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平成29年第1回定例会−02月16日-02号

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  1. 港区議会 2017-02-16
    平成29年第1回定例会−02月16日-02号


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    平成29年第1回定例会−02月16日-02号平成29年第1回定例会  平成二十九年 港区議会議事速記録 第二号(第一回定例会)   平成二十九年二月十六日(木曜日)午後一時開会     一 出席議員(三十三名)       一  番  玉 木  まこと 君      二  番  榎 本  あゆみ 君       三  番  山野井  つよし 君      四  番  兵 藤  ゆうこ 君       五  番  丸 山 たかのり 君      六  番  池 田  たけし 君       七  番  黒 崎 ゆういち 君      八  番  小 倉  りえこ 君       九  番  赤 坂  大 輔 君      十  番  榎 本   茂  君       十 一番  横 尾  俊 成 君      十 二番  清 家  あ い 君       十 三番  ちほぎ  みき子 君      十 四番  やなざわ 亜 紀 君       十 五番  有 働   巧  君      十 六番  鈴 木  たかや 君       十 八番  大 滝   実  君      十 九番  いのくま 正 一 君       二 十番  杉 浦  のりお 君      二十一番  なかまえ 由 紀 君       二十二番  阿 部  浩 子 君      二十三番  近 藤  まさ子 君       二十四番  ゆうき  くみこ 君      二十五番  二 島  豊 司 君       二十六番  池 田  こうじ 君      二十七番  熊 田  ちづ子 君       二十八番  風 見  利 男 君      二十九番  七 戸   淳  君
          三 十番  杉 本 とよひろ 君      三十一番  林 田  和 雄 君       三十二番  清 原  和 幸 君      三十三番  うかい  雅 彦 君       三十四番  井 筒  宣 弘 君     一 欠席議員(一名)       十 七番  土 屋  準  君     一 説明員       港区長       武 井 雅 昭 君    同副区長      田 中 秀 司 君       同副区長      小柳津   明 君    同教育長      青 木 康 平 君       同芝地区総合支所長街づくり支援部長兼務    同麻布地区総合支所長                 波多野   隆 君    産業・地域振興支援部長兼務                                        堀   二三雄 君       同赤坂地区総合支所長             同高輪地区総合支所長       子ども家庭支援部長兼務            環境リサイクル支援部長兼務                 森   信 二 君              横 山 大地郎 君       同芝浦港南地区総合支所長           同地域包括ケア・福祉施設整備担当部長       保健福祉支援部長兼務                       所   治 彦 君                 浦 田 幹 男 君       同みなと保健所長  吉 田 道 彦 君    同特定事業担当部長 坂 本   徹 君       同企画経営部長   安 田 雅 俊 君    同用地・施設活用担当部長                                        齋 藤 哲 雄 君       同防災危機管理室長 高 橋 辰 美 君    同総務部長     渡 邊 正 信 君       同会計管理者会計室長事務取扱         同教育委員会事務局次長                 奥 野 佳 宏 君              益 口 清 美 君     一 出席事務局職員       事務局長      北 本   治 君    事務局次長     河 本 良 江 君                              議事係長      河 野 あゆみ 君                                              他五名             ───────────────────────────       平成二十九年第一回港区議会定例会議事日程          平成二十九年二月十六日 午後一時 日程第 一  会議録署名議員の指名 日程第 二  代表質問・一般質問        二 島 豊 司 議員(自民党議員団)        七 戸  淳  議員(みなと政策会議)        林 田 和 雄 議員(公明党議員団)        風 見 利 男 議員(共産党議員団)             ─────────────────────────── ○議長(うかい雅彦君) これより本日の会議を開会いたします。  ただいまの出席議員は三十三名であります。             ─────────────────────────── ○議長(うかい雅彦君) これより日程に入ります。  日程第一、会議録署名議員をご指名いたします。七番黒崎ゆういち議員、八番小倉りえこ議員にお願いいたします。             ─────────────────────────── ○議長(うかい雅彦君) 日程第二、区の一般事務について、質問の通告がありますので、順次発言をお許しいたします。最初に、二十五番二島豊司議員。   〔二十五番(二島豊司君)登壇、拍手〕 ○二十五番(二島豊司君) 平成二十九年第一回港区議会定例会におきまして、自由民主党議員団を代表して、武井区長、青木教育長に質問させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。  来る三月十五日、港区は区政七十周年を迎えます。現在、港区の人口は二十五万人に届こうとしております。財政の健全度も高く、人口増と堅調な財政に支えられる今こそ、区民の声にしっかりと耳を傾け、参画と協働のもと、慎重な中にも大胆で先進的な政策の実現を目指し、武井区長のもと、全庁職員の皆さんが一丸となって、さらにきめ細やかな区民福祉の向上に資する区政運営がなされることを強く期待いたしております。  私たち自民党議員団十二名は、おのおのが地域で活動する中で寄せられる区民一人ひとりの声、地域の思いを議会を通じて区政へと届け、本年も一丸となって、ともに区政発展のために力を尽くしてまいります。  それでは、質問に入らせていただきます。  港区財政運営方針に関連してお伺いさせていただきます。  武井区長は昨年六月の港区長選挙において四選を果たし、その後の十月、平成二十九年度から平成三十四年度を計画期間とする港区財政運営方針を策定しました。将来課題を先取りする積極的・戦略的な財政運営をめざしてと副題が付された新方針では、区を取り巻く環境として、あらゆる世代で人口が増加すると見込まれる将来予測に対応して、新たに発生する行政需要や課題を先取りし、迅速かつ的確に対応していくとともに、今後訪れるであろう人口減少局面をも見据え、次世代に過度な負担を残さない、長期的な視点を持った財政運営に努め、将来にわたり磐石な財政基盤を堅持していくことが求められているとの認識に立ち、増加が見込まれる財政需要への備えとして六つの課題を掲げ、それぞれの対策が示されております。  新たな港区財政運営方針の計画初年度の予算案として編成された来年度予算案は、いわば昨年選挙を通じて訴えてこられた政策の具体策ということになります。初めに、港区財政運営方針に掲げられた事項が、計画初年度である来年度予算案に、具体的にどのような施策として盛り込まれているのかお伺いいたします。  続いて、今お伺いしました具体策のうち、自然災害による突発的な財政需要への備えに対応するものが、一千億円規模の震災復興基金の創設となろうかと思います。港区震災後の区民生活の再建並びに産業及びまちの復旧復興のための基金(略称)震災復興基金について、今定例会に提出されております平成二十九年度予算案には、平成二十八年度末時点までに現在ある震災対策基金残高を百二十億円とし、来年度震災復興基金として衣替えをして、新たに三百八十億円を積み立てて五百億円を確保。以降毎年度百億円ずつ積み立て、平成三十年度から五年間をかけて一千億円の残高を確保することが示されております。  いつ発生するともしれない、場合によっては今起こるかもしれないし、向こう百年間発生しないかもしれない、そんな大震災に対して、防災や減災など平時の震災対策、そして地震以外の災害での活用ができるようにはせずに、あえて震災の復旧・復興に特化する形で一千億円もの巨額の基金をいわば固定化することとなるわけですが、その意義についてお伺いいたします。  さらに、万一大規模な地震災害が発生した際、積み立てられたこの基金が、その狙いどおり復旧・復興へ向け迅速に活用できるためには、平時からの体制整備が大変重要になってくるものと考えます。緊急時、人材も機材も逼迫することが想定される中、実際に動いてくれる人がいなくては復旧すらもままなりません。発災時に実働してくれる人や組織との常日頃からの連携、協働の体制が整備されていなくては、いざというときの初動に支障を来してしまいます。発災後、より早いタイミングで動き出せるためのシミュレーションを日常的に行い、その精度を高めていく必要があるものと考えます。  地域で活動する区民の皆さんはもちろんですが、各種防災協定を締結している企業や組織、士業など専門家の団体、連携関係を持つ全国の自治体など、それぞれと構築してきた関係を、丁寧にコミュニケーションをとりながら維持、深化させるため、日頃からの努力が欠かせないと考えます。震災復興基金をより有効に機能させるための平時からの対応についてご認識を伺います。  続いて、予算編成過程の公開についてです。昨年の決算特別委員会におきまして、当時素案として示されていた、港区財政運営方針に記載されておりました予算編成過程の公開に関する質問に対して、予算編成過程において広く情報を提供し、公開していくことは、区の事業に対する区民の皆さんの理解をより深めるとともに、一層の区民参画につながるものと考えております。新たな港区財政運営方針(素案)でお示ししたとおり、各部局の予算要求段階から予算案決定までの過程を公開し、区民の意見を幅広く募る方法を具体的に検討してまいりますとご答弁いただきました。予算編成過程の公開については、今後の検討においてどのように具体化を目指していくのか、区長のお考えを伺います。  次に、区が進めてきました契約制度改革の効果についてお伺いいたします。  平成二十七年四月から順次区内事業者優遇制度を拡充、平成二十七年十二月からは、港区が発注する契約に係る業務に従事する労働者等の労働環境確保の促進に関する要綱を施行し、労働環境確保策を実施、一定条件を満たす工事請負契約、業務委託契約に関し、契約条件の違反があった際には指名停止や契約解除も辞さない強い姿勢を示し、区が発注する現場で作業にあたっていただいている皆さんの労働環境が確保されるよう徹底を図っています。その他、工事請負契約などで希望制指名競争入札を廃止、全ての発注案件を制限付き一般競争入札として実施、特別簡易型総合評価方式の導入など、契約制度の改善を進めてきました。  これらの点については、事業者、労働者の団体双方からおおむね高い評価の声を伺っております。それぞれ制度改正してから一定の期間が経過したわけですが、区が目指した効果が上がっているか、入札参加事業者の意見なども踏まえ、今後改善を検討する点などがあれば、あわせてお伺いいたします。  次に、港区区政七十周年記念事業の総括について伺います。  昨年十二月四日に開催された港区政七十周年記念式典をはじめとして、兼高かおるさんと四世石田不識さんを名誉区民に選定、また、各地区総合支所での植樹や各種団体の実施事業への助成、そして町会など地域、企業や団体の皆さんとの連携など、一年間かけて港区政七十周年を記念する事業が企画、実施されてまいりました。  三月十五日の七十周年当日には、議場コンサートや届け出挙式、記念品の配布など、区政百周年に向けた取り組みへのキックオフと位置づけて、三月十五日最高の日記念日プログラムが実施されるとのことです。これら多くの事業を通じて培われたつながりを、参画と協働の新しいスタイルと捉え、区政七十一年目以降の区政運営に、いわばレガシーとして生かしていくことが必要と考えます。区政七十周年各事業の成果と、それらを活用した今後の展開についてお伺いいたします。  次に、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会、特にパラリンピック競技大会の気運醸成についてお伺いいたします。  二月四日、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックフラッグツアーが、アンバサダーにリオデジャネイロパラリンピック大会トライアスロン代表の山田敦子選手を迎え、加えて港区在住の陸上競技代表高田千明選手の参加を得、二人のパラリンピアンとともに、みなとパーク芝浦で開催されました。前半はみなとパーク芝浦に、後半は赤坂Bizタワーにオリンピック・パラリンピックフラッグが展示され、開催まで三年半ほどとなった東京二〇二〇大会に向けて、港区でもますます気運が盛り上がっていくであろうことを実感いたしました。  フラッグツアーのセレモニーでも武井区長は、東京二〇二〇大会を契機として、お台場を泳げる海にすることが何よりのレガシーとなると挨拶されたように、東京二〇二〇大会への気運を区民の皆さんとともに醸成し、大会そのものの成功を目指すと同時に、大会後残すべきレガシーを構築するため、協働による後押しをしていただかなくてはなりません。  港区が会場となるトライアスロンに関しては、関係六者による連携協定が結ばれており、区としても東京二〇二〇大会をターゲットに据えた競技の普及のため、さらに積極的に取り組んでいただけるものと期待をしております。  また、昨年のリオデジャネイロパラリンピックでは、ボッチャの日本代表が銀メダルを獲得しました。リオパラリンピックを契機に、その知名度が格段に向上したボッチャですが、区では以前から区民向けの教室や大会が開催されております。二月十二日にも港区スポーツセンターで教室と大会が開催され、大変盛り上がったと伺っております。そして、ことし七月には全国の肢体不自由特別支援学校に通学する生徒を対象にした第二回ボッチャ甲子園が港区スポーツセンターで開催される予定です。  全国規模の大会の競技会場として選ばれたわけですので、区としてもぜひバックアップしていただきたいのと同時に、これまで区内でボッチャに関係してこられた港区スポーツ推進委員の方々やスポーカル、老人クラブの方々とも連携して、その後の継続的な普及へとつなげていただくことを願うものであります。  東京二〇二〇大会への気運醸成に際しては、パラリンピック競技の魅力をしっかりと伝え、広く区民の皆さんに競技や選手への理解を深めていただくことによって、さまざまな効果が生み出されるものと考えますが、教育長の見解をお伺いいたします。  次に、港区のICT施策についてお伺いいたします。  初めに、公衆無線LAN(Minato City Wi−Fi)についてです。昨年九月、防災対策の充実や行政サービスの向上を図るため、区民や来街者が無料で利用できる公衆無線LAN(Minato City Wi−Fi)のサービスがスタートしました。平時には観光等の区政情報を発信し、災害時には幹線道路や駅周辺の混乱を防止するための情報基盤として活用されることになります。  現在、区役所本庁舎及び各地区総合支所五カ所と台場地域に七カ所、合計十二カ所のアクセスポイントが設置されています。また、区内には店舗や公共交通機関など、官民問わず無線LANスポットが設置されている場所も数多くあります。  日常利用と緊急事態発生時に必要とされるトラフィック容量も大きく異なってくると同時に、無線通信の速度や容量など情報通信分野での技術革新のスピードは速く、常に陳腐化リスクがあります。その他さまざまな要素に対応し、重複を避けつつ、より効率的に利用者の利便性を向上させるための柔軟な姿勢が必要となってまいります。今後の公衆無線LAN(MINATO City Wi−Fi)アクセスポイントの設置の方向性についてお伺いさせていただきます。  続いて、港区オープンデータの活用についてお伺いいたします。  昨年十一月から十二月にかけて、港区オープンデータアプリコンテストが実施されました。これは、現在、区が公開しているオープンデータだけではなく、これから公開してほしいデータや、他の団体のオープンデータと組み合わせたアイデアやアプリの作品募集を行ったものです。現在、選考が行われており、間もなく結果が公表されるとのことですが、どのようなアイデアが寄せられているのか、期待を持って見守っているところです。  オープンデータアプリコンテストの開催状況について、また、コンテストに応募された皆さんや選考委員の皆さんのご意見など踏まえ、今後、区民生活の利便性向上に資するオープンデータ施策について、どのような効果が得られたとお考えになっているでしょうか、お伺いいたします。  次に、がん対策の推進についてお伺いいたします。  初めに、取り組みの成果についてです。区はこれまで、がん対策を総合的、計画的に推進するため、平成二十八年二月、港区がん対策推進アクションプランを策定しました。策定から一年が経過し、この間、従来のがん検診に加えて、啓発イベントなど新たな取り組みを行ってまいりました。この一年間の取り組みを通じての成果についてお伺いいたします。  続いて、がん対策と働き盛り世代の健康づくりの一体的な取り組みについてお伺いいたします。  区長は施政方針で、働き盛り世代の「健康の維持・増進への支援に力を注いでまいります」と述べられておられました。来年度予算案にも働き盛り世代の健やかな暮らしを支える取り組みを重点施策とし、口腔がん検診、胃がん検診への内視鏡検査や子宮頸がん検診へのHPV検査の導入など、がん検診の拡充が盛り込まれております。  さらに、先般行われたがんに関する区民意識調査では、生活習慣についても調査を行っています。調査結果は現在分析中とのことですが、働き盛り世代のがん予防とともに健康の維持・増進のため、その結果を十分に活用していただきたいと思います。がん対策と働き盛り世代の健康づくりを一体的に進めることで、より効果的な施策となると考えますが、区長の考えを伺います。  続いて、港区立がん在宅緩和ケア支援センターの整備についてお伺いいたします。現在、来年四月に港区立がん在宅緩和ケア支援センターの開設に向けた準備が進められ、がん治療に伴う外見ケア助成も予算に計上されております。港区立がん在宅緩和ケア支援センターが開設された暁には、ご本人、ご家族を取り巻くさまざまな不安やストレスに寄り添い、住み慣れた地域で質の高い療養生活を送ることができるため、しっかりと支援できる相談体制の充実はもちろん、がんと診断された初期の段階からターミナルまで、あらゆる段階での支援ができるよう体制の整備が望まれます。これから準備が本格化してくるものと思いますが、港区立がん在宅緩和ケア支援センター開設に際して、どのような姿勢で臨まれるのか見解を伺います。  大きな困難を乗り越えてこられたがんサバイバーである武井区長自らが、がん対策についてのメッセージを発信することは、患者さんやご家族にとって、この上なく心強い後押しになると思います。ぜひ積極的な取り組みをお願いいたします。  次に、(仮称)港区子ども家庭総合支援センターの整備についてお伺いいたします。  児童相談所に関しては、昨年五月、改正児童福祉法が成立し、特別区による児童相談所の設置が可能となりました。本年四月の法施行後五年を目途に、国が児童相談所設置に係る支援を行うことが規定されているところ、先般、武井区長から、南青山五丁目にある国有地を用地取得し、一時保護所を含む児童相談所の機能と児童と家庭の支援拠点機能を一体化させた(仮称)港区子ども家庭総合支援センターを整備し、児童相談所、そして、現在の子ども家庭支援センター機能を融合させ、包括的に子どもと家庭に関する支援を行うことのできる拠点を構築する構想が発表されました。  児童虐待をめぐっては、毎日のように悲しい報道が流れております。平成二十七年度港区子ども家庭支援センターに寄せられた九百二十六件の相談のうち、児童虐待に関する相談数は四百七十八件にも上り、今年度もこれに近い件数の相談が寄せられているとのことです。  区はこれまでも、児童相談所への職員派遣や専門家による定期的指導など、職員の専門性の強化に取り組み、地域ぐるみでの問題解決にも力を入れ、港区要保護児童対策地域協議会としても、学校、保育園、警察、医療機関、民生委員・児童委員が連携し、きめ細やかな支援を行っております。昨日の所信表明においても、子どもの命と権利、未来を守ることができるのは、地域の人材や多様な活動主体と密接な関係を築いている港区ですと、全ての子どもたちを守るという強い意志が伝わってきました。児童相談所が設置され、区の児童福祉行政がさらにきめ細やかなものへと前進することに、今から大きな期待を抱いているところです。  また、今回整備する(仮称)港区子ども家庭総合支援センターでは、妊娠期から子育て期、そして子どもの自立までを支え、児童虐待の予防機能を強化していくとのことです。