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  1. 港区議会 2019-09-12
    令和元年第3回定例会-09月12日-10号


    取得元: 港区議会公式サイト
    最終取得日: 2021-09-21
    令和元年第3回定例会-09月12日-10号令和元年第3回定例会  令和元年 港区議会議事速記録 第十号(第三回定例会)   令和元年九月十二日(木曜日)午後一時開会     一 出席議員(三十三名)       二  番  玉 木 まこと 君      三  番  石 渡 ゆきこ 君       四  番  榎 本 あゆみ 君      五  番  なかね  大  君       六  番  黒崎 ゆういち 君      七  番  小 倉 りえこ 君       八  番  福 島 宏 子 君      九  番  熊 田 ちづ子 君       十  番  山野井 つよし 君      十 一番  兵 藤 ゆうこ 君       十 二番  横 尾 俊 成 君      十 三番  丸山 たかのり 君       十 四番  やなざわ 亜紀 君      十 五番  鈴 木 たかや 君       十 六番  土 屋  準  君      十 七番  風 見 利 男 君       十 八番  琴 尾 みさと 君      十 九番  清 家 あ い 君       二 十番  杉 浦 のりお 君      二十一番  なかまえ 由紀 君       二十二番  池 田 たけし 君      二十三番  ゆうき くみこ 君       二十四番  二 島 豊 司 君      二十五番  池 田 こうじ 君       二十六番  榎 本  茂  君      二十七番  赤 坂 大 輔 君       二十八番  阿 部 浩 子 君      二十九番  七 戸 じゅん 君
          三 十番  近 藤 まさ子 君      三十一番  杉本 とよひろ 君       三十二番  清 原 和 幸 君      三十三番  うかい 雅 彦 君       三十四番  井 筒 宣 弘 君     一 欠席議員(一名)       一  番  マック 赤 坂 君     一 説明員       港   区   長        武 井 雅 昭 君    同 副  区  長        田 中 秀 司 君       同 副  区  長        小柳津  明  君    同 教  育  長        青 木 康 平 君         芝地区総合支所長                      麻布地区総合支所長       同                新 井 樹 夫 君    同                有 賀 謙 二 君         環境リサイクル支援部長兼務                 子ども家庭支援部長兼務         赤坂地区総合支所長                     高輪地区総合支所長       同                森   信 二 君    同                野 澤 靖 弘 君         保健福祉支援部長兼務                    街づくり支援部長兼務         芝浦港南地区総合支所長       同                星 川 邦 昭 君    同 福祉施設整備担当部長     佐 藤 雅 志 君         産業・地域振興支援部長兼務       同 みなと保健所長        阿 部 敦 子 君    同 街づくり事業担当部長     坂 本  徹  君       同 企画経営部長         浦 田 幹 男 君    同 用地・施設活用担当部長    中 島 博 子 君       同 防災危機管理室長       長谷川 浩 義 君    同 総 務 部 長        北 本  治  君         会計管理者       同                亀 田 賢 治 君    同 教育委員会事務局教育推進部長 新 宮 弘 章 君         会計室長事務取扱       同 教育委員会事務局学校教育部長 堀   二三雄 君    同 選挙管理委員会委員長     島 田 幸 雄 君     一 出席事務局職員       事 務 局 長          大 滝 裕 之 君    事務局次長            小野口 敬 一 君                                     議 事 係 長          吉 田 一 樹 君                                                            他五名             ───────────────────────────       令和元年第三回港区議会定例会議事日程          令和元年九月十二日 午後一時 日程第 一  会議録署名議員の指名 日程第 二  会期の決定 日程第 三  諸般の報告 日程第 四  代表質問・一般質問        池 田 こうじ 議員(自民党議員団)        横 尾 俊 成 議員(みなと政策会議)        池 田 たけし 議員(公明党議員団)        榎 本  茂  議員(都民ファーストと日本維新の会)        福 島 宏 子 議員(共産党議員団)             ─────────────────────────── ○議長(二島豊司君) ただいまより令和元年第三回港区議会定例会を開会いたします。  今回の応招議員はただいま三十三名であります。したがいまして、本定例会は成立いたしました。             ─────────────────────────── ○議長(二島豊司君) これより本日の会議を開会いたします。  ただいまの出席議員は三十三名であります。             ─────────────────────────── ○議長(二島豊司君) これより日程に入ります。  日程第一、会議録署名議員をご指名いたします。九番熊田ちづ子議員、十番山野井つよし議員にお願いいたします。             ─────────────────────────── ○議長(二島豊司君) 日程第二、会期の決定を議題といたします。  お諮りいたします。今回の定例会の会期は、本日から十月十日までの二十九日間といたしたいと思いますが、ご異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(二島豊司君) ご異議なきものと認め、さよう決定いたしました。             ─────────────────────────── ○議長(二島豊司君) 日程第三、諸般の報告がありますので、ご報告いたします。  まず、職員に定例会招集の報告をさせます。   〔小野口事務局次長朗読〕             ─────────────────────────── 三一港総総第千四百四十三号 令和元年九月二日  港区議会議長 二 島 豊 司 様                                     港区長  武 井 雅 昭       令和元年第三回港区議会定例会の招集について(通知)  本日別紙告示写しのとおり、標記定例会を九月十二日(木)に招集しましたので通知します。             ─────────────────────────── 港区告示第百十六号  令和元年第三回港区議会定例会を九月十二日に招集します。   令和元年九月二日                                     港区長  武 井 雅 昭             ─────────────────────────── ○議長(二島豊司君) 次に、令和元年六月、七月及び八月の例月出納検査の結果について、過誤のないことを確認した旨の報告書がそれぞれ監査委員から議長の手元に提出されております。  六月の例月出納検査の結果について、その概要を職員に朗読させます。   〔小野口事務局次長朗読〕             ─────────────────────────── 三一港監第三百五十九号 令和元年七月一日  港区議会議長 二 島 豊 司 様                                  港区監査委員  徳 重 寛 之                                  同       高 橋 元 彰                                  同       鵜 飼 雅 彦       令和元年六月例月出納検査の結果について  地方自治法第二百三十五条の二第一項の規定に基づき例月出納検査を実施したので、同法同条第三項の規定により、結果に関する報告を下記のとおり提出します。          記 一 検査の範囲   (一) 検査対象 区一般会計、国民健康保険事業会計後期高齢者医療会計介護保険会計、雑部金、基金   (二) 検査場所 港区監査事務局   (三) 検査期間 令和元年六月二十四日から六月二十六日まで 二 検査の結果  本検査においては、会計管理者から提出された令和元年六月(令和元年五月分)例月出納報告書の計数について、出納関係諸帳簿及び諸票、指定金融機関提出の収支計算書、預金通帳、証拠書類、証券等と照合し検証した結果、過誤のないことを確認しました。             ─────────────────────────── ○議長(二島豊司君) なお、七月及び八月の結果については、ただいまの報告と同様の内容でありますので、朗読は省略し、詳細については、これを速記録に登載することにいたしたいと思いますので、ご了承願います。  また、報告書は議長の手元に保管しておりますので、随時ご閲覧願います。 (参 考)             ─────────────────────────── 三一港監第四百七十一号 令和元年八月七日  港区議会議長 二 島 豊 司 様                                  港区監査委員  徳 重 寛 之                                  同       高 橋 元 彰
                                     同       鵜 飼 雅 彦       令和元年七月例月出納検査の結果について  地方自治法第二百三十五条の二第一項の規定に基づき例月出納検査を実施したので、同法同条第三項の規定により、結果に関する報告を下記のとおり提出します。          記 一 検査の範囲   (一) 検査対象 区一般会計、国民健康保険事業会計後期高齢者医療会計介護保険会計、雑部金、基金   (二) 検査場所 港区監査事務局   (三) 検査期間 令和元年七月二十四日から七月二十六日まで 二 検査の結果  本検査においては、会計管理者から提出された令和元年七月(令和元年六月分)例月出納報告書の計数について、出納関係諸帳簿及び諸票、指定金融機関提出の収支計算書、預金通帳、証拠書類、証券等と照合し検証した結果、過誤のないことを確認しました。             ─────────────────────────── 三一港監第五百三十七号 令和元年八月二十九日  港区議会議長 二 島 豊 司 様                                  港区監査委員  徳 重 寛 之                                  同       高 橋 元 彰                                  同       鵜 飼 雅 彦       令和元年八月例月出納検査の結果について  地方自治法第二百三十五条の二第一項の規定に基づき例月出納検査を実施したので、同法同条第三項の規定により、結果に関する報告を下記のとおり提出します。          記 一 検査の範囲   (一) 検査対象 区一般会計、国民健康保険事業会計後期高齢者医療会計介護保険会計、雑部金、基金   (二) 検査場所 港区監査事務局   (三) 検査期間 令和元年八月二十三日から八月二十七日まで 二 検査の結果  本検査においては、会計管理者から提出された令和元年八月(令和元年七月分)例月出納報告書の計数について、出納関係諸帳簿及び諸票、指定金融機関提出の収支計算書、預金通帳、証拠書類、証券等と照合し検証した結果、過誤のないことを確認しました。             ─────────────────────────── ○議長(二島豊司君) 次に、法人の経営状況に関する書類が区長から議長の手元に提出されております。朗読は省略し、通知については、これを速記録に登載することにいたしたいと思いますので、ご了承願います。  なお、詳細については、書類を議長の手元に保管しておりますので、随時ご閲覧願います。 (参 考)             ─────────────────────────── 三一港総総第千二百七十七号 令和元年九月二日  港区議会議長 二 島 豊 司 様                                     港区長  武 井 雅 昭       法人の経営状況に関する書類の提出について  地方自治法第二百四十三条の三第二項の規定に基づき、下記法人についての経営状況に関する書類を提出します。          記 一 財団法人港区住宅公社   平成三十年度決算報告書 二 公益財団法人港区スポーツふれあい文化健康財団  (一) 平成三十年度公益財団法人港区スポーツふれあい文化健康財団事業報告  (二) 平成三十年度公益財団法人港区スポーツふれあい文化健康財団決算書             ─────────────────────────── ○議長(二島豊司君) 次に、平成三十年度港区財政健全化判断比率の報告について、区長から議長の手元に提出されておりますので、その概要を職員に朗読させます。   〔小野口事務局次長朗読〕             ─────────────────────────── 三一港企財第四百四十六号 令和元年九月十二日  港区議会議長 二 島 豊 司 様                                   港区長  武 井 雅 昭       平成三十年度港区財政健全化判断比率の報告について  地方公共団体の財政の健全化に関する法律(平成十九年法律第九十四号)第三条第一項の規定に基づき、平成三十年度の実質赤字比率連結実質赤字比率実質公債費比率及び将来負担比率(以下「健全化判断比率」という。)について、監査委員の審査意見を付して報告します。          記  一 平成三十年度港区財政健全化判断比率  二 平成三十年度港区財政健全化判断比率の審査意見             ─────────────────────────── ○議長(二島豊司君) なお、詳細については、既に写しを配付しておりますので、ご確認願います。  以上にて、報告を終わります。             ─────────────────────────── ○議長(二島豊司君) 日程第四、区の一般事務について、質問の通告がありますので、順次発言をお許しいたします。最初に、二十五番池田こうじ議員。   〔二十五番(池田こうじ君)登壇、拍手〕 ○二十五番(池田こうじ君) 自民党議員団を代表いたしまして、武井区長、青木教育長及び二島区議会議長に質問を申し上げます。  台風十五号の影響により停電に断水、千葉県を中心に今も多くの人がさまざまな生活上の困難を強いられております。衷心よりお見舞いを申し上げまして、一日も早い復旧を心から祈念申し上げたいと思います。  さて、人口が増加し続けている港区がこれから目指すべきは、心豊かな都心を区民協働でつくっていくことであります。日々の暮らしに幸せを感じることのできる生活者の都心であります。生活者の幸せを礎としない限り、都心港区の発展はございません。区民に身近な地方自治体の役割は手を差し伸べることであります。福祉施策のみならず、あらゆる分野において、区政はその手を差し伸べる優しさを必要としております。  人口増加を果たしていると言っても、港区は、令和十八年に三十万四千人をピークとし、人口減少に転じると予測されております。若者が地元を離れるというのは、働き場所の少ない地方だけではなく、現在、港区でも多くの若者が区外へ人口流出しているということも我々は認識しなくてはなりません。  今、港区の人口減少を危惧する区民は余りいないとは思いますが、政治は十年先、二十年先の課題を考えるものであります。人口減少に転じたとき、港区は、日本全土に立ちはだかっている少子高齢化という波に初めて、しかも物すごくおくれて飲み込まれるわけであります。以降、港区の人口は緩やかに減少し続け、人口構造も高齢化比率がさらに上がり、港区人口ビジョンによると、生産年齢人口も二〇三〇年の二十万七千百三十五人をピークとし、三十年の間に十八万人を切るまでに減少してまいります。  我々の先に立ちはだかる課題は人口減少だけではありません。港区にはまだまだ多くのリスクがあります。ふるさと納税に代表されるような都心を標的にするような法改正、七割の確率でマグニチュード七以上の地震が三十年以内にやってくるという南海トラフ、現在、世界を覆う不気味な胎動が爆発し、国際情勢に激変があれば、都心港区も大きな影響を受けるはずであります。どんな時代が訪れようと、都心港区は強く光り続けていかなくてはなりません。  そのためにも我々はさまざまな施策を構築し、心豊かな地域共生社会を形成し、まちのにぎわいを積極的に演出していく魅力あるまちづくりに果敢に挑戦していかなくてはなりません。都心こそ幸せと感じられるまちづくりに挑戦していく。多岐にわたる課題について質問いたしますので、明確、明瞭な答弁を期待いたします。  今回、安定している港区政であっても挑戦する港区であるべきだと質問通告をしたのですが、昨日の内閣改造の基本方針が「安定と挑戦」だったのは、単なる偶然の合致であります。ただ、安定のときこそ、挑戦を両立させるべきだという志は全く同じだと思います。  安定した港区政に安住することなく、変革の時代に向き合い、奮起をしていただきたい。最近時々ですが、堅調な港区政に安住してしまっているような職場風土を感じます。特に優秀な港区の若手職員の皆さんにチャレンジ精神を持ち、臆することなく力を発揮していただきたいと思うのです。安定した区政運営を維持しながら、日本初の取り組み、大胆な予算配分、時には国や東京都を動かすほど迫力のある施策を進め、地方自治体の先導者として変革の時代を切り開いていく。適切なプロセスと現場主義に基づいていれば、たとえその政策が軌道に乗らなかったとしても総括し、未来につなげる担保がなされているのであれば、賢明な港区民の皆様には理解をいただけるはずです。もちろん、我々区議会もそれ相応の研さんを重ねていかなくてはなりません。  港区は、右肩上がりの今こそ、積極的かつチャレンジ精神にあふれた区民の幸せを願う戦略的な施策を進め、未来への政策的レガシーを創出していかなくてはなりません。そのための職場風土も着実に醸成していかなくてはなりません。  そこで「挑戦する港区」について、区長に五点お伺いします。  まず、次期港区基本計画策定に向けてであります。次の港区基本計画である令和三年からの六年間は、区内人口、税収はひたすら右肩上がりと予測され、つまり、この期間こそ「挑戦する港区」とも言うべき戦略的な施策を積極的に展開する期間と位置づけるべきです。次期港区基本計画策定を来年度から取りかかるにあたり、区長の意気込みと姿勢をお伺いします。  次に、組織風土についてであります。基本計画で方向性を定めても、職員のチャレンジ精神がなければ、その目的は達成されません。職員が働くことに喜びを感じ、先見性のある政策を創造できる組織づくりが重要です。方向性を定めたら、現場に任せる、若手職員に任せる。そのような風土にこそ質の高いボトムアップが実現するのであります。減点主義ではなく加点主義、失敗を糧とする風土、失敗を部下のせいにしない、過去に立脚しない、激動する時代に即した現場の意見が通る風通しのよい職場風土が必要であります。  また、働き方改革を港区は進めておりますが、働き方改革の礎は働く人の幸せを願うものであり、ただ働く時間を減らすことだけではありません。目標を達成しても月二時間程度の残業が減るだけで、起きている時間の半分は仕事に費やされるわけであります。つまり、働いている時間そのものが生きがいとやりがいと幸せに満ちていなくてはなりません。つけ加えて言えば、あらゆる人材育成の前提となる公務員としてのモラル、倫理観の醸成についても、しっかりとした根づきを人材育成の中できわめてほしいと思います。  お伺いします。職務に意欲的な職員を育成する人材育成と、職場立案や業務改善提言ボトムアップができる職場風土の醸成について、区長にその考えをお伺いします。  続きまして、新時代の職員定数配置についてであります。第二次港区職員定数配置計画が終わり、現在、港区の職員数は維持という前提になっております。平成二十二年度の配分定数は二千百三十七名でありましたが、平成三十一年度は千九百八十名であります。配分定数は減り続けてきましたが、その間、港区の人口は六万人近く増えております。  人口が毎年増えるだけではなく、区民ニーズも多様化しています。また、港区は働き方改革を進め、労働時間を軽減することを目指しています。部署によっては、人が増えずに働く時間を減らすというのは、業務の効率化だけではなし得ない、いささか酷なミッションでもあると思います。きめ細かく行政サービスに対応するためにも、職員数は維持ありきではなく、さまざまな議論の中、新たな時代の人員配置計画を策定してほしいと思います。  そこでお伺いします。今後の港区職員の定数配置における区長の考えを伺います。  総合支所の業務は膨大かつ責任はさらに重くなりつつありますが、支援部長を兼任する総合支所長は繁忙をきわめ、常に地域と向き合えない状況にあります。副総合支所長は総合支所内のまとめ役を担っているとしても、対外的には総合支所長が区長の代理として地元に根づき、かわりはできない存在であります。専任の総合支所長について検討を始めるべきだと思います。  区長にお伺いします。支援部長を兼務する総合支所長職の役割とメリットについて区長に伺います。  次に、若年層の流出についてであります。内閣は一億人を切らない国をつくるということを「挑戦」と言っていましたが、私は、人口三十万人に達したら、三十万人を切らせないということを港区の長期目標にするべきだと思います。それは魅力あふれる都心港区だからこそできる挑戦だと思います。  大きな課題として、若年層の人口流出があります。十八歳から三十歳までの毎年約七千人の若者たちが今も港区を離れています。そのうちの六%は小学校入学以前から港区に居住していた若者であります。特に港区で生まれ育った若者たちが港区を離れていくのは、何とも残念で惜しいことであります。若年層の流失についての現状認識と今後の対応策をお伺いします。  続きまして、指定管理者にかかわる職員の人材育成についてであります。  現在は、実に二百四施設、七割以上の区有施設が指定管理者制度によって運営されております。言いかえるならば、そこに多くの区民、利用者の声やニーズが蓄積されているということであります。この声を指定管理者がしっかりサービスとして実現できているかが、区政の質向上、ひいては区政への評価にもつながる重要な評価材料となっています。  私は、平成二十八年度第四回定例会、平成二十六年度決算特別委員会において指定管理者制度の運用について重ねて質問をしてまいりました。それは民間事業者である指定管理者に能力を十分に発揮させること、その成果を区政にフィードバックさせる仕組みをつくることこそが、施設管理運用の最重要事項であるという認識であります。指定管理者制度のメリットは、区民の多様なニーズに応え得る民間の多様な発想や活力の導入であります。いきいきプラザや区民センターを見ていると、各館が地域の特色、ニーズに合ったさまざまな事業を行っているように見えますが、利用者ニーズを本当に酌み取っているのか、高いレベルで事業として実現できているかなどは、外から見ただけではわかりません。日頃から指定管理者と接する職員には、その判断のため、相当のスキルが必要であります。  指定管理者制度運用マニュアルや指定管理者制度運用指針は整備されておりますが、指定管理者制度をマネジメントできる人材育成については、その指針は確立されているとは言えません。  そこで区長にお伺いします。指定管理者にかかわる職員の人材育成をどう考えているのか。指定管理者にかかわる職員の人材育成の礎となるような指定管理者制度のマネジメントのあり方、指針というものを明確にするべきではないかと考えるがどうか。  続きまして、高齢者の尊厳ある生活の支援であります。  まず、ホームヘルパーの確保策についてであります。年をとるほどに尊厳と生活する喜びに満ちていなければ、真の長寿社会とは言えません。港区の後期高齢者は約二万二千人、既に前期高齢者を上回っております。港区の要介護者は、昨年度末の九千二百七十一人から、六年後には一万千人を超えるという予測もあり、今後ますます高齢者介護ニーズは高まっていくのは確実であります。介護の受け皿である訪問介護事業所の人手不足の悲鳴は既に始まっております。介護業界に入ってから三年以内にやめた人の割合は、離職者全体のうち六割を超えるとのデータもあり、介護人材の定着も大きな課題であります。  ホームヘルパーの待遇改善も必要であります。平成二十七年度介護労働実態調査によると、介護の仕事につきたがる人がいない理由として、「賃金が低い」ことを挙げている事業者が全体の五七・四%となっております。その他「仕事がきつい」、「社会的評価が低い」ことなどを挙げる事業者が全体の半分近くおります。  固定費が高いという都心特有の事業環境もあります。区民のヘルパーがいないため、遠方のヘルパーを雇用すれば、介護保険費用は全区一律であるがゆえ、交通費は事業所のコスト高にそのままはね返ります。ホームヘルパーの待遇改善をしたくてもなかなかできないのが実情であります。保険事業であるがゆえ、地方自治体の支援は制約されるものの、知恵を絞れば方法はあります。さまざまな自治体がホームヘルパーの確保、離職率の軽減に支援をしています。若手介護職員向けの研修会、意見交換会は離職率低下に寄与します。復職・再就職支援として再就職支度金を制度化している自治体もあります。ホームヘルパー養成講座を地元の社会福祉協議会で担い、不足しているヘルパーの人材養成に寄与している自治体もあります。  待機児童解消に向けた保育事業については、保育士等の宿舎借り上げ支援事業に本年度も六億円近くを計上するなど、港区はさまざまな積極的な取り組みをしております。保育士の確保に比べれば、港区のホームヘルパー確保にはほとんど対策を行っていないと言っても過言ではありません。今後、大胆な政策推進をしなければ、都心港区の高齢者介護は必ず行き詰まります。  昨日の安倍総理の記者会見にもありましたが、介護離職ゼロを目指す国家の最重要課題にも寄与してまいります。ヘルパーを確保できず、サービスを断らざるを得ない業者も既に増えつつあります。このままでは手間のかかる介護サービスは後回し、置き去りにされます。地域包括ケアの確立、在宅緩和ケアの推進においても、ホームヘルパーの確保は港区の未来の安心を支える重要課題であります。ホームヘルパーの不足を補うため、港区としてどのような施策を展開していくのか、現在の状況の認識を踏まえ、区長の考えをお伺いします。  次に、高齢者民間賃貸住宅入居支援事業の拡充についてであります。ひとり暮らしの高齢者は、平成二十九年度は七千九百六十二人、そのうち四千九百九十七人、約七割が後期高齢者の方であります。港区のひとり暮らしの高齢者のみならず、高齢者二人だけの世帯も今回初めて調査してもらいましたが、七千四百二十四世帯もございます。ついの住みかがあることこそが高齢者の安心のかなめであり、希望であります。  港区の高齢者民間賃貸住宅入居支援事業が条件緩和されました。公益社団法人東京都宅地建物取引業協会港区支部の厚い協力をいただき実現しているものでありますが、昨年のあっせんは、一年で二件の相談、成約はゼロでありましたが、本年度は既に、規制緩和が功を奏し、相談四十三件と急増しています。高齢者の切迫したニーズは確実に存在していることがわかります。しかしながら、成約件数は二件と大変少ないものになっています。これは積極的にあっせんしても、住宅オーナー側の不安、体制が整っていないことに起因しているのではないでしょうか。  その住宅オーナー側の不安を解消した制度として、文京区の「文京区すまいる住宅登録事業」が参考になります。高齢者の入居を拒まない賃貸住宅に対して住宅オーナーが区に登録し、その住宅に区があっせんする高齢者等が入居すると、区から住宅オーナーに月額一万円を支払う。また、当該住宅がバリアフリー、居室内の死亡事故保険に加入など高齢者への入居の配慮がなされている場合は、月額最大二万円まで支払われます。住宅オーナーが入居者の家賃の未納、残存家財の処分等で損失をこうむらないように、入居者に対し債務保証、入居者に対しては住みかえ費用及び二年間の差額家賃助成を行うほか、安否確認サービスなど無料提供を行うことで、住宅オーナーに安心感を持ってもらう至れり尽くせりの制度であります。これは全国初の取り組みでありますが、住み慣れた都心で住み続けるための施策であり、住宅オーナーが高齢者に家を貸すときに生じる不安は、港区も同じであろうかと思います。高齢者民間賃貸住宅入居支援事業の成約率向上に期す実態に合った改善と区民への周知をさらに行うべきだと思うが、区長はどう考えるかお伺いします。  次に、QODを確保する看取りのできる地域社会実現についてお伺いします。  先ほど終の住みかがあることこそ高齢者の希望だと申し上げましたが、その先には理想の死という人生最後の尊厳を守る課題があります。
