• 血友病(/)
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  1. 港区議会 1998-11-12
    平成10年第4回定例会−11月12日-12号


    取得元: 港区議会公式サイト
    最終取得日: 2021-09-21
    平成10年第4回定例会−11月12日-12号平成10年第4回定例会  平成十年 東京都港区議会議事速記録 第十二号   平成十年十一月十二日(木曜日)午後一時一分開会     一 出席議員(三十七名)       一  番  藤 田  五 郎 君      二  番  秋 元 ゆきひさ 君       四  番  鈴 木  武 昌 君      五  番  結 城  光 江 君       六  番  林    健 司 君      七  番  小 斉  太 郎 君       八  番  湯 原  信 一 君      九  番  杉 原  としお 君       十  番  岸 田  東 三 君      十 一番  熊 田  ちづ子 君       十 二番  星 野   喬  君      十 三番  大 谷  たき子 君       十 四番  木 村  のり子 君      十 五番  藤 本   潔  君       十 六番  滝 川  嶂 之 君      十 七番  佐々木  義 信 君       十 八番  鈴 木  洋 一 君      十 九番  井 筒  宣 弘 君       二 十番  きたしろ 勝 彦 君      二十一番  風 見  利 男 君       二十二番  沖 島  えみ子 君      二十三番  清 水  良 英 君       二十四番  山 越   明  君      二十五番  西 山  信 男 君       二十六番  渡 辺  専太郎 君      二十七番  大 蔦  幸 雄 君       二十八番  鈴 木  たけし 君      三 十番  川 村  蒼 市 君
          三十一番  北 村  利 明 君      三十二番  栗 橋  伸次郎 君       三十三番  清 水  一 郎 君      三十四番  遠 山  高 史 君       三十五番  上 田 あつひで 君      三十七番  植 木   満  君       三十八番  伊 東  徳 雄 君      三十九番  真 下  政 義 君       四 十番  島 田  幸 雄 君     一 欠席議員       二十九番  菅 野   一  君      三十六番  横 山  勝 司 君     一 説明員       東京都港区長    菅 谷 眞 一 君    同  助   役 上 田 曉 郎 君       同 助     役 永 尾  昇  君    同  収 入 役 鎌 田 昶 壽 君       同 教  育  長 中 村 勝 弘 君    同 政策経営部長 入戸野 光 政 君       同街づくり推進部長 本 村 千代三 君    同 保健福祉部長 加 藤  武  君       同 みなと保健所長 永 見 宏 行 君    同 環境保全部長 武 田 慎 次 君       同 区民生活部長  高 杉 眞 吾 君    同 教育委員会                                事務局次長  宮 崎 武 雄 君     一 出席事務局職員       事 務 局 長 金 子 文 男 君     事務局次長   武 井 雅 昭 君                             議 事 係 長 日 詰 由 三 君                                         他五名             ───────────────────────────       議  事  日  程           平成十年十一月十二日午後一時 日程第 一  議 案 第七十二号 東京都港区長等の給料の特例に関する条例 日程第 二  議 案 第七十三号 東京都港区教育委員会教育長の給料の特例に関する条例 日程第 三  議 案 第七十四号 東京都港区再開発地区計画の区域内における建築物の制限に関する条例の一部                  を改正する条例 日程第 四  議 案 第七十五号 東京都港区営住宅条例の一部を改正する条例 日程第 五  議 案 第七十六号 東京都港区立児童館条例の一部を改正する条例 日程第 六  議 案 第七十七号 東京都港区議会議員及び区長の選挙における選挙運動の公費負担に関する条例                  の一部を改正する条例 日程第 七  議 案 第七十八号 平成十年度東京都港区一般会計補正予算(第二号) 日程第 八  議 案 第七十九号 平成九年度東京都港区一般会計歳入歳出決算 日程第 九  議 案 第八 十号 平成九年度東京都港区国民健康保険事業会計歳入歳出決算 日程第 十  議 案 第八十一号 平成九年度東京都港区老人保健医療会計歳入歳出決算 日程第十 一 議 案 第八十二号 工事請負契約の承認について((仮称)港区立芝三丁目高齢者在宅サービスセ                  ンター等新築工事) 日程第十 二 議 案 第八十三号 財産を支払手段として使用することについて(田町駅東口駅前広場整備のため                  の移転補償) 日程第十 三 議 案 第八十四号 物品の購入について(パーソナルコンピューター等の購入) 日程第十 四 議 案 第八十五号 負担附贈与の受領について(都営赤坂五丁目第二アパートの移管)             ─────────────────────────── ○議長(真下政義君) ただいまより平成十年第四回東京都港区議会定例会を開会いたします。  今回の応招議員はただいま三十七名であります。したがいまして、本定例会は成立いたしました。  お諮りいたします。今期定例会の会期は本十一月十二日から二十六日までの十五日間といたしたいと思いますが、ご異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(真下政義君) ご異議なきものと認め、さよう決定いたしました。             ─────────────────────────── ○議長(真下政義君) これより本日の会議を開会いたします。  ただいまの出席議員は三十七名であります。  会議録署名議員をご指名いたします。二番秋元ゆきひさ君、四番鈴木武昌君にお願いいたします。             ─────────────────────────── ○議長(真下政義君) 報告事項がありますので、ご報告いたします。  まず、職員に定例会招集の報告をさせます。   〔武井事務局次長朗読〕             ─────────────────────────── 十港政総第三九二号   平成十年十一月二日  港区議会議長 真 下 政 義 様                          港 区 長     菅   谷   眞   一       平成十年第四回東京都港区議会定例会の招集について  本日、別紙告示写しのとおり、標記定例会を十一月十二日に招集しましたので通知します。             ─────────────────────────── 東京都港区告示第百五十三号  平成十年第四回東京都港区議会定例会を十一月十二日に招集します。   平成十年十一月二日                          港 区 長     菅   谷   眞   一             ─────────────────────────── ○議長(真下政義君) 次に、例月出納検査の結果について、報告書が監査委員から議長の手元に提出されております。その概要を職員に朗読させます。   〔武井事務局次長朗読〕             ─────────────────────────── 十港監第五六号   平成十年九月十日  港区議会議長 真 下 政 義 様                         港区監査委員     大   野   高   正                         同          高   橋   元   彰                         同          川   村   蒼   市       平成十年八月例月出納検査の結果について  地方自治法第二三五条の二第一項の規定に基づき例月出納検査を実施したので、同法同条第三項の規定により、結果に関する報告を下記のとおり提出します。 一 検 査 の 範 囲   (一) 検 査 対 象  区一般会計国民健康保険事業会計老人保健医療会計歳入歳出外現金、基金   (二) 検 査 場 所  港区監査事務局   (三) 検 査 期 間  平成十年八月二十四日から八月二十六日まで 二 検 査 の 結 果  本検査においては、収入役から提出されました平成十年八月例月出納報告書の計数について、出納関係諸帳簿及び諸票、指定金融機関提出収支計算書、預金通帳、証拠書類、証券等と照合し検証した結果、過誤のないことを確認しました。             ─────────────────────────── 十港監第六六号   平成十年十月九日  港区議会議長 真 下 政 義 様                         港区監査委員     大   野   高   正                         同          高   橋   元   彰                         同          川   村   蒼   市       平成十年九月例月出納検査の結果について  地方自治法第二三五条の二第一項の規定に基づき例月出納検査を実施したので、同法同条第三項の規定により、結果に関する報告を下記のとおり提出します。 一 検 査 の 範 囲   (一) 検 査 対 象  区一般会計国民健康保険事業会計老人保健医療会計歳入歳出外現金、基金   (二) 検 査 場 所  港区監査事務局   (三) 検 査 期 間  平成十年九月二十四日から九月二十八日まで 二 検 査 の 結 果  本検査においては、収入役から提出されました平成十年九月例月出納報告書の計数について、出納関係諸帳簿及び諸票、指定金融機関提出収支計算書、預金通帳、証拠書類、証券等と照合し検証した結果、過誤のないことを確認しました。
                ─────────────────────────── 十港監第七四号   平成十年十一月十日  港区議会議長 真 下 政 義 様                         港区監査委員     大   野   高   正                         同          高   橋   元   彰                         同          川   村   蒼   市       平成十年十月例月出納検査の結果について  地方自治法第二三五条の二第一項の規定に基づき例月出納検査を実施したので、同法同条第三項の規定により、結果に関する報告を下記のとおり提出します。 一 検 査 の 範 囲   (一) 検 査 対 象  区一般会計国民健康保険事業会計老人保健医療会計歳入歳出外現金、基金   (二) 検 査 場 所  港区監査事務局   (三) 検 査 期 間  平成十年十月二十三日から十月二十七日まで 二 検 査 の 結 果  本検査においては、収入役から提出されました平成十年十月例月出納報告書の計数について、出納関係諸帳簿及び諸票、指定金融機関提出収支計算書、預金通帳、証拠書類、証券等と照合し検証した結果、過誤のないことを確認しました。             ─────────────────────────── ○議長(真下政義君) 例月出納検査の詳細については、報告書を議長の手元に保管してありますので、随時ご閲覧願います。             ─────────────────────────── ○議長(真下政義君) 次に、特別区職員の給与等に関する報告及び勧告が特別区人事委員会委員長から議長の手元に提出されておりますので、その概要を職員に朗読させます。   〔武井事務局次長朗読〕             ───────────────────────────   平成十年十月八日  港区議会議長 真 下 政 義 殿                      特別区人事委員会委員長  横   田   政   次  地方公務員法第八条及び第二十六条の規定に基づき、一般職の特別区職員の給与等について、別紙一のとおり報告し、意見を申し出るとともに、別紙二のとおり勧告します。  この勧告に対し、その実現のため、速やかに所要の措置をとられるよう要請します。             ─────────────────────────── ○議長(真下政義君) なお、詳細については、議長の手元に保管しておりますので、随時ご閲覧願います。  以上にて、報告を終わります。             ─────────────────────────── ○議長(真下政義君) 区の一般事務について質問の通告がありますので、順次発言をお許しいたします。  十番岸田東三君。   〔十番(岸田東三君)登壇、拍手〕 ○十番(岸田東三君) 平成十年第四回定例会におきまして、自民党区議団を代表いたしまして、当面の重要課題等々につきまして、区長、並びに教育長に質問をいたします。明快なるご答弁をお願いいたします。  長引く景気の低迷と不況の深刻化はあらゆる場面に歪みをもたらしております。戦後五十年を経た、あらゆる社会構造に破綻をもたらしていることは、今回の金融関連法案を見るまでもなく、明らかであります。  労働省の発表によりますと、九月の有効求人倍率は〇・四九倍となっており、総務庁が発表した完全失業率も四・三%と依然雇用関係の改善が見られない状態であります。また、雇用不安は一層増大しており、失業率は戦後最悪の状況となっております。学校を卒業した新規学卒者ですら、就職がおぼつかない状態が続いております。  このような中で、港区の中小企業も軒並み不況にあえいでいるのが現状であります。長引く景気低迷は、地方財政に大きな影響を及ぼし、現在財政危機宣言を行った自治体は十都府県に上っております。東京都では、先月、今年度の都税収入が当初予算と比較し、四千四百億円程度の減収になることが明らかになり、東京都知事の財政危機緊急アピールがありました。このことは、単に十年度だけの問題ではなく、都財政を取り巻く環境は、平成十一年度以降も引き続き深刻な状態が続き、五千九百億円程度の財源不足が生じる見込みであるとの報道もされております。このままでは都財政は破綻し、行政サービスの水準を大幅に引き下げることが避けられなくなってしまいます。  一方、都債の返済はますます増大していく中で、少子高齢社会の備えなど対応すべき課題は山積しており、実質収支の赤字額が三千二百億円を超えると「財政再建団体」となり、国の管理下で都政運営を行うこととなり、国の水準を上回るサービスや都が独自に行っている事業について、縮小、廃止など大幅な見直しを行うこととなり、少なからず我が港区にも大きな影響が与えられる事態になる可能性があります。「財政再建団体」や「起債制限団体」への転落を回避することが最優先の課題として、財政の健全化を達成しなければならないとして百六十事業の削減と見直しを行うと発表したことを踏まえて、質問したいと思います。  港区の財政見通しについてお伺いいたします。  破綻寸前の都財政の現状ということで、歳入の根幹をなす都税収入が、当初予算四兆六千二百億円に比べ、四千四百億円程度の減収は、東京都の事業で言えば、消防、救急活動、ごみ収集、運搬事業の年間予算の経費に相当する巨額なものであります。このままでは地方自治体の破産ともいうべき財政再建団体に転落することが予想されます。都の財政危機がゆめゆめ我が港区に甚大な影響をもたらすことのないように、あらゆる機会をとらえて申し入れる必要があります。あわせて、国で検討している七兆円規模の恒久減税が実施されますと、特別区民税は大きな影響を受けるものと考えておりますことは、また、心配しているのは私だけではないと思います。  仮に新聞報道による最高税率の引き下げ案を例にとってみますと、最高税率が国、地方合わせて現行の六五%から五〇%へと一五%引き下げが行われ、国が一〇%、地方が五%とした場合、その五%を都道府県が一%、区市町村が四%になれば、現行特別区民税の最高税率一二%が八%となります。そうなりますと、港区の所得階層による税負担状況から推測すれば、特別区民税の減収は数十億円規模になるのではないかと危惧されます。  現在、財政構造改革指針による歳出構造の改革が行われておりますが、以上述べました、長引く景気の低迷による影響、恒久減税の影響を考えあわせますと、現状の区民サービスを維持していくことが困難になっていくのではないかと懸念されます。  一方、そうした状況を踏まえますと、歳入の確保が重要な課題になってくると考えます。特に特別区民税の悪質な滞納者に対する督促、納税の強化や、国民健康保険料等の徴収には全庁を挙げて取り組むことが必要であります。現状の景気動向を考慮しますと、とても難しい課題ではありますが、一層の努力を期待したいと思います。先行き不透明な厳しい財政状況の今こそ、港区の組織の総合力を発揮し、職員の創意工夫で区民サービスの向上を目指すべきと考えます。そこで、当面の平成十一年度予算編成における財政の見通しについて、現段階ではどのように考えているのか、区長の見解をお伺いいたします。  次に、行政改革の取り組みについてお尋ねいたします。  行政改革は、終わりのない戦いとも言えます。同時に、区民の方々に対しても一定の痛みをお願いするものであります。不要不急の事業については、英断を持って取り組まなければなりません。港区議会が自ら議員定数条例を制定し、議員定数を削減したのも、行政改革に対する強い決意のあらわれであります。  一方、行政の動きに目を転じますと、まだまだ不十分であり、現在、港区は、「第二次みんなといきいき区政推進計画」の策定に取り組んでいると聞いております。この中で新たな具体的行政改革は提示されるのか、自民党議員団としても注目していきたいと思います。また、今回、職員を中心として区民サービスの向上を目指した「ジャンプアップ委員会」が設けられ、職場の活性化が検討されているようですが、大いに結構なことと思います。  