子育ての過程において親は、時として出口の見えない迷路に入り込んでしまったような感覚に襲われることがあります。保護者も子ども自身も気軽に楽しく集い、子育て講座などで学びながら、悩みがあれば相談もでき、場合によっては児童相談所の専門性の高い支援も受けられる充実した機能を備えていただきたいと思います。  新たにできる施設ということになりますので、今挙げた機能がしっかりと発揮されるためにも、この(仮称)港区子ども家庭総合支援センターの有用性・必要性について、広く区民の皆さんからの理解を得ることが求められます。児童相談所を(仮称)港区子ども家庭総合支援センターとして設置することの意図について、区長にお伺いいたします。  また、表参道至近という立地が生かされた、子育て家庭のリフレッシュ・リラックスに資するセンターとなるよう、整備計画策定に際しては地域の雰囲気を生かし、周辺と調和のとれた施設となるよう、地域の声に耳を傾けながら丁寧に計画を進めていただきたいと思います。今後、施設整備を進めるにあたって、地域との調和について、区長のお考えを伺います。  次に、民間企業・団体等、多様な主体を巻き込んだ観光プロモーションの展開についてお伺いいたします。  昨年人気を博したドラマでも、白金商店会や芝浦の運河界隈などがロケ地として使われておりました。ドラマであれ、CMであれ、テレビの中にふと見慣れた景色があらわれると、何とはなしにうれしく感じるものです。区内にはほかの自治体とは比較にならない絶対的なアドバンテージと、それを裏づけるリソースがハード面、ソフト面とも無数にあります。  観光とプロモーションを専管する組織が誕生して二年が経過しようとしています。先日公表された港区シティプロモーション戦略にもあるように、観光という分野は、港区観光協会をはじめ、民間事業者、団体等こそが主要な担い手と言える分野です。特に、港区をプロモーションするという観点からは、さまざまな媒体、チャンネル、ノウハウを有する民間事業者とのコラボレーションが求められています。  区には名立たる情報通信、放送、メディア、エンターテインメント企業が数多く立地し、さまざまなジャンルのアーティストも区内をフィールドとして活動しております。昨日の所信表明においても、港区の魅力やブランドを支える区民や企業や団体等、多様な主体とともにプロモーション活動を展開すると述べられておられました。  イベント主催者から後援申請やコラボレーションの申し入れなど多数あると思いますが、そこに種を見出し、区から観光振興などに資する提案を積極的に働きかけることもあり得るのではないでしょうか。今後、観光プロモーションのさらなる強化を進める上で、どのような仕掛けで多様な主体との連携、協働を図っていくのか、区長にお伺いいたします。  次に、港区まちづくりマスタープランについてお伺いいたします。  初めに、まちの将来像についてです。今年度末を目途に改定作業が進められている港区まちづくりマスタープランですが、今回の改定では、うるおいのある国際生活都市を目指して、環境や景観、歴史に配慮するとともに、低炭素化の促進や国際化・観光・文化などソフト施策も充実させ、港区のまちの将来像とまちづくりの方針が示されました。  まちづくりというと、どうしても建物や公園、道路といったハード面の整備に注目が集まりがちですが、これからは、そこに新たに生み出されたまちが地域と調和し、どのようにまちづくりを進めていくのかが重要になります。そのためにもまちの将来像を描き、方針を定め、まちを育てていくということに対してもしっかりと注目をすることが肝要となります。  また、まちが育っていく過程においては、社会情勢の変化やニーズの多様化など、スタート時には見えてこなかった状況が発生することも想定できます。区民をはじめ、町会、商店会、企業やそこにお勤めの在勤者、大学や学生など、多様な主体による協働の体制を組むことが重要となります。例えば、地域の特性に応じたガイドラインの策定やエリアマネジメント手法の導入など、手法を適切に選択することで時間の経過とともに成熟し、まちとしての魅力が増す、そんなまちづくりが進められることが望まれます。そこで、まちの将来像を実現するために、どのようにまちづくりを進めていくのか、区長の見解を伺います。
     続いて、周知についてです。港区まちづくりマスタープランは、ある程度の規模の建物を建てようとされる事業者にとっては注目度の高いものとなりますが、他方、小規模な建物、戸建ての住宅を建てようとされる方にとっては、建築にかかるさまざまな法規を遵守しても、区の定める港区まちづくりマスタープランにまで果たして目配りがされているのか疑問を感じています。  歴史的・文化的資産、それらを重視した景観や街並み全体として将来へ承継したい価値があること、区としてそれを守る意思があること、港区まちづくりマスタープランにそれが示されていることを、普通に区内に住み、普通に生活する方々にも知ってもらうためのさらなる工夫が求められると考えますがいかがでしょうか。区長の見解をお伺いいたします。  続いて、まちづくりにおける支所機能の強化についてお伺いいたします。  他の自治体であれば、区・市を挙げての一大プロジェクトとなるような計画が、港区内ではどこでも持ち上がる可能性があり、実際に現時点においても相当数のプロジェクトが区内各地で動いており、また準備がなされています。そこにかかわることになった区民にとって、自身の資産に大きく影響を受ける出来事にもかかわらず、都市計画上のルールは専門性が高く、都市計画図書を見ても、そう簡単に理解できるものではありません。本来、その地域にどのような課題があり、おのおのの土地が都市計画においてどのような規制を受け、位置づけられているかなど、正確な情報を理解する必要があるにもかかわらず、時として誤った情報をもとに意見がすれ違い、合意形成に支障を来すことがあります。  事の賛否の判断は、それぞれの権利者によってなされることはもちろんですが、それは関係者が正確な情報を質・量ともに共有することが必要となります。往々にしてそういった情報は事業者からもたらされることになります。時点ごとの情報の内容に差異が生じると、場合によっては疑心を招いたり、対立が生じたりすることにもつながりかねません。大規模な再開発事業であれ、老朽マンションの建て替えや住宅の共同化であれ、関係する権利者の合意形成が必要な案件に対して、区が第三者として、いわば素人である区民の皆さんに対して、より積極的にさまざまな情報の提供を行うことができれば、関係者間の情報の格差が縮小し、さらに区が地域の課題と認識している事柄を深く共有できるものと思います。  所信表明においても、区が積極的に地域の中に入り、住民の意向を生かした個性ある丁寧なまちづくりを推進してまいりますと述べられているように、地域事情を理解している各地区総合支所の担当者が、区民の持つ疑問について個別に相談に乗り、アドバイスすることができる体制を整備することで地域の課題解決に資することになり、より正確な情報に基づく判断がなされた上での合意形成につながるものと思います。各地区総合支所でのまちづくりに関する相談機能を充実させることについて、区長の見解をお伺いいたします。  地域交通の課題解決についてお伺いいたします。  四月からの組織改正にあたり、意思決定のスピードアップにより、これまで以上に推進が期待される地域交通に関連してお聞きいたします。港区まちづくりマスタープランの八つの分野別まちづくり方針のうち、まちづくりの骨格となる分野として、方針三では、快適な道路・交通ネットワークの形成として交通施策に関する方針が示されており、広域公共交通や身近な公共公益施設へのアクセス性を高めるため、地域の実情に応じた交通体系を整備しますとなっております。また、地区別まちづくりの方針の高輪地区では、道路整備や公共交通網の充実による交通バリアフリーの推進など多様な手段の活用により、地域交通の利便性のさらなる向上を図りますとあります。  分野別まちづくりの方針八では、まちの魅力の維持・向上と活用・発信として、コミュニティバスや自転車シェアリング、水上交通を活用するなど、周辺区を含めた移動手段の充実により、周遊性・回遊性を高め、周辺の観光エリアとのネットワークを強化しますとあります。  港区まちづくりマスタープランでは、各施策の詳細についての言及はなく、今後、各個別計画を策定するなど施策の詳細について検討されることと思いますが、さきに述べた記述は、これまでも我が会派から折に触れ質問させていただいております白金・白金台地域への新たな地域交通の導入や観光施設や公共施設を結ぶ「ちぃばす」ルートなどと深く関連するものと認識いたしております。  現在、港区総合交通戦略の策定に向け、検討を進めておられる最中と伺っており、こうした地域交通の課題解決をぜひとも強力に進めていただきたいと思いますが、区長のお考えをお聞かせください。  次に、学校と地域との連携を深める学校支援についてお伺いいたします。  平成二十六年度から学校支援地域本部事業を実施しております。これは、学校と地域をつなぐ連絡・調整者である学校支援コーディネーターが、教科や総合的な学習の時間等の支援及び職場訪問・職場体験等に協力していただける企業やNPO等の情報をリスト化した、みなと学校支援情報を作成し、学校へ情報提供、また、学校から依頼があった場合には日程調整等を学校にかわって行うという事業です。  児童や生徒が豊かな体験や本物と出会う貴重な機会を通じ、よりよい教育環境を整備することが目的であるのと同時に、学校長、副校長をはじめとした教職員の負担を軽減する役割も担っているものと認識しております。本事業を開始しておよそ三年が経過し、どのような効果があらわれているかお伺いいたします。  世の中が複雑化・多様化し、子どもたちや学校を取り巻く環境も目まぐるしく変化しております。全区的な人口増に伴い、児童数も増加しており、一昨日改定案が示された学習指導要領への対応など、学校ごとに異なるニーズに応じて、よりきめ細かく児童・生徒を指導することが求められています。しかし、その状況が教育現場の負担を大きくしている現状に危惧を抱いております。私自身、PTA活動に参加をして、教職員の皆さんの情熱、意識の高さ、何より児童のことを一番に考えてくれている様子を見るにつけ、過度な負担によって、その環境が壊れてしまうことがあってはならないと強く感じております。教職員の負担を軽減するため、事業のさらなる充実を図る必要があると考えますが、学校支援地域本部事業の今後の展開についてお伺いいたします。  最後に、教育委員会事務局と総合支所との連携についてお伺いいたします。  総合支所制度は十年を経て、地域にしっかりと定着し、地域で活動する皆さんの支えとなっています。片や学校は、それぞれの地域との密接な関係の中で、地域の皆さんに支えられており、学校を核として、さまざまな地域活動が行われています。PTAはもちろん、各地区青少年対策地区委員会、各地区防災協議会、そして町会など、活動の主体はさまざまであっても、それぞれの地区の小・中学校を活動の拠点として、もろもろの活動が連綿と続き、学校も地域を支える役割を担っています。  所信表明において、区長はこれまで以上に教育委員会と連携・協力することを強調されておられましたが、学校を支える教育委員会と地域を支える総合支所とが情報を共有し、緊密な連携をすることで、学校と学校を取り巻く地域とがさらに良好な関係を築くことにつながると確信しております。教育委員会事務局と各地区総合支所との連携の現状認識と、今後連携に向けた具体的方策について、教育長にお伺いしたいと思います。  質問は以上となります。明快なご答弁をいただくことを期待いたしております。どうぞよろしくお願いします。  ご清聴ありがとうございました。   〔区長(武井雅昭君)登壇〕 ○区長(武井雅昭君) ただいまの自民党議員団を代表しての二島豊司議員のご質問に順次お答えいたします。  最初に、港区財政運営方針についてのお尋ねです。  まず、来年度予算案への反映についてです。平成二十九年度予算案では、新たな港区財政運営方針に掲げた将来課題を先取りする積極的・戦略的な財政運営に向けた取り組みの具体化に努めました。喫緊の課題である客引き行為や落書きのない安全・安心なまちづくり、子どもの未来応援施策や働き盛り世代の健康を守るがん対策の充実に加え、将来課題への備えとして、震災復興基金の積み立てをはじめとした震災対策を強化するなど、積極的かつ戦略的に取り組んでまいります。  また、さらなる内部努力の徹底の具体化に向けて、経常的経費の節減や公共施設等マネジメント計画に基づいた施設整備による財政負担の軽減・平準化を図っております。こうした取り組みを通じて、いかなる状況にも対応できる中長期的な視点に立った磐石な財政基盤を堅持しながら、課題解決型の積極予算として編成いたしました。  次に、震災復興基金の意義についてのお尋ねです。区の区域におきましても、発生が予測されております首都直下地震等の大震災が発生した場合に、復旧復興のために万全の備えをすることが、区民の安全・安心につながることと考えております。震災後の復旧復興活動には、インフラ整備に約二千億円、被災者支援に約百億円、中小企業支援に約百億円など、多額の財源と長期的な支援が必要と見込んでおります。  震災による被害は、広域的に生じることから、国及び東京都も同時に大きな被害を受け、港区民等に対する復旧復興の取り組みが滞ることも想定されます。このことから、区は、震災発生直後から国や東京都に先駆け、一刻も早い区民生活の再建、事業の再開及び地域の再生を実現するため、速やかに活用することができる震災復興基金を設置するものでございます。  次に、震災復興基金が有効に機能するための平時の対応についてのお尋ねです。災害が発生した際、迅速かつ円滑な復旧復興活動を実現するためには、日常的に、総合防災訓練や地域での避難所運営訓練などの場を通じて、防災関係機関との顔の見える関係づくりが重要です。また、防災協力協定の締結自治体とのイベントなどを通じた日頃の交流や、民間協力団体とは、食品・衣類・運送車両の提供、被災建物の診断ができる専門的な人員の提供など、現状に即した今日的な災害時協定の見直しが必要です。区は、これらさまざまな団体等と連携を深め、震災発生時の役割分担の確認、人員、資機材の準備など、実効性のある復旧復興活動に備えてまいります。  次に、予算編成過程の公開についてのお尋ねです。現在、予算編成に際しては、要求前に事務事業評価を行い、予算案に反映させた上で、予算案とともに評価結果を公開しております。今後は、予算編成過程を公開することにより、区政に対する区民の関心をより高め、参画していただく機会の充実につなげてまいります。公開する内容は、各部局の予算要求から予算案決定までの編成過程とし、数値をお示しするだけでなく、区の考え方を明らかにして、よりわかりやすく説明するように工夫をいたします。編成過程において、区民の皆様から幅広くご意見をいただき、予算案に反映できる仕組みとしてまいります。  次に、入札・契約制度の見直しについてのお尋ねです。  区は、区内事業者の受注機会の確保、価格以外の要素を含む総合的な評価の実施、区の契約に従事する労働者の良好な労働環境の確保を目指して、入札・契約制度の改善に取り組んでまいりました。その結果、区内事業者の落札率は、工事契約では、平成二十六年度の約七割から、平成二十八年度は九割を超え、物品購入契約では、八割を超え、確実に区内事業者の受注機会が増加しております。  さらに、価格以外の評価においては、地域貢献を加点対象にしたことで、事業者の地域貢献意識が高まり、町会・自治会活動や清掃活動にかかわる事業者が増えております。また、労働環境チェックシートにより、区の契約に従事する労働者の良好な労働環境が確保されていることを確認しております。引き続き、新たな契約制度の取り組みを検証するとともに、事業者の皆さんのご意見を伺いながら、制度の充実を図ってまいります。  次に、港区政七十周年記念事業の成果と今後の展開についてのお尋ねです。  港区区政七十周年記念の助成事業では、地域を担う若い世代や、これまで地域にかかわる機会の少なかった人たちに多く参加していただいたことで、地域の絆が深まり、新しいつながりが生まれました。また、各地区で実施した記念植樹祭では、連携自治体から苗木の提供を受けるなど、全国各地域との結びつきが広がりました。さらに、製菓会社や金融機関との新たな官民協働が実現し、それぞれの強みを生かした質の高い事業を実現することができました。  こうした区政七十周年記念事業で培った地域の絆、全国連携の深まり、官民連携の新たな力は、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた気運醸成や、観光プロモーションの助成事業などに生かすことで、区民サービスのさらなる向上、地域社会の発展に着実につなげてまいります。  次に、ICT施策についてのお尋ねです。  まず、公衆無線LAN(Minato City Wi−Fi)についてです。公衆無線LAN(Minato City Wi−Fi)につきましては、昨年九月からサービスを開始し、ことし三月までに、新橋駅前等のJR四駅周辺で新たに計七カ所においてアクセスポイントの整備を予定しております。今後は、区民の皆さんや来街者が、防災や観光等の情報に快適にアクセスいただけるように、東京都や民間事業者が既に公衆無線LANサービスを提供している地点や計画している場所を除き、効率的・効果的に区内の各地点に必要なアクセスポイントを整備してまいります。  次に、港区オープンデータアプリコンテストについてのお尋ねです。  今回、区として初めて開催した港区オープンデータアプリコンテストでは、保育施設に関する子育て応援アプリや、防災について親子で遊びながら学べるアプリなど、三十四件の作品が寄せられています。応募者の方々からは、保育施設の空き状況や園庭の広さについての施設情報等のデータを公開してほしい、公開にあたっては他自治体や民間と項目が統一されると使いやすいといったご意見等が寄せられました。  また、外部委員からは、区のオープンデータが、他自治体や民間のデータと組み合わされて、民間のアプリ開発・運営等で利用されることで、区民の利便性向上に結びつくとのご意見もいただいております。アプリコンテストを通じて、利用者側のご意見を直接お聞きすることができ、今後のオープンデータ公開にあたっての課題や工夫すべき点が明らかになるなど、大きな効果が得られたと考えております。区は、今回いただいた意見やニーズも踏まえ、今後もオープンデータの公開に積極的に取り組んでまいります。  次に、がん対策についてのお尋ねです。  まず、これまでの取り組みの成果についてです。区は、平成二十八年二月に港区がん対策推進アクションプランを策定し、総合的ながん対策に取り組んでまいりました。十月三十日には、企業やNPO、医療機関の参加を得て、区として初めてとなる啓発イベントがん対策とうきょう・みなと2016を開催しました。地域の子どもたちが参加できるプログラムを盛り込むなど工夫をし、千人を超える来場者を迎え、若い世代から高齢者まで、幅広い世代にご参加いただきました。  イベント当日には、企業・団体三者と協定を締結し、がんの予防や患者の治療に伴う外見の変化への支援に関し、連携を図っていくことといたしました。また、港区美容組合及び区内病院と協議を行うことにより、二病院において、がんの治療に伴う外見変化への支援に関する相談窓口が設置されております。  来年度は、子宮頸がん検診におけるHPV検査の導入や口腔がん検診の実施等、がんの早期発見のための取り組みを強化するとともに、患者とその家族を支援する港区立がん在宅緩和ケア支援センターの開設に向けた準備を進めてまいります。今後は、現在実施している区民のがんに関する意識調査の結果も活用し、がんの予防、早期発見から患者・家族への支援に至るがん対策をより一層推進してまいります。  次に、がん対策と働き盛り世代の健康づくりの一体的な取り組みについてのお尋ねです。区はこれまで、がん対策の充実に取り組んでまいりましたが、がんは生活習慣病の一つでもあります。三十歳代からの働き盛り世代の運動や食生活などの生活習慣の改善は、健康づくりだけでなく、がんの発症予防にも効果的です。このため、現在実施している区民のがんに関する意識調査の結果も踏まえ、今後は、生活習慣の改善をテーマとした健康教育や健康診査後の保健指導の充実を図るとともに、区民、団体等の協力を得ながら、がん啓発イベントを実施するなど、がん対策と働き盛り世代の健康づくりを一体的に推進してまいります。  次に、港区立がん在宅緩和ケア支援センターの整備についてのお尋ねです。がんは区民の死亡原因の第一位であり、区民の生命と健康にとって大きな脅威となっております。昨年十二月に改正されたがん対策基本法には、がん患者の療養生活の質の維持向上に関する規定が盛り込まれました。区では、それに先駆け、平成十九年よりがん患者の在宅での療養生活を支援する施設の整備を進めてまいりました。  平成三十年四月の開設後は、港区立がん在宅緩和ケア支援センターを拠点として、がん患者とその家族が住み慣れた地域で、質の高い療養生活を送れるよう支援してまいります。さらに、患者を支援する団体や、医療、福祉関係者に活動の場を提供し、がん予防や地域のがん医療連携を図れる施設として、都市型の新たな在宅緩和ケアのリーディングケースとなることを目指してまいります。  次に、(仮称)港区子ども家庭総合支援センターの整備についてのお尋ねです。  まず、児童相談所を(仮称)港区子ども家庭総合支援センターとして設置する意図についてです。児童相談所を中核とした(仮称)港区子ども家庭総合支援センターを整備することによりまして、児童相談所の専門性の高い相談援助と、区が地域の関係機関とともに実施している妊娠期から子育て期、思春期、自立までの支援とを一体化させ、ワンストップで支援を提供してまいります。