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  1. 港区議会 2019-06-19
    令和元年第2回定例会-06月19日-07号


    取得元: 港区議会公式サイト
    最終取得日: 2021-09-21
    令和元年第2回定例会-06月19日-07号令和元年第2回定例会  令和元年 港区議会議事速記録 第七号(第二回定例会)   令和元年六月十九日(水曜日)午後一時開会     一 出席議員(三十四名)       一  番  マック 赤 坂 君      二  番  玉 木 まこと 君       三  番  石 渡 ゆきこ 君      四  番  榎 本 あゆみ 君       五  番  なかね  大  君      六  番  黒崎 ゆういち 君       七  番  小 倉 りえこ 君      八  番  福 島 宏 子 君       九  番  熊 田 ちづ子 君      十  番  山野井 つよし 君       十 一番  兵 藤 ゆうこ 君      十 二番  横 尾 俊 成 君       十 三番  丸山 たかのり 君      十 四番  やなざわ 亜紀 君       十 五番  鈴 木 たかや 君      十 六番  土 屋  準  君       十 七番  風 見 利 男 君      十 八番  琴 尾 みさと 君       十 九番  清 家 あ い 君      二 十番  杉 浦 のりお 君       二十一番  なかまえ 由紀 君      二十二番  池 田 たけし 君       二十三番  ゆうき くみこ 君      二十四番  二 島 豊 司 君       二十五番  池 田 こうじ 君      二十六番  榎 本  茂  君       二十七番  赤 坂 大 輔 君      二十八番  阿 部 浩 子 君
          二十九番  七 戸 じゅん 君      三 十番  近 藤 まさ子 君       三十一番  杉本 とよひろ 君      三十二番  清 原 和 幸 君       三十三番  うかい 雅 彦 君      三十四番  井 筒 宣 弘 君     一 欠席議員  な し     一 説明員       港   区   長        武 井 雅 昭 君    同 副  区  長        田 中 秀 司 君       同 副  区  長        小柳津  明  君    同 教  育  長        青 木 康 平 君         芝地区総合支所長                      麻布地区総合支所長       同                新 井 樹 夫 君    同                有 賀 謙 二 君         環境リサイクル支援部長兼務                 子ども家庭支援部長兼務         赤坂地区総合支所長                     高輪地区総合支所長       同                森   信 二 君    同                野 澤 靖 弘 君         保健福祉支援部長兼務                    街づくり支援部長兼務         芝浦港南地区総合支所長       同                星 川 邦 昭 君    同 福祉施設整備担当部長     佐 藤 雅 志 君         産業・地域振興支援部長兼務       同 みなと保健所長        阿 部 敦 子 君    同 街づくり事業担当部長     坂 本  徹  君       同 企画経営部長         浦 田 幹 男 君    同 用地・施設活用担当部長    中 島 博 子 君       同 防災危機管理室長       長谷川 浩 義 君    同 総 務 部 長        北 本  治  君         会計管理者       同                亀 田 賢 治 君    同 教育委員会事務局教育推進部長 新 宮 弘 章 君         会計室長事務取扱       同 教育委員会事務局学校教育部長 堀   二三雄 君     一 出席事務局職員       事 務 局 長          大 滝 裕 之 君    事務局次長            小野口 敬 一 君                                     議 事 係 長          吉 田 一 樹 君                                                            他五名             ───────────────────────────       令和元年第二回港区議会定例会議事日程          令和元年六月十九日 午後一時 日程第 一  会議録署名議員の指名 日程第 二  会期の決定 日程第 三  諸般の報告 日程第 四  天皇陛下御即位を祝す賀詞奉呈について 日程第 五  代表質問・一般質問        清 原 和 幸 議員(自民党議員団)        杉 浦 のりお 議員(みなと政策会議)        近 藤 まさ子 議員(公明党議員団)        榎 本  茂  議員(都民ファーストと日本維新の会)        風 見 利 男 議員(共産党議員団)             ─────────────────────────── ○議長(二島豊司君) ただいまより令和元年第二回港区議会定例会を開会いたします。  今回の応招議員はただいま三十四名であります。したがいまして、本定例会は成立いたしました。             ─────────────────────────── ○議長(二島豊司君) これより本日の会議を開会いたします。  ただいまの出席議員は三十四名であります。             ─────────────────────────── ○議長(二島豊司君) これより日程に入ります。  日程第一、会議録署名議員をご指名いたします。三番石渡ゆきこ議員、四番榎本あゆみ議員にお願いいたします。             ─────────────────────────── ○議長(二島豊司君) 日程第二、会期の決定を議題といたします。  お諮りいたします。今回の定例会の会期は、本日から六月二十八日までの十日間といたしたいと思いますが、ご異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(二島豊司君) ご異議なきものと認め、さよう決定いたしました。             ─────────────────────────── ○議長(二島豊司君) 日程第三、諸般の報告がありますので、ご報告いたします。  まず、職員に定例会招集の報告をさせます。   〔小野口事務局次長朗読〕             ─────────────────────────── 三一港総総第八百三十七号 令和元年六月十二日  港区議会議長 二 島 豊 司 様                                     港区長  武 井 雅 昭       令和元年第二回港区議会定例会の招集について(通知)  本日別紙告示写しのとおり、標記定例会を六月十九日(水)に招集しましたので通知します。             ─────────────────────────── 港区告示第三十二号  令和元年第二回港区議会定例会を六月十九日に招集します。   令和元年六月十二日                                     港区長  武 井 雅 昭             ─────────────────────────── ○議長(二島豊司君) 次に、平成三十一年二月、三月、四月及び令和元年五月の例月出納検査の結果について、過誤のないことを確認した旨の報告書がそれぞれ監査委員から議長の手元に提出されております。  二月の例月出納検査の結果について、その概要を職員に朗読させます。   〔小野口事務局次長朗読〕             ─────────────────────────── 三〇港監第九百七十九号 平成三十一年三月十三日  港区議会議長 池 田 こうじ 様                                  港区監査委員  徳 重 寛 之                                  同       高 橋 元 彰                                  同       鵜 飼 雅 彦       平成三十一年二月例月出納検査の結果について  地方自治法第二百三十五条の二第一項の規定に基づき例月出納検査を実施したので、同法同条第三項の規定により、結果に関する報告を下記のとおり提出します。          記 一 検査の範囲   (一) 検査対象 区一般会計、国民健康保険事業会計後期高齢者医療会計介護保険会計、雑部金、基金   (二) 検査場所 港区監査事務局   (三) 検査期間 平成三十一年二月二十二日から二月二十六日まで 二 検査の結果  本検査においては、会計管理者から提出された平成三十一年二月(平成三十一年一月分)例月出納報告書の計数について、出納関係諸帳簿及び諸票、指定金融機関提出の収支計算書、預金通帳、証拠書類、証券等と照合し検証した結果、過誤のないことを確認しました。             ─────────────────────────── ○議長(二島豊司君) なお、三月、四月及び五月の結果については、ただいまの報告と同様の内容でありますので、朗読は省略し、詳細については、これを速記録に登載することにいたしたいと思いますので、ご了承願います。  また、報告書は議長の手元に保管しておりますので、随時ご閲覧願います。 (参 考)             ─────────────────────────── 三一港監第百十二号 平成三十一年四月十一日  港区議会議長 池 田 こうじ 様                                  港区監査委員  徳 重 寛 之                                  同       高 橋 元 彰
                                     同       鵜 飼 雅 彦       平成三十一年三月例月出納検査の結果について  地方自治法第二百三十五条の二第一項の規定に基づき例月出納検査を実施したので、同法同条第三項の規定により、結果に関する報告を下記のとおり提出します。          記 一 検査の範囲   (一) 検査対象 区一般会計、国民健康保険事業会計後期高齢者医療会計介護保険会計、雑部金、基金   (二) 検査場所 港区監査事務局   (三) 検査期間 平成三十一年三月二十二日から三月二十六日まで 二 検査の結果  本検査においては、会計管理者から提出された平成三十一年三月(平成三十一年二月分)例月出納報告書の計数について、出納関係諸帳簿及び諸票、指定金融機関提出の収支計算書、預金通帳、証拠書類、証券等と照合し検証した結果、過誤のないことを確認しました。             ─────────────────────────── 三一港監第二百二十七号 令和元年五月十七日  港区議会事務局長 大 滝 裕 之 様                                  港区監査委員  徳 重 寛 之                                  同       高 橋 元 彰                                  同       鵜 飼 雅 彦       平成三十一年四月例月出納検査の結果について  地方自治法第二百三十五条の二第一項の規定に基づき例月出納検査を実施したので、同法同条第三項の規定により、結果に関する報告を下記のとおり提出します。          記 一 検査の範囲   (一) 検査対象 区一般会計、国民健康保険事業会計後期高齢者医療会計介護保険会計、雑部金、基金   (二) 検査場所 港区監査事務局   (三) 検査期間 平成三十一年四月二十四日から四月二十六日まで 二 検査の結果  本検査においては、会計管理者から提出された平成三十一年四月(平成三十一年三月分)例月出納報告書の計数について、出納関係諸帳簿及び諸票、指定金融機関提出の収支計算書、預金通帳、証拠書類、証券等と照合し検証した結果、過誤のないことを確認しました。             ─────────────────────────── 三一港監第二百八十一号 令和元年六月十日  港区議会議長 二 島 豊 司 様                                  港区監査委員  徳 重 寛 之                                  同       高 橋 元 彰                                  同       鵜 飼 雅 彦       令和元年五月例月出納検査の結果について  地方自治法第二百三十五条の二第一項の規定に基づき例月出納検査を実施したので、同法同条第三項の規定により、結果に関する報告を下記のとおり提出します。          記 一 検査の範囲   (一) 検査対象 区一般会計、国民健康保険事業会計後期高齢者医療会計介護保険会計、雑部金、基金   (二) 検査場所 港区監査事務局   (三) 検査期間 令和元年五月二十四日から五月二十八日まで 二 検査の結果  本検査においては、会計管理者から提出された令和元年五月(平成三十一年四月分)例月出納報告書の計数について、出納関係諸帳簿及び諸票、指定金融機関提出の収支計算書、預金通帳、証拠書類、証券等と照合し検証した結果、過誤のないことを確認しました。             ─────────────────────────── ○議長(二島豊司君) 次に、法人の経営状況に関する書類が区長から議長の手元に提出されております。朗読は省略し、通知については、これを速記録に登載することにいたしたいと思いますので、ご了承願います。  なお、詳細については、書類を議長の手元に保管しておりますので、随時ご閲覧願います。 (参 考)             ─────────────────────────── 三一港総総第七百十四号 令和元年六月十二日  港区議会議長 二 島 豊 司 様                                     港区長  武 井 雅 昭       法人の経営状況に関する書類の提出について  地方自治法第二百四十三条の三第二項の規定に基づき、下記法人についての経営状況に関する書類を提出します。          記 一 公益財団法人港区スポーツふれあい文化健康財団  (一) 平成三十一年度公益財団法人港区スポーツふれあい文化健康財団事業計画書  (二) 平成三十一年度公益財団法人港区スポーツふれあい文化健康財団収支予算書             ─────────────────────────── ○議長(二島豊司君) 以上にて報告を終わります。             ─────────────────────────── ○議長(二島豊司君) 日程第四を議題といたします。   〔小野口事務局次長朗読〕 天皇陛下御即位を祝す賀詞奉呈について             ─────────────────────────── ○議長(二島豊司君) この際、天皇陛下御即位を祝す賀詞奉呈についてお諮りいたします。  天皇陛下におかせられましては、去る五月一日にご即位されました。心からお祝いを申し上げるところであります。  つきましては、港区議会として、慶祝の意を表するため、賀詞を奉呈することとし、案文につきましては、議長に一任されたいと思いますが、ご異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(二島豊司君) ご異議なきものと認め、さよう決定いたしました。  議長において起草いたしました賀詞を朗読いたします。      天皇陛下御即位を祝す賀詞      天皇陛下におかせられましては、風薫るよき日に御即位されましたことは、      誠に慶賀にたえないところであります。      天皇皇后両陛下のいよいよの御清祥と、令和の世が希望に満ちあふれ、      幾久しく続きますよう心からお祈り申し上げます。      ここに、港区議会は謹んで慶祝の意を表します。       令和元年六月十九日              港区議会議長  二 島 豊 司             ─────────────────────────── ○議長(二島豊司君) ただいまの賀詞の奉呈につきましては、議長において取り計らいたいと存じますので、ご了承願います。             ─────────────────────────── ○議長(二島豊司君) 日程第五、区の一般事務について、質問の通告がありますので、順次発言をお許しいたします。最初に、三十二番清原和幸議員。   〔三十二番(清原和幸君)登壇、拍手〕 ○三十二番(清原和幸君) 令和元年第二回港区議会定例会におきまして、自民党議員団を代表して、武井区長、青木教育長に質問いたします。  質問に入る前に申し述べたい事項がございます。ご容赦願いたいと存じます。  昨日、山形県沖を震源とするマグニチュード六・七の地震が発生しました。報道によりますと、十九日六時現在、重軽傷者数は二十名で、死者は確認されておらず、避難者の数は八百三十九名とのことです。被災された皆様に対しまして、心よりお見舞いを申し上げます。また、一日も早く復旧されることをご祈念申し上げます。  さて、ことしの五月一日に、元号が平成から令和へと改元される御世がわりが行われました。各種の儀式がつつがなく挙行されましたことに対しまして、謹んで心よりお喜び申し上げます。そして、皇室のとわの弥栄を謹んで心よりお祈り申し上げます。令和の時代が平和で豊かな時代となるよう、私も国民の一人として義務を果たしていきたいと思います。  また、春には港区議会議員の選挙が執行されました。区民の皆様のおかげで、自由民主党は十一議席を獲得することができました。この場をおかりして、心より御礼を申し上げます。皆様から信託されたことを重く受けとめて、精励恪勤、区政進展に取り組んでまいります。  さて、社会情勢は先行き不透明であり、経済の状況は不安定な状態です。自民党議員団は区民の誰もが安全で安心して住み続けられる港区づくりに邁進してまいります。今後も引き続き、叱咤激励、力強いご支持、ご支援を賜りますよう、謹んでお願い申し上げます。  それでは、質問に入ります。  最初に、財政運営についてお伺いいたします。  港区の財政状況は、歳入が歳出を上回っており、実質収支が黒字の状況を保っております。財政の弾力性を示す経常収支比率はここ数年七〇%を下回っており、財政力を判断する財政力指数も一を超えており、適正な水準を保っています。そのため余裕財源があり、健全な財政運営が図られております。  さて、港区の歳入は、平成二十九年度決算では、財政調整基金からの震災復興基金への組みかえによる繰入金の増加により、一般財源の比率は他の自治体を下回りましたが、平成二十八年度、二十七年度の決算では上回っており、各種の行政需要に円滑にきめ細かく対応できる歳入構造となっています。  特別区税では、特別区民税収入が人口の増加と比例して増収の傾向です。特別区たばこ税収入は減収の傾向で、今後の推移を見守らなければなりません。これらのことを念頭に置いて、過去の厳しい財政の経験を生かし、中・長期的視点に立って、次世代に過度な負担を残さないよう取り組んでいただきたいと思います。今後も引き続き、港区ならではの質の高いサービスが持続可能で切れ目なく提供できるよう、財政の基盤維持に努めていただきたいと思います。  加えて、区民を守るためには災害等非常事態への備えも重要です。そのほか、予定されている事業を計画どおりに進めるためには、基金の積み立てや活用も必要だと思います。将来を見据えた財政運営について、区長のご所見をお伺いいたします。  次に、行政改革についてお伺いいたします。  港区の人口は、令和元年五月一日現在二十五万九千二百九十三人で、港区人口推計では、令和九年には三十万人を超えると予測されております。そのため事務量の増加が見込まれます。人口が増加しても、区民が求める質の高いサービスを提供しなければなりません。区では将来を見越して、港区行政経営方針にのっとって組織の改編、また、区民一人ひとりにきめ細やかなサービスを提供するために欠かすことができない職員の研修など、人材育成の推進などにも不断の努力を重ね、行政改革に取り組んでおります。  行政コストを抑制するためには、事務作業の効率化、また、情報発信などのICTの活用や導入に向けて積極的に取り組んでいかなければなりません。さらなる導入に向けて、調査・研究されることを期待しております。  AIの導入は事務の効率化をもたらしますが、不安や悩みを抱えて相談に訪れる区民もおります。私は、AIでの画一的な対応に移行する一方で、職員の皆様の気配りや温かさによる窓口でのさらなる相談体制の構築に向けても取り組んでいただきたいと思います。  港区の人口は今後も増加の傾向です。そのため事務量は増加します。区民が求める質の高いサービスを恒久的に提供するため、行政改革に向けてどう取り組んでいかれるのか、区長のご所見をお伺いいたします。
     次に、都区財政調整制度についてお伺いいたします。  港区をはじめ特別区では、特別な大都市制度が採用されているため、財政面において課税権など特別な仕組みとなっています。住民税の法人分、固定資産税及び特別土地保有税の三税は東京都が課しており、調整して特別区に交付していますが、普通交付金は、基準財政収入額基準財政需要額を上回る港区には交付されておりません。  港区の区道は、区民が生活を送る上で大切なインフラであり、区がその維持管理を行っておりますが、経済道路としても活用されております。これは橋梁も同様です。  港区は昼間人口や来街者が多く、人の行き来や車両の通行も著しいなど、都心区ならではの課題を多く抱えており、インフラ整備などに要する区の負担も決して小さいものではないのではないでしょうか。現行の制度上、残念ながら普通交付金が交付されることはありませんが、こうした都心区特有の課題について、さまざまな形で東京都に働きかけていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。区長のご所見をお伺いいたします。  次に、固定資産税についてお伺いいたします。  都区財政調整制度の調整三税の一つとして固定資産税があります。区民や区内事業者は、多額の固定資産税等を納めています。課税に対して激変緩和措置を講じておりますが、急激な上昇は生活や事業に影響を来します。緩和期間の延長や負担軽減に向けた措置を継続し、新たな軽減策を施すよう東京都に働きかけていただきたいと思います。区長のご所見をお伺いいたします。  次に、港区政策創造研究所の今後の取り組みについて伺います。  港区政策創造研究所は平成二十三年二月に、各地区総合支所及び各支援部を政策面から支援することを目的として、企画経営部内に設置されました。平成二十三年度から四年間で、ひとり暮らし高齢者や子どもと子育て世帯に関する調査、平成二十七年度からの四年間で、区民の消費や商店街、新規開業に関する調査などを行い、結果は区の施策に反映されています。平成三十一年四月一日からは、三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社自治体経営改革室長の大塚敬上席主任研究員が所長に就任されました。専門分野は、自治体総合計画、行政経営、地域政策等で、将来の人口増に向けた港区の行政経営について、調査・研究していく予定と伺っております。  二〇二〇年度には港区内にJRの新駅高輪ゲートウェイ駅が暫定開業、東京メトロ日比谷線の新駅虎ノ門ヒルズ駅が供用開始になり、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会の競技会場として、お台場でトライアスロンが行われるなど、港区に大きな変化が訪れます。オリンピック・パラリンピック終了後には、さまざまな大規模開発が予定されており、将来の人口増は差し迫った港区の課題であることがわかります。  二〇二七年には港区の人口は三十万人を超えるという推計結果が出され、人口規模に合った行政経営を展開するためには、現在の港区が直面している課題の解決策や将来の人口増に向けた新たな行政経営の検討が不可欠です。  港区政策創造研究所では、区内で何が起きているのかを把握する情報活用機能、情報を分析し、区民生活への影響を予測することで課題を見つける分析・予測機能、各部門の中・長期的な課題に対して政策研究・形成の支援を行う政策研究・形成機能、そして流動する時代に対応できる人材育成機能を掲げております。増え続ける人口に対して、現状を的確に捉え、将来を見据えた政策をどのように創造していくのか。行政経営戦略がますます重要になってくることが予測されます。人口増や区内の大きな変化に区が的確に対応できるよう、港区政策創造研究所の今後の取り組みについて、区長のご所見を伺います。  次に、町会・自治会の課題解決のための支援についてお伺いいたします。  港区では、急激な人口増加や高度経済成長の中で、生活環境や防災対策など多くの都市問題が発生しています。これらの課題山積の中、住みよい地域づくりのためには、行政サービス、いわゆる公助に加え、地域住民の皆さんによる助け合いである共助が欠かせません。この共助は、さきの東日本大震災など大規模な災害を経験した中で、地域の絆や地域力とも言われるようになり、これをきっかけにさらにこの力が重要視されるようになりました。  町会・自治会が行うさまざまな取り組みは、まさに地域の共助の機能を高めるものであり、地域の多くの方々が加入され、活動が活発化することが望まれます。区では、これまで地域の活性化を促進するために、総合支所を中心とした区民本位の区政運営を進める中で、区政における参画と協働が進展し、総合支所は、区民に身近な行政サービスの拠点として、区民・町会・自治会などとの絆を強めてきました。  さて、町会・自治会は活動の維持、親睦を図るために新たな事業も模索しますが、さまざまな課題を抱え、踏み切れない町会・自治会もあります。地域コミュニティを維持、発展させるために、今後は町会・自治会への加入促進や担い手不足など、諸問題解決に向けて積極的な支援がより求められると思います。  そこで、区は町会・自治会の日常的な活動や恒例行事等の事業について調査・検証して、さらなる支援の充実や支援策策定に向けて取り組んでいただきたいと思います。