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  1. 港区議会 2020-09-10
    令和2年第3回定例会−09月10日-14号


    取得元: 港区議会公式サイト
    最終取得日: 2021-09-21
    令和2年第3回定例会−09月10日-14号令和2年第3回定例会  令和二年 港区議会議事速記録 第十四号(第三回定例会)   令和二年九月十日(木曜日)午後一時開会     一 出席議員(三十三名)       一  番  マック 赤 坂 君      二  番  玉 木 まこと 君       三  番  石 渡 ゆきこ 君      四  番  榎 本 あゆみ 君       五  番  なかね  大  君      六  番  黒崎 ゆういち 君       七  番  小 倉 りえこ 君      九  番  琴 尾 みさと 君       十  番  山野井 つよし 君      十 一番  兵 藤 ゆうこ 君       十 二番  横 尾 俊 成 君      十 三番  丸山 たかのり 君       十 四番  やなざわ 亜紀 君      十 五番  鈴 木 たかや 君       十 六番  土 屋  準  君      十 七番  福 島 宏 子 君       十 八番  榎 本  茂  君      十 九番  清 家 あ い 君       二 十番  杉 浦 のりお 君      二十一番  なかまえ 由紀 君       二十二番  池 田 たけし 君      二十三番  ゆうき くみこ 君       二十四番  二 島 豊 司 君      二十五番  池 田 こうじ 君       二十六番  熊 田 ちづ子 君      二十七番  風 見 利 男 君       二十八番  阿 部 浩 子 君      二十九番  七 戸 じゅん 君
          三 十番  近 藤 まさ子 君      三十一番  杉本 とよひろ 君       三十二番  清 原 和 幸 君      三十三番  うかい 雅 彦 君       三十四番  井 筒 宣 弘 君     一 欠席議員(一名)       八  番  赤 坂 大 輔 君     一 説明員       港   区   長        武 井 雅 昭 君    同 副  区  長        小柳津  明  君       同 副  区  長        青 木 康 平 君    同 教  育  長        浦 田 幹 男 君         芝地区総合支所長                      麻布地区総合支所長       同                野 澤 靖 弘 君    同                有 賀 謙 二 君         街づくり支援部長兼務                    保健福祉支援部長兼務         赤坂地区総合支所長                     高輪地区総合支所長       同                中 島 博 子 君    同                森   信 二 君         子ども家庭支援部長兼務                   産業・地域振興支援部長兼務         芝浦港南地区総合支所長       同                新 井 樹 夫 君    同 みなと保健所長        松 本 加 代 君         環境リサイクル支援部長兼務       同 街づくり事業担当部長     冨 田 慎 二 君    同 企画経営部長         大 澤 鉄 也 君       同 用地・施設活用担当部長    坂 本  徹  君    同 防災危機管理室長       長谷川 浩 義 君                                       会計管理者       同 総 務 部 長        新 宮 弘 章 君    同                亀 田 賢 治 君                                       会計室長事務取扱       同 教育委員会事務局教育推進部長 星 川 邦 昭 君    同 教育委員会事務局学校教育部長 湯 川 康 生 君     一 出席事務局職員       事 務 局 長          佐 藤 雅 志 君    事務局次長            小野口 敬 一 君                                     議 事 係 長          山 口 裕 之 君                                                            他五名             ───────────────────────────       令和二年第三回港区議会定例会議事日程          令和二年九月十日 午後一時 日程第 一  会議録署名議員の指名 日程第 二  代表質問・一般質問        やなざわ 亜紀 議員(自民党議員団)        榎 本 あゆみ 議員(みなと政策会議)        近 藤 まさ子 議員(公明党議員団)        熊 田 ちづ子 議員(共産党議員団)             ─────────────────────────── ○議長(二島豊司君) これより本日の会議を開会いたします。  ただいまの出席議員は三十三名であります。             ─────────────────────────── ○議長(二島豊司君) これより日程に入ります。  日程第一、会議録署名議員を御指名いたします。二十二番池田たけし議員、二十三番ゆうきくみこ議員にお願いいたします。             ─────────────────────────── ○議長(二島豊司君) 日程第二、区の一般事務について、質問の通告がありますので、順次発言をお許しいたします。最初に、十四番やなざわ亜紀議員。   〔十四番(やなざわ亜紀君)登壇、拍手〕 ○十四番(やなざわ亜紀君) 令和二年第三回港区議会定例会に当たり、自民党議員団を代表して、区長、教育長に質問いたします。  新型コロナウイルス感染症は、私たちの暮らしに大打撃を与えました。「コロナが怖い」、「感染したらどうしよう」、「感染させてしまったらどうしよう」、「これからどうなるの」、「どのぐらい続くの」、「いつ終わるの」、こうした不安が二月頃から日々私たちを襲い、社会全体を包んでいき、私たちの生活や心をむしばんでいくのが分かりました。現在もはっきりと先の見通せない中にいます。  私は、この状況下に至り、こうした不安がなかった日々がいかに恵まれていたか、「安心である」ということがいかに幸せなことであったか、「安心」が土台にあるからこそ、人はそこから活力を持って生きていけるのだと思いました。  コロナ危機における世界各国首脳の有事対応はそれぞれ異なり、その過程や結果も大きく違ってきている中で、改めて人々を不安から守り、かつ安心へと導ける政治的リーダーシップは非常に重要だと思いました。  先日、安倍総理が辞任表明を行いました。現在、自民党は総裁選の真っただ中であり、十四日に投開票、すなわちじきに日本の新総理、リーダーが誕生します。新しい総理には、一日も早く国民が多くの安心を手に入れられる政策を、強いリーダーシップを持って全力で進めていただきたいと思います。  私たち自民党議員団は政権与党の地方議員として、区民の皆様のために、地域の声をしっかりと区政に届け、国政にもつなぎ、実現してまいります。  今日、私は少しでも安心の日々を取り戻すため、ウィズコロナアフターコロナ時代における政治、経済、教育、医療・健康、防災の五つの分野で質問をしてまいりたいと思います。  初めに、政治分野、ウィズコロナアフターコロナ時代の区政運営について伺ってまいります。  まず、区政のビジョンについて伺います。先ほどリーダーシップについて触れました。これは国のトップだけではなく、自治体のトップにおいても同じことが言えます。現在、区民の皆様は、区がこれから何をやるのかを知りたがっています。このタイミングで今年度は港区基本計画の最終年度に当たり、現在は来年度からの新基本計画に向けた策定作業をされています。  自治体によっては計画策定を見送り、計画の空白期間が生じることもあるようですが、我が港区では、スケジュールを変更してでも策定作業を進め、また、区民参画組織「みなとタウンフォーラム」からは、提言後に拡大した感染症を踏まえた意見を改めて聞くなど並々ならぬ努力を重ね、来年一月の完成を目指しています。  私は、コロナ禍において港区基本計画を予定どおり策定する意義は、区民が求めている区の取組を知る要望に応えることに加え、港区政への安心感、信頼感を高めることであると考えています。通常の業務や感染症への対応に加えての基本計画の策定は大変な作業だと思いますが、ぜひ頑張っていただきたいと思います。  これまでも武井区政は、新型インフルエンザリーマンショック、東日本大震災などの危機に的確に対応し、多くの教訓も得てきました。六月に行われた港区長選での結果からも分かるように、港区民は、先の見通せない時代の中でも、人々を牽引できる区長の強いリーダーシップ、そして区政のビジョンを求めています。  そこで、来年度四月から新たな基本計画がスタートしますが、武井区長はウィズコロナアフターコロナ時代における区政に対してどのようなビジョンをお持ちなのかお答えください。  次に、区の歳入の根幹をなす特別区民税収入は、新型コロナウイルス感染症による影響で減収となることが想定されます。しかしながら、増え続けている人口に対する行政需要や、コロナ禍により必要な新たな支援への税の投入も必要となり、これまでより高度な行財政運営が強いられます。  そこで、現段階で今後の特別区民税収入をどのように見込んでいるのでしょうか。また、来年度の予算編成についてどのように考えているのかお答えください。  次に、積極的なデジタル行政の導入について伺います。区は、これまでも業務におけるICTの活用に積極的に取り組んでいます。新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて様々な影響が出ていますが、顕著に問題として挙げられることが、会議をはじめとした人と人が触れ合うことができなくなってしまっているという問題です。そこで、これらを解決するためにも、今まで以上にデジタル化を推進することが重要であると考えます。  国においては、七月に内閣官房IT総合戦略室から「IT新戦略(案)の概要〜デジタル強靱化社会の実現に向けて〜」の概要が示されました。また、次期総裁選候補として有力な菅官房長官からは、デジタル庁を設置して各省をまたがるデジタル部局の設置の話も出ている中、我が区においてもさらなる可能性への挑戦が求められると考えます。行政内の手続だけでなく、区民サービスのオンライン化、キャッシュレス化もさらに進めるべきでしょう。日本の中心、東京を牽引するためにも我が区の取組は重要です。  そこで、新型コロナウイルス感染症の影響が次年度の財政にも影響が考えられる中、今後の我が区のデジタル化を中心とした進め方を区長に伺います。  次に、自動消毒ロボットの導入について伺います。コロナ禍により、現在、様々な場所で空間や設備を頻繁に消毒していくことが求められています。港区内でも区役所や総合支所、高齢者や子どもなどの区有施設、保育園や幼稚園、学校での消毒が行われ、特に保育士さんや先生方は、日常の役割のほか消毒業務が追加され、業務過多のために疲弊しているとも聞きます。そのため、学校では消毒のためのボランティアを保護者から募集したりなどして対応していますが、都度ボランティアを集めるのも大変です。  こうした問題を消毒ロボットを導入することで解決してはいかがでしょうか。例えば、自動運転技術やロボットの開発を行う民間企業のZMP社は、新型コロナウイルス感染症対策ロボットとして、自動運転(自律移動)が可能な無人警備・消毒ロボットPATOROに電動噴射器を搭載したモデルを発表し、五月からサービスを提供しています。PATOROは、プログラムで決まったルートを歩行者や障害物を避けて自動走行し、床や手すり、座席、エレベーターのボタンなど、多くの人が触れる場所を定期的に自動消毒できるもので、遠隔操作も可能です。感染危険地域でのリスクや人員不足、作業者を介してのさらなる感染などの低減に貢献します。また、もともとは警備ロボットなので映像撮影や不審な動きへの警告などもできるそうです。  現在、日本では月島駅でも実証実験が行われていますが、港区においてもこうした自動消毒ロボットを導入してはいかがでしょうか。区の見解を伺います。  次に、新型コロナウイルス感染症と正しく向き合うための正しい情報の伝達について伺います。改めて言うまでもなく新型コロナウイルス感染症は人類に大きな影響を与えました。これまでの生活を根底から覆すがごとく感染拡大を続けていたこのウイルスは、かつてのSARS、MERS、インフルエンザとも違う恐ろしさがあります。そして、その影響は、現在も人々の心に少なからず与え続けられています。これまで育まれていた人々のつながりをも分断する恐ろしさがあります。  ただ一方では、初期の段階に比べると、我が国においては一定程度の対応力も出てきており、重篤な被害を受けているといった報道は少なくなってきているとも思います。しかしながら、相変わらず特効薬やワクチンがない状況では、以前の暮らしにシフトすることは困難な状況にあることも事実です。また、仮にワクチンが開発されたとしても、人々の心に受けたダメージを拭い去るには一定程度の時間が必要であると思います。見えない脅威におびえ、このままの生活をいつまでも続けることは精神的にダメージがあるので、改善できることがあるのであれば、僅かでも行うべきと考えます。  また、新型コロナウイルス感染症の影響は、特に高齢者へのダメージが大きなことは、これまでの状況からも明らかであろうかと思います。国においても、六十五歳以上の高齢者や基礎疾患等を有する方が重症化するリスクが高いとの見解も示されていますし、安倍総理からも重症化リスクが高い人に重点を置いた対策に転換する必要があるとの発言もありました。そうした観点からは、高齢者施設の管理運営を行っている区においては、さらなる手だてが必要になると考えます。具体的には、施設を利用する高齢者はもとより、管理運営に関わるスタッフをはじめとした関係者のPCR検査など、さらなる感染拡大への予防対策が挙げられると思います。この点は、国の方針にも合致いたしますので、ぜひ積極的に行っていただきたいと思います。  日々変わると言ってもいい新型コロナウイルス感染症対策は、正しい情報をつかみ対策を講じることが大切です。多くの区民の皆さんの情報源は、四六時中報道されているテレビのワイドショーをはじめとした情報番組です。しかしながら、その実情は、毎日更新される陽性者数やウイルスの脅威ばかりにフォーカスされたものが多く、それらの情報ばかり与え続けられれば、健康な人も精神的にまいってしまいます。  そこで区には、正しい情報をさらに力強く発信していただきたいと思います。区では広報みなとの活用やみなと保健所のアドバイザーの方のユーチューブでの動画配信など、努力を続けていただいていることは承知しておりますが、情報弱者である一人暮らし高齢者をはじめとした必要以上に不安を感じている方々への取組を、さらに踏み込んで考えていただきたいと思いますが、区長の考えをお聞かせください。  経済の分野で質問してまいりたいと思います。  まず、区内経済の現況と対策についてです。内閣府が九月八日に発表した四月から六月期の国内総生産(GDP)の改定値は、物価変動を除く実質で前期七・九%減、年率換算では二八・一%減、新型コロナウイルス感染症の影響で戦後最悪だった速報値から悪化幅が拡大しました。このGDPは多くが東京都で生み出されており、その経済の中心地である港区の経済対策は、日本の経済において大変重要です。区内経済の状況ですが、港区中小企業の景況令和二年上半期を拝見いたしました。業況は想像をはるかに超えた落ち込みに胸が痛みました。  業況のディフュージョン・インデックス(DI)は業種全体で一月から三月期がマイナス三十六・六ポイント、四月から六月期に至ってはマイナス六十八・三ポイントとなっています。区がこの中小企業の景況調査を開始したのは、平成二十年九月のリーマンショックに端を発した経済悪化を国や東京都の調査ではなく、区独自の視点で分析を行う目的だったとお聞きしています。  第一回目の平成二十一年四月から六月の調査では、業況DIは業種全体でマイナス四十四ポイントでした。DIというのはあくまで印象点ですから、一時点だけを取り出しても多くは見えてきませんが、リーマンショック時から現在まで連続的に調査が行われているため、その意味の重みが違います。現在の区内中小企業の皆さんは、リーマンショック時と比べて一・五倍程度業況が悪化していると認識されているということです。また、今回の特徴として、全業種でマイナス幅が広がっており、特に飲食業や宿泊業ではマイナス九十ポイント以上になっています。  新型コロナウイルス感染症の影響がどの程度続くのか。不透明な時期ではありますが、そうであればこそ区には、地域経済の再生に積極的に取り組んでいただきたいと思います。区内経済の現状と対策について、区長の考えをお聞かせください。  経済の視点からの女性活躍支援について伺います。四月九日、国際連合は、新型コロナウイルス感染症の女性への影響について報告書を発表しました。報告書は、新型コロナウイルス感染症が及ぼす悪影響は、健康から経済、安全、社会保障に至るまでのあらゆる領域において、単に性別だけを理由として、女性及び女児にとって大きくなっていることを指摘し、女性への影響を踏まえた政策的対応の重点事項を示しています。  具体的に実生活を振り返ってみましても、保育園登園の自粛、学校休業や学童利用の自粛による子どものケア、医療が逼迫する中で家庭内の高齢者や病気の患者のケアなど、無償ケアと呼ばれるそれらが、特に働いている女性の方には重くのしかかりました。また、雇用においても、女性の多い宿泊業、飲食業、小売業などは、緊急事態宣言、三密を避けるための休業要請や自主休業、営業時間短縮で大打撃を受け、社員、特に多くのパートタイム労働者や非正規雇用の女性社員が働く場を失いました。また、比較的女性が多いエステやサロン、鍼灸師、ヨガ講師など、店舗継続を断念した女性店主や個人経営者も多くいると聞いています。  九月六日の日本経済新聞と総務省の労働力調査によると、就業者の減少が目立つのは対面型のサービス業や小売業で、やはり、特に女性の落ち込みが激しく、前年同期からの変化を四月から七月の平均で見ると、女性は宿泊業・飲食業で二十八万人減、生活娯楽で十四万人減、卸・小売業で十一万人減となりました。男性の減少はそれぞれ十万人以下でした。これらの業種は非正規の女性が多く、雇用調整の対象となりました。女性の雇用者全体(季節調整値)は、七月に二千六百六十三万人となり、二〇一九年末から三・二%、八十七万人減りました。男性は〇・八%、二十六万人減と、減り方が全く異なります。このようにコロナ禍は女性の多い内需型産業を直撃しました。  私はこれまで、少子化が進む日本において、持続的に経済が発展するためには女性が働くことが必須だと、議員になった当初から十年、政策の一環として何度も述べてまいりました。その後、政府も女性活躍を政策の目玉として掲げ、日本の就業者数は一九年末までの七年間で四百九十七万人も増え、緩やかな景気回復を支えましたが、女性はその七割を占めております。女性の就業が失速すれば、潜在成長率も低下します。昨今、ほぼ実現、もしくは実現目前にあったM字カーブの解消が再び後戻りすることのないよう、何より実際に苦悩している区民の支えとなるよう、経済の視点からの女性活躍支援を重層的に推進していただきたいと考えますが、区の見解をお聞かせください。  新たな港区ブランドの創出について伺います。このコロナ禍で港区内の経済を活性化させていくためには、既に港区にある貴重な資源を生かして、新たな港区ブランドを創出していくことも大切と考えます。コロナ禍以前より日本は少子化が問題ですが、これには結婚して子どもを持ちたいと思う男女の数が減ったことや、そもそも男女の出会いの場がないといった問題点もありましたが、このコロナ禍による影響で出会いの場はますます減っていると聞きます。また、このコロナ禍によりウエディング業界も大打撃を受けています。このマイナス面を港区で応援し、さらに新たな港区ブランドをつくることができるのではないかと思いましたので、質問したいと思います。  まず、港区ならではの婚活イベント「出会い応援プロジェクト」の今後についてです。港区では、平成二十八年度より、港区で結婚や異性との出会いを求める方を対象に「出会い応援プロジェクト」を実施してきました。若い世代の結婚への動機づけと出会いの機会を提供するため、婚活セミナー及び交流イベントを開催し、結婚を希望する若者の将来的な結婚を応援することを目的に、区内在住または在勤・在学の独身男女、おおむね二十歳から四十四歳まで対象年齢を変更しながら全十二事業が実施されました。まずは、本事業の成果を区長はどう捉えているかを伺います。  次に、現在のコロナ禍において、婚礼産業は大打撃を受けています。港区内には大小問わず様々な結婚式場、婚礼会場、レストランウエディング施設を有しています。特に青山地区や白金地区は、日本でもまれに見る婚礼施設の集積地です。これらの婚礼施設の方から話を伺いますと、新郎新婦は挙手を行いたくても、参列者を婚礼施設や会場という空間に招待することをためらったり、遠方に住む高齢の参列者を東京に連れてくることに不安を感じることもあり、人生の門出を祝う機会にも新型コロナウイルス感染症という見えない敵が立ちはだかっています。  このように新型コロナウイルス感染症により挙式ができない、または延期せざるを得ない新郎新婦を応援することは、「出会い応援プロジェクト」の現在の進化系であり、港区が推進する結婚を希望する若者の将来的な結婚を応援することにつながると考えます。結婚式場、婚礼会場、レストランウエディング施設と港区が新型コロナウイルス感染症への各種感染対策を共に乗り越えて、ウエディングを止めるなという取組を行うことで、港区がウエディングの聖地になっていくことは、港区の観光振興、商店街振興、全国連携推進、企業連携推進等、様々な分野においてインバウンドの落ち込みをカバーするポテンシャルであり、「子育てするなら港区」と同様に、「ウエディングするなら港区」という新たなブランドが誕生する可能性を感じるのですが、区長の見解を伺います。  続いて、教育の分野でお伺いします。  まず、教育長の所信表明について伺います。平成二十七年、教育委員会制度改革が行われ、区長と教育委員会で構成される港区総合教育会議が設置され、また、それまで別々に存在していた教育委員長と教育長を一本化した新教育長が設置されることになりました。翌年、初代の新教育長には青木現副区長が任命されましたが、前回の第二回定例会で浦田教育長の任命同意が行われ、二人目の教育長を迎えたところです。  それまでの教育長は、区長が直接任命しておらず、教育委員会が委員の中から任命することとなっており、さらに教育委員会の会議を主宰し教育委員会を代表する教育委員長が別におり、責任体制が明確でないと言われていました。この改革により、区長が直接教育長を任命することになり、任命責任が明確化されるとともに、教育委員長と教育長が一本化され、第一義的な責任者が教育長であることが明確になり、緊急時にも常勤の教育長が教育委員会の招集のタイミングを判断できるようになりました。  また、港区総合教育会議の設置により、区長が教育行政に果たす責任や役割が明確になるとともに、区長が公の場で教育政策について議論することが可能になったほか、区長と教育委員会が協議・調整することにより、両者が教育政策の方向性を共有し、一致して執行に当たることが可能になり、地域の民意を代表する区長と教育委員会との連携が強化されるようになりました。  港区総合教育会議では、予算や条例提案等に加え、保育や福祉等の区長の権限に関わる事項等について協議し調整を行うほか、政治的中立性が求められる事項は別ですが、教育委員会のみの権限に属する事項についても自由な意見交換として協議を行うということが想定されているとのことです。区長と教育委員会との連携が求められる事項は多く、企画経営部長など区長部局での経験も豊富な浦田教育長に期待するところは大きいと思います。  新教育長制度導入に伴い、教育長の任命の議会同意に際しては、新教育長の担う重要な職責に鑑み所信表明を行うことも考えられましたが、なかなかそのような機会が持てないため、この場で所信をお伺いしたいと思います。  そこで質問は、新教育長制度になって初めて教育長の交代が行われましたが、これからの教育行政にどのように取り組んでいくのか、教育長にお伺いします。  不透明で混沌とした時代を生き抜く力をつける教育について述べたいと思います。日本の学校教育において批判を受ける点は、暗記型、知識偏重型、個性よりも同調・協調、限られた教科のテストでよい点数を取ることがよしとされる偏差値重要視型、授業は先生からの一方向で受け身型、管理や統制型などがあります。そして、それで評価される受験も早い段階では幼稚園から、小学校、中学校、そして高校、大学と各進学の段階で行われています。受験は塾や習い事も含め、親との関わり方、家庭での過ごし方も変わってきます。  