〇
出席説明員
芝地区総合支所長・
環境リサイクル支援部長兼務 新 井 樹 夫
芝地区総合支所協働推進課長 金 田 耕治郎
芝浦港南地区総合支所協働推進課長 大 浦 昇
土木計画担当課長 小 林 秀 典
地域交通課長 西 川 克 介
街づくり事業担当部長 坂 本 徹
環境課長 湯 川 康 生
地球温暖化対策担当課長 小板橋 美 穂
みなと
リサイクル清掃事務所長 加 茂 信 行
学務課長 山 本 隆 司
〇会議に付した事件
1
報告事項
(1) (仮称)
虎ノ門一・二丁目地区第一種
市街地再
開発事業環境影響評価書案について
(2) (仮称)芝浦一丁目建替
計画環境影響評価書案について
2
審議事項
(1) 請 願28第3号
羽田空港増便による都心および港区の
低空飛行ルート設定中止に関する請願
(28.7.15付託)
(2) 発 案27第14号 交通及び
環境整備に関する諸対策について
(27.6.26付託)
午後 1時30分 開会
○
委員長(杉本とよひろ君) ただいまから、交通・
環境等対策特別委員会を開会いたします。
本日の
署名委員は、
土屋委員、
大滝委員にお願いいたします。
清家委員より欠席の届け出が提出されておりますので、ご報告いたします。
この際、傍聴者の方にお伝えいたします。
委員会の撮影・録音を希望される方は、あらかじめ申出書にご記入の上、ご提出ください。なお、撮影・録音は、申し出が許可された後にしていただきますよう、よろしくお願いいたします。
本日は、
報告事項(2)に関連して、
芝浦港南地区総合支所の
大浦協働推進課長に出席を依頼しておりますが、
大浦課長は、ただいま、説明員である
東京オリンピック・
パラリンピック対策特別委員会に出席されています。
報告事項(2)から、当
委員会にご出席いただく予定としておりますので、ご承知おきください。
本日は、午後3時から港区
国民健康保険運営協議会が予定されていますので、ご配慮のほど、よろしくお願いいたします。
────────────────────────────────────────
○
委員長(杉本とよひろ君) それでは、
報告事項に入ります。初めに、
報告事項(1)「(仮称)
虎ノ門一・二丁目地区第一種
市街地再
開発事業環境影響評価書案について」、理事者の説明を求めます。
○
環境課長(
湯川康生君) それでは、
報告事項(1)「(仮称)
虎ノ門一・二丁目地区第一種
市街地再
開発事業環境影響評価書案について」、ご説明します。本件は、東京都
環境影響評価条例に基づきまして、
事業者から
東京都知事宛てに、(仮称)
虎ノ門一・二丁目地区第一種
市街地再
開発事業の
環境影響評価書案が提出され、
評価書案の縦覧や
都民意見の募集が行われ、今後、区から
東京都知事へ本事業に係る意見を提出することになりますので、あらかじめ当
委員会にご報告するものでございます。資料は、本日付の
資料No.1の概要、
資料No.1−2
区長意見の案と、先日配付いたしました水色の表紙の
環境影響評価書案の本編・
資料編の2冊となります。この後のご説明につきましては、主に
資料No.1及び
資料No.1−2を使って行います。
それでは、
資料No.1をごらんください。項番1、本件の
事業者は、
虎ノ門一・二丁目
地区市街地再
開発準備組合です。項番2、計画の位置は、位置図で赤く着色して囲っている4つの街区で、港区
虎ノ門一丁目及び
虎ノ門二丁目に位置し、
敷地面積は約1万4,750平方メートルです。
2ページをごらんください。項番3の事業の概要です。本事業は、
配置計画図のとおり、A−1街区からA−4街区の4つの街区からなります。A−1街区は、国道1号線
桜田通りの西側に面した場所に高さ約265メートル、地上49階・地下4階の、事務所、ホテル、店舗、
集会場等の機能を持つ高層棟を、A−2街区は、
桜田通りの東側に面した場所に高さ約30メートル、地上4階・地下3階の
店舗等の機能を、A−3街区は、A−1街区の西側に高さ約70メートル、地上12階・地下1階の、事務所、店舗、住宅等の機能を持つ建物を配し、A−1街区を挟んでA−2街区とA−3街区が
歩行者デッキで結ばれます。A−4街区は、A−1街区の北側に公園が配置されます。本計画は、
東京メトロ日比谷線虎ノ門新駅(仮称)との
一体開発により、
駅前広場の整備や街区再編に伴う道路、公園等の
公共施設の強化・拡充、
歩行者ネットワークの強化などが図られる計画となっております。住宅の
計画戸数は約10戸、
駐車場台数は約502台、
工事予定期間は平成30年度から平成34年度で、工期約49カ月を予定しております。
3ページをごらんください。項番4、
環境影響評価の項目ですが、
事業計画の内容や
計画地及び周辺の状況を考慮した上で、環境に及ぼすおそれのある
環境影響要因について、
事業者が7項目を選定し、調査、予測及び評価を行っております。
4ページをごらんください。項番5、評価の結果の概要です。
評価項目ごとに、評価結果及び
環境保全のための措置を記載しております。まず、(1)
大気汚染です。
工事施工中の
建設機械の稼働及び
工事用車両の走行に伴う
二酸化窒素及び
浮遊粒子状物質の大気中における濃度の評価結果は、おおむね
環境基準を満たしますが、
建設機械の
集中稼働を避けるため、
作業計画の事前の十分な検討により効率的な作業に努めること、最新の
排出ガス対策型の機械の使用に努めること、低公害型の
工事用車両の採用と不要な
アイドリングストップなど、
環境保全のための措置に記載のとおり対策を講ずるとしております。
工事完了後においても、
環境基準を満足すると評価されておりますが、
店舗等への
搬入車両を可能な限り集約して搬入するようテナントに周知するなどの措置が計画されております。
次に、5ページの(2)騒音・振動です。
建設機械の稼働及び
工事用車両の走行に伴う騒音・振動はいずれも基準値以下ですが、低騒音型の機械の採用、
集中稼働を避ける、車両による
資材搬入に際しては、
走行ルートの限定、
安全走行等により、騒音・振動の低減に努めるなどの措置が計画されております。
続いて、6ページをごらんください。(3)日影は、
工事完了後の評価ですが、
計画地周辺地域、特に西側にある
国家公務員共済組合連合会虎の門病院への日影の影響を低減するため、
計画建築物は
西側敷地境界から極力セットバックする計画とされております。また、
日影規制指定区域である
日比谷公園には、規制のかかる5時間または3時間以上の日影は及びません。
次に、7ページの(4)
電波障害です。
計画建築物の完了に伴い、
計画地西方向において、
東京スカイツリーから送信されている
地上デジタル放送の、また、
計画地北東方向及び
北北東方向において、
衛星放送の
遮蔽障害が生じると予測しておりますが、
テレビ電波の
受信障害が発生した場合には、
ケーブルテレビの活用等の適切な対策を講ずるとしております。
続いて、8ページをごらんください。(5)
風環境です。下の図では、現況の
風環境と
計画建築物の建設後で