     厚生労働省の人口動態統計によれば、日本人の死者数は二〇〇三年に史上初めて百万人を突破し、その後も増え続け、二〇一七年には百三十四万人を超えています。ピークとなる二〇三九年には年間死者数が百六十六万人を上回るとされ、まさに日本は本格的な多死社会になりつつあると言えます。今後、日本には死に場所が確保できない看取り難民が四十万人にも達すると言われております。これは将来、都心港区においても十分起こり得る時代の波であります。  クオリティ・オブ・ライフ、QOL、生活の質という福祉を考えるにあたってこれまでうたわれてきた概念がありますが、このたび政府の社会保障制度改革国民会議報告書では、今後の日本の社会保障制度の構築にあたり、人間の尊厳ある死を視野に入れたQOD、クオリティ・オブ・デス、死の質も射程に入れることが必要だと提案されています。QOLはQODに対峙するものではなく、QOLがQODにそのまま移行していくということにほかなりません。港区でも地域包括ケアシステムを推進しているところですが、人生の終末期において、本人の希望する死を慣れ親しんだ地域で迎えられることこそ、高いQODを実現するものと言えますが、現在、看取りを地域包括ケアシステムの理念に掲げているわけではありません。  私が特別養護老人ホームの施設長をしていたとき、多くの身寄りのない高齢者の看取りをし、お骨を拾わせていただきました。さまざまなご労苦を経て高齢になり、ひとりきりになった方、家族に囲まれ、誇り高き仕事もしていたけれども、長生きをすることでひとりきりになった方、さまざまな人生の果てに死と向き合い、終わりよければ全てよし、多くの希望を聞きかなえてあげることで、尊厳ある人生を全うする意義が看取りにはありました。  終末期ケアにおいては、生前の意思表示であるリビングウィルなどが必要とされますが、まだまだ先と感じてしまう人も多いです。しかし、加齢とともに意思決定能力は低下していき、認知症になれば、なおさらのことであります。終末期ケアと看取りに関するさまざまな形の啓蒙が必要であります。  港区には在宅緩和ケアを支援する「ういケアみなと」を設置、また、特別養護老人ホームの看取りに関しても加算件数が昨年度は四十八件と評価すべき成果があります。本人が望む最期を実現するためには、成年後見制度等の法的な仕組みの活用も含め、関係機関一体になった取り組みと看取りに関する理念の共有が必要であります。また、看取りのできる関係機関の人材育成も必要であります。  看取りのできる地域社会について、区長にお伺いします。地域包括ケアシステムにおける看取りの位置づけを明確にする必要があると思いますが、区長はどう考えるか。  看取りに関する情報はまだまだ少ない。区民の看取りに関する実態把握、ニーズを調査した上で、保険外の横出しサービスを含めた看取りに関する情報提供、また、広く啓蒙活動を行う必要があると思うがどう考えるか。  京都府は看取りに携わる関係者の行動理念として、「『さいごまで自分らしく生きる』を支える京都ビジョン・京都アクション」を策定しております。最後まで地域で尊厳ある暮らしをすることのできる終末期、看取りについて、港区の基本的なビジョンを確立すべきだと思いますが、どう考えるかお伺いします。  次に、(仮称)港区子ども家庭総合支援センターの各機関との連携についてであります。  まず、児童虐待相談の初動体制の連携についてであります。児童虐待は以下のように四種類に分類されます。身体的虐待は、殴る、蹴る、投げ落とす、激しく揺さぶる、やけどを負わせる、おぼれさせる、首を絞める、縄などにより部屋に拘束するなどです。性的虐待は、子どもへの性的行為、性的行為を見せる、性器をさわる・さわらせる、ポルノグラフィの被写体にするなどであります。ネグレクトは、家に閉じ込める、食事を与えない、ひどく不潔にする、自動車の中に放置する、重い病気になっても病院に連れていかないなどであります。心理的虐待は、言葉によるおどし、無視、兄弟間での差別的扱い、子どもの目の前で家族に対して暴力を振るうなど、その四種類であります。そう説明するだけでも心が痛みます。  しかしながら、このような児童虐待行為の全国の相談件数は、平成三十年の速報値でついに十五万件を超えております。悲惨な児童虐待事件は今も後を絶ちません。罪のない子どもたちを守れなくて何が経済大国かと思います。港区の児童虐待相談件数も平成三十年度は五百十四件と五百件を超え、増え続けております。  この質問では、虐待相談において最も大切な初動体制についてお伺いします。港区においては、虐待相談から四十八時間以内に児童の安全を確認するとされております。初動体制においては関係機関と連携しながら、迅速かつ的確な判断をしていかなければなりません。港区の子どもたちの未来を守る待望の施設、(仮称)港区子ども家庭総合支援センターがぶれることなく、区民への説明責任も果たし、この八月、予定どおり着工されたことは、心から喜ばしいことだと思います。  私は長年、港区の子ども家庭支援センター、東京都の児童相談所、違う行政体が担う二つの機関が初動体制を担うことで、そのはざまに置き去りにされる子どもたちの存在を指摘してまいりました。特に緊急性のある事案はタイムロスも生じ、温度差も出てきます。責任もあいまいになります。この二つの機関が同じ施設内にある、この待望の施設こそ、総合支援と名づけるにふさわしい新しい強みであります。その連携においては、これまでの子ども家庭支援センターの実績とスキルを十分に生かした綿密な準備が必要であります。  そこでお伺いします。児童虐待の通報または相談の初動体制について、同じ施設内にある港区の児童相談所と子ども家庭支援センターの連携はどのように進めていくのかお伺いします。  続きまして、要保護児童の十八歳から二十歳までの支援の連携についてであります。要保護児童の支援は十八歳で打ち切られます。特に虐待を受けている児童は、十八歳になったからといって親が急に悔い改めたり、劇的に生活環境が変わるわけではありません。せめて二十歳までは行政の後ろ盾があるべきだと思います。現在、国でもそのような議論と、一部法改正がなされておりますが、全く不十分であり、私も児童養護施設を運営する中で二十歳までの支援の必要性を痛切に感じています。児童養護施設で小さいころから育った子どもたちは、十八歳になると施設を出なくてはなりません。家庭に恵まれている十八歳とは全く環境が違います。支援がなくなり、支えてくれる親も家もないのだから、就職、進学、携帯電話を一つ契約するのでさえ大変な苦労をいたします。児童養護施設出身者に限らず、行政からさまざまな支援を受けてきた児童も要保護から外されれば何の手だてもなく、荒野に放り出されるような孤立状態に陥ることもあります。急にドロップアウトしてしまうこともあります。今後、成人年齢が十八歳に引き下げられることで、その懸念はさらに深いものになっています。  この問題は何度か指摘してまいりましたが、今までの港区では、縦割り行政の壁もあり、解決の糸口がありませんでしたが、これから設立される(仮称)港区子ども家庭総合支援センターに期待をしている次第であります。同センター内に設置される児童相談所が軸となり、関係部署と連携すれば、十八歳以降の要保護児童の継続的な支援が可能であります。特別区が児童相談所を運営できることになった規制緩和の意義は、このようなきめの細かい地元行政が綿密に各機関と連携して行う支援が実現することにほかなりません。  そこでお伺いします。全国の先駆け的事業として、要保護児童が二十歳になるまで、(仮称)港区子ども家庭総合支援センターにおいて継続的な支援をしてほしいと思うがどう考えるか。  次に、区議会における聴覚障害者への配慮についてであります。  平成二十八年四月、障害者差別解消法が施行され、障害者に対して合理的配慮の提供が自治体に義務づけられました。区議会もまた同じように障害者の皆さんに最大限の配慮をしていかなくてはなりません。港区の聴覚障害者団体からの要望を受け、平成三十一年三月の議会改革検討会において、議会における手話通訳の配信を行うことが確認されました。区政は生活に密接することを大変多く扱っており、特に障害者の皆さんにとっては生活を左右する福祉分野に関心が高いはずであります。  今定例会におきましては、港区手話言語の理解の促進及び障害者の多様な意思疎通手段の利用の促進に関する条例も審議されます。費用対効果も配慮し、マルチデバイス導入後、スマホ動画配信などが可能になり、アクセスもウエブ、ホームページなども活用し、全ての区民に寄り添い、身近な区議会のありようを考えていただきたいと思います。議会における手話通訳の配信を実現するために、二島区議会議長としてどのように進めていくのかお伺いします。  次に、福祉コンシェルジュ、福祉総合相談窓口の設置についてであります。  家族の一人に福祉的課題が生ずれば、それは家族全体に影響していきます。家族の中の一人の福祉ニーズが気づかなかった他の家族の深刻的な福祉ニーズを浮き彫りにすることもあります。生活者支援というのは、複雑な家族の構造的課題の本質にも向き合っていかなくてはなりません。障害者とその家族の高齢化、子育てと介護の両立、高齢者介護と児童虐待の同時発生、家族単位で包括的に支援を考え、悪循環を断ち切り、課題を考えていくのが家族の包括的アセスメントであります。  また、一人の高齢者、一人の障害者が複数の福祉的ニーズを抱えていることも多く、断片的な福祉サービスの陰に深刻な福祉ニーズが隠れていることもあります。高齢者、障害者に限らず、あらゆる区民において、何か困ったことが一つ起きた途端、全てのことが滞り、全方位的に困り果ててしまうこともあります。また、自分の困り事について、どこから相談していいのかわからなくなっている区民も多く見受けられます。それらの課題を解決するのが家族の包括的アセスメントの機能と区民サービスの総合相談を担う福祉総合相談窓口の取り組みであります。二十三区には福祉コンシェルジュを設けたり、区民がいろいろな課を駆け回るのではなく、区民が座った相談席に逆にさまざまな課の職員が入れかわって対応してくれるという区民主体の相談窓口を設けている区もあります。  そこでお伺いします。区民主体の総合福祉相談の確立、家族の包括アセスメントの実現、福祉コンシェルジュ等を発想とする窓口ないし機能の設置について検討すべきだと思うがどう考えるか。  次に、再開発等による福祉関連スペースの創出についてであります。  人口増と後期高齢者の増加に伴い、福祉ニーズはますます高まっていきます。その需要に応える福祉関連スペースの不足はますます顕在化しています。都心の福祉施策推進の最大の障壁だとも言えます。不動産に関する情報網を張りめぐらせ、適切な土地取得に尽力することのほか、再開発など港区の新しいまちづくりの中で福祉関連スペースを創出するという発想が必要であります。  かつて港区は人口減少に悩み、諸先輩たちは人口を増やすためにさまざまな知恵を絞りました。今は福祉関連スペースの創出に知恵を絞るときだと思います。港区開発事業に係る定住促進指導要綱の福祉関連施設設置のインセンティブをさらに高めるべきだと、私は平成二十六年度の予算特別委員会で主張いたしました。以降サービス付き高齢者向け住宅や保育園などの福祉関連施設の係数を画期的というレベルまで引き上げていただいたことは、高く評価したいと思います。  しかしながら、福祉ニーズはこの都心港区においてますます高まるばかりであります。地域共生社会において、民間の力をかりて福祉関連スペースを創出し、区民福祉を進めていくのは時代の流れ、港区の考えにも合致しております。子育て支援施設については、現在、十分な係数になっているとの認識でありますが、高齢者福祉の深刻な未来については、これまでの質問でもるる述べてまいりました。定住促進というフレーズは、もはや今の港区にはそぐわないとも思いますが、この要綱を区民サービス拡大のための促進指導要綱と捉え、区長に伺います。港区開発事業に係る定住促進指導要綱における高齢者関連施設のインセンティブを、子育て支援施設と同レベルの係数に引き上げるべきだと考えるがどうか。  次に、土砂災害防止法の対応についてであります。  古代の港区は東部が海であり、崖地には押し寄せる波が砕け、なだらかな丘、急な坂が入り組み、海沿いからの台地を形成しておりました。縄文・弥生時代の貝塚は海岸線をあらわしておりますが、港区は、大田区に続く二番目、十五の貝塚があります。今、我々がいる港区役所の標高の低いほうで二・六メートル、六本木の麻布地区総合支所で二十七メートル、青山の青南小学校は三十二メートル、その高低差の中に港区の文化が育まれてきました。都心の中の坂と崖は港区の誇りある地形的特徴でありますが、安全安心の観点では時として課題となり、港区民はその課題に向き合い、時には崖崩れなどの災害にも遭い、乗り越え解決してきました。  この九月中の予定でありますが、土砂災害防止法に基づき、東京都が五メートル以上の擁壁などの基準により、新たに土砂災害特別警戒区域百二十二カ所及び土砂災害警戒区域百九十四カ所を港区内で指定する予定でございます。不動産取引をする際は重要事項説明書に記載する等の制約も生じますが、何より区民の生活の安全の確保が課題であります。擁壁の設置等は義務化されているわけではなく、この公表によって区民の中で混乱を生じさせる可能性もあります。地元自治体として、できる限りのことをしなくてはなりません。坂と崖の中で安全に暮らせるまちづくりを進めていくことは、未来の港区の安全安心につながります。  そこで三点お伺いします。土砂災害特別警戒区域及び土砂災害警戒区域に関する区民相談窓口は防災課であるが、周知と徹底、東京都との連携をさらに緊密にしてほしいと思うがどうか。  次に、ハザードマップの作成を急ぐのと同時に、周辺住民への周知と法令の周知を徹底していただきたいがどう考えるか。  次の質疑は、平成三十年第三回定例会において、我が会派の小倉議員も指摘と質疑をしたところだが、改めて大幅に警戒区域が指定されたことを踏まえ、重ねて聞きます。がけ・擁壁改修工事支援事業は改修工事費用の二分の一以内、上限は五百万円とされるが、多額の費用がかかる擁壁改修の実態には合っておりません。増額と区の負担率アップについて検討してほしいと考えるがどうか。  続きまして、港区の新しいまちづくりとにぎわいの創出についてであります。  都心にふさわしいにぎわいを創出していくことは、区民一人ひとりが都心港区に住むことの活力と誇りを享受することにつながります。それはまた、昼間人口や観光客の皆さんと共生することにもつながります。国の政策にもアンテナを張り、他の地方自治体を先導する新しいにぎわいを都心港区はつくっていくべきであります。東京二〇二〇大会開催もよい契機とし、港区の新しいまちづくり、にぎわいを創出することにつきまして三点お伺いします。  まず、ウォーカブル推進都市、居心地がよく歩きたくなる街なかの形成についてであります。職・住・遊びの全てが歩行空間の中で接近していることは都心の魅力であります。車で走るより歩く、これこそ都心の利便性を享受する港区の目指すべき方向性であります。  本年六月、国土交通省は、「都市の多様性とイノベーションの創出に関する懇談会」における中間取りまとめで、これからのまちづくりの方向性を「居心地がよく歩きたくなるまちなか」とし、政策づくりに向けた国と地方とのプラットフォームに参加する自治体を、ウォーカブル推進都市として募集しております。二〇一九年八月末にはウォーカブル推進都市に賛同する百六十の自治体が発表され、東京においては九区、渋谷区、新宿区、豊島区などがエントリーしておりました。  そこで区長にお伺いします。「人にやさしい良質な都市空間・居住環境を皆で維持し、創造し、運営していく」、そのことをまちづくりの理念とする港区として、ウォーカブル推進都市に参加することは検討できないか。  続きまして、スマートシティモデル事業であります。ソサエティ5・0のまちづくりであります。ソサエティ1・0は狩猟社会、ソサエティ2・0は農耕社会、ソサエティ3・0は工業社会、ソサエティ4・0は情報社会、そして、その次の社会がデジタル革新、イノベーションを最大限活用して実現するまちづくり、ソサエティ5・0であります。ソサエティ5・0時代のまちづくりは、都心での生活者の利便と生活の質向上に寄与するものであります。  政府は、ソサエティ5・0のまちづくりのコンセプトをスマートシティと位置づけ、国土交通省によるスマートシティ事業、内閣府によるスーパーシティ法案の提出準備など、各方面でテクノロジーを活用したまちづくりの取り組みを進めているところであります。本年三月、国土交通省は、新技術や官民データを活用して都市や地域の課題を解決するスマートシティモデル事業を募集し、二十三区では千代田区、江東区が参加するなど、自治体と民間事業者が連携して共同提案を行っています。  このような時代的状況を踏まえ、区長にお伺いします。都心港区がソサエティ5・0時代のまちづくりを志向することは、港区のまちの魅力をさらに高めることにつながります。今後、スマートシティモデル事業等に参画することを港区としてはどのように考えるか。  次に、ナイトタイムエコノミー、新たな夜のにぎわいの創出についてお伺いします。六本木が世界に誇るイベント、六本木アートナイトは、七十万人以上の人々を魅了する都心の夜のイベントであります。かくも都市と夜が織りなす潜在的な可能性は大変高いものがあります。  区長は、平成三十一年度第一回港区議会定例会におきまして、所信表明の中でナイトエコノミーに取り組んでいくと表明されました。外国人観光客の数は三千百十九万人を超え、東京を訪れる外国人観光客数は、昨年千四百二十四万人を超えているが、一方で観光客一人当たりの消費額は、いわゆる爆買いブームが落ち着いて以降伸びていない。そこで観光施策として注目されているのが夜の消費活動を促すナイトタイムエコノミーであります。  都内二十三区では、渋谷区が渋谷区観光大使ナイトアンバサダーを設置、豊島区がアフター・ザ・シアター懇談会を設置するなど、ナイトタイムエコノミーに関する具体的な取り組みや検討が進められている。地域住民の理解と参画も必要であります。  そこで区長にお伺いします。港区としてもナイトタイムエコノミーについて、会議体等の意見交換の場を設置するなど具体的に進めていくお考えはあるか。  次に、自転車シェアリングの利便性向上についてであります。  区内交通不便地域の解消、水上タクシーなど舟運活性の検討、外国人観光客にもわかりやすい交通関連表示の構築、新駅とまちとの一体化など短期・中期的に取り組むべき都心港区の交通環境に関する課題は山積しています。そして、これまで以上に広域交通と地域交通が密接に連携していくことこそ都心区の責務であり、区民の利便性向上に寄与するものと思います。  港区の地域交通の代表的なものは、「ちぃばす」と今実証実験中である自転車シェアリングであります。東京二〇二〇大会開催までに本格運用を目指すとして開始された自転車シェアリングは有形のレガシーとなります。自転車シェアリングの目的は、放置自転車対策、環境負荷の低減、区民の利便性向上、地区内の回遊性の向上、観光振興や商店街振興など関連する施策の推進であります。そしてサイクルポートの拡大こそが自転車シェアリングの利便性を向上させ、さらに地域に浸透させる最大の課題であります。サイクルポートは現在百十カ所あり、順次増やしてきてまいりましたが、目標の百七十カ所にするまでには多くの課題があります。先日ある商店街から自転車シェアリングのポートに関する設置要望がありました。駅から遠い商店街を活性化させる手段としての要望でありました。  区長にお伺いします。自転車シェアリングの目的には商店街振興がうたわれておりますが、港区商店街連合会とも連携し、サイクルポートのニーズを調査し、商店街と協働してサイクルポートの設置促進に取り組むことはできないでしょうか。  区立公園は区民や在勤者の憩いの場所であり、生活の接合点でもあります。また、いろいろな公園に行き、たおやかな時間を過ごしたいという声も聞きます。区立公園内に、公園利用者に影響がない範囲でサイクルポートの設置促進ができないかお伺いします。  私は、自転車シェアリングのヘビーユーザーでありますが、最近、ポートで検索すると、「申しわけありませんが、利用可能な自転車が存在しません」と表示されることが多くなったように感じます。近場では夜、帰宅時の港区役所ポートなどは頻繁にそのようなことがあり、自転車があったと喜んでいても電源がゼロということもあります。  そこでお伺いします。ポートに自転車がない、あっても電源がゼロ、事業者使用が多く区民が使えないなどの諸課題の解決についてお伺いしたいと思います。そして、サイクルポート拡大に伴う自転車増台の意向についてもお伺いします。  続きまして、六本木の安全・安心への取り組みについてであります。  六本木は港区を、東京を代表する繁華街であります。住む人、働く人、集う人が渾然一体となり、さまざまな活動を展開し、そのきらびやかさを享受する理想の繁華街のありようがそこにあります。東京都の盛り場総合対策にも指定されている六本木の安全・安心については、武井区長自らが六本木地区安全安心まちづくり推進会議の会長となり、積極的な取り組みを進めてまいりました。六本木安全安心憲章を制定し、港区客引き行為等の防止に関する条例の制定も実現しました。六本木から始まった生活安全パトロール隊は全区の繁華街に及んでいます。  「六本木安全安心憲章」推奨事業所等認証制度は、六本木安全安心憲章に賛同いただいた店舗・事業所等を登録するものだが、平成二十九年度当初は二百十三件であったものが、現在は関係者の努力も実り、四百二十件となった。六本木全体で安全安心に取り組んでいこうという大きな下支えにもなっている。  不法投棄を根絶する六本木ごみプロジェクトも発足し、区民協働の取り組みは着実にその裾野を広げている。既に多数の外国人観光客が訪れる六本木であるが、来年は東京二〇二〇大会が開催され、世界中の人々が港区に訪れ、国際色豊かな六本木にも多くの人々が訪れると思われる。このたび長年懸案だった外苑東通りも来年中には整備され、街路灯も一新される。その環境向上を安全安心の向上につなげる機会としたい。  そこで区長にお伺いします。六本木における安全安心向上に関する区民との協働について、区長の基本的姿勢を改めてお伺いした上で、具体的な質問として、生活安全パトロール隊の深夜時間延長と通学時間の終わる朝九時頃までの警備体制の実施可能性についてお伺いします。  そして、落書き対策防犯カメラ無償貸与事業は、まちの安全向上に資する有効な事業だと思いますが、実績はほとんどありません。実態に合った条件緩和または目的の追加など施策改善についてお伺いしたいと思います。  次に、スポーツを総合的に所管する担当課を区長部局に設置することについてであります。  スポーツの多様性は言うまでもありません。子どもたちには希望を与え、成人には成人病予防や健康増進、高齢者には介護予防や生きがい、地域にはきずなと活性化、企業にも見る人にもスポーツは夢と活力を与えてくれます。区役所で言えば、教育、保健・福祉・医療、文化、産業振興、区民協働、企画、まちづくり、多くのセクションにスポーツはかかわっております。体を育むと書いて体育といいますが、平成二十三年に定められたスポーツ基本法によって体育から解放されたスポーツの広い定義が国民に提示されたわけであります。規制緩和の一環で教育委員会からスポーツが解放されたのも、このような背景があります。  そして、スポーツの祭典、東京二〇二〇大会が来年やってきます。港区は現在、区長部局にオリンピック・パラリンピック推進担当を設置しています。まさにこのセクションこそ、区長部局がスポーツを担う取っかかりだと私は認識しています。既に横断的にさまざまなセクションともかかわり、多くの成果を出しているところです。来年、東京二〇二〇大会が終了すると、この担当課はどうなるのか。なくなるのか。横断的連携をしながら、スポーツに関連する職務を推進しているオリンピック・パラリンピック推進担当の機能は維持・継続するべきであります。今後も開催されるであろうMINATOシティハーフマラソンの職務も引き続き担当すべきであります。  私は十年以上前、この質問を初めてしたときは、十区は残っておりましたが、今や二十三区でスポーツ行政を教育委員会で所管しているのは四区、台東区、渋谷区、葛飾区、港区のみであり、既に十九区が区長部局に移管しております。区長が責任を持って多様なスポーツの活力をまちにもたらすスポーツ行政を推進するべきときが来ていると思います。  区長にお伺いします。東京二〇二〇大会終了後は、オリンピック・パラリンピック推進担当は区民スポーツ課のような機能に改変し、他部局、教育委員会とも連携し、港区に住み、働き、集う、全ての人々にスポーツをもたらす生きがいと幸せに寄与するセクションに改変するべきだと思うがどう考えるか。  次に、どのように性的指向・性自認の多様なあり方をお互いに受けとめ合う社会を目指す施策を推進するのかお伺いします。  我が国においては明治維新以降、西洋化の流れの中で同性愛がタブー視され、違法とされた時期もありましたが、中世より、性的指向・性自認の多様なあり方については、必ずしも厳格ではなく、むしろ寛容でありました。しかしながら、現在、性的指向・性自認の多様なあり方について、社会の理解が進んでいるとは必ずしも言えず、性同一性障害特例法等の制度的な対応が行われたものの、いまだにいじめや差別などの対象とされやすい現実もあり、学校や職場、社会生活等において当事者の方が直面するさまざまな困難に向き合い、課題の解決に向けて積極的に取り組むことが求められております。  性的指向・性自認の多様なあり方を受容する社会や、当事者の方が抱える困難の解消をまず目指すべきであること、また、必要な理解が進んでいない現状の中、差別禁止のみが先行すれば、かえって意図せぬ加害者が生じてしまったり、結果として当事者の方がより孤立する結果などを生むおそれもあります。まず、目指すべきはカムアウトできる社会ではなく、カムアウトする必要のない、互いに自然に受け入れられる社会の実現を図ることであり、性的指向・性自認の多様なあり方をお互いに認め合う社会を目指す理念を定めた上で、現行の法制度を尊重しつつ、網羅的に理解増進を目的とした諸施策を講ずることが必要であります。今申し上げたのは自由民主党の見解であります。  武井区長は、平成三十一年第一回定例会におきまして、性的指向に関する制度を東京二〇二〇大会開催までに導入することを表明されました。導入ありき、時期ありきではなく、多様な生き方をお互いに認め合うことのできる地域づくりに有効な施策を区議会は、そして行政は徹底的に議論してほしいと思います。  このたび「人権に関する区民意識調査」を行ったことは評価申し上げます。施策策定にあたっては本調査の結果を尊重すべきでありますが、その結果によれば、「LGBTの子どもたちが差別されない、また将来に希望を抱ける教育に取り組んでほしい」について賛成の意見が七三・六%とトップであります。一方、「LGBTについては、そっとしておいてほしい」について賛成の意見が三七・五%、「わからない」とする意見も四六・九%、合わせると八四・四%でありました。これらのデータからうかがえることは、未来を担う子どもたちのために、LGBTに関する理解促進、啓発、教育の大切さを示しているとともに、いまだLGBTの理解が十分に進んでいないこともあらわしております。  それらの見解も踏まえ、区長の考えを伺います。どのように性的指向・性自認の多様なあり方をお互いに受けとめ合う社会を目指す施策を推進するのか、お答えいただければと思います。  次に、公立中学校の進学率向上についてであります。  公立中学校に関する質問を作成するにあたって、私は、はるか昔、大学の哲学科にいた頃、研究対象であったアメリカの哲学者ジョン・デューイの言葉を思い出しました。それは、「学校とは、子どもたちが自発的な社会生活を営む小社会でなければならない」という言葉です。公立中学校こそ、まさに小社会というべき教育環境であります。地域を軸に、さまざまな家庭の子どもたち、さまざまな能力を持った子どもたちが集まってくる。その子どもたちが一体となり、さまざまな学びと喜び、時にはやるせなさ、感動を地域の中で共有している。私も港区の公立中学校の卒業生ですが、それは間違いなく私の人生の財産であり、その後、社会に出て知ることになる小社会そのものでありました。高校や大学、大学院で出会うことのなかったような友人たちとは、今でも一緒であります。  港区は、中学校教育においてはさまざまな取り組み、地域や保護者と一体になって子どもたちを見守る取り組みがなされ、その魅力が高められてきました。しかしながら、今、公立小学校から公立中学校への進学率は低下傾向にあり、六割に届きそうな期間もありましたが、現在は五二%となっています。公立中学校への進学率は、港区の公教育の総体的な課題だと思います。幾つかお伺いします。  まず、施設一体型小中一貫校における課題についてであります。小中一貫校のメリットはさまざまなものが考えられますが、特に期待したいのは地域との連携の強化、いわゆる中一ギャップの解消、そして中学への進学率であります。特に施設一体型においては顕著なものとなるはずですが、そのまま一貫校の中学に進む児童は、白金の丘学園は七十三名中二十七名、お台場学園は五十六名中十六名となっており、三割前後にすぎません。他の中学への進学は妨げないものの、一貫教育の途中で転校や進学をすることは、九年間の小中一貫教育を目的として教育方針を打ち出している本来の小中一貫校の教育趣旨とは異なるという課題も生じます。