港区議会 2014-03-03
平成26年度予算特別委員会−03月03日
平成26年度
予算特別委員会−03月03日平成26年度
予算特別委員会
平成26年度
予算特別委員会速記録(第2号)
平成26年3月3日(月) 午後1時開会
場 所 第3・4委員会室
〇出席委員(32名)
委員長 赤 坂 大 輔
副委員長 林 田 和 雄 樋 渡 紀和子
理 事 なかまえ 由紀 うどう 巧
鈴 木 たかや 横 尾 俊 成
二 島 豊 司 熊 田 ちづ子
古 川 伸 一
委 員 益 満 寛 志 やなざわ 亜紀
清 家 あ い ちほぎ みき子
土 屋 準 錦 織 淳 二
榎 本 茂 杉 浦 のりお
近 藤 まさ子 杉本 とよひろ
大 滝 実 阿 部 浩 子
平成26年度
予算特別委員会(理事会)
申し合わせ事項
1 本委員会は、実質審議日を9日間とする。
2 理事会
(1) 理事会は、委員会の運営に関する事項を協議し、理事会で決定した事項は各会派の責任において遵守する。
(2) 理事会は、必要に応じ適宜開会する。
3 理事は、委員会において、自会派の委員が3分の2以上出席しているよう努力する。
4 委員会日程は、1日目の日程を踏襲する。(2日目以降は、配付しない。)
5 各款ごとの審議日程及び基準審議時間は、別表のとおりとする。
6 委員会は、原則として午後1時に開会し、午後5時に終了する。
7 休憩及び審議上区切りの悪い場合、若干の時間延長は、正・副委員長に一任する。
8 資料要求については、正・副委員長で別途協議し、必要に応じて理事会に諮って決する。
9 質疑の方法
(1) 質問は事前通告制とし、別紙様式によって、原則として当該質疑の2日前までに、委員長に提出する。
なお、通告した質問項目以外の質問についても、「その他」として弾力的に対応する。
また、総括質問項目についても質疑前日までに委員長に提出する。
(2) 質疑は、あらかじめ調整された時間内で行う。
(3) 説明員の答弁は簡潔で要を得、質問に直接ふれる答弁となるよう事前に申し入れる。
10 時間の表示について
質問者が時間の経過を知るための表示機器を置くことができる。
11 審議手順
(1)
予算関係資料の説明を受ける。
(2)
一般会計歳入の説明と質疑を行う。
(3) 一般会計歳出は、款ごとに説明と質疑を行う。
(4)
国民健康保険事業会計、
後期高齢者医療会計及び
介護保険会計は、それぞれ歳入と歳出を一括して説明と質疑を行う。
12 説明と答弁
(1) 説明は、財政課長が行う。
(2) 答弁は、担当部課長を中心に行う。
13 行政委員の出席については、正・副委員長で別途協議し、必要に応じて理事会に諮って議長に要請する。なお、要請にあたっては、質問事項を具体的に明示する。
14 総括質問、態度表明の順序
自民党議員団、公明党議員団、
みなと政策クラブ、共産党議員団、一人の声、みんなの党、みなと無所属
15 委員会の座席について
別紙のとおりとする。
16
インターネットによる生中継及び録画配信について
(1) 全日程の開会から閉会までの生中継及び録画配信を行う。
(2)
インターネットによる生中継時に発言者名をサブ画面に表示する。
(3)
質問通告書提出後の「質問の取りやめ」及び「質問者順の変更」については、原則として、当該質疑の前日(前日が休みの場合は、直近の平日)の午後3時(委員会中の場合は休憩)までに委員長に申し出る。
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○委員長(赤坂大輔君) 以上でありますが、よろしいでしょうか。
(「はい」と呼ぶ者あり)
○委員長(赤坂大輔君) それでは、平成26年度
予算特別委員会(理事会)
申し合わせ事項は確認されました。
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○委員長(赤坂大輔君) 次に、資料要求について申し上げます。2月25日に共産党議員団より10点の資料要求の申し出がありました。この取り扱いにつきましては、
理事会申し合わせ事項に従いまして、正副委員長で協議をした結果、提出願うということになりました。本日の委員会開会前までに各会派に配付いたしましたので、ご確認をよろしくお願いいたします。
次に、質問時間についてですが、持ち時間が終了し、表示機器が鳴った後、引き続き質問された場合の超過時間、並びに時間を残して終了した場合の残余の時間につきましては、正副委員長において、後ほど、各会派の理事さんを通じましてご連絡をいたしますので、各会派内での調整をお願いいたします。質問者ご本人からの調整する旨の申し出は、省略されて結構でございますので、よろしくお願いいたします。
この際、あらかじめご連絡いたします。環境清掃費、民生費の質問通告期限は、本日午後3時ごろの休憩までとなっておりますので、委員長までご提出願います。
なお、本日の終了時間は、午後5時15分ごろを予定しておりますので、よろしくお願いいたします。
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○委員長(赤坂大輔君) これより審議に入ります。
議案第20号 平成26年度港区
一般会計予算、議案第21号 平成26年度港区
国民健康保険事業会計予算、議案第22号 平成26年度港区
後期高齢者医療会計予算、議案第23号 平成26年度港区
介護保険会計予算を議題といたします。
最初に、
予算関係資料について、理事者の説明を求めます。
○財政課長(佐藤博史君) それでは、平成26年度の港区各
会計予算資料につきまして、ご説明いたします。
お手元には、既に平成26年度港区各会計予算、内容としましては、一般会計、
国民健康保険事業会計、
後期高齢者医療会計、
介護保険会計の予算書及び予算説明書が含まれておりますが、こちらをお配りしております。
あわせまして、平成26年度港区予算概要及び平成26年度港区
一般会計予算参考資料をお配りしております。
以上でございます。よろしくお願いいたします。
○委員長(赤坂大輔君) 説明は終わりました。
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○委員長(赤坂大輔君) これより
一般会計歳入の審議に入ります。
一般会計歳入について、理事者の説明を求めます。
○財政課長(佐藤博史君) それでは、ただいま議題となりました平成26年度港区
一般会計予算につきまして、ご説明いたします。
予算書の7ページをごらんください。最初に、予算の総則です。「平成26年度港区の一般会計の予算は、次に定めるところによる」としております。
まず、
歳入歳出予算についてです。第1条第1項におきまして、「
歳入歳出予算の総額は、歳入歳出それぞれ1,397億2,000万円と定める」としております。第2項におきましては、「
歳入歳出予算の款項の区分及び当該区分ごとの金額は、「第1
表歳入歳出予算」による」としております。第1表につきましては、8ページから11ページに記載のとおりです。
第2条は、債務負担行為についてです。「地方自治法第214条の規定により債務を負担する行為をすることができる事項、期間及び限度額は、「第2
表債務負担行為」による」としております。第2表につきましては、12ページ、13ページに記載のとおりです。
第3条は、一時借入金についてです。「地方自治法第235条の3第2項の規定による一時借入金の借入れの最高額は、5億円と定める」としております。
第4条は、歳出予算の流用についてです。「地方自治法第220条第2項ただし書の規定により歳出予算の各項の経費の金額を流用することができる場合は、各項に計上した給料、職員手当等及び共済費に係る予算額に過不足を生じた場合における同一款内でのこれらの経費の各項の間とする」としております。
それでは、予算説明書に基づきまして、ご説明いたします。
一般会計予算説明書の6ページをごらんください。
歳入歳出予算事項別明細書の総括です。
まず、歳入は、第1款特別区税から第19款諸収入までです。内容につきましては、記載のとおりです。
次に、7ページ、歳出ですが、第1款議会費から第11款予備費までです。内容は記載のとおりです。
なお、表の特定財源欄のその他の内訳及び一般財源の内訳は、それぞれ欄外に記載のとおりでございます。
それでは、歳入各款につきまして、順次ご説明いたします。
最初に、10ページです。第1款特別区税につきましては、本年度の予算額が638億6,794万1,000円で、前年度に比べ43億3,246万5,000円、7.3%の増となっております。
内容ですが、まず、項の1特別区民税につきましては、本年度予算額が573億9,853万5,000円、前年度に比べ42億2,114万7,000円の増となっております。
次に、項の2軽自動車税につきましては、本年度の予算額が5,113万7,000円、前年度に比べ3,000円の減となっております。
次に、項の3特別区たばこ税につきましては、本年度の予算額は64億1,547万3,000円、前年度に比べ1億1,129万8,000円の増となります。
次に、12ページ、項の4入湯税につきましては、本年度の予算額が279万6,000円で、前年度に比べ2万3,000円の増となります。
次に、第2款地方譲与税につきましては、本年度の予算額が4億1,300万1,000円で、前年度に比べ4,800万円、10.4%の減でございます。
まず、項の1
自動車重量譲与税につきましては、本年度の予算額が2億9,400万円、前年度に比べ2,600万円の減となります。
次に、項の2
地方揮発油譲与税につきましては、本年度の予算額が1億1,900万円で、前年度に比べ2,200万円の減となります。
次に、項の3
地方道路譲与税につきましては、本年度の予算額が前年度と同様、科目存置の1,000円でございます。
次に、第3
款利子割交付金については、本年度の予算額が10億円で、前年度に比べ3億円、42.9%の増となります。
次に、第4
款配当割交付金につきましては、本年度の予算額が4億5,000万円で、前年度に比べ1億円、28.6%の増となります。
次に、第5
款株式等譲渡所得割交付金につきましては、本年度の予算額が1億100万円で、前年度に比べ2,100万円、26.3%の増となります。
次に、第6
款地方消費税交付金につきましては、本年度の予算額が112億5,800万円で、前年度に比べ7億5,500万円、7.2%の増となります。
次に、14ページ、第7
款自動車取得税交付金につきましては、本年度の予算額が2億6,000万円で、前年度に比べ3,000万円、10.3%の減となります。
次に、第8
款交通安全対策特別交付金につきましては、本年度の予算額が4,500万円で、前年度に比べ700万円、13.5%の減となります。
次に、第9
款地方特例交付金につきましては、本年度の予算額が5,800万円で、前年度に比べ600万円、9.4%の減となります。
次に、第10款特別区交付金につきましては、本年度の予算額が12億1,000円で、前年度と同額でございます。
次に、第11款分担金及び負担金につきましては、本年度の予算額が13億1,431万3,000円で、前年度に比べ2億6,884万4,000円、25.7%の増で、内容は全て負担金となります。
次に、16ページ、第12款使用料及び手数料につきましては、本年度の予算額が65億2,022万7,000円で、前年度に比べ3億7,223万円、6.1%の増となります。
内容ですが、まず、項の1使用料につきましては、本年度の予算額が57億3,833万5,000円で、前年度に比べ4億969万1,000円の増となります。
次に、22ページ、項の2手数料につきましては、本年度の予算額が7億8,189万2,000円で、前年度に比べ3,746万1,000円の減となります。
次に、24ページ、第13款国庫支出金につきましては、本年度の予算額が126億9,849万5,000円で、前年度に比べ41億5,782万4,000円、48.7%の増となります。
内容ですが、26ページ、項の1国庫負担金につきましては、本年度の予算額が76億8,051万4,000円で、前年度に比べ11億3,294万1,000円の増となります。
次に、28ページ、項の2国庫補助金につきましては、本年度の予算額が50億1,174万4,000円、前年度に比べ30億2,739万2,000円の増となります。
次に、32ページ、項の3国庫委託金につきましては、本年度の予算額が623万7,000円で、前年度に比べ250万9,000円の減となります。
次に、第14款都支出金につきましては、本年度の予算額が59億5,302万4,000円で、前年度に比べ7億2,096万7,000円、13.8%の増となります。
内容ですが、まず、項の1都負担金につきましては、本年度の予算額が20億4,095万5,000円で、前年度に比べ2億8,893万6,000円の増となります。
次に、34ページ、項の2都補助金につきましては、本年度の予算額が31億7,500万6,000円で、前年度に比べ5億8,883万3,000円の増となります。
次に、42ページ、項の3都委託金につきましては、本年度の予算額が7億3,706万3,000円で、前年度に比べ1億5,680万2,000円の減となります。
次に、44ページ、第15款財産収入につきましては、本年度の予算額が15億3,613万8,000円で、前年度に比べ9億9,218万6,000円、182.4%の増となります。
内容ですが、まず、項の1財産運用収入につきましては、本年度の予算額が5億3,538万7,000円で、前年度に比べ856万4,000円の減となります。
次に、46ページ、項の2財産売払収入につきましては、本年度の予算額が10億75万1,000円で、前年度に比べ10億75万円の増となります。
次に、第16款寄附金につきましては、本年度の予算額が1億1,749万5,000円で、前年度に比べ71万3,000円、0.6%の減となります。
次に、第17款繰入金につきましては、本年度の予算額が293億9,963万9,000円で、前年度に比べ114億3,909万円、63.7%の増となります。項の1基金繰入金は、款の繰入金と同額です。
次に、50ページ、第18款繰越金につきましては、本年度の予算額が10億円で、前年度と同額でございます。
最後に、第19款諸収入につきましては、本年度の予算額が25億2,772万6,000円で、前年度に比べ5億210万7,000円、24.8%の増となります。
内容ですが、まず、項の1延滞金、加算金及び過料につきましては、本年度の予算額が1億1,939万2,000円で、前年度に比べ1,548万1,000円の増となります。
次に、項の2特別区預金利子につきましては、本年度の予算額が283万円で、前年度に比べ45万6,000円の増となります。
次に、項の3
貸付金元利収入につきましては、本年度の予算額が4億8,170万4,000円で、前年度に比べ175万円の増となります。
次に、52ページ、項の4受託事業収入につきましては、本年度の予算額が1億5,855万3,000円で、前年度に比べ977万3,000円の減となります。
次に、項の5収益事業収入につきましては、本年度の予算額が5,576万6,000円で、前年度に比べ322万2,000円の減となります。
次に、項の6物品売払代金につきましては、本年度の予算額が191万5,000円でございます。
次に、項の7雑入につきましては、本年度の予算額が17億756万6,000円で、前年度に比べ4億9,550万円の増となります。
以上をもちまして、歳入全款についての説明を終わります。
○委員長(赤坂大輔君) 説明は終わりました。
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○委員長(赤坂大輔君) これより
一般会計歳入の質疑を行います。
初めに、うどう委員。
○委員(うどう巧君) トップバッターですので、身を引き締めて頑張っていきたいと思います。よろしくお願いします。
歳入についてですが、これまで地方分権の一環として地方税の充実が求められてきました。今回は港区とは余り関係がないと思われる、あるいはネガティブに捉えるなどしがちなふるさと納税について質問したいと思います。
個人住民税の一部を自分の故郷に納めることができるようにする制度のふるさと納税は、自治体に寄附した額の2,000円を超える額について個人住民税所得割のおおむね1割を上限に、所得税を含めて全額控除されるものです。ふるさと納税は所得税からも所得控除されます。厳密に言えば、寄附金マイナス2,000円に住民税率10%を乗じた金額を税額控除する基本控除と、残りの90%について所得税からの控除を差し引いた分の税額控除する特例控除から成ります。基本控除は総所得金額の3割、特例控除は住民税所得割の1割がそれぞれ上限となります。
税額控除が受けられることから、納税における行政サービスの受益と負担の関係が崩れるという否定的な意見ももちろんございます。一方、納税者が自分の意思で納税対象者を選択できる道を開くもので、画期的な歴史的意義があり、納税者が税の意思に思いをいたし、納税の大切さを自覚する機会として、ふるさと納税を通じて多くの人々はふるさとの大切さを再確認するはずとの評価もございます。
そこで伺います。捕捉できる収支はこれまでどのようになっておりますでしょうか。お答えください。
○税務課長(若井世台子君) 港区へのふるさと納税の実績は、毎年一、二名の方から10万円程度となっております。一方、港区民が他自治体にふるさと納税をしている実績といたしましては、平成23年度は286人で1億3,000万円、平成24年度は、東日本大震災の影響と考えられますが、3,753人で約72億2,000万円、平成25年度は、657人で約2億9,000万円です。また、寄附に伴う税額控除の金額は、平成23年度が約4,200万円、平成24年度が約4億8,100万円、平成25年度は約9,700万円となっております。
○委員(うどう巧君) この結果をどう分析すればいいのでしょうか。もちろん港区のような都市には税収減をもたらし、地域間の財政力格差を縮小する財政調整の役目を果たしていることが結果からわかります。
ふるさと納税に対しては、行政サービスの受益と負担の関係が崩れるという否定的な意見もございます。例えば高校まで育ったとしても、その費用は既に国庫補助負担金や交付税、あるいは親が払った住民税や固定資産税などの地方税で賄われているので、子どもの教育にかかわる応益課税はその親が地方税で果たされているとの指摘もございます。
ただ、都市である港区もこのようなふるさと納税をマイナス面ばかりで捉えるのではなく、プラス面に生かすように考えるべきではないでしょうか。ふるさと納税のポイントは、納税先を個人が選択できるということです。ふるさと納税を促すべく、まちづくりを競い合うような効果も期待できるかもしれません。先進的な取り組みや魅力的な地域づくりを行っている自治体に対する寄附のスキームとして、チャールズ・ティボーの学説である足による投票を補完する作用をもたらすとも言えるでしょう。
例えば、寄附金の使い道を具体的に指定できるようにするなどの工夫をしている自治体もございます。そこで質問ですが、港区では寄附の事業指定をできるようにしているのでしょうか。お答えください。
○税務課長(若井世台子君) 委員ご指摘のとおり、他の自治体での事業を指定したふるさと納税の事例は承知しております。区では、他自治体へのふるさと納税につきましては、例えば東日本大震災が発生しました平成23年度におきましては、東日本大震災の復興支援のため、納税通知書を発送する際にふるさと納税の案内チラシを同封しておりました。しかしながら、区に対するふるさと納税の案内は積極的には実施していないこともあり、港区への寄附金の実績は少なく、現在事業指定は行っておりません。今後とも他自治体等から寄附の事業指定について、その効果や課題等について幅広く情報収集してまいります。
○委員(うどう巧君) お話しのとおり、これだけ貴重な対象者でもありますので、まずは指定事業を望んでいるか、いないかを確認すべきだと思います。これに類似した制度としては、海外では所得税の1%か2%程度を公共機関に提供できる東欧5カ国のパーセント法や、国内では市民税の1%を納税者自身が選んだ団体へと助成金とする千葉県市川市の1%支援制度などもございます。ただ、これらについては、特別区の財政構造では支援制度としては機能しづらいという指摘もございます。これについてはまた今後質問するとしまして、地方自治体を直接支援対象とし、さらに事業支援もできる納税制度とすることにより、実施事業の包含的な後押しになり、かつ、より身近に港区政を感じてもらうことにもつながるでしょう。ぜひともよろしくお願いいたします。
質問は以上です。ありがとうございました。
○委員長(赤坂大輔君) うどう委員の発言は終わりました。
……………………………………………………………………………………………
○委員長(赤坂大輔君) 次に、清家委員。
○委員(清家あい君) 特別区民税の増収の分析についてお伺いします。
平成26年度の
一般会計予算額は1,397億2,000万円と過去最大規模の予算となりましたが、それには区の財政の根幹となる特別区民税が前年度比42億円増の増収を見込み、人口も約23万5,000人と年少、生産年齢、老年人口、いずれの世代も増加傾向と、全国的に人口減少が問題になる中で、港区には明るい見通しがあることが今回の積極的な財政出動につながっているのだろうと評価しています。
そこでお伺いします。所得階層別の推移状況などから今回の増収をどのように分析していますか。
○税務課長(若井世台子君) 税務課で行っている統計をもとに、平成25年度の課税状況を前年度と比較いたしますと、納税義務者数については全ての所得階層で増えており、全体で約4,000人の増加となっております。所得割額につきましては、各階層で2%から7%の範囲での増加となっております。中でも増加率が一番高いものは課税所得400万円から550万円の層で、約7%増となっております。また、所得割額は、金額で約19億円増加しており、所得階層別では課税所得1,000万円超えの階層で約10億円、増加額全体の約55%を占めております。