防風対策後の
風環境を示しております。表示が少々小さいので、本編の204ページをあわせてごらんください。建設前における
風環境の評価、現在の状況ですけれども、緑色の
領域A、
住宅地相当とされるところが測定点全体153地点の約67%、青色の
領域B、低
中層市街地相当の環境は約31%、黄色の
領域C、
中高層市街地相当の環境は約2%となっております。
風対策を講じる前の建設後における
風環境の状況としては、206ページをごらんください。
領域Aが約33%、
領域Bが約65%、
領域Cが2%と予測されております。これに
防風対策を講じることで、207ページのとおり、
領域Aが約33%、
領域Bが約67%、
領域Cは存在しなくなると予測されております。このことから、
計画建築物の存在により
計画地周辺地域の
風環境に変化はあるものの、建設前と同様の
領域Aと
領域Bに相当する
風環境が維持されるものと考えると評価されております。
資料No.1にお戻りいただき、9ページをごらんください。(6)景観です。まず、主要な景観の
構成要素の改変及びその改変による
地域景観の特性の変化の程度です。
計画地及びその周辺は、高層の建物を中心に、低層から超高層の建物が混在する地域となっております。本事業で計画している
高層建築物は、
虎ノ門ヒルズ、建設中の
虎ノ門一丁目地区第一種
市街地再
開発事業等の
高層建築物群の新たな
景観要素として加わり、
高層建築物群が調和した
当該地区の景観に一致する計画としております。また、代表的な
眺望地点からの眺望の変化の程度では、
日比谷公園、
虎ノ門交差点など10の地点を選定しております。
近景域から見た景観ですけれども、
計画地東側に位置する
虎ノ門ヒルズとあわせて、都市的な
景観要素の一部となるものと予測しております。
遠景域では、
計画建築物がわずかに眺望できますが、スカイラインの変化は少なく、既存の
高層建築物群と調和し、代表的な眺望点からの眺望に著しい変化は生じないとしております。
環境保全のための措置としては、
虎ノ門新駅(仮称)との
一体開発に伴う開放的でシンボリックな駅広場の整備や、赤坂・
虎ノ門緑道の整備に貢献し、周辺の既存の緑地との
ネットワーク化を図ることで、品格ある
街並み景観を創出するとしております。
最後に、(7)史跡・文化財です。
計画地内には周知の
埋蔵文化財の包蔵地は確認されていませんが、
埋蔵文化財が存在する可能性が高いことから、港区
埋蔵文化財取扱要綱に基づく試掘・
確認調査を行うとともに、
文化財保護法に基づき、あらかじめ
埋蔵文化財発掘届を提出し、東京都
教育委員会、港区
教育委員会との協議に基づき適正な対応を行うとしています。工事の施工中に新たな
埋蔵文化財を発見した場合にも、
文化財保護法に基づき適正に対処するとしております。
以上が
環境影響評価書案についての概要のご説明となります。
10ページをごらんください。
環境影響評価手続の流れです。本日の当
委員会でのご報告は、一番上の緑枠で表示している、区長が意見を東京都に提出する前の段階にあります。10月6日から昨日11月6日まで
評価書案の縦覧が行われ、また、2度の説明会が
事業者により実施されております。今後は、都民及び港区の意見に対する
事業者による見解書の提出があり、東京都
環境影響評価審議会からの
審査意見書が
東京都知事から
事業者へ送付され、
事業者が
環境影響評価書を作成し
東京都知事に提出いたします。
環境影響評価書は、再度公示・縦覧に付され着工に至るという流れでございます。
続きまして、
資料No.1−2をごらんください。本
環境影響評価書案に対する
区長意見の案でございます。主なものをご紹介します。まず、総論では、今後、
環境影響評価書の作成に当たっては区民にわかりやすいものとすること。
計画地周辺の住民や関係者などからの
まちづくりを含めた意見・要望に対しては真摯に対応することを記述しております。
各論の(1)
工事計画については、十分な
近隣説明と
生活環境の保全に努めること。
解体建物にアスベストが使用されている場合は十分な
事前調査をはじめ対策に万全を期すこと。
建設作業に当たっては騒音、振動、
粉じん等、
周辺環境に与える影響を低減するよう適切な対策を講ずること、とりわけ本事業は4つの街区に分かれた計画となっており、
工事工程を見ると、
新築工事の期間が4つの街区で重なっている期間があるため、
歩行者を含めた交通安全、
交通集中による渋滞等を発生させないよう、効率的・合理的な
工程管理に努めることを特別に記載しております。
裏面をごらんください。(4)
風環境につきましては、
ビル風の低減に努めること、
ビル風軽減策の検討に際しては、
防風植栽以外にも、
フェンスや
防風スクリーン、ひさし、
建物形状の工夫など、樹木に頼らない総合的な工夫を行うよう意見を記述しております。
区長意見の案については以上でございます。今後は、本日の当
委員会で審議でいただいたご意見を踏まえて
区長意見をまとめ、
東京都知事に提出いたします。
甚だ簡単ではございますが、ご説明は以上です。
○
委員長(杉本とよひろ君) 説明は終わりました。これより質疑に入ります。ご
質問等ございましたら、順次、発言をお願いいたします。
○委員(
丸山たかのり君)
資料No.1−2の2ページの
風環境についてお伺いします。この中で、「
ビル風軽減策の検討に当たっては、
防風植栽以外にも総合的な工夫をしてください」という記述がある点は、高く評価できると思っています。というのも、防風用に植栽を設けた場合であっても、その後、現実的には植栽が
期待どおりに生育しなかったり、風の影響が強過ぎて期待していたほどの効果が出ていないこともあるというお話も伺っております。こちらは
環境課で出されている平成29年度港区みどりの
街づくり賞の冊子で、芝浦一丁目の
グローバルフロントタワーが
街づくり賞を受賞しているわけですけれども、この写真を見ると、
運河沿いの植栽に関して、生育が余り芳しくないような写真になっています。選定に当たっての評価の
コメントに関しても、「建物の高層化と運河で想定以上の風が生じるのか、タブの大木が弱っているのが残念、樹勢の回復を願う」といった
コメントが寄せられております。このように、実際には
期待どおりの効果が出ていないということが生じていると、今回のこういった意見に反映されていると思うのですけれども、その点はいかがですか。
○
環境課長(
湯川康生君) 今、
丸山委員にご紹介いただいた
グローバルフロントタワーは、竣工後1年がたって、この夏に、港区
ビル風対策要綱に基づいて1年後の
生育状況を確認してまいりました。周辺に何本も
防風植栽がされているのですけれども、きちんと根づいて葉もついているところもある一方、風の関係なのか日照の関係なのかよくはわかりませんが、葉が枯れてしまっているということで、樹木医の方にいろいろ
アドバイスをもらいながら、栄養剤も注入して、今後に向けての対策を、実際に私も現場で確認いたしました。
運河沿いであるにもかかわらず、
