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  1. 港区議会 2016-03-11
    平成28年度予算特別委員会−03月11日


    取得元: 港区議会公式サイト
    最終取得日: 2021-09-21
    平成28年度予算特別委員会−03月11日平成28年度予算特別委員会  平成28年度予算特別委員会速記録(第10号) 平成28年3月11日(金) 午後1時開会 場  所  第3・4委員会室 〇出席委員(34名)  委員長   清 原 和 幸  副委員長  ちほぎ みき子       熊 田 ちづ子  理  事  榎 本 あゆみ       小 倉 りえこ        榎 本  茂        有 働  巧        池 田 こうじ       七 戸  淳        杉本 とよひろ  委  員  玉 木 まこと       山野井 つよし        兵 藤 ゆうこ       丸山 たかのり        池 田 たけし       黒崎 ゆういち        赤 坂 大 輔       横 尾 俊 成        清 家 あ い       やなざわ 亜紀        鈴 木 たかや       土 屋  準        大 滝  実        いのくま 正一
           杉 浦 のりお       なかまえ 由紀        阿 部 浩 子       近 藤 まさ子        ゆうき くみこ       二 島 豊 司        風 見 利 男       林 田 和 雄        うかい 雅 彦       井 筒 宣 弘 〇欠席委員  なし 〇出席説明員  区 長               武 井 雅 昭  副区長               田 中 秀 司  副区長    小柳津  明  教育長               小 池 眞喜夫  芝地区総合支所長          波多野  隆  街づくり支援部長兼務  芝地区総合支所副総合支所長     堀   二三雄  芝地区総合支所管理課長兼務  麻布地区総合支所長         青 木 康 平  保健福祉支援部長兼務  麻布地区総合支所副総合支所長    大 滝 裕 之  麻布地区総合支所管理課長兼務  赤坂地区総合支所長         安 田 雅 俊  産業・地域振興支援部長兼務  赤坂地区総合支所副総合支所長    櫻 庭 靖 之  赤坂地区総合支所管理課長兼務  高輪地区総合支所長         横 山 大地郎  環境リサイクル支援部長兼務  高輪地区総合支所副総合支所長    神 田 市 郎  高輪地区総合支所管理課長兼務  芝浦港南地区総合支所長       浦 田 幹 男  子ども家庭支援部長兼務  芝浦港南地区総合支所副総合支所長  高 嶋 慶 一  芝浦港南地区総合支所管理課長兼務  地域振興課長            遠 井 基 樹  保健福祉課長            西 田 京 子  福祉施設整備担当部長        所   治 彦  みなと保健所長           吉 田 道 彦  生活衛生課長            菅 根 克 己  子ども家庭課長           長谷川 浩 義  都市計画課長            坂 本  徹  特定事業担当部長          佐 野 和 典  環境課長              関 本 哲 郎  企画課長              大 澤 鉄 也  区長室長   新 宮 弘 章  財政課長              湯 川 康 生  用地・施設活用担当部長       齋 藤 哲 雄  防災危機管理室長          高 橋 辰 美  防災課長              亀 田 賢 治  総務部長              渡 邊 正 信  総務課長              森   信 二  会計管理者             奥 野 佳 宏  (会計室長事務取扱)  教育委員会事務局次長        益 口 清 美  庶務課長              佐 藤 雅 志  教育政策担当課長兼務  選挙管理委員会事務局長       日 詰 由 三  監査事務局長            塚 田 浩 一  副参事(監査担当)         安 藤 俊 彰 〇出席事務局職員  区議会事務局長           北 本  治   次  長   中 島 博 子                                          ほか                 午後 1時00分 開会 ○委員長(清原和幸君) ただいまから本日の委員会を開会いたします。  本日の署名委員をご指名いたします。いのくま正一委員、杉浦のりお委員にお願いいたします。
     この際、意見書について申し上げます。国民健康保険事業会計の質疑におきまして、風見委員よりご提案のありました意見書につきましては、正副委員長で協議し、さらに各会派の理事と協議した結果、お手元配付のとおり、国民健康保険料の負担軽減についての意見書(案)を調製いたしました。朗読は省略いたします。意見書につきましては、お手元配付の案文にて議長宛て提出の手続をとりたいと思いますが、ご異議ございませんか。                (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○委員長(清原和幸君) ご異議ないようですので、そのようにさせていただきます。  なお、意見書の提出者は、各会派の理事とさせていただきますので、よろしくお願いいたします。  この際、謹んで皆様に申し上げます。本日3月11日は、東日本大震災の発生から5年にあたります。港区議会といたしまして、震災により犠牲となられた方々に哀悼の誠を捧げるとともに、被災された方々、原子力発電所の事故により避難を余儀なくされている方々に、心からお見舞いを申し上げ、午後2時46分に黙祷を行いたいと存じます。  質疑の途中においても、質問、答弁の区切りのよいところで委員会を休憩し、自席にて待機していただき、全館放送に基づき黙祷を捧げ、黙祷終了後、委員会を再開しますので、ご承知おき願います。  なお、質問時間が残っている場合は、改めて時間を表示しますので、よろしくお願いいたします。     ─────────────────────────────────── ○委員長(清原和幸君) これより審議に入ります。  去る3月9日に大滝委員ほか3名から提出されました平成28年度港区一般会計予算に対する修正案、平成28年度港区国民健康保険事業会計予算に対する修正案及び平成28年度港区介護保険会計予算に対する修正案について、一括して議題といたします。  それでは、修正案について、提案者の説明を求めます。 ○委員(風見利男君) それでは、提案者を代表して、2016年度港区一般会計予算、港区国民健康保険事業会計予算及び港区介護保険会計予算に対する修正案の提案説明を行います。  この間、GDPもマイナス、安倍政権の3年間で正社員が23万人減り、非正規雇用の労働者が172万人増えています。働く人の賃金水準も低下、実質賃金が4年連続前年割れです。  総務省の家計調査によれば、2人以上世帯のうち、勤労世帯の可処分所得が30年前以下の水準に落ち込んでいます。可処分所得が下がった要因の1つは、実収入が伸び悩んでいることです。実収入は、1997年、平成9年の59万5,214円を頂点に、2015年、平成27年には52万5,955円と7万円近く下がりました。国民の購買力が低下し、中小企業にも影響が出ています。港区の中小企業の景況に掲載された、この間の業況DI・見通しDIでも2014年、平成26年1月から3月期は、年始ということもあってDIが1.2ですが、その後、2016年、平成28年1月から3月期の見通しまでずっとマイナス、ほとんどが二桁のマイナスとなっています。  区長は、2016年度予算提案説明の中で、「全ての施策の最重点施策としてきた安全で安心できる港区を、区民の誰もが生活の中で実感できる予算編成を行った」と説明されました。区が進める巨大開発のまちづくりによって、昔から港区に住んでいた方が立ち退きでいなくなり、その土地には巨大なオフィスビルや超高層マンションが建設され、富裕層が多く転入しています。港区の所得割の人口構成を見ても、富裕層と低所得者の二極分化が極端に進んでおり、貧困と格差は大きく広がっています。  港区の生活保護世帯は1,963世帯と毎年増え続けています。国民健康保険の滞納世帯は29.08%、介護保険料も基準額が23区でトップとなり、滞納も25.46%と依然として高い水準です。介護保険の利用料も一定所得のある方は1割負担から2割負担に引き上げられています。国民健康保険料も毎年上がり続け、今回も均等割の引き上げが行われたため、2016年度、平成28年度の保険料は4,644円の値上げになり、1人あたりの平均保険料が11万1,189円と影響は一層深刻になっています。就学援助では昨年2月現在、小学校の認定率は15.19%、中学校では31.11%という状況です。  その一方、森ビル株式会社住友不動産株式会社などの大企業が進めている市街地再開発への多額な税金投入を行っています。この間、33年間で342億円もの補助金を支出、今後6年間で274億円の税金投入を計画しています。4.4倍もの猛スピードで開発を進めようとしています。  国民、区民の暮らし、雇用、商売はますます深刻になっています。子どもの貧困は6人に1人が貧困と言われ、大きな社会問題になっています。こうしたときだからこそ、区民生活を支え、安心して働き、商売が続けられるための区の施策が求められています。この立場から、特に緊急性の高い項目に絞り、一歩でも二歩でも区民応援の予算となるよう修正案を提出いたします。  それでは、内容について説明いたします。  まず、修正案の大まかな特徴を説明します。歳入歳出とも原案の1,203億3,000万円を4億3,925万9,000円増額し、1,207億6,925万9,000円といたします。後ほど詳しく説明しますが、第1に、区民の暮らしへの支援策を充実・強化するものです。第2に、区民から、なぜ森ビルなどに巨額な補助金を出すのかとの声が出ている市街地再開発事業への補助金32億7,104万2,000円の支出を中止いたします。これに関連して、国と都の負担分を減額いたします。第3に、不足する財源として、財政調整基金を39億4,247万3,000円増額して繰り入れます。  次に、修正案の概要を説明します。別紙、修正案の概要をごらんください。  歳入ですが、第13款国庫支出金は、市街地再開発事業支援補助金を中止する関係で、国庫補助金32億7,104万円余を減額します。第14款都支出金は、市街地再開発事業支援補助金を中止する関係で、都の補助金を2億3,217万円余減額します。第17款繰入金は、財政調整基金から39億4,247万円余を繰り入れます。  次に、歳出の概要です。  まず、第4款民生費では、社会福祉費で、1、全ての在宅介護保険サービス利用者負担を3%に引き下げます。2、心身障害者福祉手当を1級及び2級の精神障害者にも支給します。3、75歳以上の高齢者の医療費を無料にします。児童福祉費では、18歳までの医療費負担をゼロにします。これにより民生費全体で32億1,943万9,000円の増額となります。第7款土木費では、都市計画費の市街地再開発事業支援補助金等の削減により、46億3,728万4,000円の減額をいたします。第8款教育費については、小学校費で、1、小学校の入学支度金を1人あたり2万円支給します。2、給食費を無料にします。中学校費についても、1、中学校の入学支度金を1人あたり3万円支給します。2、給食費を無料にします。3、修学旅行の助成として5万円を限度に支給します。第10款諸支出金ですが、国民健康保険料の均等割を1万円引き下げるため国民健康保険事業会計に、介護保険料の基準額を1,000円引き下げるため介護保険会計に、それぞれ繰り入れるための拠出金です。  以上が、一般会計予算の修正案の内容です。  最後に、国民健康保険事業会計、介護保険会計についてです。原案、修正案の歳入歳出の金額に変更はありませんが、保険料の減額を一般会計から繰り入れています。  区長は、「区民の誰もが安全で安心して健やかに暮らせる社会を築く」と所信表明で述べられました。この思いは私たちも同じです。最初に申し上げたように、雇用と景気、経済の悪化の中で、区民の生活は本当に深刻です。こういうときに、港区が区民生活と中小企業、商店の営業を守る予算を組むべきです。  ぜひ、ご審議の上、ご賛同いただき、ご決定されるようお願いいたします。また、部分的にでもご賛同いただけるものがあれば、提案いただければ受け入れる用意はあります。そのことを申し添えて、提案者を代表しての提案理由といたします。 ○委員長(清原和幸君) 説明は終わりました。     ─────────────────────────────────── ○委員長(清原和幸君) これより、平成28年度港区一般会計予算に対する修正案、平成28年度港区国民健康保険事業会計予算に対する修正案及び平成28年度港区介護保険会計予算に対する修正案の質疑を行います。  初めに、ゆうき委員。 ○委員(ゆうきくみこ君) それでは、まず財政調整基金の活用と財政運営の考え方について伺います。  提案された事業のほとんどは臨時的な経費でなく、今後、恒常的に経費が必要となるものばかりです。来年度以降も修正予算規模で事業を継続し、財政調整基金の繰り入れで不足財源を補うことは、将来に責任を持つ区議会としてはとるべき方策ではないのではと思います。  そこで伺いますが、財政調整基金について、どのようなときに活用すべきとお考えなのか、その基本的な考え方を伺います。 ○委員(いのくま正一君) 財政調整基金ですけれども、どのようなときに使えるか。これはゆうき委員もご存じのことかと思います。地方財政法に定められております。5つあります。(1)経済事情の著しい変動等により財源が著しく不足する場合。(2)災害により生じた経費の財源又は災害により生じた減収を埋めるための財源に充てるとき。(3)緊急に実施することが必要となった大規模な土木その他の建設事業の経費その他必要やむを得ない理由により生じた経費の財源に充てるとき。(4)長期にわたる財源の育成のためにする財産の取得等のための経費の財源に充てるとき。(5)償還期限を繰り上げて行う地方債の償還の財源に充てるとき。この5つが地方財政法で財政調整基金を使えるということができる内容です。  私たちの出している修正案での財政調整基金を活用するという根拠ですけれども、先ほど述べた(3)の後段の部分、その他必要やむを得ない理由により生じた経費の財源に充てるとき、これを根拠としています。区民の暮らしが深刻さを増す中で、少しでも区民の暮らしと福祉を応援するために提案したということです。 ○委員(ゆうきくみこ君) そうしたら、続いて伺いますが、提案された修正予算による財政を続けていれば、財政調整基金が真に必要なときに、本来活用すべき時期に枯渇してしまい、区財政は歳入不足を埋める手だてを失ってしまう事態に陥ると考えますが、次世代に過度な負担を残さないための財政運営、これについて基本的な考え方を教えてください。 ○委員(いのくま正一君) 私たちは港区の予算をつくることはできません。執行機関である港区、港区長が予算を組む権限を持っているからです。地方自治法に定められているとおりです。執行機関、区長から予算が提案された後、それを変更するために修正案を出しているのです。地方自治法の規定に基づく議員に与えられた権利であります。修正案で提起している施策や事業を実施するために、追加財源をどこに求めるかということになりますので、先ほど申し上げた財政調整基金から必要財源を繰り入れる提案をしているわけです。  財政調整基金を毎年繰り入れたら、本当に必要なときに使えないのではないかとの主張をされていますが、基金から40%とか、60%とか取り崩すということになれば、その主張は当たるかもしれませんが、私たちが修正案で繰り入れようとしているのは財政調整基金の6%弱です。毎年これを繰り返せば、10年で60%使うのではないかと主張するかもしれませんが、財政調整基金が枯渇するようなことは実態からしてありません。ちなみに2014年度決算では、不用額が予備費を除いても60億円を超えています。修正案の内容は、約30億円繰り入れるということですから、当初予算分で十分にゆとりを持って組めるということになります。  さらに、財政調整基金に過去5年間どれだけ積み立てたかをお示しします。地方財政法の規定で決算剰余金の2分の1以上を財政調整基金に積み立てることになっています。平成22年度決算のとき積み立てたのは48億3,000万円、23年度決算時が27億4,000万円、24年度決算時38億2,000万円、25年度決算時34億5,000万円、26年度決算時38億円となっているわけです。5年間で基金は約186億円以上増えているわけです。私たちが活用しようと提案している資金とほぼ同額です。ですから、財政調整基金が枯渇して、将来必要なときに使えなくなるということには実態からして当てはまらないということです。 ○委員(ゆうきくみこ君) 質問を終わります。 ○委員長(清原和幸君) ゆうき委員の発言は終わりました。     …………………………………………………………………………………………… ○委員長(清原和幸君) 次に、七戸委員。 ○委員(七戸淳君) 再開発事業による補助金の削減について質問させていただきます。  港区には古いマンションがたくさんありまして、非常に老朽化が進んでいます。その中で、やはり建て替えをすると、今の建築基準法上では資産価値が非常に小さくなってしまう。3分の2ぐらいのマンションしか建てられないというようなこともよく聞いております。港区としても、国としても、やはり災害、いわゆる突発的な事故から守らなければいけないということにおきまして、再開発をして、道路や公園を整備して、防災面の向上と地域の改善を図るという意味では、再開発事業というのは、港区においては非常に必要なことだと私は思っております。そういう意味では補助金というのは欠かせないものだと思いますので、そこのところはいかがかということと、その権利者によって組織された再開発組合でありまして、補助金は、生活再建を目的に支援をしているということで、中止してしまうということは、その権利者にとっては非常に不利益になるのではないかと思っております。そこのところをお聞きしたいと思います。  特に、今回私が聞いたところによりますと、西麻布のグランドハイアットホテル、テレ朝通りを渡ったところに再開発組合ができたということですが、そこではセットバックをしてテレ朝通りを拡幅するようなんですね。それによって、奥のほうに麻布消防署がありますが、緊急自動車等も非常に出入りしやすくなるということで、東京消防庁もそれに対しては非常に喜んでいるということも聞いております。そういったところを踏まえてお聞かせいただきたいと思います。 ○委員(風見利男君) 七戸委員のご質問にお答えします。  最初の質問ですけれども、これは七戸委員に私から言うのもなんですけれども、再開発というのは何なのかということを、まず最初にお話しさせていただきたいと思います。これは大企業と港区が一体となって、一定の地域を定めて開発すると。一旦都市計画決定されると、再開発に反対でも強制的に組合に加入させられる、あるいは地域外に引っ越すしかなくなると。地権も制限されてしまいます。一番大きな問題は、個人の財産である土地が床に変わるため、建物は時間とともに資産価値が減少して、単独では建てかえもできなくなってしまうと。地権者でそこに住み続けたいと思えば、子ども、孫、ひ孫、ずっと代々住み続けられるわけですけれども、再開発になるとそうはいかないと。保留床、いわゆる売却する部分を生み出すために、どうしても超高層ビルにならざるを得ない。管理費や修繕積立金など維持費が非常に高くなって住み続けることができずに、やむなく転出された方も多数いることは、七戸委員もご存じだと思います。  一方、大規模土地所有者や参加組合員、あるいは事業協力者は、膨大な保留床を売却して大もうけします。最近では、規制緩和で600%の容積率が1,000%になったり、660%が1,450%に引き上げられたり、売却できる巨大な保留床ができます。予算特別委員会の資料にもあるように、区からの補助金でなくて、国からの直接補助金が市街地再開発事業には支払われます。もうけの数%を出せば、港区からの補助金など必要ありません。道路や公園を整備するのは企業の社会的責任でもあり、当然だと思います。区の補助金がなくても十分に事業は成り立ちます。再開発になぜ私たちの税金が使われるのか、補助金支出はやめてほしいという声は圧倒的な区民の声です。その声を生かす提案だと私どもは考えています。  少し参考に、最近の事業に占める補助金の割合をご紹介しておきたい。三田小山町東地区の事業費に対する補助金の割合は7.57%、虎ノ門・六本木地区は3.49%、六本木三丁目は2.28%、本当にわずかなのです。補助金がゼロの再開発も、ご存じだと思いますが、あるわけです。  2点目ですけれども、補助金は再開発組合からの申請によって支給されます。しかし、再開発を本当に望んでいるのは、大もうけをしようとする大企業やデベロッパーではないでしょうか。先ほど申し述べたように、都市計画が決定されると、反対だろうと強制的に組合に加入させることになります。他人の土地も含めて勝手に計画して、嫌なら出ていけ、強制的な追い出し、これが再開発の一番の問題点です。この間の再開発を見ると、六本木六丁目では、都市計画決定時1,118人いた住民が事業完了時には591人、白金一丁目東地区では313人から100人、六本木一丁目西地区では433人から106人、三田小山町2地区では180人が94人、いずれも前から住んでいた方々のうち、2分の1から4分の1の方がいなくなりました。  開発の動きが出たときと完成時を比較するデータは、残念ながら行政もつかんでいないため不明ですけれども、さらに多くの区民が転出しています。補助金では、生活再建にはなりません。区は、住民主体のまちづくりこそ応援すべきであり、そこに住む区民だけでまちづくりしたい、こういう相談があった場合には、超高層ビルではなく、周辺に調和したまちづくりをどう進めるのか、必要な専門家の派遣などの支援を行うことが必要だと思います。先ほど述べたように、補助金がなくても、事業協力者や参加組合員がもうけの一部を使えば事業は十分成り立ちますので、ご理解いただきたいと思います。 ○委員(七戸淳君) 小・中学校入学における支度金についてご質問させていただきます。  先ほど風見委員もおっしゃったとおり、港区は、ある意味では富裕層と低所得の人がいると。今回の予算特別委員会でも話題になりました本、23区格差によれば、港区が1位で平均年収900万円だというようなことで、そういう意味では港区というのは、非常にある意味では差がある家庭もあるのかなと思っております。つきましては、所得の多い家庭も区が一律に支給するという理由と、他の自治体で一律に支給しているという例はあるのかをお尋ねします。 ○委員(風見利男君) まず最初のお尋ねです。所得の高い方も低い方もということですけれども、これは憲法第26条で義務教育は無償と定められています。ですから、私たちもその立場で今回も提案させていただいています。これは例が合っているかどうかわかりませんけれども、例えば給食費について、高額所得の家庭と所得の低い家庭の給食費に差があるかと言ったらないわけです。