港区議会 > 2020-06-25 >
令和2年第2回定例会−06月25日-09号

  • 水道(/)
ツイート シェア
  1. 港区議会 2020-06-25
    令和2年第2回定例会−06月25日-09号


    取得元: 港区議会公式サイト
    最終取得日: 2021-09-21
    令和2年第2回定例会−06月25日-09号令和2年第2回定例会  令和二年 港区議会議事速記録 第九号(第二回定例会)   令和二年六月二十五日(木曜日)午後一時開会     一 出席議員(三十三名)       一  番  マック 赤 坂 君      二  番  玉 木 まこと 君       三  番  石 渡 ゆきこ 君      四  番  榎 本 あゆみ 君       五  番  なかね  大  君      六  番  黒崎 ゆういち 君       七  番  小 倉 りえこ 君      八  番  福 島 宏 子 君       九  番  熊 田 ちづ子 君      十  番  山野井 つよし 君       十 一番  兵 藤 ゆうこ 君      十 二番  横 尾 俊 成 君       十 三番  丸山 たかのり 君      十 五番  鈴 木 たかや 君       十 六番  土 屋  準  君      十 七番  風 見 利 男 君       十 八番  琴 尾 みさと 君      十 九番  清 家 あ い 君       二 十番  杉 浦 のりお 君      二十一番  なかまえ 由紀 君       二十二番  池 田 たけし 君      二十三番  ゆうき くみこ 君       二十四番  二 島 豊 司 君      二十五番  池 田 こうじ 君       二十六番  榎 本  茂  君      二十七番  赤 坂 大 輔 君       二十八番  阿 部 浩 子 君      二十九番  七 戸 じゅん 君
          三 十番  近 藤 まさ子 君      三十一番  杉本 とよひろ 君       三十二番  清 原 和 幸 君      三十三番  うかい 雅 彦 君       三十四番  井 筒 宣 弘 君     一 欠席議員(一名)       十 四番  やなざわ 亜紀 君     一 説明員       港   区   長        武 井 雅 昭 君    同 副  区  長        田 中 秀 司 君       同 副  区  長        小柳津  明  君    同 教  育  長        青 木 康 平 君         芝地区総合支所長                      麻布地区総合支所長       同                野 澤 靖 弘 君    同                有 賀 謙 二 君         街づくり支援部長兼務                    保健福祉支援部長兼務         赤坂地区総合支所長                     高輪地区総合支所長       同                中 島 博 子 君    同                森   信 二 君         子ども家庭支援部長兼務                   産業・地域振興支援部長兼務         芝浦港南地区総合支所長       同                新 井 樹 夫 君    同 みなと保健所長        松 本 加 代 君         環境リサイクル支援部長兼務       同 街づくり事業担当部長     冨 田 慎 二 君    同 企画経営部長         浦 田 幹 男 君       同 用地・施設活用担当部長    坂 本  徹  君    同 防災危機管理室長       長谷川 浩 義 君                                       会計管理者       同 総 務 部 長        新 宮 弘 章 君    同                亀 田 賢 治 君                                       会計室長事務取扱       同 教育委員会事務局教育推進部長 星 川 邦 昭 君    同 教育委員会事務局学校教育部長 湯 川 康 生 君       同 選挙管理委員会委員長     島 田 幸 雄 君     一 出席事務局職員       事 務 局 長          佐 藤 雅 志 君    事務局次長            小野口 敬 一 君                                     議 事 係 長          山 口 裕 之 君                                                            他五名             ───────────────────────────       令和二年第二回港区議会定例会議事日程          令和二年六月二十五日 午後一時 日程第 一  会議録署名議員の指名 日程第 二  代表質問・一般質問        土 屋  準  議員(自民党議員団)        なかまえ 由紀 議員(みなと政策会議)        杉本 とよひろ 議員(公明党議員団)        榎 本  茂  議員(都民ファーストと日本維新の会)        福 島 宏 子 議員(共産党議員団)             ─────────────────────────── ○議長(二島豊司君) これより本日の会議を開会いたします。  ただいまの出席議員は三十三名であります。             ─────────────────────────── ○議長(二島豊司君) これより日程に入ります。  日程第一、会議録署名議員を御指名いたします。十一番兵藤ゆうこ議員、十二番横尾俊成議員にお願いいたします。             ─────────────────────────── ○議長(二島豊司君) 日程第二、区の一般事務について、質問の通告がありますので、順次発言をお許しいたします。最初に、十六番土屋準議員。   〔十六番(土屋 準君)登壇、拍手〕 ○十六番(土屋準君) 令和二年第二回港区議会定例会に当たり、自民党議員団を代表して、区長、教育長、選挙管理委員会委員長に質問します。  質問に入る前に、新型コロナウイルス感染症により亡くなられた方々の御冥福をお祈りするとともに、感染された全ての方々、御家族の皆様にお見舞い申し上げます。  また、医療従事者の方々をはじめ、この新型コロナウイルス感染症拡大の中、社会を支えてこられた方々に深く感謝申し上げ、質問に入らせていただきます。  「二〇二〇年、悪魔が世界にウイルスという矢を放ち、人類の文化を破壊しようとしている。家族の絆を、信仰を、音楽を、スポーツを、経済を、破壊しつつある。友好のあかし、握手、ハグ、キスをさせない。大好きな人たちを奪っていく」。これは、ある書家の言葉です。  コロナ禍前の地球経済は、どんどん膨張と加速の方向に向かって行きました。人々は、より早くより遠くに出かけるようになっていきました。しかし、状況は変わりました。ステイホーム、家にいろ、人と会うな。これは私たちの生活や経済を一変させました。  血流である経済が止まり、これまで順調であった産業も大きな打撃を受けました。コロナ産業革命と言われるように、これまでになかった観点も必要とされるようになりました。ビフォーコロナ、アフターコロナという言葉も生まれましたが、コロナ禍後は、全く以前と同じ状態には戻れない、新たな段階の世界に入ります。  折しも進展しつつあったオンライン化は、その動きを加速させ、これからの様々な活動のキーワードになると思われます。オンライン会議も導入され、テレワークも広がっていきました。  また、コロナ禍が家庭に及ぼした影響も大きく、家庭というものを改めて見つめ直す機会になりました。ステイホームにより、これまで取れなかった家族と過ごす時間ができたという声もあれば、家庭内暴力などが生じた事態もあります。新型コロナウイルス感染症対策は、世界レベルから、国、自治体レベルまで求められ、その力量が試されました。  感染症は世界中の全ての人類に区別なく襲いかかり、先進国の首相や皇太子までもが感染し、世界一の大国には世界最大の被害をもたらしました。  一方、他の先進諸国に比べ死者数の少ない日本に対しては、強制によらない自粛や日本人特有の衛生意識などにも関心が寄せられました。新型コロナウイルス感染症との闘いはまだ続きます。しかし、人類がこれほどまでに共通の目的に向かって闘ったことはかつてなかったことです。アフターコロナの世界はこれまでの争いを超え、世界中の人類が手を携えて家族のように暮らしていける世界になるよう願っています。  さて、先日行われた港区長選挙では、武井区長が五選を果たされました。これは、新型コロナウイルス感染症の対策をはじめ、これまでの施策の成果が区民に評価され、今後の区政運営に大きな期待が寄せられているものと考えております。昨日の施政方針では、これまで取り組んできた施策に加えて、未来に向けた区政運営の基本姿勢などについても述べられておりますが、区長の今後の区政のかじ取りに期待しています。  最初の質問は、区の新型コロナウイルス感染症対策の取組についてです。  初めに、これまでの対策の検証についてです。東京都は、我が国で新型コロナウイルス感染症の患者数が最も多いですが、中でも港区は、緊急事態宣言が解除されるまで、人口比で都内最多の患者数をずっと擁していました。感染症対策の拠点であるみなと保健所の現場で、相談電話が殺到する中、医療機関との入院調整や患者の搬送などの対応に追われる状況は、メディアにも取り上げられました。現場で奮闘され、区民の命、健康、生活を守ってきた保健所をはじめとする職員の皆様に改めて感謝を申し上げます。  そうした中で、港区は、これまで予備費の充用や補正予算により、感染の拡大防止とともに、区民生活や区内産業を守るため、区独自の様々な対策を行ってきました。区内事業者への支援策では、国や東京都に先駆けて、区独自の無利子・上限五百万円の特別融資あっせん制度テナントオーナーへの賃料減額助成などを実施し、また、区独自のPCR検査などの実施や健康観察システム、「港区新型コロナこころサポートダイヤル」の導入、外出に不安を抱える高齢者への買物代行の実施、妊婦への二万円の商品券の配布、介護事業所、障害福祉サービス等事業所の家賃助成など、区民生活の実情に応じた独自の対策を実施してきました。  議会との関係でも、新型コロナウイルス感染症に関する連絡会議を設置し、議員からの様々な要望事項等にも応えていただきました。現在は、緊急事態宣言も解除され、一旦落ち着いた段階であるかと思います。しかし、今後、第二波や第三波が発生するかもしれませんし、新型の感染症の流行もあるかもしれません。  そこで今、様々な対策を振り返って有効性を検証する必要があると思いますが、区長はどのように考えているかお伺いします。  次に、今後の取組についてです。緊急事態宣言が解除され、これからは自粛から自衛へ、新しい生活様式が求められる段階になりました。しかし、気が緩むと大きな第二波や第三波に見舞われる危険性があります。人と人との距離を取ることや、適切なマスクの着用など注意喚起の啓発活動などは引き続き行う必要があります。  これまでも、区有施設や公園等でのポスター掲示、広報みなとや区ホームページにて新しい生活様式について掲載するなど啓発を行っていることと思います。今後は、委託業務を見直すことになるかもしれませんが、青色防犯パトロール、港区生活安全パトロール隊などでも、放送だけでなく、徒歩巡回による啓発活動を行うなど、今後の取組を工夫していってはと思います。  そこで質問は、新型コロナウイルス感染症への今後の取組について、区長はどのように考えているかお伺いします。  次に、具体的な産業・地域経済の支援策についてお伺いします。  昨日の区長の施政方針にもありましたが、新型コロナウイルス感染症により、区民生活や地域経済は大きな打撃を受けました。緊急事態宣言の解除後、社会経済活動は徐々に再開してきましたが、区民生活や地域経済は再建の途上であり、区民の暮らしや区内産業の早期回復に向け、全力で取り組んでいただきたいと思います。そこで、産業・地域経済に関わるものから具体的な支援策について質問させていただきます。  初めに、プレミアム付き区内共通商品券発行支援事業についてです。今回の新型コロナウイルス感染症拡大の区内経済への影響は、平成二十年九月のリーマンショックに伴う影響よりもさらに広範な業種が影響を受けており、その規模は、既にリーマンショック時をはるかに凌駕しているのではないかと思います。  所管部署に融資あっせんの実績を確認させていただいたところ、今年三月四日から六月十七日までの三か月半で、五百万円まで無利子融資あっせんをする特別融資と二千万円までの緊急融資を合わせて七千七十八件、六百六億円強のあっせんを行っており、現在も日に百五十件程度の郵送による申請が続いているということでした。特別融資あっせんについては、今年八月三十一日まで延長すると発表されておりますが、我が会派としても、区内中小企業への直接的な支援として非常に高く評価させていただいております。  また、いっときは区役所三階にあっせん希望者があふれ返っておりましたが、九階大会議室への移転、五月の連休明けからの段階的な郵送による申請へのシフトなど、我が会派からの要望や意見なども取り入れていただき、これまで新型コロナウイルス感染症を発症した方も聞かず、中小企業への手厚いサービスが連続的に提供されていることに感謝申し上げます。  リーマンショック時の状況と比較するため、平成二十年九月から平成二十一年八月までの一年間の融資あっせん件数についても所管部署にお聞きしてみました。それによると、緊急融資あっせんが四千二百六十七件、四百二十九億円強ということですので、今回のコロナ禍の影響の大きさがこのことからも分かります。当然、これに伴って今後発生する利子補給金や信用保証料補助金も相当の額になろうかと思いますが、ぜひとも必要な措置を今後も継続していただきたいと思います。  ここで、区内の商店街、区民生活に目を転じますと、消費の落ち込みにより、特に飲食店などは極めて厳しい状況が続いております。区では、商店街振興の推進、区民生活の支援を図る観点から、リーマンショック後の平成二十一年三月には、プレミアム付き区内共通商品券の三億三千万円発行を支援しております。今回の補正予算では、これまで一回の発行支援額では最大であったこのときをはるかに上回る規模の十億円分のプレミアム付き区内共通商品券の発行を支援するということです。我が会派としても、区内経済が落ち込む中、時宜を得た、まさに起爆剤としての規模を持つ取組であると考えております。  そこで質問は、今回のプレミアム付き区内共通商品券発行支援事業に対し、区長はどのような考えでいるかお伺いいたします。  次に、観光需要の回復に向けた取組についてです。日本政府観光局独立行政法人国際観光振興機構)によると、昨年の訪日外国人は前年比二・二%増の三千百八十八万二千人で、七年連続で過去最多となり、日本政府観光局が統計を取り始めた昭和三十九年以降最も多くの方が日本を訪れました。連動して、東京都を訪れる外国人旅行者も千五百十七万六千人で過去最多となり、その消費額も前年比五・七%増の約一兆二千六百四十五億円で、まさに観光立国の名にふさわしく、東京都には観光の一大産業が生まれている状況となりました。  政府は観光を地方創生の切り札、成長戦略の柱として、訪日外国人数を今年は四千万人とする目標を掲げ、また、東京都も東京オリンピックパラリンピック競技大会も見据え、今年の訪都外国人旅行者の目標を二千五百万人として、まさに「勝負の年」となっていましたが、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大により、状況が一変しました。  四月の訪日外国人旅行者数は二千九百人で、前年同月比九九・九%減という驚くべき数字でしたが、先月五月は、さらに旅行者数が減り、僅か千七百人で、日本政府観光局が統計を取り始めて以来過去最少となっています。先ほど述べましたように、昨年は過去最多となりましたが、僅か一年足らずで九九・九%減の過去最少になるとは、誰も予想だにしていなかった事態に陥りました。  東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会の延期も相まって、大会関係者や競技の観戦者が予約していた区内のホテルはキャンセルが相次ぎ、ホテル・旅館の客室数が都内で最も多い港区としては、大きな影響を受けています。浜松町から増上寺・東京タワーへとつながる大門通りでスーツケースを引いた外国人と擦れ違うこともなくなり、ナイトタイムの代表である六本木・赤坂・新橋は、夜間の外出自粛の影響もあって閑散とし、運河から東京湾へと行き交う屋形船やクルーズ船を見かけることもなくなり、街の様子、人の流れが大きく変わりました。外国人観光客のみならず、日本人観光客も同様の状況であり、また、ビジネス客の往来も激減した港区の観光は、今、極めて危機的な状況となっています。  現在、全ての地域からの入国者に対する十四日間の待機、入国管理法に基づく特定地域からの上陸拒否、航空機の到着空港の限定、国際線の運休や減便等により、インバウンドの需要が見込めない状況になっています。このように区の観光事業は非常に厳しい状況に置かれていますが、このままインバウンドの回復を待ち続けているわけにはいきません。制限が解除されるまでは、まずは目線を国内に移し、「新しい生活様式」の中で新たな観光の需要を喚起させ、この数か月で区が失ったにぎわいをV字回復させ、かつてのにぎわいのある街を取り戻すことが必要ではないでしょうか。  また、二十六万区民をはじめ、九十万人を超える港区で働く方等にも、この機会に改めて区内の観光施設、神社・仏閣、美術館・博物館、商業施設等港区の多彩なスポットへ足を運んでいただき、魅力を再発見していただくとてもよい機会になるのではないかと思います。これまでにない視点、切り口で、区民等も含めた広い意味での観光客による観光振興を行うことで一人でも多くの方に港区を訪れていただき、区内での消費活動を促して経済を好転、発展させていくべきです。  そこで質問は、観光需要の回復に向け、区はどのような取組を行うのかお伺いいたします。  次に、沿道飲食店等の道路占用許可基準の緩和についてです。今月五日に道路を所管する国土交通省が新型コロナウイルス感染症対策としての道路占用の許可基準の緩和の取扱いについて発表いたしました。これは、今年十一月三十日までの暫定的な措置ですが、新型コロナウイルス感染症により営業ができず休業に追い込まれるなどの影響を受けた飲食店等を支援するため、自治体または関係団体による一括占用を要件にした緊急的な路上利用の緩和措置であり、その活用の可能性が期待されているところです。  東京都内も先月二十五日に緊急事態宣言が解除されて以降、自粛要請も順次解除になり、飲食店の多くが営業を再開しています。営業を再開した飲食店等では、新しい生活様式に対応するため、店舗内における三密を回避するための対策や、さらには収入を補填するために新たにテイクアウトの導入等に力を入れるなど、それぞれの店舗において工夫と努力がされていますが、経営はいまだに厳しい状況であることは御承知のとおりと思います。  これまでは、道路上での飲食の占用許可については、一時的なイベントや祭礼以外は道路占用許可が出ませんでした。これに対して、今回、国土交通省から国道における占用許可基準の緩和が示されたことから、道路上でのテイクアウトやテラス営業が可能となれば、経営の立て直しに向けて手だてを考える範囲が広がるものと考えます。しかしながら、国が示した緩和の基準を見る限りでは、港区が管理している区道は全体的に道路幅が狭いところが多いなどの制約もあり、なかなか許可を得るには厳しい状況と考えます。  今後、区に対しても、飲食店等の営業を支援する地元関係者団体や商店会などからの相談もあると思いますが、今回、国が示した道路占用許可基準の緩和を捉え、区道の道路管理者として区はどのように対応していくのか、区長にお伺いします。  次に、福祉総合窓口についてお伺いします。  まず、設置に向けた検討の在り方についてです。施政方針にもありましたが、区長は、福祉総合窓口の設置を目指す考えを発表しました。これまでの福祉に関する相談体制を新たにし、身近な総合支所においてワンストップであらゆる相談を受け止めることにより、専門職を加えたチームで早期の課題解決につなげたいという強い希望に向けて、ぜひ積極的に取り組んでいただきますようお願いいたします。  それには、多岐にわたる専門職が関わることから、運用を見据えた連携が滞ることなく実施できる体制を構築することから始めていく必要があります。遠隔による相談・連携はもちろん、個人情報の管理、突然の人事異動による混乱を防ぐ情報共有など、相談者が被るリスクを可能な限り減らしていただきたいと思いますが、また、区としても複数の部署をまたぐものであるため、質と利便性は向上させていかなければなりません。この福祉総合窓口は、区役所職員における多職種連携の根幹となりますので、他自治体でも手本となるスムーズな運用となるよう設計をしていただきたいと思います。  福祉総合窓口の設置は令和四年度を計画しており、組織体制の検討やシステムの導入などは来年度を予定しています。これまでも様々な分野で各地区総合支所と支援部の間で連携が困難だったこともありましたが、今回は実際に相談者が訪れてシステムを運用する各地区総合支所を中心として、動きやすい、動いてもらいやすい体制を構築していただきたいと思います。  相談機能の向上に向けた取組については、着実な運用を見越し、今の段階から現場の意見を可能な限り尊重できるようヒアリングをしていただきたいのですが、福祉総合窓口の設置に向けた検討をどのように進めていくのか、区長にお考えを伺います。  次に、福祉総合窓口における保健師の活用についてです。この福祉総合窓口体制の一番の要員は保健師です。このたびの新型コロナウイルス感染症の状況においても、保健師の存在がどれだけ重要であるかを思い知らされることになりました。区の保健師は、出生前の妊婦から新生児、そして高齢者までの保健活動を担い、それこそ感染症対策や健康づくりを含めて、保健師には区民の健康を守る重要な役割があります。必要な支援を進めていくためにも保健師は欠くことができません。  ところが現在、保健師の人員は不足しています。精神保健分野でも保健師の活用体制が重要となる中で、これまでも我が会派は、保健師の人員確保や育成を積極的に進めるようお願いしています。国のガイドラインを参考にすると以前に答弁がありましたが、このガイドラインの運用は都道府県レベルの調整が必要で、東京都の体制整備が整うまで待たなければならない可能性があるということでしたが、昨年度末にようやく完成したと聞いております。国、東京都、そして区の連携は非常に重要であります。しかし、このたびの新型コロナウイルス感染症対策で、東京都と区の保健所では法律上の関係性がとても複雑であることが改めて露呈し、連携においても課題が残りました。  精神保健の分野おける保健師の活用は想定されているものですが、今後の福祉総合窓口設置に向けても保健師自体の存在は要となります。港区は独自に保健師を積極的に登用し、区民のための保健活動の向上につなげるための体制はもとより、専門性を発揮し職務にあたれる環境をつくっていただきたいのですが、区長の見解を伺います。  次に、新型コロナウイルス感染症の影響を受ける高齢者の支援についてお伺いします。  高齢者は、新型コロナウイルス感染症にかかると重症化しやすいとされているため、高齢者の外出は特に注意が必要と言われています。しかし、高齢者は宅配サービスなどに慣れていない人が多く、買物に行き、スーパーで密になる姿がメディアでも報道されていました。  区では、高齢者を見守るふれあい相談員は、新型コロナウイルス感染症の影響により、相談業務を訪問から電話に切り替え、高齢者のお宅に電話をかける電話相談を実施していますが、そうしたふれあい相談員の電話相談業務や高齢者相談センター等で相談を受ける機会を捉え、これまで区でまとめてきた地域情報マップに掲載されている配達可能な店舗等の紹介や、必要な方には配食サービスや家事援助サービスを案内することにより、外出機会を抑制できるように周知し、高齢者の感染リスクを減らしているとのことです。また、外出に不安を抱える高齢者の不安を解消し、生活支援を行うため、食料品や生活雑貨の買物を代行する事業も始めました。  一方、緊急事態宣言が解除されるまでは外出を控える中でもあり、今年三月から五月まで、いきいきプラザ等での事業は休止されていました。そうした中で区は、五月二十一日からケーブルテレビの広報番組において、自宅でできる介護予防運動を紹介しています。今月一日から区有施設では段階的に事業を展開していますが、現状では新型コロナウイルス感染症の終息が見込めない状況で、今後、運動不足になりがちな高齢者の介護予防事業をどのように進めていくのかということも課題になると思います。  そこで質問は、新型コロナウイルス感染症を踏まえた今後の高齢者の支援をどのように進めていくのかお伺いいたします。  次に、新型コロナウイルス感染症の影響を受ける家庭の支援についてお伺いします。  まず、子どもや家庭の支援についてです。新型コロナウイルス感染症が拡大し、外出自粛が求められていた中、親が子どもに暴力を振るうなど虐待に関する相談が、児童相談所に相次いで寄せられているという報道を耳にしました。自宅で共に長時間過ごしていることがストレスになっていると見られており、夫婦げんかなど親同士の争いを子どもが見ることによる心理的虐待が多くなっていたそうです。外出できずにいらいらが募っている上に、家族全員が家にいて逃げ場がないことが要因ではないかと分析されています。