ビル風も含めて
風環境をどうするかというのは、この
環境アセスメントの中でもかなり大きな項目ということで、これまでの経験から私どもも学んできている部分がありますので、特に樹木に頼らない、ほかの
建物形状等でできる限りのことはしていただきたいことを改めて表明するということで記載いたしました。
○委員(
丸山たかのり君) ぜひよろしくお願いいたします。それで、港区
ビル風対策要綱の話が出ましたけれども、港区
ビル風対策要綱そのものには記載はないですが、区としては、必要に応じて竣工後3年後まで、
風環境や
防風植栽の
生育状況などの報告を義務づけるというようなことも、これまでも区議会で答弁されているところだと思います。今回の
環境アセスメントの対象になっている箇所に関しても、竣工後3年以内の範囲で植栽などの状況を確認した上で、先ほど樹木医の話も出ていたと思うのですけれども、そういったことの生育に関する
アドバイスも行っていただけるということでよろしいのでしょうか。
○
環境課長(
湯川康生君) 港区
ビル風対策要綱を平成25年に策定いたしまして、この中では、区の
アセスメントの対象となる
延べ床面積5万平米以上のものについて対象としております。
供用開始後1年たったところで、
風環境の状況について、
防風植栽の
生育状況を届け出ていただいて、現地を確認するということになっております。その1年後の状況で、今後適正に
生育状況を管理していただければ特段問題なしとしたものについては、その1年後の届け出とその確認をもって終わりということになりますが、いましばらくその
生育状況を確認しなければならないと判断したものについては、竣工後3年まで継続してモニタリングしていくというようになっています。
○委員(
丸山たかのり君) わかりました。それで、今回の
虎ノ門の
市街地再
開発事業に関しては、前回の当
委員会で
環境アセスメントの対象になっていた開発の報告の際にも述べましたけれども、複合的な影響ということがすごく課題になると思っております。今回の
環境影響評価に関しては、既に建設されている建物や、
建設予定の建物を含めた上で
風環境等が評価されているかと思うのですけれども、今後また新たに建つ建物によって、
ビル風等の影響も変わってくるかと思うのです。今のお話だと、建った後でも最低3年間の範囲で複合的な影響も評価されると考えてよろしいのでしょうか。
○
環境課長(
湯川康生君) 例えば、今回のこの
虎ノ門一・二丁目
地区市街地再
開発事業では、先ほど本編の方で
風環境の内容を見ていただきましたが多くの地点を選定して、これは敷地の境だけでなく、周辺のところにどのような影響を及ぼすのかを、
風洞実験を用いて
事前評価を行います。事業が完了した後の
事後評価でもどうなったのかを確認いたしますので、
当該事業が
周辺地域にもどのような影響を及ぼすのかを確認していきます。ですから、今のこの当案件で想定しているのは、この物件が
供用開始する時点でもう建ち上がっているもの、あるいはもう既に計画されていて、ある程度、どの程度の高さのどういうものが建つか計画が明らかになっているものは、
風洞実験の中で、その周辺の建物としても模型に入れ込んだ上で
風環境を見ております。ただ、その後に建ったものについて、その周辺の事後に計画された事業によって当該地の
風環境がどう影響されるのかというのは、その事後に行う事業の
アセスメントの中で、この
当該敷地にどのような影響があるのかが、後から実施される事業の方で
アセスメントがされていくことになります。その意味では影響がないようにということで、引き続き将来的に行われる
アセスメントの中でも見ていくことになります。
○委員(
丸山たかのり君) わかりました。最後に、今後、港区において、こういった高層化の
市街地開発がどんどん多く計画されている中で、
ビル風の問題が与える影響も非常に大きいと思ったので、1つご紹介というか、研究に関する紹介並びに要望いたします。これは
多孔質金属と言われるもので、見てのとおり、均質に通過の穴があいている金属板ですけれども、
芝浦工業大学機械工学科の
角田和巳教授の研究室からお借りしてきたものです。同研究室では、
多孔質金属を使って、
ビル風の影響をどの程度軽減できるかを研究されております。
ビル風対策として、完全に風をシャットアウトするような壁を建てた場合には、風自体は妨げられるのですけれども、風が越えたところで新たに逆流する風が発生したり、あと、風を遮ってしまう形で
フェンス等をつくってしまうと、その後の箇所での
ヒートアイランド現象が起きてしまうということがあります。そういったことを防ぐ意味で、あえて穴をあけた
フェンスを設けて、その穴の大きさ、目を調節することで、後ろに流れていく風を調節したり、
ヒートアイランド現象の影響も抑えるといった研究を同研究室でやられています。今の段階では研究、
ラボレベルの話なのですけれども、一定の成果が出ていると伺っております。それで、複合的な対策や総合的な工夫をしてくださいと要望されているところだと思うのですけれども、ぜひ、
事業者の方から
質問等があった場合には、こういった研究がある旨も紹介していただきたいと思いますし、特に
ビル風の要綱までつくって
ビル風の対策を講じている港区だからこそ、こういった産学官の連携で、今後しっかりと
ビル風対策に取り組んでいただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○委員(大滝実君) 最初に、交通について伺いたいと思います。車と
歩行者の
安全通行についてですけれども、
資料編の17ページを見ますと、建物ができ上がって以降の
交通量について書いてあって、
発生集中交通量ということで、1日7,664台と、
交通量としてはこれだけ増えると言いますか、かなりの数がここを通行するわけです。特別区道第1,014号線は、それほど広い通りではないのですけれども、現在も昼間に渋滞したりという状況になっているわけです。
資料編の8ページに現在の
交通量の調査結果が出ているのですけれども、7,128台となっています。しかも、時間帯も書いてありますけれども、午前9時から午後5時に、ここに集中している状況になっているわけです。7,128台のうち昼12時間が5,009台と、昼間の時間帯に集中している状況なわけです。
現在でもこれだけ
交通量があるので、これから新しく建物ができた以降の
交通量は、恐らくもっと増えるのではないかと思うのです。それから、本編の7ページを見ると、周りの
開発計画が載っておりますけれども、特に隣接したところでは、(仮称)
虎ノ門2−10
計画建設事業があります。これは
虎ノ門一・二丁目地区第一種
市街地再
開発事業が終了する時点では終わっているわけですけれども、ここから発生する車の量などを考えますと、この細い特別区道第1,014号線というのは、車の通行が増えて、大渋滞が起きる危険があるのではないかと思います。道路の拡幅、あるいは