このたび赤坂中学校の改築に伴い、施設一体型小中一貫校となるこの機会に、改めてお伺いしたいと思います。いま一度小中一貫校の魅力を総括、アピールし、その成果を進学率に結びつけなくてはならないと思いますが、教育長の考えをお伺いします。  次に、中学校の魅力をアピールすることについてであります。港区は中学校教育においてもさまざまな取り組みと成果を出しております。中学校の魅力をアピールすることについては、子どもたち、保護者に向けた積極的な展開を進めなくてはなりません。そもそも公立中学校に進学を考えていない児童や保護者は学校説明会には行かないと思います。そのような子どもたちにせめて選択肢に入れてもらうような取り組みも必要であります。さまざまな地域資源との連携も必要であります。  お伺いします。区立中学校の進学率を向上するために、現在、区立中学校の魅力をどのように発信し、今後、どのようにアピールしていくのかについてお伺いします。  次に、中学生の介護に関する学習についてであります。  介護が中学・技術家庭科の学習指導要領に来年度から入ることになりました。超高齢化社会を迎えた日本において、これだけ介護問題が身近で深刻になっているのに、これまで中学の学習指導要領に介護を授業内容とする記載はありませんでした。介護業界に身を置いてきた人間としては、とてもありがたいことであります。都心区の住宅事情から、おじいちゃん、おばあちゃんとともに暮らす、接することが少ない児童が多いからこそ、港区として内容のあるものにしてほしいと思います。将来の福祉人材育成に寄与するだけではなく、介護資源となる地域や家族のきずなの尊さ、命の意味、人間の尊厳について、人生の最後まで個人として尊重されること、精神的な自立を維持すること、人は人を幸せにすることのできる能力があること、どんな介護状態にあろうと幸せを感じることができること、そんなことを介護から中学生は学んでほしいと思います。  また、これは要望でありますが、高学年には、この人はどんな介護サービスを行えば尊厳ある生活が維持できるのかなどのケアプランの模擬作成、人間の残存能力を生かすICFの考え方など、踏み込んだ学習もしてほしいと思います。教育委員会として、中学生の介護に関する学習をどのように進めていくのか、教育長に伺います。  最後に、平和に関する取り組みの拡充についてお伺いします。  まず、東京二〇二〇大会に向けた取り組みの中で、港区の平和をアピールすることについてであります。オリンピック・パラリンピックは平和の祭典であります。古代オリンピックは千年以上続き、オリンピアの火が燃えている間は全ての戦いが中止されたと言われ、近代オリンピックの創始者ピエール・ド・クーベルタンは、スポーツで心と体を鍛え、世界の人と交流し、平和な社会を築くというオリンピズムの理念を提唱いたしました。  来年のオリンピックの開催期間は七月二十四日から八月九日までであります。そして、この開催期間中に広島八月六日、長崎八月九日、世界で初めて原爆が投下された日が重なります。世界平和をうたうオリンピック開催中に世界平和を問う広島平和記念式典、長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典が行われるのであります。東京二〇二〇大会のレガシーともなる平和への取り組みを推進すべく、港区として何ができるのかお伺いしたいと思います。  区立芝公園には、広島、長崎、八女の火を合わせた平和の灯がともされています。長崎の「ナガサキ誓いの火」は昭和六十二年、まさにオリンピック発祥の地ギリシャのオリンピアから贈られた聖火であります。福島をスタート地点とし、広島平和記念公園など全国を経てつなぎ渡される東京二〇二〇大会聖火リレーの最終セレブレーション会場は区立芝公園であります。  そこで区長にお伺いします。セレブレーション式典に合わせ、区立芝公園において港区の平和の取り組みをアピールする機会にしてほしいがどう考えるか。そして、オリンピック・パラリンピック競技大会の気運醸成と位置づけられているMINATOシティハーフマラソンにおいても、区立芝公園において港区の平和の思いを発信してほしいと考えるが、区長の見解を伺う。  中学生を対象とした広島での平和教育についてお伺いします。港区は、昭和六十年に港区平和都市宣言を行い、平成四年から長崎の長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典に平和青年団を派遣してまいりました。全国でも長い取り組みであり、長崎からも評価をいただいているところであります。ことしも行われた港区平和の集いにおいては、高校生の力強い平和への思いにあふれ、未来への希望を感じた報告がなされました。  私は、港区が長崎のみならず、広島との交流も積極的に推進すべきだと感じています。広島の平和への思いもまた重厚で全世界に力強く発信をしているからです。東京で開かれる平和の祭典、東京二〇二〇大会を契機とし、広島との交流を拡大し、港区の子どもたち、特に思春期で成長著しい中学生に戦争と平和について考える機会を設けてはいただけないかと思います。これはまた、先ほど取り上げた公立中学校の教育の幅、魅力向上にも寄与するものと思います。  実際二十三区においても、広島平和記念式典に区民を派遣している区が七区あり、いずれも対象は中学生であります。以前、議会でも取り上げましたが、私には一つ目標がございます。港区平和の集いをさらに盛大にすることであります。いつの日か、中学生は広島に、高校生は長崎に港区から平和の使者として派遣され、それぞれの平和の思いを港区平和の集いで大人たちに報告をする。高校生にあわせ、中学生も港区平和の集いに参加することができれば、この式典はさらに有意義で厚みあり、平和を祈る盛大な式典になるはずだと思います。  広島原爆資料館に赴いたときのことを思い出します。目を背けたくなるような写真や映像のある資料館の外には若者が行き交い、公園には子どもたちの笑い声があり、まちにはたくさんの車が行き交い、中心部を貫く川がたおやかに流れておりました。そこには活気のある平和そのもののまち広島がありました。  不気味に焼き焦げた黒い原野の記憶と、そののどかなまちの光景の間に、どれほどの市民の地域愛と平和への願いがあったのか私にははかり知れません。多くの港区の子どもたちにも平和の貴重さを広島の思いから知ってほしいと思います。その圧倒的な市民のまちへの思いの前では政治・行政の存在は小さなものでありますが、我々ほど多くの責任を負っている存在はありません。  平和の祭典オリンピック・パラリンピックが東京で行われることを契機として、さらに平和への取り組みを進めるべきだと思います。中学生が広島平和記念式典に参加するのは、高校生の平和青年団が派遣される日程とほぼ重なり、すぐに実施というのは難しいかもしれませんが、お伺いしたいと思います。  終戦から八十年を迎える二〇二五年、令和七年は、港区平和都市宣言から四十周年、昭和の元号で数えれば昭和百年の節目の年にあたります。その年に向け、段階的に中学生と広島との平和教育交流の拡大を期待したいと思いますが、区長の考えを伺います。  今、世界中で不穏な潮流を感じるのは私だけではないと思います。平和とは、長い歴史と人々の努力の積み重ねによって成り立つ得がたいものであります。日本の平和は世界に誇るべきものであります。子どもたちの未来のために、都心港区として我々は最大限の努力をするべきだということを申し上げて、平和に関する質問を最後に代表質問は終わります。ご清聴ありがとうございました。   〔区長(武井雅昭君)登壇〕 ○区長(武井雅昭君) ただいまの自民党議員団を代表しての池田こうじ議員のご質問に順次お答えいたします。  最初に、挑戦する港区についてのお尋ねです。  まず、次期港区基本計画の策定についてです。策定に当たって、区民の多様な意見を計画に反映させるために開催するみなとタウンフォーラムでは、「子育て」と「教育・スポーツ」を分けるなど、グループを六分野から九分野に細分化いたしました。次期計画期間中に人口三十万人となることが予測されております。将来需要も踏まえ、全ての区民によりきめ細かな区民サービスを提供するため、議論を深めていただき、計画に反映してまいります。区を取り巻く社会経済状況の変化や区民ニーズ、区財政の状況など、計画策定における検討の柱を中心に、新しい課題解決に取り組む、清新な港区基本計画にしてまいります。  次に、意欲的な職員の育成と組織風土の醸成についてのお尋ねです。社会の変化に伴い、行政課題が複雑・多様化する中、区政を取り巻く環境の変化に迅速かつ的確に対応し、区民の立場に立ってきめ細かく質の高い行政サービスを提供できる職員が必要です。そのため、区は、港区人材育成方針や働きやすい職場づくりの取り組みにより、職員の能力と意欲の向上を図るとともに、生き生きと働くことで、その能力を最大限に発揮できる環境づくりに取り組んでおります。今後も、港区らしい先駆的な施策の実現に果敢に挑戦する職員の育成と、一丸となって区民福祉の向上に取り組む組織風土の醸成に、より一層取り組んでまいります。  次に、新時代の職員定数配置についてのお尋ねです。区では、保育定員の拡大や児童相談所の設置準備に向けて積極的に人員を配置する一方、AIなどのICTや職員の能力、経験を最大限発揮し、限られた人員の中で複雑化・高度化する行政需要に対応しております。また、労働力人口が減少する中で、将来にわたり、きめ細かな行政サービスを提供し続けるためには、常勤の職員に加え、指定管理者等の民間活力や非常勤職員等の多様な人材を効果的に活用することも重要です。今後も、簡素で効率的な執行体制を維持し、必要な職員を適正に配置することで、新たな時代に的確に対応してまいります。  次に、支援部長を兼務する総合支所長の役割とメリットについてのお尋ねです。日頃から地域の課題に直面している総合支所長が、各政策部門の責任者である支援部長を兼務することは、地域の実態を政策形成に反映する上で重要な役割を担っており、区民ニーズを的確に把握し、迅速に施策を実施する上でも成果を挙げています。今後は、テレビ会議等のICT技術を効果的に活用することなどにより、総合支所における執務時間をこれまで以上に確保し、区民に身近な総合支所中心の区政運営を推進してまいります。  次に、若年層の流出に係る現状認識と今後の対応についてのお尋ねです。総務省による五歳刻みの人口移動報告では、平成三十年中に他の自治体に転出した人のうち、二十歳から二十九歳の人が占める割合は、全国平均で約三七%であり、港区においても約二七%と高い割合が示されております。また、平成三十年度に港区を転出した、これは統計の関係で十八歳から三十歳までの人数になりますが、七千人を超えております。区は、転出・転入のきっかけとなった状況を分析し、人口推計や新たな基本計画の策定に生かすため、本年七月にアンケート調査を行いました。年内に調査結果を取りまとめ、その結果を踏まえた適切な施策を推進し、誰もが住み続けられる港区をつくってまいります。
     次に、指定管理者制度についてのお尋ねです。  まず、指定管理者にかかわる職員の人材育成についてです。区は、指定管理施設の運営について、利用者のニーズを指定管理者と共有し、必要な指導や助言を行うことで、施策目的に沿った効果的で効率的な運営に努めております。引き続き、質の高いサービスを維持・向上していくため、職員が積極的に施設に出向き現場感覚を磨くとともに、施設運営の知識やノウハウの習得を図り、職員の人材育成に取り組んでまいります。  次に、指定管理者制度のマネジメントのあり方、指針についてのお尋ねです。区は、指定管理者が有する施設の管理運営のノウハウを最大限に引き出すことで、質の高いサービス提供を実現し、施策目的の達成に努めております。今後は、指定管理者制度におけるマネジメントのあり方として、施設の設置目的や利用者のニーズを職員と指定管理者が共有すること、お互いが連携してサービスの向上に取り組むことなどを運用指針の中で明確に示すことにより、全ての指定管理施設において適切にマネジメントを実施してまいります。  次に、高齢者の生活支援についてのお尋ねです。  まず、ホームヘルパーの確保策についてです。区は、これまで、ホームヘルパーの確保策として、介護のしごと面接・相談会の実施や介護の資格取得費用助成を行っております。介護事業者からは、ホームヘルパーの高齢化や人員確保の困難さなどの意見があり、ホームヘルパーの人材不足については認識しております。介護職員の処遇改善などについて港区介護事業者連絡協議会の意見を踏まえ、より有効な確保策を検討してまいります。  次に、高齢者民間賃貸住宅入居支援事業の改善と周知についてのお尋ねです。本年四月から開始した高齢者民間賃貸住宅入居支援事業は、民間の債務保証制度を活用することや新たに緊急通報システムの利用を入居要件とするなど、家主の負担や不安を軽減する制度としております。また、本事業は、公益社団法人港区宅地建物取引業協会港区支部の協力のもと実施しておりますが、十月からは、新たに公益社団法人全日本不動産協会東京都本部港支部の協力も得られることとなり、協力不動産店が増える見込みです。今後も、区民への周知とともに、協力不動産店を通じ貸主へも丁寧に説明し理解を得ることで、高齢者により多くの物件を紹介し、契約につなげられるよう努めてまいります。  次に、看取りのできる地域社会の実現についてのお尋ねです。  まず、地域包括ケアシステムにおける看取りの位置づけについてです。看取りを進めるためには、かかりつけ医、訪問看護師等が本人や家族の意向を十分に確認しながら、よりよい最期を迎えることができるよう準備しておくことが必要です。区は、在宅医療の専門医師や訪問看護師、介護事業者等の多職種で構成する会議の中で、在宅療養や看取りに関する検討をしております。今後、会議等での議論を踏まえ、地域包括ケアシステムを推進する中の重要な課題として明確に位置づけてまいります。  次に、看取りの情報提供・啓発活動についてのお尋ねです。区は、在宅療養等に関する区民公開講座を港区医師会や医療機関等の協力を得て開催するなど、啓発に取り組んでまいりました。本年十月には、人生の最終段階における医療ケアや在宅療養の現状を紹介し、区民と一緒に考える講座を開催します。区民が、住み慣れた地域で最期まで暮らし続けることができるよう、看取りや在宅療養について、リーフレットなどを活用し、地域に出向いて説明するなど、これまで以上に分かりやすい情報提供や啓発活動を推進してまいります。  次に、看取りの基本的なビジョンの確立についてのお尋ねです。住み慣れた地域で最期まで自分らしく暮らし続けることのできる地域社会の実現のためには、地域包括ケアシステムにおける在宅療養、在宅介護など地域の資源の連携が重要です。区は、在宅療養相談窓口においても港区医師会等と連携し、看取りを含めた相談対応を行っております。今後、看取りに関する取り組みについて、在宅療養の現場にかかわる医師や訪問看護師等の意見を踏まえ、令和三年度を初年度とする次期港区地域保健福祉計画策定の中でお示しをしてまいります。  次に、(仮称)港区子ども家庭総合支援センターの各機関との連携についてのお尋ねです。  まず、児童虐待相談の初動体制についてです。現在、虐待通告への初動対応は、東京都と区がそれぞれ行っておりますが、新たな施設では、通告を受けた時点から、区の児童相談所と子ども家庭支援センターが情報を共有し、初期の段階から同時に対応を開始します。児童相談所は、四十八時間以内の児童の安全確認及び調査、必要に応じ警察と連携した介入、一時保護等を行い、子ども家庭支援センターは、地域ぐるみの支援を調整し、児童相談所とともに児童と家庭の面接、訪問を実施します。二つの施設が、それぞれの強みを生かしながら、初動から継続支援まで連携し、迅速、適切に対応いたします。  次に、要保護児童の二十歳までの支援についてのお尋ねです。区が児童相談所を設置することで、現在、東京都が行っている、児童養護施設や里親のもとで生活する、十八歳未満の要保護児童の支援は、区が実施することになります。また、十八歳以降の自立支援については、現在も、子ども家庭支援センターが、関係機関と連携し、地域の中で孤立することがないよう取り組んでおりますが、新たな施設においては、より安心して相談できる機会と場所を設けることなどを検討しております。区は、全ての要保護児童や要支援児童が、十八歳以降も地域の中で引き続き安心して生活し、自立することができるよう、地域の関係機関と連携した支援体制を整えてまいります。  次に、福祉総合相談窓口の設置についてのお尋ねです。  区民の暮らしや地域のあり方が多様化している中、福祉的なニーズや相談者本人または世帯の抱える複合的な課題が増大しています。子育てと介護のダブルケアや親と同居する中高年の子どものひきこもりをあらわす八〇五〇問題など複雑なケースの相談対応には、各地区総合支所を中心に、既存の相談支援機関等の機能を最大限活用し、必要な支援を包括的に提供できる体制づくりが重要です。区民からの福祉に関するあらゆる相談にワンストップで、柔軟に対応できる相談体制の充実を検討してまいります。  次に、定住促進指導要綱における高齢者関連施設の係数についてのお尋ねです。  区は、生活利便施設等の促進を図るため、それらの施設の面積に乗じる係数等の見直しを適宜行ってまいりました。平成二十八年度には、サービス付き高齢者向け住宅、保育所等の子育て支援施設、一般利用が可能な喫煙所等の係数を引き上げました。また、その他の施設についても、地域の実情やニーズに即した生活利便施設等を誘導するなど良好な住環境の整備を図っています。引き続き、高齢者関連施設やその他施設に適用する係数につきましては、社会情勢の変化などに対応できるよう検討してまいります。  次に、土砂災害警戒区域等の指定に伴う対応についてのお尋ねです。  まず、土砂災害警戒区域等の相談体制についてです。東京都は、本年六月に、新たに土砂災害警戒区域及び土砂災害特別警戒区域の指定が予定されている区域の方々を対象に、指定に関する説明会を六回開催いたしました。説明会では、区からも避難勧告等の発令基準や情報伝達手段など、災害時の的確な避難のための情報提供を行いました。さらに、今月は、東京都が区の本庁舎において、指定の理由や指定に伴う心配事などの相談を受ける個別相談会を行っております。今後も、東京都と連携し、わかりやすい情報提供と丁寧な相談に努めてまいります。  次に、土砂災害ハザードマップでの周知についてのお尋ねです。今月中に予定されている東京都による土砂災害警戒区域等の指定後、区では、速やかに土砂災害ハザードマップを作成いたします。ハザードマップでは、土砂災害警戒区域等に関する説明のほか、新たに導入した五段階の警戒レベルや避難方法についても、わかりやすく掲載し、区民の確実な避難行動につなげてまいります。あわせて、崖や擁壁の改修工事の費用助成などの関連情報も掲載いたします。ハザードマップが完成次第、全戸配布するとともに、各地域での防災訓練や地域防災協議会の会合など、さまざまな機会を捉え、周知を徹底してまいります。  次に、がけ・擁壁改修工事支援事業の拡充についてのお尋ねです。本支援事業は、区独自の施策として、高さ二メートルを超える擁壁の新設または築造替えを対象とし、平成二十七年に支援を開始しました。東京都が、土砂災害防止法に基づき追加指定する土砂災害特別警戒区域は、高さ五メートル以上かつ傾斜角度が三十度以上の急傾斜地です。区内では、二十三区でも多い百二十二カ所が指定される予定です。この急傾斜地に擁壁を設置する場合、事業開始当初に想定した工事費より、多額の費用がかかるものと見込まれます。現在の支援事業について、実態を捉え、より一層利用しやすい制度となるよう、検討してまいります。  次に、港区の新しいまちづくり、にぎわいの創出についてのお尋ねです。  まず、ウォーカブル推進都市への参加についてです。ウォーカブル推進都市とは、居心地がよく歩きたくなるまちの形成により都市の再生を目的とするものです。区は、地域のにぎわいを創出し、歩いて楽しい街並みを創るため、道路や公園等の公共空間を活用し、地域の魅力や価値を向上させる地域主体のエリアマネジメント活動を支援しております。環状第二号線沿道を活用したマルシェや夜景を演出する旧芝離宮恩賜庭園のライトアップ等により、歴史、文化的資源の魅力を広く発信し、地域の活性化や居心地のよい公共空間を形成しております。区のこうした取り組みは、国土交通省が進めるウォーカブル推進都市に通じるものであり、国の動向を踏まえ、適切に対処してまいります。  次に、スマートシティモデル事業等への参加についてのお尋ねです。民間事業者が持つ技術は地域の財産であり、区民生活の向上に生かすため、区は積極的に連携を進めております。昨年度も、新たに民間事業者や大学との連携協定を締結し、AI翻訳実証実験や公衆無線LAN付高機能自動販売機の設置等を行いました。企業の新技術などを活用し、地域課題を解決する国土交通省のスマートシティモデル事業は、今年度の募集は終了していますが、区が推進する取り組みに役立つ制度につきまして、今後も本事業も含め、あらゆるものの活用を検討してまいります。  次に、ナイトタイムエコノミーの推進に向けた会議体等の設置についてのお尋ねです。区は、港区ならではのナイトタイムエコノミーの推進に向け、区の安全・安心の取り組みに協力する夜間営業の事業者へ旗を交付するMINATOフラッグ制度を開始するとともに、町会・自治会や商店会、観光事業者と個別に意見交換し取り組みの検討を進めてまいりました。これらを踏まえ、ことしのラグビーワールドカップ二〇一九開催期間中の後半に一週間程度、夜景スポットをめぐるバスツアーや舟運ツアー等のナイトイベントを集中的に展開いたします。今後は、さらに取り組みを発展させるため、各関係者を集めた会議体を今年度中に設置し、多くの意見を伺いながら効果的な事業を展開してまいります。  次に、自転車シェアリングの利便性向上についてのお尋ねです。  まず、商店街との協働についてです。区は、放置自転車対策、環境負荷の低減、区民の利便性の向上、観光振興や商店街振興など関連する施策の推進のため、自転車シェアリングを展開しております。これまで、サイクルポートの設置について、町会・自治会や関係機関に、協力を求め百十カ所に設置いたしました。今後、商店街の活性化を図るため、サイクルポートのニーズを調査するなど、港区商店街連合会と連携し、協働によるサイクルポート設置促進について、検討してまいります。  次に、区立公園内のサイクルポートの設置についてのお尋ねです。サイクルポートは、住宅地が中心の地域では、用地確保が難しく、設置が進んでいない状況です。区は、これまで、区立公園内において、こうなん星の公園や港南緑水公園などに、サイクルポートを暫定的に設置してきました。今後、区内全域にわたり、身近で利用しやすいサイクルポートを本格整備するとともに、公園の利用促進にもつながるよう、地域や公園利用者のご意見を伺いながら、区立公園内への設置について取り組んでまいります。  次に、自転車シェアリング事業の課題解決についてのお尋ねです。自転車シェアリングは、大変多くの方に利用されており、本年七月末の会員登録数は十万人を超えました。現在、利用回数の増加やサイクルポートの偏在などにより、自転車の再配置や自転車の維持管理など、人員不足によるサービス水準の低下が課題となっております。今後、事業者との連携をより一層強化し、区民の利便性の向上とともに、高いサービス水準を維持するため、効率的な再配置体制やきめ細かなメンテナンスなど、課題解決に取り組んでまいります。  次に、今後の自転車の増大についてのお尋ねです。区は、区内全域に自転車シェアリングを展開するため、計画していた千七百十台の自転車を平成二十九年三月に配備いたしました。現在、自転車シェアリングの広域連携を進めており、本年六月に目黒区が新たに参加し、十区になりました。今後、十区で連携を図り、広域相互利用から、自転車台数のバランスなどに配慮し、区民の利便性向上に努めてまいります。  次に、六本木の安全安心への取り組みについてのお尋ねです。  まず、安全安心の向上に関する協働の基本姿勢についてです。区は、町会・自治会や商店会、事業所、警察など関係機関が連携・協働する、六本木地区安全安心まちづくり推進会議を設置し、地域一丸となって、都心の繁華街特有の課題解決の取り組みを進めてまいりました。懸案となっていたごみの不法投棄や違法看板等、地域の課題をともに考え、活動にも直接参加していただく中で、安全安心に向けた協働の輪は着実に広がり、区民・来街者の安心感も高まってきたと強く実感しております。今後も、安全安心なまち六本木のため、地域の方との協働をさらに進めてまいります。  次に、港区生活安全パトロール隊の配置時間延長についてのお尋ねです。六本木地区においては、今年度から、港区生活安全パトロール隊を週末の朝五時から七時の間に配置し、新たに早朝の客引き対策を実施しております。さらに、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会開催期間中は、深夜も多数の来街者が六本木地区を訪れ、客引きも増加することが予想されるため、通常午前一時までのパトロール隊の配置時間を、毎日、朝七時まで延長いたします。また、それ以降の時間は、青色防犯パトロールによる見守りを強化いたします。引き続き、地域の実情を踏まえ、安全・安心の取り組みの充実に努めてまいります。  次に、落書き対策防犯カメラ貸与事業の改善についてのお尋ねです。区は、今年度から、落書きの再発防止のため、落書きが繰り返されている場所の所有者等に対する防犯カメラの無償貸与事業を実施しており、既に二台のカメラを貸与しております。事業がより多くの区民や事業者の方々に利用していただけるよう、事業の周知を徹底するとともに、落書き被害に遭った方への直接の勧奨を積極的に行ってまいります。今後、区民や事業者の皆さんにとって、より利用しやすく、また、落書きをはじめとする犯罪被害を効果的に防止できるよう、実態を十分に踏まえ、実施方法等について工夫をしてまいります。  次に、スポーツを総合的に所管する担当課を区長部局に設置することについてのお尋ねです。  オリンピック・パラリンピック推進担当は、スポーツ分野をはじめ、大会を契機とした区の魅力発信や文化、観光など区政のさまざまな分野に業務がわたるため、区長部局に設置しております。スポーツ行政については、港区スポーツ推進計画の取り組み及び地域の方々やスポーツ団体と学校が連携した取り組みが定着していることを踏まえ、教育委員会が所管することが望ましいと考えておりますが、全庁を挙げて推進すべき事業については、区長部局が教育委員会と連携し、積極的に取り組んでまいります。  次に、性的指向・性自認の多様なあり方を受けとめ合う社会を目指す施策の推進についてです。  区では、本年三月、多様な性についての理解を深めるため、当事者の困り事、周囲が配慮することなどを具体的に記したSOGIガイドを発行し、性的指向・性自認に関する理解促進と正しい知識の普及啓発に努めております。今後、性的指向に関する制度の導入に向け十一月にパブリックコメントを予定しております。その際、区に寄せられるご意見等も参考としながら、互いの人権を尊重し、多様な性的指向・性自認を認め合う地域社会を築くための施策をさらに推進してまいります。  次に、平和に関する取り組みの拡充についてのお尋ねです。  まず、平和の灯を取り入れた東京二〇二〇大会の気運醸成についてです。区は、平和の灯を設置しております区立芝公園をメイン会場とするMINATOシティハーフマラソンやオリンピック聖火リレーのセレブレーションを好機と捉え、平和の灯に込められた想いを多くの皆さんと共有する手法について検討しています。本年十二月のMINATOシティハーフマラソンでは、特設ステージで平和の灯を紹介するなど、多くの来場者に周知いたします。来年七月のセレブレーションにおいても、聖火ランナーのルートに平和の灯を組み込むことなどを組織委員会に要請し、区の平和への想いを国内外へ広く発信してまいります。  最後に、港区の中学生と広島との平和に関する交流についてのお尋ねです。中学生をはじめ、次代を担う世代に戦争体験を伝え、平和の尊さを学ぶ機会を設けることは、平和都市宣言を行った区の使命です。平和青年団は、昭和六十一年当初、広島に派遣しておりましたが、長崎が青少年ピースフォーラムを企画し、全国の青少年との交流の機会が得られることから、平成四年以降、長崎に派遣をしています。今後は、被爆体験伝承者を全国に派遣する平和事業など、広島が取り組むさまざまな平和の取り組みと連携し、港区の中学生と広島との平和に関する交流事業について検討してまいります。  よろしくご理解のほどお願いいたします。  教育にかかわる問題については、教育長から答弁いたします。   〔教育長(青木康平君)登壇〕 ○教育長(青木康平君) ただいまの自民党議員団を代表しての池田こうじ議員のご質問に順次お答えいたします。  最初に、区立中学校の進学率向上についてのお尋ねです。  まず、施設一体型小中一貫教育校についてです。施設一体型小中一貫教育校には、一人ひとりの子どもの学習状況や生活の様子について小・中学校の教員の理解が進み、中学校生活への移行が円滑になるメリットがあります。お台場学園や白金の丘学園では、小学校から中学校への内部進学率を向上させるため、切れ目なく継続性のある一貫した学習指導や生活指導に加えて、小・中学生の交流などの特色ある教育活動や魅力ある部活動の設置を、地域とともに創り上げてまいりました。  また、小中一貫教育校の準備を進めている赤坂中学校では、小学校段階から活用しているタブレット端末機器を使用し、新しい時代にふさわしい児童生徒一人ひとりの習熟度に応じた学びを、九年間を通して展開するなど、連続性のある魅力的なカリキュラムを創出してまいります。