     こうした虐待事案の増加を懸念し、厚生労働省は四月十日、全国の自治体に対し、児童相談所と学校の連携を強化し、虐待リスクのある子どもの状況を把握するよう求めました。しかし、児童相談所職員が家庭を訪問すると、感染拡大を理由に面会を断られるケースが続出し、無料通信アプリLINEのビデオ機能で子ども本人の姿を確認する試みをした自治体もあるそうです。このようなことから、行政や学校は家庭訪問や電話、ビデオ通話などあらゆる手段を組み合わせ、虐待リスクの高い家庭を支援していかないといけないと言われています。  そこで質問は、ステイホームを契機としたコロナ禍における虐待対応などで区はどのようなことを行い、課題をどのように考えているかお伺いいたします。  次に、ベビーシッター利用支援事業についてお伺いします。コロナ禍での保育園登園自粛や、子育てひろばや一時預かり施設の利用停止、また保護者のリモートワークにより、ベビーシッターを必要とする声が急増しています。実際、港区でも急遽導入していただいた六月三十日までの新型コロナウイルス感染拡大に伴う保育所等の臨時休園等への対応に係るベビーシッターの利用支援事業では、港区への問合せは百件以上あり、最終的にアカウント発行に至った家庭は六十三件ほどの実績があったそうで、これは他自治体と比べても大変多いと聞いております。  さて、このたび、東京都が令和二年度予算で制度化したベビーシッター利用支援事業は、日常生活上の突発的な事情や社会参加などにより一時的に保育を必要とする保護者やベビーシッターを活用した共同保育を必要とする保護者に対し、ベビーシッターによる保育を提供する区市町村を支援するもので、対象児童は〇歳から二歳児クラス、利用上限は児童一人当たり一日八時間、多胎児の場合は、児童一人当たり月百六十時間掛ける子どもの数が上限で、一時間当たり二千五百円の補助がされるため、保護者にとっては、ほとんどの事業者がかなりの低額で利用できることになります。  また、港区の家事サポート制度とは違い、この制度の事業者数は国と東京都の審査を経た八十団体程度があり、選択の幅も広く、シッターの要件もあるので品質も高いと見られており、利用のために窓口に行って説明を聞き、アカウントを発行してから利用するというような煩雑な手続が要らず、対象事業者の中から利用して、領収書を提出すれば助成が振り込まれるスキームなので大変便利です。しかも、都区の負担割合は東京都の十分の十です。  そこで、東京都が令和二年度予算で制度化したベビーシッター利用支援事業を港区でも導入できないかと思いますが、区長はどのように考えますでしょうか。  次に、オンライン教育における家庭支援についてお伺いします。  新型コロナウイルス感染症の拡大により、小・中学校が休校になったことで、児童・生徒や保護者には大きな影響がありました。教育は家庭で担われる部分が多くなり、多くの児童・生徒や保護者は困惑したことと思います。特に保護者は、児童・生徒の学習に遅れが生じないよう、様々な手法で家庭での学習支援を行っていたと聞いています。  このような状況において、保護者からの重要度が高まったのがオンライン教育ではないでしょうか。教育委員会では、オンライン教育を推進するために、インターネット環境のない家庭にいち早くタブレット端末やWi−Fiルーターを貸出しするなど、各家庭においても学びを止めないための取組を進めました。  しかし、実際にオンライン教育を進めていく上では、それぞれの家庭において保護者の方の負担が様々あったと聞いております。「どのような手順でオンライン上にアクセスしたらよいか分からない」、「我が子に対してどのように学習のアドバイスをしたらよいか」など、保護者の困り事があったようです。教育委員会としても、オンライン教育を推進するに当たり、保護者が抱えた課題について御理解いただいていることと思います。  そこで質問は、休校により、オンライン教育について児童・生徒や保護者にどのような支援を行い、課題をどのように考えているか、教育長にお伺いします。  次に、これからの防災・危機管理体制についてお伺いします。  まず、新型コロナウイルス感染症を踏まえた防災対策の見直しについてです。政府の中央防災会議は先月、新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、国の防災基本計画を修正しました。被災者が集まる避難所で感染が広がるのを防ぐため、必要に応じて、ホテルなど宿泊施設の活用を検討することなどを盛り込みました。自治体は今後、修正された基本計画に沿って地域防災計画の見直しを進めることになると思います。  新型コロナウイルス感染症をめぐっては、密集・密接・密閉の三密を満たす条件下で感染リスクが高まるとされ、体育館など多くの人が身を寄せる避難所での感染爆発が懸念されています。  内閣府は四月に、各自治体に対し、災害時は可能な限り多くの避難所を開設して、避難者のスペースを十分確保するよう求めていました。新しい基本計画では、新型コロナウイルス感染症の発生を踏まえ、「避難所における避難者の過密抑制など感染症対策の観点を取り入れた防災対策を推進する必要がある」と明記しました。その上で、自治体の防災担当者と保健福祉担当者が連携して避難所感染症対策にあたり、「必要な場合は、ホテルや旅館などの活用を含めて検討するよう努める」としています。  そこで質問は、区でも、新型コロナウイルス感染症を踏まえ、防災対策を見直していく必要があると思いますが、区長はどのように考えているかお伺いします。  次に、業務継続計画(新型インフルエンザ編)の改定についてお伺いします。新型インフルエンザが発生すると、区職員が感染により出勤困難となるなど、平常時における人員体制や執務環境で区の業務を行うことが困難になります。そこで、緊急時に優先して行うべき業務をあらかじめ定め、人員など限られた資源を有効活用し、区民サービスの継続を図るとともに、最短期間で平常の業務体制に戻ることができるよう業務継続計画を策定しています。  港区では、業務継続計画(新型インフルエンザ編)を平成二十二年に策定していますが、これは策定から十年がたち、見直しの時期を迎えているのではないかと思います。それに加え、今回の新型コロナウイルス感染症の発生により、これまでになかった課題も見えてきたのではないでしょうか。  そこで質問は、業務継続計画(新型インフルエンザ編)の新型コロナウイルス感染症を踏まえた改定を行うべきと考えますが、区長はどのように考えているかお伺いします。  次に、新型コロナウイルス感染症対策を踏まえた選挙執行についてお伺いします。  緊急事態宣言解除後、都内で初めて行われた首長選挙が六月七日に執行された港区長選挙でした。宣言が解除されたとはいえ、また、選挙は不要不急の外出にはあたらないとの政府見解があるとはいえ、有権者である区民の多くが投票所に行くこと自体に感染リスクの不安を相当強く感じていたのではないかと思います。そうした中で、港区長選挙において投票率が三〇%を超えたことは、平成四年六月以来二十八年ぶりのことであり、大きな成果であったと思います。  緊急事態宣言が発令された直後には、目黒区長選挙や福生市長選挙が都内で執行されていますので、選挙管理委員会も先発したこうした選挙における新型コロナウイルス感染症拡大防止対策について調査研究され、今回の区長選挙に応用されたと思います。  また、来月五日には東京都知事選挙の執行が予定されていますが、今後も様々な選挙が行われます。そこで必要になるのが、感染を防ぐ対策です。それには、究極的にはオンライン投票が最も確実だと思います。しかし、これはもちろん区だけでできることではありませんし、技術的な課題も大きいです。  次に考えられるのは、投票所を増やすことです。投票所が増えれば、確率的に密になる可能性は減ります。しかし、投票区の設定に関わることは課題も多く、投票所の確保や立会人の確保といった課題もあります。比較的実現が容易と思われるのが、混む時間を避けてもらうことです。これにはホームページなどの活用もありますが、投票所入場整理券の送付状や選挙公報などの紙媒体でも視覚的に分かりやすい方法で周知ができればと思います。このように、今後の選挙執行においては、様々な課題解決方法を検討していただければと思います。  そこで質問は、新型コロナウイルス感染症対策として、今回の区長選挙執行に当たり特に力を入れた点や工夫したことは何か。また、今後の選挙執行における課題をどう考えているか、選挙管理委員会委員長にお伺いします。  次に、延期された東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた対策についてお伺いします。  まず、高輪ゲートウェイ駅前イベント広場の今夏の活用方法についてです。今年三月十四日にJR高輪ゲートウェイ駅が開業し、本来であれば駅前の品川開発プロジェクト用地を活用した東京二〇二〇大会のイベント空間が設置される計画でした。JR東日本、東京都、大会組織委員会、港区などがそれぞれのゾーンで東京オリンピック・パラリンピックのパブリックビューイング会場である「東京二〇二〇ライブサイト」や、お台場をはじめとした臨海部へのシャトルバスの内陸部の発着場所になる予定でした。しかし、開発は始まってしまうため、大会が延期された来年は同様の活用ができなくなりますので、この夏の活用方法が課題となります。  そこで質問は、東京二〇二〇大会の開催延期が決定したことを受け、高輪ゲートウェイ駅前イベント広場については、この夏、どのように活用されるのか、区長の考えをお伺いします。  次に、気運醸成イベントの再開に向けた考え方についてです。現在、港区が開催するイベントは、ほぼ中止か延期になっています。来月一日から本格的に学校が再開される予定のため、それまでの間は当然の措置と考えます。一方、政府や東京都が示しているガイドラインでは、各種イベントの開催に対し、感染対策を万全に施した上で進めていく方針です。安全・安心を確保した上で、東京二〇二〇大会の気運醸成イベントを再開することによって、他の主催イベント再開の後押しにもなるのではないでしょうか。  そこで質問は、区は、東京二〇二〇大会に向けた気運醸成イベントをどのように再開していく考えなのか、区長の見解をお伺いします。  次に、区として大会の準備に向けた効率化や合理化を進めることについてです。今月十日、IOCと組織委員会は、世界における経済、社会、医療の新たな状況に即し、大会の延期に伴う費用と負担を最小化し、国民・都民から理解を得るべく競技と選手に重点を置きつつ、サービス水準の見直しを含んだ効率化・合理化を進め、簡素な大会とする方針を示しています。IOCと組織委員会が公表したこの方針を踏まえ、区も独自の取組内容について効率化や合理化を進めていくと思います。  そこで質問は、区民に最も身近な存在である区として、今後の大会関連事業をどのように捉え、どのように検討を深め準備を進めていくのか、区長の見解をお伺いします。  次に、(仮称)神宮外苑地区市街地再開発事業への影響について伺います。東京都が平成三十年に策定・公表した「東京二〇二〇大会後の神宮外苑地区のまちづくり指針」に基づき、民間事業者が計画している(仮称)神宮外苑地区市街地再開発事業については、東京二〇二〇大会が一年間延期されたことによる影響が懸念されます。また、この事業は東京都の公園まちづくり制度を活用した計画となっていますが、今年一月に民間事業者が実施した東京都公園まちづくり制度実施要綱に基づく説明会において、区民の皆様から様々な意見があったと聞いております。  そこで、東京二〇二〇大会の一年延期による影響と、説明会における区民の皆様からの意見を受けて、港区として本事業の今後の展開をどのように考えるのか、区長のお考えを伺います。  次に、大会運営の輸送計画として環状第二号線を活用することの可能性及び区への影響についてです。当初は、環状第二号線を選手や関係者の輸送ルートとして活用する予定でしたが、築地市場の移転事業が延期になったため、選手村から虎ノ門ヒルズを通って国立競技場等へ向かうための道路整備が間に合わなくなり、計画変更が余儀なくされていました。しかし、大会が延期になり、また計画が見直される可能性が出てきました。  現時点では、東京二〇二〇大会期間中に環状第二号線を選手や関係者の輸送ルートとして活用する予定はないと思いますが、今後、この輸送ルートに変更が生じ、環状第二号線を選手や関係者を乗せた車両が通行することになった場合、港区内においても当初の輸送計画とは桁違いの影響が生じるのではないでしょうか。  区においては、大会の延期を受けた環状第二号線の利活用の方法について、改めての情報収集や必要に応じての区民等への情報提供を幅広く実施していただきたいと考えますが、区長の見解をお伺いします。  次に、オリンピック・パラリンピック教育についてです。  オリンピック・パラリンピック教育については、東京二〇二〇大会の開催を契機に、子どものスポーツ活動の推進や積極的にスポーツに親しむ気運の醸成を図るとともに、オリンピズムを踏まえ、スポーツを通じた様々な分野への関心を高める教育を推進するとのことで、特に、東京二〇二〇大会の際に港区にスポーツサービスセンターを置く国や競技大会が行われる競技について触れ、「学ぶ」「見る」「する」「支える」という視点での取組を各学校の特色を踏まえて行うことが掲げられています。  東京二〇二〇大会開催決定後から教育委員会が主導してオリンピック・パラリンピック教育のプログラムが展開されてきましたが、現在、新型コロナウイルス感染症の影響により、授業は中断されていると聞いています。  そこで質問は、本来であれば三月から七月までに行う内容を、向こう一年間でどのように実施するのか、この事業の今後の方向性について教育長に伺います。  次に、竹芝地区のまちづくりについてお伺いします。  新型コロナウイルス感染症により様々な事業が影響を受けていると思いますが、港区はまちづくり事業が多く、このような時期でも民間に対し適正な指導や誘導をしっかりと進めていかなければならないと思います。そうした中で、平成二十七年三月に都市再生特別地区、地区計画及び都市施設について都市計画が決定されていた竹芝地区のまちづくり事業も、ついに先月に業務棟が竣工し、今月、住宅棟が竣工する予定と聞いています。  以前に私は、この地区のまちづくりについてお尋ねしましたが、竹芝地区は「都市再生ステップアップ・プロジェクト」として実施される事業で、都有地の有効活用を通じ、地域経済の活性化や質の高い都市環境及び生活環境の形成並びに国際競争力の強化を図るとともに、地域全体が効果的に都市再生されていくことを目指し、まちづくりが行われてきました。開発に当たっては、官民連携によるエリアマネジメントの推進や、旧芝離宮庭園や海などの地域資源を生かした地域の魅力向上も事業の目的となっています。  また、浜松町駅から首都高速道路を越えて、竹芝ふ頭、竹芝駅へとつながる歩行者デッキも整備中ではあるものの、今年度中には暫定的に一部供用開始される予定と聞いています。これまで課題であった海岸通りや首都高速道路による浜松町と竹芝地区の地域分断が解消され、今後は地域のにぎわい創出にかかる活動がより一層大切になってくると考えます。  そこで質問は、改めて計画した施設が完成する状況において、この竹芝地区における地域のにぎわい創出にかかるエリアマネジメント活動をどのように支援していくのか、区長の考えをお伺いします。  次に、景気の悪化を受けた今後の中長期的な財政運営の方向性についてお伺いします。  今月十九日に内閣府から発表された月例経済報告では前月に続き、新型コロナウイルス感染症の影響が色濃く反映されました。「景気は、新型コロナウイルス感染症の影響により、極めて厳しい状況にあるが、下げ止まりつつある」とし、経済基調判断のトーンを前月より緩め、先行きについて、「各種政策の効果もあって、極めて厳しい状況から持ち直しに向かうことが期待される」としつつも、「国内外の感染症の動向や金融資本市場の変動等の影響を注視する必要がある」としています。  また、今月十日に掲載された経済紙の報道によれば、新型コロナウイルス感染症への対応もあり、地方の財源不足が過去最大だったリーマンショック後の十八兆円を超えるおそれがあるとされており、同紙では専門家の意見として、「リーマン危機を超える税収減や財源不足に陥るという覚悟が必要」と伝えています。  港区ではこれまで、人口増加や景気の回復に伴い、特別区民税収入が堅調に推移してきており、今年度の当初予算でも約七百六十五億円を計上しています。一方で、過去には大幅な税収減も経験してきました。平成二十年に発生した世界的な金融危機である、いわゆるリーマンショックの後には、平成二十年度に約六百十九億円であった特別区民税収入が三年連続で減少し、平成二十三年度には約五百二十億円となるなど、深く財政運営にも影響を与えました。さきの専門家の意見を踏まえると、リーマンショックを超える減収インパクトを与える可能性もあります。  一方で、さきに述べた今月十日の報道では、都道府県における基金の取崩しは既に一兆円を超えており、これは総額の七割に及ぶとされています。新型コロナウイルス感染症対策において、自治体はスピード重視の対応を迫られており、財政調整基金を活用しているケースが多いとされています。  港区においても、四月の区長専決に始まり、五月の区議会臨時会での補正予算、それに今回の第二回定例会と財政調整基金を活用し、新型コロナウイルス感染症対策を進めてきています。今後、景気の回復まで時間がかかり、大きな収入減が続くことも踏まえ、行財政改革の視点も含めて中長期的な視点で財政運営を検討していく必要があると考えます。  そこで質問は、景気の悪化を受けたことを念頭に置いた、今後の中長期的な財政運営の方向性についてどのように考えているのか、区長にお伺いします。  次に、新型コロナウイルス感染症により見直した港区版ふるさと納税制度についてお伺いします。  港区版ふるさと納税制度は平成三十年度から始まり、今年で三年目を迎え、寄附額も僅かですが増えてきています。昨年度末から今年度にかけて、新型コロナウイルス感染症が急拡大し、港区でも感染者が発生しています。メディアでも、みなと保健所における対応や産業振興課の融資相談など現場の緊迫した状況が報道され、多くの方がコロナ禍でも懸命に取り組む職員の姿を目の当たりにしたことと思います。  こうした中、区には多くの個人や企業、団体からマスクや消毒液などの寄附が日々寄せられているそうです。ふるさと納税は、納税先を選ぶことにより税の使われ方を考えるきっかけづくりとなることや、応援したい地域の力になれることなどを意義として始まった制度です。港区では、返礼品を贈呈しない、ふるさと納税本来の趣旨を踏まえた制度としているからこそ、コロナ禍においても見返りを求めない人たちからの協力を期待できると思いますし、そのような方たちの思いも区政に取り込んでいけるのではないでしょうか。  区は、今年度に入り、港区版ふるさと納税の寄附メニューに新型コロナウイルス感染症への取組を追加するとともに、ふるさとチョイスが始めたステイホームで断捨離した洋服等をふるさと納税として寄附する、断捨離とチャリティーを併せた断チャリプロジェクトに参加しています。日頃から港区版ふるさと納税制度を通して寄附文化の醸成に努める中での、時宜に応じた見直しであると評価しております。  そこで質問は、今年度のこの二つの見直しをどのように考えているのか、区長にお伺いします。  次に、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた次期港区基本計画の策定についてお伺いします。  今年は現行の基本計画最終年度に当たることから、現在、区では次期基本計画の策定の準備を行っています。基本計画は区の最上位計画であり、その役割は区政の目標や課題、施策の概要を体系的に明示するものであり、区の各部門が有している個別計画にも大きく影響を与えるものと考えます。  そして現在、新型コロナウイルス感染症の拡大により、健康分野だけでなく、福祉、教育、地域コミュニティなど区政全般が影響を受けています。それだけに、基本計画の策定に当たって踏まえるべき社会課題は、新型コロナウイルス感染症の拡大による区民生活や地域経済などへの影響、また、三密の回避に代表される「新しい生活様式」への対応になると思います。  一方で、みなとタウンフォーラムが昨年九月から今年二月まで健康や福祉、教育など区政の全分野にわたり検討した成果である提言書が、また、各地区区民参画組織の港区基本計画・地区版計画書策定に向けた提言書が、今年三月に提出されましたが、検討は新型コロナウイルス感染症が拡大する前に行われたため、提言にはそれが含まれておりません。毎回、区民や在勤者などが生活者の視点、働く方の視点から貴重な提言をされ、その提言を区が基本計画に反映することにより、基本計画が区民福祉の向上につながるものになっていると思います。  そこで質問は、今回の新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ、次期港区基本計画の策定にどのように反映させていくのかお伺いします。  最後に、未来に向けた区政運営の基本姿勢についてお伺いします。  昨日の区長の施政方針では、喫緊の課題である新型コロナウイルス感染症対策の徹底が表明されるとともに、コロナ禍を契機とした「新しい区政」、「未来に向けた区政運営」など、未来志向で前向きな言葉が随所に散りばめられていました。武井区長の新たな任期にかける断固たる意志と明確なコミットメントが示されたものと受け止めております。  また、行政のオンライン化を契機に、様々な人の知恵、すなわち衆知を集めることで、より参加しやすく透明性の高い区政を実現するという趣旨の発言がありました。個々人の独立した意見や知恵の結集は集合知とも呼ばれ、時に有識者や専門家の力を凌駕することがあります。これは、港区がこれまで取り組んできた「参画と協働」や多様性の尊重などにも通ずるものがあります。ぜひ、行政サービスの思い切ったオンライン化を実行し、より多くの人の知恵が生かされ、可視化された区政を実現していただきたいと思います。  世の中では、ウィズコロナ、アフターコロナなどの言葉が飛び交い、感染防止と経済活動を両立する社会の実現が求められていますが、コロナ禍後の区政運営は、やはりオンライン化をはじめとするデジタル戦略が鍵になると言えます。区長は、来庁することなく質の高いサービスを受けられる区役所の実現を目指すという大きな目標を掲げました。従来の区役所の常識を覆す大転換になるものと期待しています。  そこで質問は、行政サービスのオンライン化を進め、来庁しなくてもサービスを受けられる区役所を実現するためには、これまでの既成概念にとらわれない大胆な発想で、行政手続を抜本的に見直す必要があると思いますが、区長はどのように考えているかお伺いいたします。  新型コロナウイルス感染症が一日も早く終息し、希望ある未来が開けるよう願い、質問を終わります。御清聴ありがとうございました。   〔区長(武井雅昭君)登壇〕 ○区長(武井雅昭君) ただいまの自民党議員団を代表しての土屋準議員の御質問に順次お答えいたします。  最初に、区の新型コロナウイルス感染症対策についてのお尋ねです。  まず、これまでの対策の検証についてです。区は、区民の生命を守るため、新型コロナウイルス感染症対策に総力を挙げて取り組んでおります。区民への注意喚起や、区内の接客を伴う飲食店への感染予防の徹底の要請、区有施設や区主催事業の休館・休止など、感染者を出さないための取組とともに、PCR検査や積極的疫学調査、入院先医療機関の調整・患者搬送など、感染者の対応についても全力で当たってまいりました。  また、感染症の流行により大きな影響を受けた区民や事業者に対しては、特別定額給付金等の国の支援策に加え、高齢者の買物代行や中小企業への無利子融資のあっせんなど、区民、事業者の実情を踏まえた独自の支援を実施してまいりました。  これらの対策を実施する過程においても、適宜、問題点や課題を洗い出し、民間事業者を効果的に活用するなど、速やかに拡充、見直しを行ってまいりました。今後も、新型コロナウイルス感染症の影響を見定めながら、各事業を実施する中で、検証と改善を確実に行い、より効果的な対策を講じてまいります。  次に、今後の取組についてのお尋ねです。区は、区民に対して密閉・密集・密接の三密を避けることや、手洗い及び手指消毒の励行等について、広報みなと臨時号や区ホームページにより周知しております。  また、緊急事態が宣言されていた期間は、青色防犯パトロール隊や港区生活安全パトロール隊による注意喚起を行ってまいりました。今後は、こうしたこれまでの啓発方法を継続しながら、ツイッターなどを効果的に活用し、新しい生活様式が広く定着するよう、より具体的で分かりやすく情報を発信してまいります。  次に、産業・地域経済の支援策についてのお尋ねです。  まず、プレミアム付き区内共通商品券の発行支援事業についてです。区は、全ての取扱店で使用できる商品券のプレミアム率を一〇%から二〇%に、小規模店舗での使用に特化した商品券のプレミアム率を二〇%から三〇%に引き上げ、これまで最大の発行額となる十億円分のプレミアム付き区内共通商品券の発行支援を実施いたします。商品券発行支援を、機を逸することなく実施することで、外出自粛や休業要請などの影響により急激に売上げが落ち込み、大変厳しい経営状況にある商店街での消費喚起と区民の消費生活を強力に支援してまいります。  次に、観光需要の回復に向けた取組についてのお尋ねです。区は、大きな打撃を受けた区内観光業をいち早く回復させるため、新たな取組として、観光施設や区の安全・安心の取組に協力するMINATOフラッグ店で観光客がキャッシュレス決済を利用した際、五〇%を還元するキャンペーンを実施いたします。  また、航空需要が回復した際は、外国人観光客が港区を訪れるよう、旅行代理店と連携して海外で区の観光冊子を配布するとともに、国際線の航空機内で、機内誌や映像によるプロモーションを新たに展開してまいります。今後も区内の観光需要の回復状況を注視しながら、効果的な取組を力強く進めてまいります。  次に、沿道飲食店等の道路占用許可基準の緩和についてのお尋ねです。今般の基準緩和の制度は、新型コロナウイルス感染症対策のための緊急措置として、商店街等の取組に対する支援としての一時的な路上の占用です。この制度の適用を受けるには、交通量によって三・五メートルまたは二メートル以上の歩行空間の確保が必要であり、警察との協議を行った上で、商店街等の地域団体が申請することとなります。  区では、テラス営業等の実施可能な場所の把握に努め、国・東京都からの情報収集を行いながら、今回の制度を迅速かつ的確に運用し、活用できるよう努めてまいります。  次に、福祉総合窓口についてのお尋ねです。  まず、設置に向けた検討の進め方についてです。今年度は、分野を超えた課題への対応のために庁内横断的な体制で、総合支所窓口の職員や保健師等の専門職の意見を聞きながら、業務課題の整理や分析を実施しております。さらに今後、学識経験者や民生委員・児童委員、港区医師会等で構成される港区地域包括ケアシステム推進会議をはじめ、外部の方からの意見も踏まえ、検討を進めてまいります。来年度以降、実施体制や窓口レイアウト等の具体的な検討を進め、令和四年度の開設を目指してまいります。  次に、福祉総合窓口における保健師の活用についてのお尋ねです。区民の保健福祉の向上のためには、保健師の専門性を高め、積極的に活用することが必要です。区では、令和二年二月に「港区保健師人材育成ガイドライン」を作成し、地域に根差した住民支援や地域支援等、保健師の活動分野ごとに求められる能力を整理し、勤務年数に応じた専門的能力の到達目標等を明確にいたしました。今後は、福祉総合窓口において中核を担う保健師が、ガイドラインの運用によって高めた専門性を生かして、主体的に保健活動を展開できるよう環境を整えてまいります。  次に、新型コロナウイルス感染症を踏まえた今後の高齢者支援についてのお尋ねです。  区は、ふれあい相談員の電話相談等でマスク着用や手指消毒、三密の回避など新たな生活様式の実践について御案内するなど、高齢者が新しい生活様式に対応し、健康で豊かな生活を送ることができるよう支援しております。  また、これまで、民生委員・児童委員等が直接お届けしていた寿商品券の贈呈や窓口で実施していたコミュニティバス乗車券の一斉更新を郵送に切り替えるなど、非接触型、非対面型とともに、高齢者が来庁せずに、自宅にいながら区のサービスが受けられるよう、事務改善を積極的に進めております。あわせて、施設を利用した健康トレーニングなども感染予防を徹底し、順次実施してまいります。  次に、新型コロナウイルス感染症の影響を受ける家庭の支援についてのお尋ねです。  まず、コロナ禍における虐待対応についてです。区は、今回の感染症拡大による外出の自粛期間中、虐待が心配される家庭に電話や訪問をし、子どもの安全確認に努めてまいりました。感染を懸念し訪問を断られ、面会が困難なこともありましたが、学校再開後、職員が小・中学校などを訪問し、直接子どもや家庭の状況を把握しております。今後、区では、接触せずに、子どもと家庭状況の把握や相談ができるビデオ通話を早急に導入し、さらに九月からはスマートフォンなどから保護者の相談を二十四時間受け付けるメール相談の体制を整えてまいります。  次に、ベビーシッター利用支援事業の導入についてのお尋ねです。区は、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、保育園や学童クラブへの登園を自粛している方を対象に、東京都のベビーシッター利用支援事業を活用し、登園自粛期間中にベビーシッターによる利用支援が受けられる事業を六月まで実施してまいりました。  東京都では、理由を問わず全ての子育て家庭を対象としたベビーシッター利用支援事業を五月から開始をいたします。今後は、保育園での集団保育ではなく、家庭での保育を希望するニーズも高いため、全ての子育て家庭を対象とする東京都のベビーシッター利用支援事業の導入を検討してまいります。  次に、これからの防災・危機管理体制についてのお尋ねです。  まず、新型コロナウイルス感染症を踏まえた防災対策の見直しについてです。区では、避難所における感染リスクを減らすため、避難者同士の間隔を二メートル確保できるよう、一人当たりのスペースを拡大することとし、各避難所においては、これまで使用を想定していないスペースの最大限の活用を図りながら、収容人数の見直しを進めています。  また、収容人数の見直しに伴い、新たな避難所を確保するため、東京都と都立施設の活用について調整し、区内ホテルとは客室の借り上げについて協議を行っております。あわせて、避難者の体調管理や体調不良者のための個室の確保など、感染予防の視点で避難所運営マニュアルの見直しを行い、避難を必要とする全ての区民が安全に安心して避難生活を送れるよう、避難所の充実を図ってまいります。  次に、港区業務継続計画(新型インフルエンザ編)の改定についてのお尋ねです。平成二十五年に改定した現在の計画は、多くの職員が感染症に罹患した場合において、区の業務を継続するための体制や手段を定めたものです。今回の新型コロナウイルス感染症においては、職員に感染が広がっていない中で、感染拡大防止の観点から、新たな対応として職員の出勤を抑制いたしました。今後、今回の区の対応を検証し、課題を整理した上で、的確な感染拡大防止策の実施とともに、区民サービスを継続するための体制や手段を見直し、業務継続計画を改定してまいります。  次に、延期された東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた対策についてのお尋ねです。  まず、高輪ゲートウェイ駅前イベント広場の今夏の活用方法と区の取組についてです。JR東日本によりますと、イベント広場を利用できる日程は今年九月六日までとされております。来年に延期された大会期間中には利用することはできません。今年の夏については、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止に努めながら、大会に向けた気運醸成や地域のにぎわいにつながる区民参加型イベントを実施できるよう、JR東日本と高輪ゲートウェイ駅前イベント広場の利用についての協議を進めております。  次に、東京二〇二〇大会の気運醸成イベントの再開に向けた考え方についてのお尋ねです。新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防止するため、現在、延期している大会関連事業については、事前申込制による定員管理や会場レイアウトの見直し、手指消毒剤の設置や来場者の健康状態の把握をはじめ、密閉・密集・密接の三密を避ける対策を徹底した上で、順次再開してまいります。子どもから高齢者まで、イベントに関わる全ての関係者の安全・安心を確保できるよう、万全の対策を講じてまいります。