このことが、基礎自治体である区が児童相談所を設置する大きな意義であると思っております。  この施設では、子育て相談や子育て講座の開催、子育て情報の提供などの子ども・子育て支援と、ひとり親支援やひきこもり相談、DV対策、母子生活支援などの家庭問題への相談支援、そして、児童相談所の専門相談を連携させ、総合的に支援をしてまいります。本施設の整備により、児童虐待等の発生予防機能と児童と家庭の問題への対応力を一層強化し、区内の全ての子どもの命と権利、未来を守ってまいります。  次に、地域との調和についてのお尋ねです。本施設整備予定地は、商業ビルや中低層のマンションが混在する地域にあり、交通利便性がよく、閑静な場所であることから、どなたも気軽に訪れ、安心して相談やサービスをご利用いただけます。施設整備にあたっては、周辺の街並みに配慮した外観の建物とすることをはじめ、地域の皆さんのご意見を丁寧にお聴きしながら、地域と調和がとれた施設としてまいります。加えて、災害時のための備蓄や福祉避難所としての対応など、災害時に地域を支援する機能を備えた施設として、施設整備計画を策定してまいります。  次に、観光プロモーションについてのお尋ねです。  港区の魅力を効果的かつ強力に国内外に発信するためには、民間の企業・団体等との連携が不可欠です。これまでも区は、港区観光協会や区内のホテル、国際会議の誘致に取り組む団体などとの連携による観光プロモーションを展開してまいりました。  来年度は、民間の企業・団体等が、区の魅力やブランドを発信する取り組みへの経費の助成や、区を挙げての取り組みを演出するシンボルマークの作成などに新たに着手し、多様な主体との協働による観光プロモーションを積極的に展開してまいります。  次に、港区まちづくりマスタープランについてのお尋ねです。  まず、まちの将来像の実現についてです。区は、想定を上回る人口増加への対応や世界に誇れる国際都市の実現、五つの総合支所の地域特性を生かした取り組みを示すことを主なポイントとして、港区まちづくりマスタープランを改定いたします。  改定後は、将来像の実現に向けて、区が積極的に地域の中に入り、地域の皆さんと意見交換を重ね、地域の意向を十分に生かしたまちづくりガイドラインを策定したり、地域の魅力・価値の持続的な向上を図るエリアマネジメント活動を支援するなど、地域の状況に合わせた適切な手法を柔軟に活用してまいります。こうした取り組みを積み重ねることによって、人にやさしい良質な都市空間・居住環境を皆で維持し、創造し、運営するまちの実現を目指してまいります。  次に、港区まちづくりマスタープランの周知についてのお尋ねです。まちの将来像の実現には、開発事業者のみならず、住む人や働く人など港区にかかわる全ての人が方向性を共有し、まちづくりを担う一員として身近なところから積極的、継続的にまちづくりに取り組むことが重要です。そのため、港区まちづくりマスタープランの内容をわかりやすくまとめたリーフレットの配布や、区のホームページに計画全文を掲載することに加え、まちづくりへの関心を高めるため、小・中学校におけるまちづくり関連の学習や教育・研究機関との連携をさらに発展させてまいります。  また、港区まちづくり条例や港区アドプト・プログラムに基づく活動など、各地区総合支所が行っている数多くの地域活動の機会を捉えて、港区まちづくりマスタープランに掲げるまちづくりの方向性や考え方の普及啓発を図り、地域の方々とともに考え、協働して誇れるまちを創造してまいります。  次に、まちづくりにおける支所機能の強化についてのお尋ねです。  各地区総合支所では、開発事業者から事業の計画案の説明を受けたり、支援部とも連携しながら、さまざまな情報の把握に努めております。地域のまちづくりに関する区民の皆さんからの相談を受けた場合には、それらの情報をわかりやすく説明するとともに、事業者に対して、区民の要望を伝えられるよう体制を整えております。  今後は、区が積極的に地域の中に入り、住民の意向や地域特性を生かしたより丁寧なまちづくりを推進してまいります。あわせて、地域の皆さんと事業者が、まちづくりにおいてさらによりよい合意形成が図られるように、各地区総合支所のまちづくり機能の強化を検討してまいります。  最後に、地域交通の課題解決についてのお尋ねです。  区では、交通不便地域の解消として白金、白金台地区への新たな地域交通の導入や、観光、商店街振興の観点から観光施設や公共施設を結ぶ「ちぃばす」ルートについて、いずれも短期的に解決すべき課題と認識しております。  本年四月には、こうした地域交通に関する諸課題や今後の新たな交通需要に対応した複数の施策を総合交通戦略の素案として取りまとめ、区民意見の募集や住民説明会などを通して、地域の皆さんのご意見を伺いながら、地域交通の課題解決を図ってまいります。  よろしくご理解のほどお願いいたします。  教育にかかわる問題については、教育長から答弁いたします。   〔教育長(青木康平君)登壇〕 ○教育長(青木康平君) ただいまの自民党議員団を代表しての二島豊司議員のご質問に順次お答えいたします。  最初に、パラリンピック競技大会の気運醸成についてのお尋ねです。  教育委員会では、障害のある人もない人も、自主的にかつ積極的にさまざまなスポーツを行うことができるよう、ボッチャや車椅子バスケットボールなど、区民向けの体験教室やイベントを実施し、誰もがスポーツを楽しめる機会を提供しております。  このような取り組みを通して、区民にパラリンピック競技の魅力を発信し、理解を深めることは、障害者の生きがいや生活の質の向上、社会参加の促進、共生社会の実現などに大きな効果を生み出すものと考えております。今後も、これらの効果をより高めるため、区民がさまざまなパラリンピック競技に触れる機会を拡大し、東京二〇二〇大会の気運醸成を図ってまいります。  次に、学校と地域との連携を深める学校支援についてのお尋ねです。  まず、学校支援地域本部事業の効果についてです。学校支援地域本部事業は、平成二十六年六月に開始し、現在では、企業やNPO団体等による小・中学校の出前授業への登録が八十一団体、職場体験への登録が六十七団体となり、多くの企業等に社会貢献活動の一つとして、参加していただいております。  学校支援地域本部事業では、企業等での職場体験や専門性や生かした出前授業を通じて、子どもたちがさまざまな経験を積むとともに、自分の将来の夢の発見など、未来ある子どもたちの育ちを支え、よりよい教育環境の整備につながっております。また、教職員にとっても出前授業の調整や交渉などの事務の負担を軽減できることで、子どもと向き合う時間の確保や、子どもたちの生きる力を育む、教育活動の充実に役立っております。  次に、学校支援地域本部事業の今後の展開についてのお尋ねであります。子どもの学力向上や特色ある学校づくりなど、学校に求められる役割は拡大しており、教職員の業務量の増加が課題となっております。子どもたちの豊かな人間性と創造性を育むため、教職員が子どもと向き合う時間を確保するとともに、持てる力を最大限発揮できるよう、教職員の負担を軽減する必要があります。このことから、学校支援地域本部事業では、現在行っている出前授業や職場体験に加えまして、平成二十九年度から、部活動の支援や展覧会などの学校行事の運営支援など、学校ごとの多様なニーズにきめ細かく対応するため、支援内容の拡大に取り組んでまいります。  また、現在、教育委員会に配置している三名の学校支援コーディネーターに加えまして、青少年の健全育成に取り組んできた経験者など、地域や学校を理解している方々を、地域と学校をつなぐコーディネーターとして、各学校に順次配置していく予定です。これらの取り組みを通して、教職員の負担を軽減し、子どもの豊かな学びにつながる教育活動が展開できるよう、学校支援地域本部事業のさらなる充実を図ってまいります。  最後に、教育委員会事務局と総合支所の連携についてのお尋ねです。区立小・中学校では、防災訓練を教育委員会が認めた教育課程に位置づけており、各地区総合支所や地域の防災協議会等が実施する防災訓練に積極的に参加しております。また、各地区総合支所の協力による小学校の通学路点検や、教育に関して地域の方々と教育委員会が直接意見交換を行う港区教育会議の共同開催など、さまざまな機会を捉え、連携して子どもたちの安全確保や地域の子育て支援の推進に取り組んでおります。今後も、地域に開かれた学校づくり、特色ある学校づくりを推進するとともに、防災訓練や学校施設開放などを通して、学校が地域の拠点としての役割をこれまで以上に果たしていけるよう、各地区総合支所と緊密に連携してまいります。  よろしくご理解のほどお願いいたします。 ○議長(うかい雅彦君) 次に、二十九番七戸淳議員。   〔二十九番(七戸 淳君)登壇、拍手〕 ○二十九番(七戸淳君) 平成二十九年第一回港区議会定例会にあたって、みなと政策会議を代表いたしまして、武井区長にお伺いいたします。  武井区長は、昨年六月の港区長選挙において、区民の信任を受け、四度目となる当選を果たされました。これは何より区民の安全・安心を最優先とし、三期十二年にわたり、子育て世代から高齢者まで多くの区民の期待に応え、身近で信頼される区政をつくり上げられた結果であると思っております。  本定例会において提出される平成二十九年度予算においても、区民の誰もが安全・安心に、夢と希望を持って暮らせる躍動感に満ちた活力ある港区を実現するための予算として、人口の増加や新たなまちづくり、区民の安全・安心、子どもの明るい未来への取り組み、全国連携など、目前の課題だけではなく、将来を先取りした予算が提案され、幅広い議論が尽くされているものと期待するものであります。  我が国においては、平成二十四年の現政権発足から四年余りを迎えました。政府においては、GDPの増加や有効求人倍率の高さなど雇用・所得環境が改善していること、直近の株価が回復基調であることなどが経済運営における成果とされていますが、社会保障制度などに対する国民の将来の不安を払拭し、本格的に消費が上向くにはまだ時間を要すると思われます。  こうした中、昨年行われましたアメリカ大統領選挙では、大方の予想を覆してドナルド・トランプ氏が勝利し、この一月には新政権が発足いたしました。トランプ政権では、法人税率や個人消費税に関する巨額の減税とインフラ投資を政策の柱とし、高い成長率を得ることを目標にしています。我が国でも、アメリカの経済成長による企業業績の期待や円安などにより、一時急速に株式市況が回復したこともあり、経済においては、一部楽観的な見通しもささやかれるようになりました。  一方、トランプ政権は、安全保障政策や自由貿易協定などの貿易面において、世界に対してこれまでの路線とは違ったアプローチを進めており、今後、アジア地域を含めた政治・経済の変化に我が国が直面する可能性についても否定できません。  また、英国の国民投票に端を発したEU離脱、いわゆるブレグジット問題や、ベルギーやフランス、昨年末にはドイツのベルリンにおいて発生し、多くの市民を巻き添えにした痛ましいテロ、低迷から反転に転じた不安定な原油相場や東アジアにおける地政学的リスクなど、世界においても今後の経済運営における潜在的な懸念が依然として存在しています。  政府は、昨年十一月に平成二十九年度予算編成の基本方針を閣議決定いたしました。一億総活躍社会の実現に向け、子育て・介護を含む働き方改革など、従来の経済成長に加え、賃金や消費も含めた生活対策、災害からの復興や防災対応の強化にもかじを向けた予算編成を目指しています。  地方はというと、社会保障費の増大や超高齢化社会の到来への備えなど、国・地方の債務残高は増加し、多くの地方自治体は厳しい財政運営を迫られております。  そのような中、港区では、これまでの堅実な行財政運営や人口増加などもあり、平成二十七年度で経常収支比率は六五・四%と全国平均のみならず、特別区においても屈指の財政力を持ち、区民ニーズに的確に応えるとともに、区民の安全・安心や質の高いサービスの提供を実現できる状況に身を置いています。折しも昨年十月に港区財政運営方針が見直され、これからの財政運営の方向性として将来課題を先取りする積極的・戦略的な財政運営の展開が示されたところであります。武井区政四期目で初めての本格予算となる平成二十九年度予算についても重点分野が示されており、将来を見据えて、これらの分野に積極的に取り組んでいくという決意に満ちたものだと感じております。  最初に、平成二十九年度の予算編成において、特に重点を置いた施策とは何か。また、それら重点を置く施策に、新年度どのように取り組んでいかれるのか、区長のお考えをお聞かせください。  次に、まちづくり条例についてお伺いいたします。  武井区長は、平成十六年に初当選し、一期目の平成十九年度には港区まちづくり条例を制定いたしました。この条例は、地域の課題を地域で解決し、地域の発意と合意に基づくまちづくりを推進するためのものであると認識しております。また、各地区総合支所にまちづくり担当も新設し、これまで組織登録された延べ十二の団体に対して、さまざまな活動を支援しています。  港区まちづくり条例では、まちについて考える第一ステップから、まちづくりを実践する第五ステップまでの五段階のステップが考えられています。第二ステップである、活動の輪を広げるまちづくり組織には、現在、赤坂通りまちづくりの会など九地区が登録され、第三ステップである、将来像を共有する地区まちづくりビジョンを登録している地区は、六本木三丁目東地区など三地区となっています。第四ステップである、まちのルールをつくる地区まちづくりルールを決め、区の認定を受けている地区は、六本木三丁目東地区と白金高輪駅前東地区の二地区となっています。港区まちづくり条例制定から間もなく十年になる今日に至り、第五ステップのまちづくりを実践している地区として、六本木三丁目東地区では自主的に地区まちづくりルールを運用する活動が継続して行われています。  また、ほかにも市街地再開発事業への移行を目的として準備組合を設立した白金高輪駅前東地区や西麻布三丁目北東地区、市街地再開発事業の都市計画決定に至った白金一丁目東部北地区、エリアマネジメント協議会という形で発展を遂げた環状第二号線沿道新橋地区など、地区まちづくりルールという形にとどまらず、あらゆる形で活動目的を達成・実現している組織が複数見られると伺っております。それぞれの会には、このままのまちを保全しようとする人々の組織もあれば、老朽化した建物の建て替えや共同化を目的とする組織もあると考えられます。当然、双方の考えが混在している地区があることも考えられます。  区は、これまで各組織の実情に合わせて、制度の改善や適切な支援を進めてきているものと考えておりますが、区長は、港区まちづくり条例制定から今日までの状況を踏まえ、今後の条例を活用したまちづくりについて、どのようにお考えになっておられるのかお伺いいたします。  次に、都市計画についてお伺いいたします。他区の例ですが、千代田区では、区の面積十一・六四平方キロメートルのうち、皇居、北の丸公園を除く約六二%にあたる五・〇二平方キロメートルに一般型地区計画や街並み誘導型地区プラス用途別容積型計画などの地区計画決定をしています。  中央区では、区の面積十・一一五平方キロメートルの約六二%にあたる六・二四平方キロメートルに再開発等促進区を定める地区計画以外の地区計画を決定しています。再開発等促進区を定める地区計画一・三六平方キロメートルを含めますと七・六平方キロメートルとなり、区の面積の実に約七五%に地区計画を決定していることになります。  港区でも地区計画は、新橋一丁目地区など十二カ所、再開発等促進区を定める地区計画が六本木・虎ノ門地区など二十三カ所、都市再生特別地区は浜松町・虎ノ門地区など五カ所の計四十カ所あり、再開発事業など大規模開発と連動しているものと考えております。
     注目すべきなのは、両区が港区まちづくり条例で言うところの第五ステップのまちづくりを実践するため、地区計画を区が主導して決定し、まちづくりを応援していることです。まちづくりにおいて、住民の発意と合意に基づくことは重要なことです。港区まちづくり条例による住民参画と区の計画的なまちづくり政策は、区の都市計画を成す土台であり、まちづくりの両輪と考えます。世界に誇れる港区の実現に向けて、区はどのように達成しようとしているのでしょうか。区長のまちづくりの考え方についてお伺いいたします。  次に、旧耐震基準の分譲マンションの建て替え支援についてお伺いいたします。平成二十八年十一月発行の港区分譲マンション実態調査報告書によると、区内の分譲マンションの総数は千六百六棟、七万九千五百十六戸であり、一九八一年六月前に建築工事を着手された、いわゆる旧耐震基準の分譲マンションは全体の四割にあたる約六百五十棟と推計しています。  港区分譲マンション実態調査報告書の管理者アンケートでは、建て替えの課題として、旧耐震基準の分譲マンションの約四六%が法制限で希望どおり建てられないと回答しており、また、居住者アンケートの自由意見では最多の三十一件において、建て替えの法制限について課題になっていると指摘されております。このように旧耐震基準の分譲マンションにおいては、容積率制限や日影規制などの法制限により、建て替えると現在の建物より縮小せざるを得ない、つまり減築となることが建て替えの進まない要因であると考えられます。  国は、マンションの建替え等の円滑化に関する法律において、現行の耐震基準に満たないため、除却の必要性があると認定を受けた分譲マンションの建て替えについて、市街地の環境の整備改善に資すると認められたものを許可することにより容積率が緩和される制度を設けました。  港区においても、平成二十七年六月一日施行の港区マンション建替法容積率許可要綱により許可基準を定めています。しかしながら、容積率以外の要件である道路や隣地からの高さ制限や日影規制は緩和されません。法制限により良好な環境形成を図ってきた経緯もあり、建て替えであっても現在の規制を前提とせざるを得ないことは承知しております。建て替え後、減築となるような旧耐震基準の分譲マンションの建て替えにあたっては、隣接地との共同化などの実施が考えられます。  分譲マンションの建て替え支援策として、現在、港区ではコンサルタント派遣、建て替え計画案等の作成助成、建て替え助成を行っています。コンサルタント派遣は平成十八年度施行以降六十件の実績があるものの、建て替え計画案等作成助成が二件で、平成二十四年度施行の建て替え助成は実績がない状況と伺っています。  そこで、隣接地との共同建て替えも含め、旧耐震基準の分譲マンションの建て替えが進むよう、支援策の利用が促進されるべきではないかと感じますが、区長のお考えをお伺いいたします。  また、用途地域については、東京都は、平成十三年に東京の新しい都市づくりビジョンを、平成十四年には東京における土地利用に関する基本方針についてを策定し、政策誘導型の都市づくりを進め、これを土地利用の点から推進するため、平成十六年六月に都市計画変更を決定し、港区についても新しい用途地域が適用されることになりました。その後、一斉見直しは行われておりません。  区内には、道路や街区など、わずかの差で住居系と工業系であったり、商業系であったりと用途地域の線が引かれている地域も多数あります。こうした地域では、容積率や建ぺい率の制限において建築の制限の違いが発生している実情があります。老朽化マンションの建て替えの問題もそうですが、用途地域による制限で望む建築物が建てられず、再開発などの手法もとっていないという問題への対応が必要ではないでしょうか。前回の見直しでは、都市活力の維持・発展を図るというのが一つの目的でしたが、その後、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会や海外からの観光客の増加など、都心部が担うべき役割への期待はさらに高まっています。また、区民の建築物の財産価値にもかかわる問題としても見逃したままにできる問題ではないと思っております。  都市計画を決定するのは東京都でありますが、港区は都区財政調整制度の中で、調整三税において東京都に対して大きな位置を占めているわけです。区民の意見、地域の意見を聞き、ここは声を大にして用途地域に関する定期的な見直しを東京都に働きかけてみるべきではないでしょうか。区長のお考えをお伺いいたします。  次に、港区まちづくりマスタープランについて質問いたします。これまでも、国の指定を受けた国家戦略特区やアジアヘッドクォーター特区に関する施策について質問してきました。東京都、ひいては日本全体の国際競争力の強化や国際的な経済活動の拠点としての地位を浮上させるため、規制改革やビジネス支援といった総合的な事業により特区制度を進めていくことは非常に重要であると考えております。  港区は国際性あふれる土地柄、多くの企業が立地する産業基盤、区内に多数存在する観光資源、羽田空港への接続や品川駅及びリニア中央新幹線新駅といった交通拠点など、恵まれた立地条件と豊富な資源を兼ね備えた地域であります。特区エリアにおいて期待される専門医療や教育、情報、環境といった分野の産業においても、その立地と資源を存分に生かし、業務拠点や研究開発拠点を引きつけることができるポテンシャルを十分に有しています。まさに国家戦略特区やアジアヘッドクォーター特区の中枢を占める役割を持ち、これらの強みを生かし、世界中から資金・人材・産業を集め、国際競争力の向上を図るとともに、昨年、東京都が示した二〇二〇年に向けた実行プランでもある、国際金融都市としての成長のエンジンとなるべきです。  そのためにも、国や東京都とともに特区の魅力を高めるとともに、港区としても都市環境や交通インフラ、生活安全など、さまざまな分野の施策をさらに進めていく必要があると考えます。こうしたまちづくり全体と特区の関係については、以前も港区まちづくりマスタープランの将来像に関連して質問しました。