ところで、九月三日、国際連合児童基金(ユニセフ)は、先進・新興国三十八か国に住む子どもの幸福度ランキングを公表しました。日本は総合二十位で、体の健康の分野では一位となる一方、精神的な幸福度が何と三十七位と最下位レベルでした。精神的な幸福度は生活満足度と自殺率で指標化し、一位は、総合でも一位であったオランダで、十五歳の子どもの生活満足度が高い割合は九〇%、日本は六二%でした。また、十五歳から十九歳の十万人当たりの自殺率は、ギリシャは一・四人と最少で、日本はその約五倍の七・五人と多いものでした。  一方、国内を見ますと、九月四日、民間のシンクタンクの一般財団法人日本総合研究所が発表した全国の都道府県の幸福度ランキングでは、全国一位は三年連続で福井県。女性の働きやすさなどの仕事と教育の指標で特に評価が高く、教育においては、子どもの運動能力や不登校児童の少なさが一位、小中学生の学力も三位と高い水準のようです。このランキングは、三位の東京以外では、北陸三県などが上位を占める結果となっているのですが、日本総合研究所は、「北陸各県は、子どもが健全に成長できる教育環境のよさが特徴で順位を押し上げている」と評価しています。このことからも子どもたちの幸福度には教育が大きく関わっているのではないでしょうか。もちろん教育は学校内だけのことではありませんが、ユニセフの結果にあった日本の子どもの最低レベルの精神的な満足度について、それを上げていくためにも、多くの時間を過ごす学校において学校教育の在り方を見直していくべきではないでしょうか。  その理由はほかにもあります。コロナ禍の前から学校教育と現実社会との乖離などが問題点として挙げられていましたが、確かに日本の教育を受けて育った子どもたちは社会に出ると、会社の上司からは「主体性を発揮しろ」、「個性を発揮しろ」、「創造性を出せ」などと今まで求められてこなかったことを言われ続けたりします。そしてこのたび、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防ぐため三月より休校となりましたが、長い休校を通じて、「子どもが全然勉強してくれない」、「主体的に学んでくれない」、「自律的に学びに取り組めない」、こういった声はあちこちでよく聞かれましたが、これまで受け身で一方向の学びが中心であり、管理や統制に慣れてしまっている教育を受けてきている中で、まだ未成熟な子どもたちが自学自習のスキルやマインドセットを十分に備えていないのは当然であると気づきました。子どもたちのモチベーションや好奇心、創造性といった能力の大切さが浮き彫りになったと思いますが、こういった能力は、現在の日本の教育の在り方では、一部の子どもを除き、なかなか身につけ難いように思います。  新型コロナウイルス感染症や台風などの疫病・災害、AIの急速な進化など、社会の変化を予測しづらい昨今、将来がどう変化していくのか、予測は非常に困難であり、この時代に生き抜いていける人物とは、自ら考え行動する力、空想する力、生み出していく創造性、共感力、豊かな人格や態度、価値観などを備えた非認知能力こそが重要となってきます。そのため、これまで述べてきたような問題が出てきている中、子どもたちの今の幸せ、そして子どもたちの将来の幸せのために、現在の教育の在り方が子どもの幸せにつながっていきづらいとすれば、そうした教育の在り方は大胆に変えていくべきだと思います。  そこで、先ほど述べた非認知能力を伸ばしていく教育を、ぜひ港区で積極的に推進していただきたいと思いますが、教育長の見解をお伺いします。  あわせて、GIGAスクール構想の推進により、十月には全港区立の小・中学校にiPadが一人一台配布され、十二月には双方向での授業もスタートしますが、オンラインの学びはプロジェクト型学習など非認知能力を伸ばすためにも十分に生かされていくと思います。オンライン学習の今後の展開や可能性についてお伺いします。  続いて、オンラインといえば生涯学習にも欠かせない図書館についても質問したいと思います。港区立図書館は、緊急事態宣言前の三月二十八日から、新型コロナウイルス感染症が東京都内で急増していることを受け、区民の感染予防の視点から臨時休館としました。区民の方々からは、臨時休館となる前には、図書館に行きたくても感染が怖くて図書館に行けないという声、図書館利用に当たっては感染への不安の声が様々あり、一方、休館後は、予約貸出し等の一部業務の再開要望や休館をしないでほしいとの声もありました。本を読みたい、楽しみたい、学びたいという区民の気持ちをかなえるために千代田区のような電子図書館を港区でも実施すべきだと考えます。  千代田Web図書館はインターネット上の図書館で、利用できるのは千代田区に在住・在勤・在学で千代田区立図書館利用登録済みの方のみですが、二十四時間いつでも電子書籍の貸出しを行っており、緊急事態宣言下での外出の自粛要請が出ている中、来館なしで本を借りられる仕組みは大変好評で、港区でも実施してほしいとの声を多数いただきました。こうした新しい図書館の在り方について、教育長の見解を伺います。
     次に、医療・健康の分野について伺ってまいります。  まず、新型コロナウイルス感染症インフルエンザの同時流行の場合の対応についてです。先月、日本感染症学会は、新型コロナウイルス感染症インフルエンザの同時流行における対応について提言書をまとめました。その中でも最大限に警戒すべきことは新型コロナウイルス感染症インフルエンザが同時流行した場合であり、現時点で新型コロナウイルス感染症のワクチンはまだ開発されていないことから、同時流行の可能性に向け既存のインフルエンザワクチンの接種を強く推奨するとのことです。  厚生労働省もインフルエンザ予防接種を推奨しており、特に六十五歳以上の高齢者、医療従事者、持病があるなどのリスク群、乳児から小学校低学年までと限定されている供給量から優先度を定め、接種を呼びかける方針が検討されていると聞いています。  港区においてもインフルエンザ予防接種が無償または助成対象となる制度が設けられ、今月末には対象者に向け、高齢者には接種予診票が、子どもにはお知らせが送付される予定です。対象者は六十五歳以上の区民、六十歳から六十四歳までの対象とされる基礎疾患や障害者手帳を持っている区民、また、昨年度より開始された接種費用助成対象となる中学三年生までの区民とされ、日本感染症学会や厚生労働省が呼びかける接種推奨群への支援が整いました。  そこで、今年から来年に向け、例年以上にインフルエンザ予防接種が推奨されていることを周知する必要があると思います。より多くの区民へ接種勧奨をしていただきたいのですが、周知・啓発の工夫について伺います。  また、特徴的な症状がない場合、新型コロナウイルス感染症インフルエンザは検査以外に判別は困難です。発熱性疾患が多数あることから、医療機関や保健所がこれまで以上に混乱することは避けなくてはいけません。厚生労働省は都道府県に対し、十月中に両方の検査が可能な協力医療機関の指定を定める方針を示しました。  港区は都内でも医療機関数が多く、医師会の協力を得ながら独自で体制整備ができるのではないかと考えますが、インフルエンザ流行期において、行政を含めた役割分担をどのようにしていくのか方向性を伺います。  次に、予防接種率の向上について伺います。予防接種は個人を守り、接種する人数を増やすことでコミュニティ内での感染拡大を防ぐ。そして、感染拡大を防ぐことによって予防接種を受けたくても受けられない人たちを感染症から守るという、大きく分けて三つの意義があります。  予防接種には定期と任意があり、その中でも免疫の未熟な乳幼児のための定期予防接種の種類と頻度は多く、母子手帳アプリなどでスケジュール管理の手助けとなるよう利便性の向上に努められていますが、成長するにつれ、小学校入学年齢の前後になると定期接種が減り任意接種が多くなるため、予防接種自体の認識が希薄になっているのが現状です。  インフルエンザ新型コロナウイルス感染症が同時に流行する可能性があるこの機会に予防接種全体の啓発を行い、定期及び任意予防接種率を高めていくべきと考えます。その中でも特に保育園や幼稚園、小学校や中学校において集団生活を送る時間の多い環境での予防は、感染拡大防止の点においても非常に重要でありますが、小児への接種は保護者の価値観に大きく影響されます。チラシなどでの周知のほか、未接種者への個別勧奨を行っていただいていますが、専門家等による予防接種についての情報提供や不安を感じる方への相談が可能となるような取組も並行してよいのではないかと思います。  全ての区民にかかりつけ医を持っていただきたいですが、まだその割合は残念ながら多くありません。特に定期予防未接種の子どもがいる家庭においては医療機関に足を運ぶ頻度も少ないと思われます。予防接種率を向上するための保護者に向けた保健予防体制づくりについて、区の見解を伺います。  次に、コロナ禍におけるスポーツの推進について伺います。  昨今は、今年開催予定であった東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて、区民がよりスポーツを楽しめるよう、また、スポーツをしない方へ向けてもスポーツに親しむための気運を盛り上げてきた日々でしたが、二月より新型コロナウイルス感染症の拡大防止の本格化や緊急事態宣言により、そうした機会が失われ、現在も運動・スポーツの実施に不安を持っている方もいらっしゃるかと思います。  一方で、「新しい生活様式」として中長期にわたり感染症対策と向き合う中で、身体的及び精神的な健康を維持する上では体を動かしたり、スポーツを行うことが必要不可欠です。しかしながら、現在、これまで利用できなかった反動からか、スポーツセンターをはじめとした運動施設への需要が一層高まり、再開直後は混雑する状況も見受けられました。こうしたことへの解消や区民が安心し参加できるよう、屋外でのスポーツができるメニューをさらに増やしていってもらいたいと思います。  そこで教育長にお尋ねします。コロナ禍で出てきたスポーツを推進する上での課題や解消策についての教育長の見解を伺います。  コロナ禍での高齢者の健康維持について伺います。  武井区長は、緊急事態宣言発出下の四月二十七日、七十五歳以上の高齢者約二万三千人に対し、感染予防対策の御案内とともにお困り事を御相談いただくためのはがきを送付し、はがきを受け取った高齢者から切実な声や感謝の声が多数寄せられたと伺いました。そうした声を受け止め、高齢者の皆さんの生活を支援するため、高齢者向けの買物支援が実施され、約五百名、延べ五千五百件の利用があり、コロナ禍における高齢者の生活面を支えていただいています。  しかしながら、外出の抑制が長期間に及び、高齢者の身体機能面、認知機能面の低下を防止するためのさらなる施策が必要と考えます。現在、ラクっちゃから自宅でできる簡単な介護予防運動の動画なども配信されていますが、インターネット環境が整わない高齢者向けにオンラインの環境整備支援や、引き続きケーブルテレビ(ジェイコムチャンネル港・新宿)の活用などを検討すべきと考えます。思うように外出できないことから、人との接触や会話が減ることで認知機能が低下することも懸念されており、オンライン環境の整備はその一助になるものと考えます。  また、自宅で運動する際の熱中症対策は必須です。この八月は熱中症で亡くなった方が過去最多となったと聞いています。そのうち高齢者が大半を占め、ほとんどが室内でエアコンを使用していなかったとのことです。エアコンの使用推奨をさらに周知することと併せて、エアコンが設置されていない家庭の支援を行うべきと考えますが、区の考えを伺います。  最後に、防災の分野についてお伺いしてまいります。  まず、新型コロナウイルス感染症拡大時における災害対応についてです。コロナ禍での自粛要請や緊急事態宣言期間中にも何度か地震があり、今週も台風による自然災害のおそれがありましたが、地震大国の我が国、また、台風やゲリラ豪雨などの自然災害も増えてきている昨今において、新型コロナウイルス感染症の感染拡大は、感染症の拡大時における災害対応の可能性について警鐘を鳴らしました。  特に、今後三十年の間に七〇%の確率で起きると言われている首都直下地震が感染症の拡大時に発生することがあれば、区民の安全確保の困難性や自治体の負担や責任の莫大な負担は想像に難くありません。この日曜日から今週初めにかけて台風十号が九州に接近し、大きな被害が出ました。被害に遭われた皆様にお見舞いを申し上げます。  こうして感染症と自然災害に同時に襲われる事態が現実に生じていることを踏まえ、テクノロジーを駆使して効率的・効果的に災害に対応することが喫緊の課題です。港区地域防災計画の見直しや修正も必要になってくるかと思います。感染症の拡大時における災害対応について、区の見解を伺います。  次に、電線類地中化の今後の取組についてお伺いします。先ほど台風十号について触れましたが、その前の台風九号が接近した沖縄では風速四十メートルを超える風が吹いたり、今年の梅雨明けの前の七月には西日本を中心に豪雨により甚大な被害が発生するなど、年々異常気象による自然災害が頻発しています。  台風といえば、昨年九月に千葉県に上陸した台風十五号は、関東南部を中心に最大約九十三万四千九百戸の停電や建物の全半壊等約五万八千戸など大規模な被害が発生。区内でも強風による街路樹などの倒木が多く発生しました。特に千葉県内では、電柱倒壊により広範囲で一か月以上の長期間にわたり停電被害が発生していることが連日報道されたことは記憶にも新しいと思います。  ここ数年の全国的に頻発する災害の発生状況から、各自治体には都市防災機能の早期強化が求められます。区はこれまで、災害時の避難や緊急車両の通行空間の確保などの防災機能の強化策として電線類地中化を推進してきました。林立する電柱は道路の有効幅員を狭め、歩行者等の安全かつ円滑な交通の妨げとなるほか、震災時には電柱の倒壊により避難路や救急車両の救助活動の妨げになるなど様々な支障の原因になります。そのため、安全な街づくりのためにも電線の地中化は急務となっています。  区はこれまで、港区電線類地中化整備基本方針に基づき、災害応急対応拠点等への主要アクセス道路や幅員二・五メートル程度の歩道を有する路線及び区間などを優先的に地中化事業を進めるとともに、民間開発が進むエリアにおいては、再開発等大規模開発事業者に区道の地中化を指導・誘導し、官民連携により電線の地中化を推進してきました。その結果、令和二年三月末時点の整備率は、区道延長二百二十一・八キロに対し整備延長が五十・六キロ、率にして二二・八%となっていますが、一層の事業推進が求められます。  電線類地中化に当たっては、大きな黒色の箱状の地上機器を歩道上に設置しなくてはなりませんが、区道は道路幅員四メートル程度の歩道がない路線が多いことも地中化が進まない原因になっています。  昨年、建設常任委員会で、先進自治体における地中化の取組状況について、京都市先斗町に視察に行きました。先斗町では道幅が何と一・八メートルから四・四メートルという狭い道で地中化を実現しています。地上機器を設置する空間がない路線については、地上機器を民有地内へ設置することで面的に電線共同溝を整備していましたが、町並みにもなじんでおり、地中化を推進していく上で大変有効な手段であると感じました。  緊急事態宣言下のような外出自粛や、今後外出自粛要請がなかったとしても、コロナ禍でエアコンが使えないことや、リモートワークやオンライン学習を推進していく中で、もし地震や台風などの影響で電柱が倒れ、電気が使えなくなると全てがストップしてしまいますので、地中化は一刻も早く進めていくべきだと思います。  そこで質問ですが、今後、一層の電線類地中化を推進していく上で、狭い区道への地中化をどのように取り組んでいかれるのか、区長の見解を伺います。  以上で質問を終わりますが、最後に、今年は戦後七十五年です。先人たちが私たちにつないでくれた最大で最高のレガシーは平和だと思います。私たちは平和の中での安心があったからこそ、活力のある毎日を過ごすことができました。現在の安心は新型コロナウイルスという新たな脅威により脅かされておりますが、先人たちがつくってくれた平和の下、私たちは再び安心できる社会を港区で、皆で一丸となって共に頑張ってつくってまいりましょう。  御清聴ありがとうございました。   〔区長(武井雅昭君)登壇〕 ○区長(武井雅昭君) ただいまの自民党議員団を代表してのやなざわ亜紀議員の御質問に順次お答えいたします。  最初に、ウィズコロナアフターコロナ時代の区政運営についてのお尋ねです。  まず、区政のビジョンについてです。新型コロナウイルス感染症の影響に伴い、区民の暮らしや働き方に対する価値観は大きく変容しています。一方、区には、これまで区民とともに築き上げてきた多様な地域コミュニティをはじめ、集積する企業や交通の拠点、多彩な商店街や豊富な観光資源など人を引きつける多くの強みがあります。  私は、こうした港区ならではの強みを生かし、先の見通せない状況下においても、港区が区民や企業等に選ばれる都市として輝き続けるために、人口動向や区民ニーズの変化を的確に捉えながら、港区に住む人、訪れる人がまちの魅力を実感できる区政運営を展開してまいります。  次に、特別区民税収入の見込みについてのお尋ねです。特別区民税は実質GDPの成長率と高い相関関係があります。リーマンショックがあった平成二十年度はマイナス三・四%の成長率で、税収は三年間で総額百八十億円減少しました。減収の減少率を単年度に換算するとマイナス九・七%になります。七月に内閣府が発表した令和二年度の経済見通しでは、実質GDPはマイナス四・五%の成長率となっています。このことから新型コロナウイルス感染症の影響により、リーマンショック以上の大幅な減収の可能性があると見込んでおります。  次に、予算編成方針についてのお尋ねです。区は、今後の減収局面においても、計画的に積み立ててきた基金を活用し、国・東京都からの財源を確保するとともに業務効率化により経費を削減し、区民サービスの質を持続させ安定的に提供してまいります。  令和三年度の予算編成方針においては、今回の感染症の影響からの回復の対応を第一に掲げるとともに、オンライン、キャッシュレス決済の拡充など新たな時代に対応した区民サービスへの転換や、子どもや高齢者、障害者、働き盛り世代など、誰もが健康で暮らしやすい社会の実現を重点施策と定め、区民とともに明るい未来を築き上げる予算として編成を進めてまいります。  次に、積極的なデジタル行政の導入についてのお尋ねです。行政のデジタル化は、区民の利便性の向上や区の業務の効率化はもとより、感染症の感染拡大防止にも効果があるため、優先的に取り組みます。今年度中に住民票の交付請求をはじめとする各種手続を電子申請により可能とするとともに、区役所・各地区総合支所の窓口において、電子マネーによるキャッシュレス決済が可能となるよう環境を整備してまいります。今後、令和四年度までを集中取組期間として、行政手続の原則オンライン化及びキャッシュレス化を主軸に、行政のデジタル化を強力に推進してまいります。  次に、自動消毒ロボットの導入についてのお尋ねです。区有施設等における日常的な消毒については、特にドアノブや手すり等の共用部について、アルコールや次亜塩素酸ナトリウムを用いて職員等が丁寧に拭き取ることで利用者が安心して施設を利用できるよう取り組んでおります。消毒用ロボットの導入については、今後、他の機関が実施している実証実験の結果を確認し、導入可能な施設等の検討を進めてまいります。  次に、新型コロナウイルス感染症と正しく向き合うための正しい情報の伝達についてのお尋ねです。区は、広報みなと臨時号の全戸配布や緊急広報かわら版等、区ホームページのみならず、多様な広報媒体を活用するほか、ふれあい相談員による一人暮らし高齢者等への電話相談の際、感染症に関する相談に応じるなど丁寧な情報発信に努めております。  また、先月、新型コロナウイルス感染症対策担当を新たに設置し、総合的な対策や住民への啓発、発信等を強化しております。区民等に正しい情報を的確に届けるため、今後、広報やPRに知見のある専門家を活用するなど、区民等の感染症に関する不安の解消に向けた取組をさらに推進してまいります。  次に、区内の経済対策についてのお尋ねです。  まず、区内経済の現況と対策についてです。本年六月の中小企業の景況調査では、リーマンショック時を大幅に下回る業況でした。このため区は、無利子の特別融資あっせんを来年三月まで延長するとともに、十月には十億円分の区内共通商品券を発行し、区内での消費活動の活性化を強力に推し進めます。また、新たな観光業の支援として、キャッシュレス決済を活用した五〇%還元の「VISIT MINATO応援キャンペーン」を実施いたします。今後は、区内中小企業や商店などの生の声を聞き取り、必要な施策を迅速に実施してまいります。  次に、経済の視点からの女性活躍支援についてのお尋ねです。区は、女性を対象とした就労支援策として、就職セミナーや就職面接会を年五回実施しており、今年度はオンラインによる非接触での実施を予定しております。また、本年七月に開始したテレワーク設備支援補助金では、育児を行いながら在宅勤務を行う女性の方にベビーシッター利用料の補助を活用していただいております。ウィズコロナ時代の新しい就業スタイルに取り組む中小企業を支援することで雇用の維持を図るとともに、国や東京都などの関係団体と連携し、女性の就労支援に必要な施策を検討し、実施してまいります。  次に、「出会い応援プロジェクト」の成果についてのお尋ねです。若者の結婚や出会いを応援する本事業は、平成二十八年度の事業開始以降、毎回定員に対し男女ともに三倍から四倍の応募があり、行政が主催する婚活イベントに対し信頼をいただいたものと考えております。昨年度はイベントごとに対象年齢を変更し、参加者がチームになって行うまち歩きやスポーツを取り入れるなど、参加者同士のコミュニケーションがより活発になるようプログラムの改善を図りました。まだ結婚まで至った例はありませんが、イベント中でのカップル成立は約五割と高く、出会いの機会の創出に一定程度効果があったものと考えております。  次に、「結婚」を通した新たな港区ブランドを発信することについてのお尋ねです。港区には、結婚式場やホテル、レストランなどが多数立地し、国内有数のブライダル産業が集積しています。区が多彩な知見を有するブライダル産業の皆さんと連携し、「ウエディングするなら港区」を地域ブランドとして発信する取組は、港区の新たな魅力が創出できるとともに、区内の産業や観光の活性化にもつながるものと考えております。  また、取組に当たっては、これまでブライダル産業とつながりのなかった中小企業や飲食店などに連携を呼びかけることで、新たな協働の軸が生まれることが期待できます。実現に向けて、地域の皆さんと検討してまいります。  次に、医療・健康についてのお尋ねです。  まず、インフルエンザ予防接種推奨の周知・啓発の工夫についてです。区では、高齢者と子どものインフルエンザ予防接種の対象者に対して、予診票やお知らせ等を個別に送付し、個別勧奨しております。また、本年六月から開始した「みなと母子手帳アプリ」のメール機能を活用して情報提供を充実させております。さらに今後、広く区民の方に対して、広報みなとや区ホームページ、デジタルサイネージ、ツイッター等を通して、新型コロナウイルス感染症流行下におけるインフルエンザ予防接種の効果や重要性について周知・啓発を進めてまいります。  次に、インフルエンザ流行期における医療機関との役割分担の方向性についてのお尋ねです。区は、みなと保健所に帰国者・接触者相談センターを設置し、区民からの相談やPCR検査を実施するとともに、区内の病院や港区医師会と連携して、新型コロナウイルス感染症の診療、検査体制を構築してまいりました。また、区内の病院や診療所などの豊富な医療資源を生かし、多様な選択肢で診療や検査ができる体制を整備してまいりました。今後の新型コロナウイルス感染症インフルエンザの同時流行に備え、区民の相談から地域医療機関での診療、検査がスムーズにできる体制構築に向け、区と病院、港区医師会との協力体制を強化してまいります。  次に、予防接種率向上のための体制づくりについてのお尋ねです。予防接種についての保護者からの相談は、医療機関の医師や乳幼児健診における保健師等が受けることが多く、安心して相談できる体制づくりが必要です。今年度はコロナ禍のため、港区医師会と連携し、毎年実施している研修会を今月からeラーニングにより実施いたします。  また、乳幼児健診に従事する保健師等に対しては、感染症専門アドバイザーを講師として、最新の予防接種の知見や保護者への説明力向上についての研修を行います。今後も、保護者が予防接種に対する不安や疑問を相談できる体制づくりを積極的に進め、予防接種率の向上を図ってまいります。  次に、コロナ禍での高齢者の健康維持についてのお尋ねです。区では、ケーブルテレビをさらに活用した介護予防プログラムの提供や高齢者にも普及してきたスマートフォン等を活用した双方向通信での相談など、コロナ禍でも自宅で介護予防に取り組める環境づくりを積極的に進めてまいります。  また、民生委員・児童委員やふれあい相談員等による電話や訪問の際に、エアコンの効果的な使用について丁寧に説明するとともに、近年の厳しい暑さや新型コロナウイルス感染症により外出を控える高齢者が多くなることを想定し、高齢者世帯のうち、低所得世帯に対するエアコン設置費用の助成について検討してまいります。  次に、防災についてのお尋ねです。  まず、新型コロナウイルス感染症拡大時における災害対策についてです。区は、感染症拡大時の災害対策として、避難所での感染リスクを減らすため、避難所運営における感染症対策マニュアルを八月に策定し、五地区で実地訓練を実施しております。