交通量の流れを変えるとか、駐車場の出入り口を変えるとか、こういった対策を求める必要があるのではないかと思うのですけれども、この辺についてはどうでしょうか。
○
環境課長(
湯川康生君) この将来の
交通量の予測については、周辺の
開発事業は周辺の
開発事業でそれぞれ
交通量調査をする、あるいは街区再編の中での道路の整備等が行われていることもまたあるのだと思います。それらも踏まえた上での
発生交通量の調査ということで出されているということです。本編7ページでごらんいただけるように、確かにこれだけ周辺でさまざまな開発が動いておりますので、当然ながら自動車の
交通量も増えることが予測されていることからすると、現在の特別区道第1,014号線は大丈夫なのかというご心配は、確かにそのとおりだと今お聞きしていて思いました。この辺については、
交通管理者とも協議して、供用後の自動車の流入・流出の経路についてもしっかりと調整の上、
評価書案に書かれていると聞いておりますけれども、現状を踏まえて
交通渋滞が発生しないようにということについては、
区長意見の中でも改めて盛り込んで、
東京都知事に宛てて表明したいと思います。
○委員(大滝実君) これは相当心配される状況になるのではないかと懸念されますので、ぜひお願いしたいと思います。
あわせて、
歩行者についても同じような状況になるのではないかと思うのです。
虎ノ門一・二丁目地区第一種
市街地再
開発事業の方まで
デッキ部分でつながっていくということですが、
虎ノ門新駅から出てきた方について言えば、必ずしも上に上がって、デッキを歩いていくということは考えられないわけです。かなりの人が地上を歩くと想定されます。今も非常に歩道が狭いわけですけれども、そういった点では、
歩行者の安全のために、これからは歩道状空地などもつくられるのだろうけれども、歩道の拡幅、あるいは車についても、大きな通り側に出入りをさせるといった方向も必要ではないでしょうか。
もう一つは、工事中について、本編28ページに
工事用車両の流れがあるのですけれども、先ほど言ったように、現在でも車や
歩行者がたくさんいる特別区道第1,014号線に
工事用車両が出入りする、あるいは、反対側の特別区道第127号線の方にも
工事用車両が出るとなっているわけです。これは、
歩行者や日常通っている車にとっても非常に危険な状況もあるということで、この大きな
桜田通り側を出入り口にしないと、車や人の通行の危険があるのではないかと予想されます。これについてもきちんと意見を上げていただきたいと思うのですが、どうでしょうか。
○
環境課長(
湯川康生君) 本事業、このエリア一帯とも言えますけれども、
歩行者動線をしっかり整備することが至上命題の1つとなっております。工事期間中について、今、
大滝委員ご指摘のとおり、さまざまなところで
工事用車両の出入りが予測されております。こちらについても、
交通管理者と協議しながら、このような計画をつくられてきたと承知しておりますけれども、改めて工事中において、
歩行者の安全確保を私どもも求めていきたいと考えております。
資料No.1−2のところで申し上げましたけれども、4つの街区で同時に工事が進行することを含めて、交通安全と、渋滞が起きないようにということを書いておりますので、今の質疑も踏まえて記載を強められれば、少し強めてお出ししたいと思います。
○委員(大滝実君) 次に、ヒートアイランド対策について伺います。
風洞実験の模型を見ると建物の高さがよくわかっていいので、本編198ページを見ると、この図のように、真ん中の青い部分がこの
虎ノ門一・二丁目地区第一種
市街地再
開発事業です。南風、海風の矢印が書いてあるのですけれども、既に汐留地区の高い建物によって、新橋駅側で
ヒートアイランド現象が起きている状況があるわけです。それを越えてさらにここに海側の風が本来ならば来るのが、既に汐留でとまり、さらにここでまたとめられるために海側からは全く風が来なくなることを考えれば、図右側の方の
ヒートアイランド現象が一層ひどくなっていくのではないかと思うわけです。
区長意見には、「可能な限り緑地や保水性舗装を設けるなど、ヒートアイランドに配慮した計画としてください」とありますけれども、これだけでヒートアイランド対策がとれるのかと。建物の形状あるいは高さも含めて検討していかなければ、ヒートアイランド対策にはなっていかないと思うのですけれども、この辺はいかがでしょうか。
○
環境課長(
湯川康生君) これは
風環境への影響のお話とも、
ヒートアイランド現象とも、若干通ずるところがあると思います。ほかの事業でもそうですけれども、敷地境界からの離隔をとることや建物の形状を工夫することによって風をうまく流したり、吹きおろしの風が地上に届かないようにひさしをつくるなどは、今回の案件でも考えられていると聞いております。ヒートアイランドに配慮という中では、当然その部分について評価の中でされているということで、あえて記載しておりませんけれども、念には念を入れてということであれば、ヒートアイランドの面からの建物等の形状の工夫の追加記載を検討いたします。
○委員(大滝実君) 一個一個の計画でいけば、確かにここに書いてあるような状況なのですけれども、でき上がってみると、今言ったように本編198ページのようなビル群になっていて、風なんかもうそよとも吹かないのではないかと。逆に、また違った
ビル風が吹くという感じにもなるのかもしれませんので、ぜひその対策について、意見をきちんと付記してほしいと思います。
あわせて、
風対策で、先ほど
丸山委員からも出されましたけれども、確かに対策後、C領域についてはゼロとなっていますけれども、建設前は
領域Aが102カ所なのに、建設後はそれが対策しても56ということで、半分近くに減っているわけです。だから、確実に風が強くなることは事実なのです。また、対策しても
領域Bは建設前の2.35倍に増えるわけです。ですから、対策したからいいでは済まないのではないかと思います。そういった点では、
防風植栽だけではなくて、資料に書いてあるような
防風スクリーン、ひさし、
建物形状、低層部分を設けるなども含めて、ほかの方法での検討をした上でのデータを出させることはできないのでしょうか。これはあくまでも
防風植栽での対応だけなので、ほかの方法での検討結果といいますか、そういったものも出させることはできないのでしょうか。
○
環境課長(
湯川康生君)
資料No.1の8ページ、
風環境の
環境保全のための措置というところでもご紹介いたしましたが、この案件に限らず、
防風対策をどのような形で行うかについては、当然、樹木だけでできるものではありません。建物の形状で行うものですとか、木ではない形のハードのもので壁をつくる、先ほど
丸山委員からもご指摘ありましたものも含めて、どの場所に
防風植栽、どの場所に
防風スクリーン、
建物形状はこのようにするなど、それぞれトータルな対策をとった中での
風洞実験で、どのような防風効果が出るかということを評価しておりますので、これは樹木だけでの評価ではありません。まずは全体の
事業者が考えた、とり得る対策の中での結果と受けとめていただければと思います。