ですから、義務教育は無償ということを基本に私どもは提案しておりますので、そのことはご理解いただきたいと。  ほかの自治体はどうかということで幾つか調べてみました。所得によって差をつけている自治体はほとんど見当たりませんでした。例えば1つ例に挙げますと、北海道の泊村、小学校入学時に10万円、高校入学時に10万円。ほかにもたくさんあるのですけれども、広島県の神石高原町というところでは、小学校に入学する子どもさんを抱えたご家庭では、第1子の子どもの場合は10万円、第2子は20万円、第3子は30万円、これも所得制限なしで支給されています。そのほかにも幾つもあるので、委員会が終わったら七戸委員のところに資料をお届けしますので、お読みいただきたいと思っています。  それと、もう一つだけ紹介しておきますと、ある政党の機関紙に入学祝い金のことが報道されておりまして、福岡県八女市ですけれども、小学校3万円、中学校5万円、ここも所得制限なしで一律に支給されています。そこで支給されている市民の方の声が載せられていました。「子どもの小・中学校の入学が重なり、身の回りの準備をするためのお金がかなりかかった。本当に助かった」、こういう声が届いています。ですから、私どもの提案が、港区で言えば多くの区民に大歓迎されるということだと思います。ぜひ皆さんのご賛同をいただいて、また、所得制限の問題でいろいろご心配があるのであれば、このようにしてはどうかという提案も私どもはご相談に乗るつもりですけれども、私どもの基本的な考え方は、義務教育は無償という立場で提案していますので、ご理解いただきたいと思います。 ○委員(七戸淳君) 質問を終わります。 ○委員長(清原和幸君) 七戸委員の発言は終わりました。     …………………………………………………………………………………………… ○委員長(清原和幸君) 次に、杉本委員。 ○委員(杉本とよひろ君) それでは、私のほうから介護保険の在宅サービス利用者負担を3%に軽減するということについて2点お伺いいたします。限られた時間ですので、答えも簡潔にお願いしたいと思います。  まず初めに、これは既に提案者の方もよくご承知のとおりですけれども、現在の介護保険法では、介護保険サービスを利用した際の利用者負担は1割、また一定以上の所得者は2割ということで今規定されています。これは介護保険を利用する方と利用されない方、いわゆる給付と負担の公平性を図る上で、利用者に一定の負担を求めているものであって、これはいわゆる相互扶助によって補うという、こういった社会保険方式を採用しているわけですけれども、介護保険制度の基本的な考え方であり、これがいわゆる原則になっています。しかし、今、区では所得の低い方に対しましては、例外として、低所得者の日常生活に配慮するということで、介護保険の在宅サービスの一部について、対象を絞って区が負担して3%になっています。当然、この分についての財源は、区の一般財源から出ているわけですけれども、そこで、まず1点目にお伺いしたいのは、この修正案で全ての在宅サービス利用者の利用者負担を3%に軽減するための必要な予算として10億30万円余と計上してありますけれども、そもそものこの積算根拠と、あわせてそうした場合に助成件数はどのぐらいになるのか、また、それに伴う財源について、どう確保していくのかということをお答え願いたいと思います。 ○委員(いのくま正一君) 全ての在宅サービス利用者の利用負担を3%に軽減するための予算の見積もりのお尋ねです。  昨年8月から一部制度の変更がありまして、8月からは一定以上所得のある方は2割負担となりました。被保険者の負担割合比率は1割が76%、2割が24%として算定し、在宅サービス利用料の利用者負担を3%に軽減する計算をしました。まず、算出条件ですが、第6期介護保険事業計画の来年度介護給付費より算定すると、在宅サービス介護給付総額は91億6,411万円になります。被保険者の負担割合比率は1割が76%、2割が24%ですから、計算ですけれども、1割の方の計算が91億6,411万円×0.76÷0.9×0.07となります。これに加えることの2割の方の計算ですけれども、91億6,411万円×0.24÷0.8×0.17という計算式になります。これを合わせますと、お尋ねの10億907万円となります。財源については、先ほどから申しているように財政調整基金を繰り入れるということです。 ○委員(杉本とよひろ君) 私も後で整理しますが、今いろいろ計算式を述べていただきましたが、その計算式を後でもらいます。ご承知のとおり、港区の人口、今後の人口推計を見ても明らかなように、高齢化が進んできていると。仮にこれから、この共産党の修正案によると、これは一時的というよりも、いわゆる恒久的にというお話だと思うのですけれども、そうした場合に、先ほど財政調整基金からというお話もございましたけれども、区の一般財源で賄うということになれば、本来、財政の規律、財政の硬直化という視点から言っても、安定的な持続可能な運用は難しいのではないかと。先ほど冒頭に基金を崩しても数%、港区には影響ないようなお話がございましたけれども、本来、基金を使う目的というのはいろいろ当然あるわけですね。介護保険というのは、介護保険制度にのっとって使っていて、さっき言ったように、今、港区は、所得の低い方には、例外措置で3%の利用者負担となるよう一般財源から投入していますが、もう一つ言わせてもらうと、一般税源で補充するということになると、義務的経費と後年度負担というのが当然伴うわけであって、港区が目指している次世代に過度な負担を残さないという方針には、私から見れば逆行する形になると思います。  そこで、もう一点お伺いしたいのは、全ての在宅サービス利用者負担を3%に軽減するというそもそもの根拠、それと介護保険制度維持に向けた基本的な考え方について、提案者としてどのように考えているのか。私、冒頭、介護保険のそもそも論を簡単に言いましたけれども、その点をお答え願いたいと思います。 ○委員(いのくま正一君) すみません、先ほどの質問の答弁で助成件数を漏らしておりました、申しわけありません。軽減の件数、対象者ですけれども、これは平成26年度の実績からということで17万2,452件、月に平均しますと、1,437件という数字です。これは区が予算を立てるときにいろいろ基礎数字を出していると、そういうのをもとにしているということです。すみませんでした。  では、今の質問への答弁ですけれども、区民の暮らしが厳しくなっているということは、先ほど来から言っていますので繰り返しませんけれども、在宅サービスを受けて頑張っている方々にもやはり厳しさはあるということです。私たちには、在宅サービス利用料の負担を、何とか減らしてほしいという相談が寄せられています。こうした相談は、多くの区議会議員の皆さんにも寄せられたことがあるのではないかと思います。誰もが希望するサービスが受けられるとスタートさせた介護保険制度なのですから、本来、国の責任でサービス利用料の軽減を行うべきです。しかし、国は実施しようとしていません。  つけ加えますと、これは皆さんもご存じのとおりだと思いますが、介護保険制度が始まる前は、サービス利用料はほとんどが無料でした。こうした状況から見ても、港区として、さらに軽減を実施するために修正案を提出したというものです。その財源についての考え方は、先ほどゆうき委員にお答えしたのですが、もう一度繰り返しましょうか。 ○委員(杉本とよひろ君) 端的に、ポイントだけでいいです。 ○委員(いのくま正一君) では、端的に申し上げると、私たちは執行機関ではありません。 ○委員(杉本とよひろ君) その部分はいいです。わかっています。 ○委員(いのくま正一君) となりますと、予算をこういうふうに変えてほしい、変更するためには修正案を出すしかないわけです。組みかえ動議というのもありますけれども、私たちは修正案を提案していると。追加される財源というのはどこから持ってくるか、考えるしかないわけです。ですから、執行機関ではないので修正案ということで財源をどこに求めるかと言われれば、財政調整基金になる。  それと、将来の負担にならないようにという質問でしたけれども、先ほど説明したように、不用額もたくさんあるわけです、決算した後に。ですから、当初予算の中に私たちが提案しているものを組み込んでいただければ、ゆっくりまとめられるというか、入り込めると、ゆとりがあるということです。将来に何か負担が、重くツケが残されるということではないということを理解していただきたいと思います。 ○委員(杉本とよひろ君) 今、不用額うんぬんという話も出ましたけれども、いわゆるこの制度を持続させるということでは、やはりその根拠、不用額というのは毎年度違うわけですよね。したがって、私は今回の提案に関しては非常に厳しいということと、給付と負担の割合から考えると、なかなか理解が得られない方も当然あると思います。時間が来たので終わります。 ○委員長(清原和幸君) 杉本委員の発言は終わりました。     …………………………………………………………………………………………… ○委員長(清原和幸君) 次に、赤坂委員。 ○委員(赤坂大輔君) 私は75歳以上の高齢者の医療費負担をゼロにすることについてお伺いいたします。  75歳以上の高齢者の医療費負担をゼロにするということに関しましては、高齢者の皆様の今までの苦労に報いたいという情実がどうしても絡んでくると私自身認識しているのですけれども、それと同時期に、高齢者の方々のそういう思いもあるのでしょう。私が議員になったときでしたか、後期高齢者医療制度の75歳以上を3割負担にするということで、それに反対するという請願が出ました。高齢者の方が多く委員室に来て、私たちをうば捨て山に送るつもりかみたいなことを口角泡飛ばしておっしゃっていましたが、生来的に私、嫌悪感を覚えましたので反論しましたけれども、うば捨て山の話は皆さんご存じだと思いますけれども、あれは実話で、長野県に冠着山があります。川中島の戦いがあった場所のすぐ横にあるので私はそこに取材に行ったら、冠着山にはいろいろな民俗工芸品があって、いろいろな村を回ったら、そこだけこけしがないんです。何でかというと、間引きしないからです。こけしというのは、子どもを生まれた瞬間に殺して、それの供養のためにつくったのが最初ですから。「こけしがないですね」と話したら、当時、私、学研にいて、歴史の本をつくる仕事をしていたのですが、こけしがないんだと、要するに非常に貧しい地域なのです。自分の孫、ひ孫が殺されるんだったら、自ら山に行くという、本来美談だったという話をした記憶があります。泡食っていましたけどね。  国でも年間40兆円の医療費がかかって、3分の1以上の14兆円は、今75歳以上の方々が使われていると。どう考えてもこれから高齢社会を迎えるわけで、人口構成がいびつなわけです。ですから、どうしたって負担を応分にしていただかなければいけないということは自明だと私自身は思っています。  ですから質問は、高齢者に今までの労苦に感謝するという情実と、実際はそうはいかないという現実についてのご見解をぜひお伺いしたいと。そして、また75歳以上の高齢者の医療負担をゼロにするということ、他自治体に事例があれば、そしてそれで事態が好転した例があればこれもお教えください。 ○委員(熊田ちづ子君) 多分、少子高齢化社会を心配されていらっしゃるのだろうと思います。確かに2025年度には団塊の世代が全員75歳以上になって医療や介護の費用が増えると言われています。当然、対象人口が増えていけば、費用はかさんでいきます。ですから、今、社会全体が高齢化に向けて介護予防に力を入れて、介護の重度化を防ぐ施策だとか、病気の早期発見のための健康診断の充実、インフルエンザ、肺炎球菌の予防接種など、そういった施策が進んでいるのだと思います。  医療や予防制度が向上していけば、費用の削減にもつながっていきます。それを証明しているのが、日の出町が行っている75歳以上の医療費の無料化だと思います。日の出町は2009年に75歳以上の医療費の無料化を実施して以来、後期高齢者の1人あたりの医療費が低下傾向にあるという数字が出されています。75歳以上の1人あたりの医療費、2010年度72万9,275円だったものが、2012年度69万1,873円と、この2年間で約3万7,000円下がっています。同時期の東京都全体の75歳以上の1人あたりの医療費で見ますと、2010年度が88万5,085円です。2012年度は90万8,052円と、この2年間で東京都全体の高齢者の1人あたりの医療費というのは2万3,000円増えています。ですから、日の出町のように医療費無料にすると、自治体の医療費の負担というのが減っていくということになると思います。  かつては高齢者の医療費は無料でした。本来なら国がやるべき仕事だと私たちも思っています。持続可能な制度という理由で、今、医療も介護も年金も税金も、本当に国民に負担を押しつけることが続いています。これはお金の使い方というか、逆立ちしたやり方だと私たちは思っています。お金の使い方を変えて、誰もが世代の違いを超えて、安心して医療が受けられるような社会になればいいなと思っています。  75歳以上の医療費ですが、この代表は日の出町です。先ほど紹介したとおり、日の出町は75歳以上の医療費無料化で医療費の削減を行っていて、さらに70歳から74歳の方たちも、自己負担2,000円を超えると、それも助成するということにされましたので、日の出町ではさらに医療費削減につながっていくのではないかと思っています。 ○委員(赤坂大輔君) 私もいろいろ研究してみたいと思います。以上です。 ○委員長(清原和幸君) 赤坂委員の発言は終わりました。  これにて平成28年度港区一般会計予算に対する修正案、平成28年度港区国民健康保険事業会計予算に対する修正案及び平成28年度港区介護保険会計予算に対する修正案の質疑は終了いたしました。  以上をもって一般会計予算、国民健康保険事業会計予算及び介護保険会計予算の審議は終了いたしました。     ─────────────────────────────────── ○委員長(清原和幸君) これより総括質問を行います。  初めに、自民党議員団を代表して、ゆうき委員。 ○委員(ゆうきくみこ君) 本日3月11日、あの衝撃的な東日本大震災から5年を迎え、復興を願いながら働きかけてきましたが、いまだ我々の深い傷跡として残っております。被害に遭われた多くの皆様に、改めて謹んでお見舞いと哀悼の意を捧げます。  私たち港区自民党議員団は、引き続き復興支援に力を尽くすとともに、基礎自治体が果たさなければいけない役割の重要性を再認識し、都心港区が抱える安全・安心の課題解決に力を注ぎ、区民の皆様の安心したくらしの環境整備に努めてまいります。  また、我が国の経済状況は、このところ一部に弱さも見られるが、緩やかな回復基調が続いているとの基調判断が示されているものの、先行きについては不安定要素も多く、区の歳入の根幹をなす特別区民税収入は、人口の増加や雇用、所得の環境の改善により、平成27年度予算比で31億円、5.1%の増収を見込んでおりますが、景気が下押しされるリスクにも注視していかなければなりません。  今回の審議となりました平成28年度予算において、議案第32号から議案第35号までの一般会計と3つの特別会計を合わせた予算総額は、1,690億5,327万円です。「安全・安心で快適に暮らせる港区を創り上げるために」を筆頭に、「世界をリードする都市の魅力を発展・成熟させていくための取組」「子どもの健やかな成長に向けた取組」「誰もが住み慣れた地域で心豊かに暮らせるための取組」、これらの武井区長の示す重点施策を重んじ、着実に実現されるものと信じております。
     それでは、平成28年度予算特別委員会の最終審議にあたり、自民党議員団を代表して、総括質問をさせていただきます。  1番目に、積極的な歳入確保策について伺います。  ふるさと納税の税制改正が平成27年4月1日に行われ、ワンストップ特例制度と呼ばれる制度により寄附しやすい制度に改正されました。制度改正前である港区へのふるさと納税の平成26年度実績は3人で41万5,000円。一方、港区民がほかの自治体へ行ったふるさと納税は、平成26年度が3,695人で約8億1,000万円、減収額は約2億8,400万円と、港区のふるさと納税による減収の額は年々大きくなっています。このように今年度からふるさと納税がより寄附しやすく制度改正されたことを考えると、将来的にはますます影響が大きくなることが見込まれます。  これまでも歳入確保のための方策をとってきたとは思いますが、こうした状況を考えると、厳しい現実も横たわっていると思います。区長は、これまでも積極的な財源確保に努めてまいりましたが、今後のふるさと納税の推移や法人住民税の一部国税化の拡大の動きなどを考えると、より一層積極的な歳入確保が求められると思います。今後の区の財政を安定的に維持していくために、区長はどのようにして歳入確保をしていくつもりなのか、お考えをお聞かせください。  次は、平成28年度予算編成にあたっての施策の重点化について伺います。  区では毎年、事務事業評価を実施して、区が行っている事務事業の必要性や効果性、効率性などの評価を行い、その結果を次年度予算に反映させていると思います。しかし、毎年の評価結果を見ても継続の事務事業が大半で、廃止・縮小はごくわずかです。  現在は、人口の増加や景気回復によって港区の特別区民税収も順調に伸びていると思いますが、スクラップ・アンド・ビルドはいついかなるときもしっかりと取り組んでいかないと、ビルドだけでは区の財政も立ち行かなくなります。区長は、「より迅速な課題解決を可能とする予算編成のあり方について検討する」としていますが、今後もより一層、事務事業評価によるスクラップを的確に行った上で、事業の再構築など、ビルドに取り組んでいってもらいたいと思います。平成28年度予算にも迅速な課題解決にかける区長の思いを見ることができ、税収の伸びが好調な今だからこそ、打てる施策があると理解しています。  そこで伺います。今回の予算編成にあたって、どのような観点で事業のビルド、重点化にあたられたのでしょうか。  次は、東京オリンピック・パラリンピック競技大会に伴う事前対策について伺います。  戦後、悲願の東京オリンピックが行われた1964年から今回2回目の2020年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会まで残すところ4年となりました。あの興奮と感動の大会を再び東京で開催できるということで、多くの国民が期待で胸を膨らませています。一方で、エンブレムや新しくつくる国立競技場での聖火台の設置問題など、国や大会組織委員会の準備体制に一抹の不安を感じることもしばしばあります。  そうは言っても、大会開催地となる東京都の各自治体にとっては、東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催は、さまざまな施策を飛躍させていく絶好のチャンスであり、今年度からスタートした港区基本計画では、重点課題の1つとして、「2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会を見据えたまちづくりの推進」を掲げており、区長の積極的な意気込みを感じています。各所管でもそれぞれ準備を進めているようですが、今後の費用負担の明確な決定事項がなく、また、選手、VIP、観光客、その他報道などの関係者が集結することによる区内道路や上空の状況がどのようになっていくのか、それに対しての体制準備をきちんとなすことができるか、心配な点はまだまだたくさんあります。今から区としても情報収集をしっかりと行い、事前に備えていく必要があると思いますが、区長のお考えを伺います。  次は、国際化に関する実態調査について伺います。  総務費では、平成28年度に実施を予定している「国際化に関する実態調査」について、平成25年度に実施した調査の有効回答率が低い水準にとどまっていることを踏まえ、回答率を上げる工夫について質問し、回答する外国人の負担感の軽減や、興味を持って最後まで回答いただけるよう工夫するとの答弁をいただきました。  港区は、本年3月1日現在で131の国籍、32の在留資格を持つ多様な外国人が1万8,891人住んでいます。これらの外国人は、在住期間、母語、生活習慣、宗教、価値観など、さまざまな方々であり、外国人として一くくりにできるものではありません。今後、東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催に向け、観光産業といった関連するビジネスなどで、港区に転入してくる外国人は一層増加することが予想されるのと同時に、その多様性も一層高まることは容易に想像できます。  武井区長の「成熟した国際都市」の実現を目指すためにも、こうした大きな社会状況の変化を的確に捉えて、適切かつ丁寧な施策の展開を図ることが求められると考えます。これらのことを十分認識し、平成28年度の実態調査、そして今後の施策立案についても十分留意していただきたいと思いますが、区長のお考えを伺います。  次は、港区総合交通戦略についてです。  区内の開発需要は依然として高く、平成38年までには30万人弱の人口となることが推計されています。こうした人口動向に加え、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて、JR品川新駅、東京メトロ日比谷線新駅の計画、そして都心と臨海副都心を結びBRT整備計画が進行しており、区内の広域交通はさらに充実していくと聞いており、区を取り巻く交通環境は大きく急速に変化しています。  我が会派では、これまで地域交通の充実が重要と考え、地下鉄開業に伴い都営バス路線の廃止に対応したコミュニティバスの導入、各種公共施設を結ぶコミュニティバスの新規5路線の導入、台場住民や臨海部を訪れる方のための身近な足としてのシャトルバス運行、そして自転車シェアリングの推進を区とともに進めてまいりました。また、狭小道路の多い地域におけるデマンド型交通など、新たな地域交通サービスの導入についての提案も行ってきました。  現在、区民意見募集中のまちづくりマスタープラン骨子でも、これまで以上に交通に関することを取り上げており、「快適な道路・交通ネットワークの形成」という章立てが存在しています。今回予算計上されている港区総合交通戦略策定をまちづくりマスタープランと連動させる形で進め、地域交通に関する諸課題の解決を図っていただけると期待しますが、総合交通戦略ではどのようなことを検討していくのでしょうか。  次は、みどりを積極的に取り入れたまちづくりについてです。  港区は、地域ゆかりの古くからある大きな樹木や樹林が残されていたり、一方で大規模開発によって昔からの緑がなくなったり、また新たな緑が創出されたりと繰り返しながらも、都心としては比較的緑が多く、自然環境に恵まれていると思います。緑はヒートアイランド現象の緩和や景観形成、生き物たちの生息地、また防災面からも大切な役割を担っており、区の人口が急激に増える中で、快適で潤いのある都市生活に欠かせない環境資産として重要な存在であることには間違いありません。  この貴重な緑のボリュームや雰囲気が減らないよう、港区のまちづくり等においても、緑あふれる憩いの環境を維持していっていただけたらと思います。まちの緑の把握に向けて、来年度、みどりの実態調査を実施しますが、今後、緑の増加に向け、どのようにまちづくりを進めていかれるのか、区長のお考えを伺います。  次は、質の高い港区職員の育成について伺います。  東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催決定や国家戦略特別区域の指定など、区を取り巻く状況は大きく変化しています。