また、避難所が密な状態とならないよう、開設状況や混雑具合を適時発信していく港区避難所開設状況システムを構築し、九月三十日から運用を開始いたします。  さらに、都立高校等の都立施設の活用に向け東京都と協議するなど、新たな避難所の確保に努めております。引き続き、感染症対策を十分に配慮しながら災害対策の充実を図ってまいります。  最後に、狭い区道への電線類地中化の今後の取組についてのお尋ねです。区は、これまで、幅員が狭い区道においては、三田図書館やサン・サン赤坂などの区有施設内に地上機器を設置し、電線類の地中化を進めてまいりました。現在、麻布いーすと通りでは、街路灯の上部に変圧器を設置する柱上機器方式を新たに採用した計画を進めております。今後、地上機器のコンパクト化や管路を地下の浅い位置に埋設し、コスト、工期を縮減する方式などの新技術を活用し、電線類の地中化を推進してまいります。  よろしく御理解のほどお願いいたします。  教育に係わる問題については、教育長から答弁いたします。   〔教育長(浦田幹男君)登壇〕 ○教育長(浦田幹男君) ただいまの自民党議員団を代表してのやなざわ亜紀議員の御質問に順次お答えいたします。  最初に、教育についてのお尋ねです。  まず、教育長としての所信についてです。私は就任後、スポーツセンター、図書館、郷土歴史館、みなと科学館等の教育施設を訪問いたしました。各施設ともコロナ禍の中、利用者の皆さんに安全・安心に施設を利用していただくにはどのようにしたらよいか、悩みながらも知恵を出し合い、改善に取り組んでいる状況でした。  八月二十五日の夏季休業明けからは、全ての区立幼稚園、小学校、中学校を訪問し、園長、校長の話を聞きながら子どもたちの様子を見てまいりました。泥んこ遊びの園児に心を癒やされ、好奇心旺盛で元気いっぱいの小学生に思わず笑いを誘われ、しっかりと議論する中学生には頼もしさを感じました。コロナ禍の中でも、子どもたちが思っていた以上に落ち着いて生活している様子に安堵するとともに、改めて子どもたちの柔軟性と未来の可能性を感じることができました。  宿泊行事をはじめ様々な行事が実施できないなど、制約の多い状況が続いていますが、子どもたちが安心して一人一人の個性に応じた学びができ、思い出に残る学校生活が送れるよう、園長、校長の話をしっかりと聞き、それぞれの現場の状況に応じたきめ細かい支援をしてまいります。  年少人口の増加への対応では、平成八年の港陽小・中学校、にじのはし幼稚園以来の新設となる芝浜小学校の整備や、赤坂中学校、赤羽小学校の改築を着実に進めるとともに、人口動向を注視し、子どもたちがよりよい環境の中で学ぶことができるよう、計画的に学校の増改築を進めてまいります。  生涯学習の分野では、コロナ禍の影響によりテレワークやオンラインでのサービスが普及し、新しい生活様式に合わせたスポーツや生涯学習、読書への関心が高まっております。安心してスポーツ施設や図書館等を利用できるよう運営の改善を図るとともに、新しい生活様式に合わせて、これまでの取組を見直していく必要があります。オリンピアンによるレッスンの動画配信や図書館での電子書籍の導入など、新しい形でのスポーツ、生涯学習事業の実施、ツイッター等を活用した情報発信に努めてまいります。  現在策定中の次期港区基本計画や港区学校教育推進計画、港区生涯学習推進計画などの個別計画では、SDGsの視点で取り組み、人生百年時代の到来、アフターコロナをも見据えた施策を検討し、GIGAスクール構想の推進や、来年夏へ延期となった東京二〇二〇大会のレガシーの創出など、教育のさらなる充実に積極的に取り組んでまいります。  新型コロナウイルスの感染拡大は、図らずも個々の自治体の力量が試される契機になったと考えております。私は、新たな教育長制度の下、総合教育会議をはじめ様々な機会を通して、武井区長と教育政策について意見交換をさせていただくとともに、これまでの三十八年余の区での経験を生かし、区長部局との連携をさらに強化してまいります。そして、施設、学校、地域に積極的に出向き、自らの目で見、耳で聞くことで現場の実態を把握し、教育政策に反映させてまいります。  「すべての人の学びを支えつなぎ生かす」、教育の港区の実現に向け、幼稚園、学校、家庭、地域の皆さんと力を合わせて全力で取り組んでまいります。区民の皆様、そして区議会の皆様の御理解、御協力をよろしくお願いいたします。  次に、非認知能力を伸ばしていく教育の推進についてのお尋ねです。各幼稚園、小・中学校では、目標に向かって頑張る力や主体的に学ぶ力、他者と適切に関わる力などの非認知能力を幼児期から育成していくことに努めております。具体的には、幼児・児童・生徒が保育や授業を通して共通の課題に向かって試行錯誤する中で、粘り強く取り組む力や新たな発見、豊かな発想を生み出す力などを育んでおります。今後、教育委員会は、非認知能力を育む基盤となる幼少期の親子関係や身近な地域で子どもが育つ重要性を踏まえ、学校や保護者、地域の方々と一体になって未来を担う子どもたちの生きる力を育んでまいります。  次に、オンライン教育の展開や可能性についてのお尋ねです。各小・中学校では、臨時休業からの学校再開後、家庭とオンラインでつながる取組を行ってきたことで、遠隔授業だけではなく保護者面談で活用できるなど、オンラインの新たな活用の可能性も明らかになりました。今後は、一人一台のタブレット端末の活用により、感染症対策で対話的な学習が十分にできない状況下でも、児童・生徒が自ら考えたことを表現し合うことが可能になりました。さらに、クラウドに保存した学習記録を児童・生徒が振り返ることが可能となるほか、不登校児童・生徒とも遠隔で個別につながるなど、今後もオンラインを積極的に活用し、児童・生徒の学びを保障してまいります。  次に、電子図書館の実施についてのお尋ねです。教育委員会では、電子図書館の基盤となる電子書籍サービスの導入に向け、既に導入を実施している自治体の状況把握や提供事業者のサービスの比較検討を行ってきました。その結果、現行の港区の図書館システムにも対応し、利用者が書籍を調べる際にも紙の書籍と電子書籍を同時に検索することができるサービスがあることなどが分かってまいりました。電子書籍のサービスの早期導入に向け、積極的に取り組んでまいります。  最後に、コロナ禍におけるスポーツの推進についてのお尋ねです。  コロナ禍においては、これまで教育委員会が積極的に進めてきた多人数参加型のスポーツ教室やパブリックビューイングの開催ができない状況です。こうした中、イベント開催制限緩和後、初となる今月二十六日のオリンピアンによるスポーツ教室は、ソーシャルディスタンスを保てるバドミントンを選択し、定員も通常の半数程度で実施いたします。また、スポーツボランティア養成講座では十月以降、受講者向けに講座内容の動画を配信いたします。今後も感染拡大の防止対策を徹底し、コロナ禍においても区民がスポーツ活動を安心して行えるよう取り組んでまいります。  よろしく御理解のほどお願いいたします。 ○議長(二島豊司君) 次に、四番榎本あゆみ議員。   〔四番(榎本あゆみ君)登壇、拍手〕 ○四番(榎本あゆみ君) 二〇二〇年第三回港区議会定例会に当たり、みなと政策会議を代表して質問いたします。  本来であれば四日前、九月六日に東京二〇二〇パラリンピック競技大会は閉会し、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会は幕を下ろす予定でしたが、昨年末、中国・武漢から発生した新型コロナウイルス感染症は、私たちの日常を大きく変えました。  内閣府が八月十七日に公表した実質国内総生産(GDP)は前年比七・八%減、年率換算では二七・八%減と戦後最悪の下落となり、「百年に一度の危機」と言われたリーマンショック後の年率一七・八%減を大きく上回りました。  港区においては、これまで堅調に増加していた人口は減少に転じ、今後の推移いかんでは人口増加を前提とした計画そのものを見直さなくてはなりません。人口も税収も減る中で、いかに効率よく区民に安定した行政サービスを提供することができるのか、地方自治体、そしてリーダーの質が問われています。  一方、将来を担う子どもたちへの事業予算は、将来への投資と考え、むしろ苦しい時期だからこそ必要な投資ができる区政運営をすべきです。  厚生労働省が発表した二〇一九年の人口動態統計では、合計特殊出生率は一・三六と前年から下がり続け、出生数も二〇一九年は八十六・四万人と、一八九九年の統計開始後、初めての出生数九十万人割れとなりました。国立社会保障・人口問題研究所による二〇一七年の将来推計人口では、二〇二三年に出生数が約八十六万人になるとの予測だったため、予測より四年も前倒しする形で少子化が急速に進行しています。  既に地方から産業が消え、出産年齢女性が進学、仕事で都市部に集中していることを鑑みると、地方の自治体が子育て施策を推進する以上に、日本経済の中心である港区が都市部にある自治体の責務として子育て支援に注力しなければ日本は消滅への一途をたどることになるでしょう。これまでの慣例・慣習にとらわれず抜本的な区政運営の見直しを期待して質問に入ります。  まず、新型コロナウイルス感染症の影響による今後の区政運営についてです。  初めに、事業の優先順位づけ及び経費削減の考え方について伺います。今回の新型コロナウイルス感染症の影響で、来年度以降の税収が減少することは、過去のバブル崩壊やリーマンショック後の状況を見れば明らかです。一九九一年のバブル崩壊から一九九六年までの五年間で、特別区民税収入が約二百億円、三七%の減収となりましたが、リーマンショックの際にはアメリカで八月に起きたこと、歳入の五〇%を占める特別区民税は前年の所得に課税されることなどから、区への直接的な影響が出るまでにはタイムラグがあり、リーマンショックが起きた二〇〇八年の港区の一般会計歳入決算は千二百五十億三千五百十八万円、翌年の二〇〇九年は千三百五億五千九百四十九万円とすぐには大きな影響が現れず、二〇一〇年からの三年間が減少に転じ、千五十二億九千三百七十八万円、千八十七億三千四百九十七万円、千七十二億二千七百七十八万円となりました。  区は、二〇〇八年から二〇一〇年までの三年間において特別区民税が百八十億円減少したとしていますが、実際に特別区民税が大きく減収となったのは、二〇一〇年から二〇一二年までの三年間です。そこで二〇〇九年を起点に二〇一〇年から二〇一二年までの影響額について調べましたが、特別区民税は三年間で約二百二十億円、歳入全体では約七百億円もの減収となっています。リーマンショックからの経済回復は、二〇一一年に東北地方太平洋沖地震が発生したことも時間がかかった要因と言われていますが、今後もいつ何が起きるか予測できません。  区長は、今後、基金を効果的に活用し、国や東京都などからの財源を確保、経常的経費をさらに削減し、行政サービスを安定的に提供していくとしていますが、リーマンショックからの経済回復の間の基金残高を見ると、二〇〇八年の千二百九十三億円から千二百八十五億円、千三百十四億円、千二百七十四億円、千二百九十五億円と、二〇一二年までの五年間はほぼ横ばいとなっていました。今年は、今後六年間にわたる港区基本計画を策定する最終年度であり、今年度の事業だけでなく、今後の計画を大幅に見直さなくてはなりません。計画どおり実施する事業、縮小・廃止する事業の優先順位をつける必要があると考えますが、優先順位のつけ方について伺います。  また、一般財源の事業は一律一〇%削減するなど、内容に関係なく一律削減をしていくのか、それとも事業ごとに実施する事業や廃止の事業など濃淡をつけていくのでしょうか。どのような考えで経費を削減し、事業を遂行していくのか区の考えを伺います。  次に、全ての区民に独自の給付金を支給することについてです。新型コロナウイルス感染症の影響で大きな打撃を受けた業種もありますが、一斉臨時休業や外出自粛要請など誰もが影響を受け、我慢を強いられてきました。  区では、四月中旬に専決処分をし、中小企業向けの融資あっせんや衛生用品の購入など、感染症対策のため早々に補正予算を組んできました。その後も今定例会の補正予算第五号に至るまで、町会・自治会、商店街、中小企業、オーナー、飲食店、高齢者、介護・障害福祉事業者、感染者、ひとり親家庭、世帯収入の低い子育て世帯、妊婦を対象とした様々な新型コロナウイルス感染症対策を講じてきましたが、これで全ての人に支援が行き届いたわけではありません。区長は、今後も必要な人に必要な支援が行えるよう努めるとしていますが、区として、一刻も早く経済回復のため区民全体に思い切った支援が必要です。  品川区では、臨時給付金として区民一人当たり三万円を、中学生以下の児童に対しては、未来を担う子どもたちの学習・生活支援のため五万円を支給しています。品川区の人口は四十万八千五十人、うち中学生以下は約五万人であり、このしながわ活力応援給付金に百三十五億五千万円の予算を計上しています。品川区では給付金などの補正予算を含め、二〇二〇年度の一般会計予算が二千四百八十五億四百七十五万千円となり、一般会計の約五・四%を全区民への給付金支給に充てています。  港区の二〇二〇年度一般会計予算は、補正予算を含めずに約千四百五十四億円なので、仮に品川区と同様の五・四%と考えると、約七十八億五千二百万円となり、これを人口二十六万人で単純に割ると一人当たり三万二千円となります。  千代田区でも区民に十二万円を支給することが決定しました。千代田区の人口は六万六千七百五十九人なので、全員に十二万円支給するため、経費と合わせて約八十四億円に上る給付金事業の財源は、財政調整基金を切り崩して賄うとしています。千代田区の二〇二〇年の財政調整基金の見込額が約四百五十七億円、二〇二〇年度一般会計予算が約六百四十六億二千六百万円、全会計合計が約七百六十五億二千七百万円となっており、予算約八十四億円は、財政調整基金の約一八%、一般会計の約一三%を占める規模となっています。
     港区の財政状況は、二〇二〇年の基準財政収入額が八百二億千三百九十八万五千円、基準財政需要額が六百十九億五千三百四十四万二千円と基準財政収入額が上回り、二〇二〇年度も二十三区の中で唯一普通交付金が不交付となり、十八年連続で不交付となりました。  また、二〇一八年度での財政調整基金は四百七十七億五千三百四十三万八千七百十二円、二〇一九年度での財政調整基金は五百二十二億九千百三十七万九千四百三十六円となりましたが、第二回定例会までに提出された第四号までの補正予算を積み上げると、約百十七億五千万円を取り崩しており、仮にこれを差引きすると約四百五億四千百三十七万円となります。都区財政調整の普通交付金を交付されている区が全区民に対し給付金を支給する中で、なぜ港区では区民への給付金の支給をしないのですかという区民からの意見が大変多く寄せられています。  次の世代へ負債を回してはいけません。しかし、リーマンショックの際にも財政調整基金残高は、二〇〇八年から約四百三十九億円、四百九十一億円、五百四十二億円、五百五十二億円、そして二〇一二年には五百九十二億円と特段切り崩したようには見られませんでした。財政調整基金は標準財政規模比で五割以上を確保するという目標がある中、二〇一九年度末の港区の基金合計は千七百億円超、二〇一九年度標準財政規模は九百五十七億八千二百四十二万千円であり、その五割は四百七十八億九千百二十一万五百円となります。二〇一九年度末での財政調整基金が五百二十二億九千百三十七万九千四百三十六円であることを考えると、補正予算などの考慮も必要であるものの、まだ余力があるように捉えています。区民からも要望の多い港区全区民に対する支援策について区の考えを伺います。  次に、本年四月二十八日以降に生まれた子どもに区が給付金を支給することについてです。国が給付した十万円の定額給付金は二〇二〇年四月二十七日までに生まれた子どもを対象としており、二〇二〇年四月二十八日以降に生まれた子どもへは支給されません。新型コロナウイルス感染症拡大のため、母親学級、両親学級、また、出産時の立会いもできず、産後の面会もできない。このような大変不安な妊婦・出産をする家庭への支援が行き届かないことは、さらなる少子化の一因ともなりかねません。  品川区では子育て世帯を支援するため、二〇二〇年四月二十八日以降に生まれたお子さんへの給付の特例として、四月二十八日から十二月三十一日に生まれた子どもたちに五万円を給付しています。二〇一八年に品川区で生まれた子どもは三千八百二十三人であり、五万円を給付すると約一億九千万円の予算規模となっています。また、荒川区でも子育て世帯の特例支援として、二〇二〇年四月二十八日から二〇二一年四月一日までに生まれた子どもに対し十万円を給付しています。二〇一八年に荒川区で生まれた子どもは千六百九十六人であり、十万円を給付すると約一億九千六百万円の予算規模となっています。  港区で生まれる子どもは約三千人となっており、品川区と同額の五万円を仮に支給すると約一億五千万円の予算規模となります。依然として、どこかで線引きをする必要はありますが、同じ学年内で給付金がもらえる子どもともらえない子どもが出てくる、この状況を区としてカバーすべきではないでしょうか。港区でも二〇二〇年四月二十八日以降に生まれた子どもたちへ給付金を支給すべきだと考えますが、区の考えを伺います。  次に、納税者に港区に住み続けたいと思われる区の魅力の創出について伺います。これまで堅調に人口が増えていた港区ですが、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、六月からついに減少が始まりました。区の人口は、本年五月の二十六万二千二百三十九人をピークに減り続け、九月一日現在では二十六万二百八十四人となっており、この四か月で千九百五十五人が減少しています。千五百三十七世帯が減少し、千九百五十五人が減少したことを見ると、ファミリー層よりも一人・二人世帯が転出したことが推測されます。  また、東京都の人口は、二〇二〇年五月一日に初めて千四百万人を超え、千四百万二千九百七十三人となりましたが、その後やはり減少し続け、六月には千四百万人をたった一か月で下回り、八月一日現在では千三百九十九万三千七百二十一人となり、この四か月で何と九千二百五十二人が減少しました。  二〇二〇年三月に港区政策創造研究所が行った、港区における引越し(転入・転出・転居)に関するアンケート調査報告書によると、転出した区民は自分の意思で転出しているのに対し、転居してきた人の理由は転勤や転職など仕事の都合や、学生が学校から近いからといった港区を望んで転入してきたというよりも地理的な関係性で転入してきたとしており、港区の住民は職住近接のライフスタイルを望んでいる人が多いと言えそうです。  社会変化に目を移すと、人材派遣の大手企業が新型コロナウイルス感染症拡大を受け、千代田区にある本社機能を兵庫県の淡路島に移すと発表しました。これに伴い、社員約千二百人が移る見込みだということです。  総務省もテレワークはワーク・ライフ・バランスの実現、人口減少時代における労働力人口の確保、地域の活性化などへも寄与する、働き方改革実現の切り札となる働き方であると推奨していることもあり、新しい働き方として受け入れられています。  前述のように、港区の人口が短期的ではあるものの減っていることは、会社の近くに住むという選択肢が減ってきている現れではないでしょうか。労働人口の転出が転入を上回っていけば財政に大きな影響を与えます。港区の財政は、二〇一九年度歳入決算で全体の半分、五〇・四%を特別区民税が占めており、区も指摘しているように、今回のように大きな社会情勢が変化した際の景気変動を受けやすくなっています。特に課税標準額が一千万円以上である一六・二%の納税者が全体の約七割、六九・五%を納税し、さらには課税徴収額が一億円を超える〇・八%の納税者が全体の二七・三%の納税をしているという地域特性があります。リモートワークが可能な高額納税者が少数でも港区から転出すると、区財政に大きな影響を与えます。これまでは企業が多く集まる港区に住むことで通勤などメリットを感じていた人たちに対して、立地以外のメリットを感じてもらう必要があります。港区としてどのような魅力を打ち出していけるのか、区としての考えを伺います。  次に、子育て支援について伺います。  まずは、区の合計特殊出生率が低下している原因の分析、そして出生率を回復するための施策について伺います。国立社会保障・人口問題研究所が二〇一五年に実施した第十五回出生動向基本調査の中で、理想の子ども数を持たない夫婦がその理由として最も多く挙げたのは、依然として「子育てや教育にお金がかかり過ぎる」で五六・三%となりました。  港区では、この四月から双子など多胎児への支援を手厚くしていただき評価をしますが、一方で、一人を出産する場合の出産育児一時金は、保険適用の四十二万円と区独自の十八万円の助成で合計六十万円となり、他区と比較すると助成額が多いとはいえ、港区という地域情勢とはまだ離れたものがあります。  港区内の出産ができる産婦人科の出産費用が六十万円に収まらないケースも多々あります。例えば愛育病院では分娩経過に異常がなく正常分娩で出産し、産褥期間も母子ともに健康である場合、六日間入院、一般室利用で七十四万円からとなっています。そのほか東京都済生会中央病院でも分娩基本料金は六十三万円からとなっており、実際には、毎回の検査費用や母親学級、また、無痛分娩には十万円以上かかり、産後、お母さんや赤ちゃんに何かあれば、延泊料として一泊数万円を支払わなくてはなりません。出産後もおむつやミルク代はもちろんのこと、保育園の費用も合わせると、大人だけで生活していたときと比べ、毎月十万円以上出費がかさむことは珍しくありません。  港区は、新型コロナウイルス感染症が蔓延する前の推計では、順調に人口増加が見込まれており、港区の合計特殊出生率は、二〇一六年には二十三区でトップの一・四五でしたが、二〇一六年を境に下がっており、二〇一八年には一・三九にまでなり、トップである中央区の一・四二と差が開いています。出生数を見ても、二〇一六年は三千四十八人と三千人を超えましたが、翌年から減り続け、二〇一九年には二千七百四十四人と三百四人も減ってしまいました。それでも子どもの人数が増えているのは、二〇一九年の港区への転入者が二万二千百七十三人であることに対し、転出者が二万千三百二十二人で八百五十一人転入者のほうが多くなっていることから、港区は子どものいるファミリー世帯の転入者が多いけれども、港区で生まれる子どもは減っているということが見えてきます。  転入して港区で子育てをすることを選んでくださっているのであればよいのですが、先述の二〇二〇年三月に港区政策創造研究所が行った港区における引っ越しに関するアンケート調査報告書によると、四十九歳以下の人の結果では、出産を機に転入してきた人、言い換えれば港区で子育てをしたいと思い引っ越してきた人の割合は、三十四歳以下では三・二%、四十九歳以下では三・三%と非常に少ないことがうかがえます。つまりは子育てをどこでするのかという選択肢をする際に、積極的に港区が選ばれていないのではないかということです。このままでは港区の合計特殊出生率は下がり続ける一方です。  東京都内全体の出生率は一・二〇と低水準を続けていますが、東京都は、二〇三〇年に都内の合計特殊出生率を二・〇七に引き上げる構想を打ち出しています。具体的には、男性の育休取得率の推進、テレワーク推進、出産や子育て情報の発信強化をすること、また、数値目標を掲げ、全庁的に取り組むこと自体にも意味があると東京都知事は述べています。  基礎自治体である港区は、より具体的で、かつ子育て世帯へ直接的な支援が急務です。区では、合計特殊出生率が低下している原因をどう分析しているのでしょうか。また、少なくとも二〇一六年の一・四五までに合計特殊出生率を回復させるべきであると考えますが、区の見解と施策について伺います。  次に、祖父母が子育て家庭をサポートするための区の支援について伺います。港区政策創造研究所が二〇一四年二月に発表した港区における子どもと子育て家庭の生活と意識に関する調査報告書によると、未就学児の家庭において、何と九三・五%もの家庭が核家族であることが分かりました。また、そのうち祖父母に子育てに関して頼ることができる人は七七・六%と高い数値となっており、近くには住んでいないものの約七八%の家庭が祖父母に頼っているということが分かりました。  港区の子育て支援は、本年四月から開始した宿泊型産後ケアや産後ドゥーラ、家事支援など様々ありますが、認知の低さから利用が伸びていない、生後四か月までしか利用できない、利用できる時間が産後ドゥーラではお子さんが一人の場合はたった九時間までと限定的であるなど課題も多くあります。また、あい・ぽーとの派遣型一時保育や子むすびサービスは大変人気が高く需要はあるものの、供給が追いついていません。派遣型一時保育では、二〇一九年の利用会員は二千百六十九人に対し、支援をする協力会員は三百人と七倍の開きがありますし、子むすびサービスの二〇一九年の利用会員は千三百七十八人に対し、協力会員は百三十人と十倍以上の開きがあり、登録しても一度もマッチングされないという方が多数を占めています。このように区では子育て支援サービスを様々行っていますが、特に自宅に来て支援をしてもらうサービスにおいて供給が足りていない状況が何年も続いています。約九〇%が核家族であり、そのうち祖父母に頼ることができるという全体の約七二・五%の子育て家庭に、これまで以上に祖父母に頼ってもらうための支援をすることを提案いたします。  イギリスの英国王立精神科医学会によると、産後鬱は産後一、二か月以内に起きることが多く、産後鬱病にかかった女性の三分の一は妊娠中に症状が始まり、出産後もその症状が続きます。