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平成30年第1回定例会−02月15日-02号

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  1. 港区議会 2018-02-15
    平成30年第1回定例会−02月15日-02号


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    最終取得日: 2021-09-21
    平成30年第1回定例会−02月15日-02号平成30年第1回定例会  平成三十年 港区議会議事速記録 第二号(第一回定例会)   平成三十年二月十五日(木曜日)午後一時開会     一 出席議員(三十三名)       一  番  玉 木  まこと 君      二  番  榎 本  あゆみ 君       三  番  山野井  つよし 君      四  番  兵 藤  ゆうこ 君       五  番  丸 山 たかのり 君      六  番  池 田  たけし 君       七  番  黒 崎 ゆういち 君      八  番  小 倉  りえこ 君       十  番  榎 本   茂  君      十 一番  横 尾  俊 成 君       十 二番  清 家  あ い 君      十 三番  ちほぎ  みき子 君       十 四番  やなざわ 亜 紀 君      十 五番  有 働   巧  君       十 六番  鈴 木  たかや 君      十 七番  土 屋   準  君       十 八番  大 滝   実  君      十 九番  いのくま 正 一 君       二 十番  杉 浦  のりお 君      二十一番  なかまえ 由 紀 君       二十二番  阿 部  浩 子 君      二十三番  近 藤  まさ子 君       二十四番  ゆうき  くみこ 君      二十五番  二 島  豊 司 君       二十六番  池 田  こうじ 君      二十七番  熊 田  ちづ子 君       二十八番  風 見  利 男 君      二十九番  七 戸   淳  君
          三 十番  杉 本 とよひろ 君      三十一番  林 田  和 雄 君       三十二番  清 原  和 幸 君      三十三番  うかい  雅 彦 君       三十四番  井 筒  宣 弘 君     一 欠席議員(一名)       九  番  赤 坂  大 輔 君     一 説明員       港   区   長  武 井 雅 昭 君    同 副  区  長     田 中 秀 司 君       同 副  区  長  小柳津  明  君    同 教  育  長     青 木 康 平 君         芝地区総合支所長                麻布地区総合支所長       同          新 井 樹 夫 君    同             堀   二三雄 君         環境リサイクル支援部長兼務           産業・地域振興支援部長兼務         赤坂地区総合支所長               高輪地区総合支所長       同          森   信 二 君    同             野 澤 靖 弘 君         子ども家庭支援部長兼務             街づくり支援部長兼務         芝浦港南地区総合支所長       同          浦 田 幹 男 君    同 福祉施設整備担当部長  佐 藤 雅 志 君         保健福祉支援部長兼務       同 みなと保健所長  阿 部 敦 子 君    同 街づくり事業担当部長  坂 本  徹  君       同 企画経営部長   安 田 雅 俊 君    同 用地・施設活用担当部長 齋 藤 哲 雄 君       同 防災危機管理室長 高 橋 辰 美 君    同 総 務 部 長     北 本  治  君         会計管理者       同          奥 野 佳 宏 君    同 教育委員会事務局次長  新 宮 弘 章 君         会計室長事務取扱       同 選挙管理委員会委員長 島 田 幸 雄 君     一 出席事務局職員       事 務 局 長    大 滝 裕 之 君    事務局次長    河 本 良 江 君                               議 事 係 長  吉 田 一 樹 君                                              他五名             ───────────────────────────       平成三十年第一回港区議会定例会議事日程          平成三十年二月十五日 午後一時 日程第 一  会議録署名議員の指名 日程第 二  代表質問・一般質問        二 島 豊 司 議員(自民党議員団)        なかまえ 由紀 議員(みなと政策会議)        杉本 とよひろ 議員(公明党議員団)        風 見 利 男 議員(共産党議員団)             ─────────────────────────── ○議長(池田こうじ君) これより本日の会議を開会いたします。  ただいまの出席議員は三十三名であります。             ─────────────────────────── ○議長(池田こうじ君) これより日程に入ります。  日程第一、会議録署名議員をご指名いたします。七番黒崎ゆういち議員、八番小倉りえこ議員にお願いいたします。             ─────────────────────────── ○議長(池田こうじ君) 日程第二、区の一般事務について、質問の通告がありますので、順次発言をお許しいたします。最初に、二十五番二島豊司議員。   〔二十五番(二島豊司君)登壇、拍手〕 ○二十五番(二島豊司君) 平成三十年第一回港区議会定例会にあたり、自由民主党議員団を代表して、武井区長、青木教育長に質問させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。  平昌二〇一八オリンピック冬季競技大会が二月九日に開幕いたしました。連日報じられる日本人選手の活躍に、多くの皆さんが胸を躍らせております。競技は二十五日までの十七日間続き、三月九日から十八日まで平昌二〇一八パラリンピック冬季競技大会が開催されます。世界を極めたトップアスリートたちの息詰まる熱戦に声援を送りたいと思います。その一方、オリンピックを政治的に利用し、ほほ笑み外交の陰で核ミサイル開発を続ける北朝鮮に対しては、米国をはじめ、国際社会の緊密な連携のもと、最大限の圧力をかけ続け、北朝鮮に検証可能かつ不可逆的な方法で核ミサイル計画を放棄させ、引き続き、最重要課題である拉致問題を解決する。北朝鮮に政策を変えさせるため、毅然とした外交を展開しなくてはなりません。  港区政に目を移せば、来年度は港区基本計画後期三年スタートの年となります。後期三年の見直しにあたり、武井区長は、地域共生社会の基盤づくりを掲げました。港区議会でも各常任委員会において、精力的に議論を行ってまいりました。パブリックコメントで寄せられた区民意見とあわせ、修正基本計画にその要素が十二分に反映されることを望むものです。  また、重点事業として新規計画計上された港区マラソンの開催が、ことしの十二月に予定されています。現在、実施に向け準備、検討が進められているところですが、名称やアイデア募集には既に多くの応募が寄せられていると伺っており、区民の関心と期待の高さを感じています。年齢、国籍、障害の有無の区別なく、誰もが楽しみ、愛着の持てる地域共生社会の基盤づくりにふさわしい大会へと大きく育つことを願っております。大会の実施に向けて、まだまだクリアすべき課題や、検討を深めなくてはならないことも多くあると思いますが、まずは第一回大会の成功のため、港区マラソン実行委員会を中心とし、区民はもとより多くの主体を巻き込み、港区も全庁一丸となって取り組んでいただきたいと思います。私たち自民党議員団も全力で支援させていただくことをお約束し、質問に入らせていただきます。  初めに、区財政の展望についてお伺いいたします。  今定例会に提出された平成三十年度港区一般会計予算案によると、歳入の根幹をなす特別区税は、特別区民税収入が、人口増や雇用・所得環境の改善に伴い、前年度当初予算に比べ約四十八億円、率にして七・一%増の約七百十四億円と、初めて七百億円を超える見込みとなっており、現下の財政状況は極めて堅調であると言えます。この状況を最大限に生かし、港区基本計画計上事業の着実な実施とともに、他自治体をリードする先進的な施策につきましても、区民の理解を得て、参画と協働のもと積極的に取り組んでいただくことを願うものであります。  一方で、懸念もあります。昨年末に閣議決定された平成三十年度税制改正大綱により、地方消費税の清算基準の見直しが決定し、これまでの消費額七五%、従業員数七・五%、人口一七・五%とされてきた各都道府県への配分基準を、消費額について五〇%へ引き下げる一方、人口を五〇%に引き上げ、従業員数については基準から削除することとなりました。この見直しによって、全国の大半の自治体では増収となる一方、東京都では約一千億円の減収となり、その影響を受け二十三区全体で三百八十億円、港区では二十二億円の税収減となることが見込まれております。  港区はマンション、オフィスの供給が続き、夜間人口、昼間人口ともに増加していることに伴い、行政需要も拡大しています。また、ひとたび用地を取得することになれば、地価の高さから負担は大変大きなものとなり、さまざまな集積を考慮すれば、災害に対する日常的な備えにかかるコストについても、他の自治体とは異なる要素を多く抱えております。今後の区財政の展望と、今後とも健全な財政運営を堅持するための区長の姿勢についてお伺いいたします。  来年度は三十億円を超える減収要因と想定されるふるさと納税についても、制度の趣旨に鑑み、過剰な返礼品競争となっている現状を是正することについて、強く主張していただくことをお願いします。同時に、来年度開始される、寄付者が自らの意思で寄付金の使い道を選ぶことができる港区版ふるさと納税制度については、港区に愛着を持つ区外在住者や日中の多くの時間を港区で過ごしている在勤者と同様、区内在住者に対しても制度のPRを行って、区政への関心を高めてもらう工夫を凝らしていただきたいと思いますが、区長の見解をお伺いいたします。  次に、来年度予定される組織改正についてお伺いいたします。  これまで各地区総合支所に置かれていたまちづくり担当まちづくり課に、また、教育委員会事務局を教育推進部と学校教育部の二部制に、ほかにも選挙管理委員会事務局長を部長職とするなどの組織改正が実施されます。  これら組織改正についてお伺いいたします。初めに、総合支所に設置されるまちづくり課についてです。都心区港区は、他区と比較しても開発や再整備の動きが激しく、現在も区内各地で多くのプロジェクトが進められております。また、勉強会の立ち上げられた段階や、さらには、まだ顕在化していないものの潜在的な胎動も数多くあるものと考えられます。つまり、港区で生活していると、自分自身や家族の生活、そして資産に関する重大事に、ご自身の意思にかかわらず巻き込まれる区民が大勢おられるということです。都市計画法はもとより、まちづくりに関する諸制度について精通している区民の皆さんは、そう多くはありません。その道のプロである開発事業者等からの提案を聞いても、なかなか正確には理解し切れない段階で判断することになり、不安を感じている方からご相談を受ける機会も少なからずあります。  今回の組織改正を機に、地域の事情に精通した総合支所の職員が、民間事業者の動向も踏まえ、地域課題の解決を誘導するのと同時に、制度的、技術的な知見を適切に区民に提供することができれば、区民の皆さんの判断の幅が広がり、さらなる住民参加型のまちづくりが行われるものと思います。また、各地区の個性を生かした地域発意のさまざまな取り組みについても、地域活動への現場感を持った総合支所の職員がソフト・ハード両面から協働して取り組むことができることへの期待もあります。総合支所にまちづくり課を設置する意義と目指すところについて、区長の見解を伺います。  続いて、教育委員会事務局を二部制にすることについてです。これまでも私たちは、体育の概念を超えて、スポーツの有する可能性をより高めるため、既に東京都や他の多くの区で実施しているように、スポーツや文化の所管を区長部局へ移管することを提案してまいりました。その点からも、この組織改正への期待は大きいものがあります。現在行われている平昌二〇一八冬季大会が終われば、いよいよ次は東京二〇二〇大会ということになり、いよいよ気運も大きく盛り上がってくるものと思われます。東京二〇二〇大会に先立って、来年はラグビーワールドカップ二〇一九日本大会が開催され、既にチケットの販売も始まっております。  これら世界的なスポーツイベントを控えた本年十二月には、初の試みとなる港区マラソンが実施されます。現在、それらのスポーツ関連事業については、区長部局である企画課が所管しておりますが、大会終了後のスポーツ、文化のレガシーを将来にわたって持続させていくためには、ある段階で、各事業を該当する所管課に移行させなくてはならないと考えます。  スポーツは、身体運動を伴った介護予防、パラスポーツを通した障害者の社会参加機会の増大、そして、スポーツイベントを通じたボランティア参加や経済活動など、福祉、地域振興、産業振興、その他さまざまな分野において、今まで以上にその果たすべき役割が広がっていきます。それは文化活動においても同様です。教育推進部が設置されることで、区長部局との連携もより柔軟かつスムーズになり、教育委員会事務局の中だけではおさまり切らないさまざまな分野を横断する事業などが、一層効果の高い事業として実施されることを期待しております。  そこで質問は、教育委員会事務局を教育推進部、学校教育部の二部制にすることの意義について、また、今後の区長部局との連携の方向性について、教育長にお伺いいたします。  次に、町会・自治会支援についてお伺いいたします。  武井区長の掲げる参画と協働の区政運営において、町会や自治会が果たしている有形無形の役割の重要性については、今さら論じるまでもありません。区は、かねてよりさまざまな形で町会等を補助、支援してきており、特に区役所・支所改革以降、区と地域との密接な協働関係を構築するために、町会・自治会の皆さんには大きな役割を担っていただいてまいりました。一方、それぞれの地域における町会等において、少なからずその維持、運営に障害や困難さが生じております。今後も、地域活動のかなめとして町会等が健全に運営されていくため、何点かお伺いさせていただきます。  初めに、新たな町会・自治会への支援策についてです。今般、区は、町会や自治会の活動における重点的に解決すべき課題として、運営・組織、連携・ノウハウ、参加促進・きっかけづくりを掲げ、それぞれの課題解決に向けて立てられた目標に向け取り組みの方向性を示し、具体的な支援策が講じられることになります。  新設される協働事業活動補助金は、会員数百五十名以下の町会・自治会が近隣の町会・自治会や地区で活動する団体と協働して実施する事業に対して、補助率十分の十、五十万円を上限として補助を行うものです。活動の例なども示されていますが、この補助金を活用することにより、そもそも制度の目的である、町会・自治会運営の脆弱化の解消であり、役員の高齢化や人材不足による業務停滞の解消が図られなくてはなりません。  それぞれの町会・自治会には運営面であり、資金面であり、それぞれの悩み、ご苦労があると思います。当然のことながら、区からの支援についてもニーズは異なり、それらは外部のコンサルタントが聞き取りし、アドバイザーが派遣されたとしても、必ずしも解決策が見出せるとは限りません。その地で生活し、活動に参加する皆さんが納得した上で受けられる支援でなくては、一過性のもので終わってしまう可能性もあります。それぞれの町会・自治会の皆さんに制度趣旨を正確に理解してもらい、課題が少しでも改善されて町会・自治会の活動が持続的に行えるよう、長期的な見地に立って申請していただくため、区側の担当者には丁寧な説明ときめ細かな相談を心がけ、ともに知恵を絞っていただきたいと思います。新たな町会・自治会への支援策をより効果の高いものにするため、区の対応についてお伺いいたします。  続いて、町会への入会勧奨についてお伺いいたします。近時、新築マンションの分譲時に、町会の入会をお勧めしていただけないケースが増えていると仄聞しております。区全体としては、会員数自体は増加傾向にあるものの、人口増に比して町会・自治会の入会者の比率は伸びておらず、活動の参加にも必ずしもつながっていないというのが現状です。新規分譲のタイミングを逃してしまうと、その後、数百世帯が入居するような規模のマンションの住民に対して、まとまった形で町会・自治会の活動にご理解いただき、加入を依頼することは極めて困難になります。もとより任意団体である町会・自治会への入会は強制できるものではありませんが、遠方から転居される方や自らの住まいとなる地域について詳しく知りたいという方もおられるはずですので、マンションを販売する事業者が購入希望者に対して地域活動を紹介することや、町会への入会勧奨を行うことについて、区から積極的に促していただきたいと思います。この点について、区長のお考えをお伺いいたします。  また、港区内では多くの大規模な開発が計画されておりますが、その中には複数の町会をまたいで実施されるような事業もあります。その場合、これまで行われてきた町会活動や行事などに影響が出ることや、そもそも町会運営自体が左右されることも懸念されます。そのような地域については、それぞれの町会や事業者といった当事者に委ねるだけではなく、既存の町会にとっても新しくそこに誕生するまちにとってもよりよい地域づくりの方向性が見出せるよう、その調整の場に区も積極的に関与していただきたいと考えますが、区長の見解をお伺いいたします。  次に、港区立がん在宅緩和ケア支援センターについてお伺いいたします。  公益財団法人日本対がん協会では、「がんは治療しながら働く時代へ」とのキャンペーンを行っています。国民の二人に一人ががんになり、そのうち三割は働く世代と言われている今、がん患者が治療しながら働くことへの正しい理解とサポートが必要であることや、がんになっても普通に働き、笑顔で暮らせる社会の実現を訴えています。  本年四月、港区立がん在宅緩和ケア支援センターが開設されます。新たな治療法や治療薬は日々進化しており、早期発見すればがんは治せるという現在であっても、やはりがんと診断されることは大きなショックであることに変わりありません。そして診断後、本人やご家族は健康そのものへの不安は当然のことながら、経済的な不安、社会とのかかわりに対する不安など、さまざまに悩まされることになります。がん患者とその家族の不安や悩みに寄り添う対応を求めるものです。  また、ちまたにはさまざまな情報があふれ、一たびインターネットで検索すれば、がん患者や家族の不安心理につけ込んで、医学的に根拠のない高額な治療をあおるようなサイトが無数にあります。医学的なリテラシーのないごく一般の方々に対しては、誤った認識により判断してしまうことで後に悔いを残してしまうことのないよう、踏み込んだ相談の体制を講じていただきたいと思っております。  緩和ケアというと、末期の治療のイメージがありますが、がんと診断された時点から治療と並行して受けられるものであることをぜひ周知していただき、進行の段階にかかわらず、患者やその家族の不安や悩みに寄り添う体制を整えていただきたいと考えます。港区立がん在宅緩和ケア支援センターの運営について、方針をお伺いいたします。  次に、港区のたばこ対策についてお伺いいたします。  厚生労働省は一月三十日、受動喫煙対策を含む健康増進法改正案の骨子を公表、タイトルを「望まない受動喫煙」対策の基本的考え方とし、従来の敷地内禁煙、屋内禁煙、原則屋内禁煙の三区分を、敷地内禁煙と原則屋内禁煙の二区分にするなどの変更がなされております。これを受け、小池百合子東京都知事は、罰則付きの受動喫煙防止条例案について、国が検討する受動喫煙対策の法案で規制区分が変わるなどして条例案と整合性がとれなくなったため、当初予定していた平成三十年第一回東京都議会定例会への提出を見送ることを表明いたしました。  港区議会としても、平成二十九年第四回定例会で東京都に対し、東京都受動喫煙防止に関する条例に係る意見書を提出し、本条例案については、理解と共感を得られる条例となるよう、各区と十分協議することを求めています。今回、国と東京都で異なる基準が示されることによる混乱が避けられることになり、安心しております。  港区では、みなとタバコ対策優良施設ガイドラインを示し、優良施設として登録された飲食店を、みなとタバコ対策優良施設登録飲食店ガイドブック「港区煙(たばこ)のないレストラン」で紹介するなどして、受動喫煙防止対策への取り組みを進めています。また、みなとタバコルールによる喫煙マナーの周知、指定喫煙場所の設置などの対策を行い、今年度からは、みなとタバコルール宣言登録事業を開始しました。港区に限らず都心区では、屋外での喫煙を強く規制しており、喫煙できる店舗などが急激に減ると、これまで抑制されてきた屋外の公共の場所での喫煙者が増加したり、それに伴いポイ捨てが増えたりすることが懸念されます。  来年度からは喫煙外来治療費助成の創設も予定されております。国・東京都の動向を注視しなくてはなりませんが、港区としては、これまで推し進めてきた施策を引き続き進めることで、吸う人も吸わない人も快適に過ごせる港区の実現を目指すべきと考えます。そして、みなと保健所で取り組む受動喫煙防止対策と環境課で取り組むみなとタバコルールをより有機的に組み合わせて周知することで、これらの施策の効果がより高まるものと考えますが、区長の見解をお伺いいたします。  次に、住宅宿泊事業、いわゆる民泊についてお伺いいたします。  住宅宿泊事業の適正な運営を確保しつつ、国内外からの観光客の宿泊需要に対応し、その来訪と滞在の促進を目的とする住宅宿泊事業法が本年六月に施行されます。住宅宿泊事業、いわゆる民泊は、国際交流や観光振興など地域の活性化に資することが期待される一方、宿泊者による騒音やごみ処理など区民の生活環境への影響も懸念されています。区は、法の趣旨や国際性豊かな区の特性を踏まえつつ、区民の生活環境が阻害されないよう、住宅宿泊事業が受け入れられ共存共栄できるまちの実現を目指し、民泊に関する基本的考え方と対応方針を策定。パブリックコメントを募集し、その結果を踏まえ、今定例会に新規条例が提出されました。まず、これに先立って示されました基本的考え方の策定の経過と留意された点についてお伺いいたします。  六月十五日の事業開始を前に、事前周知の届出が始まります。届出の際、マンション等集合住宅の管理組合がある場合は、管理規約の添付を義務づけることを予定しています。住民の中には、マンションのオートロックの内側に見ず知らずの旅行者が出入りすることに対して不安を抱く方もいらっしゃいます。民泊を禁止するため管理規約の改訂を行った、また、検討を進めている管理組合も少なからずあります。管理規約の改訂は総会決議事項のため、届出の受付を開始する時点では、管理組合規約の改訂が間に合わないケースも考えられます。また、管理組合によっては、改訂部分を別添として追補するところもあります。届出書類として提出された管理規約に民泊を禁止する条項の記載がない場合であっても、それが最新の規約ではない可能性があります。届出段階で不適格な物件を排除するため、規約で民泊を禁止している管理組合に対して、あらかじめ区に管理規約を提出してもらい、一元的に管理することができれば、無用なトラブルの発生を回避することができることになります。