しかしながら、かけ声だけになってはなりません。一人の職員が二人分の仕事が担える二倍のサービスが可能になる。これは同時に職員が半分で良くなることであるという視点を持っていただきたいと思います。民間中小企業が血のにじむ努力と苦労を重ねている現在、悠長な場合ではないと思います。十年で四百人の削減は当然のこと、新たなる構造不況の中で、さらなる職員の削減計画に取り組むべきと考えます。区長のご見解をお伺いいたします。  あわせて、今後三ヵ年の削減数についてお尋ねいたします。さらに教育の分野でもまだまだ見直しが可能であります。例えば学童擁護の非常勤化や給食調理の委託も他の区では実施しております。教育現場における人員の削減について、教育長のご見解をお伺いいたします。  次に、今年度改定が予定されている基本計画について質問いたします。  つい先日、平成十一年度を初年度とする八年間の基本計画素案を手にいたしました。基本計画改定方針にあるハードからソフトへの施策の転換がどこまで計画として盛り込まれているのかなど、今後の委員会での質疑にゆだねることであると思いますが、現時点での一番の関心事は財政についてであります。確かに八年間の財政を的確に推計することは難しいことと理解しております。特に平成十二年度に実施される都区制度改革の中での税財政制度の改革や、地方分権の動向、公的介護保険制度の導入など不確定な要素が多いことも事実であります。しかし、現行の税財政制度の中での財政推計の数値と税財政制度が改正された場合の数値を比較することができるようにすることも、区民に対して説明と責任を果たすことにつながるのではないでしょうか。  したがいまして、今後の不確定な要素が多いとしても、現段階で財政の裏付けがあって初めて基本計画素案に計上された事業が着実に実施されるとの安心感が生まれてくるものと考えます。加えて、基本計画素案に計上された計画事業は、前期、後期の区分でしか事業費が示されておりませんが、それぞれの計画事業には実施年度があると思います。したがって、計画期間の八年間には、各年度における計画事業費が積み上げられているはずであります。計画事業が着実に実行されるためには、その担保となる財源が必要であることは言うまでもありません。しかし、現在の深刻な景気の低迷や、恒久減税の動向を踏まえますと、歳入の根幹である特別区民税の減少は避けられないのではないでしょうか。  また、国の財政状況や東京都の財政危機の影響も視野に入れる必要があると考えます。どの程度の減収であれば、計画事業の実施に影響が出ないのか、財政計画が示されていない現状では明らかになりませんが、しかし、基本計画改定方針が策定された平成九年十二月の時点からは、経済状況、財政状況が激変していることを考えあわせますと、基本計画素案に計上された計画事業が着実に実施されるのかどうか、大変心配になってまいります。昨今の財政危機を視野に入れ、公的介護保険の導入を目前にし、不要不急の施設建設は極力抑えるべきでありますが、そのような考え方の一方で、個別の案件を見ますと、国際交流センター、新郷土資料館の建設等が相変わらず計上されております。これは一体どうなっているのでしょうか。  「第二次いきいき計画」で見直された事業を基本計画の新たな財源とすることがスクラップ・アンド・ビルドの理念であり、基本的な考えとなるべきものと考えます。そこで、基本計画素案に計上された事業の着実な実行について、区長の決意をお伺いいたします。  次に、清掃事業の移管についてお伺いいたします。  平成十二年四月に実施される都区制度改革の円滑な実施に向けて、現在、東京都と特別区で精力的に協議が進められておりますが、今回の都区制度改革の大きな柱である清掃事業の移管については、十月の区長会において、収集、運搬は各区が行い、可燃ごみの中間処理については、二十三区の共同処理とする基本方針が了承されたと聞いております。今後、都区間での協議の中で最終的に決定されるものと考えておりますが、港区では、港南地区に港清掃工場が平成十一年二月から本格運転が開始される予定であると聞いております。この工場では、日量六百トンに上る港区のごみを二基の焼却炉を使って処理するものであり、これが二十三区の共同処理になった場合、港区のごみだけではなく、他区のごみも恒常的に運び込まれるのではないかと懸念されます。自区内処理が不可能とされる七区の動向や、今後の清掃工場の建設も東京都の財政難から遅れる可能性も否定できない状況の中では余計心配になってまいります。自区内処理の原則のもとに、港清掃工場建設に協力してきた地元住民の気持ちが尊重されるようにしなければなりません。そこで、清掃事業の港区への移管にあたって、可燃ごみの中間処理の共同処理について、区長の見解をお伺いいたします。  次に、固定資産税・相続税についてお尋ねいたします。  去る十月二十八日、九段会館において「都心六区区民大会」が開催されました。当日は、会場を多くの方々で埋め尽くし、同じ悩みを抱えている区民や他区の状況を聞く中で、いかに固定資産税・相続税の高さに不満を持っているのがわかりました。  都心の実勢価格は、平成元年をピークにバブル経済崩壊後、地価下落が続き、今や当時の五分の一、場所によっては十分の一まで下がり続けましたが、固定資産税は横ばい状態が続いております。平成九年度の評価替えにおいては、今年度と来年度に限り、価格の修正ができる特例措置が講ぜられました。しかしながら、平成十二年度以後の取り扱いは定まっておりません。毎年の地価下落が評価に反映されるよう、抜本的な見直しが必要であります。  また、人口の減少が続く中で、事業が継続していくための努力は並大抵ではありません。港区で、生まれ育った街で、親から受け継いだ事業と資産を守っていくことは、まさに「住みつづけられるまち・港区」のテーマでもあります。その意味でも、評価替えにおいては、公示価格の三〇%以下に修正すべきであると区民の方々が訴えております。居住や事業の継続に最低限必要な小規模宅地等は非課税とすることが求められております。今後、この「都心六区区民大会」を受け、区はどのような方策を考えているのか、区長の見解をお尋ねいたします。  次に、中小企業対策についてお伺いいたします。  現在、中小企業をめぐる経営環境は非常に厳しく、新聞や地元新聞の企業倒産欄には多くの企業の名前が載っております。九月の東京都の中小企業調査でも、依然として金融機関の貸し渋りが続いていると指摘しております。世界が注視する中で、金融安定、景気回復に向けて金融健全化法案が成立いたしました。金融機関の破綻処理の枠組みなどを明確にする金融再生関連法は、金融機能再生緊急措置法、金融再生委員会設置法など八法からなっております。日本経済の足を引っ張っている不良債権の抜本処理を促す金融再編成等を進めて金融システムの強化を図るとされておりますが、一歩間違えれば、金融機関の銀行が公的資金の投入に向けて、銀行経営陣の倫理喪失を招くおそれや、資産の健全化を急ぐとともに、金融機関の経営責任問題が表面化し、今まで銀行自体の経営の甘さや、能力不足が世間に示され、経営陣にとっては恥をかきたがらない体質のために、資金回収を躍起になって体質強化に走る可能性は十分にあり得ます。そのようなことが起これば、中小企業の倒産は相次ぐと危惧されます。  金融機関の貸し渋りや、貸し出しをした融資の強制的な返済などは中小企業を直撃し、経営状態をさらに悪化させる結果につながります。区民の生活を守るという視点を踏まえますと、港区内の中小企業の経営を側面から支援する役割が港区という自治体に課せられているのではないでしょうか。貸し渋り対策としては、区は既に今年度、三次にわたる特別枠融資を実施しておりますが、現状ではまだまだ三倍程度の申し込みの希望者があると聞いております。そこで、中小企業の対策の一つとして、年度末へ向けての支援を強化するためにも、さらなる特別枠融資を実施する必要があるのではないでしょうか。早急にご検討の上、実施されるよう求めるものであります。  また、中小企業の資金調達や貸付金の強制的な返済等をめぐるさまざまな問題は、今後の大きな課題となってきます。これらの問題に対する相談窓口を従来に増しても充実させるとともに、「広報みなと」等を通じて幅広くPRすべきと考えますが、区長のご見解をお伺いいたします。  次に、少子化対策について質問いたします。  高齢化社会への対応については、公的介護保険の導入を間近に控え、ある程度の条件整備がなされているところであります。今後は制度の安定運営に向けた取り組みが必要であります。一方、次代を担う子供たちへの施策はどうなっているのでしょうか。最近、子供たちのにぎわう姿を見かけなくなっており、一体子供たちはどこへ行ってしまったのか疑問に思います。今こそ少子化対策に本腰を入れなければ、将来の日本、ひいては港区の人口激変に拍車がかかるのではないかと考えます。全国ベースの出生率は一・四三、少子化の背景には、女性の高学歴化とか、社会進出の増加などで、さまざまな要因があると思いますが、それらの要因を乗り越えて地域に子供たちを取り戻す努力が必要であります。  今回、「港区の子育て支援策 エンゼルプラン」がまとまりました。これは中間報告とのことで、今年度は「子育て支援計画」として具体的な取り組みを行うと聞いております。区の少子化対策を担っている一つとして保育園があります。この十一月ではゼロ歳から二歳までの児童については、港区の公私立十九保育園あわせても、わずか数人のあきの状態になっております。これで子育て支援と言えるのでしょうか。  一方、港区はさまざまな論議を経て、幼稚園の適正配置が進められようとしております。今後は要らなくなった幼稚園を保育園に転用するなどの方策を検討する必要があるのではないかと思います。これらを含めた少子化対策への具体的な取り組みについてお伺いいたします。  同時に、残った幼稚園での預かり保育・延長保育を来年度からでも進めるべきではないでしょうか。これによって、昼間パートに出かけたいと願っている区民にとって子育て支援のサービスの拡大になるのではないでしょうか。平成十二年には区立幼稚園の教員は区職員になると聞いております。余った教員の受け皿としても早急に取り組むべき課題であると思います。また、私立幼稚園の補助金を大幅に増やし、私立幼稚園でも延長保育を促し、子育て支援の一環としていただき、未来を担う子供たちに行政からの温かい支援を望むものであります。少子化対策に対する区長のご所見をお伺いするとともに、幼稚園での延長保育について、教育長のご答弁を求めます。  次に、シルバー人材センターの活用について質問いたします。  働く意欲と能力のある元気な高齢者の増加は、地域社会にとって、その培った能力を地域に還元することは、地域社会の活性化につながるばかりではなく、高齢者自身にとっては社会に役立つための生きがいにつながり、大変良いことであります。さらには、来るべき超高齢化社会を展望すれば、「生き生きとした老後を送る」ために、元気な高齢者対策は大変重要な課題であります。そのためにも「シルバー人材センター」の役割は重要であり、地域で共に支え合い、共に働き、喜びを分かち合い、生きがいを見つけるためにも、シルバーの事業拡大は重要であります。今現在、シルバーの会員は千二十三名、そのうち常時仕事に携わっているのが五百五十二名、約五四%にすぎません。これではせっかくの会員の方々にとっては寂しい限りであります。  一方、迫り来る財政難を直視するならば、何でもかんでも正規職員を配置し、行わなくてもよい仕事が数多くあります。福祉会館の夜間や土曜・日曜日の管理、公園の清掃、図書の貸し出し、駐車場の管理、学童擁護、学校警備等々の軽作業は、まさに高齢者向けの仕事と言えます。そこで、区の業務を見直しし、全庁的にシルバー人材センターの活用を進めるべきと考えます。また、毎年の契約にあたっては、シルバー人材センターへの発注を進めるよう庁内に徹底すべきと考えますが、いかがでしょうか。区長、並びに教育長にご見解をお伺いいたします。  次に、港区のエイズ対策についてお尋ねいたします。  日本のエイズ患者は、平成十年八月末現在での報告では、血友病患者を除いて累計三千九百八十二人に及びます。そのうち、東京が千三百十六人を占めるまでになってまいりました。患者では三二・八%。感染者は三三・二%を占めるようになってまいりました。最近の傾向としては、男性では同性間性的接触による者が五百四十四人、異性間性的接触による者は三百二十八人であります。女性では、異性間性的接触によるものは百七十八人になります。最近では、母子感染者が心配されておりますが、男児が四名、女児が二名報告されております。さらに、麻薬、覚醒剤による感染者が男性で十三名が報告されております。年齢別に見ると、男性では三十歳代、女性では二十歳代が感染年齢となっております。そして最近では、二十歳未満の感染者も認められております。その人数は十五人であり、十歳未満でも六名の感染者が認められております。これは驚くべき事態であります。我々の予想していた以上に性的接触の低年齢化が進んでいる結果と考えられます。感染地別に検討してみますと、国内での感染者は約五〇%、海外の感染者三〇%、不明が二〇%となっております。このような資料を見ると、現在港区に生活している若者の状況が容易に予測できると思います。  エイズに関しては、薬害、差別、偏見、プライバシーの保護などさまざまな課題がありますが、みなと保健所においては普及啓発事業として、「エイズニュース」の発行、「広報みなと」の活用を行っているようでありますが、今後、どのような普及啓発事業を予定しているのでしょうか。健康相談、抗体検査事業にも取り組んでいるわけですが、今後とも積極的に実施していくのでしょうか。さらに、エイズ児、エイズ孤児の受け入れの問題も課題になってまいります。地区での受け入れ態勢等については、どのように考えているのでしょうか。  エイズについては、新薬が次々と開発され、厚生省も臨床試験を省略して、早期に導入を図り、苦痛、不安を取り除き、社会復帰できるようになってまいりました。これらの地域でのサービス等は、これから先どのように供給されていくのでしょうか。エイズの問題を考えると、小学校、中、高学年からの人間性の考え方や、教育、病気に対する知識、健康問題が重要になってまいります。港区としては、どのように対応していくのか、区長、並びに教育長にお尋ねいたします。  次に、会議費等の公費支出のあり方についてお伺いいたします。  本年四月、公費支出等改善検討報告書がまとめられました。その内容は、契約手続きの改善、事務処理手続きの改善として金券類の適正管理、近接地外の旅費の手続き改善や予算編成の適正化等など五項目が挙げられております。現在、これらの改善項目に沿って会計処理等に関する改善が行われ、区民に納得される事務処理がなされているものと考えております。  加えて、予算編成の適正化の項目の中で、関係団体等とのかかわりのあり方の検討が触れられております。検討内容はわかりませんが、公費支出改善の検討に至った経過から推測すると、行政と区民等で組織する団体との交流にあたって、公費を支出することができる範囲がどこまでなのか、などの検討ではないかと推測いたします。  現状においても、またこれからも、区民の方々の協力がなければ、区政を円滑に推し進めることができません。特に今後、清掃事業やリサイクル事業、環境対策への取り組み等々、地方分権の進展の中では、一層区民との協力関係が重要であります。円滑な行政運営を進める上で、区民等で組織する団体との交流をはじめ、区民等々との会議の開催などに一定の飲食等に伴う公費の支出は当然のことであると思います。その際、公費の支出にあたっては、区民の理解と納得が得られるものであることは言うまでもありません。区民と行政が手を携えて、共に区民福祉の向上を目指していくためにも公費の支出は当然のことであり、過去の食糧費問題にとらわれていたのでは、区政運営がなかなか元気が出てこないのではないかと危惧しております。正々堂々と胸を張って行政を進めていってほしいと思います。そこで、会議費等の公費支出のあり方について、区長はどのようにお考えなのか、お伺いいたします。  次に、借上住宅事業についてお尋ねいたします。  借上住宅は、区民の定住化推進策の一つとして、民間土地所有者等が建設した賃貸住宅を区が借り上げ、家賃負担を軽減し、中堅所得者層のファミリー世帯を中心に低家賃で貸し付けるもので、平成四年度から事業化されたものであります。現在では、財団法人港区住宅公社の事業となり、百十七戸の借上住宅が確保されております。先月募集された三田五丁目のガーデンテラス・ヤリヤでは、募集戸数十五戸に対して、九・八倍の応募があり、区民の方々の借上住宅に対する関心度の高さは、この不況の中でははかり知れないものがあります。また、期待の大きさも感じられます。  厳しい財政状況のもと、基本計画素案の中、今後も定住化対策を一層推進するためには、区民向け住宅の確保は重要であり、手法としては、区の直接供給に偏るのではなく、民間資本を活用しながら、区民ニーズに即した住宅を供給していくためには、財団法人港区住宅公社と連携し、借上住宅を充実していく必要があります。  ところで、次の問題を取り上げることになりましたのは、昨年、都議会議員選挙で当選された方が借上住宅に居住され、「高収入の方が一年以上も居住していて良いのですか。私は大変疑問に思います。」と区民の方から疑問の声を聞きました。確認したところ、借上住宅事業は、入居申し込み資格として一定の所得制限がありますが、区営住宅のように居住要件となっておらず、また、区営住宅や特定公共賃貸住宅のように、一定の所得を超えた場合には、使用料の減額をしないという仕組みもありません。制度的な問題はありませんが、借上住宅の目的や区民の貴重な税金を使用して家賃の軽減が図られていることから察しますと、ご本人の適切な対応を期待したいと思うものであります。  話は少しそれましたが、財団法人港区住宅公社で実施しております、民間賃貸住宅借り上げ貸付事業については、広義の区民向け住宅の供給という視点に立って、より一層適切な事業展開を図るため、区民向け住宅の仕組みを参考に何らかの居住要件を設定する等々の改善を行うように指導していくお考えがおありなのか、区長にお尋ねいたします。  最後に、要望にとどめますが、来年の統一地方選挙に向け、街の中にちらほらと政治活動用ポスターが目につく今日このごろであります。公職選挙法の改正を受けて、平成六年十二月制定された港区議会議員及び区長の選挙におけるポスター掲示場の設置に関する条例の成立経過について、私は、お金のかからない公平・公正な選挙執行、街の美化を図ることを目的として制定されたものと考えております。  そこで、複数の弁士が掲載されているポスターで候補者個人が掲載されているポスターは、個人の政治活動用のポスターとして禁止されるべきであります。