点付近から六本木三丁目児童遊園周辺にかけての安全・安心環境改善に関する陳情書の趣旨をかなえる待望の事業であります。10年を超える地域の思いを一つにした要望書の趣旨を、いま一度ここで確認したいと思います。  要望書には、六本木五丁目交差点付近から六本木三丁目児童遊園周辺は、行き止まりと言うに近い、その構造的な要因もあり、安全・安心環境上、時間帯によっては地域住民、一般客、在勤者などが近寄りがたい様相を呈する事態となっております。今まで手つかずだったとも言える当該地区の環境改善について、港区の特段の配慮をお願いしたい。特に深夜から朝にかけての当該地区の安全・安心な環境改善について、六本木五丁目交差点付近から六本木三丁目児童遊園にかけての歩道の在り方、歩行空間の安全・安心環境向上についての改善について、六本木三丁目児童遊園の在り方についての検討、改善について、当該地区から放射22号線六本木通り側へ通じる区道等を整備するなど、歩行者の風通しについての検討、改善についてでありました。  この10年間、この状況は全く変わっていなかったことが改めて分かるわけでありますが、今回の事業は、その思いに十分に応える事業だと期待しております。区長は、今定例会において、六本木三丁目の児童遊園周辺のまちづくりについて、地域の美観と安全・安心を確保するため、再整備に向けた具体的な検討を進めますと表明しました。地域においては、区が動いてくれる非常に期待感も多く、ぜひ積極的に進めてもらいたいと思います。現在の状況と今後の進め方について、区長の考えをお伺いします。  続きまして、六本木におけるいきいきプラザの整備についてであります。この課題は、民生費でも質疑いたしました。いきいきプラザを800メートルごとに整備すれば充足いたしますが、後期高齢者の4人に1人が一度に歩くのが限界と国が示す500メートルごとにすれば、空白地帯ができます。その1つが、六本木であります。  今回提出している図のとおりであります。御覧いただければと思います。港区は、後期高齢者が前期高齢者と逆転し、令和4年3月現在、港区の高齢者4万4,402人のうち、後期高齢者は52.1%、人口比でいえば9%になります。今後もその傾向は続くと思いますが、800メートルという基準では、後期高齢者の4人に1人が、一度に歩いていきいきプラザにたどり着くことができません。六本木の高齢者の多くは、タクシーで乗り合わせて、近隣のいきいきプラザに行っているのが実情であります。  民生費の質疑では、今後、地域の方々の御意見や御要望も把握しながら、港区全体の高齢者人口の推移に加え、地域ごとの高齢者の人口の推移も注意深く見ていく必要があると答弁しております。区長として地域の声をどう受け止めていくのか、今後の六本木地区のいきいきプラザの整備についてお伺いします。  最後の質問です。誰一人取り残さない優しいエシカルな区政の推進についてであります。エシカルというのは倫理的なという意味です。  まず、SDGsの推進についてであります。2020年の世界の平均年齢を見てみますと、日本の平均年齢は48.4歳、中国の平均年齢はもう10歳若くて38.4歳、インドは28.4歳であります。国の活力、将来の活力、GDP予測値から見ても、世界で一番早く超超高齢化社会の先頭を行く日本の未来は決して明るくありません。  今、世界では、GAFAMと言われるイノベーションに象徴されるアメリカの価値観、アメリカンデジタル、10億人近い人口で国家や労働というものに象徴されるチャイニーズデジタル、そして、歴史や倫理と思想、ブランドに象徴されるヨーロピアンデジタル、このような価値観のバトルが起こっているとする社会学者も多くおりますが、この価値観に照らせば、日本は道徳的な国民性でありますので、ヨーロピアンデジタルという価値が一番フィットするわけであります。混迷を極める世界の中で、むしろこの価値観こそ調和した、これからの世界を形成するために必要であり、日本が世界を牽引する分野であり、産業、文化、教育、政治をはじめ、これからの世界を実質的に牽引する価値観となるのではないかと思います。  その軸となるのが、SDGsであります。SDGsを福祉や住民に寄り添う地方自治体が率先して行うのは、重要なことであります。教育費ではSDGsの教育、ESDについて質疑いたしました。港区基本計画において、全ての事業に位置づけられたSDGsが予算概要には一言も言及されていないことは、予算特別委員会でも指摘いたしましたが、SDGsはただ掲げるだけで達成できるものではありません。横断的に全庁で進めるべきものだと思います。やさしい日本語セクションをつくるのもいいとは思いますが、SDGs係があってもいいと私は思います。港区がこれまで積極的に進めてきた環境施策などの後押しともなります。港区としてSDGsをどのように進めるのか、組織的、横断的な見地も含め、区長の考えをお伺いします。  次に、再犯防止推進計画であります。一度罪を犯した人でも、誰一人取り残さず再生できる再犯防止、これはSDGsの理念とも合致しています。昨年、刑法犯で検挙された人のうち、再犯者の割合を示す再犯者率は過去最悪の49.1%でありました。総務費の答弁の中でも、千代田区、大田区、中野区、豊島区では既に策定されており、今年度末には墨田区が策定するとの状況をお伺いいたしました。安心できる地域、誰一人も取り残されない地域社会をつくるための一つの方策として、再犯防止推進対策を総合的かつ計画的に推進する必要があります。再犯防止推進計画は必要だと思います。再犯防止推進計画の策定に向けて、庁内横断的に検討を進めてほしいと考えますが、区長の考えをお伺いいたします。  続きまして、区ホームページのマルチリンガル化についてであります。誰一人取り残さない、この世界的潮流からしても、マルチリンガル化の対応は必須であります。港区には約130か国、約1万7,000人の外国人が住みます。多くの外国人が働き、今は少ないですけれども、世界中から観光客もやってきます。港区は、全ての外国人に向けた、全ての言語で、住民サービスを対応するぐらいの意欲が必要だと思います。最新テクノロジーを駆使すれば、飛躍的な多言語化対応も可能となる時代です。まずは、全ての外国人の接点ともなり得る区政の入り口、区ホームページにおいて、全ての言語に対応するマルチリンガル化から取り組んでほしいと思いますが、区長の意欲をお伺いします。  続きまして、新型コロナウイルス感染症における感染者、ワクチン接種やマスクが着用できない人への配慮と理解促進の啓発についてです。港区の新型コロナウイルス感染症における諸対策、特にワクチン接種に関する対応は、東京都、ひいては日本の中でも特筆して、的確、適切であると評価したいと思っています。昨日からは、予約不要で誰もが接種できる取組が始まるなど、区民の安心と都心区としての責務を十分に果たしていると評価したいと思います。だからこそ、この質問をさせていただきます。  新型コロナウイルス感染症の感染拡大による不安や恐れから、感染者の周辺の人たちや、根拠のない偏見や不当な差別等が全国で発生しています。新型コロナウイルス感染症への不安があったとしても、差別的な行動を取ってしまうことは決して許されません。新型コロナウイルス感染症における感染者、ワクチン接種やマスクが着用できない人への配慮と理解促進の啓発について、区長にお考えをお伺いします。  次に、デジタルディバイド解消の横断的取組についてであります。インターネットを活用できる人は、より豊かでより便利な生活を獲得できる一方、何らかの理由によって情報技術の恩恵を受けられない人々は社会から疎外され、より困難な状況に追い込まれてしまいます。これがデジタルディバイドであります。  デジタルディバイドは、様々な要因により発生、拡大します。子どもや若者は、技術や知識を比較的容易に習得できますが、中高年や高齢者が新たにコンピュータなどの操作法を覚えるのは困難で、生活習慣に取り入れることにも抵抗感が少なくありません。また、貧困のために情報機器の購入が困難だったり、身体機能の障害により機器の操作が困難などで、情報技術の恩恵を受けられないこともあります。DXを加速するほどに置いていかれる人が多くなり、特に高齢者や障害者など、その不便は深刻になりがちです。  港区において、その対策だけ考えてみても、現在港区では、高齢者は高齢者支援課、障害者は障害者福祉課で対応する縦割りになっています。縦割りではない総体的なデジタルディバイド解消の庁内横断的取組が必要だと私は思いますが、区長の考えをお伺いします。  次に、子どもたちの情報モラル教育についてであります。令和3年度港区子どもサミットで、みなとインターネットこどもルールでは、学習を豊かにするためのタブレットであることを意識できるように、互いに声かけしよう、とのすばらしい子どもたちからの提言がありました。  前提として、インターネットが子どもたちにとって危険なものであるという決めつけはよくありません。インターネットは、子どもたちに無限の可能性を開く、子どもたちにとっても魔法のような心強い存在であります。さらに、ITリテラシーを高めることで、子どもたちの世界は、その裾野を広げていくものと思います。そのためにも、情報モラル教育は大切であります。公立学校に通う全ての子どもたちがタブレット端末に向き合うことになった今、情報モラル教育についてどのように進めるのか、教育長の考えをお伺いします。  最後に、平和推進事業についてであります。我々は、21世紀においても、築いてきた平和が一瞬で壊されるさまをかいま見ています。2月24日、ロシアがウクライナに軍事侵攻し、プーチン大統領は核の脅威さえ言及する事態となっています。この2つの国の大使館は港区にあります。個人、家族は絶対に戦争を欲しません。個人、家族、身近な区民に近い地方自治体の港区が、平和推進事業を進めることは重要であります。  平和学の父と言われるノルウェーの社会学者ヨハン・ガルトゥングによると、平和は大きく2つに分けられます。暴力や戦争がない状態を示す消極的平和と、共感をもとに協調と調和がある積極的平和のことであります。我々は、ただ戦争がない世界ではなく、積極的に平和を進め、私たちの生きる社会の平和の礎を築いていかなくてはならないと思います。  そこでお伺いします。これは、総務費でもお伺いいたしました。3年後の令和7年は、終戦から80年となる節目の年、港区平和都市宣言40周年、戦争体験の風化を防ぎ、世代を超えて戦争の悲惨さと平和の尊さを伝えていく、そのような答弁がありましたが、混迷を極める世界情勢の中で、港区長として平和推進事業をどのように進めていくのか、お伺いしたいと思います。  以上で総括質問を終わります。御清聴ありがとうございました。 ○区長(武井雅昭君) ただいまの自民党議員団を代表しての池田こうじ委員の総括質問に順次お答えをいたします。  最初に、新時代の区政、ウィズコロナの区政についてのお尋ねです。  まず、新時代の都心港区のまちづくりの在り方についてです。新型コロナウイルス感染症を契機に、テレワークの進展など、働き方や暮らし方が大きく変化しています。まちづくりにおいても、区民が身近に憩えるオープンスペースや、地域の魅力を実感できるにぎわい空間の重要性が再認識されています。区は、引き続き、まちづくりの機会を捉えて、民間敷地内の広場や緑地を確保するとともに、地域と連携したエリアマネジメント活動を誘導し、にぎわいとコミュニティの活性化を図ってまいります。今後も、誰もがまちの魅力を実感しながら、住みたい、住み続けたいと思えるまちづくりを推進をしてまいります。  次に、不合理な税制改正を正す主張についてのお尋ねです。地方財政における地域間の財源の格差は、地方交付税で是正をされています。そうした中、国が法人住民税の国税化をはじめとした不合理な税制改正を実施したことで、特別区は財源を奪われ、その影響額は令和3年度で約1,800億円に上ります。区では、今後も新型コロナウイルス感染症の影響を受けている区民生活や地域経済の支援をはじめ、将来の人口増加への対応や災害対策など多くの財源が必要となります。これまでも国に対し、ふるさと納税制度などの不合理な税制改正を正すよう要望してまいりましたが、今後も引き続き、特別区長会として国へ改善を強く主張してまいります。  次に、町会・自治会の支援の在り方についてのお尋ねです。町会・自治会は、コミュニティの中核を担う大切な地域活動団体です。区は、町会・自治会がコロナ禍においても安全で安心して活動を維持、継続できるよう、応援金の支給や町会等補助金の拡充を実施してまいりました。来年度からは、町会・自治会まるごとデジタル支援事業において、町会・自治会から様々な地域情報を発信し、多くの区民とつながることができるよう支援してまいります。  次に、区民の区政への参画についてのお尋ねです。区は、これまでも各地区総合支所を中心として、区民参画組織の運営や、地域のつながりと絆を育むための講座やイベントを実施してまいりました。今後は、マンション管理組合も含めた多様な主体との連携を深めるとともに、さらなる区民参画を促す取組を検討してまいります。  次に、事業者の皆さんからの実態把握についてのお尋ねです。区が実施している景況調査では、毎回約900社の飲食業をはじめとする事業者から回答を得ており、区内事業者の実態把握に役立てております。また、今年度から景況調査の実施回数を年2回から4回に増やし、コロナ禍における区内事業者のよりきめ細かな経営状況の把握に努めてまいりました。今後は、特に大きな影響を受けている業種を対象に、巡回相談を実施し、実情を丁寧に聞き取ることで、より詳細に実態を把握し、事業者の状況を踏まえた支援を行ってまいります。  次に、観光振興ビジョン策定に向けた姿勢についてのお尋ねです。区は、これまで観光振興ビジョンの策定に際して、国内外からの来訪者等を対象に、観光動向や実態の調査を行うとともに、観光関係者や区民の方を委員とした観光振興ビジョン検討委員会で御意見をいただいております。次期観光振興ビジョンの策定に当たっては、一般社団法人港区観光協会とも連携し、観光事業者や港区観光大使、区民等の意見をより幅広くきめ細かに把握し、施策の検討に生かしてまいります。新型コロナウイルス感染症により、厳しい状況にある区内観光関連産業の再生に向けて、感染症終息後の、再び多くの観光客でにぎわう港区の姿を観光振興ビジョンに示してまいります。  次に、「トキメク、ミナトク。お得に宿泊キャンペーン」についてのお尋ねです。区は、本キャンペーンの利用者に、宿泊と併せて、区内での観光や買物、食事を楽しんでもらうため、魅力的な商店街の店舗や観光スポットなどの情報を効果的に発信していくとともに、宿泊施設を起点としたまち歩きツアーを実施いたします。また、一般社団法人港区観光協会や港区商店街連合会、区内観光関係事業者等と意見交換を行い、本キャンペーンの利用者の区内周遊を促す取組を検討してまいります。本キャンペーンを通じて、宿泊業のみならず、観光施設や飲食店等の観光に関わる様々な事業者を支援し、区内の観光振興や商店街振興につなげてまいります。  次に、商店街小規模イベントの狙いについてのお尋ねです。大規模イベントの中止が続く中、各商店会は、規模の縮小、三密の回避やインターネットの活用などの創意工夫をしながらイベントを開催し、区民や来街者の方に喜ばれています。来年度開始の商店街小規模イベント支援事業は、商店会が新型コロナウイルス感染症の感染状況等を見極め、年度途中に急遽企画した小規模なイベントを、年間上限額に達するまで何度でも補助対象とする事業であり、ウィズコロナ時代におけるまちのにぎわい創出に寄与するものと考えております。引き続き商店会のニーズを捉え、地域の実情に即したきめ細かな支援に取り組んでまいります。  次に、産業振興センターについてのお尋ねです。産業振興センターは、区の優位なビジネス環境を生かし、地域が有する多様な人材を招いたイベントの開催や、コワーキングスペースでの新たなビジネスを創出する人材の育成、ビジネスサポートファクトリーでの先端機器の提供など、人々の期待と注目を集め、成功の体験を連鎖させる魅力的な施設となることを目指してまいります。産業振興センターにおける新たな事業展開とともに、中小企業者への支援策を集約し、ワンストップで相談に応じるなど、迅速で一体的なサービスを提供することにより、コロナ禍に苦しむ事業者を支え、疲弊する地域経済の回復に全力で取り組んでまいります。  次に、新しい時代の職員研修についてのお尋ねです。区は現在、継続的な業務の効率化を図るため、PDCAサイクルの活用方法を学ぶ研修を実施しており、事業計画等の実施や職場でのマネジメントに生かしております。計画等の実施には、PDCAサイクルの効果的な運用を基本としつつ、地域や区民の安全・安心に関することなどは、現場での観察と状況判断に基づき、迅速に対応できる人材の育成が必要です。今後は、研修メニューに新たにOODA思考を取り入れるなど、急速に変化する社会状況に対しても柔軟に課題解決を実現できる職員の育成に積極的に取り組んでまいります。  次に、全ての子ども、子育て世帯への支援についてのお尋ねです。区は、結婚、出産、子育て、教育と続く、切れ目のない支援策として、経済的負担軽減や子育て保育環境の充実に努めております。助成制度を創出する際には、財源や将来への負担も配慮しつつ、それぞれの事業の目的に沿って、対象や給付額を定めております。今後とも安心して子育てができるよう、子どもの未来を応援する施策を積極的に推進し、子育てするなら港区を実現をしてまいります。  次に、「ちぃばす」の3人目以降の未就学児の無料化についてのお尋ねです。子育て家庭の社会参加を支援し、経済的負担を軽減するため、未就学児3人目以降の無料化につきましては、子育て施策を計画的に進める中で検討してまいります。  次に、区民に寄り添う保健福祉行政についてのお尋ねです。  まず、福祉総合窓口の開設についてです。本年8月に開設する福祉総合窓口では、各地区総合支所の福祉に関する相談体制を抜本的に見直し、相談者本人だけでなく、世帯の抱える課題を支援する体制を整備をいたします。現在、新たな窓口を想定したシミュレーションを実施するほか、相談記録システムを構築するなど、開設当初から機能を十分に発揮できるよう準備を進めております。併せて、サービス内容や組織執行体制などを検証する体制も整え、常に利用者や現場等の意見を積極的に取り入れながら、より便利で区民が安心して相談できる福祉総合窓口となるよう、不断の改善を行ってまいります。  次に、児童相談所一時保護所の第三者評価についてのお尋ねです。区は、子どもの最善の利益の実現のため、一時保護所運営の向上を目指し、毎年度第三者評価を実施いたします。現在、子どもの権利擁護を遵守した援助及び組織マネジメント等について、現地調査、ヒアリング、入所中の児童と職員に対するアンケートなどを実施しております。評価の結果については、区ホームページで公表するとともに、開設1年目の成果と課題として受け止め、児童の成長を支える一時保護所として、さらなる向上に取り組んでまいります。
     次に、児童相談所一時保護所における食育についてのお尋ねです。一時保護となった児童にとって、毎日の食事は安心して健康に生活するため必要であり、食に関連した社会の仕組みを学ぶ場となっています。食事の献立には、日本の郷土料理、世界の料理などを取り入れ、児童が食文化への関心を高める工夫をしております。また、食品ロスや食物連鎖などの資料を分かりやすくまとめ、食堂やリビングに掲示し、環境の問題も伝わるよう配慮しております。児童が食事を通して、世界や地域のつながりの中で大切に育まれていることに気づき、健康に生活していけるよう、食育に取り組んでまいります。  次に、18歳以降の自立支援についてのお尋ねです。区は、児童養護施設、里親などの出身者や、支援が必要な18歳以上の相談を受け、就職、住居、経済問題、心身の健康、人間関係などの課題に応じ、就労支援センターや東京わかものハローワーク、東京法務少年支援センターなどの専門機関と連携しながら支援を行っております。令和4年度からは、東京都と特別区が連携して児童養護施設等の退所者への居住費支援を開始いたします。また、予定されている児童福祉法改正では、施設等の措置解除後の自立支援が児童相談所設置市の業務となります。今後も、児童等の状況を把握し、支援の充実を図ってまいります。  次に、介護人材の確保に向けた区の支援についてのお尋ねです。区はこれまでも、介護のしごと面接・相談会の実施や、介護の資格取得の費用助成などで、介護事業所の人材確保を支援してまいりました。今後も、今月実施する事業者アンケートなどで、介護現場の声を丁寧に聞き取り、人材確保に効果的な対策を検討するなど、区は、介護事業所とともにさらなる人材の確保に積極的に取り組んでまいります。  次に、医療費適正化の取組についてのお尋ねです。データヘルス計画は、被保険者の健康・医療情報を活用して、保健事業を効果的かつ効率的に実施するためのものです。昨年度改定した第2期計画では、総医療費における生活習慣病の医療費割合が大きく、生活習慣病を予防することが医療費の伸びを抑制することにつながります。そのため、区は、特定健康診査で生活習慣病予備軍となった方に、特定保健指導の受診を勧奨するなど、生活習慣を改善するよう積極的に支援しております。引き続き、データヘルス計画を活用した医療費の適正化に取り組んでまいります。  次に、特定健診の受診率の向上についてのお尋ねです。区では、特定健診の対象者である国民健康保険加入者で、40歳から74歳までの方に受診券を個別発送しているほか、未受診の方へは、はがきやSMSによる再勧奨をしております。さらに本年度からは、再勧奨はがきのデザインを工夫し、生活習慣の改善が重大疾病の予防につながることなどを、分かりやすくイラストを使い案内することに加え、LINEやデジタルサイネージによる健診の啓発にも取り組んでおります。今後も、インターネット予約が可能な医療機関を区ホームページや医療機関案内などで分かりやすくお知らせするなど、受診しやすい環境整備を積極的に進めてまいります。  次に、長期化するコロナ禍を見据えた自殺対策についてのお尋ねです。区は、これまでもコロナ禍における不安やストレスなどに対応するため、新型コロナこころのサポートダイヤルを設置し、現在も継続して必要な支援につなげております。さらに、若者や女性にとって身近なツールであるSNSを活用した相談体制を構築するために、今月9日に、NPO法人自殺対策支援センターライフリンクと協定を結び、ライフリンクが実施するSNS相談で継続支援が必要と判断された区民に対して、区が対応を引き継ぎ、直接支援を行うことといたしました。今後も、様々な悩みを抱える方の不安な気持ちに寄り添い、適切な支援が行えるよう、自殺対策の充実に取り組んでまいります。  次に、心豊かな都心を形成する港区のスポーツ行政についてのお尋ねです。  まず、地方自治体におけるスポーツの多様性についてです。スポーツは、することで、心身の健全な発達、健康及び体力の保持増進や介護予防につなげることが期待できます。また、見ることで、感動や興奮をパブリックビューイングやSNSなどを通じて共有し、コミュニティの形成を促します。さらには、支えることで、生きがいやボランティア文化の醸成に寄与します。スポーツにはこうした多様性があり、区政の様々な分野に関わるものであると考えております。  次に、スポーツ文化課を区長部局に設置することについてのお尋ねです。区は、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会を契機として、スポーツ振興をはじめ、区政のあらゆる分野の施策を迅速かつ効果的に推進するため、総合調整機能を担うオリンピック・パラリンピック推進担当を区長部局に時限的に設置いたしました。スポーツ行政については、港区スポーツ推進計画で、区民のスポーツへの関心を高め、見る、する、支えるスポーツ活動の促進に取り組むとしていることから、引き続き、教育委員会が所管することが望ましいと考えておりますが、全庁を挙げて推進すべき事業については、区長部局が教育委員会と連携し、積極的に取り組んでまいります。  次に、オリンピックレガシーの継承についてのお尋ねです。区は、東京2020大会を契機として、MINATOシティハーフマラソンの創設や、地域団体による気運醸成事業の支援、オリンピアン、パラリンピアンを招いたイベントの実施などを通じて、地域と連携し、区民や企業との参画と協働の輪を広げてまいりました。区は、これまでの取組の成果である参画と協働の輪をはじめ、障害者スポーツへの理解促進や国際交流の推進、快適な都市環境の形成など、区における貴重なレガシーを、スポーツや文化、まちづくりなど、区の施策で効果的に活用してまいります。  次に、安全・安心な都心港区の形成についてのお尋ねです。  まず、大規模災害の備えについてです。令和元年10月の台風19号では、消防署と区市町村災害対策本部との連携上の課題が明らかとなりました。そのため、区は、区内4消防署と協議を進め、今回の地域防災計画の修正に当たり、災害対策本部へ各消防署からの幹部職員派遣を受ける体制にするとともに、区が実施する総合防災訓練への参加を要請するなど、消防署との連携体制を強化しております。今後も、大規模災害時における被害を最小限にし、迅速、確実に応急対策が行えるよう、消防署とのさらなる連携を図ってまいります。  次に、消防団の支援についてのお尋ねです。区は、消防団の円滑な活動を図るため、運営経費の補助や各団のニーズに応じたホースやライトなどの団員装備品、歳末警戒の際の暖房用燃料などの助成を行い、日頃の地域の安全を守る活動を支援しております。また、防災資機材倉庫や詰所の整備や、適切な維持管理のため、消防署及び消防団の要望を踏まえた補修工事などを行うとともに、東京消防庁と連携しながら、訓練場所の確保に努めております。引き続き、区内各消防署と密接に連携し、消防団の意見、要望を伺いながら、きめ細かく消防団の活動を支援してまいります。  次に、新耐震基準の木造住宅における耐震性の確保についてのお尋ねです。本年4月から、これまで旧耐震基準の木造住宅を対象に実施していた無料耐震診断や耐震改修工事の助成制度について、平成12年5月以前に建築された木造住宅まで対象を拡大をいたします。新たな制度については、広報みなとやSNSで情報を発信するとともに、対象となる住宅へのパンフレットの戸別配布を行うなど、積極的な周知を図ることで、区内住宅の耐震性の確保を促進してまいります。  