届出の段階で適格性を確実にチェックできる仕組みを設けることなど、区民の不安を払拭する手だてを検討すべきと思いますが、区長の考えをお伺いいたします。  また、民泊が実施される際には、ルールを遵守するホストを育成し、ルール・マナーを守れないホスト、また無届けの違法民泊などはしっかりと取り締まり、排除することによって制度全体の健全性が保たれるものと考えます。住宅宿泊事業法や条例案でも、ホストに対し周辺環境の悪化を防止するための配慮すべき事項について規定されていますが、それらをいかに遵守させられるかが課題となります。区として適正な民泊運営を確保し、区民の安全で安心できる生活を守っていくという決意のほどをお聞かせいただきたいと思います。  次に、商店街振興施策についてお伺いいたします。  平成二十七年度、平成二十八年度に港区政策創造研究所が行った調査結果や、商店会を取り巻く現況を踏まえた新たな商店街振興施策が発表されました。そのうちプレミアム付きスマイル商品券については、これまで港区商店街連合会及び区が発行額や販売方法に関して、一人でも多くの方にできるだけ平等にご利用いただくための工夫を重ねながら、さまざまな課題を乗り越え、区内商店会の活性化や加盟店での消費喚起につなげてこられました。来年度は、プレミアム分二千万円を含め一億七千万円分が発行され、私たち自民党議員団からもかねてより要望させていただいておりました小規模店舗での使用に特化した限定の券種が、プレミアム率も二〇%にアップされ六千万円分発行されることになりました。これによって商店会に加盟する、より地域に密着した店舗での消費が拡大することを強く期待するものです。  利用可能な店舗が限られるということになりますが、余り限定し過ぎてしまうと混乱が起こり、広げ過ぎてしまうと制度の趣旨が薄らいでしまうことになります。どのような基準で線引きを行うのか。また、初めての試みとなりますので、利用者に対しては港区商店街連合会と調整し、混乱を招くことがないよう周知する必要があると考えます。また、施策の成果を上げるためには、消費者の理解を得なくてはなりません。そのためにも、利用した方々がプレミアム分のメリットを得たと感じるだけではなく、地域の生活基盤を支える小規模店舗が活性化され、地域の活力が増すことでよりよい地域づくりにつなげるという認識を広く共有してもらえるよう取り組む必要があるものと考えますが、区長のお考えを伺います。  また、生鮮三品等を取り扱う店舗の持続化支援や新規開業を促進する補助制度などの施策も拡充されることになります。生鮮三品については、ネットスーパーや宅配などがあっても、やはり自分の目で確かめて購入したいと感じている区民は多くいらっしゃると思います。しかしながら、都心区の特性もあり、区民の消費活動を支えてきた生鮮三品を取り扱う商店の置かれる環境は常に厳しいものがあります。そのような厳しさのもとでご商売を営まれてきた皆さんが、設備の更新や代がわりにちゅうちょすることなく、今後も末長く営業を続けようとモチベーションを高められる支援策になるよう取り組んでいただきたいと考えますが、区長の見解を伺います。また、新規開業支援については、既存店舗への配慮がなされますようお願いいたします。  次に、観光地における多言語対応についてお伺いいたします。  日本政府観光局によると、平成二十九年の訪日外国人旅行者数は二千八百六十九万人と推計され、平成二十八年と比べ一九・三%増加し、統計をとり始めた一九六四年以降、最多となりました。港区にも多くの外国人観光客が訪れており、東京二〇二〇大会を控え、外国人観光客が増えていくことは確実です。  区では、観光マップ、観光ガイドブックなど多くの観光案内地図や冊子を用意しており、それらを多言語で表記するなど、外国人観光客を意識したものとなっています。一方、区内の観光地に行きますと、外国人観光客の姿は見られるものの、観光地やそこにある史跡などの案内、説明は、外国語としては英語がほとんどです。それはとりもなおさず、日本の文化に興味を持ち港区を訪れた英語を話さない外国人が、由緒あるお寺や神社を訪ね、また文化財に触れても、その歴史的、文化的価値を理解する機会を得ないまま終わってしまうことにほかなりません。とはいえ、区内にある全ての観光資源について、案内や説明を多言語で表示することは現実的には不可能です。また、独自のアプリを作成しても、ダウンロードの手間を考えると観光客の利便性が上がるとは限りませんし、何より費用対効果の問題があります。  ことし六月、港区観光協会は法人化を予定しています。このような課題については、港区観光協会及びその加盟社の方々がその解決策を検討されることになるとは思いますが、区としても連携して、区内観光地の多言語対応を進める必要があると考えるものです。区内観光地の多言語対応について、区長の見解をお伺いいたします。  次に、三田・高輪地区まちづくりガイドラインについてお伺いいたします。  地区内の町会長をはじめとする皆さんのご協力をいただき、三田・高輪地区まちづくりガイドラインの策定作業が進められており、先日示された素案に対するパブリックコメントの募集が二月十三日から行われております。品川駅周辺では、JR新駅や環状第四号線の整備に伴う大規模な開発計画が予定され、徐々にその概要が明らかになりつつあります。このような大規模な開発において適切にまちづくりが行われ、区が指導、誘導することは当然ですが、その周辺への影響や、周辺地区で行われるまちづくりについても、区は配慮するべきです。新駅ができ、利便性が向上することで、これまでの想定を超える大規模な開発計画が誘発される可能性や、小規模な開発がばらばらに行われ乱開発により今までのまちの姿が一変してしまう可能性もあります。品川駅北周辺地区や品川駅西口地区、三田三・四丁目地区など、大規模開発に隣接、近接しながら、豊かな自然と歴史ある寺社を有する三田・高輪地区のまちづくりを今後どのように進めていくのか、区長の見解を伺います。  次に、白金・白金台地区の交通対策についてお伺いいたします。  白金・白金台地域は、幹線道路から一本中に入ると狭隘な道路がほとんどで、坂道も多く、幹線道路には都バスが走っており、地下鉄の駅はあるものの、移動に困難さを感じている高齢者や体の不自由な方々も多くおられます。本年度に策定した港区総合交通戦略でも交通不便地域に位置づけられており、この地域に「ちぃばす」の導入を求める要望は議会への請願を含め、数多く寄せられています。  今回、この地域に新規交通手段として、一般タクシーによるデマンド型相乗りタクシーを活用した、モニター方式での実験の実施が公表されました。計画の概要は、同地域に居住する七十歳以上の高齢者など移動制約者四人一組で百組を選定し、二人以上の相乗りで一カ所から乗車し、一カ所で降車、初乗り運賃分四百十円を補助する仕組みです。今回の取り組みの特徴としては、スマートフォンの無料迎車アプリを利用して、流し営業しているタクシーに乗車することでコストを抑えること、そして地元のお仲間と一緒に出かけられることにあります。  しかし、スマートフォンを使い慣れていない、また、そもそもお持ちでない高齢者の方への配慮も必要ではないかと考えます。また、乗り合わせる仲間の皆さんとの都合が合わないことがあると、むしろ外出を阻害してしまう要因になってしまうということが懸念されます。相乗りタクシーを実現するにあたり、これらの課題への対応について、区長のお考えをお伺いいたします。  次に、道徳の教科化に向けた教員への支援についてお伺いいたします。  学習指導要領が改訂され、先行して実施される道徳の特別教科化が小学校では平成三十年度から、中学校では平成三十一年度から始まります。小学校では新しく教科書も選定され、それぞれの学校で保護者や地域の皆さんにも理解を求めるため、道徳授業地区公開講座を開くなど、準備を進めていただいているところです。今回の特別教科化は、いじめの社会問題化を深刻に受けとめ、問題解決や体験的な学習なども取り入れ、児童・生徒一人ひとりが「考え、議論する道徳」教育を目指しています。
     こうした中、これまでも道徳の授業は実施されておりますが、改めてどのように指導すると心の教育の面で効果があるのか、また、評価をどうするのか、教員は、現在、模索していることと思います。これらの新しい取り組みにより、授業準備に時間が割かれ、子どもたちと向き合うための時間が削られてしまうのではないかとも危惧しています。今後、道徳の特別教科化に向け内容の充実を図ることはもちろんですが、教材開発等の教員の負担軽減は図られなくてはならないと思っています。こうした状況に対して、教育委員会としてどのように教員を支援するのか、教育長にお伺いいたします。  最後に、教職員の働き方改革についてお伺いいたします。  先ほどの質問でも触れましたが、教員が子どもと向き合う時間をしっかりと確保し、心にゆとりを持って充実した授業を行い、児童・生徒、そして保護者との信頼関係を構築する。そのような環境が整えられることを、区立小学校に子どもを通わせる一保護者としても強く願っております。  東京都教育委員会が一週間当たりの在校時間が六十時間を超えて勤務する教員をゼロにすることを当面の目標とした学校における働き方改革推進プランを策定し、区においても、教職員の働き方改革実施計画の策定に向け準備中とのことですが、計画の策定方針について、教育長にお伺いいたします。  以上で私の質問を終えさせていただきます。ご清聴どうもありがとうございました。   〔区長(武井雅昭君)登壇〕 ○区長(武井雅昭君) ただいまの自民党議員団を代表しての二島豊司議員のご質問に順次お答えいたします。  最初に、区財政の展望についてのお尋ねです。  まず、今後の区財政の展望と財政運営の姿勢についてです。人口増などに伴い、教育や福祉分野など、行政ニーズは確実に増大し、また、施設の建設や維持管理経費などにも留意する必要があります。その財源となる区の歳入の根幹をなす特別区民税収入は、人口の増加に伴い、今後も順調に増加していく見込みです。港区ならではの質の高い行政サービスを将来にわたり安定的に提供するためには、人件費をはじめとした経常的経費の縮減に取り組むとともに、一定規模の財政調整基金を確保し、将来的な施設需要等に備え計画的に基金を積み立てるなど、どのような状況でも安定した財政運営ができるよう、中・長期的な視点に立った磐石な財政基盤の堅持に努めてまいります。  次に、港区版ふるさと納税制度についてのお尋ねです。本年四月の制度導入にあたっては、区は、地域の貴重な水辺資源を活用した「泳げる海、お台場の実現」及び運河に架かる橋のライトアップ、さらに区民の誰もが参加し、区に愛着と誇りを持つことができる港区マラソンの三事業を寄付充当事業として選定することで、多くの皆さんに区を応援していただくことといたしました。制度導入に向け、今後は、広報みなとや区ホームページによる周知に加え、誰もが気軽に手に取っていただけるパンフレットの配布や地域の企業と連携した効果的な周知に努めてまいります。  次に、総合支所にまちづくり課を設置する意義と目標についてのお尋ねです。  総合支所に設置するまちづくり課では、職員がこれまで以上に積極的にまちに出て、区民の意見やまちの情報をいち早く収集することで、地域の実態に即した丁寧なまちづくりを区民とともに推進します。また、道路・公園の占用許可や屋外広告物の許可、放置自転車対策などを、区民に最も身近な総合支所が担うことで、より適切な指導・誘導が可能となり、良好な住環境の維持、向上につなげてまいります。地域特性に応じた住民発意のまちづくりをさらに推進できるよう、まちづくりの分野を含め、より身近で、より便利で、より信頼される総合支所を実現してまいります。  次に、町会・自治会への支援についてのお尋ねです。  まず、新たな支援策についてです。新たな補助金をはじめとした支援策の実施にあたっては、それぞれの支援策の趣旨や手続等について、町会・自治会に丁寧に説明し、十分にご理解の上、活用していただくよう努めてまいります。また、各支援策の進捗状況などの把握に努め、町会・自治会からの意見、要望を伺いながら、制度の使いやすさなどを検証してまいります。今後も、町会・自治会の実情を踏まえながら、総合支所と支援部が地域とともに、地域共生社会の実現に向けた基盤づくりを目指してまいります。  次に、町会への入会勧奨についてのお尋ねです。区では現在、マンションなどへの建築主に対して工事着工前に、町会への加入について、地元町会との事前の調整・相談を要請しております。また、総合支所と町会が連携して、未加入のマンションを対象に、町会の活動を紹介するリーフレットを、管理組合の協力を得て戸別配布するなどの取り組みを行っております。さらに、区は来年度、町会・自治会の活動内容などをわかりやすく伝える冊子を作成し、加入促進に活用してまいります。今後も、建築主や不動産業者、管理組合などの協力を得ながら、地域コミュニティの活性化に向けて、町会加入を促進する取り組みを強化してまいります。  次に、よりよい地域づくりについてのお尋ねです。区は、町会の意向や地域の特性を生かした地域の発意によるまちづくりを支援するため、地域に専門家を派遣しております。開発が複数の町会に及ぶ場合にも、関連する町会が一体となって開発事業者との間で調整を行い、既存の町会が新たなまちでも継続した活動ができるよう支援しております。今後も、町会と開発事業者とのよりよい協力体制が構築できるように、各地区総合支所が支援部と連携して地域に入り、住民の参画と協働によるまちづくりに積極的に取り組んでまいります。  次に、港区立がん在宅緩和ケア支援センターについてのお尋ねです。  本年四月に開設する港区立がん在宅緩和ケア支援センターでは、がん患者が住み慣れた地域で安心して療養生活を営むことができるよう、がん患者とその家族を支援してまいります。がんと診断された当初から相談に対応し、区の福祉サービスと連携した在宅療養や介護の支援だけでなく、社会生活を維持するための外見ケアや就労支援を行ってまいります。また、家族の交流の場の提供や、広く区民の皆さんにがんや緩和ケアについて理解を深めるための講演会を開催するほか、医学的な根拠に基づいた情報を提供する情報コーナーを設置し、正しい知識の普及啓発に取り組んでまいります。  次に、たばこ対策についてのお尋ねです。  区では、屋内での受動喫煙防止のため、事業所や飲食店等に対し、みなとタバコ対策優良施設への登録を呼びかけ、登録飲食店をまとめた冊子「港区煙(たばこ)のないレストラン」を駅などで配布し、注目を集め、掲載希望も寄せられております。また、屋外では、喫煙場所の整備や、事業者によるみなとタバコルール宣言、デジタルサイネージでの観光客等への啓発などの取り組みを積極的に進めてまいりました。今後も、受動喫煙を防止するための環境整備や区民の禁煙支援に取り組むとともに、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会の開催に向けて、港区にふさわしいたばこ対策を推進するための全庁的な検討体制の整備に取り組んでまいります。  次に、住宅宿泊事業についてのお尋ねです。  まず、区の基本的考え方策定の経過と留意点についてです。区は、住宅宿泊事業法が公布された昨年六月に港区民泊対応検討委員会を庁内に設置し、関係団体や学識経験者から意見、要望を伺い、法解釈や住民、事業者の立場などさまざまな観点から検討を行い、基本的考え方を策定いたしました。策定にあたっては、区民の良好な生活環境を維持するための事前周知や標識の掲示場所等の規制、国際性豊かな区の特性を踏まえた外国人の宿泊ニーズへの配慮とともに、特に家主居住型と家主不在型の区分及び制限区域における事業の実施可能期間の設定等に留意いたしました。  次に、集合住宅における住民の不安払拭についてのお尋ねです。マンション等の集合住宅で住宅宿泊事業を行う場合は、届出の際、管理組合に住宅宿泊事業を禁止する意思がないことを確認できる管理規約等の書類の添付が必要です。届出を適正に処理するためには、集合住宅の管理組合の意思を正確に把握する必要があることから、区は、提出された書類を確認し、必要に応じて管理組合に直接意思の確認を行うようにするほか、集合住宅の管理規約等の情報を事前に提供いただく仕組みによって、区民の不安の払拭に努めてまいります。  次に、区民の安全で安心できる生活を守る決意についてのお尋ねです。区は、区民の安全で安心できる生活環境を維持することを目的として、条例案を策定いたしました。この目的に沿い、住宅宿泊事業者に対し、講習会の開催等により、適正な事業運営のためのルールとその遵守について情報提供や注意喚起を行うとともに、無届営業やルールに従わない事業者には立入調査などを行い、改善に向け指導を行ってまいります。さらに、指導に従わない事業者に対しては、警察署、消防署等の関係機関と連携し、住宅宿泊事業法に基づく監督権限を行使するなど厳正に対処し、住宅宿泊事業の適正な運営を確保してまいります。  次に、商店街振興施策についてのお尋ねです。  まず、区内共通商品券の限定券種についてです。小規模店舗での使用に特化した新たな商品券の発行は、区民生活に不可欠な小規模店舗が、今後も末長く地域に根差した活発な商業活動を展開できるよう、特にプレミアムを加算して重点的に支援する新たな取り組みです。新たな券種を含めた区内共通商品券の発行・販売にあたっては、券種ごとの取り扱い店舗の一覧や商品券の発行目的等を記載した小冊子を商店街でも配布するなど、店舗側にも協力をいただきながら、わかりやすく丁寧な周知に努めてまいります。  次に、店舗の事業継続への支援についてのお尋ねです。区内にある生鮮三品取り扱い店舗は、販売設備の更新費用や高い賃借料などの負担に加え、各種宅配サービスやインターネットを利用した通信販売の普及による売り上げの減少などの影響により、厳しい経営状況にあります。区は、区民の食生活と密接なかかわりのある生鮮三品取り扱い店舗に対して、こうした厳しい経営状況に配慮し、老朽化した設備更新等に必要な経費を他業種に優遇して助成する新たな取り組みを来年度から開始いたします。区民生活に不可欠な生鮮三品取り扱い店舗の経営者が、今後も安心して地域に密着した商業活動を継続できるよう、さまざまな施策を展開することで積極的に支援してまいります。  次に、観光地の多言語対応についてのお尋ねです。  区は、外国人観光客への対応として、多言語表記した案内標識の整備や観光案内冊子の作成、観光ボランティアによる外国語での案内など、多言語の対応を進めております。本年六月には、港区観光協会が法人化され、組織基盤が強化される予定です。区は、これを契機に、外国人観光客の受け入れ環境の整備をさらに進めるため、港区観光協会との連携を強化し、加入する多くの観光関連事業者とも協力しながら、ICTを活用した観光案内の多言語化を検討してまいります。今後も、港区観光を楽しむ環境づくりのため、区内観光地の多言語化について積極的に取り組んでまいります。  次に、三田・高輪地区まちづくりガイドラインについてのお尋ねです。  ガイドラインの策定にあたっては、当地区の特色である地域の絆や、緑、歴史といった豊富な地域資源など魅力ある街並みを生かすため、地域の皆様との意見交換会やヒアリングを計三十回実施するなど、地域の皆様とともに検討を重ねてまいりました。ガイドラインが示す将来像の実現には、隣接する品川駅及びJR新駅周辺などの大規模な開発が進められる中、地元主体のまちづくり活動の支援を行い、住民、企業、開発事業者などと行政が連携し、地域の実情に即したまちづくりを推進することが必要と考えております。区は、今後、参画と協働による一体的なまちづくりに取り組むことで、安全で安心して心豊かに暮らすことができる地域共生社会の実現を目指してまいります。  最後に、白金・白金台地域の交通対策についてのお尋ねです。  区は、幹線以外の狭い通りなどでタクシーを呼び出せるように、スマートフォンのアプリを活用したモニター実験を実施いたします。この実験では、スマートフォンを所有しない方のみでは利用できない制約があるため、スマートフォンを所有する方を含む四人一組のグループでの参加を考えております。実験を通して、スマートフォンの保有状況、グループでのタクシー利用状況等を検証し、地域の皆さんのご意見を伺いながら、利用しやすい運用を検討してまいります。  よろしくご理解のほどお願いいたします。  教育にかかわる問題については、教育長から答弁いたします。   〔教育長(青木康平君)登壇〕 ○教育長(青木康平君) ただいまの自民党議員団を代表しての二島豊司議員のご質問に順次お答えいたします。  最初に、教育委員会事務局を二部制にすることについてのお尋ねです。  平成二十七年四月一日に「地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律」が施行され、教育長は教育委員会の代表者である委員長と、教育委員会の事務を統括する権限をあわせ持ち、特別職として教育行政の責任者となり、従来よりも教育行政に大きな権限と責任を持つことになりました。  今回の組織改正は、こうしたことを踏まえ、教育長である私が、当面の課題であります、いじめの問題、子どもの未来応援施策の課題、それから東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会などをはじめとした課題はもとより、中・長期的な課題を区長部局とともに的確に捉え、迅速かつ的確な判断を行えるよう、事務局体制を強化するものであります。  具体的な組織体制ですけれども、教育委員会事務局に、港区教育大綱に基づいて学校教育をはじめ教育行政全般を推進していく教育推進部、子どもたちの未来を切り開く資質・能力を確実に育成し、学校における教育環境の一層の充実を図る学校教育部を設置いたします。PTAや港区青少年委員会、企業など多くの団体と連携して施策を進める教育推進部は、スポーツ、伝統文化、音楽、読書、美術などのさまざまな分野において学校教育部を支えてまいります。  新たな組織体制のもと、特に教育施策に関連があります文化芸術や健康、福祉部門などについては、区長部局と連携し、スピード感を持って、先進的・発展的な港区ならではの教育施策を展開するとともに、教育委員会と区長部局が一体となって、さまざまな行政課題の解決に向け、全庁横断的に取り組んでまいります。  次に、道徳の教科化に向けた教員への支援についてのお尋ねです。  教育委員会では、道徳の教科化に先駆け、今年度から新学習指導要領が目指す「考え、議論する道徳」を全小・中学校で展開し、子どもたちの豊かな心の育成に取り組んでおります。このような中、教員への支援としまして、これまでは学校の教員を対象とした道徳教育推進教師連絡会において、道徳の指導法や教科のあり方について積極的に情報提供を行うとともに、学校の学習指導案をもとに、すぐれた指導実践例を道徳授業指導資料集としてまとめ、配布しております。今後は、この指導資料集や評価資料等について、各教員が子どもたちの実態に合わせ、内容を加除訂正し、活用できる電子データとして提供するなど、道徳の教科化に向け、さまざまな支援を行っていくことで教員の負担軽減を図ってまいります。  最後に、教職員の働き方改革実施計画の策定方針についてのお尋ねです。  教育委員会は、東京都が本年二月八日に発表した学校における働き方改革推進プランを踏まえ、教職員の心身の健康保持と子どもと向き合う時間の創出を目指し、長時間労働縮減のための具体的目標を掲げた教職員の働き方改革実施計画を、本年九月を目途に策定する予定でございます。策定にあたりましては、区における教職員の実態を十分に踏まえ、幼稚園や学校とともに、ICT活用の推進や部活動における教職員の負担軽減のほか、幼稚園や学校が地域や家庭と協力して働き方改革を推進できる、港区ならではの取り組みについて、外部有識者の意見を交え検討してまいります。  よろしくご理解のほどお願いいたします。 ○議長(池田こうじ君) 次に、二十一番なかまえ由紀議員。   〔二十一番(なかまえ由紀君)登壇、拍手〕 ○二十一番(なかまえ由紀君) 平成三十年第一回港区議会定例会にあたり、みなと政策会議を代表し、武井区長、青木教育長、島田選挙管理委員会委員長に質問いたします。  