なぜならば、港区議会自らが制定したポスター条例の趣旨を、自らが踏みにじるごとき行為なのであります。さらに言えば、これらの行為は港区議会が制定した条例を、自らが否定することにつながるおそれがあるからであります。そのポスター認定の基準が定かではなく、国と都選管で多少の見解の相違があると聞いております。今回、都選管において参議院議員選挙より厳しく対応することは、公職選挙法の趣旨、地方の自立の観点から至極当然のことと言わざるを得ません。一歩踏み込んで、選挙期間中のみ政治活動用ポスターを撤去するよう指導するだけではなく、区議会選挙においては、平成十年十月二十五日から平成十一年四月二十五日まで禁止するように、国へ区長会、選挙管理委員会委員長会等を通じて強力な要望をお願いいたします。  以上で代表質問を終わりたいと思います。ご清聴、誠にありがとうございました。   〔区長(菅谷眞一君)登壇〕 ○区長(菅谷眞一君) ただいまの自民党議員団を代表しての岸田東三議員のご質問に順次お答えいたします。  最初に、平成十一年度予算編成における財政見通しについてのお尋ねであります。  平成十一年度予算は、財政構造改革総仕上げの予算として、八月に決定した編成方針に基づき、現在編成作業に取り組んでおります。減税措置については、いまだ内容が固まっておりませんが、減税に伴い減収が発生した場合には、地方消費税等の適切な財源措置を講じるよう、国等に対して強く要望しております。平成十一年度予算においては、万一税収の減少があった場合でも、その他の歳入を確保することによって、編成方針に極力影響を及ぼさないよう工夫してまいります。  次に、行政改革の取り組みについてのお尋ねのうち、職員定数のさらなる削減計画についてであります。  私は、組織機構の思い切った簡素化や職員定数の削減、事務事業の徹底した見直しなど、行政改革に取り組んでまいりました。平成九年度には、中長期的な視点から十ヵ年で四百人の職員定数削減を計画し、九年度・十年度の二ヵ年で百五十人削減いたしました。「職員適正配置計画」の中では『社会経済情勢の変化を踏まえながら、計画削減数の繰り上げを弾力的に行う』としております。  一方、都区制度改革に伴う事務移管や介護保険制度の導入に伴う体制づくりなど、区は、新たな行政需要にも責任を持ち、的確に対応しなければなりません。私は、それらを踏まえつつ、今後とも組織のスリム化に全力で取り組んでまいります。  なお、平成十二年度を初年度とする今後三か年の削減数については、改めてお示ししたいと考えております。  次に、基本計画の着実な実行についてのお尋ねであります。  改定基本計画(素案)では、港区基本構想に示された将来像「やわらかな生活都心―住みつづけられるまち・港区―」の実現に向け、区が取り組むべき目標や課題、施策の概要を明らかにするとともに、事業計画を策定し、基本構想実現のための具体的な道筋を示しております。今回の改定においては、財政収支の見通しは明らかにしておりませんが、素案に計上した計画事業の実施には、財源の確保が不可欠であります。今後、さらに積極的に行財政改革を進め、職員定数を適正化するなど、歳出を抑制するとともに、新たな税財源の導入や区有地の有効活用など歳入を確保し、計画事業の着実な実施に努めてまいります。  次に、清掃事業の区移管についてのお尋ねであります。  今回の都区制度改革は、それぞれの区が基礎的自治体として、名実ともにより一層の区民サービスの向上に努めていくことが期待されております。特に清掃事業については、自区内処理の原則を踏まえて、それぞれの区が収集・運搬・処理・処分に主体的に取り組んでいくことが求められております。ご指摘の可燃ごみの中間処理の共同処理については、ダイオキシン対策等の状況の変化の中で、清掃工場の焼却能力の関係から暫定的な対応としたものであります。共同処理にあたっては、清掃工場建設の経緯を踏まえ、区民、議会の意見が十分反映されるよう努めてまいります。  次に、固定資産税・相続税の負担軽減についてのお尋ねであります。
     本年も去る十月二十八日に、区民を初め区議会とともに九段会館において、新たに文京区を加えた都心六区による「固定資産税・相続税の大幅軽減を求める都心六区区民大会」を開催いたしました。私としては、一定の成果を上げつつあるものの、まだまだ両税の区民への負担は大変に重いと考えております。大会のスローガンでありました「このまちに住み働き続けたい!みんなの願いです」のとおり、生まれ育ったまちに住み、親から子へ事業を継承していくことが大切であります。  また、このことは、港区が基本構想に掲げる区の将来像「やわらかな生活都心―住みつづけられるまち・港区―」を目指すものであります。引き続き、区民並びに区議会の皆さんと協力し、大会を開催するとともに、固定資産税及び相続税の大幅な負担軽減が実現するよう関係機関に働きかけてまいります。  次に、中小企業対策についてのお尋ねであります。  まず、特別枠融資の実施についてであります。中小企業は、地域経済を支えるとともに、区民生活の向上と安定化に大きな役割を果たしております。現在、長引く不況の中で懸命の努力を続けている中小企業の経営の安定を支援することが、まず第一に求められております。そのため、今年度も三次にわたる特別枠融資を実施いたしました。  また、国におきましても「中小企業等貸し渋り対策大綱」に基づく、金融取引安定化特別保証制度の創設など、事業資金の円滑な調達のための支援に取り組んでおります。したがいまして、特別枠融資につきましては、これらの推移を見ながら、年度末に向け、具体的な時期、方法など実施に向けて検討してまいります。  次に、融資相談窓口の充実についてのお尋ねであります。  融資に関する金融機関の対応をめぐる相談につきましては、これまでも商工相談員を活用し、対処してまいりました。しかし、今後は、ご指摘のように、これまでにない多様な相談事例も予想されます。したがいまして、東京都その他の関係機関と連携をとりながら、幅広く対応してまいります。また、相談窓口につきましても、区の広報紙や商工だよりなど、身近な方法で利用者の方々に積極的にPRしてまいります。  次に、少子化対策についてのお尋ねであります。  まず、少子化対策への具体的な取り組みについてであります。少子化が進行する中で、仕事と育児の両立ができる社会の実現は重要な課題となっております。また、女性の社会進出や、長引く不況を背景に、保育園の入園希望が増加していることは承知しております。このため、保育園の改築を行う際には、保育需要を把握する中で、定員の拡大に努めてまいります。  また、一時的な定員枠を超えた入園や、幼稚園舎を保育園の分園に転用するなど、多様な方策を検討する中で、待機児童の解消に向け緊急的な取り組みを行ってまいります。  次に、私立幼稚園への対応についてのお尋ねであります。  私立幼稚園に対する補助金については、幼児教育の振興を図るため、今後とも財政状況等を踏まえて対処してまいります。また、私立幼稚園に対し延長保育を促すことについては、私立としての主体性、独自性の問題もあり、難しいと考えますが、協議の場で意見交換してまいります。  次に、シルバー人材センターの活用についてのお尋ねであります。  区としても、これまで社会参加に意欲を持つ高齢者の方々には、シルバー人材センターを通じ、多くの行政サービスを担っていただいております。この結果、高齢者の生きがい対策や就業の機会の拡大だけでなく、効率的な区政運営の推進についても貢献していただいております。今後とも、区のさまざまな分野について見直しを進めながら、シルバー人材センターを積極的に活用してまいります。  次に、区のエイズ対策についてのお尋ねであります。  まず、今後のエイズ対策事業についてであります。エイズの治療法は格段に進歩していますが、最新の情報を区民に伝え、予防と早期発見に努める必要があります。そのためにもエイズについての普及・啓発が重要であります。本年も十二月一日の世界エイズデーを機会に、「広報みなと」によるエイズ特集を予定しております。  また、健康診断、抗体検査事業についてもプライバシーや人権について細心の配慮をしながら、積極的に進めてまいります。エイズ児やエイズ患者の受け入れ態勢については、地域の一人ひとりがエイズに対する差別や偏見をなくすことが必要であります。今後とも、地域社会で安心して暮らせるよう努めてまいります。具体的なサービスの供給については、東京都や関係医療機関等と十分に連携を図り、エイズの相談検査、療養支援サービス等を効果的に実施してまいります。  次に、会議費等の公費支出のあり方についてのお尋ねであります。  ご指摘のように、円滑な区政運営を進める上で、区民の方々で組織された団体との交流をはじめ、区民の協力を仰ぐ場合等、一定の公費支出を伴うケースはさまざまな形で考えられます。現在、公正でクリーンな行政運営を進める上で、区民の理解と納得がいただける公費支出の範囲や額はどうあるべきか等々について、鋭意検討を進めております。そのことを踏まえ、区民の方々の協力のもと、区民とともに歩む区政運営を進める観点に立ち、必要な経費については予算化してまいります。  最後に、「借上住宅」の居住要件の見直しについてのお尋ねであります。  財団法人港区住宅公社が実施している借上住宅は、区民に適切な家賃で住宅を供給するという区の住宅施策の一つの事業であります。借上住宅と区民向け住宅とは、建設主体や住宅供給の目的が異なりますが、住宅全体としては整合性を保っていく必要があります。借上住宅制度の実施にあたっては、家主との安定的契約の確保や所得制限のないことなどから、家賃の減額等の変更・見直しは容易ではない面もあります。今後、住宅施策のあり方を総合的に見直す中で、必要があれば改善するよう指導してまいります。  よろしくご理解のほどお願いいたします。  なお、教育にかかわる問題につきましては、教育長から答弁いたします。   〔教育長(中村勝弘君)登壇〕 ○教育長(中村勝弘君) ただいまの自民党議員団を代表しての岸田東三議員のご質問に順次お答えいたします。  最初に、行政改革への取り組みについてのご質問のうち、教育現場における人員の削減についてのお尋ねであります。  学校現業職員につきましては、その適正配置を図るため検討してまいりました。平成九年度からは、学童擁護職に再雇用非常勤職員を配置しております。業務委託化については、職員の年齢構成を踏まえ、再雇用非常勤職員の活用とあわせて検討してまいります。また、給食調理職については、調理食数をもとに定数配分を行うなど、適正な執行に努めております。今後とも、より効率的な執行体制の実現を目指し、関係職員等の理解と協力のもとに、効果的な行政サービスを提供してまいりたいと考えております。  次に、少子化対策についてのご質問のうち、公立幼稚園における預かり保育・延長保育の実施についてのお尋ねであります。  近年、幼児を取り巻く環境は、少子化や家庭・地域での教育力の低下など、大きく変化しています。また、区民からは、幼児教育についてさまざまな施策が求められております。こうした状況を踏まえながら、教育委員会では、区立幼稚園の教育環境をより良いものにするため、区立幼稚園配置計画の基本方針を策定しました。この基本方針の中で、幼児教育に関する新たな施策や幼稚園教育の充実策の一つとして預かり保育・延長保育についても検討していくことにしております。保育園との役割分担の明確化や施設及び勤務体制等の条件整備が必要でありますので、これらの点についても検討してまいります。  次に、学校現場におけるシルバー人材センターの活用についてのお尋ねであります。  シルバー人材センターに所属する高齢者の指導力、調整力等を生かし、また、長年培ってきた人生経験及び知識・技能を活用することは、区民サービスの向上を図る上で重要であると認識しております。再雇用非常勤職員について、学童擁護職は、平成九年度から実施し、学校警備職についても退職者の動向を踏まえながら、平成十二年度から導入を図ることとしております。教育現場におけるシルバー人材センターへの活用方途につきましては、今後とも、学童擁護職や警備職の再雇用非常勤職員の配置状況を見極めながら、検討を深めていきたいと考えております。  最後に、エイズ教育についてのお尋ねであります。  エイズに関しては、ご指摘のとおり、薬害、偏見、差別等の問題があります。エイズの正しい理解と予防、エイズに対する偏見や差別の払拭、エイズ患者とともに生きる共生等の課題の解決にあたっては、学校教育の役割の重要性を強く認識しております。教育委員会では、小・中学校の教師を対象に「性教育の手引」を配布し、各学校において、児童・生徒の発達段階に応じた指導が行われています。  小学校においては、人間の性について学ぶ過程を通し、エイズ予防のために正しい知識を理解するとともに、偏見や差別をなくすことを中心に指導が進められています。中学校においては、正しい知識による予防法の理解やエイズ患者との共生の大切さを目指した指導を行っています。今年は、世界人権宣言五十周年にもあたります。改めて人権尊重の精神に基づき、家庭・学校及び関係諸機関との連携のもとに、エイズ教育を推進し、偏見や差別のない、また正しい理解に基づき適切な行動ができる子どもの育成に努めてまいります。  よろしくご理解のほどお願いいたします。 ○議長(真下政義君) 二十五番西山信男君。   〔二十五番(西山信男君)登壇、拍手〕 ○二十五番(西山信男君) 平成十年第四回定例会にあたり、港区民クラブを代表いたしまして、当面の重要課題等について質問いたします。区長の明快なるご答弁をお願いいたします。  今臨時国会では、紆余曲折はあったものの、現在の日本経済の足を引っ張っている不良債権の抜本処理、金融システムの強化を図るための金融再生関連八法や金融健全化法案等が相次いで成立いたしました。現在、我が国が抱える重要課題に対する一つの処方箋がまとまったと言えます。  しかしながら、これは日本経済再生のための入り口に立っただけにすぎず、本格的な景気回復までにはまだまだ時間がかかることが予想されます。失業率が依然として四%を上回り、中小企業はもとより、大手企業も軒並み倒産の危機に立たされている状態にあります。  地方自治体に目を向ければ、不況による税収の落ち込みがその屋台骨を大きく揺るがし始めています。また、国が公共事業の追加や大型減税により景気浮揚を目指せば目指すほど、地方自治体の財政運営が圧迫されるという皮肉な状況も生じつつあります。こうした中で、港区においては、これまで「いきいき計画」や「財政構造改革指針」を軸としながら、さまざまな創意工夫を凝らし、区政の行財政改革を精力的に進めております。しかし、現下の情勢は、そうした努力をさらに上回るスピードで大きく変化しているのではないでしょうか。これまで我々が当たり前のものとして認識していたさまざまなシステムが疲労し、あるいは覆され、現在の情勢に適合できなくなりつつあります。  間近に迫った二十一世紀に向けて、都区制度改革の実現、介護保険制度の導入、さらにはもっと大きな地方分権の推進と、これまで経験したことのない世界へと踏み込んでいかなければなりません。まさに区政の変革の時代の到来で、こうした時代を乗り切り、真に区民サービスの向上を図っていくためには、財政が厳しいなりにも他にはない知恵を出し合い、人一倍汗をかいていくという姿勢が大切になるのではないかと思います。  さて、最初の質問は、財政運営についてお伺いいたします。  現在、長引く不況や金融機関の貸し渋りにより、中小企業の経営難、リストラによる中高年労働者の解雇など、未来に対して明るい話どころか、不安しか感じられないと言っても過言ではありません。このような状況の中にあって、都区制度改革は、区民が長年にわたり待望していた、明るい未来につながる話となります。我が会派では、これまで、制度改革の問題を折に触れて取り上げてまいりました。とりわけ税財政制度に関しては、本年の第二回定例会におきまして詳しく取り上げ、納付金制度について伺いました。  そこで今回は、財政問題として、第一に、総額補てん主義の廃止についてお伺いいたします。  二〇〇〇年の四月から実施されることに決まった都区制度改革では、税財政について、大きく三点にわたる改正が実施されます。すなわち、(十)区税としての財源の保障、(十一)納付金制度の廃止、(十二)総額補てん主義の廃止であります。これらの改正は、いずれも区の財政自主権を強化する観点から実施されるものであります。  都区財政調整制度では、事務事業を実施するのに必要な額を基準財政需要額として算定し、一方、区税等による収入を基準財政収入額として算定します。この基準財政需要額と基準財政収入額との差が二十三区への交付金となり、現在は、調整三税と呼ばれている市町村民税法人分、固定資産税、特別土地保有税の四四%を財源としています。  しかし、基準財政収入額の減少等により、調整三税の四四%だけでは財源として不足する場合には、都が一般会計の中から財源を捻出することになります。この調整三税以外からの財源の補てんを総額補てん主義と呼びますが、都区制度改革により、これが廃止されることになります。総額補てん主義の廃止により、ある意味では財源の担保がなくなるわけですから、区としては不安定な財政運営を強いられることにもなると思われます。区長としては、総額補てん主義の廃止をどのように受けとめているのか、また、今後の財政運営にどのような影響が出てくるのか、あわせてご見解を伺います。  第二点目は、平成十年度予算の歳入見込みについてであります。  バブル崩壊の傷痕はいまだに色濃く残っており、その傷はますます深くなっている感があります。政府がこれまで実施してきた景気対策も、景気を回復させる効果はなく、最近の大手金融機関の相次ぐ破綻は、昭和恐慌以来の平成恐慌を発生させるとの声さえ上がっております。  この間、国の財政赤字は雪だるま式に膨れ上がり、この影響を受け、地方自治体でも財政状況が著しく悪化してきております。とりわけ今年度の歳入不足は深刻であり、東京都や神奈川県、大阪府で相次ぎ緊急事態宣言が出されるなど、多くの自治体で財政赤字が必至の状況となっております。財源不足は、減税補てん債で補うことになりますが、多額の起債は、将来を担う子どもたちに負担を回すことになりますので、極力回避すべきものと考えます。我が区の場合、十年度においては、特別減税による影響が十億円以上にも達すると聞き及んでおります。そこで、当初見込んでいる歳入を確保できるのかどうか、とりわけ起債による財源の穴埋めが必要なのかどうか。現時点における見込みを区長にお伺いいたします。  次に、基本計画についてであります。  先日、港区基本計画「素案」を手にいたしました。