     次に、区として大会の準備に向けた効率化や合理化を進めることについてのお尋ねです。IOCと組織委員会は、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染状況を踏まえ、今月十日、大会準備の効率化や合理化を図り、必要経費を最小化することで、簡素な大会とする方針を公表いたしました。区は、この方針を受け、大会期間中のイベントなどの関連事業について、大会の成功につながるよう、実施内容や規模、手法を検討し、区民と共に大会を盛り上げてまいります。  次に、(仮称)神宮外苑地区市街地再開発事業への影響についてのお尋ねです。本事業の事業者は、工事の着手に向けて、今後、都市計画手続を経て市街地再開発事業の認可を取得する必要があります。これらの手続の完了は、当初から令和三年の秋以降を予定していたため、東京二〇二〇大会の一年延期による影響はないものと考えております。  区は、今後も事業者に対して、区民の方々への丁寧な説明を求めるとともに、地域からの意見としても寄せられている神宮外苑の銀杏並木を中心とした緑豊かな都市景観の保全など、区が目指すまちづくりの実現に向け、引き続き事業者を適切に指導、誘導してまいります。  次に、大会時の輸送に環状第二号線を活用することの可能性及び区への影響についてのお尋ねです。組織委員会によれば、大会関係者の輸送ルートは、首都高速道路を優先的に利用する計画であり、現時点では、大幅な変更はないとされております。  区は、引き続き、大会の延期に伴う輸送運営計画の変更情報を迅速に収集するとともに、区民や区内事業者等へ分かりやすく周知し、区民生活への影響を最小限にとどめてまいります。  次に、竹芝地区のエリアマネジメント活動の支援についてのお尋ねです。  区は、一般社団法人竹芝エリアマネジメントが実施した竹芝客船ターミナル広場や、旧芝離宮恩賜庭園を活用した地域活性化イベントなど、地域のにぎわいに貢献する活動実績を踏まえ、平成三十年十一月に都市再生推進法人に指定しました。  今後、区は都市再生特別措置法に基づく都市再生整備計画を作成し、道路占用の特例許可をすることで、竹芝地区の魅力の向上につながる道路や水辺でのオープンカフェや東京都島嶼地域との連携イベントなどを可能とすることで、竹芝地区のエリアマネジメント活動を支援してまいります。  次に、今後の中長期的な財政運営の方向性についてのお尋ねです。  新型コロナウイルス感染症を受け、特別区民税収入は減収となる見込みです。リーマンショック後には、三年連続となる総額約百八十億円もの減収を経験しました。その回復にはさらに三年を要し、今回も深刻な影響が複数年にわたると危惧しております。  区はこれまで、いかなる状況にあっても行政サービスを安定的に提供できるよう、基金を計画的に積み立ててまいりました。今後の減収局面においても、基金の活用、国・東京都などからの財源確保、前例にとらわれない業務効率化による経費節減により、区民サービスの質を落とさず、あらゆる世代が将来にわたり安心できる安定的で計画的な財政運営を行ってまいります。  次に、新型コロナウイルス感染症により見直した港区版ふるさと納税制度についてのお尋ねです。  区は、多くの方に共感される制度を目指し、区内公益的活動団体への支援など、これまでもふるさと納税制度の積極的な改善を行ってまいりました。  本年五月、「新型コロナウイルス感染症への取組」を寄附の活用先に追加し、現在二十二人の方から百十五万九千円の寄附が寄せられています。さらに今月からは、不要となった洋服等の売却代金をふるさと納税として寄附できる制度を開始いたしました。寄附金は寄附者の意向に沿って、分かりやすい形で区の各種事業に活用してまいります。  次に、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた次期港区基本計画の策定についてのお尋ねです。  本年三月、みなとタウンフォーラムから基本計画の策定に向けた検討の成果である提言を頂きました。今回の感染症の拡大に伴い、外出自粛や営業の休業要請により区民生活や地域経済は深刻な影響を受けるなど、提言時から社会状況は大きく変化いたしました。  区は、感染症が人口動向や財政見通しなど区に与える影響を的確に把握するとともに、提言に及ぼす影響については、みなとタウンフォーラムのグループ代表者と意見交換を行った上で、計画策定に反映してまいります。  最後に、未来に向けた区政運営の基本姿勢についてのお尋ねです。  御質問にあります行政サービスのオンライン化については、現状を根本から見直し、手続の廃止・統合や様式等の改正、押印の廃止も含めた検討を開始しております。今後、申請や届出を順次オンライン化していくとともに、相談については、区民の声を直接聴くことの重要性を踏まえ、対面とオンラインを選択可能な環境の整備を進めてまいります。  よろしく御理解のほどお願いいたします。  教育に係わる問題については、教育長から、選挙管理委員会に係わる問題については、選挙管理委員長から答弁いたします。   〔教育長(青木康平君)登壇〕 ○教育長(青木康平君) ただいまの自民党議員団を代表しての土屋準議員の御質問に順次お答えいたします。  最初に、オンライン教育における家庭支援についてのお尋ねです。  教育委員会や学校では、家庭においても児童・生徒の学びを止めないために、臨時休業期間及び分散登校期間に動画や教材の配信をするとともに、インターネット環境のない家庭にはタブレット端末やWi−Fiルーターを貸与するなどの支援を行ってまいりました。  そのような中、家庭学習に取り組む児童・生徒に対し、保護者がどのようにサポートしたらよいか分からないなどの声を頂き、家庭学習における保護者への支援が十分ではなかったことが課題として明らかになりました。また、双方向型のオンライン学習ではなかったことから、児童・生徒が学校の示した時間帯に学習に取り組むことができないなど、生活のリズムが乱れやすくなるほか、学習習慣が定着しづらかったという課題も確認されました。今後は、児童・生徒に家庭での学習が確実に身につくよう、オンライン教育における家庭支援の充実に努めてまいります。  最後に、オリンピック・パラリンピック教育の今後の方向性についてのお尋ねです。  オリンピック・パラリンピック教育は、年間三十五時間以上、各教科や総合的な学習の時間において実施しており、現在、各学校では東京二〇二〇大会の延期に伴う学習内容の見直しを行っております。  具体的には、体験型や講演形式の学習等については、感染防止対策を十分に図りながら実施できるよう、各幼稚園、小・中学校が関係機関と調整を進めております。引き続き、一年後に控えた東京二〇二〇大会が子どもたちにとって生涯にわたるかけがえのないレガシーとなるよう、特色あるオリンピック・パラリンピック教育を推進してまいります。  よろしく御理解のほどお願いいたします。   〔選挙管理委員会委員長(島田幸雄君)登壇〕 ○選挙管理委員会委員長(島田幸雄君) ただいまの自民党議員団を代表しての土屋準議員の御質問に順次お答えいたします。  最初に、選挙の執行についてのお尋ねです。  まず、今回の区長選挙の執行に当たり力を入れた点や工夫をしたことについてでございます。選挙管理委員会では、都内で実施された選挙を参考に、新型コロナウイルス感染症への選挙人の不安を解消するため、選挙人が使用した鉛筆や記載台を消毒し、従事者がマスクを着用するなど、接触感染・飛沫感染防止に取り組んでまいりました。  さらに、聴覚障害者の方が、唇の動きが分かるようにマスクを外し、フェイスシールドを着用する、区独自の取組を行いました。引き続き、来月五日執行の東京都知事選挙に向け、選挙人に安心して投票所へ足を運んでいただけるよう、今回の感染症防止対策に努めてまいります。  最後に、今後の課題についてのお尋ねです。来月五日投開票の東京都知事選挙をはじめ、今後執行される選挙は、過去の実績から、区長選挙に比べ投票率が高くなるため、投票所内が密集することが課題であると認識しております。こうしたことから、東京都知事選挙においては、期日前投票や投票日の空いている日と時間を区ホームページなどで周知し、選挙人の積極的な誘導を行い、投票所が混まないよう努めております。  さらに、投票所内では、名簿対照係に並ぶ選挙人が一定の間隔を取っていただくことに加え、記載台前のスペースを有効に使うことを組み合わせながら、選挙人同士が密集しないように工夫してまいります。今後の選挙において、選挙人により分かりやすい周知方法について、さらに検討してまいります。  よろしく御理解のほどお願いいたします。 ○議長(二島豊司君) 議事の運営上、暫時休憩いたします。                                        午後二時十六分休憩                                       午後二時三十五分再開 ○副議長(阿部浩子君) 休憩前に引き続き、会議を再開いたします。  一般質問を続けます。次に、二十一番なかまえ由紀議員。   〔二十一番(なかまえ由紀君)登壇、拍手〕 ○二十一番(なかまえ由紀君) 令和二年第二回港区議会定例会に当たり、みなと政策会議の代表質問を行います。  今年に入り突如沸き起こったコロナ禍に世界が巻き込まれました。経済、暮らし、社会の価値観は大きく変わり、ウィズコロナ、コロナ後の世界を見据えて社会は動き始めています。予測できない社会では、次の有事で誰が被害を被るかも予測不可能で、誰もが苦境に陥る可能性をはらむからこそ、汎用性のある助け合いの仕組みを整えておかなければなりません。今回の経験を、社会システムを好転させるよい機会に活用できるよう衆知を結集すべきときだと思います。  来年に延期された東京オリンピックパラリンピック競技大会は効率化、合理化を進め簡素な形で実施される方向です。希望が持てる世界の中で、無事来年日本で開催されることを切に願っています。  現在は都知事選挙のさなかです。来年は東京都議会議員選挙や衆議院議員選挙が任期満了を迎えます。住民に一番身近な港区として政治情勢に左右されず、区民の今と未来にベストな選択ができるよう、私たちの持ち場である港区で皆さんと力を合わせていきたいです。  社会の転換期に当たり、よりよい社会の実現に少しでも寄与すべく質問を考えました。前向きで誠意ある御答弁を期待して質問に入ります。  初めに、施政方針についてです。  武井区長、再選おめでとうございます。新型コロナウイルス感染症対策や羽田空港新飛行ルートなど、区民に関心の高い政策課題のある中、武井区長の圧勝でした。今までの区政運営が区民の評価を得ているあかしだと思います。  昨日の施政方針では、今まで同様、安定した区政運営の方向性が示され、引き続き区民の安全・安心を最優先に多様で質の高い施策展開をしてくださることと期待をしています。  施政方針演説は区長の改選後に行われるもので、四年に一度の重要な方針です。武井区長も五期目の四年間への思いを込められたことと思います。今回の施政方針はほぼ全編が新型コロナウイルス感染症の影響を受けた内容でありました。今回のコロナ禍が社会に与えた、また今後も与える影響の大きさを改めて実感しています。  区長は予測できない時代だからこそ、速やかに判断し、速やかに実行することの繰り返しが重要です。今こそ変革のときと捉えという言葉で施政方針の最後を締めくくられました。予測できない時代の速やかな判断と実行には、まさに今までの行政の仕組みの変革が必要です。慎重で間違いが少ないことは行政の得意分野ですが、速やかな判断と速やかな実行を行うには、今の意思決定や指揮系統の仕組みを変革する必要があると思います。  また、速やかなだけでなく確かな判断を行うためには多角的な考察が必要で、今まで以上に議会との連携も深めていただきたいです。例えば、議案なども決定してから説明ではなく、構想段階から議会の声を聴くことでブラッシュアップが図れますし、議会と行政の関係もまた変革する必要があると思います。また、緊急時に即座に立ち上げ、諮問できる有識者ネットワークを平時から準備しておくことも効果的なのではないでしょうか。  区長は、速やかな判断と実行の重要性を指摘し、今こそ変革のときとおっしゃいました。その実現のためにどのような手法を取り入れていくお考えなのか、初めにお伺いします。  次に、今後の区政運営についてです。  武井区長は入区四十三年、区長として十六年、長期にわたり中枢で港区政に関わってこられました。バブル景気とその崩壊、人口減少、少子高齢化、人口増と子ども関連施設の不足、リーマンショック、東日本大震災、新型コロナウイルス感染症と港区の大きな局面を数々間近で見てこられました。長期港区を中枢から見、知り尽くした区長として、目指すべき港区の将来像を思い描き、そこにつながる次の四年のかじ取りを行っていただきたいと思います。港区での四十三年を通観し、将来世代にどのような港区を受け渡したいのか、どういうイメージを思い描いていらっしゃるでしょうか。  施政方針の中で、区長は子どもが健やかに学び育ち、若者から高齢者まで、全ての世代の人が健康で住みやすく、地域に愛着と誇りを持てる街こそが、港区の目指すべき街の姿と述べられましたが、もう少し分かりやすく具体的にお話しいただけますでしょうか。区長の思い描く港区の理想の将来像をお聞かせください。  港区は、新型コロナウイルス感染症に対処すべく、一月二十三日にみなと保健所健康危機管理本部を、二十八日に港区危機管理対策会議を立ち上げ、以後五か月、新型コロナウイルス感染症対策に取り組んできました。各自治体がPCR検査体制など防疫対策の強化や経済支援を中心とする独自施策に取り組んできました。日本中の全ての自治体が同じ課題に取り組む中で、図らずも自治体の財政力、組織体制、首長のリーダーシップ、議会との連携体制など、住んでいる自治体の総合力が自分の生活に大きく影響することを国民は実感しました。  港区は年間の一般会計予算に匹敵する基金を有し、住民税収入だけで年間八百億円に迫る収入が見込まれ、その上、経常収支比率も低く、財政の柔軟性が高い盤石な財政力を有しています。しかし、今までの新型コロナウイルス感染症に関する補正予算で五百二十億円あった財政調整基金は約四百億円になりました。危機管理としては、港区には震災に備えた復興基金が別枠で約七百六十億円ありますが、有事に柔軟に使える財政調整基金が、コロナ対策の序盤であっという間に百億円も減ってしまうことを目にすると、責任ある行財政運営とはどうあるべきか、改めて考えさせられます。  新型コロナウイルス感染症の第二波、第三波、さらには今後の新たな感染症襲来などの危機に備え、必要なところにはめり張りをつけ思い切った支出をしつつ、財政運営には抑制的であることが求められていると思います。東京都の財政調整基金は、休業協力金の支給をはじめとした新型コロナウイルス感染症対策に関する五回の補正予算を経て、九千億円以上あったものが約五百億円にまで減っており、大丈夫なのかと思ってしまいます。  港区はリーマンショック時に前年度比七十二億円、前年度比一二%減の住民税減収を経験しています。今回の新型コロナウイルス感染症による経済被害は、まだ全貌が見えない上に幅広い層が影響を受けており、リーマンショック時より大きいものになるのではないでしょうか。まだ余裕があると慢心はできません。  将来に責任の持てる区政運営が望まれています。財源確保の点では、実情に即した税配分を国や東京都にしっかり要求する、寄附の仕組みの構築、区民が潤うための後押しなど、増収につながるあらゆる施策を講じる必要がありますし、支出においては無駄のない区政を追求し、事務事業評価や予算査定をさらに機能させるべきです。将来に責任を持ちつつ質の高い区政を実現するために、次の四年で区長はどのように行財政のかじ取りを行うのか、お考えをお伺いします。  また、これは要望ですが、区政運営で大切な視点として適正な事務の執行があります。本年四月から施行されている改正地方自治法は自治体内部でのガバナンス強化を求めており、港区では、四月から内部統制制度も導入されています。事務処理の過誤を減らし、適正な事務の執行に細心の注意を払っていただくよう要望します。  次に、港区の適正人口と政策誘導についてです。  港区の人口は現在約二十六万人で、区政八十周年を迎える七年後には三十万人に達する見込みです。今後も人口増が見込まれますが、大規模開発に伴う急激な人口増は増収だけでなく、学校や福祉施設などの公共インフラ需要を生み、また過度な人口過多は環境悪化につながる懸念もあります。港区にとって人口を増やすことに注力する時代は既に終わったと思います。  区民は、人口が増えることではなく、港区が質の高い生活環境を維持することを望んでいます。区の面積はたかだか二十キロ平方メートルで、公共施設を造れる場所も限られています。港区にとって適正な人口規模があると思います。無責任な開発には歯止めがかけられるようにする必要があると思います。大規模開発時には開発事業者に竣工後の公共インフラ需要を予測させ、需給バランスを保つための協力を要請するなど、調和の取れた開発となるよう政策誘導し、良質な生活環境を守るべきです。住民に付加価値の高い環境を提供できる港区の適正規模を念頭に、総合的に都市デザインを描き、政策誘導すべきです。港区の適正人口とそこに向けての政策誘導について、区長のお考えをお伺いします。  次に、地方創生に対する区の考え方についてです。  二〇一四年に国は地方創生という考え方を打ち出し、全国の自治体に地方版総合戦略の策定を求めました。港区は翌年、港区まち・ひと・しごと創生総合戦略を取りまとめ、その中で国の考えとは一致しない部分もあるものの、全国の自治体と連携し、共に発展していくという区の姿勢を掲げました。実際、災害時の相互支援、国産木材を通じた連携、区役所ロビーでの物産展開催など様々な連携を行ってきました。  令和四年四月開設予定の芝五丁目複合施設には、全国連携に関するフロアも入る計画です。一方、コロナ禍を経て、再び道州制の議論を耳にすることが増えました。東京一極集中から地方の力を高める方向に国の政策も加速していくと思います。そのような中で、区長はどのようなスタンスを掲げていくのでしょうか。  コロナ禍で個人、企業、団体、大使館、全国の自治体から多くの御寄附を頂き、区長も改めて感謝の念を深めていらっしゃることと思います。全国の自治体との連携を深化し、奪い合う自治体からそれぞれの個性と魅力を確立し、自立する自治体へ移行できれば理想的です。連携と自立を具体的にどう進めていくかが今後の鍵です。国が進める地方創生、東京一極集中の是正が加速されていくことに対する区長のお考えをお伺いします。  次に、次期港区基本計画についてです。  次期基本計画は令和三年度からの六か年計画となります。コロナ禍を経た社会変容の影響が大きく反映された内容になると思います。現計画が数年残っていれば見直しが必要になったでしょうし、ちょうどいい時期に基本計画の改定時期が巡ってきたと思います。今、どの程度策定が進んでいて、どのように見直しと反映を行うのか、現段階での見通しをお聞かせください。  また、次期基本計画では、常々指摘をさせていただいているように、目標設定の数値をより根拠のあるものに改善していただきたいと思います。指標の設定の仕方についてのお考えをお伺いします。  区民参画組織であるみなとタウンフォーラムからの提言書が三月に提出されています。提言書がまとまってからコロナ禍が襲来し、メンバーの思いや区政に望むことに変化があるかと思いますが、提言書はこのまま修正せずに反映させていくのでしょうか。これだけ大きい社会変容を経て、提言書をそのままにしておけば、区民参画組織に対する軽視になってしまいます。アンケートなど書面会議でもよいので、まだ修正を加える時間があるのではないでしょうか。区民参画組織からの提言書の扱いと反映手法についてお伺いします。  次に、新型コロナウイルス感染症対策についてです。  初めに、保健所の体制強化について伺います。港区では、職員体制の強化、保健所内直営でのPCR検査の実施、医師会との連携によるPCR検査体制の強化、医療機関への迅速な搬送など、要となる保健所の機能強化に全力で取り組んでくださいました。関係する皆様、本当にありがとうございました。  ひとまずピークを乗り切った今、第二波、第三波、そして、秋以降のインフルエンザとのダブルパンチなど、今後への備えに今区民の関心が向けられています。そのとき検査体制は大丈夫か、医療機関への余裕はなど関心が高いです。少し落ち着いた今こそ、今後への備えと区民への広報が大切です。  感染症対策に関する今後の備えについて、区の御見解をお伺いします。  次に、情報提供の在り方についてです。感染症対策と経済・社会活動を両立していくためには安心感が欠かせません。安心感につながる最大のものは、すぐに検査が受けられる、治療を受けられる、子どもがいる場合の預かりなど必要な支援が受けられることですが、それが整備されているだけではなく、プレス資料のような分かりやすい形で区民に情報提供されることで大きな安心につながると思います。  現在の新型コロナウイルス感染症特設ページでは、港区や保健所の奮闘や感染症対策の取組状況が分かりづらいです。区の感染症対策への取組状況を区民の安心につながるような形で広報していただきたいです。区の見解をお伺いします。  次に、広報みなとの全戸配布についてです。コロナ禍を経て、オンライン整備の重要性とともに、オンラインに取り残される人への配慮の必要性も感じました。コロナに伴う行政の情報提供はインターネットをメインに据えていましたが、有事のときこそ、オンライン情報へのアクセスが難しい方もカバーできる紙媒体などのアナログ広報が大切です。ネット上の情報は多くなり過ぎて見づらくなりがちで、その点からも大切なポイントを分かりやすく伝える紙ベースでの情報発信の重要性を感じました。  五月の臨時会で補正予算が可決され、区の独自施策も含めた新型コロナウイルス感染症に関する内容が満載された六月一日号の広報みなとはとても分かりやすく、区民目線でした。しかし、新聞折り込みと希望者への戸別配布、公共施設に置いていますや、ネットで見られますのプラスアルファではきちんと情報が行き届いていないと思います。広報みなとでの分かりやすい情報提供とより多くの人に届くよう、新聞折り込みから全戸配布への転換が必要です。新聞折り込みだと企業に届いたり、複数紙取っているところに複数届いたり、配布に無駄も生じますし、経費的にも戸別配布にマイナスはありません。戸別配布を実施している自治体も多く、二十三区でも渋谷区や文京区など九つの区で全戸配布がなされています。  港区が挙げているやらない理由、セキュリティの高いマンションの問題、先着順応募での公平性の問題は理由になっていないか、やるメリットを凌駕するものではありません。戸別配布をするほうが確実に多くの区民に届きます。全戸配布の検討をお願いしたいです。広報みなとの全戸配布について、区の見解を伺います。  次に、事業者支援についてです。感染症対策と経済支援が要の中、保健所と産業振興課の多忙ぶりは想像を絶するものだったと思います。本当に感謝をしています。区では、いち早く好条件での中小企業特別融資あっせんの枠を広げて実施し、希望者が殺到しました。新型コロナウイルス感染症対策特別融資あっせんは八月末まで二か月延長されました。あっせん書発行数は七千件超で、九〇%以上が融資の実行につながっているそうです。  また、港区ならではの課題、家賃負担の軽減のため補正予算で約六十八億円を組み、オーナー向けテナント賃料減額助成を実施しています。こちらのほうは残念ながら利用状況はまだ少ないようです。  飲食店は今回大きな打撃を受けた一番の業種です。区の独自策としては、テイクアウト、デリバリー、オンラインショップ開始店舗支援を行っています。しかし、区の支援策を受けるには商店街に加入していることが条件で、商店街がない地域は年間三千円を払うことで加入扱いとなります。商店街の社会的意義は高く、加入促進を図る区の考え方は分かりますが、新型コロナウイルス感染症支援に関しては加入要件を外せないものかと思います。また、テイクアウトや換気の重要性から、飲食店支援として道路占用許可の緩和や優遇も要望が多いです。  今年度の産業経済費は、今定例会の補正予算額を加えると、当初予算の四・五倍強になります。区として力を入れていることが分かります。今後も時宜に応じた支援策が望まれますが、今後の事業者支援について、区の御見解をお伺いします。  次に、プレミアム付き区内共通商品券についてお伺いします。総額十億円、最大三〇%プレミアムの商品券を十月に発行予定です。昨年は夏冬計二回で総額三・四億円でした。総額十億円は過去最高額です。どのような購入者層と事業効果を見込まれているのでしょうか。  コロナ禍での施策ですから、使う側の利便性と商店側の受益効果を考え、使えるお店を商店街加盟店以外にも広げるなど幅広に拡大すべきです。また、現金と違い区内経済の活性化にもつながる商品券は潜在能力の高いツールですので、例えば区民への一律給付や、特に来年三月までに生まれる子どもへのプレゼントなど、目玉となる区民支援策を打ち上げつつ、ばらまきで終わることを避けることも可能です。  さらに、利便性向上と経費削減策として、商品券ではなくカードにする、広告を載せるなどの工夫も考えられるのではないでしょうか。プレミアム付き区内共通商品券発行の効果の見積りと積極活用の可能性について、区の見解をお伺いします。  次に、相談体制についてです。新型コロナウイルス感染症のように、国、東京都、区、社会福祉協議会など様々な主体で給付、助成、融資などの制度があるとき、実施主体を超えてどのような制度があるか把握し、区民の状況に応じ相談に乗ってくれる一元相談窓口があればいいと強く感じました。今回、各実施主体が支援策を次々に打ち出す中、区を超えた制度の紹介や相談は行政の担当者の個人的なスキルに依存していました。住民に一番身近な自治体として、区で横断的な相談体制を整えていただきたいと思います。実施主体を超えた相談窓口の設置について、区の御見解をお伺いします。  次に、自治体間の情報連携についてです。東京都と区の保健所の感染状況についての連絡体制が、当初はフォーマットがなく、手で入力したりファクスで送信するなどアナログな方法のため作業が遅くなり混乱したと伺いました。また、インターネットカフェ生活者のためのホテル宿泊の利用期限延長のメール案内が見落とされたこともありました。自治体間の重要情報の確実なやり取りのための仕組みを確立することが早急に必要だと思います。区の御見解をお伺いします。  また、これは要望ですが、全国の自治体が同じ課題に取り組む中、他自治体のよい取組をまねるなど、他の自治体に学ぶことは行政の効率的な運営にとってプラスです。独自施策に加え、人員補強やリモートワークでうまくいった事例など、全国の自治体の新型コロナウイルス感染症に関する取組状況を自治体間で共有できる仕組みがあるといいと思います。今後のためにもそのような自治体間情報共有システムの構築を港区から国へ要望していただきたいと思います。  次に、独自施策に関する区の考え方についてです。港区社会福祉協議会による四月、五月の貸付数は、緊急小口資金が約千五百件、総合支援資金が約四百件と桁違いに激増しています。経済的に困窮した方に住宅費を支給する住居確保給付金は四月二十日に条件が緩和され、以降六月十九日までの予約件数は千四百五十五件、支給決定済みが二百七十七件、不支給決定が二件だそうです。このような各種施策の利用状況を見ると、比較的富裕層が多いと言われる港区ですが、新型コロナウイルス感染症により経済的打撃を受けた区民は相当数いると思われます。状況を分析し、今後の支援策につなげていただきたいです。  品川区では、全区民に現金給付を予定しています。ほかにも来年三月に生まれる子どもまで独自に支給、単身世帯の遺族へ支給など、国の給付金を独自で上乗せする自治体があります。他自治体でやっているなら、財政に余裕のある港区でもやってほしいという声が区民から寄せられています。しかし、安易にばらまけば、第二波、第三波に十分な対策が取れなかったり、将来世代にツケを回すことになります。  品川区は独自給付金に百三十五億円を投入することなどから、財政調整基金が約百八十億円から二十一億円に減っています。富裕層も多い港区では全区民への現金一律給付はなじまないと私は思いますが、経済を回すことも可能になる区内共通商品券であれば一律支給も効果的ではないでしょうか。様々な自治体で様々な独自施策が展開されていますが、港区の施策は思いつきではなく、一定の考え、方針の下に決定されていると思います。今回のコロナ禍は影響を受けた人も多く、また、自治体により様々な施策が展開されていますので、今後も様々な歳出圧力が働くと思います。全てに応えることができればいいですが、限りある財源ですから、そうもいきません。区の考え方を区民に示し、行政への理解を求め、区民を味方につけてコロナ禍を乗り切っていく必要があると思います。新型コロナウイルス感染症に関する独自施策について、港区の考え方を区民にしっかりメッセージとして示していただきたいと思います。区長の御見解をお伺いします。  次に、危機管理における専門家の活用についてです。  有事の対応はスピードと優先順位、より困っている人へより早くが大切だと思います。行政や議会だけで決めると、どうしても専門性が乏しかったり、国や東京都からの指示待ちで時間がかかったり、しがらみが入ったりしてしまいがちだと思います。したがって、有事の際に外部の専門家から成る有識者会議を迅速に立ち上げ、専門性と客観性に基づいた対策を提言してもらい、議会や行政がそこに地域事情を加味していくという意思決定の流れがあればよいのではないかと思います。地震、台風、感染症など想定される有事に対し、外部専門家による会議を設置できるよう体制を整えておくべきと考えますが、いかがでしょうか。