今回、この港区まちづくりマスタープランの改定作業が進められています。新しい港区まちづくりマスタープランの中で、特区とのかかわりや、特区が目指す国際競争力の向上がどのように反映されていくのかお伺いいたします。  次に、文化芸術振興についてお伺いいたします。  東京二〇二〇大会が開催される二〇二〇年は、国内外に対して東京の魅力を大きくアピールする絶好の機会です。前々大会の開催地であるロンドンでは、オリンピック・パラリンピック競技大会の招致活動を契機に、自身の持つ文化的な魅力に注目し、開催地が決定した二〇〇四年頃から、都市で生活する人々における文化芸術の重要性や必要性を強く訴えるようになりました。同時に、いかにロンドンの文化芸術力が高いかをアピールします。  もともと一九九〇年代後半に当時のブレア首相が仕掛けたクールブリタニアにより、文化を生み出すクリエイティブ産業の担い手や、先端文化やポップカルチャーへの援助を通じ、文化的な魅力を育む素地を持っていたこともありますが、ロンドンでは市が後押しをして、自らが持つ文化芸術力をさらに強化し、これをイギリスの歴史や伝統とうまく結びつけることにより、ロンドン観光の目玉を幾つもつくり出すことに成功しました。これによって世界中から人々を集め、二〇一五年にはロンドンの外国人訪問者数は千八百八十五万人と、ニューヨークの千二百万人よりはるかに多くなりました。  日本にも同じことが言えます。世界から多くの訪問客を呼び、二〇二〇年の後も東京が都市として輝き続けるためにも、文化芸術における魅力が何かを探り、今から文化芸術の向上に力を入れていく必要があります。  国別の文化芸術への投下される予算総額を比較すると、日本は決して高いとは言えません。一位はフランスで九千五百十五億円、イギリスは二位で三千五十七億円、三位は韓国で二千三百二十三億円です。日本はというと、千五百六億円と韓国にもおくれをとり、イギリスの半分以下という現状です。  文化芸術の振興を通じて港区のイメージアップや知名度をさらに高めるため、具体的には、例えば企業や産業とコラボレーションしていくことが考えられます。アメリカやイギリスでは、映画を使って自国のライフスタイルや製品、都市景観のすばらしさを発信しています。このように映画やドラマのロケ地として誘致することで、世界中の人々に港区の魅力を知ってもらうことができます。  一月の中国の旧正月であります春節の時期には、多くの観光客が日本を訪れましたが、以前のいわゆる爆買いではなく、映画やドラマのロケ地をめぐる、コト消費が増える傾向だったと言われています。私たちもオードリー・ヘプバーン主演のローマの休日を見て、実際にローマに行き、階段の下でアイスクリームを食べ、真実の口に手を入れてみたいと思うことがあるように、映画はその国を映し出す鏡であり、文化である同時に、効果的な観光宣伝ツールだと思います。  日本は、世界の主要な映画製作国の一つですが、映画やテレビなどの撮影環境においては必ずしも整っているとは言えず、ロケーション撮影を誘致し、撮影に必要な許可をとる、関係する方面との交渉を行うといった撮影に協力するための組織がありませんでした。欧米諸国においては、映画などが重要な文化活動と認識されており、映画やテレビの撮影地になることによって地域の知名度が飛躍的に向上することや、関連産業を通じて経済効果と雇用の創出につながること、地域の文化芸術の育成にもつながることから、多くの自治体が誘致に積極的に取り組んでおり、州あるいは市町村単位でフィルム・コミッションという公的機関が設立されています。  注目度の高い文化イベントやスポーツイベントに、道路などの公共的な場所を使うことも考えられます。現状では申請や許可の窓口が一本化されておらず、港区や東京都、警察署や保健所などと協議が必要で煩雑です。台東区浅草の六区ブロードウェイ商店街振興組合では、国家戦略特区における道路法の特例による道路占用許可等の緩和事業認定を受け、継続して道路占用が可能となることにより、まち全体を劇場と捉え、エンターテインメントを中心に国内外観光客の憩いや休息の場となる空間やにぎわいを創出することを目指すということです。道路空間を利用したオープンカフェの社会実験も行われています。大きなイベントが開催されればメディアの取材なども入り、都市空間を知ってもらういい機会になります。  韓国のソウル市では、文化地区として指定された地域の各種文化施設や業種は、税や負担金に対する減免を受けることができるほか、建築基準の緩和や補助金、施設への入居支援、融資などを受けることができます。これにより大学路と呼ばれる文化地区が生まれ、同地区には大小さまざまな百以上の劇場が集積し、文化芸術の道というイメージを持ち、ソウル市全体においても重要な役割を担っているということです。  また、港区には、港区を本拠地とした東京室内管弦楽団やたくさんの劇団、多くの美術館、劇場、シアターなどの文化芸術資源が集積しています。港区では年二回、区内の美術館や博物館をめぐる、ミナコレを開催しており、こうした文化芸術施設とも協力関係にあります。森美術館や国立新美術館、サントリー美術館、サントリーホール、俳優座やZeppブルーシアター六本木など、既にある魅力として、こうした施設が核となり、港区と協力して活動し、人を呼び込んでいくことも可能ではないでしょうか。  二〇二〇年、その先を見据え、港区の魅力をさらに高めていくため、映画の撮影などの支援や、公共空間の利用緩和、文化地区の支援なども含めて、文化芸術振興に取り組んではいかがでしょうか。区長のお考えをお伺いいたします。  モビリティシェアリングの普及促進について質問いたします。  区では、自転車シェアリングに積極的に取り組んでいます。現在、策定に向けて最終の検討をされている港区まちづくりマスタープランの素案段階においても、さまざまな施策の中で自転車シェアリングについて言及されており、交通、観光、環境、健康といった分野での取り組みとして、今後もますます推進していくことがわかります。  同様に、平成二十七年十月に策定された港区低炭素まちづくり計画においても、環境に配慮した交通環境の整備として自転車シェアリング実証実験やカーシェアリング制度の普及促進が取り上げられており、今後の低炭素化の取り組みとして、こうしたモビリティシェアリングによる推進が掲げられているところです。  また、昨年六月に公表された東京都臨海部地域公共交通網形成計画では、BRT計画に伴い、幹線的公共交通へスムーズに乗り継ぐことができるように端末交通や内々交通の充実という目標を掲げ、具体的な公共交通施策として自転車シェアリングの拡充と小型モビリティ等の新たな内々交通機関の導入が検討されています。こうした自己所有の自転車や自動車から共用の自転車や自動車へとシフトしていく考え方は、国でも環境省を中心にシェアリングエコノミーの推進モデルとして注目されているところです。  民間においては、これらの乗り物のほかに、EVバイクや電動車椅子のシェアリングに至るまで、さまざまな実証実験が行われています。こうしたモビリティのシェアリングを民間企業が個別に実施していくことはもちろん、それぞれの民間企業の得意分野に特化していくという意味で重要かと思いますが、行政が関与することで統合的な利用環境を提供していくことができるようになるという側面もあろうかと思います。  そこで質問は、さまざまなモビリティシェアリングの普及促進に対して、区はどのように取り組んでいくのか、区長のお考えをお聞かせいただきたいと思います。  次に、大規模災害への対策についてお伺いいたします。  平成二十八年四月に発生した熊本地震、十月には鳥取県中部地震など、昨年は我が国の至るところで自然災害に見舞われた年でしたが、新年を二週間後に控えた十二月二十二日にまた痛ましい災害が発生しました。新潟県糸魚川市で、古い木造雁木づくりの街並みが並ぶ地域で火災が発生し、折からの強風にあおられて三十時間以上燃え広がり、現地では三百六十三世帯、七百四十四名の住民に避難勧告が出される事態となりました。延焼は続き、百四十四棟、約四万平方メートルが焼失し、多くのけが人を出す災害となりました。  都市部の木造密集地域で発生したため、隣の建築物との間隔がなく延焼を防げなかったこと、消防車の出動が十分でなく、近隣の消防本部からの応援が必要で初動の消火活動が難航したこと、非常に強い南風により、北側にあたる日本海側の市街地で火災が拡大したことなどもあり、近年まれに見る大規模火災となりました。強風により広範囲に延焼したこともあり、自然災害として被災者生活再建支援法の適用対象にもなりました。テレビのニュースなどの衝撃的な映像はいまだ記憶に新しいところです。  一方で、あれだけの大規模火災であったにもかかわらず、人的な被害はけがをされた方を出すにとどまったことは、その結果に安堵とするとともに、必要な対策がとられていたためであると聞いております。火事であっても災害はいつ来るかわからない、事前の対策の重要性を再認識させられました。  区内には幅の狭い道路が入り組んだ地域や、木造家屋が密集した地域も散見されます。また、今回は大規模火災ではありましたが、事前の備えというのはさまざまな災害に対して重要です。阪神・淡路大震災では、犠牲となった方の実に八割以上が家屋の倒壊などによるものであったことから、建築物の耐震対策や家具の転倒防止対策が有効であったことがわかり、対策が進みました。東日本大震災では、津波に対する正しい知識と避難行動、日頃から災害時の行動について準備しておくことが重要だとわかりました。熊本地震ではプッシュ型の物資支援に対する物資の仕分けや配送の重要性が再認識されました。  区民の生命や財産を災害から守り、災害が発生した場合も即時に適切な対応ができるよう、過去の事例に学ぶことは大切です。今回の大規模火災を含め、過去の災害を教訓に、港区はどのように取り組んでいるのかお伺いいたします。  次に、ベンチャーキャピタルなどによる創業・起業支援についてお伺いいたします。  東京都は日本を牽引する経済圏であり、治安の高さ、整備され正確に運行される交通機関、集積した人材や資金、良好な環境と、他の追随を許さないポテンシャルを持っております。中でも港区はトップクラスの規模と可能性を持っています。このポテンシャルを生かして、日本中、世界中から新たな企業を呼び込み、経済を活性化させることが必要なことだと信じております。企業を呼び込み、新たな創業を育むことで、それが更なる発展の基礎となります。  創業については、以前もベンチャー企業やスタートアップに対する区の積極的な支援について質問がありましたが、海外企業と区内中小企業との双方向での情報交換の機会の創出や、大手企業とベンチャー企業を結ぶ事例の成果も生かしながら創業支援の充実に努めていくということでした。  創業間もない企業は成長に伴い雇用を生み出し、開業率の上昇は経済成長率ともプラスの相関関係がありますが、港区においては各種特区制度の認定を受けており、起業に有利な環境であるにもかかわらず、ベンチャー企業を支援するにはまだまだ取り組むべき点があると感じております。昨年、赤坂に東京都が東京開業ワンストップセンターをオープンしました。国内外の企業に対し、会社設立手続や経営相談を集約して提供するワンストップの創業支援です。ワンストップ相談やマッチング支援、ハンズオン支援など、あらゆる方向からこうした創業を支援していくためには港区の取り組みも重要であります。港区は開業率も高く、インキュベーターからベンチャー企業を育成し、港区の経済を活性化し、これが経済の好循環を生み、港区に還元するという流れをつくるためにも、区としても積極的に創業支援にかかわっていく必要があると感じます。  港区でも創業を目指す人に対して相談に応じ、創業計画をつくり、創業資金について金融機関に低利あっせんをするなど、区内の産業の発展のために創業を後押しする制度がありますが、中小企業支援の中で取りそろえられたものであり、資金については貸付で、一定の金額にとどまっています。  創業時の資金調達という面から言えば、創業者は、一部は自己資金のほか、親類・知人などから資金提供を受ける直接金融により必要な資本・資金を確保するという手法がありますが、これには限界があります。創業当初からスムーズに、積極的に事業展開していくためには、事業が成功するまでのリスクを引き受けるベンチャーキャピタルの橋渡しが必要となるのではないかと考えます。これらの窓口として、行政書士や司法書士が創業・起業者をサポートして事業計画書を作成し、創業時やその後の資金調達を行っていく場合もあります。港区においても東京都行政書士会港支部や東京司法書士会港支部に窓口を請け負ってもらい、ベンチャーキャピタルとも協力関係を築くことで、ベンチャー企業の創業支援、参入支援をしていくべきではないでしょうか。区長のお考えをお聞かせください。  次に、みなとタバコルールについてお伺いいたします。  みなとタバコルールは、私が初当選した平成十五年に始まり、既に十四年を迎えようとしております。思い返せば、当時は駅を出たところで歩きながらたばこを吸う人がいたり、吸い殻をポイ捨てする人がいたりした状況でした。当時、千代田区が路上喫煙に罰則を適用したことが大きな話題になりました。千代田区では、千代田区生活環境条例という条例の中で、路上禁煙地区で喫煙したり、吸い殻を捨てたりすることに対して罰則を科していることは広く知られていることですが、港区では罰則ではなく、マナーを守ることを呼びかけ続け、港区として快適な環境づくりを目指してきたわけです。区が指定喫煙場所をつくり、喫煙場所はその後パーテーションで仕切られるような対策がとられました。広報活動やキャンペーンを繰り返し行ったり、巡回指導というパトロールをしたり、地道に取り組んできたことで、当時と比べると歩きたばこをする人は大きく減りました。とても印象に残っております。  その後、平成二十六年度にはみなとタバコルールの条例ができ、港区が目指す姿が条例としてはっきりと示されました。罰則で人を縛るのではなく、たばこを吸う人一人ひとりが大人としてのマナーを守り、自己責任で周りの人々の迷惑にならないようおのずと配慮し合うという、港区が目指す姿は私も大いに賛同するものであります。私の知る限り、海外におきましても、従来から自分自身のモラルにおいてマナーを守り喫煙するという考え方が一般的なものでありました。こうした考え方は正しいものであると思うのですが、近年、海外においても公共スペースでの喫煙についての規則が厳しくなってきております。東京二〇二〇大会を控え、政府においても受動喫煙防止の観点から規制を強化する動きもあるようです。渋谷区では、吸い殻のポイ捨てに対する罰則を路上喫煙に広げていくということも検討しているようです。こうした世の中の動きを踏まえると、大人のマナーは守りながらも、より厳しい政策をとる必要があるのではないかと感じるところです。  そこで質問ですが、路上喫煙や歩行喫煙対策をさらに進めるため、みなとタバコルールにおいて、たばこ対策を今後どのように進めていくのか、区長のお考えをお伺いいたします。  最後に、高齢者の見守りについてお伺いいたします。  港区では、ライフライン事業者や信用金庫、生活協同組合、新聞販売同業組合、コンビニエンスストアといった事業者と高齢者の見守りについて協定を結び、これらの事業者が高齢者の異変に気づいたときに区に通報したり、安否確認をするなどの対応がとれる体制を整えています。高齢者はひとり暮らしであったり、隣近所と日頃からつき合いがなかったり、外出することに抵抗を感じて自宅に引きこもったりと、いろいろな問題を抱えていることがあります。こうした協定を各地区にある高齢者相談センターやふれあい相談員の日常の活動と組み合わせて、区内の高齢者が安心して毎日を港区で過ごせるということは大変意義のあることだと思います。  以前、私は自らの未来の政策提言としまして、ネットワークを生かした地域の防犯や高齢者の方の在宅確認を、郵便局との提携から実現するという提案をしました。イの一番の提案ではなかったかと自負しております。日本郵便では、郵便局員が高齢者の自宅を訪問し、会話することで健康状態など生活の様子を確認して、訪問の結果を家族や医療機関に知らせることができるサービスを開始したとのことです。  また、平成二十九年一月末に日本郵便株式会社東京支社が東京都と高齢者等に対する緩やかな見守り等を行う、東京都と事業者との連携による高齢者等を支える地域づくり協定を締結したと聞いております。郵便局員は毎日区内で郵便物を配達し、地理や地域の状況にも詳しく、区民についてもよく知っております。  そこで質問いたしますが、高齢者が安心して暮らせるよう区と日本郵便株式会社が連携し、より実効性のある高齢者の見守りについて取り組むべきだと思いますが、区長のお考えをお聞かせ願います。  以上で質問を終わります。ありがとうございました。   〔区長(武井雅昭君)登壇〕 ○区長(武井雅昭君) ただいまのみなと政策会議を代表しての七戸淳議員のご質問に順次お答えいたします。  最初に、新年度予算の重点施策と取り組みについてのお尋ねです。  平成二十九年度予算では、三つの重点施策を定め編成いたしました。第一に、安全・安心で快適な都市の魅力を発展・成熟させる取り組みとして、震災復興基金の積み立てや高層住宅等の震災対策の促進、客引き防止の強化や落書き対策などに取り組んでまいります。第二に、夢と希望に満ちた子どもの明るい未来につなげる取り組みとして、待機児童ゼロや早期の児童相談所設置に向けて取り組むとともに、学習支援等により子どもの未来を力強く応援してまいります。第三に、住み慣れた地域で心豊かに暮らし続けられるための取り組みとして、働き盛り世代などの健康を守るがん対策の充実や、高齢者の安らぎある在宅生活を支える地域包括ケアシステムの構築に取り組んでまいります。  次に、まちづくりについてのお尋ねです。  まず、まちづくり条例についてです。区は、地区の将来像を共有するまちづくりビジョンの構築段階での支援策を強化するため、まちづくり組織の登録団体へのアンケートやヒアリングによって活動における課題を把握した上で、区民に使いやすい制度となるよう取り組んでまいりました。  具体的な改善点として、ビジョン登録の有効期限を更新できるよう施行規則を改正するとともに、運用マニュアルを策定し、環境美化や防災等の地域活動に限り区民の同意要件を緩和できるようにいたしました。今後も、まちづくりに関する情報提供や窓口相談を充実させるとともに、各地区総合支所と街づくり支援部が連携し、積極的に地域の中に入ることで、条例の目的である、人にやさしく、良質な都市景観及び居住環境の維持及び創造に資する、地域の特性を生かしたまちづくりの支援ができるよう努めてまいります。  次に、都市計画についてのお尋ねです。区では、地域特性に応じた居住環境と都市活動の均衡がとれたまちを目指し、適切に土地利用を誘導しております。また、高度地区や日影規制など、千代田区や中央区にはない制度を長年運用し、めり張りのある市街地環境の形成に取り組んでまいりました。  地域の総合的なまちづくりの方針であるまちづくりガイドラインや、本年四月に改定する港区まちづくりマスタープランは地区計画の前提となるもので、その策定過程では、区民の皆さんとの意見交換を重ねて丁寧な合意形成に努めてまいりました。区は、まちづくりマスタープランの将来都市像うるおいある国際生活都市の実現に向けて、社会情勢の変化に柔軟に対応し、港区ならではの魅力あるまちづくりを展開してまいります。  次に、旧耐震基準の分譲マンションの建て替え支援についてのお尋ねです。区は、区分所有者の費用負担を軽減し、耐震化に対する意識を高めるため、平成二十九年度から旧耐震基準の分譲マンションの耐震診断費用と、隣接地との一体化も含めた建て替え計画案の作成費用について、これまでの一部助成から全額助成に拡充いたします。このことにより、現行のコンサルタント派遣とあわせて、建て替えに向けた一連の流れを区分所有者の費用負担なく実施することが可能となります。今後、旧耐震基準の分譲マンションの建て替えが促進されるよう、新たに拡充した支援策に重点を置いた区民にわかりやすいパンフレットを作成し、周知をしてまいります。  次に、用途地域の変更についてのお尋ねです。用途地域は、道路の整備水準、地域特性や土地利用の状況を踏まえ、都市のあり方を計画的に誘導するものです。用途地域は、平成十六年まではおおむね八年ごとに東京都が一斉に見直しをしてきました。現在は、都市機能や道路基盤の更新などの課題にきめ細かく対応し、地域の方々の意向を反映できるようにするため、個別の地区計画の決定にあわせて用途地域を変更する制度として改められました。今後も区は、港区まちづくりマスタープランに示した将来都市像を実現するため、環境と都市機能とのバランスを図りながら、東京都と連携・調整して都市基盤の整備と適切な土地利用を誘導してまいります。  次に、港区まちづくりマスタープランの改定についてのお尋ねです。今回の改定では、産業の国際競争力強化や、日本経済を牽引する魅力的な拠点形成など、区に期待される役割や位置づけも盛り込み、まちの将来像を組み立てました。目指すべきまちの姿に、世界に開かれた国際的なまちの視点を加え、外国人ビジネスマンや旅行者の受け入れ環境整備、区内の多様な資源を活用したMICEの誘致など、国際化・観光・文化の分野と連携したまちづくりについて内容を充実いたしました。今後も、東京の経済活動の一翼を担う拠点整備を支援するとともに、誰もが快適に住み続けられ、多様な人々が交流する魅力や活力にあふれる都市機能と環境のバランスに配慮したまちづくりを推進してまいります。  次に、文化芸術振興についてのお尋ねです。  区内では、さまざまな場所でドラマや映画などの撮影が行われており、映像を通じて港区の魅力が広く発信されています。区においても現在、多くの区立公園をロケ地として開放しております。今後、観光施設や公共施設などでのロケや撮影をサポートする仕組みを検討し、文化芸術の振興や地域のにぎわい創出につなげてまいります。  