次に、交通安全対策と要望書についてのお尋ねです。本年2月に策定した第11次港区交通安全計画では、交通事故のない世界一安全なまち港区の実現を目指しております。子どもたちの交通安全対策に当たりましては、学校や地域の特性を踏まえ、幼児や児童・生徒などそれぞれの段階に応じた交通安全教育の充実や、誰もが安全で安心して移動できる歩行空間の確保などに努めてまいります。また、港区立小学校PTA連合会会長などから要望のありました、子どもたちが制作する交通安全を願うモニュメントの設置につきましては、区といたしましても協力してまいります。  次に、繁華街と地域コミュニティが共生する六本木の諸課題についてのお尋ねです。  まず、六本木のまちの在り方についてです。区は、これまで六本木地域で、地域の安全性や防災性の向上、オープンスペースの創出など、市街地環境の改善を図るため、大規模なまちづくりを誘導してまいりました。また、六本木地域の繁華街では、地域が主体となって防犯、環境美化活動にも取り組んでいただいております。今後もまちづくりの機会を捉えて、良質な都市空間や居住環境の維持、創造に資する区民発意のまちづくりを推進するとともに、地域と連携したエリアマネジメント活動を誘導し、六本木らしいにぎわいのあるまちを形成をしてまいります。  次に、繁華街六本木の美化についてのお尋ねです。六本木地域には、防犯、防災、環境美化などの地域活動に積極的に取り組んでいる多くの活動主体が、きれいなまちを実現する強い思いを持ち、区職員とともに活動しております。また、区は、都心の繁華街特有の課題解決を図るため、町会・自治会や商店会、事業所、警察など関係機関の連携・協働により、地域一丸となって六本木安全安心プロジェクトの啓発活動へ取り組んでおります。今後、清潔できれいなまちの実現に向け、区と地域の活動主体との連携・協働を強化し、絆をさらに深め、繁華街の美化活動を推進してまいります。  次に、六本木三丁目児童遊園周辺のまちづくりについてのお尋ねです。区は、これまで六本木三丁目児童遊園などの安全対策や放置自転車対策などについて、地域の方々とともに取り組んでまいりました。昨年12月に、地域の方々で構成される六本木三丁目児童遊園周辺地区環境整備懇談会を立ち上げ、安全・安心な児童遊園の再整備や歩行環境の改善、新たなにぎわいの創出などについて検討を進めております。引き続き、地域の意見を丁寧に伺いながら、来年度は麻布警察署など関係機関との協議や測量・設計などを実施し、区民が地域に愛着を持ち、心地よさを実感できる公共空間の創出に積極的に取り組んでまいります。  次に、六本木におけるいきいきプラザの整備についてのお尋ねです。区は、いきいきプラザを、お住まいの地域から歩いて通えるおおむね半径800メートルの範囲で整備しております。しかし、都心にありながら起伏の多い港区にあっては、そこに暮らす方々の実情も十分に考慮する必要があると考えております。また、全国的に高齢化が進む中、区内においても、地区ごとの高齢者人口の推移は注意深く見守る必要があります。六本木地域における新たないきいきプラザの整備については、今後も地域の方々や施設利用者の御意見、御要望の丁寧な把握に努めてまいります。  次に、誰一人取り残さない優しいエシカルな区政の推進についてのお尋ねです。  まず、SDGsの推進についてです。区の政策とSDGsの関連を明示し、区の目指すまちの姿を掲げた港区基本計画を着実に推進することが、SDGsの目標達成につながるものと考えております。政策の進捗は、区民や学識経験者、全庁の各部門が参画する政策評価を通じて確認するとともに、評価結果を港区基本計画の見直しに反映し、各分野の政策の改善を重ねてまいります。政策の総合調整と効果的な予算編成機能を担う企画経営部が司令塔となり、各部門を後押しすることで、全庁を挙げてSDGsの達成に向けた取組を推進をしてまいります。  次に、再犯防止推進計画についてのお尋ねです。区では、現在、再犯の防止等の推進に関する法律が定める基本理念にのっとり、再犯防止推進計画策定に向けた準備を進めております。現在、計画策定に向けた体制構築や、就労や住居の確保、見守りといった支援方法の検討、区内に居住されている方の再犯状況や支援対象者の把握方法などを調査するとともに、区内警察署と連携体制の整備に関する検討を始めております。今後、保護司会等関係者とも協議を行い、全庁的かつ横断的に検討を進めてまいります。  次に、区ホームページの多言語化についてのお尋ねです。区は、これまで民間事業者と大学との連携協定を締結し、AIを活用した自動翻訳の実証実験を行うなど、区ホームページの多言語化に向けた検討を重ねてまいりました。現在では、さらにAI翻訳の最新技術で対応できる言語の数や翻訳の精度が飛躍的に向上しており、この技術を区ホームページに導入することで、現在の3言語から100以上の言語で対応できることが確認できました。区は、来年度早期にこの技術を区ホームページに導入し、世界中のあらゆる国の方々に向けて、より幅広く、精度の高い、多言語で分かりやすい区政情報の発信を積極的に推進してまいります。  次に、コロナ禍における感染者等への配慮と理解促進の啓発についてのお尋ねです。区は、コロナ禍におけるあらゆる偏見や差別をなくすため、機を逸することなく、区ホームページや広報紙等による啓発を行うとともに、コロナ禍での人権をテーマとする講演会の実施や、マスクの着用ができない人への周囲の理解を促す啓発カードの配布などに取り組んでおります。また、区立小・中学校では、児童・生徒等が感染予防やワクチンについて正しい知識を身につけられるよう指導するなど、全庁一丸となったきめ細かな対応を展開をしております。今後もあらゆる機会を捉え、区民等へ的確かつ効果的に意識啓発をしてまいります。  次に、デジタルディバイド解消の横断的取組についてのお尋ねです。区は、行政サービスへのICTの活用を進める一方で、デジタル活用支援員やワクチン接種予約サポート窓口を設置し、デジタルディバイド解消に向け取り組んでまいりました。令和4年度は、高齢者や障害者へのスマートフォン等の貸出しや、デジタルを活用した町会・自治会活動支援、区内中小企業者へのDX促進支援を実施をいたします。こうしたDXの取組の牽引役として、新たにデジタル推進担当を設置し、誰一人取り残さない、人に優しいデジタル化の実現に向けて、デジタルディバイド対策の指針の作成や、各部署の取組への支援を行うなど、全庁横断的に取り組んでまいります。  最後に、平和推進事業についてのお尋ねです。戦争体験や被爆国としての記憶を風化させることなく、戦争について考え、平和の意識を醸成させるために、戦争の記憶を後世へ語り継いでいくことは大切なことです。このため、区は、平和青年団事業において、区内の戦争体験者との交流や、被爆地長崎への派遣研修を行うほか、平和展では、広島や沖縄、知覧等から借用した現物資料やパネル等を展示し、戦争の実相を伝えております。今後、こうした取組の充実とともに、令和7年の港区平和都市宣言40周年に向けて、広島市や長崎市と連携し、世代を超えて原爆の悲惨さや核兵器の恐ろしさを伝えていけるよう、様々な取組を検討してまいります。よろしく御理解のほどお願いいたします。  教育に関わる問題については、教育長から答弁いたします。 ○教育長(浦田幹男君) ただいまの自民党議員団を代表しての池田こうじ委員の総括質問に順次お答えいたします。  最初に、心豊かな都心を形成する港区のスポーツ行政についてのお尋ねです。  まず、運動する場所の確保についてです。コロナ禍の中、また、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会を契機に、区民の健康、スポーツへの関心はより高まっております。また、私自身も、スポーツをすることで得られる達成感や成長を実感できる喜びを十分に認識しており、誰もが身近な場所でスポーツに取り組むことができる環境づくりが重要だと考えております。スポーツ施設の需要が特に高い赤坂地区でのスポーツ施設整備、本年4月開校の区立芝浜小学校の施設開放を行うとともに、都心区である港区が運動する場を確保するため、既存施設のさらなる活用拡大、区内大学や企業への働きかけ、大規模開発の計画段階からの働きかけなど、区長部局とも連携を密にし、今まで以上に強い意欲と決意を持ち、スポーツができる環境の充実に取り組んでまいります。  次に、学校施設開放の予約システムの進め方についてのお尋ねです。教育委員会では、学校施設を使用する団体に対し、活動経緯、目的、内容や構成員など、地域や学校とのつながりを把握するため、本年2月に確認票の提出を依頼しております。確認票で把握した内容や説明会でいただいた御意見等を踏まえ、本年4月から、学校関係者や使用団体の代表者が参加する学校施設開放運営委員会において、システムの仕様や運営の方法について協議してまいります。協議内容については、その都度、区ホームページに公開し、御意見をいただきながら、これまで活動してきた子どもたちの所属する団体や、地域との関係性の深い団体への配慮など、丁寧に検討を進めてまいります。  次に、eスポーツについてのお尋ねです。教育委員会では、令和3年7月、区内企業との連携により、自転車に乗って対戦するeスポーツ体験イベントを実施し、さらに12月には、公益財団法人港区スポーツふれあい文化健康財団と連携し、バーチャルドッチボール、HADOの体験会を行いました。親子連れなど多くの方が参加し、予想以上に汗をかいて楽しかったとの声が聞かれました。本年10月には、eスポーツのサッカー対戦やバーチャルのスポーツ体験など、誰もが楽しく身体を動かせるような内容で、先端技術を活用したスポーツ体験イベントを区内企業と連携して開催する予定です。委員御指摘の東京タワーのeスポーツ施設は、私も先日、視察してまいりました。引き続き、民間企業とも積極的に連携し、身体を動かして楽しめるeスポーツの推進に取り組んでまいります。  最後に、子どもたちの情報モラル教育についてのお尋ねです。子どもたちが学校内外で端末に触れる機会が増えてきた今、情報モラルの欠如がいじめやインターネットを介した被害に遭うことにつながるおそれがあることから、児童・生徒に発達段階に応じた情報モラルを育むことは非常に重要です。教育委員会は、子どもサミットで定めたみなとインターネットこどもルールを周知徹底していくことに加え、来年度には、情報モラル教育を支援する企業と連携し、全ての児童・生徒のインターネット利用の実態把握と、保護者の意識調査を行います。その結果も踏まえ、重点取組事項を盛り込んだ情報モラル指針を策定し、区の実態に合わせた児童・生徒、保護者対象の情報モラル講座を全ての小・中学校で実施してまいります。よろしく御理解のほどお願いいたします。 ○委員(池田こうじ君) まだ引き続きお願いする課題もありましたが、多くは前向き、丁寧な御答弁に心から感謝を申し上げまして、総括質疑を終わります。 ○委員長(小倉りえこ君) 自民党議員団の総括質問は終わりました。  議事の運営上、暫時休憩いたします。再開予定は3時ちょうどといたします。                午後 2時37分 休憩                午後 3時00分 再開 ○委員長(小倉りえこ君) 休憩前に引き続き委員会を再開いたします。  総括質問の質疑を続行いたします。  次に、みなと政策会議を代表して、横尾委員。 ○委員(横尾俊成君) 東日本大震災の発生からきょうで11年になりました。ウクライナ情勢は日に日に深刻さを増しています。戦争や災害が繰り返し起きるとき、私たちにできることは、被災地の人々に思いをはせ、できる限りの支援を行うとともに、身近な地域から人と人との連帯を広げていくことだと思います。人を思いやる社会づくりに少しでも貢献できればという思いで提案・質問に入ります。  初めに、コロナ禍における区の財政についてです。  コロナ禍、新型コロナウイルス感染症収束後の財政運営についてお伺いいたします。港区の令和4年度当初予算案は、一般会計が1,593億円で、過去3番目の規模となり、特別会計を合わせた全体予算総額は、2,065億8,299万2,000円となりました。今回の予算案の特徴は、新型コロナウイルス感染症対策に加え、DX、再生可能エネルギーなど、様々な分野に目配りが行き届いた予算となっていること、また、新型コロナウイルス感染症の影響を受けている社会経済活動が回復することを見込み、歳入の根幹をなす特別区民税収入として、過去最高となる815億円を計上していることです。  令和3年度の特別区民税収入については、新型コロナウイルス感染症の影響により、課税額がリーマンショック時並みに落ち込むことを予測し、前年度比マイナス74億円を見込んでいました。しかし、蓋を開けてみれば、新型コロナウイルス感染症の影響によるマイナスの影響はなかった一方、株式市場が非常に好調であったことから、株式などの分離課税所得が大きく上昇し、税収は前年度を上回りました。令和4年度も株式市場の好調は続くと考えられ、景気の回復が見込まれているため、過去最高の特別区民税収入額を計上したということです。  来年度は堅調な財政が見込まれる一方、新型コロナウイルス感染症の影響で、人口が減少傾向にあることには注意を払う必要があります。特に外国人や、二、三十代の若者の減少が顕著です。これには、コロナ禍前から始まっている港区の出生数の減少や、リモートワークの定着による子育て層の郊外移住などが影響していると考えられます。人口の減少は、特別区民税収入の減収要因にもなります。区が重点施策として掲げる、子育てするなら港区を実現するためには、3歳児健診の土日開催や、保育の質を改善するための保育士研修の改善、私立認可保育園の労働環境モニタリングのほかにも様々な支援が必要です。また、予算の中での全国をリードする取組も、より具体化させる必要があります。  好調な税収により、令和4年度の基金残高は、過去最高の1,812億1,378万5,000円が見込まれています。財政は新型コロナウイルス感染症の影響を受けず、基金残高は最高額となっている一方、人口は減少し、区民生活は疲弊し、子どもは生まれなくなっています。この現状を考えれば、コロナ禍でも堅調な税収がある港区だからこそできる、全国をリードするような先進的な事業、そして、子どもを産み育てやすい港区にするための事業をさらに検討しつつ、積極的な財政出動をお願いしたいと思います。区長の御見解を伺います。  次に、ソーシャルインパクトボンドの導入についてです。総務費の款で、私は広島県での広域連携型SIBの手法を用いたがん検診の個別受診勧奨事業、前橋市でのSIBによる前橋市アーバンデザイン推進業務などの事例を挙げ、区が行う事業を民間に委託し、当初の事業資金は金融機関や投資家が出資した後、その事業成果による一部を行政から投資家へリターンとして支払うソーシャルインパクトボンドの導入を求めました。  現在大きな行政課題となっている新型コロナウイルス感染症対策以外にも、ウイルスの蔓延以前から進む少子高齢化や環境問題、DX、子育て対策への需要増加など、区として対処すべき課題は山積しています。そのような中、私は、区財政の安定化のための施策としてこれを導入することは意義があると思います。ソーシャルインパクトボンドは、また、区が実験的な施策を導入する際の後押しともなるものです。これまでの行政サービスでは、行政が事業の実施前に資金を拠出するため、事業の成功、失敗にかかわらず費用が発生してしまいました。事業が失敗した場合に予算が無駄になることから、先駆的な施策の導入には二の足を踏むケースが見られたかと思います。  一方、ソーシャルインパクトボンドでは、事業リスクの一部を民間投資家に移転し、行政は事業実施後、その成果に応じて資金を拠出することになります。そのため、この仕組みは、事業者やNPOなどが取り組むことは難しく、かつ成果が上がるか分からないような実験的な事業を行政が取り組む際の後押しともなると考えます。  最近では、内閣府が、一般社団法人社会変革推進財団などの協力を得ながら、自治体向けに案件形成に向けた研修形式のワーキンググループを開催していることもあり、様々な自治体が積極的に取り組んでいます。他自治体の先進事例を視察したり、具体的な事務対応の中でどのような案件がこの仕組みに向いているのか、また、成果指標は何がよいのかを一つ一つ検証したりすることは、将来の財政の安定化に必要な作業だと考えます。ソーシャルインパクトボンドの導入に向けたこうした調査の必要性について、区長の考えをお聞きします。  次に、あらゆる世代や属性に向けた新型コロナウイルス感染症対策についてです。  初めに、みなと保健所の人員強化についてお伺いいたします。新型コロナウイルス感染症感染拡大の第6波においては、オミクロン株の感染力が殊に高いこともあり、保健所の業務が再び逼迫しました。区は、170人程度の応援職員や人材派遣等により体制を強化し、日々の業務を対応いたしました。対応された職員の方々には頭が下がる思いですが、保健所が病院等から発生届を受け取った後、新型コロナウイルス感染症情報把握・管理システム、HER−SYSへ入力するのに、一時、1週間ほどのラグが生まれてしまい、軽症から中等症の方への対応が遅れるなど、混乱を生じたことは確かです。  全国保健所長会が、全国の保健所を対象に、昨年3月中旬から4月にかけて行った新型コロナウイルス感染症に関するアンケートでは、各地の保健所から、業務量が多くて大変だという悲痛な声が寄せられたそうです。受診調査や検体搬送、医療機関への説明や交渉、行政検査、積極的疫学調査、患者の病状把握等、様々な業務がある中での人員不足は深刻です。  こうした背景には、1990年代以降、行政各部により進められた保健所の統廃合があります。1994年に旧来の保健所法に変わって地域保健法が制定され、その後、通知によって、保健所の管轄地域をそれまでより高次の二次医療圏と一致させるとしました。当時、全国に847あった保健所は、2020年には469と約半数になっています。さらに、保健所の減少に従って職員数も減少し、地域医療や地域包括ケアなど以前に比べて保健所の扱う課題が多くなっていく中で、今回の新型コロナウイルス感染症対応で逼迫する事態となってしまったのです。  2009年には、新型インフルエンザの流行、また、ここ数年は新型コロナウイルス感染症の感染拡大など、近年、感染症は数年スパンで人類に危機的な状況を引き起こしています。今後も様々な感染症が発生することは容易に想像できます。それを見据え、今のうちから十分な数の人員を確保していくことが重要だと思います。  保健所は健康危機管理の拠点であり、感染症の発生だけでなく、毎年のように発生している地震や水害などの災害時にも対応しなければなりません。港区は、東京の中心区として、ほかより特に感染症や災害などのダメージを受けやすい自治体です。これを機に、平時からの保健所の人員を大幅に増やし、東京都や国の保健所運営をリードすべきだと考えますが、お考えをお聞かせください。  次に、中小企業への支援強化についてです。区では、区内中小企業の状況、景況を把握するため、四半期に1回、港区中小企業の景況調査を行っています。コロナ禍にあって刻々と変化する景況を迅速に把握し、区の施策の次なる一手を講ずるためには、調査結果をもっと早くまとめ公表するべきだとお伝えしたことに対応してくださったことには感謝いたします。  この調査結果について、直近の、すなわち令和3年10月から12月の景況DI値は、前期と比較して31.6ポイント増加となり、全ての業種で改善されました。ただ、令和4年1月から3月の見通しDIについては、大幅に悪化する見通しとなっています。実際、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴うまん延防止等重点措置の適用などで、特に運搬業、小売業、飲食業、飲食店、宿泊業などは極端に厳しさが増しています。  なお、この調査の中で、重点経営施策として掲げられていたのは、全体で「販路を広げる」が1位、次いで「人材を確保する」、「人材育成を強化する」でした。自由記述欄には、一部の業種のみ援助されるとほかは厳しい、イベント等であれば、関係者のみの参加でもお金が回るので開催してほしい、企業防衛、雇用維持のため新規事業に進出したい、これに伴う資金援助を一考願いたいなどの声が寄せられていました。  そこでまず、こうした中小企業からの声に対し、区としてどのように対応しているのか、景況調査を基につくられた施策などがありましたらお聞かせください。  私は、重点経営施策に出ている人材確保などの課題に対し、以前、区として余剰人員が発生している業界、事業者と、人手を求める業界、事業者をつなぎ、雇用のマッチングを行う仕組みをつくるべきだと提案しました。飲食業などの余剰人員をテレワークなどの対応に追われるIT事業者や、薬局など区民の生活インフラを支える事業者、それに、福祉関連事業者に一時的に派遣し、雇用を確保できれば、双方の事業者にとってのメリットにつながると考えたからです。  また、自由記述欄にある新規事業への進出については、国が用意する事業再構築補助金のほかに、各款審議のときに提案したように、クリエーティブ産業、大使館など海外とのつながり、大学、自治体間連携など、港区の持つ資源を中小企業に惜しみなく提供し、支援してほしいと考えています。産業振興課に予算をしっかりとつけ、国や東京都の施策や補助金によらないこうした独自の施策を強化し、景況調査に出た要望に迅速に応えられるようにしていただきたいと考えますが、区長のお考えをお聞かせください。  また、区が商店街に対する支援策を充実させていることには感謝いたしておりますが、一方で、商店街に所属していない事業者からの声についてはなかなか把握しづらいのが現状です。実際、私が住む赤坂では、コロナ禍で企業やNPOが商店街とも連携して、地域を活性化するイベントを開催しようとした際、従来の補助制度では新たに開始するイベント事業だけが対象となっていることが分かりました。  私は、特にコロナ禍、新型コロナウイルス感染症収束後にあっては、企業やNPOが、商店街とともに地域の活性化のためのイベント等を企画した際、それを側面から後押ししてあげるような施策も、産業振興課として用意すべきだと思います。そうすることで様々な業種、業界が元気になり、地域がより活性化されると思いますが、区長のお考えをお聞かせください。  次に、若者の機会損失に対する支援についてです。コロナ禍はついに3年目に突入しようとしています。コロナ禍で、中学、高校に入学した学生はそれぞれ受験を迎え、大学生は就職活動を迎える年になりました。若者たちはこの間、コロナ禍による様々な制限を乗り越えながら、勉学や部活動、様々な活動に精を出してきました。  港区では、多くの中学校で卒業旅行がなくなり、2020年度の成人の日記念のつどいは中止になりました。区民からは、再考を求める意見も寄せられていた中、現場の教員や職員の方などもぎりぎりまで開催に向け努力した中での中止判断であったことは理解できますが、若者たちが楽しい思い出や成長の機会を逃してしまったことは確かです。私の事務所のインターンシップの学生の友人には、大学生のうちに海外留学したいと準備を済ませていたものの、年明けからのオミクロン株の感染拡大で断念した学生もいました。  このような状況を踏まえ、私は修学旅行や成人の日記念のつどいなどの一生に1回のイベントに関しては、ぜひ新型コロナウイルス感染症収束後に再び実施する機会を設けてほしいと思っています。修学旅行は、旅行会社と提携して、本来修学旅行で回るはずだった場所を当時の友達と回れるようなプランを割安な価格で提供すること、また、成人の日記念のつどいでは、開催できなかった分を新型コロナウイルス感染症収束後に改めて開催することなどが考えられると思います。また、留学等などの機会損失についても、数年後にチャレンジできるような制度をつくるのも一案だと考えます。若者の機会損失に対し、区としてできる支援策について区長に伺います。  次に、あらゆる子育て世帯を対象にした支援についてです。所得にかかわらず全ての子育て世帯に対して子育て支援を行うことについては、各款審議において当会派の榎本あゆみ議員からも質問しておりますが、改めて区の姿勢を伺いたいと思います。  コロナ禍においては、急な保育園の閉園や小・中学校などの学校閉鎖などにより、保護者のどちらかが仕事を休まざるを得ない状況が続いています。新型コロナウイルス感染症は、言うまでもなく、世帯年収にかかわらず平等に全ての人に影響と混乱を与えています。  一方、港区は、これまで所得制限を設けず全ての子育て世代に対する支援を行っていたことで、子育てするなら港区ということが区民から評価されていましたが、特にコロナ禍において、国や東京都が主体となる政策については、区として独自施策に上乗せする形の支援を行っていません。10万円の子育て臨時給付金を約55%の子どもが給付されなかった港区においては、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の活用も視野に入れ、全ての子育て世帯を支援すべきです。国や東京都が主体の政策に所得制限があった場合にも、所得にかかわらず区として全ての子育て世代に対して支援を行うべきだと考えますが、お考えをお聞かせください。  次に、デジタルトランスフォーメーションに向けた取組についてです。  初めに、MaaSの推進で交通課題を解消することについて伺います。新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、リモート出勤が当たり前になった昨今では、公共機関を利用する方は少なくなったものの、いまだ通勤電車の混雑は都心ならではの大きな問題となっています。ほかにも、朝夕の交通渋滞、自動車から吐き出される温室効果ガス、高齢者の運転問題など、区民は多くの交通課題を抱えています。  そのような中、注目されているのがMaaSです。MaaSとは、電車やバス、タクシー、自転車シェアリングなどといった公共交通機関をITを通じてシームレスにつなげ、効率よく便利に使えるようにするためのシステムを指します。人々がある目的地へ向かう際、これまでは交通手段を個別に個人で手配する必要がありました。しかし、MaaSでは、スマートフォンのアプリ等を使って、経路検索、予約、支払いまで一括でできます。さらに、交通渋滞なども予測し、最安で最適なルートを選択することができます。