また、区内人口の増加により行政需要の拡大、区民ニーズの複雑化・多様性も予想される中、港区ならではの質の高い行政サービスを創造、維持、発展することができる人材を必要としている区は、人材育成を組織のムーブメントとして、新しい研修を導入するなどしながら人材育成を推進しようとしています。  そのような中、新規事業である出会い応援プロジェクトはいろいろな評判が今回の予算特別委員会でありましたが、今までの港区の傾向を考えると画期的な新規事業であり、その今までにない柔軟な発想の起用は、人材育成のアウトカムのよい事例として評価したいと思います。  区はこれまで、区政運営の基本姿勢の参画と協働を推進する中、職員が課題を現場で解決することで人材育成をしてきました。引き続き、参画と協働の推進はもちろん重要ですけれども、それに加えて、今後は広い視野を持って、港区らしい行政サービスを展開していくことも港区の価値を上げることに寄与していくと考えます。区長は、今後どのように質の高い職員の育成へのステップアップを進めていくのでしょうか。  次は、女性の包括的支援に向けた考え方について伺います。  女性は生涯を通じて女性ホルモンの分泌が大きく変動し、それにより体調が変わります。生涯通じた人生の各段階で健康支援という観点と心身社会的な変化、そして個々人に特有の多様な心情を考慮する観点が必要です。  欧米各国との女性活躍に関しての大きな数値の違いの背景には、女性の社会参加を後押ししているさまざまな支援網の存在にあり、欧米では30年以上前から生涯を通じて大きく変化する女性特有の心身社会的な課題に着目し、包括的に支援するための基盤が整えられています。その支援の存在が少子化や女性活躍の実績へとつながっているわけです。仕事や出産、子育てなど、女性の本当の活躍を目指すためには、人生の幼少期から老年期の各段階における女性の自己実現や社会参加がしっかり支えられる政策を実現することと、それを一人ひとりが実感できることが不可欠だと考えます。  そこで、改めて伺います。港区においてもスポット、スポット、各所管での施策は充実していますが、さらなるレベルアップを進めるためにも、これからは女性自身が考え対処できるようにすること。それを支援する周辺の環境を整えること。そして、心身のみならず、さまざまな社会的制約など、多様な特殊事情を考慮すると、福祉や教育、労働、男女平等参画までを包括的に視野に入れて工夫していくことが必要です。区長のお考えを伺います。  次は、若年女性の健康への関心を高めることについて質問します。  本年2月に策定された港区がん対策推進アクションプランによりますと、区民の女性の乳がん、子宮がんによる死亡率が増加傾向にあります。平成23年の全国人口10万人あたりの乳がん推定患者数は、30代前半は24.9、30代後半は61.7となっており、多くの女性が心配しています。  港区でも毎年30歳代の女性の約3,500人の方が受診していますが、科学的根拠に基づく死亡率減少効果が認められるがん検診について、平成28年2月に改正された国が定めている指針では、乳がん検診について、40歳代以上の女性を対象にマンモグラフィ検査を行うこととし、30歳代は対象となっておりません。区はこれまで、30歳代の女性を対象に独自に視触診検査を実施してきましたが、若い女性が自分の身体、健康に関心を持ち、将来の出産、育児に備えるためにも、乳がん検診を受診してもらい、早期発見することが重要です。  そこで伺います。引き続き区独自に30歳代女性を検診対象とすべきと考えますが、区長はどのように対応されるのか、お聞かせください。  ここで要望ですけれども、最近は若い女性の乳がんも増えていると聞いておりまして、引き続き対策強化に向けた取り組みをお願いいたします。女性特有のがんは、乳がんに加え子宮がんがあり、中でも多くを占める子宮頸がんについての対策も必要です。最近は若い女性の子宮頸がんも増えておりまして、平成23年の全国10万人あたりの推定患者数は、20歳代前半2.8に対して、20歳代後半では14.5と5倍以上に増加、その後も年齢とともに増加する傾向にあるようです。  子宮頸がんを早期に発見するためにはがん検診が有効で、早期に発見すれば、子宮の入り口のみを切除するだけで子宮を温存することも可能です。一方、区の子宮頸がん検診受診率は20歳代前半で約10%、20歳代後半では約20%と、他の年齢と比較すると著しく低い状態が続いています。  現在、港区では未来を担う若い世代が、希望をすれば子どもを産み育てる環境の充実に努めています。性感染症についての啓発や検診受診率の向上にも取り組んでいると伺っていますが、一人でも多くの若い女性が子宮がんの原因や予防法についての知識を十分に身につけて、万が一かかった場合でも早期発見できるよう、さらなる啓発や注意喚起に努められるよう要望します。  次は、マンションエレベーター安全装置設置助成について伺います。  シティハイツ竹芝のエレベーター事故から間もなく10年です。この間、区議会も再発防止に向けた要請を行ってまいりました。事故後はエレベーターに乗るたびに、どの会社のエレベーターか見たり、安全装置がついているのかシールを探してみたりする人も多くなったりと、ふだんの生活で当たり前に使用しているエレベーターにもかかわらず、使用するときの不安を持たれる方がいまだ多くいます。しかしながら、扉があいたままエレベーターが動くことを防止する戸開走行保護装置の普及は、高額ということもあり、なかなか進まない現状です。  もう二度と悲惨なエレベーター事故を繰り返してはならないという区長の強い意思は、今回の定例会での所信表明でも述べられています。平成28年度予算で新たに開始されるマンションのエレベーター安全装置設置助成制度は、戸開走行保護装置の設置に対し、全額を助成でき、全国的に見ても際立った制度になっています。この助成によりエレベーター安全装置の普及に弾みがつくものと思いますが、改めて戸開走行保護装置を全額助成することについての区長の思いを伺います。  次は、臨海斎場の区民周知についてです。  大田区にある臨海斎場は、港区、大田区、品川区、目黒区、世田谷区の5つの区の負担金によって運営されています。港区民の利用が多いのは桐ヶ谷斎場ですが、いつも混雑してしまっているのが現状です。現在、臨海斎場の利用が最も多いのは大田区でありますが、港区においてもしっかりと区民の皆さんに安価で利用できる施設であることを周知していただきたいと思いますが、区長のお考えを伺います。  次は、東京二十三区清掃一部事務組合についてです。  平成12年4月に東京都から23区へ清掃事業が移管され、15年以上が経過しています。今では23区と東京二十三区清掃一部事務組合が築いたごみの収集、運搬、焼却のスキームは、マレーシアやインドネシア等の諸外国から大変注目されており、また、各清掃工場では、ごみの焼却により発生する熱を使い電気を生み出して売却することで、平成26年度実績で年間約104億円余りの利益を上げています。そして、焼却後に残った主灰はセメントの原料として活用する技術を開発し、中央防波堤埋立処分場の延命化にも貢献しています。世界に誇れる23区の清掃事業をもっと区民に周知していくことが、区民のごみ処理に向けた理解をより深め、港区のリサイクル・清掃事業のさらなる発展につながるのではないでしょうか。区長のお考えを伺います。  次は、幼児期の教育の強化についてです。  今後の未来を担う子どもたちが、変化の激しい社会の状況に対し生きていくために、さまざまな力を育む教育を推進することが求められています。特に幼児期における教育は、生きる力の基礎を築く大切な時期です。  港区では昨年度、小学校入学前教育カリキュラムが策定され、今年度から港区共通のカリキュラムとして、保育園・幼稚園においては5歳児カリキュラム、小学校においてはスタートカリキュラムが活用されているとのことです。この中にある、自ら考え、発見し、表現する力や人とかかわる力などを幼児期から身につけていき、その資質や能力が小学校、中学校へとつながっていくことを考えると、幼児期の教育への取り組みを強化することはとても重要だと考えます。  特定の知識を詰め込むのではなく、感情を豊かに育み、いろいろな経験をさせ、愛情、肌の触れ合い、会話などの受け答えが伴うコミュニケーション、適度な音楽や運動などの刺激、お手伝い、外遊び、自然体験などを通して感覚的、そして本能的な判断力などを育てることの重要性を発信していってほしいと考えます。幼児期の教育への取り組みを強化することについて、教育長のお考えを伺います。  次は、家庭と連携した教育についてです。  港区では、平成27年度から5歳児のいる家庭に家庭用リーフレット「みなときっずなび」が配布されています。保護者からは、「就学までのスケジュールがあり、見通しを持てたことがよかった」、「当たり前のことも含めて振り返ることで確認することができ、日々の積み重ねの大切さを感じた」、「参考になる」など好評で、3・4歳児についても関心の高い保護者の方が多くいるということで、家庭用の「みなときっずなび」が3・4歳児にも拡大されるとのことです。  幼稚園・保育園・学校と家庭、どちらか一方に任せるのではなく、ともに連携することがとても重要であると考えています。家庭という存在の根幹を見直す姿勢を広めていくためにも、家庭と連携した教育を今後どのように推進していくのか、教育長に伺います。  次に、区立中学校の英語教育の充実について伺います。  区では、早い時期から小学校での国際科、中学校での英語科国際の導入、海外派遣や国内留学プログラムなど、国際人育成の取り組みに力を入れています。いずれも英語による実践的コミュニケーション能力の向上を目指すもので、身につけた英語力を駆使して自分の考えを表現する能力をつけることで他者との交流を増やし、自国や他国の文化への関心や尊重を育むことができます。  今後、さらに小学校の英語教育が充実するにつれ、中学校の英語教育の質の向上がますます求められている中、現在、中学校では週4時間の英語強化授業に加え、区独自の英語科国際の授業が1時間加算されています。一方で中学校の授業は文法中心の指導が行われておりまして、小学校からの成果を継続することができないのが現状です。  そして、港区には外国人児童・生徒や帰国子女も在籍していたり、国内の他の地区から転入してくる生徒がいるなど、生徒により中学校入学の段階で英語力に習熟差がついている現状解決の課題もあります。今後、区立中学校での英語教育のさらなる充実を図るべきと考えますが、教育長の見解を伺います。  次は、国や東京都の動向に先駆けた教育の取り組みについて伺います。  平成30年度の次期学習指導要領改訂に向けて、現在、国ではこれからの国際社会を生き抜く人材を育成するため、道徳の教科化、小学校5・6年生の英語の教科化、主体的・協働的な学びを推進するアクティブ・ラーニングなど、さまざまな新しい教育が検討されています。  港区では、平成17年に総務省から当時の教育特区として国の許可を受け、小学校1年生から国際人育成を目指し、英語によるコミュニケーション能力を育成するとともに、自国や他国の伝統・文化等を学ぶ国際理解教育を推進するため、平成19年度から全小・中学校で国際科を実施しています。  区立小・中学校は公立校ですので、もちろん公教育という観点から学習指導要領に沿って教育を行うことは前提であると思いますが、港区は国に先駆けて実施しているすばらしい教育があるように、国や東京都の動向に先駆けて実施することがこれからもできると思います。教育長の見解を伺います。  最後に、これはなかなか質問を受けていただけなかったのですけれども、伺います。教育委員会のあり方についてです。  現代社会は、情報通信技術の進歩などにより、社会、経済、文化などさまざまな分野でグローバル化が発展するとともに、社会全体が高度化、複雑化、多様化しており、東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催決定がこうした流れを一層加速化しています。  こうした中、教育には、異なる文化や背景を持つ人々とともに生きる意識を持ち、自らの考えを適切に考え、主体的に行動する、国際社会で活躍できる人材の育成が今求められています。教育委員会は、こうした人材を育成するため、教職員の育成はもとより、現代社会が求める高度な人材育成を支えるため、組織全体が時代の変化を敏感に察知し、直面する課題に迅速かつ柔軟に対応できることが肝要です。教育委員会の今後の組織のあり方について、教育長のお考えを伺います。  総括質問については以上です。 ○区長(武井雅昭君) ただいまの自民党議員団を代表してのゆうきくみこ委員の総括質問に順次お答えいたします。  最初に、積極的な歳入確保策についてのお尋ねです。  区は、特別区民税や国民健康保険料などの収納率の向上に加え、国や東京都などのあらゆる補助制度を積極的に活用するなど、歳入の確保に努めております。来年度改定します新たな財政運営方針では、このような税収補助金などの確保はもとより、今後、さらに一歩進んだ区政運営に向けた取り組みとして、区の財産であります土地を有効活用し、施設整備に際して、民間事業者などへ貸し付けることができるスペースを必要に応じて整備するなど、新たに積極的な歳入確保策を盛り込む予定です。今後も、効果的・効率的な歳入確保により自主財源を確保し、安定した財政運営に努めてまいります。  次に、平成28年度予算編成にあたっての施設の重点化についてのお尋ねです。  平成28年度予算は、「安全で安心して暮らせる、夢と希望に満ちた港区の未来を創り上げるための予算」といたしました。編成にあたりましては、予算編成方針で掲げた3つの重点施策に加え、全ての施策の根底にある最重点施策としてきた、「安全で安心できる港区」を区民が生活の中で実感できるよう、客引き防止プロジェクトやみなとタバコルールの推進など、課題の解決に向けて財源を優先的・集中的に配分いたしました。今後も、最少の経費で最大の効果の基本原則を踏まえた不断の内部努力を徹底しつつ、将来を見据えた港区ならではの政策実現に向けて果敢に挑戦してまいります。  次に、東京オリンピック・パラリンピック競技大会に伴う事前対策についてのお尋ねです。  大会期間中は、多くの観光客などが東京を訪れることで、駅や競技会場周辺の混雑や交通渋滞をはじめ、取材ヘリコプターによる騒音など、区民の日常生活に影響を与える事象が想定されます。区は、2020年の東京大会に向け、交通戦略をはじめとした東京都のワーキンググループなどに参画し、官民連携による準備を進めております。今後も、大会組織委員会や東京都との情報交換を密にし、積極的に情報を収集することで、大会開催中のさまざまな対策に生かすとともに、整備費をめぐる動向にも注視してまいります。  次に、国際化に関する実態調査についてのお尋ねです。  区は、平成25年度の調査で、区内の外国人が日頃不便に感じていることや、情報の入手方法など、さまざまな状況を、国籍、在留資格、在住期間ごとに把握いたしました。この調査結果を施策の充実に生かすとともに、ハラルフードの取り扱い店舗など、外国人の多様性に配慮し、日常生活に必要な情報を、港区国際交流協会のホームページできめ細かく提供しております。平成28年度においても、外国人コミュニティやインターナショナルスクールの実態なども含め、多様な外国人の状況やニーズをきめ細かく把握し、今後の施策立案に活用してまいります。  次に、港区総合交通戦略についてのお尋ねです。  策定にあたりましては、まず、今後5年から10年の間の鉄道や自動車、自転車、徒歩といった各交通手段の利用割合や交通量などを推計します。また、区民アンケートの実施などにより、地域交通に対する新たな課題を抽出したいと考えております。その上で、総合的な交通まちづくりの観点から、さまざまな人が使いやすい地域交通ネットワークの構築を目指してまいります。  次に、みどりを積極的に取り入れたまちづくりについてのお尋ねです。  区は、港区みどりを守る条例に基づき、保護樹木の指定など、みどりの保全とともに、緑化計画書制度による公共施設や民間施設の緑化など、みどりの創出に努めてまいりました。これまでの取り組みにより、区の緑被率は着実に増加し、平成23年度は21.78%になりました。さらに、港区緑と水の総合計画で、平成32年度までに緑被率24%とすることを目標に定め、取り組んでおります。  来年度予定しているみどりの実態調査では、緑被率だけでなく、壁面緑化や街路樹など、人の視点から見える緑視率なども調査し、より緑を実感できるようさまざまな角度から緑の把握に努めてまいります。また、みどりの実態調査の結果を踏まえ、緑のつながりやさまざまな生き物が生息する生物多様性に配慮した質の高い緑化に努め、緑の豊かさを実感できるまちづくりを推進してまいります。  次に、質の高い港区職員の育成についてのお尋ねです。  区では、10年先を見据えて、区の未来を切り開く人材を育成するために、このたび港区人材育成方針を策定いたしました。本方針では、職員育成にあたってのポイントを大きく2つお示しいたしました。1つ目は、参画と協働をさらに進め、現場での課題解決力を自ら練磨する意識を持った職員、2つ目は、他の自治体をリードし、日本を牽引する気概を持った職員の育成です。人が育つためには中・長期的な取り組みが必要です。今後も、方針で示した具体的な研修に取り組むとともに、人材育成、その取り組みの評価を継続的に行い、質の高い行政サービスを提供できる職員を育成してまいります。  次に、女性の包括的支援に向けた考え方についてのお尋ねです。  区は、第3次港区男女平等参画行動計画でさまざまな分野にわたる男女平等参画施策をまとめており、毎年各部門の進捗状況を把握して、横断的・総合的に進めております。今後、女性の包括的支援については、大切な視点であることから、実現に近づける効果的な手法について、検討してまいります。  次に、若年女性の健康への関心を高めることについてのお尋ねです。  本年2月に改定された国の指針では、乳がん検診の対象を40歳以上としていますが、乳がんの患者は20歳代後半から年齢とともに増加する傾向にあります。区は、これまで30歳以上を対象に乳がん検診を行ってまいりましたが、30歳代にも一定数の受診者があり、啓発や動機づけの効果も期待できると考えております。本年2月に策定いたしました港区がん対策推進アクションプランにおいて、女性のがん予防や早期発見に関する取り組みを重点事項としており、30歳代の乳がん検診についても、この中で検討してまいります。  次に、マンションエレベーター安全装置設置助成についてのお尋ねです。  区は、平成18年6月3日にシティハイツ竹芝で発生したエレベーター事故を受け、区有施設のエレベーターに戸開走行保護装置を積極的に設置するなど、安全対策に取り組んでまいりました。一方、民間マンションの既存エレベーターへの戸開走行保護装置の設置は、法律で義務づけられていないことに加え、工事費が高額であることなどの理由から進んでおりません。そこで、区は、戸開走行保護装置の設置に対して、全額を助成することでエレベーターの改修を促し、安全性を高めてまいります。エレベーター事故が二度と起きない、区民が安全で安心できる生活環境を築いてまいります。  次に、臨海斎場の区民への周知ついてのお尋ねです。  臨海斎場の建設費や管理運営費は、構成5区で定めた割合に従い負担しておりますが、港区民の利用は5区のうち4位であり、さらに多くの区民の皆さんにご利用いただきたいと考えております。区は現在、広報、区のホームページ、パンフレットを用いて、区民や葬儀社などを対象に周知を行っております。今後、民間斎場に比べて安く利用できること、年末年始を除き休業しないこと、将来の火葬需要の増加に備えた取り組みを進めていることなど、臨海斎場を利用するメリットをよりわかりやすく、より多くの区民に知っていただけるよう積極的に情報提供し、一層の利用拡大につなげてまいります。  最後に、東京二十三区清掃一部事務組合についてのお尋ねです。  特別区及び東京二十三区清掃一部事務組合は、環境問題や廃棄物処理の問題に直面している諸外国に、その技術やノウハウを提供するなど、積極的に国際協力をしています。本年1月には世界経済フォーラム、通称ダボス会議において、循環経済の発展に貢献した団体などに送られる循環経済賞の地域・都市部門で、デンマークなどと並び最終選考まで残り続けるなど、確かな技術力は世界の注目を浴びています。  また、ご指摘のとおり、ごみの焼却による発電により、港清掃工場の電力を賄うほか、環境にやさしいエネルギーとして、区立小学校などに安定的に供給しております。こうした取り組みや成果を積極的に区民の皆さんにお知らせすることで、環境施策への理解を深めていただき、リサイクル・清掃事業をさらに推進してまいります。  よろしくご理解のほどお願いいたします。  教育にかかわる問題については、教育長から答弁いたします。 ○教育長(小池眞喜夫君) ただいまの自民党議員団を代表してのゆうきくみこ委員の総括質問に順次お答えいたします。  最初に、幼児期の教育の強化についてのお尋ねです。  幼児期は、生きる力の基礎を培う時期であり、小学校以降の学びに大きな影響を与える重要な時期です。そのため、小学校入学前の教育を担う幼稚園・保育園では、遊びなどの体験を通して、人とかかわる力や考える力、判断する力などを育むことを大切にしています。引き続き、幼稚園・保育園に、幼児期の終わりまでに何を身につけるべきかを示した、小学校入学前教育カリキュラムの有効な活用を働きかけてまいります。また、教員や保育士の専門性を高める研究会や保育公開などの実施を通じて、幼児期の特性を踏まえた教育活動が確実に推進されるよう、その強化に努めてまいります。  次に、家庭と連携した教育についてのお尋ねです。  区では、5歳児向けの家庭用リーフレットに続き、平成28年度は3歳児からの家庭で大切にしたいことをまとめたハンドブックの作成に取り組み、3歳児・4歳児のいる全家庭に配布して、家庭教育を支援してまいります。このハンドブックは、保護者が子どもへの理解を深め、子どもの成長に喜びを感じることができるよう作成するものです。子どもが幼児期から健やかに成長するためには、その基礎となる睡眠や食事、運動などの生活リズムを確立する家庭の役割が大切です。家庭生活と幼稚園や保育園での学びをつなぎ生かすことができるよう、内容を工夫してまいります。今後も、幼児の健やかな成長を促せるよう、幼稚園・保育園・小学校と家庭とが連携した教育の支援に努めてまいります。  次に、区立中学校の英語教育の充実についてのお尋ねです。  中学校での英語の授業では、入学時点での生徒の英語の能力に応じた学習ができるよう、習熟度別少人数指導を実施しております。また、学習を進めていく中で、生徒の習熟度を把握し、定期的にグループを編成し直して授業を展開しております。さらに、英語の能力の高い生徒に対しては、身につけた英語力を活用して、自分の思いや考えを積極的に発信できる活動を授業に取り入れるなど、生徒の意欲と能力を高める工夫をしております。  学習指導要領の改訂により、平成31年度から中学校の英語授業は、英語のみで行うことが予定されております。今後は、さらなる英語教育の充実に向け、中学校英語科教員に対する区の研修の充実はもとより、積極的に国や東京都の研修への参加を働きかけ、教員のさらなる質的向上を図ることで、港区らしい質の高い中学校の英語教育を推進してまいります。
