• 辞職勧告決議(/)
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  1. 港区議会 2016-11-24
    平成28年第4回定例会−11月24日-14号


    取得元: 港区議会公式サイト
    最終取得日: 2021-09-21
    平成28年第4回定例会−11月24日-14号平成28年第4回定例会  平成二十八年 港区議会議事速記録 第十四号(第四回定例会)   平成二十八年十一月二十四日(木曜日)午後一時開会     一 出席議員(三十四名)       一  番  玉 木 まこと 君      二  番  榎 本 あゆみ 君       三  番  山野井 つよし 君      四  番  兵 藤 ゆうこ 君       五  番  丸山 たかのり 君      六  番  池 田 たけし 君       七  番  黒崎 ゆういち 君      八  番  小 倉 りえこ 君       九  番  赤 坂 大 輔 君      十  番  榎 本  茂  君       十 一番  横 尾 俊 成 君      十 二番  清 家 あ い 君       十 三番  ちほぎ みき子 君      十 四番  やなざわ 亜紀 君       十 五番  有 働  巧  君      十 六番  鈴 木 たかや 君       十 七番  土 屋  準  君      十 八番  大 滝  実  君       十 九番  いのくま 正一 君      二 十番  杉 浦 のりお 君       二十一番  なかまえ 由紀 君      二十二番  阿 部 浩 子 君       二十三番  近 藤 まさ子 君      二十四番  ゆうき くみこ 君       二十五番  二 島 豊 司 君      二十六番  池 田 こうじ 君       二十七番  熊 田 ちづ子 君      二十八番  風 見 利 男 君
          二十九番  七 戸  淳  君      三 十番  杉本 とよひろ 君       三十一番  林 田 和 雄 君      三十二番  清 原 和 幸 君       三十三番  うかい 雅 彦 君      三十四番  井 筒 宣 弘 君     一 欠席議員  な し     一 説明員       港   区   長 武 井 雅 昭 君    同 副  区  長 田 中 秀 司 君       同 副  区  長 小柳津  明  君    同 教  育  長 青 木 康 平 君         芝地区総合支所長               麻布地区総合支所長       同         波多野  隆  君    同         堀   二三雄 君         街づくり支援部長兼務             産業・地域振興支援部長兼務         赤坂地区総合支所長              高輪地区総合支所長       同         森   信 二 君    同         横 山 大地郎 君         子ども家庭支援部長兼務            環境リサイクル支援部長兼務         芝浦港南地区総合支所長            地域包括ケア・       同         浦 田 幹 男 君    同         所   治 彦 君         保健福祉支援部長兼務             福祉施設整備担当部長                                特定事業       同 みなと保健所長 吉 田 道 彦 君    同         坂 本  徹  君                                担当部長                                用地・施設活用       同 企画経営部長  安 田 雅 俊 君    同         齋 藤 哲 雄 君                                担当部長         防災危機       同         高 橋 辰 美 君    同 総 務 部 長 渡 邊 正 信 君         管理室長         会計管理者                  教育委員会       同         奥 野 佳 宏 君    同         益 口 清 美 君         会計室長事務取扱               事務局次長     一 出席事務局職員       事 務 局 長   北 本  治  君    事務局次長     河 本 良 江 君                              議 事 係 長   河 野 あゆみ 君                                              他五名             ───────────────────────────       平成二十八年第四回港区議会定例会議事日程          平成二十八年十一月二十四日 午後一時 日程第 一  会議録署名議員の指名 日程第 二  会期の決定 日程第 三  諸般の報告 日程第 四  代表質問・一般質問        池 田 こうじ 議員(自民党議員団)        なかまえ 由紀 議員(みなと政策会議)        ちほぎ みき子 議員(公明党議員団)        大 滝  実  議員(共産党議員団)             ─────────────────────────── ○議長(うかい雅彦君) ただいまより平成二十八年第四回港区議会定例会を開会いたします。  今回の応招議員はただいま三十四名であります。したがいまして、本定例会は成立いたしました。             ─────────────────────────── ○議長(うかい雅彦君) これより本日の会議を開会いたします。  ただいまの出席議員は三十四名であります。             ─────────────────────────── ○議長(うかい雅彦君) これより日程に入ります。  日程第一、会議録署名議員をご指名いたします。三十番杉本とよひろ議員、三十一番林田和雄議員にお願いいたします。             ─────────────────────────── ○議長(うかい雅彦君) 日程第二、会期の決定を議題といたします。  お諮りいたします。今回の定例会の会期は、本日から十二月二日までの九日間といたしたいと思いますが、ご異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(うかい雅彦君) ご異議なきものと認め、さよう決定いたしました。             ─────────────────────────── ○議長(うかい雅彦君) 日程第三、諸般の報告がありますので、ご報告いたします。  まず、職員に定例会招集の報告をさせます。   〔河本事務局次長朗読〕             ─────────────────────────── 二八港総総第二千百十五号 平成二十八年十一月十七日  港区議会議長 うかい 雅 彦 様                                     港区長  武 井 雅 昭       平成二十八年第四回港区議会定例会の招集について(通知)  本日別紙告示写しのとおり、標記定例会を十一月二十四日(木)に招集しましたので通知します。             ─────────────────────────── 港区告示第三百三十六号  平成二十八年第四回港区議会定例会を十一月二十四日に招集します。   平成二十八年十一月十七日                                     港区長  武 井 雅 昭             ─────────────────────────── ○議長(うかい雅彦君) 次に、説明員について、区長から通知がありました。この通知は、お手元に配付してあります。  なお、朗読は省略し、詳細については、これを速記録に登載することにいたしたいと思いますので、ご了承願います。 (参 考)             ─────────────────────────── 二八港総総第千八百四十二号 平成二十八年十月十二日  港区議会議長 うかい 雅 彦 様                                     港区長  武 井 雅 昭       説明員について(通知)  地方自治法第百二十一条の規定に基づく説明員について、別紙のとおり通知します。  (別紙)  一 異動(平成二十八年十月十二日付)   麻布地区総合支所副総合支所長 兼務 麻布地区総合支所管理課長   麻布地区総合支所総合支所長事務代理                 大 滝 裕 之   保健福祉課長 保健福祉支援部長事務代理               西 田 京 子  二 解除(平成二十八年十月十一日付)   麻布地区総合支所長 兼務 保健福祉支援部長             青 木 康 平             ─────────────────────────── 二八港総総第千八百四十四号 平成二十八年十月十九日  港区議会議長 うかい 雅 彦 様                                     港区長  武 井 雅 昭       説明員について(通知)  地方自治法第百二十一条の規定に基づく説明員について、別紙のとおり通知します。  (別紙)   異動(平成二十八年十月十九日付)
      副区長                               田 中 秀 司   麻布地区総合支所長 兼務 産業・地域振興支援部長          堀   二三雄   赤坂地区総合支所長 兼務 子ども家庭支援部長            森   信 二   芝浦港南地区総合支所長 兼務 保健福祉支援部長           浦 田 幹 男   企画経営部長                            安 田 雅 俊   芝地区総合支所副総合支所長 兼務 芝地区総合支所管理課長      若 井 世台子   麻布地区総合支所副総合支所長 兼務 麻布地区総合支所管理課長    大 滝 裕 之   保健福祉課長                            西 田 京 子   総務部総務課長                           星 川 邦 昭   芝地区総合支所協働推進課長                     金 田 耕治郎   麻布地区総合支所区民課長                      橋 本  誠   芝浦港南地区総合支所区民課長                    木 下 典 子   企画経営部企画課長 兼務 企画経営部区役所改革担当課長       野 上  宏   総務部人事課長                           太 田 貴 二             ─────────────────────────── ○議長(うかい雅彦君) 次に、平成二十八年九月及び十月の例月出納検査の結果について、過誤のないことを確認した旨の報告書がそれぞれ監査委員から議長の手元に提出されております。  九月の例月出納検査の結果について、その概要を職員に朗読させます。   〔河本事務局次長朗読〕             ─────────────────────────── 二八港監第五百九十四号 平成二十八年十月二十五日  港区議会議長 うかい 雅 彦 様                                  港区監査委員  高 橋 元 彰                                  同       徳 重 寛 之                                  同       井 筒 宣 弘       平成二十八年九月例月出納検査の結果について  地方自治法第二百三十五条の二第一項の規定に基づき例月出納検査を実施したので、同法同条第三項の規定により、結果に関する報告を下記のとおり提出します。          記 一 検査の範囲   (一) 検査対象  区一般会計、国民健康保険事業会計後期高齢者医療会計介護保険会計、雑部金、基金   (二) 検査場所  港区監査事務局   (三) 検査期間  平成二十八年九月二十三日から九月二十七日まで 二 検査の結果  本検査においては、会計管理者から提出された平成二十八年九月(平成二十八年八月分)例月出納報告書の計数について、出納関係諸帳簿及び諸票、指定金融機関提出の収支計算書、預金通帳、証拠書類、証券等と照合し検証した結果、過誤のないことを確認しました。             ─────────────────────────── ○議長(うかい雅彦君) なお、十月の結果については、ただいまの報告と同様の内容でありますので、朗読は省略し、詳細については、これを速記録に登載することにいたしたいと思いますので、ご了承願います。  また、報告書は議長の手元に保管しておりますので、随時ご閲覧願います。 (参 考)             ─────────────────────────── 二八港監第六百五十一号 平成二十八年十一月十日  港区議会議長 うかい 雅 彦 様                                  港区監査委員  高 橋 元 彰                                  同       徳 重 寛 之                                  同       井 筒 宣 弘       平成二十八年十月例月出納検査の結果について  地方自治法第二百三十五条の二第一項の規定に基づき例月出納検査を実施したので、同法同条第三項の規定により、結果に関する報告を下記のとおり提出します。          記 一 検査の範囲   (一) 検査対象  区一般会計、国民健康保険事業会計後期高齢者医療会計介護保険会計、雑部金、基金   (二) 検査場所  港区監査事務局   (三) 検査期間  平成二十八年十月二十四日から十月二十六日まで 二 検査の結果  本検査においては、会計管理者から提出された平成二十八年十月(平成二十八年九月分)例月出納報告書の計数について、出納関係諸帳簿及び諸票、指定金融機関提出の収支計算書、預金通帳、証拠書類、証券等と照合し検証した結果、過誤のないことを確認しました。             ─────────────────────────── ○議長(うかい雅彦君) 次に、特別区職員の給与等に関する報告及び勧告が、特別区人事委員会委員長から議長の手元に提出されておりますので、その概要を職員に朗読させます。   〔河本事務局次長朗読〕             ─────────────────────────── 平成二十八年十月十一日  港区議会議長 うかい 雅 彦 様                             特別区人事委員会委員長  中 山 弘 子  地方公務員法第八条、第十四条及び第二十六条の規定に基づき、一般職の職員の給与について別紙第一のとおり報告し、別紙第二のとおり勧告します。  また、同法第八条の規定に基づき、人事制度等について別紙第三のとおり意見を申し出ます。             ─────────────────────────── ○議長(うかい雅彦君) なお、詳細については、議長の手元に保管しておりますので、随時ご閲覧願います。             ─────────────────────────── ○議長(うかい雅彦君) 次に、平成二十八年度(二〇一六年度)港区教育委員会の権限に属する事務の管理及び執行の状況の点検及び評価(平成二十七年度分)報告書が、港区教育委員会教育長から議長の手元に提出されておりますので、その概要を職員に朗読させます。   〔河本事務局次長朗読〕             ─────────────────────────── 二八港教庶第千六百八十八号 平成二十八年十月二十日  港区議会議長 うかい 雅 彦 様                              港区教育委員会教育長  青 木 康 平  平成二十八年度(二〇一六年度)港区教育委員会の権限に属する事務の管理及び執行の状況の点検及び  評価(平成二十七年度分)報告書の提出について  地方教育行政の組織及び運営に関する法律第二十七条第一項及び第二項に基づき、港区教育委員会の権限に属する事務の管理及び執行の状況の点検及び評価を行いましたので、同条第一項の規定により、結果に関する報告を別紙のとおり提出します。             ─────────────────────────── ○議長(うかい雅彦君) なお、詳細については、議長の手元に保管しておりますので、随時ご閲覧願います。  以上にて報告を終わります。             ─────────────────────────── ○議長(うかい雅彦君) 日程第四、区の一般事務について、質問の通告がありますので、順次発言をお許しいたします。最初に、二十六番池田こうじ議員。   〔二十六番(池田こうじ君)登壇、拍手〕 ○二十六番(池田こうじ君) 平成二十八年第四回港区議会定例会におきまして、自民党議員団を代表いたしまして、区長、教育長に質問いたします。  今回の質疑のくくりは二つございます。一つは、手が差し伸べられる優しい区政についてでございます。  地方自治体は、区民に最も身近な存在であります。ですから、直接手が差し伸べられるのが地方自治体であります。手を差し伸べることこそ地方自治体の存在意義だと思います。手を差し伸べる優しい区政は福祉だけではなく、まちづくりや教育など、さまざまな施策に反映されていなくてはなりません。地方自治体は、地域や区民の様子をさまざまと見渡し、暗くて陰のある部分に手を差し伸べなくてはいけないと思っています。  かつて特別養護老人ホームの園長をしておりましたときに、何十人もの身寄りのない人の葬儀に行って骨を拾いました。それはまさに手を差し伸べる行為でございましたが、港区議会議員になって十年、私は手を差し伸べる区政をやってこられたのか、今反省に立っております。特に、児童虐待や高齢者虐待につきましては、十年たって二倍三倍に増えております。多くの提言をしてまいりましたが、一体どこまでそれが意味のあったことなのか。私は今、反省をしているところでございます。  もう一つのくくりは、百年の港区ということでございます。平成二十八年十二月四日、港区は区政七十周年の記念式典を控えております。我々はとかく目先の課題やごたごたに目を奪われがちでございますが、港区の区政七十周年をよい機会といたしまして、三十年後の港区を思い、中期的・長期的課題に思いをはせなくてはなりません。  三十年前を振り返れば、港区のまちにいた仲間はほとんど港区に残っておりません。ことし生まれた子どもが三十年後、この港区に大好きなままいられるかどうか、これは本当に我々区議会にかかわる者が思いを寄せて進めていかなくてはならない課題だと思っております。そのような思いで、優しい区政の推進と百年の港区、この二つのくくりで質問を区長と教育長にさせていただきます。  まず、港区誕生七十年を迎える今、区長は百年の港区の姿をどう描くのかについてお伺いします。  百年の港区の人口は三十万人を超えています。三十万人に達するのはその十七年前、平成三十九年頃でございますが、港区でも少しずつ生産年齢人口が減り、後期高齢者も今より七割ほど多くなっているのが百年の港区の人口構造であります。  また、大規模開発等により増加した年齢層が後期高齢者に入っていく、それがまた百年の港区の姿でもあります。これは全国的に見れば悲観すべきものではなく、日本の人口が平成二十年度をピークに減少し始めていることを考えれば、港区は三十年後も日本で最も恵まれている自治体と言っても過言ではありません。  ただ、現在は地方自治体におけるトップランナーと言っても過言ではありませんが、東京一極集中批判による法改正リスクや特別区再編の流れ、世界情勢の不安、マグニチュード七クラスの首都直下地震が起きるリスクなど、不確定要素も立ちはだかっております。法人住民税の一部国税化やふるさと納税の動き、昨今の都心自治体に対する牽制は、全国的な少子高齢化でますます地方が逼迫していることに由来していると思います。  全国的には、高齢者比率はこの先三十年間増加し続けることが予測されております。三五%から三八%の高齢者比率になることが予想されております。日本の人口も一億人を切ることはないものの、その大台を割り込もうとしているのが日本の三十年後の姿であります。国土交通省の首都圏白書によると、働き手となる生産年齢人口は三十年間で二三%減るとの予測もあります。  百年の港区を取り巻く日本の状況は決して明るくありません。これらのさまざまな状況が、どのように百年の港区に影響してくるのか。港区政に携わる我々は、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会などの四、五年先の課題などにとらわれがちでありますが、三十年後の港区の姿を思い描く必要があります。先ほど申しましたが、港区誕生七十年はそのよい機会だと思います。このすばらしい港区のまちを我々は次世代に引き継いでいく責務があります。百年の港区もまた、これまで同様、産業文化を活性化し、国際性にあふれ、魅力あるまちづくりを果たし、若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえ、安全・安心なまちをつくり、温かい教育を実践し、支え合う地域をつくっていかなくてはなりません。  そこで、区長にお伺いします。港区誕生七十年を迎える今、区長は、百年の港区の姿をどのように描いているのでしょうか。  続きまして、人口三十万人に対応できる総合支所制度の改革を行う時期が来ていないかお伺いします。  平成十八年四月、五地区総合支所が設置され、十年が経過しました。以来、何度か修正、改革というものは行われましたが、大きな改革は平成二十一年度以降行われておりません。このときの改革は、管理調整を担う管理課を設置し、副総合支所長を設置することでありました。以降、各地区総合支所で取り扱う事務は、適宜充実させてきたわけでありますが、当時の人口は約二十二万二千人、現在の人口は二十四万九千人でございますから、各地区総合支所に寄せる区民の期待も、サービス需要も平成二十一年度の改革当時とはまるで違う様相になっております。  人口三十万人が確実とされている現在、港区の戦略的中期ビジョンに耐え得る総合支所制度の改革を行う時期に差しかかっていると私は感じております。まず、協働推進課においては、防災機能の強化と生活安全施策に関する業務が増大しております。地域との接点もより厚くなっております。人口が増えれば、その負担も過大となってくると思います。まちづくり担当におきましては、多様な土木分野における業務のほか、協働推進課との業際、地域のイベントなどにもよくかかわっており、今後ますますその傾向は強くなると思っています。  区民課におきましては、多様な区民福祉ニーズに対する職員の専門性の向上と、やはり人口増による業務負担の増大、構造的には後期高齢者と児童の増加という課題と抱えております。また、あわせて福祉サービスから抜け落ちる区民をつくらない福祉ワンストップサービス、家族支援の担い手となることも今後期待したいと思っています。家族の誰かに福祉ニーズがあれば、ほかの家族に影響します。障害の子どもがいれば、親は自分の高齢化や介護の問題に悩むことになります。夫婦仲が悪ければDVになって、子どもの虐待につながります。介護者に病気があれば、高齢者介護虐待につながったりします。平成二十七年度決算審議でも質問いたしましたが、家族支援としての取り組みは、各地区総合支所の区民課が担ってほしいと切望しているところでございます。  また、総合支所長においても、より地域での信頼感が増し、総合支所業務全般の核となっておりますが、反面、何でいつも総合支所にいないのだというような声を地域で聞くようになってきました。現行では問題ありませんが、区民が三十万人となれば、現場最前線で多様な業務を担う各地区総合支所のトップが、もう一つの要職である支援部長との兼務で、業務がおろそかならないかという議論も必要になっている時期だと思います。それはまた、支援部との連携強化、明確な役割分担の位置づけをするにあたっても検討するに値すると思います。