MaaSが広まり、多くの住民が効率よく公共交通機関を使うようになれば、温室効果ガスの排出は減り、電車の混雑や車の渋滞も少なくなります。  渋谷区では、エリア定額の乗り放題、相乗りサービスの実装が始まっています。これは、様々な方の交通ニーズを満たすルートをAIが自動で割り出し、相乗り形式で効率よくうまく目的地まで運ぶサービスです。地域によって混雑する時間帯は異なり、交通ニーズが複雑化する中で、AIを活用することで効率的な移動を可能にするものですが、月額5,000円の乗り放題となっており、利用のハードルも低くなっています。  港区でも2019年、東日本旅客鉄道株式会社など7社が協力し、竹芝エリアでモビリティーサービスの実装に向けた実証実験を行うと発表しました。この取組では、竹芝エリアにおける移動の利便性の向上を目指し、鉄道や船舶など複数の公共機関を連携させたサービスが行われています。  また、2021年11月には、オンデマンドのグリーンスローモビリティを活用した地域の交通課題解決及び旅行者、居住者が近隣地域の観光を楽しむマイクロツーリズム推進のための実験も行われています。今後、区として、こうした取組を全区的に広げてほしいと思います。電車の混雑や環境悪化などの課題解決にMaaSは有効と考えますが、現在の区のMaaSの活用状況についてお聞かせください。  次に、区におけるUXを日々改善することについてです。UX、ユーザーエクスペリエンスとは、プロダクトにおける全てのユーザー体験を指す言葉です。生活者はプロダクトの性能のよさだけでなく、ECサイトのデザインの見やすさ、購入してから配送までの速さ、購入後のアフターサービスなどを含めた全ての接点における体験を評価しています。人口減少社会において選ばれ続けるまちになるためには、行政体験の全ての心地よさをさらに高めていくことが重要であり、総務費の款で、私は、区ホームページ、窓口各種手続を含めた区におけるUXを、専門のチームをつくり改善していくことを提案しました。  UX改善に向けた具体的な作業としては、サービスを受ける区民のペルソナ分析、ユーザーが製品・サービスに関わる体験全てを可視化するためのカスタマージャーニーマップの作成、ユーザーになりきり、製品・サービスを利用したときに感じたことや発見したことを記録し、改善点を把握するヒューリスティックマークアップなどであり、民間企業は常にこの改善に努めています。区内のあるIT企業では、例えば、ホームページでアプリのボタンの配置、色みの設定など、細かい点に至るまで、日々、UXの改善を行っており、客観的な視点を取り入れるため、複数の外部人材と検証を行っています。  そこで、港区でも、デジタル領域、非デジタル領域を含んだ全庁的な業務の在り方をユーザー目線でリデザインするべく、様々な外部人材の意見を取り入れながら、区におけるUXを日々改善していくことについて、改めて区長のお考えをお聞かせください。  次に、デジタルの力を活用してまちを活性化する取組についてです。私は、人々がまちを歩き、周囲の人々や世界とつながるなどして現実をより充実化させ、まちを活性化するためにも、デジタルは活用できると考えています。  有名な事例ですが、スマートフォン用アプリのポケモンGOは、デジタル地図とARの技術を組み合わせたもので、プレーヤーが外を歩き、スマートフォンの画面を通じて、路上に現れるモンスターを捕獲するゲームです。グローバルで累計10億ダウンロードを突破し、サービス開始から5年たった今でも、スマートフォンを片手に多くの方が町中を歩く姿が見られます。福島県には、キャラクターの遊具を設置した公園が開園し、ゲームと連動することで、地域を訪れる機会にもなっているとのことです。  港区にも、ごみ拾いSNSピリカが導入され、港区とピリカが共同で実施したみなとクリーンアップキャンペーンを受けて、港区版ごみ拾い見える化サービスの導入が決定されました。新型コロナウイルス感染症の影響により新しい生活様式が提唱される中、多くの人が参集して清掃活動することが難しくなりました。一堂に会さず多くの人がつながって、楽しく清掃活動に取り組むことができるツールであるごみ拾いSNSピリカの活用は、デジタルとリアルのまちづくり活動の新しい形だと考えます。これにより、どの地域でどんなごみが拾われているのか、また、港区内全域で今どのくらいごみが拾われているのかが可視化されます。参加企業、団体名も紹介され、地域のCSR活動も把握することができ、環境美化活動の活性化を後押しするものだと思います。  私は、港区のほかの取組においても、デジタルを活用することで、参加者の層や人数を広げることができると考えます。例えば、港区では、自然環境のシンボルとなる生き物、カワセミが生息しやすい環境づくりと、生物多様性の保全、再生に取り組んでいます。現在は、カワセミの目撃情報を区ホームページでも募集していますが、バイオームという、現実の生き物を写真で撮影して集めるコレクションアプリと連携することで、より幅広い世代に参加してもらうとともに、港区の生物や緑に関わる接点を増やすことができるのではないでしょうか。  また、音楽で場所を探せる地図アプリPlacyは、自分が好みの音楽を検索すると、その雰囲気に合った場所を見つけることができる地図サービスです。港区内の商業店舗や区で活動するクリエーターに活用してもらうことで、地域の個性や魅力をさらに多様な視点で伝えることができるのではないでしょうか。  区内には、人、歴史、自然などすばらしい資源があふれています。デジタルの力を活用して、リアルなまちづくりや、区民の参画と協働の可能性を広げる取組について、区長のお考えをお聞かせください。  次に、デジタルトランスフォーメーション、DXに向けた体制強化についてです。現在、区ではDX化を強く推し進めています。ここでは、既存業務を単にデジタル化するだけでなく、サービスの在り方そのものをデジタル技術で変革する姿勢が大切です。  政府でも、2020年9月、誰一人取り残さないデジタル変革を目指して、デジタル庁が設立されました。デジタル庁では、約600人の職員総数の中に200人の民間人材を入れ、それまでの行政組織にはなかった知見や考え方を取り入れています。例えば、新型コロナウイルスワクチン接種証明書の発行アプリケーションの開発では、従来は法制度や規制に対応した制度設計ばかりに目が向きがちだった行政人材が、民間人材によるユーザー目線の考え方を取り入れたことで、素早いシステム構築とUXの改善につながったことが評価されています。民間人材をDX化のプロジェクトに入れることで、行政のデジタルリテラシーの向上や、客観的な視点からの改革が期待できるだけなく、民間にとっても法制度や行政の事業プロセスへの正しい理解が促進され、その後の協働の深化にも役立ちます。  大阪府では、IT業務の民営化が進められています。報道によると、民間企業と大阪府で共同出資した半官半民の事業会社を設立し、大阪府庁と民間からの出向人材で、大阪府のシステム開発の上流過程から運用・保守の下流過程まで一元的に運用するとのことです。現在、部署ごとに管理している大阪府庁のシステムを一元管理することによるコストの削減、専門人材の確保、大阪府庁内のデジタルリテラシーの蓄積といった効果が期待されているようです。  行政には、もともとデジタル専門の技術職はいません。そこで、港区でも単に庁内にデジタル担当を置くだけでなく、国のデジタル庁などに倣い、出向、副業など様々な手法で民間人材を積極的に登用し、区の若手職員とともにDXを進める体制を整えてほしいと考えますが、御意見をお聞かせください。  次に、港区らしいスタートアップ支援の在り方についてです。  初めに、港区らしいスタートアップエコシステムの構築についてお伺いします。産業経済費の款で、私は、新しくできる産業振興センターでは、ワンストップで創業時の悩みが全て解決できる体制を整えること、また、区内外のリソースを最大限に活用したプログラムを設計してほしいとお伝えしました。その際、渋谷区のスタートアップ支援事業を紹介し、コミュニティマネジャーやスタートアップ招聘施策の推進、海外プロモート支援、実証実験の推進ができる人材を副業で民間から採用したこと、また、令和4年度の当初予算には、海外起業家に向けた起業支援として、スタートアップビザの取得を中心としたワンストップ窓口の設置についても計上されていたことをお話ししました。  港区には、クリエーティブ産業、外資系企業や大使館など海外とのつながり、大学、自治体間連携、商店街との連携など多くの港区独自の資源があります。こうした資源を産業振興センターを通じて惜しみなく提供したり、団体同士をつなげてコミュニティを構築したりすることで、他自治体との差別化を図り、港区らしいスタートアップエコシステムが構築できると考えます。  そこで、区が持つこうした資源を生かすために、コーディネーター人材の採用も含め、どのような体制が構築できるのか、区長のお考えをお聞かせください。  次に、国家戦略特区の活用についてです。  まず、事業者との連携強化による行政課題の解消に向けた取組についてです。国家戦略特区制度は、成長戦略の実現に必要な大胆な規制、制度改革を実行し、世界で一番ビジネスがしやすい環境を創出することを目的に創出されました。東京都の都市再生プロジェクト44件のうち、港区内のものが16件となっております。港区のプロジェクトでは、外国人が生活しやすい環境整備、ビジネス環境の整備などが進められ、外国人向け生活支援の充実、国際ビジネス交流拠点、生活環境の整備、複合施設や文化エンターテインメント施設の整備が予定されています。また、そのほかにも、東京開業ワンストップセンターが設置されるなど、様々な先進的な取組が国家戦略特区を活用し、港区内で実現しています。  国、東京都及び事業者で構成する区域会議が区域計画案を策定、特区諮問会議がその区域計画について審議し、認定され、規制の特例措置を活用することが可能となる本制度ですが、これだけの数のプロジェクトが行われるのですから、港区としても、事業者との連携、支援を一層強化し、行政課題の解消に向けて協働して取り組むべきだと思います。まず、この点に関して、区長の考えをお聞かせください。  また、外国人起業家に向けた取組も必要だと考えています。神奈川県横浜市などの自治体では、外国人起業家の受入れ拡大と起業の促進を目的とした、経済産業省の外国人起業活動促進事業を活用し、起業促進実施自治体の認定を受け、起業を目指す外国人の方について、最長1年間の在留資格、特定活動を認め、彼らが様々な起業準備活動を行うことができる体制を整えています。これは、国家戦略特区で認められている6か月のスタートアップビザよりも在留期間が長いことが特徴で、都内自治体の認定は渋谷区のみとなっています。事業者が主体となった都市再生プロジェクトが数多く進み、外国人起業家や居住者の呼び込みを目指す中で、区としても外国人起業家に向けた新たな制度を検討することは意義があると考えますが、区長の御見解をお聞かせください。
     次に、中小企業融資あっせんの対象をコワーキング利用者にも広げることについてです。先日、新たな事業を展開するため、区内のコワーキングスペースを利用する知人が、港区の中小企業融資あっせんの申込みに行ったのですが、個室の専有スペースのない契約であったため、港区での事業実態が確認できないということで、申込みを受け付けてもらえなかったとのことでした。この方は、既に3年以上、区内のコワーキングスペースを利用していて、さらにクライアントの多くが区内事業者であり、区の経済を回してきたという自負があるため、大変遺憾だということでした。  この制度では、港区での事業実態を確認できないという理由でコワーキングスペース利用者は一律に排除しているとのことですが、事業実態の確認が必要なのであれば、ホームページや契約書等の提出を求めれば済むはずです。現在、スタートアップを中心に、また、コロナ禍でリモートワークの普及に伴ってコワーキングスペース利用者は増えていますし、区が設立する産業支援センターにもスペースを設ける予定です。時代に合わせ、様々な形態の事業者が利用しやすい制度に改め、区内経済に貢献してくださる事業者に報い、また、今後さらに呼び込む必要があるかと考えますが、区長のお考えを聞かせください。  次に、カーボンニュートラルへの取組状況についてです。  まず、脱炭素先行地域の認定に向けた取組状況についてお伺いいたします。政府は、地域脱炭素ロードマップを取りまとめ、少なくとも100か所の脱炭素先行地域で、2025年までに脱炭素実現の道筋をつけ、2030年度までに脱炭素を達成。地域特性に応じた施策で多様な地域の魅力と質を向上させ、地域の脱炭素の実現の姿を示し、全国に広げるとしています。  港区は、令和3年3月にゼロカーボンシティを表明し、率先して区有施設の温室効果ガスの排出量を削減するとともに、区民、自治体と協働することで、2050年までの区内の温室効果ガスの排出実質ゼロに向けて取り組んでいます。港区は、今後も大規模再開発プロジェクトが続く全国でも数少ないエリアであり、区の価値を上げ、都心のグリーンイノベーションの象徴になってほしいと考え、私たちもこれまで脱炭素先行地域への応募を要望してきました。  先日募集を締め切ったようですが、初回の募集は全国から79件、自治体数では102に上ったとのことです。まず、区の取組状況についてお聞かせください。  また、今後は、二酸化炭素の排出削減をこれまで以上に加速させることが求められます。区長が脱炭素先行地域の提案を検討していると表明した千代田区では、令和4年度予算において、地方と連携した産地指定の再生可能エネルギー由来の電力の供給促進や、地方における再生可能エネルギー発電施設支援などの検討、それに、次世代を担う学生や子どもたちへのメッセージを共有し発信するためのゼロカーボンフォーラムの開催などを計画しています。  港区でも、令和3年に港区環境基本計画を策定し、中期目標、2030年度内に区内の二酸化炭素排出量を2013年度比で40%削減とし、再エネ普及促進プロジェクト「MINATO再エネ100」、みなとモデル二酸化炭素固定認証制度、プラスチックの使用抑制と資源循環などについて先駆的に取り組んでいることは大変評価できます。  今後は、脱炭素に向けた社会の急速な動きを鑑み、計画に計上した施策に全力で取り組みながら、他自治体の施策の研究などを重ね、可能な限り前倒しで目標達成できるよう取り組むことが必要と考えます。  港区環境基本計画の改定時期は予定では令和5年度となりますが、改正地球温暖化対策推進法の目標を踏まえた内容を盛り込み、都心部の象徴となるよう、二酸化炭素排出量の削減を一層加速させていくことが必要だと考えますが、区長のお考えをお聞かせください。  次に、自治体間連携による再生可能エネルギーの調達についてです。現在、多くの企業が2050年カーボンニュートラルに向けて、電力契約を再生可能エネルギー由来の電力へ切り替える作業を行っています。不動産大手のヒューリックは、2030年までに国内で所有する約300棟あるオフィスビルを、全て再生可能エネルギー由来の電力に切り替えることを発表しています。2030年までに600億円を投資して、太陽光発電所を整備するということです。  しかし、大企業だけでは、カーボンニュートラルの実現を果たせません。中小企業にも再生可能エネルギーの活用を促すことが必要です。港区では、2018年より福岡県みやま市の第三セクターであるみやまスマートエネルギーと、福島県白河市、山形県庄内町と連携した上で、区内の公共施設への電力の供給を開始し、さらに民間事業者への販売を開始しました。  この試みはすばらしいものであると考えますが、中小企業にも十分な再生可能エネルギーの導入を図るには、電力の供給量が足りないのも現実です。より多くの自治体と連携をしながら、区内消費電力における再生可能エネルギーの割合を高めていくべきだと考えます。  世田谷区では、群馬県川場村、新潟県津南町、十日町市などの5つの自治体と連携して、木質バイオマス、水力、地熱、太陽光などの再生可能エネルギーの小売電気事業者を経由して購入しています。さらに、世田谷区では、この再生可能エネルギーのネットワークづくりとして、自然エネルギー活用における自治体間連携ネットワーク会議をオンラインで開催し、105の自治体が参加したそうです。  また、神奈川県横浜市も、青森県横浜町や福島県会津若松市など12の自治体との連携を発表し、市内の消費電力の再生可能エネルギーの割合を、2030年には44%から50%にするためのさらなる施策を促進しています。  港区でも、今後様々な自治体と連携を進めていくべきだと考えますし、それに資する自治体へのPR強化にも努めるべきだと考えますが、お考えをお聞かせください。  次に、コミュニティコンポストの全区的な普及についてです。環境清掃費の款でも、このテーマについて提案しました。コンポストとは、生ごみや落ち葉などを分解し、堆肥化することを指します。ごみとして処分していたものが新しく堆肥となって生まれ変わることは、ごみの焼却による二酸化炭素の排出を減らすだけでなく、堆肥を通じた都市と地方の関係づくりなど、様々な可能性を感じさせます。  現在、港区では、株式会社オレンジページと新虎通りエリアプラットフォーム協議会が、芝地区総合支所の協力の下、区立桜田公園に設置されたコミュニティコンポストの運用を開始しています。この取組は、自宅や事業所で一次熟成した堆肥を、公園に設置した木枠に入れることで、生ごみを二次熟成し、完全堆肥をつくり出すもので、堆肥は桜田公園の花壇に使用したりするそうです。  脱炭素の潮流が世界的に流れる中で、私はこのような取組をぜひ全区内に展開してほしいと考えています。コンポストの木枠を、今後、区内に多く設置していくことについて、区長のお考えをお聞かせください。  次に、住宅の断熱性を高める取組についてです。令和3年第1回定例会の一般質問において、私は、区が住宅のリノベーション改築支援を行う必要について御提案しました。現在、区には、地球温暖化対策として、創エネルギー・省エネルギー機器設置費助成により、住宅の断熱性の向上を通じて空調機器の負担軽減を図るものがありますが、これでは十分な対策になっていないと感じています。  神奈川県横浜市では、住まいのエコリノベーション補助制度として、断熱性能のある窓の改装などのリノベーションに、金銭面での補助をする取組を行っています。断熱改修工事の補助金額の合計が10万円以上であることなどの条件を設けて、先着で補助を行うものですが、市民からは効果を実感する声が多く上がっているようです。  また、鳥取県では、県民の健康の維持増進、省エネルギー化の推進及びCO2の削減を図ることを目的とし、戸建て住宅を新築する際の県独自の省エネ住宅基準を策定し、基準を満たす住宅に対して最大150万円の助成制度を始めています。住宅の広さや材質、世帯状況などに応じてポイントを設け、一定以上のポイントが認められた住宅には支援金が支給されるなど、支援の透明性に関しても非常に参考になります。  区としても、こうした取組を参考に、住宅のリノベーション改築支援のための新たな制度設計を行い、断熱性の向上を通じてCO2の削減を進めてほしいと考えますが、区長の考えをお聞かせください。  また、CO2削減のためには、住宅の断熱性の向上が有効であることを、マンションの管理組合などを通じて啓発し、適宜、組合向けのワークショップなどを開催していただければと考えます。併せてお考えをお聞かせください。  次に、生物多様性への30by30の取組についてです。日本を含むG7各国は、昨年6月のG7サミットにおいて、2030年自然協約に合意しました。同合意では、2030年までに少なくとも30%の自国の陸水域と沿岸海域を保全・保護することを目指す30by30の目標が設定されています。30by30については、本年、生物多様性条約COP15で採択が予定される生物多様性の世界目標、ポスト2020生物多様性枠組に設定する方向で検討が行われているとのことです。  こうした状況を受け、環境省では、30by30ロードマップを策定し、保護地域のさらなる拡充に向けて、生物多様性保全に貢献する場所を国が認定する仕組みを検討し、2022年度には試行的な認定を開始、2023年度には少なくとも100地域以上で認定することを公表しています。現状の検討では、国が企業、団体、個人、自治体から申請を受け、自然共生エリアとして認定されることで、国際データベースにも登録されるということです。  区の港区環境基本計画では、生物多様性に関して区民、事業者への普及啓発や環境学習を進めるとともに、様々な主体の協力による生物多様性の保全に関する取組を進めること、また、生き物の生息・生育環境となる緑や水辺を結ぶエコロジカルネットワークの形成を進めるとともに、生物多様性について身近で学び体験できるスポットや、子どもたちが自然と触れ合える環境を充実させることなどが挙げられています。  また、港区には、有栖川宮記念記念公園や高輪森の公園などに加えて、東京ミッドタウンなど再開発エリアにある緑地など、豊かで質の高い緑の場所が多く存在します。そこで、みなと環境にやさしい事業者会議や生物多様性みなとネットワークなどとも連携しながら、試行認定への対応、可能性の検討を行い、生物多様性保全に必要な管理モニタリング体制を整えてほしいと考えますが、区長のお考えをお聞かせください。  次に、将来の港区のあるべき姿を見据えたまちづくりについてです。  大規模開発事業におけるエリアマネジメントの連携についてお伺いします。現在、港区には、都市計画決定によるまちづくり地区が56件存在し、地域主体のまちづくり組織が10団体、そのほかにもエリアマネジメント団体や商店街、NPOなど数多くの団体が存在し、港区をよりよくするために様々な活動が行われています。  私も、港区に住む人、働く人、学ぶ人、好きな人みんなで地域の未来を考え、課題解消のためのプロジェクトを生み出す場、みなトークを11年にわたり続けています。みなトークでは、毎回、子育て、防災、環境、スポーツ、ICTなど様々な分野の専門家の方をゲストにお招きし、参加者の皆さんと港区をよくするアイデアを出し合っては、その実現に向けて動いてきました。多様な人で議論すると、各個人では大きな課題、ハードルと思っていたことも、既に経験している人に出会えたり、活動の応援者が見つかったり、課題が解消されることが多くありました。  区内には、ほかにも、既に開発を完了した事業者、今後開発を進める事業者、商店街、NPOなど様々な主体が地域ごとの課題解消に熱心に取り組んでおりますが、同様の検討、まちづくりワークショップが各所で行われており、今後情報を共有することでさらによいまちづくりにつながるのではないかと考えています。  例えば、現在、赤坂地区では様々な開発事業者がまちづくりを進めていますが、そこではそれぞれの事業者がまちの組織と個別に協議を重ねつつ、開発事業者ごとの特色を出すことに力が注がれています。  私は、時には様々な開発事業者やまちの組織が連携し、先進事例の調査や事例の横展開を行い、将来の姿を一緒に考えていくことは必要だと思います。特に大規模開発事業においては、開発事業者が自らの開発地域だけでなく、より広い視点で地域の魅力向上について考え、地域一帯のエリアマネジメント活動を行う必要があると考えます。  今後、大規模開発事業が契機となり、エリアマネジメント活動がさらに発展し、様々な主体が連携した地域イベント等が開催されることが望ましいと考えますが、区長のお考えをお聞かせください。  次に、自治体間連携の深化についてです。現在、港区には、先ほど述べた再生可能エネルギー分野に加え、木材利用、物産展の開催、文化的な交流など、テーマごとに多くの自治体と連携しています。しかし、そのほとんどは1テーマでの連携にとどまっています。  一方、様々な分野にまたがる包括的な連携を行っている自治体もあります。例えば、愛知県名古屋市には、木曽川流域の自治体連携による地域活性化の取組があり、水道水の水源として使用している木曽川の水環境保護を目的とし、上流に位置する自治体の森林や農地の保護と地域活性化を同時に行っています。市では、上流地域の高齢化、産業衰退などの面から、森林保護や水源の保護に悪影響が出ているとし、植樹事業や下草刈りを市民に体験してもらうだけでなく、上流自治体の生産者と卸売業者をつなげる商談会や、木曽川流域の観光名所をパッケージ化する旅行企画選考会を実施して、地域環境の成長につなげるなど、様々な分野で市民交流を進め、包括的に連携しています。  また、複数の自治体での連携を進める自治体もあります。例えば、香川県三木町、福島県檜枝岐村、岩手県遠野市では、健康分野における広域的地域間相互支援事業が行われています。これは、3つの自治体で、医療健康データを相互にバックアップすることで、災害時のBCPの強化とデータ復旧を行うものです。平時から相互の医療体制を参照し、遠隔医療を推進したり、健康推進を横展開したり、訓練を共同で実施したりしているそうです。  そこで、港区でも様々な分野で包括的に連携する自治体を増やし、人々の交流をより活発化して、緊急時、災害時の補完関係をつくるとともに、医療分野での連携、企業のサテライトオフィス設立支援、二拠点生活の推奨など、区民ニーズに合った分野での新たな連携を進めるべきと考えます。また、必要に応じて、土地を積極的に取得し、施設需要や再生可能エネルギーの調達などの課題にも応えてほしいと思います。  地方は、消費などを都市に依存している一方、都市は、自然の恵みが生み出す多くのエネルギー、水、食料、そして人材を地方に依存しています。都市と地方のそうしたつながりに目を向け、都市と地方がお互いに支え合う関係を強固にすることで、複雑化する環境、経済、社会の課題を解決することができると考えます。区長のお考えをお聞かせください。  次に、イノベーション人材を生み出すための教育についてです。  まず、多様な進路選択の在り方についてお伺いいたします。最近、「学校では教えてくれない大切なこと」、「なぜ僕らは働くのか」、「二十歳の君へ」など、子どもや若者向けの啓発本が書店によく並んでいます。大人からしてみれば、子どもたちに多様な進路選択の在り方や生き方について伝えたいことはたくさんあるのですが、一方で、今思い返せば、子どもや若者のときには、学校がほぼ全てであり、なぜ勉強しなければならないのか、なぜ働くのか、進学以外のどのような進路選択があり得るのかなどについて考える余裕はなかったように思います。  