     次に、羽田空港新飛行ルートについてです。  区長は、羽田空港新飛行ルート問題に関して、昨日の施政方針でも触れられていましたが、区民の大多数の声に応えた内容とは感じませんでした。定量的に区民の声が把握できていないので、明確な意思表示ができないのかもしれませんが、そうであれば把握手法を整えるべきですし、具体的数値で出ていなくても、反対の声が大多数なのは明らかです。  区長が今まで国に要望してきたのは、丁寧な説明、対策強化、新ルートに限らず様々な運用の検討をです。奥歯に物が挟まったような分かりにくい表現だと思います。固定化回避の意見書は、港区、渋谷区、品川区の区議会から出されています。住民の声に動かされ、議会の意思も反対が優勢になってきています。多数の住民が困っているので、それを代弁するのに遠慮は要らないと思います。区長選挙当選後の会見で区長は、羽田空港新飛行ルートに関し、国に物を申していくとおっしゃったと聞き、心強く感じています。羽田空港新飛行ルートの撤回に向け、一歩踏み込んだ要請を区長からも国に上げていただきたいです。御見解をお伺いします。  飛行時の騒音等の苦情を支所に電話をした区民から、国交省を案内されて終わったという話を聞きました。事業実施主体は国ですが、やはり区は区で区内の状況を聞き取り、自分のところで集約し、国に上げる姿勢が大切です。独自調査に力を入れていただきたいです。区長の見解をお伺いします。  次に、住民意思の把握についてです。  行政には一旦決定したことを修正する力学が働きにくいです。行政が積み上げて打ち出した計画は、よほどのことがなければ変わりません。キャッチフレーズの上手な小池都知事は今回の選挙で、東京の未来は都民と決めるを標榜しています。この言葉は、まさに有権者が望んでいる意思決定の在り方を表現していると思います。議決と民意は必ずしも一致しません。大きな物事については、特に有権者と一緒に決める手法を確保すべきで、それはすなわち住民投票ではないでしょうか。民意を数値で測れることは、住民にとってだけではなく、自ら軌道修正をしにくい行政にとってもプラスです。住民投票のハードルが下がるような条例制定をするなど、区民の意思をより正確に把握することに積極的な取組をすべきと考えますが、いかがでしょうか。  新型コロナウイルス感染症で困窮した人に施策を打つ際、住民が本当に困っていることや必要としていることの把握が非常に大切なわけですが、時間も限られている中、住民の置かれている状況を推測したり、他の自治体の取組を参考にするしかなく、現状、どの自治体もある程度似たようなメニューの中から施策展開がなされています。例えば、区民からは現金給付的なものはもちろんありがたいが、自粛期間中に子どもが体を動かせる場所の確保など金銭では解決できないような環境を補完する支援を望む声も多かったです。成熟した自治体として、区民の望む支援をうまくすくい上げる工夫が必要です。もちろんこれらの声は、議員を通じても行政に届いていたと思いますが、区民にとってまだまだ区や議員に声を上げるということは一般的ではなく、私たちは全容をつかむことに苦心しています。  新型コロナウイルス感染症対策で補正予算を組んで講じた施策の中には、申込み件数が極めて少ないものもあり、やはり現状、当事者の実態をつかみ取る手法が欠如しています。結果、港区でも、支援対象として高齢者やひとり親など属性で一くくりに区切りがちですが、本来、高齢者やひとり親でも状況は様々で、職種等他の要素とクロスで絞ることができれば、困窮している人を拾いやすいのではとも思います。  オンライン化が進めば、区民の声を素早く膨大なデータとして収集することができるようになると期待できます。オンラインで行政と区民の双方向のパイプラインができ、一人一人が行政とのマイページを持てるようになれば、住民サービスの飛躍的な向上につながるのではと期待をしています。行政から区民への情報発信、区民から行政の意思表明、この双方向性を向上させることが行政サービスの飛躍に欠かせないと思いますが、今後の取組について、区長のお考えをお伺いします。  次に、保育の質の向上についてです。  港区は共働き世帯が七割程度というデータもあり、保育士はまさにエッセンシャルワーカーです。コロナ禍で、医療関係者だけでなく、保育士、介護職、公共インフラ従事者などエッセンシャルワーカーへのありがたみをみんなが痛感しました。エッセンシャルワーカーには職務の重要性に見合った待遇が必要です。  練馬区では、エッセンシャルワーカーである保育士に独自の給付金が支給されます。現在、港区が行っている保育士に対する支援策は、保育従事職員宿舎借り上げ支援、保育士等キャリアアップ補助がありますが、さらなる待遇改善、具体的には保育士自身の給与アップにつながる支援策が必要だと思います。待遇がよければ離職の減少やモチベーションアップ、保育の質の向上にもつながります。特に私立保育園の保育士の待遇改善を区で行っていただきたいです。保育士の待遇向上について、区の御見解をお伺いします。  行政の御努力で二年連続、四月の待機児童ゼロが達成できました。待機児童問題が一定の落ち着きを得た今、保育に保護者が求める一番のニーズである幼児教育の充実が望まれています。こども園へのニーズが高いのも幼児教育に対する期待があるからだと思います。  港区では、小学校入学前カリキュラムを策定し、平成二十七年一月より活用、本年四月からは改訂版を活用しています。状況はいかがでしょうか。保護者が満足する幼児教育の提供が可能となるよう積極的な取組をお願いしたいです。幼児教育の充実について、区の御見解をお伺いします。  次に、教育におけるICTの積極活用についてです。  六月一日から学校が再開しました。三か月弱もの想定外の休校をどう取り戻すか、学校の先生方や教育委員会の皆さんにとって大変なプレッシャーがあろうかと思います。GIGAスクール構想において、国の計画では令和五年度末までに一人一台を掲げていましたが、新型コロナウイルス感染拡大を受け、本年四月に今年度末までに配備するよう計画が変更されました。港区では国の計画変更を受け、タブレット端末配備計画を前倒しし、本年十月までに全児童・生徒にタブレット端末を配備する予定です。このように早期に全員に行き渡らせることができるのは港区や渋谷区など限られた自治体だそうで、ありがたいことです。それを使って十二月から小・中学校で本格的にオンライン授業が可能になります。ふだんの授業に取り入れつつ、新型コロナウイルス感染症による臨時休校時の在宅学習での活用が想定されています。  しかし、休校時だけでなく、発達障害、学習障害など凸凹のある子どもの学習にも活用が期待できると思います。また、教科学習にとどまらず、みなと科学館と連携するなどした子どもたちの知的好奇心を刺激する学習プログラム開発も教育委員会に期待したいところです。貸与という形で全員配られるタブレット端末は、オンラインでつないで何でも見れるわけではなく、アクセスできるものが限定されています。であるからこそ魅力的な学習プログラムをそろえ、子どもたちに愛されるタブレットとなることを願っています。  ICT環境の整備に合わせ、個々に応じた質の高い教育環境を学習プログラムの充実により整えていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。教育長のお考えをお伺いします。  次に、新しい生活様式での高齢者の健康維持についてです。  高齢者を支える社会基盤として、効果的な介護予防と在宅介護の充実、特別養護老人ホームなどの施設整備を三位一体で進めていくことが大切だと思います。中でも、新しい生活様式下での介護予防、つまり、高齢者の健康維持について気を遣う必要が生じています。以前より運動量が落ちたり、人との交流が減ることで心身への影響が懸念されます。区では、自宅でできる介護予防運動をケーブルテレビの広報番組や、七十五歳以上の方にお出ししたお便りの中で紹介するなどしてくださっています。しかし、自宅での健康維持には限りがあり、感染を防止しつつ適切に外出し、心身の活性化を図る必要があります。今後どのような取組が有効とお考えでしょうか。  次に、みなとタバコルールの取組についてです。  区長は、施政方針でもみなとタバコルールについて触れられていましたが、現在のみなとタバコルールはいまいちインパクトが薄く、劇的な効果を感じられません。四月から屋内での分煙を定めた東京都の条例が施行されています。まさに新型コロナウイルス感染症の時期と重なってしまいましたが、四月に区が対応した苦情などの件数は百二十七件と、受動喫煙防止対策は関心の高い問題であります。屋外について定めた区のタバコルールとまさにセットでしっかり機能させていっていただきたいです。  四月十四日から、区内二十八か所の屋外指定喫煙場所が新型コロナ感染拡大防止のため閉鎖されていましたが、使えないようテープを貼られた喫煙場所の周囲に人と煙があふれていました。締め出しやマナーだけでは問題解決は難しいと改めて感じました。煙の漏れない喫煙場所の整備と禁煙希望者への支援の充実が求められますし、区民からは罰則化の要望も多いです。私も状況によっては罰則も必要と思いますし、罰則のない現状においても、青パトや巡回指導員によるもっと厳しい対応や、路上喫煙の多いエリアでは防犯カメラと注意書きをセットで配置するなど、マナーに頼るのであれば、もっと心理的効果、あるいは心理的圧迫を迫らなければ、区民からの苦情は減りません。また、住宅街エリアよりも観光地エリアに問題が多いようですし、様々な声を聞きながら重点対応マップをつくり、ピンポイントで問題を潰していっていただきたいです。実効性を上げるための諸対策が必要ですが、今後の取組をお伺いします。  次に、地域コミュニティのオンライン化支援についてです。  働き方改革や新しい生活様式の浸透により、家で過ごす時間が増えることを、区長は、これまで地域と関わりが少なかった人が新たな地域の担い手として活躍する好機と施政方針の中で捉えていらっしゃいます。今後、地域コミュニティの活動にもオンライン化は必然です。コロナ禍で町会等の会議はほとんどが中止や書面会議になりました。現在、町会等の地域コミュニティはほぼ全てアナログ運営ですが、新型コロナウイルス感染症を契機にオンラインを積極的に導入していくことは、有事の連絡体制や町会の魅力アップにもつながります。町会、防災協議会などの地域コミュニティ内での会員相互のオンライン連絡体制を整備する支援を区で行っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。  次に、旧東京さぬき倶楽部別館の歴史的建造物の文化財指定についてお伺いします。  三田一丁目にある東京さぬき倶楽部は、東京二〇二〇大会の最後のゲストをお迎えし、八月に閉館する予定でしたが、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、急遽四月末で閉館となりました。急な閉館で、さぬき倶楽部に愛着のある方々には本当に惜しまれています。都心にありながら緑あふれる庭園がある場所、ビアガーデンの時期には連日予約が取れないほどの人気でした。香川県の所有で、レストラン讃岐うどんはまさに本場の味でした。  東京さぬき倶楽部は本館と別館二棟があります。本館の建物は国立能楽堂を手がけた建築家大江宏氏の設計です。ここは宿泊施設等で多くの方々に利用されてきました。ラウンジにある大きな椅子とテーブルは、日系二世としてアメリカに生まれたアメリカの家具デザイナーであるジョージ・ナカシマの作品です。香川県高松市にはジョージ・ナカシマの記念館が開設されています。これらは全て香川県の所有です。  さらに二つの別館、明治二十年頃に建設された木造二階建ての小豆島、明治三十三年頃に建設された木造二階建ての花樹海と茶室や昭和初期の蔵があります。中でも明治三十三年に建てられた花樹海は、藤田四郎氏の本邸の一部を移転し、紅梅屋敷と呼ばれていたそうです。その後、真珠王である御木本幸吉氏の別邸となりました。  この敷地、武蔵野国御田郷久保三田は、一〇一一年御田八幡神社が遷座され、一六一九年まで嵯峨源氏渡辺一党の氏神として尊崇されてきたそうです。そのため、御田八幡宮古跡の石碑があり、一七五七年に奉納された狛犬がいます。江戸末期には大和郡山最後の藩主柳沢保申氏の屋敷となり、明治に入り元摂津尼崎藩主の子爵桜井氏、農務省総務長官藤田四郎氏が所有し、その後一九五一年に香川県が購入しました。  今、この土地は、三田小山町西地区第一種市街地再開発事業に含まれており、計画では、約二・五ヘクタールの土地を再開発し、約二千五百平方メートルが公園となります。東京さぬき倶楽部別館のある場所は、再開発後には公園として整備される予定です。  香川県が平成二十八年に出した市街地再開発事業に伴う東京讃岐会館等県有資産利活用検討結果報告書によると、県所有のこの土地建物は、権利変換により土地の取得や金銭給付を受けると記されています。つまり、権利変換によってこの土地建物を手放し、新しい再開発ビルの床面積の取得をするということです。  そこで、港区が再開発事業で取得予定の公園の土地となる旧さぬき倶楽部別館を歴史的建造物として保存し後世に残すため、まずは現地を調査し、文化財としての指定を港区として検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。  次に、図書館における電子書籍サービスの導入についてお伺いします。  新型コロナウイルスの感染防止対策で図書館が閉鎖しました。自粛生活で読書を欲する人が多い中、八週間貸出しがストップしました。区では、おうちで過ごすみなさんに役立つリンク集と題し、著作権の切れた電子書籍等が無料で読めるサイトなどを四月十六日から五月三十一日にかけて区立図書館のホームページで紹介したり、予約図書配達事業を実施してくださったりしましたが、図書館閉鎖時のことを考えても、衛生面でも、利便性の点でも電子書籍の推進は時代のニーズです。  二〇〇七年に始まった千代田Web図書館を皮切りに、全国の公共図書館で電子書籍の導入が進んでいます。二十三区でも豊島区や渋谷区などが電子図書館のウェブサイトを持ち、在住者等が利用できるようになっています。外国語の電子書籍を含め電子書籍サービスを積極的に導入していっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。  次に、選挙の啓発についてお伺いします。  去る六月七日に行われた港区長選挙の投票率は二十八年ぶりに二〇%台を脱し、三〇・〇四%となりました。まだまだ低いとは思いますが、前回比五・八九%の上昇はうれしかったです。そのような中ではありますが、区長選挙の啓発動画二本の制作・放映費に五百四十万円かかっていることに区民の方から厳しい声を頂きました。業者による動画制作としては妥当な値段だそうですが、そもそもそのような費用をかけて行うだけの効果があるかを吟味すべきです。啓発にはインパクトのある内容で効果を上げる視点、経費を削減する視点が欠かせないと思います。啓発はどうあるべきでしょうか、選挙管理委員会委員長にお考えをお伺いします。  最後に、選挙公報の戸別配布についてお伺いします。  現状、有権者が候補者を知るすべは、候補者の作ったチラシ、ホームページ、選挙カー、街頭演説、選挙公報、ポスターなどがありますが、有権者の側から積極的に候補者を調べたり、偶然演説に出くわすということがなくても、政策など基本的なことが分かるツールは選挙公報だと思います。選挙公報は新聞折り込みと公共施設への配置、区ホームページでの掲載となっており、先日の区長選挙では、新聞を取っていない高齢者から、新型コロナウイルス感染症で外に出ないので、誰が立候補しているかも分からないという声がありました。全世代的に新聞購読世帯が減っており、昨年の一般紙発行部数約三千五百万部は、十年前と比べ約千百万部も減っています。より多くの人に知ってもらおうと思えば、ホームページを見てくださいとか、施設でもらってくださいという有権者の自発行為に頼るのではなく、選挙公報の戸別配布が必要です。世田谷区や横浜市でも選挙公報の全戸配布がなされていますので、港区で不可能ということはないと思います。選挙公報の戸別配布に関する選挙管理委員会委員長の御見解をお伺いします。  以上で質問を終わります。御清聴ありがとうございました。   〔区長(武井雅昭君)登壇〕 ○区長(武井雅昭君) ただいまのみなと政策会議を代表してのなかまえ由紀議員の御質問に順次お答えいたします。  最初に、速やかな判断と実行のための手法についてのお尋ねです。  区政を運営する上で、迅速に判断し、実行するためには、正確な情報収集が必要です。私は、新型コロナウイルス感染症の拡大を防止するため、対策本部をいち早く設置し、情報を集約して様々な対策を実行するとともに、区議会の皆様との連絡会を通じて、きめ細かな情報共有に努めてまいりました。今後も、あらゆる状況に応じた情報連絡体制を速やかに整えることで、現場の状況や様々な知見など、正確な情報を迅速に集め、現状に即した対応を徹底してまいります。  次に、今後の区政運営についてのお尋ねです。  まず、区の将来像についてです。私は、誰もが住みやすく、地域に愛着と誇りを持てる街こそが、港区の将来像であると考えています。区は、区民が、生涯にわたり健康で安心して暮らし続けるために、出産や育児支援、働き盛り世代の健康づくり、様々な福祉サービスや相談事業など、各世代のライフステージに応じた切れ目ない行政サービスを提供してまいります。子どもから大人まで、誰もがいつまでも住み続けたくなる街の実現を目指し、全力で取り組んでまいります。  次に、今後の行財政運営についてのお尋ねです。新型コロナウイルス感染症を受け、特別区民税収入は減収となる見込みです。リーマンショック後には、三年連続となる総額約百八十億円もの減収を経験いたしました。その回復にはさらに三年を要し、今回も深刻な影響が複数年にわたると危惧しております。  区は、減収局面にあっても、計画的に積み立ててきた基金を効果的に活用するとともに、国や東京都などからの財源を確保いたします。さらに、事務事業評価の対象を内部事務に拡大することで、経常的経費をこれまで以上に節減し、行政サービスを安定的に提供してまいります。  次に、港区の適正人口と政策誘導についてのお尋ねです。  区の人口は、令和元年の一年間で、出産から死亡した方を差し引く自然増で千百八十九人、働き盛り世代を中心とした転入による社会増で八百五十一人が増加しております。人口の増加は、区が取り組んできた子育て施策、教育・福祉の充実が評価されたものだと認識しております。人口規模を設定し、転入の抑制などにより一定の水準に誘導することは、急速な少子高齢社会など人口構造の偏りを生じさせることも考えられます。令和八年度には人口が三十万人に達し、その後、同水準で推移する見込みです。区は、今後も、人口規模に対応した施設整備や必要な行政サービスの量を提供できるよう努力してまいります。  次に、国が推進する地方創生に対する区の考え方についてのお尋ねです。  区は、全国各地の自治体と共に成長・発展し、共存・共栄を図るため、商店街振興や災害対策、再生可能エネルギーの活用など、幅広い分野での連携を推進しております。  この取組は、国が昨年十二月に閣議決定した第二期まち・ひと・しごと創生総合戦略に掲げた将来にわたって活力ある日本社会の維持の実現にもつながります。区は、引き続き、東京圏への一極集中の是正や東京対地方という構図にとらわれず、これまで培ってきた全国連携の取組を着実に生かし、互いの地域の課題解決や発展につながる港区ならではの地方創生を推進してまいります。  次に、次期港区基本計画についてのお尋ねです。  まず、進捗状況と今後の検討についてです。次期港区基本計画の策定に向けて、今月、区の計画策定の方向性を示す港区基本計画策定方針を決定いたしました。策定方針では、新型コロナウイルス感染症が人口動向や財政状況に与える影響を見通した上で、行政サービスのオンライン化など新しい生活様式への対応や感染症をはじめとした危機への対応強化などに取り組んでいくことを示しております。今後、策定方針に基づいて施策や事業立案に取り組み、十月の素案決定、令和三年一月の計画決定を目指してまいります。  次に、目標設定についてのお尋ねです。現行の港区基本計画では、各部門が取り組む事業の目標を数値を用いて示している一方、事業を大きく束ねる施策の目標は文章で示しております。次期計画では、施策の目標についても、これまでの文章での表現に加え、数値を用いて成果を判断できる指標を設定することで施策の目標を明確にしてまいります。数値による客観的な指標を用いることにより、区民に施策の到達度を分かりやすく示した上で、より効果的な施策の実施につなげてまいります。  次に、区民参画組織からの提言についてのお尋ねです。本年三月にみなとタウンフォーラムから提言を頂いた後、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、外出自粛や営業の休業要請により、区民生活や地域経済は深刻な影響を受けるなど、社会状況は大きく変化いたしました。今回の感染症が提言に及ぼす影響については、みなとタウンフォーラムのグループ代表者と意見交換を行った上で、計画策定に反映してまいります。  次に、新型コロナウイルス感染症対策についてのお尋ねです。  まず、感染症対策に関する今後の備えについてです。区では、これまで、各地区総合支所や各支援部からみなと保健所に応援職員を配置し、相談、PCR検査、外来や入院の調整、患者搬送、健康観察、疫学調査等の多岐にわたる業務に対応してまいりました。  今後も、第二波、第三波の際には、迅速に適切な対応ができるように、全庁の支援体制を維持し、必要な際には直ちに応援職員を再度配置いたします。また、区内の医療機関や東京都等の関係機関と連携協力し、病床の維持とともにPCR検査ができる医療機関の拡大を図ってまいります。  次に、情報提供の在り方についてのお尋ねです。区では、本年一月下旬から区ホームページにおいて、新型コロナウイルス感染症の情報集約に取り組んでおり、様々な改善要望に応えながら現在の特設ページで情報提供を行っております。特設ページでは最新情報が分かるように更新状況を表示するとともに、図を掲載し、ページタイトルをボタン表示にする等、知りたい情報が一目で分かる工夫をしてまいりました。  一方、情報量が日々増大することから、より分かりやすい表示、情報提供は必要となっております。今後も、記者発表の様子を動画配信する等、新たな手法も取り入れながら、区ホームページの充実、分かりやすい情報提供の改善を図ってまいります。  次に、広報みなとの全戸配布についてのお尋ねです。現在、広報みなとの多くは、新聞折り込みによって事業所を含めた約八万世帯にお届けし、新聞の月ぎめ購読をしていない区民には自宅配送サービスを提供するなど、配布世帯の拡大に努めています。  四月一日に発行した新型コロナウイルス感染症対策臨時号は、注意喚起を広く速やかに徹底して伝えるため全戸配布を実施いたしました。今後も港区基本計画(素案)特集号や、令和三年度予算特集号などは全戸配布を予定しております。月三回発行している広報みなとの全戸配布については、特集号の全戸配布の効果等を見ながら検討してまいります。  次に、事業者支援についてのお尋ねです。区は、新型コロナウイルス感染症拡大により影響を受けた区内中小企業者の皆さんの支援策として、新型コロナウイルス感染症対策特別融資あっせんを国や東京都に先駆けて無利子で実施し、あっせん希望が多いことから期間を八月三十一日まで延長いたしました。また、本年六月、テナントオーナー向けの賃料支援を開始いたしました。本年七月からは、新たな働き方に取り組む中小企業の労働環境の改革を推進するため、テレワーク環境等の整備に必要な費用を補助する事業を実施する予定です。今後も、企業巡回や景況調査などを通して区内中小企業者の生の声を聞き取り、必要な支援を迅速に実施してまいります。  次に、プレミアム付き区内共通商品券についてのお尋ねです。区は、売上げが落ち込み、大変厳しい状況にある商店街での消費喚起と区民生活を強力に支援するため、プレミアム率を最大で三〇%に加算し、発行額を十億円に増額するプレミアム付き区内共通商品券の発行支援事業を実施いたします。プレミアム付き区内共通商品券は、これまでの実績から商店街のにぎわい創出に確実に効果を発揮するものと考えております。販売に当たりましては、より多くの人に購入をいただけるように、インターネットや郵送による申込みを実施するなど、申込方法や販売方法を工夫し、販売促進に努めてまいります。  次に、相談体制についてのお尋ねです。区は、新型コロナウイルス感染症に伴う、国、東京都及び区の各種生活支援策を区民に分かりやすくお伝えするため、本年四月末に支援策を一覧にした案内チラシを作成し、区ホームページや広報みなとへの掲載及び窓口での配布を行いました。  一方、申請に必要な書類や制度の詳細など、詳しい相談を求める声も多く寄せられましたが、国や東京都など各実施主体が直接説明を行うことを原則としていたことなどもあり、区で十分な説明や対応ができないという課題がありました。今後は、多岐にわたる相談に適切に対応する臨時的な相談体制や、より分かりやすい情報発信の方法を検討してまいります。  次に、自治体間の情報連携についてのお尋ねです。新型コロナウイルス感染症の感染拡大のような全国で共通する緊急性の高い難局への対応に際しては、国や東京都、各自治体という垣根を超えた確実な情報連携が、区民の生活や生命を守るために重要です。  みなと保健所が国に働きかけたことをきっかけとして、感染症法に基づく事務に住民基本台帳ネットワークシステムが利用できることを国から全国の自治体に改めて周知したことは、その一事例であると考えています。今般の感染症拡大を契機として、自治体間における確実な情報連携を図る仕組みを確立できるよう、東京都知事との意見交換等を通じ、機会を捉えて要望してまいります。  次に、独自施策に対する区の考え方についてのお尋ねです。区は、区民に最も身近な自治体として、一律的な経済給付によらず、感染拡大による影響がより大きい高齢者やひとり親家庭、小規模事業者等に焦点を当て、きめ細かい対策を講じることが重要と考えております。