また、区内の文化芸術団体と連携を強化し、障害のある人がパフォーマンスを披露するなど、より多くの港区ならではの文化プログラムが年間を通じて行われるよう支援をしてまいります。  次に、モビリティシェアリングの普及促進についてのお尋ねです。  モビリティシェアリングは、自転車や自動車など、さまざまな乗り物を共用利用する手法で、現在、区が積極的に推進している自転車シェアリングと同様、環境負荷の低減や観光振興、また、高齢者を含むあらゆる世代に有効な交通手段です。  区では、港区まちづくりマスタープランや港区低炭素まちづくり計画に基づき、自転車シェアリングの推進やカーシェアリングの普及促進を図っております。今後は、民間事業者の協力を得ながら、その他のさまざまなモビリティシェアリングについても普及促進を図ってまいります。  次に、大規模災害への対応についてお尋ねです。  区は、過去の大規模災害での教訓を踏まえ、阪神・淡路大震災では、家具転倒防止対策の推進、東日本大震災では、津波避難ビルの指定などを行ったところでございます。そして、昨年の熊本地震では、救援物資の避難所への輸送方法などについて、それぞれ検討を進め、港区地域防災計画に反映させました。  また、多くの災害では、個別支援のこととなります罹災証明の発行に必要な建物の被害認定調査において、建築職など専門知識を有する調査員の不足が課題となったことから、区は、区内の建設関係団体と協力協定を締結し、体制の強化に取り組んでおります。今後も、災害から得られた教訓を生かし、区の実情に即した災害対策を推進してまいります。  次に、創業及び起業支援についてのお尋ねです。  ベンチャー企業は、銀行の支援を受けにくく、ベンチャーキャピタル、いわゆる投資型ファンドを活用する例が、民間レベルでは増加しております。しかし、自治体が投資型ファンドの活用を直接支援する例は、全国においても少数にとどまっております。今後、投資へのリスクも含め、既に取り組んでいる自治体の事例を調査・研究するとともに、創業や起業において、登記をはじめ複雑な事務手続を効率的に進めることができる司法書士や行政書士の活用についても検討してまいります。  次に、みなとタバコルールの今後の取り組みについてのお尋ねです。  区は、町会・自治会などの環境美化活動をはじめ、区と連携した地域ぐるみの取り組みによって、みなとタバコルールは地域に着実に定着してまいりました。一方で、今年度実施した指定喫煙場所での聞き取り調査では、利用者の約九割の方が在勤者や仕事、観光等で港区に来られた方でした。このため区は、区内の事業者に喫煙場所マップを掲載したみなとタバコルールの啓発チラシを配布し、従業員への周知を図るとともに、駅でのポスター掲示や喫煙場所マップの配布により、仕事や観光などでの来街者への周知を進めております。  また、ルールを守らない喫煙者や事業者に対しては、巡回指導等によるルールの徹底や、条例に基づく勧告・公表等も視野に指導の強化を図っております。今後も国等における喫煙対策の動向も注視しながら、みなとタバコルールの推進に取り組んでまいります。  最後に、高齢者の見守りについてのお尋ねです。  区ではこれまで、ライフライン事業者、港区新聞販売同業組合等の地域の事業者と、高齢者の見守りに関する協定を締結し、地域での見守り体制を強化してまいりました。さらに、東京都が締結した高齢者等を支える地域づくり協定に基づき、郵便局員が高齢者の異変を発見した際に、区に連絡する仕組みが整備されました。今後、区は、郵便局等の地域の事業者を対象に見守りに関する講習会や認知症サポーター養成講座を開催し、高齢者への知識や対応の向上を図るなど、実効性のある高齢者の見守り体制の構築に取り組んでまいります。  よろしくご理解のほどお願いいたします。 ○議長(うかい雅彦君) 議事の運営上、暫時休憩いたします。                                       午後二時四十六分休憩                                         午後三時十分再開 ○副議長(近藤まさ子君) 休憩前に引き続き、会議を再開いたします。  一般質問を続けます。次に、三十一番林田和雄議員。   〔三十一番(林田和雄君)登壇、拍手〕 ○三十一番(林田和雄君) 平成二十九年第一回港区議会定例会にあたり、公明党議員団を代表して、武井区長並びに青木教育長に質問いたします。  さて、日本経済は四年余りにわたる自公連立政権の取り組みで、再生への道を着実に歩んでおります。雇用や賃金などが大きく改善されている点は、主な経済指標が物語っているところであります。雇用面では、就業者数は二〇一二年の六千二百七十万人から二〇一六年には六千四百四十万人で、およそ百七十万人増加しています。生産年齢人口が減少する中、女性や高齢者の就業が進んだことで全体の数を押し上げているという結果となっています。有効求人倍率は一・四三倍と二十五年五カ月ぶりの高水準を示し、大学生の就職率は九七・三%と調査が始まった一九九七年以来過去最高、高校生の就職率でも二十四年ぶりの高水準を示したことは、ご承知のとおりでございます。  また、賃金では、賃上げ率が三年連続で二%を超え、本年も賃上げムードにあると報道されています。夏冬の賞与も四年連続で増加し、最低賃金の上昇とともにパートの平均時給は過去最高を示しております。中小企業の収益は、二〇一二年度の十六兆円から二〇一五年度は二十一兆円へと五兆円増え、三年間で一・三倍となっております。その結果、二〇一五年度の倒産件数は約八千七百件で、二〇一二年度の約一万二千件から三割減少しています。しかし、社会経済の先行きに不透明感があることは、多くの市場関係者が指摘しているところであります。こうした状況に満足することなく、引き続き、きめ細やかなかじ取りに期待したいと思います。  さて、本年七月には東京都議会議員選挙が予定されています。東京都では豊洲市場の移転時期の見直しや市場関係者への賠償問題、今後の施設使用の是非など、都民生活に直結する課題が山積しております。最近の報道では、豊洲市場開設に当たり土地取得の経緯が問われており、今後、東京都議会のチェック機能と真相解明への姿勢が問われてくると思います。  都議会公明党は、東京都知事が二代続けて政治と金の問題で辞任した経緯もあり、豊洲市場問題の発生が重なり、都政・都議会への不信や疑問が頂点に達したと判断し、昨日二月十五日、東京都議会運営委員会に対し、昨年十一月に公表した身を切る改革の条例案を提出したところであります。ご承知のように、その内容は、東京都議会議員の議員報酬二〇%の削減、政務活動費の削減と領収書、収支報告書の写しの全面公開、本会議・委員会開会時に支給される費用弁償の廃止、この三点となっています。今後、開会される東京都議会定例会で審議される見通しですが、議員としての襟度を保ち、都民の信頼をかち得る審議内容と結果であっていただきたいと申し上げ、質問に入りたいと思います。  初めに、所信表明についてお伺いいたします。  武井区長は、昨日の本会議での所信表明において、「区政全体を俯瞰しながら、行政の力、区民の力、民間の力、さらには全国各地域との連携の力の四つの力を組み合わせ、区民の誰もが、安全・安心を基盤に、生涯を通じて快適に暮らすことができる、活力とやさしさに満ちたまちの実現に向けて、全力で挑戦していく」と述べられました。  そして、地域の人材、多様な活動主体とのつながりを十分生かしながら、四つの視点を掲げています。  第一に、子どもたちを健やかに育むまちへの挑戦。第二に、心豊かで健康な暮らしへの挑戦。第三に、活気あふれる魅力あるまちへの挑戦。そして、第四に、誰もが安全に、安心して過ごせるまちへの挑戦であります。こうした四つの方針を着実に具現化できるのは、総合支所を中心に参画と協働を推進し、区民や地域との絆を深めてきた港区だからこそと、そのように感じます。  区は昨年、平成二十九年度末までを対象期間としていた港区財政運営方針を、一年前倒しして改定しました。前方針策定時であった平成二十三年度の財政収支状況や区政運営上の課題は、大きく様変わりしております。区民の人口増加と港区生まれのお子さんの増加による保育・教育施設の充実や、高齢者・障がい者への福祉施策の充実、大規模地震など自然災害への備えと復興計画、さらには新駅の建設や環状第二号線沿いのまち並みに代表されるまちづくりへの対応などが挙げられます。  また、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会成功へ向け、国・東京都と足並みをそろえ、(仮称)区民マラソン大会の実施や、子ども向けのミニトライアスロン大会の開催などを通じて気運醸成を高めることや、港区の魅力を全世界に発信する観光事業の強化などは、待ったなしの状況になっていると思います。  武井区長は、所信表明で「区民の誰もが、安全・安心を基盤に、生涯を通じて快適に暮らすことができる、活力とやさしさに満ちたまちの実現に挑戦する」と述べられましたが、行政の力、区民の力、民間の力、さらには全国各地域の力をどのように組み合わせ、迅速に施策に反映するかという仕組みづくりが重要ではないでしょうか。
     そこで質問は、武井区長の思いを具体的に実現するために、今後どのような取り組みが必要かつ重要とお考えなのか、区長の見解をお伺いいたします。  次に、災害時における民間協力団体との協定についてお伺いいたします。  災害時には、区のみでは十分な応急対策活動ができない場合に備え、医療救護活動、食糧・飲料水の提供、物資輸送など、さまざまな分野の災害対策業務について、民間団体等と災害時協力協定を締結していることは承知しております。その数はおよそ八十団体にも上っています。しかしながら、災害対策において、協力協定を締結してそれで安心ということではなく、災害時にその協定に基づき、応急対策活動が円滑に行えるよう、協定締結後の協定先との良好な関係づくりが非常に重要だと思います。協定締結後、疎遠になっていると、いざ災害に起こった際に協力を求めても、締結時の担当者が変わっていてうまく取り次ぐことができないなど、速やかに協力を得ることができず、応急対策活動に支障を来すことがあるかもしれません。  また、協定を締結した年が昭和五十五年のものなど、協定の締結からかなりの年数を経過しているものもあると聞いております。そのような時代から現在に至るまでの間に、平成七年に発生した阪神・淡路大震災を初めとして、平成二十三年の東日本大震災、昨年は熊本地震、鳥取県中部地震と、多くの地震災害が発生しております。その多くの災害により得たさまざまな教訓により、災害対策についても日々進化していることと思います。それにあわせ、過去に締結した協力協定の内容も、見直しが必要なものもあるのではないでしょうか。  そこで質問は、民間協力団体との協定について、災害時により実効性を高め、円滑な協力が得られるよう、区はどのような取り組みが必要とお考えでしょうか。武井区長のお考えをお伺いしたいと思います。  次に、避難行動要支援者への支援態勢についてお伺いいたします。  大規模災害発生時に、高齢の方や障がいのある方で、情報収集や避難をする際に支援が必要な方を対象として、平成十九年五月から始まった災害時要援護者登録制度は、災害対策基本法の改正に伴い廃止となり、平成二十七年十月からは、新たに避難行動要支援者登録制度として、特に支援を必要とする人を対象にスタートいたしました。  登録の対象者には、身体障害者手帳一・二級、愛の手帳一・二度、精神障害者保健福祉手帳一・二級、これらの手帳を所持するひとり暮らしの人という要件があります。しかし、たとえひとり暮らしでなくても、六十五歳以上の高齢の親などは障がい者の避難支援を十分にすることができないという障がい者団体からのご意見もあり、昨年十一月からはひとり暮らしでなくても、前述の障がい者以外の世帯全員が六十五歳以上である場合も登録対象となりました。  現在、区では、新たに対象拡大となった方々へは登録事業のご案内にあわせ、港区避難行動要支援者情報提供同意書の郵送を終えたところと伺いました。今後、情報提供の同意を得た方については、支援関係者である警察署、消防署、消防団、民生委員・児童委員、町会・自治会等に区から名簿を提供し、災害に備えた訓練や発災後の安否確認に活用していただくことになります。  さらに、区から指定居宅介護支援事業者等に訪問調査を委託し、避難支援に必要な情報を具体的に記載した個別支援計画を作成し、避難支援態勢を構築することになります。名簿の受け手側である支援関係者には、避難行動要支援者登録制度の目的や内容等も含め、周知に努めていると伺っています。支援関係者や個別支援計画の中で、具体的に避難の支援にあたる方々の個人情報の管理が重要と考えます。  そこで質問は、個人情報の保護と個人情報管理をどのように進めようとされるのか、区長のお考えをお伺いしたいと思います。  また、避難支援態勢を構築するには、地域に根差した担い手が必要と考えます。昨今、災害に対する関心が高まり、各地域では多くの防災士が誕生しています。こうした地域の現状を理解している防災士の方々に、地域での安否確認の担い手として活動していただくことも考えられると思います。  そこで質問は、地域ぐるみでの支援関係者と連携できる仕組みづくりに地域の防災士のご協力をいただくことについて、武井区長のお考えをお伺いしたいと思います。  次に、障がい者の就労支援についてお伺いいたします。  区の障がい者への就労支援策は、大きく三種類用意されています。障がいの程度によって就労支援の形態は異なりますが、一般企業等への就労を希望する障がい者に、生産活動の機会の提供や就労に必要な能力の向上を図る就労移行支援事業は、障がい者の自立を目指したものと言えます。また、一般企業等への就労は困難ですけれども継続的な就労が可能な障がい者に、就労機会を提供し、雇用契約に基づいた最低賃金を保証する就労継続支援A型、さらに、一般企業等への就労が困難で雇用契約に基づいた就労も困難な障がい者に、就労機会や生産活動の機会を提供する就労継続支援B型と分けられています。  現在、区内の障がい者就労支援にかかわる事業所数は、就労移行支援事業所が七者、就労継続支援A型が五者、就労継続支援B型が七者であり、計十九者による障がい者就労支援が展開されています。区が、障がい者一人ひとりの状況を把握する個別のモニタリングを実施し、適切な指導に努めていることは評価しています。障がいの状況に応じた支援とはいえ、障がい者の就労への意欲にかなった就労環境にあるのかどうか、障がい者一人ひとりと向き合う中で的確に把握することが重要と考えます。  そうした反面、もっと働きたいと望む障がい者の方々がいる現実もあります。障がい者雇用に取り組む事業所の拡大や就労メニューの見直しなど、区の果たすべき役割はますます重要になるのではないでしょうか。今後、区内の障がい者団体や就労支援事業所との連携を図りながら、一人ひとりの障がい者の就労がマッチングするように、支援のあり方を検討していただきたいと思います。  そこで質問は、港区における障がい者の就労支援の課題と今後の取り組みについてお伺いいたします。  次に、保育コンシェルジュについてお伺いいたします。  港区は都心区でありながらも、全ての世代で人口が増加しております。また、平成二十七年の合計特殊出生率は一・四四で、ついに二十三区で単独の一位となりました。人口の構成を見ても、ゼロ歳から四歳の人口増加が顕著となっています。港区生まれのお子さんが増えていることは、大変に喜ばしいことであります。そして、その喜びをしっかりとした子育てに結びつけるため、区として子育て環境の充実を先取りして、迅速に対応していかなくてはなりません。今後、区が予定している子育て支援策として、港区保育室の区立認可保育園への移行並びに新たな港区保育室の設置、既存保育園の定員拡大のための分園づくりや新たな保育園の新設、また私立認可保育園や小規模保育事業所の誘致を進めています。さまざまな事業形態や規模をもって、保育受け入れ定員枠の拡大に向け、施設整備の計画を実施するとしております。  これまでも区は、さまざまな事業形態を駆使する努力を重ね、本年六月までに保育定員を三百三十六名拡大し、区全体の保育定員は七千三百四十二名となります。港区生まれの子どもが増加する中、本年一月一日現在の待機児童数は二百七十二名であり、決して保護者の皆さんが安心できる状況には至っておりません。子育て世代の就業形態の多様化、子育て施設の地域遍在などが存在し、今後の子育て施策は、さらにきめ細やかな対応が求められます。  平成二十九年度の保育施策の新規事業として、保育コンシェルジュの配置が予定されており、大変期待するところであります。相談業務に通じた経験豊富な保育士経験者に保育コンシェルジュになっていただき、児童やその保護者、またこれから母親となる方々に保育施設の情報を提供、さらには相談を受けることで、適切な助言、保育施設の利用促進が図られ、円滑な施設利用につながると考えます。  そうした取り組みを継続する中で、保護者と施設の入園マッチングや、入園できなかった方への代替施設紹介などのアフターフォローも可能になります。利用者の個別のニーズに応じ、積極的な働きかけや支援を行い、施設利用希望者とさまざまな保育サービスを結びつけることが、保育コンシェルジュの業務になります。  さて、横浜市では、保護者との保育ニーズのマッチングをきめ細やかに取り組むことで、保育コンシェルジュの導入一年後に待機児童の八二%を減らし、二年後には待機児童数ゼロを達成いたしました。導入している他の自治体でも同様な成果を上げているところであります。  合計特殊出生率二十三区一位、子育てするなら港区を掲げ、保育定員七千三百四十二名の我が区での保育コンシェルジュの果たす役割は、大変大きいと思います。  そこで質問は、保育コンシェルジュの区内施設への今後の配置予定と、保育コンシェルジュと保育施設との情報の共有や連携などをどのように図ろうとされるのか。また、相談の中で発達障がいや医療的ケアの必要性、家庭内トラブルなど子育てに関する悩みが明らかになった場合、関係部署とどのように連携・対応を図るのか、武井区長のお考えをお伺いいたします。  次に、母子生活支援施設における母子の支援のあり方についてお伺いいたします。  平成二十八年五月の児童福祉法等の一部を改正する法律の成立により、本年四月から、特別区においても児童相談所を設置できることになりました。子育てや思春期の対応などについて思い悩み、相談できるところを求めることは、保護者であれば一度は経験することであります。また、子どもを取り巻く家庭状況の変化やSNSなどの普及、経済的格差による教育の貧困など、子育ての過程で起こる問題は複雑さ、深刻さを増しています。  平成二十七年度に区の子ども家庭支援センターの受理した相談件数は九百二十六件で過去最多であり、児童虐待の相談件数も四百七十八件で増加傾向にあります。最も住民のそばにある基礎自治体である区が、保護者の子育ての思いに添い、複雑多岐にわたる相談を受ける体制づくりの意義は、地域で子どもを守り育てる重要な一歩が刻まれたということであります。  施設の設置と相談体制をとることで、増加する虐待やDVなど、命にかかわる事態に対し迅速かつきめ細やかで継続的な幅広い対応ができると思われます。貧困、虐待の連鎖など、虐待を行う親の側も苦しんでいるといった状況にも取り組める体制づくりに期待したいと思います。  また、(仮称)港区子ども家庭総合支援センターが整備されることで、妊娠から育児、思春期、自立と家庭の状況の変化、親子のライフステージに切れ目のない総合的支援を提供できることになり、港区の子育てには、子ども自身や保護者、家庭を総合的にサポートする体制が整うことになります。  相談・調整の体制に加えて、ハイリスク支援事業として、配偶者暴力支援センターと、さらに母子家庭を守る重要な施設である母子生活支援施設の設置が検討されています。配偶者からのDVにより保護が必要な母と子に、安全・安心を確保して生活と子育てができる施設が(仮称)港区子ども家庭総合支援センターに整備されます。身体的、精神的な被害を受けた母子のケアのため、これまではトイレや風呂が共同である施設もありましたが、時代に見合った、温かみの感じられる雰囲気に配慮した施設づくりの計画が望まれます。  また、法律相談に加え、生活の安定を図るための、自立に向けた就労支援や資格取得などの支援が重要であります。退所後の見守りや、関係部署と連携を図りながら継続的に支援を実施することも考えなければなりません。  そこで質問は、母子生活支援施設における母子支援のあり方について、武井区長のお考えをお伺いいしたいと思います。  次に、再生可能エネルギーの導入についてお伺いいたします。  地球温暖化は、地球全体の気候に変動をもたらし、大規模災害や食糧危機、自然環境の破壊、特に都心部においてはヒートアイランド現象も相まって、熱帯夜の増加や熱中症などにより、生活の快適性の低下や健康面など、人々の生活にさまざまな影響を及ぼしています。現実に、直近のデータによれば、港区の二酸化炭素排出量は、二十三区内で第一位となっています。このことは、港区は社会経済活動が活発であることをあらわしていますが、同時に、環境に負荷をかけている状況であることも認識しなくてはなりません。  区は、今までに、港区民間建築物低炭素化促進制度、みなとモデル二酸化炭素固定認証制度など、先進的な地球温暖化対策に取り組んでいることは、高く評価しています。しかしながら、区の人口増加や社会経済活動のさらなる活発化を踏まえると、今後、本格的な低炭素社会を実現するためには、省エネルギー対策だけではなく、再生可能エネルギーの普及に向けた取り組みが必要と考えます。再生可能エネルギーによる電力は、輸入に頼るところの大きい化石燃料による電力に比べ、二酸化炭素の排出量が少ないだけでなく、エネルギーの自給率の向上にも寄与するものと考えます。  