成長し、多くの格好いい大人に出会うにつけ、実は社会には様々な職業があって、高校から大学に進学し、大学から企業に就職する一本道ではない進路を選んでいる人がたくさんいること、また、そのように主体的に進路を選んだ方が自分らしい生活を送ることができることについて、私ももっと早い段階から学べていたらと思います。  日本の労働人口の49%が人工知能やロボットなどで代替可能になるという試算が、2015年にオックスフォード大学と野村総研によって発表されたことは衝撃的でしたが、AI時代、また、新型コロナウイルス感染症収束後の不確定な時代にあっては、大人が考えてもいなかった職業が次々と生まれる可能性が高く、また、そこで必須となるスキルは子どものうちから身につけておいた方がよいものも多くあります。  現在、港区の小・中学校では、キャリア教育の視点から指導計画を作成し、児童・生徒に望ましい勤労感、職業感を育んでいます。勉強より自分の生き方について考えることや、食料生産や工業生産に従事している人々の苦労や努力に学ぶこと、家庭には自分や家族を支える仕事があることなどを学んでいます。  小学校では、1、2年生でまち探検、4年生では2分の1成人式、5年生では工場見学などを実施している学校があります。中学校では、1年生で身近な職業を学べる学習、2年生では職業体験なども実施しています。  私は、そこからもう一歩進み、子どものうちから様々な職業を知り、直接学ぶ体験を全ての学校の児童・生徒向けに提供してはどうかと思っています。例えば、職業見本市として、企業、NPO、商店街などに出展してもらい、いろいろなキャリアを歩んだ数歩先の先輩の話を自由に聞けるブースをつくったり、港区出身のアーティストのライブが聞けたりするようなイベントを実施してはいかがでしょうか。  教育費の款で自民党議員団の鈴木たかや委員がおっしゃったように、数十種類の職業の中から、子どもたちが直接話を聞けるオンラインキャリア教育を全区的に広げるのもよいアイデアだと思います。自分の進路選択について主体的に考えるきっかけを提供するために、こうしたイベントの実施を含め、区としてキャリア教育を充実させることについて、教育長のお考えをお聞かせください。  次に、子どもの力を社会に生かすための取組についてです。平成28年度予算特別委員会の中で、私は、子どもによる区長部局への提言組織をつくることについて御提案していました。その前年の6月に18歳選挙権が成立し、若者の声をより行政に反映させる手法や必要性についての議論が盛んになっていたことを受け、学校教育における主権者教育の拡充や、NPOが行うイベント等のタイアップなどに加え、日常的に子どもが行政に提案できる組織をつくるべきだと質問いたしました。  ドイツでは、行政の中に連邦州単位で連邦若者協議会と呼ばれる委員会を設置し、民間の若者団体から選ばれた若者が委員を務めています。具体的には、ユースジュリー、若者審議員という取組があります。これは、連邦若者協議会に所属する委員が、一般の若者から企画を募り、委員が審査を行い、実施するというものです。21歳以下の若者がチームをつくり、公園のトイレの改修や落書き規制に関する条例などを行政に提言しています。ドイツでは、このように若者がまちづくりに日常的に参加できるような場を行政が整えています。  港区でも、子どもサミットの中で、区が子どもたちの提案を受けるという取組はありますが、これはイベントとしての開催であり、常設されたものではありません。また、提案を受けた区が予算をつけ、事業化する例はありません。そこで、ドイツの連邦若者協議会のような若者主体の協議会をつくった上で、そこに広く小・中学生から企画を受ける仕組みをつくってはいかがでしょうか。区の事業に対する提言も随時受け付け、未来を担う子どもたちのよいアイデアを積極的に採用し、予算をつけてはどうかと思います。こうした仕組みをつくることによって、若者の声を行政に確実に届けることができる一方、小・中学生にとっては、まちづくりについて当事者視点を持つことが可能になります。自分の頭で考え提言し実行するという体験型の学習としても、教育的価値も高いと思います。  先の見えない時代にあって、子どもたちからのこれまでにない発想は新鮮ですし、何より未来を担う子どもたちが住みやすい社会については、彼ら自身に考えてもらうのが一番です。区長部局と連携し、こうした仕組みをつくることについて、教育長の御意見をお聞かせください。  最後に、児童相談所の業務効率化と家族支援についてです。区長の強い思いと担当課の皆さんの努力が一丸となりスタートした港区の児童相談所も1年が過ぎました。これまでの御苦労に改めて感謝申し上げます。  一方で、見えてきた課題もありますので、その点について質問したいと思います。過日、先行して児童相談所をスタートさせた江戸川区が、業務効率化のため、AIを活用していることが報道されました。導入したのは、通話音声分析・モニタリングシステムというもので、AIを活用し、児童福祉司や児童心理司らが対応する児童電話相談の通話内容を、リアルタイムで文字起こしするものです。このシステムでは、通話内容に虐待等の特定のキーワードが使用されると、画面上で赤く表示され、アラートが発出されるそうです。画面はほかの職員も同時に確認できるため、例えば、スーパーバイザーが部下の会話内容を並行して確認することができるということです。システムの導入で業務効率化が進み、スタッフの事務作業時間が減少したということでした。  港区の児童相談所でも、子どもや保護者との応答の時間を確保し、丁寧に案件処理をするため、今後、こうしたシステムの導入も検討し、さらなる業務効率化をしていくべきだと思いますが、区長のお考えをお聞かせください。  先日、区には、児童相談所の人員拡充等に関する請願が出されましたが、その審議の中で、令和3年度中には6名の会計年度任用職員、令和4年度に向けては7名の退職予定者の報告がありました。一般に、児童相談所のような施設では、人材育成や職員のメンタルヘルス維持、スーパーバイザー等の専門職の確保が課題となっています。それらの業務にふさわしい対価の提供のみならず、仕事への満足度や肯定感の向上、さらに、充実した内部評価制度の構築、一部の業務のアウトソーシングといった労働環境の整備も重要です。区は、現在までの児童相談所の人員体制の課題をどのように捉え、その解消にどう取り組むのか伺います。  また、港区の児童相談所は、同じ建物内に母子生活支援設施設や子ども家庭支援センターがあることが特色であり、これは、児童相談所が介入するケースにおいて、事案に応じて家族の再統合に向けた支援に生かすことができます。家族による心理的虐待で子どもを分離した場合、家族の再統合に向けては、子どもに対するケアだけでなく、残された家族側のケアも必要ですが、その支援を児童相談所、子ども家庭支援センター、母子生活支援施設が連携して行うことが考えられます。区が持つ外部の民間団体とのネットワークも大きな強みになります。親子の再統合に向けて、特に子どもの一時保護中の残された家族対応について、区はどのように取り組んでいるのか、また、どのような支援体制を構築するのか伺います。  以上で質問を終わります。御清聴ありがとうございました。 ○区長(武井雅昭君) ただいまのみなと政策会議を代表しての横尾俊成委員の総括質問に順次お答えいたします。  最初に、コロナ禍における区の財政についてのお尋ねです。  まず、コロナ禍、新型コロナウイルス感染症収束後の財政運営についてです。令和4年度予算は、堅調な税収見通しを背景に、財政計画と比較して77億円増の1,593億円を計上いたしました。財政計画で見込んだ施策や事業を着実に実施することに加え、喫緊の新型コロナウイルス感染症対策、温室効果ガス排出実質ゼロの実現、地域全体でのデジタルトランスフォーメーションの実現、さらなる保育の質の向上や特別支援コンシェルジュの配置など、港区の未来を見据えた施策をあまねく切れ目なくかつ積極的に展開してまいります。  次に、ソーシャルインパクトボンドの導入についてのお尋ねです。ソーシャルインパクトボンドによる成果連動型民間委託契約方式は、現行の委託契約方式に比べ、社会的課題の解決が期待できる一方、導入に当たっては成果指標や評価方法、報酬支払い条件の設定が困難であるなど、様々な課題があると認識しております。また、既に導入した取組団体に対して内閣府が実施したアンケート調査では、行政コスト削減効果が確認できたと回答した団体は、27団体中1団体にとどまっております。今後も、他自治体の活用事例を紹介したセミナー等への参加や、事業効果検証のためのアンケート調査を行うなど、調査研究を進めてまいります。  次に、あらゆる世代や属性に向けた新型コロナウイルス感染症対策についてのお尋ねです。  まず、保健所の人員強化についてです。区は、これまで感染拡大の状況に応じて、本部職員を増員するほか、各部門からの応援職員、保健師、看護師等の会計年度任用職員や人材派遣を活用してまいりました。第6波においては、本年3月時点で、新型コロナウイルスワクチン接種対応も含め、保健所全体で約250名に体制を強化いたしました。今後も、多様な人材を活用しながら人員を適正に配置するとともに、今回のコロナ禍で得た知見などを生かし、平時から知識、経験の継承や、緊急時に備えた訓練を実施するなど、限られた人材を効果的、効率的に活用できる柔軟な職員体制の整備を進めてまいります。  次に、景況調査結果に基づく支援策の展開についてのお尋ねです。区では、昨年度から港区景況調査において、新型コロナウイルス感染症に関連して、特に望む支援についての設問を新たに追加いたしました。事業者からの回答を踏まえ、新型コロナウイルス感染症対策特別融資あっせん期間の延長や、チャレンジ商店街店舗応援事業補助金の対象に、換気設備の設置等の感染症対策費を加えるなど、迅速な支援策の立案に生かしてまいりました。今後も、景況調査の結果をはじめ、経営相談や商店街関係者から寄せられる事業者の生の声を的確に捉え、区独自の支援策を迅速に実施してまいります。  次に、地域を巻き込んだ商店街イベントの支援についてのお尋ねです。区は、商店会、町会、企業、NPO等が連携し新たなイベントを実施する場合、地域連携型商店街事業により支援しております。コロナ禍の影響で新たなイベントの創出が難しくなっている中、各地域では感染対策や新しい手法を取り入れるなど、創意工夫してこれまで継続してきたイベントを実施をしております。こうした状況を受けまして、来年度から、継続事業も地域連携型商店街事業の対象といたします。引き続き、各団体等が連携し、地域住民が毎年待ち望む魅力あるイベントが開催できるよう、支援してまいります。  次に、若者の機会損失に対する支援についてのお尋ねです。新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、学校や地域で実施する宿泊行事などは、期間の短縮や行き先を変更し、また、昨年度の成人の日記念のつどいは、お祝いメッセージを配信するなど、実施方法を工夫しながら、可能な限り、その時期の体験ができるよう取り組んでおります。子どもや若者が成長段階で友達と体験したことは、そのときに体験したからこそ、喜びや感動が大人になっても思い出深いものとなります。数年後にチャレンジする機会を設けることについては、研究してまいります。  次に、あらゆる子育て世帯を対象にした支援についてのお尋ねです。区は、国が児童手当の仕組みを活用して実施した子育て世帯への臨時特別給付金の支給に当たり、対象となる方に確実に、また、できるだけ早く給付することに全力を挙げて取り組んでまいりました。また、国の新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金は、融資事業や商品券特別給付事業など、感染拡大の影響を受けている地域経済や区民生活への支援のために活用いたしました。区は、助成制度を創設する際には、財源や将来への負担を配慮しつつ、それぞれの事業目的に沿って、対象や給付額を定めております。今後も、多角的な視点で支援の在り方を検討し、子どもの未来を応援する施策を積極的に推進してまいります。  次に、デジタルトランスフォーメーションに向けた取組についてのお尋ねです。  まず、MaaSの活用状況についてです。区は、現在、JR東日本が開発したMaaSアプリであるRingo Passを活用し、鉄道のほか、タクシーや自転車シェアリングなど、複数の交通手段から台場シャトルバスにスムーズに乗換えができるよう、キャッシュレス決済の実証実験を実施しております。区は、今後も事業者と連携し、区民の交通の利便性向上を図るため、MaaSの推進に努めてまいります。  次に、区のユーザーエクスペリエンスを日々改善することについてのお尋ねです。区には、開かれた広聴や区民と接する様々な場面で、各種サービスの実体験に基づく多くの意見が寄せられており、日々速やかな改善に努めております。一例として、窓口の混雑や手続の煩雑さへの意見に対し、窓口の待ち人数を配信するとともに、本年8月には、更新時に必要な申請書等を一括で作成できるシステムを導入するなど、来庁から申請までの一連の手続に利用者の意見を取り入れたユーザーエクスペリエンスの改善に取り組んでおります。今後も、幅広く区民の意見を取り上げながら、区民の視点に立った利便性向上に向け、不断の見直しを進めてまいります。  次に、デジタルの力を活用してまちを活性化する取組についてのお尋ねです。SNSやアプリを通して参加者を募り開催するイベント等は、様々な方が気軽に参加できるため、より多くの方が地域の活動などに関心を持つきっかけとなり、地域の魅力を広く発信できる機会となります。各地区総合支所では、ツイッターや地域SNSアプリ等を活用し、飲食店の情報発信や、町会・自治会と連携した住民同士の情報交換等にも取り組んでおります。今後も、地域情報を発信できる機会を捉えて、効果的なデジタルの活用を創意工夫し、地域コミュニティの活性化や、参画、協働につながる取組を進めてまいります。  次に、デジタルトランスフォーメーションに向けた体制強化についてのお尋ねです。区は、これまでもICT政策を補佐する情報政策監の配置や、デジタル庁への職員派遣、IT企業における職務経験を有する新規採用職員をシステム部門に配置してまいりました。区におけるデジタルトランスフォーメーションの取組を推進するためには、職員の育成と併せて、専門知識を有する多様な人材を活用することが重要です。今後も、デジタルトランスフォーメーションに関する知識を有した専門人材や民間事業者を活用することにより、デジタル化を加速させる体制を確保し、区民サービス向上と業務の効率化に取り組んでまいります。  次に、港区らしいスタートアップ支援の在り方についてのお尋ねです。  まず、港区らしいスタートアップエコシステムの構築についてです。区には、世界的な先端技術を持つ企業や投資を支える企業などが集積し、スタートアップを育成する優位な環境が整っております。こうした環境を活用するため、4月に開設する産業振興センターのコワーキングスペースでは、コーディネーターが地域の多様な人材とスタートアップを結びつけるとともに、育成事業に取り組みます。スタートアップが円滑に事業を立ち上げ、迅速に展開できる環境を整えることで、港区ならではのスタートアップエコシステムを構築をしてまいります。  次に、国家戦略特区の活用についてのお尋ねです。多くの企業や交通機関が集積する港区は、国家戦略特区の区域計画により、今後も国際的なビジネスの拠点としての機能が一層高まっていくものと見込んでおります。区は、集積する多様な企業との連携を深め、地域の一員でもある区内企業との協働により、地域課題の解決に取り組むとともに、区民サービスの向上に努めてまいります。  次に、外国人起業家を対象とした新たな制度の検討についてのお尋ねです。外国人が区内で起業し、事業を展開していく中で、区内事業者等と交流を図ることは、グローバルなイノベーションの創出や、海外を含めた販売路線の拡大など、区内事業者にとって大きなメリットがあるとともに、区内産業の活性化につながることが期待されます。外国人起業家に対する新たな支援制度について、他自治体の事例などを調査研究してまいります。  次に、融資あっせんの対象の見直しについてのお尋ねです。現在、区の融資あっせん制度では、コワーキングスペースを事業所とする場合、事業実態の確認が困難であることを理由として、あっせんの対象外としております。一方、コワーキングスペースは、経費負担を抑えつつ、ビジネスを幅広く展開できることから、スタートアップ企業の事業所として急速に利用が増加しております。今後、区内での創業をさらに強力に支援していくため、コワーキングスペース利用者について、融資あっせんの対象とする検討をしてまいります。  次に、カーボンニュートラルへの取組状況についてのお尋ねです。  まず、脱炭素先行地域の認定に向けた取組状況についてです。国による脱炭素先行地域の募集が、本年1月末から2月にかけて行われ、区は、虎ノ門・麻布台地区市街地再開発事業の区域について、再開発組合と共同で申請いたしました。脱炭素先行地域は、地域の脱炭素の実現に向けた有効な取組であり、今後も地区内街区間を面的に整備する再開発の機会などを捉え、事業者と脱炭素先行地域の認定に向けた検討を行ってまいります。  次に、二酸化炭素排出量削減の一層の加速についてのお尋ねです。区は、昨年2月策定の港区環境基本計画に計上した取組の着実な実施に加え、区民や区内事業者に対する再生可能エネルギーの普及の支援策のほか、全ての区有施設での再生可能エネルギー100%電力への転換や、庁有車の電動化など、計画に計上していない取組も具体化し、削減目標の早期達成に取り組んでおります。令和5年度に予定している港区環境基本計画の中間見直しに当たっては、改正地球温暖化対策推進法の内容を踏まえつつ、目標や施策を計上し、CO2削減の取組を一層加速をしてまいります。  次に、自治体間連携による再生可能エネルギーの調達についてのお尋ねです。区は、全国の自治体へのアンケート調査やヒアリングにより、連携の可能性を調査した上で、電力使用に伴うCO2排出量の優位性、地域の活性化への寄与度、料金の経済性などを総合的に考慮し、自治体間連携による再生可能エネルギーの調達を実施しております。引き続き、区ホームページでの情報発信はもとより、再生可能エネルギーの供給に積極的な自治体へ直接働きかけるなど、さらに様々な自治体との連携を推進してまいります。  次に、コミュニティコンポストの全区的な普及についてのお尋ねです。芝地区で試行的に行っているコミュニティコンポストは、資源循環や地域コミュニティの醸成の観点から意義のある取組と考えております。一方で、コミュニティコンポストについては、堆肥化の過程で発生する臭いや、管理が行き届かない場合の虫の発生などの課題のほか、堆肥を継続的に活用する方法を検討する必要があります。同様の取組の全区での展開については、こうした点を踏まえ、今後調査研究してまいります。  次に、住宅の断熱性を高める取組についてのお尋ねです。住宅における熱損失は、窓からの損失が約6割を占めるとされており、区の助成制度においては、住宅の断熱性向上に最も効果が高い高断熱サッシの設置費についても助成対象としております。また、区では、区民向け講座やマンション管理組合向けのガイドブックを通じて、住宅の断熱性向上による省エネルギー効果や具体的な手法等について発信しております。引き続き、省エネルギー効果が高い設備等への助成について調査検討を行うとともに、区民に向けての住宅の断熱性向上に関する情報を積極的に発信してまいります。  次に、生物多様性への30by30の取組についてのお尋ねです。国は、30by30の目標達成に向け、生物多様性の保全に貢献する地域を認定することなどにより、生物多様性の損失を食い止め、回復させる取組を進めるとしており、現在、地域の認定に係る基準の策定を進めております。区は国の動向を注視し、区内の地域における認定の可能性などについて調査研究してまいります。  次に、将来の港区のあるべき姿を見据えたまちづくりについてのお尋ねです。  まず、大規模開発事業におけるエリアマネジメントの連携についてです。大規模開発事業においては、道路、公園等の都市基盤の整備に併せ、これらの維持管理や運営、地域のにぎわい創出などを一体的に図ることが重要であると認識しております。区は、これまでも開発計画の初期段階から事業者を指導し、計画地周辺のエリアマネジメント組織や、町会、商店街等と連携した地域のにぎわい創出を図ってまいりました。今後も、引き続き、地域の価値や魅力の持続的な向上を目指す地域一帯のエリアマネジメントの取組について、開発事業者を指導・誘導してまいります。  次に、自治体間連携の深化についてのお尋ねです。区は、これまでも、北海道豊富町と国産木材の活用促進に関する協定の締結をきっかけに、区内銭湯での温泉体験や、障害者就労施設等で生産した商品を相互に販売してまいりました。さらに豊富町を含む北海道宗谷地域の9町村との連携に広げ、23区で初めてワーキングホリデーを実施するなど、全国各地域と様々な分野で連携を深めてまいりました。今後も、各自治体との絆をより深め、互いの強みを生かし、不足するところを補完し合い、共に発展、成長していく幅広い全国連携の取組を一層充実をしてまいります。  次に、児童相談所についてのお尋ねです。  まず、システム導入などによる業務の効率化についてです。通話音声の文字化や児童情報を解析するAIシステムは、時間短縮による業務の効率化だけでなく、職員が的確にリスクや支援を判断することを補助する重要なツールであると考えております。区では、児童相談所と子ども家庭支援センターにおける相談、訪問、検査、会議など、業務の中でシステム化による解析が必要な情報の整理に取り組んでおります。今後、国で開発している一時保護の判断を補助するAIシステムなどの動向も注視しながら、検討を進めてまいります。  次に、人員体制の課題についてのお尋ねです。児童相談所の人員体制の課題は、相談数に見合った職員配置と専門性向上の取組を継続して実施していくことであると考えております。区は、来年度、児童相談所に児童福祉司5名、児童心理司3名、一時保護所職員2名の常勤職員を増員し、今年度に続き、国の基準以上の配置といたします。また、専門性強化については、引き続き人材育成専門員を中心に個別の育成計画を基に研修等を実施してまいります。職員が一体となり、相談受付から調査、援助、保護、指導などの知識と経験を蓄積し、港区にふさわしい相談体制を構築してまいります。  最後に、一時保護中の児童の家族への対応についてのお尋ねです。児童相談所は、児童の一時保護を行う際、保護者などに対し、一時保護の必要性の説明や、可能な範囲で児童の様子や健康状態をお知らせしております。また、児童と保護者、家族の問題を解決し再発を防止するため、児童福祉司、児童心理司、医師、保健師、弁護士が面接を行いながら、必要な支援を共に検討し、家庭復帰に当たっては、地域の関係機関等を含めた支援体制を検討しております。よろしく御理解のほどお願いいたします。  教育に関わる問題については、教育長から答弁いたします。 ○教育長(浦田幹男君) ただいまのみなと政策会議を代表しての横尾俊成委員の総括質問に順次お答えをいたします。  イノベーション人材を生み出すための教育についてのお尋ねです。  まず、多様な進路選択の在り方についてです。現在、小学校では、自らの役割や働くことへの理解を深めるため、様々な職業を持つ方の話を聞く機会を設けております。中学校では、職場体験等の直接体験のほか、複数の企業とオンラインで接続し、多様な職業や生き方に関する価値観を学ぶ取組を進めており、これまで以上に多くの業種の方と関わることができ、生徒の進路選択の幅が広がっております。さらに、知的障害のある児童・生徒についても、企業と連携した体験学習を、来年度は全ての特別支援学級に広げ、児童・生徒が自分の適性を知り、将来の自立や社会参加に必要な力を身につけることができるようにします。今後も、将来に向けて子どもたち自身が自らの役割と社会との関わりを見いだし、豊かな人生を送れるよう、多様なキャリア教育を推進してまいります。  最後に、子どもの力を社会に生かすための取組についてのお尋ねです。港南中学校では、昨年度、東京青年会議所の協力を得て、地域の課題解決に向けた具体的な取組を考え、模擬請願としてまとめ、芝浦港南地区総合支所に提案いたしました。また、御成門小学校では、昨年度から、地元企業と連携し、5年生が総合的な学習の時間に、子どもたちの目線でフィールドワークを行い、未来の御成門のまちづくりを考え、芝地区総合支所に提案しております。今後は、このような取組を他の学校に広げていくとともに、子どもたちの声をまちの課題の解決に具体的に結びつけられるよう、区長部局の協力を得て進めてまいります。よろしく御理解のほどお願いいたします。 ○委員(横尾俊成君) 非常に前向きな答弁をいただきまして、ありがとうございます。港区だからこそできる先駆的な事業、あるいは子育て、子どもを産み育てやすい港区にするための施策をさらに進めていっていただければと思います。ありがとうございました。 ○委員長(小倉りえこ君) みなと政策会議の総括質問は終わりました。     ……………………………………………………………………………………………