生活支援としての高齢者の買物代行やひとり親家庭への夕食提供、また、事業者支援として、特別融資あっせん制度テナントオーナーへの賃料減額助成、プレミアム付き商品券発行支援などの取組を進めております。引き続き、区民生活の実情に即した独自の対策に取り組むとともに、区の考え方を積極的に発信してまいります。  次に、危機管理における外部の専門家の活用についてのお尋ねです。  区は、新型コロナウイルス感染症対策の実施に当たり、国の専門家会議等の情報を的確に収集するとともに、みなと保健所の専門職の知見を最大限、活用してまいりました。さらに、本年七月には、感染症の専門家として国立国際医療研究センター特任研究員等を歴任している方をみなと保健所に配置し、区有施設における効果的な対策の実施をはじめ、感染拡大防止の取組を一層強化してまいります。今後も、自然災害や感染症の蔓延等の有事に際しては、専門的な知見を活用し、効果的な対策を実施してまいります。  次に、羽田空港新飛行ルートについてのお尋ねです。  まず、新飛行ルートの撤回を国に要請することについてです。私は先月二十九日、国土交通大臣に対し、区民への丁寧な説明や新ルートに限らず、飛行経路に係る様々な運用を検討することなど、十分な対応を行うよう強く要請をいたしました。国は、こうした要請や区民の不安の声等を受け、新ルートの固定化回避に向けた検討会を設置するとしております。区は、引き続き、区民の騒音や落下物に対する不安の声や、区が独自に行っている騒音測定の結果を国に示し、検討に活用するよう国に強く求めてまいります。  次に、区の独自調査についてのお尋ねです。区は、新飛行ルートの運用に伴い、区民の騒音に対する不安を解消するため、五月二十五日から一か月間、本村小学校及び高陵中学校において区独自の騒音測定を実施し、国に測定結果を伝えるとともに、現在、詳細な分析を進めているところです。今後は、国に対し、騒音測定の分析結果に基づき必要な対策を求めるとともに、引き続き、区独自に騒音測定等の調査を実施してまいります。  次に、住民意思の把握についてのお尋ねです。  まず、区民の意思をより正確に把握することについてです。区は、これまで、区の重要な施策である公共施設の整備について、整備計画素案の段階から区民説明を実施するなど、区民の意見を区政に反映させる取組を進めてまいりました。今後も、インターネットアンケートをはじめ、オンラインのさらなる活用など、より多くの区民の意見を酌み取る手法により、区民意思の正確な把握に努めてまいります。  次に、情報発信と意思表明の双方向性の向上についてのお尋ねです。これまでも区は、広報みなと等の紙媒体及び区ホームページやSNSなどICTの手段を組み合わせた情報発信と、はがきやホームページでの受付など多様な広聴活動に取り組み、効果的な施策展開に生かしてまいりました。  本年十月からは、区民一人一人が求める情報を適時的確に届けるため、スマートフォン向けアプリのLINEを活用した情報発信を行います。さらに、区民が区への意見等をスマートフォンアプリから簡単に送ることができる仕組みもつくり、区民と区との意思疎通の向上に努めてまいります。  次に、保育の質の向上についてのお尋ねです。  まず、保育士の処遇改善についてです。区は、保育士等キャリアアップ補助により賃金改善を支援するとともに、保育従事職員宿舎借り上げ支援では、東京都の補助額に区独自の上乗せを行い、令和元年度は約千人の職員が利用するなど、私立認可保育園等の保育士の確保・定着に成果を上げております。  また、私立認可保育園等に対し、新型コロナウイルス感染症の感染防止対策の経費を補助するなど、保育士の健康を守るための支援にも取り組んでおります。保育士の処遇改善に積極的に取り組み、保育経験の豊かな保育士の確保・定着を支援し、保育の質の向上につなげてまいります。  次に、幼児教育の充実についてのお尋ねです。本年三月に改訂した小学校入学前教育カリキュラムは、小学校以降の教育を見据え、幼児期の終わりまでに育ってほしい姿である自立心や社会生活との関わりなどを育むために十分な経験ができるよう、具体的な実践例を示すなど内容を充実しました。  保育園等では、指導計画の作成や保育の振り返り、また、保護者と保育内容を共有する際にカリキュラムを活用しております。今後、学校域ごとに保育士や教員を対象とした保幼小合同研修会を実施するとともに、子どもたちの交流の場を設け、様々な経験を通して幼児期に育みたい資質や能力を身に着けられるよう取り組んでまいります。  次に、新しい生活様式での高齢者の健康維持についてのお尋ねです。  感染予防を行いながら高齢者が心身の健康を維持するためには、日頃からできるだけ体操など体を動かすことや人とのコミュニケーションを図ることが大切です。いきいきプラザでは、感染予防対策を十分講じた上で、時間を短縮した負荷が少ない健康トレーニングなどを段階的に展開してまいります。  また、高齢者を対象に例年実施している観劇やほほえみコンサートについても、参加人数を減らすなど、実施方法や内容を工夫することで高齢者の積極的な社会参加を促してまいります。  次に、実効性の高いみなとタバコルールの取組についてのお尋ねです。  現在、飲食店周辺や観光エリアなど、特に路上喫煙が見られる場所を重点指導地域として、駅周辺を中心に巡回指導員が喫煙場所からのはみ出し喫煙の指導や店頭に設置された灰皿の撤去要請など、きめ細かく周知・啓発活動を行っております。  また、路上喫煙禁止の路面シールの設置や多言語の喫煙場所マップの配布など、区に訪れる誰もがみなとタバコルールを知り、守りやすくなる環境の整備に努めております。今後も、巡回指導と併せて喫煙場所の整備や周知・啓発に努め、誰もが快適に過ごせる環境づくりに積極的に取り組んでまいります。  最後に、地域コミュニティ活動のオンライン化支援についてのお尋ねです。  区が実施する町会・自治会活動応援個別プログラムを活用し、既にオンラインで会議を開催した町会等があります。区は、この取組の成果を他の町会等にも紹介し、SNSを使った情報発信やオンライン会議など、各町会等の実情に合ったICTの活用方法を提案するなど、町会等が行うオンライン化を積極的に支援してまいります。  よろしく御理解のほどお願いいたします。  教育に係わる問題については、教育長から、選挙管理委員会に係わる問題については、選挙管理委員会委員長から答弁いたします。   〔教育長(青木康平君)登壇〕 ○教育長(青木康平君) ただいまのみなと政策会議を代表してのなかまえ由紀議員の御質問に順次お答えいたします。  最初に、個々の特性に応じたICTの積極的活用についてのお尋ねです。  ICTの具体的な活用として、十月から、特別支援教室を利用している小学校四年生以上の児童・生徒を対象に、みなと科学館においてレゴブロックを活用したプログラミング学習会を開催いたします。
     また、東京大学先端科学技術研究センターとの共同事業においては、身近にある科学や物理学などの疑問において、オンラインを通じて他の児童・生徒と意見を交わす学習の中で自己の考えを広げ深めることで、学ぶ楽しさを感じながら個性を強みに変えられるようにいたします。今後も、ICTを積極的に活用することで児童・生徒の持てる力を最大限に引き出し、一人一人のニーズや特性に応じた質の高い教育を実現してまいります。  次に、旧東京さぬき倶楽部別館の歴史的建造物の文化財指定についてのお尋ねです。  文化財の指定は、まず、所有者の協力の下、現地調査等を行い、文化財的価値について確認し、その上で指定文化財にふさわしいと判断した文化財について、所有者の同意の上、指定いたします。  旧東京さぬき倶楽部別館につきましても、まずは指定に必要となる文化財的価値を確認するため、写真撮影や実測などの現地調査を行ってまいります。  最後に、図書館における電子書籍サービスの導入についてのお尋ねです。  電子書籍サービスは、著作権の関係から提供できる資料が限られていることなどにより、現在、港区立図書館では導入しておりませんが、時間や場所にかかわらず、資料の貸出し、返却ができるといった利便性があります。  今回の新型コロナウイルスの感染拡大の際も、既に電子書籍サービスを導入していた図書館では、誰もが自宅にいながら安全に図書館資料を利用できるという電子書籍サービスの有効性がより明らかになりました。教育委員会では、こうしたメリットを踏まえ、外国語の書籍も含めた電子書籍サービスの導入に向け、積極的に検討を進めてまいります。  よろしく御理解のほどお願いいたします。   〔選挙管理委員会委員長(島田幸雄君)登壇〕 ○選挙管理委員会委員長(島田幸雄君) ただいまのみなと政策会議を代表してのなかまえ由紀議員の御質問に順次お答えいたします。  最初に、選挙の啓発についてのお尋ねです。  まず、啓発の在り方についてです。選挙管理委員会が平成三十年度に行った選挙に関する区民意識調査では、選挙への関心が低い若い世代に対し、投票を呼びかけることが課題と分かりました。また、同調査では、若い世代は広報みなとなどの文字情報に加え、動画も見る傾向が高いことが分かりました。そのため、昨年度執行した区議会議員選挙で初めてプロモーション映像を制作し、区長選挙では、若い世代が多く通行する品川駅自由通路など、目に留まりやすい場所に設置されたデジタルサイネージなどで放映し啓発に努めてまいりました。今後は、選挙における若い世代の投票行動を分析し、コスト意識を持ちながら、より一層の投票率向上につながる効果的な選挙啓発を実施してまいります。  最後に、選挙公報の戸別配布についてのお尋ねです。選挙公報は、立候補者の政見を掲載したものであり、選挙人の投票動機となるほか、投票する際の判断のよりどころや、候補者の政策を知る手段として重要であります。選挙公報の戸別配布については、立候補の届出後に印刷することから、限られた時間の中で各世帯に確実に配布する必要があります。特に、区内に多くある集合住宅で各戸に配布する方法が課題となっております。  選挙管理委員会では、選挙公報は投票への関心を引く有効なツールであると考えており、なるべく早く確実に選挙人に対し配布するとともに、選挙公報の戸別配布について、引き続き検討してまいります。  よろしく御理解のほどお願いいたします。 ○副議長(阿部浩子君) 議事の運営上、暫時休憩いたします。                                       午後三時四十六分休憩                                         午後四時五分再開 ○議長(二島豊司君) 休憩前に引き続き、会議を再開いたします。  お諮りいたします。議事の運営上、あらかじめ時間を延長したいと思いますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(二島豊司君) 御異議なきものと認め、時間は延長されました。             ─────────────────────────── ○議長(二島豊司君) 一般質問を続けます。次に、三十一番杉本とよひろ議員。   〔三十一番(杉本とよひろ君)登壇、拍手〕 ○三十一番(杉本とよひろ君) 令和二年第二回港区議会定例会に当たりまして、公明党議員団を代表して、武井区長並びに青木教育長に質問いたします。  今回の新型コロナウイルス感染症は地球規模で感染が拡大し、これまで経験したことのない未曽有の事態を引き起こし、私たちの暮らしを大きく一変させ、新たな課題が社会に突きつけられました。  初めに、新型コロナウイルス感染症でお亡くなりになられた方の御冥福を心よりお祈りいたしますとともに、療養中の方々にお見舞いを申し上げます。  また、多くの感染者を救命するために感染リスクと闘いながら地域医療を支えてくださっている医療従事者の皆様、厳しい状況下でも懸命に介護や保育現場で働き続けてくださっている皆様、防災危機管理室やみなと保健所をはじめとした行政担当者の皆様に対して心から感謝申し上げます。  私たち公明党は、今こそ徹して、コロナ禍の影響に直面する現場の声、生活者の声をしっかりと受け止め、総力を挙げて支援強化につなげてまいります。  さて、今月行われました港区長選挙では、武井区長が五選を果たされました。緊急事態宣言が解除されたとはいえ、まだまだ感染拡大がある中での選挙にもかかわらず、多くの方が投票所に訪れました。これまでの武井港区政の成果が区民に評価され、東京の中心、経済活動の中核として、港区の発展に大きな期待が寄せられたものと思います。国難とも言える新型コロナウイルス感染症と向き合いながら感染防止対策をさらに進め、目の前にある課題を克服し、今後の新しい時代に向け、区長の強いリーダーシップを発揮されることを期待して質問に入ります。  初めに、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた財政運営についてお伺いいたします。  新型コロナウイルス感染症が猛威を振るう中、感染拡大の防止はもとより、経済に与える影響が懸念されております。内閣府が今月八日に発表した一月|三月期の実質GDPの二次速報値は、前期比率で二・二%の減となり、二四半期連続のマイナスを記録しました。民間の主要調査機関エコノミストの予測では、この四月|六月期は年率でマイナス二〇%以上になるとの予測が相次いでおり、新型コロナウイルス感染症が経済に重大な影響を与えることを確認できます。  そこで、区の基幹財源である特別区税、特別区財政調整交付金、地方消費税交付金の課税標準は、個人や法人の所得や消費によるものであり、経済情勢の状況に直結していることから、区財政にも大きく影響を受けることが懸念されます。こうした特別区税などの減収による区財政への影響は数か年に及ぶ可能性が十分考えられ、今後の財政運営は極めて厳しいものになっていくものと思われます。  しかしながら、こうした厳しい財政状況にあっても、新型コロナウイルス感染症対策の関連という点では、引き続き財源を重点的に投入していく必要もあります。  そこで質問ですが、こうした歳入の見通しから、財政状況への影響について区はどのように予測しているのか。また、厳しい財政状況が続くとしても、新型コロナウイルス感染症対策へは引き続き財源を投入していくことも踏まえた当面の財政について、区長にお伺いいたします。  次に、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた次期港区基本計画の策定についてお伺いいたします。  今年度、来年度から始まる次期港区基本計画策定に向けた検討が始まっています。この港区基本計画の役割は、区政の目標、課題、施策の概要等を体系的に明示するものであり、区の最上位計画に位置付けられております。すなわち、港区の基本計画を見ることで、区がどのような目標を持って、そして現在どのような課題があり、その課題解決にどのような施策を展開していくのかが分かるだけではなく、区職員の皆様にとっても同じ目標に向かって動くための指針となり、行政サービスを受ける全ての区民にとっても関係の深いものとなります。  この港区基本計画策定を進めている、まさに今、新型コロナウイルス感染症の拡大により、社会全体が多岐にわたる影響を受けています。例えば、三密を避けた行動変容に代表される生活スタイルや、働き方の変化、ICTの活用をさらに加速化させるなど、社会のありようそのものが大きく変わる、新しい生活様式へと移行していきます。こうした社会的な変化を見据えれば、いわゆるアフターコロナ、ウィズコロナへの社会の移行をイメージした検討は欠かせないと思います。  しかし、一方では、次期港区基本計画の具体的な事業の立案に当たっては、財政状況を踏まえる必要もあります。区長は施政方針でも述べられておりましたが、以前のリーマンショックに伴う景気後退時には、特別区民税収入が対前年度比一二%減、額にして約七十二億円もの減収を経験しています。  今回の新型コロナウイルス感染症の感染拡大による景気への影響は長期化することが懸念されており、今後の区の財政運営は非常に厳しいものになることが予測されることから、当初から数年間は一定の制約を受けることも想定する必要があると考えます。こうした点を踏まえても、危機管理、公衆衛生、またICTの分野など、新たな課題に対応できるよう検討することが必要と考えます。  そこで質問は、新型コロナウイルスとの共存で、私たちの日常の生活にも様々な変化が生まれている時代背景を踏まえたとき、次期港区基本計画の策定にはどのような姿勢で臨んでいくのか、区長のお考えをお伺いいたします。  また、港区基本計画はいついかなる時代にあっても中長期的な視野に立って、「住みよい街・港」を実現していくためにも、夢や希望を区民と共有するものでなくてはならないと私は考えます。  今回の新型コロナウイルスという目に見えない敵との闘い、パンデミックの状況であるからこそ、誰一人取り残さないというSDGsの理念を進める大きな契機と捉えることが必要であります。  政府が昨年十二月に作成した「SDGsアクションプラン二〇二〇」では、今後の十年を二〇三〇年の目標達成に向けた行動の十年としており、港区の向こう六年間の上位計画となる次期港区基本計画は、まさにこの期間内に運用される重要なものとなります。  そこで質問は、誰一人取り残さないSDGsの視点を踏まえた港区の未来をつくる取組を推進していくために、区はSDGsをどのように捉え、次期港区基本計画にどう反映させていくのか、区長の見解をお伺いいたします。  次に、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の活用についてお伺いいたします。  五月二十五日に政府の緊急事態宣言が解除されるとともに、経済活動が順次再開され始めましたが、これまで感染症拡大防止のための休業・自粛などの影響により、中小企業や店舗などの経営は悪化しており、これに対し政府は経済的な負担を支えるための様々な支援策を二度の大規模な補正予算で実施しています。  その中で、暮らしと経済を立て直し、住民のニーズを踏まえた自治体の支援を推進する財源の一つとして、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金が創設されました。この新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金は、今年度、国の第一次補正予算で一兆円が計上され、その配分に当たっては、東京都全体で約二百五十七億円となっており、内訳として、東京都分が約百三億円、特別区分は全体で約七十二億円、そのほか市町村分として約八十二億円となっています。交付金の対象として、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響を受けている地域経済や住民生活の支援を通じた地方再生に資する事業に要する費用とされており、第二次補正予算においても、地方自治体が独自に行う家賃支援や困窮世帯への生活補助、感染予防に向けた新たな生活様式への対応を図る観点から二兆円が積み増しされました。その配分として、東京都は合計四百六十九億円、特別区分は約二百六十二億円となっています。これによって地域の状況に応じて自治体のアイデアを生かしつつ、きめ細かな施策に幅広く活用できるようになりました。  そこで質問は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止と地域経済や住民生活の支援を通じた地方創生を図り、多様な方法で地域のニーズに応えていくための財源としての新型コロナウイルス感染症対策地方創生臨時交付金の活用について、区の考え方をお伺いいたします。  次に、行政手続のオンライン化と対面による行政サービスについてお伺いいたします。  コロナ禍における行政のオンライン化の必要性については、多くの人が認識したところであり、これまでの新型コロナウイルス感染症への対応をめぐっては、その遅れが浮き彫りとなり、ICTの活用を含む行政改革の必要性は、いや増して高まっているものと考えます。  区長は施政方針の中で、区民が来庁することなく、質の高いサービスを受けられる区役所の実現を目指し、オンラインによる申請や相談、届出など、新たな窓口システムを導入する考えを宣言されました。住民や事業者が来庁しなければできない行政手続を、可能な限りオンライン化を進めることによって、いつでも、どこでも手続を完結することができ、利便性や手続の効率性、簡素化にもつながってまいります。まさにこれからの社会に合った行政サービスと言えるでしょう。また、これまで届出や申請手続に欠かせなかった押印の在り方についても考えが変わっていくものと思われます。  そこで質問は、新しい生活様式を実践していく中、質の高いサービスを受けられる区役所を実現していくため、行政手続のオンライン化に向け、どのように取り組んでいくお考えなのか、区長にお伺いいたします。  一方、確かに接触機会を減らすことで新型コロナウイルス感染症の感染リスクも減りますが、行政サービスには、申請窓口だけではなく、直接区民と対面しなければならない仕事もたくさんあると思います。例えば、介護認定の調査などは、各家庭に訪問して心身の状況などを直接確認する必要があります。今後、オンライン通話などのコミュニケーションが普及してまいりますが、高齢者や障がいのある方々からの相談などは、やはり直接面会して行ったほうが血の通った会話ができるのではないかと考えます。  そこで質問は、区は、オンライン化を進める一方で、区民に寄り添う基礎的自治体として、対面する行政サービスの重要性も忘れてはならないと考えますが、区長のお考えをお伺いいたします。  次に、テレワークの推進による職員の新しいスタイルの働き方についてお伺いいたします。  区は、本年四月一日より、職員の新しい働き方として、テレワークを本格的に導入しました。新型コロナウイルス感染症の影響による緊急事態宣言発出の際には、対象者を全職員に拡大するなどして実施を推進してきました。テレワークは、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防ぎながら事業の継続を図るため、危機管理対策としても有効な働き方であり、今回の新型コロナウイルスの蔓延によって、日本の社会の在り方を変える大きな機会と捉えていくことが必要と考えます。  他方、テレワークは、育児、介護と仕事の両立など、ワーク・ライフ・バランスを実現するとともに、仕事の効率化と長時間労働が是正されるなど、新しいワークスタイルとして、これから積極的に普及が進められていくものと思われます。  そこで、テレワークを進めていく際、大事なことは、区民サービスの向上や行政運営にどのように生かされていくのかという視点が重要です。ワーク・ライフ・バランスとともに、今後、新型コロナウイルス感染症の第二波への備えや、台風、巨大地震などの災害が発生した場合、職員が業務を遂行し続けるためには、従来の働き方を見直し、新しいスタイルの働き方が求められています。  そこで質問は、テレワークの実施について、今回、明らかになった課題や結果を検証し、新しい働き方としてテレワークをさらに普及していくべきと考えますが、区長の見解をお伺いいたします。  次に、「新しい日常」での避難所の体制とその対応についてお伺いいたします。  これからシーズンが訪れる大雨や台風などの風水害、また、いつ発生するか分からない巨大地震といった大災害での避難所の運営については、密閉・密集・密接を避けるといった「新しい日常」での生活様式にのっとりながら避難所体制を見直すことが必要となってきました。すなわち、災害時において不特定多数の方が滞在する避難所の在り方にソーシャルディスタンスを含めた感染予防対策を進めていくことです。  しかし、現状の避難所では、被災者を受け入れる面積が不足していることから、コロナ禍において、いかにして感染症から身を守り、適切な避難行動が取れるよう、行政としても避難できる場所と環境を整えていく必要があると考えます。  そこで質問は、今後の避難場所の分散拡大に向けて、どのような施設を利用して対応していくのか。また、被災者がどこに避難すべきかを判断できる情報提供や事前の周知について、それぞれ区の考えをお伺いいたします。  避難所のレイアウトについては、妊産婦、高齢者、障がい者などの要配慮者が感染の疑いのある方と接触を避ける専用スペースと動線を確保することが求められています。さらに、発熱者の発生や濃厚接触者への対応、感染予防を考慮した具体的な運営について再構築する必要があります。災害に見舞われ避難所での生活では、体調不良や免疫力の低下も想定され、新型コロナウイルスだけでなくノロウイルスやインフルエンザなどの感染症の罹患も心配されるところです。避難生活において、精神面や体調管理の対応をはじめ、マスクや非接触型体温計、消毒液など対策物資の備蓄と、それらを使用しての感染予防対策を盛り込んだ避難訓練も実施すべきと考えます。  そこで質問は、今後、変化する避難所の体制、対応について、地域や住民の方の理解や意識の醸成をどのように行っていくのか、区の考えをお伺いいたします。  次に、港区の全国連携のさらなる推進強化についてお伺いいたします。  新型コロナウイルス感染症による影響は、経済や地域産業にも大きなダメージを与え、今後の再建への道筋は、いまだ見通しが立たない状況です。六月十九日に経済活動の制限が一部を除き全面解除され、日常を取り戻しつつあるものの、観光業や飲食業など、一度離れた顧客を取り戻すには相当の時間を要するとされており、経費削減のため人員を整理する企業が増えるとの懸念があります。  あるエコノミストの試算では、二〇二〇年四月の全国の失業率は二・六%だったのに対し、今後の動向ではピーク時に六・一%と、リーマンショックの影響でピークとなった二〇〇九年七月の五・五%を大きく上回るとされ、さらに失業には至らず休業状態にある隠れ失業者を含めると一一%以上との予測をしています。こうした課題に対して、国では持続化給付金や雇用調整助成金の拡充、テナント家賃助成など様々な施策に取り組んでいますが、生業の中心である基礎自治体としても課題認識を高め、先を見据えた取組が必要と考えます。  その一方、地方においては都市部とは違った課題が起こっています。農林水産省は、新型コロナウイルス感染症の影響で入国規制などにより外国人技能実習生が来日することができず、農家の人手不足が深刻化している状況下において、他地域からの人材を確保するための活動費や研修費に、農業労働力確保緊急支援事業として四十六億円の予算が盛り込まれました。こうした全国の各自治体で生じる課題を解決するためには、広い視野に立った連携が必要になると考えます。例えば、港区で取り組む全国連携の推進事業は、こうした全国の課題解決に大きな役割を果たすことができるのではないでしょうか。  区では、「港区まち・ひと・しごと創生総合戦略」の基本目標の一つに、「全国各地域と支え合い、共に発展する」というテーマを掲げ、平成二十八年四月から全国連携を推進する専管組織を設置し、地域や商店街のお祭り、イベント等での文化交流や区有施設でのPR活動、物産展の開催などで情報や物を通し、全国各地の自治体との連携を推進しています。こうした取組をさらに拡充していくことで、コロナ禍における課題はもとより、日常的な課題解決に大きく寄与するものと確信するところであります。  そこで質問は、港区と全国のさらなる発展のためにも、自治体や諸団体、NPO法人等とも協力し、人材交流を活性化させ、新たな事業創出に向けた全国連携の推進強化を図るべきと考えますが、区長の見解をお伺いいたします。  次に、オンライン利用やロボットを活用した新たな障がい者支援と障がい福祉事業所支援の在り方についてお伺いいたします。  このたびの新型コロナウイルス感染症の流行で、障がい者通所施設や就労支援事業所などでは、自粛要請により利用者数が激減し、生産品の販売が滞るなど、事業の存続が危惧される事態となっています。存続できなくなった場合は、即利用者の行き場所がなくなり、生きがいさえも奪ってしまうことにもなりかねません。さらに、港区が積み上げてきた障がい福祉の質を低下させ、利用者や御家族はもとより、支援する多くの関係者にも影響を及ぼすことになります。  そのような中、港区は、令和二年度港区一般会計補正予算(第三号)で福祉サービス等事業所への家賃助成を、また、今定例会に提出される令和二年度港区一般会計補正予算(第四号)では、障がい者就労を支援する予算を港区障害者福祉推進基金から繰り入れるなど、高く評価するところです。  さて、現在、自粛要請解除後のウィズコロナを模索する、人と人との接触を極力避ける生活が求められています。その取組の一つとして、デジタルトランスフォーメーションが注目されています。