港区議会 2005-09-26
平成17年度決算特別委員会−09月26日
平成17年度
決算特別委員会−09月26日平成17年度
決算特別委員会
平成17年度
決算特別委員会速記録(第2号)
平成18年9月26日(火) 午後1時01分開会
場 所 第3・第4委員会室
〇出席委員(32名)
委員長 林 田 和 雄
副委員長 井 筒 宣 弘 北 村 利 明
理 事 七 戸 淳 森 野 弘司郎
杉 原 としお 星 野 喬
達 下 まさ子
委 員 阿 部 浩 子 なかまえ 由紀
樋 渡 紀和子 杉本 とよひろ
菅 野 弘 一 いのくま 正一
熊 田 ちづ子 秋元 ゆきひさ
古 川 伸 一 矢 野 健一郎
岸 田 東 三 鈴 木 洋 一
風 見 利 男 湯 原 信 一
なお、岸田議長は、本日、清掃一部
事務組合議会第3回定例会出席のためにおくれて来るとのことでございますので、ご報告させていただきます。
初めに、正副委員長協議の結果、
委員長職務代行の順位は、井筒宣弘副委員長、北村利明副委員長の順位に決定いたしましたので、ご報告させていただきます。
次に、本委員会の担当職員を紹介いたします。山口照さん、藤田智さんであります。よろしくお願い申し上げます。
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○委員長(林田和雄君) 次に、平成17年度
決算特別委員会(理事会)申し合せ事項について、理事会で協議の結果、お手元に配付のとおり決定いたしました。職員に朗読させますので、ご確認をお願いいたします。
(職員朗読)
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平成17年度
決算特別委員会(理事会)申し合せ事項
1 本委員会は、審議日を7日間とする。
2 理事会
(1) 理事会は、委員会の運営に関する事項を協議し、理事会で決定した事項は各会派の責任において遵守する。
(2) 理事会は、必要に応じ適宜開会する。
3 理事は、委員会において、自会派の委員が3分の2以上出席しているよう努力する。
4 委員会日程は、第1日目の日程を踏襲する。(第2日目以降は、配付しない。)
5 各款ごとの審議日程及び基準審議時間は、別表のとおりとする。
6 委員会は、原則として午後1時に開会し、午後5時に終了する。
7 休憩及び審議上区切りの悪い場合、若干の時間延長は、正・副委員長に一任する。
8 資料要求については、正・副委員長で別途協議し、必要に応じて理事会に諮って決する。
9 質疑の方法
(1) 質問は事前通告制とし、別紙様式によって、原則として当該質疑の2日前までに、委員長に提出する。
なお、通告した質問項目以外の質問についても、「その他」として弾力的に対応する。
(2) 質疑は、あらかじめ調整された時間内で行う。
(3) 説明員の答弁は簡潔で要を得、質疑に直接ふれる答弁となるよう事前に申し入れる。
10 時間の表示について
質問者が時間の経過を知るための表示機器を置くことができる。
11 審議手順
(1)
予算関係資料の説明を受ける。
(2) 監査委員より、
決算等審査意見書の説明を受け、質疑を行う。
(3)
一般会計歳入の説明と質疑を行う。
(4)
一般会計歳出は、款ごとに説明と質疑を行う。
(5)
国民健康保険事業会計、
老人保健医療会計及び
介護保険会計は、それぞれ歳入と歳出を一括して説明と質疑を行う。
12 説明と答弁
(1) 説明は、収入役(副収入役)が行う。
(2) 答弁は、担当部課長を中心に行う。
13 行政委員の出席については、正・副委員長で別途協議し、必要に応じて理事会に諮って議長に要請する。なお、要請にあたっては、質問事項を具体的に明示する。
14 総括質問、態度表明の順序
自民党議員団、
共産党議員団、
公明党議員団、民主クラブ、
オンブズマンみなと・一票の会、
港区民クラブ、みなとかがやき、仲間へ勇気の会、
ネットワークみなと社民
15 委員会の座席について
別紙のとおりとする。
16 委員会室は禁煙とする。
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○委員長(林田和雄君) 以上でございますけれども、これでよろしいでしょうか。
○委員(横山勝司君) 13番目ですが、「行政委員の出席については、正・副委員長で別途協議し、必要に応じて理事会に諮って」と、こう書いてあるけれども、行政委員はそんな一々何か事が起こったら理事会に諮ってなんて、こんなことより、私は、当然出てきて、議会の意見というものを聞いていくべきだと思います。議会が、なるほど、こういうことを質問して、こういうことを答弁してやっているのだなということを、行政委員自らがぜひこの委員会には出してくださいと言ってくるのが普通だと思います。ただ、今までそういう習慣がないからだけれども、私はこの際、そういうふうにしつけていった方がいいと思います。じゃないと、行政委員というのは、議会の動きというか、議員の考え方、そういったものが全然入ってこないと思います。それはよくないことだと思う。
○委員長(林田和雄君) 今、横山委員からご提案がございましたので、これは理事者の皆さんと、また、
決算特別委員会の理事の方ともご相談しなければなりませんので、後ほど検討させていただきたいと思っております。それでよろしいですか。
○委員(横山勝司君) とりあえず決めているから今回はそれで、ぜひ相談して、行政委員が出てくる項目については、できるだけ出るようにしてくださいということを事前に申し入れておいていただいた方がいいと思う。
○委員長(林田和雄君) 今のお話は申し送りをさせていただき、また、検討させていただきたいと思っております。
○委員(横山勝司君) ここで今、決めれば決まってしまうんだよ。
○委員長(林田和雄君) それでは、今のご発言に関しましては、理事者の皆さんの方も、お聞きでもございますので、行政委員の方に伝えていただいて、出席に関しましては行政委員の皆さんのご判断にお任せすると、今回はこういう図りでいきたいと思います。よろしいですか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○委員長(林田和雄君) それでは、平成17年度
決算特別委員会申し合せ事項は確認されました。
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○委員長(林田和雄君) 次に、資料要求について申し上げます。
9月20日に
共産党議員団より合計8点の資料要求の申し出がございました。この取り扱いにつきましては、理事会申し合せ事項に従いまして、正副委員長で協議した結果、提出願うということになりました。本日、委員会開会前までに調製されたものは、本日各会派に配付してございます。残りの資料につきましては、調製次第、配付したいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
次に、質問時間についてですが、持ち時間が終了し、表示機器が鳴った後、引き続き質問された場合の超過時間、並びに時間を残して終了した場合の残余の時間につきましては、正副委員長において、後ほど各会派の理事を通じましてご連絡いたしますので、各会派内での調整をお願いいたします。質問者ご本人からの調整する旨の申し出は省略されて結構でございますので、よろしくお願いいたします。
なお、本日の終了予定時間は午後5時ぐらいを予定しておりますので、よろしくご協力のほどお願いいたします。
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○委員長(林田和雄君) これより審議に入ります。
議案第83号平成17年度港区
一般会計歳入歳出決算、議案第84号平成17年度港区
国民健康保険事業会計歳入歳出決算、議案第85号平成17年度港区
老人保健医療会計歳入歳出決算、議案第86号平成17年度港区
介護保険会計歳入歳出決算を議題といたします。
最初に、
決算関係資料について、理事者の説明を求めます。
○収入役(渋川典昭君) それでは、平成17年度
決算関係資料についてご説明いたします。
各書類とも既にお手元に配付してございますけれども、それぞれ表紙の右上に数字が表示されております。この順序に従いまして、ご説明いたしたいと思います。
まず、1でございますが、「平成17年度港区各
会計歳入歳出決算書」でございます。この書類には、附属書類の各
会計歳入歳出決算事項別明細書、各
会計実質収支に関する調書、財産に関する調書及び
基金運用状況調書が含まれております。これらの書類は、決算の認定にあたりまして必要な書類として、地方自治法、同施行令及び同施行規則で定められているものでございます。
次に、2ですが、「平成17年度港区各
会計主要施策の成果」でございます。この書類は、各会計の
歳入歳出決算をもとに区の主要施策の成果について分析・説明したものでございます。決算書と同じく法定書類となっております。
次に、3ですが、「平成17年度港区各
会計予算執行概要説明書」でございます。この書類は、各会計の収支実績を事業ごとに説明しているものでございます。今後、この書類を中心にして説明を進めてまいりますので、1の
決算事項別明細書と対比できますよう、見開きのページの中央に
決算事項別明細書の参照ページを記載いたしてございます。
また、今年度より、歳入では、歳入済額の右側に歳入予算現額との比較増減額を、歳出では、歳出済額の右側に不用額を記載し、より執行の状況がわかりやすいようにしてございます。
次に、4ですが、「平成17年度港区各
会計決算参考資料」でございます。この書類は、各会計の決算内容を表やグラフを用いてわかりやすく示したものであり、款別の対前年度比較、財源別・性質別の構成等を記載してございます。
最後に、5でございますけれども、「平成17年度港区各
会計決算等審査意見書」でございます。この書類は、各
会計歳入歳出決算、財産の増減状況、基金の運用状況等について、地方自治法で定められた監査委員の意見を記述したものでございます。
決算関係書類の説明は以上でございます。
○委員長(林田和雄君) 説明は終わりました。
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○委員長(林田和雄君) 次に、
決算等審査意見書について、監査委員の説明をお願いいたします。
○監査委員(高橋元彰君) 地方自治法第233条第2項及び同法第241条第5項の規定に基づき、平成17年度港区各
会計歳入歳出決算及び平成17年度港区各
基金運用状況を審査した結果、監査委員3名の合議を経て意見をまとめましたので、その概略について説明いたします。
それでは、最初に、お手元の審査意見書の1ページをお開きください。
第1、審査の対象、第2、審査の期間、第3、審査の方法、第4、審査の結果におきまして、総括的に審査結果を述べております。
「1決算計数等の状況」についてであります。
(1)各
会計歳入歳出決算等の計数は正確であり、様式は関係法令の規定に準拠して作成されていることを確認いたしました。
(2)は各
会計歳入歳出決算の総計を示しております。各会計の内訳は、2ページ上部の表のとおりであります。
(3)財産について、調書と一致しているものと認めました。
(4)基金の運用状況については、適正に運用されているものと認めました。
(5)財務に関する事務及び事務事業の執行状況については、例月出納検査、定期監査、随時監査を別途実施した結果、一部に改善又は検討を要するものがありました。
次に、「2財政運営の状況」であります。
3ページ、(1)で一般会計における歳入歳出の対前年度比較等について述べ、続きまして、
普通会計ベースによる各財政指標等を概観しております。
ア財政力指数は1.13でした。
イ実質収支比率は14.9%でした。ウ実質単年度収支は71億3,993万円余の黒字でした。
エ経常収支比率は55.9%でした。4ページ、オ公債費比率は5.6%でした。4ページ、下から14行目からは、
カ債務負担行為について。5ページでは、キ基金残高、特別区債残高について述べております。
以上、一般会計については、
普通会計ベースによる財政指標等から判断すると、財政状況は安定したものであることが認められました。
5ページ、下から18行目からは、(2)特別会計として、
国民健康保険事業会計、
老人保健医療会計、
介護保険会計の
歳入歳出決算の概要を述べております。特別会計についても適切な運営が図られたものと認められます。
6ページ、上から3行目からは財政運営の状況について総括的に述べております。厳しい財政状況にある自治体が多い中で、「港区
財政運営方針」に基づく取り組みと特別区民税の増収により、17年度も引き続き健全財政を維持いたしました。
一方、
三位一体改革が進められており、19年度以降の財政状況は、特別区税等の歳入の動向を十分に見据える必要があります。
経常収支比率は55.9%となり、基金残高も
年間財政規模に匹敵するほどの規模を維持しております。このように恵まれた財政構造にある港区において、自治体独自による積極的な施策展開を可能とするものであります。「最少の経費で最大の効果」という原則を十分踏まえつつ、区民ニーズを的確に把握し、住民福祉のさらなる向上を目指し、創造的な施策展開と迅速かつ柔軟な財政運営を図られることを期待するものであります。
次に、11ページに移ります。ここからは「第5審査の概況」です。
「1一般会計」です。
11ページでは、(1)決算規模及び
決算収支状況について、12ページでは、(2)資金状況について述べております。次に、13ページ、(3)歳入です。13ページから28ページにかけて、ア歳入の概況、イ各款別歳入決算状況について述べております。
27ページ下段から歳入について意見を述べております。最初に、(ア)
収納確保対策についてであります。特別区民税の収納対策について、区は、
特別区民税収納確保対策平成17年度戦術を定め、積極的な徴収への取り組みをさらに強化いたしました。この結果、滞納繰越分の徴収率が大幅に向上いたしました。公平性の確保と区政運営に必要な自主財源確保のために、今後も粘り強く徴収率向上に努めてください。
次に、(イ)収入未済額についてであります。特別区民税の収入未済額は、滞納繰越分が、前年度を大幅に下回りましたが、これは徴収体制の強化によるものであります。現年課税分の収納を徹底し、滞納の発生を抑制するとともに、滞納繰越分の収入未済額の縮減、とりわけ大口滞納分の整理に、引き続き粘り強い取り組みが求められます。
また、住宅使用料の収入未済については、前年度に引き続き大幅な額となっております。今後とも、公共住宅の役割を踏まえつつ、受益者負担の徹底を図ってください。
次に、(ウ)
不納欠損処分についてであります。ここ数年の収納対策の強化により、滞納債権の整理が進んでおり、今後、不納欠損額は減少するものと考えられます。収納については公平性を確保しつつ、納入が滞っている債権については、実態を十分に調査し、収納に努めなければなりません。それでもなお徴収不能なものについては、
不納欠損処分を行うなど引き続き適切な債権管理に努めてください。
次に、29ページ、(4)歳出です。29ページから42ページにかけて、ア歳出の概況、イ各
款別歳出決算状況について述べております。
43ページに移ります。歳出について主要な事項として7項目挙げ、意見を述べております。最初に、(ア)執行状況についてであります。予算現額に対する執行率は前年度を上回りました。不用額は過去最高となっております。より的確な予算の積算と適正な
予算執行管理に努めてください。
財政状況の安定が続き、805億円余の基金残高となっている現在、区は、貴重な財源を効果的に活用することが求められます。社会状況の変化や経済情勢に十分配慮しつつ、区民福祉の向上のため、積極的な施策を推進されるよう望むものであります。
次に、(イ)区有施設の安全対策についてであります。平成18年6月、
シティハイツ竹芝の
エレベーターで死亡事故が発生いたしました。今回、事故を起こした
エレベーターは施設開設時からたびたびトラブルが発生しておりました。現在のところ、トラブルの発生と事故との関連は不明でありますが、ここ数年は管理業務を入札により選定しており、管理会社が毎年変更となる状況で、
事務引き継ぎや機械保守の情報の連絡等が十分に行われていなかったことも明らかになっております。
事故発生後の区の対応は、入居者の安全を最優先に問題解決に取り組んでいるとともに、
シティハイツ竹芝事故調査委員会を設置し、区有施設における再発防止の観点から事故発生の究明等に取り組んでおりますが、今後も入居者へのきめ細かな情報の周知を行うとともに、意思疎通が十分に図られるよう配慮してください。
シティハイツ竹芝事故調査委員会から中間報告が出されたところでありますが、区の各施設に設置されている
エレベーター、自動扉及び
機械式駐車場等、安全であるべき設備について、再度、多様な視点から検証し、区民の安全を最優先にとらえた施設運営になるよう切に要望するものであります。
次に、(ウ)「子育てするなら港区」に向けての取り組みであります。我が国の2005年度の
合計特殊出生率は1.25と過去最低になり、総人口が減少に転じております。少子化の原因は、
教育費等子育てに伴う経済的負担が大きいことや仕事と育児の両立の困難さ等が挙げられております。
一方、保育園や
学童クラブ等の状況を見ると、待機児童が増加しております。保育サービスの需要はなお増大すると予想されます。一層の保育施設等の増設・拡充を図り、待機児童の解消に努めてください。子育て世代が地域の人と一緒に子育てを楽しむ機会や場の提供、情報発信等に工夫し、「子育てするなら港区」に向けた取り組みをなお一層推進してください。
次に、(エ)災害時要援護者と災害対策についてであります。近年、新潟県中越地震をはじめ地震や台風、集中豪雨などによる自然災害が各地で起きております。大きな災害が起きたときは、災害時要援護者が自宅等に取り残される危険性が非常に高いと思われます。何よりも、災害時要援護者をあらかじめ区や地域で把握しておくことが重要であります。個人情報の問題もありますが、いつ災害が発生してもおかしくない状況では、この検討を早急に進め、具体的な対策が必要であると考えております。
港区にはたくさんの事業所があり、災害時においては、この働く人たちの多くが帰宅困難者になることが予測されております。この帰宅困難者を単に被災者としてとらえるだけでなく、地域の災害時要援護者の支援要員として取り組んでいくことは、幅広い支援体制を構築していく上で有効であると思われます。災害時には、地域の人たちのネットワークによる活動が重要であります。地域の防災組織をはじめ、帰宅困難者も一緒になって、災害時要援護者一人ひとりの支援体制をつくるようなきめ細かな取り組みが必要であります。早急な取り組みに努めてください。