     そこで区長に伺います。総合支所制度のこれまでの実績を踏まえ、人口三十万人時代の区民サービス需要にきめ細かく対応できる各地区総合支所のあり方を考え、新たな改革を図るべき時期が来ていると思うが、どう考えるか、お伺いいたします。  続きまして、指定管理者制度のマネジメント指針が必要な時期が来ていないかということでございます。  平成二十六年度決算審議におきまして、私は指定管理者制度につきまして、厳しく課題を挙げさせていただきました。それは、現場に職員がいなくなったことによるマネジメント能力とモニタリングの品質向上についてであります。施設の設置責任者の責務を決して忘れず、区は地域を熟知し、指定管理者のマネジメント能力を上げていかなくてはならないと申し上げました。もちろん、指定管理者制度のメリットは大いにあります。その根幹は区民の多様なニーズに応え得る民間の多様な発想や活力の導入であります。先日の第二回議会報告会におきましても、区民の方から「指定管理者による民間のサービスは、役人が直接やるよりすばらしい」との少し意味深な声もありました。  本定例会で区立公園の指定管理者の指定について、議決がもしなされれば、その数、実に二百二施設、九割以上の区有施設が指定管理者制度によって運営されることになります。もはや指定管理者制度自体を反対と言っている段階ではなく、いかに適切に指定管理者を監理し、区政にフィードバックしていくかという議論に港区議会も全力で注力を上げるべき段階となっていると私は思います。  これまで港区は、指定管理期間を施設の特徴に合わせ柔軟に定めたり、港区指定管理者制度運用指針を定めるなど、本制度の円滑な運用に努めてまいりました。ただ、この指針はあくまでも制度の運用に関するものであり、業務の把握といった項目はあるものの、指定管理者業務のマネジメントを定めるものではありません。  マネジメントとは、民間事業者である指定管理者の能力を十分に地域に活用させ、その成果を区政にフィードバックさせることのできる能力のことであります。各地方自治体における指針や規定を見れば、指定管理者が事業を推進するにあたってのマネジメントシステムは明記されていても、行政が指定管理者を監理するマネジメント指針は全国的にもほとんど見当たりません。施設運営手法を熟知することよりも、もはや指定管理者のマネジメントそのものが区有施設運用の最重要事項という時代が来ていると思います。  そこで区長に伺います。指定管理者制度のマネジメント指針というべきものを策定するべき時期に来ていると思うが、どう考えるか、お伺いいたします。  続きまして、東京二〇二〇大会開催後の港区の交通環境、中期的な重要課題を区長はどのように考えているのかお伺いします。  港区の未来、これからのまちづくりを考えていく上で、交通環境を中期的にどのようによりよいものにするのかは大変重要な課題であります。平成二十七年度決算審議を通して、都心港区の交通環境の各課題に提言をさせていただきましたが、今定例会におきましては、その中期的課題についてお伺いしたいと思います。  既に何度も触れておりますが、港区はわずか十年足らずで人口三十万人に達し、後期高齢者と子育て世代が増加するといった構造変化を来します。このことが交通環境施策にも影響してくることは間違いありません。昨今よくニュースとなっている高齢ドライバー事故の頻発などは、こうした人口動向を見ると、港区においても顕在しないとも限りません。今後は、港区におきましても、運転免許保有者が高齢化していくため、これまで以上の傾斜で高齢ドライバーが増えていくと思われます。平成二十七年度決算審議の答弁では、IoT、ICTを活用した交通安全の取り組みなど、検討を進めていくとありましたが、この点については、ぜひ力を入れて進めていただきたいと思います。  都心港区の交通インフラに関しましては、平成三十一年のBRT運行開始、平成三十二年の東京メトロ日比谷線新駅とJR山手線新駅の暫定開業、加えて平成三十九年のリニア中央新幹線の品川から名古屋間開業などがあり、同時並行的にさまざまな開発が進行していることから、当然これに付随した新たな交通需要も発生してくると思います。  ほかにも、区内交通不便地域の解消、水上タクシーなどの舟運活性の検討、実証実験段階にある自転車シェアリングの端末交通としての明確な位置づけ、外国人、観光客にもわかりやすい交通関連表示の構築など、短期・中期的にも取り組むべき交通環境課題は山積しております。そして、何よりもこれまで以上に広域交通と地域交通が緊密に連携していくことが強く求められます。  そこで区長にお伺いします。港区を取り巻く国や東京都の施策に起因する大胆な交通環境の変化を、いかに地域住民・地域交通に結びつけ、寄与させていくかが重要なことだと考えますが、特に、東京二〇二〇大会開催後の港区の交通環境の中期的な課題を区長はどのように考えているのか、お伺いいたします。  続きまして、児童増加に伴い、就学前から高校生まで児童全世代を健全育成する居場所づくりを総体的に考えていくべきだと思うがどうか、お伺いします。  港区は急激な年少人口の増加や保育需要の高まりに対応し、保育園定員の拡大に積極的に取り組んできました。平成二十二年度の保育園定員が三千二百二十六人だったのに対しまして、平成二十八年四月には七千六人と二倍以上に拡大しております。それでも追いつかず、いまだに待機児童が解消されておりません。目の前にある課題にはしっかり取り組んでいただきたいと思います。  加えて保育園定員の増加は、時の経過とともに学童クラブ需要にも影響すると以前も指摘申し上げたところですが、そのとおりの状況になっております。小学三年生までが対象であった平成二十六年度の学童クラブ定員は千三百二十八名でありましたが、ことしは二千六百八十五名、平成二十九年度は二千九百五名まで拡大する予定であり、港区は児童増加の構造変化に最大限の努力をしていると認めるところであります。  今回、新たに指摘しておきたいのは、保育園急増世代の子どもたちが成長し、学童クラブを経て、やがて中・高生の居場所の拡充が必要になってくるということであります。中学生も高校生も、確かに一人で家にいられるようになります。部活や受験も忙しいかもしれませんが、一人孤立した環境で、その輝かしい年代をこもりがちに費やす子どもも増加してくるはずです。特に、中学生は思春期であり、塾や部活動に居場所を見つけられない子どもも実際たくさんおります。さらに、共働き家庭やひとり親家庭で、夜まで家に保護者がいないという家庭環境は、基本的に保育園に通っていたときから変わりません。なおさら健全な育成を期する中学生の居場所ニーズも高まってくるはずであります。  各地区に計画整備をしている子ども中高生プラザ、児童館は、幼児から十八歳までの幅広い年代の児童が利用するための施設でありますが、子ども中高生プラザはとりわけ中・高生の利用を名前のとおり明確に意識して整備した施設であり、その核となるはずです。  そこで区長にお伺いします。保育園急増世代が成長していく過程の中で、保育園から放課GO→クラブ対応へ区はピッチを上げて整備をしていますが、人口三十万人時代を迎えるこれからの港区は、児童全世代を健全育成する居場所づくりを総体的に考えていくべきだと思うが、どう考えるか、お伺いいたします。  続きまして、三十年以内に発生確率七〇%と言われるマグニチュード七クラス首都直下地震に備える防災施策をどのように構築するのかお伺いします。  港区政百年の姿を冒頭で区長にお伺いしました。もちろん永遠にバラ色が続くと保証されているわけではありません。特に、百年までの三十年の間に、七〇%の確率でマグニチュード七クラスの首都直下地震が起きるリスクを我々は抱えております。東京全体で考えれば、最悪、死者二万三千人、経済被害額が約九十五兆円に上るとの試算もあります。観光客、在勤者も増加していく中で守らなければならない命の分母は、人口増も相まって、殊さらに、この都心港区では増加し続けております。防災を考えるとき、自助・公助・共助と言いますが、これからの防災は、自助の能力を高め、公助がその後ろ盾となるべきであります。これは東日本大震災で我々が学んだことであります。  もはや発災時の公助に過大な期待は寄せられず、これからの公助は、自助促進のために努力を傾注するべきだと思います。また、他自治体との連携強化も今後は重点課題となります。例えば、東日本大震災のとき、岐阜県郡上市から温かい支援を経験した我々は、自治体がふだんから結び合っていることこそ災害の備えになるということを身をもって知っております。自治体間連携のきずなは東日本大震災のとき、また、熊本地震のときもそうでございましたが、世界的に称賛され、驚かれた日本の美しい特性だと思います。区民の生命と財産を守る責任を果たすため、これまで築いてきた自治体間連携を災害時相互協力協定につなげ、広域的な協力体制を築くべきだと思います。  平成二十八年度は、港区地域防災計画を修正し、さらなる改善を図っているところでありますが、その狙いもあわせて区長にお伺いします。区はこれから、どのように港区の未来を守っていくのか。自治体連携、自助の促進という観点から、港区の未来を守る地域防災の中・長期的ビジョンをお伺いします。  項目一の最後の質問です。区長と連携する新教育委員会制度の中で就任した新教育長の港区の教育にかける初心と中・長期的ビジョンについてお伺いします。  およそ六十年ぶりに大幅に見直されました地方教育行政法の改正は、ご存じのように教育委員長と教育長を常勤の教育長に一本化し、責任体制を明確にしたものであります。あわせて、首長が総合教育会議の設置や教育長の罷免をできるようにするなど、首長とのかかわりも強化したものであります。これからの教育長は教育委員会を牽引しながらも、区民から選ばれた首長との連携を果たしていかなくてはなりません。  原則公開の総合教育会議は既に港区でも行われているところでありますが、これまで遠い存在に感じがちだった教育行政が区民にとっても身近となり、教育委員会の説明責任も以前にも増して明確になってきております。「知」「徳」「体」「学校」「家庭」「地域・社会」、教育委員会は港区の未来と希望を担っております。  また、教育委員会は、区民のスポーツに対する多様なニーズにも応えていかなくてはなりません。東京二〇二〇大会も近づき、レガシーとなるさまざまな取り組みも期待されております。スポーツ行政を支援部に移すべきというのは私の持論でありますが、教育委員会事務局がスポーツ行政推進のエンジン足り得るためには、少なくとも教育委員にスポーツの専門家を選任するべきだと提言申し上げておきます。  このような港区の教育を取り巻く状況の中で、青木新教育長が誕生いたしました。青木新教育長は、教育委員長が廃止され、一本化された初めての教育長であります。青木新教育長は、支援部での豊富な経験のほか、総合支所においても地域に絶大な信頼を得ていたことは、麻布地区総合支所でも私自身強く感じていたところでございます。教育と地域の連携についても大いに期待するところであります。  港区は、出生率が二十三区中トップとなり、児童数が増加しております。教育委員会の責任は、人口三十万人となる中で、よりよき地域社会を形成していく上でも甚だ重く、柔軟な運営が必要とされております。新制度に移行し、港区においては、まだその効果、教育委員会の活動が活性化しているとは言えません。  そこで青木新教育長にお伺いします。区長と連携する新教育委員会制度の中で就任した新教育長の港区の教育にかける初心と中・長期ビジョンについてお伺いします。  それでは、項目二、手を差し伸べる優しい区政の推進についてお伺いします。  まず、要保護児童の十八歳以降の支援について、都心港区はどのように取り組んでいくのかお伺いします。  児童養護施設で暮らす子どもたちの半数以上は、虐待やネグレクトで措置された子どもたちであります。全国の虐待の相談件数は、平成二十七年度の速報値で十万件を超えております。このうち家庭復帰が見込まれない深刻なケースで、二千人以上の子どもたちが毎年児童養護施設に入所しています。一見この豊かな日本において、親がいるのに親と住むことのできない子どもたちが全国に三万人児童養護施設にいるということを、地方自治にかかわる我々は胸にとどめておかなくてはなりません。我々の足元、この東京都におきましても児童養護施設は五十九施設、約三千人の子どもたちが暮らしています。入所は一歳から十八歳までで、最近の傾向は就学前の幼児が多いということです。この子どもたちの将来とその夢に我々は寄り添っていくべきだと思います。  毎年、東京都におきましては、二百人から三百人の子どもたちが不安なまま児童養護施設から社会に巣立っていきます。というより出ていてくことを余儀なくされます。公的な支援金は三十万円にも満たない金額でございます。住む場所を借り、生活必需品をそろえたら無一文になります。児童養護施設にいる港区の子どもたちは三十人前後で推移しています。就職時には自立支援を施設が担うわけでありますが、在園生の健全育成に二十四時間体制で傾注している施設側には限界もあります。また、卒園後の子どもたちの支援は、本来の施設業務ではないことからしても子どもたちの未来に不安要素は多いということが言えます。  大人に見守られていないことの不安や、貯金がない、セーフティネットがない危うさ、もどかしい親との関係、暴力団や風俗などのリスク、いつまでも消えない心の傷、アパートや携帯電話の保証人が探せない、十代で迫られる自活など、社会に出ていく子どもたちは多くの困難に立ち向かっております。要保護児童の十八歳以降の支援については法改正の流れはありますが、卒園後の子どもたちに手を温かく差し伸べるのは地域社会の責務であり、地方自治体もその一部だと思います。世田谷区の一連の取り組みは、その一例だと思います。  十八歳で要保護児童の支援打ち切りというのは、一般家庭の子どもたちと同じ尺度で考えられています。十八歳になったからといって子どもたちを取り巻く環境が劇的に改善されるわけではありません。むしろ行政の後ろ盾がなくなり、状況がひどくなりかねないわけであります。十八歳以降の要保護児童の支援については、平成二十七年度決算審議でも質疑いたしました。十八歳以上の要保護児童の支援策については検討課題として、区として地域ぐるみで自立を支援していく体制を整備していくとの姿勢でありました。  要保護児童が就職だけではなく、進学においてもその夢を実現するには深刻な状況であります。厚生労働省の調査によりますと、児童養護施設で暮らす子どもたちの大学進学率は、全国平均が五四・五%なのに対して一一・一%、専門学校におきましても全国平均二〇・二五%に対して一二・二%と極端に少ないわけであります。夢を持っていても先に進めないのであります。  本日はこのような提案をしたいと思います。児童養護施設を卒園する子どもたちの中には、保育士になりたくても諦める子どもたちもたくさんいます。すぐに働かざるを得ず、専門学校に通う余裕もないのです。一方、港区においては、これからも保育需要はますます高まっていくと思います。質の高い保育士の確保も喫緊の課題であります。特に子ども時代不遇だった要保護児童が、子どもの面倒を見る保育士になりたいという夢に寄り添うことはできないでしょうか。  港区では、区内の保育園に勤める保育士の家賃補助なども行っておりますが、保育士資格取得を促進する港区保育従事職員資格取得支援事業補助金交付要綱を定めております。この港区保育従事職員資格取得支援事業補助金交付要綱に、児童養護施設を卒園する児童を対象とする上乗せ拡充など、温かく見守る支援策について調査検討できないか。また、保育園に限らず、都心には働く場所はたくさんあります。飲食店も東京で一番多いのが港区であります。区内に児童養護施設はなくとも、児童養護施設から社会に出ていく子どもたちと都心港区の接点は十分にあります。  そこで区長にお伺いします。区が児童相談所を設置する流れの中で、都心港区として、要保護児童の十八歳以降の支援について、区長の考えをお伺いします。  続きまして、港区での児童相談所設置に関連して一時保護所も併設すべきだと思うがどうかという質問でございます。  一時保護とは、虐待、放任等の理由により、その子どもを家庭から一時引き離す必要がある場合などの緊急保護や行動観察、短期入所指導などの理由により適切な法的手続を経て実施されるものであります。港区でも現在、三十名前後の子どもが一時保護所におります。  少し前になりますが、毎日新聞にこのような記事がありました。子どもは小学生ですが、最近は学校に通っていないという。区の職員が自宅を訪れると、食事を満足に与えられていない様子で、衣服は汚れが目立っていた。保護者の帰宅が遅く、子どもの生活は昼夜逆転しているのは明らかだった。学校での様子や生活環境を調査した後、区で検討した。一時保護の必要があると東京都の児童相談所に伝えた。児童相談所は、明確な暴力があれば、すぐに親から引き離すが、ネグレクトの場合は緊急性が伝わりにくい。精神的に限界と子どもが区職員に保護を訴えたこともあり、半年後ようやく児童相談所に一時保護された。区は、子どもにとって半年は貴重な時間。区が児童相談所を持てば、一時保護や保護者への指導を状況に応じて迅速に行えるようになると話しているという記事です。これはほかでもない港区の子どもの話でありました。  児童相談所を港区が設置する以上、一時保護所が併設されているということは、児童を守る迅速かつ総合的なアプローチを行う上で非常に有効なことだと思います。区長は、本年、児童相談所を設置すると明言されました。  そこで区長にお伺いします。区が児童相談所を設置する以上、一時保護所の設置を検討すべきだと思うが、区長はどのように考えるか、お伺いいたします。  続きまして、自殺予防対策として、うつ病や自殺未遂者とその家族のケア、追い込まれないための居場所づくりに港区はどのように取り組んでいくのか質問いたします。  私が取り組んでいる児童虐待の問題と自殺の問題は深く関連しています。虐待される児童も、虐待をする家族も多くが心傷つき追い込まれ、よりどころとなる居場所がないのです。  平成二十八年度の自殺対策白書が閣議決定されましたが、自殺者はここ六年連続で減少しております。それでも年間二万四千人の尊い命が自殺で失われております。この数は東日本大震災の全犠牲者をはるかに上回る命の数であります。日本の年間の変死者は十万人以上との統計もあり、ここにも相当数自殺者がいると見られております。心の大災害とも言える自殺が、なぜこの豊かな日本に毎年毎年押し寄せているのか。毎年二万四千人といっても、四年で十万人近くなります。家族が二人いれば、たったの四年で二十万人の家族の心が傷つき、生きる希望を軽減させているのであります。その自殺者の数倍、自殺未遂者がおり、またその数倍、自殺願望を持つ追い込まれた人たちが日本の地域社会にいるのであります。  平成二十八年度版自殺対策白書を精査すると、景気の回復で中高年の自殺率は減少したものの若い世代の自殺はむしろ増加しており、深刻であります。希望さえあれば、どんな状況でも人は前を向いて歩いていけると私は信じています。  港区は、平成二十六年九月に港区自殺対策推進計画を策定し、総合的な自殺予防対策を推進しています。ここでは、その計画に明確に盛り込まれていない二つの課題について、区長にお伺いしたいと思います。  自殺とは追い込まれ、手が差し伸べられない状態が続くと発生します。自殺未遂者はまさに一度追い込まれた人であることは間違いなく、そのとき死に切れなかっただけで、すぐに追い込まれた状況が改善されるわけではありません。地方自治体としても自殺未遂者のケアを厚く推進すると同時に、自殺未遂者の環境の一部ともいえる家族に寄り添っていくべきだと思います。  現在区は、自殺未遂者のケアはしていても、その家族のケアはしておりません。支援スキームも明確になっておりません。自殺未遂者対応支援事業もまだ実績が上がっていないところであります。急性期の治療が終了した後には、継続した精神科的治療や地域生活を支えるための支援が必要でありますが、地域の社会資源を活用した支援につなげていくための一貫したマネジメント体制も不足しております。自殺した家族のケア事業はしておりますが、自殺リスクの高いうつ病患者の家族、自殺未遂者の家族のケアは十分ではなく、必要であると考えています。自殺リスクの高い区民を追い込まないための取り組み、環境づくりが必要だと思います。  そこで区長にお伺いします。家族を含めたうつ病患者、自殺未遂者のケアをどのように進めていくのかお伺いします。  もう一つ、自殺予防対策としてお伺いします。港区の自殺者の統計を見ると、残念ながら平成二十七年度は三十九人と平成二十六年度から六人増加しており、二十代が二二・六%と東京都や全国の平均よりも高い水準であります。  今回の質疑にあたりまして、若者の自殺防止に取り組んでいる団体代表の方と議論させていただきましたが、冒頭で述べましたように、自殺とは追い込まれ、手が差し伸べられない状態が続くと発生するもので、つまり、居場所がない、相談する人がいないという状況が一番深刻な問題とのことでした。国の自殺総合対策大綱にも、誰も自殺に追い込まれることのない社会の実現を目指してと副題にあります。追い込まれないための居場所づくりは、ネット相談や行政の相談だけではなく、物理的な居場所づくりも必要であります。集まるだけではなく、個別の話もできれば、なおのことよいと思います。追い込まれた人たちは、頼れる人のいるリアルなよりどころも探しております。このような取り組みは、区だけでは抱え切れないことでもあり、民間団体の活用も検討されるべきだと思います。民間団体の活動を明確に位置づけることも、これからの自殺予防の課題として重要だと思います。  そこで区長にお伺いします。民間団体の活用も含め、自殺願望者が追い込まれないための居場所づくりに区はどのように取り組んでいくのか、お考えをお聞かせください。  続きまして、高齢者虐待を予防する家族支援についてでございます。  これまでも高齢者虐待については質疑を重ねてまいりました。議事録を振り返れば、本日で六回目となります。高齢者虐待は、それまで一生懸命生きてきた人間の尊厳を損ないます。最後に生きて、ある人が享受すべき尊厳さえ守られなくて、何のための長寿社会でしょうか。介護保険は高齢者の尊厳を守ることに、その目的があります。その尊厳を汚す高齢者虐待は、介護保険の存在自体を脅かしております。だからこそ、その実態を把握することがまず必要だと思います。もっとも高齢者虐待に特効薬はなく、地道な啓蒙活動と横断的な連携を重ねていくしかありません。高齢者虐待がこの港区に存在し、決してなくなる気配がないということを我々は忘れてはなりません。  平成二十七年度は、三割近く高齢者虐待の相談件数が増えたこともあり、ここで一度、区の取り組み姿勢を行政トップの区長に確認しておく必要を感じた次第であります。平成二十三年度と比べると、高齢者虐待事案は三十二件から六十一件と倍近くになっております。これは多分野における研修の実施など、区がさまざまな啓蒙活動によって地域や介護現場での気づきが増加したことに起因していると思われます。通報者の五九%がケアマネジャーでありますが、私自身もケアマネジャーとして研さんすることで、それまで気づかなかったことがわかるようになりました。今後とも、このような区の地道な高齢者虐待における啓蒙活動に期待したいと思います。  虐待者の七割以上が同居する家族でございます。多い順に、息子、娘、夫、妻です。愛しい家族の歴史が、最後の最後で虐待の関係に陥ることは胸が痛みます。先ほどの総合支所改革におきまして、区民課における総合福祉相談、家族支援の必要性を訴えました。児童虐待、自殺もしかり、高齢者虐待におきましても、家族ケアを含めた包括的な支援が肝要だと思います。家族の支援こそ高齢者虐待の根絶につながると思います。虐待をする家族もまた追い込まれ、悩んでおり、手が差し伸べられることを待っております。  そこで区長にお伺いします。家族支援という観点から、これ以上高齢者虐待を増やさないための取り組みとその拡充についてお伺いします。  続きまして、人口増加、多様な福祉需要に応える福祉スペースをどのように生み出していくかということについてお伺いします。  区の試算では、平成四十八年まで区の人口は増加が続くと見込んでおり、施設需要の増加に対する計画的な対応が求められております。平成二十八年十月に策定された港区財政運営方針においても、高齢者や障害者をはじめとした社会福祉施策関連経費は今後も増加が見込まれるとされております。  区長は、平成二十八年第二回定例会の施政方針におきまして、人口増加を見据えた施設整備のための用地の確保、先行して用地を取得していくことを掲げております。ただ、都心区における地価は全国平均よりも格段に高いため、財政負担は大きいものがあります。ほかの自治体との用地取得費の比較は、実に全国の約百六十二倍、特別区の中でも約三倍の高負担であります。  港区の物理的な広さは、人口が三十万人になろうとも変わりません。用地の先行取得を進めながら、私は民間の力を借りて福祉スペースの創出を誘導するべきだと考えています。再開発によって生み出されるスペースの創出は、都心ならではの特性であります。かつて港区の人口が減り続けたときに、先輩方が定住促進の仕組みをつくり、現在の地域コミュニティを守ってきたように、再開発による福祉スペースの義務づけが実現できれば、港区の多様な福祉需要確保の一助になると思っています。これはハードルの高い事案ではございますが、まずは議会で問題提起しないと始まらないと思っている次第であります。  区長にお伺いするのは初めてでありますが、実は、平成二十五年度決算審議で同様の質疑をしております。そのときの答弁は、福祉施設整備の立地を誘導する取り組みは重要な課題であり、今後、民間開発の際に、容積率の緩和等のインセンティブを与えることにより、高齢者福祉施設の整備が進むような取り組みを行っていく。今後も、区の関係部署との情報共有や連携を一層強化していくとの意外にも前向きな姿勢でございました。  平成二十七年四月、東京都では、子育て支援施設や高齢者福祉施設の整備促進を図るため、都市開発諸制度活用方針及び各制度の基準等の改定を行いました。また、港区開発事業に係る定住促進指導要綱の中にも、福祉関連施設の誘導を図るための措置がなされております。既に仕掛けは仕組まれているとも言えます。地権者や企業の社会貢献意欲に頼るものではありますが、まずはこれらの制度による積極的な誘導を区として推進していただきたいと思います。  そこで区長にお伺いします。港区の福祉需要に応える用地の先行取得を進めながら、区は再開発などにおいて福祉スペースを創出する誘導を積極的に行うべきだと思うが、区長の考えを伺います。  