妊娠期から不安なことを気軽に自分たちの親に相談でき、出産後の数か月間は定期的に赤ちゃんとお母さんのケアをしてもらうことができれば、前述の派遣型一時保育や育児サポート子むすびなど、区が満足にサービスを供給できていない部分を、親の協力を得るための支援をすることで子育て家庭の負担を大幅に減らすことができます。さらに、親に依頼することができる家庭が増えてくれば、区のサービスに余裕ができ、親に頼ることができない家庭が区のサービスを利用できる確率が上がっていくはずです。子育て家庭が親にサポートしてもらえるよう区として支援することについて考えを伺います。  次に、認定こども園の開園計画への要望をいたします。港区における認定こども園は芝浦アイランドこども園の一園のみですが、本年六月十九日の保健福祉常任委員会の中で、今後、芝浦港南地区以外の各地区に一園ずつこども園を開園していく方向性が示されました。これも二〇一九年から二年連続で待機児童ゼロを達成することができたたまものであると大変うれしく思っています。経費の面からも認可保育園と大きな差がなく運営できること、共働き世帯が増えている中、親の就労状況が変わっても同じ園に継続して在籍することができるなど、区民にとっては選択の幅が広がり、早い開設が望まれています。区民のために一日も早いこども園の開園を要望いたします。  次に、未来を担う子どもたちの教育について伺います。  まずは、今後の学校教育ビジョンについてです。本年八月から教育長が替わり、新しく浦田教育長が御就任されました。浦田教育長は、一九八二年に入庁されてから三十八年間にわたり区政を支えてこられ、管理職になってからは総務部人事課長、芝浦港南地区総合支所長企画経営部長などを歴任され、教育長となられました。  二〇一五年に地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部が改正され、教育長の任命については同法第四条で、該当地方公共団体の長の被選挙権を有する者で、人格が高潔で、教育行政に関し見識を有するもののうちから、地方公共団体の長が、議会の同意を得て任命するとされました。この法律改定に伴い、当時文部科学省は、教育長は、教育委員会事務局職員や教職員経験者に限らず、行政法規や組織マネジメントに見識があるなど、教育行政を行うに当たり、必要な資質を備えていれば該当するものとしており、さらに議会の同意に際しては、教育長の担う重要な職責に鑑み、教育長の資質・能力を十全にチェックするため、例えば、候補者が所信表明を行った上で質疑を行うなど、丁寧な手続を経ることが考えられると通達を出しています。  そこでお尋ねいたします。三十八年にわたり区政に携わられた経験を生かし、港区の学校教育にどのようなビジョンをお持ちなのでしょうか。人口減少、社会情勢の混乱など、将来を担う子どもたちが生き抜く環境は決して平坦なものではありません。子どもたちが多くのことを学ぶ学校教育への熱意と展望について、教育長に伺います。  次に、タブレット端末の効果的な活用方法について伺います。文部科学省は、二〇一九年十二月にGIGAスクール構想を打ち出し、二〇二三年までに全学年の児童・生徒一人一人がタブレット端末を持つ環境を整備するとしていますが、港区では、ほかの自治体に先駆けて、本年十一月までに子どもたち一人一台のタブレット端末を貸与します。十二月から本格開始されるタブレット端末を活用した授業では、子どもたち一人一人に個別最適化され、創造性を育む教育が実現できるようになることを期待しています。例えば、四年生の子どもが進みの早い教科では五年生の問題に進むことができるように、一人一人の子どもに合った進み具合の勉強ができることも可能なはずです。  また、学校をお休みするときの欠席連絡をタブレット端末でできるようにすることも期待します。新型コロナウイルス感染症で臨時休校になった後からは、欠席連絡は電話やメールなどが使用されていますが、電話の場合は誰かが出なければいけませんし、留守番電話も聞かなくてはいけません。メールにおいても誰かが全てのメールを確認して、該当する担任に伝えるのか、もしくは自分のクラスの児童が休みでないかチェックするなど手間がかかります。しかし、アプリなどから欠席連絡をすることができれば、教員は自分のクラスの児童からの連絡のみを即座に把握することができ、余計な時間がかかりませんし、保護者も隙間時間に連絡することができるようになります。  ほかにもタブレット端末を使用することで、必修化された英語のリーディングやリスニングを自宅で学ぶこともできるようになるなど、タブレット端末が配布されることで、これまで以上に子どもたちの学びの意欲や好奇心をかき立てることができるようになります。子どもたちをインターネット上のトラブルや犯罪から守りつつ、最大限生かした使われ方がされることを期待します。タブレット端末の効果的な活用方法について、教育長の考えを伺います。  次に、学校図書館における電子書籍の導入について伺います。現在、日本では子どもの読書離れが問題とされています。学研教育総合研究所が二〇一九年に、小学生の一か月の読書冊数について調査した結果によると、三十年前の一九八九年度は平均が九・一冊でしたが、二〇一九年度は平均三・一冊となり、約三分の一に減少しています。国立青少年教育振興機構が二〇一三年に発表した報告書によると、就学前から中学時代までに読書活動が多い成人ほど未来志向、社会性、自己肯定感、意欲・関心、文化的作法・教養、市民性において、現在の意識・能力が高く、特に就学前から小学校低学年までの読書活動と成人の文化的作法・教養の関係性が強いというデータが示されています。二〇一九年の同機構による報告書においても、読書時間が長い人ほど主体的行動力が高いことが示されています。  こうした状況の中、港区は、今年度より学校図書館の管理を業務委託にしました。業務委託にしたことで一校当たりの学校図書館人員配置時間は、昨年度が千二百四十四時間であったのに対し、本年度は千時間と減少しました。一校当たりの学校図書館人員配置時間を他区と比較すると、港区と同様に業務委託をしている世田谷区では千七百二十四時間、杉並区は業務委託をしていませんが千四百四十時間と、港区の時間の少なさが分かります。  二〇一九年の支援員の配置時間は、九百二十五時間から本年は七百時間にまで短くなり、年間四十週で割ると、一週当たり十七・五時間となり、中には一日たった二・五時間しか入れない曜日も出てきてしまっています。二限目以降からやっと図書館で貸出しができるようになるなど、子どもたちに不利益が生じてきています。子どもの頃の読書が与える影響は、先ほども紹介したように、勉強して得られるものではなく、大人になったときに人生を豊かにするものです。新型コロナウイルス感染症の影響で臨時休校、さらに外出自粛となった期間中に、読書は子どもたちにとってリフレッシュできる大切な存在となり、読書のよさが改めて見直されました。  その中で昨今、電子書籍が普及していること、GIGAスクール構想で一人一台タブレット端末が配布されることから、学校図書館において電子書籍を整備することを提案いたします。電子書籍は、英語の書籍を借りれば、自宅でもリーディング、リスニングの勉強ができること、紙の本ではできないしおりやマーカーをつけることが可能、延滞がなくなること、本の破損・紛失がなくなるなど多くのメリットがあります。  港区の学校図書館の新規購入費用は約二千四百四十万円となっていますが、これまでに購入した本全てが多く読まれているわけではありません。中には一度も借りられたことがない、読まれたことがない、そんな本もあるかもしれません。購入して終わりではなく、それらの本が子どもたちや教員のニーズに合っているのかを調査し、予算があるからとニーズのない本を購入するのではなく、その予算を電子書籍の導入へ使用するなど、予算を効果的に使用すべきです。  教育の港区が将来の人格形成に大変有効である読書活動の基本となる学校図書館に対し、司書や支援員の配置数や電子書籍の導入など、子どもたちにとって最適な運営をするため整備に力を注ぐべきです。学校図書館における電子書籍の導入について、教育長の考えを伺います。  次に、区政のIT化について伺います。  まずは、各種申請手続のICT化を推進することについてです。区民は、各種サービスを利用するに当たり区に申請・申込みをします。保育園の入園申請などは、これまでは窓口などに出向かなくてはいけませんでしたが、今年は郵送も可能となりました。また、現在もマイナポータルを利用し、オンライン上で申請できますが、最終的には入園希望保育園の選択に関してや、提出書類に不備がないかなどについて相談をしたいことから窓口に来る人が多いそうです。保育コンシェルジュへの相談などはわざわざ窓口に行くことなく、オンラインで相談ができるようになれば、オンライン上だけで完結する人が増えてくると予測されます。  オンライン申請ができるようになっていることは評価いたしますが、現在のオンライン申請の仕組みや区の事務処理方法では、申込者が入力した情報を区職員が再度事務処理用のシステム等に打ち込まなくてはいけません。特別定額給付金の申請作業がまさにこれに当てはまりました。区職員の作業コストを大幅に削減するためには、申込み段階から決定までをオンライン上で一貫して行うことができるようにすべきです。区側もデータのまま情報を取り扱うことができるようになれば、申込みから決定までの処理時間の短縮や、時間があるときに入力することができるなど、区民及び区、双方にとって利便性や効率性が高くなることは間違いありません。  現在、マイナポータルや東京共同電子申請・届出サービスなどオンライン申請ができるサービスがありますが、東京共同電子申請・届出サービスでは、子育て支援に関しては、港区ひとり親家庭ホームヘルプサービス事業しか利用することができないなど、活用に関しては十分ではありません。港区では各種手続の申請を、マイナポータルや東京共同電子申請・届出サービスで対応可能なサービスは全てオンライン申請できるようにし、家から出ることなく完結できるICT化を進めていただきたいと考えます。  また、バックヤードでの効率化についてもイニシャルコストだけではなく、長期目線で見たときに人件費の削減もできることなどを踏まえ、ある程度の投資も必要だとの認識から、電子データで入ってきたものを一貫して電子データで処理していけるようにするなど、事務改善も視野に入れて区役所改革を進めていただきたいと思います。区長の見解を伺います。  次に、保育のICT化に関する現状と今後について伺います。現在、認可保育園のうち、私立認可保育園ではICT化が進んでおりますが、区立認可保育園では導入されているものの十分な活用がされておらず、保護者や保育園職員の負担軽減に至っていません。また、保護者の立場からすると、同じ認可保育園であるにもかかわらず、私立と区立でこのような差が生じていることは不満の要素となり得ます。保育園に預ける保護者は共働きで、両親ともに時間をやりくりしながら、子どもと接する時間を大切に生活していますし、保育士さんたちもできるだけ子どもたちと関わる時間を長くできるよう業務の効率化など工夫をしています。そのような中で、連絡帳や送り迎えの時間の管理など、まだまだアナログな側面が残っています。ICT化することで連絡帳への記入時間の短縮ができる、机の上でなくても、どこでも隙間時間に記入できる、写真や動画の添付が可能になることで、子どもの成長をリアルタイムで確認できるなどの利点があります。  また、ICT化することで、忙しくてリアルな連絡帳を見ることができないお父さんも、オンラインで連絡帳を見ることができるようになることで育児参加がしやすくなり、夫婦の平等な育児参加への支援にもつながります。連絡帳に関してだけでなく、緊急時の連絡方法としても大変有効です。台風で休園するなど緊急で保育園から保護者へ連絡する手段として、現在は電話が利用されています。電話がつながらないと、保育園側は再度かけ直さなくてはいけない手間や、電話に気づかず、連絡が伝わらないなど不便なことが多くありますが、メールやアプリなどで一斉に連絡することができれば、保育園側の手間も省くことができる上に、保護者も母親が気づかなくても、父親が気づくことができたり、朝の支度が忙しく電話に出られなくても、メッセージであれば、すぐその場で読むことができるなど利便性が高まります。  これまで、総務省が示している地方公共団体における情報セキュリティポリシーに関するガイドラインによりICT化の導入が難しいとされていましたが、本年秋にガイドラインの修正が行われることで、これまで難しいとされてきた保育園の連絡帳などのICT化が可能になるはずです。一刻も早く保育園の現場でICT化されるよう準備を進めていただきたいと思いますが、現状と今後について、区の見解を伺います。  次に、子育てひろばの登録手続をオンライン化することについて伺います。つい数日前に、みなと母子手帳アプリを利用して子育てひろばの予約がオンラインでできるようになりました。新型コロナウイルス感染症の影響で、ひろばを利用するためには事前に、平日の四、五時間の間に電話予約をしなくてはならず大変不便だったため、オンライン予約ができるようなったことについて大変評価いたします。  しかし、今でも子育てひろばを利用するためには、まず、利用登録した各施設に子どもと一緒に出向き登録をしなくてはいけません。多くの家庭では子育てひろばや一時保育の利用などを考え、自宅から最も近くにある子育てひろばはもちろんのこと、お友達の住む地域の子育てひろばなど複数の施設で登録をします。どこの施設でもほぼ同様の説明を聞き、同じ内容の個人情報を記入し、一時保育をお願いするには施設ごとに面接を行うなど大変な時間と労力がかかります。幼い赤ちゃんと一緒に幾つもの施設を回り、この作業を繰り返すことが、どれほどお母さんにも赤ちゃんにも負担がかかるか、容易に想像できるはずです。  この問題は、施設ごとに委託事業者が異なり、個人情報を共有できないため、同じ内容の個人情報を聞かなくてはいけないという事情から起きている課題の一つです。しかし、区民にとっては、どの施設も港区が運営している子育てひろばです。みなと母子手帳アプリの中に氏名、出産時の体重・身長など入力することができることを利用して、毎回同じ個人情報を記載しなくても子育てひろばの登録ができるようにするべきです。区民にとって利用しやすい子育てひろばの登録方法について、区の見解を伺います。  次に、区政改革について伺います。  まずは、国や東京都が管轄する事業を改善するための区としてのさらなる取組についてです。港区は、言うまでもなく日本、さらに東京都に位置しています。そのため、区内には区道だけでなく、国道や都道もあれば、区立公園、都立公園、海や運河など、管轄が国・東京都・区とそれぞれに分かれています。行政区分上は管轄が異なることは理解していますが、実際に生活をしている区民からしてみれば、今、歩いている道路が国道なのか、区道なのかを意識はしていません。  区民の方から、あの道を整備してほしい、運河をきれいにしてほしいなど多くの要望をいただく中には、国や東京都が管轄している案件も多く存在します。区に要望しても、区の管轄ではないため、国や東京都に要望しますと毎回同様の答弁が繰り返され、何年も前に進んでいない課題が山積みとなっています。このことで不利益を被っているのは住んでいる区民です。区が管轄していない諸問題に対し、国や東京都に改善を求める手法や連携など、これまで以上に努力と工夫をすべきです。区の考えを伺います。  次に、町会や自治会などに属していない区民の意見も聴いて区政に反映させることについて伺います。港区には約二百三十もの町会・自治会が存在しています。中には人手不足などの理由により、約二十の会が解散・休会しています。解散や休会をすると、それまで区から町会長や自治会長に依頼をしていた掲示板へのポスター掲示や各種活動などが依頼できなくなります。では、解散・休会したらどうなるのでしょうか。区から何か支援することはなく、町会や自治会がない地域と同様の扱いになるだけです。街なかにある掲示板は町会や自治会のものだけではなく、区の掲示板があるため、区の掲示板を見れば事足りるということです。  しかし、区はその地域で新しい施設を建築する計画があるときなど、地域住民への周知、理解を得るため、町会長、自治会長へ同意を求めますが、解散・休会していると、そのプロセスには参加できなくなります。過去に福祉施設の建設計画を地元の町会長に説明したところ、同意を得られたため計画を遂行していたが、町会長ではなく、住民の方々から反対を受け、計画が長年にわたりストップした事案がありました。ほかにもある地域の保育所では、地元の町会の意見を聞き、大きく計画を変更し賛同を得られていましたが、地域住民からの反対や整備の遅れなどの複合的な要因から計画を断念したケースもあります。これらのことが意味していることは、町会・自治会の賛同を得たからといって地域住民、言い換えれば区民の賛同を得たことと同義にはならないのではないかということです。初めから町会だけではなく、地域の方への意見を聞いていたら違った進め方になっていたかもしれません。  全区民が町会や自治会に参加しているわけではなく、町会がない地域、自治会がないマンションも多く存在しています。例えば、区内で最も人口の多い芝浦三・四丁目では九千四百八十三世帯あるのに対し、町会への加入世帯は二千九百八十世帯、しかも、内訳は、マンション単位で自動的に町会費が引き落とされており、自主的に加入しているわけではない、そんな世帯が多くを占めています。また、町会内には六つの自治会があり、二千八百二世帯が加入していますが、こちらも同様に全世帯が自主的加入とは言えません。  区では、補助金を支給するために加入世帯数を把握していますが、町会・自治会の活動にどれほどの人が参加しているのか、町会・自治会の加入世帯の実情まで把握していません。町会へは個人でも加入することができますが、現実問題、共働きの子育て世帯や深夜まで働くビジネスパーソンなどが今の町会・自治会活動に参加することは極めて難しいと言えます。区民全員の意見を聞くことが難しく、また、一人一人の要望をかなえることは現実的ではありませんが、町会長、自治会長の同意を得たから、その地域の同意を得たことと同義とすることは、町会長、自治会長たちへの責任転嫁とも捉えられかねません。  区ではフェイスブックやツイッターなどのSNSを活用、さらにLINEも本年十月に開設するとしており、取組は評価しますが、どれも区民へプッシュ型で情報提供しているにすぎません。町会・自治会という単位ではなく、区民が自分の住所を町名まで登録しておけば、地元の建設計画について誰もが知ることができ、さらに意見を述べることができるなど、区民と区、双方向の仕組みが必要です。組織に属していない区民の意見も丁寧に聞き、区政に反映させるべきだと考えますが、区の見解を伺います。  次に、外郭団体との連携をさらに深めていくことについてです。港区には、公益財団法人港区スポーツふれあい文化健康財団、社会福祉法人港区社会福祉協議会、公益社団法人港区シルバー人材センター、特定非営利活動法人みなと障がい者福祉事業団の四つの外郭団体があります。中でも田中前副区長が理事長に就任された公益財団法人港区スポーツふれあい文化健康財団、通称Kissポート財団は、二〇一九年度予算では、区委託料は三億九百二十三万円と、二〇一六年度の決算額と比べ四年間で一億六千七百二十三万円も増加。二〇一九年度予算の区補助金は五億六千六百十万円となり、全体の収入において区委託料比率が三三・八%、区補助金比率が六二・〇%と自主財源の確保があまりできていません。  また、社会福祉法人港区社会福祉協議会は、事業の一つとして育児サポート事業を行っています。利用会員数は二〇一八年度で千七十九人、二〇一九年度は千三百七十八人と増加しており、年々ニーズが高まっていることが分かりますが、協力会員は二〇一八年度で百五人、二〇一九年度で百三十人と、ニーズに対して供給が追いついていないにもかかわらず、育児サポート事業の委託金は二〇一七年度から年々増加しています。また、貸付事業に関しては、新型コロナウイルス感染症に関連した緊急小口資金や総合支援資金の貸付けを除いた上で、社会福祉法人全国社会福祉協議会が二〇一九年三月にまとめた、これからの生活福祉資金貸付事業のあり方に関する検討委員会においても償還率の低下などの課題が示されており、港区でも同様の課題が見られています。  さらに四つの外郭団体のうち、三つの団体では役員の平均年齢が七十歳を超えており、今後の安定的な運営に不安が残ります。これら外郭団体が担っている事業は区民にとって欠かせない事業が多く、だからこそ、より効率的な運営をし、外郭団体と区がより一層連携を深め、区民ニーズに沿った事業運営ができるようにすべきです。外郭団体と区との関わりについて、区の見解を伺います。  次に、寿商品券等贈呈の支給要件の見直しについて伺います。各自治体では、高齢者に対して商品券や慶祝品、祝い金などを贈呈しており、港区でも長寿と健康をお祝いするためとして区内共通商品券を贈呈、また、百歳以上の方には記念品と花束を贈呈しています。  二十三区の中でも対象者は各区によって異なり、港区は二十三区の中で最も対象年齢が低く七十歳から始まり、その後七十七歳、八十歳、八十八歳、九十歳、九十九歳、百歳以上と七回以上贈呈品をもらう機会があり、区内共通商品券の金額は五千円から三万円となっています。二十三区で最も対象年齢が低い七十歳からもらえる港区に対し、品川区、世田谷区、大田区、板橋区、葛飾区、足立区では八十八歳からとなっています。品川区では八十八歳、九十歳、九十九歳、百歳、百一歳以上、世田谷区では八十八歳と百歳の二回、大田区では八十八歳、百歳、百八歳の三回です。  兵庫県神戸市では、七十七歳以上の高齢者に老人手当として支給が始まりましたが、阪神・淡路大震災後に財政状況の悪化などから、七十七歳、八十八歳、九十九歳以上の方へと節目支給に見直し、さらにその後、八十八歳、百歳の方のみの支給としましたが、二〇一六年には、人口減少と高齢化が進み、今後は健康寿命をいかに延ばしていくかが重要であるという観点から高齢者への敬老祝い金を廃止しました。  長寿と健康をお祝いするという目的であれば、節目の人にだけ贈呈するのではなく、例えばある年齢以上の高齢者全員を対象とし、前年の一年間に医療保険を使用しなかった方に贈呈することが、健康寿命を延ばすための施策を充実させる目的に合致したやり方ではないでしょうか。  厚生労働省が七十歳までの就業機会を確保するための高年齢者等の雇用の安定等に関する法律、いわゆる高年齢者雇用安定法を改正し、国として七十歳まで働くことができる環境を整えようとしている中で、区として、七十歳を高齢者と捉えるのか、対象年齢についても検討する時期かもしれません。社会が変わっていく中で、港区でも寿商品券等贈呈の支給要件を見直すべきです。区の考えを伺います。  次に、区の公文書において、和暦と西暦表記を併記することについて伺います。令和二年となりました。元号は六四五年の大化から始まり、二百四十八個目の元号が令和となりましたが、明治以降に一世一元の制となる以前は、数年ごとに元号が変わることは珍しくありませんでした。  一九七九年に制定された元号法では、元号の使用については言及しておらず、つまり、公文書においても元号を使用する義務は特にありません。しかし、慣例に基づき和暦が使用され続けています。事実、港区の資料でも平成七十二年という表記がありました。多くの人は、平成七十二年が今から何年後を示しているのか計算しなくては分からないでしょう。令和は二〇一九年五月一日から始まったため、二〇一九年は和歴が平成三十一年と令和元年の二通りが存在し、区の資料でも平成三十一年は令和元年と読み替えてくださいという注釈が追記されるなど混乱が生じました。  ほかにも十八年と数字のみが書かれた文章では、平成十八年のことか、二〇一八年のことを示しているのか、すぐには分かりづらく勘違いするケースもあります。運転免許証の有効期限の表記は和歴のみから西暦併記に変更され、外国人免許取得者の増加を受け、来春以降、西暦のみに変更される見通しです。また、マイナンバーカードの有効期限は西暦で表記されています。  グローバル社会においてはもちろんのこと西暦しか利用されず、本年開催されるはずであった東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会は、区においても東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会と呼び、国民体育大会(国体)においても西暦を使用するなど、スポーツイベントはグローバル基準を採用しています。区民へ分かりやすく、さらに長期目線で数十年後、数百年後に見ても分かりやすい表記をするために、区が作成する公文書において、和暦を記載する場合には西暦を併記するべきだと考えます。区の見解を伺います。  次に、区保有の土地活用について、旧伊豆健康学園と旧小諸高原学園の活用検討について伺います。  人口減少の時期を乗り越え、港区は二〇一〇年の総人口二十万千五百四十三人から二〇一五年には二十四万五千八十五人、二〇二〇年九月一日現在では二十六万二千八十四人となっており、このコロナ禍で減少しているとはいえ、長期目線で見ると人口は増加してきました。人口増加に伴う税収の増加が期待できるとともに、保育施設、福祉施設など不足する課題が危惧されています。港区は土地の値段が高く、区として土地を購入するにも大きな費用を要するため、現在保有している土地は有効活用すべきですが、実際には活用されていない土地が区内外に多く存在しています。最たるものが二〇〇一年以降使用されていない旧伊豆健康学園です。