○委員(大滝実君) いずれにしろ、先ほど述べたように、対策しても
領域Bが2.35倍に増えるという状況もあるわけですから、一層、
防風対策がとられるように、ぜひ意見を上げてほしいと述べておきたいと思います。
○委員(いのくま正一君) 細かい点ということよりも、今、
大滝委員からもありましたけれども、この地域は開発がすごいわけです。愛宕、
虎ノ門、赤坂一丁目まで入れれば超高層ビルだらけになりますから、このようなことでいいのかというのが率直な思いです。個々に
アセスメントをやっていると、課長は一生懸命説明してくれるわけですけれども、この地域全体、あるいは港区全体を見ると、本当にこのようなことでやっていっていいのかという感じを非常に強く持つわけです。今のは意見ですけれども、本当に、どこかで立ちどまって考えることが必要なのではないかと常々思っているわけです。どんどんやっていったら、それこそ港区じゅうが超高層ビルだらけになってしまうと思うので、ぜひそのようなことも考えてほしいと思います。
それで、4街区を一緒に工事すると説明がありましたけれども、この地域の中で、本編の7ページですけれども、工事が同時に行われるところ、重なるところがあるわけです。このとおり行けばですけれども、平成31年度で終わる計画が結構多いのです。この案件は平成30年度から平成34年度で、平成31年度で終わるところはもう仕上げのようになるから、
工事用車両がガンガン通るということではないと思うけれども、それにしても重なっていくということですから、
工事用車両もそうだし、いろいろな影響があると思うのです。そういう点では、先ほどの質問と少し重なってはいると思うのですけれども、他の事業とのトータルで考えるということはしているのか。このアセスでしていないのはわかっているのですけれども、そのような考えを区が持っているかどうかということです。
○
環境課長(
湯川康生君) このアセスについて、基本は事業単体の影響ということでやっておりますけれども、交通計画を考える際には、既に
開発事業が明らかになっているものについても、予測の中に含めていると聞いております。ただ、本編7ページの図で見る限りは、平成31年度までという事業もありますし、同時に平成34年度に竣工という事業もあります。私どもは、この事業、区域内での4つの街区が同時にということだけを取り出して、より注意をということを記載しましたが、今のいのくま委員のご指摘を踏まえれば、あわせて周辺での開発動向、あるいは
工事用車両の動向も入れて、より影響が少ないようにということで、
区長意見を付記した方がよろしいと思いましたので、それについては工夫いたします。
○委員(いのくま正一君) それと、対象事業の7項目の選定についてですけれども、本当にこれだけでいいのかと。例えば、人口という点で見ても、完成後供用されれば、働く人、あるいは、訪れる人も含め、人が相当増えると思うのです。駅も新しくできて、人口も増えますので、もちろんそれでよくなる人もたくさんいますから、全部否定はしませんけれども、こうやってどんどん呼び込んで一極集中させていくことで、いろいろな影響が出てくるのではないかと思うわけです。例えば、地球環境の面でもそうだし、いざ災害が起こったときにどうなるのかということを考えると、人を呼び込むだけで本当にいいのかと思うのです。人口という項目や、防災の備えというか、そのような影響調査、予測調査は要らないものなのでしょうか。あった方がいいのではないかと思うのです。
○
環境課長(
湯川康生君) この案件は東京都の条例に基づく案件になっておりまして、東京都の規則の中で
環境影響評価を行う項目が17項目ございます。確かに、17のうちの7と言うと少ないという感じがあるのですが、人口ですとか、今いのくま委員ご指摘の点については、その評価項目としてはありません。ただ、そういった状況が環境影響で言ったらどういった項目で配慮しなければいけないのかは、
事業者が選定して、東京都の
環境影響評価審議会で確認の手はずを経て来ていると承知しておりますので、その中で必要な項目が選定されていると認識しております。
○委員(いのくま正一君) あと、風の影響についてです。先ほども質問がありましたが、これまでのアセスでもみんなそうだと思うのですけれども、
防風植栽を植えればある程度軽減できる、あるいは、建物の形状を工夫することによって軽減できると、このような形でいろいろな対策をとっているから大丈夫ですということで、ずっと来ているのです。このアセスだけではなく、これまでのアセスでそうです。だから、前にも検証してはどうかということで、何かやった記憶もあるのですけれども、例えば、六本木六丁目でもいいですし、汐留でもいいですが、どこかの事業を1つ選定して検証すると。アセスをしたときは、きょうの説明ではないですけれども、オーケーになるわけです。しかし、実際に今、汐留で風をはかったらどうなるか、六本木六丁目ではかったらどうなるかと言ったら、かなり吹いていると思うのです。全部やれと言うと、お金も時間もかかるでしょうから、何かそのようなことを選定してやってみてはどうかと思うのです。アセスのときの説明はこうだったけれども、実態として、現実としては違っているということにならないかどうかということです。そのようなことも検討してもらえればと思うのですけれども、どうですか。
○
環境課長(
湯川康生君)
環境アセスメントの中では
事後評価も行われますので、その中でそれぞれの環境の項目についての評価がなされます。それから、港区としては独自に
ビル風対策要綱を持っておりまして、これは主に
風環境についてですけれども、先ほどの
丸山委員とのやりとりであったとおり、竣工後1年見て、まだそれでも
生育状況が思わしくなければ3年までしっかりモニタリングするという独自の制度です。平成25年度に策定したばかりですので、まだ2案件しかやっておりませんが、少し実績を積み重ねていきながら、今後検討していきたいと思います。
○
委員長(杉本とよひろ君) ほかに質問はよろしいでしょうか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○
委員長(杉本とよひろ君) ほかになければ、
報告事項(1)「(仮称)
虎ノ門一・二丁目地区第一種
市街地再
開発事業環境影響評価書案について」の報告は、これをもって終了いたしました。
────────────────────────────────────────
○
委員長(杉本とよひろ君) 次に、
報告事項(2)「(仮称)芝浦一丁目建替
計画環境影響評価書案について」、理事者の説明を求めます。
○
環境課長(
湯川康生君) それでは、
報告事項(2)「(仮称)芝浦一丁目建替
計画環境影響評価書案について」、ご説明します。本件は、東京都
環境影響評価条例に基づきまして、
事業者から
東京都知事宛てに
環境影響評価書案が提出され、
評価書案の縦覧や
都民意見の募集が行われ、今後、区から
東京都知事へ本事業に係る意見を提出することになりますので、あらかじめ当