    ○委員長(小倉りえこ君) 次に、公明党議員団を代表して、杉本委員。 ○委員(杉本とよひろ君) 令和4年度予算特別委員会最終審議に当たり、公明党議員団を代表して、総括質問を行います。  初めに、ロシアによるウクライナへの侵攻は、民間人をも巻き込み、多数の死傷者を出しています。犠牲になった市民に哀悼の意を表するとともに、負傷された方、いまだ多くいらっしゃる避難されていない方の身の安全を心より願うものであります。ロシアの力による一方的な軍事攻撃は、ウクライナの主権及び領土を侵害するものであり、武力の行使を禁ずる国際法から、また、国連憲章から見ても、重大な違反であることは明確であり、断じて認めることはできません。しかも、戦時下において、原子力発電所を標的にしたことは、歴史上初めてのことであり、国際法で禁じられた危険行為に対して、断固として非難されなければなりません。そして、ロシアの軍事攻撃は、欧州にとどまらず、日本が位置するアジアを含む国際社会の秩序の根幹を揺るがしかねない、極めて深刻な事態であります。  こうした暴挙に対して、3月3日、武井港区長並びに港区議会議長は、核兵器の廃絶を訴え、世界の恒久平和を願って、平和都市宣言をした港区として、断じて容認することはできないと表明しました。また、現在、区では、港区役所をはじめ、各地区総合支所、台場分室で、ウクライナ人道危機救援金の受付を行っています。私たち公明党議員団も、貴い命と平和な暮らしを奪う軍事侵攻を直ちに中止し、あらゆる外交努力を駆使して、一刻も早くウクライナの平和を取り戻すことを強く願うことを申し述べまして、質問に入ります。  初めの質問は、基金の残高確保についてお伺いいたします。令和4年度の一般会計当初予算案では、過去3番目の規模となる1,593億円を計上。歳入の根幹をなす特別区民税収入については、過去最高額の815億円を見積もり、歳入の質疑では、その根拠と予算編成における影響についてお伺いをしてまいりました。区は、コロナ禍の厳しい社会情勢の中、区内の納税義務者数が減少傾向にあるにもかかわらず、過去最高額を計上した特別区民税収入については、内閣府が昨年7月に公表したGDP成長率予想値3.7%成長を基に、景気の回復等を踏まえて算出したとのことであります。  また、基金については、令和3年度予算においては、財政調整基金をはじめ、231億円の基金を活用しましたが、令和4年度予算では、財政調整基金の繰入れは行わず、基金繰入金全体は約98億2,000万円に抑え、基金積立て額は29億7,000万円、令和4年度末の基金全体の残高は1,812億1,000万円確保されており、改めて区の盤石な財政基盤がうかがわれるところであります。  区として、今後の感染症対策や災害に強いまちづくり、社会保障関係費の増加への対応など、将来にわたって区民の暮らしを守っていくためには、基金の確保や基金を戦略的に活用するなど、中・長期を見据えた財政対応力を堅持していくことが不可欠であります。  そのためにも、港区にとって区の根幹をなす特別区民税収入は、景気や税制改正の影響を受けやすく、特別区財政調整交付金、いわゆる普通交付金が不交付である中にあっても、健全な財政運営を行うため、基金による備えが必要であります。  そこで質問は、新型コロナウイルス感染症対策など、目の前の課題に全力で取り組むことはもとより、中・長期を見据え、特別区民税収入が大幅に増えたときこそ、財政調整基金や特定目的基金の残高確保に努めるべきと考えますが、区長の見解をお伺いいたします。  次に、予算執行に当たっての区の取組姿勢についてお伺いをします。今定例会の一般質問で私は、令和4年度予算に込められた思いと決意について区長に質問いたしました。区長は、喫緊の課題である新型コロナウイルス感染症対策はもとより、未来へ続く区民の笑顔とまちのにぎわいあふれる港区を思い描き、その実現に向けた施策を実施するための予算を積極的に編成しましたと答弁されました。  その裏づけとも言える令和4年度歳出予算では、令和3年度を上回る192の新規臨時レベルアップ事業を創出し、中でも新規事業は、昨年度の2倍となる17事業を実施するなど、5つの重点施策に362億円を計上しました。  また、歳出予算の目的別内訳の中で、高齢者や障がい者のデジタルディバイド解消事業、保育力向上支援事業など、民生費の予算に579億円、特別支援コンシェルジュの配置など、教育費の予算に295億円を計上するなど、全国をリードし輝き続ける予算として計上しております。  こうして貴重な財源をもとに組まれた予算が施策に反映し、着実に執行していくため、国や東京都からの必要な財源を引き出すとともに、予算執行段階での歳出の精査を行い、執行管理に努めていくなどして、区民のために生きた予算にしていくことが大切であります。  そこで質問は、新年度予算の執行に当たっての区の取組姿勢についてお伺いをいたします。  次に、参画と協働についてお伺いをいたします。区は、地域の課題は区民に最も身近な地域で解決することを目的として、区役所・支所改革を実施するとともに、参画と協働の取組を区政運営の基本として進めてきました。参画と協働は、個人と行政、組織と組織との縦分けがあるにせよ、どちらも区民と区が互いに能動的、積極的に関わり、区政の発展や区民サービスの向上を図っていくことであります。コロナ禍によって縮小や一時休止などを余儀なくされた活動もありますが、区はこれまでも、地域コミュニティへの参加や区政に関わる活躍の場を広げ、人づくりや活動のサポートなど、様々な施策を講じてまいりました。  例えば、明治学院大学との協働連携のチャレンジコミュニティ大学では、個人の生きがいとともに、地域コミュニティの底上げを目指しています。また、防災士を1,000名養成して、取得した方一人一人が防災意識を高め、地域防災協議会の強化につなげるなど、参画、協働へのきっかけをつくり、活動のモチベーションとともに、知識や知見、実行力を区民などに与え、個人も区も共に強くなる取組を進めてまいりました。  令和4年度予算においては、町会・自治会にタブレットを貸与し、地域のデジタルトランスフォーメーションを推進すること、また、若い世代を中心に区政情報を的確に届けるために、SNSを活用して広く効果的に区政情報を発信するなど、ICTの活用で地域住民と区との連携の強化を目指しています。これからも、これまでと同様に、新たな人材の参加や提案を生み出すなど、地域の活性化につながるものと期待するところであります。  他方、新型コロナウイルス感染症の拡大で、社会のリモートワークが進められ、ITやデザイン系といった職種の方の働き方や生活様式に変化が訪れ、どこに住むかの価値観の見直しが起きており、区の人口にも変化が見られます。それでも港区に住み続ける区民に向けて、さらに住みやすいまち、住民などの区民への参加に応えるまちといった価値観を示していくべきと考えます。  そこで質問は、コロナ禍を経て、区民などに向けた地域コミュニティとの関わり、結びつきを深め、強めていく参画、協働の今後について、区のお考えをお伺いします。  次に、個人情報保護制度の運用についてお伺いいたします。質問は、自己情報開示等請求制度について、2点お伺いします。補足資料にも示しましたが、自己情報開示等請求制度は、区が有している個人情報について、適正に取り扱われているのか、正確なものとなっているのかなどを確認するため、開示、訂正、削除などを、その本人や法定代理人に限って請求できるものです。本人が障がいや認知症で判断能力が十分でない場合には、成年後見人などの法定代理人が開示請求できますが、こうした法定代理人がいない場合は、障がい者や認知症の方の家族でさえ、港区では請求できないことになっています。  例えば、高齢者施設や障がい者施設においてのアクシデントは、事業所が事故状況や今後の改善策などを区に報告することになっていますが、その報告書を家族が確認したくても、開示請求ができません。一方で、法定代理人である後見人の場合は申請できますが、身上監護を熱心にされている専門職は後見人ばかりではないことから、当事者の意思を尊重した介護や支援を施設に要望できるのか、家族の不安は尽きません。  千代田区では、自己情報開示を請求できるのは、法定代理人だけではなく、任意代理人も請求できると、ホームページに明記されています。その場合、委任状や請求対象となる方の本人確認ができる書類が必要となっています。  また、港区では、令和2年度の自己情報開示等請求の件数が111件と公表されています。新宿区では、開示請求の件数のほか、担当課や、自己情報の内容に対する全部開示、一部開示、非公開などの決定区分、さらには、この決定を不服とした場合の審査請求が行われたときの情報公開・個人情報保護審査会での答申内容も掲載されています。個人情報がどのように扱われ、そして保護されているかが、こうした事例を示すことで大変分かりやすく、参考になります。インターネット社会で様々な個人情報が検索できるようになった今、区民の誰もが個人情報保護についての意識を醸成するためにも必要なことと考えます。  そこで質問は、令和5年の春に施行が予定されている個人情報保護法を踏まえ、自己情報開示等を請求できる代理人についての検討についてと、もう1点は、区民に自己情報開示等請求制度を通して、個人情報保護についての理解を深められるよう、開示請求内容や決定区分、さらに、決定区分の不服申立てについての情報公開・個人情報保護審査会での答申内容を公開することについて御検討いただきたいと考えますが、区長の見解をお伺いします。  次に、大規模大災害に備えた防災訓練について、2点お伺いいたします。  第1点に、コロナ禍における防災訓練についてお伺いいたします。ことしの1月、阪神・淡路大震災から27年が過ぎ、本日3月11日は東日本大震災から11年、来年は関東大震災から100年を迎えます。今後、首都直下地震をはじめ、巨大地震がいつどこで発生するかは予測がつきません。これまでも大きな地震災害を受け、様々な防災対策や啓蒙活動を行っていますが、地震の発生自体を防ぐことはできません。しかし、巨大地震への備えは何よりも重要であり、地震による災害を最小限に食い止めることは、自助、共助、公助の観点から事前に備えていくことが必要であります。  現在、東京都では、震災対策の礎となる被害想定の見直しに取り組んでおり、この想定を基に都市の強靱化や災害時のオペレーションの精度を高め、ハード・ソフトの両面から備えを固めていくと伺っております。これまで町会・自治会、学校など、各地で恒例行事として総合防災訓練が行われていましたが、コロナ禍においてここ2年間、実施を取りやめたり、図上訓練に変更したり、内容を縮小するなど、多くの人を集めることができない状況が続いております。  しかし、大規模な地震は、時と場所を選ばず発生することを考えれば、コロナ禍に即した訓練の在り方を考え、総合防災訓練は実施する方向で検討していくべきと思いますが、区の見解をお伺いします。  第2点は、若年層の防災訓練の普及啓発についてお伺いします。これまで地域の防災訓練の課題として、若年層の参加が少ないことが挙げられています。そこで、若年層に防災の関心を持ってもらうために、地域によっては、防災運動会や防災スポーツなどの取組が進められているところもあると伺っております。  昨年第3回定例会において、我が会派の代表質問の際に御提案させていただきました、オンラインによるシェイクアウト地震防災訓練が、本日11時より、区として新たな取組として実施されました。こうしたオンラインなどを活用して、防災への意識啓発や訓練参加への呼びかけを行うことも必要かと思います。  そこで質問は、防災への意識が低いとされる若年層に向けて、これまでとは違った新たな切り口で参加者を増やす工夫が必要かと考えますが、区の見解をお伺いいたします。  次に、シェアサイクル事業との災害時協力協定についてお伺いいたします。大規模な首都直下地震において、搬送手段としての自転車は、震災直後の公共交通機関が不通な状況下や、復興過程の瓦礫や路面の損壊等で荒れた道路でも有効と考えられます。国土交通省のシェアサイクルの在り方検討委員会では、シェアサイクルの効果的な事例として、災害時における交通機能の維持への活用も検証されているようです。  品川区や大分市、金沢市では、シェアサイクル事業者との協定により、災害時にサイクルポートが停止していても、自治体職員がシェアサイクルを無償で利用できる専用ICカードを配備。災害対応のため、公用車や公用自転車が不足する場合、燃料確保が困難な場合、車両が通行できない場合、小回りが必要な場合などに、被害状況の把握や関係機関との情報連絡等のために、シェアサイクルの活用を想定。公用車へシェアサイクルを積載して運搬し、現地調査に活用するといった自動車と組み合わせた活用も想定しているようです。  港区地域防災計画震災編では、医療救護班等の移動及び医薬品、医療資器材の搬送において、医療救護班等は、原則として徒歩、自転車等により、自力で医療救護所などへ移動するとしています。一刻を争う医療救護所での診療体制の構築において、医療者の確保は最優先事項であり、徒歩よりも自転車を活用すべきと考えます。特に港区で提供されているドコモ・バイクシェアによるシェアサイクルは、東京23区のうち12区と連携ができており、区内に住む医療者や区内の医療救護所への移動手段として期待できるものと思っています。  港区の現在修正中の地域防災計画には、シェアサイクルの活用は盛り込まれていませんが、今後、他の自治体の活用事例などを調査し、シェアサイクル事業者との災害時の協力協定の締結なども検討すべきではないでしょうか。  そこで質問は、区が実施している港区自転車シェアリングのシェアサイクル事業者との災害協力協定の締結について、武井区長の見解をお伺いいたします。  次に、ケースワーカーの体制についてお伺いいたします。国の調査によれば、近年の日本における生活保護世帯は少しずつ減少傾向にあり、約160万世帯に上るとされています。また、現代社会は、ライフスタイルの変化によって、人々の不安や悩みもより広範かつ深刻化していると言えます。実際、ケースワーカーの下に寄せられている相談内容も多様化しているため、これからのケースワーカーには、より広く深い専門知識と技術が求められます。  一方で、ケースワーカーの人手不足が課題として挙げられており、指定市、東京23区、県庁所在地、中核市の全国107市区のうち、法律で定めた80世帯に1人のケースワーカーが担当するという配置基準を満たしていない自治体は、令和元年度では77市区と、約7割に上ることが厚生労働省の調査で分かっています。今後、新型コロナウイルス感染症の影響で生活保護の申請が増えれば、十分な対応が取れなくなる可能性があると懸念されています。  港区の生活保護受給世帯は、今年度の2月までの月平均で1,726世帯、それに対してケースワーカーの定数は24名。平均すると、1人のケースワーカーが担当する世帯は約72世帯で、基準を満たしていることにはなります。しかし、各地区ごとにその割合は異なっており、麻布地区では、223世帯に対し4名が配置され、1人平均約56世帯、高輪地区では、524世帯に対し6名で、平均約88世帯と差が生じています。また、年度途中に休職される職員が出ると、それを代替職員で補うといった必要が生じ、常勤職員の負担が増加します。国が定める基準を満たしているとはいえ、常に状況は変化しております。生活保護制度は我が国の社会保障の根幹であり、最後のセーフティーネットとしての役割が求められており、複雑化している課題解決のためには、ケースワーカーの役割は重要であります。  また、職務に係る負担を考えたとき、安心して働き続けられる環境の整備が不可欠と考えます。例えば、専門職を必要とする訪問業務と単純な事務作業を一部分割し、事務作業員を会計年度任用職員や委託業務にすることや、デジタル化を活用し、5地区を横断した情報共有と事務の効率化を図るなどして、人員配置の見直しをする必要があるのではないでしょうか。  そこで質問は、安定的で持続可能な制度とするため、ケースワーカーの体制について課題を抽出し、その解決に向け検討を図るべきと考えますが、区としての見解をお伺いします。  次に、高齢者集合住宅入居者募集のオンライン化についてお伺いいたします。今定例会の一般質問で、東京都が2月から都営住宅の一部の募集でオンラインによる募集が可能となったことを機に、区民向け住宅入居者募集のオンライン申請の導入について提案し、質問してまいりました。私の質問に対し区長は、区民向け住宅については、本年6月に予定している入居者募集からオンライン申請を実施し、また、実施の際には、オンライン申請に不慣れな方でも利用できるよう、高齢者デジタル活用支援員を活用するなど、丁寧な説明を行ってまいりますとの御答弁をいただきました。  そして、土木費の質疑では、この区長の答弁を受け、具体的にどのようにオンライン申請を導入し、提供していくのか、また、3種類ある全ての区民向け住宅のオンライン申請の運用開始、その進め方について質問してまいりました。その質疑の中でも明らかになったように、募集を申請する区民や申込みを受ける区の相互にとって、利便性の向上や効率の面からのメリットが確認できたところです。  また、民生費でも取り上げましたが、行政手続のデジタル化に伴い、高齢者デジタルデバイド解消事業について、高齢者がスマートフォンなどのデジタル機器の操作や活用に関する相談のほか、スマートフォンの貸与や購入に関する相談支援について質問してまいりました。高齢者へのスマートフォンの普及とデジタルディバイド解消による社会参画の観点からも、高齢者集合住宅入居者募集もオンライン化を進めていくべきと考えます。  そこで質問は、区が設置する高齢者集合住宅入居者募集にも、これまでの紙による申請書と併用してオンライン申請を導入すべきと考えますが、区の見解をお伺いいたします。  次に、公衆衛生の専門家の確保策についてお伺いします。公衆衛生の最前線で、新型コロナウイルス感染症の対応に当たるみなと保健所の機能強化を図ることは、新型コロナウイルス感染症第6波の感染者数が減少している現在の局面でも、今後の再度の感染者数の急増などを考えると、重要な課題と言えます。従前より港区議会公明党は、新型コロナウイルス感染症対応として、みなと保健所職員の個々の負担軽減とみなと保健所の機能強化を要望し続けてまいりました。  港区は、各区有施設が、新型コロナウイルス感染症の発生動向や、頻繁にアップデートされる医学的知見を踏まえて、迅速に施設等の感染症対策を見直すことができるよう、感染症対策の経験のある専門職として、令和2年7月より感染症アドバイザーを配置しています。感染症アドバイザーは、各区有施設等の相談や事業への助言に応じたり、直接現場に訪問して指導したり、感染症対策の向上を図ってこられました。この結果、各区有施設等の感染症予防対策について、高い水準で均質化を図ることができ、区職員のクラスター発生を抑え、区民の安全・安心で安定的な施設サービスを提供できたものと考えております。  また、事業種ごとの新型コロナウイルス感染症対策、オンライン研修を区独自に作成し、誰でも見られる形で公表された取組は、大変画期的なものであると評価するものであります。さらに、新型コロナウイルスワクチンの接種担当を配置し、区民のワクチン接種率の目標を85%と定め、1回目の接種率目標を3月2日に達成したことは、高く評価されるものと思っております。今後は、感染症専門アドバイザー、あるいは予防接種専用アドバイザーを新型コロナウイルス感染症のレガシーとして残すことも一つのアイデアだと思います。  東京都は、保健所などに勤める公衆衛生医について、16年連続で定数を満たさず、人材不足が常態化する中、令和4年度予算案に、福利厚生の充実と、採用、広報の強化を盛り込み、人材育成に本腰を入れると報じられています。みなと保健所では、近年は所長を補佐する参事を設けて対応しており、東京都の動向を見据えながら、公衆衛生医ないし公衆衛生の専門職の人材確保の必要性が高いのではないかと考えます。  そこで質問は、みなと保健所における公衆衛生の専門家の必要性とその確保策について、区長のお考えをお伺いします。  最後に、インクルーシブ教育の推進についてお伺いいたします。インクルーシブ教育とは、2006年12月の国連総会で採択され、障害者の権利に関する条約に示された、障がいのある子どもと障がいのない子どもが共に教育を受けることで、共生社会の実現に貢献しようという考え方です。  東京都では、国の方針に基づき、特別支援教育の推進を図るとともに、特別支援学校に通う子どもたちへの取組を、平成27年度から副籍制度としてスタートさせました。副籍制度は、都立特別支援学校の小・中学部に在籍する児童・生徒が居住する地域の区市町村立小・中学校、いわゆる地域指定校に副次的な籍を持ち、直接的な交流や間接的な交流を通じて、居住する地域とのつながりの維持、継続を図る制度で、区市町村が果たす役割として、学校間で交流活動の内容や方法に差が生じないよう、域内小・中学校への理解促進及び交流活動の充実に向けた指導、助言を行うこととしています。  制度を通じて、地域指定校での交流を行った保護者からは、大変に有意義な取組だという意見のほか、一方では、受け入れる学校や学級によって取組に対する理解や子どもへの接し方に温度差があるように感じるとの声が寄せられております。  共生社会の実現は、世界共通の目標であり、誰も置き去りにしない持続可能な社会を築く上で、インクルーシブ教育の構築への取組は、これからの教育の在り方を考える上でも重要な課題であると考えます。  令和元年度決算特別委員会において、我が会派から東京都と地域指定校との密なる連携と、副籍制度を通じたインクルーシブ教育のさらなる取組を求めたのに対して、教育長から、地域指定校が他校の副籍交流の効果的な事例を参考に、授業内容や支援方法等を提案するなど、交流内容の改善を図り、障がいの有無にかかわらず共に学ぶことができる環境づくりに努めてまいりますとの御答弁をいただきました。  そこで質問は、その後1年半が経過いたしましたが、これまで取り組まれた内容と今後の取組について、教育長にお伺いをいたします。  以上で総括質問を終わります。御清聴ありがとうございました。 ○委員長(小倉りえこ君) この際お諮りいたします。議事の運営上、時間を延長したいと思いますが、御異議ございませんか。             (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○委員長(小倉りえこ君) 御異議なきものと認め、時間は延長されました。 ○区長(武井雅昭君) ただいまの公明党議員団を代表しての杉本とよひろ委員の総括質問に順次お答えをいたします。  最初に、基金の残高確保についてのお尋ねです。区は、これまで標準財政規模比で5割以上の財政調整基金の残高を維持するとともに、子育て支援や公共施設の整備など、それぞれの目的に沿って基金を計画的に積み立て、活用してまいりました。来年度予算では、堅調な税収見通しを背景に、基幹的な区民サービスの質を維持し、新たな社会課題にも積極的に対応する一方、必要なときに直ちに活用できるよう、震災復興及び新型インフルエンザ等感染拡大防止基金に20億円を積み立てます。今後も、区民生活の支援をはじめ、震災や将来の施設需要への備えとしての基金を計画的に積み立てることで、日々刻々と変化する社会情勢にも積極的に対応できる財政運営を行ってまいります。  次に、予算執行に当たっての区の取組姿勢についてのお尋ねです。区は、来年度予算を効果的、効率的に執行するとともに、計上した施策を速やかに実施し、その成果を区民、商店会、区内中小企業などへ早期に還元してまいります。また、こうした取組を支える財源についても、国や東京都からの補助金など、あらゆる手法により積極的に確保してまいります。新型コロナウイルス感染症や国際情勢により、今後も目まぐるしく社会が変化すると予測をしております。区は、年度途中での突発的、緊急的な行政需要に対しても、基金の効果的な活用と併せ、絶えず事業を見直すことで財源を生み出し、迅速に対応できる機動的な財政運営を行ってまいります。  次に、参画と協働についてのお尋ねです。私は、区長就任以来、区民や地域団体、企業、大学など、地域を支える多くの人の参画を得て、協働の取組を進めてまいりました。一方、地域においては、コロナ禍の影響に伴うデジタルディバイドの顕在化のほか、活動の担い手不足などの課題が生じています。区は、町会・自治会活動のデジタル支援を新たに開始するほか、区内の企業や大学にも地域事業に参加を求め、区民との連携の輪を広げ、まちの活性化や地域人材の育成に取り組んでおります。参画と協働を区政運営の柱に、幅広い連携の力を最大限活用していくことで、区民が誇りに思える、未来へ続く、笑顔あふれる洗練された港区を実現してまいります。  次に、個人情報保護制度の運用についてのお尋ねです。区では、個人情報を適正に管理しつつ、区が保有する自分の情報を知る権利を保障するため、個人情報保護条例に自己情報の開示等請求の手続を定めております。個人情報保護法の改正に伴い、令和5年の春から新たに本人が委任する任意代理人による開示等請求が可能となります。今後、区の個人情報保護制度の趣旨を踏まえながら、代理人による請求などの運用について検討を進めるとともに、個人情報保護制度を区民に幅広く知っていただけるよう、区ホームページの掲載内容を充実し、審査会での答申内容を公開するなど、積極的な情報の発信に努めてまいります。  次に、大規模災害に備えた防災訓練についてのお尋ねです。  まず、コロナ禍における総合防災訓練の実施についてです。これまで地域で行う総合防災訓練につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、参加人数を制限しながらも、区民の防災知識や経験の維持・向上が図れるように、各地域防災協議会メンバーを中心とした避難所運営訓練を実施してまいりました。今後は、ポストコロナを見据え、安全な環境を確保しながら、より多くの区民が防災訓練を通じて災害時リスクを把握し、身の安全を確実に守ることができる新たな実施手法について、区内消防署等関係機関とともに、早急に検討してまいります。  次に、防災訓練への若年層の参加を促す取組についてのお尋ねです。区は、より多くの区民に防災訓練に参加いただけるよう、今年度はシェイクアウト訓練の実施に合わせ、各地区の地域防災協議会の方々が実践する避難所運営訓練をユーチューブ動画で配信し、避難所設営を体感していただいております。今後は、さらに地域で実際に行われる防災訓練への参加が少ない若年層に効果的に呼びかけていくために、広報みなと、区ホームページに加え、LINEやツイッターなどのSNSを活用した発信や、区内大学等への個別周知をするなど、訓練日程や内容を分かりやすく発信し、参加を促してまいります。  次に、シェアサイクル事業者との災害時協力協定についてのお尋ねです。区は、災害時の職員の安全かつ効率的な移送手段として、医療救護活動を行うみなと保健所や、医療救護所が開設される区民避難所を支援する本庁舎、各地区総合支所に公用の自転車の配置等を行っております。今後、より多くの移送手段を確保し、直ちに職員が災害応急対策業務に従事できるよう、早急に港区自転車シェアリングの運営事業者と災害時における協力協定を締結してまいります。  次に、ケースワーカーの課題の抽出と解決策の検討についてのお尋ねです。