今年で使用されなくなってから約二十年が経過しました。しかし、施設管理業務委託として毎年約二百六十万円の費用がかかっており、単純に計算しても、使用されなくなった後の管理費だけで五千万円以上の税金が使われてきた計算になります。  また、本年九月に契約が終了する旧小諸高原学園も、二〇一一年に一般社団法人小諸エコビレッジに貸し付けられていますが、契約終了後の活用については検討中です。旧伊豆健康学園については、高齢者施設として活用することも検討されたようですが、距離の問題などから実現せず、その後、全く活用されていません。  現在、旧神応小学校、旧三光小学校に保管されている埋蔵文化財の保管場所の確保が二〇二三年までに困難な場合に、旧伊豆健康学園を暫定活用することが検討されていますが、実際に活用されるかはまだ決定されていません。なぜ二十年にもわたり旧伊豆健康学園は放置されていたのか。区の財産を無駄にしてきたと言わざるを得ません。旧伊豆健康学園の活用について検討されるまで二十年以上の月日がかかっていることを考えると、旧小諸高原学園の活用についても長い時間がかかる可能性が考えられますが、施設の維持費を無駄にしないためにも一刻も早く区民のために活用すべきです。  新型コロナウイルス感染症の影響で都心から田舎への移住に関心が高まっています。高齢者の方の中には、密集した都会よりもゆっくりとした場所で暮らしたいと思うようになった人や、自分の親をできるだけ人の少ない田舎で過ごしてほしい、そう思っている家族も増えています。埋蔵文化財の保管だけでなく、高齢者施設としての活用など、より区にとって最適な活用方法を検討すべきです。検討の進捗や今後について伺います。  最後に、起業支援として、区がバーチャルオフィスを提供することについて伺います。  総務省が出している経済センサス基礎調査によると、二〇一六年の事業所数は三万七千百十六件、中小企業庁の二〇一六年の民間企業かつ非一次産業の企業数は二万二千八十二件と、都内で最も企業が密集している地域となっています。二〇一一年の災害などの経験から、近年は社長たちの間でも職住近接が主流となっていました。その流れを受けて、都心港区に住む経営者は増えており、二〇二〇年の株式会社東京商工リサーチ調べによると、社長が住んでいる街の一位は港区赤坂となっており、トップテンの中には赤坂、六本木、南青山、高輪、芝浦、三田と六地域を港区が占めています。これらのことから、港区に本社を置き、港区に住む経営者が多いことが推測されますが、新型コロナウイルス感染症の影響によりリモートワークが定着し、必ずしも広い本社を家賃の高い港区に置く必要はなくなり、ほかの地域へ移転、それに伴い経営者自身も引っ越しをするという流れができています。  誰も二〇二〇年三月に新型コロナウイルス感染症がこんなにも経済を混乱に陥れることになるとは想像していませんでした。通常でも十年後に生き残る企業は三%にも満たないと言われていますが、株式会社東京商工リサーチによると、負債一千万円以上のコロナ関連破綻は、全国で四百五十四件、東京都では百十六件に上り、月別推移では、六月には単月最多の百三件、七月は八十件、八月は六十七件が発生しています。株式会社帝国データバンクのデータによると、倒産件数は六年ぶりに二か月連続の八百件超を記録し、一月から七月の累計は四千七百九十件、これは前年同期の四千七百八十一件を上回るなど増加トレンドがうかがえます。データベースを取り扱う民間企業の調べによると、新型コロナウイルス感染症の影響で一か月の新規開業数は七割ほどに落ち込んでいるというデータもあります。  しかし、社会が混乱しているときには新しいニーズが生まれ、起業のチャンスであると言え、新進気鋭なベンチャー企業が新しい価値を創造した事業を生み出していくことになるでしょう。港区は家賃が高いため、区でも新規家賃補助などの支援を行っていますが、これだけテレワークが定着した今、リアルでのオフィスを持たなくても仕事ができるようなトレンドになりつつあり、結果、起業するときの金銭的ハードルは下がっています。しかし、実際に取引をする際に事務所が自宅であるがために相手から信頼を得ることができない。女性の場合には特に自宅を公開したくないなど、いわゆる名刺に記載する住所をどうするかという課題が依然として残っています。  芝五丁目に建設中の産業振興センターでは、登記が可能なコワーキングスペースを設けることとしていますが、バーチャルオフィスの設置とはなっていません。バーチャルオフィスは契約企業数に応じたスペースが必要であるわけではないため、多くの企業を受け付けることができます。これからの時代は社員もできるだけ少なく、ICTを活用し、投資コストを抑えながら事業展開していく、そんな企業が増えていくことが予想されます。事業を展開したばかりの起業家に信用を付与し、起業のハードルを下げるためにも、区民が港区内で起業するため区がバーチャルオフィスを提供することについて、区の見解を伺います。  財源が減収する中でコスト削減は必須です。それと同時に将来社会を抱えていく世代が健やかに成長するための投資は不可欠です。一刻も早く元の生活、経済が戻ること願い、質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。   〔区長(武井雅昭君)登壇〕 ○区長(武井雅昭君) ただいまのみなと政策会議を代表しての榎本あゆみ議員の御質問に順次お答えいたします。  最初に、新型コロナウイルス感染症の影響による今後の区政運営についてのお尋ねです。  まず、事業に優先順位をつける考え方についてです。今回の感染症の影響により、歳入の根幹をなす特別区民税は大幅な減収が見込まれます。厳しい財政状況下にあっても、安定した区民サービスを提供するとともに、今回の感染症の影響を受けた区民や区内事業者の支援を最優先に取り組んでまいります。そのため、既に予算化、また計画化されている事業であっても、区民生活の影響などを考慮しながら、積極的な見直しを進めてまいります。  次に、事業経費の削減に関する考え方についてのお尋ねです。区は、これまでも事務事業評価において、社会経済状況の変化等により継続の必要性が低下した事業の廃止・縮小や、事業統合・再構築を図るなど、改善に努めてまいりました。今年度は、システム保守や人事管理等の内部管理事務を対象に含めるなど、例年以上に評価対象事業を拡大して実施しております。来年度予算では、事務事業評価結果を踏まえ、新型コロナウイルス感染症対策を最優先に、必要性、効果性を見極めた上で、優先度が高い事業に財源を配分してまいります。今後の減収局面においても区民サービスの質を維持し、誰もが将来にわたり安心できるよう安定的に事業を遂行してまいります。  次に、全ての区民に独自の給付金を支給することについてのお尋ねです。区民に最も身近な自治体である区は、支援を必要とする人に焦点を当てた、きめ細かな取組を展開し、子育て・福祉・産業などの分野において、区民生活と地域経済を守る施策を実施してまいりました。区は、引き続き、強力に感染症対策を進めるほか、区民生活に欠かすことができないサービスや施設計画を着実に進めていくために、今後の財政状況を十分に考慮する必要があります。  令和元年度港区各会計決算等審査意見書においても、二年度以降の債務負担行為の支出予定額が五百五十四億円、基金残高の約三一・五%に相当する額であることに触れ、今後の財政運営には十分留意されたいとの意見が付されております。特別区民税の大幅な減収が長期に見込まれる厳しい状況の中、多額の財政負担を伴う一律の給付金の支給については慎重にならざるを得ないものと考えております。  次に、本年四月二十八日以降に生まれた子どもに区が給付金を支給することについてのお尋ねです。国は、簡素な仕組みで迅速かつ的確に広く家計を支援するため、一律十万円の特別定額給付金の支給を決定し、実施主体となる区といたしましては、国が定めた支給対象の方に、できるだけ早く確実にお届けすることを主眼に取り組んでまいりました。また一方で、区民に最も身近な自治体である区といたしまして、出産費用の一部を負担する港区出産費用助成事業や、また二万円分の商品券を妊婦に配布する、みなとプレママ応援事業など、子育て世帯を支援するため独自の取組を実施してまいりました。今後も、妊娠・出産・育児等の各場面において必要とされる支援を的確に実施し、切れ目のない支援を充実してまいります。  次に、納税者に港区に住み続けたいと思われる魅力の創出についてのお尋ねです。本年三月に港区政策創造研究所が取りまとめた転出入調査の結果では、区への転入理由に職場の近さ以外にも、まちのイメージや治安のよさなどを理由としている方が多くいます。コロナ禍でテレワークが拡大している状況においても、こうした区民や地域の企業の方々などとともに築き上げた区の魅力は、これからのウィズコロナ、アフターコロナの時代で、区が選ばれる都市であり続けるために重要なものと認識しております。引き続き、地域の皆さんをはじめ多くの方とともに、今ある魅力を伸ばし、環境の変化にも影響を受けない港区ならではの魅力を創出してまいります。  次に、子育て支援についてのお尋ねです。  まず、区の合計特殊出生率が低下している原因の分析についてです。全国的に少子化が進む中、港区のゼロ歳児人口は順調に増加を続けていましたが、平成二十八年をピークに出生数が前年を下回っています。これは、港区のゼロ歳児人口の動向に大きく影響する区内の十五歳から四十九歳の日本人の女性が出産する割合が、同年をピークに減少に転じていることに起因します。出生数が低下した要因の一つとして婚姻の減少が考えられます。区の婚姻件数は、平成二十九年をピークに前年を下回っています。ほかにも子どもを産み育てることの価値観の多様化や社会経済状況の変化などが区の合計特殊出生率の低下の要因と考えております。  次に、出生率を回復するための施策についてのお尋ねです。区は、妊娠・出産・子育てに対し、妊産婦への港区コミュニティバスの乗車券の交付、出産費用の助成、子どもの医療費助成などきめ細かな支援を行っております。本年三月に港区政策創造研究所が発表した、港区における引越し(転入・転出・転居)に関するアンケート調査報告書においても、転入者、転出者ともに港区の子育て支援や教育環境の充実に一定の評価をいただいております。来年四月には、いよいよ(仮称)港区子ども家庭総合支援センターを開設いたします。この施設を拠点に、今後も安心して子どもを産み、育てることができる環境の整備を一層進め、区内の出生数の回復に努めてまいります。  次に、祖父母が子育て家庭をサポートするための区の支援についてのお尋ねです。祖父母の育児参加は、子育ての負担やストレスが軽減し、多様な大人が子どもに関わることで、子どもの社会性が育まれます。祖父母自身にとっても生きがいや充足感をもたらす機会になります。祖父母ならではの包容力と穏やかな気持ちで子どもに接することができる孫育ては、メリットがたくさんあります。今後、多世代が支え合う子育ての課題を研究し、祖父母と親のコミュニケーションをより円滑にし、家族で協力する子育て講座のリモート開催など、離れて住んでいる祖父母が子育て家庭をサポートするための効果的な支援策を検討してまいります。  次に、区政のICT化についてのお尋ねです。  まず、各種申請手続のICT化を推進することについてです。区では、令和四年度までを集中取組期間として行政手続全体の七割に当たる手続のオンライン化を図り、法令の改正等が必要なものも含め、将来的には全ての手続のオンライン化を目指します。まずは、本年十月から出産費用助成費支給申請など利用が多い手続を中心に電子申請サービスを拡充してまいります。また、ICTの活用により、申請による受付データを業務システムに取り組めるようにするなど、行政手続のオンライン化に併せ業務の効率化を図ってまいります。  次に、保育園のICT化に関する現状と今後についてのお尋ねです。区立保育園では、昨年四月に保育業務支援システムを導入し、登降園管理をICカードで行うなど、保護者の利便性向上や保育士の業務負担軽減に取り組んでおります。総務省の地方公共団体における情報セキュリティポリシーに関するガイドラインが改定される予定であることから、現在、保育業務支援システムを活用して、連絡帳や保育園の欠席などを保護者と安全にやり取りできるよう検討を進めております。ICTを活用して保護者との連絡を行うことは、保護者の利便性の向上や保育士の業務負担軽減に効果があることから、できるだけ早期の実現に向けて取り組んでまいります。  次に、子育てひろばの登録手続のオンライン化についてのお尋ねです。区では、去る九月七日から子育てひろばあっぴぃに既に登録済みの方が利用予約等を行う際に、みなと母子手帳アプリから二十四時間いつも空き状況の確認や利用予約ができるシステムを導入いたしました。ただし、現在、子育てひろばあっぴぃに新規で登録する際には、利用を希望する施設に直接書面で申請をする必要があります。今後、利用者が登録から利用の予約までワンストップで手続が可能となるように、できるだけ早期に登録手続のオンライン化が実現できるよう検討を進めてまいります。  次に、区政改革についてのお尋ねです。  まず、国や東京都が管轄する事項を改善するための区としてのさらなる取組についてです。区は、区民に最も近い基礎自治体として、国や東京都による取組であっても、区民から寄せられた声に対し、その課題解決に向けて積極的に対応しております。課題ごとに国・東京都に改善要望することと併せ、国や東京都と担当部署同士の協議や連絡会により調整を図るとともに、広域的な影響が及ぶ課題については、特別区長会を通じて働きかけるなど様々な手法により今後改善に結びつけてまいります。  次に、町会や自治会などに属していない区民の意見も聴いて区政に反映させることについてのお尋ねです。区は、区民の誰もが参画できる開かれた区政を推進するため、施設整備の際には、必要に応じ、条例で定めた範囲よりも広く住民説明会を案内し、御意見を伺っています。(仮称)港区子ども家庭総合支援センターの整備の際には、近隣の小学校や店舗等にもお知らせし、説明会資料や質疑内容は区ホームページで公開しております。今後は、区民の方の御意見をLINEを経由して送ることができる仕組みをつくり、双方向での意思疎通の向上に努め、施策への反映と迅速な実施を一層推進する体制づくりを検討してまいります。
     次に、外郭団体との連携を深めることについてのお尋ねです。港区外郭団体経営評価委員会では、今年度から学識経験者を含む評価委員と各団体が意見交換する機会を設け、各団体の運営上の課題をより明確に洗い出し、共有することにより実効性の高い改善の提案や助言を行っております。委員会からの意見を踏まえ、社会福祉法人港区社会福祉協議会では、利用者アンケートによる区民ニーズの把握に努めるとともに、自主財源の確保に向けた取組を推進するなど、各団体はより効果的かつ効率的な経営を目指して業務改善に取り組んでいます。区は、引き続き外郭団体と連携し、区民サービスの向上に取り組んでまいります。  次に、寿商品券等贈呈の支給要件の見直しについてのお尋ねです。寿商品券等贈呈事業は、長寿と健康のお祝いに加え、多年にわたり社会の進展に尽くしてこられた高齢者に敬意を表する目的で、七十歳の古希を迎える方から事業の対象者として実施しております。支給対象につきましては、過去に高齢者全員に送っていたものを、現在の節目の年齢を迎える方に見直したものであり、現時点では適切であると考えております。今後も寿商品券のより適切な配布方法の検討など、効果的な事業の実施に努めてまいります。  次に、区の公文書において和暦と西暦を併記することについてのお尋ねです。区は、戸籍事務などの法令等に基づく事務や、国、他自治体との統一的な事務処理を円滑に進めるため、慣例として和暦を使用しております。その上で、区民の分かりやすさや混乱を防止する観点から、平成元年に刊行物の表紙等に西暦を併記する区の統一的な基準を定め、平成から令和への改元の際には、国の取扱いを踏まえ、許可・認可等の期間を示す文書に西暦を併記してまいりました。今後は、区が作成する文書等については、区民により分かりやすいものとするため、他自治体の事例なども参考に表記方法を整理してまいります。  次に、旧伊豆健康学園と旧小諸高原学園の活用検討についてのお尋ねです。  旧伊豆健康学園は、これまでも区としての活用だけでなく、民間事業者の事業案募集に向けた検討のほか、土地の取得を希望していた静岡県伊東市との協議、複数事業者への活用策のヒアリングなどを行ってまいりました。また、旧小諸高原学園は、現在の行政需要の確認や長野県小諸市や周辺で活動する団体の御意見などを伺いながら、区民サービスの提供を可能にする事業案を検討しております。今後は、この二つの区有財産の有効活用を図るため、企業や大学、NPO法人等から事業提案を募集する港区民間協創制度を利用するなど、早期の活用を目指して取り組んでまいります。  最後に、区がバーチャルオフィスを提供することについてのお尋ねです。  区は、企業、人及び地域の力を結びつけ、区内産業の振興と地域の活性化に寄与する、多様な産業振興施策を実施しております。バーチャルオフィスにつきましては、区の中小企業支援制度においては、地域との関わりが薄いことなどから制度の対象とはしておりません。一方、現に民間でバーチャルオフィスは数多く提供されております。施設利用を伴わないバーチャルオフィスを区が設置することなどにつきましては、現状の把握に努め、検討してまいります。  よろしく御理解のほどお願いいたします。  教育に係わる問題については、教育長から答弁いたします。   〔教育長(浦田幹男君)登壇〕 ○教育長(浦田幹男君) ただいまのみなと政策会議を代表しての榎本あゆみ議員の御質問に順次お答えいたします。  未来を担う子どもたちの教育についてのお尋ねです。  まず、学校教育への熱意や展望についてでございます。私は入庁後、最初の三年間、教育委員会事務局社会体育課でスポーツ大会やスポーツの企画・運営を経験いたしました。芝浦港南地区総合支所長在職時には、総合防災訓練や祭りなど、地域と学校の橋渡し役を行う中で、子どもたちは家庭や学校に加え、地域の中で育ち、地域の皆さんに育てられていることを実感いたしました。  武井区長が行った、地域の課題は地域で解決するという区役所・支所改革の理念の下、常に区民目線、現場目線を重視してまいりました。教育長に就任後、全区立幼稚園、小・中学校を訪問いたしました。二学期が始まり、予想以上に落ち着いた態度で学習する子どもたちの様子や、新型コロナウイルス感染拡大を防ぐために工夫をしながら奮闘している教職員の姿など、学校現場から分かることが多々ありました。子どもたちの澄んだ瞳、笑顔を見て、どんな苦難にも立ち向かい、使命感を持って取り組む覚悟を新たにしたところです。  まず、解決を急がなければならない課題として、新型コロナウイルス感染症への対応です。子どもたちの安全・安心、学びの継続が最優先であり、保護者の皆さんが安心して子どもたちを送り出せるよう、港区独自のガイドラインを国や東京都の指針を踏まえ、改訂・周知しながら教育活動を進めてまいります。  また、その教育活動を推進する教員の課題として、働き方改革があります。子どもたちが生き生きとして学校生活を送るためには、まず何より教職員自身が心身ともに健康であることが不可欠です。あらゆる方策を駆使して改革に取り組んでまいります。  次に、長期的な学校教育ビジョンについてです。子どもたちが羽ばたいていく未来は、情報革新の波がますます進んだSociety5・0社会が到来し、変化を予測することが困難な時代になると言われています。こうした中、学校教育が果たす役割はこれまで以上に重要であり、子どもたちが自らの将来を切り拓き、生き抜く力や社会の発展に貢献する力を見つけることが求められております。子どもたちが基礎・基本をしっかりと身につけた上で、自己肯定感を持ち、勇気を持って未知の世界への第一歩を踏み出せる力を学校教育の中で育んでまいります。  港区ならではの幼・小・中一貫教育や国際理解教育など、一人一人の個性を伸ばし、可能性を広げる教育のさらなる質の向上も図ってまいります。また、課題となっている理科教育を充実させるため、本年度オープンしたみなと科学館の積極的な活用を推進してまいります。新教育長制度の下、武井区長としっかり意見交換をさせていただき、子ども家庭支援部をはじめ、区長部局と連携をさらに深めてまいります。  これから先も、港区で育ち、港区で学び、港区で暮らしてよかったと、全ての子どもたちが胸を張って言える教育環境の整備に努め、青木前教育長をはじめ、歴代の教育長が積み上げてきた「教育の港区」のさらなる充実・発展に誠心誠意取り組んでまいります。  次に、タブレット端末の効果的な活用方法についてのお尋ねです。教育委員会では、GIGAスクール構想の実現に向け、十月から全ての小・中学校に一人一台配備するタブレット端末の活用を開始いたします。この端末の活用により、学校の授業では児童・生徒が自らの考えを視覚的に表現し、他者と考えを伝え合うなど、児童・生徒の主体的な学びが活性化していきます。こうした授業での活用に加え、今後、学校と家庭をつなぐオンライン学習での活用や家庭学習における学習者用コンテンツの利用など、多岐にわたる端末の効果的な活用を推進してまいります。  最後に、学校図書館における電子書籍の導入についてのお尋ねです。学校図書館のさらなる充実を目指し、今年度から教育センター内に学校図書館支援センター機能を付加いたしました。新たに配置した学校図書館支援アドバイザー二名が各学校を巡回し、運営計画の指導や助言を行っております。  教育委員会では、さらに子どもたちの読書活動を豊かなものにするため、電子書籍の導入を考えております。今後、図書館教育の担当校長や学校図書館支援アドバイザー等で構成する検討会議において、電子書籍を活用した際のメリット、電子と紙の書籍の購入バランスなど、様々な観点から電子書籍の導入について検討を進めてまいります。  よろしく御理解のほどお願いいたします。 ○副議長(阿部浩子君) 議事の運営上、暫時休憩いたします。                                        午後三時二十八分休憩                                         午後三時五十分再開 ○議長(二島豊司君) 休憩前に引き続き、会議を再開いたします。  お諮りいたします。議事の運営上、あらかじめ時間を延長いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(二島豊司君) 御異議なきものと認め、時間は延長されました。             ─────────────────────────── ○議長(二島豊司君) 一般質問を続けます。次に、三十番近藤まさ子議員。   〔三十番(近藤まさ子君)登壇、拍手〕 ○三十番(近藤まさ子君) 令和二年第三回港区議会定例会に当たり、公明党議員団を代表して、武井区長並びに浦田教育長に質問いたします。  質問に入る前に一言申し上げます。この夏、酷暑による熱中症や集中豪雨や台風により亡くなられた方々の御冥福をお祈りいたしますとともに、被災された皆様にお見舞いを申し上げます。  また、本年一月に新型コロナウイルス感染症が日本で確認されており、およそ八か月が経過いたしました。改めまして、亡くなられた方々の御冥福をお祈りいたしますとともに、病と闘っておられる皆様の一日も早い回復をお祈り申し上げます。  そして、医療関係者をはじめ、私たちの命と暮らしを守るため多くのエッセンシャルワーカーの皆様が感染リスクを抱えながら命がけでお仕事を全うしてくださっていることに敬意を表しますとともに、心より感謝を申し上げます。  さて、この八か月間、公明党は、生活が困難となった多くの方々や事業継続が難しくなった事業主、各種団体並びに個人事業主などの悲痛なお訴えを受け止め、新型コロナウイルス感染症対策の支援策を提案、実現し、国民の皆様の生活安定への道筋を示してまいりました。しかし、何よりも重要なことは、こうした支援策を多くの区民、区内事業者の皆様に活用していただくことです。地域に根差した私たち港区議会公明党議員団五名は皆様の声を日々真摯に受け止め、様々な支援事業について情報提供するとともに、現場での課題をその都度、港区はもとより、東京都、そして国にお届けし、ネットワーク政党の強みを生かし、政策への反映、充実に取り組んでまいりました。これからも私たち港区議会公明党議員団は、誰一人取り残さないの思いを胸に、港区の隅々までアンテナを張り巡らせ、区民の安全・安心、そして希望を持っていただける施策の実現に力を尽くしてまいることをお誓い申し上げ、質問に入ります。  初めに、区の財政運営についてお伺いいたします。  新型コロナウイルス感染症の拡大は、引き続き私たちの生活に大きな影響を及ぼすことが予想されます。緊急事態宣言中の四月半ばにピークアウトしたと思われていた感染者数は、七月に入り増加を続け、日本国内の累計感染者数は、今や七万人に迫っています。感染拡大は実体経済にも大きく影響を与え、第二回定例会においても我が会派は紹介いたしましたが、民間のエコノミストからも四月から六月期に大きく落ち込む懸念が示されていた実質国内総生産、いわゆるGDPは今月八日に四半期別の改定値が公表され、前期比マイナス七・九%、年率換算でマイナス二八・一%とリーマンショック後を超える戦後最悪の下げ幅を記録しています。  一方、八月の政府月例報告においては、景気は依然として厳しい状況にあるものの、最近は持ち直しの動きが見られるとも言われています。しかしながら、今後は、感染症が国内外の経済に与える影響に十分注視する必要があり、景気の見通しはまだ視界不良と言わざるを得ません。  