最後の質問です。子どもの貧困に関する調査に基づき、手を差し伸べる具体的施策を迅速に展開するべきではないかということであります。  平成二十五年六月、子どもの貧困対策の推進に関する法律が国会の全会一致で成立いたしました。この法律は、子どもの将来がその生まれ育った環境によって左右されることのないよう、教育の機会均等を図るため、その対策を総合的に推進することを目的としたものであります。  平成二十八年度予算審議でも質問いたしましたが、日本、とりわけ都心の子どもの貧困は見えにくいものがあります。そのときの答弁にもありましたが、都心の子どもの貧困は多様であり、経済面にとどまらず、いじめや虐待などに潜在化して見えにくい側面があります。日常生活に必要なものが買えない絶対的な貧困はわかりやすいのですが、日本の子どもの貧困は相対的な貧困が多いことも特徴です。生活に必要なものが買えないわけではなくても、相対的には貧困ということになります。わかりやすく極端に言えば、兄弟三人のうち二人が一億円の収入があれば、次男が二千万円の収入があったとしても、その次男は相対的貧困と言われるわけであります。  さて、相対的貧困の何が問題なのか。日常生活に困らなくても、相対的に貧困のままでいると、子どもたちは自信と希望を失っていく、そこが問題なのだと思います。虐待やいじめにも連鎖する懸念があります。  相対的格差という新しい貧困の概念である、この指標に対峙することが、今、地方自治体に求められております。相対的貧困率は上昇傾向にあり、子どもがいる現役世代の相対的貧困率は一五・一%であります。そのうちひとり親世帯の相対的貧困率が五四・六%と非常に高い水準になっております。問題の所在や実態、因果関係、経済支援の直接効果などの把握は難しいのですが、相対的貧困は解消することが可能だと思います。まずはその実態を知り、一つひとつの課題に手を差し伸べる必要があります。  港区が相対的な貧困を貧困と言わず、学びの未来の応援と言うことは、特に高所得者層が多い港区の相対的貧困をあらわす言葉としては適切だと思います。  教育委員会事務局では、港区学びの未来応援施策実態調査として、経済的な状況によらず、養育状況に課題がある家庭における子どもの学力や生活状況などについて、実態把握するための保護者アンケートを実施したほかに、学校が把握している支援が必要な児童・生徒についての実態調査を実施いたしました。もちろん、港区にも絶対的貧困の範疇に入る子どもも存在しております。  また、相対的貧困の範疇に入らなくてもネグレクトというグレーゾーン、子どもに学びをさせない、学びの環境を整えるお金を投下しないという保護者もおります。いずれにしろ、子どもの将来がその生まれ育った環境によって左右されることがないよう、生活支援や教育支援も含め、子どもの未来を応援する取り組みを全庁挙げて推進していくほかありません。そのような観点から、経済的状況によらず、養育状況に課題がある家庭における子どもの生活面や学力面の支援策について、区はどのような対策を考えるのか、次の二点を教育長にお伺いします。  港区学びの未来応援施策実態調査によって、港区の子どもたちや親がどのような課題を抱えているのか。見えにくかった都心港区の子どもの教育環境を阻害するものは何だったのか。調査の結果とどのような分析をしたのかをお伺いします。  その上で、二つ目は、子どもの学びの支援を、学習、経済的、相談環境の充実といった分野において推進すべきだと考えますが、どのような具体策を推進していくのか。また、保健福祉支援部などの関係部署や関係機関とどのような連携強化を図っていくのかをお伺いいたします。  本日、幾つか提言もさせていただきましたが、これからも皆さんと優しい区政を進め、百年の港区もまた輝かしいまちであるように尽力してまいります。区長、教育長の前向きな答弁を期待して、質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。   〔区長(武井雅昭君)登壇〕 ○区長(武井雅昭君) ただいまの自民党議員団を代表しての池田こうじ議員のご質問に順次お答えいたします。  最初に、百年の港区に向けた中・長期課題についてのお尋ねです。  まず、区政百年の港区の姿についてです。区政七十周年を迎える今年度は、これまでの区政の歩みを振り返るとともに、参画と協働をより一層充実させ、港区のさらなる発展につなげることを目的として、区民の皆様とともにさまざまな記念事業を実施しております。今後も、区と区民や地域との力強いきずなのもとに、地域における課題解決力を高め、時代に沿ったきめ細かな福祉、教育、産業、環境、まちづくりなど、さまざまな分野の施策を展開してまいります。区政百年に向けては、全ての区民が安全・安心を基盤に、生涯を通じて快適に暮らすことができる活力と優しさに満ちたまちの実現を目指してまいります。  次に、人口三十万人に対応する総合支所制度改革についてのお尋ねです。平成十八年度の区役所・支所改革から十年が経過し、各地区では、地域の皆さんと職員がともに生活安全や環境美化活動などに取り組み、また、港区基本計画では地区版計画書を策定するなど、参画と協働の輪が着実に広がっています。また、区民サービスの最前線の責任者である総合支所長が支援部長を兼務することで、区民の声を直接、分野ごとの政策に反映した地域の実態に則したきめ細かな区政運営を進めています。今後も、人口増加に伴い多様化するまちづくりや福祉など、区民生活に密着したニーズに迅速かつ的確に対応するために、不断の改革に取り組み、各地区総合支所中心の区政運営を強力に推進してまいります。  次に、指定管理者制度のマネジメント指針の必要性についてのお尋ねです。平成十八年度の指定管理者制度導入以来、区は、運用指針やマニュアルの整備、また、第三者評価や労働環境モニタリングの導入など、制度改善を図りながら、指定管理者施設を順次増やしてまいりました。さらに、利用者、指定管理者、区の三者で構成する運営協議会等を設置し、利用者のニーズを十分に把握する取り組みも行っております。今後も、利用者ニーズや課題を先取りした施設サービスの提供に努め、区の政策目的に沿って、指定管理者の意欲と能力を引き出すマネジメントについて、指針策定の必要性も含め検討してまいります。  次に、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会後の区の交通環境の中・長期的な重要課題についてのお尋ねです。区は、新橋、虎ノ門、六本木、品川などの大規模開発に伴う交通需要、特に東京メトロ日比谷線新駅、山手線新駅、リニア中央新幹線開業を控える品川駅から都心部への移動など、交通結節点の強化が中・長期的な課題と考えております。また、鉄道やBRTなどの広域交通と地域交通である「ちぃばす」、自転車シェアリングとの乗り継ぎが、区民の区内移動の利便性を向上させる観点からも重要であると考えております。これらの課題解決の具体的な方策につきまして、現在検討中の港区総合交通戦略においてお示しをしてまいります。  次に、児童の健全育成に向けた総体的な居場所づくりについてのお尋ねです。各地区において、児童の健全育成を支援する施設の中核となる子ども中高生プラザでは、アリーナや音楽スタジオなどの設備をはじめ、中・高生が活発に活動できる環境を整備しています。今年度からは、中・高生に向けた新たな取り組みとして、カフェ、食堂等のイベントや、スポーツを通じた大学生との交流など、各施設が工夫を凝らした事業を実施しており、利用者も増加しております。今後も、中・高生世代の人口増に伴う利用者の増加も視野に入れながら、安全・安心な居場所とともに、幅広い年代の児童が自主的、主体的に活動し、成長する場として、子ども中高生プラザなどの充実を図ってまいります。  次に、首都直下地震に備える防災対策についてのお尋ねです。区では、現在、発生が危惧されている首都直下地震や熊本地震で得た教訓などを踏まえ、港区地域防災計画の修正に取り組んでおります。今回の修正における重点事項の一つとして、自助の推進を防災対策におけるかなめと捉え、高層住宅における家具転倒防止対策や食料備蓄などを計画に盛り込んでおります。また、自治体間の連携強化については、さまざまな分野で交流のある自治体と、災害時における人員や物資の支援に関し、広域的な協力体制の構築を進めていくことも計画に反映しております。今後も区は区民の生命と財産を守るために、区民や他の自治体との信頼関係のもと、さらなる防災対策の強化に努めてまいります。  次に、弱者に手を差し伸べる優しい区政についてのお尋ねです。  まず、要保護児童の十八歳以降の支援についてです。本年五月に成立した、児童福祉法等の一部を改正する法律では、一時保護や里親委託中の十八歳以上の者の措置の延長が可能となり、自立のための支援が、二十歳まで継続できることとなりました。要保護児童が児童養護施設などの施設や里親のもとで育ち、十八歳以降に社会に出て、就学・就職し、安心して生活するためには、自治体や地域社会による支援が必要です。区は、今後、児童相談所設置の検討にあわせ、十八歳以降の要保護児童への自立支援策として、住宅や進学・就職の支援、気軽に相談できる居場所づくりなど、区の社会資源と地域の連携による支援について検討してまいります。  次に、児童相談所設置に伴う一時保護所の併設についてのお尋ねです。一時保護所は、児童の安全を迅速に確保し、適切な保護を図るため、または児童の心身の状況や置かれている環境等を把握するための児童相談所の重要な機能です。区は、一時保護所を児童相談所に併設して整備する方向で検討を進めております。  次に、自殺対策における家族を含めた支援についてのお尋ねです。区は、港区自殺対策推進計画に基づき、うつ病の方や自殺未遂者に対して、精神科医、保健師による相談や専門の相談員による訪問などを行い、医療機関への通院や社会生活ができるまでの間、継続して支援を行っております。  また、家族への支援は家族の心のケアだけでなく、本人の自殺予防にもつながることから、区は、自殺未遂者の家族に対して専門相談員等による支援を行ってまいりました。今後は、うつ病の家族に対しても、病気への理解、対応方法の啓発を目的とした講座の開催を検討してまいります。  次に、自殺に追い込まれないための居場所づくりについてのお尋ねです。自殺は、悩みを抱える方が誰にも相談できず、精神的に追い込まれた結果、引き起こされることから、その予防には、孤立しないよう悩みを相談できる体制をつくることが重要です。区では、専門医による相談や保健師による継続支援など、自殺予防のための窓口を設けておりますが、時間的制約や行政の支援を望まない方もおり、悩みを抱える方が、より相談しやすい体制の整備が求められています。区内及び近隣区には、自殺予防に関する専門性とノウハウを有する民間団体があります。自殺を考えている人に手を差し伸べるための居場所づくりなど、自殺対策の充実を図るため、今後は、これらの団体と意見交換を行い、連携を進めてまいります。  次に、高齢者虐待を予防する家族支援についてのお尋ねです。区は、高齢者の虐待防止のため、介護疲れから虐待につながることのないよう、介護家族の皆さんの負担軽減を図るため、介護者支援に取り組んでおります。介護家族の緊急時や休息等に対応するため、ショートステイや宿泊デイサービス事業を実施するほか、各地区において、介護家族の会や、みんなとオレンジカフェを実施し、介護で苦労されている家族の交流の場としてご利用いただいております。また、身近な相談窓口となる高齢者相談センターによる各種相談のほか、区民向けのパンフレット作成や介護事業者への研修を実施するなど、普及啓発に努めております。今後も、高齢者の虐待防止に向け、介護者支援とともに、普及啓発に積極的に取り組んでまいります。  最後に、民間開発における福祉施設の整備についてのお尋ねです。区は、民間開発において、竹芝地区や愛宕地区に子育て支援施設の導入、北青山三丁目地区にサービス付き高齢者向け住宅の導入を開発計画に反映してまいりました。また、本年七月には港区開発事業に係る定住促進指導要綱を改正し、サービス付き高齢者向け住宅や子育て支援施設などの誘導を促進しております。今後も民間開発などにおいては、地域に必要な福祉施設の整備など、地域の課題解決につながる開発計画となるよう、民間事業者を指導・誘導してまいります。  よろしくご理解のほどお願いいたします。  教育にかかわる問題については、教育長から答弁いたします。   〔教育長(青木康平君)登壇〕 ○教育長(青木康平君) ただいまの自民党議員団を代表しての池田こうじ議員のご質問に順次お答えいたします。
     最初に、新教育長としての初心と中・長期ビジョンについてのお尋ねです。  私は、去る十月十二日の区議会本会議におきまして任命の同意を賜り、同日付で武井雅昭区長から辞令をいただき、新教育委員会制度における初めての教育長に就任いたしました。これまでの教育委員長と教育長を一本化した教育委員会の最高責任者としての職責の重みを改めて日々実感しております。  私は、港区の教育大綱でもある港区教育ビジョンを、引き続き教育行政の根幹に据え、基本理念として掲げる「すべての人の学びを支えつなぎ生かす」教育の実現を目指してまいります。  現在、教育委員会が抱えている中・長期的な課題としては、年少人口の急激な増加に対応する学校施設の整備、教育の質のさらなる向上、国際社会に対応する教育の推進、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会を契機としたスポーツ活動の推進、生涯を通じた学びの充実などが挙げられます。このことから、私は、幼稚園や小・中学校の改築等を計画的に行うとともに、「徳」「知」「体」を育む学び、国籍の違いにかかわらず互いに尊重し合える教育機会の多様化に取り組んでまいります。  また、障害者をはじめ、全ての人がスポーツに親しみ、スポーツを通じて支え合う地域づくり、さらに、豊かな環境や多様な地域資源などを持つ港区の強みを生かし、ライフステージごとの多様な学びを一層充実してまいります。  私は、教育委員会の先頭に立って、国や東京都の動向を迅速かつ的確に見極めながら、これらの課題について、スピード感を持って着実に解決を図り、学校・家庭・地域の方々とともに、港区ならではの特色と魅力のある教育施設を積極的に展開してまいります。そして、教育の港区の実現に向け、区長との緊密な連携と、区議会の皆様のご支援を賜りながら、全力を尽くす決意であります。  次に、学びの未来応援施策についてのお尋ねです。  まず、調査結果の分析についてです。本年六月に実施した、港区学びの未来応援施策実態調査の保護者アンケートでは、小学校は約五割、中学校は約六割の保護者が補充学習などの施策を区に期待しております。また、小学校では家庭のしつけ、中学校では進路への不安など、さまざまな課題が浮き彫りとなっております。学校への調査では、経済的な状況にかかわらず、保護者が精神的に不安定なことや、ネグレクトが原因により、養育が阻害されている事例が挙がっております。これらの調査結果から、希望する進路に必要な学力定着のための学習支援のほか、相談環境の充実、家庭教育の支援、経済的な支援などが必要であると考えております。  最後に、具体策の推進と関係部署との連携強化についてのお尋ねです。学びの未来応援の具体策としては、学習の支援として、家庭の環境によって左右されることなく、子どもの能力・可能性を最大限に伸ばし、それぞれの夢に挑戦できるよう学習環境を充実させてまいります。相談環境の充実につきましては、学校だけでは解決が図れない、養育や経済的な課題を抱えている家庭に対して、スクールソーシャルワーカーが区長部局の関係部署や関係機関と連携を図ることで、一人ひとりの個に応じた支援体制を充実してまいります。  また、経済的支援として、現在、中学校入学後に支給している入学準備のための就学援助を、入学前の必要な時期に支給できるよう進めてまいります。あわせて家庭教育の啓発では、家庭教育、子育てに悩みや不安を抱えている家庭に対し、講演会を開催したり情報交換の場を設けるなど、養育環境改善の支援策を講じてまいります。今後も、家庭環境等において問題を抱える子どもたちに対し、さまざまな角度から支援を行えるように、区長部局との連携を強化し、全ての子どもたちが夢と希望を持って成長していける地域社会の実現を目指してまいります。  よろしくご理解のほどお願いいたします。 ○議長(うかい雅彦君) 次に、二十一番なかまえ由紀議員。   〔二十一番(なかまえ由紀君)登壇、拍手〕 ○二十一番(なかまえ由紀君) 一昨日、福島県沖でマグニチュード七・三の地震が起きました。大きな被害のないことを祈りながら、テレビのニュースにくぎづけになりました。五年以上経過しているのに、東日本大震災の余震と言われ大変驚きました。予知や想定が万全でない中、日本に住む誰もが当事者意識を持つ必要があると感じます。改めて東日本大震災、熊本地震の復興を心からお祈り申し上げます。  さて、先日のアメリカ大統領選挙は、私たちにさまざまな問いを投げかけました。多様性先進国のアメリカでポリティカル・コレクトネスにはもう疲れたと国民が対立し、多くの人が保護主義に共鳴するのを見、経済成長が限界に達した先進国の苦悩を感じました。多様性の尊重を語ることは簡単ですが、立場の違う相手の側から物を見ることは現実には難しく、経済格差が広がり、気持ちに余裕がなければ、分断につながってしまうのかもしれません。  分断をつなぐのが本来の政治の役割だと思うのですが、現在の民主主義は、時として分断を加速すらしてしまっています。人と人、国と国、集団の利害は時として共存が難しく、何かを選べば、何かが犠牲になりますが、それでも前に進むためには密室で進めない、透明でフェアな姿勢、少数の声の配慮や説明責任などの誠実さが重要ではないでしょうか。情報をオープンにし、皆で考えるという姿勢です。  小池東京都知事の誕生、豊洲市場問題など、昨今の多くの出来事が物語っているのは、現在の有権者が、透明・公平・誠実という要素を非常に重視しているということです。そこには密室やブラックボックスというものへの徹底的な嫌悪、不信感があります。公においては、特に透明性・公平性・説明責任ということが厳しく問われる時代です。  私たちの会派は、自由と多様性、チャレンジ精神、市民感覚を共通の価値観にしています。透明で公平・誠実な区政、つまりは開かれた区政を皆様とともにつくっていきたいと思います。  それでは、みなと政策会議を代表して、質問します。  初めに、区財政についてです。  港区は人口増が続き、あと十年ほどで人口三十万人時代に突入すると見込まれています。年少人口と老年人口は、今後、最大を更新する見込みで、区政史上初めての局面に達します。財政需要が莫大にかかるこれら世代の増加に対し、早くからの備えが必要です。生産年齢人口も増えますが、年少人口と老年人口の伸びに比べると弱く、行政需要の増加だけでなく、先行き不透明な社会情勢や災害等の突発的事態にも対応できるだけの余力を残しておくには、生産年齢人口からの税収頼みでは不安です。  現在、年間予算に匹敵する基金残高があるなど、財政は潤沢ですが、持続的に区民に満足していただく区政を実現するには、豊かであっても無駄を精査し、絶えず効率的な財政運営を追及する姿勢が必要です。そして、十年後の人口三十万人時代に備えるだけでなく、港区人口ビジョンに試算されているその先の人口推計、これはかなり先のことなので、一つではなく幾つかのパターンを想定すべきと思いますが、そのような長期先も見据えた計画的財政運営を根底にするべきと考えます。例えば、人口が頂点に達した後に訪れる人口減少時代にも対応できるような施設整備、転用のしやすさなども今から考慮に入れておく必要があります。昨今増えている港区生まれの子どもたちが支える側の生産年齢になったときの港区の姿、数十年先の港区にまで責任を持って区政運営をすることが私たちの責任だと思います。中・長期的な視点に立った財政運営について、区長のお考えをお聞かせください。  次に、予算編成過程の公表についてです。予算要求や査定結果を含め、予算編成過程を公表している自治体は多いです。大ざっぱで形だけの公開にとどまっている自治体や、大阪府のように非常に細かいけれども見づらい自治体など、公表のあり方は自治体によってさまさまですが、例えば目黒区の公開手法が比較的わかりやすいと感じました。時期的な流れと各課の事業ごとの予算要求状況と査定状況が公開されています。自治体のお金の集め方、使い方に関する情報が十分に公開されてこそ、財政民主主義が成立していると言えると思います。港区でも早急に公表すべきと考えます。また、その際は予算を審議する議会前に公開することで、開かれた区政の実現と議会における予算審議の充実につながるものと思います。区長のご見解をお伺いします。  次に、事務事業評価についてです。客観性を高める取り組みについてお伺いします。  港区では事務事業評価を、試行期間を経て、平成二十四年度より本格実施しています。除外事業を除き、今年度で言えば五百四事業について実施しました。事務事業評価は区政全般を事業ごとにチェックし、次年度への予算要求へも反映させるとのことですから、まさに区政の通知表とも言え、非常に大切にすべきものだと思っています。事務事業評価を効果的に運用し、生かすことが区政の向上にとって非常に重要な鍵になると考えます。各事業の評価は、基本的に所管部門が客観的指標に基づき行っていますが、私が思うことは、自己評価で本当に客観的な評価ができるのだろうかということです。  今年度は所管部門による一次評価で五百四事業のうち八割以上の四百四十三事業が継続となり、主に継続以外の百三十六事業が総合支所と企画経営部課長級による二次評価、さらに絞られた五十四事業が部長級職員と学識経験者の外部委員による三次評価に回されました。全体の八割を超える所管部門による一次評価で継続となった事業は、その後、企画経営部でのチェックはあるものの、ほとんどが再度評価の遡上に上がることはありません。  試行期間においては、全ての事務事業を皆で評価していましたが、事務量の膨大さから、本格実施以降は二次評価、三次評価では継続以外のものを評価対象にするというようになりました。そのこと自体は理解できますが、所管部門の自己評価で継続となった全体の八割を超える事業は、その後のフォローがききにくい可能性が高く、せっかく事務事業評価というすばらしい制度があるのにもったいないと思います。  私は、むやみにスクラップ・アンド・ビルドを繰り返すことがよいとは思いませんので、客観的に評価された結果であれば、ほぼ全ての事業が継続となり、廃止事業がほとんどないということであっても悪いとは思いませんが、今の制度は、本当に客観的評価になっているのかという点に改善の余地があると思うのです。客観的に精査することで時間と費用が増すとしても、客観性を高めるべきだと思います。まずは全ての事業に利用上の課題を一番よく知る利用者の声と費用対効果を専門的見地からチェックする有識者の目が入るべきと考えます。  また、成果指標として、当初予定、実績、達成率という項目がありますが、当初予定の算出方法、算出根拠についての記載も必要です。また、事務事業評価は評価シートや評価結果がしっかりと区ホームページ上に公開されており、評価しておりますが、評価シートは常に振り返ることができるよう、一覧を紙ベースでも管理するに値する貴重なものであると思います。事務事業評価をさらに効果的なものとすることについての区長のお考えをお聞かせください。  次に、効果的な広聴についてです。  区民の声は区政の宝です。区民がどのようなことを望んでいるのか、効果的に集め、生かすことが区政の向上につながります。我が会派がたびたび取り上げている千葉市のまちづくりアプリ、ちばレポは、市民を巻き込む楽しい仕掛けがあり、参加者の約六割が三十代から五十代の男性で、その多くが会社員というデータもあり、ふだん接点の持ちにくい新しい層の声を拾うことに成功しています。また、データをオープンデータとして公表し、二次利用を促し、さらなる市政の向上につなげる工夫もしています。  港区でも広報アプリを導入予定で、広報みなとが手軽に見れるようになるなど、期待しておりますが、発信とあわせて効果的に声を上げてもらえる仕組みづくりも重要と思います。区では、メール、電話、窓口、郵送、パブリックコメント、各種会合など、さまざまな形で区民の声を聞く手段がありますが、より幅広い層の声を寄せるために、気軽に声を寄せられる新たな取り組みが必要と思います。広聴の工夫の今後について、区長のご見解をお聞かせください。  次に、効果的な広報についてお伺いします。  まず、わかりやすく区政情報を伝えることについてです。京都市の広報紙は、自治体の広報紙は役に立つ情報が載っているけれども、かた苦しいもの、おもしろくないものという私の認識を変えました。漫画や吹き出しが多用され、内容もわかりやすく伝えようという熱意の伝わる、読み物として十分楽しめるものとなっています。ごみや空き家をイラストで擬人化しておもしろく読ませながら、問題点や対策をわかりやすく説明したり、例えば自殺防止対策では、かたい文章ではなく、心を打つ自死遺族のエッセーを載せるなど、読み物として魅力あるレベルに仕上がっています。八八%の市民が読んでいるというデータもあります。  広報みなとは一昔前よりデザインが工夫され、随分読みやすくなったと思いますが、デザインだけでなく、文章の切り口やわかりやすさも工夫し、読んでもらえる広報を目指すべきと思います。ホームページも膨大な情報量をどのように構成すれば、より見やすいかといった視点が常に必要と感じます。  また、プレスリリースも発信の仕方によって取り上げられ方が変わってくると思います。