     次に、国や東京都の動向に先駆けた教育の取り組みについてのお尋ねです。  現在、区では、国や東京都の動向に先駆け、主体的・協働的な学び、いわゆるアクティブ・ラーニングついての研究を進めています。あわせてアクティブ・ラーニング等の教育効果をさらに高めるため、タブレットパソコンや電子黒板に加え、デジタル教科書等を導入するなど、環境整備に努めています。これらのICT機器は、活用の仕方によって子どもたちの学習意欲や学力が格段に向上するほか、特に特別支援や不登校児童・生徒への効果はより高まると言われています。今後、このような先進的な教育について、積極的に研究し、成果を他自治体に発信するなど、時代の変化を読み取り、港区らしい質の高い教育活動に取り組んでまいります。  最後に、港区教育委員会のあり方についてのお尋ねです。  教育委員会では、多様化・複雑化する社会の変化や教育ニーズに柔軟に対応するため、事務局と学校が一体となって、先駆的な取り組みを行っております。これまでも区独自の小中一貫教育の導入、国際学級の開設や小学校入学前教育カリキュラムの策定など、先進的・発展的な教育を推進してまいりました。今後も教育委員会では、国内外の動きや区民の教育ニーズをいち早く捉え、教育を取り巻く課題に対して的確に、迅速に対応できるよう、職員の人材育成に取り組み、組織力を一層強化してまいります。  よろしくご理解のほどお願いいたします。 ○委員(ゆうきくみこ君) どうもありがとうございました。  以上で自民党議員団の総括質問を終わります。 ○委員長(清原和幸君) 自民党議員団の総括質問は終わりました。     …………………………………………………………………………………………… ○委員長(清原和幸君) 次に、みなと政策会議を代表して、七戸委員。 ○委員(七戸淳君) 平成28年度予算特別委員会最終審議にあたり、みなと政策会議を代表して総括質問をさせていただきます。  本日は3月11日、2011年に発生しました東日本大震災からちょうど5年となります。5年前のきょうも予算特別委員会が開かれており、2時46分の発生時は土木費の審議中でありました。犠牲となられた多くの尊い命に対し、心からご冥福をお祈りするとともに、東北の被災地の皆さんがいち早くもとの生活に戻るため復興が進むよう期待し、質問させていただきます。  港区は、平成18年から始まった区役所・支所改革により参画と協働を進め、区民や地域と強固な信頼の絆を築き上げ、大きな成果を上げてきたと思っております。平成26年度決算特別委員会での質問でも触れさせていただきましたが、当時策定が進められていました平成32年度までの新たな港区基本計画がことしからいよいよスタートいたしまして、「かがやくまち」「にぎわうまち」「はぐくむまち」のそれぞれの分野でさまざまな施策が行われています。  平成28年度予算案につきましても、「安全で安心して暮らせる、夢と希望に満ちた港区の未来を創り上げるための予算」として、港区の持つ全国でも有数の財政的な力を存分に生かし、安全・安心、スポーツ、文化・観光振興、街づくり、環境、子ども・子育て、教育、高齢者・障害者、健康とあらゆる分野において、先駆的な取り組みがされていると実感しております。あらゆる世代において、区民が港区を愛し、安心して快適に住み続けられる港区の実現がされるのではないでしょうか。  予算特別委員会における質疑、答弁においても、区民の生活とあらゆる場面に目を行き届かせつつ、子どもの未来に向けた取り組み、保育需要への対応、保育料の助成などの子育て世代の支援、障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律、いわゆる障害者差別解消法の施行に向けた新たな取り組み、健康対策の強化など、一つひとつが港区ならではの新しい課題を先取りしたものということが明らかになり、今住んでいる人も、これから港区に移り住む人も、本当に港区に住んでよかったと実感できることとなると思います。  武井区長は、本定例会の所信表明において、「6月に区民の審判を仰ぎ、引き続き区政を担っていく」と表明されました。これまでの実績にも増して区長の手腕を存分に発揮していただき、これからの区政を将来の港区へ向け重要なステップとしていただき、誰もが本当に住んでよかったと思い続けられる港区となることを期待して、質問させていただきます。  我が国の経済は、バブル経済崩壊後、経済成長は高度成長期と比べ緩慢なものにとどまり、銀行の不良債権問題や企業のバランスシートの毀損、その後の長引く景気低迷により、いわゆる「失われた20年」を経てきました。途中、アメリカ発のリーマンショックに見舞われ、さらに東日本大震災では尊い犠牲を払いつつも復興を進めてきました。経済はほんの少し息を吹き返し、企業業績は、まだ濃淡はあるものの上向きのように見えますが、一方で原油安や中国経済の減速、不安定な中東情勢など、経済リスクは至るところに存在しております。  内閣府が2月に発表した月例経済報告でも、「景気は、このところ一部に弱さも見られるが、緩やかな回復基調が続いている」としながらも、世界的な景気の下振れから、我が国の景気が下押しされるリスクもあると判断されております。  また、昨年12月の日銀の全国企業短期経済観測調査、いわゆる日銀短観でも企業業績に関する業況判断は今後悪化すると予測されております。昨年10月から12月期のGDPは、3月8日発表された改定値で年率1.1%減となり、2四半期ぶりのマイナス成長となっております。足元でも日銀によるマイナス金利政策以来、為替や株式市場が乱高下するなど、経済のもろさは拭えず、依然として予断を許しません。  区はこれまで、区民との参画と協働を進め、さまざまな施策を通じて区民ニーズに応え、サービス向上に取り組んできています。景気回復や人口増加により順調な財政収入が続いてきていることもあって、全国の中でも大変恵まれた財政状況にあると言えるのではないでしょうか。そのような中、今後の財政運営に向けて、港区財政運営方針を1年前倒しして改定するということです。現在の港区財政運営方針の期間は平成29年度までですが、これを1年前倒しして検討を進め、平成29年度から平成34年度までの新たな財政運営方針を立てることになっております。  代表質問では、区長から、そこに盛り込む視点について、突発的な事態への備えとして、経済情勢の変化や災害など、将来顕在化が見込まれる課題への対応として、行政需要の変化や新たな課題への対応が示されました。  そこで質問いたします。港区財政運営方針の改定について、この2つの視点から具体的にどのような内容を検討される方向でしょうか。区長のお考えを伺います。  次の質問です。自治体へのふるさと納税に係る特例控除額の上限額が、平成28年度分の住民税から、寄附金税額控除の特例控除額について、個人住民税の調整控除適用後の所得割の額の1割から2割に引き上げられるなど、拡大されます。これについては、所得税分が個人住民税に振り替えられ、本来、国がその財源を補填すべきものであるという側面があります。地方自治体間の税源遍在、全体の地方税財源を拡充することや地方交付税の法定率を上げるなど、国の責任において是正すべきという課題もありますが、港区には、日本各地でも有数の魅力的な観光・産業資源が集中しております。例えばですが、ふるさと納税による寄附をしていただいた全国の他の自治体にお住まいの方に、東京タワーの入場チケットや六本木ヒルズの展望台、国立新美術館や森美術館のチケット、観光マップなどを返礼品として用意し、ぜひ港区に行きたいと感じていただくことができるのではないでしょうか。大きな金額のものでなくても、港区ならではの魅力を全国へ発信し、広報・観光に役立てるといったような効果も期待できるのではないかと思います。  港区では、国が進める地方創生について、区としても積極的に取り組んでいくため、港区まち・ひと・しごと創生総合戦略を策定しています。この中の大きな柱として、港区と全国各地の自治体がともに成長・発展し、共存共栄を図るという自治体間連携の推進が掲げられております。都心にある港区が、東京から地方にという流れではなく、全国の自治体と手を携えて、安全・安心で魅力あるまちづくりを進めていければ、大変すばらしいことだと思います。  赤坂地区においても、青山外苑前商店街振興組合が岐阜県郡上市と締結した交流協定を契機に、郡上おどりin青山や、小・中学生を対象とした郡上市の田舎体験や交流事業を進め、また、みなと森と水ネットワーク会議でも国産木材を通じた交流をしている青森県の七戸町と、私七戸淳、本人の交流も始まりました。このような積み重ねが、東日本大震災における金町浄水場の放射性物質検出時に、郡上市から港区へ水の提供を受けることや災害時の相互連携協定という成果に結実したと思っております。先ほどふるさと納税で例にとった魅力の発信や、広報・観光などにも自治体間連携の成果を広げていくことも考えられます。  本定例会での代表質問において、清家議員から「自治体間連携が地方創生にどのような形で寄与していくのか、どういう効果があるのか」という質問をいたしました。区長からは、相互の補完や共存共栄のお考えが示され、SL広場での物産展を例にとられました。今後、港区まち・ひと・しごと創生総合戦略に掲げた自治体間連携に、港区はどのように具体的に取り組んでいくのか、その方向性について、区長のお考えをお聞きいたします。  次に、これまでも何度も質問してきましたが、BRT、バス・ラピッド・トランジット、バス高速連結輸送システムについてお伺いいたします。  平成26年3月に環状2号線の新橋から虎ノ門間が開通し、「新虎通り」という愛称がつけられました。地下トンネルを活用したことにより、地上の通りには広い歩道が確保され、東京シャンゼリゼプロジェクトを活用したまちのにぎわいづくりが進んでいます。港区でも、環状2号線周辺地区まちづくりガイドラインなどにより、魅力的なまちづくりを進めています。  これまでも、中央区が晴海から銀座の間、約3キロを結ぶ次世代路線電車、LRT、またBRTの検討を行っていることや、東京都が2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会へ向けた輸送手段としまして、BRTの導入を進めていることについても質問してきました。BRTについては、いよいよ実現することが明確になってまいりました。この計画については、虎ノ門に設置が計画されているバスターミナルから、新橋や築地を通って、選手村となる晴海を通って豊洲などの湾岸部へのルートとなっております。区内の交通全体を考えると、虎ノ門側ではバスターミナルの結節点となり、1つのハブとして機能します。2月8日に起工式がありましたが、2020年の開業に向けた新たに設置される日比谷線新駅から区内を通って南北へ、また、地下鉄や「ちぃばす」などを通じて環状2号線を通って赤坂、さらには六本木へ、青山を経由して国立競技場へと大きな輸送の流れができることになると思います。  平成25年度決算特別委員会におきまして、区長から「東京都や関係区と協力して検討を進め、環状2号線周辺におけるJR、東京メトロなどの公共交通などとの接続や環状2号線を経由するルート設定等について、東京都へ要望していく」というお考えをいただきました。平成27年4月に東京都都市整備局が策定した、都心と臨海部を結ぶBRTに関する基本計画によれば、平成27年度は事業者を公募、選定し、事業計画を立て、BRT協議会を設置するとともに、諸手続きや関係機関との調整を進めるということでした。平成31年度にはBRTを運行、東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催年であります平成32年度には本格運行となる予定です。9月には事業者が選定されました。11月には基本協定が結ばれたと報じられておりますが、その後、思うように進んでいないようにも見えます。  そこで、区長に改めて質問させていただきます。今後、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会を契機として計画が進められているBRTの導入に向け、東京都、関係区や官民と協力して検討を進め、区の考え、要望を反映していくべきと考えますが、区長のお考えをお伺いいたします。  次に、入札・契約制度についてです。  港区は本年度、入札・契約制度についてさまざまな改善を図られました。昨年4月から、区内事業者限定入札の範囲を拡大するとともに、共同事業体においても、区内事業者を構成員とすることとしたことを皮切りに、資金調達の円滑化に向けた受注者への工事前払金制度を拡充し、限度額を倍増させ、また、制限付一般競争入札を全面実施し、区が発注する契約に従事する労働者等の労働環境確保策の推進により、区が定めた最低賃金水準額を給付することを義務づけ、区内事業の認定基準を改正し、長期継続契約対象契約の範囲を広げることで受注者が安定的に業務を行える環境が整い、特別簡易型総合評価方式を本格実施するなど、矢継ぎ早に改善を進められてきました。区の重要なパートナーである区内中小企業をはじめとする事業者にとっても、安定した事業活動を行い、区内産業の振興を図るという点で非常に評価できるものと考えております。  質問です。入札・契約制度の改善について、どのように取り組まれてきたのか。また、今後どのように進めていくのか伺います。 ○委員長(清原和幸君) 質問の途中ですが、間もなく午後2時46分となりますので、ここで休憩といたします。自席にてお待ちください。                 午後 2時40分 休憩                     (黙祷)                 午後 2時47分 再開 ○委員長(清原和幸君) 休憩前に引き続き委員会を再開いたします。  総括質問の質疑を続行いたします。  七戸委員、お願いいたします。 ○委員(七戸淳君) 次の質問です。先日、総務常任委員会の視察で福岡市に行ってまいりました。福岡市では、来街者の利便性向上や、市の情報発信力強化、災害時の活用のため、市内の商店街にWi−Fiを設置し、高速の通信環境を整えています。アジアに近く、産業・商業・観光での西の玄関口とも言うべき福岡市ならではの取り組みでした。  東京都では、FREE Wi−Fi & TOKYOとして、公園や庭園、文化施設やスポーツ施設などの東京都の施設や主要駅周辺の観光案内標識に公衆無線LANの整備を予定しています。また、交通機関や民間事業者においても公衆無線LANがどんどん整備されていっております。港区でも災害時や観光などに役立てるため、Minato_City_Wi−Fiの試験運用を始め、本庁舎や新橋、品川駅前で利用が始まっています。平成28年度予算においても、区により公衆無線LANの整備を進めていくとのことです。  こうしたWi−Fi環境を整備するにあたっては、いかに利用しやすい環境をつくっていくかということが重要ではないかと思います。例えば、Minato_City_Wi−Fiの場合、登録にメールアドレスが必要で、1回30分以内の1日4回まで、青少年対策フィルタがかかるなどの制限があるようです。不正な利用を防ぐため、自治体が提供するものであれば一定のセキュリティ対策は必要でしょうが、来街者や外国からの観光客などは、多くのインターネットを通じてその地の情報を入手します。こうした利用者に対しては、制限を設けることは利用のハードルになるという面もあるのではないかと思っています。  総務省では、自治体が整備するWi−Fi環境の一部について、利用者にメールアドレスなどの事前登録を義務づけることとしたとのことです。犯罪などで悪用された場合に接続履歴がわかるようにするなどの効果があるということでしょうが、訪日外国人などには、より簡易な形で高速に接続できることが必要なのではないかと思っております。セキュリティと使い勝手のバランスをとることが重要だと考えます。  2020年にはオリンピック・パラリンピック競技大会がこの東京で開催されます。区では来年度、商店街多言語対応事業としまして、商店街のより一層の活性化を図るため、多言語マップの作成や商店街ホームページの多言語化、また、商店街のWi−Fi環境の整備に関する経費の一部を補助するとのことです。商店街のWi−Fi環境の整備については、セキュリティ対策の問題はあるものの、商店街を訪れるお客様が常に新しい情報に接し、より便利にお買い物ができるよう、また、商店街そのものを楽しんでいただくため、大きな期待を寄せるところです。  特に、今後ますます増加が予想される外国人観光客は、モバイルを利用して港区のさまざまな観光や商店街などの情報を取得することが多くなっており、外国人観光客のこうした需要に応えることは、都心港区としても大変意義のあることと思っています。  そこで質問です。区で設置するWi−Fi環境については、外国人観光客をはじめとする利用者にとって、安全に利用できることはもちろんですが、よりわかりやすく接続しやすいものとする必要があると思いますが、区のお考えをお伺いいたします。  次に、電力の購入についての質問です。  電気事業法が改正され、高圧電力については特定規模電気事業者、いわゆるPPSとの契約ができるようになりました。区も環境配慮や経費節減のため、施設への導入を増やしていると聞いています。いわゆるこの新電力に続き、4月からは、法の改正により家庭を含めた電力の小売が全面自由化されます。これまでは工場やオフィスなどの大規模な消費先以外は、地域の電力会社からしか電力の供給を受けられなかったわけですが、これからは他の地域の電力会社やガス会社、また通信会社などの大手企業が参入し、多様な暮らし方に合わせた料金体系で供給を受けることができるようになります。電力消費者は電気を買う会社やプランを自由に選べるようになり、選択肢が広がります。さまざまなプランが各企業から提示されており、販売合戦も加熱ぎみであるので、しっかりと検証していく必要があると思います。こうした制度を多くの人に知ってもらい、企業の競争により産業が育成され、区民がメリットを享受する、区も行政コストを削減するという点で、行政がリーダーシップをとっていくことが必要ではないかと思っております。  そこで質問です。区は現在、電力の小売自由化に伴う調達のあり方について検討しているということですが、現時点における課題は何か。また、検討結果が出たときは区民に知らせてほしいと思いますが、区長のお考えをお伺いいたします。  次に、羽田空港の機能強化についての対応です。  国は、交通政策審議会航空分科会基本政策部会のもと、首都圏空港機能強化技術検討小委員会において、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会やそれ以降をにらんで、逼迫している羽田空港の処理能力強化の検討を進めてきました。現在は、騒音総量を可能な限り抑制するため、都心の住宅密集地を避け、東京湾に面した立地を生かした飛行経路を設定していますが、空港処理能力をさらに拡大するためには、都心の上空を経由する飛行経路をとらざるを得ない状態となっています。この経路には港区も含まれており、離発着がピークを迎える午後3時から午後7時、空港周辺が南風の場合に通過することになります。  羽田空港の処理能力強化については、アジアのハブ空港機能が他国に次々と整備される大型空港に奪われることのないよう提起された面はありますが、国内を結ぶ重要な移動手段であることはもとより、急激に増加するインバウンドや東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた東京の玄関口として重要であると考えております。  港区は、東京モノレールや鉄道、バスなどで羽田空港と直接結ばれており、国内外から多くの人々が港区を訪れるという大変すばらしい立地にあります。ゲートウェイたるべき品川駅・田町駅周辺や羽田空港周辺はアジアヘッドクォーター特区として東京の国際競争力を向上させ、さらなる成長に導く役割を、また国家戦略特区としても世界から資金、人材、企業を集める国際的ビジネス拠点としての期待を負っています。そのためにも羽田空港の機能強化は必要だと思いますが、その一方で、区内上空が飛行経路となった場合、事故などによる飛行機からの落下物や上空からの騒音など、区民の安全に直結する課題もあります。  東京都も国や関係自治体と連携し、騒音の影響を軽減する方策の検討や徹底した安全管理に取り組もうとしています。羽田空港の機能強化について、区民の安全確保のため、国に対し、区はどのように働きかけていくのか伺います。  次に、都営青山北町アパートについては、現在建て替え計画が進められており、本年度には基本計画、実施設計、平成31年には竣工、入居と予定されていますが、東京都が都営住宅を建設する場合、地元自治体の施設整備についての一定の支援を行うこととなっております。今後、都営住宅のあった赤坂七丁目の跡地においても、このような施設整備が進められることが期待されます。  例えばですが、区が東京都と協力して、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会へ向けたインバウンド向けの施設を整備し、海外からの訪問者数増加に一役買い、東京オリンピック・パラリンピック競技大会の後には、これを区民向け住宅として活用していくといったようなことも考えられます。あわせて、田町のスポーツセンターから離れ、大規模な体育施設を持たない赤坂・青山地区における区民の運動環境の向上に役立つ体育施設や図書館など、区民の生活に役立つような施設を整備していき、都営住宅が港区のために、生きる施設として生まれ変わってもらえればいいなと考えております。  そこで質問です。赤坂七丁目における都営住宅跡地における施設整備について、お考えをお伺いいたします。  次に、消防団の訓練場所の確保です。  首都直下型地震は30年の間に70%の確率で起こると言われております。消防団は、港区内に住み、あるいは勤務する団員で構成されていますが、火災時やさまざまな自然災害や事故の際には、警戒などでも自ら出動されています。我がまちを我が手で守る消防団と言われているように、強い使命感と助け合いのボランティア精神によって成り立っているのが消防団です。  消防団員は、ふだんは勤務がありますので、ポンプ操法の訓練などは仕事が終わってからの夜間、または仕事が休みとなる土日などに行われています。5月末から6月初旬にかけては、区内4消防署ごとに消防団ポンプ操法大会が開催されます。また、6月中旬には、港区が主催する港区ポンプ操法大会が、さらに10月には東京都大会が開催されます。  各消防団、分団の選手たちは、規律、技能の向上を目指し、よりよい成果を出そうと訓練に懸命に取り組んでいます。しかしながら、近隣からの苦情や歩行者の往来などもあり、思うように訓練ができない状況にあり、訓練場所の確保は、いずれの消防団も大変苦労していることは区長もご存じかと思います。港区立芝公園、港南緑水公園、みなとパーク芝浦には訓練場所が整備されています。長い直線距離もとれており、存分に訓練ができる、ありがたい施設だと感謝しております。団員の勤務地、勤務時間の問題などもあり、全ての消防団が使えるわけではありません。今後、区の施設整備などを行う際に、あわせて消防団の訓練場所などについても確保していただきたいと思っております。区長のお考えをお伺いいたします。  最後に、海外への視察についてです。東京オリンピック・パラリンピック競技大会開催まで4年、ことしの8月5日にはブラジルでリオデジャネイロオリンピック・パラリンピック競技大会が開幕します。本予算特別委員会の総務費の審議における質問にもありましたが、東京オリンピック・パラリンピック競技大会に備えるため、直近のリオデジャネイロオリンピック・パラリンピック競技大会への準備・開催状況は大変参考になるものと思っております。東京都が視察に行き、現地の状況を把握するとのことでしたが、港区ではお台場海浜公園においてのトライアスロンなどの開催が既に決定しております。