東京都が発表した八月一日現在の人口推計では、前月と比べ東京都全体では約五千九百人減少、港区においても約四百人以上の減少となっており、新型コロナウイルス感染症の様々な影響を受けての結果とも考えられます。このような状況下、各自治体では来年度予算編成へ向け、実務ベースの動きが始まっているかと思います。港区においても来年度の予算編成方針を策定し、広報みなとやホームページを通じて広く示されています。  新型コロナウイルス感染症が与える影響により、人々の生活様式が一変していることに着目するとともに、これまでの区の取組、新型コロナウイルス感染症終息後の変化など、区を取り巻く環境を分析し、社会変化を的確に捉え、迅速かつ積極的・戦略的な政策の立案・実施が必要と考えます。  その上で、現下の状況においては、何といっても新型コロナウイルス感染症を踏まえた一連の施策に重点的に取り組むべきという視点は必要であり、終息までの継続的な取組、いわゆるウィズコロナや、終息後を見据えた取組、ポストコロナ、アフターコロナ時代に対応した取組が重要となってまいります。このような視点で将来を見据えた場合、これまでの計画的な財政運営から持続可能な財政運営を行っていく必要があるのではないでしょうか。  そこで質問は、新型コロナウイルス感染症と向き合う現在の状況下にあって、令和三年度の予算編成において、重点施策を定めた区の考え方をお伺いいたします。また、ポストコロナの時代を大きな転機と捉え、区民の暮らしを守り、新たな時代の幕開けにふさわしい、将来を見据えた中長期的な視点での持続可能な財政運営のかじ取りをどのように行われるのか、区長の御見解をお伺いいたします。  次に、コロナ禍における国勢調査についてお伺いいたします。  総務省が五年に一度実施している国勢調査は、大正九年に我が国で初めて行われて以来、ちょうど今年は百年の節目を迎えます。近年、ビッグデータ等を活用したデータサイエンスの重要性が認識される中、本年秋に行われる令和の時代の最初の国勢調査は、国や地方の最新の人口や世帯の実態を明らかにし、これからの社会福祉や雇用政策、環境整備、防災計画など、将来に向けての行政資料として重要な役割を果たします。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の大流行は社会経済に大きな打撃を与え、日常生活を一変させるほどの甚大な影響を及ぼしている中、今回は調査活動に大きな影響を与えるのではないかと大変危惧されるところです。  これまでも、国勢調査に当たっては様々な課題がありました。その一つに、調査対象となる世帯は増加しているものの、国勢調査の意義に関する認識が薄いこと、また、調査員の高齢化による辞退など担い手不足による精度の低下が懸念されています。さらに、都心特有の事情として、高層マンションの中にはポストに投函することすら困難な場合も多く、調査対象者に直接依頼しづらい状況もあります。  最近では、見知らぬ人の訪問に拒絶反応を示す人も少なくなく、その背景にはプライバシー意識の高まりや、悪質な訪問販売など犯罪への警戒心が強くなっていることと相まって、新型コロナウイルス感染症が追い打ちをかける中での調査となります。こうした課題を克服するためにも、新しい生活様式を踏まえたウィズコロナの時代に合った国勢調査の在り方も今後検討していく必要があると考えます。  総務省では、現在のコロナ禍での今年の国勢調査は、対面調査が難しくなっている現状を踏まえ、非接触型に重点を置いた調査に切り替え、地域の実情に応じてインターホン越しの調査説明や、不在時においてはポストへの調査票の投函を認め、回答には原則、インターネットまたは郵送を利用した方法で実施されるよう各自治体に促しています。  港区では、来週月曜日から区に選ばれた国勢調査員によって順次、調査票の配布が開始されますが、パソコンやスマートフォンは九月十四日から十月二十日、郵送の場合は十月一日から十月二十日が回答期間となっています。  そこで質問は、コロナ禍での国勢調査に当たり、どのように感染防止策を徹底し、安心して調査活動ができるよう取り組んでいるのか。また、高齢者などの情報弱者とされる方々にインターネットで回答する機会を提供するなど、環境の整備に努めていくことも必要と考えますが、併せて区の取組について、区長の御見解をお伺いいたします。  次に、コロナ禍におけるプラスチックリサイクルの促進についてお伺いいたします。  政府は、二〇一九年五月に「プラスチック資源循環戦略」を策定し、容器や包装といった使い捨てプラスチックごみの排出量を三十年までに二五%削減することや、使用済みプラスチック製品のリサイクルや再利用などを進め、三十五年までに一〇〇%有効活用するとの目標を掲げています。  この目標を達成するために、環境省と経済産業省が本年七月二十一日に示したプラスチックごみの分別をより簡単にし、リサイクルを一層促進するための方針では、これまで容器包装リサイクル法の対象外だったプラスチックごみもプラスチック資源として容器包装と一括して出せるようにするとのことです。日本のプラスチックごみの有効利用率は八〇%を超えますが、そのうちの六割近くは燃やして火力発電などに利用する熱回収、サーマルリサイクルのため、地球温暖化の原因となる二酸化炭素排出量が高く、懸念されます。  しかし、港区では、二〇〇八年十月から、全国に先駆けてプラスチックの分別区分を不燃ごみから資源に変更しています。容器包装プラスチックはプラスチック原料化、マテリアルリサイクルを、製品プラスチックはガス化、ケミカルリサイクルを行うことで、全てのプラスチックを熱回収する場合と比べて、温室効果ガス排出量を約八割削減することができ、さらに区内の不燃ごみの大幅な減少につながっているとのことです。  ところが、新型コロナウイルス感染症の拡大により、使い捨てプラスチックのニーズが増加しており、使用が急増した不織布マスクの素材はポリプロピレンなどのプラスチックが大部分を占めています。また、フェイスシールドや、人と人の間を遮る透明なシート、持ち帰り食品の包装など様々な場面においては、むしろプラスチックの便利さが再認識されているのが現状です。その結果、経済活動が大きく冷え込んだ中でも、今年四月のプラスチックの生産量は、包装用のフィルムや食品トレイなどの素材において前年同月比で増加しています。  港区でも緊急事態宣言下の令和二年四月七日から五月二十五日までの期間で、資源回収したプラスチックは四百二十トンで、前年同時期の三百五十八トンと比べると一七・三%増加したとのことです。港区一般廃棄物処理基本計画(みなとクリーンプラン21)の平成三十年度の進捗状況の報告によれば、温室効果ガス排出量の目標達成率は三一・三%にとどまっています。  また、可燃ごみの中のプラスチックには汚れの付着がなく、資源化が可能なものが含まれており、分別排出が徹底されていないことが指摘されています。新型コロナウイルス感染症の拡大と長期化で、さらに温室効果ガス排出量の増加が懸念されています。感染防止用などに使われたプラスチックは焼却せざるを得ませんが、その他のプラスチック類のごみについては、区民に対して協力を促し、可燃ごみ・不燃ごみに混入しているプラスチック類を減らす取組を今こそ促進すべきではないでしょうか。  そこで質問は、コロナ禍におけるプラスチックのリサイクルに区としてどのように取り組まれるのか、区長の御見解をお伺いいたします。  次に、高齢者施設等における職員・利用者への公費によるPCR検査体制の構築についてお伺いいたします。  新型コロナウイルス感染症の新たな感染者数は九月に入っても依然として高い水準を維持しており、東京都が公表している情報によると、港区においても九月八日現在の累計感染者数は千七十一人にも上り、この数は都内でも三番目に多い数字となっています。  政府は、全国的に感染拡大は大体ピークに達したという見解を示していますが、高齢者の感染が増えており、六月末までに東京都内での死者三百二十五人を分析したところ、八十歳から九十歳代の死亡率は三割を超えていることから重症化リスクが懸念されます。重症化しやすい高齢者らの感染を未然に防ぐため、高齢者などが利用する施設において、感染防止策への取組をより一層強化していかなくてはなりません。そのためにも、施設利用者に加え、利用者と接触が避けられない職員を対象としたPCR検査を徹底することが必要と考えます。  都議会公明党は先月八月十八日、東京都に対し、高齢者施設の職員や利用者へのPCR検査について公費での早期実施を要請し、また、二十六日には政府に対し、国の十分な財政支援について緊急要請をしたところです。その結果、二十八日に決定した今後の対応方針の中に、感染者が多数発生していたり、クラスターが発生している地域においては、その期間、高齢者施設などで働く人や施設の利用者に対するPCR検査や抗原検査などの定期的な実施を自己負担のない行政検査として公費で行うことが盛り込まれました。  先日、小池東京都知事は、東京都独自に都内の高齢者施設や障がい者施設を対象に、利用者と職員全員八百六十か所、十五万人に無料でPCR検査を行うための費用を第九次補正予算案に盛り込む考えを示しました。都内では、既に千代田区が介護施設職員を対象にPCR検査を実施しており、世田谷区も介護施設をはじめ、保育園・幼稚園の職員への検査を予定していると伺っています。  そこで質問は、高齢者施設や障がい者施設などの利用者・施設職員への公費によるPCR検査について、施設でのクラスターを防ぐため、重症者が増えない早い段階で実施できるよう体制を整えるべきと考えますが、区のお考えをお伺いいたします。また、保育園など子ども関連施設においても、公費で検査が実施できるよう進めていく必要があると考えますが、併せて区長の御見解をお伺いいたします。  次に、訪問介護事業所等における新型コロナウイルス感染予防対策についてお伺いいたします。  昨年九月、総務省は敬老の日に当たり、人口に占める六十五歳以上の方の割合は、推計で二八・四%であると発表いたしました。この超高齢化社会の中、さらに増え続ける高齢者人口に対し、介護施設の数は相対的に不足し、病を持ちながら生きる療養生活と付随して必要とされる介護ケアの場は施設から在宅へと移り、サービスの主体も国から自治体へと移行しています。  動き出した地域包括ケアシステムはその体制づくりの一環とも言え、国は二〇二五年を目標に、地域の包括的な支援やサービス提供体制を構築できるよう取組を推進しています。また、療養し介護サービスを受ける高齢者の側も、その日々を住み慣れた我が家、地域において家族とともに自分らしい生活を送りたいと願う方は多く、在宅での介護の支援の手はホームヘルパーなどの訪問介護員が担っています。訪問介護先での支援業務は、食事、排せつ、清拭・入浴の介助などの身体介助や、調理、洗濯、掃除といった生活援助までと幅広く、介護員の多くの方が時間に追われながら自転車で利用者宅を回っておられます。  施設での業務と違い在宅での介護は、その現場ごとに状況が違うこと、一対一での対応であること、支援の時間や行える介護に制約があること、そして担当者のスキルや判断によって差異があることなどが特徴です。そのような中で新型コロナウイルス感染症の感染予防対策についての国からの指針は、サービス提供前後の手洗い、うがい、マスクやエプロン、手袋の着用、せきエチケットの徹底など特別なことではなく、対策としてできる手だては限られています。しかし、高い感染予防意識を持ちながらの対策の励行は、リスクを減らす効果がより期待できると考えます。  そこで、清潔と不潔を明確に区別する医療的な衛生管理の考え方を介護現場にも意識づけることや、使用済みのマスク、エプロンの正しい廃棄手順といった感染リスクを減らすための意識と行動の向上を在宅の介護現場に広げ、深めていくことが必要と考えます。また、利用者の側に対しても感染防止のための啓発を行っていくことが大切です。介護施設で感染が発生した事例もあり、今後、在宅介護に携わる方の定期的なPCR検査の実施なども行われるべきと考えます。  そこで質問は、訪問介護事業所等の在宅介護に携わる方の新型コロナウイルス感染予防に資する意識と行動の向上のための研修の実施や相談体制の拡充について区はどのように対応されるのか、区長の御見解をお伺いいたします。  次に、高齢者の熱中症対策についてお伺いいたします。  この夏は記録的な猛暑日が続きました。加えてコロナ禍において外出を控える方が多く、これまでの夏のように、まちの中で飛び交っていた熱中症予防喚起の声かけもあまり耳にすることはありませんでした。地域の方々からは一人暮らし高齢者の安否を気遣うお声を多くいただき、私も玄関先でドアを開けたまま短時間の訪問活動を行い、エアコンの状況をお尋ねしてきました。エアコンがない方、あっても数年使っていないことからクリーニングしてからでないと使えない、買換えの資金がない、また、体が冷えてしまうので使いたくない、扇風機だけで十分とおっしゃる方が多く、むっとする空気が玄関に流れてくることもしばしばありました。エアコンのある方には、身体の状況を伺いながら丁寧に設定温度、風向き、タイマーの活用など、適切なエアコンの使い方の周知が必要であると痛感いたしました。  さて、東京都監察医務院の発表によると、東京二十三区内で六月から九月の四か月間で百人を超えた熱中症死亡者は、平成二十二年に二百十人、平成二十五年に百四十二人、平成二十七年に百十九人でした。本年は八月、一か月間だけで百九十五人に達しています。そのうち百八十四人が屋内で亡くなっており、エアコンを使用していなかったケースが百六十五人で、およそ九〇%に上りました。この百六十五人の中に私の知人である御兄弟二人も含まれています。エアコンがあればと悔やんでも悔やみ切れません。  社会福祉協議会の生活福祉資金を借りてエアコンの設置も可能ですが、本年八月に熱中症で亡くなられた九割が六十五歳以上の高齢者です。返済のめどを立てることは難しいと考えます。  そこで質問は、新型コロナウイルス感染症の終息、景気の回復が不透明な今、熱中症対策として、エアコン設置に向けて補助金を創設すべきと考えますが、区長の御見解をお伺いいたします。  次に、地域共生社会に向けた包括的な支援体制の取組についてお伺いいたします。  我が国では少子高齢化・人口減少が進む中、家族や雇用形態の多様化と地域社会の結びつきの希薄化が同時に進行しています。そのような中、個人や家族が抱える生きづらさやリスクが複雑化・多様化し、八十代の親が五十代の中高年のひきこもりの子どもを養う八〇五〇問題、介護と子育てを同時に担うダブルケア、ごみ屋敷、虐待、孤独死など新たな課題が表面化してきています。  こうした課題は、従来の介護、障害、子育てなど制度・分野ごとでは対応するのが難しく、必死に時間をつくって相談に行ってもたらい回しにされた挙げ句、何も解決できないという事態が全国的に発生しています。こうした状況を放置していては、いつまでたっても地域共生社会の実現も、全ての世代が安心できる全世代型社会保障も実現することはできません。  そこで、国は地域共生社会の実現に向け、包括的支援体制の整備のために、次の三つの支援を一体的に実施する重層的支援体制整備事業を創設いたしました。  支援の一つ目は、包括的な相談支援です。福祉の窓口は、高齢者、障がい者、子どもといった分野別に分かれていることが多いのですが、どんな相談も最初の窓口で丸ごと受け止めます。  そして二つ目は、地域につなぎ戻していくための参加の支援です。仕事をしたり地域活動に参加したり、本人に合った場を探して、そこで役割を見出せるような支援をいたします。  そして三つ目が地域づくりに向けた支援です。子ども食堂や運動教室など、住民自らの意思で行う多様な活動や居場所を増やしていきます。この重層的支援体制整備事業を実施することで制度の縦割りを打破し、制度に人を合わせるのではなく、困り事を抱えている本人と家族を中心とした支援へと福祉の大転換を図ることが期待されています。これこそ私たち公明党が長年推進してきた「断らない相談支援」であり、誰も置き去りにしない社会を実現する基盤となる事業だと確信しています。  また、公明党の推進で、来年度予算において重層的支援体制整備事業を実施するに当たり、来年度の予算の骨格を示す経済財政運営と改革の基本方針二〇二〇、いわゆる骨太の方針において地域共生社会に向けた包括的な支援体制の構築という文言が明記されました。今回のコロナ禍で、改めて人とのつながりが重要だと再認識されていますが、この地域共生社会に向けた包括的な支援体制の構築こそ、今まさに取り組むことが求められているのではないでしょうか。  そこで質問は、地域共生社会に向けた包括的な支援体制の取組について、区としてどのように進められているのか、区長の御見解をお伺いいたします。  次に、雇用機会拡大に向けた障がい者就労支援についてお伺いいたします。  二〇二〇年四月一日に障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律、いわゆる改正障害者雇用促進法が施行となりました。改正内容の主なものは、民間企業に対して、事業主に対する給付制度と優良事業主としての認定制度の創設という二つの措置が盛り込まれました。給付制度としては、週十時間から二十時間未満勤務の障がい者を雇用する事業主に対して特例給付金が支給されることになりました。これまで法定雇用率にカウントされるのは、一週間の労働時間二十時間以上の場合で、二十時間未満は障害者雇用調整金などの支援が受けられませんでした。しかし、障害の特性から短時間なら就労できる人も多いことから、この改正により、就業可能な障がい者の雇用機会の増加が期待されています。  また、認定制度としては、三百人以下の中小企業で一定の認定基準をクリアすれば、自社の商品や広告などに障害者雇用優良中小事業主認定マークが使用でき、ダイバーシティー、働き方改革などの広報効果が期待できます。  さて、本年二月から六月の五か月間に企業などを解雇された障がい者数は千百四人で、昨年同期比で一六%増加していることが分かりました。コロナ禍での経営悪化で雇用の維持が難しくなったことが一因と言われています。さらに五月の障がい者向け新規求人数は、昨年比三六・一%減にも上りました。この減少率は、同じコロナ禍における一般求人率三二・一%より四%高くなっています。こうした現状の中、令和三年三月には障がい者の法定雇用率がアップし、民間企業は二・二%から二・三%へ、国と自治体は二・五%から二・六%とすることが労働政策審議会で了承されました。  そこで質問は、民間企業への障がい者雇用率アップのために、さらには障がい者が生きがいを持って働き社会参加できる雇用機会の創出のために、港区としてどのように支援していかれるのか、区長の御見解をお伺いいたします。  次に、区内飲食店のコロナ禍の景況を踏まえた支援についてお伺いいたします。  港区による令和二年上半期の区内中小企業の景況調査によれば、リーマンショック後の平成二十一年四月から六月期の全体の業況DIがマイナス四四%に対して、本年四月から六月期はマイナス六八・三%と過去最悪の結果でした。飲食店や宿泊業に至っては九〇%以上の落ち込みとの結果で、これは本年六月時点の調査であることから、今、再調査すれば、さらに悪いことは明らかです。  飲食店を中心とした区内店舗への新型コロナウイルス感染症対応の支援策としては、過去最高の総額十億円の「コロナに負けるな!」と銘打ったプレミアム付き区内共通商品券が挙げられます。過去最高の最大三〇%のプレミアム率のインパクトもあってか申込み状況は大変に好調で、十億円分を超えて抽せんになる見込みとのことです。  一方で、当該商品券が利用できる取扱登録店舗数は、平成二十八年が千二百五十三店に対して、令和二年度は九百二十五店と年々減少しています。地域によって利用できる店舗の差も大きく、地域性は当然あるとは思いますが、例えば令和二年七月時点で白金高輪地区が二百十店舗に対して、芝浦港南地区は四十八店舗となっており、特に港南地域の居住の皆様から、使用できる店舗を増やしてほしいとのお声が強いです。  令和元年十月の消費税率一〇%への引上げによる生活への影響を緩和するため、国が財源を手当てし、港区で発行した令和の商品券「和らぎ」では、区内商店会加入が条件ではなかったこともあり、千百四十七店で当該商品券が利用可能でした。今回は総額十億円のインパクトもあり、現在少しずつ区内共通商品券の取扱店舗登録が増えてきているようですが、店舗が区内商店会エリアから地理的に離れている場合でも、港区商店街連合会の直接の賛助会員となれば取扱いが可能で、区内全域が対象となっています。区内店舗にとって総額十億円のプレミアム付き商品券は、コロナ禍で非常に苦しい経営状況を少しでも上向かせるために大変に有用な事業だと思います。  当該事業の効果を最大限引き上げるためにも、区としても取扱店舗登録についての周知に全力で取り組んでいただきたいと思います。例えば、本年八月から開始された産業・地域振興支援部のツイッターの活用や、当該商品券の換金のための口座となる信用金庫の店舗にチラシを置かせていただくなどの協力を要請することなどが考えられるのではないでしょうか。  また、前述の令和二年上半期の区内中小企業の景況調査では、初めて新型コロナウイルス感染症に関連して、特に望む支援等についても調査しましたが、全体での一位が「融資の優遇」、二位が「休業補償の強化」、そして業種を飲食店に絞ると、一位は「休業補償の強化」との結果でした。港区の最大五百万円の無利子特別融資あっせんの申込み期限が八月末から来年三月末まで延長されたことは、本調査結果に応えるものと評価しておりますが、今後もほかの自治体の取組なども参考に、区の実情に合った様々な取組のタイムリーな実施をお願いしたいと思います。  そこで質問は、コロナ禍で過去最悪の景況にある区内飲食店に対する支援として、区としてどのように取り組まれるのか、区長の御見解をお伺いいたします。  次に、港区成年後見制度利用促進基本計画における権利擁護支援の充実についてお伺いいたします。