このように所得割額の伸び率は、課税所得400万円から550万円の階層を中心として幅広い階層で増加しており、対前年度比の所得割額の金額は、課税所得1,000万円を超える階層での増加が顕著となっていることから、人口増加とともに景気の回復等の影響により増収となると分析しております。
○委員(清家あい君) 所得の上位層の納税額が大幅に増加して全体を引っ張っているのか、全体的に上がったのかも知りたかったので、答弁は結構なのですけれども、これまでにも言及させていただいていますが、港区の政策を考える際に、特別区民税が財政の根幹であり、区民の納税で大きく財政状況が左右されるという特殊な構造である以上、区民の納税状況を詳細に分析し、戦略を考えていく必要があると思います。それが港区の危機管理に直結すると思うからです。
港区が所得階層別の推移の分析の情報提供や毎年の人口推計の見直しも始めてくださったことを高く評価しております。ただ、それだけではなく、人口推移と税収の関連を見通していく必要があると思うので、具体的には、世代別の納税状況と人口の世代別転出入の状況を照らし合わせることで分析や対策をとる必要があると思っています。現状のシステムでは難しいとのことですが、後ほど同じ会派のやなざわ委員が総務費の中で質問すると思いますので、ぜひその点を改善していただきたく要望いたします。
また、港区では、納税者の上位2割が全体の7割を負担しているという構造を持っております。超高額納税者が1人抜けるだけで区財政に多大な影響がありますので、その納税額の上位者を分析して対策をとることも、港区の財政の危機管理にとって健全な財政運営と同じぐらい重要なことだと考えます。
次に、基金についてお伺いします。平成25年度当初予算では、一般会計で基金を約180億円活用するとして、年度末残高は約1,147億円となる見込みでしたが、最終補正後の平成25年度末残高は約1,248億円となる見込みで、実際には増えています。その理由についてお伺いします。
○財政課長(佐藤博史君) 平成25年度最終補正後の基金残高は1,248億円となる見込みであり、当初予算時の基金残高よりも増えております。これは、平成25年度の特別区民税収入の増収を主なものとした収入増と、各款における契約落差など不用額の減額補正等により一般財源が確保できたことから、当初、財政調整基金や教育施設整備基金を活用するとした事業を当年度の一般財源で賄うこととして、繰り入れ予定の基金を繰り戻したことによるものです。約77億円の繰り戻しをしております。さらに後年度の事業活用を目的として16億円の積み立てもいたしました。その結果、基金残高は当初見込みよりも増額しております。
○委員(清家あい君) 一般財源で賄えてしまったということで、すごいことだと思うのです。毎回基金の積極的運用の要望をしておりますが、結果的に一般財源で賄えてしまったということですけれども、実際に財政調整基金に使って、保育園の大幅な定員拡大に貢献してくださるなど、積極的な運用姿勢が見られることを評価しています。
ただ、人口推計でも未就学児のピークが平成33年で、今より2,000人増え、小学生は平成34年がピークで3,000人以上増えるという試算も出ており、これだけ大きな人口動態の変化が起きるのですから、子ども政策の需要が突出することは必然だと思いますし、それだけのスピード感のある財政出動が必要になってきます。
平成26年度の性質別歳出で、投資的経費が約177億円増額で61.8%増となっていますが、このような自治体は全国を見渡しても港区以外にはないのではないかと思います。ですので、人口動態の急激な変化から来る行政需要につきましては、先手を打ってしっかりと応えられるよう思い切った財政出動を願います。
次に、財産収入が約10億円の増、182.4%となっていますが、これは何が要因となっているのでしょうか。また、財産収入には基金の利子が含まれているとのことですが、基金の運用はどのように行っているのか状況を伺います。
○財政課長(佐藤博史君) 平成26年度予算
一般会計歳入における財産収入は、15億3,613万8,000円としており、前年度比9億9,218万6,000円、182.4%の増となっております。この要因は、鳥居坂グランド等土地交換に伴う差金の増10億円が大きな要因となっております。
○会計管理者[
会計室長事務取扱](高橋辰美君) 基金の運用については、港区公金管理運用方針、港区基金の債券運用指針、地方自治法第241条の2、地方財政法第4条の3及び第8条に基づき、安全な金融商品による運用を行っています。具体的には国債・地方債等の債券及び金融機関の健全性に留意した定期性預金で行っております。
○委員(清家あい君) 質問は以上です。少し長くなりました。後で調整します。ありがとうございました。
○委員長(赤坂大輔君) 清家委員の発言は終わりました。
……………………………………………………………………………………………
○委員長(赤坂大輔君) 次に、風見委員。
○委員(風見利男君) それでは最初に、復興特別財源について伺いたいと思います。
「東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法」、それと「東日本大震災からの復興に関し地方公共団体が実施する防災のための施策に必要な財源の確保に係る地方税の臨時特例に関する法律」が2011年12月2日に公布されました。これは、2011年3月11日に発生した東日本大震災の復興の名のもとに、国民に多大な負担を強いるものであります。住民税の増税分は特別区民税の中に組み込まれているのでしょうか。納税義務者数と収納見込額をまず教えていただきたい。
○税務課長(若井世台子君) 平成26年度特別区民税の納税義務者数は、13万3,769人と見込んでおり、収納見込額は約6,500万円と算出しております。
○委員(風見利男君) 同額の都民税も徴収されるわけです。東日本の復興に直接関係のない港区、あるいは東京都の防災対策費用として、10年間は臨時徴収されることになります。
当初、政府案では5年間で年額500円だったものを民主党・自民党・公明党3党による修正で増額延長されました。区長は予算案の提案で、東日本大震災からの復興を図ることを目的とした特別区民税均等割額の引き上げ分を効果的に活用し、緊急防災・減災事業を実施していくと説明していますけれども、増税分がどこに使われるのでしょうか。
○財政課長(佐藤博史君) 活用についての考え方でございます。法律では、確保した財源は平成23年度から平成27年度までに実施する事業の財源とすると定めております。区ではこれまでも区民の生命と財産を守る安全確保の実現のための取り組みとして、平成23年度には、「短期集中的な災害対策の充実強化」、「公共施設や都市基盤の見直し」。平成24年度には、「港区防災対策基本条例に基づく事業の実施」など、防災対策を進めてまいりました。
財源の活用については、今後確実に発生が予想される大震災に備えた防災・減災対策事業のうち、広く多くの区民にとって、より効果的な事業に活用します。平成26年度は、「災害対策本部機能代替防災拠点整備」、「建築物耐震改修等促進」、「橋りょうの整備」、「道路構造物総点検」事業の一部に活用いたします。
○委員(風見利男君) 今、財政課長からいろいろこのようなところに使ってきた、あるいは使うのだと、このようなお話ですけれども、それ自体は今回の復興財源がなくてもやらなければならない施策なわけです。ですから住民から、東日本大震災が起きたから、みんなでその対策をしようではないかというところとは全く中身が異質なものなわけです。
それで、先ほど言いましたけれども、先ほど税務課長からお答えいただいたとおり、1年間で約6,500万円、これは10年間ですから、それで都民税を合わせると10年間で13億円、これが区民から新たに徴収される。非常に問題なことは復興特別法人税なのです。これは2012年4月から3年間に限って法人税額に10%を乗じた額を納めると、ところが、これを2年間で前倒しでやめてしまおうと、このような動きが非常に強まっているわけです。まだ正式には確定していませんけれども、もともとこの復興特別法人税を導入するにあたって、財界からの要求で導入する前に実効税率を5%引き下げて、それで復興特別法人税を導入した。ですから大企業にとっては、下げて、上げて、結局一銭も損をしない、このような仕組みになっているわけです。しかも先ほど言ったように、2年間でやめてしまおうと。ですから結局これをやめてしまうと、復興特別法人税の導入前に引き下げた5%が恒久的につながる、このような結果になっているわけです。住民側からすると、所得税は2013年2月から2037年までの25年間、税額に2.1%を掛けた税金を納めるわけで、一方、住民税は先ほど言ったように、1,000円を10年間納める。復興財源について、いわゆる法人税、所得税、それから住民税と、仕組みはこのような形でよろしいわけですね。
○税務課長(若井世台子君) 委員ご指摘のとおりでございます。
○委員(風見利男君) いかに大企業には優遇して、全体で面倒を見るだと言いながら、結局国民だけに負担を強いる、これが今回の復興財源の中身だということです。
一般のマスコミ報道でも言われていますけれども、これが本当に東日本大震災の復興のためなのかという使われ方をされているわけで、例えば、税務署に来た住民のために税務署が壊れたら困るので、税務署の耐震補強に使い、自衛隊の防具が足りないということで、やはりそれに対する負担をするなど、だから本当にひどい中身だということだけ時間がないので言っておきたいと。
次に、消費税のことでお伺いしたいと思うのです。ことしの2月17日に、2013年10月から12月の国内総生産GDP速報値が発表されました。先ほど委員長は大分景気が回復していると言うのですけれども、実態はなかなかそうなっていないわけで、物価変動の影響を除いた実質で前期比0.3%増、年率換算で1.0%にとどまっているわけです。4四半期連続のプラスだったけれども、伸び率が右肩下がりで鈍化している、これが実態で、GDPの伸び率は2013年1月から3月期は前期比1.2%、4月から6月期は1.0%ですから、伸びの鈍化は明らかであります。一番の原因はGDPの6割を占める個人消費が伸び悩んでいることが原因です。個人消費が伸びないのは、働く人の所得が増えていないからです。
昨年12月の家計調査で、2人以上の世帯の実収入は、名目で前年同月比を0.3%上回ったものの、実質では1.7%の減少、実収入が減少するのは3カ月連続、家計の判断で使用できるとされる可処分所得に至っては、5カ月連続で実質減少、ですからアベノミクスの異次元の金融緩和の影響で円安が進行し、輸入品を中心とした物価上昇が家計を苦しめています。
ことしの2月18日に厚生労働省が発表した昨年12月の毎月勤労統計調査では、基本給と残業代を合わせた「きまって支給する給与」が、前年同月比0.2%の減少でした。これは19カ月連続の減少。このような状況の中で8兆円もの消費税増税を強行すれば家計はもちません。
読売新聞2月17日付の世論調査は、4月から消費税増税が実施された場合、家計支出を減らそうと思うという人が54%、毎日新聞2月17日付では、同様の質問に65%が支出を抑えると、このようになったらどうなるか。家計が大変ですから、消費も控える、そうなると、区内の中小の商店も大変なことになる。新聞に報道されていますけれども、この機会にやめてしまおうという商店もたくさんあるわけです。ですから国民にも大変な思いをさせる、区内の中小企業にも大変な思いをさせる、このようなことに対して、やはり区民の生活を守る立場、あるいは中小企業の生活を守る立場の区長として、国にこのような時期の増税はやめろとぜひ進言していただきたいと思うのですが、いかがですか。
○企画課長(大澤鉄也君) 消費税率の引き上げは、改正消費税法の附則に基づき、法律公布後の経済状況を総合的に勘案した上で、昨年10月1日に閣議決定として実施が確認されているところです。
今回の税率引き上げは、経済状況を好転させることを条件として実施されるものでありますことから、国において景気の下振れリスクに対応するための経済対策もあわせて策定されております。区といたしましては、消費税率の引き上げを中止するよう国に申し入れることは考えておりません。
○委員(風見利男君) 景気を回復させるためなどとんでもない。景気が悪くなるのです。それだけ言っておきたい。
○委員長(赤坂大輔君) 風見委員の発言は終わりました。
……………………………………………………………………………………………
○委員長(赤坂大輔君) 次に、土屋委員。
○委員(土屋準君) 歳入におきましては、初めに、地方消費税の配分についてお伺いいたします。
この件につきましては、昨年の決算特別委員会でも質問しましたけれども、その際の答弁では、消費税収の配分は、現行5%のうち国税の消費税が4%、地方消費税が1%となっているということでございました。
国の消費税の中には交付税分が入っておりますけれども、特別区にとっては東京都が不交付団体ですので、その分は入ってこないということになります。
そこで、地方消費税の配分を見てみますと、地方消費税の中の2分の1が都道府県分、残りの2分の1が市町村分ということになっておりますけれども、どちらも現行の中では一般財源ということでございます。
その市町村分の配分を見てみますと、人口と従業員数で1対1で案分しているということでございました。そうしますと港区のような従業員数が多い区ですと、全額を人口で案分するよりも税収増になるということでございます。
そこで、今度引き上げ分の配分を見てみますと、消費税が8%になりますと、この地方消費税分は1%が1.7%に、0.7%増加するという計算になります。この引き上げ分も2分の1が都道府県で、2分の1が市町村ということでございますけれども、今度は社会保障財源という位置づけでございますので、市町村分の配分は全額人口により配分されるということになっております。そうしますとこれまでの方式に比べますと、港区にとっては税収減になる計算方法となります。
そこで、これをそのまま今回の予算に当てはめて計算しますと、来年度予算ではもっと多くの額になると思うのですけれども、予算案では112億5,800万円ということになっております。
この算定方法はどのようなことになっておるのでしょうか。
○財政課長(佐藤博史君) 消費税率8%のうち1.7%分が地方消費税となります。これまでの1%に比べ1.7倍となります。なお、平成26年度算定は、平成25年12月から平成26年11月までに国に納付されたものが対象となるため、消費税率の変更の影響としては、4月から11月までの7カ月分が増影響にかかるものとなります。
また、平成26年度における地方消費税収には、引き上げ前の消費税率によるものが含まれるとともに、引き上げ後の地方消費税率が適用された地方消費税が国を通じ都道府県に払い込まれるまでには一定期間を有することから、平成26年度の実際の影響額を1.2倍と見込んでおります。
○委員(土屋準君) 初年度ということで特有の計算方法があるということだと思います。そうしますと翌年度以降はどのような形になっていくのでしょうか。
○財政課長(佐藤博史君) 国の想定では、平成25年度に比べて平成26年度が1.2倍、平成27年度が1.7倍となっています。また、平成27年10月から消費税率が10%になるとすると、その地方消費税分は2.2%であり、平成28年度は2.1倍となっております。そのような形で消費税率の引き上げの影響が平準化するのは平成29年度で、平成25年度の2.2倍と見込まれております。
○委員(土屋準君) 翌年度以降は平準化されていくと思います。この増収分の扱いにつきましては、二島委員から後で質問があると思いますので、次の質問に移らせていただきます。
次は、法人住民税と都区財政調整制度についてお伺いいたします。
初めに、法人住民税の一部国税化についてでございます。ご承知のとおり、平成26年度税制改正において、国は消費税率の引き上げに合わせて法人住民税の一部国税化を進めております。この法人住民税は、都区財政調整の調整3税の重要な1つであります。港区はこの都区財政調整において現在特別交付金の交付金はあるものの、普通交付金の不交付団体になっておりますので、余り影響はないかもしれませんけれども、この都区財政調整全体への影響は免れないのではないかと思っております。
そこでまずお聞きしたいことは、この法人住民税の一部国税化による減収とはどの程度のものになるでしょうか。
○財政課長(佐藤博史君) 法人住民税の一部国税化について、平成19年度から平成23年度の決算平均値で試算した場合、特別区法人住民税は約980億円の減収となります。なお、都区財政調整制度の調整財源である法人住民税が980億円減収することになりますと、その55%が都区財政調整交付金にあたることから、539億円程度の財政調整交付金総額が減収することになります。
○委員(土屋準君) そのようになりますと、地方消費税の増収分がそれぞれの特別区の基準財政収入額に組み込まれるということになると思いますけれども、そうしますと、現在はこの港区だけになっています普通交付金の不交付団体が、その計算では増える可能性もあるのではないかと思います。そうしますと都区財政調整制度の姿も変わってきて、さまざまな影響を与えることになるのではないかと思いますけれども、この法人住民税の一部国税化をどのように捉えていますでしょうか。
○財政課長(佐藤博史君) 今回の法人住民税の一部国税化の捉え方ですけれども、財政調整交付金の調整財源が国税化され、減収するとともに、地方消費税交付金が増収という形となるために、各区の予算額のうち都区財政調整交付金の占める割合が変化すると考えております。
○委員(土屋準君) わかりました。港区はとりあえずは不交付団体ということで、そう影響はないかと思いますけれども、今度は、交付を受けています特別交付金のことについてお伺いしたいと思います。これは港区でも交付は受けておりますけれども、算定や交付のそれぞれの理由はなかなかわかりにくいということが実感でございます。
そこで、この特別交付金とはどのような内容があって、どのような理由で交付されていますでしょうか。
○財政課長(佐藤博史君) 特別交付金は、災害等のための特別の財政需要、または財政収入の減少や基準財政需要額の算定方法によっては捉えられなかった特別の財政需要、また災害以外の緊急に対応などのその他特別の事情など、基準財政需要額では算定されない特別の財政調整がある場合に交付されるもので、普通交付金のほかに認められた全体の5%分の交付金となってございます。
港区の平成25年度の財政調整特別交付金の交付内容の一部ですけれども、災害に要する経費としまして、水害等応急対策、災害等の未然防止に要する経費としまして、津波避難ビル指定調査や橋りょう耐震補強、基準財政需要額や普通交付金の算定対象外の財政需要として、港区コミュニティバス運行支援事業や人口急増対応の保育園待機児童解消事業、また災害以外の緊急に対応するべき特別の事情としまして、区有施設におけるエレベーター安全対策などの財政需要で特別交付金を歳入しております。
○委員(土屋準君) ありがとうございます。都区財政調整は特別区制度の中でも根幹を占める制度だと思っておりますので、今後もまた取り上げさせていただきたいと思います。
以上で質問を終わります。
○委員長(赤坂大輔君) 土屋委員の発言は終わりました。
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○委員長(赤坂大輔君) 次に、二島委員。
○委員(二島豊司君) 先ほども話題になっていました特別区民税収入について、その前段といいますか、その前提の話をお伺いさせていただきたいと思います。予算概要の3ページ上段の表、特別区民税収入と人口の推移、これは毎年この予算概要に載っているのですけれども、これによりますと、三位一体改革の影響がありましたけれども、おおむね平成20年度、平成21年度くらいまでは、特別区民税収入と人口の推移とが同じようなトレンドにあるということが見て取れるわけであります。その後、平成20年9月のリーマンショックに端を発した世界的な不況、そして平成23年3月11日の東日本大震災の発生、ヨーロッパの債務危機等に影響されて景気が低迷を続けて、ここ数年は人口が増えているにもかかわらず特別区民税収入がそれに伴わないということが続いてきたわけであります。
ここ数年の予算概要を見返しますと、景気の低迷が続き、特別区民税収入が減収となる状況に対する危機感が非常にあらわに記載されているのですけれども、平成26年度は、今年度に続いて特別区民税収入の増収が見込まれている、それに伴って収入についての見通しや財政の見通しについての記述はほとんどないのです。来年度は、トレンドとしては特別区民税収入と人口の相関が取り戻されているというようにも見えますが、特別区民税収入の変動要因について、その主たる要因はどこにあるとお考えでしょうか、ご認識をお伺いいたします。
○財政課長(佐藤博史君) 特別区民税収入につきましては、人口と景気動向及び税制改正、この3点が特に大きく影響を受けるものと考えております。これまでも平成18年度までは、人口に連動する形で特別区民税収入が増収となっておりました。税制改正や大幅な景気変動があった平成19年度や平成23年度を除きますと、平成23年度以降についても人口との連動が見られます。景気の上昇局面におきましては、人口との相関が回復しているという状況と認識しております。