区長のご所見をお伺いいたします。  次に、避難所となる施設などの生活環境の確保、防疫、トイレの整備についてお伺いいたします。  昨日、山形県沖を震源とするマグニチュード六・七の地震が発生しました。報道によりますと、十九日六時現在、この地震による被害者の数は二十名、死者は確認されておらず、避難者数は八百三十九名とのことです。  首都直下地震は、今後三十年以内に七〇%の確率で起きると想定されていましたが、二〇一二年に東京大学地震研究所のチームが、四年以内に首都圏でマグニチュード七クラスの地震が七〇%の確率で起こると発表したことは、新聞やテレビでも大きく報道されました。  港区地域防災計画によりますと、物的被害は、建物被害全壊が二千百五十棟、地震火災二百七十六棟、滞留者の発生は百五万二千百七十七人、一日経過後の避難者の数は五万千三百十三人、上水道の断水率は四四・五%、下水道管渠被害率は二八%と予測されております。発災後、逃げ場を失った被災者は避難所に駆け込み、そこで飲料水や食事の確保、また、トイレを確保しなければなりません。そして、そこで非日常の生活を送ります。そのため、避難所の生活環境の維持、保全、防疫等に努めることは重要なことです。  さて、トイレについてですが、避難者、帰宅困難者、帰宅者や下水道などの損壊により自宅のトイレが使用できない方などで長蛇の列ができるのではないかと心配します。過去の震災では、トイレ不足により、さまざまな場所で用足しがされました。また、トイレに行くのを我慢するようになって、心筋梗塞や脳梗塞が発症して亡くなった事例もあります。お年寄り、障害者、女性、乳幼児など災害弱者のトイレ対策も重要です。仮設トイレについては、トイレ本体が風で揺れる、使用中の人影が映る、プライバシーが保持できない等が報告されています。  区は、トイレを確保するために、マンホールトイレや組み立て式トイレ等の整備に努めていますが、個人個人の備えも必要だと思います。そのため、区が改めて区民や区内事業者にトイレの備えについて周知を図っていただきたいと思います。加えて、避難所の衛生環境の確保や防疫について、また、トイレの整備等について、区長のご所見をお伺いいたします。  次に、危機管理体制の強化についてお伺いいたします。  区役所・支所改革や新規採用職員の増加、指定管理者制度の導入など、行政サービスを提供する上での環境が大きく変化している状況や、シティハイツ竹芝エレベーター事故や新型インフルエンザなど、さまざまな複雑・多様化した危機が発生している状況を踏まえ、職員の危機管理能力を向上させるとともに、組織として危機対応能力を強化させるため、訓練等を実施しております。その訓練は、部をまたぐ複数の課にわたる危機事案が発生した場合を想定した訓練等です。  区は、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会を前に、多様化する危機に的確に対処するための取り組みの強化、区内の人口増加に伴い、身近で起こり得る多様な犯罪や事故の発生、東京二〇二〇大会を契機とした区内外からの来街者の増加や、気運醸成のための各種イベントの開催に伴う不特定多数の人が集まる建物や場所での犯罪や事故、昨今の国際情勢から他国からの武力攻撃等緊急に対処すべき事態の発生等、これらの危機について、区民及び警察署、消防署等の関係機関と連携し、適切に対応することが必要と認識し、危機管理体制の強化を進めています。  危機が顕在化した場合、時々刻々と変化していく状況のもとで、その時点で最優先すべき活動は何か、限られた人員や物資、機材などを、どこに優先的に投入すべきかについて判断が求められます。そのため、危機管理にあたる組織は、単純な指揮命令系統を持った、できるだけ簡素なトップダウン型の組織であることが望まれます。命令を受けた各部署の活動は統一された行動計画に基づいて、相互に十分な連携を保ちながら実施されなければなりません。  このように緊急の際には、危機の特性について共通に認識を有し、各部署の活動状況を把握し、必要とされる行動を速やかに決定し、担当部署に指示するといった総合的な対応が求められます。そこで、区の指揮命令系統、また、危機管理体制の強化に向けた取り組みについて、区長のご所見をお伺いいたします。  次に、青山地区のフードデザートへの対策についてです。  本年二月十四日、平成三十一年第一回定例会の代表質問でうかい雅彦議員は、我が自民党議員団を代表してフードデザートへの対策について訴えました。ちょうど二月末には青山で五十年以上営業を続けてきたピーコック青山店の閉店が地域で問題となっていた時期でもあり、テレビ等でも大きく取り上げられました。  その後、四月二十五日に区長記者発表があり、都営青山北町アパート敷地内での野菜・果物の移動販売が、翌四月二十六日から開始されました。これは区長の推進されている区役所・支所改革の成果であり、赤坂地区総合支所が中心となって、東京都や地元自治会との協議を迅速に進められた結果であるとともに、移動販売事業者を産業・地域振興支援部を介して紹介した我が会派としても、議会で課題提起を行うだけでなく、解決の糸口を提供できた事案として受けとめております。区内には青山地区以外にもフードデザート化が進行している地域があります。こうしたところにも今後は注意深く目を向け、地域の課題を探るとともに解決に向けて働きかけていただきたいと思います。  さきの青山の例ですが、都営住宅の建て替えに伴って、一定の時限的な営業形態ともお聞きしております。また、鮮魚や精肉など冷蔵設備を必要とする食料品に対するニーズもあると思います。短期・中期・長期的にこうした課題を解決していく必要があると思いますが、さらなる対応策について、区長のご所見をお伺いいたします。  次に、地域包括ケアシステムのさらなる推進に向けた取り組みについてです。  高齢化がより進んでいく中で、艱難辛苦を乗り越えてきた高齢者の方々が社会の中で尊敬され、自ら尊厳を守り、住み慣れた地域社会の中で健康で生きがいを持った生活が送られる環境づくりは、区政にとっても重要課題だと位置づけて各種の支援策を講じております。  区は、介護予防の充実を図るため、区の介護予防総合センター「ラクっちゃ」では、高齢者が要介護状態にならないよう生活習慣病などの予防に加え、加齢とともにあらわれる老年症候群の予防、また、生活機能の改善に役立つ適切な情報の提供を推進するとともに、いきいきプラザと連携を図るなど、身近な場所でニーズを踏まえた魅力ある多様な介護予防事業を実施しております。  昨年九月には、みなとパーク芝浦内に東部在宅療養相談窓口を開設し、赤坂コミュニティーぷらざ内にある西部在宅療養相談窓口とあわせて、地域の関係機関と連携して、在宅での医療・療養をサポートする相談体制を構築しております。相談件数も増加していると聞いております。  区は、高齢者が住み慣れた地域で、重度の要介護状態になっても自分らしく暮らし続けることができるよう、地域包括ケアシステムを推進しております。医療・介護・予防・住まい・生活支援が包括的に提供される地域包括ケアシステムのさらなる推進に向け、区はどのように取り組んでいくのか、区長のご所見をお伺いいたします。  次に、(仮称)港区子ども家庭総合支援センター内に併設される児童相談所の整備についてお伺いいたします。  区は、児童虐待、非行や障害など、子どもとその家族が抱える複雑かつ繊細な問題に対し、迅速に切れ目なく対応し、区が全ての子どもの命と権利、未来を守り、安心して夢と希望を持って暮らせるよう支援の体制を整備するために、令和三年四月に開設予定の(仮称)港区子ども家庭総合支援センター内に併設される児童相談所の整備に向けて取り組んでおります。  さて、国では児童虐待の根絶に向け、防止対策の強化策を盛り込んだ児童福祉法などの関連法改正案が五月二十八日の衆議院本会議で可決されました。改正案では、虐待をした保護者に対し、児童相談所の所長らは医学的または心理的知見に基づく指導を行うよう努める。虐待を受けた児童が転居した場合、児童相談所間で速やかに情報を共有し、切れ目のない支援を行う。児童福祉司の数の基準については、児童相談所の管轄区域内の人口や相談対応件数などを総合的に勘案して定める。また、相談対応件数が過重なものとならないよう必要な見直しを行う等、改正点が示されておりますが、区として、新たに設置する児童相談所においてどのように対応されていかれるのか、区長のご所見をお伺いいたします。  また、現在、子ども家庭支援センターでは、東京都の児童相談所と連携して対応している児童虐待対応についても、相談件数が大変増えていると聞いております。児童相談所の設置を待たず、対応の強化が必要であると考えますが、区長のご所見をお伺いいたします。  次に、保育の需要に応えるための定員の確保策についてです。  区は、これまで私立認可保育園の誘致を促進するため、私立保育園等を新設する際の整備費や賃借料を補助する保育施設誘致促進事業、運営開始後の保育運営の安定を支援するための保育施設建物賃借料補助事業、保育人材の確保・定着を支援するための保育士等宿舎借り上げ支援事業など、さまざまな施策を推進し、待機児童の解消に取り組んできました。  区長は、平成二十九年四月に待機児童解消緊急対策として、保育定員を千人拡大すると表明されました。区長自らが東京商工会議所、港区商店街連合会等に赴き、待機児童解消が図られない事由や土地所有者等への税制面での優遇措置等を説明し、保育整備に適した土地・建物の提供をお願いするなど、積極的に保育定員の拡大に取り組んできました。  加えて、区有地等を活用した港区保育室の整備や、区内緑水公園内への私立認可保育園の整備、開設後三年以内の保育園の空きクラスを有効に活用した一歳児の定員拡大事業など、あらゆる手法で保育定員を拡大され、その結果、平成三十一年四月の保育定員は八千四百四十七人と、平成二十九年四月に比べ千百六十八人の増となっております。これらの取り組みが功を奏し、ことし四月には待機児童数がゼロとなったと聞いております。待機児童数ゼロは平成元年以降初めてのことであり、すばらしいことだと思います。  一方、港区のゼロ歳児人口は、昨年四月は二千九百二十七人、平成三十一年四月は二千八百二人と、毎年着実に三千人程度の子どもが生まれています。また、平成三十一年三月の港区人口推計によりますと、区の人口は、年少人口をはじめとして、令和十二年まで増加し続けるとされています。本年四月に待機児童数はゼロになったものの、今後も年少人口が増加し、保育の需要も高まると考えられます。また、幼児教育・保育の無償化の影響もあると考えられます。そこで、今後の保育需要に応えるための保育定員の確保策について、区長のご所見をお伺いいたします。  次に、精神障害者への支援の充実についてお伺いいたします。  障害者が日常生活や社会生活を送る上で生じるさまざまな課題があります。介護する家族はさまざまな悩みや不安を抱えており、これらを解決するために各種の支援を求めております。そのため、区は、障害者や家族の相談窓口を区立障害保健福祉センター等で障害に精通した人材等の専門家を配置するなど、相談体制を整備し、なおかつその充実を図っております。  精神障害者が利用する施設は、区立精神障害者地域活動支援センターあいはーと・みなとが障害者の地域生活を支える拠点となる施設として、高輪一丁目に令和三年四月に改築する予定です。そのほかにも障害のある子どもたちの支援の充実を図るため、令和二年一月に元麻布保育園を開設し、区内で初めて医療的ケアが必要な子どもや障害の子どもの保育を、医師の助言や意見を踏まえ開始されます。令和二年三月には、南麻布四丁目に港区立障害者支援ホーム南麻布が開設します。この施設は、区立では初となる障害者の入所施設です。身体障害者で障害支援区分四以上の方を対象としており、知的障害を持つ重複障害者や医療的ケアの必要な方も含んでいます。四十名の方に施設入所支援や生活介護を提供し、さらに定員四名で身体障害者や知的障害者を対象とした短期入所事業も実施します。また、令和二年四月には、南麻布四丁目に港区立児童発達支援センターも開設します。  精神障害者についても、本人や介護する人が安心して地域で過ごすための充実策を図る必要があると思います。介護による疲れを癒すための息抜き援助としてのレスパイトサービスの充実や親亡き後の支援策の構築を求めており、介護する人が入院や冠婚葬祭などにより、介護することができない場合に受け入れることができる精神障害者の短期入所事業については、家族会などからの念願の要望でした。皆さんの希望については、令和三年四月に区立精神障害者地域活動支援センターあいはーと・みなとを改築する際に、短期入所事業を新しく開始することとなり、定員二名の方が利用できるようになります。  さて、港区障害者計画では、今後、取り組むべき事業や、その方向性が示されており、区として障害者が安心して暮らせる社会の実現を目指し、地域における自立生活を支える仕組みづくりの充実に向けて取り組んでおりますが、精神障害者が地域において自立した社会生活や日常生活を営めるよう支援の充実を図ることが重要だと思います。障害のある人もない人も、全ての人が安心して地域で暮らすことができるよう、区では障害者福祉のさまざまな施策を実施し、各種の課題解決に向けて取り組んでいますが、精神障害者が今まで以上により輝いて地域で生活していくために、区として、今後、どのように支援の充実を図っていこうと考えているのか、区長のご所見をお伺いいたします。  次に、感染症の防疫体制についてお伺いいたします。  港区は、都心区であるため事業所が集積し交通の要所でもあり、さらに東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会の開催に向け、国内外から多くの人が訪れることが想定されることから、ひとたび健康危機が発生した場合、急速な拡大と甚大な健康被害が懸念されます。そのため、新型インフルエンザやエボラ出血熱など海外からの感染症の流入、予防や蔓延防止対策を強化推進する必要があります。一人ひとりの区民が平時から感染症の予防、拡大防止を図れるよう、正しい知識の普及・啓発を行うとともに、特に東京二〇二〇大会の開催に向け、来街者が増加し、感染症の流入が危惧されるため、サーベイランス体制を強化し、蔓延防止の迅速な対応など、防疫システムの強化や確立をしておくことは極めて重要なことです。  そこで、区民や多くの滞在者の生命を守るため、感染拡大を最小限にとどめ、パンデミックに至らせないためには、関係機関と万全で迅速な医療連携体制の整備が不可欠であると考えます。感染の蔓延を防ぐ防疫体制について、区長のご所見をお伺いいたします。  次に、中小企業経営者の経営支援となる(仮称)港区産業振興センターについて伺います。  区内の中小企業経営者を取り巻く環境は、グローバル化により、世界の社会経済の変化や為替等の変動により影響が今まで以上に瞬時に及ぶ時代になりました。そのため、これらの動向を注視していかなければなりません。現在、中小企業には、イノベーションが進み、新規設備や高度な技術力が求められております。そのほかにも業務の拡大や新規の事業に取り組む等、事業継続に向けて取り組まなければならないという課題もあります。  現在、区では、(仮称)港区産業振興センターの令和四年三月の開設に向けて準備を進めています。中小企業の経営者は資金調達、人材の確保、人材育成、事業承継や製造物責任法への対応等、さまざまな問題を抱えており、経営者はこれらの問題を解決するために仕事の合間を縫って、自らあらゆる機関に足を運んでおります。(仮称)港区産業振興センターでは、中小企業経営者が経営する上で必要とするサービスがワンストップで提供される、このセンターの開設を心待ちにしています。そこで、センターの機能の充実を図るための取り組みについて、区長のご所見を伺います。  次に、商店街振興支援のさらなる充実に向けた取り組みについて伺います。  商店会は、来街者数の増加を促進するために、情報の発信や魅力づくりに努める等、活性化に向けて積極的に活動しております。区ではこれを支援するために、商店会が主催する各種事業への助成、Wi-Fiの整備、商店グランプリ等を実施しております。これらに加えて昨年度からは、毎年、港区商店街連合会が発行する一〇%のプレミアム付区内共通商品券に加えて、新たに二〇%のプレミアム付区内共通商品券の発行支援事業などを設けて、区内商店街の発展に向けて努めております。  商店街及び商店は、地域で対面での物販を担う一方で、危惧されている地域コミュニティの希薄化の抑制に寄与するのみならず、地域社会の安全・安心を保つというコミュニティの形成に大いに貢献されております。これは、区が商店街は地域住民が暮らす上で非常に重要な役割を果たしていると位置づけて、各種の支援事業推進も、その効果によるものと言っても過言ではないと認識しております。  さきの港区商店街連合会の総会後の懇親会では、港区商店街連合会会長が挨拶の中で、区内の商店街では、例えば朝の通学中の子どもたちへの声かけなどのように、商店街は地域の方々と顔と顔が見える近しい関係性の中で、今後も地域コミュニティを支える重要な役割を果たしていくという話をされました。私もそのとおりだと思います。  区は、今後も引き続き、商店街と緊密な連携を図って商店街振興に向け、新規の事業を立ち上げるなど、調査・研究を続けて商店街の支援策を検討していただきたいと思います。区長のご所見をお伺いいたします。  次に、安全・安心に配慮した観光振興支援策ナイトタイムエコノミーについて伺います。  東京では、ことし世界的規模の一大イベントであるラグビーワールドカップ二〇一九日本大会が、来年は東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会が開催されます。  港区は、羽田空港や成田空港と直結しており、まさに東京の玄関口です。したがって、国の内外から多くの観光客が港区を訪れることが予想されます。この恵まれた環境を存分に生かして、観光客が満足してリピーターとして何度でも港区を訪れていただくために、観光客のニーズに対応した受け入れ体制の構築が求められております。区は、多くの方々に観光に来てもらうために、また、港区を紹介するために観光プロモーション映像を制作し、積極的に放映して区の魅力を発信しております。  ところで、訪日外国人の受け入れ環境整備には、多言語対応の改善・強化、情報通信技術の活用、国際観光都市としての標準的なサービスの導入、多様な文化や習慣に配慮した対応、安全・安心の確保が必要です。そのために区は、外国語対応可能な観光ボランティアの育成、多言語による観光マナーやルールの周知、インターネットなどでの情報発信、Wi-Fiの普及、また、多言語による観光マップや季節のテーマに応じた観光情報誌等を作成して、港区を紹介しております。このように国内外で港区への関心や憧れを喚起し、港区への理解と信頼を高め、観光客に選ばれ続ける都市としての評価とポジションの確立にも貢献する港区シティプロモーション戦略を推進しております。  さて、区は、新たな観光振興の一つとして、外国人観光客などを中心に、夜のにぎわいをもたらす港区ならではのナイトタイムエコノミーを進めております。その一環として、芝浦港南地区の運河にかかる橋梁のライトアップが五月から始まり、東京タワーやレインボーブリッジのライトアップと調和する光の道ができつつあります。観光資源を国内外に積極的にPRし、その周辺にある商店街等を周遊・回遊していただくことは地域の活性化には大変効果的です。  しかし、一方では夜間における路上での迷惑看板、客引き、ごみなど弊害が発生しているのも事実です。区を訪れた方の満足度を高め、リピーターを増やすためには、弊害となる部分の改善が必要です。国内外から区を訪れる多くの観光客などが、区の多彩な夜の観光資源を安全・安心に楽しんでいただくため、今後どのような取り組みを行い、港区ならではのナイトタイムエコノミーを推進していかれるのか、区長のご所見をお伺いいたします。  次に、自転車の走行ルール及びマナーの普及・啓発活動の促進についてお尋ねいたします。  自転車は通勤、買い物、子育て等、日常の生活を送る上で有用な移動手段として多くの区民が利用しています。区は、自転車の安全な走行を促進するためにチラシ等を作成して配布するなどマナーの向上・遵守や啓発に努めております。  自転車走行について、歩行者から「近づいてくることに気がつかず、危険を感じた」、特に高齢者等からは、「とっさの行動がとりにくく怖い思いをした」、「最近の自転車は速度が速く避けられないため、本人や友人が骨折等のけがをした」との声が寄せられています。区が把握している、区内で発生した自転車による事故の直近の件数は、平成二十九年は七十件、平成三十年は六十一件に上ると被害の状況をお聞きしております。区民が被害者にならないためにも、加害者とならないためにも、ルールやマナーの周知徹底を図ることは重要なことだと思います。そこで、自転車の走行ルール及びマナーの普及・啓発活動の促進について、区長のご所見をお伺いいたします。  次に、交通不便地域の解消に向けた取り組みについて伺います。  港区は、東京湾に面しており、水辺を水と緑に触れ合える豊かで魅力的な空間となるよう整備に取り組んでおります。水辺を有する、その一方で、麻布台・三田台・白金台等、知名が示すように起伏に富んだ地勢で、区内には数多くの坂があります。地域の住民は通勤・通学や生活必需品の購入など、坂を往来して生活を送っております。地域で暮らす高齢者は、体調を崩した際、かかりつけ医院などに行くために家族などの手をかりて、さまざまな交通機関を利用して診療を受けています。  区は、交通不便地域解消のため、「ちぃばす」のルートの見直しを図り、また、解消に向けて相乗りタクシーのモニター実験など積極的に取り組んでおります。しかし、道路が狭隘などの理由で「ちぃばす」が走行できないため、解消されていない地域が存在しており、この地域住民からは絶え間なく要望が寄せられています。  区は、区内交通網の整備のため、港区総合交通戦略を掲げて交通不便地域解消に取り組んでおりますが、今後も高齢者数等の増加、平均寿命の延伸等、あらゆる観点から調査・研究を重ねて、移動手段の確保に向けて、より積極的に取り組んでいただきたいと思いますが、区長のご所見をお伺いいたします。  次に、高輪ゲートウェイ駅開設後の第一京浜国道の渋滞対策について伺います。  JRの品川車両基地跡地では、敷地面積十三・七ヘクタールに及ぶ大規模な開発が計画され、現在、工事が行われております。開発計画ではオフィスビルや商業施設、ホテルなどが並ぶ街をつくると報告されています。基地跡地には、JRの新駅高輪ゲートウェイ駅が二〇二〇年暫定開業に向けての工事も進んでおり、二〇二四年の本格開業時の乗降客数は一日当たり約二十六万人と予測しているとのことです。  さて、新駅周辺地域の道路交通環境の整備ですが、駅の利用者がバスやタクシー、自家用車など多くの車両等を利用して乗り入れることが予測されます。そのため、周辺住民はもとより、通勤や通学で駅の利用を考えている区民は、交通安全や交通渋滞によるバス等の遅延の発生を心配しております。  そこで、利便性の悪化を招かぬよう、また、区民生活や経済活動に支障を来さぬように新駅周辺の道路整備に努めなければなりません。ところで、駅周辺に接する幹線道路は第一京浜国道です。この第一京浜国道については渋滞を招かぬよう策を講じていただきたいと思います。道路は、区民生活や地域経済活動を行う上で必要不可欠な要素です。これらのことを鑑みて、新駅開設後の第一京浜国道の渋滞対策について、区長のご所見をお伺いいたします。  次に、誰もが楽しめるスポーツ活動の推進についてお伺いいたします。  アジアで初めて開催となるラグビーワールドカップの開会式が、九月二十日に味の素スタジアムで行われます。開会式を皮切りに、十二の会場で計四十八の試合が組まれ、現在、開会に向け着々と準備が進められております。港区はラグビーの聖地・秩父宮ラグビー場を有しており、この大会開催のムードが日に日に盛り上がっている状況です。この機会を契機として、さらなるラグビーの普及に向けて取り組んでいただきたいと思います。来年の夏には、五十六年ぶりに日本でオリンピック・パラリンピック競技大会が開催されます。  現在、区では、東京二〇二〇大会の気運醸成とレガシー創出に向けて、トップアスリートによるスポーツ教室の開催等の事業を推進しています。世界の選び抜かれたアスリートが一堂に会し、その洗練された卓越した技術を競い合うこの大会を盛り上げて、世界との友情の輪をさらに広げるとともに、スポーツへの関心が高まるためにもさまざまな事業に取り組んでいただきたいと思います。  さて、区では、昨年十二月に東京二〇二〇大会の気運醸成や区民等の健康づくりもあわせて、MINATOシティハーフマラソン二〇一八を開催し、四千六百九十八人のランナーが健脚を競いました。沿道には、運営を支える関係者やボランティアに加え、応援に駆けつけたランナーの家族、友人、知人、そして大勢のマラソンファンの歓声が響きわたっておりました。参加者からは、「日比谷通り、第一京浜国道、桜田通り等、主要な幹線道路を結ぶコースを走ったことはよい記念となる」、「すばらしいコース設定だった」、そのほかにも、「また来年も走りたいが、来年は応募者が増えて走れるのか心配だ」と多くの声が寄せられております。MINATOシティハーフマラソン二〇一八が開催されたことは、区が提唱する誰もがスポーツを楽しむことができる機会の確保と環境の整備の推進を示していると思います。  港区でも東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会が行われます。そこで、これを契機として、今後、子どもたちから高齢者まで、あらゆる世代の誰もが「する」「みる」「支える」を気軽に楽しめるスポーツ活動をどのように推進していくのか、教育長のご所見をお伺いいたします。  最後に、豊かな心の育成についてです。  子どもたちが夢と希望を抱き成長していくためには、知・徳・体の基礎的な力を習得し、豊かな人間性と創造性を育む教育を推進することです。教育委員会は、学校教育を推進するために、教育目標として、地域の一員として社会のルールを守り、ともに生きる人、生涯を通じ自ら学び、個性を伸ばし、行動する人、自立心と責任感を持ち、他者への思いやりと社会貢献ができる人を掲げ、その実現に向けて各種の事業を展開しています。  現代は、日々の生活を送る上で、核家族化や共働き世帯の増加と家庭状況の多様化に伴い、家庭内でのコミュニケーション不足や地域とのつながりが減少し、子どもの孤立感が増大しているほか、家庭と地域で社会性が育まれにくくなったことにより、子どもの規範意識の低下も招いていると危惧されています。そのため、自分と他者の生命を尊重し、他者を思いやる心の育成や、規範意識、社会のルールやマナーの習得などを目的とした教育が求められております。  平成三十年度から道徳教育が教科となり、先生方は学齢に応じて、思いやりの心や正邪・善悪を教え諭しています。一年が経過しましたが、さまざまな効果や課題も見えてきたのではないかと思います。教育委員会では、より効果的な指導方法も研究されていると思います。そこで、豊かな心を育成するための指導方法などについて、教育長のご所見をお伺いいたします。  以上で質問を終わります。ご清聴いただきありがとうございました。   〔区長(武井雅昭君)登壇〕 ○区長(武井雅昭君) ただいまの自民党議員団を代表しての清原和幸議員のご質問に順次お答えいたします。  最初に、将来を見据えた財政運営についてのお尋ねです。  区は、今後の人口増加に伴う三十万人都市を見据え、子どもや高齢者、障害者福祉など、各分野で想定される行政需要に的確に対応し、港区ならではの質の高い行政サービスを提供していくため、中・長期的な視点に立った財政運営を行ってまいります。  歳入においては、税収の確保や、国、東京都の補助金の活用をはじめ、財産の貸付など税外収入の戦略的な確保に努めてまいります。歳出においては、今後大きな財政需要が見込まれる公共施設の更新について、港区公共施設マネジメント計画により既存施設の長寿命化を図り、将来経費試算ソフトによる修繕計画の策定など、施設更新経費の削減、また、年度間の財政負担の平準化を推進するとともに、基金の計画的な積み立て、そして適時適切な活用により将来課題を見据え、いかなる時代においても揺らぐことのない持続可能な財政運営を行ってまいります。  次に、行政改革についてのお尋ねです。  区は、人口増加に伴う行政需要の拡大や、区民ニーズの多様化・複雑化など社会情勢が変化する中、簡素で効率的な区政運営を維持し、区民サービスの充実に取り組んでまいりました。現在、区は、AIをはじめ、最新ICTの導入やマイナンバーの利用促進による業務の効率化を進め、職員が直接区民と接する時間を生み出すことで、区民に寄り添ったサービスの提供や、区民との協働による課題解決につなげております。今後も、区民福祉の一層の増進に向けて、業務の効率化や社会情勢の変化を踏まえた事業の廃止・統合を徹底し、不断の行政改革に取り組んでまいります。  次に、都区財政調整制度についてのお尋ねです。  都区財政調整制度の普通交付金の算定においては、都心区の行政需要に十分対応していないことから、区は、高額な用地取得費、路上喫煙や防犯対策など、昼間人口が多い都心区特有の行政需要が適切に算定されるよう、近隣区と連携し取り組んでまいりました。また、普通交付金では算定されない各区の特別な需要に対して交付される特別交付金について、児童相談所準備経費などの算定を主張し、特別交付金を確保いたしました。引き続き、昼間人口への対応など、都心区特有の行政需要が適切に算定されるよう粘り強く主張していくとともに、積極的に特別交付金の確保に努めてまいります。  次に、固定資産税の軽減措置を東京都に働きかけることについてのお尋ねです。  二十三区内の土地の固定資産税等につきましては、小規模非住宅用地の税額の二割減免、商業地等の負担水準引き下げ、税額が前年度の一・一倍を超える住宅用地等の減額などの軽減措置が講じられております。また、平成二十九年には民有地を活用した保育所等の整備を促進するため、有償で借り受けたものが保育所等として使用する土地について、固定資産税等を全額免除する制度が新たに創設されました。こうした軽減措置の継続等に向けた要望につきましては、区としても適切に対応してまいります。  次に、港区政策創造研究所の今後の取り組みについてのお尋ねです。