今後も、施設一体型小中一貫教育校で実施している学校説明会はもとより、合同説明会や学校ホームページや教育委員会広報誌などを通じて、これまで以上に、内部進学率の向上につながるよう、小中一貫教育校の魅力を発信してまいります。  次に、中学校の魅力を発信する取り組みについてのお尋ねです。現在、教育委員会では、各校の特色や取り組みを保護者や児童に理解してもらうため、毎年七月に合同説明会を開催しております。昨年度からは八月に説明会当日参加できなかった方のために、区役所で合同説明会の様子を、映像で伝えております。合同説明会では、中学校PTA連合会会長から、卒業後も地域で区立中学校時代の仲間との交流が続くことや、冷暖房設備やプール等の施設が充実していることなど、保護者目線から区立中学校の魅力を伝えていただきました。また、各中学校では、教員が小学校に赴き出前授業を行い、児童の区立中学校への関心や期待を高めております。さらに、三田中学校では、生徒が自分の中学校の魅力について、出身小学校の児童へ直接伝える取り組みも行っております。今後、こうした各校での取り組み事例について、校長会等で情報を共有するとともに、学校説明会や合同説明会の内容に工夫を加え、学校ホームページや教育委員会広報誌の充実、さらに、ケーブルテレビなどの有効活用により、各校の特色や魅力ある教育活動を積極的に発信してまいります。  最後に、中学校の介護に関する学習についてのお尋ねです。  現在、区立中学校では総合的な学習の時間において、区長部局の協力のもと、認知症サポート講座を開催し、生徒は認知症や高齢者とのかかわり方、また、介護の大切さについて学習しております。今後は、これらの学習に加え新学習指導要領に基づき、生徒自身が家族や地域の一員として高齢者を支える側であるという自覚を高めることのできる学習を行ってまいります。あわせて、高齢者施設の協力を得ながら、命の大切さや高齢者とのかかわりについて、より理解を深めることができるよう、体験的な学習をさらに充実させてまいります。  よろしくご理解のほどお願いいたします。 ○議長(二島豊司君) ただいまの自民党議員団を代表しての池田こうじ議員のご質問にお答えいたします。  区議会における聴覚障害者への配慮についてのお尋ねです。  これまで港区議会では、開かれた議会を目指してさまざまな取り組みを進めてまいりました。区議会における聴覚障害者への配慮については、前期十八期から議会改革検討会においてさまざまな検討を重ね、今期十九期においても新たな委員で引き続き検討を重ねた結果、実施に向けて各会派の合意を得ることができました。今後は、議会映像への手話通訳や字幕の挿入について、早期の実現に向けた具体的な作業を行ってまいります。  よろしくご理解いただきたいと思います。  次に、十二番横尾俊成議員。   〔十二番(横尾俊成君)登壇、拍手〕 ○十二番(横尾俊成君) 令和元年第三回港区議会定例会にあたり、みなと政策会議を代表して、区長に質問・提案を行います。  質問に入る前に一言申し上げます。先日の台風十五号により、千葉県などでは大規模停電が発生し、今も多くの方々が避難生活を余儀なくされています。被害に遭われた皆様には、改めてお見舞い申し上げます。  停電により、私たちはライフラインが大きなダメージを受けることを改めて実感しました。今後、日々の災害への備えや分散型の電源の確保など、さまざまな対策をしていかなければなりません。今は何より被災者の方々の早期の生活再建を心から願っております。  さて、私は、NPO法人の理事をしていたり、大学院の博士課程に通っていたりする関係で、大学などの講義に講師として招かれることがあります。社会課題やキャリア教育について話すことが多いのですが、最近、講義で必ず唱えているのは、脱SNSということです。フェイスブックのニュースフィードやグーグルの検索結果などで私たちがふだん接している情報は、属性やインターネット上でとった行動を考慮したアルゴリズムによって一人ひとりに最適化されています。例えば、本当はもっと多くの友達がいるにもかかわらず、フェイスブックにはいつも同じ人の情報が上位に表示されます。これは、フェイスブック側が、ユーザーが知りたいであろう情報を推定して上位に表示する機能を備えているためであり、それにより私たちは特定多数の人の最新の投稿ではなく、投稿への「いいね!」やクリック数、PVなどではかられた、優先順位の高い友達の投稿を中心に読むことになるのです。  これは、いわゆるフィルターバブルの問題を引き起こします。インターネット活動家のイーライ・パリサー氏が二〇一一年に唱えたこの概念は、インターネット上の検索サイトが、ユーザーが見たくないような情報を遮断する、つまり、フィルターのせいでユーザーがまるで泡、バブルの中に包まれたように、自分が見たい情報しか見なくなる状況を指します。ツイッターやインスタグラムなどでも、私たちは基本的に、好きな人や自分の考えに合う人しかフォローしないので、同様にこのフィルターバブルの状態になります。私は、これが価値観が先鋭化していく近年の分断社会の一因となっていると見ており、だから私は若者にSNSを捨て、まちに出るべきだと唱えています。  人は、インターネットやSNSにはまればはまるほど、自分と異なる価値観と出会いづらくなります。摩擦が起きなければ、人々の発想力や構想力、それにイノベーションを起こす力は失われます。そして、もっと問題なのは、自分の見たい情報しか見なくなると、ほかの価値観を持った人や別の境遇に置かれた人を思いやる気持ちが失われていくという事実です。それは、社会で起きている困難や、一人ひとりが抱えるさまざまな悩み、また、その解決に向けて取り組んでいる人へのまなざしを失うということです。分断社会の最も怖いところは、他人への思いやりの気持ちを失っていることを本人が全く気づかず、また、そこに悪気がないということです。自分の周りには、その問題で困っている人は一人もいないという発言をし始めたら要注意です。  私が清掃活動のNPOなどで目指していること、それは若者をまちに引っ張り出して、リアルなコミュニティに接続する回路をつくることです。まちのリアルなコミュニティには、本当に多様な人がいて、老若男女、右も左も、それ以外も多様な価値観があります。同時に多様な課題があります。まちはイノベーションの源泉であると同時に、他者を気遣うための訓練の場でもあり、また、みんなで解決するべき課題を多く持った場でもあります。ただし、これは私たち議員が陥りやすいのですが、町場の声ばかりを聞き、インターネット上、もしくは町場にあらわれない声なき声に気づかないことも大きな問題です。  議員には、行政サービスで見落としされがちな、声が上がらないから、いないものとされている人たちの声を丁寧に拾い上げ、提言し、彼らの生きづらさを解消する役割があります。社会に生きる誰もが必ず、何かの側面では少数派に属しています。少数派であっても差別されない社会、多様性や違いが認められる社会は、みんなにとって住みやすい社会です。多様性あふれる魅力的な港区を皆さんと一緒につくっていくことを誓い、質問・提案に入ります。  初めに、港区ビジョン構想委員会の設立についてです。  六年ごとにリセットしてしまわないまちづくりのために、港区ビジョン構想委員会の設立を提案いたします。私が大学で講義をするとき、よく聞く質問があります。それは社会科の教科書で、「一人の高齢者を数人の若者が支えている図を見たことがある人はいますか」というものです。学生はほぼ一〇〇%の確率で「ある」と答えます。実はこの図は、私が子どもの頃から、あるいはもっと前からほとんど変わっていません。三十年ほど前のある教科書には、次のように記されています。「今後、我が国日本では少子高齢化が進行し、二〇一〇年には年少人口と老年人口の逆転現象が起きることが予測されている」。今や当たり前のものと認識されている少子高齢化という言葉は、出生率が低下して年少人口が減少する少子化と、総人口に占める高齢者の人口比率が増大する高齢化の二つがセットになっているものですが、日本ではかなり前から少子化と高齢化の二つが同時に問題となっていたことがわかります。  ただし、年少人口と老年人口の逆転現象は、約三十年前には二〇一〇年ごろと予測されていましたが、実際は一九九七年に起きています。また、総人口に占める老年人口の割合は、二〇一〇年には約一九%程度と予測されていましたが、実際には約二三%まで増大しています。社会課題についての予測は、楽観的なシナリオと何も対策をとらない場合の悲観的なシナリオが描かれますが、少なくとも少子高齢化は、予測よりも大分速いスピード進んでいると言えます。  少子高齢化については、これまで国も地方自治体も十分な対策をとることができなかったから、いまだに課題として残されているのだと思います。なぜ対策がとれなかったのか。その一因について、私は行政の採用する単年度予算、また、港区でいうと十年ないし十五年後だけを見据えた基本構想、六年先だけを見据えた基本計画が、長期的な課題に対応しづらいという構造上の問題にあると考えています。単年度予算では、どうしても次年度のこと、もしくは数年先までのことばかりに注目が行きがちで、少子高齢化社会にどう向き合うのかのような、すぐには解決できない問題からは遠ざけてしまうのです。  現在、区では基本構想を、自治体の進むべき方向を定めるもので、自治体の憲法と言えるものとし、目標とすべき港区の将来像を描き、その実現のための施策の大綱を示すものであるとしています。また、基本計画は、区が取り組むべき目標や課題、施策の概要を体系的に明らかにするとともに、年次的な事業計画によって基本構想実現のための具体的な道筋を示すことを目的にしています。さらに、基本計画については、策定や見直しの際に、港区に住み、働き、学ぶ方々が主体となって意見を出し合い、区に提言を行う区民参画組織みなとタウンフォーラムを設置し、多様な人々から意見を募っています。  私はこの制度自体には賛同するものですが、その見据える先が数年先にとどまっており、これだけでは射程の範囲が狭いと感じています。例えば、少子高齢化については、現時点でこそ問題とされていますが、本当にそうなのでしょうか。数十年先、世界人口が飛躍的に増加し、人工知能を備えたロボットが当たり前に活躍している時代、一方で地域の資源は枯渇している時代に、果たして少子化は悪なのか。また、医学やテクノロジーの発達で、人はこれまでよりずっと健康で、かつ、長寿化している時代に高齢化は本当に悪なのか。じっくり考える必要があると思います。ひょっとしたら今すべきことは、少子高齢化を解決するための施策を考えることではなく、港区に住む高齢者の新たな生活文化をつくることなのではないでしょうか。  こうしたことを、ネットとリアルを融合させつつ、港区内外の多様な人と思考することで、区がこれまでにない発想の仕方で社会課題を解消する施策を生むことができるだけでなく、区にかかわる人たちが、自分たちにとってつくりたい未来やビジョンを考え、今できることを実行するきっかけになると考えます。  五十年、百年先を見据えたまちの大きなプランを、住民のみならず、企業やNPO、大学関係者、各種の専門家など、区にかかわるさまざまなステークホルダーと一緒に考え、つくっていく組織、いわば港区ビジョン構想委員会をつくることが大切です。現在のみなとタウンフォーラムなどの組織に加え、このような組織をつくることについて、区長の考えをお聞かせください。  次に、小さな声も届くまちづくりについてです。  区では、さまざまな機会を捉え、多様な手法で区民の声を聞く取り組みを行っています。参加者を無作為抽出で募集するみなとタウンフォーラムに加え、外部のサービスとコラボレーションした試みを行うなど、区民参画の裾野を広げていることは評価いたします。一方、仕事や家事で忙しいお母さん、障害のある方、性的少数者の方など、さまざまな理由で外に出て意見を述べることが難しい人たちの意見については、十分に聞けていないのが実情です。  千葉では、の幹部が車椅子の操作や介助を体験する研修を受けるなど、東京二〇二〇パラリンピック競技大会の会場を抱える都市として態勢を整えています。また、渋谷区では、NPO法人ピープルデザイン研究所が主催し、日常生活に不自由を感じている人たちの目線でさまざまな課題をあぶり出す「ピープルデザインカフェ」というイベントが行われています。職員は部署を問わず、こうしたイベントに積極的に出向き、その結果を各種の施策に生かしています。区役所の部長、課長などの管理職と二十代から三十代の職層にピープルデザインの考え方を取り入れた研修も行っているようです。  さらに、男女平等参画の分野において、渋谷区ではLGBTQの当事者が担当課長に就任し、自らの経験や、当事者や当事者団体へヒアリングした結果をダイレクトに施策に反映しているため、より当事者目線に沿った施策がつくられつつあります。世田谷区でLGBTQ関連の施策が充実しているのは、区議会に当事者の議員がいて、彼女が定期的に区のあらゆる分野の施策を当事者目線で見直しているからです。アンケート等からは得られない、当事者のリアルな視点が大切なのです。  港区でもLGBTQや障がいのある方々、貧困家庭や若者など、これまで区政に声が届きづらかった方々の声を積極的に拾うための仕組みを整えていくべきだと考えます。その際、例えば障がいに関する施策だけに障がいのある方の声を聞くのではなく、区の担当部署を超え、公園づくりにも道路の整備にも、彼らの声を反映させることが本当の意味でのバリアフリーです。一つの策として、年に一度、さまざまな分野の当事者を分野ごとに集めて、区のあらゆる施策を、それぞれに総点検してもらう機会をつくる方法があるかと思いますが、区長のお考えをお聞かせください。  次に、魅力あるまちづくりのための、特区をはじめとした新しい制度の活用についてです。  国家戦略特区は、規制改革を総合的かつ集中的に推進し、産業の国際競争力の強化、また、国際的な経済活動の拠点の形成の促進を図る制度です。東京都全域が、神奈川県全域、千葉県千葉及び成田とあわせて「東京圏」として指定されています。  平成二十五年度に開始されたこの特区制度は、二〇二〇年開催の東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会も視野に、世界で一番ビジネスのしやすい環境を整備することにより、世界から資金・人材・企業等を集める国際的ビジネス拠点を形成するとともに、起業・イノベーションを通じ、国際競争力のある新事業を創出することが目的です。東京都は、平成二十六年の区域指定以来、都市再生・医療・創業・雇用・女性活躍の推進等さまざまな分野において、特区メニューの活用と規制改革の提案を行っており、港区も都市計画法の特例などの影響を受けています。  また、内閣官房のまち・ひと・しごと創生本部が主導し、平成三十年には地域再生法が改正され、地域再生エリアマネジメント負担金制度が創設されました。海外におけるBID、Business improvement districtの取り組み事例等を参考として、地域再生に資するエリアマネジメント活動の推進を図ろうとしています。さらに国土交通省では、都市の多様性とイノベーションの創出に関する懇親会における中間報告で、まちづくりのこれからの方向性が打ち出され、ウォーカブル推進都市を募集し、推進しようとしています。そのほか、内閣府ではスーパーシティ構想に関する法案の提出準備が進んでいます。どの制度も各市区町村のリーダーが決断し、推進すればよく、それによりエリアの価値を高めることができることになっています。  ところで現在、ほとんどの国際都市において、まちづくりと言えば、多様性・ダイバーシティがキーワードです。世界では多様性が都市の魅力を形成する重要な要素として認識されており、例えばLGBTQの方々にそうでない人と同様の権利を与え、彼らが暮らしやすい環境を整えるのは当然のことです。もちろん、多様性を構成する要素は、LGBTQに限りません。女性、高齢者、若者、障害者、外国人など、さまざまな人々が活躍できる社会は、みんなの力が社会・経済活動に生かせる、もしくはありのままが受け入れられる社会であり、これまでにない視点で社会の課題を解消できる可能性が秘められた社会です。近年では、多様性を土台とし、都市ごとにさらにどんな色をつけていくのかが、まちの魅力づくりにとって必要なことと認識されています。  一方、森記念財団都市戦略研究所が毎年出している「世界の都市総合力ランキング」の二〇一八年度版によると、総合力では第三位の東京は、六つある分野別で見ると、どれも一位にはなっていません。経済では一位がニューヨーク、R&Dでもニューヨーク、文化・交流ではロンドン、居住ではベルリン、環境ではストックホルム、交通・アクセスではパリとなっています。多様性社会におくれ、さらに都市独自の魅力も明確でない東京の中で、その中心である港区はどんな色を見出していくのかが問われています。  例えば、区民の特定健診やレセプトの大量データ、それに日々の健康管理状況等をビッグデータにして分析・管理し、抽出された対象者の病気や重症化を予防することで、世界一健康な都市づくりを行っていく。あるいは、海外では既に普及している電動キックボードのシェアリングサービスを国内の他の都市に先駆けて普及させることで、それが環境の改善や交通不便の解消に役立つか検証する。もしくは、竹芝のウォーターフロントなどでの規制を緩め、水辺を中心とした観光ネットワークを確立していく。これからの時代を見据え、スマートシティの取り組みも重要です。今挙げたものは一例ですが、都市の魅力を高めるために、世界で一番新しくて住みやすいまちをつくるために、港区が主導し、東京都や国に働きかけて特区を申請していくべき分野や、新しい制度を活用して区が独自に進めることができる分野は、ほかにもたくさん考えられます。新しい取り組みは、港区の国際競争力を高め、結果的に区の税収を増やすことにもつながります。  また、財政がほかの都市より安定している港区には、規制改革という手段で日本のさまざまな社会課題を解決することができるのか、そのための実験を積極的に行う責務があるとも思います。区長は、港区の魅力を高めるため、特区や、今ご紹介した新しい制度や仕組みを、今後、具体的にどのような分野で活用できると考えているのか、お考えをお聞かせください。  次に、困り事をすぐに相談できるアプリの制作についてです。  以前よりご紹介している千葉の「ちばレポ」は、ICTを活用し、市民と行政がまちの課題を共有し、ともに解決していく仕組みです。会員登録を行った市民が、まちで見つけた問題や困り事をスマートフォン等で撮影し報告すれば、それがのデータベースに送られるというものです。ベビーカーや車椅子が通りにくい道路、崩れそうな壁、夜道が怖い通路などといった困り事は自動的に分類され、即座に担当課に届けられます。  千葉のレポートによると、「ちばレポ」は実際、市民参加・市民協働の推進の面で大きな効果が生まれているようです。一点目は、参加登録者が三十代から五十代の男性が多く、従来は行政とのつながりが薄かった層にとって新たな行政とのチャンネルとなっているという点です。二点目は、市民からの地域課題の通報や、それに対するの対応プロセスをオープンにし、可視化、共有化できたことで、行政の透明性の向上、信頼性向上に寄与しているという点です。さらに、平成二十八年度の参加者アンケートでは、八二・六%の方が「まちを見る意識に変化があった」、「どちらかと言えば変化があった」と答えており、地域の一員としての市民意識の醸成に寄与していることが推測できます。  日中働いているサラリーマンの方や子育てに忙しいパパやママ、障害のある方々は、まちに対して困り事を感じていたとしても、平日の昼間に区役所の窓口に訪れることは難しい状況にあります。また、それがたとえメールという手段であっても、区役所に声を届けることはちゅうちょしてしまうことでもあります。市民が気軽に簡単に、そしてできれば楽しく役所に意見を届けられる仕組みを用意していくことは、区民参画のまちづくりにとって大事なことだと思います。区への意見の伝達手段の多様性が必要です。  昨年の第二回港区議会定例会において、港区版の「ちばレポ」の導入についての私たちの会派の代表質問に対し、区長は、「『ちばレポ』を含め、ICTを活用した広聴手法の拡大に向けて検討する」と答弁されています。前向きに検討してくださっているものと理解しておりますが、その後の検討状況やお考えについてお聞かせください。  次に、AI等を使った子育て情報の配信についてです。  子育てに役立つ取り組みはたくさんあります。しかし、子どもの年齢も家族構成も異なる皆さんに、個別の情報配信がうまくできていないのが現状です。必要な情報を必要なときに得ることができるような仕組みの導入が必要です。  現在、港区では、港区出産・子育て応援メール配信事業があります。しかし、これは子育てに関するアドバイスや基礎知識などをプッシュ型で知ることができる一方、必要な情報が必要でない情報と一緒に来てしまい、知りたい情報を見逃してしまいがちという問題点もあります。  一方、渋谷区では、子育てのためのLINEアカウントが運用されています。これは、どこに住んでいて、どのような世帯なのか、年齢、通っている施設などの詳しい情報を入力した上で利用することができるサービスです。このアカウントでは、項目別に欲しい情報などがまとめられており、必要なときに必要な情報を主体的に得られるツールとなっています。保護者の方々は、保育や子どもの手当・助成、子どもの健診・予防接種などの情報について、LINEのアプリ上から素早く掲載ページに飛ぶことができ、需要に合わせて最新の情報を見ることができます。また、渋谷区の公式アカウントでは、子育て支援に関する問い合わせについて、AIが答えてくれるようにもなっており、利用者は必要なときに最適な情報を得ることができるようになっています。  そこで、港区でも港区出産・子育て応援メール配信事業のほかに、LINEを活用した情報提供サービス、それにAIを使った子育て情報の配信をしてほしいと思います。子育てひろばあっぴぃ、子育てひろば「あい・ぽーと」、みなと保健所、児童館、赤坂子ども中高生プラザ「なんで~も」、子育て交流会、私立保育園のイベントなどはカレンダーなどで一覧できるようになっていればよいかと思います。また、AIを使ったサービスでは、子どもの年齢や家族構成を加味した上で、イベント情報を含め、必要な情報や潜在的に必要としている情報がプルとプッシュの両方のやり方で確実に届く仕組みを開発すべきかと考えます。AI等を使った子育て情報の配信について、区長の考えをお聞かせください。  次に、保育園の入園に関する情報の充実についてです。  港区の保育園は、平成三十一年四月一日現在で待機児童ゼロを達成するなど、その環境は確実に整備されており、議会等からの要望を受けたこれまでの区の取り組みは高く評価いたします。また、出産費用の助成や第二子の保育料無料化などの取り組みは、港区で子育てをする一つの大きな魅力になっています。しかしながら、保育園入園までのハードルは、いまだに高いとの声があります。保育園探し、見学、入園までの一連の手続は保活と呼ばれ、保活は多くの保護者にとって困難なものです。  その原因の一つとして挙げられるのは、保育園周りの情報整備の不足です。例えば、区内の保育園情報のページには保育園の住所などは載っていますが、地図のリンクがなかったり、その保育園の様子や教育方針、見学の仕方などの情報はなく、現状では電話や保育園に赴いてその様子を聞くことが必要となっています。また、保育園に行くにしても、会社を休んで開園時間内に行くことが求められるため、共働き家庭においては、なかなか多くの保育園の情報を手に入れられないのが現状です。また、一カ月ごとに保育園の空き情報は更新されるものの、保育園に見学に行ったとしても、その保育園で、そのタイミングでどれくらいの応募があるか、また、対象年齢の枠に空きがあるかどうかはわからず、無駄足になってしまうことが多いことも保活の難しさを助長します。
     そのような中、東京都が都内の保育園の位置情報を可視化する保育園マップをつくったことは、一つの前進だと考えます。ただ、数十人のご家庭にヒアリングを行ったところ、位置情報がもっと簡単に見られたり、当該の保育園の運営方針や対象年齢がわかるだけでも相当助かるといった声が集まりました。港区でも保育園のマップ表示に加え、対象年齢や保育園の説明などの情報の充実、さらに保育園のリアルタイムの空き情報などがわかるようになれば、より港区で子育てをしやすくなる環境が整うのではないでしょうか。  保育や小さいお子さんを持つご家庭に向けたサービスである「ママスタ」は、保育園の空き情報などがリアルタイムでわかるサービスの開発を進めています。例えば、このような民間の事業者と組めば、港区での保活をよりスムーズにすることができると考えます。保育園の入園周りの環境が改善されれば、育休取得や入園予約、職場への復帰のハードルも下がりますし、それにより港区での働き方、暮らし方、子育ての仕方が豊かになっていくと考えます。区長のお考えをお聞かせください。  次に、高齢者にキャリアを生かした仕事を提供することについてです。  老後の二千万円問題が話題になるなど、老後の資産形成や生活水準の維持に不安がある時代において、高齢者が働ける場所を確保することは、基礎自治体の責務だと考えます。しかし、健康寿命の延びに対して、彼らの働く場所の確保が追いついていないのが現状です。  港区には、他の自治体同様、シルバー人材センターがあり、清掃作業から経理、また行政から受注する福祉分野での業務に至るまで、幅広い仕事が提供されています。また、仕事を依頼する事業者の側からしてみても、港区シルバー人材センターのホームページには、発注できる仕事がわかりやすく示されており、一定の評価がされています。しかし、センターを利用していない人に聞くと、余り魅力的な仕事がないという声も聞こえてきます。区にはチャレンジコミュニティ大学があり、その卒業生からも、大学で学んだことを生かせる仕事を地域につくってほしいという要望を受けています。  神奈川県鎌倉は、歴史的遺産や多くの文化財を抱える都市です。ここは観光のイメージが強い一方、高級住宅街も多くあり、高い語学力を持つ高齢者が多く居住しているでもあります。そこででは、高齢者に対し、鎌倉の文化財や知識を学んでもらい、海外からの旅行者のガイドをしてもらうという事業を行っています。  また、大阪府豊中市では自治体がノウハウを持つ株式会社に委託し、高齢者の雇用の創出を行う取り組みを進めています。タブレットの使い方を教える教室の運営、市外の遊休農地を利用して農業の方法を教え、育てた農作物を販売する事業、また手袋や雑巾の縫製業務の受注などを行っています。この事業は、事業単体でランニングコストを賄うことができており、無理のない形で運営されていることが高く評価されています。  そこで、港区でもこうした自治体の例を参考にして、高齢者向けに港区らしい雇用の創出、社会課題を解決するような雇用づくりを行っていくべきではないでしょうか。例えば、外国人に向けて、東京の複雑でわかりにくい交通網をわかりやすく案内したり、観光案内をしたりする仕事、それにIT会社での勤務経験を生かした事業、各種経営指導など、さまざまに考えられるかと思います。港区シルバー人材センターなどと連携し、高齢者が自らの専門知識を生かして働ける機会の提供を進める必要があるかと考えますが、区長のお考えをお聞かせください。  次に、港区が認知症フレンドリーシティになることについてです。  日本は、人口における認知症患者の割合が世界で一番高く、二〇二五年には高齢者の約四人に一人は認知症またはその予備軍になると言われています。このような状況に対して、二〇一七年、政府が認知症対策の実行に乗り出しました。その大きな柱が新オレンジプランです。これは認知症の人へのアプローチだけではなく、介護者やその家族に優しい地域づくりといった、いわば認知症の人を取り巻く環境整備に力点が置かれています。  そのような中、東京都町田では、二〇一六年秋から半年間かけて、認知症の方々とさまざまな立場の人が一緒になり、「認知症フレンドリーコミュニティまちだ」というビジョンを作成しました。町田ではこのビジョンに従い、認知症の方々が日常的に集える場所の確保、それに社会における役割や仕事をつくり出すために、働く場所の開拓を進めています。認知症の方が働ける場所などの情報を一括で閲覧できるサイトも作成したということです。また、民間のカフェと連携した認知症カフェも開催を重ねています。これはスターバックスコーヒージャパン株式会社の店舗と連携した取り組みであり、営業中の店舗の一区画を借りて、ファシリテーターの協力のもと、認知症患者やその介護者となった家族が集まり、交流しているということです。高齢者にとっては参加のハードルが低く、予約も要らないため、近くに座っていた人が飛び込みで参加するということもあるそうです。二〇一六年七月から始まり、昨年度は八店舗、九十六回の開催で九百五十四人が参加したそうです。  また、福岡県福岡では「認知症フレンドリーシティ」を宣言し、認知症患者やその介護者となった家族が生き生きと暮らせるまちづくりを進めています。認知症カフェの開発促進や、物忘れが気になる人の自宅を訪問し、相談に応じる認知症サポートチームの設置が代表的な例です。昨年度には認知症の方の見守り実証実験として、広域ネットワーク技術を活用したGPS機能による認知症患者の見守り実験も行われました。  港区にも多くの認知症の方々がいらっしゃり、それに対して認知症サポーター養成講座やみんなとオレンジカフェを開催するなど、さまざまな施策が行われています。しかし、それだけではなく、福岡や町田のように「認知症フレンドリーシティ」と宣言した上で、そこからさらに一歩進んだ施策づくりを区民みんなでつくっていくべきだと考えています。具体的には、まちの組織や企業などに向けたガイドラインの作成や、民間と協力した、認知症やその家族の方が集まりやすいカフェの設置拡大などが考えられます。