全体的な印象としては、これまでの計画を踏まえながらも、例えば、第三回定例会で我が会派が指摘した、これからの公共施設の適正配置にも言及するなど、新しい世紀に向けた創意工夫も随所に見られ、努力の跡がうかがわれます。個別の施策の内容については、常任委員会等で議論されるものと思い、この場では、今後、基本計画を実施していく上での基盤となる「実現のために」の中で、とりわけ行財政執行体制や区民との連携・協働関係のあり方について、何点かにわたり質問いたします。  まず、行政改革にかかわる部分についてであります。素案では、活力ある簡素で効率的な行政運営の実現に向けた、これまでの行政改革の取り組みについて、るる述べられています。確かに「みんなといきいき区政推進計画」に基づき、事務事業の総点検、組織機構改革、職員定数の適正化等、具体的な数値目標を掲げながら、着実に進められていることは評価しております。  しかしながら、現下の社会経済情勢、とりわけ長引く景気低迷により、庶民生活にははかり知れない影響が生じています。最近、街中を歩くと、中小企業や個人商店の皆さんから「将来の見通しも立たず、毎日血のにじむような苦労をしている」、切なる訴えが途切れることがありません。このような中で、例えば、現行の十八年度までに定数削減四百人という目標が本当にぎりぎりなのでしょうか。民間では、必死の思いでリストラに取り組んでいるのであります。  現在、区においては、「第二次いきいき計画」の策定に取り組まれているようですが、今後の行政改革を実りあるものとするために、これまで以上に区民の理解と協力も不可欠となります。その前提として、徹底した内部努力が求められているものと思います。そこで、内部努力の中でも重要な職員定数の削減について、現行計画の四百人削減を見直す考えがあるのかどうか、区長の見解をお伺いいたします。  さて、行政改革と言ったとき、定数削減や経費削減といったものばかりではありません。量的な面での縮小均衡的な発想だけでなく、区民ニーズを反映した質の向上をどのように図るかと、そういう点が重要になると考えます。いかにして的確に区民ニーズを把握し、適時・適切に区政へ反映させるかということは、視点を変えれば、地域住民と一体となった協働体制をどのように構築するか、築くかということにもつながるのではないでしょうか。まさに地方分権時代における住民と自治体のあり方そのものが問われているのであります。そこで、素案においても触れられているところですが、政策形成等への住民参加の基盤となる、現在の情報提供のあり方についてお伺いいたします。  最近でこそ計画等の策定にあたり、その中間の段階で区民等が意見を表明できる機会が増えてきました。しかし、区民にとって自ら区政を考え、具体的な意見を述べるために必要な情報を十分に入手できているのでしょうか。確かに情報公開制度は定着してきましたが、対象となる文書は過去のものであり、非開示事項等の制度上の制約もあります。また、広報の現状を見ると、既に決まった事業等に関する「お知らせ情報」であり、区政の現状や問題点、争点や対策等がわかる「考える材料としての情報」の提供という点では、必ずしも十分でないのが現状であります。これでは、幾ら区民参加のシステムの確立を標榜し、その場を設けても、区民が主体的に判断できる状況にあるとは言えません。  今後、自立した基礎的自治体として、区民と協働して区政運営を図ろうとするならば、これまで以上に生きた情報を積極的に提供することであります。このことが、まさに行政としての説明責任を果たすことであり、結果的には、区政と区民のパートナーシップが育まれることになると思います。このような視点から、任意の情報提供のあり方も含めて、広い意味での情報公開のあり方やその手法を総点検し、区民に対する情報提供の新たな仕組みの確立を図るべきと考えますが、区長はどのようにお考えでしょうか、お伺いします。  区民の中にはさまざまな分野の専門家やその道に造詣が深い方も大勢いらっしゃいます。そのような方々の貴重な経験・知識に基づいた知恵やアイデアを引き出し、区政に活用していくという点でも、ぜひとも前向きな対応を要望します。  次に、区民との協働体制を構築するための基盤づくりの一つとして、施策の検証・評価という点からお伺いいたします。  現在、施策の進め方を見ますと、一度動き出した事業等について、その効果や効率性等を定期的に検証・評価する後追い調査が不十分ではないかと考えています。つまり、施策の進捗状況はもとより、施策の成果や必要性、目標達成度、満足度等についてしっかりと定点観測し、これを施策の見直しに反映させていくという仕組みが欠けているのではないでしょうか。この点については、素案でも新たな行財政システムとして、事務事業の評価方法の構築の必要性に言及しておりますが、実施するかどうかは明らかではありません。他の自治体を見ると、話題になった北海道の「時のアセス」、三重県の「事務事業評価制度」等、より客観的な評価手法を工夫し、その結果を住民に積極的に公表していくという自治体における行政評価制度の導入が確実に広がりつつあります。こうした評価制度も参考にしながら、早期に港区にふさわしい行政評価の仕組みづくりが必要と考えます。現時点での区長の考え方をお伺いいたします。  次に、外部監査制度について伺います。  昨年の地方自治法の改正により、自治体における新たな監査の仕組みとして外部監査制度の導入が可能となりました。これは、ご承知のとおり、公認会計士等の外部の専門家を活用した監査制度であり、現行制度との二本立てにより、より一層の監査機能の強化を目指したものであります。私は、こうした制度について、以前から関心があり、非常に意義があるものと考えております。素案でも、外部監査制度の導入について触れられている点は、時宜を得たものと認識しています。  さて、近年、民間手法の積極的な導入という視点から、財団や第三セクター等のいわゆる外郭団体の活用が図られていますが、一方で、その経営の行き詰まりが強く懸念されております。外郭団体の経営の悪化は、母体である自治体に必ずはね返ってきます。企業会計の世界では広く連結決算の方式が導入され、親会社と子会社との、一体とした連結財務諸表により経営チェックを行い、その健全性や透明性を確保しようとしている時代であります。  港区においてもキスポート財団や都市整備公社等の外郭団体があります。外郭団体については、自治体の直営方式では制約があり、柔軟な対応ができない。直営方式が効率的・効果的でない場合等に、その運営の柔軟性等に着目して活用するメリットがあると思います。  その一方で、制約が少ないゆえに、一つ間違えれば大きなリスクを背負ってしまうことがあるわけであります。こうした団体の経営状況については、単なる数字のつじつま合わせではなく、自らの健康カルテとしてもっと経営的な視点からのチェック体制を整備すべきであります。この点で外部監査制度は、自治体本体の監査もさることながら、外郭団体の経営強化にも役立つ手法だと考えております。これは、外郭団体だから利益を出せとか、赤字を出すなということを言っているのではありません。まさに最少の経費で最大の効果が生まれているかを見極めていく健全さのチェックだと思うのであります。そこで、この外部監査制度の導入、とりわけ外郭団体への活用について、区長はどのような基本的考え方をお持ちなのか。また、いつごろを目途に制度導入を図っていくのかお聞かせいただきたいと思います。  次に、港区政を支える人材づくりについて伺います。  さらなる行財政改革の推進、区民とのパートナーシップの醸成等、地方分権社会の到来を目の前にして、基礎的自治体としてやられなければならないことは山積しております。このような中で、課題解決を図るための推進役となるのが職員一人ひとりであり、その力量によるところが大きいと思います。よく「組織は人なり」と言います。職員は、区政の第一線で仕事をし、区民感覚を最も肌で感じとることができる存在であり、常にアンテナを高く張りめぐらせ、課題を発見し、その解決に向けて果敢に取り組んでいくことができる職員、すなわち、人材が求められているのであります。特別区の場合、二十三区の共通性から、人事・給与制度について、区独自では見直しにくい制約があることは承知していますが、そうした中でも、職員の意欲や能力を引き出す工夫は考えられるのではないでしょうか。  従来の日本型雇用システムに疑問符が投げられ、民間企業では、急速に能力主義型の人事・給与システムに移行しております。年功的な仕組みをすべて否定するわけではありませんが、こうした流れは、この厳しい時代背景の中では必要なことだと痛感しております。職員一人ひとりの能力や適性をしっかりと見極め、それらに応じた適切な処遇や適正な配置がポイントだと思います。また、職員の中には、貴重な意見や斬新なアイデアを持っている方も多くいるはずであり、その意見等を適時・適切に区政に反映できるような仕組みがあれば、自然と職場の活性化にもつながるものであります。こうした一生懸命頑張っている職員が少しでも報われるよう、このような仕組み、良い意味でお互いに刺激し合えるような仕組みを工夫していくことが肝要だと考えます。  素案においても、人材育成に向けた全庁的な取り組みの必要性について示されているところですが、職員の意欲や能力をいかに引き出していくかは、まさに区長の腕の見せどころであります。区長の元気なのは結構ですが、区長一人だけが元気なだけでは、決して強固な組織とはなりません。こうした観点から、今後、人材育成や職員・職場の活性化に向けて、具体的にどのような施策を講じていくのかお伺いいたします。  次に、港区地域保健福祉計画について伺います。  現在、社会福祉を取り巻く情勢は大きく変化しております。本年六月に中央社会福祉審議会が発表した「社会福祉基礎構造改革について(中間のまとめ)」では、介護保険法やNPO法の成立、規制緩和の推進などを踏まえ、戦後五十年間続いてきた社会福祉制度を抜本的に見直す必要性について言及しています。そこでは、自らの生活を自らの責任で営むことを基本としながら、サービス利用者と提供者との対等な関係の確立、サービスの質と効率性の向上、住民参加も踏まえた地域社会づくりや福祉文化の創造を指摘しております。  このような中で、地域保健福祉計画の見直しの眼目は、従前の保健計画と福祉計画を統合し、多様化・複雑化する保健福祉ニーズに的確に応えられるよう、これからの時代にふさわしいものへ再構築することだと思います。今回の改定版を見ますと、生涯を通じた健康づくりを軸に据えながら、保健・福祉・医療の連携の必要性を訴えている点、子育て施策の拡充や施策の評価の必要性など新たな要請を取り入れている点について、なるほどそのとおりと感じさせるところがあります。しかし、全体的には、現行計画にもある施策を並べ、「これもします、あれもします」的な印象を受けてしまいます。基本構想や基本計画を踏まえた上での個別計画ということですから、もう少し現行計画における現状や課題を分析し、施策の必要性や優先度を吟味するような視点があっても良いのではないでしょうか。  改定版の作成にあたり、これまでに区民から意見を聞く場を設ける等の工夫もされたと聞いております。その労を多としながらも、「なぜ必要なのか」という視点が区民にもわかりやすく伝わり、理解が得られるような工夫が求められているものと思います。そこで、個別の施策の是非については、今後、議論されることになると思いますので、この場では、現行計画における現状や課題をどのように認識されているのか。また、改定計画が目指している基本的な方向性や考え方について、改めて区長の考えをお伺いいたします。  次に、街づくりについてお伺いいたします。  現在、区内では、新橋地域や芝浦・港南地域をはじめとして、土地利用を大きく転換する街づくりが進められております。新橋地域を例にとれば、汐留地区の開発や環状二号線の整備等、街づくりの中心的な役割を果たす事業が計画され、現在関連する都市計画も決定段階にあると伺っております。汐留地区の開発では、大手企業の本社ビル建設が予定されており、都心に残された最後の一等地と言われてきた汐留地区の将来像がいよいよ具体化されようとしています。地区内には約二千戸の住宅が建設されるなど、これまでにない全く新しい街が出現するわけで、汐留地区が港区の新たな顔の一つになることは間違いないと考えております。  また、環状二号線につきましては、当初計画では地域を分断するおそれが強く、私も危惧しておりましたが、新たに立体道路制度を活用して本線を地中化し、居住性を確保しつつ街づくりを進めるということであります。都市計画決定以来、半世紀が経過しており、高齢化した地域住民の方々が、今、力を合わせて街づくりに取り組んでいると聞いております。このように汐留地域や環状二号線地域では、着実に街づくりが進められている中、私として心配な点を申しますと、開発に関係しないこれら以外の地域では、震災復興の土地区画整理事業による街割りが依然として残り、整然とはしておりますが、幅員の狭い道路で低層の老朽化した建物が密集して建てられているところがほとんどであり、また、バブル期の地上げ等の傷痕が至るところに残っており、このため、六〇〇%、七〇〇%と高い容積率があっても十分に活用することができず、土地利用の更新が遅れており、地域の活力の衰退が続いております。このままでは、今後整備される汐留地区や環状二号線地区との格差がますます広がり、地域の地盤沈下に一層拍車がかかるのではないかと地元の不安は日々募るばかりであります。  私は、このような地域において、街づくりを通して地域の活性化を図り、地域の方々の不安を一日も早く解消していく必要があると考えております。地域の街づくりをリードしていくべき立場として、区の基本的な考え方をお聞かせいただきたいと思います。  以上、何点かにわたりお伺いしましたが、二十一世紀を目前にしまして、だれもが将来に夢を持ち続けられるような区政の実現を切望して、質問を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。   〔区長(菅谷眞一君)登壇〕 ○区長(菅谷眞一君) ただいまの港区民クラブを代表しての西山信男議員のご質問に順次お答えいたします。  最初に、財政運営についてのお尋ねであります。  まず、総額補てん主義の廃止についてであります。総額補てん主義を廃止することは、東京都と特別区それぞれの財政責任を明確にし、特別区の財政運営の自主性・自立性を高めるためには必要なことであります。基本的には、特別区にとって必要な財源は、今後も確保されることになっており、総額補てん主義が廃止されても、直ちに区の財政運営に支障が生じることはないと考えております。しかし、これからは、より一層自立した財政運営が求められますので、安定的に歳入が確保できるよう、新たな財源対策等に積極的に取り組んでまいります。  次に、平成十年度の歳入見込みについてのお尋ねであります。  平成十年度は、特別区民税の特別減税が実施され、その影響額は十一億円余に達する見込みであります。しかし、減税の影響を上回る収入の増加が見込まれることから、平成十年度においては、当初予算で計上した歳入額を確保できる見込みであります。したがいまして、今年度は、いわゆる赤字債である減税補てん債を発行することなく財政運営を行なえるものと考えております。  次に、基本計画についてのお尋ねであります。  まず、職員定数配置計画の見直しについてであります。先ほどもお答えいたしましたように、私は、この間、本年度の組織機構改革に伴う職員定数適正化を含め、二年間において計画数を上回る定数削減を実施いたしました。しかし、ご指摘のとおり、今後の行政改革を実りあるものとし、新たな基本計画を着実に推進するためにも、私は、さらなる内部努力が必要であると考えております。十か年計画である職員定数配置計画の見直しについては、今後の都区制度改革や介護保険制度の実施に伴う行政需要の動向、社会経済情勢の変化等も踏まえ、総合的な視点から見直す必要があると考えております。  今後は、まず、当初の三か年計画の前倒しも含めた着実な定数削減に全力を挙げてまいります。さらに、平成十二年度を初年度とする、今後三か年の削減数を明らかにする中で、より一層の内部努力に努めてまいります。  次に、情報公開のあり方についてのお尋ねであります。  港区情報公開条例は、区民の知る権利の保障及び区政への参加などを目的として定めております。ご指摘のように、区民参加の実現のためには、生きた情報を積極的かつ迅速に提供することが必要であります。そのため、現在、インターネットによる情報提供や、区政情報の検索システムの導入などを計画しております。今後は、区民参加による区政の実現に向け、政策形成の過程での情報など、積極的な情報提供のあり方について検討してまいります。  次に、行政評価の仕組みづくりについてのお尋ねであります。  住民自治の理念に沿った区政運営の実現には、区民との協働関係の確立や区民の区政への参加が不可欠であります。そのため、区民への行政情報の積極的な提供や予算執行に対する説明責任の確保など、従来の発想を転換し、新たな視点で区政運営の改革を進める必要があります。ご提案の行政評価制度については、事務事業の目的や成果、目標の達成度などを検証し、事務事業を客観的に見直す手法として効果が期待できるものと考えております。したがいまして、今日までの行政改革への不断の取り組みで蓄積した情報を最大限活用し、港区にふさわしい行政評価の仕組みづくりについて、さまざまな角度から積極的に検討してまいります。  次に、外部監査制度の導入についてのお尋ねであります。  特別区は、外部監査制度の導入を義務づけられているものではありませんが、区としては、より一層区政の透明性を図り、公正にして効率的な区政運営を確保するため、改定基本計画素案において外部監査制度を導入することにしております。この外部監査は、監査委員監査と並行して実施されることや監査事務局の活用、諸規定の整備等監査委員と協議・調整する事項が多数あります。また、政令指定都市等の実施状況の調査や費用対効果の検証が必要でもあります。したがいまして、今後、監査委員と十分協議し、財政援助団体への監査や導入時期等を検討してまいります。  次に、人材育成と職場の活性化についてのお尋ねであります。  私は、これまでも研修等を通じ、職員の育成、能力開発に積極的に努めてまいりました。また、現在、職場の活性化と区民サービスの向上を図るための方策について、ジャンプアップ委員会を設置し、若手職員を中心に幅広く検討を進めております。さらに、分権時代を担うにふさわしい人材の育成を総合的、効果的に推進するため、「港区人材育成基本方針」の策定を進めております。策定にあたっては、職員の能力開発を図るために研修を充実することはもとより、人を育てるという視点に立った仕事の進め方や職場環境づくりが重要となります。また、職員の意欲や能力を引き出す人事管理のあり方など、できる限り具体的かつ実効性のある内容となるよう検討しております。今後とも、あらゆる機会を通じ、時代の変化に対応できる能力と意欲にあふれる人材の育成と、いきいきとした職場づくりのため、取り組んでまいります。  次に、地域保健福祉計画についてのお尋ねであります。  少子高齢化が進む中で、保健と福祉施策分野の連携が強く求められております。今回の改定の目的は、保健と福祉部門の組織統合にあわせ、地域福祉計画と地域保健医療計画を一つにまとめ、保健と福祉施策の連携をよりわかりやすくし、区民サービスの向上を図るものであります。私は、本計画の方向性を「生涯を通じた健康づくりの推進」、「少子高齢化に対応した、分かりやすい施策の体系化」、さらに「住民参加と協働による地域社会づくりの推進」と、とらえております。  なお、介護保険制度などの動向によっては見直しをしてまいります。