委員会にご報告するものです。資料は、本日付の
資料No.2の概要、
資料No.2−2の
区長意見の案と、先日配付いたしましたねずみ色の表紙の本編と
資料編になっております。ご説明は主に本日付の
委員会資料No.2及び
資料No.2−2を使用します。
それでは、
資料No.2をごらんください。項番1の
事業者です。
事業者は、NREG東芝不動産株式会社、野村不動産株式会社、東日本旅客鉄道株式会社です。
項番2、
計画地は位置図で青く囲っているエリアで、港区芝浦一丁目に位置します。
敷地面積は約4.7ヘクタールとなります。
2ページをごらんください。項番3、事業の概要です。本事業は
配置計画図のとおり、敷地北側に高さ約235メートル、地上47階、地下5階の商業施設、事務所、住宅の機能を持つN棟を、敷地南側に高さ約235メートル、地上46階、地下5階の商業施設、事務所、ホテルの機能を持つS棟を配し、N棟とS棟の間には(仮称)セントラルプラザと、それに連続するテラスを整備し、芝浦運河の親水空間のにぎわい形成を担う計画となっております。住宅の
計画戸数は約200戸、
駐車場台数は約1,250台、
工事予定期間は、第1期のS棟は平成32年度から平成35年度、第2期のN棟は平成36年度から平成41年度で、全体で工期120カ月を予定しております。
3ページの項番4、
環境影響評価の項目ですけれども、
事業計画の内容や
計画地及び周辺の状況を考慮した上で、環境に及ぼすおそれのある
環境影響要因について
事業者が13項目選定し、調査、予測評価を行っております。
4ページをごらんください。項番5、評価の結果の概要です。
評価項目ごとに評価の結果及び
環境保全のための措置を記載しております。まず、(1)
大気汚染です。工事の施行中の
建設機械の稼働及び
工事用車両走行に伴う
二酸化窒素及び
浮遊粒子状物質の大気中における濃度の評価結果は、
環境基準値を満たしますが、
建設機械の
集中稼働を避けるため、
作業計画の事前の十分な検討により効率的な作業に努めること、最新の
排出ガス対策型の機械の使用に努めること、低公害型の
工事用車両の採用と不要な
アイドリングストップなど、
環境保全のための措置に記載のとおり対策を講ずるとしております。
工事完了後においても、
環境基準を満足すると評価されておりますが、事務所利用者や商業施設利用者等にできる限り公共交通機関を利用するよう働きかけ、商業施設等の納品物を集約して搬入するなど、荷さばき車両の台数削減に努めるとしております。
次に、5ページの(2)騒音・振動です。
建設機械の稼働に伴う騒音・振動は基準値以下です。
工事用車両及び
工事完了後の関係車両の走行に伴う騒音・振動は、一部で騒音の
環境基準値を上回りますが、関係車両による増加分は1デシベル未満から3デシベルです。工事の実施に当たっては、工事車両走行に伴う道路交通騒音の増加を極力小さくするため、事前に
作業計画を十分検討し、
工事用車両による搬出入は集中しないよう、計画的かつ効率的な運行管理を行い、
工事工程の平準化に努めるとしております。
次に、7ページをごらんください。(5)地盤については、まず、掘削工事に伴う地盤の変形の範囲・程度は、遮水性が高く堅固な山留壁を十分な根入れ深さまで入れること、地下躯体を上から下に向かって構築する逆打工法を採用し、躯体で山留壁を支えるなどにより、地盤沈下または地盤の変化により
計画地周辺の建築物等に影響を及ぼすことはないとしております。工事中の地下水位につきましては、山留壁の設置範囲を最小限にすることや、掘削部内側に井戸を設置して地下水をくみ上げるなど対処することにより、地下水の水位及び流れの阻害、地盤沈下等の影響を及ぼすことはないとしております。
8ページをごらんください。(6)水循環につきましては、地盤の項目での対処を講ずることによって、水循環についても著しい影響を及ぼすことはないとしております。
9ページをごらんください。(7)日影は
工事完了後の評価ですが、長時間の日影の影響を受ける範囲を小さくするため、高層棟を南北に配置し、
計画地北側の敷地境界からできる限り離すなどにより、日影規制区域である旧芝離宮恩賜庭園に生じる日影は2.5時間未満であり、日影規制の範囲におさまると予測しております。
次に、10ページの(8)
電波障害です。
計画建築物の完了に伴い、
計画地南西方向において
東京スカイツリーから送信されている
地上デジタル放送の、また、
計画地北東方向において
衛星放送の
遮蔽障害が生じると予測しておりますけれども、
テレビ電波の
受信障害が発生した場合には、
ケーブルテレビや光ケーブルの活用等、受信状況に応じた適切な対策を講ずることとしております。
続いて、11ページの(9)
風環境になります。こちらも図が小さいので、本編の305ページをお開きください。建設前における
風環境の評価、現在の状況ですが、緑色の
領域A、
住宅地相当が測定点全体の99地点の約78%の77地点、青色の
領域Bが約20%の20地点、黄色の
領域Cが約2%の2地点となっております。
風対策を講じる前の建設後における
風環境の状況としては、306ページをごらんください。
領域Aが全体の57%の72地点、
領域Bが約35%の45地点、
領域Cが約8%の10地点と予測されております。これが307ページのとおり
防風対策を講じることで、
領域Aが約57%の72地点、
領域Bが約43%の54地点、
領域Cは約1%の1地点になると予測されます。このことから、
計画建築物の存在に対し適切な
防風対策を行うことで、
計画地周辺における
風環境に著しい影響を及ぼすことはないものと考えると評価しております。
資料No.2にお戻りください。次に、12ページの(10)景観、主要な景観の
構成要素の改変及びその改変による
地域景観の特性の変化の程度及び代表的な
眺望地点からの眺望の変化の程度です。代表的な
眺望地点からの眺望の変化の程度では、旧芝離宮恩賜庭園、東京タワー大展望台など10の地点を設定しております。
計画地内に緑化を施した大規模なオープンスペースを整備するとともに、分散していた公園を古川沿いに集約し、周辺のオープンスペースと連続した空間を整備することにより、旧芝離宮恩賜庭園からの緑のつながりが形成されると考え、さらに
運河沿いに連続するオープンスペースを緑化とともに整備することにより、魅力ある新たな親水空間が形成され、
計画建築物は周辺の中
高層建築物とスケール感の調和をとることにより、風格のある都市景観が創出されるとしております。
環境保全のための措置としては、上層階ほどセットバックさせる形態とすることで、周辺ビルのスケール感との調和、開放的な海辺景観の形状を目指すこと、敷地境界から離隔距離をできるだけ確保し圧迫感を軽減すること、海、運河、周辺の緑と調和した外装や色彩を採用するなどしております。
次に、13ページの(11)自然との触れ合い活動の場です。現在、分散しております新浜公園を古川沿いに集約し、周辺のオープンスペースと連続したまとまりのある空間として公園を整備し、