国では、平成二十七年七月に長期エネルギー需給見通しを取りまとめ、徹底した省エネとともに、再生可能エネルギーを最大限導入し、拡大を図るとしています。また、昨年十一月に、首都圏の首長の会議体である九都県市首脳会議では、エネルギーの大消費地である首都圏で再生可能エネルギーを普及させることが重要とし、そのためのインフラ整備を国に求める要望書を提出しています。  そして、昨年四月から電力の小売が全面自由化され、一般の家庭においても、環境に配慮した電気や他のサービスとのセット販売など、電気を購入する際にさまざまな選択ができるようになりました。このように、再生可能エネルギーへの関心が高まり、全国の自治体では、地元の自然資源を使った再生可能エネルギーによる発電事業など、地域エネルギー事業が活発になっています。環境保全のみならず、地域経済の活性化、雇用創出などの波及効果も生んでいます。  福岡県みやま市では、地域生産・地域消費を目指す公共エネルギーサービスの仕組みを構築するなど、日本初の取り組みを実施しています。自然に恵まれた地域特性を生かし、自給自足の電力調達の実現や、ITの活用により電力販売とセットで環境保全に配慮した高齢者支援サービスなどの提供、さらには地域コミュニティの活性化を図っています。ITと電力という二つの公共インフラの総合的なリ・デザインなどが高く評価され、二〇一五年度のグッドデザイン金賞を受賞し、環境先進国のドイツからも視察に来ている状況です。今後も各自治体による再生可能エネルギーの普及・拡大が図られると考えられます。  エネルギーの大消費地である港区においても、再生可能エネルギーの導入・普及を視野に入れた施策が重要であります。そこで質問は、環境保護の観点からも、いま一歩踏み込んだ検討を図るべきと考えますが、武井区長のお考えをお伺いいたします。  次に、区内中小企業の振興についてお伺いいたします。  昨年十二月、内閣府公表の月例経済報告では、景気は一部に改善のおくれもみられるが緩やかな回復基調が続いているとしています。この報告は、実に一年九カ月ぶりに上方修正されたもので、先行きについては、雇用・所得環境の改善が続く中で、各種政策の効果もあって、緩やかに回復していくことが期待されると評価する一方、海外経済の不確実性や金融資本市場の変動の影響に留意する必要があるとの基調判断も示されました。  GDPと並んで重要な景気指標である完全失業率を見る限り、全般的な雇用情勢では、現在は良好な状態にあり、完全失業者数は七十九カ月連続の減少状況になっています。有効求人倍率は、企業の求人票を受け付けたハローワークの受理地別、実際に働く就業地別ともに全都道府県で一倍以上となっており、総務省の労働力調査によると、昨年十二月の完全失業率は三・一%で、引き続き改善傾向が続いています。  また、昨年十二月の有効求人倍率が一・四三倍と二十五年ぶりの高水準を記録したことや、賃金の伸びから物価変動の影響を除いた実質賃金が昨年、五年ぶりに増加に転じたことなど、景気回復を示す指標が相次いでいます。順調に回復傾向にあると言われている我が国の経済ではありますが、一方、我が国三百八十一万社のうち九九・七%を占める中小企業は、依然として厳しい状況にあると言われ、区内の事業者も同様であると思われます。  区内の中小企業の景況を示す報告書でも、最大の課題は販路の拡大にあることが浮き彫りになっています。地域経済の担い手である中小企業が元気であってこそ、港区の発展もあると考えます。そのためには、中小企業が自ら新たな可能性にも積極的にチャレンジしていける支援策が必要ではないかと思います。  そこで質問は、区内中小企業のさらなる飛躍のために、今後どのような支援策を展開されるのか、武井区長のお考えをお伺いいたします。  次に、がん対策基本法の改正に基づくがん予防・重症化予防の取り組みについてお伺いいたします。  がん患者が安心して暮らせる社会の構築に向けた取り組みを強化するための改正がん対策基本法が、平成二十八年十二月九日に成立しました。公明党が長年提案してきた、がん予防やがんの重症化予防の施策が反映されたことは高く評価しています。  具体的には、同法第十三条において、国及び地方自治体は、がんの原因となるおそれのある感染症に係る特定のがん及びその予防等に関する啓発及び知識の普及その他のがんの予防の推進のために必要な施策を講ずるものと規定され、感染症に起因する予防できるがんを確実に予防するため、対策を講ずることが盛り込まれました。  がんの発生原因の中で、細菌やウイルスなどの感染症が占める割合は全体の約二割に上ります。日本では、B型・C型肝炎ウイルスの感染による慢性肝炎を経て起きる肝がん、幼少期にヘリコバクター・ピロリ菌感染を起こし、慢性胃炎を経て起こる胃がん、性行為によりヒトパピローマウイルスに感染し、その後起こる子宮頸がんがその代表です。  区では、肝炎ウイルス検診を既に実施しているほか、がん検診や特定健康診査・基本健康診査などと同時に受診することを可能とし、がんの予防に努めています。今後は法改正を踏まえて、さらなるがんの発生原因とされる感染症検査の無料実施を拡大することに加えて、感染症による予防できるがんの周知・啓発を実施すべきと考えます。  また、同法第十四条第二項では、国及び地方公共団体は、がん検診によってがんに罹患している疑いがあり、または罹患していると判定された者が必要かつ適切な診療を受けることを促進するため、必要な環境の整備その他の必要な施策を講ずるとも規定されました。これまで検診で出た結果の対応は本人に任されてきましたが、受診を避ける人が少なくなく、これではせっかくの検診も意味がありません。発見からスムーズに治療につなぐことで重症化を防ぐことが期待できることから、がん検診の結果、精密検査が必要とされた方には、郵送や電話などによる個別の受診再勧奨を行うことに加えて、精密検査未受診を把握するなどの環境整備を早急に実施すべきであります。  そこで質問は、がん対策基本法の改正を踏まえて、区として、今後、感染症によるがんの予防や確実な精密検査の受診による重症化予防にどのように取り組まれるつもりか、武井区長のお考えをお伺いいたします。  次に、民間分譲マンションへの支援についてお伺いいたします。  区は、全国の人口が減少傾向にある中、老年人口、生産年齢人口、年少人口いずれも増加傾向にあり、平成四十八年までに三十万人を超えることが予想されております。また、民間分譲マンション及び民間賃貸マンション、さらには公的共同住宅の住民の割合は、全住民の九割を超えると言われています。こうした実態を踏まえ、昨年、港区分譲マンション実態調査を実施し、今後の分譲マンションを取り巻く課題の抽出や支援策の方向性を、報告書としてまとめました。  報告書では、高齢者世帯の増加が顕著であり、年齢を重ねることで、港区への定住志向が大変強いことがわかっております。しかし、管理組合を構成する役員のなり手がいないなど、建物の管理が危ぶまれる状況が浮き彫りになりました。さらには、昭和五十六年の新耐震基準施行前に竣工したマンションでは、修繕積立金の不足で耐震診断や建て替え計画の資金欠乏が大きな課題であることが明らかになっています。  国では、マンションの建替え等の円滑化に関する法律による容積率緩和制度で対応しようとしていますが、実効ある対策として機能していない状況にあります。  最近の報道では、分譲マンションの建設は増加している反面、買い手の意識は、分譲マンションを資産とすることへの不安から、賃貸マンションを選択する時代が訪れると予想されています。こうした状況が続いていけば、区内の分譲マンションの住民の高年齢化が一層進み、空き室問題が大きな原因となり、管理不全のマンションを行政としてどのように取り扱えるのかという課題が浮上してきます。  現在、老朽化した住宅が空き家となり、周囲に悪影響を与える問題が全国的に深刻化しています。空き家問題は、今のところ一戸建てが中心ですが、近い将来、分譲マンションについても深刻な問題になっていくと予想されます。  全国のマンションストックは、平成二十四年末で五百九十万戸に達し、このうち昭和五十六年六月以前に建設された旧耐震基準のマンションは百六万戸、さらに昭和四十六年四月以前に建設されたマンションは十八万戸もあります。マンションの完成年次別の空室率を見ると、全体の空室率は二・五%にすぎませんが、昭和五十四年以前の完成マンションでは空室戸数の割合が一〇から一五%と増え、昭和四十四年以前になると二〇%を超える物件が増えていきます。築三十年を超えると、マンションの空室率が高まっていくことがわかります。空室率の上昇とあわせ、老朽化マンションでは区分所有者が住まず、貸し出す例も多くなっています。  港区には、日本で初めて分譲マンションが登場した昭和二十五年代から昭和三十五年代にかけて建設された物件が点在しています。老朽化マンションに対処する方法の一つは建て替えですが、建て替えできたものはわずかです。空室化や賃貸化が進み、管理組合が機能していない例もあり、中にはスラム化しているものもあると言われています。  そこで質問は、マンションの空室問題を都心区の最重要課題と捉え、国や東京都と協議を開始すべきではないかと考えますが、武井区長のお考えをお伺いいたします。  次に、医療的ケアを必要とする児童への教育環境の整備についてお伺いいたします。  今回の所信表明で、武井区長は、「障害のある子どもたちのケアを充実させます」、また、「障害の種類や程度に応じた丁寧な対応を行い、障害のある子どもたち、医療的ケアが必要な子どもたちの健やかな育ちを途切れることなく支えてまいります」と述べられました。保護者にとって大変力強いメッセージであったと思います。また、今年度は全ての区立小学校に特別支援教室が設置されました。障がいのあるなしにかかわらず、教育を受ける権利は平等であるべきです。  代表質問で障がい児の教育を取り上げるきっかけとなったのは、たんの吸引という医療的ケアを受けながら保育園に通園していた児童が、居住地の公立小学校への入学が許可され、入学式を楽しみにしているとの特集番組を見たことからであります。しかし、こうした事例は一般的に受け入れられてはおらず、多くの子どもたちは特別支援学校への入学を勧められるか、保護者の付き添いを求められています。公立小・中学校は、医療的ケアは医師法で禁止された医療行為であり学校ではできないとの理由で入学を拒否したり、特別支援学校の通学さえも許可されず、訪問教育ということが平気で実施されている現状があります。医療的ケアが必要なため、一般の子どもと違う環境で教育を強いられる子どもたちへの、こうした対応を改めてもらいたいと立ち上がった保護者の裁判の積み重ねで、さきのような事例が数多く生まれてきました。  大阪市では、医療的ケアが必要な児童を公立小学校に受け入れて、一般児童とともに学校生活を過ごさせようと長年にわたって準備をしてきました。看護師の経験がある方々を小・中学校に配置することで実現しています。医療的ケアが必要であっても、子どもたちがありのままの自分で、必要なケアが必要なときに、当然の権利として受けられる社会の仕組みが必要だと考えます。必要なケアを受けることで、障がいがあっても当たり前に社会参加ができる、そのような義務教育期間を過ごすことで、社会参加の重要性や人の優しさを感じ取ることができるのではないでしょうか。  そこで質問は、どのような子どもたちも尊厳あるかけがえのない存在として認め、区立小・中学校にもサポート体制をつくるべきでありますが、青木教育長のお考えをお伺いいたします。  最後に、港区の発達障がい教育の課題と今後の方向性についてお伺いいたします。  平成十七年に施行となった発達障害者支援法には、国及び地方公共団体は、適切な教育的支援、支援体制の整備その他必要な措置を講じる責務があることが規定されました。  平成十九年には、学校教育法の一部改正で、特殊教育から特別支援教育への転換が図られ、発達障がい児が在籍する全ての学校において、特別支援教育が実施されることになりました。その後、障害者の権利に関する条約の批准、平成二十八年四月には障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律、いわゆる障害者差別解消法も施行となりました。  区では、この間、発達障がい児に対する支援として、就学前の幼児には臨床発達心理士による巡回相談、就学後には学習支援員の派遣、そして、モデル事業として区立小学校六校に設置していた特別支援教室は、平成二十八年度から全小学校に設置されました。これまで全区立小学校に在籍する発達障がい児を対象とした学級は、区では東町小学校のみに通級指導学級として設置されていましたが、在籍校からの保護者の送迎が必要となることから断念せざるを得なかったケースや、在籍校の学級担任が通級での児童の様子を把握し切れないなどの課題もありました。  こうした背景もあり、区では平成二十八年度から全小学校に特別支援教室を設置し、東京都からは巡回指導教員、特別支援教室専門員、臨床発達心理士が派遣されました。巡回指導教員は各校に出向き、対象児童に直接指導を行い、特別支援教室専門員は巡回指導教員や特別支援教育コーディネーター、在籍学級担任等との連絡調整及び個別の課題に応じた教材の作成、児童の行動観察や記録を行います。そして、臨床発達心理士は児童の行動観察を行い、障がいの状態を把握し、巡回指導教員、在籍学級担任等に指導上の配慮について助言します。  さて、こうした体制のもと、昨年四月から特別支援教室が全小学校で開始されましたが、多くの課題が見えてきたように思われます。例えば、利用児童数は年度当初から現在までに約二割増加しましたが、巡回指導教員は年度途中で児童が増えても増員されません。また、指導教員による指導は、現在週に一時間ほどと言われていますが、学習の連続性が保たれているのか懸念があります。特に、発達障がいはつまずきが小さいうちに、つまり、小学校一・二年生で短期集中的に時間数を増やし、指導に当たることが必要と考えます。  東京都教育委員会が平成二十六年度から平成二十七年度に行った調査では、発達障がい児の小学校での在籍率は六・一%とのことです。港区では今後も児童数は増え続けます。この一年間の経験・実績を踏まえて課題を整理し、全ての児童が可能性を開花させ、持てる力を最大限に発揮できるよう、港区独自の支援教室のあり方、さらには特別支援教育に関する計画にも明記し、発達障がい教育の方向性を検討すべきと考えます。青木教育長のお考えをお伺いいしたいと思います。  以上で質問を終わります。ご清聴まことにありがとうございました。   〔区長(武井雅昭君)登壇〕 ○区長(武井雅昭君) ただいまの公明党議員団を代表しての林田和雄議員のご質問に順次お答えいたします。  最初に、所信表明に掲げる施策の実現に必要な取り組みについてのお尋ねです。  区では、各部門において、区民や地域の企業・団体、全国各地域との連携の強みを生かした施策を立案し、さまざまな課題の解決に取り組んでおります。今後、こうした各分野で築き上げてきた区民との連携、大学や企業との連携、自治体間連携をはじめ、多様な主体とのネットワークを全庁で共有し、分野を超えて横断的に活用し、質の高い行政サービスを実現することで、所信表明に掲げた四つの挑戦に効果的に取り組んでまいります。  次に、災害時における民間協力団体との協定についてのお尋ねです。  区は、災害が発生した際、区の応急対策活動に協力を求めるため、現在、約九十の民間協力団体と災害時における協力協定を締結しております。東京都麺類協同組合、東京都石油商業組合などの主な民間協力団体とは、既に緊急時の連絡先名簿を毎年更新し、連絡体制の確認を行っておりますが、協定を締結している全ての民間協力団体について、災害時により円滑な協力が得られるよう、意思疎通を密にし、必要に応じて協定内容の見直しを行ってまいります。  次に、避難行動要支援者への支援体制についてのお尋ねです。  まず、個人情報の適正管理についてです。区は、平成二十九年四月から避難行動要支援者名簿約四千名のうち、既に情報提供の同意を得られている約七百名の方に加え、二月末を締め切りとして同意を得られた方の名簿を、区内警察署、消防署、民生委員・児童委員、町会・自治会等の支援関係者に提供します。その際、避難行動要支援者名簿や個別支援計画の趣旨を説明した上で、個人情報の秘密保持や目的外利用の禁止を記した情報の適正管理についての覚書を町会・自治会などの支援関係者と締結するとともに、名簿を鍵付きの収納袋に入れて渡し保管していただくなど、情報の適正管理を徹底してまいります。  次に、避難支援の担い手についてのお尋ねです。避難行動要支援者の避難行動をより一層迅速かつ円滑に実施するためには、避難支援者の活動とあわせ、防災士と連携した活動が有効です。区内には、防災士養成講座などを通して、防災士の資格を有する区民が現在約四百名おります。区は、支援関係者と防災士が連携した避難支援の仕組みづくりについて、資格取得後の事後研修会での意見交換や、日本防災士会港区支部、町会・自治会など地域のご意見もお聞きしながら検討してまいります。  次に、障害者の就労支援策についてのお尋ねです。  区では、みなと障がい者福祉事業団を中心に、区内の就労支援事業所と連携し、障害者の雇用拡大に努めてまいりました。今後は、さらに一人ひとりの障害特性に合った就労につながるよう、就労支援事業所で多様な受注を増やし、障害者に提供する訓練を充実させていくことが必要となっております。このため、来年度は、就労支援事業所の生産設備を整備するための経費の助成を行うとともに、新たな受注先の開拓や、区内就労支援事業所の共同受注による共同生産の仕組みを構築するためのコーディネーターを就労支援事業所に配置してまいります。  次に、保育コンシェルジュについてのお尋ねです。  まず、区内施設への今後の配置予定と保育施設との情報共有等についてです。区はこれまで、待機児童の解消に向けて各地区総合支所に担当職員を配置し、保育施設の入園相談を行ってまいりました。平成二十九年四月からは、保護者ニーズと保育サービスを適切に結びつけるため、新たに設置する保育課に保育コンシェルジュを一名配置いたします。保護者の個別ニーズに応じた保育施設の保育内容等をきめ細かく提供する入園マッチングを実施いたします。  また、コンシェルジュが園長会で情報交換したり、各地区総合支所や区内保育施設を巡回して、情報を的確に把握し分析することで、より適切な支援を実施してまいります。区内施設への今後の配置につきましては、相談経過や実績等について十分に検証を行った上で、各地区総合支所への配置を検討してまいります。  次に、相談内容の解決のための各部署との連携・対応についてのお尋ねです。保育コンシェルジュは、子育てに関する悩みについて相談を受けた場合、状況を丁寧に聞き取り、発達障害児については発達支援センターに、身体障害児や医療的ケアを必要としている児童については各地区総合支所に、家庭内トラブルなどを抱えている児童については子ども家庭支援センターにと、適切につないでまいります。また、コンシェルジュと関係部署が協力して児童の状況を把握、共有することで、児童が必要とする支援を実現してまいります。  次に、母子生活支援施設における母子の支援のあり方についてのお尋ねです。  母子生活支援施設で保護する母子は、生活基盤が脆弱であったり、母親が精神的に不安定であるなど、さまざまな問題を抱えています。区は施設と連携し、子育て、生活、住宅、就労など、入所者の抱える一つひとつの課題にともに向き合いながら、自立に向けたきめ細かな支援を実施しております。  また、母子生活支援施設では、入所者が安心して落ち着いた生活を送れるよう、住環境に十分に配慮した施設としていくことが望ましいと考えています。今後も、母子生活支援施設の確保を含め、保護が必要な母子に対し、適切な支援を行ってまいります。  次に、再生可能エネルギーの導入についてのお尋ねです。  区は、区有施設環境配慮ガイドラインに基づき、太陽光パネルを設置するなど再生可能エネルギーの利用を積極的に進めております。一方で、全国では、環境保護、雇用創出や経済循環による地域の活性化を目的として、太陽光や風力等の再生可能エネルギー事業に参入する自治体が増えています。区は、これらの自治体と連携して、再生可能エネルギーを導入するため、当該自治体における発電量や設備等の状況を踏まえた効果的な導入方法について検証し、二酸化炭素排出量の削減や再生可能エネルギー事業の推進など、区と自治体相互の発展につながる新たな仕組みづくりを進めてまいります。  次に、区内中小企業の振興についてのお尋ねです。  区は、これまでも区内中小企業の販路拡大のため、産業見本市や展示会への出展に対する補助、外資系企業を含む大企業と中小企業のマッチングに取り組むとともに、中小企業診断士による個別相談やセミナーなどを実施してまいりました。すぐれた製品や技術を持つ区内中小企業がより一層発展していくために、区は来年度から、産業見本市や展示会への出展に対する補助件数を大幅に拡大いたします。さらに、海外の産業見本市に出展する際には、通訳、翻訳費用も補助対象に加えるなど、海外市場も視野に入れた区内中小企業の販路拡大の支援を拡充してまいります。  次に、がん予防・重症化予防の取り組みについてのお尋ねです。  区は、これまでもウイルス、細菌の感染により発症するがん対策として、広報紙や区ホームページ、受診案内などで発症の仕組みと予防に関する啓発を行うとともに、肝炎ウイルスにより引き起こされる肝がんについて、B型・C型肝炎ウイルス検診を実施してまいりました。今後、区内の医療機関や企業・団体などの協力を得て、イベント等を通じた啓発の充実を図るとともに、がん発見の精度を高めるため、子宮頸がん検診にHPV検査を導入します。また、精密検査が必要とされながら検査を受けなかった方に対しては、個別に受診を勧奨し、治療につなげる仕組みを検討してまいります。