○委員(二島豊司君) これは私の認識なので、お伝えさせていただきますが、本来であれば、高度成長期以降今までずっと、人口が増えればそれに伴って右肩上がりで景気がよくなって、財政もよくなってきた、これは間違いなく歴史が示すところでありますけれども、どうもそうではなくなってきたのではないかということがここ数年の見立てだったわけです。ことしになって、また過去に戻って、やはり人口が増えれば財政もよくなるのだという認識に戻るのか。私はそうではないと、たまたま平成26年度については、人口が増える向きと財政がよくなるという向きが一致したけれども、これはたまたまの話で、数年前の危機感あらわなときは、何で人が増えているのに財政が伴わないのだということが表現からその動揺すらあらわになるようなことが続いてきたので、私は、そのほうが今後起こり得るということだと考えております。ですので、平成34年度までは、今、港区政策創造研究所でお出しいただいた人口推計ではずっと人口が伸びている。だからここ数年間は人口と財政はトレンドが一致しなかったけれども、景気が回復して取り戻したから、この人口推計どおりに右肩上がりに人口が増えれば、財政も同じように伴ってそれが回復していくと安心してはいけないと思います。この話の続きは総務費において、では、どうしたらよろしいのでしょうかという質問をさせていただきますので、よろしくお願いします。
次に、消費税率引き上げによる増収分についてお伺いさせていただきます。消費税率引き上げによる増収分は、全て社会保障の充実、安定に向けるということとされております。来年度予算で7億5,500万円消費税分増収が見込まれております。これにつきましては、社会保障4経費その他社会保障施策に要する経費に充てるということでありますが、具体的にどのような事業に振り向けられているか。消費税を増税した分、消費税率引き上げで自治体が増収した分、この事業にその分は充てられているのだと、先ほど復興増税の話もありましたが、目的税でありますので、それを明示するという考え方もあると思うのですけれども、区の考え方をお聞かせください。
○財政課長(佐藤博史君) 消費税率の引き上げ分につきましては、社会保障4経費その他社会保障施策に要する経費に充てることとして、予算概要にて明示しております。
社会保障4経費は、制度として確立された年金、医療及び介護の社会保障給付並びに少子化に対処するための施策に要する経費とされており、区としても幅広い事業に活用してまいります。増収分の具体的な使途を明示することは、大変わかりやすい形となりますが、区としましては幅広く区民の皆さんにご負担いただくものであることを踏まえ、福祉の幅広い分野の事業に充当してまいります。
○委員(二島豊司君) 福祉の幅広い分野にもちろん充当していただくということなのですけれども、先ほどの土屋委員との質疑で明らかになったように、10%まで無事に消費税率が引き上げられると、平成29年度には平成25年度の2.2倍になるということですので、増収分として20億円増えてくる、増収になってくるわけです。20億円とはかなりのインパクトだと思うのです。復興増税は10年間で約6億5,000万円ですけれども、増税前と後とで20億円の差が恒常的に生まれてくるということであります。これが社会保障にかかわる費用になりますが、既に港区もかなり手厚くやってきて、増税前から保育園対応や、非常に手厚くやっていただいて、既にボトムアップしてしまっているので、そこに新しく入ってきても、どうしても差が見えにくいということはわかっております。でも、例えば地方債を立てて、かつかつでやっているところや、交付金によって成り立っているような財政でやりくりしているようなところに真水の新しい消費税の増額分が入ってくれば、社会保障に出ていく費用にそれが充て込まれたということがわかりやすいと思うのですけれども、港区の財政構造の中で新しく真水で20億円入ってくるということはすごいことですので、このような恵まれた環境にあるところはないと思いますので、我々は広く負担するということであります。やはり当然のことながら払う側からすると、消費税率の引き上げは痛みを伴うわけです、その時点においては。その時点においては痛みを伴うけれども、やはり世の中のシステムが、これができることによってよくなるのだ、後年度の子どもたち、その先の世代にとって、財政構造上好ましい形にして引き継いでいくのだということを、それを受け入れる側の行政、国も含めてですけれども、やはりそれはきちんと示していかなければいけないと思います。
ですので、例えば全額丸々とは言いませんけれども、やはり港区にしかできないような全く新しい事業を打ち出していただいて、これは消費税の増税分を財源にしています、港区はこのようなことをやりますということができてもいいのではないかと思います。20億円がどんと入ってくる、財政的にはありがたい。ありがたいことだと思うのですけれども、それはやはりそれぞれの人が、あめ、ガムを買っても今まで5円だったところが10円払っていくというその負担の積み重ねとなってくるわけですので、払う人の気持ちを酌んで、消費税を払ってよかったと思えるような事業をぜひ構築していただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
以上です。
○委員長(赤坂大輔君) 二島委員の発言は終わりました。
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○委員長(赤坂大輔君) 次に、清原委員。
○委員(清原和幸君) 私は、歳入では、特別区民税、そして財政調整基金についてお伺いいたします。
まず、予算編成にあたって歳入の根幹をなす特別区民税の算出についてお尋ねいたします。特別区民税は、平成20年の米国発の金融危機や平成23年3月11日の東日本大震災等による国内景気への影響、また平成19年の税率のフラット化など、国の税制改正などに大きく影響を受けるとともに、多くの外国人が住む地域特性を反映し、世界経済の動きにも左右されやすいという不安定な性格を有しております。
平成26年度予算において、特別区民税収入は約573億9,000万円と計上されております。特別区民税の予算現額算出に際しては、国勢調査、政府の掲げる景気対策、経済成長率、転入・転出者など人口移動による社会増、また大規模な住宅の建築計画などのほか、平成26年1月1日現在で1万8,104人の外国人の方が居住されております。課税ベースで税収の12.5%の割合を占めております。そのため外国人の動向を把握しておくことも大切なことだと思います。
お尋ねいたします。税収算出を導くための根拠となる要素、要因など、また参考とする資料についてお伺いいたします。
○税務課長(若井世台子君) 平成26年度の特別区民税の算出にあたりましては、平成25年度の収入見込額に社会経済状況の変動や納税義務者の伸び、税法改正による影響などを考慮し、算出しております。社会経済状況の分析には、内閣府発表の実質GDPや毎年7月に実施しております課税状況調の統計を用いております。また、納税義務者数の分析につきましては、住民基本台帳による各年1月1日現在の人口と納税義務者数の伸びなどを考慮して算出しております。
○委員(清原和幸君) 次に、当初課税額と最終調定額について伺います。差異はどれぐらいなのでしょうか。また差異が生じる主な要因、事由はどのようなことかお伺いいたします。
○税務課長(若井世台子君) 当初課税調定額は、期限内に申告された区民の方に対して、6月に課税した実績となっております。その後、修正申告などにより税額に変動がある場合や期限後の申告などにより新たに税額が発生する場合などがあり、それにより調定額に変動が生じます。差異の額は年度によって異なりますが、平成20年度から平成23年度の間はおおむね20億円前後、平成24年度は約14億5,000万円となっております。また平成25年度につきましては、1月末現在で約13億円となっております。
○委員(清原和幸君) 港区基本計画改定に向けてこれから取り組まれますが、今後数年の特別区民税収入の見込みについてお伺いいたします。
○財政課長(佐藤博史君) 区の予算編成は、中・長期的な視点に立ち、財政計画に沿って行っております。平成26年度は、基本計画改定と時期を合わせて、計画期間を平成27年から平成32年とする新たな財政計画を策定いたします。
区財政は、区を取り巻く社会経済情勢の動向により大きな影響を受けます。港区政策創造研究所による人口推計や景気予測などから収入動向の変化などを的確に捉え、区民の安全・安心の確保を最優先に、基本計画計上事業が着実に実施でき、緊急的な課題の対応も可能な中・長期的視点に立った財政計画を策定してまいります。
今後、数年の特別区民税収入の見込みにあたりましては、実質GDPや課税状況調の統計などによる社会経済状況の変動や、住民基本台帳などによる納税義務者の伸び、また税法改正による影響などを予測考慮し、財政計画の中で算定してまいります。引き続き限られた財源を効果的に活用することを基本に据えて、磐石な財政基盤を堅持してまいります。
○委員(清原和幸君) 区が今まで徴収に際して、その収納率向上に向けた取り組みとして、モバイルレジと呼ばれるスマートフォン等を活用した収納方法の導入や、コンビニエンスストアでの収納促進等により、特別区民税収納状況は前年同期と比べ約1%の改善が図られております。今後も納入しやすい環境の整備に取り組んでいただきたいと思います。
次に、財政調整基金についてお伺いいたします。区の財政運営の状況について、繰越金は、将来予測される事業や施策を展開するための基金として積み上げられております。一方、区民センター建設などのために発行された特別区債の残高は、毎年度約10億円償還され、着実に減額され、平成25年度末の見込みで約54億円、平成26年度末で約41億円です。以上のことからも、健全に財政が運営されていることがうかがい知れます。
さて、財政調整基金は、大幅な税収増があった場合などに積み立て、経済事情の著しい変動等によって財源が著しく不足する場合などに取り崩すことによって、年度間の財源を調整し、長期的視点から財政の健全な運営を図ることを目的とする基金で、施策の安定した展開や区民サービスの向上など有効に活用されます。区の税収は増収でありますが、一方、人口の増加により義務的経費も増額の傾向を示しております。また、歳入の根幹をなす特別区民税は不安定な性格を有しております。
そこでお伺いいたします。財政調整基金は、特別区民税の減収の際などにも臨時財政対策費としてその穴埋め、補填などに活用される予算の補正など、有用な基金です。積み立てについては、義務積み立て、当初予算積み立て、補正予算積み立て、任意積み立てなどが挙げられますが、港区の対応及びその内容についてお尋ねいたします。あわせて財政調整基金の今後の活用についてもお伺いいたします。
○財政課長(佐藤博史君) 区では、財政調整基金について地方自治法第233条の2及び地方財政法第7条第1項の規定に基づき、社会経済情勢等の変動による財源不足、災害復旧、大規模な建設事業などの経費の財源として、毎年度各会計年度の決算において発生しました剰余金のうち2分の1を制度的に財政調整基金に積み立てております。
財政調整基金の活用につきましては、平成26年度予算においては、これまで積み立ててきた財政調整基金を緊急暫定保育施設に係る経費などに44億円繰り入れます。今後とも社会経済情勢の変動や新たな行政需要に柔軟に対応していくため、財政調整基金を効果的に活用してまいります。
○委員(清原和幸君) 次の質問ですけれども、財政調整基金の残高は、平成24年度末で約592億円ですが、ここ数年の景気の動向等を踏まえますと、積み立ての必要額をどの程度とお考えなのかお尋ねいたします。
○財政課長(佐藤博史君) 平成24年1月に定めました港区財政運営方針においては、平成26年度末の財政調整基金残高について、特別区民税及び地方消費税交付金などによる一般財源の標準的な大きさを示す指標であります標準財政規模の40%程度を確保するとしており、十分に確保されることが見込まれております。今後も人口の増加や景気の回復基調を背景とした特別区民税収入の増収や、将来の財政需要の見込みを踏まえ、引き続き財政運営方針で掲げた財政調整基金の残高確保の考え方を維持しつつ、質の高い行政サービスを安定的に提供してまいります。
○委員(清原和幸君) ありがとうございました。
以上で質問を終わります。
○委員長(赤坂大輔君) 清原委員の発言は終わりました。
これにて
一般会計歳入の質疑は終了いたしました。
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○委員長(赤坂大輔君) これより一般会計歳出の審議に入ります。
初めに、歳出第1款議会費の審議に入ります。
歳出第1款議会費について、理事者の説明を求めます。
○財政課長(佐藤博史君) それでは、歳出第1款議会費について、ご説明いたします。
一般会計予算説明書の60ページをごらんください。議会費の本年度の予算額は7億3,325万円7,000円で、前年度に比べ2,291万3,000円、3.0%の減となります。
項の1区議会費は、款の議会費と同額です。
以上、甚だ簡単ですが、第1款議会費の説明を終わります。
○委員長(赤坂大輔君) 説明は終わりました。
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○委員長(赤坂大輔君) これより歳出第1款議会費の質疑を行います。
初めに、古川委員。
○委員(古川伸一君) 議会費では、議会資料の紙削減、いわゆるペーパーレス化について質問させていただきます。
我が会派は、2月17日、井筒議長宛てに、「本会議や委員会等において議員や理事者に配付される資料等の印刷物はとても多く、保存や整理に苦慮するのみでなく、使用する紙の量は膨大で多額の用紙購入費用を要します。また、他自治体においては、ペーパーレス化に向けた取り組みとして議案等の資料の電子化を認めるところも増えてきています。港区議会にあっても、ペーパーレス化に向けた検討を推進する方向で各会派と調整していただきますように」との要望書を提出させていただきました。
また、今定例会の代表質問では、「ここ数年ICT、情報通信技術が著しく進歩したことにより、タブレットを導入し、紙資源の削減に各自治体が積極的に取り組んでいます。港区でもICTを活用し、資料等の紙の使用量削減に取り組んでいくべき」と提案させていただきました。
それに対しまして武井区長は、「ICTの進展により会議でタブレット等を使用し、そのデータを保管、共有することにより、紙資料の削減、会議の効率化、事務作業の軽減を図ることが可能となっています。区においても、庁内の一部会議においてタブレット等を使用したペーパーレス議会の試行を行っております。今後ICTの活用に向け、運用方法や費用対効果について検証を行ってまいります」と実用に向けて前向きな答弁をされております。
先ほども述べましたが、委員会や定例会時には大量の紙資料や冊子が送付され、修正を加えるたびに訂正版を印刷しています。また、各会議の開会通知も漏れのないようにと、議員への直接確認と同時に紙による通知文も配付されております。毎年、情報量は増えることはあっても少なくなることはないと思います。そのようなことで、紙の消費量、印刷経費はもちろんのこと、職員の労力も年々増してきたと感じています。また、資料が増えてきているため、各会派の控室も保管場所の確保に苦慮していることが現状です。
そこで、最初にお伺いいたしますが、議会における年間の紙使用枚数と印刷製本にかかる費用についてお伺いいたします。
○区議会事務局次長(中島博子君) まず、議会における紙の使用枚数についてですが、平成21年度から平成24年度で年間平均32万枚の使用となっており、平成25年度についても同様の推移となっております。また、印刷製本費につきましては、議会事務局では本会議速記録を年4回と予算・決算特別委員会の速記録を年2回発行しておりますが、1定例会につき160部から165部作成いたしまして、年間450万円ほどの支出となっております。
○委員(古川伸一君) 今、次長から答弁をいただきましたが、ここ数年、年間の紙使用枚数は平均約32万枚、定例会ごとに発行される会議録の印刷製本費として約450万円かかるということでした。正直言って驚いております。この経費を何らかの方策により少しでも削減することこそが、議会改革につながると思います。
そこで、今後ペーパーレス化に向け議会で検討し、取り組んでいく必要があると考えますが、いかがでしょうか。
○区議会事務局次長(中島博子君) ペーパーレス化は、省資源対策、低炭素化社会の実現を目指す環境負荷の軽減はもちろん、コスト削減につながる有効な取り組みであると認識しております。ペーパーレス化により議会情報の提供や管理の仕方に工夫を要することは、開かれた議会の一層の実現を図るものと考えます。
ペーパーレス化によるコスト削減は、議会みずから区民への信頼を図り、議会運営の透明性を図る手段の1つとも言えます。ペーパーレス化につきましては、事務局の判断で実施できるもの、会派、議員の了解を要するものがありますので、会派、議員にご相談するとともに、事務局としましても早急に実施できるものを整理し、可能なことから実践してまいりたいと考えております。
○委員(古川伸一君) ありがとうございます。次長が答弁されておられますように、議会側、そして事務局、行政側と、いろいろなことが関係してくるかと思います。
議会では、今定例会における
予算特別委員会から日々の審議時間を基本的に午後5時までとし、日程を2日間増やすなど、議会運営の効率化が図られました。先ほども申し上げましたが、現状の印刷物の作成と配付、会議や委員会の開会通知の確認等、事務作業にかかる職員の労務的な負担も過大なものと思われます。
そこで、事務の効率化についても検討していくべきと考えますが、いかがでしょうか。
○区議会事務局次長(中島博子君) ペーパーレス化は、省資源対策のみならず、議会運営の事務改善、効率化においてもメリットであると考えます。議会活動や運営がより活性化する有効な資料の提供、また会議の日程調整においても迅速に議員各位の意思決定が図れるよう、紙の減量化、コスト削減とあわせて事務の効率化、合理化についても実施できるものなど検討の上、事務局としても事務改善を図ってまいります。
○委員(古川伸一君) 次に、ここに持ってきておりますが、重いので、わざわざ持ってこなくてもよかったのですけれども、ここに例規集、様式集、要綱集と、そのほかにもたくさん毎年毎年ありがたいことに、当然必要だからだと思うのですが、各議員には行政側からこのような資料が配付されております。例規集、様式集、要綱集についてですけれども、平成23年度に全体で発行されている部数は、例規集、様式集ともに410部、要綱集は300部で、3冊合わせた経費は約400万円、平成24年度は、例規集、様式集ともに380部、要綱集は260部で、3冊合わせた経費は約440万円、平成25年度もそれぞれ同じ部数で、3冊合わせた経費も約440万円、平成26年度は、同様の部数で、3冊合わせた経費は約460万円になっていると伺っています。先ほどの3冊に加え、議員一人ひとりには、予算・決算特別委員会速記録、港区議会議事録速記録が配付されています。しかし、ほとんどの議員の方はパソコンを使用し、議会ホームページで言葉や発言者等を入力し、短時間で検索できる方法をとっていると思います。私もそれが一番速い、わかりやすい、そこだけを印刷できるということで、その方法をとっておりますが、またパソコンを使用しないとしても、果たして33名の全議員に配付する必要があるのでしょうか。
そこで伺いますが、各会派の議員数によるかもしれませんが、会派にそれぞれ1冊、ないしは2冊ぐらい保管できていれば十分ではないでしょうか。あとはお互いに都合のよいときに資料を見るような工夫をすれば、経費も削減できると考えますが、いかがでしょうか。
○区議会事務局次長(中島博子君) 各会派の控室、また議員各位におきましては、議会事務局からの印刷物に加えまして、行政から配付される資料等も大変膨大で、年々増加する資料の保管のスペースやその確保、厚い冊子等は持ち運びに苦慮されていると存じております。会議録の検索システムの活用もありますので、資料の配付につきましては、有効な配付となりますよう今後議員各位にご相談し、行政側とも相談、検討してまいりたいと思います。
○委員(古川伸一君) 代表質問でも述べましたが、我が会派は、議会と行政が一体となってタブレット端末機を導入し、紙資料の削減に取り組んでいる神奈川県逗子市を視察し、いろいろ伺ってきました。最初は、議会運営委員会のもとで議会活性化推進協議会を立ち上げ、導入を検討しております。また本年9月定例会から本格導入を目指す島根県出雲市もICT活用調査研究会を設置し、検討を開始しております。そのほか三重県鳥羽市、埼玉県飯能市なども、議会改革の一環として議会でタブレット端末機を活用することにより、積極的にペーパーレス化に取り組んでいます。
ペーパーレス化については、これまでも何人かの議員から質問されておりますが、効率的な事務改善について問題意識を持つ議員も多いことと思います。これまで電子機器の導入などについてさまざまな議論がされ、現在、議会運営委員会小委員会において、電子機器を議場に持ち込むことは不可とする取り決め事項があることは承知しております。しかしながら、既に23区のうちペーパーレス化の検討を始めている区も出てきております。ぜひ港区議会においても時代の趨勢におくれることなく、他区に先駆けて議員総意のもと、行政と一体となって積極的にペーパーレス化に推進していけるよう具体的な検討をすべきと考えますが、いかがでしょうか。
○区議会事務局次長(中島博子君) ペーパーレス化につきましては、まず、議員各位で相談いただくことが必要となりますが、行政側も現在タブレット機器を使用してペーパーレス会議を試行しているとのことですので、事務局としましても、行政と情報交換するとともに、ほかの議会の実施状況における成果等の情報収集、調査をしてまいります。