     最後に、新橋地区の街づくりと地域の活性化についてのお尋ねであります。  新橋地区では、汐留開発や環状二号線の整備など、大規模な土地利用の転換が進んでおります。特に環状二号線は多くの地権者が高齢化しており、一日も早い事業着手が求められております。区も、環状二号線地区のより良い街づくりと、関係地権者の生活再建を進めるための街づくりに取り組んでまいりました。  しかしながら、その周辺地域、特に新橋駅西側地区では道路などの基盤整備が遅れ、土地利用の更新が進まず、地域の活力低下が心配されております。区としては、既存商店街の活性化等、地域に根ざした街づくりを進めることが何よりも重要であると考えております。区を取り巻く状況は、財政難など大変厳しいものがありますが、今後、さまざまな手法を検討する中で、地域の皆様と力を合わせ、新橋地域全体の活性化に向けた街づくりに取り組んでまいります。  よろしくご理解のほどお願いいたします。 ○議長(真下政義君) 議事の運営上、暫時休憩いたします。                                       午後二時四十三分休憩                                         午後三時五分再開 ○副議長(佐々木義信君) 休憩前に引き続き、会議を再開いたします。  一般質問を続けます。二十二番沖島えみ子君。   〔二十二番(沖島えみ子君)登壇、拍手〕 ○二十二番(沖島えみ子君) 一九九八年第四回定例会にあたり、私は、日本共産党港区議員団を代表して、区長並びに教育長に質問いたします。  まず、最初の質問は、「みんなといきいき区政推進計画」、「財政構造改革指針」、「公共施設見直し方針」に関連しての質問です。  一九九六年に発表された「みんなといきいき区政推進計画」は、一体「誰のためのいきいき計画なのか」と区民からは疑問の声が上がり、「もう黙ってはいられない」と区内全域で反撃の運動が展開されています。学校プール開放を存続する運動、福祉会館の講師料の削減に反対する運動、幼稚園の統廃合問題、伊豆健康学園の存続を求める運動等々、議会をも大きく動かす内容となっています。区は、「未曾有の財政危機」と言っていますが、区民税収入はバブル期に比べれば減少していますが、年間約三百三十億余円とバブル前に戻っただけです。積立金も年間の特別区民税に匹敵するくらいのものがあるわけですから、「未曾有の財政危機」は偽りです。豪華区有施設や麻布十番公共駐車場のような浪費型公共事業や大企業優遇の再開発事業の補助金をこのまま続けていけば、財政危機も起こり得るでしょう。  日本共産党港地区委員会が行ったアンケート調査では、「本当に必要な開発なのか。住民と十分な同意を得てからにしてほしい。企業との癒着があるのではないか」、「結局税金のむだ遣い。自然破壊をもたらすのではないか。再検討を」と大企業優遇の再開発を見直すべきとの声が届いています。森ビルが中心に進めたアークヒルズ再開発では、二十四億円の補助金を投入し、でき上がったものは巨大ビルとホテル、高級マンション。開発前には千五百人いた住民が百人に減ってしまいました。一九七三年には二十二万人であった区民は、一九九八年には十五万人と七万人も減少しています。住民を追い出し、巨大ビルで環境を破壊し、地価高騰をつくり出しているのが大企業の再開発です。区は、福祉や教育をばっさり削り、大企業優遇の再開発への補助金は聖域扱い。こうしたやり方は改めるべきです。区民を追い出すような大企業優遇の再開発事業は抜本的に見直しを図り、そこに使う税金を区民の暮らしや福祉、教育の予算に回すべきです。答弁を求めます。  次に、「いきいき計画」で削減された高齢者のホームヘルパー派遣事業に関連しての質問です。  森ビルなど大企業への再開発の補助金をつくり出すために、福祉や暮らしの予算を削っているのが港区政です。寝たきり高齢者の見舞金を削ったり、地域への学校プールの開放日数を削ったり、在宅介護者の休養事業、消防団の親善事業を削ったりと、削減の範囲は教育、福祉などあらゆる分野に及んでいます。中でも二〇〇〇年四月の介護保険の実施を前に、昨年から高齢者などのホームヘルパー派遣が削減されています。  昨年の七月二十五日、厚生省から各都道府県担当者あてに通達が出され、ホームヘルプサービス事業の補助金が人件費補助方式から事業費補助方式に変わりました。その結果、ヘルパーの援助内容及び所要時間を定めた個別援助計画の作成が必要となりました。個別援助計画作成のために、ホームヘルパーの派遣を受けておられる人たちの訪問調査が行われました。ひとり暮らしの高齢者が訪問を受け、「区もお金がなくなったからと、ヘルパーさんに来ていただく時間を減らす」と言われた。「来月からヘルパーさんに来ていただく時間を三分の一に減らしますと言われました。どうしていいかわかりません」と。  昨年の訪問調査の結果では、対象世帯六百五十三世帯中、派遣時間及び回数が減少した世帯は二百八十三世帯で、四三・三%と全体の約半数近く、派遣時間増加世帯はわずかに六十九世帯、一〇・六%にすぎません。高齢者が地域の中で安心して自立した生活を営むことができるよう支援することがこの事業の目的である以上、充実こそすれ、削減するなどとんでもありません。対象が高齢者や障害者であるだけに許せません。人件費補助方式から事業費補助方式に変えた国に対し、もとに戻すよう求めるべきです。答弁を求めます。  港区として、高齢者のホームヘルパー派遣は高齢者の実態に合わせて派遣し、事業を充実させるべきです。答弁を求めます。  次に、公共施設見直し方針についてです。  九月二十四日に庁議決定された公共施設見直し方針は、第二次みんなといきいき区政推進計画策定方針の重点事項の一つとしては位置づけるとされています。見直し方針によれば、行政資源(財源、人的資源、公有財産等)を効率よく適正に配分し、公平・公正に最適なサービスを区民に提供していく役割を負っているとしています。しかし、どこを基準として公平・公正なのか、効率よくとは何を基準としているのかが不明です。しかも、「都心区港区の特性である昼間人口の動向、大規模開発に伴う施設需要等を十分踏まえつつ」との表現は、これからは区は公共施設をつくらず、民間の施設で補えという姿勢のあらわれです。  タックスタワーと酷評された東京都庁舎の建設単価より一・七倍以上もの高輪支所、赤坂支所のこうした豪華施設や、大平台の区民保養施設にあるような豪華な調度品を備えた施設を区民は望んではおりません。いつでもどこでも気軽に利用でき、しかも利用料は無料、あるいは安価で利用できる施設を望んでいるのです。  福祉会館の各種講師料を削減したり、区民センターの催しなども有料にしたり、区民が利用しにくい状態をつくっておいて、利用者が少ないからと既存の施設は廃止しますでは、余りにも区民をばかにした話ではないでしょうか。公共施設の配置計画を検討するのであれば、区民の施設要望で五年連続トップの特別養護老人ホーム建設こそ公共施設見直し方針に加えるべきです。公共施設見直しについての調査が庁内では既に行われました。庁内の意見は聞いても、区民の声は聞きませんでは筋の通らない話です。利用者初め区民の声を十分に聞き、その上に立った配置計画にすべきです。答弁を求めます。  次は、介護保険制度についての質問です。  「高齢の祖父が入院して、MRSA感染し、そのまま退院しました。その後、デイケア、デイサービス、入浴サービスも拒否されました。このように病院からも介護施設からも拒否された人たちはどうなるのでしょうか」。今年八月、区政モニターなど三百二十人を対象として行われた介護保険制度に関するアンケート調査に答えた三十代女性の声です。  二〇〇〇年四月実施予定の介護保険について、公的介護から大きくかけ離れるのではないか。果たして私たち国民の望んでいるサービスが受けられるのかどうか不安の声が広がっています。今までにも述べておりますが、日本共産党は、今年四月、二〇〇〇年四月実施までに解決しなければならない緊急措置を提案し、国民的な運動を呼びかけています。その内容は次の四点です。  第一は、保険料が払えないために制度から排除される事態をなくすことです。第二は、介護のための基盤整備の目標を新しい制度の導入にふさわしく引き上げることです。第三は、現行の福祉水準を後退させない措置をとることです。第四は、「要介護」の認定基準への疑問・不安を解消することです。  私たち日本共産党区議団は、介護保険問題を代表質問で取り上げるにあたり、区内四つの特別養護老人ホームを訪問し、施設関係者の意見を聞いてまいりました。その点を踏まえ、保険者である港区が最低限解決しなければならない問題点を質問してまいります。  まず最初の質問は、特別養護老人ホームとの関係についてです。介護保険が導入されると、特養ホームの入所者は、措置から個々人がサービスを受ける契約に変わります。現在区立の場合では、人件費などの港区加算が行われてきました。「白金の森」の例ですが、寮母さんと看護婦さんの合計で職員配置を見た場合、国基準では二十三人、東京都加算七人、港区加算七人で十四人の加算、合計三十七人の職員が配置されています。「福祉は人なり」と言われます。寮母さんなどの人数が多ければ、その分だけ介護を十分にしてあげることができます。逆に人が少なければ、手がかからない人を入所させるようになりますので、重度の人ははじかれるようになります。介護を必要としている人の要望に応えるためにも都加算、区加算は必要です。特養ホームにおける港区加算については当然ですが、都加算分については、引き続き実施するよう東京都に要求すべきです。また、実態に合わない配置基準を改めるよう国に求めるべきです。それぞれにつき答弁を求めます。  特養ホームでは、現在入所しているすべての人がそのまま入所できるとは限りません。なぜなら特養ホームに入所してからは、職員の献身的な努力やお互いに励まし合いながら、自らの努力で食事や排泄、衣類の着脱、身の回りのことがほとんど一人でできるようになる場合があるからです。東京都社会福祉協議会の調査では、特養入所者の一ないし二割が要支援に該当すると言われていますが、私たちの調べでも同様の結果となっています。  厚生省は十月二十九日、介護保険について都道府県などの全国担当課長会議を開きました。新聞では「特別養護老人ホームでは、現在の入所者と、自治体が認めながら空きがなく入所できない待機者について、介護の必要度を『精査』して絞り込むことを提起」と報道しています。介護保険実施から五年間の経過措置があると言っても、家を処分して特養ホームに入所してきている人もいます。家族との関係で戻るところもない人もいるわけです。帰る家や身寄りもない、この人たちを締め出すことは人道的にも到底できません。現在の特別養護老人ホーム入所者に対し、要支援等の状態になっても、家族環境、住宅事情などを考慮し、本人の希望があれば、そのまま入所できるよう国に要求すべきです。答弁を求めます。  先ほども触れましたが、職員配置を見た場合、入所定員九十人の区立「白金の森」の寮母さんと看護婦さんは計三十七人ですが、定員百人の社会福祉法人「麻布慶福苑」は三十四人となっています。入所している人たちへの必要な介護、重度の要介護者の入所を受け入れるという点でも、区立「白金の森」、区立「港南の郷」の事業主体は港区とすべきです。答弁を求めます。  第二は、「上乗せサービス」、「横だしサービス」についてです。家族の介護力や住宅環境なども考慮に入れ、その人に合った介護が必要です。そのために現在の保険の範囲以上の区独自の「上乗せサービス」が必要です。さらに現在区で行っている高齢者の会食サービス、緊急通報システム、福祉キャブ、紙おむつ支給等のいわゆる「横だしサービス」についても、現行のサービスを後退させないことです。区が責任を持つと同時に、そのための財政措置を国に求めるべきです。「上乗せサービス」、「横だしサービス」を実施し、サービスを後退させないことについて答弁を求めます。  第三に、訪問調査、認定審査会、苦情処理についてです。基本調査七十三項目と医療に関する十二項目、合計八十五のチェック項目をコンピューターにかけ一次判定が行われ、介護認定審査会で二次判定が行われます。港区でも百のモデル事業が実施中で、既に医師など五人で構成される認定審査会も数回にわたって開かれています。保健婦に同行して実態調査に立ち会った『毎日新聞』の記事を引用させていただきます。  A子さん(七十四歳)は、肺に持病があり、酸素吸入チューブを常時装着している。八十一歳の夫と二人暮らしだが、どちらも自立した生活は困難だ。中略。これまでのサービスは、重度の「要介護度5」に認定されてもホームヘルパーの派遣など今までどおりのサービスが維持できない。調査票がコンピューターにかけられた。麻痺があれば介護度は上がるが、A子さんは歩行について「可能」と答えていたため、結果は「再調査が必要」だった。  介護申請がされると、訪問調査員が自宅や施設を訪問します。とっさに答えることができずに間違って答えてしまうことがあります。その例が前に述べたとおりであり、痴呆の人でもふだんできなかったことがそのときだけはできるという状態もあり、実態を正しくつかむことができません。訪問調査でお年寄りが一人で対応した場合の問題点については、私も委員会でホームヘルパーの実態調査の例を挙げ、改善を要求してまいりました。介護保険の訪問調査においても、お年寄り一人だけの対応ではなく、家族や知人立ち会いの上で調査を行うべきです。答弁を求めます。  港区の認定審査会にかけられる件数は、介護保険制度検討委員会の資料によれば、年間八千件、一ヵ月六百七十件です。審査会の開催日は月二十回、一日当たり三十ないし四十件の審査を行わなければなりません。審査会のメンバーは本業を持っておりますので、審査会は夜間、開催せざるを得ないわけですから、これで十分な審査ができるのかと心配です。認定にあたっては、身体的な面だけでなく、家族、住宅、経済状況など、高齢者の置かれている生活実態を総合的に判断できる体制をとるべきです。さらに「介護認定審査会」の判定に不服があった場合の苦情・相談窓口が必要であり、その窓口を身近な自治体である港区に置くべきです。それぞれについて答弁を求めます。  第四に、介護保険事業計画策定等の到達状況を逐一、区民に知らせることについてです。高齢者実態等調査が六十五歳以上の区民三千人を対象に九月に行われました。今集計中で、この結果は十一月中旬にまとまるとのことですが、この調査結果を区民に知らせることです。要介護認定のモデル事業についても、訪問調査、認定結果についても区民に知らせること、介護保険制度検討委員会の検討状況も逐一、区民に知らせることです。こうした調査結果を区民に公表することにより、ホームヘルパーなどの基盤整備の現状と需要量が明らかになり、二〇〇〇年四月、介護保険導入までに港区や区民が何をしなければならないかが明らかとなってきます。政令は年内、省令は年度内に策定すると言われていますが、約三百項目に及ぶこれらの進行状況も区民に明らかにしなければなりません。介護保険導入までに解決しなければならない問題点を浮き彫りにし、区は区民と共にその解決に当たることが重要です。介護保険事業計画策定などの到達状況を逐一、区民に公表すべきです。答弁を求めます。  また、膨大な事務量が伴っているわけですから、職員の増員が必要です。答弁を求めます。  介護保険のいろいろな問題点が指摘され、具体的なことはこれから決めるというのが国の姿勢です。事前の作業も膨大なことから、地方自治体には介護保険の実施延期をなどの動きもあります。地方自治体に仕事だけは押しつけ、財源はよこさないという国の姿勢に対し、はっきりと物を言うことが必要です。具体的な運動を国に対して起こすことです。介護保険事業計画策定経費千二百六十万円、要介護認定等モデル事業費三百万円など介護保険準備のために千五百六十万円の予算を区は組んでおりますが、国は補助金を一円も支出しておりません。足りない特別養護老人ホームなど基盤整備充実のため、財政的補助を国に求めることです。  長期不況の影響などで国民健康保険料の滞納者は、一九九五年度は二〇・六五%、一九九六年度は二一・七六%、昨年度は一万四百五十世帯、二三・五%へと増加しています。また特別養護老人ホームでは現在では年金など収入に応じた費用負担ですが、入所者の六〇%が四万円未満、三〇%が一万円以下、一五%の人が無料となっています。また、ホームヘルプサービスの利用者は昨年度で千九十二人、そのうちの八百六十四人、七九%の人が無料であり、これらの人たちが保険料と利用料が払えなければサービスが受けられなくなるという事態も起きてしまいます。国民健康保険と同様、介護保険についても保険料と利用料の減免制度を設けるよう国に求めるべきです。区長会挙げての国への運動を展開すべきです。答弁を求めます。  次は中小企業振興策、主に融資について質問いたします。  「銀行には六十兆円もの支援、中小企業が大変だと言っても税金を投入してくれない。なぜ、銀行だけに甘いのか」、多くの中小業者の怒りの声です。十一月の経済企画庁の月例経済報告では、景気の現状を「低迷状態が長引き、極めて厳しい状況にある」としています。こうした事態は、区が行った中小企業改善融資「緊急特別枠融資」に中小業者が殺到したことでも明らかです。十月一日から実施された第二次募集では、千百三十一名が応募、斡旋枠の二百八十人以外の八百五十名は切り捨てられることになります。さらに、十一月二日からの第三次募集では、応募が先着順だったため、前日の夜八時から並んだ人を初め、受け付け開始を予定時間から三十分繰り上げるという事態になりました。今、年を越せるかどうかの瀬戸際ですから、小規模業者にとっては必死だったのです。