デジタルトランスフォーメーションとは、人々の生活のあらゆる面でICTを活用、浸透させることで、よりよい方向に生活を進化・変化させていくことを意味しています。例えば、働き方ではテレワーク、医療分野ではオンライン診療、教育ではGIGAスクール構想、介護福祉分野ではロボットの導入などがあります。  昨日の区長の施政方針の中でも、「福祉、医療、教育、スポーツなど、あらゆる分野において5Gの活用可能性を追求し、その成果を着実に区民へ還元してまいります」とありました。今後は、「新しい生活様式」、また、新型コロナウイルス感染症の第二波による自粛生活を見据え、障がいのある利用者にとっても、また支える事業者にとってもウィン・ウィンの関係を構築できるよう、幅広くオンライン支援を検討すべき時期を迎えていると考えます。  例えば、最近注目を集めているアバターロボットを各施設に置くことで、在宅の障がい者や家族と、施設職員や通所している障がい者との双方向の交流が可能になります。事業所にとっては在宅障がい者支援として報酬がプラスされることになり、自粛中の障がい者にとっては生活にめり張りができます。また、入所施設者にアバターロボットを整備すれば、入所している障がい者と家族とのオンライン面会が可能になり、ストレスによる二次障害を抑えることもできます。  そこで質問は、障がい者の「新しい生活様式」を実現するためのオンライン利用やロボットを活用した新たな障がい者支援と障がい者福祉事業所支援の在り方について、区長の考えをお伺いいたします。  次に、医療提供体制強化と検査の充実についてお伺いいたします。  東京都は今月十九日、経済活動を段階的に緩和するロードマップ「東京アラート」を解除し、休業要請も全面的に解除されました。しかし、連日、新型コロナウイルス感染症の新規感染者が報告されており、感染リスクがなくなったわけではありません。新型コロナウイルス感染症の怖いところは、目に見えず無症状の感染者も潜んでいることです。再び流行を招かないよう慎重な行動が必要なことは言うまでもありませんが、これから本格的な感染拡大の次の波を見据え、病床確保をはじめ、医療提供体制の拡充や検査・監視体制の強化に向け、今こそ全力で進めていかなければなりません。  第一波での感染がピークに達した頃、みなと保健所の機能がパンク寸前になり、保健所職員の方々には昼夜をたがわず、その対応に当たられてこられたことに心より感謝と敬意を表したいと思います。  そこで、初めにお伺いしたいことは、これまで見えてきた課題について、どのように検証されてきたのでしょうか。また、検証結果を踏まえ、次の第二波に備えて、みなと保健所をはじめ、医療提供体制強化についてどのように取り組んでいくお考えなのか、区長の見解をお伺いいたします。  続いて、検査体制の拡充についてですが、目に見えない敵であるがゆえに、検査体制を大きく広げ、感染者を捉え、感染経路を把握することによってクラスターやオーバーシュートを防ぐとともに、感染者に適切な医療へつなげていくことが重要であります。  これまで、疑いの症状があってもPCR検査の実施が立ち遅れているとの指摘がある中、区は、東京都健康安全研究センター及び民間検査機関での検査に加え、区直営のみなと保健所衛生試験所でも検査体制を整え、最短で当日に検査結果が判明できるなど、検査体制の拡充と迅速化を図ってきたことは評価するところであります。現在のところ、みなと保健所で検査を開始した三月二十九日から六月十九日までの検査実績は九百二十四件と伺っております。これからも、より多くの人を迅速で効率的に検査できる体制の強化を進めていかなければなりません。  そこで、PCR検査で期待が持たれている検査の迅速化に貢献する全自動検査装置の導入や、感染の有無を短時間で調べる抗原検査について、厚生労働省は今月十九日、唾液による診断が可能な高感度の検査試薬が薬事承認され、近く保険適用される見通しとなっております。  さきの通常国会で成立した第二次補正予算では、自治体が医療体制の強化に使える新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金が大幅に拡充されましたが、区としても、こうした交付金を積極的に活用し、感染拡大防止を図るため、検査体制の拡充を図るべきです。  そこで質問は、次の流行に備え、必要性のある方に対しては、積極的なPCR検査や抗原検査の範囲を幅広く拡大し、より一層、検査体制の強化を図っていく必要があると考えますが、区長の見解を求めます。  一方、PCR検査や抗原検査は、現在の感染の有無を調べるものに対して、抗体検査は過去の感染歴を確認するものです。感染歴を把握することで、感染者数の推計や流行状況の解明にも役立ち、今後の対策や戦略を練る上で大きな判断材料になるとされています。  今月一日から七日にかけて、東京都、大阪府、宮城県において七千九百五十人を対象に抗体検査が実施されましたが、その結果、陽性率が東京都で〇・一〇%、大阪府で〇・一七%、宮城県で〇・〇三%にとどまり、大半の人が抗体を保有していないことが明らかになりました。この結果的で見えてきたことは、誰もが新型コロナウイルス感染症に感染する可能性があることを示しており、十分な警戒が必要となってまいります。  抗体検査の目的は、感染状況を把握することで、目に見えない流行の広がり具合を可視化、見える化していくことによって、次の感染に備えての重要なエビデンスとして感染拡大を抑え込む重要な判断材料になると考えます。  区としても、集団感染を防ぐため、例えば、医療施設や介護、高齢者施設、障がい者施設の関係者や利用者に、検査に御協力をいただくとか、区の健康診断に加えることも検討するなど、感染状況を把握していくことが必要と考えます。  そこで質問ですが、抗体検査の特性や目的を踏まえ、感染対策を進めていく上において有効とされていますが、次の感染への備えとして、抗体検査のありよう、有用性について区長はどのように考えているのでしょうか、お伺いいたします。  次に、飲食店への「新しい生活様式」を踏まえた営業スタイルと、HACCP義務化へ向けての衛生管理における区の対応についてお伺いいたします。  今回の新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、多くの事業者に休業要請がありました。特に都内で一番多いと言われる港区内の飲食店は相当の打撃を受けています。令和元年度の食品衛生法に規定する営業施設の件数は二万二千五百九件で、このうちの外食産業では、活路を見いだそうとテイクアウトやデリバリーなどを開始。さらに、六月五日には国が、六月十七日には東京都が、それぞれ飲食店などを支援するための緊急措置として、路上利用における道路占用許可基準の緩和を決定いたしました。店舗付近の清掃等に協力し、三密の回避や「新しい生活様式」の定着に対応すれば、十一月三十日まで無料で店舗前の国道・都道で暫定的な営業が可能となります。  今年の夏祭りは多くの商店会で取りやめを表明していることから、今後は道路上での飲食が多くなることも予想されます。区では、事業者向け東京都感染拡大防止ガイドラインに沿って営業を再開するよう協力を要請していると伺っておりますが、今後、様々な形態で営業を行う飲食店に対して、都道管理者や国道管理者との連携等、衛生面での対応や指導も必要と考えます。  そして、もう一点、飲食業界にとって配慮が必要となるのが安全な食品の提供です。すなわち、食品衛生管理の国際基準であるHACCPが本年六月に制度化され、来年六月から義務化されます。HACCPとは、食品衛生管理手順を見える化し管理する方法で、食品衛生管理の一連の流れを七原則十二手順に沿って進めることで導入できます。東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会を契機に、国内外に日本の徹底した衛生管理を示すことを目的としていますが、海外からの来街者も含めて、区内のお店を訪れる方々が感染症に対しても食品衛生に関しても、安心して飲食できる環境を整えるべきと考えます。  そこで質問は、厳しい状況下での飲食店の営業再開となりますが、第二波を徹底して回避するために、「新しい生活様式」を踏まえた営業スタイルにおける環境衛生管理と、HACCP義務化へ向けての食品衛生管理について、区はどのように事業者に対して協力を要請されるのか、区長のお考えをお伺いいたします。  次に、学校での感染症対策の充実についてお伺いいたします。
     学校施設を利用する児童・生徒や学校職員、保護者や地域の皆様を感染症から守るため、感染症対策の環境整備には万全を尽くしていかなければなりません。  先日、国の第二次補正予算では、学校の感染症対策を徹底しながら、子どもたちの学習を保障するため、校長の判断で迅速かつ柔軟に対応することができる必要な経費として、一学校当たり百万円から三百万円が計上されました。  また、令和二年第二回東京都議会定例会で成立した令和二年度一般会計補正予算(第六号)の中で、区市町村立学校における新型コロナウイルス感染症対策支援事業費が拡充されました。具体的な追加対策費として、学校における体温測定機器やアクリル板等の感染対策用品の導入を促進する費用も対象となっております。各学校における感染症対策を講じながら、最大限子どもたちの学びを保障するためにも従来の手法にとらわれず、こうした経費を確保し、物的体制の強化を図り、限られた学校職員が子どもたちの授業に集中できる環境整備が重要であります。  そこで質問は、こうした東京都の補助金を十分に活用した学校での感染症対策の充実について、教育長にお伺いいたします。  次に、今後の教育活動について三点お伺いいたします。  一点目は、学校の新しい生活様式を踏まえた今後の教育活動についてです。文部科学省では五月二十二日、学校の新しい生活様式と題して、学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアルが示されました。区においても、区立小・中学校では、緊急事態宣言の解除に伴い、今月から可能な限り感染拡大のリスクを低減させながら教育活動が再開されました。  今後、学校の教育活動を全面的に再開していくに当たっては、教訓で得たことを生かしていくことが重要であり、学校における新型コロナウイルス感染症や公衆衛生に対する意識をはじめ、教育活動の場面ごとにおける集団感染のリスクへの対応、教職員の感染症対策、感染が広がった場合における対応など、「学校の新しい生活様式」を踏まえた取組が必要となります。そのためにも学校教育を担う教職員をはじめ、学校関係者への感染症対策の徹底と児童・生徒、地域や保護者との連携を強化し、段階に応じた分かりやすいマニュアル、ガイドラインの作成も必要になっていくかと思います。  そこで質問は、学校の新しい生活様式を踏まえた今後の教育活動について、教育長の見解をお伺いいたします。  二点目は、GIGAスクール構想についてお伺いいたします。感染症の終息が見えない中、次の波に備えて、児童・生徒への学びの保障は重要な課題であります。  そこで区は、国が掲げるGIGAスクール構想の実現に向けて、全ての児童・生徒に一人一台の学習用パソコンとネットワーク環境を四年かけて整備する予定でありましたが、タブレット端末約一万千台分、予定を前倒しして今年十月までに整備することを決めました。  また、新型コロナウイルス感染症をはじめ、様々な感染症の流行や災害によって学校が臨時休業した際にも、子どもたちに学びを保障する観点からオンライン学習環境を今年度中に整えるなど、迅速な取組について評価するところであります。今や日常生活の中で、仕事や社会のあらゆる場面で、ICTの活用はこれからの時代を生き抜いていく子どもたちにとって切っても切り離せないものとなってまいります。  そこで大事なことは、GIGAスクール構想の実現に向けて、ハードを整備することはもちろん大切でありますが、それはあくまでも手段であって、いかに効果的に使い、子どもたちの学びを豊かにしていくことが重要であります。そのためにも、教員がICTを活用して指導する力も高めていかなければなりません。ハードとソフト、そして人材を一体とした整備を加速することで、ICTの活用により全ての子どもたちの学びが保障されるものと考えます。  そこで質問は、学校の教員がタブレット端末を効果的に活用して指導力を高めていくために、どのようなことに取り組んでいくのか。また、必要に応じて人的体制を強化する意味において、人材確保を図ることも必要と考えますが、教育長の見解を求めます。  三点目に、情報モラル教育についてお伺いいたします。ICTの活用については、十分留意すべき点も幾つかあります。その一つに情報モラル教育の充実と有害情報対策への取組です。小学校、中学校のそれぞれの授業において、パソコンを活用した情報教育と情報通信ネットワークの危険性について指導していくことも大切です。また、インターネットによるトラブルの防止対策としてインターネットトラブル防止教室の開催や、保護者に対して、警察とも連携を図りながらフィルタリングの説明を受ける機会をつくるなど、未然防止対策に努めていくことも重要です。  そこで質問は、ICTの活用に際して、情報モラル教育をどのように充実させていくのか。また、有害情報対策などへの取組についてお伺いいたします。  次に、羽田新飛行ルート固定化回避に向けた取組についてお伺いいたします。  国土交通省は、本年三月二十九日より羽田空港の新飛行ルートの本格運用を開始しましたが、新型コロナウイルスによる世界的なパンデミックで出入国制限による海外旅行の自粛や東京二〇二〇大会の延期により状況は一変しました。現在のところ羽田空港の国際線・国内線は大幅に減便されており、想定の二割から三割の運用にとどまっています。  しかしながら、大幅に減便している状況下でさえ、自宅の真上を低空で飛行する飛行機の騒音で、運用をこのまま継続することへの疑念や不安、コロナ禍において感染予防のため窓を開けると会話やテレビの視聴に支障が出るため換気ができないことへの苦情の声が多く寄せられています。  これまで、国土交通省には五月末までに二千五百四十八件の苦情が寄せられているほか、自治体からも国土交通省に対応を求める要望も出されています。  私ども公明党は二〇一四年六月、新飛行ルートの説明を受けてから、区民の安全・安心を最優先に考え、繰り返し国土交通省に対して申入れを行ってまいりました。最近では五月二十八日、品川区、目黒区、港区、三区の公明党の東京都議会議員、区議会議員が直接、国会にて赤羽国土交通大臣に面談を求め、羽田空港新飛行ルートの再考及び固定化を回避する取組を早急かつ具体的に検討するよう緊急申入れを行い、区民の皆様の切実な声を届けてまいりました。  昨日の施政方針でも区長は述べられておりました。先月二十九日、武井区長は、羽田空港新飛行経路の運用について、新ルートに限らず様々な運用を検討することなど、強く要請されたことは承知しております。  六月三日に行われました衆議院・国土交通委員会で、公明党の岡本三成衆議院議員は、地元・地域からの要望を受け、経路の再考や固定化を避ける取組について国土交通大臣に対応を求めました。それに対して、国土交通大臣は「新経路の固定化を回避するための方策を早急に検討するため、有識者及び専門家による検討会を今月中にも立ち上げる」と表明。さらに、「今年度中に様々な選択肢のメリット、デメリットを整理し、新飛行ルートの固定化の回避、また、新たな選択肢を生むことを期待する」など、これまでになく一歩前進した答弁をされたと受け止めております。  そこで質問は、区としても、これまでも国土交通省に対して六回にわたって要請を行ってまいりましたが、今回の国の取組についてどのように受け止め、今後、どのように対応していくお考えなのか、区長の見解をお伺いいたします。  次に、文化芸術活動への支援策についてお伺いいたします。  音楽や演劇など文化芸術は、私たちの心に希望をもたらし、暮らしに豊かさを与えてくれます。コロナ禍における今こそ、一人一人の心を癒やし、元気と希望と喜びを生み出す文化芸術の役割は大きいものがあります。しかし、現状は、感染拡大の影響を受け、多くの文化芸術公演が中止、延期に追い込まれ、芸術家や関係者は苦境に立たされております。公演の中止は、期待していた成果の喪失を意味し、新型コロナウイルス感染症収束の見通しが立たないと、次の公演の準備もできない状況となっています。  文化芸術推進フォーラムの調査では、四月以降の新たな仕事の依頼が全くないと答えた人は、七割を超えているとのことで極めて深刻な状態であり、このままでは担い手が減り、多くの文化芸術団体や関係者は解散を余儀なくされるおそれもあり、存続そのものが脅かされていると言っても過言ではありません。  国や東京都では、応援金の支給などで経済的な支援が実施されておりますが、文化芸術を掲げる港区は、こうした取組の先頭に立つべきであり、区は、もう一段の支援として、活動再開に向けた団体や個人、関係者にバックアップするなど、様々な支援策を速やかに講じていく必要があると考えます。例えば、港区文化プログラム連携事業や港区文化芸術活動サポート事業について、補助の対象として、アマチュアやセミプロ中心とした非営利団体としていたところを、文化技術を生業としているプロフェッショナルにまで対象を広げるなど、文化芸術にとっての緊急的な事態である今だからこそ、これまでの枠にとらわれない新たな支援が求められているのではないでしょうか。  一方、港区の文化芸術振興は、これまで区と公益財団法人港区スポーツふれあい文化健康財団が担ってきており、こうした現状においてこそ、地域とのつながりを蓄積してきた民間法人として、迅速かつ柔軟な対応や発想を持つ財団の力を発揮できる余地も少なくないと考えます。  そこで質問は、区内の文化のともしびを守り、区民共有の財産ともいうべき文化芸術をしっかりと支えていくため、区と財団とが連携しながら、活動の継続に向けた積極的な取組、支援策を講じていくべきと考えますが、区長の見解を求めます。  最後に、ハクビシン対策についてお伺いいたします。  アライグマ・ハクビシンによる被害は全国的にも報告されており、山林や畑の多い地方部だけではなく、昨今は都市部における被害報告も上がっております。港区では、東京都で策定された東京都アライグマ・ハクビシン防除実施計画を基にハクビシン等対策事業を実施し、生活環境への被害の軽減と分布域の拡大の防止を目標とし、目撃情報の収集、専門業者による現地調査、箱わなの設置、捕獲引取り、処分に取り組んでいます。  令和元年度の報告では、港区で相談による現地調査は四十三件、箱わな設置が三十七件で、捕獲処分されたものが十四頭に上り、その半数以上が高輪地区総合支所管内によるものでした。ハクビシン被害の問題とされるのは、家屋などに侵入し、ふん尿を排泄するため、天井の染み汚れや異臭、ダニの発生などが健康被害をもたらすことに加え、感染症の可能性があることも不安の一因となっております。サルモネラ菌やカンピロバクター等による経口感染や、SARSやエキノコックス症などの疾病、また、人だけでなく飼っているペットに対する感染症被害も考えられます。専門業者による対応は、実際に被害を受けた場合でないと対象とならないため、こうした感染症などの不安を感じながらも対策が進まないことに、住民からは対策の拡充を求める声が上がっております。  ハクビシンは繁殖力が高く、一回に一匹から四匹産み、生後十か月には繁殖能力を持つことを考えると生息数の増加は否めません。繁殖時期は通年とされていますが、主に春先に多いとも言われており、今回の新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のための自粛期間と重なったということもあり捕獲作業が思うようにできず、繁殖が進んだ可能性も考えられます。これまでハクビシンに対する取組については、議会や各委員会においても取り上げてきましたが、こうした状況の中、住民の不安を解消するためにも、今後さらなる対策強化が必要になると考えます。  そこで質問は、東京都で行う東京都アライグマ・ハクビシン防除実施計画の下、進められる本事業に対し、東京都はもとより、他自治体との連携も含め、地域課題解決のために積極的な対策を講ずるべきと考えますが、区長の見解をお伺いいたします。  以上で質問を終わります。御清聴ありがとうございました。   〔区長(武井雅昭君)登壇〕 ○区長(武井雅昭君) ただいまの公明党議員団を代表しての杉本とよひろ議員の御質問に順次お答えいたします。  最初に、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた財政運営についてのお尋ねです。  新型コロナウイルス感染症を受け、特別区民税収入は減収となる見込みです。リーマンショック後には、三年連続となる総額約百八十億円もの減収を経験するなど、今回も深刻な影響を受けると危惧しております。  区はこれまで、計画的に積み立ててきた基金を活用し、今回の感染症の拡大防止などの緊急対策を進めてまいりました。今後も、基金や国・東京都などの財源を活用し、今回の感染症対策を最優先に、安定的な財政運営を行ってまいります。  次に、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた次期港区基本計画の策定についてのお尋ねです。  まず、策定に向けての基本姿勢についてです。今月策定した港区基本計画策定方針では、今回の感染症の区民生活への影響を踏まえ、行政サービスのオンライン化など新しい生活様式への対応や、感染症をはじめとした危機への対応強化に取り組んでいくことをお示しいたしました。特別区民税の大幅な減収が見込まれる中、優先度の高い施策に重点的な財源を配分するとともに、SDGsやSociety5・0の視点を取り入れ、新たな時代に即した計画をつくり上げてまいります。  次に、SDGsの反映についてのお尋ねです。港区基本計画策定方針では、SDGsの理念である誰一人取り残さない持続可能な社会を見据え、誰もが健康で住みやすく、安全に安心して暮らすことができる未来の街の姿を掲げております。次期港区基本計画では、区が目指す街の姿の実現に向けた施策にSDGsが掲げる目標を反映してまいります。  次に、地方創生臨時交付金の活用についてのお尋ねです。  区は、国の第一次補正予算に基づく新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金について、緊急的に実施した融資事業へ活用する予定です。今回の交付額の算定には、感染状況を踏まえた必要な財政需要ではなく、人口を基本としながらも、特別区は財政力等で減額され、区が本来必要とする額と大きく乖離した約二億四千四百万円にとどまりました。これを受け、特別区長会から国への追加の財源措置に関する緊急要望を行った結果、第二次補正予算で、国全体で二兆円の追加が実現するとともに、交付額の算定に感染状況等が反映されました。追加措置分は、区民生活や中小企業等の事業活動が一日も早く活力を取り戻すための取組に活用してまいります。  次に、行政手続のオンライン化と対面による行政サービスについてのお尋ねです。  まず、行政手続のオンライン化についてです。行政手続のオンライン化に関しては、現状を根本から見直し、手続の廃止・統合や様式等の改正、押印の廃止も含めた再構築の検討を既に開始しております。  国の規制改革推進会議では、本年六月二十二日に行政手続完全オンライン化を提言しており、区においても申請や届出のオンライン化を原則とし、いつでもどこでも行政手続をすることができる環境を順次整備してまいります。また、区への支払いは、今年度からキャッシュレスへと順次転換してまいります。  次に、対面による行政サービスについてのお尋ねです。区民が抱える課題が複雑化していく中で、八〇五〇問題やダブルケア等の複合的な問題を抱える世帯からの相談の増加が見込まれます。個別の事情や特性に応じて、相談者本人または世帯の抱える悩みの本質をしっかりと捉える必要があることから、区民の声を直接聴き、対話により理解することは、欠かすことができないものと考えております。  行政サービスのオンライン化を進めるに当たっては、対面の重要性を踏まえ、オンラインによる相談と対面による相談を状況や事情に応じて選択できるよう、感染防止の工夫を施した相談室等を順次整備してまいります。  次に、テレワークの推進についてのお尋ねです。  区は、昨年度から職員のテレワーク体験などを基に仕組みを構築いたしました。今回の緊急事態宣言下においても、こうした経験を生かし、一日につき二割程度の職員がテレワークを実施いたしました。テレワークは、災害時等の出勤抑制や、業務継続性の確保、育児や介護と仕事との両立の一助となるとともに、職員からは、通勤のストレスがなくなる、集中して精度の高い業務が行えたなどの声が上がっております。区は今後も、新たな働き方としてのテレワークが定着するよう取り組んでまいります。  次に、「新しい日常」での避難所の体制とその対応についてのお尋ねです。  まず、避難所の拡大についてです。区では、避難所における感染リスクを減らすため、避難者同士の間隔を二メートル確保できるよう、一人当たりのスペースを拡大することとし、各避難所において使用を想定していないスペースの最大限の活用を図りながら、収容人数の見直しを進めています。また、収容人数の見直しに伴い、新たな避難所を確保する必要があることから、東京都と都立施設の活用について調整し、区内ホテルとは客室の借り上げについて協議を行っております。  次に、避難場所の情報提供についてのお尋ねです。区は、災害の危険が迫り、避難所を開設する際には、区ホームページのほか、防災情報メールやSNSを活用し、区民への情報提供を行っております。今後は、新型コロナウイルス感染症の感染予防の観点から、特定の避難所に避難者が集中し、密な状態となることを避けるため、避難所ごとの避難者数の状況等を的確に伝え、避難者が混乱なく避難できる仕組みを検討してまいります。  また、自宅に大きな被害や危険がない場合には、感染予防の観点からも在宅避難が有効であることについても啓発してまいります。  次に、避難所体制に対する住民の意識醸成についてのお尋ねです。区は、新型コロナウイルス感染症の感染予防の観点から、避難者の体調管理や体調不良者のための個室の確保など、地域防災協議会と連携しながら避難所運営マニュアルの見直しを進め、マニュアルに沿って円滑に避難所を運営できるよう取り組んでまいります。  また、今後の避難所では、感染予防のためのマスクや体温計等の持参が必要となるなど、新たな避難所のイメージを持っていただけるよう、町会・自治会をはじめとする地域の皆さんに対しても、広報みなとや区ホームページのほか、地域の会合等の様々な機会を活用し、周知・啓発してまいります。  次に、自治体や民間団体等との協働による全国連携の推進強化についてのお尋ねです。  区は、今年三月に、地域の実情を知り、活性化の担い手として活動する全国の信用金庫のネットワークを生かした全国連携の取組を創出するため、よい仕事おこしフェア実行委員会との連携協定を締結いたしました。  また、本年四月には、地震、風水害対策等の政策課題の解決や協力体制を拡充するため、新たに福島県いわき市と職員の相互交流を開始しました。引き続き、職員や住民同士の交流を深めるとともに、ICT等の技術、知見を持つ民間との協働による人材交流など、新しい生活様式を踏まえた全国連携を推進し、さらなる地域の課題解決や活性化につなげてまいります。  次に、オンラインやロボットを活用した新たな障害者支援と事業所支援の在り方についてのお尋ねです。  事業所のオンライン化は通所を前提とせずに、非常事態にあっても安定して事業を継続できる可能性があります。また、在宅障害者、区及び事業者がネットワークでつながることは、新たな生活様式の実現だけでなく、障害者の活動の幅を広げ、事業所にとっても支援手段の多様化が期待できます。区は、オンライン化に向けて、障害者や事業者のICT環境の実態調査を行うなど、環境整備の準備を進めてまいります。  次に、新型コロナウイルス感染症における医療提供体制強化と検査の拡充についてのお尋ねです。  まず、見えてきた課題と保健所や医療提供体制の強化です。第一波の対応では、みなと保健所の職員体制の確保と医療機関での検査、病床の確保が課題でした。区では、みなと保健所の感染症部門に百人規模の職員を配置し、相談、PCR検査、搬送等の業務に当たるとともに、区内医療機関や東京都と連携協力し、外来や病床等の拡大等を実施してまいりました。第一波の経験を生かし、第二波に向けて、病床の維持などの医療連携体制や職員の再配置計画などのみなと保健所の体制強化を現在進めております。  次に、PCR検査や抗原検査の検査体制の強化についてのお尋ねです。区では、区内の帰国者・接触者外来等の医療機関と連携し、感染が疑われる方に対してPCR検査や抗原検査が迅速に実施できる体制を整えてまいりました。  