     港区政策創造研究所では、今年度から各部門の事業立案に関する相談を受けるなどの政策研究・形成機能を強化しています。今後、信頼性、客観性の高いデータをもとにした政策形成を実現するため、各政策の成果指標、政策立案に必要なデータの整備の支援を行うとともに、ことしの七月には、平成三十年度に転出入した方の視点から、区の課題を明らかにするための転出入調査も行います。こうした取り組みにより、将来の人口増や社会情勢に的確に対応した次期港区基本計画につなげてまいります。今後も、研究所の機能を最大限に発揮し、来る三十万人都市港区を見据えた確実な行政運営の実現に取り組んでまいります。  次に、町会・自治会の課題解決のための支援についてのお尋ねです。  区は、町会・自治会の課題解決のため、平成三十年度からの三年間で、町会・自治会活動応援個別プログラムを実施しております。昨年度は応募のあった八団体の要望を把握して、各団体の課題に沿った取り組みを提案し、既に一団体は住民・企業参加による公共空間の利活用として緑化活動を開始して、顔の見える交流の輪を広げています。今年度は八団体の取り組み成果を検証し、より効果的な取り組みにつなげてまいります。さらに来年度は、プログラムの最終年度として、実施した全ての取り組み内容と成果を検証し、他の町会・自治会にも参考となる課題解決策への支援を検討してまいります。  次に、災害時のトイレの確保についてのお尋ねです。  まず、区民や事業者のトイレの備蓄の重要性の周知についてです。災害時にトイレが使用できないために水分の摂取を控えた場合、脱水症状や免疫力の低下など健康に悪影響を及ぼす危険性があることから、トイレの確保は非常に重要です。  区では、広報みなとや区ホームページ、防災パンフレットへの掲載のほか、防災訓練や事業者向け防災講座等において、過去の災害におけるトイレ環境の実情等を紹介しながら、トイレが使用できない場合に備え、携帯トイレの備蓄を働きかけております。引き続き区民や事業者に対して啓発を行い、トイレの備蓄を促進してまいります。  次に、避難所の衛生環境の確保及び防疫についてのお尋ねです。避難所での生活では、日常生活との違いによりストレスを受け、体調を損なうことなどがあり、避難所の衛生環境を確保することは非常に重要です。避難所運営においては、感染症や食中毒予防のために定期的に避難所全体の消毒を実施するとともに、運営主体となる地域防災協議会では、衛生管理に細心の注意を払うこととしております。引き続き避難者が安全で安心して生活を送れるよう、衛生環境の確保と感染症予防に取り組んでまいります。  次に、避難所のトイレの整備についてのお尋ねです。避難所のトイレにおいては、排水管の破損等により水洗機能が使用できない場合に備え、発災直後は水洗による使用を控え、携帯トイレを使用することとしております。さらに、敷地内のマンホールトイレを開設するとともに、グラウンド等の屋外に便槽タイプの組み立て式トイレを設置し、避難者数に応じたトイレの必要数を確保しております。また、遮光性の高い生地を使用し、プライバシーに配慮した女性専用トイレについても備蓄しております。引き続きプライバシーの確保などに配慮し、トイレの整備に努めてまいります。  次に、危機管理体制の強化の取り組みについてのお尋ねです。  危機管理においては、トップダウンによる指揮と迅速な対応が不可欠であり、区では、危機発生時に二十四時間三百六十五日、私が緊急報告を受けるとともに、各部署も速やかに危機に対応しております。  また、新型インフルエンザのような重大な危機が発生した場合には、危機管理対策本部を設置し、私の指揮命令のもと全庁挙げて対応するなど、危機のレベルに応じた体制を構築しております。今後、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会の開催に伴う危機を想定した訓練を実施するなど、危機管理体制の一層の強化に取り組んでまいります。  次に、青山地域のフードデザートへの対策についてのお尋ねです。  区は、本年四月から都営青山北町アパート敷地内に民間事業者による野菜・果物の移動販売を誘致いたしました。鮮魚等の移動販売については、営業許可を受けた事業者は区内におりませんが、引き続き情報を収集してまいります。また、令和二年五月に完了予定の北青山三丁目地区まちづくりプロジェクト民活事業において、東京都や事業者に対し、生鮮食品などが買える生活利便施設の設置について、引き続き要望してまいります。  次に、地域包括ケアシステムのさらなる推進に向けた取り組みについてのお尋ねです。  区は、医療と介護の連携の拠点となる在宅療養相談窓口を二カ所設置し、港区医師会等の協力を得て、退院して在宅生活に戻る際の地域の病院の紹介や在宅医療の相談などに丁寧に対応しております。今後、複雑化した課題や子育てと親の介護のダブルケアへの対応、既存のサービスの活用が困難な課題を抱える家庭への取り組みを強化してまいります。このため多くの機関や多職種の皆さんとの議論を深め、これまで以上に連携を強化し、全ての区民が住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるよう、港区らしい地域包括ケアシステムの構築に取り組んでまいります。  次に、児童相談所の整備についてのお尋ねです。  まず、児童相談所における児童福祉法等の改正への対応についてです。区は、法改正の内容を反映させ、児童福祉司及び児童心理司、保健師、医師、弁護士を国基準に基づき配置するほか、虐待の再発防止のための医療機関と連携した保護者支援プログラムの実施、被虐待児童の転出入自治体を含む関係機関との情報共有の強化策を検討しております。また、新たに法律に盛り込まれる子どもへの体罰防止については、関係地域の機関と協働し、いち早く啓発活動に取り組むなど、全ての子どもの命と権利を守る体制を整備してまいります。  次に、児童虐待対応の強化についてのお尋ねです。子ども家庭支援センターが対応する児童虐待相談件数は年々増加するとともに、相談内容が複雑化しております。区は、昨年度から児童虐待の早期発見のために職員が保育園、幼稚園、小・中学校等を訪問し、虐待が心配される事例について情報共有を図っております。さらに今年度からは、医療機関と連携した保護者支援プログラムにより、子どもの接し方を個々の状況に合わせて行うなど、より丁寧な対応に努めております。区は、児童相談所の設置を待つことなく児童虐待防止に向けて、さまざまな角度からの対応の強化に努めてまいります。  次に、保育の需要に応えるための定員の確保策についてのお尋ねです。  区は、国、東京都、民間事業者、地域の皆様にご理解、ご協力いただき、待機児童解消緊急対策に取り組み、平成二十九年四月からの二年間で千百六十八人の保育定員を拡大し、本年四月に待機児童ゼロを達成することができました。  一方、待機児童は、育児休業からの復職予定に合わせた入園申し込みなどにより、年度末に向けて増加する傾向にあるほか、就学前人口は、今後も増加することが見込まれています。現在、令和二年四月に向け、区立元麻布保育園の開設、私立認可保育園九園の誘致などにより、さらに五百十五人の定員拡大を予定しております。今後も待機児童ゼロを継続できるよう保育定員の拡大に取り組んでまいります。  次に、精神障害者への支援の充実についてのお尋ねです。  令和三年四月に改築が完了する区立精神障害者地域活動支援センターにおいて、精神障害者の緊急時の受け入れ先である短期入所事業を開始することによって、身体障害者、知的障害者、精神障害者のそれぞれの障害種別に応じた支援拠点の機能が整います。改築後の施設では、新たな就労の場としての喫茶、売店、生活リズムを整える体験プログラムを開始し、精神障害者の支援の充実を図ってまいります。今後も、精神障害者が地域で安心して自立した生活を送ることができるよう、グループホームの整備や相談支援体制の充実など、さまざまな取り組みを積極的に推進してまいります。  次に、感染症の防疫体制についてのお尋ねです。  区は、日頃から国や東京都、港区医師会をはじめとした医療機関と連携を図り、感染症の発生動向の把握、発生時の調査や検査、情報共有等が迅速に実施できるよう防疫体制を構築しております。また、来街者や区内在住・在勤者に対する感染症の普及・啓発についても、多言語でのリーフレット等による周知を図っております。  東京二〇二〇大会に向けては、東京都と連携し、集団発生等の報告頻度を上げることや、感染症を疑いの段階で報告するなど、通常よりもサーベイランスを強化することで早期発見を図り、さらなる感染症の蔓延防止対策につなげてまいります。  次に、(仮称)産業振興センターの機能の充実を図る取り組みについてのお尋ねです。  センターは整備基本計画に掲げた未来発展型の産業振興拠点として、ビジネスチャンスを創出するコワーキングスペースやアイデアの具現化や製品づくりをサポートするビジネスサポートファクトリーを設置するなど、新たなビジネスの育成と最新技術を活用する機能を充実します。また、施設の貸出機能と区内中小企業への支援策を集約し、同じ施設内で一体的にサービスを利用できる体制を整備します。さらに同じ建物内の新三田図書館と連携したビジネス支援機能の提供など、企業・人・地域の力を一つに結びつける施設の実現を目指してまいります。  次に、商店街振興支援のさらなる充実に向けた取り組みについてのお尋ねです。  商店街は、子どもたちや高齢者への声かけ、防犯パトロール、清掃美化など地域での活動を通じて、区民の皆さんが安心して過ごせるまちづくりにも大きく貢献をしています。区はこれまで、小規模店舗での使用に特化したプレミアム付区内共通商品券の発行支援や、生鮮三品等取り扱い店舗に対する設備更新等の経費助成など、商店街の実態に即した新たな施策に取り組んでまいりました。今後も区民生活を支え、地域のにぎわいを創出する商店街のさらなる発展に向け、港区商店街連合会とも連携しながら、新たな施策の検討も含めた支援策の充実に努めてまいります。  次に、港区ならではのナイトタイムエコノミーの推進に向けた取り組みについてのお尋ねです。  区は、町会・自治会や商店会等の多様な主体と連携し、夜の観光振興と安全・安心の両立を基本方針に掲げた、港区ならではのナイトタイムエコノミーを推進しております。本年七月から、区の安全・安心の取り組みに協力する夜間営業の事業者へ、そのあかしとしての旗を交付するMINATOフラッグ制度を開始し、この制度を活用した夜景スポットとフラッグ店をめぐる期間限定のバスツアーや、地域のイベントと連携した取り組み等を実施いたします。今後も、まちの方々と連携しながら、安全・安心な港区ならではのナイトタイムエコノミーを推進してまいります。  次に、自転車の走行ルールやマナーの普及・啓発活動の促進についてのお尋ねです。  区はこれまで、自転車走行における安全を確保するため、広報みなとへの交通ルールの掲載や、警察署と協力して職員が直接リーフレットを駅前や御成門交差点などで年間九回、来街者へ配布するなど、自転車の走行ルールやマナーの普及・啓発に努めています。昨年は、警視庁や民間企業と連携を図り、主に自転車通勤をする在勤者向けに自転車安全利用セミナーを開催し、自転車の走行ルールやマナー等について、警察官による講義や映像による啓発を行いました。今後も自転車の安全利用を推進するため、関係機関と協力し効果的な普及・啓発を工夫してまいります。  次に、交通不便地域の解消に向けた取り組みについてのお尋ねです。  昨年、港区総合交通戦略で定めた交通不便地域の白金・白金台地域において、相乗りタクシーによる新規交通手段のモニター実験を行いました。実験の結果、相乗り相手が見つからず利用ができないことや、スマートフォンを所有していない方の利用が困難であったことなど課題が明確になりました。区は、需要や課題を整理し、今後も誰もが安全に安心して快適に利用できる移動手段を確保するため、積極的に検討を進めてまいります。  最後に、高輪ゲートウェイ駅開設後の第一京浜の渋滞対策についてのお尋ねです。  区は、新駅に進入する車両の経路や交通量を想定し、交差点が混雑しないかなどの検証を行ってまいりましたが、道路管理者の国や東京都及び交通管理者の警視庁との協議が本年三月に調いました。協議の結果、バスやタクシー、自家用車の停車スペースを確保した交通広場を駅前に整備することや、環状第四号線と第一京浜を結ぶ区道を新たに整備し交通量を分散すること、また、右折車線を整備することによって円滑に走行できるよう計画しております。  よろしくご理解のほどお願いいたします。  教育にかかわる問題については、教育長から答弁いたします。   〔教育長(青木康平君)登壇〕 ○教育長(青木康平君) ただいまの自民党議員団を代表しての清原和幸議員のご質問に順次お答えいたします。  最初に、誰もが楽しめるスポーツ活動の推進についてのお尋ねです。  教育委員会では、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた取り組みとして、来月七月七日にお台場学園において、トランポリン競技のオリンピアン上山容弘選手や、イギリスオリンピック委員会との連携によるイギリスの体操チームを招いてのスポーツ教室を開催し、スポーツをするきっかけの場を提供いたします。  また、ラグビーワールドカップ二〇一九の開催期間中、飲食しながら試合観戦や競技体験ができるコミュニティライブサイトを実施し、区民が一体となって応援し感動を共有できる、みるスポーツの機会を創出してまいります。さらに、スポーツボランティア育成事業では、新たに普通救命講習やリーダー経験者向けのコースを設け、多くの支えるスポーツの担い手を養成してまいります。今後とも、区民の誰もが生涯を通じて、「する」「みる」「支える」スポーツ活動を楽しむことができるよう取り組みを一層充実してまいります。  最後に、豊かな心の育成についてのお尋ねです。  小・中学校では、学習指導要領が目指す「考え、議論する道徳」をもとに、人のかかわりや社会経験などを通して、児童・生徒の豊かな心の育成に取り組んでおります。具体的には、さまざまな考えや葛藤が生じる場面において、教師が児童・生徒自身の考えの根拠を問いかけ、互いの意見を尊重し、相手を大切にする姿勢を学ぶとともに、社会のルールやマナーなどを習得できるようにしております。より効果的な授業とするためには、児童・生徒への問いかけの内容や方法など、教師の指導技術を向上させることが不可欠です。児童・生徒が多様な考えに触れ、さまざまな状況において、自分自身の判断に基づいて行動できるよう導くことで、児童・生徒に豊かな心を育むことができると考えております。  よろしくご理解のほどお願いいたします。 ○議長(二島豊司君) 次に、二十番杉浦のりお議員。   〔二十番(杉浦のりお君)登壇、拍手〕 ○二十番(杉浦のりお君) 令和元年第二回港区議会定例会において、みなと政策会議を代表して、武井区長、青木教育長に質問させていただきます。  昨日午後十時二十二分頃、新潟県で最大震度六強を観測する地震がありました。震源地は山形県酒田市の南西五十キロメートル付近で、震源の深さは十四キロメートル、地震の規模はマグニチュード六・七と推定されております。東日本大震災を想起させ、津波、余震、雨による土砂災害等による二次災害も心配されております。被害に遭われた方々にお見舞いを申し上げるとともに、早期に復旧・復興がなされますことを願っております。  さて、四月の港区議会議員選挙において港区民の負託を受け、三十四名の議員が新たに誕生しました。私たちみなと政策会議は前期と同様に、立憲民主党、国民民主党、社会民主党、無所属の合わせて十名がともに手を携え、区政の課題解決のために努力していく仲間が集いました。  港区の人口は二十六万人に迫り、今後もあらゆる世代において増加し、区政八十周年を迎える頃には三十万人に達するのではないかと考えられております。港区は、歴史が息づくまちとして、最先端で洗練され、多彩で個性豊かな魅力あふれる都心区であり、地域で抱える課題はさまざまであります。  そこで、私たちみなと政策会議の特徴とも言える国政とは一線を画し、区民目線で区政の課題に向き合える多彩なメンバーがいるからこそ、港区のさまざまな課題に対応可能な会派として、最も区民のために必要かつ愛されるよう日々精進を重ねていかなければならないと感じております。  区民の数だけ区民ニーズがあると言っても過言ではありません。もちろん区民とは、港区に住民票があるなしにかかわらず、港区で働く人、訪れる人のことまでも考えなくてはならないと思っております。特に来年は東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会が行われますので、さらに神経を研ぎ澄ませていかなくてはならないと考えます。  金融庁金融審議会市場ワーキング・グループの報告書において、九十五歳を迎えるにあたっては、六十五歳から年金収入以外で約二千万円を必要とする旨の報道がありました。国は、正確な情報を区民に示しながら、国民の幸せを見据えた政策の実現に向けていただきたいと思います。  港区の区財政は磐石なものとなっておりますが、将来にわたって質の高い行政サービスを提供する財政力、組織力の強化等、都心港区において、区民の百歳時代の到来を踏まえた財政需要を的確に捉えた財政運営をしていただきたいと思います。  それでは、質問に入ります。  来るべき東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会についてお伺いいたします。  いよいよ来年ということになりまして、先月五月二十九日にはチケットの申し込みが締め切られ、あす六月二十日には抽せんの結果発表が行われ、当選した方はチケットを購入できると聞いております。今回の最初の申し込みは、スマートフォンやパソコンが主流で、次回、来春は窓口販売によって行うとのことです。東京二〇二〇大会を待ち望んでいた方々がストレスなく安心してチケットの購入をしていただけるようなサポート体制が区にあると喜ばれるのではないでしょうか。区の見解をお聞かせください。  次に、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会、聖火リレーのランナーの募集に関する、区民向けの周知と聖火リレー当日における区の関与についてお伺いいたします。来年七月二十三日に聖火リレーランナーが、目黒区、渋谷区を通過し、港区にやってまいります。東京二〇二〇組織委員会は、ことしの六月一日に東京二〇二〇オリンピック聖火リレーのランナーの募集概要やルートの概要などを発表しました。聖火リレーのルートの詳細は、本年十二月頃を目途に、東京二〇二〇組織委員会から公表される見込みとなっておりますが、オリンピック聖火リレーを実施する日の終わりに、最終ランナーの到着を祝う式典であるセレブレーション会場が区立芝公園になるなど、いよいよ本格的な準備が進んでいくことと思います。  聖火ランナーに応募できる方は、二〇〇八年四月一日以前に生まれた方で、国籍や性別は問わず、走行を希望する各都道府県にゆかりのある方となっております。聖火ランナーの応募先は、東京二〇二〇オリンピック聖火リレープレゼンティングパートナーである日本コカ・コーラ株式会社、トヨタ自動車株式会社、日本生命相互会社、日本電信電話株式会社の四社と各都道府県の聖火リレー実行委員会となっております。東京二〇二〇組織委員会では、聖火ランナーの選定にあたっての基本的な考え方として、「全ての人々」、「復興・不屈の精神」、「違いを認め合う包容力」、「祝祭による一体感」を掲げております。  オリンピック聖火リレーとは、ギリシャ・オリンピアの太陽光で採火された炎を、ギリシャ国内と開催国内でリレーによって開会式までつなげるものです。オリンピックのシンボルである聖火を掲げることにより、平和・団結・友愛といったオリンピックの思想を体現し、開催国全体にオリンピックを広め、きたるオリンピックへの関心と期待を呼び起こす大きな役目を持っています。東京二〇二〇オリンピック聖火リレーのコンセプトは、「希望の道を、つなごう」です。支え合い、認め合い、高め合う心でつなぐ聖火の光が、新しい時代の日の出となり、人々に希望の道を照らしだします、としております。  区内には東京二〇二〇大会を待ち遠しいと思う人や聖火ランナーとして参加したい方がたくさんいると思います。一人のランナーが走行する距離は二百メートル、時間にして約二分という極めて短い時間ですが、一人でも多くの区民に聖火ランナーの募集内容を周知していただき、聖火リレー当日は、安全・安心な環境を確保した上で、区も積極的に関与し、一生に一度かもしれない区内における東京二〇二〇大会のオリンピック聖火リレーを盛り上げていただきたいと考えますが、区長の見解をお聞かせください。  また、来年の七月から九月、東京二〇二〇大会と同時期に港区内において夏祭りやイベントの開催が予定されていることと思います。東京二〇二〇大会はとても貴重な体験で、この上ない大きなイベントであることはもちろんですが、区内のイベントもまた愛情を注いで準備をされてきた区民の方にとっては大変意義深いことと考えます。  そこで伺いますが、各地域における行事の実施については、各主催団体と警視庁などの関係機関との協議によってそれぞれ判断せざるを得ないものだと思いますが、区としても、東京都、東京二〇二〇組織委員会、警視庁、各地域団体からの情報収集や区民への情報提供を積極的に行ってもらいたいと考えます。区のお考えをお聞かせください。  さらに、東京二〇二〇大会における喫煙所の設置についてお伺いいたします。多くの来訪者が東京に国内外から見えると予想されることから、喫煙所の心配をしなくてはなりません。競技大会会場内はもちろん禁煙であることから、屋外や路上での喫煙、吸い殻やごみのポイ捨てが懸念されます。港区では、指定喫煙場所に加えて、巡回指導員によって日常を支えていただいておりますが、想像を超える来訪者を考えますと、喫煙所の設置場所や設置数、案内板、巡回指導員の数や対応方法など、しっかりと考えておく必要があると思います。区の見解をお聞かせください。  次に、子どもの東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会観戦に向けての取り組みについてお伺いいたします。  東京都教育委員会では、平成二十八年度から、都内全ての公立学校で東京都オリンピック・パラリンピック教育を実施しており、都内の学校の子どもたちが、東京二〇二〇大会の競技を学校単位で直接観戦できる機会を提供することとしております。東京都教育委員会によると、観戦の目的を、東京で開催される大会を直接観戦する体験を通じて、子どもたち一人ひとりに人生の糧となる、かけがえのないレガシーを残していくためとしております。参加対象は、観戦を希望する都内の全公立・私立学校であり、観戦チケットの購入費用は東京都が公費負担するとし、具体的には、各区市町村の教育委員会、各学校への意向調査を行い、参加対象を精査していくこととしております。  子どもたちが世界のトップアスリートの熱い戦いを観戦することは、次代を担う子どもたちにとって極めて貴重な体験になるではないかと考えます。区がこれまでに推進してきたオリンピック・パラリンピック教育の集大成とも言える子どもの競技観戦について、区立幼稚園や小・中学校において、どのように取り組んでいくおつもりなのか、教育長の見解をお聞かせください。  次に、観光政策についてお伺いいたします。  日本政府観光局の調査によりますと、昨年、訪日外国人旅行者は三千万人を突破し過去最高となりました。十年前の二〇〇八年は八百三十五万人でしたので、十年間で三倍強に増えております。また、東京都の調査によると、東京を訪れる外国人観光客も増加していて、二〇一七年には過去最高の千三百七十七万人で、これは二〇一四年に日本を訪れた観光客に匹敵する数となっております。  