計画地東側の
運河沿いには、水辺に向かっておりていくステップ状のオープンスペースを連続させることなどで、緑や水を感じられる親水性の高い空間を創出し、緑と水の魅力を生かしたにぎわいの場が創出されるとしております。
次に、14ページの(12)廃棄物です。建設リサイクル法等の関係法令に示される
事業者の責務を果たすことで、東京都建設リサイクル推進計画の目標値を達成するとしております。
最後に、15ページの(13)温室効果ガスです。建築的手法による省エネルギー措置、設備システムの省エネルギー措置等により、温室効果ガスの発生量の抑制に努め、
事業者の責務を遵守するとしております。
以上が
環境影響評価書案についての概要の説明となります。
16ページをごらんください。
環境影響評価手続の流れについては、先ほどの
虎ノ門一・二丁目地区と同様の形になっておりまして、縦覧期間も10月6日から11月6日で同様です。この間、説明会が
事業者により2回行われております。今後の流れについても先ほどと同様になりますので、説明は割愛いたします。
次に、
資料No.2−2をごらんください。本
環境影響評価書案に対する
区長意見の案でございます。全体の構成につきましては、先ほどの
虎ノ門一・二丁目地区の案件と同様の内容を基本的に述べておりますので、本事業で特徴的なものをかいつまんで説明いたします。裏面の(4)
風環境についてをごらんください。
運河沿いの風を考慮する必要があることから、
ビル風軽減策の検討に際しては、先ほども申しましたが、
防風植栽以外にも
フェンスや
防風スクリーン、ひさし、
建物形状の工夫など、樹木に頼らない総合的な工夫を行うこと、運河を通る風は、通常の風の吹き方と異なる吹き方を突然することもあるため、そうした状況を考慮した予測評価を行うよう改めて意見を記述しております。また、(6)の景観におきましても、運河に面する事業として周辺との調和について配慮を求めるものとしております。今後は、本日いただいた意見を盛り込んだ形で
区長意見をまとめ、
東京都知事に提出いたします。
ご説明は以上です。
○
委員長(杉本とよひろ君) 説明は終わりました。これより質疑に入ります。ご
質問等ございましたら、順次発言をお願いいたします。
○委員(
丸山たかのり君) 簡単に、2点だけ意見いたします。1点は、先ほども
区長意見案のところで述べていただいたように、
風環境に関しては特徴的な地形であるので、しっかりと対策をとってくれという意見は述べられていると思うのですけれども、事後についても、先ほど紹介した
グローバルフロントタワーと同様に運河に面した建物ですので、しっかりと評価していただいて、指導もお願いいたします。
もう一点は、本編の204ページの土壌汚染のところで、かつてこの土地で重金属等が取り扱われた可能性があるという記載があります。工事の施行に先立って調査を行うことや、対策を適切に行うことも記載がありますけれども、お台場の海に近いエリアでもありますので、そういった対策に関しても十二分にとっていただけるように、区の方としても適切に管理・監視して指導していただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○
環境課長(
湯川康生君) 先ほどのものと同様に、
風環境については、私も
運河沿いの
グローバルフロントタワーでも見ておりますので、改めて注視していきたいと思います。
それから、土壌汚染については、本
事業者が
環境影響評価の評価項目としてしっかり評価しておりますので、こちらについても区としてもしっかりウォッチしていきたいと思います。
○委員(大滝実君) 今、
風環境の質問が出ましたので、私からもお伺いします。本編の294、295ページに風の影響について載っておりますけれども、番号で言えば75、79、81、82、85、86、87、90、91、ここのところが風の影響が強まるわけです。北北西の風にしろ南西の風にしろ、この建物の南側で風が強まると。対策して確かにそれが弱くなるということですけれども、影響自体について言えば、
領域Bとなっても
歩行者にはかなりの影響が出ると思われるのです。その点で注目したいのは、建物の線路側の方なのですけれども、線路側の方は、96、95、94、93、83、92と、先ほどの南側に比べると風の影響が弱いという状況になっているわけです。これは、建物の形状が違うのではないかと、これだけでは断言できないのですけれども、形状から言えば、この線路側は、建物が上から3段になっているわけです。ですから、上から風が吹きおろしてきても、下のところで受けて、それによって風が弱まる効果があるのではないかと思うのです。
区長意見の中にも、ひさしを設けるなどの対策を講じるようにと書かれていますけれども、いわばそれと同じような効果として、低層部が出ていることによって風を受けると言いますか、弱める効果があるのではないかと。南側は建物がストレートになっているわけですけれども、特に海岸方面から駅に向かう方々の
歩行者の影響を和らげる上では、この南側についても、形状を変えるようなことも含めた対策をとる必要があるのではないかと思うのです。この辺はどうでしょうか。
○
環境課長(
湯川康生君) 先ほど
区長意見のところでも申し上げましたが、ここでは隅切りという書き方をしていますけれども、
建物形状とか、ひさしをつけるなど、
事業計画の中では検討されていると思いますけれども、
大滝委員のご指摘のとおり、現状と比べると
風環境が悪化するのは明らかですので、改めて
区長意見として申し述べたいと考えて、この
風環境のところの項目として入れております。
○
委員長(杉本とよひろ君) 少しお待ちください。冒頭にお知らせしましたとおり、本日午後3時から港区
国民健康保険運営協議会が予定されております。当
委員会の中にも同協議会の委員がいらっしゃいますので、できるだけ質問は簡潔に、まとめて、幾つかポイントを絞っていただければと思います。答弁の方もそのようによろしくお願いいたします。
○委員(大滝実君) 風については今申し述べたとおりで、いずれにしろ線路側は形状によって風の影響が弱まっているというのは現実に出ているわけですから、ぜひその意見をつけてほしいと思います。
それから、ヒートアイランド対策についてです。今回、高さ約235メートルという、周りから見れば特にここだけが高いという状況になっているわけです。本編287ページの
風洞実験の絵を見ても、異常に突出しているという状況がわかります。左側がシーバンスですけれども、こういったところも将来開発され、日の出の方も開発されることになったら、もう完全に海風がふさがれてしまいます。今回は、建物の間に風が抜けるようになっているけれども、今後を考えれば、建物の高さを低めるなどの対策をする必要があるのではないでしょうか。これがまず1点目です。
2点目は、
工事計画について、非常に長期の工事になることです。先ほど報告にあったように、2020年度からN棟ができるまでには2029年度ですから、建設・解体・建設といった形で工事が10年間続いていくことになるわけです。