現在、議会では、電子機器の持ち込みについては、平成23年の議会運営委員会小委員会において、議場や委員会室への持ち込みを不可とする取り決め事項がございますので、まずは議員各位でこの取り決め事項について改めてご検討いただくことが必要です。その上で、電子機器を活用するメリット、デメリットを十分に精査し、具体的な導入に向けて準備を進めていく段階になった際には、円滑な活用ができるよう、事務局も可能な限り区民にわかりやすい開かれた議会を目指してサポートしてまいります。
○委員(古川伸一君) 先日の新聞によれば、立川市は都内の自治体では初めて議会の本格的なペーパーレス化に取り組むとのことで、平成26年度予算案に関連経費約374万円を盛り込み、6月にスタートするそうです。今、次長も言っておられましたが、積極的に情報収集していかれるということです。そこで、ぜひ議会事務局としても議会情報の一元管理、事務の合理化、効率化を図るため、逗子市や立川市などの先進事例を視察し、ペーパーレス化を積極的に推進していただきたいということを要望しまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○委員長(赤坂大輔君) 古川委員の発言は終わりました。
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○委員長(赤坂大輔君) 次に、うかい委員。
○委員(うかい雅彦君) 私は、開かれた議会ということで、ケーブルテレビの活用についてお伺いいたします。
インターネットでの本議会の録画映像を配信するなど、前期より開かれた議会にしていくための取り組みがなされてきたわけでありますけれども、今期からは本会議のライブでの映像が
インターネットで見られるようになりました。
ここで感じることは、みなとケーブルテレビでも議会について放映することがよろしいのではないかと思うのですけれども、その辺は検討されなかったのかをお伺いいたします。
○区議会事務局次長(中島博子君) ケーブルテレビによる放映の検討につきましては、議会運営委員会において開かれた議会を検討する上で、「
インターネット、ケーブルテレビを利用した会議中継について」として検討項目に含まれております。これまでの経過については、平成23年の議会運営委員会小委員会において検討され、まずは、
インターネットによる中継を導入することが確認されました。
よって、平成24年第2回定例会から本会議における代表・一般質問の生中継を開始し、平成25年第3回定例会からは、本会議及び決算特別委員会の全日程で生中継が実現しました。
インターネット生中継及び録画配信については、段階的に拡充し、現在おおむね解決に至っております。
しかしながら、ケーブルテレビについては、議会運営委員会小委員会の中でも、できるだけ広い範囲の人に見てもらうためには、広い範囲の人たちが見られるような媒体について検討することが必要と議論され、引き続きの検討課題となっている状況です。
○委員(うかい雅彦君) 私らの世代ぐらいからは、
インターネットについては不自由なく皆さんが使われるのではないかと思うのですけれども、それより上の方々で、まだパソコンに慣れていない方などにとってみれば、やはりケーブルテレビ等でお伝えするということも必要なのではないかと感じています。それで、より多くの区民に議会のことを知っていただくには、やはりケーブルテレビを活用することも考えていくべきと思います。私たちの質問を全部放映することは無理かとも思いますけれども、港区の代表である武井区長の所信表明については、全て放映するべきと感じますけれども、いかがでしょうか。
○区議会事務局次長(中島博子君) 開かれた議会を推進する上で、多くの世代にわたってより多くの人に議会を知っていただく、見てもらうことは大変重要と考えます。
インターネット生中継の実施状況等を検証すると同時に、ケーブルテレビを活用した放映については、議会に係る放映時間、費用等さまざまな課題を十分に研究し、多くの人に議会を知ってもらうために、より身近で有効な情報環境の整備について、議会運営委員会で改めてご検討いただくことが必要です。
区長の所信表明については、現在ホームページや広報みなとにて全文掲載しておりますが、委員ご指摘のケーブルテレビで全て放映することにつきましては、所管する区長室にお伝えさせていただくとともに、ケーブルテレビを活用した効果的な発信とあわせて議員各位にご相談してまいります。
○委員(うかい雅彦君) ぜひともご検討をお願いしたいと思います。
区長の所信表明は、これからの港区のかじ取りについて話されているわけです。それについて私らも議会として質問して、ダイジェスト版でもいいですけれども、やはりそれに関連して質疑しているということを知っていただくということも大事ではないかと思いますので、よろしくお願いいたします。
現在、本会議や予算・決算審議を
インターネットで見ることができるようになりました。この視聴率を上げるためにも何か対応していかなければならないと感じます。議員個人や会派でも考えていくべきことと思いますけれども、区議会事務局で港区議会のフェイスブックページを作成し、武井区長、そして各会派の代表・一般質問を行ったことを公表し、
インターネット中継を見られるように議会の
インターネット中継のリンクをそこに張りつけるわけです。そのような試みをして、そのフェイスブックページから区議会の
インターネット中継のところに飛んで、いろいろな発言が見られるように、そのようなことに取り組むことも、当然全会派ですので、公平なのですけれども、フェイスブックページをつくるということは、費用はほとんどかかりません。かかるものは人件費、手間だと思うのですけれども、そのようなことをして、この議会をよく知っていただくということも必要ではないかと思うのですけれども、その辺はいかがでしょうか。
○区議会事務局次長(中島博子君) 議会の情報を迅速に多くの人に知ってもらうために、現在、議会の開会日程をはじめ、議会の様子、議事録の公開等については、
インターネットやホームページ、区議会だよりなどさまざまな手法を用いて取り組んでおります。
双方向性のあるフェイスブックを活用して、新しい情報を速やかに、わかりやすく区民に発信することは、「見られる議会」から「見たくなる議会」への変革とも言われ、議会への関心の向上や議会活動の理解を促進する上で効果的なものと考えられます。
より身近な議会、開かれた議会を積極的に実現していくために、フェイスブックを活用した議会の活性化については、議員各位にご相談するとともに、議会改革の一環として運営委員会でご検討いただけるよう、事務局も他議会の実施状況等を調査、研究し、サポートしてまいります。
○委員(うかい雅彦君) ぜひ議会運営委員会等で話し合いを始めていただきたいと思います。
なぜこのような質問に至ったかといいますと、例えば議会について誤った発信がされた場合、それを区民がどう受け取るか、その誤ったままの話を議会とはそのようなものだと受けとめてしまう方が多いように感じるのです。これは裏を返せば、我々の発信の仕方が甘い、我々議会がどのようなことをしているのか、ふだんからの活動などを区民の方に知っていただいていないということでもあると思うのです。これは反省点であり、我々は区民の皆様にふだんからの議会の活動、そのようなものをしっかりと知っていただかなければいけない、この
予算特別委員会で長い時間をかけて議論することもそうでありますし、そのようなことをやっているということをしっかりとやはり区民の方にご理解いただくことによって、万が一誤った発信があったとしても、それを真に受けずにきちんと理解していただけるのではないかと思います。その点は我々もしっかりと反省し、もっと自信を持ってこのように議会で我々は活動しているということを区民の皆さんにお伝えしたい、そのようにしていかなければいけないのではないかと思います。
いろいろなこのようなことに関しては考え方があると思いますので、各会派でまとめていただいて、議会運営委員会でご相談いただくなどして、とにかくより開かれた議会、そのようなものを目指してまいりたいと思いますので、ぜひ各会派の皆さんのご協力をお願いしたいと思います。
以上で終わります。
○委員長(赤坂大輔君) うかい委員の発言は終わりました。
これにて歳出第1款議会費の質疑は終了いたしました。
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○委員長(赤坂大輔君) これより歳出第2款総務費の審議に入ります。
歳出第2款総務費について、理事者の説明を求めます。
○財政課長(佐藤博史君) それでは、歳出第2款総務費についてご説明いたします。
一般会計予算説明書の62ページをごらんください。総務費の本年度の予算額は348億523万9,000円で、昨年度に比べ56億4,073万8,000円、19.3%の増となります。
内訳でございますが、まず、項の1総務管理費につきましては、本年度の予算額が313億3,787万1,000円で、前年度に比べ61億8,745万3,000円の増となります。
次に、84ページ、項の2徴税費につきましては、本年度の予算額が10億234万円で、前年度に比べ7,578万8,000円の減となります。
次に、86ページ、項の3戸籍住民基本台帳費につきましては、本年度の予算額が13億3,669万8,000円で、前年度に比べ1,741万5,000円の増となります。
次に、88ページ、項の4選挙費につきましては、本年度の予算額が9,727万6,000円で、前年度に比べ1億9,201万6,000円の減となります。
次に、92ページ、項の5統計調査費につきましては、本年度の予算額が1億2,234万1,000円で、前年度に比べ5,898万6,000円の増となります。
次に、94ページ、項の6区民施設費につきましては、本年度の予算額が8億2,439万5,000円で、前年度に比べ3億5,378万8,000円の減となります。
最後に96ページ、項の7監査委員費につきましては、本年度の予算額が8,431万8,000円で、前年度に比べ152万4,000円の減となります。
以上、甚だ簡単ですが、第2款総務費の説明を終わります。
○委員長(赤坂大輔君) 説明は終わりました。
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○委員長(赤坂大輔君) これより歳出第2款総務費の質疑を行います。
初めに、やなざわ委員。
○委員(やなざわ亜紀君) 総務費では、まず港区のホームページについて質問させていただきます。
ホームページなのですが、検索したいワードを打ち込んでも、うまく引っかからないことが多いように思います。また、トップページの注目情報と新着情報、募集・イベント情報が上下や左右に並んでいてくれたらわかりやすいのですけれども、重なって表示されているので、注目情報の裏に隠れて、クリックしないと新着情報、募集・イベント情報があることに気づきづらいと感じます。
また、ここはすぐに直していただきたいと思うのですけれども、詳しくはこちらから、応募はこちらからということで、外部リンクを張っているのですけれども、その外部リンクをクリックすると、not found ページ、つまり「見つかりません」ということがあります。以前よりすごくよくなったとは思うのですが、どこに情報があるのかということが少しわかりにくいと感じます。膨大な情報を取り扱っているということで難しいとは思いますけれども、わかりやすいホームページとなるよう、工夫を引き続きお願いしたいのですが、いかがでしょうか。
○区長室長(浦田幹男君) 区のホームページは、平成24年3月に画像を多く取り入れ、区の魅力を視覚的にも伝えるデザインとしたほか、新たに総合支所ごとのページを開設し、地域情報の発信力を強化いたしました。あわせて必要な情報を探しやすい検索機能も強化しております。さらに各ページの閲覧数や検索ワードを毎月分析しまして、検索ワードの多いページ、例えば「ちぃばす」のページなどはトップページからワンクリックで該当ページに行けるようにするなど改善を重ねております。
今後は一定期間更新されていないページについて、担当課に掲載内容の確認を促すなど、より正確で最新の情報発信に努めるとともに、区民の皆さんが必要とする情報をわかりやすくお知らせできるよう、また外部リンクの部分につきましては、委員ご指摘の点も踏まえて、そのようなことがないように工夫、改善を続けてまいります。
○委員(やなざわ亜紀君) 適宜、更新や確認をしてくださるということですが、それに関連して、イベント情報等のアップが遅いと感じることがあります。1週間後のイベントについて、時間は何時からだったか、場所は何階だったかということを確認しようと思って検索したら、検索結果が去年のものしか出なかったということもありました。イベント情報に関しましては、1カ月ぐらい前までには掲載していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○区長室長(浦田幹男君) 各イベントの紹介ページは、現在担当課ごとに作成してございます。現在より早く効果的に区民の皆さんに情報を提供できるよう、職員向けに毎月1回ホームページジャーナルを発行しまして、閲覧数や前年同時期の傾向などの分析結果とあわせて、更新時期も含む効果的な情報発信の方法やその必要性についても周知してございます。
委員からお話がありましたような事例がないように、今後もイベント情報のより早い情報提供など積極的な情報発信に努めてまいります。
○委員(やなざわ亜紀君) よろしくお願いいたします。
また、新聞等の
インターネットニュースは、読んだ人がその記事を自分のSNSで活用できるように、それぞれの記事ごとにツイッターやフェイスブック、ラインで発信できるようにボタンが表示されています。ボタンをクリックして送信するだけで、その情報が自分のフェイスブックやツイッターで発信できるようになっております。そうすると、自分が伝えたい人や自分の知人、SNSでつながっている人たちに簡単に情報を伝えることができて、またその情報を見た人が別の知り合いにもシェアやリツイートすることができますので、情報の伝達がとても速いように思います。
港区のホームページの記事でもぜひ取り入れていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○区長室長(浦田幹男君) ツイッターやフェイスブック、ラインなどのSNSは、情報を発信するだけではなくて、その情報をより速く広める手段としても有効でございます。そのため区は、災害緊急情報などはツイッターやフェイスブックでも情報発信しております。区ホームページの各情報記事から閲覧者の利用しているSNS等に投稿できる仕組みづくりについては、SNS等のバージョンアップに合わせて、区のホームページやその管理ツールも随時更新する必要性もあるということなどの運用面での課題もあります。
今後情報拡散の有効性という観点から、やり方、あるいはその課題を克服した上で導入に向けて検討を進めてまいりたいと思います。
○委員(やなざわ亜紀君) たくさんいい情報が載っておりますので、より区民の皆さんに広められるよう、しっかり伝わるように努めていただけたらと思います。
次に、税収面等における港区独自のシステムの構築の必要性について質問したいと思います。
特別区民税の課税標準額段階別の納税義務者の推移を見ますと、直近では課税標準額段階が1,000万円を超える金額の区民が13.5%おり、その納税額が全体の63%を超えます。特別区民税の60%以上の金額であるにもかかわらず、税務システム上でわかるのはここまでです。特別区民税収入は歳入の根幹をなす税金であることから考えても、またこの税収が景気等の変動を受けやすく、決して盤石なものではないことから考えても、この60%以上の納税額についてどのようなものなのか、より詳細な把握と分析が必要だと思います。
特別区民税収入の高額納税者と言っていいと思うのですけれども、この把握について、私が議員になった2年前、3年前よりずっと意識して取り組んでくださっていると感じていますが、現在の税務システム上では、特別区民税の課税標準額段階別の納税者とその金額は、課税標準額段階が10万円以下という区分から1,000万円を超える金額という区分までの9段階で、この最高ランクの1,000万円を超える金額以上の表示がなされないとのことです。先ほど清家委員への答弁にもありましたけれども、特別区民税収入について全階層で増収しており、特に400万円から550万円以上の人が7%ぐらい増加しているということです。その辺は細かくわかるのですが、1,000万円以上の人に関しては、1,000万円以上が何%というぐらいしかわかりませんので、そこの階層の納税額が60%以上という港区のこの特異な状況からしても、9段階と言わずに、1,000万円を超える金額の段階をさらに1,000万円から1,200万円、1,200万円から1,400万円と、どのように分けていくのかということは研究も必要だと思うのですけれども、この段階をさらに細かく設けていって、より状況把握に努めていく必要があると思いますが、いかがでしょうか。理想的にはさらに年齢別、総合支所別、特に外国人別の状況もわかるようなものがあればよいと思います。お答え願います。
○税務課長(若井世台子君) 委員ご指摘のとおり、区民税収入予測の精度を上げるためには、高額所得者などに関して、より詳細な分析を行うことが重要だと考えております。そのためには分析のシステム、職員のスキルアップ、また景気動向を捉える幅広い情報収集などが重要となります。システムに関しましては、現在の分析手法での課題や、新たな仕組みとしてどのようなものが求められているかについての詳細な検討が必要であり、今後費用対効果の視点も含め、検討してまいります。
○委員(やなざわ亜紀君) 毎年のことですし、やはり特別区民税が歳入の根幹をなすとわかっておりますし、この金額の部分は非常に重要です。現状のシステムですと、リーマンショック、東日本大震災以降、外国人の高額納税者が減ってきているだろうという予想のもとで、それぞれ施策も考えていかなければいけないし、都のアジアヘッドクォーター特区や国の総合戦略特区等でも港区から提言できることもたくさんあると思います。ぜひこの辺の分析を進めていただきたいし、特にまず港区民の1,000万円以上の課税標準額段階別のシステム等を構築していただけたらと思います。
以上で、質問を終わります。
○委員長(赤坂大輔君) やなざわ委員の発言は終わりました。
議事の運営上暫時休憩いたします。再開予定は、3時15分再開といたします。
午後 2時52分 休憩
午後 3時15分 再開
○委員長(赤坂大輔君) 休憩前に引き続き委員会を再開いたします。
歳出第2款総務費の質疑を続行いたします。
初めに、熊田委員。
○委員(熊田ちづ子君) 総務費の最初の質問は、指定管理者制度、労働環境モニタリングについてです。
指定管理者制度のもとで、非常勤労働者や契約社員など不安定雇用の労働者が増えています。私どもの議会での再三の指摘を受けて、区としても労働環境モニタリングを試行で実施し、その結果を受けて、平成26年度から全施設の非正規労働者を含めた全職員を対象に本格実施するということになりました。私も、これまで新宿区の例などを挙げて、労働者の雇用を守る必要性を主張してきましたので、一歩前進だとは思いますが、これで指定管理者制度が抱えている最大の問題点であります不安定雇用、短期雇用の労働者や非正規労働者の拡大、正規労働者と非正規労働者の賃金の格差が改善されるわけではないということは指摘しておきたいと思います。
それでは質問に入ります。来年度からの本格調査では、施設長や法人担当職員に対するヒアリングを行うとしていますが、面接やアンケートなどを使った労働者自身へのヒアリングも必要だと思います。雇用主には直接言えないことも、社会労務士には安心して伝えることができます。サービス残業の有無、勤労時間は守られているか、求人票との違いはないか、休暇等諸権利の取得状況はどうか、パワハラはないか、仕事にふさわしい賃金かどうかなど、労働者の立場に立ったアンケートや面接を行うべきです。そのことが労働環境の真の改善につながると思います。答弁をお願いいたします。
○
区役所改革担当課長(野上宏君) 来年度から予定しております労働環境モニタリングの本格実施にあたりましては、採用時に労働条件についての十分な説明を受けたか、また実際に働いてみて事前に受けた説明との相違がないか、職員の職場環境に対する意見などにつきまして、施設職員の生の声を直接お聞きすることができるよう、職員に対してアンケートなどを行ってまいります。
○委員(熊田ちづ子君) 課長に幾つか述べていただきましたが、私が指摘した中身に全部はお答えにならなかったのだろうと思うのですが、ぜひきちんと対応していただきたいと思います。
次の質問です。ブラック企業が社会問題になっています。ブラック企業の根絶に向けた世論と運動に押されて、厚生労働省が昨年9月にブラック企業調査を実施いたしました。その結果については、大滝議員がさきの代表質問で取り上げましたので、ここでは省きます。ブラック企業根絶に向けて、ハローワークの求人票に過去3年間の採用者数、離職者数について記入欄を設けることになります。ブラック企業であるかどうかの判断材料となるこの離職率についても、労働環境モニタリングの調査に加えるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○
区役所改革担当課長(野上宏君) 安定的に区民サービスを提供するためには、施設の職員数や体制は極めて重要なことから、現在も毎年度、指定管理者施設検証シートにおきまして、当該施設におけます退職者数を確認してございます。労働環境モニタリングの本格実施にあたりましては、これまで確認を行っていた退職者数のほか、退職者が出た場合の補充の方法などにつきましても適切に確認してまいります。