わかりやすく伝える必要性という観点では、保育園や区立住宅などの各種募集資料も膨大で、文字ばかりで親切ではないと思います。応募する側の人間は基本的に困っていたり、忙しい方なので、もう少しわかりやすくシンプルにならないかと感じます。広報の重要性を認識し、民間から広報監を採用している自治体もあります。わかりやすく区政情報を伝えるということに対する区の今後の取り組みについて、区長のお考えをお聞かせください。  次に、広報みなとの全戸配布についてです。基本的に広報みなとは新聞折り込みでお届けしておりますが、新聞を購読する世帯が減ってきています。区ホームページに自ら見に行ったり、駅や区施設でもらうなどして、戸別配布を頼む人は限られています。したがって、区の情報が満載の広報紙を受け身の人も含め幅広い層に届けるためには、やはり全戸配布が有効だと思います。二十三区でも全戸配布を行っている区は幾つもあります。広報みなとの全戸配布について、区のご見解をお伺いします。  次に、防災についてです。  まず、帰宅困難者対策における民間事業者との連携についてです。都心港区では、区民はもとより滞留者や帰宅困難者に対する備えが欠かせません。港区防災対策基本条例で、事業者に従業員の一斉帰宅の抑制や備蓄、帰宅困難者の受け入れや物資の提供などの協力を求めておりますし、区内八駅で駅周辺滞留者対策推進協議会を組織していますが、主体の数が多くなればなるほど、情報の中枢機能としての区の役割が重要になってくると思います。駅事業者や大型商業施設など、民間事業者における備蓄や避難スペースなどの対応数、被害想定に対する充足率など、区内の情報を一元的に把握されているのか、民間事業者との情報共有、連携状況についてお聞かせください。  次に、地域防災協議会の支援についてです。現在、区では、食料品や飲料水、日常生活用品約五十品目を約三万五千人分備蓄しています。都心において、来街者なども考慮すると一〇〇%の想定や備えは困難にしても、商業施設や鉄道事業者をはじめとした民間事業者と連携しながら対策を進められていると思います。  区では、区民用の物資だけではなく、多数発生が予想される帰宅困難者に対する物資も備蓄しており、都心自治体の大変さを痛感いたします。災害時には備蓄物資は一般的に学校などの公的避難所を通して配布されることになりますが、混乱を避けて安全かつ迅速に必要な方に配布するためには、あらかじめ各避難所における人数を想定し、運営マニュアルがしっかりと整備されていることが重要です。  港区では、耐震性の高いマンションに住む在宅避難者も多数想定され、避難所運営においては、備蓄物資の配布に関し、そのような在宅避難者も含めたルールづくりが必要で、避難所を運営する地域防災協議会と地域内のマンションが日頃から交流を図られていることが大切と思います。しかし、ふだんから町会とつながりのないマンションの場合、地域防災協議会とのつながりも希薄になってしまっています。そのような課題を乗り越え、区内に二十二ある地域防災協議会が各地域に応じた運営マニュアルを作成し、有事にスムーズな避難所運営が行えるよう、地域防災協議会への支援が必要と思いますが、いかがでしょうか。ご答弁をお願いいたします。  次に、木造住宅に対する耐震化の支援についてです。  東京都防災会議が平成二十四年四月に公表したマグニチュード七・三、冬の十八時の場合の東京湾北部地震による港区の被害想定を見ますと、港区の死者想定は二百人となっております。そのうち百七十四人が揺れや液状化による建物倒壊によるものとされています。そして、揺れ・液状化による全倒壊棟数の予測は二千三十六棟で、そのうち木造が千四百七十二棟と予測されております。したがって、死者をなくすには建物の倒壊を防ぐことが重要で、倒壊に対する対策が進んでいない建物の大半が木造住宅ですから、倒壊の危険性のある建物に対する対策を進める、特に木造住宅の耐震化を進めていくことが早急に求められています。  区内に想定約千五百棟、数多く残されている全壊の可能性のある木造住宅に対し、効果的な支援をし、早急に耐震化を進めるべきと考えますが、区長のお考えをお聞かせください。  次に、高齢ドライバーによる事故への対策についてです。  高齢ドライバーによる事故が連日報道され、問題となっています。関係のない人々が巻き込まれ、命を奪われる悲劇に対し、一刻も早く手だてを講じなければと思います。バスなどの公共交通の乗車券支給や地域での特典など、自主返納を促す取り組みを行っている自治体もあります。警視庁では免許証を返納し、運転経歴証明書を取得し、提示した方に地方銀行の定期の金利優遇、ホテルやレストランの割引、眼鏡や補聴器の割引など、さまざまな特典を用意し、自主返納を促す取り組みを行っていますが、余り浸透しているようには思いません。さまざまな機会を通じて、高齢者にこのことを啓発するなど、区としてあらゆる手だてを講じるべきと思いますが、いかがでしょうか。  また、清掃車がかかわる交通事故がたびたび報告されています。事故防止に向け、その都度研修などをされていると伺っておりますし、さらには相手側の不注意による事故も多いと聞きますが、事故防止に向けたさらなる取り組みの徹底に関し、これは要望とさせていただきますが、よろしくお願いいたします。  次に、自転車安全施策についてです。  昨年六月、改正道路交通法が施行され、自転車に対する罰則が強化され、原則車道、左側通行など、走行におけるルールが徹底されました。十四項目の危険行為を摘発対象にし、三年以内に二回以上摘発された運転者に講習の受講を義務づけ、従わない場合は五万円以下の罰金が設けられるようになりました。施行当初は、摘発の様子やルールについての報道をよく目にしましたが、最近は余り話題になることはありません。しかし、いまだに基本的なルールすら守られていない状況をよく目にします。そこには違反をしているという意識は希薄で、ルールが周知されていないことを感じます。ルールには線引きが曖昧でわかりづらいものもあり、警視庁と連携し、要点をわかりやすく示し、基本的なルールだけでも徹底すべきと思います。自転車シェアリング利用者に、登録時にわかりやすいポイント解説をメール配信する、学校での自転車教育の推進、広報みなとでの啓発など、自転車利用のルールの啓発にいま一度力を入れるべきと考えますが、いかがでしょうか。  また、ハード面では、自転車、歩行者、車がしっかりすみ分けされる安全な道路づくりが早急に求められています。区道への自転車ナビマークの早期全面普及、都道、国道へも早期普及を要望するなど、安全な道路環境の整備を推し進めていただきたいと考えますが、区長のお考えをお聞かせください。  次に、ごみ排出抑制の取り組みについてです。区民への説明についてお伺いします。  港区財政レポートに詳しく記載されているとおり、昨年度の清掃事業に係る区民一人当たりの行政コストは約一万八千円、廃棄物処理手数料などの収入を差し引いた純行政コストは約一万五千円となっています。当然ごみ処理にはコストがかかっているのですが、二十三区は幸いにして家庭ごみの処理手数料が無料なので、改めて数字で説明されないと、どれくらいコストがかかっているかの実感が希薄になりがちです。環境に優しいという道徳的観点からだけではなく、私たちの貴重な税金がどれだけ投入されているのか、ごみを減らすことによりそれが削減され、ひいては福祉などのほかの予算に回せる金額が増えるという観点からも、区民に理解を求めることで削減へのモチベーションにつながるのではないかと思います。ごみ処理に係る収支の現状、分別を徹底するなどのごみの抑制が、コストの削減につながることを区民にわかりやすく説明し、理解をしてもらうべきと考えますが、いかがでしょうか。  次に、育児と介護のダブルケアについてです。包括的な支援体制の構築についてお伺いします。  育児と介護を同時にしなければならないダブルケアは、今後港区でも深刻な問題になってくると思われます。先日、中堅所得者向け住宅を、高齢者を含むファミリー向けなどに転用する方針が発表されました。これは港区に住む子どもが親を呼び寄せることも想定したものだそうです。近年の港区の人口増加を押し上げてきた子育て世代が今後親の介護の問題に直面することを区でも想定されているのだと思います。  ことし四月、内閣府は、全国で二十五万人の育児と介護のダブルケアの実態に関する調査結果を報告しました。団塊世代が七十五歳以上になる二〇二五年、高齢者人口がピークになる二〇四〇年に向け、ますます深刻になっていく問題だと思われ、早急に対策を講じる必要があります。横浜市ではダブルケアの家庭に対し、特別養護老人ホーム入所における優先度を上げる措置をとっています。保育園入所など、ダブルケアの有無を考慮に入れる必要のある事業はほかにもたくさんあります。  育児と違って介護のほうは突然やってくる場合もあり、急にダブルケア状態に置かれてしまう家庭もあることを考えると、サポートには介護と子育てを切り分けるのではなく、総合的な支援体制が必要です。組織横断的、包括的な見地から、子育てと介護、そして仕事の両立を図る人を応援する体制を早急に構築すべきと思いますが、区長のご見解をお聞かせください。  次に、待機児童対策についてです。  港区の待機児童は再び深刻な状況になっており、来年四月の小規模保育事業所二園と私立認可保育園一園の新設、ベビーシッター三十人分の枠の確保、そして懸案の港南地区に大規模保育室と学童クラブが六月開設予定となったことは評価しています。しかし、それでもなお不足が予測されます。保育園待機児童問題は、今の日本の社会を支えている現役世代を支えるために、早急に解決しなければならない重大案件です。特に、全国から子育て層が流入し、区長が「子育てするなら港区」を大きく打ち出している港区にとっては至上命題です。大規模再開発がまだまだ続き、今後十年、子ども人口が増え続けるという人口推計も出ており、庁内で危機感を共有し、一丸となって解決に向けて動かなければなりません。  そこで、まず庁内一丸となった体制についてお伺いします。今年度、保育園増設が進まなかった理由に、物件の不足、保育士の不足が挙げられます。各地区総合支所やまちづくり部門にも協力してもらい、利用できそうな場所を探し、一覧にして公開し、事業者とのマッチングを行うなど、率先して事業者に土地を提供すべきです。  杉並区では、区長が音頭を取り、待機児童問題に特化したサイトをつくり、今後見込まれる不足分の情報公開を行い、保育園建設を最優先事項にして、全庁挙げて聖域なく場所を探し出しています。文京区では、区内の大学や病院内に地域開放型の事業所内保育所を設置してもらっています。お茶の水大学の敷地内にこども園ができたことは有名です。そして、全国的に事業者が保育士を確保できずに事業拡大ができなくなっている状況があります。私立認可保育園を誘致するという従来のやり方が通用しない以上、港区がまだ本格展開できていない家庭的保育事業や地域開放型事業所内保育所事業、来年度スタートする待機児童対策としての居宅訪問型保育事業など、さまざまな新規事業の立ち上げが必要です。  しかし、保育担当部署は、新たに増設した保育園が多数に上る中、毎日のようにさまざまなトラブルが起こり、保育園や保護者からの苦情解決に忙殺されています。現在、保育担当窓口は、各地区総合支所の区民課、保育園の園長などは、各地区総合支所の管理課、苦情対応は支援部と、指示系統が複雑で効率的ではないと感じます。分権型の体制構築は大切だと思いますが、緊急案件に対しては情報管理を一元化し、トップダウンで対応すべきだと思います。緊急事態である以上、区長がリーダーシップをとり、庁内の部署間の壁を取り払って、庁内一丸となって待機児童問題の解決にあたる体制を構築していただきたいと思います。待機児童問題の解決に向けた庁内体制について、区長のお考えをお伺いします。  次に、待機児童解消に向けた新規事業についてお伺いします。先ほども述べましたように土地不足、保育士不足などの要因により、私立認可保育園を誘致していく方法で待機児童を解消していく従来の方法が困難になっている現在、別の手法で早急に対策をとっていかなければなりません。居宅訪問型保育事業を待機児童対策に使うベビーシッター補助の拡大、マンションの空室などで保育士やベビーシッター、家庭的保育補助者などに少人数の子どもを預かってもらう家庭的保育事業の導入、企業や大学、病院などの事業所内に保育施設をつくってもらい、一般区民にも開放してもらう地域開放型事業所内保育事業の促進、保育園と幼稚園の双方をこども園化することで、施設の効率的な利用を図ることなどが考えられます。こうした新規事業を積極的に展開していく必要があると思いますが、区長のお考えをお伺いします。  次に、港区人口推計における年少人口の増加要因について、そして増加する児童数に対応するための今後の学校整備についてお伺いいたします。  港区のゼロ歳児から五歳児までの未就学児人口は、平成二十五年が一万三千七百五人、平成二十六年は前年比四百二十一人増の一万四千百二十六人、平成二十七年は前年比八百二十二人増の一万四千九百四十八人、平成二十八年四月は前年比八百三十人増の一万五千七百七十八人と推移しています。  出生数は、平成二十五年が二千六百二十一人、平成二十六年は前年比二百三十三人増の二千八百五十四人、平成二十七年は前年比百八人増の二千九百六十二人です。この子どもたちがそのまま小学校に上がっていくと、毎年何百人単位で小学校の児童数が増加することになり、このままでは芝浦港南地域をはじめ、教室の確保ができるのか不安です。  港区人口推計によると、平成二十八年のゼロ歳人口は二千九百十三人で、その後毎年増え続け、平成三十九年には三千二百三十五人にまで増え、未就学児人口は、平成二十八年一月の一万五千四百七十六人に対し、平成三十九年は一万八千五百七十三人、小学生人口は、平成二十八年の一万九百五十五人に対し、平成三十九年には一万六千六百三十三人と、今がまだ底で、ピークは十年後かその次に来るという推計です。第二次ベビーブーム世代の出産が終わりに近づき、近隣区では、「ゼロ歳児のピークはそろそろ終わりかも」という声がある中、港区は、特に芝浦港南地域では、戦後のベビーブームのような年少人口の増大が実際に続いており、今後も続くという推計です。  区内で大規模再開発がまだまだ続く予定が、この人口推計の結果につながっているのだろうと思います。そうであるなら、今後まとまった土地を再開発計画の中に確保し、そこに保育園だけでなく、小学校や学童クラブの設置も考えていかなければならないのではないかと思います。港区人口推計の中の乳幼児人口、小学生児童数の増大がどのような要因に基づいて、こうした膨大に増え続ける予測になっているのか。また、増加する児童数に対して、小学校の増設を今後どのように対応していく計画なのか、区長、教育長にそれぞれお伺いします。  次に、共働き世帯も前提とした障害児施策についてです。障害児の働く親支援について伺います。  NICU、新生児特定集中治療室が普及し、かつては救われなかった障害児の命が救われるようになりました。しかし、障害児のいる家庭を支える社会的支援はまだまだ不足しています。かつては専業主婦家庭が一般的で、障害児のいる母親は家庭で子どもの面倒を見ていましたが、現在、都心の子育て層はほとんどが核家族で共働きです。障害児を育てることは経済的負担が大きいこと、預け先がなく、家庭の中で母親一人で障害児の子育ての全責任を負い切れないことなどからも、障害児のいる家庭への子育て支援の充実は、健常児の支援以上に急務ですが、医療的ケアがあると保育園で預かってもらえず、一時保育なども利用できず、本当に困窮しています。  障害児支援は、その子どものケアだけではなく、障害児のいる家庭への支援でもあります。この数年で、障害児がいても両親共働きという世帯が増えました。これからも当然増えていきますし、社会経済情勢を見てもそちらが主流になっていくと思いますが、現状では支援が圧倒的に不足しています。支援にあたる行政側、特に相談を受ける各地区総合支所の窓口などでは、子育て家庭の置かれている状況が急激に変化していることを理解し、相談者の側に寄り添い、一緒に解決してあげる姿勢が求められていると思います。支援メニューもいま一度見直していただきたいです。  そして、何より問題なのは、医療的ケア児の預け先がないことです。医療的ケアが必要な人の入所は難しいと言われていた特別養護老人ホームでは、看護師の加配などにより受け入れが進んでおり、なぜ保育園でできないのかと思います。南麻布四丁目に開設予定の児童発達支援センターにこども療育パオが移りますが、こちらにも障害児の預かりがありません。区では、集団保育が難しい子どもたちのために居宅訪問型保育事業を始めたり、元麻布二丁目の新設保育園で医療的ケア児の受け入れを検討していたり、こども療育パオから保育園に専門家を訪問させる保育所等訪問支援事業を検討したりしてくださっていますが、一般の保育施設で受け入れが難しい子どもたちは、こども療育パオが受け皿になるべきではないのかと思います。障害児支援の施策全体として、共働き世帯も前提にした制度設計にしていただきたいと考えますが、区長のお考えをお伺いします。  最後に、保・幼・小連携による小学校就学にかかわる情報の周知についてです。  ここ数年で急激に乳幼児人口が増え、認可、無認可、規模もさまざまな保育園が急増しています。現在、小学校は学校独自で学校説明会などの行事を行っており、小規模保育施設や新規の保育園などは保・幼・小連携の中に加われず、同じ小学校に通うことになるのに不公平だと保護者から声が上がっています。  教育委員会では、保・幼・小連携を進めてくださっており、今後、整備されていくものと考えますが、次々に増える認可保育園にも入れず、無認可の保育施設などに通っている家庭も多々ある中で、全てをきちんと網羅できるのだろうかとも思ってしまいます。通っている園の形態にかかわらず、幼児が小学生と交流する機会や保護者が学校選択にあたり小学校を見学する機会が平等にあるべきです。また、平等に小学校就学にかかわる情報も周知していただきたいと思います。  現在の教育委員会のホームページは、区の特別支援教育や幼稚園の応募倍率など、保護者の知りたい情報について記載がなかったり、情報をたどりにくかったり、改善の余地があると感じます。そこで、利用者目線で使いやすいように改善し、周知が必要な情報は、そこでオープンに広報し、問い合わせ先も明記するようにすればよいのではないかと思います。全ての港区の子どものために、保育園、幼稚園が小学校との連携をさらに進め、未就学児家庭には小学校の情報を周知していくことが必要であると思いますが、教育長のお考えをお伺いします。  以上で質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。   〔区長(武井雅昭君)登壇〕 ○区長(武井雅昭君) ただいまのみなと政策会議を代表してのなかまえ由紀議員のご質問に順次お答えいたします。  最初に、区財政についてのお尋ねです。  まず、中・長期的な視点に立った財政運営についてです。本年十月、誰もが安全に安心して快適に暮らせる港区の実現に向け、将来課題を先取りする積極的・戦略的な財政運営を目指し、新たな財政運営方針を策定いたしました。本方針に基づきまして、歳入においては、税収や区有財産の貸し付けなど、戦略的な自主財源の確保に努め、歳出においては、人件費などの経常的経費の節減などに積極的に取り組んでまいります。さらに、長期的な視点に立って、施設の更新、長寿命化等を計画的に行い財政負担の軽減及び平準化を実現するための公共施設マネジメント計画の策定や、今後発生が見込まれる首都直下地震に伴う財政需要に備え、速やかに復興が果たせるように(仮称)震災復興基金へ積み立てを行うなど、将来にわたり、持続可能な財政基盤を堅持してまいります。  次に、予算編成過程の公表についてのお尋ねです。区では、予算編成手法における参画と協働をより一層推進するため、編成過程を区民に広く情報提供し、説明責任を果たしていくことを新たな財政運営方針に定めました。今後、各部局の予算要求から予算案決定までの過程を数値だけでなく、区の考え方を加えてわかりやすく公開し、幅広くご意見をいただけるよう検討を進めてまいります。こうした取り組みにより、区民の皆さんの区政に対する関心をより高め、参画していただく機会の拡充につなげるとともに、これまで以上に職員の緻密な予算要求と説明能力の向上を図り、透明性の高い信頼される区政運営を実現してまいります。  次に、事務事業評価についてのお尋ねです。  事務事業評価制度は、各事務事業を必要性、効果性、効率性の観点から評価し、事業の見直しや改善を継続的に実施することにより、簡素で効率的な区政運営を実現していくことを目指し、毎年実施しております。実施にあたっては、評価項目や成果指標など、評価手法を毎回見直し、より客観的な、また的確な評価となるよう改善を重ねてまいりました。今後も、評価手法をさらに工夫し、より一層効果的な評価制度となるよう充実を図ってまいります。  次に、効果的な広聴についてのお尋ねです。  区は、みなとタウンフォーラムのメンバーや区政モニターを募集する際に、これまでの公募に加え、無作為抽出した区民に直接案内する方式を導入することで、各世代の方からバランスよく区政に対するご意見をいただいております。  また、平成二十六年三月から広聴システムを導入し、区民の皆さんから寄せられたご意見などを全庁で瞬時に情報共有し、迅速に対応する体制を構築いたしました。これにより回答期限を二週間以内とすることや、区民の声をより的確に施策に反映させることが可能となりました。こうした取り組みは、区民の区政に対する信頼につながっております。今後は、これまで取り組んできた広聴活動の充実に加え、ICTの活用による広聴の手法についても、より広く区政に参加していただく観点から調査・研究してまいります。  次に、効果的な広報についてのお尋ねです。  まず、わかりやすく区政情報を伝えることについてです。区は、平成二十七年六月に策定した港区広報・報道戦略プランで、情報発信は、情報の受け手が理解しやすいよう、わかりやすい表現で、丁寧に行うことを基本姿勢に掲げました。現在、本プランに基づき、広報みなとやミナトマンスリーのリニューアルを進めるとともに、デジタルサイネージなどのICTを効果的に活用した情報発信や、プロジェクターを活用した記者発表など、視覚に訴える伝わりやすい情報提供の工夫に努めております。  また、現在、全ての職員がわかりやすく親しみのある文章表現を実践できるよう、職員向けの手引書の策定を進めております。こうした取り組みを進めることによって、区民の皆さんにより一層わかりやすく区政情報を伝えてまいります。  次に、広報みなとの全戸配布についてのお尋ねです。広報みなとは全世帯の区民の皆さんに読んでいただけるよう新聞折り込みや区有施設、駅などで配布しているほか、新聞を講読していない方のため、配達を希望する各世帯には個別に配布するサービスを実施しております。戸別配布のサービスについては、区ホームページ等でのご案内のほか、転入手続の際にチラシを配布するなど、積極的にお知らせしております。毎年、希望者は増加しており、現在、約三千世帯の方にご利用いただいております。さらに、十月からは広報アプリ「マチイロ」や、自治体広報紙をまとめたサイト「マイ広報紙」からも広報みなとをごらんいただける環境を整備いたしました。  また、各地区総合支所で発行している地域情報誌につきましては、地域に密着した情報を掲載していることから、一定の時間は要しますが、地区内の各世帯へ戸別配布を行っております。今後も、さまざまな手法を活用し、より多くの皆さんにより早く区政情報をお届けしてまいります。  次に、防災についてのお尋ねです。  まず、帰宅困難者対策における民間事業者との連携についてです。区では、区内鉄道事業者や駅周辺の民間事業者を中心とした駅周辺滞留者対策推進協議会と連携し、約三万千人の帰宅困難者が安全に過ごせる一時滞在施設の確保など、災害時の混乱防止に備えております。現在六十二社と協力協定を締結しており、これらの情報は各地区総合支所とともに防災危機管理室が全体を把握しております。今後も地域の特性を生かしながら協定数を増やし、帰宅困難者の一時滞在施設の受け入れ数の拡大や備蓄の推進、一斉帰宅の抑制の啓発など、民間事業者とさらなる連携を進めてまいります。  次に、地域防災協議会の支援についてのお尋ねです。地域防災協議会は、各地域で円滑な避難所運営が行われるよう、宿泊や炊き出し、応急救護の訓練などを繰り返し実施し、そこから明らかになった課題の解決について、各地区総合支所とともに、避難所運営マニュアルの見直しを重ねています。区は、災害発生時に避難所が地域の防災拠点として安定した運営が継続できるよう、地域防災協議会の方々からご意見を聞くとともに、在宅避難者が多く生活するマンション居住者と地域防災協議会が連携した実効性のある避難所運営訓練の実施につながるよう、地域防災協議会を積極的に支援してまいります。  次に、木造住宅に対する耐震化の支援についてのお尋ねです。  区内には約三千六百戸の旧耐震の戸建ての木造住宅があります。区では、平成八年度に木造住宅の耐震化支援制度を創設し、無料耐震診断の実施や耐震改修工事、建替え助成制度の拡充に努めておりますが、耐震化助成を行った実績は八十四件にとどまっております。今後は、旧耐震の木造住宅を全戸個別に訪問し、耐震化の必要性や区の助成制度を丁寧に説明するとともに、耐震化に関するアンケート調査を行うことで実態を詳細に把握し、より効果的な支援策につなげてまいります。  次に、高齢ドライバーによる事故への対策についてのお尋ねです。  高齢ドライバーの増加に伴い、区は、安全対策の一つとして、区内の警察署と連携し、平成二十一年度から三年間の期限を設け、運転免許証の自主返納の支援事業を実施したこともあります。区は、現在策定中の第十次港区交通安全計画においても、高齢者の交通安全の確保を重点課題として位置づけており、さまざまな機会において、高齢者に対する安全運転の徹底や免許証の自主返納のご案内などの普及啓発を実施しております。免許証の自主返納支援事業についても検討してまいります。  次に、自転車安全施策についてのお尋ねです。