(オ)障害者の自立支援についてであります。「障害者自立支援法」が平成18年4月から施行されました。自立支援法の施行後は、サービスの利用に応じた応益負担に変更され、原則として1割が自己負担となっております。港区では、独自の激変緩和策として措置が講じられておりますが、障害者が住み慣れた地域で自立して暮らしていけるような施策の一層の充実が求められております。自立支援法では、精神障害者や知的障害者は、障害程度区分の認定や支給要否の決定について不安を持っております。障害者の実態を十分把握し、速やかな判定を行うことが大切であります。
また、民間の通所訓練施設や授産施設、グループホームなどは障害者が地域で自立して暮らしていくために重要な役割を担っておりますが、障害者の真の自立を支援するために実効性のあるものとなり、やさしさと思いやりのある施策が展開されることを期待するものであります。
(カ)地域に根ざした総合支所へであります。区は、平成18年4月、「地域の課題をともに地域で解決する」、「区民とともに地域を創造する」という理念のもと、区役所・支所改革を実施いたしました。これにより、子ども、障害者、高齢者等の保健福祉サービス、騒音、防犯等の各種相談、補助金や許認可等の各種手続きを、身近な地区総合支所で行うことが可能となりました。これまでの縦割り組織では対応しにくい課題について、区民と行政が相互に連携し、住民と職員との信頼関係が評価され、区民の行政運営への理解が深まり、地域のニーズを的確にとらえることができます。これまで培ってきた職員の豊富なノウハウを生かし、職員の意識、業務遂行能力をさらに高め、各地区総合支所と支援部との連携を密にし、この改革の効果が十分に発揮されるよう望むものであります。
(キ)長寿が喜べる社会の実現に向けてであります。長寿社会を迎えた今日、元気な高齢者が増加する一方、寝たきりや認知症等高齢者も年々増加しております。
一方、ひとり暮らしの高齢者も多く、都会の中でも周りの人に気づかれぬままひっそりと亡くなり、数日たって発見されるといった話をよく耳にするものであります。
区は、これまで在宅介護支援のための施設整備や、特別養護老人ホーム等入所施設の整備を計画的に進め、区民の介護不安に対応すべく努力をしておられます。しかしながら、介護ニーズの増大は区の施設整備以上のスピードで進んでいるものと思われ、特別養護老人ホームの整備をさらに期待する区民の声がよく聞かれるところであります。
また、介護保険料の改定が行われましたが、高齢者に対する税制の一部変更も加わり、緩和措置が講じられたとはいえ、その負担の増加に不安を抱く区民は少なくありません。
一方、核家族化の中での介護者は、身体的・精神的な負担も大きく、疲労・ストレス等から状況次第では痛ましい事件や事故につながる可能性があります。区は、介護者にも目配りしつつ、さらなる高齢者介護の施策の充実に積極的に取り組んでください。「長生きしてよかった」と心の底から誰もが思えるような、そんな希望の持てる長寿社会づくりに向けて、区のさらなる高齢者施策の充実・展開を大いに期待するところであります。
49ページ、「2
国民健康保険事業会計」であります。49ページでは、(1)決算規模及び
決算収支状況について、50ページでは、(2)資金状況について、51ページからは(3)歳入の決算状況について述べております。52ページ中段で、歳入についての意見を述べております。
国民健康保険料の収納率は前年度より上昇しましたが、引き続き改善に向けて努力を望むものであります。16年6月から始まったコンビニエンスストアでの保険料収納は、曜日、地域に限定されることなく納付が可能となり、特に転出者の滞納繰越分の収納に寄与しております。また、早い段階での未納者への対策として、口座振替への加入促進キャンペーンを実施しています。今後もさらなる収納対策の推進を期待をしております。
滞納者については、個別の事情を聴取し、きめ細やかな納付相談や訪問徴収を行うなど、受診の抑制につながることのないよう十分配慮しつつ、制度に対する信頼性の保持の観点から、収納未済の低減に努めてください。
55ページからは、(4)歳出の決算状況について述べています。
次に、59ページ、「3
老人保健医療会計」についてであります。59ページでは、(1)決算規模及び
決算収支状況について、60ページでは、(2)資金状況について、61ページからは歳入と歳出の決算状況について述べております。
次に、65ページ、「4
介護保険会計」についてであります。65ページでは、(1)決算規模及び
決算収支状況、66ページでは、(2)資金状況について述べております。66ページ下段から歳入と歳出の決算状況について述べております。67ページ下段で歳入についての意見、70ページ中断以下で歳出についての意見をそれぞれ述べております。
保険料は3年ごとの見直しで、18年度は大きく改定された。今回の改定では、税制改正も加わり、一人当たりの保険料負担額は大幅に増加し、今後さらに収入未済の増加が懸念されます。保険料の減免や区独自の軽減措置について、きめ細やかな相談に応じ、未納者の状況を的確に把握し、介護保険制度の理解を得ながら未納者への対応にあたってください。
70ページです。介護保険制度施行後6年を経過し、介護サービスの利用は急速に拡大しております。18年4月から介護保険料の見直し、予防介護等新たな福祉サービス体系の確立など、制度が大きく変わりました。特に介護保険料の見直しや、昨年実施されました施設サービスの給付見直しでは、高齢者の負担が増大し、これからの介護に対する不安が高まっております。高齢者がいつまでも住み慣れた地域の中で自立し、安心して生活を営むことができるよう、思いやりとやさしさのある施策の推進を期待いたしております。
次に、73ページ、「5財産」です。80ページまで公有財産、物品、債権及び基金の増減状況を示しております。
次に、81ページ、「6基金の運用状況」については、82ページまで各定額運用基金について、決算年度中の運用状況表で示しております。
以上で平成17年度港区各会計決算等審査意見の概略説明を終わります。ありがとうございました。
○委員長(林田和雄君) 説明は終わりました。
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○委員長(林田和雄君) これより
決算等審査意見書の質疑を行います。
初めに、鈴木たけし委員。
○委員(鈴木たけし君) ただいまの詳しい内容の説明で、また、区政に携わる者として、大変我々も自信を持ってこれからも区政に携わっていく、そんな気がする次第でございます。港区の健全財政は、平成4年のバブル崩壊の時期より、いかにして財政を建て直すか、また、減少し続けた人口をどうして回復させるか。そういう中で我々も努力してまいったものであります。ただ、残念なことには、区民の生命と財産をまず第一に考えなければならないのに、区立の
シティハイツ竹芝で尊い犠牲者を出してしまったことが悔やまれてなりません。今後、監査委員の報告にありましたとおり、我々もこの竹芝の施設建設にあたった予算の審議をしたのは平成6年ごろですか、そういう点では、議会側も一連の責任を十分感じながら、この原因の解明にあたるところでございます。
くしくも、昨日はシンドラー社へ参りまして、議会の
エレベーター事故等対策特別委員会としてシンドラー社のケン・スミス社長にお会いして、今後シンドラー社が持っている情報の開示を要望してまいったところでございます。そういう中で、現在、港区の財政が好調であればあるほど、我々も気を引き締めていかなければならないだろうし、またいろいろご指摘があったように、今の段階だからもっと区民の福祉増進のために手を差し伸べろというような意見もございました。
そこで、何点かにわたって監査委員さんの意見を伺って、今後の健全な財政のために努力してまいりたい。そんな観点からお伺いする次第でございます。
ことしの平成17年度の一番我々も重視しなければならないのは経常収支だろうと思います。こういう中で55.9%という、かつて港区で実現不可能と思われたような数字を出せたことに対しては、我々議会人としても、23区に誇れるものではなかろうかと。これも人口の回帰が一番大きな原因だろう。人口の増加がもたらした副産物と言ったら語弊があるかもしれませんけれども、やはり景気の回復とともに、港区の住宅開発がされ、そしてまた定住人口になった方に納税者が多かった。こういうことが収入の最大の功績だろうと思います。
ただ、今年度は、そのほかにも地方譲与税、それから株式等譲渡所得割交付金などが大幅な増収になっている。これも見逃せないことだろうと思います。かつて株式等譲渡所得が分離課税になることによって港区にはどういう影響があるのかと理事者に聞いたような経験を持つわけですが、現状としては好結果をもたらしているということが言えるのではなかろうかと、そのように思っております。
そういう中で起債の残高も減ってまいりました。逆に今度は基金の残高が増加してきた。それは先ほどご指摘いただいたとおりでございますけれども、その中で、この起債に対しても、減債基金を積み立て、そして早期償還を行った。そういう中で基金の利息、これらの減額にも寄与してきたということが言えると思います。ただ、人口が増えれば、またそれなりの需要が増えてくるわけです。特に芝浦港南地区には多くの人口がまだ想定されますし、そういう中で、早くも港南小学校の建て替えという問題が起こってまいりました。当然、これは高齢化が進む中で幼少人口が増えるということは、やはり我々にとっても重大な関心事でありますし、また、今年度、武井区長が「子育てするなら港区」というようなことで、これからの施策展開を進めてまいるわけですけれども、そういう中では、当然、保育園の拡充とか、小学校、中学校に対してもそういう配慮をしなければならないだろう、このように思うわけです。
そこで、これから新たな区の施設を建設する場合、基金の残高と照合しながら、学校を建てるから起債をするべきか、反対に基金をできるだけ活用すべきか。その辺のご判断を監査委員の方にお尋ねする次第です。
○監査委員(高橋元彰君) 今、委員ご指摘のとおり、教育施設整備基金は17年度末残高約102億円、公共施設等整備基金は17年度で207億円取り崩しましたが、なお、117億円残っているということで、ご指摘のとおりであります。まさに積立基金、運用基金を合わせて845億円となっておりまして、学校施設等の改築整備のために蓄えてきた基金を積極的にまさに活用できる状況になったと、こういうことであろうかと思います。
一方、特別区債は15年度以降発行しておりませんし、繰上償還に努めた結果、17年度末残高は166億円、公債費比率は5.6%まで減少したと言われています。先ほど収入役から繰上償還をされて、年間に直すと3億何千万円収益があったという報告を受けて喜んでいるところでありますが、しかし、今後の施設の改築整備にあたってどうするのだ。先ほど委員もおっしゃっておられましたが、かわいい子どもたちに借金を残さない。ツケを残さないのだ。こういうことになれば、まさに基金を取り崩してシフトすることがベターだろうと思われます。しかし、将来的に言いますと、先ほどおっしゃった高齢者が増えてくる、社会保障費等が増えてくるとなりますと、まさに不透明である分だけ財政の逼迫にどう備えるんだということになれば、そう軽々しく基金の取り崩しはできないだろう。そんなふうに考えますと、まさに世代間のサービスの享受と負担の公平性を図りながら、しかも、将来の需要を的確に把握して、適切な目を持って起債や基金の計画を立てることが重要であろう。大変難しい答えで、具体的なお話を申し上げることができませんが、それが一般的な考えかなと思っております。
○委員(鈴木たけし君) ありがとうございます。監査委員のご意見を参考にしながら、これから健全な財政を目指して、また区議会としても進んでいきたい。
次に、今後の考えられることに対して、確かに、今、転入されている方は納税者が多いという発言をいたしました。しかし、現在、お勤めの方ですと、あと5年後、10年後には反対に収入がなくなってくるわけです。そうなりますと、今までのような状況が、これから10年後の港区は、どうなるかということは、まだ不透明な要素があるだろうと思います。確かに港区には高額所得者が多い。また、先ほどご指摘があったように、来年度からフラット化によって区税が、平成19年度ですと130億円の減収が予想されるというような区の「
財政運営方針(素案)」として出されているわけです。
そういう中で今後の10年後、その辺のあたりの財政をどのように考えていくか。大変難しい面はあろうかと思いますけれども、今までの長い経験と、またいろいろな立場で携わってきた経験として想定されるものをお伺いできればと思います。
○監査委員(高橋元彰君) 今後の10年間の財政状況についてのお尋ねでございますが、鈴木委員ご自身も議会人として長くて、私はむしろ先輩だと思っております。しかも、ドッグイヤーの大変時代の変化の激しいときに10年を予測しろとおっしゃいましても、私、極めて浅学非才でございまして、どうお答えしていいのか、大変難しい問題で悩んでおります。
しかし、せっかくのお尋ねでございますから、ない知恵を絞りながら、あえて申し上げさせていただきますと、委員もご指摘のとおり、どんどん人口が増えていく。10年後にこのような方々が高齢化する。このことは間違いないことでありましょうし、高齢化されるということは、それだけ社会保障費の増大といろいろな負担が出てくる。そうなりますと、財政が厳しくなっていくのだろう。これは間違いないことではないかなと思っております。
また、委員が言われるように、そのことにどう対応したらいいのか。とりあえずは基金を備えていくのかなという考えにまた戻っていかざるを得ないのでありますが、予測は難しいということで答弁はご勘弁いただきたい、そんな思いでございます。よろしくお願いいたします。
○委員(鈴木たけし君) 大変無謀とも思えるようなことをお伺いしたわけですけれども、今、税収が潤沢だから、それで10年後もバラ色であるということは絶対あり得ないと思います。また、その折々にご指摘をいただきながら、議会側も対応してまいりたい。今後、道州制でありますとか、23区の統合などという話も出ている昨今ですから、それらを踏まえながら、我々もまた参考になる意見をどんどん取り入れながら、今後の港区の発展、そして福祉の増進を目指して努力してまいりますので、ご指導方よろしくお願いします。
以上をもって私の質問を終わらせていただきます。
○委員長(林田和雄君) 鈴木たけし委員の発言は終わりました。
……………………………………………………………………………………………
○委員長(林田和雄君) 次に、星野委員。
○委員(星野喬君) 昨年度の一般会計における歳入は、根幹をなす特別区民税が6年連続で前年度を上回り、598億7,800万円余となりました。その結果、実質収支は99億8,535万円余の黒字です。港区の基金残高は年度末で805億円にも膨れ上がりました。審査意見書は一般会計の財政状況について、財政構造の弾力化を判断する
経常収支比率は55.9%で、全国の自治体で最も弾力性の高いトップ水準にある。基金残高も
年間財政規模に匹敵するほどの規模を維持しているとして、「恵まれた財政構造にある港区においては、自治体独自による積極的な施策展開を可能とする。「最少の経費で最大の効果」という原則を十分踏まえつつ、区民ニーズを的確に把握し、住民福祉の更なる向上を目指し、創造的な施策展開と迅速かつ柔軟な財政運営を図られることを期待する」と述べております。
この提言は、豊かな財政を区民のためにと願っている。区民にとっては、まさに意を得たりと思えるもので、住民が主人公の本来の地方自治体のあるべき姿を示唆しています。今、区民の置かれた生活実態は深刻そのものです。リストラと雇用の破壊で正規社員が大幅に減り、非正規社員が急増しています。特に若者の雇用問題は深刻です。社会格差の拡大、貧困の広がりが港区でも顕著にあらわれています。
生活保護世帯は94年度までは保護率5%台でしたが、04年度には10.8%と倍になりました。就学援助を受けている世帯は、小学校では5人に1人、中学校では3人に1人となっています。国民健康保険料は4年連続で引き上げられ、加入者の31%が滞納せざるを得ない状況に追い込まれています。この方々の中には、保険証を取り上げられ、病院の窓口で全額自己負担となります。お金がなければ病院にも行けない状況です。また、障害者自立支援法の成立により、障害者施策にも定率1割負担が導入され、障害者もお金がなければ生きていけないところまで追い込まれております。
中小企業の倒産件数は3年前で323件、23区の1割を占めました。その上に医療制度、税制の改悪、介護保険料の引き上げ等々によって区民生活はさらに深刻さを増しています。区民の皆さんが置かれたこのような実態をどのように認識されているかお聞かせください。よろしくお願いします。
次の質問に移ります。
審査意見書では、それぞれの区の取り組みについて具体的で、区民にとって大変大事な提言が多く出されています。2点についてご意見を伺います。
最初は、子育て支援に関連して伺います。保育園や
学童クラブ等の待機児童の解消については、「区は一層の保育施設等の増設・拡充を図り、待機児童の解消に努められたい」と述べられています。しかも、今後も幼児・児童人口の増加が見込まれているだけに、施設の増設は緊急の課題です。保育園については、区は民営化を視野に入れた区立保育園のあり方についての報告書を公表しました。
区が昨年12月に行った保育ニーズ調査報告書では、区立の民営化については、「区が監督指導を行わないことを危惧する」との答えが一番多く51.9%、「保育の質や保育士の質が低下することを危惧する」が49.4%と多数を占めています。保育園は未来を担う子どもたちを育てる場であり、利益追求第一の企業に任せれば、単なる託児所と化してしまうことになりかねません。責任を負うべき自治体が保育行政を放棄してはならないと思います。保育園の増設は公設公営を基本に進めるべきだと思いますけれども、ご意見を伺います。
次に、介護保険について伺います。
審査意見書は、「人口の高齢化に伴う介護ニーズ増大は、区の施設整備以上のスピードで進んでいるものと思われ、特別養護老人ホームの整備を更に期待する区民の声がよく聞かれる」と、特別養護老人ホームなどの建設への区民の期待の声が大きいことを述べています。実際、「介護度5だったから、今度こそは新橋に入所できると確信していたが、何年待てばいいのか」という声をはじめ、私どもにも建設推進を求める多くの要望が寄せられています。ショートステイ、デイサービスも利用できない事態が生じています。「介護保険制度は必要な人が必要なサービスを受けられるとなっているのに約束違反だ」との怒りの声が広がっています。南麻布四丁目の特別養護老人ホームなどの建設計画を持つべきだと思いますが、いかがでしょうか。
また、保険料についても、審査意見書は、「改定が行われたが、高齢者に対する税制の一部変更も加わり、その負担増加に不安を抱く区民の数は少なくない」と指摘しています。一定の対策はとられましたが、それでも基準保険料が年額3万9,000円から5万4,000円へと大幅に上がりました。税制改悪の影響も受けて、昨年の2段階から今年度4段階、5段階へと大幅な負担増になった方も多数います。