例えば、東京オリンピック・パラリンピック競技大会でのバスケットボール競技の開催地である埼玉県では、大会の招致主体ではありませんが、開催地として、会場自治体の受け入れ体制を調査するため、リオデジャネイロへテストイベントの視察を行っているようです。やはり最低でもトライアスロン会場は視察の必要があるのではないかと思っております。  私も規制緩和や財政・金融支援により海外企業の進出を促進するアジアヘッドクォーター特区、または国家戦略特区へと役立てるために、アジア地域の業務総括拠点や研究開発拠点において、海外企業の誘致を進めているアジアの諸都市、シンガポールや香港、ソウルを訪れ、直接話を伺い、大いに参考になったところです。ぜひとも港区も現地を職員が視察し、調査をしていただきたいと思っております。  港区の特性としましては、外国人納税者も多く、その納税額も高額で、10%の外国人の方が18%近い区民税を払っているという状況だったかと思います。こうしたタックスペイヤーにしっかり反映していくという意味でも、海外の事例を参考にすることは、国際都市港区の宿命ではないかと思っております。  また、区議会議員についても、海外を含めた自治体の先進事例を学ぶということは大切だと考えております。以前は海外先進都市行政視察ということで、海外視察が実施されたということでした。各会派から1名ないし複数名を選出し、ヨーロッパや北米、オーストラリアなどで都市開発や高齢者福祉、教育や防災対策について調査してきたということでございます。私も先輩の方々から非常にいい経験だったということを聞いておりました。残念ながら、この視察は中止となってしまいました。ほとんどの議員はその経験がありません。現在では、井筒議員、風見議員、お二人とのことです。ぜひともお二人が元気なうちにしっかり海外の事例を直に現地で学び、港区の現状や課題を重ね合わせることは他にかえがたい機会になるのではないかと思います。  費用の関係で中止されたということでしたが、飛行機にしてもファーストクラスやビジネスクラスを使わなくても、エコノミークラスでも十分で、公共交通機関などを使って費用を抑えることができるのではないでしょうか。海外視察を通じてさらに見聞を深め、区政に役立てることは必要ではないかと思っております。以上、2点についてはぜひ実現していただけるよう、区長、議長へ要望したいと思います。  以上で質問を終わります。ありがとうございました。 ○区長(武井雅昭君) ただいまのみなと政策会議を代表しての七戸淳委員の総括質問に順次お答えいたします。  最初に、港区財政運営方針の改定における具体的な検討内容についてのお尋ねです。  第1に、突発的な事態への備えとして、安定的な財源を確保していく必要があることから、経済情勢の急激な変化や首都直下地震の発生などによる特別区民税収入の減収も想定しながら、迅速な立ち直りを図るための基金のあり方や区有財産を有効活用した税外収入の確保策を検討いたします。  第2に、将来顕在化が見込まれる課題への対応として、地域の課題を地域で解決するために、総合支所に導入した予算枠配分方式の検証を行うとともに、各部門が主体的に事業の必要性や緊急性を判断し、より迅速な課題解決を可能とする予算編成のあり方についても検討いたします。  次に、自治体間連携の今後の方向性についてのお尋ねです。  区では、本年4月から課長級の専管組織として自治体間連携推進担当課長及び担当係長を設置いたします。今後、(仮称)芝五丁目複合施設を活用した自治体間連携の拠点整備の検討や区の強みである全国や世界に向けた情報発信力を生かした、区と全国自治体が連携した新たな取り組みなど、専管組織をかなめとして全庁横断的に、これまでにない視点も取り入れて進めてまいります。これまで深めてきた各自治体との連携をさらに発展させるとともに、港区と全国各地がともに発展・成長し、共存共栄を図ることを目指してまいります。  次に、BRTについてのお尋ねです。  都心と臨海副都心を結ぶBRTは、平成27年11月に新たに設置された法定協議会である臨海副都心周辺地域における公共交通協議会で検討を続けております。事業を推進していくための事業計画の策定や法定計画上にBRT事業を位置づけることを目指して、東京都、関係区、事業者等で協議を進めております。区は、引き続き協議会の中で地元住民や来街者の利便性の向上につながるよう積極的に区の考えや要望を述べてまいります。  次に、入札・契約制度の改善についてのお尋ねです。  区はこれまで、区内事業者や労働団体の皆さんから入札・契約制度について、改善や見直しを求める多くのご意見や要望をいただいております。区は、先進自治体の制度について調査研究を積極的に行うとともに、区内事業者や労働団体の皆さんのご意見を直接、具体的に伺う機会を設け、効果的かつ納得性の高い、わかりやすい制度となるよう制度改善を重ねてまいりました。今後も、区民及び事業者の声を十分にお聞きし、公正性・透明性の高い入札・契約制度のより一層の充実を図ってまいります。  次に、Wi−Fi環境についてのお尋ねです。  区がWi−Fiを整備するにあたっては、利用する誰もがわかるようMinato_City_Wi−Fiと表示します。これにより初めて日本を、また港区を訪れた外国人観光客も簡単にWi−Fiに接続でき、港区の商店街の魅力を感じていただけるものと考えます。あわせて、より安全に利用していただくために、不正利用を防ぐメールアドレスなどの登録や利用回数の制限を設けるなどのセキュリティ対策も重要です。今後、東京都や民間事業者と連携を図りながら、より安全に利用しやすい環境づくりを進めてまいります。  次に、新電力の購入についてのお尋ねです。  本年4月の電力の全面自由化により、高圧受電以外の施設についても、新たな小売電気事業者からの電力供給の対象となります。各施設の状況に応じた電力の調達を行うにあたっては、経済性・効率性に加え、環境配慮や安定供給の視点など、配慮すべき課題があります。今後、全庁的な電力の調達のあり方について、さらに検討を深め、早期に調達方針を決定し、区のホームページなどにおいて広く区民にお知らせしてまいります。  次に、羽田空港の機能強化への対応についてのお尋ねです。  羽田空港の機能強化については、国の責任において、区民などに丁寧な説明を行い、十分な理解を得て検討を進めるべきものと考えております。落下物対策や騒音問題など、区民の懸念が強い事項については、区は、これまでも国に対し適宜、丁寧な説明など、適切な対応を行うよう強く求めてまいりました。  国は本年1月に2回目のオープンハウス型説明会を開催するとともに、2月には高輪地区と港南地区で地域の皆さんを対象とした小規模な説明会を開催しております。区は、これらの説明会で出された区民の意見や要望などについても、国が真摯に受けとめ、区民などに対する丁寧な説明を行うよう重ねて申し入れております。今後も、区民の安全と生活環境を守る立場から、東京都や関係区市とも連携し、引き続き区民に対するわかりやすい丁寧な説明を行っていくよう、国へ意見・要望等を伝えてまいります。  次に、赤坂七丁目の都営住宅跡地についてのお尋ねです。  赤坂七丁目の都営住宅跡地の利活用については、東京都からは未定と聞いております。区は、地域の行政ニーズなどの動向を踏まえ、地域の課題解決に向けた施設需要への対応などに取り組むため、必要に応じて東京都に要望するとともに、引き続き情報収集に努めてまいります。  最後に、消防団の訓練場所についてのお尋ねです。  消防団の訓練場所の確保は、東京消防庁が担っておりますが、ご苦労されている実態は承知しております。消防団の地域での活動を促進する観点から、区としても区立芝公園、みなとパーク芝浦、港南緑水公園に訓練場所を確保しております。また、消防団や消防署の管轄を超えた訓練場所の利用についても柔軟に対応しております。今後も、訓練需要を満たせるよう、引き続き区としても区有施設などの整備の機会を捉えるなど、訓練場所の確保に努めてまいります。  よろしくご理解のほどお願いいたします。 ○委員(七戸淳君) 終わります。 ○委員長(清原和幸君) みなと政策会議の総括質問は終わりました。  議事の運営上、暫時休憩いたします。再開予定は3時30分といたします。                 午後 3時09分 休憩                 午後 3時30分 再開 ○委員長(清原和幸君) 休憩前に引き続き委員会を再開いたします。  総括質問の質疑を続行いたします。  初めに、公明党議員団を代表して、杉本委員。
    ○委員(杉本とよひろ君) 平成28年度予算最終審議にあたりまして、公明党議員団を代表して総括質問をいたします。  本日3月11日、東日本大震災の発生から丸5年を迎えました。犠牲になられた方々に哀悼の意を表するとともに、ご冥福をお祈りいたします。現在、被災地では、生活再建に向けて道路や鉄道などのインフラ整備、災害公営住宅の建設や新しいまちづくりなど、復興に向けた整備が進められている一方で、復旧・復興の進捗状況は当初の予想よりおくれ、今なお17万4,000人を超える方々が避難生活を強いられている現実を忘れてはなりません。  不自由な生活が長期化する中にあって、風化と風評という2つの風との闘いが続いている現実を重く受けとめ、私たち公明党は、被災に遭われた皆さんが希望を持ち、一人ひとりが心の復興、人間の復興を成し遂げるその日まで、あらゆる努力を結集して、復興への熱意を持ってともに歩み続けてまいります。  そこで、初めにお伺いいたしますけれども、政府が定めた来月4月から始まる次の5年間の復興・創生期間を前に、区として3月11日をどのような姿勢を持って被災地への復興に向けた支援を行っていくのか、区長のご見解をお伺いいたします。  次に、一人ひとりが希望の持てる区政運営についてお伺いをいたします。  平成28年度予算は、区長も述べているとおり、「安全で安心に暮らせる、夢と希望に満ちた港区の未来をつくり上げるための予算」として、今後の港区の方向性を示したものであり、守りから攻めの区政運営のスタートを切る予算と言えるのではないでしょうか。  その実現にあたっては、区民一人ひとりを大切にすることを最優先に掲げることが大事だと考えます。政府が掲げる1億総活躍社会の実現についても、あらゆる人が輝き、自己実現できる社会を築いていくことであり、すなわち、光を当てるべきは、子どもや女性、高齢者、障害者、そして若者、全ての人です。区政も、経済も、文化・教育も、あらゆる活動の主体は区民であります。  そこで質問は、一人ひとりの区民を大切にする視点を常に政策の座標軸に据えて、希望の持てる区政運営にあたっていくべきと考えますが、区長の見解をお伺いいたします。  次に、2025年問題に向けた港区の取り組みについてお伺いいたします。団塊の世代が後期高齢者に達する2025年は、医療・介護・年金・雇用など、社会保障制度全般にわたって大きな変化を及ぼすことになります。  これまでの高齢化問題は、高齢化の進展の速さが著しいことへの対応でありましたが、2015年以降、2025年に向かい、高齢化率の高さ、すなわち高齢者数の割合が高比率になる社会への対応になります。  国立社会保障・人口問題研究所によれば、日本の人口は2007年をピークに減少を始め、2025年には約1億2,114万人、2050年には約1億59万人になると予測されています。2015年、団塊の世代は約800万人が65歳以上の高齢者となり、低出生率が拍車をかけ、生産年齢人口がさらに減少してまいります。  港区においては、昨年示された港区人口推計によると、2025年には65歳以上の人口は約4万7,000人、そのうち75歳以上の人口は約2万7,000人であり、高齢者人口に占める割合は約57%となります。区長は来年度、港区財政運営方針を見直すとのことですが、高齢者人口の増加は財政運営に与える影響が大きいと思います。そこで質問は、見直しにあたって、2025年問題を反映させていく必要があると思いますが、区長のお考えをお伺いいたします。  また、港区基本計画については、来年度から後期見直しに向けたみなとタウンフォーラムがスタートいたします。そこで質問は、2025年は次期の改定時に含まれる問題ではありますが、後期見直しにあたっても十分に考慮した対応が必要と考えます。区長のお考えをお伺いいたします。  次に、将来の財政運営に向けての積極的な自主財源の確保について、お伺いいたします。区の財政状況は、これまで他区に先駆けた行財政改革への取り組みと人口増加と相まって、財政の健全化がさらに進み、区民要望に的確に応え、各種事業を積極的に推進する財政基盤が整ったところであります。  23区の中で見ても、区債残高が約28億円で、港区財政調整基金が約680億円となり、標準財政規模の8割以上を確保、また、特別区税の歳入総額に占める割合は、特別区平均では28.4%でありますが、港区は57.7%と23区の中で突出して高くなっております。さらに経常収支比率も64%となるなど、港区の財政状況の健全化、あるいは進みぐあいは、より一層明らかになってまいりました。しかし、区財政が健全な状態であっても、常に冷静に中・長期の見通しを立てながら、港区の将来を切り開いていくことが重要です。  そこで質問は、引き続き経常的経費のさらなる節約など、不断の内部努力をこれまで以上に徹底するとともに、次世代に過度な負担を残さない取り組みや自主財源の積極的な確保に努めることが必要と考えますが、新年度を迎えるにあたりまして、改めて区長の見解をお伺いいたします。  次に、公会計改革の取り組みについて、お伺いいたします。区の会計は、予算の適正かつ確実な執行という観点から現金の授受を重視する現金主義が採用されています。しかし、自治体が保有する資産の状況や将来にわたって返済しなければならない負債情報、金利や減価償却などを含むコスト情報、行政サービスの提供にかかるコストなどを総合的に把握することはできませんでした。  東京都では、こうした課題を克服するため、平成18年度に全国に先駆けて行政にかかわる全てのコスト情報を明らかにするため、新公会計制度を導入し、地方自治会計に大きな変革をもたらしました。  我が会派は、かねてより、住民に対する説明責任をより適正に果たすとともに、財政の効率化、適正化を図る観点から、財政の透明化・見える化を高めるため、企業会計の考え方を取り入れた発生主義・複式簿記の導入について、提案・主張してまいりました。その後、区は、複式簿記システムの導入に向けた取り組みを進めてきましたが、国の地方自治体の会計基準を統一する動きが具体化し、東京都方式とほぼ同様の新公会計システムの内容が盛り込まれた総務省の統一的な基準モデルを採用することになりました。いずれにいたしましても、財政の見える化に大きく前進されたことは評価いたします。  公会計改革を進めるにあたっては、単に財務書類を作成するだけではなく、財務書類から得られるコスト情報などを事業の検証や評価に生かしていくとともに、区民の方が見てもわかりやすく情報提供されることが何よりも大切です。  区は昨年度来、みなとパーク芝浦や白金の丘学園などの新たな施設を開設し、区民サービスの向上を図られましたが、同時に適切な施設の管理・運営が求められます。また、今後新たな施設建設を予定されており、それらのコスト把握なども必要となります。  平成28年度の区の財政見通しでは、人口増加や雇用・所得環境の改善から、収入が支出を上回ることが見込まれていますが、一方では、原油安や中国をはじめとする経済の減速、日本銀行によるさらなる金融緩和政策の実施など、区政を取り巻く状況は今なお不透明さを増しています。  そこで質問は、このような状況下においても安定した行財政運営を行っていくには、公会計改革を一層推進し、区の財政状況を的確に把握するとともに、区民に対する説明責任を果たしていくことが何よりも重要と考えますが、今後どのように公会計改革に取り組んで行かれるのか、区長のお考えをお伺いいたします。  次に、運河と海辺の環境改善に向けた取り組みについてお伺いいたします。東京湾の環境改善策として、国や東京都はこれまで湾内に流れ込む河川の水質対策に力を入れてきました。測定や監視を強化した結果、昨年度は、流入する56水域全てで、水質汚濁防止法の環境基準を達成しましたが、これだけで東京湾を豊かな生態系を持った海に戻すのは難しいのではないでしょうか。なぜなら東京湾は外洋との出入り口が狭く、海水の入れかわりが少ないため、汚れが蓄積しやすいからです。今も夏場には赤潮が発生して透明度が1メートル以下になることがあり、海底もプランクトンの死骸などがヘドロ状にたまりやすく、海底の酸素不足を引き起こします。海底の酸素不足は、バクテリアによる硫化水素の発生を促し、海洋生物の死滅につながります。そこで、さらなる水質改善策として、湾内の水そのものを浄化する試みが必要です。  昨年の第4回定例会の我が会派の代表質問における要望などを受けて、区は来年度、運河と海辺の活用推進事業を実施するとしています。具体的には、東京海洋大学が港南中学校での運河学習に用いている鉄イオン溶出体、通称鉄炭団子による水質浄化に向けた実証実験や、お台場学園港陽中学校を中心に取り組んでいる、お台場海浜公園における、アサリによる環境学習を、規模を拡大して実施するとのことです。鉄炭団子は、ヘドロ中の硫化水素などを大幅に減少させ、生息するバクテリアの種類に変動をもたらすことで水質を改善させることが実験的に証明されています。また、アサリも、プランクトンをえさとして取り込むことで海水を浄化する作用が認められており、区の当該事業は、東京湾や運河の水質改善の試みとして評価できます。  もちろん、東京湾や運河の汚染の程度を考えると、今回の事業で水質を劇的に改善させることは困難だと思いますが、実証実験や環境学習を通じて、児童やその保護者、そして地域全体の関心が運河や海辺の水質改善に向けられることが重要です。そのことで、水辺を身近なものとして捉え、その水質を改善させようという気持ちを醸成することにもつながります。このような効果を意識した上で、区は運河や海辺の環境改善に向け、より幅広い区内地域や関係機関との協働と参画を促していただきたいと思います。  そこで質問は、区として、運河と海辺の環境改善に向けた取り組みについて、どのように推進していくのか、お伺いをいたします。  次に、地域に偏りなく、健康づくり、体力向上に取り組める環境整備についてお伺いいたします。複数の区民から、「港区には赤坂と芝浦にトレーニング施設があるが、健康づくりの環境が地域によって異なっている。区民の誰もが同じような状況で使えるようにしてもらいたい」とご意見をいただきました。例えば、トレーニング機器について調べたところ、赤坂のヘルシーナに28台、芝浦のスポーツセンターに75台、そして、平成23年4月に健康福祉館から移行した虎ノ門いきいきプラザに16台、神明いきいきプラザに23台、港南いきいきプラザに15台ありました。このことからも、59歳以下の区民及び在勤者がトレーニング機器を使える環境は、高輪地区と麻布地区の総合支所管内にはないことがわかりました。同じいきいきプラザでも福祉会館から移行した三田、ありす、西麻布、青山、高輪、白金台にはそれぞれ4台ありますが、使える方は高齢者に限られています。区民一人ひとりがみずから健康に関心を持ち、生活習慣の改善や運動の習慣を身につけ、さらに継続していくためには、地域の身近なところで健康づくりや体力向上を支援することが重要と考えます。港区地域保健福祉計画においても「地域で支える健康づくりの推進」を掲げ、「区内企業、各地区総合支所、区と連携協定を結んだ大学等と連携し、社会全体で区民の健康づくりを支援する仕組みづくりを行うなど、地域の力を活用した健康づくりの環境整備の強化が重要」としています。  そこで質問は、地域に偏りなく区民や在勤者が健康づくりに取り組める環境整備について、区はどのように推進していくお考えなのか、ご見解をお伺いいたします。  次に、区民向け住宅における自治会組織の設立についてお伺いいたします。区民向け住宅の中で区営住宅は、自主管理ということで自治会設立が要件となっていますが、特定公共賃貸住宅や区立住宅は、いまだに自治会組織が設立されていない住宅が多いのが現状であります。この問題はかねてから取り上げてまいりましたが、自治会組織は、言うまでもなく入居者間のコミュニケーションの促進をはじめ、地域との交流や防災・防犯への取り組みの観点からも重要であります。区でも、区立住宅や特定公共賃貸住宅における自治会組織の必要性については十分認識されていることとは思いますが、居住者に対してもう一歩踏み込んだ働きかけが必要ではないでしょうか。  そこで質問は、地域コミュニティの形成や防災・防犯、そして良好な住環境を維持していくためにも、これまで以上に自治会設立に向けて積極的に取り組んでいく必要があると考えますが、区長の見解をお伺いいたします。  次に、町会・自治会活動の活性化の推進についてお伺いいたします。港区の居住形態は、区民のおよそ9割が集合住宅に住んでいるという状況があります。地域コミュニティの中核を担う町会・自治会を中心に地域における防災・防犯の観点や地域活動の活性化実現のためには、地域に住まう近隣同士が顔の見える関係を築くことが重要であります。しかし、再開発事業や新築マンションの建設が進む地域では、住民が増えているものの、新しい住民と従来の住民との接点がないため、地域のコミュニティ形成に支障を来すなど、大変厳しい状況が生まれています。町会・自治会加入の促進のため、区は協働推進課と建築課との連携で、港区内の建築確認を取得する全物件に町会加入を促す案内を配付し、建築主と町会長が直接話し合うよう指導するなどの工夫を行っております。  一方、総戸数501世帯以上の大規模なマンションの自治会に対しては、自治会活動を区として補助するため、補助金交付申請要件の緩和を実施しています。さらにマンション住民が防災組織を設立する際の防災資器材助成の対象を50戸以上の中規模マンションにも拡大するなど、さまざまな施策を実施していることは高く評価をしております。我が会派はこれまで、豊島区中高層集合住宅建築物の建築に関する条例の紹介を通し、建築主並びに入居者等が町会へ加入することを前提とした協議の義務化を図るべきと提案し、実効性のある取り組みの必要性を訴えてまいりました。最近の新聞報道によりますと、23区初の取り組みとして、品川区が平成28年度予算案において、町会および自治会の活動の活性化を推進するための条例を制定するとの報道がありました。品川区は町会・自治会のあり方と区の協働に関する調査研究委員会を立ち上げ、2年間にわたり調査・研究を進めた後、法的に根拠のない町会・自治会を、地域的な共同活動を行う自主的団体として明確に位置づけ、区民に町会参加の協力を求めるという趣旨で、条例の制定に至ったとのことであります。  港区は、総合支所ごとに、町会・自治会の連絡協議会を実施しております。地域での情報交換を通し、現場のさまざまな課題や意見に耳を傾けるよう努力していることは認識をしております。地域の課題は地域で解決するとの各地区総合支所発足から10年を迎え、今まさに町会・自治会の位置づけを明確にしつつ、地域コミュニティの活性化をより一層促進する重要な時期に来ているのではないでしょうか。  そこで質問は、町会・自治会への加入促進を実効性のある制度にするために、今後どのように取り組みを進めようとされるのか、区長のお考えをお伺いします。  次に、ヒートアイランド対策におけるクールスポットの設置についてお伺いいたします。都心中心部の気温が郊外より高くなるヒートアイランド現象は、今や人の命や健康にかかわる問題となっています。東京では、ここ100年で年平均気温が3度以上も上がり、今世紀末には熱中症などによる死亡リスクが今より2.1倍から3.7倍に増すとの予測もあります。