     区は、小・中学生や高齢者を対象に、自転車シミュレーターによる交通安全教室や街頭における自転車交通安全キャンペーンの実施、広報みなとによる自転車交通事故防止の普及啓発などを継続的に行っております。また、自転車シェアリング事業では、登録会員を対象とした交通安全情報のメール配信や交通安全教室を実施しております。ハード面では、国や東京都と連携し、自転車走行空間の整備を推進しております。今後も、区立自転車等駐車場利用者への自転車運転のルール、マナーの啓発など、さまざまな機会を通じて、自転車安全施策を効果的に進めてまいります。  次に、ごみの排出抑制の取り組みについてのお尋ねです。  廃棄物処理経費を削減することは重要な課題であり、区はこれまで収集体制の見直しなど、効率的な運営に努めるとともに、区民や事業者の皆さんと3R活動を推進し、ごみの排出抑制と資源化に取り組んでまいりました。また、清掃事業に関する経費や収入の状況については、区民一人当たりのごみ処理経費や有料ごみ処理手数料収入などを、毎年度発行する、港区の清掃とリサイクルなどを通じて区民の皆さんにお知らせしております。  今後は、これらに加え、本年十二月に運用開始を予定しています、ごみ分別アプリのお知らせ機能や、港区3R推進行動会議のホームページなどを活用し、ごみの減量や分別の効果などをコスト面も含めて、よりわかりやすく、また、区民の皆さんのモチベーション向上につながるようお知らせしてまいります。  次に、育児と介護のダブルケアについてのお尋ねです。  高齢者の介護と育児を同時に抱えるダブルケアの方には、精神的にも肉体的、身体的にも大きな負担がかかるため、育児と介護の両方に配慮した支援が必要です。区はこれまでも特別養護老人ホームの入所基準において介護者が育児をしている場合には、ポイントを高くする措置をとっております。また、保育園の入園判定にあたっても保育者の介護の状況を考慮するなど、それぞれのご家庭の介護や育児に配慮した支援を行っております。  各地区総合支所では、高齢者や子育てなど、区民の皆さんが抱えるさまざまな福祉に関するご相談を、区民課の窓口で一元的に対応し、必要なサービスに結びつけております。今後も、将来的な人口増加も踏まえ、ダブルケアなどの複合的な課題に直面している区民の皆さんの意見やニーズを丁寧にお聞きし、適切な対応をしてまいります。  次に、待機児童対策についてのお尋ねです。  まず、庁内一丸となった体制についてです。これまで区は、庁内での港区子育て支援推進会議においても、子ども家庭支援部や各地区総合支所、街づくり支援部をはじめとした各支援部の連携のもと、区有地や区有施設の活用、国公有地の情報収集、再開発事業での子育て支援施設の設置の誘導など、全庁を挙げて待機児童対策に取り組んでまいりました。新たな保育施設用地としての区内の土地の取得や賃貸ビルの確保が困難な状況の中、現在、国家戦略特区を活用した区立港南緑水公園での私立認可保育園の開設に向けて、総合支所と支援部が連携し、公園の改修、地元調整などを進めております。  また、地域の事業者の皆さんなどの協力をいただき、情報提供を得る中で、新たな保育施設の開設にもつなげております。これからも子育てを支援することを区の最重点課題として、待機児童解消に向けた取り組みを全庁一丸となって一層推進してまいります。  次に、待機児童解消に向けた新規事業についてのお尋ねです。区内での高い賃料負担を軽減するために、新たに私立の保育施設に対する賃料助成額を大幅に拡充することといたしましたほか、来年度には居宅訪問型保育事業の対象者を、医療的ケアの必要な児童に加え、待機児童向けに三十人の枠を確保し、新たに取り組みを進めてまいります。また、来年度開設予定の事業所内保育所において、区民が利用できる定員枠を設けるよう、事業者と協議を進めております。今後、保育需要や幼児教育を希望する保育ニーズの把握とともに、芝浦アイランドこども園の運営状況を踏まえ、認定こども園の他地区での実施について検討してまいります。  家庭的保育事業の導入については、子どもの安全や保育の質の確保などの課題もありますが、居宅訪問型保育事業の実施状況を踏まえ、調査・研究してまいります。  次に、港区人口推計における年少人口の増加要因についてのお尋ねです。  区では、年少人口の推計をゼロ歳児と一歳児以上に分けて行っております。ゼロ歳児人口と相関関係の強い区内の十五歳から四十九歳までの女性人口をもとに、ゼロ歳児人口を推計しております。その女性人口が増加していることが、ゼロ歳児人口の増加要因となっております。また、一歳児以上の人口については、主に過去の転入及び転出、想定される住宅供給をもとに将来人口を推計しており、集合住宅の開発動向による転入の増加が人口の増加要因となっております。  最後に、共働き世帯も前提とした障害児施策についてのお尋ねです。  区は、肢体不自由児や発達障害児など、特別な配慮が必要な児童について、臨床心理士等の巡回指導などにより、安全・安心に保育所を利用できる環境整備に努めております。さらに、平成二十七年度から居宅訪問型保育事業を開始し、医療的ケアが必要な障害児に対し、一対一のきめ細かな保育を実施しております。  また、こども療育パオでは、保育の提供とは異なり、障害に起因する発達のおくれや医療的ケアのある未就学児に対し、早期の療育を行っております。引き続き、医療的ケアへの対応や、保育園とこども療育パオとの役割分担などの課題を整理し、障害児が安心して保育や療育が受けられるよう検討してまいります。  よろしくご理解のほどお願いいたします。  教育にかかわる問題については、教育長から答弁いたします。   〔教育長(青木康平君)登壇〕 ○教育長(青木康平君) ただいまのみなと政策会議を代表してのなかまえ由紀議員のご質問に順次お答えいたします。  最初に、増加する児童数に対応するための今後の学校整備についてのお尋ねです。  教育委員会では、各小学校ごとに児童数の推計を独自に行っており、今後、十校において普通教室が不足すると見込んでおります。その対応といたしまして、港南小学校などの七校は、内部改修により普通教室を確保する予定です。また、高輪台小学校については、平成三十二年四月までに校舎を増築いたします。赤坂小学校につきましては、平成三十四年九月開設に向けた赤坂中学校の改築の中で、五・六年生の普通教室を確保いたします。さらに、芝浦小学校につきましては、平成三十五年四月の開校に向け、通学区域内にある、みなとパーク芝浦の隣地に、(仮称)芝浦第二小学校を整備いたします。  最後に、保・幼・小連携による小学校就学にかかわる情報の周知についてのお尋ねです。  これまでも、小学校の運動会や公開授業をはじめとした学校公開等につきまして、小学校から保育園・幼稚園等へ周知を行っております。現在、公私立の保育園や幼稚園の園長、小学校の校長等をメンバーとした港区保幼小連絡協議会において、各保育園・幼稚園・小学校の実態に応じた交流の方法や保育園・幼稚園・小学校の円滑な情報共有の仕組みの再構築について協議を進めております。今後は、これまで以上に、未就学児家庭に小学校に係る情報が十分行き届くよう取り組んでまいります。  よろしくご理解のほどお願いいたします。 ○議長(うかい雅彦君) 議事の運営上、暫時休憩いたします。                                         午後三時二分休憩                                        午後三時二十分再開 ○副議長(近藤まさ子君) 休憩前に引き続き、会議を再開いたします。  一般質問を続けます。次に、十三番ちほぎみき子議員。   〔十三番(ちほぎみき子君)登壇、拍手〕 ○十三番(ちほぎみき子君) 平成二十八年第四回港区議会定例会にあたり、公明党議員団を代表して、武井区長、青木教育長に質問いたします。  質問に入る前に、去る十一月二十二日早朝に福島県で発生した震度五弱の地震で避難を余儀なくされた皆様、また、救助にご尽力された関係者の方々にお見舞いを申し上げるとともに、一日も早く日常生活を取り戻されることを願うものであります。  さて、議員に支給される政務活動費の不正受給や、領収書の改ざんによる議員辞職が毎日のように報道され、政治家への不信感が渦巻いています。こうした報道の中、東京都では、豊洲新市場移転問題の賠償問題や東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会の施設建設費用の見直しなど、都民生活に直結する課題が危惧される中、都議会公明党は、小池東京都知事の給与見直しに伴い、議員報酬額の二割削減、政務活動費を月額十万円削減、本会議・委員会開会時に支給される交通費額を実費精算に改革するよう提案し、話題になっています。  さらには、長く議員を務めた方への記念品や肖像画の作製・展示など、都民から見れば、特権と思われる内容の見直しも提案しました。今後、東京都議会では、都議会のあり方検討委員会で議論されると報道されていますが、誰もが納得する内容になるよう見守ってまいりたいと思います。必要とあれば、我々港区議会議員も、声を上げて改革を促す決意であります。  また、国会では、年金の受給資格を得るために必要な保険料の納付期間を二十五年から十年に短縮する公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律いわゆる改正年金機能強化法が、十一月十六日の参議院本会議で、全会一致で可決成立しました。改正法は来年八月に施行され、十月から約六十四万人が新たに年金を受けられる見通しです。受給資格期間が二十五年というのは余りにも長く、アメリカは十年、ドイツは五年、そしてフランスは一カ月でも保険料を払えば、それに見合うだけの年金が受給できる仕組みになっています。しかし、日本では、頑張って保険料を納付し続けても、二十五年間に達しない人は結局掛け捨てとなり、無年金に陥る事態を招いていました。こうした状況の解決を求め、多くの無年金者の方々から公明党に対して、年金受給期間の見直しの意見が寄せられました。公明党は、受給資格の短縮を長年にわたって国会で取り上げ、主張してきました。今後も私たち公明党は、庶民の声を政治に反映してまいる決意を申し上げ、質問に入らせていただきます。  初めに、公共施設におけるマネジメント計画についてお伺いいたします。  ここ近年、多発する自然災害や公共事業の事故、さらに経年劣化などの影響による公共施設の安全・安心を確保する維持管理のあり方について、関心が高まっています。  国では、平成二十五年六月、閣議決定でインフラ長寿命化基本計画を取りまとめ、総務省は、自治体レベルにおける全分野での公共施設等総合管理計画を今年度中に作成することを求めています。全国的な課題として、人口減少や少子高齢化、また、財政状況の悪化や公共施設等の老朽化に直面している背景を踏まえ、各自治体に対して安全・安心を確保し、維持管理コストの縮減や平準化を図るなど、長期的視点による戦略的な維持管理と施設の更新が求められています。  区の公共施設の現状と将来推計を見てみますと、区有施設は建て替えが大きく進み、新耐震基準設計建物は全体の約八五%を占めていますが、十年後の平成三十八年度には、竣工後三十年を経過する建物が約五五%、二十年後の平成四十八年度には約七一%に達することから、中・長期的な視点での老朽化対策が必要となります。中でも学校教育施設の面積が公共施設全体の約三五%と最も大きくなっています。また、保健・福祉施設及び行政施設の面積はそれぞれ約一二%、区民向け住宅が一〇%、子育て施設が九%となっています。  他方、インフラ施設の現状は、区施行の都市計画道路事業の完成率が約三四%、電線類地中化が実施された区道が約二一%です。また、道路構造物の総点検と街路樹の点検は平成二十六年度までに全て実施されました。その他、区が管理する三十一の道路橋の予防保全管理の実施や、百五十七カ所の公園等の点検も毎年実施しています。こうした区の公共施設の保有量を前提とした場合、平成八十七年度までの六十年間の将来への財政負担は、年間平均が約百八十三億円と試算されています。  区の公共施設マネジメント計画については、国全体が抱えている背景とは大きく異なるものの、安全・安心の継続的確保や財政負担の軽減・平準化による安定した財政運営の継続、また人口急増や人口構成の変化への対応、さらに、増加する施設保有量の最適化など、公共施設における効果的・効率的な管理を推進していくことが大きな課題であり、区の現状や特殊性を踏まえた公共施設のあり方を示していくことは、極めて重要であります。  区は現在、公共施設の安全・安心を最優先に、状況の変化に対応しながら、将来世代にも負担をかけず充実した行政サービスを継続する、戦略的ファシリティマネジメントを実践するための計画の策定に着手しており、さきに行われた総務常任委員会で、その素案が報告されました。  我が会派は、平成二十三年度決算特別委員会総括質問において、防災の観点から、インフラを維持管理するため長期的視野に立って資産を管理する、アセットマネジメントの視点の必要性を述べてまいりました。アセットマネジメントとファシリティマネジメントの本質は同じものとされていますが、ファシリティマネジメントは、インフラを含めた全ての公共施設の維持・保全管理にとどまることなく、ユニバーサルデザインが配慮されるなど、よりよいあり方を追求し、既存のものだけではなく、新しく利用し、活用するファシリティも対象となります。大きく言えば、つくる時代から賢く使う時代へと、メンテナンスの視点を踏まえた整備が求められるのではないでしょうか。  そこで、三点にわたって質問いたします。  初めに、ファシリティマネジメントの重要性についてです。公共施設の維持管理や、ファシリティマネジメントの重要性に対する区民の理解を深めていくことが必要と考えますが、今後の取り組みについて、区長の見解をお伺いいたします。  二点目は、民間活力の活用についてです。港区公共施設マネジメント計画素案は、平成七十二年に向けて、区有施設の保有量の目標を八十万平米に設定し、長寿命化を推進するなど、公共施設を将来にわたって適切に維持管理していくことが示されています。しかし、人口増加が著しい区において、施設整備が抑制されてしまった場合、区民サービスの低下が懸念されます。  そこで質問は、将来に負担を残すことなく、現在の人口増加に対応した施設整備を行うためには、民間活力の活用が不可欠と考えられますが、区長の見解をお伺いいたします。  第三点は、施設の情報一元管理についてです。区有施設を有効に活用し、将来にわたり適切に維持管理していくためには、施設情報の継続的な収集と一元的な管理が不可欠となります。  そこで質問は、新公会計制度への対応として、区でも平成二十八年度決算から、国が示した財務書類の作成に関する統一的な基準による財務書類の作成など、新たな取り組みが進む中で、今後は資産評価を含めた施設情報の把握に努め、施設情報の一元管理を推進していくことが必要と考えますが、区長のご見解をお伺いいたします。  次に、地域共生社会の実現に向けた取り組みについてお伺いいたします。  厚生労働省はことし七月、「我が事・丸ごと」地域共生社会実現本部を設置しました。これまで我が国は、それぞれの対象者に対する法整備や制度を定めてきました。例えば、高齢者の介護保険法、障がい者の障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律いわゆる障害者総合支援法、子どもの子ども・子育て支援新制度、生活困窮者の生活困窮者自立支援法などです。しかし、こうした縦割りの福祉行政を行っていると、制度のはざまでさまざまな課題が浮き彫りになっている実態や、人口減少による行政やサービス提供者の人材確保の難しさも予想されることから、従来の考え方の枠組みを根本的に転換する方式、いわゆるパラダイム転換が迫られています。  具体的には、他人事になりがちな地域づくりを、地域住民が我が事として主体的に取り組む仕組みをつくっていくことであり、各自治体においては、地域づくりの取り組みを支援することで、公的な福祉サービスへのつなぎを含めた総合相談支援の体制整備を進めていく必要性から、「我が事・丸ごと」地域共生社会実現本部の設置が進められました。つまり、福祉は与えるもの、受けるものといった対峙したものではなく、あらゆる住民がそれぞれの役割を持ち、自分らしく活躍できる社会、助け合いながら暮らすことのできる地域共生社会を目指すことを目的としています。区においても、地域の課題解決のために、それぞれの地域における協働の仕組みづくりが必要と考えます。  中央区では、区内での社会貢献活動の輪を広げ、協働の普及促進を図るための拠点として、協働ステーション中央を開設しています。地域の課題や情報を区と共有し、社会貢献活動団体として、町会・自治会、NPO、ボランティア団体、企業に情報提供し、課題解決のための提案などの相談に応じ、課題解決の取り組みを実現させるためのコーディネーター役を担っています。  港区社会福祉協議会では、企業各社の社会貢献担当者のネットワークである、みなとネットで地域に根を張った地域社会貢献活動を推進しています。また、ボランティア登録団体も増え、この十一月三十日にはこうした数百団体が一堂に会し、第一回港区地域福祉フォーラムを開催すると伺いました。区での地域共生社会実現のためのキックオフイベントになるのではないかと、大変期待をしているところです。改正社会福祉法も来年四月に完全施行となり、社会福祉法人は公益的な取り組みを行うにあたり、無料又は低額な料金で福祉サービスを提供することを責務として規定され、福祉サービスへの再投下や行政の関与のあり方などの改革がうたわれています。  そこで、社会福祉法人である港区社会福祉協議会や関係団体と区が一体となって、港区での地域共生社会の実現に向けた取り組みをどのように進めていかれるのか、区長のご見解をお伺いいたします。  次に、障がい児・障がい者の文化芸術活動の推進についてお伺いいたします。  国は、東京二〇二〇大会を契機に、障がい者の文化芸術活動の推進のため、障がい者による文化芸術活動の推進に関する法律案、いわゆる障害者文化芸術推進法案の制定を進めています。法案では、基本的な施策として、国や地方自治体に対し、主に次の六点を求めるとしています。  1)劇場や美術館、映画館での障害者のための鑑賞機会の拡大、2)制作環境の整備、3)発表の場の確保、4)優れた作品の発掘や適切な評価、5)販売の支援、6)創作活動を支える人材の育成です。  こうした国の動きから、多くの美術館を擁し、文化の発信地である港区で、今こそ、より多くの障がい児・障がい者の芸術性を引き出し、裾野を広げる取り組みを開始すべきと考えますが、区長のご見解をお伺いいたします。  また、本年八月、公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会では、東京二〇二〇参画プログラムガイドラインを定めました。区は、東京二〇二〇大会への気運醸成を図るため、区が主催又は共催する事業のうち、公認プログラムの基準に該当するものについては積極的に認定申請を行うとしています。  さらに、国では本年三月に、二〇二〇年以降を見据え、日本の強みである地域性豊かで多様性に富んだ文化を生かし、成熟社会にふさわしい次世代に誇れるレガシー創出に資する文化プログラムをbeyond2020プログラムとして認定し、このプログラムを通じて、障がい者にとってのバリアや訪日外国人にとっての言語の壁を取り除き、全ての人が参画できる社会の実現に向け、企業等の行動にも変革を促す仕掛けをつくるとしています。こうした東京二〇二〇参画プログラムもbeyond2020プログラムも、それぞれにロゴマークを付与し、大会の気運を盛り上げ、レガシーを創出するとしています。  我が会派は、昨年、障がい者の芸術性を高め、裾野を広げるなど、障がい者アート振興の観点から、東京二〇二〇大会の文化プログラム実施に伴い、地域で共に生きる障害児・障害者アート展へのロゴマークの付与について質問いたしました。  今年度も国立新美術館のご厚意により、同アート展を来年一月に開催させていただけると伺っています。障がい者による文化芸術活動の裾野が広がり、さらにこのアート展がbeyond2020プログラムに認定され、ロゴマークが付与されることによって、障がい者、そして関係する多くの方々の東京二〇二〇大会に対する気運が醸成され、ハンディのある方もそうでない方も、ともにオリンピック・パラリンピック競技大会に期待に胸を膨らませ、大会終了後は共生社会の偉大なレガシーが築かれることを大いに期待しているところです。  そこで、地域で共に生きる障害児・障害者アート展など、障がい者による文化芸術活動のbeyond2020プログラム申請を積極的に進めるべきと考えますが、区長のご見解をお伺いいたします。  次に、待機児童対策についてお伺いいたします。  平成二十五年度には、千四百八十二名という港区史上最高の保育定員を拡大し、その後もさまざまな手法で保育施設の定員拡大を積極的に図ってきたことは、とても高く評価しております。しかしながら、その後も区の人口は増加しており、ますます保育需要が高まっています。  ことし四月時点で待機児童数は六十四名、六月時点では九十七名、八月時点では百二十一名、そして九月時点では百六十九名、直近の十一月時点では二百四十三名と加速度的に増えており、その中で〇・一・二歳児が占める割合は九割以上となっています。  入園希望者の特徴は、八月一日現在のデータでは、希望する園が五園以上は四七・九%、複数園を希望しても入園が難しい状況がわかります。また、希望園が二から三園は三九・六%となっておりますが、これは通える範囲などの希望条件があるということを意味していると思います。前述したように待機児童の約九割が〇・一・二歳児という実態も含めると、やはり子どもが小さいときは、どうしても通える範囲に限られるということがわかります。空きが絶対的に少ない状況があり、現在の待機児童が来年四月には持ち上がっていくことを鑑みると、来年度も大変に高い保育需要が見込まれます。  十一月十八日の区長の定例記者会見では、来年度の保育定員総数は七千三百四名で、今年度より二百九十八名が拡大されています。内容は、区立しばうら保育園分園の開設や区立認可保育園の定員拡大、そして、ベビーシッターを利用する居宅訪問型保育事業対象者拡大、小規模保育事業所の開設などと伺っております。十一月中旬から来年度の保育園入園の申し込みが始まっていますが、入園希望のご相談を受けるたびに、希望する人が保育園に入れる港区であってほしいとの思いを強くする次第です。  我が会派は、十四年前から、送迎保育ステーションや送迎の実施について繰り返し質問してまいりました。送迎保育の実施は、入所可能な保育園が自宅から離れている場合や、やむなく兄弟別々の保育園になってしまったときや、就業時間と保育園の開所時間が合わない場合などのメリットは大きいとされ、平成十九年度には流山市、平成二十三年度には横浜市、平成二十六年度からは東京都の補助金制度を活用し、江東区でも開始されており、全国的にも広がりを見せています。  国や東京都が送迎保育ステーション事業を待機児童解消策として盛り込んでいるということは、土地の取得や開設準備に時間を要する都心区・港区での待機児童対策に大変有効な手法であると考えます。例えば、保育園送迎手段を確保するという点では、「ちぃばす」や台場シャトルバスの活用も考えられるのではないでしょうか。区として本格的に調査し、検討を進める時期にもなってきていると思います。そして、今後も区の最重要課題として、都心区・港区の保育需要に対応できる待機児童対策に力を入れていただきたいと考えます。  そこで質問は、今後、区の急激な人口増加に伴い、待機児童対策をどのように取り組んでいかれるのでしょうか。区長のご見解をお伺いいたします。  次に、産後ケアの充実について、二点お伺いいたします。  初めに、産後うつ予防対策の強化についてであります。産後うつは十人に一人が経験するとされる身近な出来事であります。しかし、適切な治療をせず、そのままにすると子育てに自信が持てず、「自分は母親失格だ」などと自分を責めて、自殺を招いたり、虐待やネグレクトにつながったりと、事態が深刻化しています。  本年四月に日本産婦人科学会において、初めて妊産婦の自殺数の報告がされました。それによると、平成十六年から平成二十六年の十年間で、二十三区で六十三人、特に出産後に自殺した人の三分の一がうつだったという大変に衝撃的な内容でした。  また、自殺した妊産婦の約半数が精神科の通院歴があることもわかりました。妊娠中や出産後は、社会から孤立しがちな上、薬が胎児や母乳に影響するのではないかという心配から服薬を中断してしまい、症状が悪化するケースもあるとのことです。精神科と産婦人科の連携した適切なフォローや出産後の早目のケアがあれば救えた命があったと考えます。  区においては、こんにちは赤ちゃん訪問事業の対象となる母親にエジンバラ産後うつ病評価票での問診や、助産師資格のある母子コーディネーターを保健所に配置するワンストップでの相談窓口の設置など、妊娠・出産期から育児期を切れ目なく支援する体制が進められていることは高く評価をしています。  厚生労働省研究班の調査では、初産の場合、うつ状態など精神不安になりやすいのは産後二カ月のころまでで、特に産後二週間の時期に発症リスクが高いということが報告されています。