     港区成年後見制度利用促進基本計画期間は、二〇一八年度から二〇二三年度までの六年間となっていますが、港区基本計画及び上位計画が二〇二一年度策定となることから、来年度には国の動向を踏まえ,見直しを行うことになっています。  日本は、二〇一四年一月に障害者権利条約を批准し、二年後に国連に対し条約履行の現状を報告しました。その際、成年後見制度については、条約第十二条「法の前にひとしく認められる権利」の中で次のように記しています。すなわち「認知症、知的障害、精神障害などの理由で判断能力の不十分な者を保護し、支援するための制度として、成年後見制度を設けており、本人の判断能力の程度に応じて、後見、保佐及び補助の三類型を利用することができる」と。  そして、この日本の報告に対し、昨年十月に国連障害者権利委員会から示されたことは、障がい者が法律の前にひとしく認められる権利を制限するいかなる法律も撤廃すること、事実上の後見制度を廃止すること、また、「代替意思決定」を「支援つき意思決定」に変えることというものでした。判断能力の衰えた方の意思をどのように尊重し決定し、行動に結びつけていくのか。これは、私も様々御相談をいただいている中で、常に突きつけられてきた問題でもありました。  被後見人に寄り添いながら、その人の意思をどのように尊重し、支援に当たっていくのかを考えたとき、数か月に一度、あるいは一年に一度の面会で身上保護を行い、代替意思決定をしている専門職後見人に怒りさえ覚えたこともあります。被後見人がこれまで、どのようなことが好きだったのか、何を大切に過ごしてきたのか、また逆に、どうすることで気分を害し体調を崩してしまったのかなど、関わってきた方々や、今支援している方々の意見を参考にしながら、そしてその人の意思を確認しながら尊重し、決定していくべきと考えています。  先日、港区の障がい児・者を支援している人への研修で、東京アドヴォカシー法律事務所の池原毅和弁護士のお話を拝聴いたしました。池原先生は、「成年後見は、支援つき決定に完全転換すべき制度であり、障害のある人、高齢の人のための第一選択肢となる制度ではない」と断言されていました。そして、支援つき決定とは、親密圏の人たちや支援者が対話の輪をつくって、本人と対話しながら未来を創造していく方法、決定過程での社会性を重視すべきと訴えられ、その対話の実践方法もオープンダイアローグ、未来語りのダイアローグなど様々示されました。意思決定においては、こうした対話の中で本人自身が意思や選考を形成していくことが重要と考えます。  そこで質問は、港区成年後見制度利用促進基本計画の来年度の見直しに当たり、本人の意思を尊重し、身上保護を重視した権利擁護支援をさらに充実させていただきたいと考えますが、区長の御見解をお伺いいたします。  次に、新しい日常での学校行事についてお伺いいたします。  昨年来、アメリカやヨーロッパなどにおいて自国第一主義やECからの離脱といったナショナリズムの台頭で、特定の地域の人々の間に差別や偏見といった心の分断があらわになっていました。さらに加えて、本年は新型コロナウイルス感染症の蔓延で、感染予防のため密を避け、物理的距離を取るために世界中に分断がいや応なく強いられ、日常生活での自粛により社会生活に大きな影響を及ぼしました。  学校においても緊急事態宣言が発出され、自粛期間に卒業式や入学式が感染予防対策を講じた上で行われましたが、その後の学校生活も停滞してしまい、子どもたちの心への影響はいかばかりかと心配いたしました。教科の学習は知識、技能の習得から学力の向上を目指し、知見を深め、考える力を養うなど勉強は学校教育の基本です。授業が行えずにいた教科の遅れは、家庭学習での様々な工夫や夏休み期間の調整などで取り戻し、乗り越えようと教育委員会と学校現場が真摯に対応してこられました。  また、小・中学校は年齢主義により同年齢の子どもが集い、学年制度を取り、学校として集団、コミュニティが形成されています。その中で時期や学年に応じ、様々な行事が行われ、そこで共に力を合わせて成し遂げることによる人格の形成、人間教育も、また学校の学びの場としての大切な役割であると思います。  さらに、港区では中学校区を一つのまとまりとして、幼小中一貫のアカデミーが地域とともにあり、そこでは特色のある教育の実践や、上級生が下級生の面倒を見る中で培われる愛護の思い、下級生が上級生を慕い敬うといった兄弟姉妹のよい流れなどが受け継がれていきます。遠足、林間学校、合唱祭、学芸会、文化祭、運動会、武道、スポーツなどの運動、文化の活動は、他者と心と思いを合わせて困難を超えていく経験を積み、思いやりや寄り添い、また競い合いなど人生を生き抜く力を育みます。「人間」の字のごとく、人は人と人の間・社会の中での触れ合いによって「人」となっていくのではないでしょうか。  現在のコロナ禍において、学校内外の行事の在り方は、密を避けることなど変化と対応が求められています。ソーシャルディスタンスであるからこそ、心の距離は近くなくてはなりません。  そこで質問は、新しい日常の中で子どもたちの人格の形成につながり、相互の絆を深める学校行事について、教育長の御見解をお伺いいたします。  次に、ICT教育におけるアクセシビリティ対応に関する教員への取組についてお伺いいたします。  令和元年版障害者白書によると、十八歳未満の身体障がい児は六万八千人、知的障がい児二十一万四千人、また、二十歳未満の精神障がい児は二十七万六千人となり、合計人数を十八歳未満の人口で割ると約二・八%となります。  文部科学省の平成二十九年度発達障害に関する実態調査における小・中学校での推計によれば、学習障害〇・一九%、注意欠陥多動性障害〇・九九%、自閉症スペクトラム障害二・三五%、その他反抗挑戦性障害など〇・七一%となっています。  さらに、平成二十五年度版障害者白書によれば、ディスレクシアを含む知的発達に遅れはないものの学習面または行動面で著しい困難を示すとされる児童は四・五%、先天性色覚異常の発症率は男女合計で二・五%となっています。以上、全てを単純合計し、障害の重複を除くなどすると、障害のある子どもはおよそ一〇%となるのではないかと思います。  文部科学省の平成三十一年度の報告によれば、特別支援学校の通学者は十四万三千人と全体の一・一%であることから、何らかの障害のある子どもの大半は通常の学級に通学していることになり、そうした多様な子どもたちの障害に対応した教育におけるアクセシビリティの保障が課題となります。アクセシビリティとは、施設及びサービス等の利用の容易さと訳されますが、特に障がい児・者が施設やサービスを利用する際の機会確保のための適当な措置のことを指します。  障害者基本法第十六条では、「国及び地方公共団体は、障害者が、その年齢及び能力に応じ、かつ、その特性を踏まえた十分な教育が受けられるようにするため、可能な限り障害者である児童及び生徒が障害者でない児童及び生徒と共に教育を受けられるよう配慮しつつ、教育の内容及び方法の改善及び充実を図る等必要な施策を講じなければならない。」と規定されています。  また、障害者権利条約第九条では、情報通信機器及び情報通信システムの機会確保の措置を図ることで、施設及びサービス等の利用の容易さに対する妨げを撤廃することとしており、教育の情報化を進める際にもアクセシビリティ対応を強化する必要があります。  一方、令和二年七月十七日に政府が閣議決定した世界最先端デジタル国家創造宣言・官民データ活用推進基本計画改定では、学び改革として、新型コロナウイルス感染症拡大の経験を通じた遠隔教育など、教育のICT化がもたらす利点や課題を洗い出し、オンライン教育の効果的な活用に取り組むこととされています。デジタル教科書やデジタル教材を用いたICT教育の効果的な活用により、多様な子どもたちを誰一人取り残すことのない、個に応じた学びを実現することができるのではないかと思います。  教科書協会「学習者用デジタル教科書ガイドブック」で、教科書出版会社は総ルビ、白黒反転、リフロー、読み上げ機能の付与に合意されており、これにより視覚や聴覚などに障害のある児童・生徒への細やかなアクセシビリティ対応が可能となります。  港区は、本年十月までに、区立小・中学校での児童・生徒一人一台のアイパッドが整備されますが、こうしたアクセシビリティ対応の機能はアイパッドでは標準で装備されています。そうした機能を最大限に活用するためには、教員のICT教育における知識や技術はもちろん、そうしたアクセシビリティ対応を常に意識づけるための啓発などの取組が重要と考えます。  そこで質問は、ICT教育におけるアクセシビリティ対応に関する教員への意識啓発に、区としてどのように取り組まれるのか、教育長の御見解をお伺いいたします。  最後に、特別定額給付金の上乗せ給付の必要性及び区独自の臨時給付金の実施についてお伺いいたします。  区民全員への一律の給付金を求める声は、近隣区での動向も相まって日に日に高まっており、収拾がつかない状況に近づいていると感じています。新型コロナウイルス感染症対応の給付金や貸付けのほとんどは、コロナ禍での家計急変や売上げ急減を要件としています。しかし、特に年金暮らしなど、もともと所得が低い世帯では僅かな収入を得ていた仕事がなくなり、感染予防のための備品やステイホームによる光熱費等の出費が増えているにもかかわらず、特段の支援がなく大変に苦しい状況にあります。  港区は高額所得の区民も多いですが、九月八日発表の二〇二〇年四月から六月期の国内総生産、GDP改定値は、リーマンショック後を超えて戦後最大の落ち込みとなり、高額所得者への影響も大きいと考えられます。  国からの一人一律十万円の特別定額給付金については、区の数回にわたる再勧奨の取組などの結果、八月二十五日の締切りまでに、速報値で十四万六千百八十一人、対象者の九七・六二%の方が給付金を受け取られたことは、大変高く評価しています。一方、港区は全国的にも賃料など物価水準が高く、その分の給付金の上乗せがなければ、得られる効果や満足度が全国平均よりも低いおそれがあるのではないかと危惧するところです。  総務省が二〇二〇年六月十九日に公表した小売物価統計調査(構造編)二〇一九年結果によれば、都市別消費者物価地域差指数において全国平均を一〇〇とした場合に、東京都区部は総合で一〇五・四と全国一高い物価水準にあることが分かります。お部屋探し物件情報サイトSUUMOによれば、都内のエリア別賃貸物件の家賃相場の比較で、港区は千代田区や中央区を抜いて、最も高い家賃水準にあるとのことです。  既に本年六月二日に公明党議員団として、新型コロナウイルスに関する連絡会議を通じ、特別定額給付金の上乗せのための港区独自の給付金を要望していたところです。しかし、この冬、新型コロナウイルス感染症の再拡大が予測されている今、スピーディーな上乗せ対応を今こそ検討すべきではないでしょうか。  そこで質問は、区の物価水準に応じた特別定額給付金の上乗せ給付の必要性及び区独自の臨時給付金を実施することについて、区長の御見解をお伺いいたします。  以上で質問を終わります。御清聴ありがとうございました。   〔区長(武井雅昭君)登壇〕 ○区長(武井雅昭君) ただいまの公明党議員団を代表しての近藤まさ子議員の御質問に順次お答えいたします。  最初に、財政運営についてのお尋ねです。  まず、令和三年度予算編成における重点施策の考え方についてです。令和三年度は新たな港区基本計画の始まりの年です。予算編成方針では、基本計画の着実な推進はもとより、新型コロナウイルス感染症の影響から回復する取組を最優先に掲げるとともに、感染症流行下での地震や風水害の発生といった複合災害への備え、今回の感染症を契機とした新しい生活様式への転換へ向けたICTの活用やオンライン、キャッシュレス決済の推進などを重点施策として策定をいたしました。  次に、持続可能な財政運営についてのお尋ねです。新型コロナウイルス感染症の影響を受け、特別区民税収入は減収となる見込みです。一方で、今回の感染症を契機に、ICTをこれまで以上に活用した区民サービスへの転換など、新たな取組を進めていく必要があります。区は、かつてなく速い社会の動きを的確に捉え、課題を先取りすることで絶えず時代にふさわしい区政運営を行ってまいります。今後の減収局面においても、計画的に積み立ててきた基金の活用や国・東京都からの財源確保、業務効率化による経費節減等により、現在の区民サービスの質を維持し、時代の変化に対応した安定的な財政運営を行ってまいります。  次に、コロナ禍における国勢調査についてのお尋ねです。  まず、調査活動に当たっての感染防止の取組についてです。今回の国勢調査に従事する調査員には、説明会で調査票の配布はポストへの投函とし、調査の説明を必要とする場合にもインターホン越しで対応する。原則、非接触型の調査方法とするなど、調査活動での感染防止策を徹底いたしました。区といたしましては、今後、区民の皆さんに郵送またはインターネットで回答していただけるよう、調査票を配布する際に御案内するとともに、広報みなと、区ホームページ、ツイッターなどで周知をしてまいります。  次に、インターネットで回答ができる環境整備についてのお尋ねです。インターネットで回答ができない情報弱者と言われる方には、御依頼に応じて調査員や区職員が電話や直接訪問し、調査票の記入方法を説明するなど、丁寧に対応してまいります。情報弱者と言われる方もインターネットで回答できる環境整備につきましては、機器の操作を説明しながら回答を行う場合に、調査員等が個人情報を取り扱うこととなるなどの課題もあることから、次回の調査での実施に向け検討してまいります。  次に、コロナ禍でのプラスチックリサイクルの促進についてのお尋ねです。  新型コロナウイルス感染症に伴う外出自粛の影響により、使い捨て容器などプラスチックの量は大きく増加し、可燃ごみに混入している状況も確認されています。プラスチックを貴重な資源として有効活用するため、御協力を得たマンションの自治会等にプラスチックが可燃ごみに混入しないよう徹底した分別に取り組んでいただき、そのノウハウと成果を積極的に区全体に広めていく仕組みづくりを進めてまいります。また、集団回収の品目に新たにプラスチックを加えるなど分別の意欲を高め、効果を実感できる方策等についても検討してまいります。  次に、高齢者施設等における職員・利用者への公費によるPCR検査体制の構築についてのお尋ねです。  まず、施設利用者・職員への公費による検査についてです。区は、手洗いや三密の回避など、日頃の基本的な感染症対策の徹底に加え、感染予防を促す動画の制作や研修の実施など、各施設での予防対策を推進しております。今後、これらの取組をより一層推進するとともに、各施設において陽性者の判明時にも施設やサービスを維持できるよう適切に支援してまいります。PCR検査につきましては、各施設が主体的に実施する際の費用助成など、効果的な支援策を検討してまいります。  次に、保育園など子ども関連施設における公費による検査についてのお尋ねです。子ども関連施設においては、感染リスクを低減させるため、これまでも手洗いや施設の消毒を確実に実施するなど、日々の感染対策を徹底してまいりました。国によれば、子どもは高齢者や基礎疾患のある方と比べて、感染した場合の重症化や感染を拡大させる可能性が低いとされており、区内でも集団感染は発生しておりません。子ども関連施設におけるPCR検査の実施については、感染症の流行の状況を見極めながら検討してまいります。  次に、訪問介護事業所等における新型コロナウイルス感染予防対策についてのお尋ねです。  在宅介護においては、訪問する介護職員が正しい感染症対策の知識を身につけ、区民の安全を守ることが重要です。区は、新たに導入した感染症専門アドバイザーを講師とした感染症対策に係る研修を民間の訪問介護職員を対象に実施してまいります。また、介護事業者からの新型コロナウイルス感染症に関わる相談に対して、国や東京都の指針に基づいた助言に加え、区の感染症専門アドバイザーの意見も踏まえた適切な助言ができるよう、区の相談体制を整えてまいります。  次に、高齢者の熱中症対策についてのお尋ねです。  区では、高齢者の熱中症を予防するため、民生委員・児童委員やふれあい相談員等による電話や訪問の際に、熱中症の危険性やエアコンの効果的な使用について丁寧に説明をしております。近年の厳しい暑さや新型コロナウイルス感染症により外出を控える高齢者が多くなることを想定し、高齢者世帯のうち、低所得世帯に対するエアコン設置費用の助成について検討してまいります。  次に、地域共生社会に向けた包括的な支援体制の取組についてのお尋ねです。  区は、令和四年度に各福祉分野の専門職を含む包括的な相談体制を整えた福祉総合窓口を各地区総合支所へ設置します。福祉総合窓口では、高齢者、障害者、子ども、生活困窮部門など、各福祉部門を横断した連携を一層強化いたします。これにより本人への支援だけでなく、世帯全体の状況を正しく把握し、世帯単位での適切かつ迅速な支援につなげてまいります。  次に、雇用機会拡大に向けた障害者就労支援についてのお尋ねです。  区は、ハローワーク等と協力し、障害者の企業への就労を支援しておりますが、新たな雇用先の拡大は厳しい状況にあります。今後、新たな雇用先を確保するため、民間の求人情報などの活用に加えて、テレワークなど在宅でも働ける仕組みにより、通勤が困難で就労につながりにくい障害者の雇用機会の拡大を検討してまいります。  さらに、新たに企業への給付金支給の対象となった短時間雇用についても、区内企業に新制度の周知や活動事例の紹介を積極的に行うことで障害者と企業とのマッチングを促進してまいります。  次に、区内飲食店のコロナ禍の景況を踏まえた支援についてのお尋ねです。  区は、現在、深刻な経営状況にある区内事業者に対して、区独自の無利子の特別融資あっせん制度やテナントオーナーへの賃料減額助成などに取り組んでおります。また、店内での密集を回避するため営業が制限され、売上げに深刻な影響を受けている区内飲食店に対しては、テイクアウトを始める際に必要な経費を助成するなど重点的に支援しております。今後も、区内飲食店が現在の難局を乗り越え、将来にわたり営業を継続できるよう、景況調査結果や店舗からの生の声を聞き取りながら、実情に応じた必要な支援を迅速に実施してまいります。  次に、港区成年後見制度利用促進基本計画の見直しにおける権利擁護支援の充実についてのお尋ねです。  判断能力の衰えた人が成年後見制度を利用する状況になった場合でも、本人の意思が尊重されながら暮らし続けていくために、区は、それまでの生活を支えてきた家族・親族や介護事業者、民生委員・児童委員などによる関係者が継続して支えていく体制づくりを進めております。計画の見直しに当たっては、さらに弁護士や司法書士などの専門職等を含めた体制の強化を進めるなど、成年後見制度を利用する人の意思が最大限尊重され、適切な権利擁護支援につなげられるよう取り組んでまいります。  最後に、特別定額給付金の上乗せ給付の必要性及び区独自の臨時給付金の実施についてのお尋ねです。  特別定額給付金は、国は簡素な仕組みで迅速に家計の支援を行うことを目的とした一律支給であったため、区は、制度の枠組みの中で速やかな給付に取り組んでまいりました。  また、特別区民税の大幅な減収が長期に見込まれる厳しい状況の中、引き続き感染症対策を進めるほか、区民生活に欠かせないサービスや施設計画を着実に進めていくためには、多額の財政負担を伴う区独自の臨時給付金の実施は慎重にならざるを得ないものと考えております。今後も引き続き、区ならではのきめ細かな施策を充実させ、区民等の支援に全力で取り組んでまいります。  よろしく御理解のほどお願いいたします。  教育に係わる問題については、教育長から答弁いたします。   〔教育長(浦田幹男君)登壇〕 ○教育長(浦田幹男君) ただいまの公明党議員団を代表しての近藤まさ子議員の御質問に順次お答えいたします。  最初に、新しい日常での学校生活についてのお尋ねです。  学校行事は、生徒・児童が集団への所属感や連帯感を深め、自身と他者の尊厳を重んじる態度を育む重要な教育活動です。こうした考え方の下、各学校は、感染症拡大に伴う授業時間数を確保するために行事を選定し、密を避けて実施できる授業は可能な限り行うことを検討してございます。  具体的には、修学旅行等の宿泊を伴う行事は、来年一月以降に変更して実施することを検討しているほか、運動会等の行事は、密を避けた形で学校の実態に応じた実施を考えております。今後、新しい生活様式における、よりよい人格形成を促していく行事の密を避けた実施方法について、学校現場の意見、区の感染症専門アドバイザーの意見等を伺いながら検討してまいります。  最後に、ICT教育におけるアクセシビリティ対応への教員の意識啓発についてのお尋ねです。  教育委員会では、教員を対象としてタブレット端末の効果的な活用方法について研修を実施する予定です。その際、導入する端末に標準装備された音声読み上げやバリアフリー字幕等のアクセシビリティ機能が様々な児童・生徒にとって有効な支援になることを周知します。さらに、ICT機器を活用し、個のニーズに応じて指導していくことの重要性を教員に意識づけしてまいります。  また、こうした取組によって生まれた児童・生徒のためのアクセシビリティ機能の効果的な活用事例について、各小・中学校のICT担当者研修、特別支援教育担当者会を通じて共有をしてまいります。  よろしく御理解のほどお願いいたします。 ○議長(二島豊司君) 次に、二十六番熊田ちづ子議員。   〔二十六番(熊田ちづ子君)登壇、拍手〕 ○二十六番(熊田ちづ子君) 二〇二〇年第三回港区議会定例会において、日本共産党港区議員団を代表して質問を行います。  核兵器禁止条約の批准を国に申し入れることについてです。  今年は、広島、長崎の被爆から七十五年を迎えました。新型コロナウイルス感染症が世界的に拡大したことにより、五月予定の原水禁世界大会inニューヨークや、毎年、芝公園からスタートしていた平和行進も中止。八月の原水禁世界大会in広島はオンラインによる大会が行われ、私も視聴しました。  二〇一七年に国連で採択された核兵器禁止条約は、八月六日にアイルランド、ナイジェリア、ニウエ、九日にセントクリストファー・ネイビスが批准。批准国は四十四か国になり、条例発効まで六か国と迫っています。被爆者の方たちをはじめ、世界の運動と世論が条約発効を推し進める大きな力になっています。しかし、残念ながら、唯一の戦争被爆国である日本政府は、核兵器禁止条約に後ろ向きです。被爆者の平均年齢は八十三歳を超え、「自分たちが生きている間に核兵器をなくしてほしい」、「原爆で苦しむのは自分たちで最後にしてほしい」という思いを受け止め、日本政府に核兵器禁止条約を批准するよう働きかけるべきです。答弁を求めます。  新型コロナウイルス感染症から区民の命を守ることについてです。  新型コロナウイルス感染症が急拡大し、深刻な事態が続いています。全国一斉休校、アベノマスク、「Go To トラベル」など政府の対応も混乱と不安を招きました。  港区の感染者は、九月八日現在で千七十一人に達しており、いつ感染するか、自分が知らない間に感染させるのではないかとの住民の不安は続いています。自粛などによって区内の飲食店やカラオケ店などあらゆる事業所に大きな影響が出ています。いつまで営業を続けられるか分からないといった不安が広がっています。一日も早い終息と日常を取り戻すことを願っています。  日本共産党は、七月二十八日に安倍首相に対し、新型コロナウイルス感染症拡大を抑えるためにPCR検査の拡大などを求める緊急申入れを行いました。新型コロナウイルス感染症対策の最も重要な点は、感染ケースの四割を占める無症状感染者からの感染をいかに防ぐかです。緊急事態宣言であらゆる社会生活を再び止めてしまうことは何としても避けなければなりません。そのためにも、一、感染震源地を明確にし、その地域の住民や事業所の在勤者の全体に対して、網羅的大規模なPCR検査を実施すること。二、東京都では、新規感染者数とともに、検査数、陽性率を何らかの形で明らかにしている自治体は、新宿区や中野区、千代田区、世田谷区など十四区市にとどまっています。港区としても新規感染者数とともに、検査数、陽性率など感染状況を公表すること。三、港区でも、保育園や介護事業所などでの感染が広がっており、関係者に不安が広がっています。医療機関や介護施設、福祉施設、保育園、幼稚園、学校など感染リスクの高い施設に勤務する職員などへの定期的なPCR検査を行うこと。四、特別養護老人ホームなどの入所施設は、高齢者や障害者など感染リスクが高い施設です。新規に施設に入所する方のPCR検査を行い、感染拡大を防ぐことが重要です。特別養護老人ホーム等の施設に新規に入所する方のPCR検査を区の責任で行うこと。四点について答弁を求めます。  熱中症予防対策についてです。  今年は新型コロナウイルス感染症拡大で外出自粛が求められ、自宅で過ごすことが増えました。七月は雨の日が多く、八月に入ってから酷暑が続き、連日のように防災無線から小まめな水分摂取とエアコンの利用を勧める注意喚起がされました。八月の二十三区の熱中症死は百九十五人と過去最多です。うち百八十四人が屋内で発見され、そのうちの百六十五人がエアコンがないか、あっても使用していなかったことが分かっています。  昨年の第三回定例会でも、エアコンのない生活保護利用世帯にもエアコン購入費用を認めることと、荒川区が実施している生活保護世帯に準ずる高齢者世帯等への購入費用助成を求めましたが、生活保護利用世帯への独自助成はしない。各いきいきプラザ等に夕涼みコーナーを設置するなど熱中症予防に努めている。購入などの相談には社会福祉協議会が行っている生活福祉資金の案内を行っているとの冷たい答弁でした。災害級と言われる暑さの中、エアコンがあれば救える命です。命を守るためにもエアコンは必需品です。一、エアコンがない、もしくはエアコンが壊れて使えない生活保護利用世帯へのエアコン設置費助成を区として行うこと。二、国に対してエアコン助成の対象拡大を働きかけること。三、生活保護利用世帯に準ずる高齢者世帯等へのエアコン設置費用助成を区として行うこと。答弁を求めます。  インフルエンザの予防接種の対象拡大についてです。  秋から冬にかけてインフルエンザの流行時期を迎えます。インフルエンザ新型コロナウイルス感染症も同じような症状のため、医療機関が今以上に大変な状況になると予測されており、今年はインフルエンザが流行する前から予防接種を受けるよう勧められています。  千葉市は、八月二十一日にインフルエンザの予防接種費用助成拡大を発表。多くの市民が予防接種を受けることで発熱患者を減らし、医療機関の負担軽減を図るために全市民を助成対象にするとのことです。これまでもインフルエンザの予防接種助成の対象年齢を拡大するよう求めてきましたが、今年は新型コロナウイルス感染症との関係でも、インフルエンザの予防接種が求められます。区民の命と医療機関の負担を軽減するためにも、現在対象になっていない十八歳から六十四歳までの区民を対象にインフルエンザの予防接種費用助成を行うこと。答弁を求めます。  リーブラのセンター長の交代についてです。  リーブラは二〇一九年四月から新たに株式会社明日葉が指定管理者になりました。リーブラは今年四十周年という節目の年でもあります。毎年リーブラの大きな行事であるリーブラフェスタ二〇二〇は新型コロナウイルス感染症の拡大によって、初めて開催が延期されることになり、実行委員会はオンライン会議で開催日の延期や講演者の日程調整等々大変混乱をしていた時期でもあります。そうした状況下で、六月に突然センター長が交代、利用者の多くは大変戸惑っています。新センター長は二〇二〇年五月に入社したばかりで、採用されて僅か一か月でセンター長に就任したことになります。  明日葉は、指定管理事業者になった二〇一九年の四月から二〇二〇年三月までの一年間で退職者八名、異動者三名と二十名中十一名が替わっています。指定管理を受けたばかりで、僅か一年でこれだけの職員の退職や異動は異常です。  利用者からは、「職員の入れ替わりが激しい」、「やっと顔を覚えたのにいなくなっている」、「自分の担当の仕事でないと分かりませんと言われる」、「職場内で仕事の内容が共有されていないのでは」といった声が寄せられています。センター長が一年で交代したことに対する利用者への説明がなく、ある人は人づてに、ある団体はメールで退職の挨拶があったとのことです。  有志が八月四日に区に説明を求める申入れを文書で行い、二回目の説明会が九月三日に行われました。これからリーブラにとっては、四十周年記念行事、リーブラフェスタ二〇二〇など大きな行事を成功させなければなりません。事業者とリーブラ利用者団体、区民が力を合わせなければ成功させることはできません。リーブラが婦人会館と言われていた頃から活動されてきた方が、これまではリーブラ職員に敬意を持っていましたとの言葉を重く受け止めなければなりません。一日も早い信頼関係の構築が必要です。一、センター長は指定期間中、責任を持って運営に当たるべきです。僅か一年でセンター長が交代した理由について、納得のいく説明を求めます。二、一年の間、多くの職員がやめています。指定管理者制度の問題点の一つが明らかになっています。区の施設で働く職員が安心して働けるよう、区としてもっと踏み込んだ指導をすべきです。三、利用者の方たちは、今回勇気を持って区に改善を求めています。指定管理事業者任せにせず、区として事業の運営に積極的に関わり、問題点の早期発見、問題点の改善を行うこと。答弁を求めます。  介護費用の上乗せをやめさせることについてです。  厚生労働省は、新型コロナウイルス感染症拡大による減収対策として、介護保険のデイサービスやショートステイ事業者に対し介護報酬の上乗せを認める特例措置を通知しました。事業者が利用者から事前の同意を得ることを条件に、提供サービス時間より二段階高い介護報酬を月四回まで算定できることになります。特例措置を算定すると、利用者は受けていない時間分の利用料を払うことになります。関係者からも撤回を求める声が上がっています。  港区のデイサービスでも二十七施設中十八施設、ショートステイは十二施設中十施設で特例措置を算定しており、利用者に負担を上乗せしています。  長野県飯田市は、利用者の負担増なく介護事業者を支援するため、特例措置を算定しない事業者に介護報酬の上乗せ額に相当する補助金を交付することを決定したと報道されました。デイサービスとショートステイ八十七事業所を対象に七月から来年三月分のサービス提供分が対象です。  新型コロナウイルス感染症によって介護事業者は利用者が減り、収入が減少しています。介護事業所の減収分については、利用者に負担を押しつけるやり方ではなく、公費負担すべきです。一、国に対して改善を求めること。二、港区としても特例措置の算定をやめさせ、減収している介護事業所に対し独自の補助を行うこと。三、上乗せ分を負担した区民に対し、上乗せ分を還付すること。答弁を求めます。  私立認可保育園の指導の在り方についてです。  待機児童解消のため、私立の認可保育園が増えています。二〇二〇年四月一日現在で区立保育園は二十園、認定こども園一園、港区保育室十三園、私立保育園五十三園、小規模保育事業所十二園、事業所内保育施設一園と区立園以外が七九%、保育定員でも六四・七%を区立園以外が担っています。