みなと保健所の検査体制は、東京都や民間検査機関を活用するほか、みなと保健所内でもPCR検査を実施するなど、検査数の拡充に対応しております。また、六月中旬から新たに唾液によるPCR検査も開始し、集団発生時や緊急時にも迅速に対応できる体制を整備しております。  次に、抗体検査の有用性についてのお尋ねです。抗体検査は、診断目的ではなく、過去の感染状況を調べ、集団における抗体の保有状況を把握し、流行を予測するために用いられるものです。そのため、国や都道府県といった広域での実施が有効です。  また、現在新型コロナウイルス感染症に適用できる抗体検査キットは様々な種類のものがありますが、精度に課題があります。現時点において、区で検査を実施する予定はありませんが、国の抗体検査についての検証の動向に注視し、適切に対応してまいります。  次に、新しい生活様式を踏まえた飲食店の衛生管理に対する区の取組についてのお尋ねです。  区は、飲食店へ新しい生活様式を周知・啓発するため、飲食店での新型コロナウイルス感染症防止の取組事例等を記載したチラシを作成し、みなと保健所の窓口や飲食店の現地調査の際に配布しております。また、来年六月から義務化されるHACCPによる衛生管理は、これまでも食品衛生講習会で説明を行うとともに、飲食店へ個別に助言し導入を支援してまいりました。今後もHACCPの取組への理解を進めるとともに、新しい生活様式を定着させるため、手洗いの徹底等の感染拡大防止対策に取り組むよう、区内飲食店に働きかけてまいります。  次に、羽田空港新飛行ルートの固定化回避に向けた取組についてのお尋ねです。  私は、先月二十九日、国土交通大臣に対し、区民への丁寧な説明や新ルートに限らず飛行経路に係る様々な運用を検討すること等、十分な対応を行うよう強く要請いたしました。国は、こうした要請や区民の騒音等に対する不安の声等を真摯に受け止め、新ルートの固定化回避に向けた検討会を設置する見解を示したものと考えております。区は、引き続き、区民の騒音や落下物に対する不安の声や、区が独自に行っている騒音測定の結果を国に示し、飛行経路の様々な運用等の検討等に活用するよう国に強く求めてまいります。  次に、文化芸術活動への支援策についてのお尋ねです。  区は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、活動機会が減少した文化芸術団体や企業を対象に、事業の企画・制作や動画配信をはじめとした感染症拡大防止対策等に要する経費を補助することを検討しております。検討に当たりましては、柔軟な発想や専門性を持つ公益財団法人港区スポーツふれあい文化健康財団と協議を進めてまいります。  最後に、東京都等との連携によるハクビシン等対策についてのお尋ねです。  区は、東京都が策定した、東京都アライグマ・ハクビシン防除実施計画を踏まえ、令和元年度から被害に関する相談に加えて、捕獲処分等を行っております。昨年度は、東京都主催の情報連絡会や近隣五区による意見交換会に参加し、効果的な捕獲方法など、事業の取組状況について情報交換を行いました。今後も東京都や近隣自治体と連携を深め、区民の不安解消のため、ハクビシン等対策に積極的に取り組んでまいります。  よろしく御理解のほどお願いいたします。  教育に係わる問題については、教育長から答弁いたします。   〔教育長(青木康平君)登壇〕 ○教育長(青木康平君) ただいまの公明党議員団を代表しての杉本とよひろ議員の御質問に順次お答えいたします。  最初に、学校での感染症対策の充実についてのお尋ねです。  各学校には、国や東京都の補助金を活用し、飛沫飛散防止パネルの設置や消毒剤、非接触型体温計等を配布したほか、七月には、登校時等に発熱の有無を自動感知できるサーモグラフィも設置いたします。  また、学校等での感染者の発生を早期に把握し、みなと保健所や学校医等と情報共有できるシステムの導入や、手指からの感染を防止するための医療用手袋の配備のほか、自動水栓の設置をする等、様々な感染症対策の拡充を行ってまいります。  次に、今後の教育活動についてのお尋ねです。  まず、学校の新しい生活様式を踏まえた今後の教育活動についてです。教育委員会では、七月一日からの通常登園、通常登校に向けて、港区独自の新型コロナウイルス感染症に対応した学校運営に関するガイドラインを新たに策定し、感染防止に配慮した教育活動を行うことといたしました。  ガイドラインでは、具体的には、音楽の授業では歌唱や管楽器を用いる活動は十分に身体的距離を確保することや、保護者会を開催する場合はオンラインによる配信も検討するなどの生活上の留意点を示しております。今後は、感染症防止を図りつつ学びを保障するため、港区独自の学校運営に関するガイドラインを踏まえながら教育活動を進めてまいります。  次に、タブレット端末の活用に当たっての教員の指導力向上と人的体制強化についてのお尋ねです。教育委員会では今年度、教員を対象として、タブレット端末の各教科での具体的な活用方法や、新型コロナウイルス感染症の第二波に備えたオンライン学習の進め方等について研修を行う予定です。  また、本年十月からICT支援員を各学校に毎週配置し、教員とICT支援員による指導体制を一層強化いたします。今後、さらに、教員のICTを活用した指導力の向上を図り、豊かな学びを実現することで、児童・生徒にこれからの時代を生き抜く力を育んでまいります。  最後に、情報モラル教育の充実と有害情報対策についてのお尋ねです。各小・中学校では、これまでセーフティ教室でのSNSトラブルの防止に関する学習や、学校独自に作成したSNSルールを通して、情報モラルの向上を図ってまいりました。  教育委員会では、タブレット端末の配布を予定している本年十月以降に、区立小・中学校の全ての児童・生徒を対象として、情報モラルについて高い専門性を持つ講師による授業を実施する予定です。具体的には、タブレット端末を利用する際のルールやマナーについて学習することはもとより、インターネット上で実際に起きた様々なトラブルの動画を見て、疑似体験する中で、情報の正しい扱い方を学ぶことで、児童・生徒の有害情報に対する意識を啓発してまいります。  よろしく御理解のほどお願いいたします。 ○議長(二島豊司君) 議事の運営上、暫時休憩いたします。                                        午後五時十一分休憩                                        午後五時三十分再開 ○議長(二島豊司君) 休憩前に引き続き、会議を再開いたします。  一般質問を続けます。次に、二十六番榎本茂議員。   〔二十六番(榎本 茂君)登壇、拍手〕 ○二十六番(榎本茂君) 発言に先立ちまして、新型コロナウイルス感染症によってお亡くなりになられました方々の御冥福をお祈りいたしますとともに、その御家族と感染された全ての皆様にお見舞い申し上げます。  また、医療現場などで日々、自らの感染リスクと向き合いながら奮闘されている全ての方々に深く感謝申し上げます。
     令和二年第二回港区議会定例会におきまして、都民ファーストと日本維新の会を代表して、武井区長並びに青木教育長に質問させていただきます。  令和二年の元旦には、世界の誰もが想像し得なかった暗雲が、瞬く間に世界を覆ってしまいました。AFPが各国当局の発表に基づき日本時間十九日午前四時にまとめた統計によると、世界の新型コロナウイルスによる死者数は四十五万三百八十六人に達し、米国の新型コロナウイルスによる死者数は計十一万八千五十七人を超え、第一次世界大戦における同国の死者数を上回ったそうです。  僅か数か月の間に世界は激変してしまいました。人と人が集うことの形が変わり、国と国との関係も変わろうとしています。人との距離を保つ新たな生活様式が取り入れられ、人々の価値観すら変わってしまいました。まさに時代の大転換期に立っていることを実感し、その時代に政治の舞台の一員であることの責務の重圧を感じています。  先日、武井区長が港区政初となる五期目の当選を果たされました。おめでとうございます。  都民ファーストと日本維新の会は、今回の選挙では区長と政策協定を結ばせていただき、共に選挙を戦わせていただきましたが、今、時代の大転換期を迎え、新たな時代の秩序を再構成する必要に迫られる中、国家権力におもねることなく、既得権益にとらわれることのない強い意志と区民ファーストの視点に立ち、港区民の生活を支えるための様々な施策を共に行っていきたいと思っております。よろしくお願いいたします。  日本は、結果を見れば、新型コロナ対策において、G7で最も成功した国と言われておりますが、昨日には東京都で緊急事態宣言以来最大の五十五人という新たな感染者が確認されるなど、いまだ収束というには遠い状態です。  一方、隣国の台湾は日本が見習うべき、世界で最も対策に成功した国の一つです。死者数はいまだ七名のみ、国内感染者は、四月の中旬から二か月以上ゼロが続いています。台湾は中国と地理学的に近く、経済的往来が多いにもかかわらず、ウイルスの流入を防ぐことに成功したということは驚くべきことです。しかも、一度もロックダウンせず、学校も平常どおり、社会全般も一部の自粛や営業停止、入場規制の措置を取りつつも、ほぼ不自由なく国民が過ごせる政策を続けてきました。日本と同じ島国であり、同じ価値観を持つ民主主義国家であり、中国に気を遣わなければならないという共通の項目の多い台湾の政策は、日本の参考になる点が多いと思います。  本日六月二十五日で、新型コロナウイルス感染拡大に伴う政府の緊急事態宣言が全面解除されて、ちょうど一か月になります。この間、全国の新規感染者数は千三百九十七人で、半数以上に当たる七百四十八人が東京都で占めています。昨日は新たに五十五人の感染者が確認されました。今、多くの学者が感染第二波、第三波に対する警鐘を鳴らしています。過去スペイン風邪の感染第二波は、致死率が十倍になったということです。  六月十六日、厚生労働省は、新型コロナウイルスへの感染歴を調べる抗体検査の結果、陽性率が東京〇・一%、大阪〇・一七%であったと発表しました。つまり、この検査により、いまだ日本人は集団免疫を得たわけではなく、多くの人が抗体を持っていない可能性が高いと考えられることから、今後、感染第二波に向けた対策が急がれます。  我々は、二か月以上コロナウイルス新規感染者ゼロという世界で最も対策に成功した隣国、台湾に学ばなければなりません。しかし、この台湾の新型コロナウイルスに対する対策は何ら特別なものではなく、当たり前のことばかりです。感染源の流入を止める。入ってきたら隔離する。予防のためにマスクを着用し、ソーシャルディスタンスを保ち、消毒する。それを迅速に、そして徹底かつ的確に行うために、国民に周知して理解と協力を得る。ただこれだけのことです。ただこれだけのことが実は難しい。ここに彼らのノウハウがあります。  台湾と日本の一番の違いは、国の危機に対する警戒意識の違いに尽きると思います。台湾は、中国で発生したコロナウイルスの感染を十二月から注視し、一月二十日には対策本部を立ち上げて検疫体制をつくり、国民はマスクの着用を始めました。WHOが緊急事態宣言を出したのは一月三十一日です。この数週間の差がその後の死者数の差となって現れます。台湾は感染源の流入を止めるために、一月二十三日から段階的に渡航制限を行い、二月六日には全ての中国人の入国を禁止しました。これは世界で最も早い対応でした。  一方、日本が全ての中国人の入国を禁止したのは、台湾より二か月も遅い四月七日になってからです。日本国民が長期の自粛によって経済的に大きな痛手を被ったのは、国が初期の対応において、厳格かつ迅速な対応が取れなかったことに尽きます。中国に対する忖度、配慮が、渡航制限に至る二か月のちゅうちょを生み、現在の日本の苦しみを生んだと言っても過言ではないと思います。  中国は、台湾は中国の不可分の領土であり、核心的利益であると主張して、台湾に対する主権を主張し、世界中に一つの中国の原則を守るように強いてきました。中国に配慮する国は、台湾を国として扱ってこなかった。日本も同じです。みんなでいじめに加わっていた。  WHOは台湾の加盟を認めないだけでなく、五月十八日の総会へのオブザーバー参加も認めませんでした。日本政府は中国に配慮し、厚労省やNHKの新型コロナウイルスに関する特設サイトで、中国の地図や感染者数のカテゴリーにおいて、台湾を中国に含む扱いをしていました。自国で発生した新型コロナウイルスを情報隠蔽によって世界にばらまく結果を生んだ国と、対策に成功した手本とすべき国を同じに扱い、数字を合算した。台湾の実情を知らない日本人は、台湾が新型コロナウイルス発生国と同じ国であると誤解してしまいかねない扱いです。  厚労省が出入国管理局に出した協力要請の通知も同様で、台湾人は中国人と同列に扱われ、検疫対象者とされました。  港区は、区民の誰もがマスクを買えず困っていた一月三十一日に、中国に対しマスク五万枚を寄附しました。その時点で我々よりも悲惨な状況であった中国に港区は手を差し伸べた。この判断は賛同いたします。理解できます。マスクの大半を輸入に頼っていた日本に対し、中国は製造したマスクの輸出を禁止していたにもかかわらずです。  中国の国内感染が収束に向かった五月に入ってからマスクが輸出されるようになり、コンビニで誰もがマスクを買えるようになった五月二十七日に、中国は港区に対しマスク五万枚を寄附してくださいました。港区は中国に対して感謝状を差し上げ、区長と大使館員との写真がメディアに配信されました。一月に五万枚を差し上げ、五月に五万枚を返していただいた。数か月にわたりマスク不足に悩んでいた多くの区民は複雑な気持ちだったと思います。  マスクは一般企業からも寄附がありました。区民がマスクを欲していた四月に、株式会社スリーピースと一般社団法人東京港運協会からそれぞれ一万枚寄附されたことがプレスリリースされ、区のホームページに記載されています。しかし、同じく一万枚を寄贈していただきながら、港区がプレス発表していない寄附がありました。それが台湾です。港区は台湾へ一枚もマスクを提供していませんが、台湾からは五月十五日に一万枚のマスクを寄附していただいていた。感謝状は贈ったそうですが、ホームページに台湾からマスクが寄附されたとの記載は一行も見当たりませんでした。なぜでしょうか。  中国と同等に扱うのであれば、中国と同じように区長との写真をプレス発表すべきです。台湾が遠慮されてお断りになったとしても、ホームページに掲載をすべきだと思います。発信しなければ、区民は寄附していただいたことを知ることもできないし、感謝することもできない。私は悲しいのです。  コロナ対策において世界で最も成功したのに、WHOの会議に参加できない国、台湾。コロナ対策において世界で最も成功したのに、厚生労働省やNHKに中国と同じカテゴリーとして合算され一体的に扱われてきた国、台湾。国内感染者数が極めて低いにもかかわらず、出入国時に中国と同様の検疫対象として扱われてきた国、台湾。タイやベトナムなど四か国に対して出入国制限が緩和されることになったが、それらの国と同等かそれ以上の感染者数が二か月以上ゼロであるにもかかわらず、入国制限緩和対象にならなかった国、台湾。国民の六割が最も好きな国が日本だと答える国、台湾。港区にマスク一万枚寄附しても、港区にはプレス発表してもらえない国、台湾。  政府は新型コロナウイルスの水際対策、出入国制限に対し、タイ、ベトナム、オーストラリア、ニュージーランドの四か国を今月中に緩和する方向で調整を始めたとのことですが、二か月以上国内感染者のいない台湾の名はそこにはありません。昨年の一年間で台湾から四百八十九万人もの方が来日しています。台湾は日本の観光産業を支える極めて重要な国です。  港区の竹芝桟橋から三十年以上にわたって東京港のクルーズ船として区民に親しまれていたレストランクルーズ船ヴァンテアンが、新型コロナウイルスによる経営悪化を受けて、今月をもって事業撤退することになりました。港区で営業している多くの屋形船も二月から顧客ゼロが続いているそうです。ホテルもがらがらで、恐ろしいほどに人がいません。今、港区の観光産業は瀕死の状態です。  台湾大使館に当たる台北経済文化代表処台湾文化センターは港区にあります。我々基礎自治体は外交を扱う政府とは違い、中国に配慮する必要はありません。ぜひとも区長におかれましては、政府に対して感染者ゼロを二か月以上続けている台湾を入国制限緩和国に加えるよう、強く国に求めていただきたいとお願いします。これは観光産業全体の切実なる要望であり、同じ価値観を有する隣国に対する現在の政府並びに行政対応に不満を持つ一日本人としてのお願いです。  今後の台湾への対応について、区長のお考えを伺わせてください。  次に、新型コロナウイルス感染症を踏まえた、発災時の対応について質問します。  今朝四時四十七分頃、千葉県で発生した震度五弱の地震の余波で私のマンションも大きく揺れました。首都圏を襲う大地震はいつ発生してもおかしくありません。避難所はふだんより三密の状態に近く、衛生状態も悪くなりやすいところです。  二〇一六年四月に発生した熊本地震において開設された避難所では、インフルエンザやノロウイルスなどによる集団感染が発生したそうです。今後、避難所のキャパシティを大幅に制限することは不可避であり、防災計画全体の抜本的な見直しをも避けられないと考えます。  私は以前より、地域に本来あるものを地域資源と定義し、その地域資源を震災時等に再分配する仕組みについて提案し続けてきました。いま一度提案させていただきます。  第一に、区民の在宅避難に対する支援についてです。九割以上の区民がマンションに住む港区において、避難所に避難することなく自宅で過ごす在宅避難の必要性は、より重要となりました。港区は、区内の六階以上かつ五十戸以上の共同住宅、いわゆる高層住宅は約七百棟に上り、区民の大半となる約十万世帯が居住しています。そして高層住宅は、大地震の発生時に倒壊のおそれがほとんどないため、避難所に行かずに自宅で生活を続ける在宅避難を原則としています。区では、この在宅避難の日数を七日と想定しており、この七日の論拠は停電する日数です。七日間の停電は荒唐無稽の話ではありません。  経済産業省の電気設備自然災害等対策ワーキンググループの報告書によると、発災後、震度六弱以上のエリアにおける火力発電所はほぼ停止するとの記載があります。つまり、東京に電力を送電している東京湾岸の十一の火力発電所は同時被災するため、東京が震度六弱以上の地震に見舞われた場合、火力発電所のほぼ全てがその活動を停止する可能性が高いということです。  そして、火力発電所の多くが発電を停止した場合、需給バランスが不安定になることから、広域的に停電が発生すると書かれています。これは北海道で発生したブラックアウトのメカニズムと同じです。そして、「需給バランス等に起因した停電は、供給ネットワークの切替え等により順次解消されるが、一週間後においても停止した火力発電所の運転再開は限定的である」と記載があります。つまり、震災の想定において、一週間程度の停電は想定しておかなければならないということです。  今、災害拠点病院や区の施設の非常用発電機燃料の備蓄は三日分ですが、大幅に足りない状況に陥ることを想定しなければいけません。石油基地からタンクローリーで燃料が輸送されることを期待してはいけません。北海道のブラックアウトの検証で、停電により信号機が停止した場合、交通事故が多発したことから、タンクローリーを運用している会社が、停電時の燃料輸送は行えないとNHKのインタビューで答えています。  今、区では六階以上かつ二十戸以上の高層住宅住民に対して、七日間の在宅避難計画の策定をお願いしていますが、想定される停電が発生した場合、マンションでは何が起きるのでしょうか。まず、火災報知器が作動しません。低層階で火災が発生しても、上層階の人が知ることはできません。避難が遅れます。さらに、消火のためのスプリンクラーや消火用水をくみ上げるブースターポンプが作動しないため、上層階での消火活動はできません。高層住宅の非常階段は内階段になっているところが多く、停電すると真っ暗闇になります。真っ暗闇の階段を何十階も降りていく途中で、階段に座り込んで休んでいる人がいたとすると、つまずいて将棋倒しが発生して、狭い非常階段の中で圧死事故が多発するのではないかと懸念しております。  住民に危険や、食料や水の分配などを館内放送でお知らせすることもできません。電気が途絶えた大規模マンションで一週間以上も部屋にとどまることを求めることは無理があるのです。幾らパンフレットを配っても、専門家を派遣しても、電気がないマンションで一週間も暮らすことは無理があります。危険なのです。  しかし、逆を言えば、電気さえあれば、在宅避難は現実的となる。六階以上かつ二十戸以上の高層住宅の多くには、消防法で義務づけられた非常用発電機があります。しかし、消防法で備蓄燃料が厳しく規制されており、多くの場合、数時間しか発電できません。七日には遠く及ばない。非常用発電機に使用できる燃料は軽油とA重油の二種類、これは船舶燃料と同じで、東京港には大量に流通しています。これは港の区、港区の地域資源です。  私は二〇一一年、一般社団法人湾岸防災ネットワークという団体を立ち上げ、東京港の船舶燃料を高層マンションに分配するという仕組みをつくりました。そして今現在、一万千六百三十戸が加盟する防災組織になりました。区が船舶燃料の分配に取り組むと言うなら、いつでも解散し、区に委ねるつもりです。  港区は、東京港の船舶燃料を非常用発電機燃料として再分配することを真剣に検討すべきです。東京港には年間二万隻もの貨物船が来航し、それらの船に給油するために莫大な軽油とA重油が海上に浮かんでいる。陸上に備蓄する必要はないのです。目の前に浮かんでいるものを震災時に活用するだけです。この流通備蓄燃料を高層住宅や病院、災害拠点となる区有施設で活用することは理にかなっています。  港区の沿岸にたくさん係留されている全長二十メートルにも満たない小型の燃料タンカーですら一隻で八十キロリットル、大型ガソリンスタンド四件分もの燃料を搭載しています。タンクローリーなど比較にならない莫大な量です。  海上には消防法が適用されません。だから燃料の量的規制もないし、移動に関する制約もない。船は揺れに強く移動もできる。平時に使用している燃料の流通備蓄は長期保管による品質劣化のリスクもない。ぜひとも東京港の船舶燃料を非常用発電機燃料として活用する方法について検討を開始してください。回答を望みます。  次に、食料支援についてです。震災時において、品川駅の帰宅困難者は最大で十五万人にも達する可能性があると言われています。この莫大な人に対する食料の備蓄は港区にはありませんし、そもそも備蓄することは不可能です。品川駅の前には、東京都中央卸売市場食肉市場があります。これも港区の地域資源です。ここは日本最大の食肉市場で、毎日千頭の牛やたくさんの豚や鶏が運ばれてきて、肉に加工され、市場で競りにかけられ販売されています。牛肉だけで毎日四百トンの肉が冷蔵庫に保管され、競りにかけられるそうです。  今年の一月、東京都の担当部局に紹介していただき、停電時における肉の扱いについて東京都中央卸売市場食肉市場に伺いヒアリングしてきました。何と停電対策は全くしていないそうです。冷蔵庫を維持する莫大な電力を非常用発電機で賄うことは現実的ではないからだそうです。そして、万が一停電したら、僅か数時間で全ての肉は食品衛生法において販売できないものとなってしまうそうです。その被害総額は最低でも二十億円以上と伺いました。  法律で販売できなくとも、保冷さえできれば肉は数日食べることができます。十五万人の帰宅困難者と区民がおなかをすかしている。目の前には腐るのを待つだけの四百トン以上の莫大な量の新鮮な肉。この肉を港区の地域資源として考えるのであれば、震災時に焼いて食べることを検討してみませんか。  毎年、小学校の防災訓練で肉を焼いて食べる、そのスキルを磨く。芝浦に本社のあるアウトドア用品の世界的なメーカーコールマンジャパン株式会社からは、保冷や肉を焼く道具について協力したいとの申出も頂いております。きっと防災訓練に人が集まり過ぎて、整理券を配る必要が発生するのではないかと私は思っております。  東京都中央卸売市場食肉市場と防災協定を結び、肉を震災時に活用することについて、区長の意見を伺わせてください。  次に、帰宅困難者の帰宅促進計画について伺います。防災計画は発災の日時の想定によって大きく変わります。日曜日の夜の発災と、平日の日中の発災では、発生する帰宅困難者数は十万人単位で変わります。最悪を想定して、十万人単位の帰宅困難者に対する帰宅抑制政策を取れば、十万人単位の宿泊施設と食料などを用意しなくてはなりません。これは非現実的です。帰宅困難者の多くは、神奈川県、埼玉県、千葉県への帰宅が困難な人たちです。帰宅抑制ではなく、帰宅促進を検討してみてはいかがでしょうか。  一九八六年十一月、伊豆大島の三原山の大噴火に際し、島民一万人が避難したという話があります。全くマニュアルもなく、全島民避難は検討すらしたことがないのに、一万人を僅か十三時間で避難を完了させることができました。これができたのは船があったからです。この伊豆大島三原山の大噴火の避難に使われた船は、港区の竹芝から出ている客船やお台場に停泊している海上保安庁の船、あとは芝浦や金杉橋に停泊しているような漁船です。大島だと往復するのに時間がかかり過ぎますが、港区から近隣の港へなら何便ものピストン輸送が可能です。一日で十万人を輸送することも非現実的な話ではありません。  港区に常時係留されている船は、港の区、港区の帰宅困難者対策において強力な地域資源です。新橋、浜松町、田町、高輪ゲートウェイ、品川という駅で帰宅できずに滞留する人たちを船で川崎、横浜、船橋、千葉、荒川を上って埼玉県の国交省が設置した防災桟橋まで輸送することをぜひとも検討していただきたいのです。以前より再三にわたり要望しております港南地区の桟橋設置と併せて御意見を伺わせてください。  次に、三歳児健康診査について質問します。  新型コロナウイルス感染症による自粛によって、保健所で実施する三歳児健康診査が中止されています。この三歳児健康診査の重要性については、何度も議会で取り上げさせていただいておりますが、今の状況は、弱視の危険因子を持つ子どもたちの早期発見の機会など、子どもの一生を左右する機会を逸してしまう、極めて危険な状況にあると考えております。  三歳児健康診査が行われていない今の状況につきまして、今後の対応、計画をお聞かせください。  また、保護者からヒアリングを含め、全ての検査を一度に行うことのメリットは承知しておりますが、密閉・密集・密接した環境を避けるため、各保育園や児童館など多様な施設で健診項目を分けて、少しでも進めるべきではないかと考えます。区長のお考えを伺わせてください。  最後に、オンライン授業について伺います。  四月の新学期が始まっても、長い間、学校に通えない日が続き、子どもの生活のリズムは大きく崩れてしまいました。今月に入り、隔日での登校が始まり、少し胸をなで下ろしているところではありますが、学校になじめない子どもが増えたのではないかと心配しているところです。  港区は、新型コロナウイルス感染症による自粛対策として、タブレット端末の全児童・生徒に対する導入を決めるなど、オンライン授業に取り組むことになりましたが、不登校児童・生徒に対するオンライン授業の活用について絞り質問させていただきます。  心理的要因や学校環境になじめないなど様々な要因で長期間登校できない児童・生徒に対し、状況に応じた適切な相談及び指導・支援を行い、学校への復帰を図る取組は重要です。部屋に閉じこもり、家から出ることが心理的に困難な子どもとのパイプとして、オンライン授業は新たな対策ツールになる可能性を秘めているのではないかと思います。  港区において、不登校児童・生徒に対するオンライン授業の活用の可能性について、どのようにお考えになるか教えてください。  質問は以上です。前向きな答弁を期待しております。御清聴ありがとうございました。   〔区長(武井雅昭君)登壇〕 ○区長(武井雅昭君) ただいまの都民ファーストと日本維新の会を代表しての榎本茂議員の御質問に順次お答えいたします。  最初に、台湾との国際交流についてのお尋ねです。  区はこれまで、区内大使館等と深く友好関係を築きながら、それぞれの国や地域との交流を進めてまいりました。区内にある台北駐日経済文化代表処台湾文化センターとは、台湾の文化や観光地を紹介する写真展や港区文化プログラム連携事業などで交流を深めております。引き続き、様々な事業を通じて、国際交流を推進してまいります。  次に、防災対策についてのお尋ねです。  まず、船舶燃料の非常用発電機燃料としての活用についてです。