一カ月健康診査は広く行われていますが、どちらかというと子どもの健康状態の診断が受診の目的になっています。  初めて育児を経験する母親は、慣れないことばかりで赤ちゃんのことが最優先となり、自分の体調の変化へのケアはついつい後回しになりがちです。こうした現実を重要視した厚生労働省は、早い段階から産後の母親のケアが必要と指摘し、産後うつ予防を目的とした産後二週間と一カ月の二回の健康診断の費用を助成するため、来年度概算要求に予算七億円を盛り込みました。内容は、受診一回につき五千円を上限に助成するもので、一般的な健康診査費が五千円であることから、国と市区町村が半分ずつ負担することで、受診者が無料で健康診査を受けることを可能にするものです。  そこで質問は、産後うつの予防を強化するため、区においても、来年度から健康診査費の助成を実施すべきと考えます。区長のご見解をお伺いいたします。  次に、産後ドゥーラの導入についてです。産後ドゥーラは、産後の生活を取り巻く全てをサポートする専門家として、また、新しい女性の職業としても最近は大変注目されております。  私は、中野区松が丘助産院の院長であり、産後ドゥーラを養成する一般社団法人ドゥーラ協会の会長の方のお話を伺う機会がありました。院長先生は、一九九八年からの開業以来、助産師として多くの出産に立ち会ってきた中で、開業当時に比べて、高齢初産婦の増加、食事に気を配らないこと、夜遅くまで働くなど、出産に適さないライフスタイルの妊婦が多くなっていると指摘をされていました。  私はそのお話を伺い、都心部の港区にも当てはまるのではないかと思いました。先述しましたとおり、産後ケアは重要でありますが、専門家が現実の生活の家庭に入って、産後の母親が栄養のある食事をとり、育児の具体的な技術を毎日の生活の中で実践しながら習得し、産後の疲れを十分に癒やしながら寄り添ってくれる存在がいて、母親になっていく道筋をつけることを支援していくことこそ、今の時代に求められていると考えます。  区においても、この産後ドゥーラの導入に向けて検討をしていくと伺っておりますが、区の特徴を捉えて今後はどのように進めていくのでしょうか。区長のご見解をお伺いいたします。  次に、健康な食事の普及についてお伺いいたします。  食は命と言われるように、おいしいものを食べて健康でいられることは、幸福を感じる瞬間でもあります。健康であるということは、何物にもかえがたい宝とも言えます。日本は世界で有数の長寿国になりましたが、日本人の長寿を支えている一つが日本人の食事と考えられています。  昨年出された厚生労働省の日本の長寿を支える健康な食事のあり方に関する検討会の報告書によれば、健康な食事とは、特定の栄養素や成分を指すものでも、健康によいとうたい文句で出回っている特定の食品を指すものでもないとあります。日本の食事の特徴は、気候や地形の多様性に恵まれた季節ごとの旬の食べ物や地域ごとに産物があり、多様な食べ物を組み合わせて調理するなど、バランスのとれた食べ物をおいしく食べることによるとされています。  このような特徴を生かして、日本人の長寿を支える健康な食事とは何かを明らかにすることは、高齢化社会を迎える国際社会にも有意義なことであります。こうしたことを踏まえて、昨年、厚生労働省は、健康な食事に関する考え方を整理したリーフレットの作成や健康な心身の維持・増進に必要な栄養バランスの確保などを目的に、主食や副菜を組み合わせた食事のさらなる推進を図るためのシンボルマークの活用を推奨する通達を出しています。  区においては、栄養指導講習会や栄養の展示会を実施することや、30(さんまる)健診の受診者を対象に、日常の生活に合わせた食事の選び方や野菜のとり方の工夫に関すること、また、子育て世代に合わせた子どもの食事を考える手だてなど、きめ細やかに周知啓発などを行っていますが、生活習慣病の予防や健康増進の啓発を発信し続けることも区の重要な責務であると考えます。  そこで質問は、あらゆる機会を捉えて、厚生労働省が推進するリーフレットやシンボルマークを活用して、健康な食事とは何か、その大切さを区民に普及啓発を推進していくことが重要と考えます。区長の見解をお伺いいたします。  次に、口腔健診について伺います。  人が健康を維持していくためには、バランスのよい食事をしっかりとれるように、そしゃくできる歯と口が健康であることが基本です。しかし、近年、高齢者の方で歯や口の機能低下によって起こる身体虚弱や老衰の進行、いわゆるオーラルフレイルが問題とされています。虫歯や歯の欠損、歯周病といった口腔内の状態の悪化から、栄養の不全・偏りが起こり、それによって筋肉の減少が始まり、最終的に生活機能障害にまで至るとされています。  この研究において日本歯科医師会では、高齢期において、人とのつながりや生活の広がり、誰かと食事をするなどといった社会性を維持することは、活動量、精神・心理状態、歯・口の機能、食・栄養状態、身体機能など、多岐にわたる健康分野に関与することが明らかになっています。この社会性が欠如していくと、低筋力や低身体機能の加齢性筋肉現弱症や生活機能の低下を招き、要介護状態に陥ることを懸念していますと述べています。  また、日本人の死因はがん、脳血管疾患、心疾患が上位を占めていますが、高齢で要介護状態の方の死因の上位は、肺炎、感染症、心不全となっており、原因が細菌性であることが注目されます。肺炎が一位である理由は、自身の口の中の細菌が唾液などともに誤って肺に入り込み、炎症を起こすことによります。  さらに口腔内の細菌が直接血管を通って全身をめぐり、臓器に侵入・繁殖して、心筋梗塞や糖尿病など、さまざまな病気を引き起こし、悪化させているということがわかってきました。このように高齢者にとっても、また生活習慣病などをお持ちの方にとっても口腔内の清潔、健康を保つことが全身の健康保持にとって大切であると言えます。  区では、口腔内の健康保持のために、お口の健診が区民に向け行われています。これは二十歳以上を対象として、歯の健診や舌の状態、かむ機能の検査などを前期・後期の年二回に分けて歯科医師より歯科保健指導が行われます。六月から八月の前期健診で口腔内の状態の結果説明や指導を受け、その後の状態の変化を十一月から翌年一月までの後期健診で確認する流れになっています。  しかしながら、後期の健診に再び訪れる方は三割弱と比較的少数にとどまっています。後期の健診にも訪れていただき、継続的に口腔内の健康維持に関心を持っていただくために、健診内容には工夫も必要です。細菌が体に悪影響を及ぼす始まりは、口の中の歯垢がもとになって、バイオフィルムという細菌の集合体ができ上がっていくことによります。前期健診では歯垢の除去、歯のクリーニングを健診者に意識づけることが大切です。  そこで、前期健診時に歯のクリーニングを取り入れ、歯垢のない歯の清潔感を実感してもらい、継続的なコントロールにつなげていくことはいかがでしょうか。
     また、障がい者や要介護者の方は、正しいブラッシングを行いづらく、口腔内の歯垢の除去、清潔保持が難しい場合もあります。訪問健診をする中で、本人と家族や介護者の方にブラッシングと摂食の指導を図るべきと思います。高齢者の訪問健診については、対応していただける医療機関は比較的充実していますが、障がい者の訪問健診については、対応されている医療機関は少数にとどまっております。  そこで質問は、今後、歯科医師の研修などを通し、高齢者と障がい者の両者への訪問健診の内容の充実と、障がい者にかかわる訪問対応医療機関の拡大を図るべきと考えますが、区長のご見解をお伺いいたします。  次に、B型肝炎ワクチンについてお伺いいたします。  乳幼児へのB型肝炎ワクチンの接種の目的は、急性肝炎、劇症肝炎などの急性肝障害を減らすためと、キャリアの発生を抑制し、感染源を減少させ、将来の慢性肝炎、肝硬変、肝がんを予防するためであります。感染しても免疫力が強い成人はウイルスを体外に排出し、一過性で終わりやすいとされますが、免疫が不十分な乳幼児が感染すると、ウイルスが体から排除されない持続感染者、キャリアになりやすいと言われています。このため新生児に対する定期接種は、キャリアの発生阻止が主な目的となります。  平成二十三年三月の厚生科学審議会の感染症分科会予防接種部会ワクチン評価に関する小委員会では疾病の影響について、感染者が一歳未満の場合九〇%、一から四歳の場合は二〇から五〇%、それ以上の年齢になると一%で持続感染者(キャリア)に移行する。そのうち一〇から一五%が慢性肝炎に移行し、さらに、それらの一〇から一五%が肝硬変、肝がんに進行するとされているとあります。  B型肝炎ウイルスの感染は、母親からのみではなく、水平感染と呼ばれる家族間での感染や、保育園などの集団生活の中で起こり、その感染源は唾液や汗、涙などの体液であり、接触などで感染します。このB型肝炎ワクチンの定期接種が本年十月一日より始まりました。対象者は、四月一日以降に生まれた新生児となっています。これは接種の年齢が若いほど良好な免疫応答が得られることと、三歳までにワクチンを接種することがキャリア化への予防となるからです。こういったワクチン接種の有用性から、自治体による接種勧奨のための補助が行われてきました。定期接種が始まる以前より、新宿区では接種の一部補助を行い、渋谷区、品川区、豊島区、千代田区では年齢を区切り全額を負担しておりました。乳幼児への接種は意義深く、本年十月一日から始まった定期接種は大変喜ばしいことであります。  しかし、四月一日以前に生まれたゼロ歳児と一歳児、二歳児のお子さんは、この定期接種から外れてしまい、キャリア化の不安が残ってしまいます。このようなお子さんについて、接種の推進に動き出した自治体があります。長野県塩尻市では、B型肝炎予防接種の一部費用の補助が十月一日より行われています。これは平成二十六年四月一日から平成二十八年三月三十一日までに生まれたお子さんに対し、一回二千五百円の助成を行うものです。同じく長野県松本市でも二歳の誕生日までのお子さんに対し、一回二千五百円の補助を行っております。その他、東京都清瀬市、同武蔵村山市でも同様の補助が行われております。  また、東京都八王子市では、平成二十八年三月三十一日以前の生まれで、予防接種当日三歳未満の乳幼児に対し、全額補助を行うこととし、独自に対象を拡大しました。その他の自治体でも予防接種助成の方向で検討がなされており、子育てを掲げる港区でも助成の検討を進めるべきであると考えます。  ワクチンの安全性について、国立感染症研究所によると、B型肝炎ワクチンは二十年以上前に認可され、世界中で使用されている。効果も最も高いワクチンである。長く世界中で使われているが、安全性の問題が起こったことはないとされ、副反応については五%以下の確率で発熱、発疹、局所の疼痛などがあるが、いずれも数日で回復するとされています。  費用面に関して、港区で一歳児、二歳児への接種を行った場合の試算では、合計で一億二千四百八十五万円余りとなります。しかし、現在、既に四割ほどの方が任意での接種を済ませており、実際にはそこまで至らないと言えます。港区医師会などにも意見を求め、定期接種から外れる平成二十八年四月一日以前に生まれたお子さんに不利益が生じないように、また経済的な理由で接種を行っていないなどの乳幼児に対し、区としてB型肝炎予防の手を差し伸べていただきたいと考えます。  そこで質問は、本年三月三十一日までに生まれたゼロ歳児と一歳児、二歳児へのB型肝炎ワクチン接種の補助について検討を進めるべきと思いますが、区長の見解を伺います。  次に、歴史資源を生かした観光施策について伺います。  区政七十周年を間もなく迎える今、区内の歴史とその史跡について改めて見直し、その遺産を区の振興に生かすという視点も大切であると思います。区内の歴史的な価値を有する史跡は、特に近代化へと向かう江戸後期、幕末のころの歴史と遺産については興味深く、豊富な資源があると言えます。  江戸全体を守り、伊能忠敬が日本地図作製の起点とした高輪大木戸、赤穂義士の泉岳寺、ペリー提督の来航後、黒船の来襲に備えて築いたお台場砲台、徳川家霊廟・皇女和宮の墓所である増上寺、江戸無血開場、西郷・勝会見の地芝、勝海舟と弟子坂本龍馬が師弟の契りを結び、師弟像が建立された赤坂など、区内各地に歴史・文化的背景を持つスポットがあります。  区ではこういった場所や歴史の紹介を、港区歴史フォーラムとして講演会やトークショー通じ、歴史的な経緯や裏話などを伝え、好評を得ています。また、港区観光ボランティアガイドによるまち歩きツアーや、英語でガイドをする国際観光ボランティアの活躍により、年間五百名以上の方が区の歴史資源などの魅力に触れました。  さらに明年一月二十九日には、区政七十周年自治体連携事業として、台場シンポジウムなどの事業が計画されています。全国の台場がある自治体の首長、教育長による座談会、台場の調査・研究や保護・活用業務に携わっている学芸員などによるシンポジウムが行われる予定と聞いておりますが、わけても海上から船で第三・第六台場を観察する機会が得られることは、大きな期待が持たれます。  観光庁の発表によると、二〇一六年の訪日外国人は、過去最高の二千四百万人に達するとの見通しが出ております。区内の歴史的な史跡や逸話、現在までに至る背景などについてさらに広げ、区と協定を結ぶ他自治体などとも連携し、観光施策を効果的に広げていくべきと思います。  来年、京都市では、武家の政権が終焉を迎え、近代日本の国づくりの転換点となった大政奉還より百五十周年を迎えることを記念して、ゆかりの十六の自治体の首長が大政奉還の舞台となった京都二条城でサミットを行い、都市間連携、活性化を目指すとの動きもあります。  また、再来年、二〇一八年のNHK大河ドラマでは、西郷隆盛が主人公として取り上げられ、篤姫や勝海舟、坂本龍馬など、区ゆかりの人物も登場する予定です。  近年の歴史ブームで、女性にも史跡や人物伝に興味や関心を持ち、歴史探訪で現地を訪れる方などが多く見られます。区でも歴史的・文化的遺産の持つ魅力や深みを区内外にさらに訴求し、今後さらに増える外国人観光客にも継続的に区の魅力を訴えていくべきと考えます。  そこで質問は、区の奥深さを国内外から訪れる観光客に伝えるために、周年行事やテレビドラマなどのタイミングを的確に捉え、共通の歴史的・文化的資源を持つ全国自治体と連携したイベントを実施するなど、歴史的資源を活用した観光施策を充実させていくべきと考えますが、区長の見解をお伺いいたします。  次に、まちづくりマスタープランの改定についてお伺いいたします。  港区まちづくりマスタープランは昭和六十三年に策定され、それ以後、平成八年、平成十九年に改定を行うなど、おおよそ十年間に一度、社会状況の変化に対応すべく改定が実施され、課題解決に取り組んできました。平成八年当時は、バブル経済の洗礼を受け、事業所の増大に伴い地価が高騰し、定住人口はおおよそ十五万人を切るまでに落ち込むなど、財政基盤が危ぶまれる時期もありました。港区開発事業に係る定住促進指導要綱の策定で一定規模以上の開発事業には、良質な住宅の付置を義務づけるなど、定住人口の確保に努めた時期が長く続いておりました。しかし、ここ十年間は社会経済が大きな転換期を迎えるとともに、港区は日本の重要な経済拠点としてさまざまな役割が求められています。区の定住人口は今年度二十五万人弱まで回復し、平成四十八年の将来人口は三十万四千人に達し、その後は三十万人を維持する状況が想定されています。  東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会の開催を契機として、新駅の誕生や市街地再開発事業が予定されており、環境保全と都市機能が調和した人にやさしいまちづくりが求められていると考えます。  今回のまちづくりマスタープランの改定は、区の未来図を描くものとして大きな期待が寄せられております。港区まちづくりマスタープラン(改定素案)を拝見すると、重要課題と改定の視点が次のように挙げられております。  1)想定を上回る人口増加への対応、2)環境と都市機能のバランスのとれたまちづくりの推進、3)安全・安心の強化、4)世界に誇れる国際都市の実現、5)参画と協働の推進と地域コミュニティの向上。以上五点であります。  この五つの重要課題と改定の視点は、いわゆる施設建設や土地利用、道路・交通・観光・産業等といったハード・ソフトの両面を必要とするものと、地域コミュニティの推進といった住民、町会・自治会などの地域の方々や事業者、そして港区行政がともに手を携えて協働事業を行うソフト面の色彩が強いものも含まれています。今後、港区まちづくりマスタープラン(改定素案)をもとに、パブリックコメントの募集や区民説明会を実施する予定となっていますが、多くの方が関心を持ち、区のまちづくりにかかわっていただけることを期待しています。  そこで質問は、港区まちづくりマスタープランの趣旨を、区民・関係団体・事業者などに広く知っていただくことが重要です。どのように周知を進めていかれるのでしょうか。また、多くの分野が重層的に関連を持つことになりますが、各部門はどのように連携を図っていかれるのでしょうか。区長の見解をお伺いいたします。  次に、自転車走行空間の整備についてお伺いいたします。  自転車は、環境にやさしく、健康づくりの観点から身近で便利な移動手段として多くの人々が活用しています。また、区では公共的な交通手段として、自転車の共同利用を促進しながら駅前の放置自転車の数を抑制するため、自転車シェアリングの普及促進を推進しています。今後も自転車利用者が増える中、その一方において安全に走れる道路は少なく、歩行者や自動車との接触事故は減っていないことが現状です。  警察庁は二〇〇七年に、一部の例外を除いて自転車は車道通行を原則とし、車道の左側を走るといった自転車通行に関する規定を明確化しました。  また、国土交通省も自転車が安全走行できる道路環境の整備計画を策定するよう区市町村に求めています。こうした背景を受け、現在、港区では、自転車の走る向きや幅を示した自転車ナビマーク・ナビラインなどにより、歩行者・自転車双方が安全・安心に通行できるよう、自転車走行空間の整備が進められています。  国土交通省のアンケート調査によると、こうした自転車走行マークを設置した場合、車道を走る自転車は、整備前の四六%から六三%に増え、「危険を感じることが減った」と答えた人は、自転車利用者の五二%、歩行者の三九%に上り、既に効果があらわれているところです。  東京都は、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会に向け、都道や臨海道路における自転車走行空間の整備を二百六十四キロメートルとするとともに、国や区と協力し、国道や都道、区道の区別なく、約四百キロについて、自転車専用レーンのほか、矢羽根マークも活用して、自転車が安全走行できる環境を整備する方針を掲げています。  区は、港区自転車利用環境整備方針に基づき、自転車利用環境の整備を推進していますが、港区基本計画では、自転車専用通行帯や自転車ナビマークなどを、今年度から平成三十二年度の五年間で十五キロ整備する方針を打ち出しています。今後、ますますの自転車利用者普及に伴い、自転車走行空間の整備は重要な課題となりますが、大事なことは、つくったらそこで終わりではなく、ハード・ソフトの両面の対策をセットで進めることが重要と考えます。  そこで質問は、自転車利用者やドライバー、歩行者に対して、自転車専用通行帯や自転車ナビマークの意味や目的を周知し、安全啓発に努めることが重要と考えますが、区の取り組みについて、区長の見解をお伺いいたします。  次に、障がい者スポーツの普及啓発について、二点お伺いいたします。  障がい者スポーツに関して、この五年間の国の動きを見ますと、平成二十三年のスポーツ基本法の施行、平成二十五年の東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会の開催決定、平成二十六年の障がい者スポーツ行政の厚生労働省から文部科学省への移管、平成二十七年のスポーツ庁の設置があります。特に我が会派は、東京二〇二〇大会でパラリンピック競技会場を満席にしたい、そのような思いから、何度かパラリンピック競技の魅力の発信について、質問してまいりました。特に、障がい者アスリートたちが、自らに残された機能を訓練により見事に進化させたすばらしさを、見て実感するということを通してこそ理解できるものであり、児童・生徒には教育の中で、また一般区民に向けても体験型で行うべきと要望してまいりました。  区では、今年度に車椅子バスケット、ブラインドサッカー、さらに港区スポーツセンターのアリーナにシッティングバレー用支柱の設置工事を施し、十月十日のみなと区民スポーツ・体育祭の開会式後には、パラリンピック競技団体と連携したシッティングバレーボール体験を行うなど、スポーツ体験教室の実施について、大変評価しているところです。  今後も、競技場や競技用品なども整備し、さまざまな競技種目の体験教室を開催して、障がい者アスリートたちの競技を間近で観戦できる機会を増やしていただきたいと思います。また、練習会場の提供や東京二〇二〇パラリンピック競技大会の事前キャンプに向けた働きかけを行うなど、東京二〇二〇大会の気運を醸成するためにも、障がい者スポーツの環境を改善するチャンスと捉え、その普及啓発に取り組むべきと考えます。  そこで一点目は、障がい者スポーツの環境整備とさらなる魅力の発信について、教育長の見解をお伺いいたします。  二点目は、スポーツ人口を増やす取り組みについてです。地域における障がい者スポーツ普及促進事業の一環として、ことし三月に文部科学省から、障害者のスポーツ参加促進に関する調査研究報告書が示されました。ここには、障がい者のスポーツ参加の阻害要因について、障がいの違いや程度別に把握して分析されています。  昨年の内閣府の調査では、成人のスポーツ実施率は週一日以上が四〇・四%、週三日以上が一九・六%でしたが、この文部科学省の調査では、障がいのある成人のスポーツ実施率は週一日以上が一九・二%、週三日以上が九・三%と健常者の半分以下ということがわかりました。  障がい別では、七歳から十九歳では、視覚、聴覚障がい者の約四割が週一日以上スポーツ・レクリエーションをしているのに対して、車椅子利用者は約一割。二十歳以上では、ほとんどの障がいで約二割の方がスポーツ等をしていますが、車椅子利用者は約一割でした。このことから、特に車椅子利用者のスポーツ参加が少ないことがわかりました。そのうちの三六・九%が「スポーツ・レクリエーションを行いたいと思うができない」と答えており、興味・関心はあってもできない実態が明らかになりました。その理由としては、競技場までの移動支援、体力や技術のある介助者の同行を得ることが現実的に難しいということが挙げられていました。  実際に、区内の障がいのある方々からも、障がい者スポーツ大会に向けて練習する場がなく、団体登録をしても一般の団体が多くて予約が取りにくい、他区の障がい者スポーツセンターへ練習に行きたいが移動支援の介助者が見つからず行けないなどのご相談がありました。  スポーツ基本法の基本理念には次のような一文があります。障害者が自主的かつ積極的にスポーツを行うことができるよう、障害の種類及び程度に応じ必要な配慮をしつつ推進さなければならない。そこで、地域共生社会の一歩として、地域における障がい者スポーツの普及を目指し、まずは障がい者の皆さんがスポーツをしたいという思いを受けとめ、そして実現するための相談窓口の設置、場の確保、指導者の育成に取り組むべきと考えますが、教育長の見解をお伺いいたします。  最後に、港区学びの未来応援施策についてお伺いいたします。  港区教育委員会は、国が策定した子どもの貧困対策の推進に関する法律に基づき、港区学びの未来応援施策検討委員会を立ち上げ、経済的な困難があるなしにかかわらず、養育状況に課題がある家庭における子どもの生活面での支援策を検討していると伺っています。支援策の検討にあたって、港区教育委員会は、港区学びの未来応援施策実態調査を実施しており、対象を小学校四年生と中学校二年生の保護者としてアンケートを依頼し回収しました。回収率はいずれも高く、小学校四年生で八三%、中学校二年生で七一%という結果でありました。  主な設問は、世帯類型に始まり、親の働き方や子どもの学力、生活状況では、一日の出来事についての会話の有無や家庭学習の習慣が身についているかなど、悩み事、区に対する要望では、家庭養育で困っていることや子どもの将来について不安なこと、区に望むこと、家庭の経済状況では、世帯年収や就学援助・就学奨励の有無についてなどであります。  調査から見えてきた課題は、補充学習などの学力の保障が強く求められており、特に中学生では、進路選択にあたっての学力の不安が切実な悩みとなっているようです。土日に限らない補充学習が自由意見にも記載されています。また、学力と家庭の所得の相関を分析した結果では、低所得の家庭に学力が低い生徒が多いことが明確になっています。こうした結果からも、経済的に困窮しており、かつ学力に課題がある生徒への支援が必要と思われます。  また、学習や生活で区に望むことでは、補充学習などの学力の保障が一番多く、小学生で五三・六%、中学生で六四・五%を占めています。小学生の保護者からは、子どもの能力に応じた指導や放課後に勉強を見てもらえる教室が求められております。この調査結果からは、保護者は学習支援を強く求めていることがわかります。  そこで質問は、港区学びの未来応援施策実態調査を受け、教育委員会はどのような学習支援を、今後、実施・検討されるのでしょうか。教育長にご見解をお伺いいたします。  以上で質問を終わります。ご清聴、大変にありがとうございました。   