区には、税金のこととあわせ、苦情と抗議の声が千数百名の区民から寄せられました。介護保険のサービスに要する財源は保険料と公費とで2分の1ずつで賄われています。公費のうち、国の負担は調整交付金を含め25%になっています。しかし、実際には港区では22.83%にしかなっていません。国からの不足分の2.17%、6億6,000万円は65歳以上の1号被保険者の方々が肩代わりさせられています。国の本来の負担を守らせることで、港区では保険料の基準額を月額約400円引き下げることができます。国に対し、負担割合を守るよう強く求めると同時に、実行されるまで港区の独自施策として公費負担割合を守る手だてを行うべきではないでしょうか。ご意見を伺います。
最後に、監査事務局の体制強化について伺います。
私どもは常々監査事務局の機能強化について求めてきました。2003年度から
監査事務局長が課長級から部長級になりました。一歩前進したと思います。しかし、区の体制が総合支所体制になり、また、区民ニーズも多様化してきており、今まで以上に監査機能の充実が求められています。常勤監査をはじめ、体制の強化を引き続き行うべきだと思いますが、監査委員のご意見をお聞かせください。よろしくお願いします。
○監査委員(川野貴清君) 星野委員のご質問にお答えいたします。
最初に、区民生活の現状認識でございますが、景気は国の見解では回復に向かっていると言われていますが、私が実感する中小企業の実態は、決してそのような甘い状況ではなく、相変わらず厳しいところがあるものと思っております。また、国の税制をはじめ、生活に密着した医療や福祉と各制度が大きく見直されてきております。こうした制度見直しの背景は、これまでの景気低迷、世界に類を見ない高齢化の急速な進展、国の逼迫した財政状況から見て、委員ご指摘のように、高齢者や障害者等にとって、これらの制度見直しは大変厳しい状況にあるものと推察しております。さらに言いますならば、格差社会の始まり、どんどん進行しているのではないかという認識を持っております。
次に、保育園の整備についてでございます。
今後の保育園の整備についてですが、審査意見書の中で「子育てするなら港区」に向けた取り組みの一つとして、早期の待機児童の解消、保護者のニーズの多様化などに対応できる保育園の増設拡充を述べております。その整備拡充にあたっては、公の施設を設置した場合、その管理運営にあたっては、経済性や効率性の観点からだけでなく、設置する自治体としての社会的責任を踏まえ、施設の持つ機能・役割が十分発揮され、真に住民の福祉増進が図られるよう留意しつつ整備されていかなくてはならないと考えております。
次に、介護保険についてでございます。
介護保険のうち特別養護老人ホームの整備についてです。委員ご指摘のように、特別養護老人ホームの入所施設の整備に対して、区民の寄せる関心は大変高いものがあると考えております。現在、区は、これまで在宅介護支援のための施設整備や特別養護老人ホーム等入所設備の整備を計画的に進めており、その努力は評価に値するものと考えております。しかしながら、世界に類を見ない高齢化のスピードは、私たちの予測を超えるような福祉ニーズの増大と、これに対応した社会基盤整備が果たして整っていくのか、そのような不安を私自身、区民の方からよく聞きます。
ご質問の特別養護老人ホーム等の整備については、区が今後さらなる高齢者介護の施策を充実していく中で、区民のニーズを的確に把握しつつ、時期を逸することなく、施策の展開が進められていくことを大いに期待しております。
私事でございますが、私も母親がおりまして、港区の特別養護老人ホームに入れたいと思って申し込んだのでございますが、軽くはねられまして、有料の方に入れております。また、近隣の方でも、私は白金三丁目に住居がございますが、ご近所の方で多数、この問題で悩んでいる方がいらっしゃいます。ですから、区に出る統計の水面下でも相当問題があるのではないかと考えております。さらに言うならば、特別養護老人ホームの施設の整備については、地域間のバランスも考えていただければありがたいと思っています。
それから次のご質問ですが、介護保険料の区の独自施策についてのご質問でございました。
介護保険料に対する区の独自施策についてですが、本年度3年ごとの介護保険料の見直しで高齢者が負担する介護保険料は大きく改定され、その負担額の増加に驚いた区民は数多くおられたと思います。私自身も驚いた区民の一人であります。今回の介護保険料の見直しでは、低所得者に対する配慮でさまざまな工夫はされておりますが、意見書の中に記載されているとおり、今回の改正に伴い、さらに介護保険料の収入未済の増加が懸念されます。高齢者に過度な負担とならないよう、今後とも、国への働きかけはもちろんですが、区においても、さまざまな観点から検討していくことも、やさしさと思いやりのある施策を展開する上で大切なことではないかと思います。今後の高齢者介護の充実に向け、創意工夫した施策の展開を大いに期待したいと思います。
終わりに、監査事務局の体制強化についてでございますが、監査体制の強化につきましては、これまで常勤監査委員制度の導入をはじめとした監査体制の強化を申し上げております。今年度から区役所・支所改革による総合支所制度が発足いたしましたが、新たな総合支所に対する監査機能の充実は必要であると考えております。そのため、昨年秋には監査委員3名の連名で区長あてに監査委員監査の体制強化、とりわけ、事務局体制の強化に向けた要望をしたところであります。今後ともその実現に向けて努力したいと思っております。
以上です。
○委員(星野喬君) ありがとうございました。引き続き区民の皆さんの目線で監査をしていただくよう強く期待して、質問を終わります。
○委員長(林田和雄君) 星野委員の発言は終わりました。
これにて
決算等審査意見書の質疑は終了いたしました。
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○委員長(林田和雄君) これより
一般会計歳入の審議に入ります。
一般会計歳入について、理事者の説明を求めます。
○収入役(渋川典昭君) ご説明は、
決算関係書類の3、平成17年度港区各
会計予算執行概要説明書により行います。
まず、各
会計歳入歳出決算の総括についてご説明いたします。2ページをお開きください。平成17年度港区各
会計歳入歳出決算総括表をごらんいただきたいと存じます。一般会計、
国民健康保険事業会計、
老人保健医療会計及び
介護保険会計を合わせました歳入決算額は1,683億204万1,502円、歳出決算額は1,573億3,765万4,631円で、歳入歳出差引額は109億6,438万6,871円となりました。
総括表の最上段に記載してございます一般会計では、歳入歳出差引額102億3,935万7,877円から事故繰越しの財源といたしまして、平成18年度に繰り越す必要のございます2億5,400万円を差し引きまして、残りの99億8,535万7,877円の2分の1に当たります49億9,267万8,939円を地方自治法第233条の2及び港区財政調整基金条例第2条の規定によりまして、財政調整基金に繰り入れております。したがいまして、平成17年度の4会計を合わせました純繰越金の額は、57億1,770万7,932円となりました。
また、地方自治法第235条の3第2項に規定しております一時借入金の借り入れはございません。
次に、
一般会計歳入の各款の決算状況についてご説明いたします。8ページをお開きください。
まず、第1款特別区税です。収入済額は598億7,830万9,850円で、収入率は104.1%、款別の収入済額の構成比は46.2%です。前年度と比較いたしまして、78億8,868万2,382円、15.2%の歳入増となっております。
なお、区内に温浴施設が開設されたために、14、15ページ記載のとおり、「4入湯税」の項を新たに設け、地方税法に定められました入湯税72万6,300円を収入しております。
次に、16ページ、第2款地方譲与税です。収入済額は11億6,727万7,000円で、収入率は100.0%、款別の収入済額の構成比は0.9%です。
次に、22ページ、第3款利子割交付金です。収入済額は7億1,517万5,000円で、収入率は258.2%、款別の収入済額の構成比は0.6%です。
次に、24ページ、第4款配当割交付金です。収入済額は3億4,183万2,000円で、収入率は277.9%、款別の収入済額の構成比は0.3%です。
次に、26ページ、第5款株式等譲渡所得割交付金です。収入済額は5億1,337万4,000円で、収入率は552.0%、款別の収入済額の構成比は0.4%です。
次に、28ページ、第6款地方消費税交付金です。収入済額は90億7,165万8,000円で、収入率は93.6%、款別の収入済額の構成比は7.0%です。
次に、30ページ、第7款自動車取得税交付金です。収入済額は6億8,181万6,000円で、収入率は122.0%、款別の収入済額の構成比は0.5%です。
次に、32ページ、第8款交通安全対策特別交付金です。収入済額は5,630万1,000円で、収入率は99.8%、款別の収入済額の構成比は0.0%です。
次に、34ページ、第9款地方特例交付金です。収入済額は47億3,961万4,000円で、収入率は100.0%、款別の収入済額の構成比は3.7%です。
次に、36ページ、第10款特別区交付金です。収入済額は4億1,222万9,000円で、収入率は206.1%、款別の収入済額の構成比は0.3%です。
次に、38ページ、第11款分担金及び負担金です。収入済額は8億5,799万3,916円で、収入率は99.5%、款別の収入済額の構成比は0.7%です。
次に、42ページ、第12款使用料及び手数料です。収入済額は40億116万5,158円で、収入率は98.1%、款別の収入済額の構成比は3.1%です。
次に、64ページ、第13款国庫支出金です。収入済額は61億3,565万3,555円で、収入率は97.3%、款別の収入済額の構成比は4.7%です。
次に、80ページ、第14款都支出金です。収入済額は40億4,749万2,532円で、収入率は98.1%、款別の収入済額の構成比は3.1%です。
次に、100ページ、第15款財産収入です。収入済額は9億1,165万2,339円で、収入率は103.4%、款別の収入済額の構成比は0.7%です。
次に、106ページ、第16款寄附金です。収入済額は2億884万1,000円で、収入率は119.4%、款別の収入済額の構成比は0.2%です。
次に、108ページ、第17款繰入金です。収入済額は247億4,412万8,000円で、収入率は99.6%、款別の収入済額の構成比は19.1%です。
次に、112ページ、第18款繰越金です。収入済額は44億6,604万752円で、収入率は100.0%、款別の収入済額の構成比は3.4%です。
次に、114ページ、第19款諸収入です。収入済額は66億8,930万1,219円で、収入率は102.3%、款別の収入済額の構成比は5.2%です。
以上、一般会計の歳入合計は、130ページ、最下段の欄に記載のとおり、予算現額1,266億8,500万2,000円に対しまして、収入済額は1,296億3,985万4,321円で、収入率は102.3%となっております。
以上、
一般会計歳入についての説明を終わらせていただきます。
○委員長(林田和雄君) 説明は終わりました。
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○委員長(林田和雄君) これより
一般会計歳入の質疑を行います。
初めに、風見委員。
○委員(風見利男君) まず最初に、都区財政調整制度に関連して、17年度の財調において、道路橋りょう費の昼間人口比率による態容補正額がマイナスになるという、昼間人口の多い港区には到底考えられないような結果が出ています。港区を含めて13区がマイナスということですけれども、調べてみると、17年度から補正係数がマイナスになっているための結果です。普通考えて、昼間人口が多ければ多いほど道路橋りょう費もかかるわけですから、マイナス補正ということはあり得ないと思います。他の12区とも協力して、マイナス補正がないように改善させるべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
○財政課長(益口清美君) 都区財政調整制度における昼間人口補正等は、本来、当該区の昼間人口の数に応じて事業経費を加算する目的で行われているものでございます。しかしながら、道路橋りょう費につきましては、委員のご指摘のとおり、17年度の算定から、特定財源である道路占用料が大幅に増額されたことによりまして、マイナスの昼間人口補正となってしまっております。昼間人口が80万人を超える港区においては、道路、橋りょうの劣化等による維持管理に多額の経費を負担してございます。本来なら歳出額を加算する補正を行うべきところ、道路占用料が増額されたためにマイナスの補正を行うような算定ということで、それは到底納得いくものではございません。既に港区と同様の状況にある第1ブロックの中では、この問題に対する共通認識を持っているところでございますけれども、23区全体の問題として、今後の財調要望の中で適正な算定に向けて積極的に働きかけてまいります。
○委員(風見利男君) ぜひ今の立場で奮闘していただきたいと。
次に、区債の繰上償還についてお伺いします。
この問題は、我が党区議団が前々から提案して、ほとんど利子がつかない銀行に預けている豊かな基金を活用して、高い利率の区債の繰上償還をやることによって支払利子が大分軽減されるのではないかと。こういうことで提案してきて、武井区長になって、ここ3年間、毎年繰上償還をやってきています。この3年間で本来払うべき利子分は幾ら軽減されたのでしょうか。また、4%台、3%台の区債がまだ残っているわけで、引き続き繰上償還を進めていくべきだと思いますけれども、答弁をお願いいたします。
○財政課長(益口清美君) この3年間の繰上償還により軽減された利子の総額でございますが、6億8,850万円となってございます。それによりまして、平成18年度末の区債残高は143億円まで減少する見込みとなっております。区では、これまで良好な財政状況を背景に、後年度負担の軽減を図るため借り入れ利率が高い区債の繰上償還を行ってまいりました。けれども、今後の区債の繰上償還につきましては、国の
三位一体改革による税収の減少が見込まれる一方で、都心区ならではの特有の需要や少子高齢社会への対応、また、区有施設の改築需要等の財政需要が大きく増大するようなことから、区財政の中長期的な見通しを立て、当該年度の財政収支を見極めながら、適切に判断していきたいと考えているところでございます。
○委員(風見利男君) 確かに来年はフラット化による影響が若干あるわけですけれども、財政レポートの案でも、その後は引き続き人口の増とかで改善されるのではないかと。こういう見通しがあるわけで、ぜひ、すべてと言っているわけではなくて、まだ4%の起債が残っているわけで、そういうところにはきちっと対応していくべきだと思いますけれども、再度お願いしたいと思います。
○財政課長(益口清美君) 繰上償還につきましては、財政状況の良好な状況を受けて、今までやってきたものでございまして、来年度以降につきましては、区民サービスの向上が最優先と、その次に余剰があるならば繰上償還を行っていく、そう考えてございます。
○委員(風見利男君) 区民要望を最優先と、これはこれからの決算審議の中で提案しますので、積極的に回答していただきたいと。財政課長がああいうふうに言っていますので、所管の課長は積極的に提案を受け入れていただきたいということをお願いしておきたいと思います。
次に、道路占用料の改定についてお伺いします。
これも高い固定資産税に区民が苦しむ中で、一方、道路占用することによって莫大な利益を上げている大企業には、それにふさわしい占用料に改定すべきだということで長年提案してきました。これは担当部署も大分ほかの区とあつれきがあったようですけれども、ことしから港区独自の道路占用料に改定したことで、例えば第二種電柱1本当たり年間8,210円になりました。今回の改正の根拠になっているのは固定資産税評価額、港区の総地目平均77万4,952円、1平米当たりですけれども、これを根拠にしているようですけれども、実際この第二種電柱の占用料は、今の評価額で計算すると幾らになるのでしょうか。
○
都市施設管理課長(榎本和雄君) 第二種電柱の積算道路占用料は、1本当たり2万6,036円になります。
○委員(風見利男君) 実際、ことしから改定したのですけれども、実際の固定資産税評価額でいくと、これも港区全体の地目平均ですから、3分の1以下と、こういう状況です。今、私が言った固定資産税評価額の地目は平成15年1月1日の評価額をもとに算出した額で、ことしの1月1日にこれが変わりまして、現在幾らになっているのか。それで計算すると、第二種電柱の占用料は幾らになるのかお伺いしたいと思います。
○
都市施設管理課長(榎本和雄君) ことしの1月1日現在の固定資産税評価額の港区の総地目平均価格は85万1,598円となっております。これで計算いたしますと、第二種電柱の積算道路占用料は1本当たり2万8,613円となります。
○委員(風見利男君) ことしの予算審議の際、当時の担当課長は「10年かけて港区の固定資産税の評価額に見合う占用料にしていく」と、こういうふうに言われました。私はそのとき10年間なんていう悠長なことを言わずに、早期に港区の固定資産税評価額にふさわしい占用料にすべきではないかと、こういうふうに求めました。今回の改正は新しい評価額を基準にして計算すると思いますけれども、同じ電柱でも公園占用料は1本当たり年額3万5,148円なのです。道路占用料の電柱1本当たりと比べても大きな差があるわけで、どうも理事者側は緩和に力を入れて、なかなか一遍に引き上げようとしていないわけですけれども、来年4月から引き続き占用することで得る利益にふさわしい改正をすべきだと思いますけれども、いかがでしょう。
○
都市施設管理課長(榎本和雄君) 平成18年度は、これまでの23区の統一価格ではなく、港区の地価を反映するため、区独自の改正を実施したところです。今後とも、この考え方に基づきまして、適切な道路占用料の設定に努めてまいります。
○委員(風見利男君) 適切なというのは、私が先ほどお話ししたように、ことしの1月1日の固定資産税評価額を基準にしながら、いわゆる激変緩和に余り力を入れずに引き上げると、こういう理解でいいわけですか。
○
都市施設管理課長(榎本和雄君) 占用料につきましては、これまでの経過等もございます。先ほどのように現在の占用料との乖離もございますので、そういったところに十分配慮しつつ、これまでの考え方に基づきながら設定してまいりたいと、このように考えております。