昨日、区長は所信表明冒頭で、平成の三十年間を振り返られました。この間、国内ではバブル崩壊や震災、世界では数々のテロや金融危機を経験しながら、皆の英知で何とか乗り越えてきました。現代は変化のスピードが速く、先の読めない時代ではありますが、同じ時代を生きる人々が、それぞれの役割を発揮し協働することで、未来を切り開いていけると私は信じています。  区長は所信表明の締めくくりに、「地域共生社会を築くことこそが、将来にわたり港区が輝き続ける最良の道だと確信しています。」とおっしゃいました。多様な人々や団体と協働し、地道に一つひとつの事業を積み重ね、身近な社会の発展を実感できるのは区行政ならではです。港区の掲げる理想の社会の実現に向けて、今後も皆さんと力を合わせていきたいと思います。  質問に入ります。  初めに、中・長期的な行財政運営方針についてです。  地方消費税交付金の減収やふるさと納税による税収減など、国の税制変更が区に及ぼす影響は非常に大きいです。地方消費税交付金の減収に関して、来年度は今年度比約二十二億円の減収見込みです。また、ふるさと納税による税収減は年々増加しており、来年度は約三十億円の減収見込みです。合わせて五十億円を超える影響が来年度は想定されています。  国の税制改正は予測しづらいものの、富裕自治体である東京都や港区の税収は、今後も狙われる状況が続くと思われます。そのような中において、自主財源の根幹である特別区民税収入は、来年度過去最高額の七百十四億円が見込まれており、非常に頼もしい存在です。だからこそ納めてくださった区民に質の高い住民サービスの形で還元し、これからも住み続けたいまちを維持していく必要があります。  今年度実施の区民世論調査では八七・八%の区民が、「港区に住み続けたい」と答えてくださったそうです。今後、三十万人という区政史上最多の人口を二十キロ平米という限られた面積で運営していくことになり、新たな人口構成に合わせた新たな施策展開が求められています。子ども、高齢者、障害者、外国人の増加に合わせた行政需要の増加が見込まれるのは疑いがなく、今から予測し、備えていく必要があります。昼間人口の推移も予測していかなければなりません。区政の力点をどこに置いていくのか、満足度の高い区政を実現するための適正な行政規模はどれくらいか、計画的財政運営、基金のあり方等、人口構成の将来予測に応じた中・長期先までの区の大方針を定め、毎年の事業運営にあたっていく必要があると思います。区では二〇六〇年までの年齢別人口推計も行っていますが、中・長期的な行財政運営方針について、区長のお考えをお聞かせください。  次に、事業の評価手法についてです。  港区基本計画・実施計画や各種計画書、事務事業評価には事業目標や成果が数字で示されています。例えば、○○講座参加者数何名、施設の数何カ所のような形です。しかし、そこに示されている指標の数値的根拠があいまいに思えるものや、その数の達成と区民の満足度との関連がわかりづらいと感じるものが散見されます。事業の評価については、区民や利用者の声がもっと反映されたものとなるよう、評価の方法や手法のあり方を見直すべきと思います。有識者や区民の声も聞き、利用者の実感に見合った評価制度にすべきと考えますが、区のご見解をお聞かせください。  次に、業務委託における適正な履行の確保についてです。  事務事業評価の対象にならないような委託事業の効果の査定は、現状どのように行われているのでしょうか。プロポーザルの提案書で提示したことを守っていない事業者もあり、言った者勝ちで事業を受注できるとしたら、選考の公平性にもかかわる問題です。仕様書が定めている大枠の事業内容だけではなく、事業者が提案書で提示した事項が本当に履行されているか、履行されていなければ指導するということを、発注者として各所管課は責任を持って行う義務があると思います。選考の公平性だけではなく、税金の使い道の問題、そして何より委託により業務の質が落ちてはいけないと思います。  民間活力を有効活用することで、より質の高いサービスを効率的にという考えのもと、外部委託が進められていますが、公共の仕事に関しては、委託しつつも職員の専門性やチェック能力を維持していかなければならないのは言うまでもありません。四月より企画課の中に業務支援組織設置準備担当ができ、指定管理者の選定やプロポーザルによる事業者選定のノウハウについてシステム化し、支援するとされていますが、事業者選定後の管理についてもシステムづくりが必要ではないでしょうか。業務委託における適正な履行の確保に向け、取り組んでいくべきと考えますが、区長のお考えをお聞かせください。  次に、包括外部監査についてです。  来年度より毎年実施から二年に一度になります。回数が減る分、企画課の仕切りのもと、指摘された事項の改善に全庁でしっかりと取り組んでいかれるとのことです。それにより包括外部監査制度がより効果的に活用されることを期待していますが、あわせて進行管理の徹底や進捗状況の公表等、改善を担保する取り組みも行っていただきたいと思っています。包括外部監査での指摘事項への今後の対応について、区のお考えをお聞かせください。  次に、区政情報の伝え方についてです。  初めに、積極的な情報伝達についてお伺いします。広報紙を全戸配布する、または該当者や希望者に郵送やアプリによるプッシュ通知でお知らせする事業を増やす等、区民の主体性や自己責任に任せず、区から積極的に情報を届ける取り組みを推進していただきたいと思っています。プッシュ通知で区の情報をお届けする仕組みとして、「マチイロ」というアプリを導入していただきましたが、導入コストが無料であるものの、ジャンル分けが不正確であるなど、アプリとしての精度が余り高くありません。自主的に情報を探さなくとも区民に希望する情報が届くよう、情報伝達の手法を研究していただきたいと思いますが、お考えをお聞かせください。  次に、親しみやすい文書づくりについてです。広報紙はより多くの人に読んでもらえるよう、絶えず内容の工夫を重ねていただきたいと思います。各種計画書は、一般の方が読んでもわかりやすい言葉にし、かつ抽象的な文章や美辞麗句を極力減らし、簡潔な分量を心がける等、より多くの人が読みやすいつくりにしてほしいと思います。また、公営住宅等の応募書類などでも、読み手にとって言葉遣いや説明がわかりづらいのではないかと感じるものもあります。簡便でわかりやすい親しみやすい文書づくりについて、お考えをお聞かせください。  次に、より見やすい区ホームページについてです。膨大な区政に関する情報を探す媒体としては、区ホームページがベストなはずですが、区ホームページは、文字が多く、情報の分類がわかりづらいです。また、検索しても求めている情報にたどり着きにくい等、使い勝手がよくないと感じます。例えば、イベント案内、募集について、区内ではさまざまな魅力あるイベントが行われており、それらの情報を興味ある人にきちんと届けることは、区を身近に感じ、愛着を持ってもらうことに大きく寄与すると思います。現状、イベント情報が行政等から飛び込んでくるのは、広報紙か、まちや公共施設の掲示板ですが、広報紙は、多くの人が隅から隅まで読んでいるとは思えず、また、イベント情報が文字の羅列で目立ちにくいです。掲示板が一番受け身であっても、目に飛び込んできやすい媒体ではありますが、掲示板の数やサイズの制限から掲示できる量に限りがあります。そうするとさまざまあるイベント情報を、区ホームページでわかりやすく網羅できると便利なのですが、区ホームページは、トップページが文字だらけでイベント情報の記載場所がわかりづらい上、たどり着いたイベント案内のコーナーも文字のリンクの羅列で見づらいです。  また、区ホームページの検索機能も改善の余地があると思います。例えば、震災対策基金と入力せずに震災基金と入力すると検索結果が出ません。一字一句一致しないでも表示されるようにはならないのでしょうか。区は、区ホームページ上でさまざまな情報を公開しており、評価しておりますが、今、例を申し上げましたように、利用上不便に感じる点も多いです。情報が整理されていなければ親切ではありません。利用者目線でのホームページ上の情報整理について、お考えをお聞かせください。  次に、パブリックコメントについてです。パブリックコメントについては、区ホームページや広報紙等で意見募集のお知らせをしていますが、寄せられる意見はいつも少ないです。区民参加の一端であるパブリックコメントを有名無実化させないよう、計画書の種別ごとに関係団体の方に個別に連絡する、わかりやすい概要版をつくる等、パブリックコメントがより集まるような工夫が必要と思います。区のお考えをお聞かせください。  次に、転入の機会を捉えた効果的な情報提供についてです。転入者には現在、日本人には、暮らしのガイドと資源とごみの分別ガイドブック、町会・自治会加入のご案内が封筒で渡されます。そして外国人には、暮らしのガイドとごみ分別ガイドの外国語版、それに加え施設の案内、観光地図、避難所マップ、防犯ガイドブック、みなとタバコルール、国際交流協会のご案内等たくさんのものがバッグに入れて渡されています。転入時にいただく冊子は印象に残るものであると思いますし、区で伝えたいものを吟味し、転入者の地域や年齢等属性に応じた配布物を渡してはどうかと思います。区外からの転入者の数は年間約二万三千人だそうです。転入の機会を捉えた効果的な情報提供について、区のお考えをお聞かせください。  次に、区民の声の閲覧性の向上についてお伺いします。  区民の声は、まちをよくするためのアイデアの宝庫だと思います。個人的なものや検討対象外のものなどを除き、内容や所管、処理状況などをデータベース化し、基本的な部分は誰もが見れるように、そして内部情報も含んだ詳細情報は管理者だけが閲覧できるようなシステムが現在も構築されています。現在も区ホームページ上で期間やジャンルごとに内容が見られるようになっていますが、リンクが羅列されているだけで見づらいです。閲覧性を高めるとともに、寄せられた声のトレンドがわかるようにするなど、見た人が全体像をつかめるよう、わかりやすく整理してほしいと思います。区民の声の閲覧性の向上について、お考えをお伺いします。  次に、町会・自治会への支援についてお伺いします。  初めに、効果的な支援策についてです。来年度、町会・自治会活動を支援するための予算が大幅にアップし、具体的な施策が幾つか提示されました。その中でも私は、町会・自治会の活動の魅力を伝える冊子の作成に期待しています。町会・自治会の会員数は、平成二十九年四月時点で約六万六千です。区役所・支所改革がスタートした平成十八年が約五万八千です。この間、区民協働の流れが進み、また人口も増えたわけでありますが、人口増に見合った加入増とは思えません。任意加入といえども、その理念や活動に比べたときに寂しい結果だと感じます。  入らない理由としては、意義を感じていないというより、町会・自治会がどれくらい地域の安全やにぎわいなどに寄与しているかに対する情報不足もあるのではと思います。一昔前のように一部の人たちだけで楽しんでいると誤解している人はさすがにほとんどいないと思いますが、果たしていただいている具体的な活動内容が伝わることで、自分たちも協力したいと思っていただけるのではないかと感じます。納得しないことにはお金を出さないけれども、価値がわかれば惜しまず出すという方が多いのはないでしょうか。理解と協力が表裏一体なのではと思いますが、発信しなければ伝わりません。現場の声を聞きつつ、役割や意義を具体的にわかりやすくまとめたものをつくり、効果的に配布することで未加入者の理解を深め、加入促進につながるのではないかと期待しています。町会・自治会への加入促進のために効果的な取り組みにつなげていただきたいと思いますが、お考えをお伺いします。  次に、町会役員の活動をたたえる制度の充実についてお伺いします。町会長をはじめ役員は、保護司や民生委員さんのように行政機関から任命されたものではなく、長年尽力したからといって勲章や褒章の対象にはなりません。区では、長年役を務められた方へ区政功労者表彰や退任された方への感謝状で感謝の気持ちをあらわしています。  区政功労者は会長十五年、副会長二十年、役員二十五年以上、感謝状は会長十年、副会長十五年、役員二十年以上と低くないハードルです。イベント開催時だけでなく、多くの町会・自治会では毎月会議をし、区から送付された資料を回覧したり、まちの美化等の懸案事項を議論したり、打ち合わせをしたり、皆時間を割いてまちのことを一生懸命考えています。活動をたたえる制度の充実について、お考えをお聞かせください。  次に、港区版ふるさと納税制度における寄付充当事業の拡大についてお伺いします。  本年四月から港区版ふるさと納税制度が始まります。泳げる海・お台場の実現、運河にかかる橋のライトアップ事業、港区マラソンの三事業が寄付金の使い道として指定され、積極的にふるさと納税を呼びかけていくとのことです。居住自治体以外の自治体に寄付をすることで、地方の振興を図る目的でふるさと納税が創設されたことを考えると、港区版ふるさと納税制度の場合は、寄付者の大半は港区民や港区にゆかりのある方になるような事業選定であると思います。事業実施初年度の来年度は、一億円の寄付が見込まれています。今回の港区版ふるさと納税制度は、純粋にお金を呼び込みたい、港区から地方へ流れるのを阻止したいということではなく、区が選定した事業を皆で盛り上げたいということなのではないかと思います。  初年度として、まず三事業を選定されたことと思いますが、古川の近くに住む私としては、お台場の海の水質改善、運河にかかる橋のライトアップに力を入れるなら、同時に、前回の東京オリンピック・パラリンピック競技大会のレガシーである首都高速道路により景観を妨げられてしまった古川の環境改善も対象事業に入れてほしいなどと思います。  返礼品目当てではなく、自ら寄付先を選択し、地域応援という本来の寄付の目的に近づけた制度ですから、寄付者の希望に沿えるメニューが用意されていると親切だと思います。クラウドファンディングのように一定額集まり、対象事業が区が認めるものであれば、ふるさと納税として受け入れるくらいの柔軟な制度になればいいなと思います。寄附金が住民税から控除されるので、対象事業を広げ過ぎると、本来区が自由に使える財源が減ってしまうことになるので、増やせばいいというものでもないと思いますが、寄付者の選択肢を広げる意味でも、今後、区民等の意見を聞きながら、対象事業の拡大を検討していただきたいと思います。区のお考えをお伺いします。  次に、実践的な防災対策についてです。  初めに、DIGやHUGを用いた実践的な備えについてお伺いします。DIGとは、Disaster(災害)、Imagination(想像力)、Game(ゲーム)の頭文字をとったもので、災害図上訓練とも言われます。参加者が自分の住む地域の地図に地勢上の特徴や防災資源の拠点や弱点を書き込み、地域で災害が起こった場合の具体的なイメージを理解し、今後の対策につなげるためのものです。  HUGとは、避難所運営ゲームの頭文字から来ており、机上の模造紙を避難所に見立て、カードに書かれたさまざまな条件の避難者を受け入れるか否か、どこに配置するか等を皆で話し合いながら、避難所運営にあたっての課題や事前に決めておくべき事項を発見するゲームです。HUGを町会・自治会に貸し出している自治体もあります。DIGやHUGを自分の地域に照らして防災協議会単位で行うことで、災害時の具体的な課題が洗い出される、発災時の時系列的な流れがより多くの住民の頭に刻まれる、避難所運営マニュアルの改善に役立つなど、多くの効果が期待されると思います。DIGやHUGを用い地域に即した具体的な備えをすることは効果的と考えます。区のお考えをお聞かせください。  次に、わかりやすい災害用マップ等の作成についてお伺いします。現在、総合支所ごとに防災マップがつくられていますが、避難の手順や地図はもっと簡便にわかりやすく、要点が浮かび上がるような構成にすべきではないかと思います。一時集合場所から地域集合場所に名称が変わったことや地域集合場所、広域避難場所等の名称がかた苦しく紛らわしいため、名称や手順を覚えることに意識が向きがちで、本来頭に入れるべきそれぞれの場所の意味や行動の意味を理解することがおろそかになりがちです。語彙や手順を覚えるのではなく、適切な行動をその意味とともに頭に入れることが大切で、それが周知されるような訓練での説明や防災マニュアルの書き方が大切だと思います。  一方で、個々の地域に即した避難所運営マニュアルや町会等小さなエリア単位の防災マップは簡便であることより、具体的な事例まで想定し、あらかじめ決めておくことが重要だと思います。マップの特性を使い分け、全体向けの啓発類では、発災時の行動、避難等の流れを覚えるのではなく、応用がきくよう頭で理解するためのマニュアルやマップという観点で作成してはどうかと思います。発災時の対処方法の理解促進について、区のお考えをお聞かせください。  次に、自転車施策についてです。  初めに、自転車シェアリング事業の今後についてお伺いします。自転車シェアリング事業は、放置自転車対策、環境負荷の軽減、区民の利便性向上を主な目的にスタートし、約三年半になります。スタート当初より広域連携を視野に入れており、今や都心七区で連携展開され大変好評です。利用料は適正だと思いますが、事業目標を達成するにはさらなるサイクルポートの充実が求められます。また、東京二〇二〇大会に向けて、さらなる利用者の増加も見込まれ、人気に配置台数が追いつかず、サイクルポートに自転車がないような場所が出てくる可能性も危惧されます。今や認知度も高く、幅広い層からの利用も進んでおり、自転車ネットワークを整備しつつ、事業を推進していくことで、地域公共交通の一翼としての確固たる位置づけが図られると思います。事業の定着とともに商用利用、観光、渋滞緩和、商店街振興など期待を込めて、さまざまな目標が自転車シェアリング事業に付加されてきています。課題を解決し、目標実現に向けて頑張っていただきたいと思います。今後の展開についてお聞かせください。  次に、赤羽橋駅周辺の放置自転車対策についてお伺いします。赤羽橋駅周辺の放置自転車の解消について、首都高速道路株式会社の敷地の確保はできないでしょうか。近隣に駐輪場がなく、放置自転車が歩道を狭くしているところへ、交差点に滞留する人、駅出入り口から出入りする人、歩行者、自転車が入り乱れ、接触の危険性が高いです。自転車が郵便ポストや近隣の公共施設や広域避難場所が記された区の案内地図の前を塞ぎ、利用の妨げになっていることもあります。駅出入り口前の歩道には自転車走行帯が車道側にあるのですが、出入り口の前の放置自転車が置かれている箇所だけ放置が黙認されているかのように自転車走行帯が中断されており、危険です。赤羽橋駅周辺の放置自転車の解消について、区の今後の取り組み方針をお聞かせください。  次に、羽田空港飛行経路見直しに関する情報提供についてお伺いします。  去る一月十九日から二十五日までみなとパーク芝浦に、羽田空港機能強化に関する展示と題した情報提供ブースが設置されていました。映像や騒音を疑似体験したり、説明資料を手に取れるブースでした。説明をしてくださるスタッフの方も一人いらっしゃいました。飛行経路の見直しがなされると、区内には大きな影響が想定されます。新飛行経路の下に住む区民でもいまだこの案の詳細を知らない人は多く、当事者不在で進めるのではなく、より多くの方に現実に即した情報を知ってもらい、判断を仰ぐべきと考えます。映像や騒音を疑似体験し、情報を入手できるこのような機会を、もっと多くの区民に身近な場所で設け、区民への周知拡大に努めるべきと考えます。区のお考えをお聞かせください。  次に、区営住宅の単身者向け申し込み資格についてお伺いします。  現在同居中の子どもや居候している親族の自立のために、区営住宅に申し込みを希望をされる方の相談を受けることがあります。申し込み希望者は所得が低く、親族の援助を受けて同居している状況ですが、親族の高齢化等でいつまでも面倒を見られない等の理由で、自立してもらおうというものです。しかし、同居親族がいると単身向けの区営住宅には応募できません。例えば、三人住まいなら三十九平米未満など居住人数に応じた例外はありますが、この例外要件は広さとしても厳しい条件で、また間取りを配慮したものでもありません。都営住宅の応募要件に倣っているとのことですが、親族がいるなら、よほど狭くない限りは、そのまま親族に面倒を見てもらえということでしょうか。例えば、高齢でわずかな年金収入のみ、高齢ではないが軽度の障害があり低所得といった場合、自立するには、港区内では住宅費がまず大きな負担になり、区営住宅や都営住宅に望みをかけるわけです。自立のための応募を阻まないよう、世帯が別であれば同居親族がいても単身向け区営住宅への応募を可能にする、もしくは例外規定の広さ要件を緩和する等、何らかの対策を図っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。  次に、家庭内の問題に対する支援についてお伺いします。  ひきこもりやDVをはじめ、家庭内の問題は、家族が専門家や同じ状況の方たちと話すことで、解決の糸口や苦しみの軽減につながると思いますが、現実には家庭内で悩んだまま抱え込んでいるケースも多いと思います。このことから実態把握もなかなか進みませんし、問題の解決も進みません。しかし、今や問題が深刻化しないよう社会で対処する方法を模索しなければならない時期に来ているのではないかと思います。問題行動の当事者が成人している場合、家族が声を上げなければ埋もれてしまいがちですが、外にSOSを出してもらい、家族で孤立しないよう、区はどのようなサポートができるのでしょうか。啓発講演会など声を上げやすい社会づくりに向けて行政が取り組み、それを広報紙やチラシなどで広く周知を図る等、さまざまな手段で悩んでいる人に声を届ける努力をしていただきたいと思います。区のお考えをお聞かせください。  次に、高次脳機能障害に対する支援についてお伺いします。  区では専門的な講演会や相談会など、さまざまな取り組みをしています。講演会を聞き、高次脳機能障害のサポートには医療だけではなく、看護、リハビリ、家族会、ケアマネジャー、ソーシャルワーカー、行政等さまざまな機関がチームで対応にあたることの重要性を感じました。しかし、まだまだ医療機関レベルでも高次脳機能障害への理解やアプローチが進んでおらず、チーム対応ができていない事例もたくさんあるようです。高齢者における地域包括ケアシステムのような受け皿が必要です。区の相談会や家族会等につなげ、チームで患者に対応していくための核、ファシリテーターに行政がなれるとよいのではないかと感じます。患者の誰しもが接点を持つのは医療機関です。このことから医療機関にチームケアの働きかけを行うことで、医療機関と家族だけで担うのではなく、チームケアへの接続が可能になるのではないかと思います。今までの実例による蓄積を生かし、行政が積極的に乗り出していただければありがたいです。今後の区の取り組みについてお聞かせください。  次に、地域猫対策についてお伺いします。  現状、野良猫を動物愛護と住環境保全の観点から地域猫にしようとすると、区の猫の去勢・不妊手術費用補助を除き、足が出た費用はボランティアや地域住民が負担しています。飼い猫ならともかく、飼い主のいない猫は誰のものでもなく、善意の者任せにするのは疑問に感じます。町会を担当する総合支所の協働推進課が地域猫問題を所管することで、猫をめぐる地域の紛争の仲裁や地域猫活動への理解普及に大きく貢献してくださっていること、また、猫の去勢・不妊手術費用補助の大幅値上げが予定されていること、大変ありがたく思います。しかし、誰かの所有ではない野良猫の管理は、本来行政が主体となって取り組む課題なのではないかと思います。今後、ボランティアの育成や里親を探す譲渡活動なども積極的に支援していただきたいと思います。区のお考えをお伺いします。