これは都市部では地面が舗装道路や建物に覆われているため、気化熱による冷却効果がなく、逆に空調や自動車などから人工的な熱が排出されることによります。また、同じ気温でも、アスファルト上は路面から熱が反射するため、緑地にいるときと比べて体感する暑さは格段に増します。したがって、ヒートアイランド現象を深刻化させない取り組みと同時に、気温が上昇してしまった中でもできる限り暑さを和らげて、健康への影響を少なくする対策、特に人が東京に集中する東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催時に向けて暑熱対応が急務と考えます。東京都は、ヒートアイランドの暑熱対応として、今年度からクールスポット創出支援事業を実施し、ドライ型ミストなど暑熱対応設備の整備に対して助成を行っています。  さらに来年度は、都有施設等で、先進的な暑熱技術の実証実験を行うとしています。港区は、東京オリンピック・パラリンピック競技大会のトライアスロン会場であるお台場海浜公園があるほか、地下鉄の駅などから東京オリンピック・パラリンピック競技大会のメインスタジアムに続く区道も有しています。東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催時に、観客等の集中が予測される場所や競技会場を中心に、東京都が実施しているようなヒートアイランド対策としての暑熱対応設備を整備すべきではないでしょうか。  そこで質問は、区としても今話題のドライ型ミストの設置についていかがお考えでしょうか、区長の見解をお伺いいたします。  最後に、障がい者スポーツ選手の表彰についてお伺いいたします。このたびの予算特別委員会の教育費の質疑においても、ほかの会派から教育委員会表彰についての問題提起がありましたが、我が会派にも異なるスポーツですが、区民から同様のご意見・ご要望をいただいています。団体競技においては、一人ひとりの団結力・総合力が結実したものとして、そこにかかわる個人全員に表彰すべきと考えます。今後は、教育委員会表彰制度について検討されるとのことでしたが、ぜひ早急なご検討を、我が会派からも要望させていただきます。  質問は、障がい者スポーツ分野でのアスリート表彰についてであります。2020年を前に、多くの区民が、これまでの挑戦が見事に結実したオリンピアンとともに、パラリンピアンにも心から称賛の拍手が送れるよう、区においてもご検討いただきたいと思います。障がい者アスリートたちが日々のトレーニングで、その可能性を開花させ、優秀な成績をおさめたことを、その厳しい道のりを多くの区民がたたえ合い、喜び合える機会を持つこと、これは共生社会を目指す港区であればこそ実現すべきことと考えます。平成19年度決算特別委員会の民生費においても質疑いたしましたが、ぜひとも、障がい者のスポーツ大会で障がい者の前で表彰することとは異なる意義について熟考していただきたいと思います。障がいのある方々にとっても大きな希望、そして目標となります。何より障がい者本人だけではなく、ご家族をはじめ、支えてこられた関係者の大きな喜び、一生の思い出となり、そして、区民の皆様にも、負けない心、挑戦する心の大切さを改めて実感していただけると思います。  そこで質問は、障がい者スポーツアスリートに対する表彰について、区のご見解をお伺いいたします。 ○区長(武井雅昭君) ただいまの公明党議員団を代表しての杉本とよひろ委員の総括質問に順次お答えいたします。  最初に、被災地の復興に向けた支援についてのお尋ねです。区では、東日本大震災の発生後、いわき市をはじめ、被災地に対し、職員の派遣や物資の支援、被災自治体の区内での物産展の開催など、多方面にわたる支援を行ってまいりました。平成27年度は区主催の物産展において、被災地の8自治体を含む22自治体の参加があり、平成28年度については、さらに拡大いたします。また、区内に避難している被災者の方々についても、災害対策職員住宅の提供や、区内小・中学校への受け入れを行っております。今後も、区は、東日本大震災の教訓を風化させることなく、自治体間連携をさらに進めながら、引き続き被災地への支援を行ってまいります。  次に、一人ひとりが希望の持てる区政運営についてのお尋ねです。私は、就任以来、区民の生活実態や意向を的確に把握し、区民一人ひとりの日常生活の隅々にまで目の行き届いた、港区ならではの質の高い行政サービスを提供することに努めてまいりました。一例ですが、子育て支援においては、妊娠から出産、子育て、また、教育へと至る子どもの成長や家庭のニーズの変化にあわせた切れ目のない支援を行っております。今後とも区民の誰もが夢と希望を持ち、毎日をいきいきと充実して暮らすことができる区政運営に取り組んでまいります。  次に、2025年問題に向けた港区の取り組みについてのお尋ねです。まず、財政運営方針見直しに2025年問題を反映させることについてです。今後も見込まれる、子どもから高齢者までのあらゆる世代における人口増加への対応は、区の財政運営にとって重要な要素です。ご指摘の高齢者人口の増加も含め、景気の動向や税制改正、区の人口動向など、さまざまな状況の変化や課題を見据え、いかなる状況の変化や新たな課題にも迅速かつ的確に対応していくため、新たな港区財政運営方針を策定し、将来課題を先取りする積極的・戦略的な財政運営を展開してまいります。  次に、港区基本計画後期見直しに2025年問題を考慮することについてのお尋ねです。港区基本計画の後期見直しを行う際は、人口推計や財政計画に基づく後期3年間の見直しはもとより、その先をも見据えていくことが大変重要です。来年度に実施するみなとタウンフォーラムでは、参加者が区の行政需要を中・長期的に見きわめることができるよう、長期の人口推計結果などの情報も提供してまいります。引き続き人口問題を的確に把握するとともに、2025年問題や新たに生じる行政需要への対応なども考慮し、後期見直しに取り組んでまいります。  次に、将来の財政運営に向けての積極的な自主財源の確保についてのお尋ねです。区は、いかなる社会経済情勢にあっても、質の高い行政サービスを継続的に提供していくため、中・長期的視点に立った計画的な財政運営を行う必要があります。来年度改定する新たな財政運営方針では、磐石な財政基盤の確立など、現方針で示す基本的な考え方を継承しながら、新たな行政需要や課題に迅速かつ的確に対応できるよう、税収の確保はもとより、区有財産を有効活用した税外収入の確保策なども新たに盛り込む予定です。今後も簡素で効率的な行財政運営を行い、あらゆる世代が将来にわたって安心できる財政運営に努めてまいります。  次に、公会計改革の取り組みについてのお尋ねです。区は、平成28年度決算から、発生主義、複式簿記に基づく、国の統一的な基準による財務書類を作成するため、現在、貸借対照表の整備などに取り組んでおります。国の新たな会計モデルの導入は、より精緻かつ効率的に事業別や施設別の財務書類を作成できるなど、区の財政状況の的確な把握に役立つものと考えております。財務書類から得られる情報を他団体の情報とともに、区民の皆様へわかりやすく提供するなど、適切に説明責任を果たしてまいります。また、今後、財務分析から得られた結果を事業評価や公共施設の総合管理などに広く活用するための検討も進めてまいります。  次に、運河と海辺の環境改善に向けた取り組みについてのお尋ねです。昨年、芝浦港南地区総合支所を中心として、運河と海辺の活用推進にかかわる関係部署で構成した庁内検討組織を設置し、水辺環境におけるさまざまな動向と課題の把握に努めるとともに、憩いとにぎわいの水辺空間づくりに取り組んでおります。また、東京都や大学などの関係機関と連携し、将来につながる水辺環境の改善に向けた取り組みについて、継続的に実施しております。今後も水辺に関連するあらゆるネットワークを生かしながら、魅力ある、また、活力ある水辺環境の実現を目指し、全庁上げて積極的に推進してまいります。  次に、地域に偏りなく健康づくり、体力向上に取り組める環境整備についてのお尋ねです。区はこれまで、健康づくりサポーターによる健康教室の開催や地域ごとに行われている特色ある健康づくり活動への支援を通じて、区民一人ひとりが身近な場所で健康づくりを行える環境を整えてまいりました。今後も健康づくりサポーターを養成するとともに、施設や企業などを含む地域の力を活用して、身近な場所でスポーツや運動に親しむことができる機会を提供し、区民が地域に偏りなく健康づくりに取り組める環境の充実に努めてまいります。  次に、区民向け住宅における自治会組織の設立についてのお尋ねです。区民向け住宅における自治会組織は、防犯・防災や良好な住環境維持の観点から、大変重要な役割を担うものと考えております。区はこれまで、居住者の皆さんが集まる自衛消防訓練などの機会を捉え、自治会組織設立のPRに努めてまいりました。今後も、他の自治会の活動内容を紹介するなど、自治会に関する積極的な情報提供に努めるとともに、さまざまな相談にきめ細かく丁寧に対応し、自治会組織の設立につながるよう、粘り強く支援してまいります。  次に、町会・自治会活動の活性化の推進についてのお尋ねです。町会・自治会は、地域コミュニティの中核を担う活動主体であり、安全・安心なまちづくりに重要な役割を果たすと考えております。区は今年度、町会・自治会加入用リーフレットを申し込みはがきつきに改訂し、全総合支所で配付しております。麻布地区では、イベントカレンダーや地域のつどいなどの情報を載せた加入促進リーフレットを独自に作成し、配付しております。赤坂地区では地域デビューの集いを開催し、地域コミュニティへの新たな担い手の確保もねらいとして、住民と町会・自治会とが交流する機会を創出しております。高輪地区では、町会・自治会サポート事業の中で、町会相互の情報公開や連携による活動を促進し、未加入世帯を含めた地域への情報発信力を高める取り組みを行っております。また、子育て世帯向け防災講座では、地域での共助の重要性を強調する内容を盛り込んでおり、これらの取り組みを通して町会・自治会への加入を促しております。今後も町会・自治会と連携し、未加入世帯へ向けた情報発信など、より効果的な加入促進に取り組んでまいります。  最後に、ヒートアイランド対策におけるクールスポットの設置についてのお尋ねです。区では、ヒートアイランド対策として、建築物のクールルーフ化や屋上緑化、壁面緑化、遮熱性塗装等の整備などに取り組んでおります。東京オリンピック・パラリンピック競技大会開催に向け、東京都や交通管理者である警視庁などと連携を図り、競技会場周辺や競技コースとなる予定の区道に遮熱性舗装や保水性舗装によるヒートアイランド対策を進めてまいります。また、多くの方が集まる駅前広場でのおもてなしのクールスポットづくりを目指し、本年夏に新橋駅SL広場でドライ型ミストの実証実験を行い、その効果を検証してまいります。よろしくご理解のほどお願いをいたします。  教育にかかわる問題については、教育長から答弁いたします。 ○教育長(小池眞喜夫君) ただいまの公明党議員団を代表しての杉本とよひろ委員の総括質問にお答えいたします。  障害者スポーツ選手の表彰についてのお尋ねです。区では、現在、パラリンピアンによるスポーツ体験教室や、障害者スポーツの観戦機会の提供などを通じ、障害者スポーツの普及に取り組んでおります。障害のあるスポーツ選手が日々のトレーニングで技術を磨き、スポーツ大会で優秀な成績をおさめた際に、区が表彰し、その活躍を広く区民にお知らせすることは、選手にとっても、そのご家族の皆さんにとっても大きな励みとなり、誇りとなるものと考えます。今後、区内の障害者団体などの協力を得ながら、表彰制度について検討してまいります。よろしくご理解のほどお願いいたします。 ○委員(杉本とよひろ君) 以上で質問を終わります。 ○委員長(清原和幸君) 公明党議員団の総括質問は終わりました。     …………………………………………………………………………………………… ○委員長(清原和幸君) 次に、共産党議員団を代表して、大滝委員。 ○委員(大滝実君) 共産党議員団を代表して、総括質問いたします。  東日本大震災と福島原発事故は、未曾有の大災害となりました。5年という節目にあたり、犠牲となられた方々に哀悼の意を表するとともに、被災者の皆さんにお見舞い申し上げます。避難者は今日もなお17万4,000人を超え、震災関連死は3,400人を超えています。とりわけ福島県では、震災関連死が2,000人を超え、地震・津波による直接の死亡を上回り、原発事故でふるさとを追われた人たちの帰還の見通しも立たないなど、震災は続いている状況です。被災者の生活再建には最後まで国が責任を果たすべきでありますが、私どももあらゆる形で支援を続けていくことを申し上げ、質問に入ります。  初めに、被災地の復興にとっても大きな障害となる消費税大増税について、消費税の大増税中心を国に求めることについてです。安倍首相は、国会答弁で8%への増税による消費の冷え込みを「予想以上に落ち込み、予想以上に長引いているのは事実だ」と認めました。区内の中小企業の景況調査で、業況DIが8%への増税以降、連続マイナスとなっている原因が消費税増税によるものであることは明らかです。国会審議の中では、麻生財務大臣は来年4月に10%に連続増税すれば、5%のときから比べて1世帯あたりの家計の負担増は18万4,000円になるとのすさまじい額を示しています。それでも「消費税は重要な社会保障財源」と言いますが、消費税導入からの税収累計は327兆円に対し、大企業への減税などで法人三税は累計270兆円の減収であり、消費税の大半が法人税減収の穴埋めに使われ、社会保障は充実するどころか削られてきたのが実態です。これ以上、区民の暮らしと中小企業の営業を壊す消費税10%への増税はきっぱり中止するよう国に求めるべきです。答弁を求めます。  次に、原発再稼動の中止を国に要求することについてです。本年3月9日、大津地裁は、関西電力高浜原発3、4号機の運転差し止めを求めた訴えを認め、稼動中の原発に対して初めて2基の運転を差しとめる仮処分決定を出しました。福井県に隣接する滋賀県の住民29人の訴えを認めたもので、画期的です。福島原発事故の原因が解明されていない中で、地震・津波への対策や避難計画に疑問が残ると指摘。安全性に関する関西電力の証明は不十分と判断しました。関西電力は、昨日、営業運転中の3号機を停止しました。仮処分決定は、安全性の立証責任は資料を持つ電力会社側にもあるとし、十分に説明できない場合は、その判断に不合理な点があると推認されるという立場をとり、東京電力福島第一原発事故の重大性を踏まえ、原発がいかに効率的でも、事故が起きれば環境破壊の範囲は国境を越える可能性すらあると指摘しました。今回の決定は、稼動中の運転停止が現実に可能になったもので、過去に例がなく画期的です。地元の福井地裁でなく、滋賀の大津地裁で出たことに、九州に例を取れば、再稼動している九州電力川内原発については鹿児島県だけの問題ではなくなってきます。  先日、テレビで、原発事故から5年がたった今日の状況を特集していました。福島第一原発事故の直後に、放射能汚染で農業ができなくなり、みずから命を絶った樽川さんという方の息子さん、和也さんが取材に応じて、「亡くなる前日に、父親は、おまえを農家に継がせることにした自身の考えについて、間違った判断をしてしまった」とうつむいたそうです。その翌日、「原発さえなければ」と書き置きをして自殺したのです。  福島原発事故による関連死は1400人にも及んでいます。「原発依存をやめるべきだ」の声は、54%と国民の過半数を超えています。区長、事故が起きれば環境破壊の範囲は国境を越える可能性があります。原発の再稼動中止を国に求めるべきです。明確な答弁を求めます。  次に、安保関連法、戦争法についてです。安倍首相は、憲法第9条第2項を変えると公言してはばかりません。断じて許すことはできません。安倍政権は昨年9月19日未明、多くの人たちが憲法違反と反対した戦争法案、安保関連法案の採決を強行しました。戦争法、安保法制は内容の面で、憲法9条を踏みにじって自衛隊の海外での武力行使を行う仕組みを幾重にも盛り込まれている違憲立法です。さらに、やり方の面で、戦後60年余にわたる憲法第9条のもとでは集団的自衛権を行使できないという政府の憲法解釈を、一内閣の勝手な判断で180度覆すという立憲主義の破壊が行われました。戦争法は、内容もやり方も二重に憲法違反であり、廃止するしかありません。  憲法第9条は、「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇または武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない」と規定しています。どこから見ても、集団的自衛権の行使は、憲法上許されないことで、戦争法、安保関連法は憲法違反であることは明白です。憲法遵守義務のある区長として、合憲か、違憲か、どう判断するのか、明確に答弁願います。  次に、指定管理者制度についてです。港区は、区の施設の管理運営について指定管理者制度を導入し、丸投げしてきました。武井区長は2004年に区長に就任しました。その後、国が公の施設を民間にも運営させることができる指定管理者制度をつくりました。区は、2006年4月から特別養護老人ホームや高齢者在宅サービスセンター、区営住宅、自転車駐車場などの施設に指定管理者制度を導入させ、ことし2月段階で114施設へと丸投げを拡大しました。もともと区が直接、施設の管理運営を行っていたわけですが、かかわらなくなって10年たつ施設も出てきました。区職員のノウハウは既になくなったと言わざるを得ません。仮に指定管理者が廃業したり業務遂行が困難になった場合、どのように区民施設を運営していくのか、重大問題です。指定管理者制度を抜本的に見直し、区が直接責任を持つようにすべきです。答弁を求めます。  次に、リーブラの図書選定についてです。「リーブラではいろいろな講演会等が行われています。講演会に参加された方が、講演会の講師の方の本を借りたいと思ったら、本が置いてありませんでした。他の図書館にあるリクエストカードも置いていないので、リーブラの図書室にも他の図書館のように予約カード・リクエストカードを置いてほしい」と区民から要望がありました。リーブラの図書の選定は、毎月指定管理者の事業担当職員が購入希望の本をリストアップし、事業コーディネーター職員とサブリーダーが資料室に適した書籍を決定しているとのことです。リーブラの図書館資料室は、男女平等参画センターの性格上、特定の分野の図書になるため、区民からのリクエストは受け付けていないとのことです。  リーブラには、図書・資料収集方針及び選択・破棄基準があり、選択基準に基づいて職員の合議で行う。また、利用者の要望を把握し、反映するルールになっているのに実施されていません。広く利用者の要望を反映させるためにもリクエストカード・予約カードを置くべきです。答弁を求めます。  次に、消防団員の処遇の改善についてです。みずからの地域はみずから守ると、消防団の皆さんは、自分の仕事、生活があるにもかかわらず、高い志と使命感で活動されています。しかし、その役割と任務の重要さからして、その報酬は低過ぎます。消防団員の皆さんは、「報酬の低さや高さではない」と言われますが、果たしている役割から決めるべきだと思います。特別区と東京都の市を比べると余りにも開きがあり過ぎます。市の消防団と23区の消防団とは役割が違うと言うかもしれません。しかし、生業をお持ちになって献身的に活動されているのは同じです。  2013年12月に、消防団を中核とした地域防災力の充実強化に関する法律が定められました。第13条では消防団員の処遇の改善が規定されています。ここでは、「国及び地方公共団体は、消防団員の処遇の改善を図るため、出勤、訓練その他の活動の実態に応じた適切な報酬及び費用弁償の支給がなされるよう、必要な措置を講ずるものとする」としています。この法律の趣旨からしても、大幅な引き上げは当然だと思います。東京都に報酬の引き上げを要請すべきです。答弁を求めます。  次に、喫煙場所の整備についてです。みなとタバコ対策では、受動喫煙防止対策を「喫煙所は、床を線で囲む、壁で囲む等により喫煙範囲を指定します。公共の場所にいる人に煙を吸わせることがないようにします」と規定しています。しかし、現在設置されている指定喫煙場所は歩行者にまとめて煙を吸わせるもので、受動喫煙防止に逆行するものです。東京都と公益財団法人東京都環境公社が新虎通りに設置する予定の排気設備がある密閉型の「マルチエコスポット」を参考にし、設置可能なところから進めていくべきです。答弁を求めます。  次に、生活保護世帯でも大学進学ができるように、国に働きかけることについてです。貧困が社会問題になっています。その中でも貧困の連鎖が注目されています。来年度予算では、子どもの未来応援施策として、生活保護世帯の学習塾代の支給対象者を高校生まで拡大し、学習塾へ通うための交通費を新たに支給しますとなっています。貧困の連鎖を断ち切る一歩につながります。しかし、生活保護世帯では大学進学は認められていません。生活保護世帯でも大学進学ができるように、国に働きかけるべきです。答弁を求めます。  青山地域に特別養護老人ホームの建設についてです。今度購入する南青山一丁目用地は、「保育園等に活用する予定」との答弁でした。赤坂七丁目に都営住宅跡地があります。すぐそばには閉鎖になった公務員住宅があります。南青山五丁目には解体中の農林省共済会館・職員寮、南青山一丁目には健保会館・はあといん乃木坂跡地、南青山四丁目には、廃止になったホテルフロラシオン南青山などの用地があります。  特別養護老人ホームの1月末の申込者は397名です。1年間に入所できる人は160名前後ですから、6割の方が1年待っても入れません。区長は「特別養護老人ホームは23区で一番の整備率」と言いますが、待っている方に対しての説得力はありません。介護保険条例第2条は、みずからの選択に基づき、必要なサービスを受けることができるとし、第3条で区は、介護サービス基盤の整備に努め、区民が適切なサービスを利用できるよう努めると規定しています。区民が特別養護老人ホームを申し込んだら、区は入所させる責任があるのです。早急に、南麻布四丁目の次の計画をつくるべきです。答弁を求めます。  認知症高齢者の見守りについてです。認知症の人を社会がどう支えるかが社会問題になっています。認知症を地域全体で見守る活動をしている福岡県大牟田市の取り組みが注目されています。行方不明者が発生した場合、家族から連絡を受けた警察や市役所が地域のネットワークに連絡し、地域住民が認知症の方を探すことに参加しています。認知症をめぐる地域の意識を高めるための訓練も毎年行われています。平成26年度決算委員会で地域包括支援センターや警察、最寄りの駅、コンビニなどの協力を得て、早期発見につながる仕組みづくりを早急に行うよう質問しました。検討するとの答弁ですが、改めて早期発見のためのネットワークづくり、早期発見のための訓練など早急に行うべきです。答弁を求めます。  次に保育園は公設公営で整備することについてです。補正予算に保育園用地として、元麻布二丁目と南青山一丁目の土地の購入が提案されました。4月入園希望者2,125人のうち、1次発表で不承諾が841人でした。本日の2次発表でも515人が不承諾です。  保育園の建設が急がれます。これまでも待機児童解消で民間の保育園がつくられましたが、いずれもビルの一室で、プール遊びができない、園庭がないなど新たな課題が出ています。同時に保育士不足、保育士の賃金の安さ等の問題があります。港区でも保育士が集まらないために定員数を減らした事例がありました。区内の私立認可保育園、緊急暫定保育施設の平均の勤務年数と離職者数を調べていただきました。