○委員(風見利男君) 課長、もうそのやり方は、22区から港区はいろいろ言われたけれども、港区独自の占用料に踏み切ったわけで、その立場で、ぜひ来年4月も改正の手続きに早急に入ってもらいたいと。
もう一つ、先ほど課長のお話の中で、公園占用料の基準も若干ことしから変えたと。先ほど言ったように、ことしの1月1日現在の固定資産税評価額で計算すると、さらに公園占用料も引き上げることができるわけですけれども、そういう立場で公園占用料の方も改正をすると、こういう理解でよろしいですか。
○
都市施設管理課長(榎本和雄君) 公園占用料につきまして、これからも適切な公園占用料の設定に努めてまいります。
○委員(風見利男君) 区民の減免には大いに力を入れていただいて、大企業が占用することについては、きちっと適正な価格で対応していただきたいということを要望して、終わります。
○委員長(林田和雄君) 風見委員の発言は終わりました。
……………………………………………………………………………………………
○委員長(林田和雄君) 次に、杉本委員。
○委員(杉本とよひろ君) 平成17年度
決算特別委員会一般会計の歳入では、1点目に税財政改革に伴う影響、2点目に今後の税収構造について、3点目に滞納繰越について、4点目には不用額について質問させていただきます。
港区はバブル経済崩壊後、平成9年に「財政構造改革指針」を策定し、行政改革として、職員の定数削減をはじめとする内部努力などによる財政の健全化に向け、他区に先駆け取り組み、その後、平成11年に策定した「港区
財政運営方針」が掲げる取り組みによる成果、また、さらに人口の増加に伴う特別区税収入の好調な伸びにより、財政基盤が着々と築き上げられてきたところであります。
港区の平成17年度決算状況を見てみますと、歳入は、特別区税が前年に引き続き大幅に増加したほか、繰入金や諸収入など他の歳入も増加したところであります。また、減税補てん債の満期一括償還や過去の起債の繰上償還も前年に引き続き行い、区民の将来負担の軽減に積極的に取り組むなど、財政基盤は極めて良好であることがうかがえるわけであります。
普通会計決算額歳入面では1,296億円余で、前年度に比べ22.9%、額にして242億円の増加。中でも歳入の根幹をなす特別区税が598億円余、前年度に比べ15.2%、額にして78億円余の増加となり、6年連続で前年度実績を上回り、また、
経常収支比率については、平成3年以来、14年ぶりに50%台となる55.9%となり、平成16年度の70.9%に対して15ポイント下回り、引き続き23区でトップとなるなど、依然として財政状況の健全化の進みぐあいがより一層明らかになったところであります。
一方、国の三位一体改革により、地方全体で3兆円の税源移譲が実現したものの、港区にとっては税源移譲に伴う住民税所得割税率のフラット化の影響額は平成19年度以降130億円の減収と見込まれております。また、暫定的な対応として創設された所得譲与税が平成18年度で終了。さらに地方特例交付金が平成18年度から段階的に減額され、平成21年度から廃止になります。こうした財政制度改革の動向や区の今後の人口増加等による増収という相反する要因により、区財政へ与える影響は流動的な要素があるわけであります。そうした背景を視野に入れて質問に入ります。
第1点目は、財政課長にお伺いいたしますが、国庫補助負担金削減や税源移譲等によって、区としてメリットがあるとしたら何か。また、反対に問題や課題は何か。また、平成17年度の決算において与えた影響として何かあったらお聞かせください。
○財政課長(益口清美君) 国庫補助負担金削減や税源移譲等の国の
三位一体改革は、地方分権を地方の税財政に焦点を当て具現化したものでございまして、それにより、地方の自由度と自主財源を拡充し、地方が元気になるという基本方針が実現したものでございます。この改革の目的は、国の関与を縮小し、地方の権限と責任を拡充することにありまして、改革自体がメリットと言えます。しかし、本来の改革の趣旨は、地方が主体的に実施する必要があるものについて、国から地方へ税源を移譲するというものでございまして、委員ご指摘のとおり、港区は住民税所得割税率のフラット化により、平成19年度から約130億円の減収が見込まれるなど、
三位一体改革の税源移譲に伴う税制改正が本来の趣旨とは異なって、税源の大幅な減少を招く事態となってございます。
また、平成17年度の影響についてでございますけれども、平成16年度から平成18年度の間は国庫補助負担金の削減を補完するための財源として、暫定的に所得譲与税により交付されているため影響はございませんでした。
○委員(杉本とよひろ君) 今、財政課長の方から影響についていろいろ答弁がありましたけれども、そういったことを踏まえまして、今後、どのように区として対応していく部分があるのかお伺いいたします。
○財政課長(益口清美君) 先ごろ特別区長会から国に対しまして、平成19年度国の施策及び予算に関する要望書を提出いたしまして、
三位一体改革について、特別区の区域において税収減となる団体が生じないよう、確実な財源を保証することを要望いたしております。都区の関係におきましては、都区制度改革主要5課題の整理におきまして、
三位一体改革の影響の対応として、都区財政調整制度により調整税の都区間配分割合の変更を行うとしてございますけれども、都が提案した調整率2%アップでは区の財源が不足することは明白でございまして、2%プラスアルファを確実に実現させなくてはなりません。港区といたしましては、
三位一体改革の本旨に沿って、国庫補助負担金制度の改革により削減された額に見合う税源を措置するよう、今後も引き続き国や東京都に主張してまいります。
○委員(杉本とよひろ君) こうした制度改革によりまして、区は今後、大幅な減収が予測される一方、人口の増加等による増収という相反する要因によりまして区財政に与える影響については、どのように対応していくお考えなのかお伺いいたします。
○財政課長(益口清美君) このたびの地方税財政改革が港区に与えるマイナスの影響に対する国や東京都からの十分な財源が保証がされない場合であっても、区はどのような社会状況の変化にも的確に対応できる確固たる財政基盤を維持し、今後も増加するさまざまな行政需要に積極的に対応してまいります。そのための具体的手法につきましては、このたび新たな「港区
財政運営方針(素案)」を策定いたしまして、その中でお示ししているとおり、人件費の圧縮や経費削減などの内部努力を徹底することはもとより、税収など収納率向上への取り組みや、基金の有効活用、また必要に応じて区債の発行を行うなど、さまざまな財政手法を凝らして、質の高い行政サービスを提供してまいります。
○委員(杉本とよひろ君) 次に、前年度と比較して、歳入決算額の増加の主な要因といたしまして、地方譲与税2億8,000万円余、繰入金160億円余、特別区税78億円余、諸収入47億円余の増加が挙げられておりますが、これら4款で歳入合計の構成比の71.4%を占めているわけであります。
そこでお伺いしたいのは、株式等譲渡所得割交付金についてであります。これは2年前、制度改正に伴い、平成15年度決算審議でその仕組みについてお伺いしたことがありますが、平成17年度決算においては、額にして5億1,000万円余、前年度と比べ約3億円、率にして151%も伸びております。これは国の金融施策の中で貯蓄から投資への流れが反映され、特に近年、個人投資家の市場参加が顕著にあらわれていると考えられます。株式等譲渡所得割交付金は配当支払者、または証券会社等から都道府県に特別徴収され、税率に応じた割合で区市町村へ交付金として支払われることになっております。その割合は100分の68に相当する額を交付するとされておりますが、今後、東京都の財政状況や将来の制度改正が行われるような場合でも交付金として継続して入ってくるものなのか、その点お伺いいたします。
○財政課長(益口清美君) 株式等譲渡所得割交付金につきましては、現時点で、将来にわたって継続し交付されるものであると考えております。しかし、将来、制度改正が行われるような場合には、他区等と協調いたしまして、区にとって不利とならないよう国に対して働きかけを行ってまいります。
○委員(杉本とよひろ君) ぜひ、これは港区にとって影響が大きいわけであります。今後とも継続して交付金として入ってくるよう担保していただくよう、強く働きかけをお願いいたします。
次に、歳入総額の大宗を占めている特別区民税についてお伺いいたします。
平成17年度普通会計決算で特別区税における歳入総額に占める割合は、23区平均では28.5%でありますが、都心区においては住宅開発が活発化し、都心への人口回帰によって増加傾向にあります。港区での割合は46.2%、渋谷区は51.3%と、23区の中でこの2区が突出して高くなっております。港区においても、近年の人口増加等により、特別区民税は前年度比78億円余の増加、598億円余、伸び率15.2%となっており、今後、さらに人口の増加が見込まれている中、特別区税の伸びが期待されるところであります。また、港区の税収構造は、一部の外国人や高額所得者によるものが税収の約8割を占めていると言われており、税収は個人の所得状況によって大きく変わるものであります。
そこでお伺いいたしますが、今後の人口の増加と、これからの高齢社会に伴い、税収構造についてどのように考えているのか教えてください。
○税務課長(坂口修君) 人口増加に伴い、納税義務者、収入額ともに増加しております。特別区民税の納税義務者数を見ますと、前年度に比べ、平成15年度は約500人、0.5%の増、平成16年度は約2,200人、2.3%の増、平成17年度は約3,300人、3.5%の増、平成18年度は8月末現在ですが、約7,900人、7.9%と増えております。特別区民税の調定額、課税額ですが、平成15年度は約8億7,000万円、1.8%の増、平成16年度は約19億1,000万円、4.0%の増、平成17年度は69億5,000万円、13.9%の増となっております。平成18年度は年度途中ですが、8月末現在の調定額を前年同月と比較すると、約86億4,000万円、15.8%の増となっています。
また、高額所得者の状況を見ますと、納税義務者数の割合は約20%に対し、調定額に占める割合は80%で、この割合はおおむね変わっておりません。税法改正によって平成19年度以降、税率がフラット化され、課税所得が700万円を超える部分の区民税の税率が10%から6%になる影響が大きく、区民税は数百十億円の減収となるものと考えております。
高額所得者の状況を見ますと、転入者が転出者をやや上回る傾向にあるとともに、高額所得者の人数も確実に増えてございます。課税所得金額が700万円を超える人数、6月当初課税で見ますと、平成15年度は1万6,292人、平成16年度は1万6,664人、平成17年度は1万8,344人、平成18年度は2万415人でございます。人口増による納税義務者数の増加、高額者の増加、高額者のより高額化、さらに税法改正による増収部分の影響もございます。区内高層住宅の状況や経済状況、これまでの課税状況などからフラット化による減収はあるものの、所得としての増加傾向は数年続くものと考えております。ただし、株式の譲渡所得や土地建物の譲渡所得など、経常的に見込めない所得の増の影響も大きいことから十分注意していく必要があると考えております。
○委員(杉本とよひろ君) 次に、
収納確保対策についてお伺いいたします。
収入確保対策として、これまでも滞納者への対策については、平成11年に港区区民税等収入確保対策連絡会議を発足させるなど、収納率向上へさまざまな角度から取り組まれ、その結果、平成17年度決算においても滞納繰越分が前年度を大幅に下回ったのではないかと思われます。特に港区の税収構造の特徴であります高額納税者の延滞については、区政運営に必要な自主財源確保のためにも大きく影響してまいります。また、「
財政運営方針(素案)」によれば、平成19年度から特別区民税をコンビニエンスストアでの収納業務を実施する予定とされておりますが、公平性の確保の面からも納付機会の拡大により徴収の向上に期待するところであります。
そこでお伺いしたいのは、地方税や住宅使用料、また、各種貸付事業の返還金の収入未済額が前年度に引き続き大きな額になっているということであります。不納欠損という処理額は合計で4億6,915万円余で、その大部分は特別区民税の4億2,327万円余とされていますが、区民税の滞納総額は一体幾らになるのか教えていただけますか。
○税務課長(坂口修君) 納税交渉中のもの、分割して納税中のもの、執行停止処分をしたものなど、滞納額の合計である滞納繰越分の調定額は、平成15年度46億1,000万円、平成16年度38億5,000万円、平成17年度30億5,000万円、平成18年度28億2,000万円と年々減少しております。徴収率、収入歩合ですが、平成15年度は17.8%、平成16年度24.5%、平成17年度27.5%になっております。平成17年度、23区における徴収率、収入歩合は34.5%から19.5%です。港区は27.5%で、上位から数え7番目となってございます。税の公平、公正を確保するためにも担税力の調査を実施し、納税交渉を重ねるなど、平成18年度は29%を目標として取り組んでおります。
○委員(杉本とよひろ君) さまざまな事情があると思われますので、きめ細かく相談に応じ、適切な対応をとりながら、収納については公平性を確保しつつ、滞っている債権については実態を十分調査し、収納に努めてもらいたいわけでありますが、それでも回収不納となれば、不納欠損として処理していかなければならないわけであります。このような実態を区民の目から見て、また、苦労しながら返済をしている人の立場から見ても、収入未済額の累積額をどのように思われるかということであります。
不納欠損処分については、すぐに処分するわけにはいかないし、かといって5年、10年、20年と将来まで累積されて額を膨らませていくわけにもいきません。区として、延滞繰越分の整理について、どのように考え処理していくのか、お聞かせください。
○税務課長(坂口修君) 特別区民税は納税義務者による自主納税の推進に取り組み、現年度課税分の徴収率は98.2%になっております。残りの1.8%が翌年度の滞納繰越分となりますが、滞納の期間が長くなるほど徴収の確保は一層困難になります。また、納期限内の納税者に対しては公平を欠くことになります。このため、預貯金、不動産などの財産調査を実施して、担税力があるにもかかわらず滞納していることが判明した場合には、差押さえなどの強制徴収手続き、滞納処分を行って納税交渉を進め、納税してもらっております。
なお、平成17年度の預貯金等の差押さえ件数は1,092件行ってございます。一方では、調査の結果、財産がない、または生活困窮など担税力がないと判断した場合には、時効を待たずに執行停止や
不納欠損処分を行います。納税秩序を維持するため、自主納税を促進するとともに、差し押さえ処分や執行停止処分を視野に幅広く財産調査を進め、今後も滞納整理の早期着手に積極的に取り組みます。
○委員(杉本とよひろ君) 最後に、不用額について質問を用意しましたけれども、時間が来ましたので、次の機会にしたいと思います。ありがとうございました。
○委員長(林田和雄君) 杉本委員の発言は終わりました。
これにて
一般会計歳入の質疑は終了いたしました。
この際、あらかじめご連絡いたします。環境清掃費、民生費の質問通告期限は本日午後5時までとなっておりますので、委員長までご提出願います。
議事の運営上、暫時休憩いたします。
午後 2時46分 休憩
午後 3時00分 再開
○委員長(林田和雄君) 休憩前に引き続き、委員会を再開いたします。
これより
一般会計歳出の審議に入ります。
初めに、歳出第1款議会費の審議に入ります。
歳出第1款議会費について、理事者の説明を求めます。
○収入役(渋川典昭君) 歳出第1款議会費について、ご説明いたします。
予算執行概要説明書の134ページをお開きください。議会費の支出済額は6億1,731万4,939円で、執行率は95.6%でございます。款別の支出済額の構成比は0.5%でございます。
項の1区議会費の主な支出の内容でございますが、区議会議員、区議会の事務に従事した職員の人件費及び区議会の運営等に要した経費でございます。
以上、歳出第1款議会費の説明を終わらせていただきます。
○委員長(林田和雄君) 説明は終わりました。
なお、歳出第1款議会費の質問はございません。
以上をもって歳出第1款議会費の審議は終了いたしました。
───────────────────────────────────
○委員長(林田和雄君) これより歳出第2款総務費の審議に入ります。
歳出第2款総務費について、理事者の説明を求めます。
○収入役(渋川典昭君) それでは、歳出第2款総務費についてご説明いたします。
予算執行概要説明書の136ページをお開きください。総務費の支出済額は154億5,958万437円でございまして、執行率は91.1%でございます。款別の支出済額の構成比は12.9%でございます。
次に、項別の主な支出の内容についてご説明いたします。
まず、項の1総務管理費は、総務管理事務に従事した職員の人件費、庁舎の維持管理、広報、広聴、情報管理、総合支所庁舎の管理運営及び防災対策等に要した経費でございます。
次に、158ページ、項の2徴税費は、税務事務に従事した職員の人件費及び特別区税の賦課徴収事務等に要した経費でございます。
次に、160ページ、項の3戸籍住民基本台帳費は、戸籍、住民記録、外国人登録事務に従事した職員の人件費及びこれらの事務に要した経費でございます。
次に、164ページ、項の4選挙費は、選挙管理委員会の委員、選挙事務に従事した職員の人件費及び都議会議員、衆議院議員選挙の執行等に要した経費であります。
次に、168ページ、項の5統計調査費は、統計調査事務に従事した職員の人件費及び国勢調査及び国の指定統計調査等に要した経費であります。
次に、170ページ、項の6区民施設費は、区民斎場、各区民センター、男女平等参画センター、大平台みなと荘の管理運営及び借上区民保養施設等に要した経費であります。
次に、172ページ、項の7監査委員費は、監査委員、監査事務に従事した職員の人件費及び運営に要した経費であります。
以上、歳出第2款総務費の説明を終わらせていただきます。
○委員長(林田和雄君) 説明は終わりました。
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○委員長(林田和雄君) これより歳出第2款総務費の質疑を行います。
初めに、古川委員。
○委員(古川伸一君) 平成18年度予算特別委員会の総務費で何点か質問しましたが、その中で3点にわたり現在の進捗状況等について質問させていただきます。
まず最初に、土曜、日曜、祝日に総合的な相談窓口を区役所や各総合支所で開設することについてお伺いいたします。