     次に、期日前投票所の拡大についてです。  期日前投票は投票可能な期間が長く、投票日当日に予定がある人をはじめ、とても便利な制度です。二〇〇三年に導入され、制度は認知され、定着してきています。この期日前投票所を駅等に拡大することで会社員や若者、さらには投票所が坂の上にあり行きづらい方にとって利便性が高まり、投票率の向上が期待できます。集客性の高い場所に投票所があることは便利なだけではなく、選挙が行われていることの認知度を上げる選挙啓発の効果もあると思います。駅等区民の動線に合わせた便利な場所に期日前投票所を設置することはできないでしょうか。期日前投票所の拡大について、お考えをお聞かせください。  最後に、学校支援地域本部事業の取り組みについてお伺いします。  教職員の過重労働が社会問題化し、久しいです。授業、会議、事務作業、保護者対応に加え、休日も地域のイベントに顔を出されているのを拝見するにつけ、ありがたいものの心配もします。区では、昨年度幼小中教職員の勤務状況を調査し、今年度は具体的な取り組み内容を記した職員の働き方改善に理解を求める文書を保護者や地域に教育長名で配布するなどの取り組みを実施されました。来年度はさらに部活動指導員や学校支援地域本部事業の充実、出退勤管理システムや留守番電話の導入など、さまざまな取り組みを加速される予定になっています。教職員のワーク・ライフ・バランスが整えられることで、職員の心身の健康に加え、子どもたちへの質の高い教育にもつながるものと応援しています。  先日、総合支所ごとに実施された地区教育会議を傍聴しました。教育長、教育委員、教育委員会事務局全課の課長や職員、学校長、PTA、地域のスポーツクラブの指導者など教育現場を支えるさまざまな層の皆さんが、具体的な課題に対し、解決策を考えるというもので、とても充実した内容でした。今回のテーマは、「地域で支える学校運営〜教員が子どもと向き合う時間の充実に向けて〜」というもので、まさに負担を減らし、教職員のゆとりと子どもに向き合う時間の充実を生み出すためのディスカッションでした。区で来年度実施する取り組みに加え、例えばチャレンジコミュニティ大学の修了生やスポーカル、地域の大人の力を生かせないか等、さまざまなアイデアが出されていました。今後とも多様な力を活用し、港区ならではの魅力的な学校をつくっていっていただきたいと思います。ICT、民間事業者、外部スタッフの活用に加え、港区学校支援地域本部事業がうまく機能することが、港区らしさの創出につながるのではないかと思います。  学校支援地域本部事業は、学校教育に地域の人材、団体、企業、NPOに協力してもらうための取り組みで、平成二十六年度にスタートし、今年度は小学校四校に地域コーディネーターを配置するなど充実を図っているものです。「学校と保護者、地域住民におけるお互いの活動に対する理解の促進」や「地域コーディネーター間の情報共有やスキルアップ」、「ボランティアの充実」などが課題とされており、軌道に乗るまで時間がかかるものでもあると思います。教職員の負担軽減と教育の質の向上に向けた今後の学校支援地域本部事業の取り組みについて、教育長のお考えをお聞かせください。  以上で質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。   〔区長(武井雅昭君)登壇〕 ○区長(武井雅昭君) ただいまのみなと政策会議を代表してのなかまえ由紀議員のご質問に順次お答えいたします。  最初に、中・長期的な行財政運営方針についてのお尋ねです。  人口増などに伴い、質・量ともに増大する行政需要に確実に応えるために、区は、中・長期的な視点に立ち、港区財政運営方針を定め、自主財源の積極的・安定的な確保や将来課題に備える積極的・戦略的な財政運営など具体的な取り組みを計画的に進めております。港区ならではの質の高い行政サービスを将来にわたり安定的に提供するために、一定規模の財政調整基金を確保することや将来的な施設需要等に備えた計画的な基金積み立てに加え、経常的経費の縮減など、不断の内部努力を徹底し、中・長期的な視点に立った磐石な財政基盤の堅持に努めてまいります。  次に、事業の評価方法についてのお尋ねです。  今年度実施した政策評価において、学識経験者、区民で構成する港区行政評価委員会から、活動指標の設定がわかりにくい、活動指標が不足しているため、政策全体の達成度を評価することに苦慮したなど、評価方法の改善に向けたさまざまなご意見をいただきました。このため、港区基本計画後期三年の見直しにあたり、政策の達成度を的確に評価するため、政策を分割・統合するとともに、成果目標、活動指標を見直しました。さらに、港区基本計画に計上する全ての事業に成果目標、活動指標を設定しました。来年度は、事務事業評価においても港区行政評価委員会のご意見を踏まえ、活動指標の見直しや評価手法の充実を図ってまいります。  次に、業務委託における適正な履行の確保についてのお尋ねです。  区は、業務委託契約において、安定的な業務の履行による品質確保を図るため、建物清掃事業、放課GO→クラブ業務等に契約期間が複数年にわたる長期継続契約を導入し、平成二十五年度から業務履行評価を実施しております。これは毎年度、業務履行評価表に基づき、施行管理や業務体制、履行状況を適正に確認し、評価するものです。また、それ以外の業務委託においても、業務仕様書をもとに、日常的に実施状況を現場確認するほか、毎月の実績報告書の確認等により、適正な履行の確保に努めております。今後とも、業務委託におけるより適正な履行の確保に取り組んでまいります。  次に、包括外部監査についてのお尋ねです。  隔年実施となる平成三十年度以降の包括外部監査での指摘事項等については、監査実施の翌年度に企画経営部における改善の進捗管理を徹底することとします。所管部門の取り組みを支援・調整することで、迅速かつ確実に改善をしてまいります。また、これまで未改善となっている指摘事項等についても同様に、早期の改善に努めてまいります。包括外部監査でいただいた貴重な指摘事項等を着実に改善していくことにより、区民サービスのさらなる向上につなげてまいります。  次に、区政情報の伝え方についてのお尋ねです。  まず、積極的な情報伝達についてです。区は、区民の皆さんが、大量の区政情報の中から必要とする情報を手軽に入手できるよう、プッシュ型のメールマガジン、専用のアプリ等で発信しております。また、欲しい情報が選択できる「マチイロ」など、民間事業者が運営する情報発信アプリやインターネットサイトでの発信も行っております。今後も、SNS「LINE」の活用など、新たな情報発信手法にも積極的に取り組むほか、子育てイベントなど区民要望の高い情報を漏れなく入手できるよう民間事業者に働きかけ、必要な人に必要な情報が確実に届くよう努めてまいります。  次に、親しみやすい文書づくりについてのお尋ねです。区は、わかりやすい文章表現での公文書作成や、外国人の方々にもわかりやすい日本語での情報提供に取り組んできました。子ども、高齢者、障害者、外国人などさまざまな情報の受け手にわかりやすく情報を届けるためには、誰もが理解できる、やさしい日本語が有効であるとの視点から、現在、その活用に全庁で取り組んでおります。今後は、あらゆる区政情報において、情報の受け手の立場に立った、わかりやすく情報量にも配慮した発信を心がけてまいります。  次に、より見やすいホームページについてのお尋ねです。区民の皆さんが、約三万ページにも及ぶ区ホームページの中から、素早く必要な情報にたどり着くためには、検索しやすいことが重要です。区のイベントを漏れなく掲載することに加え、語句の一部や関連語句でも検索を可能とすることや掲載情報の区分を再編するなど、さらに使いやすく、また、区民生活に役立つホームページとなるように、ICT技術も効果的に活用し、改良・改善を重ねてまいります。  次に、パブリックコメントについてのお尋ねです。区民の皆さんから、より多くのご意見をいただくために、今後、計画等の策定や見直しのテーマや狙いをわかりやすく伝えることができるよう、広報紙や区ホームページの掲載方法を改善してまいります。あわせて、施策等の趣旨や目的、内容をよりわかりやすく概要版にまとめるなど、区の施策に、より多くの区民の皆さんに関心を持っていただくよう工夫してまいります。さらに、メールマガジンやSNSも駆使して、パブリックコメントの実施をお知らせするなど、より積極的な周知方法を検討してまいります。  次に、転入の機会を捉えた効果的な情報提供についてのお尋ねです。総合支所の窓口では、転入手続の際に、日々の生活に役立つ情報をまとめた暮らしのガイド等をお渡ししております。また、子ども、高齢者、障害者など、区民一人ひとりの暮らしに合わせたサービスについて、窓口で状況を伺いながら、利用方法等を案内しております。さらに、地区ごとに作成している地域情報誌等を各地区総合支所内に配置し、自由にお持ち帰りいただいております。今後とも、身近な地域でのイベント活動や子育て等の暮らしに関する情報の提供について充実を図るなど、転入者のニーズやライフステージに合わせて、的確でわかりやすい情報提供に努めてまいります。  次に、区民の声の閲覧性の向上についてのお尋ねです。  区民の皆さんから寄せられたご意見・ご提案は、区政運営の貴重な道しるべとなります。区は、区民のご意見等に対する区の対応・考え方とあわせて、原則として全件、区ホームページで公表しております。今後、どのようなご意見が多く寄せられているかを図表でわかりやすく示すことや、より検索しやすいようにジャンル分けを工夫するなど、区に寄せられた区民のご意見等を区民の皆さんと共有できるよう閲覧性の向上に取り組んでまいります。  次に、町会・自治会への支援についてのお尋ねです。  まず、効果的な支援策についてです。区は来年度、町会・自治会支援策の一つとして、地域活動等をよりわかりやすく魅力的に発信するための冊子を作成いたします。冊子の作成にあたっては、町会・自治会と連携しながら、町会・自治会の個別の実情や地域特性などを丁寧に聞き取り、町会・自治会への関心や地域活動への参加促進につながるよう情報発信に努めてまいります。今後も、町会・自治会の実情を踏まえ、町会・自治会活動が円滑に進められるよう、効果的な支援策を実施してまいります。  次に、町会・自治会役員の活動をたたえる制度の充実についてのお尋ねです。町会・自治会の役員の方々は、地域のつながりを育み、良好な地域コミュニティを形成し、地域共生社会において重要な役割を果たされています。区では、町会・自治会活動に尽力された役員の方々への区政功労者表彰、また、長年にわたり町会・自治会の役員を務められた方への感謝状と記念品の贈呈などを通じ、その活動をたたえ、ご労苦をねぎらっております。今後も、町会・自治会活動の負担を軽減する取り組みを進めるとともに、役員の方々の日頃の活動をたたえ、感謝の意を伝える仕組みを検討してまいります。  次に、港区版ふるさと納税制度における寄付充当事業の拡大についてのお尋ねです。  港区版ふるさと納税制度は、制度開始にあたって三事業を寄付充当事業として選定いたしました。寄付充当事業に区民の意見を反映させることは、区がこれまで進めてきた参画と協働の取り組みに合致するとともに、区政に関心を持っていただく機会の創出につながる効果的な手段です。今後、寄付充当事業の拡大については、より多くの方々が制度にご賛同し、興味を持っていただけるよう、区民の意見を十分にお聞きし、検討してまいります。  次に、実践的な防災対策についてのお尋ねです。  まず、DIGやHUGを用いた実践的な備えについてです。現在、一部の地域防災協議会では、DIG、HUGを実施しております。参加者が地図上で崖崩れや家屋倒壊などの可能性がある場所を把握し、より安全性の高い避難経路について話し合ったり、避難所での傷病者やトイレに関する苦情への対応を模擬体験するなど、防災上の気づきを高めています。DIGやHUGは、防災の地域力向上のために有効な手法であることから、全ての地域防災協議会に対して積極的に取り入れるよう周知を図るとともに、訓練の支援をしてまいります。  次に、わかりやすい災害用マップ等の作成についてのお尋ねです。区では、地区ごとの防災マップや津波ハザードマップ、もしものときの防災マニュアルや災害時の活動マニュアルなどを作成し、区民の皆様に活用していただいております。昨年十一月には、新たに土砂災害ハザードマップを作成し、発災時の的確な行動につながるようピクトグラムの活用や平易な説明文など利用者の目線に立った内容にしました。今後も、防災マップ等の作成については、既存のものも含め、区民意見を取り入れながら、掲載する内容を十分に検討して、わかりやすく活用しやすいものとなるよう工夫をしてまいります。  次に、自転車施策についてのお尋ねです。  まず、自転車シェアリング事業の今後についてです。サイクルポートは、区内全域に約三百メートル間隔で整備をする計画ですが、利用頻度の多い新橋、虎ノ門地区ではより密にするなど、利用実態に合わせて設置しております。また、住宅地が中心の高輪、白金、白金台や南青山地域では、公開空地等サイクルポートの用地確保が難しく、設置が進んでいない状況です。今後、利用者の増加に対応するため、道路や区立公園等の暫定利用を検討するなど、区内全域にわたり、利用しやすいサイクルポートの整備を進めてまいります。  次に、赤羽橋駅周辺の放置自転車対策についてのお尋ねです。区は、赤羽橋駅周辺の道路上に自転車放置禁止の横断幕の設置や放置自転車への警告札の貼付などにより注意喚起を行ってまいりました。今年度、駐輪場用地の確保に向け、首都高速道路株式会社や国、東京都に対し道路用地の借用について協議を行ってまいりました。しかしながら、首都高速道路下の敷地は、駐車場や資材置場として使用しており、活用可能なスペースが存在しないことから、現時点では困難な状況です。今後も、首都高速道路株式会社に転用可能な箇所の情報提供を求め、さまざまな機会を捉えて交渉を続け、赤羽橋駅周辺の放置自転車の解消に向け取り組んでまいります。  次に、羽田空港の飛行経路見直しに関する情報提供についてのお尋ねです。  国は、これまで羽田空港内に設置していた常設型の展示に加え、今年度から新たに、移動型による羽田空港の機能強化に関する展示を始めました。区は、区民の皆さんに身近な場所で航空機の音の疑似体験や機能強化について知っていただけるよう、みなとパーク芝浦での移動型展示を国に要望し、七日間で延べ三百三十二名の方が来場されました。今回の展示は、機能強化の取り組みや情報等を知っていただく、貴重な機会となったものと考えております。今後も区民の皆さんには、さまざまな機会や手法で情報が提供されるよう、国に要望してまいります。  次に、区営住宅の単身者向け申し込み資格についてのお尋ねです。  区営住宅は、住宅に困窮する低所得の区民に対して、低廉な家賃で提供することにより、居住の安定を図ることを目的としております。単身者向け住戸の申し込み資格は、低所得であることに加え、民間市場での住宅の確保が困難な高齢者や障害者などを対象としております。同居親族のいる転居希望者は、公営住宅法に規定された者に該当しないため、申し込み資格の対象とすることはできませんが、丁寧な相談に努めてまいります。  次に、家庭内の問題に対する支援についてのお尋ねです。  区は、家庭内の問題に関する相談窓口を設け、ひきこもりについては、個別訪問による専門的支援を実施している東京都の相談につなげ、DVについては、被害者を母子生活支援施設で保護し、自立を支援するなど、相談者の状況に応じた支援を行っております。さらに、同じ問題を抱える方が集い、悩みを共有する家族会等についての情報提供を行うとともに、家族会を支援しているNPO法人の代表者を招いた講演会も開催しております。今後も、関係機関や団体と連携して、相談者に寄り添った、きめ細かな支援を行うとともに、相談窓口の周知に努めてまいります。  次に、高次脳機能障害に対する支援についてのお尋ねです。  区では、高次脳機能障害者に対し、記憶や言語、感情のコントロールの障害など、本人の障害特性に応じた支援ができるよう、各地区総合支所や障害保健福祉センターが中心となり、家族や医療機関、福祉サービス事業者などの支援者が共通の理解を持って、言語・記憶障害の訓練や通院同行などを実施しております。来年度は、障害保健福祉センターに高次脳機能障害の専門窓口を設置し、障害特性に応じたきめ細かい支援にしっかりとつなげてまいります。  最後に、地域猫対策についてのお尋ねです。  区では、飼い主のいない猫を減らし、地域での猫によるトラブルを防止するため、町会や地域住民、ボランティアの方々の地域猫活動の支援を行っており、来年度は、活動主体の方々の負担を軽減し、飼い主のいない猫対策を促進するため、猫の去勢不妊手術等の補助額の引き上げを予定しています。区は、地域猫活動支援の中で伺った意見も参考に、引き続き飼い主のいない猫対策を進めるとともに、ボランティアの育成や譲渡支援についても、その実効性と効果について検討してまいります。  よろしくご理解のほどお願いいたします。  教育にかかわる問題については、教育長から、選挙管理委員会にかかわる問題につきましては、選挙管理委員会委員長から答弁いたします。   〔教育長(青木康平君)登壇〕 ○教育長(青木康平君) ただいまのみなと政策会議を代表してのなかまえ由紀議員のご質問にお答えいたします。  学校支援地域本部事業の取り組みについてのお尋ねです。  これまで、教育委員会事務局に配置している学校支援コーディネーターは、教員が出前授業の準備にかなりの時間を費やしていた、企業等の情報収集や調整などの業務を行うとともに、出前授業の情報を各小・中学校に提供するなど、教員の負担軽減と教育の質の充実を図ってまいりました。今年度からは、教員の一層の負担軽減を図るため、これまでの取り組みに加え、学校の実情に詳しい元PTAや元教員などを地域コーディネーターとして、小学校四校に配置し、夏期体験講座の計画や準備、また、学校の玄関装飾や作品の展示、学芸発表会の受付などに協力していただけるボランティアを確保するなど、多くの活動に取り組んでおります。学校からは、これまで教員が携わっていた人材の確保や業務の調整などの負担が軽減されたとの声をいただいております。今後、学校支援地域本部事業のこれまでの実績や効果の検証を行うとともに、地域コーディネーターの配置校を順次拡大するなど、教員がより教育活動に専念できる環境を整備してまいります。  よろしくご理解のほどお願いいたします。   〔選挙管理委員会委員長(島田幸雄君)登壇〕 ○選挙管理委員会委員長(島田幸雄君) ただいまのみなと政策会議を代表してのなかまえ由紀議員のご質問にお答えいたします。  期日前投票所の拡大についてのお尋ねです。  選挙管理委員会では、各種選挙の執行の際、期日前投票立会人としてご協力を得ている港区明るい選挙推進協議会委員のご意見・ご要望や二十三区の動向等を踏まえ、区役所や各地区総合支所に期日前投票所を設置し、有権者が区内全ての期日前投票所で投票できることを基本に、有権者の利便性の向上を図っております。  有権者が投票しやすい環境の整備については、選挙管理委員会としても、二重投票の防止や選挙人情報の漏えい対策、投票所設置可能な施設の確保、投票管理者、立会人の配置に伴う関係者の負担など、さまざまな課題があると認識しているところであります。今後も引き続き、有権者の方々の投票しやすい環境をより一層整備するため、有権者の投票行動を分析・検証するとともに、選挙の公平性を担保しつつ、個人情報の安全性にも配慮し、地勢や交通の利便性、他の自治体の例も参考に検討を進めてまいります。  どうぞよろしくお願いを申し上げます。 ○副議長(七戸淳君) 議事の運営上、暫時休憩いたします。                                       午後二時五十四分休憩                                        午後三時十五分再開 ○議長(池田こうじ君) 休憩前に引き続き、会議を再開いたします。  一般質問を続けます。次に、三十番杉本とよひろ議員。   〔三十番(杉本とよひろ君)登壇、拍手〕 ○三十番(杉本とよひろ君) 平成三十年第一回港区議会定例会にあたり、公明党議員団を代表して、武井区長、青木教育長に質問いたします。  質問に先立ちまして、一言申し述べさせていただきます。  初めに、先月一月二十三日の群馬県草津白根山の噴火により、訓練中の自衛官がお亡くなりになりました。さらに、今月に入って三十七年ぶりの北陸地方の記録的な豪雪によって、多数の死傷者が出ました。改めて、亡くなられた方々に謹んでご冥福を祈るとともに、被害に遭われた皆様に心よりお見舞いを申し上げます。今回発生した自然災害に対しての脅威を改めて感じるとともに、監視・警戒体制の強化には万全を尽くしていただくことを切に願うものであります。  さて、四年に一度の冬の祭典、平昌二〇一八オリンピック冬季競技大会が、九日に開幕いたしました。冬季五輪としては史上最大規模の九十二カ国・地域から約二千九百人の選手が参加。日本選手団も大会役員を含め過去最多となる二百六十九人が参加していると伺っています。連日繰り広げられる世界のトップアスリートが真剣に競い合う姿は、地域を超え、国籍を超えて、多くの人に勇気と感動を与えてくれるとともに、平和の尊さを改めて実感した次第でございます。大会は二十五日まで繰り広げられ、その後、平昌二〇一八パラリンピック冬季競技大会が行われます。平和の祭典として大成功をおさめていただくことを、心から祈念申し上げます。  他方、国連サミットで採択された、二〇三〇年に向けた持続可能な開発目標、SDGsへの取り組みが大きなうねりになろうとしております。貧困や格差、気候変動、防災などの課題解決に取り組み、人間の安全保障に立脚したその理念は、誰一人取り残さないことを基本としており、私は、人を気遣う、思いやる、そうした小さな日常の生活の行動の積み重ねが地球全体へと広がり、それが平和な社会の実現に通ずるものと確信するものであります。こうしたグローバルな視点とあわせ、ローカルな視点から捉えたとき、人が住み、働き、そして日々生活する地域社会にこそさまざまな政策の課題があり、その解決に向けた取り組みが重要なのではないでしょうか。新たなリスクに対応できる新しい福祉を具体化し、誰もが輝く地域社会の実現を目指すため、地方議員と国会議員のネットワークを誇る私ども公明党の果たす役割は、ますます重要であると感じております。  昨年十一月二日、公明党議員団はそのことを実現するため、百九十二項目にわたる予算要望をさせていただきました。このたび発表されました平成三十年度予算案の中に、私どもの要望も多く盛り込まれています。この予算が区民にとって実効性のあるものとしていくために、しっかりと審議を尽くしてまいる決意でございます。そして、港区議会公明党議員団は、党結党以来五十三年間、大衆とともにとの立党精神を胸に刻み、あらゆる分野に目配りし、地域の現場に根差し、一人のため、区民のため、この一年間走り続けていくことをお誓い申し上げ、質問に入ります。  初めに、所信表明についてお伺いいたします。  武井区長は、昨日の所信表明において、三十年間にわたる日本経済の変動や港区での開発動向、人口推移の変遷を示され、基本計画後期三年の見直しにあたり、区政運営の方向性として、港区ならではの地域共生社会の実現に向けた基盤づくりを掲げられました。まちに愛着と誇りを持つたくさんの区民や地域コミュニティの核となる商店街、世界を相手に活動する最先端の国際的な企業、さらにはともに成長していこうという志を同じくする全国各地域の力こそ、港区が持つ最高の地域資源であり、最大の強みであると述べられました。ともに支え合い、前進していく中に港区の発展、区民の幸せがあるとの視点は、大変重要であります。  そこで、所信表明の基本計画後期三年の取り組みについて、四点にわたってお伺いいたします。  第一点は、各地区総合支所についてお伺いいたします。区民に身近な区役所の実現を目指して、参画と協働の区政運営のもと、武井区長は就任より各地区の総合支所機能の充実を区民とともに築いてこられました。来年度は、区役所・支所改革から十三年目を迎えます。特に組織改正では、港区保育室の運営や、土木施設の整備、道路・公園等の占用許可、放置自転車対策などのまちづくり関連業務が総合支所に移管されます。  