○委員(熊田ちづ子君) ぜひお願いしたいと思います。
次の質問に入ります。職員住宅の活用についてです。芝五丁目の都営住宅の2階部分の一部ですけれども、職員住宅30戸があります。平成24年からは利用者がなく、空き状況が続いています。理由は、築40年以上が経過し老朽化していること、住宅が狭いこと、トイレやお風呂場などが共用だということなどだそうです。都営住宅本体は耐震工事が行われ、建物自体に問題はありませんので、未利用のまま放置することは非常にもったいないと思います。
一方で、高齢者の住宅問題は深刻です。2013年8月の募集の都営住宅のシルバーピア単身者向けで一番倍率が高かったのは、北青山一丁目住宅で352倍、これは全都での結果です。若い方たちの住宅問題も深刻で、非正規雇用が増え、住宅費が払えない、仕事がなく住むところもない人が増えています。区としても高齢者支援課や保育担当、人材育成推進担当の3課で検討中とのことですが、エレベーターの設置が困難なことなどもあり、転用するのも難しいということです。住宅の住民の方からも、あきのままでもったいないではないか、もっと活用方法があるのではないか、このような声が寄せられております。ぜひ若者を対象としたシェアハウスなどへの転用も含めて、早急な活用を検討すべきだと思います。答弁をお願いいたします。
○
人材育成推進担当課長(横尾恵理子君) 芝職員住宅につきましては、入居希望者がいない状況の中、リフォームを視野に入れた検討や、地元住民の要望を受け高齢者施設などへの活用を検討してまいりました。
まず、高齢者施設や保育所についての活用につきましては、東京都との協議の結果、公営住宅法の規定により都営住宅側のエレベーターは使用が認められず、また新規エレベーターの設置は、規定された床面積が確保できず実現不可能な状況となっております。
一方、職員住宅としての利活用につきましては、既存の30戸を15戸にし、部屋を広げるとともに、各戸にトイレ、風呂の設置を検討しておりますが、建築基準法上の用途変更にあたることから、法的な課題を克服する必要がございます。また、災害対策職員住宅として業務継続計画、いわゆるBCPにより算出した初動態勢に必要な戸数は、現在ほぼ充足できる予定ですが、今後のBCPの見直しによってはさらに確保が必要となる可能性もございます。
今後も職員住宅の利活用につきましては、区民ニーズや災害対策における状況の変化等を踏まえまして、引き続き関係課との連携や東京都との調整を行い、より有効な方策の検討を進めてまいります。
○委員(熊田ちづ子君) 平成24年から利用がないということですけれども、先ほど述べたように、その前からも住宅の環境が非常によくなくて、職員の希望がなくて、数人のみが利用されていた状況がずっと続いていたと思うのです。検討されているものの、いろいろな制約があって使えない、条件が厳しいということを今お話しされましたけれども、未利用のまま、使わないままの状態が長くなればなるだけ建物は老朽化が進みますので、ぜひこの活用については早急に検討を進めていただきたいということをお願いしておきたいと思います。
施設予約システムの改善についての質問に移ります。
区民の方から改善を求める声が届きました。現在の予約システムで、区民がいきいきプラザを利用したいと思ったら、いきいきプラザに登録して、施設予約システムカードをつくって、施設の予約ができます。同じ区民が勤労福祉会館を利用したいと思ったら、今度は勤労福祉会館に行って利用登録して、そこで利用者情報カードをつくらなければなりません。同じ方が商工会館を利用したいと思ったら、今度は商工会館に行って利用者登録し、そこでもまた商工会館の利用者情報カードをつくらなければなりません。区民センターも、別のカードが必要になります。予約システムで利用できる施設は現在37施設あり、それが性格ごとに8グループに分けられています。今のやり方でいくと、全ての施設を利用するとなると9枚のカードが必要になります。それぞれに登録番号がついておりますので、予約するときの自分の登録番号がどれだったのか混乱することになります。カードの管理も大変です。今挙げた施設は全部区立なわけです。同じ区立の施設を利用するのにどうして別々のカードをつくらなければいけないのか、1つのカード、1回の登録でどの施設も利用できるようにすべきではないかという改善を求める声がありますので、ぜひ検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○
区役所改革担当課長(野上宏君) 施設の設置目的に基づき、利用できる方、登録できる団体など、施設が個別に定めている利用要件、登録要件、さらに減免基準などが異なることから、施設ごとに利用登録し、カードの発行をする運用となってございます。そのため同一人や同一団体であっても、施設ごとに施設利用登録が必要になってございます。施設ごとに異なる施設利用登録条件を定めていることから、1つのカード、1回の登録でシステム対象の全ての施設を利用することは困難な状況ですが、ご指摘いただいた点につきましては、現行の課題を明らかにし、運用面において利用者の利便性が一層高まるよう、施設所管課と連携し検討してまいります。
○委員(熊田ちづ子君) それぞれの施設で団体の減免が受けられる、一般区民より前もって申し込みできるという方がいるので、登録すること自体を私は問題にしているわけではありません。いきいきプラザで登録すると、登録番号が書いたカードを受け取り、いきいきプラザはこれで済むのですが、区民センターを使おうと思ったら、利用者情報カードという登録番号が明記されたカードがこれにくっつくわけです。それで勤労福祉会館のものがまたくっつき、商工会館がくっつきとなるわけです。どれにも多分登録番号が書いてある。どの施設を利用するにしても、この利用システムカードでいいわけです。だけど、どちらの登録番号だったのだろうという混乱は起きるわけですし、先ほど言ったように、このカードが9枚必要になるということです。減免を受ける、利用する場合に登録をするという部分は必要なのかもしれません。ただ、全部の施設での登録にこのような1枚1枚のカードを出す必要があるのかということでの改善は私はできると思いますので、ぜひそこはお願いしたいと思います。
終わります。
○委員長(赤坂大輔君) 熊田委員の発言は終わりました。
……………………………………………………………………………………………
○委員長(赤坂大輔君) 次に、横尾委員。
○委員(横尾俊成君) 初めに、大規模災害時における行政の取り組み状況の可視化についてご提案いたします。
先日の記録的な大雪で首都圏の交通は大打撃を受け、帰宅難民も多く発生しました。その際、多くの方々に評価されたものが横須賀市長の対応です。平常時からツイッターやフェイスブックなどのSNSを使った発信を心がけている市長は、今回も市民から大雪に関する情報を収集し、市の対策をあわせて発信し続けました。さらには、市民から寄せられた情報を受けて即座に対応を考え、市内の各駅付近に一時滞在施設を設けるなど情報を発信しました。これにより多くの方が安心を得、彼らが必要な対策をとる一助になったと聞いています。
一方、港区では、ツイッターやフェイスブックなどのSNSで、この件に関する情報発信はなされていませんでした。同様に、東京都警視庁、東京消防庁の各ウェブサイトにおいても、大雪に対する対策を呼びかける投稿はありませんでした。今後は港区においても大雪などを含む災害の際、その対処法や必要な情報を逐一情報発信していくことが重要と考えます。
ニューヨークでは、2011年にハリケーン・アイリーンが上陸した際、SNSの活用による情報発信で被害を最小限に抑えることができたと言われています。具体的には、アメリカ国立気象局が集めているハリケーンの位置情報のデータをもとに、台風の足跡や行き先、また避難地域エリア、避難所が一目でわかるようなウェブサイトをリリースしました。数時間置きに行われる市長の記者会見も全て生中継、もしくは録画放送し、ウェブサイトや公式ツイッターなどでもすぐに発信しました。また、市民からの情報をもとに警察や消防とも連絡をとり、救助に駆けつけるという取り組みも行いました。
ここで2つご提案したいと思います。1つ目は、港区でもウェブサイトやツイッター、フェイスブックなどのSNSで大雪も含む災害情報を逐一発信することです。2つ目は、サイト内に災害対策マップを作成し、大規模災害時には避難所の場所や消火栓の位置、交通情報などの全てのリアルタイムの情報を一目でわかるように公表することです。市民からの情報も受け付けられるようにすれば、より利便性が高まるでしょう。そのような取り組みについてお考えをお聞かせください。
○防災課長(菅根克己君) 区は、地震等の大規模災害発生時には、区の公式ホームページやツイッター、フェイスブック等のSNSを含む利用可能な手段を活用し、災害情報を発信します。災害時にはさまざまな通信が集中することにより、平常時よりも
インターネット回線の通信速度が低下することが想定されます。そのため全ての情報を一目で把握できる
インターネット上のマップは、災害情報の多様さを考えても情報量が多くなるため、適切に運用、閲覧することが困難だと考えております。
区民避難所等の開設状況や交通情報等、時間の経過とともに変化する情報につきましては、港区公式ホームページやツイッター、フェイスブック等の利用可能な手段を用いて、可能な限り逐一情報を更新し、わかりやすい情報を発信していきたいと考えております。
○委員(横尾俊成君) この横須賀市の対応ですと、市民からの情報が寄せられて、それもアップしていくことで、それぞれの地域に行政の目が届かないところまでの情報もわかったということで、評価が高かった、そのような双方向性も含めて今後ご検討いただければと思います。
次に、施設やインフラなどの更新にかかる費用の推計をアプリ化することについてご提案します。
現在、区では、歳出決算額を1万円に換算し、どの経費にどれくらい使われているかを分野別にわかりやすく表示しております。この港区財政レポートは広報みなとやホームページなどで記載しており、税金の使い道の公表を積極的に行っていると言え、評価すべきだと思います。
一方、ここでわかることは区の現在の財政状況であって、これからどうなるのか、例えば施設を1つ新たにつくる際には、建設費用のほかに毎年のランニングコストや数十年後の大規模修繕工事の費用などがかかってきますが、それについては読み取ることができません。つまり施設がつくられる際、多くの人はこれまで将来の負担が増えるだろうと何となくわかっていても、それが幾らになるかまでは具体的に想像がつきませんでした。結果、施設やサービスはどちらかというと増やす一方になってしまってきたのだと思います。
少子高齢化が進む日本において、また財政状況が比較的よいとされる港区においても、今後は将来的なことを考えて、つくらない、やらないという判断をしなければならないことが増えると思います。今後の財政レポートでは土木施設管理課などとも連携して、施設やインフラなどの更新にかかる将来負担費用も含めて、よりわかりやすい形で公表することが望ましいと考えますが、区のお考えをお聞かせください。
○財政課長(佐藤博史君) 区では、区民の皆さんに区の財政状況をわかりやすくご理解いただくために、港区財政レポートを作成し、広報やホームページ等でお知らせしております。また、平成21年度より固定資産台帳の整備を段階的に進め、資産情報を精緻に反映させた財務処理を作成するとともに、将来世代が既存の社会資本をどの程度負担しなければならないかや、既存の社会資本や区の歳入の何年分に相当するかなど、財務書類から読み解く財政状況についても分析、公表を行っております。
引き続き資産情報の管理、把握に努めるとともに、施設の長期保全計画等も加味したライフサイクルコストについて、施設課、会計室など関係部署と連携し、検討を行ってまいります。公表にあたりましては、区民の皆さんに区財政をより身近に感じてもらえるよう、引き続きよりよい財政状況の公表について工夫を重ねてまいります。
○委員(横尾俊成君) ぜひよろしくお願いします。また、その際、次代を担う若者がより積極的に情報をとりにいくという仕組みづくりも必要と考えます。将来、自分たちがどれほどのお金を区に支払わなければならないのか、自分の住む区の財政はこれからどうなっていくのか、よりよい暮らしを実現するために自分には何ができるのかなどをみずからの頭で考えることができるよう、それが目にとまる形でぜひ公表していってほしいと思います。
2011年にイギリスで始まった「税金はどこへ行った」というウェブサービスでは、市民からの税収が幾らで、それが何の目的に使われているのか、1日当たりの金額で知ることができます。このサイトは現在オープンソース化され、世界じゅうにクローンサイトが立ち上がっています。日本でも2012年の横浜市を皮切りに、仙台市、札幌市、福岡市など全国52の都市でサイトが製作され、そのうち10の都市では自治体が主体となって開設しています。そこで、この港区版をつくった上で専用のアプリなども開発し、若者がより親しみを持つ形でサービスを提供することが考えられるかと思います。こちらは要望にいたします。
次に、LGBT、すなわちレズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダーの方などの声なき声を区の施策に生かすための方策についてご提案いたします。このような社会的弱者と呼ばれる方のみが参加できる場を設け、彼らの声を各種の施策に生かしていくことです。一般に社会的弱者の方々は、多数の中で意見が発信しづらいと言われています。性同一性障害を持つ方は国内4万6,000人、自分がそうだと打ち明けられない人がいるため、実際にはその10倍近くいるとされています。彼らは、男女別のトイレに入ることがなかなかできないなどの悩みを抱えています。また、学校内でいじめに遭い、不登校になってしまうケースも多くあるそうです。しかし、彼が公の場で意見を発することは難しく、その声は行政になかなか届きません。
そのような状況に注目し、昨年、セクシャルマイノリティーの人たちがより自分らしく前向きに暮らしていくことのできる社会をみんなで応援し、サポートする習慣として、東京レインボーウィーク2013が開催されました。ゴールデンウィークの間、LGBTに関連したさまざまなジャンルで活動するNPO、団体、ネットワークが、自治体、企業、メディアなどと連携しながら多岐にわたったイベントや企画を運営しました。これはことしも開催するそうですが、行政として本腰を入れて取り組んでいる例もあります。大阪府の淀川区役所は、昨年、LGBT支援宣言を掲げました。宣言には、多様な方々が生き生きと暮らせるまちの実現のため、LGBTの方々の人権を尊重するとあり、今後LGBTに関する職員研修や正しい情報発信、活動支援を行うほか、彼らの声を積極的に聞いていくそうです。
港区には現在、区民の意見を行政施策に反映するための取り組みとしてタウンフォーラムがあります。しかし同様の理由でこのような社会的弱者、マイノリティーの方は、彼ら固有の意見を表明しづらいことが想定されます。誰もが安心して過ごせる港区を実現するためには、声なき声も含めたさまざまな方々の意見を取り入れた行政サービスを提供することが大切です。
そこで、支援するNPOなどに呼びかけた上で、社会的に弱い立場にある方のみが参加できる場を設定し、彼らの集まりに行政が積極的に参加などすることはいかがでしょうか。彼らだけの場を設定することで意見が言いやすくなるだけではなく、彼ら同士の議論で解決することもできるでしょう。このような取り組みが当たり前になると、さまざまな立場の人に配慮した生活を送ろうという意識が区民の中にもより生まれると考えます。ご意見をお聞かせください。
○人権・
男女平等参画担当課長(菊池朗子君) 港区では、基本構想の第1番目に人間性の尊重を掲げ、港区に住む人をはじめ、働く人、学ぶ人など誰もが人としてとうとばれ、平等に生活できる基本的人権が守られる地域社会の実現を目指しております。この中には当然性的マイノリティー等の社会的弱者の方も含まれておりますが、このような方々の存在については、まだまだ社会的な認知度も低く、したがって、正しい理解が広まっていないということが一番の問題ではないかと考えております。
港区では、広報みなとで定期的に性的マイノリティーの方への理解を促す記事を掲載し、男女平等参画センター(リーブラ)において、性的マイノリティー関係のNPOの代表の方などを講師としてお招きして、性的マイノリティーへの理解を深める講座を開催するなどの事業を実施しております。加えて、リーブラで発行する広報紙OASIS等で座談会などを企画して、性的マイノリティー等の方々の声を広く区民の方にお伝えすることなどによって、また一歩進められていくのではないかと考えております。
○委員(横尾俊成君) そのような座談会を、理解を進めるというときに彼らの意見を届ける、そこにぜひ進化させていただきたいと思っています。社会的弱者と呼ばれる方には、今回特に例示したLGBTの方以外にも、ひきこもりやシングルマザーなどいろいろな方がいらっしゃいます。ぜひ彼らの意見も積極的に聞いていく場を設けていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
次に、区民がさまざまな条例や政策などを一目で理解し、評価できるアプリ開発についてご提案いたします。
港区では、区民からの意見を集める施策として、タウンフォーラムやパブリックコメントなどを実施していますが、なかなか多くの意見は集まっておりません。以前の提案で、問いの設定をわかりやすく具体的にすることで改善されるのではないかという趣旨のことをお話ししましたが、それに加えて気軽に投稿できるシステムの設計も重要だと考えます。
千葉市では、今年度、ちば市民協働レポート実証実験(ちばレポ)という試みを行いました。これは、携帯電話のカメラ機能などを使って市民が公共施設のふぐあいやまちの課題を行政に知らせることができる仕組みで、将来的には投稿されたまちの課題を市民と協働で解決していくことを目指しています。まちの課題解決には、当事者である市民の声が必要不可欠ですが、これまで行政に対して何かアクションしたいと思っている人が気軽に参加できる方法は余り多くありませんでした。千葉市では、できる限りの行政情報を市民に提供した上で、彼らが思わず意見を投げかけたくなる、またみずから行動したくなる施策を次々と生み出していっています。
港区でもこのちばレポのような試みをぜひ実行していただきたいと思うのですが、まずご提案したいことは、港区にある条例や政策を図解などでわかりやすく示した上で、そこに区民が賛成、どちらでもない、反対などの簡単な意思表示をすることができるアプリをつくることです。まずは区が持つ情報をわかりやすい形で提供することで、そこに参加する意欲をつくっていければと思います。集計結果は定期的にポスターにしてまちに張り出し、港区のフェイスブックやツイッターなどで情報発信すること、また賛成数を反映されたランキングなども作成して見える化すれば、より認知が高まるでしょう。このような取り組みに対するご意見をお聞かせください。
○区長室長(浦田幹男君) わかりやすい区政情報の発信は、区民の皆さんの区政への関心を高め、区政への参画を促すためにも大変重要なことで、広報みなとやホームページ、SNSやケーブルテレビ等で情報発信に努めております。
また区政に対するご意見は、区政モニターや
インターネットアンケートのほか、広聴はがきや広聴メール、また直接お電話やお会いして区民の声としてお伺いし、それぞれの施策に反映するとともに、ご意見の要旨と区の対応の考え方を区ホームページで公表するなど、わかりやすさ、見える化に努めております。区が発信した情報に対して意思表示できるアプリの導入につきましては、今後検討してまいります。
○委員(横尾俊成君) わかりやすくということで、そこに思わず参加してみたくなってしまうという仕組みも大切だと思います。熟議といって意見をきちんと慎重に集めて、それを公表するということも大事なのですが、日常に気になったことに関してはすぐ反応できるような仕組みづくりも大切かと思いますので、ご検討いただければと思います。
次に、外国人のためにやさしい日本語を使用することについてご提案します。
港区の人口の約1割が外国人ですが、当然彼らは日本人よりも日常的なコミュニケーションがとりづらいことと想定されます。2020年には東京でオリンピック・パラリンピックが開催されることが決まっており、多言語表記の推進にはぜひ力を入れていただきたいのですが、あわせてお願いしたいことは、やさしい日本語の導入です。やさしい日本語とは、普通の日本語よりも簡単で、日本語が得意でない外国人でも理解できる表記方法のことです。一般に、日本語能力試験3級程度で、日本人の場合、小学校2、3年生が習う程度のもので表記されています。
現在多くの自治体では、日本語、英語、中国語、韓国語の4カ国語での表記が一般的です。これらの言語を母語や第2言語として使っている外国人は読み取ることができる一方、そのほかの言語を使う外国人や日本語が得意でない外国人にとっては、むしろやさしく書かれた日本語のほうが読み取りやすい場合もあります。
愛知県では、生活にかかわる情報や緊急情報などをやさしい日本語で表記しているほか、これを広く普及するためにスマートフォン用のアプリ、やさしい日本語を作成し、無料配信しています。このアプリは、外国人住民と日ごろ接している、もしくは接したいと思っている日本人に向けてつくられたもので、彼らは役所や学校などの場面ごとに会話形式で学習することができます。このような取り組みは、鹿児島市など他の自治体にも広がり始めています。港区においては、「ちぃばす」の利用を促す「みなと家族物語。ちぃばす周遊記」で7つの路線を漫画で紹介する際、やさしい日本語が一部で使われています。