一番勤務年数が低いのは約1年、平成27年4月から平成28年1月までの10カ月間で、離職が多い園で13人中11人、19人中13人、11人中7人と、離職者数の多い園が複数見られました。安定した保育士の確保、若者の雇用確保のためにも、今回購入する保育園用地については、公設公営で整備すべきです。答弁を求めます。  次に、「ちぃばす」の改善についてです。青山ルートの日赤周辺の路線変更については、2月に開かれた港区地域公共交通会議で承認されたとのことです。これによって南青山七丁目バス停が廃止されてしまいます。このバス停は利用者も多く、とりわけ西麻布二丁目の住民にとっては、なくてはならないバス停です。南青山七丁目、西麻布バス停は、少し移動したとしても残すよう、路線を再検討すべきです。  次に、芝浦車庫と田町駅東口間を走る「ちぃばす」を、藻塩橋バス停に停車させることについてです。藻塩橋バス停前にはピーコックストアーがあり、芝浦地域の皆さんが生鮮三品をはじめ生活必需品を買う貴重なところです。田町駅東口での停車時間を工夫すれば、藻塩橋バス停の停車は可能です。早急に藻塩橋バス停への停車を決断すべきです。それぞれ答弁を求めます。  次に、命と健康を守るためのアスベスト対策についてです。毒性が強く、吸い込むと肺がんや中皮腫を引き起こすことから、悪魔の鉱物と言われるのがアスベストです。港区は、東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けての建設ラッシュや、各地での再開発ラッシュもあります。当然解体があることからアスベストの被害が心配されます。近隣住民、来訪者、現場労働者、検査に行く区職員の命と健康を守る対策は、一刻の猶予もなりません。1)環境課の体制、環境指導・環境アセスメント担当を抜本的に許可すること。2)50平米以上の建築物の解体については、大気中のアスベスト濃度の測定を義務づけること。3)現場検査に不可欠な電動ファンつき呼吸用保護具を至急購入すること。4)簡単にアスベストの含有が測定できる携帯用アスベストアナライザーを購入すること。5)アスベストの飛散濃度を測定できる繊維状粒子自動測定器リアルタイムファイバーモニターを購入すること。答弁を求めます。  次に、図書館のリサイクル本の有効活用についてです。予算特別委員会での質疑を聞いていて、改善が進んでいないことがわかりました。1)保育園、幼稚園、児童館等々、各施設の図書購入予算を増やすこと。2)区立図書館のリサイクル本、特に児童図書を有効に活用するためには、情報の提供と本を運ぶ手だてが必要です。関係部署で相談し、必要な本が必要なところに届くようにすべきです。それぞれ答弁を求めます。  次に、マスコミでも特集されている、小・中学校の運動会組体操についてです。けがや事故が全国的に起きています。組体操での7段とか10段とかの高いピラミッドの件です。一番に考えるべきは、子どもたちの安全です。同時に、機械的に全て組体操をやめてしまうのは極端すぎると思います。安全を第一に、児童・生徒が楽しめ、体の発達にプラスになり、達成感も味わえる工夫が大事だと思います。学校とよく協議することを前提に、今後の方向を検討していただきたいですが、答弁を求めます。  次に、小・中学校へのウォータークーラーの設置についてです。繰り返し設置を求めていた中で、全ての小・中学校にウォータークーラーが設置されるとともに、自動洗浄機能つきとなりました。しかし、児童・生徒の人数に見合うものになっていません。芝浦小学校の児童数は新年度には1,000人を超えますが2台しか設置されていません。また、児童数が500人を超えている高輪台小が1台、青南小2台というのも少なすぎます。中学校も同じ状況です。早急に児童・生徒に見合ったものを設置すべきです。当面、芝浦小学校については夏までに児童数に見合う台数を設置すべきです。答弁を求めます。  次に、義務教育の無償化についてです。義務教育無償化を進めている自治体があります。憲法第26条は義務教育は、無償とすると定めています。憲法第26条を実践している自治体が京都府伊根町です。給食費や教材費、修学旅行費など、義務教育にかかる費用の無償化を2015年度からスタートさせました。子どもの医療費も高校卒業まで無料にしています。人口も財政規模も、港区と比べようもありませんが、それでも厳しい財政の中から、義務教育にかかる費用を無償にしていることは、すばらしいことだと思います。その他にも給食費や修学旅行費の父母負担をなくす自治体が増えています。子どもたちの成長にとってかけがえのない小・中学校生活、お金の心配なく勉学に運動に取り組める環境を与える必要があるのではないでしょうか。港区でも義務教育にかかる費用の父母負担をなくすべきです。答弁を求めます。  次に、赤坂中学校の建替えについてです。赤坂には仮校舎用地として1つの広い土地はなかなかありません。旧三河台中学校の処分が早過ぎました。赤坂中学校の建替えははっきりしていたのですから、先を見据えた対策が必要でした。敷地は2つになりますが、赤坂七丁目の都営住宅跡地、そのすぐそばにある閉鎖された公務員住宅の両方を活用することを検討すべきです。答弁を求めます。  以上で質問は終わりますが、答弁によっては再質問することを申し添えて終わります。 ○委員長(清原和幸君) この際、お諮りいたします。議事の運営上、時間を延長したいと思いますが、ご異議ありませんか。                (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○委員長(清原和幸君) ご異議なきものと認め、時間は延長されました。 ○区長(武井雅昭君) ただいまの共産党議員団を代表しての大滝実委員の総括質問に順次お答えをいたします。  最初に、消費税の増税中止を国に求めることについてのお尋ねです。  国は、消費税率を10%に上げる際の軽減税率制度の導入を盛り込んだ税制改正関連法案を、先月5日閣議決定し、現在国会において審議中です。区といたしましては、消費税増税の実施を中止するよう国に申し入れることは考えておりませんが、区民生活や区政に与える影響などの情報収集に努めるとともに、今後も国の動向を注視してまいります。  次に、原発再稼動の中止を国に求めることについてのお尋ねです。我が国のエネルギー政策は、国民的議論を踏まえ、原子力発電のあり方も含め、国の責任において取り組むもので、原子力発電所の稼動に関しても、国による十分な安全審査を経て行われるべきものです。こうしたことから、区として、原発再稼動の中止を国に求めることは考えておりませんが、引き続き平成26年4月に閣議決定された新たなエネルギー基本計画に沿った国の動向を中止するとともに、区においては、エネルギー消費量の抑制や再生可能エネルギーの利用促進を積極的に推進してまいります。  次に、安全保障関連法に対する認識についてのお尋ねです。区長も公務員として憲法を尊重し、擁護する義務を負っておりますが、その権限に法律の合憲・違憲を判断することは含まれておりません。したがいまして、安全保障関連法が憲法に反するかどうかについて、私がお答えする事柄ではないと考えております。  次に、指定管理者制度についてのお尋ねです。区では、民間事業者などが持つノウハウやアイデア、専門性などを活用することにより、多様化する区民ニーズへの柔軟かつ迅速な対応や、効率的で効果的な区民サービスの提供が可能となる施設について、指定管理者制度を導入してまいりました。また、これまで制度の改善に取り組み、施設利用者の安全・安心の確保やサービス向上のため、指定管理者による管理運営が適切に行われるよう定期的にモリタリングを実施し、事業者を指導・監督しております。今後とも指定管理者制度を活用し、区が責任を持って安全で安心できる施設の運営と、利用者サービスの維持向上に努めてまいります。  次に、リーブラの図書選定についてのお尋ねです。リーブラの図書資料室は、男女平等参画に関する専門的な図書や資料を購入・所蔵しております。今後、男女平等参画関連図書をさらに充実させるため、リクエスト用紙を用意し、利用者の要望を反映するよう努めてまいります。  次に、消防団員の処遇の改善についてのお尋ねです。消防団員の報酬額は、各自治体の財政状況や消防団の活動内容などにより額に相違があります。東京都に報酬の引き上げを要請することは考えておりませんが、区といたしましては、ポンプ操法訓練等出動手当の支給や、福祉共済掛金の負担、親睦事業としての東京湾クルージングの実施など、さまざまな支援を行っております。消防団活動は大変重要なものであり、今後も引き続き、消防団員の意見や要望に可能な限り配慮してまいります。
     次に喫煙場所の整備についてのお尋ねです。区はみなとタバコルールを推進するため、喫煙場所の整備計画を大幅に前倒しし、喫煙環境の整備に取り組むことといたしました。屋外の喫煙場所につきましては、パーテーションや植栽により周辺環境に配慮したものとなるよう整備を進めております。喫煙者が多く集まるなど、煙が漏れないようさらに配慮が必要な喫煙場所につきましては、パーテーションの形状の改善や設置場所の見直しを検討してまいります。屋外に設置する密閉型の喫煙場所につきましては、東京都が設置する喫煙場所の管理運営状況などを調査・研究してまいります。  次に、生活保護世帯でも大学進学ができるよう国に働きかけることについてのお尋ねです。生活保護制度では、高校で習得した技能や知識によって、働く能力の活用を求められており、生活保護を受けながら大学や専門学校に進学できないことになっております。生活保護制度の見直しは、国の社会保障審議会に専門の部会が設置され、検討された結論を踏まえ、国の責任において決定するものです。現時点で国への働きかけは予定しておりませんが、今後とも生活保護制度の見直しに向けた国の動向を注視してまいります。  次に、新たな特別養護老人ホームの建設計画の策定についてのお尋ねです。区はこれまで特別養護老人ホームを8施設、729床を計画的に整備し、さらに港区基本計画に基づいて平成32年3月の開設を目指し、南麻布四丁目第二用地に定員100名の特別養護老人ホームの整備を着実に進めております。現在、新たな特別養護老人ホームの建設計画はありませんが、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるよう、介護予防も含め、在宅介護を支援する小規模多機能型居宅介護施設やサービスつき高齢者向け住宅の整備など、総合的な高齢者施策の充実を図ってまいります。  次に、認知症高齢者の見守りについてのお尋ねです。現在区では、認知症高齢者が徘徊で行方不明となった場合、警察への届け出とともに、高齢者相談センターへ連絡をいただき、東京都を通じて各市町村へ一斉周知をしております。また区では、平成27年7月に東京都が株式会社セブン−イレブン・ジャパンなどと締結した、日常業務をしながら高齢者等の見守り活動を行う、ながら見守り連携事業の包括協定に基づき、個別協定締結に向け検討を進めております。今後も認知症高齢者が安心して暮らせるよう、区、警察などの行政機関はもとより、民間事業者やこれまで養成してきた認知症サポーターをはじめとした地域住民による早期発見の仕組みづくりを検討するとともに、認知症高齢者を地域で見守る意識啓発にも取り組んでまいります。  次に、保育園は公設公営で整備することについてのお尋ねです。元麻布二丁目と南青山一丁目の用地につきましては、それぞれ麻布地区、赤坂地区での行政ニーズなどの動向を踏まえ、保育需要などに対応するための活用を図ってまいります。新たに区立認可保育園を整備する際には、休日保育や夜間保育など、多様な保育需要に対応するため、原則として指定管理者制度の導入を検討してまいります。  次に、「ちぃばす」の改善についてのお尋ねです。まず、青山ルートについてです。青山ルートは、地域住民の要望を踏まえて、運行時間の定時制や速達性、利便性の改善を図るためルートを変更いたします。この変更に伴い、現在の南青山七丁目バス停を利用できなくなることから、表参道方面へは西麻布四丁目または南青山六丁目バス停をご利用いただくことになります。また、六本木方面へは、西麻布バス停と南青山七丁目を統合して、新たに西麻布二丁目バス停を設置いたします。今後の運行改善につきましては、変更後の運行状況や利用状況、利用者の意見などを検証してまいります。  次に、藻塩橋バス停の停車についてのお尋ねです。芝浦車庫発着便は、田町ルートの一部として同じ区間を重複して運行しております。このため、藻塩橋に新たに停車すると、藻塩橋停留所に往路・復路で2度停車することになり、田町ルートの運行時間に影響を与えることから、調整が困難であると考えております。  次に、アスベスト対策についてのお尋ねです。まず、環境課の体制についてです。アスベストの指導業務については、石綿の届け出漏れや除去漏れなどがないよう、十分な確認を行うよう、届出件数の状況を見ながら、検査体制を柔軟に運用し、対応してまいります。  次に、アスベスト濃度の測定についてのお尋ねです。アスベスト濃度の測定については、吹きつけアスベストなどを使用している建築物等、大気汚染防止法が適用される工事について、義務づけられております。法適用対象外も含め、50平方メートル以上の建築物全ての解体の際にアスベスト濃度測定を義務づけることについては、効果などについて、他の自治体の状況等を調査・研究してまいります。  次に、電動ファン付呼吸用保護具の購入についてのお尋ねです。電動ファン付呼吸用保護具については、職員の安全管理の上からも購入します。  次に、測定機器の購入についてのお尋ねです。ご指摘の建材等のアスベスト含有が測定できる携帯用アスベストアナライザー及びアスベストの飛散濃度を測定できる、繊維状粒子自動測定器リアルタイムファイバーモニターについては、機器の性能や使用における有用性について調査・検討してまいります。  最後に、保育園、児童館などの図書館購入予算の増額についてのお尋ねです。現在、区立認可保育園、児童館、子ども中高生プラザなどにおける図書につきましては、子どもたちの創造力や思考力、集中力の向上につながり、子どもたちの興味を引きつける、年齢に応じたさまざまな図書を購入しております。今後も図書の需要を把握し、図書の購入予算を適切に措置するとともに、図書館のリサイクル本も有効に活用し、子どもたちが図書に親しめる環境の充実に努めてまいります。よろしくご理解のほどお願いをいたします。  教育にかかわる問題については、教育長から答弁いたします。 ○教育長(小池眞喜夫君) ただいまの共産党議員団を代表しての大滝実委員の総括質問に順次お答えいたします。  最初に、図書館のリサイクル本の有効活用についてのお尋ねです。図書館では、買い替えなどで不要となった本のうち、状態のよいものについて、リサイクル本として、平成27年度は、児童図書約3,000冊を保育園・児童館等約50施設へ提供しております。各施設へは、本の提供を案内するとともに実際に本を見て選んでいただき、希望された区有施設へは配送もしております。今後とも図書館のリサイクル本の有効活用を図られるよう、関係部署と協議してまいります。  次に、小・中学校の運動会組体操についてのお尋ねです。組体操は、体つくり運動のねらいの達成とともに、集団で1つの作品をつくり上げ、達成感や連帯感を育むことができる、教育的効果が高い運動会種目の1つであるとされています。実施するにあたっては、無理のない指導計画のもと、管理職を含め、複数の教員が補助をするなど、児童・生徒の安全確保に最大限努めるよう指導しております。区といたしましては、今年度末までに出される予定の文部科学省や東京都の組体操の指導方針を踏まえ、学校の意見も聞きながら、区として組体操の方向性を検討してまいります。  次に、小・中学校へのウォータークーラーの設置についてのお尋ねです。各学校のウォータークーラーについては、今後も適切に維持や更新を行ってまいります。設置台数につきましては、各学校の意向なども聞きながら対応を検討してまいります。また、学校の改築や大規模改修時において、全ての水道栓からおいしく冷たい水が供給できるよう、直結方式に見直しすることなども検討してまいります。なお、芝浦小学校につきましては、既に水道栓は直結方式となっています。  次に、義務教育の無償化についてのお尋ねです。全ての就学にかかる費用を区が負担することは困難ですが、今後も引き続き、区独自に小・中学校で使用する補助教材費や宿泊行事における体験学習費、米飯給食で使用する精米などを一部公費負担することにより、保護者の義務教育にかかる負担の軽減を図ってまいります。  最後に、赤坂中学校の建替えについてのお尋ねです。赤坂中学校の仮校舎につきましては、現在、PTA会長や地域の代表の方々が検討会を設置し、ご意見を伺いながら検討を進めております。ご提案いただきました赤坂七丁目の都営住宅跡地の用地などにつきましては、情報収集に努めてまいります。よろしくご理解のほどお願いをいたします。 ○委員(大滝実君) 幾つか再質問させていただきます。  1つは、消費税の大増税中止を国に求めることについてですけれども、今、安倍首相は、リーマンショックや大震災のような重大な事態が発生しない限り確実に実施すると答弁して、この重大な事態が何を示すかについて、世界経済の大幅な収縮と説明しています。それと同時に、菅官房長官の場合は、増税しても税収が上がらなくては意味がない、世界経済だけでなく、国内の景気要因で税収が落ち込む場合にまで言及しているような状況です。今、経済界からも、上げるべきではない、中止すべきだということで、日本チェーンストア協会の清水信次会長などは、凍結をというような声も出しております。あるいは内閣官房参与の本田悦朗さんからも、引き上げについては凍結すべきだという声が出ています。今の経済状況、特に区民の暮らし、あるいは営業、こういった面からすれば、今上げるべきではないわけで、ぜひとも、区長として声を上げてほしいと。これは非常に大きなインパクトになりますので、ぜひ、お願いしたいと思います。時間がもうありませんので、1点だけお願いします。 ○区長(武井雅昭君) ただいまの共産党議員団の大滝実委員の再質問にお答えいたします。消費税の増税の中止を国に求めることについてのご質問です。再質問の内容にありましたように、消費税増税の環境について、さまざまな議論がなされていることは承知しております。区といたしましては、そうした議論も含めた国の動向を注視するとともに、また、地域経済の実態などをしっかりと把握し、区民への影響、そういったものに対して、区としての対応についても検討してまいります。よろしくご理解のほどお願いをいたします。 ○委員(大滝実君) これで質問を終わります。 ○委員長(清原和幸君) 共産党議員団の総括質問は終わりました。     …………………………………………………………………………………………… ○委員長(清原和幸君) 次に、保守の会、赤坂委員。 ○委員(赤坂大輔君) 日本を溶解せしめる国際化について、私自身、安易な国際化には反対なので、この質問をあえて取り上げさせていただきました。多くの伝統が社会の変化に合わせることで死にました。今回の質疑の中でも、委員も、行政側からの返答にも、伝統文化を大事にするという言葉がよく出てくるんですね。では、伝統って何なのかと言ったとき、伝統は長ければ長いほどとうといというのは、なぜかと言うと、多くの方の英知が、先人たちの英知が詰まっているからこそ、長く続いたのだろうという理解のもとで、伝統は長ければ長いほどすばらしいという理解なのだろうと思います。世界最長の伝統というのは皇統です。万世一系、父方だけで継承してきて、125代、2676年続いてきたというのが、国家の公式見解です。2676年かどうかというのは、これも後で検証すればいいことであるかもしれませんが、少なくとも1500年は続いていると。125代目が父方だけで継承していると、がゆえに、苗字も姓もないということです。これを国連勧告で差別だということが、一昨日、国連女子差別撤廃委員会から指摘されそうになったけれども、日本側の抗議で撤回されたと。本当に空恐ろしい気がいたします。  比叡山延暦寺には不滅の法灯という、伝教大師最澄が1227年前につけた炎がいまだについています。毎日なたね油を付け加えて、1度も消えたことがない。これを危ないからランプにしましょう、電気にしましょうとなっては、不滅の法灯ではなく、電気初日になるわけです、翌日から。世界最古の木造建築物の法隆寺、これが地震があるから鉄筋にしましょうって、世界最古の木造建築物の価値がなくなるわけです。このようなことで、一瞬にして崩れてしまうんだという恐ろしさを常に感じていなければいけないと思うのです。一般社会の法律やルールや風潮や流行と、文化、伝統、儀礼、祭事は一致させることはないと私は考えているわけです。  例えば、大相撲、黒と白と青と赤の4つのふさがあります、あれは結界なんです。もともと柱があったんですけれども、テレビ中継にあわせて結界にした。ああいう簡易な、物理的には本当に無防備な結界というものを日本人は守る知性と品性があった。前々理事長の武蔵川親方、元横綱三重ノ海が言っていたということが、内館牧子さんの著書でありましたが、某女性議員が、「今、誰も見てないから、理事長、乗っていいかしら」と言ったらしいですね。そのとき武蔵川親方は「この女に塩ぶっかけろ」と言って一喝して、その方は逃げていったということがあります。その後、武蔵川親方は、もし本当にその女性が土俵に上ったとしたら、自決する覚悟でしたということを言っていました、それぐらいの思いを持って、当事者たちはやっているということです。  そして、この国際化で港区が窓口だということをよくおっしゃっていますが、例えば、この訪日外国人が今一番訪れる場所は、2位が広島原爆ドームで、1位が伏見稲荷大社だということです。伏見稲荷大社って今どうなっているかと言うと、手水舎、要するに清めるところですが、あそこで外国人がうがいをする、顔を洗う、子どもを水着にして泳がせる、鳥居を鉄棒に見立ててうんていをして競う、フェイスブックに載せる、爆買いしたお守りをコンビニの袋にねじ込んで、参道に座ってコンビニ弁当を食して、狛犬にまたがって写真撮影をしている。これを日本人が注意できないという異常な光景になっているということです。  これはなぜなんだろうと。私たちが海外旅行へ行ったとき、私別にクリスチャンではないですけれども、教会に行ったときは、それなりの静ひつとそれなりの服装をして行きますよ。日本にモスクとか建造物ありますけど、そこに行ったとき、私別にムスリムではないですけど、女房と行きましたけど、男女別に離されまして、入るところは違いまして、女房はベールをかぶせられていました。差別だとも思わないし、それはそのようなものだという、私は心ののりを持って接する。  外国人がなぜそうなのかというのは、日本人のそういう神秘みたいなものがわからない、情緒の欠けている部分ばかりではなくて、日本人自身が説明できないというのが決定的なのだろうと。そもそも日本人自体がわかっていない。神社の話ばかりになっていますけれども、一番身近でわかりやすいと思いますけれども、祭事を神事だと思っていない、フェスティバルだと思っている。赤の汚れ、黒の汚れ、白の汚れも何もわかっていないで毎日参拝する人もいる。その部分を、日本人自体が教えていかなければいけないと。  今、英語教育の話もいろいろ出ていましたけれども、この内容を伝えるためには通訳が要ります。だから、英語をしゃべれる人は必要です。ただ、通訳する人ばかりを養成するのではなくて、内容を話せる人を教育するのが教育だと私は思っているのです。この間、スーモという雑誌で、23区の英語教育の時間が載っていましたけれど、港区が四百十数時間、2位が世田谷かどこかで200時間だったかな、突出して多い、本当にもったいないと思います。