生活保護受給世帯や生活困窮世帯の抱える課題は複雑化、深刻化しており、相談を受けるケースワーカーの負担も大きくなっておりますが、より実効性のある対応を行うためには、同一のケースワーカーが継続して事案に関わることが重要です。区は、ケースワーカーが安心して働き続けることができるよう、ケースワーカーが抱える悩みや要望を丁寧に聞き取り、課題を抽出するとともに、支援部と各地区総合支所が連携して解決策を検討するなど、ケースワーカーの安定的な体制の維持に向け組織的に取り組んでまいります。  次に、高齢者集合住宅入居者募集のオンライン化についてのお尋ねです。区では、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を契機に、区民向け住宅のオンライン申請を実施をいたします。区立高齢者集合住宅についても同じシステムを活用し、本年11月に予定している入居者募集にはオンライン申請が実施できるよう準備を進めてまいります。実施に際しては、区内各施設のデジタル活用支援員が端末操作等の相談を受けるなど、オンライン申請に不慣れな方へも丁寧に対応してまいります。  最後に、公衆衛生の専門職の確保についてのお尋ねです。区は、これまで新型コロナウイルス感染症に対応するため、感染症専門アドバイザーや新型コロナウイルスワクチン接種専門監などを区独自で任用するとともに、港区医師会や港区薬剤師会とも連携した業務委託や人材派遣制度の活用など、様々な任用手段で専門職の確保に努めてまいりました。区民の健康と安全を守るために、みなと保健所における公衆衛生の業務は、医師や保健師など様々な専門知識を持った職員を任用し、医学的知見を踏まえて対応していくことが必要です。今後も、様々な任用手段を活用するとともに、関係団体と連携し、積極的に専門職を確保してまいります。よろしく御理解のほどお願いをいたします。  教育に関わる問題については、教育長から答弁いたします。 ○教育長(浦田幹男君) ただいまの公明党議員団を代表しての杉本とよひろ委員の総括質問にお答えいたします。  インクルーシブ教育の推進についてのお尋ねです。新型コロナウイルス感染症の感染状況が予測困難な現在、通常の学級の児童・生徒との直接交流を希望されない御家庭が多く、手紙の交換等の間接交流が主となっております。一方、そのような状況の中でも、直接交流を希望した児童は、指定校での音楽の授業で、周囲の児童と一緒に楽器の音を重ねて即興で音楽をつくりました。他の児童は、国際科の授業で、外国人講師や周囲の児童とジェスチャーで交流を楽しみました。これらの活動を通して、互いのよさに気づくなど、理解が深まる様子が見られました。  今後も、こうした直接交流の好事例を各校で共有するとともに、感染症に不安を抱える児童・生徒もオンライン等で交流ができるようにするなど、副籍交流の充実に努めてまいります。よろしく御理解のほどお願いいたします。 ○委員(杉本とよひろ君) 前向きな答弁、いろいろありがとうございました。  以上で質問を終わります。 ○委員長(小倉りえこ君) 公明党議員団の総括質問は終わりました。  議事の運営上、暫時休憩いたします。再開予定は午後5時15分です。                午後 4時52分 休憩                午後 5時15分 再開 ○委員長(小倉りえこ君) 休憩前に引き続き、委員会を再開いたします。  総括質問の質疑を続行します。  次に、共産党議員団を代表して、熊田委員。 ○委員(熊田ちづ子君) 2022年度予算特別委員会に当たり、日本共産党港区議員団を代表して、総括質問を行います。  ふるさと納税についてです。ふるさと納税は、2008年に国会で成立。高額な返礼品の競争激化などの制度のゆがみが問題化し、2019年に、返礼品を寄附額の3割以下にするなどの見直しが行われたものの、依然として特別区民税における減収額は増加しており、2016年度から累計額はついに2,000億円を超えました。23区特別区長会も、ふるさと納税制度は抜本的な見直しが必要としています。三位一体改革によって、本来国が地方交付税で負担すべきところを、地方自治体に負担させているところに問題があります。2021年度、23区への影響額は530億9,000万円。2014年度の57.5倍にもなっています。港区では41億円と、来年度予算の産業経済費を上回る額です。  テレビ等でふるさと納税がばら色に描かれています。23区特別区長会や全国市長会として、国への要請も重要ですが、区民にふるさと納税の問題点等を知ってもらうことが重要です。広報みなと等での特集や、あらゆる機会を通じて、ふるさと納税の問題点と解決策を知ってもらう活動を行うべきです。答弁を求めます。  男子トイレにサニタリーボックスを設置することについてです。膀胱がんを公表されたキャスターが、男子トイレに汚物入れをと声を上げたことなど、男子トイレの個室にサニタリーボックスの設置を求める声が高まっています。  一般社団法人日本トイレ協会は、2月、男性トイレのサニタリーボックス設置に関するアンケートを実施。回答した男性336人のうち40人が尿漏れパッドやおむつなどを使用しており、そのうち約7割がトイレにサニタリーボックスがなくて困った経験があると答えています。  埼玉県さいたま市では、病気などで必要とする人がいるため、本年度中に文化施設とスポーツ施設18か所に設置する予定とのことです。多様性を尊重する社会の実現に向け、区施設の男性用トイレにサニタリーボックスの設置を進めること、答弁を求めます。  プラスチック廃棄物のリサイクルについてです。4月1日からプラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律が施行になります。この背景には、海洋プラスチックごみの問題、気象変動問題、諸外国の廃棄物輸入規制強化や、多様な物品に使用されているプラスチックに関し、包括的に資源循環体制を強化する必要があります。  国からの補助金についてはしっかりと確保するよう準備を進めること。港区は既に全てのプラスチックを回収していますが、環境省から示されているプラスチック使用製品廃棄物の分別収集の手引きに基づいて、区民に分かりやすいパンフレットを作成すること。汚れた容器などが焼却ごみに混入し、廃棄される場合が多く見られます。法の施行に合わせ、分別のやり方を丁寧にお知らせすること、それぞれ答弁を求めます。  戸別収集の拡大についてです。現在、安否確認を兼ね、65歳以上の方、障害者世帯、妊産婦、65歳未満の要介護者、難病医療費助成を受けている方を対象に、戸別に収集しています。2020年度、596世帯です。65歳以上のひとり暮らしの方は、8,403人います。安否確認は重要です。職員を増やし、戸別収集を増やすべきです。答弁を求めます。  紙おむつのリサイクルについてです。区では、家庭から出る紙おむつを年間2,000トン、可燃ごみとして収集しています。今、地球環境を守るために、紙おむつを可燃ごみでなく、リサイクルするための動きが広がっています。港区も早急に紙おむつのリサイクルに取り組むべきです。答弁を求めます。  給水スポットの設置についてです。誰もが取り組みやすいのが、マイボトルの活用です。港区が区施設にマイボトル用の給水スポットを設置し、宣伝することで、ペットボトルの削減に大きな影響を与えることになります。区施設にマイボトル用の給水器の設置を進めること、答弁を求めます。  「ちぃばす」のEV化の推進についてです。区長は、今定例会の所信表明で、「ちぃばす」のEV化を推進すると述べています。「ちぃばす」のEV車は、現在4台です。今年度3台が更新時期を迎えましたが、EV化しませんでした。来年度、更新時期を迎える8台と、2023年度更新時期を迎える4台についてEV化すること、答弁を求めます。  通学路の指定喫煙場所の撤去、密閉化についてです。通学路上の4か所に港区指定喫煙場所があり、早急な改善が求められます。たばこの煙には、5,300種類以上の化学物質など、多くの有害物質が含まれています。毎日通学する児童・生徒は、いや応なしに喫煙の影響を受けます。児童・生徒の健康を考えたら、一日も早く撤去するか、密閉式にするなど、抜本的な対策を実施すべきです。また、教育委員会として、通学路にある指定喫煙場所の撤去などの対策を要求すべきです。それぞれに答弁を求めます。  インボイスに伴うシルバー人材センターの支援についてです。インボイス導入によってシルバー人材センターが受ける影響は、4,000万円になります。1人当たり年間収入は税込み約41万6,000円という零細な高齢者に、消費税を納入せよというものです。納税のために税務署に事業者登録番号を申請し、番号つきの正規の請求書を発行し、7年間保存。毎年消費税の申告、納税をしなければなりません。シルバー人材センターをやめる人が続出する事態を招かないためにも、国にインボイスの中止、延期、見直しを求めること、シルバー人材センターに導入に向けての支援だけでなく、運営が継続できるような資金援助も含めた支援を行うべきです。それぞれ答弁を求めます。
     区施設の自動販売機は、港区心身障害児・者団体連絡会などの関係団体の設置とすることについてです。指定管理施設は211施設になり、多くの指定管理事業者が運営に関わるようになりました。指定管理事業者は、少しでも収入を得ようと、自主事業を提案します。その一つに自動販売機の設置があります。現在、区有施設の自動販売機は165台設置されています。多くは、障害者事業団、心身障害児・者団体連絡会などの設置になっています。  自動販売機の設置についての質問に対し、総務費では、指定管理者からの提案に基づき、区民のサービスを向上することを目的とする場合に承認していると、これまでの経過を無視した答弁でした。民生費では、自動販売機の手数料収入は、団体の円滑な経営活動の貴重な収入減であり、団体支援につながる重要な取組ですと答弁されました。  区有施設の自動販売機の設置については、港区心身障害児・障害者団体連合会の「十年のあゆみ」に詳しく掲載されています。1986年の当時の麻布支所での第1号の設置から、36年間、区が支援してきた障害者団体への設置を守るべきです。答弁を求めます。  「ちぃばす」乗車券は、満70歳になる月の初日から発行できるようにすることについてです。70歳の区民の方に、無料入浴券、「ちぃばす」乗車券のお知らせが届きます。シルバーパスの購入案内も同封され、満70歳になる月の初日から申し込めます。民生費で、「ちぃばす」の無料券も、誕生月の初日から申請できるよう改善すべきと質問しました。課長は、70歳から新たに利用できる「ちぃばす」の乗車券と無料入浴券があり、一度に申請できるようにしているとの答弁でした。無料入浴券は、月単位で枚数を決めています。窓口に前もって申請書を持ってきた場合、誕生日前日に発送しなければならないなどといった事務の煩雑さも防ぐことができます。初日から発行できるように改善すべきです。答弁を求めます。  高齢者集合住宅空き家から入居までの時間の短縮についてです。高齢者集合住宅は、空き家登録者を募集し、空き家が出た場合に入居することができます。2021年度は、募集定員9に対して92名が応募しました。期間内に入居できたのは1名だけですから、倍率は92倍です。今回8月下旬に全居住者が退去し、空き家が出てから鍵の引渡しと内覧ができたのが2月22日。そこからは家賃が発生します。引っ越しが完了するまで二重に家賃が発生することになります。課長は、新たに入居する方が安全で快適な生活を送っていただくためには、おおむね6か月かかると答弁されました。一日でも早く入居ができるよう、短縮すべきです。答弁を求めます。  私立認可保育園を守るための支援についてです。私立認可保育園を守るためには、定員割れが起きても経済的に安定した運営ができるよう、区として補助を継続するよう求めてきました。しかし、区長は、代表質問でも、特別助成の5年間は適正である、5年間で経営の安定化を図ると答弁しました。  定員割れが年々大きくなる下で、経営の安定どころか、職員の一時金も出せないと、頭を悩ませておられる園長先生からも相談を受けています。定員が埋まっていなくても、保育士は確保しておく必要があります。人材確保のためにも、膨大なお金がかかります。区長はほかにも助成をしていると言いますが、建物賃貸料補助はそのまま家賃として支払われるものであり、経営の安定のために積み立てられるものではありません。また、延長保育料補助は、新型コロナウイルス感染症でテレワークなども増えており、延長保育の利用は新型コロナウイルス感染症流行前に比べ減っている中で、これが経営の安定につながることはありません。特別助成の継続こそ、私立保育園を守る道です。  定員割れに対する特別助成を継続すること。しないのであれば、開設から5年経過したところをどのように守るのか、答弁を求めます。  都立病院を守ることについてです。都立病院の独立行政法人化の中止を求める署名は30万筆を超え、3つの障害者団体が都立病院廃止条例の中止を求める要望書を提出。独立行政法人化で東京都の職員7,000人が公務員の立場を奪われる事態も、職員との十分な意思疎通はできていません。ひどい話です。  都立広尾病院について、区長は、区民にとっても質の高い医療サービスを提供している、区民へのサービスが低下することがないよう、東京都に引き続き要請すると述べました。昨年実施をされた都民生活に関する調査で、東京都に対して特に力を入れてほしいことで最も多かったのは、安心できる医療の確保です。私たちは、都立病院の廃止には断固反対です。  人々の命を重んじる立場の行政のトップとして、都立病院を廃止せず、独立行政法人化をやめるよう、東京都に強く要請するべきです。答弁を求めます。  宿泊施設のフロントの設置を義務化することについてです。衛生費で紹介したように、第3種住宅専用地域で、個人住宅と隣接してホテルや住宅宿泊事業が計画されます。これまでの生活が脅かされるのではないか。住民にとっては深刻な問題です。住民にとって最大の不安は、管理人が常駐しないことです。みなと保健所へ寄せられる苦情で多いのは、深夜、テラスで酒を飲んで騒いでいる、宿泊者が毎晩のように騒いでいるといった苦情です。ホテル等で騒いでいても、離れた管理会社では把握できません。住民が一々電話を入れなければなりません。運営する側にとっては、スタッフを24時間常駐させる必要がないことが最大のメリットとうたっています。国が規制緩和後に行った旅館業法の施行状況調査によると、フロントの代替施設を認める改正を行った149自治体のうち、実際認めた事例で認めていない、または事例がないと回答したのは69自治体です。  羽田空港からの利便性もいい港区では、今後、利用が増えることが想定されます。住民の住環境を守る上でも、フロントの設置を義務化すべきです。答弁を求めます。  神宮外苑再開発についてです。神宮外苑の造成に当たっては、国民の献金は約703万円、献木は54種類3,190本、造営に参加した人は、全国青年団から延べ4万3,779人に上ったと記載されています。明治神宮が66.2%、日本スポーツ振興センターが25.5%と、91%以上が国民共有の財産と言えます。神宮外苑の成り立ちからして、企業が参加して進める再開発などあり得ない場所です。気候変動、地球の温暖化が大問題になっているときに、国民が献木した樹齢100年にもなる樹木を892本も伐採する計画です。  この間の報道で、樹木が伐採されることを知り、とんでもないことだと、多くの人が、樹木を守れ、神宮外苑を守れと声を上げています。短期間のうち、オンライン署名が5万1,536人、高校生がイチョウ並木などで集めた署名も6,318名になり、都知事に提出されました。190メートル、185メートルの超高層ビル、80メートルの高層ビルなどから、CO2が年間約4万7,000トンも排出される、地球の温暖化を促進する計画は許されないことです。  伊藤忠ビルが190メートルに建て替えられることで、今以上に風が吹くことが予想されます。青山小学校に通う子どもたちと青山通りを歩く高齢者の安全をどう守るかも問われます。  都市計画審議会で決まったと言いますが、都市計画審議会がどのような権限を持ち、何をやる組織なのか、多くの人は知りません。事業を早く進めたいという事業者の意向を忖度して、日程を進めてきたことも明らかになりました。港区の歴史に汚点を残さないため、計画の中止を求めるべきです。答弁を求めます。  高輪築堤についてです。今から150年前にできたこの高輪築堤の保存について、ユネスコの諮問機関イコモスは、国際的にも非常に重要な遺産だとして、調査に伴う解体をやめるよう求めるヘリテージアラートを出し、JR東日本の社長、武井区長、浦田教育長、清原議長などに文書を送りました。高輪築堤は日本の近代化の出発点であり、日本と英国の技術を合わせた構造物が非常によい状態で残っていると評価し、遺構の重要性を知らない、知らせないまま解体、再開発を進めることは、国や東京都の文化財保護行政上、深刻な懸念材料で、あしき前例を残すとしています。アラートは、世界遺産に匹敵する遺構が壊されそうな場合に出るものです。  イコモスの警告を受け止めて、150年前の遺構、高輪築堤をどうすることがよいのか、イコモスの知恵も借り、今後の進むべき方向を決めていくために、港区も知恵を出すべきではありませんか。区長、教育長の答弁を求めます。  答弁によっては、再質問を行うことを申し述べて、質問を終わります。ありがとうございました。 ○区長(武井雅昭君) ただいまの共産党議員団を代表しての熊田ちづ子委員の総括質問に順次お答えをいたします。  最初に、ふるさと納税の問題点等の周知についてのお尋ねです。ふるさと納税制度の問題点や抜本的な見直しが必要なことについては、不合理な税制改正等に対する特別区の主張を昨年10月の広報みなとでお知らせをしております。また、予算概要においても、返礼品競争による寄附の増加による特別区民税の減収額が増加していることを、グラフなどを用いて分かりやすくお知らせをしております。今後も、ふるさと納税制度の問題点について、区ホームページなどを通じ、詳しくお知らせをしてまいります。  次に、男性用トイレへのサニタリーボックスの設置についてのお尋ねです。病気などが原因で尿漏れ用のパッドなどを使用している方が、安心して外出し、区の施設を利用していただける環境を整えることは重要です。現在、本庁舎などでは、誰でもトイレにサニタリーボックスを設置しておりますが、今後の使用状況などを踏まえながら、男性用の個室トイレの設置についても調査研究をしてまいります。  次に、プラスチック廃棄物のリサイクルについてのお尋ねです。  まず、国からの補助金の確保についてです。市町村が実施するプラスチックリサイクルに要する経費については、特別交付税措置を講ずる旨の通知が総務省からありましたが、具体的な内容については、現在まで情報がありません。今後も、国の動向を注視してまいります。  次に、区民に分かりやすいパンフレットを作成することについてのお尋ねです。環境省が作成したプラスチック使用製品廃棄物の分別収集の手引きを踏まえ、現行の資源プラスチックの分別方法などを変更する場合は、資源とごみの分別ガイドブックの改定などにより、区民に分かりやすく周知をしてまいります。  次に、分別の方法の周知についてのお尋ねです。区は、リサイクル可能なプラスチックが可燃ごみに混入している状況を改善するため、来年度から資源ごみ集積所約7,000か所への表示板の設置や、清掃車へのラッピングによる分別の徹底の呼びかけなどを実施をいたします。また、資源とごみの分別ガイドブックや区ホームページなどにより分別方法を分かりやすく案内し、廃プラスチックの一層の再資源化を推進してまいります。  次に、戸別収集の拡大についてのお尋ねです。近年、区では、高齢者のみの世帯等を対象とした戸別訪問収集の新規申込み件数が増加の傾向にあります。今後、戸別訪問収集の件数がさらに増加した場合においても、必要な体制を確保し、きめ細かなサービスを提供してまいります。  次に、紙おむつのリサイクルについてのお尋ねです。区では、家庭から出る年間約2,000トンの使用済み紙おむつを可燃ごみとして収集しており、これらをリサイクルすることで、ごみの減量に大きな効果が期待できます。一方で、東京都内及び近隣の自治体には、家庭から出る使用済み紙おむつをリサイクルできる施設がなく、資源化施設の確保が大きな課題となっております。今後、使用済み紙おむつのリサイクルの実現に向け、こうした課題への対応や効率的な回収方法等について検討してまいります。  次に、ボトルディスペンサー型の給水スポットの設置についてのお尋ねです。ボトルディスペンサー型の給水機については、マイボトルを持ち合わせていない方は利用ができないことから、区有施設に設置する際には、通常の冷水機との併設や、紙コップを用意するなどの対応が必要となります。一方で、通常の冷水器はマイボトルの給水も可能です。このようなことから、ボトルディスペンサー型の給水機の設置については、今後も研究をしてまいります。また、マイボトルのさらなる普及に向けて、区ホームページやSNSの活用のほか、各種イベント等におけるPRを通じ、積極的に呼びかけてまいります。  次に、「ちぃばす」のEV化の推進についてのお尋ねです。現在、「ちぃばす」については、4台のEVバスを運行しておりますが、このうち経年により更新時期を迎えた2台について、来年度、新型のEVバスに更新をいたします。一方、EVバスの充電には3時間程度必要ですが、「ちぃばす」の車庫にある充電器は2基であることから、運行体制を確保しつつ、更新時期を迎える全ての「ちぃばす」をEVバスに更新することは、充電器が不足するため、困難な状況です。引き続き、運行事業者とも協力し、車庫内の設備環境の改善などに努め、「ちぃばす」のEV化を推進してまいります。  次に、通学路の指定喫煙場所についてのお尋ねです。通学路上の4か所の指定喫煙場所は、浜松町駅、六本木駅など全て駅前の喫煙場所で、周辺で路上喫煙を防止するために設置をしております。道路上の密閉型喫煙所は法令等の制限が厳しく、4か所の指定喫煙場所については、いずれも密閉化が困難な状況であり、指導員による通学時間帯の巡回指導やチラシの掲示などにより、利用マナーの徹底を図っております。引き続き、指導員による巡回指導の強化とともに、代替地の検討や、区の助成制度を活用した屋内喫煙所の整備を推進するなど、子どもが安心して通学できる環境整備に努めてまいります。  次に、インボイスに伴うシルバー人材センターの支援についてのお尋ねです。  まず、国にインボイスの中止、延期、見直しを求めることについてです。区は、小規模事業者がインボイス制度について正しく理解した上で、それぞれの実情に応じて免税事業者と課税事業者のいずれかを適切に選択することが重要であると認識をしております。区としては、制度の中止、延期、見直しを国に申し入れることは考えておりませんが、事業者が制度の内容を正しく理解した上で必要な対応ができるよう、税理士等の専門家による相談会や説明会などの支援策について検討してまいります。  次に、シルバー人材センターの運営継続に向けた支援についてのお尋ねです。シルバー人材センターの取引へのインボイス制度導入に当たっては、消費税の仕入れ税額控除を受けることが困難となるため、全国シルバー人材センター事業協会が、会員やシルバー人材センターに影響が及ばないよう、国への働きかけを行っているところです。区は、現在、こうした動向を注視しているところであり、資金援助を含め、具体的な支援策については、現時点では未定です。今後、具体的な方向性が確認できた時点で、シルバー人材センターに対する具体的な支援策を検討してまいります。  次に、区有施設への自動販売機の設置についてのお尋ねです。障害者団体の皆さんからは、自動販売機の手数料収入が団体を運営していく上で貴重な財源となっているといった御意見をいただいております。区有施設への自動販売機の設置については、設置目的や利用者の利便性などを踏まえつつ、障害者団体の支援につながっていることにも十分配慮してまいります。  次に、コミュニティバス乗車券を誕生月の初日から発行できるようにすることについてのお尋ねです。コミュニティバス乗車券は、満70歳となったその日からお使いいただける乗車券です。そのため、誕生日の前日から申請を受け付け、その日から有効な乗車券を発行しておるところです。引き続き、申請手続の丁寧な御案内に努めてまいります。  次に、高齢者集合住宅の入居までの期間の短縮についてのお尋ねです。高齢者集合住宅は、空き家となってから室内の原状回復工事を行い、施工後の空気環境測定の実施を含めて、次に入居する方が安全で快適に御利用いただける状態であることを確認した上で、入居予定者の審査や利用承認を行い、入居いただいております。現在も入居をお待ちいただいている方が可能な限り早く入居できるよう、各工程を計画的に進めておりますが、指定管理者や工事業者とも連携し、できる限りの期間の短縮に努めてまいります。  次に、認可保育園を守るための支援についてのお尋ねです。  まず、定員割れに対する特別助成の継続についてです。区として私立認可保育園に対する特別助成の助成期間の5年間については、適切なものと考えております。一方、区は、私立認可保育園に対して、国が定める運営費に加え、保育事業者に経常的な負担が生じる保育施設の建物賃借料への補助や、延長保育の利用実績にかかわらず生じる延長保育の人件費への補助などにより、きめ細かく経営を支える支援をしております。引き続き様々な補助制度などを通じて、私立認可保育園の運営を支援をしてまいります。  次に、特別助成を継続しない場合の支援についてのお尋ねです。区は、保育施設の建物賃借料補助や延長保育補助などの補助制度のほか、園長経験者による訪問指導や各種研修、来年度から新たに実施する保育士人材確保支援、社会保険労務士による労働環境モニタリングなどにより、私立認可保育園の運営を総合的に支援をしてまいります。  次に、都立病院を守ることについてのお尋ねです。都立病院は、区民に質の高い医療サービスを提供し、災害医療の拠点としての役割を担うとともに、新型コロナウイルス感染症患者を積極的に受け入れていただいております。都立病院条例を廃止せず、独立行政法人化をやめるよう東京都に申し入れる予定はありませんが、感染症対策等における必要な医療体制については、区民へのサービスが低下することがないよう、引き続き機会を捉えて要請をしてまいります。  