そこで、2つご提案します。1つ目は、「みなと家族物語。ちぃばす周遊記」のように基本の4カ国語に加えて区の情報をできるだけやさしい日本語でも表記していくことです。いかがでしょうか。
○国際化・
文化芸術担当課長(加耒順也君) 日本人と外国人の円滑なコミュニケーションを促すためには、情報の多言語化に加えまして、わかりやすい日本語の表現が重要だと考えております。そのためには、どのような表現を用いることが外国人にとって理解しやすいのか、これについてさまざまな観点から検討することが必要だと考えております。
昨年12月とことし2月に実施いたしました外国人座談会で外国人にとってわかりやすい日本語について外国人と日本人とが活発に意見を交わしたところでございます。座談会では、やさしい日本語についてその効果や重要性に対する理解を深めるとともに、日常生活における日本語でのコミュニケーションについて、さまざまなアイデアが出されております。
このような座談会での意見を踏まえ、区は来年度、行政情報多言語化の基準でございます港区行政情報多言語化ガイドラインの改訂におきまして、やさしい日本語の視点も含めて十分に検討いたしまして、ガイドラインの内容の充実に努めてまいります。
○委員(横尾俊成君) ぜひ引き続き検討をお願いできればと思います。
2つ目は、港区民がやさしい日本語を学ぶ、こちら区民側として彼らが学べるような冊子やアプリなどをつくることです。区民がやさしい日本語をふだんから使えるようになれば、外国人とのコミュニケーションを促すことができます。災害時などの緊急時には重要な情報を伝えることもできるようになるでしょう。こちらは要望としたいと思います。
あわせて、私もローマ字や英語などをよく使ってしまって、怒られてしまうのですが、高齢者も含めていろいろな世代が使える日本語を真剣に考えていく必要があるかと思っています。質問も日本語でなるべくできるようにしていきたいと思います。
最後に、子育て世代向けに防災訓練、防災ワークショップを実施することについてご提案いたします。
昨年の
予算特別委員会で、私は子育て世代向けの防災訓練の実施についてとして、狛江市の子育てママ救護訓練の例などを挙げながら、忙しい時間をずらした時間設定をし、子どもが窒息したときの対処法を学べるなどの内容を設定するなどして、子育て世代がより参加しやすい防災訓練を実施するべきだとご提案いたしました。
現在の総合防災訓練の参加者は、一部の年齢層に偏りがちである一方、特定の層に絞った訓練を実施し、似たような生活条件を持った人だけが参加できる環境を整えたほうが、彼らにとっての参加のハードルは低くなるとも述べました。そのようにあわせて総合防災訓練と特定の層に絞った両方の訓練がある状態がいいかと考えているのですが、私の質問に対し、
防災危機管理室長は、総合防災訓練の中でさらなる工夫を行うことも含め、個別訓練の実施、そのような実施方法について、各地区総合支所と連携して検討すると答弁されていたかと思います。
ところで、ママによるママのための支援コミュニティ、スタンドフォーマザーズという団体は、2011年7月より10カ月間、全国のママたちの協力を得て、被災地のママと子どもたちへ支援物資を送り続けました。そこで活動した方々は、地震の前にはこのように思っていたけれども、実際はこうだったという被災地のママの体験を聞くうちに、子どもの命を守るためにはママたちが地震について自分のこととして捉え、備えておくことが大切だと思い、「防災ママブック」という冊子を作成したそうです。ここには、震災後、日を追うごとにどのようなことが起き、どのような対応を迫られたのか、また地震が起きる前に備えておくべきことは何なのかについて、実際のママの声をもとに詳細に書かれています。
きょう、お持ちすればよかったのですが、このような冊子も使用させていただきつつ、港区としても、ママ向けの防災ワークショップや訓練などを、対象を彼らに特化する形で実施するべきだと考えますが、昨年の
予算特別委員会の質問後の取り組みの進捗状況とあわせて区のお考えをお聞かせください。
○防災課長(菅根克己君) その後の区の取り組みにつきましてご説明させていただきます。
芝地区では、御成門小学校、芝小学校、赤羽小学校の各PTA主催の夏休み前のイベントで、協働推進課が防災コーナーを担当し、子どもたちを対象とした防災クイズや保護者向けの講習会等により防災知識の普及を図っております。
麻布地区では、麻布小学校や東町小学校など、各小学校単位で地区防災協議会が小学校の引き取り訓練と連携して、応急救護や避難所実演の見学といった、親子で参加できる防災訓練を行っています。
赤坂地区では、青少年対策赤坂地区委員会が主催する防災訓練、イベント名は芋煮会といいますが、芋煮会で中之町幼稚園、赤坂小学校、赤坂中学校のPTAと園児、児童・生徒が初期消火などの訓練を行います。そのほか、赤坂中学校の生徒が、青少年対策赤坂地区委員会の指導のもと、準備から参加者への配布まで行うという炊き出し訓練を行い、園児と児童がその姿を見ることにより、次の学年へと引き継がれていく地域防災の新たな担い手の育成を24年間続けています。
高輪地区では、高輪フェスティバルで、災害時に役立つ乳児、新生児を安全に移動する方法や力がなくてもできる救助法などを学ぶ、災害時のだっことおんぶ、災害時だけでなく、毎日の生活や子育てにも役立つアウトドアの知識やアイデアを紹介する、生活に役立つ防災講座、災害時にライフラインが使えない状況でも対応できるカセットコンロなどを利用した調理の実演、被災時クッキングなどのワークショップを開催しております。
芝浦・海岸、港南、台場地区では、総合防災訓練等で子育て世代の方向けのパネルや備蓄物資を展示し、にじのはし幼稚園では総合防災訓練を登園日とし、園児と保護者が参加した防災訓練を実施しています。
防災課では、親子で防災関連施設を見学するツアーを新たに防災学校で実施しています。区では、ママ向けに限らず、地域で活動する子育てグループなどに対して、防災出前講座の活用を薦め、防災講演会などには一時保育を確保して、子育て中でも参加しやすい環境を整備しながら防災について学ぶ機会の確保に努めてまいりたいと考えてございます。
○委員(横尾俊成君) 子育て世代向けということで、震災時に働ける立場の人たちのそのような活動や、ほかにも各地区でやられている成功例をほかの地区にも共有するなどしながら進めていっていただければと思います。引き続きの取り組みをよろしくお願いいたします。
○委員長(赤坂大輔君) 横尾委員の発言は終わりました。
……………………………………………………………………………………………
○委員長(赤坂大輔君) 次に、榎本委員。
○委員(榎本茂君) 港区は、日本で一番高層建築物が密集している地域であります。首都直下型地震に予見される震災時のエレベーターの停止から、エレベーターを復旧させるプロセスを課題として検討することは、言うまでもなく、港区の防災を考える上で最優先と言える非常に重要なことであります。
3.11のとき、高層建築物のほとんど全てのエレベーターが停止し、その多くが当日復旧できませんでした。エレベーター管理会社の能力の限界が露呈したわけです。3.11のときと違い、首都直下型地震ですと余震は日に何回も何日も続き、道路の混乱などは3.11のときの比ではないと思います。当然エレベーターの再起動にエレベーター会社が対応し切れるとは思えません。大規模なビルやマンションには、24時間建物を管理している防災センターがあります。この防災センターにエレベーターの点検技術を有する昇降機検査資格者を配置することで、震災時の緊急停止から点検、再起動という過程を建物内で完了することがもしできたならば、港区にとって非常に大きなメリットが生まれることになります。資格者を雇い入れることで、ビル管理会社も震災時に停止したエレベーターを再復旧するため、エレベーター管理会社の到着を待つまでもなく、みずから点検の後に再起動させる復旧能力を手にすることができるのではないでしょうか。
そこで質問です。震災時においては、耐震性の高い非常用エレベーター1機だけでも速やかに再起動させたい、そのように考えるのですが、区としてのご認識を伺わせてください。また、区では平成18年のシティハイツ竹芝のエレベーター事故を受け、国の関係機関に対し、国はエレベーターの形式ごとに点検及び保守に必要な資格制度を定め、その認定を行うことを要望しています。引き続き震災対応としても同じ要望を続けていくことが港区にとって重要だと考えます。あわせて区のご意見を伺わせてください。
○防災課長(菅根克己君) 区は、震災時のエレベーター停止による高層建築物内の移動が困難になることを防ぐため、速やかな再起動は必要であると考えております。しかし震災時に安全装置により停止したエレベーターを再起動する際には、安全性を確保することこそ優先されるべきだと考えております。現在さまざまな安全装置が設置されているため、エレベーターを製造設置したメーカーの技術者による救出、復旧作業が最も安全であると考えてございます。
また、区が関係各機関へ要望したものは、区が設置した事故調査委員会がエレベーターの設計、施工、点検及び保守・管理のあり方を検証し、エレベーターの点検及び保守に関して、関係各機関に対して行ったものでございます。
震災時の対応については、委員にもご指摘いただいているとおり、何日も余震が続くような首都直下型地震などでは、エレベーターだけでなく、建物自体の安全確認も必要であると考えてございます。震災時のエレベーターの早期再起動については、安全性の確保を優先に対応がなされるよう、業界の動きを注視してまいります。
○委員(榎本茂君) ぜひその業界そのものの動きを見定めて、我々も動いていきたいと思っております。
次の質問に移ります。消防法では、建物の管理者に対し避難訓練を毎年義務づけております。そして消防署の指導により訓練の手順が示されるのですが、その多くが、地震が発生したその直後火災が発生する、そしてみんなで避難する、そのような手順であります。昔と違い、今のガス器具は地震の震動で自動消火しますし、地震だ、それ火を消せという消防署の指導も変わり、地震の直後、台所でやかんのお湯などによる2次災害を防ぐため、台所には近づかないという指導に変わってきております。
火災の発生する可能性が高いのは、ガス器具など台所からではなく、震災時に予見される停電により皆が夜間ろうそくなど火を使うことであります。停電時には火災報知器も鳴りませんし、高層物件ですと、スプリンクラーも、消火のために水をくみ上げるブースターも機能しないので、消火活動というもの自体ができません。停電時に火は絶対に使ってはいけない。港区が防災助成で懐中電灯など照明器具を助成品目に載せておりますが、電池を使うものは液漏れのため長期間の保管に耐えられず、手動で発電するものは長時間点灯させておくことができません。
ここに10年間保管でき、水が1ccあったら何とこのまま1週間点灯する軽量なライトがあります。これは非常に軽いのです。当然軽いので、ガムテープでヘッドライトにつけておくことも、固定することも可能であります。水につけなければ10年間全く液漏れのような心配もないそうであります。このようなものをもっと普及させ、震災の停電時にろうそくなど火を使わないよう区民に強く働きかける必要があるかと思いますが、いかがでしょうか。
また、話を避難に戻します。消防訓練では、毎年地震の後は火災が発生するのだと、だから避難しなさいと刷り込まれております。区で行っている防災訓練も基本的には集団で避難し、避難所に集合する仕組みになっており、実際多くの区民が防災訓練とは呼ばず、避難訓練と呼んでおります。つまり地震の後、訓練の行われている場所に避難するものだと刷り込まれている区民が非常に多くいらっしゃるわけです。エレベーターが停止した中、高層住民は一度避難すると自宅まで帰ることが困難になってしまい、避難場所が混乱することも港区特有の十分予見できる2次災害であります。防災訓練は、避難訓練ではないともっと広報する必要があると考えるのですが、いかがでしょうか。
○防災課長(菅根克己君) 今、委員からご提案がありました軽量ランプ等、新しい商品が次々出てまいりますけれども、そのようなものについては、有効性を検証しながら、必要な資機材については、各種助成やあっせんのメニューにするなど普及啓発等を行っていきたいと考えてございます。
避難訓練の関係のことでございますが、消防署が指導する訓練は、やはり火災を想定したものですので、避難することが第一義的に安全を確保することになります。しかし震災時は、近隣において安否の確認ができ、建物に被害がなく、延焼の危険性がなければ自宅に戻っていただき、避難を要するものではございません。区では引き続き区民の方の震災時に適切な対応がとれるよう、さまざまな機会を通じて周知を図ってまいります。
○委員(榎本茂君) 避難するのだという刷り込みが行われないよう、ぜひ努力をよろしくお願いいたします。
以上で質問を終わります。
○委員長(赤坂大輔君) 榎本委員の発言は終わりました。
……………………………………………………………………………………………
○委員長(赤坂大輔君) 次に、錦織委員。
○委員(錦織淳二君) 総務費では平和事業についてお伺いします。
昭和60年8月15日に、区は、港区平和都市宣言し、現在さまざまな平和活動をするとともに、区が発行する多くの冊子等にも宣言文が印刷してあります。
港区が会員になっている日本非核宣言自治体協議会の調べによると、非核平和都市宣言をしている自治体は、昨年12月1日現在で自治体数の8割にあたる1,578カ所で、ちなみに特別区の23区は全て非核都市宣言をしています。各自治体とも昭和57年から平成23年にかけての決議が多いようですが、港区が非核都市宣言をした動機と目的を教えてください。
○人権・
男女平等参画担当課長(菊池朗子君) 昭和33年10月17日の第3回定例会におきまして、平和都市宣言並びに核武装阻止に関する決議を可決し、その後昭和59年に核兵器の廃絶と人類の恒久平和を目指す港区平和都市宣言を求める決議が全会一致で可決されました。この決議を受けまして、昭和60年の終戦記念日にあたる8月15日に、港区平和都市宣言を行いました。
○委員(錦織淳二君) 昭和33年に平和都市宣言並びに核武装阻止に関する決議が可決されたということですが、昭和21年から昭和33年にかけて、米国が、太平洋のビキニ環礁とエニウェトク環礁を核実験場として67回もの核実験を繰り返し、特に昭和29年3月1日に行われたキャッスル作戦という水爆実験では、広島型原子爆弾1,000個分の爆発力のコード名がブラボーという水素爆弾が炸裂し、海底に直径2キロメートル、深さ73メートルの通称ブラボー・クレーターが形成されました。
このときに日本のマグロ漁船「第五福竜丸」の乗組員32名をはじめ、1,000隻以上の漁船やロンゲラップ環礁の島民86名が死の灰を浴びて被爆するという二度とあってはならない不幸な歴史があり、広島、長崎に次ぐ3度目の核惨事として反核運動のきっかけになったからではないでしょうか。しかしながら、冷戦期だけでも米ソを中心に約2,000回の核実験が行われ、世界には今も推定1万7,000発の核があり、廃絶への道筋が見えないことが危惧されています。私たちはこのような不幸を二度と起こさないように、非核三原則の堅持、核兵器の廃絶を訴え、世界の恒久平和を願い、平和事業を続けなければなりません。
区ではどのような平和事業をしているのか教えてください。
○人権・
男女平等参画担当課長(菊池朗子君) 区では、平和関係の資料を展示する平和展や区民の方と一緒に平和を考えるイベントでございます平和を考える集い、巡回平和メッセージ展、平和コンサート、高校生の世代を対象にいたしました平和青年団の派遣事業や平和に関する懸垂幕、横断幕の掲示、ミニ平和展セットの貸し出しやミニミニ原爆展用のパネルの貸し出し、そして平和の灯と被爆2世の木の維持管理などを行い、さらに黙祷の呼びかけなども行っております。
○委員(錦織淳二君) いろいろされている中で、平和展についてお伺いします。
昨年は8月3日から8月18日まで16日間、港区役所、高輪区民センター、
麻布地区総合支所、赤坂区民センター、スポーツセンターの各会場で開催され、私は港区役所会場に3回、その他の会場は各1回だけ行ってみましたが、お盆だったせいなのか、たまたま時間帯が悪かったせいなのかわかりませんが、港区役所の3回を含め、どの会場においても私1人でした。各会場における来場者数の実績を教えてください。
○人権・
男女平等参画担当課長(菊池朗子君) オープンスペースでの展示でございますので、以前から来場者数のカウントはしておりません。ただ、アンケートはいただいておりまして、回答者数は港区役所で22名、高輪区民センターで79名、
麻布地区総合支所で7名、赤坂区民センターで15名、スポーツセンターで30名の方、計153名の方からアンケートをいただいております。
○委員(錦織淳二君) 来場者の皆様にアンケートを書いていただくことは難しいかもしれませんが、16日間5カ所で開催していることを考えればちょっと少ないような気がします。
ところで、通常催し物をした場合、来場者数はたとえおおよそであろうがカウントし、実績として記録に残し、次回の企画に役立てるものですが、オープンスペースの展示だから来場者数をカウントされないというのは何か理由があるのでしょうか。
○人権・
男女平等参画担当課長(菊池朗子君) 全ての来庁された方の目にとまるように、なるべく出入りの多い入り口を中心に展示させていただいておりまして、カウントすることについては考えてございません。仮に来場者数をカウントするためには、5カ所の会場に開設期間中受付を設置しなければいけませんので、職員体制と経費の両面から難しいと考えております。
○委員(錦織淳二君) 次年度の平和展における予算額は、529万2,216円計上してあります。これだけの費用が発生するからには、費用対効果も考えて来場者数もカウントし、毎年より人が集まる企画を考えていかなければなりませんが、毎年どのような点に基づいた企画を立てられているのでしょうか。
○人権・
男女平等参画担当課長(菊池朗子君) 核兵器の廃絶と世界の恒久平和を願う平和都市宣言を行った港区として、戦争の悲惨さと平和の大切さを区民の皆様に伝え、平和についてみずから考える契機となるような事業を企画しております。
○委員(錦織淳二君) 次回の平和展のご参考にしていただきたいのですが、東京都原爆被害者団体協議会である東友会が、平成20年から毎年恒例になっている「東京原爆展」を、昨年は7月31日から8月5日までの6日間、都庁第1本庁舎45階南展望室において開催し、私は昨年4月に発足した東京被爆2世の会のボランティアとして展示会場の受付を担当しました。区の平和展と同じくオープンスペースですが、3つのコーナーに分かれており、午前と午後に10人ずつで入れかわり、延べ100人のボランティアが、受付展示の案内、英語・韓国語・中国語の通訳、折り鶴指導等の担当につき、来場者が減ってくると、担当にかかわらず皆が呼び込み係として走り回り、6日間で5,000名の来場者があり、そのうち3割が外国人でした。ちなみに、予算は毎年の企画内容で変わりますが、100万円から150万円の範囲内になっています。一般の来庁者、観光客及び都庁の関係者はもちろんのこと、各政党の議員や各自治体の関係者も多数見えましたが、港区の関係者が見えなかったことが残念でした。もし見えていたら、区の平和展開催の参考になったかと思います。
区では、ほかの団体が開催している行事を積極的に視察され、それぞれの行事に生かすことはされないのでしょうか。
○人権・
男女平等参画担当課長(菊池朗子君) 区でも毎年実施しております8月の平和展につきましては、毎年、広島、長崎の原爆についても展示させていただいているところでございます。そちらにつきましては、もちろん広島、長崎両市にご協力いただきまして開催しております。ほかの自治体につきましても、いろいろすばらしい展示をなされていると思いますが、ただなかなか人員の関係上、直接全てのところに私どもが視察させていただくということは難しいところではございます。開催案内や結果をまとめた報告書などをいただいておりますので、そのようなものを十分活用させていただき、今後ともさまざまな平和事業の参考させていただきたいと存じます。
○委員(錦織淳二君) 直接視察に行くことは難しいということですが、できれば視察に行かれて、ただ単に展示会を見るというのではなく、人員や経費面も含めたイベントのやり方を主催者側から教えていただき、よいものはどんどん取り入れられたほうが、よりよい展示会ができるのではないでしょうか。
平和展に限らず、展示会は単に展示品をおいていれば自然に人が集ってくるものではありませんし、アンケートを置いているだけではなかなか書いていただけません。区には港友会という港区原爆被爆者の会、港区語り部の会、港区平和青年団等があり、それぞれ活動されていますが、これらの方々をはじめ広くボランティアの方を募集すれば、来場者数もカウントできるでしょうし、より積極的な展示会になり、さらに多くの区民の皆様に平和について考えていただける機会を持っていただけるので、平和展を開催する意義が出てくると思います。次年度の平和展の開催をより積極的なものにしていただきたいのですが、いかがでしょうか。
○人権・
男女平等参画担当課長(菊池朗子君) 終戦から約70年を経過いたしまして、戦争を体験した世代の高齢化は著しく、戦争体験が風化しつつあることに対して、区としても強い危機感を抱いております。そのため、これからは特に若い世代に戦争の悲惨さと平和の尊さをしっかり語り継いで、考えてもらえるような企画を実施したいと考えております。
被爆者や戦争体験者の方々の貴重な体験が若い世代に引き継がれるような企画や、若い世代の積極的な参加を促すような方法についても検討してまいります。
○委員(錦織淳二君) ぜひよろしくお願いします。