土曜、日曜、祝日に国民健康保険、国民年金、介護保険料など総合的な相談窓口を開設すべきとの質問に対し、「国民健康保険、国民年金、介護保険などの相談は、特に区民生活に密着した部分であり、相談の中身も多岐にわたる部分です。開庁にあたっては、システムの検証や人員配置など今後も検討する課題はありますが、区民サービスの観点から総合的な対応が必要と考えます」との答弁でありました。また、繁忙期サービスとして3月末から4月初めに午後6時まで開庁時間を延長し、区民サービスを提供することについて質問しましたが、担当課長の答弁は、「土日、祝日の対応とあわせ今後検討してまいります」との答弁でした。
そこで、それぞれの現在の進捗状況についてお伺いいたします。
○
区役所改革推進担当課長(浦田幹男君) 繁忙期対応としまして、年度末の3月25日土曜日、26日日曜日及び年度初めの4月9日日曜日に各総合支所くらし応援課の窓口を臨時的に開設しました。また、8月26日土曜日、27日日曜日には、台場地区の大規模共同住宅完成に伴い、
芝浦港南地区総合支所くらし応援課窓口サービス係及び台場分室の窓口を臨時開設しています。
さらに、8月17日木曜日から20日日曜日までの4日間、児童扶養手当等の現況届受付窓口を、平日は各総合支所くらし応援課及び子ども課で夜間8時まで延長し、土日には子ども課で臨時に開設をしました。今後とも、大規模共同住宅完成時などの繁忙期については効果的に臨時窓口を開設してまいります。
また、土日、祝日の相談窓口の恒常的な開設については、繁忙期の対応等を十分に検証するとともに、ニーズを的確に見極めながら、引き続き検討してまいります。
○委員(古川伸一君) 区民サービスの充実のために、ぜひとも今後ともよろしくお願いいたします。
次に、テレビ電話付き相談機の活用についてお伺いいたします。
テレビ電話の機能の有効活用として、4月以降もなお本庁で行う業務、例えば税の申告審査などは、総合支所と本庁、税務課の課税担当を結べば相談業務が充実すると考えます。また、5台購入したテスト機を3カ所程度総合支所に配置転換し、本庁支援部に2台置いてテスト試行を継続するなど、有効活用を考えるべきと質問しました。答弁は、「平成18年度は税務相談に限らず、さまざまな相談業務や総合支所相互間の連携等にテストを拡大し試行してまいります」ということでしたが、現在の進捗状況についてお伺いいたします。
○
区役所改革推進担当課長(浦田幹男君) 現在、テレビ電話付き相談機は各総合支所くらし応援課の5カ所に再設置を行い、試行活用を継続しております。区民の相談業務のほか、保育園入所判定会議後の調整など、総合支所相互間の情報連絡等に活用を拡大しているところです。
一方で、4月の区役所・支所改革により総合支所の機能が拡大し、区民の皆さんからのさまざまな相談や申請を受付から実施まで完結することに伴い、テレビ電話付き相談機の導入当初の本庁、総合支所間をつなぐという趣旨が薄れ、活用の機会が少なくなっているのが実情です。今後、これまでの稼働実績及び再設置後の状況を踏まえ、テレビ電話付き相談機のあり方について検討をしてまいります。
○委員(古川伸一君) ぜひとも、今後、取り組みのほどよろしくお願いいたします。
最後に、災害対策について4点お伺いいたします。
1点目に、東京直下マグニチュード7クラスの地震が発生した場合の被害想定が発表されているわけで、公益施設及び広域避難場所と指定されているところについては、早期にマンホールトイレを設置すべきとの質問に対し、「災害時の拠点となる施設を中心にマンホールトイレの確保を図るとともに、帰宅困難者対策を視野に入れたトイレ対策に取り組んでまいります」という答弁でした。
また、台場の昼間人口は約1万5,000人とされており、災害時の帰宅困難者や災害要援護者を避難場所へ誘導したり、また住民等への食糧など物資を輸送したりするのに、観光汽船興業と連携をとり協力協定を結ぶことが重要との質問に対し、「東京都では、被災者の輸送、救援物資の輸送、船舶による応急対策業務に当たることの協定を船舶団体と結んでおり、協定状況を踏まえ、締結に向け検討してまいります」ということでしたが、それぞれの現在の進捗状況についてお伺いいたします。
○防災課長(鈴木英二君) 平成18年9月現在で南桜公園4基、さくら坂公園2基、白高児童遊園2基、三田台公園3基、和楽公園8基の公園及び児童遊園で5カ所、19基、また、福祉プラザさくら川の5基、下水道局マンホール利用5カ所で12基の合計36基が現在整備されております。また、平成18年3月末と比較いたしますと、13基の増となってございます。今後は、災害拠点となる区立の芝公園に10基予定してございます。飯倉公園では3基予定してございます。白金台どんぐり児童遊園では10基程度を予定してございます。また、港南緑水公園、浜松町一丁目用地住宅等の整備にあわせ、マンホールトイレの整備を順次進めてまいります。
また、災害時の台場地区への交通の寸断を考えますと、水上輸送を活用した被災者の支援は大変有効なものと考えており、ご質問の観光汽船興業などの船舶会社との協定締結につきましては、早期に東京都との連携等も含め検討を深め、協定締結に向けて努力してまいります。
○委員(古川伸一君) 2点目は、災害時に地域の身近にある小学校等が避難所になるわけですが、そこには現在、乾パン、米、救急セット、毛布などの物資は備蓄されておりますが、肝心な飲料水は用意されておりません。そこで、緊急時の際に必要な飲料水を常時身近にある小学校に備蓄しておくことが第一と考えますが、いかがでしょうか。
○防災課長(鈴木英二君) 災害時におけます飲料水の小学校への備蓄につきましては、小学校を含む避難所への飲料水供給は区全体で約3万トン常時備えてございます。現在のところ対応できると考えてございます。なお、乳幼児用の調整粉乳及び要介護認定者向けの水戻しもちに要する水につきましては、2リットルのペットボトルのミネラル水を1,500本用意してございます。
○委員(古川伸一君) 3点目は、足立区は東京都理容生活衛生同業組合と災害時における事業サービス提供に関する協定を結び、大きな災害が起きて、住民の避難所暮らしが2週間以上続く場合に、支部に加盟する337店から理容師を派遣してもらい、散髪や洗髪サービスを行うとしております。港区においても災害時における理容サービスの提供は必要と考えますが、いかがでしょうか。
○防災課長(鈴木英二君) 大規模な災害が起きた場合には、復旧に時間を大変要します。避難所生活が長期化することが想定されております。このような際の理容サービスは、避難者の衛生面の維持と癒しの効果をもたらし、大変重要と考えてございます。今後、区内の理容生活衛生同業組合と早期の協定の締結に向けて取り組んでまいります。
○委員(古川伸一君) 4点目は、気象庁は地震の初期微動から震度や到達時間などを推定し、大きな揺れが到達する前に知らせる緊急地震速報の提供を本年の8月から鉄道や工場など、特定分野で先行的にスタートしております。国土全域を網羅した世界初のシステムで来年3月末までには一般家庭の提供も開始する予定ということです。
そこで、地震被害を大幅に減らす効果があると期待される緊急地震速報対応の地震計があると聞いておりますが、災害時の緊急対策本部が置かれる区役所に設置し迅速な行動がとれるよう、今から準備することが必要と考えますが、いかがでしょうか。
○防災課長(鈴木英二君) 気象庁の緊急地震速報は、地震の初期微動P波を解析いたしまして、震源や規模の推定に基づき、主要動S波の到達時刻や震度について推定するとともに、素早く知らせる情報のことを言います。この速報の運用が本年の8月1日から鉄道、大学、研究機関及び電気、ガス等の
インフラ関係事業者等に提供範囲を絞りまして開始されたところでございます。この速報は、発災時の迅速な災害対応に有効なことから、区の地震計につきまして、今年度中に緊急地震速報対応の地震計を設置する予定となっています。
○委員(古川伸一君) ぜひ、よろしくお願いいたします。今、さまざまな質問をしましたが、区民の安全・安心な対策を期待しまして、質問を終わります。
○委員長(林田和雄君) 古川委員の発言は終わりました。
……………………………………………………………………………………………
○委員長(林田和雄君) 次に、七戸委員。
○委員(七戸淳君) 赤坂青山地区における環境美化についての質問をいたします。特に放置自転車、放置バイクについてですが、ことしの4月に総合支所ということになりまして、各セクションが総合支所へ移管されたと。生活安全・環境美化推進協議会というのは総合支所に移管されたという確認の質問と、あと、六本木地区安全安心まちづくり協議会というのが非常に今評判になっておりまして、港区政新聞などのローカル紙以外にも一般の新聞にも大きく取り上げられております。そこで、赤坂地区の赤坂青山安全・環境美化推進協議会の現状の活動状況などをお知らせください。
○
赤坂地区総合支所地区政策課長(杉本隆君) 地区の安全・環境美化推進協議会でございますけれども、ご指摘のとおり、現在、各総合支所の活動推進課において所管しているものでございます。当地区、赤坂青山安全・環境美化推進協議会の活動状況でございますけれども、構成につきましては、町会や自治会、あるいは商店会や青少年地区委員会、それから学校や幼稚園、PTAなども参加してございます。それから官公庁では警察や消防、その他さまざまな団体が参加しておりまして、現在、当地区では94団体で構成されてございます。
活動の内容としましては、それぞれの団体の情報交換を行います。それから町会・自治会を中心としまして、団体が協働しまして、月1回地域を定めて、放置自転車や放置バイク対策、それからたばこのポイ捨ての清掃、こういったものについてパトロールを行っている、そういう活動内容でございます。
○委員(七戸淳君) そのように町会や地区委員会の方々がやっているのを私も知っております。今週も赤坂ひよこクラブがごみの清掃をするようですけれども、しかしながら、解決できないというのが放置自転車や放置バイクだと思いますけれども、これは赤坂青山地区だけではなくて、港区全体の社会問題となっているのではないかなと思います。国道246号線沿いは御所などもあって、警察も目を光らせているということで特にきれいなのですけれども、裏側に入りますと自転車であふれ、バイクなどで歩けないようなところもあります。特に国道246号線沿いの駅の周辺、赤坂見附であったり、外苑前であったり、表参道、地下鉄の駅の周辺は点字ブロックの上にまでバイク等が並んでいる状況でもあります。こういったような放置自転車や放置バイクの状況というものを
赤坂地区総合支所で調べてあるのであれば、お聞かせください。
○
赤坂地区総合支所地区政策課長(杉本隆君) 放置自転車、放置バイクも含めてでございますけれども、実態でございます。これは平成18年に入りましてから都市施設管理課の方で全体的に調査を行ってございまして、調査ポイントは港区内で35カ所でございます。その結果、放置自転車、バイクの放置の多い場所でございますけれども、一番多いのは田町の西口というふうになってございます。これが862台ほど、2番目が表参道で711台、3番目が麻布十番619台、4番目が外苑前348台、5番目が新橋で328台というような状況でございまして、赤坂は駅の近くでは8番目でございます。青山一丁目は10番目でございまして、赤坂青山地域の管内では上位の方に位置しているような状況が把握できてございます。
○委員(七戸淳君) これからも赤坂青山安全・環境美化推進協議会にいろいろ助けていっていただきたいと思いますけれども、タバコルール、今までいろいろキャンペーンをしてきたのですけれども、赤坂地区ではJTの前でやったというのは聞いているのですけれども、今まで大々的なタバコルールのキャンペーンというのが余り行われていないという実態もありますので、ぜひ行っていただきたいので、そういう計画があれば、お知らせいただきたいと思います。
タバコルールというのは、けさの日経にも、足立区でも条例化されて、北千住では歩行喫煙をしたら、10月1日からは1,000円の科料を科す。また、板橋区も警備会社が巡回して、効果が上がらない場合は罰則金も導入するというようなことを書いているのですけれども、私は、みなとタバコルールというのは非常にいい企画だと思っておりまして、罰則金を取るよりも、大人ということで、モラルを持ってしなければいけないなと思っています。
『日本人の品格』というのが去年からずっとベストセラーで、今、日本で非常に売れている本ですけれども、これは日本人がきっちりあいさつもできないとか、平気で公園にごみを捨ててしまうとか、そういったような道徳を日本の伝統精神である武士道から学べよというような本ですけれども、そもそも『武士道』という本は、明治32年に新渡戸稲造さんが「ソウル・オブ・ジャパン」ということでアメリカで出して、ベストセラーになって7カ国語で訳されたと。日本で初めて世界でベストセラーになった本ですけれども、これは列強の中、日本が海外でデビューして、そのときに東洋人に偏見があって、それを対峙するために新渡戸稲造が書いた本だと思うのですけれども、その中で、日本の道徳観念をつくるのは宗教でも教育でもなくて武士道であるという主張をしまして、その武士道というのが自己犠牲と正義に満ちモラルを持って接すると。
これは西洋の騎士道精神にも相通じるものであるということで、これを読んだルーズベルト、アメリカの32代大統領は「アメリカはまだ若い国であって、こういうモラルのある精神を学ばなければいけない」と発表したと。また、アインシュタインもその本を読んで日本人に会ったら、「日本人はすばらしいしつけがあって、心のやさしいモラルのある人々だ」と絶賛したということで、日本の評価が非常に高まったということだそうです。
そういうような意味では、モラルというものを大事にする今回のタバコルールというのをもっともっと広げて、一般的に罰則金を取る千代田区ルールと対比されますけれども、この国際都市である港区では、港区のタバコルールを啓蒙していく必要があるのではないかと思いますので、そういうような計画があれば、お知らせいただきたいと思います。
○
赤坂地区総合支所地区政策課長(杉本隆君) ご指摘のように、赤坂地区では今までタバコルールについては実施してきてございませんでした。主にJR、あるいは六本木地区で昨年度まで実施してまいりました。私どもも自転車対策とあわせまして、マナーの取り組みと、それから実際に駐輪場、駐バイ場の整備や、それからタバコルールにつきましても、マナーの働きかけ、それから喫煙コーナーを設置してキャンペーンを張って歩行喫煙やポイ捨てを禁止していく、そのような取り組みをぜひ赤坂地区でも進めてまいりたいと考えてございます。
今年度に入りましてから、8月に赤坂で初めて溜池交差点で1カ所実施してございます。今後、10月以降、国道246号線、外苑前、あるいは赤坂見附等でも実施を目指して今検討しているところでございます。
○委員(七戸淳君) 最後に、今度青山通り沿いで道路景観整備事業というのが予定されるということですけれども、これは青山一丁目から表参道にかけて街灯とか歩道とか、街路樹の整備が行われるということですけれども、こういうのにあわせて、今、駐輪場とか、駐バイ場というのは場所がないので、こういうときに国道上に駐輪場とか駐バイ場の施設がつくれないものかという提案ですけれども、これは従来、国道においては、駐輪場、駐バイ場の設置目的で道路の占用許可は認められておらないということですが、点字ブロックの上まで自転車やバイクが放置してあるということは、見て見ぬふりというのは、これでよいのかというような感もありますので、これは一定のスペースを決めて、駐輪場、駐バイ場をしっかりつくって管理すれば、ある意味で問題解決の一歩になるのではないかなと思いまして、こういったような道路景観整備事業に関して、国道上の駐輪場、駐バイ場の整備を認めるようなことを国に要望していくというようなことができればと思っているのですけれども、担当課長からそういう決意があれば、一言いただきたいと思います。
○
赤坂地区総合支所地区政策課長(杉本隆君) 現在、実は赤坂見附の国道246号の高速高架橋下に国道から使用許可を得まして、現在、駐輪場の整備計画を進めているところでございます。そういった意味では、国道もこれからは自治体の活動いかんによっては、そういった駐輪場の整備を認める、そういう方向もあるのかというふうには考えてございます。
また、先ほどご指摘のように、青山通りの道路景観整備事業がこれから進められる中で、地元でさまざまな議論、検討がされております。そこには国土交通省の道路局や、それから国道事務所の担当者なども入っておりますので、そういった機会を見まして、ご提案の趣旨を、要望を出してまいりたいというふうにも考えてございます。
○委員(七戸淳君) ぜひよろしくお願いしたいと思います。今、世間では公務員の飲酒運転とか、そういったようなモラルの問題も非常に大きくなっているわけですけれども、武士道、武士というのは、いわゆるその時代には政をつかさどっていて、そういう意味では、その武士に準ずるものが議会の人であり、行政マンだと私は思いますので、ぜひ武士道の心を持って区民や働く方々をリードしていただければと思います。終わります。
○委員長(林田和雄君) 七戸委員の発言は終わりました。
……………………………………………………………………………………………
○委員長(林田和雄君) 次に、秋元委員。
○委員(秋元ゆきひさ君) それでは、順次質問をしていきたいと思います。29分いただいているのですけれども、ほかの款でも質問の時間をとりたいと思いますので、時間内に早く終われば終わりたいと思っております。4つ用意しているのですが、1つは、人材配置、人材育成という観点からご質問させていただきたいのですけれども、今回、全体を通じて私の質問は、いわゆる区は変わったのか、あるいは変わりつつあるのかということです。これは再三いろいろな機会をとらえて、区長、あるいは理事者の方々に申し上げているのは、組織改革の中で幾ら組織が変わっても、そこに勤める職員それぞれが変わらなければ、何のメリットといいますか、区民から見てサービスが向上した、利便性も含めて、その利益を享受しているということにはならないのではないかという視点での質問になるかと思います。