十一月二十五日までの受付期間であったにもかかわらず、二日目にして斡旋枠の三百人に達したため、同日で打ち切らざるを得ない結果となりました。  十月一日から政府が中小企業などへの「貸し渋り対策」として打ち出した「中小企業金融安定化特別保証制度」の受け付けも十月一日から始まっています。この制度は中小企業者を対象に、地方自治体の窓口で認定を受け、取引先の金融機関などを通じて信用保証協会に申請するものです。五千万円までは第三者の保証人を必要としないことなどから、受付開始日から商工課の窓口には一日当たり二百五十ないし三百件もの申し込みがされ、対応する職員も体を休める暇もないくらいと聞いています。十一月十日までに総計五千九百四十七件にも上っています。ところが、銀行は、この制度を悪用し、債務が残っている業者にこの融資を受けさせ、残っている債務をこの融資分から差し引いて融資するというではありませんか。とんでもないことです。  具体的な質問に入ります。  第一に、中小業者の置かれている深刻な実態を踏まえ、「中小企業改善融資『緊急特別枠融資』」の第四次募集を年内早急に行うべきです。答弁を求めます。  第二に、金融機関の対応がどうなっているのか、「緊急特別枠融資」「中小企業金融安定化特別保証制度」など融資実態をつかむため、アルバイトも含め特別の体制を組み、アンケート活動など実態調査を行うべきです。答弁を求めます。  第三に、信用保証協会の保証料を区で負担することについてです。緊急特別枠融資で見た場合、借受人負担率が〇・四%と低率でも、保証料を負担しなければならない場合は、借受人の負担は倍以上にはね上がってしまいます。例えば五百万円を借りた場合、保証料を区が負担する場合では二万円で済みますが、保証料が個人負担の場合では、保証料率〇・八で四万円、利息と保証料で六万円にもなり、三倍にもなってしまいます。借受人の負担率を引き下げると同時に、保証料を区で負担することが中小業者の窮状を救うことになります。二十三区でも五区が全額補助、十区で一部補助を実施しております。港区でも保証料の全額補助を行うべきです。答弁を求めます。  第四に、小規模企業小口融資制度についてです。「代表者が港区民の小規模企業者で、他に融資を受けることが困難と思われる方」が利用できるのがこの制度です。実質的な直貸しであり、直貸しへの期待がいかに大きいかは、江戸川区の最近の例を見れば明らかなことです。しかし、港区での小規模企業小口融資制度の利用は、この十年間でわずかに一件。この問題での九月定例会での我が党の藤田議員への答弁は、「融資限度額、期間、借受人負担率については、現行の設定は適切なものと考えている。制度の活用については融資相談窓口で適宜案内し、説明している」とまるでこの融資を利用しない人が悪いんですと言わんばかりの内容です。なぜ実績が少ないのかを考え、必要な手だてを打とうとしない区の姿勢に怒りを感じます。  小規模企業小口融資制度の1)融資限度額の引き上げや、2)借受人負担率の引き下げ、3)返済期間の延長、4)活用策についての積極的なPRを行うべきです。答弁を求めます。  最後に、中小企業経営安定対策連絡会議について質問いたします。  墨田区では緊急経済対策を決め、区内中小企業の経営安定化対策、公共事業の発注促進を具体化しています。十一月十日の『東京新聞』では、この不況を打開するのに中小企業の力だけではどうにもならないと、墨田区は幹部職員七十七人全員で製造業を中心に区内企業をPRし、企業五百社を訪問し、受注開拓支援に乗り出したとの報道です。港区との不況対策の大きな違いは、中小企業が仕事がないと困っていれば、緊急対策を立て、現場に幹部を先頭に出かけるなど積極的な対応を行っていることです。  戦後最悪と言われる不況時です。そのための対策会議は年一回では余りにも少な過ぎます。至急、中小企業経営安定対策連絡会議を開き、融資に関すること、官公需の仕事を中小企業へ回すなど仕事の確保策などの具体化を図るべきです。答弁を求めます。  中小企業問題について、共産党議員団は第二回定例会、第三回定例会でも本会議で取り上げてきたところです。深刻な事態を踏まえ、前向きに答弁されることを望みます。大きな項目については五点、第四の質問については、細部の四点についてもそれぞれに答弁を求めます。  次に、伊豆健康学園についてお伺いいたします。  伊豆健康学園の必要性については、既に本年第一回定例会の日本共産党の代表質問でも明らかにしているところです。伊豆健康学園検討会の審議が最終段階に来ておりますので、改めて教育長に質問いたします。  喘息、肥満、虚弱、偏食などの悩みを抱えている子どもたちやその親に大きな励ましを与え、多くの子どもたちが自信と希望を持って伊豆健康学園を巣立っています。伊豆健を巣立った人や保護者の声です。「一人ひとりが主役になれた」、「心身共に成長していく上でなくてはならないところでした」、「わからない算数が少しずつわかるようになった。もっと勉強しようと思うきっかけになった」と子どもたち。「伊豆健ならではの教育、自然環境、健康な体づくりは他の学校ではできません。港区が都心にあって得られないものが、伊豆だからこそ体験できます。少人数だからできる事もあります。学校でのよい環境とマラソンと毎日の運動で体力をつけることができました」、「こんな自然に恵まれたところが港区の教育環境の中で確保されているという事実がすばらしい」と保護者の人たち。  このようなすばらしい学園でありながら、教育委員会は児童数が少ないからと、「平成十年度中に廃止を含め、管理運営の検討を行い、平成十一年度に向けて見直す」としています。児童数が減少したからと、教育委員会自らの責任を放棄していいのでしょうか。まず第一に、学園のPRの問題です。本年七月に小学校二年生から五年生までの児童三千六百六十七人の保護者を対象に伊豆健康学園についてのアンケート調査が行われています。回収数二千七百六枚、回収率は七三・八%とかなり高率です。この調査の中で「健康学園の入園を考えたことがありますか」の問いに、「学園を見学したい」、「話を聞きたい」、「学園の資料が欲しい」と四十二名の親が伊豆健康学園に積極的に関心を示しています。  一方、「伊豆健康学園はどんな学園か知っていますか」との問いに、二年生では四二・六%、二年生から五年生まで全体を通じても一〇・九%の人が「知らない」と答えています。「各学校の校長先生や教育委員の人たちにも学園で学ぶ子どもたちの姿を見てほしい」、「バス見学会を復活してほしい」、「児童数が減少したのはだれの責任か」、「もっと学園のPRを積極的に行ってほしい」という声が検討会の中で出されています。現在の在園児数は十九名です。学園のPRを小学校の教職員や父母などに広く行えば、アトピーや喘息、肥満などで悩むもっと多くの子どもたちがこの学園で学ぶことになるでしょう。学園の見直しなど不要だったに違いありません。  昨年まで伊豆健康学園バス見学会が行われていました。七年度、八年度は教職員向け一回、児童、保護者向け二回、計三回の実施。参加者は日帰りで二十人程度、七年度の一泊のときには五十三人もの人が参加しております。ところが九年度は、教職員向けを廃止し、児童、保護者向け二回。驚くことに今年度はバス見学会そのものを廃止しようとしていました。伊豆健康学園の存続を求める会や検討会委員の人たちの強い希望で十二月十二日にはバス見学会を急遽実施することになりましたが、教育委員会の健康学園への考え方は中央区とは大きく違っています。中央区では港区とは逆に、健康学園の体験入園の回数を今年度より二回に増やしています。バス見学会を今年度一回だけとはせず、一泊の体験入園を含め、引き続いて実施することです。答弁を求めます。  また、伊豆健康学園でポスターを作成し、各小学校に掲示するとのことですが、小学校だけではなく、児童館、福祉会館など多くの人の目に触れるところに掲示すべきです。そうすれば学園のすばらしさに触れることができます。ポスターを小学校だけではなく、中学校や児童館、福祉会館、区の掲示板などにも掲示すべきです。答弁を求めます。  次に、少し長くなりますが、第一回検討会の議事録から学園の先生の言葉を引用させていただきます。要旨です。「着任二ヵ月ですが、自然の中に育っているという感じです。自然に対し、心が非常に敏感になり、人間関係が緩やかになってきた。心情面で非常に変化してきた。肉体面でも、ある部分のアトピーが強い子で、それが二日間で半分になり、一週間目から非常に穏やかな状態になった。体重が非常に重い子どもが自分で食事の量を意識して、自分のすべての生活を自分で意識するようになった。体重だけで二ヵ月で七キロ減った。継続して入っている子どもも新入生と穏やかに接することができるようになった。非常に丁寧に寮の規則を教えられ、二学年交流も非常にできるようになった」。  また、ある先生は「少人数でやる教育について、例えば学芸会で四十人学級の中にいたら、その子どもは多分、主人公になれるという場面が少ないだろう。病虚弱の子どもたちの一つの姿です。しかし、少人数だからこそ、一人の子どもが主人公になれる。一人の子どもにとって主人公であり得た経験は、その子どもをどれだけ育てているだろうかと、あのときの子どもの感激した顔を見ただけで、私は一つの教育の大きな場が存在していると思う。中略。子どもはほうっておかれたいときもある。引きこもっていたいときもある。ところが、大人の目がたくさんあるために過保護になる。この問題は少人数教育の最大のデメリットだ。しかし、そのデメリットに際し何をすべきか。健康学園では研修会を持った。その中であまりかかわり過ぎるべきではない。子どもの成長にすべてかかわろうとするのは、もしかして傲慢ではないか。ほうっておかれたいときはほうってあげるべきだ。児童指導、保母の免許を持っている人たちが教員と同じように勉強した。その中で保母たち一人ひとりが子どもたちとのかかわり方の質を確実に変えていったし、子どもが一人でいたいときに一人でいられる時間を用意してあげることが正しいことだとわかってきてくれた。少人数教育のデメリットは確かにある。ただ、デメリットだけ見ていたら何も生まれてこない。デメリットはデメリットを見つめながら、その中でしかできない良さをどれだけ発揮できるのか。教師としての教育に携わる人間のプロであるかどうかの瀬戸際の問題だ。その問題で伊豆健康学園は確実なことをやり、実践している」と。自信に満ちた教育者としての発言ではありませんか。  教育基本法第二条では、「教育の目的は、あらゆる機会に、あらゆる場所において実現されなければならない。」としています。「区として財政的に非常に苦しくなってきているから」と第一回検討会で教育委員会次長は発言されています。二十一世紀を担う子どもの教育に経済効率など持ち込むべきではありません。あくまでも次代を担う世代を長い目で見る教育を優先させ、伊豆健康学園を存続させる立場で考えるべきです。  本年三月二十三日の『朝日新聞』の「天声人語」でこのすばらしい学校を残してほしいとの全国への訴えは、私の脳裏に焼きついております。さらに十月二十日の『ジャパンタイムス』には、伊豆健の子どもたちが一生懸命走っている運動会の模様が写真入りで掲載されています。  九月定例区議会には二万三千六百余名の署名が添えられ、「港区立伊豆健康学園の存続と、より一層の教育条件の充実を求める請願」が提出されているわけですから、こうした人たちの声に応えるべきです。伊豆健康学園については、廃止の方向ではなく、入園資格を不登校や学校に適応できない子どもたち、中学生にも拡大するなど機能を拡大させる方向も含め存続させるべきです。答弁を求めます。  最後の質問は、「区立幼稚園配置計画の基本方針」についてです。  六月定例議会、九月定例議会の代表質問でもこの問題を取り上げました。私たち共産党議員団は、1)二十一世紀を担う子どもたちのため、経済効率優先の配置計画を改めること。2)幼稚園や学校は地域社会の核であり、区立幼稚園の配置計画については、父母や教職員、地域関係者等々との十分な話し合いと納得に基づいて進めること。3)教育委員会の本来の役割である公教育を守るという確固とした立場に立つこと、などが必要と考えています。「区立幼稚園配置計画の基本方針」が十月八日に発表されておりますので、先に申し述べたような立場から、改めて教育長に質問いたします。  五月十九日、教育委員会が「区立幼稚園の新しい配置計画の基本方針(案)」を発表後、各幼稚園PTA、未就園児の父母の方たちなどは、教育委員会の一方的なやり方に大きな怒りをあらわし、子どもたちと共にエネルギッシュに創意あふれる運動を繰り広げました。六月定例会には署名総数一万四千八百二十八名、十五本の請願が提出され、区議会、教育委員会へのたび重なる陳情、教育委員会への説明会の開催要求や、区議会や教育委員会の傍聴等々です。この運動は、区民文教委員会として幼稚園関係者の意見を聞く「懇談会」の開催や「関係者の意見を聴く会」を教育委員会として開催させる方向へと発展しました。幼稚園PTA、未就園児の父母の方たちなど、関係者の大きな運動が、当初教育委員会が六月十六日に決定するとしていた「具体的配置計画」を先送りさせました。  七月三十一日、教育委員会は「区立幼稚園配置計画の基本方針(修正案)」を発表しました。幼稚園関係者の大きな運動で、教育委員会は、1)当面配置する園を当初案では八ないし九園とされていたものを十三園とする。2)来年度は十三園に加え、他の七園を含め全園で園児募集を行う(ただし、七園については応募者が五人以下の場合は学級編成をしない)等幾つかの修正を行いました。  十月八日、教育委員会は「区立幼稚園配置計画の基本方針」を発表しました。当面の配置計画では、1)当面存続する幼稚園は十三園とする。2)四歳児が十一年度六人以上、十二年度十人以上の場合は、当面配置する園とする。3)さらに十一年度四歳児の応募が五人以下であっても、四歳児と五歳児を合わせて一学級とする等、区民の世論と運動の力で教育委員会の当初の統廃合計画を大きく変更させました。しかし、基本方針は、旧城南中学校区では町ぐるみの大きな運動が展開され、議会に提出された請願が九月議会で採択されたにもかかわらず、三園を特例園にしたままにするなど、区立幼稚園の存続を願う関係者の思いには応えておりません。  麻布地域の請願が議会で採択された後の九月二十二日の教育委員会で教育委員長は、「議会の決定を尊重し、真摯に受けとめる」と言いながら、「議会への決定に疑問もある」と発言し、「麻布地域と同様に、他の地域で同じような請願が出され採択された場合、一体どうなるのか。議会側はそのことを考えてこういう決定をしたのでしょうか」という旨の発言をされました。憲法、地方自治法で規定している議会の役割を何と心得ているのでしょう。地方教育行政の組織及び運営に関する法律第四条の「教育委員は、人格が高潔で、教育、学術及び文化に関し識見を有するものでなければならない」としていることからしても、この発言は大問題です。区立幼稚園の配置については、住民の代表機関である議会の決定を尊重し、旧城南中学校区の特例園指定を見直すと同時に、父母や未就園児の父母、教職員など関係者との十分な協議を行い、合意の上、改めて基本方針をつくり直すことです。答弁を求めます。  基本方針が「将来的に六園程度の区立幼稚園を確保する。」とし、当初の基本方向を変えていないのは大きな問題です。区立幼稚園の「一学級二十人程度・複数学級が望ましい」と決めたのは、平成元年十二月の港区立学校適正規模等審議会です。教育委員会は、平成元年の答申を尊重すると言っていますが、このとき「一学級二十人程度・複数学級」を満たしている園は六園でした。このときの幼児人口は〇歳から五歳で八千九十人、今年は六千百三十九人と二千人も減少しています。年少人口が激減しているのに、現在の区立幼稚園では一園も満たしていない「一学級二十人程度・複数学級が望ましい」とする原則に固執すべきではありません。幼児教育の場の確保や個別指導の重視を希望するなど保護者の要望に応えるため、「園規模二十人程度、全学級二学級、学級規模十人」と小規模園を打ち出したのも平成元年の同答申です。平成元年の答申の小規模園についてのこの部分こそ基本方針に据えるべきだったのです。平成七年度では、一名の入園児だった園が、今年度は十名入園した区立幼稚園もあります。これからの街づくりとも考え合わせ、長期的な視点で幼稚園問題を考えるべきです。「一学級二十人程度・複数学級」を根本から見直し、「将来的に六園程度」も見直すべきです。答弁を求めます。  私は、九月二十九日の第十四回港区教育委員会臨時会を傍聴しました。幼稚園の統廃合問題に関連して、教育委員長は「何を急ぐのか、という声もありますが、そろばん勘定だけの問題ではないんです。港区に合う幼児教育を考えていかなければなりません。今、港区は四十億円の減収が言われていて、職員も減らさなければならないという。幼稚園だけ痛みを感じなくていいのだろうか。お互いに痛みを分かち合えなければなりません」という旨の発言をされております。「港区に合う幼児教育を」と言いながら、教育内容には触れず、財政問題の話が続けられているのです。港区の教育の最高決定機関である港区教育委員会がこのような委員会審議とは、全くの驚きです。幼稚園問題検討委員会がこの三月に答申を出して以降、十月の基本方針決定までに区立幼稚園の学級規模について、教育の観点から議論されたことは一回もありません。学校教育においては、今四十人学級から三十人学級への動きがあり、さきに発表された中央教育審議会の「今後の地方教育行政のあり方について」と題する答申でも、学級編成や教職員の配置については、父母たちなどの運動で、各自治体で決定できると弾力化を打ち出しています。  フランス、イギリス、ドイツなど、ヨーロッパでは三十人学級以下がほとんどで、アメリカでは小学校低学年の学級規模は一学級平均二十二人、これを十八人にしようとしています。一人ひとりの子どもたちを大切にする行き届いた教育をするには、一クラス当たりの人数を少なくすることであり、幼児教育においても当然考えなければならない問題です。港区に合った教育と言うなら、個別指導の重視を希望している保護者の要望に応えるためにも、少人数教育をいかに充実させるかの議論が必要です。基本方針に今後の課題として「幼児期における少人数教育の充実策」を加えるべきです。答弁を求めます。  次に、三歳児保育について伺います。  九月定例議会では、「公立幼稚園での三年保育早期実現を求める請願」、「平成十一年度における区立幼稚園三年保育実現にむけての請願」が採択されました。平成元年十二月、学校適正規模等審議会は、幼児教育について、「幼児期は、基本的生活習慣の基礎・心の発達・運動機能の発達・友人関係の形成・自発的な人間形成の上で極めて重要な時期である。特に三歳児はすべての面で自立が芽生える時期であると言われている」と三歳児保育の重要性を述べ、「区立幼稚園の新たな三歳児保育の実施について、今後取り組みを進めていくことが望まれる」としています。  