〔区長(武井雅昭君)登壇〕 ○区長(武井雅昭君) ただいまの公明党議員団を代表してのちほぎみき子議員のご質問に順次お答えいたします。  最初に、公共施設におけるマネジメント計画についてのお尋ねです。  まず、ファシリティマネジメントの重要性についてです。現在、区が策定を進めている公共施設マネジメント計画は、区の公共施設を取り巻く現状を、他の自治体との比較をグラフでわかりやすく示しているほか、明らかになった課題の解決に向けたさまざまな取り組みを示しています。計画につきましては、今後、パブリックコメントを実施し、区民の皆様の意見を計画に反映してまいります。さらに、公共施設の現状などについて取りまとめた施設白書を作成し、区民の皆様に広く情報を公開するなど、公共施設マネジメントの取り組みの周知を図ってまいります。  次に、民間活力の活用についてのお尋ねです。人口が急増している港区において、学校施設や保育施設などの施設整備は急務となっており、施設需要に迅速に対応することが重要です。一方で、人口推計や将来の財政負担などを踏まえた適切な施設保有量を見定め、施設整備を行う必要があります。このため、公共施設マネジメント計画で、区有施設の保有量の目標量を定め、施設の用途転用や複合化、地域内での施設機能の共有などを進めます。さらに、保有面積を抑制しながら区民サービスの水準を確保するために、民設民営による施設整備や民間建物の賃貸借など、民間活力を活用してまいります。  次に、施設の情報一元管理についてのお尋ねです。区ではこれまで、施設の規模や構造、築年数などの基本的な情報や、点検・診断結果、エネルギー使用量など、施設に関する情報を蓄積し、維持管理に活用してまいりました。今後は、新公会計制度による財務情報を活用したコスト情報の把握について、検討を進めるほか、施設情報の集約をさらに推進し、得られた情報をもとに、全庁的、多角的な分析と施設評価を実施する手法を検討してまいります。  次に、地域共生社会の実現に向けた取り組みについてのお尋ねです。  子どもや高齢者、障害者など、全ての人々が住み慣れた地域で自分らしく生活していくためには、さまざまなニーズに対する横断的な相談体制を構築していくとともに、支援の受け手と支え手に分かれることなく、あらゆる住民が役割を持ち、ともに支え合いながら自分らしく活躍できる、地域共生社会を目指していく必要があります。  区はこれまで、港区社会福祉協議会や各種福祉団体、町会・自治会、NPO等と協働、連携して高齢者や障害者、子どもへの声かけや見守りを行うとともに、地域交流事業に取り組んでまいりました。  現在、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らし続ける体制づくりとしての地域包括ケアシステム構築に向け、港区社会福祉協議会や社会福祉団体、町会・自治会や港区医師会等と介護の関係者が、港区地域包括ケアシステム推進会議で協議を進めております。今後、平成三十年度から本格実施する地域包括ケアシステムを充実・発展させながら、さまざまな活動主体と課題や情報を共有し、区民が互いに支え合い、自分らしく活躍できる地域共生社会を実現してまいります。  次に、障害児・障害者の文化芸術活動の推進についてのお尋ねです。  まず、より多くの障害児・者の芸術性を引き出す取り組みについてです。区ではこれまでも、重度障害児の参加する事業にアートセラピーの指導者を招き、障害児の持つ感性を作品にする取り組みを行ってまいりました。また、障害保健福祉センターでは、障害児向けの水彩画や絵手紙を制作する講座を実施するなど、障害児・者が身近なところで芸術に親しむ機会を設けております。また、発表の場として、毎年、国立新美術館等で開催している障害児・障害者アート展や、芝浦港南地区総合支所での潮展などを実施し、創作意欲の向上につながるよう、努めております。  また、区内の文化芸術団体と連携し、障害のある人が参加や鑑賞等をするために配慮した文化プログラムも実施いたします。  区は、区内の障害福祉サービス事業者等への周知とともに、広報紙等を通じ、広く区内の障害児・者に対して、障害児・障害者アート展への参加を呼びかけることにより、障害児・者の芸術活動の裾野を広げ、障害のある人が存分に才能を発揮できるよう支援してまいります。  次に、共生社会のレガシー創出のための東京二〇二〇公認プログラム等の申請についてのお尋ねです。区は、障害のある人に配慮することなど、港区独自の文化プログラムの考え方を示し、これまでの取り組みを継承・強化しています。また、文化芸術団体とも連携し、障害のある人がパフォーマンスを披露するなどのプログラムを実施しています。障害児・障害者アート展など、区が主催する文化芸術活動はもとより、文化芸術団体の活動を支援しながら、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会開催へ向けた気運醸成を図ります。また、共生社会へのレガシー創出に向けて、区の事業を文化プログラムに積極的に申請するとともに、文化芸術団体の事業申請を支援してまいります。  次に、待機児童対策についてのお尋ねです。  区は、私立認可保育園等の誘致を促進するため、施設整備費補助や建物賃借料補助の増額など、制度の拡充に向けた補整予算案を本定例会に提出したところでございます。また、現在、海岸三丁目の民間賃貸ビルを確保し、来年六月に定員百人の港区保育室の開設を目指しております。さらに、国家戦略特区を活用し、港南緑水公園内での私立認可保育園の平成三十年四月の開設を目指し、近隣の関係者と調整を進めております。  こうした保育施設の整備や誘致の取り組みに加え、事業所内保育所に区民が利用できる定員枠を設けるよう、事業者と協議しているほか、来年度は居宅訪問型保育事業の対象者を拡大し、待機児童向けに三十人の枠を確保するなど、新たな手法による待機児童対策を進めています。引き続き、多様な手法により待機児童解消に向けた取り組みを推進してまいります。  次に、産後ケアの充実についてのお尋ねです。  まず、産後うつ予防対策の強化についてです。区はこれまで、出産後百二十日以内に行っている、こんにちは赤ちゃん訪問の際に、お子さんの健康状態とあわせて、母親の状態を確認し、必要に応じて医療機関につなげるなど、産後うつの早期発見に取り組んでまいりました。現在、厚生労働省が概算要求している産後うつ予防のための産婦健診は、助成対象となる具体的な健診内容や、産婦への必要な支援が明らかにされていないことから、実施医療機関の確保や実施方法についての検討が困難な状況です。区は、国の方針が決まり次第、迅速に対応できるよう、引き続き、情報収集に努めてまいります。  次に、産後ドゥーラの導入についてのお尋ねです。核家族や転入者が多い、出産年齢が高齢化しているなどの理由で、産前産後期に周囲のサポートを受けられない家庭が増加しています。産後うつや母子の孤立化を防ぐためには、さらなる支援の充実が必要です。現在、区では、妊娠出産時、家庭への家事支援を実施しておりますが、今後は、母親の心身のケアや新生児の育児指導、家族の状況に応じた家事・育児支援などを総合的に行い、産前産後の支援を強化する観点から、産後ドゥーラと呼ばれる産前産後の母子支援専門員を家庭に派遣することについて、検討してまいります。  次に、健康な食事の普及についてのお尋ねです。  区ではこれまで、区ホームページや広報紙を通じて、食事のとり方や野菜を中心としたメニューを紹介するとともに、栄養指導講習会や各種健診事業の際に、バランスのとれた食事の紹介を行うなど、区民が継続的に健康な食事に取り組むことができるよう、きめ細かな支援を行ってまいりました。引き続き、これらの取り組みの充実を図るとともに、国が推進するリーフレットやシンボルマークを活用し、これまで情報が届きにくかった働き盛りの世代を意識して、広く区民に対して、健康な食事の普及啓発を行い、健康づくりを支援してまいります。  次に、口腔健診についてのお尋ねです。  まず、お口の健診への歯のクリーニングの導入についてです。区が二十歳以上の区民を対象に行っているお口の健診は、虫歯や歯周病の早期発見だけではなく、歯磨き指導に加えて、生活習慣病や肺炎などの予防を目的に、禁煙指導や食生活改善の指導もあわせて行っております。歯のクリーニングは医療であることから、健診としては行わず、健診終了後に受診者と担当歯科医師が相談の上、実施することとしております。  次に、高齢者・障害者への訪問健診の充実についてのお尋ねです。介護が必要な高齢者や、障害などにより通院が困難な方に対しては、訪問によりお口の健診を行っております。健診では、虫歯の発見だけではなく、口腔衛生に関する指導も行っております。口腔機能の維持は、栄養状態の改善や肺炎予防にもつながることから、今後は、歯科医師への研修などを通じて、本人と家族を含む介護者への指導を充実してまいります。また、障害者については、対応可能な医療機関も限られていることから、関係団体の協力のもと、従事していただける歯科医師の確保に取り組んでまいります。  次に、B型肝炎ワクチンについてのお尋ねです。  予防接種に対する費用助成は、接種を奨励することとなるため、感染症の重篤さ、感染リスクの大きさ、ワクチンの有効性と副反応などを勘案して、慎重な判断が求められます。このため、区の助成は法定接種のほか、重篤な感染症の流行により区民の健康が脅かされている場合等に行うこととしています。  B型肝炎ワクチンの法定接種対象については、国の審議会において、感染リスクやワクチンの供給状況などを踏まえ、一歳未満とされたものです。今後、法定接種対象に関する議論に進展がある際は、速やかに対応できるよう、国の動向を注視してまいります。  次に、歴史資源を活用した観光施策についてのお尋ねです。  区内の歴史資源を題材とした観光イベントへの関心は高く、歴史フォーラムやまち歩きツアーでは、毎回定員を大きく上回る参加希望をいただいております。こうした歴史資源を活用したイベントをより魅力的なものとするため、ゆかりのある自治体との連携にも取り組んでおります。今年度は、紀州藩出身の徳川吉宗将軍就任三百年や、義士親善友好都市交流会議、いわゆる忠臣蔵サミットの東京開催などを契機に、和歌山市や赤穂市、墨田区などとの連携を深めました。忠臣蔵サミットで決議されました、NHK大河ドラマで忠臣蔵をテーマにすることについても、区も実現に向け、積極的に署名活動などに取り組んでおります。  さらに、来年一月には、鳥取県北栄町や函館市など、歴史的遺産である台場が現存する自治体と連携したシンポジウムなどのイベントも予定しております。今後も、さまざまなタイミングを捉え、全国の自治体と連携し、港区の歴史的な魅力を、国内外に積極的に発信してまいります。  次に、港区まちづくりマスタープランの改定についてのお尋ねです。  まず、港区まちづくりマスタープランの周知についてです。今回の改定においては、区民意見交換会や関連団体・企業を対象としたグループヒアリングを実施し、幅広く意向を把握してまいりました。本年三月に実施した改定骨子の区民説明会では十六件、パブリックコメントでは六十九件と、多くのご意見をいただき、その内容を踏まえて、改定素案の検討を行ってまいりました。また、改定素案の公表にあたっては、各地区総合支所において区民説明会を開催するなど、マスタープランの役割や内容について、丁寧に説明し、計画策定前から周知に努めております。  計画改定後は、広報みなと特集号や区のホームページのほか、区民の皆さんにわかりやすいパンフレットを作成し、各地区総合支所の区民参画会議や地域発意のまちづくり活動、まちづくりガイドラインの策定などの機会を捉え、説明会に周知を図ってまいります。  次に、各部門の連携についてのお尋ねです。今回の改定では、地域コミュニティの活性化や防犯、国際化・観光など、ソフト面のまちづくりを新たに強化するため、街づくり支援部と各地区総合支所が中心となって、防災、環境、観光、福祉、教育、健康増進など、幅広い分野にわたって全庁的に連携・協力し、組織を横断して検討を進めてまいりました。各部門においては、マスタープランに掲げたまちづくりの方針と整合を図り、港区低炭素まちづくり計画などの事業計画に具体的な取り組みを位置づけ、ハード・ソフトの両面から、地域の課題を解決する事業を展開することで、各部門が連携したまちづくりを推進してまいります。  最後に、自転車走行空間の周知と安全啓発についてのお尋ねです。  区は、自転車ナビマーク・ナビラインなど、自転車走行空間の整備方法とともに、交通ルールを啓発するパンフレットを昨年十月に作成し、自転車利用者に対し、窓口や交通安全のイベントで配布するなど、自転車走行空間の安全利用の周知に取り組んでまいりました。現在策定中の第十次港区交通安全計画では、自転車の安全利用の推進を重点課題に位置づけております。今後も、自転車利用のマナー向上やルール遵守の徹底のため、さまざまな機会を通じて自転車の安全利用の啓発を実施してまいります。  よろしくご理解のほどお願いいたします。  教育にかかわる問題については、教育長から答弁いたします。   〔教育長(青木康平君)登壇〕 ○教育長(青木康平君) ただいまの公明党議員団を代表してのちほぎみき子議員の質問に順次お答えいたします。  最初に、障害児スポーツの普及啓発についてのお尋ねです。  まず、環境整備と魅力の発信についてです。教育委員会は、障害者スポーツの環境整備として、今年度に入り、事前キャンプの誘致を視野に入れて、港区スポーツセンターにシッティングバレーボールの公式試合用コートをいち早く整備するとともに、今後、目隠しをして鈴入りボールを投げて得点を競う、ゴールボールの用具を購入する予定です。今後もパラリンピック競技団体の事前キャンプ誘致を実現するため、また、障害者がさまざまな種目のスポーツを楽しむことができるよう、必要な環境整備に努めてまいります。  また、昨年度に実施した車椅子フェンシングなどの体験教室に加え、今年度は新たな種目として、ゴールボールの体験教室、パラリンピアンによるトライアスロンや陸上競技のスポーツ教室を実施し、障害者スポーツの魅力をさらに発信してまいります。今後も、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会を契機と捉え、誰もがスポーツを気軽に楽しむことができるよう、障害者スポーツ活動を積極的に推進してまいります。  次に、障害者のスポーツ人口を増やす取り組みについてのお尋ねです。障害者スポーツの相談窓口については、生涯学習推進課や港区スポーツセンターなどの窓口において、障害者スポーツをやりたい、練習場所を確保したいといった問い合わせに、ブラインドサッカーなどの体験教室の事業や施設の団体利用の方法をご案内しております。今後も、障害者のニーズに応じた丁寧な対応ができるよう、取り組んでまいります。  また、障害者が地域で気軽にスポーツに親しめるよう、スポーツ推進委員の協力のもと、これからも港区スポーツセンターのほか、学校施設も活用し、積極的にスポーツの場の確保に努めてまいります。
     さらに、障害者スポーツの指導員については、現在、港区スポーツセンターをはじめ、区立運動場などに八名配置しているほか、地域スポーツ教室の指導員として、七名の方が活動しております。今後、教育委員会として、東京都が実施しております障害者スポーツ指導員養成講習会の受講を積極的に勧め、指導員の拡大に努めてまいります。今後も、区民の誰もが身近な場所で運動することの楽しさやすばらしさを感じる機会を、積極的に提供してまいります。  最後に、港区学びの未来応援施策の方向性についてのお尋ねです。  本年六月に実施した港区学びの未来応援施策実態調査では、補充学習などの基礎学力の定着について、区への要望が最も多く、そのほか、子どもの進路への不安を抱えていることなどが明らかになりました。この結果を受けて、学識経験者や小・中学校の校長、スクールソーシャルワーカーなどで構成する港区学びの未来応援施策検討委員会で、小学校における基礎学力定着に向けた学習支援や、中学校における高校入学にあたっての学力向上のための支援の必要性などについて、検討しております。引き続き、家庭の経済的な状況によらず、子どもが進路選択できる学力を身につけられるよう努めてまいります。  よろしくご理解のほどお願いいたします。             ─────────────────────────── ○副議長(近藤まさ子君) お諮りいたします。議事の運営上、あらかじめ時間を延長したいと思いますが、ご異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○副議長(近藤まさ子君) ご異議なきものと認め、時間は延長されました。             ─────────────────────────── ○副議長(近藤まさ子君) 次に、十八番大滝実議員。   〔十八番(大滝 実君)登壇、拍手〕 ○十八番(大滝実君) 二〇一六年第四回港区議会定例会にあたり、日本共産党港区議員団を代表して、区長、教育長に質問いたします。  最初に、マイナンバー制度の中止を求めることについてです。  マイナンバー制度が施行されて一年を過ぎましたが、多くの人は、マイナンバーを日常的に使う機会はほとんどなく、必要性を感じていません。むしろ情報の漏えいなどへの懸念は強く、個人番号カードの普及も広がっていません。昨年十月に個人番号を通知する郵送作業が始まりましたが、港区でもいまだに一万六千通余りが受け取られていません。また、ことしの一月から、希望者に対して個人番号カードの交付が始まりましたが、トラブルが連続しました。個人番号カードは、今のところ身分証明のほかに使い道がなく、むしろ個人番号カードを持ち歩くことのほうが紛失や盗難のリスクを高めるため、個人番号カードの申請も進んでいません。  総務省は、今年度中に三千万枚の配布を目標にしていますが、現在約九百万枚にとどまっています。港区でも申請者数は三万六千人、個人番号カードを受け取っている人は二万四千人余りで、全ての区民を対象とした新しい制度が導入してから一年たっても一割でしかないのは、制度として機能しているとは言えません。政府は、今後個人番号カード普及のために、買い物のポイントや図書館の貸し出し、健康保険証などとの連携も検討しているとのことですが、利用対象を広げれば広げるほど個人情報は危険にさらされます。また、マイナンバー制度の業務も、総務省の天下り法人である地方公共団体情報システム機構に委任する以外に選択肢がありません。利用拡大が進むたびに、地方公共団体情報システム機構に、一方的に示される多額の契約額を支払い続けなければなりません。  マイナンバー制度は、徴税強化と社会保障給付抑制を目的に、国が国民の情報を厳格に掌握することを狙った仕組みです。国民、区民にとって、不必要で危険な仕組みを続けるべきではありません。運用状況を徹底検証し、制度の問題からも中止するよう国に申し入れるべきです。答弁を求めます。  次に、国民年金法等改定案についてです。  年金カット法案と批判されている国民年金法等改定案は、公的年金に頼る高齢者に痛みを強いるとともに、現役世代にとっても将来不安を招くものです。公的年金の受給額は、物価と現役労働者の賃金水準に基づいて決められています。物価が上がっても賃金の上げ幅がそれより小さいときは、賃金のほうに合わせて年金額を決めています。物価が上がり賃金が下がった場合でも年金は据え置きにされています。しかし、今度の法案では、賃金に合わせて給付が引き下げられますので、物価が上がっているのに年金は切り下げとなります。  物価も賃金も下がった場合、現行では物価に合わせて引き下げられますが、今度の法案では、賃金の下げ幅が大きければ、賃金に合わせて給付が下げられます。物価と賃金の変動がどうあろうとも、ひたすら低いほうに合わせて年金を抑え込むものです。今日、実質賃金が五年連続で前年を下回っており、今後も賃金が上がっていく保証はありませんから、容赦なく年金額が下げられることになりかねません。その上、国民健康保険料、介護の保険料や利用料も負担増が続いており、多くの高齢者がさらに出費を切り詰めることになれば、地域の経済にも影響します。何よりも物価の高い港区に住み続けることもできなくなります。若い世代にとっては、低賃金に苦しんだ上、高齢期になったときには大幅に引き下げられた年金しか受け取れないことになり、将来の不安を生む重大問題です。年金カット法案、国民年金法等改定案は廃案にするよう国に申し入れるべきです。答弁を求めます。  次に、羽田空港新飛行経路案についてです。  羽田空港の新飛行経路案についての説明会、国土交通省は情報提供の場としていましたが、先月十月十九日に高輪区民センターで行われました。説明会の参加者は二百十名と、関心の高さがあらわれています。国土交通省は最初の説明から、「情報提供の場であり、一時間程度で終了する」と主張しました。説明会の参加者は、「なぜ一時間で終わらせるのか。参加者がこれだけいるのに、聞きたいことはたくさんある」と国土交通省の姿勢を批判し、午後五時までの質問時間を保証するよう求めました。国土交通省は、「説明ではない。情報提供の場だ」としきりに主張し、一時間三十分程度で打ち切ってしまいました。  説明会での質問者は、全員が区民でした。地元優先ということもあり、圧倒的に高輪地域の方でした。各地域の町会関係者や地域をよく知る方に私たちも確認しました。参加者が、心配される騒音や落下物についてなどを具体的に聞いても、国土交通省はまともに答えない態度でした。終了間際に参加者から、次の説明会はいつやるのか具体的に答えてほしい旨の質問がありましたが、いつやるかは答えず、準備が整ったら連絡するというものでした。このような国土交通省のやり方は認められません。  区民は、新飛行経路によってどのような影響を受けるのか真剣に考えており、国土交通省は区民の疑問や心配事に真面目に答える責任があるのです。高輪地域の次回の説明会については、速やかに実施すること。質問には正面から答えること。説明会の設定は、平日の夜や土曜日の午後などに十分時間をとって実施するなど、多くの区民が参加しやすい設定とすることについて、国土交通省に強く要求し実施させること。答弁を求めます。  また、高輪地域以外の区内各地での説明会についても、同じ立場で速やかに実施するよう国土交通省に強く要求し、実施させること。答弁を求めます。  次に、入札制度の改善についてです。  区が発注する公共工事での入札制度は、ことし四月から最低制限価格は公表しない制度に変更されました。しかし、予定価格は公表しています。最低制限価格を非公表とすることで、ダンピングの防止に一定の歯どめがかけられることにつながると思います。一歩前進です。  しかし、高値落札の問題は解決しません。この間の入札経過調書を見ると、予定価格に対しての落札価格の率は九〇%台が圧倒的に多く、中には九九・九八二%など、限りなく一〇〇%に近い落札率もあります。予定価格を公表することで談合が行われる心配もあります。また、事業者が工事を行うための積算をしなくても、入札への参加が可能にもなります。区民の税金で各種の工事を発注するのですから、より公平・公正な入札制度にしなくてはなりません。予定価格の事前公表を改めるべきです。答弁を求めます。  次に、区内の公有地の活用についてです。  最初に、区内最大の都有地である白金二丁目の東京都職員住宅跡地についてです。この土地の活用については、周辺住民だけでなく、多くの区民が注目しています。今まで日本共産党港区議員団は、防災公園等々の提案をしてきました。今、区政での大きな課題は、保育園の待機児童解消、四百人を超す待機者のいる特別養護老人ホーム、首都直下地震の対策です。東京都職員住宅跡地は、そのことを解決する上で貴重な土地です。東京都と協力して防災公園にすること。特別養護老人ホームの建設用地として確保すること。待機児童解消のため、区直営の保育園建設用地として確保すること。そのために東京都に要請すること。答弁を求めます。  次に、南青山四丁目のホテルフロラシオン青山の跡地についてです。ここは公立学校共済組合が所有しているので、国有地や都有地と同じ扱いとはいかないと思いますが、閑静な住宅が密集しているところです。民間のデベロッパー、大手不動産業者からすれば、喉から手が出るくらい欲しい場所です。そうなると、周辺環境におかまいなしで建物が建てられる危険があります。区として、この土地の動向を注視し、取得の可能性があるのならば、いつでも対応できるようにすべきです。答弁を求めます。  次に、港区スポーツセンターなどの高校生の利用料金についてです。  港区スポーツセンターやゆとりーむ、学校のプール開放等々、高校生の利用料金は大人と同額です。港区スポーツセンターで見ると、小・中学生は百円、区内在住者、区内在勤者、区内在学者は高校生も含めて全て五百円です。児童福祉法では、少年を小学校就学の始期から満十八歳に達するまでの者と定めていて、小・中学生と高校生を分けていません。高校生を大人と同じ料金にしてきた歴史があるのでしょうが、見直しをする時期ではないでしょうか。多くの高校生に利用を促すことにつながります。港区スポーツセンター等の高校生の利用料金を、小・中学生と同額に改正すべきです。答弁を求めます。  次に、公衆浴場の確保策についてです。  公衆浴場は、区民の清潔で健やかな暮らしを確保するためだけでなく、区民相互の交流の場としても重要な施設です。毎日営業しているのは、ふれあいの湯を入れて四軒になってしまいました。ふれあいの湯では、近隣の公衆浴場の閉鎖の影響で利用者が月千人前後増え、入場を待つ列ができるほどです。これ以上個人の努力任せでは、営業を続けることが困難になります。  区では、公衆浴場を確保・減らさないために、さまざまな支援を行っています。