アメリカの旅行専門誌コンデ・ナスト・トラベラーが発表した二〇一八年の世界で最も魅力的な都市ランキングでは、東京が一番の魅力的な都市として選ばれており、二〇一六年から三年連続で首位となっております。その魅力は、「高層ビル群や最先端の文化」、「森に恵まれた歴史的な神社仏閣」、この二つのコントラストがすばらしく、また、「食」についても高く評価されております。  都内にはさまざまな魅力的な観光スポットがありますが、この旅行専門誌が評価するポイントを兼ね備えているのが、まさに港区と言えるのではないでしょうか。江戸の歴史を今に伝える増上寺や泉岳寺などの寺社仏閣、その周囲には六本木、赤坂、お台場での最先端の都市空間の形成、また、そういった都市の景観と共存する緑豊かな芝公園や自然教育園、かつては水上交通の動脈として使われた運河、そして東京湾の大パノラマなど、新旧の観光資源に潤いと安らぎのある心地よい空間がまざり合い、調和のとれた港区は、魅力満載の観光都市となっております。  また、観光の大きな楽しみの一つである「食」についても多彩性があり、平成二十九年の特別区の統計では、一万五千九百二十二店という二十三区最多の飲食店営業数を誇る中で、ユネスコ無形文化遺産の和食のみならず、世界各国の食を堪能することもできるのは港区の特徴であると思います。  これだけの観光資源を有する港区を、日本国内のみならず、世界へ発信するために、平成二十八年に港区ワールドプロモーション映像を日本語、英語、中国語、ハングルの四カ国語で作成し、SNS等を活用して国内外に広く発信しております。この映像はユーチューブで簡単に見ることができ、五月末時点で総視聴回数は百九十万回を超えております。  ラグビーワールドカップ二〇一九日本大会まであと三カ月、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会まで四百日を切った今、多彩な観光資源を有する港区を国内外に発信し、より多くの観光客を誘致して、区内をめぐっていただく、そしてリピーターをさらに増やし、東京二〇二〇大会以降も港区に多くの方が訪れていただけるように、どのような取り組みをされてきたのかお聞かせください。  一方、港区の魅力あふれる観光スポットを効果的に発信し、観光客が増えることはもちろん歓迎すべきことではありますが、観光地がたえられる以上の観光客が押し寄せる状態、つまり、オーバーツーリズムについての対策も求められております。以前もこの問題に触れておりますが、再確認の意味を込めて伺います。  既に海外の観光業界ではオーバーツーリズムが問題となっており、対応策が不足していたために観光客が増えたにもかかわらず、インフラにかかる負担が著しく増えたため、結果的に経済的に損をしてしまったという事例があると聞いております。イタリアの有名な港町ヴェネチアはクルーズ船の寄港地として人気があり、停船の際、多くの観光客が一度におりるため、ヴェネチア市内でトイレが不足し、下水道のシステムがパンク状態になってしまい、それによって下水道のインフラ整備をしなくてはならず、観光客からの利益を考えると、投資効率の是非を問われるようなことになりかねません。日本でも観光消費一兆円と言われている京都市では、大混雑で、一部の地域では町内のインフラの負担、渋滞の悪化、ごみの増加、景観の損失などの弊害が生じてきている場所があると聞いております。  港区でも、東麻布などで閑静な住宅街に簡易宿所などが次々に建設され、近隣住民の生活に不安を与えるなどの問題が起きていると伺っております。観光客が大幅に想定以上に増えれば、観光地に居住する地域の人々の生活環境を破壊してしまうおそれがあるため、観光客が増えたときの対処ができるようにしていく必要があります。港区は、新幹線が発着する品川駅をはじめ、羽田空港と都心を結ぶ東京モノレール等の駅や竹芝桟橋・日の出桟橋の航路ターミナルなどさまざまな交通網により全国及び世界と結ばれる玄関口、結節点としての機能を有しております。  そこで、日頃必ずと言っていいほど目にするのは、電車に乗車しますと、免税店の袋を大量に持参する外国人に遭遇します。旅行かばんなどはLFT、ラゲージ・フリー・トラベルなどの代替手段が準備されておりますが、旅行中の買い物荷物に対しては対策がないように見受けられます。さらに、港区は最大の宿泊室数を有しながら、区外への流出が大きいとの調査結果が示されております。港区内宿泊の訪日観光客の流出先は、新宿、浅草、銀座、渋谷、秋葉原、上野と小売流通の集積地と考えられます。政府の調査では、訪日観光客の買い物消費額は二〇一八年一兆五千七百六十三億円と統計されており、巨大市場が存在し、政府の目標換算で、二〇二〇年二・八兆円、二〇三〇年五・二五兆円に拡大し、その多くは都内の他地域での経済効果であり、都内で最も訪日観光客の宿泊受け入れを誇る港区は、オーバーツーリズムの問題を最も受けることになるのではないかと考えます。  以上のことを踏まえて、港区でも持続可能で責任あるツーリズムを促進していくための対策が求められていると思います。区といたしましては、この点についても効果的な観光振興を推進していただきたいと思っております。  東京二〇二〇大会まで一年余りとなりました。東京二〇二〇大会期間中は、東京のキャパシティーを超える人々の流入は確実であり、大震災レベルはもとより、ゲリラ豪雨による公的交通機関の麻痺や熱中症対策など、緊急時の混乱による区民への悪影響ははかり知れません。区民はもとより、在勤者、在学者、そして国内外からの観光客に対して、有効な手だてを模索していく必要があるのではないかと思います。緊急時に迅速かつ的確な情報伝達は必須と思いますが、区のお考えをお聞かせください。  次は、危機管理・生活安全についてです。  まずは六月三日、港区安全の日についてお伺いいたします。平成十八年六月三日、区民向け住宅シティハイツ竹芝においてエレベーター事故が発生し、当時高校二年生の尊い命が失われたことに際し、昨年平成三十年三月に命の重さと尊さ、安全確保の大切さを胸に刻み、こういった痛ましい事故を風化させないように、事故が発生した六月三日を港区安全の日と定め、この港区安全の日を通じて、多くの区民の皆様が安全について考えることができるように、安全に対する区の姿勢が揺るぎないものであることを発信し続けるために制定しました。  ことしの六月三日もヒューマンぷらざにて赤とんぼの会と港区との共催で、「六・三安全な社会づくりを目指して」の講演会が開催されました。エレベーターに乗るときには、あの事故のことを思い浮かべる方も多いと思います。エレベーターのみならず、どんな自動ドアの前に立ったときでも私は思い出すときがあります。毎日のように起きる事件や事故の報道が絶えない日常にならされてしまっているのではないかと感じてしまうこともあるのではないでしょうか。社会にはあらゆる事故につながる危険性は、いつでも、どこでも秘めていることから、さまざまな事故問題を考えるきっかけとして、港区安全の日を制定したことは、大変意義のあることと改めて思います。  そこで伺いますが、ことしは元号も平成から令和に変わり、改めて区の安全に対する姿勢が揺るぎないものとし、区民のみならず国内外に発信し、安全対策の取り組み強化を最高レベルに押し上げていただければと思いますが、区長のお考えをお聞かせください。  次に、違法薬物防止について伺います。大麻、覚せい剤等の薬物事犯の送致人員が年々増加しており、大きな事件・事故を引き起こす原因にもなるため、社会的な問題としてしっかりと捉える必要があります。先日も有名な元芸能人が所持し、警視庁に逮捕されました。かつて港区の住宅街の路上にて家庭の主婦が違法薬物の売買にかかわっていた事件を思い出しますが、危険ドラッグ撲滅を声高に訴え、取り組んできたことが虚しく感じるのではないでしょうか。薬物の恐ろしさは依存症になることで、薬物の乱用により脳の正常な発達はとまり、突然笑い出したり、泣きわめいたり、怒ったり、不安定な精神状態になり、幻覚があらわれ、気が変になることもあるそうです。一度だけならやめられるから大丈夫などということは絶対にありません。精神、身体、周りへの影響がはかり知れないことから必ず撲滅しなくてはならないと思います。近年では、インターネットや携帯電話等の普及によって、誰にでも気軽に手に入れられることからもわかるように急速に私たちの身近に忍び寄ってきております。  犯罪防止のために、平成二十七年二月に港区と区内六カ所の警察署、東京都宅地建物取引業協会港区支部、全日本不動産協会東京都本部港支部で「危険ドラッグの売買等の対策に関する覚書」を締結しており、危険ドラッグ等の規制薬物の売買、振り込め詐欺などの特殊詐欺、客引き行為などの撲滅について連携・協力してきましたが、その後、効果、検証についてはどのようなものになっておりますでしょうか。元号も令和に変わり、来年は東京二〇二〇大会が開催され、国内外を問わず、多くの方が港区にやってまいります。人が集まるところに違法薬物の魔の手が降りかかるのを防がなくてはなりません。対策等、区の見解をお聞かせください。  次に、町会・自治会について伺います。  地域の課題は地域で解決していくために、平成十八年四月から区役所・支所改革が始まって以来、地域のかなめである町会・自治会と各地区総合支所との連携がなされ、地域の課題やニーズを的確に捉え、迅速にきめの細かい区民サービスの実現がなされていく体制にあると思います。しかしながら、町会・自治会の役員も高齢化し、新規加入者を募集してもなかなか人材も集まらず、衰退の一途をたどらざるを得ない地域が区内に存在しているのが実情です。  港区内に区民が生活している地域が存在するならば、防災や安全・安心の観点から自助や共助も大切ですが、区民を守る責務は行政にも重要な役割があると考えます。区は、町会・自治会の活性化促進のための対策はこれまでもたくさん打ち出されてきたと思います。昨年度から実施されてきた港区協働事業活動補助金制度は、会員数百五十人以下の町会・自治会を対象とし、資金や人材が不足しがちな町会・自治会の活動を支援するための補助金として、近隣の町会・自治会や地域活動団体、商店会、PTA、NPO、企業、大学、公益法人等と協働して実施する活動に対して実施されてきたと聞いております。この制度が町会・自治会への加入促進につながっていく可能性はまだまだ残されていると考えますが、昨年度の活動実績と今年度の状況についてお聞かせください。  この補助金は来年度までの時限的な制度と聞いておりますが、この短期間に効果的な成果が得られるのであれば、継続または新たな制度により、町会・自治会活性化の起爆剤になるのではないかと考えます。この制度を活用していくための周知方法に出前講座を開くなど、積極的な活動が必要と考えます。さらに、協働する相手先のマッチングのサポートがあってもよいのかと考えます。区のお考えをお聞かせください。  さらに、町会・自治会の設立には地縁等のさまざまな歴史的経緯やつながりが深くかかわっているため、同じ地域に新しい町会・自治会を設立することが難しくなっております。特に、最近流入してきた若者が地域貢献のために積極的に既存の町会・自治会に加入し、活動しようとしても、しきたりや伝統のようなものに阻まれ、新しい提案を受け入れてもらうことが難しく、人間関係上も疎外感が募るゆえに、その地域に住んでいても居心地が悪くなってしまった方がいるのも実情です。新旧住民の融合をぜひとも実現したいと考えますが、やはりコミュニティの発展や機能強化を優先させるには、同じ地域であっても、選択してでも加入できる複数の町会・自治会が存在していてもよいのではないかと思います。しかし、現状では、同一区内に町会・自治会を設置する場合には既存の団体の了解が必要であり、現実には実現困難な状況にあります。そのため、まずは町会・自治会に加入しない区民に地域に根づいたNPOやボランティア組織など、他のコミュニティに参加してもらうことが地域とつながる第一歩であると考えます。多様なコミュニティに対しても、町会・自治会と同様に支援していくお考えがあるのか、区の見解をお聞かせください。  次は、芝浦・港南の新たなまちづくりについてです。  港区港南三丁目九番地、港区みなとリサイクル清掃事務所の裏手に港湾の陸地から海に向かって朽ち果てたスロープがあるのはご存じでしょうか。二〇〇六年五月、エコライフフェアにおいて、大江戸みなとダックツアーという天ぷら油を燃料とした水陸両用バスの試乗を兼ねた環境イベントが行われました。ルートは、有栖川宮記念公園を出発し、東京タワー、赤羽橋、桜田通りを通り、札の辻から八千代橋、芝浦四丁目を通過して海岸通り、芝浦排水機場、港南スロープから水上・運河を周遊して、再び港南スロープから陸路で同ルートを通り、有栖川宮記念公園に帰着する。所要時間、陸路六十分、水上三十分、計九十分のツアーであったそうです。その際、使用した港南スロープは、その後どのように使用されていたのか詳細はわかりませんが、現在、東京都港湾局東京港管理事務所の管理のもと、未利用のままとなっております。  お台場では、台場スロープを使って水陸両用バスTOKYO NO KABAが毎日運行し、お台場の観光の楽しみの一つとして親しまれております。台場は、港区の観光スポットとして大切な場所であります。港区内の他の地域に移動する公共交通機関は、レインボーバス、ゆりかもめの利用となりますが、例えばTOKYO NO KABAのような水陸両用バスが港南スロープを用いて運行できるのであれば、港区内全域に「ちぃばす」を走らせることも可能になり、それに伴い、道路や施設需要が増して新たなまちづくりが可能になるのではないでしょうか。  また、観光目的のための水陸両用バスから地域交通、そして何と言っても災害時に道路使用が不安定な場合には東京湾や運河の水上交通手段としても有効になると考えます。港南スロープは現在、使用できる状態にはありませんので、改修の手だてやさまざまな検討を施さなくてはなりませんが、調査・研究等、東京都へ確認していただきたいと思っております。  そのほかにも港南地域には観光スポットとして新しい名所となり得る場所があります。港区とオリンピックとのつながりとしてご紹介したいのが、港南三丁目と海岸三丁目を結ぶ五色橋です。ちょうどみなとリサイクル清掃事務所の前にある橋です。現在の五色橋は、昭和三十七年にかけかえられたものですが、もともとここにかけられていた五色橋は、昭和十五年に開催予定していた東京オリンピックのレガシーであることをご存じでしょうか。当時の東京市が埋め立て中であった第九号埋立地、現在の港南三丁目には、昭和十五年に開催されるはずであった東京オリンピックの自転車競技場がつくられる予定でした。昭和十三年には五色橋の開通式、自転車競技場の地鎮祭が行われ、小橋一太東京市長が揮毫した橋名板が五色橋に取りつけられたと聞いております。
     昭和十五年に開催予定だった東京オリンピックは、嘉納治五郎たちが招致に尽力したことでも知られております。結果として、戦争のために開催権を返上し、「幻の東京オリンピック」と呼ばれることになってしまいました。港区としても、東京二〇二〇大会の開催に向け、五色橋についての史実をさまざまな手法を用いて広く知らせてほしいと思います。来年の東京二〇二〇大会はパラリンピックも行われることから、ユニバーサルデザインを踏まえたバリアフリー化を意識し、水辺にかかる五色橋のライトアップはもちろん五色で照らすなど、まちとまちとのかけ橋と、昭和から平成、令和へと時をつなぐ新時代のかけ橋となるよう、ぜひとも考えていただきたいと思います。近い将来、水陸両用バスが台場から港南スロープを渡り、五色橋は渡って港区内をめぐることを夢見て、次の質問に入ります。  次に、新しく田町駅と品川駅の間に山手線と京浜東北線の駅が二〇二〇年開業することになった高輪ゲートウェイ駅周辺のまちづくりについて伺います。  駅名がどうなるのか、地域の関心は決定するまでの間、話題はそのことで持ちきりでしたが、周囲の期待とは異なる結果になってしまいました。しかしながら、最も重要なことは駅周辺のまちづくりがどうなるのかであります。新しい線路と高輪ゲートウェイ駅は国道十五号線に近いところから離れ、海寄りの港南側を走らせるようになります。高輪ゲートウェイ駅の位置は品川駅から〇・九キロメートル、田町駅からは一・三キロメートルとなります。都営地下鉄浅草線の泉岳寺駅からは三百メートルしか離れていないとのことですので、新駅とつなげていただけることが重要です。  また、地域で関心が高く望まれているのは、線路の下を高輪側と港南側を結んでいた、いわゆるお化けトンネルと言われている道路が劇的に便利に通りやすくなることです。また、新駅は、世界的に有名な隈研吾氏による折り紙をモチーフとした和を感じられるデザインの駅となるようでして、今から完成が待ち遠しいです。新駅を含む開発用地の面積は十三・九ヘクタールで、六本木ヒルズエリアの十一ヘクタールと比較しても相当な規模を有しております。この開発はJR東日本と都市再生機構が協力して進めていくと聞いておりますが、JR東日本はまちづくりは初めての経験ということでありますから、周辺の再開発における地域の声を十分に反映した開発になるよう、港区からもさまざまな指導、アドバイスを盛り込んで進めていくことが重要と考えます。  区長は、昨年十二月に、区長ご自身を本部長とする、高輪ゲートウェイ駅周辺まちづくり推進本部を立ち上げ、総合支所の管轄区域、区立小・中学校の学区域の検討を開始し、区内の地域特性に応じたまちの将来像を区、区民、事業者が共有し、環境と都市機能のバランスに配慮した快適でにぎわいのあるまちづくりを推進していくと伺いました。その後、どのような決定がなされたのか、区の見解をお聞かせください。  次に、高齢者施設について伺います。  港区の人口はいよいよ二十六万人になり、令和元年六月一日現在、六十五歳以上の高齢者は四万三千八百六十人おりまして、今後も増え続けるという予測となっております。現在、港区の百歳以上の年寄りは百五十五名を数えております。どなたでも元気に生き生きと暮らせるうちは、年相応の生き方で自立した生活を営もうとしていると思います。健康に幾ら気を使っても、個々の生活環境の全てが満たされた余生を送り、皆が百歳を迎えられるとは想像もできませんでしたが、環境が整えば、平均寿命百歳が実現できるのではないかと考えます。  区では、さまざまな高齢者の方々への施設需要を的確に見込んで、計画的に施設整備を推進していくとしておりますが、港区は土地の値段も非常に高いことから、財政負担をしっかりと見据えた取り組みが重要です。また、高齢者が住み慣れた地域で生き生きと安心して暮らせるよう医療機関と連携し、在宅療養者等を支援する地域包括ケアの推進をしていて、来年度には高輪三丁目に定員二十九名の小規模多機能型居宅介護施設と定員二十七名の認知症高齢者グループホームが開設し、また、南麻布には百床の特別養護老人ホームが来年三月に開設すると聞いております。  確かに二十三区で上位のベッド数の整備はなされているのかもしれませんが、ますます人口は増加し、特に高齢者が年々増えていくことを考慮しますと、やはり施設需要に供給が追いつかなくなるのではないでしょうか。待機している高齢者をいつまでも待たせるわけにはまいりません。区の長期的な高齢者施設需要に対するお考えをお聞かせください。  これは要望ですが、杉並区では自治体間連携による特別養護老人ホームを静岡県南伊豆町に整備しました。もともと南伊豆町は杉並区の健康学園が開設された地であり、区立小・中学校の移動教室や保養施設の利用など、多くの杉並区民が訪れていてなじみがあることから、長年の交流によって災害時の相互援護協定を締結するなど、施設整備に至るまでの交流がなされてきたことがきっかけとなったと言えましょう。施設の土地については無償で借り受けていて、五十年間の定期借地契約だそうです。杉並区で同規模の施設を整備するとなると十億円は下らないとのことですから、港区で同様に考えれば、土地の取得に係る経費は言うまでもなく膨大なものになります。例えば、区民になじみのある箱根で同様のことを考えてもよいかと思います。もちろん住み慣れた区内で整備することは区民にとってはベストですが、家族や友人がお見舞いに行くための交通手段が容易である、行きやすい場所を選定すれば考えられるのではないでしょうか。今すぐ検討できないかもしれませんが、調査・研究していただければと思います。  次に、平和と人権についてお伺いいたします。  まずはひきこもりの問題の対処についてです。五月二十八日、川崎市でカリタス学園のスクールバスを待つ小学生とその保護者が、五十一歳の男に襲われ、二十人が死傷するという悲しい事件が発生しました。何の落ち度もない子どもや父親の命を奪い、全国の学校、児童、保護者に深刻な不安を与えました。許すことのできない犯行であるのは言うまでもありませんが、この事件は、私たちの社会が抱える問題も浮かび上がらせました。マスコミが報道した五十一歳の犯人の写真は中学生の頃のものです。どれだけ長い間、社会と隔絶した状況に身を置いてきたのか、それを推しはかることができました。男がひきこもり状態であったことが事件と関連づけて報じられたため、ひきこもりの家族会などは懸念を表明しました。危害を加える人は極めてまれなのに、ひきこもりは怖いといったイメージが広がると、本人も周囲も追い込まれて、事態がさらに悪化するというものです。  その懸念が現実化したのが、四日後の六月一日、元農林水産省事務次官の七十六歳の男性による四十四歳の長男の殺人事件です。報道によれば、長男による家庭内暴力に苦しんでいたことに加え、川崎市での事件を見て、長男が近くの子どもたちを襲うのではないかと恐れたことが動機になったと言います。どちらの事件を捜査中であり、解明はこれからですが、共通して言えることは、人が社会との接点を持つことの大切さであると思います。  法務省・法務総合研究所が平成二十五年三月に発表した無差別殺傷事犯に関する研究では、十歳代から六十歳代までの五十二人の事件を分析した結果、事件で最も多い動機は、自己の境遇への不満だったと言います。交友関係や家庭関係の希薄さ、職業の不安定さも浮かび上がりました。社会的孤立を防ぐための居場所や出番をつくることが事件の防止につながることが明らかになりました。昭和、平成、令和と時代が流れる中で、こんなにも引きこもったり、社会から孤立したりすることが当たり前の世の中になるとは思いませんでした。私は、社会におけるいじめの問題をたびたび取り上げてまいりました。ひきこもりは、いわば社会全体でのいじめが生み出した事象であり、現代社会の病理の一面があると考えます。  作家の天童荒太氏は、「格差と競争を肯定する社会に日本がアクセルを踏み込んだ結果、人々は孤立化を深め、不寛容になっている。共助と共生という帰るべき場所を見失っている」と指摘しております。日本は、自己責任と突き放し、居場所を失わせるような社会になりつつあるのではないでしょうか。今のうちに対策を考えていかなければ、事態はさらに悪化していくと思います。打つ手がなくなる前に、地道な努力を積み重ねていかなくてはなりません。ひきこもりへの社会の偏見が孤立を深め、孤立が絶望感を生み出し、社会への復帰が一段と遠のいていきます。ごくまれには、孤立が偏った思想を先鋭化し、社会への敵視につながってしまうのではないでしょうか。そうした悪循環を今、断ち切らなくてはならないと考えます。港区は、区民に身近な行政として、ひきこもりの問題にどう対処していくのか、区長の見解をお聞かせください。  次に、東京二〇二〇大会に向けた行事の中で平和の灯を活用することについてお伺いします。  来年七月二十四日、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会が始まります。ことしの夏には、全国でプレイベントが開催され、オリンピック・パラリンピックの気運がいよいよ高まっていくことと思います。私は、オリンピック・パラリンピックは、そもそも平和事業だと考えております。戦争のかわりにスポーツをする。戦場は競技場へと変わり、武器はラケットやボールへと変わりました。平和とオリンピック・パラリンピックは切っても切れない関係にあると思っております。  そこで、港区の平和とオリンピック・パラリンピックとのつながりとしてご紹介させていただきたいのは、区立芝公園にある「平和の灯」です。ここにともる火は、広島市の「平和の灯」、福岡県旧星野村、現在の八女市の「平和の火」、長崎市の「ナガサキ誓いの火」をあわせたものです。この中の「ナガサキ誓い火」は、昭和六十二年、ギリシャのオリンピア市から贈られた聖火であることをご存じでしょうか。「この火が燃えている間は、全ての戦いは中止された」という古代ギリシャの故事に由来する「火」であります。  港区は、東京二〇二〇大会の開催に向け、この「平和の灯」を、その由来とともにアピールしてみてはどうかと考えます。許されるのであれば、昨年初めて実現し、ことしも区民から期待されているMINATOシティハーフマラソンで聖火として用いるなど、ぜひとも東京二〇二〇大会に向けた行事の中で「平和の灯」を活用していただきたいと思いますが、区長の見解をお伺いいたします。  次に、働き方改革です。長時間労働を是正するため、時間外労働の上限規制の導入や年次有給休暇の確実な取得などを定めた、働き方改革関連法が本年四月から施行されました。働くお一人おひとりがよりよい将来の展望が持てるようにすることを目指す働き方改革は、まさに社会全体で取り組むべき喫緊の課題であると考えております。  港区においても全ての職員が仕事と家庭、プライベートのバランスを図り、健康的に働くことで意欲と能力を十分に発揮し、より質の高い区民サービスを提供することを目的とした、みなとワークスタイル宣言に基づき、職員の超過勤務の縮減や年次有給休暇の取得推進に取り組まれていることは大変意義のあることと考えます。一方、目まぐるしく変化する社会情勢の中、港区に対する区民からのニーズは一層高度なものを求められており、その内容はますます複雑化、多様化しております。このような区民ニーズに今後も応え続けていくためには、職員の皆さんがさまざまな課題に対して迅速かつ的確な対応を行う、時間の確保も重要と考えます。  このような中、本年四月、港区は各部門の共通した業務、いわゆる定型業務の効率化による超過業務の縮減等を目的とした業務サポートセンターを区役所八階に設置しました。ここでは、委託を受けた業務サポートセンターの方が、職員の依頼に応じて文房具等の管理や配送、会議用飲料水の配布等、業務を軽減するさまざまな作業を行っております。先日、私は担当課長と係長の案内で八階の業務サポートセンターを視察しました。そのときは庁内から依頼のあった会議資料の印刷作業が行われていました。この作業時間が職員の超過勤務の縮減、あるいは区民サービスの向上のための時間の確保につながっていると感じました。  区役所において職員が直接行っていた軽作業等のさまざまな業務を集中的に支援する業務サポートセンターの設置は、先進的な取り組みになると考えられますし、業務サポートセンターを積極的に活用することで超過勤務の縮減や業務の効率化を図り、職員による質の高い区民サービス提供のための時間を確保していくことは大変有効であると考えます。