     最後に、民間分譲マンションへの支援についてのお尋ねです。  区が平成二十七年度に行った分譲マンション実態調査結果によりますと、築二十六年以上の分譲マンションでは、空き住戸のあるマンションの割合が三割を超えることが明らかになっており、大きな課題として受けとめております。  また、東京都では、平成二十八年三月に良質なマンションストックの形成促進計画を策定し、マンションの空き住戸に関しても今後の検討課題とし、区市町村と連携を図り、具体的な方策を検討していくとしております。今後、区は、空き住戸を解消し適正な管理をするため、具体的な対応策について、東京都と意見交換をしてまいります。  よろしくご理解のほどお願いいたします。  教育にかかわる問題については、教育長から答弁いたします。   〔教育長(青木康平君)登壇〕 ○教育長(青木康平君) ただいまの公明党議員団を代表しての林田和雄議員のご質問に順次お答えいたします。  最初に、医療的ケアを必要とする児童への教育環境の整備についてのお尋ねです。  新生児医療技術の進歩などにより、医療的ケアを必要とする児童・生徒の増加が、今後予想されます。現在、区立小・中学校において、医療的ケアを提供している児童・生徒はおりませんが、教育委員会では、医療的ケアが必要な児童・生徒に対し、必要に応じて看護師等を配置する体制を準備しております。医療的ケアの提供に当たっては、保護者や学校と協議の上、児童・生徒の症状に応じたきめ細かい支援に取り組んでまいります。  最後に、港区の発達障害教育の課題と今後の方向性についてのお尋ねです。  教育委員会では、今年度から、全ての区立小学校に特別支援教室を設置し、児童一人ひとりが抱える課題に対応した専門的できめ細かな学習指導を行っております。現在、担任や巡回指導教員などが、個々の障害の状況を踏まえて作成した指導計画を、子どもの成長に合わせて学期ごとに修正・改善するなど、組織的に支援を行う指導体制の充実に努めております。  今後の課題といたしましては、小学校入学当初から円滑な支援を開始するための公私立幼稚園、保育園などとの連携方法や、義務教育修了後の進路を視野に入れた中学校における特別支援教室のあり方などが挙げられます。それらの課題について、来年度、港区学校教育推進計画を改定する際に、就学前から中学校卒業時まで一貫性のある支援が行えるよう、具体的な取り組みを検討してまいります。  よろしくご理解のほどお願いいたします。             ─────────────────────────── ○副議長(近藤まさ子君) お諮りいたします。議事の運営上、あらかじめ時間を延長したいと思いますが、ご異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○副議長(近藤まさ子君) ご異議なきものと認め、時間は延長されました。             ─────────────────────────── ○副議長(近藤まさ子君) 次に、二十八番風見利男議員。   〔二十八番(風見利男君)登壇、拍手〕 ○二十八番(風見利男君) 二〇一七年第一回港区議会定例会にあたり、日本共産党港区議員団を代表して、区長、教育長、議長に質問いたします。  まず最初に、核兵器禁止条約の制度交渉を開始する決議についてです。  昨年十二月の国連総会で、核兵器禁止条約の制度交渉を開始する決議が賛成百十三カ国と圧倒的多数で採択されました。ことし三月には国連本部で締結交渉が開始されます。国連加盟国の多数が参加して条約が締結されれば、核兵器は人類史上初めて違法化されることになります。そうなれば核保有国は、法的拘束は受けなくても、政治的・道義的拘束を受け、核兵器廃絶に向けて世界は新しい段階に入ることになります。  ところが、日本政府は、アメリカの圧力に迎合して、この歴史的決議に反対票を投じました。唯一の戦争被爆国の政府にあるまじき、日本国民の意志を踏みにじる態度です。  日本原水爆被害者団体協議会を中心とする被爆者団体は、「被爆者は、すみやかな核兵器廃絶を願い、核兵器を禁止し廃絶する条約を結ぶことをすべての国に求めます」とのヒバクシャ国際署名に取り組んでいます。  区も加盟する平和首長会議は、「核兵器禁止条約」の交渉開始等を求める要請書の市民署名に取り組んでいます。その署名の協力をお願いするチラシを見ると、「私たちの手で「核兵器禁止条約」締結への世界的な動きを創り出しましょう!」と書かれています。そして、核兵器禁止条約とは、核兵器の開発、製造、実験、備蓄、使用等の禁止及びその廃絶について規定する条約であり、唯一の被爆国である日本や各国政府が核兵器禁止条約締結に向けた交渉を即時に開始するよう、私たち市民社会の側から力を合わせて世論を盛り上げていきましょうという内容です。  そこで区長にお伺いします。区長は、日本政府が国連での核兵器禁止条約の制度交渉を開始する決議に反対した態度をどう考えますか。被爆者団体が取り組んでいるヒバクシャ国際署名、あるいは平和首長会議が進めている核兵器禁止条約の交渉開始を始める署名にサインされたのか。もし署名をしていないのであれば、ヒバクシャ国際署名、あるいは平和首長会議が市民に呼びかけた署名に早急に署名していただきたい。来庁者や区民に署名への協力をお願いすること。以上の質問への答弁を求めます。  ホーム転落事故をなくす対策についてです。  視覚障害者が駅のホームから転落して亡くなる事故がまた起きてしまいました。京浜東北線蕨駅で盲導犬を連れた男性が線路に落ち、電車にひかれました。視覚障害者のホーム事故は、昨年八月の東京メトロ銀座線青山一丁目駅や、同年十月の近鉄大阪線河内国分駅と相次いで発生し、再発防止を求める切実な声が広がるなど問題になっていました。それにもかかわらず痛ましい事故がなぜ繰り返されるのか。障害者をはじめ、利用者の安全を最優先にした抜本的な対策は、緊急の課題です。  日本盲人会連合会の全国的な調査では、約四割の視覚障害者がホームからの転落を経験し、約六割が転落しそうになったと回答しているように、欄干のない橋と例えられるホームの安全対策は待ったなしです。  視覚障害者のホーム転落や列車接触事故は、最近六年間で計四百八十一件に上ります。有効な対策はホームドア設置ですが、全国の約九千五百ある駅で、ホームドアが設置されたのは約六百六十にすぎません。国は事業者任せにするのではなく、ホームドア設置を加速させるための手だてや支援を抜本的に強めることが急がれます。  そのため区として、再度、1)鉄道事業者に一層の設置促進を要請すること。2)国に対し、支援の強化を要請すること。3)事業者に対して、ホームドア未設置の駅では、ホームへの職員の配置と声かけを徹底するよう再要請すること。それぞれ答弁を求めます。  十八歳までの医療費の無料化についてです。  私たちは、これまでも子どもの医療費助成等について、国庫負担の減額措置の廃止を繰り返し提案してきました。全国知事会も全国市長会も国に廃止を要求。その結果、小学校入学前までを対象にした助成制度に対する減額は、二〇一八年四月から廃止する方針であることが明らかになりました。これによって全国的には自治体負担が約六十億円減ります。区では約千三百八十一万円負担が減ります。国に対し、全ての減額措置の廃止を要求すること。また、当面小学六年生までの医療費を無料にするよう要求すること。答弁を求めます。  この間、高校授業料の無償化を理由に、十六歳から十八歳の所得税の扶養控除の上乗せ部分が削除されたままです。児童福祉法では十八歳までを児童と規定しています。高校生の年代には行政の支援・手だてが一番薄くなっています。大学受験のための塾などの費用、通学交通費等多額の費用がかかります。  千代田区では、二〇一一年四月から十八歳までの医療費を無料にしました。北区は、十八歳までの入院費を無料にしました。全国の自治体でも十八歳までの医療費無料が広がっています。子ども医療費の国民健康保険でのペナルティがなくなり、拡大に向けた財源ができるわけですから、高校生、十八歳までの医療費無料化に活用すべきです。答弁を求めます。  社会保障の改悪に反対することについてです。  安倍政権が進める社会保障費の自然増削減路線は、医療、介護、年金の負担増、給付削減を国民に押しつけています。さらに、来年度予算案でも自然増分を千四百億円削減し、七十歳以上の高額療養費の上限額の引き上げ、七十五歳以上の後期高齢者医療制度の保険料軽減措置の縮減、療養病床に入院する六十五歳以上の光熱水費の引き上げ、介護保険では利用料の上限額の引き上げ等、国民負担が目白押しです。来年度予算で安倍政権が行おうとしている社会保障改悪によって区民が受ける影響について、区長の認識をお答えください。  「年金だけでは生活できないので、アルバイトやシルバー人材センターで仕事をしている」、「都営住宅や高齢者住宅を何回申し込んでも入れない」、「年金が減らされ将来が不安」と多くの高齢者が不安を抱えています。貧困と格差が広がる中、こうした改悪が実施されれば国民の暮らしはますます大変です。国民へ負担を押しつける社会保障の改悪はやめるよう国に求めるべきです。答弁を求めます。  児童扶養手当・児童育成手当の毎月支給についてです。  子どもの貧困問題が社会問題になっている中、ひとり親世帯で育つ子どもたちの生活を安定させるため、児童扶養手当等の支給を四カ月ごとの支給から毎月支給に変更するよう求めてきました。ひとり親家庭の生活の安定と自立の促進を支援し、児童の福祉の増進を図る目的で支給されている児童扶養手当は、全部支給と一部支給を合わせると二〇一五年度は千八十九人が受給しています。  二〇一四年度の港区保健福祉基礎調査で、ひとり親家庭を対象にした調査が実施されました。児童育成手当を受給している方五百人を対象に行っています。世帯収入では、年金や児童扶養手当、生活保護費を含めた世帯収入百万円以上二百万円未満が二五・五%で、二〇一〇年の調査に比べて四・二%増加しています。三歳未満のお子さんが一人の家庭の場合、児童扶養手当四万二千三百三十円、児童育成手当一万三千五百円、児童手当一万五千円を合わせると、年間約八十五万円になります。年収が百万円から二百万円の世帯にとって手当が収入の多くを占めています。  就労状況もパート、アルバイト、派遣勤務と回答した方が全体の三六・八%。子育て全般にかかる経済的負担感は五〇・四%の方が「かなり負担に感じる」と回答、「どちらと言えば負担に感じる」と回答した方を含めると八割を超え、ひとり親世帯の生活の厳しさが調査結果からも明らかです。  二〇一六年五月に児童扶養手当法が改正され、三十六年ぶりに第二子の加算額が五千円から一万円に、第三子以降も二十二年ぶりに三千円から六千円に増えました。この際も支給回数の改善措置を今後の課題にするとの付帯意見がついています。毎月の支給に変更することで、ひとり親世帯の収入の安定が図られ、子どもたちへの支援につながります。児童扶養手当・児童育成手当を毎月支給にすべきです。答弁を求めます。  年金の毎月支給についてです。  日本の年金の支払いは二カ月に一回、一カ月から二カ月おくれの後払いです。こうした支払い方法は、欧米諸国にはない異常なことです。全日本年金者組合は、生活サイクルに合わせた毎月支給に改めるよう厚生労働省と交渉を行っています。高齢者にとって年金は生活費の柱です。家賃、公共料金など多くの支払いは月単位です。生活費が後払いでいいはずがありません。その一方で、年金から天引きされる介護保険料や国民健康保険料は先取りされます。賃金の場合、二カ月に一度の後払いにすることなど許されていません。毎月一回以上支給することが労働基準法で決められています。国民健康保険料など引かれるものは翌月の給料からで、先取りして天引きすることはできません。  毎月支給を求める全日本年金者組合に対して、厚生労働省はさまざまな口実を持ち出していますが、どれも理由としては成り立たないものです。厚生労働省は、毎月支給に踏み切るにはクリアしなければならない課題があって難しいと言います。その課題とは、1)隔月支給を定めている国民年金法の改正、2)日本年金機構、法律によって組織された共済組合など関係機関との業務の調整、3)支払額の計算システムの改修、4)初年度の支払いが十三カ月になるというものです。四つの課題は、毎月支給するためにやればよいことばかりで難しいことではないはずです。厚生労働省が四百万受給者の立場に立てば解決できることです。年金の支給を毎月にするよう国に要請すべきです。答弁を求めます。  議長に意見書の取りまとめをお願いいたします。  障害者の施策充実についてです。  心身障害者医療費助成を愛の手帳三度、精神障害者保健福祉手帳所持者を対象にすることについてです。六十五歳未満で身体障害者手帳一・二級、内部障害者一から三級、愛の手帳一・二度の方を対象に、心身障害者医療費の助成制度があります。住民税課税者は外来でかかった費用の一割、自己負担の上限額は月額一万二千円、入院の場合も医療費は一割負担で、上限額が月額四万四千四百円、食事代は一食三百六十円の負担です。住民税非課税者は外来、入院ともに医療費の自己負担はなく、食事代一食三百六十円のみになります。東京都手をつなぐ親の会や知的障害者の家族から、愛の手帳三度の方も心身障害者医療費助成の対象に加えてほしいとの声や要望が区長と区政を語る会でも出されています。  杉並区は、杉並区心身障害者の医療費の助成に関する条例を独自に制定し、対象から外れる愛の手帳三度の方も対象にしています。  東京都に対し、愛の手帳三度の方も対象にするよう申し出ること。東京都が実施するまでの間、区として、愛の手帳三度の方も医療費助成の対象とすべきです。答弁を求めます。  精神障害者の方も心身障害者医療費助成制度の対象にはなっていません。精神障害者の患者家族が加盟している東京都精神保健福祉家族会連合会は、心身障害者医療費助成制度の対象に精神障害者も含めるよう求めています。精神障害者の方には精神科に通院する際の自立支援医療制度はありますが、精神科以外の通院は助成が受けられません。統合失調症の方は障害年金で暮らしており、精神科以外の病院にはほとんどかかったことがなく、風邪や腹痛などのときは売薬で済ませているそうです。  名古屋市など、精神障害者の一般疾患への助成制度を実施している自治体があります。  東京都に対して、心身障害者医療費の助成の対象に精神障害者を含めるよう申し入れること。東京都が実施するまでの間、区として、精神障害者への医療費助成を行うこと。答弁を求めます。  受動喫煙を防止することについてです。  たばこを吸わない人が、たばこの煙を吸わされるのが受動喫煙です。最近の調査では三人に一人が職場で、二人に一人が飲食店での受動喫煙にさらされています。日本で受動喫煙による死亡は年間一万五千人、交通事故死の四倍近い数字です。受動喫煙は大人の糖尿病、心臓病、肺結核の発病を増やします。家族にたばこを吸う人がいると、赤ちゃんと子どもの気管支炎、喘息、アレルギーも激増します。職場や飲食店での禁煙が広がるように関係者へ要請を強めること。  区として、大至急取り組むべき課題について提案します。路上の喫煙場所についてです。歩きたばこ防止のために路上に喫煙場所を設置しています。職場でたばこが吸えなくなってきていることから、利用者は増えています。一応つい立てはあるものの、通行人への影響は大きいものがあります。区が設置者ですから、受動喫煙を容認していることになります。受動喫煙対策は極めて重要な課題です。たばこの煙が通行人に影響を及ぼさない対策、受動喫煙を受けないよう、抜本的な対策を大至急行うべきです。それぞれ答弁を求めます。  「ちぃばす」の改善と交通不便地域の対策についてです。  青山ルートの利用者は増え続けています。青山通りには同じバス停に渋谷区の「ハチ公バス」が十五分間隔で運行しています。利用者から、同じ会社なのに、なぜ「ちぃばす」は二十分間隔なのか。十五分間隔にしてほしいとの声が強くなっています。早急に青山ルートを十五分間隔にすること。また、赤坂方面行き青山ルート、南青山七丁目バス停を設置すること。  子ども料金についてです。どの公共交通機関でも子ども料金があります。「ちぃばす」も大人の半額、子ども料金をつくること。  名所や商店街、繁華街を循環する「ちぃばす」についてです。港区観光協会の新年会には、区長、議長をはじめ多くの区議会議員が参加しています。渡邉港区観光協会会長は、昨年に続いてことしも挨拶の中で、「区内の文化財や観光名所をめぐる「ちぃばす」を運行してもらいたい」と呼びかけました。区には、東京タワー、増上寺、泉岳寺、神宮外苑いちょう並木、青山墓地、国立新美術館、汐留、麻布十番商店街等々、名所旧跡、魅力あるまちがあります。港区を訪れる国内外の人たちに区内各地を訪ねていただくことで、区内の商店街への集客が見込まれます。区内観光名所循環ルート運行に向け、港区観光協会や港区商店街連合会等の意見をよく聞いて、速やかに具体化していただきたい。それぞれ答弁を求めます。  議長にお願いです。渡邉港区観光協会会長が挨拶で述べられた区内循環ルートについて、議会としても実現に向け、各会派の意見を聞き、行政を後押しするよう要望いたします。  白金など交通不便地域の対策についてです。  二〇一五年第四回定例会に白金地域に「港区コミュニティバス」の運行を求める請願が提出され、全会一致で採択されました。この地域をマイクロバスで走りましたが、道路が狭いため、小型の「ちぃばす」でも運行には課題があります。先日、柏市の乗合ジャンボタクシーについて柏市の担当者からレクチャーを受け、この請願内容を実現する上で大変参考になりました。柏市で実施している乗合ジャンボタクシーの導入に向けて、請願者や近隣町会の皆さんのご意見を聞く場を早急に設定すべきです。答弁を求めます。  学校給食の無償化についてです。  日本国憲法第二十六条は、義務教育は、これを無償とすると定めています。しかし、保護者から給食費を徴収しています。これには歴史的な背景があります。学校給食法が始まったのが昭和二十九年です。戦後の復興に税金の多くを活用する状況で、憲法で義務教育は無償とするとしていながら、学校給食の無償化まで手が回らなかったのです。今は財政状況が違います。無駄遣いをやめれば財源は十分あります。日本の子どもの六人に一人が貧困家庭という現実ですから、何をさておいても子どもたちが安心して食べることができこそ、義務教育です。義務教育は無償と定めた憲法に従い、教育の一環である学校給食は国の責任で無償にするよう要求すべきです。答弁を求めます。  本来、国が無償化すべきなのにやらないことから、全国の多くの自治体で給食の無償化が進んでいます。しんぶん赤旗の調査によると、公立小・中学校の給食費の保護者負担を全額補助して無償にする市町村が五十五あることがわかりました。全額補助と一部補助の自治体を合わせると全千七百四十一市区町村のうち、少なくとも四百十七市町村ありました。子育てするなら港区、教育の港区を看板にする港区として、港区の将来を担う子どもたちの健全育成のため、保護者負担の軽減のため、学校給食の無償化を早急に実施すべきです。答弁を求めます。  給付型奨学金の創設についてです。  教職員を含む国民、学生の大きな運動の結果、国も重い腰を上げ、二〇一八年度から給付型奨学金制度を始めますが、給付対象を生活保護世帯の出身者などわずか二万人に限定するものです。安倍首相は、「本当に厳しい状況にある子供たちには、返還がいらなくなる給付型の支援によってしっかりと手を差しのべていく」と述べていましたが、これから大学に行こうとする子ども、奨学金返済に苦しむ若者や親たちの期待を大きく裏切りました。その財源も、生活福祉資金の縮小とともに、奨学金の見直しで捻出します。大学院生の奨学金返済免除の縮小や無利子奨学金の借入金額を制限するなど大問題です。  昨年度、日本学生支援機構の奨学金を新規に借りた学生は四十三万七千人余でした。二万人はそのわずか五%程度にしかすぎません。今回の給付型奨学金は、学ぶ権利の保障はおろか、貧困対策の進学対策としても極めて不十分なものです。日本共産党は、せめて諸外国並みに月三万円の給付型奨学金を七十万人に支給することから始めようと提案しています。国に対し、学ぶ権利を保障する給付型奨学金制度になるよう要請すること。答弁を求めます。  東京都も二〇一七年度から給付型奨学金を始める予定です。生活保護世帯などに年額五万円、年収三百五十万円未満の世帯に三万円を支給するものです。対象は約三万五千人です。これ自体は歓迎します。しかし、国の制度、東京都の制度だけでは十分ではありません。国の制度では人数が制限されることや、東京都の給付型奨学金制度を受けられない人たちのために、区で実施している奨学金の所得と同水準の給付型奨学金制度を創設すること。あわせて、現在奨学金を受けている人、返済中の人への返済免除等の対策を実施すること。それぞれ答弁を求めます。  最後に、ピーコックストア青山店の存続についてです。  独立行政法人都市再生機構は、借地方式の市街地住宅については、土地所有者等への譲渡・返還の方針に基づいて動いています。南青山三丁目にあるUR都市機構南青山三丁目第二市街地住宅について、一昨年来、居住者に今後居住継続はしないとの説明を行い、居住者が転居しました。ここには生鮮食料品を含め、近隣住民の生活にとってはなくてはならないスーパーマーケットがあります。住宅居住者の転居が進む中、ピーコックも閉店になるのではとの心配の声が多くの方から寄せられています。区としても、区民の生活を支えているスーパーマーケットがどうなるのか、情報収集が不可欠です。貸主との関係で閉店せざるを得ないのか。いつまで営業ができるのか。近隣に適地があれば移転の可能性があるのか等々、情報把握に努めるべきです。答弁を求めます。  今、都営青山北町アパートの建て替えが始まりました。都営住宅が建設される隣地が民間の開発に提供され、プロポーザルによる計画が明らかになりました。ここにスーパーマーケットなど近隣住民の生活利便施設などを誘致できるよう、東京都、関係者に働きかけるべきです。答弁を求めます。  質問は以上ですが、答弁によっては再質問することをあらかじめ述べて質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。   