次に、宿泊施設にフロントの設置を義務化することについてのお尋ねです。国は、宿泊事業の拡大やニーズの多様化に対応するため、フロントの設置を必須としない営業形態を認めるよう、旅館業法を緩和をいたしました。このことを受けて、区でも平成30年に条例を改正し、この緩和に対応しております。一方で、宿泊客等にトラブルがあった場合に速やかに対応する必要があるため、施設への出入りを常にビデオカメラで監視するとともに、24時間体制で宿泊施設に駆けつけることを義務づけました。引き続き、条例を適正に運営して、近隣住民への配慮や良好な生活環境を確保するよう、事業者を指導してまいります。  次に、神宮外苑の再開発についてのお尋ねです。区は、これまで地域の皆様をはじめ、多くの方々の理解を得るため、事業全体の計画について丁寧な説明に努めるよう事業者を指導してまいりました。また、これまでの説明会等で出された御意見や御要望についても真摯に受け止め、対応を検討するよう求めております。今後も、設計などの具体化に当たり、神宮外苑の歴史ある緑や景観への配慮を求めるとともに、活力と風格のあるまちづくりを進めるよう、事業者を指導、誘導してまいります。  最後に、高輪築堤についてのお尋ねです。第7橋梁とその南北に接続する約80メートルの築堤及びその北側に位置する約40メートルの築堤については、昨年9月に国の史跡に指定されました。また、築堤の保存に向け、建物配置の変更等に係る都市計画の変更が、昨年11月に決定されております。区は、高輪築堤が将来に向けて良好な形で継承され、新しいまちづくりの中で活用されるよう、開発と保存の両立の観点から、関係機関と連携して、適切に対応してまいります。よろしく御理解のほどお願いをいたします。  教育に関わる問題については、教育長から答弁いたします。 ○教育長(浦田幹男君) ただいまの共産党議員団を代表しての熊田ちづ子委員の総括質問に順次お答えをいたします。  最初に、通学路上の喫煙場所の撤去などの対策を要求することについてのお尋ねです。区立学校では、保護者及び警察等と連携し、通学路点検を実施することで、児童の通学路上の安全・安心を確保しております。教育委員会は、子どもの受動喫煙による被害を防止するため、区長部局に対し、通学路上にある喫煙場所の受動喫煙防止策の検討や、代替地の検討等を依頼してまいります。  最後に、高輪築堤についてのお尋ねです。現在、1から4街区の高輪築堤跡については、2月20日の見学会で御覧いただいた高輪大木戸付近の一部を残して、現場での記録保存調査がほぼ終了しております。今後、記録保存調査の結果を報告書に取りまとめるに当たっては、多くの有識者や学術研究団体に御協力をお願いする予定です。引き続き、区民の貴重な財産である高輪築堤跡を様々な形で後世に継承していくため、事業者、文化庁、東京都教育委員会等の関係機関と連携して取り組んでまいります。よろしく御理解のほどお願いいたします。 ○委員(熊田ちづ子君) 何点か再質問と、要望を述べさせていただきたいと思います。  再質問の1つは、高齢者集合住宅についてです。空き家が発生してから入居までの時間の短縮ということですが、高齢者集合住宅の多くは、ほとんど1Kで、居室が60平米ぐらいの広さ、そのようなところが多いと思います。内装工事にどれだけ時間がかかるのか。そんなに多くの時間を要さなくても内装はできるのではないかと思います。施工後の空気環境測定も、測定してから約1週間ぐらいで結果が出ると聞いています。入居を待っている方の高齢者の気持ちを考えると、工事のやり方であったり、工事に入っていく手順であったり、きちんと見直しをして、一日も早く短縮できるのではないかと思います。  完全に検査が終わった後、入居の審査に入るというのではなくて、大体めどが立つ段階で審査の準備に入っていくということでも短縮できると思いますので、工事日程など見直しをしての入居時間、ぜひ短縮をしていただきたい。この点についてはもう一度御答弁をお願いしたいと思います。  それから、ホテル等のフロントの設置の義務化についてです。衛生費の質問の後、管理運営についての事業者の説明会であったり、協定書に向けての話合いの場というのは、みなと保健所の生活衛生課でも努力をしていただいて、事業者を指導していただいて話合いができるめどになりました。その点は本当にありがとうございます。  フロント設置の義務化ですが、千代田区や中央区など、これ、代替施設を認めていない自治体なのですけれども、ここがフロントを設置する、その理由に挙げているのが、善良な風俗の保持のため、宿泊者の確認や、宿泊者名簿の記入、滞在中の注意事項等を対面で行う必要があるためとも述べています。それ以外にもですが、宿泊者の本人確認、宿泊者やその他の利用者の出入りの確認を行うことで、感染症発生時の対応、違法薬物の使用などの宿泊者の安全確保などを挙げています。これ、まさしく住民の方が心配していることなのです。  それで、フロント管理人が常駐することで、これが住民の安心につながっていきます。ビデオカメラ等で監視をすると言いましたが、部屋の中で騒いでいても、部屋の中というのはカメラが据えられるわけがないので、外側や入り口はビデオカメラが設置されるのでしょうが、中で騒いでいることが、住民にとってそれが夜遅くであったり、そのような形で非常に迷惑がかかっているというのが実態です。やはりそのためにもフロントの設置は義務化すべきだと思いますので、答弁をお願いをいたします。  要望は時間がないので、やめます。この2点でお願いいたします。 ○区長(武井雅昭君) ただいまの共産党議員団を代表しての熊田ちづ子委員の再質問にお答えをいたします。  まず、高齢者集合住宅の入居までの期間短縮についてのお尋ねです。これにつきましては、次に入居する方が安全でかつ環境などの快適に御利用いただける状態であることを確認するためにも、一定の期間を用意しておりますが、ただ、工事期間などについては、できるだけ短縮に努めまして、その結果、審査等の短縮にも努めてまいりたいと思います。  最後に、宿泊施設にフロントの設置を義務化することについてのお尋ねであります。御答弁申し上げたように、平成30年に条例を改正いたしまして、旅館業法の改正の趣旨にのっとった対応を取っているところでございます。一方で、区としての独自の要綱を定めまして、近隣の住民の皆さんにも配慮した施設運営が行われるよう、事業者にも働きかけております。引き続き、健全な営業、そして、近隣関係が保つことができるよう、区として努めてまいります。よろしく御理解のほどお願いいたします。 ○委員(熊田ちづ子君) 引き続き、改善するよう取り組んでまいります。  質問を終わります。 ○委員長(小倉りえこ君) 共産党議員団の総括質問は終わりました。     …………………………………………………………………………………………… ○委員長(小倉りえこ君) 次に、都民ファーストの会の琴尾委員。 ○委員(琴尾みさと君) まず、防災について伺います。  今回、ペット同行避難について取り上げさせていただきましたが、ホームページに載っていない情報もいろいろ存在していて、一般の方はあまり知り得ないものもたくさんあるのだと思いました。ハザードマップなど必要な情報の配布や、ホームページなどで公開してくださっているというのもあるのですが、地域ごとに防災のルールがあることや、災害によって避難所が違ったりするなど、随時区のホームページを見てくださいということなのですけれども、なかなか難しい部分があるのかと思いました。  防災は、常日頃から備えていくからこそ、防災として機能するものであって、いざとなったときに確認して避難するのでは、手後れになってしまう可能性もあります。ホームページを確認するためには、インターネットが使えないとなりませんが、災害時にインターネットに接続できないこともあるかもしれません。港区は、高層マンションが多く、人の入れ替わりも多ければ、核家族化で、地域どころか御近所のつながりが薄い方々もたくさんいらっしゃいます。  昨晩のNHKニュースでも流れていましたが、ユーチューブなどを活用し、子どもに分かりやすい防災系動画を面白く、そして分かりやすく自作されている自治体もありました。防災は全員に関わることなので、子どもから大人まで誰でもより分かりやすいような周知も今後取り入れていただければ、より幅広い層の方々に周知できるのではないのでしょうか。  ペットの避難所をはじめ、どのように災害に備えればいいのかという心構えをしておくためにも、いざというときに区民の方々が安全に行動できるよう、防災をより区民目線で分かりやすいように伝えてもらいたいと思いますが、区長の考えを伺います。  次に、所得制限と制度の仕組みの改善について伺います。  日本の経済は、バブル経済崩壊後の1990年代初頭から、失われた20年30年などと言われており、デフレ脱却ができず、長らく経済停滞が続いていますが、その中、民生費の質疑でも多くの議員から発言があったとおり、2月25日に厚生労働省より発表された人口動態統計によりますと、2021年に生まれた子どもは前年比3.4%減の84万2,897人となり、6年連続で過去最少を更新したとのことです。毎年出生数の報道を目にするたびに、私は将来に不安しか感じません。子どもは国力の源であり、子どもが生まれない社会の末路は決して明るいものではなく、経済成長目標を掲げる日本にとって危機的な状況であると思います。  内閣府が専門調査会で実施した少子化に対する調査によりますと、少子化の原因の一つには、女性の社会進出が進む一方で、子育て支援体制が十分でないことなどから、仕事との両立に難しさがあるほか、子育てにより仕事を離れる際に失う所得が大きいことも、子どもを産むという選択に影響している可能性があるとしています。これは、共働き世帯が抱える大きな問題です。経済が長らく停滞しているこの日本で子育てをするには、やはり経済的な負担は大きいと思います。  子どもを育てるために必要な費用は、私的支出と公的支出がありますが、この公的支出については、OECDが2021年9月16日に発表した調査によりますと、2018年の初等教育から高等教育の公的支出がGDPに占める割合は、日本が4.0%で、これは37か国中最下位から8番目で30位で、OECD平均の4.9%を下回っていることが明らかになっています。  また、2018年までは、就学前教育機関における総支出の48%が私的支出であり、日本がOECD加盟国の中で最も高い割合だったとのことです。ちなみに、OECD平均が17%なので、その倍以上という結果です。  先ほどの内閣府の調査でも、日本の少子化への取組は非常に後れを取っているとしています。国の取組も今後さらに期待したいところですが、国による制度の改革は時間がかかります。しかし、子育ての問題は、私たちの生活の中で今起きていることです。少子化は、我が国日本において非常に大きな課題であります。保育の在り方や子育て世帯への助成制度など、子ども政策を時代に即したものに変換し、産みやすい、育てやすい、働きやすい港区へと、ぜひ進めてもらいたいと思っています。  所得制限のことについては、多くの委員からも発言があったので省略させていただきますが、子育ての大変さは所得で分けることはできません。これだけ多くの議員からも声が上がっていますし、また、基礎自治体としても、市長会などで国に声を上げていくべきだと思います。子ども政策として打ち出した10万円給付も、いち早く給付するために、今回、児童手当の仕組みを利用し給付しましたが、この児童手当の制度ができた頃の実態とは違い、古い時代の制度となっていることが浮き彫りになりました。共働き世帯が増加した現代においてなじまず、制度設計も時代に合ったものにしていくべきですし、今後、所得制限つきで児童手当を支給され、コロナ禍が続けば、また給付が必要になることも考えられます。保育の在り方や子育て世帯への助成制度など、子ども政策を時代に即したものに変換し、産みやすい、育てやすい、働きやすい港区へと、ぜひ進めてもらいたいと思っています。  以上を踏まえ、子育てに関する政策について、国に改善要望していただきたいと思いますが、区のお考えを伺います。  次に、保育の質の向上と保育士の確保、定着について伺います。民生費でも、土日休日保育や、以前取り上げさせていただきました夜間保育、病児保育についてですが、働き方が多様し、そして、共働き世帯が増えた現代においては、保育の在り方も変化しているのではないでしょうか。子どもを産んだら仕事を変えないといけないよね、残業できないよね、病気になったら会社を休まないといけないよねなど、共働きの子育て家庭ではぶつかる壁なのではないのでしょうか。その壁を少しずつ社会が助けてあげられるような取組が必要だと思います。今ある制度の中で、パパ・ママは対応しているのだと思います。大勢ではないけれども、需要がないわけではありません。様々な保育ニーズに対して、さらに保育士の待遇改善が進み、保育士が定着し、経験豊富な保育士が増えることによって、区民に対してもさらに保育サービスが充実していくものと思います。  他方、岸田政権が政策の目玉として進める9,000円の賃上げについても、制度上の問題から、実質的には介護士や保育士の所得アップに期待どおりにつながっていないという声も上がっている状況です。これまで港区でも、保育士待遇改善として、家賃補助の上乗せや、令和4年度予算の中でも、保育施設への指導監査をさらに進めてくださるということで、労働環境改善に向けて取り組まれていただけているということは、大変ありがたく思っています。区として、保育士定着に向けて、今後もさらに待遇改善を進めていただきたいと思いますし、この結果が、多様化する社会に対応した保育サービスの充実や、産みやすい、育てやすい、働きやすい港区につながるものだと思います。少子化問題の解消に貢献する都市として、ぜひ港区から新しいモデルをつくっていただきたいと思います。保育の質の向上と保育士の確保、定着について、区長のお考えを伺います。  次に、在宅子育て家庭と保育所について伺います。コロナ禍の影響もあり、子どもの虐待や殺害のニュースが後を絶ちませんが、虐待件数は年々増加の一途をたどっています。ある事件で、親が子育てに悩み、ワンオペ育児で思い詰めてしまい、子どもをあやめてしまったというニュースを見ると、本当に何とかしてあげられなかったのかと胸が痛みます。保育園や幼稚園に通われている方は、社会とのつながりを持っているのですが、在宅で子育てをされている世帯は、社会とのつながりがなく、ワンオペ育児が原因となっていることが多いと聞きます。特にコロナ禍においてコミュニケーションの場である様々な施設や機会が失われていたり、そもそも外出を控える必要があったりと、人との関わりを閉ざされ、いわゆる孤育てをされているお母さんも少なくないと思います。  こういった孤立、孤独と、子育てのストレスから、虐待や、最悪のケースとして殺害に至る場合もあります。その中で、港区は、子育てコーディネーター事業など、子育ての悩み事などを相談できる窓口があることは、本当に大変ありがたいことだと思います。  しかし、時に子どもと少し離れてリフレッシュしたいというニーズもあります。その際、一時保育サービスもありますが、予約が取りづらい状況となっています。また、小規模保育園で実施されている余裕型一時保育の実績などを見ても、利用者数は多い状況です。  他方、待機児童ゼロを実現した港区においては、逆に子どもの数が減って運営が厳しくなっている保育事業者もあるので、地域とのつながりがない在宅子育て家庭とマッチングして、例えば、週に1回や2回でもいいので、定期的に一時保育サービスを利用できるようにすることなど、お互いにメリットが生まれ、親子の健全な保育にもつながると思います。このような取組は、ワンオペ育児で困っている世帯にとっても、事業者にとっても、今後検討していくべきではないかと考えますが、区の考えを伺います。  以上で質問を終わります。御清聴いただきまして、ありがとうございました。 ○区長(武井雅昭君) ただいまの都民ファーストの会の琴尾みさと委員の総括質問に順次お答えをいたします。  最初に、防災を区民目線で分かりやすく伝えることについてのお尋ねです。区は、平時から職員が地域の防災講座や地域防災協議会の会合などに出向き、ハザードマップの確認方法や、防災アプリを活用した防災情報の入手方法などを説明し、お住まいの地域で実際に災害が発生したときの状況をあらかじめ想定していただくなど、個々の生活環境に合わせた周知啓発を行っております。今後も、防災知識を啓発していく際には、区民が必要とする情報を簡単に入手できるよう、各種周知媒体への掲載方法や提供の仕方を工夫をしてまいります。  次に、少子化における子ども政策についてのお尋ねです。  まず、子育て支援に関する国への要望についてです。区では、特別区長会を通じて、国に対して、子育て世帯の経済的負担を軽減するため、子育てに関する制度の改善や財政措置の充実として、子どもの医療費助成制度や子どもの貧困問題を解消するための手当の創設など、国の責任において全ての財源を確保した上で推進するよう要望しております。区は、今後も他自治体とも連携をしながら、機会を捉えて国に対し要望してまいります。  次に、保育の質の向上と保育士の確保、定着についてのお尋ねです。区は、私立認可保育園等の運営事業者への聞き取りを踏まえ、保育従事職員宿舎借り上げ支援事業において、東京都の補助額に区独自の上乗せを行うなど、保育士の確保、定着を支援をしております。また、区では、国の保育士等処遇改善臨時特例事業の対象とならない港区保育室についても、区独自に運営事業者が行う保育士の賃金改善の取組を支援してまいります。引き続き、区内保育施設における保育士の確保、定着を支援し、経験豊富な保育士による質の高い保育の提供に取り組んでまいります。  最後に、在宅子育て家庭と保育所についてのお尋ねです。区は、保育定員に空きがある小規模保育事業所を活用して、今年度から余裕活用型一時保育事業を実施をしております。今後、就学前児童のいる全世帯に実施したアンケート結果により、在宅で子育てをしている家庭の保育ニーズを捉えるとともに、私立認可保育園に対しても、余裕活用型一時保育の実施についての意向を確認するなど、在宅子育て家庭に必要な保育サービスの在り方を検討してまいります。よろしく御理解のほどお願いをいたします。 ○委員(琴尾みさと君) ありがとうございます。本当に子育ての大変さは、所得では区切れないと思います。制度設計から所得制限も併せて国に要望していただけるよう、お願いいたします。 ○委員長(小倉りえこ君) 都民ファーストの会の総括質問は終わりました。     …………………………………………………………………………………………… ○委員長(小倉りえこ君) 次に、街づくりミナトの玉木委員。 ○委員(玉木まこと君) 令和4年度予算特別委員会の総括質問を始めます。  初めに、プロポーザル方式による質の高い公衆トイレの改修について質問します。私は、平成30年第3回定例会一般質問で、港区においても、都心にふさわしい魅力的かつ公共調達として合理的なインフラを将来に残すため、土木学会発行の土木設計競技ガイドラインを参考に、公共デザインへの競争制の導入について要望いたしました。  また、平成30年度決算特別委員会土木費の質疑では、公益社団法人日本建築家協会が発注者支援として関わり、品川区が実施した大井町駅前パブリックスペース設計コンペティションを取り上げ、港区のデザイントイレの検討状況について質問いたしました。  プロポーザル方式は、価格だけで事業者を選定する入札とは異なり、よりよい設計を提案した提案者を選定する方式になります。そのため、募集要項の作成から1次、2次審査と、設計着手の前段階での検討が重要になってきます。  今回は3地区の公衆トイレの改修とのことですが、補足資料、そしてパネルにもありますように、3か所の公衆トイレはいずれも駅周辺で水辺という共通点がありますが、運河沿いであったり、古川沿いの違いや、区民利用が多いのか、在勤、来街者の利用が多いか、また、地区の特性の違いなど、それぞれ条件が異なっています。  そこで質問します。3箇所の条件の違いをうまく生かした魅力的な公衆トイレの改修に期待しますが、今回プロポーザルを行うこととした区の考えと、魅力ある提案内容とするための公募に係る区の方針について伺います。
     次に、(仮称)文化芸術ホールの気運醸成事業について質問いたします。平成29年度決算特別委員会の総括質問で、文化芸術ホールの計画が初めて発表された平成20年から相当の年月が経過しているため、改めて区民に対する気運醸成を行うべきと質問し、区長からは、今後は区民が参画、協働する舞台芸術作品等を制作する事業の立ち上げを通して、気運醸成を図る取組を進めるとの答弁をいただきました。それから3年が経過し、来年度、気運醸成事業が始まることに期待をしています。  そして、昨年11月には、(仮称)文化技術ホールの基本理念である、自らも育つ施設を実現するための課題抽出を目的に、事業者に対するサウンディング型市場調査を実施し、令和4年度には、区民等を対象とした市場構造把握調査を行うとのことですので、こうした調査結果についても公開をお願いしたいと思います。  港区文化芸術振興プランによれば、気運醸成事業は令和4年度に1件、令和5年度2件、令和6から8年度は6件を実施する計画です。初年度の気運醸成事業の概要はまだこれから検討するものと思いますが、多くの区民は、文化芸術ホールが何をする施設なのか、区民ホールとの違いをほとんど知らない、関心を持っていないというのが現状です。補足資料に概要を載せていますので、御確認いただければと思います。  そして、気運醸成事業の検討過程を公開することも、言ってみれば、一つの気運醸成になりますので、竣工までの数年にわたるドキュメンタリー作品をつくるような気持ちで、気運醸成事業の検討段階から区民が参画し、広く情報発信などをする工夫をお願いしたいと思います。  アフターコロナや国際情勢の変化など、区がこれから直面する未知の課題も多いかと思いますが、文化芸術の力を通して、区民のQOL向上や、港区への愛着を育む施策を展開していただきたいと願っています。  いろいろと私の思いを述べましたが、気運醸成事業の始まりが、実質的な文化芸術ホールのスタートだと私は考えていますので、気運醸成事業に対する区長の思いと、現時点での区の検討内容をお聞かせください。  次に、超高齢化社会への政策のシフトについて質問します。民生費の質疑では、寿商品券と長寿を祝う集いに対する事務事業評価について質問しました。私は、事務事業評価を読んで、いよいよ超高齢化社会に踏み込んだのだと強く実感するとともに、事業の見直しを行う区の姿勢に強い意志を感じました。  一般質問で、私は、区長に、住み続けられる港区と高齢者の住宅政策について質問しましたが、超高齢化社会の中では、働ける人には70歳まで働いてもらい、健康かつ生きがいを持って生活してもらうことが重要になります。港区は、いち早く介護予防総合センターや、がん在宅緩和ケアセンターを整備し、超高齢化社会への対応をすべく、健康寿命を延ばすことに取り組んでいただいていることは承知しております。高齢者の住宅需要の増大や介護サービスの拡大など、今後予想される超高齢化社会の課題に対して、どのような政策シフトを行っていくつもりなのか、区長のお考えをお聞かせください。  次に、区有施設の有効活用について質問します。財政が堅調な港区ではありますが、区民税収入に大きく依存する構造のため、経済情勢の影響を受けやすいという都心区特有のリスクも抱えています。以前より自主財源の確保のため、施設の命名権であるネーミングライツの検討をすべきと質問してきましたが、本予算特別委員会の歳入では、港区の特徴的な財源である道路占用料についても、事業者の理解と協力を得る取組について質問しました。  そして、令和3年度は、区外にある未活用区有地について、民間事業者等から提案を募る港区民間協創制度により活用策を模索しました。区の財産を有効に活用することは、将来世代への責任という視点でも大変重要なことと思います。区有施設の中には、周辺の土地利用が進み、立地特性を考えると、もっと有効な活用ができる施設もあると思います。例えば、駅前の利便性の高い位置にあるシティハイツは、民間活用によって、駅前のにぎわいと業務機能の集約といった都市計画上の整備も進めつつ、売却益によるシティハイツの定員拡大などに取り組むことができるかもしれません。  港区は、都心区特有の財政運営の難しさや、基盤整備事業にも多額の費用がかかるなど、区有財産の有効活用という視点は、区有施設整備において検討すべきと考えますが、区長のお考えをお聞かせください。  最後に、区立幼稚園、区立小・中学校という公教育の総合的な充実について、教育長に質問します。令和4年1月31日に文部科学省が公表した「教員不足」に関する実態調査の結果によると、東京都の教員不足は0人でした。東京都の特徴は、小学校の教員雇用形態別内訳で、会計年度任用職員の割合が全国平均1.56%に対し、東京都は2.73%と高く、学級担任の雇用形態別内訳についても、学級担任を正規教員ではなくその他の教員が行う割合が、全国平均0.10%に対して、東京都は0.83%と高い結果となりました。  本定例会一般質問で、私は教育長に、学級運営安定のための取組について質問し、教員の質によらない組織としての学級運営を担う仕組みが重要であると述べました。文部科学省の調査結果を見ると、東京都の小学校の学級担任が正規教員でない割合が高いということと学級運営の安定に相関がないのか、気になるところです。もちろん統計的な数字と学校の現場の学級運営は全く違う次元の話ではありますが、教員の人材確保に課題があることは間違いないことだと思いますので、引き続き、区としても、小・中学校の教員の状況や確保については、学級運営の安定を第一に取り組んでいただきたいと思います。  また、本予算特別委員会では、区立幼稚園の定員割れの状況についても質問させていただきました。現時点で区立幼稚園の将来の在り方について決定した方針があるわけではないとのことでしたが、入園希望者が減少している傾向は、区立小・中学校への進学にも影響が出るものと危惧します。共働き世帯の増加による保育園の選択や、私立小・中学校への受験など様々な要因が考えられますが、区立幼稚園、区立小・中学校における総合的な公教育の底上げが喫緊の課題ではないでしょうか。  