業務サポートセンターの導入後の実績と今後の展望について、区長のお考えをお聞かせください。  次に、子どもの安全の確保について伺います。  区は、平成二十九年四月に待機児童緊急対策として保育定員千名の拡大に取り組み、平成三十一年四月までの二年間で千百六十八名の定員を拡大した結果、平成三十一年四月一日現在の区内全体の保育定員は八千四百四十七名、総施設数は百十二園となり、国基準ではありますが、待機児童数ゼロを達成したことは大変喜ばしいことと思います。区は、さらなる定員拡大の取り組みと質の高いと保育サービスを提供していただきたいと考えます。  一方で、区内の保育施設にはビル内の保育園も多く、園庭のない保育園では、保育士さんが園児を近くの公園までお散歩に連れていっております。先月、滋賀県大津市では、衝突された車両が信号待ちしていた園児や保育士に突っ込み、園児二人を含む十六人が死傷する事故が発生したことで、多くの保護者が子どもたちの散歩中の事故について不安を抱えております。  また、先ほども述べましたが、先月、川崎市では、小学生を含む二十人が死傷する、登校中の小学生を狙った殺傷事件が起きました。小学生の保護者からも通学路の安全について不安に思う声が多数上がっております。園児の散歩経路の安全点検、引率者の対策、児童・生徒の通学路の安全点検をはじめ、地域の見守り活動や警備の強化、子どもたち自身が身を守れるようにするための指導、子ども一一〇番などとの連携など、港区としてどのようにして子どもたちの安全を確保していくおつもりなのか、区長の見解をお伺いいたします。  最後に、港区立郷土歴史館について伺います。  昭和十三年に竣工した旧公衆衛生院を改修し、平成三十年、昨年十一月に開館した郷土歴史館は、その重厚な建物や充実した常設展示やコミュニケーションルームなど、魅力的な展示や事業により、来館者も多くなっていると聞いております。旧講堂や旧院長室、中央ホールなど、竣工当初の姿の写真を撮って帰る方も多くいるようで、SNS上でも写真が多く掲載され、コメントが多数寄せられております。  また、郷土歴史館の建物などについてのスタッフのわかりやすい解説や気持ちのよい接客態度、カフェやミュージアムショップに対する評価もSNS上でつぶやかれており、よい評価が得られているように感じました。批判的なコメントが見受けられなかったことにも驚いております。展示スペースにおいては、三田にあった郷土資料館と比べ格段に大きくなっており、開館に向けてさまざまな工夫がなされていると感じました。  現在、開催している空から見た港区では、昭和二十九年から三十一年頃までの航空写真が展示され、撮影したカメラ等の機材の展示やプロジェクターを使用し、昔の街並み写真に、現在の建物など目印となる場所を記したスライドを投影するなど工夫された展示となっておりまして、来館者からの感想をお聞きしますと、とても興味深かったなど、大変喜ばれていると感じております。  さらに、雑誌等の取材でマスメディアからも取り上げられ、都外から来館される方やまち歩きの団体で来館される方がいるなど、さまざまいらっしゃるようです。今後も、港区の魅力や歴史、文化を広く知っていただくため、多くの方に来館していただく工夫が重要だと考えます。  そこで伺いますが、今後もさらに多くの方に来館してもらうための郷土歴史館の来館促進策について、教育長のご見解をお聞かせください。  以上で質問は終わります。ご清聴ありがとうございました。   〔区長(武井雅昭君)登壇〕 ○区長(武井雅昭君) ただいまのみなと政策会議を代表しての杉浦のりお議員のご質問に順次お答えいたします。  最初に、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた区の取り組みについてのお尋ねです。  まず、チケットの購入に関する区のサポート体制についてです。区では、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会が行っている大会チケットの抽せん申し込み方法などを、区ホームページを活用して積極的に周知してまいりました。今後も、秋以降に開始される先着順によるチケット販売や、来年度の春以降に開始される専用窓口でのチケット販売等にかかわる情報を区民に適切なタイミングで提供するとともに、区民からの相談や問い合わせにも丁寧に応じてまいります。  次に、東京二〇二〇オリンピック聖火リレーのランナーの募集に関する周知と区の取り組みについてのお尋ねです。区は、聖火ランナーの募集に関する情報を、区ホームページや広報みなとなどを通じて区民に向け広く周知するとともに、今後、ランナーの通過予定時刻をSNSで告知するなど、沿道の盛り上げ方法について検討してまいります。さらに、聖火ランナーを迎え入れる区立芝公園でのセレブレーションにおいても、区の魅力発信につながるプログラムを取り入れるなど、聖火リレーの検討において、東京都や東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会と積極的に協議をしてまいります。  次に、大会期間中における地域行事への影響の把握と区民への情報提供を実施することについてのお尋ねです。大会期間中は、東京都、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会、警視庁などの関係団体が、広域的な交通規制や安全な大会運営に向けた警備体制を強化する予定です。大会期間中に実施する地域行事については、道路の交通規制や安全確保のための警備員が不足するなどの影響が想定されます。区は、地域行事の実施に係る影響の範囲や規模を把握するために、積極的に情報収集するとともに、地域行事の主催団体に対して、丁寧な情報提供ときめ細かい相談に応じてまいります。  次に、喫煙場所の設置や巡回指導等の対応についてのお尋ねです。お台場海浜公園や新国立競技場など、東京二〇二〇大会の競技会場内が全面的に禁煙となり、会場周辺での路上喫煙等の増加が懸念されます。このことから、区は現在、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会及び東京都との間で喫煙場所の設置など、最寄り駅や会場周辺における受動喫煙対策について協議を進めております。  また、国の内外から港区を訪れる多くの人々にみなとタバコルールを守っていただくため、今後も関係機関と連携し、大会開催に伴う喫煙者の動向等を踏まえた適切な対応ができるよう、巡回指導やルールの周知を強化してまいります。  次に、観光政策についてのお尋ねです。  まず、観光客誘致の取り組みについてです。区は、港区シティプロモーション戦略で、東京二〇二〇大会開催までの期間をプロモーション集中展開期間と定め、国内外へ区の魅力を強力に発信しております。本年四月から区の魅力を体験できるVR動画をSNS等で配信しております。  また、ホテルの客室に配置の「とっておきの港区」は、冊子サイズを縮小し、利用者の携帯性の向上や知人へ渡しやすくするなど、観光客確保へつながる工夫をしております。本年七月には、VR動画の臨場感をより楽しめる専用ゴーグルの製作や夜の観光スポットをまとめた情報誌の作成等に着手し、観光客のさらなる誘致に取り組んでまいります。  次に、緊急時の防災情報の提供についてのお尋ねです。区では、区民はもとより在勤・在学者や来街者にも災害時の情報が正確に伝わるよう多様な伝達手段を整備しております。区ホームページ、ツイッターやフェイスブックなどのSNS、防災アプリは多言語で情報発信しております。また、屋外では、防災行政無線に加え、デジタルサイネージによる情報発信のほか、Wi-Fiの設置により通信環境を整備しております。今後も、ホテルなどに設置している来街者向けパンフレットに区ホームページやSNSの案内を記載するなど、防災情報の入手方法を広く周知し、区にかかわる全ての方が情報を確実に取得できるよう努めてまいります。  次に、危機管理・生活安全についてのお尋ねです。  まず、安全対策の強化についてです。区は、シティハイツ竹芝エレベーター事故の風化を防止するとともに、多くの区民が安全について考え、また安全に対する区の姿勢が今後も不変であることを内外に示すため、昨年三月に、六月三日を港区安全の日と定めました。ことしの港区安全の日には、昨年に引き続き、ご遺族並びに支援者と区との共催により講演会を開催いたしました。さらに、新たにパネル展や区民セミナーの開催、リーフレットの作成・配付など、事故の風化防止に取り組んでおります。  また、区は、川崎市における死傷事件など、子どもの安全・安心を脅かすような事件・事故の発生を受け、警察署をはじめ、関係機関と連携し、情報共有体制を確認するなど緊急対策を実施しております。今後も、区民の安全を最優先とする区の安全に対する姿勢を示し、広く港区安全の日の理念を実現してまいります。  次に、違法薬物の撲滅を目指した区の取り組みについてのお尋ねです。区は、区内警察署及び不動産事業者団体と危険ドラッグの売買等の対策に関する覚書を結び、違法薬物販売店や薬物依存の危険性等の情報を共有し、広報みなと等による幅広い年代に向けた啓発などに活用しております。さらに、東京都薬物乱用防止推進港区協議会と連携した地域行事での啓発活動や、警察等と連携した区立小・中学校での薬物乱用防止教室の実施などにより、子どものころからの意識啓発に取り組んでおります。今後も引き続き、多様な手段による啓発を進め、危険ドラッグを含む違法薬物の撲滅を目指してまいります。  次に、新しいコミュニティの醸成についてのお尋ねです。  まず、港区協働事業活動補助金の実績と今年度の状況についてです。平成三十年度は十二団体から協働事業の申請があり、約四百三十万円交付いたしました。企業などとの協働によるお祭りやもちつき大会、老人クラブとの協働事業「よい子のつどい」では、地域の子どもたちに竹馬などの昔遊びを楽しんでもらうなど、これまでに交流のなかった団体同士の新たな関係づくりを築くことにつながっています。今年度は、現時点で四団体から盆踊りや夏休みラジオ体操などの申請を受け付けたほか、大使館等との協働事業として四団体からの相談を受けております。  次に、港区協働事業活動補助金の周知方法の拡充についてのお尋ねです。区では、広報みなとや区ホームページ等に補助制度を掲載するとともに、町会・自治会の総会や連絡会、昨年十一月に実施した高輪地区の町会への出前講座など、さまざまな機会を捉えて周知を図ってまいりました。今年度は、補助金活用例を掲載したチラシを作成し配布するほか、七月五日の各地区の町会・自治会長の代表による意見交換会で、区の支援策の一つとして紹介する予定です。また、今後、お祭りやイベントなどを実施する際には、この制度を活用した協働事業となるよう、協働の相手先となる近隣町会やNPO、ボランティア組織にもお知らせするなど周知方法の拡充に努めております。  次に、町会・自治会以外のコミュニティへの支援についてのお尋ねです。コミュニティを取り巻く環境が大きく変化する中、地域の課題解決と地域社会の発展のためには、NPOやボランティア組織など、多様な主体の活動が大きな力となります。そのため、区は、町会・自治会への支援をはじめ、多様な主体の公益活動に対し区NPO活動助成などの補助や活動の場として区民協働スペースを提供するなどの支援を行っております。今後も、町会・自治会のみならず、地域コミュニティを支える多様な主体の活動を積極的に支援し、地域社会のコミュニティの醸成に向けて取り組んでまいります。  次に、高輪ゲートウェイ駅周辺まちづくりのこれまでの取り組みについてのお尋ねです。  区は、高輪ゲートウェイ駅周辺まちづくり推進本部を設置して、住居表示、各地区総合支所の管轄区域、区立小・中学校の学区域などの諸課題の早期解決に取り組んでいます。高輪ゲートウェイ駅周辺は車両基地から住宅・商業地域へと大きく変わります。高輪ゲートウェイ駅周辺まちづくり推進本部では、その地域の特性と将来を見据え、周辺地域とのつながりを踏まえた住居表示の再整備案を本年六月に決定し、現在、地域住民や関係行政機関等を構成員とする住居表示協議会において協議を開始しております。新たなまちのスタートである、来年春の高輪ゲートウェイ駅の暫定開業時に、区民生活や商業活動等の社会活動が円滑に行われるよう、引き続き取り組みを進めてまいります。  次に、高齢者施設の整備についてのお尋ねです。  区は、これまで計画的に特別養護老人ホームを八施設、小規模多機能型居宅介護施設を四施設、認知症高齢者グループホームを四施設、整備してまいりました。現在、港区基本計画に計上した特別養護老人ホーム一施設、小規模多機能型居宅介護施設五施設、認知症高齢者グループホーム二施設を整備するほか、いきいきプラザ一施設を整備する計画を進めております。今後の高齢者施設の整備につきましては、高齢者人口及び要介護認定者数の推移や介護予防事業の効果などを踏まえ検討してまいります。  次に、ひきこもりの状態にある家庭への支援についてのお尋ねです。  区では、港区生活・就労支援センターにおいて、ひきこもりの状態にある方についての相談に応じております。港区生活・就労支援センターには、本人の身近にいる方が相談に来られることも多いため、世帯全体の課題として捉え、まず、世帯の状況を丁寧に聞き取るとともに、本人との信頼関係を構築し、世帯の状況に応じ関係機関と連携しながら、本人及びその家族に寄り添った支援を行っております。今後は、港区生活・就労支援センターにおいて、ひきこもりに関する相談、また支援していることを関係機関を含め、広く区民に周知してまいります。  次に、東京二〇二〇大会に向けた行事の中で平和の灯を活用することについてのお尋ねです。  平和の灯を活用することは、区民をはじめとする行事参加者が世界の恒久平和について考える機会となり、東京二〇二〇大会の気運醸成にもつながるものと考えております。区は、「平和の灯」の由来などを区民の皆さんに積極的にお知らせるため、本年十二月一月に開催するMINATOシティハーフマラソンでの活用を予定しております。また、来年七月二十三日に港区立芝公園で実施される聖火リレーのセレブレーションにおいても、「平和の灯」を積極的にPRするなど、「平和の灯」に込められた港区の想いを国内外へ広く発信してまいります。  次に、業務サポートセンターの実績と今後の展望についてのお尋ねです。  本年四月に本庁舎内に設置した業務サポートセンターは、事務用品の配送など十二種類の業務を対象としており、六月中旬まで約四百件の実績があり、年間で約八千四百時間に相当する業務量効率化を見込んでおります。また、コピー用紙等の事務用品を一括して管理することで、従来の保管場所が不要となり、スペースの有効活用にもつながっております。業務サポートセンターの利用を一層促進させるため、利用状況の分析等を踏まえた改善を引き続き図ってまいります。今後も、質の高い区民サービスを提供するための時間確保や超過勤務縮減など、働きやすい職場づくりを推進してまいります。  最後に、子どもの安全の確保についてのお尋ねです。  区は、昨今の子どもが被害に遭う事件・事故を受け、私立を含めた区内の子ども関連施設に対して、散歩経路の安全点検や子どもの安全対策について、緊急調査を行いました。散歩経路の点検結果は、交通安全の観点から区内警察署や道路管理者と情報を共有し、対応してまいります。  また、各施設における安全対策の調査結果を受け、区は急遽、港区危機管理対策検討委員会を区内警察署等から生活安全課長等も招いて開催し、調査結果を共有するとともに、今後、連携して子どもの見守りを強化していくことを確認しました。さらに、子ども一一〇番等の地域の協力者や事業者に対しても、改めて子どもの見守りの協力を呼びかけてまいります。  よろしくご理解のほどお願いいたします。  教育にかかわる問題については、教育長から答弁いたします。   〔教育長(青木康平君)登壇〕 ○教育長(青木康平君) ただいまのみなと政策会議を代表しての杉浦のりお議員のご質問に順次お答えいたします。  最初に、子どもの東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会観戦に向けての取り組みについてのお尋ねです。  これまで、区立の各幼稚園、各小・中学校では、「ボランティアマインド」、「障害者理解」、「スポーツ志向」、「日本人としての自覚と誇り」、「豊かな国際感覚」の五つの資質を軸に、オリンピック・パラリンピック教育に取り組んでまいりました。東京二〇二〇大会はその集大成として、競技観戦することで幼児・児童・生徒が平和を実感し、感動を得る貴重な機会となります。このことから教育委員会では、区立幼稚園の全ての五歳児と区立小・中学校の全児童・生徒が東京二〇二〇大会を観戦することができるよう、東京都教育委員会と協議してまいりました。今後も、子どもたちが年齢、国籍、文化の違いなどを理解し、国際社会への貢献に向け、自己の生き方を探求することができるよう、引き続き五つの資質を軸としたオリンピック・パラリンピック教育の充実に取り組んでまいります。  最後に、港区立郷土歴史館の来館促進策についてのお尋ねです。  郷土歴史館では、常設展に加え、区の歴史をわかりやすく伝える企画展等を定期的に開催するとともに、丁寧な接客と展示等の説明ができる職員が来館者をお迎えしております。また、駅やホテルにもチラシを置いていただき、旅行会社などへの積極的なPRの結果、バスツアーなど、団体での来館も増加しております。来月には特別展開催前から宣伝効果が期待できる前売り券の販売も開始する予定です。今後も、区の歴史をわかりやすく伝える魅力的な展示を計画し、さまざまなメディアや歴史館、ホームページのブログ等を活用した効果的な情報発信を積極的に行ってまいります。  よろしくご理解のほどお願いいたします。 ○副議長(阿部浩子君) 議事の運営上、暫時休憩いたします。                                        午後三時十八分休憩                                        午後三時四十分再開 ○議長(二島豊司君) 休憩前に引き続き、会議を再開いたします。  一般質問を続けます。次に、三十番近藤まさ子議員。   〔三十番(近藤まさ子君)登壇、拍手〕 ○三十番(近藤まさ子君) 港区議会第十九期のスタートである令和元年第二回港区議会定例会にあたり、公明党議員団を代表して、武井区長並びに青木教育長に質問いたします。  質問に入る前に一言申し上げます。昨夜は山形県沖を震源とする強い地震があり、新潟県村上市で震度六強の揺れが観測されました。この地震により、山形県、新潟県、宮城県、石川県の各県で二十人以上の方が重軽傷を負われています。心よりお見舞いを申し上げますとともに、一日も早く日常生活を取り戻されることをお祈り申し上げます。  さて、最近の報道では、虐待、いじめ、無差別殺人、想定外の事故など、国民の誰もが胸をえぐられるような悲惨な事件・事故が相次いでいます。加害者、被害者になる可能性は誰にでもあり得るという認識に立ち、二度と同じような事態を起こさないためにも全世代の人々に焦点を当て、一人ひとりが必要とする支援を受けられる体制づくりが今ほど求められている時代はないと感じています。  港区民に一番身近な政治家として、誰一人取り残さないという強い信念のもと、区民の皆様の生活を支えることが私たち区議会議員の使命です。そして、誰一人取り残さないというのは、二〇三〇年までに貧困や健康、福祉、教育、気候変動など十七のゴールを世界が達成すべきとする国連のSDGsの基本理念でもあります。私たちはこのゴールを目指し、実現を果たすことが港区民の生活にとっても、大変重要であると確信いたします。  さて、公明党は立党より五十五年間、地方議員と国会議員との強力なネットワークで「大衆とともに」という立党精神のもと、人間主義、中道主義を掲げ、大衆福祉の増進に全力で取り組んでおります。  来月七月には参議院議員選挙が予定されておりますが、人口減少、少子高齢化が急激に進む今、全世代型社会保障の構築に向け、国と地方との連携を一層強化してまいります。私たち公明党議員団は、新人一人を含む五人の陣容で港区民の負託に必ずお応えすることをお誓い申し上げ、質問に入ります。  初めに、令和の新時代に向けた今後の区の財政運営についてお伺いいたします。  政府が五月に発表した月例経済報告では、「我が国の経済は緩やかに回復している」としていますが、貿易摩擦による景気への影響や、海外経済の先行きの不確実性、金融資本市場の変動の影響など、これからも留意が必要です。国においては、本年十月から消費税率一〇%への引き上げが行われるとともに、その財源を活用した幼児教育・保育の無償化が実施されます。また、東京都においては、東京二〇二〇大会の成功と、その先の未来に向けたさまざまな取り組みが加速してまいります。  一方、昨年六月の大阪府北部地震や七月の西日本豪雨では甚大な被害が発生いたしました。これからも、私たちの暮らしを脅かす自然災害に加えて、日本の世界に例を見ない速度で進む高齢化など、今後、区を取り巻く状況変化には予断を許すことはできません。こうした急速に変化していく社会情勢を踏まえたとき、迅速に対応し、区の施策展開を支えていくためには、財政というものを常に基軸に据えていくことが重要と考えます。  港区基本計画における区の財政規模は、二〇一八年から二〇二〇年の後期三年間で増額修正され、四千二百四十一億円と示されましたが、さらに増額が見込まれています。また、本年三月に策定した港区人口推計では、毎年五千人程度の増加で、八年後の令和九年には三十万人に達する見込みとなっています。人口増加に伴い特別区民税の増収が確実なものとなっている今、港区は都内、二十三区でも類を見ない磐石な財政基盤を維持しています。  これからは、財政規模を拡大していくだけではなく、それに伴う行政需要への対応が極めて重要であり、区は、区民に最も身近な基礎自治体として、誰もが将来にわたって安全で安心に暮らし続けられるよう、将来課題を先取りした積極的かつ戦略的な政策の展開がますます求められていると思います。  そこで質問は、令和の新時代を迎えた今、今後の財政規模や行政需要を的確に捉え、将来にわたって区民の負託に応えていくため、どのような財政運営を進めていくのか、区長のご見解をお伺いいたします。  次に、子どもを事故や事件から守る安全対策についてお伺いいたします。  幼い子どもが交通事故や凶悪な犯行に巻き込まれるたびに、強い衝撃と深い悲しみに胸が痛みます。  そこで、子どもの命を守る安全対策の強化について二点お伺いいたします。第一点は、交通安全対策の強化についてです。本年五月八日、滋賀県大津市の交差点の歩道で信号待ちをしていた保育園児らの列が、自動車の衝突事故に巻き込まれるという痛ましい事故が発生しました。  私たち公明党議員団は、直ちに武井区長に緊急の要望書を提出いたしました。内容は、通学路や散歩ルートの緊急点検の実施、ガードパイプや園児らが活動する区域を知らせるキッズゾーンの設置、危険箇所の改善が速やかに進むよう、警視庁などの関係機関や幼稚園、保育園、保護者などとの連携強化を図るなど三項目です。  その後も、通学児童の列に車がぶつかる事故も依然として後を絶ちません。子どもの命を交通事故からどう守っていくのか、対策を急ぐと同時に、事故を防ぐための努力を決して怠ってはなりません。  政府は六月十日、保育園や幼稚園の周辺で車の通行規制などをするキッズゾーンを新設する方針を固めたとの報道がありました。また、その際には、国土交通省が蓄積しているETCカード搭載車の走行に関するビッグデータも活用し、危険箇所を特定して交通事故防止対策を進めようとしています。