最初は、建築紛争調整担当について質問させていただきたいのですが、ことしに入って2件、住民の方々から建築紛争に関するご相談を受けて、担当地区が違いましたので2名の方の建築紛争調整担当とお話しする機会があったのですが、細々したことはさておいて、時間もありますので、今でもそのお二人が共通して言ったことが耳にずっと残っているのは、「先生、僕らは建築主、あるいは住民の方々、どちら側にもつけないんですよ。公平公正な立場で調整に当たらなければならないんですよ」。一見聞くと、そのとおりなのかなという、1+1は2ですよみたいな話なのですが、よくよく考えてみると、港区という行政内に建築紛争調整担当という職があって、その職責を担うと考えたときに、私は、あるいは区民の方々も、少なくとも法律や条例を超えて、あるいはまげて味方をしてくれとか、そういった判断をしてくれと。心情的にはあったとしても、少なくともそういうことを求めているのではないだろうと思うし、少なくとも、専門職と言っていいのかどうかというのは後でまた聞きますけれども、そういう立場であるならば、建築主、あるいは施主であったり、デベロッパーであったりという立場の人たちが持っている建築に対するさまざまな法律上の、あるいは条例上の知識、それから調整担当が持っていなければならないであろう同様の知識というものと、ある日突然、自分の家の近くにそういう建物ができる、あるいは工事が始まるという中で、そういった情報を収集しなければならない。あるいは手練手管にたけた向こうの住民対応するだけの専門職みたいな人が出てきて対応しているわけですけれども、そういう方々と、今言ったような知識とか情報について明らかな差があるわけです。それはそうだろうと思います。それを埋める、あるいはそれを補完する。あるいは、私こういうこともしょっちゅう言っているんですけれども、そういったものに対する情報を共有してあげる、あるいはそのレベルを少し高めてあげる。それに対する法律と条例上の範囲の中でアドバイスをしてあげたり、何らかの手助けをすると。これは職責として、職務として当たり前のことだろうと思います。
そのことに関しても、冒頭申し上げたような「公平公正な立場でどちらにも味方ができないのですよ」。「見に行ったら」と言えば、「見に行くと、時間がかかって大変なんですよ。長引いちゃって」。長引いちゃってと言われても、見に行かないと始まらないのではないかなと思うのだけど、あるいは、「いない時間帯ができると、今度そこに電話がかかってきたときに困っちゃうんですよ」。それはそうですね。確かにいなければ、どこ地区担当の人がいないのでという形の中で、だれかがそれに対して補完しなければいけない。電話の取り次ぎをしなければいけない。そういうことは職場の中で改善していく、あるいは改良という言葉がどうかわからないけれども、少なくともそれは営々とした職責の中で対応していける程度のレベルではないかと思います。
それで、質問に入っていきますけれども、そのことについて担当課長ともヒアリングさせていただきましたけれども、じゃあ、建築紛争調整担当というものがどういう形で人材配置、育成がされているのかなと。一端としては、月1回の連絡会議がありますよ。ただ、これは条例、規則、あるいは用語集の改正等々に向けての月1回、時間外に1時間か1時間半程度やっているということなのですね。ですから、必ずしも事例的に上がってきた、直接区民の方々から上がってきた問題について、そこで地域の担当者を超えて、この問題について議論して、これはどういうふうに区民に、あるいは業者にサゼッションしていったらいいのか、対応していったらいいのかということについてはやっていないのです。今まで前回の担当課長は出席していたということですけれども、今回の担当課長はどうなのでしょうか。
それから調停委員会というのも年5回やっているといいますけれども、これも案件をお聞きしたところ、すべてが請願案件と区長に直接来た問題についてのみ取り上げているということで、これも私から見れば、形式美に流れているのだろうなと思います。実情に即した実際の対応に役立っているのかというと甚だ疑問。
もう一つは、都と特別区における建築紛争調整担当者会議というのを、これも年1回行われている。年1回ですから、これも推して知るべしですね。
それから4番目にはOJT。OJTって何だろう。私はよくわからなかったのですが、オン・ザ・ジョブ・トレーニングというんですか、「いわゆる何ですか」と聞いたのですけれども、日常的な相互間の研修だというので、こんなことは民間会社だったら、別に当たり前のことで、ただし書きして横文字に変えて言うようなことではないので、これも区民からのそういった案件について具体的な検証した上で、精査してトレーニングして、どういうふうに問題解決していくかということについての具体的な研修には全然なっていないということなのですね。
ということで、まとめて聞きますけれども、具体的な資格もないのですけれども、少なくともこれだけ区民とのある意味での、後でも申し上げますけれども、ある種の共同参画というか、物理的にも精神的にもぶつかり合う職場なわけですけれども、人材配置、あるいは研修というものを今後どのように考えているのかな。当然、私は、これについては、皆さんお得意の事務の手引きだとか、マニュアルだとか、研修に類するもののそういったまとめたものがあるのかなと思ったら、これもないということです。ぜひそういうものは製作していって、一つのきちんとした一定の基準に沿った対応というものを図っていく上でも必要なのだろうと思いますので、その辺まとめてお考えを聞かせていただければなと思います。
○
人材育成推進担当課長(大竹悦子君) 今のご質問で相談を担当する職員の区民への対応ということでお答えをさせていただきますが、どのような職場においても、職員がその職務に必要な知識や技能を習得するというのは当たり前のことだと思っておりますし、また、職務執行においても区民本位の姿勢や意識を持つことというのは基本のことだと思っております。
それで、今、委員の方から当該の職場では、日ごろから職務を通じての研修を行っているということですけれども、こういったものを私どもとしても、研修の種類が3つありまして、各職場で行う職場研修のほかに、外に出て研修していただくようなものもございます。それで十分職員の方々が必要な知識を習得できるような研修につきましてご紹介をするなり、利用していただくように働きかけていきたいと思っています。
あともう一つ、区民の立場で仕事を進めていくということですけれども、このことについては、相談を担当する部署の職員というのは、より区民の気持ちに沿うような親身な対応というのを求められていると思っています。現在、区では、職員の接遇面のさらなる向上を目指して、窓口サービスアップ実践活動というのを平成17年から平成19年の3年間にかけて実際に行っておりまして、この効果というのは出てくるだろうと思っております。いずれにしましても、積極的な研修をすることと同時に、常に区民本位の視点で仕事ができるように働きかけていきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○委員(秋元ゆきひさ君) 一般論的にはそういうご答弁になるのだろうと思いますけれども、今回は建築紛争調整担当に絞って聞いているので、そんな研修のあり方がどうかということではなくて、建築紛争調整担当という職が、今までそういうものがなかったということを前提にして、あり方と事務の手引き、言葉でどう言うのか、あるいはマニュアルであったり、対応を含めたあり方、そういう一つのまとめたものを製作する必要があるのではないかというのだけれども、建築課長の方は答弁ないのかな。いないの。じゃあ、しようがないね。
一般論的には、課長が言うことも含めて、全体としてはあれですけれども、まあいいですよ。1階の窓口も、私、役所へ来たときは必ず嫌味っぽく通っているのだけれども、案内係というのもいついて、いついないのかさっぱりわからないね。それはいいです、これに入っていないから。
次は非常勤職員と臨時職員ということですが、これは区民の方からお話を聞くと、出先の臨時職員、非常勤職員の方は区民公募の方で何人か入っている。あるいはシルバー人材センターからの派遣でそういう方がいらっしゃるということでいくと、これは特に出先機関と言っていますけれども、出先機関に限らないのだけれども、別にスポーツふれあい文化健康財団とか何かに限らずですけれども、そこの職員が、非常勤・臨時職員に対する対応、言葉遣い、接遇と言ったらいいのか、同じ職員に、働く者という意味では必ずしも接遇というのは当たらないかもしれないけれども、利用する区民に対してもそうだし、非常に態度が横柄であり、言葉遣いが乱暴な職員も見受けられるということもまま聞くわけです。
これは残念な当たり前なことなのだけれども、我々区民からすると、行政機関というのは、港区に住んでいれば、港区しか選べないわけですね。これは民間会社でしたら、どこかのメーカーの車を見に行って、そこの営業マンの態度が悪ければ、頭にきたと言ってほかのところの車を買えばいいわけですけれども、これだけは選べないですね。そういう意味で非常に専横的な職員が見受けられる。言葉遣い。そういったものに対して、先ほどの答弁いただいたようなところに係るのだけれども、そういう服務のあり方というか、区民に対する姿勢というか、ある種サービス提供の最前線ということと同時に、区民がそこに勤めているということで言えば、常に接しているという区民協働、あるいは参画の最先端なわけですね。そこでうっせきしたものがあるというのは、皆さん給料をもらっているから黙っていた方がいいよとか、そんなことを言うと損しちゃうよという方が多い、実際ね。それをあなた方はかさに着て、「先生の言っているようなことを言ってくる人はいませんよ」と言うけれども、こっちには言ってくるんだね。「言えばいいじゃないですか」と言うけれども、「いや、今回は我慢して、今度言われたら」って。今度言われたらって何回も聞くのだけれども、やはりお金の関係というのは非常に言いにくい関係になっているのかな。これはやむを得ない部分がありますよね。生活防衛のためでもありますからね。しかし、それでいいのかということについては問題意識を持っていただいて、ぜひ改善をしていただきたい。
あわせて、前回、予算特別委員会でも聞きました。その関連で言えば、スポーツふれあい文化健康財団、区民センター長のパワーハラスメントにかかわるような発言があったということについて質問したわけですけれども、区長は、そこでは「区は広く人材を登用し、3年後の指定管理者の公募にも対応できる人事制度を構築するよう財団を指導していく」というようなご答弁がありました。その後、どのような対応がとられているのか、お聞かせいただけたらと思います。
○
人材育成推進担当課長(大竹悦子君) まず、出先職場の常勤職員の服務のあり方についてということで、出先の職場というのはサービスの最前線だと認識しております。より質の高い区民サービスを提供していくためにも、非常勤職員を含むすべての職員が同じ共通の目的意識を持って、相互の信頼関係のもとで仕事に取り組んでいくというのが不可欠だと思っています。そのため、管理監督者の適切な指導のもとで活発なコミュニケーションをとっていくような指導をしたり、個々の職員の意識向上をはじめとした職場風土の形成に継続的に取り組んでまいります。
○
地域振興課長(杉本昇三君) 区民センターの所長につきましては、人材登用の観点から平成18年度より非常勤職員の中からも任用いたしました。2名の方が所長になられました。
また、現在、財団では指定管理者制度に対応できる人員体制の見直しを行っております。仕事のレベルアップのための研修や新たな分野への登用などに向けての非常勤職員の活用に取り組んでおります。
○委員(秋元ゆきひさ君) もう少し具体的なところでお聞きしたかったのですけれども、要するに直接私が質問した問題についての発言等の、先ほど言ったようなパワーハラスメントの事実関係等々についても、これは具体的に事実関係を確認していただいているのか。あるいはそのことが私には、今後の人員配置、それから人事評価、人事評価というのは非常勤職員の方のあり方等々にも、要するに私が質問の冒頭に申し上げたような、区民と区との関係というような重要な位置にあるので、その辺の具体的なところについてもご答弁いただきたいと思いますが、お願いします。
○
地域振興課長(杉本昇三君) 対応がおくれましたことは大変申しわけなかったと思っておりますけれども、そのようなコミュニケーションが欠けたという状況を把握するとともに、接遇のあり方等々の改善に向けまして、例えばコーチング等の研修とか、そういったさまざまな形での接遇研修に向けて今後進めてまいるつもりでございます。
○委員(秋元ゆきひさ君) それはぜひ、よろしくお願いいたします。
それと、時間内組合活動に関する実態調査の見通しについて。これも予算特別委員会について質問した件ですが、土曜日、祝日等の取り扱いについての問題ばかりクローズアップされてしまいまして、こちらの組合専従職員の問題、それから服務専念義務免除申請等の取り扱いについての部分が少し影が薄くなったようなところがあるのですが、これは自治法公務員の服務規定等々の問題からも、これは看過できない問題ですが、調査をしていただいているということですが、現段階での調査の進捗状況等についてお聞かせいただければと思います。
○
人材育成推進担当課長(大竹悦子君) 区では、本年4月に服務規律等調査・検討委員会を庁内に設置いたしまして、当該委員会において時間内組合活動の実態調査を行っています。調査については、時間内組合活動が職務専念義務免除の承認を受けて適正に行われているかどうか。また、港区職員団体のための職員の行為の制限の特例に関する条例、いわゆるながら条例に定める適法な交渉及びその準備の範囲を逸脱した組合活動が行われていないかどうかという視点で進めています。これまで職免申請等の書類上の調査及び所属長に対する聞き取り調査を実施いたしました。現在は聞き取り調査の結果を補完するための追加調査を行っています。調査結果については、11月末を目途にまとめる予定でございます。
○委員(秋元ゆきひさ君) お互いにもたれ合うことなく、真剣に事実関係を明らかにしていただきたいと思います。
4番目は岐阜県の裏金捜査に関連して、区長にご質問させていただきたいのですけれども、これは平成9年から平成10年にかけて、私もカラ残業、カラ出張の問題は港区で取り上げまして、あのときは3,000万円でしたかね、400人の職員が返したというようなこともありましたけれども、その後の私どもの裁判によって、あれはあれで一つ、調査資料を公開するというのは、あの当時としては画期的な判例だったのかなとは思いますけれども、それはそれで置いておいて、しかし、その当時においても、結局返せばいい。返したという事実関係に基づいて、それについての訴えの事実がないということで、それはそれで終わったのですが、その後の裁判もほとんどそういう状況です。私的流用がない。返した。裁判の訴え、根拠がなくなったということです。
ただ、今回は、岐阜県の裏金の場合は調査委員会ができまして、そこで職員1人が告発されたと。1人が多いか少ないかというのは、新聞を読んでも論調が分かれるところですが、少なくとも1人が告発されたということで捜査、検察、警察も動いたということで逮捕者も出るでしょうし、かなりの公文書が捜査上の資料として押収されたということですから、これはこのままでは済まないだろうなと。しかし、私ども区民から見れば、これは一歩進んだ状況なのかなと。冒頭に申し上げたような状況からすれば、きちんと捜査のメスが入ったということですね。今後の警察、検察の捜査状況を見守るばかりなのですけれども、こういったことで私的流用があるなしという判断もどこかで出てくるのかなという部分もありますけれども、一定の司職の手にゆだねられたということで、私、これは評価しているのですが、区長もご意見として、岐阜県の裏金の捜査情報、報道等をどのようにお感じになっているのか。あるいは港区でこのような同様の趣旨、内容の問題が再度起こるようなことがあれば、どのような対応をとられるおつもりなのか、考えなのか、お伺いさせていただければと思います。
○区長(武井雅昭君) いわゆる岐阜県の裏金捜査についてのお尋ねですが、私自身も報道などによって知る限りのものではございますけれども、岐阜県の調査をする中で告発をしたということにつきまして、事実関係はつまびらかには存じておりませんけれども、一つのきちっとした対応ではないかと考えております。
また、港区におきましても、現在、公金の支出管理等につきましては厳正な取り扱いを行っております。今後、万が一でございますけれども、そのような事態が起きたときは厳正に対応していきたい、このように考えております。
○委員(秋元ゆきひさ君) どうも、区長、ありがとうございました。
これで終わりますけれども、1番目の建築紛争調整担当のところについては、具体的な部分の質問もあるので、建築課長出席のところでもう一度質問をしたいと思います。終わります。
○委員長(林田和雄君) 秋元委員の発言は終わりました。
……………………………………………………………………………………………
○委員長(林田和雄君) 次に、渡辺委員。
○委員(渡辺専太郎君) 私は防災無線についてお尋ねいたします。
今回、整備を予定している地域災害情報システムは、警察、消防などの防災関係機関との連絡のための移動系無線システム、防災無線放送スピーカーから不特定多数に知らせる同報系無線システム、災害発生後の迅速な対応を図るための情報システム整備等を図るものと聞いております。区民がもし災害が起きたときに、自分はどのような行動をとればよいのかを大変心配しております。区民の心配を少しでも払拭するため、災害情報システム整備は早急に整備しなければならないと考えます。
そこでお伺いしますが、区有施設の公園などに設置している防災無線放送は聞こえない、聞き取れないという話をよく聞きます。先般、芝五丁目の方から聞き取れないという話を聞き、私もスピーカーのある場所に見に行きました。その場所はビルに囲まれた区有地の中にあり、音が反射してなかなか表に出ないのではないかと考えております。
そこで、今後の地域防災情報システムが整備される際に、どのようにして難聴地区をなくしていくのか、まずお尋ねいたします。
○防災課長(鈴木英二君) 今回の地域災害情報システム整備の際に、区内の各地域の電波伝搬状況を調査し、既存の屋外拡声子局、いわゆる防災無線放送塔でございますが、これにつきましては、アンテナの配置や付け替えなどの見直しも含めまして、難聴地域の解消に取り組んでまいります。また、新たに設置する屋外拡声子局のアンテナにつきましても、好条件となる場所を慎重に調査し、実施設計に反映させた上で既存の防災無線塔とあわせ難聴対策に取り組んでまいります。
○委員(渡辺専太郎君) 私は何でこういう質問をするかといいますと、芝五丁目の児童遊園の中でありますけれども、何十年とは言いませんけれども、そのままずっと放置しているわけです。今度、新しく防災無線を直すわけでありますけれども、本来ならば、もう既にどの地域がどういう格好で防災無線があるか位置を把握していて、新しい防災無線をつくるものと思っておりますけれども、調査するならするでいいわけでありますけれども、ただ、心配するのは、全部が全部なかなか難聴対策はできないと思うのです。一番大きな問題は、先ほど言いましたように、防災無線塔が、今申し上げましたように、ある程度ビルより上に出ていないと反射しますよね。特にその辺は十二分に調査されるという話でありますので、でき得れば、100%難聴地区ができないことを期待しまして、次の質問をいたします。
次に、外郭団体改革についてお尋ねいたします。