昨年8月24日に、高輪区民センター区民ホールで開催された平和を考える集いについても、同じことが言えると思います。港区平和青年団4名の高校生が第五福竜丸事件と東京大空襲について勉強されたことや、被爆地長崎の訪問及び青少年ピースフォーラムに参加された活動報告をされ、また港区語り部の会による戦争体験の語り、その他があり、非常に実のある内容でした。
しかし残念ながら、先着250名で募集されたようですが、出演者及び関係者を除くと61名しか参加されている方がおらず、がらがら状態でした。その前の年も同じような状態であったような気がしますが、この行事は毎年同じようなやり方をされ、参加者も同じような人数なのでしょうか。
○人権・
男女平等参画担当課長(菊池朗子君) 今年度は、昨年度まで別に開催しておりました平和青年団の報告を8月に開催していた啓発事業に組み込みまして、平和を考える集いとして戦争体験者の方から高校生世代である平和青年団まで、幅広い世代が一緒に平和について考える会となるように企画、実施いたしました。委員にもご指摘いただきましたように、平和事業は、アンケートの結果などからは、参加された方の満足度と評価は非常に高いものでございますが、参加者が少なく、特に若い人の参加が少ないということは、ご指摘のように課題であると認識しております。
○委員(錦織淳二君) 平和を考える集いについても、次年度予算が211万3,344円計上してあります。より積極的な姿勢で企画され、会場を満杯にできるようなものに変えていくべきかと思いますが、いかがお考えでしょうか。
○人権・
男女平等参画担当課長(菊池朗子君) 区として平和事業を実施する意義は、戦争の悲惨な記憶を風化させないために継続して区民の方に訴えていくことであると考えております。来年度は、親世代についても戦争体験がもうなくなってしまっている現在の若者世代が、平和をどのように継承していくか、それをみずからの課題として考えていただけるような事業にしたいと考えております。
○委員(錦織淳二君) 私は、昨年10月8日に行われた決算特別委員会教育費の質疑の中で、原爆や戦争の悲惨さを書いた漫画「はだしのゲン」について、「確かに子どもたちが残酷さに恐怖を覚えるかもしれませんが、戦争の残酷さはあのような生やさしいものではなく、漫画の表現をはるかに超えるものです。それを忠実に伝えなかったら真の平和教育などできるわけがありません。過激過ぎると逃げていては教育というものの的を外してしまいます」と申し上げました。
また、昨年2月22日に行われた第1回定例会における一般質問の中で、「知覧特攻平和記念館に行けば特攻隊員の遺書と顔写真があり、生徒たちが正面にその遺書の写真に向かい合ったときに、自分たちと年が大して違わない若者たちが命を守るために命を捨てて、そして戦ったというその散華した特攻隊員たちが今の未来に生きる我々子孫にどんな夢を残してくれたかという、その気持ちを無条件で感じ、かつ戦争の愚かさ、命の尊さを感じ、二度と戦争を繰り返してはだめだと思い、永遠の世界平和を願うはずです。それこそが真の教育のあり方ではないでしょうか」と申し上げております。
第二次世界大戦が終結して、ことしで69年を迎えます。日本は、世界で唯一被爆国となった悲惨な体験を世界に訴え続けなければならない責務があります。東京都の資料によると、区内には平成24年度末現在で、広島、長崎の被爆者数140名、被爆2世数155名が在住し、既に被爆者よりも戦争を知らない被爆2世のほうが多くなってきています。被爆者だけではありません。大空襲の体験者や戦地での戦闘体験者も同じです。親たちですら戦争を知らない世代になってきており、戦争といえば美化された映像の世界やおもしろくされたゲームの世界でしか体験できない若者、子どもたちの世代に取ってかわろうとしています。この平和な時代に平和の大切さを説くことは非常に難しいことだと思いますが、平和事業は、次代を担う区民が、平和の大切さをみずから考えるきっかけとなるよう、悲惨な生々しい戦争の史実を永遠に語り継いでいくしかありません。平和事業の平成26年度予算は、1,106万9,000円計上してあります。ぜひ積極的な事業を展開していただきたいと思っています。
ところで、ご存じのように、オリンピックの別称を「平和の祭典」と言います。6年後に東京五輪を迎えるにあたって、その中心地に位置する港区として、世界に向けた平和事業の展開をお考えでしょうか。
○人権・
男女平等参画担当課長(菊池朗子君) 現在オリンピック・パラリンピックに合わせた特別の平和事業は考えておりませんが、2020年はまさに世界じゅうから人が集い、世界が東京に注目する絶好の機会と捉えております。平和事業につきましても積極的な啓発を展開すべきと認識しております。
○委員(錦織淳二君) 都は、東京五輪開催期間中の来場者数は延べ1,000万人、1日あたりの来場者数は最大92万人と予測しており、交通の要所であり、かつ大型の商業施設やホテルがある港区には、恐らくかなり多くの人々が訪れるものと思われます。ということは、区の平和事業にとって世界平和を訴える千載一遇のチャンスです。まだ6年間あるといっても、時がたつのは早いものです。ぜひ平和都市宣言をしている港区の名に恥じないような平和事業にチャレンジされることを期待いたします。
最後に、私は、福島原発事故は、広島、長崎、第五福竜丸に次ぐ4度目の核惨事であると思っています。福島原発事故において、放射線障害を見るときは総量を見なければなりません。東京大学アイソトープ総合センターで総量を計算したところ、熱量からの計算では広島原爆の29.6個分に相当するものが漏出し、ウラン換算では20個分のものが漏出しています。さらに恐るべきことは、原爆による放射線の残存量と原発から放出された放射線の残存量は、1年に至って原爆が1000分の1に低下するのに対して、原発からの放射線汚染物は10分の1程度にしかなりません。つまりウラン換算で20個分、残存量が100倍も高いのであれば、単純計算で広島原爆2,000個分の放射線汚染物をチェルノブイリと同様に広く地球に拡散していることになります。これらのことは、2011年に英国の科学誌「ネイチャー」が科学界「今年の10人」に選んだ東京大学先端科学技術研究センター教授で、東京大学アイソトープ総合センター長でもある
児玉龍彦医学博士が、2011年7月27日に行われた衆議院厚生労働委員会において、国の原発対応に満身の怒りを込めて参考人陳述をされたのですが、東京電力と政府からの公表もなければ、新聞、テレビで報道もされておりません。このような生命にかかわる真実は正しく国民に知らせるべきではないでしょうか。また、先月20日、東京電力は、福島第一原発汚染水をためたタンクから高濃度の汚染水が100トン漏れており、その警報が出ていたにもかかわらず、適切な対応をとらなかったことを発表しています。昨年8月に300トン漏れたことに次ぐ大量漏出です。海への流出はないと言っていますが、土壌を通して海に流れることは必至です。汚染水の放射線量を調べると、ベータ線で毎時50ミリシーベルト、ガンマ線で0.15ミリシーベルトと高く、雨どいの水を測ったところ、放射性ストロンチウム90などベータ線を出す放射性物質が、1リットルあたり2億3,000万ベクレル検出されたということです。ストロンチウム90の原発外放出の法定上限は1リットルあたり30ベクレルなので、実に800万倍もの高濃度になっています。全てがこれほどの高濃度でないにしても、福島第一原発には既に1,000基を超えるタンクが林立し、今でも43万トンもの汚染水がたまっています。このように事故から3年たっても、放射能汚染の拡散はとどまるところを知りませんが、これだけの大きな原発事故を起こしながら、いつ巨大地震が起きてもおかしくないという危険期に入っている日本で、政府は2月25日、原子力関係閣僚会議を開いて、原子力発電を時間帯にかかわらず一定の電力を供給する重要なベースロード電源と位置づけるとともに、安全基準に適合すると認められた原発の再稼働を進めることなどを盛り込んだ新たなエネルギー基本計画案を決定しました。このことは、原発は将来においても必須の電源だと宣言したことになります。もし、東京五輪開催中に巨大地震によるさらなる原発事故が起きたとしたら、世界に対してどのような責任がとれるというのでしょうか。平和都市宣言をしている港区としては、平和事業の一環として、今後は戦争の悲惨さだけではなく、福島原発事故による放射能汚染の実態もあわせて区民に公表すべきだと思います。
また、先ほど見ていた東京新聞によると、原発事故を起こした東京電力は、海外の発電事業に投資して得た利益を少なくとも2億ドル、約210億円を免税制度のあるオランダに蓄積し、日本で納税しないままとなっています。国費1兆円を投じて実質国有化された東京電力に対する公的支援は現在でも終わりが見えず、昨年末には、除染のために3兆6,000億円の公費負担も決定し、料金値上げで利用者負担も増えています。こうした裏側で東京電力が海外で蓄積した利益を温存し、負担のツケだけを国民に回すなど、あってはならないことではないでしょうか。
以上で終わります。
○委員長(赤坂大輔君) 錦織委員の発言は終わりました。
……………………………………………………………………………………………
○委員長(赤坂大輔君) 次に、土屋委員。
○委員(土屋準君) 総務費におきましては、初めに、港区行政経営方針についてお伺いいたします。
これまでも類似のものとして、港区行政改革大綱というものがありましたけれども、今回、区長は所信表明で、新たに港区行政経営方針を策定し、区が持つ情報や施設など、さまざまな資源を経営の視点から効果的、かつ効率的に活用していくと述べられております。
内容はまだ作業中とは思いますけれども、この港区行政経営方針の策定に至った経緯はどのようなものでしょうか。
○
区役所改革担当課長(野上宏君) 地方分権改革が進展する中で、区は平成18年4月に、区役所・支所改革を実施し、地域自治の実現に向けまして区民とともに地域の課題の解決に取り組んでおります。
行政改革大綱の策定から10年余りが経過した現在、人口の増加や協働の輪の広がりなど、区を取り巻く環境は大きく変化してございます。一方で、地方分権改革による事務権限等の移譲によりまして、基礎自治体として区が担う役割は一層大きくなっております。また、共通番号制度の導入など、社会保障・税の一体改革による各種行政手続への影響が想定されてございます。
区は、このような行政を取り巻く大きな流れや環境の変化に積極的に対応し、多様化、複雑化する区民ニーズに応えていく必要がございます。そのためには、都心港区に集積するさまざまな資源を経営の視点によりまして有効に活用し、区民ニーズを的確に捉えた政策を立案し、実施することが求められてございます。このような背景から、区の施策や事業を実施するにあたりまして、全庁が一丸となって取り組むための方針として策定することといたしました。
○委員(土屋準君) これは重要な方針になると思いますので、また内容が固まりましたらお伺いしたいと思います。
次に、港区政策評価についてお伺いいたします。
政策の体系には大きいくくりから、政策、施策、事務事業とありますけれども、港区では、平成22年に行政評価制度を再構築しまして、事務事業評価と政策評価の2つに体系化いたしました。事務事業評価は毎年実施することとしておりまして、平成24年度から本格実施しているところです。政策評価は3年に1度、基本計画の策定、改定の際に実施するとしておりまして、来年度から実施されます。
この実施体制でこれまでと違うことは、公募区民委員が加わるという点であります。公募にあたっては、偏った評価になることがないよう、地域や年齢、性別の違い等によるさまざまな意見が反映できるようにすることが重要だと考えております。
そこでお伺いいたしますが、区民の意見を幅広く取り入れた政策評価とするために、公募に向けてどのように取り組まれるでしょうか。
○
区役所改革担当課長(野上宏君) 政策評価は、港区基本計画に掲げてございます施策の実施状況や効果などにつきまして、政策の達成度を評価するとともに、各種施策につきまして現行の手段、手法などの妥当性を評価し、今後の方向性を明らかにすることを目的としておりまして、区民委員の幅広い意見を評価に反映する必要があるため公募いたします。
現在、区民委員の募集に向けまして募集要項を作成してございます。ご応募いただく際には、幅広い区民意見をいただくことができるよう、応募書類に年齢、性別、お住まいやお勤めの地域などの情報に加えまして、関心のある政策を記入いただくとともに、区が指定するテーマに関する作文も提出していただく予定でございます。
○委員(土屋準君) わかりました。
次に、政策評価の実施方針についてですけれども、総務常任委員会で説明がありましたけれども、評価方法などの詳細は今後検討するということでございました。そこで、現段階でということになると思いますけれども、具体的な評価方法とその評価結果をどのように活用するのか、お考えはどのようなものでしょうか。
○
区役所改革担当課長(野上宏君) 政策の達成度を評価するため、まず現行の後期基本計画で設定した成果目標と活動指標を活用し、評価を行ってまいります。また、基本計画上の施策の概要として掲載されてございます事業計画化事業や計画計上事業などを的確に評価し、その上で、計画期間中の社会経済状況、人口動向、財政状況、区民ニーズなどの変動要素を考慮の上、施策全体の達成度について総合的に評価を行ってまいります。
今後の施策の方向性につきましては、政策の達成度や各種変動要素の予測を踏まえまして、政策を達成するために引き続き推進すべき施策や新たな課題やニーズに対応すべき施策など、方向性を導き出してまいります。
評価につきましては、学識委員、区民委員及び区職員による港区行政評価委員会におきまして、各委員の専門的な視点や区民の生活者の視点から政策を評価してまいります。評価結果につきましては、広報みなと及びホームページに掲載するなど区民に広く公表し、区政への関心を高めることにより、参画と協働による区政運営のさらなる推進を図ってまいります。評価で明らかとなった各種政策の今後の方向性につきましては、次期港区基本計画に反映させることにより、より区民ニーズに即した施策を展開してまいります。
○委員(土屋準君) この政策評価は、政策のサイクルの中でもこれから重要になってくると思いますので、ぜひ広く活用していっていただきたいと思っております。
次に、適正な事務執行を確保するための体制整備についてお伺いいたします。
過去には、平成24年度に会計等における不適切な事務処理の発生等がございましたけれども、このようなことはあってはならないことで、適正な事務執行の確保は常に心がけなければならないものと考えております。
区は、平成15年7月に設置した港区事務処理適正化調査委員会と、平成24年4月に設置した港区事務執行適正管理委員会を昨年9月に統合して、新たに港区事務執行適正化委員会を設置し、適正な事務執行の確保に努めているということでございますけれども、この港区事務執行適正化委員会の設置以前の取り組みはまずどのようなものであったでしょうか。
○
区役所改革担当課長(野上宏君) 区は、平成15年7月に、港区事務処理適正化調査委員会を設置しまして、不適正な事務による事故が発生した場合、その原因を究明し、再発防止の対策を講じてまいりました。また、定期監査や外部監査の指摘事項が増加傾向にあることなどを踏まえまして、平成24年4月に、港区事務執行適正管理委員会を設置しまして、事務執行の基礎知識をまとめた港区職員ハンドブックの作成や予算執行の進捗管理、組織内での情報共有の徹底、研修の充実による事務処理能力の向上、事務引き継ぎの様式化などに取り組みまして、適正な事務執行を全庁で継続的に推進してまいりました。
○委員(土屋準君) ぜひ適正な事務執行の確保にも今後とも取り組みの強化をよろしくお願いいたします。
次に、指定管理や業務委託の広がりと職員の現場性の確保についてお伺いいたします。
現在102の区の施設で指定管理者制度が導入されているほか、総合支所の窓口サービスや給食調理など、これまで区の職員が直営で行ってきた業務が委託で実施されてきております。指定管理、あるいは業務委託が年々広がっていく中、委託する施設や業務に携わった経験のない職員が増えてきているのではないかと思っております。
その中でとりわけ区からの独立性が高く、多くの区民が利用する指定管理者制度導入施設におきましては、区の責任のもと、区民の安全・安心を確保できるよう職員が実際に足を運び、施設や業務にかかわる現状や課題をしっかり認識し、現場性を確保する取り組みが必要ではないかと考えておりますが、いかがでしょうか。
○
区役所改革担当課長(野上宏君) 指定管理者制度導入施設におきましては、指定管理者に対して定期的に事業や会計に関する報告を求めているほか、アンケートによりまして利用者の意見をお聞きし、第三者評価により客観的な立場から施設やサービスに対する評価を受け、その結果により施設所管課としても現状を把握するだけでなく、問題、課題について常に改善するよう指導を行っております。これらのモニタリングを契機といたしまして、所管課職員が日ごろから施設へ出向き、書類を確認するだけではなく、利用者の様子や施設職員の働きぶりを直接見ることで、指定管理者と施設の運営状況や課題を共有することが重要と考えております。
さらなる区民サービスの向上や利用者の安全・安心の確保に向けまして、指定管理者を指導するとともに、所管課職員へ積極的なモニタリングの実施を促し、現場性の確保を図ってまいります。
○委員(土屋準君) 職員の方には、机の上でなく、ぜひ現場にも積極的に目を向けていっていただきたいと思っております。
次に、青色防犯パトロールについてお伺いいたします。地域と一体となって防犯力を高め、犯罪の減少を目指すみんなとパトロールには、区内の町会、商店会などが実施しております地域パトロールや、区が業者委託により安全・安心の確保と犯罪の未然防止のために実施している青色防犯パトロールなどがございます。
昨年4月から、区で実施しているいわゆる青パトの業務を総合支所で行うようになりました。そこで、まずお伺いいたしますが、各地区総合支所で業務を行うようになってから間もなく1年がたちますけれども、現在の状況をどのように考えていますでしょうか。
○
芝地区総合支所協働推進課長(荒川正行君) 平成25年度から区民に身近な総合支所が業務を行うことになり、これまで以上にきめ細かな対応が可能になっていると実感しております。
○委員(土屋準君) それでは、各地区総合支所で行うようになってからのメリットなど、具体的な事例がありましたら、教えていただければと思います。
○
芝地区総合支所協働推進課長(荒川正行君) 例えば総合支所に不審者情報や喫煙マナーなどに関する苦情があった際は、重点的に巡回し、警察や消防など関係機関から総合支所に寄せられた情報を青色防犯パトロールと共有するなど、より効果的なパトロールを実施しております。
また一方、青色防犯パトロールの乗務員からは、パトロール中の各地区総合支所管内の報告を受けており、通常の総合支所業務では目が届かないこと、例えば不法投棄などを把握することができ、迅速に対処することも可能となっております。
最近の例で申しますと、この冬の大雪の際には、坂道や階段などの危険箇所を中心に各地区総合支所の土木係と青色防犯パトロールが連携して円滑な除雪作業を行い、道路の安全確保に努めました。
○委員(土屋準君) 各地区総合支所で行うようになって、きめ細かい対応をとられているということでございます。
私も町会の地域パトロールに参加していますけれども、町会の防犯パトロールは、よくマイクを使って積極的にアナウンスを行っております。一方、区の青色防犯パトロールは、アナウンスをしていないではないかというような声も以前寄せられておりました。
そこで、お伺いしますけれども、地域からはどのような声が寄せられていますでしょうか。また、区民ニーズをどのように捉えていますでしょうか。
○
芝地区総合支所協働推進課長(荒川正行君) パトロールに合わせ、熱中症予防や振り込め詐欺防止、駅前での客引き防止など、青色防犯パトロールを使ったアナウンスをしてまいりました。青色防犯パトロールの乗務員からは、地域の方に直接感謝の意を伝える方もいらしたと報告を受けております。また現行の港区生活安全行動計画を改定する際の区民アンケートでは、地域と協働したパトロールや業者委託によるパトロールへの要望が最も高かったこと、あわせまして、総合支所移管後に地域の皆さんから伺う声からも、生活安全に対する青色防犯パトロールへのニーズや期待が依然高いものと認識しております。
○委員(土屋準君) 区民からのニーズも高いようでございます。
それでは、今後の取り組みについてお伺いいたしますけれども、自民党議員団は、平成26年度予算編成にあたりまして、繁華街などへの青色防犯パトロールのきめ細やかな巡回等、子どもの安全確保対策の充実を要望しております。安心・安全対策のさらなる推進には、地域の声を背景に積極的な青色防犯パトロールの活用が必要であると考えております。
そこで、各地区総合支所では今後どのように取り組んでいきますでしょうか。
○
芝地区総合支所協働推進課長(荒川正行君) 引き続き地域の実情に応じたきめ細かなパトロールを行うとともに、客引き防止対策やみなとタバコルール啓発キャンペーン、台風や大雪に対する注意喚起などにも青色防犯パトロールを活用して、より効果的なパトロールを行ってまいります。さらに総合支所の垣根を越え、港区全体の生活安全の向上を図るため、各地区総合支所が連携し、より効果的で機動的な対応に努めてまいります。
○委員(土屋準君) ぜひ今後ともよろしくお願いいたします。
それでは、もう一つ最後に、高齢者を狙った犯罪の現状と今後の対策についてお伺いいたします。
ここ数年、高齢者を狙った犯罪として、オレオレ詐欺や還付金詐欺など振り込め詐欺が多発しておりまして、社会問題化しているところでございます。区や警察署がさまざまな方法により啓発活動を行うとともに、金融機関窓口職員による一歩踏み込んだ呼びかけなど、官民を挙げて注意喚起していることはよく存じております。