     港区内でも待機児童解消に向け、年々保育園が増加していますが、その多くが施設外への散歩を日課としています。また、保育園に通わせる保護者からは、送迎の際、周辺の道路にガードパイプや横断歩道の整備、ドライバーに注意喚起するためのキッズゾーンや標識の設置などを求める声が寄せられています。  そこで質問は、区として、保育園などの関係者と保護者や地域住民、警察や関係機関と連携を一層強化し、一体となって、子どもが巻き込まれる交通事故撲滅に向けた総合的な安全対策に早急に取り組むべきと考えますが、区長のご見解をお伺いいたします。  第二点は、凶悪な犯行から子どもを守る対策についてです。五月二十八日、川崎市多摩区の住宅街でスクールバスを待っていた小学生ら十九人が刃物で刺されるという痛ましい死傷事件が発生しました。これまでも、登下校中の児童が被害に遭う事件はありましたが、子どもの命をどう守っていくのか、保護者の不安も高まっていることから、再度、登下校の安全対策の徹底が必要と考えます。中でも通学路で児童が一人になるような死角がないか緊急点検の実施や、今回の事件のように安全な通学手段と言われるスクールバスが狙われた事案に対して、通学バスも学校の一部と捉え、ゲートの設置や、教職員、警察、警察OB、警備会社などの力をかりて児童が集まる場所をパトロールするなどの対策も検討していく必要があると考えます。加えて、登下校のほか、放課後に子どもが集まりやすい公園や児童施設などを集中的に巡回することなど、学校、警察、地域が連携した取り組みも必要と考えます。  そこで質問は、子どもを凶悪な犯行から守るため、子どもを一人にしないこと。また、子どもの集まる場所の見守り体制の強化と、不審者情報を学校と警察が共有するなど、未然防止に向けた対策を講じていくことが必要と考えますが、区の取り組みについてお伺いいたします。  次に、使い捨てプラスチック削減に向けた取り組みについてお伺いいたします。  近年、海洋プラスチック等による環境汚染が世界的課題となっています。フィリピン近海で見つかった鯨は約四十キログラムのプラスチックごみが胃を満たしたことによる餓死。また、アマゾン川流域でもプラスチック汚染が確認され、さらに日本では、観光地である奈良公園で鹿の胃袋に四・三キロの異物が詰まり衰弱死したという大変ショッキングな報道もありました。一人当たりの容器包装廃棄量が世界で二番目に多い日本では、プラスチックのリユース・リデュース・リサイクルの3Rの推進を急がねばなりません。  先月五月中旬には、有害な廃棄物の輸出入を規定するバーゼル条約の締約国会議で、リサイクルに向かないプラスチックごみ、いわゆる廃プラを規制対象に加える改正案が採択されました。日本とノルウェーが共同提案したもので、初の国際的な法規制となります。  また、先週末、軽井沢町で開催されたG20持続可能な成長のためのエネルギー転換と地球環境に関する関係閣僚会合では、国内のレジ袋有料化は来年四月からと明確に打ち出し、海に流れ出す廃プラ削減に向けた国際枠組みの創設なども盛り込んだ共同声明も採択されました。さらに、今月末開催のG20大阪サミットでも海洋プラスチック問題が主要テーマとして取り上げられる予定です。  さて、政府は、本年五月三十一日にプラスチック資源循環戦略を、二〇三五年までに全ての使用済みプラスチックをリユースまたはリサイクルするという数値目標とともに発表いたしました。レジ袋有料化義務化、わかりやすく効果的な分別回収・リサイクルの推進、海洋流出抑制のための回収処理や犯罪行為であるポイ捨て・不法投棄撲滅の徹底などの重点戦略も示され、今後、国を挙げて、また、世界各国を巻き込んで、プラスチック問題への対策を強化していく方向性が示されました。  港区では、平成二十年十月から容器包装のみならず、製品プラスチックも含む全てのプラスチックの資源回収を実施し、区民や事業者の理解を得ながら、プラスチック問題に対する先進的な取り組みを進めてきました。さらに今年度からは、国によるプラスチックとの賢いつき合い方を推進するプラスチック・スマートキャンペーンに参画し、Minato Actionとして、リユース食器や紙ストロー、マイバッグの利用促進のほか、さまざまな機会を捉えた啓発活動の取り組みを開始されたことは大変評価しています。  今日の私たちの生活に深く浸透しているプラスチックの問題は、地球規模で取り組むべき課題であり、一自治体が解決に導くことは困難であると理解していますが、多くの企業や大使館が立地し、国内外からの来街者の多い港区が率先して、この問題、とりわけ使い捨てプラスチック、ワンウェイプラスチックの削減に積極的に取り組むことは大変に意義あることであり、その影響力と発信力は決して小さいものではないと確信しています。  そこで質問は、今年度から開始した「プラスチック・スマート× Minato Action」について、消費者の意識改革を促す啓発活動から、区民、事業者、商店街等の理解と協力を得て、ワンウェイプラスチックの削減を確実に実践できる仕組みづくりにつなげるべきと考えますが、区長のご見解をお伺いいたします。  次に、食品ロス削減に向けた区の取り組みについて、二点お伺いいたします。  第一点は、食品ロスの削減の推進に関する法律、いわゆる食品ロス削減推進法の成立を受けた区の対応についてです。二〇一六年五月に食品ロス削減に向けた国を挙げての取り組みを政府に提言して以来、公明党が超党派の議員連盟において中心的な役割を担い、法整備を主導してきた食品ロス削減推進法が先月五月二十四日、国会で可決成立し、三十一日に公布されました。この法律では、食品ロスの削減を「まだ食べることができる食品が廃棄されないようにするための社会的な取組」と定義し、国や自治体、消費者や事業者が一体となって取り組む「国民運動」と位置づけました。  また、国連が二〇一五年に採択した持続可能な開発目標(SDGs)には、二〇三〇年までに小売・消費レベルにおける世界全体の一人当たりの食料の廃棄を半減させることが掲げられており、食品ロスの削減は、国際的な課題となっています。今後、関係閣僚や有識者らでつくる食品ロス削減推進会議で基本方針が策定され、その方針を踏まえながら、都道府県や区市町村が対策を実施していくことになります。  具体的には、国や自治体は基本的施策として、消費者に対しては、必要量に応じた食品の購入や食品を無駄にしないための自主的な取り組みを促したり、事業者に対しては、国や自治体の施策に協力を求めるほか、フードバンク活動の支援や表彰制度の創設などが盛り込まれています。  この食品ロスの問題に関しては、港区議会では、我が会派が一貫して積極的な取り組みをこれまでも提案してまいりました。その提案も踏まえ、区では、法律に定められた基本的施策を先取りする形で、港区食べきり協力店登録制度の創設、食べきり強化月間の実施、三〇・一〇運動の啓発、フードドライブの設置、子ども向け啓発漫画の制作、さらに教育現場における小冊子の作成など、食品ロスの削減に向けたさまざまな取り組みを積極的に展開していただいております。  その一方で、こうした取り組みの効果を測定する指標として、港区一般廃棄物処理基本計画においては、可燃ごみ中の未利用食品の混入割合の半減が盛り込まれているのみです。今回、食品ロス削減推進法で区市町村食品ロス削減推進計画の策定が努力義務として定められたことを受けて、今後は、より明確な数値目標を設定し、その目標達成に向けて計画的に施策を講じていく必要があると考えます。  そこで質問は、食品ロスを生まないための取り組みとして削減目標を掲げ、効率的・効果的に必要な施策を展開していくために、区独自の食品ロス削減推進計画の策定が必要と考えますが、区長のお考えをお伺いいたします。  第二点は、フードドライブの積極的な展開についてです。食品ロス削減推進法では、国及び地方公共団体が取り組む基本的施策として、未利用食品等を提供するための活動、いわゆるフードバンクの支援が盛り込まれました。区では、従前からイベント開催時に未利用食品を回収する取り組みを実施してきましたが、本年四月二十二日からは、未利用食品をフードバンクに届ける常設のフードドライブの受付窓口を、みなとリサイクル清掃事務所内に設置し、既に五十品目、重量にして約七キログラムの未利用食品を回収したと伺っております。今後、まだ食べられるのに捨てられてしまう食品の回収をより一層強化し、食品ロスの削減につなげていくためには、このフードドライブの取り組みの趣旨や仕組みを丁寧に周知していくほか、区民の身近な場所に窓口を設置することも必要と考えます。  そこで質問は、現在一カ所で開設しているフードドライブの窓口を、各地区総合支所など区内各所に増設することを検討すべきと考えますが、区長のご見解をお伺いいたします。  次に、幼児教育・保育の無償化に伴う区の子育て支援についてお伺いいたします。  国では先月五月、幼児教育・保育を無償化する改正子ども・子育て支援法が成立、幼児教育・保育の無償化が、本年十月より実施されることになりました。幼児教育・保育の無償化は、公明党が二〇〇六年に発表した少子社会トータルプランにも掲げ、長年その実現に取り組んできました。無償化の実現は、子どもたちの未来を開くため、また、親の経済格差による貧困の連鎖を断ち切り、教育格差をなくすことを目指すものであり、日本の教育施策において大きな前進であると言っても過言ではありません。  区は、これまでも子育て環境の充実を目指し、中でも保育園待機児童解消に向けて、保育定員の拡大に全力で取り組まれた結果、四月一日現在で待機児童ゼロが実現したことは高く評価しています。しかし、今回の無償化の実施により、入園希望者の増加も十分予測されます。  そこで初めに、幼児教育・保育の無償化と待機児童対策、保育の質の向上と保育士の確保を同時に進めていくことが極めて重要と考えますが、全ての子どもが良質な保育・教育を受けられる体制をどのように整えていくのか、区長のご見解をお伺いいたします。  また、今回実施される無償化の財源としては、本年十月に予定されている消費税率一〇%への引き上げに伴う増収分とし、保護者の所得にかかわらず、三歳から五歳児の全ての子どもを対象としていますが、ゼロ歳から二歳児については住民税非課税世帯を対象として進められることになっています。  そこで東京都は、都議会公明党の主張により、多子世帯に係る要件を緩和し、都独自の支援策として、収入や第一子の年齢にかかわらず、第二子の保育料は半額、第三子以降の保育料は無償とすることを、幼児教育・保育無償化の開始時期に合わせ、十月から実施するとしています。  一方、現在の港区の保育料は、在園中の第一子がいる場合、第二子以降の保育料は無料となっていますが、第一子が小学生以上の場合は適用されません。  そこで質問は、国の幼児教育・保育の無償化や、都独自の保育料にかかわる支援策の実施内容を十分踏まえながら、区として、第二子以降の保育料については、要件を緩和し、第一子の年齢にかかわらず無償化に踏み切るべきと考えますが、区長のご見解をお伺いいたします。  次に、私立幼稚園の保育料への対応についてです。幼稚園の保育料についても、本年十月からの幼児教育・保育無償化により、公立幼稚園児の全世帯で無料になります。私立幼稚園については、子ども・子育て支援新制度移行園は公立幼稚園同様に保育料無料となりますが、未移行園については、月二万五千七百円を上限に無償化されます。区内の私立幼稚園は全て新制度未移行園となりますが、これまで区は、私立幼稚園就園奨励費補助金と私立幼稚園等園児保護者に対する補助金を私立幼稚園通園児保護者に支給することで、その負担軽減と公私立保育料格差是正に取り組んできました。  私立幼稚園は、区内の幼児教育振興に大きく貢献しているだけでなく、新たな幼稚園の建設用地を確保することが困難な港区において、区立とあわせた幼稚園の選択肢を増やす重要な役割も担っています。区内私立幼稚園に通っている区内在住の園児は、本年五月一日時点で千四百六十三人、うち三歳児は四百八十七人です。今年度の区立幼稚園の三歳児クラスの入園にあたり、全十二園のうち六園で抽せんが行われたことを考えると、私立幼稚園の受け皿としての役割の大きさが認識できます。したがいまして、財源の問題はあるものの、本年十月以降も現在と同程度の補助金を支給すべきと考えます。さらに、世帯の所得に関係なく保育料を無償化する新制度の趣旨を踏まえ、補助にあたっての所得の制限を極力撤廃することが望ましいとも考えます。  そこで質問は、幼児教育・保育無償化後の私立幼稚園の保育料負担軽減に、区としてどのように取り組まれるのか、青木教育長のご見解をお伺いいたします。  次に、社会参加に困難さを抱えている方、そして、そのご家族に向けた相談窓口の周知、実効性ある支援体制の強化についてお伺いいたします。  内閣府では公明党の提案を受け、昨年十二月、初めて中高年層を対象にしたひきこもりの調査を行い、本年三月末に結果を公表しました。四十歳から六十四歳の中高年のひきこもりは推計約六十一万人に上り、十五歳から三十九歳の推計五十四万人を上回りました。また、七割以上が男性で、ひきこもりの期間は七年以上が半数を占めていました。ひきこもりの高齢化、長期化が鮮明になっていることから、八十代の親が五十代の子どもの生活を支えるという八〇五〇問題、さらに十年後の九〇六〇問題の課題解決のためにも、早期の相談・支援体制の構築が必要です。  東京都では東京都ひきこもりサポートネットが、電話、メール、家庭への訪問により、ひきこもりで悩む本人、家族等からの相談を受け付けています。この中で、訪問相談については、これまで、義務教育終了後の十五歳からおおむね三十四歳までの方を対象としていましたが、今月六月三日から年齢制限の上限を撤廃し、新たに三十五歳以上の方の支援も開始となりました。この訪問相談についての受付窓口は各区市町村となっており、港区では、これまで子ども家庭課で行っていましたが、今月から対象年齢が上がったことで、港区生活・就労支援センターが窓口となりました。  子ども家庭課に、昨年度までのサポートネットにつなげた件数を伺ったところ、年に一人いるかいないかとのことでした。周知に問題がなかったでしょうか。また、サポートネットの訪問は五回までで、その後の対応は港区に引き継がれることになっています。したがいまして、港区としては、ただ窓口としてサポートネットにつなげるだけではなく、幅広い年齢層が対象となることから、状況を丁寧にお聞きし、東京都だけでなく区内各部署、各関係機関との連携も必要になると考えます。  昨年改正された生活困窮者自立支援法では、他者との接触がほとんどない社会的孤立も明示し、孤立している人は、病気、失業などの問題が起きると一気に困窮状態に陥りかねないため、早期の予防的な支援を行う方針を打ち出しています。そして、自治体の福祉、就労などの各部局が支援制度を利用するよう勧める努力義務を創設、また、福祉や教育を含む関係機関が困窮者の情報を共有する支援会議の法定化という具体策も示しました。  川崎市多摩区登戸の二十人殺傷事件や練馬区の長男殺害事件を通じて、ひきこもりイコール犯罪者予備軍のような報道がなされていることに大変残念な思いをしています。問題を抱えているにもかかわらず、孤立させてしまっているご家族全体を支援するという認識に立ち、丁寧で的確な支援の充実という観点が必要と考えます。また、このたびの一連の報道で相談先を紹介したことで、通常の二十倍の電話での相談があったとの報告もありました。東京都ひきこもりサポートネットでは、対面相談が難しい方には、電話やメールによる相談も受け付けていることについての周知も必要と考えます。  そこで質問は、社会参加に困難さを抱えている方、そしてそのご家族に向けた相談窓口の周知、支援体制の強化について、区長のご見解をお伺いいたします。  次に、生活困窮世帯に対する食料支援についてお伺いいたします。  平成三十一年四月一日施行の生活保護実施要領等において、生活保護受給者がフードバンク等の食料支援を受けた場合の収入認定に関する考え方が明確化されました。これまでは、仕送り、贈与等による主食、野菜や魚介は、金銭に換算した額を収入として認定するとされていたことから、生活保護受給者の中には、フードバンク等を利用したくても、収入と認定されるのを恐れて、その利用をためらうケースもありました。しかし、今回の実施要領等により、社会事業団体その他が運営する子ども食堂において食事の提供を受けた場合や、フードバンクから食料の提供を受けた場合、原則、収入として認定しないこととして差し支えないことが明確になりました。  生活保護費には、健康で文化的な最低限度の生活を営むための食料購入費用が含まれており、それに不足が生じる場合、受給者の家計管理に原因があることも少なくありません。したがいまして、生活保護世帯のフードバンク等の利用は抑制的であるべきですが、今回の実施要領等の変更の趣旨を踏まえ、特に子どものいる世帯においては、受給者である親の家計管理等の問題で世帯の食料の不足が生じないような取り組みが必要であると考えます。  本年五月二十四日に成立した食品ロス削減推進法では、企業から食品を集めてフードバンク活動を後押しすることなどが盛り込まれており、生活困窮世帯の食料支援が今後一層広がることが期待されています。  また、港区でも、本年四月からみなとリサイクル清掃事務所において、常設のフードドライブ窓口が設置され、集められた未使用食品などをフードバンク事業者を通じて、必要とする福祉施設や家庭等に届ける事業が開始されました。これまで、生活困窮世帯の生活支援については、港区が委託している港区生活・就労支援センターが担ってきましたが、以上のようなフードバンク活動の広がりも踏まえ、同センターとフードバンク事業者との連携についても、より一層の推進が必要と考えます。  そこで質問は、生活困窮世帯に対する食料支援について、区として今後どのように取り組まれるのか、武井区長のご見解をお伺いいたします。  次に、がん検診についてお伺いいたします。  二〇一八年三月に閣議決定したがん対策推進基本計画では、生涯に二人に一人ががんに罹患すると推計されており、国民の生命と健康、生活を守るため、がん対策は重要な課題となっています。がん罹患者は年々増加し、国はがん対策の全体目標として、一、がん予防、二、がん医療の充実、三、がんとの共生、この三つの柱を掲げています。  国立がん研究センターによると、二〇一七年にがんで死亡した人は三十七万人余りであり、死亡者が一番多いのは肺がんで、男性の一位、女性の二位と報告されています。  国も東京二〇二〇大会を見据え、二〇一八年七月には受動喫煙防止対策を盛り込んだ「改正健康増進法」を成立させるなど、肺がん対策に向けた整備が進んでいます。肺がんの二〇〇八・二〇〇九年の五年生存率は、ステージⅠでは八一・三%ですが、ステージⅢで二一・七%に、Ⅳでは四・八%と急激に下がってしまいます。しかし、症状の出ないうちに早期発見、早期治療を行えば、約八割が治る病気であることから、検診の受診率向上が大変重要になります。  港区の肺がん検診の受診率は三一%で、二十三区では中央区に次いで三位であり、都心区は比較的高くなっています。国のがん対策推進基本計画で設定されている、がん検診の目標受診率五〇%の達成まで、もう少しのところまで来ています。これは港区がん対策推進アクションプランの制定、そのプランに基づいてのイベント開催、周知・啓発活動、また、対象者全員に対して個別の受診券を発送するといった個別検診の勧奨などによる地道な成果であると高く評価しています。  今後はさらに、関心がない、受けるのが面倒である、病気が見つかるのが怖いなど、未受診の理由をタイプ別に分けて、検診はがん克服に有用であるとの意識向上のアプローチを丁寧に行っていくべきと考えます。例えば、わかりやすく具体的な受診に向けて、かかりつけ医からの勧奨や、医師会と連携して検診の予約を行いやすくする工夫、検診のコール・リコールでの個々の内容に応じた電話相談体制、小・中学生のがん教育や、港区立がん在宅緩和ケア支援センター「ういケアみなと」の社会科見学を通じて、がん検診は受けるのが当たり前のことであるとの意識を家庭に広げることなど、きめ細やかな対応が望まれます。  さらに、申し込み方法についても、受けたい検診を選ぶ従来の方法から、せめて、特定健診を受信する方にはがん検診をセットにすることによって、逆に受けたくない検診を選択するオプトアウト方式とすることで、より受診率向上の可能性を広げることができるのではないでしょうか。  そこで質問は、死亡率の高い肺がんなどの検診申し込みにおいてオプトアウト方式を取り入れることについて、区長のご見解をお伺いいたします。  次に、草の根の文化活動支援による東京二〇二〇大会の気運醸成についてお伺いいたします。  オリンピック憲章には、スポーツ競技大会のみならず文化プログラムの実施が明確にうたわれており、文化プログラムの成否は、大会そのものの成否が問われるほど重要な位置づけにあります。しかしながら、東京都が実施した平成二十九年度の都民世論調査では、文化プログラムに対する認知度はわずか三割程度にとどまっており、一層の文化振興を図らなければならない状況は、現在も変わっていないと感じています。  この文化プログラムの成功例と言われるのが二〇一二年のロンドンオリンピック・パラリンピック競技大会で、四年間に音楽や演劇、美術など国内で約十一万七千件が実施され、参加者は約四千三百四十万人に上りました。その評価報告書では、文化施設や芸術機関、市町村に加え、小・中学校、高校、大学、図書館、子どもセンター、教会、ホスピス、テニスクラブ、ランニングクラブ、温泉ガイドなど多種多様な団体が名を連ねており、文化プログラムが、専門的な芸術機関から草の根の市民団体まで、極めて幅広い組織や団体によって支えられたことがわかります。文化プログラムの成功のためには、国際的にも通用する芸術性の高いものと草の根の参加型のものの両方の気運醸成が重要と考えます。  東京都は、文化プログラムを「Tokyo Tokyo FESTIVAL」と銘打ってさまざまな事業を展開しており、市民団体の助成としては市民創造文化活動支援を実施しています。しかしながら、対象は、単一の市区町村内にとどまらない、より広域からの参加が見込まれる大規模活動などが対象となっており、真の意味での草の根の文化活動支援とは呼べないように思います。  港区ではこれまで、港区ならではの文化プログラムを展開するため、区内で行われる文化芸術事業及びその主催団体を一定期間指定し、事業に係る経費の一部を負担するとともに、区と団体が連携する港区文化プログラム連携事業などを通じて、東京二〇二〇大会に向けた気運醸成、さらにはレガシー創出に取り組まれてきたことは高く評価しています。  今年度からは、東京二〇二〇大会の気運醸成を図る東京二〇二〇応援プログラム推進事業の募集期間を分ける等することで、より多くの地域の草の根の団体が公演や展示、アートプロジェクトなど、文化活動の助成が受けやすくなりました。大会まで一年余りとなり、オール区民で日本文化の魅力を積極的に発信することが、いよいよ求められる時期となったと言えます。地域の有志による東京五輪音頭|二〇二〇|の練習風景も見られるようになり、こうした小規模な草の根の団体にも東京二〇二〇応援プログラムのような必要な助成が行き渡り、区として一層の東京大会の気運醸成に取り組んでいただきたいと思います。  そこで質問は、草の根の文化活動支援による東京二〇二〇大会の気運醸成の推進について、区としてどのように取り組まれるのか、区長のご見解をお伺いいたします。  次に、中小企業の消費税率引き上げに伴う国の支援策の周知・啓発を促すための方策についてお伺いいたします。  本年十月からの消費税率一〇%への引き上げと同時に、さまざまな国の新制度が実施されます。その一つが、公明党が提案した軽減税率で、酒類と外食を除く飲食料品などの税率を八%に据え置き、国民の痛税感を和らげます。他方、軽減税率が導入されると、小売店などは複数税率に対応したレジを導入したり、業務管理システムの変更を余儀なくされます。  そこで国は、複数税率対応レジの導入に対する補助金を、本年一月から大幅に拡充し、例えば一台当たり二十万円を上限に補助率を三分の二から四分の三に引き上げ、三万円未満のレジについては、補助率を四分の三から五分の四に引き上げています。受発注システムの改修についても補助率は四分の三で、発注システムの上限は一千万円、受注システムは百五十万円まで補助されます。さらに、請求書管理システムの改修も補助金の対象に追加されました。  また、消費税率引き上げに伴う需要の平準化対策として、キャッシュレス決済で買い物をした際に、消費者に原則五%のポイント還元が受けられる制度が始まります。ポイント還元制度は、大手店舗と価格で競うことが難しい中小・小規模店舗の消費喚起を後押しするのが最大の目的です。期間は、本年十月から令和二年六月までの九カ月間で、実施にあたっては、中小・小規模店舗の負担軽減策も同時に行われます。  具体的には、決済端末の導入費用について、国が三分の二を、ポイント還元を採用する決済事業者が残り三分の一を負担するため、店舗側は自己負担なしで端末の導入が可能となります。こうした支援策の周知は、第一義的には国の責任で実施すべきですが、特に区内の零細・小規模店舗において、こうした制度変更への対応がほとんどできていないのが現状です。消費税率引き上げ直前に準備が集中すれば混乱も予想されることから、補助金を積極的に活用した早目の対応が重要です。したがいまして、区が行っている訪問相談等において中小企業へ出向いた際に、軽減税率対策補助金など前述の支援策の説明を区としても積極的に行い、対応を促進すべきではないでしょうか。  そこで質問は、区内中小企業の、消費税引き上げに伴う国の支援策の周知・啓発を促すための方策について、武井区長のご見解をお伺いいたします。  次に、空き家等の対策についてお伺いいたします。  人々が集まり、魅力ある情報が発信される港区には、都心区の中においても、人々を引きつけるブランド力があふれています。区内のそれぞれのまちは、さらに洗練された発展を目指し、より一層の安全・安心と暮らしやすさの追求のため、各所で市街地再開発が進み、まちは常に変化をしていきます。しかし、そのはざまで時折、適切な管理が行われていない空き家や空き地などが、忘れ去られたかのように荒廃した姿のままで、時間を過ごしているのを見ることがあります。  このような空き家、空き地は、防火・防災上大変危険であり、また、景観上も好ましくなく、さらにごみの不法投棄場所になってしまうなど、地域住民の生活環境に不安と深刻な影響を及ぼしています。地域住民の生命・身体・財産の保護、生活環境の保全、また、物件そのものの活用のために適切な措置が必要と考えます。  その対策として、平成二十七年五月には空家等対策の推進に関する特別措置法が施行され、地域の実情に応じた空き家等に関する対策の主体としての行政からの助言、指導または勧告、そして特定空き家に指定されることにより、固定資産税の住宅用地特例対象からの除外といった非常に厳しい措置が可能となり、最終的には命令や行政代執行につながる流れが確立されています。  特定空き家については、その物的状況や悪影響の程度、危険等の切迫性等を総合的に判断し、対応を選択する必要があります。また、行政代執行までは幾つものステップと年月がかかり、長年放置されることから、保安上においても地域の不安が高まります。所有者や管理者が対応に苦慮している場合、例えば相続により所有者が複数にまたがるケースや高齢化により判断や実行性が伴わないなど、所有者間での調整や決定に時間を要することもあると思います。  また、所有権や相続人が特定できないケースの管理は家庭裁判所より選任された不在者財産管理人となり、より手続きに時間がかかることにもなります。荒廃した空き家や空き地に隣接する地域の町会の方々などには、区として、現在どのような対応を行っているのか、経過措置を、都度、丁寧にお伝えしていくことが不安の払拭と行政への信頼につながるものと考えます。さらに、各地区総合支所においては、現場への不法投棄の防止や、みなとタバコルールの注意喚起表示の設置などを所有者と連携して行うなど、きめ細やかな対応も必要です。  そこで質問は、港区は都心区ということもあり、都内でも空き家は少ないと感じますが、一方で荒廃した空き家の存在は大変に目立ちます。この空家等対策の推進に関する特別措置法施行後、区として法律を活用した事例、今後の対応について、区長のご見解をお伺いいたします。  最後に、自転車駐車場の整備についてお伺いいたします。  自転車は環境に優しく、誰もが手軽な移動手段として、利用者が年々増加しています。その一方で、駅周辺では十分な駐輪スペースが確保できず、通勤による放置自転車も増えてしまうという課題もありました。その解決策の一つとして、近年、自転車シェアリングが普及してきており、違法駐輪対策として一定の成果を上げています。自転車シェアリングの大きなメリットとしては、環境にも優しく、利用者のコスト負担も低く済むと同時に、利用後は指定された最寄りのポートに置いていくことができることです。特に、港区内においてはタワーマンションが年々増加していく中、世帯数と比例した数の駐車スペースが確保できないといった課題に対して、これからもポートの設置箇所を増やすことで、こうした課題解決にもつながっていくものと考えます。  一方、最近では電動アシスト自転車も増えており、重量が重いことから、二段式ラック型の駐輪場では上段に置く場合、困難が伴います。また、子育て世代ではチャイルドシート付自転車の利用者も多く、機械式の駐輪場にタイヤの幅や自転車のサイズが規格に合わず利用することができません。  そこで質問は、令和五年に開設が予定されている一の橋公園自転車駐車場をはじめ、今後、新たに整備する自転車駐車場については、電動アシスト自転車やチャイルドシート付自転車などの駐車スペースの確保とともに、機械式への利用が可能となるようメーカー側と十分協議し、子育て世代にも優しい自転車駐車場の整備を進めていく必要があると考えますが、区長のご見解をお伺いいたします。  また、五月現在、自転車シェアリングは千七百十台、百五カ所のポートが設置されていますが、区は今後、三百メートル間隔で合計百七十カ所のポートの設置を目標としています。  現在、区内十一カ所に設置されている港区立自転車駐車場の稼働率の状況を見てみると、こうなん星の公園自転車駐車場に限っては、当初八二%台あったところ、年々稼働率が下がっており、平成三十年度では六〇%台となっています。こうした背景には、自転車シェアリングの利用者が増えていることも要因の一つとして考えられます。  