一番は母国語を伸長させなければいけない、母国語のボキャブラリー以上の思考は人間はできませんからね。そのときに本当に英語を四百数時間詰め込まれているというこの残念さ。私は体育が好きだったので体育をやってほしいし、国語・算数・理科・社会ですよ。不易流行という言葉がありますが、国語・算数・理科・社会というは100年後も教えているはずです。だけれども、英語というのは恐らくここに端末でもつけて、しゃべった瞬間に英語に変換できるという端末が発達すれば、その時点で、義務教育の科目から外れるはずです。このようなものが義務教育の資格を有しているかということは本当に疑問に思います。元同僚の二島君なんて私の隣にいましたけど、「だいちゃん、おもしろい本あるよ」って見せてくれましたけど、その本の帯には「英語がしゃべれてもバカはバカ」ってありました。  日本の日本たらしめてきたものの伝統、一瞬にして崩れるデリケートなものなのだという思いを、日本人は常に思っていなければいけないと思います。伝統には伝統ならではのおきてがありまして、それは非合理的なものであるかもしれません。一般社会の法律やルール、風潮、流行と合わなくなることも多々ありますけれども、しかしながら、それを内包するのが成熟した国家なのだと私は信じてやみません。  質問ですが、区長はじめ、行政各機関が軽佻浮薄な国際化にくみしているわけでないことは重々承知しております。施策にも日本の伝統文化重視の思いが反映されていることにご評価申し上げますが、改めて日本を日本たらしめてきた伝統文化の精神を護持する思いについてお伺いしたいと思います。 ○区長(武井雅昭君) ただいまの保守の会の赤坂大輔委員の総括質問にお答えいたします。  日本の伝統文化を守ることへの認識についてのお尋ねです。外国人に我が国の伝統文化の本当の価値を伝えるためには、私たち日本人が伝統文化を守り、深く理解する心を持つ必要があります。区はこれまでもこうした認識に立ち、伝統文化を守り伝えるため、日々活動している団体の育成や、区民がみずからも参加する機会の創出に取り組んでまいりました。さらに本年度は、区内で愛され続けてきた伝統の和菓子などの魅力を、外国人に伝える事業を開始し、来年度からは、この取り組みを、外国人に伝統芸能を紹介する事業として発展させ、展開をしてまいります。世界じゅうから港区を訪れる外国人に、日本の伝統文化の価値を正しく伝えることは、私たち日本人がみずからの歴史や伝統を自覚し、後世に伝えていく取り組みにもつながる意義深いものと考えております。よろしくご理解のほどお願いをいたします。 ○委員(赤坂大輔君) よろしくお願いいたします。自国のことをわかってこその国際人で、それを理解していない日本人に興味を持つ外国人というのは、何らかのやましい気持ちがあっての近づいてくるということですね。日常、AKBとかアイドルの話しかできない人が英語をしゃべれた瞬間に、バッハやモーツアルトのことを語れるわけはないですよ、それ以上になることはないわけですよ。国際人になって何を語るのかと。語る内容がないのだったら、昔の日本人みたいに寡黙に微笑んでいたほうがよっぽど国益にかなうと思います。本当は教育費でやるべきだったのですが、時間も残っているけれども、いずれにしましても、日本を日本たらしめてきたものを守るということを、今後ともよろしくお願いして総括質問を終わります。ありがとうございました。 ○委員長(清原和幸君) 保守の会の総括質問は終わりました。     …………………………………………………………………………………………… ○委員長(清原和幸君) 次に、街づくりミナト、玉木委員。 ○委員(玉木まこと君) 平成28年度予算特別委員会にあたりまして、街づくりミナト玉木まことより、総括質問させていただきます。  初めに、工事等における住民説明会の開催方法について質問いたします。現在、施設整備などの新しい事業の実施や工事などが行われる際には、近隣町会などに依頼して掲示板に説明会開催案内を掲示してもらうなど、近隣住民への周知に努めていただいていると思います。こうした町会等住民組織との関係は、参画と協働の側面からも重要ですし、丁寧な取り組みを今後も継続していただきたいと思います。新しい事業や工事と言ってもさまざまでして、更新するだけの事業もあれば、よくも悪くもこれまでの生活や利用に変化を及ぼす場合もあります。これまでは自転車で通行できた道が工事後に通れなくなる、そういったこともあります。こうした生活に影響する事業や工事の場合、事前に影響があることを十分に周知する必要があると思います。  私も先日、有栖川宮記念公園近くの補助9号線の説明会に参加しましたが、思いのほか参加者が少ない状況でした。長い間、歩道が狭かったため、区民の関心は高く、SNSで説明会の告知をしたところ多数のコメントをいただきました。説明会の参考例として、国土交通省は、羽田空港の機能強化について説明パネルを展示し、担当者が参加者の質問に対して説明し、意見等を聞くオープンハウス型の説明会を実施していました。これは説明員がずっと待機する方法ですので、多少コストもかかると思います。しかし、パネルによる説明は多くの方が目にしやすい方法だと感じました。区の全ての事業や工事とは言いませんけれども、例えば、補助9号線のように区民の生活に影響の多い事業や工事については、オープンハウス型のように、近隣施設や工事箇所に一定期間パネルによる周知をすることを実施してはどうでしょうか、区のお考えをお聞かせください。  次に、公園のベンチの整備のあり方について質問いたします。ベンチというと、紋切り型の3人ほどが横に並んで座るものをイメージされるかもしれませんが、そうしたベンチが点在するだけの公園では、なかなか有効な活用がされず、ホームレスの人の寝床になった場合には、近隣住民の要望から、ベンチに、ホームレスの方が寝られないように仕切りを設置するような対策をとっています。公園利用者が座ってゆっくりと時間を過ごせる環境は、都市のにぎわいにとって大切です。そのためには、紋切り型のベンチではなく、さまざまな行動を喚起する座れる環境が必要です。例えば、公園の境界を塀ではなくベンチとして見立てたり、高低差を利用して階段状のベンチにしたり、テーブルとセットのベンチ、川を眺められるベンチ、日なたぼっこに適した寝っ転がれるベンチ、ウッドデッキ状の長いベンチなど、公園や整備する環境と一体となった、ゆっくりと時間を過ごすことができる座れる環境をぜひ整備していただきたいと思いますが、ベンチ整備に対する区の考えをお聞かせください。  次に、特別支援学級の小・中学校の連携について質問いたします。先日ある保護者の方から、小学校の特別支援学級から中学校の特別支援学級への進学についてご相談をいただきました。これまで小学校の特別支援学級では、生徒一人ひとりの能力に合った教育をしていただき、家庭のような雰囲気のある環境で学習していたが、中学校の特別支援学級を見学した際に、小学校との雰囲気の違いに大変驚かれたそうです。特別支援学級の小・中学校の連携は大変重要なことで、既に教育委員会が障害のある児童・生徒一人ひとりについて、各小学校、中学校で、指導の目標や配慮事項などを示した個別指導計画の作成などに取り組んでいることは承知しています。そして、中学校では、より社会性を重視した教育が必要になることは理解できますが、これまでの家庭的な環境からいきなり一律的に集団参加や職業生活、作業学習に大きくシフトすることは、障害のある児童にとっては大変大きなインパクトがあると思います。中1ギャップは今は広く知られていますが、小学校と中学校それぞれの特別支援学級での教育指導の方針についてと、特別支援学級における中1ギャップについての区の考えをお聞かせください。  最後に、加熱式たばこへの対応について質問します。加熱式たばこについては、平成26年度決算特別委員会の環境清掃費の款でも質問させていただきましたが、今回の加熱式たばこは、飲食店等における取り扱いについて質問させていただきます。前回の質問で、加熱式たばこは火を使わないため、港区環境美化の推進及び喫煙による迷惑の防止に関する条例で定める喫煙の定義には適用できないことが明らかになりました。昨年以降、加熱式たばこは、家庭や職場において、においや煙の配慮ができることから、私の周辺の方も多く使用するようになってきています。もちろん、たばこ自体を推奨すべきではありませんが、一向に飲食店や公共空間で受動喫煙対策が進まない状況を踏まえると、加熱式たばこによる受動喫煙対策は一定の効果が期待できます。  そこで質問ですが、港区の飲食店等における受動喫煙対策の側面から、加熱式たばこへの区の対応及び現状の課題の認識についてお聞かせください。 ○区長(武井雅昭君) ただいまの街づくりミナトの玉木まこと委員の総括質問に順次お答えをいたします。  最初に、工事等における住民説明会の開催方法についてのお尋ねです。住民説明会の開催にあたっては、地域の皆様に開催案内を配付するとともに、区や町会などの掲示板でも周知を行っております。説明会に参加できない方からのお問い合わせについては、個別に説明するなど、適切に対応しております。今後、工事箇所沿道にお住まいの皆様や、その周辺を利用される方々にも、事業の内容がいつでもわかりやすく伝えられるよう、工事箇所に事業概要や完成予想図のパネル設置を検討するなど、きめ細かい周知に努めてまいります。  次に、公園のベンチの整備についてのお尋ねです。公園や児童遊園には、ゆったりくつろげる背もたれつきの木製ベンチをはじめ、健康づくりに役立つ背伸ばしベンチ、大勢で利用できるサークルベンチ、1人用のベンチなど、さまざまなタイプのベンチを配置しております。また、日なたや木陰、眺望のよい場所など、利用目的にあわせて最適な場所を選び設置しております。今後も形状や素材、デザイン、色彩などに配慮し、高齢の方や親子連れの方など、さまざまな人が安全で楽しく快適に利用できるベンチの整備に努めてまいります。  最後に、加熱式たばこへの対応についてのお尋ねです。加熱式たばこは、専用容器に入れたたばこの葉を高温で加熱し、たばこの成分を含む蒸気を吸入するもので、国内では平成25年に初めて発売されました。飲食店等では、屋外よりも受動喫煙の影響が大きく、より慎重な対応が求められます。加熱式たばこは煙が少ないとされていますが、屋内における受動喫煙の影響については十分な情報がなく、現在、国は有識者による検証を行っているところです。区は、今後、国の動向を注視するとともに、区として適切な対応が迅速に行えるよう情報収集に努めてまいります。よろしくご理解のほどお願いをいたします。  教育にかかる問題については、教育長から答弁いたします。 ○教育長(小池眞喜夫君) ただいまの街づくりミナトの玉木まこと委員の総括質問に順次お答えいたします。  最初に、特別支援学級の小・中連携についてのお尋ねです。まず、小・中学校それぞれの教育指導方針についてです。現在、小学校6校、中学校4校に特別支援学級を設置しており、小・中いずれにおきましても、子どもの特性や課題に応じたきめ細かな教育活動を行っております。その中で、小学校では、基本的な生活習慣の確立や学習に対する意欲の向上を基本教育方針とし、自立に向けた体験活動を重視しています。中学校では、基礎的・基本的な学力の定着と社会生活への適応を教育方針としており、職場体験や作業活動等を行っております。このように、小学校と中学校では、学習のねらいや学習内容は異なっており、中学校では、より自立や社会参加に向けた教育活動を展開しております。  最後に、特別支援学級における中1ギャップについてのお尋ねです。中1ギャップとは、中学校に進学した際に、新しい環境に移行する上での不安やストレスを抱える心理状態を言います。中1ギャップを解消するため、教育委員会では、特別支援学級連絡会を年間4回開催し、小学校での子どもの情報を中学校へ伝え、情報共有を行い、中学校進学への円滑な接続に努めております。また、小・中学校間で、互いの授業を参観し、指導方法や指導内容について、相互に協議を行っております。さらに、特別支援学級合同運動会では、子どもの発達段階に応じた競技などを行うことで、小・中の交流を図っております。今後も、小・中学校間の情報共有や協働学習を取り入れ、中1ギャップの解消に努めてまいります。よろしくご理解のほどお願いをいたします。 ○委員(玉木まこと君) ありがとうございます。以上で質問を終わりにいたします。 ○委員長(清原和幸君) 街づくりミナトの総括質問は終わりました。  以上にて総括質問を終わります。     ─────────────────────────────────── ○委員長(清原和幸君) これより平成28年度予算4案並びに一般会計予算に対する修正案、国民健康保険事業会計予算に対する修正案及び介護保険会計予算に対する修正案について、各会派の態度表明を行います。  初めに、自民党議員団を代表して、ゆうき委員。 ○委員(ゆうきくみこ君) 自民党議員団を代表して態度表明を行います。  初めに、大滝委員ほか3名の方から提案された、一般会計予算、国民健康保険事業会計予算介護保険会計予算の3つの修正案につきましては、財政規律の観点、金銭給付的な予算の使い方など、同意できる内容ではなく、いずれも反対いたします。  次に、武井区長から提案されました予算4案、「議案第32号 平成28年度港区一般会計予算」、「議案第33号 平成28年度港区国民健康保険事業会計予算」、「議案第34号 平成28年度港区後期高齢者医療会計予算」、「議案第35号 平成28年度港区介護保険会計予算」につきましては、いずれも原案に賛成いたします。 ○委員長(清原和幸君) 次に、みなと政策会議を代表して、七戸委員。 ○委員(七戸淳君) 修正案3案につきましては、財政的な不安定さを感じます。全て反対させていただきます。原案予算4案につきましては、私どもの質問や意見、そして、要望を加味していただくことを期待いたしまして、全て賛成いたします。 ○委員長(清原和幸君) 次に、公明党議員団を代表して、杉本委員。 ○委員(杉本とよひろ君) 公明党議員団を代表いたしまして、態度表明をいたします。  まず初めに、平成28年度予算修正3案につきましてですけれども、先ほど質疑を行いましたけれども、給付と負担の関係や、また、全ての財源を基金から賄うことは、財政規律上、また、財政運営の観点から見ても、かなり厳しい修正案と言わざるを得ません。よって、修正案には全て反対いたします。続いて、平成28年度予算4案につきましては、これからの港区の進む方向性が明確に示されており、積極的な予算編成となっております。平成28年度予算の審議におきまして、我が会派としての意見、質問、要望、そして提案を述べさせていただきましたが、これらが十分反映されるよう要望いたしまして、平成28年度予算原案4案につきましては、いずれも賛成をさせていただきます。 ○委員長(清原和幸君) 次に、共産党議員団を代表して、大滝委員。 ○委員(大滝実君) 日本共産党港区議員団を代表し、予算4案に対しての態度表明を行います。  国民、区民の暮らしは厳しさを増しています。GDPの昨年10月から12月期の改定値では、速報値よりも上方修正されたものの、前期比0.3%減、年率1.1%減となりました。特に個人消費が0.9%減で、速報値からも悪化しました。区が行っている景況調査でも景気の厳しさがにじみ出ています。雇用情勢から見ると、雇用は安定していると政府は宣伝しますが、現実は正規雇用が減り、派遣などの非正規雇用が大幅に増えています。2月の全国企業倒産で、負債総額は1,000万円以上の倒産件数は、東京商工リサーチ発表で前年同月比4.5%も増え723件、2月としては4年ぶりに前年を上回りました。これに加えて、安倍内閣は、来年4月に消費税を10%へ大増税をねらっています。さらに社会保障は、介護、医療、年金、生活保護など、改悪に次ぐ改悪です。こうした中、港区の来年度の予算をどう組むかが今問われています。予算案の中には、区民の運動や私たち共産党区議団が要求していた施策は、事業化されるなどの前進面はあります。しかし、この間の武井区長の政治姿勢を見ると、安保関連法、戦争法を廃止する署名への賛同は拒否、集団的自衛権の行使は憲法違反の認識を問うたところ、私が判断すべきことではないとの態度、原発再稼動に反対し、政府に再稼動中止を求めるよう提案しても、中止は求めない態度でした。区民の暮らしを直撃する消費税10%への大増税中止を国に求めるよう質問しても、国に中止は求めない態度です。武井区長の12年間に民間への区の仕事の丸投げが次々と進められ、ことし2月段階で114もの施設が指定管理者制度となりました。もともと区が直接責任を持っていた福祉施設、区民施設でしたが、区のノウハウはほとんどなくなってしまいました。重大なことです。  来年度予算に対して、私たちはさまざまな提案を行い、実施するよう求めました。しかし、精神障害者にも障害者福祉手当の支給をかたくなに認めようとしません。特別養護老人ホームの前倒し建設も行わず、国民健康保険料が高過ぎて払えない方に対して、資格証明書の発行をやめるよう質問しても、滞納額を決めて資格証明書を発行する姿勢です。その一方で、森ビルや大手不動産への市街地再開発では、来年度46億円も補助金を出すのです。大規模開発が次々と行われた結果、ずっと港区に住んでいた方々が転居を余儀なくされ、区内のクリーニング店、酒屋、理容店、八百屋は、ほぼ半分に減ってしまいました。これが港区政の実態なのです。私たちは区政の大もとを転換するために、全力で奮闘する決意です。予算4案には反対します。私たちが提出した予算修正案のご賛同を重ねてお願いいたしまして、態度表明といたします。 ○委員長(清原和幸君) 次に、保守の会、赤坂委員。 ○委員(赤坂大輔君) 修正案につきましては、高齢者の医療費ゼロ等、私の心情に反する部分もあり、全て反対いたします。  予算原案4案に関しましては、将来の港区をつくり上げるにふさわしい意欲的な予算編成をご評価申し上げ、賛成いたします。 ○委員長(清原和幸君) 次に、街づくりミナト、玉木委員。 ○委員(玉木まこと君) 街づくりミナトの態度表明をいたします。まず、修正案についてですけれども、再開発事業により、住みなれた方が港区を離れることの是非については、私も理解を示しますけれども、再開発事業によって生まれた新しいまち、文化などを受け入れていく姿勢が都市にとって必要と考えており、修正案については、全て反対いたします。  そして、平成28年度予算4案については、都市の抱えるさまざまな視点を踏まえており、また、区民の参画と協働についても新たなステージへの広がりを感じさせる内容であり、こうした点を評価し、4案に賛成いたします。 ○委員長(清原和幸君) 以上にて態度表明を終わります。     ─────────────────────────────────── ○委員長(清原和幸君) これより採決を行います。  採決の方法は起立をもって行います。初めに、「議案第32号 平成28年度港区一般会計予算」について採決いたします。まず、本案に対する大滝委員ほか3名から提出されました修正案について、採決いたします。本修正案について、可決することに賛成の方はご起立願います。                   (賛成者起立) ○委員長(清原和幸君) 起立少数と認めます。よって修正案は、否決されました。     ─────────────────────────────────── ○委員長(清原和幸君) 次に、原案について採決いたします。原案について、可決することに賛成の方はご起立願います。                   (賛成者起立) ○委員長(清原和幸君) 起立多数と認めます。よって「議案第32号 平成28年度港区一般会計予算」は、原案のとおり可決することに決定いたしました。     ─────────────────────────────────── ○委員長(清原和幸君) 次に、「議案第33号 平成28年度港区国民健康保険事業会計予算」について、採決いたします。まず、本案に対する大滝委員ほか3名から提出されました修正案について採決いたします。本修正案について、可決することに賛成の方はご起立願います。                   (賛成者起立) ○委員長(清原和幸君) 起立少数と認めます。よって修正案は、否決されました。     ─────────────────────────────────── ○委員長(清原和幸君) 次に、原案について採決いたします。原案について、可決することに賛成の方はご起立願います。                   (賛成者起立) ○委員長(清原和幸君) 起立多数と認めます。よって「議案第33号 平成28年度港区国民健康保険事業会計予算」は、原案のとおり可決することに決定いたしました。     ─────────────────────────────────── ○委員長(清原和幸君) 次に、「議案第34号 平成28年度港区後期高齢者医療会計予算」について採決いたします。本案について、原案のとおり可決することに賛成の方はご起立願います。
                      (賛成者起立) ○委員長(清原和幸君) 起立多数と認めます。よって本案は、原案のとおり可決することに決定いたしました。     ─────────────────────────────────── ○委員長(清原和幸君) 次に、「議案第35号 平成28年度港区介護保険会計予算」について、採決いたします。まず、本案に対する大滝委員ほか3名から提出されました修正案について、採決いたします。本修正案について、可決することに賛成の方はご起立願います。                   (賛成者起立) ○委員長(清原和幸君) 起立少数と認めます。よって修正案は、否決されました。     ─────────────────────────────────── ○委員長(清原和幸君) 次に、原案について採決いたします。原案について、可決することに賛成の方はご起立願います。                   (賛成者起立) ○委員長(清原和幸君) 起立多数と認めます。よって「議案第35号 平成28年度港区介護保険会計予算」は、原案のとおり可決することに決定いたしました。     ─────────────────────────────────── ○委員長(清原和幸君) 以上をもちまして、本委員会の審議は全て終了いたしました。  この際、私から一言ご挨拶申し上げます。  本委員会は、連日長時間にわたりました。通告された時間は、当初、1,890分に対しまして、審議時間は延べ1,827分でございました。非常に長い時間審議していただきました。委員の皆様方は、各分野にわたる幅広い角度から、精力的に審議を重ねてまいりました。限られた時間ではありましたが、区政の諸課題を捉えた大変有意義で深みのある質疑ができましたことに深く感謝申し上げます。  委員会運営に際しましては、円滑な運営に心がけておりましたが、円滑でない場面がありましたことを、この場をかりましておわびを申し上げます。  また、ちほぎ副委員長、熊田副委員長、各会派の理事の皆様並びに委員の皆様方のご理解に心から感謝を申し上げる次第でございます。また、武井区長をはじめ理事者の皆様方のご協力に厚く御礼を申し上げます。  以上をもちまして、私の挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。     ─────────────────────────────────── ○委員長(清原和幸君) これをもちまして、平成28年度予算特別委員会を閉会いたします。                 午後 5時22分 閉会...