港区は行政需要の迅速、柔軟な対応や民間の柔軟な発想による区民サービスの向上を目指し、Kissポート財団や住宅公社などの外郭団体を設立してまいりました。これらの団体は行政を補完する役割をこれまで果たしてきておりました。区では、ことしの7月に外郭団体改革の基本的考え方を取りまとめ、改革の方向性を示しました。また、包括外部監査においても、外郭団体に対する改善すべき事項が指摘されております。例えばKissポート財団では区の事業との役割分担や体育協会関係の整備であり、勤労者サービス公社では加入率やサービスの内容の問題であり、住宅公社や国際交流協会では事業効果の正確な把握の問題であります。これらの指摘で、区はどのように外郭団体を見直していくのかお尋ねいたします。答弁をお願いいたします。
○
外郭団体改革推進担当課長(森信二君) 外郭団体改革の基本的考え方といたしまして、本年7月にお示ししたとおり、団体の設立目的に立ち返って、団体の必要性、効率性、自立性について検証いたしまして、区民にとって質の高いサービスを効率的に提供できるよう検討してまいりたいと思っております。その上で、団体の統廃合、事業のあり方、公的支援のあり方について、11月末を目途に改革案としてお示ししていきたいと考えております。また、現在、ホームページや外郭団体が管理いたします施設などにチラシを配付いたしまして、施設を利用されている方々をはじめ、多くの区民の皆さんから外郭団体改革に対するご意見を募集しているところであります。今後、これらの区民意見や議会や包括外部監査等で指摘されたご意見などを十分に踏まえ、検討を進めてまいりたいと考えております。よろしくお願いいたします。
○委員(渡辺専太郎君) かつて区長が、昔の区長でありますけれども、第3セクターをつくる際に、行政ができない部分をソフトでやるんだという話が今でも耳に残っているわけであります。私は、第3セクターそのものは必要だと思っているわけでありますけれども、いつの間にか貸室業という言葉は語弊がありますけれども、部屋を貸したり、施設を運営するだけの、区が目の前に出ているがゆえに、施設管理者との中で問題が出てくると思うわけであります。先ほど申し上げましたように、やはり第3セクターそのものは行政ができない分を補完するというよりも、それを積極的にやるのが第3セクターだと思っているわけであります。
先ほど11月をめどに見直すような話でありましたけれども、第3セクターのいいところはたくさんあると思いますので、それを活用されまして、先ほどKissポート財団の話がありましたけれども、文化事業とか、いろいろな事業ができると思うわけであります。そして地方では、なかなか行政ができないから、例えばバレーとか、オーケストラの演奏を第3セクターの団体が文化事業としてやっております。かつて私は福岡県に行ったときに県の職員が言っておりました。「渡辺さん、私どものところはなかなか文化事業をやっても赤字で採算が合わない。だから安い費用でそれをやるのだ」という話を聞いております。港区はいろいろな団体がありますので、なかなか難しいとは思うわけでありますけれども、その辺だけは、先ほど言いましたように、十二分に配慮されまして、第3セクターのよさだけは残していただきたいと思います。
次に、総合支所についてお尋ねいたします。
武井区長の指揮のもとに、区役所・支所改革がこの4月からスタートいたしました。地域の拠点として5つの総合支所がより身近な、より便利な区政を目指し、経験豊かな部長のもと、3課長が連帯し、地域特性に合わせたさまざまな取り組みを行っております。先日行われました赤坂の乃木邸の開放事業も総合支所職員総出の応援でかなりの人出でにぎわっていたと聞いております。
そこで、まず、総合支所の現状について、実際に総合支所の管理職に、開設6カ月後の感想を含めてお尋ねいたします。
○
赤坂地区総合支所地区政策課長(杉本隆君) 区役所・支所改革におきましては、まず、大幅に事務事業の権限、機能を総合支所に移管いたしました。そういったこともございまして、移管事業も含めて、まずは総合支所が安定的に継続的に運営すること、これが重要として、当初課題としてとらえてございます。そういった点からは、6カ月経過いたしまして、総合支所としては全体的に順調に滑り出していると考えてございます。
また、さまざまな課題を地域で解決するというようなこと、それから積極的に区民参画を推進して協働の仕組みをつくり上げる。これが支所改革の目的でもございます。そういった点では、現在、職員が積極的にまちに出ておりまして、地域の方々とふれあい、交流を深めつつありまして、地域の方々と協働して、身近なさまざまな課題解決に取り組むための連携を今図りつつあるというような状況でございます。地元の要望に対して、即現状を把握して迅速に対応したということで支所改革の成果は出ているというような事例も増えてございます。
○委員(渡辺専太郎君) かつてならば、乃木邸の場合は土木の所管でありますので、多分、今まではそういう応援はなかったと思います。そして今、まさに杉本課長から話がありましたように、まちに出ていろいろな話を聞きながら、いろいろな問題点を把握していると思うわけであります。
そこで、順調な滑り出しをしている改革は、まさにスタートしたばかりであります。一部には職員が事務の所管がどこかわからず、電話のたらい回しがあったと聞いております。現状の課題と今後の取り組みについてお尋ねいたします。
○
区役所改革推進担当課長(浦田幹男君) 総合支所開設当初は、年度初めの繁忙期と重なったこともあり、電話での行き違いや一部の総合支所の窓口で区民の皆さんを長時間お待たせするなどの混乱もありましたが、現在はほぼ順調に機能していると考えています。課題として、実際に業務を行う中で、支援部等が全体調整をする際に、現場である総合支所の意見を反映させるための相互の効果的な連携が、円滑になされていない状況が一部にありました。そのため、7月から総合支所と各支援部等の連携強化を図る検討会を設置しました。検討会は総合支所の3つの課ごとに関連する支援部等で構成される3分科会に分かれ、実際に業務を行っている職員が中心となり、事務事業ごとに当初の目標どおりになっているか。そして、円滑に進んでいない場合は、何が課題で、その解決策は何か、検討を進めています。
また、窓口や電話でのわかりやすい対応に努めるため、意識改革の検討会を設置し、職員の接遇向上に取り組んでいます。今後、これらの取り組みを着実に進め、区民の皆さんにとって、より身近で、より便利で、より信頼される総合支所となるよう、引き続き改革を進めてまいります。
○委員(渡辺専太郎君) まさにそのとおりだと思います。先般、
芝地区総合支所の職員と秀和ビルの前でばったり会いました。「何やっているんだ」と話しかけましたら、カラスの子どもが落ち、そのカラスをどこにどうすればいいんだという電話が来たので、それを見に行ったようであります。たまたま私有地だったものですから、カラスの子どもが落ちまして、バタバタしていまして、上の方でカラスが見ているんです。それはいいけれども、その際、住民から話を聞かれ、その方は懇切丁寧にどこに行けばいいという話をしたようであります。先ほど言いましたように、まだ役所の中でも、電話をしても、支援部なのか、総合支所なのかわからない部分がたくさんありますので、ぜひ先ほど言ったようにその辺の連携をしてくださることをお願いいたします。
最後に要望でありますけれども、今申し上げましたように、区長が区政運営に挑むにあたって、3つの基本姿勢、すなわち区民に信頼される区政、区民の身近にある区政、区民の誇りを創造する区政の具体化に向け5つの総合支所ができました。しかし、器だけつくっても真の改革にはなりません。器に心を込め、真の改革を実現するためには、そこで働く人の一人ひとりの頑張りにかかっています。たった一人の職員の接遇態度が区政への区民の信頼を失うことにつながります。今後とも、職員研修をしっかりとするとともに、頑張った職員がきちんと報われ、またそれが職員のやる気につながっていくといういい方向への連鎖の仕組みの構築を要望して、質問を終わります。
○委員長(林田和雄君) 渡辺委員の発言は終わりました。
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○委員長(林田和雄君) 次に、湯原委員。
○委員(湯原信一君) 12回目の
決算特別委員会に参加させていただくのですが、もう大体12回出ていれば、ほとんど聞くこともなくなるかなと思っているのですが、そういうわけにもいかないということで、今回は5問用意しましたので、ちょっと予定時間をオーバーするかもしれません。
第1問は、マスコミで報道されているように、職員の飲酒運転に対する処分ということですが、私もお酒をこよなく愛する一人として、議員になる前は飲酒運転というか、やっていないとは言いませんけれども、やはり議員になってから、1,000人以上の方に自分の名前を書いてもらっているという責任というのがあって、それはゴルフに行く以外は車なんか使わないので、そういったことでは自分としてはちゃんと守っているつもりなのですが、マスコミは基本的には余り好きではないけれども、最近のマスコミの飲酒運転のキャンペーンというのは、非常に効果が上がっていると思います。法改正なども流しているようですし、公務員によるというのが、これは一般の方よりもマスコミに取り上げられやすいわけです。重大事故、福岡の3人のお子さんの事故から火がついたというような感じですが、厳重な対応が求められているというのが現状でしょう。
毎日の新聞で、各自治体においては飲酒運転者に対して懲戒免職等の厳しい処分へと処分規定を変えたりしているところもあると。ところが、港区では、区長の談話が載っておりましたけれども、今のところ職務規定を変更するという意思はないということなのですが、質問は2点にわたりまして、港区における現状の飲酒以外もですが、飲酒も含みますが、懲戒処分規定はどうなっているのか。それから飲酒運転に関する懲戒免職については、免職にすることもできるという、最大限、私としてはあいまいな処分規定になっているのではないかと思いますが、即懲戒免職という規定を整備するつもりはないのかと。現規定と今後の区の対応をまずお聞きしたいと思います。
○区役所改革・
人材育成担当部長[
人事課長事務取扱](家入数彦君) 職員の懲戒処分を厳正かつ公正に行うために、処分の決定にあたっての指針としまして、港区職員の懲戒処分に関する指針を定めております。職員が飲酒運転をした場合の処分についても、この指針において定めているところでございます。酒酔い運転または酒気帯び運転をした職員は、免職または停職と規定しています。具体的な処分につきましては、個別の事案の態様を調査した上で決定しますが、従前から厳しい内容となっています。例えば酒酔い運転、または酒気帯び運転で死亡事故やひき逃げ事故を起こした場合は免職と規定しており、今後とも、一貫して厳しい姿勢で対応していきます。また、酒気帯び運転には、例えば二日酔い状態での運転で検挙された場合等も想定されますが、こうした場合も含めて、態様を調査の上で厳正に対処してまいります。このように現行の指針においても厳しい内容となっておりますので、社会的に理解が得られないものとは考えておりません。そのため、見直しは現段階では考えてございません。
○委員(湯原信一君) だから検問を朝やっているわけじゃないから、酒が残っている、アルコール量の基準も低くなっているから、そういう場面も想定されるからということだろうけれども、きょうの新聞でも荒川区は宣誓書を出しているじゃないですか。そういう点でも区民に対してアピールをしていただきたいなと思います。
2番目が、本庁舎と総合支所の食堂の営業時間と運営ですが、この12年間、食堂に関しては何回も質問して、家入部長にいつも嫌な顔をされるのですけれども、先週の総務常任委員会が午後8時までかかったという久しぶりの長丁場だったのですが、6時ごろちょっと、私は一人会派なので、出前を一人前持ってきてくれというのも悪いので食堂へ行ってみたのです、6時前に。そうしたらもう真っ暗なのです。11階の食堂というのは、味の点とか、速さの点だとかいって批判はしていますけれども、少なくとも福利厚生というのが目的だったら、残業している職員の方もいるのだから、ちょっと小腹がすいたなといったら11階で食べられるのかなと思ったら、食べられないのですね。これでは、何の福利厚生を考慮している食堂なのかと。こういうことに対する細かな営業も必要なのではないかと私は考えます。
また、お昼時の混雑のときの対応というのは無理として、午前中や1時とか1時半以降の比較的すいた時間でのサービスとして、お茶や軽食というのは、現在のアターブル松屋以外の業者で、例えばたんぽぽ等の運営形態の食堂を入れることもあり得るのではないかということを、まず、この本庁舎についてはお聞きしたいと思います。生涯学習センターのたんぽぽのカレーの方が11階の食堂より数段うまいですからね。これだけは言っておきたいと思います。私もよく利用するので。
2番目が先日23日の土曜日に赤坂区民センターで港区文化芸術振興条例ができたというのでオープニングイベントをやられまして、何人かの議員の方も参加されていましたが、私は、区の主催のイベントで最後までいたのは何回かしかないのですが、非常によかったですね。8割以上の席が埋まっていましたし、私は島田歌穂さんの歌が聞きたいなというのが最初の動機だったのですけれども、全体的な構成も非常によかったです。赤坂はほとんど行かないので、4月にたしかジャズの発表会か何かのときに行っただけで、久しぶりだなと思って、天気もよかったので自転車で行ったのですけれども、早目に着いて食堂に入ろうとしたら食堂が閉まっているのです。土曜日に行って、たしかあそこはあいているはずなのですが、20分とか10分の休みがあって、外で待っていらっしゃる方は300人以上いましたから、「何で開いていないのよ」というようなことを言っていらっしゃる方もいたので、各総合支所、
芝浦港南地区総合支所を抜かして、
高輪地区総合支所にも
麻布地区総合支所にも食堂がありますので、こうした催しに合わせて食堂の営業を業者に要請するというようなことも今後考えるべきだと思いますが、いかがでしょうか。2つまとめて答えてください。
○
人材育成推進担当課長(大竹悦子君) 本庁舎の食堂の営業時間につきましては、港区職員厚生会と受託者の間で契約書により取り決めているところです。通常の営業時間は朝8時15分から午後6時までで、あらかじめ宴会等の予約がある場合には終了時間を最大8時まで延長できると規定しています。営業時間の延長につきましては、これまで利用者である職員、区民の方から要望がないことや、午後5時15分以降の職員の利用実態から見ても、現在のところ延長する予定はございません。
また、新たな事業者を追加し、時間帯を分け運営することにつきましては、例えば冷蔵庫などの厨房機器が別途必要になること、また、事業者が使用するスペース、例えば新たなロッカー等を置くスペースの確保とか、それから食堂利用者の利用時間が2つの事業者にまたがることから生じる管理責任の問題などさまざまな問題が予想されますので、事実上困難だろうと考えております。
また、総合支所の食堂の祝日等の営業につきましては、本庁舎の場合と同じく、職員の福利厚生の一環として、原則的には職員の利用状況を踏まえた営業日ということで、祝日はお休みということになってございますが、催しがある場合の祝日の営業につきましては、各総合支所や受託者と協議して検討してまいりたいと思っております。
○委員(湯原信一君) 今回のイベントで人が集まるのはある程度予測されていたので、業者の人も、赤坂はほかの3総合支所と比べても味がいいと思うので、やる気もあるところだから、せっかくの情報は伝えておくというような、そういうシステムをつくっていただきたいと。
それからまた質疑はシステムの問題ですが、本庁舎も昭和62年の竣工以来20年が経過していると。これは私も感じるのですが、区民の方も、「役所の
エレベーターって幾ら待ってもなかなか来ないね」という声をよく聞きます。議員の方も結構そういうことを感じている方が多いと思うのですが、例えばニュー新橋ビルは、二、三年前
エレベーターのシステムを変えて、ボタンを押すといろいろ反応して、早くドアが開くというようなことになったのですが、現在本庁舎の中央にある4台の
エレベーターについて、各階の乗り場で随分待たされると。それを感じるのは私だけではないと思います。庁舎というのは、一般の事務所とは異なる上下移動を行うという施設ではありますが、区民サービスの観点から
エレベーターのシステムそのものを何とか更新のときに変えられないか。また、予算はどのくらいかかるのかという検討もしていただきたい。今はまだ検討中らしいのですけれども、これを
契約管財課長に答えていただきたい。
○
契約管財課長(矢澤慶一君) 本庁舎の
エレベーターでございますが、利用者から呼び出しを受けた場合、最適な位置にある
エレベーターが到着する群管理、つまり、グループ管理というような方法を採用してございます。庁舎という建物の性質上、
エレベーターが頻繁に上下動を繰り返すため、通常の
エレベーターより待ち時間が長く感じられることもございますが、現在におきましても群管理という手法は有効であると考えてございます。しかし、本庁舎は竣工後約20年を経過し、
エレベーターにつきましても早晩更新の時期を迎えます。
エレベーターについても機能更新を含めた改修を行う必要があり、この中でご指摘の点についての改善を含め、より安全で安心して利用できる機能の更新を図ってまいります。なお、現在のところ、
エレベーターの更新に要する費用の算定は行ってございません。
○委員(湯原信一君) 次が800億円を超える基金ということで、最近、区が提出する資料とか何かで結構ケアレスミスが多いですね。財政的に恵まれてちょっと緩んでいるのかなというような感じもするのですが、それでは、厳しい財政のところも多いので、たしか私の記憶だと墨田区だと思いますが、区が使用している封筒に民間から広告をとって、それで収入を得てというようなことを新聞で読んだことがあるのですが、もちろん、例えばサラ金とか風俗とかを除くとか、業種の指定などの問題はあるでしょうけれども、港区はホテルも多いし、飲食店も多いということで、これをやったらかなりのところが応募してくるのではないかと思います。
あともう一つは、町会の掲示板の裏、新橋は特にそうですけれども、マンションの広告とか、サラ金とか、結構裏にいろいろ張られています。ですから、町会の掲示板の裏などは向こう側の道路から見えるわけですから、そういったところの広告というのは、在勤の方も通るわけですから、こういうふうにいわゆる知恵を出して収入を得るという心構えということについて区はどう考えているかと。これは本当は企画課に答えてもらいたいけれども、なぜか財政課に回ったので、財政課長の答弁を聞きます。
○財政課長(益口清美君) 委員ご指摘のとおり、職員が知恵を出し合ってさまざまな収入の確保に向けて努力するということは非常に重要なことだと認識してございます。したがいまして、新たな「港区