     私立園の職員の方からメールで、「残業は三十分からしかつけられない」、「人手不足で仕事が間に合わず、休憩が三十分しか取れなかった。それでも一時間取ったことにするよう言われた」など労働問題についての相談が寄せられました。園長や保育士が安心して働ける環境をつくることが安定した保育につながります。  昨年の第二回定例会でも園長不在を取り上げ、具体的な対応を求めました。区長は、「定期的な訪問や巡回指導、現場職員の声を受ける仕組みなど、日頃から状況を把握し、区が責任を持って保育現場の安定と子どもと保護者の安全・安心の確保に努める」と答弁しています。私立園が増える中で、株式会社経営の保育園も増えています。私立園で園長や保育士が安心して働ける環境でなければ継続して働くことはできません。子どもの保育にも影響を与えることになります。  来年度は、東京都が行っている私立園の認可権や認可外保育施設などの立入検査なども区の事務として移管予定です。現状は区立保育園の園長経験者など三人で指導検査や訪問指導、巡回指導に当たっています。今後の仕事量が増えることを考えると不十分です。一、巡回指導に当たる職員を増やすこと。二、私立園の指導について、保育士が長く働けるよう労働条件、労働環境、処遇についても指導を行うこと。三、私立園の労働者が安心して相談できる体制を区につくること。答弁を求めます。  私立認可保育園の安定した運営についてです。  待機児童解消のため、区は園庭のない私立認可園をたくさんつくりました。現在、私立園は五百八十名の定員割れが起きています。私立の定員割れを補助する私立保育所特別助成を見直し、助成対象を開設後五年までの保育園に限定しました。区内に十二か所つくられた乳児のみ受け入れる小規模保育事業所は、定数に対しての充足率が〇歳児で四割、一・二歳児で五割です。園の運営に支障を来すことは明らかです。  区は、待機児童解消のため役割を担ってきた私立認可保育園を守る責任があります。いつでも安心して子どもを預けられるためには、一定の空きは必要です。定員割れに伴う特別助成の開設五年以下の規定を削除すること。答弁を求めます。  今年はコロナ禍の下で自粛され、延長保育の利用人数も減っています。実績に基づいて算定される延長保育事業への区費補助に影響します。今年度の延長保育事業への区費補助については、コロナ禍の四月、五月の実績を参考にするのではなく、前年度と同額の金額を補助すること。答弁を求めます。  安心・安全の学校づくりについてです。  新型コロナウイルス感染症の拡大で、小・中学校では六月の学校再開時に分散登校が実施され、ほんのつかの間、悲願の少人数学級が実現しました。日頃、最大四十人の学級を担任している教師たちが少人数学級を体験し、心地よさを実感してしまったのです。一人一人の机を回り、ノートを見て理解しているか確かめられた、それぞれのペースに合わせられる、早くと言わなくてよくなり、子どもは焦らなくてよくなると、子どもと教師のゆとりの好循環が生まれ、日々の丁寧な対応につながりました。  文部科学省は中央教育審議会の中間まとめで、少人数学級を可能とするための指導体制や施設整備を図ることを盛り込み、全国知事会など三団体は、少人数編制を可能とする教員の確保を盛り込んだ提言を発表。さらに政府の骨太の方針でも、安全・安心な教育環境を確保しつつ、学びを止めない重要性が強調され、少人数指導によるきめ細かな指導体制の構築が明文化されました。今、社会は少人数学級へと動いています。  港区として、少人数学級を実現すること。答弁を求めます。  日本教育学会は学びの遅れや学力の格差拡大、子どものストレスに応えるケアの体制をつくることが重要だとし、教職員を思い切って増やすことを提言しています。  港区として、教職員を増員すること。答弁を求めます。  ソーシャルディスタンスが叫ばれる中、四十人学級では一メートルの距離を取ることは不可能です。港区教育委員会が六月二十四日に出した学校運営に関するガイドラインではソーシャルディスタンスについて全く触れられていません。大問題です。現在、十八校ある小学校は全部で三百二学級あります。四十一人学級が一、四十人学級が二、三十五人以上が九十四、三十人以上は百二十一で、七〇%以上が三十人以上の密状態の中で授業を受けています。これでは子どもたちの安全は守れません。  私たち共産党区議団は、七月二十七日に教育長と懇談し、学校での感染対策の拡充を求めました。懇談の中で、新型コロナウイルス感染予防対策は学校任せではなく、港区教育委員会主導でやるべき、それぞれの学校の対策をもっと共有すべきと提案をしたところ、八月二十四日に幼稚園、小・中学校における特徴的な感染症対策として各学校の取組をまとめ、情報提供されました。一、港区のガイドラインに密を避ける対策、距離を取る対策を明記すること。二、港区として、教室数を増やすこと。プレハブ建設も含めて検討すること。また、空いている教室の有効利用を積極的に検討すること。答弁を求めます。  学校によってはコロナ禍の下で、一こま三十分授業を一日八こまこなしているところもあります。これでは内容の濃い授業は出来ず、次の授業の準備すら出来ません。政府の学校再開ガイドラインにも児童・生徒の負担が過重とならないよう配慮するとあり、学習指導要領の弾力化を認めています。  教育課程や授業時数の見直しは、児童・生徒や教職員にとって無理を強いる時間割や授業日数の設定などは行わないこと。答弁を求めます。  質問は以上です。答弁によっては再質問することを申し述べて質問を終わります。御清聴ありがとうございます。   〔区長(武井雅昭君)登壇〕 ○区長(武井雅昭君) ただいまの共産党議員団を代表しての熊田ちづ子議員の御質問に順次お答えいたします。  最初に、核兵器禁止条約の批准を国に申し入れることについてのお尋ねです。  区は、平和都市宣言をした自治体として、平成二十二年四月から世界の都市が加盟する平和首長会議に加盟しております。平和首長会議の国内加盟都市会議は、平成二十九年八月、平成三十年十一月、令和元年十一月に日本政府に対し、核兵器禁止条約の締結を繰り返し要請しております。引き続き、平和首長会議に加盟する都市と連携し、核兵器廃絶と世界の恒久平和の実現を訴えてまいります。  次に、新型コロナウイルス感染症対策についてのお尋ねです。  まず、感染震源地を明確にし網羅的大規模なPCR検査を実施することについてです。区では、感染者が発生した場合、濃厚接種者など検査が必要な方を選定し、迅速かつ適正にPCR検査を実施しております。クラスターが発生しやすい施設等の場所において感染者が発生した場合には積極的疫学調査を行い、感染の拡大防止対策を実施しております。地域において網羅的大規模なPCR検査は予定しておりませんが、今後も個々の感染状況に応じた適切な対応に努めてまいります。  次に、感染状況の情報を公表することについてのお尋ねです。区では毎日、感染者数を公表するとともに、毎週火曜日には週ごとの感染者数、年齢階級別、性別感染者数累計、さらに感染原因や経路などの区内の感染動向について公表しております。PCR検査数、検査陽性率の公表については、区内に八百を超える医療機関や検査機関があり、検査数を正確に把握することができないことから、区の実態を示すことは困難と考えております。今後も引き続き、区ホームページや広報みなと、ツイッター等で区民の方々に役に立つ必要な情報を分かりやすく発信してまいります。  次に、感染リスクの高い施設の職員への定期的なPCR検査の実施についてのお尋ねです。区は、手洗いや三密の回避など、日頃の基本的な感染症対策の徹底に加え、感染予防を促す動画の制作や研修の実施など、各施設での予防対策を推進してまいりました。子どもは、感染した場合の重症化や感染を拡大させる可能性が低いとされている一方、高齢者や基礎疾患のある方は、特に重症化するリスクが高いとされております。区は、これまでも予防対策を一層推進するとともに、高齢者や障害者施設等においては、各施設が主体的に実施するPCR検査の費用を助成するなど効果的な支援策を検討してまいります。  次に、特別養護老人ホーム等の施設に新規に入所する方のPCR検査を区の責任で行うことについてのお尋ねです。区は、特に重症化するリスクが高い高齢者や基礎疾患のある方の健康を守るため、高齢者施設等に入所する際、施設がPCR検査を求めた方の検査費用を区が助成するなど、経済的な負担軽減につながる支援策を検討してまいります。  次に、熱中症予防対策についてのお尋ねです。  まず、生活保護世帯へのエアコン設置助成についてです。区は、平成二十六年度から東京都を通じ国に対し、保護の実施要領等の改正とともにエアコンの設置助成に関する意見を提出し、平成三十年四月以降、熱中症予防対策が必要とされる新規の生活保護世帯には、エアコン購入費用等の支給ができるようになりました。これまで二十二件の設置助成を行っております。エアコンの購入費用や買い替え費用の支給対象となっていない生活保護世帯につきましては、港区社会福祉協議会で行っている生活福祉資金の利用を御案内するなど、引き続き生活保護受給者からの相談について丁寧に対応してまいります。  次に、生活保護世帯への設置助成に対する国への要望についてのお尋ねです。区は引き続き、国の支給対象となっていない、平成三十年三月以前から継続して生活保護を受給している世帯のエアコンの購入費用や故障したエアコンの修理費用について、生活保護費での支給を認めるよう東京都を通じ国へ要望してまいります。  次に、高齢者世帯等へのエアコン設置費用の助成についてのお尋ねです。区では、高齢者世帯等への熱中症対策として、民生委員・児童委員やふれあい相談員等による電話や訪問の際に、熱中症の危険性やエアコンの効果的な使用について丁寧に説明をしております。近年の厳しい暑さや新型コロナウイルス感染症により外出を控える高齢者が多くなることを想定し、高齢者世帯のうち、生活保護世帯を含む低所得世帯に対するエアコン設置費用の助成について検討してまいります。  次に、インフルエンザの予防接種の対象拡大についてのお尋ねです。  国の厚生科学審議会は、高齢者及び乳児から小学校低学年までの小児を、新型コロナウイルス感染症の流行下における優先的な接種対象者としています。区で行っているインフルエンザ予防接種費用助成対象は、この小学校低学年までの小児を含めた中学三年生まで、そして高齢者を対象にしておるところから対象拡大は予定しておりませんが、広く区民の方に対して、新型コロナウイルス感染症流行下におけるインフルエンザ予防接種の効果や重要性について周知・啓発を進めてまいります。  次に、男女平等参画センターの管理運営についてのお尋ねです。  まず、施設長の交代と利用者への説明についてです。本年六月一日に、前任の施設長が会社の部長職との兼任から会社の部長職の専任となり、リーブラには新たに専任の施設長を配置する人事異動がありました。新任の施設長は、民間企業等での実績やキャリアコンサルタントの資格を有するなど、区の男女平等参画行動計画の実現に向けて適任者を配置したと聞いております。この間の経緯や施設長の交代について、不安に思われている利用者の皆様には、今後も安心して御利用いただけるよう、引き続き丁寧に説明をしてまいります。  次に、指定管理者への指導についてのお尋ねです。区は、指定管理者制度を導入している施設について、導入の二年目に社会保険労務士による労働環境モニタリングを行っております。リーブラにおいても今年度実施しており、今後、出された結果に基づき、必要に応じて指導してまいります。また、毎月の指定管理者との定例の会議で、職員の人員体制についても報告を受け、状況の把握に努めております。こうした取組を通して、区は、リーブラの職員が安心して働けるよう、指定管理者に対し適切に指導、助言を行ってまいります。  次に、事業運営の改善についてのお尋ねです。男女平等参画センターでは、月に一回開催する男女平等参画センター運営協議会において、利用者、指定管理者及び区が協議を行い、円滑な運営を図るとともに、利用者の意向を各種事業に反映させております。また、年に二回開催している利用者懇談会や利用者が気軽に意見を言えるよう、リーブラポストを設置し、御意見等を伺っております。今後とも、このような仕組みをより一層活用し、区が指定管理者と連携して、運営上の課題等を早期に把握し、改善につなげてまいります。  次に、介護報酬の上乗せについてのお尋ねです。  まず、国に対して改善を求めることについてです。この制度は、新型コロナウイルス感染症拡大による介護事業所の減収対策として、介護事業所は、利用者からの同意が得られた場合に介護報酬の上乗せが認められるものです。この制度の運用は全国一律であり、国に対して改善を求めることは考えておりませんが、介護事業所に対して、この制度の趣旨を利用者に丁寧に説明するよう、引き続き指導してまいります。  次に、減収している介護事業所への区独自の助成についてのお尋ねです。この制度の運用は全国一律であり、区独自に助成することは考えておりませんが、区は、介護事業所への支援策として、令和二年六月から減収となった介護事業所に対して、月額六十万円を上限に区独自の家賃助成を行うことで介護事業所の運営を支援しております。  次に、区民に対しての助成についてのお尋ねです。この制度は国の制度であり、介護サービスの利用は、介護事業者と利用者との同意による契約に基づくものです。そのため、利用者の上乗せ分を区が助成することは考えておりませんが、制度の趣旨を利用者に周知するとともに、利用者から制度に関する相談を受けた際には丁寧に説明をしてまいります。  次に、私立認可保育園の指導の在り方についてのお尋ねです。  まず、巡回指導に当たる職員の増員についてです。区では、現在、区立保育園の園長経験等を有する保育士三名が区内の私立認可保育園等を定期的に訪問し、指導や助言を行っております。来年四月の児童相談所設置に伴い、認可外保育施設の立入調査権限などが東京都から移管されることから、業務量の増加に応じた保育施設への指導体制を整える必要があります。全ての保育施設に適切かつ十分な巡回指導が行き届くよう、適正な人員配置を行ってまいります。  次に、労働条件、労働環境等に対する指導についてのお尋ねです。区は、児童福祉法などに基づく指導検査の際に保育の内容だけでなく、職員の処遇や労働条件についても指導しております。また、必要に応じて運営事業者への指導を行い、私立認可保育園における適正な労働環境等の確保に努めております。児童相談所の設置に伴う権限拡充により、保育を取り巻く環境の向上のために区が果たす役割はさらに大きくなります。今後も保育士が安心して働き続けられるよう、職員の処遇や労働環境の改善に積極的に取り組んでまいります。  次に、相談体制の構築についてのお尋ねです。区はこれまでも、区立保育園の園長経験者等による巡回指導の際にヒアリングや助言をするとともに、窓口等に寄せられた相談に丁寧に応じるなど、私立認可保育園の職員との信頼関係を築き、様々な相談に対応してまいりました。今後は、児童相談所の設置による事務の移管に伴う区の人員体制の拡充と併せて、運営事業者に対する指導を強化するとともに、私立認可保育園の職員がより気軽に相談できる体制を整えてまいります。  次に、私立認可保育園の安定した運営についてのお尋ねです。  まず、特別助成の期間の見直しについてです。特別助成の期間につきましては、運営の安定化に必要な期間として五歳児クラスまでの学齢進行の期間や、多くの施設が開設後六年目以降に積立金が増加し、運営が安定している状況を踏まえ、五年間としております。区はこのほかにも、国が定める運営費に加えて、私立認可保育園の建物賃借料補助など様々な補助制度により、私立認可保育園をきめ細かく支援しており、特別助成の対象期間については適切なものと考えております。  最後に、延長保育事業に対する補助金額についてのお尋ねです。私立認可保育園に対する延長保育補助金は、延長保育を実施するために必要な経費を補助する制度です。補助額については、四月及び五月の延長保育の実施時間や利用児童数の実績に応じて補助額を決定しておりますが、年度の途中に延長保育の利用児童が増加した場合は、補助額を増額するなど柔軟な対応をしております。本年四月及び五月につきましては、保育園の登園自粛を強く要請していたことから利用児童数は少ない状況ですが、六月以降の利用児童数の利用実績に応じて適切に対応してまいります。  よろしく御理解のほどお願いいたします。  教育に係わる問題については、教育長から答弁いたします。   〔教育長(浦田幹男君)登壇〕 ○教育長(浦田幹男君) ただいまの共産党議員団を代表しての熊田ちづ子議員の御質問に順次お答えいたします。  安全・安心の学校づくりについてのお尋ねです。  まず、少人数学級を実現することについてです。国の定める一学級四十人の学級編制の基準については、これまでも毎年、全国都市教育長協議会を通じて、国に対して少人数学級の早期実現を要望しております。区独自での少人数学級を実現することは予定してございませんが、現在、国の中央教育審議会においても審議されていることから、今後も国の動向等を注視してまいります。  次に、教職員の増員についてのお尋ねです。区立小・中学校では、これまで区費講師を活用し、少人数やコース別の授業形態を工夫して、児童・生徒の実態や教科の特性に応じた、きめ細かな指導を継続しております。また、コロナ禍での学びの遅れへの対応として、教育委員会では、東京都の制度を活用し、教師の追加配置や担任の補助をする学習指導サポーターの採用を進めるとともに、心のケアについては、学校からの要請を受けてスクールカウンセラーの配置日数を増やすなど柔軟に対応しております。教職員の人員配置については、国の定める基準に基づき東京都が実施しているため、教職員の増員は予定しておりませんが、今後とも、国の学級編制及び教職員の定数の改善の動向等を注視してまいります。  次に、新型コロナウイルス感染症対策についてのお尋ねです。区の学校運営に関するガイドラインには、施設ごとに規模や形状が異なるため具体的な数値の記載はございませんが、子ども同士の間隔を確保することや、登校時間をずらすなどの密を避ける取組についての具体的な事例を記載しております。七月には各幼稚園、小・中学校に対して各園校の実情に応じて、さらなる密を避けるための取組を検討するよう指導するとともに、各園校の取組事例を今月二日開催の校園長会で情報共有しております。今後は、こうした新たな取組についても記載するなど、適宜ガイドラインを改訂してまいります。  次に、教室数の増加等についてのお尋ねです。教育委員会は、児童数の増加に対応するため、普通教室に転用できる特別教室等の改修、増改築や仮設校舎の設置などを行っております。また、感染防止を徹底するため、個々の学校の状況を踏まえ、常時の使用が見込まれない体育館やランチルームなどの広い部屋を教室として活用し、子どもたちの机・椅子を配置して授業を実施するとともに、飛沫防止のアクリル板を設置するなどの対応を行い、密を避ける取組を進めております。今後も教室数の確保や有効利用について学校と協議し、対応してまいります。  最後に、時間割や授業日数の設定についてのお尋ねです。臨時休業により授業時間数が例年と比べて少なくなることから、授業時間数を確保するため、教育委員会は、夏季休業期間の短縮や学校行事の選定をしています。その上で、各学校に対して、学習指導要領に定められた標準授業時間数の履修を可能な限り目指しつつも、子どもや教員に過度な負担がかからないよう時間割の設定をすることなど、年間指導計画の見直しについて指導しております。  あわせて、関連する複数の教科の内容を同時期に指導することで指導内容を整理することができ、子どもがポイントを絞って学べるほか、教員の教材準備の時間短縮による負担軽減の効果につながるなども助言しております。引き続き、各学校の実態に応じたきめ細かい感染症対策を取る中で、充実した教育活動が展開できるよう支援をしてまいります。  よろしく御理解のほどお願いいたします。 ○議長(二島豊司君) 二十六番熊田ちづ子議員。   〔二十六番(熊田ちづ子君)登壇〕 ○二十六番(熊田ちづ子君) 何点か再質問させていただきます。  核兵器禁止条約の批准についてですが、毎回、平和首長会議で働きかけているというところで御答弁いただきましたけれども、本当に一歩踏み込んでいただきたいと思っています。世論調査でも七二%が核兵器禁止条約に反対をしています。発効まであと六か国に迫っています。条約は、多分近いうちに発効されることになると思います。日本がもし発効後も条約を批准していないということになれば、戦争被爆国として、世界にも国民にも恥ずかしいことです。国民の世論と一緒に、自治体のトップとして、平和都市宣言を行っている区長として、ぜひ国に批准をするよう働きかけていただきたいと思います。この点について再答弁をお願いしたいと思います。  それから、高齢者施設への入所者のPCR検査についてです。  検討をしていきますということでした。これについては、もっと具体的に安心できるような形で答弁いただければと思います。高齢者施設、障害者施設、ここに入所している方たちが感染をしてしまえば命に関わる方たち、重症化する危険性があります。命を守るためにも新規に入所する方のPCR検査はぜひ早期にやっていただきたいと思います。特別養護老人ホームなどは日々新しい人たちが入所しています。仮にそういう人たちから感染が広がってしまえば、施設にとっても大変大きなことになってしまいますので、これについては、ぜひ早期に具体化できるようにお願いしたいと思います。  それから、熱中症対策についてですが、低所得の高齢者等世帯については検討していくということでした。エアコンはもう生命維持装置だと思って使ってほしいと、これは専門家からも言われています。去年は社会福祉協議会にお願いして、七月に申請して、実際についたのは八月末で猛暑が終わる頃でした。こういう状況では駄目だと思いますので、区長も検討していただくということでしたので、来年はそういう状況がないように、すぐ設置できるように進めていただいて、暑い夏をエアコンがある状態で迎えられる。そういう状況をぜひつくっていただきたいと思いますので、その点についてももう少し具体的に踏み込んだ答弁をいただければと思います。  再質問は三点です。よろしくお願いします。   〔区長(武井雅昭君)登壇〕 ○区長(武井雅昭君) ただいまの共産党議員団を代表しての熊田ちづ子議員の再質問に順次お答えいたします。  まず、核兵器禁止条約の批准を国に申し入れることについてのお尋ねです。  平和首長会議に加盟している区として、また、平和都市宣言をした自治体として、核兵器の廃絶、世界の恒久平和を願う立場として、引き続き平和首長会議に加盟する都市と連携して取り組んでまいります。  次に、特別養護老人ホーム等の施設に新規入所する方のPCR検査を区の責任で行うことについてのお尋ねでございます。  これにつきましては、各施設の実情なども把握し、また専門家の知見なども得て、適切な方法について早期に実施する方向で検討しておるところでございます。  最後に、熱中症予防対策についてのエアコン設置の助成についてです。  社会福祉協議会で行っている生活福祉資金の御利用案内などにつきましては、適切な時期に知っていただき、利用につながるように今後も配慮してまいります。また、設置費用の助成についてでございます。高齢者世帯のうち、生活保護世帯を含む低所得者世帯に対するエアコン設置費用の助成について、現在検討しているところでございます。来年の夏までには間に合わせることができるよう実施に向けて検討してまいります。  よろしく御理解のほどお願いいたします。 ○議長(二島豊司君) 以上にて、本日の日程は全部終了いたしました。  本日の会議は、これをもって散会いたします。                                         午後五時四十分散会...