現在、区のイベント案内を見ると、幼児向けの講座やイベントが不足しているように思います。幼児向けの講座やイベントを増やす取組を推進するのもいいかもしれません。また、区立幼稚園は学区という概念がないため、入園が抽せんになり、落選した場合、目の前に幼稚園であっても、ほかの幼稚園に通わなければならない状況です。小・中学校では、学校選択制を採用し、特色ある学校づくりを推進していますが、この部活をしたい、この学校で学びたいと、自らの意思で特色ある学校への進学を希望したとしても、入学ができない児童・生徒がいるというのが実情です。  そこで伺います。このように、区立幼稚園から小学校、中学校までの公教育を充実させるため、総合的な変革が求められると思いますが、教育長のお考えをお聞かせください。  以上で質問を終わりにします。御清聴ありがとうございました。 ○区長(武井雅昭君) ただいまの街づくりミナトの玉木まこと委員の総括質問に順次お答えをいたします。  最初に、プロポーザル方式による質の高い公衆トイレの改修についてのお尋ねです。区は、「綺麗で快適。安全・安心で持続可能なまち」を目標に掲げ、取組の一つとして、誰もが安心して気持ちよく利用できる公衆トイレを整備をしてまいります。プロポーザルの実施に当たりましては、多様性や衛生面に配慮した新たな機能や、各地域のシンボルとなるデザインなどについて提案を募り、学識経験者を含めた選考委員会で、最も優れた事業者を選定をいたします。今後とも民間の創意工夫を活用し、清潔できれいなまちづくりを進めてまいります。  次に、(仮称)文化芸術ホールの気運醸成事業についてのお尋ねです。区は、文化芸術ホールへの区民の理解を深め、文化芸術が社会的に果たす役割を広く発信するため、特に力を入れるべき重点的な取組に沿った気運醸成事業を実施をしてまいります。来年度は、重点的な取組の一つである、地域の課題に寄り添い、多様な価値観を認め合う共生社会の実現に向けた取組を踏まえ、文化芸術を活用した地域福祉の向上に関する研究を行うとともに、その成果を反映したシンポジウムなどを実施をいたします。文化芸術ホールが区民の幸せを探求し、愛される施設となるよう、令和9年度の開館に向けた気運醸成の取組を推進してまいります。  次に、超高齢化社会への政策のシフトについてのお尋ねです。区は、高齢者人口の増加による超高齢化社会を迎える中、高齢者が心豊かに健康に暮らし続けられるよう、既存事業の見直しも進めながら、施策の充実に取り組んでおります。今後は、ひとり暮らし高齢者の増加や、ICT化の進展による生活様式の多様化など、高齢者を取り巻く状況変化にも対応し、社会参加に向けたデジタルディバイド対策や聞こえの支援、健康寿命の延伸に向け、介護予防事業の充実を進めます。また、多様な住まいの確保や、在宅生活を支えるサービスの充実など、超高齢化社会において高齢者が安心して住み慣れた地域で生活できるよう、取り組んでまいります。  最後に、区有施設の有効活用についてのお尋ねです。区では、区民ニーズの多様化に的確に対応するとともに、将来的な区の財政負担を軽減するために、区有施設の有効活用と税外収入の確保に努めております。4月に開設する札の辻スクエアは、産業振興センターと三田図書館、民間連携床などから成る複合施設です。2階、3階に整備した民間連携床は、民間事業者に貸し付け、賃料を得るとともに、食を中心とした商業サービスに活用いたします。今後も、区の財産を最大限に活用した施設整備を積極的に進めてまいります。よろしく御理解のほどお願いをいたします。  教育に関わる問題については、教育長から答弁いたします。 ○教育長(浦田幹男君) ただいまの街づくりミナトの玉木まこと委員の総括質問にお答えをいたします。  公教育の総合的な充実についてのお尋ねです。港区では、中学校区の幼稚園、小・中学校を単位としたアカデミーを基本に、幼・小・中一貫教育を推進するとともに、保・幼・小の連携も大切にしております。今後は、小・中学校で先駆的に取り組んでいる国際理解教育を幼稚園にも拡大したり、探求的な学習や体験活動等を通じ、子ども同士が多様な他者と協働しながら、地域とともにある学校づくりにも力を入れてまいります。そのためにも、教員の資質向上を図るとともに、園や学校の組織力を高め、選ばれる公立の幼稚園、小・中学校を目指し、教育の港区のさらなる充実に取り組み、その魅力を分かりやすく発信をしてまいります。よろしく御理解のほどお願いいたします。 ○委員(玉木まこと君) ありがとうございます。  超高齢化社会というところの視点の話をさせていただきました。まだまだ未知な、これからどうなるか分からない社会がこれから続くと思いますけれども、しっかりそれを乗り越えて、子どもたちに明るい未来というものをぜひ提示していただけるよう、教育、そして、区長部局の方でも取り組んでいただきたいと思います。ありがとうございました。 ○委員長(小倉りえこ君) 街づくりミナトの総括質問は終わりました。     …………………………………………………………………………………………… ○委員長(小倉りえこ君) 次に、日本維新の会の榎本茂委員。 ○委員(榎本茂君) それでは、日本維新の会の総括質問を始めさせていただきます。  今から77年前、西暦1945年、昭和20年です。4月5日、ソ連は、日ソ中立条約を一方的に破棄して、8月9日に日本に対して総攻撃を開始しました。同年8月14日に日本がポツダム宣言を受諾し、無条件降伏した後も攻撃はやまず、9月5日まで侵攻は続きました。無条件降伏したにもかかわらず、日本兵57万5,000人がシベリアに抑留され、5年から11年も苛酷な労働、強制労働を強いられ、5万8,000人が死亡しました。この中には、多くの看護士も含みます。これはポツダム宣言に違反する行為です。  そして、現在、ロシアは、不正に侵略した北方領土の返還には一切応じておりません。ロシアとの約束は守られませんでした。この歴史を日本は忘れてはいけません。  ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、この数か月もの間、ウクライナを攻撃して侵攻するつもりはないと繰り返していましたが、2月21日には停戦協定を破棄し、ウクライナに侵攻しました。ロシア軍は、各地で都市の中心部を爆撃し、首都キエフに迫っています。そして、難民の大脱出が続いている。  攻撃しないと約束はしたが、約束を守るという約束はしていないというこのロシアの理屈は、1世紀近く経て指導者や国の体制が変わっても、変わっていないということです。  1991年、ソ連邦から独立を果たしたウクライナは、当時世界第3位の核兵器保有国でしたが、核不拡散条約への加盟と核兵器の撤去を条件として、領土保全、政治的独立に対する安全保障を、アメリカ、イギリス、ロシアの3か国が提供することで合意しました。これがブダペスト覚書です。  フランス、中国も別々の書面で同様にウクライナに安全保障を提供しています。つまり、国連の常任理事国がこぞってウクライナに対し、核兵器の撤去を条件に安全保障を約束したにもかかわらず、この戦争は止められなかった。核保有国が核を威嚇に使うことで、核保有国との安全保障の約束事が機能しないという時代が来てしまったということです。もう核を放棄すれば、核を持つ国から攻められることはないと誰も言えない時代が来たのです。国と国との約束が守られるとは限らない。自国の安全は自国で守るしかない。これが過去の歴史や今回のウクライナから日本が学ばなければいけないことです。  中国の習近平主席は、3月7日、緊迫する国際情勢を念頭に、全軍が戦争準備をしっかり進めるようにと指示したと報道がありました。中国は、南シナ海において力による現状変更を続けており、日本固有の領土である尖閣諸島も自国領だと言い張り、連日のように領海に侵入しています。  日本が1945年9月2日に降伏文書に調印したことで、第2次世界大戦は終わりました。日本が1945年から長きにわたり戦火に巻き込まれなかったのは、日本が憲法によって戦争放棄したからではありません。日本が他国に攻め込まれなかったのは、世界最強の軍隊である米軍が日本に駐留しているから、そして、アメリカの核の傘の下にいたからです。  日本維新の会は、非核三原則、持たず、つくらず、持ち込ませずを否定はしません。しかし、それに加えて、考えず、議論せずという2つが追加された非核5原則になっている今の思考停止状態はおかしいという考え方です。米軍と核のシェアリングを含め、あらゆる可能性を議論すべき時代だと思います。アメリカが持つ核を日本が共同管理することができれば、世界最大の核保有国であるアメリカに核を使用させないという核使用の抑止力にもなる。そして、何より大切なのは、このような議論をすること自体が抑止力になる。  港区平和都市宣言について伺います。核で威嚇することにより、他国との安全保障条約を無力化し、力によって現状変更を行おうとする国に対して、暗に非核三原則を訴えることは、逆に戦争を誘発する間違ったメッセージになってしまうのではないかということを危惧します。平和とは、宣言をして手に入れるものではなく、命がけで国を守り抜くという強い意志こそが、平和を手にする唯一の手段であることは、歴史を見れば明らかです。区長のお考えを伺わせてください。  併せて、港区と議会が行っている米軍基地撤去要請ですが、これも力による現状変更を行うとする国に対して、間違ったメッセージになることを危惧します。今後は、米軍が使用しているヘリポートの日米共同運用も含めて議論をしていただきたい。現実に、東京消防庁が傷病人の緊急搬送で使用しているわけですから、単なる米軍排除ではなく、米軍と共同で運用することによって、新たな使用ルールを決め、互いに騒音や事故を防ぐ利用ルールを確立し、相互監視に努めることは、最も現実的な選択ではないでしょうか。防災上の利用を円滑にするためにも有効だと思います。このような意見も含め、議論をしていただきたい。この議論をお願いしたい。区長のお考えを伺わせてください。  質問は以上です。 ○区長(武井雅昭君) ただいまの日本維新の会の榎本茂委員の総括質問に順次お答えをいたします。  最初に、港区平和都市宣言についてのお尋ねです。昭和59年11月、港区議会において、広島・長崎の悲惨さを繰り返してはならないとして、核兵器の廃絶と人類の恒久平和を目指す港区平和都市宣言を求める決議が、全会一致で採択されました。このことを踏まえ、さきの戦争で区内の約半分が焦土と化した港区として、区民の平和に対する自覚を促すため、昭和60年8月15日に、港区が平和都市であることを宣言し、平和事業を推進してまいりました。引き続き、港区平和都市宣言に基づき、平和への意識の醸成を図り、行動をしてまいります。  最後に、米軍基地撤去要請行動についてのお尋ねです。都心である港区に米軍ヘリポート基地があることで、港区民、とりわけ近隣住民は、米軍ヘリコプターの騒音に悩まされ、事故発生の不安を抱えています。東京都が島嶼地域からの患者の搬送のためにヘリポート基地を使用することは、緊急時の対応であると理解をしておりますが、このことが基地の恒久化につながることを懸念をしております。今後も、こうした観点から、基地撤去に向けた取組を行ってまいります。よろしく御理解のほどお願いをいたします。 ○委員(榎本茂君) 昭和の時代は遠く過去に去り、今、令和の時代で、世界中の安全保障に対する考え方すら根底から変わっている。新型コロナウイルス感染症によって、今までの常識も全て変わってしまった。このような中において、議論を避け、今まで過去に取り決めたことを墨守することが正しいのかどうかも議論しない。これは、私は間違っていると思っております。 時代に合わせて常に議論をする。このことを避けてはいけないと思っております。  質問は終わります。 ○委員長(小倉りえこ君) 日本維新の会の総括質問は終わりました。  以上にて総括質問を終わります。     ─────────────────────────────────── ○委員長(小倉りえこ君) これより令和4年度予算4案並びに一般会計予算に対する修正案、国民健康保険事業会計予算に対する修正案及び介護保険会計予算に対する修正案について、各会派の態度表明を行います。  初めに、自民党議員団を代表して、池田こうじ委員。 ○委員(池田こうじ君) 自民党議員団を代表いたしまして、態度表明をいたします。  まず初めに、風見委員ほか2名の委員から提案されました令和4年度港区一般会計予算、港区国民健康保険事業会計予算、港区介護保険会計予算の予算3案の修正案につきましては、不安定かつ行き当たりばったりとも取れる財源によって、継続性と公平性を欠く福祉政策を進めようとするずさんなものであること、再開発によって、まちの安全や公共空間の確保など公的効果や、世代を超えてよいまちづくりをしようという区民の皆さんの気持ちを理解していないことなどから、反対いたします。  また、港区から提出されております令和4年度予算4案は、財政基盤をしっかり維持しながらも、コロナ禍を乗り越え得る、全国をリードし、輝き続ける港区を実現する、エネルギッシュで意欲的な予算であり、福祉にも手厚い、区民に寄り添う優しさにもあふれている予算と期待しております。  我が会派から提出いたしました予算要望、及び本委員会で質問、提言等を積極的に反映していただくことを前提といたしまして、議案第23号 令和4年度港区一般会計予算、議案第24号 令和4年度港区国民健康保険事業会計予算、議案第25号 令和4年度港区後期高齢者医療会計予算、議案第26号 令和4年度港区介護保険会計予算の予算4案につきましては、原案のとおり賛成いたします。 ○委員長(小倉りえこ君) 次に、みなと政策会議を代表して、横尾委員。 ○委員(横尾俊成君) みなと政策会議を代表して、態度表明いたします。  令和4年度予算修正3案については、再開発に対する考え方の違いなどから反対いたします。  審議の中で、私たちは、コロナ禍でも堅調な税収がある港区だからこそできる、全国をリードするような先進的な事業、そして、子どもを産み育てやすい港区にするための事業のさらなる検討をお願いいたしました。  私たちの会派の委員がほかにも幅広い分野にわたり行った様々な質問や提案が、今後、区の施策に十分反映されることを要望し、令和4年度予算4案につきましては、いずれも賛成いたします。 ○委員長(小倉りえこ君) 次に、公明党議員団を代表して、杉本委員。 ○委員(杉本とよひろ君) 公明党議員団を代表して、態度表明をいたします。  初めに、令和4年度予算修正3案についてでございますけれども、毎回同じように提案される修正案は、その財源を、当初予算から財政調整基金からの繰入れを前提として歳出を増額する案となっております。本来、財政調整基金は、年度間の調整を行い、区財政の健全な運営を行うために設置されているのが本旨であります。先ほど我が会派を代表して、私は総括質問でも取り上げましたが、税収が増えてきたときこそ、中・長期を見据え、将来にわたっての区民の暮らしを守っていくためにも、残高確保に努めるべきであると申し上げてまいりました。  この2年間、新型コロナウイルス感染症で経験したような新たな社会課題にも迅速に対応していくために、一定の基金残高を維持することは必要であり、当然なことであります。加えて言うならば、当初予算の段階から財政調整基金ありきという考え方は、区財政運営の持続性という点では、大きな疑問があります。よって、修正3案については、全て反対をいたします。  続いて、令和4年度予算4案につきましては、これからの港区の進む方向性が明確に示されており、積極的な予算編成となっております。令和4年度予算の審議におきまして、我が会派としての意見、質問、要望、そして提案を述べさせていただきましたが、これらが十分反映されるよう要望いたしまして、令和4年度予算原案4案につきましては、いずれも賛成をいたします。 ○委員長(小倉りえこ君) 次に、共産党議員団を代表して、熊田委員。 ○委員(熊田ちづ子君) 2022年度予算4案の、日本共産党区議団を代表して、態度表明を行います。  新型コロナウイルス感染症の終息がいまだ見通せない中、国内経済はより一層深刻な状況が続いています。東京商工リサーチは、長引くコロナ禍で、中小企業の業績回復が遅れており、政府の資金繰り支援の効果も薄まっていると分析しています。さらに今後は、ロシアのウクライナ侵略に伴う対ロシア制裁の影響も懸念され、原材料や原油価格の高騰などが、内需型産業の収益悪化材料として危惧されるということも指摘をされています。当然、区民の暮らしも厳しさを増しています。  区長は、所信表明で、今こそ区民の命と暮らしを守り、区民の皆さんとともに笑顔と活力あふれる明るい未来を切り開いていくと表明をしています。しかし、実際はどうでしょうか。反省もなく進める巨大開発のまちづくりによって、古くから港区に住んでいた方たちが立ち退かざるを得なくなり、町会や商店街は運営が大変厳しくなっています。  国民健康保険料は、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ、一般会計から繰入れして保険料を抑制したにもかかわらず、介護分も含めた平均保険料は、昨年度の19万4,129円から19万7,687円と、3,558円の引上げになっています。  原材料や原油価格の高騰により、食料品や光熱水費など、生活は軒並み上昇しています。収入が大幅に減少し続ける中、国民健康保険料などの上昇で、さらに負担が増えることになります。  その一方で、大企業が進めている市街地再開発へは、来年度だけでも約43億4,000万円もの税金を投入する予算になっており、大規模開発をより一層推進する姿勢です。  こうした区政を切り替え、区民の暮らし、福祉、教育などを応援する区政に転換する決意を述べ、予算4案には反対をいたします。 ○委員長(小倉りえこ君) 次に、都民ファーストの会の琴尾委員。 ○委員(琴尾みさと君) 都民ファーストの会の態度表明をさせていただきます。  初めに、令和4年度予算修正3案につきましては、財政の考え方や市街地再開発事業は東京都も推進する事業であり、国際都市東京の価値向上を牽引する港区においては、時代の変化に対応したまちづくりが今後も必要であることから、賛同することはできません。よって、修正案3案には反対をいたします。  次に、令和4年度予算4案についてですが、新型コロナウイルス感染症対策も踏まえた港区の成長戦略に基づいた予算であり、これまでも我が党が訴えてきた、子ども政策や福祉、環境、防災などの政策を取り入れていただけることを強く期待いたしまして、予算4案いずれも賛成いたします。 ○委員長(小倉りえこ君) 次に、街づくりミナトの玉木委員。 ○委員(玉木まこと君) 街づくりミナトの態度表明をします。  まず、予算修正3案についてです。一般会計予算ですが、修正案は、市街地再開発事業への補助金を減額する内容となっています。市街地再開発事業については、都心一極集中を促進するような側面もあり、いま一度、港区民の暮らしを第一に考えたときに、どのように区として誘導すべきか、議論が必要な時期ではないかと感じています。そして、再開発に賛同した方がその後も港区に住み続けられるのか、再開発に隣接する地域への影響など課題もあると認識しています。  しかし、その一方で、経済活動の活発な港区にあっては、市街地再開発事業によって誕生する新しいまち、人、文化を受け入れていく姿勢は必要と考えています。一律に市街地再開発事業の補助金削減等をする修正案には反対します。  また、国民健康保険事業会計予算、並びに介護保険会計予算については、制度の趣旨から考えて、国の責任で持続的な制度とすべきであり、一般会計を投入し保険料を減額することは慎重な議論が必要と思います。そのため、2案いずれも反対いたします。  次に、令和4年度港区予算原案ですが、長期化するコロナ禍による危機や深刻化する気候変動 問題、超高齢化社会に向けた持続可能な区政運営などの課題に対し、まちににぎわいを創出し、都心区として輝き続け、区民が港区に誇りを持つ予算ではないかと感じています。今回提案された各事業を実施する職員の方々には、コロナ禍だからこそ、区民や事業者に寄り添い、顔の見える関係を築き、人のつながりを感じることのできる事業運営に期待したいと思います。行政が区民に寄り添ってくれると感じられることが、区民にとって大きな活力になるものと思います。  最後に、これまで街づくりミナトが提言してきた、多様な主体による参画と協働の推進、都心にふさわしいにぎわいと品格あるまちづくり、そして、本予算特別委員会で質問、要望した内容を今後の区政運営に生かしていただくことを再度お願いし、街づくりミナトは、令和4年度予算原案4案をいずれも認定いたします。 ○委員長(小倉りえこ君) 次に、虚偽報道に負けない会の赤坂大輔委員。 ○委員(赤坂大輔君) まず、修正案に関しましては、75歳以上の高齢者医療費ゼロと毎回言っているのですけれども、賛同できない部分が散見されますため、検討の結果、賛成できません。  予算原案に関しましては、将来の港区を志向するにふさわしい、意欲的かつきめ細やかな編成であると評価して、賛成いたします。 ○委員長(小倉りえこ君) 次に、日本維新の会の榎本茂委員。 ○委員(榎本茂君) 日本維新の会として、令和4年度予算に関する態度表明を行います。  次年度予算では、私が平成25年から政治課題として取り組んできた3歳児健診の拡充や、禁煙外来の治療の拡充、分煙効果の高い屋外密閉型喫煙場所の新設など、長年にわたり要望し続けてきたことを盛り込んでいただいたことを高く評価させていただくとともに、感謝を申し上げる次第です。今後とも、移りゆく事態に対応しながら、優先順位を見極め、柔軟かつ臨機応変に予算執行を行っていただくことを望みます。  議案第23号 令和4年度港区一般会計予算、議案第24号 令和4年度港区健康保険事業会計予算、議案第25号 令和4年度港区後期高齢者医療会計予算、議案第26号 令和4年度港区介護保険会計予算、以上4案につきましては、いずれも原案どおり賛成いたします。  修正案につきましては、財源及び都市開発等、考え方が違うため、反対させていただきます。 ○委員長(小倉りえこ君) 以上にて態度表明を終わります。     ───────────────────────────────────
    ○委員長(小倉りえこ君) これより採決を行います。  採決の方法は、起立をもって行います。初めに、「議案第23号 令和4年度港区一般会計予算」について、採決いたします。  まず、本案に対する風見委員ほか2名から提出されました修正案について、可決することに賛成の方は御起立願います。                (賛成者起立) ○委員長(小倉りえこ君) 起立少数と認めます。よって、修正案は否決されました。  次に、原案について、採決いたします。原案について、可決することに賛成の方は御起立を願います。                (賛成者起立) ○委員長(小倉りえこ君) 起立多数と認めます。よって、「議案第23号 令和4年度港区一般会計予算」は、原案のとおり可決することに決定いたしました。     ─────────────────────────────────── ○委員長(小倉りえこ君) 次に、「議案第24号 令和4年度港区国民健康保険事業会計予算」について採決いたします。  まず、本案に対する風見委員ほか2名から提出されました修正案について、採決いたします。本修正案について、可決することに賛成の方は御起立願います。                (賛成者起立) ○委員長(小倉りえこ君) 起立少数と認めます。よって、修正案は否決されました。  次に、原案について採決いたします。原案について、可決することに賛成の方は御起立願います。                (賛成者起立) ○委員長(小倉りえこ君) 起立多数と認めます。よって、「議案第24号 令和4年度港区国民健康保険事業会計予算」は、原案のとおり可決することに決定いたしました。     ─────────────────────────────────── ○委員長(小倉りえこ君) 次に、「議案第25号 令和4年度港区後期高齢者医療会計予算」について、採決いたします。本案について、原案のとおり可決することに賛成の方は御起立願います。                (賛成者起立) ○委員長(小倉りえこ君) 起立多数と認めます。よって、本案は原案のとおり可決することに決定いたしました。     ─────────────────────────────────── ○委員長(小倉りえこ君) 次に、「議案第26号 令和4年度港区介護保険会計予算」について、採決いたします。  まず、本案に対する風見委員ほか2名から提出されました修正案について、採決いたします。本修正案について、可決することに賛成の方は御起立願います。                (賛成者起立) ○委員長(小倉りえこ君) 起立少数と認めます。よって、修正案は否決されました。  次に、原案について採決いたします。原案について、可決することに賛成の方は御起立願います。                (賛成者起立) ○委員長(小倉りえこ君) 起立多数と認めます。よって、「議案第26号 令和4年度港区介護保険会計予算」は、原案のとおり可決することに決定いたしました。     ─────────────────────────────────── ○委員長(小倉りえこ君) 以上をもちまして、本委員会の審議は全て終了いたしました。  この際、私から一言御挨拶を申し上げます。  続くコロナ禍の影響の中、たくさんの区民の方が不安に思うことがたくさんありました。その中でも、自治体港区という存在と役割は物すごく大きくて、たくさんの支援をいただいて助けられた方も多かったと思います。  そして、今可決されたこの令和4年度予算は、皆さんの港区への思いが詰まった予算であると認識しております。我々にとっても、この予算が、区民にとっても、明るく安全で安心な生活につながるような予算であることを期待いたしまして、挨拶と代えさせていただきます。     ─────────────────────────────────── ○委員長(小倉りえこ君) これをもちまして、令和4年度予算特別委員会を閉会いたします。                午後 6時50分 閉会...