財政運営方針(素案)」を策定いたしましたけれども、その中においても収入の確保という1項目を設けまして、収納率向上の努力や区有財産の有効活用、また、費用負担のあり方についての取り組みを掲げてございます。ご質問の掲示板や封筒等の広告収入につきましては、一民間企業の宣伝行為を公共の物品等において行うという影響力、また、区が広告をすることで区内の中小企業の広告代理店の経営を圧迫してしまうのではないかというおそれがあるなどということから、取り扱いは慎重に対応する必要があると考えてございます。
○委員(湯原信一君) 町会の掲示板のことは触れていなかったけれども、これも区民の方とか、地域の方の意見も聞きながら研究してください。
最後が本庁舎と議会棟にある彫刻や絵画についてお聞きしたいと思います。
事務局の調査係の方に非常に苦労して調べていただいて、本庁舎と議会棟に書画、絵画が45点、それから花瓶が2点と彫刻が7点あります。一番高いのが行政棟の前にある北村西望さんの「平和の女神」が2,600万円、あと行政棟の1階のロビーにある彫刻が1,800万円、これが高いですね。ちなみに、宮川局長のところに飾られている絵画、30万円でございます。この50点近くの絵画、彫刻を全部足し算してみますと、1億875万9,000円です。彫刻の場合は外にあるからメンテの費用もかかってくると思いますが、これ20年前に買っているのだから、絵画などは値上がりしているものもあるはずなので、これを全部売り飛ばしちゃえという話をしているわけではないです。文化と芸術の港区をつくるというのだったら、絵画というのは和むし、そういう点では私はいいと思いますが、2つ不満なのが、議会棟の地下1階の休養室に絵画必要ですか。あと区長室の倉庫にもあります。もっとおかしいのは、議会棟の5階は一般の人は入れないのだけれども、そこに絵画が2つあります。あれはいい絵だけれども、やっぱり税金で買っているものだから、休養室とか、倉庫とか、区民の目に入らないところに絵画が置いてあってもしようがないと思うので、これは入れ替えというか、そういうのが絶対必要だと思います。ですから、入れ替えについて、もっと区民の目に触れるところや、身近に感じられる展示物の工夫ということで検討してほしいと思います。
それから20年前にこれだけのものを買ったけれども、やはり文化芸術都市・港区を目指すのだったら、新人の発掘とか、そういう点でだんだん増やしていくというのも必要だと思います。条例もできたわけだし、より区民に身近な芸術作品の展示、若手の作家の発表の場、新人の発掘、そういったことも含めてトータルなものが文化だと思うので、そういう作品を購入して展示を行ってはどうかと思いますが、その2点について、最後にお聞きしたいと思います。
○
契約管財課長(矢澤慶一君) 区役所で収蔵している絵画や彫刻は展示がえのために倉庫で保管しているごく一部の作品を除きまして、極力建物の内外に展示するように努めております。庁舎はギャラリーとは違いまして機能的な建物でございますので、展示等を行う場合には工夫が必要ですが、今後も区民の方々や来庁される方々に鑑賞していただく方法につきまして、工夫・検討してまいります。
○
地域振興課長(杉本昇三君) 生活の身近な場所で芸術作品に触れる機会を設けることは、人々の生活に潤いや発見を与える機会として重要な役割があると考えてございます。巨匠と言われる方でも最初は新人でございまして、そのような創作に携わる人々に対して展示の機会をつくることは、文化芸術の発展に寄与するものと考えます。しかし、美術家を目指す人などのお話ですと、現実としてはそのような機会がなかなか少ないと伺っております。このような状況に対しまして、区内の施設を工夫して展示の機会をつくるよう努めてまいります。また、若手の育成につきましても、専門家の協力をいただきながら行っていきたいと思っております。そのような中で、区として作品の購入、展示等も視野に入れて考えていきたいと思います。
○委員(湯原信一君) 終わります。
○委員長(林田和雄君) 湯原委員の発言は終わりました。
……………………………………………………………………………………………
○委員長(林田和雄君) 次に、なかまえ委員。
○委員(なかまえ由紀君) 港区国際交流協会の活性化についてまず伺います。
港区国際交流協会は平成4年に設立され、国際交流事業、外国人相談サービス事業、語学講座、通訳の派遣など魅力に富むさまざまな事業を行っております。しかし、平成18年7月に出された外郭団体改革の基本的考え方でも述べられていますように、収入に占める区補助金割合の高さ、収入に占める、また人件費比率の高さが気になります。平成17年度は収入総額約4,079万円のうち、区からの補助金が3,610万5,000円と実に88.5%も占めております。そのほかは会員の会費収入が約143万円でわずか3.5%、事業参加費収入が約280万円で約6.8%、通訳派遣や翻訳などその他による収入が1%です。福祉と区の住民サービスとして不可欠な事業であれば、税金の投入比率が高くても納得できます。しかし、国際交流が重要なテーマであるとはいえ、任意団体である国際交流協会に対し、受益者がある程度固定化されている各種事業や人件費に多額の税金を投入している現状は、やり方の見直しが必要であると強く感じます。
一方、同じく任意団体で国際交流や国際理解などに取り組んでいる港区ユネスコ協会への補助額は国際交流協会の10分の1以下の350万円、収入に占める補助金比率の割合は44%です。私はユネスコ協会の補助を増額すべきということを言っているのではありません。ただ、補助金を出している以上、これら2つの団体の役割ですとか、問題点を精査し、ダブっている事業などもあると思いますので、活性化に向け、いま一度区との関係を整理し直す必要があるのではないかと考えます。補助金を出すことが悪いことなのではなくて、それが効果的に使われるということが重要でして、広く多くの区民が公平にサービスを享受できているか。また、補助金が運営を支えているのではなく、活性化に寄与しているかなどの観点が大切であると思います。
国際交流協会で言えば、せっかくさまざまなおもしろい事業をやっていても、広く区民一般に認知されているとは思えません。また、補助金に頼った運営であることは明らかです。今後も区の国際交流事業分野を国際交流協会に任せるというのであれば、もっと効果を出すべくさまざまな改革が求められると思います。例えば事務局の場所ですが、今のような閉鎖的な場所から、もっとオープンで区民の目につきやすいわかりやすい場所に移すなど身近な国際交流協会を目指す、また、事業ごとに会費の額が適正か、安過ぎはしないかなど収支をチェックするなど、種々改善を図る必要があると思います。今後、11月を目途に改革案が決定される予定ですが、どのような方向性で進めるのか。改革で何が変わるのか。活性化するには何が必要と考えているのか。以上お答えください。
○
地域振興課長(杉本昇三君) 改革の方向性としては、今回の外郭団体改革の基本的考え方に基づきまして、港区国際交流協会の設立目的を明確にし、必要性、効率性、自立性の各視点に基づき検討するとともに、団体の自主的な取り組みを推進してまいります。改革を進めることによりまして、推進体制等の見直しを図るとともに、目的の達成のためにふさわしい事業の実施と経営改革の実現を目指します。そのための手段として、個々の事業については、ニーズやその効果など、いわゆる事業の評価を行うこと。また、国際交流についてのビジョンを明確にし、港区にふさわしい魅力ある取り組みとは何かを区全体で検討、共有化して、各団体の役割分担を行っていく必要があると考えております。
○委員(なかまえ由紀君) 細かい改革案に関しては、今後決まっていくと思いますけれども、港区は国際交流に関しては非常に可能性の高い地域であると思いますので、その地の利を生かせるようによろしくお願いいたします。
次に、NPOとの協働について伺います。
区内に700あると言われているのですけれども、パートナーズ基金も設置し、活動の支援、そして協働を区としてうたっているわけですけれども、NPOハウスのように特定の団体を支援するという形ではなくて、公平に可能性のあるNPOを支援し伸ばしていく、また協働していくという形が望ましいと感じます。平成17年度決算で見ますと、NPOハウスに入っている団体も含め、NPOに一時的に家賃を助成するNPOパートナーシップ推進事業というものが755万5,000円、これが全額不用額に回されまして、今後も行わないとのことです。これは私は的確な判断であると思います。
また、NPO関連ホームページの作成という事業も309万4,000円、全額不用額となり、執行されませんでした。これには都会である港区の場合、外から見えにくいという団体もあり、NPOの中身を判断するのが難しく、おかしな団体に区としてお墨付きを与えることになっては困るという問題が課題として残されていたために執行がまだできなかったということでした。確かに玉石混交のNPOを区として支援し、コーディネートするというのは非常に難しい問題だと思います。しかし、エコプラザでは、NPOに事業を委託してからすごくおもしろい取り組みが増えました。NPOとうまく協働ができれば、区民へのサービス向上にもつながります。
そこで、今後、NPOハウスも閉鎖されるわけですが、どのような形で区はNPOとの協働を目指していくのか。そういった方向性をお答えください。
○
地域振興課長(杉本昇三君) NPOや市民活動団体等は多様な区民ニーズに対応し、新たな公共の担い手、区との協働の相手として、活動の実態に即した支援と適切な協力関係が必要と考えております。そのための事業として、みなとパートナーズ基金を活用したNPO活動助成事業を現在実施しておりますけれども、区との協働という視点に立ちまして、助成団体の選定にあたっては、審査会により各団体のNPO活動の実態等を見極め、適切な支援と協働の推進を図ってまいります。このほか、NPOや市民活動団体等の育成のため、今後、相談、情報交換や区民、企業等、団体との交流といった幅広い形の支援、協働について取り組んでまいります。
○委員(なかまえ由紀君) 最後に、南麻布四丁目の統計数理研究所跡地について伺います。平成21年の移転後に区で購入を希望しているわけですけれども、ここの跡地の活用に関しては、郷土資料館ですとか、中高生プラザなど候補は幾つか出ているようですけれども、まだ決定はされていません。そういった中で、麻布の地域で子ども中高生プラザが必要であるとか、区の方針も示した上で、早い段階から影響を大きく受ける近隣ですとか、麻布地域の区民を中心に広く区民一般に説明会ですとか、ニーズの調査を実施することが大切であって、それが区民不安の解消ですとか、区との信頼関係の確立にもつながると思うのですけれども、いかがでしょうか。
○
用地活用担当課長(坂本徹君) 南麻布四丁目の統計数理研究所用地につきましては、郷土資料館や子ども中高生プラザを整備するため、取得に向けて検討しております。今後、用地取得に向けて関係部署と調整し、区が整備する施設の基本的な方針を麻布地域の方々にお示しし、ご意見を伺いながら、具体的な施設整備の検討を進めてまいります。
○委員(なかまえ由紀君) よろしくお願いいたします。あと跡地の活用に関して用途が決まっている地域ですけれども、そういった地域に関しましても、例えば特別養護老人ホームなどが予定されている南麻布四丁目用地などですと、説明会を一度行っていただいたのですけれども、その後、どうなったかということを知りたいという地域の方も多いので、やはり説明会を1回やって、それからずっと説明会がないという形ではなくて、事業者が決まったら、また説明会を行うですとか、こまめに周辺の住民や区民の方に説明会なり、何か広報に載せる形でもいいですけれども、情報提供していただきたいと思います。よろしくお願いいたします。終わります。
○委員長(林田和雄君) なかまえ委員の発言は終わりました。
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○委員長(林田和雄君) 次に、阿部委員。
○委員(阿部浩子君) いつ首都直下型地震が起きてもおかしくないとされ、区民にとって災害対策は関心が高いところです。また、今年度から始まった区の家具転倒防止器具の配布についても当初予算から補正予算が必要となりました。そこで、防災について幾つかお尋ねします。
まず、食糧の備蓄についてです。平成9年8月に公表した東京における直下型地震の被害想定に関する調査報告書では、区部直下型マグニチュード7.2で、冬の平日、午後6時としています。人口も平成7年国勢調査に基づき、港区の人口は14万4,885人とされ、住居制約数、つまり、自宅で生活できない避難所生活を送ることとなる方が2万351人とされました。
この調査報告書を受けて、港区では、平成15年に港区地域防災計画を修正していますが、この計画には乾パン、アルファ米などは当面2日間備蓄するとしています。一例として、平成15年4月1日には乾パンが7万500食、アルファ米が7万7,900食の備蓄があり、平成18年には乾パン3万7,150食、アルファ米9万3,900食になりました。食糧としては乾パン、アルファ米のほか、こまちがゆ、パンの缶詰、水戻しもちなどがあり、備蓄数も種類が年々増加していますが、備蓄計画として、備蓄数の目標は何人分の何食の食糧を考えていらっしゃるのでしょうか。また、その目標はいつごろ達成するのでしょうか。
○防災課長(鈴木英二君) 東京都が平成9年8月に調査いたしました被害想定におきます港区の住居制約者数は2万351人を基準に食糧を備蓄しているところでございます。備蓄物資は発災直後の2日間までは区が準備いたしまして、3日目分からは都が準備することになっております。ただし、これは交通網の寸断等によって速やかに配給されないことも想定されますので、港区では住居制約者数の1日3食2日分の1.2倍を基準に、現在では3日弱の約15万食を準備しているところでございます。備蓄目標数につきましては、計画の上では達しておりますが、今後とも、入れ替え、それから新規購入をあわせまして、避難生活者に応じたきめ細かな備蓄に努めてまいりたいと考えております。
○委員(阿部浩子君) 20万の区民のすべてのために備蓄を用意することは大変だと思います。しかしながら、ケーブルテレビですか、5チャンネルを見ていると、区の備蓄のことが取り上げられていたり、区民にとっては私たちの備蓄もあるのかなと思っている方がとても多いということを常に感じます。例えば広報みなとの9月1日号では、最低3日分の飲料水、非常食品を備蓄しましょうという当たり前のことを書いているのですけれども、区に区民の分が備蓄されていると誤解している方々は、なかなかその必要性を感じないのではないかなと思います。ですから、情報として、区の備蓄は何万人とか、住居制約者の数の2日分の1.2倍ありますと、それ以外は自分たちのことは自分たちで備蓄してくださいなど機会あるごとに周知すべきなのかなと思います。区民にも備蓄する意識向上につなげてほしいと思います。
次に、帰宅困難者について伺います。
この3月に行った港区内事業所の防災対策に関するアンケート調査の結果では、港区には約78万人が勤務されているとされ、平日の昼間に地震が発生したときには、帰宅困難者が約45万人発生すると予測されています。しかしながら、この調査結果では、帰宅困難者対策は実施していないという事業所が62.2%を占めています。
そこでお尋ねしますが、この帰宅困難者が区内の避難所に立ち寄った場合、食糧などの配給は、今、2万351人の2日分の1.2倍ということだったのですけれども、この備蓄の中から帰宅困難者分を配布するのか。それとも区には別に東京都の物資というのもあって、そこから配布するのかどうかお尋ねします。
○防災課長(鈴木英二君) 区内の避難所の備蓄物資は、港区地域防災計画におきまして、在住の区民を対象としております。したがいまして、現時点では、避難所において帰宅困難者へ食糧を配給するという計画はしておりません。しかしながら、災害発生時には帰宅困難者への対応が必要となることから、区といたしましても、東京都等の帰宅困難者対策の動向を踏まえながら、適切に対応してまいりたいと考えております。
○委員(阿部浩子君) 45万人発生するといって、区の避難所に立ち寄る方もいらっしゃると思います。15万食しかない中で、区民の分しかない中で、あなたは区民ではないからといって配給しないというわけにもいきませんし、アンケート結果からも帰宅困難者のことを各事業所は考えていないのだなと強く感じます。災害の際の帰宅支援マップはかなりの売れ行きだとは聞いていますが、今かなりの人が災害について関心がある中、事業所の備蓄についてもきちっと3日分、例えば2日分でも1日分でもきちっと備蓄すべきだということを義務づけるなど、そういう対策が必要だと私は考えております。ぜひそういったことも検討、ことしされるとのことですが、帰宅困難者の対策についても十分に、区民の分が足りなくなるようなことにならないようにやっていただきたいと思います。
最後に、トイレについてお尋ねいたします。
阪神・淡路大震災でも避難所生活におけるトイレが大問題となりました。港区でも平成17年度末には区内マンホールトイレが公園に8基、下水道局のトイレが12基あり、また、避難所となる区立小・中学校には来年度から整備を予定されています。また、マンホールトイレだけではなく、簡易トイレやポータブルトイレも備蓄していますが、来年度各避難所にマンホールトイレが整備されれば、避難所生活におけるトイレ問題はかなりよくなるとは思います。しかしながら、避難所ではなく、自宅で生活できる場合でも、断水でトイレが使えなくなった区民はマンホールトイレに行くなど、そういった対策があると思いますけれども、区民の対策をどのように考えているのかお聞きします。
○防災課長(鈴木英二君) 被害の状況によりまして、常時避難所生活をする必要がなくても、自宅での生活には支障が出ることが想定されます。このときに一番困りますのはトイレの問題となります。自宅にポータブルトイレ等の備えがない場合には、近くの避難所や公園等に設置してある応急仮設トイレをご利用していただくことになろうかと考えております。
○委員(阿部浩子君) 仮設トイレも利用できるということですけれども、まだ一部の地域に限られていて、近くに100メートル以内とか、200メートル以内にないところも多いので、その辺もよくご検討していただいて、広報でもトイレなどをあっせんしていると思いますが、区でもあっせんしていると思いますが、トイレの心配なども解決できるような、そういった周知方法も考えていただきたいと思います。災害は日ごろからの暮らしの中で大地震災害に備えておくことが一番大切だと思います。区でもあらゆる機会にそういった区民への不安を取り除けるような周知の仕方をご検討いただければと思います。以上で終わります。
○委員長(林田和雄君) 阿部委員の発言は終わりました。
歳出第2款総務費の質疑の途中でありますが、以上にて本日の審議を終了いたします。
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○委員長(林田和雄君) これをもちまして、本日の委員会を閉会いたします。
午後 4時47分 閉会...