工事用車両が特別区道第1,026号あたりをかなり通ります。特に大型車両などが通ることになりますので、騒音、振動、排ガス、あるいは交通安全という点から、管理体制を厳格に図ることについて、きちんと意見をつける必要があることを述べたいと思います。
3点目は、就業人口が1万人から3万人へと、この建物ができることによって2万人増えることです。地元の人が浜松町駅に行くに当たっては、電車からおりてくる人によって、今でも品川駅と同じような大変な状況になっているわけです。これがさらに就業人口が増えて、地元の人が浜松町駅に行くのに、本当に安全に通行できるのかということが心配されているわけです。新たに8メートルの
歩行者道路ができるわけですけれども、浜松町駅に行く人が安心して通行できるような工夫と言いますか、ある程度、駅に向う側の通路を確保するなど、きちんと工夫された対策をする必要があるのではないかについて、ぜひこれも意見を上げてほしい。この3点です。
○
環境課長(
湯川康生君) まず、ヒートアイランド対策に絡めて、海風をふさがないように、建物の高さも含めてということについて、
区長意見としてどういう形で出せるか、
風環境のところかヒートアイランドか、少し工夫してみます。
それから、この10年間にわたる工期は相当長いですので、管理体制を厳格にというのは
区長意見にぜひ入れたいと思います。
あと、住民が浜松町駅に向かう際の対応ということですけれども、この
評価書案の中でも、今回の事業では、
歩行者動線をしっかり整備することがうたわれております。地上部でも
歩行者専用道路を整備する、これはエリアをぐるっと回るような形でも整備されますし、現行のデッキでの通行が相当混雑していますので、現在6.8メートルの幅員のところに、その横に8メートルのものをさらに整備すると聞いております。一定の緩和ははかれると聞いておりますけれども、改めて住民目線から意見を述べます。
○委員(榎本茂君)
運河沿いの親水性の高い空間というところで、
運河沿いはかなり親水性の高い水上施設をつくるとなっているのですけれども、真ん中は古川水門で本来は分断されていて、古川水門から古川の方と、古川水門から芝浦側は防潮堤で6.5メートルの高さ、つまり津波などを受けとめる外側と内側という、本来、防災上は明確に機能が違うはずなのですけれども、その辺に触れていません。この辺の防災上の機能面で、6.5メートルほど防潮堤がある部分とない部分の、機能に配慮しながらの親水性ということをやっていただけるのだと思うのですけれども、記載がないので、その辺をご説明いただけますか。
○
環境課長(
湯川康生君) 今回の(仮称)芝浦一丁目建替計画のエリアから若干外れた部分のお話だと思います。ここはご案内のとおり、竹芝ステップアッププロジェクト等、周辺も含めて、都市再生の中での舟運の活性化等は入っておりまして、この事業の中でも船着き場を整備することは言っております。この防潮堤の機能との関係については1度持ち帰って確認した上で、情報提供させていただければと思います。
○
委員長(杉本とよひろ君) ほかに、ご
質問等ございませんでしょうか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○
委員長(杉本とよひろ君) それでは、
報告事項(2)「(仮称)芝浦一丁目建替
計画環境影響評価書案について」の報告は、これをもって終了いたしました。
────────────────────────────────────────
○
委員長(杉本とよひろ君) それでは、
審議事項に入ります。初めに、
審議事項(1)「請願28第3号
羽田空港増便による都心および港区の
低空飛行ルート設定中止に関する請願」を議題といたします。
本請願について、何かご発言ございますか。
○委員(いのくま正一君) 10月17日付の羽田空港の機能強化についてという、平成28年度決算特別
委員会で私たちが要請してほしいということで文書で要請してもらった資料が事前に配付されたのですが、その中で、「国に対し、区の要請内容について2週間以内の文書による回答を求めましたが、通常、要請文書に対しての文書による回答を行っていないとのことで、文書回答は拒否された」と書かれているわけです。ただし、環境企画調整室長から、要請の内容についてはいずれも真摯に対応していく旨の発言があったということなので、どういうようなことなのか、その後何か動きがあるかについて、もし今簡単に答えられるのだったら言ってもらってもいいですし、後で追加資料を出してもらってもいいのですが、お願いいたします。
○
環境課長(
湯川康生君) この場でお答えいたします。文書の要望書には、住民説明会として教室型のものを開催してほしいことと、安全対策、9月に落下物が頻発したので、これについてはしっかり原因究明等をしてほしい、騒音対策についても今後という話を、この文書要望に沿って環境リサイクル支援部長と私とで説明いたしました。特に住民説明会と落下物対策については、従前から口頭でやりとりしておりまして、国土交通省としても住民からの具体的な説明会の要望があれば真摯に対応していくと言われておりまして、現在も高輪地域の町会が国土交通省に質問書・要望書のようなものを出されているということで、国土交通省からの説明を受ける場を調整している状況です。その意味では、環境企画調整室長が答えた、真摯にということについては守っていただいていると思っております。
○
委員長(杉本とよひろ君) よろしいでしょうか。
(「はい」と呼ぶ者あり)
○
委員長(杉本とよひろ君) それでは、本請願につきましては、本日継続といたしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(「はい」と呼ぶ者あり)
○
委員長(杉本とよひろ君) それでは、本日継続と決定いたしました。
────────────────────────────────────────
○
委員長(杉本とよひろ君) 次に、
審議事項(2)「発案27第14号 交通及び
環境整備に関する諸対策について」を議題といたします。
本発案について、何かございますでしょうか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○
委員長(杉本とよひろ君) なければ、本発案につきましては、本日継続といたしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(「はい」と呼ぶ者あり)
○
委員長(杉本とよひろ君) それでは、本日継続と決定いたしました。
────────────────────────────────────────
○
委員長(杉本とよひろ君) そのほか何かございますでしょうか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○
委員長(杉本とよひろ君) なければ、本日の
委員会を閉会いたします。
午後 2時51分 閉会...