港区が「認知症フレンドリーシティ」を宣言し、各種の施策を整えることについて、区長のお考えをお聞かせください。  次に、リハビリテーションのための環境の整備についてです。  区には本格的な回復期のリハビリテーションの病院がなく、必要な人の需要に応えられていない現状があります。区内に住む高齢者の方々からは、自分の地域にも回復期のリハビリテーションの病院を誘致してほしいという声を多く聞きます。超高齢社会が本格的に到来し、ベッド数がますます足りなくなることが推定される現状においては、病院を離れてもふだんの生活を支障なく過ごせる方をできるだけ増やしていくことが重要です。  日本は諸外国に例を見ないスピードで高齢化が進んでいます。六十五歳以上の人口は、現在三千万人を超えており、団塊の世代が七十五歳以上となる二〇二五年度以降は、国民の医療や介護の需要がさらに増加することが見込まれています。そうした現状を受け、国では、二〇二五年を目途に、高齢者の尊厳の保持と自立生活の支援の目的のもとで、可能な限り住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援等、地域の包括的な支援・サービス提供体制の構築を推進しています。  リハビリテーションに関しても、かつては機能障害の改善が目的でした。その後、回復期リハビリテーションが誕生し、日常生活動作の自立、家庭復帰に目が向けられました。そして、これからは地域包括ケアを支えるリハビリテーションとして、その人らしい暮らしの再構築と支援が目標になると思います。  また、平成二十七年度の介護保険法の改正に伴い、新たに介護予防・日常生活支援総合事業に地域リハビリテーション活動支援事業が追加されました。これは地域における介護予防の取り組みを機能強化するために通所・訪問、地域ケア会議、住民運営の通いの場等へのリハビリテーション専門職への関与を促進すると記載されています。今後、高齢化が進むにつれ、地域でその人らしい生活ができるような支援として、リハビリテーションの役割はさらに重要になってくると考えます。地域包括ケアを推進するために、区はどのような方向性でリハビリテーション体制の充実を図っていくのか、区長の考えをお聞かせください。  次に、港区らしい事業の支援についてです。  港区政策創造研究所が実施した「平成三十年港区における新規事業実態調査報告書」によると、港区は、調査時点で、二十三区内で最も事業所・従業員数が多く、経済活動の中心地と言えます。また、新規に事業を起こす人も多く、開業率は一二%と、二十三区では渋谷区に次ぐ高い水準にあります。  一方、政府は、平成二十六年に産業競争力強化法、平成三十年に改正産業競争力強化法を施行し、地域における創業を支援するための環境整備を進めています。産業競争力強化法では、市区町村が民間の創業支援事業者と連携して、地域の創業を促進する政策を推進しています。創業から経営全般、IT化支援、資金繰り、税務、労務、法務までの幅広い分野の相談を受け付けるワンストップ窓口の開設や創業セミナーの開催などを国が認定することになっています。  また、改正産業競争力強化法では、現在の創業支援事業の概念を拡大し、新しく創業支援等事業と規定した上で、創業に関する普及啓発を行う事業も実施することにしています。さらに、スタートアップ企業を支援するために、国は、二〇二〇年中にはスタートアップ企業が集積している拠点として二、三都市を選び、起業家を支援するために規制の緩和や投資家を招致する方針です。国の指定するスタートアップの拠点都市となるためには、自治体が大学やベンチャー支援組織、金融機関等と協議会を設け、スタートアップ集積地づくりの構想を提案する必要があります。  また、東京都では、都内のイノベーションを活性化する環境づくりのため、国内外の起業家、大手企業、投資家、研究機関等のさまざまなプレイヤーが集積・連携したイノベーション・エコシステムの形成を目指し、認定地域別協議会及び認定エリアを決定しています。その中には港区の虎ノ門・赤坂・六本木エリアも認定されています。  そのような中、創業における支援のあり方として注目されているのが、スタートアップスタジオです。これは、二〇〇〇年代後半から米国で始まり、注目されている起業家支援の方法です。起業家支援というと、これまで資金面での支援やセミナーの開催による起業手続に関するものが大半を占めていました。一方、このスタートアップスタジオは、企業での経験や専門知識を有する各分野のエキスパートたちが、起業家とともにプロジェクト単位で人的支援や大企業のネットワーク支援を短期集中型で支援するというものです。専門のスキルや事業立ち上げの経験を有したスタッフが用意されているため、起業家は立ち上げのスキルに関係なく、アイデアをもとに事業を進めることができます。  港区では、芝浦にクオンタムというスタートアップスタジオがあります。広告会社が運営に携わっており、そのリソースを最大限に活用しながら、プロダクト・サービスや事業をつくっています。現在は三十名ほどの起業家たちが二十四時間オフィスを利用しています。クオンタムには広告会社出身者を中心に約四十人の社員が所属しており、その専門スキルは、プログラマー、法務、財務、広報など多岐にわたります。  港区でも新規事業・開業を支援するために、区内で創業を希望する方に対して、必要な創業計画の作成を支援する創業アドバイザー派遣や、店舗・事務所の賃料を一部補助する新規開業賃料補助事業などの施策を実施しています。それに加えて、政府の新たな方針も見据え、さらに港区で新規の開業者を増やすために、スタートアップスタジオの仕組みも参考に、港区の公共空間やデータを活用できる仕組みも整えつつ、地域が一体となって起業を支援する体制を整える必要があるのではないでしょうか。民間事業者などとも連携し、総合的な起業支援の仕組みづくりが今、求められているかと思いますが、区長のお考えをお聞かせください。  次に、煙が絶対に漏れない喫煙所の導入についてです。  港区の指定喫煙所の課題として多くの人に指摘されるのは、喫煙所が狭いためにパーティションの外で喫煙する人が多く見られること、また、パーティションの区切りだけでは完全に煙を閉じ込めることができないことです。先日は板橋区で、区役所駅前の入り口に喫煙所を設置した際、煙が漏れるおそれがあるとして周辺地権者とトラブルになったことが大きく報道されました。  改正健康増進法が国会で成立し、オリンピックイヤーの二〇二〇年四月一日には完全施行となります。既に港区でも区役所や総合支所などの第一種施設では敷地内禁煙が義務づけられています。また、屋外での喫煙についても、できるだけ周囲に人がいない場所で喫煙するように配慮すること、子どもや患者等、特に配慮が必要な人が集まる場所や近くにいる場所などでは喫煙をしないよう配慮することが定められています。非喫煙者も喫煙者も気持ちよく過ごせる空間の確保が急務となっています。  この問題を解決するためには、煙が絶対に漏れない喫煙所を導入することです。現在の技術では、喫煙所のドアの閉開時も煙が漏れないようにすることが可能です。また、排気を高性能フィルターで清浄化し、屋外に排出できるもの等、区で設置する喫煙所は、より高性能のものを選ぶべきだと思います。そうした機器により完全な分煙を目指し、啓発員の設置などとあわせて喫煙者も非喫煙者も快適に過ごせる環境を整えるべきです。喫煙所が多くある駅前などは多くの人が利用する場所であり、子どもや妊産婦が喫煙所の近くにいることも考えられます。区として、こうした喫煙所に順次切りかえていく必要があると思いますが、区長のお考えをお聞かせください。  次に、NPOなどと連携し、にぎわう公園をつくることについてです。  現在、区では、港にぎわい公園づくり基本方針を定め、年齢に関係なく、幅広い人々が利用できる公園づくりを目指しています。具体的には、個性のある公園をつくる、協働や民間活力を生かす仕組みをつくることなどが定められています。実際、芝浦水再生センターの上部を利用し、区民のスポーツレクリエーションの場として整備している例もあります。しかし、内容については、ほとんど指定管理者に委ねられており、目新しい事業が余り見られないのが現状です。  そこで参考にしたいのがパークマネジメントという考え方です。パークマネジメントとは、行政・民間・市民が連携し、情報発信やイベントなどを行い、地域のみんなで公園を運営していくという考え方です。  豊島区の南池袋公園では、商店会や町会、隣接する地権者、出店者の経営者などによって「南池袋公園をよくする会」という団体が結成され、彼らが主体となって公園の具体的な利用方法やルールづくりを行っています。事業者のアイデアも活用して、能動的で開放的な公園運営を行っています。ここでは、都市も市民のステージにすることをビジョンとし、マルシェを毎月開催し、公園でのウェディングパーティーや屋外映画なども開催されています。公園内には大きな芝生広場を中心に、生産者と消費者のつながりの場を目指したカフェレストランや、卓球台や遊具が設置された多目的広場などが設けられています。カフェレストランの売り上げの一部が地域還元費としてにぎわいづくりの活動資金になるなど、新しい公園活用が模索されています。  また、兵庫県の有馬富士公園では、地域住民を交え、公園活用に関する研究会を開催するなど、住民参加の活動を積極的に展開しています。NPOなどの市民団体が公園運営に参加し、年間を通じて多数のプログラムを行うなど、こちらも地域のみんなで公園を運営するパークマネジメントの最たる例ということができます。  そこで港区でも、事業者やエリアマネジメント団体、NPOなどと連携し、真ににぎわう公園づくりを区が主導して積極的に進めるべきではないでしょうか。今後の区の方針を伺います。  また、現在、指定管理者は、区の港にぎわい公園づくり基本方針を受けて、どのようにしたらにぎわう公園をつくることができるか、試行錯誤しているかと思います。一方で、さまざまな事業者やNPOなどには、この公園でこんなことをやりたい、このことをしたら地域に貢献できるなどのアイデアを持っているところがたくさんあります。しかし、彼らからすれば、どうしたらそれが実現できるのか、どこに相談したらいいのかわからない状況にあります。そうしたミスマッチを解消するためには、総合支所のまちづくり課が窓口となり、積極的に事業者やNPO、それに地域や指定管理者をつなげる役割を担ってほしいと考えています。  最後に、がけ・擁壁改修工事支援事業及びブロック塀等除却・設置工事支援事業の拡充についてです。  これらの事業は、それぞれ、区内の個人及びマンション等管理組合、中小企業が所有する敷地内のがけ・擁壁を新設工事及び築造替え工事をする場合に工事費用の一部を助成するもの、また、区内の個人、マンション管理組合または中小企業者が所有する敷地内のブロック塀等の除却工事及びそれに伴う新規塀の設置工事を実施する場合に工事費用の一部を助成するというものです。  今後三十年の間に首都直下地震が起きる可能性が七〇%程度と予測されている中で、区内の危険な構造物等を改修または除却するための助成制度となっており、がけ・擁壁及びブロック塀の所有者のみならず、そこを通る区民の安心・安全を守る重要な制度だと捉えています。ただ、助成を受けられる対象者の設定に私は疑問を持っています。  現在、対象となっているのは、どちらの制度も区内の個人及びマンション等の管理組合、もしくは法人となっていますが、法人に関しては、中小企業基本法第二条第一項に規定する中小企業、もしくは宅地建物取引業者または不動産賃貸業を営む者でないことが条件になっています。ここには宗教法人、すなわち寺や神社などは含まれておりません。  区では、土砂災害ハザードマップを作成し、区民の方々に土砂災害の危険箇所や土砂災害から身を守るために必要な情報を周知しています。ここでは土砂災害警戒区域や土砂災害特別警戒区域が示されています。東京都が独自の調査に基づき公表している、崖地の傾斜度が三十度以上、高さ五メートル以上で被害想定地域内に人家等が存在する急傾斜地崩壊危険箇所もあります。もし宗教法人がこのような場所に指定されているにもかかわらず、資金の不足等の理由により、がけ・擁壁等の改修、もしくはブロック塀等の除却ができていないとなると、見方を変えれば、区としては区民に降りかかる危険を把握しておきながら、有効な対策をしていないことになります。職員の方々は、寺や神社にお願いベースで働きかけるしか方法がなく、改修等が一向に進まない箇所も見受けられます。  一方、同様の制度を持つ品川区では、急傾斜地崩壊危険箇所に限定していますが、がけ・擁壁改修工事助成の対象者は、制限なくほとんどの個人・法人に認めています。また、神奈川県横浜の制度では、補助申請者は個人または営利を目的としない法人である補助対象者の所有者等となっています。建物や崖地の所有者が誰であれ、地震などが起きた際に実際に被害をこうむるのは、そこに住む住人です。区は、区が危険を認識している場所に対しては、広く法人に工事を実行する努力をしてもらうべく、がけ・擁壁改修工事支援事業及びブロック塀等除却・設置工事支援事業の対象を拡大し、拡充するべきだと考えます。区長のお考えをお聞かせください。  また、前回、港区がけ・擁壁改修工事支援事業について質問した際、答弁では、支援事業の実績が少なく、制度の検討に至っていないとのことでした。今、提案したような改善により申請件数は増えると考える一方で、この制度を所有者のみならず、広く地域全体に向けて周知することも必要だと考えます。今後、どのように区民、管理組合、そして法人に周知していくのかもあわせてお聞かせください。  以上で質問・提案を終わります。ご清聴ありがとうございました。   〔区長(武井雅昭君)登壇〕 ○区長(武井雅昭君) ただいまのみなと政策会議を代表しての横尾俊成議員のご質問に順次お答えいたします。  最初に、港区ビジョン構想委員会の設立についてのお尋ねです。  区は、平成二十七年度に策定した港区まち・ひと・しごと総合戦略の中で、二〇六〇年までの人口動向を推計し、中長期的な視点から施策の方向性や具体的な取り組みをお示しいたしました。区政運営にあたっては、日々変化する社会状況や現在の地域課題に的確に対応するとともに、長期的な視点から区の将来を見据えた取り組みを推進することは重要なことだと考えております。ご提案の港区ビジョン構想委員会の設置は予定しておりませんけれども、引き続き、積極的な情報収集に努め、将来を見据えた区政運営に取り組んでまいります。  次に、小さな声も届くまちづくりについてのお尋ねです。  区は、政策の達成状況を評価する港区政策評価の実施にあたり、区民や学識経験者を評価委員とするなど、さまざまな方に積極的に区政運営に参加していただいております。また、日頃から広く区政に関する意見や提案をいただくため、パブリックコメントなど広聴制度を充実するとともに、公園整備におけるワークショップなどでも、さまざまな区民の方が参画できる機会をつくる工夫をして取り組んでおります。今後も、多様な区民意見や提案を聞く機会を充実させるとともに、職員が積極的にまちに出ることで、より多くの区民の意見を区政運営に反映してまいります。  次に、区の魅力を高めるため、特区等の新しい制度を活用することについてのお尋ねです。  区は、国家戦略特区に認定された新虎通りのエリアマネジメントでは、事業者を都市再生推進法人に指定することで、全国自治体のアンテナショップなどで、道路上をにぎわいの場として活用することを可能としました。また、全国で初となる歩道上の配電地上機器を活用したデジタルサイネージによる区政情報の発信や、AIを活用したホームページ翻訳など、さまざまな実証実験を行っております。今後も、国や東京都の制度をさまざまな分野で活用できるよう情報収集するとともに、既存の制度によらない区独自の先駆的な取り組みを積極的に進めてまいります。  次に、困り事をすぐ相談できるアプリの制作についてのお尋ねです。  区では、開かれた区政と区民参画の推進のため、窓口、電話、手紙、広聴メールなど多様な広聴手段を用意し、平成三十年度は年間約二千三百件のご意見等をいただいております。特に港区ホームページからアクセスする広聴メールによる受付件数は約千百件で、五年前に比べて約三倍、受付件数全体の約半数を占めております。今後も広聴手段の多様化に努め、ICTを活用した広聴については、区民等に広く普及しているSNSアプリを活用したプッシュ型情報発信の充実にあわせ、検討してまいります。  次に、AI等を使った子育て情報の配信についてのお尋ねです。  区は、外国人向けに、教育や子育て、防災、各種手続等の問い合わせに、チャット形式で自動回答するサービスを提供するなど、アプリやAIの活用を積極的に進めております。子育てに係る情報については、現在、メール配信のほかに港区子育てハンドブックや区ホームページなどを通じて発信しておりますが、今後、アプリの導入やAIなどの積極的な活用を検討し、子育て家庭が多岐にわたる情報の中から、より迅速に、より的確に情報検索が行えるよう支援してまいります。  次に、保育園入園に関する情報の充実についてのお尋ねです。  区は、昨年度から、四月入所の一次内定者の指数の公表や保育園入園の手続をわかりやすく案内する動画の配信を行っております。今年度からは、認証保育所の園児の募集状況を区ホームページに掲載したほか、本年十月からは、幼児教育・保育の無償化の開始に合わせて、認可外保育施設の一覧を公開するなど、さらなる保育情報の充実に取り組んでまいります。さらに、区では保育園の地図情報を公開する民間事業者に対して情報提供を行うなどの連携を行っており、引き続き、保護者が必要とする保育園情報の充実に努めてまいります。  次に、高齢者のキャリアを生かした仕事を提供することについてのお尋ねです。  港区シルバー人材センターでは、就業創出員を設置し、会員の経験や能力を生かせる新規事業や業種の開拓に努めております。こうした取り組みにより、清掃作業や経理事務などに加え、エキストラ業務など、より多様な就業メニューの提供につなげております。さらには、自主事業として、自転車リサイクル、パソコン教室等の講師や歴史ガイドなど、高齢者の経験と知識を生かした事業にも積極的に取り組んでおります。区は引き続き、港区シルバー人材センターと連携しながら、高齢者のキャリアを生かした就業分野の拡大を図ってまいります。  次に、認知症施策を推進することについてお尋ねです。  区は、認知症の人やその家族にやさしいまちの実現に向け、さまざまな認知症施策に取り組んでおります。交流の場や認知症専門医などに相談できる場として、みんなとオレンジカフェを年間六十回開催し、また、昨年度は認知症サポーター養成講座を企業や学校等で計七十六回開催することで、二千六百五十四人のサポーターを養成しました。さらに、認知症の人の見守りのため、昨年度から認知症高齢者等おかえりサポート事業を開始し、百四名の方々に利用していただいております。今後も、他の自治体の取り組みなども参考にしながら、認知症の人やその家族に寄り添った施策の充実に努めてまいります。  次に、リハビリテーションのための環境の整備についてのお尋ねです。  以前のリハビリテーションは、身体機能の回復が中心でしたが、現在は全ての人が生き生きとした生活が送れるよう、健康づくりや介護予防等も含めたリハビリテーションへと変化し、その環境整備が求められております。そのため、区は今年度から、医師会、訪問看護ステーション、介護保険事業所、介護予防総合センター等の連携のもと、地域包括ケアシステムと一体化した検討を開始し、関係者への研修や区民にわかりやすい相談窓口周知のためのリーフレット作成等に取り組んでおります。今後も、さらなる切れ目のないリハビリテーションの提供体制と介護予防の取り組みの充実を図ってまいります。  次に、民間事業者などと連携した総合的な起業支援の仕組みづくりについてのお尋ねです。  区は、今年度から金融機関と連携し、創業初期の資金調達を円滑にするため、小口チャレンジ支援融資を新設しております。また、(仮称)港区産業振興センターの整備に向けて、大学や民間事業者との連携をさらに強化するため、産学官連携やコワーキングスペース運営等に実績のある事業者と意見交換し、具体的な施策の検討を進めております。今後も、多様な企業や人材が集積する港区ならではの強みを生かしながら、資金調達、技術の連携、ビジネスマッチング、人材育成など総合的な起業支援の仕組みをさらに充実してまいります。  次に、煙の漏れない喫煙場所の整備についてのお尋ねです。  区は、これまでに区独自の助成制度や開発事業者への設置要請により、屋内に煙の漏れない密閉型の港区指定喫煙場所を三十六カ所整備してまいりました。また、高橋是清翁記念公園内に設置している屋外の喫煙場所についても、区として初めてとなる密閉型の喫煙場所として再整備し、来年四月に開設する予定です。今後も引き続き、たばこの煙が容易に漏れない、より受動喫煙に配慮した喫煙場所となるよう、喫煙場所の改善や密閉型の喫煙場所の整備を進めてまいります。  次に、NPOなどと連携したにぎわう公園づくりについてのお尋ねです。  区は、公園のにぎわいを創出するため、多様な主体との連携によるイベントの開催などの取り組みを実施しております。現在は、公園占用許可条件で、イベント活動は地域の団体に限定しているため、イベントの際には地元の皆さんとの連携をお願いしております。今後、公園の活用により、地域のにぎわいに貢献する活動などについて、許可対象の拡大を検討してまいります。  次に、がけ・擁壁改修ブロック塀等除却・設置工事支援事業についてのお尋ねです。  まず、支援事業の対象者の拡充についてです。本事業は、資金力の小さい個人やマンション管理組合の方々を対象とし、改修工事を行う際の高額な費用負担を軽減することで、築造替えの契機となることを期待するものです。また、個人経営の方で、土地の登記を法人名義としている場合が多くあることから、法人のうち、中小企業の方について対象を拡大しております。引き続き、改修状況の実態を踏まえ、区民の安全・安心を守るまちを築くために努力をしてまいります。  最後に、支援事業の制度を広く周知することについてのお尋ねです。区は、これまで広報みなとや区ホームページ、土砂災害ハザードマップへの掲載などによる普及活動のほか、職員による現場パトロールや窓口での建築計画の相談の際にも積極的に制度を紹介するなど、周知に力を入れてまいりました。これらの啓発活動により、多くの問い合わせをいただき、今年度、がけ・擁壁支援事業については、事業開始以来最も多い四件の実績となる見込みであり、これまでの実績と合わせると十一件となる予定です。今後もこれらの事業を通じて、区民の安全・安心な暮らしを支えてまいります。  よろしくご理解のほどお伺いいたします。 ○副議長(阿部浩子君) 議事の運営上、暫時休憩いたします。                                        午後三時三十八分休憩                                            午後四時再開 ○議長(二島豊司君) 休憩前に引き続き、会議を再開いたします。  一般質問を続けます。次に、二十二番池田たけし議員。   〔二十二番(池田たけし君)登壇、拍手〕 ○二十二番(池田たけし君) 令和元年第三回港区議会定例会にあたり、公明党議員団を代表して、武井区長、青木教育長並びに島田選挙管理委員会委員長に質問をいたします。  初めに、最大震度七を観測し、四十四名の方が犠牲となられた北海道胆振東部地震発災から一年が過ぎました。現在、復旧・復興への取り組みはピッチを上げて進んでおりますが、いまだ千三百人余りの方が仮設住宅などで暮らしておられます。また、天候不順が続く本年においても、九州北部などでは記録的な大雨によって地域や人々の暮らしに甚大な被害が出ております。地震、豪雨、台風などの激甚化する災害におきまして犠牲となられました方に謹んでお悔やみを、被災された方に心よりお見舞いを申し上げます。  私たち公明党は、一日も早い復旧・復興と被災者の支援に取り組み、さらに防災・減災を社会の主流に押し上げ、地域の災害対応力強化に全力を上げてまいります。  七月に行われました参議院議員選挙におきましては、目標を上回る十四議席を獲得、参議院公明党として過去最高の議席占有率をいただきました。これは、政治に光の当たらない庶民の声を代弁し、「大衆とともに」との立党精神のもと、生活現場の小さな声を真摯に受けとめ実現する、小さな声を聞く力を発揮してきたことをご評価、ご期待をいただいたと受けとめ、さらに磨きをかけ前進してまいります。  私たち公明党は、皆様の信頼と期待に応えるため、生命・生活・生存を最大に尊重する人間主義、中道主義を掲げ、政治・社会の安定のため、これからも地域の住民の皆様とともに歩んでまいる決意を申し述べ、質問に入ります。  初めに、投票率向上と公正な選挙実現への取り組みについて伺います。  本年四月の港区議会議員選挙の投票率は、前回より〇・六五%下がり三五・三七%と、三期連続で特別区において最下位の結果となりました。区内人口が増えている中での結果であり、単純な比較はできないものの、前回からの四年間における区としての投票率向上の取り組みを検証し、次回の港区議会議員選挙等に生かさなければならないと思います。  これまで我が会派として、投票率向上のために、若者への主権者教育の取り組みの強化のほか、期日前投票所の拡大などを提案してまいりました。特に二十代は前回一九・九四%で、今回も一八・六四%と投票率が年代別で最も低く、三十代、四十代も全体よりも低い傾向が続いており、こうした若者や働き盛り世代が投票しやすい環境の整備が投票率向上に重要です。  港区議会議員選挙の場合、投票期間は期日前投票を含み七日間しかなく、さらに土曜日、日曜日に投票できる機会となると、選挙当日とその前日に限られます。したがって、日常に忙殺されがちな若者らの投票率を向上させるためには、期日前投票期間を有効に活用し、投票に足を運んでもらうための工夫、具体的には、現在、五地区総合支所と台場分室のみの期日前投票所の拡大や開設時間の拡充、帰宅時間に合わせての駅頭等での期日前投票への呼びかけなどが有効ではないかと考察します。  また、今回の港区議会議員選挙当日の投票時間締め切り間近には、誤って自宅近くの指定されている投票所ではなく、期日前投票所であった総合支所に投票に来てしまい、投票を完了することができなかった人が複数いたそうです。こうした投票漏れを防ぎ、投票率を上げるためには、期日前投票所を当日の共通投票所として継続することが有効と考えます。もっとも共通投票所は便利さの反面、有権者が投票に来た際、共通投票所か指定されている投票所のどちらかで既に投票していないか、二重投票を瞬時に確認する必要があります。  総務省は、そうした情報を共有するため、共通投票所と全投票所をインターネット回線で結ぶオンラインシステムの構築などの対策を実際に求めており、港区においても先進自治体の事例をよく検証し、早期実現の方途を探るべきです。  そこで質問は、本年四月の港区議会議員選挙の結果を踏まえて、前回の港区議会議員選挙からの四年間における投票率向上の取り組みをどのように評価し、今後どのように取り組むつもりか、島田港区選挙管理委員会委員長のご見解をお伺いいたします。  今回の港区議会議員選挙では、選挙違反が疑われる運動事例が多数見受けられました。選挙運動期間前においては、街頭での立候補予定者の名前を書いたたすきやのぼり旗の使用、立候補予定者の連呼行為や投票依頼など、選挙運動期間中には候補者名や主義主張を書いたのぼり旗を大量に公共物にくくりつけるなどしての街頭演説、駐停車禁止区域等での選挙カーの長時間のとめ置き、候補者の顔写真が載った政治活動用ポスターの張りっ放し等々、枚挙にいとまがありません。こうした行為に対して港区選挙管理委員会に寄せられた通報件数は、実に百五十件を超えたとのことです。選挙違反該当性の判断は、最終的には警察や検察、司法機関に委ねられていますが、通報したのに行為が改まらない、行政は動いてくれないと有権者が判断してしまえば、選挙そのものへの関心が低下し、結果的に投票率の低下に結びつくおそれがあります。また、今回の港区議会議員選挙の最下位当選者と次点との得票差が一票であったことに鑑みて、今後一層、選挙の公正を候補者らに徹底させることが重要ではないでしょうか。  質問は、公正な選挙を実現するために、区として、今後どのように取り組まれるつもりか、港区選挙管理委員会委員長のご見解をお伺いいたします。  次に、港区における防災リーダーの育成についてお伺いいたします。  現在、区では地域の防災力向上のため、防災士養成講座運営事業を行い、防災士の育成に取り組まれています。防災士とは、特定非営利法人日本防災士機構が、社会のさまざまな場で、減災と社会の防災力向上のための活動が期待され、かつ、そのために十分な意識・知識・技能を有する者として認証した人に与えられる資格です。  特定非営利法人日本防災士機構が設立された経緯は、平成七年に起こった阪神・淡路大震災にさかのぼります。死者六千四百名、負傷者四万四千名、避難人数三十万人以上に達し、大被害をもたらしたこの震災では、倒壊したビルや家屋などにより幹線道路が遮断され、消防・警察・自衛隊などの公的組織が被災地に到着するまでに長い時間を要しました。家屋の下敷きになった人々を救出する際には、地域の自主防災組織の整備が不十分であったことから、組織的な救助活動も十分ではなく、災害支援の難しさが露呈する形となりました。こういった中、被害の拡大を防止したのは、住民同士の助け合いによるものでした。住民が防災・減災への備えを厚くし、防災対応能力を高めるよう心がけ、平常時と災害時を問わず、自分の命は自分で守る、自分たちの地域は自分たちで守るということの大切さが、阪神・淡路大震災の最大の教訓であり、この教訓こそが防災士制度発足の背景となった理念であり、原点となっています。  また、特定非営利法人日本防災士会は、防災士になった有志による防災士の活動の組織であり、加入は任意で、年会費五千円が必要となっています。ふだんの活動は、各地で支部づくりを通して防災士のネットワーク化を図り、地元自治会や防災関連団体との連携を強めています。このような防災リーダー育成への全国的な取り組みの中、港区は、防災士養成講座運営事業を通し、千名の防災士の輩出を目指し、現在まで自費で取得された方を含め、七百九十六名の防災士が誕生し、防災士会港支部に登録されている方が七十七名いることは、大変に心強いことと評価をしています。  ただ一方で、資格を持っていても、その知識や経験を生かし、地域に貢献することができていないと感じる防災士も多くいらっしゃいます。自分の地域の防災体制がどうなっているかわからない。どことつながってよいかわからないなど、地域との連携がうまくとれないことが課題となっています。また、帰宅困難者の受け入れ態勢のため協定を結んでいる企業におられる防災士と地域の防災士との連携も必要な課題です。