それは大事なことですが、今求められていることは、公的な役割を担っている公衆浴場への財政支援を抜本的に強化することです。また、第二のふれあいの湯の設置に着手すること。それぞれ答弁を求めます。  また、公衆浴場を運営していく上で、人材確保は切実です。厚生労働省の公衆浴場業概要でも、経営者の高齢化、後継者がいないなどで事業継続が困難になっていると、後継者問題の深刻さを示しています。東京都公衆浴場業生活衛生同業組合の皆さんのご意見を伺いながら、全国的に人材を募集するような大胆な取り組みをする時期だと思います。答弁を求めます。  ふれあいの湯では、二〇〇二年から、大人と同額の四百六十円だった中学生の入浴料を三百円にしています。それは東京都公衆浴場業生活衛生同業組合が、中人料金から大人料金は差が大きいからと始めたことを、ふれあいの湯でも倣ったということです。葛飾区の浴場組合は、ことしの十月十日の銭湯の日の前日から、中学生料金を三百円にしたとの報道がありました。子どものときから銭湯に通っていれば将来につながります。中学生、高校生の料金を安くすることが、公衆浴場に足を向けさせることになり、公衆浴場の支援にもつながります。せっかくやるのであれば、中学生と高校生を対象にして、大人料金との差額分を港区として助成すること。また、自動券売機の更新費用を全額補助すること。答弁を求めます。  次に、高齢者健康ポイント制度についてです。  高齢者の健康維持活動や介護予防活動として、ポイント制度を導入している自治体が広がっています。昭島市では、健康づくりのためにスポーツをしたり、健診を受けたり、また自治体活動や昭島市のイベントに参加するなど、さまざまな取り組みでポイントがたまり、三十ポイントを超えたらすてきな景品が当たる抽選に応募することができる、いきいき高齢者健康ポイント制度が好評を得ています。栃木県大田原市の健幸ポイントプロジェクトでは、いつまでも自分の足で歩ける、いつまでも自分のことは自分でできるなど、生涯にわたり健康で、さらに幸せに生きていけることを目的に進められ、一日九千歩歩くと三百ポイントがもらえる制度です。外出する高齢者が増え、健康で美しくなると評判になり、千人の定員を達成したとのことです。大田原市では、医療費の抑制効果に期待していると語っています。横浜市では、介護施設、病院、子育て支援、障害者支援などのボランティア活動を行うとポイントがたまるよこはまシニアボランティアポイントに、一万三千五百人が登録しているとのことです。地域の商店、特産品への割引や観光施設への入場無料券など、地域経済の活性化とも結びつけて進めている自治体も多くなっています。  高齢者が楽しく、やる気を出して健康になり、介護予防効果になるとともに、ボランティアや地域の活性化などにも結びつく高齢者の健康ポイント制度を、区としても導入すべきです。答弁を求めます。  次に、子どもの貧困対策についてです。  子どもの未来応援施策検討のための基礎調査が行われ、子どもの貧困の詳細な実態調査が行われました。児童育成手当を受給しているひとり親家庭の保護者、就学援助を受けている準要保護世帯の保護者、子どものいる生活保護受給世帯の保護者の千五百二十六人を対象に行い、四百九十四件の回答が寄せられました。  世帯構成は、母子世帯が五三・四%と半数を占めています。世帯の年収は、三百万円未満が四八・八%と約半数に上っています。おおむね七割の世帯が「家計が苦しい」と回答しています。経済的に負担を感じていると回答したもので多かったのは、1)家賃、2)学習塾にかかる費用、3)食費、4)学校にかかる費用です。  子どものことで困ったときに相談する人が誰もいない親が一〇・一%、親が病気のときに子どもの世話や身の回りのことを頼める人が誰もいないと回答した方は二三・五%、ひとり親世帯では三六・二%とさらに深刻です。育児サポート子むすびやあっぴぃなどの子育て関連施設は、希望の日に予約がとれない、順番待ちであきがないなど、必要なときに利用できないといった悩みが多く出されています。この調査から見えてきた課題が、今後の区の施策に生かされることを期待いたします。  子どもの貧困対策・未来応援施策として、次の点に早急に取り組むことを提案します。1)学校給食の無料化に踏み出すこと。2)国民健康保険料は、子どもの人数に比例して均等割が増えるため、保険料が高くなります。東大和市は、多子世帯への均等割の軽減策を実施しており、十八歳以下の加入者が三人以上いる世帯の場合、三人目以降の均等割を無料にしています。子育て世代の支援として、多子世帯の軽減策を実施すべきです。3)児童扶養手当は、現在四カ月に一回の支給になっています。毎月支給に変えることで経済的な見通しが立ち、ひとり親世帯で育つ子どもたちの生活を安定させることにつながります。児童扶養手当を毎月支給に変更すべきです。答弁を求めます。  次に、シルバーパスの費用を多段階とすることについてです。  東京都シルバーパスは、住民税非課税又は課税で合計所得金額百二十五万円以下の方は千円、住民税課税で合計所得金額百二十五万円超の方では二万五百十円の負担となっています。このため、課税者でバス利用が少ない人は申請しないという人も少なくありません。シルバーパスは高齢者の社会参加を助長し、高齢者の福祉の向上を図るためとして、七十歳以上の人に発行されています。収入の少ない高齢者への経済的支援にとどまらず、ひきこもりがちになる高齢者に無料パスを発行して外出を促進するものです。しかし、住民税課税者は負担額が、合計所得金額が百二十五万円以下は千円、超えれば一気に二万五百十円となるため、利用を抑制するものとなっております。収入に応じて負担額を三千円、五千円、一万円、一万五千円、最高で二万五百十円とするよう、東京都に要請すべきです。答弁を求めます。  次に、学校給食、食材購入費への助成についてです。  野菜の高騰が続いています。北海道や東北、関東などでのたび重なる台風の被害で、野菜を収穫できなかったり、長雨による日照不足によるものです。給食は子どもたちの成長にとって大事です。現場では、野菜の高騰によって、白菜を使うところを大根にしたり、長ネギをタマネギにしたり、野菜炒めでは小松菜を使うところ、半分をもやしにしたりするなどの工夫でやりくりしています。価格が少し下がってきているとはいえ、高値安定です。やりくり算段せずに、給食に献立どおりの野菜が使えるよう、臨時的措置として野菜購入費を助成すべきです。答弁を求めます。  次に、学校図書館の充実についてです。  リーディングアドバイザリースタッフ、RASは、子どもたちがよい本にめぐり合えるために支援する重要な役割を果たしています。本の貸出数も増え、成果が上がっています。読書習慣のより一層の定着と学習意欲を高めるためにも、学校司書の配置が必要です。  杉並区では、二〇〇九年から二〇一二年にかけて全校に専任の司書を配置した結果、飛躍的に貸出数が増加したそうです。現在、RASで司書資格を持っている人は、小学校では四十一名中六名、司書教諭の資格を持っている人は七名です。中学校では司書資格を持っている人が十七名中四名、司書教諭は六名です。全ての小・中学校に常勤の専任司書を配置すべきです。また、司書資格を持つRASについては職員待遇とし、司書資格を持たないRASについては資格取得への支援をすべきです。答弁を求めます。  最後に、学校トイレの改善についてです。  文部科学省が費用を助成して、和式便器を洋式便器に変えることを重点に、トイレ環境の改善を進めているところですが、臭い、暗い、汚いの3Kへの対応として、学校トイレの改修に力を入れている自治体が広がっています。その中で、小・中学校の男子トイレを洋室の個室だけにする動きもあります。小便器と個室のあるトイレでは、個室に入ったときに排便だとわかり、同級生らにからかわれるため、我慢する子どもが多いからだとのことです。医師によれば、排便を我慢し過ぎると自分で調節できなくなるなど、治療や入院が必要になる場合もあるとの指摘があります。  洋式の個室だけに改修した自治体によれば、学校のトイレで排便するのが嫌で、朝食を抜いてくる生徒がいたことがきっかけになったとのです。ほとんどの家庭が洋式便器となっており、男子でも小便を便器に座ってする習慣となっている子どもも少なくないことや、性同一性障害により男性用小便器の使用に抵抗がある児童・生徒への配慮が必要です。和式便器から洋式便器への改善を進めるとともに、場所を限定して、全てを個室のトイレにすることも検討が必要です。一方で、先行して全て個室化したところ、立って小便をするため便器や周りが汚れてしまったので、小便器を再設置した学校もあるとのことですから、児童・生徒の意見も聞きながら進めることが大事です。  また、汚いトイレの対策として、壁画を制作してきれいで快適なトイレとなり、歓迎されている学校もあります。学校に洋式便器を増やすと同時に、和式便器のしゃがみ方、バランスのとり方などを楽しく伝えて、子どもたちがどちらのトイレでも安心して排泄できるようにすることが必要です。子どもに便意を我慢させてしまうことはよくないことです。トイレや排泄の大切さを教えるべきです。答弁を求めます。  学校現場の声をよく聞き、1)全て個室とした男子トイレの設置を検討すること。2)快適に利用できるよう、子どもたちの絵や地域や学校の特色を生かした壁画などで、明るいトイレに改善すること。答弁を求めます。  質問は以上ですが、答弁によって再質問することを申し上げて、終了いたします。   〔区長(武井雅昭君)登壇〕 ○区長(武井雅昭君) ただいまの共産党議員団を代表しての大滝実議員のご質問に順次お答えいたします。  最初に、マイナンバー制度の中止を求めることについてのお尋ねです。  本年一月から法律に基づき運用を開始したマイナンバー制度の実施以降、住民票のコンビニ交付等で、多くの区民にマイナンバーカードをご利用いただいております。平成二十九年七月からは、各種手続において、添付書類が減らせるなど、さらなる利便性の向上が予定されています。マイナンバー制度を中止するよう、国に求めることは考えておりませんが、引き続き、特定個人情報の保護を徹底し、区民の利便性の向上と事務の効率化を図ってまいります。  次に、国民年金法等改正案についてのお尋ねです。  現在、国会では、高齢者世代に配慮しつつ、年金の支え手である現役世代の賃金変動にあわせて年金額を改定することで、世代間の公平性と若い世代の将来の年金水準を確保し、安定した制度とするため、国民年金法等の一部を改正する法律案が審議されております。このことから、年金制度改革関連法案について、区として特段の要請をすることは考えておりませんが、今後も引き続き、国の動向について、注視してまいります。  次に、羽田空港の新飛行経路案についてのお尋ねです。  まず、高輪地区で説明会を実施することについてです。国土交通省は、区の要望に応え、本年十月十九日に高輪地区の区民を対象として、高輪区民センターで説明会を開催し、参加者の皆様からのご質問等にお答えしています。今後も、高輪地区の区民からの要望を踏まえ、国土交通省に対して、丁寧な説明の場の開催を求めてまいります。また、説明会の開催に際しては、多くの区民が参加できるような日時を設定するほか、質問の趣旨を捉えた回答がされるよう要望してまいります。  次に、高輪地区以外で説明会を実施することについてのお尋ねです。区は現在、赤坂地区の町会・自治会の要望を踏まえて、本年十二月に区民を対象とした説明会を実施するよう、国土交通省と調整を進めております。そのほかの地区においても、区民の要望を踏まえ、説明会を実施するよう、引き続き国土交通省に強く求めてまいります。  次に、入札制度の改善についてのお尋ねです。  区では、平成十三年一月から、入札契約手続における透明性の確保と情報漏えい等不正防止の観点から、工事請負契約の予定価格の事前公表を導入し、公正性の高い制度を確立してまいりました。お尋ねにあるような、適切な積算を行わず、技術力を伴わない不良不適格事業者が入札に参加できないよう、入札参加事業者には積算内訳書の提出を義務づけております。予定価格の事前公表により、事業者の皆さんからは、入札上限価格が明確となるため、入札参加の目安となり、入札案件の選択ができるというご意見もいただいております。今後も、より公平・公正な入札制度の運用に努めてまいります。  次に、区内の公有地の活用についてのお尋ねです。  まず、白金二丁目の東京都職員住宅跡地についてです。この都有地は、当面、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会関連で活用すると聞いております。地域の関心が高く、区としても活用度の高い重要な土地であると考えております。また、東京都の活用にあたっても、安全・安心の確保や防災、福祉などへの配慮に加え、港区議会からの待機児童対策に関する意見書も踏まえ、区の施設要望にも考慮するよう、東京都の関係部署に要望してまいります。引き続き東京都の動向を注視し、積極的に働きかけてまいります。  次に、南青山四丁目のホテルフロラシオン青山跡地についてのお尋ねです。ホテルフロラシオン青山跡地につきましては、所有者である公立学校共済組合から、現在、売却に向けた準備作業中であると聞いております。今後とも、当該用地の動向について、公立学校共済組合と連絡を密にとりながら、情報収集に努めてまいります。  次に、港区スポーツセンターなどの高校生の利用料金についてのお尋ねです。  公の施設の高校生の利用料金のあり方については、高校生の利用実態や受益者負担の原則との均衡、また、歳入に与える影響など、さまざまな角度から、現在検討しております。  次に、公衆浴場の確保策についてのお尋ねです。  まず、財政支援の強化等についてです。現在、区では区内の公衆浴場経営者及び元公衆浴場経営者や、公衆浴場利用者へのアンケート調査を実施しております。また、平成三十年度から三年間の港区地域保健福祉計画後期計画に反映させるために、区民を対象とした港区保健福祉基礎調査を実施し、区民の公衆浴場の利用実態や利用意向の把握に努めております。財政支援の強化や新たな区立公衆浴場の設置については、これらのアンケート調査の結果等を踏まえ、検討してまいります。  次に、人材確保についてのお尋ねです。区では、区内公衆浴場経営者との意見交換において、後継者と人材確保・育成が大変重要な課題であることを把握しております。今後、広域的に公衆浴場に支援を行っている東京都と連携し、将来に向けて公衆浴場が継続して運営されるよう、人材確保支援策について検討してまいります。  次に、中学生・高校生の助成等についてのお尋ねです。公衆浴場入浴料金の区分は、大人十二歳以上、小学生、未就学児の三区分となっております。中学生料金は、東京都公衆浴場業生活衛生同業組合が小学生料金から大人料金に変わる緩和策として開始した事業で、実施は公衆浴場事業者の任意であったと聞いております。このため、区独自に周辺より低額の高校生料金の設定や差額分助成を行うことについては、隣接区の公衆浴場利用者が減少するなどの影響も考えられ、慎重な対応が必要と考えております。また、自動券売機の更新費用の全額補助については、これまでの区の財政支援を検証する中で、総合的に検討してまいります。  次に、高齢者健康ポイント制度についてのお尋ねです。  現在、十一館のいきいきプラザで、指定管理者の自主事業として、みんなといきいき体操等の健康づくり事業への参加者にポイントカードを配布し、ポイント数によりカフェのメニュー等を利用することができるサービスを実施しております。参加者からは、健康維持への意欲がますます湧くと好評を得ております。今後、全館での実施に向け、検討してまいります。  次に、子どもの未来応援施策についてのお尋ねです。  まず、国民健康保険料の多子世帯への軽減策についてです。特別区では、所得、世帯構成が同一であれば、国民健康保険料も同一となる、統一保険料方式をとっております。多子世帯への軽減策につきましては、今年度、特別区長会として、全国市長会を通じて、国に対して、国民健康保険制度に関する提言の中で、子育て世帯の負担軽減を図る支援制度創設を要望しております。  次に、児童扶養手当の支給方法の変更についてのお尋ねです。児童扶養手当は、児童扶養手当法の規定に基づき、四月、八月及び十二月の三期に支給しております。平成二十八年五月に国会で成立した、児童扶養手当法の一部を改正する法律案に対する付帯決議には、手当を隔月支給にすること等を含め、所要の措置を検討する旨が盛り込まれています。これを受けて、厚生労働省は、全国の自治体を対象として、支給回数を変更した場合の人員体制の影響、システム改修の費用等についての調査を行っております。区は、今後、国の動向を注視し、支給回数が変更となった場合は、適切に対応してまいります。  最後に、シルバーパスの費用を多段階にすることについてのお尋ねです。  東京都シルバーパスの費用について、収入に応じて段階別に設定をしてもらいたいというご要望につきましては、東京都に伝えてまいります。  よろしくご理解のほどお願いいたします。  教育にかかわる問題については、教育長から答弁いたします。   〔教育長(青木康平君)登壇〕 ○教育長(青木康平君) ただいまの共産党議員団を代表しての大滝実議員のご質問に順次お答えいたします。  最初に、子どもの未来応援施策としての学校給食の無償化についてのお尋ねです。  学校給食の食材費は、学校給食法に基づき、保護者の負担と定められていますが、教育委員会では、安全で安心な食材の提供などの視点から、精米の一部や果物等の特別栽培野菜を公費で購入しております。また、就学援助制度により、経済的理由により就学が困難と認められる児童・生徒の保護者に対しまして、給食費の全額を助成しております。こうしたことから、学校給食を無償化することは考えておりませんが、今後も学校給食について、食育の推進や、安全で安心な食材の提供などに積極的に取り組んでまいります。  次に、学校給食食材購入費への助成についてのお尋ねです。  教育委員会では、これまでも野菜等の食材が値上がりした際には、児童・生徒にとって望ましい栄養量を確保するために、学校給食摂取基準に基づき、使用する食材の変更など、さまざまな工夫をしながら対応してまいりました。今回の台風や天候不順による野菜の値上がりについても、同様の対応をしておりましたが、現在、野菜の種類によっては、十月に比べ、価格が下がり始めたことも確認しております。そのため、現時点で食材購入費への助成は考えておりませんが、引き続き学校栄養士などの意見を十分聞くとともに、児童・生徒の望ましい栄養摂取を第一に考え、食材価格の動向を注視し、適切に対応してまいります。  次に、学校図書館の充実ついてのお尋ねです。  まず、小・中学校への専任の学校司書の配置についてです。平成二十七年四月一日に施行された改正学校図書館法で新たに規定された学校司書については、国が、新法の施行の状況等を勘案し、学校司書としての資格の在り方、その養成の在り方について検討を行い、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとするとしております。現時点で、この国の検討結果は示されておりませんが、教育委員会としては、国の動向を今後とも注視するとともに、平成二十八年十一月に、小・中学校の校長を含めた委員による学校図書館支援センター設置検討会を設置し、現在、港区における学校司書のあり方も含め、学校図書館の充実に向け、さまざまな角度から検討を進めております。  次に、司書有資格者のリーディングアドバイザリースタッフの職員待遇についてです。リーディングアドバイザリースタッフは、保護者や地域の方々が、児童・生徒の読書に対する興味、関心を向上させ、その主体的・意欲的な学習活動を支援する、有償ボランティアの制度です。現在、リーディングアドバイザリースタッフに従事されている方や応募される方の中には、限られた時間の中で、学校図書館の運営に貢献したいと考えている方も多い状況です。このことから、司書資格のあるリーディングアドバイザリースタッフを職員待遇とすることは考えておりませんが、今後も、リーディングアドバイザリースタッフの活動が円滑かつ効果的に行えるよう、取り組んでまいります。  次に、リーディングアドバイザリースタッフの司書資格取得への支援についてです。教育委員会では、司書資格を取得するためのものではありませんが、現在、リーディングアドバイザリースタッフを対象に、蔵書の管理や展示、司書教諭との連携した授業での学校図書館の活用方法など、外部の専門家による区立図書館と連携した研修を実施しております。今後も、これらの研修により、児童・生徒の読書環境が充実し、学習意欲が高まるよう、リーディングアドバイザリースタッフのノウハウを高める研修の充実に取り組んでまいります。  次に、学校トイレの改善についてのお尋ねです。  まず、排泄の指導についてです。現在、全ての小学校において、一年生の入学当初から養護教諭と担任が連携し、排泄の大切さや和式トイレの使い方などについて、学級活動の時間を活用して指導しております。また、小学校三年生の保健の授業においても、一日の生活の仕方と健康について学習する中で、排泄の重要性について取り上げております。さらに、学校独自の取り組みとして、芝小学校、御田小学校、三田中学校では、学校を支援地域本部のおなか元気教室という出前授業を活用し、腸の役割や排泄習慣の大切さについて学んでおります。今後も、子どもたちが日常的に健康な生活を送ることができるよう、指導の充実に取り組んでまいります。  次に、男子トイレを全て個室とすることの検討についてのお尋ねです。現在、区立小・中学校の男子トイレには、小便器が合計で七百九十八基ありますが、児童数・生徒数の増加に応じたトイレの便器数を確保していく必要があります。トイレの個室化には一定のスペースを要するため、これまで以上の便器数を設置することは困難です。そのため、男子トイレの全てを個室にすることは考えておりませんが、引き続き、児童・生徒や学校の意見を聞きながら、学校トイレが快適に利用できるよう努めてまいります。
     最後に、快適に利用できるトイレへの改善についてのお尋ねです。教育委員会では、これまで学校トイレについて、学校の要望に基づき、安全・安心の観点からバリアフリー化に向けた段差の解消、手すりの設置や便器の洋式化などの改善を順次実施してまいりました。今後、改修の際に児童・生徒や学校の意見を聞きながら、トイレの壁面を工夫することや床を明るい色で仕上げるなど、学校トイレが清潔で明るく快適な空間となるよう改善してまいります。  よろしくご理解のほどお願いいたします。   〔十八番(大滝 実君)登壇〕 ○十八番(大滝実君) 先ほど羽田空港の新飛行経路案について、高輪地域にしろ、それ以外のところについても要請するというご答弁はいただきました。高輪区民センターでの説明会、国土交通省は情報提供の場ということでしたけれども、大変多くの要望、質問が出されたわけです。そのような意味では、誠実に答えていないという問題があったわけです。その後の状況を見ても、先日、国土交通省の調査で、落下物については、航空機の部品落下が八年間で四百三十七件確認されたと。これは氷とかではないわけですし、国内の航空会社だけの調査ですから、国際便については調査されていないわけで、大変多くの物が落ちているということになるわけです。  成田空港の周辺でも、十年間で二十一件発見されたということですけれども、それと同時に、先日国会でも、衆議院国土交通委員会で航空局長が、成田空港周辺の航空機からの落下物について、過去十年間で落ちた最大重量は一・八キロと答弁したのを十二キロと訂正したわけです。そういった点から見ても、誠実さというのが余り感じられないし、この間の説明も、重大な問題が続いているのだけれども、丁寧な説明がされていないということがあります。  それと、先日、国土交通省のレクチャーがあった際に、都心区上空の飛行時間帯について、現在、南風時のときには十五時から十九時となっているわけですけれども、この時間帯ということで協定書を含めて何か約束ごとができるのかということについて、航空局首都圏空港課長補佐という方が、全く考えていないということで、担保するものについては何もないと。むしろ二〇二〇年以降には増やす方向性もあるという状況です。だから改めて、不安や疑問を持っている方がたくさんいらっしゃるわけですから、再度、国土交通省に住民の不安に応えられるような内容にしてほしいということをぜひお願いしたいということが一点です。それと、今、赤坂地域ということがありましたけれども、ほかの地域についても同じような形で、青山とか、南麻布とか、いわば飛行経路下で、さらに説明を求めていくようなことで国土交通省に要望してほしいということをお願いいたします。それについて再質問いたします。  以上です。   〔区長(武井雅昭君)登壇〕 ○区長(武井雅昭君) ただいまの共産党議員団を代表しての大滝実議員の再質問に順次お答えいたします。  まず、羽田空港の新飛行経路案に対する説明会についてのお尋ねです。  ご質問にありましたように、新たな騒音の発生や落下物への不安など、これまでの説明会などで出された区民の意見や要望などに対して、国が真摯に受けとめて丁寧な説明を行うよう、重ねて申し入れてまいります。  次に、高輪地区以外での説明会の実施についてのお尋ねですが、区民の要望を踏まえて説明会を実施するように、引き続き、国土交通省に強く求めてまいります。  よろしくご理解のほどお願いいたします。 ○議長(うかい雅彦君) 以上にて、本日の日程は全部終了いたしました。  本日の会議は、これをもって散会いたします。                                       午後五時二十一分散会...