非常用発電機燃料の安定供給に向けた東京港の船舶燃料の活用については、東京都や消防、海上保安庁等の関係機関から関係法令による規制も含めた情報収集を行い、調査、研究してまいります。  次に、東京都中央卸売市場食肉市場と防災協定を結ぶことについてのお尋ねです。東京都は、各卸売市場において生鮮食品等を扱う事業者と協定を締結し、災害時に生鮮食品等を優先的に調達することとしております。しかし、食肉については、衛生管理の観点等から、現時点で協定を締結していないと聞いております。今後、災害時において市場に保管されている食肉の活用の可能性について、東京都と意見交換をしてまいります。  次に、帰宅困難者の船舶輸送及び港南地区の桟橋の必要性についてのお尋ねです。船舶を活用した他県居住者を含む帰宅困難者の搬送については、広域的な対応の検討が必要です。そのため、東京都と様々な機会を捉え、意見交換をしてまいります。  また、港南地区における桟橋の設置の必要性については、今後も引き続き東京都に要望してまいります。  最後に、三歳児健診の実施についてのお尋ねです。  区は、三歳児健診を七月から再開いたします。子どもの体や家族の状況等を総合的に評価することから、検診項目を一体的に実施する必要があります。そのため、分散実施は考えておりませんが、再開に当たり三密な環境を避けるため、完全予約制にするとともに、実施回数を月三回から月四回に増やします。  また、みなと母子手帳アプリによるオンライン予約を導入し、利便性の向上を図ります。さらに、検診当日は、検温や手洗いの徹底、定期的な換気等の対策を講じます。  よろしく御理解のほどお願いいたします。  教育に係わる問題については、教育長から答弁いたします。   〔教育長(青木康平君)登壇〕 ○教育長(青木康平君) ただいまの都民ファーストと日本維新の会を代表しての榎本茂議員の御質問にお答えいたします。  不登校児童・生徒に対するオンライン授業についてのお尋ねです。  現在、教育委員会では、児童・生徒が自宅で学校とつながる双方向会議システムを使ったオンライン授業の準備を進めております。この双方向会議システムの活用により、担任教員と不登校児童・生徒がオンライン上で互いの表情を確認しながら面談することができるようになります。  また、授業動画を自宅で見たり、インターネットを経由して課題を提出したりするなど、同級生と同じ内容を学ぶことができるようになります。今後も、集団の中で学びづらさを感じる児童・生徒に対し、自宅にいながら学習できるオンライン授業について幅広く検討し、実践してまいります。  よろしく御理解のほどお願いいたします。 ○議長(二島豊司君) 次に、八番福島宏子議員。   〔八番(福島宏子君)登壇、拍手〕 ○八番(福島宏子君) 二〇二〇年第二回港区議会定例会に当たり、日本共産党港区議員団を代表して、区長並びに教育長に質問いたします。  質問に先立ち、新型コロナウイルス感染症によって亡くなられた方々にお悔やみを申し上げるとともに、今も療養されている方々の早期の回復を願うものです。  また、医療従事者をはじめ、保育や介護、障害者施設、スーパーマーケットなど、感染リスクを負いながらも人々の命と暮らしを守るために奮闘されている皆様に心からの敬意を申し上げます。  六月七日に行われた港区長選挙で、私たち共産党議員団は、港民主区政をつくる会から立候補した大滝実前区議会議員を推薦し、四つの区政転換・改革プランを提案し奮闘しましたが、残念ながら及びませんでした。結果は、武井区長が五期目の当選となりました。得票率を見ると、前回と比べてマイナス一一・四四%となり、絶対得票率は一八・六八%でした。この結果を真摯に受け止め、今後、区民一人一人が大切にされる区政運営に当たっていただくことを望みます。  私たちは、掲げた区政転換の四つのプラン実現のため全力を尽くします。また、十八日から始まった東京都知事選挙では市民と野党の代表、人権弁護士の宇都宮健児さんの勝利へ奮闘します。  質問に入ります。  初めに、「新型コロナウイルスから区民の命と暮らし、営業を守る区政」への転換についてです。  新型コロナ・パンデミックは、貧富の格差の拡大、地球的規模での環境破壊という資本主義の存続そのものが問われる大問題を明らかにしました。感染症による犠牲は、富めるものと貧しいものに平等に襲いかかっているのではありません。  学校等の休業、緊急事態宣言、ステイホーム、東京アラートと、国や東京都の後手後手の対応と聞き慣れない言葉に人々は翻弄され続けています。外出自粛で話し相手のいない高齢者、友達とも会えない、外遊びもままならない子どもたち、一方通行のオンライン授業、それもできない環境の子ども、いつどこで感染するか分からない恐怖、辛抱するのも限界です。  政府は、「自粛と補償はセットで」の声に応えることなく、アベノマスクには四百六十六億円を費やし、不良品の検品に八億円がかかり、受注業者の決定プロセスの不透明さが問題になりました。持続化給付金は委託費七百六十九億円で、ほぼ実体のない一般社団法人サービスデザイン推進協議会に委託し、その後大手電通に再委託、またそこから再々委託と、国全体が大変な時期に国民の税金を私物化し、もうけを得ようとする。おぞましい限りです。  港区のこれまでの補正予算は総額約三百八十七億円ですが、区独自の支援は三分の一弱にすぎません。財政豊かな港区において独自の給付金支援には至らず残念なことです。  この間、共産党議員団として百五十を超える要望を区議会事務局を通じて提出してきました。真摯な対応を求めるとともに、緊急かつ重要な問題のみ提案します。  一、第二波、第三波の感染拡大が予測される中、諸外国と比べ日本の検査数の遅れは大問題です。日本医師会の会長は、毎日新聞の五月二十七日付夕刊のインタビューで、「今のうちに次の波に備え、PCR検査体制をつくっておくことが重要」と指摘しました。港区は人口比での感染者数が二十三区で第二位です。区民と接触の多い学校職員、保育園職員、特別養護老人ホームをはじめ介護施設、障害者施設の職員は、港区の責任でPCR検査、抗体・抗原検査等を実施すること。また、希望する妊婦のPCR検査は公費で行うこと。あわせて、希望する区民のPCR検査費用の助成を行うこと。  二、品川区では、(仮称)しながわ活力応援給付金を支給することを決めました。新宿区では、感染者に十万円の見舞金の支給。八王子市は、国の学生支援緊急給付金の対象から外れた学生一人十万円の学生支援特別給付金を支給します。練馬区は、緊急事態宣言の下でも運営を続けた保育園や幼稚園、介護施設、障害者施設などの職員一人につき二万円を支給し、非常勤職員も対象にします。一学期の学校給食費は徴収しないなど、全国各地で市民、区民の立場に立ち先進的な取組が進んでいます。全職員の英知を集め、他区、他市の取組を参考に、港区独自の支援金や一学期分の給食費の免除等々、さすが港区と言われるような施策、区民への支援を行うこと。  三、多くの国民と野党の要求で実現した国の家賃支援給付金と、港区が実施した店舗等賃料減額助成金交付制度の対象にならないテナントに対し、家賃助成を行うこと。  四、自粛や休業要請による在宅ワークや学校休業により、家庭での調理回数が増え、手洗いの励行で生活用水の利用が増えています。政令都市の名古屋市、大阪市、堺市の三市を含む百十一自治体が水道料金の全額免除や基本料金の免除を実施しています。東京都に水道料金の免除を行うよう要請すること。  五、国民健康保険では、条例改正により被用者が新型コロナウイルス感染症に感染または濃厚接触者となって一定の症状があり就業できなかった場合に傷病手当が支給されることになりました。同じように保険料を支払っていながら、個人事業者やフリーランスは対象外です。こんなことあってはならない、おかしいと、岐阜県飛騨市などでは独自施策で傷病手当を支給します。港区でも個人事業者やフリーランスに傷病手当金を支給すること。それぞれ答弁を求めます。  次に、「低空飛行ルート撤回をキッパリと国に求める区政」への転換についてです。  三月二十九日、コロナ禍の真っただ中、新飛行ルートは運用を開始しました。東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会の延期が決まり、海外からの国際便は九〇%以上飛んでいないのが現状です。当初の目的のインバウンド四千万人など程遠い状況の中、不要不急の新ルートは必要ありません。新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、在宅ワークや自粛が要請される中で、午後三時になると轟音が鳴り響きます。航路下の区民にどれだけの苦痛を与えていることでしょう。  区長選挙の街頭演説のときにも頭上を飛行機が飛び、マイクの音もかき消されるほどでした。区長が変われば飛行機を止められるのか、新ルート撤回の区長を選びたいとたくさんの怒りの声が寄せられました。六月十二日には、港区を含む航路下の住民二十九名が新飛行ルートについて、生命や健康を脅かすおそれがあり違法だとして、国を相手取り、ルートを認めた処分の取消しを求める行政訴訟を東京地裁に起こしました。そして、市民と野党の力が政治を動かし、とうとう国土交通省はルートの見直しをする検討会を設置し、初会合を今月三十日に開くと明らかにしました。検討会は、管制システムや技術的な課題を年度内に整理した上で、新ルート直下の自治体の意見を聞くとしています。  区長がずっと言い続けている国の責任で説明をではなく、今こそ区民の命を守る立場でうるさい!危ない!低空飛行ルートはキッパリ中止・撤回を国に求めること。答弁を求めます。
     三つ目に、「開発優先の巨額の補助金支出をやめ、環境破壊にストップをかける区政」への転換についてです。コロナ後の新しい生活様式に反する都心一極集中や外国企業依存の大型開発優先の政治を根本的に見直すときです。東京都は、「新型コロナウイルス感染症の状況を踏まえた当面の都政運営について」という依命通達の中で、都民の生命・財産への直接の関連性が低い区画整理、市街地再開発事業については、速やかに休止する事業に位置付けています。安心して住み続けられる港区への区政への転換が求められます。  港区内の超高層ビルは計画中のものも含め三百四十五棟。CO2排出量は年間約三百八十万トン。地球規模で環境破壊を食い止めようとしている中で恥ずかしい限りの断トツのトップです。なぜ、次々と新しい感染症が起こるのか。利潤を追求するあまり、自然環境に人間が介入して招いた危機という点では同じ根っこを持っています。  五月二十二日に開催された東京都議会環境・建設委員会には、港区民から環状四号線の建設を中止してほしいとの陳情が出されました。高輪台遊び場や白金台三丁目遊び場、白金児童遊園が減少、あるいは取り壊されることになり、子どもや地域住民にとっての憩いの場が奪われるというものです。  一、今後予定されている約四百億円の大型開発への補助金支出をやめること。  二、環境破壊にもなる不要不急の市街地再開発は直ちに見直すこと。  三、区民の理解を得られていない環状四号線の建設はやめるよう、東京都に要請すること。それぞれ答弁を求めます。  第四は、「ジェンダー平等、人権を守る区政」への転換についてです。コロナ禍は、世界中で人権や女性・ジェンダー差別の問題をより深刻な形で浮き彫りにしています。四月の労働力調査で、非正規労働者の失業・休業が過去最大規模となりました。非正規の三人に二人を占めている女性労働者への損害は計り知れません。一律十万円給付での受給権者を世帯主とする制度設計には、権利の主体を個人で捉えず、DV・虐待被害の当事者の実情を踏まえていないとの批判が噴出しました。ジェンダー差別の構造を長年放置している安倍内閣に対する女性の支持率は、毎日新聞の世論調査では二一%と低いものです。  港区の人口の五三%は女性です。ジェンダー平等を未来の港区の中心に据え、女性の副区長を含め、女性幹部を積極的に登用すること。答弁を求めます。  (仮称)北青山三丁目地区市街地再開発事業の環境影響評価調査計画書についてです。  (仮称)北青山三丁目地区市街地再開発事業は、URが進めようとする計画で、都有地、区有地、民間用地を一体で開発するものです。そもそも今回の計画自体が成り立つためには、東京都が都営住宅跡地をURに貸し付ける必要があります。そして、港区が旧青山児童館用地を貸すことが大前提で、さらには民有地も含まれます。  都有地は東京都民の、区有地は港区民の貴重な財産です。この大切な土地を一企業がもうけのために勝手に計画すること自体、大問題です。今回の計画を見ると、地上約百八十メートルもの超高層ビルが建つというではありませんか。青山通りにこんな超高層ビルはありません。景観を破壊する、新たな風害が発生する、地球環境に多大な影響を与える、緑豊かだった団地の植栽を全てなくすことにもなる等々、許される計画ではありません。計画されるビルの延べ床面積は約十八万五千平方メートルと途方もない巨大な建物です。首都直下型地震が心配される今、広い空き地は貴重です。都有地は防災公園にすることも選択肢の一つです。  一、URに都有地の提供をしないよう東京都に要請すること。同時に東京都に計画の白紙撤回を求めること。  二、港区は、旧青山児童館跡地を売り渡さないこと。また、共同で事業を進めることは絶対にしないこと。それぞれ答弁を求めます。  次に、子どもたちの学び、心身のケア、安全を保障するためにです。  新型コロナウイルス感染症から子どもと教職員の健康と命を守り、学びの充実や安全確保に取り組むことは重要な課題です。日本共産党は六月二日に、学校再開に当たっての緊急提言を発表しました。緊急事態宣言が解除され、六月一日から学校が再開しました。学年の締めくくりと新たな学年のスタートの時期の三か月もの休校は、子どもに計り知れない影響を与えています。子どもの本音を受け止め、抱えた不安やストレスに共感しながら、心身のケアを進めていくには手間と時間が必要です。  さらに学校は、感染症対策として毎日の消毒、清掃、健康チェック等、今までにない多くの業務が生じています。日本教育学会は、潜在的な人材のプールを踏まえ、平均一校当たり小学校三人、中学校三人の教員増を提案しています。港区もこれに応えるべきです。  子どもの集う学校で感染症対策を行う重要性は言うまでもありません。新型コロナウイルス感染症対策専門家会議は、「新しい生活様式」として、身体的距離の確保を呼びかけ、人との間隔はできるだけ二メートル、最低一メートル空けることとしています。教室に四十人を詰め込んでは一メートル空けることも不可能で、大きく矛盾しています。  区立小学校では、空き教室は一つもないと聞きました。区内で四十人在籍する学級は小学校で三つ、中学校で一つ、三十五人在籍する学級は小学校で何と九十四学級にも上ります。中学校でも六学級あります。一学級四十人を想定し造られた教室に三十人、三十五人と入ってはどうしたって密になります。授業中に声を出さないということは不可能です。安心して授業が受けられるソーシャルディスタンスを取りながらの通常授業の再開が求められます。工夫だけでは密を避けることはできません。早急にプレハブ校舎の設置も含め、使える教室を増やすべきです。  例年どおりの授業をしようと、土曜授業、夏休みや学校行事の大幅削減、七時間授業などで授業を詰め込むやり方では、子どもたちの負担が過重となり、子どもの成長をゆがめ、学力格差をさらに広げることにもなりかねません。  六月十日、衆議院予算委員会の中での日本共産党志位和夫委員長の質問に対して、首相は「子どもたちの心に寄り添いながらしっかりサポートしていく」と答えています。  一、子どもへの手厚く柔軟な教育のためにも、感染症対策のためにも、学校の教職員やスタッフを思い切って増やすこと。具体的にはスクールサポートスタッフを増やし、日本教育学会の提案に応えるべく教員数を増やすこと。  二、「新しい生活様式」の中での学校の在り方として、一クラス二十人程度の小人数学級の取組を加速化させること。教育の港区となるべく、特に小学校の教室数を増やす努力を進めること。  三、教員の感染症対策として、職員室の感染防止対策をアクリル板の設置も含めて具体的に行うこと。  四、区立幼稚園、小学校、中学校の七月一日からの通常登園、登校に向けても同様に密を避け、安心できるクラス運営を徹底すること。それぞれ答弁を求めます。  困難を乗り越えた後、子どもたちに少人数学級をプレゼントしようではありませんか。  答弁によっては再質問することを申し述べて質問を終わります。ありがとうございました。   〔区長(武井雅昭君)登壇〕 ○区長(武井雅昭君) ただいまの共産党議員団を代表しての福島宏子議員の御質問に順次お答えいたします。  最初に、新型コロナウイルス感染症対策についてのお尋ねです。  まず、職員のPCR検査、抗原検査、抗体検査の実施についてです。PCR検査、抗原検査は、現在の感染の有無を判定するものであり、国において医学的に必要な人に実施することとなっております。一方で、過去の罹患の有無を判定する抗体検査は、現時点で精度が安定しないなどの課題があります。今後、区は、感染防止や区職員等の健康を守る観点から、国の動向を注視し、感染症対策の有意性を見極めながら、適切に対応してまいります。  次に、希望する妊婦のPCR検査を公費で実施することについてのお尋ねです。国は、六月十二日に可決、成立した第二次補正予算において、「新型コロナウイルス流行下における妊産婦総合対策事業」の一環として、妊婦に対する新型コロナウイルスの検査費用の補助の予算措置を行いました。  現在、東京都の関係部署において、実施方法等について検討していると聞いております。区としては、今後も引き続き、東京都の検討状況等の情報収集に努め、東京都と連携して対応してまいります。  次に、希望する区民のPCR検査費用の助成についてのお尋ねです。現在、PCR検査の公費負担の対象は、発熱やせきがあるなどの症状がある人のほか、濃厚接触者や症状の有無にかかわらず、医師が総合的に検査が必要だと判断した人です。現時点では、区は、公費負担の対象でない検査を希望する区民にPCR検査の費用を助成する予定はありませんが、今後も国の動向を注視してまいります。  次に、区独自の支援金等についてのお尋ねです。区は、区民の実情が把握できる最も身近な自治体として、一律的な経済給付によらず、支援を必要とする区民や事業者に焦点を当て、きめ細かい対策を実施しております。休業により自宅で過ごすことが困難な子どもに対する緊急子どもの居場所づくり事業、妊婦への二万円分の商品券配布や妊産婦等へのマスク配布、高齢者への買物代行サービスに加え、ひとり親家庭への夕食提供も予定しております。また、町会・自治会等関係団体には、活動を継続するための応援金の支給、事業者には特別融資あっせんに加え、総額十億円のプレミアム付き区内共通商品券の発行支援の取組も進めてまいります。今後も、必要な人に必要な支援が行えるように努めてまいります。  次に、テナントに対する家賃助成についてのお尋ねです。テナントに対する支援策については、国や東京都から各種給付金などが実施されており、区は、テナントオーナー向け支援策として、本年六月に、店舗等賃料減額助成金交付事業を開始いたしました。本事業の実施に当たっては、テナントオーナーが店舗等の賃料を減額することを助成の条件としており、賃借人にとりましても賃料負担の軽減につながっております。  区は、テナントオーナーの皆さんに賃料の減額に配慮してもらえるよう、制度の周知と併せて要請しており、補助制度を広く活用していただくことで、テナントオーナー、賃借人双方の支援に努めてまいります。  次に、水道料金の免除についてのお尋ねです。東京都では、特別区内の水道料金・下水道料金の支払いについて、最長で四か月猶予しています。引き続き東京都の動向を注視してまいります。  次に、国民健康保険における傷病手当金を個人事業者等に支給することについてのお尋ねです。国民健康保険における傷病手当金は、国が既に制度化している社会保検などとの均衡を図りながら、新型コロナウイルス感染症により就労できなかった被用者を対象として、初めて支給することとしたものです。区は、国の基準に基づき、港区国民健康保険条例を改正して被用者を対象に支給しております。国の基準では、個人事業者と被用者でない方は対象としていないことから、持続化給付金や雇用調整助成金など、事業者への支援の仕組みを丁寧に御案内してまいります。  次に、羽田空港新飛行ルートの撤回等を国に求めることについてのお尋ねです。  私は先月二十九日、国土交通大臣に対し、区民への丁寧な説明や、新ルートに限らず飛行経路に関わる様々な運用を検討することなど、十分な対応を行うよう強く要請いたしました。国は、こうした要請や区民の不安の声等を受け、新ルートの固定化回避に向けた検討会を設置するとしております。  区は引き続き、区民の騒音や落下物に対する不安の声や、区が独自に行っている騒音測定の結果を国に示し、飛行経路の様々な運用の検討等に活用するよう国に強く求めてまいります。  次に、大型開発についてのお尋ねです。  まず、開発事業への補助金支出をやめることについてです。市街地再開発事業は、多くの地権者の方々が参加し協同して、地域の安全性と防災性の向上等、市街地環境の改善を図るために、土地の合理的かつ健全な高度利用を行う公共性の高い都市計画事業です。  平成二十九年度から実施している事後評価制度においても、事業により整備された道路・公園等の都市基盤や、広場・緑地等のオープンスペースなどが高い評価を受けております。地権者の方々は自らの発意と合意に基づき、まちづくりを協同で進めており、地権者保護の観点から、市街地再開発事業への補助金は必要と考えております。  次に、市街地再開発を見直すことについてのお尋ねです。市街地再開発事業は、多くの地権者の方々が長い時間をかけて話合いを重ね、権利者の合意形成を図り事業化に至っております。また、市街地再開発事業の施行地区は、旧耐震基準の建築物や老朽化した河川護岸、細街路の解消など、早期に解決すべき地域の様々な課題を抱えています。市街地再開発事業は、これらの課題を解決する公共性の高い都市計画事業です。  区は今後とも、低炭素化に配慮した、地域の誰もが安全・安心して暮らすことのできる社会の実現を目指し、良質な都市空間や居住環境の維持・創造に資する区民発意のまちづくりを支援してまいります。  次に、環状四号線の建設中止を東京都に要請することについてのお尋ねです。区は、これまでも環状四号線整備に当たり、児童遊園や遊び場の代替地の確保や地域コミュニティを維持するなど、地域にお住まいの方々の不安を解消するために努力するよう、東京都に対し、再三にわたり要望してまいりました。今後も引き続き、住民説明会や相談会を通じて、地域にお住まいの方々に事業内容を丁寧に説明するとともに、意見、要望をよく聞き、理解を得た上で事業を進めるよう、東京都に対し申し入れてまいります。  次に、女性幹部を積極的に登用することについてのお尋ねです。  区は、令和二年度までに管理職に占める女性職員の割合を三〇%程度とする目標を掲げ、これまでに仕事と家庭の両立を実践している女性職員の活躍事例の紹介や、昇任に対する不安を女性職員に相談できるキャリアアドバイザー制度を設け、取組を進めてまいりました。  平成二十七年度に一五%であった女性管理職の割合ですが、令和二年度では一八%と、いまだ目標には達しておりません。今後も、女性職員が個性と能力を発揮し、女性も男性も活躍できる組織風土を醸成しながら、女性職員の昇任意欲の向上と管理職への登用拡大に取り組んでまいります。  次に、(仮称)北青山三丁目地区市街地再開発事業についてのお尋ねです。  まず、東京都に計画の白紙撤回を求めることについてです。本計画では、青山通り沿道の地権者と独立行政法人都市再生機構、東京都が協議・調整し、都市再生機構を市街地再開発事業の施行予定者としています。今後、都市再生機構が地区計画や市街地再開発事業に関する都市計画を東京都と港区に提案する予定と聞いております。区が都有地を提供しないことや、計画の撤回を要請するということは考えておりません。  最後に、旧青山児童館跡地の活用についてのお尋ねです。旧青山児童館跡地の活用につきましては、地域の課題や将来的な施設需要、財産の有効活用などを踏まえ、効果的な活用策を検討してまいります。  よろしく御理解のほどお願いいたします。  教育に係わる問題については、教育長から答弁いたします。   〔教育長(青木康平君)登壇〕 ○教育長(青木康平君) ただいまの共産党議員団を代表しての福島宏子議員の御質問に順次お答えいたします。  子どもたちの学びの充実や安全の確保等についてのお尋ねです。  まず、感染症対策への人員確保についてです。これまでも教育委員会では、少人数指導や複数の教員が協力しながら授業を行うティームティーチングのため、区独自の区費講師を採用しております。これに加え、今年度は、休業中の学習の遅れを取り戻すため、退職教員等を活用した学習指導員を配置し、授業の補助や補習を実施してまいります。  また、授業の準備や教職員の負担を軽減するために、各校に毎日一名から二名配置しているスクールサポートスタッフを、健康観察や消毒等の感染症対策の要員として、新たに一名ずつ増員してまいります。さらに、即戦力として活躍が期待できる期限付任用教員の追加配置についても東京都に要望し、人員確保に努めてまいります。  次に、少人数学級への取組と小学校の教室を増やすことについてのお尋ねです。少人数学級につきましては、学級編制と教職員の定数を定めた法律に基づき、一学級四十人とされていますが、これまでも毎年、国に対し、全国都市教育長協議会を通じて、少人数学級の早期実現を要望しております。  七月一日からの通常登校では、感染防止を徹底するために、体育館やランチルームなどの広い部屋を教室として活用したり、多目的に使える教室横のオープンスペースまで子どもたちの机・椅子を配置して授業を行うなどの工夫をしてまいります。小学校の教室を増やすことにつきましては、学校の実態に即し、学校と協議しながら必要な教室数の確保を進めてまいります。  次に、教職員の感染症対策についてのお尋ねです。これまで、教職員の感染症対策として、職員室等での対面する机を仕切る飛沫飛散防止パネルや空気清浄機の設置、フェイスガード、手指消毒剤の配備等、各幼稚園・学校の状況に応じた対策を行っておりました。  また、養護教諭等には、医療用手袋等の防護用品や医療用器具の消毒剤の配布等、様々な感染症対策を実施しております。今後も、各幼稚園・学校が必要とする物品の補充や入手困難な非接触型体温計を教職員用として早急に確保するほか、国や東京都からの感染症対策に関する様々な情報を迅速に提供するなど、教職員の感染症対策の充実に取り組んでまいります。  最後に、密を避ける学校運営についてのお尋ねです。教育委員会では、七月一日からの通常登園、通常登校に向け、各幼稚園、小・中学校と協議を重ね、幼稚園・学校での生活の留意点を示した港区独自の「新型コロナウイルス感染症に対応した学校運営に関するガイドライン」を新たに策定いたしました。本ガイドラインに基づき、ランチルームなどの広めの部屋で可能な限り身体的距離を確保し、教室の窓やドアを原則として常時開放するなど、密を避け、子どもや教職員が安心して生活を送ることができるよう具体的な対策を講じてまいります。  また、各幼稚園、小・中学校では、密になる可能性が高い場所での飛沫防止のためのアクリル板設置や、子どもたちがソーシャルディスタンスを守る目印を表示するなど、それぞれの施設規模などの実態に応じた感染防止対策に取り組んでまいります。  よろしく御理解のほどお願いいたします。   〔八番(福島宏子君)登壇〕 ○八番(福島宏子君) 再質問させていただきます。  区長は、施政方針で区民の安全・安心は区政の最優先事項だと述べられました。あらゆる危機から区民を守ると言うのならば、国に対して羽田新ルートの撤回の声を上げるべきです。国に対してきっぱりと物が言えない区長では区民の命は守れません。答弁を求めます。   〔区長(武井雅昭君)登壇〕 ○区長(武井雅昭君) ただいまの共産党議員団を代表しての福島宏子議員の再質問にお答えいたします。  羽田空港新飛行ルートの撤回等を国に求めることについてのお尋ねです。  区といたしましては、区に寄せられている区民からの騒音、あるいは落下物に対する不安の声を国にしっかりと届け、そしてまた、区で独自に実施しております騒音測定の結果などを通じて、国に対し検討に役立てるよう、そして地域の皆さんの声に耳を傾け、引き続き丁寧な説明に努めるよう強く求めてまいります。  御理解のほどよろしくお願いいたします。 ○議長(二島豊司君) 以上にて、本日の日程は全部終了いたしました。  本日の会議は、これをもって散会いたします。                                       午後六時三十八分散会...