     特定非営利法人日本防災士会が目指す活動の三段階のうち、最終目標である第三ステップでは、防災士が自主防災組織等でリーダーシップを発揮し、防災計画を立案したり、防災講演、防災出前講座、防災教育推進など地域を動かす主体的組織を目指すとしています。つまり、防災士が地域の防災リーダーとして地域の先頭に立ち、防災・減災の陣頭指揮をとっていくことを目標としています。そのためには、防災士という役割が区民の皆様により広く認知され、資格を持った方が誇りを持って活動していけるよう、区としても取り組んでいくべきと考えます。  そこで質問は、地域の防災リーダーとして意識の高い防災士を、地域防災のエキスパートに育てる必要性があると思いますが、区として、今後、防災士の資格保持者をどのように育成しようと考えておられるのかお聞かせください。  次に、皇居外濠の水質改善と緑の環境の保全について伺います。  皇居と一体となって広々とした開放感のある皇居のお濠と緑は、都心にあって貴重な水と緑の空間であり、さまざまな生物の生息・生育の場ともなっており、地域における生態系ネットワークの拠点としての観点からも貴重な存在とされています。  また、国内外から多くの来苑者が訪れる場であり、都心部の居住者、就労者にとっての身近な憩いの場や、ヒートアイランドの緩和なども期待される豊かな自然をもたらす場所でもあります。このような都心の中心にある水と緑の生態系の環境は、大切に保ち、守り、後世へと受け渡していかねばなりません。  お濠は江戸城築城時に、武蔵野台地が東南へとなだらかに下る自然の地形を生かして、承応二年、一六五三年に築かれ、そこに注ぐ水は玉川上水から下る水を水源としておりました。四谷大木戸からさかのぼること四十三キロ余り、羽村堰から玉川の水を取水して始まり、自然の流れによって約七時間で江戸に到達、江戸の人々の生活や農作物を潤し、町を火事から守り、昭和まで時を越えて流れ通っておりました。現在でも上水道として一部が使用されていますが、昭和四十年に新宿の淀橋浄水場の合併・移転に伴い、玉川上水の原水は流れ通わなくなり、上水路の様相は大きく変貌しました。  当然のことながら、お濠への導水もこのころ停止となり、流れが途絶えて枯渇したことによって、濠と日本橋川の水質の悪化を招き、下水の未処理水の流入で、リンなどの富栄養化によって毎年アオコが発生することによる景観の悪化とカビ臭、堆積したヘドロなどに起因する硫化水素の発生などが起きております。アオコが発生した場合、一般的な水質改善の対策としては、水底の堆積物を除去するしゅんせつ、水を抜いて天日による殺菌効果によってアオコを取り除くかい掘り、植物にアオコの栄養となる富栄養素を吸着させる植生利用、機械式浄化装置を設置して物理的に水質改善をする機械浄化式などがあります。  しかし、お濠への対策として行うには一長一短があります。しゅんせつは実際に行っておりますが、一時的な対処でしかなく、時間とともに再びもとに戻ってしまいます。また、かい掘りは手こぎボートや釣り堀、水辺のカフェなどの商業施設の営業に支障があり、植生利用では吸着し、枯れた植物を全て撤去しなければ、さらにアオコに栄誉を与えることになってしまいます。また、お濠は全体が史跡に指定されているため、濠の改良や工事については制限があります。お濠の水質改善と付随する緑の環境の保全を恒常的に、また、環境に負荷をかけることなく行うためには、枯渇・滞留している水の流れを復活させることが効果的で自然であります。  東京都においては、昨年度まで全国各地でのアオコへの取り組み事例の調査を行い、お濠に適応可能な方策を検討しておりましたが、今年度は発生時期における水質の詳細な調査、水質改善を行った場合の効果の確認、経費の算定、国や関係する区との調整を行うとしており、玉川上水や河川の清流復活、皇居外濠の水質浄化も実現させる方針を決定いたしました。  小池百合子都知事は、「二〇二〇競技大会を契機に玉川上水の流れを復活させ、東京のシンボルでもあるお濠の水質を改善できれば、すばらしい遺産になる」と述べております。  そこで質問は、港区景観計画において景観形成特別地区に位置づけられる弁慶濠を含めた皇居外濠周辺を水と緑の回廊としていく環境整備についてどのように東京都や近隣区等と連携していかれるのか、区長のお考えを伺います。  次に、子どもの権利条約批准二十五周年にあたり、子どもが権利の主体であることについてのさらなる啓発についてお伺いいたします。  基本的人権の尊重を国際的に定めた世界人権宣言は昭和二十三年に、そして、その十一年後である昭和三十四年に子どもの権利宣言が国連で採択されました。しかし、世界ではその後も争いや貧困のため、子どもたちが物のように売買され、虐待を受けている状況が続きました。そうした現実を変えようと、法的な義務を生じさせるものとして子どもの権利条約が一九八九年に採択されました。  現在、世界では百九十六の国と地域がこの条約を批准して締約国となり、国連子どもの権利委員会に、国内で子どもの権利が守られているかどうか、条約の実施状況を定期的に報告することになっています。そして、委員会はその報告を検証し、締約国には総括所見という形で今後の課題を明確に示します。  日本では、本年三月に総括所見が公表されました。その所見の中の子どもの意見の尊重を積極的に促進すべきとの勧告を踏まえ、港区でもよりわかりやすい意識啓発を進めることが重要と考えます。  日本は、昭和二十六年、一九五一年、日本国憲法の精神に従い、児童憲章を定めています。児童憲章では、「児童は、人として尊ばれる。児童は、社会の一員として重んぜられる。児童は、よい環境の中で育てられる」とあり、子どもは守られる、保障される、与えられる、導かれる、保護される存在としてうたわれています。しかし、この日本の児童憲章から三十八年後、一九八九年に国連で採択された子どもの権利条約では、子どもは守られるべきという受け身の存在から、子どもは権利を行使できる主体者であると明確に示されました。すなわち、生きる権利、育つ権利、守られる権利、参加する権利、があるとの四つの原則が示されたのです。  そして、採択から五年後に日本は条約を批准し、二〇一六年には子どもの権利条約を基本理念とした改正児童福祉法が成立いたしました。実に児童憲章を定めてから六十五年目、子どもの権利条約批准から二十二年目に、日本はようやく子どもは守られるべき存在であるということだけでなく、意見が尊重され最善の利益が優先されるための権利の主体者であると法に明記されたのです。  この権利の主体であるということを、子どもから大人まで全ての人が認識を新たにすべきと考えます。例えば、親にしつけと称してたたかれたとき、ご飯を食べさせてもらえないとき、子どもは、「お願いだから痛いからたたかないで」「何か食べ物を頂戴」と懇願するのではなく、一人の人間として意見を表明できる権利、生きる権利、育つ権利、守られる権利があると主張できるのです。  大人は、「子どものくせに生意気だ」「子どもだから我慢しろ」ではなく、子どもの正当な意見であると尊重すべきなのです。今、子どもが「苦しい」と意思を表明しても、「嫌だ」と拒否しても、「お願い」と懇願しても、大人も周囲の仲間も聞き入れず、結果的に小さな子どもたちの大切な命が奪われてしまう悲惨な事件が後を絶ちません。こうした状況が、虐待、いじめ、そして自殺へと負の連鎖となっていくのです。  現在、港区の取り組みでは、子どもの権利条約よりも児童憲章のほうに重きが置かれているように思われます。児童施設では、保育園の保育方針は、児童憲章に基づき子どもの育ちを支援するとし、園舎内玄関や事務室には児童憲章が掲示され、施設運営業務マニュアルには人権に配慮した保育として児童憲章を取り上げています。また、母子手帳に記されているのも児童憲章です。  昨年、世田谷区の十二歳の少女が、全ての親が持つ母子手帳に子どもの権利条約を記載するよう世田谷区長に要望しました。「子どもにも大人と同じ権利がある、子どもも条約を知って守られているんだなと実感したら、いじめをすることも減ると思う。皆に広げていきたい」と話したそうです。  港区では、子どもの権利条約の理念を啓発するために、広報みなとや子育てハンドブック、みんなとKIDSなどで周知していることは評価いたしますが、今後は、さらにさまざまな形での子どもの権利条約についての周知が必要と考えます。  そこで三点お伺いいたします。一点目は、保育施設の職員に対する周知はどのように行っていくのか。  二点目は、母子健康手帳を通じて全ての保護者に周知していくべきと考えますが、区のお考えを伺います。  三点目は、全ての区民に対して、子どもが権利の主体であることを認識し、支え合える港区となるよう、さらなる周知啓発に取り組むべきと考えますが、区長のご見解をお伺いいたします。  また、教育の場においては、教職員に対し、人権教育の中で子どもの権利について研修を行っていると伺いました。子どもが意見を表明する権利を保障するだけでなく、子どもの意見が正当に重視されることを確保すべきと考えます。こうした観点から、児童・生徒に対しては権利の主体であるとの啓発、エンパワーメントの向上の取り組みを実施するため、教職員に対しては事例研究も含めた、さらなる研修の充実をすべきと考えます。教育長のご見解をお伺いいたします。  次に、認知症との共生社会実現のための取り組みについて伺います。  年齢と認知症は相関関係にあり、八十代で二五%から三〇%、九十代で五〇%、百歳を超えると八〇%が認知症になるとされています。認知症は、二〇三〇年には全国で八百三十万人に達すると見込まれ、取り組みを急ぐ必要があります。  実際、全国約三千人の公明党議員が昨年行った百万人訪問・調査運動でも、介護に関連する意見の中で、認知症に対する不安の声が多く寄せられております。そうした中、政府は、本年六月の関係閣僚会議で、二〇二五年までの総合戦略方針となる認知症施策推進大綱を決定いたしました。大綱では、認知症になっても希望を持って暮らしていける共生社会の実現を目指すことが、基本的な考え方として掲げられています。認知症への誤解や偏見がいまだに多い中、「認知症の人とともに」という視点が正確な理解を深め、社会全体で支え合うために欠かせません。認知症との共生社会実現のためには、認知症の人や家族を支える認知症サポーターが活躍できる環境整備が大切です。  公明党の推進もあり、認知症サポーター数は全国で一千百万人を超え、多くが見守りボランティアなどの活動をしています。港区でも平成十八年度より認知症サポーター養成事業が開始され、毎年認定数は増加しており、昨年度までに合計一万九千十八人になりました。  六月の大綱では、今後は小売・金融・交通等の職域や、小中高等学校の子どもや教職員らへの認知症サポーター養成講座を拡充するとしています。養成講座拡充のためには、講師役としてのキャラバンメイトの拡充も必要であり、今後は認知症サポーターの拡充とともにキャラバンメイトの育成を急ぐべきです。また、今後は、認知症サポーターが共生社会の担い手としての役割を果たせるようにする体制づくりが必要であると考えます。  現在、港区では、認知症の方の見守りやオレンジカフェの開催に認知症サポーターが参加し活躍されていますが、将来的には、医師や介護の専門職で構成される初期集中支援チームとの連携強化や、当事者のごみ出しや買い物、災害時の安否確認の支援など、認知症サポーターが参加型で力を発揮できる体制を一層整備するべきです。  さらに、今年度、国は、認知症サポーター活動促進事業として、ステップアップ研修を経た認知症サポーターを活用し、認知症サポーターが認知症の困り事に対して支援するための交流拠点となるチームオレンジを地域で実施することで、認知症サポーターが活躍の場を整備するとしています。区としても、ステップアップ研修へ認知症サポーターの受講を促すとともに、認知症地域支援推進委員を活用するなどして、地域の需要とマッチングする認知症サポーターの活躍の場の確保のために取り組みを推進するべきです。  質問は、認知症の人が安心して暮らせる共生社会の実現のために、認知症サポーターの活用にどのように取り組むのか、武井区長にお伺いいたします。  次に、動物愛護管理法改正を踏まえた地域猫対策について伺います。  動物虐待罪の厳罰化や、犬猫へのマイクロチップ装着の義務化などを盛り込んだ改正動物愛護管理法が、本年六月十二日の参院本会議で全会一致で可決、成立しました。  飼い主のいない猫のふん尿や鳴き声などのトラブルを防ぐため、不妊・去勢手術などを受けさせて地域で管理していく地域猫活動は、猫の殺処分ゼロのために大変重要なボランティア活動です。  改正動物愛護管理法は、第四十一条の四において、国は、動物愛護及び管理に関する業務を担当する地方公共団体の部局だけでなく、新たに民間団体等との連携を強化し、地域における犬、猫等の動物の適切な管理に関して情報提供やその他必要な施策を講ずるよう努めるものと規定しています。この条文自体は、国の責任による具体的な地域猫対策を促す、法的強制力までは持たない、いわゆるプログラム規定です。しかし、今後はこの条文を根拠に、自治体が積極的な対策を講じやすくなりますし、何より地域猫活動を国として認知したことは、その活動にかかわる全ての方々にとって大変意味があると思います。  港区は、法改正の前から地域猫活動の重要性を認識した上で、各地区総合支所の協働推進課が積極的に去勢のための捕獲等に協力したり、みなと保健所による地域猫活動を啓発するセミナーを定期的に開催するなど、地域猫活動支援に努めてきました。しかし、依然として地域猫活動への無理解や、えさをやりっ放しの単なる猫好きな方の身勝手な行為のために、ボランティアの方々がかえって近隣住民から感情的にクレームを受けることも少なくありません。近隣住民らの怒りは猫そのものに向かい、虐待を疑わせる事例も見受けられます。  同法では、後を絶たない悪質な動物虐待を防ぐため、殺傷の場合、現行の二年以下の懲役又は罰金二百万円以下から、五年以下の懲役又は罰金五百万円以下に、虐待・遺棄の場合は、現行の罰金百万円以下から、懲役一年以下又は罰金百万円以下へと虐待罪の罰則が強化されています。今後は、動物虐待がいかに重い罪かを周知するとともに、地域猫活動の理解促進に一層取り組むべきです。  また、港区の地域猫ボランティアは、他の地域に比べて、それぞれ個人または少人数で活動していて組織化されていないのが特徴であり、ボランティア同士の横の連携も密ではありません。ボランティアの高齢化も進んでおり、自分に万が一のときにかわりに世話をしてくれる人がいなくなることを懸念する声もあり、ボランティアの後継者問題についても、法改正やボランティアの重要性に鑑み、区として取り組むべきです。  質問は、動物愛護管理法改正を踏まえて、地域猫対策に区としてどのように取り組むつもりか、武井区長のお考えをお伺いいたします。  次に、神宮外苑の再開発事業について伺います。  三井不動産株式会社より、(仮称)神宮外苑地区市街地再開発事業についての環境影響評価調査計画書が出されました。それによりますと、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会後に進められる神宮球場や秩父宮ラグビー場などスタジアム通り側の再整備に合わせて、イチョウ並木側においても大規模な再開発が行われることが明らかになりました。  計画では、青山通りに面する高さ百九十メートル、三十八階建ての超高層オフィスビルを筆頭に、百八十五メートルと七十メートルの高層複合施設ビル二棟、さらに並木のすぐ横につくられる新しい神宮球場の奥には、外苑周回路に沿ってホテルが建設される計画となっています。さらに、現在のイチョウ並木に展開している商業施設の向かい側にも並木に沿って六棟の飲食店などの施設の建設が計画されています。  このイチョウ並木は四季折々、初夏には青葉が目に鮮やかに映り、秋には並木道に落ち葉の黄色いじゅうたんが敷き詰められ、都心にありながら貴重な緑とオープンスペースであり、史跡や名木をめぐり散策する人、マラソンやジョギングにいそしむ人を癒します。さらに日曜・祭日には外苑の周回路などで車両を通行どめにしてサイクリングコースが設定され、自転車の貸し出しも行われており、地域住民をはじめ各地から訪れる人々にとって憩いと潤いのある自然豊かな空間であります。  この神宮外苑イチョウ並木は、明治神宮外苑の造成に先立って一九二三年に植樹され、木立は青山通りからは正面の絵画館へと奥へ行くほど低い木が植えられており、連続する並木に遠近法の効果が相まって絵画のような景観美を形づくっています。再開発の計画地の一部は、港区景観計画の神宮外苑イチョウ並木周辺景観形成特別地区に含まれており、そこでは絵画館の風格を際立たせるイチョウ並木のスカイラインを守る、並木の公園としてゆったりとくつろぎ、心地よく歩ける空間を創出する、イチョウ並木のゲートとして風格を備えた交差点を演出することが方針として掲げられています。  計画される再開発超高層ビル群によって懸念される環境の変化は風害、日照などであり、また、ホテルや並木に新設される商業施設からは夜間の騒音や臭気の発生、治安の乱れ、施設への納品・配送やタクシーなどの車両の増加などですが、何よりも大きいのは神宮外苑が持つ美しい景観の大幅な変化であります。現在の赴きと癒やし、落ち着きと憩いのある都市公園であるイチョウ並木の豊かな環境を守るべきと考えます。  武井区長より小池都知事に対して出された区長意見に「計画地周辺の住民及び関係者等からのまちづくりを含めた意見・要望等を尊重し、真摯に対応してください」とあるとおり、神宮のイチョウ並木を誇りに思い、大切に守り支えてこられた地域の町会・自治会に対しても意見聴取を丁寧に行い、尊重していくことが求められます。  そこで質問は、(仮称)神宮外苑地区市街地再開発事業として事業者が進めようとしている街づくりに対し、景観などの保全についてどのように考えていかれるのか伺います。  最後に、やさしい日本語による外国人住民への情報提供等について伺います。  出入国管理法改正により、二〇二〇年四月から五年間で最大、計三十四万五千百五十人の外国人材の受け入れが進められるため、一層の外国人の生活環境の整備が必要です。この点で柱となるのは、生活相談に応じる窓口や情報提供における行政の対応です。最も住民に身近な基礎自治体が主体となって、医療、福祉、子育てをはじめとした外国人からの多様な相談に応じたり、そうした相談の種類に即した多様な情報提供が求められます。  最近では、スマートフォンの自動翻訳アプリなどICTの普及により、通訳や翻訳が不要とまで言われていますが、実際には誤訳が多く、正確な情報を伝え合うためには工夫が必要です。そこで期待されているのが、わかりやすい言葉と平仮名を多用するやさしい日本語です。日本で暮らす定住外国人や訪日客の増加を背景に、行政や交通機関などで多言語による情報提供も進んでいますが、無数にある言語の全てに対応するのは難しく、多くの場合は英語が中心になっています。  しかし、国立国語研究所の全国調査を分析した岩田一成氏の論文によると、定住外国人の六二・六%が日本語を理解しており、英語の四四%や中国語の三八・三%より多く、一番伝わりやすい言語は日本語という結果でした。ただ、外国人が日本語を理解していると言っても自在に話せるわけではなく、何とかわかる程度がほとんどのため、できるだけわかりやすい表現を使うやさしい日本語が地域社会の共通言語になると期待されており、ICTによる正確な翻訳にも最適です。  港区では、やさしい日本語をいち早く取り入れ、二〇一七年一月には、やさしい日本語を用いた公文書作成のためのマニュアルを作成し、職員向けの研修も継続的に実施しています。また、本年一月からフェイスブックのメッセンジャーアプリを使い、防災やごみ収集、教育などに関するキーワードを入力すると、AIがやさしい日本語で自動回答する生活情報案内を開始。さらに、今年度から職員向けにやさしい日本語を活用した公文書作成を支援するシステムを整備し、外国人への情報伝達のさらなる充実を図るとしています。  港区には、既に約二万人の外国人が暮らし、その国籍は約百四十にも及ぶことから、外国人住民の相談等への窓口対応や情報発信を強化することは重要です。やさしい日本語のさらなる活用により、暮らしの安心を確保することで、外国から来る側と受け入れる側が共生できる社会づくりを進め、外国人に選ばれる港区を目指すべきではないでしょうか。  質問は、増加する外国人の生活環境を整備するために、区として、やさしい日本語の活用にどのように取り組むつもりか、武井区長のお考えをお伺いいたします。  やさしい日本語の対応は、学校など教育の分野でも重要です。学校から保護者に向けて日々配布される大量のお知らせ等を、学校の現場職員の手で全て多言語対応することは不可能です。したがって、保護者の側でそれらのお知らせを自動翻訳アプリなどICTを用いて翻訳し、内容を受信する方法が現実的と考えます。そして、ICTによる正確な翻訳にはやさしい日本語が有効です。また、外国人保護者からの相談の際にもやさしい日本語を介することで、適切な対応につなげられると考えます。  現在、港区では、職員向けのやさしい日本語研修を実施していますが、現場の先生が研修会参加のために時間を割くのは容易ではなく、参加率はまだまだ高くありません。今後も増え続ける外国人の親を持つ子どもたちの教育環境の整備のために、出前講座やeラーニングのようなやり方も検討し、教育現場の職員へのやさしい日本語習得を促進するべきではないでしょうか。  質問は、やさしい日本語の学校職員への習得促進にどのように取り組むつもりか、青木教育長のお考えをお伺いいたします。  以上で質問を終わります。ご清聴いただきまして、ありがとうございました。   〔区長(武井雅昭君)登壇〕 ○区長(武井雅昭君) ただいまの公明党議員団を代表しての池田たけし議員のご質問に順次お答えいたします。  最初に、地域の防災リーダーとしての防災士の育成についてのお尋ねです。  防災士の資格を持つ方が地域で活躍していただくためには、各地域との日頃からのかかわりを持つことが大切であり、区では、毎年、防災士の方を対象に実施している研修会で、防災士と各地域防災協議会のメンバーが、日頃の備えや避難所運営などについて意見交換をする機会を提供しております。今後も、地域の防災リーダーとなる防災士の育成に努めるとともに、地域との交流の機会を通じ、地域の防災活動への積極的な参加を促進してまいります。  次に、外濠の水質改善等における東京都との連携についてのお尋ねです。  弁慶濠を含む外濠については、管理者である東京都、また、外濠がまたがっております千代田区、新宿区とともに、水質の改善や維持管理等の課題について、話し合いを進めております。その結果、東京都は、夏季にアオコや臭気が発生する外濠の水質改善のため、弁慶濠等のしゅんせつ工事を実施するとともに、より効果的な水質改善の方策について検討しています。区では、弁慶濠周辺を港区景観条例に基づく景観形成特別地区に位置づけていることから、江戸時代からの歴史的資源である外濠が都心の貴重な水辺空間として、区民や来街者に親しまれるものとなるよう、引き続き東京都等との連携を密に取り組んでまいります。  次に、子どもの権利条約の周知についてのお尋ねです。  まず、保育施設の職員に向けた周知についてです。区では、子ども一人ひとりの人格を尊重した保育につながるよう、全ての公私立認可保育園や認証保育所の保育士を対象に、子どもの人権研修を毎年実施しております。本年十月から始まる幼児教育・保育の無償化に伴い、今後、認可外保育施設の保育士に対しても研修への参加を求めるなど、区内の全ての保育施設の職員に対して、子どもの権利条約の周知に努めてまいります。  次に、母子健康手帳に子どもの権利条約を掲載することについてのお尋ねです。母子健康手帳は、妊産婦と乳幼児の健康を守るために、妊娠届出の受理とともにお渡しをしており、妊娠期から出産後、学齢期にわたり、母の健康状態や、子どもの成長や発達、予防接種の状況等を記載して、長く活用できるものです。現在、母子健康手帳の改定の準備をしており、来年四月からお渡しする新しい母子健康手帳に子どもの権利条約を記載し、周知してまいります。  次に、区民に向けた周知についてのお尋ねです。区は、子どもの権利条約について、区ホームページや広報みなと、港区子育てハンドブック等に掲載し、広く区民への周知に取り組んでおります。特に、権利の主体である子ども自身への啓発が重要であることから、全ての子どもが、自分らしく育つ権利があることを掲載した子ども向けのリーフレットを作成し、区内の小・中学校やインターナショナルスクール、みなと区民まつり等のイベントなどで毎年配布しております。今後、子どもの権利条約が、確実に全ての区民に周知されるよう、啓発手法を工夫してまいります。  次に、認知症との共生社会実現のための取り組みについてのお尋ねです。  区は、認知症の人やその家族を温かく見守り、地域で支え合っていくため、区民や地域の企業の方々などを対象に認知症サポーター養成講座を実施しております。サポーターの方々には、みんなとオレンジカフェのボランティアとして活躍していただくなど、地域での支援の輪も広がっております。今後も、認知症の人やその家族の支援ニーズとサポーターをつなげる仕組みであるチームオレンジの取り組みも参考にしながら、サポーターのさらなる活躍の場の充実に努め、認知症の人やその家族を地域全体で支える地域共生社会の実現に向けて取り組んでまいります。  次に、動物愛護管理法の改正を踏まえた地域猫対策についてのお尋ねです。  今回の法改正により動物虐待防止の規定や関係団体との連携の取り組みが強化されたことから、区の広報や動物愛護週間の事業などの機会を捉えて、動物愛護や地域猫活動への区民の理解を進め、区と地域住民、ボランティア同士が連携した地域猫対策を推進します。また、動物の所有者が遵守する責務が明確化されたことから、新たに飼い主のいない猫を増やさないために、繁殖の制限や生涯にわたって飼い続けることなど、適正な飼い方についての啓発を強化し、総合的な地域猫対策を推進してまいります。  次に、神宮外苑の再開発事業についてのお尋ねです。  神宮外苑銀杏並木周辺は、区を代表する景観の名所の一つとして、区民のみならず、多くの方々が集い、憩う歴史ある貴重な緑であると考えております。区は、風格ある眺望を将来にわたって保全するために、港区景観計画では銀杏並木を景観重要公共施設に位置づけ、適切に維持管理することを定めております。開発計画に関する協議にあたっては、由緒ある銀杏並木として地域に親しまれた景観の保全に向け、事業者を適切に指導、誘導してまいります。  最後に、やさしい日本語による外国人住民への情報提供等についてのお尋ねです。  区では、やさしい日本語による情報発信に全庁的に取り組むとともに、日本人と外国人の意思疎通を図る手段の一つとして、日本人を対象としたやさしい日本語講座や、日本人と外国人が地域イベントに参加する交流会等を実施し、やさしい日本語の活用を促進しております。  一方、外国人に対しては、日本語を理解することでより多くの情報を得ることができること、また地域での交流や活動への参加を促進するために日本語学習への支援を行っております。今後も、やさしい日本語を通して日本人と外国人が協力し、助け合うことができる多文化共生社会を実現してまいります。  よろしくご理解のほどお願いいたします。  教育にかかわる問題については教育長から、選挙管理委員会にかかわる問題については選挙管理委員会委員長から答弁いたします。   〔教育長(青木康平君)登壇〕 ○教育長(青木康平君) ただいまの公明党議員団を代表しての池田たけし議員のご質問に順次お答えいたします。  最初に、子どもの権利条約の教職員に向けた取り組みについてのお尋ねです。  各園・各校では、子ども同士が学校生活のルールを決めるなど学級会や生徒会での経験を通して、それぞれの意見を尊重し、考えをまとめていくことの大切さを学んでおります。また、毎年、開催する子どもサミットでは、よりよいまちづくりに向けて子どもたちが意見をまとめ、大人に改善策を提言することで、自ら考え、行動することの意義を理解するとともに、自分たちの意見が評価される喜びを得られるようにしております。  現在、子どもたちの自主性を引き出す教育活動を実現するために、区立幼稚園・小・中学校の教員で構成する港区教育研究会の特別活動部会において、子どもたちに自主的、実践的な力を育むことができるすぐれた取り組み事例を共有し、各園・各校の教育活動の充実につなげております。今後も、さまざまな研修を通じて、子どもたちが安全で快適に生活するためのルールを主体的に決め、行動する力を育むことができる教員を養成してまいります。  最後に、やさしい日本語の教職員への習得の促進についてのお尋ねです。  教育委員会では、外国籍の保護者との意思疎通を円滑にできるよう、今年八月、区職員を対象としたやさしい日本語研修に教職員の参加を呼びかけたところでございます。教職員は情報発信のあり方や外国人にとってわかりやすい日本語について学ぶことができました。こうした区長部局と連携した取り組みを、今後も継続していくとともに、外部講師によるやさしい日本語の校内研修を開催するほか、テレビ会議システムを活用した研修会を検討するなど、教職員が負担なくやさしい日本語を習得できるよう取り組んでまいります。  よろしくご理解のほどお願いいたします。   〔選挙管理委員会委員長(島田幸雄君)登壇〕 ○選挙管理委員会委員長(島田幸雄君) ただいまの公明党議員団を代表しての池田たけし議員の質問に順次お答えいたします。  投票率向上と公正な選挙の実現についてのお尋ねです。  まず、投票率向上についてです。平成二十七年四月の港区議会議員選挙からこれまでの取り組みとして、選挙権年齢が十八歳に引き下げられたことを契機に、明るい選挙推進協議会の皆さんと協働し、区内小・中学校や高等学校での選挙授業を延べ百十四回行いました。また、投票所入場整理券を世帯同封方式にすることにより、家庭の中で選挙を話題にしてもらう取り組みを行いました。  平成三十年度は、選挙に関する区民意識調査を実施し、この調査結果から、このたびの港区議会議員選挙の日時や選挙公報に関する啓発動画を作成し、区内デジタルサイネージや「ちぃばす」車内などに情報発信を行いました。また、期日前投票の周知や高輪地区総合支所の期日前投票所の場所を四階から一階に変更するなど、有権者の利便性の向上を図ってまいりました。これらは、中・長期的に投票率向上へ結びつく大切な取り組みと考えております。今後ともこれらの取り組みを継続して行うとともに、あわせてさまざまな工夫を凝らし投票環境の向上を図っていきたいと考えております。  最後に、公正な選挙の実現についてのお尋ねです。選挙運動について、選挙運動用自動車のスピーカーの音量に関するものから、チラシの内容に至るまで、さまざまなお問い合わせがあります。この中で、選挙違反として判断するには、一つひとつ個別具体的に検証しなければならない事案が多く、選挙管理委員会は、各警察署に対し情報提供を行うとともに、連携を図りながら選挙違反の取り締まりをお願いしております。  また、選挙管理委員会は、立候補予定者を対象とした事前説明会を開催し、選挙運動の注意点をお伝えするとともに、参考となる書籍を配布するなど、まずは立候補者自身が違反のない選挙運動についての理解を深め、実践してもらうことに重きを置いております。引き続き事前説明会において選挙違反の具体的な例示をするなど、立候補者にわかりやすく情報提供を行い、港区内における公正な選挙が行われるよう取り組んでまいります。  よろしくご理解のほどお願いいたします。             ─────────────────────────── ○議長(二島豊司君) お諮りいたします。議事の運営上、あらかじめ時間を延長いたしたいと思いますが、ご異議ございませんか。
      〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(二島豊司君) ご異議なきものと認め、時間は延長されました。             ─────────────────────────── ○議長(二島豊司君) 次に、二十六番榎本茂議員。   〔二十六番(榎本 茂君)登壇、拍手〕 ○二十六番(榎本茂君) 令和元年第三回港区議会定例会において、都民ファーストの会と日本維新の会を代表しまして、榎本茂が区長と教育長に質問させていただきます。  最初はオリンピックのレガシーについてです。  東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会の競技会場となるお台場の海で、テスト大会を兼ねたトライアスロンの国際大会が八月十五日から十八日まで開催されました。しかし、残念ながら八月十七日のパラトライアスロンのスイムは、前日の水質検査で大腸菌が、国際トライアスロン連合が定める水質基準の最悪のレベル4となったため、競技のうちスイムが中止となり、ランとバイクの二競技のみで実施されました。  このスイム競技の中止は、多くのメディアが、五輪が照らす下水道問題とか、お台場の海、降雨で水質悪化とか、果ては東京湾うんち水とか、東京五輪トライアスロンお台場肥だめとか、聞くにたえないタイトルでさまざまに報道されました。  私が平成二十六年の第三回定例会でお台場の水質問題について発言した議事録は、新聞で原文がそのまま引用され、掲載され、私が一昨年、フェイスブックにアップしていた未浄化下水の放流動画は、再生回数がことしさらに増え、百万ビューを超え、ことしユーチューブにアップしたところ、一週間足らずで再生回数は十万回を超えてしまいました。私にとってろくに浄化もされないふん尿まじりの汚水が運河に放流されるのは、雨が降るたび目にする日常であります。しかし、世の中の方には大変刺激的な映像だったようです。  私の撮影した映像はテレビ番組でも報道され、ネットの動画は英訳されて拡散され、お台場の水質問題は単なるオリンピックの一競技の開催基準の問題ではなく、日本という国の首都の衛生環境問題になってしまった感覚があります。  私は、港区の下水の未浄化汚水放流問題に取り組むために十四年前にNPO法人を立ち上げ、九年前に港区議会に初当選したときも下水処理の問題を政策に掲げ、一貫してこの問題に取り組んできました。私にとって政策の一丁目一番地であります。当選して初めて取り組んだのが運河の水質検査の問題でした。当時、運河の水質を検査する方法は、晴天が五日以上続いたとき、表層の水を採取して検査するというものでしたが、雨天時の検査をするべきであると港区議会で訴え続け、現在の検査体制がとられるようになりました。これにより雨天時にふん便性大腸菌の数値が下水の放流口付近ではね上がることが港区によって明らかにされたのです。その後、区ホームページで発表される運河の水質検査データは東京都議会でもたびたび取り上げられ、下水道行政に大きな問題提起がなされる機会となりました。  この港区の未浄化下水の放流を要因とする水質問題は、私のライフワークでありますが、このような形で世の中に広まってしまったことは大変不本意であり、残念であると思っております。もっと前、東京二〇二〇大会の会場が決まったときから、ちゃんと水質改善に取り組んでいれば、お台場のイメージダウンは避けられたのではないかと思うと残念でなりません。我々は今の状況を予見し得る立場にありました。  メディアの報道を受け、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会では、大会本番では汚水流入を防ぐポリエステル製の水中スクリーンを会場の周囲に三重に張りめぐらすと発表しましたが、大会当日だけ競技基準の大腸菌を防ぐというだけでは、大会終了後のお台場のイメージは一体どうなるというのでしょうか。もうそうなったら五輪のやり逃げであります。港区の海に最悪のイメージを植えつけて去っていく五輪。もし大会当日の水質が悪く、トライアスロンが大会組織委員会のいうスイムを除くデュアスロンというバイクとランの二競技になった場合は、オリンピック・パラリンピックで水質を問題としてスイムが中止になった世界の初事例として記録されることになってしまいます。どちらにしてもオリンピック・パラリンピック終了後はお台場の悪いイメージだけが残る、東京の環境の悪さだけがアピールされる、まさに負のレガシーとなってしまいかねません。  私は長年、水質調査のサポートをしていただいている東京大学の鯉淵准教授や国連テクニカルアドバイザーの吉村先生と意見をすり合わせて、お台場の水質問題は、受動的なスクリーンを三重にするというだけではなく、よりアクティブで積極的な水質改善をとるべきだという意見のもと、五つの改善案を作成し、都民ファーストの会の政調会に提案しました。これは大会終了後も泳げる水質を継続して維持できるプランです。  私が望むのは、大会終了後に誰もが泳げるではなく、誰もが泳ぎたくなる海を残すこと、美しい江戸時代の原風景をお台場に再現することです。そうでなければ、意味はありません。都民ファーストの会から提案を受けた知事は素早く動き、三重スクリーンだけではない、さらなる水質改善策に取り組むとの記者発表を行うとともに、第三回定例会の所信表明演説においても全庁を挙げて水質改善に取り組むと述べられ、指示を受けた東京都の六局はすぐにとるべき第一弾の策を発表しました。大いに期待するところです。  東京都議会都民ファーストの会の代表質問でも台場の水質問題は集中して取り上げられ、東京都は全局を挙げて水質改善に取り組んでいくとの回答を述べております。  港区では、今年も事業費四千万円をかけ、八月十日から十八日までの九日間、お台場で海水浴を行う「お台場プラージュ」を開催しました。私はこのイベントの当初から、この企画には懐疑的で、雨天時の未浄化汚水放流後は開催を中止するよう各地区総合支所に進言したりもしてきましたが、水質検査で大腸菌の数が基準の倍以上検出されたことでパラリンピックのテスト大会のスイムが中止になったことしの八月十七日も、お台場海水浴「お台場プラージュ」は海水に顔をつけないことを条件にして中止せず、実施しております。  ここで頻繁に言われる大腸菌について申し上げます。水質検査の指標となる大腸菌、正確にはふん便性大腸菌が問題視されることをもって大腸菌そのものが悪いように思われていますが、それは間違いです。大腸菌は自然界に広く存在する菌です。そして、ふん便性大腸菌は人の体内から便とともに排出された菌であり、そのものに害はありません。しかし、ふん便性大腸菌は弱い菌であり、人の体内から排出された後、自然界においては三日程度しか生きられないために、ふん便性大腸菌が検出されたということは、その海水が比較的新しくふん便汚染されたことを示しており、より強い他の細菌による感染リスクが高いことを示しているのです。ゆえに大腸菌は指標菌と呼ばれております。つまり、指標菌であるふん便性大腸菌が検出されたということは、それが翌日検出されなくなっても、より強い菌である赤痢、疫痢、コレラ、腸チフスなど他の食中毒や毒性の強い菌が存在するリスクまでなくなったということではありません。また、ふん便性大腸菌の検査は四十四・五度の温度で二十四時間培養する必要があります。  私は政務活動費の多くを検査試薬などに投じ、年間を通じて検査しておりますが、当日採取した大腸菌の検査結果を同日確認することはできません。区も東京都も大会組織委員会も、当日採取した水で大腸菌の数を当日知ることはできません。港区では、お台場海水浴予報システムを開発し、泳ぐか、泳がないかということを決めていますが、そもそもふん便性大腸菌が頻繁に検出される場所で泳ぐことのリスクを僕は考えるべきだと思うのです。ふん便性大腸菌とは、単なる指標菌でしかなく、大腸菌が検出されなくなった翌日は安全という意味ではありません。下水処理施設から放流される未浄化汚水の排水口がレインボーブリッジの芝浦側の高浜水門脇にあります。お台場海浜公園から距離にして二キロメートル弱であります。ここから放流された茶色い汚水は、潮の流れにもよりますが、三十分ほどでお台場に到達します。  東京都下水道局は、未浄化汚水の放流情報を、港区が何度要望しても提供しないと回答しております。放流情報は何日もたった後、東京都下水道局のホームページで確認するしかないのが現状です。突発的なゲリラ豪雨で緊急に大量の汚水を放流することになった場合、港区の海水浴予報システムなど意味をなさなくなってしまいます。汚水を放流するときに港区に一本の電話もできないという下水道局の対応に怒りを覚えますが、それができないのであれば、我々はお台場の水質に対するリスクを回避することが困難であると言えると思います。  そこで区長に質問します。まず、下水道局に対し、未浄化汚水である簡易処理水の交流情報を放流決定時に速やかに区に通報するよう強く求めていただきたい。そして、港区民に対し、未浄化汚水の放流情報を迅速に共有できる仕組みをつくっていただきたい。区長のご意見を伺わせてください。  区は、東京二〇二〇大会のレガシーとして「泳げる海、お台場」を実現することを目指し、東京二〇二〇大会の気運醸成につながるイベントとして、お台場海水浴「お台場プラージュ」をことしも実施したわけですが、区が行っている「泳げる海、お台場」の実現は、泳がせる海であって、泳げるようにするために具体的な水質改善を行っているわけではありません。そして、高濃度のふん便性大腸菌が頻繁に測定される海域は、細菌の感染リスクが高い海域であるというのも間違いありません。何度も言いますが、大腸菌が検出されない日は安全だというのは間違いなのです。  全国にある一般的な海水浴場とは違い、世界最大級の人口を抱える都市が放出する汚水の排水口がすぐ近くにあり、年間九十回から百二十回も未浄化で汚水を放流していて、常に生活排水の影響を強く受ける海域です。この海を泳げるようにすることを目指すことは、私の目指すことでもあり大賛成ですが、現在の状態において、この海で人を泳がせることに私は反対の立場であります。  ここで大会のスイムが中止となった日まで泳がせることが、どのようなレガシーにつながるのか、区長のお考えを伺いせてください。  次に、現在、東京都は全庁を挙げて水質改善策を模索しています。水質改善策には二つの考え方があります。まず一つは、来年の東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会までの一年間の間にできる短期的な水質改善策です。これは、汚水の流入を防ぐフェンス三重にするというような受動的な方法だけではなく、よりアクティブな方法で水質浄化と汚濁水の流入を防ぐ案を組み合わせて行わなければいけません。来年のお台場プラージュの予算は、病原菌の存在リスクの高い海で泳がせる海水浴を実施することに使うのではなく、予算を東京都の行う水質改善事業に投じ、抜本的な水質改善策を東京都と共同で共有することにより、本当に泳げる海、そして泳ぎたくなる海を実現することが私は望ましいと思っております。区長のお考えを伺わせてください。  次に、長期的な水質改善策です。東京都内山手線の内側にある古くからの町は、生活排水と雨水を一緒に流す合流式の下水道方式をとっております。東京都と同じく古い都市であるニューヨークやパリも雨水と生活排水を同じ下水に流す合流式下水道です。一定のキャパシティを超えると、下水は塩素だけをまぜて未浄化のまま放流します。昨今はゲリラ豪雨が頻発し、さらにキャパシティを超えやすい状況にあります。  また、港区では大規模な都市開発が進んでいます。先日も東京タワー並みの高層ビル建設が発表されました。大規模な高層ビルを建てれば、トイレも増やさざるを得ません。都心のトイレが巨大化していく一方で、下水本管が太くなるわけでも、処理場が大きくなるわけでもないのです。芝浦の下水処理場ができたのは昭和六年、満州事変があった年です。当時の日本の人口は七千万人程度であり、まだ地方に多くの人が住んでいる状態でした。当時の処理場と今の処理場の面積は変わっていません。  下水管には、流入する汚水が一定の量を超えた場合、近くの河川に流すオーバーフローの仕組みがつくられています。下水管の最終的な出口である処理場に汚水が到達する前に、汚水を逃す排水口が七百カ所以上もつくられており、古川などの河川に放流されています。古川などに放流してしまう下水のオーバーフローについて、東京海洋大学の佐々木准教授と共同で調査しました。大学の研究室の学生がカヌーに乗って古川をさかのぼり、水を採取してきてくれ、分析しました。下水処理場の近くの運河と違い、晴天が続いた日でも古川は多くの下水のオーバーフロー、排水口の近くの地点で採取した水から高濃度のふん便性大腸菌を検出しました。つまり、日常的に下水が下水処理場に到達する前にオーバーフロー、あふれ出ているということです。東京都の下水システムは、急速に超高層化するビルが建ち並ぶようになった都市化に対応し切れておりません。一方で、全国千四百の自治体の八五%は、既に雨水と汚水を分けて流す分流式の下水道となっており、下水はコントロールされています。  横浜も八〇%以上が分流式です。東京都のように雨が少し降るだけでコントロール不能となってしまい、大量の汚水を放流してしまう都市は、今や全国でも少数派なのです。今後、世界最大の都市である東京都の下水をどうするのか。東京都の試算によると、雨水と汚水を分ける分流式による対策には十兆三千億円のコストと五十年の歳月がかかるとされています。五十年、十兆三千億円。誰も自分が流すトイレの汚物の行き先など今まで気にしていませんでしたが、今やっと自覚してもらえる、まさに百年に一度のチャンスがめぐってきました。下水最下流の区である港区が、東京都に対し、下水の分流化を強く求めていただきたいと願ってやみません。  そこで質問ですが、東京都に対し、下水の分流化を求めることを港区として強く宣言していただきたいのです。特別区ゆえに下水道行政を持たない港区、ぜひとも港区平和都市宣言と同じぐらいの強さで行っていただきたい。これが実現すれば、港区にとって東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会で得られた最大のレガシーになると思っております。区長のご意見を伺わせてください。  次に、お台場の環境教育について質問します。  子どもの夏休みの自由研究で、お台場の海水に含まれる塩分濃度について実験を行いました。東京湾口の富浦の海水を採取して、お台場の海水と比べてみる。まず、色が違います。栄養価が違うので、お台場では植物プランクトンの量が圧倒的に多いのです。次に煮詰めて、含まれる塩の量を比べます。千葉の富浦で採取した海水には塩分が四%前後含まれています。一方、お台場の海水にはその三分の一程度、わずか一%ちょっとしか塩分は含まれていませんでした。お台場の海は淡水が多く含まれる、お台場は汽水域だということです。しかし、その淡水の由来は川ではありません。目の前にある下水処理場から毎日流れる水は多摩川の半分ぐらいの量に相当します。隅田川の水も大半は生活排水です。  東京港の海は一ヘクタールあたり三百人の生活排水が流れ込む世界で一番生活排水の負荷の高い海と言われております。人の使った後の水が多く含まれるお台場の海。まず、その海水について学び、食べ物の残りを台所から流す行為が、実は最も海を汚す原因であると、これを、食べ物を残さない食育につなげる海の環境教育を行うべきだと私は思っております。教育長の考えを伺わせてください。  次に、舟運について質問します。  東京二〇二〇大会まであと一年を切って、中央区晴海五丁目に東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会の選手村として利用した後に売却する五千戸を超えるマンション群、HARUMI FLAGの販売が始まりました。東京都では、このHARUMI FLAGに最も近い鉄道駅である都営大江戸線勝どき駅が既に飽和状態であることから、新たな交通手段として舟運による輸送実験を行いました。  小池知事が実際に乗船し、テレビでも報道されたこの水上ルートは、都営大江戸線勝どき駅近くの船着場から運河を進み、日本橋までの区間を三十分程度かけて運行するというものです。しかし、この社会実験のアンケートを見ますと、通勤手段としての魅力に乏しいとの声が多数見受けられました。やはり日本橋まで三十分という移動時間は、都心に住む人にとって都心に住むことの利便性を生かし切れていないということなのでしょう。  そこで、私は都民ファートの仲間たちと船を出して、さまざまな地点に行くための舟運の輸送時間の調査を行いました。晴海から竹芝まではわずか六分でした。JR田町駅前の新芝橋防災護岸までは十二分。港南の高浜運河のJR品川駅前の護岸まで二十三分でした。JR山手線の田町駅や東京モノレールの始発駅であるJR浜松町駅、新幹線のとまるJR品川駅、いずれも晴海から日本橋に行くよりはるかに近いのです。港区は海の玄関、まさに港の区であります。  中央区や品川区が積極的に舟運に取り組む中、臨海区で唯一、区営桟橋を持たない港区。東京都が計画する舟運の構想における空白地帯となりつつあります。港南地区の高浜運河に桟橋が必要であると以前も質問させていただきました。その後、どのような調査研究がなされたのか伺わせてください。  次に、受動喫煙について伺います。  都民ファーストの会東京都議団らの議員提案で成立した東京都子どもを受動喫煙から守る条例の施行後、例えば渋谷区では区内の公園に大々的に黄色い目立つのぼりを立てて、公園内禁煙という文字が一目でわかる周知活動を実施しています。公園内禁煙とする区は増えております。公園とは子どもが遊ぶ場所であり、区民の憩いの場です。私たち会派は、公園は全面禁煙にすべきであると考えております。区長のお考えを伺わせてください。  次に、たばこの灰には五十種類以上の発がん性物質が含まれており、路上に捨てられた吸い殻は雨水と一緒に雨水ますに流れ、下水を通じて海に流れ込み環境汚染の原因となります。フィルターは深刻な海洋汚染であるマイクロプラスチックの問題の大きな原因となり、たばこの吸い殻から出る成分は、一本の吸い殻で六十センチ水槽の魚を殺すことができます。  区では三億円の予算を使い、みなとタバコルールの巡回啓発に努めていますが、巡回報告書を見ても、たばこのポイ捨ての量は変わっていません。私も毎日ごみ拾いをしておりますが、路上のたばこの回収量は変わることがありません。そして、ポイ捨ての場所は、特に指定喫煙場所の周囲が最も多いと感じております。指定喫煙場所においても、指定喫煙場所の灰皿ではなく、その周囲の路上に吸い殻を捨てる人が多いのです。個別の質問は、別途委員会で行いますが、港区はルール啓蒙のステージから、罰則をもって取り締まるステージに入ったのではないかと考えております。  つまり、ルールを啓蒙しなくてはならない対象が、港区在住の区民ではなく、明確に区外から来ている勤労者など来街者になったのではないでしょうか。みなとタバコルールの啓蒙は一定の役割を終え、今は港区に対する愛着が薄い、ポイ捨てに対する罪の意識の低い方にどう対応するかを考えるステージに入ったのではないかと考えております。こういう人たちに今の巡回指導で行っているマナーの啓蒙アナウンスは馬の耳に念仏です。我々は次のステージとして、ペナルティを求めるべきであると思います。ポイ捨てをする人に対して、過料をもって取り締まることについて、どのように区長がお考えかご意見を伺わせてください。  次に、三歳児健康診査について伺います。  私が長年取り組んできた三歳児健康診査の受診率向上への取り組みですが、健診案内に未来所の方用のアンケートを同封せず別送することなど、私の意見を素直に取り入れてくださったことに感謝申し上げます。そして、東京都で唯一受診率が八割に達していなかった港区において、ことしついに受診率が八割に達したことを素直に喜んでおります。本当にありがとうございました。  しかし、いまだ二割の方が受診していない東京都下で最低の受診率であることは、一層の努力と工夫が求められているということでもあります。今後、受診率を一層高めるために必要な課題をどう捉えていらっしゃるのか、お考えを伺わせてください。  次に、三歳児健康診査における眼科検診についてです。この眼科検診の一次検診は、母親が絵指標というものを使って行う検査です。しかし、三歳の子どもがおとなしく座って母親の指示に従うということが難しいことから、弱視の患者の七〇%が母親による絵指標検査を合格としていたというデータがあります。嫌がる子どもや真面目に取り組まない子どもに手をやき、まあ大丈夫だろうと検査結果に問題ないと記入してしまう親は多いのです。五歳を過ぎると治療が極めて難しくなる弱視。三歳の時点で、自らの安易な判断で治療の機会を逸してしまった多くの母親が自らを一生責め続けることになっています。  平成二十七年版障害者白書によると、視覚障害者百六十四万人のうち、四〇%に相当する六十五万六千人が弱視の発見のおくれを原因とする視覚障害者と言われております。そして、三歳児の五十人に一人が弱視の可能性があるとも言われております。弱視の発見のおくれを最小限とするために、弱視の発見を母親の検査に頼らない方針をとっている区もあります。他覚的屈折検査機器による三歳児の全員検査です。これにより多くの子どもと同時に、母親を検査結果の責任という苦悩から救うことができます。港区において、機械による検査、他覚的屈折検査機器導入における課題と区長のお考えを伺わせてください。  質問は以上です。ご清聴ありがとうございました。   〔区長(武井雅昭君)登壇〕 ○区長(武井雅昭君) ただいまの都民ファーストと日本維新の会を代表しての榎本茂議員のご質問に順次お答えいたします。  最初に、お台場の水質改善についてのお尋ねです。  まず、東京都下水道局に対し、簡易処理水の放流情報の提供を求めること等についてです。区は、これまで簡易処理水の放流情報について、東京都下水道局に対し、適宜・適切な方法で情報提供するよう申し入れてまいりましたが、十分な回答が得られておりません。先月には、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会のトライアスロン等のテストイベントが開催され、お台場の水質に注目が集まっていることからも、改めて東京都下水道局に対し、区や区民への積極的な情報提供等を行うよう要請してまいります。  次に、「お台場プラージュ」がどのようなレガシーにつながるかについてのお尋ねです。お台場における海水浴は、お台場の水辺で楽しみたいという皆さんの思いを受け、区として東京都などと交渉し、地域の方々とともに始めることができました。当初は顔つけが禁止でありましたけれども、大腸菌の流入を防止する水中スクリーンの設置や大腸菌の値を事前に予測するお台場海水浴予報システムを導入し、安全性に配慮した顔つけのできる海水浴を実現いたしました。  今年度の「お台場プラージュ」では、地域の方々を中心とした実行委員会のもと、一万四千人以上の方が来場し、お台場の海で楽しんでいただくことができました。今後も、この取り組みを継続することで、多くの方々の身近な海の水質に対する意識がより高まり、都心の貴重なまた魅力的な水辺空間である「泳げる海、お台場」の実現につながっていくものと考えております。  次に、東京都と連携した水質改善策についてのお尋ねです。区は、東京二〇二〇大会のレガシーとして「泳げる海、お台場」の実現に向けて、お台場プラージュの開催や定期的な水質調査、環境学習を通じた水質改善、お台場の砂浜を清掃する東京ベイ・クリーンアップ大作戦などを実施してきました。  一方、東京都は、東京二〇二〇大会の開催に向け、雨水貯留施設や高速ろ過施設の整備等のこれまでの取り組みに加え、お台場周辺海域における水面清掃の強化などを検討しております。今後も、「泳げる海、お台場」の実現と水辺空間の魅力向上を目指し、東京都に対しては、さらなる水質の改善を求めるとともに、連携協力を図りながら、区民とともにお台場の水質改善に向けた取り組みを推進してまいります。  次に、東京都に対し、下水道の分流化を求めることについてのお尋ねです。区は、これまで東京都に対し、特別区長会等を通じて、雨水貯留施設や水再生センターにおける高度処理施設等の整備、河川のしゅんせつ工事の促進など、都市河川等の水質改善への取り組みを促進すること、また、雨天時の下水の越流水を抑制するためのさまざまな施設建設を促進することについて要望してまいりました。今後も引き続き東京都に対して、特別区長会や、特別区長で構成する特別区下水道事業促進連絡会等を通じて、下水道の分流化の検討も含めた、都市河川等の水質改善について申し入れをしてまいります。  次に、港南地区における桟橋の設置の必要性についてのお尋ねです。  現在、東京都は、新たな長期計画の策定に取り組んでおります。災害時における物資や人員を輸送する水上ルートの確保は重要であり、また、舟運は観光振興にもつながるものです。私は、こうした機会を捉え、港南地区における桟橋の設置に関して、東京都知事に要望してまいります。  次に、受動喫煙対策についてのお尋ねです。  まず、公園を全面禁煙とすることについてです。区は、屋外の公共の場所では、指定喫煙場所以外での喫煙を区内全域で禁止しております。公園や道路に指定喫煙場所を設置する際は、地域の受動喫煙防止のため、地域住民のご意見等を踏まえ、必要に応じて整備を進めております。さらに、公園内の受動喫煙防止を徹底するため、高橋是清翁記念公園内の喫煙場所の密閉化をはじめとした改善工事を進めるほか、指導員による巡回を強化しております。今後も公園を利用される方の受動喫煙防止対策のさらなる強化に努めてまいります。  次に、罰則による取り締まりについてお尋ねです。区は、各地区生活安全・環境美化推進協議会をはじめとする区民、事業者の皆さんとの協働による取り組みや、巡回指導・啓発を通じて、ルールやマナーの意識を高めることを基本に、罰則によらないみなとタバコルールの取り組みを推進しております。こうした取り組みにより、路上喫煙の原因となる灰皿が撤去されたり、ルールやマナーを守るという意識が地域に着実に根づいてまいりました。依然としてポイ捨てが見られる場所につきましては、周辺地域の喫煙状況等を把握し、巡回方法の見直しや啓発の工夫などをさらに徹底し、罰則によらない改善策を実施してまいります。  次に、三歳児健康診査についてのお尋ねです。  まず、受診率向上における課題についてです。区は、三歳児健康診査に来所しなかった方へのアンケートを実施しており、改めて未受診の理由を分析したところ、約六割の方が、保育園・幼稚園やかかりつけ医等で健診を受けていることを理由に挙げていることがわかりました。