総合支所では、既に区立保育園、児童館、子ども中高生プラザ、放課GO→クラブ事業を所管しており、子どもの健やかな育ちを地域で支えています。ここに港区保育室の運営が加わることで、総合支所における地域の子育てはますます充実するわけであります。また、土木施設の整備を総合支所で所管することにより、地域の道路や公園の整備にあたって、住民の声をより丁寧にお聞きすることができます。これまで我が会派がお願いしてきた地域特性や地域の実態に合った放置自転車対策も実現します。  そこで質問は、区民に身近な各地区総合支所のさらなる強化を目指し、各部署の連携強化と実効性ある執行体制をどのように構築されるのか、区長のお考えをお伺いいたします。  第二点は、SDGsに対する取り組みについてお伺いいたします。性的少数者、いわゆるLGBTの方をはじめとするさまざまな人権を擁護する取り組みについてです。区長は、所信表明において、平成二十七年の国連サミットでの全世界が取り組むべき十七の持続可能な開発目標、いわゆるSDGsを紹介され、平和で公正な社会の促進、不平等の是正、ジェンダー平等の達成などを示し、平和や人権、多様な価値観の尊重は全ての施策の根幹をなすと述べられました。特に性的少数者、いわゆるLGBTの方の権利をはじめとするさまざまな人権擁護について、区民の理解を一層深めることが重要であり、来年度は人権課題に関する区民の意識調査を実施し、今後の啓発活動や事業創出に生かすことを進める予定と述べています。LGBTの方への権利擁護のための条例化や要綱づくりは、徐々に多くの方々の関心を集めています。  東京では渋谷区、世田谷区で権利擁護の取り組みが開始されました。また、最近では、区議会・市議会議員の方々が自らがLGBTであることを表明し、権利獲得の運動を進めています。今までは声に出せなかった自分の性に対する思いを、一人の人間として率直に語れる世の中が徐々にできつつあるように思います。  そこで質問は、性的少数者、いわゆるLGBTの方をはじめとするさまざまな人権を擁護する取り組みをどのように進めていかれるのか、区長のお考えをお伺いいたします。  第三点は、区職員の働き方改革についてお伺いいたします。区長は、昨年七月に、働きやすい職場づくりに向けた区職員の取り組みを区の内外に示すため、定時退庁、超過勤務の縮減、計画的な年次有給休暇の取得を促進するみなとワークスタイル宣言を行いました。ここ数年、日本の就労形態や雇用実態が原因で心身ともに傷つき、自死につながる事件が社会問題として表面化しています。最近では、大企業の株式会社電通が訴えられ、遺族への賠償が認められ、雇用環境の改善が求められました。雇用側の新卒至上主義、ブラック企業の蔓延による過労死やうつ病での長期間の休職、さらには仕事で疲労こんぱいしていく人への支援と激励がないなど、多くの問題が潜んでいました。こうした状況は、公務員といえども例外ではありません。長期療養を余儀なくされる状況もあると指摘されています。  さて、区長は、所信表明において、来年度は意思決定の迅速化に加え、AIの活用をはじめ、最新のICT技術である事務処理を自動化するRPAを導入し、職員の業務の効率化を図ることで、働きやすい職場づくりを推進し、さらなる区民作業の向上を目指すと述べられています。AIやRPAの活用など、ICT技術の導入はもとより重要ですが、区民と接する職員のスキルアップが何より重要です。  そこで質問は、区職員の働き方改革により区職員のスキルアップをどのように図り、区民サービスの向上に寄与していくのか、区長の考えをお伺いいたします。  第四点に、今後の区政運営についてお伺いいたします。区長は、所信表明において、都心にふさわしい地域自治を実施するため、より身近な区役所づくりと参画と協働を区政運営の柱に据え、行政の力、区民の力、民間の力、全国各地域との連携の力の四つの力を有機的に組み合わせ、自主自立したまちづくりを進めてきたと述べられました。また、本年四月に全庁横断的な企業連携を推進するための専管組織を新たに設け、さらなる区民サービスの向上に取り組むとしています。内容としては、福祉、子育て、教育、まちづくり、防災などさまざまな分野に及ぶ計画とのことです。さて、こうした試みは従来の施策や区民サービスの向上へどのような影響を与えるのでしょうか。  そこで質問は、企業が有する知見やネットワークを活用することで区政に付加価値を創出するとはどのようなことを指しているのか、また、区民サービスの向上にどのように寄与するとお考えか、あわせてお伺いいたします。  次に、地方消費税の清算基準の見直しについてお伺いいたします。  国では、平成三十年度税制改正大綱が昨年十二月に閣議決定されました。その中で、地方消費税の清算基準の見直しが大きな課題の一つになっています。地方消費税は都道府県が課税する地方税で、国が便宜的に消費税と一括して徴収し、都道府県に配分した後、税収を都道府県ごとの消費に相当する額で按分するため、都道府県間で清算基準に基づき清算が行われます。それぞれの地域の実情に応じ、高齢者福祉をはじめ、待機児童の解消や災害対策などの備えとして、地方自治体の運営を支える安定的な自主財源として維持・拡充していくことが不可欠であります。  現行の清算基準は、小売年間販売額などの統計に応じて税収の七五%、人口に応じて一七・五%、従業者数に応じて七・五%のウエートとなっています。国は今回の見直しで、都市部と地方の税収格差是正を大方針に掲げ、居住地以外での消費活動を反映する従業者数の廃止や、統計から東京都のシェアの高い業種の除外を行うとともに、統計の比率をこれまでの七五%から五〇%に引き下げ、統計の代替指標である人口の比率を一七・五%から五〇%と大幅に引き上げようとしています。この見直しが実際に行われれば、東京都への影響は年間約一千億円の減収、港区においても約二十二億円の減収になるとの試算も出されております。減収による区への影響として、区民に身近な行政サービスに例えてみれば、保育園入所児童約九百二十人分の運営費や、予防接種事業・各種がん検診の年間予算、いきいきプラザ十六館の年間維持費などの財源と等しく、区民サービスへの影響は少なくない状況であります。  言うまでもなく、地方消費税の清算基準の制度本来の趣旨を踏まえれば、税収を最終消費地に帰属させ、都道府県の役割に見合った財源を確保していくことは極めて重要であります。特別区長会では昨年十一月、こうした都市部から税収を奪う動きに対して、地域活性化に向けて地方がこれまで積み重ねてきた努力が全く報われない仕組みになることが危惧されることから、地方消費税の清算基準について不合理な見直しが行われることのないよう、東京都知事をはじめ東京都市長会及び東京都町村会と連携し、国に対して要請活動が行われました。さきにも述べましたが、今回の地方消費税の清算基準の見直しが実施された場合、区民生活に大きな影響をもたらすことが十分懸念されるところであります。加えて、港区は地方交付税の不交付団体であり、減収分が補填されるわけではありません。  そこで質問ですが、こうした国の動きに対して、区長はどのように考え、今後、どのように取り組んでいくのか。また、今回の清算基準の見直しが実施された場合、住民福祉を後退させないためにも、失った財源の確保について、どのように対処していくお考えなのか、区長の見解をお伺いいたします。  次に、平成三十年度都区財政調整協議についてお伺いいたします。  昨年十二月四日、平成三十年度都区財政調整協議会がスタートいたしました。今回、区側の提案では、認可外保育施設等の保護者負担軽減事業費など新規提案二十六項目や予防接種費など充実提案二十四項目、投資的経費に係る工事単価の見直しなど改善提案十三項目、さらに介護人材確保・定着支援事業など算定の包括化提案三項目など、合計で七十項目を求めたのに対し、東京都側は、標準区の公園事業量面積の縮減や老人福祉推進事業費の一部を廃止、さらに職員定数を区分加減方式から各区の条例定数に見直すなど、十三項目の提案があったと伺っています。  このうち、区側がポイントに挙げたのは、児童相談所関連経費で、事務の規模に応じ、現行の財源配分割合を将来的に変更するよう求めるとともに、普通交付金による算定として整理するまでの間、開設準備経費を特別交付金で全額算定すること、また、大規模な税制改正や都区の役割分担の変更が行われた場合、必要な需要額が担保されるよう配分割合の見直しが必要であることを主張し、将来的な配分割合の変更を正式に提案しました。  これまでの都区財政調整協議会における協議の結果を振り返ってみれば、区側の提案事項について、生活保護費や各種運動施設管理運営費の見直しなど、一定程度は反映されており、都区双方の努力の成果が見られます。しかしながら、協議の中で今後の課題となったものも多く、特別交付金の割合の引き下げや都市計画交付金の改善等については、議論をさらに前進させるまでには至っていないのが実情ではないでしょうか。今後の協議で注目されるのは、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会の開催準備や安全・安心なまちづくり、少子高齢化対策など喫緊の課題への対応に向けて、東京都と特別区がこれまで以上に連携を深め、取り組んでいくことが重要と考えます。  そこで質問ですが、今回の協議における成果と課題、今後の取り組みに対する区長のお考えをお伺いいたします。  次に、大規模災害団員の導入についてお伺いいたします。  近年、消防団の活動は、時代の要請とともに、その役割が多様化しております。通常の火災での消火活動をはじめ、ポンプ操法大会でも見られる消防器具の操作方法の訓練やポンプ点検に加え、最近では各地で行われるさまざまなイベントにも出動するなど、その活躍は地域住民にも認知されているところです。  一方、地域防災の柱として、その使命感に燃えて消防活動を担ってくれる消防団員全体の減少傾向が進んでおります。総務省消防庁の調べでは、一九五〇年代に約二百万人いた消防団員の数は、一九九〇年代に百万人を割り込み、昨年度は約八十五万人に落ち込みました。港区においても、その傾向は顕著にあらわれているのではないでしょうか。今後、首都直下地震や南海トラフ巨大地震など大規模災害の発生が危惧される中、団員の確保が大きな課題となっています。  そこで、総務省消防庁は、年々減少する消防団員のなり手を確保するため、新たに大規模災害に限って出動する大規模災害団員の導入方針を決定。先月一月十九日、各都道府県知事に対して、「消防団員の確保等に向けた重点取組事項について」の中で、そのことが通達されたところです。  今から二十三年前を振り返ってみれば、阪神・淡路大震災で消防署や消防団の対応力をはるかに超えた家屋倒壊や火災が発生した際、救助活動の主体は、自力、家族、隣人などが約九八%を占めました。その後、東日本大震災や熊本地震のほか、各地を直撃した台風被害や水害など大規模災害が続く中、明らかに見えてきたことは、消火・救助活動以外にも、避難誘導や情報収集など、多様な役割を担う支援が必要ということです。
     今回、総務省消防庁が発表した大規模災害団員は、大規模災害時に新たな業務が必要となったり、人手不足に陥った場合に限って出動するもので、具体的には災害情報の収集・報告・地域住民への伝達、避難誘導・安否確認、避難所運営支援などが想定され、そのなり手として、女性、学生、消防団員OBに加え、災害現場で役立つ重機やバイク、ドローンなどを持つ企業の従業員らが挙げられております。今後、起こり得る大規模災害に備えて、地域の実情に応じて、災害の規模や種別ごとに、事前に役割を定めていくことが必要であると考えます。  消防団員と同様に、大規模災害団員は土地勘が必要な任務であります。現在、さまざまな自治活動に積極的に参加し、地元を知り尽くしている人材は多くいます。そこで質問ですが、区としても、関係各所と連携を図りながら、大規模災害団員の導入について検討していく必要があると考えますが、区長の見解をお伺いいたします。  次に、学生の地域活動についてお伺いいたします。  現在の日本は、多くの課題に直面しております。急激な少子高齢化の進行、人口の減少、地方の過疎化や都市部の人口集中、社会的・経済的格差の拡大の懸念、また、産業構造、就業構造の変化、さらに地域における医療・介護・保育等のケアサービスの拡大などが挙げられます。  このたび、国際競争の激化など、地球規模で解決を要する課題に対応できる人材の輩出を目指す大学のあり方が文部科学省により示されました。そこには、学生がしっかり学び自らの人生と社会の未来を主体的に切り開く能力を培う大学、地域再生の核となる大学、社会の知的基盤としての役割を果たす大学などとされており、学生の資質や大学の果たすべき役割が記されています。こうした役割の実現のため、全国各地の大学において、地域連携活動が取り組まれています。この流れは二〇〇六年に教育基本法が改正された際、広く社会に研究の成果や人材を提供し役立てていく社会貢献活動を行うことも大学の使命であると明文化されたことが始まりとなっています。  さらに進んで、現在、文部科学省で地域の課題解決のため人材や情報・技術が集まる地域コミュニティの中核として、大学の機能強化を目指す地(知)の拠点整備事業が進んでいます。また、大学の地域活動は大学地域貢献度として評価ポイントがつけられ、毎年新聞にランキングが掲載、公表されている状況です。しかし、地域貢献といっても、その活動内容や目指すところは、さまざまな広がりを持っています。大学のすぐれた研究能力を活用し、専門性と技術力を駆使して地域の民間企業との研究協力を推進する高度な産学合同プロジェクトといった地域活動もあれば、商店街や地域コミュニティのイベントの支援、新しい感性・視点で観光などの地域振興資源の開発・発掘を行うボランティアやサークルなど、幅広いものがあります。  大学では、卒業後に社会で有用な人材として活躍していく人格の形成、対応力の創出の場として地域を捉え、他方、高齢化する地域の側は、若者の創造性など、体力を含めた若い力を求めており、両者のニーズは、地域コミュニティの中で共存する関係となっています。港区内には慶應義塾大学、東京海洋大学、芝浦工業大学などをはじめ、医科大学、女子短期大学、専門学校など各種の教育・研究機関があります。各大学にある地域連携室は区と協定を結び、専門性を生かした地域連携の取り組みがされています。  例えば、慶應義塾大学では、港区との連携協力に関する基本協定に基づき、子ども、学生、高齢者など、さまざまな人々が集う地域交流の場として、芝地区で芝の家を運営し、日常的なコミュニケーション活動が行われています。また、戸板女子短期大学では、学生が消防団に参加し、消防訓練、防火・啓発活動を行っており、他の消防団が充足率八〇%のところ、芝消防団では充足率一〇〇%を上回っており、学生側にも消防団活動が社会貢献として評価され、単位が取得でき、双方にメリットがあります。  学生は活動の実践の中でさまざまな実務経験を得ます。しかし、本当に得るべき大切なものは、違う世代との交流から得られる、自分が必要とされている充実感や、今ここに自分がいるべき場所があるとの自己実現の確たる成功体験であろうと思います。周りの人から頼りにされている、喜んでもらえたとの喜びを、実社会に出る前の若いうちに経験・実感しておくことは、その後の人格形成に有用と思います。学生たちの知力・体力・創造力を、地域を支える実践的な活力としてさらに連携を深め、地域のニーズに合った活動を推進すべきと考えます。学生と地域の相互理解のマッチングが行われていけば、若者と地域のよい機会の創出になると考えます。  そこで質問ですが、大学と地域がより一層連携し、学生と地域の双方にとって価値のある活動が行われる必要があると考えますが、区の見解をお伺いいたします。  次に、都市鉱山からの資源回収事業についてお伺いいたします。  私は、平成二十年第二回定例会の代表質問で、循環型社会の形成に向けさまざまな資源化施策を推進していくという観点から、使用済みで廃棄されているIT機器や携帯電話に含まれているレアメタルや貴金属は貴重な再資源であるとして、回収する取り組みについて取り上げてまいりました。その後、平成二十三年に行われましたみなと区民まつりで使用済携帯電話を試行的に回収する実験が行われ、平成二十四年九月には、各地区総合支所をはじめ区内八カ所に、平成二十五年五月からは区内十三カ所に黄色い回収ボックスが設置され、現在に至っております。IT機器や携帯電話に含まれているレアメタルや貴金属は、我が国の産業競争力のかなめとも言われ、その安定確保は重要な課題であり、貴重な再資源として注目を集めています。  東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会では、「都市鉱山からつくる!みんなのメダルプロジェクト」として、全国の自治体やNTTドコモにも回収を呼びかけて、メダルをつくる取り組みも進められており、気運を盛り上げていく上でも大変有効であります。同時に、都市鉱山の活用を東京二〇二〇大会のレガシーとしてその後も残し、持続可能な資源利用を推進していくという意味においても、一層の取り組みが重要と考えるところであります。  このたび、環境省は、金、銀、銅、鉄などの金属を多く含む小型家電の回収量を増やし、再資源化をより一層進めるため、来年度の取り組みとして、パソコンや携帯電話など小型家電のリサイクル回収に関する手引きを各自治体に配布する方針を決めました。この手引きには、回収方法の具体的な改善策として、例えば、多くの人が利用するスーパーマーケットや郵便局などへの回収箱の増設や、タブレット端末やパソコンなども引き取ることができるよう既存の回収ボックスの投入口を広げるといった提案が盛り込まれております。さらに、ピックアップ回収については、重点的に回収する品目の絞り込みを求めることも盛り込まれております。  レアメタルや貴金属の再利用については、3Rの観点から大きな期待が寄せられています。そこで質問ですが、区として、その重要性を踏まえ、今後の都市鉱山の回収にあたっては、より一層、区民への周知・啓発を図るとともに、適切な処理と有効資源の回収促進に取り組んでいただきたいと願うものでありますが、区長のお考えをお伺いいたします。  次に、保育施設の安定性並びに質の確保に向けた取り組みについてお伺いいたします。  待機児童の対策は、どの自治体にとっても最優先の課題となっております。報道によれば、自治体による保育施設への立入調査は、対象施設の六五%にとどまることがわかっています。国は児童福祉法に基づき、自治体に原則年一回以上の立ち入りを求めています。待機児童解消のため保育施設が急増する一方、子どもの安全や保育の質を担保するチェック機能の強化を求めています。自治体への調査は二〇一七年十一月から二カ月かけて、立ち入りや改善指導の権限を持つ四十七都道府県と二十政令都市、四十八中核市に実施し、計百十五自治体全てが回答しました。その結果、各自治体が対象とする計約三万四千カ所の施設のうち、立ち入りを受けていたのは約二万二千カ所で、三分の一が未実施でした。保育施設は、国の基準を満たしている認可保育所と、それ以外の認可外保育施設に大別されますが、立ち入りの実施割合は、認可保育所が六五%と、認可外保育施設の六四%よりわずかに高いという状況です。  さて、港区の状況は、私立認可保育所三十二施設と小規模保育事業所二施設の対象施設三十四カ所全てで指導・検査並びに訪問指導が実施されたと伺っています。しかし、認可外保育施設約七十施設については、立入検査は二割程度にとどまっております。港区の児童が通う保育施設は公私立を問わず、安全・安心な施設でなくてはなりません。認可外保育施設においても検査を確実に実施すべきと考えます。港区の公私立保育施設の安全性や保育の質を保ち、児童が安心して通うためには、いま一歩の努力が必要ではないでしょうか。  そこで質問ですが、保育施設の安全性並びに質の確保に向けた今後の取り組みについて、区長のお考えをお伺いいたします。  次に、SNSを活用した自殺やいじめなどの相談窓口の構築についてお伺いいたします。  昨年十月、神奈川県座間市で九人の若者が殺害されるという悲惨な事件が起こりました。この事件を機に政府は、この年の十二月に関係閣僚会議を開き、再発防止策を取りまとめました。この中には、自殺願望やいじめといった若者・子どもが抱える悩みをより広く受けとめ、問題の深刻化を未然に防ぐ観点から、インターネット交流サイト、いわゆるSNSを活用した相談窓口の整備や、自殺をそそのかす書き込みなどの削除徹底に向けたサイバーパトロールの強化などが盛り込まれました。  我が党は、この事件が発覚する前から、自殺・いじめの早期発見とその対応に向け、SNSを活用した相談体制の構築を提案し、一貫して強力に推進してまいりました。従来、若者の自殺やいじめに対する相談窓口は、電話やスクールカウンセラーなどの面談によって行われていましたが、最近の若者は電話をほとんど使わず、LINEなどのSNSでお互いのコミュニケーションをとっています。総務省が平成二十八年に行った調査によれば、十代のコミュニケーションメディアの一日の平均利用時間は、携帯電話が二・八分、ネット電話が四・四分、SNSが五十七・八分と、圧倒的にSNSが長いことがわかります。  昨年、長野県ではLINEを活用した自殺・いじめ相談を試験的に実施したところ、これまでの電話相談が年間二百五十九件であったのに対し、わずか二週間で千五百七十九件のアクセスが寄せられ、今までの電話やメールによる相談の六十倍以上の数となり、五百四十七件の相談に対応することができるなど、大きな成果をおさめ、全国的にも注目されております。これは若者や中高生たちが気軽に相談できることを示しており、一人で悩む子どもたちに潜んでいる相談したい気持ちを掘り起こし、悩みが深刻化する前の早期解消につなげることが大いに期待されるところです。  現在、文部科学省は、SNSやアプリを通じた児童・生徒の相談窓口整備のための補助事業として、都道府県や政令指定都市二十五自治体に対し、上限千万円の補助を検討。厚生労働省も、三月の自殺防止月間にSNSによる相談事業を行うため、委託する民間事業者の公募を行っております。  また、先日発表した東京都の平成三十年度予算案の中で、自殺・いじめ・若者の悩みに対する相談体制の充実として、LINEやSNSを活用した教育相談が新規事業として計上されております。現在、区では、十八歳未満の子どもを対象として、携帯電話やスマートフォン、パソコンから登録して相談ができるシステムであるみなと子ども相談ねっとが整備されていますが、過去三年間の実績は、平成二十六年度が八十件、平成二十七年度が六十二件、平成二十八年度が五十五件と伺っています。子どもたちの行き場のない悩みや心の叫びをしっかりと酌み取ってあげられる体制として、果たして機能しているのでしょうか。  そこで質問ですが、子どもたちの自殺やいじめなどの悩みに対して、こうしたSNSなどを活用した相談事業をはじめ、悩みを抱える人が相談しやすい環境を整備していく必要があると考えます。他の自治体の先行事例を十分に参考にしながら、SNSを活用した自殺・いじめなどの相談窓口を構築することをご提案いたしますが、区長の見解をお伺いいたします。  次に、障がい特性に応じたコミュニケーションツールの利用促進についてお伺いいたします。  人は、人とのかかわりの中で生きています。自分の思いを的確に発信し、人の考えを正しく受信することで、お互いの理解と信頼が深まります。これは共生社会の実現には欠かせないことです。また、より安全・安心に快適な生活を送るためにも、障がい者自身の状況を伝え、そして的確な情報を入手することが必要です。  東京都では、東京二〇二〇大会を見据え、社会全体で障がい者への理解を深め、差別をなくす取り組みを一層推進ための条例案を検討しております。特に、条例案の共生社会実現のため基本的施策の情報保障の推進の中では、「わかりやすい表現その他の障害者がわかりやすく利用しやすい方法による情報提供が普及するよう必要な施策を講ずるよう努める」としています。港区でも、地域共生社会を目指す取り組みとして、子ども、障がい者、高齢者、外国人など誰もが理解できる地域の共通言語として、また、コミュニケーションや情報収集・発信のツールとなる言語として、やさしい日本語の普及に取り組む新年度事業が発表されています。  