〔区長(武井雅昭君)登壇〕 ○区長(武井雅昭君) ただいまの共産党議員団を代表しての風見利男議員のご質問に順次お答えいたします。  最初に、核兵器禁止条約交渉を開始する決議についてのお尋ねです。  まず、日本政府の国連での対応についてです。日本政府は、国連総会に先立つ国連総会第一委員会において、核兵器禁止条約制定の交渉開始の決議に反対しました。これを受け、区が加盟する平和首長会議国内加盟都市会議は、日本政府に対し、核兵器禁止条約の早期実現に向けた取り組み促す要請文を提出しております。引き続き、区は、平和首長会議に加盟する全国の自治体と連携し、核兵器廃絶と世界の恒久平和の実現を訴えてまいります。  次に、ヒバクシャ国際署名、核兵器禁止条約の署名についてのお尋ねです。お尋ねの署名については、平成二十二年に同趣旨のヒロシマ・ナガサキ議定書首長賛同署名に署名をしていることから行っておりません。引き続き、平和首長会議に加盟している全国の自治体と連携して、核兵器廃絶の早期実現を目指し取り組んでまいります。  次に、来庁者や区民に署名の協力を呼びかけることについてのお尋ねです。区が直接、来庁者や区民に署名の協力を呼びかけることは予定しておりませんが、平和首長会議のホームページを利用して署名ができることを、区民に周知してまいります。  次に、ホーム転落事故をなくす対策についてのお尋ねです。  まず、ホームドアの設置促進の要請についてです。区は、平成二十八年九月二十六日付で区内の鉄道事業者六者に対し、駅ホームにおけるホームドアの早期設置やホームドア未整備時の見守り体制の強化などについて、要請をいたしました。鉄道事業者に確認したところ、いずれの事業者も事業の前倒しを検討していると聞いております。今後も、機会を捉え、鉄道事業者に対し、ホームドアの早期設置を要請してまいります。  次に、国への支援強化の要請についてのお尋ねです。  国は、青山一丁目駅において発生した転落事故を踏まえ、昨年十二月、駅ホームにおけるさらなる安全性向上に向けた対策、ホームドア整備や駅員の対応強化など、ハード・ソフト対策の考え方の中間取りまとめを公表いたしました。その中で、国は、必要な支援を行うことで、鉄道事業者の積極的な取り組みを促進するとしております。私といたしましても昨年八月十八日、国に対策の強化を要請いたしましたが、鉄道事業者へのさらなる支援を要請してまいります。  次に、ホームへの人員配置と声かけの徹底の再要請についてのお尋ねです。  区は、昨年九月二十六日、区内の鉄道事業者六者に対し、ホームドア未整備時の視覚障害者に対する積極的な声かけなど、見守り体制の強化についても要請をいたしました。昨年の九月二十七日に東京メトロ、十一月二十五日にJR東日本をはじめとする区内の鉄道事業者五者が見守り体制の強化を実施しております。事故の再発防止に向け、再度要請してまいります。  次に、十八歳までの医療費の無料化についてのお尋ねです。  まず、全ての減額措置の廃止を国に求めることについてです。国は、子どもの医療費助成制度を独自に実施している地方自治体に対して、国民健康保険制度の国庫負担の減額措置をとっています。区は、平成十四年から毎年、特別区長会として、全国市長会を通じ、国に対して改善要望をしてきた結果、平成三十年度から未就学児までを対象とした医療費助成について、減額措置を講じないこととなりました。さらに、特別区長会から国に対し、平成二十八年十二月二十六日の国民健康保険制度に関する特別区緊急要望において、国の責任で区の医療費補助制度に対する財政措置を講じるよう求めております。  次に、小学六年生までの医療費の無料化を国に求めることについてのお尋ねです。全国市長会及び特別区長会では、国に対し、ゼロ歳から義務教育修了までの児童を対象とした子ども医療費助成制度の創設を要望しております。区は、今後も他自治体とも連携しながら、国に対し、子ども医療費助成制度の創設を要望してまいります。  次に、十八歳までの医療費の無料化についてのお尋ねです。  子ども医療費助成は、子育て支援策の一環として、子どもの保健の向上と健やかな育成を図ることを目的とした制度であり、病気にかかりやすいゼロ歳から義務教育修了まで児童を対象としております。義務教育修了後は、医療機関を受診する割合も低くなることから、助成対象を拡大することは現在のところ考えておりませんが、今後もさまざまな施策を通じて、総合的な子育て支援に努めてまいります。  次に、社会保障についてのお尋ねです。  まず、社会保障制度の見直しに対する認識についてです。国では、社会保障審議会の各部会において、社会保障制度の持続可能性の確保のため、広範な議論が行われました。具体的には、高齢者人口が増加する中、世代間や世代内の負担の公平性を図り、負担能力に応じた負担を求めるとともに、給付の適正化等、多面的に議論されました。これにより、一定の収入のある方に対しては応分の負担を求める一方、低所得者に対しては一部負担軽減措置が継続されたものと認識しております。  次に、国への要請についてのお尋ねです。  国は、社会保障制度の持続可能性を確保するとともに、世代間や世代内の負担の公平性を図り、負担能力に応じた負担を求める観点から、社会保障審議会の各部会において広範な議論を行い、制度の見直しを行っております。このことから、社会保障制度の見直しについて、区として特段の要請をすることは考えておりませんが、国の動向については注視をしてまいります。  次に、児童扶養手当・児童育成手当の毎月支給についてのお尋ねです。  児童扶養手当は、児童扶養手当法に基づき、四月、八月及び十二月に、児童育成手当は、港区児童育成手当条例に基づき、二月、六月及び十月の三期に支給しております。  厚生労働省は、平成二十八年十月に全国の自治体を対象として、児童扶養手当の支給回数を変更した場合の人員体制への影響、システム改修の費用等についての調査を行っております。区は、今後の国の動向を注視し、児童扶養手当の支給回数が変更となった場合は、適切に対応してまいります。また、児童育成手当の支給方法につきましては、児童扶養手当の支給方法の動向を踏まえながら、検討してまいります。
     次に、年金の毎月支給についてのお尋ねです。  国は、国民年金受給者の利便を図るため、国民年金の支給を平成二年に、それまでの年四回から年六回に変更しております。国民年金の支給期月については、区として特段の要請をすることは考えておりませんが、今後も引き続き国の動向について、注視してまいります。  次に、障害者施策の充実についてのお尋ねです。  まず、愛の手帳三度の人を心身障害者医療費助成の対象とするよう東京都へ申し入れるとともに、区として対象にすることについてです。心身障害者医療費助成制度は、重度である六十五歳未満の身体障害者手帳一・二級または愛の手帳一・二度の所持者の方を対象としており、東京都の制度として実施しているものです。こうしたことから、区として独自に、愛の手帳三度の人への医療費助成を実施することは考えておりませんが、障害者と区長との懇談会でのご意見につきましては、東京都に伝えてまいります。  次に、精神障害者を心身障害者医療費助成の対象にするよう東京都へ申し入れるとともに、区として対象にすることについてのお尋ねです。精神障害者については、国が、精神疾患のために通院した場合の医療費の自己負担を一割にし、区民税非課税世帯の場合には無料にする自立支援医療制度を設けています。区は、心身障害者医療費助成制度を実施している東京都への申し入れや、区独自に精神障害者の医療費助成を実施することは考えておりませんが、全国市長会を通じ、国に対して、障害者福祉施策の提言の中で、精神障害者を含む障害者への医療費助成について全国一律の制度を創設するよう要請しております。  次に、受動喫煙の防止についてのお尋ねです。  まず、職場や飲食店への要請についてです。区では、屋内での受動喫煙を防止するため、禁煙等の取り組みを行っている事業所や飲食店等に対し、みなとタバコ対策優良施設への登録を促しております。また、現在、国は、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会に向け、屋内での受動喫煙防止対策を強化する法案の検討を進めております。今後は、区内企業や飲食店などの関係団体に国の動向について情報提供を行うとともに、引き続き受動喫煙防止への理解と協力を求めてまいります。  次に、路上の喫煙場所についてのお尋ねです。指定喫煙場所は、たばこを吸う人と吸わない人とのすみ分けを図る上で重要な役割を果たしており、区は港区基本計画に指定喫煙場所の整備を掲げ、積極的な整備に努めております。屋外の喫煙場所では、喫煙エリアをはみ出しての喫煙や、朝、昼、夕方などに多くの喫煙者が集まり混雑するなど、周辺への配慮が必要な喫煙場所もあるため、喫煙エリアの拡張や、より影響の少ない場所への移設、パーテーションの改善に努めるとともに、混雑する時間帯には指導員が巡回し、喫煙者への注意喚起等を行っております。  また、港区屋内喫煙所設置費等助成制度を活用した屋内喫煙場所や、コンビニエンスストア等の民間喫煙場所など七十カ所の喫煙場所情報を掲載したマップを作成し、特定の場所に喫煙者が集まらないよう情報提供に努めております。今後も、喫煙環境の整備改善を図りながら、きめ細かな指導や情報提供をあわせて実施してまいります。  次に、「ちぃばす」と交通不便地域の対策についてのお尋ねです。  まず、青山ルートの運行間隔についてです。運行間隔につきましては、田町ルートを除き、おおむね二十分間隔で運行しております。運行間隔を短くすることによりサービスの向上が図られる一方、車両購入費や人件費など運行に伴う経費が大きく増大することとなります。ルートごとの利用者の推移や収支率への影響などを考慮し、引き続き検討してまいります。  次に、南青山七丁目バス停の設置についてのお尋ねです。日赤医療センターから青山高樹町を経由し、南青山七丁目バス停を利用するためには、六本木通りから高樹町通りへ左折する必要がありますが、この経路は鋭角で、警視庁の現地調査で危険であると指摘されております。そのため、高樹町交差点周辺の交通事情や地先の同意、六本木通りの道路条件等、新たなバス停の立地条件について再度調査し、これまでの南青山七丁目バス停利用者の皆さんにもご利用いただけるよう、バス停の設置候補地で設計や施工方法を検討しております。  次に、子ども料金についてのお尋ねです。「ちぃばす」は、都バスの料金が大人二百十円、子ども百十円のところを、小学生以上一律百円に設定し、より多くの区民の皆様が少ない負担でご利用いただけるように料金設定をしております。区は、運行経費や車両の購入費用について補助しており、サービスの向上と収支のバランスを考慮しながら改善を図っております。そのため現時点では、子ども料金を設定することは考えておりません。  次に、区内観光名所循環ルートについてのお尋ねです。  現在、「ちぃばす」には観光地や商業施設だけをめぐる路線はありませんが、区では、観光、商店街振興の観点から観光施設や公共施設を結び「ちぃばす」ルートについて、短期的な課題と認識しております。本年四月には、地域交通に関する課題に対する施策を港区総合交通戦略の素案として取りまとめ、区民意見の募集や住民説明会などを通して地域の皆さんのご意見を伺いながら、課題解決を図ってまいります。  次に、乗合ジャンボタクシーの導入についてのお尋ねです。  区では、区内の交通不便地域の解消として、白金、白金台地域への乗合ジャンボタクシーという選択肢も含め、新たな地域交通の導入を短期的な課題と認識しております。この点につきましても、本年四月の交通戦略素案の中でご意見を伺ってまいります。  次に、地域に必要な店舗の存続についてのお尋ねです。  まず、情報把握についてです。南青山三丁目のピーコックストア青山店につきましては、建物所有者に確認し、閉店や移転は決定していないと聞いております。今後も、継続して情報の収集に努めてまいります。  最後に、北青山三丁目地区における生活利便施設の誘致についてのお尋ねです。区は、東京都が行う公共住宅建設に関連する地域開発要綱に基づき、平成二十七年十一月に要望した施設整備について、昨年二月に東京都から回答を得ました。また、昨年四月に民活事業の事業者募集要項作成にあたり、再度、区の意向を東京都に要請いたしました。本年一月には、これらの区の要望に沿ったサービス付き高齢者向け住宅、認可保育所、店舗等の生活利便施設を提案した事業予定者が、東京都で選定されたことから、今後、店舗等の生活利便施設の詳細について、東京都や事業予定者と協議してまいります。  よろしくご理解のほどお願いいたします。  教育にかかわる問題については、教育長から答弁いたします。   〔教育長(青木康平君)登壇〕 ○教育長(青木康平君) ただいまの共産党議員団を代表しての風見利男議員のご質問に順次お答えいたします。  最初に、学校給食の無償化についてのお尋ねです。  まず、国の責任で無償にするよう要求することについてです。学校給食法では、学校給食の食材費は保護者の負担と定められております。そのため、教育委員会といたしましては、国に対し、学校給食を無償にするよう要求することは考えておりませんが、現在、区が独自に実施している果物や特別栽培野菜、精米の一部購入などの支援は引き続き行ってまいります。  次に、区として学校給食の無償化を早急に実施することについてのお尋ねです。学校給食法では、学校給食の食材費は保護者の負担と定められておりますが、区では、安全・安心な食材提供と保護者負担軽減の視点から、区独自に、果物や特別栽培野菜、精米の一部を公費で購入しております。こうしたことから、学校給食を無償化することは考えておりませんが、今後も、安全で安心な食材の提供や、食育の推進などに積極的に取り組んでまいります。  次に、給付型奨学金制度の創設についてのお尋ねです。  まず、国への要請についてです。教育委員会では、これまでも全国都市教育長協議会を通して、無利子奨学金の事業費の増額や給付型奨学金制度の拡充等を要望してまいりました。平成二十九年度予算の政府案では、新たに給付型奨学金制度の先行実施に係る経費が計上されており、平成三十年度からは本格実施する予定としております。今後の国への要望については、他区の教育委員会と連携し、制度導入後の状況等を見極めて検討してまいります。  次に、区の奨学金制度と同じ所得水準の給付型奨学金制度の創設についてのお尋ねです。学業に意欲を持ちながらも、家庭の経済的事情により、進学を断念せざるを得ない方を支援するため、国では、住民税非課税世帯で学習成績が優秀な方などを対象に、新たに大学生向けの給付型奨学金制度を創設する予定です。  また、東京都では、国の就学支援金とは別に、年収七百六十万円未満の世帯を対象に、現行の私立高校生への給付型奨学金の給付額を引き上げる予定としております。区としての給付型奨学金制度の創設につきましては、国や東京都の制度における所得水準等の考え方や他自治体の動向等を参考に、引き続き研究してまいります。  最後に、返還免除等の対策についてのお尋ねです。奨学金の返還免除につきましては、本人の就労状況や収入、健康状態、また、連帯保証人などについて、総合的に判断する必要があります。奨学金の返還が困難な方に対しましては、貸付者の生活状況等の実情を把握し、返還の猶予や収入に見合った返還計画を策定するなど、積極的に相談に応じております。今後も、引き続き柔軟できめ細かな対応に努めてまいります。  よろしくご理解のほどお願いいたします。 ○議長(うかい雅彦君) ただいまの共産党議員団を代表しての風見利男議員のご質問にお答えいたします。  年金の毎月支給に関する意見書の提出についてのお尋ねです。  意見書を提出することにつきましては、各会派の皆さんにご相談してまいります。  よろしくご理解いただきたいと思います。   〔二十八番(風見利男君)登壇〕 ○二十八番(風見利男君) 全体的に不満なんですけれども、時間の関係で何点かに絞って質問したいと思います。  ヒバクシャ国際署名の件ですが、区長は、平成二十二年の同趣旨の署名をされたということで、区民にはホームページか何かを通じて、署名があるということをお知らせすると。これはこれで一歩前進ですが、昨年の十一月七日と八日に千葉県佐倉市で第六回平和首長会議国内加盟都市会議総会が開かれて、ここで広島・長崎の被爆者が訴える核兵器廃絶国際署名に賛同・協力すると、こういうことを決めました。賛同・協力と言うのですから、みずからが署名する、署名を広範囲に広める、これだと思います。だからこそ全国で多くの首長さんが署名をして、長野県では全ての首長さんが署名をしたという報道もありました。また、長崎県諫早市や大村市では市のホームページで協力を呼びかけています。ですから、区民の皆さんに呼びかけていただくことは大いに歓迎しますけれども、ぜひ区長みずから被爆者署名に署名するということをやっていただきたい、これはもう一度お答えいただきたい。  愛の手帳三度と精神障害者保健福祉手当手帳所持者の医療費の無料化ですけれども、愛の手帳三度所持者を含む世帯全員の収入調査がありまして、七割が五百万円以下、本人の収入は九八%が三百万円未満です。ですから、これだけ見ても生活が大変なことがわかるわけで、医療費助成というのは絶対に必要なわけです。  また、精神障害者も同様で、区が行った保健福祉基礎調査によると、本人の年収は三百万円未満が六九・二%、そのうち二百万円未満が六〇・六%です。現在あなたが生活の中で困っていることという問いに、生活費など経済的なことがトップで、五八・九%です。ですから、精神障害者の方々への医療費の助成も絶対に必要なわけで、ぜひ東京都に改善を迫る。その間、区が独自にやるということをぜひ決断していただきたいと思います。  もう一点、社会保障の改悪についてですけれども、憲法第二十五条第二項は、国は、全ての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならないと規定しているわけです。先ほど言ったのはほんの一部ですけれども、多くの改悪が、介護にしても、医療にしても、生活保護にしても狙われているわけです。ですから、お金の使い方を変えればいいわけで、五兆円を超す防衛費とか、JR東海が自分でやると言っていたリニア中央新幹線に三兆円ものお金をつぎ込むわけですから、その一部を使えば、この改悪をストップすることができるわけです。ぜひ国に対して、改悪はやめよと迫っていただきたいと思います。  最後に、学校給食の無償化ですけれども、区がいろいろ助成をしている、それは十分わかっています。しかし、区長が所信表明で、「子どもたちは社会の宝であり、未来をつくる希望」だと、そして区が昨年行った調査の中で、家庭環境の影響による経済的負担などの課題が浮き彫りになったと、こういうふうに言っているわけですから、子どもの健全な成長と保護者負担の軽減をさらに拡大するという点で、ぜひ学校給食の無償化を区として実現してもらいたい。この点を再度お答えいただきたい。  以上で終わります。   〔区長(武井雅昭君)登壇〕 ○区長(武井雅昭君) ただいまの共産党議員団を代表しての風見利男議員の再質問に順次お答えいたします。  ヒバクシャ国際署名、核兵器禁止条約の署名についてのお尋ねです。  先ほど答弁いたしましたとおり、既にヒロシマ・ナガサキ議定書の賛同署名において、同趣旨の署名をしております。もとよりその内容について、私も賛同するものでございますが、同趣旨の署名をしていることから、今回特段の署名を重ねるということは考えておりません。  次に、障害者施策の充実についての、東京都並びに国への対応についてでございます。  東京都に対して、先ほどのお話にもありましたが、収入も含めた区内の知的障害のある方の実態について、今後も必要に応じて情報提供をしてまいります。また、安心して医療を受けられることが、日々の生活を送る上でも大変重要なことになります。このため、医療費の助成については、住んでいる自治体によって違いが生じることなく、障害のある方誰に対しても公平に保障される必要があるという観点から、国に対しまして、東京都も含む全国一律の障害者への医療費助成制度が創設されるよう求めているところでございます。  最後に、社会保障についてのお尋ねです。  社会保障制度の充実は、区民の生活の安定のためにも大変重要なことでございまして、国としても大きな課題として取り組んでいるところでございます。今後とも、国の動向を見極めながら、また、区として、区民に身近な自治体として、区の生活実態をしっかりと把握し、必要な施策について充実を図ってまいります。  よろしくご理解のほどお願いいたします。   〔教育長(青木康平君)登壇〕 ○教育長(青木康平君) ただいまの共産党議員団を代表しての風見利男議員の再質問にお答えいたします。  区として、学校給食の無償化を早急に実施することについてのお尋ねでございます。  教育委員会としましては、学校給食に要する経費につきましては、学校給食法に基づき、食材費を給食費として保護者に負担していただきまして、調理にかかる経費、あるいは設備経費等その他の経費については全額公費で負担しております。あわせて、先ほど答弁いたしましたとおり、区独自に果物、あるいは特別栽培野菜、精米の一部を公費で購入しております。  この学校給食法の経費区分に基づいて、食材費については、保護者の方のご負担いただきたいと考えております。あわせて、経済的理由によりその負担が困難な保護者につきましては、これまでどおり就学援助で対応してまいりたいと思っております。  よろしくご理解のほどお願いいたします。 ○議長(うかい雅彦君) 以上にて、本日の日程は全部終了いたしました。  本日の会議は、これをもって散会いたします。                                         午後五時一分散会...