そこで質問は、区民が使用する自転車の種類の実態を踏まえ、既存の機械式の自転車駐車場についても空きスペースを有効に活用していくため、電動アシスト自転車やチャイルドシート付自転車が利用可能となるよう再整備を進めていく必要があると考えますが、区長のご見解をお伺いいたします。  以上で質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。   〔区長(武井雅昭君)登壇〕 ○区長(武井雅昭君) ただいまの公明党議員団を代表しての近藤まさ子議員のご質問に順次お答えいたします。  最初に、令和の新時代に向けた今後の区の財政運営についてのお尋ねです。  区は、今後の人口増加に伴う子どもや高齢者、障害者福祉、災害対策など各分野で想定される行政需要に的確に対応し、港区ならではの質の高い行政サービスを安定的に提供していく必要があります。歳入の根幹をなす特別区民税は、人口増加に伴い堅調に推移すると見込んでおりますが、国の税制改正や社会経済情勢の影響を受けやすく、不安定な構造のため、状況を見極め、税収を適切に見積もるとともに、区有財産の貸し付けなど戦略的な自主財源の確保を進めます。  また、歳出においては、施設更新経費の削減・平準化や、AIの活用による業務効率化など、これまで以上に不断の内部努力を徹底し、磐石な財政基盤を堅持し、時代の変化に応じて柔軟なサービス提供ができる財政運営を進めてまいります。  次に、子どもの安全対策についてのお尋ねです。  まず、交通事故から子どもを守る総合的な安全対策についてです。区は、滋賀県大津市で発生した痛ましい事故を受け、直ちに区内の全ての公私立保育園及び区立幼稚園について、散歩経路や園外保育経路等の緊急安全点検を実施いたしました。点検では、交通量が多い道路でガードレールが設置されていない箇所や、園児が散歩時に渡るには青信号の時間が短い横断歩道があることなどがわかりました。区は急遽、港区危機管理対策検討委員会を開催し、区内警察署等と点検結果を共有するなど、子どもの安全確保に向けた改善策について協議を始めております。  次に、凶悪な犯行から子どもを守る対策についてのお尋ねです。区では、川崎市での痛ましい事件を受け、私立を含めた区内の子ども関連施設の管理者に対し、安全対策の現状と課題等について緊急調査を行いました。その調査結果を警察署等と共有するとともに、今後の子どもの安全対策の方針について確認いたしました。今後、区は不審者情報に加え、子どもの集まる場所や青色防犯パトロールの巡回計画等について、学校や警察等関係機関と情報共有し、緊密に連携して見守り体制を強化することにより、子どもの安全・安心の確保に全力で取り組んでまいります。  次に、使い捨てプラスチック削減に向けた仕組みづくりについてのお尋ねです。  今年度、区では新たな取り組みである「プラスチック・スマート× Minato Action」を開始し、講演会やセミナー等を通じた海洋プラスチックごみの啓発、リユース食器や紙ストロー、マイバックの利用促進によるプラスチックごみの発生抑制、古川沿道の清掃によるプラスチック類の海洋流出の防止などに取り組んでおります。今後は、こうした区の取り組みを周知し、区民、事業者、商店街などが、それぞれ問題意識を持って、主体的に使い捨てプラスチック削減に取り組むことができる仕組みを検討してまいります。  次に、食品ロス削減に向けた取り組みについてのお尋ねです。  まず、食品ロス削減推進計画の策定についてです。区は今年度、食品ロスに関する区民意識調査を実施し、これまでの区の取り組みの成果を検証するとともに、必要な施策を検討するために活用する予定です。こうしたデータや、家庭や事業所から排出される厨芥ごみの実態調査の結果などをもとに、今後示される国の基本方針、また、港区一般廃棄物処理基本計画での位置づけなどにも留意しながら、食品ロス削減推進計画の策定に向けた準備を進めてまいります。  次に、フードドライブ窓口の増設についてのお尋ねです。みなとリサイクル清掃事務所のフードドライブ常設窓口や、エコライフフェアでの臨時窓口には、多くの未利用食品が寄せられ、区は、NPO法人のフードバンクを通じて、必要とする方々に食品をお届けしています。現在、こうした区の取り組みについての認知度をさらに高めるため、広報みなとや区ホームページに加え、区内施設にチラシを配置し、周知を強化しております。未利用食品の提供を通じて食品ロスの削減に協力したいという方々の気持ちに応え、より身近な場所で未利用食品の回収が可能となるよう、各地区総合支所等でのフードドライブ窓口の増設を検討してまいります。  次に、幼児教育・保育無償化に伴う区の子育て支援についてのお尋ねです。  まず、全ての子どもが良質な保育・教育を受けられる体制についてです。区では、経験や知識が豊富な人材の確保が保育の質の向上に必要であると考えることから、私立認可保育園等に対し、保育士の確保、定着に向けた保育従事職員の宿舎借り上げの補助などを行っております。また、私立認可保育園等に対し、経験豊富な区の保育士が定期的に巡回指導を行うとともに、保育技術の向上に向けてさまざまな研修を実施しております。今後も、保育定員の拡大とあわせて、区内全ての保育施設の質の向上に向けた取り組みを積極的に推進してまいります。  次に、第二子以降の保育料の無償化についてのお尋ねです。東京都は本年十月から、保育園保育料の多子世帯への負担軽減策として、兄や姉の年齢にかかわらず、二歳児クラスまでの児童の保育料の負担を軽減するとしております。今後、東京都の動向を注視しながら、区がこれまで実施している独自の負担軽減策を踏まえた、港区ならではの多子世帯への負担軽減策について検討してまいります。  次に、社会参加に困難さを抱えている方などへの支援体制の強化についてのお尋ねです。  平成三十年十月に施行された改正生活困窮者自立支援法に基づき、平成三十一年、本年四月に関係部署及び社会福祉協議会、民生委員・児童委員協議会、公共職業安定所を構成員とする港区生活困窮者支援会議を設置いたしました。支援会議では、構成員に守秘義務を課すことで、今まで以上に緊密な関係機関等との間で情報を共有し、速やかな支援に結びつけております。今後も、広報みなとやホームページ等でセンター事業の周知に努めるとともに、関係機関等と連携を強化し、相談者に寄り添った支援をしてまいります。  次に、生活困窮世帯に対する食品支援についてのお尋ねです。
     区では、本年四月から、家庭で余っている食品を集め、食品を必要としている人に福祉団体等を通じて寄付するフードドライブ事業を実施しております。この事業を生活困窮世帯への食品支援に活用することにつきましては、四月から始めたこの事業の現状を調査し、研究してまいります。  次に、検診申し込み時にオプトアウト方式を取り入れることについてのお尋ねです。  オプトアウト方式は、特定健診の際にがん検診も同時に受診できる仕組みであり、受診者の利便性の向上が期待されます。一方、現状では、オプトアウト方式で同時受診できるがん検診の種類は、大半の医療機関において肺がんや大腸がん検診など一部に限られているため、オプトアウト方式を導入した効果的な検診の実施方法については、引き続き検討が必要と考えております。今後は、港区医師会と連携し、特定健康診査や基本健康診査の受診の際に、がん検診の受診勧奨を行うなど、さらなるがん検診の受診率の向上に向けて取り組んでまいります。  次に、地域の文化活動団体が行う東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会の気運醸成の取り組みに対する支援についてのお尋ねです。  区は、文化活動の内容や規模にかかわらず、区内各地で大会開催に向けた気運醸成事業を実施する多くの団体を支援するため、平成二十九年度から、港区東京二〇二〇応援プログラム推進助成事業を開始しました。本年五月末現在、ラジオ体操や外国人に向けた琴の演奏会など、延べ四十七団体に対し支援してまいりました。より多くの団体に本事業を利用していただくため、今月末を予定していました申請期限を本年十二月末まで延長するとともに、支援を必要とする皆さんに助成事業の情報が行き届くよう、さらなる周知に努めてまいります。  次に、中小企業の消費税引き上げに伴う国の支援策の周知・啓発についてのお尋ねです。  国は、消費税引き上げに伴い、キャッシュレス決済端末の導入費用等の助成を行っています。区は、国の周知にあわせ、「MINATOあらかると」や中小企業応援情報誌「こうりゅう」を通じて周知してまいりました。加えて、中小企業診断士による企業巡回を通じて、専門的な見地から国の支援策を含めたアドバイスを行っております。巡回時に伺った意見を踏まえ、本年八月には、キャッシュレス決済についてのセミナーや個別相談会の実施を予定しております。今後も、消費税が引き上げられる十月一日に向け、関係団体の会合等で直接、働きかけながら積極的に周知・啓発してまいります。  次に、空き家等の対策についてのお尋ねです。  区民からの情報提供により、所有者が特定できない空き家について、区は、空き家等対策の推進に関する特別措置法により、新たに取得可能となった固定資産税情報を活用し、これまで三件、所有者を特定することができました。これらの所有者に対して適切な維持管理をしていただくよう求めているところです。  地域の皆さんから空き家に関する情報が寄せられた場合には、引き続き、本特別措置法を活用し、関係部署が連携して、適切に対応いたします。また、当該地域の町会をはじめ、区内の各町会などに対しては、区の対応状況について、情報提供に努めてまいります。  次に、自転車駐車場の整備についてのお尋ねです。  まず、子育て世代に優しい自転車駐車場の整備についてです。自転車の利用状況は、通勤前の子育て施設への送迎を目的とした電動アシスト自転車やチャイルドシート付自転車など、サイズの大きい自転車の利用が多くなっています。新たに整備予定の(仮称)芝公園駅自転車駐車場と(仮称)一の橋公園自転車駐車場では、大型自転車に対応した駐車スペースを確保し、子育て世代の利用に配慮してまいります。  最後に、チャイルドシート付自転車等に対応した自転車駐車場の再整備についてのお尋ねです。これまで区が整備した機械式自転車駐車場の四カ所、十基、二千四十台については、チャイルドシート付自転車等の大型自転車が規格外のため、利用できませんでした。現在は、製造メーカーの技術向上により、既存の機械式自転車駐車場についても改良が可能となりました。今後、区民の利用実態を把握し、自転車駐車場の稼働率と利用状況を考慮しながら、大型自転車が利用できるよう再整備を検討してまいります。  よろしくご理解のほどお願いいたします。  教育にかかわる問題については、教育長から答弁いたします。   〔教育長(青木康平君)登壇〕 ○教育長(青木康平君) ただいまの公明党議員団を代表しての近藤まさ子議員のご質問にお答えいたします。  幼児教育・保育無償化における私立幼稚園保育料への対応についてのお尋ねです。  幼児教育・保育無償化にあたりましては、保護者が公立・私立を問わず、幅広く幼稚園を選択できるようにする区のこれまでの考え方を踏まえ、国の補助に加えて、区独自の保育料負担軽減策について、現在、検討を進めております。今後も、私立幼稚園と十分に協議し、保護者の経済的負担の軽減を図ることにより、全ての子どもが質の高い幼児教育を受けられるよう取り組んでまいります。  よろしくご理解のほどお願いいたします。             ─────────────────────────── ○議長(二島豊司君) お諮りいたします。議事の運営上、あらかじめ時間を延長いたしたいと思いますが、ご異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(二島豊司君) ご異議なきものと認め、時間は延長されました。             ─────────────────────────── ○議長(二島豊司君) 次に、二十六番榎本茂議員。   〔二十六番(榎本 茂君)登壇、拍手〕 ○二十六番(榎本茂君) 令和元年第二回港区議会定例会において、都民ファーストと日本維新の会を代表しまして、区長に質問させていただきます。  質問に先立ちまして、五月一月、天皇陛下におかせられましては、ご即位なされましたこと、心よりお祝い申し上げます。  激動の平成が幕を閉じ、令和の新時代を迎えました。令和の時代には幾つもの大きな宿題が残されております。日本は、人口減少、少子高齢化、日本経済の長期低迷と国際的地位の低下、国の財政負担の将来への先送り、そして平成の時代に頻発した自然災害への対応、課題満載の船出です。  しかし、港区においては、豊かな財政に支えられて、多くの子どもが生まれ、人口が増大し、年齢人口構成も労働人口の層が厚いなど、日本が抱える危機感を感じることはありません。それゆえに港区が、日本の理想都市、新時代の牽引役にならねばならないと思っております。  最初に、港区としての湾岸都市計画の未来ビジョンについて区長に伺います。  レインボーブリッジもまだなかった頃、港区の対岸は広大な埋立地でした。子どもの頃、船の科学館だけがぽつんと建っていたことを記憶しています。一九九五年、広大な埋立地に東京都が計画していた世界都市博覧会の中止を訴えて青島都知事は当選しました。そして一九九九年、石原慎太郎が都知事選に立候補したとき、埋立地に飛行場をつくり、YS11の後継機の開発を行いたいと話していたのを今でも覚えております。  都は長い間、広大な埋立地を持て余し、湾岸都市計画の未来ビジョンを描き切れていませんでした。ビーナスフォートなどがあるパレットタウンも、リーマンショックの影響で十年の定期借地が延長され、豊洲の新市場移転は土壌汚染問題で大紛糾し、晴海は東京オリンピックの選手村として利用することを前提に大規模なマンション開発を行ったものの、交通問題を先送りにしたままという見切り発車です。  東京の臨海部は、都市計画の未来ビジョンを描き切れないまま、場当たり的な開発の連続で迷走を続けながら、開発されてきたように思います。そして、台場、有明、青海、豊洲、晴海と開発が終わった今、開発の手は、私たち港区の沿岸域、海岸一丁目をはじめとし、海岸二丁目、三丁目の倉庫街に伸びております。港区海岸二丁目、日の出埠頭に面している場所にベイサイドステージ東京という二〇〇一年に竣工した十四階建てのマンションがあります。マンションの目の前に広がる日の出埠頭には平屋の倉庫しかないため、百八十度東京港が一望できる絶景の分譲マンションであります。そのマンションの目の前、日の出埠頭に昨年十月、突然、巨大な建築物の建築計画が発表になりました。日の出埠頭内に民間が持っていた小さな土地があったのですが、隣接している都有地を東京都が大手デベロッパーに等価交換という手法を使い、広大な民有地が日の出埠頭内にできたため、ここに巨大な建築物がつくられることになったのです。ある日突然、目の前を塞ぐように景色が失われることになった住民は、当然ですが怒り、紛争が発生しました。  ここで、区長をはじめ皆様にお話ししたいのは、東京都がデベロッパーに都有地を提供し、広大な土地を与えれば、開発が行われることは明白であり、そこに容積率いっぱいの開発をすれば、目の前の景観を失われたマンションと紛争になることは、子どもでもわかるような話なのに、東京都は一切、マンションにも港区にも情報提供してこなかったのです。昨年十月、工事開始の四カ月前になって、デベロッパーが初めて第一回説明会を行った後、工事はことし二月に強引に開始され、今も進んでいます。  このベイサイドステージ東京の目の前の防潮堤にバンクシーの作品らしきネズミの絵が描かれていて、話題となったのは皆さんもご存じのことでしょう。今定例会では、地元町会からバンクシーの作品らしきネズミの絵も地域資源として地域に戻してほしいという陳情が町会から出されておりますが、バンクシーの作品らしきネズミの絵の移動も港区には一切、情報提供はなされておりませんでした。  海岸二丁目、そして三丁目には多くの倉庫が建ち並んでいますが、かつて港南地域も倉庫街であったものが一変した歴史を港区は経験しております。芝浦海岸地域では、小学校が飽和状態を迎えたため、(仮称)芝浦第二小学校を建設する計画が進んでいますが、海岸町会内に林立する倉庫群が軒並みマンションに建て替えられたりすれば、港区の計画は根底から覆ることになります。保育も、小学校も、あらゆる住民サービスを見直さなければならなくなる。そして、今のままであれば、それは寝耳に水の状態で突然やってくることもあり得ます。江東区の豊洲地区や有明地区では、巨大なマンションが現在も次々と建てられ、区が立てた待機児童解消策から小学校の維持計画まで、全てがテーブルをひっくり返したように覆されました。  区長にお願いがあります。東京都に対して、開発計画などは、住民に寄り添う基礎自治体である港区に、もっときめ細やかな情報提供を行うよう強く要望していただきたいのです。よろしくお願いいたします。  そして、基礎自治体と連携した湾岸都市計画の未来ビジョンを持つことのない東京都に対し、港区として、我々の描く都市計画の未来ビジョンを示す必要があると思うのです。私たちは、海岸二丁目、三丁目にある倉庫群がマンション群に変わることを望んでいるのか。私たちは、海岸二丁目、三丁目にある倉庫群が将来どのように変わっていくことを望むのか。  そこで質問です。事業者や住民の皆が望む未来像を、港区としての湾岸地域の未来ビジョンを描き、東京都や世の中に示す必要があると思うのですが、区長のご見解を伺わせてください。  次に、防災体制について伺います。  港区には三つの災害拠点病院があります。しかし、JR山手線から海側、芝浦地域・港南地域・台場地域には災害拠点病院はありません。例えば港南地域では、最も近い災害拠点病院は、直線距離で約三キロメートル離れた北里大学北里研究所病院でありますが、港南地域の方で北里大学北里研究所病院まで徒歩で行かれた経験のある方はいらっしゃらないと思います。まして、けがをした人間を運んだ経験がある方はいません。つまり、港南地域の方が災害拠点病院まで徒歩で行くことは困難です。  震災時に救急車で搬送するとしても、山手線品川駅を大きく迂回するか、芝浦まで行き、札の辻を越え東京都済生会中央病院に行くしかありません。災害時には救急車は機能しない可能性が高いと言われております。港区の芝浦地域・港南地域・台場地域の震災時の医療体制は、我々にとって極めて大きな課題です。  ことし三月十日、つまり、三・一一の前日、港南にあるワールドシティタワーズで傷病人を船で搬送する訓練を実施しました。ワールドシティタワーズの桟橋は、港区が防災協定を結んでおり、訓練で使用した船は、港区がことし防災協定を結んだ水上タクシーを使用したものです。傷病人の搬送先は、江東区にある昭和大学江東豊洲病院です。この病院の裏には江東区が管理する桟橋があり、今回の訓練では、船での移動時間は約十五分、桟橋から病院まで傷病人を担架で搬送するのに約五分、計約二十分で傷病人を病院まで搬送することができました。江東区は二次保健医療圏が異なるため、あくまでも民民の取り組みではありましたが、この訓練の模様は、NHKが取材ヘリまで出してくれ、夜七時のニュースで全国に報道されました。  今回の訓練で痛感したのは、担架で傷病人を搬送する際、浮き桟橋は絶対に必要だということです。海面は、月の引力によって潮位が変動するため、港区では、六時間で最大二メートル三十センチも海面が上下変動します。浮き桟橋という海面の変動に対応できる桟橋に設置されたスロープがないと、担架に人を乗せて船で搬送することはできません。しかし、港南地域に浮き桟橋はワールドシティタワーズの所有する私有桟橋一カ所だけしかありません。  そこで質問です。ワールドシティタワーズの反対側、品川駅と港南の真ん中を走る高浜運河沿いにも、震災時の対応を考えると、絶対に一カ所は浮き桟橋が必要だと考えます。これは絶対に必要です。今後、港南地区を中心に活動しておられる他会派の皆さんとも力を合わせ、港南の高浜運河に浮き桟橋を設置することを目指し活動していきたいと思っております。区長のご意見を伺わせてください。  次に、エレベーターの閉じ込め対策について伺います。  一年前、昨年六月十八日に発生した大阪府北部の地震では、関西地域で六万六千基ものエレベーターが緊急停止し、三百三十九件の閉じ込めがありました。最大震度七の揺れだった東日本大震災の二百十件や熊本地震の五十四件を大きく上回りました。この三百九十九件の閉じ込めのうち、地震時管制運転装置が設置されているマンションでも百五十五件もの閉じ込めが発生しております。P波検知から主要動到達までの猶予時間が少ない、直下型地震の課題と言われております。中央防災会議の作業部会による被害想定では、首都直下地震では、最悪の場合、エレベーターの停止は三万百基、閉じ込め件数は一万七千四百基。南海トラフ地震では、停止四万一千九百基、閉じ込め人数二万二千五百人と試算されています。東京消防庁の職員の数は一万九千人程度です。大地震が発生すれば、消防署は消火を優先します。まして道路の渋滞や停電も予想されますので、早期の救出は困難だと想像されます。  エレベーターに関する安全性の検証などは、港区が長年取り組んできた課題です。我々港区こそ、エレベーターに関する安全対策が最も進んでいる自治体でなければならないと思います。私が住む三十三階建てのマンションはURですが、マンションにある四つのエレベーターには閉じ込められたときの対策キットは設置されておりません。地震時管制運転装置が設置されているから必要ないというのがURの回答であります。幾ら説明してもらちが明きません。  そこで質問です。区として正しい情報を提供し、間違った知識を正すとともに、エレベーターの閉じ込め対策を力強く進めていただきたいと望みます。区長のご見解を伺わせてください。  次に、震災時に被害などの確認を速やかに行うことの重要性について質問します。災害時にビルの損壊など、都市の被災状況を速やかに把握し区長に報告することは、区長が的確で速やかな判断をする上で重要です。しかし、渋滞や停電が想定される中において、限られた職員で橋梁の橋脚の損傷やビルなどの損壊を広範囲に確認することは困難です。  そこで、総務省消防庁は、災害時において、災害現場の映像や画像を速やかに得ることによって、被害状況を迅速に把握することを目的として、ドローンの会社と情報収集に関する協定を結びました。また、隣区である品川区でも、震災時に区内の被災状況の確認を速やかに行うため、ドローンを運用する会社と防災協定を結びました。このような新しい手法に対して、港区は慎重過ぎるように感じます。石橋をたたいて渡るより、まずは前に進みながら課題を解決していくことが大切ではないでしょうか。  そこで質問です。港区といたしましても、速やかにドローンを活用した災害時の情報収集手段を検討していただきたいと望みます。区長のお考えを伺わせください。  次に、受動喫煙とたばこのポイ捨てについて伺います。  部屋でたばこを吸って、灰皿ではなく床にたばこの灰を捨てる人はいません。しかし、港区の指定喫煙場所を見ても、たばこの灰を灰皿に捨てている人はほとんど見受けられません。指定喫煙場所でたばこを吸っている人はほぼ例外なく、たばこを吸っている間、灰は誰もが地面に落としております。また、指定喫煙場所に灰皿があるにもかかわらず、多くの人は指定喫煙場所の周囲にたばこをポイ捨てするため、指定喫煙場所の周囲は吸い殻が散乱しており、指定喫煙場所は明らかに迷惑施設と化しております。  たばこの灰は五十種類以上の発がん性物質が含まれており、煙以上に有害とも言われております。地面に落ちたたばこの灰は風で舞い上がり、周囲の人の呼吸器から体内に入ります。今の指定喫煙場所の仕切り板は下部があいているため、地面に落ちたたばこの灰が風で簡単に舞い上がる構造になっています。今、設置されている指定喫煙場所は、煙を上部に拡散させることを目的に設計されており、たばこの灰に対する予防という視点に欠けております。  そこで、区長に質問です。指定喫煙場所は、たばこの灰が舞い上がることのない完全密封型の普及を一刻も早く進めるべきであると考えます。むろん、歩道への設置が建築基準法や道路法で規定されているため、困難であることは承知しております。しかし、区や東京都の公園であるならば可能です。区民の健康環境を守るため、現在でも完全密封型喫煙場所が設置可能な公園などから速やかに完全分煙化を進めていただきたく、区長のお考えをお聞かせください。  次に、外国人の刑法犯増加の対策について伺います。  東京都の人口一千三百八十五万人に対し、港区は二十五万人と、港区の人口は東京都の人口の一・八%です。犯罪の発生件数で見ると、都内全体の犯罪の三・三%にあたる、三千八百三十件が港区内で発生しています。これは、私たちが認識しなければいけない事実です。  そして、都内における刑法犯の認知件数、つまり、警察が把握している犯罪の発生件数は、平成二十五年には都内において十六万二千五百五十七件であったものが、平成二十九年、四年後には十二万五千二百五十一件と年々減少を続けております。しかし、犯罪の総件数は年々減っていても、その中で外国人による犯罪件数は年々増加の一途をたどっております。そして外国人の中でも、観光などを目的として入国する短期滞在者の来日外国人による犯罪は、外国人犯罪の七割以上を占めているのです。  そこで質問です。これから観光政策を進める上で、外国人のおもてなしを行う一方で、来日外国人による犯罪への対策は急務であると感じております。区長のお考えを伺わせてください。  また、犯罪を未然に防ぎ、安全で安心できる港区にするための方策を研究するとともに、警察との情報共有を深めていくべきかと思います。区長のお考えをあわせて伺わせてください。  質問は以上です。ご清聴ありがとうございました。   〔区長(武井雅昭君)登壇〕 ○区長(武井雅昭君) ただいまの都民ファーストと日本維新の会を代表しての榎本茂議員のご質問に順次お答えいたします。  最初に、港湾都市計画の未来ビジョンについてのお尋ねです。  区は、平成二十九年三月に港区まちづくりマスタープランを改定し、区が目指す将来都市構造の中で、芝浦港南地区を中心としたエリアを広域交流活性化ゾーンに位置づけ、その整備方針を定めました。ゾーンの整備方針では、住宅、商業、業務などが共存する土地利用の誘導、開発事業等における周辺と一体となった地域の魅力向上、都市型水害、津波等に強い市街地の形成などを示しております。今後も、まちづくりマスタープランに示す目指すべきまちの姿の実現に向け、周知を図り、地域の特色を生かした魅力的で活力あふれるまちづくりを積極的に推進してまいります。  次に、防災対策についてのお尋ねです。  まず、港南地区における浮き桟橋の設置についてです。現在、港区では、東京都や、港湾・河川に接する関係区、警察、消防などの関係機関と、災害時における防災船着場等の運用や船舶の要請などの水上ルートの確保に向けた検討を進めております。港南地区における浮き桟橋の設置については、こうした検討の中で課題として取り上げるよう努めてまいります。  次に、エレベーターの閉じ込め対策に係る区の考え方をUR都市機構に伝えることについてのお尋ねです。区有施設のエレベーターでは、地震の揺れを感知した場合に、自動で最寄り階に停止して扉をあける地震時管制運転装置を設置しております。