答申が出されて既に九年が経過しているというのに、教育委員会が行ってきたのは、幼児教育の充実どころか、経済効率優先の幼稚園、小学校、中学校の統廃合だけというではありませんか。父母の願いに応え、平成元年の答申どおり、一刻も早く、来年度当初より公立幼稚園での三歳児保育に踏み切るべきです。答弁を求めます。  以上で質問を終わりますが、答弁によっては、再質問することをあらかじめ申し述べておきます。   〔区長(菅谷眞一君)登壇〕 ○区長(菅谷眞一君) ただいまの共産党議員団を代表しての沖島えみ子議員のご質問に順次お答えいたします。  最初に、「みんなといきいき区政推進計画」、「財政構造改革指針」、「公共施設見直し方針」についてのお尋ねであります。  まず、市街地再開発事業のあり方についてであります。市街地再開発事業は、住宅の供給や道路、公園などの都市基盤の整備を図り、災害に強い、安全で安心して住みつづけられる街の実現のために再開発組合等に対し補助しております。今後も住みつづけられる街の実現を目指し、定住性の高い住宅の供給や脆弱な都市基盤の整備を推進するため、区の財政事情を勘案し、適切な補助金の執行に努めてまいります。  次に、ホームヘルパー派遣事業の補助方式の変更についてのお尋ねであります。  事業費補助方式への変更は、個別援助計画に基づく利用者ニーズに対応したきめ細かなサービスを効率的に提供し、介護保険への円滑な移行を図るためであります。区は、この事業費補助方式に沿って、介護保険制度の円滑な実施に向けて、万全を期してまいります。  次に、ホームヘルパー派遣事業の充実についてのお尋ねであります。  ホームヘルパー派遣については、要介護者ごとにその必要度に応じて個別援助計画をつくり、介護サービスを実施しております。今後とも、よりきめ細かな実情に合ったホームヘルパーの派遣に努めてまいります。  次に、公共施設見直し方針についてのお尋ねであります。  従来から公共施設の整備につきましては、住民の要望や施設の役割、機能等を考慮して進めてまいりました。しかしながら、少子化・高齢化の急速な進行や、区民の価値観の多様化等に伴う区民要望に的確にこたえるためには、公共施設の見直しが不可欠であります。ご指摘の区民の意見、要望につきましては、見直し案を作成した段階で意見等を聴く機会が確保できるよう検討してまいります。  次に、介護保険制度についてのお尋ねであります。  まず、特別養護老人ホームの職員の配置についてであります。介護保険制度における職員の配置基準については、国において検討されております。区としては、国の検討状況を踏まえ、実態に即した職員の配置基準となるよう国及び東京都に要望してまいります。  次に、特別養護老人ホームの入所資格についてのお尋ねであります。  要介護認定で「自立」や「要支援」と判定された入所者については、経過措置として制度実施後五年間に限り、引き続き入所することができます。これらの入所者については、その入所者にふさわしい適切な対応を講じてまいります。  次に、区立特別養護老人ホームの事業主体についてのお尋ねであります。  事業主体については、委託事業者の豊かな経験や優れた技術を生かし、利用者サービスの充実が図られるよう慎重に検討してまいります。  次に、上乗せサービス、横だしサービスについてのお尋ねであります。  サービスのあり方については、介護保険事業計画検討委員会において検討をしております。この検討結果を踏まえ、介護保険のもとで介護サービスが現行水準より低下することのないよう努めてまいります。  次に、訪問調査についてのお尋ねであります。  介護認定の訪問調査にあたっては、本人への面接及び家族などの介護者からの聞き取りにより、心身の状況を的確に把握してまいります。  次に、認定審査についてのお尋ねであります。
     認定審査にあたっては、介護認定等モデル事業の結果を踏まえ、審査判定を的確に行なえるよう体制を整えてまいります。また、苦情・相談については、窓口を区に設けて高齢者介護に関する相談を総合的に行います。  次に、介護保険事業計画策定の進捗状況の公表についてのお尋ねであります。  介護保険事業計画策定にあたっては、検討の進捗状況に応じて、検討内容などを「広報みなと」等を通じてお知らせしてまいります。  次に、担当職員の増員についてのお尋ねであります。  介護保険の実施に向けて、適切に職員を配置してまいります。  次に、介護保険料等の減免制度の創設についてのお尋ねであります。  介護保険法に従い、負担の公平と介護サービスの提供に支障を来さないよう対応してまいります。また、国に対して、低所得者への配慮を要望しております。  次に、中小企業振興策についてのお尋ねであります。  まず、「中小企業改善融資・緊急特別枠融資」の追加実施についてであります。特別枠融資の年内の実施につきましては、事実上困難であります。したがいまして、先ほどもご答弁いたしましたとおり、現在、国が取り組んでいる金融取引安定化特別保証制度の推移を見ながら、年度末に向け、具体的な時期、方法など検討してまいります。  次に、中小企業金融安定化特別保証制度の融資実態調査についてのお尋ねであります。  現在、担当職員は、制度創設に伴う認定事務に忙殺されております。また、臨時の体制を整えることは困難であります。したがいまして、一定の期間を経た後に検討してまいります。  次に、信用保証協会の保証料の全額補助についてのお尋ねであります。  中小企業者が港区の融資制度の利用を通じて、金融機関との信頼関係が築かれることが、その後の企業経営にとって重要なことと考えております。その際の信用保証協会の保証料は、企業の信用を補完することに対する負担であり、本来的には企業が負担するべきものと考えます。信用保証料に対する補助は、利子補助と合わせて、借受人の負担を総合的に考慮して決定しております。したがいまして、港区としては、利子補給に重点を置いておりますので、保証料を補助することは、現在のところ考えておりません。  次に、小規模企業小口融資についてのお尋ねであります。  まず、融資限度額の引き上げについてであります。融資限度額は、現行三百万円以内となっております。これは、先般、実施いたしました小規模企業を対象とした特別枠融資の申込実績から見ても、企業の実態に見合った設定であると考えます。  次に、借受人負担率の引き下げについてであります。  借受人負担率は、現行、年間一・六%であります。これは一般融資の場合と同率であり、信用保証料は必要といたしませんので、借受人負担率としましては低い水準にあると考えております。  次に、返済期間についてであります。  返済期間は、据え置き期間を含め四年以内であります。借入限度額との関係から見て、バランスのとれた期間であると考えております。また、活用策についてのPRにつきましては、利用を希望される事業者には、融資相談窓口で適宜ご案内しております。いずれにいたしましても、本制度は、区が最終的に債務を引き受けるという極めて高いリスクを負うものであり、慎重に対応すべきであると考えております。  最後に、中小企業経営安定対策連絡会議についてのお尋ねであります。  この中小企業経営安定対策連絡会議につきましては、平成十年度の対策を決定し、現在、その方針に従って各所管部署で実施しております。しかしながら、ご指摘のとおり、その後の状況変化等もありますので、適宜、会議を開催し、具体的な対策を検討してまいります。  よろしくご理解のほどお願いいたします。  教育にかかわる問題につきましては、引き続き教育長から答弁いたします。   〔教育長(中村勝弘君)登壇〕 ○教育長(中村勝弘君) ただいまの共産党議員団を代表しての沖島えみ子議員のご質問に順次お答えいたします。  最初に、伊豆健康学園についてのお尋ねであります。  まず、区民へのPRについてであります。現在、健康学園検討会で入園資格の拡大や学園のPRの問題など健康学園のあり方について検討されています。検討会からの報告を踏まえ、バス見学会や体験入園の実施方法、ポスター掲示など、具体的、効果的なPRについては、今後の健康学園のあり方とともに検討してまいります。  次に、学園機能の拡大についてのお尋ねであります。  健康学園は、身体虚弱、栄養不良、喘息、偏食、肥満等の児童を対象としています。健康学園の機能を拡大して、精神的な悩みを持っている児童の受け入れ、学校に適応できない児童や中学生等にも入園資格を広げるべきとの意見があります。しかし、健康学園の認可基準及び受け入れ態勢の整備等において問題があるため、実現には困難な面があります。  一方、不登校児童・生徒の対策については、現在、適応指導教室の設置を目指して準備を進めております。いずれにいたしましても、健康学園検討会の報告を受けて、適切に対応してまいりたいと考えております。  次に、区立幼稚園配置計画の基本方針についてのお尋ねであります。  まず、基本方針の見直しについてであります。教育委員会は、基本方針を策定するにあたり、在園児や未就園児の保護者など区民、関係者の皆さんからいただいた多くのご意見、ご要望を十分考慮してまいりました。また、区議会において請願が採択されたことを真摯に受けとめ、慎重に協議、検討してまいりました。その結果、一部修正を行い、十月八日に区立幼稚園配置計画の基本方針として決定したものであります。  次に、長期的な視点での見直しについてのお尋ねであります。  区立幼稚園の適正規模については、平成元年の港区立学校適正規模等審議会及び本年三月の港区幼稚園問題検討委員会の答申にあるとおり、一学級二十人程度、複数学級を確保することは、幼稚園教育の充実の面から必要であると考えております。また、区立幼稚園の設置数については、幼児人口の就園の動向を考慮すると、将来的には六園程度を確保する必要があると考えております。  なお、今後の見直しについては、平成十三年度までに考え方を明らかにする予定であります。  次に、幼児期における少人数教育の充実策についてのお尋ねであります。  区立幼稚園における望ましい教育環境の確保を目指す上で、一定規模の幼児の集団は必要であると考えております。適正な規模としては、一学級二十人程度、複数学級が望ましいとの答申があり、今後とも適正規模の確保が必要と考えております。  最後に、三歳児保育についてのお尋ねであります。  区立幼稚園における三歳児保育については、実施する必要があると認識しており、基本方針でも考え方をお示ししております。今後、来年度からの試行を目指し、公私立幼稚園調整審議会の答申をいただいた上で、最大限の努力をしてまいります。  よろしくご理解のほどお願いいたします。   〔二十二番(沖島えみ子君)登壇〕 ○二十二番(沖島えみ子君) 数点にわたって再質問をさせていただきます。  最初の質問に対しての答弁ですが、私が質問したのは、住民をこれ以上追い出すべきではないんだと、そのためにも大企業優遇の再開発をやめろということが一点なんですよね。区長さんは、実際この間、大企業の再開発を誘導することによって港区の人口が増えたと思っていらっしゃいますか。いませんよね。アークヒルズの例を挙げましたけれども、港区で再開発をやっている地区で人口が増えたという例はないと私は思っています。大企業だけに手厚い、そういう区長の考えというのは、本当に至るところに出てきているわけですが、特に大企業優遇の再開発に使うお金があるなら、ほかの福祉や暮らし、教育のほうに回せということについては、もう一回ご答弁をお願いいたします。大企業優遇の再開発をやることによって区民が増えてきたのかどうなのか、その辺も含めてお答えいただきたいと思います。  それで、「いきいき計画」との関連で、高齢者のホームヘルパー派遣事業についての再質問です。  この件につきましては、人件費補助方式から事業費補助方式に変えるということに対しては、個別援助計画が必要だからやったんですということで、需要者のきめ細かなニーズに対応したというふうにおっしゃっているわけですよね。きめ細かなニーズに対応したと言うなら、なぜ半数近くもの人たちがホームヘルプサービスを切り下げられたのか。それが区民にとっていいことなのかどうなのか。そこが基準だと思うんです。  それで、先ほど区長さんの答弁の中で、介護保険の導入に合わせてという答弁もありました。私もそのことは質問の中でも述べてまいりました。介護保険を導入するということに対しては、私たち自身もその必要性は認めているわけですけれども、ただ、国は高齢者福祉などに関して、お金をもう出したくないんだと、だから削っていくんだというのが介護保険導入の国の考えだというふうに思います。それを考えた場合には、やはり国に対してきちんと人件費補助方式を改めろと言うのが普通ではないかというふうに思います。その点についても、もう一回ご答弁をお願いいたします。  介護保険についての再質問です。  介護保険は、実施は一年半後の二〇〇〇年の四月ですが、来年の十月からは申請の受付が開始されて、要介護認定の事務が開始されるわけです。今までの準備段階でも国は一円もお金を出していないと。そして、今、私たちは多くのところで学習会などをやっておりますけれども、本当に何も知らされていないと、さっぱりわからないということなんです。先日も消費生活センターにおきまして消費者展が行われました。区長さんもご参加なさったとのことですけれども、ここでもやはり区民は介護保険のことを知らないから、何かそのことがわかるようなパンフレットがありませんかと、こういうお話もたくさん来ているわけです。  先ほど申しましたけれども、政省令がまだ三百項目ほどこれから決めなきゃいけないと。だから港区にとっても一体どうなるのかわからないというのが介護保険の実態であり、区民も当然そのような状態に置かれているわけです。それで、保険料を払う人は四十歳以上だと、国民すべてに加入の義務づけがあるということ。お金は取られるけれども、実際にはサービスが受けられない。こうした状態をなくすというのが、私は、基本的に区の姿勢にあるべきだというふうに思います。ですから、私たち日本共産党は、ただ単に批判をするというだけではなしに、国民的な運動を呼びかけています。区としてできることはやる。私たちもできることはやる。一緒に国に対しても意見を言うことが必要だということです。再質問の最初は、特別養護老人ホームの入所者がそのまま五年間の経過措置を、後でもそのままいることができるようにしてほしいということですので、その点について、もう一回答弁をお願いしたいと。  それと、次の事業主体の問題です。委託との関係もあるわけですが、いろいろな事情がありますけれども、今も区立の「白金の森」「港南の郷」であるということですので、事業主体は別に区が行っても構わないという厚生省のお考えのようですので、サービスを充実させるという観点からも事業主体は、ぜひ港区としていただきたいというふうに思います。  それと介護保険の問題での続いての再質問です。介護保険事業計画策定等のために到達状況を逐一知らせてほしいという質問に対して、「広報みなと」等でお知らせするということでしたけれども、「広報みなと」は限られているスペースです。先ほど申しましたように、区民の不安や心配はたくさんあるわけですから、やはり区民とともに運動を起こしていくという意味でも「広報みなと」だけではなくて、あらゆる機会に知らせていくということについて、再度答弁を求めます。  それと中小企業振興策の問題では、かなり私にとっては不十分だと思うわけですけれども、職員が現在、忙殺されているのに対しても認められておりながら、だからといってこれ以上の事業はできないという区の姿勢が感じられるのです。今、中小企業者の置かれている実態を考えれば、少なくとも金融機関との関係なども含めて、中小企業の実態等も調査をすることが必要だと思います。適切な対応をすることが必要だというふうに思います。これらについては、また改めて決算特別委員会等で質問を行ってまいりたいと思います。  もう一点は、伊豆健康学園についてです。バス見学会、一泊の体験入園もぜひやっていただきたいということがあります。実績も当然上がっているわけですから、再度、この辺についてはご答弁をいただきたい。それとポスターの件ですが、今、考えられておられる掲示場所は、先ほども申しましたが、小学校だけと。実際にこのポスターをつくられたのは、伊豆健康学園を存続させようとする、こういう人たちがポスターをつくって掲示したいと、自分たちのお金を出して掲示したいという、こうした動きの中で、じゃあ伊豆健康学園で協力して、教育委員会もポスターをつくろうじゃないかと、こういうふうにようやく腰を上げられたというふうに私は思っているわけです。  既に教育委員会にも届いていると思うんですが、これがカラー刷りということですね。もっと楽しいポスターになると思うんですが、色がつけば、もっと楽しく感じられるポスターになると思います。やはりこのポスターについてはきちんと至るところに掲示していただきたいというふうに思います。ぜひこの二点について、教育長さんに答弁を求めます。  以上で再質問を終わります。   〔区長(菅谷眞一君)登壇〕 ○区長(菅谷眞一君) 沖島議員の再質問にお答えいたします。答弁が少し前後するかと思いますが、お許しいただきたいと存じます。  最初に、再開発事業の関係についての見解でございますが、私といたしましては、市街地再開発事業などは港区の安全なまちづくり、そして快適なまちづくりを目指し、住みつづけられることを目指して取り組んでおるところでございます。なお、これらのことによって、直接的に福祉や教育にしわ寄せするようなことのない、そういう政策展開を進めております。  次に、ホームヘルパー派遣事業の補助方式の問題でございますが、事業費補助方法の導入につきましては、提供したホームヘルプサービスの実績に応じて補助金が算定されますので、この点については、事業費補助に移行しても、目的そのものは担保されるというふうに考えております。きめ細かい事業を実施することについての方策としては、支障がないというふうに考えております。  次に、介護保険の関係につきましては、ご承知のように、この制度は介護を要する人たちを社会全体で支える仕組み、制度でございます。これらの具体的な制度の内容、仕組みについて、まだまだPRが行き届かない、よくわからない、こういう点も私自身も聞いております。PRについては、極力区民の皆さんにご理解いただけるよう工夫してまいる所存でございます。さらに国への要望等も含めて働きかけてまいりたい。いずれにいたしましても、介護保険制度の導入によって、現在実施している福祉の政策のサービスが低下しないよう努めてまいる所存でございます。  