現在、障がい者のコミュニケーションツールとして、目の不自由な方には点字、代読、拡大文字などが利用されています。耳の不自由な方には手話、筆談、身振り手振りなどがあります。日常生活用具や補装具の支援もあります。例えば、視覚障がい者用拡大読書器や聴覚障がい者用通信装置、そして重度障がい者用にはキーボードを使わず、視線入力や脳波、眼電信号・筋電信号で電子機器を操作するものや、脳内の血液量の変化でイエス・ノーを示す意思伝達装置などもあります。障がい者の程度が比較的わかりやすい視覚障がいや聴覚障がいに比べ、重度の知的障がいや身体障がいでは、意思があるのかさえも推しはかることが難しい場合がありますが、コミュニケーションツールとの出会いにより大きく可能性を広げた例があります。  脳疾患の後遺症で植物状態となり、意思は確認できないと全ての医療関係者から言われた人がいました。意思伝達装置のパイオニアと出会い、わずかに動く指先に着目。そして、指先でのスイッチの訓練を開始し、何と二年後には文字盤を操作して意思伝達ができるようになり、国家試験にも挑戦したという感動的な事例です。また、自閉症の東田直樹さんは、文字盤を使った意思の伝達方法を確立し、現在は自閉症作家として活躍しています。重度の自閉症者が自分の意思を持っている、このことは多くの自閉症の家族に希望の明かりをともし、世界に衝撃を与えました。こうした事例を参考に、港区においても、障害者手帳の申請を受け付ける窓口や関係機関は、現在開発されているさまざまなコミュニケーションツールについて、的確な情報提供をすべきと考えます。  そこで質問は、共生社会の実現に向けて、誰もが自分の思いを伝え、あらゆる人とのコミュニケーションがとれるよう、障がい特性に応じたコミュニケーションツールの周知と活用にさらに努めていくべきと考えますが、区長の見解をお伺いいたします。  次に、動物からの感染症対策についてお伺いいたします。  先月一月十五日、犬や猫などから人間にうつるとされる動物由来感染症の一つであるコリネバクテリウム・ウルセランス感染症により、福岡県において国内初の死亡例が発覚したニュースは、ペットの飼い主はもとより、多くの人に動揺が広がりました。  厚生労働省の発表では、お亡くなりになったこの方は、屋外で三匹の猫に餌やりをした際、何らかの接触で感染したと見られるとのことです。国立感染症研究所によりますと、平成二十九年十一月末までに報告されているコリネバクテリウム・ウルセランス感染症の感染例は二十五件あり、北海道、東京都、神奈川県、香川県、徳島県などで確認されているとのことです。その多くは、ペットとして飼っている猫や犬、また、野良猫の餌やりの際などにかまれたり、ひっかかれたり、何らかの動物との接触があったことが原因とされています。  台東区の保健所では、ボランティアが地域猫の見守りを続ける中、今回の感染症に限らず、動物からの感染症の対策は重要であるとのことから、ボランティア向けに講習会を開き、防止策を伝えていると伺っています。  また、厚生労働省は、飼育している犬や猫に風邪に似た症状や皮膚炎などが出ている場合は、早目に獣医師の診察を受け、過度な接触を避けるとともに、弱った動物に触れた際は手洗いをしっかり行い、感染の危険性を減らすなどの注意を呼びかけています。ここ近年、ペットと人の距離感が身近になっている中、過度な懸念をあおってはいけませんが、必要な情報をしっかりと提供するとともに、飼い主はその知識を身につけ、動物の健康管理を行っていくことが何よりも重要と考えます。  そこで質問ですが、人と動物がともに健康で、ともに暮らせる共生社会を実現していく観点からも、人のため、動物のための正しい知識の提供など、動物からの感染症の予防対策を進めていくことが必要と考えますが、区長の見解をお伺いいたします。  次に、AI、人工知能を活用した道路や橋りょうなどのインフラ点検・維持管理への取り組みについてお伺いいたします。  現在、国では二〇一五年に策定したロボット新戦略の中で、二〇二〇年に向けて重要かつ老朽化したインフラについて、センサーやロボット、非破壊検査技術などの活用により点検・補修を効率化するとの目標を掲げ、道路や橋の点検でロボットを試験的に導入するなど、人の作業に関する支援が進められております。これは、近いうちに到来する本格的な人口減少社会を見据え、点検・補修のさらなる効率化が不可欠となる中、インフラ分野においても、点検・補修などの人の作業に加え、それを担うAI、人工知能を活用するという維持管理方法です。具体的に目指すのは、ドローンやロボットが撮影したインフラの点検画像をAIが分析し、ひび割れや亀裂を自動的に抽出する技術の確立です。  国土交通省では、細かなひび割れをAIが人にかわって判断を下すため、土木技術者による正しい判断を蓄積した教師データと呼ばれる情報の整備に向け、現在、研究者や民間などの技術者にデータを提供し、損害部分を自動的に判断できるAIの開発を促しています。今後、AIが実際に正しく判断できるかが注目されるところです。現在行われている法定点検は、原則、人による触診や打音検査で損害や変状を調べる近接目視を基本としていますが、こうした従来の目視点検を全て人がチェックすることは限界があります。  平成二十九年第二回定例会の代表質問で我が会派は、電線類地中化を促進していくため、東京都建設局の新技術データベースに登録されている地中レーダーを用いて低コスト化を図るなど、新たな探査技術を積極的に活用し、幅員の狭い区道における電線類地中化を安全、効率的かつ効果的に、より一層加速させていく必要性を訴えてまいりました。  現在、道路や橋りょうなどのインフラ整備・点検は、損害が軽い段階で計画的に修繕する予防保全型の対策が進められています。そこで質問ですが、こうした国の動向も踏まえ、将来的にAI、人工知能を活用するなど、新たな技術を用いて、道路や橋りょうなどのインフラの点検・維持管理について検討していくことも必要と考えますが、区長の見解をお伺いいたします。  次に、教職員の働き方改革についてお伺いいたします。  初めに、教員の労働環境の改善策と今後の取り組みについての質問です。我が会派は、平成二十九年第三回定例会で教職員の働き方改革を掲げる国の動向を見据え、スクール・サポート・スタッフを区立小・中学校へ導入することを提案させていただきました。学習プリントのコピーや会議の準備、校内掲示物の作成、行事や会議の準備・片づけ、調査統計のデータ入力などは外部人材の活用で行うことにより、教員の負担軽減を図るとともに、教員が本来の児童・生徒と向き合う時間を確保することで教育に専念できるようにするためであり、教員の労働環境の改善に取り組むべきと考えたからであります。  東京都では、四百人の配置上申を定めて事業を推進していくこととし、区も区内の学校への配置を要望しているとお聞きしております。今こそ、学校は業務を減らし、統合するなどの仕分けと精選を行い、教員の手から放せるものは放し、明確な業務改善を図ることが必要であり、スクール・サポート・スタッフの活用は有効な手法であると考えます。  そこで質問ですが、区では、今後どのようにスクール・サポート・スタッフの人材を確保し、導入の拡大を図られるのか、教育長のお考えをお伺いいたします。  続いて、教職員の勤務実態の把握について質問いたします。平成二十八年に実施した副園長、副校長の勤務実態調査においては、一日当たりの勤務時間が約十二時間に及ぶことが明らかになっています。さらに、昨年十二月からは、教員についても勤務実態調査を進めていると聞いております。中央教育審議会の特別部会の中間報告によりますと、教員の長時間勤務を抑制するため、勤務時間の把握とともに勤務時間に上限を設け、教育委員会に達成状況の公表を求めることも視野に入れている案もあるそうです。区として、教員の勤務時間を適正に把握することは重要な責務であり、客観的に検証し、適正に管理することは、新たに導入する業務改善の取り組みを後押ししていくものと考えます。  そこで質問ですが、平成三十年度に出退勤管理システムの構築に取り組まれると聞いておりますが、教職員の長時間勤務をどのように改善していくのか、教育長のお考えをお伺いいたします。  次に、小学校におけるプログラミング教育の実施に向けての取り組みについてお伺いいたします。  現代は、あらゆる機能が情報ネットワークにつながるIoT、モノのインターネット化が急速に進み、社会や生活を取り巻く環境が大きく変わろうとしています。こうした動きを見据え、昨年、告示された新学習指導要領に、小学校では二〇二〇年から、中学校や高等学校においてもプログラミング教育が必修化になるなど、IT社会に対応する本格的な人材育成が始まろうとしています。  昨年十二月、東京都教育委員会は、区市町村の教育委員会が小学校におけるプログラミング教育を推進するにあたり、支援団体及び企業と小学校との効果的な連携を推進するため、今後二年間、プログラミング教育推進校を指定することとなりました。  現在、区では、各学校が円滑にプログラミング教育を開始できるよう、IT関連企業からの協力を得て研究が行われています。例えば、高輪台小学校では、ソフトバンクグループ株式会社の人間ロボット、ペッパーを借り受け、泉岳寺をガイドさせるというプログラミングを設計。また、芝浦小学校では、日本マイクロソフト株式会社の協力を得て、ゲームコンテンツを活用して自分のまちを創造するという活動の中でプログラミング教育が行われています。プログラミング教育の実施にあたっては、コーディングを覚えることが目的ではなく、小学校が目指すのは、子どもたちが身近な生活の中でコンピューターを活用し、問題解決に向けての手順に気づくことや、各教科で育まれる思考力を基盤しながらプログラミング的思考を身につけること、また、コンピューターの動きを自分の生活に生かそうとする態度を身につけることであると考えます。  一方、小学校では、基本的に学級担任が全ての教科を担当する学級担任制がとられており、小学校におけるプログラミング教育のあり方についても考えていく必要があります。今回、港区学校情報化アクションプランの見直しで、プログラミング教育の推進が新規事業として計上されていますが、その中に、各教科の特質に応じた実践方法の例示などを研究していくとされています。  そこで質問ですが、各教科の特性を生かし、プログラミング教育を構築していくにあたり、区としてどのような取り組みを計画されているのか、教育長にお伺いいたします。  最後に、学校での心肺蘇生教育の普及推進及び突然死ゼロを目指した危機管理体制の整備についてお伺いいたします。  突然の心肺停止から救い得る命を救うためには、心肺蘇生AEDの知識と技能を体系的に学習、実践する必要があり、学校での心肺蘇生教育は、その柱となるものであります。我が国では、平成十六年に市民によるAEDの使用が認められて以降、急速にその設置が進み、AEDの使用で命が救われた事例も数多く報告されております。しかし、いまだなお、毎年七万人が突然死で亡くなっており、学校においても、毎年百名近くの児童・生徒の心肺停止が発生している状況です。  平成二十三年九月、さいたま市での小学校六年生の女子児童の事故では、AEDが活用されず命を救うことができなかったという事例もあり、全国でも複数例の報告がなされています。そのような状況の中、既に学校における心肺蘇生教育の重要性は広がりつつあり、平成二十九年三月に公示された中学校新学習指導要領保健体育科の保健分野では、「応急手当を適切に行うことによって、傷害の悪化を防止することができること。また、心肺蘇生法などを行うこと」と表記されています。また、同解説では、「胸骨圧迫、AED使用などの心肺蘇生法、包帯法や止血法としての直接圧迫法などを取り上げ、実習を通して応急手当ができるようにする」と表記されております。  私たち公明党議員団は、先日、東京慈恵会医科大学の武田聡主任教授を招き、AEDに関する講義を受けるとともに、簡易な心肺蘇生トレーニングキットを用いた救命の実習を受けました。改めて、一一九番への通報とAED使用方法を教育現場で学ぶことの重要性を確認した次第であります。  さて、港区では現在、全ての区立中学校でAEDを使用した救急救命講習を実施し、小学校では、保健の授業でAEDの役割や心肺蘇生についての学習、実習を行っている学校もあると伺っています。  そこで質問ですが、港区の児童・生徒に対する心肺蘇生とAEDに関する教育を普及推進することは喫緊の課題と考えますが、いかがでしょうか。また、学校におけるAEDの設置状況、さらに教職員へのAED講習を実施するなど、学校での危機管理体制を拡充し、児童・生徒の命を守るための安全な学校環境を構築する具体的な取り組みについて、教育長のお考えをお伺いいたします。  以上をもちまして質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。   〔区長(武井雅昭君)登壇〕 ○区長(武井雅昭君) ただいまの公明党議員団を代表しての杉本とよひろ議員のご質問に順次お答えいたします。  最初に、所信表明についてのお尋ねです。  まず、区役所・支所改革における連携強化と執行体制の構築についてです。来年度、まちづくり分野における道路・公園の占用許可や屋外広告物の許可、放置自転車対策などの業務を総合支所が新たに担うこととなるため、これまで以上に、総合支所と支援部、総合支所間における情報の共有や連携を図る仕組みが必要です。  このため、分野ごとに総合支所と支援部の検討機会を綿密に設けるなど、実務面における課題解決を迅速かつ効果的に図る連携体制を強化してまいります。また、職場内研修による職員の技術力の向上や、まちづくりに関する総合支所及び支援部の業務経験と能力を生かした効果的な職員配置を行うなど、実効性ある執行体制を確保してまいります。  次に、LGBTの方をはじめとするさまざまな人権を擁護する取り組みついてのお尋ねです。区は、全ての施策において、あらゆる人の人権を尊重する地域共生社会の実現を目指して取り組みを進めております。多様な価値観を尊重し、新たな課題に対応していくためには、区民の人権に関する認識などの実態を把握する必要があります。そのため、来年度、人権課題に関する意識調査を実施し、その調査結果を生かすことで、LGBTの方々を含め、区民の誰もが互いに尊重し合い、心豊かに過ごせるための取り組みを一層推進してまいります。  次に、区職員の働き方改革による区民サービスの向上についてのお尋ねです。昨年七月のみなとワークスタイル宣言では、より質の高い区民サービスを提供することを働き方改革の目的として掲げ、業務の効率化や超過勤務の縮減等に取り組んできました。来年度、働き方改革としてAIの活用をはじめ、事務処理を自動化するRPAを導入することで、定型的業務等の効率化を図ってまいります。あわせて、職員のスキルアップのため、職務知識や傾聴力を向上させる研修を充実させてまいります。  次に、企業連携による付加価値の創出と区民サービスの向上についてのお尋ねです。企業の知見、資本、ネットワークは、質の向上という付加価値を区政にもたらします。新橋SL広場に設置した大型デジタルサイネージは、当初、東京二〇二〇大会へ向けた気運情勢を目的としたカウントダウン表示を予定しておりましたが、提供企業の高い技術力により、地域の情報やパブリックビューイングの機能が付加され、発信力の高いまちのシンボルとなりました。この取り組みを通じて、地元住民、企業の間に新たな絆が生まれ、今後、さらに多くの企業が参画する多彩な事業が創出される予定です。今後も引き続き、企業連携をより一層推進し、さまざまな分野で区民サービスの向上に大きく寄与する事業を創出してまいります。  次に、地方消費税の清算基準の見直しについてのお尋ねです。  まず、国の動きに対する考え方と今後の取り組みについてです。このたびの見直しは、地方財政は既に地方交付税で調整されているにもかかわらず、税収の格差を理由に行われる不合理な見直しです。税収を最終消費地に帰属させるという制度本来の趣旨をゆがめるばかりか、地方分権の流れに大きく逆行するものと考えております。  区では、この見直しが行われることのないよう、国に対し東京都、特別区長会などと連携して要請するとともに、広報みなとや区ホームページなどにより区民の皆様にも周知を図ってまいりました。引き続き、特別区が一体となって見直しに伴う影響や課題について広く発信してまいります。  次に、見直しが実施された場合の財源確保についてのお尋ねです。平成三十年度当初予算においては、見直しによる減収に対応するため、計画的に積み立ててきた基金を積極的に活用いたしました。区ではこれまで、港区財政運営方針を定め、計画的な基金の積み立て、占用料などの自主財源確保や補助制度の積極的な活用、人件費等の経常的経費の節減に取り組み、財政の力を蓄えてきました。港区ならではの質の高い行政サービスを安定的に提供できる強固な財政基盤を堅持してまいります。  次に、平成三十年度都区財政調整協議についてのお尋ねです。  平成三十年度都区財政調整協議については、事業算定に特別区の提案が一定程度反映された一方で、特別交付金の見直しや都市計画交付金について、別途協議の場を設置することなどについては前向きな見解が示されず、実質的な協議が行われておりません。特別区の固有財源である財政調整交付金を主体的に配分できるよう、都区協議の前進に向けて、特別区長会を通じて東京都に粘り強く主張してまいります。一方、少子高齢化対策など喫緊の課題に対応するためには、東京都と特別区のこれまで以上の連携が欠かせません。東京都への働きかけなど具体的な取り組みを特別区一体となって進めてまいります。  次に、消防団における大規模災害団員の導入についてのお尋ねです。  総務省消防庁は、先月、消防団員のさらなる確保のため、大規模災害時に限定して出動する大規模災害団員の仕組みを導入するよう、各都道府県に助言しています。大規模災害団員は、被害が広範囲に及ぶ風水害、震度五強以上の地震などの大規模災害時における住民の避難誘導や、避難所運営支援など、基本の消防団員だけでは十分に対応できない活動などを補うことから、消防団活動の充実強化が期待できます。区といたしましては、導入された際の募集、あるいは活用方法など、消防署と連携し、研究してまいります。  次に、学生の地域活動についてのお尋ねです。  現在、区内で多くの学生の皆さんが、自主的なボランティアやサークル活動、大学のカリキュラムに基づく活動などを通じて、地域のお祭りや清掃活動など多くの地域活動に参加し、貴重な体験を重ねています。町会・自治会など地域では、担い手の高齢化等もあり、若い力に期待をしています。区は、担い手が不足しがちな町会・自治会と、大学を含めた団体との協働事業への補助制度を、来年度新たに開始いたします。また、地域活動の大切さ、楽しさを伝える冊子を作成し、大学等へも情報提供するなど活用してまいります。今後とも、地域と大学などとの連携により、学生の皆さんの地域活動への関心を高め、地域の担い手として活動することを支援してまいります。  次に、都市鉱山からの資源回収についてのお尋ねです。  都市部で大量に廃棄された小型家電製品などには、リサイクル可能なレアメタルや貴金属が多く含まれており、都市鉱山と言われ、注目されております。このため、区では、携帯電話などの使用済み小型家電製品の回収に積極的に取り組んでおり、今年度の回収量は、昨年度と比べ約四五%の増加となっております。今後はさらに都市鉱山への関心を高めるため、これまで回収した金・銀・銅の量などを協力していただいた成果として情報発信するとともに、イベント回収の機会を増やすなど、取り組みを強化してまいります。また、これまで戸建て住宅や小規模な集合住宅から排出された不燃ごみに限って実施しております、手選別によるレアメタルや貴金属等の金属類のピックアップ回収を、来年度から大規模集合住宅にも拡大することで、区内全域にわたり、都市鉱山からの資源回収を進めてまいります。  次に、保育施設の安全性並びに質の確保についてのお尋ねです。  区では、私立認可保育園及び小規模保育事業所に対し年一回の指導検査または訪問指導を行うとともに、経験豊富な保育士が保育環境を実地で確認し、保育の安全性や質の向上に関する指導や助言を行っております。今後は、区の指導体制の充実を図ることで、認可外保育施設のうち区の保育料補助制度の対象としております東京都の指導監督基準を満たす施設について、東京都が行う立入調査や巡回指導に立ち会い、安全対策や保育の実施状況を確認してまいります。区は、公私立の認可保育園も含めた区内の保育施設における安全性の向上や保育の質の確保に、引き続き取り組んでまいります。  次に、SNSを活用した自殺・いじめなどの相談窓口の構築についてのお尋ねです。  インターネットを通じて二十四時間相談を受け付けるみなと子ども相談ねっとは、匿名で相談できることから、周囲に本音を打ち明けにくい思春期の子どもたちが利用しやすいシステムとなっております。職員は、丁寧に子どもの気持ちに寄り添いながら、自ら解決に向けて動き出すことを支援しており、一人の相談内容について十回以上メールをやりとりすることもあります。今後は、さまざまな自治体のSNSアプリを活用した取り組み事例や利便性を検証し、子どもが自ら安心して相談できる体制を充実させてまいります。  次に、障害特性に応じたコミュニケーションツールの利用促進についてのお尋ねです。  区は、聴覚障害者に対する代理電話サービスやタブレット型端末を利用した遠隔手話通訳、視覚障害者に対する代読や拡大文字など、障害者の特性に応じたサービスを提供しております。引き続き、最新のコミュニケーションツールについて、福祉用具の講習会や研修などで積極的に情報収集し、全ての障害者があらゆる人と意思疎通ができるよう、障害特性に応じてきめ細かくご案内し、利用の促進を図ってまいります。  次に、動物からの感染症対策についてのお尋ねです。  区では、動物由来感染症の一つである狂犬病対策について、予防接種の実施や、広報みなと、リーフレット「みなとドッグパスポート」等による注意喚起を行っております。犬以外のペット・動物による動物由来感染症についても、感染症の種類、症状、感染経路など、正確な知識の普及が重要です。区は、今後、人と動物が安心して共生できるよう、広報紙の活用やチラシの配布に加え、動物愛護週間やみなと区民まつりなどのイベントを通じ、動物由来感染症に関する正しい知識とともに、動物との接し方や飼育方法について周知を図ってまいります。  最後に、人工知能を活用した道路の点検・維持管理についてのお尋ねです。  区は、道路や橋りょうの定期点検を五年に一回実施し、その結果を修繕計画に反映する予防保全型の維持管理を実施しております。現在、国は、調査設計から維持管理等に係るビッグデータを人工知能で解析し、施工管理等の高度化を図る研究を民間企業等と連携して進めています。今後、このような研究や開発に関する動向を的確に捉え、人工知能を活用した道路や橋りょうの点検・維持管理について調査研究してまいります。  よろしくご理解のほどお願いいたします。  教育にかかわる問題については、教育長から答弁いたします。   〔教育長(青木康平君)登壇〕 ○教育長(青木康平君) ただいまの公明党議員団を代表しての杉本とよひろ議員のご質問に順次お答えいたします。  最初に、教職員の働き方改革についてのお尋ねです。  まず、スクール・サポート・スタッフの人材確保及び導入の拡大についてです。教育委員会は、平成三十年度、小学校二校及び中学校一校に、学習プリント等の印刷・配布準備など、教員の業務支援を行うスクール・サポート・スタッフを配置し、教員が児童・生徒への指導や教材研究等により注力できる体制を整備してまいります。スタッフの確保につきましては、個人情報や学校内部情報の漏えい防止の観点から、元教員や、地域で学校に理解の深い方にお願いできるよう、学校と調整しております。今後、学校とともに、三校での実績、効果を十分検証し、配置の拡大について検討してまいります。  次に、出退勤管理システム導入による長時間勤務の改善についてのお尋ねです。来年度は、長時間労働の縮減を目指し、現在、出退勤時刻を管理しているシステムを活用して、教職員の勤務実態を分析し、その実態を踏まえた校務の効率化や部活動における教職員の負担軽減など、具体的な取り組みについて検討してまいります。さらに、平成三十一年度の運用に向け、教職員の勤務体系に合った出退勤管理システムを新たに構築し、副校長等が行っている出勤簿管理業務の負担を大幅に軽減するとともに、校長等が教職員の勤務時間を継続的に把握し、教職員の個々の状況に応じた適切な指導や助言につなげてまいります。このような取り組みを通じて、教職員の長時間勤務の改善と、そのことによるワーク・ライフ・バランスの実現を図ってまいります。  次に、小学校におけるプログラミング教育の実施に向けての取り組みについてのお尋ねです。