そのような中で、最近は代金引きかえ詐欺というものも多く行われておりまして、多くの高齢者が被害に遭っているようでございます。これは、代金引きかえ郵便制度を悪用しまして、被害者に関係ないものや価値のないものを送りつけて、届けられた被害者が届いたものを受領してしまい、引きかえに代金をせしめるというものでございます。郵便局員等の配達業者が直接届ける形ですので、よく高齢者の方などは、郵便局の人が来たから代金を払わなければということで払ってしまうということも多いようでございます。そのような代引き郵便で代金を支払い、受領すると、郵便法上正当の交付が完了しているとみなされますので、原則としては返金されないということでございますので、代金を取り戻すことは大変困難であるということでございます。
そこでお伺いしますが、振り込め詐欺や代金引きかえ郵便詐欺など、港区内での高齢者を狙った犯罪の現状はどのようなものがありますでしょうか。
○危機管理・
生活安全担当課長(
児玉宏君) 平成25年における振り込め詐欺等を含む特殊詐欺の発生状況、発生件数は、港区内では51件発生しており、被害額は約1億2,500万円となっております。また、区役所職員等をかたって保険料等の還付があると偽り、お金を振り込ませる還付金詐欺に関する情報も区に非常に多く寄せられております。代引き詐欺に関しましても、区内での被害は今のところ把握はありませんが、警視庁全体として多くの相談が寄せられるとの情報を警察から受けております。
○委員(土屋準君) いろいろな形の詐欺が多く発生していると思います。
そのような中、今後高齢者を狙った犯罪に対する対策としまして、どのように対策を講じていきますでしょうか。
○危機管理・
生活安全担当課長(
児玉宏君) 現在、区内の皆さんからの相談や警察からの情報提供により、区内で振り込め詐欺の不審電話が多くかかってきているとの状況を把握した場合には、安全安心メールの配信や青色防犯パトロール車両による広報活動など、迅速な注意喚起を実施しております。また、区内警察署と合同で各地区の生活安全活動推進協議会において、振り込め詐欺防止の啓発活動を行うとともに、街頭でのキャンペーン活動を実施しております。さらに高齢者向け安全・安心ハンドブックの配布なども行っております。今後も引き続き代引き詐欺などを含め、これらの啓発活動を強力に実施してまいります。
○委員(土屋準君) ぜひこのような犯罪がなくなるように対策をとっていただきたいと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。
以上で質問を終わります。
○委員長(赤坂大輔君) 土屋委員の発言は終わりました。
この際、お諮りいたします。議事の運営上、時間を延長したいと思いますが、ご異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○委員長(赤坂大輔君) ご異議なきものと認め、時間は延長されました。
……………………………………………………………………………………………
○委員長(赤坂大輔君) 次に、ちほぎ委員。
○委員(ちほぎみき子君) それでは、総務費におきましては、初めにデートDVについてお伺いしたいと思います。
近年、しつこいメールやつきまとい行為による傷害事件や、DVにおいてもデートDVと呼ばれる恋人間の暴力がエスカレートして、被害者のみならず、その家族までも巻き込まれて襲われるという事件が後を絶ちません。
このような背景から、ことし1月に施行されました改正DV防止法は、対象を生活の本拠をともにする交際相手からの暴力に準用し、拡大され、運用されており、我が会派は昨年の決算特別委員会の総括質問において、ストーカー規制法とDV防止法の改正について質問いたしました。区長より、「ストーカー規制法、DV防止法の改正を受けての取り組みについて、昨年4月になりますが、区と警察、医療機関、民生委員、NPO等で組織する港区DV被害者対策地域協議会を設置し、デートDVを含めた被害者の適切な保護を行うための情報交換や関係機関との連携等についての協議を開始いたしました。今後とも、DV被害者対策地域協議会を通じて、関係機関との連携を深め、適切な保護及び支援に取り組んでまいります」とご答弁いただいています。そして、きょう持ってきたのですけれども、ことし1月発行の「OASIS」39号に、「イチからわかる、デートDV、デートDVをなくすために〜伝えたい大切なこと〜」ということで、特集を組んでいただきまして、私たち議員のポストにも入れてくださって、読ませていただきました。このような特集記事を作成してくださったということは、デートDVの周知、また防止や相談についての普及の啓発が重要だと、そのようなことを考えてのことと思っております。
そこで改めて、このまだ耳なれないと感じるデートDVの現状と、どのような状態がデートDVになるのかについて教えてください。
○人権・
男女平等参画担当課長(菊池朗子君) まず、デートDVという言葉の認知度でございますが、東京都が18歳から29歳までの若年層を対象に平成25年に実施した調査によりますと、言葉も内容も知っている割合は65.2%で、配偶者暴力であるDVにつきましては88.2%となっておりますので、それと比較いたしますと、まだデートDVという言葉の認知度は低いということがわかります。
一方で、この同じ調査の中で交際相手がいた人に、交際相手から何らかの暴力行為を受けましたかと聞いたところ、全体で37.4%、25歳から29歳までの女性ですと、47.4%もの人が被害経験があると回答した結果になっております。このことは、言葉として認知されていなくても、恋人間の暴力は高い確率で発生しているということがうかがえます。
次に、どのような状態がデートDVに当たるかについてでございますが、DVの加害者は被害者を力で支配し、思いどおりにしようといたします。身体的な暴力はもちろんですけれども、相手の行動を一々報告させるような強い束縛や、彼氏なのだからデート代を払ってなどというような彼氏、彼女の役割の押しつけもデートDVに当たります。
○委員(ちほぎみき子君) ありがとうございました。本当にまだまだ認知度は低いけれども、被害の経験の確率は高くなってきているということがよくわかりました。
そして先日は、深刻なデートDVと受け取られるような事件の報道がありました。港区にあります慶應義塾大学の男子学生が、交際中の女子学生に別れ話を切り出された途端に、「お願いだから死んでくれ、手首を切るより飛びおりれば死ねるじゃん」などと自殺を教唆する執拗なメールを送り、メールを受けた女子学生は、翌日の朝、自宅マンションから飛びおりて自殺してしまったというものです。男子学生は自殺教唆の疑いで逮捕され、事件として報道されました。
若いカップルの最悪の結末に衝撃を受けるとともに、胸が潰れる思いでいっぱいです。そして別れ話が死に直結する2人の関係は、正常な関係ではないのではということに双方のどちらかでも気づくことができれば、また、何か相談のきっかけを見つけることができていればと思うと、本当に無念でなりません。
そこで質問ですが、港区では、若い人たちにこのデートDVを知ってもらい、防止につなげるためにどのような施策をされていらっしゃいますでしょうか。
○人権・
男女平等参画担当課長(菊池朗子君) パネル展や啓発冊子の配布に加えまして、区内の高校や専門学校、大学に出向いて、私どもでデートDVについてわかりやすく講義するという出前講座の実施などを行っております。
○委員(ちほぎみき子君) 港区内の高校や専門学校、また大学へということですけれども、そのような講座に参加された皆様の若い方たちの感想はどのようなものだったのでしょうか。
○人権・
男女平等参画担当課長(菊池朗子君) 講座の参加者の感想でございますが、講座の満足度は大変高く、手前みそではございますが、100%の受講者の方に受講してよかったというアンケートをいただいたような講座もございました。主な感想といたしましては、デートDVのことがよくわかったというほかに、今までDVだと気づいていなかったことがDVだとわかりました、自分をDV被害から守る方法がわかった、友達にもよいアドバイスができるようになった、1人で抱え込まなくてよいということがわかったなど、私どもが講座をさせていただいた意図がきちんと伝わったという手応えを実感できる感想をいただきました。
○委員(ちほぎみき子君) ありがとうございます。今ご答弁していただいたように、このような講座に参加された方にきちんとその意図が伝わった、企画した行政でそのような手応えがしっかりあるということは本当に大事なことだと思います。
また、普通につき合っていると思っていたのに、実はデートDVだったのだ、この言動は間違っていたのだということに気づいたということもとても重要だと思います。正しい恋愛関係を築くということは、一番大切な一歩であると考えています。実施されている講座はとてもよい事業であると思いますが、デートDVと銘打って講座を開催し、「デートDVについて」という啓発小冊子などを配布すると、まだまだ自分には関係ないこととして関心を持ってもらえないということも多いとは思います。
そこで質問ですが、デートDVに対してこのような関心のない方たちに対する啓発についてはどのように取り組みをされていますでしょうか。
○人権・
男女平等参画担当課長(菊池朗子君) デートDVを若い世代に広く知っていただくために、区内の高校や専門学校、大学に対して引き続き積極的に出前講座の実施を働きかけるほか、平成25年度は新たな試みといたしまして、毎年実施しているメディアリテラシー講座のテーマを恋愛リテラシーとして、ドラマやニュースなど日々発信されるメディアに書かれた男女関係が実は偏ってはいませんかということを考えてみる講座を開催いたします。比較的たくさんの方に興味を引いていただけると思われる恋愛やメディアを前面に出すことで、DVについて興味のない方にも参加していただけるのではないかと考えております。このような取り組みを続けてまいります。
○委員(ちほぎみき子君) 新しい取り組みということで、よろしくお願いしたいと思います。
そのように情報があふれる現代社会の中で、知らないうちにステレオタイプの恋愛観を刷り込まれているかもしれないということは、とてもおもしろい視点だと思います。特に成長段階にある若い方たちにとっては、対等な恋愛関係について考える気づきにつなげるためには、さまざまな切り口からアプローチを行うことが必要であると思います。DVについては法整備も進み、社会の認知度もかなり進んできたと思いますが、DVにつながってしまうおそれも強いこのデートDVについては、まだまだ認知度も低く、早いうちからこの芽を摘むことはとても重要だと考えます。
そこで質問は、平成26年度はデートDVについてどのように取り組んでいかれますでしょうか。
○人権・
男女平等参画担当課長(菊池朗子君) 平成26年度の取り組みでございますが、冒頭委員にご紹介いただきました港区DV被害者対策地域協議会等を通じまして、関係機関とデートDVの現状を共有し、連携を進める中で、さらに効果的な啓発や身近な相談の仕組みづくりなども検討してまいります。さらに好評いただいている出前講座につきましては、平成26年度は、加害者になるケースが、女性に比べて圧倒的に男性が多く、デートDVについての認知度も男性のほうが低いので、そのような男性への啓発を強化する試みとして、区内の男子校で実施してみたいと思って計画しております。
○委員(ちほぎみき子君) ありがとうございます。平成26年度は区内の男子校で実施ということですので、またそのような感想もぜひ聞いてみたいところだと思います。
とにかく子どもを持つ親としては、自分の子どもがデートDVの加害者になっても、被害者になっても、非常に心配な問題だと思いますので、引き続きしっかりと取り組んでいただきますようによろしくお願いいたします。
続きまして、一般財団法人の港区国際交流協会について質問させていただきます。2月10日開会の区民文教常任委員会におきまして、一般財団法人港区国際交流協会への支援の充実についての報告事項がございました。また平成26年度の予算概要を見てみますと、この事業には一般財源で2,308万1,000円の予算がついております。平成25年度の予算は887万3,000円となっていて、大幅に予算が多くなっておりますが、このような予算立てをする理由を教えてください。
○国際化・
文化芸術担当課長(加耒順也君) 区の外郭団体でございました港区国際交流協会は、平成21年度から一般財団法人として自立化に向け取り組むとともに、国際交流に関するさまざまな事業を実施しております。
このような中、区からの補助金につきましては、減額を実施してきたところでございます。しかしながら、平成23年の東日本大震災の発生、平成24年の改正住民基本台帳法の施行など、国際化を取り巻く状況は大きく変化しておりまして、日本人と外国人が言葉や文化の壁をなくし、協働して地域の課題を解決することが、これまで以上に強く求められてきているようになっております。このため多くの通訳ボランティアを抱えるなど、外国人のニーズに対して幅広く柔軟できめ細やかな対応が可能な国際交流協会と区の連携が重要となってきております。
一方で、協会が持てる専門的能力を十分発揮し、事業の充実と強化に取り組むためには、職員を非常勤から常勤にするなど、事務局の充実や協会の活動を周知、普及するため、ホームページを再構築するなど、協会の体制強化が必要となってきております。このため、区は課題の解決に向け支援の充実を行うこととし、平成26年度には2,308万1,000円の予算としております。
○委員(ちほぎみき子君) また、平成25年度の包括外部監査結果報告書を拝見させていただきますと、平成24年度の国際交流協会への補助金交付について、補助金の目的自体が曖昧であるとの指摘がありました。そして今や外郭団体ではない一般財団法人港区国際交流協会への補助金の支出は、本当は妥当ではないとの指摘さえされております。このような指摘に対してはどのように考えていらっしゃいますでしょうか。
○国際化・
文化芸術担当課長(加耒順也君) 港区国際交流協会は一般財団法人でございまして、区の外郭団体ではございません。しかしながら、国際化を取り巻く大きな状況変化に対応し、区との連携を基礎としたさまざまな活動を行うことにより、港区国際交流協会は、国際化推進施策における自立した区のパートナーとして力を発揮していけるものと考えております。したがいまして、区は国際交流協会との連携を一層強化していくとともに、今後とも協会の自立化に向け、継続的かつ効果的な支援を実施してまいりたいと考えております。
○委員(ちほぎみき子君) ありがとうございます。
ただいまの答弁のとおりで、来年度予算を見ますと、今後、一般財団法人港区国際交流協会を継続させて、しっかりと機能させていこうとの区の姿勢を感じます。また、東京オリンピック・パラリンピック開催が決定し、今後の港区の施策においても、東京オリンピック・パラリンピックに絡んでの質問や提案が多くされているところです。オリンピック関係で今後ますます外国人が訪れるわけですから、国際交流に意欲を持ってくださっている会員や区民の皆様のお力が今まで以上に必要とされ、発揮されることが期待されます。ですから今までの指摘された課題を改善し、運営していただきたいと思っております。
また、今のご答弁の中で、港区の国際化推進施策における自立したパートナーとして力を発揮していけると考えているとございまして、国際交流協会の位置づけを明確にしていただきましたが、やはり充実した継続的な事業にするためには、財源の確保と体制強化が最重要であり、それがなければ発展的にやっていくことは現実的に厳しいことだと思います。
また、国際交流事業は民間レベルの草の根の友好活動が主流となります。何か物を売って利益を上げるようなことはなかなかできませんので、今、課長が答弁してくださったように、自立したパートナーとなるためには自立へ向けた区の支援が必要です。
そこで質問は、具体的な活動について、従来の活動はどうであったのか、改善点として今までとは違った工夫がどのようにされるのか、またこれらの改善に対して、今後の財源の確保を踏まえた国際交流協会の自立化に向けた区の支援について教えてください。
○国際化・
文化芸術担当課長(加耒順也君) 国際交流協会では、通訳・翻訳サービスをはじめ、外国人の方が生活に必要な日本語を学ぶ語学講座や、食を通じての国際文化交流、日常生活上の困りごとに関する外国人の電話相談など、さまざまなきめ細かいサービスを自主事業により実施しておりまして、これらの事業の一層の推進は、日本人と外国人の間の言葉・文化の壁を取り除くために効果を発揮しております。同時に、これらの事業は、協会の自主財源の確保にもつながっておりまして、このような取り組みの積み重ねにより、協会の経済的な自立は進んでいくものと考えております。また、協会のこれらの事業には、多くの潜在的なニーズが存在するものと考えておりまして、より多くの区民に知っていただき、利用していただけるよう工夫することが重要と考えております。
このため、協会のホームページの再構築やPRパンフレットの作成など、事業等の周知普及の強化を支援することとしております。また、これらの活動を支える協会の会員につきまして、国際交流に関心があり、一定の語学能力があれば、誰でもが参加しやすい制度を導入するなど、会員制度についても工夫いたしまして、体制を強化してまいります。
○委員(ちほぎみき子君) また、港区に転入された外国人の方への生活に必要な情報提供や、場合によっては生活相談の必要なども心の通った交流活動を通して発生してくると思いますが、そのような取り組みについて、国際交流協会の役割をきちんと考えて取り組んでいただきたいと思いますが、どのようにお考えになっていらっしゃいますでしょうか。
○国際化・
文化芸術担当課長(加耒順也君) 港区に転入してこられた外国人の方、特に海外から直接転入してこられた外国人の方々は、日本の社会制度や文化に対して大きな戸惑いと不安を感じていると聞いております。このような外国人に対し、きめ細かく対応することは、国際交流協会がその持てる力を発揮できる部分であり、委員のご指摘のとおり、協会の重要な役割であると認識しております。
そこで来年度、国際交流協会は、港区に転入してこられた外国人の方々に対し、日常生活に必要な知識をご提供し、安全で安心、快適な生活を送れますよう、支援する新たな事業に取り組むこととしております。
○委員(ちほぎみき子君) 新たな取り組みもしていただけるということで、よろしくお願いします。
要望ですが、先ほどご答弁の中に、このような国際交流協会の事業には多くの潜在的なニーズが存在するものと考えていますとございました。ぜひ女性や若者の皆様にもより多くの興味を持っていただいて、会員の加入増加につながる、そのような取り組みもしていっていただきたいと思いますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
それでは、総務費最後の質問に入らせていただきます。2月21日の本会議での私の一般質問でも取り上げました、お台場でのおもてなしの心を醸成するための新たな取り組み、お台場発O・MO・TE・NA・SHI事業について1点お伺いいたします。
本会議の一般質問では、区長からお台場での新たな取り組みを通じて、これまで培ってきた地域の皆さんや事業者などとの協力関係をさらに発展させていくとご答弁いただきました。お台場での地域交流事業は年々増えてきておりまして、昨年末の餅つき大会、また年が明けてのお台場のノリの摘み取り事業、また大雪でスケジュールの変更はありましたが、2月16日には初めてのお台場雪まつりも開催されました。冬ということもありまして、どのイベントも、ビル風、海風の寒風が1日じゅう吹きすさぶ中での実施となりましたが、職員の皆様も毎回肉弾戦で地域の方とご一緒に取り組んでくださっていました。私は、意欲とバイタリティーにあふれるお台場の住民の皆様との連携に関しては、特段心配しておりませんけれども、この新たな取り組みを今まで以上に地域ぐるみの協働事業として実りあるものにするためには、やはり近隣の事業者の方の協力が不可欠だと思っております。
そこで、このお台場発O・MO・TE・NA・SHI事業を進めるにあたって、台場地域の企業、団体からどのような協力を得られるのか、現時点での見通しを伺います。
○
芝浦港南地区総合支所協働推進課長(重富敦君) お台場発O・MO・TE・NA・SHI事業は、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催とその先の将来を見据えて、小中学生を主な対象に、世界に通用するマナーや海外の風習、タブーなどを学ぶ講座と、スポーツイベントでのボランティア活動実体験を主な内容として実施いたします。マナー講座につきましては、お台場に立地するホテルや台場シャトルバスの運営事業者などからの協力を得て開催する予定です。海外の風習やタブーを学ぶ講座につきましては、隣接する江東区青海にあります東京国際交流館と、スポーツボランティア実体験につきましては、お台場でマラソンや駅伝等を実施するKissポート財団とそれぞれ協議を進めており、前向きに検討していただいております。
地域住民との協働に加えまして、このような事業者との連携、協働を進めることで、このO・MO・TE・NA・SHIの取り組みを質、量ともに充実させ、台場地域全体のホスピタリティの向上につなげてまいります。
○委員(ちほぎみき子君) ありがとうございました。ぜひそのような方向で進めていただきまして、より一層の協力を得られるように努力していただくことをお願いいたします。
以上で終わります。
○委員長(赤坂大輔君) ちほぎ委員の発言は終わりました。
歳出第2款総務費の質疑の途中でありますが、以上にて本日の審議を終了いたします。
これをもちまして、本日の委員会を閉会いたします。お疲れさまでした。
午後 5時09分 閉会...