最後に、特別養護老人ホームの事業主体についてでございますが、先ほどもご答弁申し上げましたとおり、委託事業者の備えている技術やマンパワーの確保、それらのことを十分考慮し、現行の方式を当面採用してまいりたいと考えております。  以上でございます。   〔教育長(中村勝弘君)登壇〕 ○教育長(中村勝弘君) 沖島えみ子議員の再質問にお答えいたします。  現在、健康学園の検討会が最終段階を迎えております。したがいまして、間もなくこの検討会の報告が出されるものと思っておりますので、先ほどご答弁申し上げましたとおり、この検討会の報告の中身を踏まえて、見学会の、あるいは体験入園の方法等を検討してまいります。  そしてまた、二点目のポスターの件でございますけれども、入園の該当学年、すなわち小学校の三年から六年生ですけれども、この該当学年の保護者が見える機会の多い場所等を検討してまいりたいと思いますので、よろしくご理解のほどお願いいたします。 ○二十二番(沖島えみ子君) 自席で発言させていただきます。不十分な点がたくさんございます。私としては満足のいくものではございませんが、決算特別委員会等で改めて質問いたしてまいります。終わります。 ○副議長(佐々木義信君) お諮りいたします。議事の運営上、あらかじめ時間を延長いたしたいと思いますが、ご異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○副議長(佐々木義信君) ご異議なきものと認め、時間は延長されました。  四番鈴木武昌君。   〔四番(鈴木武昌君)登壇、拍手〕 ○四番(鈴木武昌君) 去る十一月七日、「公明党」結成全国大会を開催し、公明党は「大衆とともに」の精神を胸に刻み、「生命・生活・生存を最大限に尊重する人間主義の政治」の実現を目指して新たな出発をいたしました。  我々港区議会公明党議員団は、区民福祉の向上のため、区政発展のために全力で取り組んでまいる決意でございます。  それでは、平成十年第四回定例会にあたり、公明党議員団を代表し、当面する区政の諸課題について、区長に質問いたします。積極的なる答弁を期待するものであります。  まず初めに、平成十一年度の予算編成の基本的な考え方についてお伺いいたします。  今回、港区の基本計画素案が発表されました。今後、八年間の計画事業費は約七百四十億円とされております。これは平成七年に制定された現行基本計画に計上されている計画事業費、約二千四百億円の三割にすぎない事業費であります。さらにまた、今回の基本計画には財政計画が示されておりません。これは、港区を取り巻く経済環境の厳しさと先行きの不透明さを余すところなく示している基本計画であります。  現在、地方自治体の税収の不足が大きな問題として取り上げられております。本年十月の自治省の発表によりますと、平成十年度の地方財政計画に対する地方自治体全体の税収不足額は二兆四千億円以上に上ると見られ、過去最大となるとしております。幾つかの自治体の財政再建団体への転落が取りざたされております。既に東京都においても、今年度の税収不足は四千四百億円を超えるものと思われ、このままでいけば、財政再建団体への転落も予測されるところであります。  東京都は対応策として、減収補てん債の発行や経費の削減により、十年度は赤字額を一千億円台に抑え、財政再建団体への転落は防ぐとしておりますが、問題は来年度、十一年度であるとしております。税収不足はさらに広がり、六千二百億円を超えるとも言われております。その上、予測される大型減税が実施されれば、財政再建団体への転落は必至であると思われます。都庁内においては、むしろこの際、財政再建団体になれば、国の管理のもとで財政削減は嫌でも進み、財政の構造転換は一挙に進む。また、交付税の不交付団体が財政再建団体になれば、現行の地方財政制度の矛盾が吹き出し、財政制度の改革につながるのではないかという極論・暴論も出ているようであります。  一方、十月二十四日付の新聞報道によれば、政府・自民党は地方自治体による赤字地方債発行の解禁と、財政再建団体の指定基準の緩和を検討する方針を決めたとされております。来年実施予定の大型減税による地方財源の減収への対応策とされております。しかしながら、赤字地方債の発行は、地方自治体の借金体質のさらなる助長となることは明らかであり、問題の先送りにすぎないのであります。  このような状況の中で、港区の平成十一年度の予算編成が進んでいるところでありますが、改めて今後の港区の予算編成の基本的な考え方について伺うものであります。現在、議論されている規模での減税、特に住民税の減税は、試算によれば、港区においては五十億円に近い額、最悪の場合は九十億円程度の減収につながるものと見られております。既に予算の編成は始まっており、基本方針においては、「現在見込まれる三十億円の財源不足を解消し、財政調整基金など特別な財源に頼ることなく予算を編成します」としておりますが、現実の問題として、制度減税により、もしも五十億円程度の税収不足が生じた場合、この予算の基本方針は変更せざるを得ないものと思われます。  その場合、人件費の削減や事務事業の縮小廃止をさらに進め、予定の三十億円の削減をさらに拡大するのか。また、現在残高が九十億円近い財調基金を取り崩し、財政の対応能力をなくしてしまうのか、あるいは赤字債を発行し、将来の公債費比率を上昇させ、財政の硬直化を招くのか、いずれにしても厳しい選択を迫られるところでありますが、改めて予算編成の基本的な考え方について伺うものであります。  次に、環境問題について伺います。  平成六年に環境基本法が施行され、地球環境に対する基本的な国の理念が示されました。本年四月には、港区でも環境基本条例が施行されたところであります。この条例の前文に「環境への負荷の少ない居住と都市活動とが調和した居住環境都市をつくり上げていくために、この条例を制定する」とあります。この条例とあわせて「東京都港区を清潔できれいにする条例」が昨年可決され、本年四月より施行されました。現在、これらの条例を受けて、すべての人が環境にやさしい継続的な行動をとるために配慮すべきことを定めた「環境行動指針」について、環境審議会で種々論議され、平成十年度末には審議会の答申が出され、その後に「環境行動指針」が示され、平成十二年度には「港区庁内環境行動計画」が策定されると伺っております。  東京都では、環境保全に対し積極的に推進することとして、平成十一年度末を目途に新宿都庁舎を対象に環境マネジメントシステムの国際標準規格ISO一四〇〇一の承認取得を目指すことを決定いたしました。現在、新宿都庁舎には一万三千人の職員が働いており、環境ISOの承認を取得すれば、単一事業所としては国内最大規模となり、都内の事業所、自治体に与える環境問題に対する影響ははかり知れないものがあります。現在、港区でも組織改編、条例制定など環境保全について具体的に動き出しており、他区に先駆けて、港区役所として環境ISOの承認取得に向けての積極的な取り組みを期待するものであります。  以上述べましたように、港区内の環境問題は、机上では着々と進展しておりますが、役所より一歩外に出て街の中を歩いてみますと、相変わらずたばこのポイ捨て、空き缶の散乱などが繁華街、駅周辺で数多く見受けられております。これでは何のための条例制定なのか、考えさせられます。「港区環境基本条例」「港区を清潔できれいにする条例」はともに精神規定であり、最終的には、区民及び在勤者の良心、モラルをに頼らざるを得ないものであります。  そこで二点伺います。最初の質問ですが、この二つの環境関連条例をより多くの人たちに知らせるために、具体的な形としてあらわすことが効果的と考えます。一例として、新橋駅西口広場の一角に「港区環境都市宣言」、あるいは「清潔できれいな街・港区」などの宣言を入れたモニュメントをつくり、港区環境美化のシンボルとして、港区民、在勤の人たちに環境美化のアピールをしたら、大いなる効果が得られるものと思います。さらに足元に着目して、舗装材のインターロッキングに環境美化のアピール文を入れたり、たばこ屋さんの店頭やたばこの自動販売機にポイ捨て禁止のステッカーを張るなど、環境美化の周知方法のアイデアはいろいろ考えられます。  以上の点について、区長の見解を伺います。  二番目の質問は、環境美化に対する表彰制度についてであります。新橋の地域で町会の組織とは別に、地元の有志が集い、毎月一度、日曜日の午前中を利用し、地域の清掃を五年間にわたり行っているグループがあります。このような陰で地域の環境美化に尽くしている人たちに行政として光を当ててあげることが大事ではないでしょうか。「港区を清潔できれいにする条例」の十一条に、環境美化に尽くした人たちを対象とした表彰制度の条項があります。表彰者の選定を初めとして、この条例を積極的に推進する組織である「環境美化推進協議会」を早急につくり、街の美化に励んできたボランティアの人たちに対し表彰を行うべきであると考えますが、区長の見解を伺います。  次に、特別養護老人ホームの早期増設に向けた予算計上についてお伺いいたします。  ご存じのように、公的介護保険制度は平成十二年度からのスタートが決まっており、各自治体は、その体制整備に取り組んでおります。しかしながら、港区に限らず、その公的介護保険制度に対応できる施設の整備が整っていないのが現状であります。特別養護老人ホームについても、その一つであります。十一月に発表された港区基本計画(素案)では、今後、平成十八年度までにあと三ヵ所の増設が計画されております。  ところで、特別養護老人ホームの目標は、高齢者人口に対するベッド数の割合を整備率としてあらわしております。現時点における整備率は、国においては一・三四%の目標に対して一・二%、東京都については一・五三%に対して一・四七%であり、港区は一・五七%の目標に対して一・三%であります。したがって、港区は国の基準目標に近い整備率になっていることになります。しかしながら、港区では、区立「白金の森」、同じく「港南の郷」と社会福祉法人による「麻布慶福苑」、「ベル」の四ヵ所、三百三十人の定員に対して、平成十年九月現在、約四百三十八人もの入所待機者がいるのが実態であります。  数字的には整備率の目標に近いとも見られ、また、港区内には他の区に比較して病院数が多く存在しており、「病床過剰地域」となっていると言われております。にもかかわらず入所希望者が増加している理由を分析してみますと、都心区である港区においては、1)住宅事情により在宅介護が容易に受けられない。2)特別養護老人ホームに入所した後に回復しても、帰宅者を受け入れられない家庭の事情。3)高齢者住宅、ケア付き高齢者住宅が不足している。4)中間施設である老人保健施設の不足。5)二十四時間ホームヘルプサービスが整備されていない等の理由が考えられます。  このたび、厚生省は平成十年度第三次補正予算案の柱となる景気対策臨時緊急特別枠に対する要求内容をまとめ、その中で「公的介護保険制度関連で、特別養護老人ホームについては、新・高齢者保健福祉推進十か年戦略(新ゴールドプラン)で定められた目標値(二十九万床)の一万床上積みを目指す。」としております。  港区基本計画(素案)上の次の設置場所は旧氷川小学校跡地の有効利用による増設が考えられますが、このときをチャンスととらえ、早急に東京都や国に対して補助協議を行い、平成十一年度予算に基本計画・基本設計の予算を計上すべきものと考えますが、区長の前向きなお考えをお伺いいたします。  また、区内初の既存の校舎を活用するものであり、ハード・ソフトの内容はどのようなものを考えているのかをお伺いいたします。  次に、育児支援の施策について伺います。  児童福祉法が改正され、保育園の入園の方法が変わって半年余りがたちました。これまでの区が入園先を決める仕組みから、保護者が保育園に関する十分な情報を得た上で、就労状況などに応じて選択できる仕組みとなりました。しかしながら、首都圏、特に二十三区での保育園不足は相変わらずで、連日のように新聞紙上でこの問題が取り上げられております。この中で、待機児の数は、新聞報道によれば、全国で四万人。そのうち、〇歳児から二歳児が二万五千人を占めているとされております。無認可の保育園に預けて、高額な保育料を支払っており、保育料のために働いているようなものだ等々の状況が言われております。とりわけ、子どもを産みたいけれども、保育園に入れないので産めないことが少子化の一因にもなっていると指摘されております。  一方、本年五月にまとめられた『港区の子育て支援策〜港区版エンゼルプラン〜』の実態調査の利用者の意識からも、一年間の育児休業を取得してしまうと、保育園に途中入園ができない。延長保育をやっていない保育園は直ちに行ってほしいと。子育ての悩みを保育園の保母や幼稚園の先生に相談したい等々、保育園に対する需要は少子化にもかかわらず、増加の一途をたどっているのが実情であります。さらに、区民からの相談の中でも、保育園に入園の申し込みをしたけれども、もう数ヵ月も待たされているとか、空き状況を聞いても、空きがなくて、入園の選考の対象にもなれないとの声を聞きます。  そこで、まず第一に、法律が改正され、入園しやすくなったはずなのに、これらの原因は一体どうしたわけなのでしょうか。とりわけ、〇歳児、一歳児等の乳児の入園待機の問題は深刻であると聞いております。特に年度途中の入園については、十倍から、園によっては二十倍以上とも聞いておりますが、このような状態の中で、こうした保育の要求に応えるため、いつでも、どの園にも入園ができる「港区版エンゼルプラン」のゆとりある育児支援の実現に向けて、具体的な方策について、区長の考えを伺います。
     次に、保育所を新しくつくるには金と時間がかかる。財政赤字に苦しむ我が港区にとっても、国からの補助金が頼りであります。けれども、その補助金が予算削減の影響を受けております。こうした中、既存の施設の活用によって対応する自治体も多くなっていると言われております。今、港区では幼稚園の統廃合が議論されております。私たちは決して統廃合を進んで賛成するものではありませんが、統廃合をした幼稚園舎の活用は考慮できないものか伺います。  これは一例でございますが、横浜市は、昨年七月から『横浜保育室事業』を始めました。これは既設の幼稚園において、その施設を使って保育の運営を実施するという、いわば幼保一元化の先導的試みとして注目されるところであります。このような他の自治体の例も参考にしながら、多様な保育行政をさらに積極的に推進されるよう、早急な対策を望むものであります。  以上で質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。   〔区長(菅谷眞一君)登壇〕 ○区長(菅谷眞一君) ただいまの公明党議員団を代表しての鈴木武昌議員のご質問に順次お答えいたします。  最初に、予算編成の基本的考え方についてのお尋ねであります。  平成十一年度予算は、財政構造改革総仕上げの予算として、八月に決定した編成方針に基づき、現在、編成作業に取り組んでおります。減税措置の内容はいまだ固まっておりませんが、平成十一年度予算においては、万一、税収の減少があった場合でも、編成方針に極力影響を及ぼさないよう工夫してまいります。仮に減税の影響が平成十二年度以降も続く場合には、歳入に見合った歳出構造となるよう、さらなる取り組みも視野に入れておく必要があると考えております。  次に、環境問題についてのお尋ねであります。  まず、環境美化の啓発についてであります。地域の環境美化につきましては、広報紙やポスター等により普及・啓発に努めるとともに、地域住民や商店会等と協働し、推進してまいりました。「港区を清潔できれいにする条例」の取り組みは、地域の住民等の理解と協力を得ることが最も大切であります。また、通勤・通学を含めた多数の来訪者や事業者への呼びかけも不可欠であります。モニュメントの設置や、歩道の啓発プレートの敷設等は、環境美化の啓発として有効な方法であります。今後、ご指摘の点を踏まえ、創意と工夫を凝らし、より効果的に取り組んでまいります。  次に、環境美化活動の表彰についてのお尋ねであります。  本年四月に施行した「港区を清潔できれいにする条例」には、地域の美化活動に貢献した区民の方々等を表彰する制度が定められております。日ごろ、自宅の周辺のみならず、地域の美化活動にご尽力されている方々を対象に、感謝の意を込めて、そのご労苦に応えるものであります。ご指摘の環境美化推進協議会をできるだけ早期に設置し、環境美化活動に貢献された区民の方々等を表彰してまいります。  次に、特別養護老人ホームの早期建設についてのお尋ねであります。  特別養護老人ホームについては、在宅での介護が困難な高齢者の増加に対応するため、今後とも計画的に整備を進めることが必要であります。このため、来年度も引き続き厳しい財政状況にありますが、ご指摘の旧氷川小学校跡地の活用を含めて、特別養護老人ホームの設計に着手できるよう前向きに努力してまいります。また、既存校舎の有効活用を図るために、高齢者在宅サービスセンターなどの併設や、効率的な事業運営の手法についても検討してまいります。  次に、育児支援の施策についてのお尋ねであります。  まず、保育園への入園待機の原因と、今後の改善策についてであります。子育てをめぐる社会環境の変化に対応し、児童福祉法の改正が行われ、保育サービスのあり方が見直されました。しかしながら、女性の社会進出に伴い、共働き家庭の増加が急速に進んでいます。とりわけ今年度に入り、長引く不況により、出産後も引き続き働く女性が増加しています。このため、年度の後半での途中入園が乳児を中心に困難となっております。今後は、待機児童の実態を把握する中で、年度途中の入園の円滑化に向けて、定員の弾力的運用や入所定数を見直してまいります。  最後に、統廃合後の幼稚園舎の活用についてのお尋ねであります。  今日の厳しい財政状況の中で、子どもをめぐるさまざまな環境の変化を踏まえ、教育と保育の分野での連携が一層求められています。このため、教育施設の児童福祉施設への転用は、施設の有効活用の観点からも望ましいものと考えております。今後は、「区立幼稚園の新しい配置計画」の動向を見極め、教育委員会と連携を図り、保育園の配置計画の中で、多様な保育行政の取り組みとして検討してまいります。  よろしくご理解のほどお願いいたします。 ○副議長(佐々木義信君) お諮りいたします。本日の会議は、これをもって延会いたしたいと思いますが、ご異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○副議長(佐々木義信君) ご異議なきものと認め、本日の会議はこれをもって延会いたします。                                       午後四時五十九分延会...