     再来年の四月の学習指導要領の全面実施に向け、小学校において、各教科等の特性を生かしたプログラミング教育の指導計画を作成する必要があります。具体的には、理科において、掃除ロボットのような家電製品が状況に応じて作動し、エネルギーを効率的に使うためにプログラミングが活用されていることに気づくことや、家庭科において、手順を考えながら効率よく調理することを通じて論理的思考力を育むなど、各教科の学習内容とプログラミング的思考を関係づけていくことが肝要であります。また、将来、プログラミングに携わる職業を目指す子どももいることから、実際にプログラムを組む体験をすることも重要だと考えております。  来年度は、プログラミング教育のパイロット校を指定し、各教科等の特性を生かしたプログラミング教育を研究するとともに、区内に多くあるIT企業と連携し、プログラミング教育のあり方について検討する予定です。さらに、その研究成果を生かした指導計画のモデルを作成し、小学校に提供することで、各校においてプログラミング教育が円滑にスタートできる支援をしてまいります。  次に、学校での心肺蘇生教育の普及促進及び危機管理体制の整備についてのお尋ねです。  まず、心肺蘇生とAEDに関する教育についてです。学校で心肺蘇生教育を実施することは、子どもたちに自助・共助の資質・能力を育成し、より多くの命を心停止から救うことにつながるものでございます。現在、小学校においては、六年生の保健の学習において、AEDの設置場所や役割について学習するとともに、各地区で実施している総合防災訓練などの機会にAED講習を受講させております。  また、中学校では、AEDを使用した救急救命講習を生徒に受講させておりますが、教材として使用する人体模型の台数に限りがあることから、全生徒が体験的に学習することが困難な状況にあります。こうした中、今年度、御成門中学校では、区内の東京慈恵会医科大学と連携し、簡易型の心肺蘇生教育教材を使用することで、参加した全ての生徒が心肺蘇生の模擬体験を実施する、質の高い救急救命講習を行うことができました。今後、こうした講習を、東京慈恵会医科大学をはじめとした医療機関や消防署などさまざまな機関の協力を得て、全ての学校において実施できるよう取り組んでまいります。  最後に、AEDの設置状況と教職員への講習についてのお尋ねです。区立小・中学校のAEDにつきましては、各校一台を基本に、昇降口などに設置しております。また、設置場所から体育館や校庭が離れている場合や、体育館やプール等の運動施設を地域に開放している場合は、各校設置の一台とは別にAEDを設置したり、持ち運びができるAEDを用意するなど、複数台を設置している学校もあります。さらに、平成二十九年度から、一次救命処置の充実強化を図るため、教育委員会事務局が校外活動などの学校行事の際、使用するAEDの貸し出しを行っております。教職員への講習につきましては、現在、各小・中学校で水泳指導の開始前などに、AEDを含めた心肺蘇生の研修を行っております。来年度、東京慈恵会医科大学と連携し、全ての小・中学校の安全教育を担当する教員が一堂に会し、子どもの命を守るためのAEDを使用した救急救命講習を計画しております。また、全ての学校が作成している学校危機管理計画の中に、救急救命に関する講習を位置づけるとともに、避難訓練の際に、緊急時を想定したAEDの訓練を実施するよう指導するなど、安全な学校環境の構築に努めてまいります。  よろしくご理解のほどお願いいたします。             ─────────────────────────── ○議長(池田こうじ君) お諮りいたします。議事の運営上、あらかじめ時間を延長いたしたいと思いますが、ご異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(池田こうじ君) ご異議なきものと認め、時間は延長されました。             ─────────────────────────── ○議長(池田こうじ君) 次に、二十八番風見利男議員。   〔二十八番(風見利男君)登壇、拍手〕 ○二十八番(風見利男君) 二〇一八年第一回港区議会定例会にあたり、日本共産党港区議員団を代表して、区長、教育長、選挙管理委員会委員長に質問いたします。  まず最初に、安倍首相の憲法九条改憲を許さず、憲法を政治に生かすことについてです。  安倍首相は、昨年の憲法記念日に、憲法第九条に自衛隊を書き込む改憲を二〇二〇年に施行すると公言しました。ことしの年頭会見では、ことしこそ憲法のあるべき姿を提示し、国民的な議論を深めていく、さらに、いよいよ実現する時期を迎えていると、ことしの国会で改憲案を発議しようとしています。憲法第九条に自衛隊を書き込めば、第二項の戦力不保持、交戦権否認の規定の空文化に道を開き、安保法制イコール戦争法を実行する自衛隊として、海外で武力行使することになりかねません。  安倍首相が目指す改憲は、国民に支持されていません。世論調査では、九条改憲は不要が五三%、憲法に自衛隊を明記する首相の提案には反対が五二・七%となっています。私たちが今取り組んでいる港区民アンケートでも、九条改憲に反対が六六%にもなります。  現在の日本国憲法は、国民主権や平和主義、基本的人権の尊重などを原則にしています。とりわけ憲法第九条は、昨年三月のNHK世論調査では、日本の平和・安全に役立っていると答えた人は八割を超えています。現憲法が施行されて七十年、一度も変えずに来たのは、世界でも最先端の先進性を持つとともに国民に定着していることにあります。  区民の憲法は変える必要がない、憲法第九条を守ってほしいとの多くの声に対し、区長の見解をお聞きします。  第一に憲法第九条に対する区長の認識についてお伺いします。第二に憲法九条改憲を許さず、憲法を生かすことこそ必要との区民の思いに対する区長の認識をお伺いいたします。  次に、核兵器禁止条約の締結を求めることについてです。  昨年七月に人類史上初めて核兵器を違法とする核兵器禁止条約が採択され、十二月には条約採択に貢献したICANがノーベル平和賞を受賞しました。さらに国連総会は本会議で、核兵器禁止条約の採択を歓迎する一連の決議案が賛成多数で採択されました。核兵器禁止条約にはこれまでに五十六カ国が署名し、五カ国が批准しています。条約発効の基準となる五十カ国の批准を早期に達成することが今後の大きな焦点となっています。中でも鍵を握るのが被爆国、日本政府です。日本政府が核兵器禁止条約の署名・批准へと進むならば、国際的にも大きな影響を与えることになります。  日本共産党港区議員団は、二〇一七第三回定例会及び第四回定例会で、区長が国に対し核兵器禁止条約に署名・調印するよう要請することを求めました。区長は、平和首長会議国内加盟都市会議として国に要請を行っているとの答弁でした。そこで確認しますが、区長としても、核兵器禁止条約に署名・批准するよう国に要請しているとの認識だと思いますけれども、答弁を求めます。  また、被爆者が呼びかけ人となり、核兵器を禁止し廃絶する条約を結ぶことを全ての国に求めるヒバクシャ国際署名を大きく広げ、世論を国内外に広げていくことがますます重要です。署名した国内の自治体首長は、二〇一八年一月八日現在千十五人となっています。二十三区でも六人の区長が署名しています。世田谷区長は、世田谷区は平和首長会議にも加盟し、平和都市宣言もしています。ですから、被爆者が呼びかける署名の呼びかけ人になることは当然のことですと推奨しています。港区長も率先してヒバクシャ国際署名に署名し、推進を図るべきです。答弁を求めます。  次に、羽田空港の新飛行経路案についてです。  二〇一七年九月、大阪市内でパネルが落下し乗用車を直撃したことや成田空港からの離陸機によるパネル落下。二〇一八年一月には政府専用機のパネル紛失事故などが相次いだことから、都心上空を低空飛行する計画が、NHKをはじめテレビ、新聞、雑誌など多くのマスコミで取り上げられました。落下物のみならず、騒音、大気汚染、万が一の墜落、高層マンションの資産価値低下を招くなど、無謀とも言える計画に、不安や怒りの声が一層広がっています。  安倍首相は、施政方針演説で「飛行経路の見直しに向けた騒音対策を進め、地元の理解を得て、二〇二〇年までに八万回の発着枠拡大を実現します。」と述べました。一方で国土交通省航空局の来年度の予算決定概要では、羽田空港の飛行経路の見直し等により、二〇二〇年までに空港処理能力を約三・九万回拡大する取り組みを進めるとして、飛行経路の見直しに必要な施設整備に、都心上空からA滑走路、C滑走路に着陸するための進入灯整備や誘導路新設の費用、環境対策事業に係る調査費用などが計上されています。  飛行経路に関係する地域からの教室型説明会開催要求に耳を貸さず、オープンハウス型の説明会や一方的な情報提供によって騒音対策や安全対策をとっていることを周知したとして、強引に実施するようなことがあってはなりません。  このため、第一に、区内全域で教室型説明会を開くこと。開催にあたっては広報や全戸配布などで周知すること。参加者に見合う会場の確保と民主的運営に努めることなどを要請すること。第二に、住民の理解が得られないまま新飛行経路の実施を行わないよう強く申し入れること。第三に、都心上空を飛行する新飛行経路案は撤回、見直しするよう要請すること。第四に、区としても新飛行経路案の危険性、問題点などを広報などで繰り返し区民に知らせること。それぞれ答弁を求めます。  次に、病院等における不在者投票制度についてです。  公職選挙法は、投票所における投票を原則としていますが、その例外として、病院、老人ホーム、障害者支援施設等に入所中の選挙人が、不在者投票管理者のもとで投票する制度を設けています。ところが、不在者投票制度の手引きには、投票用紙への記載所などの決まりはありません。  病院に入院した方から、投票用紙に記載する際、病院の人がそばにいて、見られているようで書きづらかったとの訴えがありました。投票の秘密は憲法で保障されています。投票の自由を守るため、不在者投票管理者に対し、不在者投票の目的を十分説明し、理解してもらうこと。また、施設に協力を要請し、会議室の一角を使ったり、カーテンで仕切ったり、記載台等を用意したり、投票の自由を守るための対策を行うこと。それぞれ答弁を求めます。  次に、生活保護の改悪を許さないことについてです。  政府は、生活保護のうち食費や光熱費など生活費にあたる生活扶助費を最大五%削減する方針です。利用者の七割が減額されます。自公政権による二〇〇四年以降のたび重なる改悪で、都市部の七十歳以上の単身世帯では既に二割以上減っております。今回引き下げられれば二四・三%ものカットとなります。  憲法第二十五条は、すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならないと定めています。今でさえ最低限度の生活を営めないのが実態です。生活保護の改悪をやめるよう国に強く要請すべきです。答弁を求めます。  福島地方裁判所が二〇一八年一月、大学進学を目指す高校生への奨学金を、生活保護費から差し引いた福島市の処分を違法とし、慰謝料の支払いを命じました。福島市は控訴を断念し、判決は確定しました。  生活保護法は、保護を利用する要件として、利用し得る能力を、最低限の生活を維持するために活用するよう規定しています。政府はこれに基づき、高校を卒業したら働いて収入を得ることを原則にしているため、保護世帯の子どもが大学などに入学すると、親と同居していても世帯分離し、生活保護の対象から外され、生活保護費が減額されて生活が苦しくなるため、進学を諦めるケースが多くなります。生活保護世帯の子どもが生活費を切り詰めたり、学費を稼ぐためにアルバイトに専念し過ぎては本末転倒です。生活保護世帯が貧困の連鎖から脱し、自立した生活ができるようにするため、大学等の進学を認めるよう国に改善を求めるべきです。答弁を求めます。  厚生労働省は、二〇一八年十月からの生活保護費の削減を実施すれば、これに伴い、四十七の低所得者向けの医療・福祉、年金などの施策で影響が出ることを明らかにしました。厚生労働省が発表した四十七の施策には、学用品や給食費を補助する就学援助や障害者サービスの利用者負担上限月額、保育料などが含まれます。厚生労働省は、生活保護基準額を減額しても、できる限り他の制度にその影響が及ばないよう対応するとしています。生活保護の改悪は許せませんが、国が強行した場合、他の施策に影響を与えない対策を行うべきです。答弁を求めます。  次に、介護保険制度の改悪についてです。  第七期介護保険事業計画が検討されています。この間も三年ごとの見直しで介護サービスの削減や保険料の引き上げが行われました。今度の改革は、介護保険制度の持続可能性の確保の名目で、現役並み所得者の利用料の三割負担の導入、介護納付金の総報酬割の導入、高額介護サービス費の負担上限額の引き上げ、介護報酬改定による生活援助の人員基準の緩和、報酬設定などの見直しが盛り込まれています。現役並み所得者の利用料の三割負担の導入は、単身者で年間収入三百四十万円以上、夫婦世帯で年間収入四百六十三万円以上の方が対象になります。  Aさんは、特別養護老人ホームに入所していましたが、ぐあいが悪くなり、夜間の吸引が必要となり、夜間看護師がいない特別養護老人ホームでは対応できないと言われ、遠くの施設に移らざるを得ませんでした。ひとり暮らしのBさんは、近所に買い物に出た際、階段で転んで骨折、そのまま緊急搬送され入院しました。携帯電話の履歴を頼りに病院から知人に連絡が行き、入院治療が行われています。妻と二人暮らしのCさんは、体調を崩し入院治療が必要になりました。数カ月の入院を経て、転院するよう言われ、遠くの施設に転院しましたが、一カ月の費用が四十万円を超え、区内の特別養護老人ホームへの入所を待ち望んでいます。  医療や介護は突然やってきます。そうなった場合、経済的にも精神的にも肉体的にも本当に大変です。高齢化や介護する人の高齢化が進む中、安心して介護が受けられる制度にすべきです。  そこで質問します。第一に、国庫負担を大幅に引き上げるよう国に求めること。第二に、港区としても一般財源を投入し、保険料の引き下げ、利用料の軽減対象者の拡大を行うこと。第三に、一月末の特別養護老人ホームの申込者数は四百二人です。高齢化が進む中、特別養護老人ホームの入所希望者は増え続けます。南麻布四丁目施設開設以降の特別養護老人ホームの建設計画を早急につくること。第四に、特別養護老人ホーム等介護施設にかかわる経費は、保険料の算定から除外するよう国に要求すること。それぞれ答弁を求めます。  次に、保育士の処遇改善についてです。  待機児童対策は待ったなしの課題です。保育園の建設は当然ですが、保育を担う保育士不足も深刻です。大変な仕事にもかかわらず、保育士の平均給与月額は、全産業の平均給与月額より約十一万円低いのが現状です。保育士を確保するため、多くの自治体が独自の支援策に取り組んでいます。話題を呼んだのが船橋市です。市内の私立保育園や認定こども園、小規模保育事業所に勤務する保育士に、給与の上乗せとして月額三万二千百十円、期末手当七万千四百六十円、合計年額四十五万六千七百八十円の手当が支給されます。そのほかにも家賃助成、就学資金の貸付などを行っています。  二十三区でも千代田区では、私立認可保育園の保育士や栄養士、調理師、看護師に月額三万円の上乗せ助成、認証保育所の保育士に月額三万円の上乗せ助成をしています。世田谷区では、保育士や看護師に月額一万円の上乗せ助成をしています。大田区では常勤の保育士に月額一万円、墨田区では月額五千円の上乗せ助成をしています。港区も保育士を確保し、保育の質の向上を図るため、私立保育園等の保育士への給与の助成を行うべきです。答弁を求めます。  次に、保育従事職員宿舎借り上げ支援事業についてです。港区では、東京都の補助に上乗せし、港区内の宿舎は一戸あたり月額九万八千円、港区外は一戸あたり月額七万千七百五十円の補助をしています。これは事業者が宿舎用に借りたものが対象のため、新規に保育事業を始める事業者が利用しやすいものです。保育士に直接支給すると収入になり税金等々に影響が出てしまいます。従来から運営している事業者も利用しやすい仕組み、例えば賃貸借契約を変更することなく、事業者が直接大家さんに家賃を納める方法等を検討すべきです。答弁を求めます。  次に、十八歳までの医療費の無料化についてです。  国は、子どもの医療費の無料化を実施している地方自治体に対して、国民健康保険への国庫補助金を削減してきました。我が日本共産党港区議員団は、日本共産党国会議員団とも連携し、不当なペナルティをやめるよう提案。意見書の提出。全国の自治体の運動の結果、乳幼児の医療費無料分のペナルティがなくなりました。引き続き、ペナルティをやめる運動を進めてまいります。  港区も特別区長会や全国市長会に働きかけ、国にペナルティの全廃を要請すべきです。あわせて、子どもの医療費無料化を国の制度にするよう要請すべきです。それぞれ答弁を求めます。  一方、国は、ペナルティの廃止によって生まれた財源は、さらなる医療費助成の拡充ではなく、ほかの少子化対策の拡充に充てることを求めるとして、医療費助成以外で活用するよう指示してきました。日本共産党国会議員団は、自治体が医療費助成の拡充に使いたい場合、禁止すべきではない。地方自治への侵害だと批判。厚生労働大臣は、国として自治体に強制するものではないと医療費拡充に使うことを事実上認めました。児童福祉法は、十八歳までを児童と規定しています。高校生の年代には、行政の支援や手だてが一番薄くなっています。受験のための塾などの費用、通学交通費等々、高校生を抱える家庭の出費は大変です。  千代田区では、二〇一一年四月から十八歳までの医療費を無料にしました。北区では、十八歳までの入院費が無料です。北海道富良野市の二十二歳までの医療費無料をはじめ、全国で年齢の拡大が広がっています。港区でも、十八歳までの医療費を無料にすべきです。答弁を求めます。  次に、アルバイト学生の権利を守るためのパンフレット作成についてです。  コンビニエンスストアや飲食店で学生のアルバイトが増えています。無法な会社のブラックバイトのえじきにされ、学業に支障が出る被害も少なくありません。政府が厳しく監督することが重要ですが、働く側も必要な知識を身につけて対処することが大事です。アルバイトをしている大学生は七割以上に上り、半数が週三日以上働いていると言われています。企業の重要な戦力として正社員並みの責任を持たされている例も珍しくありません。何も知らずにブラックバイトで働かされることがないよう、神奈川県では、県内の高校一年生全員に「知っておこう!働くときのルール」というパンフレットを配布しています。  厚生労働省も「学生アルバイトのトラブルQ&A(知っておきたい働く時のポイント)」のチラシを作成しています。これらを参考に、港区でも無権利で働く学生が出ないように、高校生や家族向けのアルバイトパンフレットを作成し、配布すべきです。答弁を求めます。  次に、アスベストマップの作成についてです。  東京高等裁判所の庁舎のエレベーター周辺の空気中に石綿、衝撃的なニュースです。庁舎に石綿が使われていることから、日常的に調査していたからわかったのです。私たちの周りにも同じような危険があることになります。建物の耐火、断熱材として長年にわたって使われてきたアスベスト。ところが、体内に取り込むと長い潜伏期間を経て、中皮腫や肺がんといった病気になる見えない公害です。近年、被害は建設現場から地域住民へと広がっています。約一千万トンの輸入アスベストの約七割が建材に使用されてきました。どれぐらいアスベスト含有建物があり、除去対策を実施したのか。  国土交通省によると、除去対策を優先させたホテルや物販店などの大規模建築物では約四千棟の除去作業が残っています。小規模建築物については、業界が自主規制した一九八九年以前の約百三十万棟の五%ほどが含有すると推定していますが、全国的な対策状況について網羅的な把握はできていないというお粗末さです。アスベスト含有建物の解体、震災時の建物倒壊等を考えたとき、区民や職員の命と健康を守るため、区としてアスベストがどこで使われているか、使われている可能性があるか等々をできる限り調べ、アスベストマップを作成すべきです。答弁を求めます。  次に、子どものインフルエンザワクチン接種助成についてです。  このことは日本共産党港区議員団だけではなく、多くの会派から質問がされてきました。区長は、子どもや若年者については、インフルエンザワクチンの有効性が確立していないことから費用助成の対象外との答弁を繰り返しています。  厚生労働省のインフルエンザQ&Aを見ると、インフルエンザにかからないためにはどうすればいいかとの問いへの回答で、その第一が、流行前のワクチン接種を挙げ、さらに乳幼児におけるインフルエンザワクチンの有効性については、感染を完全に阻止する効果はありませんが、インフルエンザの発症を一定程度予防することや、発病後の重症化や死亡を予防することに関しては、一定の効果があるとされています。乳幼児のインフルエンザワクチンの有効性に関しては、報告によって多少幅がありますが、おおむね二〇%から六〇%の発病防止効果があったと報告されています。また、乳幼児の重症化予防に関する有効性を示唆する報告も散見されますとホームページで書かれています。一定の効果があることは、厚生労働省も認めています。  千代田区は生後六カ月から十八歳まで全額助成しています。渋谷区は一歳から中学三年生まで全額助成しています。新宿区や台東区、世田谷区では一部助成しています。檜原村での全額助成をはじめ、都下の市や全国の自治体でも助成が広がっています。ことしはインフルエンザが大流行しており、港区でも学級閉鎖が広がっています。港区予防接種事業の費用助成の考え方についてによると、その他特例が示され、感染力が強く、ワクチン接種の効果が明確で、接種によって集団感染予防に効果がある場合や、医療費等の費用低減効果がある場合となっています。インフルエンザの予防接種が当てはまると思います。今すぐ乳児から十八歳まで、インフルエンザワクチン接種費用を助成すべきです。答弁を求めます。  次に、就学援助の入学準備金を国基準に引き上げることについてです。  入学準備金の前倒し支給や増額については、多くの自治体で前進しています。港区も、我が日本共産党港区議員団のたび重なる質問で、新入学学用品・通学用品費、いわゆる入学準備金の前倒しは中学生に続き小学生もことしの新一年生から実施します。七月頃に支給されていた入学準備金が入学前に支給され、安心して入学の準備ができるようになりました。入学準備金の支給金額を、国は小学生二万三百円から四万六百円に、中学生二万三千七百円から四万七千四百円に引き上げました。既に二十三区でも来年度入学予定者に対し、国基準まで引き上げる区が小・中学校とも十一区あります。これまで港区は、都区財政調整の金額を根拠としていると答弁してきましたが、他区の取り組みを見ると、その根拠は既に成り立ちません。  第一に、ことし四月の新入学児童・生徒の入学準備金を国基準以上に増額すること。第二に、二〇一七年度の新入学児童・生徒にも国基準以上の入学準備金を支給すること。答弁を求めます。  最後に、学校給食の無償化についてです。  日本国憲法第二十六条は、義務教育は、これを無償とすると定めています。日本の子どもの六人に一人が貧困家庭という現実ですから、何をさておいても子どもたちが安心して食べることができてこそ義務教育です。