これは、区の三歳児健康診査が、内科、眼科、歯科や栄養相談など、ほかで受けることができない貴重な検査の機会であるということが認識されていないためと考えており、今後は、健診の案内や未受診者に対して、多岐にわたる検査項目を受けられる機会であることを積極的に周知してまいります。  最後に、他覚的屈折検査機器導入における課題についてのお尋ねです。三歳児健康診査の目の検査において他覚的屈折検査機器の活用は有効であると認識しております。しかし、導入に向けては、適正な検査を行うための薄暗い部屋等の確保や、人的配置をはじめとする検診体制の見直しのほか、区としての判断基準を定める必要があるなど幾つかの課題があります。今後は、これらの課題に対し工夫をしながら検査機器の導入に向けた検討を進めてまいります。  よろしくご理解のほどお願いいたします。  教育にかかわる問題については、教育長から答弁いたします。   〔教育長(青木康平君)登壇〕 ○教育長(青木康平君) ただいまの都民ファーストと日本維新の会を代表しての榎本茂議員のご質問にお答えいたします。  お台場学園の環境教育についてのお尋ねです。  小中一貫校お台場学園では、お台場海浜公園や海岸を利用し、地域の方々や関係団体の支援を得ながら、地域性を生かした特色ある環境教育を実施しております。例えば、五年生の海苔づくりでは、海苔を種から養殖し、収穫をするという体験的な学習を通じ、自然環境と生命の大切さを学んでおります。また、お台場の海の水質の実態を踏まえたアマモの育成や、アサリによる水質浄化など、生き物や水質の調査にも取り組んでおります。今後も、身近な海の実態を理解するとともに、自然環境を活用した学習を通して、かけがえのないお台場の海を大切にしようとする豊かな心を育んでまいります。  よろしくご理解のほどお願いいたします。 ○議長(二島豊司君) 次に、八番福島宏子議員。   〔八番(福島宏子君)登壇、拍手〕 ○八番(福島宏子君) 二〇一九年第三回港区議会定例会において、共産党議員団を代表して区長に質問いたします。  台風十三号、十五号により被災された皆様に、心よりお見舞い申し上げます。  持ち時間に限りがありますので、早速、質問に入らせていただきます。  初めに、核兵器禁止条約への署名・批准を政府に求めることについてです。  広島・長崎に原爆が投下されて、ことしで七十四年。被爆者の平均年齢は八十二歳を超えました。私は、ことし八月六日に広島を、九日に長崎を訪れました。町中至るところで平和への願いにあふれていました。長崎の平和祈念式典会場で港区平和青年団の千羽鶴を見つけ、大変うれしく思いました。私たちは今、被爆者のいる時代の終わりにいます。「生きているうちに核兵器のない世界の実現を」と願う被爆者の願いに背を向け、平和祈念式典の挨拶で核兵器の「か」の字にも触れない日本政府に憤りを覚えます。一体どこの国の首相でしょうか。  二〇一七年七月七日、国連で百二十二カ国の賛成で核兵器禁止条約が採択されました。現在七十カ国が署名し、二十六カ国が批准しています。唯一の被爆国として、日本政府は一刻も早く署名・批准をするべきです。来年二〇二〇年はNPT、核不拡散条約発効五十年の節目の年で、ニューヨークで再検討会議が開かれます。  港区は、一九八五年八月十五日に平和都市宣言し、核兵器の廃絶を広く訴えることを誓いました。また、港区も参加する平和首長会議行動計画でも核兵器禁止条約の早期締結をうたっています。  港区長として、早期に核兵器禁止条約に署名・批准するよう国に要請すること。  また、港区で毎年七月の終わりから八月十五日まで平和展が開催されていますが、会場に「ヒバクシャ国際署名」が置かれていないのはなぜでしょうか。核兵器廃絶の大きな力となる署名を各会場に設置すること。  あわせて平和展の来場者数をカウントして把握すること。それぞれ答弁を求めます。  次に、羽田新飛行ルートについてです。  八月八日に国土交通大臣は、都心上空を低空飛行する羽田空港の新飛行ルートを、二〇二〇年三月二十九日から運用開始することを発表しました。国は、地方自治体や住民の理解を得ることが新飛行経路の前提条件だと明言していたにもかかわらず、その約束を投げ捨て方針決定したことは断じて認められません。また、東京都知事がこれに同意し、感謝するコメントを発表したことは大変遺憾です。  共産党都議団の情報公開請求で、東京都の意見表明にあたって、事前に関係区に議事内容の確認とともに、東京都の意見案についての意見が求められ、全ての自治体が「なし」と回答していることがわかりました。町会など広範な地域住民から反対の声が上がり、港区議会には第二回定例会で五つの町会とみなとの空を守る会からの請願が出されているにもかかわらず、東京都の意見表明に異論を述べなかったことは重大な背信行為です。  国土交通省の発表を受けて、武井区長の発表したコメントには、「区民から不安の声が寄せられており、情報の周知が十分でないと考えている。安全安心と生活環境を守る立場から国の責任において、区民の不安や疑問の払拭に向けたきめ細かな情報提供や丁寧な説明を行うよう、国に対して強く求めていく」とあります。区民を代表する区長として、この時期になって周知や説明を求める段階ではありません。関係自治体が見直し・撤回を求めることしか区民の安全を守るための道はないのです。  平穏に暮らしている人口密集地の上空に飛行機を飛ばすことは、憲法が保障する幸福追求権の侵害であり、憲法違反です。このようなやり方は日本の民主主義の崩壊に道を開き、次世代に遺恨を残すものです。  港区長として、国に対し、新飛行経路の運用開始決定の撤回を求めること。答弁を求めます。  国公有地の有効活用についてです。  区政にとって特別養護老人ホームや園庭のある区立保育園の建設は、引き続き大きな課題です。その際、一番のネックは土地の確保です。幸いなことに、区内には国有地、都有地がかなりあります。土地の確保は、区民の施設要望を実現する上で不可欠です。  当面、芝消防署跡地、解体の始まった麻布警察署跡地の確保について、東京都に申し入れること。答弁を求めます。  シルバーパスについてです。  超高齢社会を迎え、高齢者の生活を支え社会参加を推進する上で、移動手段としての交通機関の充実とその利用の改善は重要な課題となっています。この点で東京都が実施している七十歳以上の高齢者を対象としたシルバーパスの制度は多くの高齢者に利用され、外出することが元気の源にもつながり、介護予防の観点でも歓迎されています。  しかし、同時に、制度発足当時は無料パスであったものが、その後利用者の費用負担が導入され、現在は購入する際、住民税非課税または所得百二十五万円以下の高齢者は千円、それ以外の高齢者は一律に二万五百十円がかかります。このため利用率が激減し、制度発足当初は全体で七二%の利用があったものが、二〇一六年度には四六%となり、制度の趣旨である高齢者の社会参加、高齢者福祉の充実に逆行するものとなっています。港区では、現在千円で購入している方は一万千百九十五人で対象者の三四%、二万五百十円での購入は三千二百三人で九%と低い利用率です。  世帯の所得金額により購入額を変えている名古屋や、介護保険料所得段階に基づいて購入額を決めている福岡など、制度の中身は全国でさまざまな工夫が見られます。購入可能年齢も六十歳のところもあり、また、運転免許証返納者には無料で交付する自治体もあります。山形は七十五歳になると購入金額が下がります。港区ではゆりかもめへのシルバーパスの適用が高齢者の強い要望となっています。東京都は第三セクターの交通機関について適用対象から外していますが、横浜、名古屋、京都、神戸、広島などの政令指定都市では第三セクターでも利用を認めており、要望に応えることが強く求められています。  港区として、次の項目の実現を東京都に強く要望すること。
     ①シルバーパスの負担軽減を図るため、所得に応じた応能負担とすること。  ②ゆりかもめでの利用を認めること。それぞれ答弁を求めます。  デイサービス事業への支援についてです。  港区の総人口は二十五万人を超え、そのうち高齢者は約四万三千八百人で、要介護・要支援の認定者は約九千百人です。介護サービス事業者ガイドブック「ハートページ」を見ると、居宅サービスが十二種類、地域密着型サービスが七種類とさまざまなサービスが繰り広げられています。この中の通所介護、デイサービスについてお尋ねします。  区内には十六カ所のデイサービスがあり、うち八カ所は港区立の事業所です。地域密着型と呼ばれる、定員が十九人以下の事業所は八カ所、これは全てが民間です。デイサービスは介護が必要になった方でもできるだけ自立できるよう、介護度を悪くしないためにもなくてはならない施設です。しかし、港区内の民間事業所は家賃が高くて経営が厳しい状況があり、実際に閉鎖を余儀なくされるところが後を絶ちません。「サービス内容を充実するためには人手が必要だが、運営を考えると増やせない」、「このままでは利用者が減ってしまうのではないか心配」との深刻な相談を受けました。  港区立の事業所は家賃がかからないわけですから、施設運営を考えると、労働条件や人件費の面で大きな格差が生まれてはいないでしょうか。これは直接利用者の方が受ける介護に差が生まれることになります。本来、福祉は公的に公費で行うことが当たり前だと考えますが、現実ではデイサービスは民間活力に頼らざるを得ない状況です。  ①民間のデイサービス事業所に対して、港区独自の家賃補助を行うこと。  ②民間事業所の経営状況を把握し、利用者への対応に格差が生じないよう港区として責任を持つこと。それぞれ答弁を求めます。  子どもたちの通園・散歩時の安全確保についてです。  五月から六月にかけて区内全保育園対象に安全点検調査が行われ、現場目線での危険箇所が寄せられました。その数は何と六百カ所に迫るとお聞きしました。これを見ると、地域によって危険の種類が大きく異なることがわかります。特徴としては、芝浦港南地域では青信号が短く渡り切れないという声が多いことです。複数の園から指摘されているのは港南小学校前で、五歳児でも渡り切れないとのこと。また、芝地区の芝公園グラウンド前の信号も複数の園から指摘されています。延長ボタンを押しても間に合わないというのです。これは待ったなしで改善する必要があります。一方、白金地域や麻布地域は道幅が狭いところが多く、見通しが悪いことで危険を感じるケースが特徴です。ガードレールはあっても歩道が狭く、散歩用のバギーが通れないという現状は深刻です。園庭のない保育園は散歩に出ることが必然ですから、散歩車が通れなくては困るのです。  目黒区では、子どもたちが安全に公園まで移動する手段として、区独自で送迎バスを走らせています。港区でも安全な移動手段として独自の施策が必要です。事故があってからでは遅いのです。また、園庭があるかないかで保育内容に格差が生じることがあってはなりません。  ①指摘された危険箇所を早急に調査し、改善すること。  ②園の要望に応じて、散歩時の安全確保のための人員を増やすこと。  ③遊び場までの移動手段として、港区独自で送迎バスを走らせること。  ④キッズゾーンの指定を急ぐとともに、車両のスピードの規制や違法駐車に関して、関連機関とともに歩行者優先、子どもの命を守る視点で対策を急ぐこと。それぞれ答弁を求めます。  加齢に伴う難聴者に対する補聴器購入費用の助成についてです。  耳が遠くなりコミュニケーションをとることが難しくなった高齢者は、家庭の中でも社会的にも孤立し、ひきこもりがちと言われています。一方、早目に補聴器を使うことで難聴の進行を抑え、社会生活を送る上での障害を取り除くことが可能です。  世界保健機構、WHOでは、四十一デシベル以上に補聴器をつけることが推奨されています。この時期に放置すると気づかないうちに進行し、認識できない音が増えていきます。だから早期の補聴器装着が必要なのです。しかし、補聴器は二十万円から五十万円と高価で、年金暮らしの高齢者には手が届きません。全国でも補聴器購入の補助制度が広がっています。二十三区では千代田区など九区が補助をしています。難聴の進行を抑える上で早期発見が重要です。  区の職員は、労働安全衛生法に基づき聴力検査を実施していますが、区民健診には聴力検査の項目がありません。第二回港区議会定例会で港区医師会が行っている高齢者難聴の早期発見のための聴力検診を紹介し、医師会の意見を聞き、高齢者難聴検診の知らせを区民健診の案内に同封することなど、区民に知らせる手だてを検討することを提案しましたが、何も相談していないとのことです。  ①港区でも早急に、加齢性難聴者の補聴器購入費用の助成を実施すること。  ②特定健康診査、基本健康診査で希望する人には難聴検査を実施すること。  ③港区医師会と相談を早急に行うこと。それぞれ答弁を求めます。  三歳児健康診査の眼科検診についてです。  三歳児健康診査の眼科検診で弱視を見落とすと、一生回復しないことがわかっています。検診で発見するためにはスコープを利用した検査機器の導入が必要です。これまで榎本茂議員も、早期発見のためにスコープの導入を求める質問をしています。質疑のやりとりを聞いていて、子どもの視力の一生にかかわることなのに、なぜ導入しようとしないのか不思議でなりません。榎本茂議員も指摘しているとおり、絵指標を使っての家庭任せの検査では全く解決になりません。視覚訓練士による検査が実施されていますが、スコープの導入でさらに精度を高める必要があります。  子どもの視力は八歳ごろに完成すると言われています。弱視とは、この視力の発達が妨げられ、低視力になることです。弱視の疑いがある場合には視力の発達が見込める早い時期での治療が不可欠です。その時期が三歳児健康診査です。  弱視の早期発見のため、三歳児健康診査にスコープ検査を導入すること。答弁を求めます。  青山地域での生鮮三品が購入できる店舗の確保についてです。  ピーコックストア青山店の閉店以降、青山地域(西麻布、赤坂、渋谷区を含む)では、生活する上でなくてはならない生鮮三品や日用品を購入できる店舗の確保が重要な課題となっています。共産党議員団の提案を受け、赤坂地区総合支所まちづくり課の皆さんの努力もあり、都営青山北町アパート、北三団地内に八百屋さんが出店しました。また、現在建設中の都営住宅の隣に、都有地を使って高級マンションを含む民間の開発が進んでいます。そこに生鮮三品や日用品などが購入できる店舗の誘致を要請しています。来年五月には完成予定です。  ①都営住宅の移転後も八百屋さんの移動販売を継続すること。  ②青山地域で鮮魚類の移動販売ができるよう、引き続き努力すること。  ③建設中の民間マンションへの店舗の誘致が実現するよう、事業主に強く働きかけること。それぞれ答弁を求めます。  最後に、(仮称)神宮外苑地区市街地再開発事業についてです。  第二回港区議会定例会の質問で、神宮外苑の再開発について撤回を求めました。私たちの議員団ニュースを見た区民や、それ以外のたくさんの方から「こんな計画本当なのか」「絶対にやめてほしい」との声が寄せられています。この計画は、景観、環境、文化、貴重な緑などを根底から破壊するものであり、明治神宮の外苑としての歴史的な成り立ち、文化的価値もないがしろにするものです。地権者である明治神宮、日本スポーツ振興センター(JSC)、伊藤忠商事株式会社などがかかわり、三井不動産株式会社がまとめた計画の問題点を、繰り返しになりますが、再度述べておきます。  一、神宮外苑の貴重な景観を破壊する。  二、近隣住民への配慮が全くなく、緑を破壊する。  三、風害が耐えがたいものになる。  四、神宮外苑にホテルはなじまない。  五、都心での貴重なスポーツ施設がなくなる。  神宮外苑はスポーツ愛好家にとってなくてはならない場所です。ところが、今計画ではテニスコートがなくなってしまう危険性が大です。一部室内にスポーツ関連施設が計画されるようですが、規模はかなり縮小され、スポーツ愛好家を追い出すことになります。  港区は、神宮外苑イチョウ並木周辺を景観形成特別地区に指定し、景観を何よりも大切に守る地域とし、景観重要公共施設として神宮外苑イチョウ並木を位置づけています。区民の憩いの場を取り上げるような乱暴な開発、景観を破壊する計画は、港区としても断じて許せないはずです。  第二回港区議会定例会でも区長から三井不動産株式会社など事業者に計画の白紙撤回を求めるよう提案し、区長は「今後の具体的な開発計画に関する協議にあたっては、区が目指すまちづくりの実現に向け、事業者に適切に指導、誘導していく」と答えました。  区の景観の位置づけからして再開発計画自体が大問題なのですから、計画の撤回を求めること。答弁を求めます。  以上、答弁によっては再質問することを申し述べて質問を終わります。ありがとうございました。   〔区長(武井雅昭君)登壇〕 ○区長(武井雅昭君) ただいまの共産党議員団を代表しての福島宏子議員のご質問に順次お答えいたします。  最初に、核兵器禁止条約についてのお尋ねです。  まず、区として核兵器禁止条約に署名・批准するよう国に要請することについてです。区は、平和都市宣言をした自治体として、平成二十二年四月、世界の都市が加盟する当時の平和市長会議に加盟いたしました。平和首長会議の国内加盟都市会議は、平成二十九年八月と平成三十年十一月に、日本政府に対し、核兵器禁止条約の締結を繰り返し要請しております。引き続き平和首長会議に加盟する都市と連携し、核兵器廃絶と世界の恒久平和の実現を訴えてまいります。  次に、平和展の各会場にヒバクシャ国際署名を置くことについてのお尋ねです。ヒバクシャ国際署名については、区のホームページで平和の取り組みの一つとして区民に紹介し、広く周知をしております。来年度、区内五カ所で開催する平和展の会場にヒバクシャ国際署名の署名用紙を置くことについては、管理上の課題もあることから、会場でヒバクシャ国際署名の取り組み内容を紹介するとともに、区のホームページでこの取り組みについて紹介していることをご案内してまいります。  次に、平和展の来場者数をカウントして把握することについてのお尋ねです。平和展への来場者数については、各会場で来場者に記入をお願いしている展示に関する感想・ご意見のアンケート数や配布資料の残部、来場者が折る折り鶴の数から把握するよう努めております。今後、来場者数の把握について、よりよい方法を検討してまいります。  次に、羽田空港の新飛行経路運用開始決定の撤回を国に求めることについてのお尋ねです。  新飛行経路の運用につきましては、国の航空政策として、国の責任において区民の理解を得て進めるべきものと考えております。このため区は、新飛行経路運用開始決定の撤回を国に申し入れることは考えておりませんが、運用開始決定後も落下物や騒音等に対する区民の不安の声が寄せられていることから、今後も区は、区民の安全と生活環境を守る立場で、国に対し、区民へのきめ細かな情報提供を行うとともに、さらなる安全対策や騒音対策等に積極的に取り組むよう、引き続き要請してまいります。  次に、国公有地の有効活用についてのお尋ねです。  区は、国公有地の動向について注視し、国や東京都に対し積極的に働きかけ、情報収集しております。東京都に確認したところ、芝消防署跡地は、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会関連で活用する可能性があり、麻布警察署跡地は、来年四月頃に建物地上部の解体が終了の予定と聞いております。いずれの用地も活用未定であることから、売却等を検討する際には、事前に情報提供するよう東京都に区の意向を伝えております。今後も広く情報を収集し、区の施設整備に適した国公有地の取得に向け積極的に取り組んでまいります。  次に、シルバーパスの費用負担軽減等を東京都に要望することについてのお尋ねです。  所得に応じた応能負担にすること及びゆりかもめで利用できるようにすることについてのご要望があったことにつきましては、機会を捉え、東京都に伝えてまいります。  次に、通所介護事業者への支援についてのお尋ねです。  まず、民間の通所介護事業所に対する区独自の家賃補助を行うことについてです。介護保険制度における事業所の運営経費については、介護報酬により賄われていることから、事業所に対して区独自の家賃助成は行っておりません。区内事業所からは、事業運営には不動産等の経費負担が大きい等の意見があります。このことから、区は、都心区港区の実情を反映した港区介護保険レポートを作成し、不動産等経費の介護報酬に関することを平成二十五年度から、国に提言してまいりました。引き続き事業所が適正に事業運営を行えるよう、国に対し提言してまいります。  次に、経営状況の把握と利用者への適切な対応についてのお尋ねです。平成三十年十月の介護保険法施行規則改正により、経営状況を把握するための決算報告等の提出義務がなくなっております。介護保険制度では、介護サービスの水準を保つことを目的としており、区では、介護サービスの質の確保や適切なケアマネジメントによる介護サービスの提供を図るため、介護保険法に基づく実地指導により、事業運営基準が適正に実施されているかを確認し、指導、助言を行い、必要に応じて是正を促しております。今後も、利用者が公平公正に介護サービスを利用できるよう、事業者に対し、適切に指導してまいります。  次に、子どもたちの通園・散歩時の安全確保についてのお尋ねです。  まず、危険箇所の早急な調査と改善についてです。区は、本年五月に発生した滋賀県大津の事故を受け、直ちに公私立保育園等の散歩経路等の緊急安全点検を実施いたしました。現在、総合支所の区域ごとに、道路管理者や警察等と連携し、危険箇所の確認や対策を行うための合同点検を、九月末の完了を目指して開始しております。今後、区は、合同点検の結果を踏まえ、区道におけるガードレールやカーブミラーの設置などに取り組むとともに、国や東京都及び警察などの関係機関に対し、迅速な対策の実施を働きかけてまいります。  次に、散歩時の安全確保のための人員を増やすことについてのお尋ねです。区では、私立認可保育園が基準を上回る保育士の配置や、地域の多様な人材を活用して保育体制を強化できるよう、保育体制強化補助金などにより、独自に支援を行っております。私立認可保育園等では、これまでも散歩時の安全確保には十分配慮しておりますが、今回の保育施設の散歩経路等の合同点検の結果も踏まえながら、私立認可保育園等との意見交換や区の補助制度のさらなる周知や働きかけを行ってまいります。  次に、港区独自で送迎バスを走らせることについてのお尋ねです。区は、昨年度、園庭のない私立認可保育園の外遊びの場所の確保に向けて、送迎バスによる移動支援を行う先行自治体の実施状況を調査いたしました。その結果、港区の状況を見ますと、先行自治体と比較して、子どもたちが安全に送迎バスを乗りおりできる駐車場つきの大きな公園が少ないなどの課題があることがわかりました。区では、園庭のない保育園の保育環境の充実を図るために、区立認可保育園の園庭などを提供しております。引き続き、送迎バスの移動の支援も含め、外遊びの場所の確保策について検討してまいります。  次に、関連機関とともに対策を急ぐことについてのお尋ねです。現在、総合支所の区域ごとに実施している合同調査を踏まえた改善点につきましては、区と道路管理者である国や東京都、警察がそれぞれ情報を共有することとしております。キッズゾーンの指定や車両の速度規制などの対策が必要な箇所につきましては、区からも交通管理者である警察に対して、できるだけ早期に改善できるよう要請してまいります。  次に、加齢に伴う難聴者に対する補聴器購入費用助成についてのお尋ねです。  まず、費用助成を早急に実施することについてです。区では、本年七月、高齢者相談センターやふれあい相談員、各地区総合支所区民課に寄せられた耳の聞こえに関する相談内容を把握するための調査を実施いたしました。補聴器の使用で聞こえが改善したという声がある一方で、雑音が多いなどで使用をやめたという事例もありました。今後は、高齢者一人ひとりの状況に適した補聴器の種類や機能、その効果について、港区医師会の協力を得ながら医療機関等に確認するなど、調査・研究してまいります。  次に、特定健康診査等で希望する人に聴力検診を実施することについてのお尋ねです。聴力検診の実施にあたっては、専用の機器であるオージオメーターと静かな検査室が必要となります。現在、区では、特定健康診査や基本健康診査の受託医療機関における聴力検査が可能な環境の整備状況について把握はしておりませんが、受託医療機関は内科が多いことから、整備がされていない医療機関も相当数あると推定されます。今後は、港区医師会の協力を得ながら、各医療機関の状況を把握してまいります。  次に、港区医師会の高齢者聴力検診を区民に周知することについてのお尋ねです。医師会では独自事業として、高齢者聴力検査を実施しており、区はこの検診の受診状況や周知について、医師会から情報提供を受け、課題等について共有しております。現在、高齢者聴力検診は十八医療機関で実施しており、区民に広く周知し実施するためには、受け入れ先となる専門医療機関の確保が必要な状況と聞いております。今後は、現在の事業の実施規模に合わせた適切な区民への周知方法について、医師会の意向を踏まえながら検討してまいります。  次に、三歳児健康診査の目の検査においてスコープ検査を導入することについてのお尋ねです。  スコープ検査機器のうち他覚的屈折検査機器は、斜視や屈折異常による弱視のスクリーニングができ、弱視発見率の向上に一定の効果があると言われております。一方、検査を導入するためには、適正な検査を行うための薄暗い部屋等の確保、人的配置をはじめとする健診全体の見直しのほか、区として判断基準を定める必要もあるなど、幾つかの課題があります。今後は、こうした検査機器導入に向けての課題の解決に取り組んでまいります。  次に、青山地域での生鮮食料品取り扱い店舗の確保についてのお尋ねです。  まず、都営住宅移転後も青果物の移動販売を継続することについてです。本年四月から都営青山北町アパート敷地内において移動販売を開始し、地域の方々から大変好評をいただいております。東京都は、老朽化により取り壊す当該アパートの隣接地に都営住宅を建設し、当該アパートにお住まいの方々は、令和元年十二月ごろから引っ越しを始める予定です。新たな公営住宅の敷地内においても地域の方々が引き続き買い物ができるよう、青果物の移動販売について、東京都及び事業者と協議してまいります。  次に、鮮魚類の移動販売ができるよう努力することについてのお尋ねです。区は、鮮魚類の移動販売に向けて、赤坂地区管内の鮮魚店に対し、鮮魚類の移動販売をお願いしましたが、人手不足等で難しい旨のお答えをいただきました。引き続き、鮮魚類の移動販売について情報収集を行い、青山地域で鮮魚類の移動販売ができるよう努めてまいります。  次に、店舗の誘致を事業者に働きかけることについてのお尋ねです。区は、本事業の実施当初から、地域の暮らしに必要な生鮮三品などを含む日常の買い物ができる施設の誘致を事業者に要望してまいりました。本年八月にも改めて要望しており、事業者からは、計画地内に設けられる店舗が決定する令和二年春ごろに向けて、食料品を取り扱う店舗の誘致を検討していくと回答を得ております。今後も、地域の方が安心して買い物ができる生鮮三品などの店舗の誘致について、引き続き事業者に対し働きかけてまいります。  最後に、(仮称)神宮外苑地区市街地再開発事業についてのお尋ねです。  神宮外苑イチョウ並木周辺は、区を代表する景観の名所の一つであり、区民のみならず、多くの方々が集い、憩う歴史ある貴重な緑であると考えております。区は、港区景観計画においては、イチョウ並木が演出する四季の彩りと風格ある眺望景観の保全を景観形成の目標としております。今後の具体的な開発計画に関する協議にあたっては、景観を含め、区が目指すまちづくりの実現に向け、事業者を適切に指導、誘導してまいります。  よろしくご理解ほどお願いいたします。   〔八番(福島宏子君)登壇〕 ○八番(福島宏子君) 再質問させていただきます。羽田新飛行ルートについてです。  先日の議員向け学習会の中で、着陸時の進入角度を三度から三・五度にすることで騒音対策になると国土交通省は言っていました。天候によってはできないこともあるとのことです。専門家の意見は、これにより着陸のやり直しが増えるなど、逆に騒音のリスクは増大すると言います。加えて三・五度の進入角度は限界値ぎりぎりで、パイロットもほぼ経験したことがなく、尻餅事故などの危険が増えると指摘されています。ますます危険度は高まっています。  区長、本当にこのまま許していいのですか。区民の命を守れるのは、区長しかいないのです。新ルートの運用開始決定を撤回するよう国に求めることを強く要望いたします。再度、答弁をお願いいたします。   〔区長(武井雅昭君)登壇〕 ○区長(武井雅昭君) ただいまの共産党議員団を代表しての福島浩子議員の再質問にお答えいたします。  羽田空港の新飛行経路運用開始決定の撤回を国に求めることについてでございますが、区民からは、この計画が発表された当初から騒音や落下物に対する不安の声が寄せられております。区は、これまで国に対して、安全対策、騒音対策等のさまざまな取り組みについて要請してまいりました。この運用開始決定の発表後におきましても、区民から不安に思う声、あるいはこの発表でこの計画を初めて知ったという声も寄せられております。引き続き区といたしまして、区民の安全、生活環境を守る立場から、区民等へのきめ細かな情報提供を行うとともに、これらの不安の払拭に向けて、安全・安心や生活環境を守る対策などについて積極的に取り組むよう、引き続き国に要請してまいります。  よろしくご理解のほどお願いいたします。 ○議長(二島豊司君) 以上にて、本日の日程は全部終了いたしました。  本日の会議は、これをもって散会いたします。                                          午後六時一分散会...