さらに機器のトラブルなどを含め、万が一閉じ込めが発生した場合に備え、エレベーターチェアを設置することで、二重の安全対策を講じております。UR都市機構に対しては、こうした区の考え方を伝えてまいります。  次に、ドローンを活用した情報収集についてのお尋ねです。ドローンは災害時の被害情報の収集などへの活用が期待されております。一方、ドローンのサービス事業者との意見交換の中では、高層の建物が多い区域では、ビル風の影響を受けるなどの課題もあると伺っております。引き続き、港区の地域特性を踏まえたドローンの活用に向けて検討を進めてまいります。  次に、密閉型の屋外喫煙場所を普及させることについてのお尋ねです。  区は現在、区立高橋是清翁記念公園内の屋外喫煙場所を、新たに設置する公園管理事務所内に移設し、区として初めてとなる密閉型の屋外喫煙場所として再整備する計画を進めております。また、港区独自の助成制度において、民間敷地内に設置する密閉型の屋外喫煙場所の設置費用も助成対象とするなど普及に努めております。今後も引き続き、より周辺に配慮した喫煙場所となるよう、現在計画中の公園内の喫煙場所の運営状況等も検証しながら、助成制度のさらなる周知も含め、密閉型の喫煙場所の整備を進めてまいります。  最後に、外国人の刑法犯増加の対策についてのお尋ねです。  東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会等を控え、区では、国内外からの来街者の増加が見込まれており、区に活気やにぎわいをもたらす一方で、さまざまな犯罪やトラブルの発生が懸念されます。区は、地域団体との合同パトロールや多言語によるチラシを活用した防犯キャンペーンの実施のほか、青色防犯パトロールや生活安全パトロール隊の外国語対応の強化などに取り組んでおります。引き続き、区内警察署と緊密に連携し、安全な環境の確保と体感治安の向上を推進してまいります。  よろしくご理解のほどお願いいたします。 ○議長(二島豊司君) 次に、十七番風見利男議員。   〔十七番(風見利男君)登壇、拍手〕 ○十七番(風見利男君) 二〇一九年第二回港区議会定例会にあたり、日本共産党港区議員団を代表して、質問いたします。  このたびの港区議会議員選挙で、日本共産党は三人の当選にとどまりました。残念な結果であり、痛恨のきわみです。区議選の中で私たち日本共産党は、安倍政権の消費税増税、国保料の値上げ、憲法九条改悪などの暴走政治をとめること。区政では、千四百八十億円の積立金を区民のために活用する。子育て、暮らし、福祉充実の提案。国土交通省が計画している羽田低空飛行計画の撤回などを公約に掲げ、支持を訴えてきました。  私たちは掲げた公約実現のため、全力で頑張る決意です。七月には日本の命運を左右する参議院議員選挙が行われます。今度の参議院議員選挙は、市民と野党の共闘が大きく前進し、五野党会派が三十二の一人区で候補者を一本化し、憲法九条改定反対、消費税率引き上げの中止、辺野古新基地建設反対、原発ゼロなど十三項目の共通政策を市民連合と合意しました。与党や改憲勢力の議席を減らし、安倍政権退陣の引き金を引く選挙にしていかなければなりません。市民と力を合わせ、党の総力挙げて頑張る決意を述べ、質問に入ります。  最初に、(仮称)神宮外苑地区市街地再開発事業について伺います。  五月一日号の広報みなとに、(仮称)神宮外苑地区市街地再開発事業についての環境影響評価調査計画書の縦覧と意見書提出のお知らせが掲載されました。縦覧が五月八日から十七日までのわずか八日間、環境課などで行われました。この計画書を作成したのは三井不動産株式会社です。  この計画は、神宮外苑の持っている景観、環境、文化、貴重な緑等を根底から破壊し、神宮外苑としての歴史的な成り立ち、文化的価値もないがしろにする計画です。多くの区民は、野球場とラグビー場の入れかえの計画は知っていましたが、神宮外苑を丸ごと開発する計画があることは知らず、びっくり。この計画は、区民にとどまらず、都民、全国民的問題です。国民を無視したやり方に怒りの声が上がっています。近隣住民はもとより、働く人、観光で訪れる人たちに騒音、風害、ごみ、治安問題等々、多大な影響が心配されます。ここは風致地区、文教地区であり、そもそもこの計画はできないはずです。白紙撤回しかありません。  この計画の問題点は、一、外苑の貴重な景観が破壊される。外苑のイチョウ並木は、観光名所として世界中から多くの人たちが訪れる憩いの場所です。とりわけ紅葉の時期には多くの観光バスも来るなど、気持ちの休まる貴重な場所、景観です。ところが今回の計画では、ホテル併設の野球場、高さ六十メートルがイチョウ並木に迫って建設。百九十メートル、百八十五メートル、七十メートルの超高層ビルが建ち、景観上、環境からも大問題です。イチョウ並木の右側には六棟の店舗が計画され、イチョウ並木の出口付近には高さ三十メートルのホテルも計画、自然に醸し出される景観にも重大な影響が出ます。現在の青山通りからの景観が大きく損なわれることになります。  二、近隣住民への配慮が全くなく、緑が破壊される。野球場がイチョウ並木のすぐそばに計画され、歴史的に貴重な樹木、植栽が伐採されます。イチョウ並木の東側、並木東棟は店舗等が設置される計画です。すぐ東側には八百五十戸の都営・都民住宅、民間マンション、民家、事業所ビル等があります。店舗が設置されれば、騒音、臭気、風紀、ごみ問題など深刻な事態が心配されます。また、生物多様性が言われるこのときに、歴史的に貴重な樹木、植栽が伐採されます。一度破壊されれば取り返しがつきません。  三、風害が耐えがたいものになる。今でも伊藤忠商事株式会社の前、青山通りと青山墓地への通りは、風の影響を非常に受ける場所です。少しでも風の強いときはまともに歩けない状態です。伊藤忠商事株式会社のビルは約九十メートルですが、今度の計画では百九十メートルのビルになる計画です。今でさえ大変な風の影響なのに、さらに大きな影響を与えることになります。青山小学校の通学路でもあり、安心して歩ける場所ではなくなってしまう危険があります。  四、神宮外苑にはホテルはなじまない。ホテルは二十四時間いつでも出入り自由です。そうなると静寂な環境が破壊されること。治安上も問題、近隣の都営・都民住宅、民間マンション、戸建て住宅等への影響が心配されます。  五、神宮外苑は、都心での貴重なスポーツ施設があり、スポーツ愛好家にとってはなくてはならない場所です。ところが今計画では、今あるテニスコートがなくなってしまう。一部室内にスポーツ関連施設が計画されるようですが、テニスコートがなくなる危険性が大です。一般のスポーツ愛好者を追い出すもので許されません。  港区は、神宮外苑銀杏並木周辺を景観形成特別地区に指定し、景観を何よりも大切に守る地域としています。そして、『景観重要公共施設』として神宮外苑銀杏並木を位置づけ、「神宮外苑銀杏並木は、明治神宮外苑の造成に先立つ一九二三年(大正十二年)に植樹が行われた由緒ある並木道です。聖徳記念絵画館をアイストップとして、銀杏並木が創り出す典型的なヴィスタ景は、首都・東京を代表する風格ある眺望の一つです。このような風格ある眺望を将来にわたって保全することができるよう、銀杏並木を適切に管理します」としています。このイチョウ並木を中心とした神宮外苑の景観を破壊する計画、港区としても断じて許せないはずです。三井不動産株式会社など事業者に白紙撤回を求めるべきです。答弁を求めます。  青山地域での鮮魚等の移動販売についてです。  大型スーパーの閉店に伴って、生鮮三品、日用品が買える場所の確保を求める声がたくさん寄せられました。  私は、一月十七日、田中副区長に閉店の延長などの対応を要請。その後、代表質問、予算特別委員会、予算特別委員会の総括質問で生鮮三品などが買える場所の確保を提案しました。担当部署に頑張っていただいた結果、四月二十六日から北三団地の駐輪場を使って、野菜・果物の移動販売が始まりました。近隣住民からは喜ばれています。北三団地内の民間開発ビル内に生鮮三品や日用品などの店舗の誘致を働きかけていますが、店舗の誘致が実現するまでの間、野菜の移動販売を継続すること。答弁を求めます。  野菜の移動販売は、北青山一丁目の都営住宅、南青山一丁目の都営住宅や南青山六丁目のマンションなどでやっています。皆さんが望んでいるのは鮮魚類の販売です。青山に一軒、魚屋さんがあります。民業を圧迫しないよう、よく意見を聞いた上で、港区赤坂にある全国水産物商業協同組合連合会に相談するなど、移動販売ができる業者を探すことが必要です。今、青山で野菜の移動販売をやっている場所を使って、週一回か二回、鮮魚類の巡回移動販売ができないのか、検討を進めること。答弁を求めます。  今、大問題になっている年金問題についてです。  安倍自公政権は、「百年安心の年金」と年金改革を進めてきました。ところが、金融庁審議会の報告書で、年金生活夫婦二人の収入と支出の差額が月五万五千円、三十年間で二千万円が必要になることが明らかになり、百年安心どころか、老後の生活ができないと大問題になっています。マクロ経済スライドが続けば、現役世代はさらに一千六百万円給付が下がり、合計三千六百万円の不足が生まれます。  マクロ経済スライドという年金を自動的に削減する仕組みを導入して、安倍政権の七年間で六・一%実質削減してきました。安心できる年金のためには、低年金者の底上げが必要です。日本共産党は年六万円の上乗せを提案しています。財源についても、大企業にせめて中小企業並みに税負担してもらう。ゴーン氏のように株で大もうけをしている人に欧米並みの負担をしてもらう。所得税などの最高税率を引き上げる。米軍への思いやり予算をやめる。兵器の爆買いをやめるなどで七・五兆円の財源が確保できます。消費税に頼らなくても十分やっていけます。国に対し、低年金者の底上げを行うこと。マクロ経済スライドをやめるよう要請すること。答弁を求めます。  国民健康保険料の第二子以降の子どもの均等割を無料にすることについてです。  非正規労働者や自営業者、無職の人や年金生活者などが多く加入する国民健康保険制度は、高過ぎる保険料に悲鳴が上がっています。国民健康保険制度は、全国健康保険協会、いわゆる協会けんぽなどより保険料が高く、負担の限界を超えています。全国知事会は、公費を一兆円投入して、協会けんぽ並みの負担にするように政府に求めています。
     東京二十三区に住む給与年収四百万円の四人世帯の協会けんぽの保険料は十九万八千円ですが、国民健康保険制度は四十二万六千円で二倍以上です。保険料の引き下げは住民の暮らしと健康を守るためにも持続可能な国民健康保険制度を維持する上でも重要です。日本共産党は、国民健康保険制度の構造的な問題を解決し、公的医療保険としての国民健康保険制度を立て直すために提言を発表しました。  高過ぎる保険料を軽減するために、とりわけ子どもの均等割の軽減が求められます。二〇一九年度の特別区の均等割保険料は、一人当たり五万一千円から五万二千二百円と千二百円値上げになりました。子どもの数が増えれば増えるほど保険料が高くなり、子育て支援にも逆行することから、子どもの均等割を独自で減免する自治体が全国でも増えています。東京都では東大和市、昭島市、清瀬市、武蔵村山市で、多子世帯の均等割軽減を実施しています。港区としても、早急に第二子以降の子どもの均等割を無料にすべきです。答弁を求めます。  アドボケイト制度についてです。  昨年三月に目黒区で五歳女児、ことし一月には千葉県野田市の小学四年生の女児、六月には札幌市で二歳の女児が虐待で亡くなりました。いずれも児童相談所など周りの大人たちがSOSを酌み取っていればと悔やまれます。子どものSOSをしっかりと受けとめるアドボケイト制度導入を求める声が高まっています。  この制度は、子どもの権利条約にある「意見表明権」を保障し、その後の対応に反映するためのもので、虐待を防ぐ手だてとして期待されています。子どものアドボケイト制度については、英国やカナダで公的な制度があり、児童相談所などから独立した第三者が代弁者を務めています。  三重県では二〇一八年度に試験的に児童相談所など県職員を対象に研修を行い、延べ四十四人が受講しました。職員の中に代弁者、アドボケイト役の担当者を決めて、子ども意見を聞く取り組みを行った結果、担当者以外の職員も含め、これまで以上に子どもの気持ちを意識して対応するようになったと言います。児童福祉法の改正を待つことなく、三重県での取り組みを参考に、アドボケイト制度への取り組みを行うべきです。答弁を求めます。  加齢に伴う難聴者に、補聴器購入費の助成についてです。  人間は誰でも加齢とともに高い音から徐々に聞こえにくくなり、七十歳以上の半数に難聴があるとされています。言葉が聞こえにくくなると認知機能が低下し、コミュニケーションにも支障が出て、社会的に孤立することで認知症のリスクが高まります。難聴になったら、なるべく早い補聴器の使用が聞こえの改善にとって大切です。  世界保健機構では四十一デシベル以上に補聴器をつけることが推奨されています。それは、そのレベルを放っておくとさらにひどくなるということと、そのままにすると認識できない音が増えていくためです。だから早期の装着が必要なのです。しかし、補聴器は二十万円から五十万円ほどと高価で、年金暮らしの高齢者には手が届きません。全国で補助制度が広がり、二十三区でも千代田区など九区が補助制度を実施しています。港区でも早急に加齢性難聴者の補聴器購入費用の助成を実施すべきです。答弁を求めます。  特定健康診査では聴力検査を検査項目に入れていません。自分の聞こえを知ることは、補聴器を使うかどうかの判断や認知症予防にも重要です。特定健康診査に聴力検査を加えるべきです。答弁を求めます。  現在、港区医師会ではさまざまな独自検診を行っています。高齢者難聴の早期発見のための聴力検査もその一つです。医師会の意見を聞き、高齢者難聴検診のお知らせを特定健診の案内に同封することなど、高齢者難聴検診を知らせる手だてを検討すること。答弁を求めます。  高齢者支援のあり方についてです。  多くの高齢者や家族から相談が寄せられています。医療や福祉の連携のあり方や身寄りがない等のために、暮らしや医療や介護を利用する場合に困難が生じます。極めて深刻です。事例を紹介します。  一、ひとり暮らし。常時酸素を必要とし、日常生活にも支障を来すようになり、ケア付き有料老人ホームに入所。入所して間もなく体調を崩し、入退院を繰り返しています。身寄りがないため入院手続や入院に必要なものを準備してくれる方がいなくて困っています。  二、高齢の夫婦。病院から転院を言われ、区内に転院先を探すも、入院費が高いなどの理由で、遠くの病院を紹介される。遠くに転院したらお見舞いにも行けないため、近くの病院の転院を望んでいます。  三、ひとり暮らしの父親の介護のために息子さんが仕事をやめ、父親のもとに帰って介護しています。仕事をやめているので経済的にも困っています。  四、高齢のため、買い物にも一人で行けない。掃除などもできないため、家の中も物であふれています。一人での外出が困難で、銀行や郵便局にも行けず、生活費をおろせず、公共料金の引き落としができなくガス・電気をとめられた。こうした相談が多く寄せられています。  ひとり暮らしの高齢者、高齢者のみの世帯、経済的に困っている世帯、身寄りのない高齢者、医療と介護・福祉のはざまで苦しんでいる方にどう対応していくのか、どう支援していくのか、身近な自治体に求められています。区に相談したら、高齢者相談センターに相談してくださいと言われた。高齢者相談センターに相談したら、遠くの病院を勧められた。介護保険制度や病院、区の関係部署などがかかわっていながら、こうした事態が起きていることが残念でなりません。  愛知県半田市では、身元保証等がない方でも必要な医療や介護がスムーズに受けられるためのガイドラインを作成しています。身元保証人がいなくても、判断能力が低下しても、適切な医療・介護が受けられるようにすることを基本に据え、現場の声を大切にしながら、利用料の支払いに関すること、身の回りの援助、緊急時の対応、亡くなられた場合の対応等五項目について、支援者などを記入した支援ノートを作成して対応しています。こうした先進事例も参考に、より寄り添ったきめ細やかな対応をすべきではないでしょうか。答弁を求めます。  経験豊かな福祉の専門家の配置、福祉にかかわる職員の研修、病院や高齢者相談センター、介護事業所など関係部署との連携のあり方などを再度見直し、相談者に寄り添った支援をすべきです。答弁を求めます。  区施設のトイレを計画的に温水洗浄便所に改善することについてです。  区役所本庁舎は大規模改修に合わせて、洋式、温水洗浄便座に改修されました。社会的な流れ、大規模災害の避難場所としての機能も考えたとき、洋式、温水式洗浄便座への計画的改修を進めるべきです。答弁を求めます。  最後に、教科書展示会の改善についてです。  ことしは小学校の教科書の採択が行われます。港区では五月三十一日から七月三日まで教科書展示が行われています。教科書展示は教員や教育関係者、保護者等区民に広く公開することを目的に実施されています。  区民から要望を受けて、教育センターだけでなく、みなと図書館でも展示されるように改善されました。みなと図書館では、案内表示がないため教科書展示がされていることがわからない。展示コーナーが二階の奥のため、職員に聞かないとわからない。教科書が本棚にぎゅうぎゅう詰めになっていて出し入れが困難。早急に改善し、区民や保護者等が見やすいよう改善すべきです。答弁を求めます。  以上で質問を終わりますが、答弁によっては再質問することを述べて、質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。   〔区長(武井雅昭君)登壇〕 ○区長(武井雅昭君) ただいまの共産党議員団を代表しての風見利男議員のご質問に順次お答えいたします。  最初に、(仮称)神宮外苑地区市街地再開発事業についてお尋ねです。  神宮外苑イチョウ並木周辺は、区を代表する景観の名所の一つであり、区民のみならず、多くの方々が集い憩う、歴史ある貴重な緑であると考えています。区は、この事業に関する環境影響評価調査計画書に対して景観形成の方針や基準の遵守などを求める意見書を提出しております。今後の具体的な開発計画に関する協議にあたっては、区が目指すまちづくりの実現に向け、事業者を適切に指導・誘導してまいります。  次に、青山地域の移動販売についてのお尋ねです。  まず、野菜の移動販売の継続についてです。本年四月から開始した移動販売については、都営青山北町アパート建て替えに伴い、住民の方が新たな都営住宅に引っ越し予定の本年十二月まで、現在の場所で継続いたします。住民の方の引っ越し完了後の移動販売については、北青山三丁目地区まちづくりプロジェクト民活事業が完了予定の令和二年五月までの間、引っ越し先の新しい都営住宅においても継続できるよう、東京都及び事業者と協議をしてまいります。  次に、鮮魚類の移動販売の検討についてのお尋ねです。  区は、鮮魚類の移動販売についても調査をしてまいりましたが、現在、区内の鮮魚類の移動販売の許可事業者はおりません。引き続き全国水産物商業協同組合連合会や地域の鮮魚店などから鮮魚類の移動販売事業者についての情報を収集してまいります。  次に、年金制度の見直しを国に要請することについてのお尋ねです。  年金額は、国民年金法等に基づき、物価や賃金の変動を受け改定されています。ことしは国における五年に一度の年金財政検証の年にあたり、国はその結果を受け、将来にわたり安定した年金給付水準を確保するとともに、長期的に収支が安定するよう検討を進めることとしています。このことから、国に対し、区として要請をすることは考えておりませんが、今後も国の動向について注視してまいります。  次に、国民健康保険料の第二子以降の均等割額を無料にすることについてのお尋ねです。  均等割は被保険者一人ひとりに一定額を負担していただくため、多子世帯では負担が大きくなります。国民健康保険は法に基づく全国統一の制度であり、制度上の課題については、制度設計者の国が責任を持って対応すべきものと考えております。そのため、区として均等割額を第二子以降無料にすることは考えておりませんが、子どもの均等割保険料の軽減措置をはじめとした制度の見直しについて、特別区長会を通じ、国に対し要望してまいります。  次に、アドボケイトを活用した子どもの立場に立って意見を代弁する取り組みについてのお尋ねです。  区は、現在も児童虐待の相談対応や家庭状況の調査などにおいて、可能な限り子どもから直接話を聞き取るよう努めております。こうした取り組みに加えて、子どもの人権をより尊重する観点から、ケースによっては代弁者、いわゆるアドボケイトの手法を併用することも、より子どもに寄り添って、子どもの意思を酌み取ることにつながるものと考えております。今後とも、子どもの声を着実に聞くための手段の充実に努めてまいります。  次に、高齢者の難聴対策についてのお尋ねです。  まず、加齢性難聴者への補聴器購入費助成についてです。加齢性難聴により耳の聞こえが悪くなった高齢者への支援にあたっては、補聴器を利用することでの日常生活における聞こえの改善状況について把握することが必要です。高齢者相談センターやふれあい相談員、各地区総合支所、区民課に寄せられる耳の聞こえに関する相談内容を分析することで、補聴器の利用状況などの実態の把握に努めてまいります。  次に、特定健康診査に聴力検査を加えることについてのお尋ねです。特定健康診査は、高齢者の医療の確保に関する法律に基づき、生活習慣病の予防と改善を目的として保険者が実施し、診査結果に応じた保健指導までを一体化して行うものとされています。そのため、生活習慣病に該当しない高齢者の難聴対策のための聴力検査を行うことは想定されておりませんが、高齢者に対する聴力検査の実施については、今後、先行する自治体の実施状況や効果等を調査研究してまいります。  次に、高齢者難聴検診の周知についてのお尋ねです。港区医師会が独自事業として高齢者難聴検診を実施しており、現在は十六専門医療機関において、年間数百人程度の実施規模と聞いております。今後、考えられる課題を医師会と共有した上で、周知方法について協議してまいります。  次に、高齢者に寄り添った支援についてのお尋ねです。  まず、高齢者に寄り添ったきめ細かな対応についてです。高齢者相談センターでは、高齢者の身近な相談窓口として、身寄りのない高齢者をはじめ、支援の必要な高齢者から相談を受けた際には、総合支所や介護事業者などの関係機関とケース会議を開催し、どのようなサービスが必要か検討を重ねた上で、より適切な支援に結びつけているなど、高齢者に寄り添った対応をしております。今後もさまざまな問題を抱える高齢者からの複合的な相談にもより一層きめ細かく対応していくため、高齢者相談センターの対応力の向上に努めてまいります。  次に、職員の育成や関係機関との連携等についてのお尋ねです。区では、高齢者サービスに携わる職員に対し、特別区の専門研修、高齢者虐待対応や精神保健福祉に関する研修などを積極的に受講させるとともに、医療機関等の職員への高齢者見守りのための講習会の開催など、育成や対応力の向上に取り組んでおります。また、地区ごとに開催している高齢者支援連絡会や介護事業者向けのサービス説明会などを通じて、医療機関、介護事業者との連携を図ってまいりました。引き続き、高齢者の相談窓口であり、社会福祉士、保健師など専門職を配置している高齢者相談センターを中心とし、相談者に寄り添った支援の充実に取り組んでまいります。  最後に、区有施設トイレの温水洗浄便座への計画的な改善についてのお尋ねです。  区有施設につきましては、生活様式の変化、バリアフリー対策、多様な利用者への配慮から、新築・改築工事では洋式トイレ及び温水洗浄便座を標準的な仕様として整備しております。また、港区役所の庁舎大規模改修工事で設置した温水洗浄便座は、衛生的で快適に利用できると評価をいただいております。今後も引き続き、改修工事においても、港区区有施設保全計画に基づき、トイレの洋式化及び温水洗浄便座の設置を進めてまいります。  よろしくご理解のほどお願いいたします。  教育にかかわる問題については、教育長から答弁いたします。   〔教育長(青木康平君)登壇〕 ○教育長(青木康平君) ただいまの共産党議員団を代表しての風見利男議員のご質問にお答えいたします。  教科書展示会の改善についてのお尋ねです。  みなと図書館における教科書展示につきましては、来場者のご意見を参考に、教科書展示会への案内表示の数を五カ所から十二カ所に増やすとともに、教科書の出版社ごとに展示している見本本をスムーズに書架から取り出し閲覧できるようにいたしました。  また、図書館入り口に教科書展示会を開催している旨の表示を拡大して掲示したほか、区のホームページに加え、みなと図書館のホームページ上にも展示会開催の案内をし、区民への展示会への周知方法を改善いたしました。  よろしくご理解のほどお願いいたします。   〔十七番(風見利男君)登壇〕 ○十七番(風見利男君) 時間がないので、幾つかのみ再質問します。  一つは、野菜の移動販売が十二月で終わりということですけれども、同じ団地内の青山児童館も新しいところに移るので、そこの活用もできるわけです。新しい民間のところにできるのはかなり先の話で、空白ができるわけですから、児童館の利用なども視野に入れて対応していただきたい。  それと、神宮外苑の再開発ですけれども、環境影響評価調査計画書を見ると具体的にどういう建物を建てるか、はっきり書いてあるわけです。ですから、環境影響評価を待っていてもどんどん先に進むわけで、港区の景観上、あそこにこのような建物はできないという指導を今からやらないとだめだと思います。  これは港区景観計画の冊子ですけれども、この裏表紙にイチョウ並木がしっかり書かれているわけです。この左側の柵より奥は全部店舗ができてなくなってしまう。こういう危険な計画ですから、ぜひまちづくりのところでしっかり事業者を呼んで、こんな計画は白紙に戻して、もう一回やり直せという指導をぜひやっていただきたい。その二点についてお答え願いたいと思います。   〔区長(武井雅昭君)登壇〕 ○区長(武井雅昭君) ただいまの共産党議員団を代表しての風見利男議員の再質問にお答えいたします。  青山地区の移動販売の継続についてのお尋ねですが、東京都並びに事業者と協議をして、継続についての可能性を求めていきたいと思っております。  もう一つ、(仮称)神宮外苑地区市街地再開発事業についてのお尋ねですが、事業者からの計画というものが示されておりますけれども、今後さまざまな機会を通じまして、事業者を適時適切に指導・誘導してまいります。景観につきましても、先ほどお答えをいたしましたが、大変重要な景観として、区としても捉えております。そうした点も含めまして、適切に指導・誘導して対応してまいります。  よろしくご理解のほどお願いいたします。 ○議長(二島豊司君) 以上にて、本日の日程は全部終了いたしました。  本日の会議は、これをもって散会いたします。                                       午後五時三十六分散会...