義務教育は無償と定めた憲法に従い、教育の一環である学校給食は、国の責任で無償にするよう要求すべきです。答弁を求めます。  また、多くの自治体で給食の無償化が進んでいます。しんぶん赤旗の調査によると、公立小・中学校の給食費の保護者負担を全額補助して無償にする市町村が、この一年間で六十三市町村から八十三市町村に増えていることがわかりました。二十三区でも品川区や葛飾区は、第三子以降の給食費を無償にするなどの動きも出ています。子育てするなら港区、教育の港区を自負している港区として、区の将来を担う子どもたち、社会の宝である子どもたちの健全育成のため、保護者負担の軽減のため、そして区長の目指す全ての子どもと家庭を見守り続けるまちの実現のためにも、早急に学校給食の無償化を実施すべきです。答弁を求めます。  以上で質問を終わりますが、答弁によっては再質問することをあらかじめ申し述べて質問を終わります。長時間にわたり、ご清聴ありがとうございました。   〔区長(武井雅昭君)登壇〕 ○区長(武井雅昭君) ただいまの共産党議員団を代表しての風見利男議員のご質問に順次お答えいたします。  最初に、憲法を政治に生かすことについてのお尋ねです。  まず、憲法九条に対する認識についてです。憲法は、その前文で恒久の平和をうたい、第九条で戦争の放棄を掲げることで、いわゆる日本国憲法三原則の一つである平和主義を明らかにしているものと認識しております。  次に、憲法を生かすことこそ必要との思いに対する認識についてのお尋ねです。区は、毎年、憲法週間に合わせた講演と映画のつどいの開催や広報紙への啓発記事の掲載などを通じて、区民が憲法への関心を高め、理解を深める契機となるよう努めております。今後も、こうした取り組みを継続することにより、区民の憲法への意識を高め、憲法の大切さ訴えてまいります。  次に、核兵器禁止条約の締結を求めることについてのお尋ねです。  まず、核兵器禁止条約に署名・批准するよう国に要請しているとの認識についてです。区が加盟する平和首長会議国内加盟都市会議は、第九回平和首長会議総会の決議を受け、昨年八月、日本政府に対し、核兵器禁止条約への加盟及び条約の早期発効を求める特別決議とともに、核兵器廃絶に向けた取り組みの推進を求める要請文を提出いたしました。区は、平和首長会議に加盟する自治体として、国に要請をしていると認識しております。  次に、ヒバクシャ国際署名に署名することについてのお尋ねです。お尋ねの署名については、平成二十二年に核兵器廃絶を目指したヒロシマ・ナガサキ議定書に首長として賛同署名をしていることから、重ねて署名をすることは考えておりません。  次に、羽田空港の新飛行経路案についてのお尋ねです。  まず、区内全域での説明会の開催を国に要請することについてです。区が羽田空港の新飛行経路案について、国に対し、教室型説明会の開催を強く求めた結果、区内の三地域において区民等を対象とした教室型説明会が実現いたしました。今後も、地域からの要望等を踏まえ、国へ開催を要請してまいります。また、説明会の開催に際しては、区は、開催する地区の町会等を通じてチラシを配布し周知してまいりましたが、今後、より多くの方が参加できるよう、広報等を含めた周知の工夫や適切な会場の確保に努めるとともに、国に対しては、わかりやすい説明を行うことを要請してまいります。  次に、住民の理解を得られないままで実施しないよう国に申し入れることについてのお尋ねです。区はこれまでも、羽田空港の新飛行経路案については、区民等へのきめ細かな情報提供を行い、十分に納得を得た上で検討を進めるよう、文書等により国に強く申し入れてまいりました。今後も引き続き、区民等のご意見を踏まえながら、申し入れてまいります。  次に、新飛行経路案の撤回・見直しを国に要請することについてのお尋ねです。羽田空港の機能強化に関する計画については、国の責任において区民等に丁寧な説明を行い、十分な理解を得て、検討を進めるべきものと考えております。計画の撤回や見直しを国に求めることは考えておりませんが、今後とも区民の安全と生活環境を守る立場から、区民へのきめ細かな情報提供を行うことなど、引き続き国に要請してまいります。  次に、新飛行経路案に関する区民への周知についてのお尋ねです。区は、新飛行経路案など羽田空港の機能強化に関する取り組みについて、国が作成したリーフレットやニュースレター等を各地区総合支所や図書館等で配布しております。また、落下物の危険性や対応策など、国から新たな検討状況が示された際には、広報みなとや区ホームページ等を通じて迅速な周知に努めております。今後も、国との情報共有を密に行い、羽田空港の機能強化にかかわる情報を積極的に周知してまいります。  次に、生活保護についてのお尋ねです。  まず、生活扶助費の引き下げについてです。生活保護基準につきましては、国の社会保障審議会の生活保護基準部会において検討された結論を踏まえ、国がその責任に基づき決定するものです。今回の生活保護基準の見直しは、一般低所得世帯の消費生活水準等との均衡に留意し検討されたものであり、生活扶助額を三年間かけて段階的に引き下げるなどの激変緩和措置が講じられております。区として、国に対し、生活扶助費の引き下げをしないよう要請することは考えておりませんが、引き続き、被保護者等からの相談に丁寧に対応してまいります。  次に、生活保護世帯の子どもの大学等への進学についてのお尋ねです。国は、生活保護世帯の大学等への進学支援のため、新生活の立ち上げ費用として一時金を給付する進学準備給付金制度の創設などを盛り込んだ生活保護法等の改正法案を今月九日に閣議決定しております。また、国は、生活保護世帯の子どもが同居しながら大学に進学する場合に、世帯の住宅扶助費の減額をしない措置を導入することも検討しております。現時点で、生活保護世帯の大学等への進学について国に働きかけることは考えておりませんが、引き続き、国の動向を注視するとともに、生活保護世帯の高校生が希望する進路に進めるよう、区といたしましても適切に支援を行ってまいります。  次に、生活保護基準の見直しに伴う他の施策への影響についてのお尋ねです。生活保護基準の見直しに伴い、他制度に生じる影響について、国は、最小限に抑える方針と聞いております。区は、引き続き、国の動向を注視するとともに、今後、国からの通知が届き次第、それぞれの制度の趣旨や目的、実態を十分考慮しながら、できる限りその影響が及ばないよう対応を検討してまいります。  次に、介護保険制度の見直しについてのお尋ねです。  まず、国庫負担を引き上げるよう国に求めることについてです。区は、介護保険制度の持続的かつ安定的な運営のため、将来にわたって被保険者の保険料が過重とならないよう、昨年六月に全国市長会を通じて国庫負担を引き上げることを要望しております。また、区は、同時期に、都心区である港区の実情を踏まえた港区介護保険レポートを作成し、その中で国庫負担二五%を確実に交付することも国に対して提言しております。今後も、国に対し、さまざまな機会を捉え、要望、提言をしてまいります。  次に、介護保険料の引き下げ及び利用料の軽減対象者の拡大についてのお尋ねです。介護保険制度では、介護サービスを賄う財源を保険料と公費によって一定の割合で負担することが定められております。介護保険料の引き下げのために、区の一般財源の割合を高めることは、介護保険の財源構成を崩し、給付と負担の関係を不明確にするため、適当でないと考えております。また、区は、住民税非課税などの低所得者に対して、ホームヘルプサービス等利用者負担を一〇%から三%に軽減するなど、独自の軽減策を実施しております。引き続き、現行制度を維持し、軽減制度の内容を丁寧に周知してまいります。  次に、特別養護老人ホームの建設計画についてのお尋ねです。区は、これまで特別養護老人ホーム八施設、七百二十九床を計画的に整備し、現在、要介護四、五で施設介護が必要な方については、おおむね一年以内に入所しております。介護を必要とする方がより短い期間で入所できるよう、再来年三月開設予定の特別養護老人ホーム百床を南麻布四丁目に整備しております。南麻布四丁目施設開設後の計画につきましては、今後の高齢者人口及び要介護認定者数の推移や、特別養護老人ホーム入所申込者数などを踏まえ、必要性も含め検討してまいります。  次に、特別養護老人ホーム等介護施設にかかわる経費を保険料算定基準から外すよう国に要請することについてのお尋ねです。介護保険料は、介護サービス費をもとに算定しており、介護サービス費は、特別養護老人ホームなどの施設サービス費と訪問介護などの居宅サービス費で構成されております。介護保険施設の介護サービス費を介護保険料算定基準から除外することは、制度の基本的な枠組みにかかわることから、国に対して特別養護老人ホーム等の施設サービス費を外すよう要請することは考えておりません。区は、引き続き、介護予防等重度化を防ぐ取り組みなどを一層推進し、安定的かつ持続可能な介護保険制度の運営に努めてまいります。  次に、保育士の処遇改善についてのお尋ねです。  まず、私立保育園等の保育士への給与の助成についてです。保育士の賃金改善については、事業者にヒアリングを実施するなどして検討してまいりましたが、複数の自治体で保育施設を運営している事業者も多いことから、区内に勤務する保育士に対し、区が独自に上乗せ助成を行ったとしても、異動等により効果が一時的なものとなるおそれがあると考えております。区といたしましては、保育士の給与を独自に助成するということは考えておりませんが、保育士の賃金改善は広域的な課題であることから、国への要望について検討してまいります。  次に、保育従事職員宿舎借り上げ支援事業の手続きについてのお尋ねです。区では、職住近接の実現や住居費負担の軽減により保育人材の確保・定着を図るため、私立認可保育所等の事業者が宿舎を直接借り上げている場合に支援を行っております。職員個人が契約している住宅について、個人にかわって事業者が直接賃料を負担することについては課題があることから、区では、事業者名義の契約に変更し宿舎としている場合に補助の対象としております。引き続き、事業者に対し、事業の目的や趣旨を周知するとともに、必要な事務手続きについても丁寧に説明してまいります。  次に、子どもの医療費の無料化についてのお尋ねです。  まず、子どもの医療費に対する国庫負担減額調整措置についてです。区は、昨年六月に全国市長会を通じ、国民健康保険における子どもの医療費助成への国庫負担減額調整措置について、子どもの対象年齢にかかわらず減額措置を全面的に廃止するよう国に要望し、平成三十年度から未就学児までを対象とした減額措置が廃止となります。就学児等への医療費助成の調整措置の廃止につきましては、引き続き、さまざまな機会を捉えて国に要望してまいります。  次に、子どもの医療費無料化を国の制度にすることについてのお尋ねです。全国市長会及び特別区長会では、国に対しゼロ歳から義務教育修了までの児童を対象とした子ども医療費助成制度の創設を要望しております。区は、今後も他自治体とも連携しながら、国に対し、子ども医療費助成制度の創設を要望してまいります。  次に、十八歳までの医療費の無料化についてのお尋ねです。子ども医療費助成は、子育て支援策の一環として、子どもの保健の向上と健やかな育成を図ることを目的とした制度であり、病気にかかりやすいゼロ歳から義務教育修了までの児童を対象としております。義務教育修了後は、医療機関を受診する割合も低くなることから、助成対象を拡大することは現在のところ考えておりませんが、今後もさまざまな施策を通じて、総合的な子育て支援に努めてまいります。  次に、アルバイト学生の権利を守るためのパンフレット作成についてのお尋ねです。
     区は、労働問題に関する対処方法等をわかりやすく解説した啓発冊子、ポケット労働法を作成し、新成人に配布するなど、特に若者への労働問題の啓発に努めております。アルバイトの労働問題に関する相談に対しては、ポケット労働法に加え、国や東京都が作成した高校生向けの啓発冊子等を配布するとともに、東京都ろうどう一一〇番などの適切な相談先を紹介しております。こうしたことから、さらに区独自のパンフレットを作成することは考えておりませんが、今後も、アルバイト学生などが安心して働けるよう、国や東京都と連携しながら、労働に関する情報の適切な周知に努めてまいります。  次に、アスベストマップの作成についてのお尋ねです。  区は、建築基準法の規定に基づき、一定規模以上の建築物の所有者に対し、アスベストの使用状況を調査し、報告することを求めています。一方、小規模な建築物については、アスベストの調査や除去の法的義務がなく、正確な情報の把握や建物を特定することなどは困難な状況です。国もこうした中、全国的に小規模建築物におけるアスベストの使用実態の把握が進んでいないことを課題としていることから、今後の国の動向を注視するとともに、区内でのアスベスト使用実態について情報収集に努めてまいります。  最後に、子どもへのインフルエンザワクチン接種助成についてのお尋ねです。  インフルエンザ予防接種の費用助成は、有効性が確立して法定接種の対象となっている高齢者に対して行っております。有効性の報告に幅がある乳幼児や、国の今冬のインフルエンザ総合対策でもワクチンの効果が示されていない若年者等については、費用助成の対象外としております。予防対策としては、咳エチケットや適切な手洗いなどが有効であり、引き続き区民に向けた普及啓発を行ってまいります。  よろしくご理解のほどお願いいたします。  教育にかかわる問題については、教育長から、選挙管理委員会にかかわる問題については、選挙管理委員会委員長から答弁いたします。   〔教育長(青木康平君)登壇〕 ○教育長(青木康平君) ただいまの共産党議員団を代表しての風見利男議員のご質問に順次お答えします。  最初に、就学援助の新入学学用品・通学用品費の支給額についてのお尋ねです。  まず、平成三十年度の新入学児童・生徒の支給額を国基準以上に引き上げることについてです。支給額につきましては、都区財政調整の算定単価を根拠にしていることから、これまで港区が主体的に他区と連携し、都区財政調整の算定単価の引き上げに取り組んでまいりました。しかしながら、平成三十年二月一日東京都知事と区長代表等による平成三十年度都区財政調整の協議において、新入学学用品・通学用品費の算定単価は引き上げには至りませんでした。一方で、港区子どもの未来応援施策の観点から、教育に係る経済的支援を充実し、準要保護者の就学に係る費用の負担を軽減することは重要であると考えております。このことから、区として、今後、新入学学用品・通学用品費の支給額の考え方について、改めて検討してまいります。  次に、平成二十九年度の新入学児童・生徒の支給額を国基準以上に引き上げることについてのお尋ねです。平成二十九年度の入学者につきましては、平成二十九年度の都区財政調整の算定単価に基づき、既に新入学学用品・通学用品費を支給していることから、支給額を国基準以上に引き上げることは考えておりません。  次に、学校給食の無償化についてのお尋ねです。  まず、国の責任で無償にするよう要求することについてです。学校給食法第十一条第二項では、学校給食の食材費の負担は保護者と定められております。このことから教育委員会では、学校給食法の改正をまず行い、あわせて、国の責任において学校給食費の無償化に向けて財政措置を行うよう、全国都市教育長協議会を通じて国に要求してまいります。  最後に、早急に港区として学校給食を無償にすることについてのお尋ねです。現在、教育委員会では、就学援助制度により、経済的理由により就学が困難と認められる児童・生徒の保護者については、給食費の全額を助成しております。学校給食の食材費は、学校給食法に基づき保護者の負担と定められていることから、教育委員会としては、学校給食を無償にすることは考えておりませんが、学校給食法の改正をまず行い、その上で、国の責任において学校給食費の無償化に向けて財政措置を行うことを、全国都市教育長協議会を通じて国に要求してまいります。  よろしくご理解のほどお願いいたします。   〔選挙管理委員会委員長(島田幸雄君)登壇〕 ○選挙管理委員会委員長(島田幸雄君) ただいまの共産党議員団を代表しての風見利男議員の質問に順次お答えいたします。  病院等における不在者投票制度についてのお尋ねです。  まず、不在者投票管理者に対する周知についてのお尋ねです。病院等の不在者投票指定施設では、病院長などが不在者投票管理者に、また当該施設職員が投票事務従事者となって選挙の公正を確保しつつ、適正な選挙事務執行に取り組んでおります。不在者投票管理者は、不正な投票を防止するため、投票事務従事者以外の選挙権のある職員を選挙立会人として選任し、投票に立ち会わせています。  選挙管理委員会では、選挙が執行される場合には、万全の体制で不在者投票事務をとり行うことが必要であるとの観点から、全ての選挙において執行前に説明会を開催して、指定施設と情報を共有し、公正な選挙執行に取り組んでおります。今後とも、不在者投票指定施設における投票が公正で公平な選挙事務執行となるよう、指定施設との連携を密にし、選挙制度への理解が進むよう周知徹底を図るとともに、必要な支援・指導を行ってまいります。  最後に、投票所の環境整備についてのお尋ねです。病院等の不在者投票管理者は、投票記載場所について、他人の選挙人の投票記載を見ることができないように投票の秘密を保持するとともに、投票用紙の交換、その他不正が行われることを防止するための設備を整備することが求められています。  選挙管理委員会としては、選挙が執行される場合には、不在者投票管理者が施設内において入院患者や入所者の投票の秘密保持が可能となるよう、施設の現況を踏まえた最善の工夫や、投票記載場所としてふさわしい場の確保を要請してまいります。  よろしくご理解のほどお願い申し上げます。   〔二十八番(風見利男君)登壇〕 ○二十八番(風見利男君) 時間が余りありませんので、絞って再質問したいと思います。  最初に、就学援助の国基準以上の引き上げについてですけれども、教育長も当然目を通していると思いますけれども、平成二十九年度要保護児童生徒援助費補助金についてという文部科学省の通知では、二〇一七年度予算において、新入学児童生徒学用品等はじめ予算単価の一部見直しを行いましたと。ですから、この見直しに基づいて必要な援助が適切な時期に実行されるようにという中身なわけです。  別添資料では、先ほど言ったとおり小学生は二万四百七十円を四万六百円、中学生は二万三千五百五十円を四万七千四百円に改正したとなっています。この基準に基づいて、既に生活保護利用者については、改正した金額が支給されています。しかし、港区では、就学援助の基準が改定されていないために、準要保護者に対しては依然として古い金額のままです。質問でも言いましたが、二十三区中十一区で既に国基準までの引き上げを実施しています。就学援助というのは、生活が大変な家庭への支援で、区長は昨日の所信表明で、「子どもの将来が生まれ育った環境によって左右されることがあってはなりません」と、こう述べられました。言葉だけでなく実践していただきたいと思います。  お隣の中央区は、国の基準改定に基づいて、小学一年生については四万三千八百九十円です。中学生は七万六千八百六十円と、国基準を大幅に上回っています。これぐらい支給するのが私は当然だと。だから港区は、国基準ではなくて、国基準以上の引き上げをしなさいと言ったのは、ここに意味があるわけです。小学一年生で港区の一・八四倍、中学生は二・八六倍です。ですから、本当に貧困の連鎖を断ち切るために、港区もすぐさま国基準に引き上げてもらいたい。ぜひ、これは決意を述べていただきたいと思います。  もう一点、生活保護費の削減をやめることについてですけれども、国が行うことなので云々と区長はおっしゃいました。社会保障審議会生活保護基準部会の中でも、本当にこのまま引き下げていいのかという意見がありました。なぜかというと、国は十分位数の一番下と生活保護を比べて、それより生活保護の方が高いから下げると言っているわけです。ところが今、貧困がどんどん広がって、国民全体の生活がどんどん下がっているわけです。だから、本来であれば、生活保護基準にかかっていなくても、一番低い人たちにどう支援するかというところにお金を使うべきで、生活保護費をそこに引き下げるというのは、とんでもない発想です。  時間がないので言いませんけれども、この間の衆議院予算委員会の中で、日本共産党の志位委員長が具体的な例を挙げて安倍首相を追及しました。安倍首相は、制度がきちっと運営されるようにと言わざるを得なかったわけです。憲法第二十五条で、健康で文化的な生活を営む権利が保障されているわけです。今回の生活保護費の削減は、全体で約百六十億円と言われています。米軍に対する思いやり予算の来年度の増額分ですが、百九十八億円です。区長、思いやるところが間違っているのです。生活保護費の削減をやめて、もっと引き上げろという意見を、ぜひ区長として、また特別区長会として、全国市長会としても上げてもらいたいと思います。  それと介護保険のことですが、特に特別養護老人ホームです。南麻布四丁目施設ができて、これで万々歳というわけにいかないわけで、一年に二回申し込みがあって、毎回大体いつも申し込み者数は四百人を超えているわけです。新しいところができても高齢化社会で、港区でも高齢者が増えるわけですから、もっと特別養護老人ホームの申し込みが増えるわけです。新たに施設ができて、高齢者の推移を見てと言っているのでは間に合わないわけです。ですから、今から次の特別養護老人ホームの建設計画を進めると。用地の取得とかいろいろなことがあるので、今から計画を立てなければ間に合わないわけです。ぜひ、今から取り組むようにお願いしておきたいと思います。  以上で終わります。   〔区長(武井雅昭君)登壇〕 ○区長(武井雅昭君) ただいまの共産党議員団を代表しての風見利男議員の再質問に順次お答えいたします。  まず、生活扶助費の引き下げについてでございますが、生活保護につきましては、国民生活のナショナルミニマムであり、国がその責任に基づき定め、運用していくわけでございますけれども、区といたしましては、その状況をしっかりと把握いたしまして、また、被保護者等からの相談に丁寧に対応してまいります。  最後に、特別養護老人ホームの建設計画についての要望でございますが、現在、百床の特別養護老人ホームを建設中でございまして、これが完成いたしますと、率においても二十三区で一番の整備率にまた戻るわけでございますが、こうした施設整備の効果、また、介護予防を中心とした全体的な健康づくりの施策の効果などを見据えまして、将来的な見通しも含め検討してまいります。  よろしくご理解のほどお願いいたします。  教育にかかわる問題については、教育長から答弁いたします。   〔教育長(青木康平君)登壇〕 ○教育長(青木康平君) ただいまの共産党議員団を代表しての風見利男議員の再質問にお答えいたします。  就学援助の新入学学用品・通学用品費の支給額を国基準以上に引き上げることについてでございます。  先ほど風見議員の方からお話しいただいた文部科学省初等中等教育長から各都道府県教育委員会教育長宛ての平成二十九年度要保護児童生徒援助費補助金についての通知は確認しております。それを踏まえて、これまで港区におきましては、支給額について都区財政調整の算定単価を根拠にしておりました。これまで区としては、他区と連携して、算定単価の引き上げに取り組んでまいりましたけれども、平成三十年二月一日の平成三十年度の都区財政調整の協議において、算定単価の引き上げはされませんでした。一方で、教育委員会としましては、子どもの未来応援施策の観点から、準要保護者の就学に係る費用の負担を軽減することは重要であると考えておりますので、今後、新入学学用品・通学用品費の支給額の考え方について、改めて検討したいと思います。  よろしくご理解のほどお願いいたします。 ○議長(池田こうじ君) 以上にて、本日の日程は全部終了いたしました。  本日の会議は、これをもって散会いたします。                                       午後五時二十九分散会...